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【変身バトルなりきりスレ】ここだけヒーロー世界【ここに開幕】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/20(月) 21:58:43.79 ID:E5JPIM2P0
西暦2013年、人類の日常は『怪人』たちに侵されていた。

悪の秘密結社が改造人間を生み出し、世界征服の奸計を巡らす。
異界より現れた魔物は人を喰らい、眠りから醒めた古代種族も殺人ゲームを始める。
そしてこんなものが一例に過ぎないほど、満ちる悪意は日々事件を巻き起こす。

だが、世界には力を悪用する者だけを生み出すことはなかった。
ある者は神秘のエネルギーに覚醒し、己の肉体を変異させて怪人たちを屠り。
またある者は怪人として生み出されながらも、組織に反旗を翻して孤独な戦いを続け。
そしてまたある者は、科学の粋を集めた鎧を身に纏い、完全と悪に立ち向かう。

影に日向に活躍する正義の戦士たちを、人々はいつしかこう呼び始めていた。
『英雄』――――そう、ヒーローと。


【このスレについて】
「ここだけヒーロー世界」は、変身ヒーローもの風の世界観で繰り広げられるなりきりスレです。
現時点では実験段階であるため、みなさんの参加を必要としています。

キャラ用テンプレート

【名前】

【変身後の名前】(ヒーローや怪人としての形態や装着するモノの名前。不要ならば書かなくても良い)

【所属】(無ければなし)

【容姿】

【変身後の容姿】

【能力・武装など】

【人物】

【キャラクターコンセプト】
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2013/05/20(月) 22:01:36.44 ID:dlrTGHMYo
おつー
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/20(月) 22:03:53.12 ID:z86oASMwo
はじまったか
4 :>>1 :2013/05/20(月) 22:04:29.71 ID:E5JPIM2P0
少しの間コテハンさせてもらおうかな。
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/20(月) 22:08:12.02 ID:uj84kN4Mo
おつ。参加させてもらうぜ!
6 :>>1 :2013/05/20(月) 22:08:48.85 ID:E5JPIM2P0
というか世界観説明に誤字あったは恥ずかしい。まあ気を取り直していこう

このスレで出来る事を整理しなおすと

・それぞれの中の人が「好きな設定のヒーロー」が出来る。「これはOK?」というのはよほどインフレした設定でなければ聞かなくてもいい。ただし版権キャラそのものは勘弁な!
・怪人でも同じことができる。そして、背景として組織などを設定してもよい
・後はいわゆる能力系のなりきりスレのように、日常を描写したり戦ったりしようぜ!

こんな感じ。
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2013/05/20(月) 22:09:09.54 ID:dlrTGHMYo
んー、んで話し合うつっても何を話し合うんだい?
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2013/05/20(月) 22:10:13.62 ID:dlrTGHMYo
おっと、行き違い

>>6についてはそんな感じでいいんでないかなー
版権は禁止だけども、バイクに乗る改造人間とかならオッケーとか、オマージュくらいなら認める感じでいいのかな?
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/05/20(月) 22:13:22.43 ID:HExPsiq1o
とりあえず組織の数とかは制限なしでいくの?
10 :>>1 :2013/05/20(月) 22:15:07.91 ID:E5JPIM2P0
>>8
オマージュは全然おk。演出的にもやっぱ特撮とかテッカマンブレードやブラスレイターみたいな変身ヒーローアニメは参考になるし
ただ、版権キャラそのままの容姿とか名前とかにするのは良くないってこと。理由は色々あるけど何となく分かるよね?

話し合うことは、どこでロールしてどこで雑談するか、とかかな
あと「よほどインフレした設定でなければ〜」って書いたけど、実は宇宙出身のヒーローとかはどうするか迷ってたりする
ズバッと決めていいんなら「アリ!」って大声で叫びたいんだけどね
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2013/05/20(月) 22:17:31.73 ID:dlrTGHMYo
>>10
宇宙出身ヒーローとかは「法令で身長何m以上のヒーローは許可がなければ変身できない」とかにすればいいんじゃないかな
巨大怪獣イベとかだと返信できるけど、普段は難しい的な制限になるけど
12 :>>1 :2013/05/20(月) 22:18:17.10 ID:E5JPIM2P0
>>9
なしで良いんじゃないかな。いっそ他のスレでありがちなカノッサ機関みたいな感じでショッカー的組織を規定する手もあるが
自分としては、個人個人の立てた組織が勝手にぶつかり合ったり寄り集まったりすればいいと思う
警察も一枚岩じゃないしなあ
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/20(月) 22:19:54.91 ID:mVrAW1G1o
正義の味方が所属する組織はヒーロー協会的な大規模なものから1個人が運営している事務所みたいなものまであっていいんじゃないの

サイズについては・・・敵はまだしも味方で半端なくでかいってのは障害になると思うわ
ハルク程度の大きさなら許容できても、東京タワー素手で引っこ抜けるレベルの大きさじゃあな・・・
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/20(月) 22:21:33.18 ID:HExPsiq1o
>>12
じゃあ国家公務員のヒーローとかもありって事かな?りょうかい
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/20(月) 22:23:50.60 ID:6zkpW+zPo
あまりにも大きいキャラとかは要相談でいいんじゃない?
16 :>>1 :2013/05/20(月) 22:25:41.61 ID:E5JPIM2P0
>>11 >>13
ちょっと面倒臭い事になりそうだから、基本的に宇宙ものも含めて「等身大ヒーロー」限定で行きたい
版権で例えるなら宇宙刑事シリーズとか仮面ライダーカブトのワームはOKだけどウルトラマンはダメ
巨大ロボットなどは要相談。出す場合は、イベントなどでしか出撃できない理由付けをしておくこと

>>14
あとやりたい人は組織をフリーシェア化してみると良いかもしれない
その場合、他のプレイヤーもあるていど自由にその組織に属する戦士や怪人を出せるようになるんだ!クールだぜ!
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/20(月) 22:29:04.86 ID:Nt3Tgnx4O
現代ベースって事で科学技術の水準が気になる
人間そのままのサイボーグ、ナノマシンと言われる様な所謂「とんでも技術」等は存在出来る世界では無いって認識?
18 :>>1 :2013/05/20(月) 22:31:25.87 ID:E5JPIM2P0
>>17
そこまで凄い技術は存在しないけど、なぜか変身スーツを一瞬で装着したりとかはできる。身も蓋もない事をいえばご都合主義
ただ魔術とか妖術を使う者は普通にいるから、科学技術に無理に頼らなければ……?
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/20(月) 22:33:22.59 ID:uj84kN4Mo
完全な科学でやってみたいと思いますがどうでしょう
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/20(月) 22:34:30.47 ID:mVrAW1G1o
キャラクターの設定自体はすでにある程度完成してるが組織に所属させるかはどうしようかな・・・
俺は逆に不思議パワー全開でやってやるです

>>14
むしろ国営のヒーロー組織があるかもしれない、それを介してお互いに相手を噂程度に知っているとか
逆に私立探偵的な事務所を構えて自由気ままにってのもいいかもな
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/20(月) 22:41:57.85 ID:Nt3Tgnx4O
>>18
古代技術の塊、謎の物体みたいな感じで丁度ここにこんな物があるから出来たってのは問題なさげなのね了解したー
22 :レグルス【容姿】体格の良い男 【能力】??? ◆Yoen/4V3VM :2013/05/20(月) 22:42:06.37 ID:uj84kN4Mo
>>341
………………

(この女(アマ)………許さん………)
(よくもこの俺をコケにしてくれたな………よくも……このレグルスをッ……!)
(いつか思い知らせてくれる……絶対にだ……)

………………マッチか……確かに、緊急の際に火は必要だね。
だが、マッチ程度の火力では到底足りないだろう?
それなら、バーナーなどを持って行った方が効率的だと思わないかい?

(だが、此処で危害を出すわけにはいかない。あくまでこのレグルス、無駄な戦闘は避けたい所だ……)
23 :レグルス【容姿】体格の良い男 【能力】??? ◆Yoen/4V3VM :2013/05/20(月) 22:42:23.44 ID:uj84kN4Mo
>>22
スレチ失礼
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/20(月) 22:46:11.37 ID:6zkpW+zPo
びっくりした(KONAMI)
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/20(月) 22:46:44.08 ID:uj84kN4Mo
すまぬ……すまぬ……
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/20(月) 22:48:40.75 ID:HExPsiq1o
それよりロール始めはいつにするの?
27 :>>1 :2013/05/20(月) 22:49:47.83 ID:E5JPIM2P0
なんだ、もうロールが始まったのかってびっくりしたじゃないかwwwwww

そうそう、そのロールの場所はどうする?
今の所の想定だとしたらばで雑談しロールはこ↑こ↓にしたいんだけどな
ちなみにしたらばとwikiは後で俺が立てとく
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/20(月) 22:55:17.57 ID:6zkpW+zPo
したらばなら地域別に立てたり、複数ロール用のスレを立てられるから混乱はしないな
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/20(月) 22:56:04.52 ID:uj84kN4Mo
テンプレせっせと作成中……むむ、なかなか奥が深い
30 :>>1 [sage]:2013/05/20(月) 23:00:56.12 ID:E5JPIM2P0
>>28
したらばには雑談、キャラ査定、運営情報などの中の人向けスレを重点したい
ロールは基本的にパー速に収束させた方が勢いも出るし良いんだ。見難いってほど見難くもないしね
あくまで俺個人の意見だけどね
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/20(月) 23:03:19.05 ID:HExPsiq1o
パー速 本ロールスレ
したらば 雑談、キャラ査定、組織スレ、運営etc

って所かなあ?
32 :>>1 [sage]:2013/05/20(月) 23:11:44.05 ID:E5JPIM2P0
ttp://jbbs.livedoor.jp/internet/17872/
とりあえず立てたので、雑談は今後こちらを使ってほしい
あと最初のうちはキャラの査定は雑談でやってもいいと思う。話のネタになるしね!
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(兵庫県) :2013/05/20(月) 23:29:17.54 ID:muNgPydT0
【名前】サムス・アラン
【変身後の名前】無し
【所属】銀河連邦
【容姿】オレンジ色のパワードスーツを着ている
【変身後の容姿】↑と同じ
【能力】スピードブースター、スクリューアタック、スペースジャンプ、スプリングボール、モーフボール
【武装】アイスビーム、ウェイブビーム、オメガキャノン、スーパーミサイル、モーフボール時ボム、パワーボム
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/21(火) 07:02:23.94 ID:XxoQ+GHCo
ゼロスーツはよ
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/05/21(火) 09:49:01.62 ID:D7plckYD0
余計なお世話かもしれないけど、短文主体か長文主体かは決めた方がいいんではないだろうか
それだけでも参加者はガラリと変わるだろうし
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/21(火) 10:06:04.39 ID:snqOTfApO
長文はそこまで好きじゃないのだ(´・ω・` )
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/21(火) 10:27:22.65 ID:g18/ZAAFO
人少ない今わざわざ参加層を絞るのは避けるべきじゃないかな?
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/21(火) 10:29:55.00 ID:DU4AmAM+o
基本お互いのスタイルを尊重し、場合によって合わせればいい
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/21(火) 11:01:43.67 ID:snqOTfApO
>>38
秀同
40 :  [sage]:2013/05/23(木) 12:04:17.75 ID:0gW5yHNdP
41 :  [ ]:2013/05/23(木) 12:04:42.22 ID:0gW5yHNdP
これはいかん
42 :死神 東 [!red_res]:2013/05/23(木) 14:59:35.19 ID:R7wqH1Kt0
防御ばかり魔女 守備表示 かなり長時間待って はかいこうせん
43 :グロォーン [sage]:2013/05/24(金) 02:57:26.91 ID:nfdkCd/wo
 眠らない都会の夜は、いつもの通りの蛍光ネオンが目に騒がしく、様々なジャンルの音楽がきらびやかで、代わり映えのしない退屈な夜だった。
 時計はもう午前二時を回ったと言うのに、街角の雑踏は勢いがある。
 ビルの上にそびえる大きな看板には名だたる大企業の広告が堂々と描かれており、四方八方からの光でライトアップされている。
 歩道の人混みを往くある人はウォークマンを聴きながら。ある人は友人と手を繋ぎながら。ある人は缶コーヒーを片手に。
ここを歩く誰もが明日の日常を無根拠に確信していた。だが、それは愚かな考えであったと思い知る事になる。
 
 電灯が消えた高層ビルの間を、何者かが、黒い何者かが、黒いそれが跳躍し壁伝いに動いていた。
 ビルの壁に指をめり込ませ逆さまになると、まだまだ明るい下の通りをじっと覗き込む。その様子はまるで、ライオン等の絶対的捕食者が獲物から身を潜め、品定めをしつつ機を伺っているかのようだ。
 次の瞬間、突発的に動き出す。
 二棟のビルを交互に壁飛び。下へ。
 急速に地面が近付く。角度をつけ目一杯跳躍するとビルのガラスが割れた。
 猛烈な勢いで飛び掛った先、信号待ちのトヨタクラウンのルーフ。
 金属がひしゃげ、ガラスが砕け散る音。破片が舞い上がり四散、黒のクラウンのクラクションがヒステリックに鳴り響く。ほぼ同時に、通行人の甲高い悲鳴。
 近辺の人々と車はパニックを起こし、がむしゃらに走り出した。車を棄て逃げ出す者も少なからず居る。
 飛び散った破片で怪我をしたのか、逃げずに倒れている通行人も見られる。
 突然としてショッキングに街中へと現れた巨体の人型は、叩き潰した車の天板をめくり上げ、鮮血に染まった車内をあらわにする。
 そして手を突っ込み、漁りだした。
 彼の体躯は夜の闇のように黒く、不自然なまでに筋骨隆々だった。顔に唯一鋭い目のような白い模様が四つあるだけで、あとは黒一色である。
 血塗れの人間の死体を片腕で掴み上げ、潰れた車を踏みつけながら堂々と立つ姿はどこまでもおぞましく、正に悪魔そのものであった。
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/28(火) 22:04:43.92 ID:P0DK0mTZo
>>43
『ヒッ…!!』

短い悲鳴を上げて道に腰を抜かして倒れこんだ男はスーツを着ていることから何処かの会社員だろうか?
酒気を帯びてほんのりと赤くなっていた頬は、そんな物よりもっと赤い液体を見たことで一瞬にして色を無くしていた

そんな男に手を差し伸べるより先に逃げてゆく人々は、まさに流れ落ちる水の様
その中で流れに乗ることができず、逆に足が動かなくなった者は淘汰されたも同然
だが流れから淘汰された者が居たように、流れに逆らう者も中には存在している

人の波を掻き分けてアスファルトをブーツで蹴り付けながら駆けてくる影は、腰から下げた黒く重い物体を引き抜く

「威嚇は必要ないな…ッ!」

倒れた男の脇を抜け間に割り込むように滑り込むと、引き抜いたそれを右手に握り、左手を添える形で構える
そして人差し指がかかった引き金を『黒い生命体』へ向けて引き、銃口から鉛の玉がけたたましい音と共に放たれた

一見するとスーツのような服を着た銃を構える男の胸には何処かで見たことがあるようなエンブレム
それはこの国を未曾有の脅威から守る為に作られた組織『ヒーローアライアンス』のそれであった
45 :デメトリア :2013/05/28(火) 22:43:32.36 ID:bNJ50zRoo
「どうやら騒がしいのはあれが原因ね・・・」
夜の都会・・・騒ぎを感じてこの街に来たけど・・・
どうやら化け物が人を襲っているらしい。
とは言っても、私は化け物を退治しに来たわけじゃない。
街を恐怖に陥れる者の姿を拝み、仲間に誘いに来ただけだ・・・
だけど・・・もう一人気になる奴が・・・

「あれは・・・!!」
ヒーローアライアンス・・・
あの組織には私が仕えていた教団を壊滅させた男が居る。
恐らくあの男は別人・・・あの様な戦士が他にも居たとは・・・!!
だけど、化け物に対峙しているのはあの戦士一人・・・
それにあの化け物も戦士も私は知らない・・・
あの戦いに割り込む理由が私には無い・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・」
それに、あの様な戦士がもう一人現れるかもしれない・・・
私はその戦士を待つ為に、この戦いを傍観する選択肢を選んだ。
人間と同じ格好で・・・

【その女性はタンクトップとジーンズで街の人間と変わらぬ姿をしている】
【だが人間が逃げ惑っている中、彼女だけ動かずに冷静に戦いを傍観しているのは不自然である】
【そしてその女性だけ、人間とは違う独特な気配を放っている。】
46 :グロォーン [sage]:2013/05/28(火) 23:34:58.56 ID:sd2va1RQo
>>44
 スーツの男が放った弾丸は、黒の生命体の脇腹辺りに吸い込まれるかの如く命中する。
 だが致命傷になった様子はなく平然としている。
 鷲掴みにしていた死体に向いていた顔が、ぎゅるりとスーツの男に振り向いた。
 そして男を一瞥すると、含み笑いをしながら、手の中の死体を後ろに放り投げる。
 死体は弧を描きながら重力など無いかのように飛んで行った。

「その胸のヤツ……ククク、また、貴様達か……懲りないな」

 黒の生命体が前傾姿勢になりながら言った。以前もそのエンブレムに見覚えがあるのだろう。
 彼がこのような悪事を繰り返し、その度に現れるヒーロー達を撃退していると言う証拠だった。
 めくり上げた車の天板を一瞬の内に引きちぎり、スーツの男へと投げ付けた。
 片腕での投擲だったが、かなりの勢いを保ちながら飛来する。

「すぐ[ピーーー]!」

>>45
 女性の前に何かが落ちてきた。水っぽい音。
 血塗れの人間だ。黒い化け物が投げ飛ばした死体が丁度目の前に落ちてきたのである。
 また悲鳴が上がり、人の列の流れは完全に秩序を失ってめちゃくちゃだ。
 突如、彼女が右側からライトアップされる。
 すぐ右手に、猛烈な勢いでそちらに突っ込んで来る軽自動車があった。
 コントロールを失っているようで、人の波をもお構いなしに横切り一直線である。
 その暴走の進路に彼女も含まれていた。
47 :デメトリア [saga]:2013/05/28(火) 23:51:52.44 ID:bNJ50zRoo
>>46
「汚らわしいわね・・・」
落ちてきたのは血に塗れた人の死骸・・・
投げたのはあの化け物か・・・
その所為で人がまた騒ぎ出した・・・

「その戦場で・・・私は舞う・・・」
私の言葉と共に、私は戦闘スタイルへと姿を変える。
漆黒の鎧(ビキニアーマー)に身を包み、左手は漆黒の剣を持ち、そして右手には漆黒の盾を持ち・・・
そのブーツで私はさっき化け物が投げてきた死体を蹴り飛ばす。
私が蹴り飛ばした死体は、そのまま向かっていけば軽自動車へとぶつかる筈だ。
人間の死体がぶつかっただけで、車が壊れるとは思わないけど・・・
人が運転しているとすれば、恐怖で何か行動を起こすはずだ。

「喚くな!!次は私が、このデメトリアが斬り捨てるわよ!!」
今は化け物の殺戮に便乗する理由は無い・・・
だが、私に牙を向けるような者が居れば・・・誰であろうと容赦はしない・・・
48 :フィルズ・フォン・フェムトハイム :2013/05/28(火) 23:57:30.53 ID:dmCjnOJPo
ほう………
連絡を受けたから来てみたが、もうやり始めているとはな……

【ビルの上から観戦しているのは、かなり体格の良い外国人。】
【その男がまとった軍服の文字から察するに、おそらくドイツ軍だろう】
【彼はおもむろにビルから飛び降りる。だが、着地しても全くの無傷だった】

フッ……日本人だけに任せておくわけにはいくまい。
我がドイツの恐ろしさ、その身に焼き付けてくれるわ……
49 :ラストール [sage]:2013/05/29(水) 00:16:18.13 ID:eFmNYmM1o
>>46
(やっぱ無理してでも対怪人用特殊尖突形状弾やその専用銃を持ち出すべきだったか…)

銃弾は吸い込まれるように命中した・・・したもののやはりというべきか、一般的な拳銃では手も足も出ない
連射しようと構えを続けていたが、これでは何発打ち込んでも意味はないだろう

「チッ、お前のせいでこんな真夜中でも仕事しなくちゃならない身にもなれってんだよ」

こちらに顔を向けて笑みを浮かべる生命体に対して、舌打ちを絡めながら悪態を付く。
拳銃を降ろしホルスターへと戻しながら、ポケットの中へと手を滑り込ませた
が、そんな彼の動きよりも早く黒い生命体は自らが乗っている車の天板を引きちぎり、それを投げつけてきたのだ
空を裂く金属の板はいわば巨大な手裏剣、人間が命中すればただでは済まされない。
そして男の後ろには腰が抜けてしまっているサラリーマンがいる、当然男は動くことは出来ない――――

「……変身!」

グシャリと金属がひしゃげる鈍い音が聞こえる、人型とそこから飛び出た四角いの影
刺さった……否、白い両手がそれを見事に掴んでいた
人とは違う光沢もあり無機質でもある指と発達した両腕、制服とは違うアーマーのようでスーツのようなフォルム。
そして頭頂部に掲げられた冠と両目を覆うバイザーを持ったヘルメット
そこに居たのは人間ではなく、人間を超越した存在――――『ヒーロー』であった

《ンにゃろう…、いきなりやりやがったな!!》

敵の攻撃の勢いを殺しきれなかったのか、彼の足元には踏ん張った後が見受けられる。
そして痛みを和らげるかのように腕を振っていた

掴んでいた鉄板に力を込め、こちらも大きく振りかぶるとそれをグロォーンへと投げ返した
こちらも手裏剣のように高速回転をしているが、違いといえば先ほど受け止めたときに付いた彼自身の拉げた手形くらいだろう

>>47
後方で上げられた名乗りに振り返ると武装した人間
いや、人間と同じ見た目をしているだけで人間とは違う力を持って居ることがわかる

《もう1体居たのか…!?》

夜中はまさに怪人達の世界、この場に新たに現れてもおかしくはない。
1対1ですら無理がある可能性があったのに、2対1では勝ち目はないに等しい

(…どうする!)

しかし目の前に居るヒーローの白い姿に天を突く冠、そして胸の結晶
その姿をデメトリアは知っているのではないだろうか?
あの時教団を制圧した中の一人にその影があったことを

>>48
突如ビルから落ちてきた影と立ち上がる砂煙に対して防御体制をとる
この展開だとさらに怪人が現れたというところだろうか

《今日は大サービスだな…!!》

両腕を前に出した構えをとり、砂煙からその姿が浮かび上がるのを待つと
そこに立っていたのは想像していたものとは別の姿だった
そう、それは施設で顔を見たことがある人物

《あんたは…えぇっと確かドイツから来た…》

名前までは覚えていなかったが外人が居るということ自体がそうあることではなった為印象に残っていた

《いや、今はそんな話はいい!!手を貸してくれ!》
50 :【名前】フィルズ・フォン・ファルトハイム :2013/05/29(水) 00:31:23.17 ID:c6pGinZfo
>>49
フン、言われずともよ……

【パッパッ、と砂塵を払いのける】
手を貸す?バカな事を!こいつを狩るのは我がドイツ軍だァァァアーーッ!!
したがってェェ!!手を貸すのはおまえの方となりそうだなァァーーーッ!!!
【どうやらとてもプライドが高いらしい。そしてうるさい】
【普通に日本語を喋っているのは気にしないで】

ではゆくぞォォ!!我がドイツの科学を結集して作り上げたァァ……
強化装甲を見せてくれるわァァアーーーッ!!
【軍服を脱げばわかるが、彼の身体にはすでに重厚な金色の装甲が装着されていた】

//やばい眠い
//落ちます
51 :デメトリア [saga]:2013/05/29(水) 00:41:10.70 ID:Ak3Ht0MNo
>>49
「あれは・・・!!」
この場所で待っていればヒーローアライアンスの戦士が現れると思っていたが・・・
まさか、私が仕えていた教団を制圧した奴に会えるとは・・・!!
見間違える筈が無い・・・クリスタルの力を持つ、あの男だ!!

「久しぶりね・・・覚えているかしら?」
さっきまで解らなかったけど、本気を出していなかったようね・・・
せっかく見つけた因縁の相手だけど・・・

「残念だけど、今はあの化け物の味方をする理由が無いの・・・
 生きていなさい、次はこのデメトリアが相手をしてあげる・・・」
それに、もう一人・・・私を楽しませてくれそうな奴が居る・・・

>>48>>50
「喧しいわね・・・私が・・・このデメトリアが黙らせてあげるわ・・・」
あの男もヒーローアライアンスの戦士みたいね・・・
それに、一対一の戦いに割り込もうとしている・・・

「そのドイツの科学・・・このデメトリアが壊してあげるわ・・・」
私はその左手の剣を掲げ・・・

「我が僕よ!!その恐怖を示せ!!」
街に複数の魔方陣が現われ、その魔方陣からは黒いフルアーマーの鎧を装備した騎士が現われる。
その騎士は4人。私が召喚した、忠実なる僕だ・・・
その僕は剣を持ち、剣先を金色に輝く兵士へと向ける。

//それじゃ、続きは次回かな・・・
52 :グロォーン [sage]:2013/05/29(水) 00:42:30.87 ID:38ogdvHuo
>>47
 蹴り飛んだ死体がフロントガラスを突き破る。
 軽自動車のハンドルが急激に右に取られると軽自動車は街灯に体当たりし動かなくなった。
 鳴りっぱなしになったクラクションが不気味にうるさい。
 黒の生命体が少しそちらを見るような仕草をした。
 黒いのっぺらとした顔面に存在する、切れ長の吊り眼に似た白い四つの模様がしっかりと確認出来ただろう。
 顔のパーツがないので表情はないのだが、笑っているようにも見えた。

>>48
 飛び降りた先には既に惨状が広がっていた。
 ビルの上から見るよりも更に生々しく、この空間の異常さを感じられるだろう。
 その空間は、一昔前までは平和な国の代表にも例えられた日本とは信じられない。
 黒の生命体、グロォーンの視線は新たに現れたフィルズもしっかりと捉えていた。
 
「次から次に湧いて来やがるなぁ。今日はいい血が見られそうだ……」

>>49
 天板がひしゃげる音が聞こえたと同時に、グロォーンはやり損ねたと確信した。
 [ピーーー]気の攻撃を受け止められ、激しい苛立ちを覚える。
 先程までのスーツの男はもう視界に居ない。代わりに、グロォーンと対極のカラーリングの戦士がそこに居る。
 ラストールが痛がって腕を振る動作が間抜けに見え、挑発された気分になった。
 返って来る天板、己が投げ付けた金属板が唸りながら飛んで来る。
 グロォーンは同じように受け止めてみせると、今度はバキバキに天板を折り曲げた。俺の方が強いとアピールしているようだ。
 もう一度前傾姿勢をとる。
 ダッシュ。踏んでいた車が更に大破。
 体当たりをせんとラストールに突撃。
53 :【名前】フィルズ・フォン・フェムトハイム [saga]:2013/05/29(水) 10:55:20.11 ID:d04iv0hGO
>>49
//名前間違えてました
//正しくはフィルズ・フォン・フェムトハイムです

>>51
フン………
【突如襲って来たフルアーマーの兵士に臆する事なく進み続ける】
【彼等の剣がその身に突き立てられようとしても決して速度を速めない】
【そして、剣は直撃した……が。】

ブゥァァカァァ者めェェッ!!!怪物の攻撃をも遮断するこの装甲を簡単に貫けると思ったかァァーーッ!!

【そこにいたのは全くの無傷の男。余裕の笑みさえ浮かべている。】

お返しだァァ!!食らってくたばれェィ!!!

【彼の身体から突如、四つの銃口が飛び出る。それらは四人の兵士に向けられている】

我がドイツの重機関砲だァ!!対怪物用だが十分よ!!一発一発の弾丸が、貴様等の身体を貫くゥッ!!!
フルアーマーだろうがなんだろうが、その程度では相手にならんわァァ!!!
食らェェィイッ!!!!

【その瞬間、それぞれの銃口から一斉に銃掃射が行われた】
【どうやら彼の言った事はハッタリではなかったらしく、凄まじい勢いで次々と弾丸が発射されていく】
【そうこうしている間に、彼は怪物の方へと向かっている】

邪魔はさせェンッ!!!怪物を狩るのは我等ドイツ軍ッ!!
貴様等の相手などしているヒマは無いのだァァーーーッ!!!

>>52
やはり、戦場はこうでなくてはなァ!!
おれが貴様を狩った暁にはァァ!!貴様の死体をドイツ軍の名誉として飾っておいてやろう!!

【怪物や、周りの惨状にまるで怯える様子もなく向かっていく】

怪物に対する恐怖などすでにないィィ!!
恐怖を克服する事こそが勝利へとつながるのだァァ!!
勇気を持たぬ怪物めェェ!!貴様などに勝ち目は無いと思うが良いィィイ!!!!

【どうでもいいけどうるさい】
54 :デメトリア [saga]:2013/05/29(水) 16:45:01.37 ID:Ak3Ht0MNo
>>52
「アハハハッ!!後何人、殺せば静かになるかしら・・・」
私に向かってきた車は街灯にぶつかり、もう動かない。
クラクションが煩い。死体か何かが押してるんだろう・・・
それより・・・

「気に入ったわ・・・このデメトリアと組まない?」
顔こそは見えないが、笑っているように見える・・・
視線を相手以外に向け、その先を見て笑って見せるとは・・・
余裕か・・・それとも・・・

>>53
「チッ・・・」
私の召喚したフルアーマーの兵士は銃撃を受けて黒い霧のように消えていく。
その霧は私の右手に持っている盾へと向かっていき、吸収するように私の盾に吸い込まれていく。

「このデメトリアを無視するとは・・・そうね・・・貴方を殺せば、静かになるかしら・・・」
私が召喚した兵士だけを倒して、尚且つ私を無視して見せた。
なんのつもりか解らないけど・・・屈辱だわ・・・

「・・・・・・・・・・・・・」
私はその盾を構え、盾から黒く光る弾を射出する。
その弾は銃弾の如く、あのドイツ人へと向かっていく。
あのドイツ人は怪物に夢中で、隙だらけの筈だ。
コンクリートぐらいは砕ける弾だけど、あの金色の身体はどうだろうか・・・
55 :ラストール [sage]:2013/05/29(水) 19:17:14.61 ID:eFmNYmM1o
>>50
(テンションたけぇなこいつ……)
名乗りを上げるという領域では済まされない叫び声を上げるドイツ人に若干あきれながらも
共戦の意思に対して大きく頷いた

《その言い草なら安心だな、片方は任せたッ!》

>>51
《『覚えているか』だって?》
対峙した女が放ったのは手に持った剣ではなくて言葉だった。
これほどインパクトのある姿、顔等が虚ろであったとしても記憶から消えることはない

《お前…まさかあの教団に居た……!》
彼自身が変身する切欠となった任務、その時敵方に同じような格好の女が居たはずだ
デメトリアが探していた用に、彼自身も教団について調べたいことがあったのだ
だが、それを尋ねるよりも早く女はドイツ人の方へと向かってしまう

《待てッ、あぁもう!!》

>>52
投げ返した天板は受け止められただけでなく丸められてしまった
車から引きちぎったこともそうだが、大きさに比例した力を持っているようだ

グロォーンが半身を深く構えた後、こちらに向かって思い切り踏み込んでくるではないか
潰されてへしゃげていた車はさらに深くまで破壊されており、その勢いと力を感じさせる

(予想以上に早い!)
その突進に対し防御の構えを取る
通常の受け方ではダメージを抑えきれないと判断したのか腕を十字に重ねての防御
真正面からの衝突、至近距離になったことでグロォーンが如何に巨躯であるかが再確認できる
同時に勢いを殺しきることは出来ずミシミシと腕が悲鳴を上げはじめた

後ろに下がるように短く跳躍したラストールは、グロォーンの勢いのまま後方へと吹き飛ばされる
いや自ら吹き飛んだといったほうが正しいだろう、受けきれないと判断し流れに任せ抜け出したのだ。

《馬鹿力が…ッ!!》
路面に着地した両足と大地に立てた左手五指から火花が飛び散る
屈めた両足と左手の筋肉が隆起するほどに力を込め、地面を大きく蹴りつけて跳躍

空中で体の中心である臍を頂点として身を丸め、重心をずらしながら回転
重力から外れたかのような軌道を描きながら、グロォーンの上部に差し掛かったその時
自らの体を開放し、右足を大きく天へと掲げ上げた

《こいつはお返しだ!!》
回転と跳躍の勢いとずらした重心を乗せ、街頭が見上げるほどの高さから踵が一直線に落ちて来る!
56 :グロォーン [sage]:2013/05/30(木) 00:10:50.43 ID:D/SYXlTxo
>>53
「邪魔だ!」
 進路に割り込んで来た金色を、反射的に左腕で振り払った。
 まるで丸太のような、いや、それ以上の太さを誇る腕をしならせた一撃は装甲を着て重くなった体を簡単に浮かすだろう。
 グロォーンの突進は止まらない。

>>54
「お断りだ。だがそうだな、お前を[ピーーー]のは最後にしよう」
 走り際に大声かつ早口で言った。耳もいいようだ。
 事実上の一時共闘成立である。

>>55
 吹き飛ばしたラストールに追撃を加えんと、間髪入れずに右腕を大きく振りかぶる。
 加速の勢いのままに、己の全重量を叩き込むべく跳ぶ。上からの打撃で押し潰すために。
 百kgを優に超え、また人間のそれとは質からして違う筋肉から放たれる技の威力は想像も絶する。
 鈍い衝撃音。舗装が衝撃で巻上がる。グロォーンが殴ったのは地面だった。もぬけの殻だ。
 首を上空に向ける。状況を分析し、飛び退いて回避行動。体勢が崩れているので間に合わない。
 ミシミシ音を立て首の付け根に踵が沈み込む。グッ、と悶えると片膝をついたまま動きが止まる。
 弱い部分へピンポイントに攻撃が命中し、かなり堪えている。これはラストールにとってはチャンスだ。
57 :ラストール [sage]:2013/05/30(木) 19:02:10.35 ID:Xdl0B4ZCo
>>56
ラストールが先ほどまで立っていた場所を見下ろすと
そこは既にグロォーンの拳によって叩き潰され…
いや『変形させられた』というべきだろうか、すでに平らな路面であった面影はない

《さっきのタックルもそうだが、そう何発も貰えねぇなこりゃあ…!》
タックルによって腕が受けたダメージは馬鹿に出来ない
防御してあれならば、直撃はそのまま致命打になりかねないだろう

《このチャンスは逃さないぜ!》
敵の大きさを考えて全身を駆使した攻撃に出たのが功を奏したか。
グロォーンの一見すると鋼のようにも見える筋肉の鎧を打ち抜いてダメージを与えることに成功したようだ。

グロォーンの首元に突き立てていた足に込めた力と、全身のバネを跳ねさせることで
踏み台にでもするかのように不安定であった体制を建て直す。

今度は先ほどの蹴りとは違い、全身を大きく引き伸ばした
指を絡めて握った拳を頭上より高く掲げ、そこから体が弓のように後方へ撓る。
パワーが込められた腕と指がミシミシと音を立て、
しなやかな木々が元ある形に戻ろうとするような力強さで全身が振りぬかれる

《でいぃやッ!!》
掲げていた両手がその勢いのままに下される
拳によって…全身を使って繰り出された拳による鎚がグロォーンの後頭部に迫った!
58 :【名前】フィルズ・フォン・ファルトハイム :2013/05/30(木) 19:42:16.35 ID:wEmOdQRbo
>>54
ヌッ!
【後ろから黒い玉が直撃した。コンクリートが砕ける威力だったが、彼の装甲を破る事はかなわない】
【だが、やはり衝撃によるダメージはあったらしく、少し体勢を崩した】

……後ろから不意打ちとはな…貴様、覚悟は出来ているのだろうなァァァア!!!
よォォオし決めたァァァッ!!!貴様の相手は今からこのフェムトハイムがしてくれるわァァァアッ!!!
ドイツの科学力と恐ろしさ、その目に焼き付けてくれるゥッ!!!!

【ようやく彼女に気付き、彼女の方を向いた。】
【完全に闘る気満々だ】

>>56
フン!
【寸前でかわしていた】
貴様などもう眼中には無いィィイッ!!まず仕留めるのはそこの女からだァァァアッ!!!
59 :デメトリア [saga]:2013/05/30(木) 23:56:38.08 ID:XjoDKBf1o
>>55
「そう・・・やっぱりね・・・」
あの男こそ、教団を壊滅させた奴等の一人・・・
何か言いたそうだったけど、そんな余裕は無い。
私も・・・あの男も・・・
私は敢えてあの男から視線を外す事にした。

>>56
「フフッ、やって御覧なさい。」
一時的な共闘は成立したが、奴が生き残れば次は私かあのドイツ人を狙ってくるだろう。
私も殺されるつもりは無いし、その前に相手にするべき奴が・・・

>>58
「不意打ち?アハハハッ、貴方が勝手に余所見をしただけじゃない。
 良いわ、刻み込んであげる。」
あのドイツ人がようやく私に目を向けたか・・・
闘志が感じられる。ならば私は、武器を持つ者としてその闘志に応えなければ・・・
それに、あのドイツ人も名乗っている。奴はフェムトハイムと言うのか・・・

「この私こそ、戦場を闇と共に舞い踊る騎士!!」
私は手に持った剣を掲げ、

「闇騎士デメトリア!!」
私は自分の名前を名乗り、剣と盾を再び構える。
相手も名乗ったんだ。私も名乗らなければ・・・
60 :グロォーン [sage]:2013/05/31(金) 04:55:38.53 ID:o86d/28wo
>>57
 高速で打ち下ろされた拳が後頭部に激突。鈍い音。
 大木の幹を彷彿させる、頭部と比較しても極めて太いグロォーンの首が衝撃に耐え切れず内側へ曲がる。
 ほんの一寸遅れて体も後を追い、拳に押し込まれる形でアスファルトに顔から叩き付けられた。
 衝突、アスファルト層を全て破壊、そのまま下の土に顔面を埋める。
 グロォーンは抵抗出来ず、全てのダメージをまともに受けてしまった。倒れたままである。
 流れるように一連の動作が行われ、客観的に観察するのであれば、あっけなくも見えただろう。
 
 背中に乗っているラストールには分かるはずだ。確かにグロォーンはピクリとも動かない。
 だが、聴こえるだろう。獣の唸り声……それも犬や猫のような愛玩動物のものではない。
 彼らが怯えた時に出す、どこか相手に畏れを含んだ、恐怖に屈服した引き腰の声ではない。
 完全なる捕食者の声……低く低く、地を揺るがさんとそれは響く。
 獲物を目前としたプレデターが漏らす、武者震いの声。どこまでも野性的でいて破壊的。
 貪る者の本能を呼び覚ます声。

「グルルッ、グルァァァァァァァ!」

 飛び起きると共に咆哮。
 ラストールは、目撃する。
 一般的な人体で例えるならば、耳まで裂けた大きな大きな口が、模様以外なにも無かったグロォーンの顔に出現しているのを。
 捕食者の牙がびっしり生え裂けたその口がラストールに向けて笑いかけているのを。
 腕を広げ上体を大きく反らし雄叫びを上げる。空に浮かぶ月が、映画の狼男を思い出させた。
 また一段と膨れた首筋や腕に真っ白く太い血管が大量に浮かび上がり、黒のボディと相成り不気味な迫力を帯びている。
 呼吸が荒いのが見て取れる。相当興奮しているのだ。

「俺は、ふるえている……! 血を……赤い血を寄越せ……! グルァァァ!」

 ワンステップで間合いを調節すると、正面からラストールの脚に掴みかかる。
 成功すれば、そのまま振り回し周囲に叩き付けまくる算段である。

>>58 >>59
 それぞれの戦いが始まり、戦場はある程度分断された。
 何れか片方が敗れない限り、お互い関わるのは難しいだろう。
 四人もの超戦士が集合する戦場の行方は、未だ知れない。
61 :大総統ガロア [sage]:2013/05/31(金) 10:13:38.14 ID:2jz9T0eso
「はっはっは、見ろ。人がゴミのようだ。」
 それを見下ろすは黒い毛皮を羽織った黒髪の悪魔。
「ヒーローがいかに活躍してもこのザマよ。
 悪の組織、いくつある?対する英雄、何人いる?
 容赦無いこの数の差…。容赦無いこの破壊力ッ!!」
 背後に12人の戦闘員と一匹の怪人を引き連れた侵略者は高笑いする。
 そして歯ぎしりする。

「え〜い!何をやっておるのじゃ!
 これでは征服するはずの世界が滅茶苦茶になってしまうではないか!
 英雄が悪党を駆逐してなんぼの世界であろうに歯がゆい歯がゆい!」

- あの、大総統。我々もこの国をまず征服してから世界へと… -

「破壊と侵略は違うのじゃ!わらわはこの国を侵略にしきたのじゃ!
 なのにこの破壊劇は何じゃ?!迷惑千万極まりないわい!
 …もう日本は諦めてタイ王国辺りでも征服するかの。」

- 大総統!連中の戦場が別れました! -

「見たままじゃの。
 ええい!ヒーロー達を集結させい!陽動でもなんでもいいわい!!」
62 :ラストール [sage]:2013/05/31(金) 18:39:11.82 ID:onZAGe97o
>>60
鈍い音と共にアスファルトの路面に叩き付けられたグロォーン
振り下ろした拳は見事に頭部を捕らえ、敵を地に伏せることに成功した

《…よし》
グロォーンの背に立っていたラストールは、その場から離れフィルズの援護に向かおうと足を動かす
だがその直後、地の底から湧き上がるような呻き声が響き同時に大地が揺れた。

《これは…ッ!?》
その突発的な現象に彼は地震ではないかと思ってしまった、地面が揺れるという現象は人間ならば誰しもが地震だと最初に考えてしまうだろう
しかし気づく、大地が揺れているのではないことに

何故ならラストールは大地の上に立っては居ないのだから
彼が立っているのは今し方攻撃したばかりの怪人の『背中』なのだ。

視線を下に向けた瞬間、猛々しい咆哮と共に下が捲れ上がり天と地が引っくり返った

そして見る
グロォーンの頭部黒い闇の中に浮かび上がる三日月型の鋭く切りそろえられた白を
その体中を駆け回る、血走るという言葉が相応しい白の線を

《こいつッ!》
空中で自身の上下を入れ替え、アスファルトに着地する
両足と膝を押し付けて左手を大地に突き立てる、火花が彩る先ほど見たような光景。
だが明確な違いがあった―――

顔を上げたとき、視界が真っ黒になっていた

ラストールからすればそれは驚愕の光景だが、横から見れば何が起こっていたかは一目瞭然だった
彼の目と鼻の先にまるで覆い潰すようにグロォーンが立っていたのである。
彼が着地動作を終えるより早く、黒い化け物は踏み込んできていたのだ

《しまっ…!》
瞬時に状況を判断し、左手と両足で後方へと飛びのこうと動くももう遅い
万力の様な巨大で分厚い手がその足を掴んでいたのだから。
63 :【名前】フィルズ・フォン・フェムトハイム :2013/05/31(金) 20:08:18.49 ID:GQD0erZvO
>>59
ほう?
【相手が名乗った事に対し、少し考えている】

成る程、騎士道精神とかいう奴か。
おもしろい、実におもしろい……
我がゲルマン民族の誇りに賭けてェェ!!貴様を葬ってくれるわァァァアアッ!!
通称「FFF-mk1」ッ!!我がドイツ軍の開発した科学最先端のスーツ!!!
科学最先端にやられることをありがたく思いながら死ぬが良いわァァァアアッ!!!

【そして、腹部からトンプソン機関銃を展開させる】

まずはァ!!貴様に通常の武器が通用するか、小手調べと行こうじゃぁないか!!
くらえェェイッ!!!

【ドドドドド、と銃掃射を始めた】

(この程度で貴様が死ぬはずもあるまいて……せいぜい楽しませてくれよ!!)
64 :デメトリア [saga]:2013/05/31(金) 22:28:59.22 ID:swvi4ZOFo
>>63
「来たわね・・・!!」
フェムトハイムが構えたのは、機関銃・・・
なぎ払うように撃って見せた・・・
その行動に対して私は、跳躍してその銃弾を避ける。
銃を横に振っただけの銃撃・・・
奴の銃口と指の動きを見れば簡単に避けれる!!
そして跳んだその先は・・・

「その科学、その技術!!このデメトリアが壊してあげる!!」
フェムトハイムの正面!!
私はフェムトハイムに近づき、右手の盾を構える!!
そして右手の盾で殴るように攻撃!!
狙いはフェムトハイムが展開した機関銃!!
先ずは奴の展開させた機関銃を払い落とす事を試みる。
65 :大総統ガロア [sage]:2013/06/01(土) 21:35:09.27 ID:1iS1W3ino
 鳴り響く銃声。交差する破壊音。轟く爆音。
 警察車両のサイレンの音も聞こえてきた。
 そして拡げられたレジャーシート。
 積み重ねられたお重。並べられたお茶。
 円陣を組んで座ってる戦闘員達と虎型の怪人とセーラー服の少女。
「とりあえずお弁当にしよう。
 腹が減っては戦ができないからな。」

- 総統閣下、あの外国人機銃掃射を初めましたぞ。 -

 虎型の怪人がセーラー服の少女に話しかける。
「戦闘員は流れ弾に注意しろ。あと醤油を取ってくれ。
 本当に注意するのじゃぞ。戦う前に負傷しても滑稽劇にしかならぬからな。」

- 総統閣下の卵焼きは甘口なんですね。 -

「苦手か?ならば次からはしょっぱくしよう。」

- いや、甘いのも好きなんですが実家のがその塩味のなんです。 -

「ほう、なるほど。あれもいいものだ。ご飯が進む。」
66 :【名前】リドルハイム 【魔法】魔法無 体内武器仕込 【容姿】ゾルダードの軍服 :2013/06/02(日) 13:37:51.89 ID:jiMJQVWco
>>64
おっと。

【銃を飛んで躱され、機関銃を叩き落とされそうになる】
【その直前に機関銃をスーツ内に再び収納し、後ろに飛んで叩き落とされるのをかわす】

フッ………俺のスーツの中には幾多もの武器が搭載されているのだァァ!!
従ってェ!!武器などすぐに収納できるのだァァアッ!!
甘く見るなよ、闇騎士ィィィ!!ドイツの科学は廃れないィィィッ!!!

【そうして、こんどは胸部から別の武器が飛び出した】

ブルー・ホルミウム・レーザー8mm口径だァァアッ!!!!
熱エネルギーを収束させた高エネルギー熱線の前にィィィ!!
貴様は何秒耐えられるかなァァァァア!!?

【銃口に光が溜まり始めた瞬間、そこからレーザーが発射された】
67 :デメトリア [saga]:2013/06/02(日) 21:35:19.56 ID:SJUVuLVxo
>>66
「ウグッ・・・」
奴の体内から出てきたのは違う武器・・・
そこからレーザーが射出された・・・
飛び込んで後ろに攻撃を避けられた後だ。
この攻撃は避けられない・・・

「チッ・・・この・・・」
だからと言って、レーザーによる攻撃を浴び続けるわけにはいかない・・・
私はその攻撃を横へと避ける。
だが、あの武器は予想外だ・・・

「やるわね・・・今日の所は引いてあげる・・・覚えていなさい・・・」
私は右手に持った盾を下に構え、その盾から魔術の弾を射出する。
弾は地面に当たると同時に爆発し、周囲に爆風が襲い掛かる。

【爆風が引いた時、デメトリアの姿は居なくなっている。】
【爆発にまぎれて逃げ去ったのだろう。】

//撤退します。
68 :【名前】フィルズ・フォン・フェムトハイム :2013/06/03(月) 01:50:19.96 ID:R70mlDd0o
>>67
ムッ!
【爆風が巻き起こる】
【爆風はそのうち晴れたが、そこに彼女の姿はなかった】
【それを確認し、レーザーを収納する】

……フン……このおれからまんまと逃げおおせたと思うなよ……
いつか!貴様はこのフェムトハイムが始末してくれるわァァアッ!!!!
ドイツの科学の前にィィィィ!!!平伏するが良いィィィィイッ!!!!!!

【虚空に向けて、戦士の雄叫びを上げた】
69 :タケミカヅチ/名護 修司 [saga]:2013/06/03(月) 19:16:14.84 ID:7iTwm7zJ0
【さて、ヒーローと怪物、総勢四人が繰り広げる大混乱とは別の場所、別の時間のお話】


【夕暮れ時の都会の大通りを、車の合間を縫う様にバイクで疾走する者が有った】
【明らかに市販の物とは違う、一品物の雰囲気を漂わせる大型バイクにまたがった彼は】
【フルフェイスヘルメット越しに、辺り一帯を眺めた】

「本日もこれといった異常は無し……かね。俺たちみたいな仕事は暇な方が世の為なんだが、
 なんつーか、こうも暇だとまるで給料泥棒だな」

【誰にも聞かれる事の無い独白を漏らした後】
【彼は、バイクの進路を繁華街に向けた】


【辿り着いた繁華街の片隅、いつも愛車を止めておく駐車スペースにバイクを止めると】
【徒歩でのパトロールを兼ねて、彼は繁華街を徘徊しに向かった】
【途中で買った、つめたい缶コーヒーを右手に歩く彼に】
【日常を一変させる出会いは訪れるだろうか】
70 :グロォーン [sage]:2013/06/04(火) 00:04:39.91 ID:bLrpWHayo
>>62
 ラストールの足を、尋常ならざる握力が締め付ける。
 グロォーンは足を握り締めたその手を一気に頭上へと掲げた。ラストールの天地がひっくり返る。
 そして手首をスナップさせ、鞭を振るうように大地へと叩き付けた。
 人を風を切る音が立つような勢いで振り回し、ましてや叩き付ける行為の破壊力は並ではない。

「ウォォォォォォッ!」

 走りながら狂ったように手中のラストールをぐるぐる回し、そこら中にぶつけまくる。ラストールには相当な遠心力がかかるだろう。
 相手のことなどお構いなしに暴れる。
 その様子は、少女がぬいぐるみを片手に遊んでいるようにも見えた。
 いや、ヒステリーを起こした少女がお気に入りの人形にやつ当たりをしているのかもしれない。
 とにかく一見滑稽で、乱暴な絵面だ。
71 :ラストール [sage]:2013/06/04(火) 01:02:52.57 ID:sxi9Bn6/o
>>70
その力のままに振り回されるその姿は、濁流に飲み込まれなかき回される様にも見え
激しい風にその身を奪われ、なす統べなく吹き飛ばされる様にも見えた。

風を切る音は砕ける破壊音が塗りつぶす、正しく阿鼻叫喚
現にグロォーンが進攻する先の街灯は折れ、アスファルトはひび割れ、ガードレールが拉げる
それはいつかテレビで見たような竜巻が通った後を彷彿とさせる光景。

それを起こしているのは他でもないグロォーン、そして武器として振り回されるラストールだ
木ならば折れているだろう、鉄ならば潰れているだろう。
だが振り回せるのはヒーローだ、つまりその中身は『人間』
その光景を見て誰もが絶望するだろう

だが舐めて貰っては困る―――
 ―――ラストールを、ヒーローという存在を

振り回すその腕をがっしりと掴むものがあった、最後の足掻きだろうか?



《いい加減にしとけよ……、この野郎……》
深くから蠢く様な低い声がグロォーンへと投げかけられる。

その手の握力は筋繊維を握りつぶさんとする程の力
その手の温度は常人を遥かに超越した、熱された金属の様な熱。

これが瀕死の者の手である訳がない
手の先にある罅割れた仮面から漏れる赤い光は、諦めた者から生み出される訳がない
全身から漏れ出す赤熱と赤光が、死を前にする者が作り出す訳がない

グロォーンの腕を掴まず空いていた片腕は薄汚れてしまった白い装甲の面影を無くしていた
チリチリと周囲が焼ける音がする、漏れ出した熱で空気が曲がり向こう側が歪む。
高熱に晒された鉄が赤く染まる様に、ラストールの腕も彼のエネルギーによってただただ真っ赤にに輝く

《調子コイてんじゃ……ねぇェェェエええッ!!!》

その叫び声と共に赤光が弾ける程力強く握り込まれた拳が振り上がる!
赤熱の燃える拳、ラストールが誇る必殺技『ヒートスマッシュ』がグロォーンへと迫る!!
72 :グロォーン [sage]:2013/06/04(火) 02:57:29.37 ID:fAdHMnueo
>>71
 破壊は生物の本能的な欲求である。
 グロォーンはその裂けた口を限界まで吊り上げながら、異常にまで高まった欲求を満たし愉悦していた。
 きっとこの世の存在全ては、俺に破壊されるためにあると。
 脆い、脆すぎる。
 特に人間が作り出したものは脆い。
 くだらない車、くだらない飛行機、くだらない船、くだらない建物、くだらない、人間。
 彼は憎かった……自分も人造の存在であることが。

 グロォーンは腕に違和感を覚えた。
 鈍い痛みが間違いなく食い込むように感じられる。圧迫された筋肉は変形し、膨張した血管が白く目立つ。
 それと、焼けるような激痛が……焼かれているのだ、実際に。
 赤熱するラストールを見る。
 破壊も本能ならば、防衛も本能だ。
 ラストールに掴まれていない、手ぶらな腕でひたすら殴打する。それは闘争本能ではなく、明らかに、恐怖に近い感情から来る行動だった。
 鉄板を引き裂くその牙でラストールの首筋を狙った瞬間。
 陽炎の灼熱拳が突っ込む顔面と正面衝突した。まるで爆発をそのまま顔に受けたような衝撃が走る。
 白色の人工血液と折れた牙が宙を舞う。
 歪んだ表情のまま吹き飛ばされるグロォーン。地面に転がった。

「グルッ……い、今のは効いたぞ虫けら……」

 拳を喰らった左頬を抑えながら言う。
 顎が外れかけたのか、裂けた口からは血と唾液が垂れ流しになっている。
 息遣いは荒く、尖った長い舌でしきりに舌なめずりしている。
 その表情はまだ笑っているように伺えた。
73 :ラストール [sage]:2013/06/04(火) 21:11:33.84 ID:sxi9Bn6/o
>>72
《フゥ――…、フゥ――……》
両腕をだらんと垂らした姿でゆらゆらと立ち続ける、その呼吸は荒く息は絶え絶えで喉奥から溢れる音は不安定だった。
だがその声色はただ心身を落ち着かせる為の物だとは思えない
獣の様にも聞こえる呻きの中には苦しみのようなものが混じっていた。

《熱い…、体が……》
漏れ出たような小さな呟きから更に呼吸が乱れる、溢れる灼熱をその吐息と全身に走った皹から吐き出しているかのように。
だがこの熱が上がると共に力が溢れてくるのが分かる、エネルギーを生み出す燃料として自らの体を燃しているようだ。

先ほどグロォーンに叩き付けた一撃は前記した通り彼自身の必殺技
完全な形で繰り出した訳ではないとは言え、敵に十分なダメージを与えることができた。
決着を付けるにはその『完全な形』を打ち付けるしかあるまい

腰を低く両足を大地にべったりと付け、両足に力を込めて踏み出す
しかし踏み出した瞬間にバキンと何かが折れるような、割れるような音が響く。

《ぐっ……!》
自らの足に走っていた皹が負荷によって広がり、亀裂となってしまっていた。
中からは真っ赤に燃える光が見え、そこから血の変わりに赤の輝きが熱と共に風に乗って漏れ出す
先ほどのダメージがラストールを追い詰めているのだ。

しかしその歩みは止まらなかった、ダメージを無視してグロォーンへと駆け出す
踏みつけた大地に赤い残り火とアスファルトが黒く煤けて足跡が残る。
ダン、ダン、ダンと刻まれる足音は、ラストールの加速と比例してその感覚を短く早く刻み始める

《こいつで…ッ!決めさせて……ッ!!》
横に抜けたり左右にぶれたりという小細工は一切ない
真っ直ぐ、ただ真っ直ぐにグロォーンへと直進、燃え上がった右手が真っ赤な光の尾を描いた。

敵を前にして小さく跳躍、中に浮いたラストールの体が大きく動く
状態が下に足が上に入れ替わる、それは縦方向の回転。
拳をただ筋肉を持って振るうのではなく勢いとパワーを生むために全身を使い、自らの持ちうる重さ・力・速さ全てを用いて振るう文字通りの必殺技。

右腕の筋肉が盛り上がり耐えられなかった装甲の亀裂が大きく広がる
自らの掌が砕ける程の力を込め、赤光が旋風に乗って渦を巻く。

《貰う、ぜぇぇぇええッ!!》
高く掲げられた拳が炎の、光と熱の、エネルギーの塊としてグロォーンの顔面へと落とされる!!
74 :グロォーン [sage]:2013/06/08(土) 01:56:48.08 ID:s1A/s+oVo
>>73

「ぐ、眩し……ッ!」

 単純なエネルギーである熱は、純粋な破壊を生む。高速で物をぶつければ、威力は増す。簡単な理屈である。
 まさに隕石と化した拳が、グロォーンの顔面を叩き潰す。同時、墜落地点から火炎が巻き上がった。
 高熱が一帯を瞬時に包み込み、即座沈静化する。
 黒い巨体が吹き飛ばされるとボールの如く跳ね地面に何度も激突。
 技の威力がそれだけ凄まじかったのだ。
 ラストールの拳には、蒸発した人口血液が白くこびり付いているだろう。

「……っ!」

 だがまだグロォーンは立ち上がった。下顎が右にずれ舌が丸出しになってしまっていた。
 激しい脳震盪に襲われ、既に平衡感覚を失っている。
 高熱を浴びたせいで視力も危うい。
 見えるもの全てがボヤけ何重にも重なって脳に投影されている。
 ぜぇぜぇと息をつきながら、ズレた顎に手をかけた。一気に引き、無理矢理元の位置に戻す。軽く呻き声がした。

「お、おま……え……絶対に……ころ……す。いや……お前だけで済む……ものか……! 覚えたぞ……」

 おぼつかない足取りでラストールを指差し、言った。
 疲弊しているラストールに背を向け、ビルに向けて跳躍。
 接触。壁に指を食い込ませると、残った力を振り絞った必死な動きで登って行く。
 このまま逃走する狙いだ。
75 :ラストール [sage]:2013/06/08(土) 10:54:55.68 ID:RSUDxK2co
>>74
叩き付けた、それはもう全力で、後に残るものなどない、それはもちろん自らの体力も
故にラストールは足を立てて着地することができなかった、受身を取ることもできずに腕で自らの体を受け止める。
だがその程度で勢いを殺しきれるわけがない、地面に叩き付けられごろごろと転がる。

《ぐっ……》
蹲った状態から体勢を持ち直し立ち上がろうにも、足に腕に力が入らない
肩膝を突いて腕を支えに起き上がるも、その支えはグラグラと不安定で今にも崩れそうだ。

荒い息を吐き続ける彼では、捨て台詞とともに去って行くグロォーンの背中を追うこともできない
いや、それどころかその捨て台詞に反応することすら難しかった。

《ク…、ソ……っ!待、て…!」
辛うじて搾り出した声と共に震える指を差し向けるが、それと同時にラストールの体に変化が起こった
全身を包んでいたスーツの亀裂が広がり、そのまま砕けてしまったのだ。
砕けたスーツは光の粒子となって風に乗って消えてゆく、彼の足元には変身に使った結晶だけが残っていた。
その逃走を止めることなど出来やしないのだ
76 :望月 カルタ [sage]:2013/06/12(水) 19:40:02.02 ID:luv3K85Vo

「ふむ……」

夕日が沈みかけた街。聳え立つビルとビルの間の狭い路地に、蓬髪の少年がゆっくりとした速度で歩いていた
少年は近隣高校の制服姿だが、首に巻いた松葉色のマフラーだけが他の学生と異なった点で、

「やはりこの街、特異な力を持つ者が多くいるようで御座るな」

古めかしい語尾で誰にともなく呟くと、ビル風に煽られ長いマフラーが舞う
この季節に似合わぬそれを何くわぬ顔で首に巻き直しながら、少年はふ、と天を仰いで、

(……そうであるならば、事件の数も他の比ではないので御座ろう)

そして、こういう場にこそ己の居場所があるのだろうと考え、少年はひとり薄く微笑んだ
77 :【名前】フィルズ・フォン・フェムトハイム :2013/06/17(月) 21:38:20.21 ID:Q4WXs0Aeo
>>76
フッ。奴め、今度会ったときには返り討ちにしてくれるわ……

【人気のなくなった道を歩いている、ドイツ軍の少佐】

……む。

【ふと裏路地の方に眼をやれば、なんの変哲もなさそうな少年が歩いているではないか】

そこのきさま!
この騒ぎの中、一人でそんなところで何をしている?
78 :望月 カルタ [sage]:2013/06/17(月) 22:08:47.90 ID:LYrv9SqEo
>>77

「貴様とは出会い頭にご挨拶で御座るなあ
 これは……なんというか、趣味の巡回警備のようなもので御座るよ?」

敵意がないことを示すように両手を軽く上に挙げながら声を返す
しかし語尾の御座るは外人の彼にはどう捉えられるだろうか

「実はこの街にきてからまだ日が浅いので御座るが、この街全体がなにやら不穏な空気を纏っているように感じて御座ってなあ」

なにか知っているか、と尋ねるようにフェムトハイムに目配せをしながら語る
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