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【この世界には、何でもある。】能力者スレ【この世界には、希望だけが無い。】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/11(火) 22:43:34.50 ID:kb5q71km0
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・「コテハン」は禁止の方向で!
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

勝手に世界を氷河期などにはしないように。

・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1368016692/
wiki【http://www53.atwiki.jp/nrks/
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/11(火) 22:51:26.94 ID:VWihe4ie0
>>1
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/06/11(火) 22:53:13.83 ID:sTPmwURN0
/>>1乙!
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/11(火) 22:54:58.87 ID:vMyqzWWOo
>>1乙!
5 :死神 東 [!orz_res]:2013/06/12(水) 06:33:51.56 ID:fHE2KHPd0
700pスレ この世界は 何でもあり 希望の光 満ち溢れる
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/15(土) 21:28:08.69 ID:RLT1hF7Ho
>>1
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/15(土) 22:01:30.36 ID:yIV8loDvo
>>1乙でーす!

【森の中】

【夜闇に包まれた森の中を、一匹の獣が歩いていた】
【鹿に近い動物であろうか、長い一本の角を伸ばした草食獣である】
【人間の舗装した細い小道をゆったりとした速度で進んでいる】

「……?」

【ガサ……獣は頭上で鳴った小さな葉音に反応し】
【首を上げて音のした方向へと視線を向けようとした】

――――よっと

【瞬間、其の首を"捩じ折られた"】
【樹上から生えた二本の豪腕により首筋に爪を付きたられて】
【圧倒的膂力で力任せに捻られた結果起こった事象】
【気配を隠し、息を殺し逃げる間もなく命を奪う。効率化された狩りの一幕であった】

【草を鳴らしながら、樹上より大きな影が地に落ちる】

え〜っと、おぉ!中々大物じゃねえか!
へへ……この季節は獲物も丸々と育ちやがるな

【2mを超えるであろう大柄な身体を僧衣のような紺色の民族衣装で身を包み】
【露出した肌に生やすは黄褐色と黒の縞を描く体毛】
【背に括りつける様にして螺旋の金属飾りのついた長い木杖を携えたその者は】

【虎の頭部をし、ふらりと尻尾を揺らす獣人であった】
【二足歩行の虎が服を着たような姿を言えばわかり易いであろうか】

スタミナつけねえと夏は乗り切れねえからなぁ
いい肉が手に入って助かったぜ

【虎人は死骸の首を掴むと、片手で軽々と持ち上げて歩き出す】

【森の小道を大きな鹿の死骸を持って歩く獣人の姿は、もし出くわすことがあれば】
【夜の森というシチュエーションも加え、恐ろしい光景にも見えるだろうか】
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/15(土) 22:03:26.36 ID:liK74UTRo
>>999
【獣人達を倒した彼が歩いていった直ぐ後のこと】

───おや、ここで何かあるんでしょうか?
色々と物騒な方々がいらっしゃいますが……

【何とも呑気な声でそう言いながら現れたのは、白衣を身に纏った男であった】
【二の腕ほどの長さの紫紺の髪は首に沿って真っ直ぐに伸びている】
【そして男は笑みのような表情で、先程の彼を追うように歩いていく】

何か面白いことでもあるんでしょうかね?
『─────────』
ああ、成る程。それは面白そうですねえ。
では、貴女もすぐに此方へ来てください。厄介事があったら私一人では厳しいかもしれませんから。

【一応言っておくが、一人で話しているわけではない。】
【髪の陰に隠れているが、通信機器を右耳に装着しているのだ】
【そして、男もまた奥へと進んでいく────】
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/15(土) 22:21:50.10 ID:2zqcnF99o
【とあるレストラン】

【メインストリートから少し外れたとこにあるレストラン】
【オープンテラス、二階建て、ウッドな雰囲気。オレンジの優しい照明。】
【ジャズとパスタと仔牛フィレと赤ワインの隠れた名店】
【そこの店先の白いパラソルのついたテーブルに一人の女性がいる】

【長い黒髪をべっ甲の髪留めで一つにまとめポニーテイルにして】
【切れ長の目をしており、白い肌に薄化粧を施して、シルバーフレームの眼鏡をかける】
【黒のパンツスーツと黒いヒールを履いている】
【ジャケットの胸に代紋の金バッチ。腰には朱の鞘の刀が2本】

【テーブルには赤ワインのボトルと、グラス、硝子の灰皿】
【その膝にラップトップの名よろしく、ノートPCを載せている】

新六罪王……と……襲われまくりの水の国。UTは………
D.R.U.G.S.ないでも他のメンツの動向もわかったもんじゃないし…

【時たまワードが口から漏れ出るが気にならないほど熱中しているようだ】
【はぁ…と溜息を長くつきながら、テーブルのワイングラスを手に取る】

……お金の出てく話題ばかりで…実入りの良い話は無いか…
かと言って切り詰めるものも無し……

【オープンテラスも店も賑わっていているが彼女のテーブルだけは静かだ。】
【ただ、ここで食事をするとなれば相席は避けては通れない…】
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/15(土) 22:47:32.40 ID:RLT1hF7Ho
>>8
【男を追って奥に向かえば.その奥は更に獣臭さを増した───まるで動物園かサバンナに迷い込んだかと間違いそうなくらいに】
【様々な動物達、獣人達がいるわいるわ。獣人だけではない、人間も数人程紛れている】
【銃、剣、爪───様々な武器・凶器の矛先は眼帯の男へ向けられて】

───邪魔すんなっつーの

【刹那、爆音───】
【またしても降り注ぐ黄金の魔弾が邪魔者達を打ち砕き、近寄った者共は男の白刃に引き裂かれていく】
【向かう先は更に奥、停泊している船のタラップだ。口をぽっかり開けた入口の中からは光が漏れている】

【爆音と爆煙が激しく上がる中を、ゆっくりとしっかりと歩く男、しかしその脚はピタリと止まる】
【その視線の先は船の入口、入口の光を背中に受けた一つの影が立ちはだかっていた】

「…傭兵というのは、これだから困ります」
「…何をしに来ましたか?」

…給料が足りなくてな、徴収だ

【援護射撃も止み、静かになった港に、二つの声が交わされる】
【船の真っ黒な影には、二つの大きな耳か角か、突起が頭の上に立っていた】

「───犬が鼠に変わって何を言いますか、残念ですがこの先へ行かせる訳にはいきません」
「後ろの方°、々、ここまでです」

【船上の影が低い声で言い、右腕を上げて合図を送る】
【すると、周囲のコンテナが突然開き、その中からは先程よりも大量の獣人や人間───マフィア達が、武器を手に飛び出して来た】
【当然彼等は眼帯の男だけでなく、それを追う男も取り囲む】

【眼帯の男はと言うと、後ろの方≠援護射撃の味方と勘違いしているようで、背後の男には気付いていない】

「やりなさい」

【その声を合図に、マフィア達は二人に襲い掛かる】
【白衣の男にも、四方八方からナイフが爪が拳が襲い掛かる】
【それぞれの質は非常に低い、数の暴力。慣れている者にとっては取るに足らない】
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/06/15(土) 23:03:29.87 ID:tKx1BRrpo
>>9

【すでにほとんど席が埋まっているように見えるレストラン】
【1人の若い女性が、混雑に出遅れる形で来店した】
【20歳前後で、セミロングの金髪に灰色の瞳を持ち】
【小さなリュックを肩にかけ、シルバーグレーの作業着の上下に、白衣を羽織り、黒いワークブーツを履いている】
【そして片手には黒いタブレット端末を抱えていた】

はい、一人です。吸わないので禁煙でも喫煙でもいいです……
え?相席ですか?大丈夫です、お願いします

【店員に案内された席に来ると】
【先客に、パンツスーツ姿に刀を差した女性がいる】
【席に座り、軽く挨拶をする】

すいません、相席だそうで。失礼しますね

【疲れていたのか、座ると同時にふう、と息を吐いた】
【白衣の女性の目線は、自然と「2本の朱の鞘の刀」に向かうが】
【目線を正面に戻し、刀の持ち主である女性に声をかける】

あのお、このお店初めてでして。お勧めのメニューとか知ってたら教えて頂けませんか?


/まだいらっしゃいましたらお願いします
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/15(土) 23:04:16.57 ID:/YJrT5S50
【暗い森の中、あっちへ行ったりこっちへ行ったりする影が一つ】
【目を凝らしたならば、その正体は巫女であると分かるだろうか】
【何処か自信なさげな表情ながらも、様々な場所へと視線を巡らせていて】


「やっぱり……こんな所には居ませんよね……
ですが、何か手がかりがある訳でも無いですし……」

【――――闇夜の其れよりも、一層暗い雰囲気】
【肩を落とせばトボトボと歩き出して……数歩もしない内に、小石に躓いて見事に転倒】
【驚いて叫ぶ暇も無かったのだから、それはそれは綺麗な転び方だったのだろう】


「…………泣きっ面に蜂とでも言うのでしょうか
……幾らそうだとしても、あまりにも酷い仕打ちだと思います……」

【最早立ち上がる気力も無く、暫くはそのまま地面の冷たさを味わおうというのだろうか】
【森の中、苔むした地面にのさばる奇妙な巫女が、一人】





【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【入院患者との待合場所としても利用される、所謂ラウンジと呼ばれる場所】
【どの人達も、誰かと楽しそうにお喋りしているが――――】
【ふて腐れたように頬を膨らませ、車椅子に座る少女が一人いて】


「……何故あの馬鹿はいっつも遅いです
本も読み飽きて、する事が何も無くて退屈です。退屈すぎるのです」

【――――汚れを知らないような真っ白な髪。額に生えるのは、一本の角】
【何よりも、“交じり者”の気配が注意を惹きつけるのだけれど】
【そんな険しい表情を浮かべて居れば、少なくともこの場では話し掛けようなんて猛者は居らず】


「どうせ、私にはどーでもいい事をしている事です……
本当に私の従者ですか。あの馬鹿は……いや、あの馬鹿達は
主たる私を助けないで、何故他のやつを助けるです……」

【言っている間に更に不満が募ったのか、「ムキー!」なんて言葉と共に手を振り上げて】
【――――元より異質なこの少女。そんな行動を取れば、更に目立つはずで】
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/15(土) 23:19:51.38 ID:O9yNnO5Co
>>10

──ふむ、獣人がたくさんいるようですね。
いい"モノ"、見つかるでしょうか

【獣の臭いが強くなったのを感じ、男は一人呟きながら進んでいく】
【その発言からも窺えるように、この男もまた、決して"まともな"人間ではない】

【そして二人の会話を聞けば、右袖を捲り上げつつ、一歩二人へと近付いて】

この先には行かせられない、ということはこの先に行けば何かいいものがある、ということですか?
──それならば、是非とも見に行きたいですねえ……!

【合図が出るが速いか、男は素早く二本のメスを取り出して両手に構え】
【更に、露になったその右腕には黒と紅の二つの眼が光っている】

やれやれ、数が多いのは"あちら"の専門なんですが───仕方ありませんね

【次の瞬間、男が右のメスを左から右へ振り抜くと同時、外側を向いていた紅の眼が鋭い光と共に凪ぎ払うように熱線を放つ】
【熱線は致命傷たりうる程の威力は持たないが、当たれば肉が焦げるような痛みを受けるだろう】

【しかし、左側のマフィア達に対しては男は何もしていない。これは隙か、それとも──】
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/15(土) 23:37:23.96 ID:2zqcnF99o
>>11

ええ、どうぞお気になさらずに。1人で居るのもなんですから。

【優しげな微笑みと点と丸がしっかりついたような冷静な口調で返した。】

【煙草を灰皿に押し付けながら、相手の顔をチラと見る】
【年齢、人種、大体の職業、人相からの雰囲気等々…】
【単なるOLじゃあなさそうだということは服装から読み取れた】

ええと、そうですね……ここは肉料理がメインだからワインは赤のほうが良いのが多いですね
料理だったら…こっちのパスタかこっち。フィレを食べるなら、何かもう一品あったほうがいいかもしれませんね。

【それと、一瞬の目線の動きも。流石にこんなものを持っていれば気になるだろう】
【しかし、そこで怖気づかずにフランクに話しかけてくる姿は腰が座っているのか、陽気なのか…】

【そんなことを考えながら店員の持ってきたメニューを指で指しつつ、相手の質問に返す。】

何か…お仕事の帰りなんですか?ああ、すみません…けど、貴女みたいな方には珍しい服装でしたから。

【あまり疑うのも悪い癖だな。そう思いながら、PCの画面を閉じて会話を続ける】
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/15(土) 23:47:51.14 ID:RLT1hF7Ho
>>13
【腕に宿る異形の紅い眼が熱線を放ち、マフィア達を打ち払う。それを受けた物は当然の事ながら、見た者たちも怯んで攻撃の手が緩んだ】
【しかしそれも一時的にである、勇気ある無謀なマフィアが一人、安物の刀を大きく振り上げ、左側から男に襲い掛か───】

【───いや、振り下ろされた刀は男には届かず、白銀の刃に止められている】

…おいおい、こんな奴は連れて来た覚えはねぇぞ?
…言っておくが、何があっても俺は責任取らねぇからな

【自分に襲い掛かったマフィアを切り抜け、眼帯の男が刀を受け止めていた】
【どうやら、今漸く、自分以外の何者かが巻き込まれているのに気付いたらしい】
【『これが最初で最後だ』と、男に声をかけた彼は、刀を持ったマフィアを切り伏せると、その場から離れて船へ向かう】

【目の前の邪魔者を次々に薙ぎ倒していく男の後ろにつけば、簡単に船まで向かえる筈だ。しかしこの場に見るべき物が無いわけでは無い】
【この辺りにも降ろされた積荷≠ヘいくつかある───檻に入った獣人や人間達が、怯えた様子で事態を見守っていた】
【こちらに残るなら、相手になるのはマフィア達か】

【一方、それらに目もくれない男の動きは、段々と歩みから走りへ。スピードは増して行く】
【最早突進へと変わったそれは、一気にタラップを駆け上がり、入口にいる影に刀を突き立てながら、その勢いのまま入口へと飛び込む】
【彼を追えば、戦場は船内へと場面を変える事になるだろう】
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/06/16(日) 00:02:00.57 ID:9o+e4wV4o
>>14

【刀を差してはいるが穏やかな人物のようで】
【相席で気分を害するようなことはなさそうだ】
【突然の質問にも、丁寧に回答してくれた】

そうですか、ふむ、このパスタが美味しそうですね
ワインは……残念ながらお酒は苦手でして

【店員を呼び、薦められた料理の中から良さそうなパスタと】
【ワインの代わりのつもりか、ぶどうジュースを注文する】

私はまだ大学生なので、仕事ではないですが──大学で研究、「能力者の研究」をやってまして
それでこんな、支給された作業着や白衣を着てるんです。別に街中で着る必要はないんですけど
私服とかは選ぶの面倒なもので……

【簡単に自分の立場を答え】
【相手の気になっていた刀について話題に出してみる】

それにしても、良い刀をお持ちですね
いえ、私は武器には詳しくないので正直よくわからないんですけど、
その朱の鞘からはなんとなく雅な雰囲気が伝わってきます

どんなお仕事をされているんですか?

【堂々と刀を差している女性に職業を尋ねたがる者は中々珍しいが】
【興味のあることを堂々と質問した】


17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/16(日) 00:10:27.01 ID:KqtHfXuAo
>>15
【振り下ろされる刃に対するべく構えようとしていた男は、初めと変わらぬ笑みのまま彼を見て】

おや、随分とお優しいことで。
──まあ、心配はいりませんよ。此方とてこういうものに慣れていないわけではないですからね。

【走り出した彼を見ることもなく、その視線は近くの積荷ばかりを見て】

ここには──大した"モノ"はありませんね、彼を追いましょうか。
『オッケー』

【しかし檻の中に興味を惹くものは見当たらなかったようで、彼らを放置したまま男も船へ走り出す】
【そしてそれに続くようにコンテナの上を跳ねる一つの影】
【少し小柄なその影は、男より少し後を行くように船を目指す】
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 00:32:21.89 ID:8eRc0x8ko
>>16

へえ…そうですか。大学で…能力者の研究ですか
専門的な学問のことは私にはわかりかねますけれど…随分と大変そうですね。

【非常に厄介である。それは自身が能力者であるからである。】
【他の能力者はこのような相手に対してどのような態度を取るかは知らないが】
【少なくとも自分は言いたくない。というかそっちの話題に持って行きたくない】

【それは自らの立場がマフィアであるからで相手が民間人だからである。】
【相手もマフィアならその場でワインボトルを振りかざしてやるところだ。】

【しかし、刀を見られている以上は突っ込んでくるだろう。】
【ここは何時もの通りの”表”向きの肩書きで対応するとしよう…】

いえ、見た目だけですよ。どうせ、使うことなんてほとんどありませんから。
見た目だけ玄人にしておけば、何かと便利なだけですよ。

私はとある会社で秘書をしておりまして。社長付きですから警護なんかも一応。
まあしかしSPも居りますし…私も少し嗜んでいる程度ですから。

【ポーカーフェイスを上品な仕草と笑みで塗り固め、嘘と真実をミックスさせる】
【ヤクザの組長の秘書も会社の社長の秘書も大して変わらないだろう】
【違いといえばギラつく刀は本物で、幾つもの血を吸っていることぐらい…】
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/16(日) 00:51:24.40 ID:BJJIrrAjo
>>17
【機械刀を突き立て、押し込んだその先───やはりコンテナや檻が積み込まれた甲板には、強い光を放つライトがその場を照らしている】
【弾き出された影は、後ろに飛んで男から距離を取ると、爪を床に突き立て止まり、ゆっくりと立ち上がった】

【───彼もまた獣人、マフィアである】
【ボタンを閉めた灰色のトレンチコート一枚のしなやかな長躯、黒い毛並みの体と、長い尻尾、頭に生えた耳は右耳が引き裂かれてボロボロだ】
【黄金の眼を目の前の二人に向ける黒猫の獣人───D.R.U.G.S.傘下のファミリー、キマイラ≠フ一員。名をネロと言った】

「…参りましたね、飼い犬に手を噛まれるとはこの事でしょうか。少し不躾ではありませんか、ラッシュさん」
…飼われた覚えはねぇ

【ネロと、ラッシュと呼ばれた男は面識があるようで、お互いに警戒したまま、にらみ合う】
【着いて来た男も、ラッシュに並ぶ形になるだろう】

「…そちらは初見で…援護射撃の方も入れて三人ですか…やれやれ、困りましたねぇ」
…まだ着いて来てたのかよお前、本当に知らねぇぞ

【着いて来た事に呆れつつ、気に掛ける様子を見せるラッシュ。「邪魔だけはすんなよ」と続けた】

【───何か、不審ではないだろうか?】
【船の下にはあんなにマフィア達がいたのに、船上には全くいない、ネロだけが一人立っている】
【それだけの実力があるという事か?だとしてもこれは警備が軽過ぎる】

「目的は…恐らく、奴隷の解放でしょう?」
「あの奴隷市場でもきっと快く思っていなかった筈、しかしその場ではそれを示さず抑え、好機を伺いましたか」
「なら、最初からやらなければよかったのに」

…悪ぃな、上からの命令には従わなくちゃならねぇ身でよ

「やはりただの犬、それでは人間の皮を被っているだけではありませんか」
「…一つ良い事を教えてあげましょう、こちらの船も確かに積荷を載せた取引の為の船、しかしこちらは所詮囮、本命は他の国で行っています」

…何?

「噂を流したのもわざと、鼠を釣る罠…首領の御考えは見事成功ですね」
「…そして、あなた達にはここで果てていただきます」

【───きっと、状況や、今に至るまでを知らない者には、現状を理解出来なかろう】
【一応、少し前に地の国にて、D.R.U.G.S.絡みの奴隷市場襲撃事件があった───という事を知っていれば、いくらか状況を飲み込めるかもしれない】

「───ロドリゲス、援護を」

【次の瞬間、ラッシュの体は吹っ飛んだ───比喩ではない、何かに弾き飛ばされたかのように、吹き飛んだのである】
【何もされていない、していないのに。まるで空気の塊でもぶつかったかのように、横の男の側面を擦り抜け、塀に背中を打つ】

【驚く暇は無い、男に対してはネロが飛び掛かる】
【袖から九節棍を取り出し、棒の形に纏めて、向かって左側から男を打ち据えようとした】
【遠心力のかかった先端での、中距離からの攻撃だ、当たれば威力はそれなりにあるが、躱された隙は大きい】
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/06/16(日) 00:59:01.27 ID:9o+e4wV4o
>>18

まあ大変なこともありますが、楽しいですよ
能力者研究は私の生きがいですからね

【能力を研究している、と言っても相手はポーカーフェイスで顔色一つ変えないが】
【相手から自分の服装、職業に就いて質問してきたにもかかわらず】
【大変そうですね、で話題を終わらせたあたりに、違和感を覚える】

見た目だけ玄人にすれば便利、ですか
玄人でもない人が堂々と刀を二本も差して街中に居たら逆に余計なトラブルを背負いこむような気が……

【言葉の節々に何かずれているようなものを感じ、探るようなことを言ってしまう】
【が、続いて話された彼女の職業を聞き、言及は止まる】

成程、警護も行う秘書さんですか
なんだ、やっぱりプロじゃないですか。見た目だけなんて言うのは御謙遜だったんですね

【民間の秘書が武装して戦闘の心得があってもおかしくない世の中だ】
【白衣の女性の中では一応納得された】
【そして、警護、SPという言葉からあることを連想した】

実は、私にも大学から派遣された護衛がいる、というかいたんです
彼は二刀流のナイフ使いで……そこだけはちょっと貴女に似てるかもしれませんね
ですが先日、能力者の強盗と戦って大怪我して……今入院してるんです
今日はそのお見舞いの帰りだったんですよ
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 01:01:09.09 ID:DtiOaU/ho
【水の国――ビアガーデン】

【打ち水、噴水、時期の雨と水が絶えず温度を奪い去る気候の中】
【人もかなり掃け始めた天井夜空のその脇で、ぐったりと酒を片手に机に伏す影】

あ……暑……
暑いンじゃないケド……なンだ、ペトペトするなァ……

【うなだれる背中は広く、白く磨かれたテーブルの半分を覆うように逞しい体躯が凭れている】
【耐えきれない様子の独り言から察するに、どうやら湿気というものに慣れていない様子で】
【氷で満たされたグラスになるべく当たらんとするように、腕と手とでがっつりガラスをホールドしていた】

【一目見て砂漠の生まれだろうと分かるほど民族色の濃い異装をした、長身の青年】
【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【大きな濃い灰色のポンチョを黄色のショールで斜めにしぼっている】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】

冬ノ内に来たからなァ、あの時ノまだカラカラ乾いた空気がチョット恋しいな……

【半裸に近い服装にかぶせられた木綿は涼しそうながら、それでも湿気を含んでへたりと重く】
【閉店間際の店の前では、少々目立ち気味であった】
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/16(日) 01:22:02.20 ID:FFfBfhaGo
>>19

D.R.U.G.S.に獣人を中心に構成されたファミリーがあるとは聞いていましたが──本当に獣人ばかりなのですねえ……
しかし……フフフ、綺麗な眼じゃあないですか、貴方。やはりこちらに来て正解でしたね……

【ネロという獣人の黄金色の眼を見てテンションが上がっているのか、彼─ラッシュの言葉には何も返さず、ただ俯き気味に】

『ね、ラッシュって何か聞いたことある名前じゃない?』
ああ、奴隷は此処ではないのですか……少し期待していたのですが……
『き、聞いてる?』

【ラッシュが吹き飛ばされたことも見えていないかのように、男は一人ぶつぶつと呟く】
【更には通信機から聞こえる、仲間であろう女の声にも応えず──】

それなら───

【正に攻撃が命中する、その瞬間、前を見据えたその顔は相変わらず笑みで、しかし眼は見開かれ】
【その左眼は深淵の如く深い黒で、瞬間、構えた左腕を同じ色の影のようなものが包む】

貴方の眼をいただきましょうか!

【棍と衝突した腕は、まるで金属かのような硬い音を響かせて攻撃を受け止める】
【そして男はネロへと走り込み、右手のメスでネロの左腕を切りつけようとするだろう】
【しかし、初撃の衝撃もあって速さは大したものでもない】
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 01:22:57.47 ID:8eRc0x8ko
>>20

いいんですよ…あまり、こういう言い方も何ですけれど。
正当な方法以外でも圧力をかけてくる方も居ますから。
それに、無抵抗な人を狙う悪党のほうが世の中多いわけですから…

【能力者を狙うようなシリアル・キラーも居るだろう。】
【しかし、無抵抗の人間を狙うマーダーも喝上げするチンピラどものほうが】
【目立っていないだけで圧倒的に多いというのも事実で全くおかしいというわけでもない】

何がアマチュアでどれがプロフェッショナルかはわかりませんが…なら、プロなんでしょう
しかし、本職の方からすれば私なんて業務の一環ですから

【微笑みながら、テーブルのワイングラスを手に取る】

なるほど…それはお気の毒に。それほど危険な場所にも行かれるんですね…
とはいえ、それもその方のお仕事なのですから…とても信頼出来る方だと思います。
なにせ、身を呈して守ったのなら…
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/06/16(日) 01:50:09.85 ID:9o+e4wV4o
>>23

はい、信頼はしてますよ
守ってくれたことにも感謝してます

しかし現実問題として今は護衛がいないので、
自分の身を自分で守れないと「能力者探し」もできません
まあ今までは路地裏にも一人で踏み込んだりしてましたが
その一件で今までの私の危機感の無さというか……
この研究の危険さみたいなものを今更ながら実感しましてね

【そう言いながら相手の刀を再び見つめ】
【唐突に質問する】

突然ですが……貴女は能力者ですか?
もし違うのなら、無能力者が戦えるようになるには能力者から身を守るにはどうすればいいのか
コツみたいなものがあったら教えてほしいです

【どうすればいいのか、とはえらく抽象的な質問である】
【しかしかつての彼女は無能力者には一切興味を示さなかった】
【今は心境の変化か、相手が能力者であろうとなかろうと】
【興味を持っているようだ】

私の名前はピオネルスカヤ
貴女のお名前も、よろしかったら

【少なくとも、彼女が「能力者かわからない相手」に名前を尋ねるのは初めてだ】

25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/16(日) 02:04:19.51 ID:BJJIrrAjo
>>22
【棍と腕が激突する───普通ならば腕がへし折れても不思議ではない光景、しかしこれは能力者の戦い】
【片腕で受けたそれにも非常な驚きは見せず、「ふむ」と分析を始めたネロ】

【後ろに下がり、左腕の切り傷を浅い物に抑えながら、体制を立て直す】

「…相手は私だけではありませんよ」

【体制を直しながらネロが言う。刹那男の背後より襲い掛かる凶器】
【ギラリと輝きを反射する、湾曲した金属───ショーテルと呼ばれる剣が、空中に浮かび男の背後から首に襲い掛かる】
【───いや、空中に浮かんでいるのではない、よく見れば、空間が不自然に歪んでいた。まるで人を象るような歪みがショーテルを持ち、男に襲い掛かっていた】

【不意を突いた急所狙いの一撃、それは確かに男の首を捉え───】

───オラァッ!!

【いや、すんでの所でラッシュが阻止した。ラッシュの放った蹴りは虚空を穿つ───虚空かと思われた、ソレを】
【鈍い音と共に、ショーテルを持った歪みは吹き飛び、転がり、その姿を表した】
【緑色の鱗に覆われた肌、グリグリと別々に動く大きな眼、そして鶏冠とグルグル巻の尻尾】
【カメレオン───である。カメレオンの獣人が、ラッシュに蹴り飛ばされ床に転がっていた】

『ゲ…ゲス……よく見破ったでゲスね…』

【そう、彼こそがもう一人の相手、彼こそがロドリゲスと呼ばれていた者】

【そうこうしている間にネロが動く、またもや男に向かって棒を振るう、今度は上から下へ】
【だが、今回は打ち付けるのではなく、途中で節を分かちバラバラにして、防御を絡め取ろうと不意を突くのが狙いだ】
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/16(日) 02:19:15.60 ID:8eRc0x8ko
>>24

そうですね、普通の強盗ならまだいいですけれど
機関の人間だったら目があっただけで殺されることもあるかもしれませんしね

【そう言いながら”能力者探し”というワードに引っかかって居た】
【何か線を引いて居るような未知の野生動物を探して密林を探検するかのような】
【学者(正確には学生らしいが)というものはこうも冷たい人間なんだろうか】
【冷たいことに関しては自分も否定はできないが…】

……能力者だって言えば、私も色々と聞かれるのですか?
…そうなのでしたら、何もお答えすることはできません。
その方が、お互いのためだと私は思うのです。ほら、何せ帯刀するような世間ですから。

【変わらぬ笑みと、清楚な気を使った口調。】
【しかし、その漂う空気はピリッとしてるんじゃないんだろうか】
【名乗ることも拒否する姿勢は”普通の非能力者”と思うのは難しい】

私は霧崎舞衣。よろしく、ピオネルスカヤさん。

【そう言ってワイングラスをそちらの方に。乾杯しようという合図だ】

【名は体を表すとも言う。霧崎から斬り裂きを連想するのは】
【腰の刀を見てからだと連想しやすいかもしれない…】
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/16(日) 02:41:50.19 ID:KqtHfXuAo
>>25

ああ、貴方も仲間をお連れでしたね───

【言いながら、振り抜いた勢いで後ろを向き、迎え撃とうとし──】
【やって来たラッシュを見るや、右腕を背後へ回し、紅の眼でネロの脚を捉える】

おっと危ない、危うく一撃入れてしまうところでしたよ
──で、それは不意を突いたつもりですか?

【そうして先の熱線を放つと同時、振り返りながら左のメスを振り上げて棍を迎える】
【今回は腕ではなくメスでの防御。能力は使わなかったのか、それとも……】
【どちらにせよ、ネロの狙いは成功した訳だ。が──】

クッ───フ、フフ、こうした武器を見たことがないとでも?
余りナンバーズを嘗めないでいただきたい……!

【熱線も放ち終えた右腕を軽く引き、手首を使ってメスを投げ放つ】
【高さは凡そ胸の辺りであろうか】

【そして然り気無く明かした男の立場、それはきっとネロ、ラッシュ共に敵対するべきものの筈で───】
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/06/16(日) 02:48:56.45 ID:9o+e4wV4o
>>26

「機関」ですか。まだ関わったことは無いですが
この研究を続けていたら、いずれ接触は避けて通れないとは思ってます

【きっとその時は、戦いも避けることは難しいだろう】
【それまでに、今の状況を改善することが必要だ】

もちろん、危険だからって研究をやめるつもりは毛頭ありませんけどね

【にこっと、笑みを浮かべる。彼女なりの覚悟の表情のようだ】

勿論!能力者であれば、いろいろ聞きたいですし、見せてもいただきたいですね
……それは残念です
私もこれ以上追及するのはやめましょう。その刀で斬りかかられても身を守る手段がありませんから
ふふ、能力を話したがらない能力者から巧く情報を得ることも、今後の課題ですね

【物わかりよく身を引き】
【冗談めいた言い方で話せば、いつのまにか料理が運ばれていることに気付き】

霧崎さん、こちらこそよろしくお願いします

【女性──霧崎舞衣が促すままに、ピオネルスカヤもぶどうジュースのグラスを持ち】
【グラスを合わせに行く】

おっと、早く食べないとせっかくのお薦め料理が冷めてしまいますね

【そして、雑談もほどほどに食事を堪能し】
【食べ終えれば、舞衣に礼を言い、席を立つ】

今日はどうもありがとうございました
パスタ美味しかったです。次は別のお薦め料理を食べたいと思います
霧崎さんとも次に会うときはこの店で……じゃなくて
”その刀を抜いている時”だったらいいですね
では、さようなら!

【灰色の瞳で、その時を楽しみにしているかのように舞衣を見つめ】
【別れを告げ、「能力マニア」ピオネルスカヤは店を出た】


/このあたりで。楽しく会話できました、ありがとうございました!
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/16(日) 03:15:40.58 ID:BJJIrrAjo
>>27
【───この場で、最も異常性を見せているのは間違いなく、白衣の男であろう】
【腕の眼という見た目もさながら、この状況においてこの余裕は、確かな異常】

「……ッ」

【男の武器を捕らえた、しかし脚をやられたネロは、余りいい表情をしていない】
【動けなくなるような傷ではない物の、無視出来る傷ではない、動き続ければいずれその影響は大きくなる】

【左手に氣を集中させ、一瞬硬化させる技を使い、掌でメスを打ち払い、ネロは男を見る】
【絡み付かせた九節棍を持つ手に力を込め、男の体制を崩そうと思い切り引っ張った】

「…成る程、ナンバーズ…ですか」
───なん……だと…!?

【ネロが男へと行動しながら、明かされた事実に様々な反応を見せる二人。ネロはやはりか≠ニいう物、ラッシュはまさか≠ニいった物】
【味方、だとは思ってはいなかったが、まさかカノッサの一員だったとは───ラッシュには、カノッサ自体には恨みはないが】

…チッ!テメェ、名前は!?
色々と聞きてぇ事があるが、まずはここを片付けてからだ!

【───混乱に乗じて、ロドリゲスがまた姿を消した】
【どこから来るかわからない相手を警戒しつつ、ラッシュは男に現時点での協力を煽る】
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/16(日) 03:48:38.96 ID:uKoUfyAio
>>29
【見た目の異常性、そこに数えられるものがもう一つ】
【笑み─そう、この男、ずっとその顔に笑みを貼り付けたままなのだ】
【攻撃を受けた時も一瞬表情が歪む程度で、すぐにまた元に戻るその笑顔は最早、狂気さえ滲んでいる】

【そしてネロが棍を引こうとした時、腕に絡んでいる節へ向け小さな鉄の刃が飛来する】
【恐らく棍を破壊するのが狙いであろうその攻撃の出所を見れば、そこには若い女が一人】

「そろそろ時間だよー」
おやレイジア、もうそんな時間でしたか……
仕方ありませんね、隠れている彼を何とかしたら帰りましょうか

【言うと男は左のメスを捨て、出口へと向かおうとする】

さあ、止めるなら最後のチャンスですよ?
無論、仕掛けてくるなら反撃させていただきますがね。

【その言葉はロドリゲスに向けると同時に、ラッシュへ放ったものでもある】
【そして事実、このままなら男は去ってしまうだろう】
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/16(日) 04:18:16.07 ID:BJJIrrAjo
>>30
【引き寄せた事でピンと伸びた根に向かい、刃が飛来する、特殊でもなんでもない根の接続部を切断して、拘束が解けた】

「…ふむ」

【状況を見て、落ち着いた反応を見せるネロ───当然の事だ、ネロ達にとってのここでの仕事は足止めである、処理は二の次】
【本命の取引現場に被害が及ばなければ、こちらはそれでいい】

チィッ!

【───だが、ラッシュの方は別】
【現状況ではやるべき事が多過ぎる、到底処理仕切れる物ではない】
【自分もダメージを少なからず負っている現状、二兎はともかく一兎すら難しいかもしれない】

(こんなんじゃグーさんに顔向け出来ねぇよ…!)

【そうだ、今自分がここにいるのは、カノッサの───六罪王の居場所を聞き出す為じゃない。あの時、自分の意志に反したツケを払う為、あの時に裏切ってしまった者への贖罪の為】
【いくらここがダミーであっても、少数の奴隷でも、解放するのが自分の意志であり、指名】

───おいナンバーズ…ここは見逃してやる…!
次はねぇぞ…!テメェらには聞きたい事があるんだ…!

【男を無視し、ネロに対峙するラッシュ───その体に、紅と銀の力が漲る】
【体から迸る紅は、刀から湧き上がる銀に混じり、刀はやがてその形を変えた】

【それは、槍と大剣の間の子のような、長柄の剣に】
【切っ先から中心部にかけて隙間が開いており、根元で丸く開いた隙間に宝玉が収まっている】

『ゲスゲスゲス!逃がさないでゲスよ!』

【その声は、男に向けられたもの。声がするのは、男の前方】
【男を待ち伏せするような形で、ロドリゲスが船の側面に張り付き機会を伺っていた───そして、攻撃】
【長い舌を口から飛び出させたかと思えば、その先端にはショーテルが、やはり首を狙って蛇のようにしなりながら舌が襲い掛かる】

「───まずい…!」

【ネロの声が焦りを含み、ラッシュの背中には紅と銀の、エネルギーで出来た六枚の翼が背負われる】
【そして───】
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/16(日) 04:44:28.77 ID:cgjp8GuMo
>>31
【ラッシュの横を通りすぎる際、思い出した様に男は口を開く】

ああ、そういえば名前、でしたね
僕はNo.31、ノーグ=ナシエという者です
フフフ……次は無い、ですか。そういって手伝ってくれた貴方のことですから、その言葉も怪しいですねえ…

【それだけ言うとノーグは笑いながら歩いていく】
【宝玉の気配を感じ一瞬動きが止まるも、すぐにまた歩き始め】

(ラッシュ……宝玉……収穫がなかったわけでもないですか……)

「来るよ」
──甘いんですよ。

【ロドリゲスの攻撃が届く瞬間、またしてもノーグの左眼が鈍く光り、首筋を包んだ影が刃を受け止める】
【先端が軽く皮膚を裂きはしたが、軽傷に過ぎない】
【続けてノーグは三本目のメスを取り出し、舌を掴んで船の外壁に縫い付けるように突き刺そうとする】

【その後、一度振り向いて】

では、また何れお会いしましょう。

【それだけ言って歩き出し、闇へと消えていった】
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/16(日) 05:03:47.61 ID:BJJIrrAjo
>>32
『な、なにぃ!?私の完璧な不意打ちがまたしても!?』

【『はがっ!?』と響く短い悲鳴は、舌にメスを突き刺されたロドリゲスの物】
【慌てふためきメスを抜きに向かうロドリゲスに、ノーグを追う余裕は無い】

「…ここまでですか」
「総員退避!積荷は放っておきなさい!!」

【ラッシュが両手に持った剣に、紅い力が漲るのを見たネロは、声を張り上げる】
【足止めは十分だ、首領の計画は成功した、これでいい】

───うおおおおおおおおおおおおおぉぉぉッッッ!!

【───響く咆哮、劈く爆音───紅き槍が牙のように生え、突き立ち、船を檻を破壊する】
【ラッシュが剣先を甲板に突き刺した瞬間に破壊は始まった、めちゃくちゃな破壊が、全てを壊す】
【幸いなのは、この船には既に中身の入った檻は無かった事───ダミーが大半であり、中身入りは既に港へ、オマケに魔弾の射手の活躍で解放されていた】

【怒る獣の牙がごとき力は、船を砕き、海へと沈める】
【マフィア達は素早く逃げ出し、崩れゆく船に残るのはラッシュだけ】

…チッ!

【忌々しげな舌打ちを一つ】
【大きな波と共に船が沈んだ後で、港に降り立ったラッシュを待っていたのは解放された奴隷達と、援護を行っていた同僚】
【「…さて、こいつらをどうするか」───忙しくなるのは、これからだ】

/お疲れ様でした
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 15:03:07.92 ID:VgfpK1udo

【――――"痛ッ・・・"という、小さな悲鳴は女性の物だろうか。】
【痛いなら痛いと正直にそう言えば良い物だが。強がるように、認めないように堪えてそう、小さく呻いたのは確かに、女性のそれに近い。】

【しかし人物が人物である、そう易々と弱音を吐ける存在でなければこんな風に我慢する事も――時には、必要であって。】
【とある国の大きな"総合病院"の隣、リハビリをする者やバドミントンをする者に混じって、その"女"も静かに、ただ静かに――】


――――――――――ッ!!


【―――"発砲"。】
【胸元が開いた患者服――その腰元、現在の格好から考えれば不釣合いにも程がある古びた"ガン・ベルト"を装着し】
【その内部へと素早く――本当に素早く、目にも留まらぬ速度で先ずは右手を向かわせ。瞬時に"グリップ"を掴み取った。】
【すかさず今度は左腕を真横からスライドさせるよう滑り込ませ――右手の人差し指は既に"トリガー"を引き切っており】
【飛び込んできた左腕、その親指が撃鉄を叩き起せば――ファニングの完了、同時に引き起こされた撃鉄が急速に戻り】
【内部のシリンダーへと撃針を叩く、その刹那―――】

【―――――"ポン"という、なんとも小気味良い破裂音の後。女性から銃数メートルの位置に置かれた缶ジュースのコップが、"カキュン"という】
【甲高い音を立てて吹き飛んだ。―――銃声、にしては少々。おとなしすぎる、というか―――これは、なんだ?】


―――ああああ〜っ・・・感覚が戻ってきたのは良いけど、やっぱり玩具のピストルじゃ弾速とかトリガーの重さとかハンマーの感覚が違いすぎて
練習になってるのかなってないのかイマイチわかんないよ〜〜っ・・・!!はぁ、まだまだこれからやる事いっぱいあるのに・・・
なんていうか―――大丈夫なのかねえ、アタシ。


ほいっ、もういっちょ―――ッと!!

【華麗なガン・スピンを決めてベルトへと"マル○ン"製のガスガン――"Colt・S.A.A"を戻し。再び、先程同様に素早い抜撃ち<ファスト・ドロウ>で】
【今度は隣に並んだ二つの缶を連続で、射抜いた。指の動きはようやく勘を取り戻してきているし、射撃精度も抜群の様子――ではあるが】
【矢張りBB弾が缶を撃ち抜く際のカツン、カツンという響きはとても真面目に練習している身にはこう――間抜けな印象で。】
【もっと言えば、その顔を知っている者からすれば、"何故お前が入院患者の服を着ている"と言いたくなるであろう程に、この女は――】

【―――セリーナ・ザ・"キッド"は、患者服が絶望的に似合っていなかった。テンガロンハットがないのも不自然だったし】
【何時もは綺麗な脚を包んでいる筈のウェスタン・ブーツも今は為りを潜めてサンダルへとその姿を変えているのだ。】
【もっとも、クセのあるブロンドのショート・ヘアに関して言えば何時も通りであったし――声や様子も、入院している人間のそれよりは大分】
【回復している様子であったのは確かだ。それでも、矢張り正義の組織を率いる人間がエアガンを持って公園で射撃の練習をしているのなんて】
【どう控えめに見てもホントに、こう――絵的には映えない、としか言いようが無いだろう。なまじ有名なだけに、より一層悲壮感が増す。】

【――ただ、一つ言えるのは。そのブルーとも、翡翠ともとれる神秘的な輝きの瞳は何時にも増して――深く、燃えるように滾っていた事だろう。】
【激しい傷を負ったのは確かだ。足の骨折はまだ、治っていないし――しかしそれでも、彼女にはすべき事があって】
【そして今、その成すべき事を前にし彼女は――ゆっくりと、自身の中に正義の熱を滾らせていた。】

―――・・・決着は必ずつけるよ。待ってな、"リリア"。

【静かに、そう――呟いて。再び銃を握るが――】
【ふと、前を見てみれば狙うべき缶は既に全てが吹き飛ばされていて。再び配置しなおさなければならなかった。】
【――ガス銃を一旦降ろし、木に立てかけていた松葉杖を握って――缶の方へと、歩き出す。】

・・・いったた・・・ッ、もともと動き回って戦うようなタイプじゃ、ないから・・・良かったものの・・・。
はぁ――・・・こりゃ、疲れるねぇ。どうにか・・・しないと、だ。

【よろよろ、と杖を突きながら。そこら中に落ちている缶を拾い始める姿のなんと、滑稽なことよ。】
【この可笑しな入院患者に声をかける者もいるだろうか――――。】

35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/16(日) 15:22:23.64 ID:ANj0v1ZJ0
>>34

【――――昼下がりの病院、隣接したスペースを行き交う人々に交じり、人目を引く恰好をした人物の姿があった】

――――はぁ……ったく、流石に今回は精神的に堪えたぜ……
「だから、君まで付き合う必要は無いと言ったんだ……手前ならともかく、ね」
言ってろ……あの手の魔術は、俺の得意じゃねぇかよ……俺が居なくてどうなるよ?

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】

【ベンチに並んで座り、どこか疲れた様子で言葉を交わしている】
【殊に居丈夫の疲れは大きかったようで、ベンチの背もたれにがっくりと身体を預けていた】

「……まぁ、手前らのやった事は決して無駄ではないよ。確かに、1人の人間を救えたのだからね……」
……ハッ、焼け石に水……って言うのは、不謹慎だけどよ? ……本当に救いなんかになってんのか?
「少なくとも、手前はそう確信するよ……アレは、確かな『救い』さ……君には、不本意でもね……」

【会話を交わしながら、2人はそれぞれ手に携えたドリンクを煽る】
【どこか急ぐ様に喉へと流し込むその姿は、身体をクールダウンさせようとしているようだった】

「――――――――ん?」
おっ……なんだありゃ? 随分やんちゃな怪我人が居るもんじゃねぇか……
…………って、なんだ……どっかで見た覚えがあるな……?

【そんな2人の視線が、エアガンを下ろして松葉杖をつく人影を見る】
【一瞬、興味深げに止まった視線。その姿を見て、居丈夫は不思議と首をかしげる――――どこかで見た姿だと、記憶が訴えかけていた】
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/06/16(日) 15:27:10.65 ID:DoCC4fGmo
【町外れ――】

「ZZZ…………」
『……はァ、こォーして寝てっ時は大人しくて良いんだけどよォ』
『ったく、素直なんだか頑固なんだかはっきりしろっつゥーのッ』

【ぬるい風が優しく吹き、草原が広がるこの場所の樹の下に、幾つかの影があった】

【一人は、サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代半ばの男】
【ハーフ顔で優しげな目付きをしていて、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【服装は、ほんのり青いタンクトップに、紺色のジーパン(ストレッチタイプ)】
【両手足には指が出るタイプのグレーのグローブ的なものがはめられており】
【紐タイプの無難な黒ベースの運動靴を履いており、頭部と両腕には赤色の鉢巻が巻かれていた】

【スヤスヤと眠っていて――その体勢は、体育座りのまま横に倒れたかのような形だ】

【もう一人は、ぱっと見三白眼の強面で、約190cmで細いが引き締まった体型で30代後半の男だ】
【一重かつ褐色虹彩で、髪型は整っていないリーゼントもどき、姿勢はやや猫背気味】
【やや派手目の金色模様がある黒いコートに、エメラルドグリーンで波のような模様のあるシャツ、紺色のジーパン、白い靴下】
【改造されたベルトにより左腰に差された木刀、左手首には腕輪のように鈴が身につけられている】

【まだ起きているようで――その傍らには、奇妙ななにかが居た】
【それは額に竜のような鰭を1つ持った鱸の頭に、海水を主としたゲル状の物で出来た人の様な姿を持つモノ】
【手の甲や背には魚の背鰭が、踵上部には魚の鰭が、尻には魚の尾があり】
【頭部や尾、鰭の断面は虚空の様に見え、ゲル状の物がそこから出ていて――生えていると言った方が適切か】

{コンナ奴ノ相手シテル御前モ御前ダロ}
『……ふん、こんな鬱野郎を野放しにしておけっかよ――ま、周りに迷惑かけられちゃ困っしな』
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 15:35:14.46 ID:DtiOaU/ho
>>34>>35
/横から失礼します
/うららかな昼下がり余裕がありましたらば
/もしよろしければ三人絡みなんでいかがでしょう……か……_(:3 」∠ )_
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 15:37:21.44 ID:VgfpK1udo
>>35>>37
/ダンテコッタイ!まさかこんな超速で絡んでいただけるとはおもわなんだ、しかもお二人とは!
今返事書いていたのですが、それなら私の方は三人でOKですのでよければ一緒に〜!
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/16(日) 15:41:09.45 ID:ANj0v1ZJ0
>>37-38
/セリーナの方さえ良ければ、こちらは問題なしですー
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 15:47:15.41 ID:DtiOaU/ho
>>38>>39
/ありがとうございますー
/早急に描き上げますのでしばしお待ちを
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 16:01:10.57 ID:qbXKq9xBo
>>36
おや?

【町外れ 知った顔を見た気がして立ち止まる影が一つ】
【それは黄色のTシャツ、青いジーンズ】
【緑の髪、緑の目で、緑のコートを着た少女】
【見た目だけで判断すると年齢は13か14ほどか】

あのー・・・いつぞやのヤンキーのお兄さんではありませんか?
【少し明るい声で声を掛ける】

やっぱりそうだ、そこの液体っぽいお兄さん?も見たことあります
えーと、ベルテです、狼女です、覚えてますか?
【首を傾げる】

こんなところで何を?散歩中休憩ですか?ですよね?
【決め付ける 何故なら自分が散歩中だから】

存じ上げないお兄さんもいらっしゃいますが、お変わりなさそうで
【相手の反応も見ずに、はははと笑う】
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 16:03:49.40 ID:DtiOaU/ho
>>34

【少女の視界と二人の視界に割り入るのは、未だ夏には早い時期には珍しい褐色の色】
【生まれつきであろう色は、少々遠いところへ弾き飛ばされた貫通痕のある空き缶を拾い上げ】
【傾きはじめた太陽を背に屈託のない表情を浮かべた】

見たトコロ全快って感じじゃないケド。頑張り屋さんなんだナ
……コッチに置けばいいか? 俺は銃はニガテだからよく分からないけど、さっき置いてた場所デ問題ない?

【一目見て砂漠の生まれだろうと分かるほど民族色の濃い異装をした、長身の青年】
【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【大きな濃い灰色のポンチョを黄色のショールで斜めにしぼっている】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】

【先の笑顔が挨拶代わりと言わんばかりに、彼女の目の前でひょいひょいと先を越すように缶を拾っていく】
【撃ち抜かれた缶が置かれていたであろう場所に缶を定置しながら、はて、と正しいかどうか考えあぐねるように顎に手を当て】
【どうかと尋ねようと相手に再び向き直った途端、ふと相手の顔にじぃっと焦点を合わせ始めた】

あれ。……ネ、俺もしかして君と会ったコトある?
うーん違うナ、会ったんじゃなくてどこかデ見たのかな……

【まだ置いていない缶を大きな指の中に抱えつつ、何か腑に落ちないところでもあるように小首を傾げて相手に一歩近づく】
【時と場所も相俟って下手なナンパのようにも聞こえる言葉は、その実、裏なく言葉通りの意味を指していて】
【いつぞやの大会――その中に彼は姿を現し、彼もまたいくつかの機会で、液晶ごしに彼女を見かけた事があったのだ】

俺が忘レテるだけかもしれないけど、ウーン……
……ア、彼らは君のトモダチ?

【思考を追うように一旦相手から逸れた視線は、今度はまた別の二人に焦点を合わせた】
【あちらがこちらを、正確に言えば彼女を見ていた事に気付いたのだろう。彼女に合わせて少々曲げていた背中を真っ直ぐに正し】
【今度はよそ見でなく二人の青年にしかと目を向け、こちらに気付かせるように大きく手を振った】
【昼下がり、ひとけもそこそこの公園――ちょっぴり、恥ずかしい】
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 16:04:27.49 ID:DtiOaU/ho
/急いで安価外れた……((└(:3」┌)┘))
/>>42>>34>>35お二方当てですん
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/16(日) 16:08:57.33 ID:+ydBdkpj0
【風の国・公園】

【都会の中では珍しい、深い緑に包まれた公園の中に一つ、ぽつりと寂しげにベンチが置かれている】
【公園の中でも出入り口に近い場所に置かれたそのベンチには、一人の男が退屈そうに座っていた】

暇だなぁ……特に依頼も無いし……依頼があったとしてもやる気にならないし……
おまけに何だか体が重い……大して運動もしてないのに……僕はもう歳なのかなぁ……

【ベンチに座っている男は、立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした、20歳前後の青年と見受けられる容姿をしていた】
【その奇妙な格好と、身に纏った強い“霊力”から十二分に只者ではないという雰囲気を周囲に振りまいている】
【―――同時に、よく晴れた昼間にも拘らずぐうたれているその様子から、“駄目人間”の烙印を押されても仕方ないだろう】

【だが、それ以上に気になるのは彼の右肩―――この場所が気に入ったのか、“幽霊”らしき半透明の猫が座っていることだろう】
【青年が猫の墓でも暴いたのか、それとも猫の死体に向かって手を合わせてしまったのか―――とにかく、“憑かれて”いるようで】

特に右肩が重いなぁ……明日整骨院にでも行ってきたほうがいいのかな……?

【青年は右腕を振り回し、“肩こり”の解消を試みるも、当然ながらこの行動が問題を解決へと導くことは無い】
【さて、青年の持つ霊力から彼が陰陽師及びそれに類する存在であることは予想できるだろうが―――ならば何故、気が付かないのか?】
【―――答えは単純、普段は滅多に取り憑かれることなどないため現在進行形で“油断”しているのだ】

【とはいえ彼ほど強い霊力を持った人間ならば仮に取りつかれたとしても一瞬で浄化させてしまうものなのだが……】
【何故か、この猫の幽霊は彼に取り憑いても浄化されない―――それほど強い力を持った怨念だとでも言うのだろうか?】
【仮に霊力を持たないものがこの公園を通りかかったとしても、その姿を見ることが出来ることからもそれを窺うことが出来るだろう】
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/06/16(日) 16:21:38.57 ID:DoCC4fGmo
>>41

『……ふゥー、しっかしまァ……背負い過ぎっつゥーのは本当困る』 {ダナ}
『さァーて、俺も一眠りすっかな……ん?』

【ふああ……と、柄にも無く間抜けで大きなあくびを一つすれば、木に寄りかかろうとし】
【そこへ、ふと掛けられる声――無論、この男は鶏などではない】

『あァーお前か、久しぶり』 {キヒャヒャ}

『散歩か……まァー、そォー言うところだな』 {息抜キッテ奴ダ}
「ZZZ……」 『そォーだな、この隣で寝てる奴は……まァ、俺の知り合いだ、放って置いて問題ねェ』

【寄りかかるのを止めて、しかし座った姿勢はそのままに、あいも変わらずぶっきらぼうな返事をする彼】

『……お前も変わりなさそォーだな、UNITEDTRIGGERには結局辿りつけたのかよ?』


【――風向きが、変わったような気がした】
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(茨城県) [sage]:2013/06/16(日) 16:31:52.30 ID:a8Gehaf1o
>>44

【――ひゅん、と風を切る音】
【一切の殺気無く放たれた一本の矢は、妙な白い光を放っていた】

【それは真っ直ぐにベンチに腰掛ける青年へ、】
【正確に言えば、彼の“右肩”スレスレの場所を飛んで、後方の木にでも突き立つのだろう】

【1つだけ間違いない事実であるのは、それが相手に一切の傷を齎さない事】

お化け討伐っ、……あ、れ。 猫さん?

【少し離れた場所の木の上から、弾んだ声が響いて、すぐにトーンが落ちる】
【豪奢な装飾と不思議な光を放つ弓を片手に携えた少女が、そこで首を傾げていた】

【150cmに達するかという小さな背、膝までの黒のフード付きマントを纏って】
【肩までの蜂蜜色の髪を震わせて、淡い緑の丸い瞳はやってしまった、というような色】

【木から身軽に飛び降りた際、マントがふわりと舞って】
【内に着ていた白のブラウスと、腰をリボンで縛った焦げ茶のかぼちゃパンツが覗いた】

【彼女はいかにも大変なことをした、という顔で】
【慌てて彼の元へ駆け寄って、その肩に触れようと手を伸ばし――】

ごめんなさいっ、大丈夫ですか……猫さんっ。

【――、青年宛てではないらしい】
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 16:40:00.70 ID:qbXKq9xBo
>>45

お久しぶりです
息抜き、そうですよねえ 今日はなんだかのんびりした日和ですからね

あー『ユナイテッドトリガー』ですね
【UNITEDTRIGGERの部分をやたら強調してオウム返しをする】
いえ、いつか訪ねようかなー、とも思ってますが
なにぶんもっともな理由があまり無くて未だに、です

【実際のところ「読み方を教えてもらう」という理由が浮上していたのだが】
【それだけで訪ねるのも格好が悪いとか考えてるうちに迷子になり、場所が分からなくなり】
【ついでに通りすがりの人によって上の目的が達成されてしまったため、行けないし行く理由も薄いし、といったところである】

【「紙を渡してくれた男に遊んでもらう」という理由もあったのだが、その男が目の前にいるのだから今はいよいよもって訪ねる必要が無いわけである】

まあ、正義の組織ってそれだけで興味も湧きますし、いつかは挨拶に伺いたいものです
【風で目にかかった前髪を元に戻し、ニっと笑う】
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/06/16(日) 16:52:44.69 ID:DoCC4fGmo
>>47

『確かにのんびりしてるかもしれん、……日差しはのんびりしてねェーけどな』

【ようやく日が降りてきた今、もう夏だという事は数時間前の日差しが教えてくれていただろう】
【それだけに、吹き抜ける風はとても涼しげで、――――】

『……そォーか、まァそれでも無事だったみてェだし別に良いか』

【まあ、来ていたら少なからず居候の自分の耳に入っていただろうし――と思いつつ】
【彼女が無事だったことに、表には出さないながらも、ホッとしているようだ】

『まッ、あそこは悪い所じゃあねェー、ここで寝っ転がってる奴はその事実を否定してるがな』

【……はたして、彼は彼女とかわした約束を覚えているのだろうか?】
【その心配は無用、返すものはちゃんと返すし、約束は余程のことがない限り破らない、……余程のことがない限りは】

『そォーいや、UNITEDTRIGGERに来たら遊んでやっとか言ったっけか――』

【すっ、とおもむろに立ち上がれば――『まッ、暇だし今相手しても良いぞ』なんて言い出して】

【――上空にコウモリのような、真っ黒な影が飛んでいる、もうそんな時間か……――】

/ちょっとコンビニ行ってきます、遅れたらごめんなさい、なあにすぐにry
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 16:53:48.10 ID:VgfpK1udo
>>35

【―――会話の内容は、実のところ少しだけ、聞こえていた。】
【セリーナという人物はまず、戦闘において特殊な能力<アビリティ>を有していない、所謂"人間"である。】
【で、あるからこそ――その不利な状況を覆すが為にこうして、技術<アーツ>を磨いている訳であるのだが。】
【それは単純に重火器を操る腕だけではなく、視覚や触覚、嗅覚、そして聴覚に至るまで鋭敏であらねばならない、という】
【少し過酷な現実を意味しているのだが――優れたガンマンである為には当然と言えば、当然の事であった。】
【ましてや自分は正義の徒、傷つき弱体化した今の彼女を狙う輩もいて可笑しくは無い、つまりはこうして練習を続けながらも】
【周りの"音"や"情報"にはしっかりと、気を配っているという事であり――二人の言葉も、耳には入ってきていた。】

【――当然。彼女はマット・マードックでは無い。その全てを聞き取る事は不可能であったが。】

(・・・ありゃりゃ、もしかして"あちらさん"は――・・・アタシの同業者、かな。)
(時折聞こえてくるんだけど、"魔術"とか"今回は堪えた"とか――それに、"救い"なんてのも。やっぱり、そうかな?)
(敵さんって可能性もあるけど、まあこんな病院の近くのベンチでお喋りしてる機関員なんている訳・・・ない、と信じたいけど。)
(でも――――・・・ん?あれ、そう言えば・・・この声、どっかで・・・)

【運命とは数奇なもので。恐らくは、レグルスがこの可笑しな入院患者が"誰"であったのかを認識するのと、ほぼ同時に】
【セリーナの方も貴方の事を"誰であるのか"思い出そうとしていた、確かこの声とその"ハット"には聞き覚えも見覚えもある――筈。】
【はて、誰であったか――職業柄人に会う事の多いセリーナは脳内を整理し始め、そして暫しの逡巡後――。】

―――――ああ!ソニアと一緒にいた――ええっと、名前は確か―――・・・レグルス、さんだったっけ!!
"あの時"に船で一緒に戦った、そうだそうだ思い出した!それに大会にも出てたよね、"ベル"に負け――・・・こ、ほん。失礼。

―――こんにちは、レグルスさん、でしたよね?色々とソニアからお話は聞いてたんですけど――挨拶が遅くなってごめんなさい!
アタシ、セリーナって言います。セリーナ・ザ・"キ"―――っどっ!?

【――大会の件もあり、ようやっと思い出したのだろう。セリーナは缶を拾うのを一旦止めて、其方の方へと歩き出す。】
【確か顔も合わせた事があるはずだ、一度は共闘した身――であれば、敵の筈は無い。セリーナは挨拶をしながら向かうが、その時――】
【慣れない松葉杖のためか、一度よろけて転びそうになってしまう。なんとか持ち直したものの――どうやら、傷は浅くないようだ。】
【一瞬、セリーナの表情が苦悶に歪む――最も、直ぐに取り繕えるのは彼女の強さ、か。】
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 16:54:05.52 ID:VgfpK1udo

【ただ――そうして向かおうとした、刹那。背後からかけられた"別の声"に、驚いて振り返って。】

>>42

【―――ひょい、と視界の隅を横切って。新しい人影が、穏やかな公園に舞い降りるだろう。】
【どこか南国か、はたまた異国の遠い地を髣髴とさせる小麦色の肌がとても、健康的な印象を与える。】
【空になったバドワイザーの空き缶達がその手にひょい、と持ち上げられれば――ことん、と即席のテーブル<射撃台>に置かれていく。】

【はて――どうやら優しい人物のようだ。少なくとも、こんな妙な怪我人がエアガンで遊んでいる処に手伝いを買って出るとは
【ひょっとしたら少し変わり者と言えるかもしれない――セリーナとしては、之程有難い事もないのだが。】
【ゆっくりと夕陽が、松葉杖と、そして金色の丸い目を照らし出す――風が吹き、セリーナのブロンドも静かに、揺れた。】

【唐突、ではあったが。なんだかその青年の持つ雰囲気――からりと乾いた、民族衣装の印象がとても、自然で。】
【思わず一瞬、あっけに取られていたのだが――直ぐに其方へと、注意を戻して。】

―――へ?あ、ああ!頑張り屋さんなんてそんな――むしろ頑張ってこなかったからこんな目にあってるだけで、その――
は、はい、その辺にテキトーにおいて貰えれば後は順々に撃ち抜くから――って、そうじゃなくて!

【砂の国の出、であろうか。セリーナも以前はよくお世話になった地域だ、衣装はともかく雰囲気はそれとなく、伝わって。】
【昔を少しだけ、思い出しつつも好意で接してくれる彼に少し、驚いたのは言うまでもない。】
【親切である事は疑わしい――なんて、正義を率いる彼女が思ってはいけないのだけれど。経験上、そんな風に脳みそが"出来て"いて。】

【だからそう―――素直に思ってしまった。】

【彼の『どこかで会ったかい?』という言葉、優しげな雰囲気、紳士的な態度、これはまさに――嗚呼、そうだ。】


(――――・・・な、ナンパ!?うわっ、なんか久しぶりだなーこの感覚・・・前はよくあしらってたけど、あわわわ・・・。)
(ど、どうしよっかな。それにしても『どこかで会った?』なんて結構古典的な口説き文句だなあ。)
(続くのは『前世だね、そうだきっと―――』ってそうじゃない、そうじゃない!何を妄想しとるか、アタシは。)

ええっと、アタシは――貴方の事は、存じ上げないけ、ど・・・ん?いや、待った。あれ――確か。

(・・・?いやいや、忘れてる気がする――何か大切な――ああ!そっか、"彼も"・・・そうだ!)

―――ナウ、ファル君?で合ってるかな?確か貴方、水の国で大会に出てたよね!実はアタシも出てたんだ、これってすっごい奇遇だ!
ちょうどね、あそこにいる人たちも大会に出てた人で、レグルス、って言うんだけど――ああ、自己紹介が遅れたね。

アタシはセリーナ、セリーナ・ザ・"キッド"。よろしくね、こうして会うのは初めてかな?ナウファル君。
それと、缶を拾ってくれてありがとう。正直、この脚だと屈むのが結構辛くてさ、おかげで助かっちゃったよ!
それで、今日はえっと――アタシをどこへ連れてってくれるのかな?おにーさん♪

【――病人といえど、落ちている缶が示すとおりこの女の本性は変わることが無い。】
【銃の練習などしていれば多少はまともに見えるかもしれないが、まあ――その、酔いどれは酔いどれだ。】
【ナンパされている訳ではないと分かって尚、からかうようにナウファルにそう、呟く様はどこか子供っぽくて。】
【20代前半の年齢と、グラマーなボディラインからは少し想像できないようなテンションで――】
【『お姫様抱っこで連れてってくれるなら、ナンパも考えようか!』なんて、言い張るのだ。まったく、困った女である。】

/遅れましたがお二人とも、よろしくお願いします!


51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/16(日) 17:10:52.44 ID:+ydBdkpj0
>>46
(あ〜……なんか頭ぼ〜っとしてきたな……)

【まだ“夏”というにはまだ早いが、定義上“真夏日”と呼ばれるほど高い気温に頭をやられていたのか】
【黒尽くめの服装であることもあいまって、青年はどうやら熱に浮かされ注意力が散漫になっていたようで】
【その証拠に、だらしなく口も半開きの状態で―――当然、突然の光の弓矢に反応することも出来なかった】

『…………』

【だが、死んでいるとはいえ野生の感が働いたのか―――青年の右肩に座していた猫は光の弓矢に反応し】
【青年の座ったまま、体を伏せて何とか光の弓矢を回避する―――同時に、青年の脳も冴え始めた】

うおぁ!!敵襲!!敵襲だァ!!皆の者出会えェ!!―――って何でだよ!?
ちょっと君!!幾ら僕のことが嫌いだからって出会い頭でイキナリ弓矢撃って来るなんてないんじゃ……ん?

【突然の弓矢に青年は少しの間錯乱しながら手足をバタつかせ―――ふと我に返ると冷静になり】
【此方へと近寄ってくる光の弓矢の射手であろう少女に抗議をしようと口を開きかけたが……】

(―――僕の右肩!!いつの間に憑かれたんだ!?……ちょっと恥ずかしいね)
(非常に!!非常に恥ずかしいところを見られてしまった……しょうがない、開き直るか)
(なんかこう、ワザと取りつかせていましたみたいな雰囲気出せば誤魔化せるさ)

【―――光の弓矢が掠めた右肩を覗き込み、そこに座っていた半透明の猫の姿を見て全てを察したようで】
【少女が右肩(に座っている猫)に手を伸ばすのも青年はされるがままにすることにした】


【一方、光の弓矢で射られかけた猫の方はと言えば、流石にご立腹の様子であり】
【手を伸ばしてくる少女に向かってフー!フー!などと声をあげて威嚇をしていた】


―――あ〜あ!!どうしてくれるのかな君ィ!!もうちょっとで僕のペットが死ぬ所だったんだぜ?
謝ったってすむような問題じゃあないんだよ!!なぁ!!

【青年は近寄ってきた少女に向かって、半透明の猫の主であることを主張し―――“謝罪”を要求し始める】
【時折小声で『いや〜あそこの墓地から連れてくるの大変だったんだよな〜』等と少女に聞こえるように呟いて】
【―――自分のことを死霊術士(ネクロマンサー)か何かだと少女に納得させようとしていた】
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/16(日) 17:14:34.06 ID:+ydBdkpj0
>>51
/おっと誤字・脱字発見……
/7行目、『青年の座ったまま〜』は『青年の肩に座ったまま〜』なのです!!
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/16(日) 17:18:26.40 ID:ANj0v1ZJ0
>>42

はぁ、ん……――――んぉ? なんか派手な奴が近付いて行ったぜ?
「……砂の国生まれだろうか? しかし随分と派手な装いだな……」

【自らの記憶と格闘していた居丈夫は、怪我人――――セリーナへと近づく人影を認め、つい――――と顔を上げる】
【それにつられて隣の青年も、視線をそちらへと移した】

…………ッ、おいおい……
「……こっちが物珍しいのか、それとも手前らが不躾にじろじろ見つめてたのが不味かったか……」

【褐色の青年に手を振られて、どこか困った様な表情を浮かべる居丈夫と青年】
【単なる人違いででもあったとしたら、積極的にコンタクトする訳にもいかないのに、その選択ができなくなってしまう】
【何らかの応答を返すにも、その場にふさわしい返答はすぐには思いつかない】

「……まぁ、仕方がない。元より、手前らが不躾に見つめていたのが原因だ……こちらから赴かなければならないだろう……」
…………しょうがねぇ。ま、何にしても……だな

【とりあえず、まずは会話の届く距離に近付いて、何か話を聞いてみなければならない】
【――――魔術師然とした自分たちの恰好も相まって、興味本位に声を掛けられる事も、無い訳ではない】
【2人の魔術師はベンチから立ち上がると、2人の方へと歩を進めて行った――――】

>>49-50

――――あっ、あーーーーー!!
「ッッ……レグルス、なにはともあれ声を抑えるんだ。喧しいよ!」
あっ……あぁ、悪い……そうだ。間違いねぇ……あれは……!

【ベンチから立ち上がり、そして女性――――セリーナの言葉を耳にして、ようやく居丈夫――――レグルスは相手が何者なのかを思い出した】
【かつて風の国の『船』で共闘したメンツの1人であり、『UNITED TRIGGER』のリーダーであり――――そして、ソニアの仲間である】
【セリーナ・ザ・"キッド"――――こんな形で再会するとは、レグルスも思っていなかったのだろう】

「ッ、しかし……どうやら手酷く傷を負っているようだね……」
あぁ……とりあえず挨拶は後回しにして……っと――――バルオー(命)・ログ(浸食)・ミル(慈愛)・ビン(レベル2)……『マジックヒール』!!

【当初の戸惑いはさておき、歩調を早めて近付く2人だったが、よろけて顔を顰める姿を認めると、挨拶もそこそこに、レグルスは右手の杖をセリーナへとかざし、魔術のスペルを詠唱する】
【そこから、じんわりと淡いピンク色の光がセリーナへと照射され――――痛みが、ある程度マシになるだろう】

……悪ぃな。もっとしっかり治せる技もあると言えばあるんだが……それは本人の地の体力が無いとまずいからよ

【顔を上げて、レグルスはそう補足する。恐らく、セリーナの体調を慮り、本人に負担の無い方法を選んだのだろう】

……なんか、今さらって感じかも知れねぇが。改めて……レグルス=バーナルドだ。ソニアの事、色々と面倒を見てくれてるそうで、ありがとよ……――――で、こっちが……
「……アルク=ワードナール……まぁ、『コレ』とは腐れ縁の間柄さ……よろしく」

【そうして術の行使を済ませると、改めてレグルスは自らの名を名乗り、側に控えていた青年――――アルクも自らの名を名乗る】
【『腐れ縁』などと口にし、肩をすくめてみせるアルクだが、レグルスとはそれ相応に打ち解けている様子を見せている】
【だが、何より――――パッと見では、一瞬性別の判断さえ狂わせるほどに整った風貌が、目に付くだろう】
【体格もどこか細身で、顔立ちも程良い丸みがあり、声音も、高からず低からず――――恐らく、ただ接しているだけでは、男女の区別はつけられないはずだ】
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 17:22:05.82 ID:qbXKq9xBo
>>48

そうですね、暑いのは苦手です
【彼女は手でぱたぱたと顔を仰ぐ動作をする】
【狼だけど舌を出さないのは今が平気だから】
【それ以上に、人間らしくないからという理由もある】

へぇ・・・その方ともお話してみたいものです

【と、寝ている男の方を見たが】
【そこで目の前の男から相手OKの話が出たので、すぐに向き直る】

本当ですか!・・・ふふ、お手柔らかにお願いします
【なかなかにノリノリで、彼女は目を閉じる】
【瞬間、頭には獣の耳が現れ、体毛は濃く茶色くなる】
【そして、開かれた瞳は紅く染まっていた】

【風が少しざわつく】

【一歩、跳んだ彼女は 掌を彼の腹に向けて打ち出す】


/了解です もう帰ってらっしゃるかもですが
/私は時間が飛び飛びになるかもしれません
/先の見通しが微妙ですが、その都度相談したいと思います
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 17:36:37.40 ID:a8Gehaf1o
>>51

【伸ばしかけた白い手、けれど猫の威嚇に驚いて、簡単に引っ込んだ】
【うう、とかか細い声を上げて、どうにか猫の機嫌が直らないものかと考えていたが】

ごめんなさい猫さん、てっきり悪いオバケに見えちゃって……
ほら、この男の人ぼけーっとしてるから、これ幸いと取り憑かれたんだと思って……

【可愛いもの=悪いものじゃない、という単純明快な思考】
【猫の機嫌がどうにも治らなそうであると判断すると、しゅんと肩を落とした】

【その前に、当の本人が目の前にいるのだけど、】
【猫に対して必死に弁解している今は、自覚が無いようで――素直なことだ】

【だが、その青年の言葉を聞くと、たちまち肩を震わせて少女は小さく縮こまった】

……ぅ、……ごめんなさい、えっと……術師の方、でしょうか。
そ、そんな貴重な猫さんだったなんて……うぅ、どうしたら……
何でもしますからっ、本当にごめんなさい、猫さんと術師さんっ

【背の丈ほどはあるだろう、豪奢な飾りと光が派手な弓を後ろ手にして】
【小さな体を折り曲げてぺこぺこと謝るのだけれど、そぅと上目遣いに不安な目を向ける】

【うっすら赤く、涙の浮かんだ丸い双眸で、相手の顔色を伺うようにしていたが】

……ふ、ぇ…………?

【視線は彼全体へ――ただ何か疑問を持ったように、首を傾げた】
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/06/16(日) 17:37:29.64 ID:DoCC4fGmo
>>54

{本当、暑イノハ困ルゼ}

【少々バテた顔で話すのは、相棒の方――】
【元が魚であり、身体はゲル状だ、故に暑さには弱い、身体が蒸発しかねない為に】

「ZZZ……」 『あァ、今は止めとけ、鬱陶しい状態だからよ』

【すやすやと心地よさそうに眠っている彼、しかしその顔にはどこか不安げなモノがあるようにも見えた】

『……お、っと、気が早い奴だ、まッ、別に良いけどよ』
{キヒャヒャヒャ、俺様ノ"力"――} 『と?』 {……相棒ノ"力"、沢山味アワセテヤル}

【繰り出される拳、流石に戦い慣れているか――それに合わせるかのように、相棒の口から吐かれる海水】
【守護の魔翌力を持ったそれは、拳の威力を減衰させて――けれど、全ては減らせず、小さく呻きながら軽く木に寄りかかり】

『今度はこっちの番だ――おっと、勿論手加減無しだろ?』

【木を避けつつバックステップを一つとり、木刀を腰から抜けば――それを振るうと】

【*チョドーン*】

【……上を飛んでいたコウモリらしきものが降ってきた、しかしこれはバンチョーの仕業ではなく】

……ヒャハハハ、ひィふゥみィ……よォ! うゥーん、良ォい素材だ

【そもそもコウモリなどではない、そのいでたちは――明らかに悪魔だ、それ以外にたとえようがないほどに】
【二人の間に割って入るようにして着地した悪魔、勝負に水をさされた形になるが――まだ行動は起こしていない】

/了解です、私は日付が変わる頃にはいなくなり、その後が不定期になるとおもいます
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 17:55:30.88 ID:DtiOaU/ho
>>49>>50

【ひとりとひとりとふたり、合流地点は彼女の元になるだろうか】
【2m超えの横にも太い長躯は、青色の青年すら拳二つと少し飛び越えて、そのくせ子犬のように無邪気な表情を誰にも向ける】
【女だてらにセリーナもむしろ背は高い方であるのにそれを悠々見下ろしながらも、威圧感よりも子供のような元気さが目立った】

ああ、ソうか! それで覚エテたんだなあ、うン、遠目だったけどヤッパリ彼も見た事あるヤ
みンな、戦ってる姿がカッコよかったからなァ。ああいう場は皆迷いが無くテ楽しソうで、誰モが美しかったカラ
まあ君ノ方は、見た目もすっごく魅力的だったから尚更焼き付いテやまなかったんだト思うケドね!

……オヒメサマダッコって、何? どうやるノ?

【未だ生まれ育った国の発音の方が勝っているのだろう、節々に独特の訛りが混じる語調】
【言葉だけでは語り尽くせぬとばかりに拳を握りしめたり腕を広げる様子は、少々オーバーだ】
【さらりと女性として称える発言が出てくるのは恐らく全くの素直な感情なのだろうが、思ったより“慣れ”もあるような】
【――そしてあわや、彼女の冗談を真に受けて、無知のままにお姫様抱っこを実演講義させそうになったところで】

>>53

……ははあ、凄いなあ……!
前に見た回復ノ術とは、また違うヤ。綺麗だな、羨ましい力だ……!

【近付いてきた相手にぱっと顔を向けて、目の前に繰り広げられる光の演舞に引き込まれる】
【余談に近いが、ナウファルの術は利便性にかけ、回復等は行えない。己の出来ない“救い”に、強く感じ入るものがあるようで】
【金に煌めく虹彩はいっそう興味と尊敬に輝いて、感嘆のため息を漏らした】

ン、レグルスはやっぱりセリーナと知り合いだったンだな
クサレエンって何? エエト、恋人?

【己に向けてならずの紹介を聞きながら、記憶に留めるように名前を復唱する】
【そしてこちらにも聞きなれぬ単語の意味を聞きながら、ド直球且つベクトル曲がったキラーパスを投げつける】
【名誉の為に言っておくならば、ひょっとするとこの中では一番背の低いかもしれないアルクは、どちらかと言えば女性的に見えて】
【なおかつ知らぬ言葉の意味を捉え違えたための、勘違いであると補足しておく】

>>ALL

セリーナ、レグルス、アルクか。俺も名乗っておいた方がいいヨな
俺はナウファルって言うンだ、察しの通りコノ辺りの生まれじゃなくッテさ
アンマリ風土や言葉に慣レテないンだけど……ああ、ソういえばセリーナは、どうしてココで練習を?

【一人だけ、自名だけの名乗り。大会の時は、書類の関係上フルネームではあったが】
【先程まではお茶目さよりも真剣味の方が買っていたセリーナや、どこか影のある二人に比べてあっけらかんとした態度】
【己の事はさておいてと言うように、先の彼女の特訓の理由について訊ねる】
【――幸か不幸か、青年二人の秘匿されるべきやもしれない最初の会話は、彼の耳までは届いていなかったようだ】
【例え信念や立場を同じくしたとしても、信頼が生まれるには、早すぎる】
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 18:02:50.19 ID:8eRc0x8ko
>>28

その時は、是非護衛を増やすことをオススメします。
何せ……まあ、今さら言う必要もないでしょうけど。

【その程度のことで怖じけつくような人ではないとはもうすでに分かっていた】
【その目には生き生きとした好奇心が反射しているように見えたぐらいだ】

そうですね…すみません。身の安全にも関わることですし…
…ええ、特に私は無作法ですから。斬るときはとってもその…痛いかと。

直球で聴くよりも当たり障りの無いところから攻めることも手立てかと。
それをスべき相手か見極めるのもテクニックの一つですけどね。

【静かに笑いながら相手を見、冗談を言うがどうにも一摘み分くらい脅しが入っていそうだ】

【グラスが小さく澄んだ高音を鳴らす。】

何かあれば、こちらの店主にでも言伝を頼んでください。また、ご一緒しましょう。
…なら次は刀を置いてから来ましょうか…なんて。

【人差し指を軽くその自分の唇に当て、ほほ笑みかけ。その立ち去る姿を見送る】

さて…私も帰るとしましょうか

【ワイングラスの残りを立ち上がりながら飲み干して、PCを抱えて通りへ歩き出す】
【示し合わせたかのように、目の前に黒塗りスモークのセダンが止まる。】

/大分遅くなりましたが、これでシメとさせて頂きます
/遅くまでお付き合いありがとうございました。またの機会を楽しみにしています。
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/16(日) 18:11:49.36 ID:+ydBdkpj0
>>55
ん?今なんでもするって―――いや、これ以上は止めにしよう……完全に犯罪じゃないか!!

【―――思惑通りと言うべきか?少女から『何でもする』の言質を取った青年であったが……】
【流石に、本当に『何でもする』のは拙いと思ったのか―――右手と首を大きく振って即座にそれを否定した】

【思えば、先程まで怠惰な様子であった青年であるが、今現在はそんな様子を微塵も出してはいない】
【―――猫に取り憑かれた影響を無意識下で受けていた、というわけだろうか?】

ごめん、さっきのは半分嘘……術師って言うのはまあ本当だけど、この子は僕の支配下には無いんだ
じゃあ何でここにいるのかって言うと……そうだね、君の言う通りに完全に僕の不注意で取り憑かれた

【嘘をついたのは申し訳ない、と思っていながら―――やはりぼけーっとしていると言われたのは気に食わないのか】
【青年は微妙な表情をしながら釈明し―――それから、未だに少女に向かって威嚇を続ける右肩の猫に怪訝な表情を浮かべる】

しかしアレだね……君はこの猫のことを無害だと即座に判断し―――実際のところそれは正しいのかもしれない
それでもやっぱり僕は解せないな……何故こんな何の変哲も無い猫の幽霊が僕に取り憑くことが出来たのか!?
寄って来ることは大した問題じゃないんだ……僕はそういうのに好かれてしまう性質だからね

【そう言って青年は右肩の猫に向かって手を伸ばし、そのまま抱き抱える―――猫は特に抵抗する様子も見せなかった】
【そして青年が頭をゆっくりと撫でると―――心地良かったのか、ゴロゴロと音を立ててから寝入ってしまった】

ホント、ただの幽霊だったら僕に触れた瞬間消滅してしまうんだけどな……もしかして“猫の幽霊”じゃないのかな?
僕には分からないな……君はどう思う?―――あっ、この猫はメスのようだね……

【寝入った“猫の幽霊”にジックリと触れて―――なんとなく、性別を確かめながら青年は少女に質問する】
【青年はその言動から少女を“化け物”退治の専門家のような存在だと疑っているようで】
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/16(日) 18:12:36.10 ID:+ydBdkpj0
>>55
ん?今なんでもするって―――いや、これ以上は止めにしよう……完全に犯罪じゃないか!!

【―――思惑通りと言うべきか?少女から『何でもする』の言質を取った青年であったが……】
【流石に、本当に『何でもする』のは拙いと思ったのか―――右手と首を大きく振って即座にそれを否定した】

【思えば、先程まで怠惰な様子であった青年であるが、今現在はそんな様子を微塵も出してはいない】
【―――猫に取り憑かれた影響を無意識下で受けていた、というわけだろうか?】

ごめん、さっきのは半分嘘……術師って言うのはまあ本当だけど、この子は僕の支配下には無いんだ
じゃあ何でここにいるのかって言うと……そうだね、君の言う通りに完全に僕の不注意で取り憑かれた

【嘘をついたのは申し訳ない、と思っていながら―――やはりぼけーっとしていると言われたのは気に食わないのか】
【青年は微妙な表情をしながら釈明し―――それから、未だに少女に向かって威嚇を続ける右肩の猫に怪訝な表情を浮かべる】

しかしアレだね……君はこの猫のことを無害だと即座に判断し―――実際のところそれは正しいのかもしれない
それでもやっぱり僕は解せないな……何故こんな何の変哲も無い猫の幽霊が僕に取り憑くことが出来たのか!?
寄って来ることは大した問題じゃないんだ……僕はそういうのに好かれてしまう性質だからね

【そう言って青年は右肩の猫に向かって手を伸ばし、そのまま抱き抱える―――猫は特に抵抗する様子も見せなかった】
【そして青年が頭をゆっくりと撫でると―――心地良かったのか、ゴロゴロと音を立ててから寝入ってしまった】

ホント、ただの幽霊だったら僕に触れた瞬間消滅してしまうんだけどな……もしかして“猫の幽霊”じゃないのかな?
僕には分からないな……君はどう思う?―――あっ、この猫はメスのようだね……

【寝入った“猫の幽霊”にジックリと触れて―――なんとなく、性別を確かめながら青年は少女に質問する】
【青年はその言動から少女を“化け物”退治の専門家のような存在だと疑っているようで】
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/16(日) 18:23:46.60 ID:ANj0v1ZJ0
>>49-50>>57
/すみません、飯に行ってきます
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 18:30:26.27 ID:a8Gehaf1o
>>59 >>60

(変な恰好……櫻の人みたいだけれど、普通のキモノじゃない?)

【他国の文化に慣れない為か、少女は相手の姿をじろじろと見ていたが】
【彼の意図する所に気付かなかったようで、またも首を傾げた】

【純粋というか何というか、16歳程だろうが、背丈といい酷く幼い】
【改めて相手の説明を聞けば、だんだん眉が寄って、ぷくりと頬が膨らんだ】

……むぅ、嘘付いたんですかっ。 本当にドキドキしたのに……
というか、メスの猫に好かれる人って、不潔だと思います!!

【むくれ半分という所か、どうでもいい幼稚な言いがかりをつけて】
【答える気なんてありません、と言いたげにつーんとそっぽを向く】

【余談。 顔は幼いのだけれど、腕を組んだ上の双丘は、結構大っきい】

…………

【けれど、彼になついた様子の猫をちらちら横目で見る辺り、羨ましいようで】
【結局そうっと相手の側に寄って、その寝顔を覗こうとし】

うーん、怨霊、にしては邪気が無いような……?
魔獣なら良く討伐するんですけど、こういう存在は余り詳しくなくて……
そういう力がある、という事は貴方は、退魔士さんですか?

【お手上げ、といった表情。 彼でも分からないのかと、困ったようにして】
【そして――青年の勘はどうやら、当たっているようだった】
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 18:36:55.79 ID:qbXKq9xBo
>>56

わッ!?
【彼の木刀を振る構えに一歩後ろへ下がっていた彼女は続く音に驚く】
【そして、間に降りた存在を認識して】

なんだ悪魔さんか・・・・・・・・・・悪魔!?
【実にベタである】

悪魔さんかー・・・えー・・・えぇー・・・・
【実に困惑している】

【彼女は2ヶ月前からちょこちょこ能力者と出会い、それなりに超常現象には耐性がついたつもりだったが】
【まさか悪魔が来るとは思わなかったわけで】

・・・うん、すみませんが私の手に余りまくるのでノータッチで!余裕が出来たら是非お話しましょう!

【粋な対応を諦め、横を通り抜けようとする】
【そのまま悪魔が通してくれれば彼女は攻撃を続行し、バンチョーに跳び蹴りをするだろう】

/言ってるそばから遅くなりました
/次の返信は8時半より後になり、また10時までしか居られないかと思います
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/16(日) 18:45:23.59 ID:VgfpK1udo
>>53

【『あああー!』と、向こうもどうやら、此方の存在をようやっと、思い出してくれたようで。】
【覚えていてくれた事も嬉しいが、反応が大きいのはもっと嬉しかったりもした。再会できるという事は、この世界では幸運の一つ。】
【――こういう仕事につき、こういう生活を送っていれば――前触れ無く、もう二度と会えなくなる事等日常茶飯事であるのだから。】

やっほー!大会では直接会わなかったから、随分久しぶ・・・げほっ、げほ・・・えへへ、お察しの通りです。
まだ、本調子じゃなくってね、だからこうして公園なんかでエアガン使って練習、ってワケ・・・恥ずかしい話だよ、ホント。
ただ最近のはよく出来ててねぇ、バカにできないよモデルガンも――あ、興味ないですよね、ごめんごめん。

・・・うん、まあちょっと・・・その、ヤバイ奴とサシで撃ち合いする羽目になってね――痛ッ・・・!!
酷く痛めつけられちゃった、生きてお酒飲めるのが不思議なくらいの相手だったよ、出来ればもう二度と顔も見たくないけど・・・。
まあそういうワケにもいかないんだろうけど・・・へ?えっと、レグルス、何して・・・――――――わわっ!?

【――様子からして重症を負っていたのは間違いない。そしてその理由はといえば――どうやら、何か強力な敵とぶつかった模様。】
【あはは、と恥ずかしそうに頬を掻く姿こそ平和そのものだが――心のうちには色々と、秘めた思いも多い筈だ。】
【ともかく、セリーナは自分もベンチで休もうかと思っていたのだが――それよりも前に、自身の肉体の変化に気付いた。】

【――彼女は魔法や魔力を検地するのが苦手である。しかし肉体に直接、魔術をかけられてその効果が出始めるなら話は別だ。】
【段々と引いていく痛み、優しく患部を撫でるように魔の力が働く――感覚は大分、楽になってきた。もっとも、完治には遠い――。】

―――わぁ・・・!すっごい、すごいよこれ!痛みが――ううん、大分気持ちが楽になった、射撃の姿勢も安定するよ!
ありがとうレグルス、やっぱり貴方の魔法スゴイなぁ!色々と便利だし、ねえねえ、良かったらウチに入らない!?
歓迎するよ、ソニア共々さ!あっはははは!

まあでも――・・・怪我はまだ、もうちょっと時間がかかりそうなんだけどね。
それくらい――強烈にやられちゃったから、さ。

(・・・病院でも治せない、って言われちゃったしね。"これ"ばっかりは―――・・・仕方が無い、か。)

【レグルスの魔術は確かにセリーナを癒やした、少しは戦闘を行うのが楽になったのは間違いない。】
【しかしかの半魔がこのセリーナにかけた"術"は更に厄介で、そして邪悪なモノであり――レグルスほどの術士ならば、その気配に気付くか。】
【そしてそれと同様に別の魔の気配も――当然、人間であるはずのセリーナからは発せられる事の無い"悪魔"の気配も――】
【彼女の腰元から存在を主張している事にも、気付けるだろう。】

アルクさん、だね!始めまして、いやあお二人ともハンサムですな〜!こんな体調じゃなければ、朝まで飲み明かしたいくらいだよ!
ソニアは・・・ふふ、だって家族同然だもの、そりゃあ面倒もみますよ!それに――・・・アタシこそ、彼女には支えられてるから、ね。

・・・けどさ、ホント腐れ縁って感じだね、『コレ』って呼んでみたり。いいなあ、お二人は仲良しさんって印象だよ!
アタシもソニアとはそんなラフな関係になれたらなーって、羨ましいくらい。ふふふ!
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/16(日) 18:45:34.01 ID:VgfpK1udo

>>57

【改めて見ると―――デカイ。いや、そのまま過ぎるが確かに、デカイ。】
【セリーナも物心ついた頃から男に囲まれて育っているので、こういう光景には慣れていたが――それにしても、だ。】
【そもそも成人する少し前くらいからセリーナもかなりの身長であったし、男に見下ろされるのはかなり、久しぶりであった。】
【なんだか懐かしくもあり――同時に、新鮮であった。子供の頃周りにいた大人たちは、彼ほど純朴ではなかったから。】

(しっかしまあ、アクション映画にでも出て来そうな体躯だねぇ、すごいや・・・テレビで見たときもおっきかったけど、うおお・・・。)
(圧倒されるなあ、逞しいっていうか、その割りにあどけないというか・・・あ、そういえば。)

ところで、年齢はいくつ、だったけ?大会でプロフィールを見たような、見なかったような――ごめんね、身体がおっきいもんだから
アタシより若いのかそれとも――と、年上、ですかね?ちなみに、アタシは24歳!

(ば、場合によってはナウファル、"さん"って呼ばないと、なんかこう――・・・さんをつけろォ!って怒られたり・・・?!)
(いや、この純真さから言ってそりゃあないか、それにしても・・・ううん、おおきい。)

戦ってる姿がカッコイイだなんて、褒め言葉が過ぎるよナウファル君。アタシなんて外見は怪物そのものだよ、戦うときだけね!
・・・へ?ああ、えーっと・・・あ、ありが、とう。・・・・ふふ。

【――素か。素なのか。ナンパの腕はスゴイ級と見て間違いない、少なくともセリーナに関して言えば――まあ。】
【『ふふ――』と笑うとき、まだ捨てたモンじゃないねぇ、なんて――心のうちでは呟いていたのだから。】
【だからこそ、見た目を褒められた事も相まって油断していた、まさかお姫様抱っこはどうやるんだと手振り身振りで本気でし始めるとは――】

―――あわわわ、冗談だよ冗談!お姫様抱っこは――だ、大事な人が出来たときにしてあげてね♪
アタシなんて抱っこしたら経歴に傷がついちゃうよ、うん。そういう事にしておこう、とりあえず。

【改めて紹介を受けると、矢張りこの青年、随分真面目なのだなと感心する。自分とは正反対の性格である。】
【同じように田舎出身であるのは違いないが、なんというか、こう――この瞳の輝き、自分にあるだろうか。】
【心が透き通っている気がするのはきっと気のせいではない筈だ。・・・歳を重ねるのは、大変である。】
【――と、質問を受ければ此方もそれに堪えて。】

ん――聞くからにこれは、砂の国の訛りかな?昔は結構色んなところを旅したからさ、あそこの砂漠は楽しかったなあ〜!
アタシも砂漠――ていうか、地の国の外れの出身でね。風土的には似たような感じだよ、こっちの方は昼も割と涼しいけどね。
あらためてよろしくね、ナウファル。・・・ふふ、良い衣装だね。似合ってるよ、すっごく。

・・・へ?ああ、アタシ?まあ――・・・その、ね。ちょっと面倒なヤツとぶつかって・・・こてんぱにやられた、っていうか。
やっぱり人間が悪魔と戦おうなんて無茶だったよ、最も――・・・まだ決着はついてないんだけど、ね。
だから再戦に備えて訓練中!ってワケさ!ガンマンは腕が命、アタシは能力者じゃないから技術が鈍ると・・・命取り、ってね。

【確かに、彼女は悪魔――と戦ったようだ。はて、ナウファルもその強大な悪魔とやら――知っているのではなかろうか。】
【勿論、そんなことはセリーナには分からなかったが。もしかしたら、心当たりのあるあの悪魔のことかも、しれない。】
【そしてセリーナの口から漏れた"能力者"ではない、という言葉と――人間である、というもう一つの言葉。】
【で、あれば彼女の身体から――正確には腰元から発せられているのは何の"気配"だろうか。】
【確かにそれは、あの悪魔と同じ薄くとも"魔"の雰囲気を漂わせていて――――。】
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/16(日) 19:02:41.20 ID:+ydBdkpj0
>>62
ハハハ!!それを言うなら雌犬(ビッチ)に好かれる人の方がよっぽど……
―――うん、この話は止めにしよう。はい、やめやめ!!

【不潔呼ばわりされたことが気になったのか、青年は笑いながら多少ブラックなジョークを放つが】
【これ以上話が拗れることは拙いと思ったか、開いた両手を前に突き出して“停止”のジェスチャーをする】

(―――下種な意味での戦闘力C……いや、Dと見たがどうだろうか?)
(……本当にこれ以上ピンクな話は止めにしよう。頭がどうかしている)

【が、青年の脳味噌はまだ“停止”信号に反応していないようで、余計な反応を続けていた】
【少女の姿をチラと観察したあと、我に返ったかのように青年は話しを本筋に戻す】

―――で、やっぱり君は化け物退治に関係がある人みたいだね……でも分からないならしょうがないな
そしてご名答!!僕は櫻の国の陰陽師をやらせて貰っている―――姓は玉藻、名は狂死郎だ!!

【少女の読みは当たっていたようで―――青年、狂死郎は簡単に自己紹介をした】
【そうして暫く“猫の幽霊”の正体について考えていた青年であったが……】

……まあ、いいか!!正体が何であれこのまま放っておくことも出来ないから……
封印!!―――と洒落込みますかな?結構レアな光景だからついでに見ていきなよ!!

【そうして青年は抱えた“猫の幽霊”を膝の上に置き、被っていたカンカン帽を脱いで、その中から一枚の茶色の符を取り出した】
【そしてカンカン帽をくるりと一回転させてから被り直し―――茶色の符を右手の人差し指と中指の間に挟みこんだ】
【―――見ると、青年が取り出した茶色の符には独特の光沢があり、なんというかトランプのような質感であるように見えるだろう】
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/06/16(日) 19:03:04.58 ID:DoCC4fGmo
>>63

【詳しく描写すれば……全身真っ黒な毛に覆われている奥二重でコワモテ、頭部には二本の鋭く禍々しい赤い角を持っている、エルフ耳で2mの身長の悪魔だ】
【黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、首にはマフラーの様な長い紫色の毛を持ち、他にも所々に紫色や赤の模様や毛を持っている】
【鋭く赤い牙と同じく爪を持ち、手足や尻尾の先の方は紫色で、いかにも悪魔だと思わせる尻尾の先端には赤い棘がある】
【赤い棘は肩や手の甲、アキレス腱の位置にもあり、先端に赤い爪を持ち紫色の翼膜な黒い悪魔の翼を背から生やしていた】

『……あァー、どっかで見たよォーな見てねェよォーな……なァーんかとんでもねェ野郎だったよォーな……』 「ZZZ……うーん、うーん……」
『おい、そこの悪魔、どォーせ"悪"なんだろ、……後で相手してやっからちょっと待ってろ』 {酷イナ}

【なんて言いながら悪魔にあっち行けとジェスチャーをし、再び戦いの体勢へと戻り】
【相棒――この魚の様な物体も、言葉自体はまともだと思うだろう】
【しかし、全く悪魔を思っておらず、むしろ貶しているかのような笑い混じりの声でこんなことを言うものだから】

……ヒャハハハ、……なァ、俺様怒っちゃうよ? 良ォいの?

【……ぴくぴくと青筋が立っているように見えるのはきっと気のせいではない――が、彼女の動きを阻害することはなかった】

『さァーて、戦いの続きと行こう……かッ!?』

【バンチョーが攻撃によって軽く吹き飛ばされ、尻餅を付く、……】
【……但し、その原因となった攻撃は"地面から突如現れた黒いカタマリ"が両アキレス腱を薙いだのが原因なのだが】
【そして、その直後、バンチョーの顔に飛び蹴りが命中する――、相棒の吐く海水で幾らか減衰させたものの、鼻血が出て、口内も切ったようで】

ヒャハハハッ! ――狼野ァ郎……次はテメェーだッ!

【悪魔が彼女に対して接近しつつ、振るうのは右腕――どうやら、鋭い爪で彼女の胴体を斬り裂こうとしているようだ】
【勿論、その一連の行為が人並みの動きなわけはなく――しかし、その対処は可能な範囲内だろうか】

【三人からは見えにくい位置の木の影に魔法陣が生成されている――もっとも、邪悪な気が垂れ流しなのだが】

/了解しました、平日は来れる日時が不安定なので、もしかすると置きレススレに移動するかもしれません
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 19:15:10.41 ID:a8Gehaf1o
>>66

わぁ、やっぱり! 何というか、そういう感じがしますもんね!
あっ、私、夜の国のギルドに所属していて。 弓使いです。
主に魔獣の討伐を担当しています。 ビィーズ、と言います!

【マントの裾を軽く持ち上げ、ぺこり、と笑顔で一礼して】
【頭を持ち上げるのと合わせて揺れる重たげな双丘――ちなみにFである】

【だが、彼の言葉を聞いた途端に、戸惑うような顔をして】

えっ、猫さん封印しちゃうんですかっ!?
……うー、でも、陰陽師さんって初めて見るし……
猫さんには申し訳ない(?)けど、気になるというか……むぅ……

【結局は止めることもなく、不安と期待とが入り混じったような表情を浮かべつつ】
【猫を心配気に見つめながらも、カンカン帽から符が出れば「わぁ」と小さく声を上げた】

【結局は楽しみで仕方ない、という顔で彼を見ていて――手品を見ている子供の様】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/16(日) 19:34:44.42 ID:ANj0v1ZJ0
>>57

……まぁ、なんと言うか……術式としてはかなり完成されてるからよ……
俺が自前でやったりしたら、こうはいかねぇな……俺がすげぇんじゃなくて、俺の師匠がすげぇって事よ……

【今しがた行使した魔術に関して、驚嘆の言葉をかけられたレグルスは、そう言って肩をすくめる】
【本人はただ、師匠から教わった術式をそのまま用いているだけで、そこまで高等な魔術を駆使している訳ではない】

あぁ……お前さん、セリーナとは顔見知りだったのか……――――って、おい……
「……恋人じゃないよ。……この言葉が正確かどうかは分からないけど……『相棒』と言うか『戦友』と言うか……そんなものさ
同じ魔術を学んだ縁で、ずっとつるんでるだけ……」

【青年――――ナウファルの言葉から、どうやらセリーナとは以前からの顔見知りだったらしいと言う事は分かったが】
【それよりも、どうやらナウファルはアルクを女性と勘違いしたようで。更にレグルスと恋仲だと勘違いしたようで】
【――――こうした勘違いに遭遇する事は初めてではないので、レグルスはともかく、アルクはため息一つ零すと何気なしに訂正する】

……ナウファルって言ったっけ?
お前さん、セリーナとは……助けてもらった縁かい? それとも、肩を並べて戦った事でもあるのか?

【ともあれ、ファーストコンタクトを終えて、レグルスはナウファルに問いを飛ばす】
【どういう形でセリーナと顔見知りだったのか。セリーナのやっている事がやっている事なので、そこが気になったのだ】

>>64-65

……なるほど、なぁ……あんたほどの人間が『ヤバい奴』って言うからには……相当な相手だったんだろうぜ
ならむしろ、五体満足で帰ってこれただけ、めっけものってか?
…………なんと言うか、そう言う言葉が横断にならねぇ様なのは、普通に居るからなぁ……あの時だって、そうだった……

【セリーナの実力は――――直接手合わせした訳でもない以上、レグルスにも正確なところが分かっている訳ではない】
【しかし、一度は肩を並べて戦い、何より強く信頼しているソニアを一度下しているだけの人物なのだ】
【かつて共闘した時の2頭の怪物の姿を思い出し、レグルスとしても思わず顔を強張らせる】

まぁ、こいつは応急処置ぐらいに思ってくれよ。正直、仕事の後のせいで魔力もあまり残ってなかったからよぉ……
もうちょい、色々と準備が整えば、それなりにマシなレベルまでになる事も……出来るはずなんだけどよ
(……とは言え、何か本当に妙なの貰ってるみてぇだな。こりゃ……俺じゃ、厳しいかも分からねぇ)

【先ほどレグルスが口にした通り、この魔術はローリスクローリターンと言った効果でしかない。松葉杖を必要とするレベルの負傷を、一度に回復するのは無理があったのだろう】
【それでも――――レグルスは、その傷に打ち込まれた妙な『気』を感じるに、万全であっても難しい物だと直感していた】

あー……俺なんかが入っちまったら、正義の御旗に傷がつくぜ? 言いたかねぇが前科者だし、風の国……の、まぁごく一部ではあるが、そこじゃ変わらずお尋ねものだしよ?
……ま、『UNITED TRIGGER』には入らなくても、だ……ソニアを、ひいてはあんたらを俺は応援してるぜ? また機会がありゃあ、同じ戦場に立つ事もあるだろうぜ……

【セリーナの誘い――――恐らくは、話の流れからの半分冗談みたいなものなのだろうが、レグルスはやんわりと流す】
【――――風の国の、山賊の首領。それが、魔術師となる前のレグルスの身分だった】
【『正義の御旗』を汚す。レグルスがソニアと近しい間柄でありながら、『UNITED TRIGGER』に参加していないのは、それが原因なのだろう】
【それでも、レグルスは『UNITED TRIGGER』をハッキリと支持している。再び共闘する事も辞さないだけの意志を持っているらしい】

「……手前は、あまり酒は行ける口ではないんだけどね……まだ、成人もしていないし……そう言う意味なら、むしろレグルスの方がそうだと思う……是非、一緒に飲んでやって欲しい」
あぁ、まぁな。てらいなく『相棒』なんて言えるのは、こいつぐらいしかいねぇしな。……あ、俺にとってはソニアもそうだけどよ!

【アルクは、実のところ未だ未成年だ。恐らく、自分から進んで飲酒をする口ではないのだろう】
【ただ、レグルスとの仲は確かに良いらしく。互いに恥じる事もなく『相棒』と言えるのは、それ相応の間柄と言えるだろう】

/ただ今戻りましたー
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/16(日) 19:38:14.41 ID:+ydBdkpj0
>>68
う〜んどうやら僕のスカウターは故障していたようだね……え?いや、なんでもないよ?
―――まあ封印と言っても実際のところは契約……つまり僕が飼い主になるための儀式みたいなものだからさ、
それほど心配することは無いよ、ビィーズ君。別に狭苦しいところに閉じ込めるわけじゃないんだ

【そう言って狂死郎は少女を安心させると、すぐさま“封印”の準備に取り掛かる】
【―――と言っても、大したことをするわけでもなし。指で挟んだ茶色の符に霊力を込めるだけである】

……正直言ってそこまで期待されるほどのものじゃないんだけど―――こればっかりはしょうがないね
―――それじゃあ、封印するよ!!

【狂死郎は茶色の符によりいっそうの霊力を込め―――それに答えるかのように符は眩い光を放ち始める】
【そしてその符をゆっくりと“猫の幽霊”に触れさせると、少しずつだが―――猫は符に吸い込まれ始めた】

―――!!やっぱり結構な魔力の持ち主だね!!抵抗しないだけありがたいけど!!

【少しずつ、ほんの少しずつだが符に吸い込まれていく“猫の幽霊”―――その速度は狂死郎にとっても予想外だったようで】
【歯を食いしばりながら符に霊力を込めていき、数分の時間がたった後ようやく―――“猫の幽霊”は完全に茶色の符に封印された】
【その証拠と言うべきか?先程まで何もかかれていなかった茶色の符に、先程の猫の幽霊と思われる黒猫の絵が描かれていた】

ふぃぃぃ〜〜〜〜!!思っていたよりも10倍はしんどかった……!!
どう考えてもこの子は猫の幽霊なんかじゃあないね!!そういう姿をした魔族に決まっている!!

【“仕事”を終えた狂死郎は大きく息をついて―――右手の指に挟んだ黒猫の符で顔を扇ぐ】
【同時に体も大きくベンチにもたれ掛からせるのを見るに、どうやら相当の力仕事だったようで】

―――と言うわけで気をつけようね、ビィーズ君。
可愛い猫の姿をしていてもその正体まで“可愛い”とは限らないってことの教訓にして欲しいな

【魔獣の討伐を仕事にしていると聞いた少女に向かって、狂死郎は少し説教めいた言葉を吐く】
【“同業者”のよしみと言うべきだろうか?―――彼は少女に対して少し親切にしたいらしい】
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 19:59:37.53 ID:a8Gehaf1o
>>70

すかうたー? ……え、そうだったんですね!
私、封じ込めるんだと勘違いしちゃってて……わぁ、凄い……!!

【眩い光に一瞬目を覆ったけれど、その隙間から恐々と封印を見守る】
【知識がないながらも、少女は相手が難航している様子が分かったようで】
【「頑張って下さい!」と、何故か見ている自分まで肩に力を込めつつ、応援した】

【――そして、封印が完成すれば、少女も込めていた力をほっと解いて】

お疲れ様でしたっ、狂死郎さん!
やっぱり凄いなぁ、私、封印ってちゃんと見たの初めてなんです!!

私達、魔物はいつもばぁっと殲滅しちゃってばかりで、そういう芸が無いというか……
とにかく、狂死郎さんって凄いです!! 何だか尊敬しちゃいますっ!!

【変な格好をした不潔な人、という最低の第一印象はすっかり無くなっているようで、】
【ぱぁと顔を綻ばせて、豊かな胸を弾ませ小さく飛び跳ねた】

【それから、彼の教訓にも真面目に耳を澄ませて。 うんうん、と頷き】

はぁい、先生!
これからは、魔物がどんなに可愛くっても、すぐに油断しませんっ!!

【空いている手をぴんと伸ばして敬礼してみせて、】
【それから、少女はわくわくした様子で、彼の手の符へと視線を送った】

それで、その封印から、さっきの猫さんを呼び出せるんですね!?
やってみてくれませんか? 見たいですっ!!

【一仕事終えた後には苦だろうが、】
【見ている側の彼女は興味が先行しているのだろう、分かっていないようで――】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 20:03:52.81 ID:DtiOaU/ho
>>64>>65

【双方との会話の中にちらほらと現れる言葉、強大で兇悪な何かの気配】
【和やかな談笑に紛れる不穏な片鱗に、思考の中へと埋もれかけた意識は質問によって引き戻される】

年齢? あぁ、18だヨ。セリーナの方がズット年上だから、全然気にしなくったッテいいよ!
なンだかあんまり相応に見らレなくってサ、顔ノせいでもあると思うンだけど
俺ッテ眉短いし顔つき厳ついし、笑ってない時だトなんだか怒ッテ見えるらしいンだ

【――ナチュラルに持ち上げるのが素であるならば、地雷を踏みぬくのもまた素だろうか】
【こんなだから、とぱたぱたと己の顔の周りを動く手は忙しく、彼女の手より三回り以上大きいだろう手にはそぐわない】
【サイズの物理学、大きな動物ほど心拍数に合わせて動作はゆっくりになるというが、彼には適応されないらしい】

ヘェ……知ってるノか! 俺の生まれはもっと辺境の方だト思うけど、やっぱり褒められるノは嬉しいな!
砂のにおいも、サラサラの風も、ヒトの暖かさも、俺はみんなみんな好きだ!

……悪魔、ッテノは、ひょっとすると、ソノまま“あの”悪魔ノ事なのか
もしそうなら……気をつけテ。あノ女は、怖い。信じるモノを全部壊さレるような、こころを揺さぶらレるような、ひどく、恐ろしい生きモノだった

【前半は、己の故郷を良いものと感じてくれた事への感謝。まるで己を褒められたように、表情は柔らかく崩れて】
【懐かしむように落ち着いた声音の響きは瞳の色と同じように太陽のように暖かく、けれどそれは】
【後半の、共通した敵への話題へ移り変わった途端に、凍りついて沈んだ色へと変わってしまった】
【俯いた表情は己より身長の低い彼女らへ目を合わせる為ではなく、やり場のない視線を風景に移すに近い】

>>69

師匠かァ……俺モ剣は爺ちゃんと父さんに習ったヨ。俺は戦士の家系だったから、俺モ戦士になった
けれどもしもレグルスが後に受け継がせるつモりであるンなら、受け継がれた力は、レグルスのモノだよ。きっと

あァ、そういう事カ! 悪いナ、まだ基本的なコトバ以外はちょっと分からないトコロも多いンだ
共通語圏じゃないから……ああデモさっきの術式? モ、全然知らないコトバだったな

【剣と魔術では体系も違い、意識の置き様も違うだろう。ひょっとすると、ナウファルの言葉は全くの見当違いかもしれない】
【“相手の力”に憧れる言葉は世辞や媚びの色も無く、ひどく真っ直ぐではあるけれど】
【すぐに間違いを訂正されれば、合点がいったように手で手をポンと打つ――ジェスチャーは世界共通なんだろうか――】

ヤ、俺は大会の実況で見かけたくらいだヨ。会うのは初メテだと思う。レグルスの試合も見た事あるンだけどな
……そういえば、ソニアと知り合いなンだな。あの子、元気なノか
彼女とは一度共闘した事があるカラ……ああ、そうか、そうだな。だったら、コレも……

【残念ながら今日まで直接の縁は無く、幸いにして今日始めての縁であり】
【相手とセリーナとの会話の中でちらちらと出てくる名前に反応するように、おずおずとその息災を尋ねる】
【そしてこちらも、ふ、と態度を変えた。今まで隠し立てのない、表に全てを出すような物言いではなく】
【まるでどこか自分だけに納得を行かせるような、主語も述語も無い言葉は】
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 20:04:31.18 ID:DtiOaU/ho
>>64>>65>>69(続き)

【やがて、一呼吸おいてポンチョを縛るストールをほどく】
【上体を軽く覆うような外套が解かれると、留め具の無いベストの向こうの鍛えられた腹筋と】
【歪に塞がった、その真ん中に刻まれたあまりに大きい火傷とも裂傷ともつかぬ貫通痕が覗く】
【炎。悪魔。尋常ならぬ傷跡――】
【それへの説明は無しに数本の紐で背中に括った、布にくるまれた荷物をレグルスへと差し出した】

コレ、レナールで拾ったンだ。ガイスト・ウォレンが……“リリア”の前に名乗ッテいた隠れ蓑が、持っていたモノだ
ソレは誰にでも多彩な術が使えるシロモノで、どうやら旧遺物の一つらしいンだ
……始めは、誰かを救う為に使おうト思ッテいた。ケド、俺は出来る限り、俺の力だけデ決着をつけたい
だから、術に長けたアンタに委ねたい

【旧遺物――悪の魔書】
【それは無数の言語で無数のページに無数の魔術が書き記されたものであり、これまた旧遺物に違いなく】
【そこには勿論、治癒や転移の魔術もある。使用には特殊な技能は必要なく、ただ魔翌翌翌力に相当するチカラ≠持っていれば念じるだけで良い】
【元来術を行使する彼であれば、ほんの少し触れただけでもその凄まじさを理解するだろう】
【“例え信念や立場を同じくしたとしても、信頼が生まれるには、早すぎる”】
【けれども】
【信頼とは形を違えた信ずると云う心は、容易に産まれる】
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/16(日) 20:17:29.86 ID:+ydBdkpj0
>>71
そ、そりゃあどうもありがとう……そこまで喜ばれるなんて思って無かったよ、ハハハ……

(可愛い顔してさらっと恐ろしいこと言ってくれるねこの子は……)
(さっきの教訓……頭の中で反芻するべきなのは僕の方なのかもしれないな)

【少女からの熱い尊敬の念と……少々聞き捨てならない物騒な言葉に狂死郎はたじたじになったのか】
【乾いた笑顔を浮かべながらゆっくりと息を整えていた。しかし……】

さっきの猫を召喚してほしいって!?そんな、殺生な……
でも、まあちょっとだけなら大丈夫……かな?

【そういって狂死郎は疲れた体をおして、右手の指に挟んだ黒猫の符に霊力を込める】
【すると、座ったままの狂死郎の足先の地面に召喚陣が出現し―――そこに向かって符を投げ込んだ】
【そして、黒猫の符が召喚陣に出現した瞬間、眩い光と共に―――先程の“幽霊の黒猫”がその場に現れる】

ゲホッ、ゲホッ!!―――おさわりは禁止ということで……暴れられたら僕の霊力がもう持たない!!

【大きく咳き込んだ狂死郎―――結構危険なラインにまで到達しているようで】

その代わりと言ってはなんだけど……君に彼女(黒猫)の名付け親になって貰おうかな?
ネーミング・センス次第では採用してもいいよ?

【足先で何も知らずに顔を洗っている黒猫―――と思われる“何か”を指差して狂死郎は言う】
【じっと見つめていれば吸い込まれそうになる“何か”をその黒猫は持っているようだった】
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:33:09.01 ID:a8Gehaf1o
>>74

やったぁ! ふわ、陣が――、わぁっ!!

【現れた召喚陣、そして其処から先ほどの姿そのままに猫が現れれば】
【驚きと一緒にほっとしたような表情を見せて、喜色満面といった様子だったけれど】

【苦しげな彼に気がつけば、自分が辛いお願いをしていたと気付いて、酷く慌てて】

……って、狂死郎さん、大丈夫ですかっ!?
ごめんなさい、無理させちゃって……でも、本当に凄いです!!

【ぱたぱたと駆け寄って、相手に細い手を伸ばし】
【その背をそうっと擦ろうとしながら、彼の言葉を聞いて――驚いた表情】

え、名前……? 私が付けていんですか!?
うーん、むうぅ……迷っちゃうなぁ、センスも自身無いし……
黒猫ちゃん、クロちゃん、黒にゃん……んー……

【可愛らしい仕草を見せる猫を前に、暫し唸っていたけれど】
【ふと、何か思い付いたような顔をして、相手の顔を見た】

ルーナ、で、どうでしょう……?
ほら、Luna(月)みたいな目が、夜みたいな毛並みに映えて、綺麗だから……。

【理由を告げるほど自信無さげに眉が下がって、】
【彼女は不安げな目で、「どうでしょう」と、もう一度相手に尋ねた】
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:53:01.44 ID:qbXKq9xBo
>>67

ふうっ・・・
【着地し、体勢を整えるために振り返り―――】

!!

【そこには悪魔の手が迫っていた 彼女は咄嗟に離れるように跳ぶ】
【しかし無傷で凌ぐことはできず、彼女の腹部には一直線に二十センチほどの傷がつく】

【幸い軽傷と呼べる程度ではあるが、彼女には大きな効果があったようだ】

・・・・・私はですね、山を降りてからこんな大きな傷が付いたこと無いんですよ
それはまあ私が人様の邪魔者にならないように、目の敵にされないように気をつけて暮らしてるからだと思います

【早口で独り言を呟きながら立ち上がる】

ただ、他にも理由はあります
私はたぶん、本物の悪人に会ったことが無いんです
立場上、命を懸けた争いも一度だけ経験しました。しかしその相手の方はとても素晴らしい人でした

【がりがりと頭を掻く】

・・・私は最初に出会った能力者の方との再会を喜んでたんですよ
そこに、悪人じゃなくてまさか悪魔が来るなんて思ってもみませんでした

【彼女の姿が、2メートルほどの狼に変わる】

・・・・・・邪ァ魔ですッ!!

【意外とキれやすい性格なのか、彼女は悪魔を思い切り突き飛ばそうと突進する】

【周りが見えていないのか、魔方陣の存在には気づいていない】
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:53:28.02 ID:qbXKq9xBo
>>67
/>>76に付け忘れました 了解です
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/16(日) 21:03:39.97 ID:+ydBdkpj0
>>75
いいセンスだ!!その名前、いただき!!

【少女の付けた名前―――ルーナ、が狂死郎は気に入ったのか、勢いよく少女を指差して】
【疲れているのか、少々顔色が悪いながらもニヤリ、とした笑顔を浮かべた】

というわけで君の名前はルーナだ!!どういう種族なのかは分からないけどよろしく頼むよ?
ほら、『にゃー』でいいからお礼っぽい鳴き声を出しておくんだ!!

『にゃー』

【足先で座っていた黒猫―――ルーナの頭を激しく撫でて、狂死郎は召喚師として最初の命令を出す】
【それに答えるようにして、ルーナはその名の由来となった月のような目を細めながら少女に向かって鳴き声を出す】
【動物である以上その真意は分からないが―――なんとなく、お礼を言っているように見えるだろう】

……!!もうこんな時間か!!ちょっと慌しくて申し訳ないけどそろそろ僕はお暇させてもらうよ!!
君の事は良く知らないけど……とにかく有難う!!また改めて御礼をさせてもらうってことで!!

【ふと、文字通りポケットの中の懐中時計を手にした狂死郎は何か予定があったのか、慌てる様に立ち上がる】
【―――やはり、ベンチに座ってぐうたらしていた姿は彼の本当の姿ではなかったようで】

次に会った時は……そうだね、彼女の正体が何なのかわかっている……と、思う!!
それまで君も五体満足でがんばってね!!グッドラック!!

【そして、少女に向かって右手の親指を立てて“幸運を祈る”と―――慌しく、公園の出口に向かって走っていった】
【ルーナはその場に座ったままであったが……狂死郎からの霊力の供給が止まれば消えるのだろう】
【事実、ゆっくりと半透明になっていくが―――今にも消えようとする最後の瞬間】

『―――ルーナ……』

【と、呟くような少女の声が聞こえたような気がした】

/お疲れ様です!!ロール有難うございました!!
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 21:06:41.71 ID:8eRc0x8ko
【どこかの郊外 潰れたドライブイン】

【明るい夜に一本の道だけが続いている】
【伸びるヘッドライトの明かりを自らのタイヤで踏みつける。】
【ここは一体どこなんだ?何処でもいいし何処でもある。知りたくもない】
【近くの街から数時間、只々バイクのアクセルをひねり続けている】

【男はヘルメットをしていない。それどころか夜中にサングラスをかけて飛ばしている】
【目はつぶったままだ。そうすると気分が良い、悪くないスリルだ】

【スロットルを落としながら、ハンドルを切ってバイクは潰れたドライブインに入る】
【昔はドライブの目的地だったんだろうか。広々とした駐車場。大きな看板はドライブイン・シアターの跡】
【サービスエリアは疾うの昔に閉められて、今はかろうじていくつかの街灯と自販機が3つあるのみ】

【男はバイクを降りて、キーをダークブルーのスーツのポケットに滑りこませ】
【カツカツとシアターの跡の方へ歩いて行く】

【ここには何もない。見渡す限り景色もとことん何処までも何もない。】
【だけど、それこそが唯一無二の存在なんだ素晴らしい景色だ】

【安い紙巻の煙草に火をつけながらそんな感想をいつも思う】
【ビールがあればなお良い。が酔ってこんなトコロから帰れる自身はない】

いや…夏だし、そろそろいけるんじゃねえの?

【今日はいつもより思考が進歩している。そんな気がした】
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/16(日) 21:10:36.50 ID:VgfpK1udo
>>69
――・・・まあ、ね。けどアタシの力不足って言うのもあるよ、所詮アタシは――・・・ただの、ガンマンだから。
そうそう、ホントなら腕の一本でも吹っ飛んでて可笑しくないような、まさに死闘、って感じで。
・・・申し訳ない気持ちで一杯だよ。結局、アタシやアタシの仲間が頑張っても・・・まだまだ、争いは減ってないからね。

【対抗勢力――UTとしての旗揚げ。あれからもう、半年が経とうとしている中。】
【カノッサの勢いは収まるところを知らない。結局、抑止力としての組織はまだ―――力不足という、現状。】
【後手後手に回ってばかり、何時になれば敵は――UTを脅威として認識するのだろうか。】
【セリーナやソニア、そして強力な仲間がいても――尚、この世界に光をもたらすのは、難しいのかもしれない。】

――うん、わかってるよ。応急処置でもタダでしてくれた事には感謝してる、本当にありがとうね。
それに――大丈夫、アタシはアタシで怪我の完治する目処は立ってるから。・・・現代医療で直せる範囲の、話だけど。

【―――"何か"。それはセリーナの精神を毎夜毎夜、あの激闘の翌日から蝕んでいる"邪悪"な魔術。】
【既存の医療技術や魔術ではそう、簡単に治癒する事の出来ない不可思議な"傷"は確実にセリーナの心を痛めつけて。】
【こうして明るく話をしていても、奥底では彼女と対峙したときの絶望感が胸を揺るがす――そう、恐れてしまうほどに。】
【治癒の方法はまだ、わからない。ただセリーナが視線をふと、胸元に落とすのが分かるだろう。】
【大きく開いた扇情的な入院服のその奥、魔力を発する"傷跡"が――呪詛のようなそれが、チラと見えるかもしれない。】

【――セリーナは慌てて、それを隠す。もっとも、自分ではこれが何なのか、どうすれば良いのか――分からないのだから、当然だ。】
【そして人は未知なるものに弱い。セリーナとてそれは違わず――怒りと恐怖は今の彼女をある意味、支えているものだった。】

――御旗に傷?あっはははは!・・・なに言ってんのさ、レグルス。そもそもUTは、がめつい賞金稼ぎが起こした運動だよ?
正義も良いけどお金も大事だ!なんて――もう、成り立ちからして色々間違ってると思わない?きっと反発意見も多いよ、裏じゃあね。
けどアタシはそれで良いと思ってる。正義かどうか、とか。善悪がどうの、とか。そういう事よりさ――
今この世界には――"力"を持った人たちが居て。護りたい物があって。そしてそれを壊そうとする奴らがいる、重要なのは・・・きっとそこだと思う。
バラバラな"力"を一つに集める――いつか大きな力を生む為に。それがアタシの望むUTの姿なんだ。だから――経歴なんて、気にしなくていい。

――ま、そんなワケでさ!気が向いたらいつでもおいでよ、外部協力者ってのも勿論、悪くないけどねん♪

ウチは大歓迎だよ、元悪党でも元犯罪者でも――アタシが、引っ張ってみせる。

【――強制はしないだろう。それではUTの意味が無い。ただ、セリーナは伝えたかった。】
【UTはただの正義の組織ではない。間違ったことのある人間を受け入れないような集団ではないのだ、と。】
【今だけが大事であるとは勿論言わない、だが未来を切り開く為に必要なのは、"今"を変える力なのだ。】
【だからその"今"を担える者を、セリーナはきっと待っている。名を連ねる事がなくとも、顔を出せば暖かく迎える程に。】
【UTでなくとも、UTと共に戦える。それで良い。必要なのは――集う事、なのだから。】

【――そして。ここからは忠告となる。セリーナは胸元の傷に指を当てながら――静かに、レグルスの目を見て、言葉を紡ぐ。】

ただ・・・レグルス、気をつけたほうが良い。ガイスト・ウォレン――貴方もあの時、あの船で彼の声を聞いた筈。
アイツは正体を現して、悪魔として大暴れしてる。何をするつもりかは分からないけど、とにかく。
――絶対に、一人では立ち向かわない事。貴方が本当にUTを――アタシ達を仲間だと思ってくれてるのなら。
もし見つけたとしても、一人きりで戦おうなんて思っちゃダメだからね?・・・約束だよ。
ソニアを悲しませるようなことしたら――アタシ、怒っちゃうからね。
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/16(日) 21:11:04.62 ID:VgfpK1udo

【――とん、と自分の胸からレグルスの胸へと、指を移動させて。念を押すように、そう言った。】
【恐らくは、"件の悪魔"とは矢張り、あの半魔のことだろう。ニュースで大々的に姿を現した以上、もはやあれは"災害"にも等しい。】
【セリーナは生き残ったが大きなダメージを負った。そして此処からはセリーナが言っていなかった事だが――】
【彼女は彼女で、あの悪魔を一旦は、ボロボロになるまで追い詰めた。その理由は簡単である――弱点を、見つけたからだ。】


>>72

【ナウファルも感じているであろう、その気配――矢張り、"リリア"の事であったのがレグルスとセリーナの会話から伝わるだろう。】
【ひどく恐ろしい生き物だと、そう語るナウファルの様子もまた、セリーナと同じ彼女の恐怖を知る者の反応、そのものであって。】
【もっとも、そんな会話の中でもユーモアは失われない。・・・少なくとも、18という年齢を知って。セリーナは・・・】

(・・・はは、ははは・・・。6つ下だってさ、6つ。・・・干支が半周違うってさ、はははは・・・。)
(なんか――・・・アタシ、あれかな。知らない間にすっごい年取ってたのかな。・・・18の時って何してたっけ――?)

・・・そ、そうだねー。おねーさんはナウファル君よりずーっと、年上みたいだ・・・うん、気にしないで。
自分から年齢名乗ったしね、うん・・・悪いのはアタシのほうだから・・・うん・・・。
でもでも、ほら!ナウファルみたいにさ、男の子は年上に見られた方がかっこいいって、そうに決まってるよ!
女は――・・・まあ色々あれだけど・・・うん。と、ともかく怒って見えるようなことはないから大丈夫!ナウファル君、なんだか優しいしね〜。

【――愕然としていた。そうか、世間の若い青年との年齢はこうして、ズレを生じていくのか、と。】
【もしかしてあれだろうか。カラオケとか行くと、全然選曲が違ったりするのだろうか。いや、実際のところナウファルがカラオケなる存在を】
【知っているのか知っていないのかそこすらも分からなかったが――言い知れない不安に襲われた。リリアのそれにも、劣らない・・・。】

――・・・うん。砂の国の人は、やっぱり苛酷な環境で生きてるからかな――皆、優しくて落ち着いた人が多いね。
オアシスにはよくお世話になったもんだよ、お酒なんかの名産品も美味しいし――またいつか。
少し平和になったら、世界中放浪してみたいなあって・・・そう思うんだけどね。

――まあ、お察しの通りさ。その様子だともしかして――ナウファル君も、アイツに会ったんだね。
アタシはアレと派手にやりあってね、このザマってわけさ。・・・魔力や能力の強さだけじゃないんだよ、彼女。
なんていうか――・・・負の感情が、とっても強いんだ。何を恨んでいるのか、分からないけど・・・。
目的だけでも分かれば、こっちも対策が撃ちやすいんだけどね〜・・・はぁ、UTの運営も楽じゃあない。

【――どんな敵と対峙したときでも、セリーナの瞳のそれは他の色にとって変わる事がない。】
【それは彼女自身が精神的に強かったという証拠でもあるが、ことリリアに関しては――また別だった。】
【彼女の流麗なブルーのそれも、どこか陰りを帯びていて――ズキン、と胸の傷跡がうずいた。】
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/16(日) 21:11:19.98 ID:VgfpK1udo

>>ALL

【やがて、その陰りはより深みを増した。―――ナウファルの傷を見たときに思い出してしまったからだ。】
【あの強烈な炎と魔力――脳裏に刻まれたそれが、胸の呪詛と重なり頭の中で割れそうなほど、響く。】
【一瞬、表情を曇らせるが――ナウファルのそれに比べれば、自分のそれなどまだ軽傷も軽傷だ。】
【呪詛は苦しかったが――ともかく、彼の傷には彼女も、触れることなく。わかっていたからこそ、無言で本を見詰めた。】

――どうやら、アタシの専門外、ってところだね。これはレグルスが持ってたほうが活用できる代物だ、そうでしょう?
それにしても・・・旧遺物、か。

―――アタシはアタシで書物を漁ったけど、あいつの目的はまだ分からない。けどね、一旦情報を整理したいと思うんだ。

まず、アイツが狙ったのはアタシの――・・・大切な仲間の、城。恐らくは根城にしてるんだろうけど、風の国の平原に現れた
"綾津妃"の所持してた"城"を・・・奪取した。あの時アタシがもっと頑張ってれば・・・ううん、やめようか。

それから次に、あのATLASとかいうでっかい塔――そしてこないだのテレビの、ドラゴン。

ねえ、二人はどう思う?あの悪魔がやっている事と、やりたいことを結びつければ――きっとアタシ達にも手が打てるはず。

――実はね、まだこれは二人にも言ってなかったけど・・・アタシも、アイツに関して大きな情報を持ってるんだ。

【――大きな怪我を貰い。呪いを受け。セリーナが掴んだのは――あの凶悪な半魔の、弱点とも言うべき存在。】
【二人が望めば、それを答えるだろう。だが――同時にそれは、二人をまたあの強大な悪魔への戦争へと巻き込むことにもなりえる。】
【セリーナは三人の目を、次々に見つめて――返事を、待った。】

【――聞かずにいることもできるだろう。だがセリーナは――今、仲間を欲していた。】
【一人では勝てぬ事を知っていたからこそ。この情報を共有したい――と。】
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/16(日) 21:14:23.28 ID:BJJIrrAjo
【雨上がりの夕焼け空、煌々と輝く橙色の光が街を染め上げる】
【嗚呼、一日が終わりまた夜が来る。名残惜しい、悲しい、無常に流れる時は待ってはくれない】
【コンクリートに染み込んだインクのように、固定されたまま時間が止まればいいのに】
【そう願っても叶う筈は無いし、こんな物で時間を絡め取る事なんて出来やしない】

はーあ…つまんねーでござる
全部全部ぶっ壊れちまえばいいのに、そーすりゃ明日を考える暇も無くなるし

【幼く高い声、溜息とともに吐き出される】
【カラカラと鳴る乾いた音は、手に持ったスプレー缶を振った音】

【蜘蛛の巣が這い回る黒いパーカーを黄色いノースリーブシャツの上に着て、黄色色チェック柄のミニスカートと黒いスパッツ】
【黒いセミロングの髪の上に被る、白いニット帽に黒いゴーグルを被せた様は髑髏を被ったようにも見えて、オーバーニーソックスと黄色・黒の縞模様スニーカーがいかにも活発だと主張する少女だ】
【また、パーカーは腋の部分が空いた風通しのいい作りで、袖先は指貫手袋と一体化したような閉じた作りとなっている】

…何で朝が来るんだろう

【切実に呟いた少女は、俯いていた顔を上げ、自分の作品を見上げて眺める】
【そこにあるのは巨大な蜘蛛の巣───コンクリート塀にスプレーで描かれたグラフィティカルな蜘蛛の巣は、止まって欲しい物を絡め取ろうとしているかのようで】
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 21:18:16.65 ID:a8Gehaf1o
>>78

良かった、おかしくなくて……
ふふ、ルーナ。 どういたしましてっ。

【お礼を言うようなその鳴き声に目を細めて、安堵の表情を浮かべた】
【その折に、彼がベンチから腰を上げるのを見て、少し残念そうな顔をしつつも】

えっ、お礼なんて、そんな大層な事……あっ、狂死郎さんっ!
こちらこそ、今日は素敵な術を見せてくれて、ありがとうございましたっ!!

【忙しそうに駆けて行く姿を見ながら、】
【矢張り陰陽師という仕事は大変なんだなぁ、なんて呑気に考える】

【彼を見送った後、視線を戻すと、残されたルーナが薄れ始めて】
【彼女のこともきちんと見送ろう、と消え去る瞬間までその瞳を見つめていたのだが】

【――不意に、声】

…………えっ、……?

【不思議な声。 けれど正体を確かめる前にはきっと、その姿は消えているのだろう】
【残念そうにその跡を見つめて、不意にきょろきょろと周囲を見るけれど、声の主らしき者はいなくて】

……また会おうね。
ルーナ、……狂死郎さん。

【背中の大弓をそっと手に取って、張り詰めた弦を軽く指で弾けば】
【まるでハープのよう、ほろりと澄んだ音が、祈る音色のように静かな空間に響いた】

/ありがとう御座いました!
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/06/16(日) 21:20:36.35 ID:DoCC4fGmo
>>76

ヒャハハッ、――俺様は素材を集めてるだけだ、人間共が石ころを集めるよォーにな
……石ころ同士の邪ァ魔をして、何が悪い?

【ああ、――この悪魔は紛れも無い悪魔だ、永遠に浄化されるべきほどに】
【――身体には幾多のヒビが入っていて、そこから漏れだす邪悪な魔翌力は、悪魔が悪魔たる所以として十二分】

『……ッ、く……すまねェ、こいつは放っておけるタイプじゃあねェみてェだ…………』
『さっさと追っ払っちまって、早いとこバトル再開と行こうじゃあねェか、ベルテッ!』

【先程のダメージはそこまで重いわけではなかったようで、バンチョーはむくりと立ち上がると】
【砂埃を払うこともせず、相棒の頭部と尻尾以外の部分を纏うと】

『……この見た目で、後方支援タイプかよなァーんてツッコむなよ?』

【だが、そう自称するだけあって――場の状況を把握し判断する力は高いようだ】
【相棒は悪魔の頭部目掛けて海水の球を吐き出す――まあ、頭をずらされすんなりかわされてしまったわけだが】
【その回避行動の隙に、彼女の突進がクリーンヒット!】

グゥッ!? ガッ……糞ッ!

【――案外、あっさりと突き飛ばされるものだった、悪魔は数m以上も吹き飛び、地面を滑り、やがては止まる】
【近づいた時に見えただろうか?】 【ヒビから僅かにはみ出る、悪魔に喰われた怨霊が――】

っちィ……糞がッ……"ネプトゲル使い"、"狼"、そォして……"俺様の邪魔をした劣化野郎"か
劣化野郎は寝てるよォーだが、……良ォいだろう、……3人、いィや……"5人"纏めて俺様の糧にしィてやろうッ!

【魔法陣から現れる闇、それが成す形のは、二つ――】
【一つは、全身が朱色の結晶で出来ていて、淡く光る山吹色の模様やコア、眼を持った2m程の亜人】
【もう一つは、雫の様な形の身体に、手の様な翼、ツルハシのような腕、人のような顔を持った、奇妙な白い物体だ、大きさは頭部+α】

【亜人が仕掛ける行動は、ベルテとバンチョーに対して"朱色の結晶"を発射すること――狙いは胸部】
【数はそれぞれ3つ、大きさはフィルムケース程度】 【ほんのり熱を帯び、鋭く尖ったそれは、もし当たれば――深々と刺さるだろう】

【白い物体は――寝ている男に接近している】 【頭部に近づいて、一体何をしようというのだろうか?】
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/16(日) 21:43:01.89 ID:qbXKq9xBo
>>85

ハアァ・・・ッ!
【彼女は大きく息を吐く】
【力だけならそう簡単に負けないが、決して相応の体力を持ち合わせているわけではない】
【ひとまず彼女は無理をしないだけの冷静さを取り戻し、狼の姿のまま半分ほどの大きさになる】

はい!・・・もっとも、再開できるほど力を残せるかか分かりませんがね
こんなものじゃ収まらない・・・!
【悪魔の方を睨みつけ、声を荒げる】

さっきから、何をブツブツと―――!?

【その時、飛ばされた結晶が彼女に接近する】
【避けることはできないと、判断する暇も無い】

ッ!!

【そのとき彼女は、"分身"した】

【二体に分かれた彼女の片方に、結晶が突き刺さる】

ぐっ、あぁ・・・!!

【すると、攻撃を受けた方の彼女は消えてしまう】
【もう片方の彼女は、ためらわずに亜人の目に向かって跳びかかる】

【しかし、外傷こそ無いが痛みは通じているのか、顔は苦痛に歪んでいる】

【白い物体には、気づいていない】
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/16(日) 21:52:37.96 ID:ANj0v1ZJ0
>>72-73

……や、どうだかなぁ……俺はまだ免許皆伝じゃないんでな……正式に人に教えられる身じゃ無ぇんだよ
出来るなら、誰かが継いでほしいとは、思うんだけどよ……ま、俺もまだまだ未熟ってこったな……

【教えを受けた師匠の言葉を思い出してか、どこか遠い目をしながらレグルスは答える】
【まだ、師匠から完全に認めてもらった訳ではないのだろう。レグルスの独断で誰かに自分の技術を伝えるつもりは無いらしく】
【――――もっとも、レグルスだけに限らず、彼の魔術の流派では現在、創始者以外に人に教える事は禁止されているのだが】

「……うん、そう言う事だ。さっきのスペルも……手前たちの魔術で用いる、先生の創作スペルだからね……どこの言葉、と言う訳でもないんだ
敢えて言うなら、僕らの魔術の為の、特別な詠唱かな?」

【理解してもらえた様で、アルクもそれ以上追及はせずに、ナウファルの疑問に答える】
【確かに、聞いた事が無くても当然だろう。彼らの間のみで使用される、簡略された魔術語なのだから】

……あの試合……見てたのか……つくづく、勝てなかったのが悔やまれるなぁ……
ん、ソニアか? あぁ、元気なもんだぜ……前にしてた怪我も、最後にあった時にはすっかり治ってて、ピンピンしてたからな

【意外なほどに、自分の大会での戦績が知れている事をレグルスは歯がゆく思いながら――――1回戦負けでは、誰も覚えていまいとたかをくくっていた――――】
【ソニアの事を聞かれて、レグルスは元気にしていると返事を返す。傷から回復していく姿も、彼はしっかりと見ていたのだ】

……え、おい……旧遺物だと? ――――――――っ、うおっ……!?
「ッッ、この感じ…………確かに、相当なものだね……!!」
……い、良いのか!? こんなもの……!! …………俺の手にも、余りそうな……そんなとんでもねぇ代物なのによ……!!

【手渡された荷物を受け取った瞬間――――表現しづらいが、ともあれ強烈な『気』を感じて、レグルスは思わず総毛立つ様な感覚に囚われる】
【それは、むしろレグルスよりも魔術的に優秀なアルクも、側に居るだけで感じ取った様で】
【ナウファルの言葉の意味するところも理解はしていたのだが、それでも思わずレグルスは問い返さざるを得なかった】

/続きます
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/16(日) 21:55:33.95 ID:ANj0v1ZJ0
>>80-82

……おいおい、そりゃ謙遜なんじゃねぇか、セリーナ……
『ただのガンマン』に出来る範疇、完全に超えてるだろ? 見栄や暴走で、ここまで来れるほど、世界は甘くはねぇ……そこは、あんたの方が分かってんじゃねぇか?

【――――恐らく、自分とガチの勝負をしたとしても、セリーナは相当強く立ち回り、自分を追い詰めるだろう事は想像に難くない】
【レグルスはレグルスで、『ただのガンマン』程度なら後れは取らないと言う自負はある。それでも、なお――――セリーナは、その程度の存在ではないと、言い切れた】

……なに、ソニアの事を支えてやってもらってんだ。俺だって、それくらいの事は分かるよ。なら、見て見ぬふりなんて……なぁ?
――――――――ッッ……
「(これは……見ただけで分かる。如何ともし難い……とても歪な何か、だ……!)」

【元々、レグルスはそれ相応に義侠心の様なものを持ち合わせている性格でもある。だからこそ、一度とは言え『仲間』でもあったセリーナの傷を見過ごす事も出来なかったのだろう】
【だが――――ほんの一瞬見えた胸元の傷に、思わず表情を強張らせてしまう。それはレグルスだけでなく、アルクも同様だった】
【……やはり、その傷が尋常ならぬものであると言う事を、見ただけでも理解してしまえたのだろう】

「……なるほど。確かにね……その柔軟さ、フレキシブルさ。確かに高潔な正義と言うには、少し違うね……でも、その分、確かに見据えるものがある……そんな感じだ」
……ある意味俺はもう、その旗に引き寄せられてるのかも知れねぇな…………そう言う意味じゃ、セリーナ。あんたの狙い、ピタリ合ってるんじゃねぇか?

【セリーナの言葉を受けて、思わず絶句するレグルス。全くその通り、真実の一片を確かに窺える言葉だったからだ】
【安直な正義ではなく、いうなれば『力』そのものへの問い。それが『UNITED TRIGGER』なのだろう】
【そして、その旗の下に、いかな形であれ集う事が重要だと言うのなら――――参加する事に抵抗はあっても、共に闘う事を既に受け入れているレグルスは、正にその理念の成功例なのかもしれない】

――――セリーナ。あんた……本当にソニアを良く見てるんだなぁ……正しくそうさ。一番ソニアが悲しむのは、そこのところなんだろうぜ……
……分かってるさ。俺はあんたより強いとか、そういう自惚れをする気は無い……命を、粗末にはしないさ

【一人で無茶はしない事。セリーナから言われたその言葉は、かつてソニアと交わした言葉を、自然と思い出させた】
【――――「仲間を失うのが怖い」と。「絶対に死なないで欲しい」と。半狂乱に涙を流してまで、自分にそれを訴えてきたソニア】
【やはり、リーダーとして、そうした事を分かっているのだろうと、変なところでレグルスは感心して。またそれだけ相手が強大である事も想い】
【強く、重く、しっかりと。レグルスはセリーナの忠告に頷いた】

「……個人的に、一番気になるのはATLASだね……周辺の環境すら変えてしまうほどの塔…………その『城』とやらを本拠地と捉えるなら、恐らく『塔』は橋頭保……」

【基本的に、レグルスもアルクも、機関との一連の騒動に対しては明確な立場を見せていない】
【レグルスにしてみても、セリーナと肩を並べた戦場に立ったのは、報酬の為であり、ソニアも共に参加している事など、その瞬間まで知らなかったのだから】
【だが、それでもリリアの齎した『魔』には、やはり興味はあったらしく、2人は真剣な表情で考え込む】

「……セリーナ。あなたは躊躇っているんだね。手前たちにそれを教える事を……どうするつもりだい、レグルス?」
――――ハッ、決まってるぜアルク。ナウファルの旧遺物の事もだ…………ここまで来て怖気づく様じゃ、俺は何でもねぇ……仲間との絆も、嘘っぱちになっちまうわな……!
『仲間』がいるなら、それを支えるのは当たり前……5年前から、俺はそうして生きてきたんだぜ?
――――話してくれよセリーナ。俺に出来る事なら、その力の限り協力してやるからよ……!
「……手前としても、レグルスがそう言うなら無関係でも居られないね。こんながさつで、むこうみずで、どうしようもない酔っ払いでも……『相棒』だから、ね」

【セリーナの、思わせぶりな言葉と、不自然な沈黙。その真意を、アルクはほぼ完全に読み切ったのだろう】
【そして、その言葉を受けてレグルスは、あっさりと地獄への一歩を踏み出す事を宣言する】
【――――仲間が居るなら、仲間が危機に瀕しているなら、命を賭ける――――山賊として旗揚げした時から、レグルスの性情は、何も変わってはいなかった】
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/16(日) 22:07:30.06 ID:XBmkE7Ek0

【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【入院患者との待合場所としても利用される、所謂ラウンジと呼ばれる場所】
【どの人達も、誰かと楽しそうにお喋りしているが――――】
【ふて腐れたように頬を膨らませ、車椅子に座る少女が一人いて】


「……何故あの馬鹿はいっつも遅いです
本も読み飽きて、する事が何も無くて退屈です。退屈すぎるのです」

【――――汚れを知らないような真っ白な髪。額に生えるのは、一本の角】
【何よりも、“交じり者”の気配が注意を惹きつけるのだけれど】
【そんな険しい表情を浮かべて居れば、少なくともこの場では話し掛けようなんて猛者は居らず】


「どうせ、私にはどーでもいい事をしている事です……
本当に私の従者ですか。あの馬鹿は……いや、あの馬鹿達は
主たる私を助けないで、何故他のやつを助けるです……」

【言っている間に更に不満が募ったのか、「ムキー!」なんて言葉と共に手を振り上げて】
【――――元より異質なこの少女。そんな行動を取れば、更に目立つはずで】






【櫻の国――――以前までは人間達の住んでいた一つの村】
【桜の名所として有名だった場所だけれど、今は妖怪達が住んでいて】
【すっかりと花が散ってしまったその木の下で、酒を呷る影が一つ】


「さぁて……そろそろ次の場所を目指さなきゃいけないかなぁ
拙(ぼく)達の親が持って居た城でも取り返しに行こうかな。それとも……」

【一升瓶が空になってしまえば、脇へと退けて空を見遣り】
【顎に手を添えて何やら考えようとするも、思考は纏まらす】
【答えとして出たのは、一つの溜息】


「まぁ……今はいいっか
美味しいお酒があるんだから、今は其れを楽しまないとねぇ……
飲み終わったら美人な人でも探して、それから考えよっかな」

【戯言を漏らすのは、山伏の服を纏った烏天狗】
【その外見はどう見ても少女なのだが、漏らされた言葉から考えるに性別はその逆であろう】
【妖怪の村――だなんて噂される其処。さて、訪れる物好きは居るのだろうか】
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/06/16(日) 22:13:13.78 ID:DoCC4fGmo
>>86

【一方、バンチョーの方は、相棒に海水を吐かせて勢いを弱めた結晶を受け――軽く刺さるが、それを抜き捨てて】

『こいつァ……朱晶の炎魔……いや、"剛朱晶の強炎魔"ッ!』
『……そうだ……あいつァ、ベテラート……いや、この気……おそらく"ベテアドット"が殻被ってんな、とするとユウトさんの言っていた奴は……こいつかッ』

【その攻撃と姿を見れば、どうやら見たことがある"生き物"だったらしく――そこから、悪魔の種族までが繋がる】

《Uh... Painful... But, you are attacked. It is a boss's command. 》

【――ガァッ!】 【飛びかかられる亜人、いとも容易く眼を潰し、頭部を欠けさせ、そして転倒させた】
【だが、ただでは転ばぬ――砕かれた頭部や眼の破片は地面に散らばった、その破片から一斉に熱線が発せられたのだ】
【それらの熱が強まるという予兆はあるが――範囲が広く、回避は難しそうだった】

【だが、バンチョーの相棒が吐き出した海水によって、その熱線の当たるだろう位置が"頭部、腕"に絞られた】

『あの亜人ァ幾ら攻撃しよォーと身体を自力で修復してきやがる厄介なやつだ……』
『だが、弱点ァ知っているッ!』 『そいつの弱点ァ"心臓"だッ!』 『心臓さえぶっ壊しちまえば……"殺れる"ッ!』

【その言葉が本当かは不明だ、しかし、ダメージを負った頭部の結晶が徐々に修復しているのも事実で――】

【バンチョーは、種を投げる――それに掛けられる海水、そして成長する"根"】
【どうやら、亜人を根で捕らえ動きを抑えるのが目的のようで――おそらく、数秒間は動きを止められるはずだ】


【――見えているかいないか、白い物体は寝ている男の頭部に"入り込んだ"】
【油断していた、バンチョー達も気を取られていた、――だが、今のところは変化はない、放って置いても大丈夫……なのだろうか?】
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/16(日) 22:24:54.59 ID:DtiOaU/ho
>>80-82

最初はサ、目的があッテ郷を離れたンだ。それを達成しテから、大手を振って帰ロうと思ったンだけど
……ソレとは別に、しなくちゃいケない事が増えちゃッたナ。いずれ俺の郷だッテ、危うくなるかモしれない

【他国へと渡って来た当初と今では、収集する情報の中身が移り変わり。俯きかけた表情は、ゆっくりと前を向く】
【金の色は、煌めいて。迷いを許さず押し寄せる恐怖に、ちら、とほんの少し瞳が動く】

恨み……あノ極端に見下したヨうな物言いには理由があるノか?
俺もレナールへ、ATLASへ乗り込ンだ……それでも俺は、確かな成果を得らレなかった
俺はまだまだ未熟デ、奴ノ敵にはなり得なかッた。対峙する事適わず、大敗を喫した
……今ここに立っていられるのは、カズネのおかげだ

【あの悪魔の目的は何か。思い出されるのは辛辣な言葉の数々と、圧倒的な力の差】
【己の心を抉った言葉を思い起こせば、半眉が情けなく形を歪めた】
【先程の愉快な問答の中にあったように、青年はまだ子供と言うに相応しく。故、揺らぎ易かった】

>>87-88

専門家の手に余るンだったら、俺の手にはもっと耐えきレないじゃあないか?
……ン、まあ、使うだケなら問題ないンだと思う。ケレド、ソレじゃきっと有効な手立てにはならないかなッテサ
“使える”だケじゃ、“戦える”だケじゃ駄目なンだ。突き進む力が無くちゃ、あの悪魔は……

【明るい先程までの態度から考えるとどこか消え入りそうな弱さ。多分に、それは青年が素直だからだろう】
【旧遺物の力に驚く相手に頬を緩めて肩を竦めるものの、どことなく寂しげで、頼りない】
【大きな口は言葉の節々に唇を閉じ、掌は何度も短い髪を掻き上げた】

……なンだか、強引に巻きこむみたいだケドさ。真の意味で扱える人間に、受ケ取って欲しいンだ

【そして、彼のセリーナへの答えを聞くとほっとしたように強張った肩から力を抜く】
【改めて託すように、ごく軽い力でレグルスの肩をトンと叩く】

>>ALL

俺は、聞きたい
ドレだけの事が出来るかは分からないケレド、最後まで関わり続けたい
……ソレが俺の目標で、ソレが俺の弱さヘノ覚悟なんだ……

【深呼吸。ゆっくりと時間を掛けて彼女を見据える瞳は、己の力不足を認める事で迷いを打ち消さんとする】
【相手が拒まなければ、セリーナの手を取って優しく力強く、一蓮托生とばかりに握りしめようとするだろう】
【それはどちらかといえば、子供が大人の手を求めて手を伸ばすに、近かった】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/16(日) 22:51:17.69 ID:VgfpK1udo
>>88>>91

【UTの仲間であれば、直ぐに伝える事も出来た。というより、広めておきたいくらいだ。】
【其れほどまでにセリーナ・ザ・"キッド"という、この一人の女が掴んだ事実は重く、そして強力な魔除けの護符となりえる。】
【】
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/06/16(日) 22:54:43.49 ID:jRx0afOao
>>89

【久しぶりにこの病院に行くことになった。実に3ヶ月ぶりであろうか。入り口の自動ドアを潜れば、心地良い冷房の風が身に沁みて来た】
【白シャツにジーンズ男は辺りを軽く見回せば、被っていた青のソフト帽を外し茶髪を晒せば、小さく溜息を吐いた。―――余りの代わり映えの無さに、だ】

……出来れば此処には来たくなかったんだけどな
―――2年間もこんな封鎖的なとこに居たもんだから、トラウマ気味になってやがるみたいだ

【―――受付の女性が彼の姿を見つければ、笑いながら手を控えめに振った。男は苦笑しつつも手を振り返して、受付に脚を進めた】
【彼女は彼が此処に2年間、右足首の大きな怪我で幽閉されていた時にお世話になったナースの1人だった】
【軽い世間話と共に受付を済ませれば、長い長い順番待ちの始まりだった。全く憂鬱だ。少し右足の状態を確認して貰うだけなのに、多くの時間を浪費しなくてはならない】

【男には生憎暇を潰せるようなモノは持ってはいなかった。こんなことなら古本屋で小説でも―――と後悔していると、ラウンジの空気に「異質」に気付いたようで】

……どうした嬢ちゃん。 病気の診断結果はヒステリー症候群かい?
―――それとも、暇すぎて死ぬ病か? ……因みに俺は後者を発症してるんだけどな

【直ぐ様、その異質の持ち主に言葉を飛ばす。隣のスペースにどかっと腰を下ろせば、紺碧の視線を彼女に、細かく言えばその「角」に向けていた】
【彼女も暇に困っている様子だったので、お互いの暇つぶしになれば―――そんな軽い気持ちで、微笑みと共にナンパの如く話しかけた】
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/06/16(日) 23:01:38.86 ID:jRx0afOao
>>93
/訂正です……「白シャツにジーンズ男は辺りを軽く見回せば」を
/「白シャツにジーンズのシンプルな格好に身を包んだ男は辺りを軽く見回し」に訂正です。いろいろ誤植誤字誤用だらけでスミマセン……
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/16(日) 23:21:01.60 ID:XBmkE7Ek0
>>93
【プンプン――――そんな文字が具現化でもしている様な、滑稽な怒り様】
【何事かと話し掛けてきた者達には「ガルルル……」と猛犬の如く噛み付いて】
【不思議と、看護師達が話し掛けてこない所を見れば、最早“恒例”となっているのであろう】


「……何なのです。お前は
嫌に馴れ馴れしいのです。私がヒマヒマ症候群の持ち主ならば、お前はきっとアホウのゆるゆる頭症候群なのです
手術したって無駄ですからそのまま霊安室に行ってしまえばいいのです」

【その声に返される物には、暖かさなんてものが一切含まれて居らず】
【所謂、ジト目。折角気を利かせてくれた青年にだってお構いなしに噛み付いて】
【顔だけで無く、律儀に車椅子まで方向転換させてばこれでもかと言わんばかりの罵声】


「ふふん。大体にして、お前の様な下衆がこの私に話し掛ける事自体烏滸がましいのです
根本的に存在――――種族が違うのです
私を見るときは十歩後ろからお辞儀して、私に話し掛ける時は手の甲にキスでもしてから話し掛けるです」

【ズビシィ!!――――得意げな表情と共に指差し】
【まるで口から生まれてきたかのような少女。高飛車……ともまた違うように思えるが】
【白い髪。白の素肌。そして、入院服。全てが白に包まれたような少女だけれど、瞳だけは深い蒼色で】
【その色を青年へと向ければ、今度は一転して睨み付けるのだろう】

/宜しくお願い致しまするー!
/口の悪い輩ですがご容赦頂ければ……!
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/16(日) 23:45:12.80 ID:VgfpK1udo
>>88>>91
【UTの仲間であれば、直ぐに伝える事も出来た。というより、広めておきたいくらいだ。】
【其れほどまでにセリーナ・ザ・"キッド"という、この一人の女が掴んだ事実は重く、そして強力な魔除けの護符となりえる。】
【だが逆に言えば――この事実を知っているセリーナという人物を、リリアは恐らく注意して狙う筈だ。】
【それがセリーナだけならばまだ良い。共に戦うと誓ったUTのメンバーであるなら、いい。しかし――矢張り、躊躇。】
【彼らは共闘してくれるだろうか、本当にこの事実を伝えて大丈夫か――図りかねていた、その時。】

―――――・・・ナウ、ファル・・・。

【――ぎゅ。と、彼女の手を握る感触が、掌から伝わってくる。大きな手だ、自分の其れよりもずっと――ずっと、大きく。そして】
【優しい温もり。これはセリーナの悪いところでもあったのだが――彼女は、仲間を大切にしすぎるきらいがあった。】
【理由は幾つもある。過去の経験ももう。今居る仲間達が、大好きであるのもそう。――とかく、彼女は仲間を、大切にしたかった。】
【勝てる見込みのない作戦に巻き込む事など、なるべく避けたい。それはリーダーとして当然なのではないかと――そう、感じていた。】

【だが――思い出した。】

【手の感触。そして―――ふと、視線を上げれば。】

【そこにいるのは、頼もしい言葉を投げかける二人の義勇。】
【嗚呼――そうだ、UTも同じだ。自分は何を、悩む事などあろうか。】

【そもそも、この世界で正しい筋を通してやろうなんて――そんな思想そのものが、無謀にも程があるではないか。】
【それにUTの仲間や、色んな人間を巻き込んでおいて今更――怖気づく事などあってたまるものか。】
【レグルスと、アルクの視線は力強い。共に修羅を歩む事を――受け止めてくれているのに。】

【自分が怖気づいていて、どうする。こんな時の為に―――人は寄り添い会うのだから。】

・・・はぁ。まったく―――・・・オーライ、わかったよ。
命知らずだね、三人とも。・・・どうなっても、知らないよ?ホントに――・・・

でも。

―――そういうの、おねーさん嫌いじゃない。

【迷いを断ち切り、セリーナは言葉を、紡ぎだす。】

全部話すよ。どうしてアタシが全身五箇所も骨折負って、入院するまでに至ったのかを、ね。

前に一度、"アイツ"とは面識があってね。その時は――そう。さっきナウファルが言ってたあの"カズネ"ちゃん、実はアタシの大親友なんだ。
初めて共闘したのがあの悪魔との初邂逅だったってワケ。・・・生憎、記憶を奪われて大変だったんだけどね。
護るべきだった城も、綾津妃も護れず記憶まで奪われて――完全に負けたのが、アイツとの最初の戦いだった。

その後、大会で優勝して記憶の欠片を使ってあれの正体を思い出して――それからはもう、アイツをどう倒したらいいのか
その事ばっかりで頭が痛くなる日々の連続だったよ。


――――丁度二週間前、かな。カノッサの連中が氷の国にある雪原――そう、コンビナートの施設を襲う計画を立てた。
アタシはその日、政府と協力して内部で護衛をしてたんだけど・・・そこに現れたのが、あの悪魔さんだったんだ。

・・・綾津妃は未だに封印されたままだし、カズネちゃんは二度の戦いで力を沢山使って疲労してる。
城もまだ返ってきてないし、何よりあいつは――風の国を襲って、滅茶苦茶にした仇敵だった。

・・・許せる筈もなかったよ。本当なら、アタシだって逃げるか、仲間を呼ぶかするべきだったんだろうけど――
今度は護らなきゃいけなかった。もう、後には引けないんだ、って。

―――だからアタシは、アイツと一騎打ちをしてやった。
もう、あの悪魔の事で誰かが悲しむのなんて・・・見たく、なかったから。

【―――思い出すように。鮮明に、あの日の光景が頭の中に過る。】
【撃っても撃っても効かない、魔力で形成された肉体。爆発的な火力、そして憎悪、憎悪、憎悪――――。】

――・・・笑っちゃうよね。息巻いて勝負を挑んだは良い物の。赤子の手を捻るような感覚だったと思うよ、向こうからすれば――
生半可な攻撃じゃ"白い炎"の魔力で再生するし、ねえ信じられる――?頭を半分、銃撃で吹き飛ばしたのにピンピンしてるんだよ、アイツ。
爆撃も炎も効かない。殆どダメージなんて与える間も無く――コンビナートを破壊する勢いでやられかけた。

その時アイツが何を言ってたか、アタシは忘れないよ。
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/16(日) 23:45:56.40 ID:VgfpK1udo
>>88>>91

"レナールを襲ったあの纏衣の事件も、全部アタシが仕組んだ"

"纏衣を嗾けたのもアタシだし、アンジェルベルジュロンをおかしくしたのもアタシなんだ"


―――・・・悔しかったよ。あの事件は・・・アタシがUTを本格的に発足するきっかけになった、大きな事件だったから。
裏で手を引いて、挙句其れをゲームか何かのように嘲笑うようなヤツが主犯だったなんて―――胃が煮え繰り返りそうな気分だった。
ただ、それでも実力差が怒りで埋まるわけでもない。死ぬのを本気で覚悟した、その時かな――




――アタシは運が良かった。偶々、本当に偶々だよ――崩れた壁の向こうに、雪だらけの―――

―――"教会"が見えたんだ。

・・・賭けてみるしかなかった。自分の命も、運命も、全部をベットしないとコイツには歯が立たないって・・・身に染みてわかってたから。
多分、あれはコンビナートの作業員なんかが使う簡素なつくりの教会だったと思う、もう人もあんまり寄り付いていないような――
小さな教会だったけれど、それでもアタシは勝負に出た。

必死の思いで誘い込んだよ。口八丁と牽制の弾丸、効く筈も無い肉弾戦――自分が無力なのは知ってたけど、あの日ほどそれを
痛感した日は無い・・・そう思う。

ただ――向こうはアタシをただの玩具程度にしか思ってなかったんだろうね。だからこそ、隙をつくことが出来たんだ。
・・・此処からが重要だ。二人ともよく聞いてね。


―――良いかい。十字架でも聖水でも聖書でもない。アイツの弱点は――教会の"ベル"だ。

【その言葉が本当であるならば。セリーナは――あの悪魔にダメージを与えた、ということだろうか。】
【そうでなくては分かる筈も無い、こうして明言している以上は――――つまり。】

・・・本当に一発。最期の最期、でかいのを腹に撃ち込んでやったんだ、勿論鐘が鳴り響く最中に、ね。
・・・苦しそうなのは間違いなかったと思う。あの音の中では、アイツの表情が著しく変わったから。
それに攻撃がすんなり通ってアイツに大きなダメージを与えたのも確かな筈だよ、砲撃で教会の屋根に叩きつけてやったからね。

仕事明けのビールみたいにスカッとしたのは良かった、けどね。
死に掛けてるアイツは――・・・此処からはアタシも記憶が曖昧なんだけど
なんか空間から――"心臓"のようなものを取り出して、それで急激に回復したのを見た気がする。

その後は――なんだか悪魔って言うよりも"龍"に近いような雰囲気になって、何かをペラペラ独り言みたいに喋った後――帰って行った。

死に掛けてるアタシにトドメも刺さずに、ね。・・・それだけ、効いてたって事だと思うんだ。だから――きっと、弱点は鐘の音だ。

【―――大きな情報、であると言えるだろう。セリーナは火力自慢であるが、それでも相性で言えば炎属性の攻撃を】
【同じく炎を操るリリアに届かせる事が出来たのは、まさしくその"鐘"の効果であると見ていいのだから――】

【ヒントは教会、か。次にあの悪魔と戦う事があれば――教会の近くであることが望ましい筈だ。】
【不浄を好み、夜を舞う悪魔からすれば。確かに、朝焼けを告げ、浄化の力を持つ鐘の音はきっと大きなダメージになりうる筈。】
【最も、後半の"龍"に関する変化については――どういったものなのかまだ不明であるが。】
【試してみる価値はあるだろう、少なくとも正面から戦うよりも―――ずっと、効果的なはずだ。】

【―――そしてこの事実を知った以上、きっとリリアは攻撃を仕掛けてくるだろう。これ以上、誰にも弱点を知られないために。】
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/16(日) 23:46:22.10 ID:VgfpK1udo
>>88>>91

・・・ま、情報を得たのは良いんだけど・・・代わりにアタシも、ちょいとばかり痛い攻撃を貰ってね。
もうレグルスは気付いてると思うけど――これがその印。本人は確か・・・ああ、"キスマーク"とか言ってたけどね。笑えないよ、まったく。


【全てを話し終えたセリーナは、患者服の前部分をゆっくり、胸元から腹部にかけてボタンを外していく――】
【丁度胸の中心、炎で焼かれたような火傷の跡と、それに連なる呪詛のような傷が――見えるだろうか。】

・・・お医者さんもね、"これ"は消せないってさ。どういうわけか、普通の傷ではないみたい。
――多分、アイツを倒さないと・・・この跡は消えない。それに――アタシの頭の中に響いてくる

・・・毎夜毎夜響いてくる、あの憎たらしい地獄の底から呼ぶ声も――・・・きっと消えないんだろうね。

【―――精神を汚染する魔術、か。恐らくは、入院中もずっと彼女はうなされているだろう。】
【しかしどうにもなるまい。気を抜けばリリアの闇が迫ってくるようで――こうして、話している時も。】
【セリーナは少しだけ――ほんの少しだけ、震えているのが伝わってしまうだろうか。】

【―――怖かった。この向こう見ずなガンマンでも、恐怖は知っている。其れほどまでに――彼女<リリア>は強大だった。】


99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/06/16(日) 23:56:31.39 ID:jRx0afOao
>>95

【予想よりも鋭く敵意の籠った視線を向けられて、男は思わずたじろいだ】
【噛み付く彼女の表情の向こうに、先程の看護婦の姿が見える。一瞬此方と眼が合えば、申し訳無さそうな顔で彼女は声を出さずに口だけを動かした】
【―――なになに、「そういう子だから」? 彼女は両手を合わせて無音のメッセージを伝えると、目線を切って職務に戻ってしまった】

【……確かに、周りから浮いている姿からもどうも取っ付き難い子なことは明らかだった。―――まぁ、だからこうやって話しかけてみたワケなのだが】

えー、いきなりひでぇ言い様だなァ……別にいいじゃんアホでもさ。
俺はアホウのゆるゆる頭症候群……だっけ?そうだとしてもさ、嬢ちゃんの暇つぶし位には使えるんじゃねーの?

【―――予想通りの冷たい反応。まるで不審者を見るかのようなジト目が突き刺さるが、そんなことで引っ込む彼でもない】
【……なんというか、逆に燃えてくるのだ。如何にして相手の心の氷を溶かすか、という部分に自分の手腕が試される。難しいパズルを解きにかかる感覚に近かった】

【反抗的な態度は見せずに、軽い雰囲気を維持しながらも言葉を返した。紺碧の瞳を細めて―――小さな笑みを零しながら】
【此方に向いた彼女の姿を改めて見ると、自分たちとは違うということを改めて認識させられる。髪然り、角然り】
【そしてその事を彼女は誇りに思っているように見える。逆に言えば、人間を見下しているかのようにも見えるということだ】

まぁ角見れば人間とは違うってことはなんとなくわかるけどさ……もし人間を見下してんならさ、なんで此処の病院に居んの?
―――というか、流石にキスはなー……周りの眼がアレというか。嬢ちゃんが気にしないなら、いいんけどな

【人間を見下されたことに関する敵意があるわけではなく、単純に気になったから出た質問だった。見下される事には悲しいながら慣れてしまった彼である】
【頬をポリポリと掻きながら周りを見れば―――視線が妙に集まっていることに気付く。その中で少し恥ずかしい行動を取るのは、少しばかり気が引けた】
【……本当にやったらどんな反応が起こるかも気にはなったが、長い長いであろう待ち時間の中ずっと、変なモノを見る視線を当てられ続けるのは流石に困るので止めた】
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/17(月) 00:16:44.55 ID:pA0A6STh0
>>91

……そりゃ、そうだけどよ……
「……意味を知る。つまり……これの力を危険だと判断するのも、一つの技量だよ
彼の言う通り、それをよりよく分かっているレグルスが扱うべきものだとは……思うよ」

【ナウファルの言う理屈は、レグルスにも理解できる。恐らくは、彼よりも自分が扱う方が、理にかなっているのも確かだろう】
【それでも躊躇するレグルスを、アルクが背を押す。よりその本質に迫れるのであれば、それは扱う資格がある様なものだと説得して】

……へっ、ここまで言い切ったからにゃ、な……――――――――任されたぜ

【そして、最後にはレグルスもそれを受け入れた。棍を握り締めたまま、自分の胸元を軽くトンと叩き『任せろ』と伝えて】

>>96-97

へっ、十分自覚してるさ。もうどうしようもない性分なんだろうぜ?

【絆を結んだ仲間がいるなら、死力を振り絞る。かつて怒りのままに山賊として立ち上がった時もそうだった】
【今と昔――――スケールこそ違うが、レグルスの中ではやってる事は何も変わっていないのである】

「……どんな人間だって、いずれは死ぬ。だったら、この戦いに赴く事に救いを求めても、悪くは無い……」

【アルクからしてみれば、無用な戦いと思えるのも事実だった。しかし、結局命はみな平等に失われるのだ】
【なら、命懸けで戦う目に遭う事も、それほどおかしい事ではないと、アルク独自の持論を持ち出して、軽く笑んで見せた】

……記憶を奪う……だと……!? ……文字通りの悪魔だな。そんな芸当、人間の範疇で居る奴には、そうそう出来る事じゃねぇ……!
「……なるほど。それなら異常な耐久性と言うのも納得できるね……だからこそ、今まで誰も手を出せなかったと言う事か……」

【セリーナの語る中身は、リリアの事を良く知らない2人にとっても衝撃的なものだった】
【それだけの相手なら、セリーナが苦戦を強いられるのも無理は無い。そして、ここまで世界を混乱させるのもまた、むべなるかな】

――――おいちょっと待て、アンジェルがおかしくなった……!?
「……レグルス、知っている人物なのかい?」
大会の1回戦で負けさせられたんだよ……おまけに、アンジェルも『UNITED TRIGGER』のメンバーだ……!
なるほど……本当に性質が悪いらしい……

【知っている名前――――大会で当たっただけでなく、一度『UNITED TRIGGER』の本部で酒を飲んだ事もある、アンジェル――――】
【そこにまで影響が及んでいると聞き、レグルスの拳に知れず力が籠る】

……"ベル"、"心臓"、"龍"……どういう事だ……?
「……そのリリアが、本当に不浄なる存在なら、確かに祝福された品物には弱いと言うのは分かるけど……
……それが何故なのか、そこが分からないと…………逆に、そこさえ分かるなら……」

【教会の鐘――――セリーナの告げるリリアの弱点に、考え込む仕草を見せるレグルスとアルク】
【何故鐘が弱点なのか。それさえ分かるなら、その性質の応用も効くのではないか。それを考えるアルク】
【そして、話の中に出てきた要素を羅列し、その関連性を考えるレグルス】
【――――やはり、実際にリリアと会っていない以上、2人の考察力もそれ以上には及ばないらしいが】

――――オーケー。どうやら今、『UNITED TRIGGER』もきつい様だし……ここらで1つ、俺が行ってやるぜ……!
「……何とかなる。そう思う……これでも腕に覚えはあるからね……何とかしてみよう……」

【後は、直接それを試して、そこから更に考えを広げるしかない】
【『UNITED TRIGGER』の内実が、どうやら厳しい状況にあるらしい事も悟り、2人の魔術師は大きく頷いて見せた】
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/17(月) 00:18:26.65 ID:jRel+Svh0
>>99
「確かにアホでも良いかもしれないのです。多分、何も深いことを考えずに生活できるのです
或いは、考える事も出来ないくらいにアホなら尚更良いのです
……お前を暇潰しに、です?

ふーむ……確かに、お付きの馬鹿二人も居ないので、暇を持て余していた所です
特別、お前の相手をしてやるのです。毎晩私の方角に向かって感謝のお辞儀をすると良いですよ」

【看護師すらも話し掛けてこないほどに浮いていた存在】
【そんな少女に話し掛けてきてくれた青年に感謝すべきなのだが――――何故か、少女の言葉からは全く逆な言葉が出て】
【尊大な態度を崩すことも無く、得意げな其れを崩す事も無く】

【笑みに対しても、ぶっと頬を膨らませたまま】
【まるで怒った表情で作られた人形の様】
【何故――――問われれば、片眉を上げて】


「特別に人間共をコキ使っているのです。私の脚が健康ならば、こんな場所さっさと出て行くのです
ユニコーンの血が混じる私の姿を見れる人間なんてそうそう居ないのだからしっかりと網膜に焼き付けるといいのですよ

……お前に本当にされたら私まで病気が移りそうだから止めておくです
――――っと、お前。どうせ暇なのだから私を中庭まで連れて行くですよ
普通ならば従者の二人にやらせるのですが、生憎今は居ないからお前に命ずるです」

【脚が悪いから――――本当に、余計な部分を省いて解するならば、きっとそんな解釈】
【その車椅子も怠惰故に乗っているわけでは無い様で、その言葉も虚では無い。何て事は分かるだろうか】
【ユニコーン交じり。伝承上ではその生き物はプライドが高いと載っている物もあるが……】

【自分の提案。べーっと舌を出して否定すれば、再び新たな言葉】
【自分の車椅子を中庭まで押せ、との事】
【並ぶ人々を見れば、呼ばれるまでにはまだ時間がありそうだけれど――――】

【病院の中庭。ブランコがあったり自販機があったり、まるで小さな公園の様。何て話は余談か】
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/17(月) 00:22:22.82 ID:pA0A6STh0
/見逃してましたorz
>>98

……やっぱり、呪詛……呪いの類だったのか……
「……手痛い攻撃をもらってしまったんだね……これは……」

【見せられる、胸元の傷。流石にレグルスも、そこに色めいた浮つきなどを感じる事もなく、真剣に――――重々しく、その傷を仰ぎ見る】

――――ある程度緩和させる事は、出来なくもないが……どうなるか……
「この手の呪いは、下手にいじると、逆に効果を強める事もあるからね……レグルスはともかく、手前なら確かに緩和させる事は出来るかもしれない……
ただ、ある種の賭けになってしまうね……どうする、セリーナ?」

【精神に対する呪い――――2人の術なら、その部分も能力の範疇と言えない事もない】
【ただ、それが確実とは限らない。下手にいじらない方が得策とも考えられる状況で】
【ましてや、良くは分からないが今の2人は魔力を消耗しているらしく、どこか自身がなさげでもある】
【それでも、考えられる可能性を提示したうえでどうするか、セリーナに判断させようとする】
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/06/17(月) 00:56:04.00 ID:Wd2Ds8R2o
>>101

ふーん、お付きがいるってことはやっぱりお嬢様なのか
……じゃ、こんなところか? ―――お嬢様に相手をして貰えるとは誠に光栄で御座います……みたいな感じで

【どうやらお付きの者、言い方を変えれば「世話役」がいるらしい。―――深く考えれば、当たり前だ】
【この少女を野放しにするほど危なっかしいことはないだろう。尊大な態度は反感を買うだろうし、世間知らずそうでもある。歩くトラブルと決めつけても良いかもしれない】
【特別に許可を貰えば、バカ丁寧な口調を無駄にきりりとした表情で言ってみせる。態々ソフト帽を被り直してから、それをまた取っての紳士的な礼を添えて】

ユニコーン……初めてお目にかかるが、成程ね……確かに立派な角が生えてるもんな。
アレだろ、神聖な種族……だったよな。でも人間も混じってるんだろ?―――そりゃ余計に珍しいってワケね

……はいはい、お役に立てて光栄で御座いますお嬢様―――って言ってもさ、俺も足悪いんだけど……ま、いいか
中庭か……俺はもうあそこの景色は飽きるほど見たな。暇すぎてベンチにずっと座ってポケーってしてた時期もあったぜ……

【また帽子を被れば、ユニコーンの血を持つと語る彼女を紺碧の瞳でジロリと見る。角、肌、髪の毛、眼……やはり、普通の人間とは違うモノを持っているようだ】
【「何を見ているのだ」などと文句を言われないうちに……と瞳を反らせば、男はゆっくりと立ち上がって車椅子の後ろに回った】
【後ろからならばれないだろうと、その特徴的な角を凝視しながら車椅子は進んでいく。―――中庭への道は身体が覚えていた】

……ああ、また来ちまったぜ此処に。 苦い思い出が蘇ってくるな……暇すぎた春、暇すぎた夏、暇すぎた秋、暇すぎた冬。
―――というか暇すぎた1年目だったな。……2年目の夏からだっけ、地獄のリハビリが始まったのは……うわ、また鬱になってきた……

【中庭へと移動し、外の空気を全身に浴びたのなら―――辛い思い出が、どうやらフラッシュバックしてきたようで】
【沈んだ声で、悲しい2年間を振り返る男なのである。彼女をベンチの隣へと移動させれば、自分はベンチに腰をドサリと下ろす】
【―――ここからの景色程、見慣れたモノは無かった】
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/17(月) 01:22:35.58 ID:jRel+Svh0
>>103
「ふん。少しはお前も分かっているのですね
……最後の言葉は余計なのです。やっぱりお前はあんぽんたんなのです」

【満更でも無いと言った表情も最初だけ】
【最後の言葉を聞けば、ジットリとした視線を向けて】
【こんな少女に付き合える世話役となれば、余程のしっかり者か――――少女と同じ様な“変わり者”の二択だろうか】


「これは私の象徴ですから、立派では無く美しいなのです
闇を払う生き物。一角獣。その血を継ぐ私と話せるのだから末代まで伝えると良いですよ?

お前の脚なんて知った事じゃ無いです。私が見たいと言ったら其処に連れて行き、喉が渇いたと思ったらジュースを持ってくるです」

【所謂、自己中。暴君】
【己の評価を必要以上に高くしてしまったが故の傲慢とでも言うのであろうか】
【車椅子を押して貰ったって感謝の言葉の一つも出さず。寧ろ、押させているのだから感謝しろと言わんばかり】
【――――その角。確かに自分で言える程には象徴的な物であって、“聖”の力を感じ取れるであろうか】


「…………いつ来ても、此処は良い所なのですね
――――と、私が感傷に浸っているのにお前は何間抜けな事をヌカしているのです
お前のニート体験記なんて聞きたくないのですよ。どうしても聞かせたいのなら本にでも綴って出版すればいいのです
気が向いたら手にとって捲った後、ビリビリに裂いて公衆トイレの紙代わりに置いてやるですよ」

【この場所が好きなのか、珍しく和らいだ表情。不機嫌な表情が消えれば、きっと歳相応な穏やかな笑み】
【――――だったのも束の間の事。青年の悲しき体験談を吐き捨てれば、やっぱり罵倒の嵐】
【どうせ売れ無いだの。売れても資源の無駄だの。それはもう、短気な人ならばゲンコツを喰らわしそうな位に】


「――――お前。私はあのブランコに乗ってみたいです
アホの従者達は危ないから何時も駄目と言うですが……お前も、駄目と言うです?」

【横から手を伸ばして、チョンチョンと服を引っ張れば、ブランコを指して。“乗らせろ”では無く、“乗ってみたい”】
【脚が動かないとなれば、万が一落ちたって受け身も取れないから――――故に、“従者達”には禁じられていたのだろう】
【今は居ないから、其れを良い事に乗らせて欲しいと言うけれど、何処か弱気にも見えるのは気のせいか、或いは――――】
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/06/17(月) 02:06:13.76 ID:Wd2Ds8R2o
>>104

フフフ、余計な一言を付け加えるのが俺クオリティなんだよ

【向けられた視線に対しては、男は何故かしたり顔を浮かべながら開き直る言葉を零す】
【傲慢な彼女に嫌な顔一つもせず付き合う彼は別にしっかり者でも変わり者でもなく―――ただ単純に、慣れただけなのだ】
【慣れて辿り着いた結果が、このような付き合い方だった。元々ほっとけない性格ではあったが大らかな性格であった訳ではない】
【ただ傲慢に振り回される目に何度も会ううちに、彼なりに最適な方法を悟ったのか自然に大らかになっていったに過ぎない】

―――闇を払う、か。……なんとなく、角から不思議な雰囲気が漂う気がするのは気のせい……じゃないよな
これが闇を払うパワーってやつ? できんなら俺に分けてくれよ、俺も言い方変えりゃあ闇を払ってるんだからさ

……んー、じゃあ俺も不思議なパワーを見せてやるよ。えーと……なんでポケットに入ってたんだっけ。
―――まぁこれ、コレ見てみろ。……怪しい魔翌力がプンプンするの解るか?

【あまりそういったものには敏感ではない彼も、角から漂う神聖な力を感じることは出来た。闇を払う―――ということで大変珍しい力なのだろう】
【軽い気持ちで分けてくれよ、などと言う彼だが―――カノッサなどの悪と普段から闘争を繰り広げる時に、有効な力だとふと思ったからだ】
【……勿論、分けられるようなモノでもないので冗談で言ってみたまでだ】

【男は対抗するかのように、ポケットからペンダントを取り出して首から下げた。銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインを其れはしていた】
【砂色の玉から漂うは其処の知れない怪しげな魔翌力。正体は「幽幻の宝玉」―――宝玉、といえばカノッサが追い求めるほどの代物だったが彼女は知っているだろうか】

―――此処の2年間は俺の悲しい歴史だからな、出来る限り忘れたいんだよ……ああ、右足首が痛むぜ
……ま、確かにいい所だとは思うが、どんなに良い景色も慣れれば美しさが霞んじまう。―――偶に来るなら、凄くいいとは思うけどさ

【右脚が上に来るように足を組めば、包帯の巻かれた右足首が見えるだろうか。言葉にあるように、2年間の原因はその部位にあったようだ】
【ブランコも、独特な商品が揃う自販機も懐かしかった。久しぶりに見ると、この中庭が美しく思えた】

―――オイオイお嬢様、何で其処は「乗らせろ」じゃないんだよ。 
……私めはアホウのゆるゆる頭症候群なのでブランコ危険性が分かりませんね……ってことで、持ち上げるぞ?

【とぼけるようにそんな言葉を口から飛ばせば、直ぐ様ヒョイと彼女をお姫様だっこで持ち上げようとするだろう。―――大きく抵抗しなければ、だが】
【もし持ち上げたのならば、ブランコに彼女を下ろし―――ゆっくりと揺らして徐々に勢いを付け加える】
【と言っても、流石に思いっ切り勢いをつけることなんて出来ない。控えめに、小さな振れ幅でブランコは軌道を描く】
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/17(月) 02:44:36.75 ID:jRel+Svh0
>>105
「お前はよっぽどの馬鹿なのです
私が力を分けることが出来るのは私の眷族だけ、即ち従者だけなのです
お前はただの暇潰し要因に過ぎないのだから、あまり傲慢な態度を取らない事です
お前がニート生活の闇か借金地獄の闇か、何の闇を払っているのかは分かりませんですが」

【なまじ力を分けることが可能だからこそ、その冗談を真に受け取ったのだろう】
【――――フン。と鼻を鳴らせば、小馬鹿にした様子で語って】
【どちらが傲慢な態度を取っているのかと突っ込みが入りそうだが、幸か不幸か周りには誰も居らず】


「それは何です?お前に似合うヘンテコな――――ッ?!
なっ、何なんです?!そんな物をぶら下げている何てお前は正真正銘の馬鹿なのですか!
自殺願望なら病院以外の所でやるべきなのです!」

【下げられた宝玉。指先で突っつけば、まるで電気が走ったかのようにビクリと反応して、やがては慌てて指を引っ込めるのだろう】
【魔力の存在は感知出来ても、その効力を知る事は出来ず】
【何よりも、その反応を見れば少女が宝玉その物を知らない事が分かるであろうか】
【よっぽど平和な場所で過ごしていたのか、それともただ単に宝玉の知識だけが無いのか】


「――――慣れる、何て事が言える位にはお前は平和な所で過ごしていたのです?
綺麗な景色は綺麗なまま。瓦礫や燃える物ばかりが在る場所では考えられない事なのです
鳥の囀りの代わりに悲鳴ばかり。それに、です。草木も一刻一刻生長して、建物だって老化して、風だって常に留まっていないのです
同じ景色、何て物はあり得ないのですよ。……ふふん。その事が分からないから、お前は――――わひゃっ?!」

【少女の語った言葉に偽りが無いのであれば、理由は後者。車椅子での生活理由も、その言葉の中に隠されているのだろうか】
【瞳に映っているのは、きっと此処では無い何処かの景色。ふと我に返れば、茶化すようにして言葉を続けたけれど】
【その語りが災いしたか、持ち上げるとの宣言が聞こえる事も無ければ、兎に角驚いた様に目を見開いて】


「ば、馬鹿!私は人間が気安く触れるような種族では無いのです!
大体にしてお前は自殺願望者で――――……!むぅ……」

【暴れる事こそ無いが、代わりに出るのはマシンガンの如き罵詈雑言】
【その言葉から考えてみれば、逆に従者以外の者にあまり触れられた事が無いのであろう】
【上気させれば、更に罵倒が加速するのだけれど――――ブランコに座らせて貰い、優しく押されれば納得いかないといった表情で黙り】


「……お前は大馬鹿なのです。馬に蹴られて畑の肥やしにでもされれば良いのです
所で……闇を払っていると言っていたですが、お前は何の闇を払っているのです?
まさか、本当に借金地獄の闇です?」

【キィキィと、ブランコの揺れる音】
【最初は自分の脚を見て、地面を見て、勝手に動いてくれるという楽しさを味わっていたけれど】
【顔を上げれば、青年を見遣っての問い掛け。闇を払っているようなもの。その、言葉の意味】

/っと、申し訳ないです……そろそろ睡魔殿が襲ってきました……
/宜しければ持ち越し、或いは置きレスへの移動は可能でしょうか……!
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/06/17(月) 02:49:38.09 ID:Wd2Ds8R2o
>>106
/そうですね、3時近いですし置きレスに移動ということで……
/ここまで付き合った貰ってありがとうございます、おやすみなさいませ
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/17(月) 08:07:29.19 ID:YdCwMYGEo
>>90
/黙っていなくなりすみませんでした
/返信は今日の夕方以降になりそうです その際、置きレススレに書き込んだほうがよろしいでしょうか?
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/17(月) 09:43:27.43 ID:XDcRBQfDO
>>108
/そうですねー、帰宅時間が7時か9時の二択かつスレ自体に来れるかも怪しいので、置きレススレにお願いします
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/17(月) 21:13:22.96 ID:wymC9e5vo
>>96-98>>100-102

【頼もしげに胸板を叩くレグルスに、まず出たのは安堵の息、次いで得たと頷いた】
【レグルスに対し感じたのは、慣れている、というものだった】
【荒事の中にあっても挫けず、想像を超えるものにあっても揺り動かされず】
【目の前のセリーナやソニアという共通の知り合いの存在に加え、それが託す理由となったのだろう】

【じっとセリーナの打ち明けた語りに耳を傾けながら、口を開いたのはそれが終わっていくばくかしてから】
【緊張がほどけるかのように、声にならぬ吐息を零してそれから緩く息を吸い込んだ】

カズネが……ドうやら、直接では無いにしロ俺もUTと結構関わッテたみたいだな
記憶に、呪い、封印……ヒョットして、“あの時”ノ“あれ”がその綾津妃だったノか?
それにアンジェル、彼女まで……手の回っていないトコロが、無いくらいだ

……鐘……音、というコトとも違うヨうな……
鐘の音ソノものなのか、材質や教会ノ宗派とも関連があるノか?
どちらにしろ、おびき寄せるノではない限り狙ってそうするノは難しいかナ……

【落ちるは疑問、相手の話と己の持ち得る情報も照らし合わせるものの、残念ながら有益なものはなく】
【受け入れた手前でありながら、不甲斐なさにか眉尻を下げる】

【レグルスとは対照的に、彼女の傷に僅か息を呑む。小さく震えを見せた体は、自身も痛みを思い出すに近く】
【彼女のように強く深く長く苛まれる事は無くとも、内腑を炎で撫でられた激痛は記憶に新しい】
【握りしめた片手は己の腹の傷跡を押さえ――ふと、指に木と石が触れた】
【首から提げた“それ”を取り外すと、す、とそれを目の前に捧げた】

……コういう事は、俺は役に立たないから、ヤッパリレグルスに任せるしか無いンだけれど
コレはええと、コッチの言葉だと輝き? とか、煌めき、とか言う
なんにもならない……ただノ気休メだ。ケレドどうか、受け取ってほしい
俺からじゃない。君が先程口にした名前や、君ノ仲間の煌めきだと思ッテ
夜ゴトの悪夢に負ケぬよう、包み込む君ノ大切な仲間達ノ

【UTのメンバーについては、正味、誰が誰があると知るところも無く】
【勝手にそんな気持ちを口にするのは、レグルスに魔書を渡した時にも近い、少々押しつけがましい正義】
【けれどもそれを行使するのが、それにただ願いを込められるのが精一杯だと言うように】

【木と石で出来た煌めきは、3cm大に編まれた木の籠の中に、緑の石が包まれた御守り】
【首にかけるストラップは蔓に近い植物と石のビーズで出来ていて、きらきらと小さな光を照り返す】
【わずかに、ムスクと乳香のにおいがした】
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/17(月) 23:48:06.45 ID:w6Pg/h+go
【朧月夜・とある砂浜】

―――チッ、これももう終わりかよ。本当に一リットル弱入ってんのか…?
こんなんじゃ全然酔えやしねェっつーの……面倒な身体だわなァ

(しっかし……これからどうする?何時までも慣れ合ってるワケには行かねェ)
(かといって六罪王の言いなりには絶対にならない。道の先が断崖絶壁と見えるからな)
(……はぁ。面倒くせェな、いっそこの砂浜以外全部消えちまえば楽なのによォ―――。)

【サクッ、と白い砂地にワインボトルが落とされる。既に周囲には同様のものが5本あり】
【いずれもそこそこに上等で、マナーを守って飲むべきものなのだが】

【そのコルクを引きぬくだけで、後は豪快に口を付けて――直ぐに飲み干す】
【そんな行為を続ける、赤髪に深紅のジャケット姿の女性が其処に居た】
【下はホットパンツにブーツ、オーバーニーソックスと露出が目立つが、どうも雰囲気は荒々しく】

【当人は酔っていないつもりなのか知らないが、月を見上げながらクーラーボックスに】
【伸ばした手は、まだ数本残ったボトルを取るのにも手間取っている】

【―――別に、危険人物というわけでもない。砂浜は昼間なら市民が散歩する普通の浜】
【ただ、夜更けに。しかも格好が格好だったから、もし誰かが通りかかるとすれば】
【やはりどうしても赤髪の女性が目を引くだろうということは、先ず間違いなかった。】
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/18(火) 00:23:35.31 ID:8PE1uqv5o
>>111

【波の音に紛れて歩む足音が一つ、ゆっくりとやって来る──】

あら、お酒なんか飲んで、こんないい夜なのに、酔っ払っちゃったら勿体ないわよ?

【赤髪の彼女の後ろからやって来たその足音の主は、赤いドレスに身を包んだ少女であった】
【高い位置で結った長い銀髪を揺らし、勝ち気そうな鋭い蒼の瞳でワインボトルを眺めながら歩く少女】
【その腰には凡そドレスには似つかわしくないであろう長短一振りずつの剣が見える】

朧に霞んだ月と波の香り、それと風の音なんて、随分と素敵な夜だわ。

──なーんて、お祖父様の受け売りだけど、そう言われると何だか素敵に思えてきちゃうのよね。

【そう言って笑う顔はどこか幼さが残っていて、子供から大人へと移り変わっていく最中だ、とでもいうような雰囲気で】

【そうして少女は、彼女の右手側四歩程の辺りまで来て立ち止まって問い掛ける】

私がここに居たら、邪魔かしら?
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/18(火) 00:36:24.63 ID:IouMN4y0o
>>112

っ……、…酔ってねェよ。アルコールには強い方だからな
それにいい夜とは言うが……俺は朧月夜よりも満月の夜が好みだ。

【酔っぱらいは誰しもそういう――というのは置いておいて】
【砂を踏む足音がすれば、声がかかるより早く座っていた女性は身を捩り】
【相手の姿を確認して、どうも警戒する必要は無いと思ったらしく、また海へ向き直る】

あァ、オマケに割と上質なぶどう酒の香りも足しとけ、悪くねェ
お前の爺さんがどんな野郎かは知らねェが……あぁそうだな、悪くない。

……別に、邪魔でもねェよ。邪魔しないんなら好きにしてろ、ガキが……―

【―――どうやら、酔いはそこそこか。元より性格は良くなさそうだが、一言多いように思える】
【新たなワインボトルもようやく掴んだ所で、早速コルク周りのラベルを取ると――】

【ココからご注目―――彼女は右手の人差し指を、コルクへ何度も、トントン、と当てていく】
【その手元にはうっすらと黒い鎧の何かも見えていて――思わせるのは、能力=z
【そして数十秒。女性が手を離すと、コルクは離れる指に従うかのように容易に、「きゅぽん!」と抜けたのだった。】
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/18(火) 01:03:48.40 ID:2JtqurP8o
>>113

あらそう、じゃあ酔ってないってことにしておいてあげる
でも満月の方が、ってところは同意できないわね、少し欠けてたり隠れてるくらいの方が味があるわ。

【一度立ち止まると少し月を見上げ、それから少女も腰を下ろす】
【ドレスに砂が付いてしまいそうなものだが、そんなことは構わない、といった様子である】

お祖父様は桜の国の文化が好きな方なのよ。ほら、こういうのを風流、だとか言うらしいじゃない?

…………誰がガキよ、私にはゼリシュっていうちゃんとした名前があるのよ、酔っ払い。

【「ガキ」という言葉を聞くと、ムッとしたように半目になって同じように一言添えて返し】
【──どうやら、こちらも良い性格とは言えそうではない】

【彼女がワインボトルの栓を開ける様子を暫く眺めていた少女は、少し間を空けて口を開くと】

簡単にワインボトルを開けられるなんて、随分便利な能力ねえ?

【──やはり、性格には難がありそうだ】
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/18(火) 01:12:05.32 ID:IouMN4y0o
>>114

【少女が腰を下ろすと、その黄土色の瞳で少しばかり睨むような視線を送ったが】
【結局、それだけ。まさか酔っぱらいがワインを諦めるはずもなく】
【手に従うようにして抜けたコルクを砂に放り捨てれば、ぐいと1つ、ボトルを呷り】

風流、ねぇ……知識としちゃ知ってるし、まあ理解できなくもない
俺も自然を楽しむ……例えば月だの太陽だの、海を見るのは好きだからな。

……あァ?テメェ誰が酔っ払いだこのガ―ゼリシュよォ……?
私にもきちんとした――…あー、いや……ベイゼ・べケンプフェンっつー名前が有んだよ
呼ぶならそう呼べ。酔ってもいねーのに酔っ払い≠ヘゴメンだっての

【少し胡乱な様子だったが、まだ話せる。そういう様子で、言葉を返し】
【ついでに名前も教えてしまえば、次に耳に入るのは「能力」という単語で】

――ばーか、一目で能力≠セと気付くって事はテメェもそう≠セな?
俺は別に構わないんだぜ?自分が能力者だなんてバレようが、困りゃしねェ
だがお前はどうかなぁ……見たところ良いトコの嬢ちゃんだが……狙われるかもなァ――……

【『機関≠ニかによォ…』―――と。ボトルを浜に突き立てるようにしながら、ニヤリと笑いかけ。】
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/18(火) 01:39:08.04 ID:0xZQvl0zo
>>115

【視線を向けられていた事にはまるで気付いていないかのような、気に留めることもないような表情で】
【動きといえば、風に揺れる髪を少し触った程度のもの】

へぇ……何だか意外ね……
まあ私も自然とか、嫌いじゃないけど。

あーはいはい、どうも済みませんでしたー、ベ・イ・ゼ・さ・ん、っと
……ほんと、これだけ飲んで酔わないってどんな体してるのよ、アンタ

【素直に謝る……と見せ掛けて油を注ぎまくっているがそれはさておき】
【飲んでいる量に対して言動がまともであることから「酔っていない」という言葉も強ち嘘でもないと思ったか】
【独り言のような口調で小さく呟いて】

ざーんねん、私は能力"は"持ってないわ。
ただ、あちこちウロウロしてると能力者を見ることが多いのよ、戦うことだってあったし。

ああ、機関だったら前に一人会ったような……
確かその時は無事に撃退してやったんだったかしら。

【どうやらこちらは無能力者であるようで】
【しかし話し方等から考えると、何か能力者に対する術を持っているようだが……】
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/18(火) 01:52:27.50 ID:IouMN4y0o
>>116

ンだよ、人を見掛けで判断するなってテメェのジイ様は教えなかったのかァ?
これでも俺は娼婦でも無けりゃチンピラでも無ェんだぜ

……身体?そりゃ、諸々の事情で並の人間よりは強い肉体だろうよ
力も知能も、免疫やらも色々とな。つっても、所詮は人間だ
ずうっと飲み続けてれば、いずれ急性アル中でぶっ倒れるのは必至なんだが……

【中々その境地に至らないということらしい。しかし、強化された肉体――】
【能力という単語と合わせると、所謂強化人間≠セとかのワードが導き出されるかも知れず】

【―――ふと、少女は腰の剣に違和感を感じるだろう】
【コツン、と叩かれるような。或いは触れられるような感触と、振動が在る】
【だがベイゼは尚もワインと景色に首ったけ。彼女自身≠ナはない】

……へぇ。能力なしで機関員を撃退とはやるじゃねぇの
誰だよ、やられたの。名前を知らないなら数字でも、外見でもいいぜ
俺は機関には詳しくてよォ……ほらゼリシュ、さっさと言ってみろって…――。

【そんな風にニヤリと笑いながらも声を返し――もし、少女が違和感から振り返れば】
【其処に居るのは流線型の黒い鎧を纏ったヒトガタ。名を、マインド≠ニいう能力の一種】
【――しかし、少女と比べると大きい。圧迫感すら感じさせるそれが、鋼鉄の指先で剣鞘に触れようとしていた。】
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/18(火) 02:21:00.21 ID:8PE1uqv5o
>>117

あら、私の経験上は性格が見た目に出てる人間って割りと多いんだけど。
……って、これでチンピラじゃないって言われてもねぇ…………

へえー、やっぱり世の中って色々な人間がいるものねぇ
大きな組織とかだと人体を改造したりなんかも出来そうだしねえ?

【感付いているのかいないのか、皮肉めいているようにも聞こえる声でそう返し】

【そうして徐に手をそれぞれの剣の柄へと動かしていく】
【ちょうど右手が長剣、左手が短剣を掴む形になる】

あーら、食いついちゃって、さっきから機関の話が好きね?
そうね、名前は確か……まがわとか言ってたかしらね。

【そう言いながら両の剣を引き抜いていく】
【どちらの剣も刃がうっすらと光を放っており、魔翌力を宿していることを感じさせる】
【更に長剣からは炎の魔翌力も滲んでいるが……魔翌力を感じられるのなら恐らくこちらもわかるはず】

それと、あんまり余計な事するとうっかり斬っちゃうわよ?

【抜き終わると同時、身を捻りながら距離を取るように跳び離れ、そう言って剣を構えて見せる】
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/18(火) 02:33:37.63 ID:IouMN4y0o
>>118

チンピラは上等のワインなんぞ飲まねぇし、自然を愛でる心も無ェ
だが俺は違う。そして、テメェの経験なんぞ風呂よりも浅い

さあてどうだかなァ?確かに話の上じゃあ人体改造も出来るかも
しかし人を見掛けで決め付けるのも……憶測でモノを言うのも良くはない。
ジイ様の代わりに教えてやるよ、なんならその身にたぁっぷりと――…。

【『ベギーアデン=x―――ベイゼがそう呟くと、黒い人型は一度消える】
【やはり能力だ。その外見からして、接近戦にめっぽう特化したタイプ】
【故に相手とは戦いの領域も同じ。既に二人は近く、相手は剣を抜きかけて】

……あぁ、まがわ。ハッ、あいつとは正面切って話し合ったことは無ェが
話で聞く限りじゃ結構アレな奴だからな……だがそうか、お前がねェ……?

さてさて……余計な事ォ?知らないねェ、機関のNo.3でも知らない事はたくさん在るんだ
なんならまた薀蓄聞かせるみたいに教えてくれよ
俺がテメェに身を以て教えるように……――――直接≠ウァ―――………。

【闘争心が。全く必要のないはずの闘争心が、溜に溜まったアルコールに火が付くように】
【一挙として燃え上がる。ベイゼは立ち上がってボトルを放り、耳へと手を伸ばす】
【そこには黒いイヤリング――触れると、魔具だったのか、真っ黒な大鎌へと変化した】

【―――しかし、まだ火は燃え移ってはいない。少女の行動1つで、爆発すらも思想ではあったが―――。】
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/18(火) 02:57:43.29 ID:zdoFxEHgo
>>119

ふん、アンタにお祖父様の代わりが務まるなんて思えないんだけど?

【そう言って挑発的に笑ってはいるが、今日着ているのはただのドレス】
【普段着ている鎧タイプのドレスとは違って防御力は無いに等しく、戦闘用ではない】
【しかし、見たところ相手も近距離タイプ。ならば鎧があろうと無かろうと同じことか】

あら、こんな所で酒飲んで呆けてたのがNo.3だなんてビックリだわ
これは確かに見た目じゃわからないわねえ

知らない事があるんだったら他人に訊く前に自分でお勉強した方がいいんじゃなあい?
ほら、知能も優れてるんでしょう?

【──火を油の中に運んでいるとでも言おうか】
【挑発されるとすぐに乗ってしまう性格なのだ】
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/18(火) 03:12:34.18 ID:IouMN4y0o
>>120

さて。お褒めに預りましたこの知能がありますれば……
……面倒だな今の。まっ、代わり位は出来るんじゃねェの?
当然、死ぬほどキツいスパルタ式だけどよォ……―――!

【―――組み合わせが悪かった、としか言い様がないのが正直なところ】

【端的に言おう。ベイゼはゼリシュの挑発をしっかり理解の上で、それに乗った】
【明朗な言葉を発したかと思えば、次の瞬間には大鎌を振るい】
【そこから発せられる飛ぶ斬撃=\―闇属性のそれで、少女を狙っている】

【ココで、うまくすれば理解出来るはず。このベイゼ、伊達や酔狂でNo.3を名乗っては居ない】
【本当に人体改造による強化人間であれば体術も相当であり、武器は闇の属性を孕む大鎌】
【加えて詳細は分からないが、鋼鉄に身を包んだ人型をも使役しうる能力――】

【――戦力だけで捉えるのなら些か、防御の薄い状態というのは心もとない】
【けれども、立ち向かうことも許される。少女がどんな判断を下すかで、戦局は0にも万にも変化するだろう。】

/っと、そろそろ眠気がキツいので凍結か〆をお願い出来ますでしょうか…?
/一応当方は今夜も来れますので、どちらの選択肢でも全く問題ないです
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/18(火) 03:20:06.93 ID:2OhyndK1o
>>121
/了解ですー
/ではまた夜に、という方向で邪気溜めときますー
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/18(火) 03:22:51.61 ID:IouMN4y0o
>>122
/どうもですっ。ではまた夜にということで……一旦、お疲れ様でした〜
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/18(火) 03:59:56.89 ID:snlsKDyGo
>>121

出来るものならやってみなさい、なっと!

【飛来する斬撃に重ねるように放つ長剣の一薙ぎ】
【刃が放つ光が描いた軌跡、刹那の後にそこをなぞる様に炎が走る】
【闇と相反する光の魔翌力が込もった斬撃と炎で相[ピーーー]る】

【そうした後、ベイゼに向かって走り出す速度はなかなかのもの】
【短剣が宿す身体強化の加護に加え、平時より身軽であることも要因か】

今度はこっちからいくわよ!

【射程ギリギリまで近付いたところで、砂を蹴ってベイゼの左手側へ跳躍】
【そのまま体を捻りながら右の長剣を斜めに斬り上げるように振るう。高さとしては腰から肩へ、といったところか】
【しかしこの斬撃、先ほども見たように炎も生じる。故に単純に受けるのは得策ではないか───】


/一旦お疲れ様でしたー
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/18(火) 20:29:02.75 ID:klirqXUfo
>>124

(……へぇ、斬撃に斬撃で対向するとは中々やるじゃねェか)
(伊達に剣ぶら下げてるわけじゃない……当然だな。まがわが一度やられてる訳だし――)

――――とりあえず防がないとヤバイよなぁ、そら出てこいッ!

【『ベギーアデン-die Begierden-』 ――その言葉と共に、黒い人型が両者の合間に顕現する】
【全身は流線型の鋼鉄に覆われて、相手の斬撃を交差させた両手で受け止め】
【現実の鋼鉄とは強度が違うのか傷を付けられながらも――とにかく、避けることはしない】

【その防御が終わるか否かといううちに、今度は人型の影からベイゼの反撃】
【単純に、左側から大鎌を振るって相手に刃先を刺そうというだけの目論見なのだが――。】

/時間の指定を忘れていましたが、とりあえず返信っ!
/今夜もよろしくお願い致しますねー!
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/18(火) 22:00:19.27 ID:bQiOyH9Ao
>>125

【再び現れた人型に剣を受け止められたが、ダメージが通らない訳ではないようで】

さっきから出したり引っ込めたり忙しいわね!

(耐久力は大したことなさそうね……)
(でも"こいつ"自体が能力みたいだし、あまり近くに居続けるべきじゃない、か)

────っ!

【尚も軽口を叩きながらも状況を判断して一、二歩分程跳び退る】
【しかしながらタイミングが少し遅く、鎌の先が腕を掠め、ドレスに血が散る】
【ただ、単純な攻撃だったのであれば別段支障を来すような傷でもなさそうだ】

ああもう、このドレス新品なんだから!

【そこに怒るのか、というのはさておいて、体勢を立て直すとまたも真っ直ぐに走り込む】
【ただし今度はそのまま真っ直ぐ突っ込んで、短剣の柄で胴へ向けて突きを放つ】
【人型がいるなら人型に、消えているならベイゼに向けて、という形になるか】

【しかし、この攻撃は些か単純過ぎやしないだろうかーーー?】
【その答えは極めて簡単、右の長剣での斬り上げを連撃として続ける事が狙いなのだ】
【初撃を上手く往なせば、そこに隙が生まれるだろう】


/遅くなりましたー、宜しくお願いします
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/18(火) 22:42:42.30 ID:klirqXUfo
>>126

【相手の肉を裂いた鎌を手元に引き寄せ、刃を右下方に置くような形で構え直し】
【一方で人型は消えること無く、まるで意志を持つかのように相手の攻撃を見据え――】

【――ガァン!≠ニいう音を立てる事になるのだろうか】
【『ベギーアデン』は、迫る短剣の柄を、下方から弾くようにその拳を振るうのである】
【だから、もし弾けるのなら音で分かる。同時に、腕の鎧の傷が僅かに広がることともなるが】

ドレスねぇ……動きづらいわすぐ汚れるわ、男の目を引く以外に着る意味有んのか?
あぁそれとも、元々ソレ≠ェ目的だとしたらおかしくも無いよなァ
むしろ汚れてるほうが人気出るんじゃねェの?……ケケッ、感謝して欲しいねぇ

(――――さて、さっき一回に……もう少しってトコか。)

【ベギーアデンの行動が上手くいくかどうかで、ベイゼの作戦は幾つかに分岐する】
【が、これだけは確実な動作。それというのも大鎌をイヤリングに戻すというもので】
【何故だかは分からないが、とにかく武器を収めたのである。故に、隙を突く機会すらも捨てたことになる】

【――無論、これで戦いをやめようと言い始めるはずもない。何かあるのだ】
【単純な隙を捨てても良いと思えるような―――例えばそう、能力≠セとか。】
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/18(火) 23:23:50.60 ID:bQiOyH9Ao
>>127

【一つ撃音が響き、少し間を置いて砂に着地する音が鳴る】
【初撃を弾いた音、そしてゼリシュが再び距離を空ける為に退がった音である】

はぁ、ドレスを着るのはレディとして当然のこと……って、その様子じゃドレスを着る事なんてなさそうねぇ
これは失礼しちゃったかしらぁ?

(しかし、このタイミングで武器を仕舞うなんて怪しすぎる……まだ"あれ"の能力も見えないし……)
(何か仕掛けてこようっていうならーーー)

【鎌を戻したのを見て警戒を強めた……筈なのだが、こちらも短剣を鞘に収めて】
【次にそれを鞘ごと腰から外し、長剣の柄に、十字架のように接続】

──あんまりだらだらやってても仕方ない、か

【出来上がった一つの十字剣を身体の正面に構え、ベイゼの出方を窺っている】
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/18(火) 23:36:07.09 ID:EZcUWg0d0

【暗い森の中、あっちへ行ったりこっちへ行ったりする影が一つ】
【目を凝らしたならば、その正体は巫女であると分かるだろうか】
【何処か自信なさげな表情ながらも、様々な場所へと視線を巡らせていて】


「やっぱり……こんな所には居ませんよね……
ですが、何か手がかりがある訳でも無いですし……」

【――――闇夜の其れよりも、一層暗い雰囲気】
【肩を落とせばトボトボと歩き出して……数歩もしない内に、小石に躓いて見事に転倒】
【驚いて叫ぶ暇も無かったのだから、それはそれは綺麗な転び方だったのだろう】


「…………泣きっ面に蜂とでも言うのでしょうか
……幾らそうだとしても、あまりにも酷い仕打ちだと思います……」

【最早立ち上がる気力も無く、暫くはそのまま地面の冷たさを味わおうというのだろうか】
【森の中、苔むした地面にのさばる奇妙な巫女が、一人】






【人々の喧噪が遠く聞こえる路地裏――――】
【其処に在るのは蹲って呻く数人の者達と冷たい表情で見下ろす一人の少女の姿】
【紅の髪に紅のドレス。肌以外全て朱に染まった少女であって――――】


「……別に殺しはしないわよ。今日は
逃げたければさっさと逃げれば良いし、あなた達の言うボスにでも泣きつきたいなら勝手にそうすば良いじゃない
たった一人。それもこんな小さな女にやられた何て恥ずかしい事を言えるならだけど」

【鼻で笑えば、未だ反抗的な視線を送る男の存在に気付いて】
【――――バキリ。其れは鼻の軟骨が折れた音か、或いは頬骨が砕けた音か】
【いずれにしても、男の顔の何処かが壊れてしまった事に違いは無く】


「ばっかじゃないの?弱いのに、力も無いのにそうやって虚勢ばっかり張っちゃって
だから必要以上に痛めつけられるのよバ〜カ」

【きっと、その音は存外響いたはず】
【更には呻き声。冷たく言い放たれる言葉は路地裏にはよく通る物で】
【さて――――此処を通る者は一体何を思うだろうか】
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/18(火) 23:45:33.78 ID:klirqXUfo
>>128

レディ?刃物持ち歩くクソガキがレディとは世の中も変わったなァ
あぁそうそう、俺だって昔は着てた時期もあるんだぜ?
というよりは着せられてた、だが……動きづらいのは嫌いでねェ―――。

【――別に、お話がしたいわけではない。態勢を整えているだけである】
【相手の攻撃を弾くことに成功した。先ほど、攻撃を受け止めもした―――】

……そろそろ決着付けたいってところか?
気が早いのは良くない、が……俺もさっさと残りの酒を飲んじまいたいんでねェ
――――剣を1つにまとめたのは失策だぜ、ゼリシュ。

【腕=\―攻撃を受けたのも、弾いたのも、腕だった。先ほど、コルクを抜いていたが】
【アレは確か、ベイゼが手で何度も触れて=\―引き寄せるようにして抜いていた】

【――引き寄せる≠ニ、そういう能力であることが、ゼリシュにも直ぐに分かるだろう】
【何故なら、彼女が1つにまとめた十字剣がベイゼへ――ベギーアデンへと引っ張られ始めるからだ】

【長剣と短剣、一つ一つなら引きずる程度の力であったのかもしれない】
【しかしまとめてしまったが為に、思い切り掴んで引っ張るという程の力が発生し】
【それは正眼に構えた少女の体勢を崩すかもしれないし、或いは武器を奪い取る事になるかもしれない】

【――もっとも、対処法は幾つかある。流れに身を任せ、というような言葉も世にはある】
【既にベイゼとベギーアデンは身構えているから、賭けかもしれないが――終わりは急速に、近付いていた。】
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/19(水) 00:11:16.10 ID:8pM0SU1Yo
>>129
【建物を挟んで向こう側には、表の世界の営みがあるというのに】
【路地裏は、いつも陰惨な空気に包まれている。こうして展開される光景もまた、ここでは至って普通の光景だろう】

【朱色に包まれた少女と、男たちが蹲るその空間に、重々しい足音が響いてくる】
【男の顔を破壊した音と、上塗りされる呻き、そして少女の放つ絶対零度の声音に引き寄せられたかのように】
【足音の主は、迷うことなくその空間へと入り込んだ】


【路地裏の奥に繋がる道から現れたのは、身長2メートルを超えているであろう、大男だった】
【身を包むのは、薄汚れた灰色の作業着と、その上に着用された黒いラバー地のエプロン】
【黒いゴム長靴で路地裏の冷たい地面を踏み締め、少女たちから少し離れた場所で足を止める】

【角ばった顔つき、黒ずんで歪んだ両耳、さらには額に巨大な一つ目】
【もはや人間かどうかも疑わしい風体だ。本来の両目も持っているようだが、黒い瞳の両目は動かない】
【よく観察すれば、それらが義眼であることもわかるだろう】


【額の一つ目がギョロギョロと動き、倒れ伏す男たちと赤い少女を舐めまわすように観察する】
【やがて、大男の口が開かれる。ずらりと並んだ鋭い歯と、赤黒く長い舌が覗く】

……ずいぶんと惨いことをするな。散々痛めつけた挙句に、最後のプライドまでへし折ってしまうとは
私なら、なるべく苦しまないように首を叩き落としてあげるがね

どうだお前たち、お望みなら介錯をしてやろうか?


【一つ目で倒れ伏す男たちを見据えながら、大男が声をかける。顔いっぱいに広がる醜悪な笑い】
【視線こそ彼らに向いているが、少女への意識も絶ってはいない。その巨体から滲み出る気配は、この場に居る全員への悪意を湛えている】
【いずれにせよ、まともな存在ではないことは確かだ。赤い少女は、突然介入してきた異形に、どう反応するか】


/まだいらっしゃいましたら
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/19(水) 00:15:52.96 ID:Tb22e26fo
>>100>>102>>110

【長い長い、激闘の一日。結果、死に掛けていた彼女は別の意味でも鐘に救われたという。】
【即ち、自警団の救助隊に居場所を伝える事が出来たのだ。人の居ない筈の教会に響いた鐘の音を不審に思ったメンバーが】
【瀕死の彼女を保護したのは死闘のすぐ後――リリアが去って十数分後だった。ともかく。】
【弱点の一つを掴み、彼女は帰還した。最も相手は――更なる力を得てしまったようであったが、それでも尚。】
【こうして集う戦士が居る事が、そして情報を共有できる事が、大きな大きな進歩と言えただろう。】

―――・・・ま、そんなところだね。おかげで全身ズタボロ、あちこち痛くて歩くのも一苦労、ってワケさ。
おまけに夜はうなされるし――なにより、酒!お酒が飲めない!もーさー、看護婦さんが五月蝿くって五月蝿くって・・・
こうして公園なんかに抜け出してみない限り、缶ビールにすらありつけない日々・・・ああ、辛いよ・・・!
正直リリアの呪詛なんかね、アルコールがたっぷりあればスッパリ忘れられるんじゃないかって―――・・・まあ、流石にそれはないけど。

ともかく、アタシの仲間に手を出して。皆を侮辱して。そんでもってこんなにボコボコにしてくれたんだ、借りは絶対返してやる腹積りだよ!

【――ともあれ、現状脚の骨折を覗けば大分回復はしているようだ。心の奥底ではまだ、恐怖を抱えているのは確かだが】
【打ち破る事は出来ずとも、それを受け止めて、内に秘めつつ、そして堪える事の出来るこの精神性こそ――彼女の真の武器だろう。】
【少なくとも、お酒があれば乗り切れるのに!だなんて冗談が言えるのは――彼女の悪い癖でもあり、そして同時に強さでもあった。】

ただ――そうなんだよね。その教会についても、詳しくは分かっていないし・・・鐘の大きさや音の反響具合なんかも
考慮した方がいいのか、それとも宗派によっては効かなかったりするのか――・・・未確定ではあるよ。

・・・上手く誘い込む、ってのは正直相当難しいと思う。今回アタシが仕留めそこなったせいで、向こうは恐らく冷静になってる筈だから。
少なくとも、もう前みたいに口八丁で調子にのらせて隙を突くことは出来ないと思う、これは――・・・アタシが弱かったせいだね。
・・・ホントなら、あそこで勝負をつけてなきゃいけなかったのに・・・申し訳なく思ってるよ、本当。
けどね、それでもやっぱり"有効打"にはなると思うんだ、どうにか教会を用意さえ出来れば――・・・ただ戦場に毎度毎度教会がある訳じゃないし
そこをクリアしないとこれは戦術に組み込むのも難しいんだよね・・・二重に頭が痛い。やっぱりワインかウィスキーが必要だよ、アーメン。

【最も、諦めている訳ではない。アルクやレグルス、そしてナウファルの指摘の通り鐘の音の何処が弱点たり得るのか、そこまでは不鮮明だ。】
【それでも彼女はどうにかしてこれを活かす方法を考えようとするだろう、恐らくはどうしようもなく大胆な方法で――】
【今はまだ、目処こそ立っていないものの。各地の教会について情報を巡り、事前調査しておく事は必要かもしれない。】
【傷が治り次第、セリーナも動き出す筈だ。きっと協力を申し出てくれる修道女、神父を探す事から始めるに違いない。】
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/19(水) 00:16:15.49 ID:Tb22e26fo
>>100>>102>>110


【―――目を閉じる。一旦、息を深く吐いて。彼女は胸元のボタンを一つ一つ、締めた。】

・・・どういうノロイなのか、そもそも何時喰らったのか――・・・それすらも分かってないんだ、アタシも精一杯だったからさ。・・・生き残る事で。
手痛いのには違いないし、正直参ってはいるんだけど――・・・でも、弱気になるのもアイツの思う壺、って感じだしね。
気持ちだけは強く、いかない、と・・・?

【――想いを語る。確かに厳しいハンデだが、ここで戦いを辞める訳にはいかない。むしろ、それではこの傷を消す事など一生出来まい。】
【だからセリーナも、無理矢理に自分を鼓舞していたのだが――どうやら、そんな彼女にも救いの手が差し伸べられる時が来たようだ。】

【――御守。残念ながらこのガンスリンガー、信心深さとは無縁の処にいた時期が長い為に――そういった類には当然、疎い。】
【幸運はコインか、アルコールが齎すと信じているような無粋な人間だ。が――そんなセリーナにすら、きっとナウファルの想いは通じるだろう。】
【それほどに純真で――真っ直ぐな気持ちの込められたプレゼントだった。緑石が目に眩しい、優しい光を放つ。】
【こういったモノをもらうのは―――初めてだった、そんな気がする。】

・・・君は本当に。一歩間違えば、"女泣かせ"だなんて言われてるかもしれない男だね、ナウファル?
・・・ふふ、ありがとう。すっごく嬉しいよ、これ――大事に、大事にする。
御守がアタシを護ってくれるなら――もう、怖いものなしだ。これであの悪魔にもきっと、勝てる。

【――恐らくは、今日一番の笑顔。長い間精神を痛めつけられているのに、まだこんな表情ができる物か。】
【いや、それはセリーナの力だけではない。ナウファルの優しさ、そしてレグルスとアルクの頼もしさこそがそうさせているのだ。】
【だからすっかり、元気を取り戻したセリーナはそれこそ、彼女らしい――木漏れ日のような明るい、笑顔で】
【差し出されたストラップに頭を通し、首へとぶら下げるだろう。胸元の傷跡にちょうど、仲間の"支え"が輝くように。】

――・・・ところで、アルク。アタシが地の国の酒場じゃ、なんて呼ばれてたか知ってるかい?

――"金髪の勝負師<ゴールデン・ギャンブラー>"セリーナ様とは、アタシの事よ。
賭けに乗るか?と言われてそれに乗らないなんて、そんなお寒い人生はまっぴら御免さ、そうだろう?

――人生は常にリスクだらけだよ。何も賭けずに生き残れるほど、アタシの手札は多くない。
なら賭けるさ、いつだってそうやって―――アタシは賭けて、生き残ってきたんだ。

・・・聞かせてよ、その"緩和"する方法とやら。勿論、完治が難しいのは分かってる。それはアタシが自分で、ケリをつけないといけないから。
けどこのままじゃ――アレに会う前に、心が折れそうだからね。少しでも楽になるなら・・・アタシは聞きたい。
決めるのはそっからでも遅くは無い、でしょ?

【言い忘れてはいたが――彼女は生粋のギャンブラーだ。カードでもロシアン・ルーレットでも何でも、賭け事は大の得意とする所。】
【そんな話を聞かされては――勿論、方法によりけりだが、興味を持たない筈が無い。】
【どの程度の賭けになるのか、それは分からなかったが――セリーナは瞳をギラつかせるだろう、まるで野生の獅子のように。】

/遅くなりました、ごめんなさい。
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/19(水) 00:27:01.72 ID:SUXsVcZqo
>>130

アンタ達みたいな奴等が平気でうろうろしてるんだから、か弱い乙女でも武装するわよ
今は女も自分で身を守らなきゃいけない時代よ……私も能力あればもうちょっと楽だったのかしら。

うわー、ドレス着てたなんて想像できないわー

【そうこう言っている内に、自然と剣を握る力が強くなる。いよいよ場が動こうとしているのだ】

残念ながら、この子はこうしないと全力を解放できないのよ
ーーーそれと、失策かどうかはまだわからないわよ?

【不意に、剣が引き寄せられるのを感じる】
【そこで思い出すのは、ベイゼがボトルを開けた時のこと】
【そして、これが相手の"能力"であるという結論に辿り着き、そこから導いた答えはーーー】

『失策』だったのはアンタの方かも知れないわねーー"リヒト・シュベーアト-フランメ"!

【そう、剣と共に飛んだのだーーその様は、自殺行為にも見えるだろうか】
【しかし次の瞬間、十字剣から光の魔翌力が溢れだし、長大な光の剣を形作る】
【更に炎の魔翌力ーこちらは宝玉によるものだがーが光の剣を包み、刃が炎を纏う】

【これこそがゼリシュの切り札とでも言うべき技であり、まがわを撃退した際に用いたものである】
【光の剣の切れ味は非常に鋭いが、反面持続時間は短く、また、大技故に二度は使えない】
【つまり、これを乗り切れば後はゼリシュに必殺技と言えるものはない】

【引き寄せる力も利用して繰り出されるこの一閃ーーベイゼはどう動くのか】
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/19(水) 00:33:55.58 ID:57K7Lpjt0
>>131
【――――立ち去ろうとしたその刹那、新たな声が聞こえればピタリと脚を止めて】
【変わらぬ三白眼。敵意ともまた異なる視線ではあるけれど、それでも攻撃的な其れに違わず】
【一人の少女が、大の大人を叩き伏せるともなれば余程身体能力に恵まれているのか……或いは、異能持ちか】


「噛み付いてきた犬を、もう牙を立たせることが出来ない程度にボロボロにしただけよ
それの、何処かが問題かしら?
どうせならそのまま殺してしまうよりも、自分の弱さにビクビクして生きながらえさせる方が楽しいでしょう?
……特に、“正義の味方”を名乗る馬鹿達は」

【さて、件の男達。巫山戯るなとでも言いたげに視線を上げたのだが――――】
【人とは掛け離れた異形の姿を見れば、大きく目を見開くのだろう】
【口から血を溢れさせている者も、腕が不自然に曲がっている者も、皆等しく同じ感情――――即ち恐怖心を抱いて】
【口々に小さな悲鳴をあげたならば、覚束無い足取りでその場から逃げ延びることだろう】


「それにしても、私もよく化け物扱いされるけれど貴方も中々ね
サイクロプスのコスプレのつもりなら、相当悪趣味だけど

――――それで、貴方はただフラフラと歩いていて偶然此処を訪れた人なのかしら
それとも、私かアイツ等に何か用?
する事も全部したし、別に話位なら聞いてあげるわよ」

【男達の様に臆することも無く、そんな外見を悪趣味だと言い放って】
【距離を詰める事も無ければ、今の所は戦闘へと発展することは無いか】
【聞いてやる、だなんて――――高圧的な態度は変わらないけれど】

/居りまするー!
/宜しくお願い致しますですよ!
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/19(水) 00:54:27.46 ID:gNOodV0wo
>>134

【相手が引き寄せられ、そしてやはりというか――そのまま勢いを利用して】
【しかも奥の手らしい力を解放して、むしろベイゼへと突っ込んで≠ュる】

【―――まさか、それを予測できていないはずもない。能力を手にしたのは非常な昔】
【相手がこういう手に出ることは理解できる。だからベイゼも対策を立て、行動に移す】
【『イヤリングを外してマインドに同化させる』――それだけだったが、十分だ】

『失策』ゥ…?冗談だろうゼリシュ嬢、俺は何も無傷で勝つつもりはこれっぽっちも無いッ!
ベギーアデンは欲望≠意味するマインド……火中の栗ですら望んで手にする……!

テメェの一撃ですらも望んで受け入れる―――それくらいの覚悟は、とうに出来てるのさ
さあて我慢比べだぜガキィ……!べギーの拳、鉄の味を存分に食らいやがれェ――ッ!!

【ベギーアデンの全身に闇の魔力が浮かび上がる。冷たいそれは、大きな力の波動を放ち】
【十字剣とは対照的なそれは人型の拳にも纏い付き――飛び込む少女へ、振りかざされる】

【そんな風にして迎え撃つ一撃は少々地味。闇の魔力を纏った拳を、相手に何度も叩きこもうとするだけだ】
【顔、腹、腕、頭、どこでもいい――当たってしまえば強烈な一撃が相手の肉体を蝕むのだ】
【そういう一念から繰り出されるひどく単純で、しかし恐ろしいラッシュ≠ェベイゼの攻撃だった】


【―――攻防の結果がどうなったかは、関係なく。それが済めば、ベギーアデンは崩れ去る】
【ひび割れた腕の鎧が砕け、ベイゼ本人の代わりに十字剣の一撃を食らって倒れるためである】
【ダメージのフィードバックも存在するらしく、ベイゼは全身の皮膚が裂け、一瞬にして血みどろになっていたが】
【ニヤリと笑い、ふらりと一歩前に出て、地に落ちた己のイヤリングを拾い上げ――相手の様子を伺って。】
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/19(水) 00:56:27.32 ID:8pM0SU1Yo
>>135
【見た目など、大して当てにならない。自身が骨身にしみて感じていることである】
【鋭い視線に射抜かれると同時、表には出さなかったが、警戒心を抱きつつ、口を開く】

ハハ、なるほど、そういう考え方もあるか。あえて生かして帰すことで楽しさを見出す、と
しかし、正義の味方、とは彼らのことかね? 路地裏で集団で少女を襲う正義の味方は、初めて見たな

まあ、少女と言っても、この有様を見るに見た目と中身はかけ離れているようだが
それとも、よほどの大悪党か、お前は?


さて、それでそちらの諸君、答えは――おや

【自分の姿を見た途端、表情を凍りつかせ、痛みを引きずりながら逃げていく彼らを見て、拍子抜けしたように言葉を切る】
【一つ目でその後ろ姿を見送ると、その視線を彼女に戻し、少し肩を落としてため息をつく】


まったく、ああいう反応は、やはり傷つくな

ハハ、コスプレだと言われたのは初めてだな。こう見えても、元はもう少しまともな姿だったんだ
ちょっとした事情で両目を失う羽目になってね。代わりに、この目を手に入れた
目の性能は前のより良いのだが、以前にも増して表を歩くのには苦労するようになったよ

【言葉とは裏腹に、別段傷つくような様子もなく。初対面の少女にペラペラとよくしゃべる。警戒は、解かずにいるが】
【自分の姿に平然と相対する少女、その高圧的な態度を気にするでもなく】
【また、警戒もあって距離を詰めることもなく。ただ、言葉のみを投げかける】


ああ、特に用があったわけじゃあない。ずいぶん派手な音がしたから、何事かと顔を出してみたというだけの話だ
そうだな、私もちょうど用事が済んだところだ。お言葉に甘えよう

まだ名乗ってもいなかったな。私は、カニバディールという。よければ、名を聞かせてくれないか

【最初に見せた悪意の気配は、いったんは収められる。相手の言葉を聞いて、大男も会話をしてみる気になったらしい】
【まずは、名乗り、同時に相手にも名前を尋ねる】

しかし、穏やかじゃあないのは、路地裏では珍しくもないが。犬、というからには、彼らは誰かに命じられてきたのか?
誰かに狙われでもしているのかね?

【彼女の返答如何にかかわらず、まずは問いかけを一つ。最初の関心は、やはりついさっき展開されていた光景】
【その事情に向いていた。一つ目の視線は反らさず。ざらついた声音で言葉を放つ】
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/19(水) 01:26:08.79 ID:57K7Lpjt0
>>137
「偽善者なんてそんな物じゃない。出来なければ群れを作って、無理にでも押し通すなんて日常茶飯事
自警団もUNITEDTRIGGERも、みんなそんなモノでしょ
自分が正義だと思えば其れを信じ込んで疑わない

――――逆よ。それに、どちらかと言えば偽善者を狩る立場
正義面して平気で悪事を行う人達を殺めるし、過去に悪事を働いて今更正義面する偽善者も殺す」

【正義という存在を余程憎んでいるのか、自らこそが――――或いは自らが所属する場所こそが絶対なる正義と言い放ち】
【自警団もUNITEDTRIGGERも、どちらも平和に大きく貢献している組織――――の筈なのに】
【其れ等すらも“殺す”と言ってしまうのだから、どれ程の憎しみを抱いているのかは容易に想像出来よう】


「……当然の反応じゃ無いの。まぁ、言いふらさないことを祈るのね
どっちみち、子供一人に負けたとなれば口が裂けても言えないでしょうけど

ちょっとした事情程度で目も耳も無くなるかしら、普通
……まぁ、別に貴方がどんな理由で目を無くして、額を割って大きな目を作り出したのかはしらないけど
自警団やUNITEDTRIGGERに所属している何て言ったら直ぐにでも噛み砕こうと思ったけど……そんな容姿じゃ、そこら辺とは関係なさそうね」

【フンと鼻で笑えば、尻尾を巻いて逃げ出した男達を嘲笑する】
【投げられた言葉にはしっかりと返すくらいには愛想が良いようだが、やはり言葉の節々には不穏な単語が幾つかあって】
【――――最も特徴的なのは、“噛み砕く”の其れであろうか】


「こんな場所で聞こえる音に反応するなんて、貴方長生き出来ないんじゃ無いの?

――――“裁き司”所属、“テラス”
カニバディール、ね。用事が済んだと言っていたけれど……どんな用事か言って貰いましょうか
場合によっては、そのまま細切れの肉になってもらうけど」

【裁き司とは、恐らく少女の所属する組織。今までの言葉から考えれば、正義を狩るまた一つの正義――――なのかも知れないけれど】
【正義が正義を狩るなんて可笑しな話。世間から見れば、其れはきっと悪で】
【――――気になったのは、男の“用事”】
【少女の顔が縦に裂けたならば、其処に見えるのは無数の鋭い牙で】


「大方、邪魔者を狩って出世でもしたかったんでしょ
今まで何人も自警団を殺したし、其れに準ずる人達も殺してきたから、まさに癌以外の他ならないのでしょうね
私を憎んでいる人なんて沢山居るでしょうけど、逆に私が憎んでいる人は星の数ほど居るんだから困った話ね」

【其れが閉じられれば、先程と何ら変わらぬ少女の姿】
【――――化け物。と呼ばれるのはコレが所以と見て間違いは無いだろうか】
【“口”を作り出す力。顔以外の所に現れる其れは、牙の事もあって生理的に受け付けない者も多いのであろう】
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/19(水) 01:49:04.64 ID:eWYtwlz6o
>>136

【機関のNo.3を名乗る程の相手、能力を利用しての攻撃が予想されていないと思ってなどいない】

【しかし、闇の魔翌力を攻撃に利用する事を見ているのだ、勝敗を決定付けるであろうこの交錯においてそれを使うことも予想できる】
【だからこそ、懐へ飛び込むような危険な真似をしたのだ、何故なら──】

パンツァーーーー!

【声に応じ、剣が纏う光の魔翌力の一部がゼリシュの体へ流れ、鎧の様な貌となる】
【"光の鎧による防御"──本来ならば身に付けている鎧を強化する為に編み出したもので、性能はかなり低い】
【しかし、只のドレスのみでこのラッシュを喰らうことを考えると何倍もましである】
【これによる十字光剣の威力の低下は免れないが、そもそもの威力が絶大であり、対個人レベルでは戦局が変わる程の変化とは言えまい】

【そして結果だが───ゼリシュは腹部に打撃を受け、砂浜に転がる】
【暫く咳き込んだかと思うと身を起こし、確りと握ったままだった剣を構えようとしながらベイゼに視線を向ける】
【口の端からは血が漏れているし、ろくに戦える状況ではない筈。最早意地だけで動いているようなものである】

アンタのマインドが欲望なら、私の名には『魂』の意味が込められてる、私の心は、魂は簡単には折れないわ……!
なんて、こんな熱血、私の柄じゃなかったわね……
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/19(水) 02:13:01.78 ID:8pM0SU1Yo
>>138
ふむ、全てを「そんなもの」だとひとくくりにしてしまうのは、正直なところどうかと思うが
お前の言うことにも、確かに一理ある。自らの正義を信じて疑わない連中と言うのは、時として悪党より性質が悪いものだ

(とは言いつつ、自分のことは正義と名乗っている辺り……狂信者の類か?)

【表面では少女の言葉にある程度の同意を示しつつ、内面では彼女自身も彼女の言う「偽善者」に当てはまる面もあるのではないか】
【あるいは、「偽善者」以上に危険な存在か。悪意で汚れた脳内に、思考を行き交わせながら、佇まいは変えることはなく】

【その抱く憎悪が、尋常ならざるものであることも、感じ取る。自警団やUNITED TRIGGER、抹殺する対象として、まず正義組織が出てくる】

(本人は正義と称してはいるが、さて、この正義を認める者がどれほどいることやら……)
ハハッ、手厳しいな。まあ、その通りだが
そうだな、彼らが今夜の記憶を、屈辱と共に封印してしまうことを祈るよ

いやいや、それこそお前の憎む偽善者のみならず、恐ろしい悪魔や怪物、犯罪者といった連中までもが跳梁跋扈する、ふざけた世界だ
自分でもそうと思わないうちに、肉体を失うような状況に追い込まれることも、起こりうるものだよ
現に、私とてこの有様となる直前まで、自分の肉体と泣き別れすることになるとは思ってもみなかった

お察しの通りだ。自警団やUNITED TRIGGERになど出向こうものなら、あっという間に蜂の巣にされてしまうよ
私は偽善者でもなければ、お前のような正義でもない。見かけどおり、悪党の部類だ


【言葉に淀みはない。しかし、その歪んだ両耳は、少女の放つ言葉の不穏さをしっかりと捉えていた】
【噛み砕く。殺す、という意味であろうが、あまり聞かない言い回し】
【その理由は、すぐに明らかになった】

ハハ、だろうな。事実、幾度となく死にかけた。しかし、やめるわけにもいかなくてね
テラスか。覚えておこう。“裁き司”……聞かない名だな。浅学で恥ずかしいが

……おっと。穏やかじゃあないな

(噛み砕く、とはこういうことか……案外、食人の嗜好は合うかもしれないな)
(しかし、正義を狩る正義の組織とは。やはり、カルト宗教の類かね。思ったより、面倒な手合いに会ったものだな……)


【少女が大男の異形を受け流したように、大男もまた、少女の見せた能力に驚くことはなかった】
【縦に裂ける顔。鋭い牙。自分の能力に近しいものがあるが、単純な破壊力なら、おそらくは彼女のほうが遥かに上回るだろう】

【用事のことは、すぐには言葉を紡ぐことなく。口を閉じ、先ほどまでと同じ姿で放たれる言葉を、先に掬う】


出世のために、か。無謀なことをしたものだな

狙われる心当たりは多いのだな。それだけ殺してきたのなら、致し方ないだろうが。私が言えた義理ではないがね
しかし、その理屈でいくなら、お前が憎む人間の範囲には、この世の大半が当てはまってしまうのではないかね
程度の違いはあれど、自分は悪くない、と思っている人間のほうが、そうでない人間より多いのは確かだろう

まったく、難儀なことだ。“裁き司”は、きっと目まぐるしい忙しさなのだろうな

【一度、言葉を切る。口を作る能力。戦闘となれば、どう対処すべきか】
【生理的嫌悪はない。大男自身、そういった嫌悪感を抱かれる側だ。ただ、彼女が聞き出そうとした「用事」】
【その内容を話すことは、あるいは彼女の敵意を買うはめになるかもしれない】

……私の用事について、まだ話していなかったな
そちらが、所属と能力を晒してくれたんだ。ついでに、私のそれも教えよう
奇しくも、私もお前と似たようなことが出来るんだ

【そう言った直後、大男は右手を少女の前にかざす。その手のひらに、小さな口が出現した。さらに、五本の指の先には、眼球が】
【続いて、大男の頭部が人間の形を失う。額の巨大な一つ目も、義眼も呑み込んで、頭部が細長い肉の塊となり、虚空に伸びる】

【さらに、かろうじて原形を保っていた喉の肉に異変。喉の肉が左右に開いたのだ。その奥。喉の内側に刻まれているのは、逆五芒星のマーク】
【次の瞬間には、全ての肉が元に戻り】

……というわけだ。用事というのは、機関の雑務、死体の処理だ。下っ端の私に回される程度の、取るに足らない仕事だよ
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/19(水) 02:54:35.43 ID:57K7Lpjt0
>>140
「悪は別に良いのよ。其れを悪と知っていて行っているから
……それにしても、随分と分かりやすい悪党も居たのね

それに――――まるで、怪物達に会ったような言い草ね。まあ、私も怪物と言ってしまえばそうなのかもしれないけど
……泣き別れなんて言うけど、本当にそうだったのかしら
さっきの言葉を聞けば、より一層悪事をしやすい身体に変わったようにも思えるけど、私の勘違いかしらね」

【時折皮肉を交えながら言葉を返して】
【まるで人間以外の生物にその身体へと変えられてしまったように聞こえたならば、何処か興味深そうな視線を向けるのだろう】
【「ふーん」と軽く流しているつもりでも、その視線を隠せないのは幼さ、経験の浅はかさ故か】


「――――あまり表沙汰になる様な活動はしていないから、知らないのが当然よ
誰に聞いたって知らないと答えるでしょうし、その答えが返ってきたならば私達の仕事は順調に達成していると考えてもいいんだもの
死にかけても止める事が出来ないなんてよっぽどの信念を持ってるのか……それとも、ただ止める事が出来ない理由にでも縛られているの?」

【死にかけても止める事が出来ない――――そんな言葉を聞けば、眉をピクリと動かすのだろう】
【その身体と化したのが“理由”なのかと邪推しつつ、或いは答えを知るかのように問うて】
【穏やかでは無いとの言葉に対しての返答が無いのは、自身で其れを認めているからであろう】


「ご名答、ね
私は殆どの人間が嫌いよ。昔っから、ずっとずっとね
殺したくて仕方なかったわ。周りには“いい顔”で振る舞っている奴なんて、特に

――――さあ。私は別に忙しいと感じたことは無いわね
嫌いだから、殺す。逆に楽しく感じる位よ」

【少女の人間嫌いは今に始まった訳でも無い様で】
【ともなれば、幼少の出来事にでも由来するのだろうけれど――――其れを語ることは無く】

【首を傾げて男の変化を見届けていれば、目を数回瞬かせる事だろう】
【原型を留めていないと言っても良い程の変わり様。にやり、と一度笑って】


「機関……?ああ、カノッサの事かしら
まあ、確かにまるで“解体屋”の様な風貌だものね
と、なれば……私と会う前に終わらせた仕事は後者と前者、どっちかしらね」

【五つの目を全て見比べた後の思案顔。やがて、五芒星をみたならば頷き】
【特に目つきが厳しくなった訳でも無いことから、敵意を抱いたという事は考えにくいだろうか】
【正義を名乗りながら、カノッサを見逃す――――やはり、それは異常な事】


「……そろそろ時間ね
カニバディール。私も名前を覚えていてあげるわよ
貴方が偽善者に殺されていなかったら、また何時か会う日も来るでしょう
社交辞令として、それまで元気でね――――とでも言っておくわ」

【つ、とつま先が地面を撫でたならば、大きな口が一つ盛り上がって】
【不敵な笑みと共に別れの挨拶を零したのならば、後はその口の中に飲み込まれて】
【――――ただの地面へと戻った頃、男達の血痕すら、何一つとして無かったであろう】
【組織の名が通らない理由――――きっと、“後始末”も行われているからか】

/3時になりましたのでそろそろ失礼致しまする……!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/19(水) 03:05:24.22 ID:gNOodV0wo
>>139

(……成程、あの光は攻撃だけじゃなく防御にも使えるってワケか)
(相手がガキだったから良かったが……まがわが撃退されたのも頷ける)

なんて言っても、俺も中々キツいけどよぉ……っ!

【イヤリングを耳にはめ、既にそこが限界――ベイゼも超人ではない】
【直接攻撃を受けたわけではないにせよ、マインドを穿たれたダメージは大きく】
【流血で髪やジャケットと同じ色に肌を染めるのを見れば、その程度が知れて】

は、ハッ…!やるじゃねェかゼリシュよォ……ガキにしちゃ悪くねェ
このままどっちかが死ぬまでやってもイイが…、……俺も馬鹿じゃあないからよォ
……今日のところは、場を譲ってやる。精々悪態吐いて、ぶっ倒れてろ……―――。

【どこか捨て台詞に聞こえなくもない――否、そのものである言葉を告げると】
【ジャケットのポケットに手を突き入れ、直後に魔法陣が出現して、ベイゼは姿を消してしまう】
【何か、簡易な転送装置でも持っていたのかは分からないが―――】

【―――なんにせよ、脅威は去った。残ったのは、楽しむ余裕の無いだろう風流と】
【数本ばかりの上等なワイン――これは少女の戦利品として、持ち帰るのも良いかも知れなかった。】

/最後遅くなって申し訳ない……と、切りも良いのでこの辺りでっ。
/二日間、本当にお疲れ様でしたー!
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/19(水) 03:23:43.77 ID:8pM0SU1Yo
>>141
悪を自覚して行うならば、それは構わない、と。失礼ながら、多数派の意見とはいえないだろうな
ふ、ふ。よく言われるよ

……鋭いじゃあないか。会ったのさ。怪物に。風の国に巣食う、化け物にな。私やお前を指していう「怪物」とは、また別物というべき奴だ
皮肉も上手いようだ。確かに、悪事をやる上では、不便ではないよ。文句を言ってはみたが、この目は気に入っている

【興味深げな彼女の視線に、多くは語らずとも、核心に触れる部分を答える】
【この時ばかりは、声音にとげとげしいものが混じる。彼女の見せた幼い部分に、反応する余裕すらないほどに】


ふむ、そうかね。まあ、派手な行動ばかり起こしている機関のような組織のほうが、珍しいのかもな。今となっては
仕事が順調にいっているならば、結構なことだ

……信念、とは少し違うね。これは、私の「業」だ。身体を失った事情とは、また別物だよ
危険と知りつつ、やらずにはいられない。この点については、お前も似通うところはあるのではないかね?

【物心ついた時より、邪な心を芽生えさせ、以来ずっと邪悪なものとして生きてきたこの男にとっては】
【たとえ、肉体を失った忌まわしい出来事がなかったとしても、こうして裏の世界を歩き回ることは、必然であったのだろう】


長きにわたって、ほとんどの人間を憎み続けてきた、か。たいていの人間は、自分の生の中にそうした思いを埋もれさせてしまうものだが
今に至るまで、その憎しみを抱き続けているとは。末恐ろしいね

いいことじゃあないか。やりたいこととやるべきことが一致する、なかなか実現しがたいことだ

【彼女の事情には、必要以上に深くは踏み込まなかった。この世界、語りたくないことなどいくらでもあろう】


その通り、私はカノッサ機関の末端構成員だよ。“解体屋”か。近いものはあるが、正確には“肉屋”だ
ふ、ふ。それは、ご想像にお任せしよう

【逆五芒星の印を見ても、その目つきは変わらず。やはり、いわゆるまっとうな正義を掲げる組織ではないらしい】
【だが、敵対心がないのなら、無理に事を荒立てることもあるまい。そう考える】

そうか。話に付き合ってくれて、感謝するよ
私も社交辞令を返そう。また会える日を、祈っているよ

【彼女の言葉に、こちらも別れを告げる。盛り上がる、巨大な口。やはり、彼女もまた、異形】
【不敵な笑みに、醜悪な笑顔で返しつつ、口の中へ消えていく彼女を見送る】
【後には、血痕すら残らず。“裁き司”の名が轟かないのは、このためか、と推測する】


【そこまで考えて、ふと。引っかかるものが、あった】

(口を生み出す……ドレスの小娘……確か、三か月ほど前に、No.18がそんな報告を……)
(とすれば、ナンバーズから敵対者と報告が出ている相手を見逃してしまったことになるか。見たところ、報告とは違って見えたが)

……まあ、いい。私が不利益を被らなければな

【浮かんだ疑念は、頭の隅に追いやり。大男もその場を去って行った】
【現れた時と同じく、重い足音を響かせて】


/お付き合いいただき、こちらこそ感謝です!!
/ありがとうございました!!
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/19(水) 03:27:48.28 ID:9dc2bes4o
>>142

あ、あの技をもろに叩き込んだのに立てるやつなんて初めて見たわ……ほんっと訳わかんないわよ……アンタ

フン、じゃあ、今回は見逃して、あげる、わ……
だけど……ベイゼ、次は無いと思い、なさい……

【ベイゼの様子を見て緊張が弛んだのか、もはやその言葉に先程までの勢いはない】
【そしてベイゼの姿が消えるのを見届けると仰向けに倒れて】

……まったく、折角の素敵な夜だったっていうのに何よこれ…………

【そのまま意識を手放し、目を覚ました時にはベッドの中にいたそうな】

【……砂浜から少女を運んできた召し使いが何やら上等なワインを飲んでいたそうだが、それはまた別の話】


/お疲れ様でしたー
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/19(水) 21:14:27.61 ID:r6ry2IoK0
>>110

……固有の事情、ってのも考えられるんじゃねぇか?
ほら、良く言うだろ……『吸血鬼は自分の本名や身分に縛られる』とか、『吸血鬼は以前の習慣に囚われる』とかよ……?
いまいち、理由は見えてこねぇんだが……あるいは、そのリリアって奴のみに当たる、特別な事情があったりしねぇか?
そこの所で、"鐘"が何かに引っ掛かってくる……そう言う可能性も、あると思うぜ?

【情報が足りない以上、出てくるのは多様な可能性。レグルスは、ともあれ思い当たる節を取り上げてみる】
【『邪悪なるものにとっての弱点』なのではなく、それが『リリア個人にとっての弱点』なのではないかと言う可能性】
【繰り返すようだが、レグルスもアルクも、リリアとの直接の対面をした事が無く、その本性を掴みかねている】
【だからこそ、取捨選択のしようもなく、羅列をしていくしか出来ないのが現状だ】

>>132-133

……うわ、酒がやれねぇってのは……本当に厳しいもんじゃねぇか、セリーナよぉ……!
禁欲のストレスは良くねぇよ……ましてや、治ったら反動を起こしそうじゃねぇか……!
全く、殺生な話だぜ……!
「……全く、飲兵衛もここまで来ると笑えないね……煽る様な事を言ってどうするのさ……」

【ゴク――――と、レグルスが喉を鳴らして、まるで我が事の様に嘆く】
【彼もまた、相当に酒を愛飲する口なのだろう。そしてそれ故に、セリーナの酒を飲めないという現状に、悲哀の様なものを感じているらしい】
【隣でアルクが、心底呆れたと言った様子で頭を抱えていた】

「…………なに、手前らの扱う術式で、その呪いの効果を薄めてしまう事が出来る可能性があると言うだけの話だよ……
ただ……さっきも言った通り、その呪いの性質、正確なところまでは掴み取れないし、下手な干渉をすれば、逆効果になる事もある……
――――魔術と言っても、全能のスーパーパワーなんかじゃない。特に人間の肉体や精神に作用させる分にはね……それは医薬品を使う様なものなんだ
効果が強すぎれば、反動を招く事もあるし、副作用を引き起こす事もある……見当違いな事をしてしまえば、却って悪化する……
これが、自然物や単なる事物に働きかけるなら、そこまで神経質にならなくても良い……人間に対して使えばこそ、だよ……」

【賭けに乗ると、我が意を得たりと言った表情で頷くセリーナに、滔々とアルクは説明する】
【どこか抽象的な言葉だが、言わんとするところは分かるだろう】

「……精神的作用を及ぼす要因に対して、処置を行う術がある……『心』を『散らせる』形の魔術でね……
それを使えば、刻まれた呪いを拡散させて、、呪いに苛まれる『頻度』か『程度』か、あるいはその両方……ともあれ、軽減させる事が出来るはずだ
だけど……失敗すれば、あなた自身の精神状態に悪影響が……術の力が、呪いじゃなくて精神そのものに作用してしまう可能性がある……
さっき『一時的に記憶を消された』って言ってたけど……それが再発するって言うのが、一番あり得る事かもしれない
あるいは、そう言う局所的なところじゃなくて……全般的に……精神力、意志の力が弱まってしまうと言う事も、あり得る……
そうなれば逆に、呪いに対する精神的な抵抗力を喪失してしまう事も考えられる……
――――成功率に関しては、正直、何とも言えないと言うのが実情だ……呪いの性質によっては、干渉するだけで何かが起こる事も考えられる……
手前らの技量だけで、云々出来る話でもない……何とも言えない、難しいところだよ……」

【先ほどの抽象的な話は、この具体例に入る為の『振り』だったのだろう。アルクは内容に踏み込んで説明に入る】
【呪いを削り取り、効果を弱める――――それが、アルクの提案する『賭け』である】
【成功すれば、心を苛む呪いの力の減退を実現させる事が出来るが、失敗すれば、何らかの形で精神的に失調をきたす恐れがある――――と言う】
【そしてその成功率は――――アルクにも分からない】

「……手前からは何も言えない。手前の見立てを聞いたうえで、セリーナ……あなた自身が判断して欲しい」

【言うべきところは言い終えたのだろう。アルクは最終的判断を仰ぐ】
【セリーナに、決着をつけるまで耐えきれるという確信があるなら、乗らないのも手だろう。何しろ危険な橋を渡るのだから】
【しかし、耐えきれる自信が無いと言うなら――――状況を打開する『賭け』の手段の一つとして、考慮するには十分な内容であるとも取れる】
【それを決めるのは、セリーナ自身――――アルクは、静かに答えを待つ】
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/20(木) 02:29:27.19 ID:iBCY9Et0o
>>145

【呆れられても仕方が無いのかもしれない。セリーナというのは男に囲まれて育ったせいもあり、根本的な部分で】
【酒やら銃やらそういう物との結び付きが非常に強い。ある種それらに頼って、支えられている節もあると言えるだろう。】
【アルコールが禁止された世界なんて想像も出来なかったし――そんな世界では戦い抜けないとも思う。】
【少なくとも、誰かの為に戦い続けるにはそれなりの休息が必要なわけで――彼女にとっての安息は、アルコールと仲間の笑顔だった。】

――・・・ふふ。まさか賛同されるとは思わなかったよ、患者は患者らしく寝てろって言われるとばかり。
レグルス、アンタ物分りがいいねぇ!アタシ、そういう男は嫌いじゃないよ、今度機会があれば是非とも呑み比べをしようじゃない?
――厄介な悪魔さんと、決着をつけたらさ。ね!

【頭を抱えるアルクとは対照的に、そんな様子すらも楽しむようにセリーナは意外な反応を示したレグルスに笑んだ。】
【こういう部分で共通点を見出せる仲間は実は、あまり多くない――呑める友人は有難い存在だ。】
【ただ、そんな風に茶化して話せたのもそこまでで。彼らの語る魔法への"覚悟"と"決意"の言葉に、思わず息を呑んだ。】

【――便利なものではない。匙加減を誤り、タイミングを違えれば魔術は人にも牙を向く――確かにそれは人の生み出した技術であればこそ】
【当然の帰結といえるだろう。負傷者に打ち込むモルヒネの量を見誤れば、死に至るのと等しい――繊細さが要求される高度な物だ。】

―――・・・なるほど、ね。そういう意味での"賭け"、かい。治る治らない以前の問題で――逆に酷くなる可能性も秘めてる、と。

(精神に異常をきたす、か――・・・今後の活動に支障が出るような真似は出来れば、避けたいところだよね。)
(仮に今回の戦いを乗り越えられたとしても、その後に響くようなやり方は推奨されない、それは分かってる。けど――・・・)
(・・・ダメだ。このままじゃ埒が明かない。それに何時までも魘されるのなんて御免だし、アタシならきっと耐えられる筈。)

(――オーケイ。そうさ、危険なら危険なほど――勝った時の戻りは大きい。ならアタシには、これしか方法はない・・・!!)

――・・・レグルス。決めたよ、確かにそれは危険な賭けだけど、アタシは言ったとおりのギャンブラーだ。
乗らないわけにはいかな――――――――

【ふと、そこでセリーナの言葉が途切れた。まるで何か、思いとどまったかのように。】

【いや――違う。】

【止まったというよりは―――"止められた"という方が、正しいだろうか。】

【ふら、とセリーナの視界が揺らぎ――松葉杖を手から落とし、彼女は公園の地面へとどさ、と崩れ落ちてしまう――唐突に、だ。】

【まるで急に意識を失ったかのよう、そんな事などある筈は無いのだが、代わりに"別の声"が公園に響いた。】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/20(木) 02:31:56.11 ID:iBCY9Et0o
>>145

『―――面白い話だ。乗るだけの価値がない、という訳でもない。が、しかしだ――小娘Aにその賭けはさせない方が良い。』
『いや、というよりはさせられん、というのが正しいか。俺様だって意思はあるんだ、持ち主にはしゃんとしてもらわんと――困るからな。』

【――男の声。それはセリーナの腰元辺りから聞こえてくる、なんとも偉そうな雰囲気を醸し出す高圧的な声であった。】
【はて、この場にこのような声の持ち主は存在しない、となれば――これは、誰の声であるのか。】
【答えは魔術師であるレグルスであれば自明だろう、彼女の所持する"とある武装"の放つ魔力が一層、濃くなったのが感じられる筈だ。】

『今更自己紹介、というのもなんだが。俺様は"弾"末魔――まあ、魔銃でも天才でも呼び名は構わん、好きに呼べ。俺様もお前達を好きに呼ぶ。』
『はて、人間と話をするのは久しぶりだ、とくにこの小娘Aは"鈍い"から俺様の声が聞こえなくてな、暇つぶしに話すことすら出来ん。』
『代わりにこうして面倒が起きそうになったときに"眠らせる"くらいの事は出来るんだが――精神に干渉するものだからな、避けているというわけだ。』
『小娘Aには眠ってもらってる、こいつは平気で賭けに乗るなんて言い出すからな、冗談じゃない。俺様にも選ぶ権利はあるだろう。』

『――その話、断っておくぞ。決して怖気づいてるんじゃあない、小娘にはあまり"良くない"類の話だからだ。良いか。』

【状況を整理すれば。眠ってしまったセリーナ、そして其れに代わるように意見を言うのはなんと、彼女の持ち物の一つ――愛銃・"弾"末魔。】
【よもや拳銃が声を発して意思を持つなど創造も出来まい、まったくもって異常な状況だが――聞き取れる者には、この声が聞こえるだろう。】
【そしてその声はやんわりと、レグルスとアルクの提案を否定した、セリーナ本人の乗り気とは魔逆に―――・・・?】

『俺様はどういうワケか人間が悪魔に匹敵する力を人間のままに行使出来る様創られた魔界兵器の一種だ。』

『何の意図で俺様のようなイカした銃器を作ったのかは定かじゃないがともかく、俺様は基本持ち主に無害なように設計されてる。』
『だが――なんのデメリットも無い、という訳でもない。そんな御伽噺は存在しないからな。』
『使い続ければ良くないことも起こる。当たり前だ。だがこの小娘はそれを上手い事"昇華"できるだけの"素質"を持ってる。珍しいことにな。』
『今までの持ち主にはいなかったタイプだ、コイツは俺様を扱う上での"欠点"を打消すだけの力がある。』
『――・・・ある意味で俺様の求めていた理想のタイプと言えるな。扱い方もそう、悪くない。』

『ただ――そのデメリットというのが"精神状態"に大きく依存するものでな。今のままならなんという事は無いが』
『あの気に入らん淫売の半魔に盛られた"毒"で大分乱れている。控えめに見ても愉快な状況とは言えない。』
『今はギリギリの処で保っているが・・・これ以上悪化する事があれば、どうなるかは分からん。』

『仮にその"デメリット"が発動しちまったら俺様にはもうどうにも出来ん、だからせっかくのお気に入りを俺様も手放したくは無いんだ。』
『そしてもうひとつ、小娘には俺から伝える事が叶わない。だから――・・・頼んだぞ?』

『お前も小娘と呑み仲間でいたいないならば――・・・この話は切り上げたほうが良い。』

『・・・すまないな、せっかくの提案を反故にして。信用していないわけじゃないし、お前達は頼れるだろうとも思っている。』
『だが――瀬戸際だ。失敗したときどうなるか、この女はまだその重大さ加減を知らない。』
『・・・ただ精神が弱まるだけなら、いいんだがな。小娘が俺を手放さない以上・・・難しいだろう。』

『だから、あの半魔とケリをつけるまで小娘には苦しんで貰う積もりだ。』

『なに――安心しろ。こいつはそう、ヤワじゃない。俺様の見立てが正しいなら、な。』
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/20(木) 02:32:23.11 ID:iBCY9Et0o
>>145

【"弾"末魔が語る事実が正しければ――"彼"を操る事にはなんらかのデメリットがあり】
【そしてそのデメリットが発症するには精神状況が一つのトリガーになっているのも確かなようで】
【元々精神がタフであるセリーナにとって、然したる欠点でもなかった筈のその"マイナスポイント"も】
【今ままでは良かったものの、リリアによる攻撃に魔術の失敗が重なればどうなるかわからない――という、ところか。】
【そして彼はそのデメリットが発症するのをあまり、良しとしていない様で――止めにきたのだろう。】

【言うだけ言えば、彼はもう言葉を紡ぐ事も無い。静かに――発していた魔力を抑えて】
【意識を一瞬だけでも奪われていたセリーナが、なんとも不思議そうな様子で――目をぐしぐし、と掻きながら起き上がった。】

あ・・・あれ・・・っ!?な、なんでアタシ倒れてるの・・・?なんかさっき、突然眠くなって――・・・
あ、あははは!疲れてるのかな、ごめんねレグルス!それで、その魔術の話だけど―――――

【さて。"弾"末魔は止めていた。セリーナはまだ、載る気満々であるが――信じるのであれば、止めるべきだろう。】
【もっとも、全てを説明する必要は無いだろう。何か理由をつけるもよし――多少の嘘でも、彼女は貴方を信じるだろうから。】
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/20(木) 22:22:22.83 ID:yZnmV0rz0

【未だ賑やかな喧噪に包まれる街の中――――その一角に存在するパン屋】
【昼間ならば行列を成すほどのその店ではあるが、やはり夜と言う事もあって人少ない】

【様々な店の客引きやら何やらが立ち並ぶ中、その場には不似合いな姿が一つ】
【暗い色のローブを纏ってはいるけれど、覗く髪の毛はそれとは相対的に金色の耀きを放ち】
【狼の耳を生やした少女が、パンが沢山詰められた袋を抱え歩いていて】


「さって……UTのみんなの分も買ったし、子犬達にあげる分も買ったし……これで買い忘れは無いかな?
いや、寧ろ多いくらいかな……。ふふ、みんな喜ぶと良いんだけど」

【ローブからはみ出た尻尾が左右に揺らされれば、その心情を表しているのだろう】
【食欲をそそる香ばしい匂い。其れを楽しみながら歩いていれば、グイと手が引かれて】
【見てみれば、客引きの一人。華美なドレスに身を包んだ女が何処かの店へと連れて行こうとしていたけれど】


「へっ?いや……ほら、ボクはそういうのあんまり興味無いっていうか……
人見知りだし、そういう場所も好きじゃ……コレだって早く届けなきゃいけないし……
そうそう、お酒だってまだ――――って、爪、食い込んで痛いから離して欲しいなぁー……」

【強く出る事が出来ない故に、掴む手を振り払うことが出来ず】
【毒々しい色のマニキュアを塗った鋭い爪。幾らローブ越しとはいっても、やはりそれ相応の痛み】
【困った様な笑みを浮かべれば、助けを求める様な視線を巡らせるbのだけど――――】




【暗い森の中、あっちへ行ったりこっちへ行ったりする影が一つ】
【目を凝らしたならば、その正体は巫女であると分かるだろうか】
【何処か自信なさげな表情ながらも、様々な場所へと視線を巡らせていて】


「やっぱり……こんな所には居ませんよね……
ですが、何か手がかりがある訳でも無いですし……」

【――――闇夜の其れよりも、一層暗い雰囲気】
【肩を落とせばトボトボと歩き出して……数歩もしない内に、小石に躓いて見事に転倒】
【驚いて叫ぶ暇も無かったのだから、それはそれは綺麗な転び方だったのだろう】


「…………泣きっ面に蜂とでも言うのでしょうか
……幾らそうだとしても、あまりにも酷い仕打ちだと思います……」

【最早立ち上がる気力も無く、暫くはそのまま地面の冷たさを味わおうというのだろうか】
【森の中、苔むした地面にのさばる奇妙な巫女が、一人】
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/20(木) 22:53:05.86 ID:nAIN+5Hbo
>>149

――おいおいお嬢ちゃんよ、そういうのは合意の上でやるもんだぜ?
誘うにしても力じゃなくてよぉ、こう、蕩ける様な甘い言葉で導くのが礼儀ってもんだろうぜ

【視線に気づいたのか、それともその様子を目に留めたのか】
【突如として老年ほどであろう男の声が響く】
【お嬢ちゃん、とは言葉から察するに少女ではなく客引きの女を指したものか】

【もし声の方へと視線を向けたならば、街中でも目立つ特徴的な姿が目に映るだろうか】

【2mを超えるであろう大柄な身体を僧衣のような紺色の民族衣装で身を包み】
【露出した肌に生やすは黄褐色と黒の縞を描く体毛】
【螺旋の金属飾りのついた長い木杖を右手に持ったその者は】

【虎の頭部をし、ふらりと尻尾を揺らす獣人であった】
【二足歩行の虎が服を着たような姿を言えばわかり易いであろうか】

ってな訳でよ、大人しく手ェ離してやんな。何事にも引き際ってえのは大事だろう
お前さんみてえな美人ならもっと、懐の温かそうな上客も釣れるだろうしよ……

……まあ、なんだ――なんつぅかよ、俺にいらねえ力は使わせてくれるなや?

【口元を微かに吊り上げながら】
【巨躯に相応しい岩の如き筋肉のついた豪腕を微かに膨張させて強調し】
【金色の両眼をゆらりと夜闇に輝かせ威圧する】

【それはこれ以上強行するならば、相応の手段を取るという意思表示であった】
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/20(木) 23:27:24.02 ID:yZnmV0rz0
>>150
【邪魔をするなとでも言いたげな鋭い視線。元よりキツイ性格なのか、いつも通りに罵倒の嵐で退けようと意気込むけれど――――】
【さて、振り返ってみたならばその通りの容姿。何よりも、大柄な獣人が凄んでいると理解すれば、目を大きく見開いて】
【恐怖の為だろうか、細い両の脚もガクガクと震えていることが分かるであろう】

【――――結局、文句の一つが出る事も無く。けれども、そのまま尻尾を巻いて逃げる事はプライドが許さないのか、最後の最後までキツイ表情をみせて】
【中指を一つ立てれば、その力を使われる前にと人混みの中へと溶けて行く】


「おとといきやがれー。なんちゃって、ね……えへへ、有り難う。このまま誰も助けてくれなかったらお店に連れて行かれてお金を全部巻き上げられちゃう所だったよ
所で、んっとー……キミはボクと同じ様な獣人みたいだけど……あれ、同じ様なって言ったら可笑しいのかな……?」

【件の女が去った事に胸を撫で下ろせば、緩んだ笑みと共に礼を述べるのだろう】
【続く言葉は、種族の話。“獣人”と言えば、ユラリと己の尾と耳を動かして】
【――――けれども、“種類”が違うことを告げれば、自身の顎に手を添えて考える素振りを一つ】


「んー……猫?にしては、おっきいし……強そうだし
まっ、いいっか。ねね、獣人同士会う事なんてあまり無かったからさ、良かったら少し何処かで話そうよ!
助けてくれたお礼もしたいしさ。……まぁ、ご覧の通り今はパン位しか持って無いけど」

【勝手に予測を並べようとしたが、そんな事をするよりも直接聞いてしまった方が早いか。なんて、カラカラと笑って】
【自分よりも遙かに身長の高い男性。けれど、臆することも無く手を掴めばそのままズイズイと近くのベンチまで引っ張っていくのだろう】
【狼。という種族の事もあって、力は強いけれど……勿論、離そうと思えば簡単に離す事も出来て】
【“お礼”出来る物は、今手元にあるパンのみ。それが人によっては幸か不幸か】
【其れは兎も角、男性がそのままベンチへと連れてこられたならば、横に座ってマジマジと顔を見つめるのだろう。其れはもう、穴が空く位に】
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/20(木) 23:52:36.46 ID:nAIN+5Hbo
>>151

……ん〜、ちょいと大人気ねえことしちまったか?
もうちょいと勉強してくれりゃあ、有難いんだがよ

【去っていく女性の姿に、獣人は己の頬をポリポリと掻く仕草をして苦笑する】
【あの様子からして反省したようには思えなかったが】
【己の知らない場所で起こるであろう、今後の出来事までは面倒を見られるわけではない】
【獣人は思考をすっぱりと切り替えると】

おう、無事で何よりだぜ!
まあなんつぅかよ、災難だったなぁ……坊、いや、嬢ちゃんか?
この辺りはもうちょいと平和なもんだと思ってたんだがなぁ……

【少女の礼の言葉を受け取ると】
【獣人は二カッといまいち変化の分かりづらい笑みを浮かべ】
【一度街の光景を見渡すように首を動かして、再び視線を戻した】

尻尾が生えてようが、毛が生えてようが同じ"ニンゲン"ってえ落としどころもあるわな?
猫だろうが犬だろうが、多少違えど気にするほどの差じゃねえぜ

っと――ん?おう、構わねえぜ!
今はもう"姫さん"も寝入っちまってるだろうしなぁ
丁度暇を持て余してたところだわな!

【掴まれる手……猫科の其れに酷似したふさふさで大きな肉球がついた】
【その手に掛かる力に逆らうこともなく獣人は少女に従い移動する】

【杖を脇に立てかけ、少々窮屈そうに獣人はベンチに座る】
【声からして相当な高翌齢ではあるが、種族の特性か隆々とした筋肉が備わっており体が太い】
【「さぁてと……」と小さな声を洩らしながら、獣人は少女の方を向き】

おぉ?……え〜っとよ、何だ?そんなに珍しいもんかい俺は?
年頃の娘さんにそんな見つめられると、幾ら俺でもちょいと照れちまうわな?

【少女の視線に気づき】
【先の丸まった縞々の尻尾を振り、困ったような声を作りながらそんな言葉を発した】
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/21(金) 00:14:53.21 ID:r6TDCG6Y0
>>152
「んー……やっぱり、何か似てるような……?
でも、何か……うぅーん……?」

【そんな声を気にする事も無く、更に続く事数秒】
【――――やっと我に返ったのか、照れ笑いを浮かべながら視線を外して】


「いやぁ、ごめんごめん。ほら、ナンチャラマスク!って言う古い漫画を読んだばっかりでさー……
顔も似てるし、筋肉だって凄いし……あれ?でも流石に肉球は無かったかな……」

【少し概要を話すならば、某虎のマスクを被ったプロレスラーの話】
【「何だか似てるんだよねー」なんて暢気に呟けば、人差し指が肉球をぷにぷにと突っついて】
【一旦視線を外したかと思えば、今度は小首を傾げながら視線を送るのだろう】


「――――ああ、因みにボクは嬢ちゃんの方だよ?
ふふふ、下手に人の性別を間違っちゃったら叩かれても可笑しくないんだから、気を付けなよ
助けて貰ったお嬢ちゃんからの、余計なお節介だけどさ」

【まるで気にした様子も無く、それ所かまるで冗談でも言うかの様で】
【クロワッサンを二つ取り出したならば片方を差し出し、もう片方を頬張りながら言葉を続けるのだろう】


「所で……“姫さん”だっけ?
もしかして……何処かのお屋敷の、えっとー……執事さん、だっけ?
その関係のお仕事をしてるのかな?
それならさ、興味あるから色々聞いてみたいなって!」

【先程気になった単語。“姫さん”】
【その様な呼称をして居るとなれば、恐らくは上流階級なのだろうか。なんて勝手な妄想を膨らまして】
【何処かご機嫌に動く耳。「仕事の事を話してみてよ」なんて、実に自由奔放な言葉】
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/21(金) 00:38:33.91 ID:PVVOjQdZo
>>153

漫画、漫画ねぇ……うぅむ、悪いがヒト族の娯楽ってえのはよくわからねえんだわな
だがまあ、娯楽物の英雄にでも似てるってえなら光栄ってなもんだ

【少女に触れられている方とは別の手で】
【自身の顎の下に指を添えるような仕草を見せた】
【肉球は触られても特に抵抗はしない。表面はそれなりに固く、意外と神経は鈍感である】

おっと、悪ぃ悪ぃ!どうにもヒトの顔ってえのは区別が付きにくくてよ!
レディの性別間違えるなんざ確かに失礼極まりねえ、忠告確かに受け取ったー……っと。おお、おお、有り難く頂くぜ

【顎に添えていた方の手をフリーにして】
【少女から差し出されたクロワッサンを受け取ると】
【クンクンとニオイを嗅ぎ、表面を軽く齧り確かめた後口に放り込み咀嚼し始めた】
【生態系が猫科に近い原始的な獣人であるため】
【人間の食料には食べられないモノが多いため慎重な動きを見せるのであった】

むぐむぐ……んぐっ……俺ゃ別に嬢ちゃんの期待してるような格好いい身分じゃねえぜ?
姫さんってのはただ家で可愛い娘が待ってるってなだけの話でよ
昔は"導師"なんてぇ仕事で世界を回ってもいたが、今じゃすっかり引退して流浪の身だぜ

……最近流行ってる言葉だと何てぇんだ?"ふりぃたぁ"って奴か?
毎日毎日仕事を探して右往左往ってなもんだ!ヒト族の社会ってえのは相変わらず難しいわなぁ!

【イマイチ意味を理解して使っているのか微妙な語調で言葉を紡ぐ】
【少女の期待した姿とは真逆、恐ろしく庶民的な虎であった】
【巨躯で民族衣装に身を包み、長い杖を付きながらバイトを探す筋骨隆々の虎人】
【傍から見るとかなりシュールな絵面でもある】
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/21(金) 01:05:16.54 ID:r6TDCG6Y0
>>154
「ふふ、別に悪い事じゃ無いと思うよ?
人間の中にだって、ぜーんぜん遊びを知らない人だって沢山居るんだからさ。ボクの大事な友達にだって、何だかあんまり知らなそうな人が居るし……
……確かにまぁ、似てるんだけど……言って良いのかなぁ……最後、死んじゃうんだけどさ
ああ、だからってキミがそうなりそうだって訳じゃ無いよ?!寧ろ逆に車を吹き飛ばしちゃいそうだし!」

【何処か気まずそうに呟くのは、その漫画の主人公の最期】
【直ぐさま付け加えるのは、所詮其れは漫画のことだから。なんてフォローの言葉】
【……本当にフォローになっているのか、今一分かり辛いが】


「なら、宜しい!今度からは気を付けるよーに!……とか言ったら、ちょっと気取り過ぎちゃってるかな?
……そんな事しなくても毒なんか持って無いから大丈夫だよ
えっと……多分、猫?が食べちゃ行けない物も入ってないはずだし……」

【何処か自信なさげな言葉だけど、素材を確かめれば、頷いて】
【――――尤も、そんな事をせずとも嗅覚に長けているであろう彼ならば、食べても安全だと直ぐに分かるであろう】
【モグモグと咀嚼をしつつ、そして内心機期待に胸を膨らませつつ答えを待っていれば――――】


「…………へっ?ああ、姫さんってキミの娘の事だったのね
そう呼ぶから、てっきりお偉いところの人かと思ったよー……

それにキミなら、街中よりもこう……工事現場とか、港の方とかの方が直ぐにお仕事も出来ると思うけどねー……
……だけど、何か斬新だね。何と言うか……色々と

所で、導師って言ってたけど……元々はお坊さんか何かだったのかな?
んと……言っちゃ悪いけど……その状態で毛を剃ってたら色々と怖そうな気もする……かな……」

【思い描いていた事と違うと知れば、耳を寝かせて明らかに落胆した様子を見せるけれど――――元々、勝手に抱いた幻想である】
【所謂力仕事の方が直ぐに手を付けられるのでは無いだろうか。何て、的を射ているのか外しているのかよく分からないアドバイスも投げかけて】
【……興味は、嘗ての“導師”へと移ったのであろう】
【「どんな仕事だったの?」なんて言葉が、最後の最後に付け加えられて】
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/21(金) 01:06:50.73 ID:r6TDCG6Y0
>>154
「ふふ、別に悪い事じゃ無いと思うよ?
人間の中にだって、ぜーんぜん遊びを知らない人だって沢山居るんだからさ。ボクの大事な友達にだって、何だかあんまり知らなそうな人が居るし……
……確かにまぁ、似てるんだけど……言って良いのかなぁ……最後、死んじゃうんだけどさ
ああ、だからってキミがそうなりそうだって訳じゃ無いよ?!寧ろ逆に車を吹き飛ばしちゃいそうだし!」

【何処か気まずそうに呟くのは、その漫画の主人公の最期】
【直ぐさま付け加えるのは、所詮其れは漫画のことだから。なんてフォローの言葉】
【……本当にフォローになっているのか、今一分かり辛いが】


「なら、宜しい!今度からは気を付けるよーに!……とか言ったら、ちょっと気取り過ぎちゃってるかな?
……そんな事しなくても毒なんか持って無いから大丈夫だよ
えっと……多分、猫?が食べちゃ行けない物も入ってないはずだし……」

【何処か自信なさげな言葉だけど、素材を確かめれば、頷いて】
【――――尤も、そんな事をせずとも嗅覚に長けているであろう彼ならば、食べても安全だと直ぐに分かるであろう】
【モグモグと咀嚼をしつつ、そして内心機期待に胸を膨らませつつ答えを待っていれば――――】


「…………へっ?ああ、姫さんってキミの娘の事だったのね
そう呼ぶから、てっきりお偉いところの人かと思ったよー……

それにキミなら、街中よりもこう……工事現場とか、港の方とかの方が直ぐにお仕事も出来ると思うけどねー……
……だけど、何か斬新だね。何と言うか……色々と

所で、導師って言ってたけど……元々はお坊さんか何かだったのかな?
んと……言っちゃ悪いけど……その状態で毛を剃ってたら色々と怖そうな気もする……かな……」

【思い描いていた事と違うと知れば、耳を寝かせて明らかに落胆した様子を見せるけれど――――元々、勝手に抱いた幻想である】
【所謂力仕事の方が直ぐに手を付けられるのでは無いだろうか。何て、的を射ているのか外しているのかよく分からないアドバイスも投げかけて】
【……興味は、嘗ての“導師”へと移ったのであろう】
【「どんな仕事だったの?」なんて言葉が、最後の最後に付け加えられて】
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/21(金) 01:35:02.94 ID:PVVOjQdZo
>>155

目に入れても痛くねえ、一人だけの可愛い娘だからよ
それらしい名前で呼んでやりたくなっちまうんだわなぁ!
周りにとっちゃあただの娘っ子でも、俺にとっちゃ一国の姫様ってなもんよ!

【娘について語るときはどことなく嬉しそうな雰囲気が滲んでいる】
【見かけによらず全く以て子煩悩な爺さんである】

ふぅむ、工事現場は俺向きといえば俺向きなんだがよ
……どうにも最後まで、体力がもたねえのが難点か?
老骨にゃあ、中々厳しい仕事だぜありゃあ。

裏技もあるがよ、あんまりこういう事にゃ多用したくねえしな。
これ以上"信仰"無くしちまったら大変ってなもんだ

【杖に触れて、トントン……と軽く地面を突く仕草を見せながらそう言葉を続けた】
【高翌齢であることもあって中々楽ではなさそうである】

ヒト族のお坊さんとはまた違うぜ?
いや、近いといやまあ同じ宗教畑なんだが

"自然崇拝"の一派でよ……母なる大地を敬い、大地の子として秩序を護り豊穣を産む
今じゃもう、伝える人間も一握りしかいねえ古い古い神官ってえところか?
地脈龍脈を正し、穢れを祓い、大地への感謝と信仰を世に広める……

……言葉にすると判りにくいかもしれねえが
そうやって世界を回ってたような若い頃もあったって訳さ
長々と語ってもいいが、どうにも平坦で面白い話にならねえのが難点だわな!
もうちょい冒険譚にでも出来る旅なら面白可笑しく語れたんだがよ

【こういった説明は苦手なのか】
【微妙に分かるような分からないような語りである】

――とまぁ、爺さんの昔話はこんな所でいいんじゃねえか?
そろそろ嬢ちゃんの話でも聞かせて欲しいぜ

こんな一杯のパン、一人で食える量じゃあるめえよ
意外と十人兄弟のお姉ちゃんだったりでもすんのかい?

【虎人は、自身の話題から少女への話へシフトさせようとする】
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/21(金) 02:05:38.78 ID:r6TDCG6Y0
>>157

「信仰……?
ああ、なる程……確かに獣人らしい“伝導”だね
って言っちゃったら、ボクも同じ獣人なんだからなんだか可笑しいけど……
何だか、ちょっと聞いただけでも壮大な話に思えたけどさ……」

【自分も嘗ては森の中に過ごしていた身】
【故に、全てとは行かずとも頭の方は理解出来たのであろうか】
【――――何処か共感できるような所があったからこそ、真剣味が増していたのかも知れないが】


「へっ?えー……今からどんどんファンタジックになると思って期待してたのにー……
それにほら、お爺ちゃんの話っていうのも貴重でしょっ!無理に、とは言わないけどさ……

兄弟かー……ふふ。そうだったら良かったんだけどね
ボクはこう見えても一応UNITEDTRIGGERの一人だからさ
美味しいパン屋を見つけたから、みんなで食べようかなって思って
……どうせなら、一人で食べるよりもみんなで食べた方が――――」

【その言葉、言い終わらぬ内に一匹の子犬が少女のローブを引っ張って】
【其れを機とすれば、少女の表情も一変。何処か慌てた様な顔を覗かせれば、立ち上がるのだろう】


「こ、子犬達にあげるの忘れてた!!
ごめん!ちょっと急いであげてくるね!
えっと、ちゃんとしたお礼はまた今度会えた時にさせてねー!」

【忙しなくパタパタと手を振れば、その場から走り去っていくのだろう】
【抱きかかえられた子犬の尻尾と、抱きかかえる少女の尻尾。同じタイミングで 左右に振られて居るのは――――何とも奇妙な事か】

/申し訳ないです……!
/今日は早朝起きですのでこれにて……!
/お相手、有り難う御座いましたですよ!お休みなさいませ―!
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/21(金) 02:39:37.63 ID:PVVOjQdZo
>>158

……自然で暮らす獣人族からすりゃ確かに"らしい"かもしれねえな
基本的に信仰対象は架空の神様よりも、身近な自然物がなりやすいんじゃねえかと思うぜ
巨大な樹や岩であったり、珍しいところじゃ龍の骨なんてものを神様にしちまう集落もあったな

目に見えて触れられる対象なだけによ、ちょいとばかり壮大に思えちまうかもしれねえな
お空の神様なんて話になると大きすぎて想像も出来やしねえぜ

【旅の中であった様々な民族のことを思い出しながらも】
【空へと視線を向けて仰ぎ見た】

おお?珍しいもんだ
若ぇのは爺さんの長話なんてのは嫌がるもんだと思ってたんだがよ
古臭い話で退屈じゃなけりゃあ、また機会でも見て語ってやるぜ!

となりゃあ俺もちょいとは話考えておかねえとな……うむうむ

【そこで虎人は自身の話題を切り】

ほほう、UNITEDTRIGGER――最近よ〜く聞く名前じゃねえか!
ただのお嬢ちゃんと思ってたら驚いたぜこりゃ!
俺も一市民として、お前さんらに何か協力できりゃあと常々思ってはいるんだが……

【少女の所属を聞いて、予想外だったのか目をパチクリと動かす】
【組織に対しては概ね好意的な印象を持っているようで】
【感心したような雰囲気で彼女の顔を見やり】

……っと、おぉ!?
お、おう!そいつは大変だな!
よくわからねえが、また次の機会を期待してるぜ!

【慌ただしく去っていこうとする少女に、反応が遅れて虎人は少し驚きつつも】
【去っていくその背と尻尾をベンチに座ったまま見送った】


……あ、名前聞くの忘れちまったな。
どうにも最近物忘れが増えちまっていけねえやな

何にせよ、散歩はこの辺でいいだろう。今日は帰って寝るとしようかね

【虎人は大欠伸をしながら杖を手に取ると、ベンチから立ち上がり街から去っていった】

/お疲れ様でしたー!
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/06/21(金) 20:55:16.95 ID:tOUTmwvyo

【中規模程度の大きさを持つ公園】
【元気な子供たちの声がそこら中から聞こえてくる中】
【浮いた行動をしている人物がひとり】

やっ!とりゃっ!ほっ!

【間の抜けた掛け声を上げているのは1人の若い女性】
【灰色の瞳に、セミロングの金髪】
【シルバーグレーの作業着の上下に白衣を羽織り、黒いワークブーツを履いており】
【女性の近くにあるベンチには、持ち物と思われる小さなリュックと、黒いタブレットが置かれている】

とうっ!ていっ!

【そして先ほどからの掛け声とともに振るっているのは、細長い木材である】
【何の変哲もない、その辺の店で日曜大工用の素材として売っているような木材を剣のように振るっているのだ】
【その構えは素人そのもので、プロどころか、一般人から見てもかなり滑稽な動きである】
【近くの子供が女性を指さし笑い、母親が慌てて注意するということが何回か繰り返されていた】

ふう、まだまだ、こんなものじゃあ危険な「能力者」から身を守れませんね……
もっとスピード感とパワーを……そりゃっっ!!

【彼女の独り言から察するに、本人は戦いの訓練のつもりでやっているようだが】
【戦闘訓練よりもよくわからないダンスの練習だと思う人の方が多いかもしれない】
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/21(金) 22:55:34.83 ID:r6TDCG6Y0

【櫻の国――――ひっそりと静まりかえった城下町】
【そこを徘徊するのは一匹の妖怪であって】
【山伏の服装に、腰に提げたのは天狗の面と一振りの太刀】
【手には六尺棒を持っているのだが――――何よりも目を引くのは、背中に生える漆黒の翼か】
【烏天狗と呼ばれる一妖怪。少女と間違われても可笑しくない少年は、今宵酒を片手に、気ままに散歩をして】


「ここもすっかり寂しくなっちゃったねぇー……
昔は妖怪も人間も一緒に住んでた筈なんだけど」

【もう、ずっと昔の事。人間と妖怪が此処で仲良く暮らしていた時の事】
【その時の光景を思い浮かべれば、ハハハ――――と小さく笑って】
【――――やがて吐くのは溜息。ポリポリと頭を?けば、その場で立ち止まって酒を呷り】


「昔は……ねぇ。拙(ぼく)がもっと小さかった頃の話だからもうあんまり覚えてないけど
――――楽しかった……かなぁ」

【そんな呟きも、やがては闇夜の中へと溶け込んでいってしまって】
【ポツンと取り残された様にも見える子供の姿】
【けれども、纏う妖気は完全に人とは異なった種族という事を感じ取らせて】
【さて――――その妖気を辿って現れる物好きは居るのだろうか】






【未だ賑やかさに包まれた街の一角】
【手でカメラの形を象れば、其れをどこそこ構わずに向ける女性、或いは少女と呼べる姿があって】
【ポケットから取り出す小さなフィルム。奇しくも其処には先程指で象ったカメラの中の光景が映り込んでいて】
【満足の行く一枚だったのだろうか。頷けば、再びポケットへと収めて、視線は辺りへと巡らされる】


「それにしても……昨日も今日もずっと賑やかですねぇ、この街は
……まあ、賑やかで居てくれた方が私も見つかる確率が低くなって丁度良いのですけど」

【纏うのは、何処かの制服であろうか】
【物珍しげに四方八方へと向ける視線は、この人混みの中でも一際目立つ存在で】
【――――あっちへフラフラ、こっちへフラフラ】
【自分本位でしか巡らせない視線。誰かにぶつかってしまうのは、きっとそう遠くない未来の話】
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/06/22(土) 20:27:08.16 ID:Iv8m3OSJo
【UNITEDTRIGGER事務所に近い草原――とある岩陰】
【そこに座っているのは、二つの影】
【だが――その内の一つの影は、もう一つの影の腹部に……まるで水に浸かるかの様に、顔を突っ込んでいた、明らかに内部に入っていた】
【突っ込まれている方に怪我は無く、むしろその方から突っ込ませているようだった】

「……どォーだ、相棒、……取れそうか?」 『無理ダナ、完全ニ一体化シテル』
「やっぱりな……」

【まず、顔を突っ込まれている方の影、それはぱっと見三白眼の強面で、約190cmで細いが引き締まった体型で30代後半の男だ】
【一重かつ褐色虹彩で、髪型は整っていないリーゼントもどき、姿勢はやや猫背気味】
【やや派手目の金色模様がある黒いコートに、エメラルドグリーンで波のような模様のあるシャツ、紺色のジーパン、白い靴下】
【改造されたベルトにより左腰に差された木刀、左手首には腕輪のように鈴が身につけられている】

【そして顔を突っ込んでいた方の影、それは額に竜のような鰭を1つ持った鱸の頭に、海水を主としたゲル状の物で出来た人の様な姿を持つモノ】
【手の甲や背には魚の背鰭が、踵上部には魚の鰭が、尻には魚の尾があり】
【頭部や尾、鰭の断面は虚空の様に見え、ゲル状の物がそこから出ていて――生えていると言った方が適切か】

【人のような何か――相棒と呼ばれたそれは、腹部から出てくると男と会話を始めて】
【傍から見れば色々異常なこの光景、果たして訪れるものはいかなるものだろうか】
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/06/22(土) 22:06:42.70 ID:Iv8m3OSJo
>>162
/多分日付変わる頃まではいます、キャラ変更も受け付けておりますん
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/22(土) 22:20:09.72 ID:Q3fiPPrZo
【どこかの郊外 潰れたドライブイン】

【明るい夜に一本の道だけが続いている】
【伸びるヘッドライトの明かりを自らのタイヤで踏みつける。】
【ここは一体どこなんだ?何処でもいいし何処でもある。知りたくもない】
【近くの街から数時間、只々バイクのアクセルをひねり続けている】

【男はヘルメットをしていない。それどころか夜中にサングラスをかけて飛ばしている】
【目はつぶったままだ。そうすると気分が良い、悪くないスリルだ】

【スロットルを落としながら、ハンドルを切ってバイクは潰れたドライブインに入る】
【昔はドライブの目的地だったんだろうか。広々とした駐車場。大きな看板はドライブイン・シアターの跡】
【サービスエリアは疾うの昔に閉められて、今はかろうじていくつかの街灯と自販機が3つあるのみ】

【男はバイクを降りて、キーをダークブルーのスーツのポケットに滑りこませ】
【カツカツとシアターの跡の方へ歩いて行く】

【ここには何もない。見渡す限り景色もとことん何処までも何もない。】
【だけど、それこそが唯一無二の存在なんだ素晴らしい景色だ】

【安い紙巻の煙草に火をつけながらそんな感想をいつも思う】
【ビールがあればなお良い。が酔ってこんなトコロから帰れる自身はない】

いや…夏だし、そろそろいけるんじゃねえの?
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 00:30:31.65 ID:szYaoQQr0
【ひっそりと静まりかえった街の中。辺りをキョロキョロと見回しながら歩く姿が一つあって】
【見れば、巫女装束を纏った巫女。自信なさげな表情で歩く様は、何処か異様だけれど】
【――――何よりも存在を際立たせているのは、微かな妖気。敏感な者であれば“妖狐”の其れと直ぐに分かるであろうか】


「…………えっと……ここだと……聞いたのですが……
やっぱり……何処かで擦れ違いをしてしまったのでしょうか……」

【何処か暗い声色。落ち込んだような表情は、その言葉の意味を知るには十分か】
【「何処に居るのでしょうか。お姉ちゃん……」小さな呟き。探し人の相手は、どうやら姉のようで】
【困った様に眉を八の字にすれば、立ち止まって溜息を吐くのだろう】


「また、探し直さなきゃ……いけませんね……
早く見つかればいいのですが……」

【――――身近に置かれていたベンチへ腰を掛ければ、溜息と共に夜空を見上げて】
【その気配の事もあるけれど、何より人っ子一人居ない街中に巫女が佇んでいるとなれば、それはきっと通りかかった人の注意を引くには十分で】







【森の中に存在する廃れた教会】
【紡がれるアリア。月光に照らされ、静かに存在するその建物はそんな様になっても何処か威厳を感じさせて】
【もし、興味を抱いて中へと入ったのならば、丁度視界には割れたステンドグラスが映るだろうか】


「――――――。…………?」

【丁度、詠唱が終わった頃】
【不意に差す月明かりの眩しさに目を細めれば、訪問者の姿を伺おうとするのだけれど】
【未だ月光に目が慣れていないのか、眩しそうにしていて】


「こんばんは……旅の方、でしょうか?
ええっと…………」

【代わりに首を傾げれば、それは「目的」或いは「知りあいかどうか」を訊ねている様にも見えるだろうか】
【艶の有る銀色の髪は月の光を鋭く反射させているけれど】
【それとは対照的に、修道女は何処か柔和な笑みを浮かべていて】




【森の中に在る、廃れた教会――――】
【その前でウロウロとしている一つの影】
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 01:00:43.71 ID:VfKkgyBd0
>>165

【踏みつけられた枯れ枝のぱきり爆ぜる音、風に鳴く葉擦れの音、どこか遠くの鳥の声】
【本来ならば明かりのひとつふたつ必要だろう場は、けれど、迷うことの無い程度の明るさを保っていて】
【――ついと瞳が見上げる先には数え切れぬ葉たちのブラインド、その向こう側には、いつもよりも少しだけ大きな満月】

【こん、と。軽やかに叩いてみるのはノックと呼ぶには少々か弱く、けれど気付いてもらえたならば僥倖とばかり】
【開かれた戸の向こう側に立つ人影――145センチの体躯は、こんな時間に出歩くようには見えないぐらい、幼くて】
【けれど、相手の身長も年齢も立場も何にも気にしないように鋭く尖る眼光は。なんだか、おかしさを納得させてくれるかのよう】

ごきげんよう。お生憎様、物好きめいた旅人でもなんでもないけれど――

【さらと連ねていく言葉はともかく、その声に聞き覚えは無いと断言できた】
【どこか掠れて瑞々しさを喪った少女の声音、どこか古びた本にも似るようで――】

――メイドルックなキミの自称ご友人様からね。頼まれたものだから

【いきなり現れて。その理由を語るのだっていきなりで。手に持つそれを示すのだって、まあいきなりだ】
【差し出すもの――胸に抱いてちょうどいいほどのバスケット。何種類かのパンと、小さめの瓶の葡萄酒と、詰まっていて】

【――月光に透けるような金髪、ところどころにピンク色の混ざりこむ色合いは、毛先のほうでくると巻いていて】
【幼さがいくらも残る顔は、或いは勘違いされそうなぐらいに鋭さのある造形――ぱちと瞬いたなら】
【フードの付いた白いケープと、足元まで裾の下りる長袖のワンピース。そちらもまた、白く】
【体型を晒すことを嫌ったような布地の多さ――ちまと覗く足先は、どうやらブーツか何かのよう、それだけが黒く】
【何にせよ――どう見ても成人なんてしておらず、よく見なくとも、14かそこいらに見える少女なのだから、】

【――赤ずきんちゃんと呼ぶには白すぎた。お使いを頼んだのも、母では無いようだし、目当てはお婆さんとは違うらしい】
【怪しいといえば怪しいけれど。鋭いばっかりの視線に殺意敵意の類は窺えず、ついと首傾げて見るのもまあ年相応の挙動】
【信心深いわけでもない。宿が欲しいわけでもない。あなたに用があるの――言っていることは、きっとこんな風】
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 01:25:00.42 ID:szYaoQQr0
>>166
【やっと目が慣れてきたならば、その通りの姿にきょとん、とした表情を浮かべて】
【幼子が教会に訪れる事は、そう珍しくも無い話。けれど――――それは、普通の場所に建っていたならばの話】
【時間も時間。女性の中ではイレギュラーとでも呼べる事態だけれど、それでも警戒の色は無く】


「はい、こんばんは――――
この場所は訪れる方を拒む様な事はありません……けれど……」

【一晩を過ごす場所が欲しいならば無償で提供して、食料が水が欲しければ見返りを求めることも無く提供する】
【例え悪人であろうとも、助けを求めているならば受け入れてしまうような、そんな“甘い”場所】
【――――だが、目前の少女が“其れ等”とは異なっている事を察すれば、今一度首を傾げて】


「メイド……嗚呼、エリー……いえ、エリザベスの事ですね
ふふ。どんな頼まれ事なのかは分かりませんが、態々こんな所まで足を運んで下さるなんて有り難う御座います」

【続いて、友人の話が出て――――頼まれ事だ。との言葉を聞けば、朗らかに微笑むのだろう】
【差し出されたバスケット。パチクリと目を瞬かせるけれど、恐らくはコレが頼み事なのだろうと問う事も無く解して】
【その中に目を落としたならば、もう一度パチパチと瞬かせた】


「えっと……パンに葡萄酒、ですか……?
エリー……エリザベスがコレを――と言っていたのでしょうか?そうだとしたならば、何故…………

……失礼しました。折角訪れてくれた方を蔑ろにして考え込んでしまうなんて失礼ですよね
こんな所まで来てお疲れでしょうから……もし良ければ、少しお休みしていきませんか?
そう、豪華なお持てなしが出来る訳でもありませんけれど……」

【思わず口にしたのは、コレを持ってきたその理由を問う様な言葉】
【――――ふと我に返れば、苦笑いと共に頭を一つ下げて、もし宜しければ。なんて提案】
【少女の歳にそぐわぬその視線。人の個性と言えば個性なのだけれど、やはり何処か引っ掛かるモノがあって】
【――――だけれど、それ以上に純粋に疲れを取って欲しい。なんて願いが含まれた言葉】

【少女が承諾したのならば、直ぐ近くの長椅子へと案内して、自身もその延長上に腰を落ち着かせるのだろう】
【外装、そして内装から分かるように、貧しい生活。それ故に、持て成しといった事は出来ないけれど。そう、申し訳なさそうに付け加えて】
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 02:02:03.95 ID:VfKkgyBd0
>>167

【ずっと中に居たのだろう修道女が月明かりに慣れるまでのしばし、きっと睨むよな視線はそちらを見据えたままで】
【――けれど。彼女がその明るさに慣れる頃合だろうか、気付けば鋭い視線もいくらか緩和されていて、それなら、】
【この月明かりの中を歩いてきた。そんな明るさからすれば、室内の暗さ――こちらもまた、慣れるのを待っていたらしいなどと、まあ、余談】

……ま、王道かつ妥当だろうと思ってね。予習と確認ついでに数冊引っくり返してみたけれど――。
ジャムだのバターだのパンでなくイチゴのケーキだのてんでバラバラなのだもの。シンプルイズベストとも言うのだし。
アルコールの有無には悩んだのだけれど……嫌いだったらコンポートにでもするといいよ。私はアレ嫌いだが……いや、

キミのことを心配しているようだったよ、あとは、まあ――……修道女と話したことが無いものだから。気になって。

【数冊と言うからには本、だろうか。連ねていく単語だって、思い出せるなら、赤い頭巾の子が持たされたものをなぞっている】
【ある種の冗談なのか、それとも本気なのか。そこばっかりがどうも分かりづらいけれど――考え込むのを見たなら、】
【そんな風に付け足す情報が一つ。続けたのは――寧ろ、そちらが彼女の用事で、本命のように思えたけれど、まあ】

もてなしなど要らんよ、あまり気を使われるのもね。
真夜中に無駄なカロリーを摂取する趣味もないことだし……ま、お気になさらず。
……ああ、でも、椅子はありがたくお借りしようかな。舗装されていない道は楽だけれど疲れるねえ――おじゃまします。

【外から見ても、内から見ても、察することの出来る懐事情――それ以前に、彼女はメイドの女性から聞いている】
【あっさりと要らないと拒否したのはそんな理由もあるし、言葉通りの理由もある。出されて茶程度でいいと思うのは、本心であって】
【それでも椅子はありがたくいただくよう。招かれたままにふらと立ち入ったなら、視線は教会の内を一巡】
【それを終えたなら、示される椅子にそうと腰掛けて。差し出した籠が未だに手の内なら、そちらの方へ置くのだろう】

【何が好みなのか分からなかった故に数種類詰めてみたパン、きちんと未開封の葡萄酒、どちらも高価いモノではないけれど】
【とりあえずパンについては自分の好きな店。葡萄酒は――味見出来ない故に、それこそ適当だったけれど、そんな選択理由】
【持って行く以上は喜んでもらえたら、なんて思う瞳がじぃと向けられて。「如何?」なんて尋ねる風、首が傾げられた】
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 02:34:20.09 ID:szYaoQQr0
>>168
「ふふ、そうですね……主が多くの人々に分け与えるために少しのパンを千切れば、籠一杯に余る程になって
祝いの席では水が葡萄酒になって……洗礼では、今もパンと葡萄酒を用いる。と聞いていますから……
コンポートにはしませんよ。折角頂いたお気持ち、そのまま頂かせてもらいますね

エリザベスが心配を……ですか? とても嬉しいのです、が。私の心配よりも、エリザベス自身の心配をして下さった方が更に嬉しいのですけれど……
そう、気にする程でもありませんよ。修道女とは言えど、私も一人の人間に変わりはありませんから……。けれど、私で探求心が満たされるのでしたら、何でもお聞き下さい」

【少女の言葉によって、頭の引き出しから取り出されたのは聖書の場面】
【多くの飢えた人に食料を与えるために、たった数個のパンを腹が満たすまで与えた奇跡。祝いの席で、水を葡萄酒へと変えた奇跡】
【童話では無く、真っ先にその話が浮かんだ事は、修道女らしいと言えばらしいか】
【“聞いている”との言葉。こんな所に教会を持つ位であるが故、外との交流は殆ど無い。だから、断定系では無くて】
【――――好意で貰った物を、別な形に変えるわけにはいかない。何処か嬉しそうに呟けば、大切そうに抱いて】

【私の心配よりも、自分の身体の心配をして欲しい。この場に居ない友人に向けて呟くけれど、其れが本人に届くはずも無く】
【自分も他の人間とそう変わらない存在だけれど。そう付け加えた後に、何か聞きたい事があれば何でもどうぞ。なんて付け加えるけれど】
【じっと仕草を見ていた故に察して放った言葉なのか、それは分からないが】


「そう言って頂けるならば、私としても助かります
頂いた物を出しても、送って下さった方に其れを出す事をお持てなしと言えるのかは微妙な所でしたから……
私としては、舗装された道の方が疲れてしまうのですよね……
舗装された道は、息苦しく感じてしまって――――
す、すいません……柔らかなパンを頂くのなんて、本当に久しぶりで、つい……」

【眉を八の字にすれば、小さな苦笑を漏らし】
【近くに腰を落としたならば、声こそは少女へと向けているのだけれど、視線は膝。即ちバスケットの中へと落とされていて】
【伺うかのような視線に気付いたのは、少し後の事。“嬉しさ”に頬を緩ませていた事を恥じらうかのように朱に染まれば、小さな声で謝罪】
【流石に礼拝で用いる物は手入れされているけれど、それ以外の内装は見ての通りの具合】
【そうなれば、食事だって非常に質素な物で――――だから、ついつい美味しそうな其れ等へと視線が向かってしまったことか】
【傾げられた頚には、小さな首肯を返事として】
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 03:16:13.32 ID:VfKkgyBd0
>>169

【聖書は読んだことがある。パンと葡萄酒が意味を持つことも知っていた。――ただし、その話はすぐに出てこない】
【それを紡いで見せたなら、やはり眼前の女性は修道女で。ここは教会で。そう、改めて認識しなおす、刹那】
【そんな意識の差が少しだけ面白くて。表情が緩むこと、気付けるだろうか――?】

そう、なら良かった。下戸に酒くれてやるのも嫌がらせ染みてるかとね……少しばかし気にしたのだけれど。
かといって、ノンアルコールと揃えるだけの財布の余裕も無いわけだし――まあ、喜んでもらえたなら。

根掘り葉掘りするのは趣味じゃなくてね、それに、あんまり聞いて意識されてもね。答えが歪む。
いつもと同じようにしていてもらって構わないよ、別に取材でも何でもないのだから。ねぇ?

【年功序列なんてなんとやら、きっと年上だろう修道女にだって、こんな口ぶりなのに】
【それでもそんなところを気にする程度の一般教養ぐらいなら持ち合わせているらしい、――動かした足元、ヒールがこつと鳴いて】
【そちらに向けた視線、一度その姿を改めて全部見つめてみたけれど……あまり突っ込んでみるのも、好まないらしい】
【好きにすればいいよなんて丸投げにも似て――ただ、がっちりと観察されるのと比べれば、気楽だろうか】

……ま、後はね。舗装されていないほうが好きだよ、舗装されていると全国津々浦々同じ道になってしまうだろう?
個性がないと言うのかね、つまらんよ――それに地面が窒息しそうで嫌だ。
コンクリなんて剥がしてしまえばいい、硬いばっかりじゃないか……。

――なに、構わんよ。何なら横で食事されてても構わないけれど……それならジャムでも持って来るべきだったかね。
毎度毎度使い切らないものだから思いつきもしなくてね――悪いね、惣菜パンの類は日持ちしないものだから。……

【コンクリートの道は画一的で息苦しくて。だから嫌いなんて、紡ぐなら、拗ねたよな表情が僅かに強くなる】
【ならば、そうでない道を好むのは。個性的で、のびのびしていて、――きっと、そんなところなのだろう】
【それでいて森の中を歩いてきて疲れたとか言うのだから、少々我侭。……まあ、本気で嫌っているわけでもないのだろうけれど】

【――バスケットに滑り落ちる視線、瞳がきらきらしている気がしたのは、……気のせい?】
【そんな表情を見たなら、小さく吐息を紡ぐけれど。別段責めるでもなく、食べていてもいいなんて、( ゚д゚ )彡紡ぐ】
【少しだけ黙りこむ間。何かを考えるようでも、思い出すようでも、どちらにも見えて――】

……ああ、今時期ならヤマモモ辺りが熟れているかな。アレは生食以外にもジャムにしたはずだけれど。

【――やがて口を開いたなら、そんなこと。ジャムが無いなら作ればいいじゃない――というわけでも、きっとなく】
【持ってきたのはパンと葡萄酒だけ。それだけで食事しようと思うなら――味の無さ、容易に想像できてしまうから】
【視覚的にも味覚的にも彩りをと考えた結果に思い出したことがこれ――、少しだけ、ずれているような気もしたけれど】
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 03:49:05.25 ID:szYaoQQr0
>>170
「いえいえ、例え私が飲めなくても、そのお心遣いはしっかりと頂けます
品も確かに大切ですけれど……それよりも、下さった方の心を大切にしたい……と、思っていますから

そう、ですか……確かに、改めて聞かれたならば、普段の私とはまた異なった答えを出してしまいそうですが……
所で、何か変な事を口走ってしまったでしょうか……?」

【今の世の中、お歳暮やら何やら、どちらかと言えばその品の方を気にしてしまうけれど】
【そんな事よりも、送ってくれる人の心の方を大切にしたい――――それはきっと、ちょっと年寄り染みた考えにも思えるか】
【まあ、美味しそうなパンに落とす視線を見れば、ちょっと説得力を感じられないけど】

【普段の“私”も聖職者としての“私”も、この女性の場合は何ら変わりは無いが、本人にその自覚が無いのは仕方の無い事か】
【懺悔を聞いたり、普通にお話ししたり――――何よりも、仏頂面の友人を持つ身ならば、表情の変化や瞳の色の具合には敏感なもので】
【少女は口に出さないけれど、もしかして自分は失態を犯してしまったのだろうか。そんな不安に駆られれば】
【少女の本当の心情を知る事も無く、何処か不安そうに言葉を発して】


「…………そうですよね。地面にだって私達と同じ様に歴史があって、そして意味があってその歪を作っていたのでしょうけれど
それを全て同じ物として埋めてしまうのは複雑に感じてしまいます
ただ、硬くなければ都市間を素早く移動出来ないのも確かですよ。きっと

――――いえいえ、本当にパンを下さっただけでもとても有り難くて……
ですが、折角訪れて下さった方の横で食べるというのは……そのぅ…………」

【同意見だ。と良いながらも、クスリと笑みながら最後の言葉は自分なりに置き換えて】
【訪問者の横で自分だけが食べるのは如何なものかと自身を戒めるけれど――――未だ夕食を食べていない空きっ腹に、香ばしい香りは残酷なもの】
【凛とした表情で制しようとしたけれど、腹の虫が鳴ってしまえば滑稽に映るだろうか】
【尻窄みになり行く声。赤面と共に、一つのパンを手にとって。頬張ったならば、美味しい。と、小さな呟き】


「それに……私は、其れその物の味を楽しむのがとても好きなのですよ
……ですが……山桃ですか……普段は山菜ばかりですから、時には果物も取ってみましょうか……

――――あ、申し遅れましたね。私のお友達とお話したのならば、もう聞いているかもしれませんけれど……
カログリア、と申します。宜しければ、お名前の方を教えて頂けませんか?
折角持ってきて頂けたのに、お名前を知らないままというのも失礼かと思いまして……」

【普段は山菜ばかり。その言葉だけで、何となく私生活を覗けようか】
【モシャモシャと食べていれば、不意に思い出した様に顔を上げて】
【食べかけのパンを置けば、両の手を膝に載せて己の名を告げるのだろう】
【ゆるりと傾げられた小首は、少女の名を促す意味もあったけれど――――】
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 04:11:33.47 ID:VfKkgyBd0
>>171

……変なこと? いや、別に、何も。言われた記憶は無いよ、ミジンコほども。
そういうのはたいてい言われた側ばっか1年も10年も90年も覚えているものだし……数秒で忘れはせんだろね。

【へんなこと。変なこと――? そんなこと言われただろうか、と。考えたなら、珍しく明確に不思議そな色が表情に混ざりこみ】
【思い返しても変なことは言われた記憶がない。とりあえず確実に言えるのは、不快に思った記憶もない】
【――ならば、紡ぐのは何でも無いと紡ぐ意味合いなのだけれど。少しだけ回りくどく、どこか性格を窺えるだろうか?】

いや、純粋に息が詰まるだろう。少なくとも私は肌にコンクリ塗られたら嫌だが……アルカリ性なんだったか。余計に嫌だな。
そんなに急ぐ意味があるのかとね。思ってしまうのだけれど――あるのだろうな、大人の事情はいつも分からんよ。

【この星が生まれてからの歴史とか。地面が過ごしてきた時間の流れとか。全て埋めつくしてしまう物悲しさとか――】
【そういうものも考えれば浮かんだりするけれど。ふと思いついたのはそんなことで、きっとそんなことは誰だって嫌だと思われる】
【都市間の移動――その速度は、きっと今の暮らしの基板の一部を担っていて。それは、その重要性はわかる、けれど】
【――大人のするこということが良く分からない。14かそこら、彼女の年齢で見ればままある、その現象】
【ならば健全な発達をしているとも見えた。膝に乗せた両手、きゅと布地を握り寄せるのが、手慰みに似る】
【(少しだけ、違う気もしたけれど。伏せる瞳の褪めた温度は、思春期とはどこか違ったようでもあって)】

【「かまわんよ」と言うのと、くるり鳴く音が聞こえるのは、きっと同じ頃合】
【ほらと後押しするように声を一つ連ねて。食べだしたなら、その口元、微かな笑み】

ああ、……まあアレはそのままでも食べられるから。見かけたら分けてもらえばいいよ。
ちょうど今の時期によく熟れているはずだから――私の記憶が正しければだがね。服に赤いシミつけて怒られたな、――

……――アンネリーゼ。好きに呼んでもらって構わないよ

【赤と黒の狭間に位置する果実の色合い。濃い緑色の中にぽつぽつ飾り立てたように綺麗なのは、甘くて美味しかった記憶がある】
【樹に登って。取って。一緒に食べて。――そんな風、記憶を巡らせて居たから。名乗る返答は、少しだけ遅れて】
【けれど名を尋ねられたと気付きさえすれば返事は早い。ただただ名前だけ告げる、単純なものだったけれど――】

/そして眠気がちょっぴりピークです……よろしければ、中断していただけないでしょうか、と……
/今日でしたら夜には待機出来るかと……
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 04:19:07.35 ID:szYaoQQr0
>>172
/こちらも睡魔さんが大分勢力を増してきたので丁度良かったでありまする……
/自分も、恐らくは夜10時辺りに待機可能かと思いまする……!
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 04:20:01.86 ID:VfKkgyBd0
>>173
/10時ごろ了解しましたー、その頃には確実に居られるかと思いますです
/今日のところはおつかれさまです、また明日よろしくお願いします!
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/06/23(日) 20:36:54.98 ID:a1IbtCmXo
【中規模程度の大きさを持つ公園】
【元気な子供たちの声がそこら中から聞こえてくる中】
【浮いた行動をしている人物がひとり】

やっ!とりゃっ!ほっ!

【間の抜けた掛け声を上げているのは1人の若い女性】
【灰色の瞳に、セミロングの金髪】
【シルバーグレーの作業着の上下に白衣を羽織り、黒いワークブーツを履いており】
【女性の近くにあるベンチには、持ち物と思われる小さなリュックと、黒いタブレットが置かれている】

とうっ!ていっ!

【そして先ほどからの掛け声とともに振るっているのは、細長い木材である】
【何の変哲もない、その辺の店で日曜大工用の素材として売っているような木材を剣のように振るっているのだ】
【その構えは素人そのもので、プロどころか、一般人から見てもかなり滑稽な動きである】
【近くの子供が女性を指さし笑い、母親が慌てて注意するということが何回か繰り返されていた】

ふう、まだまだ、こんなものじゃあ危険な「能力者」から身を守れませんね……
もっとスピード感とパワーを……そりゃっっ!!

【彼女の独り言から察するに、本人は戦いの訓練のつもりでやっているようだが】
【戦闘訓練よりもよくわからないダンスの練習だと思う人もいるかもしれない】
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/23(日) 20:47:34.20 ID:mBL478O0o
>>175

おお・・・・?
【公園 妙な動きの女性を見かけて立ち止まる影】

ええと、あれは・・・大道芸人!

【それは黄色のTシャツ、青いジーンズ】
【緑の髪、緑の目で、緑のコートを着た少女】
【見た目だけで判断すると年齢は13か14ほどか】
【右手と額に小さな火傷のような跡があるが、隠すつもりはないようだ】

【独り言を呟きながら踊る(?)彼女に心を惹かれ、後ろから近づいていく】

こんにちh―――
【その時】

(すこんっ!)

【無用心なことに、彼女の振っている木材が頭に当たってしまった】
【たまらず緑の少女は尻餅をつき、目を回してしまう】
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/06/23(日) 20:55:40.16 ID:a1IbtCmXo
>>176

【周りの目などは気にせず、無心で木材を振るい続ける】
【自分に興味を持ち近づいてくる少女がいることに気付くはずもなく――】

とうっ!

【木材を持つ両手に鈍い衝撃が走った】

あれっ?何かに当たって……
え!?

【目の前で尻餅をついた少女】
【状況的に自分がやったことは明白で】
【女性は慌てて少女に近づく】

す、すいません!つい戦闘訓練に夢中になって!
大丈夫ですか?意識ありますか!?私の声聞こえますか?

【少女の目を見ながら】
【必死に話しかける】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:09:00.80 ID:mBL478O0o
>>177

くうぅ・・・
【なんとか意識は残っているようだ】

聞こえてます、大丈夫です 痛あ・・・
【頭をさすりながら顔を上げ、女性を見る】
【すると】

あっ!

【何かに気づき、目を隠して顔を背ける】
【しばらくそのままでいたが、急に立ち上がると3歩ほど後ろに下がる】

・・・えと、お邪魔してすいませんでした!ごゆるりと続きをどうぞっ!

【女性の邪魔をしてしまったことを謝り、彼女の反応をうかがう】
【それは単純な申し訳なさの他にも理由があって】

(ばれてないかな・・・)

【女性が少女の目を見ていたというなら、気がついただろうか】
【目を回していた彼女の瞳は赤色をしていたのに、今は緑に変わっていることに】
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/06/23(日) 21:21:01.98 ID:a1IbtCmXo
>>178

【少女に大事は無かったようで】
【女性もほっと一安心するが】

ん?

【少女の顔を見たとき、何か違和感を覚え】
【その直後突然慌てて後ずさる少女を、当然ながら妙に思い】

いえいえ、すいませんでしたと謝るのはこちらのほうです
本当にすいませんでした

ところで……

【何か気づいたように女性の目の色が変わる】
【こちらは本当に色が変わったわけではなく、比喩だが】
【先ほどの心配するような目ではなく、少女を観察するような目で見つめた】

そんな瞳の色でしたっけ?先ほど近づいたときは赤かったような……
ええっと……お名前を聞いても?

【違和感の正体を指摘し、少女に名前をうかがう】
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:32:55.67 ID:mBL478O0o
>>179

はははー・・・

【女性に謝られ、気づかれていないかと少し安心したが】
【見るからに目力の変わった彼女にビクッとなる】

(うん、ばれてた!)

【HAHAHAだよねー、と心の中で肩をすくめる】

あー、えと、ベルテです ベルテ・クローロ。狼です

【女性の視線に若干怯えつつ、聞かれてない情報を合わせて答える】

お姉さんは怖い人ですか?悪魔ですか?

【どうにもじろじろ見られることに慣れていないのか、そわそわしながら質問を返す】
【悪魔という表現は決して女性に対する印象ではなく、少女が最近悪魔に出会ったから出た言葉である】


/すみません、10時ごろには離れなきゃいけないのですが、置きレス進行でもよろしいですか?
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/06/23(日) 21:46:18.55 ID:a1IbtCmXo
>>180

/了解です!返信は置きレスの方にしますね
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/23(日) 21:48:14.27 ID:W6V2Jcd/0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――夜の国 繁華街】

【混乱をきたした民衆が、我先にと人波を作り、ある一点から逃げようとしている】
【周辺に人気が無くなり、ぽっかりと空いたスペース。そこに、彼らをして必死に逃れようとする、1つの『災厄』の姿があった】

失敗だったわね、酒場を襲ったのは……どいつもこいつも血の気が濃すぎてるし、血もアルコール臭いのばっかり……
「……これを、食べたら、酔っちゃわない……?」
あんたの身体なら大丈夫でしょうけど……程々にしとくのが一番かもね
<…………>

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【一軒のバーカフェを襲い、店内で10名ほどの被害者の死体を切り刻んでいた】
【外からも様子のうかがえるウィンドウには、派手なアートの様な返り血が張り付いている】
【周辺のほとんどの人間が逃げ去った今、派手に血痕をぶちまけたウィンドウは、非常に目立つだろう】



【――――所変わって、水の国 公園】

……良い所があって、良かったぁ……
「(……確かに、屋根付きではあるけどよ……野宿ってのに変わりは無いんだからな?)」
<(季節がら、一応大丈夫だとは思うけど……寝冷えとか、気をつけなきゃダメよぉ……?)>

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【丸い筒状になっている遊具の中に身を縮めて、疲れた様なため息を吐いている】
【人目に付きにくく、閉ざされた空間であるそこは、一夜の雨露をしのぐには適した場所だったのである】

……中々、情報は集まらないね……
「(仕方ねぇ……こればっかりは気長に行くしかねぇだろ……)」
<(そうも言ってられないんだけどねぇ……妙案ってのは中々浮かぶものでもないわよねぇ……)>

【鼻先30cmほどの『天井』を見上げながら、少女はため息をこぼす】
【雨露をしのぐ事が出来るとは言え、一夜を過ごすには何とも侘しい空間である事に変わりは無いだろう】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 22:01:40.70 ID:szYaoQQr0
>>172
「えっと……本当に、本当に、ですか?
――――それならば、良かったのですが。その、少しだけ……口元が緩んでいた様に見えたので……」

【少女をじっと見据えるのは、冷たくも思える銀色の眼差し】
【剣や等といった鋭利な物のイメージ。奇しくも、悪魔やジンの苦手な物も銀と伝わっていて】
【別段、その年頃の少女ならば無邪気に笑うのは可笑しくないこと。けれど、目前の少女は何処か擦れた様にも思えたから】
【――――もし、少女に可笑しな事を言ってしまっていたならなんて、過ぎた心配。だけれど、その双眸は真剣で】


「ふふ、流石に其れは誰だって嫌がりますよ
…………けれど、考えてみれば、その誰だって嫌がる事をしているのですよね……
時はお金なり。何て言葉は強ち嘘ではありませんし……何よりも、人が助けを求めていたら、素早く駆けつけられるではありませんか」

【誰でも嫌がるであろう事。そんな事を改めて言われれば、クスクスと笑って】
【きっと、女性にはアルカリや酸やらがどんな効果を及ぼすか何て分からない。固まるだけだと思っているから、楽観しているのだろう】
【――――ふと、自分の言葉を思い返した見たならば、例え話したり動いたり出来ずとも、草だって生きている。其れを埋め立てて流し込むなんて、“嫌がる事”で無いのか】
【……そんな考えも小さなかぶりと共に払えば、修道女らしさの含まれる、“大人の事情”】
【大人とは言っても、まだ17、18程度の様だけれど――――】


「んぐ…………見掛けたら、そうですね……
それにしても、アンネ……リーゼは、私よりも幼く見えるのに、とても博識なのですね
私なんか、恥ずかしい話ですが、知識は疎か今どんな事件が起きているのかもわからなくて……
…………私に届けてくれたのはとても嬉しいのですが、この時間です……ご両親は心配しないでしょうか?

あ……後、エリーは、エリザベスは元気でしたか?何処も怪我をしていなかったら良いのですか……」

【小動物を思わせるかのように、少しずつ食みながら言葉を耳に通して】
【こんな辺鄙な場所に建てられた教会。新聞が無い事は疎か、人々の噂話だって耳に入らない】
【――――其れ故に、時の流れに取り残された様な場所でもあって】
【少女の口からスラスラと流れ出る知識には、さも感心した様子を見せ、対して自分の事を語る際には、赤面】
【怒られた。なんて言葉が耳を通ったならば、少女の両親の事を思って】

【――――続くのは、少女をここへ向けてくれた友人への問い】
【病気では無く、怪我を訊ねるのはちょっと可笑しな所だけれど】
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/23(日) 22:03:04.42 ID:mBL478O0o
>>181
/ありがとうございます
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 22:26:20.58 ID:VfKkgyBd0
>>183

【じぃと見つめられるなら、常は少しだけ逸らしがちな瞳、きちと見つめ返して、少しの間】
【人と見詰め合うことにあまり慣れていないなんて、余談でしかないのだけれど――】

……本当の本当に。不快に曝されてなお留まる理由なんて無いからね。
荷物は渡した、さっくりでも会話した、要件という要件はもう無いのだから――居座っているのもね、私の趣味でしかないのだよ。

【――それでも。人が嫌いなわけでないなら、そんな真剣な不安を掃ってやろうという気持ち、いくらか見せて】
【何もなかったと繰り返せば、それから僅かにズレる視線は、ただ、彼女に対するマイナスの感情を示すものではなくて】

……ま、ね。メリットが十分あるのは分かるのだし。オトナノジジョーに口出すつもりもねぇ……。
やれコンクリアルファルト全部引っぺがして変わりにコケでも植えろとか言い出したいわけでもないもの。
そっちのほうがいいと思うがね。コケは好きだよ、見ていて可愛らしいから――世話もまあ楽だし。

【緊急車両だとか。そういったことを考えるなら、やっぱり舗装は必要だとか、そう言うのは分かっていて】
【それに対してなんだかんだ言ってみるのは所詮暇つぶし以上の意味は持たないのだろう、態度はあまりにも適当過ぎる】
【ちゃっかり自分の好みを混ぜ込むことに対した意味は無い。ツリーに飾る変な飾りみたいな、賑やかし】

諸事情で本がたくさんあるのだよ、数えるのも面倒になるぐらいあるから、数えていないけれど――……。
家が図書館をしていてね、……ああ、もう公開はしていないよ、管理者不在。全て私の私物としていいんじゃないか。

……両親ねえ、私の夜間出歩きを嗜める権利など無いよ、そもそも知りすらしないのだもの。
サガシモノをしていてね、家を留守にしているものだから。まあ死んでこそ居ないのだろうけれど

【博識――勉強が好きで好きでたまらないというよりは、それぐらいしか遊ぶものが無かっただけ】
【無駄知識を誇るでもないなら、さもどうでも良さそうに紡ぐ言葉に、なんらかの感情は窺えず】
【――特に両親の話なんて、地面に落ちてる石ころについて語れと言われたらこんな声になるだろう、そんな風】
【自分の家、自分のこと、それ以上に薄い関心。視線がついと横へ寄せられて――】

ああ、私が知って居る限りには見当たらなかったな、服の下だとかになると分からないがね。

【――まだ、共通の友人について話すほうが関心強く見えるのだから、】
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/23(日) 22:52:09.01 ID:W6V2Jcd/0
/>>182取り消しで
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 22:58:11.62 ID:szYaoQQr0
>>185
「…………それなら、良いのですが
私としては、居座って頂いた方がとても嬉しいですよ?
何分、こんな場所にありますから……訪れてくれる方なんて、本当に一握りなのです」

【――――ふいとズラされた視線。けれどもまだ見つめて居て……自身も真剣な眼差しを膝へ落とし、言葉を返すのは少し後の事】
【訪れてくれる人がほんの一握り何て表現だけれど、実際は更に少ないのだろう】
【それでも、埃を被る事が無いのは、きっとこの女性の信仰深さの表れ】
【趣味で居座っていると言われれば、確かに唇を綻ばせて】


「苔が可愛らしい……ですか
私には、苔を見る度に何処か寂しい気がします
倒木にも生えて、ひっそりと打ち棄てられた家を覆って……全て緑に還してしまうのも良いのですが、存在も忘れられてしまうのはどうも、寂しくて
……ただ、確かに、ふわふわしてると言いますか……柔らかくて、手触りも優しいので好きですけれど……」

【何もかも、時が過ぎれば崩れていって、還って行って――――それが摂理なのだけれど、存在その物が無くなってしまうのはやはり何とも言えない寂しさ】
【何を残そうにもきっと全て還ってしまうから、そんな無力感も寂しくて】
【……ね?何て言葉と共に小首を傾げてみれば、或いは同意を求めているのだろうか】


「家が図書館、でしたか……道理で……
となると、ご両親が…………ああ、そういう事でしたか……不躾に、すいません
ですが、リーゼを置いて、図書館を閉館をしてまで探すことなのでしょうか」

【少女の親に対する言葉は、まるで他人事】
【内容を聞いたならば一人納得して、謝罪して――――また、紡いで】
【幼く見える少女の姿。そんな娘を置いて行く必要があるのだろうか。何て、疑問】
【視線だって言葉だって引っ掛かるけれど、今はその部分を突く事は無く】


「…………そうですか。でも、リーゼが見当たらなかったと言うのなら、きっと大丈夫ですね
何時か、再びエリザベスに会ったなら、無理をしないように。――と、伝えておいて頂けませんか
そう言ったって、彼女はきっと無茶をするのでしょうけれど」

【特に無さそうだ。と聞いたならば、安堵したような表情。続いて、お節介】
【態々少女に頼んでまでお説教染みた事をするのだから――――要らぬ世話、か】
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/23(日) 23:36:05.33 ID:VfKkgyBd0
>>187

……ま、あんまり遅くまでは居られないがね。
そうさな――……気が向いたらまた来るよ、近くを通った時にでも。

【「居座っていただいた方が」――言われた言葉、ただ、時間を思えば長居するのも、少しだけ気が引ける】
【相手だって夜は寝たいだろうし、自分だって――昼夜逆転めいた生活だって、そのうちには眠くなるのだから】
【長居はしないけれど、いつかまた来ると。紡ぐのは何の保障も出来ないような、口約束だけれど――】
【ファーストコンタクトを思えばずっと緩やかになった表情、嘘は吐いていないと、分かるはず】

ヘデラも好きだよ、……そうさな、家とか朽木を覆っているのを見るのが好きでね。
まあ寂しいというのも分かるよ、そのうちに何も無くなってしまうのだし――ああ、

【苔に、蔦に。好きだと紡ぐのはどこか退廃した廃墟を思わせるようなチョイス、好みを僅かに透かして見せて】
【寂しいのも分かる――というより、寂しいから好き、というのが理由になりそうな。くすと笑うよな吐息が洩れ出て、】
【――ふわふわして冷たい手触り、生えているのが日陰というのも、どこかまた、好きな理由の一つだとは言わないけれど】

故に本ばっかりはたくさんあるよ、活字に飢えることは少なくとも無いな――退屈にも溺れないで済むね。

……あの人たちには大事なのだよ、私にとってはそうでもないのだけれど。割れた鏡をね、治すの

【両親の居ない家、あるのは本ばっかりで、――家に一人、なのだろうか。同居人が居るらしき発言は、一度も無い】
【少しだけお行儀悪く椅子についた手、ぱたと一度床を蹴飛ばす足音がきっと室内にようく響いて、】
【真っ直ぐ前に伏せたままの瞳は足でも床でも他の何を見ているでもなく、空気中の原子でも見つめようとしているぐらい、ぼうとして】
【どーでもいいなんて風で言うけれど。その実、それ以上に絡まったような思考が一端見えても、全て辿れるほどでもない】
【「まあどうでもいいんだがね」――なんて。最終的には自分で言って、全て断ち切ろうとしてしまおうとした】

ま、出会えたらね。

【――間接的なお説教、伝言ゲームするほどでもないようだし、ならば、出会ったときにでも】
【いつかは未定でもいつか伝えると、適当なようにも聞こえる許諾の言葉、小さな頷きと一緒に、ほつと紡いだ】
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/24(月) 00:02:51.62 ID:O69EnaLE0
>>188
「その時は、歓迎させて頂きますね
どなたかが訪れている状況――――というのは、此処では希な事ですから……
――――お話をしたくても出来ず、人恋しい身。ですから、そう言って頂ければ嬉しいです」

【言葉だけの契り。疑う事を知らない様な女性は、微笑みながらこくりと頷いて】
【疑う事を知らない。何て言うけれど、少女の其れが嘘では無い事は確信できる】
【だから、最後の言葉を付け加えて、「待ってますよ?」冗談でも言うかの様な、そんな言葉】


「……櫻の国の言葉では諸行無常と言うのでしたでしょうか
私もあまり詳しくは調べていないので分かりませんが……リーゼは私よりもずっと大人びているのですね」

【自分には分かるような分からない様な、退廃的な風景】
【其れを良しと思えるが故に大人なのか、そんな事は分からないけれど】
【からかっている訳でも無く、自分とは異なった其れを持って居て――――だから、ずっと大人に見えて】


「活字に困らないのは羨ましいですね……此処には聖書と賛美歌。そして行商人の方から購入する本程度しか置かれていませんから……
それだけ多くの本があるのは、やっぱり羨ましいです

――――リーゼは……、……こほん。割れた鏡ですか?
普通の鏡ならば、割れてしまったならば手段も自然と限られてきてしまいそうですが……
……いえ、深く知ってしまおうとするのも悪い事ですね。何時か、リーゼが気紛れにお話ししたくなった時に、聞かせて下さい」

【食べる事にお金を回す余裕が無ければ、勿論娯楽に費やすお金も無い】
【活字には困らないとの言葉には、パンを囓りながらも羨望の眼差しを向けて】

【両親の話と、割れた鏡の話。勿論其れも気にはなったけれど――――何よりも、少女自身の事が気になって】
【確かに両親が居なければ、確かに心配される事は無いのだろう。否、家には少女以外誰も居ないから、心配され無いのか――――】
【悪い方向に考えが傾いて、つい口を滑らせそうになるけれど、咳払いで誤魔化してしまって】
【初対面なのに奥まで踏み込んでしまうのも気が引けたのだろう。少女の気が向いた時にでも、と言ってしまえば、またパンを囓って】
【――――その後に紡がれた「有り難う御座います」は、きっと伝言を受け取って貰った事に対するもの】
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/24(月) 00:21:01.01 ID:LLxJGaRv0
>>189

【「まあ、土産には期待しないように――」なんて、冗談めかした一文が付け足されるのだろう】
【――そういえば、先ほども。懐具合があんまり良くないこと、そっと口にしていた、ような気がした】
【両親が居ないということ、彼女自身に働いているよな素振りがまるで無いこと、……まあ、必然といえば必然なのか】

良かったら……いつか、来ればいいよ。読んでもらえないというのもかわいそうだからね。
なるべく読んでやろうと思いはするのだがね、如何せん、同時進行で本を読むよな技術は無いものだから……。

【羨ましい。どうせ貸しても貸しても尽きぬ程度に本はあるのだし、ならば、】
【来ればいいなんて遠まわしの言葉、貸すから――ときっとそんな意味、そっと抱いて】
【読むために書かれた子たち、役割を全うさせてやりたいと思えど、一人だけなら、幾分かの無理もある】
【――たった一人で運営しようとするよな気概は無い、ただ、個人的に貸したりする程度なら、断る意味も無く】

少なくとも普通に治せるものじゃあ無かろうねえ、まあ無理として見ているが。
誰も居ないと楽でいいよ、賑やかなのはあんまり好まないのだし。本が読めない

【そうまでして修復したいというなら、彼女の両親にとってはよほど大事なものなのだろうか】
【けれど、娘はその価値をどうでもいいふりをして、石ころみたいに軽いよなふりをして、扱っていて】
【楽で――なんて紡ぐ言葉、どれぐらいが嘘でどれぐらいが本当なのかすら、濁された本心は窺えなくて――】

【――ついと視線が逸れるのは、そのままこれ以上の言及を拒むようにも似て、ならば、今日この場で語られることはもう無い】
【膝上に戻した両手、布地を手繰るでも弄ぶでもなく、しんと沈黙をいくつか重ねた頃合、立ち上がるのはあまりにも急すぎて】

まあ……、……じゃあ、そろそろ私は帰ろうかね、ほぼ満月とは言え、夜は夜なのだし。
あんまり長居しても悪いしね、睡眠時間を圧迫してしまうのも。

【145センチの身長、故に立ち上がったとて、明確な圧迫感は与えないだろうけれど。じぃと見下ろす視線、ぱちと瞬きひとつ】
【逃げ出す――ようにも、或いは見えるのかもしれない。だって、そんな風に切り出すのは、あまりにも唐突で】
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/24(月) 00:39:55.57 ID:O69EnaLE0
>>190
「……其れでは、何時の日か是非立ち寄らせて頂きますね
きっと、その日にはお土産手も持って
あ――――ふふ、でも、お土産には期待しないで下さいね?」

【パッと表情を明るくしたならば、何処か嬉しそうに語って】
【自分の頬に手を添えて、思い出した様に言うのは、先程の少女の台詞と全く同じもの】
【笑いながら言う様は、年上の女性を演じている様にも思えて、ちょっと滑稽か】


「……私は、誰も居ないと寂しいですけれど……やっぱり、リーゼは強いのですね
確かに、本が読めないという事は分かりますが……それでも、人の居る暖かさというものは掛け替えのないものだと思います」

【果たして、少女が本心で言っているのか、それとも自身の心を嘘で固めた故の言葉なのか】
【分からない――――けど、ポツリと漏らされたのは孤独に対する、自分の言葉】
【同居人も居らず、ただひっそりと佇んだ此処。だから、寂しい】
【落とされていた視線。まるで少女の奥でも見透かそうとしていたのかもしれないけれど、外れれば自分もまた、逸らせて】


「ええ――――お気遣い、有り難う御座います
折角ですし、リーゼの家まで送っていきたいのですが……生憎、もう少しだけ仕事が残っているので……すいません
明るい道と言えど夜には変わりありませんから……どうか、お気を付けて
……次に会う時は、リーゼの家か、この教会か、それとも何処かのコンクリートの上か……それは分かりませんけれど、お元気で
……お品の方、大切にさせて頂きますね」

【同じくゆっくり立ち上がれば、今度は女性が柔らかな表情で見下ろして】
【仕事なんて、もう残っていない。だけれど、少女の言葉の裏の意味は、何となく分かったから】
【――――確かに一人で帰らせるのは危険かもしれないけれど、それよりも今の気持ちを尊重したかったのだろう】

【やがて扉の前まで移動したならば、その背が見えなくなるまで見送って――――】
【ギィ、と古い古い扉が閉まる音を最後に、教会は無音へと移ろったそうな】

/この辺りでしょうか……!
/お疲れ様でありました―!
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/24(月) 01:02:53.53 ID:LLxJGaRv0
>>191

【さて、どれだけ生意気ぶって見ても、立たれて、見下ろされてしまうなら、ただの低身長の少女以外の何でもない】
【じぃと見上げて見つめ返してみる瞳に、最初の頃の鋭さは薄れ――流石に、造形ばかりは変わらないけれど】
【細こい四肢だって、体だって、ただの大人になる前の刹那のかたちでしかなく――まだまだ、子ども】

……じゃ、また、いつか。

【それで居て15の実年齢めいた立ち振る舞いをしないのだから、そこばかりがやっぱり、違和感で、】
【月明かりの中にふらり零れた小さな背中、森の中に消えて――】


……――忘れて来た、な、

【――時間にして数分後のこと。いくらか歩んだ後、籠を渡したきりだったことを思い出し、呟くけれど】
【どうせまた会うと約束をしたのだから。回収はそのときでいいだろうか、なんて、緩やかな思考】
【結局その足が忘れ物を取りに戻ることは無く――「まあいいや」なんて、そんな、独り言が夜に溶けた】

/おつかれさまでした!
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/06/24(月) 20:20:41.85 ID:VEieWChZo
この度は――お力添えいただき感謝しますわ。
貴方方のおかげで、ようやく尻尾を掴むことが出来ました。

【地味目なモノクロエプロンドレスに身を包み、閉じた薄紫色の日傘を手に持って】
【眼前の少年へと頭を下げる少女は、まるで猛烈な眠気に襲われているかのように瞼を重そうにしている】
【くしゃくしゃに丸めた2枚の札を満足げに受け取った少年が引きつった笑みで路地裏へ駆けて行くのを見送ると、ほぅ――と、彼女は息を漏らした】

【埃を被ったセミロングの金髪は、煙やゴミの悪臭でむせ返る貧民街に似つかわしいものにするため】
【手や足に黒ずみをペイントしたのも、低階層の嫉妬や憎悪の対象になることをできる限り避けるため、少女自身が見繕ったもの】
【溜息の訳は、自身に与えられた依頼を無事に終えたことの安堵からと、お人好しにも清潔とはいえない格好をする事への嫌悪感からであり】
【加えて、そもそも口調を崩すことにすら抵抗を感じてしまう自身への呆れからであった】

救いよーがありませんわね。これでは、いつまでたっても二流のままですわ。
まぁ何はともあれお風呂へ……このままでは全身に小虫が住み着いてしまいそう。

【”いいってことよ、メイドの姉ちゃん”】
【そう残して去っていった、頬のこけやせ細ったいかにも原住民な少年が無事目的の品を手に入れられることを祈りつつ、一つ咳払いをして身を翻す】
【背の高い男が下水へと袋を抱えて下っていく、路地裏には壁を背にもたれ掛かかり、座りこんだまま動かない人が何体か見えた】
【遠慮一つ無く濁りきった工場の煙に、貧困層が拠り所として利用するよからぬもの。そんな臭いの入り混じるここの空気は間違いなく寿命を縮める】
【これ以上の長居は遠慮すべきだ。さっさと家に帰ろう】
【改めてそう決意すると同時に、ぐにゅり、と意図せず踏んだ小鳥の死骸は、頭部が腐り落ち半ば液状化したものだった】
【一瞬子猫かと間違えるほど、その原型はほぼ止められてはいない。嗚咽を抑えて少女は再び溜息をついた】
【ぴくり、と、口の端が軽く痙攣する。軽く跳ねた黄土色で粘性のある水滴が足に付着したのだ】


ひっ、酷い。
落としたお金は必ず交番に届けるほど善良な私が何故こんな目に…。


【項垂れる未熟なメイド姿の探偵は、すれ違った住民が向けてくる訝しげな視線から逃れるように顔を伏せると】
【誰に投げかけたわけではない愚痴をこぼして、貧民街の出口へと向かう足を速めた】
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/24(月) 21:38:18.28 ID:tDAMzXWzo
【窓の外、広い部屋の照明を落としても、煌々とした夜景の眩しさがある】
【月明かりまで差し込むなら――眠り続ける人を、隣で待つ姿を、宵闇から照らす】

【寝台の傍、窓に寄り掛かるようにして】
【男は淀んだオリーブ色の視線を、眠っているのだろう彼女へと静かに落とした】

 ――ねぇ、鈴音。

【低いくせ、甘く沈めた声を放つ口許が、弧を描く】

 ……私を焦らしているつもり、なのかな?

【ついと伸びる指、紫色を乗せた爪先が】
【瞼を、頬を、唇を。 すうと擽るように撫ぜようとして】

 起きないと言うなら、試してみようか。
 其処はまだ知らないし……ねぇ、鈴音。

【――口許だけは笑っている癖に】
【嫌に辛そうに、月下の表情がぐうと歪められた】

【明かりは嫌になるほど入ってこようと、都会の喧騒までは聞こえてこない】
【気が狂いそうな静寂は変えられない。 元々おかしいのにこれなら、もう、壊れたって大差無い】
【背を屈めて傍に寄り添えば紅茶色の髪が一束落ちて、彼女の耳元で擽ったく揺れた】

/大変お待たせしました。 よろしくお願いしますー
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/24(月) 22:19:25.52 ID:O69EnaLE0
【しんと静まりかえった公園。時間が時間であったならば、子供達の楽しそうな笑い声が聞こえるのだけれど】
【今は元気に走り回る姿も無く――――ただ、一人の小柄な人物がベンチに座って空を見上げているだけ】
【その丈に合わぬ大きなパーカーを纏い、フードを被っている故に素顔は分からないけれど――――背に生えた、大きな白い翼が印象的で】


「子供達が遊んでいるのを見るのもいいけど、時には静かな公園も良い。と、呟いてみる
今夜は月も綺麗で、静かに過ごすには良い日だ。と、感慨に浸ってみる
…………チェリは、もう寝たのだろうか。と、心配してみる」

【何処か癖のある話し方。澄んだような声、そしてその身体から察するに、恐らくは少女なのだろう】
【気紛れにバサリ、と翼を一度はためかせ】
【丸い月に向けられて居た視線。今度は、足元へと落として】


「…………もう一人付いているから大丈夫か。と、自分を納得させてみる
折角の休み、だけど、過ごし方なんて知らない。と、ぼーっとしてみる」

【膝の上に乗せていた仮面。指で弄んでいれば、再び言葉が繋げられ】
【――――所謂、休暇なのだろうか。愚痴でも無く、ただ思った事が口から漏れてしまっただけ】
【この時間に、翼を生やした者が一人。よくよく探ってみたならば、聖とも感じ取れる魔力に気づける事か】







【ひっそりと静まりかえった街の中。辺りをキョロキョロと見回しながら歩く姿が一つあって】
【見れば、巫女装束を纏った巫女。自信なさげな表情で歩く様は、何処か異様だけれど】
【――――何よりも存在を際立たせているのは、微かな妖気。敏感な者であれば“妖狐”の其れと直ぐに分かるであろうか】


「…………えっと……ここだと……聞いたのですが……
やっぱり……何処かで擦れ違いをしてしまったのでしょうか……」

【何処か暗い声色。落ち込んだような表情は、その言葉の意味を知るには十分か】
【「何処に居るのでしょうか。お姉ちゃん……」小さな呟き。探し人の相手は、どうやら姉のようで】
【困った様に眉を八の字にすれば、立ち止まって溜息を吐くのだろう】


「また、探し直さなきゃ……いけませんね……
早く見つかればいいのですが……」

【――――身近に置かれていたベンチへ腰を掛ければ、溜息と共に夜空を見上げて】
【その気配の事もあるけれど、何より人っ子一人居ない街中に巫女が佇んでいるとなれば、それはきっと通りかかった人の注意を引くには十分で】
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/24(月) 22:26:18.80 ID:O98jlZFF0
>>194

【満月も過ぎた月明かり、そうと誘って導く窓ガラス、覗き込めば星空が堕ちたと見紛うほどの夜景と、本物と、】
【そんな景色を覗き見ていたのはいつのことやら、――数えてみたなら、そろそろ、死者も現世を諦めるよな時間も近く】
【それでいて、放ったとて傷むでもない電池の切れたよな眠りは、やっぱりそれがヒトと違うことばっかり示して、ただ、沈黙】


【――視線を向けようにも向ける視線はなく、その変わりに意図して意識を向けてみれば、クリアに歪む認識】
【暗がりの中で秩序的に無秩序に躍るのは桜色、根幹には関われない黄緑色の残滓を捕まえて、抱きとめて、】
【一次元と二次元と三次元とを通り過ぎて廻る大掛かりのライフゲームめいた景色、その一粒までも次の動きが把握出来るなら】
【この景色こそが自分自身だと知れたならどんな顔をするのだろう。停止しつくした脳で思考する無駄に、すぐに解けてしまうけれど】
【暗黒と桜色を断ち切って走る一条の切れ目、月白の変わりに覗くのが黄緑色なら、それだけで、すべて、どうでもいい気がしたから】


【月明かりが照らしこむ肌、血の廻るも絶えたきりなのは、ヒトというよりも人形めいて、無機質の色】
【それで居て触れてみれば人形とは違った柔らかさの類はヒトと言うしかない矛盾、存在すらも狂っていて】
【どんな違和感の上を紅茶色が滑り落ちて、ただ、返るのは沈黙と、――】

【身体の傷など大したことなく、じゃあ何が問題だったのかといえば、持つ限りの桜色を吐き出してしまったこと】
【本体とも核とも呼べる術式を護るために血管染みて全身廻る回路を引きちぎったのだから、再び配置するのは骨以外の何でもなく】
【呼吸も意識も何にもないくせに魔力ばっかり強請っていたのは修復するため、ただしそれも近頃は落ち着いていて】
【――だから、きっと、余計に目立つ。しんと鎮まる水面に一滴落とすような魔力の揺らぎ、欲しがるでもなく、ただ、教えるみたいに】
【眠っていた頃にはまるでなかった挙動、起きていた頃のものだと気付く、或いは思い出すには、きっと大した時間も要らないはず】

【今だ目覚めるには少しだけ足りない。今日を越えるということはなさそうだけれど】
【何らかの悪戯を挟むような時間はある。そして、それをしたとて誰が責めるわけでもきっとなく、】
【その間すら消し飛ばしてしまいたいというならなんらかの刺激でもぶっこんでやればいい。どうせ、意識は傍にあるのだから】
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(茨城県) [sage]:2013/06/24(月) 22:44:42.57 ID:tDAMzXWzo
>>196

【――微かな、声にならない答えめいたものを】
【認めて僅かに驚いたよう見開かれた目が、すぐに柔らかく細められ】

 (成程……)

【何に納得したのか、余り考えたくなくなる笑みを覗かせ】
【唇を再び撫でようと伸ばされる指、触れたなら確かめるように二三度なぞり】

【ずると黒い衣の擦れる音、寝台に身を乗り上げて、くつりと嗤う声】

 「あげる」から、代わりに貰おうか。
 ねぇ鈴音、――。

【何度囁いたか分からない台詞(あいしてる)と一緒に、】
【その唇へと、彼の唇を近付けて】

【――触れたなら、まず伝わるのは、微かな黄緑の魔翌力】
【拒むのか、求めるのか。 相手の答えを待つ余裕も次第に失せていくのだが】
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/24(月) 23:18:22.75 ID:O98jlZFF0
>>197

【意識はない、それどころか、命すらないのに、頬撫でる髪先に、呼ばれた声に、“気付いた”おかしさ】
【やはり普通の生き物だと扱ってしまうにはおかしなところが目立つ、特に、死んでしまった後は――】
【(そういうモノだと見てしまえば、なんだかんだ、結構楽だったりするのだけれど)】


【――呼ばれた気がした。触れられた気がした。縦横など無視して躍るライフゲームへ向けていた意識が、ふと逸れる】
【桜色の変わりに意識を占めるのが黄緑色に変わる、抱きとめていた残滓を端で喰って、飲み込んで、挟み込む思考の真似】
【修復する箇所はもうなかったはず。どこかにあったっけ? ――まあいいや、で終わるのだから、意味などないまま】
【信号を落とせば繰り返しから外れる桜色の乱舞、考えたいことなんて再起動にどれだけ時間が掛かるのかぐらい】
【はやくあいたい。――今までずっと眠っていたくせ、そんな風に思うのだから。或いは、怒られてしまいそうだけれど】

【(差し出された黄緑色は別段迷いもせずに喰っておいた。多いに越したことはないとばっかり、いつもみたいに)】


【――少しの間。充電を終えた機械のスイッチを入れたように人間めいて再現されていくもの、体温や呼吸が分かりやすい】
【気温と同じだったものが緩やかに釣り上がるのも、薄くでも生まれる空気の揺らぎも、今ならば手に取るように分かるはず】
【そうしてひとつひとつ揃っていく人間のふりをするためのパーツ、人によっては恐怖や不快感、呼ぶかもしれないけれど】
【だからこそ毀れても(毀しても)何も変わらない。――蛇のしあわせを叶えるために用意されたもの、今では、彼(あなた)のためだけに】

【――――ぴく、と。目蓋を縁取る長めの睫毛が揺れた、気がした】
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/24(月) 23:43:47.51 ID:tDAMzXWzo
>>198

【唇を触れ合わせるだけが物足りないと感じた先、】
【覚醒する気配を片目で認めれば、意地悪に吊られた口が薄く開かれ】

 ……っ、ふ……――――

【――こちらも喰っておいた、とか、張り倒して問題無いレベルの暴虐】

【邪魔されないのならばそれこそ思う存分にされる深い口付け、】
【口内を蹂躙するよう、淫らな水音を鳴らして、途切れ途切れに低い吐息を零す】

【やがて、仕上げというように一つ彼女の唇を舐めて】
【やっと彼が身を引く頃には――酸欠とか、心配になる程の時間が過ぎている筈で】

 ――……起きたかい?

【それらが成されていなくとも、】
【確認するよう声を掛け、労わる様に、覚醒を促すように、頭を撫でようとして】

【ただ、成されていたならば――】
【名残のように引く銀糸、わざと見せ付ける様にして、微笑んでいるのだが】
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/25(火) 00:15:18.73 ID:P2+PZMNy0
>>199

【――夜に眠って朝に起きる、そんな普通の眠りですら、寝起きはぼうとしがちの子なのだから】
【ようやく途切れた眠りが死にとてもよく似たものだったなら。ぼうと霞むのは、いつもよりもずっと増して】
【錆び付いたような感覚。意識ですらそうなら、身体なんて、もっと。――だから、反応は至って、鈍かった】

【薄らと開けた眼はすぐ傍で。何を追いかけるわけでもなくずれたままの焦点、ただただ、彼を映すだけで】
【呼吸がおかしいのを分かっても、“いつもみたいに”首でも絞められてるんだろうと流す思考、それもおかしいけれど】
【合間合間に薄く紡ぐばかりの呼吸、少しばかしくすぐったいだろうか――なんて、まあ、余談】
【身体と脳の間に薄いフィルムを挟んだように感覚は薄く、近いはずのその吐息、音だって、別の世界からのよう】

【それでも。きっと優しく撫でられるのだろう感覚、暖かさ、経過した時間もそうだけれど――ゆっくりと、いつもを取り戻させて】

……、……――おとーさん、だ、

【――何をされたのかは、きっとまだ理解っていないまま。僅かに数秒見つめる間、やがて、表情は綻んで】
【そこに居ると分かっていた上で確認するよな、そんな、声。いくらか掠れていても、鈴の音色であることに変わりなく】
【生まれたばかりの赤子が母親に向けてするような、何の思惑もないような、ただ、どこまでも信用しきった、笑顔】

“    ”

【おはよう、と。紡ぐのは声というよりも、吐息といったほうが正しいぐらいのもの】
【それを好きなだけ委ねたままに濡れた口元でするのだから、子どもぽさと大人ぽさと、混ぜたよな妙な艶めかしさ】
【ついと堕ちる雫を認めても曖昧に首を傾げるばかり、それならやっぱり、何にも理解していないようだった】
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/25(火) 19:31:52.42 ID:IWUrWg+9o
>>200

【視線を落とした先の相手の唇が、凶器めいて誘う】
【折角起きたものをまた毀す趣味もない――とは、断言できないのだが】
【一先ず、自制の意味を込めて、ベルベットの袖でその口許を拭おうとし】

 ……おはよう、鈴音。

【(親子なんて止めようと言った。 けれど彼女の中の自分は絶対的に父親で、)】
【(呼ばれる前からそれは判り切った事であり、呼ばれる事で否が応でも再認識させられる)】

 そして、……――

【(例えば、髪を撫で梳く事に何を思うのか)】
【(心地良いと、嬉しいと、――もう一つが、あれば良いと願った)】

【再び、黒髪を梳くように、指を絡めるように、手を伸ばし】
【そのまま頭を近付けて、額と額を合わせるようにしながら】

【それでなくても近い距離。 呪われた目は彼女が確り覚醒する前に、そっと伏せ】

 ……――おめでとう。 誕生日。

【眠っていた時間の中、もし感覚が曖昧であるのなら】
【彼女にとって今日が何月何日かを明確に理解させる言葉を、囁いた】
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/25(火) 20:30:33.45 ID:2plHhy3I0
>>201

【ぼおと霞んだままの瞳、無機質色だった頬に差した薄紅の色、唇の赤さ、覗く歯の白さ、不自然に濡れた雫が艶めくのと】
【寝台に散らした黒髪が月光に輪を作るのが同じような色、だらりと弛緩したまま投げ出された四肢が、眠りが深かったことを、きっと示して】
【――或いは、御伽噺に出てくるお姫様のよう。ちょうど口付けも落とされたことだし――だったら、誰が王子様かなんて、明白で、】

――、

【口元を拭われるというならば、抵抗なんてものがあるはずもなく。白磁の肌、力を篭められた通りに歪めて】
【擽ったいと言うみたいに瞳を細める、足先を動かす気配と、衣擦れの音と、――すぐに、収まるけれど】

【五指に絡め取られる黒色、きっとその手の白さによく映えるはず】
【撫でられるのはいつものように心地よくて、嬉しくて、このままならば、眠ってしまいそうなぐらいに】
【それで居て時折混ざり込むのが、緩やかに引かれるような感覚。痛いと心地いいの間、よく知らない甘さを残すから】
【――もっとして欲しくなるし、もっと距離を詰めて欲しくなるし、我侭ばっかり、こんなにもたくさん浮かぶ】

……、……――、

【ようやく動かしてみた右手は重く気だるく、欠損があったことすら彼女は知らないし、気取らせないぐらい、元通り】
【(修復過程を見ていたならば多少は面白かったろうか。木の塊から仏像が掘り出されるみたいに、形成されていくのは)】
【そんな指先が向かうのは彼の頬、絡む吐息を解こうとするのでなく、そうと撫でようとするのは、羽虫も潰せないような】

――……、そう、なの、

【――叶っていたならば、ゆると指先で頬をなぞりながら。紡ぐのは、ひどく実感のないような、そんな声音】
【もう思い出せない空白の向こう側、最期に見た薔薇園の景色は、いつのことだったろうか。感じる時間の重さは、きっと二人の中で違っていて】

ありが、とう、

【囁くよな声、それでも最初よりは安定して。彼の仕草を真似するように伏せられる目蓋、睫毛を絡ませようとするようにも】
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/25(火) 20:53:59.77 ID:IWUrWg+9o
>>202

【撫でる動きを微かに開かれた目が追って、】
【くすと一つ笑うと、その指先に自分の指を添わせようとし】

【(誰か。 かつてこうして頬を撫でた人がいた)】

 ……また眠ったら駄目、プレゼントがあるんだよ。
 喜んでくれると良いのだけど、

【「――どうだろう。」】
【今あるものとあげたいものと、彼の中で二つ天秤に掛けて】

【それでも矢張り判断は出来ないのだが――委ねる事にした】

 今すぐ見せたいのだけれど……起き上れるかい?
 無理なら肩に手を。 お嬢様?

【僅かだけ首を傾げて、悪戯めいてくつくつと喉を鳴らし】

【起き上れるなら、手を差し伸べる】
【無理なら、そのまま近い距離から抱こうと腕を伸ばす】

【どちらにしろ、彼の足許で渦巻く黄緑色が転移の陣を描き出していて】
【結局は――掬う様に、その体を抱き上げてしまうのだろう】
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/25(火) 21:00:36.75 ID:dMY7jpOj0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――昼の国 リゾートビーチ】

……近頃、周りの連中の活動が随分衰えとるのぉ……
コーネリアスもレギン殿も、どうも派手に動いてくれん……今が守勢に徹する時勢でもないと思うんじゃが……

【量は多いが短い白髪をバック気味に整え、皺が多い割に肌の色合いが良い、ダボダボの研究衣を着こんだ、細めの目をどこかぎらつかせている、年の頃は壮年程の男性が】
【備えつけのデッキチェアに寝そべりながら、分厚いサングラスを掛け、物憂げにタバコを燻らせている】
【常に日差しが照りつけ、観光産業を主にしているこの国であっても、まだ海水浴のシーズンは早いのか、ビーチの人気はまばらだ】

【研究衣の襟の部分には、≪No.6≫と言う刺繍が施されている】

――――それとも、わしが直接何かをやるべきなのかのぉ……?
……わしの手にも、流石に機関そのものは余るんじゃが……上の動きが鈍るとなると、少し考えねばな……

【ビーチに人気が少ない事もあり、老人の側に人が寄る事もなく、その不穏な独り言を聞き咎める者も居ない】
【砂の焼ける熱気と揺らめく陽炎の中、じっとサングラス越しの青空を見上げ、老人はただタバコをゆっくりと吹かしていた】



【――――所変わって、風の国 繁華街】

……やっぱり、すぐにはどうしようもないね……
「(……こうなると、生活の基盤となる何かを探さなきゃ、不味いかもな……)」
<(でも、どうする気? ただでさえこの世界、乱れてるじゃない?
そんな中で、よそ者を受け入れてくれるところなんてあるのかしらぁ?)>

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【喧噪を避ける様にして、小さく身を縮めて歩いていた】
【いよいよ乱れ、華やかさを増して行く通りの中で、その姿は容易く流れの中に埋もれてしまう】

……やっぱり、危険な事でも躊躇したら、ダメなのかな……
「(とは言うが……ATLASだの『魔海』だの、そんなのは良くはねぇ……命あっての物種って奴だ)」
<(でも、このままじゃ本当の意味でジリ貧よぉ……この子に汚れ仕事でもさせて、凌がせる気?)>
「(……っ、誰がそんな事言うかよ……!)」

【疲れた様な表情で、どこか上の空で歩き続ける、小さな少女の姿】
【ともすれば、誰かとぶつかってしまう事もあるかもしれない――――】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/25(火) 21:30:15.31 ID:2plHhy3I0
>>203

【添えられた指先、微か驚いたように振れるのは、刹那だけのこと】
【やがて頬でなく添えた指先へ向かうなら、絡ませようとするなら、誘って。自らの頬、触れて欲しいと強請るよう】
【少しだけ拙くぎこちない仕草も、一月前を思えばまあ上出来と言えるほど、後少し慣れは要るようだけれど】

お父さんがいれば、いいのに

【緩く引いた目蓋の幕、このまま眠ってしまうというのも、十分すぎるぐらいだと思えるのに】
【一緒に居てくれた。一緒に居てくれる。それだけで、もう、余っちゃうぐらいに、しあわせなのに――】
【(――それでも、足りないから。何もかも全部奪われたくて、何もかも全部奪いたくて、どうしようもないきもち)】
【言いつけどおりに再び開けたオッドアイが間近に彼を見上げて、余韻のようにその頬を擽る吐息、甘たるい色で】

【誘われるままに起こす身体が重くて、ただ、、外から見れば片手で足りるぐらいの重さの話だから、少しだけおかしくて】
【貧血でも起こしたかのように揺らぐ身体、手を取ってはみても、立ち上がるのは、どうやら難しい】
【片手で駄目ならともう片方を添えてみたところで何が変わるでもなく、強いて言えば掛けられる体重が僅かに増える程度】

……――わっ、

【そんな頑張りだって、彼の力の前には何も叶わず。あっさりと抱き上げられる中、驚いた声が洩らされる】
【――驚きに強張った身体、やがて状況を理解すれば、その力も緩く解かれて。ぎゅうと抱きつこうと、するはずだ】
【それはきっといつも通りの感覚。お人形さんを抱き上げるのとはやはり根本から違って、いて】

【――彼女がしたことはその程度。彼の行動を邪魔するようなものはなく、何の滞りもなく、それは叶うのだろう】
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/25(火) 21:36:17.08 ID:B4+PBStV0
>>204

【サンダルが砂を踏む真新しい足音。それは、男性の身を預けるデッキチェア近くで停まると】
【振り向いた視線は何の気無しに。この場に似合わぬ研究衣の、身分を表わす刺繍に留まった】


「意外だねぇ……こんなところで同僚サマに会うなんてさ。
 療養中? それとも退屈し過ぎたのかな」

【面白がる様な弾む声。無礼でもあるその声の主は、やはりどこかこの場に似合わぬ姿をしていた】

【ふわりとした深緋色の長髪、榛色の勝気な双眸、カーマインのマキシ丈の上質なワンピース・ドレス、】 
【豊満な胸元に揺れるのは銀の逆十字―― 中心に“機関”の紋章が刻印された、装飾的なチェーンを特徴とする首飾りだった】

【楽しみでも探す様に目を細める。嗜虐的ではあり、けれどクセに過ぎぬであろう仕草であった】
【―――― 同じカノッサ機関所属の身ゆえか。彼女には、男性がなにか “持って” いるであろうと考えた様子で】
【話題を振って来るのでも待つつもりなのか―――― 警戒めいたものは浮かべない】
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/25(火) 21:49:33.20 ID:dMY7jpOj0
>>206

ん……?
――――そうじゃな、どっちかと言うと後者じゃないのかの?
……上の方が積極的に動いてくれなければ、わしらはやる事が無い……

【唐突に聞こえてくる声に、老人はサングラスの奥の視線を向ける】
【そこに居るのが『仲間』である女性であると分かると、老人は軽く肩をすくめながら、ゆっくりとタバコの煙を吐き出し、気だるげに答えた】

色々と研究づめと言うのも悪くは無いんじゃが……上の方にその成果を活かす意志が無いのでは、どうしようも、のぉ……
ましてや、今のこの状態じゃ……あまりに同床異夢な連中も多すぎる……迂闊に全力を預ける事も出来ん……
世界に対するアクションを……その旗は一緒でも、その先に何を見ているのか……そこのビジョンが、どうも統一されとらん……
これじゃ、どうしようもなかろう?

【煙と共に、老人は内に抱え込んでいる懸念や不満を、ゾロゾロと口にしていく】
【機関が一枚岩となっておらず、その中での身の振り方に慎重にならざるを得ない。そうした中でなんで全力を尽くせるのか――――それが老人の言いたい事らしい】
【『内部の意志疎通』と『目的意識の統一』の欠如――――組織としての、現在の機関の在り方に、穏やかならぬものを感じているらしい】

と、まぁの……そんな事ばかり考えておったら、研究に熱も入らん……
仕方がないから、こうしてのんびり……無駄な時間を過ごさせてもらっとるんじゃよ

【そこまで口にして、ようやく老人はデッキチェアから身体を起こす】
【居服に零れていたタバコの灰をパタパタと叩き落とし、老人の視線は今度は海へと注がれる――――】
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/25(火) 21:58:09.64 ID:IWUrWg+9o
>>205

【抱き上げた軽さに眉を顰めて、抱き付かれるまま小さく息を吐く】
【壊れて、直して、壊れて――自分が強いている無間地獄、少し位は後悔したい】

 ……嫌だと言っても離さない。
 そしてこれ以上、君を私以外の手で毀させない。

【ぎゅん――と、古の陣が起動する音】
【続けて黄緑色の燐光と、微かに黒い霞が二人を包んで】

 だから……守る場所を、誓いを。
 あの時失くした物を、もう一度君にあげよう。

【――降り立つのは刹那の時間、】
【その場所はどうやら、夜のようだった】


 …………矢張り、此処以外に有り得なくてね。

【夜の世界、見下ろす青白い月と、鬱蒼と茂る森を背に】
【聳え立つ館は何もかもが黒色に塗り潰されて、紫の光が煌々と灯る】

【漆黒色の館――二人で初めて此処に来た時と、何一つ変わらない闇色】

 この屋敷。 そして、もう一つ。
 受け取ってくれるだろう? 此処の鍵、そして、互いの所有の証――。

【並べるヒントは、かつて二人の薬指を縛り付けたあの証を指していて】
【彼はついと手を差し出す。 それを取れば、その証が再び付けられるという事】
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/25(火) 22:00:14.31 ID:IWUrWg+9o
>>208
/降ろす描写が抜けてました、補完お願いします……
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/25(火) 22:03:42.32 ID:ZNdUkKbR0

【しんと静まりかえった公園。時間が時間であったならば、子供達の楽しそうな笑い声が聞こえるのだけれど】
【今は元気に走り回る姿も無く――――ただ、一人の小柄な人物がベンチに座って空を見上げているだけ】
【その丈に合わぬ大きなパーカーを纏い、フードを被っている故に素顔は分からないけれど――――背に生えた、大きな白い翼が印象的で】


「子供達が遊んでいるのを見るのもいいけど、時には静かな公園も良い。と、呟いてみる
今夜は月も綺麗で、静かに過ごすには良い日だ。と、感慨に浸ってみる
…………チェリは、もう寝たのだろうか。と、心配してみる」

【何処か癖のある話し方。澄んだような声、そしてその身体から察するに、恐らくは少女なのだろう】
【気紛れにバサリ、と翼を一度はためかせ】
【丸い月に向けられて居た視線。今度は、足元へと落として】


「…………もう一人付いているから大丈夫か。と、自分を納得させてみる
折角の休み、だけど、過ごし方なんて知らない。と、ぼーっとしてみる」

【膝の上に乗せていた仮面。指で弄んでいれば、再び言葉が繋げられ】
【――――所謂、休暇なのだろうか。愚痴でも無く、ただ思った事が口から漏れてしまっただけ】
【この時間に、翼を生やした者が一人。よくよく探ってみたならば、聖とも感じ取れる魔力に気づける事か】







【ひっそりと静まりかえった街の中。辺りをキョロキョロと見回しながら歩く姿が一つあって】
【見れば、巫女装束を纏った巫女。自信なさげな表情で歩く様は、何処か異様だけれど】
【――――何よりも存在を際立たせているのは、微かな妖気。敏感な者であれば“妖狐”の其れと直ぐに分かるであろうか】


「…………えっと……ここだと……聞いたのですが……
やっぱり……何処かで擦れ違いをしてしまったのでしょうか……」

【何処か暗い声色。落ち込んだような表情は、その言葉の意味を知るには十分か】
【「何処に居るのでしょうか。お姉ちゃん……」小さな呟き。探し人の相手は、どうやら姉のようで】
【困った様に眉を八の字にすれば、立ち止まって溜息を吐くのだろう】


「また、探し直さなきゃ……いけませんね……
早く見つかればいいのですが……」

【――――身近に置かれていたベンチへ腰を掛ければ、溜息と共に夜空を見上げて】
【その気配の事もあるけれど、何より人っ子一人居ない街中に巫女が佇んでいるとなれば、それはきっと通りかかった人の注意を引くには十分で】
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/25(火) 22:20:14.89 ID:8BnmmMSV0
>>207

「ふーん……夢(ビジョン)が見当たらないんだ。
 仕事はあっても “その先” がない、ねぇ……」

【容貌通りに研究職にあることを窺わせる男性。力を揮う意思と、共通の方向性の欠如――――】
【……それが男性の意欲を萎えさせている。想うべき戦場を消えさせている。】
【軍需産業の例を想うまでもなく、彼女にも頷けることではあって】

【―――― 必要性がないのなら。発展も、研究も色褪せるのだろうと脳裏に浮かべた】
【語り口は他人事の様でもあったが、或いは仕方がなかったのかも知れない】
【現在のナンバーズには戦闘型の人間が多かった―――― 女性も、恐らくはその一人なのだろう】

「……命令がないなら、好きにやっちゃって構わないんじゃない?
 宝ちらつかせて組織振り回すなり、実験のために街の一つ二つ潰すなり――――
 ……心惹かれるヤツらは多いよ。力にも、この世の終わりみたいな破壊にもね。

 見た感じ研究者でしょ、適任じゃないの?
 退屈は……しないと思うんだけどさ」

【だがふと考えた様に言葉を続ける。】
【意思の統一が図れないのなら、“宝”―――― その研究成果たる装備や薬品―――― で縛ってしまえばよい、】
【或いは組織全体の指揮すらも視野に入れているのか。大破壊を以て “機関” は “機関” たれと、己の意見を述べた】

【言葉の端から望む享楽の念。彼女もまた、“そうした者たち” の一人である様子を覗かせて】
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/25(火) 22:34:02.30 ID:dMY7jpOj0
>>211

――――勘違いしとりゃせんか?
わしにはわしの悲願がある……それを成就させうるのは、機関しかないと……そう思って、今までやってきたんじゃ
じゃが……見てみるが良いわ……人ならざる存在の跋扈に、混沌ではなく沈黙の世界の成就を謳う輩……
どこをどう見たら、この組織が統一されとると見えるんじゃ?

【機関の目的――――それは『世界の混沌』と言う、単純にして抽象的な一言に集約される】
【だが、その言葉にどんな想いを乗せるのか。それが各自によってバラバラなのが現状なのだろう】
【目指す『混沌』の形さえ、まとまりを欠くほどに】
【老人にも、老人なりの望む形があったのだが、その中にあって『船頭多くして船山に登る』事態に至る、その原因として、見過ごせないのだ】

――――――――お前さんは何故じゃ?
何故、機関に身を置き戦う事を決意したんじゃ?
……何を、機関の拓く未来に求めておるんじゃ?

【そこまで話して、ふと老人は眼前の女性の抱く『ビジョン』を問いただす】
【今、同じ旗の下に集っている彼女は、何を目的として戦っているのかと】

――――基盤と、人脈が必要なんじゃよ
確かに、やってしまえば良いと捨て置かれているような状態じゃし、やったもん勝ちじゃろうがな……
わしらの様な人間は所詮、戦力を整えて送り出してやる事しか出来ん……求められた『力』を、形にしてやる事ぐらいしかの……
とてもそんな大それたことをしでかす余裕など、持っとりゃせんわ

【上が動かないなら、自分で動けば良い――――確かにそれは道理だろう】
【老人の背負うナンバーは、組織の重鎮と言って恥ずかしくない程の、大きなナンバーだ】
【しかしそれでも、六罪王に比べて彼の持つ力は大した物ではないと言うのも事実】
【何らかの『事』を起こすには、勢力も、人脈も、足りないのが実情と言う有様だった】
【――――研究者畑で、実行部隊としての力を持っていない、この老人ならではの事情と言えるだろう】
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/25(火) 22:57:04.43 ID:2plHhy3I0
>>208

【地面に付かない足、空気に沈みこむように力ないままの素の足先は、ふらと不安定に揺れて】
【それでも怖くないのは、きっと、抱きとめていてくれる腕が彼のものだから――お返しめいて、抱き締めて】

…………、わたしも

【肩口に埋める顔、だいすきな匂いと暖かさに包まれるまま、そうと瞳を伏せて、ちいさな笑み】
【いろいろな言葉を省略しても、紡ぐ意味合いは彼のものときっと同じ。真っ直ぐに歪んだ独占欲のかたち、頬寄せて――】


【――元より、月明かりの中に居たのだから。暗がりに放りだされたとて、あからさまに見えなくなることもなく】
【くるりと変わった空気の匂い、それが懐かしいものだと言うことに気付くのもだいぶ早い】
【ひとつ瞬きしてから見つめた先には記憶の中と同じ、あの日をもう一度再生したかのような、景色】

あ、……――

【――かつての日、この場所がどうなったのか、どうして場所が変わったのか、何にも知らないし、聞きもしなかった】
【それでも気にしていなかったと言えば嘘になる。夜の暗がりに隠しこんだおもいでを、置いてきていたから】
【クリスマスの夜に買ってもらった兎、水族館の半券、――大人が見れば笑っちゃうぐらい、子どもの、微かな宝物】

【足先は太陽を知らない地面の冷たさを踏んで。途端に生まれる身長差、見上げた瞳に寝ぼけた色はもうなく】
【ふらと振り返る瞳が見据えるほぼ単色の世界、だいすきな場所、だいすきなひとと過ごせる場所、】
【(――存外、場所なんてどこでもいいのかもしれないけれど)】

――はい、

【一緒に居たいと願うなら、何を迷うことがあるだろうか。ふわと伸ばしかけた右手、――刹那だけ、止まって】

【想起したのはかつての日のこと、半魔と、弟だと言う男と。――熱くて、怖くて、痛くて、助けて欲しくて、】
【思い出したくないと思考を断ち切るノイズ、ぐらと揺らいだ魔力の水面、察されるなら、どう思われるのか】
【もう大丈夫だと無理やりでも飲み下すたびに落ち着いていく、ように見えた】

【結局、その手は胸元で留められる。その代わりにと伸ばされるのは、左の手】
【やがてはそっと触れるのだろう、行為自体に、変わりはなく】
【――かつては右に乞うたものを、今では左に乞う。視線はいつもの定位置、その首筋の辺りで止まっていた】
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/25(火) 23:17:39.63 ID:iENT06fm0

>>212

「……沈黙ぅ?
 ああ、うん……私の認識が甘かったのか。ンな世界の何が面白いのさ―――
 ……まぁ組織が大きくなりすぎたからなんでしょうよ。何処かで重なってるとは思うけどさ……」

(……六罪王の一人は半魔……だったか。確かに、バラエティ豊かって域じゃないね……)

【怪訝そうな顔をして言葉を投げ返す。溜息一つ認識を改めると、自戒めいた言葉を零した】
【女性自身は怒りよりは、意外等といった念が強いのだろう。けれども “沈黙の世界” に対しての感覚は、男性の其れにも近いのかも知れない】
【そして受けた問いに対して。一瞬程度の沈黙から、己の戦う意味を、述べ始める】

「…………自由、かな。
 予想もしなかったとき、予想もしなかったやり方で与えられて――――
 ……ソレが何なのか分からなくなった。私のなかから、それが消えた。

 ……だからずっと答えを捜してるんだ。
 何が足りないのか。どうすれば、それは手に入るのか……。

 見つからないなら、この身体も血も魂も心もいらない――――――
 …………この世界だって同じだよ。私を縛るものは、いらない。

 縛るもの総てブチ殺し尽くせば、それで自由だとは思うんだけどね」

【軽く過去を交えて語る其れ――――】
【これまでとは少しだけ違う苦笑。紡ぐ言葉は、自分でも納得の行く答えではないのだろう】
【あまりにも凶暴であり、破滅的な其れだった。だからこそ……別の答えを捜しているのか。】


「……と、言う訳で御老公サマ―――― 悲願とやらを聞かせて貰うよ。
 ここまで喋らせたんだ、何も言わないなんて言わせない。
 
 もしかしたらお互いのためになるかも知れないし……ね?」

【また雰囲気が変わって問いを返した。元の享楽的なそれと言えば分かり易いか。】
【自分がこれだけ語ったのだから、と―――― 返答を拒む様子もなかった言動は、どこか嵌めた様な其れに似て】
【けれど語ろうと語るまいと……普段からの高圧的な態度を除けば、敵意の類は其処に無く。恐らくは、返答は男性の意思に委ねられる筈だ】
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/25(火) 23:38:57.21 ID:IWUrWg+9o
>>213

【焼け落ちた姿が幻だったよう、本当に何の差異も無い佇まいは】
【それこそ何もかもが往時のまま――まるで時の狭間に身を潜めていたように】

 ……、――

【伸ばされた手が左であった事に、彼は僅かに息を飲んだが】
【すぐに僅かなりとも乱された魔力を気取れば、触れた左手を包むように取って】

【高い背をするりと落として跪き――視線を、真っ直ぐ彼女へと向けた】

 心臓を、綾津妃に。 身体を邪禍に。 魂を、レイシーに。
 けれど――この心は君の物だ。 絶対に離れない。 永久に、君を守る。

【――この間。 不思議な事に、その目からは一切の呪いが失せていた】
【微かに漂わせていた魔海の魔力も、纏わりつくような黒い霞も無く】
【そして、その顔立ちさえもが、初めて会ったあの日と同じ、二十六の容姿】

 鈴音。 君の為だけに、私は在り続けると、誓う。

【左手の薬指、そうと落とす口付けを受け入れたなら】
【黒蛇の模様が、僅かな黄緑色の燐光をその目に灯し】
【指輪のように巻き付いて、その肌に浮かび上がる――いつかと同じで、けれど、左右が違う】

【それを確認すれば、何もかもがあの時のままの彼は】
【視線を逸らさないまま僅かに微笑んで、今度は己の左手を彼女に預けた】
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/25(火) 23:42:52.13 ID:dMY7jpOj0
>>214

どこかで重なってる……それは確かにそうじゃろう。そうじゃなきゃ、味方として戦えんわ……
じゃが……『重なる部分もある』程度の共通認識で、命を掛ける事は出来るかの?
最後まで戦えると……そう言って背中を預ける事は出来るかの?

【意識を共通させる事が出来なければ、共に戦うには心許ないと、老人は口にする】
【味方であっても、どこまで信用できる味方なのか。それが分からなければ、本気で力を合わせる事は出来ない】
【それで、組織の意味はあるのか――――老人が懸念するところは、そうしたものなのだろう】
【組織として乾き切ってしまえば、同時にもろくなってしまう――――】

…………ほぉ、また何ともアナーキー極まるのぉ
……まぁ、その果てに何を見出すかはお前さん次第じゃ……

【語られるその言葉は、どこか抽象的な響きも相まって――――恐らく、それを本人すら分かり切っていないのだろう――――老人にはいまいちピンとこなかった】
【しかし、それでも分かる事がある。敵対するものに暴力を行使する事を厭わず、それを手段と自らの中に明示している】
【なら、機関の旗を頂くには、確かに十分な理由となるだろう】

フン……良いじゃろう。別に大した話でもない……じゃが、この80年、その為に生きてきたようなもんじゃ……!

【ほぼフィルターだけとなったタバコを、拳の中に握り締めて、老人はサングラスを外して真っ向から女性と向き合う】

――――わしの目的はただ一つ、『世界の統一』じゃよ
国家がいくつも存在し、様々な思想が、利害が、権力が、分化して乱立して鳴動して……その果てにあるのは相克……愚かしい結末じゃろ?
じゃから、わしは全てを同じ形にしてしまいたい……力を以って、覇道を極め……この世界に、たった一本の……それでいて、確固たる筋金を打ち込みたいんじゃよ……!
その為には、何より『力』が、勝利の根拠が必要じゃ……じゃから機関なんじゃよ。倫理や人道なんぞに縛られず、純粋に力を追求できるからのぉ……!

【老人の語る目的は、世界の統一化――――確かに、機関に身を置く人間としては、分かりやすい望みだろう】
【そしてその上で――――全ての世界に通用する、一つの『筋金』を、作り上げたいと言う。『力』は、ひいては『機関』の勝利は、その為の手段なのだろう】

機関の理念……『混沌』を、矛盾と傲慢を孕んで秩序を確立した振りをしとる世界に叩きつけ、認めさせてやれば良い……!
そうすれば、全ての人間がその価値観に殉じて、生きるにも死ぬにも意味を見いだせるじゃろ……!
無駄な『命』も無駄な『死』も、透徹された真理があれば、無くなるんじゃよ……!
……かつては、宗教がその役目を果たそうとして、結局は果たせなかった……じゃから、力による支配が、それに変われば良い……!
……ふざけた欺瞞に彩られた『正義』や『共存』なぞ、必要ないんじゃよこの世界には……!

【強力な力による支配で、全世界に共通する強力な真理――――価値観を確立させる。それが老人の目的だった】
【機関はあくまで、それを一番実現させやすそうな土台だったからこそ選んだに過ぎない】
【逆に言うなら、老人の悲願を成就させる為には、機関以外に居場所がなかったと言うべきなのだろうか】

――――それを縛りと受け止めるなら、お前さんとわしとも、隔てられとると言う事になるのぉ……
どうじゃ、そんな中でわしと手を取り合って、命の限りに戦おうと思えるか?
……今、わしが悩んどるのはそこのところじゃよ……そして、それが連鎖すれば、機関の力の弱体化が著しくなってしまうじゃろうの……

【奇しくも、老人と女性との間にも、見えない差異は確かに存在していた】
【それを許容出来るか出来ないか――――もし出来ないのなら、先ほどから自分が話している憂慮の内容も実感できるだろうと】
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/25(火) 23:44:52.20 ID:dMY7jpOj0
>>214
/>>216追記:こちら、そろそろ限界です……
/明日以降続けるか、ここで切るか、判断お願いします
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/26(水) 00:40:53.13 ID:TeXoeIB+0
>>216

「……裏切りそうなら消せばいいのさ。
 でも滅多にそれは起こらない―――――……なら “死ぬまで” も “何か起こるまで” も同じじゃない?
 だから “道を別つまでは” 考えない。
 余計な感情抱くより、そっちのが上手く共闘えるよ」

【或る意味で機関員らしい言葉、】
【……信頼や仲間意識や絆ではなく。目的を果たす手段として、最後までの共闘を選ぶという返答だった。】
【どの道、この世界では命は容易く潰える―――― ……ならば “在り得る” だけの離反より、其方の可能性が彼女たちには脅威なのだと】
【単純にリスクの大小という観点から、機関員として最後までの共闘を女性は紡いでいた】
【―――― 極論すれば思想の違いなどどうでも良いのだろう。彼女は自由を、それを得るための闘争を望んでいるだけなのだから。】
【そのために機関に在るという意味で、或る意味で重なる部分が、絶対的な違いとともに、彼我の間には窺えて】


「絶対の価値観としての力と混沌、か―――――――
 ……そのために世界を塗り替えて、“機関” 一色に染め上げる?
 その過程で何人死のうと構わない訳だ……ふふふ、いいよ、いいよアンタ本物だ……!

 共存、正義、目障りな秩序―――――――――― 確かにどれも邪魔だよねぇ、縛るものでしかないなら壊すべきか。
 ……乗るよ。

 …………“自由” さえ得られればあたしはそれでいい。それは “混沌” の果てでも変わらない……。
 世界がどれだけ縛られようが、誰に管理されようが―――――
 そんな事で消えるほど、ヤワな価値観の筈もないんだからさ……ッ!」

【――――― これ程望んでも得られないのだから。一度でも手に入れられたなら、容易く失われる筈もない。】
【願望めいたその価値観のまま、自由とは相反する筈の、 “彼の世界” の実現を想い、そのための闘争に乗ると、述べて――――】

「カノッサ機関No.12、ダリア・レオンフィールド……主な任務は直接戦闘と暗殺だよ。
 コンゴトモヨロシク同僚サマ。
 正式な任務は優先するけど、空いた時間にでも協力しても構わないよ――――

 ……アンタの望む世界の形が、私も見てみたくなったから。 」

【自信と傲慢さとを含む声。……素でこれなのだと、男性にももう読めるだろうか】
【だがそれは、男性に協力する事で行える筈の、より意味のある形での闘争―――――】
【……その先に求める自由はあると。そのための “兵” として動いても構わないという、彼女の意志の表明であった】

【利害の一致によるその共闘。機関内部に於けるさらなる同盟。】
【狂気すら覗かせるそれに応じるのか。総て、No,6たる彼に委ねられる】
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/26(水) 00:44:26.52 ID:TeXoeIB+0
>>217
/っとすみません、反応が遅れました……こちらは続けても大丈夫なのですが、切っても丁度いい感じなのでお任せしますね。
/続ける場合、こちらは9、10時前後には再開できそうです。それでは今夜はお疲れ様でしたっ!
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/26(水) 00:45:10.25 ID:ZvLxwkia0
>>215

【指先がそうと掌に触れる、蝶の止まったよな軽さ、瞳さえ閉じてしまえば分からないぐらいに】
【けれど見下ろせば確かに差し伸べられた手、――顔を見たなら、微かに唇を噛んでいた、けれど】
【前髪が隠した向こう側で、瞳が冥く冥く笑っていた。欲しくて、欲しくて、欲しくて――たまらなくて、】

【――彼が膝折る頃には、そんな表情は煙のように失せている。向けられる視線を追いかける、まるで躊躇いもなく】
【それはそこに呪力のないことに気付いたからではなく、呪われても、それでいいと。それがいいと――そんな、かたち】
【やがてオリーブ色にたどり着いたなら、それこそ好きなだけ覗き込む、飢えたのを満たすみたいに】

 【(どうしたら何もかもが自分のものになるだろうか。何をすれば、総てこの手の中に堕ちるのか)】

【いつかと同じで、いつかとは決定的に違えた今、柔らかに包み込まれる掌の感覚を記憶に深く、刻んで】
【たったの一年にも満たないような時間で世界の総てが変わってしまった。誓う意味も、重さも、何もかもが】

【落とされる唇が刻みつける黒蛇の痕を、視線が舐めるように追いかけて、総て、記憶するように】
【そうして差し出される左の意味。同じところから来ると思ってしまうのはどうしようもなく――】
【――気持ちが揺れる、先に抱いた不安なんて何だったのかが分からなくなる、ゆっくりと、両手で、受け止めて】

 ……――、

【顔を沈めたなら、あの日との僅かな差異。薬の指に落としたのは牙と違った唇の柔らかさ、瞳は閉じられて】
【――まるで右の赤色が溶け出したかのように頬が赤かった。夜風が揺らす髪と服の線、身体の白をちりぢりに暈すなら】
【両手と、顔と、そればっかりが夜色に強調されるよう、――――何事もなく、終わるなら、ただ、その手は離されなくて】

……わたしの、

【その手を引くのは緩やかな力、逆らおうと思えば難しくないぐらい、微かなもの】
【叶うならやがて触れさせるのは自らの胸元、ぎゅと押し付けるような仕草、――ただ、変な意味を孕むわけでは、なくて】

いのちも、ぜんぶ、あなたのものだよ

【薄ぺらな胸越しになら伝わるだろうか、そこで踊る桜色の術式の存在と、その傍にある、黄緑色の】
【今まで受け取ったもの、さっき受け取ったもの、いっぱいいっぱい、伝えるようにして――全部全部捧げて、笑って】
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/26(水) 00:46:59.92 ID:Lqzby2sT0
>>219
/了解しました。それではまた明日ー!
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/26(水) 20:02:44.39 ID:8r21f61ho
>>220

【再び刻まれていく証を、己が手に浮かぶそれを見て】
【漸く落ち着いた心地がするなら――もう遅い。 何もかも、全て最愛(この子)に奪われた後】

 ――、鈴音……?

【手を引かれた。 疑う事などあるはずも無いし、】
【その胸に置かれた手が悪戯をする事も無い。 ただ其処に桜色と、自分の色を見出して】

【――昏く甘く深く、喜びと呼ぶべき色合いで、微笑んだ】

 ――…………良い子だ

【誓いが集結し、一時の幻が消えていく】
【魔海の気配、薄ら漂う黒い霞、呪われた目――三十六の彼】

【低くとも甘い男の声が、父親然してそう囁いた】

 これから幾らでも教えてあげる。 何だって叶えてあげる。 
 だからついておいで、私の愛しい鈴音。 そして――

【優しさと愛おしさ、全て抱え込んで緩く弧を描く口許が、】

 生まれて来た事、後悔する程……愛してあげようね?

【酷く酷く、暗い色を乗せて、】
【彼女が口付けた薬指と、其処に浮かんだ黒蛇を赤い舌でなぞった】

【それから不意に伸ばされた腕が、再び彼女を胸中に捕えようと】
【その両腕で抱き上げようと伸ばされて――がしゃり、扉が開く音がした】

【獲物を捕らえる様に笑う男。 獲物を待ち構える様に口を開ける館】
【逃げ場なんて幾らでもある夜闇の中、その全てさえも彼女を捕らえようとしている錯覚】
【明ける夜が無い。 来る朝が無い。 捕まってしまったなら、それが始まりで、終わりになる】
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/26(水) 21:03:48.33 ID:Lqzby2sT0
>>218

……どうだか、のぉ?
旧≪No.90≫夢幻 檸檬、旧≪No.105≫森島 京、秘書官ソレイユ=ナイトシェイド……そして何より……旧『議員』シェン・ロンド……
かつて機関に籍を置きながら、機関に仇成した人間と言うのは少なくないぞ……?
内実に触れている人間が敵に回る事は、非常に厄介な事じゃ……次は背中から刺されるかもしれんのに、安心なぞできまい……
『消す』タイミングを誤れば、消されるのはお前さんの方じゃぞ?

【――――なまじ機関員として古参の部類に入る為だろうか、老人は裏切りの実例をいくつも目の当たりにしてきていた】
【それだけに、女性の言葉の危うさを看過できなかったのだろう】
【目的意識を超えて、あるいは始めから面従腹背の態度を以って、昨日の友が今日の敵になる事は、決して絵空事ではない】
【そして、囚人のジレンマ――――『タイミングを見計らい敵を切り捨てる方が勝者になる世界』では、それは現実的なリスクなのだと】
【すぅ、と目を細めながら、なお一度老人はそれを女性に説いて見せる】

あぁ、構わんね。同じ価値観に殉じない人間なぞ、いくらでも死んで然るべきじゃ……!
それが分からん人間なぞ、世界を惑わすだけの、無駄な命じゃて……!

【一切の躊躇なく、吐き捨てる様に老人はその言葉を紡ぐ】
【障害となる敵を、完全に殺し尽くせる事――――それもまた、老人が機関に命を掛ける十分な理由なのだろう】

――――矛盾なく、並立出来る様じゃな、わしとお前さんは……
なら良いじゃろ、わしもお前さんなら安心できるじゃろうて……!

【――――ハッキリと、力強く共闘を口にした女性に応えて、老人もギラリとその瞳を閃かせる】
【彼女の求める『自由』は、機関の中にしかない。そして自分は、自分の求めるものを世界にもたらし、その為の破壊を振るう】
【――――喰い合う事無く、互いの戦いの目的が一致すると思えば、今老人が抱いている懸念も払拭されるだろう】

…………≪No.6≫、グラトン=ブルーガー=ウルバヌスじゃ
今は『RAGNAROK LABORATORY』の責任者兼主任研究員として、研究チームを率いとる……
まぁ……後方支援の類はわしに任せてもらえば問題あるまい……
さっきも言った通り、コネクションはあまり多くは無いんじゃが……上の動きが鈍っとるのなら、わしらが動く事も必要なのかもしれんの……!
ま、あまり表に出るもんではないとだけ、言っておくぞい?

【女性――――ダリアの名乗りに応えて、老人――――グラトンも己の名を名乗り、軽く素性を説明する】
【戦力増強の為の研究チーム――――『RAGNAROK LABORATORY』のボスであり、機関の古参ナンバーズ】
【実戦部隊としての手足は存在しなくとも、研究の為の人員は、それなりに確保しているのだろう】

……じゃが、そうじゃな……少しは、地盤を固めて、わしもわしで動ける様にする必要があるかもしれんなぁ……!
そうすれば、上を待たずともわし自らがアクションを仕掛けていける、か……
……今までとは違って、そういう方面にも、少し考えていかねばならんの……!

【気だるげで、物憂げな空気を湛えていたグラトンの表情が、徐々にいつもの調子を――――狂気を孕んだ色を取り戻していく】
【口元に、笑みに似た歪みが走り、瞳には寒気を感じさせるような光が集っていき――――】
【事態の停滞と憂慮に、覇気を失っていた老人の面影は既にそこに無く、齢96にして世界の破滅を推し進めんとする狂人のバイタリティが溢れていた】

/返しておきますー
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/26(水) 21:09:26.03 ID:ZvLxwkia0
>>222

【薄い布地の向こう側、自分のものよりも大きな手のかたちした暖かさ、嬉しくて】
【ゆっくりだって同じ温度に染められていくなら、――どうしようもないぐらい、しあわせと呼べる気持ち】

 ……――だから、ずーっと、持ってて

【――誰かに所有されていたい。そう強く強く願うこころの果て、彼の両腕に託したもの】
【いのちと呼べるものすら、愛されるためと愛するための材料にしか見えない。異常と呼ぶしかない、歪み】
【ついとせいのびして囁く言の葉、顔に浮かべるのは彼と同じもの、総てをこの感情で満たして】

【背伸びしたままで見上げる先、ほどけて消えていく幻、向こう側にはいつもの彼が見えて】
【抱く愛こそ変わらないものの、どこかで少しだけ安堵する。とんと降ろした踵、少しだけ沈み込む頭の位置】

後悔するぐらい、愛して、みせて

【胸で焼けるようなその体温が消えなくて。想えば想うほど、月の沈む方角がどっちだったかなんて、思い出せない】
【祈るように抱いた左の手を覗き込めば、黒く刻まれた蛇が。強く強く存在を主張して、蕩けてしまいそう】
【どれだけ愛しても。どれだけ愛されても。どこにも後悔するよな要素など浮かばず、ならば、ありえないのに】
【それすらも超えるというならば――なんだか、もう、わからなくて。くらくらする思考、熱に浮かされたときみたいに】

【――ふわと抱きとめて抱きあげる両手を拒む理由が、どこにあるだろうか】
【いのちさえ差し出したその両手、戯れに拒んでみることすらなく、ついと髪先が尾を引いて】

おとうさん、

【抱き上げられたなら、そうと耳元に寄せる口元、吐息交じりに囁く声音、甘たるくて】

ぜんぶ蕩けちゃうぐらい……あいして、あげる

【太陽に照らされたら一夜の夢みたいに終わってしまうなら、ずっと、夜のままがいい】
【ぎゅっと抱き締めて絡める両手がまるで蛇のよう。逃げ出すなんてあり得ない、逃げ出されるのも、赦さない】
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/26(水) 22:06:26.46 ID:pRnXpkdJ0
【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【その入口付近で、何やらギャーギャーと喚き立てる声があって】


「納得がいかないです!何故、ソフトクリームを切らしているのです!」

【どうやら、食堂付近で一悶着あった様】
【額から一本の角を生やし、汚れを知らないような真っ白な髪を持った少女が、従業員と思われる者に噛み付いていて】
【――――車椅子に、入院服。その姿を見れば、この病院の入院患者と見て間違いは無いであろう】


「暑くて、みんな買っていってしまったから、です?
そんなの理由にならないです!私だって暑いですし、何より需要が分かっているのに供給出来ないなら失格なのです!」

【ガルルと吠えれば、噛み付いて】
【側を通る医師や看護師達が苦笑している所を見れば、最早“お馴染み”の光景なのだろう】
【未だに食い下がっては離れないけれど、果たしてそん少女に声を掛けようという奇特な者は居るのだろうか】





【未だ賑やかさに包まれた街の一角】
【手でカメラの形を象れば、其れをどこそこ構わずに向ける女性、或いは少女と呼べる姿があって】
【ポケットから取り出す小さなフィルム。奇しくも其処には先程指で象ったカメラの中の光景が映り込んでいて】
【満足の行く一枚だったのだろうか。頷けば、再びポケットへと収めて、視線は辺りへと巡らされる】


「それにしても……昨日も今日もずっと賑やかですねぇ、この街は
……まあ、賑やかで居てくれた方が私も見つかる確率が低くなって丁度良いのですけど」

【纏うのは、何処かの制服であろうか】
【物珍しげに四方八方へと向ける視線は、この人混みの中でも一際目立つ存在で】
【――――あっちへフラフラ、こっちへフラフラ】


「次に風紀委員に見つかったら居残り掃除一週間じゃ済みそうに無いですからねぇ……
あはは、頭のお堅い方達を切り抜けるのは大変ですよ……」

【自分本位でしか巡らせない視線。誰かにぶつかってしまうのは、きっとそう遠くない未来の話】
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/26(水) 22:29:25.38 ID:UWaXTknU0
>>223

「6割と4割なら6割が危うい……そんな程度の話だよ。
 
 ……ま、その辺りは心得てる。
 殺す時も、紙一重での見極め方も、さ――――――」

【―――― 当然死は目と鼻の先にある。その上で、多少なりとも 「より危険度の高い」 リスクを優先する。】
【それで死んだのならばそれまでだろう、と。言外にそう語るようなドライな響きが、笑う声として答えを発した】
【この様な思考に生きるダリアが、これまで生き延びて来られたという事実、】
【……彼女には、似合いの生き方だと言うことなのだろう。忠告は受け止めつつ、飽く迄享楽的なその言動を保った】

「りょーかいっ。好きにやるけど恨まないでね。

 ナンバーズは一人一人が機関の精鋭。
 ひとりひとりが作戦を遂行し、“混沌” と破壊を生み出しましょう―――― なんて、愉快なフレーズもあったかな」

【“好きに”、自分のやり方で世界を壊す。ひとりひとりが混沌を生む。】
【嘗て機関の掲げた言葉とは、多少の違いはあるのだろうが】
【けれども言外の協力を以て、ナンバーズとしての、彼らの共通の立ち位置を示してはいるだろう】

【直後噴出するグラトンの狂気/兇気、】
【肌で感じればヒトの部分が冷え込む様に錯覚した。意識とは無関係な、本能的な感覚だ。】

(ゾクゾクするね……ふふ、このお爺ちゃんは見かけ以上の魔物って訳か)
(ああ、本当に楽しみになりそう―――――― ……存分に戦って存分に殺れる、か)

【―――― だがその寒気もまた心地良かった。  】
【狩るものの予感が昂ぶらせた。言葉は、けれど “いつも通りの” 調子で軽く述べた。】

「あたしらは実働部隊みたいなものなんだ。
 雑兵なら大分数は揃ってるし……『最大戦力』 の私にしたって、考え得る面白いコトを見逃す理由はない。
 “偶然”、噂を聞きつけて、ふらっと戦地に出る事もあるかもしれないね―――― ……ふふっ」

【そしてダリアはグラトンに向け、二十数桁の番号だけが記された白いカードを投げ渡した】
【名刺代わりのそれなのか、“何らかの手段で”、確実に彼女―――― 或いはその所属部隊への連絡を可能とする代物だった】
【恐らくはグラトンならば数学的な解析は容易い。やや婉曲的だが、第三者からの介入は受け難いハズで】

【“表立っての活動は控えめに”――――― その言葉への、彼女なりの返答なのだろう】

【同時に軽く告げたのは自らの身分。一つの実働部隊の『最大戦力』。垣間見える傲慢さは、それゆえのものでもあったのか』
【特に話しかける様なことが無ければ、ダリアはそのまま立ち去るだろう】
【踵を返そうとする横顔は楽しげな双眸をギラつかせて。未だ見得ぬ遠き舞台への、期待と熱情を帯びる様でもあった】

/そろそろ終盤ですが、よろしくお願いしますー!
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/26(水) 22:58:51.49 ID:Lqzby2sT0
>>226

……そうか……なら、わしから言う事もないんじゃろうな……
これ以上は、無駄な節介になっちまうじゃろうからなぁ……

【ダリアの実力をグラトンは知らない。だが、仮にもナンバーズとして活動している以上、全くのハッタリと言う事はまずあり得ないだろう】
【ならば、本人の言う事を信じ、任せるのがこの場での筋と言うものだろう】
【この場合、『些細な』方法論の違いでしかないのだから】

勿論、お前さんの好きにやってくれて構わんよ
お前さんの上司でもなければ、束縛する権利を持っとる訳でもないんじゃからなぁ……

【グラトンとしても、今すぐにダリアの事をどうこうと言うつもりはなかった】
【まだ、その実像が――――ハッキリした人格や能力、特性が見えていないのだから。知らないものを使いこなせる道理もないだろう】
【何より――――彼女自身が「束縛を嫌う」事を明言していた。それが出来るのは、彼女の信条に優先されるほどの、何らかの信頼を得た時だけだろう】

(……夜の国はレギン殿が、風の国は六罪王リリアが……それぞれ抑え取るのぉ……
だとしたら、わしらが覇を唱える足掛かりは…………そうじゃな……!)

【にわかに回りだした狂脳。今はまだ遠くとも、自分たちが動き始めた時、どう立ち回る事になるのか】
【ゆっくりと、だが確実に未来図の輪郭が纏まり始め――――『自ら動く』ビジョンに、グラトンは昂奮を抑えきれなかった】

――――良いじゃろう。事ここに至っては、わしが何らかの糸を引いてみるのも悪くは無い……
……時が来た暁には、精々頑張ってもらうからのぉ……雑多な世界を破壊し、たった一つの真理を打ち立てる為にのぉ……!

【投げ渡されたカードを左手で軽くキャッチしてみせ――――年齢を考えれば、目視する事すら難しいと思われるそれを、あっさりと――――グラトンは頷く】
【やはり、信頼できる繋がりを持てるのは、こうした暴力装置にとって重要な事なのだと、再確認させられる】
【足並みを揃えてくれるのならば、もし自ら赴く事になった時、出来る事の範囲は決して小さく纏まりはしないだろう】

…………最低でも、期待されている分だけの働きは、して見せるでのぉ……!
世界を塗り替えるのは……わしの力なんじゃから……!

【そうして、去っていくダリアの背中を見送りながら、グラトンはぐっと身体に力を入れて、デッキチェアから立ち上がる】
【永遠の陽光を天に頂く昼の国において、悪の頭脳は再びその回転を加速させる】
【――――裏方に徹してきたこの狂気の老人が表舞台に立つ日も、あるいは本当に訪れるのかもしれない――――】

/2日間、乙でしたー!
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/26(水) 23:01:01.54 ID:UWaXTknU0
>>227
/遅れてすみませんっ、お疲れ様でしたー! 二日間ありがとうございましたっ!
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/27(木) 20:23:35.17 ID:bqkE+TUt0
【街外れ、公園と併設された薔薇園、その一角】
【花の盛りも過ぎたその場所、それでも微かに甘く残る薔薇の香、風に揺らいで】
【月と街灯が照らすなら、開けた場所には十分な明るさ、静けさにひとつ、ふたつ、足音が混ざるなら】

……――、 あっ、た

【――何かを探すようにふらり蛇行するひとかげ、辿るのは難しくなく。隠れもしないなら、良く目立っていたはず】
【ぽつと紡ぐ言葉は誰に向けるでもないのに、鈴の音のように震えるなら夜によく溶けて。それもまた、目立つのだろうか】

【真夜中の色をした髪、膝を通り越す長さは素のままに降ろされて、月明かりの輪をいくつも抱いて】
【長めの前髪越しに覗くのが赤と黒のオッドアイ。伏せる先には薔薇の株がひとつ、じぃと見下ろされ】
【黒のワンピース、リボンやレースで飾った無地柄、ふんわり膨らんだ布地が、夜風で揺らいで】
【こんと石畳を踏む足元、ヒールの高いサンダル。足の白さをそうと飾っていた】

良かった、生きてる――、――

【ぴらと長めの袖を夜に引いて手を伸ばすのは、やはりというべきか、見つめていた薔薇で】
【照りの薄い葉、緑色の茎、――まるで何かをぶち込んだあとにせっせと手入れしたような、まだらな枝】
【素人目に見ても綺麗とは言えない樹形、おおよそ一月前に誰かに折られたらしいこと、知っているひとは知っている、かもしれなくて】

【――夜闇に紛れるような少女ひとり、真っ直ぐにこの樹だけを探していたのは、少しばかし不自然めいて】
【安心したように笑う口元、呟く言葉――伸ばす左手の薬指、まるで指輪のように黒蛇の痣が絡みついていた】
【樹の根元を見れば「わかな」なんて書かれるのは薔薇の名前だろうか。他にも白のかくれんぼ、だなんて書かれてたりして――】
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/27(木) 22:22:23.00 ID:J3UsUy4x0
【ひっそりと静まりかえった街の中。辺りをキョロキョロと見回しながら歩く姿が一つあって】
【見れば、巫女装束を纏った巫女。自信なさげな表情で歩く様は、何処か異様だけれど】
【――――何よりも存在を際立たせているのは、微かな妖気。敏感な者であれば“妖狐”の其れと直ぐに分かるであろうか】


「…………えっと……ここだと……聞いたのですが……
やっぱり……何処かで擦れ違いをしてしまったのでしょうか……」

【何処か暗い声色。落ち込んだような表情は、その言葉の意味を知るには十分か】
【「何処に居るのでしょうか。お姉ちゃん……」小さな呟き。探し人の相手は、どうやら姉のようで】
【困った様に眉を八の字にすれば、立ち止まって溜息を吐くのだろう】


「また、探し直さなきゃ……いけませんね……
早く見つかればいいのですが……」

【――――身近に置かれていたベンチへ腰を掛ければ、溜息と共に夜空を見上げて】
【その気配の事もあるけれど、何より人っ子一人居ない街中に巫女が佇んでいるとなれば、それはきっと通りかかった人の注意を引くには十分で】







【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【その入口付近で、何やらギャーギャーと喚き立てる声があって】


「納得がいかないです!何故、ソフトクリームを切らしているのです!」

【どうやら、食堂付近で一悶着あった様】
【額から一本の角を生やし、汚れを知らないような真っ白な髪を持った少女が、従業員と思われる者に噛み付いていて】
【――――車椅子に、入院服。その姿を見れば、この病院の入院患者と見て間違いは無いであろう】


「暑くて、みんな買っていってしまったから、です?
そんなの理由にならないです!私だって暑いですし、何より需要が分かっているのに供給出来ないなら失格なのです!」

【ガルルと吠えれば、噛み付いて】
【側を通る医師や看護師達が苦笑している所を見れば、最早“お馴染み”の光景なのだろう】
【未だに食い下がっては離れないけれど、果たしてそん少女に声を掛けようという奇特な者は居るのだろうか
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/27(木) 22:44:30.17 ID:uDj/CRtVo
>>230

【夜を弾く雨粒のような足音が、そっと宵闇に消えていったなら】
【ベンチに座る凛とした貴女の視線の端に、かすかな雪の色が浮かぶのだろう】
【雪はその頬白を靡かせたなら、擽ったそうにその姿を見つめた】


ふしぎ……格好なの……とーっても、ふしぎ
お姉……さん、かわいい……かっこう、なの


【拙い言の葉が夜空に浮かんだならば】
【後に追従するのは、その音色に相応しい可憐な姿のよう】
【ソプラノの音色を指先でたどった後の旋律が、やけに雅やか、で】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【スカートの下から伸びて、ふりふりと揺れるのは猫を模したやや長めの尻尾】
【両手で握るのは大きな大きなバイオリンケース、両手を伸ばしてふらふらと揺れた】


横……いい、の?


【小首を傾げたなら、細い首筋に溶け込む、プラチナブロンドがまたたいて】
【くすぐったそうに微笑む、長い睫毛が緩やかなラインを描いて】
【視界の先にいた貴女を、その慎ましやかな美しさを孕んだ衣装と共に瞼の裏に浮かべた】
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/27(木) 23:06:57.36 ID:J3UsUy4x0
>>231
【余程深く思案に沈んでいたのか、言葉に対しての返事は無く】
【それでいて視線を向ければ、パチパチと数度瞬くのだから不思議な話】
【――――数度目の瞬き、ふと現世に戻って来たならば、何処か慌てるような仕草が見えて】


「へ……ぁ……わ、私、ですか……?
いえ、可愛い格好だなんてそんな事は……櫻の国に伝わる伝統的な物ですし、えっと、その……ごめんなさい……」

【耳を通り過ぎて言ってしまった言葉。心の内で反芻してみれば、徐々に頬が赤く染まり】
【わたわたと手を振ってその言葉を否定してしまえば、意味も無く謝るのだろう】
【少女の気を害してしまっただろうか。何て考えから浮かんだモノでは無く――――ただ、咄嗟に出てしまった其れ】
【きっと、眉をハの字にした女性の性格を知るには十分な素材か】


「えっと……それに、猫さん……?の方が、とっても可愛らしい服装ではないですか
その言葉は、もっと別な人にあげなきゃいけませんよ……?」

【一瞬ばかり、黒の双眸を交えたけれど、直ぐに外してしまって】
【それでも、まだ見られているのだろうか。なんて考えが起きたならば、より一層赤くなるのだろう】
【言葉に窮してしまえば、後はあうあうと小さく呻くばかり。勇気を出して視線を上げた頃と、少女が問うのは同じ頃か】


「横ですか……?
あ、あの、……私の隣でも良いのでしたら……どうぞ……?」

【女性の歳は大凡十代の後半。絞るならば、17か18が妥当か】
【自分よりも幼いであろう少女に対してもまるで初心の様に接して、コクリと一度頷いたならば身体を少し横に移動させるのだろう】
【少女が座ったならば、じーっと向けられる視線。先は、尻尾とバイオリンケース】
【――――勿論、視線を合わせないように努めているのだけれど、逆に其れが不審で】
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/27(木) 23:20:27.31 ID:uDj/CRtVo
>>232

【マリンブルーの双眸が、貴女の姿をそうっと撫でて】
【流れこむその言葉は、女性らしい柔らかく慎ましやかな音律】
【耳を潤わすその音の流れが、とてもとても心地良かった】

【羽毛のように軽い足取りで貴女のそばへとむかえたなら】
【両手で握ったバイオリンケースが一つ喉元を震わせる】
【貴女の素肌に混じりこむ赤い色合いが、月明かりに美しく照らし出される】


……?ソニア、何も……してないの、迷惑……
だからね、ごめんなさい、いらないの、ホント、なの

うん、かわいい……とっても、かわいい格好
でもね、お姉さんの方、かわいいの、ずっと


【じっと耳を澄ましていれば、彼女のその言葉は、どこかアクセントがずれているよう】
【途切れ途切れの音律は異国情緒を感じさせて、不思議な音色にも聞こえるだろう】
【それはどこか別の世界の住人みたいに、はかなげな雰囲気が、その感覚を助長させるだろうか】

【瞼が再び落ちたなら、そこに浮かぶのは溶けてしまいそうなぐらいに真っ直ぐなほほ笑み】
【月明かりに消えてしまいそうなほどに薄い雪のような素肌に浮かぶその形は】
【貴女にもまた劣らない柔らかな肌の質感を感じさせるだろうか】


……む……ソニア、猫さんじゃ、ないの……

お姉さん……どうした、の……赤い、お顔……さっき、から
―――――……大丈、夫……?


【貴女の返事を聞いてから、ちょこんと彼女の小さな身体がそばに積もる】
【すぐそばにいても見下さないといけないぐらい、彼女の身体が小さく華奢】
【こちらへと注がれる視線に気づいたのか、貴女の艶やかな黒色に、マリンブルーを交錯させて】

【頬を真っ赤に染めた可愛らしい貴女の表情、その意味を少し解せなくて】
【ベンチに座り込んで、左手をその上においたなら、上半身だけぐっと伸びて】
【呼吸の触れ合いそうな距離まで近づけたなら、右の手で、貴女のほっぺたに触れてみようとする】

【彼女の左手側においたバイオリンケースがその質感を強めたなら】
【相反するように柔らかい絹糸のような指先が、貴女に触れることができるのだろうか】
【握ったら溶けてしまいそうな小さく細い指筋が、まるで赤子のように貴女を辿ろうとする】
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/06/27(木) 23:44:24.32 ID:J3UsUy4x0
>>233
「その……どうしても、癖で……それで、あの……ごめんなさい……
……私の着ている物なんて、櫻の国では沢山見掛けられますから……それに、とても似合う人だって、沢山……居ます、よ?」

【今度は、意味も無く「ごめんなさい」を言ってしまったことに対する「ごめんなさい」】
【実に滑稽であるのだけれど――――その事を自覚して笑う余裕も無くて、ただ申し訳なさそうに視線を伏せるだけ】
【今纏っている物よりも綺麗な物が、櫻の国には沢山在るから。何て紡いだならば、何処か不思議そうに小首を傾げて】
【少しだけ冷静になれた今、少女の紡ぐ言葉の辿々しさが耳に引っ掛かり】
【折角浮かべてくれた優しげな微笑み。なのに、きょとんとした様な視線を向けて】


「猫さんじゃ、無かったですか……そう、ですか……
その、もしかしたら……仲間かな……って……」

【少し、残念がっているようにも思える呟き】
【自分の勘違い。だけれど、その視線は未練がましく尻尾へと向けられて居て】
【妖狐。櫻の国、或いは妖怪に通ずる者でなければ掴みにくい気配】
【けれど――――長い間戦場に身を置いていたならば、“人とは異なる何か”を感じ取る事は出来るであろうか】


「……大丈夫ですよ。ちょっとだけ、熱が出てしまっただけですから
……心配させてしまったなら、すみません……でも、特に異常は……」

【気付かれた事を悟れば、とっさに自分の草履を見つめ】
【視線を向ける事も無く、返す言葉。――――それが、仇となったか】
【再び視線を戻す頃には、その通りの距離。「ひゃっ?!」何て間抜けな声と共に吐かれた息が、少女の素肌へと掛かってしまうだろうか】
【きっと、その右手に伝わるのは熱感。まるで、風邪をひいた者のように熱い事であろう】
【当の本人はと言えばすっかり固まってしまって、その手を包んで離す事も、顔を反らすことも出来ず】
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/27(木) 23:53:47.34 ID:uDj/CRtVo
>>234

【きっと普通の人ならば、それが貴女の口癖なんだと理解するのだろう】
【けれども彼女にとっては、貴女の一言一句に意味があるのだと思ってしまって】
【小首を傾げたその先の、どこか不思議そうな瞳が、大きく貴女へと注がれて】


そう……なの、櫻の国……かわいい人、いっぱいなの

でもね、お姉さん、ごめんなさい……ダメ
ごめんなさい言うの、悪いことしたとき、だけ……なの
だからね、ごめんなさい、ごめんなさい……言ってたら、ダメ、なの


【指先で辿る心の輪郭、素直な感想は簡素な修飾にのせて】
【言葉が辿りづらくても、言葉の意味は伝わるだろうか】
【謝罪としか、ゴメンナサイを受け取れないから……だから】

【まっすぐに見つめるその音色、マリンブルーの水面に貴女の虚像が浮かぶ】
【そこに浮かぶ可愛らしい少女が、謝罪の言葉を何度も傾けるのが】
【やっぱり少し、くすぐったくて、頬に指先が触れる】


……仲間……?……どういう、こと……なの?


【言葉の真意はつかめずとも、その言葉の不自然さは感じ取れたみたいで】
【コルセットに包まれる細いくびれの形、華奢な体格が揺れたなら】
【膝でベンチに座ったなら、ようやく貴女と視線が合うのだろうか】


んぅ……熱いの……お姉さん、とっても……
ホントに、大丈夫……?ダメなら、言って、ほしいの……

ソニア、正義の味方……だから、困ってる人、助けるの


【耳に流れ込む貴女の驚いた、とても、柔らかな音色】
【プラチナブロンドの髪を震わすその声色が、とっても丸く甘く溶けるみたいに】
【擽ったそうに一瞬目を細めて、小さな首筋を震わせた】

【雪のように白い素肌が貴女へと密着しそうになって、重なる視線が、意味をなくす】
【大丈夫かな、なんて思ったら、ぐいっと顔を近づけて、おでことおでこを触れさせようとする】
【熱を測る、との目的が一応、あることにはあるのだが】
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/28(金) 00:11:25.37 ID:KPKCjFj+0
>>235

「で、でも――――……分かりました……次からは言わないように気を付けてみます
……ですが……あの、もう少し、時間を下さい……
やっぱり、意識してても難しくて……だから……ごめんなさ――――けほん」

【無理そうです――――そう答えようとした刹那、少女の伝えたい事、その言葉から導き出して】
【少し間を置いたならば、コクリと小さく頷くのだろう】
【頑張ってみるから時間が欲しい。そう伝えようとすれば、思わず口から件の言葉が漏れそうになるけれど】
【慌てて自身の口を掌で塞いで不発に終わらせれば、咳払いと共に小さな小さな微笑みで誤魔化すのだろう】


「説明するのは難しいのですが……櫻の国には、特有の魔物が居まして……
猫さんの尻尾があるから……もしかしたら、同じ種族じゃなくても、仲間かなって思ってたんです……
ですが、その、違かったみたいで……あ、いえ、勝手に勘違いしちゃっていた様で……」

【つまる所、女性は櫻の国特有の魔物という事か】
【言葉を正せば、自分の勘違いであった。落ちた声色が、其れを語って】
【じっと尻尾に向けていた視線。不意に、少女の瞳が映ったならば驚いた様に目を見開くけれど――――】


「ほ、本当に大丈夫ですから……あの……手を離して下さると……

…………?正義の味方……?も、もしかして、自警団の方ですか……?!」

【触る時間が長ければ長いほど、熱も上がってくるのだろう】
【白かった素肌も、今や真っ赤に熟れてしまって――――掌に伝わって居るであろう熱も、相応】
【困った様に眉を八の字にしていたのだけれど、「正義の味方」と聞いたならば、その姿も一転して】

【詰め寄るように、そして問い質すように自らも距離を詰めたのならば――――】
【コツン。額同士のぶつかる、そんな小さな音が虚しく響く結果になろうか】
【熱が測れる位の悠長さがあるかは……少女次第で】
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/28(金) 00:21:07.69 ID:rhPSFrato
>>236

【彼女の小さな口元が揺れたなら、鈴を転がしたかのような笑い声が漏れる】
【不意にこぼれた笑みの色、それはどこか不思議な雰囲気を持った彼女にしては】
【ただの幼い少女のままの姿みたいで、等身大の幼さをそこに浮かべていた】


お姉さん……面白い人……なの……ぁ
えっと、人じゃないの、魔物……なの?

……えっとね、魔物さん……なら、どういうものなのか、教えて欲しい……な
お姉さんのままでいいのか、ソニアね……分からない、の


【不思議そうな色合いが満ちた、小さな顔に浮かぶ迷いの色】
【貴女の言葉を聞いて、少し間を開けて、そうして答えるのだろう】
【言葉を聞き取るのは苦手ではあるが、そこまで頭は悪くないみたいで】

【貴女の言葉の真意は掴めた、それならば、貴女の正体を知りたかった】
【魔物≠ニ形容される存在が、いったいどのような存在であるのか】
【疑問を持ち続けることはきっと、間違いではないのだろう】


……っ!?ふぁぅ……もぅ、痛いの……お姉さん……
えっとね……自警団、みたいな、の……

――――――UNITED TRIGGER
それが、ソニアたちの……お名前……


【額同士がぶつかって、貴女の額に押されるように彼女が少し後方へ押される】
【くしゃっと瞼を閉じて、両手で額を抑えたなら、目尻には僅かな涙が滲んで】
【痛かったのだろう、もう、と貴女を見つめる瞳が、じとーっと力を持って】

【赤く染まった貴女の頬の色とは別に、彼女はまた新雪のように薄い白の素肌】
【吐息のよう、冬に咲いた季節通りの淡い吐息の成れの果てみたいに】
【夏空の下では生きていけないか弱い雪景色みたいに――――――】
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/28(金) 00:41:45.79 ID:KPKCjFj+0
>>237

「私が面白い人、ですか……?そう、言われるのは初めてで……えっと……有り難う、御座います……でしょうか……?

……櫻の国には、妖怪。よーかい、と言う種族が居るんです。本当は、その中でももっと細かく分けられるのですが……私も、ちゃんと言える程勉強はしていなくて……
その中で、妖狐と呼ばれる……あの……えっと……あっ、狐さんのよーかいが私です……
でも、私も色々複雑で……よーかいですけど、人間と同じ様に暮らしてて……一気に言ったら、頭が混乱しちゃいますよね……

――――お名前、まだでしたね……。天鬼桔梗。あまき、ききょう……ってお名前です……
あなたは……ソニア……で良かったでしょうか……?」

【面白い人と言われれば、何処か困惑した表情ながらも何故かお礼を述べて】
【――――知りたい。と旨を伝えられたならば、自分の顎に指先を添えて考え込む素振りが数秒】
【他の国出身であろう少女にはどの様に伝えれば良いのだろうか――――やがて考えが一巡すれば、大雑把に答えるのだろう】
【その魔物の正式な名。自分の種族。更に細かいところまで伝えようとすれば、口を噤んで】

【……触れられれば緊張するし、赤面もしてしまうけれど、自分の事を教える位に少女に対して打ち解けたか】
【間を置けば、自分の名。二度目は、聞き取りやすいようにゆっくりと口にして】
【――――先程から少女の一人称は気になっていたのか、“ソニア”が名で良かったかと、確認が一つ】


「わっ……?!ご、ごめんなさい……!
つい、正義の味方と聞いたら……もしかしたらお姉ちゃんと同じ自警団なのかなって……

……UNITEDTRIGGERと言えば……確か、話は聞いたことがあります
確か、銃を使う人がリーダーを勤めている所で、そこの皆さんが沢山の人を救っているって……
あなたも、その……?」

【ビックリしたように身を退けば、少女の様子を伺って】
【送られる視線は、先程とはまた異なった、謂わば批判するかのような其れ】
【弁明するかのように言葉を連ねたならば、袂で涙を拭おうとするけれど】

【予想外の組織の名。きょとんとすれば、己の持って居る知識を語り――――】
【まさか、目前の少女がその一員だとは安易に信じることが出来ず、今一度確認の意味も込めて問い直すのだろう】
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/28(金) 00:53:03.94 ID:rhPSFrato
>>238

【よーかい、と貴女の言葉に続いて口元で反芻するその響き】
【人外に会ったことはあっても、貴女のような存在は正直いって珍しい≠烽フであった】
【もう一度見つめるその姿は、ただの人とそう違いはないようで――――――】


桔梗……そうなの……狐さんの、お友達……なの
うん、そうだよ、ソニアは、ソニア……ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ

よろしくね、桔梗


【紡ぐ言葉の色合いも、そこに響く意味合いも、きっと深くは分かってはいないけど】
【けだるい夏の夜、湿気を孕んだべたつくような風の薫】
【そんなのを忘れさせてくれるぐらいに、貴女の存在は清涼感を保っていて】

【ベンチから飛び降りたなら、編上げブーツのそこが地面を撫でる】
【袂が触れた頬の感触を、そっともう一度自分の手で撫でることで確かめたなら】
【小柄なその体躯を、ベンチの方向の貴女へと向けるのだろう】


お姉ちゃん……桔梗、お姉ちゃん、いる、の……?

うん、そうなの、ソニア……そんなに、強くない、から……セリーナみたいに、できないの
でもね、強くなくても、いっぱい、あるの……できること……

だから、ソニアは好きなのUNITED TRIGGER=\―――――
困ったら、おいで、桔梗――――――きっと、力になる、の


【バイオリンケースを両手で握ったなら、一歩遠くへと踏み出して】
【くるりと貴女へと背を向けて、首筋をすーっと夜に浮かび上がらせる】
【月夜を縫う白い首筋の色、覗く横顔が小さな微笑みを浮かべたなら】

【その横顔をプラチナブロンドが薄く修飾して、その音色を奏でるのだろう】
【そうして貴女へと微笑みを告げたなら、ゆっくりとその場を後にするのだろう】
【重なるあくびを一つ、夜にこぼしたのはきっと、まだ幼い姿がゆえ――――――】


/すいません!明日も早いのでこの辺りで、お疲れ様でしたー
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/28(金) 01:12:52.47 ID:KPKCjFj+0
>>239
「お友達と言いますか、私も狐であるといいますか……
……ソニア、えかちぇりぃ……あの、ソニアで良いでしょうか……
どうも、異国の言葉は苦手で……」

【教えて貰った少女の名。繰り返して確かな物にしようとするけれど、どうも上手く反芻出来なくて】
【少しの間四苦八苦していたけれど、やがては先程と同じ様な呼び方で良いか――――なんて問うて】

【飛び降りた小さな身体。別れが近いことを感ずれば、やっとまともに視線を交差させて】


「ええ、私何かよりも巫女らしいお姉ちゃんが……今は、探している最中ですけど……

分かりました。きっと、何時か寄らせて頂きますね……お姉ちゃんを探すことの依頼か、それとも別な何かで行くのかは分かりませんが……
でも、出来たら……ただ、楽しくお話する為だけに……行ったら、迷惑……でしょうか……

お休みなさい、ソニア――――あなたはとっても良い子で、強い子に見えますよ、私には……
ですから……怪我、しないで下さいね……」

【微笑みには微笑みで返して、手を小さく振って見送るのだろう】
【少女の背中が見えなくなるまで、その場で見送ったならば――――立ち上がって、触れられた頬に自分の手を重ねて】
【くすり。何処か嬉しそうに小さく笑ったならば、妖狐もその場から姿を消すのであろう】

/了解であります!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!お休みなさいませっ!
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/28(金) 21:16:50.14 ID:c2qZQNlG0
【街中――表通りに面した公園】
【蜜柑の形をした月が照らす細道、両壁を作る建物の影が落ちようと、それなりの明るさだけは保たれる】
【――そんな最中。かぁんと金属でも打つよな音、不定期的に。夜を抜けて、よく響いていた】

……、……――、

【散らばるのは小さめという以外に共通点のないような小石たち、群れの真ん中に据えられたベンチ、ちょいと腰掛けて】
【陶器で作ったような指先がひらと拾い上げては放り投げていく、その先にあるのが、塗装も剥げた遊具のパイプ】
【意味不明な落書きの飾る錆色、空っぽの空洞に音が幾度と反響して、夜を彩っていく――】

【真夜中の色をした髪、膝を越す長さ、今は木箱の上にとぐろを巻いて】
【長めの前髪越しに覗くのが黒赤のオッドアイ、蛇めいて丸い瞳孔、真っ直ぐに目標物を見据えたまま】
【細こい身体を包むのは黒を基調にしたワンピース、レースとリボンとフリルと、絵でも描くように飾って】
【座っても柔らかに膨らんだままのスカート、足元は黒無地のソックスで飾って、穿いているのが高いヒールしたブーツ】
【――足を動かしたなら石ころがぎゃりと地面を削る音、丸い瞳をぱちくりして足元に視線を落とすのは、少女がひとり】

――、暑い……、前まで、こんなじゃなかったのに、

【パイプへ向けていた意識も解けるなら、不満げに洩らす声。鈴の音色によく似て、こちらも夜に良く響く】
【――見れば、夜とは言え、こんな時期にするよな恰好でもないように見える。布地だって、分厚いもので】
【滅多に外に出ない類の生き物、だろうか。……それにしては、外慣れしているようだったけれど】

【ふらふらと首を揺らすならしゃらり鳴く髪の音、月明かりに艶めいて、無数の輪を抱いて】
【髪の毛を纏め上げていく手、左の薬指には指輪めいた黒蛇の痣――そのうちに、手首に留めていたゴムが結わえて】
【そうしてしまえば、今度は退屈したよにヒールの底で地面を抉り出す。いかにも適当なポニーテールが、風に揺れていた】

【――不定期に鳴いていた金物の音、高く鋭いのは、声量以上にあたりへと響いていたはず】
【投げたものが総てパイプへとぶつかっていたわけでもない、もしも傍にいたりしたなら、ニアピンしかける可能性だって、零では――?】
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/28(金) 21:49:28.32 ID:vdDANoby0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――雷の国 郊外】

……久しぶりにおじいちゃん、楽しそうにしてたわよね……
「……なにか、良い事、あったみたい……」
そうね……しばらくぶりに溌剌としてて……安心したわ
<……ヒヒッ>

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【遠くに映る街の明かりを眺めながら、なだらかな丘の上に並んで立っていた】
【国柄と言うべきなのか、湿気が多くて蒸し暑く、空にもどんよりと雲が掛かり、星空は仰げそうにもなかった】

……もしかしたら、いつも通りに人を食ってるだけじゃ収まらない仕事が、始まるかもしれないわね……
「……それでも、みんな、食ってやる……」
<……>

【3人は、見下すような挑戦的な視線で、ふもとの街の明かりを見下ろしていた】
【――――びゅうと、重くて温い一陣の風が、駆け抜けた】



【――――所変わって、風の国 公園】

……すぅ……すぅ……
「……小さくても、魔力の類を集めてくだと?」
<えぇそうよ……今のままだと、情報らしい情報も集められないでジリ貧じゃないの
それに、この子の体力だって、限度もあるんだからね?>
「そりゃ……確かにそうか……」

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットが印象的な、身長140cm前後の少女が】
【公園のベンチに座り、肘かけに凭れかかる様にして眠っている】
【疲れた様な表情で、眠っている姿はあまり安らいだ様子ではなく、また、少女のそばには赤と青の人魂の様なものが漂っていた】

「……俺たちも早いところ、元の世界に帰らないと……」
<どうなるか分からないって言うのがね……まぁ、今でも十分、一寸先は闇なんだけどねぇ……>
「……ゆっくり眠らせてやる事も、出来ねぇのか……俺たちは」
<だから、こうやって見張ってるんじゃない……今ぐらいは、ゆっくり寝かせてあげたいわ……>

【ゆらゆらと揺らめく赤と青の人魂に見守られながら、少女は眠る】
【うぅん――――と、小さく少女が声を漏らして姿勢を変える。2つの光に見守られながら】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/28(金) 22:00:17.75 ID:y7U9RgU7o
>>241

――痛てっ

【甲高く鈍い音が繰り返し響く公園、そこから零れた小さな流れ弾が、たまたま近くを歩いていた人影のこめかみ辺りに当たってしまう】


【少し癖のついた、炎のような澄んだ緋色のショートカット、ガーネット色に輝く瞳】
【薄灰色の丈の大きいやや薄手のトレンチコートを羽織り、黒い長ズボンを穿いている】
【首には竜をかたどったペンダントを提げていて、額に傷があるのか包帯を巻いている】
【背中には、魔翌力を帯びた「竜の翼」と思われるものが生えている】
【そんな格好をした、14、5歳程に見える少年だ】


【公園を覗き込むと、目に入ったのは黒づくめの少女】

――さっきの、お前?

【少女の足元には、先ほどぶつけられた小石と同程度の大きさの石が転がっていた。ほとんど断定である】
【やや眉根を寄せ口を尖らせているが、そこまで怒りをあらわにしている様子ではない】
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/28(金) 22:07:55.05 ID:9q9wHS4Ko
>>242

【迷彩柄の夜に溶ける暗鬱とした風の色】
【僅かな湿気混じりの夜風がその余韻を響かせたけれど】
【ただ静かに流れる風の色合いだけが、不確かな形に満ち溢れていた】

【話し声を響かせる3つの人影へと風がまた流れていったなら】
【その元に落ちてきた雪の欠片を、月光の下に映し出せるのだろう】
【足音が一つ輝くような音色に満ちていったならきっと】

【――――――そこに残るのは明け星のような眩い香りみたいに】


……ねぇ、ねぇ……さっき、から……おかしなこと、聞こえる、の
人を食べる=c…ソニア……その言葉、見捨てて、おけない、の

だからね、説明……欲しいな……その、意味の……


【新雪を踏みゆく、足取りを紡ぐ歌声のようなソプラノの囁きと】
【頬を撫でるすずらんのように白い素肌の彩りが、3つの人影へと注意を投げかける】
【貴方達へと歩む足取りが、確かな形を刻んでいくのだろう】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【スカートの下から伸びて、ふりふりと揺れるのは猫を模したやや長めの尻尾】
【両手で握るのは大きな大きなバイオリンケース、両手を伸ばしてふらふらと揺れた】

【距離をおよそ10m前後にまで詰めることが出来たなら】
【その小さな両足が、しっかりと地面を踏みしめるのだろう】
【秋風のよう、どこか悲しげな旋律を保ったまま、少女は歌の続きを待った】
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/28(金) 22:15:48.60 ID:c2qZQNlG0
>>243

【金属を打つような甲高い音は失せ、今ではくぐもるような低い音が紡がれる、夜の中】
【音を視線で辿ったなら辿りつく先、足元には前衛芸術と言い張ればそうとも見えそうな、意味のない線の乱舞】
【時折石ころでも発掘しているのか硬質の音が混じりこむ、――まあ、それだけなら平和な夜の一欠けら】

【――かつん、と。最後にひとつ石ころでも掘り当てたようにして、その足先が止まるのだろう】
【つんと見えない糸で釣り上げたかのように持ち上がる視線、彼のほうをじぃと見つめるのが、硝子球めいた双眸】
【綺麗にまぁるい瞳に浮かべるのも、また、まん丸の形をした瞳孔。ぱちと瞬いたなら、そうと首をかしげて】

……さっきのって、なに?

【自分が石を投げていた。そちらの方から誰か来た。そこまでは分かるのに、「さっき」が上手く繋がらない、数秒間】
【幼子に宇宙構造でも語り聞かせてやったような顔、一生懸命考えるようでいて、どこかでそうでない他人事の風】

…………、――ああ、わたしじゃないかも。

【首を傾げたままの視線がついと堕ちていくのは、まるで彼を観察しているようにも、見えるだろうか】
【そのくせ、一番関心を惹きそうなせなの翼は指に水の絡まないぐらい、あっさりとスルーしていたりして――】
【視線が地面でぶつかって留まる、足元に転がる石ころに気がつく、――さっき投げたうちの誰かに、似ている気がして】

【――そこでようやく繋がる思考回路、ならば誰がやったのだろうか、わざとらしいぐらいの突っ込みどころ】
【つーっと逸らしてしまう視線だって怪しさ満点、ぱたんと空を蹴っ飛ばして落ちる足だって、誤魔化すようで】

【――そういえば。同じ人外の存在ならば気付くだろうか、彼女の纏うもの】
【冗談みたいに澄んだひんやりとした水の――人間のものと違った、外れた、気配】
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/28(金) 22:29:00.09 ID:vdDANoby0
>>244

――――ッ、誰だ……っ!?
「……あ! 二人とも、あそこ!」
<……!?>

【街を見下ろしながら、不穏な笑みを湛えていた3人の子供が、不意に掛けられた声に表情を歪めて、さっと周囲に意識を向ける】
【そして、さほどの間をおかずに、少年がその声の主を認めて、そちらへと視線を向けた】

【――――だが、発声一番に声の主を指した少年は、すぐに視線を逸らしてしまう】
【全員で一点に集中せず、多角的に周囲の状況を探る事。軍隊の集団行動などでの行動を、咄嗟に子供たちは実施している】
【――――只者ではないと言う事が、もしかしたら分かるかもしれない。それでなくても、次のリアクションで――――】

ッッ!!
お前は……ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ!
「……ブラックハートを、連れてった、あの敵……!」
<…………ゥゥウウゥゥ……!>

【声を掛けてきた存在――――ソニアの姿を認めると、3人はそれぞれに声を荒げ、さっと身構える】
【――――3人は、ソニアを『ブラックハートを連行した人物』と捉えている。つまり、その瞬間を3人は知っていた】
【――――グラトン=ブルーガー=ウルバヌスの背後に控えてヘリに搭乗していた3つの影。それが彼らであると見て、間違いないだろう】

……ッ……は、説明……?
簡単よ……私たちは、食人兵士(グールソルジャー)……究極の兵士なの……負け犬なんかにはならない……!
人間なんて、私たちには、食糧にしかならないのよ……ッ!
「……意味なんて、無い……食べるだけ……」
<……ヒヒッ!!>

【動揺しながらも、3人はそれぞれに答える】
【――――食人兵士。文字通り、人間を喰らう兵士。敵は全て、捕食対象でしかないと言う事なのだろう】
【全くの言葉通りの意味で――――人間として、忌むべき事であるが――――深い意味など何もない言葉なのだろう】

――――『あの負け犬』みたいに行くとは、思わない事ね……!
私は、ブラックハートなんか目じゃない、本物の兵士なんだから……!
「……ブラックハート、負けたから、死んだ……僕たち、負けないから、死なない……!」
<…………ッッ>

【彼らは彼らで、ブラックハートを強く意識し、そして卑下していた】
【戦いに敗れた弱者――――彼らから見たブラックハートは、それ以上の存在ではない】
【自分たちの力を誇示するその言葉にも、その思いは強く滲み出ていた】

……で、むざむざ殺されに……ううん、喰われに来たって事で良いのかしら?
見てた限り、お前はスナイパーでしょ……こんな至近距離まで来て、どうしようって言うの……!?

【東洋系の少女が一歩前へと出て、ソニアと対峙する】
【この3人のイニシアティブを握っているのは、この少女なのだろう。残った2人は、身構えながらもその場から動こうとはしなかった】
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/28(金) 22:36:24.29 ID:KPKCjFj+0
【小さいながらも、活気のある街――――だった、その場所】
【こんな時間でも楽しげな歌声等々が聞こえていて、所謂眠らぬ街とも称されていた其処。今日は、奇妙なまでに静かで】
【普段とは異なった、吐き気を催すほどの血なまぐさい香り。常に聞こえるのは炎の燃えさかる音。時折聞こえるのは、僅かな生存者の呻き声】
【――――広場の中心に立つのは、小太りな身体。派手な衣装に白塗りの顔。皆からはピエロと呼ばれる人物】


「ホ、ホホホホホホ――――楽しいですねぇ楽しいですねぇ!
さあさあ!皆さん!惨めに這いながら必死に逃げて下さいねぇ!
ほら、そこのあなた!もっと頑張って逃げなければ自分の足に踏み殺されてしまいますよぉ?!」

【犠牲者達の姿を見れば直ぐに気付くであろう事が二つ】
【一つは、全て両脚が切断されていて――――もう一つは、まるで何度も踏まれたような形跡がある事】
【街中、人では無く“脚”だけが歩き回っている、なんて奇妙な光景】
【――――また一人。何処かの店の主人で在ろうか。ナメクジの様に大量の血液を跡に残しながら這っているけれど】
【結局は、自分の“脚”に背中、胸、後頭部を踏みつぶされてしまって】


「ホホ――――駄目ですねぇ……
何故そんなに遅いのでしょう!ホホホホホ……
さあ、神の救いの印を受ける資格のある方はこの街には居ないようですから……また別な街へ行きましょうか。ホホホホホホ」

【――――ゴキリ。止めは、「ホッ」と間抜けなかけ声と共に、ピエロがストンプした事か】
【地面にへばり付いた血糊。ずっと変わらない笑みを張り付けたまま、亡骸の服で擦り落として】
【立ち向かおうとした若者達も悉く惨殺されてしまったこの街】
【目的を果たせば、立ち去ろうとするけれど――――さて、そこに現れる人物は居るのだろうか】









【しんと静まりかえった公園。時間が時間であったならば、子供達の楽しそうな笑い声が聞こえるのだけれど】
【今は元気に走り回る姿も無く――――ただ、一人の小柄な人物がベンチに座って空を見上げているだけ】
【その丈に合わぬ大きなパーカーを纏い、フードを被っている故に素顔は分からないけれど――――背に生えた、大きな白い翼が印象的で】


「子供達が遊んでいるのを見るのもいいけど、時には静かな公園も良い。と、呟いてみる
今夜は月も綺麗で、静かに過ごすには良い日だ。と、感慨に浸ってみる
…………チェリは、もう寝たのだろうか。と、心配してみる」

【何処か癖のある話し方。凛と澄んだような声、そしてその身体から察するに、恐らくは少女なのだろう】
【気紛れにバサリ、と翼を一度はためかせ】
【丸い月に向けられて居た視線。今度は、足元へと落として】


「…………もう一人付いているから大丈夫か。と、自分を納得させてみる
折角の休み、だけど、過ごし方なんて知らない。と、ぼーっとしてみる」

【膝の上に乗せていた仮面。指で弄んでいれば、再び言葉が繋げられ】
【――――所謂、休暇なのだろうか。愚痴でも無く、ただ思った事が口から漏れてしまっただけ】
【この時間に、翼を生やした者が一人。よくよく探ってみたならば、聖とも感じ取れる魔力に気づける事か】
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/28(金) 22:38:34.02 ID:9q9wHS4Ko
>>246

【溶ける雪の華が、最後に落とした夜露にも似て】
【最後の一滴を絞りだすのはきっと、思いの果てのようでもあって】
【とろんと蕩けそうなぐらい大きなマリンブルーを夜に浮かべながら――――――】


……知らないの、そんな……理由……
ソニアね、そんなの……そんな身勝手なの、認めない、の

お姉さんたちの考えなんて……ソニアには、分からない、から


【食人兵士=\―――――その言葉が示す先は彼女には理解できる範疇に無くて】
【人を食らう正当性など、その言葉からは察することができなかった】
【淡々と紡ぐソプラノの音律が、どこか悲しげな音色を響かせたなら】

【かげろうのよう、彼女の輪郭が、ふらっと滲んで】
【ただ静かに立ち尽くすゴシック姿の彼女を、薄く溶かしこむみたいに】
【その距離を保ったまま、一つ揺れた】


……でもね、仲間を……仲間だった人を、ね……
負け犬=\―――――なんて言う人、ぜったい、正しくなんて……ないの

正しくない人なんか、狙う必要なんて、ないの

――――――ソニアがこの手で、きっちりお仕置きする……から――――――!!
Broken Glass Syndrome=I!


【彼女が両手に持ったバイオリンケースをすっと目の前にかざしたなら】
【彼女の目の前に、手のひらサイズの鏡が出現するだろう】
【紡ぐ彼女の能力≠フ名――――――その刹那、鏡から一つの塊が落ちる】

【スモークグレネード=\―――――地面に落ちた瞬間、大量の煙を巻き上げる手榴弾】
【それが着弾し、煙を撒き散らす刹那、強く地面を蹴って、彼女は後方へと飛ぶだろう】
【狙いは明瞭、彼女の眼前の少女の視界を一瞬奪って、そして――――――】

【バイオリンケースを開き、中の銃を、組み立てる、こと】
【成功したなら、10mほどの距離をとった状態で、彼女は両手で狙撃銃を握っているだろう】
【バイオリンケースは足元に置いて、静かに煙が貼れるのを待つ】
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/28(金) 22:39:58.50 ID:y7U9RgU7o
>>245

――なに、って……
さっき小石が飛んできて、それがオレの頭に当たったの。
その飛んできた方に、お前がいたの。わかる?

【理解しているのかしていないのかよくわからない少女に、できるだけ分かりやすく、ゆっくり説明する】
【しかし理解できないのかしようとしないのかしたくないのか、返ってきたのはそんな反応】

――かも、って何だよ。
まぁ、だからと言って慰謝料払え、なんてケチなことは言わないけどさ。
オレだからよかったけど、もっと意地悪で怖い人に当たってたらちょっと面倒な事になってたよ?

【とやかく詮索するのはやめにして、少女に歩み寄る】

【そしてある程度近づいたところで、少女の纏う奇妙な気配に気づく】
(――何だ、これ)
(まさか……いや、それはないよな)
【口には出さないが、ほんの少しだけ表情が硬くなる。やや落ち着かなさそうに翼を羽ばたかせる】
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/28(金) 22:52:27.12 ID:vdDANoby0
>>248

……もっと分かりやすく言ってあげましょうか?
私たちは人間を食って生きていく生物……私たちに負けた連中は、みんな喰ってやるって言ってるのよ!

【知らない――――全くの拒否の言葉。それを東洋系の少女は、理解を突っぱねられたと受け取り、再度吼える】
【自分たちは、もはや人間とは違う『種』――――人間にとっての、天敵の様な存在となっているのだと】

事実でしょうが……二心を抱いて、仲間さえも憎み、そうしてあいつは死んでいったのよ……!
そんな不完全なサイボーグ、仲間として尊重する理由なんて、雫ほども無いわッ!

【――――この少女は特に顕著に、『勝利』に対する強い執着、一種の渇望の様なものが見てとれる】
【ブラックハートに対する容赦の無い酷評は、正にその感情の裏返しとして現出しているものなのだろう】

――――うっ
「……煙幕、張られた……気をつけて!!」
<……ウァガアアァァァッ!!>
2人とも、伏せなさい!!
…………ここは私が、何とかするしか……!

【ソニアの能力――――Broken Glass Syndrome≠ノよって、瞬時に現われ、そして破裂したスモークグレネード】
【それは、確実に3人から視界を奪い、同時にソニアに時間を与えた】
【咄嗟に東洋系の少女は、他の2人に伏せる様に怒号を飛ばす。棒立ちになっていては狙い撃ちにされる。なら、対処は自分一人で行おうと】

……クッ、こんな……煙なんかでぇぇッッ!!

【ただ1人仁王立ちする東洋系の少女の肩、そして腰から、ジャッ――――と言う中低音を響かせて、ビームが乱射される】
【煙の向こう、ソニアの姿を捉える事が出来ない以上、乱射してでも攪乱するしかないと踏んで】
【ジャッ――――ジャッ――――と、幾度もビームが空を切り裂く。狙いはてんでバラバラで、例え被弾しても、目に直撃でもしない限り、取り立てて重傷とはならないだろう】
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/28(金) 22:59:13.86 ID:c2qZQNlG0
>>249

【むうと真っ白な頬で不満語る少女の表情、子どもの浮かべるそれと、大差なく】
【見た目だけで言えば高校生ぐらいにも見えるだろうか、少しばかし釣り合わないように見えて、】
【(その実。これでもう二十歳を超えているというのだから――年齢を迷子にしてしまったような、危うさが)】

――不安なら病院に行けばいいじゃない、わたしだって用事があってしてたんだから……。

【石の飛んできたほうに自分が居たと彼は言う、そして周りに自分以外の石ころを投げそうな存在はなく、】
【そもそも自分で投げていた記憶があるのでどうしようもない。この数秒間で記憶を消し飛ばしたわけ、当然ない】
【――ばつの悪そうな顔、拗ねる子どもと同じもの。言い訳めいて付け足すのが、口中にくぐもって】

……そうしたらちゃんとするもん、それに。何かあったらお父さんが助けてくれるんだから。
どーしてもって懇願したら赦してあげるの、お父さんに傷付けたら――全部捧げても赦さないけど、さ

【――平然と呟くこと、それはつまり、相手を見てやっていますよ、ということで】
【ならば尚更に性質が悪い。親まで持ち出して――ふわと持ち上がった声音が、次の瞬間には、落ちている】
【伏せた瞳が褪めていた。それは、まるで、自らが持ち出した空想の相手に、いらついているような――?】

なぁに……、……――ごめんなさいー。

【歩み寄られる、その途中。不機嫌を微妙に引き摺ったままなら、見上げる瞳は僅かに鋭さを帯びて】
【変化した表情、翼の挙動、さて、何を思ったのやら。むーっと黙りこんだ口元、やがて紡ぐのは】
【手遅れといえば手遅れ、ただこれ以上の荒波を立てまいとするようにも見える。――誠意が足りない、そんな声音だったけれど】

【――自分が纏うもの、当然というべきか。少なくとも強く強く意識しているわけでもないらしい】
【人目に付きかねない場で振りまいていたことからしても。気付いてすら居ないか、まるで気にしていないのか】
【夜風に揺れたポニーテールがまるで宙で蛇のように揺らぐ、蛇の目の瞳孔、本来よりも少し縮んだのが、じぃと彼を見つめていた】
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/28(金) 23:04:10.81 ID:9q9wHS4Ko
>>250

【風を裂くビームの弾幕、光が夜を切りつけたなら、その傷跡が密かに歪む】
【頬に一陣、その断末魔が染み付いた、純白の素肌を汚す一枚】
【――――――それでも彼女の歩みを止めるには、軟すぎる、よう】


……そう、だったら……お姉さん達、人じゃない……の
そういうの、ひとでなし……そう、呼ぶ……から

そんな人じゃない獣、なんて……狩人の、敵じゃ、ないの……っ!!


【かくん、と彼女の低い頭が更に落ちる、小柄な身体が地面と平行に落ちる】
【短いスカート丈から零れるニーソックスに包まれる華奢な左足がまっすぐに伸びて】
【右足を折り曲げて、その爪先が地面へと接吻を交わした】

【伸ばした左手で銃身を支え、右脇に底を抱え込む】
【右手の指先をトリガーに溶かしたなら、彼女の視界はもう、数刻先を射抜いていた】


さあ、いく……の――――――!!


【響く怒号、爆裂する銃声が、周囲の空気を震わせた】
【狙撃に似つかわしくない轟音は、今彼女の狙撃銃が、その仕様になっていないということを示す】
【風を切り裂く銃弾、その牙はビームを乱射する、少女の肩を僅かなズレも無く撃ちぬかんとする】

【煙にぽっかりと穴が開くが如く、貫きつつ放たれる一筋の弾丸】
【そしてその穴が闇に侵略されるが如く、煙は次の瞬間には晴れるだろう】
【明らかになる彼女の姿、狙うチャンスであるのだろう】
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/28(金) 23:17:15.65 ID:3KtpSZcro
【路地裏】

【少し離れたところからは、人々の営みの音が聞こえてくるにも関わらず】
【この空間は、いつも重苦しい気配が漂っている。人々のすぐ後ろに潜む、死の渦巻く世界】
【入り組んだ通路、淀んだ空気、それゆえに闇を好むものにとっては心地よい場所。表だって行動できないものたちにとって】


【複数の通路に通じる、少し開けた場所。そこに走ってくる人影が一つ】
【月明かりに照らし出される姿は、常人とは異なるものだった。その身は、中央から右が白、左が黒に色分けされた、奇妙なスーツに包まれ】
【上半身には、二つの頭と四本の腕が存在していた。一つの身体に、二人の人間がいるのだ】

【向かって右側の頭は、病的に青白い肌をした、ほっそりとした顔つきの男だった。白い長髪を後ろで一つに束ね、落ちくぼんだ目と白濁した瞳で辺りを注意深く窺う】
【向かって左側の頭は、浅黒い肌に突き出た顎の、がっしりとした顔つきの男だった。黒い短髪をボサボサに乱し、吊りあがった目と爛々と光る黒い瞳で辺りを見回す】

【スーツには四つの袖があり、本来の腕の位置から青白く細い腕が、脇の下辺りから浅黒く太い腕が伸びている】
【その両胸のポケットには、白地の側が黒い糸で、黒地の側が白い糸で、それぞれ「No.50」と刺繍されている】


『……追っ手の気配もなし、と。まあ、ケチな仕事だったし、こんなもんだろ』
「そのケチな仕事でも、久々に回ってきた役割だったがな」

【一つの身体で言葉を交わし、異形の双子は一時、警戒を解く。その身から色濃く漂う、血の匂いが、路地裏の汚れた空気を上塗りする】
【その両胸の刺繍。路地裏の中にあっても異様であろう、その姿。滲み出る、悪意と狂気、そして死の気配】
【誰かがこの場を訪れれば、その姿は最初に目につくことだろう】
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/28(金) 23:17:57.14 ID:vdDANoby0
>>252

好きに呼びなさい!
機関に仇成す人間なんて、みんな私たち『怪物』が、食い散らかしてやるんだからね!
お上品ぶって見下して、そうやって嘲笑う人でなしに、バラバラにされて泣き喚けば良いのよ!

【人間じゃないと言われたところで、彼女たちの心にざわめきが起こる事も、もうないのだろう】
【売り言葉に買い言葉とばかりに、叩きつけるような言葉をぶつけ返した】

……どんなに高尚でも、高潔でも、負けて死ねばみんな等しくクズよ……!
私は負けない……最後の瞬間まで、絶対に負けないッ!!

【乱射していたビームを止めて、少女は煙の先に意識を集中する】
【そろそろソニアもこちらを狙いだす頃だろう。ならば、発射を止めて、息を潜ませこちらも先方を窺いみなければならない】
【――――その刹那、本人も意図していなかったであろう言葉を、少女は口元で呟いていた】

「……シュバルツガイスト、ダメだ、下がって!!」
なっ――――っぐ……この……!!

【だが、下がっていた少年からは、東洋系の少女――――シュバルツガイストの振る舞いが良くない事が見えていただろう】
【咄嗟に下がれと声を掛けるも、それよりも早くソニアの放った弾丸がシュバルツガイストの左肩を捉える】
【バキィッと、金属同士のぶつかる鋭い音が響いた。銃創から覗くのは、ジリジリと散る火花】
【――――シュバルツガイストもまた、ブラックハートと同じ、サイボーグ強化を受けた兵士だった】
【左肩に仕込まれたビーム砲台が、一発の射撃で潰されたのだろう】

【だが、その刹那。シュバルツガイストからも、ソニアの姿が見えた】
【銃弾を左肩に喰らった衝撃でよろめくも、その体勢のままシュバルツガイストは、右肩からビュン――――と言う中低音と共に、ビームの弾丸を発射する】
【先ほどのビームとは違い、圧縮された弾丸と化しているその弾は、ビームの様に瞬時に空を薙ぐ事は無いが、その分破壊力が上で】
【無理な体勢から放たれ、狙いがややぶれているとはいえ、命中すれば相応の痛手となるだろう】
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/28(金) 23:30:17.18 ID:y7U9RgU7o
>>251

【/もっと子供だと思ってました、ごめんなさい】

【見た目よりもずっと大人であった少女であったが、見た目どおりの年齢であっても少年の方が幼く見えるだろう】
【しかし、少年の方も少女に負けず劣らず見た目と実年齢が乖離している。少年の実年齢は常人よりはるかに年齢が高いから、おそらく態度はあまり変わらない】

別に血が出たとかアタマが変になったとか、そんなことはないから、そういうことじゃないんだけど。
――まぁ、これはもういいや。

【どこか妙なずれを感じるが、気にしないことにする】

お父さん、ね。
確かにお前、結構きれいな身なりしてるし、いわゆるお嬢様、っていうのなのかな?
そんなにいい人なら、オレもぜひ会ってみたいなー。

【どこか棒読みというか、皮肉混じりに聞こえるのは、気のせいではない】
【「隣、いいかな」なんて言いながら――しかし返事を待たずに――少女の座っているベンチの端に腰掛ける】
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/28(金) 23:38:59.57 ID:9q9wHS4Ko
>>254

【金属音がはじけた、火花が夜に微かな灯りを零したなら】
【貴女が弾丸を発射した刹那、彼女の姿はすでに、陽炎へと昇華されるかの如く】
【銃弾を放った、その行動の後、間髪いれずに、彼女は右足で強く地面を蹴ったのだ】

【――――――前へ、前へと彼女の華奢な体躯が揺れたなら】
【ただでさえ狙いが甘い貴女の弾丸はきっと、彼女の長いプラチナブロンドの髪を僅かに食いちぎるだけ】
【その柔肌に傷跡一つつけることができないのだろう】


負けたくない、なら……一人じゃだめ、なの
そんな腕の、そんな力の、獣がいくら頑張っても……無駄、なの

Если это разбирается быстро
(分かったらとっとと)

Это бегство и могут назвать товарища.
(逃げ帰ってお仲間を呼んでおいで)


【気づいたならきっと、彼女の姿は前に出ていた貴女のすぐ側に接近しているだろう】
【小柄な彼女だ非常に体重は軽く、身軽なのであろう、大きな狙撃銃を持ってもなお、その速度は落ちない】
【貴女が彼女を知覚できる刹那、彼女は右手を強く押し込もうとする】

【ちょうど下から斜め上へと突き上げるかのよう、長い銃口を、貴女の腹部へと突き立てようとするのだ】
【成功したならば、躊躇いなく、右手の引き金を引きぬくのだろう――――――】

【銃弾は出ない――――――出るのは、破裂しそうなほどの大量の風=z

【風の魔翌力をふんだんに孕んだ弾丸を炸裂させることによって、貴女を後方へとふっとばそうとする】
【成功したなら、貴女は後方に構えている仲間の元へと飛ばされるだろう】


Все члены
(全員まとめて)

Это убивает сильно
(剥製にしてあげる)


【行動が成功しようとしまいと、彼女は一旦その場で立ち止まるだろう】
【距離は残った仲間から見て5mほど、依然として狙撃手には不相応な距離】
【それでも、凛と言葉の纏う雰囲気は変わらず、強いままで】

【長く大きな狙撃銃を地面に突き立てたなら、空の薬莢を排出、あらたな銃弾を装填するだろう】
【隙のない行動ではあるが、どうしても時間はかかる、相手の行動を見て即行動、というのは難しいか】
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/28(金) 23:46:41.48 ID:c2qZQNlG0
>>255

【竜。龍。ドラゴン。彼がそのうちのどれであろうと、年齢がずっと年上だろうと、――この態度は変わらない気がする】
【人間でないことに対しての反応がごく薄いのは、こちらがそう(だろう)ということもあるのだろうけれど――】

ふーん……、

【もういいや。彼の紡いだ言葉、聞いた瞬間に興味の大部分が削れてしまうのだから、これは、もう、】
【じとーっと伏せて見つめてみる瞳、彼の言葉でも確かめるように、その頭へと注がれる視線】
【頭の傷は寧ろ出血したりしない方がヤバい。そんな知識はあったけれど――本人が大丈夫というのだし、そんな強く投げた記憶もない】
【じぃと視線を注ぐのは数秒ばかしのこと、やがて(大丈夫じゃない?)と自己完結したなら、ゆると傾げる首】

【――実際、その傷が何らかの後遺症を残すことなんてないのだろう。赤子や老人ならいざ知らず、人間でもないようだし――】

…………あげない、よ。 

【とん、と。降ろされる腰、くんと秒速で冷えていくような気配――どうにも、不穏で】
【顔を見たなら、じっと見据える瞳、温度がない。お人形さんに見つめられるような冷たさ、でも、確かに、生きていて】
【――ぱちりと瞬き、それと同時に、そんな表情。ほどけていったなら、】

 だって、お父さん、わたしのモノなんだから。

【残るものはあまぁく蕩けてしまいそうな――声のトーンだって上がる、まるで恋人のことでも語るよう】
【――それとも、本当に、恋人なのだろうか。笑ったままに視線を落とすのは左手で、指先がそっとなぞるのは、薬指】
【見ればそこには指輪みたいに絡みつく黒蛇の痣、久遠を誓ったのかのように、刻まれていて――ならば、父親という言葉の違和感】

【――会ってみたいといわれただけ。それなのに、突飛する思考の異常性】
【先もそうだった。父親のことになると目付きが変わる、声が変わる、態度が変わる】
【それに危害を与えてしまったなら――間違いなく、その瞬間、飛びかかってくるような。確信にも近い予感、抱くだろうか】
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/28(金) 23:50:04.95 ID:BnchjRRco
>>253

【胸についたその数字。ただでさえ、その異形の姿。死の匂いを漂わせる彼らを見て】
【たとえ目に止まったとしても近寄りたい、と感じる者はそうそう居ないはず。──だが】


今日は、とても良い夜だ。


【声が下のは上空。次の瞬間、キラリと夜空が光った。その光は一つ、また一つと増えていく。そう、まるでそれは……】
【無数の流星の如く。飛来するそれらの正体は月明かりが反射して美しく輝く無数のナイフであった】

【その軌道は彼ら≠直接狙ったものではない無数の刃は全て異なる軌道で彼らを中心に円を描き、】
【闇の中にある月明かりの世界に立つ彼らをそこに縛り付けるかのように、動きを制限するものだった】
【そう、彼らをその場に留めるためのもの】


【居るのだ。この広い世界には、確かに。闇の住人に異形の怪物に。悪意の権化に。会いたがる様な連中が、一定数】
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/28(金) 23:59:53.99 ID:vdDANoby0
>>256

うっ……貴様――――――――!!

【無理な体勢からの射撃が外れ、咄嗟に姿勢を整えようとするが、次の瞬間にはソニアが眼前に、銃を腹部に付きつける姿があった】
【その言葉に、行動に、反応を返そうとするが、全ては遅くて】
【次の瞬間、突如として吹きつけた暴風が、シュバルツガイストの身体を強く吹き飛ばして、距離を開けられた】

くっ……!
「……シュバルツガイスト、コンディションが良くないなら、これ以上は無理……!」
<…………グウウウウ……>

【吹き飛ばされながらも、どうにか着地はして見せるシュバルツガイスト】
【そのそばに、控えていた少年と少女は立ち上がり、共に戦う態勢を作ろうとする――――――――だが】

――――『下がってろ』、ジ・エンブリオン、クロス・ザ・ルビコン……手を出したら、あんたらでも『殺す』よ……!
「……シュバルツガイスト……何を、考えてるの……!?」
……この女に……この女に、思い知らせてやる…………ッ!!
……舐めやがって……この私の事を、舐めやがって……ッ!!

【そこから響いたのは、低く低く抑える様な、それでもなお漏れ出る様な、シュバルツガイストの押し殺した声】
【ぐっ――――と、鋼鉄の義手となっている左腕を顔へと持っていくと、ギリギリと己の顔に指を突き立てて】
【ズルズルと右の頬の皮膚が千切られて、三条の抉られた傷跡が露わになる】
【――――そこからは、透明度の高い、肌色の液体が――――ブラックハートの物と同じ、血が――――じくじくと流れ出る】

――――覚悟しやがれ!! 後悔させてやるッ!!
ただじゃ殺さない楽には殺さない、思い知らせてやるからなッッ!!
お前のその言葉のせいで、お前は後悔する事になるんだッ!!
私の何をもお前は侵せない、その無力さを噛みしめて、お前は死ねッ!! 負けろぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!

【堰を切った様に、シュバルツガイストの咆哮が、呪詛が、怒号となって放たれる】
【憤怒に染まったその表情は、まだ少女が14歳である事など忘れさせるような、グロテスクなものになっていて】
【構えた両腕が、強く強く赤熱し、更にその腕の側面から、後方へと歪曲した刃が展開される】
【そして、両肩と両腰から、先ほどから放っていたビームの発射機関と思われる、砲台を繋いだ触手が展開される】
【その全てを伴って、シュバルツガイストは前方へと跳躍する】
【腰の砲台2門から、ジャッ――――とビームが放たれる。1つはソニアの足元、もう1つはソニアの胴を狙って】
【牽制を掛けながら接近し、攻撃を加える――――その為の初手なのだろう】
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/29(土) 00:01:08.04 ID:jiTUojLTo
>>258
「…………!!!」
『ああ!? んだ、こりゃあ』

【仮にも、世界最悪の組織の一員、飛来するそれらの気配は、きっちりと感じ取っていた】
【しかし、自分たちを囲い込むかのように、正確に投擲されたナイフ群に、対処することが出来なかった】
【次の瞬間には、そこは路地裏の闇を切り裂く鋭い光を放つ、刃物の円の中だった】

「(うかつだった……ものの見事に不意を突かれたな)」

【青白いほうの頭が、一瞬苦い表情を浮かべる。自分たちが警戒を解いた一瞬を狙い撃たれた】
【機関員ともあろうものが、なんたる不覚か】


「……ああ、まったく月明かりの綺麗ないい夜だ。その点だけは、気が合いそうだな」
『何の真似だ、おい。喧嘩なら買ってやんぞ。出てこいや!!』

【内心を表には出さず、静かに上空よりの声に返答する、青白い頭】
【粗暴さを剥き出しにした、荒い声で声のした方に叫ぶ、浅黒い頭】

【視線こそ、上空の声のほうへと向いてはいるが、先ほどと違い、周囲にも意識を向けている】
【相手は一人か。能力を持っているのか。最初の一撃で自分たちを狙わなかったのは何故か】
【情報がない現状、警戒する他ない。次の相手の行動にすぐにでも反応できるよう、双子は身構えて、返答を待った】

【自分たちのような異形に、自分から会いに来るような物好きの顔を拝むために】
『』
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/29(土) 00:02:27.02 ID:jiTUojLTo
>>260
/すみません、最後の『』はミスです
/途中送信ではありません
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/29(土) 00:10:04.74 ID:AEZlYnFJo
>>259

【彼女がリロードを終えたのは少女が変形≠終えた瞬間であった】
【追撃はできなかった、だがそれも仕方ないと割り切れるほどに、彼女は戦いの経験がある】
【けれども眼前の少女の惨状≠ヘそんな彼女でも流石に驚かざるを得なかった】

【――――――可憐な顔から放たれる憤怒の表情、思わずその色に圧迫される】
【狙撃銃を再び構える、その一歩が、僅かな隙間の中に溶けていったなら】
【二筋のビームが彼女へと放たれ、それへの対処が遅れることとなった】


っ……!!ぁっ……ぅ……――――――っ!!


【足元へのビーム、それを回避しようと後方へと飛んだ刹那、胴へと放たれるビームを知覚できた】
【慌てて、左方向へと身をよじろうとするも、大きすぎる狙撃銃が、その行動を阻んだ】
【左足が地面を掴む――――――しかし、草の踏み方が甘かった、足首が外側へと弾ける】

【かくんと、左半身が落ちるかのよう、左足を地面へと落として、大勢を崩した彼女の腹部へとビームが直撃した】
【コルセット越しに中の皮膚を焼く一撃、整った可憐な顔が、苦悶の色に滲んだなら】
【小さな唇から零れるめいっぱいの声、小さな吐息が、湿気を孕んだ夜を貫く】


……口だけ……そんな……そんなの……ホントに、情けない……の
ソニアは、ソニアは絶対に――――――負けない、の……!


【左足をぺたんと倒して、右膝をすっと立てたなら、その可憐な膝の上へちょこんと銃身を乗せる】
【左手で上から押さえつけるように銃身を抑えたなら、右手の引き金へと指先を溶かして】
【即席の三脚のよう、立ち上がる時間も、接近する貴女は許してはくれないだろうから】

【――――――刹那爆ぜる、風の穂先、揺れる轟音が波間に落ちる荒波のよう】
【銃弾の初速は早く、彼女の特技である狙撃=\――――動き続ける少女が相手でも、その力は乱れない】
【狙いは右足、機動力を奪おうと、的確に関節を撃ち抜こうとするだろう】
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/29(土) 00:14:39.84 ID:DeKWzAZ5o
>>260

【ナイフに遅れ、パラパラと降り注ぐのは無数のトランプカード。空から落ちてきてカーペットの様に敷かれたそれらの上に】
【……周囲の建物は高さ何mだろうか。当然の様に空から舞い、降り立つのは────────】

ならば、そんな日に詰まらない仕事で終わるというのは、とても勿体無い事だと思いませんか?

【深々とシルクハットを被るサングラスを掛けている男】
【漆黒のスーツを身に纏い、星柄のモノクロマントを羽織る。黒尽くめ、故に両手の手に】
【付けられた白い革手袋は良く映えた。肩には奇妙な鋼色の翼を持つ雀が止まっている】

思いますよね、あなたも。いえ……あなた方≠焉B

【月明かりが照らす、純白の手袋を緩やかに向け、同意を求める】
【ニコやかな表情だが、先制攻撃を仕掛けてきただけあり、友好的とは思えない】


こんばんは、──リロード・ザ・マジシャンと申します。
あなた方にお聞きしたい。

【指をパチンと鳴らせば。彼がばらまいた無数のトランプが蒸発するように弾け】
【月明かりが照らす地面に一つのイラストを貼り付けた「形相恐ろしい般若の顔」を】

機関の関係者だと思われる。御存知ですか?

【彼らをその場に縛り付けたのはコレを見せるためだろう】
【月明かりがあるとはいえ、戦闘が始まってしまえば見る暇も無い】
【しかし、ただでさえ機関員。それも明らかに敵意を持って現れた相手に素直に答えて貰えると思っているのだろうか────?】
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/29(土) 00:21:15.89 ID:HCCZvt02o
>>257

――えっ

【鋭く精神に突き刺さるような、冷たく奇妙な視線】
【初夏だというのに、全身に鳥肌が立つ。頬に一筋、冷や汗が垂れる】

【しかしその一瞬後には、先ほどとはまるでベクトルが違う、しかし異常さは劣らない異様な雰囲気に包まれる】

――わかった、取らない、大丈夫、約束する。

【少女の雰囲気に気圧され、両手を挙げ降参のポーズをとる】

(左手、薬指)
(指輪……?いや、痣か)
(本当に父親なのかな?父親だとして、もしかしたら、近親相か――いや、考えるのは、よそう、うん、やめよう)

【左手の薬指に指輪をはめるのは、誰かと愛を誓った証。彼女の痣も、おそらくその意図が込められているのだろう】
【しかし少女の想い人は父親であるらしい。そこから考えを巡らせ――】
【少年の顔が赤く染まる。実年齢は高くても、精神年齢は見た目相応、思春期ど真ん中であった】


――そ、そうだ。
オレ、フォンチュンっていうんだけどさ。お前は?

【話題に困り、場を保たせようと話題を探し出す】
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/29(土) 00:30:06.56 ID:aUB8VWlF0
>>262

「……あんなになってるのに……冷静さを、欠いてない……
……でも、ああいう時は、本当に怒ってる……」

【止めようとして、なおその場に残された少年――――ジ・エンブリオンは、呆然とシュバルツガイストの戦いを見守っていた】
【完全に頭に血が上っている事を思わせる言動ながら、その攻め手は先を見据えて布石を置く、確かなもの】
【そのギャップはまず、見るものを驚かせるだろう】
【だが――――そうした機械の様な正確さは、むしろ逆に、シュバルツガイストと言う個人の、本当の怒りの発露である事を、彼は知っていた】
【怒りが狂わせるのではなく、完全に力に転嫁できる――――他の誰も持っていないその才質を、シュバルツガイストは手に入れていたのだ】

――――そう思いたいなら、地獄の底まで抱えて行きやがれよ!!
私は――――――――ッ、勝つために生きているんだぁぁぁぁッッッッ!!

【2発のビームが上手くソニアを攪乱し、牽制として機能した事を見てとり、更に深く踏み込んでいくシュバルツガイスト】
【ともあれ、ビーム砲台のうちの1基が潰された今、接近する事がパフォーマンスを発揮する為の最善手】
【全身の装備をソニアに叩きつける為には、クロスレンジまで接近する事が最重要で。狙撃手であるソニアの手を封じるにも、クロスレンジまで接近する事が最重要】
【その中にあってなお、シュバルツガイストは、自分を「口だけ」だとこき下ろすソニアに、怒りの言葉を叩きつける】
【『勝つために生きている』――――それが、食人兵士として改造され、人間としての本性を歪められてなお、彼女の中に絶対として息づいている、最大の信条なのだろう】

――――――――ッッ!!
(例え……この両手足が砕けたって!!
私は勝つために存在するんだ…………私の全ては、勝ちに向かう為に…………ッ!!)

【そうして、接敵が完遂されるかという瞬間。ソニアは膝立ちの姿勢で再び射撃を敢行】
【その狙いは完璧と言うべき物で、シュバルツガイストの右の膝を撃ち抜かれ、がくりと前のめりに倒れ込む】
【だが――――接近戦は元よりシュバルツガイストの本分に近い。この状況にあってなお、彼女は『諦めなかった』】

【姿勢を制御するどころか、それを逆用してぐるりとその場で回転するシュバルツガイスト】
【そうして、まるで胴回し回転蹴りを放つかの如く、ソニアの前で縦方向に1回転する】
【――――このままでは、距離が遠く、その鋼鉄の足がソニア目掛けて振り下ろされる事は無かった】
【だが、彼女はサイボーグ――――その全身が武器なのだ――――足の裏、向けられた踵の部分が、マズルフラッシュを発して】
【足に仕込まれていた武装『ショットガンレッグ』を使い、ソニアに向けて散弾を見舞おうとしたのだ】

【――――予期せぬタイミングでの使用故に、完全にソニアの『芯』を捉えるには至らなかった。それが出来れば、致命傷を与える可能性もあったのだろうが】
【だが――――タイミングがずれ、狙いが100%正確でなくても。周囲を一掃するのが、散弾の利点でもある】
【放たれた弾丸の嵐の一部は、確実にソニアへと向かうだろう】
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/29(土) 00:38:09.12 ID:jiTUojLTo
>>263
【降り注ぐ、トランプ。その上に舞い降りる、一人の男】
【路地裏の淀んだ空気の中で、そこだけがくりぬかれたように、幻想的な攻撃が展開される】

「(あの高さから、平然と……何者だ……)」

【動揺を表に出すことは抑えたが、派手な演出も相まって、内心では驚きを禁じ得ない】
【四つの瞳に映り込む男の姿。星柄のモノクロマント、純白の皮手袋、肩の鋼色の翼持つ雀】
【登場も派手なら、その風体も、まるで奇術師のごとく】


「……そうだな、一理ある。せっかくの夜を、このまま終わらせるのは少々もったいない」
『……ま、その点は俺も同意してやるよ。お前の相手すんのが、面白いかどうかは別にしてな』

【現れた彼のにこやかな表情に対し、双子の顔は石のように無表情だ】
【自分たちを狙ったものではないとはいえ、確かな敵意を感じ取れる初撃。二人とも、心中穏やかとはいかなかったらしい】


「……ああ、お察しの通り機関員だ。私はオーギュスト・デュアル。こっちは弟の――」
『ギュスターヴ・デュアルだ。で、そっちはマジシャン、ねえ? 派手な登場演出は、手品の類ってか』

【まずは、彼の名乗りに対し、双子も名乗り返す。警戒は、決して解かないまま】
【続いて、眼前ではじけ飛ぶトランプ群。今度は、微動だにせずそれらを見つめる】
【その淀んだ四つの瞳が、それを捉えた。「形相恐ろしい般若の顔」】


「……さて、知らんな。初めて目にする。ここ最近は、わけあって外出を控えていたのでな」
『で、てめぇは何か。これを見せるためだけに、いきなりナイフ投げてきやがったってのか。ああ?』

【月明かりに照らされるそのイラストは、確かに認識し。それに対する返答もあった】
【しかし、同時に彼らからも、眼前の男、リロード似対する明らかな敵意が滲み始める】

【本来の腕の位置にある、青白く細い右腕が挙がる。おそらく、兄のものだろう】
【その右手から、何かがあふれだしてくる。右手から地面すれすれまで垂れ下ったそれは、泥だった】
【これが、彼の能力なのだろう。泥を従えたまま、細い右腕が振るわれる】

【何らかの妨害がなければ、泥は右手に追随して、双子の眼前をなぎ払う鈍器となり】
【双子をその場に縫いとめているナイフ群、その一部をなぎ払って、リロードとの間の障害を取り除こうとするだろう】
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/29(土) 00:38:14.28 ID:AEZlYnFJo
>>265

【排出される空の薬莢、地面を叩く喘ぐような鉄さびの音】
【倒れこんだ相手の姿、それは確かな勝利の感触のよう、静かな顔の中に僅かな歓喜が満ちそうになる】
【――――――けれどもそれはぬか喜びにしか、過ぎなくて】


っ……!!この距離……なの……っ……届かない……はず……?


【正気の沙汰≠ナはないよう、まさしく狂気と言っていいその行動】
【狙撃銃を思わず引いた、何がおこっているのか、見えなかったから】
【確実に動きを止め、最後の足掻きが外れる、そう思っていた――――――けれど】

【光る貴女の意地=\―――――気づいた時には遅い、遅すぎた】
【降り注ぐ散弾が、雨粒のよう、心を叩く幾重もの時雨へと溶けたなら】
【彼女の純白の素肌を穢す、指先みたいに――――――】


ひゃっ……ぁ……!!さん……らん……っ……!?
っぅ……ぅあ……!!


【散弾が降り注ぐ、赤い絵の具をまき散らしたみたいに、白い彼女の服や素肌にインクが滲む】
【後方に飛ばされたなら、そのまま地面にペタリと前向きに倒れこむのだろう】
【右手から離れた狙撃銃が地面に落ちて、前方へと曝け出される】

【地面に倒れ込んだなら、そこには彼女からこぼれた血が水たまりのように溶けていて】
【濡れる素肌の柔らかな感触が、つぶやきのように満ち溢れていくのだろう】
【立ち上がろうにも力が入らない、散弾は体のあらゆる場所を痛めつけて】

【――――――まるで裸にひん剥かれて焼かれているかのよう、全身に熱い痛みが満ちて】
【唇をしっとりと濡らしてもまだ、残る痛みが、尾を引く感触の冷たさが】
【閉じた瞼を開けることを拒ませるのだろう】
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/29(土) 00:38:33.18 ID:RaFsgV1x0
>>264

【幸せそうに綻んだ表情、数秒前に浮かべていたものを思えば、別人と疑いたくなるぐらいに】
【薬指の付け根を愛おしい毀れものにするように何度もそうと撫でる、――それだけなら、ただの恋の病にも似るのに】

【(お父さんと言った。やっぱりそれだけがおかしくて、その誰かのためならころころ変わる気分も、また)】

――ならいいの。ぜったいぜったい、わたしだけのモノなんだから。ね

【取らない。約束する。――ポーズはともかくとして、少年の連ねていく単語、向けた殺気にも似た気配は、霧散して】
【この場に居ない誰かを想うのだって飽きた――わけでもないのだろうが、一応は薄くなる。視線を改めて彼へと戻したなら、】

……、……なぁに?

【赤い頬。それを見て、何を思ったのやら――じとり、見つめる瞳。その心中を透かそうとしているようで】
【けれどこの少女に読心めいた能力(ちから)などなく、ならば、思春期ぴんく色な思考を察することなんて】
【――少女が本来の年齢ならば突破しているはずの思春期、時間の狂ったような少女には、来ているようで、来ていないようで、――曖昧】
【傾げた首にポニーテールがつられて揺れる、適当に持ち上げただけだから、端から崩れていたりして――】

りんね。鈴の音って書くの

【尋ねられたなら。別段隠すことでもない、音と、書きかたと。両方告げるのが櫻のほうの名めいて】

【――ふぅらりと立ち上がる行為、ろくな前動作もないならば、驚かせるだろうか】
【下がコンクリというわけでなければヒールもろくな足音がしない。ただただ地面踏む音を紡いで、】
【向かう先は先ほど自分が小石をぶつけまくった部位のある滑り台。剥がれ掛けた塗装、指で捲ったりして――?】
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/29(土) 00:55:44.59 ID:aUB8VWlF0
>>267

……少なくとも、口先だけじゃないって、これで分かったでしょ……?
――――でも、まだまだ……後悔してないわよね、その程度じゃ…………こんな物で終わると思って――――――――ッ!?

【右足のふくらはぎの部分がスライドし、ジャコッと薬莢を排出する】
【シュバルツガイストの――――ブラックハートの亡霊とも言うべき技術の結晶は、未だ沈黙を許さない】
【彼女の怒りは、その妄念は、全く勢いを減じていない。これから、ソニアを最大の苦痛と共にバラバラにする、後悔の時間の、始まりだ】
【――――――――その、はずだった】

う…………た、立ち上がれない……!?
そんな……そこまで正確に、足を射抜いて……!?

【――――ソニアの一撃が通った右足のひざが、関節の機能を失い、立ち上がれなくなっていたのだ】
【これでは、吹き飛ばされたソニアを追撃し、補足する事が出来ない。それでも無理やりに上体を起こし、何とか立ち上がろうとして】

ぐっ…………こ、この――――――――うああああっ!?

【更に運の無い事に――――潰されていた左肩のエネルギー砲台が、突如爆発を起こす】
【弾丸が詰まらせていたエネルギーが、派手な転倒の影響で、タイムラグの末に暴発したのである】
【触手として展開し、身体から切り離していたのが幸いだったが――――爆発によって、皮肉にも更にソニアとの距離を離す形で、待っていた2人のそばまで吹き飛ばされてしまった】

「っ、シュバルツガイスト!!」
<……アアッ!?>

【その有様は、距離を空けて見守っていた2人にも見えて、吹き飛んできたシュバルツガイストを抱きとめる】
【至近距離の爆発で、頭部を揺さぶられたのだろう。鼻と口から流血して、シュバルツガイストは意識を失っていた】

「……クロス・ザ・ルビコン、シュバルツガイストを、お願い……!
シュバルツガイスト、しっかりして……すぐ帰るから……!」
<ウゥッ!!>

【体格の問題で、ジ・エンブリオンではシュバルツガイストを支えきれない】
【ジ・エンブリオンはクロス・ザ・ルビコンにシュバルツガイストを預け、倒れているソニアに目もくれず、その場から立ち去る】
【眼前の敵へのとどめよりも、仲間の救助を優先したのだろう――――血に狂う彼らとしては、イレギュラーな行動だったと言える】

【鋼鉄の亡霊と風の狙撃手の戦いは、こうして一先ずの幕を下ろす】
【不完全な決着――――彼女たちが、その続きを望むのは、きっと無理からぬ事なのであろう】

/遅くまで乙でしたー!
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/29(土) 00:59:51.35 ID:AEZlYnFJo
>>269

【――――――ここで止めを刺されなかったのはきっと、彼女にとっては幸運なことで】
【また同時に、不運であった、と言ってもいいのだろう、そうすればきっと、遺恨なんてないのだから】
【あとに残るのはそう、ただ勝てなかったという事実と、情けをかけられたという、思い込み】


……っ……うぅ……――――――……


……負けちゃった……の……戦いに……っ……


【鈍い痛みが響いても、きっともっと、辛いのは彼女の心なのだから】
【傷は深いものの、動けないぐらいではない、しばらくしたらきっと、また立ち上がる】
【けれども、そこに残る痛みの意味合いはきっと、辛いほどに理解していて】

【涙一つ流しそうになる心を強く噛み締めていた】


/お疲れ様でしたー!
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/29(土) 01:09:56.67 ID:HCCZvt02o
>>268

鈴音。うん、覚えた。
櫻の国出身なのかな?

【名前を復唱し、確認する。他愛もない質問には、深い意味はない】

――ぅわっ

【予備動作なしで突然立ち上がる少女。急な動きだったからか、やや驚いたように身体を震わせる】

――あ、そうだ。

【少年は少女の動きを目で追っていた。何かを思い出したように、懐をまさぐる】

どう、かな。これ。

【少女を追いかけ、懐から何かを取り出す】
【取り出されたのは、とぐろを巻いた木彫りの蛇であった。鱗の一枚まで精巧に作りこまれている、なかなかリアルなもの】

気に入らなかったら、捨てていいから。
でも、できるだけオレのいないところにしてね。

【少女に木彫りの蛇を手渡す。少女の雰囲気や蛇の痣からちょうどぴったりだと思ったのだ】
【もしかしたらプロポーズと勘違いされるかもしれない。実際はそんなことはないし、もしそうだったとしても少女が少年に振り向くとは思えないが】

それじゃあ、さよなら。
気をつけて。

【プロポーズでなくても、やはり気恥ずかしいのか、くるりと踵を返し、走っていく】
【公園の出入り口の辺りに差し掛かったところで、翼を羽ばたかせ、飛翔】
【そのまま深夜の空に溶け、見えなくなった】



/ちょっと詰め込みすぎた気もしますが、お疲れ様でした!
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/29(土) 01:10:17.83 ID:DeKWzAZ5o
>>266

お見受けするに、カノッサ機関のNo。事情が会ったとはいえ知らないという事は
なるほど、やはり知名度が高い人ではない様ですね。まあ、一枚岩の組織という訳でも無いですしね。

【帰って来た回答に対して、顎に手を当て少しの考察をするが、ゆっくりと考えている時間は無いだろう】
【敵意を向ければ、敵意が返ってくる当然の事だ。このまま和やかな会話が続く訳が無いのは】
【最初に仕掛けたリロードが知らぬはずもない。不敵な笑みを浮かべたまま、サングラスを外し】


いえいえ!滅相もございませんよ!
……こんな夜だ。簡単な──詰まらない仕事で終わるのは勿体無いでしょう。人生の難易度は高い程良いと思いません?
純粋な好意です。あなた方は達成感を得られる。私は良い事をして気分が良い。ん〜WinWinです!素晴らしい!

【本気で言っているのか、ふざけているのか。イマイチ心がこもっていない彼の言葉】


冷静な兄に、獰猛な弟、といった所か───。そんなあなた方がどんな闘争を見せてくれるか、実に……興味深い。

【つらつらと御託を並べては居るが、結局の所、彼の行為の本質は月の光≠ノ当てられた戦闘狂のソレにほかならない】
【戦闘狂のセイギノミカタ≠ノは大義名分が必要だった、という事か────】

【兄のオーギュスト≠ェ振るった泥の鈍器は地面に突き刺さったナイフをいとも簡単に弾き飛ばす】
【その中の一本がリロードに向かって飛んでいく。すると、彼は両の腕を交差し、マントの裏側に突っ込んだ】

【カキン。という音と共に、ナイフは再び弾き飛ばされる】


初めましょうか。成功報酬の無い、ボーナスゲーム。

【マントの裏側から引きぬいたのは、両手にそれぞれ持った二対の剣。二刀流】
【両手を大きく広げたその構えは、パフォーマンスの様で、隙だらけに見える───】

273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/29(土) 01:32:11.76 ID:jiTUojLTo
>>272
「ああ、それも見立て通り、我らはナンバーズだ。といっても、大した地位にあるわけではない」
『一枚岩じゃねえ、ってのも、まあその通りだ。どいつもこいつも好き勝手やってやがるよ』

【言葉は、帰っては来る。会話は成立している。しかし、この場に充満していく、危険な気配】
【不敵な笑みを持って自分たちに対峙するリロードに、双子の表情は、いよいよ顕著に、敵意に彩られていく】


「ふん、それはずいぶんとご親切なことだ。こんな路地裏で、それも機関員に好意を向けてくれるとはな」
『ハッ、そんじゃ、ありがたく受けさせてもらおうか……言ったからには、さっきよりかは高めの難易度で楽しませろ!!』

【心のこもらない、リロードの言葉に、二人分の悪意の染みた声音が続き、路地裏の闇に反響する】
【降り注ぐ月の光、狂気を呼び覚ますというそれも、心なしかこの場の三人を煽りたてるかのようにすら見える】


【ナイフに囲まれていた空間に、通路が出来上がる。と同時、軽い金属音と共に、リロードの得物が姿を現す】
【それを目にした双子の四つの瞳が、月光の中で輝きを増した】

「二刀流……いいな。いい武器を持っているな。これは、なかなか楽しいボーナスゲームになりそうだ」
『ああ、これぞ“一対”!! って感じだぜ!! 成功報酬がなくても、“一対”がありゃあ、やる気が湧いてくるってもんだ!!』

【まるでパフォーマンスのようなその構えより、双子の興味は、その武器に向く】
【姿かたちのみならず、その内に宿る精神も、また異様。一対で存在するものに美を見出し、興奮する性癖】


【四つの瞳で月光を反射しながら、双子が駆ける。一つの身体で、リロードへ向かって】
【脇の下から伸びる、弟の両腕がクロスに振るわれる。そこから巻きあがる何か。砂だ。浅黒い両腕から砂が噴出した】

【噴出した砂は、空中で集まって二本の刃となり、リロードへと向かっていく】
【砂の刃。飛来速度は速めだが、威力は低い。肌が浅く切れる程度だ】

【砂の刃を追う形で、双子もリロードへと接近しようと駆けていく】
【兄の両腕から、再び泥があふれだしている。本命はこちらだろう。砂で牽制し、泥で殴打する。双子の基本戦術】
【一見隙にしか見えない、その姿。リロードは、双子の攻撃に、どう対処するか】
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/29(土) 01:32:57.33 ID:RaFsgV1x0
>>271

【ぺきり。古ぼけたペンキの鱗めいた一枚が折れて剥がれて、放り捨てられる音】
【指先に残った錆と塗料の残滓を擦り合わせて落とす、――ふらり、振り返った瞳が、見据えて、】

前世が。

【特に盛り上がりもない声で紡ぐなら、或いは、冗談のようにも】
【少なくとも出身地を告げるときに良く用いられる表現ではない、それだけは確かだけれど】
【明確な表情を示さない顔、追いかけられるなら、拒絶するでもない、手の届く距離、受け入れて】

……、――

【差し出されるものだって。にょろりとぐろ巻く蛇のモチーフは嫌いじゃない、それどころか、好きだけれど】
【受け取ったならついと指先が鱗のでこぼこで遊ぶようになぞって落ちていく、尾に辿りつくまでの、手遊び】
【伏せた瞳、確かに喜んだような色も乗せて、――それでも。褪めたような色、大部分を占めていたのが、不穏】

さよなら

【指先があやすように木彫りの頭を撫でていた。羽ばたくのを見送るでもなく、ただ、ただ、視線を落として――】


 【――ざあぁ、降り頻る水の音、けれど、雨ではなくて】
 【街の中心部の噴水広場。ライトアップされた噴水の色合い、きらきらと縦横無尽に輝いて】

 あげる。

 「あぁん? ご用件ってこれ――」

 ばいばい

 「ちょっと、鈴――、」

 【男からの贈り物をどうして持ち帰れると言うのか。ならば、思い浮かぶような適役はたったひとりだけ】】
 【黄緑色を引いて消えた姿に声をかけようとも既に姿は無いわけで。――溜息を吐いたのは、女が一人】
 【グリーンアップル色の瞳を煌かせて、「どうしろと――」なんて声、夜更けに溶けていた】

/おつかれさまでした!
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/29(土) 01:59:43.02 ID:DeKWzAZ5o
>>273

【特殊な思想を持っている。奇妙な体と奇妙な心を持った兄弟。】
【心が震える。まるで自分が物語の登場人物になった様な気分になれる】

【随分とノリの良い彼ら≠ノ対して口元を歪ませずにはいられない。リロードはセイギのミカタ≠やっている】
【だが、どうしても。どうしようもない事に、気が合うのは、こういった連中なのだ────】


────砂と、泥ですか。成る程、同属性だが、二種類。
それぞれが操るならば……手数には自身がありそうですね。

【リロードは両手に持った剣を大きな動作で大きく振り上げてから振り下ろす形で交差し、砂の刃を受け止める】
【隙の大きな構えから繰り出される無駄の多い見世物の様な素早い砂の刃に対して、立ち止まって対処せざるを得ず、】
【リロードはその場を動けない。いとも簡単に彼らの接近を許す事になる。────呆気無く、あっけなさ過ぎる程に】


ならば、そこ≠ナ勝負せざるを得ないでしょう!私としても!

【だが、大きな動作や、その場を動かないのは囮=Bマジシャンで言うところのミスディレクション】
【二対の刃で応戦すると見せかけ、その本命≠ヘ、デュアル兄弟の後ろにあった────】

【交差し、砂の刃を受け止めた彼の二対の刃は思い切り地面に突きつけられ】
【それに連動するかの様に、最初に投げつけられた無数のナイフ達が震えだすと】
【ナイフから鎖が生え、背後からデュアル兄弟を拘束せんと襲いかかる】

276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/29(土) 02:23:35.69 ID:jiTUojLTo
>>275
【口元を歪ませるリロード。相対する双子の口角も、はっきりと吊り上がっている】
【双子もまた、眼前の奇妙なセイギのミカタ≠ノ、何か通ずるものを感じ取ったのかもしれない】

『手数、ってんなら、しょっぱなからいろいろ見せてくれてるてめぇこそ、自信ありそうに見えるがな!!』
「さあ、次はどんな手品を披露してくれるつもりだ?」

【リロードに肉薄していく双子。対するリロードの、芝居がかった大げさなほどの動き。振り下ろされた二つの刃が、悪意の砂を受ける】
【何か狙いがあるのか。双子の脳裏を疑念が掠めるが、今は接近に集中すべき、と振り払う】
【結果、彼のマジックに、またもしてやられることになる】


『んだよ、せっかくの二刀流を、なんだって路地裏の汚ねえ地面に……!?』
「!? 後ろ、だと!!」

【自分自身を囮≠ノする。見事なまでのミスディレクション。マジシャンの面目躍如といったところか】
【双子はとっさに振り向き、左横へと跳躍してかわそうとするも、間に合わない】
【振り向いた状態で跳んだことで、ナイフから生えた鎖は、双子を正面から拘束する形となった】
【着地時、バランスを崩しかけるがどうにか持ち直す。わずかながら再び距離が開く。一人分の身体が、素早くリロードに向き直る】


「やってくれるな、奇術師……!! ならばこちらも、我らなりの奇術をご覧にいれよう」
『口からトランプとか出す、ってマジックあんだろ。あんた、あれ出来るか?』

【リロードから見れば、やや左斜め前に、双子は位置するだろう。鎖に絡めとられた身体は、すぐには自由を取り戻せそうにない】
【四本腕が使えないなら、口から。双子の口が大きく開く。兄の口からは泥の塊が、弟の口からはまたも砂の塊が】
【リロードへ向かって、吐き出される。二つの塊は空中でぶつかると、融合して一つの塊となる】

【この塊は、先ほどナイフを払った泥や、リロードに放たれた砂の刃と違い、攻撃力は皆無に近い】
【この塊の役割は、何かに命中した後。それが、リロードの身体であれ、路地裏のコンクリート壁であれ、汚れた地面であれ】
【着弾と同時に塊は破裂する。同時に、細かな泥と砂を、散弾のごとく周囲にまきちらすだろう】


【威力はさほどでもないが、攻撃範囲は広い。とはいえ、高所から平然と飛び降りるリロードのことだ】
【その身軽さでもって、攻撃範囲の外へ離脱することも、拘束された双子に接近して追撃を行うことも、可能かもしれない】
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/29(土) 02:53:13.95 ID:DeKWzAZ5o
>>276

【リロードの策は見事に決まった。しかし、決まった、と確信を持っていたのだが、】
【あと少しの所で避けられそうになったのを見て成る程、と頷いた】

危ない危ない。
そうか、一人を相手に二人分の注意を引き付けるというのは中々難しい事なのですね。中々にマジシャン泣かせ、厄介な事だ。──ッと!


【放たれた泥の塊に対し、リロードは地面に突き刺した刃を引きぬき、再び交差して受け止めてしまう】
【破裂する塊による衝撃と撒き散らされる泥と砂を正面から受ける形になってしまい後方に大きく吹き飛ばされる】

────くッ……!

【これは演技ではない。空から平然と降ってきたのも、彼がマジシャンである故に、タネ≠ェあるという事だ】
【この攻防で、不意を付けば彼の通常時の身体能力は人の域から逸脱していていないという事が分かるだろうか】

【威力が高く無いのもあり、大きな痛手にはならなかったが、僅かとはいえ距離を離されてしまう】
【拘束した彼らの脱出のチャンスを作ってしまう形になる。しかし、ここからどうにかする事は出来ない】
【彼の能力は物質の出し入れ。媒体を問わない故、やろうと思えば何でも出来る。だが、それも先程の様にナイフという仕込んだタネ≠ェあってこそなのだ】


成る程、やってくれましてね。先にネタを出してくるとは……!プライドに響きますよ。

【何て、戦闘とは関係の無い軽口を叩いて見えせるが、まんまとしてやられれた事に関しては本当に響いていた】
【両手に持っていた剣を二本とも左手に収め、指をパチンと鳴らすと一対の剣は二枚のスペードのカードに変化する】
【実際に変化したのではなく、見えないように隠し持ったスペードのカードの中に剣を能力入れた≠セけだ、能力と手品の合わせ技と言った所か】

【剣を収めた2枚のスペードを素早く兄弟に投擲する。剣での攻撃は間に合わないかもしれないが、カードの投擲ならソレより早い】
【投擲された2枚のスペードのカードは兄弟とリロードの中間地点で再び剣の姿を取り戻し、カードとして投げつけられた時の速度≠そのまま維持しながら襲い掛かる!】

278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/29(土) 03:03:06.89 ID:DeKWzAZ5o
>>277
最後の一文入れ忘れたので追記です。
【だが、いくら攻撃が速くとも、投げるまでの動作が多く、彼らが何かの行動を移すのにはある程度十分な時間が出来てしまうかもしれないだろう】
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/29(土) 03:24:54.02 ID:jiTUojLTo
>>277
『初手で見事にこっちの不意をつきやがったくせに、よく言うぜ……』
「だが、本業のマジシャンに言われると、悪い気はせんな」

【戦闘中であるにも関わらず、こちらをしっかりを観察し、もっともらしく頷いて見せる】
【どうにも、つかみどころがない、というのがリロードに対する双子の印象だ。相手のペースに乗せられては、まずい】

【次の自分たちの攻撃は、その相手のペースをわずかながら崩すことに成功したらしい】
【後方へと吹き飛ぶリロードの身体。弟・ギュスターヴが邪悪な笑みを満面に浮かべて叫ぶ】


『ハッ!! どうだよマジシャン、俺らの奇術もどきはお気に召したか!?』
「(……最初の飛び降りからして、相当に身軽な男かと思っていたが……今の動きに、それは見られなかった)」

「(とすれば、あれすらもやつの“手品”……登場の時からして、術中にはまっていたわけか)」

【大して、弟に比べ思慮のある兄・オーギュストは、その光景を見て思考を巡らせる】
【派手な登場の時から、すでに彼のマジックは始まっていたらしい。ならば、今なら拘束を解く隙となりうるはず】


「ギュスターヴ、鎖を解くぞ!!」
『おうよ、兄貴!!』

【兄の呼び掛けに、弟は疑問すら持たずに従う。鎖の内側から泥と砂をあふれさせ、さらに四本腕で力を込める】
【双子の身体を縛っていた鎖が、ちぎられた。拘束から解き放たれる、一つ分の肉体】


「やってくれたのは、お互い様だ。あの状況で、背後から奇襲とは、驚かせてくれる」
『さっきのは、手品じゃねえよなあ? なんだ、物体を変形させる能力か?』

【軽口を返す双子。しかし、さすがに彼の能力までは、看破出来てはいない。彼らにしてみれば、ナイフから鎖が生えて、襲ってきたようにしか見えず】
【物質の中に物質を出し入れする、という彼の異能までは思考が届かない。未だ、双子は奇術の中から脱却できずにいる】


『おっと、今度は剣をトランプにってか』
「芸達者なことだ。さて、次は何を披露してくれるのだ?」

【と、双子の言葉が終るか終らないか、の時点でリロードは投擲の動作に入っていた】
【双子がそれを捉え、投擲前に防御の構えをとる。噴出した泥で四本腕を覆い、盾として身体の前にかざした】
【放たれるトランプ。軽量なトランプを投げた時のスピードを維持したまま。空中でそれらは剣の姿を現した】


「ぬ、ぐおっ!!」
『づぁっ!! いってえ、ちくしょお!!』

【結果的には、回避ではなく、防御を選んだことは正解だったようだ。いくら、投擲までの動作が多くとも】
【あの速度で飛来する剣は、おそらくよけきれなかっただろう。しかし、泥の防御も完全ではない】
【オーギュストの細い左腕と、ギュスターヴの太い右腕に、二本の剣はしっかりと突き刺さっており】
【泥越しに垂れ落ちる鮮血が、路地裏の地面の上塗りする】


『こんのやろ、いてえだろうが!!』
「やられた分は帰させてもらおう。それで“一対”だ」

【それぞれが、無傷の腕で剣を引き抜くと。二本の剣をオーギュストが握り、リロードに向かって剣を投げ返した】
【当然、先ほどに比べ、速度は遅い。が、続いてギュスターヴの両腕が振るわれる。剣に追随する形で発生したのは、小型の砂嵐だ】
【攻撃翌力は皆無。単に目くらまし目的の物。牽制と攻撃を“一対”で繰り出すのは、双子の癖であるらしい】

【砂嵐に目がくらめば、それに続く形で刃がリロードを襲うだろう。しかし、これをしのげば。先の攻撃で四本腕の内、二本は塞がれた】
【この攻撃の直後は、双子の隙となるだろう】
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/29(土) 04:08:44.58 ID:DeKWzAZ5o
>>279


ふふッ────。そう、だから、運が良かった。
二度は同じ技は喰らってくれるつもりもないでしょう?

【カメラマンが構図を決める様に、剣を投げつけてフリーになった両手の指で四角を作ってデュアル兄弟を収めた】


双頭の能力者……楽しくなって来ましたねえ、貴方を攻略するのは。

【──攻略。そう、彼の目的は攻略だ。彼が望んでいるのは】
【能力者としての勝利ではなく、相手を看破する奇術師としての勝利】

【もっと砕けて言えば、ゴリ押しではないスマートな……格好いい勝利≠ナある】
【彼の闘争の本質はソレであり、奇術師のスタイルも、出で立ちも。カッコイイからである】

【だが、相手に弱点を晒してもらうというのは、ある意味ゴリ押しするよりも難しい事である】
【双頭のデュアル兄弟。彼らの連続攻撃や二つの頭脳は中々、隙が無い…………どうするか…………?】


一対か……そうですね……。

【迫り来る、砂嵐と投げつけられた二本の剣。ソレに対して、リロードは左手には4本のハートのトランプ】
【右手には4本のナイフ。一瞬、躊躇する様な表情を見せるが、彼は攻撃に対して両手のカードとナイフを投げつけて応戦した】

【それらは、早く、鋭い。しかし軽い。故に砂嵐に軌道を逸らされてただ、ばら撒かれるだけの結果に終わってしまい──】
【砂嵐がリロードを遅い、視界を遮られる事により回避を困難にされ、彼の右腕に剣の内の一本が勢い良く突き刺さった】


──うッ…………ぐッ……!

【突き刺さった勢いで、後方に、倒れそうになりつつも、踏み留まるも、右腕からは血を垂れ流しながらうめき声を出すと】
【膝を付いて、しまい、大きな隙を見せる──あまりにも露骨な気がするが】

【──ちなみに、彼の投げた4枚のカードと4本のナイフ。それらは砂嵐に軌道を逸らされ、丁度……】
【カードはリロードから見て斜め右、ナイフは斜め左。位置は丁度、兄弟とリロードの間の位置に落下した】

【彼の戦闘スタイルを知っていれば、明らかに嫌な予感≠ェするはずだ。また、最初に行った手≠セろうか?】


281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/29(土) 04:12:05.88 ID:jiTUojLTo
>>280
/申し訳ありません、そろそろ眠気が限界に近く……
/可能でしたら、明日への持ち越しか、置きレスへの移動をお願いできませんでしょうか?
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/29(土) 04:18:35.63 ID:DeKWzAZ5o
>>281
了解しました、こんな時間帯に遅くて申し訳ない
こっちは置きレスの方でもどっちも大丈夫なので次のレスをどっちかに返して頂ければ!
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/29(土) 04:20:39.15 ID:jiTUojLTo
>>282
/ありがとうございます!
/動ける時間になりましたら、舞台裏にて呼び掛けの後、返させていただこうと思います
/では、いったん失礼いたします〜
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/29(土) 20:06:00.91 ID:Exqx/NC4o
【──近頃、水の国の一部に不思議な噂が流れている】

【何でも、『夜、ある公園に行くと青白い火の玉が見える』という】
【しかし、一歩公園に入ると何も見えず、公園の外からしか見えないという】

うん?また人の子が集まって来ておるようじゃなぁ
しかし未だ余の元へ来られた者もなし。つまらぬ奴ばかりよのう……

【金の長髪を指で弄びながら呟くのは一人の女】
【胸元を大きく開けた撫子重ねの豪奢な衣を身に纏った女が、その公園で酒を呑んでいるのだ】
【──そう、この女が例の『火の玉』、狐火の元凶である】

そろそろ面白い輩が出てきても良い頃ではないかのう……
ただ呑んでおるだけでは飽きてしまうぞぉ、と

【さて、この公園にはちょっとした結界が張ってある】
【一般人の野次馬程度では彼女には会えないだろうが、多少でも"力"のある者ならば彼女の元へ辿り着けるだろう】


/お待たせしましたー
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/29(土) 23:49:57.00 ID:HxbhGkgWo
>>280
「当然だな。そう何度も同じ手を食ってやるわけにはいくまい」
『今度はなんだ、カメラマンか、絵描きの真似事か? なんつーか、やりにくい野郎だぜ……』

【両手の指が形作る四角の中に囚われる。最初にナイフの中に閉ざされた時のような、相手の手の内にあるかのような感覚】


「攻略、か。ボーナスゲームという言い回しといい、この状況はお前にとっては、遊戯というわけか?」
『……楽しんでるようなら何よりだ。俺は、だんだん腹立ってきたがなあ……』

【リロードの闘争の根幹たる、スマートで格好いい勝利=z
【さすがに、ここまでの数度の攻防で、完全にその本質を看破したわけではないが】
【彼の在り方、その格好よさを追求する闘争、その気配は感じ取ったらしい】

【双方とも、ここにきて機嫌を損ねるような様子を見せる】
【泥の街にて、文字通り泥をすすり、砂をかむような生活の中で闘争を繰り広げてきた彼らにとって】
【リロードの闘争の在り方は、気に障るものであったらしい】


【続く自分たちの攻撃を前にして、リロードの瞳が今なお、自分たちを射抜いているような感覚】
【彼ほどの実力者の眼をもってすれば、双子の弱点もいずれは見えてくるはずだ】
【先ほどから、彼ら双子は攻撃に移る前に、泥や砂の召喚を優先させている。ある程度の隙をさらしてまで――】


『ハッ、俺の砂嵐が、そんなものでどうにか出来るかよ!! ざまあみやがれ、さっきのお返しだ!!』
「(……いや、自分の得物だ。あれでどうにか出来ないことなど、百も承知のはず……)」

【リロードの右腕を貫いた成果に、ギュスターヴは会心の叫びを漏らすが、オーギュストは冷静に状況を観察する】
【膝をつくリロード、あまりにも大きな隙……一見すれば】

【4枚のカードと4本のナイフ、自分と相手の間に落ちたそれらは、砂嵐に軌道をそらされて飛び散ったにしては】
【ずいぶんと上手く、自分たちの間に落ちたように思える。最初の光景が、フラッシュバックする】


『おいおい、また手品か? どーも、お前は油断がならねえ』
「露骨なほどの隙を見せてくれる。このまま、お前の思うがままに踊るのは癪だな……」

【兄弟の四本腕が、動く。兄の両手にそれぞれ泥の球が形作られていき、弟の両手には砂が渦巻いてまとわりつく】
【まずは、弟の両腕が振るわれる。性懲りもなく、砂の刃が4枚のカードと4本のナイフ、自分たちの間に立つそれらへと向かって、飛んでいく】
【不安要素を、まずは潰そうということらしい。続いて、兄の腕が挙がる。狙うは、リロード。そこから泥の球が撃ち出されようとしている】


【しかし、これらの攻撃の間にはタイムラグがある。兄弟は、先ほどからのリロードの戦法を見て、まずはナイフとトランプに意識を割いた】
【その間、泥を従えた兄の両腕は、短時間ながら隙を晒すことになる。リロードがその隙に気付けば。その間隙をつければ】
【先ほどから、攻撃に移る前に、泥と砂を噴出させている理由がわかるかもしれない。それこそが、双子の弱点に繋がるものとなるはずだ】


/遅くなりました。すみません
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 00:51:47.45 ID:X35QXUDco
>>285


フフ、気に触りましたか?それは申し訳ない。

私は異世界人でね。……どうしても、このあまりにも愉快な世界は、そのものが愉快なゲームボードの様にしか思えない。
現実味が未だ無くてね。自分の生さえも。ゲームの駒にしか思えないんですよ。

【デュアル兄弟が気に触るのも無理は無い。彼らが今まで生きていたの確かなリアル>氛氛氛氈z
【だが、この男にとっては、その目にはこの世界に住む者達は、一つの物語の様にしか映っていないのだから】


私は世界の登場人物≠ニしてのあり方を模索している────故に。

【放たれた砂の斬撃はナイフとトランプを蹴散らし、敗れたトランプと砕かれたナイフが宙に舞った】


この場でも、イケてるスマートな。イカれた不敵な奇術師を──夕闇の魔術師≠遂行させて頂きましょうか。

【世界をゲームと見ている、ふざけた男──。だが、それが彼にとってのリアル=B故に、常に彼は本気】
【ふざけた事を本気で遂行してみせる。現実に幻想の世界を再現しようとする──夕闇の魔術師=z


──うぉッ!!

【リロードに向けられた泥に対し、彼はマントを翻し、受け止める。膝を付いて避けられなかったか】
【格好を付けたにも関わらず、その直後直撃を受けて吹っ飛んでいった=z


【だが次の瞬間、宙に舞ったナイフの破片とトランプカードが怪しく光り出し──】
【ナイフからは再び鎖が出現。砕かれたからか細いが、絡み合う事で太さを取り戻すと共に蛇の様な形を取り兄弟を絡め取ろうと、】
【ハートのトランプカードは炎を放ち、それらが龍の様な姿になり、兄弟を飲み込まんと大口を開けて襲いかかる!】

【物理の鎖と、熱の火炎竜の性質の異なる二重攻撃!普通の人間なら同時に見切るのは難しいかもしれない。だが、二つの頭を持ち二つの力を持つ兄弟なら】
【ギュスターヴの斬撃なら鎖の蛇は砕けるだろうし、炎の龍はオーギュストの泥なら軽く相殺出来る程度の容易く対処可能≠ネ苦し紛れの攻撃にしか見えない】


【吹き飛んでいったリロードは────消えていた。吹き飛んだかに見えたリロードの居たリロードの位置には泥にまみれたモノクロのマントが置き去りにされいているのみだった】
【影の中に漆黒の闇が蠢いていた。その正体はリロードだった。物質吸収する装填(リロード)≠フ能力によって、自身に振りかかる光を全て吸収し、影の中に溶け込んでいったのだ】

【リロードは、右腕に突き刺さった剣を左手で掴みながら、影の中に溶け込みながらデュアル兄弟に迫っていた】
【完全に姿を消せている訳ではない。影の中に人の形をしたより濃い影≠ェ見る程度であり、認識をする事は不可能ではない】

【彼らの弱点を看破した訳ではない。能力を発揮した時の隙はまだ実感できた訳ではない。だが、彼らの長所≠ヘ知っている。二つの頭、両の腕による二重行動!】
【ならば、理解した範囲で戦術を立てればいい話。対処可能な、二重攻撃を繰り出し、二つの頭がそれぞれに対処可能。──そこに、彼らの弱点があると考えた】
【結果として、彼らの行動後の隙を狙う策が創りだされていた】


(二重攻撃+1……!トリプルアタック…………見きれるかッ!!)

【最初にやったのとは真逆≠フ攻撃。攻撃を囮に自分を突っ込ませる!!】
【そのままリロードがデュアル兄弟に接近する事が出来たのなら、影の中から姿を表し、左手で居合の様に右腕に突き刺さった剣を引き抜くと同時に斬りかかるだろう】


287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/30(日) 01:48:33.13 ID:b7JlwJ4Fo
>>286
「異世界人……お目にかかるのは初めてだな。しかしそれなら、珍妙な言動にも多少は納得もいく」
『お前の世界がどんなとこだったのかは知らねえが、お前そこでも変人扱いだったんじゃねえのか?』

『いくらこっちが現実見ねえからって、自分の命までゲームの駒にするなんざ……』
「我々の目から見ても、正気の沙汰とは思えんな……」

【機嫌悪そうにしていた双子の表情が、今度は理解の及ばない何かを見ているかのようなものに変わっていく。ちょうど、双子の姿を目にした人々が形作る表情に近いものがあった】
【この世界そのもの、そこに住む人々、増して自分自身すら、リロードにかかれば一つの物語となってしまう】
【双子の生きていたリアルとは、きっとかけ離れたものだったのだろう】

【砂の刃が、トランプとナイフを破壊する、その音が双子を即座に、眼前のリアル≠ヨと引き戻す】
【続く、リロードの言葉。そして、その瞳。彼が本気であることはありありと見て取れる。幻想を、現実に。ふざけた事を、本気で。まさに、奇術師。夕闇の魔術師≠フ名にふさわしい男だ】

『……おもしれえ。てめぇの狂気にあてられたかねえ、不機嫌通り越して愉快になってきたぜ』
「ならば、我らは機関のNo.50として……この二重の悪意≠ナ、お前の物語を塗りつぶしてくれる」


【放った泥の球は、砂の刃に続いて狙い通りの効果を発揮する。しかし、双子の瞳に油断はない】
【果たして、先ほど破壊したナイフとトランプの発する光が兄弟の眼に飛び込んでくる】
【またも鎖、先ほどと同じ技か――そんな甘い認識は、あっさりと打ち砕かれた】

「今度は鉄と火か!! 次から次へと、飽きさせない男だ!!」
『だが、これだけで俺らをどうにか出来ると思ってんなら、甘いんだよ!!』

【まずは攻撃の出が早いギュスターヴの砂の刃が鎖を迎撃した】
【再び自分たちを絡め取ろうとするそれを、手から飛び出した状態で固定した砂の刃で切り落とす】

【少し遅れて、オーギュストの泥が流体然とした姿で噴出し。自分たちに向かってくる炎の龍の大口をさらに包み込むように】
【泥は炎の龍をその内へと捕え、と同時に内側へと収縮。泥が炎の龍を押しつぶし。炎の龍が泥を焼き尽くし】
【二人の攻撃は、空中で消滅した。攻撃を凌ぎ切った二人は、リロードを認識のうちに収め直そうと――】


『ああ!? あの野郎、どこに――なっ!!!』
「今度は消滅マジックのつもりか――ぐっ!!」

【リロードのとった戦術は、完膚なきまでに双子の虚を突いた。またも、リロードの撒き餌≠ノ引っかかったのだ】
【双子の、能力とは別の弱点。くっついてはいるが、互いの思考や認識を共有することは出来ない。ゆえに、対処はそれぞれが行わねばならない】
【泥の球が通ったところに持ってきて、二人それぞれの意識をひきつける囮=Bリロードの紡いだ攻撃は、双子を彼の手の内で躍らせた】

【気がついた時には、遅い。トリプルアタックの本命、影の中から放たれる、居合の一撃――!!】

「ぐあああ!! おのれ……!!」
『があああ!! ちっきしょ……!!』

【兄と弟が、それぞれ無傷の腕で咄嗟に防御を試みたが、間に合わなかった】
【居合一閃、双子の胴体と、無傷だった兄の右腕、弟の左腕、それぞれから鮮血が迸る】
【さらに、もうひとつ。双子は致命的なミスを犯した】

「(しまった……!! キャンセルを見られた……!!)」

【そう、空振りに終わった双子の防御。それを成そうとした兄の右腕と、弟の左腕からは、泥と砂が噴出しかかっていた】
【リロードの居合が、それぞれの腕を撫でた瞬間。泥と砂は砕けるように消滅したのだ】
【双子の持つ能力の弱点。泥と砂の召喚を優先させていた理由。能力の発動中に、泥や砂が発生している身体部位を攻撃されると】
【能力はキャンセルされ、泥も砂も砕けて消える。双子のアキレス腱である情報が、リロードの前に展開された】


「ギュスターヴ!! 何としても仕留めるぞ!!」
『おう、兄貴!!』

【双子の表情には、明らかな焦りが表れている。接近しているであろうリロードに近接攻撃を仕掛けるつもりだ】
【四本腕が同時に動き、泥と砂をまとって、リロードに正面から殴打を加えようとする。焦りゆえの、単純な打撃攻撃だ】

【しかし今やどの腕も手負い。能力発動のスピードも遅くなっている。加えて、先ほどの弱点の露見。双子の精神的動揺】
【戦局は、一気にリロードに傾いた、と言えるだろう。対処はいくらでも可能なはずだ】
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 02:23:33.73 ID:X35QXUDco
>>287

────見えましたよ。

【カウンターで攻撃を食らう事も覚悟の上の特攻だったが、リロードの攻撃が決まった瞬間、消えた泥と砂を見てニヤリと微笑んだ】
【彼らの焦りを見ると、単純に驚いて能力を解除した訳ではないらしい、攻撃を食らうと能力が解除される。ハッキリとした弱点と見た】


必死≠ナすね。楽しんで頂けている様で光栄の極み。やはり気が合うのはあなた方の様な人間か。
敵対して初めて意気投合できるってのは友達が作れない寂しい世界だが──悪くはないです。

【いくら気が合おうとも彼らが立っている位置は正義と悪、故に敵と味方を切って離す事は出来ない】
【ならば、そんな彼らに自分が出来る事と言えば……敬意を持って力の限りを尽くす事のみである!】


二重の悪意=c…それがあなた方の弱点なら、距離を置かない手はないな……ッ!

【左腕に持った剣を両手持ちに切り替え、正面から受け止める。情報のアドバンテージは勝っているものの負傷しているのもリロードも同じ】
【ならば力で勝るのは当然兄弟、泥の塊を二度も受け疲弊は隠せない。耐え切れず、剣は砕け吹き飛ばされつつも、距離を保つため】
【攻撃を後方に受け流すように、体を捻り斜め前方に倒れこむ事でデュアル兄弟の後方に回りこもうとする】

【彼の目は兄弟の両手に真っ直ぐに向けられてる。はっきりと、弱点を狙いにいきますよ、と】


…………ッ!(当然だが、正面からの力比べはするまでもないか……)

【このターン≠フリロードの行動と言えば、距離を置かないために攻撃を受け止めて後方に回りこもうとする】
【一見すれば、ただそれだけだが。手数自慢のこの男が、それで終わるはずがない。──ここから少し離れた距離】

【デュアル兄弟が投げ。リロードの右腕には一本の剣が刺さった。それは今、リロードの手にある。刃は半分に折れているが】
【剣は一対≠セった。その片割れは、今現在この場に残された最後の種でもある。置き去りにされたマントがある位置、先ほどのリロードの立ち位置から──】

【風の斬撃──カマイタチが飛んでくる!能力含め、純粋なパワーは兄弟が勝る。だが、リロードの能力の恐ろしさは容赦の無い隠蔽性】
【どこから何が飛んでくるのか、一切の気を抜くことを許さない】

289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/30(日) 02:58:10.99 ID:b7JlwJ4Fo
>>288
【リロードの言葉が、耳に絡みつく。情報は、時に何にも勝る強力な武器となる】
【自分たちの明確な弱点が、完全に知れた。下手をすれば、ここからの戦闘は全て、攻撃の枕を押さえ込まれることになる】

「ク、クク……この生と死の狭間にある種の快楽を見出す、という点では確かに気が合うかもな」
『正義の味方と意気投合するなんざ、初めて経験したぜ……』

【しかし、これほど追いつめられていながら、デュアル兄弟の表情には、もうすでに笑みが戻ってきていた】
【最悪の無法地帯、あの泥の街の中でも、さらに爪弾きにされていた自分たち】
【今やカノッサの一員となり、以前よりもさらに大きな悪事に加担するようになった。そんな環境に身を置いた今になって】
【こんな形で、それも敵の中に、このように歪んだ高翌揚感を与えてくれる人物と出会おうとは。何が起きるかわからないものだ】


『さあて、状況はこっちが不利だが、てめぇも無傷とはいかねえようだな』
「せっかく昂ぶって来たところだが……そろそろ決着といくか」

【リロードの疲弊もまた、事実。だが、双子とて四本腕の全てを負傷し、胴体にも傷を負っている】
【未だ、力においてはリロードを上回ってはいるようだが、やはり苦痛に耐えつつの攻撃は、受け流される結果に終わる】
【しかし、ただ背後に回り込むことを許すつもりもなかった。その身を捻りつつ、倒れるように回り込むリロードを追って】
【双子もその身を反転させる。リロードの目が、四つの手を捉えているように。双子の四つの瞳もまた、リロードの目を捉えている】


「(当然、これだけで終わるはずもない……が、ここでリスクを恐れてはもはや勝てん)」
「(どれほどのダメージを受けることになろうと――ここに、我らの生と死の境界を、賭ける!!)」

【もはや、距離を保つことは不可能。気を散らせばどこから何が飛んでくるかわからない】
【かといって、意識を分散させたまま、対処できる相手でもない。ならば、リスクを受け入れて、勝負に出る】

【そのリスクは、背後からやってきた。背後に回り込むリロードを追って向き直った、デュアル兄弟の背中へ】
【皮肉にも、双子が愛してやまない、一対≠フ片割れが放った攻撃。スーツがはためき、肌に感じる風と殺気】


「ぬぐっ!!」
『ぐがっ!!』

【悲鳴は、短かった。覚悟の上とはいえ、ダメージは大きい。放たれたカマイタチは、見事に兄弟の背中を切り裂いた】
【路地裏の闇に、赤い花が咲く。リロードの仕掛けた最後の奇襲は、双子にこの場での戦闘続行を困難にするレベルの、ダメージを刻み込んだ】
【敵は正面、でありながら攻撃は背後から。どこから何が出てくるかわからない。ゲームのエンカウントのように。一切の容赦のない、隠蔽の使い手】

【ならば、双子の強みはどこにあるのか。二人それぞれが対処することの優位性は、賭けにあたって捨てている】
【泥と砂による、パワーとスピードを兼ね備えた戦法も、腕を傷つけられ、弱点も露見した今では、効力は半減だ】
【今、双子に残っているものは、何か。それはこれほどのダメージを受けてなお、この場に立つ執念。そして、カマイタチを受けたことで生まれた、前方への勢い】


『食らいやがれ!!』
「お返しだ!!」

【距離を保ったまま、目の前にいるであろうリロードへ向けて。カマイタチの勢いのまま、双子の右足が蹴りを放ったのだ】
【疲弊による威力の低下を、カマイタチの勢いで補い。弱点は露見していても、やはり泥を溢れさせ、威力を少しでも水増ししつつ】
【リロードへ向けて、最後の悪あがき。泥の重みを湛えた、二人分の体重とカマイタチの勢いとを乗せたキック】


【攻撃の成否に関わらず、この蹴りを放った後は、背中の痛みに耐えかねて、双子はその場に崩折れるだろう】
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 03:28:38.27 ID:X35QXUDco
>>289

【リロードの弾≠ヘまだ、いくらでも残されているのだが、出さなければ意味が無い】
【既に出した種は使いきり、手元に残った剣にもカマイタチは装填≠ウれているが、】
【カマイタチ、風は炎や鎖の様に収束出来ない。彼らが能力を使ってきたら切りつけて封じる程度の効果しない】


【つまり、即座に能力で対応が出来ない状態。その状態で、肉体での攻撃。それも勢いが付いたもので来たならば】
【リロードに勝てる要素がある訳が無く────】


……見事。────くッふっ。

【結果、デュアル兄弟の蹴りは、ここに来て本当のクリーンヒットとなりリロードに炸裂】
【手に持った剣がカランという音と共に地に落ち、リロードを吹き飛ばして地にひれ伏した】

【両者、崩れ落ちた局面。地に倒れたリロードは両腕で何とか体を起こしながら、苦笑が漏れる】


……はっはっ。何がスマートだ。ひでぇ、泥仕合。

【それは、演技じみた先ほどの語り口調ではなく、自然な笑い声だった。おそらく、役≠ナはなく、これが本当の彼なんだろう】


──ゴホン。やれやれ、私は引かせて貰いますよ。……面白全部で突いた藪から蛇を出してしまったのでね。
ゲームクリア。ゴールドもレアアイテムも落ちませんが経験値くらいは入ったんじゃありません?

【よろり、と立ち上がると冷静を演じて見せたい彼は息が上がっているのを隠しながら、先程までの喋り方に戻った】
【フラフラとその場を立ち去ろうとしながら、ふと……一度だけ振り返り────地面に貼りつけた「恐ろしい般若の顔」を指さし】


……ああ、そうだ。ま、お願いじゃあありませんがね。
その顔……興味があったら、覚えても良いと思いますよ?

【「────楽しくなるかもしれませんよ?」と、】
【彼らとリロードは力をぶつけ合った敵同士。故に、探してくれとお願い≠ヘしない】
【今宵を楽しませてくれた好敵手を──自分の物語に引き込みたい。ただそれだけである】

【おそらく、この般若と兄弟は同士。故に、出会う機会があるかもしれない、】
【その時リロードという男が探していたという事を知っていれば、物語が一つ、動くかもしれない】


──さようなら、また会う日まで。

【クスリと笑いながらそう言うと、彼は再び闇の中に消えていく事だろう────】

291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/30(日) 03:44:47.73 ID:b7JlwJ4Fo
>>290
【右足に、相手を捉えた感覚はあった。それを知覚した次の瞬間には、すべての感覚が全身の痛みへとシフトする】
【声にもならないうめきを、兄弟そろって発しながら、路地裏の汚れた地面に伏す。相手もまた、限界のようだが】

【リロードが身体を起こしたのを見て、双子もどうにか上体を起こす】
【響いてくる苦笑に、双子も苦しげながらも、どうにか笑みを張り付けて】

『……そっちが、素か。芝居がかった語り口よりか、そっちのがマシに聞こえるな』
「ふ……まったく、文字通りの泥試合だ。えらそうに二つ名を名乗ってまでやり合っておきながら、お互いひどい様だな」

【皮肉っぽい語り口で、双子の言葉が綴られる。半ば意地で痛みを誤魔化しつつの、濁った発音ではあったが】


『どうもその様子じゃあ、蛇を出したのは今回が初めてじゃなさそうに見えるがな?』
「そうだな、路地裏のエンカウントにしては、なかなか高い経験値だった。アイテムドロップなしでは、少々割に合わないが」

【リロードに少し遅れて、双子もともすればバランスを崩しそうな身体をどうにか保って、立ち上がる】
【立ち去ろうとする彼に、追撃を行う様子もない。単純に、そんな余力がないためだが】


「……ああ、覚えておこう。これほど刺激的なひと時を過ごさせてもらったのだ、忘れたくてもそう簡単には出来ないだろうな」
『さらに楽しくなるかも、ってか。せいぜい、期待させてもらうぜ』

【未だ、彼の言う物語の中に、囚われているような感覚は消えない。いや、この世界そのものが物語と言うなら】
【その登場人物たる自分たちは、いくらあがいたところで、ページの上か】


「……縁があれば、いずれまた」
『あばよ、奇術師』

【彼の別れのあいさつに、交互に返しながら。闇に消えていくその姿を見送った】


『……づ……ったく、久々に外に出てみれば、とんだ闖入者だったな……』
「まったくだ……早く機関して傷を癒さねば。この件については、カニバにも話してお必要もあるだろう」

「(般若……か。いったい、この世界にはいくつの火種が仕込まれているのやら……)」

【今一度、地面に視線を落とし。刻まれた般若の顔をしっかりと頭に入れると】
【路地裏の壁に寄りかかりながら。双子もその場をゆっくりと後にした】


/このあたりで締めでよろしいでしょうか
/二日に渡り、本当にありがとうございました!! 楽しませていただきました!!
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 03:45:32.31 ID:X35QXUDco
>>291
/お疲れ様でした!
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 17:02:49.42 ID:CvWyuDoj0
本スレが落ちたとき様
>>25

「どどど、どうしたんだい?あああんまり動いていいいないのに、ひひ酷い息の仕方だね
ヒヒッ……どんなにいいい粋がったって強がったって、しし所詮一人のおおお女の子だ
さささ、さっさと、泣いて、くれないかな?わ、私もそそそそこまで暇じゃなな無いんだよ」

【余りにも分かりやすい変化。先程まで取り澄ませていた顔が此処まで変化したか――――とでも言いたげに】
【自分は安全な場所に居て、人が苦しむ様を実に楽しそうに眺めていて】
【ヒヒヒ――――性格を把握しやすい笑い声が、人形の背後から】

【鏡に一言呟けば、地面に染み出る血。少女の物でも、男の物でも無い其れ】
【まるで、身体を貫かれた、或いは切断された者が垂れ流す程の量が、徐々に大地を浸食していって――――】
【奇しくも、其れはあの時と同じ様な染みの形。量】
【意識せねば分からぬ事。だけれど、暗い森に、其れだけの量――――これだけ素材があれば十分か】


「ヒヒヒ……まるで、ケダモノみみみみたいに、吠えるんだねぇ。ききき君は
そそそそんなにここここの場面がいい嫌かい?」

【少女の叫びを聞いたならば、さも愉快そうに問うて】
【身体へと叩き付ける事が出来たならば、次の一手へ移ろうとしていたが】
【其れよりも早く、少女が攻撃の態勢へと移って――――】

【柄を少女の身体から離せば、相応の速さで飛来に立てして刃の背を向け】
【瞬間的な加速。普通に振るったならば対応できない其れも、全ての関節を駆使した速度ならば対応できるだろうか】
【――――僅かな距離。故に一瞬ばかりの出来事。峰を、少女の刃に沿わせればそのまま機動を固定して、自身の身体に触れないように受け流す】
【刹那の時間で行われた事だが、きっと少女自身には何が起きたのかが分かるはず】
【確かに、少女が刀裁きを見せる度に“学習”をしているのか】


「そそそ、そうだ。そそそそんなに嫌なら、わわわわ私がもももっと楽しくしてああげよう
ききき君も、ききっと気に入ってくくくれると思うよ」

【木偶が、前に進み出る。其れと同時に、男が鏡に何かを呟いて】
【少女の右手に伸ばされた腕。其れは、まるで人間の腕の様な質感】
【――――顔を見れば、片目の無くなった狼の少女。木偶に術が掛かったのか、それとも本当に木偶自体が変わったのか】


『ねえ、柊――――どうしたの?そんな怖い顔しちゃってさ
ほらほら、見てよ。柊のお陰でボクの目も一つだけになったんだよ?』

【恐らくは、後者。紡がれる声はあの少女そのもので】
【“隙”に滑り込ませる身体。少女の顔を覗き込む様にしたなら、何ら変わりない笑み。匂い】
【少女の右手。掴む、或いは抑える事が出来たならば、引き寄せる反動と共に顔面に掌底を叩き込もうと】
【何も喋らなかった無骨な木偶が、今や一人の少女の姿を象って、声も真似て】
【様々な人物の動きをコピーをさせる様は、正に人形師と呼べるか】

【男が全てを知った上で行っているのは明白】
【気になる所と言えば、何故会った事も無い少女の動きを真似出来ているかという点だが――――】
【件の青年も予め知っていた様な素振りを見せたことから、組織内に資料か何かがあるのだろうか】

/時間が出来たので今の内に返しちゃいまする!
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/30(日) 17:04:05.99 ID:Q1QKUhmLo
【夜の国――廃鉱山】

【かつてはルナトリウムの産出鉱山となっていた小山は、今や周囲の村も寂れて潰え】
【事故の後を薄らと忌避してか用のあるものもおらず、訪れるものはほとんどいない】
【明ける事の無い夜を帯びて、今は明かりすらも乏しく暗がりの中に落ちていた】

……妙だ。事故のあととはいえ、全く誰もいない
所有者の名義は……その後から国の保有になっているが、その割には放置し近い
まだ涸れているわけでもなさそうだが……

【闇の中をぼんやりと照らすのは、心もとないランタンの光とそれを帯びたパイプの煙】
【白髪混じりの黒髪長髪を、前髪のみオールバックにした男が瓦礫の上に立っている】
【暗い色調の緑のタキシードに同色のシルクハット、紫のスカーフタイを身につけ】
【赤い目、右目には銀縁のモノクルをかけていて、どこか古めかしい雰囲気を漂わせ】
【白い手袋を嵌めた右手には黒いパイプを、左手には杖をもっている】

あの女の仕業にしては……粗いな

【紡ぐ言葉には、平時の礼儀正しさはない。礼儀を向ける相手などいないのだから当然だが】
【夜の国特有の鉱石を用いた光源を持たないその姿は、明らかに部外者の相を呈しており】
【魔翌力を帯びた紅月が、辛うじてというように地を照らしていた】
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 17:48:55.96 ID:zLtoPsaso
>>294

【――かつん、高下駄の音が唐突に響く】

【その前にあるべき気配、足音、その他諸々を不条理にすっ飛ばして】
【そう近い距離ではない。 けれど、警戒を抱かせるには十分な登場の仕方だった】

【虚空に三つ、青藍色の燐光を引いて、ふわと浮かぶ吊り灯篭達】
【朱色の灯りが、現れた若い男を、いつかの花街の気配を纏わせて照らす】

 ……お久しゅう、ドワイトはん。
 まさかあッちの事、忘れたなんて言いはったら、そらもう悲しゅうて仕方無いのやけれど……

【肩口で切り揃えた白髪、髪に挿した漆黒色の彼岸花、葡萄色の切れ長な目】
【かつて狂鳥と名乗った男花魁は、豪奢な着物の袖でわざとらしく口許を隠して俯いた】

【その肩が小刻みに震えるのは、まさか泣くなんて筈も無く。 酷く愉しそうに笑う所為】
【ただ一点、黒の紋付き袴――喪服を羽織るアンバランスが、以前の櫻での邂逅とは違っている】

 それで……まァた、件の女絡まりやろか?
 女に泣かせられるんはお互い様やんなぁ……ええ加減、嫌にならんか?

【気紛れではあったのだが、かつて一人の女を追い、共闘した相手ゆえだろう】
【端から気安い言葉を投げる。 背後に示しているのは勿論、あの時に追った女の事】

【それらしく顰める柳眉、珍らかな色の視線が、周囲の景色をさしたる興味も無くなぞった】
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/30(日) 18:16:46.35 ID:Q1QKUhmLo
>>295

【埃も落ちるような静けさの中では、相手の足音はよく響いた】
【ましてや、ルナトリウムの輝きを恐れるように動物も少ないこの辺りだ】
【一瞬の警戒が飛び、それからほんの少しほどいて、半身返して相手へと向き直った】

覚えているよ。まさか、あの街に寄りつかずして会えるなどとは思いもしなかったがね
それにしてもまた、妙な場所での邂逅と相成ったが

【安堵するには関係は浅く、訪れる場所として不自然だ】
【何せここは夜の国でも辺境、以前遭遇した場所とは似つかぬ土の上】
【杖に指で押さえこむようにして持ったランタンはそのままに、煙を吐きながらさりげなくパイプをしまい込む】

全くだ。折角突き止めた“入口”も、日を置かずして消滅してしまった
常に移動していると考えた方が近いな……忌々しい東の魔女め

【それでも敵対するような響きは声音に無く、相手が事情を知っているのもあるがやや口は軽い】
【とはいえ何の手がかりも無しでは情報も少ない、おまけに様子を見るに目の前の洞穴も見当違いであったようだ】
【相手とはうってかわって、男は何も変わり映えがない】
【あの時と同じく、スーツの裾に塵一つの汚れすらなく。何一つとして変化も無く、坑道の前に立ち止まっていた】
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/06/30(日) 18:26:40.07 ID:go87LZe6o
【人影の無い、深夜の街】
【雨が降っている。 激しい雨ではないけれど、歩いていると数分で身体をびしょ濡れにされてしまうだろう】

【小さな商店の屋根の下で、雨を避ける人影があった】
【夜中ということがあって、周囲の建物は全て眠っている。 運が悪いことに、雨を避けられそうな24時間営業の店もない。】
【そんな状況に、雨具一つなく取り残されていた】

【小さな屋根は、雨宿りをするにはやや大きさが不十分。】
【夜風にあおられた雨粒までは防げず、服は足元から濡れはじめた。】

【道の反対側にある街灯が人影をうっすらと照らしている】
【その肌は異常なほどに青白く、まるで死人のように映ることだろう。】
【赤色の瞳は、暗闇の中でも見分けることができる。比喩的な表現ではなく、瞳はそのものが光っている。】
【シャツやズボンはクシャクシャで、長い間酷使されているようである。】

「まだまだ、止みそうにないか」

【月のない空を見上げても、雲は見えない。】
【いつ止むともしれない雨は、激しくも小降りになることもなく、淡々と降り注いでいた】
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 18:42:01.71 ID:zLtoPsaso
>>296

【転移の術で現れたのか。 周囲を見遣っていた視線、彷徨うようにも見えるけれど】
【大の大人がまさかと思いたい。 何故か微かに舌打ちもしたが、きっと――】

 入口=H ……嗚呼、あの時みたいな、妙な空間のやろか。
 しかしこないな洞穴が、ねェ……まああん時も安宿の部屋やったし、何でもアリなんやろうな。

【灯篭の内二つが前方に動き、相手の言う洞穴を視認する為に照らす】
【現れ方に魔術要素を匂わせたくせ、男はそういう物に疎いような物言いをした】

【(片手でかさと紙の擦れる音がする。 小洒落た封筒、羊皮紙の端が僅かに覗いた)】
【(黄緑色の燐光で描かれたような不思議な陣も――忌々しげに視線を落とし、溜息)】

 そんでも、中に痕跡は――いや、無いんやろうな、そんな抜かりなんて。
 ……どうしはる? また気紛れしてもええ気分やけれど、なぁ?

【タダほど怖いものは無いというけれど、この提案もそんな気配を持つ】
【その一方で、彼とて物見遊山で偶然此処に、という訳では無さそうだが――】
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 18:53:53.33 ID:+AJGtnkZ0
>>297

【ぴちゃり、ひちゃり、水溜りに抱き留められる雫たちの音、夜を彩って】
【家の中から聞くならば涼しげとも風流とも好き勝手言えるのだろうけれど、――そもそも梅雨だ、そろそろ飽いた頃か】
【外で降られながらに聞くには鬱陶しさのほうが勝る。結局、喜ぶのなんて、百姓ぐらいだろうか】

……、……――なら、濡れて帰っちゃえばいいのに

【――いつからか混ざりこんでいたもの、硬質の、高い、――明確に重さを持たないように曖昧な、ヒールの音】
【雨粒の中をふぅらり現れたのは唐突にも思えるけれど。気付いてさえ居たなら、適当めいて歩いていた軌跡、隠していたわけでもなく】
【雨音の中でも紛れることなく明確にそちらへ向けられた声、鈴を鳴らしたように涼やかに、金属質の余韻を引いて、紡がれて】

【真夜中の色で艶めく髪、膝を通り過ぎるような長さは、毛先のほうに向かうに従って、水滴の微細な煌きで飾って】
【長めの前髪越しに瞬くのは黒赤のオッドアイ、まぁるい瞳孔は、きっと蛇の目模様と言うに相応しく】
【僅かに拡がった袖口の白いワイシャツ、胸元で咲くように飾るのが赤いリボン、ひらと尾が揺れて】
【前より後ろの長い黒色したアシンメトリースカート、長いソックスで脚を隠す先、足元を飾るのが、ヒールの高いショートブーツで】
【首を傾げるのに合わせて傾ける傘、華奢な少女が持つには大きめの、黒いもの――両手でちょいと持ったまま、くるりと一度回されて】

濃硫酸が降ってるわけでもないんだし、服は洗えばいいんだし、……あ、でも、あげないよ、これ。わたしのだもん

【距離としては足も腕も届かないほど、けれど、雨粒にその姿を隠し込むには、近い距離】
【――他人事めいて提案してみる軽さ、だのに、自分がそれをするのは嫌がるのだから、ひどい話】
【ふわと笑ってみせる顔に一切の害意は窺えず――もう一度何の意味もないままで傾げる首、黒髪が揺れる】

【傘の持ち手に添えた指先、左の薬指、まるで久遠を誓うための指輪のよう。くるり巻きつく黒蛇の痣、白肌によく目立っていた】
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/30(日) 19:03:45.88 ID:Q1QKUhmLo
>>298

【ルナトリウム――日光その他通常の可視光を反射した場合、赤外線、紫外線と共に、精神に悪影響を与える特有の放射線を発生させる鉱石】
【いかなる樞かは分からないが、何かしら、影響を与えるものは多いのかもしれない】

いいや、あれはただの罠だ。本物であれば、屋敷へと辿りつける
今までは木の間、水面、ビルの一室など様々だったな。法則は私にも分からない
……まさか、迷子では無いだろうね?

【正味この世界に置いて、力の根源をなんとし技の由来をなんとするか区別するのは難しい】
【だから灯篭の動きに頷きはしつつも、相手の言葉を追及はしなかった。実質、なんでもありにも聞こえる】
【そのくせ、相手の態度には追及するのだが】

今回は入り口では無く奴が散らかした場所を探しに来たのだが、どうにも別人の仕業のようだ
あの女ならもっとわざとらしく餌を巻くか、徹底的に隠す
だがこれは……無造作というより、適当だ

【恐らく爆破により損壊したのだろう坑道は、何を隠すでもなくそのまま放置され】
【周囲の人払いは徹底しつつも、その有り様は逆に不自然な程静かで、一度線を越えて近づいてしまえば、その違和感は見てとれる】
【暗がりを覗きこむ目を、一度相手へ向け――もう一度頷いて、先に一歩、ロープを踏み越えて進み始めた】

【中は暗く、分岐はいくらか瓦礫に潰されているものの、入口付近の鉱石はほとんど掘り尽くされてしまっている】
【ノウハウが無い人間の手によるものではないが、なんだか掘り方も雑だ。専門家によるものとは少し異なる】
【中は電気も通らず、やはり手元を照らすは互いのランタンしか無いようだ】
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/06/30(日) 19:26:31.69 ID:go87LZe6o

【胸の黒いネクタイを緩めたり、ずり落ちてきた眼鏡を引き上げたりしながら、雨が弱まるのを待っている】
【そんな青年が、雨音とは別の音の存在に気が付いたのは、音の主が視界に入ってからだ】

【傘を手に持った少女は、自分と何の接点のないまま通りすぎてしまっても何の不思議も無かった】
【そんな少女の声を聞けば、目が覚めたように退屈な空模様から少女の方へと視線を移す】

「そうだな……もう少し前までは、そういう選択肢もあったかもしれないけれど」
【青年の声は中世的だ。女性を思わせるほど高くないけれど、男性と分かるほど低くもない】

「例えば、こういう時って覚悟を決めて必死に走って……そうして、やっと目的地についた途端に雨が止む。 そういうことがあるじゃないか」
【憂鬱そうな表情で、少女へと言葉を返す。】

【青年の右腕は、包帯のような布で包まれている。 が、その巻き方は粗末で、中身を隠しきれていない】
【布の隙間からは黒い肌がのぞいている。 また腕の頂点には、指のようなものが三本しか存在しなく、その位置も三角を描くように配置されていて、人間のそれとはまったく別のものだった】

「そうだね、それは君の物だ。 ……欲しくないと言えば、嘘だけれど」

【閉じた建物ののシャッターに、背中をあずける。 ガシャン、と大きな音が夜の街に響いた】
【深夜の街に響く大きな音は大きな迷惑だろうが、そんなことは知ったことでは無いというように、青年は相変わらず憂鬱な表情を浮かべたままだ】

【少女の笑みをみせられた青年は、困ったような表情をしていた】
【何らかの形で答えようとするものの、答えを知らない。 だから、どんな表情もできない、悩んだ表情】
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 19:53:09.82 ID:zLtoPsaso
>>300

【本体≠ナ来なかったのが幸いした】
【元より余程の場合でないとそんな事もしないのだが、】
【夜という国についてこの男は余り知識を持ち得ない――というより、避けている節さえあった】

 ……ちょいと、な。 兄貴の家に招かれとったんやけれど、……
 これ開けば着く言うたろうに……あの気違い、時間飛ばし過ぎて耄碌したんやろか?

【幾らかの間の後、「別にええわ」と吐き捨てて、手元の封筒を懐に仕舞いこむ】
【この地の異常が男の移動に何らかの影響を及ぼしたのだろうか、定かではないのだが】

【相手の説明を聞く間、損壊した坑道や採掘された痕跡を、先よりは興味深げに眺め遣り】

 ふゥん……余りこういう場所は知らんけども、入るんなら火の物は気ぃ付けなんせ。
 あッちの護法灯≠ネら、本物の火で無し、引火もせえへんけれど……

【青藍色の燐光を尾の様に引く古風な吊灯篭は、ほんの微かに奥の景色が透けていて】
【幻術の類か。 同じような気配は、忽然と現れた男の方にもあるのだが――】

【相手の頷く様に微かに口角を上げ、彼も境界線を踏み越えると】
【進む前方に二つ、自身の後方に一つ、護法灯を手操った。 そうして、高下駄の割に器用に着いていく】
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 19:55:31.44 ID:+AJGtnkZ0
>>301

【ぱらぱらと傘に弾かれる雫の音、微かな振動、湿った涼しい空気も、総てが雨模様】
【見上げれば暗雲の空、見下ろしても灰色の世界に突き刺さる街灯の真っ直ぐな光、他にひとかげも窺えなくて】
【――世界にとって大事なひとのお葬式でもしているように思えた、なんて。ただの幻想、退屈紛れの思考の欠片】

そんなの。……分からないのに。
ああ、でも、濡れたくないの、分かるよ――冷たいもん、ぐしゃぐしゃして気持ち悪いし、くっつくし。
髪が顔とかにくっついて……――、あと、お洋服洗う手間、増えちゃうし。

【ふらと傘傾げて見上げた空、無数に降り頻る数え切れないほどの雫は、なるほど、元気印】
【分からないなんて言いつつもどこかで止まなそうとでも思っていそうな表情、ちらと視線が少年を窺って】
【濡れろと言ってみたり濡れたくないと言ってみたり、どうにも不安定に流れる思考、まるで水のよう――なんて】

【――これまた気紛れめいて足先が動く、ひょいと潜り込もうとするのは彼が頭上を預ける屋根の下、隅っこへ】
【入れてくれるようなら傘を閉じて。まるで雨具なんてないですよとばかり雨宿りをするふり、ままごとめいた戯事】
【ただでさえ狭いのだからと拒むなら。ぱちくり眼――それでも、会話に支障ない位置で留まること、変わりなく】

……どーしてもってお願いしても今日はだめ、濡れてもいい気分じゃないの。
それでも欲しかったら奪い取ってみせて、被害者みたいに泣いちゃうから――。

【――雨具はあるのだから、帰るなり、どこか向かってしまえばいいものを】
【灰色に雨模様の世界にわざと留まること、少年にはどんな風に見えるのやら、――真意は、上手に透かせなくて】
【がしゃとがなりたてるような音もどこ吹く風、そんなにも真面目な道を歩く性質でも、ないらしい】

【――その表情を曇らせる憂鬱、気付きこそすれ、無理に晴らそうとするでも、抉ろうとするでもない、この少女】
【善意とも悪意とも取れないような感情でそこに立つもの、――そういえば、この少女、ヒトとは違う気配がする】
【雨の中ならば多少紛れはしても、誤魔化せない。不自然なまでに澄み切った水の清い気配、揺らめく人外の気配、隠しもせずに――】
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/30(日) 20:19:44.76 ID:iUI1KzMgo
【―――――路地裏】

【活気あふれる町中から外れた、鬱屈した雰囲気を保ったその場所で】
【周囲を歩く者がいたならば、確実に気づくほどの、濃い死臭が撒き散らされて】
【血の、香り――――――鉄さびを塗り尽くしたその芳香が、塗りたくられていた】


……今日は……星が、よく見える……


【白銀のセミロングの髪を靡かせて、長い前髪から鋭く青い眼を覗かせる】
【やや長身でスラリと伸びたボディラインを濃い青のストライプのシャツで包む】
【燕尾服調の高級そうな黒のスーツとネクタイ、細く長い指先はシャツと同じ色の手袋】

【男性らしからぬ女性的な端正な顔たちは、まるで仮面を貼りつけたかのように無表情で】
【陰鬱な雰囲気を纏う、儚い印象を与えそうな青年】
【手袋の甲に刻み込まれたW≠フ文字が強く揺れる】

【足の踏み場もないような一面の赤の上、立ち尽くす彼は、空を見て呟く】
【音は形を持って声となって、雪のように降り積もっていくのだろう】
【視線を落としたなら、視界に入るバラバラになった死体】

【それを一瞥し、静かに息を吐いた】
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/06/30(日) 20:34:32.23 ID:go87LZe6o
>>303
【不規則に、空を見上げては時折ため息を漏らす】
【夜の空は少年の憂鬱など知らないふりで、なんの変化も見られない】

「永遠に振り続ける雨なんて普通はありえない。 いつか、雨は止むよ。 だから僕は待てる。
 流石に朝日が出る前には、諦めるけれどね……」

「奪ったりだなんて、そんなことしないさ」
【両手を広げ、心外だと、オーバーリアクションに表現をしてみせる。】
【僕がそんな事をするように見える? と、でも台詞をつければしっくりとくるだろう】

「それに、僕の代わりに誰かがびしょ濡れになるのは……自分が雨で濡れるよりも、気分が悪いかもね」
【善人のような言葉だが、口にした当人は不真面目な表情を浮かべている】

「勘弁してくれよ、泣かれたくなんて、ないよ」
【雨音は、少女の無き声をかき消すほどには強くない。だからといって、こんな時間に誰かの耳にとどくとは思わないが――】

【傘を仕舞った少女を見れば、青年は少しだけ身体を寄せた】
【少女の入る空間を広げようとしたのか、単に少女から身を遠ざけようとしたのかは憂鬱な表情からは読み取れない】

「君は、どこかを目指していたのではないのかい?」
【苦そうな表情を浮かべながら、少女にちょっとした疑問を投げかける。】

【今は隣にいるこの少女。 名前も年齢も知らない相手。 知っていることは目で見て、耳で聞いた――その他、感覚で理解できるものもあるか。澄み切った、人ならざる気配だとか――情報だけである】
【この少女は、道の向こうからあるいてきた。 こんな夜更けに、わざわざ大きな傘を持って歩いていたのだ】
【目的は分からないが、天気のいい時はまださいも、自分ならば雨の日に意味もなく歩いたりはしない。 だから、なにか意味があって歩いているのだと、勝手に推測をする】
【そうした自分の推測が合っているならば、こんな事をしているのではないだろう? と、青年は考えた】
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/30(日) 20:38:37.43 ID:Q1QKUhmLo
>>302

兄?……君には親族がいたのかね。私にはそういう者がいないから、よく分からないが
まあ、あまり悪し様に言うものでないよ

【先行く背中が、薄らと微笑んだ気がした。ここに用事のある者でないとも分かり、少々親しみが混じる】
【相手と同じ身長、相手の方が下駄の高さもあるが、見かけの年にしてはぴんと延びた背は広い】
【張りのある年寄りほど、お節介で面倒なものもないものだけど】

ふむ、では君の灯りを借りようか。元より唯の光では、ここでは危険も見られよう
……しかし、見事に打ち捨てられているな。感じられた力の残り香に対して、重要性があるとは思えん

【ちらりと灯篭に目を遣ると己のランタンを消す、途切れたオイルの匂いが一瞬濃くなってすぐに消えた】
【しかし火が好ましくないとあれば、パイプは付けられない。奥へ奥へと行く程に、ほんのり困ったように唸る】
【幻術の光が鉱石の怒りを買わずに済むかは、分からないが】

例え重要な手掛かりがあったとしても、埋まってしまっている可能性もあるな……む?
妙だな。ここから先だけ、唐突にヒトが踏み入った痕跡がある

【無駄足か。そんな気配が言葉に混じる中、不意に違和感が現れる】
【崩れかけた分かれ道の一つ、急に土に動きがみられたような、明らかに重みのあるものが上を動いた跡】
【一瞬の迷いののち、その方向へと突き進む――ぽつぽつと、鉱源が通路の壁に見られはじめる】
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 20:52:41.05 ID:+AJGtnkZ0
>>305

【ちょんと立ち入った微かなスペース、華奢な身体を押し込むのはさらにその隅、濡れるぎりぎりまで】
【彼の雨宿りを邪魔しようとする気は薄く、寧ろ、邪魔にならないようにしている素振り、見せてはいても】
【彼が動くこと自体を止めることはない。自分は隅っこでそうと押しついて、退屈な手元、雨粒に晒したりしていた】

……朝まで待つぐらいなら、濡れてでも。家に帰って、お洗濯して、――そっちのほうが、早いと思うけどな。
こんな場所に朝まで居るの? さっさと帰っちゃえばお風呂だって入れるし、お洗濯できるし、いっぱい眠れるのに……

【太陽を浴びたことのないよな白磁の肌、或いは少年の肌色にも似て。水玉の丸い模様はあっという間、濡れそぼって見えなくなる】
【指を向こう側に傾けるようにして流す水流、雫の落ちるを数えるように視線注ぎながら、紡ぐ言葉は】
【どうにも少女が睡眠に重きを置いているように聞こえるのだろう、寝るの大事。そう言うかのような、声音だったのだから】

【ちょっとだけ分からないとでも言うような瞳が少年に向けられていた。硝子玉めいた瞳、一対がきちと合わせられて】
【ぱちり瞬いたならそうと首を傾げてみる、――癖だから、別段大した意味などないと、少年は知らないことだけれど】

濡れる気分じゃないけど雨は嫌いじゃないの。

……おうちに帰る前に、ちょっとだけ。寄り道していこうかな、って

【――どこかに用事でもあったのだろうか、そちら自体は終わったようで、ならば今は帰途だと説明する言葉】
【高校生ぐらいの少女に見えた。雨の中、ひとけのない道、少々ばかし、無用心にも窺えたけれど】
【水の気を纏うひとがた、どうせただの人間ではないのだろうから――大丈夫、なのだろうか?】

――あなたは何してたのかな

【水滴に蹂躙された手、屋根の下へと引っ込めて。指伝いに雫を垂らしていく、眺めるようでいて視線が向かうは彼の元】
【尋ねられたから――とばかりに尋ねる涼やかな鈴の音色の声、フェンスにせなを預けてみたなら、ぎしと軋む音】
【――それでも。少年の生み出したほどではないのは、鳴らすための重さが足りないと、或いは察するかもしれなくて】
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 21:04:27.64 ID:zLtoPsaso
>>306

 拾ったんも兄貴共、あッち一人花街に捨てたんも兄貴共。
 ……まあ別にええんやけど、死なずに済んだのには変わらんし……。

【仕打ちに対し仕方が無いと捉えて、恨みがましく言う事も無い】
【ただ、相手にそういう者がいない、と聞いた時に僅かに間が空いた】
【意外だと思ったようだ。 もっと穏やかな想像をしていたとか、そういう事なのだが】

 ――、どないしはった?

【そんな折、相手の疑問符を拾って、別所に向けていた思考を止め】
【視線を落とせば確かに相手の言う通りの痕跡、男はそれを認めて僅かに目を細めた】

 何やろ此れ……此処に来るまでこんな跡、無かったやろうに。
 ……ちょい待ちいな、灯り弱めるえ? この辺りから、洒落た石が目立ってはるから。

【丁寧ならずとも採掘されていた内は良かったが、まやかしの光とはいえ、光だ】
【それにもしこの先に何者かがいるなら、こちらの存在を主張するものは薄めておくべきと】

【高下駄の足音がいやに静かになる。 それ以前からも静かではあったのだが】
【歩みもゆっくりと――は、先行するドワイトの迷い無い進みに、急かされる形になって】

【呆れたような、冒険家を見るような、そんな目。 だが敵の恐ろしさを知っているのも相手だ】
【無茶はしないだろうし、最も男にしても、この状況を楽しんでいる節はあり――先導する灯りを、相手に合わせる】
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/06/30(日) 21:18:25.23 ID:go87LZe6o
>>307
【端と端っこ。丁度、両端に背中を合わせて雨を避ける二つの人影。 そんな構図だろうか】

「もう少しぐらい、真ん中によった方が良いと思うけれど……?」
【折角、開けたんだからさ。 小さな声――しかしながら、雨音にかき消されず少女にも届くであろう言葉で――で、呟く】

「確かに、時間の量を考えたなら、そうかもしれないけれどさ……」
【空へと向いた視線はそのまま、憂鬱な表情もそのまま】

「ただ雨に濡れるのが嫌で、それから雨宿りは嫌いじゃない」
【半分ほど口元を開けたまま、続く言葉を少し考える】
「……だからこうしているわけ。 失っていく時間に、未練は無いかな」
【それから、短い欠伸を漏らす。 少女の調子に、睡眠という行為について意識をさせられてしまった】

「こういう、妙な縁もできたことだし……濡れて帰るよりは、得をしたんじゃないかな?」
【口にしてから、唐突に眼鏡を弄り始める。 手に覆われて、少女だと青年の表情は全く見えないだろう】

「そうかい? ……そう言われると、僕も雨は嫌いじゃないかもしれないな」
【少女の言葉に、一度だけ明るい表情で雨を眺めはじめる】

「でも僕は、濡れるのは絶対に嫌だな……」
【雨に濡れる自分を思い浮かべては、憂鬱そうな表情が蘇る】

「運動をしていたら、小雨がふ降ってきてね。すぐに帰ろうと思ったけれど、その前に強くなってしまったよ」
【首を傾けて、少女の方へ視線を泳がす】
「ごめんよ、面白い話はないんだ」
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 21:36:01.88 ID:+AJGtnkZ0
>>309

【両端の距離間、近くも遠くもない距離は、かえって気を使わない不思議な隙間、すとんと落ち込むようで】
【「傘あるからいいの」なんて声が返される――閉じた傘が何の効果を齎すわけでもないのに、ならば、】
【屋根から出ても問題のない自分と、後のない彼と。気を使っているのだろうか、隅から動く気配、まるでないまま】

ああ、……分かんない、家に誰も居なかったら、そうやって遊んでみるのかも、……一回ぐらいは。

【時間を過ごすこと、苦ではないと。あまりにもきぱり言われてしまうなら、それを押し付けるのも、気が引ける】
【それならばと緩やかに彼の語ったほうへと向けてみる思考、――なるほど、少しだけなら、楽しい気もして】
【けれど毎回は嫌だなぁなんて思うのが性格の違いだろうか。今となっては帰る家も理由もある、してみようという気は、浮かばないけれど――】

【ひた、ぴちゃ、ぱちゃ、定期的な不定期で紡がれていく雨音のリズム、繰り返し繰り返すリフレインが、ぼうと眠気を誘うのに】
【そんな隣で少年が欠伸ひとつ洩らすなら、あふと移されたものをひとつ、零して。指先で拭う涙、雨に溶かして、流す】

……そう、よかったね。

【濡れて帰るよりは――そんな風に紡がれる言葉、瞳伏せるのが、どこか笑う表情にも似て】
【鈴の音が少しだけほどけたように柔らかに洩らすのは、自分にも向けた安堵のようにも、聞こえて――】

運動……走るの? それとも歩くのかな、

【運動。問いかけへの答えを聞いたなら、ふらと改めて向けられる視線、見受けられない道具に導く答え、首を傾げて】

――わたしは歩くほうが好き、お花とか、草とか、たくさん見るの。

【――それはきっと少年の言うような運動とは違っていて、お散歩なんて呼称するのが正しいようなもの】
【それでも語る声音、その行為自体を好いていることぐらいならば簡単に伝わるだろうか――なんて、】
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/30(日) 21:38:56.99 ID:Q1QKUhmLo
>>308

……ふむ。まあそういうこともあるのだろう
家族と言う中でしか、理解しえぬ事もある、そうなのだろう?
私には弟子がいるが……やはり一見仲が良さそうでは無くとも、私より兄弟間で分かる事の方が多いようだ

【言葉は短い。無理解故の理解、そんなところだろうか】
【一呼吸吸い込んで続いた世間話は、なんだか心のうちの分からない息子達について語る様で】
【ひどく所帯じみて、体温の色がした】

転移か、罠か。捩じ曲がっているのか……ネズミかも知れんがね
他に入口があったとは、そもそもの作業の関係から考えにくいが……

【言いながらも声は先より抑えて。不可視の光は視界を照らす事も無く、むしろ土岩ではない分暗くなったようですらある】
【次第に言葉数少なく、進みゆくにつれて前方から吹く空気が少し強まった――空洞だ】
【軽く相手に目配せをして慎重に進むと、予想通りの空洞と】

……石?

【そこにあるのは、自分たちが来た通路以外は繋がるところも無い、行き止まりの空洞】
【黒い壁と、そして、黒い石の塊だった――“月光のみを白の可視光として反射する、パッと見黒い金属。 ”】
【魔翌力を帯び、威力を増幅した不可視の光が、空洞内を反射する……】
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/30(日) 21:40:11.05 ID:d649Y4jT0
【風の国 草原】

「……正気かよ?」
うん……一度、魔海って所に行ってみる……行ってみたいと、思う……
<無茶よ? 人間の領域じゃないって、そういう話だったじゃない……今回ばっかりは、死にに行く様なものよ?>
でも……もうそれぐらいしか方法はないでしょ……?
それに……もしかしたら、私なら……
「そりゃ……確かにそうなんだがよ……」

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットが印象的な、身長140cm前後の少女が】
【やや強めの風が吹きすさぶ草原を、1人で歩いていた】
【その少女のそばには、赤と青の人魂の様なものが、ふわふわと浮かんで少女と共に移動している】

<でもねぇ……見知らぬ世界で、帰る場所もないで……それで消耗したらどうするの?
最悪、手詰まりになっちゃうわよ?>
そ……それは……
<そういう手段を取るなら、この世界でちゃんと拠点と言うか、帰る場所を探してからの方が得策よ?
でも、この世界に知り合いも、戸籍さえもないんだから……今はじっくりと考えて、ゆっくり行動しなきゃいけない……
焦るのも分かるし、歯がゆいのも分かるけど……お願いだから聞き分けてちょうだい?>
「あー……どっちの言い分も分かるんだけどよぉ……」

【草原を往く少女は、人魂と言葉を交わしている】
【その光景は、持締めにする事が出来たなら、きっと異様な光景に映るだろう】
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 21:54:48.81 ID:zLtoPsaso
>>311

【光量を絞っていたとはいえ、不可視の光に対しどれ程の対策をするべきか】
【不可視ゆえに把握の難しい点、生身でない故の油断だが、それが齎すダメージは勿論リンクする】

 石――、まさか此れ全部、ッ!!

【相手の言葉と、僅かな灯りに映る視界に広がる黒を茫と捉えた、一時の油断】

【――理解が及んだ頃には遅いだろうか】
【そして反応が遅れたにしろ、取った手は最上から悉く外れていた】

 ……っ、――消えろ、ッ!

【微かな呻き声と同時、術者の焦りを示すように護法灯がふつりと消える】
【それ以外に光源でも無いなら、襲うのは暗闇に違いなく――何がいるかも分からない場所で】

【悪手であろうが、精神に悪影響を与えるその効能を除くには、これ以外に無い】
【息を荒げた男の呼吸、地に蹲るような気配と同じくして、樹木の育ち広がる音がした】

【(白い枝に黒い葉を茂らす広葉樹。 有害光線を遮る盾のように展開するが、)】
【(ある意味こちらの自由な動きを遮りかねないなら――これも悪手になりうる)】
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/06/30(日) 21:59:28.44 ID:go87LZe6o
>>310
「……そうかい」
【無理強いなんてことは絶対にしないし、自分の場所をもとにもどそうなんてことも考えない】
【前の場所より横から流れる雨は激しいけれど、そんなことは気にしないで今の距離を保ち続ける】

「……遊び、かい?」
【『そうやって遊んでみる』と、少女は言った。 言葉を咀嚼すれば、つまりは今の自分が遊んでいると見られているということだ】
【そんな風に見られていると考えていなかった青年は、複雑そうな表情だ】

「そうだね……僕は、お勧めしておくよ」
【やってみないと分からない。 やってみるのが一番手っ取り早い】
【一度やって、気に入れなければ止めれば良い】
「一度やってみて、それが嫌なことでも、無駄なんかじゃないと、思う」

【結局、そのまま眼鏡を外して胸のポケットへと押し込んだ】
【瞳はぱちりと開いており、深夜の眠気は感じさせない】
「うん、良かった」

「走る方だよ。 本当は運動なんて好きじゃないけれど」
【ビッ……っと、前に拳を突き出す素振りをした。 簡単な動きだが、なかなか鋭い動きだと、素人目にも分かるだろう】

「生活をしていくために、身体の能力はどうしても必要なのさ」
【ただし、青年の身体は非常に細く、弱々しい。 運動と言っても、身体を作り上げるような激しいものではないと推測できる】

「流石に僕は花に見とれるなんてガラじゃないけれど、歩くのは好きだよ」
【花が好きという少女に何かを感じたらしく、微かに口元を緩めて微笑む】
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/30(日) 22:22:39.61 ID:Q1QKUhmLo
>>313

『……ぁ』

【“開く”。何者かが瞳を、口を開く、そんな気配。誰もそこには、いないと言うのに】
【微かに揺れる声。跳ねるように軽いアルトは何かを紡ごうとして、光が失せると同じタイミングで再び閉ざされる】
【反応は遅いどころか、上々。認識される事無ければ、いかに不利な手であろうと問題になることはない】
【前方にいたはずのドワイトは?】

すまない。油断した
……いいかね?

【ぽつぽつと単語単語で紡がれる言葉は素っ気ない程に短く、そして、足音も無く徐々に遠くなる】
【曲がり角の向こう、もっと先だろうか? いつの間にやら、声の主は移動していた――相手を押しのけて? いつ?】
【鉱石から遠ざかる様な声は僅かに涸れてノイズがかり、それもパイプを点ける音に掻き消え】
【……少しばかりしてから、申し訳なさそうにもう一度謝罪した】

すまないな、多少は問題ないはずだったのだが……あと少し遅ければ、まずかったかもしれんな
腰抜けのようで非常に申し訳ないのだが、私はそちらへは行けない
もう少ししたら、こっちに来てくれたまえ。説明もしておこう

【逃げた、とも見える。そして慌てて逃げたにしては、石に気付いてより先、声一つ上げもしなかった】
【現時点説明も足らず、恐らくこの坑道の中で最も重要であろう部屋から遠ざかっては、何も出来やしない】
【不甲斐なさそうに歯噛みする声に従って、しばらく待ってからドワイトの方へ戻るか】
【頼みを無視してすぐに駆けつけるかは、貴方次第】
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 22:27:30.99 ID:+AJGtnkZ0
>>314

だって――、たまには違うことしてみないと、飽きちゃうでしょ。

【――遊びだと、少女は言って。繋がり行く言葉は、今度は退屈つぶしめいた理由だと、補足するよう】
【ぎしゃんとシャッターを軋み鳴かせて向ける視線、少しだけ空けて、「でも」と動きだけが紡いだなら、】

……今はそんなことしないで、帰っちゃうかな。待っててくれるかもしれないし、待ってて、あげたいから。

【眼を伏せて笑む表情の柔らかさ、声だって。――少年に向けていたものと僅かに差異のある、温度】
【(そういえば、左の薬に指輪めいたモノがあった。ならば、誰か、居るのだろうか)】
【「ごめんね」なんて、紡ぐ声。そこまで真に迫ったものでなくとも、ある程度の反省に近い感情を示して、】

少しだけなら好きだよ、――でもいっぱいやるのは嫌い、疲れるし、暑いし、……いいこと、ないの。

【突き出される拳の動き、ぱちと瞬いた瞳の常よりも丸いのは、その細腕から繰り出された鋭さ、驚いたようで】
【なんとも怠惰に呟きながら自らの真っ白の手、視線を落としたなら。――傷ひとつもない細さと白さ、じぃと見つめこむ】
【大人というだけで普通に手折れてしまいそうな指先、微かなものでも】

……今時期ならスベリヒユとか。いろいろ生えてるでしょ、そういうの見るの、好きなの。
ここのお花はこの色で、あっちのお花はあの色で、その間のお花は混ざった色だって……そうやって。
考えたりするの、たのしいんだよ。雑草だからって、みんな、刈っちゃうけど――――

【――それを草花に向けたりすること思えば、どこか似合っているようにも思えるようで、】
【言葉通りに楽しげに話すのだから、本当に好きなのだろう。高校生ほどの見た目よりも幼く見えるような、笑顔咲かせて】
【(明確に定義するならこれで二十歳なのだから。とてもじゃないけれど、見えなくて)】

――……鈴の音って書いて、りんねって言うの

【少しだけしょんぼりしたように下げた眉、ふつと言葉途切れたのは数秒間のこと、――ついと、視線が少年へと向かうなら】
【何の前触れもなかった。あまりにも急に告げるのは、……少女の名だろうか。読みと書きと、ふたつ、紡いで】
【――そうしたなら、名乗り返すのを求めるように。向けるオッドアイの双眸、じぃと視線、注ぐのだろうか】
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/30(日) 22:28:48.31 ID:d649Y4jT0
/>>312取り消しでー
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/30(日) 22:58:43.54 ID:BTOY/ugA0
>>293

【変化し続ける情景/嬲り続ける言葉/理解も予測も出来るのに一つも止められない、】

……――――――……黙れと……言っているッ!!

(…………ッ!?)

【総て拒みとおす様に叫んだ。返答も普段の冷静な言葉も、そうする余裕のなきが如くに紡がれない。】
【瞬息で放ち終えた必殺の一撃は、けれど、流れ作業の様に “当然” と受け流されて】
【確実に学習されていたのだろう。脅威への認識を強めるとともに、さらなる加速度を少女は求めた】

【防御を図らなければ―――――― 迎え撃つにせよ、凌ぎ反撃を狙うにせよ―――― この一瞬が最も危ういのだと直感/行動に移し、】
【だが敵対者の変異が躰の動きを止めた。呆然として、見開いて、映す世界だけを意識へと刻まれて―――】

……、はっ……ぁ、……ぅ……っ……うぅッ……!

【逢いたかったあの姿が、また苦しげに呼吸を乱すのだろう】
【……眼は、癒せた。けれどあの夜奪われた事実は変わらない。その自責の念に添うかの様に、一度失われた瞳は空洞のままだった。】

【声も。匂いも。完全にそのイメージ通りに再現され、少女のこころをひどく苛む/同時危機感が己の思考を進めさせる、】
【……此処まで詳細には知らない筈だ。確実に、何らかの仕掛けが秘められている――――】
【けれど大切なものを斬れない葛藤。その一瞬の停滞の生んだ隙に、空いた右手が囚われて】

(――――ッ!?)

………あ……ぐぅっ……!

【堪えるしかなく掌底の直撃を受ける。頬に叩き込まれてギュ、と瞑った瞳がはかなく震えた。】
【右の、肩口。首から肩にかけての急所を晒す様に、斜めに俯かされた顔が傾いだ。】

【爪と指先で抉り込もうとも、先程までの刀で斬り込もうとも―――― 回避などもはや望めぬ事は、一歩踏鞴を踏む足許からも見え透いて】
【その好機を活かそうとするのなら、右手を離す必要は有るのだろう。何れ、もう必要のない事であるのかも知れなかったが】
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 22:58:53.20 ID:zLtoPsaso
>>315

【――男の状況把握は、予想以上に遅れる】
【どうやら、状態異常≠ェ効果覿面である様子だった】
【微かな声の方へ睨み付ける視線、けれどすぐにまやかしの胃から嘔吐感が湧き上がる】

【吐く体勢を取った所で、当然だが雲霞一つ吐き出せない】
【暗闇が幸いした。 実際、それが隠してくれなければ酷く無様な姿だ】
【声だけでも平静を取り繕いたいが、返答もままならない――代わりに、かさと梢の揺れる音を返す】

 (もう、少し……?)
 (……冗談やろ、こんな場所いつまでも居れへん、っ!!)

【逃げ出したいが、策があっての事だろうとも、嘔吐感と並行して静かな思考が判断する】

【梢が再び騒めいた。 暗闇の中で男の体を黒い葉が覆い、生命力としての気を注いでいく】
【防護と回復、もう一つは意志に反して己の体が逃げ出すのを防ぐ意図であった】

 ……、――――――っ

【暫しの時間耐えてから。 押し殺した声がふつと消えて、部屋の暗闇の中で、不可思議な木と】
【微かに映っていた男の輪郭が霧散し――其処から舞って来た青藍色の燐光が、ドワイトの傍で人の形を成していく】

【避けない限り、相手へしなだれ掛かって来るだろう、線の細い男の体】
【高下駄が無ければ相手と同じかそれより低いか、白粉と薄い化粧で作った顔色だと言うのに、青く】

【万人の理想に沿わせたような整った貌が苦悶に歪んで、だがすぐ己の無様に気付けば】
【即座に相手を突き飛ばす勢いで離れ、壁を支えに立ち上がるのだが】

 説明、しいな、っ……何や、あそこに居ったんは、っ!

【――その体を構成する原理は、もしかすれば、相手と似ているのかも知れない】
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/06/30(日) 22:59:41.86 ID:go87LZe6o
>>316
【薬指の指輪には特別な意味がある。そのことぐらいは青年でも知っている】
【少女の容姿に不釣り合いな指輪には興味も感じて、その心情は視線となって少女に向かう】
【こちらから、質問の言葉を投げつけるような言葉は、良心が抑えていた】

「そういう気持ち、僕はちゃんとわかってあげられないけれど……とても、素敵なことだと思う」
【待っている人が居る。 自分にも、そういう時期があった。】
【ただ、それがどんな喜びかということを、考えたことは無い】

「――ううん。 君は、謝るようなこと事を、何もしていないよ。 ただ少しだけ驚いて、それと一緒に考え事をしただけ、だから」
【少女の方へと顔を向けると、「気にしないで」 そう、優しげな表情で話す。】
「勘違いをさせたのならば、むしろ僕が謝らないといけない事だよ」

「本当、僕もそう思うよ。 身体を酷使した後の、あの苦しさは大っ嫌いだよ」
【渇く喉、重い身体、流れる汗――考えるだけで、本当に嫌になる】
「あんなもの、嫌だと思いながらすることに意味はないんじゃないかい? 少なくとも僕は、そう思うな」

「うん、分かるなよ。 君のほどではないだろうけれど、僕も植物は好きだよ」
【流石に知識が無いので、名前で言われてもどんな花かは分からない。 ただ、花は好きだと言いたくて、大きく頷く】
「刈られてしまうのは、仕方が無いことかな……僕たちは、人なんだし」

「……タイラ。 続く名前はホワイト」
【突然の言葉にも、すぐにその意味を悟って言葉を返す】

「どうしてこの名前なのかは、分からない。 教えてくれないし、聞いたこともないから」
【音と字。 鈴音は二つのことを教えてくれた。 だから、自分も二つのことを伝えるべきなのだろうけれど、名前以外に離せることが無い】
【仕方が無く、自分の名前について何も知らないということを代わりに伝えてみる】
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 23:22:29.32 ID:+AJGtnkZ0
>>320

【そうと左の掌を抱くように添える右の掌、ぎゅうと抱き締めるなら、伏せた瞳の先、誰を思い浮かべて居るのか】
【――そんな折。ふと視線を感じてみれば、――自慢したかった。いっぱいいっぱいいーっぱい、たくさん、たくさんのことを】
【すごく、すごく。だいすきで、何よりも、好きで、いっぱい、いっぱい――ぐるぐる渦巻く思考、言葉という概念に当てはめるには、足りなくて、】

――お父さんがくれたの

【結局紡いだのは何を語るでもない、ただ、単純なもの。それでも、篭めた思いはたくさんたくさん、零れてしまうぐらいに】
【そのひとのことをだいすきなのだろうと言うことはどうしようもないぐらいに伝わるだろうか、ただ、異常】
【後藤さんか何かと聞き間違えたわけでもないのに、あまりにも普通に、紡ぐから。笑う仕草、異常になんて気付いてないよう】

……ポーチュラカ。食べようとすれば食べられるみたいだけど……。

世話すればするだけ咲ってくれるでしょう、だから――好きなの、何にも、嘘、吐かないから。

【先に挙げた花の名、どうやら分かっていないようだと思ったなら、次に挙げてみるのは、いくらか有名なほうの名】
【同じ花を示してもそこらの雑草染みたものと園芸種を比べれば流石に大きな違い、どちらも食用になるのは共通しても】
【――まあ。長々と語りだすほどにそれにほれ込んでいるわけでもなし、同種ということを伝える程度の補足説明、軽めで終えて】

【くすと笑って紡ぐ言の葉、少しだけ褪めたような温度を持って――梅雨の冷たい雨の傍に立っていたからだろうか、錯覚にも、或いは】

タイラ。そう、……――じゃあ、わたし、帰るね
……もうちょっと止むまで、居ようと思ったんだけど。

【告げられる名前、ついとなぞって。記憶に刻むような間、――またしても切り出すのが急、どうしても気紛れなところでも、あるらしい】
【シェルターに立てかけていた傘を手にとって。ばそんと広げたなら、弾かれた雫の音、ぴちぴちと水溜りを僅かに多めに鳴かせて】

…………――?

【来たときのようにふらと踏み出した足、雨粒の乱舞の中、地面に落つとも違う雨音、響かせたなら】
【僅かに傘を差し出すような仕草、首を傾げることで尋ねるのだろう。――貸そうか、と。そんな意味合い、孕んでいるようだった】
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/06/30(日) 23:29:28.56 ID:Q1QKUhmLo
>>319

【曲がり角を戻ってきたならば、相手の視界には――見えているかどうかは分からないけれど】
【目を閉じ、パイプの煙に巻かれるように壁に凭れて立ち竦む姿が有った】
【生気が無い……いや、“薄い”?暗がりの中、どのような様子であるのかは少々分かりにくい】
【モノクルごしに片目を開いて相手を、燐光に目を向けた】

……狂鳥……?

【力無い腕が、相手を受け止め。支えるのがやっとのなか、相手に弾かれ】
【ずるりと、少しだけずれる。体がではなく、まるでスローの映像のように、そのものが、だ】

【ドワイトの体は、冷たい。先の石のせいか、否、もっと前から、最初から?】
【体温が無いと言うよりも、大気に等しい。触れた感触すら、そこに質量が有るかどうかも怪しく】
【そも、側面だけを向けていた体は、もう半分は未だ形成するのに“煙”が足らず、擦り抜けそうですらあった】

……なんだ……君も、似たようなものだったか。ならば、あまり隠し立てする必要はなかったかも知れんな……

【僅かに持ちあがった口端は、力無い。相手より回復の遅い身体は、それでも徐々に色が濃くなっていく】
【相手と違い本体の無い、本体がこの状態で在る身は、欠損すればそれを補うのにも時間がかかるのだろう】

“あれ”はおそらく、ヒトが作ったものではない。だが“あれ”が意思を持ったきっかけは、ヒトの手によるものだろう
この坑道は“あれ”が生まれた為に閉鎖され、今は“あれ”を守る為にのみ存在するのだろう
もっといえば、“あれ”が外に出るのを防ぐため、光ごと遮断して閉じ込めているのだ
……先の通り恐らくあの女の仕業では無い。だが、近しい力は感じる

【くゆる煙は散逸することなく、一か所を目指して巡り続ける】
【僅かばかり困ったように眉間に皺が寄るのは、相手の様子に負い目があるからだろうか】
【赤い瞳は、光を帯びない】
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 23:30:56.81 ID:CvWyuDoj0
>>318
「ヒヒ……ななな何故、私がだだだ黙らねばいいいいいけないんだい
わわわ私を殺すなんて、ごごご豪語しておいて、実にぶぶ無様だよ
ささ、さあ。おおお終わりだ! きききき君も、あの男とおおお同じ様に、死んでいくといいいさ!!」

【もう勝敗は決したと独断したのだろう。だから、苦しむ少女を見て楽しんで】
【言葉での煽り。元よりいけ好かない男の態度】
【舌を出して少女をからかう素振りを見せれば――――木偶に出す最後の指令】


「ききき斬れないかい?ヒヒヒ……あんなにいいいい威勢が良かったのに、なぁぁぁんにもきききき斬れないのかい?
じじじじゃあ、そそそその子に殺されてしまえばいいいよ
ヒヒ……いいいい一方的に、ななな殴り殺されてしししまえばいいのさ。ななな泣きなよ。そうすれば、すすす少しは楽におおお送ってあああげるよ」

『あっはははは!柊、酷い顔だよ?
……ねえ、ボクだけ目が無いって酷い話だよね?それに、柊……キミの目、綺麗だからボクに頂戴?』

【右手を離せば次に放たれるのは、確実に仕留める為の一撃――――では無く、“嬲る為”の一撃】
【即ち、少女を後方へと吹き飛ばす前蹴り。勝利を確信したからこその怠惰】
【全てが全て完璧に真似る事は出来なかったのか――――それは、獣人のものでは無く、人間としての前蹴り。故に、戦闘経験が豊富な少女ならば離された右手も幸いして“受け身”を簡単に取れるもの】
【少女が吹き飛ばされる。或いは、吹き飛ばされた其れを演じるならば、木偶はその姿を追って走り出す事だろう】
【――――即ち、それは今男が最も無防備な状況を表している】

【この世界に入って一番初めの一振り。意図も容易くその腕を断った事】
【そして、戦闘中も“木偶”と“場面設定”以外に何も干渉してこなかった事。と、なれば……木偶の戦闘能力は高くとも、男自体の戦闘能力は皆無と考えて良いだろう】


『ボクのお腹に大きな穴も開けられちゃったし……アレ、凄く痛かったなぁ……
血もいっぱい出てさ。ずっとずっと、ズキズキって……ね』

【もし、少女が“吹き飛ばされた”なら、男から離れた位置で狙うのは腹部への貫き手。だけれど、其れは予備動作も大きく――――】
【訪れる好機。木偶を相手にする事無く、“男”のみを傷付けるなら、今がチャンス】
【少女の脚ならば、瞬時に近づける距離。加えて、男は脚を引き摺っている故に逃げる事は叶わない】
【――――確実な幕引きを行うなら、この刹那の時か】
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/06/30(日) 23:43:13.83 ID:go87LZe6o
>>321
【青年には、何気ない質問のつもりだった】
【けれど、少女にとっては難しい或いは何か意味のある質問だった様子で、すぐには答えは帰ってこなかった】
【少女が答えようとしているのは、痛いほどの伝わってくる。 だから、青年は雨を眺めながら少女の言葉を待っていた】

【ようやく言葉になった、少女の答え】
【言葉を聞き、それからしっかりと意味を考える。 少しの間を開け、静かに、そして力強く頷いた】

「とても、綺麗だよ。 それ」
【少女の言葉の意味が、分からない訳でない。 それは良く分かっているし、動揺が無かった訳ではない】
【けれど、大切のはそんなものではなくて、少女とその思いだろう――短い少女の言葉を聞いた青年はそう考えていた】

「ううんと?」
【分かったような、分かっていないような表情】
【心当たりはあるが、確信は無い】
「そうだね、折角だしこんど育ててあげようかな?」

「そうだね、もう帰った方がいい。 夜風が厳しくなってきたし……」
【差し出される傘。 今が一番、二人の距離が縮んだ瞬間だろうかと、頭の片隅で考えた】
「ううん、その必要はないよ。 ありがとう。 気持ちはとても、嬉しい」
【小さく微笑んで、けれども少女の気持ちだけ受け取る。 やはり、自分のために誰かに濡れて欲しいとは思わない】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/30(日) 23:53:30.33 ID:+AJGtnkZ0
>>324

【――自分の言葉を肯定されることが、だいすきだった】
【それは少年には知り得ないこと、けれど、特に好きな事柄に対してを肯定されるなら、尚のこと】
【ぱぁと咲かせる笑顔、今日で一番明るいもの。灰色した雨模様の中、そこだけが僅かに違和感になるような、そんな、――】

……そう、そっか、

【貸してもいいと思えた。少しばかし濡れようと、どうせ帰る先は彼方の地、この雨雲が届いているのかすら、曖昧な場所】
【帰ろうと決めてしまえば室内も近いし、タオルの類だってたくさんある。――置き去りにすべきは少年よりも、傘に思えた】
【――けれど。ここで押し問答をしてもなんだか無駄な気もして。それだったら、大人しく引っ込める傘、ふらと傾げる首、髪先を揺らして】

――またね

【ぽつと言い置いた声が雨の中によく抜けて。片足を引いてから背中を向ける身体、いっぽ、にほ、数えて、】
【――立ち去るのはあまりにも突然、ぷつと消えてしまう姿、そもそも会話していたのが幻想か何かだったかのよう、それでも】
【降り頻る水の中を逆流して遡る黄緑色をした魔力の煌きの残滓、たったひとつ存在証明として。残したのは、雨粒の音だけ、だった】

/おつかれさまでした!
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/01(月) 00:04:22.01 ID:V+6t3xPzo
>>322

【煙。 思考がやっと追いついて、ならば先程の離脱にも納得が行った】
【状態異常にこそ弱いが、自然回復力の高い身体は、それでも足許がまだ完全に形成されない】
【青藍色の燐光が、徐々に徐々に粘土のように押し固まり、まぼろしの体を創り上げていく】

 ……なら、どうする、触らぬ神に祟り無し……か?
 それとも、喰らってやるのか、……っ、!

【言葉こそ攻撃的であるが、実際そんな状態にまだないのは一目瞭然だ】
【あの女。 この忌々しい感覚が誰かを想起させて、すぐにそんな筈は無いと心中で嗤う】

 (レイシーに、リリアに、東の魔女′セうたか……女、女、女)
 (思えばあいつらだって、ソニアもベイゼも――いや、ベイゼは男女か)

【忌々しい記憶に関わる存在達、かつての櫻での生業も合わせて、それらを鬱陶しいと強く思う】
【ドワイトに詰問するような意気も無い、というよりは、これ以上に思考を回せないのもあった】

【そうして、眉を顰めつ壁に身を預ける中――懐かしい名で呼ばれたのを思い出す】
【きつく寄せられていた眉根が僅かに和らいで、いつもの嘲笑めいた笑み方が戻り】

 嗚呼……今は、月彗(しすい)。 もう、男娼はしとらんし……
 ……いや、そんな話じゃない、どうすんねやあれ。 今殺るゆうなら、仕返しついでに――。

【幾らか言葉が滑らかになる程度、回復してきたならば、視線で忌まわしい部屋を指して】
【追撃か撤退か。 もっとも、問い掛けながらも彼の周囲で再び青藍色の燐光が舞い始めた】

【苛立ちも相まって、冷静さの欠けた様子でいる男は、無謀な追撃をしようとしているようだが】
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/01(月) 00:43:20.68 ID:syrl/gMPo
>>326

【煙を吸い込むにつれて、徐々にその姿が普段通りへと変わっていく】
【モノクルも服も、どれもが煙だ。成程、土埃が付着するはずもない。元々実体などあってないようなものなのだ】
【浅い呼吸はいつしか人間らしいそれとなり、大きく息を吐いてようやく相手をはっきりと視認した】

駄目だ。深追いしたところで、あれはまだ目を覚ましていない。粉々になるまで砕けば消滅するのかも分からない
そも破壊すれば、私ならず君も仕掛け主に狙われる可能性があるのだからね
何者の手に因るものかもわからない今、再びしまっておくのが最善だろう

【ゆるく首を振り、ゆっくりと壁から背を剥がして入口の方向を確かめる】
【相手のやる気と打って変わり、こちらはもうルナトリウムの結晶に関わるつもりはないようだ】
【今の名前を聞けば、口元だけで反芻して振り向いた】

月彗か。そうか……あの場所から抜けだしているのは、そういう事か
……いい。元より、私の問題に巻き込んだだけだ。それより、君の兄君が待っているのではないかね

【ぽん、と。圧の低い掌が、手袋越しに白い髪を抑える。偽物の温度を纏い生き物じみた雰囲気の手】
【無理をする必要は無い。相手の感情と屈辱を無視した、それでも精一杯慮った上での言葉】
【今度は、確かにそこに在る感触だった】

一応、跳ぶのなら此処から離れてからにしたまえ。何者かが探りを入れる可能性もある
私は普段なら移動は自在だが、先程はどうにもそう行かなかったからな……

【足取りはずっと確かに、そのまま入口へと進んでいく。暗がりの中、こういう存在ながらも目に頼らねばやはり歩けないようだ】
【煙草ともまた違う紫煙は未だ風に流れる事も無く、本調子でない身体を庇いながら】
【説明できる事はそれくらいなのだろう、坑道を出れば相手が何も言わない限り、そのまま別れ別れになるか】
【夜の国の月は、それでも中よりはだいぶん明るかった】
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/01(月) 01:16:36.66 ID:+DnkPH5n0
>>323

【ただただ不愉快な男の言葉/重ねて放たれる心抉る彼女の言葉、】
【もう言葉ひとつ返す余裕もなかった。心の中で拒絶を紡ぐが、過去が、重荷が瞳に苦しみを添えた。】

(――――――……ッ……!)

【衝撃は自ら逃すが蹴りに吹き飛ばされ、踏み込まれ、追撃の貫手が、あの夜の様に腹を抉ろうとして、】
【観測は容易/だが躱さない/躱せない/受け止めるしか/道は/無い―――――】


【ポケットを右手が探る刹那/粘性の水音、】
【血飛沫が上がり、呻く様な呼吸の音が始まる。】
【“命は―――――未だ絶たれていない”。】

……はっ……ぅ……く、……はっ……ぁ……っ……!

【ポケットから取り出した記憶石の装甲。狙っていたのは其れなのだろう】
【瞬時に装着した漆黒の鎧が、前腕部を継ぎ目なく覆っていて――――】
【その発動が彼女を救い、攻撃の軌道を脇腹へと逸らしたのだろう】
【其れが腹部に差し込まれた腕を傷口に押し込み、完全に抑え込もうとしていた】
【身じろぎひとつも許さない。捉えたなら二度とは離さない。だが、それだけで男を討てる筈もなく】

痛い、わね…………
…………こんなもの、あなたに味わって欲しくなかった。
ごめんね、ヨハン……。

【語りは、まるで朦朧とした意識が語りかけさせた様で。血塗れの腕を留めたまま伸ばす右手が、優しく、愛しい背中を抱いて】

……祈りを捧げることはない、赦しを求める事はない。
総て背負うと私は誓った――――――――――――――


【詠唱の様に紡がれた言葉が。滑稽ですらある場を、時を止める様に塗り替える。】
【異変が訪れる/斬撃が起こる、回避も防御も起こらぬのならば、木偶の胴が、抵抗すらもなくずれるのだろう】

【“有り得ない出来事”/だが、観測を得意とする男ならば、その正体は直ぐに判ろうか】
【―――――― 完全に凪いだ心の音色。】
【決壊寸前の心でも。心は、未だ圧し折れていない。】
【……ならばそんな事は知ったことか。痛苦も悪夢も絶望も何も――――――― ただ総て燃焼の糧と変えればいい。】

【二度と、大切なものを失えないから。】
【大好きだったあの日々を、もう誰にも失わせたくなどないから。】
【今宵刹那を切り拓こう――――――――― あの悪夢は今宵越えてゆく、絶望の先へと歩み、翔けた。】

―――――――――――――― 誰も……二度と奪わせなどしないッ!!

呪いたいのなら呪えばいい、総てこの手で斬り払うだけだわ。
私は私を越えて戦う。そう在ることを、誓い続ける……!

【己も。彼女も。死ねない/死なせない、願うその意味だけに己は殉じる。】
【なぜならそれを望んだのだから。越えることで、貫くのだと――――】
【確信を得られるほどに強く信じた。刻み込まれた弱さを越えて、笑いあえるあの明日を想った。】

【刹那、瞬動―――――――――――】
【腱の弾性。関節の回転。筋肉の収縮と体重の移動、それら総ての調和と完成、瞬間の世界が銀光と化し、少女を疾走する弾丸と変えた。】
【桁違いの速度/踏み込みながら深く抉る一閃―――――― 放たれる其れは報復の如く、男の胴を薙がんとして】
【致命傷には到らずとも、成功さえしたのなら、その行動と正気、総ての余力を断つのには十二分か】

【これで終わりでは、無い筈、だったが―――――――】
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/01(月) 02:05:40.24 ID:LBsM/deE0
>>328
【崩れた表情を見れば、その身体の状態よりも少女の残りの命が容易に想像出来るもの】
【如何に強くたって、鍛えていたって――――自らの心を誤魔化すことは、出来やしない】
【時間が無い。何て言っておきながらも、少女が苦しむ様はしっかりと網膜に焼き付けて】
【呻けば笑い、苦痛に歪めば煽り、貫かれたならば歓喜する】


「おおおお終わりだな。君も、ががが頑張ったみたいだが、所詮わわ私の前では無力なななんだよ!
どどど努力も、ささ才能も、全て無意味ななななんだ!ししし死ぬんだよ!誰にもみみみみ看取られる事無く!こここでッ!
こここの腕の傷だって、もももも戻ってしまえばももも元通りなんだ!!」

【――――きっと、木偶には少女の温かみなんて分からない。避けられるかと、まだ“遊び”を続けられるかと思った一撃】
【だが、それも少女の脇腹へと吸い込まれたのなら――――ふと、耳を立てて不思議そうな表情を浮かべ】
【“その石”を渡した記憶は、この木偶には無い。だから、ただ新たな得物と認識しているのみ】


『……綺麗事は要らないよ、柊。そんな事言って、自分の罪意識を和らげてるだけでしょ
それに、“そんな石”でボクの攻撃を止められると思ったの?
もういいよ。このままキミの内蔵全部ぶち抜いて――――ッ……柊?』

【その石が渡されたのは何時の日の事だったか――――小馬鹿にするかの様に言い放つのは、“そんな石”】
【少女の脇腹に刺さった腕。指を全て折り曲げれば、臓を全て引き抜いて終わらせてしまおうとしたけれど】
【動かぬ腕。それと同じ頃、背に回された腕。殺し合いの最中には相応しくない其れ】
【そのどちららに対してであろう――――思わず、目を見開いて】
【きっと、それが木偶の最後に見た光景。疾走した少女の背後。「かしゃん」と、軽い音】
【出血も、断末魔も無い。何の変哲も無い木偶人形が、ただ二つに分かれて地に落ちただけの話】


「ヒヒヒ――――ままままた強がりかい?
どんなにいいい言ったって、きききき君はもう死ぬううう運命からは……ヒヒ……?
――――そ、そそそんな……馬鹿な……あああありえない、ありえなありえな……ヒィッ……?!」

【木偶の背に隠れて、何が起きているのかが分からなかったのだろう】
【所詮また強がりだ。そう決めつけてしまえば、後は少女の死に顔を確認するだけ――――の、筈だったのに】
【倒れたのは、まさかの木偶。瞬く間に接近する少女】
【懐から短刀を取り出して、あわよくば弾こうとするけれど――――】
【所詮素人。所詮無銘。無傷で過ごすなんて、叶うはずも無い願い】
【――――へし折れた短刀。男の身体に赤い線が走ったかと思えば、コンマ遅れて激しい鮮血の飛沫】


「あ゛……がァ……?!ああ……あぁぁぁ……ま、まままま待ってれ……!
こここ殺さないでくくくくれ!たたたの……オ゛ォ゛……たた頼む……!
ななな何でも言ってくれ!ほほほほ欲しい情報なら、なな何でもややややる!だだただから……まままままだ死にたくなななな……え゛ェ……なな無いんだ!!」

【今まで、闘ってきたのは木偶。故に、男は自らを鍛えることも無く、少女の斬撃を深く受けて】
【放っておけば死に至る傷。情緒不安定になった為か、心なしか周りの景色も歪み始め】
【――――傲慢な態度とは一転。必死に命乞いをする滑稽な姿】
【殺す為に手段を選ばない――――そこから、生きる為に手段を選ばないといった方向へシフトして】
【情けない事に、地べたを這いずりながら、少しでも少しでも少女から離れようと】
【男自身の血液がその軌跡を追えば、宛らなめくじの様】
【さて、生かすか殺すか――――それは、少女次第。邪魔をしていた木偶だってもう居らず、男に秘策があるとも考えにくいけれど】
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/01(月) 02:10:17.72 ID:LBsM/deE0
/っと申し訳ないです……今日は早めに起きなければいけないので、後日に持ち越しか置きレス移動大丈夫でしょうか……!
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/01(月) 02:44:34.86 ID:CMUSMVik0
/確認が遅れてすみません、了解です……っ
/こちらは昨日→今日同様の感じなので、如何するかはそちらにお任せしますー。
/返事は未だ起きていらっしゃったら、という感じなのですが……っ……orz
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/01(月) 02:50:50.04 ID:LBsM/deE0
/いえいえ、こちらも言うのが遅くなってしまって……
/明日(火曜)はちょっと所用があるので、もう終盤ですが宜しければ置きレスの方に行けたらと思いまする!
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/01(月) 02:52:36.84 ID:CMUSMVik0
/了解です……!
/それでは、返レスは置きレスの方に返して置きますね。長々とお待たせして済みません、ここまでお疲れ様でした…!
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/01(月) 20:07:03.45 ID:V+6t3xPzo
>>327

 ――……、ちィ

【ふつりと、男の周囲で漂っていた青藍色の燐光が消えていく】
【燐光は掌ほどの鋭利な花弁を幾枚か形取っていたのだが、それらも散る様にして】

【(盲の記憶は映像も音も無いが、それ故に感覚が鮮明に残る)】
【(そこに在る感触は在りし日の記憶に酷似していた。 だからこそ、)】

 ……触んなや、退きよし。 一触れ千両やで?

【もう戻れない時間の感傷に浸っている暇など無く、】
【目の前の相手に今まで誰を重ねていたか自覚すれば、何より自分に嫌気が差した】

【豪奢な着物の袖で口許を隠し、横柄に睨む視線を投げやり一つ、嘆息】

 ここに来るんに使ったんは、一度きり、しかも片道切符の転移陣やて。 
 絡繰りは知らんが……使い手がしょうも無いからやろな。

【先程の部屋から離れた事を確認してから顕現する吊灯篭が、坑道を仄かに照らす】
【そうして出口に差し掛かれば、何者かの気配。 噂をすれば影――】


 「――今晩は。 愚弟がお世話になりました」

【夜の大地、煌々と浮かぶ月を背に、鮮やかな紅茶色】
【少し視線を外して形ばかり笑んで見せたのは、背高の若い男だった】

【東洋系の面立ちの月彗と、西洋系である兄を名乗る男には、一見すれば血縁由来の類似は無く】
【ただ二つだけ――喪服めいた黒い祭服、背高の癖に高い踵の靴。 見出すなら本当にそれだけだ】

 ……世話してやった≠フ間違いや、阿呆。

【そして、男の後方でゲートのように開かれ、そして霧散していく呪力と】
【呆れ顔で月彗が懐から放った手紙の纏う呪力は、同じ黄緑の色を示す】

【術式を組み込んだ手紙ごと洞の外に出た事で、術者と隔絶されていた呪力が通じたのか】
【それは例えるなら電波にも似て、便利でありながらその実、些細な事柄で酷く阻害されやすい】

 「そんなザマで? どうせまた、遊びのつもりで火傷でもしたんだろうが。
  ……何があったかは分かりかねますが。 良ければ宅で少し、休まれていっては。
  恥ずかしながら座標の指定を間違えましてね。 本来はもう少し北の、森へ入るのですが」 

 ――――……

【返す言葉の無いらしい月彗は、一度視線を相手に落として、無言のままについと顔を背く】

【一方で、初めから相手と視線を合わせないままの兄とやらは】
【そう提言して、やはり表だけ人当たり良さげに会釈をし――乗るも乗らぬも自由、だが】
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/01(月) 21:12:00.26 ID:syrl/gMPo
>>334

ははは、すまないね。年を取ると感傷的になりやすくて困る
……いつから年寄りであるかなど、曖昧なものなのだがな

【軽口が叩ける程度には体力が回復してきたか、暗緑色のシルエットが肩を竦めた】
【徐々に中空を漂う煙は端々が散逸し始め、葉の香りとアクセントだろうリキュールじみた匂いが漂う】
【こちらとしても、相手が子供では無い事は理解しているのだろう。それ以上甘やかしたり、過度に心配する様子も無く】
【坑道の出口へと差し掛かる】

……おや。お出迎えかね

【ほんの少しの驚きは、それでも微かに安堵が滲む】
【脇に体を寄せて月彗が先に行きやすいようにしつつ、愛想程度の相手に帽子を脱いで丁寧な一礼を向ける】
【別段珍しい事でも無い。敵対する人間でも無ければ、50歳絡みのこの男は基本的に礼を欠く事は無い】
【正直、普段通りの姿よりは少々“薄い”状態をあまり多くの人間に見られるのは、好ましくはなかったが】

何、私が無理に引き込んだのだ。手数が必要であったものでね
彼の憔悴も、不甲斐ない事だが私を庇いだてしての結果だ……どうか容赦していただきたい
――お気持ちはありがたいが、私は遠慮しておくよ。まだ一人で調べておきたい事もあるのでね
それに、家族水入らずの場だろう

【今度の会釈は、謝罪の意味も混じりて。ゆったりとした口調は焦りも嘘の気配も無く、言葉そのままの雰囲気を灯す】
【相手が無事に帰れたならば、ここで何をしようとも然程被害が及ぶ事はないだろう】
【もっとも、再び内部に戻る事は無く外部の調査のみに限るが】
【そのまま相手が先行く事を促しつつ、男は動かずにやんわりと相手の申し出を拒否する】
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/01(月) 21:22:47.30 ID:E88UfhQE0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 公園】

……病院巡り、か…………それが意外と、手前のしたかった事に近いのかもしれない……
それが、一番大事な事を成す事に繋がる……かな……?

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】
【手にグレープジュースの缶を携えて、街灯のそばのベンチに腰かけたまま、空を仰いでいた】
【雲が出ている訳ではないが、都会の夜空に星を見つける事は、そうそう優しい事ではない】

だが……それだけが道とも思えない……それに、あの少女に言付けられたメッセージ……
……大局の中に身を投じる事も、考えなきゃいけないのかな……
…………その時、手前はどう動く?

【ぼんやりと何事かを考え込みながら、時折ジュースの缶を傾けて喉へと流し込む】
【人気の無い公園の中で、魔術師の恰好をした人間がたった1人――――それは、相応に不気味な光景でもあった】



【――――所変わって、夜の国 郊外】

……本当だ…………特殊な鉱石が取れるって聞いてたけど…………時々、魔力を感じる……

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットが印象的な、身長140cm前後の少女が】
【人気の少ない郊外の道路脇で、土をいじりながらしゃがみ込んでいる】

こう言うのを辿っていけば、魔力を溜めてる……魔石も、見つかるのかなぁ……?
……今は、そういうのを探さないといけないんだし、頑張らないと……

【ゆっくりと、何かを感じるとる様に瞑目して、少女は地面に掌を当てて沈黙する】
【人気の無い場所で1人――――こちらも、人から見れば尋常ならざる光景に映るのかもしれない】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/01(月) 21:44:45.38 ID:XzB1D2Jjo
>>336

【インクに塗れた夜伽のような墨塗りの世界】
【息することも億劫になりそうなぐらいに、真っ暗な夜は人の景色をおぼろげにして】
【ただわずかに輝く星空だけが、静かな思い出のように――――――】

【地面に手のひらを当てている少女、その指先へと鋭く電流が奔る――――――ように】
【視線を見開いたなら指先、触れるか触れまいかぎりぎりの距離、地面にめり込む一滴】
【細身のダガーナイフが白銀の指先を濡らしていた】


……雲が濃い、今日は……星も、静かだ
命を失うにはきっと、ぴったりの夜だろう――――――


【白銀のセミロングの髪を靡かせて、長い前髪から鋭く青い眼を覗かせる】
【やや長身でスラリと伸びたボディラインを濃い青のストライプのシャツで包む】
【燕尾服調の高級そうな黒のスーツとネクタイ、細く長い指先はシャツと同じ色の手袋】

【男性らしからぬ女性的な端正な顔たちは、まるで仮面を貼りつけたかのように無表情で】
【陰鬱な雰囲気を纏う、儚い印象を与えそうな青年がゆったりとその足取りを寄せてくる】
【おそらくはきっと、ダガーナイフを放ったのは彼なのだろう】

【語りかけるとも、喋るとも分からない静かな声色が、息を終わらせた心電図のように】
【合成音のような無機質な表情を紡いだまま、貴女の後方5mほどに立ち止まるだろう】
【ポケットに溶けた両手、立ち尽くす陰が、背にした月明かりに伸ばされて、貴女へともたれかかる】
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/01(月) 21:48:55.24 ID:V+6t3xPzo
>>335

「――、それは残念。 そう仰るならば、仕方が無いですが」

【開いた僅かな間は相手の回答に対してではなく、】
【この弟が他人を庇ったという、その事柄へ向けられていた】

【顔を背けたままである月彗を物珍しげに一瞥してから、】
【残念そうに繕えどすんなりと引いた男は、一言二言別れを告げた】

【そうして相手が促した通り立ち去っていく、彼我の距離が離れてからの一幕】

 ……おい、待て。 歩きか?

 「お前を飛ばすのと、その位置を辿るのと、飛んで来るのと。
  能力外の術を扱う俺の消耗も少しは考えろ、愚図」

 嗚呼呆れた……、そんな持久不足で、娘満足させられんのか。
 …………その前に。 そもお前が間違わなければ、こんな……

 「文句ならそれも含めて全部師匠に。 
  俺は一切受け付けないし、反応もしない」

【声色以外では二人共に全く似通った訊き方の悪い口調】
【同じ育ち故の。 皮一枚剥がせば、染み付いた泥の臭いの、品の無さ】

【やがて辿りつく先は、夜という土地に紛れ込むように昏い、漆黒色の館】
【焼け落ちたはずの姿はそのままに。 ただし黒い霞が一段と濃く覆っていた】

【かつて此処を訪れた人、その残り香は既にその場所に無いのだろう】
【けれど彼と交わり道を違え出した男の中には――確実に、その悪夢が植えつけられたまま】

/二日間ありがとう御座いました、お疲れ様でした!
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/01(月) 21:50:46.15 ID:j7orDF4c0
またラギと院長かよ
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/01(月) 21:57:30.61 ID:E88UfhQE0
>>337

「(――――うッ、おい気をつけろ!)」
え…………――――――――きゃっ!

【瞑目して、掌の感覚に集中していた少女は、不意に目を開くと、正にその瞬間に指先に撃ち込まれるダガー】
【まるで熱湯にでも触れた様に、少女はびくっとその手を引っ込めて、ダガーの飛来した方向へと振り向く】

う…………ひっ……!
だ、誰ですか…………どうし、て……どうしてこんな事を……!?

【そこに立っていた男性の姿を認めると、少女はあからさまに怯えた様子で立ち上がり、後ずさりながらも震える声で問いかける】
【――――明らかに、この男性は自分に敵意を以って『攻撃』を仕掛けてきたのだ】
【何とかしないと、この男性は更に攻撃を加えてくるだろう】
【――――本当だったら、逃げるのが得策だろう。しかし、今ここで背を見せたら、ここぞとばかり襲われるかもしれない――――それは、少女にも分かっていた】

「(おい! 何眠い事言ってやがる!
戦うんだよ! 分かってた事だろ、この世界が『こう』だってのは!!)」
<(もう……ただでさえピンチなんだから、追い詰めないの!!
とにかく……戦うのが無理っぽいなら、早く身体を代わりなさい……危ないわよ!)>
(え、え……でも……そんな、待ってよ……そんな……!)

【――――男性には分からないだろうが、この時、少女の『中』では、激しい思考の会話が渦を巻いていた】
【それを知るのは難しいだろうが――――男性からも、少女の額の円環が、徐々に激しく明滅を繰り返しているのが分かるかもしれない】
【それが見えるならば――――明らかに怯えきっているこの少女も、何らかの異能を身に秘めている存在であると、分かるだろうか】
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/01(月) 22:08:11.37 ID:XzB1D2Jjo
>>340

【視界に映る少女が、こちらへと視線を向けたならば】
【垂れた前髪から覗く鋭い青が、その表情を射抜くのだろう】
【薄い唇は、クリーム色の柔肌に紛れ込むかのよう、ただ静かに音を奏でる】


――――――どうして?
それが、俺の任務だからだ
他に理由はない、それに必要とも思わない

能力者≠殺す、その任務を、俺は遂行するだけだ


【両手を軽くこぼしたなら、その手には一対の煌めく白銀が映る】
【細身のダガーナイフは、その切っ先を地面へと向け、ただ佇んで】
【軽く握る両手、余計な力を入れない、自然体のようで】

【―――月光に映る、その青い手袋、その甲に刻まれたW≠フ文字】
【察しが良ければ気づくことが可能であろう】
【彼がカノッサ機関≠フエージェントである、と】


カノッサ機関No.4Fear,Seven for Four
――――――これで、質問にはすべて、答えたはずだ


【フィア、と名乗った青年は、右の手をすっと目の前に持ち上げるだろう】
【まるで一筋の雫のよう、無駄のない澄んだ動きは、止めどなく流れて】
【力を入れず、軽く振った、ように見えるだろう――――――】

【右手から投擲されたダガーナイフは、その脱力されたフォームからは想像もつかない程に早い】
【狙いは少女の右足、甲を射抜き、そのまま地面へと突き刺そうとする、軌道で――――――】
【静かに佇む姿は依然として、目の前の少女には興味を抱いていないかのように】
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/01(月) 22:11:26.37 ID:syrl/gMPo
>>338

【二人の背を小さくなるまで捉えて。くる、と己も坑道の方へと向き直る】
【己が辿って来た、薄く残るひどくオーソドックスな術な気配に、赤い瞳を彷徨わせる】

……奴の仕業では無い。だがやはり、魔女によるものだ
この世界にもとよりある力ほど緻密で無く、自然でも無く、古びたものの気配
“西”――か

【昇ることの無い朝日は、山頂を照らす事も無く。煙の匂いに気付く者は、誰もいない】
【声の主も何れ去り、ここに訪れる足跡は再び閉ざされるだろ】



【――薄暗く空気の淀んだ一室】

『全く、人払いを破って入ってくるなど。礼儀知らずの餓鬼だよ』
『折角作った“たわごと”が壊れてしまったら、どうするつもりなんだい』

【ぎりりと爪を噛むような音と、ひどくしわがれた老婆の声】
【忌々しげな言葉は、誰に届く事も無く壁の中へと消えて行った】
【舞台は客が居らずとも、役者が居らずとも。くるくると回り続ける――】


/お疲れさまでしたー
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/01(月) 22:20:15.33 ID:E88UfhQE0
>>341

…………っ

【その前髪の奥の瞳を覗きこんだ瞬間、思わず少女は息を飲む】
【まるで、射抜かれる様な鋭い視線を感じる――――ハッキリと、そこに自分に対する害意を――――殺意を感じ取る】
【既にペースを上げていた鼓動が、一瞬ギクン、と強く脈を打った】

そ……そんな……!!
わ、私はただ、元の世界に帰りたいだけで――――――――!?

【それが任務であると口にする男性に対し、少女は思わずそう口走る】
【――――この世界で、なんら余計な事をするつもりはない。ただ、自分が異能者である事は否定しないが――――】
【それでも、自分はその異能で何かを行うつもりはないのだと――――そう主張しようとして】

「チッ!!」
え、ちょっと――――――――

【突如、少女が『見えない誰か』に反応するように、妙な言動を見せる】
【しかしそれは、ほんの一瞬だけの事】

――――最悪だぜ、カノッサ機関…………ある程度話には聞いてたが…………こりゃ、とびっきりだ……性質が悪いってどころの話じゃねぇな……!
……悪いが、女の子の身体に傷をつけさせるなんて事、させねぇぜ…………させると思ってんのかよ?

【――――突如、その口調が刺々しい、男性的なものになる】
【幼い少女の声音であるまま、まるで使いなれた風なぞんざいな口調は、妙なギャップを感じさせて】
【――――更に、いつの間にか、少女の緑色が印象的だった瞳は、その色を『赤』に変じさせていた】

――――――――ッ、甘ぇッ!!

【投擲されたダガー。それを認めると少女は右の裏拳を放つ】
【そのままなら、足の甲を守れても手の甲を鋭く傷つけてしまうような行為だが――――逆に、ダガーの方が鋭い音を立てて弾かれていた】
【――――いつの間にか。少女の両手足に、黒い霧――――オーラの様なものが纏っていて】
【それが、少女の裏拳に作用して、ダガーを弾き飛ばしたのだろう】
【そのまま、少女は前方へとステップし、男性――――フィアの懐目掛けて飛び込む】
【それが成功したならば、少女は真っ向からフィアの胴へと正拳突きを見舞うだろう。威力はやはり、少女の拳とは思えぬほどに、重いはずだ】
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/01(月) 22:29:45.25 ID:XzB1D2Jjo
>>343

【灼眼を宿す少女の色合い、雰囲気が変わる、その感覚は間違いではなくて】
【それでも彼の、貼りつけたようなペルソナは、僅かな乱れをもそこに浮かべさせず】
【纏う雰囲気に微かに細くしなやかな眉を揺らしただけ、後はただ、静けさを保ったまま】


……女の子、とは正しくない表現だ
例えそれが少女の身であろうと、その身に能力≠宿しているのなら
駆逐すべき対象に、代わりはない――――――


【弾かれるダガーナイフ、響く金属音が、その異変を彼に伝える】
【両手足に出現したオーラ、そしてそれに触れたダガーが弾かれた】
【なるほど、と口の中で呼吸を整えた、相手の能力の見当が付けれたなら】

【こちらへとステップを踏む少女、軽やかな身のこなしが、身体能力の高さを伺わせる】
【腹部へと飛び込まれる瞬間――――――少女の目の前から、彼の姿が消えるだろう】
【まるで煙のよう、消え失せたかのように、その姿が、視界から外れて――――――】


……俺のIvoryline≠弾く姿を目にして、迂闊に受けると思ったのか
だとしたら、甘い――――――浅はかだ


【声が落ちる、上空から聞こえる、彼の静かな声色】
【視線を上げたなら、数mほど上空に彼の姿が在るだろう】
【空中に浮く、彼の姿、その少し先に空中に静止≠キるダガーナイフが一つ】

【左手で握っていたダガーナイフ、それを斜め上の上空へと投擲したのだろう】
【更に視線を向けたなら、ダガーの底から、ワイヤーロープが彼の袖へと伸びているのに気づけるだろう】
【空中に投げ静止≠ウせたダガー、そしてその底についたワイヤーを収縮することで、空中へと飛び上がったのだ】

【貴女が彼の姿に気づくか気づかないかの刹那、彼はワイヤーを切断、貴女の後方へと着地するだろう】
【すかさず次のダガーを取り出し、順手で右手に握ったなら】
【背を向けたまま、端正な横顔をわずかに振り向かせた】
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/01(月) 22:48:42.62 ID:E88UfhQE0
>>344

……ハッ、随分とご挨拶じゃねぇか……!
要するに『そうである奴』は見境なくって事かよ……!
こりゃあ、本気でヤバい奴に目ぇつけられちまったらしいな……ッ!

【フィアの言葉は、こちらの意志を全く斟酌せず、ただあてはまる条件の人間を纏めて敵と見做すらしいと言う意志が感じられる】
【これでは、釈明も遠慮も出来ようもないだろう。釈明したところで、自分『たち』が普通の人間で無い事はもう変わりようが無く】
【そんな相手に攻撃を仕掛けてくる以上、手を抜いてどうこうできる相手でも、ないだろうから】

――――っ、消えた!?

【放った拳が空を切り、本来あるはずの手ごたえを返してこない事に、少女は驚きに目を見開く】
【程なくして、頭上から聞こえてくるフィアの声――――】

……チッ、さっきので手の内を明かした事になっちまってたかよ……
おまけにコレだ…………どうやらこの世界でやり合うのには、コツって奴がいるらしいなぁ!!

【フィアの言う事はもっともだ。防御の為にとはいえ、ダガーを弾き飛ばした拳の一撃を敵も警戒するだろう】
【それでまともに第二撃を放とうとしたのは失敗らしい】
【また――――自らが異世界人であると口にしていた通り、この少女、能力者との戦闘に慣れていない節がある】
【ダガーを手掛かりにして、空中に飛び出すと言う事を、想像もしていなかったのだろう】

【――――だが、そんな逡巡をしている時間の余裕さえなく、フィアは地上へと降りてくる】

<(そのまま前に走って、距離を取りなさい!
そしたら、あたしが相手させてもらうわよ!)>
お、おい! この相手はお前には――――

【咄嗟に、後方に着地するフィアを振り返らずに、更に前方へとステップして距離を空ける】
【次のアクションを仕掛けられる前に、なるべく距離を空けておかなければならないと言う、咄嗟の判断だ】
【だが――――そんな行動のさなか、再び少女の言動が乱れを見せる】

――――良い男じゃない。トリッキーなお兄さん……
……でもね、女をダンスに誘うには、作法がなってないんじゃなくて……!?

【瞳の色が、再び変じていた。今度は青――――同時に、やけに鼻に掛かった、色っぽい口調の話し言葉になる】
【――――これも、少女の声音である以上、どこか『背伸びしたがる少女の物まね』の様な、緊張感を殺ぐような言葉遣いだが】
【同時に、少女の身体に黒いオーラが纏われ、一瞬のうちにその姿を変じさせていた】
【――――黒と紫の色彩の、シックなドレス。少女がもう少し大人であったなら、きっと妖艶な美しさを発揮させていたであろう、大人の装い】
【そしてその両手には1本づつ――――黒い鞭が握り締められていた】

さあ……見せてちょおだい。あなたの踊りを……!

【ぶぉん、と轟きの音を響かせて、少女の右手の鞭がフィアへと向けて振るわれる】
【オーラを変換させた鞭とドレス――――恐らく、防御に重点を置いた戦法にスイッチしたのだろう】
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/01(月) 23:00:53.62 ID:XzB1D2Jjo
>>345

【地面に着地したなら、巻き上がる僅かな砂煙が彼の白銀の髪に絡みつく】
【鬱陶しそうにわずかに顔を振ると、零れ落ちるは粉雪が如く】
【姿を変化させるその様子に、鉄面皮が僅かなほころびを見せた】


能力者を殺すのに、作法が必要だと聞いたことは無い
あるとすれば一つ、全身全霊をかけて、その存在を消し去ること

踊りなど優雅なものでなく、戦いなど雄弁なものでもない
――――――ただ醜く汚い、殺し合いだけだ


【左足を軸に回転、彼の身体が大きく身を翻す】
【燕尾服の裾が大きく巻き上がったなら、そこに舞い上がるのは彼の残照】
【消えた=\―――――再びまた、彼はその姿を消し去る】

【だが今度は目で追えるだろう、上だ、背中を向けたまま貴女の前方の上空へとダガーを投擲】
【再びその底につけたワイヤーを収縮することで、高く舞い上がった】
【その行為によって鞭を回避、だが、次の一手は、また違う一手となる】


……俺には、踊りを理解するような心など無い
解せなくても構わない、俺もまた、貴様を解さない、から


【堕ちる≠サれはまるで稲妻のよう、雷光と呼ぶには早すぎる落下】
【重力の作用を超えるほど早く、彼は空中から地面へと落下するだろう】
【鞭を振り終えたであろう、貴女の直ぐ目の前、接吻ができそうなほど近くへ、と】

【そして落下しつつ、一閃、彼は右手にもったダガーで貴女の左腕を深く切り裂こうとする】
【落下とともに振り下ろし、そして、外側へと切り抜いたなら、天空へとその白銀の切っ先が踊る】
【着地の衝撃を殺すためか、彼の身体がぐっと低く態勢を下げる】

【―――鋭く、重い一撃、ただ、彼の想定外があるとすれば、ドレスの強度であろうか】
【情報が足りない、もしダメージが薄ければ、反撃のチャンスは大きいだろう】
【それほどまでに、近い距離だ――――――】
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/01(月) 23:06:54.21 ID:LBsM/deE0
【街の中――――昼間の様に行き交う人が居る訳でも無く、寧ろ皆無と言ってしまっても良い状況】
【その道の隅、公園の側に捨てられている段ボール。怠惰者の廃棄物だろうか――――否。その中にはナニカが収まっている様】
【段ボールの蓋を閉められず、はみ出る所を見れば嘸かし大きな…………】


「…………」

【物では無く、人であった。燕尾服を纏った女性。体育座りして、その中に収まっている】
【闇夜故に目立つ事は無いが、よくよく見てみれば段ボールに書かれている「拾って下さい」の文字】
【犬猫ならば分かる。が、人間とはこれまた珍妙な事態】
【こっくりこっくりと船を漕いでいる所を見れば、完全に寝ている訳でも無い様だが……さて、誰かの悪戯だろうか】


「……主様、またお菓子ばっかり食べて……むにゃ……」

【寝言じみた事を呟けば、膝でゴシゴシと頬を擦って】
【浮浪者にも見えない格好。だけれど、こんな所で段ボールに収まっているなんてまともな人間では無い事は確か】
【近づいてみたならば、片目を隠すように伸ばされた蒼髪。そして、頭に生えた獣の耳が見えようか】
【ある程度近づいたって、気付かない位には睡魔に襲われているようで】
【声を掛けられれば、初めて寝ぼけ眼を上げて相手を見るけれど――――】






【しんと静まりかえった公園。時間が時間であったならば、子供達の楽しそうな笑い声が聞こえるのだけれど】
【今は元気に走り回る姿も無く――――ただ、一人の小柄な人物がベンチに座って空を見上げているだけ】
【その丈に合わぬ大きなパーカーを纏い、フードを被っている故に素顔は分からないけれど――――背に生えた、大きな白い翼が印象的で】


「子供達が遊んでいるのを見るのもいいけど、時には静かな公園も良い。と、呟いてみる
今夜は月も綺麗で、静かに過ごすには良い日だ。と、感慨に浸ってみる
…………チェリは、もう寝たのだろうか。と、心配してみる」

【何処か癖のある話し方。凛と澄んだような声、そしてその身体から察するに、恐らくは少女なのだろう】
【気紛れにバサリ、と翼を一度はためかせ】
【丸い月に向けられて居た視線。今度は、足元へと落として】


「…………もう一人付いているから大丈夫か。と、自分を納得させてみる
折角の休み、だけど、過ごし方なんて知らない。と、ぼーっとしてみる」

【膝の上に乗せていた仮面。指で弄んでいれば、再び言葉が繋げられ】
【――――所謂、休暇なのだろうか。愚痴でも無く、ただ思った事が口から漏れてしまっただけ】
【この時間に、翼を生やした者が一人。よくよく探ってみたならば、聖とも感じ取れる魔力に気づける事か】

/活動可能時間は2、3時までですが宜しければー!
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/01(月) 23:19:17.46 ID:E88UfhQE0
>>346

……随分冷めてるじゃなぁい? それじゃあ、何も楽しめなくてよ?
それとも……こんな小娘一人に、余裕のないのかしらぁ?
(なんて……こっちも中々余裕を見せられないのが現実だけど……)

【中空へと逃れたフィアの言葉に、からかう様な言葉を重ねて、少女は上空を見上げる】
【だが、二撃目をも回避されたとあっては、流石に少女にも焦りが生まれる】
【――――この相手、やはり容易ならぬ存在だと】

っ、ちょ――――――――

【再び体勢を立て直すのかと考えていたが――――それは甘かった】
【フィアの打ってきた手は、回避からの流れる様な反撃。その為の急速落下】
【対して、こちらはどうしても大振り気味になる鞭の一撃を回避されたばかり。次の行動に転じるには、どうしても時間差が生まれる】
【青の瞳に変わってから、余裕の笑みすら浮かべていたはずの少女の表情に、一瞬の空白が生まれた】

――――――――ッッッッ!!
…………ったぁ……ごめんなさいね、侮ってたわ…………やるじゃないの、貴方

【行動が間に合わず、左腕をダガーで抉られる。オーラで形成されていたドレスの生地が切り裂かれて、切れ目から淡い霧のように霧散していく】
【そして、その奥の白い腕に、根を張る様に血が迸る――――深い紫色のオーラとドレスの合間に、鮮やかな赤い血が模様を描いて行く】

――――貴方が欲しいのは、抱擁だったのね…………抱きしめてあげる――――――――っ

【だが、腕の痛みに一瞬顔を顰めたはずの少女は、すぐに顔を上げ、艶に濡れる様な笑みを浮かべる】
【幼い顔立ちに、その妖艶な表情は、非常に強い毒っ気の様なものをすら感じさせるほどの色めきを湛えて】
【――――その身を纏うドレスがオーラに変換され、まるで茨の様な形をした幾本もの太い線になり、男性を絡み取ろうとする】
【ただでさえ、その太い刺が身体を痛めつけるのに、更にその茨が、絡みついたそばから締めつけようとしてくる】
【ドレスの布地がどんどん小さくなっていく中、同時に男性を襲う茨の数は、どんどん増えていく――――】
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/07/01(月) 23:19:33.80 ID:4muXlqT5O
【来たれ能力者】ここだけ自由度の高いなりきりスレ【仮】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1372681631/

新興なりきりスレができました
掛け持ちでもいいので参加したい方はこのスレまで!
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/01(月) 23:34:20.90 ID:XzB1D2Jjo
>>348

【耳筋をなぞるからかいの言葉、妖艶な音色を孕んだその一言は】
【並の男性であったならばきっと、意識をそちらへと傾きかねないのだろう】
【紡ぐ少女の容姿もまたそれ相応の高いものであったのだから】

【――――――だからこそ、だ】


……余裕など、端から無い


【彼の落ちた軌跡、そこに舞い上がる貴女の鮮血の色合い】
【視界に奔る赤の夕波は、彼の描く黒の軌跡と交じり合い、幽幻な姿を描く】
【振り切った白刃に堕ちる、月光の形が、強く歪む姿を描ききって】

【彼の言動が、彼の姿が、男性としては不十分なように思えるかもしれない】
【――――――否、正確に言うならば、人として、不出来なものである、と】

【そして同時に、彼は万能なのではなく、て】
【わずかに見せた、隙―――それを見逃さず、貴女の抱擁が彼を襲う】


っ……俺は……俺は、いつでも、必死だ……
気を抜くことも、隙を見せることも、許されないのだから
殺戮とはそういうものと、分かっているだろう――――――


【彼の身を縛り上げる、幾重もの茨、細身の身体へと、刺が突き刺さる】
【無表情の下に、僅かな陰りが浮かぶ、苦悶に近い、その色を微かに写したなら】
【燕尾服から滴る鮮血の色合いが、強く映るかもしれない】

【――――――そして、少し苦しそうにしながら、言葉を紡いだ】
【彼が語り続ける間にも、茨は数を増やし、彼を締め付け】
【少女はまた、その姿を艶やかなものへと昇華させていく】


だから……だから俺は……星を、見ていたい……
そこには俺の、安らぎがある、俺の……俺の安息が、在る

――――――こんな鎖に、縛られて……たまるか……っ!!


Liquid Tention Experiment=I!!


【僅かな歪み、彼が見せた、初めての――――――強い、声】
【否、正確に言えば、鉄面皮こそが、偽りなのだ】
【端正な顔たちに、不器用な強さを見せる、その強い表情こそが、本当の、彼だから】

【彼がその名を叫ぶと共に、彼の後方に数十ものモニター≠ェ出現する】
【正方形の電子的なモニター近未来的なデザインのそれは、ホログラムのように無機質で】
【そしてそれらのモニターにReturn≠フ言葉が刻まれたなら】

【彼を縛り上げる茨が巻き戻される≠セろう、貴女の統制を離れて、介入されたかのように】
【彼へと襲いかかる寸前にまで、巻き戻り――――――彼の身体を解放するかの如く】
【そこまで巻き戻ったなら、再び茨はコントロール可能になるだろう、その僅かな瞬間】

【息を一つ吐いて、貴女の腹部へと、強く蹴りを放とうとするだろう――――――】

【能力≠行使する彼、その不可解な力は、初見で対処するのは難しいかもしれない】
【ただ万能というわけではない、パニックにならなければ、彼の攻撃は回避も、或いは迎撃も可能であろう】
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/01(月) 23:54:16.46 ID:E88UfhQE0
>>350

…………っ、どういう事、かしら……?

【言葉を受け取りさえすれば、確かにフィアの行動はその通り、余裕などない。常に全力を出している印象だ】
【だが、それを超えて――――フィアに、どこか歪な何かを感じ取り、少女はそれを追求せずにはいられなかったのだ】

【だが、どちらにせよ展開した茨はフィアの身体を順調に痛めつけていく】
【確かな痛手を見舞う事が出来た。だが――――なお、少女の表情は晴れない】

――――分からないわねぇ……そんなに全力を込めて、貴方が殺す理由はなんなの?
……貴方には、そんな強い戦意を抱かせる何かがあるんでしょうけど……あたし達はそれに否応なく巻き込まれてるのよ?
――――復讐でも、したい訳じゃあるまいし……

【フィアの姿は、少女には――――正確には、少女の肉体を動かしている『現在の人格』には、奇妙に映った】
【何かへの復讐心の様な強い想いを抱いているのなら、こんな弱音をまず口に出したりはしない】
【と言っても、どこか強制されている様にも感じられない――――もっとも、上辺だけの言葉で全てを判断するのは軽率と言うものだが】

っ――――貴方…………え、なに!?

【力強く――――それまでの鉄面皮を脱ぎ捨てて咆哮するフィアに、一瞬少女は表情を強張らせて】
【だが次の瞬間、その表情は驚愕に染まる事になる】
【自分の意志を離れて、捲き戻される茨――――勿論、防御を捨てた一撃である以上、事を成せば戻す心算ではあったのだが】
【今の解放は、少女の意志ではない。このタイミングでの解放は、悪い結果しか生まない】
【――――それがフィアの能力であると気付くのに、ほんのわずか、時間が必要だった】

不味い――――う、あっ!!

【このままでは不味い。すぐに茨をドレスに戻し、防御を固めなくては――――少女の判断は的確だった】
【だが、それよりも速く、フィアの蹴りが腹部を直撃し、蹴り飛ばされる】
【元より、華奢で軽い少女の体である。3mほど蹴り飛ばされて、よろよろと立ちあがった】

……かふっ、かふっ…………いったいわねぇ……不味ったわぁ、あっちが本命……いや、2の目を隠してたって、所かしら……
<(……ルヴァ、身体、私に返して…………私が行く)>
え……!? リ、リベル、それは無茶よ! 貴女じゃ、この痛みはきつすぎるわ……!
<(大丈夫……我慢する……だから、貸して! もう、私じゃないと――――!)>
待ちなさいリベル!! うぁ――――――――

【腹部を抑え、絶息して咳き込みながらも、少女は真っすぐにフィアの姿を見据えていた】
【だが、3度目の豹変を見せる少女――――既にフィアには分かるだろう。これは、人格の変化の前触れだ】

うっ――――おあぁ…………っぐ、げほっ……!
――――負けない…………私は、絶対に……!

【瞳の色が、最初の緑色に戻って。次の瞬間、痛みに少女は呻く】
【だが、顔を上げてまっすぐ、キッとフィアの姿を睨みつけている姿は、最初の怯える少女の物ではなかった】

…………帰って…………――――――――どこかに行ってッ!!

【ばっと左腕を向けると、そこから黒い弾が5発、それぞれの指からフィアに向けて放たれる】
【一発一発は、それこそ豆鉄砲の様なものだ。だが、暗い中、黒い弾丸が5発――――回避は簡単ではないだろう】
【また、当たり所によっては、手痛い一撃になるかもしれない】
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/02(火) 00:10:02.74 ID:KUYo+BAho
>>351

【蹴り抜いた右足、煙を踏みしだき、地面へと足を下ろす】
【燕尾服には傷があちこち奔っており、漏れる鮮血の色合いもまた深い】
【深手とは言い切れないが、ダメージは決して、少なくない】


……そう、育てられた―――――能力者を、殺すために
そしてそのために、俺はいくつもの犠牲を生んだ

分かるだろう、任務を果たさないということは、その犠牲を否定することだと

……立ち止まったなら、すべてを失ってしまう、から
俺は最期まで――――――進み続ける


【放たれる5つの黒弾、回避しようとして、彼はわずかに体勢を下げた】
【そしてその刹那、右膝がかくんと砕けた、思わず崩しかける、彼】
【ダメージは存外に大きかったようだ、回避する時間が一瞬にして削られた】

【舌打ち一つ、泣き言のようにもらしたなら、右手で握り続けていたダガーを放り投げ、再び持ち直す】
【左足を後方に下げ、切り上げる――――――鋭い剣閃が、炸裂弾のようにはじけたなら】
【一つ、二つ、致命傷となりかねない二発を切り裂き、彼へと直撃する前に撃墜するだろう】

【けれども、流石にすべてを潰す事はできない、切りそこねた一発が、彼の左肩を撃ちぬいた】


っ……!!ぁっ……ぐ……っ

まだだ……まだ、俺は……俺は、戦える……!!
勝ちも、負けも……関係ない、殺すことだけが、俺を肯定する

それでようやく――――――俺が俺になれる……っ!!


【左肩を撃ちぬかれ、左肩から後方へと押し込められる】
【左半身を後方へと倒され、体勢を崩しつつ、彼は右手のダガーを貴女へと投擲するだろう】
【狙いは甘い、貴女の右腕の上をかすめていくだろう】

【―――が、その刹那、ダガーの軌道が変化する、くるりと後方で一回転し、彼の手元へと戻ってくる】
【軌道をわずかにずらし、後方から、貴女の背中の中心を狙う軌道で、ダガーが襲い掛かる】
【ソレを確認し、彼は左足で地面を強く蹴り、再度距離を埋めようとするだろう】

【左手に握るのは新たなダガーナイフ、青色の瞳が、少し細くなった】
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/02(火) 00:26:49.55 ID:sBGnr7340
>>352

……育て、られた……!?
<(そう言う事、道理で……要するに、いやいややらされてるって事ねぇ……)>
「(だが、必死にならざるを得ないってか…………最悪だぜ)」

【三者三様に――――表に出ている少女本来の人格と、その肉体に宿っている2つの人格と。それぞれに反応を返す】
【少女は、想像を超えた言葉に驚愕を。そして、宿る人格はそのショックもしっかりと受け止め、その奥の分析を】
【――――だからと言って、自分たちの状態をここまで追い詰めた相手に、同情する事も出来そうにないのだが】

そんなの…………そんなの、間違ってる…………!
能力者だからって……何も関係なく、みんな殺しちゃうなんて……!
…………そんな風に、そんな風に人を脅かすなんて、絶対に認めない!!

【――――フィアが、どういう境遇に置かれているのか、少女には分からない】
【これは恐らく、フィア自身の意志ではなく、フィアを『使っている』誰かの意志なのだろう】
【だが、だからと言って――――自分でなくても、自分以外の、全く無関係な能力者を襲ってもいるのだろうフィアを認める事は、少女には出来なかった】
【――――大仰な正義を振るう事もない、ただ身の丈に合った少女としての感性で、それが許せなかった】

――――ッ!!
「(リベル、戸惑うな……この際、殺してでも自衛するんだ! こんな所で死にたくはないだろ!)」
――――分かってるよ、ランド……!

【腕をかすめるダガーの投擲。更なる痛みに顔を顰めるも、少女は向ける左手を傷へと持って行ったりはしない】
【その手は真っすぐにフィアへと向けられて、黒いオーラの力をそこに集中させていく】
【――――動きのトリッキーさこそあるが、一瞬で間合いを詰める様なスピードを持ち合わせている訳ではない。そう少女は踏んだ】
【なら、動きにさえついて行ければ、遠距離から射撃をしているのが一番だと】
【その為に、左腕に力を溜め、一気に放とうと言うのだろう】

「――――――――ッ!! リベル身体を倒せ!」
えっ――――――――っぐ、は…………ッ?

【その時――――逸れたダガーが背中から迫ってくるのを、少女の中の人格が察知する】
【すぐに少女に逃げる様に言うが、少女の左肩甲骨の下辺りに、ダガーが重い音を立てて突き立つ】
【――――だが、背中の中心を捉えられなかったのは不幸中の幸いだと言えるだろう】
【下手に背骨に一撃が通ってしまっていては、神経断裂の末、完全に動けなくなっていたかもしれない】

――――――――ぁぁぁぁぁぁああああああッッ!!

【だが――――激痛と、左腕への負担の増大は、結局避けられない】
【少女はあまりの激痛に叫び声を上げながら、腕に溜めたオーラを滅茶苦茶に発射する】
【狙いのずれたそれらは、地面をあちこちと抉るばかりで、放射される魔力の奔流は、無秩序に荒れ狂う】
【――――それは皮肉にも、距離を詰めようと接近してきたフィアにも襲いかかる格好とはなったのだが】
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/02(火) 00:38:32.17 ID:KUYo+BAho
>>353

【ダガーの一撃、それが入った感触は確かにあった】
【だが、致命傷とは言いがたい、見えない位置にある武器の動作は流石に不安定にならざるを得なくて】
【次の瞬間、彼の眼前へと幾重もの奔流が、襲いかかってくる――――――】


……認めなくていい、理解しなくていい……
分かってもらおうだなんて、思っていないから

許してもらおうとも思ってはいない、許されるとも、思わない
……だからせめて、俺だけは、俺の行いを正当化させる――――――

そしてそのために……俺に、俺に手を貸せ!!
Liquid Tention Experiment=I!


【迫り来る奔流へと、彼は左手のダガーを投擲するだろう】
【直撃したならば、彼の後方へ、再び数十ものモニターが出現する】
【そして次の瞬間、それら全てにFreeze≠フ文字が刻まれる】

【もし、ダガーが奔流へと触れることができたなら、寸刻、奔流の動きが強制的にストップさせられるだろう】
【おそらくは――――――能力、さきほど、貴女の茨を巻き戻した時と同じように】
【貴女の攻撃へと、彼の一手が追いすがった】


言っただろう、俺は最期まで……進み続ける、と


【右手のワイヤーを収縮、貴女の後方から襲いかかったダガーへと連結されたワイヤーだ】
【もし奔流を静止できていたなら、彼はその奔流を飛び越える形でワイヤーを収縮させ接近】
【そしてそのまま、空いた左手で、強く首筋を握りしめようとする】

【―――殺すには少々、力が足りないほどの強さ、ためらいがあるというわけではなく、体力の限界が近いのだろうか】
【もし奔流を止められなければ、彼の追撃も無く、距離は依然として、保たれたままだ】
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/02(火) 00:48:10.65 ID:sBGnr7340
>>354

そん、な……!
そんなの…………っ、滅茶苦茶だよ……ッ!

【痛みをこらえながら、少女はその一言を返すだけで精一杯だった】
【もっと、口に出して言いたい事は多かった――――だが、例えそれを口に出せたとしても、それは結局、フィアには受け流されてしまうだろう】
【それだけの体力を、今の少女に捻りだす余裕さえ、無くなりつつあった】

【魔力の奔流は、あっさりとその動きを止め、力を失う】
【既に、少女の限界も近い。だがそれ以前に、溜められた力を適切に放つ事も出来ずに、そもそも半分制御できていなかった】
【故に、少女はフィアの接近を、あっさりと許してしまう】

――――――――ッ!!

【もう、少女の意志も限界に近かったのだろうか。ぎゅっと目をつぶり、再び怯える姿に戻ってしまった様で――――――――】

――――悪いな。それは『俺』もなんだぜ……!!

【次の瞬間、開かれた瞳は『赤色』をしていた――――】
【右手に籠ったオーラの拳を、至近距離からフィアの胴へと向けて放つ。オーラを纏わせた体術。それがこの『赤の人格』の力だ】
【諦めてしまった少女の人格の代わりに、ギリギリのところで最後の攻撃に踏みでたのだろう】
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/02(火) 00:56:53.81 ID:KUYo+BAho
>>355

【取った、半ば確信していた、目をとじる少女の残響が、鼓膜を震わすがごとく】
【そして次の瞬間の、瞼の開く、断末魔の姿を、脳裏へと焼き付けようとして――――――】
【だからこそ、その瞳に写った灼眼の意思に、一歩遅れをとった】


っ……!!諦めた……はず……っ!!
もう、諦めた――――――っ!!


【端正な表情に、驚きが満ちたなら、次の瞬間、彼の姿が弾き飛ばされた】
【半ばカウンター気味に決まる貴女の一撃、大きな息を吐いて、血が口からこぼれた】
【数mはあろうか、彼の身体が、後方へと飛ばされたなら】

【地面へと叩きつけられる刹那、受け身をとる、その一瞬を描いた】
【右手で地面を触れながら、なんとか着地をし、再び向き直る】
【荒い呼吸をそのままにしながら、立ち上がるも、膝が再び、折れかかった】


……限界、だな……これ以上の戦闘は……無意味だ……
強いな……だが……だが、次は……次は確実に、殺す――――――

それまで、誰にも、殺されないように……な


【彼の手元に出現するモニター、彼の指先が、そこにそっと触れたなら】
【彼がこの戦いで使用したダガーナイフが、彼の手元へと集まっていくだろう】
【すべて集め終えたなら、彼はくるりと身を翻して、その場を後にする】

【夜闇に紛れるその刹那、振り向き加減にこぼれた視線は】
【とても静かに、瞳を濡らした、迷いがのようにも思えた】


/お疲れ様でしたー!
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/02(火) 01:04:34.47 ID:sBGnr7340
>>356

…………この子とは違ってなぁ……!
俺は、それなりに場数、踏んでんだよ……!

【重傷を負いながら、なんとか一撃を返して少女もまた、重い身体を起こす】
【少女が痛みに呻き、恐怖に竦む状況にあってなお、その中に居る2つの人格は、適切な立ち回りで戦い続けた】
【その言葉通り、彼らは相応に戦い慣れしているのだろう】

…………ケッ、こんな面倒、そうそう何度も何度も……ごめんだぜ?
それまでに、こんな世界……さっさとおさらばしてやるぜ…………おさらば、してやりてぇな……

【立ち去っていく背中を見送りながら、血ヘド混じりの唾を吐き捨て、同じく血みどろの右腕で顎をぐい、と拭う】
【――――満身創痍と言っていい。既に限界を超えかけているのだろう】
【その身体を支えるのは――――本来の少女の物ではない、強靭な意志だけだった】

「(……ご、ごめんなさい、ランド…………あんなところで、怖がっちゃって…………)」
なぁ、に……オーライオーライ、虚を突く役に立ったんだから、トントンだぜ…………
<(それよりも、今は早く傷を治療しなきゃ…………お金に余裕もないけど……しょうがないわよねぇ…………)>
だな…………リベル、しばらく身体は預かるぜ…………今じゃ、お前だと痛みで気絶しそうだしよ…………
「(う、うん…………)」

【ふらふらとよろめきながらも、やはり少女もその場を後にする】
【――――この世界の恐ろしさを、1つ垣間見た少女たちの行方は、まだ誰にも分からない】

/遅くまで乙でしたー!
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/02(火) 20:31:51.82 ID:c78t/0YMo

【―――小さく、風が吹いた。それは希望の薫風か、それとも破滅の旋風か。】

【路地を吹きぬけた夜風が、街道を巡りながら美しい町々の光景を通り過ぎていく。】
【人々の行き交う巨大な都市、文化も、豊かな自然も揃った平和な国――その風景を貫くように姿を現す、魔の塔。】
【"絶望"の体現と言っても過言ではない、巨塔が姿を現し既に数ヶ月が経ち――未だ対策の進まぬ国防に対し】
【批判の声も大きく上がる中――それでもこの地に住まう人々は、健気に生き抜いていた。】

【――自身の中の恐怖を見つめ、そしてそれと戦いながら。】


【―――――風の国 UNITED TRIGGER 前】

―――さて、と。

だ〜いぶ入院しちゃったからね〜・・・。これからはビシッバシッ!働いて稼がせてもらわないと!
それに――いつまでも"あんなモノ"がお天道様にあったんじゃあ、皆安心して眠れないし。

――オープン・セサミッ!ただいま、我が事務所!そしてただいま、お酒の飲める日々!!
あぁ〜この匂い、この扉の感触、我が家って感じで落ち着くぅ〜!!・・って、アイタッ・・・!

【――半年程前、旗揚げされた一つの小さな"会社"もとい――"組織"もとい――"酒場"】
【UNITED TRIGGERと名乗る団体の事務所は、今世界で一番危険であろう、風の国に存在していた。】
【そして当然、事務所には組織の"長"がいて然るべきであり――"彼女"はやっと、この地へ戻ってきたのだった。】
【先日の戦いで大きな怪我を負い、入院を余儀なくされていた事は軽く、ニュースにもなっていたようだが――閑話休題。】
【ともかく、ようやく退院した女――セリーナ・ザ・"キッド"は、勢いよく扉を開ける――木造建築の古びた匂いが、鼻腔を突いた。】
【各所の骨折も少しずつ治り、ようやく松葉杖の数を二本から一本へと減らした姿で――ほぼ一ヶ月ぶりに、事務所へと入っていった。】
【しかしテンションが上がりすぎたのか、軽くつまづいたセリーナは治っていない方の脚を机にぶつけ、一瞬苦そうな顔をし――笑う。】

【まだ傷は完全に癒えた訳ではないが――これでまた、仲間と共に戦う事が出来るという、その事実こそが彼女を鼓舞する。】
【久しぶりの事務所の雰囲気に身を委ねつつ、中央のデスクに腰掛けて、溜まってしまった――本当に天高く溜まった書類を見上げて】
【観念したようにペンを取ると、彼女は一枚一枚、それを確認し始めた。】

ありゃりゃ・・・溜まっちゃってるねぇ、ってそれもそうだよ。だって真面目に仕事してる時でさえ忙しかったのに・・・
入院中は書類仕事もあまりさせてくれなかったし、ナースさんは厳しいしでまぁ疲れたよ・・・休暇とも思えない休暇だったなあ。
・・・ぼやいても仕方ないか!コーヒーでも飲みながらちゃちゃっと片付けますかね〜♪

【さて――仕事中ではあるが、事務所はオープンしている。尋ねてくる者がいれば、セリーナが対応するだろう。】
【もしくは――この機に襲撃をかける者も、いようか。】
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/02(火) 21:18:04.96 ID:khGF4zWLo
>>358

【静かにな店内であれば、その店の前の騒がしさに気がつくだろうか】
【野太い声の親父どもが数人こっちだのあっちだのと言っている】
【ドアはそのオヤジらの一人によって開けられた。数人の野郎の姿も見える】

【その輪の中心にそいつは居た】
【オヤジどもにえっちらおっちら担がれながら入店】
【黒い細身のスーツ、白いシャツ。ネクタイはしていないがサングラスをしている】
【そのオヤジたちよりも背が高いからか、黒革のブーツの先がひきずられている】
【引きずられていても、バーボンの空瓶は手放さないで握り締めている】

【特筆すべき点といえばこの気持ちのよい夜に、全身びしょ濡れで気を失っていることだ】

【四、五歩運ばれた後、ズルっとドタンと水揚げされた魚のように床に転がされる】
【男は呼吸はあるようだがそれでも起きる気配はない】

【オヤジたちが言うには仕事帰り川べりを歩いていたら、川岸に流れ着くように引っかかっていたらしい】
【取り敢えず助けたは良いがどうする訳にもいかず、ここまで運んできたというわけだ】

『まぁーだったら、困った人には正義の味方さんってなもんでな 起きるまで置いといてやってくれや』
『俺んちに連れて帰っても別によかったんだがなあー…しかし…なあ?』

【早々に帰ろうとしていくオヤジたち お互いに顔を見合わせてどうも歯切れが悪い】

『……コイツ、ピストル持ってるぜ…?2つも。そういうわけもあってさ…白黒付けるのはそっちの管轄だろ』
『だなだな。まあ、今度差し入れでも持ってきてやっから。頼むわ、な?』

【近寄って小声で言い残し、我先にと立ち去っていく】
【確かに仰向けに転がっているサングラス野郎はボタンの開けたジャケットの内側に】
【ベルトに2丁。リボルバーを差している  男は依然、起きる気配はない】
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/02(火) 21:21:36.04 ID:Q2e49Abyo
>>359
/ごめんなさい!ちょっとお返事が遅れてしまいます!
必ず返しますので、どうかお待ちいただければ…っ!
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/02(火) 21:23:31.03 ID:2c3tugdmo
>>358

【――女性が仕事に集中し出した頃合い】
【まるで邪魔をするように、外が俄かに騒がしくなった】

【捕り物らしい。 銃声が数発、まばらに連続して鳴った】
【それで通りの人間が悲鳴をあげない――ならば撃ったのは自警団辺りだろうが】

【ここで一つ、銃を扱う者にしか気付けない事がある】
【自警団側の発砲、どうも照準を確りと合わせて撃った音では無い】
【例えるなら兎狩りのようだ。 銃声(タカ)を嗾け悪人を追い詰めて楽しんでいる=z

 「――おい、いるかセリーナッ!?」

【そんな折り、店の扉が蹴破らんばかりの勢いで開かれる】
【気安い声を掛けた若い男は、自警団の制服を纏ってはいたのだが】
【警戒態勢であろう今の状況において、締まりのない嫌な笑い顔をしていた】

【(こいつは以前からこの店に飲みに来ていた、もしかしたらそこで接点が在ったかも知れない)】
【(酔えば暴れ、悪人を嬲り殺す事を「合法殺人だ」などと声高に叫んでいた)】
【(勿論――彼女が知らなくても問題はない事。 すぐにどんな奴かなんて透けて見えるのだから)】

【片手に硝煙を挙げたままの銃をくるくる弄んで、男は尖る犬歯を見せ付ける様にして笑い掛ける】

 「追ってたホシがやっと出てきやがったんだ!! 機関の元No.2の部下だって野郎がなァ!!
  ひっ捕まえりゃ報酬も弾むぜぇ、分け前はたんまりくれてやるからアンタも手伝え!!
  なあにぶち殺したって構わねえさ、首から上が綺麗ならな!! くひゃははッ!!」

【――先程の発砲もこいつか。 乗るも乗らないも勿論、相手次第だ】
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/02(火) 21:24:23.38 ID:2c3tugdmo
/>>361取り消しでっ!
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/02(火) 21:35:55.25 ID:khGF4zWLo
>>360
/ではこちらもゆっくり入浴させてもらいますので、どうぞごゆるりと
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/02(火) 21:48:54.36 ID:FpIyWzRXo
【とある港湾・寂れた倉庫街の一角】

【暗い海のすぐ近く。オレンジの街灯に照らしだされて、一人の男がそこに居た】
【スーツにスラックス、中折れ帽という服装に、夜だというのにサングラスをかけ】
【金の腕時計に金の指輪と、典型的過ぎる程のマフィア≠ナある彼は】

   『―――俺は今、取引相手を待っているんだ―――。=x

【――と、そう言わんばかりの様子で、時折周囲を眺めながら立っていた】
【今のところ相手はまだ着ていないらしい。ただ漣の音が響くのみである】

【それからこれは余談だが、現在この港にはとある豪華客船が碇を下ろしている】
【名前は『アルハンブラ』―――宮殿の名を模したそれは、以前悪党に襲われた事もあったのだが】
【近日、再度の航行を始めるとか。その汽笛もまた、低く風に混じって轟いていて。】
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/02(火) 21:59:03.27 ID:yG6yMl0Co
>>364

【街灯が乱れた、おぼろげな月明かりが、その宵月の香りを壊したなら】
【形にならない足音が一つ、確かな音に縁取られて――――――】
【視線を向けたなら、静かな青色が、そこに在った】


待ち人なら来ない……永遠に、な
貴様はもう、待つ必要などない

……だから、消えろ―――――俺の手に、かかって


【白銀のセミロングの髪を靡かせて、長い前髪から鋭く青い眼を覗かせる】
【やや長身でスラリと伸びたボディラインを濃い青のストライプのシャツで包む】
【燕尾服調の高級そうな黒のスーツとネクタイ、細く長い指先はシャツと同じ色の手袋】

【男性らしからぬ女性的な端正な顔たちは、まるで仮面を貼りつけたかのように無表情で】
【陰鬱な雰囲気を纏う、儚い印象を与えそうな青年が5mほど先の地面に立っているだろう】
【左手側の水面に、薄く伸びる陰の形は、モデルのようにスタイリッシュで】

【肩の高さに伸ばした左手には、大型の自動拳銃――――――FN Five-seveNと呼ばれるソレが握られていて】
【銃口をまっすぐ、貴方へと向けたまま、世迷言を紡いだ】
【きっと嘘であろう、口からでまかせに決まっている、だが彼は静かに貴方の返信を待つ】
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/02(火) 22:10:07.23 ID:FpIyWzRXo
>>365

【男―――青年か、それとも成人しているのかも分からない麗人の】
【その登場に、マフィアは然程大きな反応を見せなかった】
【ゆっくりと顔を上げ、サングラス越しに相手を見遣り、ネクタイを緩めて】

……そうかね?しかしそれは困ったな、この商談はファミリーの存続に関わるんだ
お相手も中々に大御所でね。あぁ勿論、君の言葉は信じていないわけだが……

―――さて失礼だが、もう一度言ってもらっても良いかな。
最近は歳なのか、時々人の言うことも聞き取りづらくてね
だから頼むよ君。是非もう一度……聞き間違いじゃなければ、俺の手がどう、とか―――?

【ネクタイから手を離す――それとほぼ同時に、その手には一丁の拳銃が握られていた】
【名はモーゼルM1916。古めかしいが使い込まれたのがよく見えて、鈍く光る】

【当然、銃口は相手に向けている。懐から取り出したのは何かのトリックだろうか】
【それは分からなかったが、壮年のマフィアは決してただの年寄りではなく】
【ヒゲを生やした口元を歪めながら、逆に挑発的な返事をするのだった】
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/02(火) 22:11:53.64 ID:c78t/0YMo
>>359

【―――UTの事務所は静かだった。】
【本来ならばこの時間、セリーナもアルコールを喉に通し、紛れ込んできた客や自警団、UTメンバーと飲み交わしている処だったのだが】
【今夜は様子が違った、余りに高く積まれた書類を片端から片付け、ハンコを押し、ペンで記入してはファイルに閉じていく――】
【只管に地味な作業に講じる、当然店内はセリーナの溜息とペン先が紙を擦る音、そして静かなジャズのBGMが流れているくらいなもので】
【――その野太い声や足音の数々は、元々優れた聴覚を持つセリーナにはばっちり聞こえているワケで―――】

(・・・どうしよう、この期に及んで酔っ払いのおじさんたちの喧嘩の仲裁とか任されたら。)
(時々あるんだよねえ、むこうで喧嘩おっぱじめたバカがいるぞー!とか言いながらウチに来る人・・・)
(交番の方が適任な気もするし、何より今のアタシは絶望的にアルコール不足で疲労がMAX、痴話喧嘩なんて巻き込まれたくない――・・・)
(とはいえ、反故にも出来ないか。しょうがない、顔出して―――おろ?)

【―――カラン、コロン。ドタドタドタ。静かな店内にもう一つ、二つ音が増える。】
【前者は客の到来を告げるドアの鐘の音、そしてもう一つは見るからに見るからなおじさま達の足音。】
【セリーナといえば、てっきり店の傍で喧嘩でもおっぱじめる輩がいるのだとばかり思っていたようで――普通に入店してきた彼らに、驚き。】
【そして更に見れば、中心に居る怪しすぎる格好の"男性"―――これは、喧嘩ではなくて――何らかの事件に巻き込まれた方々、か。】
【そういう話であれば、勿論黙っている訳には行かない。杖を起こし、テーブルに手を突きながらセリーナは腰を上げて、男達のほうへ向かった。】

―――こんばんわ、ステキな――ジェントルのみなさん。話を纏めると、この"びしょぬれ"さんは
どういうワケか高級そうなスーツを着込んでる上にグラサンまでつけてて怪しさ全開、しかも河に流されてブッ倒れてた、ってコトかな!

――・・・ふふっ、おじさん達は勇敢だね、普通の人だったら怖くて放って置いちゃうと思うよ?
それを"家に連れてっても良かった"とまで言ってくれるんじゃ、正義の味方も形ナシだよ、ホント!
用件は分かった、それじゃウチが責任もって彼の身柄は保護させてもらうよ。街の治安に貢献してくれて、どうもありがとう。

っと――これはほんの、気持ちだけど。ここまで彼を運んできてくれたお礼に、どうぞ!持ってってくださいな、結構値が張るモンだよ?

【我先に、と帰ろうとするその背にむかって、セリーナは声をかけた。曰く、運んできてくれただけでも勇敢だ、と。】
【普通であればこんな面倒なもの、見過ごすか見なかった事にしてしまうだろう――彼等の優しさに感服する。】
【だから店を出るその前に、男達に向かって一升瓶を手渡す。――銘柄に詳しければ、上物だと分るだろう。】
【セリーナはハットを取ってお辞儀をし、彼らを見送った。】

さ、て、と。

――問題は、どうやって彼を起こすか、というか――身柄を調べるか、ってとこだね。
とりあえず床に寝かせたままってのもアレだし、ソファに運ぶのが先決か。
・・・片足だけで、大丈夫かな・・・よい、しょっ・・・!!

―――っく、せめて腰についてる"エモノ"は外してから担いだ方が良かったかな・・・!二挺も持ってるんじゃ、重みが違う、ってもんだね・・・!
いっつ―――!!・・・いったたた・・・!ああ、もう!!脚が使い物にならないってのはこんなに――不便なもんか、ね・・・!

【――ジャケットの内側、金属の硬さを感じつつ。セリーナは床に寝そべったままの彼の身体を起こし、片手を自分の首の後ろに回す。】
【そのまま腰に力を入れて、なんとか肩を貸す形で担ぎ――大きなソファへと一歩、一歩歩んでいく。】
【全快していればこんなに苦労することもなかったのだが――見ず知らずの怪しい人間に触れて、女であるのに普通に担いでしまう辺りは】
【怪我をしていようとしていまいと、特に変わる事もなく。そしてなにより――銃を奪おうともしない。】
【それは彼女自身がガンマンである事に由来していたのだが――仮に敵であろうと、今此処で武器を奪ってふん縛っておくのは失礼すぎるし】
【なにより銃は商売道具だ、他人がベタベタ触っていいものではない。もしカノッサの兵員だったとして、銃をとって酒場で暴れる事があれば――】
【その時はその時、弾丸には弾丸で答えるまで。】
【ともかく、身柄が確定するまで安静にさせるのが一番だとセリーナは男をソファへと運んでいく――】

368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/02(火) 22:17:33.20 ID:yG6yMl0Co
>>366

【答えるよりも早く、言葉よりも早く、彼の左手の銃口が火を吹くだろう】
【弾丸は寸分の狂いなく、貴方の額を狙う、一瞬でも反応が遅れたなら、間に合わないほどに】
【会話だからといって、気を抜いていた、そんな愚かな人物であったならば、回避はきっと難しいだろう】


聞き取れないのならそれでいい、二度も言う必要はない
……俺に銃を向けたなら、それが答えだ


【右手がすっと、彼の燕尾服の胸元へと流れたなら】
【一瞬の乱れもない動きで、彼はもう一丁のFN Five-seveNを引きぬくだろう】
【すっと左手を下ろして、その両者を、腹部の辺りで交錯させる】

【月光が滴り落ちて、彼の姿を映し出す、白銀の横髪が、すっと彼の頬をさすったなら】
【重なりあう二つの牙が、無機質な金属音を響かせて、カラの薬莢を地面へと落とす】
【睨みつける静かな青い瞳が、目の前の老爺を射抜かんとするだろう】


カノッサ機関 No.4
Fear,Seven for Four=\―――――行くぞ


【両手に拳銃を握ったまま、彼は静かに両足を肩幅に開くだろう】
【身にまとう雰囲気が張り詰めたなら、それだけで一般人なら怖気づくほどの殺気が放たれる】
【貴方と相対するには十分な雰囲気を、彼はまた纏えていれるのだろうか】

【手袋の甲に刻まれたWの文字が強く滲んだ】
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/02(火) 22:25:20.17 ID:+frIGtAr0
【街中――古錆びた児童公園】
【三日月がそうと見下ろす中、照らしだされる錆色と、地面色と、】
【ながぁく伸びる遊具やベンチの黒い影の中、ついと動くものがひとつだけ、ならば、良く目立ったはず】

【真夜中色の髪、月明かりに艶めいた輪を抱くのは、膝に掛かるぐらいまで。素のまま降ろされて】
【長めの前髪の向こう側で瞬くのが黒赤の丸い瞳、蛇の目めいた瞳孔の丸さ、じぃと、眼下に注いだまま】
【白のブラウスと黒のジャンパースカート、随所にレースやフリルをあしらったデザイン、ひらり揺れ】
【膝丈のソックスがまた黒色、低めのヒールで地を踏むサンダルが、ざりと砂粒を踏み潰して】

……――、なにこれかわいい

【――白磁の両手がそうと伸ばされて、撫でるように触れるのが、スプリング遊具のうちのひとつ】
【魚を模ったもの――なのだが、熱帯魚でも居ないような派手な色合い。そのペンキも、ほとんど剥げて】
【カラフルさと錆色と、散りばめて……その頭を、あやすようによしよしと撫でるのが、純白色】

いいな、いいな――……この子かわいい、欲しい、

【純白色の中に浮かぶもの、左手の薬指、まるで久遠を誓ったように刻まれる、黒蛇の痣】
【ひとり笑って呟く声は鈴の音色によく似て、夜に高く抜けて――どこか、不審者めくのは、どうしようもなく】

【――言いながらくいと引いてみる力、微かで。ならば、まさか本気で誘拐しようと思っているわけでもないよう】
【ぱ、と。手を離せば、本業を全うしてゆらんと揺れる魚――】
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/02(火) 22:31:23.61 ID:FpIyWzRXo
>>368

【相手が引き金を引くとほぼ同時に、マフィアもまたモーゼルの引き金を弾いた】
【両者の弾丸は―――不思議なほど真っ直ぐに進み、ぶつかって】
【或いはマフィアがそう出来るほどの技量を持っているのか、1つの鉛球となって地に落ち】

そうかね、最近の若者は直ぐにキレると聞いてたが、どうやら本当らしい
ウチの若いものでもこれほど喧嘩っ早いのは中々居ないがね?

……さてさて、機関≠ニは。しがないマフィアなど足下の蟻に等しいんじゃないかね?
私としては君が見逃してくれても一向に構わないのだがどうだろう
私も弾丸を無闇に消費したくないし、君だって死にたくないはずだ。違うか?

【フフッ――!≠ニ自分の言葉に酔うような笑いをこぼせば、直ぐに銃を構え直し】
【相手が二丁構えようと気に留める様子もなく、右手で引き金を引く】

【放たれるモーゼルの弾丸は、恐ろしく精確に相手の右胸部を狙って放たれており】
【一方で彼は左手を自らの胸――スーツの開いた位置へと、意味ありげに伸ばす】
【決して、オーラは無い。ただそれは機関のNo.4という、常人が気をやられそうな重い雰囲気の中でも】
【まるで自分の世界を持っているかのような安定さであって―――からん、とこちらの薬莢が足下で鳴った。】
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/02(火) 22:39:20.96 ID:yG6yMl0Co
>>370

【かくん、と彼は姿勢を思い切り下に倒すだろう、倒れたと錯覚しそうなほど深く】
【前に倒れることで銃弾を回避したなら、彼の右足が前へと踏み出して】
【強く地面を蹴って跳躍、互いの距離を詰めようと試みる】


勘違いするな、マフィアなど、俺の知ったことではない
俺の……俺の命令は能力者の殺害だ

その死体がどこの者であったかなど、後の者に任せれば良い


【貴方との距離を詰めれたなら、すかさず右の手をすっと振り上げる】
【体勢を低くしたまま、懐に飛び込む形で、右手の銃口を貴方の顎へと向けるだろう】
【ちょうど、アッパーを繰り出すように、一呼吸おいて、右手の銃口が火を吹く】

【早く無駄のない動き、少しでも気を抜いたなら、一気に攻め立ててくるだろう】
【だが余裕を持つことができれば、いくつもの修羅場を乗り越えてきた者なら】
【決して、目で追えない速さではない】


……それに、弾丸を消費したくないのなら、捨てれば良い
どうせ、打つこともなく死ぬ……そうだろ


【もし彼の右手の攻撃を回避できたなら、彼の姿が視界に入るだろう】
【フィア≠ニ名乗った青年、体勢を低くし、右手の銃口は天に向けたまま】
【左手の銃口をまっすぐ、前へと向けているその姿を】

【――――――彼の視界を遮るように薬莢が、落ちていく】
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/02(火) 22:41:38.90 ID:WGXR8gopo
>>359
>>367
【夜風が吹き抜ける中、UTの事務所へと向かって歩いていく男が一人】
【少し長めの茶髪に、丸っこい目と青の瞳の青年だ】
【中肉中背の身体を、白いシャツの上に羽織った青いジャケット、深緑のカーゴパンツと黒いスニーカーで固めている】

【面長な顔に当たる風を、少し心地よく感じながら、彼は歩いていく。やがて、目的地に到着した】


(ずいぶんと、挨拶が遅れてしまったな……いきなり来てしまったけど、会ってくれるかな……)

【少し不安げに表情を歪めていたが、やがて意を決したように顔を上げると、事務所に足を踏み入れようとする】
【その横を、数人の男性が足早に通り抜けていく】

うわっ……な、何かあったのかな……?

【立ち去っていく彼らの背中を見送りながら、思わずつぶやく。出鼻をくじかれたような気分になったが】
【気を取り直して事務所へと向き直り、スニーカーに包まれた足を踏み出して、事務所の中へと入っていった】
【この足音も、セリーナの耳には届いていただろうか】


こんばんは。UNITED TRIGGERの事務所はここであっていますか?
不躾に大変申し訳ないのですが……?

【開口一番、頭を下げつつ、まずは挨拶をしようとした青年の言葉が止まる】
【まさに、自分が会いたいと思っていた女性が、松葉杖をついた、一目で病み上がりとわかる姿となっており】
【さらには、ずぶ濡れの男性に肩を貸して店内をつらそうに歩いている。さらに、男性の腰には銃。一瞬、状況がつかめず、立ちつくす】

……なんだか、お取り込み中に来てしまったみたいですね……
あの、よかったら手伝いますよ

【なんとか立ち直り、セリーナにそう声をかけると、男性を運ぶセリーナへと駆け寄る】
【そのまま、セリーナが肩を貸している方とは逆の腕をとって、彼をソファへ運ぶのを手伝おうとするだろう】


/改めまして、よろしくお願いします!!
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/02(火) 22:56:00.27 ID:FpIyWzRXo
>>371

ほう!典型的な仕事人間だな?いやはやその若さでそれとは恐れ入るよ!
人生の4割……いや6割は損をしていそうな陰気な生き方だ
もっと楽しい人生を―――あぁ、私が君なら絶対に機関を辞めてやるがね!

……っと。年寄りだからとあまり舐めないでもらおうか、小僧。
棺桶に片足突っ込んでるのがどっちか、自分の頭で考えてみたらどうだ――。

【相手が真っ直ぐに突っ込むのに対し、マフィアは動かない】
【動けないのではない――相手の行動を逐一視認し、その攻撃を確かめれば】
【僅かに状態を後ろに逸らすことで弾丸を回避する。ただ、帽子のつばを撃ちぬかれ】
【それがはらりと舞って風に乗り海に落ちると、静かに舌を打ち】

【回避直後――先ほど銃を瞬時に掴んでいたように、その左手には一本の大型ナイフ】
【ククリ刀にも似たそれはファルカタ≠ニ云い、男は身体を引き戻すと同時に】
【ファルカタを真っ直ぐに振り下ろし、相手の肉はおろか骨まで絶とうと右腕を狙う】

【そして、相手がこちらに銃口を向ける姿。それを見るやいなや、こちらも右手のモーゼルを構え】
【殺られる前に殺れとばかりに、銃撃。相手の胴を狙った一撃であるが】
【その弾丸には何かある=\―能力者狩りを主とするなら、ソレであると判断できるだろうか。】
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/02(火) 22:57:02.84 ID:khGF4zWLo
>>367

【男はまどろんだ様にぼんやりとした意識の中運ばれて居るらしいのは気がついた】
【時たま目覚めては外の霞んだ視界でヘッドライトを眺めたりしてまた気が飛んでいた】
【次に目覚めた時には担いている相手は1人になっていて。どこか室内に映っていた】

【内装的に酒場か何かか…と男は考えた。先程より意識が目覚めてきた】
【遅くまでやってる酒場に置いて強い酒でものませりゃ目覚めるとでも考えたんだろうか】
【場末のオヤジらしい考えだ。この酒は奢りだろうか。奢りだったらいいな…】
【しかしジャズのかかる店とは高尚だな。アレンジがかかっているがあの曲だな…】

【いや、どうも具合が違う。酒場にしては店内がやけに静かだ】
【しかも、担いでいる相手が変わっている。オヤジの粗野な声が聞こえない】
【ぼやけた頭ではここまでしか考えられない。煙草を吸わないと、駄目だな】

【そう思って、なんとか動かすことの出来る片手をジャケットの胸ポケットに持っていく】
【ジャケットが濡れている。何でだ?というより、全身グッショリだ。ブーツが重い】
【何でだ………そうだ、飛び込んだんだっけな……ああ……あっ、ちくしょう!】

【男は運ばれていって、ソファに丁重に寝かされるか、投げ捨てられるかするだろう】
【セリーナの手を離れてから、数秒後男の手から酒瓶が離れる。死んだか?】
【と、一瞬脳内をよぎった頃に男は呟くように何か言うだろう】

……煙草、吸えねえじゃねえか…

【体をよじって、ゴロンとソファから転がり落ちる。勢いは割りと強めに】
【男の神経は煙草が湿気っているという事実と落ちた衝撃で半分ほど目覚める】

【転げ落ちたまま、動かない…こんどこそ死んだか?と頭をよぎる頃合いにムクリと立ち上がる】

川ってさあ……まだ、意外と、水冷たいんだな…。…いや、夏だからさあイケると思うじゃんか

【ビショビショの髪をワシャワシャと掻きながら、何か言い始める】
【気怠そうに、着心地の悪くなったジャケットを脱いで適当なテーブルの角にかける】
【ジャケットを脱いで更にわかるだろう、足が長いというプラスの面と病的な痩せ体型のマイナス面を】

あー……まあ、こんな日もあるし……あ、ゴメン、いろいろ迷惑だろうけど…タオルか何かない?
あと、何かアルコール

【サングラスの男はやっとここで、ここにいる人物をブロンドの女性と知った】
【だがここがUTの事務所で、相手がそのトップだと未だ知らない】
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/02(火) 23:06:21.35 ID:yG6yMl0Co
>>373

【指先に残る感触、夜風に乗った硝煙の香りが彼の鼻孔を擽る】
【けれどもそこに馴染み深い血液の香りは無い、あるのはただ、嫌な感触】
【それはいくつもの死線を超えた、強者にのみ感じる威圧感の、よう】


なんとでも言えばいい、そうとしか思えない者に、そうでないと語る舌はもたない
理解できないならそれでいい、俺もきっと、貴様を理解できないから――――――

だが、敢えて言葉を返すなら
貴様より先に、死んでたまるか――――――ッ!!


【彼の右腕を狙う振り下ろしのファルカタ=z
【回避するには接近しすぎていた、回避は難しい、それならば】
【彼の右手から拳銃が落ちた、空になった右腕に刃が触れたなら――――――】

【響き渡る、鈍い音、スーツの表面を削る刃が、その下にある金属に触れるだろう】
【すかさず彼は右手を上向きから下向きに下ろしたなら、袖口から滑り落ちる欠片=z
【一本のダガーナイフだ、右腕のスーツに潜ませていたダガーナイフで、振り下ろされたファルカタを防いだのだ】


俺に、棺桶は必要ない
こんな生き方だ、死ぬときに、棺桶に収まるような死体なんて無い

だからその棺桶には、貴様を叩きこむことにしよう――――――


【体勢の低さは変わらず、右手を思い切り後方から前へと振りぬくだろう】
【ダガーナイフの一撃、ソレはまっすぐに、彼へと放たれた銃弾を弾き飛ばそうとするだろう】
【ソレが通常の銃弾であるなら、ダガーナイフの勢いで、弾き飛ばし、その奥の貴方へと突き刺さるのだろうが……果たして】
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/02(火) 23:19:10.35 ID:FpIyWzRXo
>>375

【仕込みナイフか――そう思った時にはファルカタが防がれて】
【またその類まれなる反射神経の賜物か、モーゼルの弾丸もまた弾き飛ばされる】
【その弾丸に仕込みは無い≠フだ。いや、あるには有るが―――】

おやそうかね、それは残念。所で君は人との話し合いはおろか
接触も苦手なタイプかね?いや答えなくても構わんよ、死人に口なしというだろう?

【――軽口は終わり。ダガーナイフが迫るのに合わせ、取れる方策は1つ】
【右手の拳銃を犠牲にしてそれで受けること。だが――実際に起きたことは、違った。】

『―――なァにやってんだテメェら。勝手に殺しあってんじゃァ無ェよ、バカが。』

【先ず、両者の間に流線型の黒い鎧を身に付けた人型――マインドが出現した】
【それはマフィアの男に突き刺さるはずのダガーナイフを拳で掴もうとする形で受け止め】

【また一方では、声。ぶっきらぼうな女性の声で、そちらを剥けばやはり女が居た】
【赤髪で、服装はホットパンツに深紅のジャケット。耳には黒いイヤリングをしていて】
【更にオーバーニーソックスだのブーツだのと目立つ格好だが――No.4である彼は、この女性が分かるだろうか――?】
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/02(火) 23:25:36.74 ID:yG6yMl0Co
>>376

【殺った――――――その感情が、彼の心に飛来したなら】
【突然攻撃を阻む、新手のマインド♂ス事か、鉄面皮に僅かなゆらぎが落ちて】
【掴まれたダガーナイフに、その行く末が溶けたようにも思えて……】


……邪魔をするな、女……
俺の邪魔をするなら、貴様も殺す


【左手がまっすぐにその銃口を男性へと向けたのなら】
【彼の体勢がゆっくりと起き上がり、足元の銃を蹴りあげた】
【空中に浮かび落ちてくるそれをキャッチしたなら、その銃口を、背中へと向ける】

【一瞬たりとも振り向かず、向けられた銃口は、驚くほど正確に女性の心臓を狙っていただろう】
【表情に揺れはない、知らない、といったわけではなく、もっとそう単純に】
【―――聞いていない、のが確かなのだろう、それだけ、目の前の男に集中しているのだ】
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/02(火) 23:35:56.00 ID:c78t/0YMo
>>372

【さて―――夜も更けてきた頃。セリーナはといえば、丁度びしょ濡れで水の重さによってさらに重量の増した成人男性を担ぎ】
【ソファへ運ぼうと格闘している最中だったのだが――「うぬぬー・・・!」とか「ちょっ・・・!これ、ベタベタ・・・うぅ・・・」とか】
【店内から呆れたような声が青年の耳に飛び込んでくるだろうか、最も青年がそこまで店に近づいている頃】
【足音の関係でセリーナのほうは既に"もう一人"の接近に気付いていたのだが――。】

(うへぇ・・・苔とかいっぱいくっついてるよぉ。アタシの――アタシの新品のシャツが・・・!!)
(ハットの方は――幸い、汚れてないかな。はぁ・・・まったく、どういう事情でこんな事になってるんだか。)
(銃を持ってる以上、能力者さんかそうでなくても戦闘を生業にしてると見て良いだろう、けど――)
(だとしたらとんでもなく強い相手にぶつかってこうなったとか、命からがら河に流れ着いたとか――そういう理由なのかな。)

(ま、それは後々確認するからイイとして。問題は――夜更けにも一人お客さんが着そう、ってことだね。)

【再びの鐘の音。カラン、コロン――という、小気味の良い音色が来客を告げた。】
【冬場であれば店内を暖めているであろう古式な暖炉も今は灰だけとなり、店内は寒すぎない程度に冷房がかかっていて――】
【BGM代わりのジャズ・ミュージックと、女性が男性を担いで踏ん張っている音だけが、貴方を出迎えるだろう。】

―――・・・こん、ばん・・・・わっ!えぇ〜っと・・・道案内?それともトイレを借りに来た?
夜中にそんな綺麗な格好の、"おにーさん"が尋ねてくる事なんて、滅多に・・・くっ、無いからさ・・・!
用件は――って・・・あれ?

・・・オーライ、助けてくれるとはね。ありがとう、かっこいいおにーさん♪それじゃ、もうひと、踏ん張り・・・!!
・・・頼むよ、悲しい事に脚を――・・・っ、"傷めて"てね。

【――不思議な夜だ。正体不明の男の次は青年である。まあ、ともかく青年は怪しい者や敵というわけではないらしい。】
【この状態で敵に襲われた場合、男を放り投げて銃を引き抜く羽目になるが――閑話休題。】
【ともかく、二人は協力して男をソファへと運び――なんとか、寝かせる事に成功するだろう。】
【女――セリーナ・ザ・"キッド"は微かに浮かんだ額の汗を拭い――クセのついたショート・ブロンドを掻き分けた。】
【やがて男がソファに座った事を確認すると、頭部のテンガロン・ハットをとって青年の方へと向き直り――】

ふぅ―――!これでひと段落、と。いい汗かいちゃったよ、大した運動でもないのに――怪我ってのは嫌なもんだね、全く。
さて、助けてくれて、ありがとう!アタシはセリーナ、セリーナ・ザ・"キッド"って言うんだ。よろしくねおにーさん!
おにーさんは此処に何の用で―――
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/02(火) 23:36:07.79 ID:c78t/0YMo

>>374

【と、青年に対し言葉をかけ、会話を続けようとしていた矢先。背後のソファから"ガコン"という音――これは、酒瓶が床を打つ音か。】
【慌てて振り返れば件の"濡れた男"が――何かを呟くのを発見し、呆気に取られる。意識が戻ったのか――これはありがたい話だ。】
【ただ、第一声が「ここはどこだ・・・」でも「俺は誰だ・・・」でも「あんた何者だ・・・!?」でもない辺りがなんとも――異質、というか。】
【気の抜けるような感覚である、最初の心配が体のことではなくて"タバコ"とは。どうやら余り――真面目な人種ではなさそう、と思う。】

【――だから、言い訳というわけではないが。男がソファから崩れ落ちたのも、ボーっと眺めてしまっていて・・・。】

―――・・・ちょ、ちょいと待った。えー、あれだ、えーっと・・・"水も滴るイイ男"さん?へい、ミスター?アタシの顔は見えるかい?
指が何本か判別できる?それと――うおわっ?!

【唐突に、むくり――と起き上がる男。そして何を言うかと思えば――まさか、まさかとは思うが―――】

・・・アルコールの前に要求するものがあるでしょ。ていうかアンタ、まさかその口ぶりじゃ自分から入ったんじゃ――あっきれたもんだよ!
ちょっと呑みすぎじゃないのー?もうアルコールはいいから、ちょっと詳しく話を聞かせて。
酔ってるところを誰かにぶん殴られたとか、河に突き落とされたとかじゃなくて自分からスキューバごっこしてこうなったってワケ?
冗談じゃないよホントに・・・ちょっとおじさん?いい?色んな人が心配して運んでくれたんだよ?感謝と反省、しなきゃダメだからね、もう。

【それから立ち上がって、未だソファから転げ落ちたままの男をそのままに、青年の方へと向き直って。】

あー・・・その、これはね!UNITED TRIGGERはほら、正義の組織だからさ!病人の看護も仕事の内で、その――・・・
・・・まあ、酔っ払いの看病とかもたまにはやらないと、ね・・・うん・・・あ、違うの!暇だったとかそういうのじゃないの!
死ぬほど忙しい組織なんだよ?!ホントだよ!?

【――余りに、かっこ悪い気がする。怪我してる上に変なずぶぬれの男と問答を繰り広げている様はこう――酷く、変な光景だろう。】
【セリーナとしては、せっかく尋ねてきてくれた青年にこんな野蛮なイメージを植え付けてはなるまいと、必死に弁明し】
【その過程で口にした"UNITED TRIGGER"という単語はどうだろう、>>374の耳にも聞こえただろうか――。】

【まあ、ともあれ。セリーナは深い深い溜息とともに心配しすぎだったと呟きながらタオルを取りにカウンターへ。】
【杖でよっこいせ、と歩く姿はもう慣れた物で軽快ではあるが――矢張り、痛ましいかもしれない。】

380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/02(火) 23:37:07.06 ID:FpIyWzRXo
>>377

『聞いちゃいねェなァ、このクソガキ……あぁホラ、撃てよ。』
『もう邪魔はしてるぜェ?それとも、女一人殺せる自身も無いってか?』
『天下のナンバーズ様も落ちぶれたよなァ。ただの殺人鬼がNo.4ねェ……』

『……ほォら、早くしろよ。テメェのお守りしてる暇は、こちとら無ェんだ。』

【ニヤリ――邪魔に入った女性の表情はそれに代わり、挑発を続ける】
【と言ってもバカなのではない。どこか自信のある、遊びのようなもので】

【一方でマフィアの彼はなにかマズイと思ったのだろう。銃を構え直しはしたが】
【それは相手に向けるだけで引き金を引くでもなく、一瞬、女性に視線を向け】
【ため息を零した後に、そのよく回る舌を再度動かして―――】

―――あー、ゴホン!やあ取引相手の『ベイゼ・べケンプフェン』君!
確か君は機関のNo.3だったかな?いや困っていたんだよ君の同僚が―――なぁ?

【なんて、言って。両手に拳銃を構えた彼の様子を確かめるように、眉根を動かし】
【それでも尚戦おうというのなら――第三者。マインドが、彼の頭を殴ろうと】
【その鋼鉄の拳を、一発ばかり素早く叩きこもうとするだろう、が―――?】
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/02(火) 23:43:36.75 ID:yG6yMl0Co
>>380

【挑発の言葉、きっとその名に矜持を持つ者ならば、その言葉は大なり小なり効いただろう】
【だが彼は眉一つ動かさずに、その言葉を受け流し、女性に背中を向けている】
【言葉が通じる、通じない――――――最早その次元にあるのではなくて】


なんとでも言えばいい、他者の言葉を受け入れるほど、俺は上手にできていない
女、お前の言葉も、男、貴様の言葉も……ただの雑音だ

わかったらNo.3――――――俺の戦いの邪魔をすっ――――――!!


【言葉を紡ぐより早く彼は両手のFive-seveNを一気に発砲するだろう】
【銃弾の狙いは正確で、本来ならば二人の体をえぐるには十分すぎる威力を持っていて】
【彼は更に次の一手を刻むため、その視線を再び男に向けようとする……が】

【彼の頭を直撃する拳=\―――――マインドの一撃が、彼の細身をぶっ飛ばした】
【急な攻撃に対応できなかったのだろう、ふっとばされた彼は地面へと叩きつけられ、女性の足元へと飛ばされる】
【無表情の水面に、僅かな動揺が走るが、彼はその言葉を飲み込んだ】
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/02(火) 23:46:21.05 ID:mD1ikN3Xo
【水の国・河原付近】

―――……トラウトォォォッッ!!!!

【誰かの名前を呼ぶ悲痛な叫びと共に金髪の男は夢から醒めた。直ぐにその声は虚空に吸い込まれて、また何時もと変わらない水の音だけが延々と続く】
【芝生のベッドから上半身を起き上がらせ、男は左膝を抱えた。目の前の川は彼の心情など何も知らずに、ただ流れるだった】
【―――嗚呼、久しぶりに見るとびきりの悪夢だ。なんせ、故郷と師匠を同時に失ったあの日をその夢が描くのだから】

【……呆然として宵闇の月を見上げるが、視界は何故か滲んでおり。その後、降ってもいない雨が頬を伝う感触がした】
【灰色のジレの下の白シャツの袖で、目元をゴシゴシと擦る。また直ぐに、視界はぼやけた世界を映す】
【長時間芝の上に腰を下ろしていた為か、ジーンズはやや汚れていた。しかしそんな事は今はどうでも良かった】

―――……最悪だ。いや、確かに忘れちゃいけねぇんだけどさ……夢に出るのは勘弁してくれよ神様……
くっそ、何でだ……ホント俺って泣き虫だよなァ……クソ……!!

【肌の上を滴が滑り落ちて、乾いた芝に潤いを与える。目の前に見える川の流れと同じく、その涙も止まらない】
【唇を噛み締めて震えた言葉を漏らしながら、男は隣に置いてあった青のソフト帽をこれでもかというほど深く被った。その情けない表情を隠すために】

【悲しみと怒りと憎しみが混ざった感情は確かにこの胸から沸き上がっている。然し怒りと憎しみは、決して行動に出してはいけない】
【―――今まではその事を守ってきたが、やはりあの瞬間を思い出した直後になると葛藤せざるを得なかった】
【多くを奪ったカノッサを俺は殺さずにいられるだろうか。もし「信念」を破ってしまったら、俺はどうなってしまうのか―――】

決して殺さず……復讐はせず……俺は目の前の人間に少しでも長く生きてもらう為に……戦う。
それが俺の意志で―――師匠の意志。……名前の「T」が、それを示しているはずだろーがッ!!

【―――突然声のボリュームを上げたかと思えば、自分で自分の右頬を思い切りぶん殴った】
【この痛みが、怒りと憎しみを吹き飛ばし自らを覚ましてくれる。……しかし周りから見れば、何とも奇妙な光景であるのだが】

【未だに潤む紺碧の双眸で、月光に煌く川を見つめる。流石は水の国と言わんばかりの、透明感溢れる川の水が放つ輝きはとても美しかった】
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/02(火) 23:55:05.30 ID:FpIyWzRXo
>>381

【彼の放った弾丸の一方、マフィアへと向かったものは、マインドに阻まれた】
【と言ってもその鋼鉄に思える鎧には弾頭が食い込んでおり、実際よりも脆いと見え】

【また一方で、女性はといえばイヤリングを掴むと同時に、その手には大鎌が在り】
【それを器用にグルリと回せば、闇の魔力で作られた壁が出現し】
【にやりとした笑みの理由――自信たっぷりに、そして容易に、弾丸を受け止め】
【鎌をイヤリングへと戻しながら、足元に飛ばされてきた彼の側に立ち】

『――どーもー、ご同僚。ちっとはのぼせ上がった頭も冷えたかよ?』
『改めて名乗ると俺はベイゼ・べケンプフェン。No.3で、そこのオッサンの取引相手だ』

オッサンとは失礼な、私にもビスク・フランコという名前が在ってね。
……さて、フィアとか云ったかな?どうするかね君は、商談を聞いて危険に首を突っ込むか
それともこのまますごすご引き下がって、また別の場所で別の奴を殺すか、だ。

『どっちにしても、此処で俺と野郎が取引するのは黙ってもらえると助かるんだけどなァ……?』

【ブーツを履いた足で、彼の手を踏みつけようとしつつ、ベイゼはそんな事を口走る】
【見たところ相手は利己的というタイプではない。だから簡単な選択肢を与え――】
【また一方で、もしもなんて事が無いように武器を抑える。No.3の座に見合う、そこそこに理知的な行動といえるか。】
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/03(水) 00:03:11.00 ID:BbJ5jubro
>>383

【視線を見上げたなら、どこかで見かけたことのある姿がそこにはあって】
【口元は、先ほど飛ばされた時に怪我したのであろう、血がこぼれていた】


……一体貴様らは、何を言ってる……
No.3……その取引相手は本当に、信用に足る相手なのか

答えろNo.3――――――返答次第によっては、貴様ごと葬る


【零れる言葉は、冷静さを保った言葉で、その意味合いもハッキリ分かるだろう】
【ベイゼの対峙している相手は、決して機関の人間ではないのだから】
【――――――だからこそ、納得し得なかった、取引をすべき理由があるのか、と】

【端正な顔たち、だけれどもそこには感情の高ぶりも意味合いも無く】
【機関に準ずる、との気持ちは多少なりともあれど、同僚に刃を向けたことは代わりはない】
【彼の行動基準はきっと、もっと別のところにあって――――――】


……ッ……それよりもまず、その無礼な足を……離せ
そして目障りな脂肪を退けろ……良く星が見えない


【踏みつけられる彼の手、わずかに眉を潜めはするも、声は挙げず】
【依然として冷静な言葉を投げかけたなら、視線をまっすぐ上に向けて】
【――――――少し顰め面を、そこに浮かべながら】

【続く言葉はやや不思議な音律をはらんでいるだろう】
【目障りな脂肪――――――とは、ベイゼのその豊満なプロポーションのことであろう】
【目をわずかに細めて、彼は、夜空に輝く星へと視線を向けていた】
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/03(水) 00:08:04.92 ID:ckAaFOEBo
>>378
あ、いえ、僕はここのリーダーの、セリーナさんに用がありまして……

お気になさらないで下さい
というより、怪我までされてるなんて、そんな大変な時に訪れてしまって、すみません……

【店内に踏み込んだ時から、冷房に適度に冷やされた空気に出迎えられる】
【そんな中で、ジャズ・ミュージックと共に響く、人が人を担ぎ、踏ん張りながら運んでいく音】
【そこにいきなり踏み込んで、運ぶのを手伝い始める青年。何とも奇異な光景が出来上がった】

【どうにか、男性をソファへ寝かせ終えると、テンガロン・ハットを取って自分に向き直るセリーナに、青年も改めて挨拶を返す】

はぁ……。ただでさえ、人を運ぶなんて大変ですもんね……どうにかなってよかったです

僕はギア。ギア・ボックスと言います。こちらこそよろしくお願いします!!
ええ、実は、セリーナさんにお伝えしたいことが……

>>374
【言いかけたところで、男性の意識が戻る。酒瓶の落ちる音。続いて、ソファから転がり落ちる音】
【必然、そちらへと顔が向く。聞こえてくる言葉は、「タバコ」。さっきまでずぶ濡れで意識を失っていたというのに、妙なことを言う、などと思いつつ】

【言うべきことは、傍らのセリーナが全て言ってくれた。自分は最後にやってきて少し手を出しただけ、口を出す義理もあるまい、と結論付けると】

ハハ……無事でよかったです、本当に
最近は、暑いですもんね

【苦笑いを浮かべながら、男に声をかけた。青年、ギアの言葉も、どこかずれたものになっている】


>>379
あ、いえいえ、わかります。こういう人助けとか、草の根の活動も、すごく大事ですよね!!
暇だなんてそんな!! ご活躍は、よく耳にしてますよ!!
以前の、闇オークション事件の時に、僕もその場にいましたし!!

【セリーナの弁明に、逆にギアの方が、あわてたような声を出す。セリーナの心配は、杞憂に終わるだろう】
【ギアは以前一度、UNITED TRIGGERが加わった事件に居合わせている。この組織がどんなに正義に尽力しているか】
【そのことは、しっかりと把握しているらしい】

【ひとまず息を落ちつけて、タオルを取りに行くセリーナを見送る】
【松葉杖をついて歩く姿に、痛ましいものを感じながら、なるべく表に出すまいとする】

【先の言葉、闇オークション事件に居合わせていた、ということを聞けば。ギアの用事もそれにまつわるものだと、察しがつくかもしれない】
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/03(水) 00:16:04.09 ID:wUZPfcbKo
>>384

『信頼に足るかって?そりゃあ十分すぎるほどだぜ、No,4』
『なんたって六罪王に参謀に機関員が三人……保証人の数だがな?』
『それだけの人数が、まあ直接間接の差はあれ関わってくるお話さ』

……勿論、詳しいことはまだ話せない。君がどういう人間なのか分からないし
もし下手を打ったら皆困ったことになる。保証人の皆様方も、俺のファミリーもさ

『っつー訳で、信頼に足るンだよ。まだ不審なら、あのレギンにでもお伺いを立ててこい』
『それとも……機関の首たる六罪王一人じゃ、判断には足りねェか?』

【詰問に対しての答えはそんなところ、決して具体的な内容ではなかった】
【しかしまあ、当然といえば当然か。商談の中身をバラすほどバカな二人では無いということだ】
【やがて『仕方ねェな』と言いながら、ベイゼは彼の手元から足を退け―――】

『ハッ。殺し合いした後に人の胸に向かって邪魔だ、とは良いご身分だなァ?』

ロマンチストでいいじゃないか、私も星を眺めるのは嫌いじゃあない。
ただし、だ……星を見るなりして落ち着いたら、さっきの質問にも是非お応え願いたいものだがね。

【ベイゼは肩を竦めながら少し離れて、その腕を組む。尚もマインドは発現中だ】
【ビスクもまた然り。銃とファルカタは持ったまま、帽子の無い頭部をもの寂しげに掻き】
【さざなみが音を立てるのを聞きながら、彼から言葉が発せられるのを静かに待った。】
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/03(水) 00:23:52.69 ID:BbJ5jubro
>>386

【――――――外される足、彼はゆっくりと立ち上がるのだろう】
【すぐそばに肩を並べるであろうベイゼ、女性にしては高身長な彼女とほぼ同じくらいの高さ】
【燕尾服についた汚れを払ったなら、静かな言葉を紡ぐ】


……足りないな……ナンバーズも六罪王も、その役割には不適当だ
――――――俺が信頼するのは、俺だけだ

たとえ機関≠フすべてが、その取引を肯定したとしても
俺が納得しなければ、俺はその取引を認めない

俺は決して、妥協はしない


【銃を捨てるだろう、地面に転がる金属音がかすかな音色を奏でる】
【それでも身にまとう雰囲気は変わらない、近づくものすべてを切り刻みかねない、殺気の色】
【彼にとってそれは当然のことで、彼にとってはまた日常なのだから】

【武器がないというわけではない、素手であっても、人を殺すには十分すぎるほどで】
【視線を傾ければ、その先には、ビスクの姿が一つ】
【紡ぐ声色に返す答えが、漣をかき消すかのように――――――】


……だから聞かせてもらおうか、その商談とやらを
それが、俺の答えだ


【星を見上げる視線が、寂しげな横顔に見えたなら】
【射抜くような青い瞳が、濡れた色合いを微かに覗かせて】
【それは雲間から覗く宵月みたいに、また見えなくなった】
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/03(水) 00:31:47.54 ID:rpdcBZHEo
>>372

【眼の前に居る全身ずぶ濡れの男はグシャグシャの煙草を紙箱を握って】
【全部が湿気っているのを確認して、それをテーブルの上に放り投げた】
【ポケットからライターをとって火がつくのを確認するとテーブルへ】
【続いてポケットをあさり、数枚のグチャグチャの紙幣を取り出して広げて並べる】
【最後に腰に差したリボルバーは2つとも引きぬいて、無造作にテーブルへガコンと放り出す】

【この行動から見て重要なものから確認したとすると今のところ煙草が1位で拳銃が4位となる】
【サングラスをかけた男の表情はわかりにくい。濡れた髪は青白い肌に張り付いて水滴を垂らす】

【急に男はそちらの方を暫く見た後】

あー……煙草、持ってない?

【多分、こう言うだろうという事は予測できたのではなかろうか】
【ニッっと笑う姿は現状と違いカラっとしている】

>>379

あー……っと……

【頭がボヤーッとしている中、目の前のブロンドに色々問い詰められ】
【どうやら説教まで食らっているらしいなあ…と男は思う】

とりあえず、あーっと……あー…何から言うかな…
ああ、そうだ……俺、まだニジュウクだからおじさんは早い気がするんだけど…まあいいか
で……なんか酒飲んでたらさ、ギャングに拉致られて、ワゴンからダイブしたら川で……
あれだな、映画とかであるけどさ、スローモーションになるね。あの瞬間って、月が欠けてるなあとか
そういうの考えるんだよ。飛び込むと…クルマとかから。……ねえ?

【まとまらない歯切れの悪い言葉で男は少し酒でいい感じにしゃがれた声で言い始める】
【が、腰を軽く捻って、パキパキと鳴らしながら背伸びをすると】

まあいいよ。生きてるし。暫くは追ってこないだろう…と、…思うし
感謝はしてるよ、助けてくれてありがとう。……よく心こもってないって言われんだよなあ

【髪の毛を掻きながら苦笑いを浮かべている】
【だんだんと声のトーンもボリュームも良くなってきたが頭のチューニングはズレたまま】
【多分、川か生まれた時にどっかに打ちつけたんだろう】

へえー…ここがUNITED TRIGGERなのか…へえ―…飲み屋と変わらないな…
それよりここのさあ、BGMさ…CD?レコードの方がいいと思うんだけど…いや、アンプかな

【正義の組織のビッグネームというともっとデカイと思ってたよ という声が見え隠れしている】
【男は、そういえば気がつく。そういや、俺、賞金首だったな…と】
【同時にまあ、そういう日もあるだろう。とオーディオ機器を見ながら思う】

ああ……怪我してんのにゴメンな。気が付かんかった。いいよ、座ってな。勝手にやるから
………あ、ちょっと待った。……冷えてないビールってある?

【サングラスで表情も見えず、飄々とした口調でカウンタにてくてく歩いてくる】
【だいぶ覚醒したようだ。テーブルの上のジャケットと拳銃は置きっぱなしだ】
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/03(水) 00:42:25.55 ID:wUZPfcbKo
>>387

【彼の答え――自分だけを信頼するというセリフに、二人はニヤ、と笑んだ】
【気に入ったというところだろうか。そしてビスクはファルカタを懐に収め】
【ベイゼはといえばマインドを消して、警戒するように周囲に視線を走らせる】

『―――有り体にいえば、この商談は現六罪王のリリアを引きずり下ろす為にある
 奴は確かに強いが、組織を顧みない。このままじゃ、いずれ機関そのものが破壊される
 だから俺、参謀のソーンに、カニバディール、デュアル兄弟が主となって奴を潰す』

『だが、力が足りない。そこで必要になる戦力として目星をつけたのが……』

元議員であるシェン・ロンド……今はリリアに囚われ、アルハンブラ≠フ船倉に居るんだ
実はアレは、海運を担ううちのファミリーの切り札でね。リリアからは彼の輸送を頼まれたのさ
行き先は櫻の国だ。如何にもな厄介事を引き受けるのもどうかとは思ったが……

【幸か不幸か六罪王レギンがビスクとそのファミリーにもしもの事があった際は助け舟を出す】
【そういう約定を裏で結び、また今、かのシェン・ロンドを秘密裏に船外へ連れだそうという訳である】

【―――つまり、商談はその連れ出すという点に当たって、その後の隠れ家などをどうするかということで】
【商談の内容を理解するためには、ベイゼの口から六罪王の打倒≠口にせざるを得ない】
【もし本人に聞かれでもしたら――そういう思いが有ったから、先ほど周囲を警戒したのだろう】

『……大体、そんなところだ。長い話になるから、細かい点は省いたがな』
『それで?今更リリアに報告しに行くとか言い出さねェよなァ……?』

【些か、突拍子も無い話ではある。が――この二人が、冗談を言うようにも思えず】
【かといってこの話、自己を中心に据える彼がどう感じるかは分からない。念押しのように、ベイゼは問を重ねて。】
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/03(水) 00:55:06.57 ID:BbJ5jubro
>>389

【肝心の商談の内容は短かった――――――否、それほどまでに煮詰められていた、と言うべきか】
【僅かな間、逡巡するよう、迷うような内容ではきっと、無いはずなのだが】
【彼が機関≠ノ心酔する人間であったならば、その企みは、潰さねばならないのだから】


……気に入らない、その内容がではなく、その手段が、だ
結局は、弱者が手を組み、どうにかして邪魔者を排除したいだけ、なのだろう

――――――そのシェン≠フ力を借りねば勝てないのなら
最初から挑まなければ良い、そうすれば、傷つくこともない


【切り捨てるような言葉は、決して、目の前のビスク、或いはベイゼを軽くみた言葉ではないのだろう】
【皮肉を言えるほど、饒舌というわけでもない彼――――――ならばこの言葉の真意は】
【一歩踏み出したなら、港へと近づく、水面へと歩みを寄せて、遠くを見上げる】

【黒色に染まった海の、満点の星空へと、視線を傾ける】
【目を細めるその横顔は、殺戮を謳う彼と同一人物とは思えないようで】
【静かな声色だけが、流れていくように、きらめいた】


……本当にそのリリア≠ェ目障りなら、今すぐにでも殺しに行けばいい
それが俺達≠フたった一つのルールだろう、No.3

――――――貴様もそうだ、ビスク、顧客からの仕事を果たせないのなら
ファミリーなど、解体するに越したことはない

身の丈以上の力を望むから、不必要なことで雁字搦めにされる

で、どうする、余計な奴に、余計な事を聞かれたわけだが――――――


【回りくどい、とでも言いたいのだろうか、強大な力を相手に、作戦を練るという行動自体が】
【その言葉はきっと、リリアの力を知らないからこそ言える妄言のようであって】
【――――――口元についた血を、そっと拭う姿はある種滑稽なのだろう】

【けれども、二人に背を向けて、煌めく星空へと視線を向けたままの横顔は】
【ただまっすぐに、彼という存在を――――――彼の力を、肯定するように】
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/03(水) 01:13:37.49 ID:wUZPfcbKo
>>390

  『彼らが最初共産主義者を攻撃した時、私は声を上げなかった
   何故なら私は共産主義者ではなかったから。
   彼らが労働組員を攻撃した時、私は声を上げなかった
   何故なら私は労働組員ではなかったから。』


『――そんな詩を知ってるかよ、No.4。まさに今の俺達に当てはまる言葉だぜ?
 今はUT。次は自警団で、その次は一般人かもしれない。
 だが、更にその先はどうだ?もし世界が機関で統一された時、あの強欲な半魔が満足するか?』

……何かを求め続ける生き物が、世界に身内しかいなくなったとして
その原始的な欲求を抑えられるのか否か……機関員だけで、排除できるのならともかくね。

【潮風を浴び、星空を眺める。画になる光景を、ただそこに居るだけで創りだす彼に】
【ベイゼは全く動じる様子もなく、ある有名な詩の一端を引き合いに出した】
【関係ないから放っておいた。最後に自分が攻撃された時、周りには誰も居なかった=z

【半魔という圧倒的な力には勝てない。それは理解しているから、殺しにはいかない】
【怖気づくわけではない。あくまでも理論的に考えた末の結果なのだと、彼女は続け】

仕事は果たせる。囚人を護衛し、国まで届けることくらいは朝飯前だと言い切っても構わない
だが、果たしてそれが後々になってどう響くのか……君は目先の欲にとらわれるタイプかね?
私はそうじゃない。ファミリーは存続させる。末永く、どれだけか細くなろうとも、それが先代への忠義だ。

『――ま、いいさ。要するにお前は、隷属してやがて殺されるのを待つのを選ぶワケだ
 ピュアなお子様には早い話だったってだけ。さて場所を変えて商談と行こうか、オッサン?』

あぁまったく失礼なお嬢さんだ。チンケなマフィアとはいえ君の同僚よりは度胸があるんだ
せめて名前で呼ぶくらいは是非お願いしたいね。あぁでは失礼、君はそこで何も考えず、星でも眺めていてくれたまえ。

【―――最後は単純な挑発だ。見え透いていて、まったく効果があるのか疑わしい】
【けれども――冷淡な彼に火をつけるのに腐心し続けるほど、彼らも時間があるわけではない】
【だから、発破はかける。けれどもソレでもダメなら――言葉の通りに、二人してその場を離れていってしまうのだろうが―――?】
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/03(水) 01:29:33.75 ID:BbJ5jubro
>>391

【きっと、そのリリアの力の断片でも見ていたならば、或いは彼は貴方達に靡いたかもしれない】
【或いは――――――それを見てもなお、彼は自分の力を過信していたのかもしれない】
【もしをいくら綴っても、その先の答えは決して、見えなくて】

【挑発にのるような人間ではない、冷淡と言われて、きっと彼は納得するだろう】
【けれども、ベイゼやビスクのような理知的で聡明な人間が、それを理解していないとは思えなかった】
【見え透いた挑発を彼らが行った意味を、手繰ることができないほど、彼は愚かではないのだから】


……No.3、一体いつから俺達は、相手の出方を伺うようなちっぽけな存在になった
俺達は仲間≠ナも同僚≠ナもない、かといって徒党≠ナもなければ集団≠ナもない

ナンバーズ≠ニいう存在だ
誰よりも不遜で、誰よりも傲慢で、誰よりも強欲な者が集まった、それこそがナンバーズ

頼み方が違う、No.3、仕事を手伝って欲しかったなら

とっとと俺に手を貸せ

――――――そう言うべきだろう


【ベイゼの言葉か、ビスクの言葉か、そのどれかが彼に触れた、というわけだろうか】
【それとも或いは、単なる気まぐれか、静かな言葉が波間にこぼれたなら】
【W≠フ文字が刻まれた手袋に、映る僅かな一瞬が切り取られて】

【白銀の髪が触れる頬の形、視線を上げたその先には】
【雲が晴れて覗く、一際美しい星の色が輝いていた】


……俺はエージェントでなければアサシンでもない
殺戮しか知らないソルジャーだ、他者と同調など出来ないし、する気も無い

人斬り包丁に価値を見出す事が、貴様らにはできるのか


【それは虚栄でなければ卑下でもない、ただの等身大の彼の評価】
【そしてソレは大きく違いはない、他者と協力して行動を起こすというのは難しそうだ】
【だが、戦闘というファクターはナンバーズの中でも、トップクラスと言っても良い】

【――――――星がまた、一つ、輝きを生んだように】
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/03(水) 01:47:12.69 ID:wUZPfcbKo
>>392

【ニヤリ―――そんな笑い方は、何度目か。返事があった、ということに】
【ベイゼは笑いを隠しもせず立ち止まって、おもむろに振り返し】
【その両手をホットパンツのポケットに差し込みながら、相手を見据え】

『見掛けに似合わず策を弄するのは俺の悪い癖、ってな。
 にしても、テメェだって素直じゃねぇ。手を貸そう≠フ一言が言えねぇんだから』

【どっちも素直じゃあ無いな――そんなつぶやきは、ビスクが漏らしたものである】

【そして、ソレ以上の言葉はなかった。お互いに主張を曲げず】
【加えて多くの言葉を交えるようなタイプではない。意思の疎通くらいは、直ぐ出来たはず】
【だから手を貸せ≠フ一言も無い。言わねば来ない、というようにも思えなかったからだ】

【そうして最後。フィアが『人斬り包丁に価値を見出すことが出来るのか』と問えば】

『包丁は使い手次第。死体の解体から、芸術と呼ばれるような捌きも出来る
 言っちゃ悪ィが、私は才能に関しちゃ自信たっぷりでね。だからこう言ってやるのさ
黙って俺について来い≠ニ―――ソレ以上になにか、お望みかい?』

【―――言葉の何処にも、驕りが見えない。ソレほどまでに、彼女は自信に満ち溢れていた】
【ビスクもまた何も言わなかったが、拳銃をしまって両手を広げる。その動作には、意味は無い】
【しかし、十分。綺羅星を引き寄せる恒星のように、ベイゼの赤髪が風に揺れた。】
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/03(水) 01:58:32.26 ID:BbJ5jubro
>>393

【軽口を叩き合う様子は、傍から見れば、信頼の証のようでもあった】
【ただ当人達にしてみれば、それが信頼という美しいものであるとは思えないのかもしれないが】
【交わらない平行線が、奇しくも重なる瞬間があったとしたら】

【――――――それをただ、幸運と呼べば良いだけの話だから】

【望みを聞かれる、それはとても、不思議な音律で】
【身体をあずけるには、不十分、そう思っているのは確かなのに】
【どうしてか、頼りになるようにも聞こえたようで】


……そうだな……出来ればもう少し……

……このまま、星の輝きを、見ていたい――――――


【気の利いた答えとは思っていないだろう、とどのつまり、それが本心なのだから】
【満天の星空に、何を思うのか、美しい月の形に、何を重ねているのか】
【憧憬の意味を語ることも、慕情の華麗さを綴ることも、難しいかもしれないけど】

【答えとしてはこれ以上、必要ないと思ったのだろう】

【――――――力を貸す、との言葉の答えを】


/この辺りでしょうか……キリがよさそうなので……
/お疲れ様でしたー
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/03(水) 02:13:23.57 ID:wUZPfcbKo
>>394

 【――リリアは今がまさに絶頂期。だからこそ、油断が生まれる】
 【だからそろそろ時は動き出す。かのATLASが戦場となる時が最後になるだろう】
 【その時は力を貸してほしい。もしリリアに与する者が居たならば】
 【それが例え機関員であっても、一時的に無力化してほしい―――】


【ベイゼが具体的に告げたのは精々そんなところ。後は、これからシェンを連れ出し】
【どこそこに匿うから宜しくとか、その程度。過度なコミュニケーションは、決して無い】

  『―――そうかい。なら暫く、その特等席に座ってな。』

【なんてそっけない言葉しかかけないのだって、彩った言の葉が不要と感じたから】
【やがて、ベイゼとビスクはその場を後にする。残されるのは当然、フィア一人】
【遠くで汽笛が響く以外に、星空と漣の邪魔するものは、誰一人として居なかった。】

/はいです、お疲れ様でしたー!
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/03(水) 20:46:55.14 ID:HvSQKnSg0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 図書館】

あーあ……魔導書開いてお勉強とはなぁ……またこんな事をする羽目になるとは、思わなかったぜ……
――――とは言え、本式の魔術となれば、そう優しく読める代物でもねぇ……
せめて主だった所ぐらいは、なんとか自力で読まねぇとな……

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【座席に2冊の本を持ちこみ、ため息交じりに読み耽っている】

【持ちこまれた本は、魔術語の辞典と術式・魔方陣構築の理論書であり、共にかなり高等な学術書である】
【その内容を反映してか、2冊共に相当に分厚い本となっている】

……いけねぇな。すっかり玄人ぶってたが、やっぱ土台を詰めなきゃまだまだだぜ……

【大して読み進んでいる訳でもないが、もう読み疲れた様に居丈夫は目をごしごしとこする】
【この時間、魔導書のコーナーに居るのは居丈夫1人だけ。誰に気兼ねした風でもないが、欠伸を1つ噛み殺した】



【――――所変わって、櫻の国 廃墟】

……………………

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女が】
【大分前に焼け落ちたと思しき、巨大な廃墟の前で立ち止まり、じっと見上げている】
【その視線には、どこか忌々しい物を見る様な光が宿っていて】

……私は負け犬にはならない…………絶対に…………!

【ぎゅっと強張る少女の表情。その瞳から、つ――――と一筋の涙が零れ落ちる】
【苛立たしげに涙を振り払うと、少女は廃墟の壁にそっと触れる――――周囲の空気は、初夏の夜とは思えないほど冷え切っていた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/03(水) 20:47:15.33 ID:encq96/Co
【水の国――地下競売場】

【表に出せない品を捌く格好の舞台、豪奢な仮面で素性を隠し耽っていた連中は】
【絢爛を尽くす室内の、その高い天井から、様々な位置で首を吊られて揺れていた】

 ――――百五、百六、百七、百八……
 ……嗚呼、また何処から数えるんか、分からんなってしもうたわ

【広い舞台上、そこにも司会役や派手な衣装の飾り女が首を括って吊り下がっており】
【それらを背にして配置されているのは、人を十人は詰められそうな獣用の鋼鉄製檻】
【その檻の上に、客席が見える位置で腰掛けて、退屈気に下駄を揺らす姿があった】

【青藍色の彼岸花を髪に挿し、黒い紋羽織を着た、古風な和服姿の若い男】
【肩で切り揃えた白い髪、切れ長な葡萄色の目。 万人の理想に沿わせたように】

【綺麗な人形めいたその表情は、眼前の光景に何の感傷も抱きはせず、欠伸をひとつ零した】
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/03(水) 21:32:00.86 ID:HvSQKnSg0
/>>396取り消しでー
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/03(水) 21:43:24.27 ID:/2Zp/cgm0
【路地裏――その奥深く、置き去られたような廃墟】
【蜘蛛の巣のように拡がる細道のその中央に位置する場所、蜘蛛の女王様のお城みたいに】
【煉瓦で組み上げられた洒落たデザインの洋館も、放棄されて久しく――草と虫と、包まれて】

【――ぎィと金属の軋む音、崩壊した塀の向こう側からだって覗ける庭のうち、見ればひとかげひとつ】
【かつては子どもでも居たのだろうか、設置されたちいさなブランコ。ちょいと腰掛けて――ぎきィと、また鳴かせる】

…………、冷夏になっちゃえばいいんだ、

【真夜中色で艶めく髪、膝を超えるような長さ、――飾る花のコサージュから垂れる鎖、ちゃらと鳴いて】
【長めの前髪越しに覗く双眸、左が黒で右が赤のオッドアイ、視線が地面に降りて、呟く声ひとつ】
【ブラウスを模したよなデザインのワンピース、腰を絞る真っ赤なリボンが、滴る血めいて長い尾を垂らし、揺らして】
【スカートに段であしらったフリル、足を真っ黒で包むソックス、血溜まりめいて赤いストラップシューズ、曖昧に地を踏んで】
【――高く響く鈴の音の声、遠目でも分かる華奢さ、月明かりが照らしこむのは、どうやら、少女がひとり】

知らないよ農家なんか……暑いの嫌い、でも冬も嫌い、ずっと春ならいいのに、っ……。

【――口でも噤んでいればそれなりな画にもなりそうなのに。唇から零されていくもの、どうでもいいよな愚痴ばかり】
【ぎりぎり軋む金属音に混じりこんでいく声、こちらもまた、どこか金属質の響があるなら――不思議に、よく重なって】
【地面を蹴飛ばして漕ぐわけでもないブランコの動き、真似するように長い毛先、ゆらりゆら、たゆたっていた】

【腐食のままに捩じ切れた鉄門が誰を拒むこともない。立ち入ろうと思えば、誰だって、】
【――澄み過ぎた水と人外の気配がした。隠すでもないなら、濃く、強く。辿るなら、たったひとり、少女の元へ導かれるはず】
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/03(水) 22:17:01.79 ID:encq96/Co
/>>397取り消します
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/03(水) 22:26:24.12 ID:qdaTxbj6o
>>385

【用がある――と言われると、セリーナは目を輝かせるだろう。】
【溜まっていた書類仕事は勿論だが、依頼があるというのはUTにとってもセリーナの懐にとっても有難い事。】
【"用があって"――の一言を発するとほぼ同時、凄まじい速度で受託書を用意しペンを引き抜く。】
【さあ、どんな依頼か分からないが病み上がり一発目の仕事は戦闘か猫探しかはたまた潜入捜査か――と、思いきや。】

――ギア・ボックス・・・君、変わった名前だね、はじめまして!それで、依頼の内容は――って、あれれ。
依頼じゃなくて、アタシに伝えたい事――・・・ふむ、それは興味深い話だね。
まあ、立ち話もなんだし座ってよ!どこでも好きなところに掛けて待ってて、今お茶を用意するから。

【――どうやら仕事の話ではないようで、きょとん、とした表情になるセリーナ。】
【伝えたい事、とは一体なんだろう――この青年とは初対面の筈だが、はて、心覚えはなかった。】
【最も、本当は件の"闇オークション"討伐で戦線を共にしているのだが・・・セリーナもあの混戦のなかで、彼を認識出来なかったのだろう。】
【ともかく、びしょ濡れの男を余所に柔らかな表情で受け答えし、ギアに座る事を勧めるだろう。】
【自身はタオルを取りにいくのと同時、カウンターに回ってお湯を沸かし始める――。】

>>388

【―――さて、問題は青年よりも此方の"男性"の方か。】
【急に運び込まれた上に、状態は異常、しかも目を覚ましたと思えば唐突にアルコールを要求。】
【どう考えても普通ではないし、発言が正しいならば自分から入水したようだ、が――?】
【まだ29歳だという事も含めて、その後に彼が紡いだ言葉にセリーナは心底、驚いた。】

――・・・あっと、その――・・・ふ、老けて見えたワケじゃないよ!ほら、あんまりびしょ濡れだからよくわかんなかったっていうか――
ご、ごめんなさい。まさかアタシと4,5つしか変わらない年齢だとは・・・その。うん、じゃあ"おにーさん"で!

・・・それで、その"ギャングに拉致られた"って部分、其処は嘘じゃないよね?本当なら大変なことだよ。
何の目的もなしに地下組織が人を攫う事なんてまあ、ないだろうからね。お金目的にしろなんにしろ
命があって本当に良かったよ、おにーさん怪我はない?とりあえずタオルと、それから救急箱も用意するけど――・・・。

心が篭ってない、とは思わないよ。ただ、なんだか他人事みたいに自分のことを語るね、身体は大事にしないとダメだよ?
とりあえず話は後にして――の、飲み屋!?失礼な!此処は歴とした事務所だよ!
まあ、確かにアタシの趣味爆発!って感じで酒場っぽく造ってはいるけど――・・・と、とにかく此処はUTの本拠地です!
レコードとかCDとか、そんなコトより心配する事があるでしょうに・・・これは有線だよ、ジャズ専門の。音が悪いのは仕様です。
それよりもおにーさん、自己紹介してないでしょう?なんて呼べばいいか、教えて欲しいな。
アタシはセリーナ、セリーナ・ザ・"キッド"。よろしくね、おにーさんのお名前は?

【ギャングに連れ去られた事。自分から逃げ出して、川へ飛び込んだこと。】
【聞くだけならとんでもない話だが、なんだか危機感の欠けた男の言葉は凄く、惚けて聞こえて。】
【勿論、危険な状態だったのは言うまでもないし、命が助かったのは幸運といえるが、なんというか――】
【この期に及んで冷えてないビールを注文する辺り、もう、酔いを冷ます気もなさそうな雰囲気といい、男は大物と言えるかもしれない。】

あら、怪我の心配なんてしてくれるんだ?そういう処は紳士的なんだね、けどダイジョーブ!
これもリハビリのウチ、だから。おにーさんこそ座ってていいよ?ビールは――・・・あのねぇ。
いくら酒場みたいだって言ったってそう易々とお酒を出すほどアタシは優しくはな――――――――・・・・。

・・・。
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/03(水) 22:26:45.79 ID:qdaTxbj6o

>>ALL (>>385>>388

【カウンターに来ていた男からは――セリーナの驚いた表情が見えるだろう。】
【握ってしまっていた、自分で意識しないうちにビールの瓶を二本――凄く自然な動きで取り出していて。】
【口であんな事を言っておきながら自分まで酔っ払いもどきの行動をしている事に気付き、慌ててビールを貯蔵庫へ仕舞おうとするも】
【―――手が、動かない。無理矢理に動かそうとしても、ビールを握った手は止まったまま―――これは・・・】

・・・くっ・・・うう・・・っ!!び、ビールが・・・!ビールが、勝手に・・・アタシに飲まれようと反抗している・・・ッ!!

【―――そんなワケはない。だが腕をプルプルと振るわせたまま、セリーナは自分の中の何かと格闘していた。そう。】
【言い忘れていたことが二点、一つはこの正義の組織のリーダー格、お酒が三度の飯よりよっぽど好きだという事。】
【そしてもう一つ、先日までの入院で禁酒期間が非常に―――非常に、長かった事。】
【要はまあ、滅茶苦茶酒が呑みたかった。死ぬほど呑みたかった。そこへ男がこんな風に声をかけてきたのであれば――】
【まあ、反抗する余地は無かった。悲しいことに。ギアの目にはこんな光景、どう映るだろうか・・・これがUTの本来の姿なのだが、さて。】

【――自分の中の何かに負けて、セリーナはカウンターへビールを二本、ことん、と置いた。】
【お湯の沸くぴゅー、という音が、ジャズのリズムを乱し店内に虚しく響き渡る――。】

・・・も、もう好きにするがいいさっ!あ、アタシが飲みたいわけじゃないよ!?おにーさんが用意させただけで、アタシはそれに付き合うだけで――
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/03(水) 22:52:19.09 ID:DE4jBrS/o
【地下道】

【しとしとと雨の降る音が響き、湿気と少しの雨水が階段を下がってコンクリートの通路へと入り込む】
【階段前の排水溝のおかげで、幸い水没する事はないようだが】
【乾いた地面を埋めるように足跡が続いて、明かりもない暗がりの中へと下りて行っていた】

……夏と、云えど。少し……

【身を縮めるように座り込んでいるのは、黒い長着物に黒の羽織を着た、線の細い男】
【切れ長の目は黒く、鼻は癖無く唇は薄く、黒髪は襟足にかかり前髪は長い】
【足袋を履き黒い下駄を履き、手には紫の線が一輪描かれた黒い和傘を持っている】
【一見その体は薄く面は白く、その声もまた、どこか中性的な掠れを持ち】
【和で統一された姿を裏切るように、首元には幅広のチョーカーをつけている】

……さむい

【薄らと漂う鉄の匂いは、血を浴びた長着物が元。足跡に朱が混じらないことから、男の血ではないことが知れる】
【ふとすれば、影の中にそのまま溶け込んでしまうように。じっと雨が上がるのを待っていた】
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/03(水) 22:56:08.82 ID:SGTmhaDNo
>>388
【ずぶ濡れの男性が流れるように、持ち物を取り出していく】
【テーブルへ次々に放り出されていく品々。重い音を立てて放り出されるリボルバー、ギアは少し身を竦ませた】

(サングラスでよくわからない、けど、拳銃を持った愛煙家……どうも物騒というか……)


【失礼なことを考えているうちに、唐突に男性の視線が自分に向く。一瞬、驚きに固まる】

た、煙草ですか……すみません、あいにく喫煙の習慣がなくて……
(悪い人ではない、んだろうか……)

【心苦しそうに顔を歪めつつ、男性に返答する。サングラスではっきりとはわからないが、その笑顔は屈託のないものに見えた】
【行商人として、それなりにいろんな人と触れ合ってきたギアだ。人を見る目はそれなりにある、と思ってはいた】
【彼の笑顔や態度からは、今のところ悪意らしきものは感じられなかった】


>>401
>>402
【目を輝かせて自分の話に食いついてくるセリーナ、どうやら仕事の依頼だと思われたらしい】
【実際は、ある「伝言」のためと、以前の共闘で出来なかった挨拶のためだったのだが】
【ぬか喜びをさせてしまっただろうか、と思いつつ、口を開く】

ハハ、よく言われます、変な名前だって

す、すみません、本当に大した話ではないんですが……
ありがとうございます、お言葉に甘えますね

【セリーナが訝しがるのも無理はない、彼女の事は自分が一方的に見知っているだけである】
【ギアのほうは、あの派手な登場の時に彼女の姿を見ているし、水の国の大会も観戦していたので、顔と名前は知っていたのだが】

【ともあれ、彼女の勧めに従って、適当な椅子に腰かけて、一息つく】
【そのまま、セリーナが男性に話しかけるのを聞くとはなしに聞いていた】

(ずぶ濡れで担ぎ込まれて、意識が戻ると煙草と酒……豪胆な人だなあ……)
(でも、ギャングに拉致……? いったいどういう人なんだろ……)

【などと呑気に構えていたが、耳に入って来るのは「ギャング」、「拉致」など不穏な言葉】
【男性が悪人には今のところ見えない、がどうやら堅気の人間でないことも確からしい】


【やがて、目の前に展開される光景。セリーナが流れるような手つきでビールを取り出し】
【自身の衝動と必死の格闘を繰り広げ――決着はついた】

【カウンターへビールが置かれ、同時にお湯の沸く音もする】
【その音で我に返り、ギアは少し安心したような笑顔を浮かべた】

(正義組織のリーダーなんて、もっとすごい人だと思ってたけど……会ってみるとなんか親しみやすそうな人だ)

【入店してからずっと感じていた緊張感が、自分の中から抜けていくのを感じる】
【音質の良くないジャズのリズムに意識を傾ける余裕も出てきた】

【まずは、その場で二人の話を待とうとするだろう。自分の用事は急ぎの物というわけではない】
【青い瞳の視界に、セリーナと男性を捉えつつ、ジャズのメロディに耳を傾けつつ】
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/03(水) 23:25:52.44 ID:uTQ7kv39o
【夜──風の国・草原地帯】

【そこには、“太陽”が在った。比喩ではなく、月と並んでもう一つの光源が天高くに位置していたのだ】
【だがよく見れば、それが魔術による火球だと分かるはず。そしてその下方には】
【赤く照らし出される草原の中に、恐ろしく目立つ龍人のような異形が居て】


《────、───────────。》


【なにか背筋の寒くなる、おそらくは火球の維持のための詠唱と思われる声が風に乗り】
【バサリ。膜も破れよとばかりに背の翼をはためかせれば、一層火球の勢いは増していく】

【そこから少し遠くには、巨大な逆さ塔。“ATLAS”と呼ばれる魔城が見える】
【とすればこの異形はその塔の住人だろうか。身分を示すようなものは全く見あたらないが】
【身には申し訳程度に布を纏い、髪は赤黒い物が足下まで伸び、所々ハネている】
【見るからに不穏な環境だったが──深夜の草原で火球というのは、きっと誘蛾灯のように効果するはずで。】
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/03(水) 23:46:43.90 ID:rpdcBZHEo
>>401

俺さあ、やっぱ老けてんだなあ……何がこんなに老け込ませてんだろなって
考えるんだよ。まー…酒と煙草ってことにしてるけどさあ…実は三十五だったりして

【特に年齢は気にしていないのかけれども老けていることは気にしているのか】
【カウンターに肘をつきながらそんなことを言い始める】
【実際の所、本人も自分が幾つだかわかっていない。本当に35歳だったとしても気にしない】

ああ、そうそう…今夜の月は欠けてて、でも最近は電気で明るいから夜道も暗くなくて…
あ、それはいい?……まあ、アイツラの”クルマ”の”アガリ”、”パクった”からそれの”カエシ”だろうよ

【彼の和訳するとギャングの盗難車販売の売上金を盗んだのでそれの仕返しだろう…ということらしい】
【意味が通じなかったとしてもイントネーションからダーティな雰囲気は察することが出来る】

しかしたいした相手じゃないから。まあ……うん。……ああ、怪我はない

【勝手に持ちだしたタオルで髪の毛をワシャワシャとやっている】

過ぎたことだからね、他人ごとみたいなもんさ……事務所?酒場が?
それは所謂、えーっと…なんつーか…昔のギルド的な……ああ、なんだアンタの趣味か

有線?いや、まじでそれは辞めようぜ。あいつらの曲選って遊びが無いんだよ遊びがさあ…
それにさあ…音が悪いのもさあ…違うんだって、いい悪いと悪い悪いがあるんだよ
ノイズっていうかさあ…聞こえない周波数のリズムって言うかさあ……レコードにはさあ――

【ここに来て彼が一番喋った瞬間はここだろうか。声のボリュームも大きめだ】
【暫く彼はレコードにしろレコードにしろと云々うんぬん、言った後、落ち着いたように】

――で…名前か……キッドね…じゃあ俺はブッチかな…まあ冗談…いや、マジでもいいけど
この辺りの酒場じゃヒライって名乗ってる。本名は忘れたから聞かれても困る…そこは宜しく

【言葉の流れ作業のように冗談も織り交ぜるが全く笑えない】
【当の本人も笑うことも口調を替えることもないもんだからさらにたちが悪い】

…出してんじゃん。やすやすと。…酒場でも金出さないと出てこないのに

【サングラスの彼の口元は大きくニヤリと笑っている】
【ビールの瓶を手にとって、慣れた手つきでカウンタの角でフタを飛ばす】

【男の基本スタンスは今を生きるだ】
【つまり、今この人物がなぜビールを飲むことの葛藤を知る由もなく】
【男はあっさりと、その天使と悪魔、その後者の背中を押す】

飲めばいいじゃないか。明日も飲めるとは限らないんだからさ………乾杯
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/03(水) 23:46:59.90 ID:rpdcBZHEo
>>404

マジかあ……いや、いいんだ。煙草なんて吸わない方がいいし

【そうだ吸うな吸うなと言いながら悲しさをにじませながらカウンタの方へと歩いて行った】
【テーブルにはジャケットとその他の品物は置きっぱなしである。もちろん拳銃も】
【悪人だろうと善人だろうと、護身具を放り投げる人間が居るだろうか】
【取り敢えずここに例外が一人いることがわかった】

おい、ギア。酒も飲まないのか?まあ、なんだっていいか…なんか飲もう
そうだ、ツマミ探そうぜ。高そうなやつから。チーズとかさ。高そうなやつから

【来い来いと手招きをしている。そしてセリーナがカウンタ内に居ようと居まいと】
【というか完全にバレていても勝手に入って目の前で物色する気満々だ。屈託のなく笑っている】
【ほっといたらオリーブがあっただの乾き物しか無いだの言い始めるだろう】
【そのうち酒も高いものから開けていきそうなぐらいだ。ローテンションだが行動はハイ】
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 00:23:46.69 ID:OFUx/l/20

【街の中――――昼間の様に行き交う人が居る訳でも無く、寧ろ皆無と言ってしまっても良い状況】
【その道の隅、公園の側に捨てられている段ボール。怠惰者の廃棄物だろうか――――否。その中にはナニカが収まっている様】
【段ボールの蓋を閉められず、はみ出る所を見れば嘸かし大きな…………】


「…………」

【物では無く、人であった。燕尾服を纏った女性。体育座りして、その中に収まっている】
【闇夜故に目立つ事は無いが、よくよく見てみれば段ボールに書かれている「拾って下さい」の文字】
【犬猫ならば分かる。が、人間とはこれまた珍妙な事態】
【こっくりこっくりと船を漕いでいる所を見れば、完全に寝ている訳でも無い様だが……さて、誰かの悪戯だろうか】


「……主様、またお菓子ばっかり食べて……むにゃ……」

【寝言じみた事を呟けば、膝でゴシゴシと頬を擦って】
【浮浪者にも見えない格好。だけれど、こんな所で段ボールに収まっているなんてまともな人間では無い事は確か】
【近づいてみたならば、片目を隠すように伸ばされた蒼髪。そして、頭に生えた獣の耳が見えようか】
【ある程度近づいたって、気付かない位には睡魔に襲われているようで】
【声を掛けられれば、初めて寝ぼけ眼を上げて相手を見るけれど――――】








【ひっそりと静まりかえった街の中】
【その中央に存在する公園。其処に植えられたシンボルツリーと呼ばれる大樹が、ガサガサと一人音を立てていて】
【視線を向けたならば、巫女装束を纏った一人の少女が見えるだろうか】


「困り……ましたね
お姉ちゃんは何処に行ってしまったんでしょう……?
土地勘もありませんし……このまま虱潰しに探すのも……」

【器用に枝の上に立てば、辺りを見回して】
【――――然れど、目的の人物は見当たらなかったのであろう】
【深い溜息を一つ吐けば、その場から降りようとするけれど】


「仕方ありませんね……今日は一先ず宿に帰って……て……?
ひゃっ?!わわわわわわわ?!」

【――――足を滑らせれば、そのまま手をグルグルと振って】
【何とかバランスを保とうとするけれど、その努力も虚しくやがては地面に向かって急降下するのであろう】
【大怪我をする程の高さでは無いにしても……さて――――もし、近場に人が居たならばその光景をどの様に捉えるのだろうか】


/3、4時には落ちまするが……!
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/04(木) 00:28:51.96 ID:bwTxIj4ao
>>404

【恐らく、まあ――"ヒライ"と名乗ったこの男、悪い人物ではないだろう。】
【しかし怪しい事に変わりは無いし、ギアも彼を良く見て"どういう人物なのか"判断をしているようだ。】
【ただ危険ではないのも確かだ、その証拠に怪我を負ったセリーナ相手に銃を放り出して酒、タバコ、つまみと来ている。】
【カノッサの一員であればこうはいかないだろうし――ともかく、セリーナは安心してお湯を火から卸した。】

―――ああ、っとごめんごめん!別に変だなんて思ってないよ?
そんなコトいったら24にもなって"キッド"なんて名乗ってるアタシこそ変だし――ま、お互い様ってことだね!
むしろ一度聞いたら忘れない名前、っていうのかな?インパクトあるしこれで覚えたよ、ギア君!

あ、そうそう。紅茶より珈琲の方が良かったかな?一応どっちも用意できるけど、どっちが好き?
ウチは結構飲食には凝ってるからね、なんなら軽食も作れるよ!

【手際よく茶葉をティーポットに淹れ、お湯を注ぐセリーナ。暖めたカップを用意し、砂糖とミルクを並べて。】
【片方では珈琲をコポコポとカップに注ぎつつ――どちらが欲しいと言っても、対応できるよう準備して。】
【この辺りは流石に色んな依頼人を相手にしているだけあって、手馴れているようだ。】

―――それ、で?ギア君のお話、っていうのは――どんな用件かな。
みたところヒライ君の方は事件性は薄いみたいだし、同時並行で話を進めようか。
浮気調査から恋の相談まで、おねーさんがなんでも聞いてあげようじゃない!

>>406

【――此処に来て、男の言葉に信憑性が欠けて来た。実のところ35なのか29なのか、不明なのだから仕方が無い。】
【まあ、冗談だろうとセリーナは苦笑いし、彼の言葉に耳を傾ける。どうやら、火種の発端は彼のネコババのようだ。】
【しかしネコババといっても相手が相手、盗難車を横流ししているギャングともなれば――擁護の意見も沸くだろう。】
【セリーナは半分呆れつつ、また半分納得しつつ、言葉を繋いだ。】

あー・・・ヒライくん?別にホラ、幸薄そうに見えたとか疲れたリーマンみたいだとかそういう意味で言ったんじゃなくて――・・・
うん、大丈夫!白髪が生えてくるまでは若い範疇に入るからOK,OK!そんなに気落ちしないで、ね?

【フォローしているつもり、なのだが――・・・元来、この女はこんな性格だ。あははは、と乾いた笑いを漏らして。】

それにしても、ギャング相手に義賊紛いの窃盗行為なんて、ウチが警察ならヒライ君のことお縄にしなきゃいけないとこだったよ?もう・・・。
勇敢なのは良い事だと思うし、お金に目が眩む気持ちもよ〜〜く分かるけど、あんまり無茶はしないこと。
そんなしょーもない犯罪で命落としてたら、勿体無いでしょう?幽霊になって化けたって、ビールは飲めないんだから。

はぁ――・・・それにしてもこの辺りもまだまだ、治安がいいとは言えないね。盗難車かぁ、自警団も大変だ・・・。

【セリーナは生まれも育ちも田舎の街だ、男に囲まれて荒い世界で生きてきた以上彼の言葉の意味はなんとなく、伝わって。】
【はいはい、そういうことね――と納得しつつも、しっかり注意はしておく。流石によくやった!とは言えず、】
【けれども代わりに「悪い奴らを懲らしめようとするのは、勇気があってカッコいいけどね」――と、少し褒め称えて。】

【ただそれも、有線を酷く扱き下ろすヒライの言葉を聞くまでの話。なんだ、そういう拘りがあるのか、気難しい男である・・・。】

ヘイ、ちょっと待ったヒライさん?あのね、確かに有線のチョイスは時々センスが可笑しいけど――
別にここは音楽を効果的に使って寛いでもらうためのリラックス空間とかじゃないんだ?OK?じ・む・しょ!
UTの事務所!だから!そんなに熱弁されたって裕福じゃないしレコードなんて―――え?

【はて、セリーナはセリーナでそんなに音楽に凝ってないよ、と異論を唱えていたのだが――】
【ヒライの言葉の後半、"本名は覚えていない"という一言に驚き、一瞬言葉が止まった。】
【――何故か、と聞かれればセリーナは同じように――名づけの親は知っていても、産みの親を知らない過去を持っているからだ。】
【否、正確には過去を――もって居ないから、だ。】

(――・・・どういう、ことだろう。記憶喪失?それとも異世界から飛んできた、とか・・・?)
(・・・わからない、けどきっと――・・・ヒライさん、ふざけているように見えて実は・・・色々、あるんだろうな。)
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/04(木) 00:29:12.26 ID:bwTxIj4ao

>>407>>404
【さて、そんなこんなでセリーナが色々と自分の今までを思い出しているうちに彼はといえば、勝手にカウンターを漁っていて――】
【とうとう、セリーナもあきれ果てた。】

―――言ってくれれば出すから、勝手にお店の中を探らない!ここ貴方のお家じゃないからー!!
こらこら、勝手に空けたら――あ、ちょっと!!

【物色を始めたヒライ、その手が棚の奥のほうまで伸びたならば――何か凄く、高そうな"ラベル"が見えるだろう。】
【それはセリーナがひた隠しにしてきた相当に高級なワインであって――瞬間、セリーナの松葉杖が床をコツン、と叩く。】

・・・ヒライ君?交渉しようか。アタシのお仲間の自警団員に貴方がしようとしたコトを告げ口されたくなかったら――
大人しくラックから離れて席に着くんだ、そのワインに手を触れたら・・・ふ、触れたら・・・アタシは本気で・・・怒るよ?

その代わりにビールとおつまみはタダであげるから――わかるよね?大人の交渉だよ。
ヒライ君なら・・・わかってくれる、よね?

【――――ニッコリ。相当、大事にしているワインなのだろう。恐らくはこれ一本ではなく、何本も保管してある筈だ。】
【流石に勝手にカウンター内を弄られるのだけは御免こうむりたいのか、フリーダムなヒライを制止すべく切り出して。】
【本気で通報しかねない、食べ物の恨みというのは――怖い。】

(まったく・・・ちょっとシンパシー感じてたのに、なんだかなあ・・・!!)
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/04(木) 01:01:37.85 ID:+lTfLxeMo

>>407
どうもすみません……どうにも煙草は苦手で……

【悲しげにカウンターに向かう男性に、再び言葉を投げる。同時に、視線がテーブルの上の拳銃その他に向く】

(いくらここが正義組織の本拠地だからって、不用心なんじゃ……いや、僕が言えたことでもないか)


【自分も、自作のおもちゃ武器を手に、鉄火場に乗り込むような真似をしているのだから、大概である】
【セリーナへ語りかける彼の言葉、それがジャズのメロディを押し分けてギアの耳に入って来る】

(”アガリ”を”パクった”……ギャングのお金を盗んだ、ってことかな……? やっぱり物騒な人ではあるみたいだ……)

【どこか掴みづらい雰囲気を感じつつ、彼の言葉を聞く。レコードへの並々ならぬこだわり】
【そして、彼の名前。本名を名乗りたがらないところも、いかにもという印象だった】


【彼の言葉が自分に向いた時、一時思考は中断される。ビクリ、と身体を一度震わせて】

あ、いえ、お酒なら多少は……普段はあまり飲まないんですが
今は、お湯を沸かしてもらってますし……ってちょっとちょっとヒライさん。セリーナさんの目の前で勝手に物色するのは……

【まずは手招きに応じて椅子から立ち上がり、カウンター席に座る男性、ヒライへと歩み寄る】
【同時に、何のためらいもなく店内を物色しようとする彼に驚き、弱弱しくではあるが、制止の言葉を発する】
【とはいえ、基本が臆病で小市民的なギアだ。その身体を掴んで無理に止めるようなことはせず】
【おろおろと、セリーナとヒライに交互に目をやりながら突っ立っているばかり。何とも情けない有様だ】


>>409
あ、いえいえ、そんなに気にしてるわけじゃありませんから大丈夫です!!
24なら僕と同い年なんですね。僕は、"キッド"っていい呼び名だと思いますよ。セリーナさんにぴったりだと思います
ありがとうございます、そういってもらえるとうれしいです

あ、でしたら珈琲のほうでお願いします
ありがとうございます、いただきますね……うん、おいしいです!!

【お湯を火から降ろして自分に声をかけるセリーナには、なんとか普段の態度で話せそうだ】
【接客にはさすがに手慣れているらしく、相手の要望に合わせられるように準備して見せるセリーナの手際に感心しつつ】
【珈琲の方をお願いして、並べられた砂糖とミルクを入れて飲む。身体が温まる。味も申し分ない】
【一息ついてから、姿勢を正してセリーナに向き直ると、ギアはゆっくりと口を開く】

ありがとうございます。浮気調査や恋の相談には、残念ながら無縁ですが……ハハ……

僕の方の用件はご挨拶と、伝言です
セリーナさん、二か月ほど前に貴方が主導されていたD.R.U.G.Sの"闇オークション"の救出作戦
僕は、あの戦いに参加していたんです。貴方の姿は見ていたんですが、ご挨拶も出来ずにいたのがずっと気にかかっていて
今さらですけど、一度お会いしておこうと思ったことが一つ

もうひとつは、これも"闇オークション"事件の関係なんですが
あの時、僕が戦闘に及んだ相手は、スーツを着て黒髪をポニーテイルにした、若い女性でした

僕は彼女との戦いで負傷し、一瞬死を覚悟したんですが……彼女は僕にとどめを刺そうとはせず、安全な出口を教えてくれました
その後、こう言ったんです。「セリーナさんに宜しくと、霧崎が申していたとお伝え下さい」と
僕には事情はわかりませんが、その時きっと伝えます、と返事をしたんです。だいぶ間が空いてしまいましたが……

【その時を思い出したのか、一息にここまで話した後は軽く身震いする。本当に、死を覚悟させられたのだろう】
【青い瞳を下に落として、身体の震えを押さえ込もうとする。両手が、カップを握りしめる】

ハハ……すみません、お見苦しいところを……
ルルーメンやフルーソのテロで死にかかったこともあるんですけど、どうにも慣れなくて……

412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/04(木) 01:01:52.05 ID:+lTfLxeMo
>>410
【そんなギアの、自虐の入った思考はセリーナの怒りの言葉で中断される】
【ヒライのあまりに奔放な態度には、セリーナもあきれたらしい】

(ほ、本気で怒ってらっしゃる……よほど大切なワインなんだろうな……怖い……)

ヒ、ヒライさん、やめたほうがいいですよ……本当に……
あ、そ、そうだセリーナさん!! もうひとつ用件がありました!! 今度は、依頼したい件ですよ!!

【緊迫した空気を変えようとするかのように、ギアが大げさな声を張り上げる】
【しかし、内容は嘘ではなかった。もうひとつ、重要な用件を思い出したのだ。ある少女との約束を】
【一度、そこで言葉を切り。二人を刺激しないように、そっと様子を窺う】
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/04(木) 01:33:56.95 ID:rAcH7dQeo
>>409

俺だってそれなりに事件なんだけど…いいか

【戸棚から取り出した、ピーナッツを齧りながら少し割って入るが】
【特にそれ以上関わることは無いので興味は別の方へ】

オーケィ、オーケィ…俺は今日からサンジュウゴでいいよ、ったく
6年分まとめてハッピーバースデイだ、だから飲む

【ビールをあおりながら、次の酒を探している】
【どうやらこの男もかなり飲むようだ。むしろ初めから酔っているぐらいなもんだから】
【ほっとけば24時間飲み続けるんじゃないかと思うほどだ】

まあ、あんまり聞くなよ。根無し草の名無し野郎が酒と煙草を買うには
それなりにさ、色々あるんだよ……金欲しいし。カネないと酒も飲めない
しょーもなくない犯罪なんかあるもんか、博打と一緒だ。素寒貧まで打ち続けるんだよ

【それしかないんだ。と最後に付け足す姿はここまでと変わらない軽い感じだが】
【どこかにブルーな雰囲気が混ざっていたかもしれない】

百も承知だけどさあ……あー…くそ、コレばかりは納得いかん
たいした値段でも無いんだから……わかった、俺持ってくるか
いや、そうだ…俺、ジャズは持ってないんだよな…どうすべきか

【煙草がないと名案も浮かばないといった感じだ】
【アルコールが入ったこともあってレコードに関してはかなりしつこい】
【それ以外のことに関しては程んど執着が無いくせに】

>>410

いいんだよ、怪我人は休んでなって、ここは俺に任せてさ…

【しゃがれた声でなだめるように言う。態度は紳士的だ。けど好き勝手したいだけだ】

なんだよ、ここは結構な……っ……

【戸棚から出てきた、赤ワイン。男は硬直したようにそれを見ている】
【セリーナがなにか言っているようだが男はそんな声も突き抜ける。】

ああ……いや、赤は好きじゃない。だから……別にいいや
元々ツマミ探してたしな、アルコールはビールあればいいんだよ

【無言で大人しく戸を閉める。テンションが見るからに下がった】
【よほど赤ワインが嫌いなのか。それとも、また何かあるのか】
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/04(木) 01:34:22.70 ID:rAcH7dQeo
>>411

あーまあ、じゃあこんなとこにしとくか…
トマトのホール缶あったらパスタ茹でようと思ったんだけさ……

【オイルサーディンの缶を手に立ち尽くす】
【そっと、棚に戻して男はカウンターの元の位置へと戻っていく】
【スツールに腰を掛けて、足を組む。片肘をカウンタに乗せる】

【暫くは黙って会話に割り込むこともなく。興味も無いのだろうか】
【ビール瓶とタオルを持って、テーブルに戻って拳銃を拭いたり】
【ジャケットの濡れ具合を確認したりしている】

霧崎?ああ……ヤクザんトコの嬢ちゃんだろ?
………今はどうかしらんけど、冗談も通じないし
怒ると怖いし、両切り吸ってたし……あの組自体、潰れたかと思ったけどな

【そんなウロウロとしながらも、ポツリとそんなことを言い出す】
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 12:58:06.10 ID:OFUx/l/20
【しんと静まりかえった公園。時間が時間であったならば、子供達の楽しそうな笑い声が聞こえるのだけれど】
【今は元気に走り回る姿も無く――――ただ、一人の小柄な人物がベンチに座って空を見上げているだけ】
【その丈に合わぬ大きなパーカーを纏い、フードを被っている故に素顔は分からないけれど――――背に生えた、大きな白い翼が印象的で】


「子供達が遊んでいるのを見るのもいいけど、時には静かな公園も良い。と、呟いてみる
今夜は月も綺麗で、静かに過ごすには良い日だ。と、感慨に浸ってみる
…………チェリは、もう寝たのだろうか。と、心配してみる」

【何処か癖のある話し方。凛と澄んだような声、そしてその身体から察するに、恐らくは少女なのだろう】
【気紛れにバサリ、と翼を一度はためかせ】
【丸い月に向けられて居た視線。今度は、足元へと落として】


「…………もう一人付いているから大丈夫か。と、自分を納得させてみる
折角の休み、だけど、過ごし方なんて知らない。と、ぼーっとしてみる」

【膝の上に乗せていた仮面。指で弄んでいれば、再び言葉が繋げられ】
【――――所謂、休暇なのだろうか。愚痴でも無く、ただ思った事が口から漏れてしまっただけ】
【この時間に、翼を生やした者が一人。よくよく探ってみたならば、聖とも感じ取れる魔力に気づける事か】







【櫻の国――――以前までは人間達の住んでいた一つの村】
【桜の名所として有名だった場所だけれど、今は妖怪達が住んでいて】
【すっかりと花が散ってしまったその木の下で、酒を呷る影が一つ】


「さぁて……そろそろ次の場所を目指さなきゃいけないかなぁ
拙(ぼく)達の親が持って居た城でも取り返しに行こうかな。それとも……」

【一升瓶が空になってしまえば、脇へと退けて空を見遣り】
【顎に手を添えて何やら考えようとするも、思考は纏まらす】
【答えとして出たのは、一つの溜息】


「まぁ……今はいいっか
美味しいお酒があるんだから、今は其れを楽しまないとねぇ……
飲み終わったら美人な人でも探して、それから考えよっかな」

【戯言を漏らすのは、山伏の服を纏った烏天狗】
【その外見はどう見ても少女なのだが、漏らされた言葉から考えるに性別はその逆であろう】
【妖怪の村――だなんて噂される其処。さて、訪れる物好きは居るのだろうか】
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/04(木) 13:03:56.56 ID:dUZKQMKGo
>>415

【鶯のような風の、爽やかな調べが落っこちたなら】
【烏天狗の元へと、一つの白百合が語りかけるのだろう】
【夕暮れよりも眩しい、静かな声色が一つ、弾けるみたいに】


お昼間からお酒を飲まはるんはあかんことやて思わはるのですよ
折角良い天気でいはるんやさかい……

――――――まあ妖怪はんに言わはることやないのですけど


【微笑みかける言葉は、異国情緒溢れて……或いは、此処に於いては自然のものか】
【聞きなれない旋律の先には、微笑みかける桜色の姿が一つ】
【言葉の途中で気づいたように、その不思議な姿に大きな瞳をぱちくりとさせていた】

【長い夜桜色の黒髪を清楚な簪でポニーテールのように纏め上げた非常に小柄な少女】
【白い瀟洒な薄手の着物を羽織った上から濃い紫苑色の着物を羽織って】
【大きな袂と袖には美しい蝶の紋様が鮮やかに刻まれている】

【リボン結びされた黒地の大きな帯は陶器のように滑らかなウエストを誇示して】
【檸檬色の大きな瞳と、やや垂れた可愛らしい目尻と長く美しい睫毛】
【右の目尻に刻まれた桜の花びらの形をしたアイタトゥーが鮮やかに彩られて】
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 13:23:05.90 ID:OFUx/l/20
>>416
【――――空になった一升瓶。逆さまにして、口から中を覗いていれば掛かる声】
【「ん?」だなんて間抜けな声を出したならば、もう一つの瞳で来訪者の姿を捉えるのだろう】
【ぱちくり。或いはきょとん。そのどちらとも表せるような、そんな表情】


「まあまあ、良いじゃない。良い天気だからお酒を飲みたくなるし、女の子と手を繋いでお散歩だってしたくなるんだよ
そうだねぇ……後は、お天気が良いから――――ふふ、まるで妖怪に話し掛けたことに今気付いちゃった。って感じだね」

【何となく分かるような、分からない様な言葉。烏天狗の性格を表すような言葉】
【何処か緩い笑みで紡いでいれば――――少女の表情の変化に気付いたのだろう】
【コトン。と置かれた瓶。敵意が無い事を表すかのように、両の手をヒラヒラとさせて】


「まぁ、こう見えても拙はちょっとした妖怪集団の頭だからさ。他の妖怪と同じ様に君を頭からつま先まで食べるなんて事はしないから安心してくれて大丈夫だよ?
それに……お天道さまも見てるだろうからねぇ……。地獄に落とされちゃかなわないし

フフ、一人でお酒を飲んでて退屈してた所。デートしようとは言わないけど、良かったら日向ぼっこでもして一緒にお話しようか
ほら、拙は妖怪だし、中々人間と話す機会も無いんだよね」

【山伏の服、その袂で口元を抑えて笑う様は、その顔立ちも合わさってまるで女児か】
【チョイチョイと手招きをすれば、横にでもどう?――――何なとも気さくな言葉】
【例え少女が警戒して断っても、クスリと小さな笑みを浮かべたかと思えば数歩で目前まで来るのだから困った輩】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/04(木) 13:29:37.36 ID:dUZKQMKGo
>>417

【微笑む姿に僅かな紅色が加わったなら】
【そこに映る可憐な表情はきっと、頬に染めた桜色みたいに】
【小柄な姿を包む和装は、瀟洒なその身の丈にピッタリとあっているのだろう】


妖怪はんなんて……初めて見はったのですよ
うちも櫻の国≠竄ゥら、そういうのいはるって聞いたことはあったのですけど
期待に添えるかは分からはらへんけど、よろしくなのですよ


【おっとりとした、そう形容するに相応しい彼女は】
【貴方の指先に辿られるみたいに、ゆったりと歩いて行くだろう】
【着物の裾を踏まないよう、一歩一歩丁寧に歩く姿が】

【箱入り娘のようだ、と思われても仕方がないくらいで】
【あどけない微笑みの横、紡いだ言葉の意味合いが】
【とくん、とうねるように聞こえるかもしれない】


うちは桜≠アの国にピッタリの名前でいはるのですよ
妖怪はんのお名前も聞かはってもいいです?


【すぐそばまで近寄ったなら、彼女の小柄さが分かるだろう】
【140cm前後の身長は、見下されることに慣れているみたいで】
【蜂蜜色の双眸が、見上げる色合いを強めた】
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 13:52:11.69 ID:OFUx/l/20
>>418

「ふーん、拙と同郷なんだ。その言葉遣いと良い、つまり君は大和撫子って訳だねぇ
それとも櫻撫子なのかな?
まあ、何だって良いかな。君みたいな美人さんが、拙と話してくれるならさ

……嗚呼、中には君達人間に追い立てられて姿を隠さなきゃいけなくなった妖怪も居るから仕方ないのかも知れないね
勿論、全部が全部そういう訳じゃ無いけどさ」

【まるでからかう様な言葉。人間とあまり話した事が無いと言いつつも、まるで人間を細かく知る様な立ち振る舞い】
【――――そして、緩い笑みのまま紡がれる其れは、勿論少女を責める物では無いのだろう】
【飽くまでそんな妖怪も居るだけの話。弱い者は追い立てられる、仕方の無い事】

【少女が上品な振る舞いで歩み寄ってきたならば、少し驚いた様な表情をするのだろう】
【妖怪の話――――どんな事を聞かされていたのかは分からないが、相手が妖怪だと分かっていてもそれでも尚こちらへと進んできたのだから】
【少女をマジマジと見つめる姿。ちょっと、失礼かも知れないけれど】


「……桜、か。櫻の国に住む櫻、ね
なる程なる程……ふふ、その鮮やかな着物といい、その名といい君にピッタリだ

――――拙の名前?~威。まあ、本当はその前にも色々と長ったらしいのが付くんだけど……結構めんどくさいから言わなくても良いよね?
まっ……立っていたら疲れるだろうし、座りなよ
……って言っても、この上で座ったら汚されちゃうねぇ。少し待っててくれるかな」

【少女の名を告げられたならば、渋ることも無く自分の名を告げて】
【真名、であろう。けれど其れに拘りを持たない所は、少し妖怪離れしていて】

【――――待っていろの言葉の後、己の指を絡めて複雑な印を組んだならば、妖気が固められて一つの箱が出来上がる】
【所謂、椅子代わり。「どうぞ?お姫様?」なんて気取った様に笑えば、その椅子に腰を落ち着かせる事を促すのだろう】
【さて――――そのまま座ったならば、ふわりと少女の頭の上に乗せられる小さな手が撫でる。勿論、拒む事がなければ――だけれど】
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/04(木) 14:01:49.08 ID:dUZKQMKGo
>>419

【冗談交じりの貴方の言葉は、決して下品というわけではなくて】
【むしろ理知的な聡明さを感じさせる、とても確かな音の葉の集まりで】
【指先でそっとその輪郭を撫でてみたいと思うように、頬の色合いが綻んだ】


美人はんなんて言わんといて欲しいのですよ……
うち、そういう冗談、本気で受け取らはる人なのです

妖怪はんみたいに、綺麗な御人がそう言わはったら余計に……
……照れてしまわはるのですよ


【言葉に嘘はなくて、桜色の頬に僅かな紅花が姿を覗かせる】
【それは開花する前の蕾にも似て、春を待ちわびる必死な姿のよう】
【頬に手を当てて少ししゅんと俯き加減の様子は、汐らしいとでも言うべきか】

【それでも、続く言葉に、少しその表情も褪せを見せる】
【住んでいるからこそ、分かるのだろう、妖怪を迫害する人もいる、ということが】
【――――――そしてそれが、ほとんどの人間に於いてそうである、ということも】


そんな心配しはらへんでも大丈夫なのですよ、そんなん気にしはらへ……わぁ……!
すごぉぃ……とぉっても凄いのですよっ、椅子ができはったもん
助からはったわ、おおきにな~威はん、実は言わはると……うち、疲れてはったのですよ

……んぅ……~威はん、ええ人なのです……


【まじまじと見つめられる様子を、少し不思議そうな表情で返すだろう】
【小首をかしげたなら、黒髪がそっと白い彼女の頬に溶けていくよう】
【目尻に刻まれたタトゥーが少しいびつさを感じさせるも、整った顔たちと言っていいだろう】

【言葉に甘えてちょこんと座ったなら、両手をお膝の上で重ねて】
【撫でられる貴方の柔らかな指先、仄かな体温が、艷やかできめ細やかな髪を通して伝わってくる】
【絹糸のような質感の黒髪が、貴方の指先にたぐられていくみたいに】
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 14:24:28.09 ID:OFUx/l/20
>>420
「良いんじゃ無い?拙も君の言葉を本気に取って良いのなら……拙みたいに綺麗な人が君を美人と言うんだ。だから、本気で取っちゃって欲しい位だよ
んー……まあ、君が拙を綺麗といってくれたその言葉を取り消すのなら、さっきの言葉も冗談に出来るのかもしれないけどさ

それにしても……ふふ。人間って言うのは面白いね。謙遜、って言うんだっけ?
ほら、桜のほっぺたが赤くなってきたよ?」

【少女の言葉を盾にする位には、卑怯】
【君が綺麗と認めたくれた人が、君を美人と認めているのだから、それを否定したならば――――なんて】

【少女の頬に少しの朱色が差し込んだならば、その変化を楽しむかの様に指先で突っつくのだろう】
【人間としての体温を楽しんでいるのか、それともただ本当に少女をからかって遊んでいるのか、其れは当の本人にしか知り得ぬ事】
【ただ――――楽しそうにしている所を見れば、後者であろう】
【ぷに、ぷに。静かに突く指先が、少女の恥じらいを更に自覚させる様で】


「ん……まあ、そんな凄いことでも無いよ。人間だって、出来る人は沢山居るだろうしさ
そ、れ、に。拙は人じゃないよ。褒めてくれるなら良い妖怪って言ってくれなきゃ……ねぇ?」

【驚きを伝える言葉と、褒めてくれる言葉。どちらに対しても擽ったそうにするけれど】
【――――言葉の綾。「良い人」に大して、それは違う。外見相応子供じみて、むっと頬を膨らませる表情】


「しかし……君もお人好しだよねぇ……疑う事を知らないというか、“妖怪”が作り出した物に感謝すらしちゃってそのまま座るなんて
もし、拙が悪い考えを抱いて居てさ、桜の事を連れ攫って妖怪の沢山居る場所に運んでいこうとしてたらどうするつもりだったのさ
……妖怪に初めて会ったって言ってたけどさ。ねぇ、桜。君が今まで妖怪に対してどんな風に思っていたのか教えてくれないかな」

【人間と敵対する事も少なくは無いであろう妖怪。少なくとも、今まで会ってきた人間の大体は自分等に警戒を抱いて接してきた】
【だから、目前の少女には素朴な疑問。先程も警戒すること無く近寄ってきてくれて、今もこうして頭に触れさせてくれている】
【――――髪を梳いていた手を止めたならば、視線が少女に向かって下されている事が分かるだろうか】
【傾げられた小首。答えを促す、その動作】
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/04(木) 14:34:57.53 ID:dUZKQMKGo
>>421

【指先で突っついたなら、わふぁ、なんて声にならない声がもれるだろう】
【クッションのような柔らかさは包み込むような彩りを添えて、貴方の指先をとろんと蕩かす】
【仄かな体温はきっと、夏の日差しを一杯に浴びた花びらみたいで】


うぅ……意地悪やなぁ、~威はんわぁ……
も、もぅ……突っつかはらんといて、子供みたいやさかい恥ずかしいのですよぅ……


【あうあう、と若干言葉に詰まって言葉が口内で溶けてなくなる】
【饒舌で余裕を持った貴方の言の葉はとても嫋やかで、それでいて意思を感じさせる】
【一方の彼女は、と言えば、貴方のペースに巻き込まれて、ややあたふた】

【何度もほっぺたを突かれて、きゅーっと顔を真っ赤に染めて】
【仕返ししはるのですよ!と言いつつ、彼女の右手をばっと伸ばして、貴方のほっぺたを突っつこうとするだろう】
【だがいかんせん、遅い、見てからでも十分に避けられる速さだ】


……そやったなぁ、堪忍なぁ、~威はん

うちは~威はんを信じとったのですよ、そんなことしはらへんと思わはったのです
……うちは力も強うないし、頭も良くあらへんし、かと言って強い能力があるわけでもなのです
せやけど、誰かを信じることぐらいは、信じ続けはることぐらいは、できるつもりなのですよ

うちは、妖怪も人間も、そう違うものやないと思わはるのです
……やから、あんまり~威の期待には添えへんのちゃうかな


【少し考えるように空を見上げたなら、彼女の横顔が、貴方の視界に映るだろう】
【どこか遠くを見るように蜂蜜色の瞳が昇華したなら、黒髪を纏う横顔の景色が乱れる】
【微笑みの姿が色を変え、どこか真っ直ぐな眼差しが、小さな唇の色に染められて】

【桜色の小さな口を濡らしたなら、そこから聞こえるのは、少し期待はずれの言葉かもしれない】
【なぜならそれは、本当に人≠フ立場からした言葉ではないのだから】
【だから期待に添えない、と少し申し訳なさそうに視線を向けて、首を傾けながら、貴方を覗きこむだろう】
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 15:04:34.39 ID:OFUx/l/20
>>422
「妖怪は君達人間に意地悪するのが仕事だからねぇ……あ、ほら、また赤くなった
まー、拙も子供桜も子供。なら、何の問題も無いことだよ。それに……ふふ、桜が真っ赤になっていく様子を見ているのも面白いしね

――――仕返ししたいなら、どうぞ?されたら数倍にして返すのが拙だから、当然覚悟はして貰うよ?」

【恥じらうその姿を楽しんで、頬の感触を楽しんで、何より少女との語らいを楽しんで】
【止めてと言われれば、もっとしたくなるのが性。故に、突っついていた指が優しく頬に沈められたならば、痛く無い程度にグリグリと回されて】

【その最中に見えるのは、少女のしなやかな指。だけれど】
【争いが染みた身体は、避けようとする。だが、理性が害は無いと判断したならば、少女の指先は妖怪の頬へと触れられる事だろう】
【人間よりも幾分か低い体温。けれど、触れればそう違いは無いと分かるであろう】
【きめ細かな肌の感触が少女の指先に伝わるはずで、指を沈めるのならばその柔らかさだって伝わるだろう。――――勿論、怪しげな企みを浮かべた笑みだって見る事になるかもしれないが】


「だけど、性格は良いよね。桜って

……確かに、君の言葉は拙が期待してたのと全然違う。きっと、掠りもしていないよ
でも……それが桜の答えである事に変わりは無いんでしょ?――――なら、ありがとう。あんまり聞く機会って無いから、さ」

【謙遜。それとも、卑下。少女が言った時の気持ちを汲む事は出来ない】
【だが、語りの最中に口を挟むようにするのは、冗談の類とはまた異なった存在】

【――――全てを聞いたならば、緩めていた口元だって締まって】
【最初こそ、まるで期待はずれだった。そう言うかの様な“演技”。実に、質の悪い性格】
【続けられた言葉こそが本音であって、だからありがとう何て言葉を紡ぐのだろう。やや、考える様に俯けば――――】


「じゃあ……拙を信じた君の負けだね。短い人生、楽しかった?
これから手も足も顔も全部食べられちゃう訳だけど……何か、伝えたい事があるなら代わりに伝えておいてあげるよ?
――――――なーんてね。冗談だよ、冗談。桜の答えを教えてくれたちょっとしたお礼。空から見る事なんて、あんまり無いでしょ?

…………あ、ほら。あそこに見える大きな桜の木がある場所が、今の拙等の住んでる郷だよ
機会があったら、今度来てみなよ。みんな気さくなヤツ等だし、多分楽しいんじゃ無いかな」

【面を上げた頃、其処には一匹の冷酷な妖怪】
【放たれる言葉も酷く冷たく、まるで今から妖怪の巣窟へ少女を放り込まんとする其れ】
【――――少女を掬うように抱え上げる、所謂お姫様抱っこ。漆黒の翼を用いてある程度の高度まで行ったならば、クスッと笑い】

【霧も無ければ、地平線だって優に見渡せそうな景色。高ければ、風だってよく感じる事が出来るだろうか】
【妖怪なりの、過ぎた“仕返し”。そして、些細な“お礼”】
【顎で示す先には、確かに目立つ位に大きな桜の木があって――――何時か、遊びに来ればいい、なんて】
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/04(木) 15:14:30.85 ID:dUZKQMKGo
>>423

【指先に感じる貴方の肌の感触、それはいつまでも触れていたくなる暖かさに濡れていて】
【体感的な暖かさとは違う、心を温めてくれるその柔らかさが――――――】
【ずっと、ずっと、このままでいたいなんて思えるぐらいに】

【だからこそ、見せた貴方の横顔が傾いた横顔みたいで――――――】


ふぇっ……えっ……~威はん、何言うて、はんの……?
そんな言葉こわっ――――――ふぁぁっ!?


【どくん、と震える彼女の小さな胸の音、その音が聞こえるぐらいに】
【気づいたなら、彼女の足がふわりと地面から離れて】
【わわ、なんて言葉をあげたら、そこに映るのは、空の景色】

【お姫様抱っこされてることに気づいたのは、少ししてからで】
【不安そうに両手を胸の前に添えて、じぃと貴方を見上げたなら】
【そこに映る、クスリとした笑いで、すべてを理解するのだろう】


も、も、も……もう!!!何しはるんの!!
ホンマに……ホンマに怖かったのですよ……ぅ……~威はん……っ!!

え――――――桜……?……ホンマ、大きな桜の木が、あらはる……


【貴方の腕の中、叫ぶ彼女の様子はきっと、本当に信じ込んでいたようで】
【見つめる蜂蜜色の目尻から落ちた僅かな涙が、目元のタトゥーを濡らしたなら】
【目尻に紡がれた花びらがきらめいたように】

【けれども、その様子も、貴方の言葉に惹かれて地面を見たら消えてしまった】
【わぁ、なんて言葉とともに映る、無限に広がりそうな広大な空と、地面と――――――】
【そしていつまでも脳裏に焼き付いていそうなくらいに、大きく荘厳な、桜】
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 15:39:53.30 ID:OFUx/l/20
>>424

「プッ…………ふふふ…………ほんっとに桜は純粋だねぇ
いや、ごめんごめん……桜みたいな人間を見てるとさ、ついからかいたくなっちゃうんだよねぇ……
ほらほら、悪かったからそう泣きそうにならないで」

【叫ばれれば、上機嫌。高度を保っているのに、不思議と羽ばたきの音は小さくて】
【――――桜の木。少女の視界に収まったのだろうか。不服を叫ぶ言葉も聞こえなくなれば、袂でその僅かな涙を拭いつつも今一度「純粋だなぁ」だなんて】
【どの程度其処からの景色を楽しんでいたかは分からない。数分か、数十分か】
【適当な場所へ飛んでいったり、時には鳥の群れの間を縫うように飛翔していたけれど、やがては少女と最初に出会った場所へと降り立って】


「さって……そろそろ時間、かな
ねえ、桜。今日は拙と話してくれてありがとうね
そうだねぇ……今度会うことがあったら、その時はデートでもしよっか。空でも海でも、人間の場所でも
あ、今日みたいな意地悪は多分しないから安心してね」

【少女の脚を地面に着けさせたなら、緩い笑みが口元に浮かぶのだろう】
【――――冗談か、本気か分からない提案。約束ねー。何て言ってしまば、先と同じ様に頬を突きながら語るのだろう】
【バサリ。広げた翼。其処から、羽を一本取って】


「コレ、良かったら持っててよ
拙等の村に来たいときに燃やしてくれれば、君の居場所が分かるし
もし妖怪に襲われたときは……うーん……弱い妖怪くらいなら逃げてくれるんじゃ無いかな
分からないだろうけど、拙の妖気が染みついてるし……上位とかの妖怪相手だったら、どうなるか分からないけどね」

【お守り代わりとして、少女に手渡そうとするだろう】
【燃やせば少女の居場所が分かり、~威の纏う妖気によって下位の妖怪位ならば退けられる。なんて品】
【受け取るも取らないも、勿論少女の自由だけれど――――その間も、実に楽しそうにほっぺたや耳やらを弄っていて】


「じゃあ、みんなが待っていると思うから拙はもう帰るよ
……桜、帰り道転んで怪我をしたり、悪い人間に騙されない様に気を付けなよ?
何か、君を見てると不安でさぁ…………」

【心ゆくまで少女の反応、或いは肌触りを堪能したならば、その手を振って背中を向けるのだろう】
【両手を広げた時よりも、更に大きな翼。一度羽ばたけば、突風が地面を叩いて】
【――――遙か上方。手を振って別れを告げたならば、風の様にその場から居なくなってしまう】

/そろそろ時間が来ましたのでこれにて……!
/お疲れ様でありましたですよ!
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/04(木) 15:47:52.68 ID:dUZKQMKGo
>>425

【からかう貴方の姿は、上機嫌な色を浮かべているのだろうか】
【或いはまた、彼女の思う馴れ初めのよう、静かな戸惑いが相手に見つからないように、と】
【降り立つその瞬間に、高翌揚する胸の形を辿られないようにしたかった】


うちも楽しかったのですよ、ありがとうはうちの言葉なのです
断る理由なんかあらへんと思うのです、うちも~威はんとデートしたいさかい

……当たり前なのです、これ以上意地悪しはったらさすがのうちも怒らはるのです


【地面についた足、両手をそっと帯の辺りに添えたなら】
【頬を突かれてやっぱり恥ずかしそうな色を見せながらも、気分は悪くないのだろう】
【冗談交じりに答えたなら、ほほえみを見せながら視線が揺れるだろう】

【空を舞う羽根のよう、むしり取られた一本が落ちてきたなら】
【なんだろうと思って、そのまま視線で追い続けるだろう】


わぁ、凄い羽根なのです……とっても、大事にしはるのですよっ
……わ、わ……で、でも勝手に触らはるのはダメなのです!

ぁっ……うん、分からはったのです、また合うのですよーっ!


【風に満ちて消えていく貴方の姿、見送る彼女の視線はゆるやかに】
【消えていくその姿を、強く有情の中に感じていた】


/グッドタイミングです!お疲れ様でしたー
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/04(木) 20:11:10.09 ID:VGHZCiRm0
【ここは、街からは少し離れた、だが、確実に街へと繋がる大きな水流の脇、所謂「河原」と呼ばれる場所】
【そこには大小様々な石や、流されてきたであろうゴミや木屑、あとオマケに家無し人がいたりいなかったり……】

【そんな場所にある大きな石の一つが、突如、巨大な"手の様な何か"に摘まれて持ち上げられてしまう】
【適当な鉄屑を寄り集めて、鉄板で無理矢理形作ったようなそれは、それはそれは大きな"左手"を象った鉄の拳】
【その"手"が石を持ったまま移動する先には、これまた大きな石や材木で作られた、高さ4、5メートルほどのちょっとした塔】
【恐らくは、この"手"によって積み上げられた石の山、と言った所か】
【"手"はその内に持った石を更に積もうと上空へ浮遊していく。が、あと少し、と言った所でその動きを止めてしまった】

んん?5メートルってこんなに短かったっけかァ?

【その様子を見てそんな言葉を零すのは、異端の塊といったこの世界においても、二度見どころか三度見しても可笑しくない異常な存在だった】
【軽く2メートルを超えるかという巨躯。体中を覆う虎模様の毛皮】
【臀部から伸びる猫の物と思わしき長い尻尾が時折、背中に掲げられた逆五芒星の存在を遮ったりしている】
【装着された金色に輝く金属製のグローブとブーツが、彼が人間であることを辛うじて主張していて、】
【欠けた左耳の上を駆ける様に右目に掛けられたアイパッチと、ピンク色の蝶ネクタイが"彼"の異質さを際立たせている】
【兎も角、そんな奇天烈で破天荒な、虎ネコの"キグルミ"を身に着けた人物が、公園でも遊園地でも無く、何故か河原にいた】

まあいいか、リハビリもこンぐらいで終っとくか
第一腕折られたりしなきゃなぁ……案の定上からはイチャモンの嵐だしアイツらには笑われるし……これだからガキは…ブツブツ…

【キグルミの人物は未だに愚痴愚痴と五月蝿いが、とりあえずと左手を少し捻れば、その"左手"は抱え込む大きな石を脇に放り投げる】
【それから間髪入れず、「オラッ」と少し気の入った掛け声が響けば、"左手"の拳によってその塔は完膚なきまでに破壊されてしまった】
【見様によっては喜劇である】
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 21:00:50.12 ID:YgpzFbDDo
【静かな海辺】

【波の音に重ねて、少年の透き通る歌声が響く】
【続けて砂をさくと踏む素足、その手には、スニーカーを携えて】

 「――♪」

【澄んだ声と、あどけなさの残る顔立ち】
【15、6歳のように見えるけれど、割に高めの身長が分からなくさせる】

【紅茶色の、襟足に掛かる長さの柔らかい髪】
【時折足に掛かる波を擽ったげに見る瞳は、綺麗なオリーブ色】

【幾本かのピンで留めた前髪、】
【シャツのタイを緩めて、スラックスの裾を捲り上げた、ラフなスタイル】
【何処か大人びている、けれど、不自然でない】

 「……、――」

【子守唄のようにやさしい声が不意に途切れ、歩む裸足が止まった】
【同時に、潮風の向きが僅かに傾く】

 「……いいよ、ついておいで」

【押し寄せて、そして還りゆく筈の波が、その一言で】
【まるで生き物のように少年の足許に留まり、ぱしゃんと水音を上げる】
【同時に、その周囲には黄緑色の燐光が、蛍のようにふわと漂い始め】

 「うん。 いい子」

【夜色の空を背景に――少年は、花も綻ぶ笑顔を溢した】
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/04(木) 21:16:24.09 ID:K1VvshPmo

【水の国・河原付近】

―――……トラウトォォォッッ!!!!

【悲痛な叫びと共に金髪の男は夢から醒めた。直ぐにその声は虚空に吸い込まれて、また何時もと変わらない水の音だけが延々と続く】
【芝生のベッドから上半身を起き上がらせ、男は左膝を抱えた。目の前の川は彼の心情など何も知らずに、ただ流れるだった】
【―――嗚呼、久しぶりに見るとびきりの悪夢だ。なんせ、故郷と師匠を同時に失ったあの日をその夢が描くのだから】

【……呆然として宵闇の月を見上げるが、視界は何故か滲んでおり。その後、降ってもいない雨が頬を伝う感触がした】
【灰色のジレの下の白シャツの袖で、目元をゴシゴシと擦る。また直ぐに、視界はぼやけた世界を映す】
【長時間芝の上に腰を下ろしていた為か、ジーンズはやや汚れていた。しかしそんな事は今はどうでも良かった】

―――……最悪だ。いや、確かに忘れちゃいけねぇんだけどさ……夢に出るのは勘弁してくれよ神様……
くっそ、何でだ……ホント俺って泣き虫だよなァ……クソ……!!

【肌の上を滴が滑り落ちて、乾いた芝に潤いを与える。目の前に見える川の流れと同じく、その涙も止まらない】
【唇を噛み締めて震えた言葉を漏らしながら、男は隣に置いてあった青のソフト帽をこれでもかというほど深く被った。その情けない表情を隠すために】

【悲しみと怒りと憎しみが混ざった感情は確かにこの胸から沸き上がっている。然し怒りと憎しみは、決して行動に出してはいけない】
【―――今まではその事を守ってきたが、やはりあの瞬間を思い出した直後になると葛藤せざるを得なかった】
【多くを奪ったカノッサを俺は殺さずにいられるだろうか。もし「信念」を破ってしまったら、俺はどうなってしまうのか―――】

決して殺さず……復讐の為ではなく
俺がカノッサと戦うのは目の前の人間に少しでも長く生きてもらう為だろーが忘れんなよこのバカ野郎がッッ!

【―――突然声のボリュームを上げたかと思えば、自分で自分の右頬を思い切りぶん殴った】
【この痛みが、怒りと憎しみを吹き飛ばし自らを覚ましてくれる。……しかし周りから見れば、何とも奇妙な光景であるのだが】

【未だに潤む紺碧の双眸で、月光に煌く川を見つめる。流石は水の国と言わんばかりの、透明感溢れる川の水が放つ輝きはとても美しかった】
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/04(木) 21:32:11.44 ID:54iUNhEd0
>>429

――――――――おい……何を1人で喚き散らしているんだい……ぃ?
せっかくの過ごし良い夜が、台無しじゃあないか……ぁ
ここはパブリックの空間なんだよ、ぉ……?

【――――どこからともなく、男の物と思しき声が聞こえてくる】
【どこか間延びした、それでいて掠れる様な響きにも聞こえる、歪な声が】
【やがて、宵闇の中から1つの影が、のそりと起き上がった】

……お前1人の空間だって言うなら、別に構いやしないさ……ぁ
でも……せっかくの静寂を、滅茶苦茶に踏み散らしてしまうのは、良くないね……ぇ

【起き上がった影は、そのまま立ち上がり、下半身をぱしぱしと軽く払うと、男の側へと寄っていく】

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年】

【どう見ても浮浪者の類と思しき服装だが、その瞳はギラギラと不気味な輝きを湛えて】
【どこか興醒めした様な表情で、男の事をじっと見下ろしていた】

……自分だけしかいないと思ってただけなら……別に良いさ……ぁ
だけど……自分の記憶に呻いてる、お前の言葉を聞いてしまったのは……僕の責任じゃないからね、ぇ……?

【男の口にした言葉が、何らかの過去の記憶に苛まれての事だと、青年も薄々感づいているのだろう】
【だが、その事には然程の興味は無い様で、じっと表情を変えないまま、男を見下ろし続けていた】
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 21:33:20.90 ID:+Jbb8djo0
【街中――明かりのない空き地】
【真ん中にぽつんと生え出た団栗の樹、黒緑色の葉を月明かりが乱雑に照らし出す】
【月明かり色と夜闇色とで真っ二つに割れる樹の幹、――ぼうと彩って舞う、人魂めいた煌きが、いくつも】

……――、

【通り縋っては照らし込んでいく幹のたもと、膝を畳んで座る体育座りのひとかげがひとつ、】
【夜色と魔力色で煌く中、純白色した腕を伸ばしたなら、かき混ぜるよな仕草――纏わりつくのに、笑っていた】

【――真夜中の色をした髪、躊躇いなく地面にぶちまけたのは、まるで黒蛇のうねるようにも見えて】
【長めの前髪越しに煌くオッドアイ、黒赤の双眸は映りこむ二色を映しこんで、曖昧な色へ化けるまま】
【生成りのワンピースに真紅のタブリエ、ミニ丈のスカートは布地を孕んでふわと膨らんで】
【ぽいと投げ出されるような足、長いソックスと、ヒールの高い編み上げのブーツと】
【辺りを煌かせて彩るのが黄緑色を薄ごろもめいて羽織った桜色の魔力光、――ひとつぶ捕まえる指先、少女のもので】

ずるい、なぁ――あの子たち、ただのぬいぐるみのくせに

【笑っているくせに笑っていない声、金属質の響を伴うなら、鈴の音を思い出させるよな声音で響いて】
【捕まえられた燐光のひとつが手の内で弄ばれるながら。やがて喰われたように消える桜色、残るのは黄緑色だけ】
【そうなれば今度こそ。咲うような笑みを零して――纏う気配、つめたいものからあたたかに】

……明日のご飯どうしようかな、最近暑いから――――

【――おかしなぐらいに澄んだ水の、人外の、気配がした。まるで隠さないなら、ここに居ると知らせるほどに】
【根源まで辿ろうとしたならここへ辿りつくぐらいにくっきりと。上機嫌な声、害意の類はなさそうだった、けれど――】
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 21:52:08.95 ID:YgpzFbDDo
/>>397で再募集
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/04(木) 22:07:56.41 ID:K1VvshPmo
>>430

……いいじゃねーか、ちょっとセンチメンタルな気分なんだから許してくれや

【トーンの低い声でボソリと男は呟く。突然の歪な声にも、身体をびくつかせて反応する様子はなく】
【2つの紺碧は何も知らずに流れる川に向いたままである】

ハァ……こんな所ですらのんびりできないんじゃ、生きづらい世の中になったと言われるのも良く分かるぜ―――……ッ……。

【大袈裟に男は溜息を吐けば深く被り過ぎたソフト帽を軽く上げ、乾いた瞳を動く影へと向けた】
【―――不気味な男の姿が瞳に映り込む。その瞬間、感覚が研ぎ澄まされると同時に頬の痛みがより鮮明に感じられた】
【……自然と身が締まると言う事は、要はこの男に本能が警戒している証拠とも言える。見下ろすその瞳に、得体のしれない何かが見えたような気がして―――】

―――随分と攻撃的な目をしてるんだな……もっと穏やかに行こうぜ
ま……誰もが何かしら暗い過去を抱いてんだからさ、別に聞かれたってどうもこうも無いさ

人の過去話に興味あるなんてのは年頃の女性くらいだろ?

【警戒をアピールするかの如く機敏に立ち上がれば眼前の男と正対する。その動きは少し不自然と言うか―――体重が妙に左足に寄った動きだった】
【右足首に包帯が巻かれているのを見れば、それを庇う動きだと分かるかも知れないが……】

……アンタ、苦労してそうだな―――ま、普通の人生は歩んでないのは間違いなさそうだ
その目、その表情、その雰囲気……ノーマルとは言えないモンな

【数秒凝視して、苦笑いと共に零した言葉。眼前の男に確かに「異質」を感じた為に零れた内容だった】
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/04(木) 22:12:27.89 ID:CcMHZZrCo
>>397>>432

【むごたらしい惨状、その様相の中に】
【足を踏み入れる人影が、サーチライトに照らされるが如く】
【その細身を揺らしたなら、その先の視線に届く、よう】


……これは、貴様がやったのか
悪趣味なものだ、だがピッタリではある

――――――能力者を葬るのに、ピッタリの……


【白銀のセミロングの髪を靡かせて、長い前髪から鋭く青い眼を覗かせる】
【やや長身でスラリと伸びたボディラインを濃い青のストライプのシャツで包む】
【燕尾服調の高級そうな黒のスーツとネクタイ、細く長い指先はシャツと同じ色の手袋】

【男性らしからぬ女性的な端正な顔たちは、まるで仮面を貼りつけたかのように無表情で】
【陰鬱な雰囲気を纏う、儚い印象を与えそうな青年が歩みを寄せたなら】
【ポケットに突っ込んだ両手が、静かに濡れた】

435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 22:25:48.76 ID:OFUx/l/20

【暗い森の中、響くのは獣達の咆哮――――やがて、断末魔】
【真っ白なガウンを纏って、キャスケットを被った少女が其処には立っていて】
【純白の髪。其れと同じ色の大きな翼が背から生えている事が印象的だろうか】


「野生の世界と言っても、実力を見極められなければただ死ぬだけ。と、弔いの言葉を投げてみる
次に生まれた時は、もっと身長に行動る様にすると良い。と、願ってみる」

【やけに特徴的な話し方。両手にそれぞれ握られているのは、S字型にカーブした刃】
【その鋭き先端から滴る鮮血を見れば、其れが少女の得物であると分かるだろうが――――】
【チラリと見えたガウンの内側。其処にも大小様々な刃が収められており、腰には円盤形の刃が吊り下げられていた】
【表情の変化に乏しい――――と言うよりか、能面の様な顔。言葉だって、起伏が無ければただ無感情に言い放っているだけの様にも思えるが】


「……要らない時間を取られてしまった。と、嘆いてみる
少し、急いで戻らなければ――――……ッ」

【足元に転がる魔物達を一瞥したならば、その場から去ろうとするけれど】
【不意に止まった足。じわりと腹部から漏れ出た血液を見れば、遅れて痛みを感じて】
【命に関わる程でも無い。だけれど、歩いたり飛んだりするのには苦労するくらいには深いのだろう】
【無感動な蒼の瞳は何を思っているのか分からないが……付近の木に背を預けたならば、溜息を吐いて】
【――――この時間。魔物が多く出現すると言われているこんな場所に少女が一人で居るのは、やはり異様な光景か】
【獣の断末魔か――――或いは、少女が放つ“聖”の魔力。そのどちらかを便りに訪れる者は居るだろうか】







【街の中――――昼間の様に行き交う人が居る訳でも無く、寧ろ皆無と言ってしまっても良い状況】
【その道の隅、公園の側に捨てられている段ボール。怠惰者の廃棄物だろうか――――否。その中にはナニカが収まっている様】
【段ボールの蓋を閉められず、はみ出る所を見れば嘸かし大きな…………】


「…………」

【物では無く、人であった。燕尾服を纏った女性。体育座りして、その中に収まっている】
【闇夜故に目立つ事は無いが、よくよく見てみれば段ボールに書かれている「拾って下さい」の文字】
【犬猫ならば分かる。が、人間とはこれまた珍妙な事態】
【こっくりこっくりと船を漕いでいる所を見れば、完全に寝ている訳でも無い様だが……さて、誰かの悪戯だろうか】


「……主様、またお菓子ばっかり食べて……むにゃ……」

【寝言じみた事を呟けば、膝でゴシゴシと頬を擦って】
【浮浪者にも見えない格好。だけれど、こんな所で段ボールに収まっているなんてまともな人間では無い事は確か】
【近づいてみたならば、片目を隠すように伸ばされた蒼髪。そして、頭に生えた獣の耳が見えようか】
【ある程度近づいたって、気付かない位には睡魔に襲われているようで】
【声を掛けられれば、初めて寝ぼけ眼を上げて相手を見るけれど――――】
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/04(木) 22:26:44.56 ID:fIgDV1QTo
【とある病院の隣、自然公園の広場】
【そこには数日後に迫った七夕のための催しか、大きな笹が幾つか据えられていて】
【無数に下がる短冊にまた1つ願いを足そうという少女が一人、居た】

【赤と桃の中間色という珍しい髪を腰ほどまで伸ばし、服装は涼し気な七分丈】
【飾り気と、それにあまり快活さの見えない辺りからして入院患者なのだろうか】

んっ……もうちょっと高くないと結ぶ場所がない、かな……?
もうちょっと、だけ……っ、――――!

【手には短冊。既に笹の下枝は埋め尽くされていて、少女は備え付けの足場に乗り】
【(見ようによっては成人に近い歳ながら)幼女のように背伸びして、紐を笹に結びつけようとする】
【しかしありがちな話で、ふとした拍子にその足場がぐらりと揺れてしまい―――。】
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/04(木) 22:26:52.59 ID:54iUNhEd0
>>433

……その感傷のせいで周りに迷惑が掛かるって言ってるんだけど……ぉ
まぁ良いや……これ以上叫ばないんなら、別に構いはしないよ……ぉ

【白けた様な表情をしながら、内心ではわずかに苛立ちを感じているらしい青年は、それでもそれをじっと押さえて】
【鼻白みながら肩をすくめ、それ以上追及をしなかった】

…………そんな事、とっくの昔から分かってた事じゃないのかい、ぃ?
もう何年も……世界は、今の形相から大して変わって無いだろう……ぅ?

【一瞬言葉を詰まらせた様子の男にも構う事無く、青年は言葉を紡ぐ】
【まるで下らない話でもする様に、事もなげにそう言ってのけると、青年はため息を1つ零す】
【それは、この世界の現状にうんざりだと、口に出さずに表現しているようだった】

僕にとっては、これが当たり前さ、ぁ…………別にお前を特別に睨んでる訳じゃない……ぃ
当たり前の目で、当たり前の事を喋ってるだけさ……ぁ

【ぎらついた瞳をそのままに、無表情ながらもやや険を取ってみせる青年】
【確かに、青年としてはその表情は特段珍しい物でもないのだろう。その所作は、非常に馴染んだものだった】

(…………歪な体重移動……身体を痛めてるね?
……何かある人間なのは、確かみたいだけど……)
あぁ……別にそれぐらい、珍しくもない…………生きてるなら、嫌な過去の1つや2つ、無い方がおかしいってものさ……ぁ

【じっと男の不自然な動きを見据える青年。すぐに男の足の異常に気付くが、それを指摘する事は無く】
【そして男の言葉には、首肯で返す。青年自身にも、男の言葉に思い当たる所があるのだろう】

――――それはお前こそなんじゃないか……ぁ?
さっき機関の事を口にしてた…………普通の人間が、あんな事を言ったりはしない……ぃ
お前……機関に対してアクションしているんじゃないのか……ぁ?

【男の追求には何も応えず、むしろ青年は逆に男に問い返す】
【つまるところ、青年の興味はそこにあるのだろう。わずかに瞳の光に力が籠って】
【じっと切迫した表情で、男の顔を見据えながら、青年は問う】
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 22:28:38.05 ID:YgpzFbDDo
>>434

【現れた相手を檻の上から睥睨する視線は、氷点下の剃刀にも似て鋭く冷たく】
【近寄られるのに対しこちらは微動だにしない】
【無言の惨劇場が、張り詰めた緊張に包まれる】

【――どさ、と何処かで死体が落下する音がした】

それに「健常者」も加えるんやったら、仲良うしたってもええんに……

【漸く言葉を発した男は、次いで檻の上からそのまま舞台の下へ飛び降りる】
【だが、在るべき筈の足音が鳴らなかった。 男は平然としてあるべき床に立っている】

【耳鳴りさえしそうな静寂の中にも関わらず、微かに微かに聞こえるのは】
【髪に挿した彼岸花から砂時計の音で散っていく、青藍色の燐光のみであった】

……仰りはる通り。 あッちの……月彗の手前にござんせ。

【くす、着物の袖を口許に当てて細身の肩を震わせて】
【男の癖に遊女めいて笑う。 名乗りさえそれに類似して、妖艶に】
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/04(木) 22:34:27.95 ID:CcMHZZrCo
>>438

【―――その様子を美しいと思うぐらいには、彼にもまだ人の心は残っているよう】
【微笑む姿とは言いがたいが、ほんの少しだけ、鉄面皮に罅が入ったなら】
【静かな戸惑いの欠片も見せない、不遜な姿を晒し続けた】


……名乗れと言ったつもりはないがな
そちらから名乗るのなら、俺も名乗ろう

カノッサ機関No.4 Fear,Seven for Four
――――――No.2と呼んだ方が良かったかな


【艶やかな笑みだと思った、ソレ以上もソレ以下も感傷もわかない】
【ただ冷静な声を上げたなら、視線を同じ方向へと傾けて】
【燕尾服の裾が、激しく音をかき鳴らした】

【両手に握る拳銃―――FN Five-seveNの銃口をまっすぐに貴方へと向けて】
【振りぬきざまに発射、銃弾を合計二発、貴方に向けて発射する】
【距離はある、回避はそう難しくないだろうが】
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 22:49:44.56 ID:YgpzFbDDo
>>439

【相手が機関の者と知って、男は驚く風も無かったが】
【ただ少しだけ、酷く愉しそうな顔をした。 それだけだ】

【知る者が見れば、割合機嫌が良いようにも見える】
【尤も平時がどれ程かなんて、相手の知る所では無いのだが】

No.4……

【一点だけ興味を抱いたようにぼそりと復唱したのは、その数字】
【ほぼ同時に相手の発砲――対して、男の周囲で青藍色の燐光が舞った】

【回避もせず微動だにしない男が、ついと腕だけを伸ばす】
【その手から忽ち顕現されるのは青藍色の薔薇一輪】
【鋼のような硬質な音を上げて、多重に重なる花弁が銃弾を弾く】

……追っ手、やろか?
大層なこつやわ……――――とっとと退きよし。

【――薔薇が散る】
【直後、その足許で床が歪に膨らみ、恐ろしい勢いで何かが突き出した】

【青藍色の毒々しい一本のイバラ。 それは大樹の幹程の太さと重量で】
【周囲の死体を巻き込みながら、蛇行する動きで相手を蹂躙せんと踊る】
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/04(木) 22:50:30.42 ID:4hRJ+yrPo
>>435

【月光が照らす静かな道】
【街中にあるその道は、昼間は大勢の人で賑わうが】
【今歩くのは、ひとりの女―――見た目は少女とも女性とも言える程度の年頃で】
【不自然なほどに存在感が無く、気配が薄い】
【竹製の杖をつきながら歩く速度は、老人のようにとても遅く】

はぁ、はぁ

【身に纏うのは蒼い矢羽模様の小袖に紺色の袴といういかにも櫻の国風な恰好】
【黒髪はうなじの上でピンでまとめ、黒い瞳の上には縁のない眼鏡をかけている】
【そして、首には櫻の国の古い言葉が書き込まれた長方形の紙――所謂「御札」が巻きつくように何枚もべったりと貼り付いていて】
【目立たない恰好の中で、そこだけがどうしても目立つだろう】

ふぅ……?何あれ

【歩いていただけだが息を切らして、立ち止まれば】
【明らかに不自然に佇むダンボールに気付き】
【杖をつきながらゆっくりゆっくりと近づく】

拾ってください……って
おーい、何か事件にでも巻き込まれた?

【燕尾服の女性の姿を確認できる距離まで近づけば】
【とりあえず、といった様子で声をかけるが、気配が薄い上に声もあまり大きいものでは無いため】
【起きないようなら、女性の頭を、無遠慮に杖の先っぽでコツンと突っつこうとする】




442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/04(木) 22:56:33.54 ID:CcMHZZrCo
>>440

【こちらへと襲いかかる巨大な茨、質量強度ともにかなりのものであろう】
【両手に握った拳銃を、すっと腕の先で交錯させたなら】
【視線の高さに上げた銃口を引き絞るように】


……勘違いするな、貴様がナンバーズ≠ナあったことなど、大した理由でない
貴様が能力者≠ナあることに理由があるのだ

――――――Liquid Tension Experiment


【小さく発した彼の能力の名前、その瞬間、彼へと迫る茨の動きが急激に遅くなるだろう】
【視線を凝らしたなら、彼の後方に、薄い近未来的なモニターが出現したことに気づける筈だ】
【モニターはすぐに閉じ、茨は通常の速度を取り戻すだろうが、彼にとってはその一瞬で十分であった】

【強く地面を蹴って跳躍、そのまま、一瞬速度を落としたであろう茨に飛び乗ったなら】
【茨を蹴り、更に前へと跳躍、貴方との距離を詰めようとするだろう】
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/04(木) 22:58:21.41 ID:K1VvshPmo
>>437

―――いーや、なんつーか……昔より水の国がピリピリしてんのが分かるんだよ
何時からだったか……テロの被害にあった時からだな。あの日からこの国は本当の平和を手に入れてねェ
ま、それとこれとは話が別かも知れねぇが

……変わってないと思うのは、アンタがこの世界に退屈してるから―――違うか?

【青年は変わっていないと言ったが、男は確かに変化を感じ取っていた。恐怖、焦燥といったマイナス方向への変化を】
【一度負った傷は、そうやすやすとは回復しない。男が言う本当の平和を掴むためには、その元凶を潰すしか無いのだろう】

【青年の溜息に反応して、彼に言葉を投げかける。その口調、その溜息―――この世界への不満を感じさせる様に男の瞳に映ったらしい】

……確かに、普通の人生歩んでねェかもな
―――普通の人間が、あのカノッサ機関に関わろうとするハズが無いってもんよ

じゃあ、アンタはどうなんだ?機関と関係あったりはしないのかぃ?

【ハズがない。その言葉から分かるように、男は機関に対して何かしらのアクションを起こしているとみて良いだろう】
【此方もと言わんばかりに、男は青年に問い返す。―――お前こそ、カノッサにアクションを起こしていたりはしないのかと】

【僅かに光を増した瞳を見れば、カノッサに何かしらの強い感情を感じているのではないか―――と男に予感させた。故にこの問い返しなのだ】
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 23:05:01.44 ID:OFUx/l/20
>>441

「ん……主様、まだまだこんなのは序の口で……」

【やがて心地よさそうに眠ってしまえば、むにゃむにゃと寝言】
【こちらへと近づいてきた女性の存在にも気付かずに、夢を見ているのだろう】
【「うふふふ……」やらなにやら、何だか危ない笑いも漏れているけれど】


「次はこちらの服を着て……いえいえ、コスプレさせているという訳では……
――――ふぁっ?!ななななな何ですか?!地震ですか火事ですか?!
…………へっ?あの、どちら様でしょう?」

【継いで、危ない寝言。とても幸せそうに寝ていたが――――頭に伝わる、小さな衝撃】
【ピンと耳を立たせたならば、慌てた様に辺りを見渡し、やがて女性へと焦点が合わさるのだろう】
【寝ていた為に、掛けてくれた言葉は耳を通っていない。故、噛み合わない会話】


「そもそも、私は何故こんな所に……ああ、そうだ、思い出しました……ああ……」

【キョトンとした様子で女性に視線を注いでいたけれど、やがては逸らされる事だろう】
【未だ寝ぼけているのか、何故こんな所に、何て間の抜けた言葉】
【――――それも、時間が経てば一人暗い表情へと変わるのだから忙しい輩である】
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 23:14:15.72 ID:YgpzFbDDo
>>442

【ずしりと重たい感覚がした。】
【原因は己の術の行使が恐ろしく減速している事であると】
【気付くまでには僅かなロスがあり――舌打ちが零れる】

【接近に対し月彗は一歩後退、すかさず後方に跳び】
【舞台上に乗り上がり視線で一瞬捉えたのは、あの鋼鉄製の檻だ】

【刹那、その檻を包むように大量のイバラが顕現し】
【重量のあろうそれを絡めて持ち上げ、迫りくる相手を目掛けて投げ飛ばした】

…………ほんなら、仕方無い。
まずはひっ捕らえて、その綺麗な手足全部殺いで
達磨にしてから首を括って皮を剥いで、そのまま綺麗に剥製にしたろか?

【男は顕現したイバラの内の一本を契り取る様に手に携え、ゆらと佇む】
【冷え切った視線は、淡々と相手の動作を注視し続けていた】

【――接近に対する手数が多い故に、付随する隙は多く】
【敢えて挙げるならば月彗自体の動作も、能力の展開の速さに対して鈍い】
【狩人たる相手にすれば然程鋭敏とは言えない筈――ならば、弱点は「此処」か】
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/04(木) 23:17:33.63 ID:54iUNhEd0
>>443

……そんな事、一々変化として捉える必要もない……ぃ
お前の言う通りさ……僕の言わんとする事と、それは対して関係が無い……ぃ

【青年にとっては、水の国のここ最近の情勢不安は、さしたる問題ではないのだろう】
【少なくとも、青年には興味の無い事柄らしく、認識する必要が無いと言いながら、肩をすくめてみせる】
【青年が言う『変わっていない』と言うのは、もっと大局的な事なのだろう。世の中は、もうずっと乱れたままになっていると】

退屈?
…………退屈なんかしてはいないさ…………僕は、この世界に失望してるんだ……ッ!

【――――ギラリと、青年の瞳に一瞬の閃きが走った】
【男の言う言葉に反応して、青年はそれを強く打ち消しながらぐっと顔を上げる】
【その瞳には、激情が――――恐らくは、怒りや嘆きと言った類の感情が、迸っている】
【『うんざりした』と言うのは、静的な事ではなく、動的な――――激しい感情を抱いているのだろう】

――――フン…………機関は……コーネリアスは、僕の敵さ…………!
――――――――コーネリアスだけじゃない……人間の『命の尊厳』を汚す者は、みんな僕の敵だッ!
奴もそうだ……蒙昧に生きてるそこらのクズ共も、神の奴隷になれなんて言ってたアイツも…………等しく、僕は許さない…………!
……そんな連中に、生きる価値など無い……当たり前の事だ……ッ!

【最低限の答えのみを口にして、最初の問いに立ち返る男に、青年は不満げに鼻を鳴らすと、己の言葉をぶつけていく】
【――――コーネリアス・F・ラインハルトへの、そしてそれだけに留まらず、様々な対象への殺意を明確にしながら】
【青年はその瞳の奥の感情――――狂気を漲らせ、その憎しみを吐き捨てた】
【機関に敵意を露わにしているのは確か、しかしそれだけに留まらず、多くの対象へと殺意をぶつけている青年】
【――――その本性を、露わにしたと言うべきか】
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/04(木) 23:21:33.66 ID:4hRJ+yrPo
>>444

コスプレしてるのは君じゃない……?
結婚式の帰りには見えないけど?

【この場に似つかわしくない燕尾服を指しながら言い放ち】
【相手が目覚めれば、「どちら様」という問いかけに答える】

あ、起きた
どちら様って言われてもねえ、通りすがりの他人様としか言いようがないんだよねえ
でもちょっと君に興味あるから一応、名乗っとこうか
私の名前はみのり。尾月実利って言うんだけど……君の名前は?

【淡々と名乗れば、相手の名前も尋ね――】
【まだ寝ぼけているような視線が自分から逸らされ】
【表情が暗いものとなったのを見れば、続けて核心をつく問いを投げかける】

思い出したんだ。そりゃよかったね
で、なんで「こんなこと」になったの?

448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/04(木) 23:21:57.48 ID:CcMHZZrCo
>>445

【こちらへと迫り来る超重量の檻】
【先ほどのように鈍化させようにも、彼は跳躍の途中だ、そんな余裕はなく】
【右手の袖から零れ落ちたダガーナイフを、器用に銃を握ったまま右の手で掴み、投げた】

【彗星のようなダガーナイフが、貴方を超えて、貴方の後方数mの位置にあるであろう壁へ低い弾道で突き刺さるだろう】


可能ならばすれば良い、口で言うだけならば誰でも可能だ

だが、かつて機関のナンバーズ≠ナあったものが
選ばれし能力者≠ナあった者は、その言葉に嘘偽りがあってはいけない

そのような言葉を口にするのであれば、それ相応の技量を示してもらおう――――――!!


【瞬間、彼の身体が急激に下に引っ張られる、ダガーナイフの底に括りつけられたワイヤーが収縮】
【迫り来る檻の下を滑り抜けるように、その身体を滑らせたなら】
【超高速で地面スレスレに滑空、貴方との距離をぐんぐんと縮めていくのだろう】

【そして可能ならば、左手の銃口を向け、やや狙いが甘いが銃弾を乱射する】
【ワイヤーアクション中の掃射だ、狙いはひどく雑で、直撃はしないであろうが】
【何分数が多い、避けきるには中々苦労が必要だろう】

【彼はこのままいけば、ワイヤーによる収縮を終え、貴方の左隣をすり抜ける形で】
【貴方の後方の壁に到着、その距離を一気に縮めんとするだろう】
【接近戦に秀でていないのならば、その前に潰すのが得策か】
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/04(木) 23:24:58.69 ID:4KvJplvRo
>>436

【――瞬間、周囲の雰囲気が変わるだろう】
【まるで、空気が一度水洗いされたような、浄化されたような、そんな印象を受けるだろうか】
【結界のごとき空間の中で少女は、何か特別なことがなければ宙に浮く≠ヘずだ】

【その正体は蒼い光】
【魔法の類だろうか、それが柔らかい毛布のように少女を包んでいることだろう】
【つまり上手くいけば少女は地面に激突する前に、浮くことで難を逃れることになる】


【そして数秒もしないうちに、彼女は姿を現すだろう】
【その人物は少女の背に手を遣ると、ゆっくりと地面に降ろそうと試みるだろうか】

【パールブルーの長髪に同色の瞳を持ち】
【それによく映える、腰の大きな青色のリボンが特徴の、青みがかった白いワンピース】
【そして動きやすそうなサンダルと小さなひまわりの飾りがアクセントの麦わら帽を着用した、温厚そうな顔つきの少女だ】

【彼女は少女に目を向けるとにこりと笑い、バッグからスケッチブックを取り出して何かを書いてゆく】
【書き終わると、それを少女に見せるはずだ】


『助けられてよかったです。怪我はありませんか?』


【それは女の子らしい、丸っこい文字だった】
【勘が良ければ声を出せないのだと、気付けるかもしれない】

【とにかく、少女を包んだ光は間違いなく彼女によるものだろう】
【特に問題がなければ手を出して、立つ手助けをするだろうか】

/まだいらっしゃいますか!?
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 23:37:36.99 ID:OFUx/l/20
>>447

「……これは、私なりの“正装”ですので
私の様な従者……だった者がが纏うべき物となれば、限りがあります故」

【燕尾服が正装だなんて、中々に滑稽な話だろう】
【それでも、至って真面目な表情で言うのだから、嘘では無い事が分かるか】
【――――“だった”。その言葉が示すのが現状。嘗ては仕えていたけれど、今はただの野良犬だという事】
【切れ長の瞳を真っ直ぐに向ければ、率直に疑問に答え】


「実利様……ですか?
私の名は……ファナティック。ファナティック・アローです
ここまでの経緯を事細かに話すと長くなりますが……」

【名を問われたのならば、礼儀として己の名を告げ返して】
【――――どうしてこんな事になったのか、と問われれば、口ごもる】
【……それとも、まだ自分の中で整理が追いついていないのだろうか】
【沈黙が支配する事、数秒。「簡単に話すとしたならば――――」そう、言葉の頭に据え置いて】


「……今まで、とある方にお仕えしていたのですが……その、ある日突然蒸発してしまいまして
主様だけが居なくなられたのでしたらまだしも、血族の方々全員が居なくなり……故に私が仕えるべき方も消えてしまって、今に至っている訳です
……まあ、本当は間に色々と挟んでいるのですが、まだ私も良く理解出来ていなくて……」

【これまでの経緯。其れを簡潔に纏めて話したならば、深い深い溜息】
【幸せな夢から、一気に辛い現実へと戻って来たのだから、尚更ダメージが大きいのだろう】
【頭に生えている狗の耳も、心なしか項垂れて】
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/04(木) 23:40:07.96 ID:YgpzFbDDo
>>448

【すぐ側を駆け抜けていった得物に向けた一瞥が銀の糸を捕らえる】
【意図は読めた。 元より馬鹿でかい檻など目晦ましにしかなりえない】

【息も詰まる程素早い、相手の一連の動作の中】
【ふわりふわりと寝惚けた様に、虚空から花弁が舞い落ちる】

――嫌やわ

【豪、と地響きを伴う音で再び床が裂かれ】
【西洋舞台に相応しくない巨大な仁王像≠ェ、其処から生える様にして現れた】

【それは出現と同時に月彗を肩に乗せる形で上方へと運び、】
【筋骨隆々としたその身で持って、代わりにもろに掃射を受け、穴が開く】

【穴の開いた部分と、腰まで姿を出している状態の床の部分から、青藍色がどろりと零れた】

そんならそッちも……四番名乗る腕前、見してみいな

【突然の出現故にそう長くは使えない。ならば短い時間で一気に畳み掛けるまで】
【仁王像は両の豪腕を振り上げ、その手を組み合わせ即席の槌を形取り】
【相手を叩き潰すように、その両拳を振り下ろそうと迫る――!】
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/04(木) 23:48:40.51 ID:CcMHZZrCo
>>451

【外した、視線の片隅でそう確認し、一つ心のなかで舌打ちを紡いだ】
【口ではなんともいえど伊達に機関のNo.2を名乗っていたわけではないのだ】
【飄々とした様子は彼の余裕を示すのだろう、一体どれほどの力を、秘めているのか】

【結局壁に立つように着地、壁に突き刺したダガーナイフを足場に壁に張り付いた】
【ぐっと視線を上げたなら、すぐ目の前には振り下ろされるその両拳――――――】
【右手の指先を引き金にかけ、指先で回転、そしてそのまま右手の銃を空中へと放り投げた】


……構わない、だが――――――俺が俺の力を見せた時は
貴様が死ぬ時、そう決まっている、分かっているのかNo.2


【ワイヤーを手首の根元で切断し、ダガーナイフを放棄、空っぽになった右手が、新たなダガーナイフを取り出す】
【間髪入れず彼はソレを振り下ろされる仁王像の左腕の二の腕辺りへと投擲するだろう】
【投擲した瞬間に右腕を強く引いたなら――――――左腕へとダガーナイフが絡み付こうとする】

【正確には、ダガーナイフの底に括りつけられたワイヤーが、腕へと巻き付く形で回転する】
【3週ほど巻き終えたなら、すかさず彼はワイヤーを収縮、仁王像の腕へと飛び移る形で攻撃を回避しようとした】


っ……揺れるな……予想以上――――――だっ……!!


【だが、仁王像の振り下ろす速度、或いはその力は彼の予想を上回った】
【飛び移る寸前、仁王像がそのまま両腕を振り下ろしたなら、吹き飛ばされる形で彼の細身が空中へと投げ出される】
【右手のワイヤーが途中で切れたのだろう、空中へ放り出され、天井へと背中から叩きつけられる】

【――――――かはっ、声にならない声が漏れた、無表情に、初めて生の感触が生まれて】
【数秒、天井に張り付いた、と思ったら、剥がれ落ちて――――――そのまま地面へと落下するだろう】
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/04(木) 23:53:18.58 ID:4hRJ+yrPo
>>450

従者さん、あ元従者さんなのね
ファナティック・アローさん、なかなかカッコいい名前だね
「ファナ」って呼んでもいいかな?
ていうか私に「様」なんて付けなくていいよ

【寝ぼけていた姿からは想像できなかったが】
【初対面の相手にも相当礼儀正しい性格のようだ】

一族全員蒸発……かなりやばい事件じゃないの?それ
もしかして、その一族は裏社会に関わるようなことをやってたりする?
それこそ「機関」とかさ……

【立っていることに疲れたのか、両手で杖をつき体重を預けながら、話を続ける】
【こちらにわかりやすいように、簡潔に説明してくれたようだが】
【その話が真実なら……実利の言うとおり、相当重大な出来事ではなかろうか】

あと、そろそろダンボールから出たら?
なんか、私も恥ずかしい

【ふと、ダンボールの中にいる女性と真面目に会話する状況のシュールさに気付いたようだ】
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/04(木) 23:54:55.58 ID:fIgDV1QTo
>>449

ひ、ぁ……――…ぇ?あ、この……光、が……?

【ソレはまさに地面と激突する直前。ふわりと、その身が浮いて】
【思わず瞑っていた目を開けば蒼く優しい光が見え、やがて地面に下ろされる】
【唐突だったから、手元の短冊はくしゃりと潰れてしまっていたが――】

【それでも助けてもらったらしいということは分かる。だから、顔を上げて】
【空色の瞳で少女を見れば、差し出されたその手を取って立ち上がり】

っ、あの……あ、ありがとう……。私、笹の上の方に手を伸ばして、その……
……?スケッチブックで…――えっと、その……貴女、口が……?

【先ずは感謝の言葉を返してから、怪我はないということを首肯で示し】
【それから相手がスケッチブックで意志の疎通を図っていることに興味でも持ったのか】
【少なからず不躾な言い方ではあったが、話せないのか、と問いかける。】

/遅くなりましたがここにー!
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/04(木) 23:54:57.06 ID:K1VvshPmo
>>446

コーネリアス……カノッサ六罪王の「革命家」……!
最近はめっきり見なくなったが―――何か企んでいやがるのか……

【水の国の民が恐れるその異端児の名に、男は身体をビクつかせた】
【六罪王―――カノッサを滅ぼす上で一番の障害となるだろう強者達。そして全世界の電波に狂った思想を拡散させたコーネリアスも、その一人なのだ】

……俺にとっても機関は敵だ。そして、「命の尊厳を汚す」……確かに、俺も命を大事にしない奴はいけすかねぇ
―――でも、一言気になったんだ

『生きる価値をなんでテメェが決められるんだよ』

【共感する部分が多いのか、小さく頷きながら言葉を紡ぐが―――呼吸を一つ置いて、空気を肺に溜めれば】
【深い紺碧の瞳を見開いて、強く言葉を吐き出した。力の篭った重い一言に微かに含まれるは怒り。多く含まれるはダイヤモンドの意志】

……誰にも目の前にいるヤツの命を奪う権利は無い……誰もが未来への切符を胸ポケットに仕舞っている
生きる価値が無いなんて言葉は間違いだ。んなもん決められるほどアンタは偉いのかよ……!

【露わにした本性を、真っ向から力強く否定してみせる。『生きる価値など無い』―――その言葉が、彼の思想と対立していた】
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/05(金) 00:05:41.73 ID:1bynJmFVo
>>452

【盾と攻撃の役割を終えた阿の仁王は、即座に瓦解していく】
【必然的に相手に似た高い位置から飛び降りた男は、】
【やはり足音を引き連れないまま――歪な着地をして蹈鞴を踏んだ】

……、……畜生が、ッ

【綺麗な面を歪ませてそう吐き捨てる姿は、相手を見すらしていない】
【油断しているのか――違う。 その姿が、細い体の線が青藍色に暈して僅かに歪んだ】

【ほんの一瞬、万人の理想に沿わせたような貌が】
【痘痕だらけの盲の顔にすり替わって――すぐ、元の端整な表情に戻る】
【ざざ、とノイズが鳴った。 揺らぐ身体は落下した場所から動く気配を見せない】


【状況は掴みかねるだろうが、余裕を失くしている現状には違いない】
【相手の着地と予後次第では―― 一撃を与える隙など幾らでもある】
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/05(金) 00:08:35.13 ID:OOmqGL+x0
>>453

「……そうでしょうか。所詮、名なんて飾りです
お好きな様にお呼び下さい」

【少し、冷たいような気もするけれど】
【恐らくはこれが女性の素であって、元の性格】
【名前なんて飾り――――寂しい話でもあるが】


「機関……?ああ、カノッサの事ですね
カノッサとは縁を持たなかったのは勿論の事、密売も何もしていませんでしたよ
ですから、手がかりも何も無い状態なのです。だからこそ、草の根も掘り起こす気持ちで探してはいるのですが……やはり、難しい物で」

【手がかりが一切無い状態。即ち、絶望的】
【眉を顰めたのならば、今一度自分の頭の中を探っては見るけれど――――やはり、何も情報は無い】


「……いえ、此処は私の家ですから。誰が落書きしたのかは分かりませんが、変わりない家です
……羞恥を覚えてしまう事には謝罪しましょう。ですが、紛れも無い家なのです」

【段ボールをキッパリと家だと言ってしまえる程度には代わり者】
【……否、元より代わり者だとは分かっていた事か】
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/05(金) 00:11:12.66 ID:p/RzOdPWo
>>454

【衣服についた土を手で軽く払ってから、彼女は再びスケッチブックに向かい、文字を連ねてゆく】


『びっくりさせてしまってごめんなさい。そうでもしないと、間に合わなかったので…。
 あれは私の能力です。人に害はないので、安心してくださいねっ。』


【素早く書ききると、スケッチブックを少女へと示すだろう】
【ホントは、人を傷つけることもできる能力だが――普通は誰かを守る目的で使うので、黙っておくことにして】
【そして、文章はさらに続けられていることだろう】


『はい。小さな頃から声を出すことができなくて…筆談での会話で申し訳ないです。』


【慣れているのだろうか、声のことを訊かれても彼女の顔に変化はなくて】
【目が合えば少女へと笑顔を向けて、またスケッチブックへ】


『そういえば、もうすぐ七夕ですね。
 短冊を飾っていたのですか?』


【書き終わるとひっくり返して、文字を示すだろう】
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/05(金) 00:13:17.53 ID:6hoNb00yo
>>456

【地面へと落下する彼、何人もの人を同時に吊れるほど高い天井だ】
【無論、そのまま叩きつけられたならひとたまりもない――――――故に、次の対処が必要だった】
【唇を強く噛み締めた、衝撃で飛びそうになる意識を必死に食い止めて】



どうした……っ……No.2……お得意の、口八丁はどうした……
今見えた……貴様の、素顔が……貴様の、確かな感情が

済ましている場合か、死に顔の心配をするくらいなら
――――――死なないための心配でもしていろ……!!


【左手の銃を投げ捨てた、落下するタイミングの中、逆さまで落ちていく、彼】
【速度はだんだんと上昇していく、貴方の比ではないほどに視界が揺れる】
【それでも紡ぐ言葉は強く、彼の意思を伝えるが、如く――――――】

【左手の袖から落ちるダガーナイフ、その白銀が煌めいたなら】
【息を一つ吐いて、そのナイフを、貴方の足めがけて投擲するだろう】
【直撃させるわけではない、その両足を、絡め取ろうとして――――――】


分かるかNo.2……貴様のナンバーは、既にデリートされた
肩書きなどもう意味は無い……貴様はナンバーズではなく能力者として……!!

――――――ただの月彗として……死ね!!


【成功したならワイヤーを収縮、彼の元へと、貴方を引き寄せようとするだろう】
【そして叶うならば、落下する彼の下へ、貴方を叩きつけようとするだろう】
【そう、落下の衝撃を貴方と、わけあおうという魂胆だ、着地地点へ、先に貴方を射止めようとしている】

【――――――だが、誤算があったとすれば、ワイヤーの力であろう】
【刺した方向へと向かうのではなく、貴方をこちらへと引き寄せようとするのだ】
【速度は遅く、加えて、ナイフ自体が当たるとも限らない】

【もし成功したとしても、彼にも大ダメージが入るだろう】
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/05(金) 00:19:58.39 ID:Cl2CR4mo0
>>455

…………端的に言えば、僕は機関そのものはどうでも良い……単なる武力集団以上のものに見る気は無いね……
だが……奴を頭に頂いている事が気に入らない……全ては、奴を殺す為だ……!

【機関――――と言うよりも、青年にとってはコーネリアス個人の方が殺意の対象なのだろう】
【ただ、コーネリアスと言う一個人が相当の地位についている集団である以上、連鎖的に機関を敵視しているに過ぎない】
【恐らく、コーネリアスを何らかの形で排撃する事が出来れば、青年は機関そのものは執着するほどの敵視はしていないのだろう】
【――――それも、状況によって変わらないとも限らないのだが】

……………………

【男の反応は、ある程度青年も予想していたのだろう】
【男の反発、その反論をただ黙って受け止める。自分に反発する男の言い分は、どこにあるのだろうかと受け止め、反芻して、整理して――――】

――――――――――――――――よくもそんな無責任な言葉が吐けたものだね

【――――ごく当たり前のように、ごく自然な所作で、青年は冷たい言葉を向ける】
【すっ――――と目を細めて、先ほどまで吹き出ていた感情も、狂気も、全てが凍りついてしまったかのように、熱の感じられない様で】

今この世界で、何人の人間が明日を想いながら死んでいってると思うんだい?
何人の人間が、思い定めた道を、未来を、無思慮に簒奪されていると思うんだい?
それらがみんながみんな、機関や下らないテロリスト風情の犠牲者だとでも、思ってるのかい?

【青年が口にするのは『現実』――――決して机上の空論などではない、己の身でハッキリと思い知らされた、人間の『限界』】
【――――青年が決して許さない、偽らざる人間の姿】

下らない虚栄心の為に、浅はかな欲望の為に、蒙昧な無自覚の為に…………ッ!
どれだけの人間が涙を流し、命を無駄にし、無念の内に己が輝きを閉じているのか、お前は分かろうともしていないッ!
お前の言う『平和』が、どれだけの罪なき――――あぁ、『罪なき』さ!! 罪なき人間の血と涙の上に成立しているのか、考えた事があるのかいッ!?
そしてそれを享受しているクズ共もそうだ!! 自分の生きる意味も、その価値も分かって無い!!
そんなクズ共の為に、今も『命を輝かせられるかもしれない人間たち』は、飢えに苦しみ、夢を潰され、命を奪われているんだッ!
――――自分の命を見つめようともしない、クズ共の安寧の為だけに…………ぃッ!

【冷えた言葉が、再び怒りの熱に焼きつくされていく。無感情な言葉が、再び狂気の後押しに迸っていく】
【――――無自覚で蒙昧な。そんな人間の為に――――機関など関係無く――――多くの命が、輝く事無く消えていく】
【その事実を、青年は許さない。その全身全霊で、力の限り、怒りの限りに、否定の言葉を紡いでいく】
【――――その形容は、決して大げさなものではないのだろう。その言葉の熱は、正に、そう――――まるで『命懸け』のそれである】
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/05(金) 00:20:10.09 ID:O284twIRo
>>458

いえ、そんな…!助けてもらったのに、その……変なこと聞いちゃって。
私こそごめんなさい……あんまり、経験がなかったからびっくりして……
……ぁ、筆談で困ることなんて無いですっ、はい…!

【――なんというか、たどたどしい。気弱というか、自信がないというか】
【背はそこそこ高く、やや幼いが成人にも近い彼女にしては合わない≠ェ――】

【ま、それはそれ。筆談の件について顔の前で手を横に振れば】
【話が短冊に移ったのをきっかけに、くしゃくしゃの短冊を手で広げ】
【うんうん、と頷きながら、まだ結べる状態だな、と確認し】

そうなんです。でも下の方は皆が結んじゃったから、場所がなくて。
……貴女は、こんな時間に何を?短冊を飾るなら……その、一緒に…――?

【どうだろう、と聞いてみる。僅かに小首を傾げる仕草と共に、長い髪がしゃらりと揺れる】
【――無防備に手にした彼女の短冊には、記憶≠ニいう単語が見えるのだが】
【果たしてそれに少女が気付くか、そもそも短冊の話題が意味を成すかは、分からない。】
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/05(金) 00:30:14.93 ID:UBXiyMoFo
>>457

名前なんて飾りねえ……私はそうは思わないけどね
櫻の国では「言霊」とか「諱」とか、まあいろいろ文化があって、名前に特別な意味を持たせることが多いからね
「陰陽術」あたりは割と他の国でも有名かな?

【言いながら、自分の首に張り付く「御札」をさする】
【流れからして、その御札もそういった術に関わる物か――】

ふうん、悪いことはしてなかったと
ますます不思議だね、それは

【ファナの様子から、本人が一番不思議がっていることは察することができる】

ああ、家だったんだそれ……
なんかごめん

【そしてきっぱりと告げられた「家です」という宣言】
【ダンボールの中にいるのは何かの事情があるとは思っていたが、まさか家として住んでいたとは】

でもさ、悩んでるだけじゃしょうがないんだし
余計なお世話かもしれないけど新しい仕事でも探したら?
それで生活を安定させて、しっかり準備してからそのご主人様と一族を探したほうがいいよ、たぶん

【確実に変わり者だが、愚か者には見えない】
【そして、普通の人間にも見えない。仕事ならいくらでも見つかるだろう】
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/05(金) 00:33:35.57 ID:1bynJmFVo
>>459

【速攻召喚の代償、嫌な余韻を引き摺る最中で月彗は】
【相手の言葉で以て漸くその存在に気付いたように顔を上げた】
【ある意味余裕とも言えるだろう。 弛緩した足に簡単にワイヤーが絡み付いた】

っ……!!

【引き寄せられた細身の体が、そのまま相手の狙い通り地へ叩き付けられる】
【こと接近において恐ろしく隙を見せる。 瞬間火力の高さへの対価がこれだった】
【足袋が青く染まる――血液の代わりなのか、ナイフの突き立つ足からだらだらと溢して】

ッは、――阿呆、らし……ッ

【肩書き。 No.2。 今この場で、いつ、己がそれを名乗った?】
【沸々と苛立ちが込み上げる。 お前が勝手に期待しているんだろうと毒付く】
【だらと転がるまま仰いだ先に、相手が落下して来ようとする姿を捉える】

【こんな自己中男と心中なんぞ御免だ。 顔が良けりゃ良いってもんじゃない】
【そこまで思って、いつか誰かにそんな事を言われた気がして一つ舌打つ】

【――似ているのだ。 相手と己は、深い部分が】


【相手を迎え撃たんと、月彗は付した体勢のまま腕を上げた】
【握っていたイバラの鞭が撓ろうとして――ふつり、消え去る】
【どさりどさりと落下の音がけたたましく聞こえ出す。百近い死体が吊紐をなくして落ちて行く】


【その瞬間。 落下の先、相手が踏み付けるだろう姿は】
【痘痕だらけの、気味の悪い、悍ましい奇形にすり替わっていた】
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/05(金) 00:39:50.17 ID:p/RzOdPWo
>>461

【――歳は、いくつなのだろうか】
【謙虚さと慌ただしさ、そして小さめの見た目がとても愛らしく感じて】
【まさか隣が病院だからって、患者さんがこの時間に外出しているかもなんて想像だにしてなくて――】


【少女の話を聞きながら笹の上部に視線を移して、なるほど、と相槌を打つ】
【そして濁した言葉を汲み取ると、やわらかく笑って】


『アルバイトの帰りです。ちょっと遅くなっちゃいましたけど…。
 ぜひ!お手伝いしますねっ。』


【うきうきした様子で、ショルダーバッグを適当な場所に置いて筆箱を持つと、少女の隣へと立つだろう】
【身長は、もしかすると少女よりも少し高い、だろうか。短冊を飾るには苦労はしないだろう】

【そして――ちらりと見てしまった&カ字には、気付いた素振りさえしなくて】
【きっと、訊いてはいけないことだと思ったのだろう。人には訊かれたくないことの一つや二つあるものだ、と】


【とにかく、既に飾れる状態の短冊があれば、飾ろうとするだろうか】
【それから短冊を一枚、催促するだろう】
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/05(金) 00:42:29.47 ID:6hoNb00yo
>>463

【きっと月彗が考えていることは概ね正しいのだろう】
【彼はどこまでも彼を中心に物事を考え、決して妥協することはない】
【その矛盾に気づくことができるかどうかなんて、今は気にしちゃ、いないから】


――――――っ……殺った……ッ!!


【巻き上がる粉塵、衝撃が周囲を包んだなら】
【地鳴りのような揺れが、響きわたって、やがて収束する時間を待たずに】
【ミシリ、軋む床の音だけが、荒々しく響き渡るのだろう】

【騒音は果てしなく、破壊音は絶え間なく】
【落ちていく死体のコーラスに抱かれながら、その中心に彼は座り込んでいた】
【両膝を開いて、馬乗りになったかのよう――――――長い前髪が、だらんと彼の視界を覆って】

【息が荒い、大きく口を開いたなら、大量の血液がこぼれ落ちて】
【それでも、腕で荒々しく拭きとって、呼吸を整えようもせず、右手でダガーナイフを持ち直す】
【――――――とどめを刺そう、そう思って、自分の足元の死体≠確認しようとした、なら】


……っ……なんだっ……これは……一体……ッ!!
俺がッ……俺はッ!!……こんなモノのために……ッ!!!

――――――ッ……限界……か……


【振り上げた右の手、徒労であった怒りを、その奇形≠ヨとぶつけようとして】
【だがその手が振り下ろされることはなかった、力抜く右の手から落ちたなら】
【糸が切れたように、彼の身体が、その上へと倒れこんだ】

【死体から零れ落ちた血液が、周囲を満たすように】
【赤色で染まった劇場、そしてその蓮の花のような赤い海の中】
【倒れこむ白銀だけが、生の実感を感じさせていたのだろうか――――――】


/この辺りでしょうか!お疲れ様でしたー
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/05(金) 00:50:08.28 ID:OOmqGL+x0
>>462
「――――聞いた事はありますね。名があるからこそ、物事が存在するという言葉も
別に実利……様の考えや、国を否定するつもりはありません
……ですが、所詮名前なんて識別する為だけの物。尤も、貴方様の持つ其れは異なるのかも知れませんが」

【貴女の考えを否定する気は無いが――――予め、そう付け加えたならば自分なりの考え】
【けれど、女性の“御札”を見れば、其れだけは別なのだろうと付け加えて】
【――――何処か、不思議な物を見るかのような視線】


「……何れ、尻尾は掴める事でしょう。毛の先だけでも掴めたのならば、後はこちらの物ですよ
ふぅむ……新しい仕事、ですか。適当なギルドでも何でも訪れてはみようと考えたのですが……
或いは、また新たな主様を見つけつつ、ですね。幸い此処に書かれた落書きが味を出している事ですし
……とは言っても、そちらはまだ未定。どちらかと言えば、ギルドへの顔出しでしょうか」

【従者として勤める事が出来る位には鋭いのだろう】
【――――寝言とのギャップが激しい気がするが、其れは何時の日か判明する事か】
【段ボールに収まる女性が真面目な表情で語らうのは、やっぱり滑稽な場面で】
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/05(金) 00:53:38.87 ID:O284twIRo
>>464

【隣に立つ少女が優しい相手で好かった。彼女はそう思いながら】
【水魚の交わりのごとく、打ち解けやすい相手へと短冊を差し出して】

アルバイト、ですか。……少し羨ましくて、凄いな、とか。

っ……わ、忘れて下さいっ!それじゃその、短冊飾るの、お願い出来ますか?
上の方にこう……私のだけじゃなくて、他の人のもあるんですけど―――

【枚数は、先ほどくしゃりとしてしまったものを合わせて7枚ほど】
【全て様々な祈りが込められていて、紐も付いているから結ぶだけでいい】

【――他のものを見ると、病気が治りますように≠ニか退院できますように≠ニか】
【そういうものが大半を占めているのに、気付けるかも知れず】
【とすると、この赤髪の少女が他の患者の物を預かったのだろう、と推察できるかもしれない】
【ちなみに―――少女の短冊には、記憶が戻りますように≠ニ、そうあった。】
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/05(金) 00:58:16.38 ID:1bynJmFVo
>>465

【相手の零す赤い血、落下の衝撃で己が吐いた青い血】
【それらが混じり合い紫色になって身に浴びている事を差し引いて尚、】
【両手両足も無く目も開かれず耳も萎み鼻も削げ、髪だけに白色を残す体は醜いの一言に尽きた】

【ひゅ、と息を吸う音がした。 声なき声が何かを言った】
【己の上に倒れ込む相手にならば聞こえたかも知れない。 意味こそ通じないが】


【――遠からず、相手が意識をはっきりとさせて起き上ったなら】
【紛れも無いNo.2の男がその下でこと切れていた。 あの醜い姿が幻想だったかのよう】
【初めと何ら変わらない端整な貌を血色で化粧(けわ)い、白い顔をして冷え切っている】

【機関の裏切り者を狩ったその事実に変わりは無い】
【相手が望まないにしろ、その功績は少なからず影響する筈で――】

/はい、了解です! お疲れ様でしたー
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/05(金) 00:58:58.39 ID:P1rL1+Too
>>460

…………。

【冷たい言葉を浴びせられようとも、決してその熱き視線が逃げることはない。口を確りと閉じて、眉間に皺を寄せて黙るだけだ】
【現実を見ていない。理想論だ。キレイ事に過ぎない―――多くの批判を受けてきた。確かに、それは分かっている】

分かってる……分かってるさ―――でも、それでも俺は構わず言うさ。その無責任な言葉を何度でも―――
俺にはこういう生き方しか出来ない。俺には人は殺せない。「Nonkilling」が俺の正義。……そう、不完全な青臭い正義さ

俺達は神様なんかじゃない。……万能じゃない故に、誰にも文句を言わせないなんて無理ってことも知ってる
でも俺は……どれだけ間違っていると指摘されても、その正義を俺は貫き続ける。貫かなくちゃいけないと誓ったし、やっぱり殺しなんていけない……!!
きっと、きっと有る筈なんだ―――誰一人殺さずとも、『罪なき』人間を救う方法が……!!

【瞳の底に煌く意志は、多くの否定を浴びても砕けたりはしない。甘い考えだと受け止めつつも必死に貫こうと藻掻き続ける】
【青年が言うことも、響かない訳ではない。この世の不条理を捉えた言葉は、自分なんかよりもより「リアル」だ。その儚さも、辛さも、男の腸に染み渡っている】
【それでも、それでも尚―――甘い考えを捨てることは出来無いのだ。それが現実を見ていないと解っていても】

お前はコーネリアスを[ピーーー]ためだと言った。俺は誰一人殺さずに、カノッサを打倒してみせる―――六罪王全員、生きたままで捕まえてやる
ああ、夢見がちなガキの意見だとでも言えよ。でも、俺は本気だぜ……?

【そしてその甘い考えの、青臭い正義の元―――男は「カノッサ」を打倒する気でいるのだ】
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/05(金) 01:13:02.31 ID:UBXiyMoFo
>>466

相手の考えも認めるけど、自分の考えも簡単に曲げない、か
うん、私もそういうの好きだよ
やっぱさ、いろんな考えの人がいてこそ世の中が成り立つわけだからね

【お互いの考え方は別だが、違うということを認めること】
【実利にとって、それは大切なことであるようで】
【尤も、この場合はただの「名前」に対する考え方の話ではあるが……】
【彼女の姿勢を気に入ったようだ】

ギルドね、うん。そうするといいよ
どこかの組織に属するのはいいことだ
それが一般に言われる「正義」でも「悪」でも、社会と繋がることができるからね
社会とつながってなきゃ、「ヒト」は「人間」になれない

【ファナに語るその口ぶりからして、実利本人も何らかの組織に属しているのだろう】
【それが「正義」なのか「悪」なのかは判断できないが――】

ていうか、落書きが味を出してるのが幸いって……
さっきの寝言と言い、君は真面目に見えてさらりと面白いことを言うね

【気になった発言に突っ込みを入れつつ、ふう、と息をつく】

あぁ、しかし疲れた。いや、君との会話がじゃないよ?立ってるのが疲れただけ

そうだ、今晩は君の家に泊めてよ
……なんてね。そんなことして大事な家を破裂させるわけにはいかないよ

【相手の面白い発言に対抗しようとしたのか、冗談を交えながら――】
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/05(金) 01:14:53.66 ID:p/RzOdPWo
>>467

【羨ましい――それがどのような思いから来る言葉か、その時はわからなかった】
【快く頷いて受け取った短冊には、そのどれもが心からの願いであることが明白なものばかりで】

【そして少女から短冊を受け取った瞬間に、さっきの言葉の意味を理解した――いや、勘違いかもしれないのだが】
【同時に、表情へ出てしまった動揺が少女へと伝わってしまうかもしれない】

【だけどすぐに気持ちを切り替えて、彼女は短冊を飾ってゆくだろう】
【自分も願い事をしようかと思っていたが――この中に私的な願いを混ぜるのはおこがましくて、考えなくなっていた】


【飾り付けが終わると、彼女はスケッチブックを手に取るだろう】


『これで全部、ですねっ。そうだ、少し気になったのですが…
 あなたはもしかしてすぐ傍の病院の患者さん、ですか?

 その、気に障ったらすみません。けど、この時間に出歩いていて大丈夫なのですか?
 よければ病院までお送りしますが…。』


【どうやら、短冊の内容から少女が入院患者だと推察したらしい】
【短冊が複数あるのは、ついでに他の患者の分も預かってきたと思ったのだろうか】

【少女を心配して、病院まで送ると提案するが――】
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/05(金) 01:26:05.72 ID:Cl2CR4mo0
>>460

…………半端な命だ…………!

【己の思いの丈を全て吐き出し、息を弾ませながら、青年は男に侮蔑の視線と言葉を贈る】
【その道が、過ちであると『分かっている』と言う。故意に――――過ちの道を歩むと言う】
【――――全く以って、無意味で、蒙昧な――――半端な道を貫く、浅はかな命に映った】

殺す覚悟すらない人間が、『正義』なんて、重くて、残酷で、神聖な言葉を使うんじゃないよ……ッ!
お前はただ、清くいたいだけだ……汚れたくない、ちっぽけな自尊心を、誤魔化しているだけだ……ッ!
――――その不殺の為に、1万の機関をのさばらせ、100万の犠牲に目を背け、1000万の不幸を生み出すが良いッ!!
それがお前の自ら選んだ、血濡れの正義だ……多くの人間の不幸と無駄死にを生み出し、宝石の様な命の輝きを閉じ去ってしまう、お前のもたらす平和の姿だ……

【偽善――――善の皮衣を纏うが故に、単なる悪よりもよっぽど性質の悪い、唾棄すべき巨悪】
【青年から見た男の主張は、それ以外の何物にも見えなかった。『殺さない正義』など、『悪の黙認』に等しい】
【――――『義を見てせざるは勇無きなり』と言う言葉がある】
【ただ人死にを避けたいがために、殺してでも守るべきものを守ると言う勇気に目を背けていると、青年は怒りと共に主張する】
【そしてその為に、無駄な犠牲はさらに増え、その中に青年の守りたいものも奪われていくと】

――――本当なら、お前の様なクズ……この場で切り刻んでやりたいところだ……ぁ!
だけど……『共に機関と戦う』と、盟約を結んだ仲間との……『無駄な人死にを控える』って言う、約束があるんだ……ぁ
お前の偽善を戮すのは、またの機会に譲るとするよ……ぉ

【ぐっと目をつぶり、押し殺す様に息を吐き出しながら、青年は先ほどまでの言葉の力を思えば、まるで呟くような小さな声でそう口にする】
【本当なら、青年としても男の偽善は――――今この場で殺してしまいたいぐらいの『蒙昧』に映っているのだろう】
【だが、彼には『人間としての尊厳』にかけた『約束』があるのだ――――それを破る事はしない】
【そしてそのまま、男に背を向けて歩きだす】

――――じゃあね、半端者…………これからも、殺さない事で見殺しにし続けると良いよ……ぉ

【背中越しに、別れの言葉と――――青年なりの痛烈な皮肉を男に向ける】
【所詮、犠牲の無い平和などあり得ない。それを自覚しなければ、自分の生み出した犠牲に気付く事もない】
【――――男もまた、見殺しと言う名の殺戮を、無自覚に繰り返しているのだと】

【『殺す』事で命の尊厳を守ろうとする青年は、それ以上何も言わないまま、闇の中に消えていった】

/遅くまで乙でしたー!
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/05(金) 01:27:08.68 ID:Cl2CR4mo0
/>>472修正
/>>460>>469
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/05(金) 01:28:16.54 ID:O284twIRo
>>471

【飾り付けられていく短冊を、まるで美術品が完成する様を見るように眺める】
【最後に1つ、自分の願いが込められたものを括ってもらえば】
【言うなれば画竜点睛。笹と短冊が、なんだか美しいものに思えてくる】

【そして、それを作り上げてくれた少女にも視線は向き――】
【その熱烈な、まるで10も若返ったような純真な喜びを、言わずとも感じ取れるかも知れず】

―――ありがとうございます…っ!これで、他の人にも……?

……はい。そこの病院に、かれこれ二ヶ月くらい。
本当はこの時間に出歩いちゃいけないんですけど、昼間は付き添いの人がいて……
その、窮屈というか……し、心配おかけしちゃって…なんと、いうか……。

【これまた直ぐに、子供のように気を弱くする。記憶の喪失とは、そういうものなのだろうか】
【ただ、結局は首を縦に振る。すぐそこでも、誰かと一緒に居るのは嬉しかったからだ。】
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/05(金) 01:41:42.66 ID:OOmqGL+x0
>>470
「お相手方の意見を否定したところで、私の意見が正解となる訳ではありませんからね
……その考えには同感ですよ。一つの物事だけで世界が成り立っていたのだとしたら、それは余りにも詰まらなすぎます」

【冷静、なのであろう。知的とは異なるかも知れないけれど、客観的に己を見る目は備わっている様】
【押しつける訳でも無く、かと言って折れる訳でも無い、微妙な立ち位置】
【無駄に敵を増やさず、だから仲間が増えるのかと問われれば、そういう訳でも無く】


「ただ……長い間、私は忠犬として生きてきました
人への忠誠を、ギルドへの忠誠へと変える事が出来るのかは、自分でもまだ分かりませんが……
失敗したならばその時はその時。再び何方かの従者として生きていきましょう」

【前向きなのか、潔いのか……多分、後者なのだろうけれど】
【――――女性については深く触れない。そう、思いきや】


「実利様が例え“そのどちら”であったとしても、恐らく私の態度は変わらないでしょう
忠犬は忠犬。主様以外の者に興味を示さぬ事が無い訳でもありませんが、何よりも主様が無事であるならば其れで良いのですから
彼のカノッサが目的を達成しようとも、UTや自警団が暴君に変わってしまったとしても、極端に言ってしまえば関係の無い話なのです」

【己の主さえ無事ならば、其れで良い。正しく、忠犬の様な思考】
【――――ただ、極端すぎる気もするけれど、例え主が移り変わったって同じ思考の下尽くすのだろう】


「……私は冗談を言ったつもりは無いのですが、クスリとでも笑って下さったならば幸いです
……ええ、思い直して下さって助かりました。最も、慈悲深い訳では無いので直ぐに摘み出しますが
――――さて、今日も新たな主捜し、或いは職探しをしなければいけませんので、私は仮眠に移らせて頂きますよ
そのどちらかが決まったときにクマを作っている訳にもいきませんので」

【皮肉――――でも無いのだろう。ただ、思った事を述べただけ】
【言う事だけ言ってしまえば、こんな場所だというのにそのまま眠りに就き始めて】
【やがて聞こえるのは、小さな寝息。今度は、コツンと叩いたって起きる事は無いのだろう。これも意思の力、だろうか】

/そろそろ時間が迫ってきましたのでこれにて失礼致しまする……!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/05(金) 01:49:03.87 ID:UBXiyMoFo
>>475
/こちらこそお相手ありがとうございました!
/ちょっと眠気さんがいらっしゃいしてるので、すいませんが〆の文は明日投下させていただきます
/おやすみなさい!
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/05(金) 01:49:14.46 ID:p/RzOdPWo
>>474

【これ以上ない少女の笑顔に、思わずこちらまで笑顔になって】
【完成した笹を見れば、少女の笑顔が映ったのか輝いて見えた】
【――あわよくば、飾った全ての願い事が叶えばと夢想して、とりあえずひと段落】

【そして、少女の答えにふむ、と(仕草だけ)納得して、ペンを握る】
【心なしかその筆の先は、軽快な音を鳴らしながら言葉を紡いでゆく】


『あなたが気にすることはないですよ! こちらこそすみません、変なことを訊いてしまって…。
 でも、その気持ちはわかります。以前私も大怪我をした時は窮屈に思いましたから。

 …早く良くなるといいですね。』


【少し配慮が足りなかったなと反省しつつ、スケッチブックを返す】
【そして何を思ったか、読み終えたタイミング見計らってまたひっくり返し――】


『それじゃあ、もう用がなければ行きましょうか。』


【にこりと笑って、文字を示すだろう】
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/05(金) 01:54:37.38 ID:P1rL1+Too
>>472


―――違うッッッ!!!! このマーシャル・T・ロウの「Nonkilling」、決して「自分の手を汚したくない」なんてエゴで貫くわけじゃないッッ!!
俺はただ、ただッッ……!! 「少しでも目の前の人間に生きてほしい」だけだ―――!!

それをこの蒼い帽子と、この「T」のミドルネームに誓ったんだよッッ……!!

【静寂を打ち破る大きな声を荒げて、この信念を語る。「決してエゴではない―――」と。それは男の魂の叫びだ。一切詰まること無く叫んだ言葉には、曇り一つ無かった】
【確かに自身が貫くこの信念、完璧ではない―――が、穴の無い正義など存在しない。故にこの正義も理想論だとか、色々否定の言葉はあるだろう。しかしながら―――】
【―――完全無欠な正義など無い。先程言ったように、我々は神様じゃないのだから。ただ、この男は「不殺」を最善の正義だと信じ切っているのだった】

不殺が、多くの犠牲を産む―――そりゃ確かだ。もし俺が目の前の殺人鬼を見逃せば、またソイツは凶行に走るかも知れない
なら捕まえればいいだけだ。殺さずに無力化し、捕まえる―――ただ、それだけさ。決してトリガーは心臓や頭に向かない。動きを止めるためだけに、四肢を撃つ。

よく言われるよ……わがままな正義だなってよォ……!! でも俺は命を賭けて、そのわがままな正義を実現してみせるし―――その覚悟もある……!!

【不殺と言っても、全てを許す訳では無い。 多くの命を救う為には、見逃してはならない輩も勿論存在する】
【だから彼は「捕まえる」。捕まえてその後の判断は―――「法」に託すのだ。だがそれにも、彼にとって完璧な方法ではない】

捕まえた奴が死刑になれば、俺が殺したのも同然かも知れない……だから、やっぱり俺の正義も不完全だ。いや、完璧な正義なんて無いんだ
だが俺は信じている。俺は俺の正義を『最良』だと―――!!

【皮肉で揺れる程軽い正義を抱いてはいない。決して聞いて聞かぬふりをしている訳でもない。甘いという現実や色々な指摘を受け入れた上で、彼は未だに「不殺」を構えていた】
【殺さないことで、命の尊厳を守ろうとする―――真っ向に青年と対立する正義を。多くの矛盾や否定に苦しみながらも、曲げることは決してせずに―――】

……最後に一つ、言っておきたいことが有る―――俺の「正義」は決して偽善じゃない。
其の事は、これからの長い期間で示してみせる……「行動」で……!! 殺さずとも、カノッサを打倒し―――犠牲を生まずに平和を生んでみせるさ……!!

だから忘れるな、マーシャル・T・ロウの名を……甘ちゃんで理想主義者でキレイ事を言う、この大馬鹿野郎の名前をなぁッ!!

【闇に吠えるは、ダイヤモンドの決意。彼は本気でこの理想を、このワガママを指し遂げようとしているのだった―――】

/乙でしたー!
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/05(金) 02:07:51.38 ID:O284twIRo
>>477

【スケッチブックに書かれた言葉を読んで、少しするとフッ、と笑いが溢れる】
【なんだかお互いが誤ってばかりだなぁ――と。そんなことなのだが】

【それから、『良くなるといいですね』の言葉≠ノ、大きく1つ頷いて】
【加えてもう一つ首を縦に振る。つまり、もう行こうかというのに同意したということで】
【にこっ、と笑い返せば、やがて二人は静かな公園内を、病院に向かって歩き――】

――あのっ、今日はありがとうございました!
本当は……お、お礼とかしたいんですけど、何もなくて……

……でもあの、また会えたり、とかっ……―――。

【出来ないだろうか、と――そう訪ねて。やがて、別れる事になるだろうか】
【少女が病院に背を向けてしばらくいけば、医者や看護婦の声が聞こえるはずで】
【それはつまり、無事に彼女が戻れたということでもあり――ちょっとした怒声が、おかしくもあるだろうか。】

/っと、すこし巻きですが眠気もアブナイのでこの辺りで…!
/遅い時間にお付き合いいただき、ありがとうございましたー!
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/05(金) 02:23:23.24 ID:p/RzOdPWo
>>479

【さて、送ると言っても病院はすぐ傍で――】
【少し歩けば、最後にスケッチブックを取って】


『気にしないでください。好きでお手伝いしたのでっ。
 ええ、また帰り道に通るのでお見舞いに来ますね!』


【――入院中は寂しいのも、一応知ってるつもりではあるから、お見舞いには行くと告げて】
【筆記具を全てバッグに仕舞えば、小さく手を振って、去っていくだろう】


(――あ、名前訊くの、忘れてた……。)


【そんな肝心なことに気付いたのはしばらく歩いてからのこと】
【まぁ、行けばわかるかと楽観的に考えて、今日という日は過ぎてゆくのだろう――】


/お疲れ様でしたー!
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/05(金) 21:05:20.92 ID:t25urcnpo
【太陽の沈んだばかりの、とある街】
【あたりの空間は暗闇に沈み、あちこちで街灯が光が灯り始めた】

「……やっぱり、駄目だよな」
【話す相手はいない。自分へと呟く、ため息交じりの言葉】
【ため息が聞こえるのは、閉じたシャッターの前。 店の看板を確認してみれば、そこが生花店だということが分かる】
【シャッターに描かれた営業時間によると、店が閉じたのはつい半刻ほど前ことだ】

「まだやっているところも――いや、そりゃあ……探してみれば、どこかにはあるだろうけれど」
【他の店には全く心当たりが無い様子で、力なく左右に首をふった】

「まあ、仕方がないよ」
【店の前に立ち尽くす人影には、落ち込んだ様子は全く見られず、むしろ楽しんでいるようにも見えるだろう】
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/05(金) 21:19:59.72 ID:Cl2CR4mo0
【水の国 公園】

…………
「……傷、痛まねぇか……大丈夫かよ?」
うん……大丈夫……今のところは……
<でも……状況は万事休すねぇ……これじゃ、どうしようもないわ……>
……ごめん……私があの時――――
「おぉっと、そういうのは言いっこなしだぜ? 生きてただけで、めっけもんなんだからよ?」
<そうよね……アレについては、もうどうしようもないわ……何とも言い切れないわよ……>

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【どこか虚脱した様子でベンチに座り込んでいる】

【左腕は、まるで骨折でもした様な様子で、首に巻きつけた布に吊るされており、全身の衣服はひどく汚れている】
【そして、座っている少女の側に、赤と青の人魂の様な小さな光が、ふわふわと漂っていた】
【少女は、疲れ果てた様な眼で、それらと言葉を交わしていた】

「……だが、鎮痛剤に限りがあるのは辛ぇなぁ……」
<そうね。かといって、手元の資金には限りもあるし……でも、体力を温存しないと、治りも遅くなる……か>
……私たち、この世界で死んじゃうのかな……
「……お前……っ」
<……今は言ってもしょうがないわ……ショックなはずよ、あんな状況に遭ったら……
この世界は、この世界で問題を抱えてた……口にしちゃえば、それだけの事、なんだけどね……>

【緑色の瞳をくしゃっと瞑って、少女は震える吐息を吐き出す】
【人気の無い公園に、何とも言い難い重く沈んだ空気が立ちこめていた】
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/05(金) 21:38:19.44 ID:0RLcancBo
>>481

「――ええ、また機会があれば。なにも家事ばかりが生業ではありませんので」
「お給金は……二度目からは割引でも構いませんよ。では、私はこれで―――。」

【と、いう掛け合いの後――人影のすぐ隣、生花店脇の路地から一人の女性が現れる】
【紺色の瞳に同色の髪。服装はメイド服で、靴だけは似合わぬ編上げブーツ】
【手には古ぼけたトランクケースを持った、ポーカーフェイスの人物で】

……おや、お客様でしたか?生憎と、この生花店はもう閉店ですよ
この界隈には他に同類の店舗は無かったと思いますが……何か、ご入用で?

【なんて、まるで生花店の店員のようなことを通りがかりに言ってみる】
【背は小さいが成人しているらしい。物言いは堂々と、かつ事務的で】
【もしかすると、彼女が今日ここで働いた――という事に、勘付けるかもしれないが―――?】

/まだいらっしゃいますでしょうかー?
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/05(金) 21:44:11.30 ID:t25urcnpo
>>483
/大丈夫です、これからお返事します
485 :杉村「そうか・・・。」 [sage]:2013/07/05(金) 21:59:08.34 ID:t25urcnpo
>>483
【自分へむけたものらしい声に気が付いて、くるりと踵を返す】
【花屋の前に居る人物は黒色のズボンと長袖のシャツを身に着けており、首に巻いたネクタイも同じく黒色だ】
【黒い服装とは対照的に、肌の色は以上に白い。なにか特殊な要因がなければ、ここまで白くなることは無いだろう】

「ええと……この、お店の人かい?」
【そう話す人物の瞳は、疑問を訴えていた】
【出てきたところを見れば、生花店の関係者の可能性が高いだろうが、イマイチ相手の格好が、花屋とは不釣り合いに見えていた】

「うん、閉店みたいだね」
【閉じたシャッターへと、ため息を吐き出す】
「他もダメなのかい? そうか……確かに、心当たりもなかったけれどさ」

「大した要件では無いよ。 ただ、なんとなく部屋に花でも飾ってみようと思ってさ。
時間が時間だから、初めから閉まっていると考えていたし……別に、なんともないのだけれどさ」
【特別な用件ではないというのは、気楽な口調からも伝わるだろう】
486 :雫「君はこの家で飼われているの?・・・お腹減ってない?」 [saga sage]:2013/07/05(金) 22:01:17.70 ID:Cl2CR4mo0
/>>482取り消しでー
487 :雫「かえりた〜いー♪かえれな〜いー♪さよな〜らー♪」 [sage saga]:2013/07/05(金) 22:11:43.68 ID:0RLcancBo
>>485

いいえ?私は見ての通りメイド……ただし、フリーランスの、ですが。
つまるところ家事を主として、雇われれば大概の事はやるわけでして
本日はこちらのお店で一日働かせていただいたというわけです。

【相手の黒、それに肌の白というコントラストが妙に映える】
【といってもこのメイド、それを気にする素振りも見せない。冷淡というか、淡白で】

お部屋に花を。でしたら、今すぐに戻って店長に掛け合う事も可能ですよ。
そうでなければ……些かやり方は原始的ではありますが―――

……ところで、貴方様はお時間はお有りでしょうか。
よろしければ少し歩いた先に、ちょっとした花畑などございますが……?

【それでもきちんと対応するのは、先程までその店員として働いていたからだろうか】
【或いはプロ意識か、というのは分からないが、僅かに小首をかしげ】
【彼に時間は有るか、良ければ花畑なり、店主なりに取次をしようかと問いかけた。】
488 :雫「・・・・・わ、わたしも・・・・・。」 [sage saga]:2013/07/05(金) 22:25:11.95 ID:OOmqGL+x0
【とある山の麓――――岩々に囲まれた湯。所謂、秘湯】
【日に一人浸かる者が居れば多いと数えられる位には見つけ辛い所にあるけれど、今宵は其処から一つの澄んだ歌声が響いて】
【櫻の国の物であろうか。それも、相当古いモノらしく、人間がその歌の中身を解するには、中々に櫻の歴史に通じていなければいけない事だろう】


「――――――。ふむ……何時以来かの、この歌を口ずさむのも
数年か数十年か、或いは更に昔の事か……くふ、何でも良かろうか」

【湯に脚を浸けて、気紛れに搔く少女が一人】
【銀色の髪を持ち、櫻の国の着物を纏っている所を見れば、本当にただの少女に見えるけれど――――側に置かれた二振りの刀。何より、少女自身から発せられる妖気が異質で】
【銀の双眸が空に向けられたなら、一人溜息を吐いて】


「……今、この歌を知っている者が何人居ることじゃろうか
人間は常に新しき物を生み出しては、古き物を忘却してしまうからの
寂しい話ではあるが……仕方の無い事かや」

【ちゃぽん。と響く水音】
【訪れる者は、歌声か妖気のどちらに釣られてきたのかは分からないけれど――――】
【新たに訪れてきた者の姿を認めれば、少女は小首を捻って視線を送るはずで】








【ひっそりと静まりかえった街の中】
【その中央に存在する公園。其処に植えられたシンボルツリーと呼ばれる大樹が、ガサガサと一人音を立てていて】
【視線を向けたならば、巫女装束を纏った一人の少女が見えるだろうか】


「困り……ましたね
お姉ちゃんは何処に行ってしまったんでしょう……?
土地勘もありませんし……このまま虱潰しに探すのも……」

【器用に枝の上に立てば、辺りを見回して】
【――――然れど、目的の人物は見当たらなかったのであろう】
【深い溜息を一つ吐けば、その場から降りようとするけれど】


「仕方ありませんね……今日は一先ず宿に帰って……て……?
ひゃっ?!わわわわわわわ?!」

【――――足を滑らせれば、そのまま手をグルグルと振って】
【何とかバランスを保とうとするけれど、その努力も虚しくやがては地面に向かって急降下するのであろう】
【大怪我をする程の高さでは無いにしても……さて――――もし、近場に人が居たならばその光景をどの様に捉えるのだろうか】
489 :3年5組男子「うわっ、月島が怒ったー!」 :2013/07/05(金) 22:27:14.86 ID:AaFFgLluo
>>475

忠犬、ね。君の場合は文字通りかな

【頭に生えた獣耳を見ながら】
【ファナの「忠犬」としての矜持を聞き】

そこまで断言してくれる従者がいて、ご主人様は幸せ者だろうね

ん、もうこんな時間かあ
起こしちゃってごめんね
ゆっくり眠って、さっきの楽しそうな夢の続きを見ると良いよ

【そういう間に、寝息を立て始めた相手を見つめ】

また寝言を聞きいところだけど……私も行くとするよ
夢の中のご主人様によろしく
あー、マジックでも持ってたら落書きを増やしてあげたかったな

【ダンボールの家の中でスヤスヤ眠る女性を背にし】
【杖をつきながら、ゆっくりゆっくりと】
【深夜の街並みの中に去って行った】

/遅れて申し訳ない!
/改めて、お疲れ様でした!
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/05(金) 22:27:45.06 ID:oxUy3+we0
【街外れ――古びた廃屋】
【とうに電球など切れた街灯、明かりのない世界、照らすのは三日月の淡さだけ】
【照らし出されるのは穴の開いた壁、割られた硝子、――たったひとり凛と立つ、桜の樹と】
【ざぁと流されて踊る毛先の黒さ、逆向きの月明かりの中、いっそうに浮かび上げて】

七夕、かぁ……七夕、

【――屋根の上、だった。ぼろぼろで、ところどころが剥がれて、草すら生えたような、その場所】
【さも当然とばかりに腰掛ける影、華奢な身体つきや服装の類から、きっと少女であるとは遠目からでも分かるはず】
【誰に向けるでもないぼうとした声も鈴の音めいて金属質に響くなら夜によぅく抜けて――】

【真夜中色の髪。赤いリボンを編みこんだ細い三つ編みがひとつ、身体に沿わせるように落とされて】
【膝丈の長さ、そのほとんどが投げ出されたまま、風に泳いで――黒赤色のオッドアイ、長めの前髪越しにちらと覗く】
【きゅっとしぼったパフスリーブのブラウスの白、ふわり広がる姫袖めいた付袖の黒へと続いて】
【リボンやビーズで胸元を飾るジャンパースカートの濃紫色と腰元絞るリボンの赤と、膨らませたスカートの裾と、】
【雨どいを通り過ぎて宙に投げ出した足、底の厚い編み上げブーツ――ちらと、ソックスを止めるガーターリング、覗いて】

…………――、

【退屈めいてふらと揺らす足、色違いの視線は空へ舞い上がって、じぃと見つめる先、無数が瞬いて】
【そんな仕草の中で右の指がついと左の指をなぞる、薬指――指輪めいて浮かぶ、黒蛇の痣を】

【――おかしなぐらいに澄んだ水の気配、満ちていた。ヒトから外れたナニカの気配も】
【そのどちらもが少女からこんこんと湧いていくなら、毀れた水道か何かのよう、止まることすら、知らないようで――】
491 :雫「そうかぁ、簡単なことなんだ。あたしもやればいいんだ。」 [sage]:2013/07/05(金) 22:32:30.99 ID:t25urcnpo
>>487
「フリーの、メイド」
【見ての通りという相手の言葉を、確認するように繰り返した】
【それから真面目な顔つきで相手の身体を下から上まで見渡し、小さく頷く】

「ところで君は、その格好で大丈夫なのかい?」
【質問に悪意はない。 言葉は、雑談をするかのような調子だ】

「そんな、本当に大した用事じゃないんだ。
 全然、気にしないでくれよ」
【お店の人にも、君にも迷惑だから、と少女の提案には断って見せる】
【それから、気持ちは本当に嬉しいよ。 という意味合いの言葉を2、3重ねる】

「僕に時間はある。 でも、君は良いのかい?」
【続く少女の提案には、再び疑問はよぎったらしく、問いかける調子で言葉を続ける】
「花が手に入るのは嬉しいことだけれど……いくらなんでも、そこまでしてもらえる理由が、僕には無いはずだよ」
492 :雫「逃げてなんかいない!もっと大事なことがあるんだから!」 [sage saga]:2013/07/05(金) 22:46:38.31 ID:0RLcancBo
>>491

ええ、フリーの。家事育児から夜伽まで、一通りの自信はございます。
もし貴方様のお宅で人出が足りない時は是非お声かけの程を……

……格好、ですか?メイドとしてはこの上ないと思いますが、何か?

【相手の質問に対して、悪い感情を持った様子はない】
【ただしその受け答えといい、変わらぬポーカーフェイスといい】
【少なからず変人であることは、まあ間違いないらしく】

私にも理由はございません。ですが、幸いにも暇でして
誰が私を待つ訳でもなし、メイドの性分として人に尽くすのも仕方なし。

……如何ですか?別に、賃金を寄越せと言うわけではありませんし
必要ないのであれば、花畑の場所だけをお教えしても宜しいですが――。
493 :雫「う、うん。」 [sage]:2013/07/05(金) 23:10:24.22 ID:t25urcnpo
>>492
「それなら、なにか機会があれば、お仕事を頼もうかな」
【メイドの言葉に、肯定的に頷く仕草で答える】
「まあ、いつ機会があるかとかは分からないのだけれどさ……」

「うん、僕としてもそれがなによりもメイドらしい格好だっていうのは、分かるのだけれど」
【最低限の回答、変わらない表情。相手がどんなことを考えているのかは、全く読み取れない】

「いいや……なんでもない、気にしないでくれよ」
【当然だというようなメイドの態度を見せられれば、青年の疑問もサッパリと無くなってしまった】

「必要ないだなんてことはないよ・ 僕は、一緒に来てくれると嬉しい」

【メイドの性分として人に尽くす。 というのは、青年には理解しがたい感情だった】
【メイドとはいっても、それは職業の一つなのだから、それは利益につながるものであるはず――けれど、目の前のメイドは、根っからのメイドとでもいうのだろうか? そういう単純なものでは無いようだ】

「暇ならば、暇な人同士……なんて言うのは、失礼だよね」
「ともかく、僕は一緒に来て欲しいと、お願いをさせてもらう」
494 :聖司「雫!大好きだ!!」 [sage saga]:2013/07/05(金) 23:20:27.32 ID:0RLcancBo
>>493

【根っからのメイド=\―彼女が自分でそういうわけではないが、実は辺りだ】
【所作も完璧、人に尽くすを良しとする姿は、単なる職業にはとどまらない】

【――というのは、また別の話。青年が『来てほしい』と言ったなら】
【メイドはこくりと頷いてから、こちらです≠ニ、歩き始める】
【歩幅は小さく、子供のよう。ただししつこいようだが、振る舞いは大人のそれで】

そうそう、申し遅れました。私の名前は、『エリザベス・カーライル』……。
エリザベスでも、エリーでも、好きな様にお呼びくださいませ

……それで、貴方様はどのような方なのかをお聞きしても宜しいでしょうか?
お雇いを考えて頂けるのは嬉しいのですが、ご職業などで色々と変わりますから。
勿論、強制ではありませんし―――……っと、ここを左ですね。足元にお気をつけて下さいませ

【間を持たせるために話をつなげ、ついでに名を名乗る】
【そして案外に目的地は近いのか、時間にして数分程度で道を左に折れ】

【そして段差に気をつけて足を進めれば――そこは、とある川の土手であって】
【切れかけの街灯に照らされて、何種類もの花が、場所にそぐわず咲いている】
【流石に百合だのは無いが、気の早いひまわりなんかも、ひっそりと花弁を実らせていて。】
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/05(金) 23:49:24.51 ID:t25urcnpo
>>494
【少女の後に続いて歩き出す】
【見た目ならば青年のほうがより成人していると見られるだろうが、立ち振る舞いは前を歩く少女の方が大人びているようにも見える】

「僕は『タイラ・ホワイト』。 呼び名もそのまま、タイラだね。
 それじゃあ、エリザベスさん。 不思議な縁だけれど、よろしくね」
【エリザベスの会話に言葉を返しながら、案内通りにすすむ】
【子供のようなエリザベスが相手だが、タイラは丁寧な対応を心掛けているようだ】

「僕は、そうだね……恥ずかしいことに、フラフラとしててね」
【特に停職は無い。 そうして、色々な仕事を転々としている。 と、いうことを簡単に説明する】

「もちろん、いつまでもこのままじゃ駄目だとは……とと、こっちか」
【足元に気をつけろと言われながらも、躓きそうになってしまう】
【ほんの小さな躓きですぐに立ちなおすが、当人は恥ずかしそうだ】

「へぇ……こんな場所があったんだ。 全然、知らなかったよ」
【膝を曲げ、足元の花へと視線を落とす】
【花を買いに出かけておきながら、知識はほとんど無いので、目の前のコレがなんなのかは分からないが】
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/06(土) 00:05:12.91 ID:mr5tvqODo
>>495

成程……タイラ様は職業不定、と。いえ、それも良いかと思いますよ
私のようにただひとつに絞った生き方もありますが、様々に移り変わるのも。

ただそうですね……もしよろしければ、『UNITED TRIGGER』などに顔を出してみては?
或いは、自警団もよろしいかと。どちらも時折、人員の募集をしているのですよ
どこそこが襲われそうだから、迫ってくる誰それを追い払ってほしい、ですとか……。

……もっとも、そう行った場合だと能力者や特殊な技能が無いと危険ですが。
ですがその分報酬も、100万200万というのがザラでして―――

【これまた、随分と詳しいアドバイスだ。もしかすると、このメイド――】
【――ぱっと見はそうではないが、或いは彼女、能力者なのかも知れず】

私も、これは……お恥ずかしいことに存じ上げませんが、素敵ではありませんか?
店頭では買えない、雑種≠ニ扱われそうではありますが、それが美しい。

ところで……この花園、実はとあるご婦人の趣味の庭なのです。
もっとも公共の土地をその方が好きにしているだけで、花も一人が植えたものではないとか
如何でしょう、目に留まったのならソレを持ち帰る、というのは?

【足元の花――それは花弁の小さな、しかししっかりと自己表示をする紫の花】
【名前はエリザベスも知らないという。けれども、どこか可憐な様子を見せるそれは】
【部屋の片隅に置くのなら、パッと室内が色づくような、そういう魅力を持っていて。】
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/06(土) 00:35:20.32 ID:l9iWbLuLo
>>496
「そうやって言い切られると、グサッとくるものがあるな……」
【職業不定というのはまぎれもない事実】
【だが、ポーカーフェイスな少女にそう言い切られてしまうと、後悔が混じった苦笑いを浮かべる】

「やっぱり、定まった職業を求めると……何か、組織に頼る必要性があるよね」
【『組織』という堅苦しい言葉を呟いて、物憂げに長いため息を一つ漏らす】
「……うん。 すぐには変われないだろうけれど、まずは顔を出すところから始めてみようか」
【『組織』には抵抗感をちらつかせるも、エリザベスの提案には肯定的な態度だ】

「危険な仕事にはなれている……それに――」
【右腕の包帯を解き、その中にあるどす黒い肌をエリザベスにも見えるように】

「――そもそもこんな身体だからさ、普通のところじゃ仕事をもらえないんだよね」
【異常に白い肌、妙な形で黒い腕。 それらだけでも、普通の生活からはつまみ出されてしまう】
「別に、僕の能力について隠したりするようなことはないから……悪いことをするつもりはないし」
【自分の特徴を事前に明かしてしまい、妙な警戒心を抱かせないようと考えているらしい】
【もともと、それほど警戒をされていた訳ではないが……】

「……うん、素敵だ」
【エリザベスの言葉を、素直に肯定する】
【素っ気ない答えにも感じられるだろうが、見かたを変えれば、それだけ感動をストレートに表現した態度と言えなくもない】
「僕は別に、混じっていないものが混じったものよりも優れているだなんて、思わないけどな」
【雑種は純血種に必ず劣る。 そんな馬鹿な話はないだろう】
「なにが素敵で、何が美しいかなんて説明はできないけれどさ……やっぱり、良いと思うな」

「けれど……やっぱり遠慮をしちゃうよね。
 これは素敵だから、偶然出会っただけの僕一人が、勝手の所有して良いとは思えないよ」
【明かりの元、花を眺めながらも、今回の提案には遠慮気味だ】
「欲しいって気持ちも、本当だけれどさ 
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 00:44:04.34 ID:GwfNiX2z0
>>488

【――ひたり、ぴちゃり、緩やかに近づいて来るのは、まるで水がそのまま歩いているかのような感覚、錯覚】
【夏に片足突っ込んだ夜の温い空気、温泉から漂う暖かさ、つめたく澄んで割り込む、水の気配】
【それに包まれるように、それを包むように、ヒトから外れたモノの気配、――不穏でも、九十九の彼女なら、知っていたはず】

【湿気った木の枝の割り砕かれる音、めしりと聞こえて、――姿を見せたのは、やはりというべきか、少女のかたち】

――、

【真夜中の色で艶めく髪、三日月の細い青さに輪を抱いて、赤のリボンを編みこんだ三つ編みひとつ、ついと落として】
【膝丈のほとんどは素のままで降ろしたまま。長めの前髪の向こう側、覗くのは黒赤のオッドアイ、蛇の丸さの瞳孔】
【パフスリーブのワイシャツから伸びる付袖の黒さ、手首でふわと膨らむ姫袖、たっぷりのレースを孕む】
【身体の線を隠すようにリボンやビーズで飾った濃紫のジャンパースカート、赤いリボンが腰元で結われて】
【ふっくら膨らんだスカートの裾から伸びる足、長いソックスと底の高い編み上げブーツ、登山のつもりもないだろう恰好】
【手遊びか三つ編みを弄る両の手、左の薬指――まるで久遠でも誓ったかのような黒蛇の痣、指輪めいて刻まれて】

こんばんは、……うたが、聞こえたから。

【――かつて瞳を、表情を、気持ちを、翳らせていたもの】
【たとえば禁忌なんて穴の開いたフェンスにしか見えないような、そんな、異常】
【抜け出したのだろうか、抜け出せたのだろうか、その顔、かつてのような色はなく――それとも、既に踏み抜いたのか】

【見知った顔に数秒ばかし驚いたよな仕草は見せたけれど、すぐに綻ぶ顔、緩く微笑んで】
【そこばかりを弄んだこと窺えるだろうか、一部の乱れかけた三つ編みから手を離す、厚い底の靴がそちらへと向けられて、】

……――錆びちゃいそう、ね

【ついと視線が水面を撫でる、――けれど、そこに好意的なものは薄く、温泉など興味ないとばかり】
【触れたことだって、例えば薬効がどうとか温度がどうとか気にするでもなく、ただ。眼前の彼女、案ずるような――】
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/06(土) 00:52:48.50 ID:mr5tvqODo
>>497

【青年がその黒い肌を見せ、その身体について言及すれば――】
【エリザベスは顔色1つ変えずにトランクケースからあるものを取り出した】

【それは大剣=\―但し黄銅色の刃が有るのみで、その芯や腹のようなものはなく】
【更にはカラクリ仕掛けなのか今は短く変化しているそれを、彼に見せた】
【小柄な少女には見合わぬ一品。私もそうです≠ニいうことだろうか】

……大丈夫ですよ。UNITED TRIGGERも自警団も
さほど戒律が厳しい場所だとは聞いていません。だから、堅苦しく考えなくても。
あぁそうそう、教会などに行ってみるのも悪くないかもしれません。

それにしても、タイラ様は少々謙虚が過ぎるきらいがございますね?
でしたらせっかくですので私から――――

【ふとエリザベスは、短くした大剣を使って、そっと紫の花を切り取った】
【止めるよりも早く行われてしまうその行為には、実はしっかり意味があり】

――これで、この花は私のモノ。しかし要りませんので、差し上げます。
それでしたら花への遠慮は要りませんし、私へのソレも必要ありません
持っていけ、とまでは言いませんが―――よろしければ、どうぞ。

【中々、ポーカーフェイスでも強引なところが有るらしい。スッ、と花を差し出せば】
【大剣はトランクケースに仕舞いこんで、もう元通り。やはりどこか、変人らしかった。】
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 01:08:22.23 ID:ePE6LOxW0
>>498
【刀。刃。九十九と化すほどに時を経ても、その鋭さは失われず】
【故に、新たな気配にも敏感に気付いたのであろう。――――けれど、鞘に収めた其れを抜くわけでも無く、警戒の色を浮かべるわけでも無い】
【ただ、ゆるりと浮かべた笑み。足音か幾分か近づいてきた事を聞き取れば、面を向けて】


「――――歳を取ると、の。暇な時は昔の事が勝手に思い出されるのじゃよ
楽しい事でも、辛いことでも、思い出は思い出故にの
……うむ。こんばんは、じゃの。鈴音や」

【ちゃぷちゃぷと、気紛れに立てられる音。細かな飛沫が髪や纏い物をしっとりと濡らしてもお構いなし】
【湯を楽しんでいると言うよりも、この情景を楽しんでいると表すべきか】
【――――“歌”の意味を。延いては其れが口から漏れる経緯を語ったならば、こくりと小さく頷いて】
【あの夜からどれ程の時が経ったのかは、分からないけれど。しっかりと紡がれるのは、少女の名】


「なに、この身を持つまでに、幾多もの水を浴び、幾多もの血も浴びたのじゃよ。今更そう心配する事でも無かろうて
――――と言えたのならば、様になるのじゃろうがの

初めは怖かったと言えば怖かったがの。物は試しと言う事で心を決めて挑んでみれば、存外心地が良い物と知ったのじゃ
…………時に、お主に会うのも久しいの。あの夜のお主自身の語らい、まだ覚えて居るかや?
そう、笑える事が出来るのならば、良い方向へ傾いたと考えられそうじゃが」

【言葉も無く横に避ければ、まるで其処に腰を落ち着かせろとでも促しているかの様】
【錆への心配。目を瞑るようにしたならば、まるで達観したかのような言葉。そして、苦笑を浮かべたならば続けて本音が漏らされ】
【――――自分の話も程ほど。多少なりとも言葉はオブラートに包まれているが、殆ど率直と言ってしまっても間違いでは無い問い】
【時たま、気に掛かっていたのだろうか。傾げれば、月明かりを眩しく反射させる銀の髪が、左右不平等の長さとなって】
【憶測。笑みを見せてくれる位には、良い方向へ動いたのだろうか――――なんて】
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/06(土) 01:16:33.69 ID:l9iWbLuLo
>>499
【ケースから取り出される『剣』】
【どう考えても、ケースと不釣り合いなそれは、何らかの能力だと考えるべきだろう】
【その様子を、静かに眺めている。 そのポーカーフェイスな少女が、何をしようとしているのかを見定めようと……】

「うん、頭で考えていても仕方が無いっていうのは……理解しておく」
【そう言われても、いまいち表情はうかない】
【その表情からは、『規律』とは別の要因を気にしている様子だと推測できるだろう】

「……僕が、謙虚?」
【首を傾げるとともに呟かれる言葉は、それは違うだろうというニュアンスが含まれていた】
「僕は、そんなんじゃないよ」

【音もなく、目の前で切り落とされる花】
【これから行われる行為は予想もしておらず、全く止める隙が全くなかった】

【差し出される花。 そのまま、エリザベスの言葉を最後までしっかりと聞いてから、タイラは動き始める】
「そうだね……ありがとう」
【思い切りの良すぎる行動に戸惑を浮かべながらも、しっかり感謝を伝えて花を受け取る】
「ありがたく貰うよ。 ちゃんと、大切にするから」
【受けとった花を、優しく左の腕に握る】

「ええっと……それじゃあ、僕はお花の鉢を用意してあげることにしようかな?
 エリザベスさんの方から、他になにか大切なことがなければだけれど……」
【慌てて花の保存に努めようとしていることから、タイラは受け取った花をどれだけ重く感じているのか、判断する一つの基準になるだろう】
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/06(土) 01:23:56.05 ID:mr5tvqODo
>>501

―――鉢よりも花瓶の方が宜しいかと思いますよ。
なんでしたら、使っていないコップなどに活けてもよいかと。

水は毎日変えること、花自体はすぐに萎れてしまうので3日程度で諦めること
あとは、そう……きちんと陽の光を当てて上げること。
……大切にするのであれば、是非この辺りを。……お願いしますね?

【相手が受け取った花を握ったのを確かめて、いくつかの注意事項を口にする】
【どこまでも事務的という印象がついて回る――しかし、気付けるだろうか】
【ポーカーフェイスの一点張りだった表情が、口元が少しだけ動いたような―――】

いえ、私からは特別、ございませんよ。では、そろそろ夜更けでございますから……
……タイラ様。またお会いした時もご健勝であることを願っております。

――――それでは、これで…、……失礼致します、お達者で。

【はてさて、彼女の真意は何処へやら。事は済んだか、と彼女は判断して】
【言うことも特に思いつかず、最後まで丁寧に別れの挨拶を告げてから】
【深く頭を下げて―――そしてトランクケースを両手で持ち、一足先に、花園を後にした。】

/お疲れ様でしたー!
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 01:31:59.09 ID:GwfNiX2z0
>>500

【獣よりも人間めいて、けれど、人間よりも獣めいて、――どこまでも曖昧な気配、ゆらりと】
【姿を現したなら真っ先に目が合うのだろう、二色の瞳、じぃと見つめて……瞬いて、】

……そうなの、かな。 ――分かんない、そんなに生きたことがないの。
……これから、も。そんなに生きられないから、たぶん、分からないまま終わると思う、し。

【緩やかに靡いてたゆたう綿飴のようにぼうとした湯煙、ついと捕まえるように手を動かそうと、捕まるわけがない】
【指のかたちで避けて逃げていく煙を空気と緩やかに混ぜ込んで、最終的には吐息が散らして、見えなくなる】
【――立っている自分と、座っている相手と、仕様のないことだが、見下ろす視線。多少の威圧感は、どうしようもなく】

【(そんなにというのは九十九たる彼女と比べてのこと、百が期限と定められた身では、その領域にはたどり着けないから)】

変かな、水こわいの、きらい、だいきらい。だから、……――変なの、大丈夫なんだ

【ふらりと近づいた先、会話するには十分近い距離、ただ、親友などというには少しだけある間】
【そうと膝折ってしゃがみ込む、ほわほわと湯気を吐き出しては揺れる水面を見下ろして、手を伸ばしては見るけれど】
【――どうしても触れることはない。水気を纏う少女がこれとは、たしかに、おかしなはなし】
【窺うように童守へと向ける視線、本当に大丈夫なんだと確かめるようなのは、どこか、羨望めいたものが混ざっていて】

……――おとうさん? ああ、うん、大丈夫だったの。 今ね、一緒に住んでるよ――

【――その瞳が、僅かに丸くなったなら。かつてを軽く思い返して、ああと納得したよなちいさな声】
【ふわと笑顔が蕩けていく、アイスクリームを常温に置いたような、甘く蕩けて――頬へ指が触れる、白に白を重ねて】
【その白さの中、やはり目立つのは左手の薬指に刻まれたそれだろうか。指を抱え込むような黒蛇の痣】

【(ご飯作ってるとか、一緒に寝てるとか、一緒に本読むとか、なんかどうでもいいような言葉が続くのは、】
  なんというか無視してしまっても問題もないのだろう、甘たるい色、――父親に向けるはずでない感情である以外は)】
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/06(土) 01:38:07.24 ID:CJ3a76e1o
>>411

【ヒライの自由人な振る舞いに比べると、なんとも対照的で大人しい様子のギア・ボックス――全く可笑しな夜だ。】
【どういう経緯でこの三者が集ってしまったのか、偶然といえば偶然だが――ある意味で、順当なめぐり合わせだったのかもしれない。】
【セリーナは事務所へ戻ってきた途端に、周りが賑やかになってしまったのを疎ましく思うよりむしろ、嬉しく感じていたのは確かだ。】
【自分もビールの瓶を――僅かに逡巡しつつ、矢張り抗えない、と栓抜きで蓋を外し最初の一口を喉へと、流し込んだ。】

〜〜〜〜〜〜〜!美味い!キンッ・・・キンッ・・・に冷えてる・・・!!
ああ、これが禁酒二週間分の旨味・・・たまにはお酒控えてみると、その分美味しく感じられるしイイかもね♪
――っと、ごめんね?お客さんの前で晩酌しちゃってさ。けどその――・・・

この前"あるヤツ"と戦ったときに、結構な大怪我負っちゃってね。脚とか含めて骨折何箇所だったかなぁ・・・、もう覚えてないや。
大分よくなったんだけど、入院期間中はお酒止められてかたらアタシとしてはもう、息が詰まる寸前で!
せっかく事務所に帰って来れたし、ヒライ君も――・・・ふふ、飲みたいみたいだから今日は"付き合い"ってことで、許してねギア君♪

【――"誰"と戦ったのか、までは言わず。もっとも、聞かれれば答えることは出来るが、これもまた危険な賭けである。】
【あの"悪魔"と関わったコトをこんな優しそうな青年に告げるのは、ある意味で"巻き込んでしまう"のではないか、と考えて。】
【あえて濁した言い方で話し、ギアの反応を伺うだろう。そうこうしている内に、会話は闇オークションの件へと移って。】

あれれ?ギア君、大人しいしモテそうな顔してるのに、ふふ・・・そっか、恋愛沙汰には疎いのかな?
でもびっくりだなあ、まさかギア君が――あの"会場"で一緒に戦ってたなんて、気付けなくてごめんね。
大きな戦いだったから、自警団とか仲間にも怪我人が一杯出ちゃったけど・・・ギア君は大丈夫だった?
それに、態々挨拶に来てくれるなんてホントに嬉しいよ!あの作戦に参加してくれた事も含めて、もう一度感謝させてもらうね、ギア君。

けど――・・・なる、ほど、ね。そっ、っか――・・・"舞衣ちゃん"も、大変だなぁ。
やっぱりいたんだ、あの会場にも・・・ああいうお仕事、好きじゃなさそうなイメージだけど。
そういう事なら安心したよ、えっと・・・どこまで伝えていいかはわからないけど、彼女は根っからの悪人、てワケじゃないんだ。
むしろウチ<UT>とも――まあ、どちらかというと"アタシ"とも、個人的に交友があってね。
だから多分、無用に命を奪う事はしないし、それでギア君を逃がしたんだと思う。大丈夫だよ、後を追って来たりとか
ボスに生かしておいてる事を告げ口したりとか、そういう事はしないと思うから。きっと、だけどね。

【話を要約するに、彼女と霧崎――霧崎舞衣とは面識があるようだ。以前に会ったことがあるのだろう。】
【そうしてだからこそ、互いが互いの立場を理解していて――ああしてぶつかる事もあると、分かっているのだ。】
【その上でセリーナはギアに"お仲間みたいなものだから"と、告げるだろう。確かに、オークションの会場にいたのは事実だが】
【ただ、ギアがそれを思い出して手を振るわせたときには――そっと、その両手を握るように、自然な動きで手を包み込んで。】

――・・・見苦しい事なんてないよ。死ぬ事が怖くなくなったら、それは人間じゃなくなっちゃう、って事だもん。
アタシはね、人間は強いって信じてる。それはね、腕っ節でも精神力でも他の色んな生き物に大きく、劣っているから。
劣っているからこそ、恐怖して、それに打ち勝とうと前に進む勇気が、人間を人間として成り立たせてると思うんだ。
死ぬのが怖くなくなったら、生きる事に執着がなくなったら――きっと、戦う力もなくなっちゃう。

だからね、怖がっても見苦しくないんだよ。それを知ってて戦おうとするギア君は――きっと、すごく勇気があるんだと、アタシは思うな!
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/06(土) 01:38:27.16 ID:CJ3a76e1o

>>413

【はて、それなりに事件である、というのは確かだろう――マフィアやギャングもUTの仕事の範疇である。】
【しかしヒライの落ち着いた、良くも悪くもマイペースな雰囲気を鑑みるにどうにも・・・大事件だ!とは言えない気がする。】
【勿論、話だけは聞いておくつもりだが、セリーナはヒライのブレないテンションにどこか安心している部分もあった。】

――・・・それだよ、そのテンション!六年分纏めて誕生日やる人とか、フツーいないから!
あのね、アタシが突っ込みに回ってるって相当なことだよ!UTのメンバーが見たらびっくりしちゃう光景だよこれ!
なんだろうなあ、アタシが滅茶苦茶言ってるのは間違いないんだけどヒライ君は対応がクールすぎるよぉ・・・。

――うん、でも"呑む"って部分には賛成♪大賛成♪のものも、誕生日おめでとー!!

【――結局、祝ってるし。もう、なんかこれでいいや――とセリーナも思っていた。】
【恐らくはヒライ、かなり酒に強いと見て間違いない。ずぶ濡れから起き上がって最初に要求したのが冷えてないビールという時点で】
【酒飲みで常にアルコールを摂取している類の人間であることは見抜いていた、セリーナも負けじと瓶を一気に飲み干し――】

っは〜・・・・!!ビール!ビール美味い!ヒライ君ももっと飲みなよ〜?んふふ〜♪

――・・・根無し草、職なし、なるほどね。それに"博打"ときたか、ふむふむ――へぇ。

【途端に上機嫌になるセリーナ。ビールは燃料、違いない。】
【はて、ここで気になる単語が幾つか、まずは根無し草――ヒライは家無しか、イメージどおりといえばイメージどおりではあるが】
【お金も余りもっていない、ということは手に職を持っている訳でもなさそうだ。更に言えば――人生を博打と例えるその、意気込み。】
【ギャンブラー体質で派手好きなセリーナにはとても、気に入ったフレーズであった。ここで、ある提案が頭の中に、浮かんで・・・。】

――ね、ヒライ君。手に職を持てて、お金が結構たんまり手に入って、アルコールとタバコくらいなら好きなだけ"やれ"て
飲食ついててオマケに"部屋"まで手に入っちゃう―――そんな夢みたいな仕事を一つだけ知ってるんだけど
――どう?今なら紹介料、半額で承るけど・・・興味ない?

【そう言って笑うセリーナの表情は、凄く――晴れていて、そしてとっておきの悪戯を思いついた子供のような輝きを持っていた。】

>>413>>412
【さて、それとは別にヒライといえば、赤ワインを見た途端に態度が急変して――大人しく引き下がったのを確認し、セリーナは安堵しつつも】
【何故急にここまで気分が落ちたのか、少しだけ気になって――怒ったのが効いたのか?いや、そんな風には見えない。】
【もっと何か別の要員があるような気がしたが――どうだろう、突っ込んでいいものか、悪いものか。】

(――・・・あれ、しおらしくなっちゃった。怒りすぎちゃったかな・・・?でも、それよりも別のことに引っかかってるような――・・・)
(赤ワイン――・・・赤――・・・)

(――・・・いや、まさか―――――・・・ね。)

【逡巡、もしかしてそれは――先程言っていた記憶に関係する、何か重要なファクターなのではないかと思い、口に出そうとしたのだが】
【そこで会話は途切れてしまう、何故ならばセリーナの耳に飛び込んできたのは――依頼の話だったからだ。】

―――依頼!?ギア君、なんか美味しい話があるんだね!?なになに、聞かせて聞かせて!

/遅くなりました、よろしくお願いします。
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/06(土) 01:47:29.60 ID:l9iWbLuLo
>>502
「わ、分かったよ。 ちゃんと、気を付けて育てるから」
【一度に言われてしまって、困ったような表情を僅かに浮かべる】

「それじゃ、君も元気でね。 またいつか、出会える機会があることを、信じているよ」

/お疲れ様でした、ありがとうござました
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 01:55:47.70 ID:ePE6LOxW0
>>503
「短い命の間に分かる者も居る。逆に言ってしまえば、我の様に長く生きていても分からん者も居る
――――分かるから良い、良くないという訳でも無かろうが故に、解する必要も無い事じゃよ」

【その姿を見ていたならば、くつりと小さく笑って】
【人差し指と親指が作り出すのは、輪っかの形。地面と平行に動かしてみれば、まるで糸で引かれているかの様に、煙の小さな塊がついと動くだろう】
【その穴に吸われているとでも表すべきか――そんな、些細な戯れ】


「その気持ちが分からんでも無いぞ?先も言ったが、我も元は余り好かんかったからの
……まあ、我も妖怪に代わりは無い。時の流れの間に人間が変わる様に、我も生きている内に変わるのじゃよ
――――強ち、変なの。という言葉も間違いじゃ無かろうて
お主も何れ、もしかしたら水遊びが出来る時が来るかもしれんぞ?……くふ。我は予言の件では無い故に、断言は出来ぬがの」

【自分の肩の可動域限界まで引っ張ってみたならば、ふつと握りしめて】
【折角引いていた湯煙達が、辺りに散ってしまう。そんな流れを、何処か楽しそうに眺めていて】
【ふと向けた視線。その色合いから察したのか、少し間を置いて付け加える言葉】
【些細な冗談でも紡ぐかの様。本能的にも拒む様な仕草を見れば、僅かに疑問にも思うけれど】


「――――――ふむ。そうか、そうか。ならば良かったのじゃよ
どの様な方法で、或いはどの様な経緯でか、という事は聞かぬ……が
はて、その指は怪我をしたのかや?或いは、代償か――――お主の肌は細かく白いが故に、よく目立ってしまうの」

【どうでも言い様な言葉。けれど、それを少女が楽しそうに語るならば、九十九も一つ一つに相槌を打って】
【満足の行くまで語らせたならば、その指に視線が注がれているのが分かるだろうか】
【少し遅れて、訊ねる言葉。如何にして、その痣を作らせたのか】
【語る言葉、若干の違和感を感じる少女の感情と関係があるのかを探る意味も含むけれど――――】
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/06(土) 02:17:31.69 ID:U6QAmIYFo
>>413
>>414
そ、そうです、あまりそういうことはやめといた方がいいですよ、ええ……
ああでも、パスタいいですねえ……最近食べてないなあ……いや、失礼

(赤ワインが嫌い、なのかなあ……)

【持っていたものを棚に戻して、カウンター席へ戻ってきたヒライに安著のため息をつく】
【彼の語る料理に思いをはせてみたりもするが、やはりセリーナに向ける彼の言葉へ興味が向く】
【赤ワインを見た途端に、彼の様子が一変する。何か嫌な思い出でもあるのだろうか】

【だがそんな考えも、次の言葉に打ち消される。奇遇にも、彼女の事はヒライも知っていたらしい】

あの人をご存じなんですか!? ヤクザ、ってことはやっぱりD.R.U.G.Sの……
考えてみれば、あの場では戦っただけで、彼女のことは全然わからないままでした……

【ここに至って今更のように、そのことに気付く。伝言を持ってはきたものの、あの女性のことは名前以外知らなかった】
【生死をかけた戦場においての、敵としての邂逅だったのだから、無理からぬことではあったのだが】


>>504
いえいえ、気にしないでください。せっかくの禁酒明けみたいですから
"付き合い"は大事ですもんね!

何か所も骨折……相当な激戦だったんですね……
("あるヤツ"……正義組織のリーダーで、大会優勝者のセリーナさんに、ここまでの重傷を……)

……その、"あるヤツ"って……機関絡みか何か、ですか?

【一瞬、逡巡する。しかし、気付いた時には口をついて言葉が出ていた】
【ギア自身は、かの悪魔と対峙したことはない。しかし、それと同格に位置する男と出会ったことはある】
【内心では、早くも恐怖が鎌首をもたげていたが。それでも、聞かずにはいられなかった】

【どんなに無力でも、何か自分に出来ることはないか。その糸口を探さずにはいられなかった】
【結局は、自分の都合での行動ではあったが。"巻き込まれる"覚悟くらいは、持っているつもりらしい】
【セリーナの視線から、目は逸らさなかった】


か、からかわないで下さいよ、セリーナさん!!
いえいえ、乱戦でしたから、気付かなくても無理はないですよ。本当に、大きな戦いでした
僕も、多少怪我はしましたが、なんとか大丈夫でした。ご心配ありがとうございます

……僕も、何かの役に立ちたかったんです。こちらこそ、あの作戦に参加させていただけたこと、感謝してます
ありがとうございました

【最後の言葉を発した時、ギアの青い瞳に一瞬陰りが見える。脳裏によみがえる記憶】
【夜の国の首都・ルルーメンでのテロで、圧倒的な力に叩き潰され、無力感に打ちのめされた記憶】
【それを払いたくて、あの作戦に参加した。結局は、自己満足での行動だったのかもしれない】


やはり、あの方とは面識があったんですね……そういえば、あまり望んであの場に来た、という雰囲気ではなかったですね
セリーナさんがそう言ってくれるなら、安心できます

【にこりと笑って、セリーナにそう返す。彼自身、あの女性からは鋭い殺気こそ感じたものの】
【邪悪な気配までは感じられなかった。自分を逃がしてくれたこともあるし、セリーナの言葉は信用に値するだろう】
【と、震えていた両手に、ぬくもりを感じる。包み込まれた自分の両手】
【そして、かけられる暖かい言葉】

……少し、救われたような気がします。貴方にそう言ってもらえて、嬉しいです

【やっと、それだけ返した。震えも収まった。それだけ、彼女の言葉はギアの心に深く染みた】
【勇気――戦いの場では常に脚を震わせている自分に見合う言葉かわからないが】
【出来る限り、生きる意志を捨てずに歩き続けたいと、そう思えた】
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/06(土) 02:18:54.42 ID:U6QAmIYFo
>>505
い、いやその、美味しい話と言うほどでは……
依頼したいと言った矢先で申し訳ないんですが、ちょっとはっきりしないところがあって……
一言で言うと、人探しなんです。少し前に、ある女の子と約束したんです。その子には行方不明のお姉さんがいるそうでして
その子を見つけたら教える、って約束を。ただ、ちょっと慌ただしい別れ方をして、そのお姉さんの特徴を聞きそびれてしまって……

名前だけは聞きました。天鬼ちゆり、って言うそうです。その子の名前は、天鬼桔梗。巫女服を着た女の子です
僕が会った時の姿は、彼女の術で人形を媒介にして、現していたものだったみたいですが……
もし、セリーナさんがその行方不明のお姉さんを見かけるようなことがあったら、教えてほしいと思いまして……

僕の用件は、これだけです。ずいぶんとお手間を取らせてしまって、申し訳ありません

【そこまで言ってから、ギアはぺこりと頭を下げる。しゃべり疲れたのか、コーヒーを飲んでもう一度息を整える】
【事務所への珍客のうち、一人は自分の用件を全て吐き尽くしたようだ】

【後は、二人の話に耳を傾けようとするだろう。セリーナの提案にも、多少の興味がそそられたらしく】
【青い瞳を二人へ向けながら、カウンター席の上で、居住まいを正した】
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 02:32:13.24 ID:GwfNiX2z0
>>507

【「そう、かな」なんて――吐息に紛れて言葉が紡がれる、その言葉の示す先すら、どこか曖昧に見ているよう】
【いつか分かる日が来るのだろうか。ようやく八つを数えたばかりの存在には、そう思うことすらも、難しくて】


【――ふらと伸ばした指先がさもスズメバチの巣でも前にしたように強張って、かたまったまま】
【伏せた瞳、咬んだ唇、……結局、指先はゆると引かれて、水面を揺らすことすらなく、終わる】
【(その指先が、ほんの少しだけ、震えていたような気がした)】

別に、……、……そんなの出来なくても、いいけど。

【膝を折ってしゃがんだ姿勢、そっと縮めて――呟くのは、強がったようにも、本音のようにも、聞こえるライン】
【例えば夏にどこか海へ行ってみたいし、冬は暖かなお風呂に浸かってみたい。――けれど、それらがなくても、死にはしない】
【それどころかそんなことをしたら死んでしまうかもしれない、溺れて死んでしまうかもしれない、(あのときみたいに)】
【――伏せた顔、ふらと首を振る。行き過ぎた思考を断ち切るため、思考を遠ざけるため、じぃと膝を見つめて――】


――……怪我? してない、よ。

【怪我。怪我――示されているのは指のそれなのに、ぱちり瞬いた視線は童守へ、右手が、首へ】
【服のデザインから窺えない首筋に触れる意味? やがて、彼女の視線が指へ向いているのだと気付けば、右手は退かされて】
【ついと指先が大事な大事な毀れものを扱うように優しく撫でる、愛おしいように、】

 お父さんがくれたの、わたしも、お父さんにあげたの
 なにもかもくれるって言うから――なにもかも、あげた

わたしだけのモノ、お父さんだけのモノ、――だれにも、わけてなんて、あげないんだから

【怪我ではない。否定こそしないが、代償というわけでもないのだろう――父から受け取ったという、痕】
【久遠を誓ったようにも、所有痕にも、様々な意味に受け取ることもできるはず。細めた瞳、しあわせに蕩けて】
【その言葉に篭めていく感情――どうしようもないぐらいにだいすきを詰め込んだのは、分かりやすいぐらいの感情でも】
【――そうすればそうするほど、“お父さん”と呼ぶ違和感、がりがりと浮かばせるよう――まるで、恋人か何かのよう】
【それでいて、確かに存在する歪み。まっすぐな愛じゃない、長く生きた彼女から見れば、どんな風に見えるのか】
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 02:55:28.71 ID:ePE6LOxW0
>>510
「――――さて、我にはその言葉が真か否かは分からぬ
無理に全ての恐怖に打ち勝てというのも酷な話じゃろう……何より、勝てぬ物も確かに存在するからの」

【些細な揺れを見たか、それとも少女の性格から考えたか。別に、無理をする必要は無い。最後に紡がれる、小さな言葉】
【少女と会ったのは、今を含めて二回きり。深く知っている訳でも無いけれど】
【――――水気を持つ者が水に触れられない。其れは、確かな異常だから】
【だから、何か思うところがあったのだろう。今までの経験、知識から導き出そうとしても、其れは不可能な事】


「怪我をして居らず、けれど痣が出来るとな?
――――嗚呼。なる程、の

安心せい、鈴音や。お主の父は一人、ならば誰も奪うことも貰う事も出来なかろう
…………のう、お主が父の事を好いている事は分かった。それこそ、常に脳裏に描くくらいに好いている事は分かった
ならば、次はお主の父がお主をどの様に思っているのかを聞かせて貰っても良いかや
愛娘か、それとも想い人か。或いは、そうじゃなぁ――――……」

【少女の言葉を下す訳でも無く、どちらかと言えば肯定に取れる言葉】
【確かに其れは娘が父親に向ける感情とは言い難い。果たして、少女の父が実の父なのかとも勘ぐるが】
【紡がれる問いは、別。少女から見た父親では無く、父親から見た少女】

【無論、少女の言う父に会った事が無い故に、一方的には考え辛いのか】
【ただ、少女が父と呼び慕うだけで、又は別な立ち位置として存在するのか――――】
【明確な答えは無い。出来るだけ傷を付けないように――――と言う寄りか、少女が変に考え、捻れた答えが出ないように】
【言葉の裏では、そんな思案が行われていたことだろう】
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 03:35:35.16 ID:GwfNiX2z0
>>511

【気にしなくていい、無理しなくていい、きっとそんな意味合いで掛けられる言葉、言われても】
【例えばそれが甘えるなだとか、できるまでやれだとか、そんな言葉だったとしても、変わらない結果】
【何度試そうと今日という今では越えられない壁、無理にでも突き落とせば変わるかもしれなくても、見るだけで分かる罠】
【――水が怖い。厳密に言えば、身体を浸せるだけの水が怖い。逃げ続けた壁は、今ではもう高すぎた】

【――明確にかたちを持つ痣、考えれば考えるほどに浮く違和感、一般的家庭の幻想から剥離していく現実、】
【撫でていた指先はやがて包むように握り締めて、それがどうしようもなく大切だと、強く主張するように】

……、……――

【わたしだけのおとうさん。ほんの僅かも混じらぬ血の流れのふたつ、本当にそうだったらいいのに、と紡ぐ思考】
【誰にも渡したくない思いばかりが積もっていく、どんなかたちでだって、どんなひとにだって、】
【――或いは。かつて奪われたから、こんなにも歪んだのだろうか。奪われなかったなら今はないのだから、無駄なお話】

 ――お父さんが、わたしを、?

【思考の水面へ向けていた意識、僅かに遅れた反応は、予想しなかった問い掛けだったこともあるのだろう】
【ついと持ち上げられた視線はそちらへ向いて、意味を咀嚼するよな間、瞬きひとつ】

【(黙りこんでしまうのは、考えたことがなかった/極端に少なかったのだと示すのだろうか)】
【与えられるままに咀嚼もせずに呑み込んでいく、自分の思考は邪魔なもの、何かあったら総てが自分のせい、洗脳めいた思い込み】
【自分の価値を自分で見ることが出来ない異常。――自分は、どう、見られて、いるのか?】

……  ――、 ……―― 。 ――わたし、わたし、は、お父さん、の、
所有物(モノ)、で、愛してるって、絶対に離れないって、守ってくれるって、助けて、あげる、って

【ふらと振れる視線、じりじりと落ちていくのが、水に石ころでも沈めたかのよう、ゆっくりと、重く、】
【細切れにされた鈴の音の声、金属めいて響くのがじゃらじゃらと重なっていくなら、わずかに不協和音の足音】
【言われたことを、言われたままに、記憶のそのままになぞっていく。――声の震えるのは重ねていくごと、薄れて】
【童守には伝えることの出来ないもの、そのときの表情、声音、温度、視線を落とせば、指には確かに蛇がいる】
【――彼女にとっての絶対的なひと、比喩なんかでない、世界で一番のひと。振れた思考を連れ戻すだけの、重さ】

【――紡いだのはそんないくつか。きぱり判断するには曖昧な言葉、混ざりこんでいて】
【きちりと定めようというなら彼女の言う父親のほうへ尋ねたほうが早いのだろう、どうにも、不確定】
【考えれば考えるだけ、どうしても捩れてしまう。曲がって伸びた枝が太陽を求めて余計に歪むように、そんな、性質】
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 04:01:39.56 ID:ePE6LOxW0
>>512

「ふむ……そうか。余程大切にして、大切にされているのじゃろうな
じゃがな、鈴音。果たして物として大切にされ、物として愛される事は幸せな事なのか――――
くふ――……物である我が語るのも可笑しな話、か。答えはそれぞれに異なるであろうが
物から人へと昇華した妖怪の、些細な戯れ言だと思って考えて居てはくれんかの」

【湯に浸かしていた細い足。宙で軽く振ったならば、水気を飛ばしてしまって】
【何となく、予想できた答え。けれど、確かな答えとは言えない言葉の羅列】
【――――分かった。その言葉を言えば、もうその先を語る必要は無いと制止するのだろう】

【側に置いていた二振りの刃を手にすれば、其れ等を帯に提げ】
【空白の時間が、数秒だけ。短い時間であっても、今までの会話を思い出すには十分】
【銀の双眸。細くされたなら、少女へと注がれて】


「我には家族という物が分からん。じゃが、それに匹敵する位の物は知っておる
鈴音は鈴音。その父の様に、二つとない存在じゃろうて
ならば、お主らしく生きよ。……尤も、モノとして大切にされるのがお主らしさだと言うのならば、其れはそれで良かろう
――――そろそろ日も昇り始める事じゃろう。無用な怪我をすれば、父が悲しむ。帰り道に気を付けると良かろうよ」

【横を通り過ぎるその刹那、頭に触れられるのならば、ポンと小さな手が優しく乗せられるだろうか】
【言葉を贈ったなら、それっきり。コロコロと小石を転がす音と共に、背中も小さくなって行って】
【やがては、残り香の様に漂っていた妖気も完全に散ることだろう】

/そ、そろそろ睡魔殿が……!
/申し訳ないですが、一足先にお休みさせて頂きたく!
/お疲れ様でした、お相手有り難う御座いましたですよー!
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 04:30:26.05 ID:GwfNiX2z0
>>513

【ぎゅ、と。指先が平たい胸元を飾るリボンに振れる、握りこむ、数秒間】
【――きらと零れる桜色した魔力の残滓、気付けるだろうか。黄緑色を衣のように纏って、ひとつぶ、ふたつぶ、】
【もちろん、気付けなくたって何がどうなるというわけでもない。彼女と、誰かの、色が知れるかどうかだけ】

 …… ――しあわせ、だよ

【――例えばここで自分がヒトではないと、モノに近しいと、言ったところで、それに意味はあるのか】
【魔力さえ拵え続ければ止まることのない身体の仕組み、生き物としての死がただの長い眠りでしかない、この身体】
【毀れても直せるからちょっとの無理ぐらいは押してみるいきかた、そんな体質があって初めて成立する愛、】
【色濃く浮かべる笑みに翳りも偽りもなく、ならば、当然その言葉に嘘があるはずもない――のだろう】

【立ち上がるなら、今度はこちらが見上げる順番。ぱちり瞬いたなら、帰る意図、気付いたよう】
【最愛を思い返すものから友達へ向けるものへ変わる表情、立ち上がるか逡巡するようで――結局、そのまま】

   ――またね、

【贈られる言葉、自分らしく――とは、少しだけ、彼女には遠い言葉だったけれど】
【(望まれるならかたちを変えようとするのは器に詰められる水のよう、いつも、いつも、誰かに合わせようとして)】
【そこに篭められる意味、総てには足りないかも知れずとも。きちり受け取って――ついでとばかり、掌のぬくもりも、】
【背中に掛ける柔らかな声音、怪我をしないようにと掛けられた言葉、そのまま返すように、紡いで――】


【――くらと揺れる身体、湿った地面に膝を突いて、深呼吸ひとつ、やけに荒く】

っ、――…… やっ、ぱり、手の大きさ、ちがう、んだ、

【握り締めていた首から手を離したなら見える素肌、ずっと隠されていた場所、隠していた場所】
【細身の手のかたちで赤らんでいた。他にもいくつか、いくつも、おんなじかたちで、痕があって】
【――たった今お遊びで増やしたものを除けば総てが同じ大きさ。成人男性の掌――添えてみたなら、きっと、そんなところ】

【ふぅらり立ち上がって揺れる髪先、ざわと魔力が渦巻いて――   ――ふつ、と。その姿、夜のうちに消えていった】

/おつかれさまでした!
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/06(土) 09:11:30.52 ID:0cgoN/1co
>>505

なんだよ…まず6年一気に年取るヤツのほうが居ないって
今回は自分だけど、俺は誰かの誕生日を祝う時だけ飲むんだよ
…ほら……世界中どっかで誰か彼か誕生日だろうから…

ああ…そう……いや、似合ってるよ突っ込み役。似合ってる似合ってる

【気の抜けたビールのような適当な褒め言葉】
【そんなことを言いつつ新しいビールの口を開ける】
【もう既にわかっているかと思うが、構わずに飲んでいる】

何?……何かは知らんが、ココでは働かないからな
上下関係とか……は、ココは無さそうだな…デスクワークも然り…
兎に角、ギャングに拉致られる奴でも荒事は結構も苦手なんだよ、意外とね

まあ……それにさ、賞金稼ぎが賞金首雇っちゃ駄目なんじゃないの?
あっ、そうだ俺、射撃超下手だぜ?体力無いし

【サングラス越しにみた表情はそう言う意味と捉えた】
【組織だとか仲間だとかそういうものに安心感を覚える人が大半だろう】
【ただ、それをただただ窮屈なものと捉えるものも少なからずいる】
【そういった理由で彼は少し前にD.R.U.G.S.のある組織を蹴っている】

【UT側としては賞金首を雇うのはあまり好ましくないんじゃなかろうか】
【ここまで身分を隠している…というより言うのを忘れている彼は】
【どうやら思ったより深いところまでダーティな世界に踏み込んでいるらしい】

>>508

悪いな、ココの店はどうも品揃えが良くないらしい…今度用意しとくよ

【店と呼び、UTのメンバーでもない彼はただの厚顔無恥である】
【その態度たるや、店主かオーナーの域だ】

ああ、まあな…何年か前にも俺さ、河原で捨てられててさ
担ぎ込まれた先がそん時はそこの事務所だったってわけ
そして……カネもねーし記憶もないしで、まあウチで働けって言うわけさ
……で、まあ何やかんやでスグやめたけど、面識はそこで少し…

【ぼんやり思い返すが大して思い出もなく、ヤクザには腹たった記憶だけ蘇り】
【あの娘は目が怖かったな目が…とかその程度思い出した後】
【楽しい気分が台無しになる前にビールを飲んでアルコールで洗い流した】

そうか……俺、二度目だ…今回は記憶喪失になってなくて良かった
あれさ……焦るよ。…凄く。誰だ俺ってなるって……一度なってみな

【どうやら掘れば掘るほど変なエピソードに埋もれているらしい】
【そういうのもあってこんな性格になってしまったのか】
【それともこんな性格だとそんなことになってしまうのかは…疑問である】
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 19:17:23.98 ID:wJGK5+Jeo
【路地の奥――酒場】

【そう広くも無い店内は閑散として、客は奥に座る一組のみだった】
【貸切でclosedという訳ではない。時間帯が早いだけか、辺鄙な立地ゆえか】

……じゃあ、当分はそこに匿うのか?

「お前に預けて下水道に置かれるよりは、ずっと良いと思うが」

それは違いないな。 姪っ子には話したのか?

「……いずれ」

全く……ついでに俺も置いてく「無い」……だよな、いや、知ってたさ。

【短くなった煙草を揉み消し、呆れたように溜息をつくのは】
【右頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青を持つ、よれた黒スーツ姿の若い男】
【癖のある黒髪、鋭い灰色の目、肌は死人めいて酷く血色が悪い】

【もう一方、彼の言葉をぶっきらぼうに遮った後、葡萄色のキールのグラスを傾けたのは】
【左右で瞳孔の開き幅が違うオリーブ色の目が特徴的な、黒い祭服を纏った若い男】
【腰まで伸ばした紅茶色の長髪、踵の高い靴と、紫色に染められた長めの爪が目立つ】

【刺青の男が新しい煙草に火を付ける】
【深く吸い、煙を吐くまで、有線から流れるジャズが間を保つ】

……お前もあいつも、
俺の知らない所でバカスカ戦って、勝手に傷付きやがって。
心配する方の身にもなってみろよ。 まして敵が敵だ……

「……――――」

【そう言われても何も感ずる部分など無いといった表情で、祭服姿の男がグラスを揺らす】
【暫しの間があってから、彼もまた、やっと口を開いた】

「あれに関しては当分戦えないだろう。 それ以前に動けさえしない。
 ……それに私も、今後はもう――」

【――そろそろ夕暮れ時だ。いくら奥の通りだと言っても、人が来ない訳では無い】
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/06(土) 20:34:07.17 ID:8ZBGsRiQo
【街中 公園】

……ちっ、やっぱり割のいい仕事ってえのは中々ねえもんだな
なんつうかこう、一山当てられりゃあ俺としても楽なんだがなぁ

【静まり返った夜の公園】
【その端に備えられたベンチより、低い老年男性の声が響いていた】

【2mを超える大柄な身体を僧衣のような紺色の民族衣装で身を包み】
【露出した肌に生やすは黄褐色と黒の縞を描く体毛】
【脇に立てかけるようにして螺旋の金属飾りのついた長い木杖を置いたその者は】

【虎の頭部をし、ふらりと尻尾を揺らす獣人であった】
【二足歩行の虎が服を着たような姿を言えばわかり易いであろうか】

【虎人は鼻に引っかけるようにして四角いレンズのメガネをかけ】
【チカチカと光る街灯の下、求人誌を手に取りページを捲っていた】

ま、人生そんな楽じゃねえっつう話だわなぁ
働くおとうちゃんは大変だぜ全くよ……

【尻尾を柳のように揺らしながら「むぅ……」と小さく唸りつつも】
【幾つも並んだ雇用条件に目を通し、吟味していく】

【見た通りネコ科の特徴の強く出たこの獣人は、聴覚や嗅覚、また気配を読むことに長けている】
【もし近くで何かがあったならば、そちらへと興味を示すこともあるだそうか】
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/06(土) 21:32:32.42 ID:uytY4wO10
【商店街】
【流石にこの時間にもなれば、店じまいを済ませてしまった所も多くなる。明かりを付けた店は疎らに有る程度だろう】
【そうなればこの場所は、もう大分と暗くなってくる筈だ。筈なのだが、どうにも今日は事情が違うようで、】

【暗闇に呑まれかけた商店街の一角、広場の様に少し開けた場所に、大きな葉竹が沢山、更にその間を縫う様に幾つかテーブルが設置されている】
【光に包まれたその一角を一目見れば何となく、この状況が把握できるだろうか。「ああ、そういえば明日は七夕じゃないか」と】
【どうやらここでは、葉竹に飾る短冊を書くキャンペーンをしているらしい。色とりどりの短冊をその手に持った、行事の運営委員と思わしき人達が忙しなく走り回っている】
【「あなたも一つ、願い事をしてみませんか?」というシンプルな謳い文句に釣られる層は年齢性別問わないらしく、実に様々な人たちで溢れかえっていた】

【そんな場所の、テーブルの一つ】

…………………………

【椅子に深く座り込み、テーブルに置かれた何も書かれていない短冊を睨み、思考に耽る青年が一人】
【少し痛んだ青色のデニムに、薄く汚れたセーフティブーツ】
【前を開いた茶色のミリタリーコートからは、白のシャツと黒いネクタイが顔を覗かせている】
【あまり特徴的とは言えない服装の中、携えられた二本の鋼鉄の剣が存在を主張する】
【微かに白みがかった緑の髪に鮮やかな蒼眼。そんな姿をした人物が、短冊へ書く「願い」を考え出そうと躍起になっていた】

……駄目だ、全く思いつかない……

【偶然ここを通りかかり、ポケットティッシュかの様に渡された短冊】
【断るに断れないので書くことにはしたが、どうにも願い事が思いつかないらしく、】
【少なくとも、近くの子供達が彼の薄緑の髪に短冊を括り付けても気付かない程度には、熟考していた】
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/06(土) 21:34:01.45 ID:Im3uyBsl0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 公園】

――――ふぅっ……全く、イライラする……!
この季節、どうしてもこうなるのは仕方がないんだろうけど……全く……

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】
【イライラした様子で立ち木に凭れかかりながら、じっと地面を見つめて呼気を怒らせている】
【右手には、どこかのパン屋辺りで購入したのだろう。クッキーの入った包み紙を携えていた】

……住みよくは無いだろうが……昼の国辺りに行ってみるのも手かな?
……いや、滞在費が膨大に掛かり過ぎるだろう……却下だな……――――気を静めるには甘い物と言うが……今回は、失敗だったかもしれないな……

【クッキーをバリバリと頬張りながら、深くため息をつく青年】
【季節柄、なのだろう――――普段は爽やかに吹き抜ける風も、今日はぬるく、気だるげに感じられるものだった】



【――――所変わって、雷の国 路地裏】

……こう雨が強いと、血の匂いも洗い流されてしまうわね……助かるわ
「……みんな、外にも、出てこない……」
<…………うぅっ…………>

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【豪雨の中、バラバラに引き裂かれた数体の死体と共に、暗闇の中にうずくまっている】
【周辺は、折からの豪雨と落雷によって、表通りですら人通りの少ない状態だった】

【それぞれに、身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】

≪……うぁ、が…………≫
……なによこの死体、まだ生きてるじゃないの……!
「……ちゃんと、殺してよ、クロス・ザ・ルビコン……」
<っっくしゅ、ん……!>

【横たわる死体の内の1体はまだ息がある様で、半死半生と言った状態で呻き声をこぼす】
【そのそばに立っていた赤髪の少女は、くしゃみをしながら震えており、残る2人は呆れた様子でそれを見守っていた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/06(土) 21:53:15.33 ID:C7tZRr1vo
>>519


【時間帯の所為か豪雨の所為か、人通りの少ない通り】
【そこを歩く一人の少女――というよりは女性と形容すべき年頃の外見を持つ、女】
【赤い和傘をさし、竹製の杖をつきながらゆっくりと歩を進めていたが、ふと、立ち止まる】

あ……

【身に纏うのは蒼い矢羽模様の小袖に紺色の袴】
【黒髪はうなじの上でピンでまとめ、黒い瞳の上には縁のない眼鏡をかけている】
【首には櫻の国の古い言葉が書き込まれた長方形の紙――所謂「御札」が巻きつくように何枚もべったりと貼り付いていて】
【目立たない恰好の中で、そこだけがどうしても目立つだろう】

うん、いい出会いになるかも

【女性が見つめるのは路地裏の奥】
【三人の少年少女と複数の死体という異様な光景】
【普通ならすぐ逃げるか、警察や自警団に通報すべきところだが】
【女性は三人に向かって、歩き出し――杖をつきながらゆっくりゆっくりと】
【互いの表情が解る程度の距離まで近づけば、口を開く】

こんにちは、同士

【この女性、妙に気配が薄く、存在感が無いが――よく観察すれば】
【女性の持つ赤い和傘に、白抜きで逆五芒星が描かれているのが見えるかもしれない】
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/06(土) 22:04:20.03 ID:Im3uyBsl0
>>520

……寒いの? しょうがないわねぇ……
「……僕が、やるから、下がってて……」
<……ううっ……>

【しばらく事の成り行きを見守っていた2人だが、やがて東洋系の少女が赤髪の少女を引き寄せ、少年が半死半生の生存者の前に立つ】
【そして、膝をついてしゃがみ込みながら、右手をその犠牲者の前に突き出した】

「――――いただきます」
≪ぐぁ……………………――――――――≫

【瞬間――――少年の右手が鋭利な突起物へと変質しつつ伸長し、頭を刺し貫いた】
【完全に頭蓋骨を割って貫通しているのが見てとれる有様――――明らかなとどめだった】

「……じゃあ、2人とも、早速……」
――――待って、誰か来るわ……!

【その時、側に近付いてくる女性の姿に、東洋系の少女が気づいて顔を上げる】
【雨に濡れる髪を、首を振るってかき分けると、キッとその姿を睨みつけ――――】

…………なんだ、お仲間か…………
……こんなスコールの中、歩き回ってるなんて酔狂ね……それとも、任務の途中かその帰り?
<…………>

【相変わらず寒そうに震えている赤髪の少女を抱き止めながら、東洋系の少女は歩いてきた女性に返答する】
【すぐに、互いが同じく機関の所属である事に気づいたようだ。少年も腕を元の形に戻し、立ち上がりながら女性と相対する】
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 22:16:29.30 ID:wJGK5+Jeo
>>518

……あ、そっか。 明日なんだぁ

【短冊を受け取って初めて気が付いた、そんな様子の声が上がる】
【帰り道だろうか、スーツに身を包んだ女性が、飾られた笹を見回していた】

【肩までの黒髪、前下がりに切り揃えたボブカットが艶めいて、うなじを覗かせる】
【瑠璃色の猫目をぱちぱちさせて短冊を見つつ、座る席を探して歩いていて】

今日明日は結構賑わうみたいね……結構、人いるなぁ。
こんばんは、お隣良いかしら? ってこーら、大人のお兄さんで遊ばないのっ。

【熟考する彼の近くに空席を見つけたなら、その傍に歩み寄りつつ声を掛ける】
【そこで初めて、子供が彼に悪戯をしている様子に気が付いて、苦笑しながら】
【彼女もまた、悩んでいる相手の様子をいいことにかたんと椅子を引いて、隣に座り】

あら、難産みたいねぇ……まあいざ考えてみると、出て来ないものなのかなぁ。
私もどうしよっかなぁ、給料上げてーじゃあ、子供のお願いと一緒に飾るのも気が引けるし……

【手に持つ薄桃色の短冊には、彼と同じくまだ何も記されてはいない】
【相手の悩む様子にも納得、といったように、同じくこめかみを抑えて考えている】
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 22:16:44.56 ID:wJGK5+Jeo
>>518

……あ、そっか。 明日なんだぁ

【短冊を受け取って初めて気が付いた、そんな様子の声が上がる】
【帰り道だろうか、スーツに身を包んだ女性が、飾られた笹を見回していた】

【肩までの黒髪、前下がりに切り揃えたボブカットが艶めいて、うなじを覗かせる】
【瑠璃色の猫目をぱちぱちさせて短冊を見つつ、座る席を探して歩いていて】

今日明日は結構賑わうみたいね……結構、人いるなぁ。
こんばんは、お隣良いかしら? ってこーら、大人のお兄さんで遊ばないのっ。

【熟考する彼の近くに空席を見つけたなら、その傍に歩み寄りつつ声を掛ける】
【そこで初めて、子供が彼に悪戯をしている様子に気が付いて、苦笑しながら】
【彼女もまた、悩んでいる相手の様子をいいことにかたんと椅子を引いて、隣に座り】

あら、難産みたいねぇ……まあいざ考えてみると、出て来ないものなのかなぁ。
私もどうしよっかなぁ、給料上げてーじゃあ、子供のお願いと一緒に飾るのも気が引けるし……

【手に持つ薄桃色の短冊には、彼と同じくまだ何も記されてはいない】
【相手の悩む様子にも納得、といったように、同じくこめかみを抑えて考えている】
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 22:16:58.73 ID:wJGK5+Jeo
>>518

……あ、そっか。 明日なんだぁ

【短冊を受け取って初めて気が付いた、そんな様子の声が上がる】
【帰り道だろうか、スーツに身を包んだ女性が、飾られた笹を見回していた】

【肩までの黒髪、前下がりに切り揃えたボブカットが艶めいて、うなじを覗かせる】
【瑠璃色の猫目をぱちぱちさせて短冊を見つつ、座る席を探して歩いていて】

今日明日は結構賑わうみたいね……結構、人いるなぁ。
こんばんは、お隣良いかしら? ってこーら、大人のお兄さんで遊ばないのっ。

【熟考する彼の近くに空席を見つけたなら、その傍に歩み寄りつつ声を掛ける】
【そこで初めて、子供が彼に悪戯をしている様子に気が付いて、苦笑しながら】
【彼女もまた、悩んでいる相手の様子をいいことにかたんと椅子を引いて、隣に座り】

あら、難産みたいねぇ……まあいざ考えてみると、出て来ないものなのかなぁ。
私もどうしよっかなぁ、給料上げてーじゃあ、子供のお願いと一緒に飾るのも気が引けるし……

【手に持つ薄桃色の短冊には、彼と同じくまだ何も記されてはいない】
【相手の悩む様子にも納得、といったように、同じくこめかみを抑えて考えている】
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 22:17:17.66 ID:ePE6LOxW0
【街の中――――閑散としたこの場所で、規則正しいリズムを刻む足音が一つ】
【見れば、それは燕尾服を纏った女性。蒼色の髪からは、犬の耳が見え隠れしていて】
【――――徐に、担いでいた段ボールを組み立てれば、あっという間に小さなマイホームの出来上がりである】
【「拾って下さい」と書かれた文字が、異質さを際立たせるけれど、突っ込み所は色々とある故にそう目立つ部分でも無いだろうか】


「やはり、ギルドは私には向いていませんでしたね……どうも、あの雰囲気には馴染めないようです
……いえ、群れるのが苦手とでも言うべきでしょうか
――――ならば、残す道は一つ。新しい主様を見つけてお仕えする事……ですが」


【体育座りでその中に収まっているのだから、何とも言えぬ光景】
【本人は大して気にもしていないのか、至って真面目な表情】
【時折、道行く人が好奇の視線を向けることはしても、やはり話し掛ける勇気は無い様】
【元より人の少ない場所。更に周りから浮いているともなれば、異様なまでの目立つだろう】


「さて……見つけるのも一苦労なのですよね
それに私は元々拾われた身ですから、どの様にアピールをすべきなのか……
魔物……男女を行き来できる……どっちもアピールポイントとは言い難いですね……
取り敢えず、暫くは日雇いの所で過ごすとしまして……それから先は、どうしましょうか」

【――――段ボール。燕尾服を着た女性。そしてその表情。言葉の端からは、元は何処かの従者であった事が覗えるけれど】
【周りの人々が送る視線。そして妙な空間。この街に入ったならば、真っ先に目に入るような存在】
【さて――――話し掛ける奇特な者は居るのだろうか】







【森の中にひっそりと存在する、廃れた教会】
【蔦が絡んでいたり、僅かな亀裂が入っていたりと、まるで幽霊話の舞台ともなりそうな其処だが】
【――――中から響くのは、紛れもないアリア。果たして、その正体は幽霊か、或いはこの教会の主か】


【扉を開けたのならば、先ず視界に入るであろう割れたステンドグラス。継いで、説教台に立つ修道女だろうか】
【周囲に響くよく澄んだ旋律は、この修道女のものなのだろう】
【来訪者の姿に気付いた素振りも無く、一心に紡ぎ続けている様だけれど】


「――――――。
ふぅ……これで一通り、ですね……後は……」

【休む間もなく、次の行動へ移ろうとするが――――視界の隅に止まるであろう人の姿】
【その存在を認めたのならば、身体をその人物へと向けて】
【細められた瞳。警戒の為では無く、相手が誰であるかを知る為】
【やがて首を傾げたのならば、「休む場所をお求めでしょうか……?」なんて紡がれて】
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/06(土) 22:21:07.23 ID:C7tZRr1vo
>>521

【唯一の生存者が、少年に貫かれ、絶命する】
【女性は、その様子を止めるでもなく見ていた】
【人が無残に殺される様を見て、少なくとも表面上は表情に何の変化もない】

怖い能力だねえ……
うん、お仲間だよ。お疲れ様

【自分の存在にいち早く気づき、返答してきた東洋系の少女】
【この少女が、3人のリーダー格だろうか】

いや、私は任務じゃなくて散歩、みたいなものかな
君たちの「それ」は任務?それとも――

【それ、と言いながら周囲の死体を目で指し示し】

そうだ、私の名前はみのり。尾月実利
比較的新入りの一般構成員だよ

【相手にも名乗ってほしいとばかりに、自己紹介】
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/06(土) 22:31:40.14 ID:Im3uyBsl0
>>526

「……能力と、言うより、体質だけど……」
私たちは全員、≪No.6≫の作品だから、ね……

【自らの右手をニギニギと開閉しながら、朴訥に答える少年】
【それを受けて東洋系の少女も、自らの右手を誇示しながら女性に答える】
【――――東洋系の少女の腕は、鋼鉄の義手となっていた。恐らくそれはただの腕ではなく『兵器』としての性格も秘めているものなのだろう】

……このスコールの中を? ……まぁ、そこは個人の自由だろうけどさ……
…………あぁ、私たちは別に任務って訳じゃなくて――――『食事』よ

【豪雨の中を散歩していると言う女性の言葉に、一瞬言葉に詰まる東洋系の少女だったが、そこを深く追求する事は無く】
【自分たちの殺戮の理由を問われると、あっさりと『食事』と言う、おぞましい答えを口にした】
【それはつまり、殺害した人間の死体を、喰らおうと言う事なのだろう】

……ん、その名前…………どうやら、私とは同郷みたいね…………
――――私は、コードネーム:シュバルツガイスト
「……僕の、名前は、ジ・エンブリオン……」
<……ぐずっ……>
……その子はクロス・ザ・ルビコン……
私たちは、チーム『ネバーランド』……とあるプロジェクトの、実戦評価部隊と言う訳

【女性――――実利の名乗りを受けて、それぞれに自らの名を名乗る、シュバルツガイスト、ジ・エンブリオン、クロス・ザ・ルビコン】
【それが本名と言う訳でもないようだが、少なくとも公的には、その名前を使っているのだろう】
【3人1組のチームとして活動している事も明かし、それぞれに同じボディスーツを着用している事がその証になるだろう】
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/06(土) 22:42:10.95 ID:uytY4wO10
>>524

【その青年は、口元を抑える様にして酷く熟考していた】
【書ける事も少ないし、書くことも無い。さぁてどうしたものだろうか】
【口元にやっていた手を目元へ持っていったり、少し体勢をかえて腕を組んでみたり、あるいは小さく唸ってみたり、】
【色々やっては見るも、一向に妙案は浮かんでは来ない】

………んっ…

ひゃっ!?ああっ…はい、どうぞおかけになって下さい……

【そんな事をしていたからか、女性から投げ掛けられた言葉に反応するまでには、若干の間が生じた】
【自分に向けられた言葉と理解したと同時に、ビクリと体を震わせる】
【椅子を引かせる手間を取らせぬ為に立ち上がろうとしたが、其処に女性による子供達への静止がかかる】
【そこで彼は後頭部へ手をやった事で、初めて短冊が括り付けられていた事に気付いた】
【所詮紐で括って有るだけ、髪の毛からはするりと抜けるが、当然、子供達は既にトンズラ済みである】

そうなんですよね…「何でもいいから願い事を」と言われると、これがさっぱり……

「お金が欲しい」と書いても生々しいだけですからね…特に僕達ほどになってくると……何と書いておくのがベストなのでしょうか、これ
いっそのこと「世界征服」!とか思い切って書ければいいんですけどね……

【しょうがないなぁ、と言った様に席に落ち着くと、女性の言葉に返答を返す】
【あくまでもこれは飾りであって、実際に叶うわけでは無い。とは言っても、願掛けくらいしてもバチは当たるまい】
【ならば納得いく願いを、と考えるが、やはり浮かんではこないようだ】
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/06(土) 22:57:55.60 ID:C7tZRr1vo
>>527

≪No.6≫……!

【「作品」……所謂人間兵器というものだろうか】
【しかし、それ以上に女性にとって≪No.6≫という単語が何より響いたようで】
【眼を見開き、口角が少しつりあがる】

スコールの中だからこそ、だよ
こういう天気だと、音も聞こえにくくなるし血の匂いも流れるし……裏の人間が活動しやすいよね?
散歩しながら、こういう出会いを探してたんだよ
まさか、No.6と関わりを持つ人たちに会えるとは思ってなかったけどね

【杖をつきながら、3人にさらに何歩か近づき】
【食事と聞けば、少しだけ驚いたようで】

食事……なるほど。それはお邪魔しちゃって悪かったね
でもね、せっかくの出会いだから許してほしい

さっき、「任務じゃない」って言ったけど、「任務が無い」のが本当のところなんだよ
あなた達は、その感じからしてたぶん生まれた時から機関と繋がってるんだよね……

でも私は普通の一般人だった。けど色々と努力して、なんとか機関に入ったんだ
それで与えられた役職は「分析官」
名前は立派だけど、要するに事務員兼雑用係みたいなもんだよ

【少年少女の年齢と、「作品」という言い方から、境遇を予想し】
【自分と対比しながら、話を進める】

もっと機関の「深部」に関わりたいけどなかなか出来なかった
機関内での"居場所"が無いからね
そこに現れたのが、1ケタ台のナンバーを持つ人物の「作品」であるあなた達
だからさ、もっと聞かせてよ『ネバーランド』
プロジェクトの話とか、さ





530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 23:02:22.07 ID:wJGK5+Jeo
>>528

やだ、気使わなくて良いのよ? それより髪が――
って良かった、大丈夫そうね……うん、良かった良かった。

(何か変な声あげたなぁ……そんな怖い顔だったのかな、私?)

【驚かせた事もあったのだけど、相手の様子に笑みが若干引きつる】
【紐が引っかからない髪質を一瞬じとと羨ましげに見てから、再び視線を短冊に移し】

そうねぇ……いや、実際お願いしたいのは本当にそこなんだけどねぇ……
世界征服にしてもさ、征服したらその後の統治とか秩序の維持とか大変だよなぁって。
考えなくても良いような事ばーっかり考えちゃうというか……お互い歳は取りたくないわねー

【子供の頃なら簡単に言えた夢も、大人になって見れば素直に口には出せなくなる】
【かっしりとしたスーツを身に纏う、OLといった様子の彼女も、かつてはそんな夢があったのだろうか】
【だが、だらだらと考えるのも嫌いな性質なのだろう。 よし!と一声気合を入れてペンを手に取った】

折角だから、絶対叶わない夢でも良いわよね……うん、
年に一度とはいえさ、織姫彦星ばっかりイチャイチャしてるのも見たくないし……

【少しばかり支離滅裂な事を言いながら、女性は薄桃色の短冊にさらさらと何かをしたためていく】
【相手に気兼ねして、なんて様子こそ無かったのだが、さり気なく上の部分を手が覆って隠す】
【――に会えますように=@そんな下部だけが覗いていた】
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/06(土) 23:23:40.19 ID:Im3uyBsl0
>>529

…………っ?

【その単語を反芻する実利に、シュバルツガイストは訝しげに眼を細める】
【単純に驚いた様にも見えるが、そこから笑みを浮かべる理由が分からない】
【ともあれ、その時は深く追求する事無く】

……話が見えない。どういう事……?
単に仲間に会いたいだけで……?

【続く言葉に、益々理解しかねる様子のシュバルツガイスト】
【言葉から、どうにも真意を測りかねるのだ。何を目的にしているのか、思い当たる節と言うものが見えてこない】
【一言で言ってしまえば、不可解な言葉だった】

<……うぅっ…………>
……しょうがないわね…………良いわよ2人とも、先に喰ってなさい
「……良いの? ごめんね、シュバルツガイスト……!」
<――――ファアアアアッッッ!!>

【その間にも、何かに耐えかねた様子のクロス・ザ・ルビコンの様子を顧みると、シュバルツガイストはため息とともに、2人に言葉を掛ける】
【それを聞くや否や、ジ・エンブリオンとクロス・ザ・ルビコンはパッと表情を変えて、我先にと死体に飛びついた】

「……目玉……目玉、僕のっ!!
……実利お姉さんも、目玉食べる……おいしいよ……?」
……やめときなさい、ジ・エンブリオン……私たち以外に、これをおいしく食べられる人間なんていないわよ……
あ……指と心臓、ちゃんと取っときなさいよ……!
<ウゥッ……ウガァァァァァッッ!!>

【嬉々として死体の眼窩に指を突っ込み、グチョリと2つ目玉を抉り出すと、片方を口へと放り込む】
【もう片方を実利へと差し出そうろつするが、それをシュバルツガイストにたしなめられた。ゴクリと、重く飲み下す音が響く】
【そして、クロス・ザ・ルビコンは死体の衣服をはぎ取ると、腹の部分に直接かぶりついた。べたっと血が溢れて来て、雨に洗われていく――――】

……残念だけど、私とジ・エンブリオンは、まだここに所属して1年も経ってないわ
クロス・ザ・ルビコンは結構長いらしいけど……本人頭が逝かれちゃってるから、詳しい事を聞けないのよね……
<…………>

【さりげなく実利の言葉を訂正する。実験体として機関に入ってきて、まだ彼らは大して歴が長い訳でもないのだ】
【『逝かれてしまっている』と評されたクロス・ザ・ルビコンは、シュバルツガイストを一瞬睨みつけるが、結局食欲が勝った様子で、堪え切れんと嬉々としてかぶりつく】

――――――――要するに『取り入りたい』って事ね…………臆面もなく、そんな事を良く口にできると思うわ……

【どこか呆れた様子のシュバルツガイスト。始めは、何らかの企てがあるのではないかと実利を腹の中で疑ったりしたのだが、何の事は無い。上昇志向だったと言う事なのだろう】

…………技術者畑じゃない人間に話しても、良く分からない話だと思うわよ? 肝心の私たち自身、良くは知らないのに……
……それと、条件って言うのはおかしいけど…………なんであなた、そうまでして機関に?
普通の感覚で言えば、機関なんて努力の目標にするもんじゃないと思うけど?

【――――実際問題、≪No.6≫徒の繋がりを期待されている節を理解してか、シュバルツガイストは難色を示す】
【プロジェクトの事を言うのなら、今のところ深刻な人手不足が生じているとも思えない。実利の期待する様な情報は、持ち合わせていなかった】
【それとは別に――――シュバルツガイスト自体、気になっていた事がある。実利は何故、カノッサ機関に自ら望んで入ったのか】
【そこを知る事が、この場合必要だと感じたのだ】
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/06(土) 23:26:45.53 ID:uytY4wO10
>>530

いやぁ…すみません、情けない所をお見せしました…
どうにも一つの事に集中すると周りが見えなくなるみたいで……おかげで子供によくからかわれるんですよ…

【そんな事を言い、頬をポリポリと掻きながら彼も力なく笑って見せる】
【熟考も熟考。それこそ思考以外の活動を、それこそ心臓すら動いていないのではと思うほどの熟考だった様で、】
【例えるなら事務仕事に没頭している最中、突如上司に肩を叩かれる。そんな気分だろう】
【そう考えれば、先程の彼の反応も納得行くのかもしれない】

「お金持ちになりたい」と書けばやれ税金が、「偉い人になりたい」と書けばやれ勉学が、と……
夢見も何もありませんよね……
ああっ、いえ駄目です。ポジティブに考えましょう。叶えられる夢をしっかり願える様になったのだと考えましょう。そうしましょう

【彼も確かに、小さい頃は「外でいっぱい遊びたい」等とのたまっていた時期がある】
【今ではそれは叶いつつあるのだが、それも成長して現実的な夢を見れる様になったからだ。と思考を切り替えることにした】

どうせ……と言ってはいけませんが、叶うかどうかは定かではありませんからね……いえ出来れば叶って欲しいですけども

【腕を組んで背もたれに体を預ける。その時女性の書く短冊が視界に入る】
【あまり凝視するのは失礼だろう。直ぐに目線を外すが、「――に会えますように」の部分がしっかり視界に入ってしまった】

【さて、自分もいい加減何か書かなくてはいけない】
【とは言っても自分の本当の願いはここに書き起こせない様な物ばっかり。何か軽い物でも良い。何か「こうなって欲しい」という物を……】
【そう考えて彼の頭にようやく妙案が浮かぶ。早速書こうと自分もテーブル備え付けのペンに手を伸ばすが、いざ執筆と言った所で動きを止める】
【よく考えてもみたら、今自分の考えてる願いって凄い恥ずかしい内容じゃないか?と……】

【だがもう後戻りは出来ない。せめてバレ難い様に書くしかない。彼もまた、ゴリゴリとペンを走らせ始めた】
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/06(土) 23:41:30.37 ID:wJGK5+Jeo
>>532

そうねぇー……やっぱりこういうものはさ、叶うかもーって信じてやらないと駄目ね。
おみくじみたいなものかしら? 書いてある通りになるとは思えないけど、希望が持てると言うか。
何事も楽しんでやったもの勝ちじゃない? なーんて、さっき言ったこととズレちゃってるけどさっ。

【したため終えた紙をさり気なく裏返してから、未だ悩んでいた様子の相手がペンを取ったのを見て】
【手を止めたりした所からも彼の思案が伺えて、思わず「頑張れ!」と声を掛け――頑張る事ではないのだけど】

(おー、決まったみたい……って、見ちゃダメ見ちゃダメ……)

【そうっと視線を周囲の笹に巡らせてみたりして、気を紛らわす】
【いろんな願いで色とりどりであるのだろう。みんな叶えば良いな、なんて微かに笑う】
【自分の願いは叶わないものだ。 だからせめて、他人の幸せを祈っていたい】

括るなら高い所にとも言うけど、一番上なんてちょっと欲張りかなぁ……あ、出来た?

【気が早くも括る位置に悩んでいた女性は、相手が書き終えた頃合いを見計らって声を掛けるだろう】
【――やはりどうしてもというか、彼のしたためた短冊にちらと視線を送ってしまうけど】
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/06(土) 23:54:53.34 ID:C7tZRr1vo
>>531

【目の前で繰り広げられる凄惨な「食事風景」】
【さすがに直視して気持ちのいいものでは無いらしく、実利はやや目を逸らした】

目玉……!?いや、遠慮しておくよ
――なんか、どうでもいいけど「人食い」にも好みの部位とかあるんだね

【少年・ジ・エンブリオンと、少女・シュバルツガイストのやり取りを聞き】
【妙な部分に感心する】

そうなんだ……その年だからてっきり生まれつき機関の人間なのかと
―――「逝かれちゃってる」ね

【それを言うなら、人食い兵器を作り出した≪No.6≫とやらの方が、余程―――】
【実利は言いかけたが、それは口に出さずに飲み込んだ】

そうだね、まあ私は文系だから専門的なことは厳しいけど
これでも大学出てるから馬鹿ではないよ?

ははは、取り入りたい、まあ言ってしまえばそうなるかもね
臆面もないついでに言わせてもらえば、是非≪No.6≫の部下にしてもらいたいね
君は鋭そうだから言ってしまえば、ぶっちゃけ『上位ナンバーズの関係者』という肩書がほしいんだよ
いきなり君にこんなこと言ってもダメに決まってるだろうけど、さ

【呆れられたようならば、開き直り、自分の率直な目的を話す】

うん、わざわざ機関に入った理由か……
「機関そのもの」が目的だから、かな?

学生時代は社会学者を目指しててね、それである時気づいたんだ

この世界、あらゆる場所に存在するカノッサ機関という巨悪
一応の目的はあるけど、構成する人々の種類も考えもバラバラ
それはまさに、社会の裏側そのものじゃないかって

社会を知るには、裏表すべて知らなきゃ意味が無い
だから私は知りたい、知り尽くしたいんだよ、カノッサ機関という
この社会が生み出したダークサイドと言うべき存在をね

【機関に入って何かをしたいのではなく】
【機関を知ること、そのものが目的】
【そのためには、上位ナンバーズのような中心人物との繋がりが必須であると実利は考えているようだ】


535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/07(日) 00:12:26.45 ID:XO1O5bMK0
>>533

……確かに、一理ありますね
どうせなら盲目的にでも信じていたい。その気持ちは分かりますよ…っと

【「頑張れ」と声をかけられたなら、小声で「頑張ります」と、少し小恥ずかしそうに返して、】
【よし、と短冊からペンを放す。久しぶりにこの文字を書いたが、文法はあっているだろうか。少し不安になる】
【視線を短冊から離して顔を上げてみる。その女性は周りの葉竹や短冊に目を走らせている】
【彼女の短冊を見ないようにしなくては……と考えたがそれは問題なかった様だ。しっかりと引っくり返されている】
【よいしょ、と腰を持ち上げて、手近な葉竹の元まで歩いていく】

うーん……見られてもかまわないのならそれでも良いのではないでしょうか
僕は………まあこの辺にでも吊るしておきますよ

【どうせわからないだろう。とタカを括っているようだから、彼はその短冊を隠そうとはしていなかった】
【「Ich hoffe, die Wünsche eines jeden.」】
【……正直少し見た程度、いや、じっくり見たってさっぱり分からないかもしれない】
【そんな意味不明な文をしたためた短冊を、葉竹の真ん中あたりに、それこそ本当に適当に吊るしてしまった】

……あ、必要なようでしたら僕は向こうを向いているので、貴女もどうぞ

【短冊を飾ると、ふう、と一息つくが、そこから「あっ」と気付いた様に女性へ声をかける】
【内容はその言葉の通り、彼女が要求すれば、この青年は瞬時に反転し視界から外してくれる事だろう】
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/07(日) 00:20:05.93 ID:ruH9BICa0
>>534

そりゃあ、豚だって牛だって、場所によって味が『違ってた』じゃない?
人間だってそうよ……場所によって味が違うのは、当たり前の事……それに、私たちだって、好みくらいあるわ……
<……イヒヒヒヒイィ!>

【もう自分たちには分からない、過去の感覚だと言う事を仄めかせながら、シュバルツガイストは解説する】
【チラリと視線を移すと、クロス・ザ・ルビコンは嬉々として人間の肝臓を抉りだし、ぎゅっと絞りあげている】
【血液が抜けていくと、血の色を透かしてピンク色をしていた肝臓が、徐々に本来の、暗い黄土色へと姿を変えていく】
【察するに、クロス・ザ・ルビコンは肝臓を好んでいるのだろう】

……別に逝かれようが構わないわ。私は……少なくとも私は、望んで今ここにいるんだから……

【なんて事無い様子で、シュバルツガイストはそう口にする。彼女の眼には、強い信念の様なものが覗いていた】
【元は普通の人間であっただろう彼女は、自らの意志で怪物へと作り変えられる道を選んだのだと】

……それはそうでしょ……そんな直談判が通用するなら、上下関係そのものが無くなっちゃうわ……
それに、私に人事権みたいなのがある訳でもないんだし……

【更なる開き直りの言葉を聞いて、微妙な表情を覗かせるシュバルツガイスト】
【なんとも強かな行動だ。否定しないのはまだしも、ハッキリと開き直ってしまうとは――――】

……言っておくけど、知識欲が満たされたから、って言って、すぐに足抜け出来る様な場所じゃないのよ?
まぁ、そこは分かってると思うけど……通り一遍の理解を超えて、本当に『解している』の?
……裏切りなんてしたら、後がひどいわよ?

【『目的』の一部始終を聞いて、シュバルツガイストはすっと目を細め、確かめる様に問いただす】
【『知りたい』と言う事は、当然として、知った『後』が存在するのだ。その時、それでもなお実利は機関に忠誠を誓えるのか】
【――――既に裏切りや見解の相違と遭遇しているシュバルツガイストは、そこを問いたださずにはいられなかった】

……まぁ、ちょっと待ってて…………
――――――――『おじいちゃん』? こちらシュバルツガイスト……実は、ちょっと報告しとかなきゃいけない事があって……
うん、詳細は今から送るね…………

【しかし、その答えを聞きだす前に、シュバルツガイストは通信機を取り出すと、どこかと連絡を取り始める】
【そして、懐からケーブルを取り出すと、一見目立ちにくい、自らの後頭部と通信機をケーブルで接続し、何らかの情報を送信し始める】
【――――恐らく、今までの一連の出来事を送信しているのだろう】

――――うん、はい……分かった、そう伝えるね……?

【程なく会話は終わり、シュバルツガイストは通信を切断する】

…………近いうち、何か大きな行動が起こる可能性がある……その時に、一定の成果を上げて欲しい……≪No.6≫はそう言ってた……
その時は、連絡ツールで報告する事。その時に、改めてあなたの処遇を考えるそうよ?
……もし、何もなかった時には、改めて連絡を入れて欲しい……ってね。……多分、軽い試験のつもりなんじゃないかしら?

【シュバルツガイストの口から、恐らく≪No.6≫の物であろう言葉が語られる】
【近いうちに機会が訪れる。その時に実力を発揮せよ――――要約すると、そう言う言葉であった】
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 00:34:27.23 ID:bBL7nmbEo
>>535

だって、お願いってそういう事じゃない?

(ええ、と……ダメだ、読めない……まぁ、良っか)

【分かるという返事に嬉しげに目を細め、腰を上げた彼に付いていくように彼女も席を立った】
【どうしても目で追ってしまう短冊の内容が知らない言語であった事には、残念な反面でどこかほっとしていた】

【少し話はしてみたが、目の前の彼が何を願いそうなものかあまり考えが付かなかったからだ】
【相手の恰好、携えた二本の剣を見るに、少なからず戦いに身を置く人種なのだろう】
【その生き方がどんな苦難を抱くものか、まるきり同じでは無いだろうが――自分も似た者だから、余計に勘ぐってしまって】

【そんな事を考えながら、彼の吊るす様子をぼうと見ていたのだが、声を掛けられ我に返り】

えっ!? ……あ、もう吊るしたんだっ! うん、私もっ。
どうしようかなー、なるべく高い所に付けたいんだけど……
…………くぅ、届かな、……――――、はぁ。

【要求はしなかったが、彼が背を向けていたなら、やがて少しくぐもった声がし始める】
【女性はヒールの足で目一杯の爪先立ちをして、少しでも上に短冊を付けようと奮闘していた】
【だが身長もあって、人目に付かない高い位置までは手がいかず――】

うぅ、届かないなぁ……ねえ貴方、代わりに付けてくれるかな?

【相手も別段隠す様子も無く吊らしていた。 自分だけ隠し続けるのも申し訳無いしと】
【意を決して眼前の彼に声を掛け、表に返した薄桃色の短冊をおずおずと差し出す】
【そういえば名前を知らなかった。 後で聞かなきゃな、なんて頭の片隅で思いつつ】

【arcidに会えますように=@――隠れていた部分も、今でははっきりと読み取れた】
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/07(日) 00:45:07.00 ID:/HcECoOWo
>>525
【夜道に響く音───道行く人々の足音や話し声、虫の声】
【そこに一つ、異質な金属音が一定のペースで混じって】

ふあ……疲れた……
明日は一日ゆっくりしよう、うん。

【音の主は一人の少女。年の頃は16、7程度であろうか】
【赤を基調としたドレスにプレートメイルを組み合わせた、所謂鎧ドレスといった服装】
【高く結った銀髪が歩みに合わせて揺れ、鋭い蒼の瞳は強気さを滲ませる】
【そして背中には右に傾いた十字架のような長短一振りずつの双剣が見える】

【独り言を呟きながら歩いてきた少女は段ボールの前に差し掛かったタイミングで、不意にそちらを見て──】

うん、ゆっくり紅茶でも飲んd────

【段ボールの中身を認識した瞬間、思いがけず立ち止まってしまい、そのまま固まっている】
【唯一口が少し動いたかと思うと、小さく漏れるのは「何コレ……」という言葉】
【さて、先に動くのはどちらとなるか】
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/07(日) 00:59:03.72 ID:60G4bNWEo
>>536

成程、ヒトを「食料」としてみれば、そうなるよね、うん
君たちのそれはただの動物的な「摂取」じゃなくて
人間的な「食事」にちゃんとなってるわけだ。対象が普通と違うだけでね

【当たり前のこと、と言われ実利も納得する】
【何故わざわざ人食いを必要とする兵器を作ったのかはわからないが、なにか理由があるのだろう】

望んでここにいる、か
どうやら私は君たちに対して勝手によくある「悲劇」を想像していたけど
すこし違ったようだね。ごめん

【シュバルツガイストの覚悟を聞き】
【そして逆に、自分の覚悟を問われ―――】

もちろん、覚悟はしてるつもりだよ
元々能力者でも戦士でもない私が機関に入って戦うために―――
櫻の国の「禁術」を盗んだ
家族にも故郷にもどれだけ迷惑が掛かったか知らないけど……
もう後戻りはできないよ

【首に貼りつく「御札」をさすりながら】
【自分なりの覚悟を、語った】

「おじいちゃん」?報告って……ああそういうことね
助かるよ
頭から直接送信……便利そうだね

【シュバルツガイストが通信機でどこかと連絡を取り、ケーブルを接続する様子を見】
【自分の強引なアピールが撥ね付けられなかったことに感謝する】
【そして、≪No.6≫からの伝言を聞き】

うん、やっぱり成果と実力を示してから、だよね
でもありがとう、門前払いされても不思議じゃない接触の仕方だったけど
≪No.6≫は心の広いお方のようだね。おかげで光明が見えたよ

わかった、今後その「大きな動き」とやらがあれば―――
きっと力になれることを示してみせるよ

【得ることのできたチャンスを逃すまいと、誓う】

シュバルツガイスト、君の食事はまだだったよね
私はもう行くから、どうぞゆっくり食べて――なんて私が言うことじゃないか

それじゃあね『ネバーランド』 ≪No.6≫によろしく
また会える日を楽しみにしてるよ

【右手を軽く振れば、踵を返して―――】
【ゆっくりゆっくりと、竹の杖をつきながら】
【路地裏から姿を消した】


/乙でした!
/いろいろありがとうございました!また関われたらうれしいです!
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 01:02:47.36 ID:ZKhv/pOc0
>>538
【犬の耳がピクリと動いた所を見れば、恐らく音を捉えたのだろう】
【そのまま通り過ぎるのであれば、気にする事無くそのまま寝入るつもりだったけれど】
【――――止まれば、話は別。少女が固まる時と同じ頃、蒼の双眸が向けられる事だろう】
【言葉こそ無い。けれど、「何かご用ですか」とも「何を見ているのですか」とも取れるような視線】


「――――紅茶でしたら、アールグレイでしょうか
私も仕えていた頃には、様々なお飲み物を主様にお持ちしましたが……子供舌だったのか、ジャムを入れた物が一番お好みでしたね」

【その耳は、敏感に紅茶の言葉を聞き取ったのだろう】
【少女からすれば、至極どうでも言い様な話。ピクリとも顔は変わらず、段ボールの中に体育座りで収まったまま語りかけるのだから、最早不審者】
【――――だが、「何コレ」なんて言葉には、眉を僅かに顰めて見せて】


「私の家ですよ。もとい、忠犬の犬小屋とでも言いましょうか
元々はとある方に仕えていた身なのですが、とある事が切っ掛けでその主様が居なくなってしまった故、この箱を家の代わりとしているのです
何処かの公園の犬の様にずっと待ち続ける訳にもいかないので、私から様々な場所を転々としているとしているのですが……」

【身なりこそは正しい。けれど、紛うこと無い変人と断言できるで在ろうその女性】
【「何コレ」に対して、自分なりに簡潔に説明したつもりなのだろうけれど――――如何せん、この状態である】
【じっと向けられる、その瞳。どんな感情を秘めているのか読み取る事は難しそうだけれど――――くい、と僅かに傾げられた小首】
【理解して頂けましたか。とでも問うかの様】
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/07(日) 01:05:00.97 ID:XO1O5bMK0
>>537

…ああ。悪く言っている様に聞こえたのなら、申し訳ありません
僕にとって「お願いする」なんてのは、ただ弱音を吐いているのとそう変わりませんでしたから

……あっ、今はそうでもないんですけどね

【同意を求める彼女に対して、彼は申し訳なさそうな返事を返す】
【頭では理解していても、「願い」の力を信じる事が未だによく出来ないのだ。彼がそういう形の無い力というのを理解したのも、割と最近のは話なのだ】

【因みにこの文章は、我々の世界の「ドイツ」という国と同じ言語で要約するならば、「皆の願い事が叶います様に」となる】
【もし彼が本音を書き記したならば、きっとそこには「人間と悪魔が共存できる世界が欲しい」等と書いてあったのだろう】

すみません。もう先に吊るしちゃいました…
さあ貴女もどう……ぞ……はい……

【彼女からの要求が無かったのだから、彼は背を向けずにいた】
【つまり彼女が「高さ」という、「叶わない夢」とはまた別の適わない敵との戦いの始終を目撃する事になる】
【彼は真の心情を顔に中々映さないが、そんな光景を見て微笑ましい気分になるのは仕方の無い事だった】

ええ、承知しました
では失礼して……

【そう快諾してみせると短冊を受け取るべく手を差し出し、ハッと気付いた様に引っ込め、手汗でもついてたのだろう、自分の手をコートの裾で拭く】
【それからようやく、彼女の短冊をその手から受け取って、葉竹の一番上に括りつけるだろう】

【さて、この期に及んで彼はまだ彼女の願いを見ないように勤めていたのだが、その過程においてしたためた文が見えてしまうのは致し方の無い事だろう】
【仕方ないから彼の脳は止めていた処理を再開する。この"Arcid"とは、一体誰だろうか。一応名前を覚えて置こう。いつかまた会うかもしれない、と】

……そういえばあなたの名前を聞いていませんでした……
僕は…エヴァンと呼んでください。以後お見知りおきを……

【そこまで処理して、彼も彼女と同じ結論に達する。そういえば、名前を聞いていないな、と】
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/07(日) 01:16:40.62 ID:ruH9BICa0
>>539

……そう言う事

【ぺろりと、軽く舌を出して見せながら、シュバルツガイストは首肯する】
【まぁ、背後でそれこそ獲物を貪るように喰らっている2人を見れば、何とも言えなくなるのだが……】

……私は、負け犬とは違うから、ね……

【ふと眼を伏せながら、シュバルツガイストはそう口にする】
【強く思うところがあった。まだ幼さの抜けない彼女をして、自らを捨てさせる程の――――】

――――なるほど。確かに、それ相応に覚悟のある感じね

【国を裏切り、家族を捨てて、力を欲した。そうしてまで機関に身を投じたとあっては、確かに生半な覚悟ではないだろう】
【これなら、容易な裏切りなど無いだろうと、シュバルツガイストは、1つ懸念が取れた様子で頷いた】

……ま、それはそうよね……
あなたがどれほどの力を持っているのか……それも分からないようなら、どうしようもない訳だし……
まぁ、手下以前の実験体とか、駒とか、そう言う事ならいつでも歓迎だと思うんだけど?
……冗談よ。あなたみたいなタイプは、そう言う事は望まないでしょ?
ともあれ……≪No.6≫に認められたかったら、実力を示してね……そうすれば、私たちも背中を預けられる……

【――――元々、≪No.6≫は、酔狂な事を好む性格をしている。この突然のアピールも、気まぐれの一つとして受けたのだろう】
【だがそれでも、相応の実力を秘めている事は重要な条件だ。それを≪No.6≫は試そうと言うのだろう】
【逆に言うなら、ある程度の実力を持たなければ、≪No.6≫にも特に取り立てて用いるほどの魅力は無いと言う事なのだ】
【もっとも、その場合であっても、命すら指す出す姿勢を見せれば、また話は異なってくるのだろうが――――】

……そう、なら遠慮せず……っと、その前に……気をつけてね?

【実利の言葉に、一瞬目を光らせるシュバルツガイストだが、せめて別れの挨拶くらいは済ませなければならない】
【去っていく背中を見送って、路地裏から出ていくのを認めると――――】

…………あはは、お待ちかね! ちゃんと心臓取っといてるんでしょうね!?
「勿論、だよ、シュバルツガイスト……みんなで、たっぷり、食べられる……!」
<ひあはははぁッ!!>

【先ほどまで、曲がりなりにも理性的に会話をしていた少女の姿はそこにはなく、ただ嬉々として人間の死肉を貪る餓鬼の姿があった】
【豪雨の中の、ちょっとしたパーティ――――抉り出した心臓をこれ見よがしに掲げながら、シュバルツガイストは獣の本性を解き放っていった】

/遅くまで乙でしたー!
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/07(日) 01:26:26.31 ID:eMI1/3Hco
>>540
【向き合う4つの蒼い瞳】
【一先ず話し終わるまで黙ったまま待って、それから半眼になりつつ言葉を返し始める】

あー……そうね、取り敢えず一つ目だけど、私はその箱に対して言ったんじゃないから。
箱に入ってるあんたのこと。わかる?
こんな格好の人間が段ボールにこじんまり収まってるなんて、いくら何でも有り得ないわよ。

【しまった、これは疲れが増えそうだ──なんていうのはこの時の少女の心の声。】
【しかし、そんな気持ちは表情には出さず、至って強気な、真っ直ぐな半眼の視線を送り】

あと、ジャムを入れるのはロシアンティーって言ってちゃんとした紅茶の飲み方。別に子供がどうとかってものじゃないから。
ま、私は断然ミルク派だけど。

【続けて何を言うかと思えば紅茶の話。】
【放っておいても支障なさそうなジャムの話まで拾う辺り、性格が見えるか】

【そして更に付け加えて】

あともう一つ───今時犬でももっとまともな犬小屋貰えるわよ。
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 01:27:46.03 ID:bBL7nmbEo
>>541

【背が足りないことを恥じているのか、素直に人を頼るという事に不慣れなのか】
【はたまた内容を見られてしまう事が恥ずかしいのか――彼女の頬は赤かった】

(くう、カッコ悪いなぁ……さっきまで思いっきり隠してたのにさ、結局見せちゃうとか……)

【まさか商店街の中で、それもこんな格好で、笹の天辺まで跳躍して短冊を括るなんて】
【出来るのだが、そんな目立つような事は出来ない。 熱を持つ思考で無理やりそう正当化し】
【それから、短冊を相手が気遣い大事に受け取ってくれた様子に、彼女も少し慌てた】

あ、えっとそんな、大層な物じゃないからっ…………うん、えっと、ありがとう。

【謙遜というか卑下というか、そんな言葉は途中で切られて、素直な感謝になった】
【込めた願いは紛う事無く一番大事なもの、それごと否定したくはない、そういう事だろう】
【それだけ、その願いは大事なものであるらしい――もう叶わないと言っていたが】

うん、これならきっと――嬉しいなあ、うん、本当にありがとうっ。

【彼の手により吊るされた薄桃の短冊は、一杯の星空を背に、夜風に靡くのだろう】
【これなら、会うことが叶わない人にもきっと届くような気がした】
【微かに瞳が潤んで、慌てて袖で目元を擦り、少し赤い目で相手に向き直る】

良かった、ちょうど私も同じことを思ってて……エヴァンさん。
篝 香弥奈(かがり かやな)と言います。 というかその、ごめんなさい、年上でしたかね……?

【こちらはずっと気安い言葉だった。 今更だがそれにも漸く気が付いたのだろう】
【「私は二十歳なんですけど――」なんて添えられる言葉は、相手にどう捉えられるのか】
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 01:45:34.99 ID:ZKhv/pOc0
>>543
「私の事、ですか?
ですが、現に私はこの様にしてしっかりと収まっています
保温性もありますし、見かけよりも住み心地は良いですよ」

【少女の性格の一端を表すような、半開きの目】
【きっと、女性の答えは少女の求めている物とは異なっていて――――】
【じっと向けていた視線。下げたならば、自分の膝へと向いて】


「おや、そうでしたか……てっきり、甘みが増すので小さな方々が飲む物かと思っていましたが……
嗚呼、私は紅茶よりもコーヒーの方が好きですよ
機会がありましたら、ミルクティーでは無く其方を試してみてはどうでしょう。無論、ブラックをオススメしたい所ですが、ミルクを入れるのもまた美味でして」

【律儀な応酬とでも言おうか。少女が自分の好みをさらけ出せば、女性もまた自分の好みを晒して】
【……宜しければ、幾つかオススメの物をお教え致しますが。なんて蛇足も加える事だろう】
【マイペースと言うべきなのか、さて】


「飼い犬でしたらそうなのかもしれませんが……今は、放浪の身ですが故にこの様な物に
しかし、住めば都というのも強ち間違いは無いようで、持ち運びも楽ですし、特に何かを持つ必要も無いですから楽なものですよ
強いて言うならば、そうですね。雨風をビニールで防ぐのが少々面倒といった所でしょうか」

【身なりこそは、確かに従者。けれど、今の生活はまるで浮浪者】
【ガサガサと音を鳴らしたかと思えば、段ボールの中から一枚の大きなビニール袋を取りだして】
【所謂、屋根に当たるものなのだろう】
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/07(日) 01:52:18.18 ID:XO1O5bMK0
>>544

いえ、無碍にする訳にはいきませんから。これくらいは礼節の内でしょうし
それに、悩んだ末に出した願いなら、それこそ大切な事なのでしょう

【彼女が託した願いの人物。それが家族か、親友か、あるいは恋人かはどうかは知らないが、きっととても大切な人なのだろう】
【その人と会いたい、と願うのならば、「大層な物」でない筈がない。彼はそう考えていた。だからこその行動だろう】
【とは言ってもそれが無くとも、きっと彼は同じ事をしただろう。彼は変なところを気にする奴なのだ】

ええ、きっと叶いますよ
こういう根拠も何も無いところから信じられない事を起こして見せるのが、こういう事の凄いところですから

【そう、きっと叶う筈だ。叶って貰わないとこっちも困る】 
【そんな拍子、彼女の瞳に少し光る物を確認すると、「見てないよ」とでも言いたげにその星空を見上げた】
【視線を下ろすのは、彼女がこちらに向き直ってからだ】

大丈夫ですよ。僕はまだ19歳です
ですからそのままでも構いませんよ、香弥奈さん

【彼は彼女の危惧している事を何となくだが察する。もし目上の人だったならば、と言う事だろう】
【自分は他人に対して常に、赤ん坊だろうが老人だろうが敬語で接するので危ぶんだ事は無いが、それでも理解の範疇だ】
【だからここは、とりあえず嘘をついておこう】
【もしここで正直に「今年で22歳です」等と言おうものなら、社会人であるこの女性、香弥奈の面子を潰してしまう事になるのだから】
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 02:10:15.93 ID:bBL7nmbEo
>>546

――ふふ、優しい人なんだね、貴方。
彼≠烽サういう人だったなぁ……うん、良い人。 彼女が羨ましいなぁっ

【相手にそんな人間がいるかは知らないが、自分の言葉を茶化すようにそう付け足した】
【彼≠ニいうのが先程のarcidなら。 そして恋人を引き合いに出したという事は。 そういう事、だったのだろう】

そうだね、うん……そう、きっと……叶うといいなぁ。

【声も少し掠れて、泣きそうだったのもバレてしまっただろうと思う】
【案の定彼は視線を外していて――でも、その心遣いが嬉しかった。 やはり似ていて、懐かしい優しさだ】
【彼に彼≠重ねて見てはいない。 そこに類似する点を見つけてしまったのは不可抗力だった】

【そして、落ち着いた頃合いになって、彼女は相手の名前と歳を知る】
【少し俯いた顔が、申し訳なさげというより、微妙に笑いを堪えたようなものであったのだが】
【歳を聞いてその表情は驚いたようなものに変わった。 すぐにまた、今度は本当に申し訳なさそうにして】

……あ、えーっと、ごめん……本当は24歳なの。
驚くかなぁと思ってサバ読んじゃった……それにしてもびっくり、5つも下だったなんて……

エヴァンは大人だねぇ、私がそれくらいの時はもーっとさ、ちんちくりんだったのにぃ。
ふふっ、それで、怒ってなかったらさ……エヴァンのお願いも教えてよ。 私のお願い、見たんだからさ?

【泣きそうだった顔はどこへやら、どうやら嘘を吐いていたらしい。 困ったものだ】
【折角の気遣う嘘にも気が付かないまま、素直に呑み込んで楽しそうに笑ってから、そう尋ねた】
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/07(日) 02:20:53.98 ID:cVIUvQ92o
>>545
【額に手をやり、溜め息を一つ】

──いや、誰が住み心地の話してんのよ
っていうかそれ結局箱の話……よね

あんたは何でこんな所で段ボールに収まってんの、ってことよ──って、答えはさっき聞いた話と変わらないだろうから別にいいわよ。

【求めていたものとは違う方向からぶち込まれた答え】
【改めて聞こうとしていた内容を説明してみるとさっき聞いた話で粗方答えは出ていたことに気付いて】

あれは砂糖の代わりに入れてるとかいうことらしいわ。
──紅茶の代わりに珈琲なんて絶対有り得ない。

【一蹴。】
【紅茶>>>[越えられない壁]>>>他の飲み物】
【紅茶至上主義──悪く言えば紅茶厨である】

───ああ、うん、機能性高いような言い方してるけど全くそんなことないから。
そもそも、そんなことしないと雨風も凌げないものを家って呼んでいいのかも怪しいわ。

【家というものは雨風を凌ぐ為のものじゃないのかというのは素朴な疑問】
【といっても少女は明らかにそれ以上の家に住んでいるのだがこれは別の話。】
【それでも、これは家ではなく只の箱という結論に至る】
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/07(日) 02:36:12.48 ID:XO1O5bMK0
>>547

いえ、それほどでもありませんよ
僕なんかと比べてはその方に失礼です

【成る程、彼女の口ぶりからすると"恋人"なのか。と、その関係を察した彼は、酷い悲哀に包まれた】
【「恋人と会う」という極々普通の事を、こんな形で願わないといけない。という状況が悲しくてたまらなかったのだ】
【もし万が一そのarcidという人物に会ったなら、とりあえず一発殴ってやろう。そう考えた】

【さて、この場合はどうしたら良いのだろうか。彼は困惑した】
【自分が相手に配慮して嘘をついた後、その配慮が要らぬ物だったと分かった場合、どうすればいいのだろうか、と】
【自分の素性柄他人を騙して生きてきたが、こんなパターンは久しぶりだった】

えーと……ごめんなさい、僕も鯖を読んでたんです
本当は22なんです……いやでもそう変わらないといえば変わらないのですが…一応……

【しょうがない。ここは自分も嘘をついていた事を告白してしまう事にする】
【彼女の表情を見るに、嘘をついていた事に対し強い罪悪感を感じているのだろう】
【自分は嘘をつくことに慣れてしまったのでそうでもないが、今自分に出来る事は同調する事で打ち消しをしてやる事だ。彼はそう考えた】

え゛っ、いえ、あの、それは、は、恥ずかしいというか、なんというか……

【どうやら彼は特別怒っても無い様で、というよりは嘘をつかれるのは慣れっこ、と言った感じだろうか】
【それよりも、「願いを教えろ」と迫られ、彼は困惑を見せた。うっ、とした表情と共に、ビクリとその身を震わせる】

え……っと……「皆の願い事が叶います様に」……と……

【しかしそうしたところで彼女が追求を止めてくれるとは思えない。恥ずかしそうに目線を伏せながら、彼は遂に白状する】
【改めて自分で言って確認すると尚更恥ずかしさが込み上げて来る。何故もへったくれも無い。恥ずかしい物は恥ずかしいのだ】
【しばらく顔を真っ赤にしてプルプル震えた後、耐え切れなくなって自分の両手で顔を覆い隠してしまった】
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 02:41:25.95 ID:ZKhv/pOc0
>>548

「……ええ、私の家の話になりますね
――――察しが良くて助かりました。貴女様が考えて居る事が、恐らく答えだと思います
それまでの経緯にも、多々話が織り込まれるのですが……それは、またの機会と言う事に致しましょう」

【切れ長の瞳。こくん、と頷けば、女性も其れより先を語ることは無く】
【暫し、思案するかのように宙を彷徨う視線】
【またの機会。何時訪れるか何て、誰にも分からないけれど】


「――――主様は、ティースプーン五杯は入れていたような気がしましたが……
そうですか……いえ、強制するつもりはありませんが、何時かお飲みになられればきっと気に入るかと思ったのですが……
どうせでしたら、紅茶とコーヒーを割ってみるのは如何でしょう。新たな境地に辿り着けるかも知れませんよ」

【残念です。と紡ぐ割には、残念そうな表情なんて微塵も見えないけれど】
【――――そして語られるのは、またしても常識外れの言葉。どう考えても混ざり合わなそうな調合だけれど】
【本人はピクリとも笑わないのだから、果たして其れを冗談と受け取って良いのかも甚だ疑問である】


「……仰りたい事は分かります。私も、以前は屋敷で勤めていましたから
けれど、それは主が居ての事。主様が居なくなった今、勝手に屋敷に住まう訳にもいきません
かといって一晩毎に宿を借りる資金も無し、ギルドを訪れてはみましたが、どうも私の性分に合うような場所でも無い様で
妥協、と言った所でしょうか。確かに家とは言い難い事かもしれませんが……何も無いよりは、まだ良いかと思った次第ですよ」

【主が居なくなった場所に住まう事は出来ず、ギルドで過ごそうにも従者として生きてきた故に、どうしても性分に合わない】
【そんな大金を持ち歩いている訳でも無いが故に至った結論が、恐らくこの状況】
【「仕方の無い事です」――――或いは、自分に言い聞かせる様な言葉】
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 03:06:05.62 ID:bBL7nmbEo
>>549

【きっとその昔、彼女の言う彼≠烽アういうしょうもない嘘に手を焼いた経験があったのだろう】
【騙しの得意な人間さえ引っかけてしまうとは彼女も気付かなかったが、それが逆に恐ろしい】

……あら、そうだったの? ひっどい騙したんだね……ってお互い様かぁ。 ふふふ
じゃあこれでお相子って事で! 正しくは2つ違いね、それでも正直もっと上かと思ってたけど……

(年下の振りしてくれてたんだ……本当に優しい人だなぁ、ふふっ)

【心中で嬉しい気持ちを弾ませつつ、お願いについて、そのまま相手の言葉を待っていたのだが】
【歯切れの悪い様子に少し首を傾げる。 自分のお願いより恥ずかしいものがあるとは思えなくて】
【思えば他の言語で書くような事、安易に聞いて良いものではなかったかも知れない】

【悪い事を聞いてしまっただろうか――そんな思考が、彼の解答を聞いて一気に飛んだ】

――、

【先刻よりもっと酷く驚いたように、何事か言いかけてばっと口を押える】
【先程に似て肩を震わせていたのは笑おうとしているのか、妙に表情が歪んだ】

ふふ、あははっ……あっ、ごめんなさ、だってそこまで良い人なお願い、してるなんて……っく、
似てるなあって思っちゃったけど、まさかそういうところまで、似て……ふふ、っ、……

……昔ね、アキさんも、七夕の日に同じ願い事してたの、思い出しちゃう、なぁっ。 あははっ、……
生きてたら、明日だって、また、…………、やだ何言ってるんだろ、本当、ごめん、泣いちゃダメだねっ、

【最初は無理に笑っていた。 だが言葉の最後に至るにつれて、その気配が少なくなっていく】
【相手の答えを嘲笑したのではなかった。 彼の優しさが、会うことが叶わない人(arcid)にどこまでもそっくりだったから】

(馬鹿みたい、今日会ったばかりの人の前で、こんな――)

【他人を重ねられて良い気持ちがする訳がないだろう。 取り乱しながらも深い部分で冷静に思考が回る】
【「もう、帰らなきゃ」――慌ただしく席に置いていた鞄を抱き上げ、彼女はそう取ってつけた様に言った】
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/07(日) 03:16:32.92 ID:hyxJz+92o
>>550
【またの機会に、と言われればそれ以上聞こうとはせず】
【例えそれがいつ訪れるか、そもそも訪れるかどうかすらわからないものであっても──】
【元より進んで他人に干渉しようという人間ではないが故にそうした割り切りは比較的あっさりした方であろう】

……ま、まあ、甘党とか色々あるわよ、たぶん

そんなところで新境地開拓する必要あるのかしらねえ!私は絶対御免よ、そんなの

【紅茶が無駄になったらどうするのよ……と些か視点のおかしなつっこみを入れて】
【その間少女は、やはり半眼である】

へえ……色々大変なのねぇ……
私はどっちかっていうと雇う側の人間だからわからないけど。

って言うか、従者を置いて何処か行くってどうなのかしらねえ。
雇うならちゃんと最後まで面倒見なきゃいけないものよ。

【然り気無く口にした言葉】
【"少女は従者や召使いを雇う様な身分の人間である"ということで───】
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 03:33:42.27 ID:ZKhv/pOc0
>>552

「――――紅茶の中にジャムの欠片が浮いている其れを果たして甘党と呼べるのでしょうか……
物は試しですよ。そうして築き上げられ、恐らく今日があるのです」

【恐らくは、其れが紅茶とコーヒーの掛け合わせの話で無ければ、尤もらしく聞こえたのかも知れない】
【けれど、今の話題が話題である。そんな言葉だって、ただ滑稽にしか聞こえないだろう】
【「まあ、私は飲みませんが……」そんな言葉はご愛敬】


「確かに大変ではありますが……主様の下で仕えている時はとても楽しかったですよ
嫌いな物を拒む主様をうっすらと涙目にさせつつ食べさせたり、常に同じ物しか着ない方なので時折別な物を着させて赤面させたりと、とても

――――まあ、私は幼少に拾われた身。雇われと言うよりか、恩をお返しする為に勝手に仕えたようなもの
捨てられる覚悟は常に持って居ました……が、私を捨てるためだけに一族の方々が全て消えてしまうという事も引っ掛かります
……時に、貴方様もその様なご身分で?私には、所謂“雇う側”の苦労を理解出来ない故、何とも言えませんが」

【果たして、それは主に行うべきだった事なのだろうか。僅かに緩ませた口元が、如何にその主を好いていたのかを示す様だけれど】
【――――長ったらしく語るけれど、その実「主はそんな事をする人では無い」とでも言っているのだろうか】
【言葉だけを聞くならば、一種の事件に巻き込まれたようにも思えるが――――それは、敢えて濁し】
【パタリと、片方だけ寝かされた耳。まるで、身分を問うているかの様】
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/07(日) 03:43:02.94 ID:XO1O5bMK0
>>551

【最初は、恥を感じた。どんな形にせよ、自分の事で笑われるのは何らかの「よくない」気分を引き出す物だ】
【少なくとも、互いに年齢を誤魔化し合っていただなんてどうでもいい等と思える程度には】
【だが、彼女の笑いに篭められた思いに気付く事が出来れば、彼はもう照れている場合ではなかった】

(生きていたら……?)

【抑えていた手を下へと下ろす。必ず叶う?叶って貰わないと困る?自分は何と無神経な事を考えていたのだ】
【生きている以上この世に不可能は無い。彼はそう信じている。つまり絶対に叶わないとは、そういう意味なのではないだろうか……】
【自分が今会いたい人物を挙げろ、と言われたと考えれば、自分も彼女に近い考えが浮かんでくる】
【絶対に会うことが叶わない人物がいる。だが、もういないのだ】

(……ごめんなさい……)

【その言葉を口にする事は出来なかった。いくら謝罪を並べたところで、放った言葉が返って来る訳ではない】
【ギリッ、と歯を噛みあわせる。優しい?馬鹿言え。これではただの……】
【だから、彼はここで自分に出来ることを、考えた】

香弥奈さん

【もう帰らなければ、と支度を始める彼女に声をかけながら、彼は席を立った】
【少ししわになったコートの裾を軽くはたきながら、】

今日は貴女とお話出来て、とても楽しかったです
それでは、またいずれ。貴女の幸福を祈っていますよ

【ニコっ、と微笑んで見せた】
【抱いた感情を、生み出した切情を、直ぐに消化できる程人間は強くは無い】
【だからせめて、「今日は悲しい以上に良い事があった」と気分良く帰路に着いて貰うのが、自分に出来る精一杯の事だ】

【コートを軽くはためかせ、くるりと一回転すれば、彼女に背を向けて歩き出す】
【その両手を携えた剣の柄頭に置いて休めたまま、今や明かりも少なくなった外の闇へ消えて行った】
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/07(日) 04:03:52.10 ID:/HcECoOWo
>>553
【紅茶の様子を想像してか、引き攣った苦笑いが浮かぶ】

いや、それは紅茶楽しむ気ないでしょ……せっかくの香りまで消えてそうだし。
……そんな無謀な試みを土台にして築いたんじゃ不安定すぎるわよ。もう少し堅実な方がいいわ。

【相手の用いた表現で返す辺り律儀というべきなのかどうなのか……】
【そして最後の言葉には今日一番の呆れ顔を以て応じる】

え、えらくフレンドリーな間柄だったのね……主人で遊ぶなんて大したもんだわ

──って、一族纏めて失踪だなんて、事件性しかないでしょ……
従者を捨てる為だけにそんなことする馬鹿いないわよ

【どう考えても何らかの事件に巻き込まれたのであろうと、そう判断して】
【しかしそれでも、語りたがらなければ少女の側から深くまで掘り下げようとはしないのだろうが】

ああ、私?私は一応貴族の出でね。
そんなに名前は知られてないけど歴史はあるらしいわ。
どっちかと言うと、って話であって別に私が雇ってるわけじゃないし、私も何とも言えないわね。
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 04:05:26.82 ID:bBL7nmbEo
>>554

――うん、私も、エヴァンに会えて、良かった。 
また。 会いましょう、ねっ。 貴方も、どうか幸せに、……

【忙しなく荷物を手繰る手をぴたりと止めると、彼女は袖で目元を拭い】
【大きく頷き、にこりと微笑んだ。 目尻に残っていた涙を人差し指で拭って】
【途切れがちな声ではあったがしっかりと再会を誓い、彼の背中をいつまでも見送った】


【――それからどうやって帰ったのかは、余り良く覚えていない】
【気付けば静かな寝室で体を横たえていた。 仰向けに見る暗い天井を、】
【その先の夜空を見透かすほどじっと見詰めてから、彼女はそっと目を閉じた】

……――――

【故郷、櫻の国の忍び里。 懐かしい里山の景色の中で】
【どこか櫻人と違う雰囲気を持った青年が、こちらに柔らかく微笑み掛けている】
【白い髪、赤い瞳。 耳のあるべき場所には、神秘的な白い羽が覗いていて、背にも一対の純白の羽】

【その羽は片方がへしゃげ、傷んでいた。 それが直れば、彼は自分の故郷に帰ってしまう】
【遠い遠い場所だという。 けれどいつか彼をそこに返してあげる事を、彼女は自分の使命のように感じていた】

【ちょうど一年を過ごした思い出の中、今日思い出したあの七夕の光景が鮮やかに浮かび上がる】
【彼は和服も良く似合っていた。 それこそ女の自分より、なんて嫉妬さえしそうな程に端整だった】

 「――皆の望みが叶うように。 勿論、香弥奈さんの願いも、叶いますように」

【いつの間にか眠りについていた女性の頬を、まるで流星のように、涙が一筋流れていった】

/お疲れ様でした、遅くまでお付き合い頂きありがとうございました!
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/07(日) 04:11:23.90 ID:XO1O5bMK0
>>556
/お疲れ様でした!
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 04:21:03.10 ID:ZKhv/pOc0
>>555

「恐らくは、飲めない事も無いのでしょう。コーヒーを混ぜるにしても、ジャムを沢山入れるにしても
……まあ、私は何も入れも混ぜもしないコーヒーが一番ではありますが」

【呆れられた表情を見せられれば、眉がピクリと動くけれど】
【結局は、何であろうと珈琲が一番だというような言い草。少女が紅茶好きだと知っているのに……わざとであろうか】


「その理由も分からず、ある日忽然と居なくなった――――故に、新たな主様を探しつつ、皆様の行方を探っている状況ではありますが
中々に物事も上手くは運ばないようで、そのどちらもが行き詰まっている状況なのですよ

……貴女様のお話ももう少し聞いてみたい様な気もしますが、それもまた何れ縁がありましたら
幾ら日が昇るのが早くなったと言いましても、まだこの時間。気を付けてお帰り下さい
私は、また主捜しの為に睡眠で体力を養うとしましょう……では」

【その言葉を残せば、自分の膝の上に頭を置いて】
【程なくして聞こえる、小さな寝息。耳がピクリピクリと動いている所を見れば、睡眠をしながらも警戒は怠っていないのだろう】
【きっと、言葉を返したって、女性から返答は無く――――】

/お外も明るくなってきたのでそろそろ失礼します……!
/お疲れ様でありました―!お休みなさいませですよ!
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/07(日) 04:39:56.58 ID:wFsDGFqYo
>>558

それでも私は飲まないけどね、珈琲を混ぜた紅茶もジャムだらけの紅茶もブラックの珈琲も。
ま、やっぱりミルクティーが一番って訳よ。

【軽く眉を上げて付け加えた言葉─こちらは間違いなくわざとやっている】
【如何せん負けず嫌いな性格なのである】

まあ、どっちも簡単なことじゃなさそうだものね……
だけど手掛かり一つすら残さない、なんて事は流石にないだろうしその内何か見付かるわよ。

私の剣は伊達じゃないから心配には及ばないわ。
寧ろあんたこそ気を付けなさいよ、ほら、何とか狩りとか。

──じゃ、また何時か、ね

【最後にいつになるかもわからぬ約束を口にして女性が眠りに就いた頃には少女はまた歩き始める】
【そして来た時と同じように鎧の音を響かせながら消えていくのであった】


/ひぃ、太陽怖い
/お疲れ様でしたー
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/07(日) 20:04:29.34 ID:S1lbyhuQo
【街中】

ヒャァァアアーーーハッハッハッハッハッハァァーーッ!!
なァんでも、人間共が言うには……今ォ日は"七夕"なァーんていう日らしいじゃあないか……
そォこで! 人間共の為に笹の葉を用ォ意してやったぞ! 感謝しなッ!

【その中央で叫んでいる存在――それは黒い外套を羽織っていて、頭部から二本の赤い角を生やした、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【首には紫色の毛のマフラーを巻いていて、黒い褌一丁の服装だ】
【また、鋭く赤い牙や同じく爪を持ち、いかにも悪魔だと思わせる黒い翼や同じく尻尾を持っている】
【その翼の先端には赤い爪があり翼膜は紫色、尻尾の先の方は紫色で先端には赤い棘があった】

【街中がパニック状態になっている理由は言うまでもない、こいつのせいだ】

――[メテオライトゴーレム]! 人間共にどォんどんプゥレゼントしなァァアアーーッ!

【まず、こいつの眼の前に居るのは、3mもの身長を持つゴーレムである】
【どうやら身体を構成する大小様々な岩には様々な金属や鉱物を多く含んでいるようで、街灯の明かりに照らされキラキラと輝いている】
【また、身体の隙間からは長短様々な笹の葉や茎が何本も出ており、頭部には一つの眼があった】

【そして、このゴーレムの力なのだろうか――】 【空から無数の小さな隕石が街中に降り注いでるではないか】
【それは当たっても、余程のことがない限りは死なない程度の大きさだ】 【……しかし、雹なんかよりよっぽど"異常気象"】

【故に、街が騒がしい状態になるのは"必然的"】
【……さて、そんな最中、一体この場所に訪れるものは居るのだろうか?】
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/07(日) 20:25:06.80 ID:ruH9BICa0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 噴水広場】

……1年に1度、会いたい人に会える日、か…………
いい気なものだな……例え天の定めであっても、会う事が叶わない人もいると言うのに……

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】
【どこか冷めた表情で空を見上げながら、ベンチに腰を下ろしている】
【その空はと言えば、生憎の曇り空。星を覗く事は叶わない。例え晴れていたとしても、都会の空に星を見つけるのは容易ではないだろう】

……この日に降る雨を『催涙雨』と言うらしいね……雨が天の川を氾濫させ、1年に1度のチャンスすら、ふいにさせられてしまう涙雨……
……降りたければ降るが良いよ。どっちにしろ、手前には同じ事なんだから……

【イライラした様子で、右手に握り締めていたジンジャーエールの缶を傾け、喉へと流し込む青年】
【律儀に空間を昇華する噴水の水を見つめながら、青年はじっと動かなかった】



【――――所変わって、風の国 河原】

「……どうにか、無事に抜糸出来たな……一安心ってとこだ」
うん……でも、もうお金が……
<……流石に、所持金がもうきついわね……縫合手術と薬代、そして抜糸処理で掛かった分が痛いわねぇ……>

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットが印象的な、身長140cm前後の少女が】
【背の低い草が生え揃う河原に腰掛け、じっと川の流れに視線を注いでいる】
【少女のそばには、赤と青の人魂の様な光が漂っていた】

「……事ここに至っては、もう仕方がねぇか…………なんかのやり方で、稼いでいかなきゃ、八方ふさがりだな……」
<と言って、どうする気? この世界に戸籍なんてないから、真っ当な方法なんて不可能よ?>
……それに、出来れば犯罪なんて、したくない……世界が違っても、人間は人間だもん……
「……だよな。さて、どうしたものか…………一応、モンスターの類の産物は、この世界では相応の価値があるって話だが……」
<……危険すぎるわよ。妙な力を持った人間が多いのに、相応の価値があるって事は、相当に手ごわいんでしょ?>
「そりゃそうだろうぜ。けど……このままじゃマジに、食うものにも事欠く状態に陥るぜ?」
…………帰る方法の手掛かりが、早く見つかると良いんだけど……

【周囲に人気が無いためか、傍から見れば奇妙な光景ながらも、少女と2つの人魂は人目をはばからずに会話を繰り広げる】
【その光景を見た者がいるなら、まず奇異に感じる事は間違いないだろう】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/07(日) 20:57:52.02 ID:BTT54Wbco
>>560
//まだいらっしゃるでしょうか?
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/07(日) 21:01:08.50 ID:fjJ+R38qo
>>560
おーいいぞー、もっとやれもっとやれー

【───ひらり、一枚の短冊が其の手から放たれ、舞い上がる風に吹かれていった】
【『神のように崇められますように』と赤字で書かれた、煩悩塗れの黒い短冊】
【続いて流れるは、『全てのカップルが爆発しますように(♂×♂は除く)』と書かれた黒い短冊】
【『明日が来ませんように』『毎日が日曜日になりますように』『巨乳になりたい』『黒歴史が消えされ』『二期希望』】
【明らかによろしくない黒い短冊が、烏の羽の様に渦巻き散って行く、腐臭を巻いた黒き風は、ゆっくりと近付いてくる】

めちゃくちゃにしちまえこんな行事、何が悲しくて他人のカップルを祝わなきゃならんのだ
糞が、天の川氾濫しろ

【深い隈のある生気のない目、長い前髪が鼻の上で交差する長い黒髪、死人のような白い肌】
【女学生然と言った半袖セーラー服を着て、両手首に包帯、首にボロボロの長い黒いストールを巻いた少女だ───】
【ぼんやりと、俯き加減にゴーレムの前から歩いてくる少女の背後には、腐れかかった笹───】

【黒い短冊が大量に掛かった、正しく負の笹が、笹を掲げる動く屍が、少女の後ろについてくる】
【彼女もまた、七夕をめちゃくちゃにする人間の一人である、有り得ないくらいマイナスベクトルなやり方で、七夕のイメージをぶち壊す】

…キラキラ光って目障りだ、浮かれんなゴミ

【ただし、目の前のゴーレムを初めとするそれらも同族だとは思っていない】
【ひたりと目の前で立ち止まり、じとりと輝きの無い目を向ける】
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/07(日) 21:03:12.36 ID:fjJ+R38qo
/先客がいたんで無しィ!
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/07(日) 21:05:44.52 ID:BTT54Wbco
>>564
/いえいえ、こちらはまだ文章も組み立てていませんし……
/どうかこのまま、やってしまって下さい!
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/07(日) 21:31:02.10 ID:S1lbyhuQo
>>563

ヒャハッ、中々良ォい笹じゃあないか

【混乱に包まれた街の中、自分らに近づくモノが発する"負"の匂いは】
【逃げ惑う人々はともかく、明らかに人ならざる者共である二者にとってはとても美味しいモノ】
【降り注ぐ隕石の中、邪悪な笑みを浮かべたこの者は語りかける】

だァが、俺様が丹精込ォめて作ったこの[メテオライトゴーレム]をゴォミ呼ォばわりとは……
テメェー、喧嘩売ってんのかァ? "まァだ"ゴォミじゃあねェぞこォいつは、もォし使えずとも後で素材にもなるからなァ……

【ゴーレムの方は、感情があるのか無いのかよくわからず――向けられた眼に対する反応は無い】
【ただ、"命令通り"隕石を街中に降り注がせるのみ】

ヒャハハハ、全身を隕石に固めてミンチにしてやろうか? そォれとも魂バァッキバキに砕いてやろォーか? 糞がッ

【一方、この者はどうやら直情的な性格の持ち主のようで……罵りの言葉をかけられれば、明らかに不機嫌な様子を見せた】


どォーでも良ォいが、このイベントの事は本で見ィたがよォ……天の川を渡れる奴らも橋をかけられる奴もどいつも相当ヤバイぞ?
本当は渡ってんじゃあなくて、転送装置の使ィ用許可が降りてるだけじゃあないのか?
まッ、人間共の考えた妄想話なんざ大体そォんなモンだがよ――そォもそも、隕石でゴーレム作った奴が言ィうなってかァ?

【大方の予想通り、ゴーレムの主――製作者はこの者の様だが】


>>562
/すみません、返し文の速度優先とさせて頂きます
/またの機会にお願いします!
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/07(日) 21:36:29.65 ID:2y9N2EBh0
【水の国、郊外】


【七夕の日。木々に囲まれた郊外の夜は涼しげで、それでも湿気た熱が肌に纏わりつけば】
【道行く人々は或いは帰り路を急ぎ、或いは涼むために “よく冷えた” 店舗の室内に立ち寄ってゆく。夏の日の光景がそこにあった。】
【――― そんななか、誰かが道端で立ち止まっていたのなら。少しは通行人の目も引くのだろうか】



【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【小さな雑貨屋の前で足を留め、丈高く飾られた笹を眺めていたのは、そんな形容の出来る人影だった】


【さらさらと葉の擦れ合う音が耳に心地いい。……安らぎとは、こんな時に感じるものだったか。】
【枝には幾つも短冊が下げられていて。子供の書いた様な字の――― きっとその通りの願い事を瞳に映しては、】

(………夢、か。子供の頃は、よく短冊にも書いたけれど―――)

……この国でも七夕は祝うのね。
去年は気にもしなかったけど―――――……この街、櫻との縁はあったかしら。

【“いつも通りに”、この少女の言葉を浮かべるのだろう。けれど冷たく澄んだ相貌は、どこかあどけなく表情を緩ませて――― 】
【遠く離れた異国の地で、懐かしい故郷の花を見つけたような。或いは隙にも見えるその姿を、周囲を見遣ることなく街角に置いた。】
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/07(日) 21:52:22.25 ID:ruH9BICa0
>>567

…………こんな中に、身を置いては居られない…………
……浮かれた気分に水を差してしまうのも一興だけど、そんな八つ当たりをしても仕方がない……!
……今日は、野宿でもするか…………

【苛立たしげに、足早な足音が微かに響いてくる】
【行き交う通りの中にあって、そのテンポの速い音は明らかに周囲の通りから目立っていて】
【やがて、その足音の主の物と思しき人物の、苦々しい言葉も聞こえてきた】

……むしろ、手前が水にでも打たれたい気分だ…………今日のところは……――――――――ッ?

【その人物が、やはり雑貨屋の前の笹と、そのそばに寄りそう人物の姿を認めて、歩を止めた】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年】

ッ!?
君は…………こんな所で、こんな時分に会うとはね……一体どうしたんだ?

【互いに身知りながらも、名も知らぬ相手の姿を認め、思わず声を掛ける青年】
【先ほどまでの苛立ちをまだ引き摺っているのか、微妙にその顔がこわばっていた】
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 21:57:14.69 ID:ZKhv/pOc0
【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【その待合室に飾られた様々な短冊。ぽつんと車椅子に座って、其れ等を眺める少女が一人】
【汚れを知らない様な真っ白な髪。額に生えた角が特徴的で】


「……所詮、子供だましなのです。紙に書いて願いが叶うならば、今頃そこら中に紙が吊り下げられている事なのですよ」

【その外見にはそぐわない、擦れた言葉。けれど、その視線はしっかりと短冊達に向けられて居て】
【――――その手には、二枚の短冊。何だかんだ言いながらも、しっかりと何かが書かれていることだろう】
【車輪を漕いで近くまで行けば、じっと自分の願い事を見つめるけれど】


「ま、まぁ……今日だけは特別に私も願い事を書いてやったのですよ
織り姫と彦星、二人にそれぞれ仕事を言い渡すのだから有り難く思うのです
どれ……後はコレを吊すだけ……だけ……と、届かないのです……何なのです!コレは嫌がらせなのです!?」

【小さな竹。けれど、それは健常者の場合】
【下が埋め尽くされている故に手を伸ばして上に飾り付けようとするけれど、車椅子に乗った少女では届くことも無く】
【二枚の短冊を手に、賢明に手を伸ばす姿は何処か滑稽で】
【少女を除いて、誰も居ないこの場所。憤りの声は嘸かし良く響くことだろう】






【参拝客も居なくなってしまった、廃れた神社】
【だけれど、今宵ばかりは不思議と二つの気配があって】
【一人は、その身なりから考えるに巫女であろうか。もう一人は――――さて、確かに存在はしているのだけれど、まるで存在感が薄い少年】
【巫女とは言え、纏うのは妖気。狐の耳と尾が生えている所を見ると、妖狐の部類で在ろう】


「――――ええ。きっとお母さんもお父さんも待っていますから
大丈夫ですよ。何にも、怖い事なんてありませんから……もう、行ってあげましょう?」

『――――。――――?』


【何か言葉を発してはいるのだろうけれど、其れが明確な言葉になる事は無く】
【だけれど、巫女には聞こえているのだろう。少年が口を動かす度に頷いて、微笑んで】
【その手を優しく握ったならば、澄んだ声で祝詞が紡がれ始めるのだろう】
【――――やがて、少年が白い薄らいで消えたかと思えば、天へと上っていって】


「…………長い間、よく一人で頑張りましたね。きっと、お母さんも褒めてくれますよね……
……えっと……私も、そろそろお姉ちゃんを探しに……ひゃっ?!」

【其れが完全に消えてしまうまで、優しげな微笑みで見送り】
【――――気配が自分の物だけになったならば、ポツリと漏らした呟き】
【自分の姉を探すために、その場を後にしようと踵を返したならば――――不運にも、石畳の歪みに躓いて、ビタン!なんて音】
【……先程の様子から一転。果たして、その一連の流れを見ていた者が居るならば、どの様に見えるだろうか】
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/07(日) 21:58:14.87 ID:fjJ+R38qo
>>566
【ゴキッ=z 【バキッ=z
【人ならざる者の、人の言葉を聞きながら、首を曲げると少女の頸関節が酷い音を鳴らす】
【骨が折れているのではないかと思うくらいの音、それから彼女は、女らしさの欠片も無い動作で】
【右手の小指で耳を掻き、ふぅと垢を飛ばして、悪魔を睨んだ】

つーかさー、二人を分かった奴もわざわざチャンスなんて与えてやんなっつー話だよ、何慈悲くれてんだよ
会えないなら会えないであいつらもじきに互いを忘れて他の奴に鞍替えするだろ、そーに決まってる

【すぐ背後で、笹を持ったゾンビが笹ごと隕石に叩き潰される。一瞥をくれてやる事もせず、伸ばした右手に瘴気が集まる】
【毒々しく禍々しい瘴気は、一つに固まり、纏まって───骨と骸骨の意匠のシャベルとなって、右手に握られた】

世の中糞だな

【握ったシャベルを一振りし、コンクリートに切っ先を刺してガリガリと横に擦る】
【刻まれた横の傷に乗って、三つの禍々しい紫の魔法陣が浮かび上がる】
【地面から這い出る様に、魔法陣から召喚されたのは、両腕をガチガチに縛られたゾンビたち】

【三体のゾンビは忙しなく身を捩りながら、少女の左手が指差されるのを合図に走り出した】
【全員がゴーレムに向かって、無謀にも】
【彼等ゾンビに攻撃手段は無い、爪も牙もなく、ただ対象に突っ込むしかない】

【───ただ、彼等は】

やれ、ボマー。リア充じゃないが爆発しろ

【何らかの衝撃により、ダイナマイトのように爆発する性質がある】
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/07(日) 21:59:13.15 ID:fjJ+R38qo
>>565
/本当に申し訳ありません
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/07(日) 22:14:16.07 ID:AFklbSDZo
>>569

【人気の少ない病院内の通路、響き渡る足音が体重を感じさせない音なら】
【貴女のすぐ横を人影が滑ったと思ったなら、その手に握っていたであろう短冊をすっと抜き去ろうとして】
【そしてそのまま僅かも止まらずその短冊を二枚、笹の葉へとくくりつけようとするだろう】


……立てないのなら人を呼べば良い、ただそれだけのこと
ナースコールという手段があるにも関わらずに、なぜその手段をとらない


【口調はただまっすぐ、感情がこもってるとは思えない平坦な口調】
【静かに音を揺らしたなら、後に残る旋律を感じていたいようで】

【白銀のセミロングの髪を靡かせて、長い前髪から鋭く青い眼を覗かせる】
【やや長身でスラリと伸びたボディラインを濃い青のストライプのシャツで包む】
【燕尾服調の高級そうな黒のスーツとネクタイ、細く長い指先はシャツと同じ色の手袋】

【男性らしからぬ女性的な端正な顔たちは、まるで仮面を貼りつけたかのように無表情で】
【陰鬱な雰囲気を纏う、儚い印象を与えそうな青年が側に立っていた】
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/07(日) 22:22:48.41 ID:S1lbyhuQo
>>570

ヒャハッ、そォれはそれで面白いんじゃあないの――
……まッ、俺様ならさァっさと雑兵にしィてやるがな

【手を前方に軽く出し、掌を空に向けると……ぼぅっと、魔翌力がそれに集まり】
【すぐ近くに落ちていた隕石に向けてそれを投げると、――隕石がひとりでに転がり出したではないか】
【よく見れば、ゴーレムの様な一つ眼もあって――ただ、この者……悪魔の命令は通らないようだが】

――鬱陶しいだけの奴らに、こォの隕石が破壊できるものかッ!
やァれッ! ……

【隕石が降り止むと同時に、振るわれるのはゴーレムの拳】
【素材が素材だ、初速は遅いものの――重みと、それに付随する威力は想像に難くない】

【……が、幾ら硬い身体といっても限界はあるし、ゾンビを爆発させるのが目的ならばむしろ美味しい行動だろう】
【ゾンビに拳が当たったとすれば、その右腕にヒビが入るはずだ】 【――悪魔の右腕から発生する、小さな血飛沫と共に】

……ヒャハハ、そォーいう事か
リア充だか何だかなァんざどォーでも良ォい、力と部ゥ下があればな……
だァが、俺様の身体に傷を付ゥけたこと……後悔させてやろうッ! 燃ォえ尽きた隕石の陽になァァアアッ!

【ゴーレムが少女に向けて掌を向けると、そこから最大直径10cm程の隕石が3つ発射される】
【初速――発射するまでは遅いものの、それ以外は油断ならない】 【狙いは胴・腕】
【回避されたとすれば、近くの地面に落下しそのまま残る】
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 22:35:00.71 ID:ZKhv/pOc0
>>572
【ぐぬぬ。何て様子で伸ばしていた手】
【どれだけ肘を突っ張らせたって、自分の限界を超えられる訳も無く】
【――――足音が聞こえたかと思えば、手元の短冊がふと消えて】
【状況を理解するのに、数秒。パチパチと瞬かせた瞼は、滑稽だけれど】


「なっ……な、勝手に何をするです!!さっさと私に返――――
……ひ、人の物を勝手に奪った上に、手の届かない所に括り付けるなんて非常識にも程があるのです!お前は馬鹿なのですか!?」

【飲み込んだならば、今度は矢継ぎ早に送られる文句。自分の代わりに行ってくれたと言うのに、礼の一つも無くて】
【少しの間、ギャンギャンと噛み付いていたけれど――――思う存分吠えたならば、車椅子の背もたれに己の体重を預けるのだろう】


「…………私は気高きユニコーンの血を引く者なのです。何故人間の手を借りなければいけないのです
そ、れ、と。今のはお前が勝手に行った事なのですから、礼を言って貰えると思ったら大間違いなのです!
大体にして何なのです!お前はもやしっ子なのです?!にやりとも笑わないでロボットなのですか!」

【“何故”に対しての答え。なる程、本当にユニコーンの血が混じっているのであれば、その角も、白髪も納得出来るであろうか】
【人間よりも、自分の方が優れている種族。そう、勘違いしているのは頂けないが】

【所で、こんなに悪態を吐きまくる少女。短冊に書かれていた願い事はと言えば】
【「呪いが解け、歩けるようになりたい」――――まあ、何となくその様を見れば分かるであろう。問題は、もう一方】
【「皆が平和に、楽しく暮らせる様に」――――一分の休息も無く噛み付く少女とは思えない願い事】
【青年が、其れ等の願い事を覗いたかは分からないけれど。お構いなく、悪態は紡がれ続けることであろう】
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/07(日) 22:45:05.20 ID:AFklbSDZo
>>574

【彼は貴女の悪態を聞きつつも、その鉄面皮をピクリとも動かさなかった】
【手助けをしたのに文句を言われる、あまり良い気はしないなと思いつつも】
【自分に非があったか、と感じるほど気配りのできるタイプではない】


下の辺りは既に他の紙が占領していた、この上二枚も新たな紙を括る余裕はない
――――――更に言葉を返すなら、ユニコーンだろうと何であろうと
今の貴様では、気高くない人間の手を借りねばその任務は遂行できなかっただろう


【殆ど視線を向けることはせず、彼は自身の括った短冊をそっと眺めた】
【言葉の意味は介せた、そして目の前の少女が言ってる言葉も正しい、と】
【だからこそ滑稽に思えた、皆が平和に、とはよく言えたものだ】

【彼が静かに思案にふけっている間も少女の言葉はやまない】
【本来ならば文句の一つでも言うべきなのだろうが、彼にも思うことはあって】
【呪い=\――その意味合いを、口の中で転がした】


一つ尋ねよう、貴様は何故このような願い≠このように吊るす
正確には貴様ら≠ェ、だ……見るとほとんどが幼い子どものようだが
貴様のようないい年齢の少女がやっているところを見ると、何か意味があるのか


【少し刺のある言い方だ、貴女の言葉を借りるならロボット≠フような彼であるが】
【そのペースを崩さず、ふむと笹に静かに視線を預けていた】
【そしてその短冊≠掲げる意味を、彼は貴女へと尋ねるだろう】
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/07(日) 22:47:03.90 ID:YKIA6iW20
>>568

【聞こえてくるのは “違った” 足音、】
【確かめる様に振り向いた。そして、どこか “らしい” なと足音の主を認識した。】

―――……?

ああ、貴方か。

【……二度逢って。二度、重なる部分こそあれど意見を違えた彼。】
【その姿を認めれば、上体ごと軽く向き直りつつ ―――― ふわりと視線をその影に重ねるのだろう】
【或いはこれが等身大の彼女なのか。幾分か和らいだ表情をしていた】

【そして最後に会った夜のあの顛末は、別段、彼女にはしこりを残してはいなかった様子で/自然体、】


どう、と言われても困るのだけど……そうね。国の風習を思い出して、少しいろいろと思い返してた――――
そんなところよ。

【そのままそう述べたなら、少女は言葉の先を続けて】
【どこか懐かしげな声と表情、】

【曰く、彼女の故郷―――― 櫻の国では今日七月七日は “七夕” と呼ばれる祭日であるという事、】
【……曰く、短く切った紙に願い事を書き記して。それを吊るした笹の葉を、飾る風習が伝わっている事。】
【織姫と彦星の物語―――― 互いに入れ込むあまり、責務を怠った恋人たち―――― その再会の夜との伝承も、簡単に言葉に添える筈で】


【そして視線は笹に吊るされた “紙” /短冊に再び向く】

【見れば、「お医者さんになりたい」、「赤い屋根の家に住みたい」―――― 子供の字で綴られた夢物語が、幾つも幾つも飾られていて】
【……その中には、若い男女の書いたと思わしきものも交じっていて。浮かれた色はご愛嬌、とでも言うべきか。】

【ともあれ少女はそのひとつひとつを、楽しむ様に眺めていた。】
【ひとりひとりの物語を想ったのか。或いは昔の故郷を思い出したのか。何れ、】

……貴方なら、何を願うのかしら。
あまり興味はなさそうだけど……その分、考えてみたくはあるわ。

【彼の信条に反する――――― 恐らくはそうなのだろうと考えながらも、問い掛ける声は紡がれて】
【或いは知ってみたかったのかも知れない。彼ならば何を想うのか、彼ならば “彼ら” にどの様な考えを持つのかを。】
【それは、この風習に関してでも変わらない。】
【理由は―――――― 今は紡がれずに。】
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/07(日) 22:56:14.46 ID:fjJ+R38qo
>>573
ぬ る い

【すぐ目の前で輝く光、ゴーレムに潰されたゾンビの爆発が発した光が少女を照らし、飛び散る肉塊が顔にへばり付く】
【転がってきた右脚を踏み潰しながら、彼女は言った】

私なら雑兵にするどころか天の川を封鎖して見張りまでつけてやる
それでも駄目ならアキレス腱を切って縛り付けて…

【掠れた声で、平然として、内臓を肉を骨を踏み躙り、腐った匂いに眉一つ動かさない】
【───そんな風に、お伽話に並々ならぬ恨み辛みを狂気じみて語る少女は、シャベルを地面に突き立てて】

つーか、それは私のせいじゃないだろう常識的に考えて
殴ったお前が悪い

【ゴーレムの傷に対応して悪魔の腕が傷付いた───つまりはそう言う事か】
【ならば、と、シャベルが突き刺さる地面に魔法陣が敷かれて、下から少女を照らす】

まずは防御かr───

【魔法陣からせり上がるグロテスクな肉塊、円状に牙の並んだ肉の壁が、盾となって出現し───】
【いや、遅い───それに気付いた時にはもう遅い】

ITEッ!!

【腕への二つを避けた矢先、彼女の腹に突き刺さる隕石】
【腹パンとかいうレベルじゃない痛みに、瞬間的に白目を向いた彼女の姿は、遅れてせり上がった壁に隠れた。恐らく蹲っているのだろうか】
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 23:05:13.46 ID:ZKhv/pOc0
>>575

「う、五月蠅いのです!聞き取れなかったようだから、お前のためにもう一度言ってやるのです!
私は求めてお前の手を借りた訳では無いのです!お前が、勝手にしただけの事なのです!
微塵も!これっぽっちも手は借りていないのです!」

【その言葉が、的を射ていたから。だからこそ、自己弁護にも思えるような言葉を吐くことしか出来なかった】
【幼さの残る顔には、眉間を寄せるその仕草は似合わないことだろう。睨んでいる様だが、迫力も無い】
【最後の羅列を一つ一つ強調したならば、言葉の外で其れを押しつけている様でもあって】
【――――言い終えれば、ふんと鼻を鳴らすけれど】


「……流れ星に願うのと同じ事なのです。或いは、居もしない神に祈るのと同じ事なのです
けれど、其れに意味を求める事も無いのです。風習なんて、そんな物なのです
偶然、吊した事が叶えば、それはその風習のお陰。もしくは、自分なりの決意なのかもしれないのです。紙に書いたならば、明確になるのですから

――――所で、コレはお前達人間が作り出した風習だと思っていたのです。お前の言葉を聞くと、今までした事が無いようにも思えるのです
まさか、その姿で生まれた訳でも無いです?
聞くよりも、体験する方が分かりやすいのです。ほら、まだ一枚二枚余って居るからお前もあやかってみると良いのです」

【その棘を鋭く感じ取ったか、むっと膨らませて紡がれる言葉。ふて腐れている、とも表現出来るか】
【織り姫彦星の話は無く、自分なりに擦れて捉えた考えを披露したならば、怪訝な表情を浮かべるのだろう】

【問うのは、何故青年がその事を訊ねるのかという事。幼い頃、殆どの者が知っていても良いはず――――そんな考えの下の言葉】
【車椅子に下げていた小さな手提げを漁ったならば、取り出したのは数枚の短冊とペン】
【気紛れに差し出してはみるけれど――――取る取らないは、勿論自由で
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/07(日) 23:07:47.99 ID:ruH9BICa0
>>576

…………?
(……なんだ……なんと言うべきなのか…………険が取れた様な、そんな顔をしている……)

【少女の姿を改めて目の当たりにして、青年はどこか訝しげな表情を浮かべた】
【常に張り詰め、苛烈さや鋭さすら感じさせていた、いつもの少女の顔が、そこには無かったからだ】
【むしろ、適度に肩の力が抜けた様な――――そんな印象を受ける】

――――――――そうか……これらは、元々君の国の風習だったか…………
……存在そのものは知っていたが、その謂れまでは流石に知らなかったな……

【少女の語るところに耳を傾け、どこか興味深げに頷いてみせる】
【元々、これが櫻の国から始まった事だと、青年は今まで知らなかったのだろう】
【だが、七夕そのものに関しては、ある程度の知識を始めから持ち合わせていた様で】

……苛立ちに任せて、雨乞いの魔術でも使おうかと思ったりもしたが……所詮、気の迷いかな…………
――――『催涙雨』を呼んだ所で、気が晴れるとも思えない…………

【祭りに苛立っていたらしい青年は、軽口紛れにそんな事を言う。口調からして本気ではないのだろうが、先ほどのいらだった様子は完全な戯言とも思えない】
【天の川を氾濫させ、年に1度の機会を逸してしまう涙雨――――『催涙雨』の事を口にして】
【実際、ある程度の魔術を扱う青年なら、それも本当に出来る事なのだろう】
【――――浮かれる周りが癪に触ると言う、ひがみっぽい理由でそんな事をするほど、青年も薄っぺらい性格ではないのだろうが】
【同時に、何か根の深いところで、実際にそれを望んでいるようでもあった】

…………何を願うつもりもないよ。たった1人の会いたい人は、8年も前にこの世を去った…………
いや……でも……………………っ、そうだな…………手前が願うとしたら、こうかもしれない…………
――――――――『もう一度、ちゃんとした身体で生まれさせてください』…………手前が子供の時分だったなら、そう願うだろうね…………

【願掛けの行事――――確かに、この青年とは絶望的に相性の悪い問いだった】
【そもそも、その雰囲気に包まれている人ごみを避けて、苛立ち紛れにここまで歩いてきたのである】
【しかし――――ふと意識が、ある1点に止まった。そしてそれを、気まぐれに口に出してみる】
【――――無論、言ってしまえばそれは、絶対に不可能な幻想。だが、そこには青年の心の闇の一端があるのだろう】
【「もう一度、ちゃんとした身体で生まれる事が出来たなら」と言う、過去仮定法の変形として吐き出された、願いの形で】
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/07(日) 23:15:53.83 ID:AFklbSDZo
>>578

【自己弁護の言葉、傍から見たならば、ただの子どものワガママなのだろう】
【けれどもあまり不快にはならなかった、むしろ――――――どこか懐かしげな色合いを秘めていたようで】
【多分きっと、今よりもっと昔子どもであった頃、いじっぱりな姿を見せていた、誰かの思い出なのだろう】


流れ星に願うとは、また随分と酔狂なことだ
俺も人間だが、その点に関しては貴様に同調しよう

―――――星の成れの果ての隕石が、燃え尽きる姿
そのどこに美しさが、残っていると言うのだろうな


【答える言葉、それは無機質な態度と比べたらどこか熱が入っているようで】
【言葉を紡いだなら途中で止めて、そっと窓の外へと思いを馳せた】
【満天の星空、輝く世界に、わずかに心を踊らせている、ようで】

【視線を戻したならその先には怪訝な表情の少女】
【――――――意外であった、続く言葉を聞いて、ほう、と小さな声が漏れた】
【嫌われている≠ニ思っていたから、差し出された短冊とペンが、不思議だった】


……ああ、その通りだ――――――頭はそれなりに回るようだ
そして律儀に言葉を返すなら、流石にそんな事はない、俺にも……多分、小さかった頃はあったはずだ

願い事≠ゥ……悪いがそんなもの、ない


【多分とつけた、子供の頃、それはどこか他人行儀な様子で】
【質問の意味を少し考えて、目の前の貴女はそのままの姿で生まれたのだろうか、と小さく思案して】
【それを表情には浮かべず、手持ち無沙汰な両手で、受け取るだろう】

【――――――そしてそのまま硬直した、言葉を紡いで、少し悲しげな表情を見せた】
【鉄面皮で無表情、普通の人間ならばきっと、何もないと切り捨てる】
【けれども人ならざる貴女であれば、察することができるだろうか】
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/07(日) 23:27:14.57 ID:S1lbyhuQo
>>577

ヒャハハ、そォいつはさァぞかし良ォい声が聞ィこえそうだが……使えるモンはなァんでも使わねェーと損だ
雑兵で駄ァ目なら素ォ材という手もあるしなァァアア

【そんな少女に半ば同意しているように見える悪魔――しかしカップルに対する思いは全くもって違うようで】
【そもそもカップルという区切りではなく、人や生き物と言った区切りで見ているらしい】

そォのゾンビ共の使い捨てっぷりは豪快で好ゥきだぜェェエエ
だァが殴ったゴーレムが悪いんじゃあねェ……けェしかけたテメェーが悪いんだ、人間ッ!

【弱い魔物は死んでも問題ない――なんて考えの悪魔、ゾンビに心を痛めるなんて事は全く無く】
【むしろ逆恨み……というかなんというか】 【絶対に自分が悪いとは認めないようで、そう言った後、小さく唸り】

――どォーだ、見ィたことか! ヒャハハハ、良ォいザマだ、良ォい声だ

【隕石の命中は悪魔に嬉しさを与えると同時に、油断も生ませる】
【――相手が次に何をやるか、警戒は一応しているものの、それ以上に】

行ィけェッ! ミィンチだァァアア! ヒャハッ、まァー正義の糞野郎じゃあないだァろうテメェーは、生ィかしてやって部ゥ下にしてやっても良ォいがな……

【……人が苦しみを見せる事が好きなのだ】
【ゴーレムが、重たい足音を響かせながら少女に向けて接近を始める】
【移動速度はとても遅いが、もし壁まで接近することができれば、それに向けて脚をローキック気味に振るうだろう――威力などは先程のパンチと同一】
【だが、前述の理由により接近するのには時間がかかる】 【壁まで近づく前にも、脚を振るう前にも、十分対処は可能だ】
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/07(日) 23:35:13.84 ID:ZKhv/pOc0
>>580

「例えば……の話です。小さな一つの星でも、私達よりも数百数万倍長く生きている事はお前でも分かる筈なのです
ならば、その長い時が尽きる時、不思議な力を感じても可笑しくは無いのですよ
それに、です。お前はどうか分かりませんが、お前達人間が好きな花火だって、一番美しく見えるのはその尽きる瞬間なのです
……どちらも、瞬間的な事です。今日という日だって、歴史から見れば瞬き一つなのです。でも、瞬間というその時に、奇跡を祈るのが恐らく人の常なのですよ」

【何処までも崩れない、高飛車な態度】
【両手の僅かな重さが消えたならば、視線は短冊へと移って】
【何とも、可愛くない考え方。夢を壊している、と言えば其れまでだけれど】
【そんな考えを持って居ても尚、必死に短冊を飾り付けようとしていたのだから――――立派な矛盾】
【勿論、其処を突いたならば先程と同じ様に喧しく噛み付くのだろうが】


「――――。お前は、本当にロボットの様な奴なのですね
生きていれば、お金持ちになりたいとか、権力を手に入れたいとか色々とある筈なのです
……もう、いいのです。ほら、さっさと返すのですよ」

【少女が問うているのは、青年の子供時代。きっと、青年にも伝わっていた筈だろうけれど――――返ってきた答えは、まるで青年自身が自分を知らなかったような其れ】
【僅かな感情を察したのは、表情か、声質か】
【――――敢えて、言及はしない。だけれど、先程手渡した短冊達を引ったくる様にして奪い返したならば、青年に注がれるのは銀の双眸】


「…………それで、お前の名前は何なのです?
私がわざわざ聞いているのだから、さっさと言うと良いのですよ」

【唐突に、青年の名を訊ね】
【もし其れに答えたならば、双眸は自分の膝。正確には膝の上に置いた短冊へと】
【「願い事が出来ますように」「笑う事が出来る様になりますように」――――達筆に書かれた、二つの其れ。名を聞けたならば、どちらの頭にも青年の名が記されて】
【何の捻りも無い所が、逆に少女らしいか。「ん」の一言共に突き出せば、コレを其処に括れと言わんばかりに目で指し示すけれど】
【全て、欲求通りに行ったのならば、「これでお前の願い事が出来たのです」なんて、くすりと笑って】
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/07(日) 23:45:19.39 ID:AFklbSDZo
>>582

【不思議だと彼は考えるのだろう、目の前の少女はひどく矛盾した存在であると】
【現実主義者の面もあれば、見た目相応の少女らしい可愛げのある考え方もある】
【――――――けれどもそれを悪態をつくことでごまかしているのだろうか、と考えながら】


感じるのは自由だ、だがそれはまやかしに過ぎない
……星は素晴らしく長い時間を生きる、だが星に神秘さを求めるのは人のエゴだ
不思議な力を感じる≠フではなく――――――感じたい≠フだろう

利用しているに過ぎない、願いを託すのに相応しい¢カ在であって欲しいと、勝手に期待しているのだ
そんな願いで呪い≠ェ解けるなら
そんな呪いはいずれ、知らぬうちに消えている


【星を見る横顔が貴女への視線へと変わったなら】
【見下ろす青年の言葉は、容赦なく貴女の心をえぐろうとするだろう】
【貴女の心の深い部分を、引き裂き、覗こうとする】

【奪い返されたなら、手持ち無沙汰に再び戻って、何とも言いがたい気持ちになる】
【返せ、と言いかけるも、願い事が無いくせにおかしなものだ、と思い直して】
【向けられる銀の瞳を、はっきり見つめ返した】


――――――Fear,Seven for Four
ユニコーン、貴様の名前も聞いておこう、自分だけ名乗るのは不公平だ

……それと、その願いは認められない
俺だって、笑うことぐらい、できる――――――


【フィア≠ニ名乗った青年は、貴女のペースに少し巻き込まれかける】
【む、と少し表情をこわばらせたなら、差し出された二つの短冊を受け取るだろう】
【そして、どこか意地を張るみたいに、そんなことを言った】
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/07(日) 23:45:41.67 ID:YKIA6iW20
>>579

『催涙雨』……?
……聞いたことも無かったけれど、取りやめてくれて幸いだったわ。
私には……それなりに大事なものだから。

【“この行事が” か、“この賑わいが” か。どちらにせよそう変わりは無いだろう】
【だが彼の人格からすれば、その決行には至らない。そう考えてはいても、だからこそ引っかかる様なものを感じた様子だった】

【……芯のあるものとないものは解かるからだろうか。】
【その裏打ちの様なものの存在だけは、このやり取りだけでも感じ取って】
【やはり―――― 未だ彼を深くは理解は出来ていない。再度の認識。深層に到るには短すぎる歳月も、今は実感を深めるだけだった】


【そして問いに返される言葉を聴いた。双眸が、今宵は未だなかった色を得た。】
【“8年前の喪失”――――― 思い返したのは最初の夜。……大切な人を失った、と言っていた。】
【表情が曇る。あの夜のように。けれども続いた彼の言葉に、その色のままに重々しくも疑問を浮かべて】


……今は……それは治ったのかしら。

私には、貴方は健康そのものに見えるのだけど――――

【『ちゃんとした身体』。その願いは、その不在の裏返しの様に聞こえて】
【どこか切り込む様な声。芯と、秘めた意志の感覚を与えるようなそれだった】

【……直接に問い質す事は無く。それは、少女は、この様に訊き返している様でもあった】

【―――― “何が、その身の不全であるのか。或いは、彼にそう感じさせるものであったのか”――――】
【その瑕疵が喪失を生んだのか――――? 頭の何処かで生じた予感を、感じ取れぬままに紡いだ “抉らない” 筈の問い。】

【……単なる傷痕にならば触れなかっただろう。土足で踏み入る様な真似なら、殊更に避ける筈――――】
【だがそれが彼の本質に迫るものだと、心のどこかで想っていたのかも知れない。 】
【或いは“願っていた”のか。答えを待つだけの、数分にも数時間にも覚える一瞬。】
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/08(月) 00:02:06.50 ID:cFfZAGTm0
>>583

「神の存在も人間のエゴです。そうであって欲しいと願うだけで、居る筈も無い存在なのです
……呪いの原因は既に分かっている事です。それ故に、これはとある悪魔の死を望むものなのですよ
こんな願い事で死ぬ様な輩では無いですが……気晴らしには、丁度良いのですよ。覗き魔」

【涼しい表情を浮かべたなら、その言葉を聞き流すけれど】
【“呪い”の言葉が出たならば、ジロリと睨み付けて】
【呪いの原因も解呪の方法も分かっていて――――それが、とある人物の死であるが故に、ただの気晴らしだ。なんて】
【擦れていても、やはり女か。自分の願い事を見られていたと知れば、責めるように「のぞき魔」の単語を送って】


「ゴーリェ・スパシーチェリ。従者二人にはチェリと呼ばせているのです。まあ、その内の一人は中々呼ばないですが
フィア。認められないのであれば、その証拠を見せてみると良いのですよ
ふふん。顔の皮がピッと張ってしまっている様なお前では、笑う事も怒ることも難しいと考えるのです
さあさあ、フィア。笑ってみると良いのです。笑えなければ、一番上の目立つところに吊す罰なのですよ?」

【その意地を知れば、少し驚いた様な表情を浮かべるけれど】
【ふと笑い、今まで同じ様な態度で取り繕ったならば、鼻で笑って】
【無理難題――――かどうかは分からないけれど、もし笑えなかったならば一番上に吊して晒す。なんて脅し】
【無論、仮に笑えなかったとしても、青年の手にある訳だから破り捨てるなり目立たぬ所に吊すなんて事が可能ではある】
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/08(月) 00:02:23.64 ID:0hjTJRwYo
>>581
あばばばばばばば…夕食のヤサイマシマシニンニクアブラが…

【嗚呼───こんなことあっていいのだろうか?仮にも少女である彼女がマーライオンに進化するなど】
【否、あってはならない、なら無いのだ───そう自分に言い聞かせるも、胸の中で出口を探して暴れる未消化食物は渦巻いて】

(せめて吐瀉物を道端に残すのは不味い!)

【限界であった、せめてもの残っている乙女心が、最後の壁】
【既に胃袋(ウォール・マリア)は陥落している、立ち上がると出そうでそれも出来無い】

【───ゴーレムが肉壁を蹴り飛ばし、ぐちゃぐちゃな肉塊が飛び散るのと、彼女がゲジゲジのように地面を這って離脱したのはほぼ同時であった】
【だが、彼女は決して攻撃から逃げたのではない、一つの希望へと向かったのだ】

………おえ…

【みれば、彼女はそのまま側溝に頭を突っ込んで───何をしていたかは、言うまでも無い】
【描写はしないし、見ない方がいい、とりあえずこの側溝がすぐに下水に繋がっているのは救いか】

───うっぷ。出したらすっきりした

【運が良いのか悪いのか、ゴーレムの蹴りから逃れ、体調も回復した少女は、包帯で口を吹きながら立ち上がり、ゴーレムを見やる】
【実際の所頭ではしっかりと相手の分析もしている───とはいえ、見たままだが】

…この野郎、乙女にゲロ吐かせるとはいい度胸だ
おい死霊術師…こいつ潰すぞ

【逆恨みのお返し、そもそも防御が間に合わなかったのは自分のせいだが、ある意味おあいこか】
【悪魔を睨みながら、シャベルを地面に突き立て少女は呟く。呼び寄せられたそれは、ぼんやりと背後に浮かび上がって】

「…部下、か───」
「よかろう、ならばこちらは貴様の死体を下僕として朽ちるまで酷使して」 いやそういうのいいから

「…はい」

【鮮血のように赤い長髪、赤い目、青褪めた肌色】
【貴族的な礼服に身を包んだ上に、闇の帳そのものの様な黒いマントを身につけた、なんか半透明の男が、まるで背後霊のように───というか、そう言う格好の背後霊が出現し、かつ台詞を切り捨てられて登場して数秒でシュンとしている】

…目には目をだ、とりあえず時間を稼ぐ
「はいはい…」

【すぅ、と次の瞬間には背後霊の姿が人魂となり、少女のストールに吸い込まれる】
【すると、ストールは闇を吸い込んで肥大化し、まるで黒きマントのように変化。シャベルもまた、禍々しい杖へと形を変える】

ここからが本番だ…でもちょっと待って

【杖を地面に突き立てると、浮かび上がるのは大量の小さな魔法陣。生まれ出るは有象無象のゾンビたち】
【何の特殊能力もないゾンビの大群が、一斉にゴーレムに向かって雪崩れ込む。ゴーレムからすればアリの大群のような物】
【しかしそれは所詮は盾だ、本命はこっちと言わんばかりに、少女の前の地面には巨大な魔法陣が───】
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/08(月) 00:05:03.00 ID:0hjTJRwYo
>>581
/申し訳ありません、もうすぐ就寝しないと朝がまずいです
/出来れば持ち越しか置きレス移行でお願いしたいのですが、不可能なら適当に切り上げて下さい
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/08(月) 00:10:59.75 ID:0t5rIgJv0
>>584

……天の恋人を、天の川の左右に裂いたのを、1年に1度だけ会えると言うのが、七夕の伝説なんだろう?
……だが、七夕の夜に雨が降ると、恋人同士は天の川の水の増量で、そのチャンスを失い、1年に1度さえも会えなくなる……
それを悲しんで、地上にも雨が降る…………これが『催涙雨』の謂われさ……

【七夕の醍醐味と言えば、俗に『天の川』と言われる、綺麗な星空であろう】
【それを覆い隠してしまう雨に、そして雨雲に、天界の恋人たちの悲劇を物語った謂われ――――悲しくも、どこか風雅な話だ】
【――――たった1人、心にとめた大切な人と死別した青年の、行き場の無い感情のはけ口になるには、うってつけの逸話であるとも言える】

……分かるだろう?
年に1度だけ、大切な人と会える…………そんなものは、まやかしに過ぎない……どんなに強く、想っていても……絶対に、会う事は出来ないんだ……
――――そんな、当人たちにとって切実だったはずの『願い』と言う要素が、ここまで卑近になって、猥雑なものになる…………正直、いい気はしない……

【大切に思う人とは、もう2度と会えない――――青年をして、『希望は破滅への道であり、希望を抱く事は罪業に過ぎない』と言う信条を抱かせた、決定的な出来事】
【例えそんな伝説があったとしても、自分の思いは遂げられないのに――――青年が七夕に苛立ちを覚えるには、十分な理由だろう】
【それが今や、そうした伝説や季節の風物詩としての背景も薄まり、ただの『イベント』と化しているのであれば、青年も、雨を呼んでぶち壊しにしたくもなる】

――――治りなどしないさ。永遠に……そして、そのせいで手前の人生は狂った……
……いや、宿命づけられた以上、これが正常と言うべきなのか……忌々しい話だけどね……

【――――先ほどまでの、苛立ちや焦燥と言った、分かりやすい感情を湛えていた青年の顔が、暗い陰に沈む】
【自らを狂わせたと、そう青年も自認している、謂わば青年の『歪み』の元凶――――その1つが、間違いなくその『願い』に現われていたのだろう】

――――1つ、聞く…………君は、手前を男だと思うかい、それとも、女だと思うかい……?

【一瞬、自虐的な笑みを浮かべると、青年はその問いを少女へと飛ばす。それを口にし終えるや、再び表情に陰が差して】
【――――丸みを帯びながらも整った顔立ち。華奢な体格。高からず低からず、逆にそれが耳障りの良さを生んでいる声音――――】
【その性別の別をハッキリと判断させるには、青年の各部位が、あまりにも完璧に中性的であろう】

……まぁ、その答えそのものはどうでも良いんだ……
……と言うより、手前からも、正解を提示してやる事は出来ない……

――――――――何故なら、手前は『どっちでもない』んだから……いや、むしろ『どっちでもある』と言うべきなのか……?

【そして、青年は答えを口にした――――しかし、それは答えになっていなかった】
【二者択一のはずの問いに、三択目の選択肢を持ち出してきたのだから。しかし本来、人間の性は、二者択一でしかないはずで】
【――――青年の歪みは、いよいよ顔を出そうとする。そしてその顔も、これまでにない暗く沈んだ調子を湛えていた】
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/08(月) 00:12:15.54 ID:8eY1SuYMo
>>585

【睨みつける貴女の表情、見た目の可愛らしさもあってか、怖さは感じない】
【覗き魔≠フ肩書きも、彼にとってはそれほど馬鹿にされた感じはしなくて】
【いつものように無表情を翳しながら、少女へと言葉を返す】


……貴様はそれで良いのか
こんな紙に託すような願い事≠叶える方法を知っているのに
行動はしないのか、その悪魔を――――――殺す≠アとは


【価値観の違いだろうか、或いは人とユニコーンと、その違いか】
【彼にとってはそれだけのことであった、必要なのが相手の死であれば】
【そのための方法として殺戮を選ぶことは、さも当然と言いたげで】

【これはきっと彼だけのことではない、ある程度力を持った人間であれば】
【恐らく彼と似たようなことは考えるだろう、あまりにも直接的なその手段を】


言っただろ……笑うことができる、と……
行動として可能、俺の言った言葉は、ただそれだけのことだ

貴様にも分かるだろう、俺は笑うことはしない
吊るしたければ吊るせば良い、俺の笑いはそのような紙切れに縛られるほど安くはない


【ノリが悪い、と言われてもしかたがないだろう、返す言葉は、あまりにも冷たい】
【どちらかと言えば、貴女のからかいに真っ向から言葉を返したかのようで】
【名前を言われてもなお貴様と呼ぶ辺り、デリカシーの欠片もない】

【ただ、笑いに関してはきっと、彼自身が思うこともあるのだろう】
【少し言葉をつぐんで、黙ったまま、両手に持った短冊を見つめていた】
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/08(月) 00:25:54.48 ID:5jfchStvo
>>586

……ちィ、運が良ォい奴め

【偶然といえば偶然、しかし蹴りが捉えた肉塊に少女が含まれていない事実に変わりはない】
【悪魔は一つ舌打ちをすれば、……後は、売り言葉に買い言葉。】

ヒャハハ、内臓がはァみ出なかっただァけまァだ良いと思え!
まァー、どォっちにしろ、テメェーは"大切に"扱ってやるよ……ヒャハッ

――そォれと……そォーだな、そォこの"SBM能力"――俺様は潰されようと死ィなねェ
死ィ体回収は諦めるんだな!

【"大切に"――明らかに嫌な予感をさせる、そんな何かがひしひしと伝わる語調で】
【そして、自慢げに"潰されても死なない"と言う悪魔……勿論、それが真実かは不明だが】

ヒャハハハッ! だァからそォんな奴らで隕石が崩せるとでも思うのかよ!
――こォいつは[メテオライトゴーレム]……だァが俺様はそォれに"笹"を足した
だァから、正確に言えば[メテオライトゴーレム-BG]って奴だ!

……で、そォれがどォしたとでも言いたくなるだろう?
たァだ笹を生ァやしただァけとは思うなよォッ! ――扱いは"あァいつ"の"棘"を見てきた俺様なァらよォくわかる

ゴォーレムッ! やァっちまいなッ!

【ゴーレムの額に書かれた異界の文字が、眼が、緑色に怪しく輝くと同時に】
【その周囲の地面から勢い良く生えるのは無数の"笹"だ、但し先端が切られて槍状になっている】
【――話は単純だ、笹の槍でゾンビの大群を一掃しようとでも言うのだろう】

……んゥ? あァれは……ちィッ、こォこは下ェ手に近づくより……[シューダ]!

【一方、悪魔は移動しておらず……ゴーレムとの距離が離れていた、魔法陣が何となくでも見えていた】
【巨大な魔法陣がブラフとは思えない、――悪魔は掌に魔法陣を生成すると、そこから闇が噴き出し】
【そしてそれは、ターコイズブルーで2m程の蛇となる】

【その蛇を少女に向けて……投擲ッ!】 【……勿論ただの蛇ではない、鱗が石っぽいなんてこともあるが、その能力は"炎"】
【投げられた蛇が少女にたどり着く頃、それは炎を纏っている――何の変哲も無い、ただの"炎"を。故に"危険"。】
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/08(月) 00:27:40.56 ID:5jfchStvo
>>587
/おっと、見落としていました
/すでに返レスしてしまいましたが、平日はあまり来れないと思いますので、できれば続きは置きレススレでの進行をお願いしたいです
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/08(月) 00:30:00.45 ID:0hjTJRwYo
>>591
/分かりました、では返せる時に置きレススレに返しておきますね
/一旦お疲れ様でした
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/08(月) 00:30:34.86 ID:5jfchStvo
>>592
/一旦お疲れ様でしたー
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/08(月) 00:31:20.83 ID:cFfZAGTm0
>>589

「力量の違いを知っていて、態々死にに行くために出向くことはしないのです
行動して、変わりの無い結果が見えているならば、従者達に任せるのですよ
簡単に殺せるなら、今頃私は外で縄跳びでもしているのです」

【一度対峙したからこそ分かる、実力の違い】
【傲慢な態度である少女がそう言うくらいに離れすぎていたのだろう】
【悪魔に有効である筈の“聖”の力。其れを以てしても、まだ実力が違いすぎる、と】
【自分を哀れんでいる様子も無く、ただ客観的に見た言葉。達観、といえばそれに近いか】


「言うだけなら、誰にでも出来る事なのです
私も、歩けると言う事は出来ますが、実際には歩けないのです
……お前が本当に笑えるかどうかなんて、見ていない私には分からない事なのですよ

それで、何故安い紙切れを見ているのです?
吊すのはお前なのです。さっさと吊して、手を軽くすると良いのですよ」

【むぅ。と頬を膨らませたならば、外見相応の子供の様な反論】
【ふんと顔を背けたならば、突き放すように言うけれど】
【――――横目で様子を伺えば、その通り。短冊を見つめる姿を見れば、こほんと小さな咳払いをして】
【面を正せば、まるで詰めるかの様に】
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/08(月) 00:42:05.37 ID:8eY1SuYMo
>>594

【――――――思わず言葉が漏れかけた、その消極的な態度がやや不自然だったから】
【今までの貴女、彼との会話の中の貴女とはまた違う、どこか消極的な姿が】
【深入りしそうになる、その足場が、泥濘をはらんでいることに気づかずに】


……所詮その程度か、貴様の歩くこと≠ヨの執着は
別段歩けなくて良い、と思っているのだろう、歩けない生活に慣れることも可能だ
貴様のその言葉は逃げることへの言い訳だ

命を言い訳に、歩くことを捨てる……そんな生き方だ


【短冊に視線を落としたまま、彼はそんな言葉を向けるだろう】
【貴女に発破をかけるような言い方であろう、何を願っているのかは知らないが】
【でも彼はそれを否定しているわけではなかった、愚かな生き方とは言わなかったから】

【それはきっと、彼もまた――――――何かを言い訳に、生きているから】


……分からなくていい、俺の笑いは……他の誰にも、向けられない
貴様に向けたとしてもそれは、俺の思う、笑顔というものではない

――――――……俺の負け、だな


【手を延ばす、彼の長身が、笹のてっぺんに触れたなら】
【そしてそのまま短冊を一番目立つ頂上へと括りつけて】
【空になった両手をポケットに沈めて、笹に背を向け貴女へと向き直った】
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/08(月) 01:04:52.22 ID:cFfZAGTm0
「……命を捨てれば、歩く事も出来ないのです
私は、星の様に長くは生きれないのです。そして、フィア。私にはやるべき事があるのです
お前にどう思われようとも、私は私の生き方をするのです
…………どうせ……お前には分からない事なのです」

【自分が歩けるようになる事よりも大切な使命があるから――――まるで、そんな響き】
【拗ねるわけでも無く、憤る訳でも無く。けれど、言葉には確かに悲しみが交じっていて】
【青年の言葉。時折自分の中に浮かんでいたけれど、其れを騙し続けていたのだろう】
【――――どうせ。小さな小さな呟き。だけれど、静寂とも言って良いこの空間では、聞き取れるだろうか】


「……ふん。素直じゃ無いのですね、お前は
所で、お前は――――……」

【何処か暗かった表情も、面を上げた頃には何時もの傲慢な其れへと戻っていて】
【一番上へと吊されたのを確認すれば、満足そうに笑うのだろう】
【紡がれそうになった言葉。けれど、それは新たな人物の登場で遮断されて】


『チェリ。そろそろ看護師の巡回が始まるから戻るべきだ。と、提案してみる
…………貴方は?と、疑問に思ってみる』

【現れたのは、癖のある話し方をする少女】
【パーカー故に顔が見えないが、背に生えた純白の大きな翼が特徴的だろうか。主たる少女の車椅子を押そうとすれば――――青年の存在に気付いた様で】
【小首を傾げる、その動作】


「……只のお人好しなのですよ
また看護師にご飯を減らされたら困るのです。早く病室に戻るのです!」

『……そうか。と、納得してみる
今日は暗いから、気を付けると良い。と、忠告してみる』

【主から答えを聞かされたのならば、今度は縦に振って】
【別れ挨拶もそこそこに、車椅子を押してその場から去るのだろう】
【暗闇に消えるその前、小さな手が別れを告げる様にヒラヒラと車椅子から伸ばされていたが――――それに気付かなくとも、どうという事は無い】

/そろそろ良いお時間ですのでこれにて……!
/お疲れ様でありましたですよー!
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/08(月) 01:08:26.93 ID:kb8cnOS70
>>588

………やっぱり……聞いた事のないものの様ね。
……貴方が考えた術なのかしら?

―――――――――――、

………だけど………ありがとう。
私の、彼らに抱く感情は――――― ……それでも、今は変わらない……。

【青年の宿す嫌悪の理由/“願い” というものを貶める様な卑近さの存在/“普通の” 人々特有の其れの理解を打ち込まれる、】

【――― 無垢な願いを聞くのは好きだった。それを、そう願える彼らの平穏を得難い宝だと思った。】
【けれども傷痕がやりきれなくなる様な共感を生んだ。痛みを――――― 絶望を幾度も彼女は見て刻まれてきたから。】
【ならば何れに身を委ねるのか。どうすれば、何れをも踏み躙らずに進めるのか――――】

【そんな葛藤が、ちぐはぐにも聞こえる感謝の言葉を紡がせたのだろう】
【嫌悪を、拒絶を、排撃を堪えた青年に対して。新たな術式を編み出すほどの其れを留めた、彼の価値観に対しての。】
【――――― “壊さないでいてくれて”。抱く感覚の彼との違いを、あえて隠しはせずに紡ぐ言葉だった。】

【直後、青年が投げた問いを想う。性別の判断はそれなりに簡単な筈で、】

…………?
……それ、は―――――

【けれどいざ答えを出す段階になれば。確認する様に青年を見つめる瞳は、その目的を達せないことを悟る様子だった】
【………何処までも中性的。言葉がなくとも、無いからこその答えを、視線を逸らせないこの少女の沈黙は伝えるだろうか】

【そして “その先” の物語が始まった。少女は黙って聞き届けようとした。】
【だが、それは成功していたのか? 口を衝いて出た言葉には、譲れない答えとしての、】
【………それを代弁せざるを得ない、後ろ盾のない者の響きがあった。】

……私には、どちらであっても―――― あなたがどちらでもなくても関係ない。
それで、何が変わる訳じゃない……っ――――――

【――――― だが、皆がそう感じる訳ではない。それを知らぬほど幼くもない。】
【……けれどこの世に、多少の差別的感情があったとしても。魔女狩りの様な凄惨な悲劇は、少女には、現代の人の世には、縁遠いものに感じられていた】
【…………“今までは”。】

【青年の重く、昏く沈んだ絶望の色――――― そこに致命的な予感を感じ取ったからこそ、彼女は声を詰まらせたのだろう】
【過去の物語が破滅を迎えても。語られるその顛末を、少女には書き換える術はない――――】
【……なればこそ、語られるのならば刻み込む。軋む様に湛えた双眸の覚悟は、寧ろその語りを促す様ですらあった】

/すみません、そろそろ眠気がちょっとキツいです…orz…持ち越しか、置きスレへの移行はお願いできるでしょうか…?
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/08(月) 01:12:48.67 ID:8eY1SuYMo
>>596

【少女の言葉は悲哀に満ちていて、人の心を上手く読めない彼には触れられなくて】
【かける言葉が見つからなくて、しばし黙っていたなら――――――】
【ふと視線を戻したなら、そこには普段通りの貴女がいた】

【新たな人物の登場、そして車椅子に押されて去っていく貴女】
【きっとその動作は別れを告げる%ョ作であったのだろうが】
【ソレに対してとっさに反応できるほど、彼は器用な人間では無かった】


俺には……わからないこと……か
俺の、俺の生き方も、俺はわかっちゃいない

能力者を駆逐する、そこに、迷いはない……



――――――そうだろ、みんな――――――


【手を伸ばしたなら、先ほど括りつけた短冊が二つ揺れてあって】
【その端を握ったなら、指先に力を込めた】
【しばしそのまま触れ続けて、これ以上触れたなら敗れる、という刹那まで続くだろう】

【そして、彼はそこでふと手を離した、脳裏に――――――ついさっきあった少女の顔が浮かんだから】
【少しだけ、立ち尽くして、自分の手元へと視線を落としたなら】
【くるりと背を向けて、その場を跡にするのだろう】


/お疲れ様でしたー!
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/08(月) 01:13:33.84 ID:0t5rIgJv0
>>597
/はい、こちらも持ち越しをお願いしようと思ってました
/明日以降、良い様ならお願いしますー
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/08(月) 01:17:44.01 ID:kb8cnOS70
>>599
/ありがとうございます、了解です……!
/明日は9時くらいには来られそうですが、遅くなりそうなら早めに連絡します。それでは、一旦お疲れ様でしたー!
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/08(月) 07:58:33.19 ID:0t5rIgJv0
>>597

……櫻には無い伝承なのか? だとしたら、どこかで付け足されたものなのかもしれないな……

【『催涙雨』を知らないらしい少女に、青年は首をかしげて見せる。発祥の地である櫻の国でこの謂われが知られていないと言う事は】
【どこか、伝播していくうちに作り上げられたものなのかもしれない。青年はふと考え込んでしまうが、本来この話は脇道だ】

…………君の気晴らしになると言うのなら、それでも構わない……今、自分が良い表情をしている事に、気付いているかい?

【ただ、1つだけ慰めを見出すとするのなら。少女の険の取れた、先ほどの表情だろう】
【まして、今こうして自分に頭を下げる――――少女の中で、何らかの尊さをこのイベントは持っているのだろう。なら、短気を起こさなくても良かったのだと思える】

――――――――『半陰陽』と言う言葉を知っているかい?
あるいは……『両性具有』と言った方が、通りは良いかもしれない…………手前がそれなんだよ。だから、男でも女でもない……手前自身、分からないんだ……

【わずかに視線を下げ、これ以上ない暗く落ち込んだ表情で、静かに語り始める青年】
【両性具有――――読んで字の如く、男性器と女性器の両方を備えて生まれてきた人間。非常に希少な肉体の性質である】

……普通なら、それでもどちらかの性機能がメインになって、ある程度性別の傾向が出てくるらしいんだけど……手前は、そうはならなかった……

【両性具有とは言え、どちらかの性器は大抵、形ばかりのものになる。それどころか、ほとんどは目に見えない体内の名残で終わってしまうものがほとんである】
【故にそもそも、両性器が形として残っているだけでも希少だと言うのに――――青年は、更にそれでさえ終わらなかった】
【具体的にあらゆる面で、性別の判別の付きにくい外見をしているのは、両方の性器が共に機能すると言う、それこそ異常と言える機能の結果なのだろう】

…………そう、今何が変わる訳じゃない……もう既に、覆しようもない定めが起きて、変わってしまったんだから……!
――――母は、父に対して手前の事を隠してたらしい。だが、父は手前の身体を知って……殺そうとしてきた…………「この悪魔め!」と、罵声を浴びせながらね……
……手前は逃げた。母が庇ってくれたから、父から逃げる事が出来た。それで手前は家を飛び出した…………これが、3歳の時の事だ……!

【生まれ持って備えられた身体の性質。それを、父からの殺意と『悪魔』と言う侮蔑を向けられる原因になった】
【その為、まだ言葉すら満足に話せるか分からない時に、青年は1人で生きていかなければならなくなっていた。それが、青年の言う『歪み』なのだろう】

……幸い、手前は『姉さん』に拾ってもらった……『姉さん』も、人の差別の目を欺きながら――――『魔海』の魔獣とのハーフである事を隠しながら生きていた……
――――そんな『姉さん』が、手前が9歳の時になぶり殺しにされたんだ……何とかして助けようとした、でも無駄だった……!
……多少、腕に覚えがあったが……それでも無駄だった……手前を、家族として認めてくれた『姉さん』は……助けられなかった……!

【更に、青年の言葉は続く。青年にとっての、たった1人の大切だった人――――幼児の時に家族を追われた自分を、てらいなく家族と認めてくれた人が、殺された】
【それは、全ての運命を嘲笑う様に――――青年から全てを奪う様に、差別によって、殺されたのだ】

……それから、色々あった。こんな身体のせいで、魔力を帯びやすいらしくてね…………カルト宗教の『神様』にさせられたりもした……
――――だが、最終的には『先生』の恩にあって、あっさりと手前を認めてくれる仲間が、1人だけいて……そうして、手前は今を生きているんだ……

【8年前の『姉さん』との死別。そこからもなお、青年は宿命の内に苦しむ事になった】
【――――それが、青年の『絶望の深海魚』の、根底の理由。求めればこそ、何もかもを失うのだと言う、偽らざる実体験】

――――だから、何か1つだけ願うとしたなら……『ちゃんとした身体で生まれたい』と言うのが……相応しいと思うんだ……っ
そうすれば手前も、ありふれた幸せを甘受出来たのかもしれない、『姉さん』の運命も、変わっていたかもしれない……ッ!

【わずかに顔を上げた青年の瞳には、うっすら涙が湛えられていた。今までの青年の、冷徹な印象からは信じ難い様な、苦しみを滲ませる様な表情だった】

/返しておきますー
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/08(月) 22:21:17.23 ID:cFfZAGTm0

【賑やかな街の一角にて】
【人々が楽しそうに談笑していたり、或いは買い物をして居るなんて場面】
【その間をくぐり抜けて、忙しなく動いているのは一人の少女】
【――――纏っている物から判断するに、何処かの学生であろうか】


「はい、と言う訳でUNITEDTRIGGERや自警団に対する感想を皆さんに聞いていきたいと思いまーす!
後はチャチャッと纏めてしまえば、立派なレポートになりますね!これにて課題完了!
……の筈だったのですが、世間は冷たいですねぇ」

【明るい茶色の髪。ハキハキとした口調は、活発な印象を与えることだろう】
【様々な人に感想を聞こうとしても、邪険に扱われるばかり】
【それでもめげずに続けてはみるけれど、どれだけ時間が経っても結果は同じ事】


「まぁー……後一週間もありますし、そう慌てる必要も無いでしょうが
一人くらいは聞いておきたいですよねー……」

【眉間に皺を寄せて、立った今断った人の背に向かって「イーっ」何てすれば、一人溜息】
【この時間に学生が出歩いていることも珍しいだろう。故、そのちょこまかと動く事も合わさって目立つ事か】








【森の中にひっそりと存在する、廃れた教会】
【蔦が絡んでいたり、僅かな亀裂が入っていたりと、まるで幽霊話の舞台ともなりそうな其処だが】
【――――中から響くのは、紛れもないアリア。果たして、その正体は幽霊か、或いはこの教会の主か】


【扉を開けたのならば、先ず視界に入るであろう割れたステンドグラス。継いで、説教台に立つ修道女だろうか】
【周囲に響くよく澄んだ旋律は、この修道女のものなのだろう】
【来訪者の姿に気付いた素振りも無く、一心に紡ぎ続けている様だけれど】


「――――――。
ふぅ……これで一通り、ですね……後は……」

【休む間もなく、次の行動へ移ろうとするが――――視界の隅に止まるであろう人の姿】
【その存在を認めたのならば、身体をその人物へと向けて】
【細められた瞳。警戒の為では無く、相手が誰であるかを知る為】
【やがて首を傾げたのならば、「休む場所をお求めでしょうか……?」なんて紡がれて】
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/08(月) 22:25:26.70 ID:mqYZLbszo
【人気の少ない路地裏、この時間帯になると周囲を歩く人の数も極端に減って】
【生き物の痕跡すらも希薄な闇魔に、漏れる一筋の月明かりの欠片】
【それを辿っていったなら、ひどい死臭の痕が残っているだろう】


……足りない、これだけではまだ足りない……
星よりも多く、能力者は存在する――――――
ならばその欠片まで、殺し尽くさねばならない



【白銀のセミロングの髪を靡かせて、長い前髪から鋭く青い眼を覗かせる】
【やや長身でスラリと伸びたボディラインを濃い青のストライプのシャツで包む】
【燕尾服調の高級そうな黒のスーツとネクタイ、細く長い指先はシャツと同じ色の手袋】

【男性らしからぬ女性的な端正な顔たちは、まるで仮面を貼りつけたかのように無表情で】
【陰鬱な雰囲気を纏う、儚い印象を与えそうな青年がその死臭の中心に立っているだろう】
【足元には血だまりがめくれて、まるで陰のように落ちていた】
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/07/08(月) 22:40:32.13 ID:Sw4fUsnso
>>603

【死臭に混じり込む甘い蜂蜜の香が、路地裏の奥からそちらへ歩み寄ってくる人影を出所として漂う】
【それは、紫黒のローブに長躯を包んだ若い男性だった。紅茶色の髪を腰まで伸ばし、幾束かを細く編んで飾りのように混ぜ】
【左右で瞳孔の開き幅が大きく異なる不気味なオリーブ色の目は、影を落とす血溜まりなどまるで視界に無いように相手の姿だけを捉えていた】

……見つけた

【ただ一言、男はそう呟くと不意に相手に向かって走り出す】
【徐々に加速し彼我の距離を縮めようとしながら、彼は後ろ手に何かを引き抜いて左手に携えた】
【抜き身の剣。一直線の殺意が目指す先は、燕尾服の青年だ――距離は、まだ開けている】
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) :2013/07/08(月) 22:40:39.52 ID:t0um2Iup0
>>601

天の川が洪水になって……という話自体は聞いたことがあるけど、「催涙雨」 という言葉は知らなかった。
だから術か何かの名前だと、私は思ってたのだけど――――


……なるほど、そういう考え方もあるのね。
もしかしたら……その言葉自体を知ってる人は、櫻でもそこまで多くないのかも知れない。

【 興味深そうな憶測の言葉。こうしたやり取りも彼女には愉快なものの様で】

気晴らしか……そういえば、そういう約束もしたままだったわ。
――――……っ!?

【若干きまり悪そうに零す言葉も、その枠組みでの単なる “変化”。】
【「良い表情」。指摘されればやや驚いた様に取り澄ますも、あどけなさが未だ見え隠れした。】
【……“普段と違う” 自分を見られるのが、どうにも気恥ずかしかったのだろう。抱く感情は既に日常の其れに近かったけれど。】

【回り出した歯車は止まらない。終わりを迎えた話題/本質の底に迫る物語は紡がれて、】

……、……―――――――――、

【少女は表情を変えることがない。そうある事しか出来ぬかの様に、硬直したそれを浮かべ続ける。】
【―――― 纏う強さだと、幾度かこんな顔をする少女を見た彼ならば分かるだろうか。瞳の色はひどく凍っている様で、】
【だがやがては口を開くのだろう。重々しさが自らに刺す棘の様だった。】
【俯き加減のシルエットを描いて、】

……確かに、あなたの言っていた通りね……代われない重荷は現実にある、“もう救えない” 人たちはいる――――
………過去は、誰にも変えることが出来ない。

…………だけど、

【震える心を振り切って握る小さな拳/面を上げた、】
【未だ体の芯は震えていない/ならばそれを己に許さない、】

……傍で、戦うことなら出来るわ。

失うことが怖いなら、護ろうとする恐怖を誰かに委ねてもいい。
失ったなら憎んでもいい。私は、受け止められるくらいには強い――――――

……だから……あなたの大事な人たちと、もう少し “生きて” みることは出来ないかしら?
今のあなたを見ても、生きている人を見ている気がしない……――――

【………“この少女を憎む” ことを保険として、ありふれた日常を過ごす提案。】
【痛みの様に。なぜだかひどく実感めいた共感の色を帯びて、少女は、か細い微笑を浮かべながら、青年と視線を合わせようとした】


【―――― 過去は決して変えられない。代わることのできない重荷も、今ならばある事は理解っている。】
【盾や剣でしかいられない身が、それでも救いに繋がる “意味” を望むなら――――】

【……今、自分に出来ること。傍にいて、寄り添うことだけが果たすべき真実だと思った】

【綺麗な言葉は紡げない。“今からでも遅くない”、“願った日々はいつかの未来の平穏にある”。】
【――――― “諦めないで”。】
【…………もしも青年がそれら言葉を受け入れるとしたら、それは彼のいう 「仲間」や「先生」―――― 青年の大切な人たちなのだろうと、記憶のなかの彼らに重ねて】

【答えでも、問いかけでも。きっと少女は応えるのだろう】
【或いはこれまでの彼女から、この言葉足らずの理由も推し量れるだろうか。何れ……青年自身にしか、この先の未来は決められない。】
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/08(月) 22:51:05.34 ID:t0um2Iup0
/あ、ちょっと微妙な部分が…orz…

意味自体は変わらないのですが、「記憶のなかの彼ら」→「記憶のなかの青年と友人」あたりに置き換えて頂ければ…っ…!
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/08(月) 22:51:35.07 ID:mqYZLbszo
>>604

【風が淀んだ、まとわりつくような熱帯のうだるような夜風が】
【疾走する貴方、抜き身の殺意が彼の素肌へと触れたなら】
【その刃が彼の喉元を貫くより早く、彼の銃口が貴方を射抜くのだろう】


……言葉は正しく使うべきだ見つけた≠フではなく見つけさせられた
俺からしてみれば、ようやく、と言ったところだ

――――――今日の獲物は随分と活きが良い


【貴方の方向へと視線を向けず、やや上方向へと向けたまま】
【一瞬足りとも貴方へと向くことなく彼は左手をそっと向けるのだろう】
【その手に握られる大型の自動拳銃、FN Five-seveNの銃口が貴方を見つめたなら】

【紡いだ言葉の音律も消えない刹那、躊躇うこと無く引き金を引くのだろう】
【風を切り裂く銃弾、その先は貴方の右肩へと向かって】
【静かな言葉が、彼の狂気を伝えるかの、如く】
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/07/08(月) 23:05:25.71 ID:Sw4fUsnso
>>607

【発砲と同時に、目立つ紅茶色が尾を引いて上から下へと流れていく】
【跳躍ではなく体勢を低める事で弾丸を交わし、彼はしゃがんだ姿勢からぐっと脚に力を込めると】
【一気に低空で前方へと距離を詰め、左手の剣で相手の腕ごと銃を斬り捨てようとする】

【長身故にリーチの長い攻撃である以外は、その一太刀に特別な力は込められていない】
【銃に当てたとして鉄を裂くような威力でもない。人の手首なら飛ばせる程度】
【銃を、そして能力をも持ち得るだろう相手に何を思って突っ込んでいったのかは――この段階では分からないが】

【――黄緑色の燐光が、微かに舞った】
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/08(月) 23:15:09.95 ID:mqYZLbszo
>>608

【視線の端で捉える貴方の動き、回避しさらに接近、距離を詰める姿】
【紅茶色の風が夜に紛れたならそこには白銀が姿を揺らして】
【――――――響き渡る金属音、鈍い音が夜に舞った】


……悪いが考えなしの行動としか思えない
俺は手加減できるほど憐憫の情など持っていない

――――――そして、能力者相手に手加減する気など、ない


【振り下ろされる剣先を受け止めるよう、左手の銃の銃口で切っ先を受け止めるのだろう】
【わずかに身体を後方へと引いて、相手の刃のギリギリがかすめる一瞬を読みきった行動】
【遠距離ではない、むしろこの近距離こそが、彼の独壇場であった】

【横顔が貴方を覗く、少なくともよそ見をしていて勝てる相手ではない】
【紡がれる言葉は貴方を明確に敵≠ニ認めた合図――――――】
【それはつまり、殲滅する対象であると認めた証でもあった】


沈め、永遠に――――――


【左手を下から上へ弾きあげるだろう、ちょうど左腕を振り上げる形で】
【細身に見合わぬ筋力、上手くいけば、受け止めた刀ごと左腕を持ち上げることができるだろう】
【それはつまり、刀を握っている貴方の腕を無防備な形へ、上へと弾こうとする行為】

【成功し、刀を握ってる腕を高く弾くことができたなら、間髪いれず彼は左手の高さを下げる】
【銃身が地面に傾く形で動く、横向きに倒したFive-seveNの銃口が、低い体勢の貴方を貫く形で向いたなら】
【半身を貴方に向けたまま、そのまま銃弾を数発、ばら撒くように掃射するだろう】
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/08(月) 23:18:02.94 ID:0t5rIgJv0
>>605

……なるほど、謂われそのものはやはり、櫻の中にあるものなのか……
まぁ、重要なのは伝説の中身だ……その名前そのものは、確かに廃れてしまっても、おかしくは無い……

【身の周りにありふれているものの、その名前は良く分からないと言うのは、意外と日常の中にもあり得る事だ】
【ましてや、古い伝承の類ともなれば尚更だろう。ともあれ、自分の言葉が半可通な見当外れのものではないと確信し、ホッと胸をなでおろす】

……君の事を大切に思う人間がいるなら、その人の前でもそう言う表情をしてあげるんだね
きっとその人は、君のそういう表情を目の当たりにすれば、喜んでくれるはずだ……

【共にいる事で喜んでくれるのなら、それは絆の喜びとなり、共有できる感覚となるだろう】
【柄にもなく――――と、少女の日常を知らない青年は、はにかんだ彼女の表情を見て、そう言葉を付け加える】

――――――――そうさ……だからこそ、その心を救わなきゃいけない…………『そうある』事の自覚を、促して行かなきゃいけない…………
……失う事は、避けられない真理なんだから……ね

【救えない人たち――――その言葉に、青年はゆっくりと頷きながら、重々しく口を開く】
【おおよそ信頼できる肉親と言うものに恵まれず、愛情の源泉としての保護者である『姉さん』は、無残な死を迎え――――見ていたのは、自分自身の姿だったのかもしれない】
【だからこそ、失った事を受け入れる事を青年は求めた。それは、人間として生きる限り、誰にだって不可避な事なのだから】
【――――自らの体験を以って、人に働きかけようとしている青年にとって、己の痛みはそれだけ大きかったのだろう】

――――――――ッ!? …………生きている、気が……しない…………!?

【そうして、再び少女が紡ぐ言葉。それを受けて、思わず青年は絶句した】
【――――己の見出した『真実』に従い、生きているはずの自分の姿を、少女は「生きていない」と評したのだ】
【彼女の見出す人間像に、自分は当てはまっていないと――――『生きている』のではなく『生かされている』のだとでも、感じられたのだろう】

――――言ったよ? ……手前にとって、大切な人と言うのは、たった1人だ……ってね
『先生』や、『彼』との関係は……今のままで良いんだ……いや、むしろ……今のまま『が』……良いんだ……
互いにつかず離れずでも、絆はちゃんとある…………手前は、そう思う……『仲間』のままで、良いんだ……
彼らに、手前の命そのものを、委託する気には……なれないよ……

【ほんのわずか、考え込む様に沈黙するも、顔を上げた青年はどこかスッキリした表情で、そう答える】
【もう既に、今ある形が最上だと、青年は言う。それは、少女の言葉を自分なりに反芻した結果なのだろう】
【今でも彼らは『仲間』であり『師』である。互いに助け合う事も、決して少なくは無い】
【だが、今の関係を崩す事は、むしろ良くないのではないかと、青年は考えた。互いに気張らない『相棒』と言うスタンス。それこそ最上ではないかと】

…………逆に聞くけど、君はどうなんだ?
……対等に、手を取り合って……そうやって生きていける人と言うのは、いるのかい?
……君は、全てを背負いこもうとしているように見える…………心を、本当に対等の意味で許しあえる誰かは、君にはいるのか?

【ふと、青年はそこが気になった。少女は、全てを自らの身に背負いこみ、救おうとしている】
【しかし――――日常を生きよと言う少女自身、そんな生き方をしていては、平穏な時などほんの一瞬たりとも持ち得ないのではないかと】
【それでは、『友人』や『家族』と言える様な誰かを持つのは、非常に難しい事だ】
【青年は、自ら背負おうとする少女の姿が、気になって仕方が無かった】
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/07/08(月) 23:36:21.77 ID:Sw4fUsnso
>>609

【弾き上げられた腕から離された剣が、円を描いて虚空に跳ね上がる】
【間髪入れず下がった相手の左腕、そこに鉛玉を吐き出そうとする銃口の気配を察知し――舞っていた燐光が一際強く明滅した】

……――――ドグラ・マグラ

【生身の男の額、肩、胸。そんな場所を貫く筈だった掃射の雨が黄緑色に弾かれる】
【同時に彼は弾かれた左腕をぐっと引き寄せた勢いで、右脚からの強烈な蹴りを相手の腹部に叩き込もうとした】

【命中の如何に関わらず、飛んだ剣は後方の地に突き立ってその刃を月明かりに白く光らせる】
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/08(月) 23:44:09.79 ID:mqYZLbszo
>>611

【弾かれる弾丸の音、それはまるで筆先で弾けた絵の具のように】
【点滅するフラッシュが如く、貴方の黄緑色が夜に満ち溢れていく】
【――――――貴方の右足が彼の懐を蹴り抜いた】


っ……!!なるほど……能力者らしい、卑怯なやり方だ
届くか……Ivoryline=\―――――!!


【強く蹴り飛ばされる彼の身体、一つ吐いた息が夜を濡らしたなら】
【彼の左手が煌めいた、その手から投擲されるダガーナイフが、夜に一陣色をぬる】
【夜空のキャンパスを切り裂いたその一閃が、まるで朽ちる前の流れ星みたいに】

【後方へと飛び続ける彼から見て、右上、貴方から見たなら左上の壁へとダガーナイフが突き刺さる】
【その瞬間、後方へと吹っ飛んでいた彼の身体が、射止められる、白銀の髪が濡れたなら】
【ダガーナイフの位置へと引き寄せられるように、彼の身体が高速で空を駆けた】


その光は……貴様の放つその光は、俺にとっては禍々しい光だ
残照すらも残さない夜よりも深い闇へ

能力者の輝きなど、この世界に必要ない――――――!!


【空中を疾走する彼の痩躯、貴方の頭上へと回りこむ形でダガーナイフによる移動を行ったなら】
【左手の銃口、そしてソレと重ねる形で右手のFive-seveNを上から貴方へと向けるだろう】
【移動の最中、掃射される二つの銃弾、十数発の弾丸が夜空に煌めく】

【それはまるで、花火を一つ炸裂させたかのよう、弾幕と呼ぶに相応しい雨が降り注ぐ】
【放ち終えたなら、彼は壁に張り付くようにその身を壁に密着させるだろう】
【ダガーナイフにぶら下がるように5mほど上の位置で、銃を持ったまま左手でダガーナイフの柄を握っていた】
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/09(火) 00:02:32.29 ID:390czwRFo
>>612

……――――卑怯。 卑怯、か……

【ふと、先程の一言から初めて彼が声を発した】
【人体を蹴り飛ばした感覚を振り払うように男は一度地を爪先で小突き、即座に後方へと飛ぶ】
【それでも回り込む速度は相手の方が早い。男の狙いは剣をその手に再び取る事だった】

……、っッ!!

【後方へ二歩三歩と跳ぶようにして退きながらも目当て通りに柄を掴むが、全てを躱し切れた訳では無い】
【ギリギリのラインで致命傷を避けながらも、剣を再び携えた左肩を撃ち抜かれ低く呻き声を上げる】
【舌打ちと共に右手に剣を握り直し、対空する相手から10m程距離を取った地点で蹈鞴を踏み掛けた足を止めた】

【左に持っていた構えと異なり、右の剣は魔法使いの杖のような握りで掴まれる】
【男は先程の呻きの余韻も何の感慨も無い表情で相手を一瞥すると、再び黄緑色の燐光を周囲に浮かべて】
【今度はその光を切っ先に集中して纏わせ、剣を真っ直ぐ相手へ向けて水平に掲げた】

――そうか、それなら、幾らでも。 くれてやろう

【嫌がらせだとでも言うように吐き捨てて、口角が嘲笑う形で吊り上がる】
【直後、切っ先に集めた黄緑の燐光が彗星のような尾を引いて、真っ直ぐ相手を狙って射出された】
【直撃したなら重たい威力の物理的なダメージに合わせ、相手の力が乱されるような感覚に襲われるだろう】
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/09(火) 00:10:34.68 ID:OvVLYM+L0
>>605
/すみません、そろそろこっちの眠気がきついです……
/更に明日へ持ち越ししても大丈夫でしょうか?
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/09(火) 00:13:26.64 ID:meBZSWeOo
>>613

【わずかに眉を潜めたなら、鉄面皮に表情が咲く】
【その彩りを感情と呼ぶには、淡すぎる一瞬のようではあったが】
【――――――それでも確かな、思いの切れ端に思えた】


……舐めるな能力者、そのような光……いくら集めようと、俺には届かない
正しくない存在が放つ間違った力など――――――っ……!!


【左手が落ちる、ダガーナイフからその手を離したなら】
【強く壁を蹴って、距離の開けた貴方へと、彼はその身を投げ捨てる】
【けれどもその目の前には真っ直ぐに射出された光が煌めく】

【再びダガーナイフIvoryline≠ノよって回避しようとするも、その速度は予想以上に早い】
【舌打ち一つこぼしたなら、左の掌を彼の前へとさらけ出し受け止めようとするだろう】
【ダメージは覚悟した、けれどもソレ以上の効果≠ェ彼を襲う】


っ……!!あっ……がっ……!!
……っ……そのような光が……幾百、幾千、幾万と……輝こうと――――――!!

俺の光は、かき消されない――――――!!


【地面に不時着、左手を着く形で着地したなら、かくんと身体が砕けそうになる】
【力が安定しない、それでも、目の前の相手に向ける意思は消えない】
【それはあまりにも病的で、それはあまりにも狂気的で】

【――――――それでも、進み続けるしか、ないみたいに】

【数m先に立ち尽くしているであろう貴方へと、彼は右手のダガーナイフを投擲した】
【だが乱される力、狙いは甘く、貴方の左側を逸れて虚空へと消えていくだろう】
【けれども、彼は諦めようとしない、強引に右手を後方へと引き、ダガーナイフの軌跡を変える】

【ダガーナイフの後方、括りつけられたワイヤーロープが乱舞、後方で軌道を大幅に変えて】
【その後方に括りつけられたワイヤーが貴方の左腕に絡み付こうと襲いかかるだろう】
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/09(火) 00:27:00.60 ID:390czwRFo
>>615

――何もかも真っ黒な中なら、そう痛まない。 傷も心も

【左肩を庇うようにしながら術の直撃を確認し、男は脈絡無くそう呟いた】
【相手に対して何か会話をしようという訳では無いのだろう。ある意味彼は相手を見てなどいなかった】

【追撃してくるナイフを躱そうとしたが、その軌道が変則的に曲げられ舌打ちが零れる】
【ここで先程の負傷が足を引っ張った。引こうとした左肩の鈍い痛みに眉を顰めた時には、既に腕は絡め取られていた】
【左腕に巻き付く感覚はなまじ細いワイヤーであるがために、蛇の万力めいた物とは異なる鋭い痛みが走る】

……――――っ、一途な奴だ、な!

【呆れたような声色でそう零し、直後に肩の痛みにも構わず男は左腕を強く引いた】
【ワイヤーは相手の手元にあるものだろう。 それを唐突に、こちらから先に引く事で不意を衝こうという事だ】
【当然その行動は締め付けをより強くすることにも繋がり、ベルベット地の耐久性が低い布地はワイヤーにぎりぎりと苛まれていく】
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) :2013/07/09(火) 00:38:40.12 ID:dPIQpWZz0
>>610

【――― 「そういう表情」。初めはきょとんとした様子で、けれども一瞬後にはどこか納得した様な表情が浮かんで】
【……「ええ」。造ったのでない、自然体の声だった。】

【青年の身の上を聴いて。変えられない過去の先にある筈の―― 彼女の価値観では――救いを、少女は捜そうとして】
【紡ぐ言葉は 『考慮』 というかたちで受け入れられる。返るのは、それとは別の結論だったのだけれど。】

【それで却って安堵したのか、どこか朗らかな――――― 青年と同程度には分かり易いか?――― 彼女の表情で口を開いて、】

……そう。それじゃ……私のやり方もこのままで続けることにするわ。
もしも貴方にまた会ったら、勝手になにか話すかもしれないけれど――――

【そんな言葉を口にすると、どこか悪戯っぽく小さく笑った。  】
【普段は表情の変化に乏しくとも、仮面を外せる日常はあるのだろう。……この夜も、そんな一幕なのかも知れない。】

【青年の問い――――― 対等の存在の有無。ふと考え込む様子を見せたが、そう長くもない沈黙から口を開いて】

……“いた” し、“いる” わ。

例えば共闘してみたり、偶然旅先で出会ってみたり――――
……一緒に過ごせる夜が楽しくて、不思議になるくらいに笑ってみたり。


その人たちが居なければ、もしかしたら……ずっと早く、私は空っぽになっていたのかも知れない。

だからそう簡単に負けられないのよ。
倒れれば会えなくなる人たちが、待ってくれている訳だし―――――

……くれた救いは、やっぱり大切なものだから。

【ただ、戦うだけの存在として。空虚な何かに “成り果てた” 可能性を少女は口にした】
【青年の危惧はそう遠いものでもなかったのだろう。だが、それを留めてくれた日々があるのだと――――】
【紡ぐのは穏やかに透る声だった。それで安らぎの一時を思い返したのか、クスリとまた小さく少女は笑って】

…………八攫 柊(やつか しゅう)。

覚えるかどうかは任せるけれど―――― それが私の名前よ。
だけど……ふむ、深海魚じゃ少し呼びにくいわね……。

【三度目の邂逅で紡いだ名乗り。それなり以上に青年に親しみを――― 言い換えれば縁や絆を―――― ……感じたのだろうか、軽く冗談まで口にして】
【自分からは其れで話を終えただろうか。……きっと、七夕の夜は長くて短い。】
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/09(火) 00:41:24.91 ID:meBZSWeOo
>>616

【会話が成り立つことが無くとも、彼は自分の思いを吐露し続ける】
【能力者を憎む彼の存在意義はきっと、誰からも肯定されないのだから】
【――――――彼は己の言葉を持って、彼を肯定することしか、できないから】


……例えそこに黒しかなくとも……俺は……ッ……!!
俺は、星を探し続けよう、黒夜の中に、輝き続ける星を――――――

……望むところだ、能力者ッ!!


【左腕を強く引かれ、彼の痩躯が貴方の元へと引き寄せられるだろう】
【彼はその行動に敢えて反抗しなかった、むしろまっすぐに、自分から飛び込む】
【紡ぐ言葉の怒気が強くなる、感情が、彼の鉄面皮の下の表情が強くなる】

【きっと誰よりも、きっと何よりも、無表情の下の素顔は苛烈なのだから】
【瞬間、彼の身体が貴方へとぐっと距離を詰めるだろう、タイミングを見計らって彼は己でワイヤーを収縮する】
【貴方からしてみれば、彼の身体がワープしたかのよう、直ぐ目の前へと飛び込んできたことだろう】


能力者を殲滅する、その使命だけが、俺を縛れる……ッ……!!
そのためならば!!機関≠フ肩書きも!!ナンバーズ≠フ異名も!!No.4≠フ呼び名も!!
Fear,Seven for Four≠フ名前も……ッ!!利用し尽くしてやる……!!

分かっているのか能力者!!貴様に、その覚悟が――――――あるのかッ!!
持ってくれIvoryline=\―――――これが、最期だ!!!


【相手の懐へと飛びこむことができたなら、彼の左手が貴方の顎へと触れようとする】
【否、正確には左手に握ったFN Five-seveNの銃口が、貴方の顎へとつきつけられて】
【――――――彼は躊躇すること無く、その引き金をひくだろう】

【だが銃弾は発射されない、もう既に、先ほどの掃射で弾丸がつきていたのだ】
【けれどもその衝撃は消え去ることはない、破裂する銃口、彼の左手にも強い衝撃が襲い掛かる】
【敗れる手袋、Wの文字がチリへと帰ったなら、きっとボロボロの彼の左手が曝け出されるだろう】

【暴発するであろう銃、その衝撃を持って、彼は貴方の顎へと一撃、強い攻撃を加えようと為す】

619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/09(火) 00:46:47.43 ID:OvVLYM+L0
>>617
/>>614に書いたとおりですが……大丈夫でしょうか?
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/09(火) 00:51:24.31 ID:dPIQpWZz0
>>619
/っとすみません、見落としてました……!
/そろそろ終盤も良い所ですが、よろしければまた明日お願いします……連日お付き合い頂けて本当感謝です。一旦お疲れ様でしたー!
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/09(火) 00:52:39.00 ID:OvVLYM+L0
>>620
/了解です。ではまた明日、よろしくお願いしますー
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/09(火) 01:00:38.07 ID:390czwRFo
>>618

【――少しだけ、珍しいものだと思った。これだけ真っ直ぐに何かを追える人間はそうはいない】
【己はこうはなれない。好きだと思ったもの全て手放したくなる衝動に駆られて、気が付けば手には何も無い】
【ただ、それだけだ。 意味の無い感傷だ。 男は飛び込んで来る相手に対し、右の拳を強く握り締める】

【そのまま相手の頬を殴り抜こうと振り上げた腕に、突きつけられた銃が触れた】

……――――っッ!!

【びりびりと痺れる感覚と、右腕の骨が破砕され腕が支柱を失う嫌な痛みが走る】
【実質両腕を塞がれた男はまどろむ足で数歩後退し、がしゃらと剣を取り落とす】

(これ以上は、無理、か……)

【あの人≠フ気が済んだとはとても思えないが、肉体は歪に悲鳴を上げている】
【逡巡は一瞬――彼は、撤退を選択した】

【追撃を避ける様に相手に向き直ったまま、男がじりじりと後退すると】
【不意に周囲に黄緑色の燐光が舞い上がって、重力作用に反したようにその長躯が虚空に浮かび上がり】

月彗の敵≠ヘ、――また、いずれ。
兄である私が……、セシルが、必ず。

【残す言葉が示すのは彼によって抹殺された元No.2の名、知らしめるようにして告げてから、セシルは姿を消す】
【――その後には、男の血を浴びた一振りの剣だけが残されていた】

/少し早いですがこの辺りで……
/ お疲れ様でした、ありがとうございました!
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/09(火) 01:09:52.77 ID:meBZSWeOo
>>622

【褒められたものではない、戦い方も、その信念も、言ってしまえば我侭でしかないのだ】
【勝利とすら呼べない居なくなった敵の痕、崩れ落ちるように地面へと倒れこむ】
【――――――無表情を気取っているほど、そこには余裕はなかった】


……月彗―――……No.2の名……何故、此処で……っ……
そして、セシル……兄、と言ったか……

……いずれにせよ、分からない……親族の仇が、戦う理由になる、など……


【最後に残されたセシルの言葉、額面通りに受け取るなら弟の仇≠ニのことだろう】
【だけれども、彼にとってはその意味が理解できなかった、弟の死が、命をかけて戦う理由になるのか、と】
【立ち上がったならボロボロの身体は少し前を歩くことすらも困難になっていて】

【なんとか前へと進めたなら、残った一振りの剣を右手で抜くのだろう】


……だが、それが理由になるならば……
俺は倒すだけだ、能力者を、一人……残らず……


【月がようやく雲間から姿を見せたなら】
【目を細める彼の姿の片鱗を映し出すのだろう】
【やがてそれは消える波間の向こう、思いをずっと残したままで】


/お疲れ様でしたー!
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/09(火) 20:01:09.77 ID:OvVLYM+L0
>>617

(……君の存在が、誰かの救いになる…………それは、心でも……)

【端的な、しかし自然体の返事を聞いて、青年もどこか肩の力を抜いた表情になる】
【心を救う事――――自分が最上としているその行いを、もしかして彼女も出来ているのではないかと、そんな事を思わせるほどに】

…………?
……まぁ、それでも構わないさ……手前が生きている様に感ぜられないのは、ある意味仕方の無い事でもある……
それでも、手前は生きている…………変わらない何かを抱えながら、少しづつ変わっていく……

【――――思えば、かつての絶望の淵から、自分も随分と変わったものだ】
【自己の根幹は変わらずとも、生きると言う事は何かが変わっていく事でもある】
【今もその眼は、変わらず絶望を見つめている。だが、己自身は、気付かないままに何かが変わっていたのかもしれない】

…………手前と同じだな、それ…………
君が孤独に見えて仕方なかったけど……なんて事はない、手前の取り越し苦労だったみたいだ……
……君のそれよりは、少しドライな間柄なのかもしれないけど、ね…………

【少女の語る言葉が、まるで我が事の様に、青年には思えた】
【その言葉に、青年は1人の居丈夫の姿が脳裏によぎる。正しく少女の語る言葉通りの人がたった1人、青年にもいるのだった】
【『腐れ縁』であり、奔放さに煩わされる事も多いが、それでも共に過ごす時は、かけがえの無い何かを与えてくれる】
【彼がいなければ――――もはや『絶望』とも表現しえない空白――――『虚無』に囚われていただろう事も、想像に難くなく】
【それでも、凄惨な体験から築き上げられた、青年のニヒリズムに似た思考法が、そこに『安らぎ』を見出す事を許さなかったのだが】

……八攫……柊…………
――――手前はアルク、アルク=ワードナール。別に深海魚でも構わないが……好きに呼んでくれ

【――――3度目の邂逅にして、ようやく互いの名前を名乗った少女――――八攫と、青年――――アルク】
【見ているものは違えど、互いに救済を目指す2人の心の距離は、確かにこの時、わずかに縮まっていた】
【その証拠に、八攫の言葉にリプライする形で、軽口を返したりしてみせて】

…………今後、何か手前に出来る事があったら、言ってくれ……
成り行きとはいえ、手前の嘆きに付き合わせてしまった……その埋め合わせをしたい…………

【『埋め合わせ』と言う表現をアルクは用いたが、それは要するに『礼がしたい』と言う事だった】
【やはり、自らの過去を離した事への負い目、そしててらいなく礼を口にする事への、照れに似た躊躇いがあったのだろう】
【だが、その利他的な言動そのものは、間違いなくアルクの本心でもあった】

/今日も返しておきます。よろしくお願いしますー
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/09(火) 22:04:55.93 ID:nLBynbPN0
【路地裏】

ひい ふう みい よお いつ むう……

【其処は、街明かりの届かない闇。無法という法が全てを支配する裏の世界】
【そんな場所でも陰らずに存在出来る「数」という法則を連ねる声が静かに響き渡る】
【その声を辿って行けば、やがて鮮血と脳漿の海に出くわしてしまう筈だ】

ここに六人、さっきので八人、報告だと全部で十五人って言ってたなァ……
……一人逃げやがったか……めんどっちい……

【勿論、そんな物が自然に発生した訳では無い。誰かが、何らかの理由でそれを生み出したのだ】
【もしその「誰か」を推測するとすれば、おそらくその答えは、この「数を数える人物」に行き着くだろう】
【そしてその「数を数える人物」は、丁度、血の海の中心に存在していた】

【軽く2メートルを超えるかという巨躯。体中を覆う虎模様の毛皮】
【臀部から伸びる猫の物と思わしき長い尻尾が時折、背中に掲げられた逆五芒星の存在を遮ったりしている】
【装着された金色に輝く金属製のグローブとブーツが、彼が人間であることを辛うじて主張していて、】
【欠けた左耳の上を駆ける様に右目に掛けられたアイパッチと、ピンク色の蝶ネクタイが"彼"の異質さを際立たせている】
【兎も角、そんな奇天烈で破天荒な、虎ネコの"キグルミ"を身に着けた人物が、そんな血溜まりの中に佇んでいた】

今からまた探し出すのかァ?……オーバーワークもいいところだぜ全く……

【そのキグルミは、時折疲れを混ぜたため息を吐き出しつつ、ゴム人形の様に生気の無い"物"を脇に退け始める】
【人形の様な其れは、見た所若い男女を模した物に見える。胴体が砕けて痛みに悶える表情など実にリアルだ】
【まるでさっきまで生きていたかの様な其れが六体。全てが赤とピンクでグチャグチャなのだから、動かすのも大変そうだ】
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/09(火) 22:14:19.77 ID:JVoIzC500
【――夜空色の天井、きらきら散りばめたお星様の煌き、】
【主役たるお月様はどこかへ出かけたまま、空っぽの星空、どこか寂しげだけれど】
【星もない夜空のような室内に居るならば、そんな物悲しさも、目に入らなくって】

【(――まあ、そもそも、何かを見つめるべき瞳は閉ざされていたのだけれども)】

【永久に夜の闇に沈み続ける土地、黒で満たした屋敷の中、どこかの一室、ベッドの上】

…………、――、

【すいよすいよと定期的に紡がれる緩やかな吐息、眠っているとき特有の、柔らかさで繰り返されて】
【胸元で抱き締められるぬいぐるみ――黒い身体に赤色したチェック柄の服を纏う兎、いつかに買ってもらった、その子】

【ご飯を食べて、眠くて、お夜寝。珍しがることもないような頻度であること、これで夜もフルに眠るのだから――】
【いっそ蛇でなく猫の家系なんじゃないかと疑りそうになるぐらいに良く眠る。なまじ外が暗いものだから、余計にひどくて】
【朝起きたかと思えば夜と誤信して二度寝をかましていたり。暗いのが悪いとは、本人談の言い訳だけれど】

【――ぼうと開かれる瞳、そんなに長く寝るわけでもないのがいつも通り、ぎぅうと兎を締め上げたなら、】
【可愛らしい顔した兎の表情が歪んで――怒ったよな表情になっているのだろう、緩めたら忘れちゃうぐらい、軽い感情】
【その後ぐぅと伸ばす両腕が器用に兎を抱いたまま、僅かにベッドから零れて。伸びを終えたなら、ちいさな欠伸ひとつ、噛み殺す】

――、……、おとー、さん?

【細こい両腕で支えて身体を起こす、寝台の上――ざらと流す黒髪そのままに崩した正座でぺたと座れば、ぐしと右手で目元を拭って、】
【電気をつけっぱなしで眠っていた室内、その姿を求めるように投げる声、眠たげな瞳がゆると室内を廻るなら】
【――ぎゅぅと抱き締めたままの兎のぬいぐるみ、縒れた赤色チェックの服、ひらと揺らして――腕の中で、大人しく笑っていた】

【縫い付けられたリボンで腰元を縛るデザインのワンピース、黒無地の薄手は僅かに肌色を透かして、ただ、それ以上は見せず】
【短く緩い袖口からは肩の一部と脇腹のほうへ落ちる素肌、胸元までが微かに窺える無防備、桜色と黄緑色が走るのまでもが、見えて】
【真っ白な素足は何にも纏わずに身体に添えるように折っただけ、付けられた傷があるのならばどこかに浮かべて――】
【――当然といえば当然なのだろう。まるで無警戒で無防備なのが、そのまま彼への信頼と信用を示すようで、平和めいていた】
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/09(火) 22:33:03.34 ID:u5e4qdW/o
>>625
【奇妙なキグルミが居る空間に、『ジリッ』というような音が響く】
【決して特別な響きのないその音は、だいたいの人が、靴が砂を踏みしめる音だと理解できるものだ】
【もしもキグルミが音の方へと視線を向けたならば、そこには裏の世界に迷い込んでしまった人影が一つ確認できることだろう】

「……………君は」
【人影が言葉を言い放つまでには、長い間がある】
【吐き出される言葉にも詰まった調子があって――それらの様子が、この光景を見て人影の青年がショックを受けているということを証明している】

「君は、何をしているんだなんて……いいや、僕が今考えている通りのことで、間違いないんだろうね」
【深く呼吸をし、足音は血の海へと一歩近づく】
【この場所で、目の前の奇怪な存在が何をしたのかを瞬時に理解した青年は、不慣れな様子ながらも警戒心と敵意を露わにしている】

「こういうのは得意じゃないけれど……君のような人は、野放しになんてしたくない」
【そう告げる言葉に含まれているのは、確かな憤りの感情】

「そんな恰好で何が目的化は知らないけれど、そんな風に自由にはさせられないよ!」
【そうして、悪に対治するその姿は、どこか不慣れな様子がみられる】
【それでも、なにか強い信念に導かれての行動だと思わせるものも、またどこかにある】
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/09(火) 22:41:50.82 ID:390czwRFo
>>626

【――返事をする声は無かった。代わりにあったのは、背筋を寒くさせるような妙な違和感】
【明るい室内が不意にばちりと暗く光を落とし、直後に壁の燭台が茫と奇妙な紫の炎を灯す】

……――――ふふ、ふふふ、お早う。 ねぼすけさん?

【それは酷く甘ったるく響く、妙齢の女の声だった――彼女がいつかの夜に、聞いた筈の声】

【部屋の重厚な扉の隙間から、黒い霞が地を滑るようにして彼女へ接近する】
【黒水晶に酷似した燐光を持つそれは紫黒の中にか細い明かりを灯した室内でも良く目立って】
【彼女の傍、少し距離を置いた場所で、ゆっくりと女性のシルエットを形取った】

【彼女の後方、黒い壁が透けてぼんやりと見える――生きた者ではない】

【黒いルージュが特徴的な、モーニング・ドレスを纏った黒ずくめな女の亡霊】
【ワンレングス・ボブの黒髪にハットを目深に被っており、目元は窺えないが、彼女を見据えているのだろう】

嗚呼、あの子……セシルなら来ないわよ?
私の可愛い弟子は聡明なの。 というかね、空気も読めない男なら要らないもの……ふ、ふふ

【唐突に現れ、それでいて全てを理解しているといった風で、女は酷く楽しそうに言った】
【彼女の父を弟子と言った。 確かに彼には「お師匠様」なる人物がいて――この屋敷も、確か。】

……それで、私とお話してくれないかしら?
貴女の知らないセシルの事、教えてあげるわ――鈴音ちゃん?

【悪夢と化したあの夜の、全ての鍵を握る人物は――小首を傾げて、そう問い掛けた】
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/09(火) 22:47:56.82 ID:cXD6VDpA0

【賑やかな街の一角にて】
【人々が楽しそうに談笑していたり、或いは買い物をして居るなんて場面】
【その間をくぐり抜けて、忙しなく動いているのは一人の少女】
【――――纏っている物から判断するに、何処かの学生であろうか】


「はい、と言う訳でUNITEDTRIGGERや自警団に対する感想を皆さんに聞いていきたいと思いまーす!
後はチャチャッと纏めてしまえば、立派なレポートになりますね!これにて課題完了!
……の筈だったのですが、世間は冷たいですねぇ」

【明るい茶色の髪。ハキハキとした口調は、活発な印象を与えることだろう】
【様々な人に感想を聞こうとしても、邪険に扱われるばかり】
【それでもめげずに続けてはみるけれど、どれだけ時間が経っても結果は同じ事】


「まぁー……後一週間もありますし、そう慌てる必要も無いでしょうが
一人くらいは聞いておきたいですよねー……」

【眉間に皺を寄せて、立った今断った人の背に向かって「イーっ」何てすれば、一人溜息】
【この時間に学生が出歩いていることも珍しいだろう。故、そのちょこまかと動く事も合わさって目立つ事か】








【ひっそりと静まりかえった街の中】
【その中央に存在する公園。其処に植えられたシンボルツリーと呼ばれる大樹が、ガサガサと一人音を立てていて】
【視線を向けたならば、巫女装束を纏った一人の少女が見えるだろうか】


「困り……ましたね
お姉ちゃんは何処に行ってしまったんでしょう……?
土地勘もありませんし……このまま虱潰しに探すのも……」

【器用に枝の上に立てば、辺りを見回して】
【――――然れど、目的の人物は見当たらなかったのであろう】
【深い溜息を一つ吐けば、その場から降りようとするけれど】


「仕方ありませんね……今日は一先ず宿に帰って……て……?
ひゃっ?!わわわわわわわ?!」

【――――足を滑らせれば、そのまま手をグルグルと振って】
【何とかバランスを保とうとするけれど、その努力も虚しくやがては地面に向かって急降下するのであろう】
【大怪我をする程の高さでは無いにしても……さて――――もし、近場に人が居たならばその光景をどの様に捉えるのだろうか】
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/09(火) 22:55:11.64 ID:nLBynbPN0
>>627

【彼の耳。正確にはキグルミの耳だが、それが僅かな砂の音を捉える】
【恐らく直ぐにぬめりとした水音に変わるのだろうが、まあ今はそれはどうでもいい】
【案の上と言うか当然と言うか、キグルミがその音の方へ向き直れば、正義の光に包まれる青年の人影が一つ】

何をしているか?だってェ?
見れば……いや見てわかんねェから聞いたのか…ただの仕事だぞ?

【死体を散々動かしたことで、グローブに大量に付着した血を振り払いながら、さも当然の様に答える】
【青年から発せられる敵意は意にも止めない。まるで「当然の事をしてました」とでも言いたげな様子である】
【それどころか、悪びれる事も無くその足を青年の方へ向けて歩みを進める】
【決して早くは無いが、その行為は青年の「悪に対して不慣れな一面」を汚して行くのかもしれない】

【無論、そうとうな理由が無い限り殺人行為というのは正当化されない。されてはならない事だ。青年が怒るのも無理は無い】
【だが、こういう事には理不尽な理由が着いて回るのが世の常というものだ】

今日のお仕事は"機関に歯向かうレジスタンスグループの掃討。及び他勢力への見せしめ"でなァ……
ちょっと潰れて貰った訳だ……それを邪魔するだけの覚悟があるんだろう?なァ?

【互いの距離が約4.5メートル。青年が無理に距離を離そうとしなければその程度の距離で歩みを止め、キグルミはそう言い放って見せた】
【右手はダラリと下げ、代わりに人差し指を立てた左手を前に出し、そのキグルミも「敵意」を返して見せた】
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/09(火) 23:01:30.40 ID:JVoIzC500
>>628

【――例えばそれが寝起きでないなら、例えばそれが家の外でのことなら、反応はもっと早かったのだろう】
【けれどここは家の中で、けれど今は眠りから覚めたばかりで、それならば、――ぼうとした頭、首を傾げて】
【ぬいぐるみを抱いたままの左手が口元に添えられる、無意識でも、どこか、薬指のそれを見せ付けるようにも、見えて】

…… ――――、  ――、

【長くて量も多い睫毛、さも重たいとばかりにゆっくりする瞬き、ふたつみっつ挟んだだろうか】
【無意味に傾げていた首が真っ直ぐに戻される、ようやく理解の及び始めたこと、表情からだって、分かるはずだ】
【暖かに眠たげだったものが緩やかに、それでも確かに冷えて、褪めて、黒赤のオッドアイが細められたなら、】

――だぁれ。

【ようやく明確なかたちを持って紡がれる声、先ほどとは違って――金属質をいくらか増した温度で冴える、鈴の音色】
【理解しきったとは言えない現状、父親の知り合いであるらしいことは把握、弟子だとかなんだとかは思考放棄して】
【屋敷の裏方に墓があった気がした。だからと言って関係ないのだからと放置していたのは、言われれば花を供える程度の距離間】
【――そもそも透けていることだとかには大した興味もないのだろう、それよりも、問題は、――女、らしいこと】

【睨みつけるよりは穏やかに、見つめるには棘を孕んで、向ける視線。合わない視線をこじ開けるように】
【ぎっと両手が兎を握り締めるのは眼前に対する多大な警戒を示すのと、――父に買ってもらったもの、安心したがるように】
【――ちらと瞳が刹那に扉のほうを見つめたことはきっと気付かれるのだろう、それなら、何をしようと思ったのかも、きっと】

………………。

【それでも逃げ出さなかったのは、知りたがる/知っていたいと願うこころの強さ、きっとそのまま示す、はずだ】
【僅かに動かした足、衣擦れのするするした音、室内にくぐもらせて。黙り込んだなら、一応は肯定なのだと見ていいのだろう】
【――壁際のほうへ身体を寄せようとするのが、やっぱりどうしようもなく警戒色、見せるのだけれど】

【(弟を名乗る彼は結局なにも教えてくれなかった。知らないほうがいいのかもと思う反面、目の前にあるものを我慢なんて、出来なくて)
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/09(火) 23:21:37.78 ID:390czwRFo
>>631

【彼女の薬指に刻まれた証を視界に入れたのか、】
【少し微笑んで見せた女の表情は、何処か寂しそうな色をしていた】

……あら嫌だ、私としたことが自己紹介も忘れていたなんてね?
私はレイシー。 貴女のお父さんの師で、彼を6つの時から見て来たわ。 この館でね

母親、の方が近いかしら?
納得できる形で捉えてくれて構わないわ、今はもう、貴女の敵にはならないから。

【つらつらと告げた内容を信じるならば、脅威になる存在という訳では無いらしいが】
【逃げようとする気配を察してか、普通なら混ぜ込むところの言葉の幾つかを呑み込んで彼女は笑う】
【態度にはしないが余程彼女をこの場に留めたいのだろう。 黒い霞の輪郭が煙のように僅かに揺れた】

聞いてくれる、と取るわ。 これから話してあげる。
聞きたい事も好きなだけ聞けば良いわ、黙ってちゃ駄目よ?

だから、その前に……――――

【すうとレイシーの姿が移動し、鈴音が先程まで寝ていた寝台に近付くと】
【霊体ゆえに軋ませることも布地に皺を寄せる事もなく、彼女は其処に腰掛けた】

――――……ごめんなさいね

【「今まで。」 そう添えて囁くように落とした声は、彼が聞けば卒倒ものであったのだが】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/09(火) 23:24:45.74 ID:u5e4qdW/o
>>630
【緊張こそしているものの、死体を見て大きく取り乱さすようなことはない】
【敵と向かい合って、あるいは命を奪われる可能性があるというのに、表面上は平常心で演じている】
【青年も、それが出来るだけの体験はここまでにしているらしい】

「ただの……仕事だなんて」
【青年は、もう引き下がれない。 戦ってでも、なんとかするという意志だけをむき出しにして相手を睨みつける】
【目の前の相手は――間違いなく、自分を[ピーーー]つもりだった】

「機関――そうか、君が機関の……」
【意味を確認するように、機関という言葉を復唱する】
【言葉の内容、あるいはその真実を確認するような仕草は、 『機関員とは初めて出会う』 ことを、口で語らずも露呈してしまっている】
【そうして、機関という言葉の重みを噛みしめると、青年は警戒をさらに強める】
「なんだっていいよ……でも目の前でこんなのを見てしまったのに、逃げ出すなんてことはもうしたくないから」

【キグルミの人物の動きには誘われない。 青年はその場で構え、赤い瞳で相手を見据えている】
【そこに怯んだ様子は無い――流石に人殺しに喧嘩を売るだけのことはあって、覚悟は固めているようだ】
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/09(火) 23:24:57.55 ID:Cg6qoGHk0
>>624

(……変わらない何か、か。……それが大事だから、人は、変わらないのかも知れない―――――)

【―――――『救い』 を己に赦さずに。或いは感じる事が出来ぬまま、けれども確かに “生きる”、時を移ろい続ける生き方――――】
【……それも彼の道、なのだろうか。】
【単純な諦観とは違って見えたのは、光明が―――― それ自体としての “そうある” 現実、確かな“今”への想いが――― 感ぜられたから、なのだろう】

【 彼女はそれを救いだと思って。彼は、信念のままに受け止めた。】
【その差と共通点に対する理解/湧き上がるなにかとともに返答して、】

…………少しずつ、ね。

………変わったといえば、雰囲気かしら。
貴方は、私がいい表情をしていると言ったけど……あなたの顔もよく変わるのね。

【 少女は頷いた。 実感と安堵の交じる表情だった。】
【口にするのは表情の変化。表情からするに、明らかにプラスの意味合いだろう】
【重なる部分がある事――――― 孤独を感じさせるといえばそれもまた、だっただろうか?】


 それは……喜んでいい事なのかしら?
友達の多そうな性格じゃない自覚はあるけど――――

……まあ、どちらでも構わないか。
私は私で、あなたは貴方。
どう見られたとしても変わらない。

【――― 孤独に見えた/けれども違った、】
【青年も、少女も。“誰か”、なくせない存在がある――――】
【名乗りを交わして。改めて、互いの存在を刻めば、】

【軽口にまた少し明度を上げる表情。続く言葉も、耳に届いて】
【“可能性”。未来の未知を口にすることで、返礼への、協力の申し出への、“気付かれかねない” 返答を暗に紡ぐ】

それじゃあまたね……“アルク”。
次に会うとしたら、どんな形になるのかしらね。……今は、大分楽しみに感じてる――――

【そう紡げば小さく微笑って/少女は自らの身の向きを変えて、】
【軽く気恥ずかしげに片手を振って―――― それを今宵の別れと、最後に向けた一瞥で告げるのだろう】
【……安らぎを湛えて。それは、否定しあったあの夜とは、だいぶ違った色合いの様で】

【留められなければ、きっとそのまま歩み始めただろう】
【それぞれの道を、それぞれが―――――― きっとそれがいいのだと確信して、】

/遅くなってすみません、漸く返す準備が整いました……っ
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/09(火) 23:43:30.52 ID:JVoIzC500
>>632

【じとりと向けたままの視線は表情の変化を読み取るのに、そこに宿るものを見逃して、受け止めない】
【或いは受け止めようとしない、理解しようとしない、ある種の思考停止にも似るのだろう、その行為は】

【(その声は知っていたはずなのに。頭痛がするぐらいに記憶を掘り返すこと、無意識が嫌がるから)】
【(知らないようなふりでちょんと座る、露出する肌の多さは、お世辞にもおしとやかと言えないほどだったけれど)】

……、お母さん?

【鋭く研いだままの声、僅かに低くささめかせて。疑問系で釣り上げるなら、疑るような余韻が残される】
【孤児だったと聞いた。それなら、引き取り手だろうか、――その単語に嫌な思い出しかないのは、誰にも言っていなくて】
【じとり向けていた視線の含む色が変わる、じろりと向けて、……一応は、信じることにしたらしい、瞳を伏せて、】
【――左の薬指に指輪をくれたお父さんを間に挟むなら。この関係性、どんなものなのだろうかなんて、少しだけ思うけれど】

変なことしたりしたらっ、……お父さん、呼んじゃう、から。

【敵意は向けられていない、父親にとっての母代わりであるらしい、――そもそも、彼のことは知りたいのだし、】
【ならば、紡ぐ言葉だって積極的でなさそうでも確かに肯定を示す、ご機嫌を損ねなければ、という条件付きだとしても】
【もしも彼女の生活を少しだって覗いたりしたなら、どんな風を好むかも分かるはず。警戒さえされなければ、存外に子どもめいて】
【それでも時折混ぜ込む大人染みた部分があるのは確かで、少しだけややこしく、するのだけれど――】

…………、……なんで。

【――寄られたことに、言葉に、驚いたように丸まる瞳、ぺたと座り込んでいた膝が起こされて、手元で抱きかかえる体育座りに】
【足と身体の間に挟まれた黒兎が彼女の膝に手置くようにして抱きかかえられる、見つめる瞳が、合計で二対】
【言葉と表情、どちらでも理解が及ばないようなのを示すなら、その先を訪ねるよう、促すよう、つんと口を噤む、のだろう】
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/09(火) 23:48:42.24 ID:nLBynbPN0
>>633

【自分が近づこうが、指を向けようが、この青年は怯む所か逆にその意思を堅くしていく】
【ただ威勢が良いだけなら一発お見舞いすれば、という考えは捨てよう。病院送りに出来る一発をお見舞いしてやろうか。に切り替える】

ああ、仕事だ
信じられるか?こいつら清掃活動だの地域復興事業にまで手を伸ばしててな?
いやぁ実に惜しい。「打倒カノッサ機関!」とか言い出さなきゃ目を付けられたりしなかっただろうに…

【だらりと下げた右手を無造作にヒラヒラと振りつつ、キグルミは僅かな驚きを見せる青年に言い切って見せる】
【その様子は、その手を使って言葉に篭められた感情を表現しているようだった。それが本音か建前かどうかは、兎も角として】

そうか……あくまでも標的は"レジスタンスグループ"であって野良の善人じゃあないんだが……
ま、防衛行動の内で多少ボコってもバチは当たんねェ。そう思うだろ?

何にせよ、初めて機関と対峙する様なら知っておいたほうが有るぜ?
「機関員は喧嘩早い奴だらけ」だ。ここまで待ってくれるのは俺くらいだぜェ……――行けッ!

【キグルミは、差し向けていた左の人差し指を僅かに上に上げてから、腕全体を使って振り下ろす】
【その瞬間、正確には指を上げた瞬間、ただでさえ暗い路地裏が、その青年がいるところが更に陰る。何故?その理由は青年の真上に現れる】
【適当な鉄屑を寄り集めて、鉄板で無理矢理形作った様な、それはそれは大きな"左手"を象った鉄の拳が、影を作っていたのだから】
【その巨大な"手"は、握りこぶしを作って青年を潰しにかかる。その質量の圧倒的暴力は、他の追随を許さない威力を誇る】
【幸い、"それ"が出現してから振り下ろされるまでは回避行動に十分なタイムラグがある。それを利用出来れば、翻す事は簡単だろう】
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/09(火) 23:49:50.55 ID:OvVLYM+L0
>>634

……そうなのか?
……まぁ、人間なんて、自分自身の事を捉えるのは案外不得手なものだ……君がそう言うのなら、そうなんだろう……

【自らの表情の変化を指摘されて、アルクはフッと力の抜けた表情をして見せる】
【安堵、と言うのが近いのだろう。指摘を受けてふと、穏やかな心境を見出したのかもしれない】

――――自らの道を往くために、何もかもを振り捨てて、ただ己が身一つで生きていく……そんな印象だった……
自分自身に何もないからこそ、他者の何かを全力で守ろうとするような……
…………無論、これは君の事を良く分かっていなかったからこその、手前の勝手な想像だったようだけど……ね

【――――自らを銃座で囲い、苛烈な修練を行っていた八攫の姿】
【――――身銭を切って浮浪者たちを救おうとし、救いきれなかった死に目に心を痛めていた八攫の姿】
【そこから見出される滅私の姿勢は、アルクをして「信念の為に、自己を極限まで研ぎ澄まし、削ぎ落して行く」様に見えたのだろう】
【しかし、実際には八攫にはハッキリとした自己を持っていて、そして、心の拠り所を持っていて】
【――――そこにまず『喪失の痛み』を見るが故にドライになってしまう自分とは対照的に、それを大事にしているのだろうと八攫への認識が変わっていた】

……あぁ、それではまた…………柊
次に会う時まで、元気で……ね

【背を向ける八攫の後ろ姿に、別れの挨拶を告げるアルク】
【――――何とも奇妙な関係を構築したものだと、アルク自身もそこに戸惑いがあったようだった】
【――――向かう理想、そしてその方法論。同じ方向を目指しながら、その対立の故に融和し切れなかったはずの自分たちだった】
【なのに、今はこうして再会の約束を率先して取り付けるようにまでなってしまっている】
【――――それを、なんと表現して良いのか、アルク自身戸惑っていたのだろう】

…………レグルスに続いて……弱味を見せてしまったな…………
もうこれ以上、人に依存なんて、したくないのだけれど…………でも、それも心の持ちよう次第……か

【――――自らの肉体の秘密や、歩んできた道。それを洗いざらい話してしまった事を、今さらながら逸ったかと思い返すアルク】
【だが、あるいはそれも正解だったのかもしれない。少なくとも、八攫は信用できると判断していて】
【――――そんな誰かと縁を持つのも、悪くは無いのかもしれないと、アルクは思い始めていた】

/3日間、乙でしたー!
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/10(水) 00:03:35.14 ID:sXh5ZVTo0
>>637
/お疲れ様でしたー!
/たびたび…というか結構な頻度でお待たせしてすみません、こちらは凄く楽しかったです。せめて、来た当初くらいの速度にはしたいのですが…orz
/長時間本当にありがとうございました。改めて、お疲れ様でしたっ!
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/10(水) 00:10:56.22 ID:Ybx17kKZo
>>635

……自己満足よ。
貴女の答えは分かり切ってるから、別にいいわ

【何故と問われれば少しだけ哀しげに笑って、亡霊の女はそう言った】
【彼女の基準では絶対に許さない事だし、そもそも許すと言われた所でその考えは揺るがない】
【それよりその先の話を、というように、無言のうち促されることに応じて彼女は口を開いた】

あの晩のこと、この館が無くなった夜――

 【――この女は、リリアと月彗が己が館を襲撃する気配を先んじて察知していた】
 【セシルにそれを伝え、力を貸すと偽り、初めから負ける方向に事を運んだ】
 【彼が戦いの最後に豹変したのも――全てが、この女。レイシーの意図だった】
 【一つだけ計算外であったのは、鈴音を消せと指示した結果が、彼の自殺になった事】

【そこまで告げてから、亡霊の視線が僅かに持ち上がる】
【それでも広い帽子に隠されて目元が見えないが――口許が、微かに震えていた】

初めはただ弄びたくて、私の玩具にしていたくて、幼い彼ら兄弟を泥の街で拾ったわ。
けどね、悦那が初めに死んで、次にセシルが、貴女を守って死んでいって
最後に残った月彗が今、死の淵で眠っているの――、ねえ、分かるかしら、ね、幼い幼い、鈴音ちゃんに

【声が震えていた。 次第に肩が震えて、霞む輪郭が一層ぼやけて揺らぐ】

分かるかしらね、貴女に、私の言いたいこと、母親になんてなったこと、ないものね、
身を切られるような感じよ、私の産んだ子供達じゃない、けれどどうしようもなく苦しいの、
貴女にだって取られたくなかった、けれどそれを拒んだら、死んじゃうんだもの、私に何も言わないで、
そんなに貴女を愛してたなんて、知ってたら私、あんな事しなかったわ、ちょっと嫉妬しただけなの、
意地悪しただけなの、まさか本気だなんて思ってなくて、貴女が死ねば目が覚めて、また私を見てくれるって、

――っふ、ふふ、ふふふ、馬鹿みたい……
こんな、一気に言っても、分からないわよね?

【帽子を深く被り直す一瞬――頬に一筋伝ったものは、見間違いではない筈で】
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/10(水) 00:26:43.31 ID:5pEMyF8Lo
>>636
「機関の事情とか、善良とか悪人とかそういうこと、僕は知らない……でも」
【このキグルミと青年が出会って、どれくらの時間が流れたのだろうか】
【交わした言葉は僅かなもので、それほど長い時間ではないだろう】

【一秒、一瞬と時間が進むたびに青年の緊張は解れているらしく、今は真っ直ぐとキグルミのことを赤い瞳が捉えている】
「例えなんだろうとこんな所で人を殺して、それでそんな顔をしていられるのは……おかしいよ」

「そいつらを殺したのは仕事で……僕とは遊びかなにかのつもりかい?」
【目標であるレジスタンスは殺して、目標である自分には殺意はない――そういう意味合いの言葉ならば……言葉にできない、恐ろしさを感じる】

「……っ!」
【集合していく鉄くず達。 これが相手の能力なのだろうか】

【振り下ろされる鉄くずの手。 今のままでは間違いなく直撃する距離だろう】
【そう判断すると、素早く地面を蹴って相手との距離を広げる】

【そのままステップよりも長く距離を広げようと、半ば後ろに駆けるような動きで後ろにさがる】
【正確な射程は読めないので、余分に距離をとる】
【大きな後退は逃げるようで格好はよくないが、体裁なんてものは気にしない。 余分に間合いをとるぐらいの勢いで距離を確保する】

「……ふっ!」
【後ろへと下がりながらも、右腕から引き抜いた黒く太い針をキグルミへと投げつける】
【投擲には慣れている様子であり、威力も速度もなかなか出ている。が、それでも目で追える程度の速さである】
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/07/10(水) 00:45:29.37 ID:BIbjUSKzo
まーたメンヘラと腐女子の固定化か
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/10(水) 00:48:37.26 ID:bWqXU+DS0
>>639

【きっと黒いのだろう寝台の布に落とし込んだ黒髪、紫色に照らされて、そうと艶めいて】
【黒赤の一対も紫色の艶で煌く、まぁるい中に浮かべ込むのは蛇の目を体現するように丸い瞳孔、瞬きひとつ】
【純白色の肌だって、また、どこか不健康めいて照らし出されて――黙りこむ口元、大人しく、その言葉を待った】


【――目元が見えないというなら自然と視線が向くのは口元のほう、音と形とで、言葉、認識するように】
【つば広越しにこちらの表情を見とめる方法があったなら。取り繕うだけの大人びた風もなく変わる表情、見えるはず】
【元々幼い風に出来ている造形に満たすもの、おおよそ、見ただけの年齢にはそぐわないような、そんな色】
【憎んでいるのか怨んでいるのか怒っているのか、或いは様々な負を混ぜ込んでいるのか、――曖昧だって、いい感情には、見えなくて】

【脳内でいろいろ思う言葉に足りない感情の欠片を繋ぐまでなくぶちまけるより、例えばこの牙と毒を持ってして悪霊退散を狙うより、】
【それよりも先。ぎりと獲物の首を圧し折るように膝を締め上げるような両腕、精一杯に感情を押さえ込んで、――】


【――総てを聞き終えて、ついと頬滑り落ちる雫を見とめて、ただ、彼女の言うような気持ちは、どうしても分かれない】
【血の繋がった子どもなんてものはおろか、血の繋がらない子どもだって存在しない。それよりも、自分が庇護されたくって】
【数えかたによっては二十歳も超えた存在なのに子どもみたいに愛されないと毀れる不安定、そもそもが理解できるわけ、なくって】

…………――そう、あいつ、しんだの

【――だから。言われた言葉から拾い上げたこと、たったのそれだけ】
【それだって例えば泣き出してしまうほどの感情も篭らない、もっと遠く、どこか他人事めくのは、】
【なんてことなく彼女が正常ないのちの重さを上手に理解できていないから。死ねば修復される身体、死なんて、ただの一回休み】
【(どこかその雫から視線を逸らすように)伏せた眼、数度瞬きする程度の間、挟んだなら】

【(でも、ぜったいに、あげないけど) ――やがて戻す視線が言外に紡ぐのは、母親をしたことがあれば誰だって分かるぐらいの、もの】
【それと同じぐらいにいろいろな感情は抱いている。ただ、明確なかたちを成せないまま、揺らめくばっかりで――】
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/10(水) 01:00:25.38 ID:K8G3pjOq0
>>640

おかしい……おかしいねぇ?
そうだ、確かにおかしい。だけどよ、俺にはオカシクなってまで仕事に専念する理由があるんでなァ

【「おかしい」という青年の言葉に対し、キグルミはそう返した。その言葉に否定の意は無い】
【彼には機関に対するちょっとした恩義があった。機関に力を貸す道理があったのだ】
【だからこそ彼はカノッサ機関の為にその手を汚す。流石に命を差し出す事は出来なくても、馬車馬のように働く事は出来た】
【その中で「この顔がおかしいって、そりゃあキグルミだしなぁ?」と茶化してみせる辺り、もう手遅れとも言える】

遊びでは無いなァ。ただ殺す必要が無いってだけで結構戦いやすくなるもンだ
俺は鬼じゃあない。虎だ。ハンティングが終わって腹一杯なのに、わざわざ牛に飛びかかるなんて事はしねェのさ

【追撃はかけない。正確にはかけられなかった。その能力の射程は、一律で5メートルと決まっていたからだ】
【"マインド"と呼ばれる物がある。能力自体が実体と意思を持って動くという奇怪な、能力の種類だ】
【"アートマン"と混合される事もあるが、まあそれは置いておこう】

【その"マインド"を振り下ろした時点でキグルミと青年の距離は4.5メートル。サイズも計算に含めば射程は既にギリギリ】
【そこを青年が距離を離したことでマインドの射程から出る事になる。青年の行動は、意図せずとも正解の物だ】
【だがその距離は、戦闘が始まる前に作られた物。実にしたたかなキグルミである】

【振り下ろした"手"を一旦引き戻すべく、一度左手を引いて指示を飛ばす。青年による針が飛んできたのはその時だろうか】
【ほとんど反射的に、しかしその左手が動く前に"左手のマインド"が行動を開始する】
【掌を大きく広げ、盾の様にキグルミの前に立ち塞ぐ。金属の塊である事を無視しても、表面は金属板で出来ている】
【衝突した針はガンッと高い金属音をかき鳴らすが、そのマインドの表皮にダメージは殆ど残らない。弾かれた針は回転して地面へと突き刺さる】

なるほど、フッツーの相手ならこれでKO出来るって訳だ
悪くないなァ

【今度はまた彼が攻め手だ。だが相手はマインドの射程外。殴って攻撃することは出来ない】
【だが飛び道具があれば話は別だ。先ほど弾き、地面に刺さった針を"手"が拾い上げれば、キグルミは左手でダーツを投げる様に構えてみせる】
【ここまでくればその行動の意味が分かってくるだろうか。手のマインドは投げられた針をダーツの様に構えていたのだ】
【ヒュッ、とダーツを投げる仕草を行ったのは手と"手"も同時だった。先ほど投げた針が、高速で青年の元へと帰っていくだろう】
【ただし、持ち主にキバを向ける形で、だが】
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/10(水) 01:01:18.83 ID:5pEMyF8Lo
>>640
//申し訳ありません……今日のところの限界がきてしまいました。 すみませんが、このあたりで落ちさせてください
//これもこちらからのお願いで申し訳ありませんが、そちらのほうで問題が無ければ、凍結か置きスレでこのまま続きをやらせてもらいたいです
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/10(水) 01:02:16.38 ID:5pEMyF8Lo
>>644
//これじゃあ自分へのレスだ……正確には>>636です
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/10(水) 01:04:28.48 ID:Ybx17kKZo
>>642

【取り乱したという自覚が後から付いてきたのだろう、静かになった亡霊が目元を拭う】
【女であれば勘で分かる類の感情を視線で送られても、平然として笑えるのは歳のお蔭で】

……まだ、生きてるわ。
今日はその事も話しに来たの、セシルが話さないみたいだから、代わりに。

単刀直入に言うけれど、月彗の本体を、この館に匿いたいの。
一度会ったのでしょう? あの時に貴女が見た彼は本当の彼じゃない……じきに、分かるわ

【曰く、そうする方がより自分の庇護に置きやすいからということ】
【元来彼女の保有していた館、今は二人に供しているとはいえ、伺いを立てる必要など無い筈だが】
【それでも敢えて決定系でなく希望として告げたのは、この場所が二人の空間であることを認めているようなものだった】

セシルが言わないのは、きっと貴女が是と言わないのを分かっていての事かしらね?
もしくは受け入れたとして、後から貴女が月彗を害する事だって、考えられない訳じゃないから

【――亡霊の言葉には間違いが一つあった。 セシルが鈴音を疑うという可能性についてだ】
【それを許さない誓いが互いの指に刻まれていること、例えそれが無かったとして、疑いなど有り得ないこと】
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/10(水) 01:07:08.58 ID:K8G3pjOq0
>>644-645
/了解しました!
/凍結か置きレスかはそちらの好きな方でかまいませんよ!
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2013/07/10(水) 01:11:05.74 ID:5pEMyF8Lo
>>647
//ありがとうごさいます。それでは、これから週末まではちょっと来られそうにないので……起きのほうでお願いします
//今日はありがとうござました、今後も頑張らさせてもらいます
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/10(水) 01:13:03.11 ID:K8G3pjOq0
>>648
/わかりました!今日はお疲れ様でした!
/おやすみなさい。良い夢をー
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/10(水) 01:28:50.52 ID:bWqXU+DS0
>>646

【ひとの涙を間近で見ること、そう考えて思い返せば、あまりないようなこと】
【ぐちゃらとかき混ぜられて湧きそうな負もつめたく打って黙らせるような、そんな重さが、確かにあって】
【きっとそれが重ねてきた時間の重さだったりするのだろう。所詮八つの子の敵うようなものでは、到底ない】

……――そう、なの。

【――そして僅かでも頭が冷えたなら、間違いを訂正されること、ごく素直に受け入れるのだろう】
【そこに反発して喚き散らすような思春期めいた理不尽もない、よく落ち着いた声音――ただ、】
【続く言葉には僅かに嫌がる類の色が載る、眉を僅かに顰めるなら、或いは、彼女の予想は確かに合っていて】

【水のほうに住まっていた頃も他者が踏み入ることを嫌っていた。縄張りを守る野生の動物みたいに】
【自分の場所。だいすきなひとと居られる場所。――ふたりきりであることに重きを置くこだわり、普通よりも強く】
【(それでも父親そのひとに直接言われたならばふたつ返事だったのだろうとは、まあ、余談なのだけれど――)】

……、…… ――元気になったら、出てくんでしょう、なら、いいけど

【――そんな表情を見ていたなら、続く言葉、或いは意外だなんて思われるかも、しれなくて】
【伏せる瞳でくゆる感情は心底納得して歓迎するわけではないようだけれど、突っぱねるほどでも、ないようで】
【膝と身体の間にぴったり収まる黒兎のまぁるい頭の間に顎を置いて紡ぐ声、少しだけ拗ねたような色合い】 

しない、そんなの――……。

【(胸元を肌蹴させられたお返しぐらいはするかもしれない、とか思っていたりはしたけれど)】
【とかく真っ先に障害成り得る存在が頷いたなら、事態はいくらか進むだろうか――】
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/10(水) 19:30:06.64 ID:Ybx17kKZo
>>650

【返答はやはり意外だったのだろう。 帽子の下で何度か瞬く間があった】

……そうね、彼だって長居する気は無い筈だから、大丈夫よ
貴女がそう言ってくれるなら良かったわ、これで私の話は終わり――

【音も立てずに亡霊がふらと立ち上がり、燭台に灯っていた紫の炎がゆらと揺れる】
【輪郭が煙のように暈され、身体を構成していた黒い霞が足許から静かに溶け始めていく】

――…………そうだ、何か他に、知りたい事は無い?
彼に聞けば良いのでしょうけど、聞き辛い事もあるでしょう?

【自分からは話せるだけ話した、後は相手の言葉を聞こうという事】
【黒づくめの亡霊は先までの涙の痕を残さない表情で、薄く笑んだ】
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/10(水) 20:16:55.01 ID:bWqXU+DS0
>>651

【顎を置かれた兎のまぁるい頭が歪む、両の頬に兎の耳、そっと添えるようで】
【髪の黒色と兎の黒色と、挟まれたなら肌の白がよく目立つ――なんて、どうでもいいよなお話】
【オッドアイはどこか拗ねた風に低めの高度を保ったまま。それでもそのうちに窺うように持ち上げたなら、】

―― 。

【溜息吐くような吐息がひとつ。それでもやっぱりやぁめたなんて言い出さないぐらいには、きちんとしていて】
【薄らと透ける身体の向こう側で揺らぐ紫色に焦点が合う刹那、すぐに女性へと戻されて、ついでに、足元を見とめて】

【――突然現れたことに驚いた節はあっても、その正体に驚くような仕草はほとんどないと言えた】
【お化けや幽霊の怖くない類のいきもの――かと思えばカーテンの隙間を気にしたりもして、曖昧だけれど】
【つまりは堂々としているかどうかとか、そんな基準なのだろう。とりあえず、眼前の女性は怖くないと分類されたよう】
【(まあそもそも彼女だって明確に何と定義するに悩むような人外なのだから。人外耐性、高いのも頷けて)】

…… ――おとーさんって、なに、好きなのかな

【足元から溶けていく境界線を緩く追いかけるように動く視線――裏で思考を繰るような、ぼうとしたもの】
【柔らかな兎の頭に食い込む顎の度合いがいくらか増すなら、出鱈目に膝にぶちまけていた力も、既にほどけていて】
【――聞きたいことはたくさんある気がして、気がするのに、上手に思い浮かばないなら。尋ねること、至極平和めく】
【それこそ本人に聞けないことでも聞けばいいのに――結局、好きな食べ物とか、好きなこととか、そんなこと、知りたがる】

【そうして紡ぐのはどこまでも純粋に喜んで欲しいなんて色が窺えて、歪んで狂う中でも、そこだけが変わらない】
【喜ばせてあげたいとか、喜んで欲しいとか、(あわよくば褒められて認められたいとか)そんな気持ち、窺えるだろうか――】
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/10(水) 20:40:26.48 ID:Ybx17kKZo
>>652

【あら、と疑問形に零れた声は】
【そんな事とっくに知っているのでは、と言外に告げるものだった】

【――嗜好、系統、そんなものはもう知っているのだろう】
【そう判断した亡霊が選んだのは、目の前の相手が知らなそうな事】

貴女の幸せそうな表情、じゃない?

【それ以外にあるのだろうか、といったように小首を傾げて女は言う】
【寧ろ、それだけかと言うような不機嫌さえ見えた。 腰から上へと暈す色合いが増していく】

貴女は彼の苦しむ顔が好き? それなら、分からないかも……
けれどそうじゃないなら、分かるんじゃない? そういう事よ、きっとね

【「じゃあ、さようなら。 また会いましょう?」】
【残す言葉は短く、上澄みをすべて外した要点だけを捉えて静かに響かせる】

【初めと同じように、黒い霞と化した亡霊は扉の外へ流れ出して、その気配を失わせ】
【紫の燭台がふつりと消えて、元の灯りがぱちぱちと瞬きのように明滅してから部屋を照らす】

【がちゃり、と扉の開く音がして――黒い壁を背に、紅茶色が揺れる】


「――――……鈴音?」


 【数日の後、地下室に誰かの気配が根付く事になる】
 【それは少なくとも彼女の知る彼≠ゥらはかけ離れた、】

 【――蹴飛ばせば簡単に消えそうな、歪な命の蝋燭】

/巻きになっちゃいましたが、この辺りでー
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/10(水) 21:48:37.47 ID:bWqXU+DS0
>>653

【毎日を同じ家の中で過ごしていく中、例えば何かを知ったとしても、不安がじわと湧いてくるのが、どうしようもない性質】
【自分は何も知らないんじゃないかと湧き上がる底なし沼めいた恐怖は強迫観念染みて、髪の本数すら数えたくなるぐらいに】
【全部知っていたいし全部知られていたい、そうじゃないと駄目な気がして、穴あきのコップで水を飲むような、拷問めいた苦しさ】

 ―― ――――え、

【――(或いは小ばかにするように)告げられるなら、瞳だけでなく顔までもが持ち上げられるのだろう】
【立ち上がった姿をじぃと見上げるようにすれば、元より丸い瞳がさらに丸みを帯びているのが良く見えて、示す感情は】
【その答えを予期していなかったと口以上に紡いで、――雪色に薄ら差す薄紅の赤み、唇を噛むよに咲うのは、彼女に見せる初めての色】
【子どもぽさと大人ぽさを両方抱くのは少女らしさともまたどこか違う青みを残して――小娘と言ってしまえば、そう】

【笑ってくれたら嬉しいと思うし、泣いていたら嫌だと思うし、幸せそうにしていたなら、世界中の総てを赦せちゃうぐらい、】
【(けれど傷つけたときの顔が好きだと思ってしまう感情も同じ位置に紛れ込んでいるから。歪んだままに真っ直ぐな純愛、抱いて)】

【またねを返さなかったのは次を拒まないというよな意味合いで、――されたことは怨みもするが、ただ、嫌わなかった気紛れ】
【ただ。もう一度繰り返すというなら今度こそ牙も毒も持ちうる限り総て向けるのだろう、この子はきっと、そんな子で――】
【ついと追いかけた扉が開かれる、その向こう側に立つ最愛を認めたなら、解かれる足と降ろされる兎と、ふわと上機嫌が咲き誇って】


【――ぎゅうと抱きつこうとする甘えた温度。それが叶うなら、自分よりもずっと広い胸元に顔を埋め込んで、】
【自分と違う体温が、自分と違う鼓動の速度が、自分と違う呼吸の間隔が、全部が全部心地よくって、離れたくなくて、】
【おとーさんおとーさんと鳴き声めいて紡ぐ声の甘たるいことこれ以上ないなら、やっぱり関係性はおかしさを孕んだまま、だけれど】


【(――この日から、知らないことに怯えることが、知りたいと希求することが、いくらかましになったという)】
【(初めて会ったときからを辿ってみたなら様々が正常に近くなっている。ならば、喜ばしいことだろうか――なんて、)】

/おつかれさまでした!
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/10(水) 22:41:17.68 ID:uU6enP/G0

【参拝客も居なくなってしまった、廃れた神社】
【だけれど、今宵ばかりは不思議と二つの気配があって】
【一人は、その身なりから考えるに巫女であろうか。もう一人は――――さて、確かに存在はしているのだけれど、まるで存在感が薄い少年】
【巫女とは言え、纏うのは妖気。狐の耳と尾が生えている所を見ると、妖狐の部類で在ろう】


「――――ええ。きっとお母さんもお父さんも待っていますから
大丈夫ですよ。何にも、怖い事なんてありませんから……もう、行ってあげましょう?」

『――――。――――?』


【何か言葉を発してはいるのだろうけれど、其れが明確な言葉になる事は無く】
【だけれど、巫女には聞こえているのだろう。少年が口を動かす度に頷いて、微笑んで】
【その手を優しく握ったならば、澄んだ声で祝詞が紡がれ始めるのだろう】
【――――やがて、少年が白い薄らいで消えたかと思えば、天へと上っていって】


「…………長い間、よく一人で頑張りましたね。きっと、お母さんも褒めてくれますよね……
……えっと……私も、そろそろお姉ちゃんを探しに……ひゃっ?!」

【其れが完全に消えてしまうまで、優しげな微笑みで見送り】
【――――気配が自分の物だけになったならば、ポツリと漏らした呟き】
【自分の姉を探すために、その場を後にしようと踵を返したならば――――不運にも、石畳の歪みに躓いて、ビタン!なんて音】
【……先程の様子から一転。果たして、その一連の流れを見ていた者が居るならば、どの様に見えるだろうか】







【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【其処の中庭。車椅子に乗った少女が、一人でポツンと月を見上げていて】


「……こうして平和な中でも、同じ空の下では争いが起きているのです
何故、そうやって奪い合って…………考えるだけ無駄、です。起きる事は起きる事、仕方ないのです」

【汚れを知らない様な真っ白な髪。額に生えた角が特徴的であろうか】
【憂鬱気な表情で夜空を見上げれば、漏らす溜息。まるで、自分に言い聞かせるかのような言葉】
【どうせ、争いは無くならない――――かぶりを振れば、思考を隅へと追いやって】


「それにしても、静かなのです
風も聞こえず、誰の声も聞こえることは無いのです
――――偶には、こんな夜を過ごすのも良いのです」

【周りの状況。改めて見渡してみれば、人っ子一人居ない】
【完全な静寂。其れを楽しむかの様に目を瞑っていたけれど―――――】
【ぐぅ。存外響いた、腹の虫。先程の台詞の手前、そんな失態を晒せば顔が上気し始めて】
【この場を訪れた者は、タイミング良くそんな台詞と共に腹の鳴る音を聞くことになるだろうか】
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/11(木) 20:49:43.41 ID:i4xoxgjr0
【風の国 路地裏】

……っ……へへっ……、……悪く思わないでくれよ……?
こっちも、さ……生きてくのに、必死なんだからよ……!

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、赤色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【倒れ伏して呻き声を上げている3人の男たちを見下しながら、その手に3つの財布を握り締めている】
【恐らくは、殴り倒した面々の財布である事は、間違いないだろう】
【そうして男たちを見下している少女の方も、全身に細かい傷や、衣服の汚れが目立っていた】

……けど、数のハンデがあったとはいえ、ギリギリだったなぁ……今回の賭けバトル……
こういう危ない橋は、そうそう何度も渡りたいものでもねぇ……よな……

【むぐっ、と口元をもごつかせると、ペッとそばの壁に唾を吐きつける。暗くて見えにくいが、その唾液には少量の血が混じっているようで】
【少女の方も、3人を打倒しながらも、多少の痛手を負ったらしい】
【やがて、足元の男たちへの興味も薄れてきたらしく、少女は歩いてその場を後にしようとする】

……悪いな。借り物の身体で無茶しちまってよ……

【立ち去ろうとしながらポツリと、少女は虚空に向かって何事かを呟いた】
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/11(木) 21:51:42.26 ID:i4xoxgjr0
/>>656取り消しでー
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/11(木) 22:00:57.39 ID:01/ZjqXro
【日中・街の大通り】

【人通りもそこそこ多いその通りを歩く1人の女性】
【蒼い矢羽模様の小袖に紺色の袴といういかにも櫻の国風な恰好】
【黒髪はうなじの上でピンでまとめ、黒い瞳の上には縁のない眼鏡をかけ、竹製の杖をついている】
【少女とも女性とも呼べる程度に若い見た目だが、その歩みは老人のように遅く】
【杖をつきながら、ゆっくりゆっくりと――歩いていて】

【強い日差しから身を守るようにさす赤い和傘には、よく見ると白抜きで逆五芒星が描かれているが――】
【パッと見ただけではただの模様に見えるだろう】

暑い……疲れた……日差し強すぎ……

【ぼやきながら歩く女性は、妙に存在感が薄く、気配が無い】
【そのためか、先ほどから何人もの通行人が彼女にぶつかりかけていた】

はぁ、水……どこかに自販機とか……

【ついにその歩みが、「のろのろ」から「ふらふら」へと変わり】
【今にも倒れそうな様子】

あぁー……もう駄目だ




659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/11(木) 22:30:58.84 ID:qPv8fDT80
【ひっそりと静まりかえった街の中】
【その中央に存在する公園。其処に植えられたシンボルツリーと呼ばれる大樹が、ガサガサと一人音を立てていて】
【視線を向けたならば、巫女装束を纏った一人の少女が見えるだろうか】


「困り……ましたね
お姉ちゃんは何処に行ってしまったんでしょう……?
土地勘もありませんし……このまま虱潰しに探すのも……」

【器用に枝の上に立てば、辺りを見回して】
【――――然れど、目的の人物は見当たらなかったのであろう】
【深い溜息を一つ吐けば、その場から降りようとするけれど】


「仕方ありませんね……今日は一先ず宿に帰って……て……?
ひゃっ?!わわわわわわわ?!」

【――――足を滑らせれば、そのまま手をグルグルと振って】
【何とかバランスを保とうとするけれど、その努力も虚しくやがては地面に向かって急降下するのであろう】
【大怪我をする程の高さでは無いにしても……さて――――もし、近場に人が居たならばその光景をどの様に捉えるのだろうか】









【森の中にひっそりと存在する、廃れた教会】
【蔦が絡んでいたり、僅かな亀裂が入っていたりと、まるで幽霊話の舞台ともなりそうな其処だが】
【――――中から響くのは、紛れもないアリア。果たして、その正体は幽霊か、或いはこの教会の主か】


【扉を開けたのならば、先ず視界に入るであろう割れたステンドグラス。継いで、説教台に立つ修道女だろうか】
【周囲に響くよく澄んだ旋律は、この修道女のものなのだろう】
【来訪者の姿に気付いた素振りも無く、一心に紡ぎ続けている様だけれど】


「――――――。
ふぅ……これで一通り、ですね……後は……」

【休む間もなく、次の行動へ移ろうとするが――――視界の隅に止まるであろう人の姿】
【その存在を認めたのならば、身体をその人物へと向けて】
【細められた瞳。警戒の為では無く、相手が誰であるかを知る為】
【やがて首を傾げたのならば、「休む場所をお求めでしょうか……?」なんて紡がれて】
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/11(木) 23:16:28.45 ID:86WhsIEeo
>>659

【場所は公園――大樹から落ちる、その巫女装束の少女の元へ】
【人間ではありえない速度で駆けつけて、1つ草を踏むカサッ≠ニいう音を鳴らせば】
【その『何か』は少女の服の襟首を、まるで獣が子を運ぶかのように咥え≠ト】


   ――――ふぃー、間一髪という所かの?おうい、無事かや?


【そんな声を発してから、ゆっくりと少女を下ろす――もし振り返るのなら】
【そこに居るのは一頭の狼。白銀の毛並みをした、尾の長い獣である】
【手足には鉄輪をはめているのが特徴的で、どうも夏だからか毛は所々抜けている】
【一見すれば妙な獣≠セが―――、――ふと白狼は少女に近付いて、その頬を舐めようとするだろう】

/まだいらっしゃいますでしょうかー?
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/11(木) 23:32:01.22 ID:qPv8fDT80
>>660
【地面への激突を覚悟したその刹那、ふと身体が浮くような異常な感覚】
【無意識の内に強く袴を握りしめていた指もゆっくりと解けてきたならば、今度こそ、身体が地面に着いた感覚】
【けれども、落下時とは比較にはならない速度。当然、微塵の痛さを感じることも無く】


「――――ふぇ……?えっと……此処は天国……ですか……?」

【無事か。その問いに対して返されたのは、頓珍漢な答えだけれど】
【――――まあ、少女の性格を考えてみれば何となく納得出来るであろうか】
【ペタペタと自分の身体を触ってみて、痛みを伴わなかった原因。或いは此処が本当に極楽浄土か確かめるべく振り返ってみれば……】
【その通りの、獣の姿。固まる事数秒。近づかれれば、尻を引き摺る様にして後ろへ後ろへと下がっていくのだが】


「……ひゃっ?!わ、私を、た、食べても美味しくは……!
……――?あれ……えっと……?」

【口が近づいてきたならば、目を瞑るけれど】
【伝わってきたのは、痛みでは無く何処かくすぐったいような感覚】
【頬を舐められていると気付くのに数秒要して、狼が自分の知りあいであるという考えに至るのには更にたっぷり数十秒】
【――――「もしかして、ぎんぎんですか?」何て言葉が紡がれるのは、助けて貰ってから数分後の話】
【可能ならば、恐る恐るといった様子でその頬を掌で触れようとするのだけれど】

/居りまするよー!
/宜しくお願いしますです!
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/11(木) 23:52:24.48 ID:86WhsIEeo
>>661

天国だとしたら困るのう、儂はまだ死にとうないぞ?
じゃが、三途の川で湯浴みをしたり、閻魔様と会ってみたくはあるかなあ――。

【クスクス、と笑うかのように、狼の頭が揺れる。おかしげに尻尾も揺れていて】
【冗談だか本心なのだか分からないことを述べると、相手の頬をぺろぺろと。】

【勿論、鋭い牙は並んでいるし、熱い吐息も混じって掛かるだろうが――】
【決して味見なんて感じではなかったし、むしろ犬が愛情表現をするのに似てすらいて】
【やがて質問を受ければ、正面と向かって首を縦に振り、頬に触れるのも好きにさせ】

いやあ、まった此処のところは熱いものじゃから、元の姿になっての
時折山の木陰を巡ったり、人を脅かして遊んだりしとったのじゃが……

そんな時に、偶然とはいえ知り合いが木から落ちるのを見ては居ても立っても居られない
と、まあちゅーワケで少しばかり手荒じゃが、勝手に助けさせて貰ったぞ?
怪我は……その様子だと問題ないかや。久方ぶりだのう、桔梗や

【と、言葉を発する。と言っても声帯を使うのではなく、頭に響くようなそれなのだが】
【一方で、毛並みはというと少し荒い。山を巡り、毛の変わる時期とあれば仕方も無いのか】
【なんにしても、触れられるのは楽しいようで――獣のはずの狼の表情は、幾分か緩んでいる】

/やたー!よろしくお願いしますねー!
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/12(金) 00:13:11.80 ID:bZyNAYzB0
>>662
「えっと……私は、あんまり水が好きじゃありません……溺れちゃうのが怖いです……あっ、後、閻魔様も怖いです……
だって、皆さんの事……沢山虐めて……あの……ぎんぎん……その、くすぐったいです……」

【二言目には、怖いとでも付け加えそうな程】
【けれど、目の前の狼に対しては“怖い”なんて言わずに】
【自分の知りあいだったから、と言うのもあるのだろう。牙を見ても、息を掛けられても先程と同じ様に恐れた姿は見せず】
【頬を舐められれば、くすぐったいと文句は言っても、その表情は消して不快の其れを表している訳で無く】
【言うなれば、その逆。何処か嬉しそうな表情とも取る事が出来るであろう】


「そういえば……ぎんぎんは、狼さんでしたね……でも、思ったよりも大きくて……ちょっとだけ、びっくりしました……
あんまり、脅かしちゃ駄目ですよ……?えっと……ぎんぎんは、優しい妖怪ですけど……悪戯好きなのは……駄目、です……
御稲荷の……真似したら……また、怒られちゃいますからね……?」

【ちょっとだけ、と言う割には、間抜けな姿を見せてしまった様な気もするが】
【やはり、何処か自信なさげに紡がれる言葉の羅列。だけれど、撫でるという欲求には勝てないのか、手触りを楽しんでいる様でもあって】
【毛並みを流すかのように撫でたり、或いは掌をそっと押しつけてみたり、なんて事】


「最初は、死んじゃうと思いましたけど……あの……ぎんぎんのお掛けで、何処も怪我をしませんでした……有り難う、御座います……
えっと……それで……ぎんぎん……その……背中……」

【久しぶり、との言葉には小さく頷いて返し、助けてくれた事に対しては、言葉で返すのだろう】
【初めて会った頃は、眉が常にハの字で不安そうであったけれど】
【二度目の今夜。どことなく嬉しそうな表情を浮かべる事が出来る様になっている様で】
【――――だけれど、続く言葉では再び自信無さ気な其れへと戻るのだろう】
【小さな小さな声。狼である彼女ならば、拾えるかもしれない言葉。「背中に乗ってみたいです」なんて、我が儘】
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/12(金) 00:36:36.81 ID:dBk8Lkl1o
>>663

ほほう、巫女の桔梗とあっても水と閻魔は苦手ときたか……
しかし相も変わらず愛いやつよのう♪もっと撫でても良いのじゃよ〜

……ふふっ。儂から悪戯を取り上げようなど無理な話じゃなあ
如何せん妖怪といえど儂は狼、さしてすることもない暇な身じゃ
ま、流石にお稲荷様の真似はせんが……痛い目でも見ん限り、のう?

【そんな事を宣いながらも、少女の掌で白銀の毛並みを撫でられれば】
【まるで飼い犬のように楽しげに喉を鳴らし、勝手に、且つ存分に楽しんで】

なあに、よいよ良いよ。友が死の淵に立った時、その手を引いてやれんで何が友じゃ?
儂はこれでも、その辺りの事は世の義侠よりよほど弁えとるつもりでのう

……ふむ、しかし背とはまた予想を越えた所に落ちた、の。
儂としては一向に構わん、が……如何せん、初経験じゃからなあ
乗り心地がどう、とは言ってくれるでないぞ桔梗よ――ほれ。

【優れた獣の耳で少女のつぶやきを拾い上げれば、銀狼は俄に地に伏せて】
【普通の狼よりよほど広い、それこそ少女一人が十分に乗れそうな背を無防備に晒す】
【まあ、乗るというより跨る感じだろうが――彼女を待つように、長い尻尾が揺れていた】
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/12(金) 00:55:56.87 ID:bZyNAYzB0
>>664
「私だって……巫女の前に……えっと……妖怪です……怖い物は、沢山あります……
別に、愛いくなんかないです……ぎんぎんの方がずっとずっと綺麗で……ずるい、です……」

【む、と眉を顰めれば、そっぽを向いて】
【褒められれば、反論したくなる年頃。少女の性格であれば、黙って俯きそうだけれど――――打ち解けている者相手ならば、それなりの様で振る舞えるのだろう】
【ずるい。との言葉は、羨望とも取れたけれど】


「……ぎんぎんに、言っても無駄でした……
で、でも、怪我をさせられちゃう様な事は……駄目です……
ぎんぎんは、怪我をさせないと思いますが……人間は、分かりませんから……」

【訴えかけ、の様にも思えるか。怪我はさせないだろうが、その逆は分からない】
【何処か必死にも思えるが、いつも通りの様なので詳しくは不明だけれど】
【少し間を置けば、じっと双眸を交わらせて、駄目です。ともう一度繰り返し】
【――――頬を撫でたり、鳴らされる喉を撫でたり。少女も少女なりに楽しんでいるのだろう】


「――――ふふ。ぎんぎんが、友達になってくれて……とても、嬉しいです……
人間の友達も……妖怪の友達も……全然、居ませんでしたから……

本当、ですか……?だ、大丈夫です……そんな事は、言いません……」

【ぱっと輝く表情。本体の姿ならば、犬宜しく狐の尻尾を振っていたのだろうか】
【それが背中に乗って良い言葉に対してなのか、改めて友と呼んで貰った事に対してか】
【――――難しい立ち位置に居る少女。比重的には、後者の方が大きいのかも知れないけれど】
【最初はその背に触れて、次に跨いで。ゆっくりと体重を預けていったならば、やがては少女の軽い体重を背中に感じる事になるだろうか】


「わっ……ぎんぎんの背中、暖かい……です……」

【普段、符に封じていた式神に乗って移動する事も多い少女。その時と同じ様に、落ちないよう前屈みになって抱くような体勢になれば、体温を感じて】
【その毛の事もあるのだろう。暖かい、と言葉が漏れたならば、その背に頬を埋めて】
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/12(金) 01:15:28.27 ID:dBk8Lkl1o
>>665

ふふん、褒めてくれるのは嬉しいがのう。愛いのと綺麗とでは枠が違う
ま、どっちも良かろ?あぁそうそう、儂も悪戯には矜持を持っとってな?
無論、怪我はさせんよ。モノを壊すのも無し……食べ物は別じゃが―――

【なあに大丈夫、なんてふうに言葉を切ってから、振り返って】
【少女が背に乗ったのを確かめると静かに立ち上がり、数歩ばかり歩いてみる】

【そして少し慣れれば、少女が落ちないようにと、ベルトのように腰に尻尾を回す】
【それも、前かがみになって近付く毛並みも、今の次期だと少し暑いだろうか】
【といっても銀狼はと言えば不快そうにするでもなく、ほんの僅かに身をかがめ】

【―――直後に、大きく跳躍。先ほど少女が落ちた大樹の枝に飛び乗って】

……ふふっ。それでじゃ、桔梗は……これまた何故斯様な場所におったのかや?
いく日か遅れた天の川を見るのであれば、山川にもっと良い場所はあるだろうに

【言葉が終わるか否かでまた跳躍、跳躍――跳躍。一気に大樹の上まで飛び上がる】
【勿論、少女を落とすような真似は絶対にしない。尻尾はソレくらいしっかりと回されている】
【まあ最も、相当な高さを急に飛ぶわけで―――肝が冷えるのには変わりないかもしれないが】
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/12(金) 01:33:40.97 ID:bZyNAYzB0
>>666
「ぎんぎんは食いしん坊です……
食べて寝てを繰り返すと、牛になるって聞きました……
もしかして……ぎんぎんも、牛になっちゃうのですか……?」

【喰っちゃ寝を繰り返してれば、牛になる。昔から伝わる、迷信】
【純粋とでも言うのか、疑う事が出来ないとでも言うのか、そんな言葉を思い出した様に呟けば、小首を傾げて見せて】
【狼が牛になるなんて可笑しな話だけれど、紡ぐ表情は真剣なのだろう】

【自ら触れる毛並みと、触れさせてくるその尾。その暑さよりも、嬉しさの方が勝っているのだろうか】
【まるでコアラの子供。落ちぬようにとしていたけれど――――跳躍。其れが行われれば、ビクリと身体が反応して】


「……この街に、お姉ちゃんが居ると聞きましたから……それで、高い所から探せば――――――ひゃぁ?!」

【一回の跳躍で終わると考えて居たのだろう。答えようとすれば、再び跳躍】
【一回毎に、間抜けな悲鳴が響いて。両脇腹を挟む様にした、細い足。震えている所を見れば、恐怖を感じているのか】
【やがて辿り着いた頂。尻尾がある事は理解して居る。だけれど、それでも落ちぬようにと一層強くしがみついたならば、埋めていた顔を恐る恐る起こして】


「あ……あの……もう、終わりましたか……?
七夕は、守女達とお団子を食べて……一緒に空を、見ました……今日は、お姉ちゃんを探しに……此処に着たのですけど……
えっと……結局、見つからないままで…………ぎ、ぎんぎん……ちょっと、高すぎて……怖いです……」

【どうでも良い、七夕の過ごし方。継いで、この場へ着た目的――――と、涙声での訴え】
【水も駄目、閻魔も駄目。ある程度の高さならまだしても、一定以上の高さになれば其れも怖い】
【そんな人物が巫女をやっているのだから、世の中可笑しなもの】
【興味本位で下を覗けば、身震いを一つして、再び背に顔を埋めるのだろう】
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/12(金) 01:47:44.51 ID:dBk8Lkl1o
>>667

―――うむ、もう頂上じゃよ。それで、姉を探しに大樹の上へ、のう
ちなみにその姉、どのような容姿なのかな?桔梗のように可愛いのか……
それともまた違った雰囲気なのか。或いは、同じ巫女装束でも着ておるのか?

【そう訪ねかけながら、ふと街を見下ろしてみる。もう夜更けだ、灯りもまばらで】
【しかもヒト一人を探そうなんて言うのは無茶もいいところで、非現実的】

【だからこそ、見つけたいという一念も分かろうもの――しばし銀狼は思考して】
【背に少女が顔をうずめるのを感じれば、不意にその姿見を獣から】
【以前出会った時と同じ、恐ろしく薄着の獣人のものに変えて】

ふぅ……数日ぶりにこっち≠ノ戻ったが、幸い牛にはならなさそうだの。
ほれ桔梗や、見てみ……っと、これは少々怖がらせてしまったかや?

【自然とおんぶのような格好になり、その背の少女を長い尻尾で支えながら】
【もっとも安定して、安心もできるだろう状態に――所謂、お姫様抱っこの状態にしようとする】
【もし下手に動きでもしなければ、細い見た目に似合わぬ安定感を、桔梗は感じるだろうし】

【その腕の中からは、街の眺望も確認できるハズ。見つからないにしても、良い眺めだ】
【「大丈夫かの?」と訪ねかける銀狼はといえば、そんな少女へと優しげな瞳を向けていて――と、そうなるはずで。】
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/12(金) 02:08:45.90 ID:bZyNAYzB0
>>668

「高い所からなら……直ぐ……見つかるかなって……
あの……お姉ちゃんは……私とは、全然違うんです……巫女装束は、同じですけど……でも……
性格だって……巫女としてだって、お姉ちゃんの方が……私よりも……」

【或いは、純粋な人間で無いと言うコンプレックス。問いには答え、必要最低限の特徴は述べるけれど】
【背に顔を埋めているが故、その表情は分からない。悔しさか、憧れか。それとも、また異なった感情なのか】
【ぎゅっ、と毛を掴むような其れが、伝えているのかも知れないけれど】

【――――頬に感じる違和感。暖かな背は変わらずとも、その毛が失せた事を理解するのに少し時間が掛かり】
【顔を上げて、状況を確認してみたならば、以前の姿。初めて会った時と同じ、横顔】


「……怖かったですけど……ぎんぎんは、落とさないって……知ってましたから……
怖かったけど……怖く、無いです……」

【その年代からすれば、小さな背。背から腕の方へ移動させられても、抵抗一つしないのは、信用しているからであろう】
【ゴシゴシと袂で目を擦れば、瞳の充血は残るけれども、うっすらと溜めてた涙は何処かへと行って】
【ふと、下げてみた視線。映るのは、先程とは少し違う世界】


「……ぎんぎん、見て下さい
……下にあるのに、キラキラしてて……星みたいです……
…………不思議……です……こうやって見てると……とても綺麗で……平和で……」

【静かに収まる腕の中、ぽつりぽつりと疎らな明かりが、まるで夜空の星の様だ。なんて、顔を綻ばせて】
【掛けてくれた言葉。注いでくれた視線に気付くのは、其れ等を見渡して視線を変える時であろう】
【珍しくきょとん、とした表情を浮かべたならば、小さくコクリと頷いて】
【それが、返事代わり。前のようにちょんちょんと引っ張れば、あそこが綺麗だ。あそこには何があるんだ――――そう、どうでも良いような問い掛け】
【気を使っている風でも無く、純粋に楽しんでいる事は……その仕草や表情から分かるだろうか】
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/12(金) 02:29:51.34 ID:dBk8Lkl1o
>>669

成程、の……それなら、儂はやはり桔梗のほうが好みのようじゃ
ともかく分かった。巫女装束は珍しいし、儂は妖怪じゃからな。
どちらも各々の存在には敏感じゃろうから、見つけたらお主の元に連れてゆくよ

……ふふっ、怖いのに怖くないとは、お主は時折不思議なことを言うやつじゃな。
ま、そんなところがこれまた愛い≠フじゃが―――うん?

【少女の陰鬱さや、抱えるコンプレックス。それを気に留めもせず、からから笑う】
【如何にも適当で大雑把――狼というのが皆こうなのかは、分からないが】
【少なくともこの妖狼は、そんな乱雑さの中にも、少女を思う心を持っていて】

【ふと楽しげな様子に変わった少女に引かれれば、その目を街へと下ろし】
【質問の度にまるで一等の星だ、とか、あすこには何々が在って、だとか】
【逐一、予想以上に細かく、かつ丁寧に相槌を打っていって、視線を街に泳がせる】

―――さながら、意趣を変えた七夕じゃのう。

織姫も彦星も無く、天の川は言葉に逆らって大地に聳える建造物の灯り。
……というのも悪くはない。一人で見るよりも、何十倍も綺麗だのう…――。

【ましてお主と一緒ならば、と。くすりと笑いながら付け加えれば】
【まだ見るか、それとも怖いのなら降りるか、と少女へ訪ねかける】
【二人で過ごす時間は、言わずとも分かるほどに楽しいもの――しかしその分、時が経つのも早いもので。】
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/12(金) 02:55:27.90 ID:bZyNAYzB0
>>670
「…………本当、ですか……?えっと……嘘じゃ……無い……ですか……?
……自警団のお仕事を……お手伝いしているので……もしかしたら、何処かで見掛けるかもしれません……
えっと……その時は……はい、お願いします……

……だって……怖いですけど……でも……ぎんぎんが、暖かかったから……怖いのも、怖くなくなりました……
やっぱり……可笑しい……ですか……?」

【自分の事を卑下しているからこそ、その言葉を向けられれば、じっと見つめて】
【何時も自信なさげなのも、おどおどとした口調も、恐らくは少女の性格がそのまま表に出ているが故】
【答えを聞く事無く――若しくは、敢えて聞きたくなかったのか――視線は、下へと落とされて】

【可笑しな言葉、それに至った経緯も、やはり不思議。優しかったから、では無く、暖かかったから】
【きっと、少女なりの表現なのだろう。普段の其れと、楽しそうな其れと。その、狭間】


「……ぎんぎんの言う事は、時々私には難しいです…………
でも……私も、ぎんぎんと一緒に見れると……とても楽しいです……
だから……まだ、少しだけ怖いですけど……もう少しだけ……ぎんぎんの、手の中で……このまま、見させて下さい……」

【明確な意思表示。この少女にしてみれば、希な事】
【怖い――――けれど、それ以上にもっと見ていたいから。だから、そんな言葉が出たのだろう】
【どちらにしたって、夜更け。そう長くは見ていられないだろうけれど――――それでも、終わりのその時まで街、果てには更なる奥を見つめて居て】


【やがて時が来れば、降りるのだろうか】
【ゆっくり降りるにしろ、一気に飛び降りるにしろ、やはり縋る様にしていて】
【――――地面に着いたならば、延長話もそこそこ。少しだけ、明るくなった様子で、その僅かな時間も楽しんで】


「えっと……そろそろ、本家でも呼び出されるので…………
あ、ぎんぎん。今日は、有り難う御座いました……あの、助けてくれた事は……勿論なのですが……
背中に乗せてくれて……綺麗な景色を……一緒に見てくれて、初めてで……あ、後……えっと……」

【言いたい事が沢山ある。だけれど、上手く纏める事が出来ない。それは、一番最初の頃と変わらずに】
【――――その事を自覚したのか、顔を赤くすれば俯くけれど、もう別れ際。その顔のままで、表を上げて】


「良かったら……また……何時か、一緒にお話してください……
怪我とか……病気とか……しちゃ……駄目、ですよ……?」

【赤面のまま紡ぐには、滑稽な内容】
【心配している事は、嘘じゃ無いのだろうが――――掌、触れられるならば、その尾を撫でて】
【やがて輪郭が薄まり、少女の姿が消えたならば一枚のヒトガタが宙を舞うのだろう。別れを告げるかのように、風に流されれば――――消えるのは、直ぐの事】

/丁度良い感じのお時間ですのでこれにて失礼させて頂きまする……!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/07/12(金) 03:13:51.80 ID:dBk8Lkl1o
>>671

嘘なものか、儂は主の姉ではなくのう桔梗、お主が好きなのじゃとも。
からかっていて面白いとか、妖怪としての親近感がどうという話ではなく、の?

……ふむ、儂の言うことは難しいかの。じゃが、桔梗も大概であろ
もっとも不思議なだけであって、可笑しいとはこれっぽっちも思わんし
むしろその辺りが、儂がお主を好いとる理由でもあったりするのじゃが……。

【視線を感じれば、しっかりとこちらも視線で返す。もっとも、間に合ったかどうか。】
【少なくともこの妖狼、嘘はつかない。あどけない少女の心を弄ぶ事もしない】

【――そんな事は分かりきっているかな、と推しながら、暫し夜景を楽しんで】
【やがて時が経つのを感じれば、大樹の頂上から一気に飛び降り】
【まるで重さを感じさせない着地をすれば、ゆっくりと少女を足から地に下ろし】

儂は日々徒然なるままに暇しとるだけの年寄り狼じゃて。
桔梗がそうしたいと思うのであれば、話も逢瀬も散歩も望むがままじゃよ

では、の……お主こそ、無茶だけはせんように。あぁそれと―――

【「おやすみ」――という言葉は届いただろうか。いや、きっと届いたに違いない】
【昼とは打って変わって心地良い涼風が大樹の下を吹き抜けて、ヒトガタを流し】
【やがては、それを追うかのように―――白い狼もまた、どこかへと姿を晦ませた。】

/深夜までお疲れ様なのです、ありがとうございましたっ!
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/12(金) 20:39:01.87 ID:95/ZaV74o
【路地裏】

―――ハァ……ったく、どーした俺……?

【汗で張り付いた、灰色のジレの下の白シャツに不快感を覚えながらも路地裏の壁にドサリと背を預ける。もやもやとした感情を落ち着かせるために、珍しく煙草に手をかけた】
【蒼のソフト帽の鍔を下げ深く被り直しながら、大人の嗜みを口に加える。鼻から煙を吐くその瞬間だけは、頬に残った深い拳の感覚が姿を消していた】
【落ち着いたこの時間を妨げるのは、足元に転がった大男の騒ぎ声。両手両足に手錠が掛けられているために動き回るのは口だけだった】
【―――その口も、ソフト帽の男が繰り出した顔面へのトーキックで黙る。「へぶしっ」と声を上げ大男は鼻血を流しながら涙目の視線を此方に送った】

なんだよ、テメーが酒場で暴れまくるからだろーが……くっそ重いパンチぶち当てやがってよクソ野郎
―――自警団来るまで黙ってろ、こちとら落ち着きたいんだわ

【低いトーンでぼそりと呟けば、曇った空に煙を吐き出す。煙草を持たない左手で赤くなった左頬を撫でながら、先程の自分の行動を振り返った】
【―――自分はガンマンだ。なのに銃を抜かずに脅しにも使うこと無く、その場を制しようとした。……正直、無茶な行動だったと反省する】

……ある意味、これ一発くらいでよかったんだよな。下手すりゃ俺がやられてたのにさ……何やってんだか俺

【―――その行動の理由が、自分でも解らなかった。普段なら間髪入れず銃を抜く。撃たずとも脅しとしては効果てきめんであるからだ。なのに今日は何故かそれが躊躇われた】
【……このもやもやとした感情は、酒や煙草では取り除けないようで。ソフト帽の男はアルコール臭にまみれたため息を路地裏中に広げるのだった】
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/12(金) 21:07:59.83 ID:zWW5Ch1J0
>>673

【――じわと空気を満たす生温さ、湿ったようなのが肌に纏わりついて、余計にいらつく不快感】
【薄ぺらい三日月がそっと照らす細道の夜の中、――ひんやりと割り込んでくる気配と、硬質の音が】

……、――え、自衛団来るの?

【引き連れてくるのが鈴の音色をした声、涼やかというよりも無機質に響くのは、明確に尋ねる音階で連ねられて】
【視線を向けたならば当然ながらにひとかげがひとつある。――細こいシルエット、声の高さとあわせれば、少女だと分かるはず】

【――真夜中色をした髪、さらさら滑り落ちるのがスカートまで越して、膝ほどの長さ】
【長めの前髪越しに覗くのはまん丸な瞳。黒赤のオッドアイ、浮かぶ瞳孔の丸さ、蛇の目を体現するよなモノで】
【黒いワンピース、ふわと膨らむスカートに刻まれた深いスリット、赤黒チェックのペチコートがぎゅっと詰め込まれて】
【たくさんのレースをあしらった裾と袖口、口元に添えるような左の手、薬指には指輪めいた黒蛇の痣が、浮いていた】
【肌の白さを透かす薄手のソックスが長めのもの。こつと地面踏むのが、底の厚いショートブーツ】

やだ……、……――はやく、離れないと、

【暗がりの中から現した身体、逃げるように再び隠れようとするのが、――どうにもこうにも、怪しくて】
【それ以前に言葉で彼らを嫌うよなことを言ってしまっているなら。さて、どんな風に見えるのだろう】
【――真っ先に餌にされそうな見てくれをしているくせにまるで乱れていない服装も、また、違和感となって】

【(煙草と酒の臭いに僅かに眉を顰めてみせるのが、高校生ぐらいの見た目によく似合った表情だった)】

【――それ以上に。細い身体から絶えず溢れ零しているのが澄み過ぎた水の気配。ヒトからズレたモノは、まるで隠されていなかった】
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/12(金) 21:32:18.57 ID:95/ZaV74o
>>674

……。

【大きく煙を吐きながら、紺碧の視線をチラリと声の方向へとやる。少女の姿を瞳に収めれば、抱いた感想は「こんな所にいて危なっかしい」というもの】
【自警団を嫌がるような台詞は少し不可解ではあったが、話しかけて足を止めさせる程ではない。そもそも、今は孤独に煙草を吸っている方が心地が良いのだ】
【―――と彼女をスルーする予定だったのだが、肌に染みこんでくる独特の気配が彼の口を自然と動かした】

―――なぁ、そこの嬢ちゃん……こんな所に独りでどうしたんだ
こんな危険な所にいるのは唯の世間知らずか、その危険を退ける自信を持った強者くらいだぜ?

……でさ、見た目的には前者なんだけど―――後者の香りもするというか、何か怪しいというか、ねェ……自警団にビビってるし

【気配といえば、この男も大概である。否、気配といっても男から発せられるものではなく、その首元のペンダントからだ】
【銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのそれから発せされる、怪しげな魔翌力を感じ取れたなら―――】
【其の玉が異質なモノ―――更に勘が良ければ「宝玉」であると解るだろうか。宝玉だと解らないにしても、不思議な魔翌力の広がりくらいは感じられるだろう】

【深く被ったソフト帽を少し上げ、疑いの色が混じった瞳を彼女に向けながら、ポケット灰皿をジーンズから取り出して煙草の火を消した】
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/12(金) 21:47:02.42 ID:zWW5Ch1J0
>>675

【真夜中の色をした髪、白紙のような肌、真逆の色合いなのに、闇には不思議とよく溶け込んで】
【再び闇に紛れようとした細身、ひとのかたちをしたナニカの足が、掛けられた声に、ふと止まる】
【――視線が再び彼を捉えたなら夜闇に滲みこんでいく紫煙の臭い、やはりどうしても不快めいた表情が、】

……――どう? どうって……、どうもしてない、けど。
面白いものとかないかなって――……、あなたこそ、なぁに?

【怪しまれていると察したためだろうか。僅かに鋭く尖って、幼さの残る顔をそうと飾るのだろう】
【こんな時間にこんな場所に踏み入るひとはただでさえそんなに居ないのに、性別も、華奢なのも、総てがおかしいのに】
【明確な理由を言おうとしないのが余計に怪しさを増すよう。――言えないような事情だと思われても、仕方がなく】

【現場を見れば分かるような気もする彼の事情を尋ねることで、話題を逸らそうとしているようにも、見えた――】

……、……―― ――

【――のだ、けれど。じぃと彼を見据えていた視線がついと堕ちるのはちょうどその頃合だ、胸元の辺りへ】
【つんと角を帯びていた表情が僅かに緩やかになる……というよりも、意識の大部分を奪われてしまったよう】
【視線が明確に宝玉を、宝玉だけを、それこそ穴でもあけようとしているかのように見つめていた――足先が、そちらへ向けられる】

【(お店で欲しいものを見つけた子どもみたいに。きらめく色合い、ならば、何を考えているのかも、だいぶ分かりやすいか)】
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/12(金) 22:17:13.41 ID:95/ZaV74o
>>676

暴れたチンピラとっ捕まえただけだよ。……ま、路地裏はこんなヤツの巣窟ってワケ。んな場所にいるなんて危なっかしいと思うのよ、心配症の俺からすると
嬢ちゃんもそこのソイツみたいな「ぐへへへ」って感じのに襲われたくないだろ……ってよくこんな状態でグースカ寝てられるな……

【興味本位でこの場所にいる、という理由に少し呆れた表情を見せながら、視線を下に送る。その先には―――男が捉えた、大男】
【鼻血を流しながら、間抜けな表情で熟睡している男の見た目は、典型的なチンピラ。彼の様な連中がうようよしているぞ、と男は再度瞳を投げかけて警告した】

……つーかさ、襲われたこと無いの? こういうこと度々やってそうに見えるんだけどさ―――そうなら危ない目にあった経験とかあるだろ?
ある意味俺もやってること自警団に近いとこあるし、言わば「ひとり自警団」だからよ……ちょっとばかり気になるんだよな、そーいうの

【彼女の言葉、雰囲気、外見―――確かめる程、紺碧の瞳に疑いは募るばかり。特に雰囲気には並々ならぬモノを感じさせるというか、一言で言えば不気味だった】
【その彼女が、此方に刺すように凝視して来る。視線の先はすぐに解った―――良く注目される故に、気付くのも早いのだ】

……言っとくが触らせねーぞ? んな簡単に触らせていいものじゃないし、危険なアクセサリーなんだからよォ

【右手を開いて伸ばし、彼女に「ストップ」の動作を突きつける。コレは宝玉―――カノッサが血眼になって探すモノ】
【この玉が秘めたる力は、相当なモノであり―――故に、危険なのだ】
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/12(金) 22:28:40.79 ID:bZyNAYzB0
【賑やかな街の一角にて】
【人々が楽しそうに談笑していたり、或いは買い物をして居るなんて場面】
【その間をくぐり抜けて、忙しなく動いているのは一人の少女】
【――――纏っている物から判断するに、何処かの学生であろうか】


「はい、と言う訳でUNITEDTRIGGERや自警団に対する感想を皆さんに聞いていきたいと思いまーす!
後はチャチャッと纏めてしまえば、立派なレポートになりますね!これにて課題完了!
……の筈だったのですが、世間は冷たいですねぇ」

【明るい茶色の髪。ハキハキとした口調は、活発な印象を与えることだろう】
【様々な人に感想を聞こうとしても、邪険に扱われるばかり】
【それでもめげずに続けてはみるけれど、どれだけ時間が経っても結果は同じ事】


「まぁー……後一週間もありますし、そう慌てる必要も無いでしょうが
一人くらいは聞いておきたいですよねー……」

【眉間に皺を寄せて、立った今断った人の背に向かって「イーっ」何てすれば、一人溜息】
【この時間に学生が出歩いていることも珍しいだろう。故、そのちょこまかと動く事も合わさって目立つ事か】









【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【其処の中庭。車椅子に乗った少女が、一人でポツンと月を見上げていて】


「……こうして平和な中でも、同じ空の下では争いが起きているのです
何故、そうやって奪い合って…………考えるだけ無駄、です。起きる事は起きる事、仕方ないのです」

【汚れを知らない様な真っ白な髪。額に生えた角が特徴的であろうか】
【憂鬱気な表情で夜空を見上げれば、漏らす溜息。まるで、自分に言い聞かせるかのような言葉】
【どうせ、争いは無くならない――――かぶりを振れば、思考を隅へと追いやって】


「それにしても、静かなのです
風も聞こえず、誰の声も聞こえることは無いのです
――――偶には、こんな夜を過ごすのも良いのです」

【周りの状況。改めて見渡してみれば、人っ子一人居ない】
【完全な静寂。其れを楽しむかの様に目を瞑っていたけれど―――――】
【ぐぅ。存外響いた、腹の虫。先程の台詞の手前、そんな失態を晒せば顔が上気し始めて】
【この場を訪れた者は、タイミング良くそんな台詞と共に腹の鳴る音を聞くことになるだろうか】
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/12(金) 22:43:21.91 ID:zWW5Ch1J0
>>677

【「知ってるよ?」と紡ぐ声、疑問系に釣り上がるなら、元より薄い迷い子の選択肢をひとつ潰して】
【意識の配分が偏ってしまっている。じぃと向けたままの視線は一箇所に魅入られて、どうにもこうにも、軽い返事】
【ここがどんな場所か知っている。どんな奴らの世界なのかも知っている。――そういえば、伏す男に怯えるよな素振りもなかったなら】

あるけど――……そんなの、こわく、ないもん。
男の喧嘩の流儀なんて知らないけど弱点なら知ってるの、零れ落ちるぐらい蕩けさせてあげれば、黙るし

―― ちがう、な、逆にうるさいかも。でも知らないし。

【ふらとも振れない視線。意識を抉られたままの声。先ほどまでなら言わなかったろう言葉、あまりにも自然に紡がれる】
【明確に何と示すわけでなくとも、どうにも拭えない不穏色。足元に伏す男、まさに慣れているように舐めた視線を覚えていれば】
【――荒事に慣れている。それも、追われて逃げ帰るに慣れているのではなく――こつ、ん、足音がひとつ、ふたつ、】

アクセサリ? そんなのどうでもいいよ、――どうでもいい、けど

とってもきれいね、それ―― 

【元より細い道、そんなにも離れていなかった距離。叶うなら詰めようとするのは、手すら届くよな距離間】
【白磁の顔、お人形の造形、精一杯に満たしてわらっていたのは、天でささめいて照らすよな三日月のかたち、薄ぺらく、鋭く】
【それでいて、瞳だけがどこまでも無表情だった。――眼前に蛙を見つけた空腹の蛇のような、薄皮の裏に害意を抱くような、】

【欲しいな、と。言葉以上に饒舌なのが色の違う一対の瞳。ようやく動いた視線が、真っ直ぐ彼の双眸を覗きこもうとして――】
【(先手を取るならば今がきっと最後のチャンス。得物らしきモノも、異能らしきモノも、未だ窺えず。何をするにしろ、彼が先に動けるはずだ)】
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/12(金) 22:51:54.26 ID:WgdT1wWHo
【日中・街の大通り】

【人通りもそこそこ多いその通りを歩く1人の女性】
【蒼い矢羽模様の小袖に紺色の袴といういかにも櫻の国風な恰好】
【黒髪はうなじの上でピンでまとめ、黒い瞳の上には縁のない眼鏡をかけ、竹製の杖をついている】
【少女とも女性とも呼べる程度に若い見た目だが、その歩みは老人のように遅く】
【杖をつきながら、ゆっくりゆっくりと――歩いていて】

【強い日差しから身を守るようにさす赤い和傘には、よく見ると白抜きで逆五芒星が描かれているが――】
【パッと見ただけではただの模様に見えるだろう】

暑い……疲れた……日差し強すぎ……

【ぼやきながら歩く女性は、妙に存在感が薄く、気配が無い】
【そのためか、先ほどから何人もの通行人が彼女にぶつかりかけていた】

はぁ、水……どこかに自販機とか……

【ついにその歩みが、「のろのろ」から「ふらふら」へと変わり】

あぁー……もう駄目だ

【今にも倒れそうに――】
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/12(金) 23:05:05.32 ID:Iwmny7J6o
>>680

……!おいおい、危なっかしいな嬢ちゃん!
んな場所で倒れたら踏まれちまうぜ!

【そんな女性に、老年頃であろう男性の声が掛かる】
【もし抵抗がなかった場合は、その身体を太く毛むくじゃらの腕で受け止めようとする】

【その人物は、2mを超えるであろう大柄な身体を僧衣のような紺色の民族衣装で身を包み】
【露出した肌に生やすは黄褐色と黒の縞を描く体毛】
【脇に挟むようにして螺旋の金属飾りのついた長い木杖を携えている虎顔の獣人であった】
【二足歩行の虎が服を着たような姿を言えばわかり易いであろうか】

【急に動いたためか縞々の尻尾と耳がはピン!と張り】
【掛けられた声には動揺と、気遣うような響きが混ざっていた】
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/12(金) 23:12:12.53 ID:1VgomRJWo
>>678

【ざり、と中庭に地面を踏む音が響いた。紛れもなく来訪者の知らせを告げる音だ】


――お、


【そいつは車椅子の少女を視界に収めると、森の中で人を見つけたみたいに声を漏らして】
【明るいグレーのサイドテールと揺らしながら、とてとてとそちらへ近づこうとするだろうか】

【小学校高学年程の背丈で、シャツの上にワンピースのようなデニムのサスペンダースカートを着ており】
【何故携帯しているのか、服の間からマレット(木琴演奏に使うバチ)が頭を覗かせた――】
【足音の正体はそんな、赤い瞳の女の子だった】


こんばんはっ


【すぐ隣まで来たなら彼女は、そう挨拶するだろう】
【左膝に包帯を巻いており、少し歩きづらそうにしていた】

/まだいらっしゃいますか…?
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/12(金) 23:17:06.02 ID:95/ZaV74o
>>679

…………娼婦か何かかよ

【彼女の口から軽く紡がれた言葉に、男は数秒唖然として固まった。苦笑いの後にボソリと密かに突っ込みを零す】
【―――とにかく、彼女が「異端」であることが今証明された。嘘を付いているようにも、男から見れば感じなかった】

―――触らせないし、あげないって。一生暮らせる分の金を貰えるとしても、これは譲れないんだけどさ……
……おい、眼が怖いぞ嬢ちゃん。 完全にもう眼が獲物を捉えるライオンなんですが……

【ペンダントに吸い寄せられるかの様に足を進める彼女の姿には、少しの恐怖を覚える。―――明らかに、付き出したストップの手など見ていない】
【正体は解らないが、彼女には「宝玉」を触れさせてはならない―――そのことだけは確かであって】
【男は冷や汗とともに、一歩下がる。と同時にストップと付き出した右手を下ろし、両手をぶら下げて軽く手首を振った】

フゥ―――……頼む。―――「抜かせないでくれ」

【一度大きく息を吐き切り顔を真下に落とした。静かに肺に温い空気を取り込むと同時に、徐に顔を上げる】
【―――2つの紺碧は深く、力強さと意志の硬さを感じさせる。そしてその瞳の底に、薄く研がれた刃が隠されていて―――】
【間を置いて放たれたのは、真剣味の篭った鋭い雰囲気を含んだ言葉だった。言葉と同時に、ゾワリと宝玉ではなく男のピリッとした雰囲気が路地裏に広がった】
【だが、言葉の意図は不明だ。この男も、武器になるものを持っていないのだ】

【―――覗きこまれても、男は動かない。研がれた視線を無機質な彼女の瞳に突き付けたまま、此方も振れない視線を向けるだけだ】
【……まだ彼女の正体は解らない、敵か否かも。明確な悪だと判明しない限り、先手は打たない―――それが彼のスタイルで】
【つまり―――触られたりしない限り、此方が動くこともないのだ】
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/12(金) 23:17:55.43 ID:WgdT1wWHo
>>681

あっ……と?

【ふらつき、地面に倒れそうになるところを受け止められ】
【自分を抱える人物を見上げてみれば】
【大きな獣人の姿がそこにあった】

ありがとう……でもちょっとほんと助けてもらっておいて申し訳ないんだけど

【獣人の腕の中で、ためらいながら言葉を続ける】

暑いから、もう放してもらえるかな?

【獣人の毛だらけの腕の中は、この日差しと暑さの中では、こたえたようで】
【前置きの通り、助けてもらっておいて相当失礼な発言を口にする】

【腕から離れれば】
【獣人が持つものと比べたら地味な、竹製の杖に体重をかけ、一息し】
【周囲を見渡すと、目当てだった自販機の存在を確認し】

改めて、ありがとう
あぁ、ちょうどよくあそこに自販機を見つけたから
お礼と言ってはなんだけど、何か飲み物ごちそうさせてもらえないかな?
私も喉乾いて水分たらなくてヤバいし、ね
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/12(金) 23:33:00.04 ID:Iwmny7J6o
>>684

ん?……おっと、こりゃあ気が利かなかったな!
確かに嬢ちゃんの言うとおり、暑苦しいわなぁ!ガハハハハ!

【女性の言葉に一瞬だけ考えるように眉間に皺を寄せた後】
【状況に気づくと、機嫌を悪くすることもなく素直に腕を離した】

おう!まあ、礼にゃあ及ばねえぜ
目の前で行き倒れようってえ人間を見過ごしちまったらよ、明日の目覚めも悪くなっちまうしな!

【女性の礼を、口元を軽く吊り上げ表情を変化させて受け取る】
【虎の頭をしているせいか、人間に比べて非常に変化が判りづらいが】
【口や目元、声などである程度察することも出来るだろうか】

そりゃあ嬉しい申し出だ……が、嬢ちゃんは少し休んでいたほうがいいぜ?
熱中症ってのか?無理に動いてまた倒れちまったら元も子もねえしな

――嬢ちゃんは何が飲みてえんだい?
俺がちょいと行って買ってくるからよ、金は立て替えとくんで後で払ってくれや

【虎人は、己の杖を背に括り付けると】
【懐からメガネを取り出し自身の突き出た鼻に引っ掛けながら、女性にそう尋ね】
【自販機の方へと歩を進めていこうとする】
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/12(金) 23:42:26.82 ID:bZyNAYzB0
>>682

「……間が悪すぎるのです
大体にして、私はお腹が空いていない筈で……ん?」

【ぶつぶつと呟くのは、自分に対しての弁護】
【生理現象だから仕方ないだの、晩ご飯も食べたから腹が減っている筈は無いだの、どうでも良いような言い訳】
【――――そんな事を呟いていた故に、足音に気付いたのは少し後の事】
【車椅子を動かすことは無く。けれど、面は少女の方へと向けられて】


「……何なのです、ちびっ子
さっさと寝ないとその脚も治らないのです。何より、お化けに連れ去られて食べられるのです
其れが嫌だったら早く布団の中に潜り込むと良いのですよ」

【口を開いたかと思えば、まるで猛犬の様な言葉が噛み付くのだろう】
【尤も――――小さいのは、この少女も同じ事。脚が治らない云々だって、自分に当てはまる筈。なのに】
【自信満々、と言うよりも、傲慢な表情。所謂、してやったり】
【――――全てが全て、自分にも言える事なのだから尚更滑稽で】

/居りますよー!
/長時間は難しいかもしれませんが、お願いします!
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/12(金) 23:49:27.98 ID:WgdT1wWHo
>>685

【失礼な言葉も意に介さず】
【人を助けるのが当然とばかりの態度を示す獣人】

今時、あなたみたいな良い人なかなか居ないよ
いや、いい人じゃなくていい虎?

【さらには、自分の身を案じて飲み物を代わりに買ってきてくれるという】

熱中症……うん、そうかも。こんな暑い日に外出なけりゃよかったよ

いいの?私は人からの好意は遠しないタイプだから
ガンガンお言葉に甘えちゃうよ?
……そこのベンチで座って待たせてもらうよ
飲み物は、何か冷たいものを適当にお願い

【言葉の通り一切の遠慮をせず】
【初対面の獣人に甘えまくる】
【ベンチに座り、獣人が戻るのを待てば、思いついたように口を開き】

ふう……あ、あとお嬢ちゃんって呼ばれるのは恥ずかしいから
私の名前はみのり。尾月実利
あなたの名前も教えてくれる?
教えてくれなくても勝手に「虎さん」とか適当に呼ぶけど


688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/12(金) 23:59:42.68 ID:1VgomRJWo
>>686

【突き放すような態度が気に入らなかったのか、彼女はムッと頬を膨らませた】
【――随分と感情が顔に出やすい性格らしい】


こんなの、もうほっとけば勝手に治る。それにアウリスはお化けなんて怖くない。倒せる
だからまだ寝ないもん


【病院なんて面白くないところで、一体何を探しているのか。いや、無いからこそ探しているのか】
【まあ、お化けはともかく、ナースさんの説教を除けば危険なんてないし、脚ももう大丈夫って言われてるし――】
【つまり、余計なお節介だと捲し立てるように、自らをアウリスと呼んだ少女は反論した】


……そういや、お腹、空いてるのか?


【ぶつくさ言っているのが聞こえていたらしい】
【少しとげが抜けた表情で、どこまでも真っ直ぐに尋ねるだろう】


/やったー!お願いしますっ
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 00:01:20.77 ID:/YuPlYcn0
>>683

【近づいた距離。言葉は先ほどまでよりもずっとよく通って、息遣いすら、或いは分かるのかもしれない】
【ひとかけらの冗談も含まない表情はぴくりともずれないまま――そんな突っ込みには、僅かに首を傾げるだけ】

―― それはあの猫(こ)

【揺らされた長い髪が揺れて。振れて。擦れて。さらさらとささめいて鳴る、涼しげな音。夜に割り込むよう】
【曖昧な角度で保持される傾げた瞳で見つめられるのも、また、どこか。不安を逆なでするようでもあって――】
【華奢な首で支える脳内で思い返すのは誰のことなのだろう。――まあ、それを気にする意味は、ない】

一生遊んで暮らしたいの? 極楽浄土への行きかたなら簡単よ、今すぐ蕩けて消えちゃえばいいの。
なんにも分からなくなっちゃうぐらいどろどろに蕩けて―― ね、優しくしてあげるよ、“それくれたら”

【――意識の大部分を宝玉に魅入られたまま、余った部分で言葉を紡いで返すなら、どこかずれた言葉が返される】
【それこそ一生遊んで暮らせるかもしれないけれど――大多数の人間ならばお断りしたいような、おさそい】
【さも内緒話のように声を潜めるなら秘密の取引めいて漂うけれど、内容はつまり強盗させろと、そんな風】
【口元に添えた左手――薬指に嵌まる契ったような黒蛇の痣がいっそう強調されるよう。吐息がひとつ、零れて】

“抜かないでいいよ” そんなのわたしが赦してあげる、したくないことなんて――しなくていいんだよ?
したいことだけして生きたいでしょう? だから、そんなの、無理しなくて、いいのにね?

【――ひどく優しく女の子めいて囁く声は、彼の鋭さなんてまるで意に返さないまま、夜色に溶けて】
【最早それが欲しいのだと言うことも隠そうとしない、穏便に済ませたい気持ちはどこかあるようでも、ずれたまま】
【先ほど離された一歩を緩やかに詰めようとする足、地面で伏す男を踏んでも。精々が犬に乗られたよな重さがあるだけ】

……――それとも、去勢してくれってことだった?

【――くすくすと鈴を転がすような声が笑って、刹那。まるで水が沸き立つように溢れ出す魔力、彼女のもの】
【細い身体を一周煌いて飾るように溢れるのは花弁めいて踊る残滓、黄緑色に染められた桜色、御衣黄桜にも似た色】
【ふわと零れる燐光がその白磁を不思議な色で染め上げるのだろう、オッドアイにも曖昧な色、映しこんで】

【――とん、と。踏み込む音も、肉の上でならば、どうしても薄く隠しこまれて】
【ただ跳ぶよりも明確に定められた方向性は真っ直ぐ彼のほうへ、見てくれだけなら、丸腰の体当たりにも見えるだろうか】
【まるで恋人との久方ぶりの再会を喜ぶように抱きつくようにしか見えない挙動、ただ、受けるべきでないのは当然で】

【ガンマンたる彼ならば追うことも出来るだろう、大きく開けられた口、(咬み付こうとしている?)】
【狙う先は首。手っ取り早く千切り取ろうとしているかのように、(強い酸性を持つ唾液、咬まれれば――)】
【そして逃げられないように両手で抱きすくめようとするのだから、(ただひたすらに真っ直ぐな軌道、多少早くとも、避けることは容易なはず)】
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/13(土) 00:07:16.33 ID:Ewn9BIsHo
>>687

んー。水筒くらいは持ってくるべきだったんじゃねえかい?
今度も誰かが助けてくれるとも限らねえしよ

今日の教訓を活かして次は行き倒れねえように気を付けねえとな?

【語調にからかうような色を混ぜながら】
【体調を窺うように金色の瞳で女性の顔を一瞥する】

あいよ、了解っと!
えーっと、よく分かんねえな。これでいいのかね?

【自販機の前に到着した虎人は】
【冷たいスポーツドリンクの500mlペットボトルのボタンを押して】
【自分の分の"水"を次いで購入すると女性の座るベンチの場所まで歩み寄り】
【自身の巨体と暑苦しい毛皮のことを考慮し、その前方にどかりとあぐらで座り込むと】

ほれ、よく冷えてるぜ!

【肉球のついたネコ科のもこもこした手で、女性に手渡そうとする】

えーっとみのり、"みのり"でいいのかい?

俺の名前はグー、グー・ゲルギルってんだ
見ての通りのトラ族の爺さんだぜ
ま、"虎さん"でも"グーさん"でも"猫ちゃん"とでもよ、好きに呼んでくれや!

みのりもリクエストがありゃあ"ちゃん"でも"さん"でも付けてやるぜ?

【相手の名乗りに、どこか嬉しそうな声色を混ぜながら己の名を乗せて返すと】
【グーは水のペットボトルを爪で器用に空けて口に含んだ】
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 00:12:13.85 ID:gHgbrt9P0
>>688

「ふん。ちびっ子が強がったって、所詮ちびっ子なのです
どうせそんな事を言っても、お化けに見つかったら泣くのが目に見えているのです
ふふん。みっともないお漏らしだけはしない様に気を付けるといいのです」

【対して、車椅子の少女。よっぽど傲慢な性格なのだろう】
【不快だという感情を浮かべた少女に、得意気に鼻を鳴らして】
【――――少女の事を知りもしないのに、まるで自分の言う事が正論だと言わんばかりで】
【けれど、続いた言葉には、僅かに頬が赤らんだ。恐らくは、先程の失態が脳裏を過ぎったのだろうか】


「な――――何を言っているです!
私は気高きユニコーンの血を引く者。おおおおお腹が減るはずが――――あぅ……
い、今のは……そ、そう!誰かが転んだ音なのです!私が腹の音を響かせる筈が――――……」

【お腹が減る筈が無い。そう述べようとした刹那、再び「ぐぅ」なんて情けない音】
【更に赤らんだ顔は、私の腹の虫ですと告げている様でもあるが――――負けず嫌いな少女は、実に適当な理由を取り付けて】
【再び勢いよく捲し立てようとすれば、三度目の「ぐぅ」】
【今までで一番大きな音。故に、誤魔化せるはずも無くて】
【犬歯を見せ、今にも噛み付かん勢いで吠えていたのは何処へやら。其処には、耳まで赤くした少女が俯いているのみ】
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/13(土) 00:25:05.79 ID:Ns8a7ivYo
>>690

うん、物をやたらと持ち歩くのはあまり好きじゃないんだけど
せめて飲み物は持ち歩くべきだったね

【女性――実利が言うとおり、彼女は鞄の類は持っていない】
【基本、手ぶらで行動しているようだ】
【そして、戻ってきた獣人からスポーツドリンクを受け取ると】
【懐からがまぐちの財布を取り出し、2人分の飲み物代を獣人に差し出す】

ありがと……ふぃー、生き返るぅ

【そしてスポーツドリンクをゴクゴクと飲み】
【変化は乏しいが――ほっとした表情を浮かべる】

ん、じゃあ「グーさん」で
私は呼び捨てでいいよ、ちゃんとか様とか付けられるのはなんか違和感あるから

ちょっと回復したところで、少しお話を聞かせてもらってもいい?
個人的に興味あるんだよね
グーさんが「この社会」でどうやって生きてきたのか、とかさ

【「この社会」とは、一般的な人間社会を差すのだろう】
【多くの人間は、異質な者を拒む。獣人にとって生きやすいとは言えない】
【彼女の性格なのか、普通は初対面にしては少し重いと思う話題を投げかける】
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/13(土) 00:39:15.34 ID:RPVfxR+ko
>>689

―――話の解らない女の子は……苦手なんだけどな

【一つ、重い溜息を零して愚痴を零せば、瞳の底で静かに研がれていた刃が、その切っ先を現し―――殺気が辺りの空気を変える】
【―――両膝を少し沈め沈身する。小さく短く空気を吸い込む。足の裏が地面に吸い付く感覚を意識する。……『対応』の準備は、完了した】

……一応、もう一回言わせてくれ―――『抜かせるな』

【殺意を乗せた言葉で威嚇しても、彼の望みは届かない。意に介さず足を進める彼女を見て、男は声に出さず口だけを動かした】
【「すまない」―――唇の動きを見る限り、無音のメッセージはそう読み取れた。鋭い目に、一瞬悲しみの色が見えた】
【其処から後は、無言。彼女が怪しげな笑いを浮かべても唯静かに呼吸をして睨むだけで、今度は此方が人形のようだった】
【その人形ごっこも、彼女が大きく踏み込んだ瞬間に終わるのだが―――】

……「Flame & Frost 」

【だらりと下げられた両手に、拳銃が突然具現化して握られる。右手には朱、左手には蒼の拳銃】
【そしてグリップを力強く握った瞬間、左手首が小さく動いて発砲音が鳴り響き―――蒼の銃から、弾丸が撃ち出された】
【……しかし、両腕は一切上げられていない。だらりと落ちたまま、青色の銃弾が撃ち出されて―――その先は、地面。無機質な地面に、蒼の弾丸が衝突した】
【―――その刹那、衝突した地面から大きな氷柱が生える。高さ2m、厚さ50cm程の大きな氷柱が、彼と彼女の間に現れて二人の接触を妨げた】

【そして見た目頑丈なその氷柱だが、流石に酸には脆い。噛み付いたのなら夏場のアイスのように直ぐに溶けてしまうだろう】
【男が氷柱の冷気を感じれば、右脚で地面を蹴り後ろに3歩程下がる―――が、少し違和感のある緩慢な動き。左足の着地がスムーズでは無く、まるで何かを庇うようだった】

……次のお願いだ、『どうか君を撃たせないでくれ』

【この一言は、つまり『次は攻撃する』というシグナル。―――彼の両手に、力が込められた】
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/13(土) 00:43:43.65 ID:Wqrt7wfbo
>>691

【またしても突っぱねられると、その手を握って押し返したくなるのが彼女の性】
【むぅぅ、と怒りで顔が風船みたいに膨らみそうになりながら――】


む、信じてないな。アウリスの手にかかればお化けどころかゾンビだってイチコロだぞ
アウリスは強いからな


【携帯していたマレットを手にとって構えてみせる。それに秘密があるのだろうか】
【何にせよ、何も知らない人が見ればエア演奏しようとしているようにしか見えず、ただ滑稽なだけなのだが】


【言及した空腹についての答えには――】

ぷっ、――あはははははははっ!!

【どうやら思いがけないものだったようで、腹を抱えて笑い始めるだろう】
【その様子たるや笑い転げる、といった表現にすこんと当てはまりそうなほどで】
【続く三度目の腹の音で酸欠になりそうになっている。失礼極まりない】


アウリスまだ何も言ってない。お前面白いな
ちょっと待ってろ。ダッシュで何か取ってくるから


【そう言い残すや否や、アウリスは治りかけた膝のことも忘れて、走り去っていくだろう】
【――数分後もしないうちにコンビニ袋を手にして彼女は戻ってくるはずだ】
【随分と急いだのか額に汗をかき、息があがっている】

【少女がまだそこにいたなら、ほら、とポテトチップスを取り出して封を切るだろう】
【暑いからなと、ソーダバーも取り出して、食えよと言わんばかりに差し出すだろうか】
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/13(土) 00:45:31.54 ID:Ewn9BIsHo
>>692

おう、そうかい?了解、じゃあそう呼ばせてもらうぜ実利!

【リクエストに応え、呼び名を"実利"で確定する】
【特に呼び方に執着する方ではないのだろう、特に抵抗などはないようだ】

……お?変わったことを聞くもんだな?
話すのは構わねえがよ、年寄りの身の上話なんざ面白いモンでもねえぞ?

【そういった前置きを一つすると】
【どう話したものかと、爪の先で自身の額を軽くこね回すような仕草を見せ】
【一拍の間を空けたあと】

ま、別に特別なことはしてねえわな?
この世界は俺なんざより変わった連中が幾らでもいやがるからよ
大抵の連中は、通りすがりの爺さんにわざわざ唾吐きかけるような真似はしねえやな

森の中に比べりゃあそりゃ不自由なことやら面倒事は多いがよ
これでもヒト族の暮らしってのも悪くねえと思えてきてるんだ
森じゃ見れねえ面白いモンや面白い出会いがあるからな、いつ来てもヒト族の街ってのは飽きねえもんさ

……まあ、なんだ。仕事がなかなか見つからねえのだけは困りもんだがなぁ
毛が抜けるってせいでどれだけ面接落とされたことか
苦労と言えるほどのモンはそんな物かい?

【生来の気性のせいか、ヒト族の社会でも上手くやってきた】
【……ので、あろうか。少なくとも今はそのような気配を話に混ぜていない】
【グーは最後の言葉に肩を竦める仕草を混ぜながら、何やら実感のこもった口調でそう締めくくった】
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 00:54:56.67 ID:rGmCcES0o
【とある草原・丘の上の大樹の下】

【赤い三日月が空を彩り、涼風が枝葉を揺らす。そこに、一人の女性が居た】
【特徴は、両目の端と後頭部の長髪以外をオカッパのように切り揃えた髪型と】
【そして黒地に紫のラインが走る、不思議なデザインの服。小柄な女性であり】

夏、か……不思議と、夜になると外を出歩きたくなる季節だな
涼を求めてか、何か不可思議なモノを求めてか……人には、よるのだろうが。

【彼女はその真っ黒な髪を風に靡かせながら、ぼんやりとして地に腰を下ろしていた】
【――が、違和感が1つ。それというのも、大樹の枝から絞首の遺骸がぶら下がり】
【それもまた風に揺れて、ミシミシと縄が音を立てている――そんな異世界が、広がっていて】
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 01:00:57.04 ID:gHgbrt9P0
>>694

「お化け所か、ゾンビにもイチコロされる、と言葉を正すと良いのです
アウリスだか何だか知らないですが、ちびっ子は言葉をちゃんと使うべきなのです
……幾らそんな物を持ち出したって、私の感想は変わらないのです」

【取り出された其れを見たって、半信半疑……と言うよりも、完全な疑いの目】
【ふん。だか、はん。だか分からないけれど、まるで小馬鹿にする様な笑い方――――】
【だけれど、その視線は隠しきれず、興味深いと言わんばかりに視線が注がれていて】


「なっ……!わ、笑うなです!笑うなですよ!
べ、別に可笑しな事は何も言っていないのです!さっさと止めるです!
――――急に何処に行くのです?……可笑しな奴なのです」

【次は、この少女が頬を膨らませる番であろうか】
【ギャンギャンと五月蠅い鳴き声。少女の笑う時間に従って、羞恥と怒りとで顔が赤くなっていき】
【――――何処かへ行く事を悟れば、止める事も無い】
【性格に反して、意外と律儀であったようで。探す必要も無く、その場から夜空を見上げていた事だろう】
【少女が戻ってきた事を知れば、怪訝な表情を向けるけれど】


「それは……別に、私は頼んでいないのです。お前が勝手にした事なのですよ
……ただ、そのままにして溶かしてしまうのも勿体ないのです。だから、特別に食べてやるのです
有り難く思うといいのです」

【差し出された物を、じっと見つめる銀色の瞳】
【――――尊大な態度は変わる事無く。だけれど、「仕方なく」何て言いながらも、その表情が綻んでいる矛盾】
【其れを手に取れたならば、「余計なお節介なのです」とか言いながらも、嬉しそうに袋を開けるのだろう】
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 01:06:53.56 ID:/YuPlYcn0
>>693

【――宙にたゆたって流れる殺気と熱気と、その中に混ざりこむ、発砲音】
【さらと虚空に尾を引くような髪が流れる、スカートの裾が危うくひらりひら舞う、――身体が、ぎくと強張った】
【眼前に突如生え出た真夏の氷柱が少女の行く先を拒む――氷で歪む向こう側、驚いたような怯えたような、表情、見えるか】

【辛うじてぶつからないぎりぎりで立ち止まるなら、当然牙を立てられるような姿勢でもなく、ならば、僅かに一瞬手で触れるのみ】
【体勢を立て直せば乱れた髪を両手で持ち上げて軽く整える、きらり夜に煌く魔力色、次の手を探るよう――】

……―― じゃ、撃たないで殺されて

【――先ほどまでのお遊びめいて匂わす余裕めいたものが失せていた。それは、きっと、発砲音と銃を見とめてから】
【鈴の音は冷え切って褪め、表情だって。温度を喪ったようなのが、夏の夜の熱気に不釣合い、ひどく浮いて見えた】


【(銃というモノが、銃を扱う人間が、嫌いで、怖くて、たまらない。どちらもが過去の経験に起因して、ただ、彼の知り得ないこと)】
【(それでも銃を取り出して以降その様子が変わったと察するのは容易いはずだ。無表情がじぃと見つめて、)】

【(――けれど諦めるという選択肢を取れなかった。どうしてもそれが欲しいのにと駄々捏ねる子どものような――)】


 ――蕩けちゃえ、ッ!

【身体を囲むようにくるり踊っていた魔力色がいっそう強く煌いたなら、じわと滲み出て虚空に漂うのが、水玉へと化けていく】
【桜と黄緑の色素を淡く溶かしこんだような色合いが月明かりに艶めいて、水玉の丸さを余計に強調させる、だろうか】

【――僅かに引く足元がほんの微か、彼とは違う理由で震えるようにぶれていた。左で胸元のリボンをぎゅと握って右手で彼を指し示す、】
【それが合図だったかのように彼女の虚空に漂う水玉が一度揺らめいたなら、――まるで横から降る小雨、持続性はなくとも】
【触れてしまったなら肌を焼こうと牙を剥く酸性、ただ、今すぐに重症を負わせるような威力は、そこになく】

【近づかない、近づけない。寧ろじりと足を引くなら、――それが警戒ですらなく、恐怖だと察すること、きっと簡単なはず】
【いまだに残存しているなら氷柱の後ろにそうと細身を隠そうとする、その視線が、ひたすらに彼の指先ばかり、気にしている】
【――両手に握るもの、上手く扱うなら。或いは、黙らせること、無力化させること、出来るのかもしれない】
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/13(土) 01:11:48.31 ID:Ns8a7ivYo
>>695

面白くないなんてことはないよ
私にとって他人の人生ほど面白い物語は無いからね
例えば、そこを元気に走るあの少年にも、あそこの店から出てきたあの女性にも
一つ一つの人生があって……すべての人生はどこかで必ず繋がってて……
面白いと思わない?

【通りを歩く人々を眺めながら、すっかり体力は回復したようで】
【饒舌に語る】
【そして、獣人・グーの話を聞き】

へぇ、確かにグーさんみたいな人ならどこでもうまくやっていけそうだし
誰からも好かれそうだよね

仕事かぁ、まあ今は景気がいい世の中じゃあないからねえ
そうだ……話し方からすると、昔は森で暮らしてたんだよね?

――その民族衣装みたいな服に、装飾のついた杖がグーさんの種族特有の物だとしたら
結構上質な文化を持ってるんだと思うけど……

そこではどんな仕事をしてたの?
グーさんは何て言うか知的な雰囲気するし、その日食べる物を狩って食べて寝るだけの生活をしてたとは想像できないんだ

【何故森の中から人間社会に出たのか】
【その理由も気になるが――】
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/13(土) 01:22:40.65 ID:Wqrt7wfbo
>>697

【ポテチもアイスも、両方とも少女へと渡してしまうだろう】
【ホントは食べたかったが、全力疾走後の疲労でそれどころではない】
【何でこの時間まで売店は開いてないんだと、心の中で悪態を吐いた】


そうだな。アウリスが勝手に買ってきて、アウリスがお前に食わせた。だから食え、問題ない。
うん、特別に食わされてやる。ん? 食われされてやる? まあいいや、有り難く思う


【――ぜいぜいと呼吸しながら紡いで、ちらりと少女を見遣る】
【なんだ、存外喜んでるじゃないか。バースデーケーキを前にした子供みたいだぞ】

【にかっと笑うと汗を拭って、彼女もポテチに手をつけようとする】
【ボリボリ食べて飲み込むと、思いついたように口を開くだろう】


お前、いつもここに居るのか?
居るんだったら、アウリスはまた来る。友達になろう


【言葉はどこか拙いが、恥ずかしげもなくそんな台詞を、やはり真っ直ぐに紡ぐだろう】
【少女のことを気に入ったのだろうか。赤い瞳がとても楽しそうに輝いていた】
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/13(土) 01:33:20.33 ID:Ewn9BIsHo
>>699

――ほほう、そういう考え方は好きだぜ俺はよ
人の間にある"縁"ってのはどこで繋がるか判らねえからな
多く"縁"を結んでいりゃあ、ふとした切っ掛けで物語が始まっちまうもんだ
"奇縁"とでもいうのかね、ヒト族の間の縁は特に――面白い広がり方をするもんさ

【実利の語りに同意出来たのか、グーはうむうむと首を縦に振りながら返す】
【人と人との間に出来る縁、人生の交わり、繋がり】
【歳を重ねたからには色々な場面を見てきたのだろう】
【少しだけ、金色の瞳が狭まり遠くを見るような気配が宿った】

昔は……っつうか今も森で暮らしてるぜ?

前はそうだな、分かりやすく言やぁ"神官"とでも言うべきかい?
ウチの部族じゃあよ、"大地"を"創造主""あらゆる生命の母"として崇めていてな
地脈や気、自然のバランスを整えたりよ
あとは村の衆を集めて儀式だの行事だのを取り仕切るような身分だった訳だ

【恐らくは原始的な自然崇拝の類であろう】
【杖や衣装は神官としての名残であろうか、随分と古いがよく手入れをされている】

まあ今は俺の部族も"遠くに行っちまってな"
この仕事も少しは続けちゃあいるが、最近になってどうしてもヒト族のモノが必要になってよ
こうやって毎日街を歩いて仕事を探しているわけよ

う〜ん……なんだ?流行言葉で言えば"ふりいたあ"か?
どうにも何度聞いてもこの響きは締まらねえなぁ

【資金稼ぎがよほど上手くいっていないのか】
【うぅむむと短く唸りながらも自身の素性を語る】
【元神官のフリーター……これだけを聞くと凄まじい落ちぶれ方である】
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 01:41:09.93 ID:gHgbrt9P0
>>700
「…………何だか、言葉が可笑しな奴なのです
普通だったら喰わされてや……むぅ……これでは同じ意味なのです……
と、兎に角、お前は言葉が可笑しな奴なのです」

【可笑しな部分を指摘して、正しい言葉を教えようとするも】
【紡がれるのは、同じ言葉。何処か慌てた様子を見せれば、まるで押しつけるかのように、同じ言葉を繰り返し】
【少女の事をちびっ子なんて言っていたけれど、美味しそうにアイスを食べる様を見れば、果たしてどちらがちびっ子であろうか】
【アイスを食べ終えるのには、大した時間を要さなかったであろう。一つのポテチを共有しながら、瞳は空へと向けられて居て――――】


「……ん。正確には、この病院に、です
だったら、何だと言うのです?別にお前には関係の無い……」

【言葉が最後まで紡がれることは無かった】
【空から、紅い双眸へと落とした瞳。其処に浮かぶ感情を見れば、関係の無い話と言う事も憚られて】
【代わりに、ぷいとそっぽを向いたならば、咳払い一つの後に別な言葉を紡ぐのだろう】


「まぁ……私も暇な身では無いですが、お前がどうしてもと言うのなら相手してやらない事も無いのです
わ、私は別にどうだっていいのです。本当に、本当に暇な時に相手してやる程度なのです。肝に命じておくのですよ」

【どう見たって、暇な身。何度か通院しているならば、看護師から「角の生えた問題児」の話を聞いたこともあるだろうか】
【――――話は多々あるけれど、それは全てこの少女に当てはまること】
【本当に暇な時。とか言いながら、病室の番号をさらりと告げるのだから、少女の心情を容易に察せるもの】
【素直になれず、言葉こそ突き放すようではあるが――――】
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/13(土) 01:47:17.22 ID:RPVfxR+ko
>>698

でも、殺されんのはもっと嫌だ。だからさっきの台詞訂正すんぜ……
―――『君の身体を傷つけさせないでくれ』

【訂正したが、言葉の意味はそれ程変わらない様に思える―――が、男の中では明確に意味が違っており】
【それを今から行動で示そうと言うのだ。据わった瞳は、すっかり余裕が消えた少女を捉えていた。表情の変化は無くとも、肌にひしひしと伝わる心情の変化】
【そして何かしらの負の感情を振りきらんとするかの如く彼女が叫べば、同時にあの怪しげな魔翌力が形となって現れる】

……心がもう、戦う者が持つヤツじゃねェよ
―――だからもう止めろ、止めてくれ

【冷淡な口調で彼女を分析し言い放つは、降参を求める声。ガンマンの命は精密射撃ではなく洞察力と広い視野】
【彼女の僅かな震えが、確かに瞳に映りこむ。鍛えられた両の瞳に、彼女の心は透かされて―――】
【同時に、今すべきことを男は確信した。訂正通り、彼女の身体を傷つけずに制すには―――心を折ることだ、と】

―――ッッ……!!
(クソ……氷柱に隠れた……。氷柱ごと撃ち抜きゃ、破片がぶつかって怪我しちまう……!)
(―――此処で「アレ」借りるか、まぁ水玉のありゃあ知らねェよッ!!)

【苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべる彼に襲い掛かる水玉。しかし彼の視線はもはや其れを見ておらず】
【氷柱から透けて見える、彼女の姿に両の銃口が牙を剥く。銃口が轟音を続けて2発鳴らすと同時に、首元のペンダントが小さく光った―――】

―――っらぁぁぁっ!!

【真っ直ぐ彼女の脳天に、2発の弾丸が違うタイミングで襲い掛かる―――が、弾丸を妨げる氷柱が銃弾を掴む筈である】
【しかし―――氷の砕ける音はしなかった。何故なら『弾丸が氷をすり抜けたから』―――と言う訳は、彼女の脳天に直撃……もしない。音も出さずすり抜けるのだ―――】

【―――何故なら、両の弾丸は『幻』。彼女の求めるペンダント、『幽幻の宝玉』の力により、幻の弾丸が彼女に放たれていたのだから】
【だがもし彼女が避けなければ―――彼女の網膜には、自分の脳天を貫く弾丸の映像が残るだろう。……銃を怖がるのなら、トラウマものの経験ではないのだろうか】
【それも、2発―――。彼女の揺れる心を、完膚無きに撃ち抜こうとしたのだ。だが、代わりに―――】

……ッグッ〜〜〜〜〜〜〜!!

【無視していた水玉が、撃ち終えた後の彼の右腕を捉える。爛れるような感覚が、痺れるような痛みが彼の痛覚を刺激し悶絶させる】
【―――自分が傷ついてもなお、彼女の身体を傷つけることは極力避ける。今の彼には、そのような信念が根を張っていた】
【……これが男が行動で示した、『傷つけずに制する』ための行為だった】
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/13(土) 01:52:52.76 ID:Ns8a7ivYo
>>701

"縁"。いい言葉だね
そういう人と人との繋がりこそが、「ヒト」を「人間」にする、と私は思ってるよ

【"縁"をきっかけに始まる物語】
【グーの語るそれは実利の考えに近いものだ】

神官!
ずいぶん高い身分だったんだね
しかし、神官の経験を活かせる仕事となると

うーん……

【目をつぶり、熟考するようなしぐさを見せるが】

うん、思いつかない

【すぐにあきらめ、別の提案をしてみる】

じゃあさ、いっそのこと人間社会で営利的な宗教団体でも立ち上げてみたら?
言い方はあれだけど、グーさんの神官としての力はたぶん「本物」なわけでしょ?
だったら必要としてる人もたくさんいるだろうし
それもまた人と人との繋がり、"縁"だよね

新興宗教はうまく行ったらすっごく儲かるらしいよー

【冗談なのか本気なのかわからないが】
【彼女なりに、グーの悩みを一緒に悩んでいるつもりみたいだ】

705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/13(土) 02:07:34.02 ID:Wqrt7wfbo
>>702

わかった、食らわれてやるか? これも変か?
アウリスはあんまり賢くないからな。お母さんにも先生にも言われるけど、直らない

【頭があんまりよろしくないことは、あっさりと認めた】
【自分のことは自分が良く分かっているのだろう】

【食べ終えたアイスの棒を袋に入れるよう促して、再びポテチを口に放る】


……よし。じゃあお見舞いに来る
何か、お前元気無さそうに見えるしな。気のせいかな

そういやお前、何て名前なんだ?


【少女は自分がここに来る前からずっと、空か月を眺めていた】
【だから、と言えば理由になっていないし、そもそも見当違いな発言かもしれないが】
【何となくそう思ったのだった】

【ちなみに少女の噂を、彼女は聞いたことはなかった】
【というのも怪我をしたのはつい昨日のことだったりしたからだ】

【まあ、それはどうでもいい】
【今はただ、ちょっと素直じゃないが面白い友達が増えたことを、素直に喜んでいた】
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/13(土) 02:18:10.21 ID:Ewn9BIsHo
>>704

ふぅむ……まあよ、気持ちだけは受け取っておくぜ?
ちゃんと俺のことを考えてくれた上での話だ、悪い気はしねえがな

【実利の提案を聞き】
【数拍の時思案した後、グーは却下の意志を示す】

俺らの崇める"大地"ってえのは当たり前のようにある自然の事でよ
金儲けの為に神輿に上げるような真似はしちゃいけねえんだ

長い修行と信仰の果てに大地の意思と"道"を繋ぎ
大地の指先を借り受け調律を行うのが俺の神官としての仕事でよ
出来ねえ事もないと思うが、しちまった途端に"声"が届かなくなっちまうだろうしなぁ

縁を作るために宗教活動すること自体はいい案だと思うぜ?
だがそりゃあ無償の緑化活動やら清掃活動やらに留まっちまうな

【真剣に言葉を紡いでいるせいか、何やら分かりづらい表現が飛ぶ】
【端的に纏めると宗教活動での資金調達は無理そうとのことである】

【トン、トン。と爪先で自身の膝を叩く仕草を一つ】
【黄金の瞳で上げて実利の方に視線をやると】


……と、まあ俺のことはこんなモンかい?
なんつうかよ、互いを知るにゃあ俺だけが一方的に語るだけじゃ駄目だわな?

俺の話の代金だ――ここは一つ!今度は是非とも実利の面白い身の上話でも聞かせてくれや!
俺はまだお前さんの名前を背格好しか知らねえんだ
仕事のことでも、今日何しに外でふらついていたのかでもいい
実利の事を俺に教えてくれると嬉しいぜ

【ニィ、と口元を歪めて笑顔のようなものを作ると】
【期待したような口調でそう告げて、尻尾をふらふらと炎天下に揺らした】
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 02:22:01.91 ID:gHgbrt9P0
>>705
「別に、どうだって良いのです
お前が私に対して感謝をしていれば、それで全て解決なのですよ」

【本当に感謝すべきは、車椅子に乗った少女なのだけれど】
【ちびっ子と言ってみたり、様々な事を言ってみたり。実に、失礼な輩だけれど】


「……来るときは、何か美味しい物でも持ってくるのです。因みに、西瓜を食べたいのです
――――ゴーリェ・スパシーチェリ。……チェリで良いのですよ
お前は……多分、アウリスなのですね」

【元気が無さそう、という言葉に対しての答えは無く】
【それにしても、お見舞いの品として西瓜を要求する何て、やはり常識外れであるのだろう】
【――――自分の名を告げれば、数秒間思案して。やがて、“チェリ”と呼んで良いと告げるけれど】


「そろそろ、私は病室に戻るのです
明日は朝から馬鹿従者二人の相手をしなければいけないのです
ああ、それと………………やっぱり、何でも無いのです
ちびっ子。幽霊に襲われない様に気を付けると良いのですよ」

【続くのは、別れの言葉】
【長い長い沈黙。小さな声で「ありがとう」と紡いだけれど、自分で其れを無かったものにしてしまって】
【最後まで、憎まれ口。くすっと小さく笑ったならば、車輪を漕いでその場から消えてしまうのだろう】
【――――そのアイスの棒。もしかしたら、“あたり”と書かれていたかもしれないが、どうだって良い事か】

/そろそろいいお時間ですので失礼致しまする……!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 02:25:44.50 ID:/YuPlYcn0
>>703

【――言葉は聞こえていた。聞こえてはいたけれど、聞くことが出来なかった】

【欲しいのに。欲しくて欲しくて欲しくてたまらないのに怖いのばかりが降り積もってぐちゃぐちゃして、】
【ならば異能を繰ってさっさと殺してしまおうと思いはすれど混乱した頭はすっかりと異能を制御することを放棄して、】
【今すぐにでも撃ち殺されるかもしれない現状が怖くてたまらない、目の前に今すぐ銃弾を吐き出すかもしれないものがあることに耐えられない、】
【心の中でだいすきなひとを呼んだところで今すぐの現状はどうにも変わらず、背中を向けるなんてことは、そもそも論外、】
【それでも逃がす手を選べないぐらいに惹かれるのが本能めいて止められない。――魔力で生きるいきもの、それが彼女で、】

  ―― ―― ひ、ぐ、

【ぐちゃらと絡み合う無数に無限な思考の糸が足も腕も身体もを空気に貼り付けたように強張らせる、のに、】
【狭い中にきっと反響すらして響くのだろう連なる音ふたつにびぐと身体を跳ねさせるのは、きっと、無意識のはず】
【――余裕も何もかなぐり捨てた。それどころか、咄嗟の判断力すら失って、避けない、違う、避けられない】

【ごわと湧き上がる魔力片が煌いても既に実体のない銃弾はどちらも通り過ぎた後、何の意味も成さないまま】
【きらきらきらと能天気に煌くグラデーション色が夜闇を飾り立てる、季節はずれのイルミネーションのように】
【――ただ、それが、腐ったようにほつれてとけておちていくなら、そのままに少女の精神を、示していた】

 、 ぁ ――っ、あ、 ゃ、あ、あ。 あ

【銃弾。頭。そのどちらもが最悪の記憶を打ち抜いて、身体中の制御を失って倒れこむ、氷柱に身体を預けるよなかたち】
【がたがたと震える手で頭を抱えれば掌を濡らす生暖かい液体、赤色でないことにすら気付けないぐらい、堕ちて】
【目蓋を閉じれば閉じるほどに鮮明に鮮烈に浮かぶ偽の現実、見開かれた瞳の焦点はひどくずれて――絶えず、涙を落とすばかり】
【元より華奢な身体、こうなってしまえば余計に華奢に見えて――ばらばらに崩れた呼吸のリズム、合間に何の意味もない音ばかり、連ならせている】

【――彼の目論見はこれ以上ないぐらいに成功したと言っていいだろう、先ほど以上に、戦えるよな状態ではなく】
【今ならば近づいたとて何の害もない。ただ、ただ、乱れた呼吸、早くなって、おかしくて、過呼吸の症状、示すばかり】
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/13(土) 02:42:01.56 ID:Ns8a7ivYo
>>706

【金儲けは、しない】
【やはりと言うべきか、グーの硬い意思に実利も納得する】

そうかぁ、やっぱりそういうことは無理か

【そして、自分のことを話せと頼まれれば】

私の話か、たいして面白い話は出来ないけど……
って、これさっきグーさんも言ってたよね
新鮮味が無い分、自分の人生は他人にとって面白い物じゃないと感じるのは人の性なのかもしれないね

【少し考え、徐々に話し出す】

さっきも言ったように、私は人と人の繋がりって言うのが好きで
その繋がりが絡み合って形成される「社会」が好きなんだ
で、社会学者を目指してた。いや一応今も目指してる、かな

出身は櫻の国の田舎な村で、それなりに頑張って勉強して大学に入った
それからはさらに勉強して、氷の国の大学に留学したりもして、自分の中の世界が一気に広がったよ

そこで、思うようになったんだよね。社会には「裏と表」があるって

【ふと視線を下に落とし】
【杖を握る手の力が少しだけ――強くなる】

んーと、あまり初対面の人に話すべきことじゃないけど、グーさんは初対面の虎だからまあいいか
で、その社会の「裏の方」を先に知っておかないとってことで
世間一般で言うところの「悪い人」になっちゃった

【首に貼りつく御札をさすりながら――】
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/13(土) 02:45:38.10 ID:Wqrt7wfbo
>>707

うん。じゃあ感謝する

【……それで納得なのだろうか】
【しかしアウリスもこれがただの憎まれ口だってことくらいわかっているのだろう】


そんな重いもの、アウリスは持って来れない。家にも無い
代わりに何か持って来れたら、持ってくる

……噛みそうな名前。チェリ、か。いいな。呼びやすくていい
アウリスは、アウリス・ダシュプース。アウリスでいいよ


【真に受けているのか、いないのか】
【だけど言われた通り、後日彼女はチェリの病室に代わりとなるものを持ちこむのだろう】
【……子供らしく、お気に入りの漫画本を――】


ん、またなー。チェリ
幽霊が出たら捕まえて持ってく


【せっかくの言葉は、どうやら聞こえなかったようで――小さく首を傾げるだけに終わった】
【でも、ほいほいと口から出ないあたり、憎まれ口ではないのだろうと思って】


――ん、やた、あたりだ


【ふと落とした視線がその三文字を見つけたなら、ラッキーだと鼻歌交じりに歩いてゆくのだろう】

/お疲れ様でしたっ
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/13(土) 03:04:07.60 ID:RPVfxR+ko
>>708

―――っぐ……ッ!! 〜〜〜〜っぁぁぁああああッ!!
 っざけんなァッ、痛すぎんだ……ろぉが……!! ―――っぐ……ぁっ……!

【剣で切られたのとも違う、銃で撃たれたのとも違う。じわりじわりと侵食するような痛みを体験したのは初めてだった】
【精神力と肉を同時に蝕み、能力を保てるレベルを切った為に銃が霧散する。しかし視界がチカチカしながらも、崩れ落ちる彼女の姿はハッキリと瞳に映し出された】
【不気味な魔翌力も消え去り、もはや目の前の彼女に恐怖は感じない。男はフラつきながらも、倒れる彼女の元へ歩き出す―――】

…………ッッ……!! ―――おい……ッグ、 ど、どんだけトラウ……マッ……!! 抱えてんだ……よォッ……ッ痛ゥ……!!
これじゃ……まる、で……昔の俺―――じゃ、ねぇか、よッ

【頭を抱えて、唯絶望したような表情で身体を震わせる様。人を初めて殺めた時の自分の姿が重なって、何とも言い難い気分に苛まれてしまう】
【困惑した視線をただ送るしかなかったが―――異常なまでの早い呼吸に、少し遅れてようやく気が付いた】

―――ッ、 過呼吸……ッ!! く、そ……自分のッ……〜〜ッ、 ことで、 精一杯なの、 ……にヨォ……!!
(過呼吸の対策……時間が立てば治るが、ゆっくりとした呼吸を意識させるしか―――)

【フラつきながらも彼女の側に座りこめば、拒まない限り左手で優しく彼女の背中をゆっくりと撫で始める。過呼吸の治療法は、慌てずに呼吸を整えさせる事】
【爛れる右手の肌の感触に唇を強く噛み締めて耐え、過呼吸の応急処置を続ける―――自分を殺そうとした相手を助ける行為だが、男に躊躇いは無かった】
【―――心に固く刻んだ正義を実行するだけの行為に、悩む隙など無い。唯、彼の正義を実行しているだけに過ぎない】

……だいじょう、ぶだ――― 今は、息……ッッを、吐くことだけを……〜〜ッッ……!! 考え……ろォ……ッ
おら、吐いて……ハーッ……って感じ……で……!! だいじょうぶ……だから……! 死なせ……〜〜〜痛ゥ……死なせたりは……し……ないってのッ!!

【彼女の耳元で弱った声を捻り出しながら、一定のペースで背中を撫で続けていく。噛んだ唇からは赤い血が流れ始めたが、決して見せないように飲み込んだ】
【―――何回か撫でては、手を握る。彼女が拒まない限り、この動作と囁きを繰り返すだろう】
【―――呼吸のペースが収まらない限り、右腕が溶けてもやり抜く。彼はそういう男だ】
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/13(土) 03:06:07.70 ID:Ewn9BIsHo
>>709

確かになぁ……俺の事を知って貰えるのは嬉しくもあるがよ
俺としちゃあ、やっぱり語るよりは人の話を聞きてえと思うわな

まあなんだ、若者の話を聞くのは年寄りに取っちゃあ何よりの娯楽だからよ!
ちょいとばかり爺さんの道楽に付き合ってくれや!

【実利の言葉に納得したように頷きながら】
【語り始めようとする実利に向け、嬉しそうな声色でそう言った】



【グーは静かに話を聞く】
【途切れ目までは相槌を入れる訳でもなく】
【一人の女性の人生を吟味するかのように、ピンと立った猫耳で言葉を吸収していく】

……随分と立派な意見を持っていると思ったら成程、専門家だったのか
俺はまだヒト族の社会にゃあそこまで詳しくないがよ
確かにここまで複雑怪奇な社会構造になりゃあ研究のし甲斐もあらぁな

【興味深げな響きを声に混ぜながら】
【実利の語る過去から今までの語りに対し己の感想を投げ】

なんつうかよ……知識欲ってえのは止まる地点っていうモンがねえからよ
どこまで進めちまうかはそいつの自制心次第になっちまう

俺もヒト族の"裏"にはそれなりに触れてきたが、俺はその上で"表の繋がり"に留まった
見て触れた上で"そっち"には踏み込まねえと決めた

実利は、"裏の方"に触れてよ……「悪い人」になっちまって後悔はしてねえのかい?

【グーは咎めるでもなく、何処か心配するような声色で実利に語りかける】
【今の話を聞いて実利が軽い気持ちや場の流れではなく】
【真剣に学問を進めた上でその道を歩み始めたモノだとグーは判断した】
【その上で"後悔はしていないか"と、彼女の意志を問うた】
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/13(土) 03:30:44.14 ID:Ns8a7ivYo
>>712

知識欲は止まることが無い、うん、全くその通りだよ

【自分よりずっと長い人生を歩み、ずっと多くの経験をしてきたのだろう】
【グーの言葉には重みがあり――】

後悔は、してないよ
迷いもなかったし
だけど、これからずっとそうでいられるかは正直わからない

【その人生で、裏にも表にも触れてきたグーからの問いかけ――】
【こちらの身を案じる、その問いかけには】
【自分の言葉で、しっかりと答える】
【それが礼儀だと、実利は感じた】

だからこそ、これから先、自分がやるべきだと思うことをやる
過去の事を悔やまず、目先の事に飛びつかず、未来を見据えて準備して、ね
それが私の覚悟、だよ

【グーの聞きたかった答えとは違うかもしれない――】
【だが、確かに自分の考えを示した】

……そろそろ、日が傾いてきたかな
さっきよりは、過ごしやすい気温になった
そろそろ行くとするよ

【実利は杖をついて立ち上がり、ゆっくりと老人のような速度で歩き出した】
【歩きの遅さは、熱中症とは関係なかったようだ】

じゃあね、グーさん
お仕事、見つかると良いね
短い時間だったけど、濃密な会話ができたよ

【やはりわずかな表情の変化だが、うっすらと微笑み】
【手を振りながら――】



/このあたりで!お付き合いありがとうございました!
/楽しかったです!遅くまで乙でしたー
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/13(土) 03:50:53.22 ID:Ewn9BIsHo
>>713

……それだけの覚悟があるなら、俺が止めること何ざ出来ねえやな
若者が進むと決めた道をよ、頑固な年寄りが手前勝手に塞いじまうのは何よりも馬鹿げたことだ

【実利の言葉を、覚悟をしかと聴き終えると】
【グーは小さな溜息と共にそのような言葉を吐いた】
【本当ならば、こうして知り合った人物には健常であって欲しいとグーは思うが】
【それがグー自身の我侭に過ぎないと理解しているため、止めるようなことはしなかった】

……だがよ、もし行き詰まったら
もし振り返りたくなったら、今まで会った奴らの顔を思い出してみるといいぜ

妙な虎の爺さんでよけりゃあ
いつでも手の一つくらいは貸してやれるからよ?

【そう、変わらず分かりづらい笑みで告げる】

【一度会って話しただけでも、グーにとっては大切な繋がりの一つだ】
【老いた身体でこの先幾つの関係を作ることが出来るかは分からない】
【先が短いからこそ、他者から見て小さな縁であっても大切にしたいと、虎の老人は思っていた】

おう、じゃあな!身体には気をつけるんだぜ!
今度会ったらまあ、実利の研究成果でもじっくり聞かせてくれや!

【グーは大きな手を振り返し、その背中を見送った】
【やがてその姿が視界から消えていくと】
【ゆっくりと立ち上がり、また職を探し街を彷徨い歩くのであった】

/長らくお疲れ様でした!おやすみなさいませー!
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 03:56:27.64 ID:/YuPlYcn0
>>711

 【――褒めてくれるだなんてことは少なくとも思わなかった。でも、赦してくれると思った、だって、】
 【――そうしないと殺されていたかもしれない。ひとりだけじゃない、ふたりとも、殺されていたのかもしれないのだから】
 【――ふたりのいのちとあいつのいのちが釣り合うだなんて少しも思えなかった。重たいほうを選ぶのは、当然なのに】

 【――どうして怒るのかが分からなかった。どうして刃を抜くのかが分からなかった。どうしてそれをわたしに向けて、】
 【――どうして痛いのかどうして逃げるのかどうして別の女が居て別の女を呼んで別の女を守って別の女を、わたしを、】
 【――銃を向けられる理由なんてないはずなのに。守ったのに。助けたのに。求められたからあげたのに、だって、結婚するって、】
 【――銃口と、鉛球と、地面の茶色と血の赤色と***のクリームがかったピンク色とぶちまけてかき混ぜて暗転、】

【ぐちゃらと交じり合うのが過去なのか今なのか未来なのかすら分からなくて。あげたい悲鳴が、あがらない】
【開けられたままの口元が紡ぐものなんて毀れきった呼吸のリズムだけ、時折溢れて零れる雫が滴って、コンクリの滲む音がする】
【記憶も幻覚も何もかも喉の奥をぶち破って声にして吐き出してしまいたいと思うのに声は出ず、息をしなければ死ぬ気がするなら、】

【顔と手と髪とをびちゃびちゃに濡らすのが血なんじゃないかと思う錯覚が連なって、ならば、また撃たれたんだと、思いこむ】
【多すぎる酸素に犯された視界は既にノイズを孕まされて世界どころか色すら映さず、毀れたテレビのほうがましなぐらいに】
【呼吸を重ねて重ねて重ねるほどにぎりぎり締め上げるように痛む胸も強張った筋肉のあげる悲鳴も身体が震えるのも全部全部、】
【(ただの過呼吸の症状でしかないのだけれど。幻覚と現実と記憶に囚われたなら、その先に繋がるのが死にしか、見えなくて)】

 【――死を乗り越えることを前提に作られた身体は、ただ、その恐怖を忘れることは、出来なかった】
 【――死を繰り返すたびにそれこそ死ぬほど苦しんだりするのだから、恐怖は積み重なって、ずっと増して】

―― っ! っ……、っ!!

【触れられる背中、ぎくとひどく強張る身体は、或いはどこか骨でも折ってしまいそうなぐらい。そんなことはないのだけれど】
【思考もほぼ停止しかけた脳で辛うじて振り返る、彼へと向けられるのは、光も何もかも見失って迷いこんだような、子どもみたいな、】
【ただでさえ世界崩壊を間近に見せ付けられたような表情がさらに強く濃く増すのだろう、ぎちと固まる身体、ひどく硬く】
 【――過去あの場所にいたのは誰だったか。ついさっき発砲したのは誰だったか。ぐちゃりと、混ざり合ったなら】
【あのひとが居るんだと思った。死んだかどうかを確認してる? 止めを刺しに来た? そんな思考ばかりは、よく廻る】

  ―――― ――  ――、

【ぐらと身体が揺らぐのが、その十数秒後のことだ。様々な要因から限界を超えた身体は、なにもかもを放棄して】
【倒れこむのをそのままに放置すれば顔から、そうでないなら、されるがまま。どちらにせよ、それで怪我することもないだろう】
【汗や涙や唾液でびちゃり濡れた身体はすっかり疲れきって、確かめれば呼吸も薄く浅いが正常の範囲内と言えるようなもの】
【ならば少しばかし放っておけば醒めるような眠り。夏なのだし、放っておいてもそれで死ぬことはなさそうだけれど】

【(少女が意識を堕とすのと同時。彼の身体を濡らす酸性の毒からまるで酸性が消えるだろう。これ以上の悪化は、ない)】
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/13(土) 04:00:19.44 ID:RPVfxR+ko
>>715
/流石に時間も時間なので置きレスに返信しておきます。
/こんな時間まで付き合ってもらってありがとうございました……!!
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 04:23:03.42 ID:/YuPlYcn0
>>716
/わっと、気付きませんでした……了解しました
/こちらこそありがとうございますー。ひとまずお疲れ様でした
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 12:25:35.38 ID:rGmCcES0o
【夜―――とある草原・丘の上の大樹の下】

【赤い三日月が空を彩り、涼風が枝葉を揺らす。そこに、一人の女性が居た】
【特徴は、両目の端と後頭部の長髪以外をオカッパのように切り揃えた髪型と】
【そして黒地に紫のラインが走る、不思議なデザインの服。小柄な女性であり】

夏、か……不思議と、夜になると外を出歩きたくなる季節だな
涼を求めてか、何か不可思議なモノを求めてか……人には、よるのだろうが。

【彼女はその真っ黒な髪を風に靡かせながら、ぼんやりとして地に腰を下ろしていた】
【――が、違和感が1つ。それというのも、大樹の枝から絞首の遺骸がぶら下がり】
【それもまた風に揺れて、ミシミシと縄が音を立てている――そんな異世界が、広がっていた】

/使い回しですがよろしければっ
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/13(土) 13:10:04.35 ID:AjeQKckNo
>>718

……綾津妃?

【多少の戸惑いを含めた声が掛けられる。 背高な人影が足を止めて、絞首体と彼女を交互に見据えていた】
【それは腰に届く紅茶色の髪に、左右で瞳孔の開き幅が異なるオリーブ色の目をした若い男だった】
【纏う黒のローブを涼風に揺らして佇む姿は、以前に望んで彼女の呪いを受けた男であり】

…………、無事だったようですね

【状況としては異質ながらも、彼――セシルはそれを認識してなおこれといった警戒を見せずに口を開いた】
【初めの戸惑いこそあったが、陰鬱とした背景がこれ以上なく似合う相手であるからだろう】

【――そう言えば、借りた物の話をしていなかった】
【そんな事を思考の片隅に止めつつ、彼は風で乱れた髪を紫色の爪が彩る指で払った】
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 13:23:43.36 ID:rGmCcES0o
>>719

うん……?……あぁ、お前か。久方ぶりではないか
といっても、姿を晦ませていたのは私の方からではあったが――。

【ふと声に惹かれて振り向けば、そこには自らが深く呪った相手が一人】
【実のところ、綾津妃が外を出歩くのは諸々の事情あって数カ月ぶり――】
【――そんな事情を知ってか知らずか『無事だったのか』と言われれば】

【まあ、思わず口角も緩もうというもの。といっても、状況が状況だ】
【人を不安にさせる赤い月というのもあって、笑顔は何処か、妖艶で】

そういうお前も……それで、その後はどういった具合なのだ?
暫くこうして動いていなかったから、どうも感覚では捉えづらくてな

……呪いをかけたこと、後悔してはいないのか?

【――絞首された死体は、誰のものとも知れない。目立った顔立ち、衣装ではない】
【と、すればこれもまた呪われた品なのか。ささくれだった荒縄が、またみしりと音を立てた】
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/13(土) 13:37:35.81 ID:FsJ8gQHUo
>>720

その後、ですか……ええまあ、別に。 後悔というものは余り
刹那的に生きたい方でしてね。 先の事と後の事は、考えないので

【以前に訴えていた痛みに苦しむ様子も無ければ、その呪われた視線を疎む言葉も無かった】
【自然と相手から視線を外して会話していた程度には身に染み付いているのだろう。 彼女の場合は例外かも知れないのだが】
【その妖艶な表情を口許のみで視認した彼は別段表情を変える様子も無く、ただ静かに視線を落とした】

……寧ろ後悔しているのは、貴女のような気もしますが

【呪われた方よりも呪う方が重さを負っているような、そんな感覚を受けた通り彼は言葉にした】
【先述の通り彼としては、少なからずの負荷はあったにせよ、後悔と言う色は全くと言っていいほどに無い】
【だが、相手はどうか。 その反応を気にしつつ、男は懐にそっと手を差し伸べて何かを探し始める】
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 13:45:03.99 ID:rGmCcES0o
>>721

後悔はない、と……そう、か。なら、それで良いさ
私としても、お前のような形で誰かを呪ったのは初めてだったから
どうあっても気にはなってな……まあ、とにかく良しだ。

【相手が視線を外す動作を見て、綾津妃は満足気に頷いた】
【実際は、自分であれば目を合わせても問題ないが――見に染み付いているのなら】
【それだけ彼が呪いに順応できているということだし、問題も特に思い当たらず】

……そうかな?だが、私などは元々生も死もないような存在≠ノ過ぎない
かつて、何百何千年の昔であれば兎も角……後悔しているように、見えると?

【自分では後悔しているなんて自覚はない――だから、不思議そうに小首をかしげ】
【疑問はまた、彼が懐に手を伸ばしたことについても膨らんでいき】
【あいも変わらず座ったままで動くことも無かったが、その手元へと視線をやった】
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/13(土) 13:57:17.53 ID:FsJ8gQHUo
>>722

【黙考する。 自分の発言が何か言葉として間違っているような、そんな気がした】
【暫しの後にその点に思い至れば嗚呼と納得したように呟いて、自嘲気味に低く笑った】

昔の事は、考えるのかも知れませんね。
……それを後悔と言うのか。 無意識という物は面白い

しかし呪えと頼んで呪われる人間は、貴女と言えど私が初めてとは。
光栄に思うべきでしょうか、出来れば最後の人間でありたいが……
後悔してないというなら、私の方も良し。 気を悪くしたなら詫びましょう

【愉しそうであるのは間違いなく、くつくつ肩を揺らした彼は】
【その手にひとつの手錠を握り締めていた。 古び忌まわしい気配を纏ったそれは、】

ところでこちら――以前に貴女の城で戦った際に、少々お借りしましてね。
色々と愉しませて頂いたので、そろそろお返ししようかと……

【何故借りた。 何に使った。 それを一切言わないというか暈し切って、彼はそれを手に歩み寄る】
【彼女が座ったままであるならその隣まで近付いて、再び絞首体を一瞥してから、手錠を彼女に差し出す】
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 14:10:17.47 ID:rGmCcES0o
>>723

いいや、旧知のものと言葉を交わして気を悪くなどしないとも。
寧ろ面白い……それはともかく、まさか自ら呪われたがる者など
今後は一切居ないのじゃないか。普通、呪詛は忌み恐れられるものだから

……おや。そうか、あの時≠ノ……また趣味の良いモノを。
役に立ったのなら結構、だが惜しむらくは戻す場所が無いということかな

【埃かぶった記憶を掘り起こすかのように、手錠を見て眉を動かす】
【そしてそれを受け取れば、仕舞うにも困り、結局片側だけ、右手首に嵌めて】

うむ、よし……ところでそうだ、私の城だ。乗っ取られたのだよ、アレに
今ちょうど、時も熟したし、取り戻そうと思っているのだがな―――?

【彷徨う古城=\―当時の攻防の結果は、かの半魔の勝利であった】
【故に城はその支配下にあって、綾津妃自身も捕らえられていたのだ】
【――と、手短に状況を口にすると、話を続けたものか、と彼の方を見遣って】
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/13(土) 14:26:43.87 ID:FsJ8gQHUo
>>724

【仕舞うのかと思いきや手に嵌めたのは少なからず驚く点であり、】
【男はその光景を見て少々押し黙ったのだが――何と言うか、似合うのだから文句は言えず】

【それで果たして「よし」なのか、趣味が良いのはどちらだろうかとも考えたが、】
【自分の趣味に突っ込まれるのを避けたかった。 故に敢えて何も言わずにそっとスルーして】

……腐れ縁ですからね、お供しますとも。 ただ、何か策がお有りで?
敵が敵ですからね、私も何度負けた事か……は良いとして。
第一貴女、私の他に誰かアテでもあるんですか。 めぼしい協力者の

【カノッサ、そしてかの半魔。 何度か対峙してなおこの身が残っているのが奇跡的だ】
【相手とてその強さを身に染みて知っているだろうが、彼は確認するようにそう言って】
【最後の一言は――友達がいなさそうだと暗に言っているのだろう。 じとりとした視線を向けた】
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 14:40:13.20 ID:rGmCcES0o
>>725

……寂しいことを言うじゃないか、お前も似たようなものだろうに。

ふん……実はな、もう形は出来ているんだよ
勿論戦いは避けて通れないが、必ずしも銃や剣で殺す必要は無い。
というよりも、むしろ……ある程度痛めつければ、それで良いんだ。

【『それだけでな』――と言うと、彼女は一本の木の棒を拾い上げ】
【地面をとん、と叩けば草木が枯れて砂地になり、そこに幾つかの点を打つ】
【数は6つ。真ん中に大きな星を描き、それを囲むように――包囲するように、打たれたソレは】

――先ず、私の友人にセリーナ・ザ・キッドが居る。つまりUT勢力が1つ。
次点がカノッサ機関……奴の横暴を許さない、という勢力が2つ目。

続いて私、それからあのコンプレックスの塊のような塔に閉じ込められた
貪欲の悪魔≠ニ、それと組んだとあるメイドで計4つ
残りはお前のような個人的恨みを持つものと……あぁ、最後は秘密にしておこうか。

何、既に触れた連中を別枠で捉えただけだ、小さな小さな楽しみだよ。
……それで、こうして私が形にしたというのはつまり、既に準備は出来ているということ。
ここ暫くは世界も、そしてあのリリアも動いていなかったから…。……詳しく聞くか?

【最後は手にした枝すらも朽ち果てるが、地に点を打つ綾津妃は何処か楽しげ】
【決して具体的な作戦は言っていないのだが――既に、奴の墓は用意してあるとでも言いたげだった】
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/13(土) 14:58:28.39 ID:FsJ8gQHUo
>>726

私は生憎掃いて捨てるほど友人がいるのでね、皆よく切り結ぶ仲ですよ
例えば……――まあ、それは後にしましょう

【ある程度痛めつければ良いという彼女の話は魅力的であって、減らず口も一旦つぐむ】
【それから彼女の描く布陣とその説明を聞く中、一つ思い当たる点があった】

思った以上に協力者がいたものだ……秘密、というのも気になりますが
しかし、カノッサ機関も味方に引き入れる、と。 それは面白い戦いになるでしょうね……

……そんな勢力とのパイプ役になれる人間に一人、心当たりがありますよ
もっとも、彼自身の参戦は望み薄ですが……必要とあらば使えるとだけ

【最後を少々言い淀んだが、そういう手を持っていると彼は告げる】
【ここまでを聞く限り、人員に関しての不安は無くなった。 あとは肝要な策の方か】
【聞くかと問われて「勿論」と短く答えた彼は、先を促すように小さく一つ頷いた】
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 15:21:33.45 ID:rGmCcES0o
>>727

秘密はひみつ、だ……しかしきっと驚く。それはもう、とてもな
お前の言うパイプ役というのも気になるが、先ずは策か。
少し話が飛躍する。深く考えず、有りのままに聞くのが良いと思う―――

【と、告げると、一挙に周囲を吹き渡っていた風が凪いだ】
【みしり、と荒縄が音を立てて、ソレが止まると綾津妃は深く息を吸い】

――あのATLASという巨塔は、元は魔界のものらしい。
それを無理矢理に引っ張ってきたものだから、強制連行のような目にあった者も居る

その中に『マモン』という大悪魔の、その片割れが紛れ込んだ。
奴は以前から縁のあったとあるメイドを狗にして、私や他の連中に声をかけたのだ
「あの生意気な半魔は私が封印≠キるから、人間でそこまでの手引きをしろ」と。

……勿論、封印の仕方は知らん。が、また簡単な話だろう?
我々がなすべきは時が来るまでに殺されぬ事と、提案が嘘でないと祈ることだけだ

いや……仮に嘘だったとしても、封印という発想は儲けものなのだよ
幸いにして戦場は確実に風の国の草原。私が命を落とし、顕現した土地。

……あとはな、行動するだけなんだ。実のところ、もうあの半魔は生きてゆかれない
あまりにも恨みの種を巻きすぎて、自分がその蔦に絡め取られているのに気付いていない。
確かにその力は恐ろしく、災厄にも匹敵する……だがそれだけ。ただ、それだけなんだ

【「大体は理解できたかな」―――と、綾津妃はセシルに言葉をかけた】
【今度の笑顔は楽しげでも妖艶でもない。再度吹き始めた風の様に、何故か悲哀が見えた】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/13(土) 15:44:18.95 ID:FsJ8gQHUo
>>728

――……ええ、理解出来ました
その悪魔が信用に足るかが不明瞭ですが……現状、それ以外に縋れる藁も無いのでしょう
行動しないよりはずっと良い。 それに乗りましょう。 あとは私から、一つだけ――

【現状でそこまで組み上がっている策に否を突きつける理由も無く、代替策も持ち合わせていない】
【不確定要素がある事も致し方ないし、それに対して彼女が儲けものだという何かがあるなら文句無しだ】
【そこまで聞き届けた男は、悲哀を覗かせた彼女の前で指を一本立てて見せた】

敵に同情出来る程の器量はない。 考え過ぎだというなら、それで結構
だがもし、万が一にも、哀れなどという感情を持てば――その隙を突かれかねない

……貴女の生い立ちは、以前聞いた程度で知っています
似ているとは思いませんが、恨みという点で近しい部分はあるでしょう
だからと言って、己を重ねる事の無いよう。 あれは貴女と違って、暗闇に閉じ込められるに値する罪人だ

【彼女の見せた表情に対して、彼はそういう感想を抱いた】
【言い含めるような言葉ではあったが、要約するなら最後に添えた言葉が示す通りということ】
【左右の瞳孔の大きさが揃わない故に色味を変えるオリーブの視線は、彼女を直視することなく絞首体へ茫洋と向けられていた】
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 15:57:58.13 ID:rGmCcES0o
>>729

【自らの前に在る一本の指。それに視線を注ぎながら、言葉を聞く】
【悲哀――その表情が何故浮かんだのかは、綾津妃にも分からない】
【ただもしかすると、この男が言うとおりなのか。なんて、思えるような気もして】

【――少しだけ間を空けて、かの表情は消え去った。ただの、弱い笑みに変わる】
【一々感情がどうだのと言うほどでもないそれは、淡白だが強い、彼女らしさのようでもあって】

……気を付けるよ。私が居なければと自惚れるつもりもないが
今回に置いては誰ひとり欠けても皆が困る。糸を通せるほどの隙すら作るまい

さあ、では……私の方は1つ、他の連中と話を合わせてくるとしよう。
久しぶりにあって話した割りには、昔話よりも有意義だったよ
……そうそう、今度時間があったら、ソレ≠フ感想を聞かせてくれ―――。

【そんな言葉を言って立ち上がると、煙が風に流されるように、忽然と彼女は姿を消した】
【同時に死体も地に落ちて骨となり、残されるのは手頃な太さの荒縄だけ】

【まさかソレ≠ニは、つまり―――。――いや、しかし貴重な品なのは確かだ】
【幾十人かの首を締め上げ骨を外した歴戦の縄。さぞ骨董的価値は高かろう】
【――が、それをどう使うかは当世の持ち主が決めること。好きにしろというように、縄目が緩んで地に落ちた。】

/切りもよさそうなので、この辺りでっ!
/お疲れ様でした&ありがとうございましたー!
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/13(土) 16:07:29.26 ID:FsJ8gQHUo
>>730

……皆、貴女の為に死んであげられるほど弱くは無いでしょう。 私を含めて

【静かだった表情を緩め、彼はくすと笑みを溢した】
【それから忽然と姿を消した彼女の残骸を追うように元いた場所を見据えていたが、】
【同じく死体も消え去った後に蛇のようにずるりと地に落ちた縄を一瞥すると、徐にそれを拾い上げた】

黒水晶の髑髏に、手錠に、今度は縄――ふふ、本当に趣味の合う友人だ

【人を絞殺した縄を厭う様子も無くそのまま懐に仕舞い込んで、彼もまた草原からふつりと姿を消した】

/お疲れ様でした、ありがとう御座いました!
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/13(土) 19:30:27.45 ID:ADRqh+26o
【UNITEDTRIGGER――店内】

……ヒャハハ、回収完了……っと
まァさか"あァの世界樹"を利ィ用して追ォい出すとは思わなかったぜ
だァが、もう精神はズタボロのはずだ……あァとは、刺ィ激してやるだけ

【店のとある席に座っている一つの黒い影――】 【それは……猫?】
【2m程の身長の身体で、全身に黒い毛を持っており、所々に紫色の毛を持っており】
【眼は、白目が黒く、虹彩は真っ赤で】 【首にはマフラーの様に紫色の毛が生えており】
【また、手足や尾の先端にも紫色の毛を持っていた】

【体型は二足歩行型――椅子に座り、コーヒーをすするその姿は……とても猫とは思えない】

能力は俺様の"劣化"だァが……"進化の可ァ能性"は役立ちそうだからなァァアア、ヒャハハハ
そォれに"あっち"には"混沌の種"を植えつけた――こォっちは発芽したら回収だな、ヒャァァッハッハッハッ

【……さて、明らかにこの場にそぐわない存在だが、この者が立ち去る前に誰か現れるのだろうか?】
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/13(土) 21:03:54.53 ID:XIfEcWano
【地下道】

【しとしとと雨の降る音が響き、湿気と少しの雨水が階段を下がってコンクリートの通路へと入り込む】
【階段前の排水溝のおかげで、幸い水没する事はないようだが】
【乾いた地面を埋めるように足跡が続いて、明かりもない暗がりの中へと下りて行っていた】

……夏と、云えど。少し……

【身を縮めるように座り込んでいるのは、黒い長着物に黒の羽織を着た、線の細い男】
【切れ長の目は黒く、鼻は癖無く唇は薄く、黒髪は襟足にかかり前髪は長い】
【足袋を履き黒い下駄を履き、手には紫の線が一輪描かれた黒い和傘を持っている】
【一見その体は薄く面は白く、その声もまた、どこか中性的な掠れを持ち】
【和で統一された姿を裏切るように、首元には幅広のチョーカーをつけている】

……さむい

【薄らと漂う鉄の匂いは、血を浴びた長着物が元。足跡に朱が混じらないことから、男の血ではないことが知れる】
【ふとすれば、影の中にそのまま溶け込んでしまうように。じっと雨が上がるのを待っていた】
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/13(土) 21:21:07.89 ID:XIfEcWano
/>>733は取り消しします
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/13(土) 21:47:28.92 ID:FsJ8gQHUo
【何処かの街――路地裏】

【冷えた石造りの街道から僅かに街灯の灯りが差す小路に、二つの影がある】
【一つは半人半馬、鎧を纏い剣を携える精悍な青年のケンタウロスであり、もう一つは人間の少女のようだった】

――……お兄ちゃん、遅い……ね、まだかなぁ。
お腹、空いた?

…………

……うん、ちゃんと作るよ、大丈夫。 帰ったら、ね。
ホルンと同じご飯でいい? きっとね、今日は、失敗しないの。 クルクル虫を煮るんだ

【人語でない言葉を話す馬に対し、右目を長い前髪で隠した少女はそれを解しか細い声で会話をしていた】

【長めの前髪で右目が隠れているが、隠れていない左は明るいグリーンの色合い】
【ローズブラウンの腰までの髪は緩く巻かれ、黒い小さなハットを斜めに被っている】
【肌の色は白く、大きな瞳は斜め下に向けられがちで気弱な様子が良く分かる表情】

【黒いベルベット地に銀糸と薄桃で刺繍を施した膝上丈のディアンドルに、同色の低い踵のシューズ】
【右手にのみ、黒のハードレザー製でチェーンの装飾が付いた、少し強気なデザインの指貫グローブを付けている】

…………

……え。 嫌なの? どうしよう……

【馬が否定を返したらしい。 困ったように眉を下げた少女は、頼る者が来ないかとばかりに小路の奥に視線をやった】
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/13(土) 21:58:38.60 ID:XIfEcWano
>>735

ごめんよ、遅くなっちゃったかな
袋に詰めるのに手間取っちゃったんだ

【軽い足音と共に響く柔らかなボーイソプラノ、ふ、と頼り無い街灯の範囲にもう一つ影が差す】
【こちらも相手の存在を知っていたかのように、待ち呆ける相手に自然な様子で声を掛けた】

……はは、また何かわがままを言ったのかい?
今日の晩御飯はどうしようか、もし疲れてるなら屋敷の侍女達に頼んでも構わないよ

【明るいグリーンの瞳、ローズブラウンのふんわりとした短髪の少年】
【斜めに被った黒い小さなハットの下の肌は白く。二重の丸い目、鼻筋は通り口はやや大きく、はっきりとした目鼻立ち】
【白い襟の無いシャツと白いタイツが細い身体を包み、首元に黒いループタイが巻きついて】
【黒いベルベット地に銀糸と薄緑で刺繍を施した膝上丈のレーダーホーゼンに、同色のチャッカブーツ】
【左手にのみ、黒のハードレザー製でチェーンの装飾が付いた、少し強気なデザインの指貫グローブを身につけている】

傍に居てくれて、ありがとうね

【布地の厚そうな布の袋を、まるでサンタクロースのように担ぎながらに二人に近付き】
【少女の傍に控えていたケンタウロスにも、笑みを湛えながら声を掛ける】
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/13(土) 22:20:48.38 ID:FsJ8gQHUo
>>736

……あ。 お帰りなさい、ジュリアス!

【困った様子であったのが、相手を認めると途端に少女はぱぁと表情を綻ばせた】
【そして重そうなものを抱えた彼を案じてか、慌てた様にそちらへ駆け寄る――のだが、】

ふ、わぁ――っッ!!

【何も無かったはずなのだが、何かに気躓いたように少女はあわや転倒しかける】
【それが未遂で済んだのは、主のしでかしそうな予感を賢明に察知したケンタウロスが手を伸ばしたからであった】
【うう、と呻いた少女を見る馬の目は、普段明確な感情を見せる事はないのだが、呆れているようにも見えて】

っ……、ドジだからじゃ、ない、の。
……今そこにね、キューキュー鼠がいたんだから。 踏んじゃダメだって……

【言い訳めいて強がっているのか、本当の電波か掴みがたいのは、いつもの事だろう】
【彼女は「人に見えないものが見える」と折に触れていう事があり――それもあながち本当なのかも知れない】

それにね、私……、我侭なんて言ってないもの、ロナンが言ったのよ、我侭。
――え。 侍女のご飯が良いの? ……ふぅん、そう、もういいもん。 帰りましょ、ジュリアス

【主の兄に声を掛けられれば剣を下げて一礼をしたロナンという馬は、猛々しき種族の中では品格のある様子であった】
【だが得体の知れない虫を食わされるとあっては、譲れないものがあるようで、ジュリアスの言葉に同調したらしい】
【そして、それに加えて馬は少年の荷物を指さして示す。 自分が運ぶ、と言いたいようだが】
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 22:27:15.29 ID:gHgbrt9P0
【薄暗い森の中。がさがさと動く影が一つ】
【濃い青色をした其れを纏っている所を見れば――――修道女であろうか】
【月の光を鋭く反射させる銀の髪。困った様に、ウロウロとさせる双眸】


「あの……そろそろ、離れて貰えませんか?
私も飼いたいのはやまやまなのですが……あなたを育ててあげれるだけのお金も無いのです
それに、野生のままの方があなたにもきっと……と言っても、分かりませんよね」

【悩みの原因。其れは、頭の上で丸まっている奇妙な生き物】
【ふわふわとした毛並み。まるで、ハムスターの様にも思える外見】
【眠っているのだろう。時折心地よさそうな小さな寝息が聞こえて】


「このままこの子を置いて行くと、獣や魔物に食べられてしまいそうですし……
かといって、連れて帰るわけにもいきません。……どうしたものでしょうか……」

【その毛玉を乗せたまま、ウロウロとする姿は何とも滑稽】
【時間も時間。そしてそんな奇妙な行動が合わされば、自然と目立つ事になろうか】







【櫻の国。人の手が届いていない山奥にて】
【何かを思いっきり叩き付けるような音。続いて、獣の様な悲鳴】
【バサバサと鳥たちが飛び立っていったかと思えば、その中に一匹の妖怪が交じっている事だろう】


「はいはい。もう拙(ぼく)の見回り範囲内で暴れたり人間襲ったりしないでねー
ああ、訂正。人間は別にいいけど、美人な人だったら拙に献上してよ……って、もう聞いてないんだろうなぁ」

【その場、見てみればもう一匹の妖怪。山伏服を纏い、六尺棒と呼ばれる物を得物としていて】
【背中に生える漆黒の翼。所謂、烏天狗であろうか】
【少女の様な顔つき。苦笑いを浮かべながら頬を?けば、逃げていった妖怪の行く先を目で追って――――】
【ふと笑えば、背後の女の子へと視線を移すのだろう】


「……ま、もう遅いから君は村に帰りなよ
お礼?んー……じゃあ、何時か拙とデートしてくれれば其れで良いよ
……じゃあ、気を付けてねー」

【ゆるりと浮かべる微笑。後ろ手を振って走り去る少女を見送ったならば、その場に腰を下ろして】
【懐から取り出したのは、三合はあろうかという瓶。蓋を開ければ、アルコールの匂いが辺りに漂い始め】
【――――強い妖気。そして先程の騒ぎ。偶然付近に居た者が寄ってきても、不思議では無くて】
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/13(土) 22:43:12.84 ID:XIfEcWano
>>737

ただいま僕のジュリエット。……それとロナン、もう一回ありがとう
鼠を避けたのか、僕のジュリエットは優しいね。それとも、足を食べられちゃうからかな

【体勢を崩した妹を目の前にして一瞬助け起こそうとするが、馬の動作を見てすっと手を止める】
【伸ばす手がぶつかれば、尚更妹が地面に転がってしまいかねない。立ち竦んだまま、安堵の息を洩らす】

城の人達は掃除夫まで高い技術を持っているもの。ロナンが気に入るのも仕方ないよ
僕のジュリエットの料理は、また今度仕事の無い日に食べさせてもらおうね

【荷物を持つ、との申し出には首を振る。袋はうっすらと金属の光沢が透けて見え、中をコーティングしているのが分かる】
【恐らく能力を使用して密閉しているのだろう、手放せないのは道理だ】
【そのまま持ち直した妹を挟んで三人並び、ゆっくりとまだまだ長い帰路を歩き始める】

……そうそう、さっきのヒトはやっぱり“彼ら”だったよ
“彼ら”の仲間に知られたら今度“彼ら”に会った時大変だから、知られてなければいいね

【彼らと言い示しながら指で空を切るのは、逆五芒星のシンボル――カノッサ機関だ】
【恐らく聞かれることを憚ってだろう、形のいい眉にほんのりと不安を滲ませて、宙に描いた指を口元に寄せる】
【――そして第二に、カノッサ機関に知られると危険な事を、誰かにしてきたようだ】
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/13(土) 23:04:50.87 ID:FsJ8gQHUo
>>739

【相手が拒めば、聡明な馬はそれ以上を語らず双子を警護するよう隣で歩く】
【リズム良く石の道に鳴る蹄鉄の音は静かなもので、二人の会話を邪魔することも無かった】

むぅ……そっか、そうだよね、うん。
分かった、今度作ってあげるから……、ねっ

【彼の言葉を呑み込んで笑顔で頷いた少女も、その傍についてゆっくり歩み出す】
【だが、実際はこうしていられるのも平穏な帰り道、そして何より兄の前だからであって】
【――話が仕事≠ノ触れると、大きな瞳に不安げな色を覗かせた】

……そう、だったの。 知られていないと、良いけれど……
もし、知られたら、……きっと怒られちゃうね、あの人は、怖いから。

【彼の描いた逆五芒星を追う目は微かに潤んですらいたが、それはカノッサに対する恐怖とは違っていた】
【挙げた名は上司の事だろう。 少女は失敗がどうこうよりも、その後に起こりうる怖いことを想像していた】
【下がる眉、落ちる視線、俯く表情。 その状態が殆ど彼女の通常といっても良い程に、いつも怯えてばかりで】

――……あ、でも。 ジュリアスはお仕事も、ちゃんと出来るの、知ってる。
だから、大丈夫かな、……ううん、大丈夫だよね? 私も、しっかり頑張るの

【その不安を上回れるのはやはり兄であって、信頼する言葉を紡ぐほど自身も安堵する】
【もし彼の手が空いているなら、少し戸惑いがちに彼女の手が伸ばされて――つなごうという事だろう】
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/13(土) 23:21:37.01 ID:liMy+Nuqo
>>738
【強い妖気、空気を震わす騒ぎの音───どちらも、人を不思議と惹きつける材料だ】
【だが、それが。そいつ≠ェ引き寄せられた要因は、何よりその匂いだったのかもしれない】

…おんやぁ…何やらいーい匂いがするかと思いきやぁ、いつかの烏天狗かい

【まるで樹液に虫が集まるようなもの、彼はきっと酒の匂いを嗅ぎつけたのだろう】
【右手を顎に、ニヤニヤとした笑顔を浮かべ、少年の背後に現れる】

いいねぇ、旨そうじゃあねぇかい…んん、旨そうだ
…なぁ?

【水色の着流し、下駄履き、白髪のポニーテール、前髪で左眼を隠した青年である】
【首に白いマフラーを巻き、腰には帯刀、眠そうな半開きの目で口にはゲソの干物を咥えている】

【───「なぁ?」だなんて白々しく、物乞い紛いに話し掛けたりするが】
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/13(土) 23:27:35.86 ID:XIfEcWano
>>740

そうだね、ヘンカーさんにも危害が及ぶようであれば屋敷が何をしているか探られてしまうかもしれないし……
いくら材料の収集程度だと言っても、“彼ら”は謝って許してはくれないだろうしね

【対してこちらはどこか呑気に上司について語る。一方で恐ろしいと語られるにしては、くらいの】
【明るいグリーンの瞳、ローズブラウンの髪、寸分違わぬ背丈】
【しかしぴんと張った背筋もはきはきとした態度も、相手とはどこか対照的だ。けれどもその違いを疎ましく思う様子は無く】
【ふ、と周囲に向けていた目を少女へと戻す】

大丈夫、僕のジュリエットはいつだって僕を支えてくれているよ?
今日だって、こうやって無事に帰れているのは僕のジュリエットのおかげなんだよ
相手も三人で、ちょっぴり手強かったもの

【零れそうな瞳に滲む不安の色に、首を軽く振って己の不安を払う】
【大きく頷き相手の功労を賞賛し、もう一度頷いて相手の指先に手をそっと重ね合わせる】
【握りしめる力は軽く、けれども離れないように、つないだ手を、ほんの少しだけ揺らす】

怪我は無いだろう、だったら帰ったらすぐに食事にしてもらおう!
今日は暑かったから何か冷たいものもいいけれど、あったかいスープがあるといいな

【ぱっと顔を上げて語る内容は、遊び疲れて家へと帰る子供のそれだ】
【時間や不穏な袋、靴裏に滲む血の跡さえ無ければ、誰もがその姿をほほえましく思っただろう】
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/13(土) 23:36:04.06 ID:gHgbrt9P0
>>741

「…………あのねぇ、お兄さん
これは拙の仕事後の楽しみだから、あげる訳無いからね
お兄さんが美人な女の人だったら話は別だけど……ほら、お兄さんはお兄さんだし?」

【カタン――――乾いた土に、六尺棒の底が触れて】
【其れを身体の支えにしながら振り向けば、視界に収まるのは何時かの青年】
【ジットリとした視線を向けたならば、先手を打つが如く「あげないよ」なんて】


「――――まあ、そうだね
人間達には作れないようなお酒だから、そりゃ美味しいよ?
鬼の好物でもあるし、拙等の好物でもある。まぁ……人間達には到底手の届くような物じゃ無いから、好物に成り得ないけど
で、お兄さん。此処に何しに着たのさ?妖怪追っ払いならもう終わったし……コレを欲しくて着たなら、もう答えは分かってるでしょ?」

【グビッグビッと数回喉を鳴らしたならば、勝ち気な笑みで言葉を返して】
【人間の手に届かない物。即ち、妖怪特製の酒であろうか】
【物乞いをされる前に、答えを潰していく算段であろう。一つ一つの予測によって、行動を潰していくけれど――――】
【余りにも得意げになっている故に、その手はお留守番。素早くすれば、酒を引ったくる事も可能であろう】
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/13(土) 23:49:48.22 ID:FsJ8gQHUo
>>742

――……うん、そうだね。 怖いものね、あの人達

【相手が別の形で捉えたことに気付くと、何か言おうと小さく口を開いたのだが】
【結局はそれを噤んで、彼の指す者に合わせた言い方に直した】

【自分の事を鬱陶しいと振り払わない、大切にしてくれる、自分にとっての絶対的に大切な存在】
【そんな片割れの彼に全て沿わせないことは酷い間違いのような気がして、何より嫌われたくなかった】
【時に恐怖に、厭世に、絶望に襲われたとき――彼女を救う唯一無二の光が、ジュリアスだった】

良かった、私も……ジュリアスの力に、なれてるんだね。 嬉しいなぁ
凄かったのはね、ロナンなの。 今日は連れて来なかった皆も、とても強くて、私の力になってくれるの

【つないだ手の温かさにぎゅっと目を細めて微笑む。 浮かんでいた潤みは微かな一筋となって流れ、消えていく】
【自分の、正確に言うなら自分が操る獣達の成果なのだと彼女は思っているために、功労を謙遜しつつも嬉しげであって】
【――兄は一人だって強いけれど、自分は。 そんな言葉は押し留めてきゅっと握った手に力を込めた】

ジュリアスも……、怪我してないよね?
私も、お腹が空いたし、疲れたから、あったかいスープでほっとしたい……でも、何のスープだろう?
お魚は苦手だなぁ。 バナナを入れると美味しいけど……あ、でも貝は、好き

【彼女の様子もまた、内気な癖に少し我侭な(正確に言うなら兄にだけ)、妹のそれであって】
【つないだ手を揺らしながら、兄にいろいろと話す。 隣の馬は静かなもので、傍に侍ったまま歩調を合わせていた】
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/14(日) 00:05:07.59 ID:HVG48vtwo
>>743
あぁそうかい、そいつぁ残念だ、今日ほどオイラが男なのを恨んだ事はねぇ

【振り向いた時には、既に歩みは終わっていて、まだ少しは距離の空いた微妙な空間を隔て、ニヤニヤ笑いが少年を見る】
【冗談めかして言いながら、その視線が注がれるのは手の中の瓶、余程に気になるらしい】

ふんふん、鬼の好物と来たか、それを聞いちゃあ余計に欲しくなるってもんよ
摘みと交換に一口…いや一舐めでもくれやしねぇか…つってもくれやしねぇやな

【まあ出せる物なんてスルメイカくらいしかないのだが、自慢気に語られると無理と分かっても気になるのが性】
【頼み込むとも、無理なのは火を見るより明らかで、残念そうに呟くと、しかしニヤついた口角のままクビを上げて】
【木々の間に顔を出す月夜、ざざぁと緩い風が吹く、上げた片足は踵を返すと見せかけて───】

【まるで疾風、戦う相手の一瞬の隙を突く時のそれと同じように、非常に素早い足捌きが地面を叩く】
【座った少年に一気に距離を詰められれば、そのまま足を振り上げ手に持った酒瓶を蹴り上げようとするだろう】
【もし酒瓶が宙を舞ったなら、青年は飛び上がり酒瓶を手の中に納めようとする】
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/14(日) 00:17:00.58 ID:+Hak8441o
>>744

あ、でもリチャードさんは優しいかな? あの人は、人を責めるのに慣れてない気がする
奥方様は……僕らは直接逢う事も少ないから、どうだろうね

【ぽつぽつと口から出る名前は、同じく彼らの上司だろうか。その中に、一つだけ敬称の違う者が混じる】
【こればかりは少し言い淀んで、ふ、とごくごく自然に視線を風景へと逸らした】
【ほんのちょっとだけ繋いだ手先に力が篭もるのは、どのような感情からか】

そうだね、ロナンにもみんなにも感謝しなくっちゃ。僕のジュリエットに支えられると言う事は、彼らにも支えられると言う事だ
彼らは、僕のジュリエットの片腕なんだからね!

【認めるのは彼女自身、認めるのは彼女の力達自身。裏の無い性格が生むのは、てらいの無い言葉】
【鷹揚とした心は、“引け”だとか妬みを持たず。故、理解もどこか乏しくて】
【それは計算を含まずに大事な妹を受け止め抱き締める、正しい気持ちではあるのだろう、けど】
【振り返って向ける笑顔は、変わらず自身にも相手にも自信を持って価値を保証するものだ】

僕は大丈夫! けれど気を張ったから、お腹いっぱいにして緩めたいなあ
うーん、かぼちゃかな? けど、かぼちゃの季節にはまだ早いんだっけ……?
魚スープ用のバナナは、この辺で手に入るかな……貝のスープもいいなあ、ハーブを沢山利かせてあるのがいい!
パセリ、セージ、ローズマリータイム……

【仕事の後で張っていた気は、他愛の無い会話の中で十分すぎるくらいに緩められていくのだけれど】
【食べざかりらしい欲張りな要望をあれこれと妹に向けている内に、次第に風景は高級そうな住宅街へと移り変わり】
【胃の中の空腹を全て言葉にして出しきるより前に、小さな影は屋敷へと入っていくだろう】


/こんな感じでしょうか、お相手いただきありがとうございました!
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/14(日) 00:23:15.84 ID:uM5HcuhR0
>>745
「恨んだって代わりはしないんだから、ほら、あっちに行って
……って、何笑ってるのさ気持ち悪い。そんな顔したってあげない物はあげないってば」

【チョビチョビと減っていく中身。言葉も嘘では無かったのか、実に美味しそうに飲んでいて】
【その視線が自分、延いてはその酒へと注がれている事に気付いたならば、自分の身体の後ろに回して隠すのだろう】
【まるで、子供が宝物を誰にも取られまいとする其れに似ているが】


「だーかーらー、諦めてってば
拙は別にお摘みなんて必要無いし、何と交換と言われたって、お兄さんには一口もあげないよ
分かったらさっさ――――トっ?!」

【手の甲で払う仕草をする位、邪険に扱うが】
【突如感じた、腕への衝撃。見てみれば、あれ程楽しく飲んでいた酒瓶が無くなっていて】
【幾ら天狗とは言えども、不意打ち且つその距離を縮めるのは難しかったのだろう】
【思ったよりも易々と、酒瓶を握ることが出来た筈で】


「ちょ、ちょちょちょっと?!お兄さん、人のお酒をなに勝手に奪ってるのさ?!
今ならまだ許してあげるから、早く返してよ!!」

【思いっきり眉を顰めれば、そちらに歩み寄って返還を求めるが――――】
【そのお酒、飲んでみたならば所謂絶品にも等しい味わいを体験する事になるか】
【下手な人間が作り出す其れよりも、遙かに優れていて。無論、鬼が好む程に度数は高いのだが……きっと、青年であれば問題は無いであろう】
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/14(日) 00:41:11.07 ID:hYPTdemlo
>>746

【他の人について述べる事が苦手な彼女は、兄の言葉をおっかなびっくり聞いては時折小さく頷いてみたりする】
【思う所はあるけれど口に出すのは怖い、そういう事だろう。 内気と言えば聞こえは良いが、悪く言えば卑怯だった】
【何せ周りの皆は、彼女程度の心なら透かせてしまえそうな気がして――口にしたが最後、本人の前で平静でいられそうにない】
【奥方様≠ノも、彼が手に力を込めたのを感じ取れば、双子である故に言葉の要らない深い部分で静かに受け止めた】

……片腕、……かたうで。 ふふ、かたうで――

【自分の一部だと思うと、その力がそのまま自分の力である実感が強くなる】
【どこまでも自己評価の低い彼女を持ち上げてくれるのは彼の自信で、まさしく光であって】
【嬉しそうに復唱して隣のロナンを見上げる。 精悍な馬は表情を動かさないが、ちらと二人を見ていた】

かぼちゃ……かぼちゃのスープ、大好き! 楽しみだなぁ、かぼちゃだといいなぁ
お魚のスープも、ハーブを利かせれば良いのかなぁ……ふふ、今度、料理長に教えて貰おうっと

【先程までの不安の影は薄く、か細い声にも、時々少女らしい弾みがつく】
【二人の会話に食欲を引かれたのか、馬が嘶くような声を一つ溢した。 もしくは主の手料理と言う不吉なフラグを恐れてか】
【屋敷に入るとロナンは庭先に留まり、中へ進んでいく二人を見送る。 姿だけをみるなら、彼らは幸せな双子でしかなかった】

/お疲れ様でした、ありがとう御座いました!
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/14(日) 00:55:50.84 ID:HVG48vtwo
>>747
【すたん、と地面に降りれば、瓶を軽く揺すりながら後ずさりで少年との距離を取る】
【ちゃぷちゃぷと瓶の中で音を立てる液体の音で、中身がまだあるのを確認すると、満足そうに頷いて】

いやぁ、人聞きが悪い事を言うなよ
奪っちゃいねぇさ、お前が手を離したから、オイラが拾っただけさ
わざわざ落ちて割れる前に拾ってやったんだ、一口くらいいいだろ?

【なんて、にやけ面を向けながら屁理屈を言い返し、近付かれる前にと瓶を煽る】
【一口にしては、随分飲んでいるようだが───】

…ほう、こりゃあ───鬼が好むってのも頷ける

【瓶から口を離せば、手の甲で口を拭い、手の甲に着いた酒の雫すらペロリと舐めて、満足そうに】
【もう中身もすっかり減ってしまった瓶を軽く振るえば、少年に投げ返しながら、問い掛けた】

なぁ烏天狗、こいつぁ妖怪にしか回ってこねぇ代物かい?
是非とも、もっと飲みてぇもんだ

【舌舐めずりで唇に残る味を楽しむ───意地汚く見える行動で名残を惜しむ程に、気に入ったらしい】
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/14(日) 01:12:41.66 ID:uM5HcuhR0
>>749
「拾ったって……君ねぇ……
どう考えたって可笑しいでしょ?!拙が持って居たのを蹴っ飛ばした挙げ句に奪ったでしょ?!
はぁ……もう良いよ……一口だけね、一口だ……け……?ちょ、飲み過ぎ!飲み過ぎだってば!!」

【もう追うことも諦めて、呆れた吐息をするけれど】
【一口だけならば――――そう考えれば、「別に良いよ」との言葉】
【其れが禁句だったなんて、気付く事も無く。どんどんと減っていく中身】
【駆けつけたときには時既に遅し。もう僅かばかりの其れを受け取ったならば、落胆した様子を見せて】


「…………幾ら何でも意地汚すぎるよ。蹴っ飛ばして奪ってみたり、そんな名残惜しそうに舐めたりするなんて

当たり前だよ。大体にして、全部の妖怪が君達と話す訳じゃ無いんだし、見ただけ襲うのだって居るんだから
それに、このお酒を造っている妖怪は人間に住んでいた所を奪われたんだから、そりゃあ凄い恨みようだよ?
だから、人間に出回る筈も無いし……今日飲めただけでも奇跡なんだから、もう諦めてよ」

【自分の口の上でひっくり返して、其処の方をトントンと叩いても落ちてくるのは雫だけ】
【今一度深いため息を吐いたならば、今の時期に合ったじっとりとした視線を向けるのだろう】
【作っているのも妖怪。そして、その妖怪は人を激しく恨んでいる――――となれば、出回らないのも仕方の無いことか】
【夜空を見上げ、少しばかり思案するかのように間を置いたならば、もう一度言葉を紡いで】


「……まあ、拙も沢山蓄えはあるけどね
今飲んでたのとか、其れよりも少し上質な物とかさ
……でもねぇ。美人な女の人でも無い、そして人のお酒を奪っていく君に分けてもねぇ…………?」

【再び向ける面は、意地悪く笑っていたことだろう】
【先程の同じ物、或いは少し位の高い物が、まだまだ残っている――――その部分を、いやらしくも強調して】
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/14(日) 01:44:08.95 ID:HVG48vtwo
>>750
───そりゃあ残念だ、人が嫌いじゃあ貰えやしねぇやな
それか、一層本当に鬼になってみるか、ねぇ…くっくっく、それも悪くはねぇ

【落胆する少年がまた愉快で、楽しそうに笑いながら言葉を紡ぐ】
【いつもの事だが、彼の『残念だ』は全然残念そうに聞こえない、冗談かそうでないか分からない発言もあいまって、何か企んでいるようでもある】
【それこそ、今みたいに強引な手に出るのも躊躇わないような、抜き身の刀がそこにあるような危なっかしさ】
【当然の事だ、何しろ酔っ払いが凶器を持っているのだから】

…くっくっく、お前も意地が悪い…どうせやる気もねぇ癖に
……女…ねぇ…

【美人な女───自分は当然そうでないとして、はてそんな知り合いはいたか───】
【斬り合った中にはそんなのが何人かいたような気がしないでもない、だがまぁ如何せん連れて来るには難しい関係ばかりだ】
【一層の事───ふと下≠ノ向けた視線は、よからぬ考えが払われると同時にすぐに戻された】

天狗の思う壺も癪だが、そうと聞いちゃあ欲しくなる
どうだい?ただとは言わねぇ、何かと交換だ
物か頼みか、今なら特別に、さっき拾った酒の分もつけてやるぜ?

【それでも、欲には耐えられない。ただで駄目ならと取引を持ち掛けた】
【何かいい物を持っているようにはとても見えないが…遣いくらいはできそうではある】
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/14(日) 02:05:02.35 ID:uM5HcuhR0
>>751
「人間が鬼になるって話は偶に聞くけどねぇ……
君は元々鬼みたいなものだから、それ以上になりようは無いんじゃない?
拙が楽しみにしてたお酒も奪うくらいだし……
――――ああ、もし会ったとしても、脅したらそのままショックで死んじゃうくらいにはか弱いんだから気を付けてね」

【未だに――――否、恐らくはずっと根に持つのだろう。むす、と頬を膨らませれば、まるで責める様な口調】
【だけれど、その節に不穏を感じ取ったのか】
【付け加えるのは、作り手の事。嘘か否か、それは実際に会わねば分からぬ事】
【――――それでも、一種の“警告”と受け取っても良いのだろう。真剣な面持ちを見れば、だけど】


「そりゃ、君に意地悪する為だもん。元々あげる気なんて、小豆洗いの小豆一粒分も無かったさ
因みに…………先に言っておくけど
君の粗末な物を切り取ったって見向きもしないから、精々大事にしまってなよ」

【察したのか、けほん。と咳払い一つ加えれば続けて注意事項】
【青年がどうなったって、見向きする事は無いよ。何て言葉】
【しかし……譲る気が小豆一つ分も無いなんて、酷な話である】


「拙は神通力は持ってても千里眼や読心術は無いからねぇ……思う壺にされちゃう、君の浅はかさを呪いなよ
……で、突っ込みたいところは幾つかあるけどさ。其処には目を瞑るとするよ
それに、頼む事って言ったって、戦闘狂の君じゃあ拙に紹介できそうな女の人なんか一人も――――あ、いや、別な事があったかな

拙の領土内で暴れる、よそ妖怪の退治。後、侵攻してくる人間の追っ払い。この二つをしてくれるなら……まあ、考えない事も無いよ?色々と
さっきのお酒の分と、これからのお酒の分。丁度、二つだよね?」

【べーっと赤い舌を見せたならば、そっぽを向くけれど】
【考え直すように、再び合わせた視線。吐いた言葉は、酒を対価とするには労働が過ぎるけれど】
【――――“色々”と付け加える辺り、対価として更に何かを渡すのだろうか】
【それは、承諾してみなければ分からない事。「どうする?」とでも言いたげに、小首を傾げて見せて】
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/14(日) 02:45:24.96 ID:HVG48vtwo
>>752
…ほう、そいつぁつまり、番犬がわりかい?
そんなもんでもらえるなら安いもんだ


───で、そいつらは斬ってもいいのかい?

【妖怪に番犬として扱われる───普通なら少し考えそうなものだが、彼は「安いものだ」と即時に承諾する】
【…だが、結局の所、戦いが絡むとなると、それ≠ェ気になるらしい】

くっくっく、暇潰しして旨い酒が貰えるたぁ、こんなにいい仕事はねぇぜ
…あぁ、妖怪の手下の真似事なんかしちゃあ、本当に鬼になっちまうかなぁ

【喉をならしてくくく、と笑い、楽しみだと言うように】
【飄々と風に吹かれるように、なる様になれの適当さが際立った男】

ま、領土っつーのがどれくらいかだが…
山一つじゃあ、まあ何とかなるかねぇ

754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/14(日) 03:04:26.75 ID:uM5HcuhR0
>>753
「別に構わないよ
拙の仲間じゃ無ければ、生きていても死んでいても関係無いしさ
人間なんて、尚更の事。何人斬ったって別に良いよ
……まあ、拙の領土で暴れるなら。の話だけどさ
嗚呼、間違って迷い込んだ子とかを斬っちゃうのは勿論無しだよ?別に里まで送ってあげてとは言わないけど
拙達は自分たちの領土を取り返して、守れれば其れで良いんだし」

【大して迷う素振りも見せなかったからであろう。きょとん、とした様子で、疑問に答えて】
【生き死になんて関係無い。即ち、斬り殺してしまっても構わない、と言う事だろう】
【付け加えるのは、「領土内で暴れる者」所謂、侵略者達の事であろうか】


「……まあ、じゃあ後で瓢箪でもあげるよ
逆さにすればお酒が出てくるやつを、さ。一日に沸く量に限度はあるし、契約を破棄した時点でもう沸かなくなるけど……
常に補充されるお酒、と考えれば中々良いでしょ?」

【瓢箪。然れど、それは只の其れに非ず】
【青年が“契約”を結んでいる間は、常に先程の酒が湧き出るという優れ物】
【――――無論、また別の物を求めるのも可能であろう】


「そーだねー……今は丁度山一つ分を取り返した位かな?
まっ、もしかしたらこれから少しずつ番犬をする範囲も増えるって事かな
流石に拙等の村で寝泊まりはさせられないけど……ね
ほら、コレでも持ってればこの山の中だったら何処でも適当に野宿したって大丈夫だよ」

【差し出されるのは、一枚の羽】
【少年の翼の物であろう其れは、不思議な妖力を浴びていて】
【――――所謂、許可証代わり、と考えれば良いだろうか】
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/14(日) 03:34:50.40 ID:HVG48vtwo
>>754
くっくっく、そいつは重畳…暫くは飽きがこねぇや
後で『領土を血で汚すな』なんて言っても、聞きやしねぇぜ?

【人斬りの許可を貰えたなら、尚更の事嬉しそうで、余程その異常さは際立って来る】
【かちゃり、と鞘が音を鳴らして、段々と待ち焦がれるように】

…酒の沸く瓢箪ねぇ…オイラも同じようなのは持っているが、まぁ種類は多い方がいいやな

【酒の沸く不思議な瓢箪、酒好きなら喉から手が出る代物であろう。しかし彼の持つ刀はそれと似通った、酒の湧き出る不思議な刀】
【当然、酒をただ飲むのには困らないのだが、どれも同じ味ではない、貰えるなら貰うが善とする】

───山一つ…ねぇ
そんじゃあ、領土が増える度に報酬も上げて欲しいもんだねぇ…当然の権利だろ?

【黒い羽一枚、右手に摘まんでくるくる回し、帯に差し込む】
【この後に及んで報酬アップも交渉しようとする度胸は褒められた物か、面の皮が厚いと呆れられるべきか】
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/14(日) 03:48:46.77 ID:uM5HcuhR0
>>755

「血で汚れて居ない場所なんて無いんだろうし……それに、血で沢山汚れたなら汚れたで、雰囲気も出るんじゃないかな
何にしたって、君は働いてくれれば其れで良いよ。他の事は、拙の方だけで心配するからさ」

【人手を借りようとする程には、侵略者達も多いのだろう】
【更には、先程の言葉から妖怪達も少なくない事が覗えて】
【確かに――――“暇潰し”には、丁度良いであろうか】


「報酬が増えるかどうかは……君次第かな?
お酒を飲んでるだけで、他の仲間が頑張ったお陰で……何て事になってたら……ねぇ?

――――じゃあ、そういう事だから任せたよ
拙はそろそろ村に戻って寝ることにするからさ」

【青年の活躍次第では考慮してみる――――そんな言葉を残し】
【バサリと広げられた翼。辺りに突風が吹き抜けたかと思えば、既に高く飛翔していて】
【手を振って別れを告げたならば、そのまま何処かへと飛び去ってしまうのだろう】
【残された酒瓶。まだ、ほんの少しだけ残っているのが、悲しくて】

/そろそろ睡魔殿が限界まで押し寄せてきたので失礼致しまする……!
/お相手、有り難う御座いましたですよ!お休みなさいませ―!
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/14(日) 04:14:58.55 ID:HVG48vtwo
>>756
それもそうかい、人斬りが出る血塗れた山なんて聞きゃあ、人も妖怪も寄りゃしねぇか
ま、旨い酒が貰えるってだけ考えとくか、頭使うのはどうにも苦手だ

【最終的には、ただ邪魔者を切り払うただの刀と化すだけでいい、少年の手の届かぬ所で、一人振るわれるだけの】
【体良く利用される立場であろうが、報酬があるならそれで文句はない、あるなら辞めればいいだけの話だ、ふらりと消えるだけの事】
【ただ、暫くいい仕事が見つかったという認識の彼には、一つの場所に留まる器なんてなくて】

くっくっく…そりゃあ、サボる訳にもいかねぇか

───そんじゃ、斬りにいくとするかねぇ…旨い酒の為に

【少年が飛び去った後で、残された一人、彼は笑う】
【残された酒瓶を拾い、逆さまにして最後の一雫まで、ピタリと飲み干すと、瓶を放り投げて歩き出す】

【何事も、始めた最初は調子が乗る】
【今宵だけで、いくらの血が流れるだろうか】

/お疲れ様でした
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage !red_res]:2013/07/14(日) 20:00:20.60 ID:Rg1vsIv20
【――――雷の国 『セードムシティ』】
【既に、機関軍と混成軍との戦闘は大局での決着がつき、都市の要衝は機関軍の占領下に置かれていた】
【わずか1000人の――――それも、実戦要員を考えればそれ以下の戦力にも関わらず、機関軍は優勢に戦闘を進めたのである】
【それには、虚を突いた奇襲と言う戦法と、今回の戦線を指揮する『RAGNAROK LABORATORY』の力に依るところが大きかった】

――――第14小隊より報告! D地点は既に戦闘終了、占領下に入りました!
敵装甲車隊、歩兵隊共に壊滅、警察機動隊は殲滅が終了しました!
非戦闘員は2116名を確保、同地点にて待機させています! また、反抗者11名を銃殺しました!

【機関軍の本隊に飛び込んでくる報告は、どれも機関の勝利を伝えるもの】
【兵は神速を貴ぶ――――今回の戦闘は、正にその格言の好例とも言うべき程だった】

……生物兵器、ですか? ……おい、生物兵器の現在状況は!?
「はっ! 『オロチ』『ウェンカムイ』『ガルーダ』各2体、全て損傷軽微、現在待機中です!」
良し! ……配備された各2体、全て損傷軽微、現在待機中!
…………はっ! これより第14小隊は、『オロチ』『ウェンカムイ』を第11小隊に引き継ぎ、『ガルーダ』2体を伴い、敵の追撃に移行します!

【そして何より――――『RAGNAROK LABORATORY』の用意した新たな戦力。それが兵の寡勢を埋め合わせて、有り余る働きをもたらしていた】
【恐らく、それぞれに素体をベースに改造されたのだと思しき、巨大な蛇、熊、そして鷹――――】
【これらが飛び交い、荒れ狂う戦場の有様は――――この世の地獄。その言葉が一番相応しかった事だろう】

――――第14小隊、これより西へと追撃開始! 敵残存勢力との距離800まで接近の後、『ガルーダ』を解き放て!
「了解!!」

【3台のジープと2台の改造トラックが走りだす。トラックは荷台の部分が強固な鉄格子で鳥籠状にされており】
【その中には――――体高1.5m程の巨大な鷹が、周囲に睨みを効かせていて】
【やがて、敵の一隊が目視できる距離まで近づくと、トラックの『籠』が解き放たれ、『ガルーダ』は空へと飛翔する】
【ギィォォォォォ――――と、鳥とは思えぬ轟くような咆哮を上げて、巨体に似合わぬ素早さで、上空から雷の国国軍を襲撃する】
【途端に足並みの乱れる敵部隊目掛けて、機関軍のジープはスピードを上げて突撃していった――――】



【『セードムシティ』上空――――戦場を見下ろす位置に旋回する、1機のヘリコプター】

――――ハァハハハハハハ!! 見るが良いわ!! 遂にわしらの悲願がっ、その第一歩がっ、足跡を残す事になるんじゃ!!
新たなる世界の、始まりじゃあぁぁぁぁぁッッ!!

【眼下の光景を見下ろしながら、狂喜のままに叫ぶ老人――――着ている白衣の襟には、≪No.6≫の刺繍が施されていた】

機関の旗の下に、わしの理想の世界が……その土台がッ! ついに形を得るのじゃ……! この日を、どれだけ待ち望んだ事か……!
――――この街はわしのものじゃ……それは、この世界をわしらのものにするために……ッ!!
千里の道行く第一歩として、踏みつぶさせてもらうわッ!!

【狂気の瞳は、既に未来を見ていた。もはや、荒れ狂う悪意は、眼下の光景を意味あるものとして捉えてはいなかった】
【見出されるべきは、ここから始まる勝利の道。全ては、その為の布石に過ぎない】
【一都市を抑えた機関の旗は、やがて一国を、そして世界の全てを埋め尽くして行き、機関の秩序と支配の下に、統一される事になるだろう】



【――――――――――――――――――――――――――――雷の国にとっての絶望が、今始まる――――――――――――――――――――――――――――】

/これよりイベントを開始します
/混成軍の方は投下を開始してください
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/14(日) 20:04:12.15 ID:qYjlRa9go
【『セードムシティ』ルート55 市警察署前】

【絶望に表情に刻んだ人々が彼の横を通り抜けた。ただ必死に、何かから逃れるように走る様は獅子に追われる兎の姿】
【チラチラと後ろを気にしながらルート55を走り抜けてくる市民も、先程の集団が最後だろう。次に来るとすれば、それは敵―――】

……こりゃ責任重大だね。後ろには市民と物資……最後の砦が俺ってことか
―――このシチュエーション……なぁ、やっとアンタと同じ所に来れた気がするぜ、お師匠サンよォ

アンタが一人で俺等を守ったあの時の様に、今度は俺がアイツ等を守る……この「T」のミドルネームに誓って

【今や無人のルート55市警察署前、そこに唯一独り佇む男。人々が目指す市外とは反対の方向に身体を向け、蒼のソフト帽の鍔を指で弾いて上げた】
【白シャツの袖を折り曲げ灰色のジレをピンと伸ばせば、男は深い紺碧の双眸で敵が来るであろう方角を見据える。絶対死守。胸に刻むはその言葉】
【―――この場を通せば、全てが終わりかねない。物資が破壊され、住民は駆逐される―――その様な最悪のシナリオを許すわけにはいかない】
【何より俺が許せない。俺のせいで多くの命が失われるなんてことはあってはならない。貫いてきた正義が、砕け散ってしまうから】

【暗雲立ち込める空に呟くは、今は亡き師匠に捧げる言葉。十字を切るような動作の後に、『戦闘準備』に取り掛かる】
【膝を緩め沈身し、両手をだらりと下げ、足の裏で地面を掴むイメージを浮かべる。―――視線に灯すは正義の蒼炎、強固な意志】
【小さく細く温い空気を肺に取り込み、重いトーンで紡げば―――】

―――『Flame&Flost』……!

【右に朱、左に蒼の拳銃が具現化し両手に力強く握られる。これが彼が持つ能力―――人々を『護る力』】
【そしてその力は拳銃だけではない。湿った風に揺れる、首元のペンダント。銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインの其れから、奇妙な魔翌力が流れ出していた】
【その玉から発せされる特殊な魔翌力を感じ取れたなら、其れが異質なモノ―――更に勘が良ければ「宝玉」であると解るだろうか】

【カノッサ相手に宝玉を晒す行為は、追われる覚悟を背負うと言う事。そして其れを跳ね返す自信も見える行為でもある】
【今回の目的は敵の足止め。勝つことではない、護ることだ。―――誰一人として通さんと、辺りを見回しながら男は襲撃に備えた】

/尾月実利さんの方お願いしますー!
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/14(日) 20:09:14.95 ID:+Hak8441o
>>758

【雷の国――『セードムシティ』市庁舎前】

【今にも雨の降り出しそうな不安定な気候、肌に張り付くような湿気】
【夏の空を覆うのは、しかし夕暮れの残滓を受ける入道雲ではなく、各地から上がる火薬の煙】

まだ逃ゲ延びていないヒトは、指示に従って逃ゲテくれ!
裏道は駄目だ、待ち伏セや建物の崩落の危険性がある!
荷物は置いて、一人デモ多く――!

【必死に上げられる声を聞く者は、いるだろうか。聞こえているか、すら】
【勢力のぶつかり合いのあった跡地は既に景色も凄惨、逃げられる者がいるかなど分からない】
【多分、いないだろう。居たとしても、逃げられる状態であるかは怪しい】
【それでも他の生き残りと手分けして建物の一つ一つを探し回る者のうちの一人】

……モう、大体見て回ったか、いや、まだ誰か……
ソレより……みンなはまだ被害の及んでない地区の避難補助にあたってくレ
外に、うちノ隊商の機械化幌馬車が待機しテるはずだ。荷車を増やセば、まだ乗せらレる

【一目見て砂漠の生まれだろうと分かるほど民族色の濃い異装をした、長身の青年】
【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【大きな濃い灰色のポンチョを黄色のショールで斜めにしぼっている】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】

ココには、俺が残るヨ。向こうはまだ人手が要るだロ?
だから早く、また軍が押し寄セテくるかもしれない

【異国めいた独特の訛りを持つ共通語の喋り方は、今はいつもより少しだけ喉を嗄らして】
【片手に腕ほどの長さの曲刀を握りしめ、他の者へと指示を出す】
【いや、お願いという方が近いかもしれない。それほど必死で、まっすぐで、一人でも多くの救出を信じて】


/混成軍ナウファルです
/ダリアchangの方、本日はよろしくおねがいします
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/14(日) 20:29:06.91 ID:tCMOg50Po
>>759

【雷の国・国道55号線】
【『セードムシティ』ルート55と呼ばれるその大きな道を普段は忙しなく行き来する人と車の姿は、今は無く】
【そこには乗り捨てられ、或いは破壊された車両が残るのみ】

【大勢の市民が市街に向かい、逃げ】
【最後の集団が去ったその遥か後方から、1人の女性がゆっくりと歩いてくる】

んー、ここは警察署か……攻撃目標の一つ、といってももう誰もいない……ってあれ
―――誰かいるね

【女性は、蒼い矢羽模様の小袖に紺色の袴といういかにも櫻の国風な恰好】
【黒髪はうなじの上でピンでまとめ、黒い瞳の上には縁のない眼鏡をかけている】
【少女とも女性とも呼べる程度に若い見た目だが、、竹製の杖をつきながら歩く速度は老人のように遅く】
【ゆっくりゆっくりと――警察署の前に立つ人物に近づく】

恐怖で足が動かなくなって逃げ遅れた一般人、なわけないか
そこに立ってるってことは、「そういうこと」だよね?

【互いの表情が解る程度まで近づけば声をかける】
【女性は、気配や存在感というものが妙に薄く――逃げ遅れた一般人と見間違えるかもしれないが】
【見れば、首には櫻の国の古い言葉が書き込まれた長方形の紙――所謂「御札」が巻きつくように何枚もべったりと貼り付いていて】
【目立たない恰好の中で、そこだけがどうしても目立つだろう】

こんばんは、正義の味方

【少しだけ口角を吊り上げ、相手を見据え】
【竹製の杖を両手で前に持ち、手を動かせば】
【竹の中から、真っ直ぐな「刀」が姿を現す――所謂「仕込み杖」であり】
【その刃を男に向け――動かずその場で相手の出方を伺うように、佇んだ】
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/14(日) 20:31:40.54 ID:tCMOg50Po
>>759
/おっと挨拶を忘れてました!
/ロウの方、どうぞよろしくお願いします!
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/14(日) 20:52:43.67 ID:w6/2Q6z70
>>760

『……う、ぁ……、……』

【呻く声が聞こえるだろうか。青年の十数m前方、正面の民家の瓦礫の下に、身を横たえる傷病者がひとり、あった】
【急げば未だ彼は助かるだろう。そう判断できるだけの一瞬が訪れるや否や、】
【――――― スローモーション。横切る大きな影。】
【飛翔体が風切る音をたて、衝突。生まれた閃光と熱が命を消した。断末魔までもがそれに呑まれた。】
【爆圧と震動が現実味を与えて。響く足音が、偶然との推測さえも許さない―――――――】

「……物凄いよねぇ、あの愉快にできてる獣の群れは。
 人も命も建物も何も、滅茶苦茶に壊して八つ裂きにする―――――
 …………その筈なのに生きてるものが、どうしてここに居るのかな。

 さしあたってはそこの “ヒト”。
 ……何者か、聞かれて答える気はあるかな?」

【ふわりとした深緋色の長髪、榛色の勝気な双眸、カーマインのマキシ丈の上質なワンピース・ドレス、】 
【豊満な胸元に揺れるのは銀の逆十字―― 中心に“機関”の紋章が刻印された、装飾的なチェーンを特徴とする首飾りだった】

【恐慌と鉄火に追われる市民たちを視界の端にだけ乗せて、その女は問いを投げる】
【―――― 言えば、鏖殺を選ぶのだろう。隊商の幌馬車も、逃げ惑う市民たちも、みな。】
【たった今殺した “誰か” のことなど、何の興味もない様子で―――― “より多くを戮す” ため。】
【先手を打つなら今なのだろう。既に、両者は正対している―――――】

【距離としては6メートル強。刀の間合いには、未だ遠いか】

/機関軍側、ダリア・レオンフィールドになりますっ
/それでは、よろしくお願いします……!
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/07/14(日) 20:59:13.60 ID:qYjlRa9go
>>761

【袴姿が紺碧の瞳に映し出されれば、呼吸のリズムが一瞬、静止した】
【だらりと下げられた両腕が上がる。銃口が目の前の女性に向けられる。首元のペンダントが怪しく光る】
【―――そして息を深く吸えば、静かな声を投げかける。冷静さの背後に、鋭い刃を隠したような―――短い台詞だった】

……もうアンタ等の奇襲は成功した。コレ以上暴れる必要は無い筈だ、だから此処で退いて欲しい

……頼むから、引き金を引かせないでくれ。俺はアンタを撃ちたくない。……痛いのは嫌だ、女を撃つのも嫌だ
―――だがアンタが退かない場合、俺は撃たざるを得ない

【質問には答えなかった。否、答える必要が無かったからだ。彼女が内心分かっている通り、この男は『覚悟している人物』】
【―――恐怖やプレッシャー、絶望などと言う枷には囚われていない。熱さと冷静さを兼ね備えた紺碧は、熟練者特有の瞳】
【代わりに口にするは、『お願い』―――否、『取引』だった。お互いの消耗を防ぐことが出来る、カノッサは既に十分な成果を収めた】
【……だからコレ以上の戦闘は無意味だ、というモノ。彼女が応じてくれれば、彼の目的も達成される。―――倒すことではなく、民を護ることが使命であったから】

―――俺はアンタを[ピーーー]気はない。確かに俺は正義の味方だが、アニメのヒーローとは性質が違うんだよ
……『積極的に悪を滅ぼす』んじゃなく、俺は市民を護る為なんだ。だから―――丸く収まってくれないかな?

まぁ、んなこと言いながら銃構えてるんだけどな―――これは最低限の防衛ってことで……あぁ遅れたな、『こんばんは』
(……刀、か。銃対剣―――銃有利っぽいが、俺は苦手……イケイケタイプで踏み込んでくるなら困る。逆に慎重なら助かるが―――)

【続けるは、戦闘の意志は無いということ。あるのは『防衛』の意志だけ。―――よって、自分から攻めこむことはしなかった】
【相手が伺おうと、軽く伸ばした両手がゆらゆらと揺れるだけで彼から攻めこむ様子はない。……彼の瞳が『来るならお先にどうぞ』と言っていた】
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/14(日) 21:10:44.20 ID:+Hak8441o
>>763

【恐らくその声は微かであるが届いたのだろう、青年の目が反射的にその方向へ向いて】
【けれども体が動くより早く、安堵と責務にそちらへと足を向けるより早く、異変は視界に映り込む】
【痙攣するように体がびくついて、息を呑む音が小さく響いた】

……今ノは、その人が居た事に気付ケなかった俺が甘かった
俺がもっと早くその人救出しテいれば、きっと“そう”はならなかったンだと思う
ケレド……

【歯噛みするように僅かに俯き、ゆっくりと体全体を相手に向けるように足を組みかえる】
【ゆっくりとした歩みは恐怖では無く、悔やむように目の前の光景を否定するように、しかし足取りはしっかりと】
【少しずつ。間合いは少しずつ、詰められ、4m程までそっと縮められる】

俺ノ名はナウファル、混成軍の一員だ
……俺は、君ノした事は、許セない!

天に居ります孤独ノ星、大河ノ蛇ミルドラよ、わが手に護りノ剣ヲ
正しき者ノ身に力は宿りたり。偉大なる大河は、いついかなる時も我らヲ見守りたり!

【一つ訂正しておくならば、彼の名前から幌馬車の所属を特定する事は出来ない】
【幌馬車の隊商そのものは混成軍に登録されておらず、だからこそギリギリまで命令に従わず避難民の確保に向かえるのだろう】
【曇天の下、太陽にも似た色をした瞳が相手を真っ直ぐに見つめて――】
【横一文字に構えられた曲刀が、布をかぶせられるかのように静かに澄んだ水を纏った】

≪蛇の孤独な星≫(アル・ファルド・アル・シュジャー)――……我に力ヲ!

【踏み出す足は一歩、体躯に見合って手足も長く大きく、弾けるような音と共に木靴の底が地を蹴る】
【膝の力で高く跳んだ体は相手の斜め前に、推力のままに相手の元へとぶつかるように飛びこまんとする】
【曲刀が振り下ろされる先は、相手の体を直下に目掛け。体と共に地に落ちるまで刃は叩きつけられるだろう】

【相手はこちらの動きも見逃さず見ているだろう、奇襲にはほど遠く、正々堂々と真っ正面から】
【対処する時間は十分にある】
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/14(日) 21:20:43.75 ID:tCMOg50Po
>>764

【男からの持ちかけ――要するに、おとなしく引いてくれというもの】

停戦交渉ってやつかな?
うん、いいね。人間的だよ
話し合いで争いを解決する――動物にはできない、人間の特権だね

【動物。街で暴れる「兵器」のことを指したのか、それとも一般的な例え話かはわからない】
【が、彼女も話し合いに応じる考えがあるようだ】
【男に向けていた刃先を、地面に落とし―――抜身の状態のまま元の杖のようについた】

幸い、私も君みたいな強そうな人と戦うのは気が乗らなかったんだよ
じゃあ、お互いに交渉の席に着くとしよう
私はカノッサ機関所属『分析官』、尾月実利。よろしくね
君の所属と名前も教えてよ。互いの名前も知らなきゃ人間的な交渉はできないよね?

【相手が名乗りに応じるか否かに関わらず、実利と名乗った女性はそのまま「交渉」を続ける】

ではこちらからの停戦条件を提示するよ
今決めた、たった一つのわかりやすい条件だよ

【実利の黒い瞳が、男の「首元」をはっきりと捕え】

その『ペンダント』を貰おうか
―――これが私からの条件

この条件さえ飲んでくれれば、私はすぐにでも家に帰って寝るよ
……飲めないのなら、君を討ち取り――機関の指令通り撤退者を追撃する

【にっこりと、「いい条件でしょ?」とでも言いたげなささやかな笑顔を浮かべ】
【男から視線を外し、上空を見上げる―――】
【どこかから、街中で起こる戦いを観察しているであろう、≪No.6≫を意識してか】
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/14(日) 21:48:04.86 ID:w6/2Q6z70
>>765

【呼吸の変化。悔いる言葉。痛い、のか。そんなものが。】
【彼女曰く “甘い” ―――― より一般的には “正しい” 者への感情が、嘲笑めいて浮かぶ言葉を口に吐かせて】


「はっ―――― 許さなければ殺してみせるか!?
 いいよ、そこらの腑抜けよりは面白い―――― ……あの木偶どもより、よっぽど楽しめそうだ」

【“混成軍”。その所属を認識すると、青年の敵意を声に感じ取る】
【“ここで撃滅する”、】
【どの道、ここで彼女を討てば危機は避けられるのだ。……その判断に、興が乗った。】
【名乗りを返して、】

「カノッサ機関No.12、ダリア・レオンフィールド――――― <氷空綺藍>(アズライトヘイル)。
<ゼロ=ディバウア>最大戦力として、此処でおまえ達反乱分子を処断するッ!」

【狩人の笑み。凄絶なる悪意と歓喜に満ちて、敵を踏みにじるための感覚が生まれる。】
【察知/知覚、】
【瞬息の踏み込みを五感で捉え、掲げる左手は己の頭上へ。手首の力で弾くが如くに、振り下ろす刃をその手で迎えて】
【――――― 瞬間、大気が凍てついた。突如として現われた不定形の “力” が、氷の障壁を生み出して】

【衝突―――――― 金属音が響き渡った。ギリギリと軋る音が続き、】
【ゆらり、接触面から冷気が彼に向かうのが分かるだろうか。……察知できれば、距離を取れば次の反撃への対処も容易い。】
【障壁は生み出した力によって再び宙に溶かされ、】

「――――――― 狩り殺せッ!」

【彼女の背後の虚空に薄青の “力” が移り、大気中の水分を短剣大の氷刃と化し―――――】
【吹く風は、生み出された十数発を正面に撃ち放った】
【だが青年が対処を要するのはせいぜいが3、4本。直線的な軌道が読み易く、所詮牽制といった所だろう】

【残る数本は瓦礫に向かう――――― そのままならば瓦礫に突き刺さるが、果たして、】
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/14(日) 21:55:45.14 ID:qYjlRa9go
>>766

【―――少しばかりの沈黙を置いて、男が口を開く】
【正直な話、話は通じるものではないと思っていたが―――そんなワケでも無さそうである。……闘わずに済むなら、越したことはない】
【彼女が武器を降ろす。それを見てこちらの両手も元に戻し、ぶらりと腕を下げる。勿論、警戒を解くわけでは無いが】

……へぇ、分析官なんてのは初耳だ
俺はロウ……マーシャル・T・ロウ。あんまり詳しくは言いたかねーが、こういう時くらいは言わなきゃな
―――元『青義同盟/blue justice』リーダー。ま、今はもう無い過去の組織さ……そんで、カノッサとは結構関わってきてる
2年前くらいにも、何度か襲撃防いだりとかで結構お邪魔させてもらってるんだが……アンタ若そうだから、おそらく知らないハズだ

【青義同盟―――2年前に一瞬話題になるも、直ぐに消えた小規模組織。カノッサの資料室にはその名前が残っているだろうが、人々の記憶には薄い】
【極端な不殺主義、それを押し付ける行動には不満も多かった。加えて色々なアクシデントが有り消滅、そして2年が経つのだが―――男子三日会わざれば刮目して見よとも言う】
【……いや、その前に知らないと見て良いだろう。とにかく分かることは、何度もカノッサの妨害をしていると言う事であった。それなりの経験はあるのだろう】

―――ん、条件か……俺に死ねとかは無理だぞ?

【―――条件。少し嫌な予感がした。知的な印象を抱く完全の女性、そう簡単なモノを出してはくれないだろうとは予想できた】
【……の、だが―――】

ハァ……困ったな、ホント交渉上手っすわ……
そうか、それで来るか―――いやぁ、強かだな……良い条件だよ、そちらからすれば

【大きな溜息の後に、苦笑いが思わず零れた。片手が空いていれば額を軽く叩きたい所だ】
【あからさまに困った様な反応を見せたのだが、回答は決まっていた。悩む余地すら無かった】

―――コイツをやれば、確かに俺の後ろの人々は助かる。だがな、コイツをやるっていうことはもっと大勢の人々を苦しめる事になっちまう
……残念だけど、ソイツは無理。交渉決裂ってワケ―――つまり

心が痛むが、強引にでもアンタを止めさせてもらう。―――四肢を撃ち抜いても、だ。
だが俺のワガママは通す。……アンタを殺さずに、この場を収めてみせるさ

【下がった両手が、また上がる。両の銃口が彼女に向けられる。―――「宝玉」をカノッサに渡す訳にはいかない。宝玉一つで、この町以上の人々を苦しめることができるから】
【―――自分は宝玉の5%も力を引き出せていないが、寧ろそのくらいの方が丁度いい。この力は、開放されてはいけない―――】
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/14(日) 22:09:05.38 ID:+Hak8441o
>>767

【大股開きの状態で地に下りた脚は、瞬間重力と膂力を受け止めて横方向へと押し返す】
【正に、反射的にだろう。縮こまった側転のような状態で2、3歩分の距離、自身の体を跳ね飛ばして】
【布と皮の破ける音がして、避け損ねた一本が脇腹を掠めて地面にぱたぱたと鮮血が落ちた】

鱗(ハラシーフ)ッ!

【ひゅん、と風切り音を伴った音がして、曲刀の周りを覆う水が幾数もの水滴となって青年の周囲を半円状に覆う】
【それは完璧ならざる盾だ。物体や術のエネルギーを半減させ直撃を防ぐ、けれども完全に相殺は出来ない程度の盾】
【鍛えられた肉体が示すに青年は近接戦闘に長け、対して相手は恐らく術での戦闘に長けている】
【埋められぬ技術と力量の差を少しでもカバーするための防御策だ】

【地面に左手をついた状態で一旦安定させて体勢を、そのまま瞬発力に乗せて相手にぶつける】
【――前に。相手の言葉を耳にして、ぎゅ、と間を置くように唇を引き締めた】
【立ちあげた体は真っ直ぐに。曲刀を真一文字にした、攻撃とは違う状態で相手に向けて、口を開く】

……殺さない。ケレド誰も殺させない
君を五体満足デ帰せば、また民衆に被害が及ぶ。だから君を無力化するつもりデ挑むけど、殺さない

【先の相手の行動に対する怒りはゆっくりと収縮し。冷静な思考が満ち満ちるように】
【確かに敵である相手に誓って――それから、再び剣先を相手に向ける】
【膝に力を込め、地から離れた足は相手へと伸びて再び曲刀を相手の右肩口から左わき腹へと振るう】
【が、恐らく空を切る。振るわれた腕は相手への衝突を避けるように少々間を空けた地点で落ち】
【代わりに一呼吸遅れて、左の膝が相手の右脇へと鎌のように振り上げられる】
【こちらは確かに相手を狙って、そのまま胴体を抉る様に。体重の乗った一撃は、当たればかなり重いだろう】
【そして地面に杭を打つように下りた右足も、体重の移動に応じて動く備えがある――随分、跳ね回る戦い方のようだ】
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/14(日) 22:30:16.29 ID:tCMOg50Po
>>768

よろしく、ロウ
「青義同盟」……うーん、聞いたこと有る様な無い様な有るような無いような……
……まあ君の言うとおり、私は新人だから2年前のことは直接知らないよ
まだ「今の機関」について知ることで精一杯で、「過去の機関」や「他の組織」にまで私の知識は追い付いてない

【機関員が「機関について知る」と言うのは少々おかしな文脈、だが】
【名乗りは歓迎し、ロウと名乗った男を再び見据えた】

交渉決裂ね……残念だよ
機関と色々あった――正義組織の元リーダーである君の首級を上げることでしか、
私の成果を示すことができなくなっちゃった

【そして、ロウがはっきりと条件を拒絶する意思を示せば】
【自らの首元に手を添え】

こんな御札だらけの首じゃあ、その綺麗なペンダントは似合わなそうだし
……いいか

【喉元に貼られている御札の一枚を指でつかみ】
【ペリペリと剥がせば――】

あ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛ぁあ゛あ゛あ゛ぁ

【その瞬間】
【悍ましい、女性の物とは思えない呻き声を上げながら】
【口から、『黒紫色の煙』を吐き出した】

はぁーー、おえっ

【吐き出された『黒紫色の煙』は、実利の全身に纏わりつき、広がり】
【体全体が、うっすらと、黒紫色の煙で覆われる――煙は表情や服の模様は問題なく認識できる程度の薄さだが】
【両脚に纏わりつく煙だけは、口から吐き出された時同様、濃い黒紫色のままであり、両脚だけ特に煙の密度が高いことが伺える】

私は侍じゃないけど、いざ尋常に、なんてねっ!

【軽口を叩きながら、刀を片手で構え――ロウに向かって駆け出す】
【その速度は、先ほどまで杖をついてのろのろ歩いていた人物とは思えないほど】
【相手の体の中心を狙って繰り出されるは刀による「突き」】
【どうしても刀身が細くなる仕込み刀の性質上、斬るよりも突くことが適しているのであろう】

【速度は早いと言ったものの、それでも人間離れしたものではなく――戦闘になれたものならば迎撃は容易だ】


771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/14(日) 22:31:55.58 ID:NSEGNWtEo
【廃街】

【じっとりとした嫌な雨が石畳の路を溶かすように濡らして、季節に見合わない涼気が街を覆っていた】
【人っ子ひとりいない風景はそう酷く荒廃してはおらず、まだ人が住めそうだという希望が持てるだけに静けさが一層迫ってくる】
【月明かり以外に照らすものもなく、通る者もいない小路に、傘も差さず、冷えた壁に背を預けて目を閉じる若い男の姿があった】

【腰に届く紅茶色の髪、長身白皙に黒のローブを纏い佇む姿は亡霊にも似て生気が薄く、近寄りがたい空気を持つ】
【雨を無視してこの場所にいる意味を語らず外界をどうでもいいとばかりに遮断して行動する気配をまるで放棄して、彼は動かない】
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/14(日) 22:58:28.42 ID:qYjlRa9go
>>770

【―――標準を合わせて瞳を細めるロウ、怪しい首元に手を添えた実利】
【恐らく何かのギミックを仕込んでいるに違いない―――まだ見ぬ彼女の底に、唾を飲む】
【少しでもその足を踏み出せばトリガーを引けるように視線をやや落とし―――色々なパターンに対応できるようにシミュレートを繰り広げる】
【……が、実際に起きた現実は全くの想定不可能なモノだった】

―――なァッ……!! 女のする行動じゃねーぜ……オイ……
(……煙―――? 鎧の役割か、何かしらの属性を付与するものか―――若しくは飛ばしてくる……?)
(とにかく、接近戦だけは避ける―――)

【思考を妨げる様に、迅速な一歩を踏み出す彼女―――そのスピードは、明らかに自分より格上】
【と言うより、自分が遅すぎるのだ。まだ動いていないために悟られることは無いが、左足首に怪我を持っているためにスムーズな移動は困難】
【故に、接近戦は大の苦手―――そして距離を開けることすらままならないのだから、避けることなどもっての外。じゃあどうするか―――】
【―――受け止めれば良い】

……―――っらぁぁあッ!!

【左腕を下げると同時に、青色の銃から銃声を鳴らす。青く輝いた弾丸は、彼女に向かって―――ではなく、地面】
【丁度自分と彼女の間合いの真ん中、その地面に衝突したかと思えば―――其処から天に向かって大きな氷柱が生える。高さ2m、厚さ50cm】
【この氷柱が彼の主な防御手段だが―――その一突きの威力によれば、容易く一撃で破壊されてしまうかも知れない】

【そうなれば氷の破片が飛び散りロウの身体を襲う羽目になるが―――それならそれで構わない。お互いの視界が、遮られるから】
【こちらは2丁、2回の攻撃が可能。しかし見た目だけなら相手は剣のみ。一度の攻撃は1回。視界が遮られようとも、直ぐ様攻撃を放てる】
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/14(日) 23:05:42.09 ID:IJAXqpIg0
>>769

【跳躍する青年を視界で捉え続け、だが女性は相手を追うことがない】
【それも当然だったのだろう。遠距離戦を得意とする彼女、近距離に於いて鬼神の如き戦いぶりを見せる彼――】
【殺意に於いては共通する筈だった。だが、ふと洩らされた言葉が否定を紡いで、】

【空白、】

(……――――!……)

【理解すれば、その瞳に激烈な戦意を浮かべて再び口を開く】

「へぇ……そう。それじゃあお前はここで死ね―――――
 誰も殺さず、誰も殺させず。消えて、その意味を失って死ね……!!」

【――――― 怒り、だ。これまで余裕めいたものを浮かべていた瞳が、血に濡れた様な激情を生じていた。】
【血塗れの世界を生きる己に―――――― 戯けた、“ありえない” 価値観を見せるなと、】
【別世界の同種族を忌む様に叫ぶ瞳だった。陽は、闇棲まうものには遠すぎた。】

【灼熱する感覚は鈍らない。ただ、それを殺傷に特化させるだけだ。】
【やはり接近は察知して斬撃は重心移動からの一歩で回避/後退から “次” の攻撃の準備を終える、】
【だが追撃までは感知し得ずに、】

「――――――― くぁあぅっ!?」

【突き刺さった膝が肋骨を圧し折る音がした。激痛。圧迫。衝撃。――――― 出血、】
【ひどく厭な感触として、膝越しに彼にも伝わるだろうか】
【だが食いしばる。痛みに震える双眸で射る、】

(舐め、るな……ッ!)

【踏み縛る右脚で躰を留め、恐らくは “劣勢” を強いられるであろうこの距離で振り絞る殺意―――――】

【彼女の背後から蜘蛛の脚の様に散開し、斜めから弧を描きながら、四方向からの “力” の棘が青年を囲う/衝きかかる、】
【左肩口。右肩口。左の脇腹。右の脇腹。……臓器までも、届かせようと。】

【受ければ、その部位から強烈な冷気が吹き込むだろう。特に両腕を封じる狙いがあった】
【見た目に反して鋭さはないが、皮膚を推し貫く圧力も無視し難く―――――】

【だが展開されきる前ならば脱出も図れる。後方にでも、それ以外にも。】
【“傷つけること”、“動きを封じること”。それらを目的とする、本体の隙を無視した一手――――】
【回避されれば、後はない。追撃も反撃も容易いか】
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/14(日) 23:18:33.77 ID:tCMOg50Po
>>772

【相手の武器は銃】
【こちらにも遠距離攻撃の手段が無いわけではないが―――】
【やはり刀と銃ではまず、距離を詰めないことには勝負にならない】
【そう考え、相手の思考よりも先に突撃を試みたが】

(地面を狙って……!?――氷!?)

【目の前に現れた氷柱】
【停止が間に合わず、突きの一撃は氷柱に命中する】
【刀は氷柱に突き刺さるが、直前にある程度ブレーキをかけていたため、破壊には至らない】

へぇ、最近熱中症になりかけた私にとっては羨ましい能力だね

【氷に刺さった刀を引き抜き、姿勢を正す】
【相手は二丁拳銃のガンマン】
【拳銃を二丁持つ意味は、人によって違うが――二丁持つことによる最大の特性は「連射」】
【すぐに次の攻撃が来る――それならばと】
【そのまま氷柱を盾に、攻撃に備える】

(ま、盾にするには脆そうだけどね。無いよりはマシか
この氷そのものに別な力が無いことを祈るばかりだよ)
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/14(日) 23:27:00.15 ID:uM5HcuhR0



【暗い森の中、響くのは獣達の咆哮――――やがて、断末魔】
【真っ白なガウンを纏って、キャスケットを被った少女が其処には立っていて】
【純白の髪。其れと同じ色の大きな翼が背から生えている事が印象的だろうか】


「野生の世界と言っても、実力を見極められなければただ死ぬだけ。と、弔いの言葉を投げてみる
次に生まれた時は、もっと身長に行動る様にすると良い。と、願ってみる」

【やけに特徴的な話し方。両手にそれぞれ握られているのは、S字型にカーブした刃】
【その鋭き先端から滴る鮮血を見れば、其れが少女の得物であると分かるだろうが――――】
【チラリと見えたガウンの内側。其処にも大小様々な刃が収められており、腰には円盤形の刃が吊り下げられていた】
【表情の変化に乏しい――――と言うよりか、能面の様な顔。言葉だって、起伏が無ければただ無感情に言い放っているだけの様にも思えるが】


「……要らない時間を取られてしまった。と、嘆いてみる
少し、急いで戻らなければ――――……ッ」

【足元に転がる魔物達を一瞥したならば、その場から去ろうとするけれど】
【不意に止まった足。じわりと腹部から漏れ出た血液を見れば、遅れて痛みを感じて】
【命に関わる程でも無い。だけれど、歩いたり飛んだりするのには苦労するくらいには深いのだろう】
【無感動な蒼の瞳は何を思っているのか分からないが……付近の木に背を預けたならば、溜息を吐いて】
【――――この時間。魔物が多く出現すると言われているこんな場所に少女が一人で居るのは、やはり異様な光景か】
【獣の断末魔か――――或いは、少女が放つ“聖”の魔力。そのどちらかを便りに訪れる者は居るだろうか】









【街の中――――普段は喧噪で賑わう其処だけれど、今日ばかりは静かで】
【その街の中央に立つのは、一人の巫女。瞑想の如く目を瞑り、風に黒髪を靡かせている姿は幻想的に見えるかも知れないか】
【不意に手を横に伸ばしたならば、その腕に止まるのは一羽の鳩。真っ白で、僅かな耀きを放っていて】


「ご苦労様でした
――そうですか。異常はありませんでしたか。でしたら、何よりです
ゆっくり休んで下さい」

【空いた片手が鳩を撫でたならば、其れは瞬時に一枚の符へと変わるのだろう】
【所謂、式神。櫻の国ならば、それなりにメジャーな術であろうか】
【そのまま袂の中に手を入れれば、一枚の煎餅を手にとって】


「……可笑しいですね。何も無いという筈は無いのですが
まあ、良いでしょう。面倒事は嫌いですし
そんな事よりも、この空腹を満たすことが先です」

【ゆるりと小首を傾げるけれど、結局は自分に言い聞かせ、納得するのだろう】
【パリパリと食べながら、お腹が空いた何て言うが――――手に提げている袋には、大量の中華まんの飽き袋があったりするのは、余談だろうか】
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/14(日) 23:31:18.09 ID:+Hak8441o
>>773

【目の前で、救えるはずの命を掻き消された時。青年は確かに憤っていた】
【その気持ちは今も変わらない、けれどもそれは誰より己に向けるべきだ。そう、先の誓いの中で確定したように】
【戦いの最中に相手を見据える丸い両眼は、ひどく澄んでいて】

誰も殺さない。何も失わない。ソうあるように努力し続ケる
それが、俺がきメた“覚悟”だ!

【最初の氷刃を受けずに避けに回ったように、一度で多数に展開する攻撃には不利なスタイル】
【相手も己も分かっての事だろう、故、前述にて周囲に散開した《鱗》が功を為す】
【肩を狙う二つはそれらによって半減させられた。右脇を狙う一つは振り上げた曲刀で打ち払い】
【そのまま、勢いを失いつつも向かってくる棘から体を庇うように右腕はそのまま顔の前でガードの形になる】

ッ、はァ……ぐッ……!

【結果。一つは右肩の外側を逸れて一筋薄く赤を刻み、一つは左肩にわずか食い込むも、支え無くして肉から外れる】
【一つは、目の前の相手と鏡合わせのように。けれども深く鋭く、相手の狙うとおりに食い込んでじくじくと赤色を滲ませる】
【悲鳴はくぐもって肺から空気を推し出すように、けれども唇を食いしばって耐え】

《牙》(ナーブ)よ……届ケ!

【攻撃を受けて霧散した水は、再び曲刀を包みこんで。深く、柔らかく、それでも金属としての限界超えて鋭く】
【相手の攻撃から逃げなかったのは、相手の前から逃げないために。剥き出しの脇腹に突き刺さった力の棘を、抜こうともせず】
【正面のガードを解き放って払うように、右腕の曲刀を相手の胸元へと横に切り裂くように刃を滑らせる】
【相手に当たるか、否か。どちらにしろ脇腹の傷は深く、次の相手の行動に対処するには、恐らくラグが生じるだろう】

【――首や胴でなく胸元を狙うのは、そこに肋骨があり、内臓まで達する事は無いから】
【相手の攻撃とは正反対の、殺さないための、攻撃】
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/14(日) 23:43:27.21 ID:qYjlRa9go
>>774

いーや、家でやるわけにもいかねぇし、外でやったら目立つだろ
んな気軽に使うもんじゃねーさ……

【初撃を防ぐことには成功したが、其れだけでは何も利益も得られない】
【反撃を加えないことには、情報を相手に晒しただけ―――しかし相手は、自分の作った盾に隠れている】
【ならばそれごと―――破壊するまでだ】

―――言っとくが銃だけじゃない……

【不敵な笑みを一瞬零したかと思えば、ペンダントに灯る淡い輝き。同時に、不思議な魔力が広がって―――】
【そして右の朱の銃が唸りを上げ―――弾丸が彼女へと飛ぶ。弾丸は先程彼女が突き刺した箇所のやや上だが―――】

……弾丸憑依Fat man=@その弾、重いぜ―――!!

【急に弾丸の軌道が沈み、氷の盾に命中する。衝突箇所は沈んだ分―――彼女が貫いた部分の丁度裏。つまり脆い部分】
【そしてこの弾丸―――『宝玉の能力』により一時的に重さが100kg超になっている。即ち―――氷の壁など、軽く粉砕するのだ】
【そうなれば、割れた氷の欠片が彼女の身体に襲い掛かるだろう。相手の能力を利用することは確かに高等戦術ではあるが―――】
【勿論、その能力に関する知識は操る相手の方が上。利用する引き出しは段違いなため、非常にリスキーでもある】

【相手が盾に甘えて動かないようであれば、氷の礫が彼女を襲うことになるが―――どうだろうか】
【更に男の攻撃は終わらない。避けようが当たろうが、視界を奪うことは出来るだろうから―――此処で一気に攻めるべきだ】
【今度は左の銃。銃口が向けられたのはまたもや地面。轟音と共に撃ち抜かれるがコレは通常の弾丸。しかし―――それは彼の十八番、跳弾】
【地面にぶつかり跳ね上がり、氷の礫の間を抜けて弾丸彼女の右脚を狙う。トリッキーな戦法にトリッキーな戦法を合わせて、翻弄させんとする彼の戦術】

悪ぃが此処で撃たれてくれッ……!! 俺は此処を護らなければならない、全力で……!!
アンタは戦闘よりもデスクワークが似合いそうだぜッ!?

【超精密な射撃技術があってこその、この妙技。だがコレを凌ぎ切り近づかれた際には、此方に苦しいものが相当ある】
【―――彼女は気づいているだろうか。頑なに彼が足を動かそうとしないのが。動いたとしても、それは『歩き』の範疇】
【まるで走るのを拒むようなその動きを、攻撃の応酬の中に見えていたのなら―――それは此方に取って、かなりのデメリットとなる】
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/14(日) 23:48:57.91 ID:9LYlikjwo
【深夜──とある酒場】
【そのバーカウンターで、独りの女がグラスを傾けながら、片耳にイヤホンをして居た】

【格好は下から、焦げ茶のブーツに白のホットパンツとオーバーニーソ】
【上は肩を露出し、とにかく涼しさを追求したような編み上げの──何というかも分からない、まあ、服で】
【その椅子には深紅のジャケットがかかっているが、それにしても身形はだらしない】
【豊満な肉体をさらけ出す、というのは娼婦にも思えたが、どうも客を取っているでもなし】

あの爺さんも思い切ったことするよなァ……
そういうタマじゃあ無いと思ってたが、考えてみりゃよく知った相手でもねーし

……まァ、こっちとしちゃ良い具合だ。妙な勘ぐりも、追求も無いってのは。

【ふとジャズの音曲に乗って聞こえるのはそんな呟き。なにやら、不穏な雰囲気だが】
【それを打ち消すように、女がビールを注文した】
【しかし酔っているからか数は2つ。少し困ったように、彼女は店内を見回してみた】
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/15(月) 00:27:07.37 ID:a1L3n6EB0
>>776

「…………ッ!!」
 
【――――― 数えきれぬほど殺した身には。これ以上、何も言い返せはしない。】
【強き陽でも受けたかの様に細める双眸に、踏み込む姿が映り込んで――――――】
【自らの傷すらも無視して突き進む青年、薙ぎ払う刃が銀光を描いた】

「…………っ!――――――」

【再度の金属音が響き渡るだろう】
【氷の障壁を再度展開するが、接触の直後、厭な予感に襲われやや無様に跳躍―――後方に身を躱して距離を離し、】
【着地した/直後目を見開いた、同時胸元から血が噴き上げた。……障壁ごと、切断されかけたのだ。】

【荒い呼吸で思考する、】

(……拙いか。あの一撃が効きすぎた――――)

【回避の直後に受けた一撃。……さらに体力を削ってゆく、攻撃後の隙を突かれた強烈な追撃。】
【後者など、障壁によるラグがなければ確実に倒れていただろう。】
【苦悶と窮地に囚われた意識――――― ふと何かに気付いた様に土壇場でそれが再び変化した】

【“負けたくない”、“己は越えたい”、“正しきものを”、“より強きものを”―――――】
【その渇望が無意識に冷静さを取り戻させる。空白が、最適な状態へと意識を運ぶ。】

【ふっと表情がもとの余裕を、“彼女” を取り戻す、】
【本来の己の想うもの――――――――――】

(……感謝するよグラトン=ブルーガー=ウルバヌス。そして、アンタのくれた機会を無駄にするつもりもない―――)
( この憎悪。この殺意……今、私は確実に闘争っている―――――――!)

【―――――― 殺すに値する相手。待ち望んで来た凄絶なる闘争。】
【待ち切れぬ夜を得た歓喜の笑みが、勝利の予感に己が言葉を添えさせて――――】

「……踏みにじってあげるよ、“善人”―――――
 このまま死んで泣き喚け。

 アンタには、誰も救えないし救わせない……!」

【うねりながら柱状に延ばされた “力” の再創造。虚空から、双つの大棘を解き放った】

【――――――― 液体酸素の創造と支配。それが、揮うこの異能の本質だ。】
【内包した微粒子により藍黒く輝く改良型液酸爆薬の<槍>―――― 直撃すれば大打撃を生む可能性は高く、】
【……撃ち落とされぬ限りは無為に終わらない。】

【初撃で放ち、“当たらない様に” 発射した十本強の壁の氷刃―――――】
【それは、<槍>の生む衝撃波を複雑に反響させるための補助装置だ。】
【融合波面による大破壊力―――――― それを過剰なまでに引き上げるため。確実に、今度こそ殺すために。】

【“このままならば”、<槍>は、ひとつは彼に、ひとつは先程の棘に直撃する、】

【既に拘束した躰。……棘を折らなければ、抜け出せない筈の肉体。】
【彼女には直接は届かずに、自分の数十cm手前で急激に減衰する様に仕向けた衝撃波―――――】
【その安全圏に踏み入る事など、先ずありえないと過去の経験が確信させる、】

【―――――――だが、】
【……例えば、予想外の速度を以て疾走したなら。例えば、それにすら耐え切って爆圧を突き抜けたなら。】
【肉体の限界の近い “彼の敵” には、既に行える破壊など――――――!】
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/15(月) 00:27:07.26 ID:T+eTJCW+o
>>777

(『ペンダント』が光った……!やっぱり使ってくるよね)

【放たれる銃弾】
【新たな力が付加されていることはわかるが、その力がどのようなものかは見当もつかない】

(ガンマン相手に距離をとるのは癪だけどっ!)

【いずれにしろ、『宝玉』を使用した攻撃だ。強力でないと考える方が難しく】
【実利はバックステップで、氷柱から離れるが―――】

くっ……!

【それでも大きく距離を放すほどの時間は無く、砕けた氷片が体を襲う】
【咄嗟に刀で氷片を薙ぎ払い、大きな塊の直撃は避けたが】
【細かい氷まで払うことは叶わず、実利の体に複数の小さな傷を付ける】

痛ったぁ……って言ってる場合じゃ!?

【間髪入れずに飛んできた、跳弾】
【変則的な起動で、目線のやや下から向かってきた銃弾に対処しきれない】
【銃弾は男の狙い通り、右脚、ふともものあたりを撃ち抜いた】

……っ!!

【声にならない悲鳴を上げ、痛みをこらえる】
【地面に倒れかけるところを、刀をつき、なんとか踏みとどまる】
【身に纏う『黒紫の煙』の量が、先ほどより明らかに減っていることに、よく見れば気づくだろうか】

あぁー……やばい、強いって
新人の私がまともに戦っていい相手じゃ無なかったか

でもね、だからってね甘いんじゃないの、ロウ
今、私の頭か、心臓を撃ちぬいてれば……私は死んでたよ?

【自分を追い詰めた敵に、何故か説教染みた言葉を投げる】
【そして、うなじの上で髪の毛をまとめていたヘアピンを抜き取れば、黒髪がだらりと肩まで下がり】
【同時に、体に纏っていた『黒紫の煙』が、右腕を除いてすべてヘアピンへと移り――】

お返しだよ

【そのヘアピンを、右手で、ダーツのようにロウの『右脚』に向けて放った】
【銃弾ほどではないが、超速で相手に迫るヘアピン。当たれば――『煙』の能力か――弓矢に貫かれたようなダメージを受けることになるが】
【予備動作の長さもあり、迎撃することも、避けることも――足が動けばだが、可能だ】

【実利も当然防がれることを予想してはいるだろうが――】


781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/15(月) 00:29:38.55 ID:a1L3n6EB0
/っと、>>779の以下の一文を訂正です……!

【その安全圏に踏み入る事など、先ずありえないと過去の経験が確信させる、】
 ↓
【その安全圏に彼が踏み入る事など、先ずありえないと過去の経験が確信させる、】
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/15(月) 00:48:08.69 ID:kYE5dI5Yo
>>779

【手応えは曖昧、けれどもあくまでそれは障壁が手元の感覚を鈍らせただけであって】
【やや遠くへと離れた相手の体から零れ落ちる血を視界に入れてようやく、僅かに目元を引きつらせる】
【しくじった事に対してではなく、何か痛ましいものを見る様な――そんな矛盾】

(女の子相手に、本気で傷つけるノは……駄目だ、考エテは)
(倫理で考エテ、解決するコトじゃない)

【油断でなく、余裕でなく。ただただ相手を敵と見た上で、その上でかすかな迷いが有った】
【相手の言うとおり、善人であり。未熟で、だからこそひたむきだった】
【肉の硬直が食い締めた脇腹の棘が行動を制限している事に配慮するより前に】

っご……!

【前述した通り。“どちらにしろ脇腹の傷は深く、次の相手の行動に対処するには、恐らくラグが生じるだろう”】
【予想外の回避も、耐えきる力も有り得ない。青年は唯人でしかないのだから】
【ぶわ、と。相手の狙うとおりに臓器に達した傷は、外部で、そして内部で噴き出した血を消化器の中で逆流させて】
【歯の隙から、後に耐え切れずに唇を割り開いてどす黒い血が口腔から噴出する】
【喀血した事にか、苦痛故か、動揺したように、長躯は一歩踏み出しただけでとどまって】

【――相手の狙いがそれであるならば。《槍》はわずかに狙いを逸れ、わずか逸れただけで、貫通は免れたにしろ】
【大きく肩の筋肉を剥ぎ落して、青年の体を中心として衝撃波が発生するのだろうか】
【踏み出した一歩は、おそらく相手を範疇に巻き込むには足らず、相手が被害を被る事は無いだろう】
【消えぬ抵抗の炎を示すように、曲刀を持たない左手が僅かに相手に伸ばされて、ふ、と力が抜ける】
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/15(月) 00:57:46.72 ID:LQ7jNkm6o
>>780

―――Jack pot……
(煙の効果は未だ解らず……か。こっちもそろそろ動かないと悟られるか―――と言っても、走るとその遅さがバレちまう)
(……ん、減って―――る? 自分の体力とリンクしてるってことか……?)

【放たれた弾丸が彼女の脚を撃ち抜けば、ロウは冷淡な声でボソリと呟く。その深い紺碧に、少しだけ悲しみの色が含まれていて】
【やはり、傷つける行為は胸が痛くなる。其れが人々に絶望を与えるカノッサだとしても―――その気持ちに変わりはない】
【しかしそれは甘さである―――と言う事も、十分に理解している。背負った不殺の十字架は、並大抵の重さを誇ってはいないことを】
【油断はしない―――不殺を貫くことが既に十分な油断だ。ならば他の要素は、詰める所まで詰める。思考は既に、次のシミュレート】

【詰将棋の様に戦術を脳内で組み立てる中で、不意に彼女が零した言葉。―――何度も色々な人々に指摘された、己の甘さについてだった】
【―――結果論だが、先ほどの弾丸の狙いが狙いなら、彼女を殺してこの場を収めることも可能だった。しかし―――それでは彼の正義に反した】
【求めるは最良の結果。彼が言うに、皆は『見限り過ぎ』である。「彼女を殺さず、この場を収める」最良の結果を誰も求めず、無難な殺害に手を出している】
【だが彼は常に―――最良の、出来るだけ死なない未来を求めている。たとえその確率が1%で、高いリスクを負うとしても―――求めるものに変化はない】

……じゃあ考え方を変えてみたらどうよ。一度殺されてるんだ、殺されたくなかったら後ろ向いてゴーホーム
俺の甘さに救われたと思ってさ……頼むよ、ホント

【殺されたくなかったら―――とは言うが、殺す気はさらさら無い。微笑みと共に零したことから、その点が読み取れるかも知れない】
【公開すべきポイントだが、彼にその気持ちは無い。不殺の正義は彼の心に力強く根付いているのだから―――後悔なんて全く無い】
【お願いをしてみるが、同時に彼女の煙が蠢きを見せた。そしてヘアピンが彼の右脚に飛来する―――その速さは、ダーツの動きからは想像できる速さではない】

……―――なッ……!! 
(銃弾に近ェぞ、それ―――)

【洞察力と視野の広さ、そして精密射撃―――これらに関しては、絶大の自信を持っている。然しながら、この3つ以外は並、または其れ以下】
【センス自体は、余り優れたモノを持っている人間ではない。銃に関する技術や心構えは、必死の努力と工夫で手にしてきたものだ】
【反射神経や運動能力は並。機動力に関しては、怪我持ちの為に並以下。ダーツの動きからは想定できない速さに、身体の反応は遅れた】

―――っぐ……!!

【右脹脛に放たれた突き刺さる。同時に彼の耐性が後ろにやや崩れた―――つまり、隙。近づかせない戦法を取るガンマンが、決して見せてはいけない時間】
【この攻めのチャンスに身体が前に出ないのなら―――また弾丸が襲うことになるだろう。遠距離で彼と互角に戦える術がない限りは】
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/15(月) 01:24:10.02 ID:cWZURvT50
>>782

【双つの衝撃波は接触面を中心に広がるだろう。望み通り、“殺すため”。】
【その末に、標的は倒れ臥している筈だった。さもなくば、刃がこの身を穿っている筈だった。】

「―――――― な……!?」

【―――――― だが、かれは佇んでいる。】
【折れぬ心で、巨大な絶望に拮抗している――――――――】
【この殺意に。凄まじい深さに達しているであろう傷に。今以て彼を消滅させんと貫く氷結の異能に。】

【能力の過負荷が失血と相俟って、この一瞬だけは何も出来ずに】

【―――――― 自分より遥かに強靭だと想っていたものが。あっけなく崩れて、それでも姿を残すなら、】
【驚愕がこんな表情をさせたのかも知れない。或いは単純に、傷ついた肉体にかかる負荷が行動を停止させたのか。】

【ほとんど限界を迎えた躰でも、精神力が保つ限りその異能は発動可能―――――】
【……“何もなければ”、彼女は殺す。硬直した意識も、数瞬の後には働きを取り戻すのだろう】
【彼を殺して、彼女が停まるものとも思われない。ここで死ねば、誰も救えなどしない――――】

【鮮烈に焼きついたその光景が、再び動き出すことがあるだろうか。総ての答えは一瞬の後に、】
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/15(月) 01:31:05.44 ID:T+eTJCW+o
>>783

【ロウからの再びの退去勧告にも、すでに耳を貸さず】
【互いに交渉の余地は無いと、戦いを始めた時点で双方解っていたこと】

だったら―――私は君の甘さに救われたと思って、君を倒すことにする

デスクワークが似合うって言ってくれたっけ?
その通り、『分析官』なんてただの事務員兼雑用係みたいなものだよ
だからこそ、私は機関のもっと上に、もっと中心に行かなきゃいけない

……さて、これで二枚目

【相手に隙ができた――逃すわけには行かない】
【血を流す右脚を気にせず、自分の首に手を伸ばし】
【言葉の通り、二枚目となる御札を剥がす】

あ゛ぁあ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛ぁあ゛あ゛

【またも悍ましい声を上げながら】
【口から『黒紫の煙』を吐き出し、再び身に纏う】
【二回目となればもう相手を声で怯ませることはできないだろうが】
【様子が一回目とは明らかに違う】
【額に脂汗をうかべ、息を荒げ―――端的に言えば苦しそうなのである】
【それでも瞳はロウをまっすぐに睨み付け】

はぁ、はっ……この距離位なら、持つよねっ……!?

【『黒紫』を纏った右脚を見つめ、ロウめがけ、走り出す】
【銃弾で打ち抜かれた右脚からは、地面を踏みしめるたびに血が噴き出し】
【当然、筋肉も損傷しているはずだが―――それでも、『煙』を纏った右脚は、動く、というよりは強制的に動かしているように見えるが】

らぁああぁああ!

【脚の激痛をごまかすためか、似合わない掛声を上げ】
【渾身の「突き」を繰り出す―――先ほどとは違い今度は『刀身』にも『黒紫の煙』を纏わせており】
【最初に見せた突きよりは、数倍の速度と威力を持ってロウを襲うだろう】
【狙うは『右脚』 ヘアピンにより怪我を負った箇所―――元々万全の状態ではなかったようだが】
【卑怯にも、さらに弱点と思われる部位に追撃を仕掛ける】

【しかし、自身のダメージを鑑みない突撃―――やはり脚に限界は訪れ】
【攻撃の成否に関わらず、彼女も右足から大きく体勢を崩すことになるだろう】
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/15(月) 01:49:45.63 ID:kYE5dI5Yo
>>784

【丸まった背が表すのは恐らくは苦痛と、必死に耐えようとしたからだろうか】
【浅い呼吸が静寂の中で細く薄く広がる様に響いて、血だらけの顔がゆっくりと持ちあがる】
【衝撃波の直撃を受けてそこかしこの皮膚が裂けたのだろう、鮮やかな衣装も水を被ったように血が少しずつ染めていく】

【決して軽傷ではないが、今すぐ倒れ伏すほどの傷は少ない】
【恐らく展開した《鱗》の余りが、多少なりとも勢いを削いだのだろう。今はそれらも、一つも残ってはいないが】
【滲む血が目に入るのか何度か瞬きをして、同じく血塗れの手で目元を拭う】

っは……やっぱり、機関ノヒトに挑むノは、分不相応なンだろうな……
……ケド、まだ……!

【留めていた息を吐き出すように、篭もった笑いと共に自嘲じみた言葉をこぼす】
【多分、相手にとっては焦れるくらいに間のある行動だろう。すぐに反撃へ望めないのは、明らかにダメージが大きいからで】
【弱音じみた言葉は、ほんのりと口元を緩ませて。それでも諦めない、というように】

【滑りそうな程血で濡れた地面を踏みしめ、腰を深く落として筋肉に力を伝える】
【一瞬沈んだ体は、浮き上がるより早く前進して地を駆ける。最速ではないが、今現在可能な限りの全速力だ】
【やがて間合いに入り込んだ体は、相手の腹へと向け、腰だめの上体から右手の曲刀を】

【一瞬。全身を襲う痛みに負けるように指先から力が抜け、曲刀を取り落とした】
【否、狙いの位置を考えるとわざとだったかもしれない。柄を追う事無く進む右手は、握り拳になって】
【相手の腹の右側――肝臓に狙いを定めて、ごつい拳を振りぬかんとする】
【恐らくは、これが最後の攻撃となるか】
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/15(月) 02:00:25.72 ID:LQ7jNkm6o
>>785

【後方に崩れた身体を、ロウは左足で踏ん張り大きく支えるが―――全体重を支えられる程左足首の傷は回復していない】
【―――左足に奔る痺れ。同時に、彼の表情が更に強張った。右脚で踏ん張ろうにも、脹脛を貫かれて大きな痛みを伴う】
【左足は重い怪我のせいでスムーズに走ることすらままならない。元々少ない機動力が、更に機能を失っていた】

……ッ〜〜〜!! くっ……そ……!! 
痛いのは……マジで勘弁なのに―――さぁ……!!

【痛みに思わず眼を瞑ったが、フラつきながらも何とか転倒だけは避けた。しかし紺碧の瞳が再度開けば、既に彼女が唸りを上げて迫ってきている―――】
【―――先程言ったとおり、男には「回避」と言う選択肢が存在しない。最も信頼出来る防御手段は、先ほど見せた氷柱】
【痛みのせいで十分な思考時間も得られずに、反射的に青の弾丸を地面に撃ち抜いた。また氷柱が生え、彼の盾となるが―――】

―――ッマジか―――……っぐ、―――ッッ!? ガ、ハッ……!!

【―――その盾が渾身の突きに負けて砕け散る。同時に盾だった氷が、彼の身に襲い掛かり―――】
【脇腹に、右肩に、左太腿と透明の弾丸が肉を深く切り裂き、ソフトボール程の大きな氷が彼の鳩尾深くに直撃した】
【更に氷ごと貫いた煙の刃は、多少盾との衝撃で軌道がずれるも彼の右脚を掠る形で傷つける】

……こんにゃろ……が……!! なんつー威力持ってやがんだ、厚さ50cmのモノぶち抜くとか―――……ッッ!
(―――力が、脚に入らない―――!?)

【多くの箇所に損傷を負いながら、彼は3m程後ろに吹き飛ばされて仰向けに倒れた。空中に吹き飛ぶ彼に遅れて、流れる血が美しい軌道を描いていた】
【―――だが、まだ身体も心も死んではいない、必死に両足に力を入れて立ち上が―――れない。力が入らない】
【痛みが、両足に入れた力を奪っていく。上半身だけ起き上がって、腕で地面を押しながら立ち上がろうとするが―――出来ない】

【……つまり、上半身だけで痛みが収まるまで戦えというのか。急に絶望の淵に立たされた感覚に陥る。しかし、彼は銃を握り閉めて彼女を睨むしか無かった】
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/15(月) 02:26:07.88 ID:VA7ryKZc0
>>786

「……それなら死になよ。なんで、その死に体で未だ戦えるッ……!」

【脅威。勇姿、その一言だろう。】
【相手の重傷は誰の目にも明らかだった。瀕死とすら言えたのかもしれない。】
【過負荷で動けないとはいえ、彼女の負った傷は未だ軽く感ぜられて―――――】

【――――― “流れ” は既に彼の側にある。感じ取れるからこそ、焦燥を生んだ。】
【漸く動く様になった身体を駆り立てる。……拳は、既にすぐそこだった。】

「――――――― く……!」

【最後に一撃だけ液酸爆薬の反撃を放つが、掌が触れなければ問題はない。触れれば、彼の胸に凄まじい爆圧がかかるのだが――】
【どうあれ彼女は吹き飛ばされた。強烈な打撃を急所に受け、沈み込みそうな意識を、滑る仰向けの体で途切れ途切れに、繋げて――――。】

【やがては体が停止する。一指たりとも動かずに、からだが、消えた様にさえ感じるのだろう】
【だが胸が上下している所を見れば、息絶えた訳でもないだろう。だが彼女には、最早継戦は不可能な様子だった】

【―――― 意識を保つのがやっとで。“今は”、誰も殺せない。】
【だが回復さえすれば直ぐにでも、きっと、彼女は誰かを殺す―――――】
【その可能性に気付くか否か。気付いて、それで断ち切るのか。】
【少なくとも朦朧とする数瞬のうちは、……ともすれば、その後でも暫くは。彼女に、能力を行使する術はない。】
【立ち去ろうとも殺そうとも、防ぐ手立ても同様の筈で―――――。】
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/15(月) 02:28:06.07 ID:T+eTJCW+o
>>787

【目の前に立ちふさがる氷の柱】
【しかし、今度は立ち止まらない、立ち止まれない】
【氷の柱を砕き―――狙いはずれたものの、そのまま相手の脚を抉ることに成功した】

脚は潰した……あとは銃さえ何とかすればっ……

【しかし、実利の脚も限界を迎え】
【姿勢を大きく崩し、そのまま地面に顔を埋めた】

うっ……だめ……まだ、戦わないとっ!
ぐぅあぁあああああ!!

【そして、叫び声を上げながらのた打ち回る】
【どうも、脚の痛みだけで叫んでいるのではなく……全身から湧き上がる苦痛に耐えるような様子】

あぁぁあぁ……

【ややあって、口から、例の『黒紫の煙』を吐くが――体に纏わりつくことは無く】
【口から出た『煙』は、そのまま霧散し消えていった】

うぁあぁ……止まれ、止まってぇ
げほぉ!
御札は、御札は、何処……何で無いっ……

【袴の懐をまさぐるが、「御札」が見つからないらしく】
【本人の意思を無視して、口からこぼれる『煙』】
【体や、武器に纏わせて使用していた『煙』は、具現化された実利の『生命力』そのものだったよう――】
【『煙』がこぼれるほどに、実利の体力は目に見えて削られ、弱っていく】

あぁ、はぁ……おわり、か……

【彼が少しでも地面に目を向けたなら、気付くかもしれない】
【先ほどのぶつかり合いで、懐から飛び出したのか――彼の近くに、二枚の『御札』が落ちていることに】

【しかしどの道、彼女は動けない。少なくともこれ以上の侵攻は不可能】
【その点では、彼女の"敗北"は決定したと言える】


790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2013/07/15(月) 02:46:24.23 ID:kYE5dI5Yo
>>788

【こちらの目的は殺害では無く、あくまでもこの急襲の間のみの無力化】
【一撃の力を逃がさないよう踏み止まっていた足も、相手が動かなくなったのを見て膝が揺れ】
【次の瞬間、砂っぽい地面に倒れ込むように青年の体が崩れ落ちる】

……まだ、逃げ伸びてない人達を……

【うわ言にも近い言葉は、ひたすらに為すべき事へと体を動かさんとするように】
【けれども失血の具合は相手と同等か、それ以上。薄らと血の気の抜けた褐色の指は、うまく力も入らずに】
【地面を擦る様に動く指は辛うじて曲刀の柄にかかり、大事そうに握りしめて】
【それきり、青年の意識はふっと暗闇の中へと落ちた】


【相手は目撃するかどうか、恐らくは認識の外の出来事】
【青年が気を失った時から、再び街が徹底的に押しつぶされるまでの間の事】
【何者かがその場に現れ、倒れ伏したまま眠ったように動かない青年の体を背中に担ぎ、その場から避難させていく】

【このまま捨て置かれて居れば、直に自然に死ぬか、そうでなくとも相手か、機関の勢力によって殺されていただろう】
【彼をひきずるように退避させた人物が誰であったかは、恐らくは不明のまま】
【ただ、赤く光を反射する色だけが印象的だった】


/こんな感じで、イベントお疲れさまでしたー!
/結果は引き分けっぽい感じでしょうか、怪我の度合いはダリアchangの力量もあってこっちの方がボロボロな感じですが……
/長らくお相手いただきありがとうございました、楽しめていただけてたならば幸いです!
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/15(月) 02:48:04.29 ID:LQ7jNkm6o
>>789

―――……どうやら、俺よりもアンタの方が厳しいらしいな
……っぐ、くそ……マジで両足痺れてらぁ……!!

【血相を変えて彼女を睨めば、其処に居たのは―――自分と同じ、崩れた彼女】
【脚に限界が来たのかと思うも束の間、彼女が口から黒紫の煙を苦しそうに吐き出すのを見て、ロウは状況を把握した】

―――御札……? ああ……其処にあるヤツね
……ったく、しゃーねぇなぁオイ……!

【札にチラリと眼をやれば、彼は銃口を『彼女』に向けた。彼女からはどう見えるだろうか―――瀕死の自分に止めを刺すようにでも、見えたのだろうか】
【右腕を伸ばし、その銃口から弾丸を放つと同時に―――ペンダントがまたしても淡く輝いた】

……弾丸憑依Slap ―――!!

【弾丸が放たれた瞬間―――弾の側面から、長い片腕が生える。俊敏で器用で正確な動きで、落ちた二枚の御札を掴み取れば―――弾丸は彼女へと飛来】
【そして彼女に衝突する1m手前で、腕が地面へと伸ばされ―――地面を掌で『押した』。その反動で弾丸は上方へと軌道を変化、弾丸は彼女の僅か上を通過する】
【押した瞬間に、手は開かれていた。従って、その手に握られていた2枚は手中から零れ落ちて―――彼女の届く距離に、ひらひらと舞い落ちる】

よく……わかんねーが、それがなきゃ……ッ痛……辛……いんだろ……? 

【肩で息をしながら、途切れ途切れの声を彼女に飛ばす。―――まだ脚には力が入らない。未だ自分の体勢が整ってはいないが、彼女に出したのは助け舟だった】
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/15(月) 03:20:05.63 ID:VA7ryKZc0
>>790

【掌の痛みがない事。腕が、肌が無事であること。この季節の大気を肌に感じること、】
【本来なら喜ばしいそれら事実もまた、骸の不在とともに殺害の “不達成” を彼女に伝えて】

(……甘、いね。本当に殺さずに終わらせた訳だ―――――)

【そう、屈辱と疲弊を胸に秘める。】

【―――――― 彼が、最後に武器を捨てていなければ。確実に、己は殺されていた。】
【“勝利できた” のは彼だけだ―――― その可能性があるのはナウファルだけだ。】
【知り得ぬ過去など影響しない。己は、見た事実だけを考えるのだと決めている。】

(……ナウファル、か――――――――)

【あの精神。あの “強さ”。】
【……再び戦い得るのならば――――― 否、ナンバーズの称号にかけて仕留めるのだと、】
【滾る激烈さで雪辱を誓い、ひどく重い瞼でNo.12は目を瞑った。暫しの、殺戮者としての休息だった。】

/お疲れ様でしたー!
/引き分け……みたいな感じでしょうねー。ただ精神面では完全にナウファルさんかな、とっ
/遅くまで本当にありがとうございました。こちらは凄く楽しかったです……!
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/07/15(月) 03:26:04.39 ID:T+eTJCW+o
>>791

【苦しみながら彼の方を見れば】
【こちらに向けられた銃口―――状況からして、当然とどめを刺すつもりだろう】

(あぁ、丁度いい――悔しいけど、これで楽に……)

【ペンダントが輝き、弾丸が放たれる】
【自分を仕留める攻撃を最後に目に焼き付けんと、見つめるが】
【起きたのは、彼女の予想だにしない事】

【自分を[ピーーー]べき弾丸が、自分を救う御札を持ってきた】

は……お、御札!?

【生存本能か――状況を把握する前に御札を自らの首元に貼りつける】
【すると、黒紫の煙は止まった】
【体が限界を迎えたことには変わりないが、一応の苦しみが和らぎ落ち着いた思考を取り戻す】
【湧き上がるのは、疑問】

何で……?おかしいでしょ……今、撃ったよね……私に向かって
なら、私にとどめ、差せたよね……?

【続いて湧き上がるのは、羞恥心、そして怒り】
【刀を支えに、ゆっくりと立ち上がり】
【右脚を引きずりながら、ロウに近づく】

ふざけるなよっ……私はおかげで復活しちゃったよ!
刀を振るえば貴方の首を飛ばせる位置まで歩いてこれちゃったよ!
頭おかしいんじゃないの!?敵に塩を送るどころか、敵に豪華料理を振る舞うに等しい行為だよ!
戦闘の前提が根底からおかしくなってるんだよ!ロウ、貴方の所為で!

【もはや自分でも何を言っているのかわからない】
【疑問と羞恥と怒りが混ざったよくわからない感情を、よくわからないままロウにぶつけた】

はぁ、はぁ……それでも貴方は私より強いと……言いたいんだね?
―――残念ながらその通りだね

私は、私の命を助けた人を殺そうとすることができるほど、心が強くなかったみたいだよ
……悔しいけどね

【手に持った刀は、振るわず】
【竹の鞘に収め、元の杖の形に戻った】

貴方の勝ちだよ、ロウ
言っておくけど―――私は恩は忘れないけど、返すとは限らないからね?

【踵を返し、追撃が無ければ―――足を引きずりながらその場を後に立ち去る】


【互いの姿が見えなくなった頃、彼女は一人ぼやく】

はぁ、はぁ、まずは脚を治療して
せっかく得たチャンスなのに、≪No.6≫と、たぶんどっかで戦ってる『ネバーランド』になんてアピールしたものか
「宝玉を持つ超強力な能力者を長時間食い止めることに成功」「宝玉の能力の一部を確認、持ち主の名前と経歴も押さえた」
うん、このあたりが妥当な線かな……



/この辺で失礼します!
/長時間ありがとうございました!おつでした!



794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/15(月) 03:48:49.69 ID:LQ7jNkm6o
>>793

…………。

【彼女を救うことには成功したが、やはり彼女自身はそれを快く思うはずもなかった。当然、荒げた声がロウに向けられるが―――】
【彼はただ黙って、少し困ったような笑みを浮かべるだけで。その行為が一般的には狂っていることも十分に理解していたのだが、迷い無く撃ち抜いた】
【ゆっくりと彼女が近づく。男は何も動かない。肩で息をしながら―――紺碧の瞳を彼女に向けるだけだ】

……カノッサ向いてねーよ、実利ちゃんさ……

【感情をぶちまけた彼女に対し、ロウは掠れた弱々しい声で短い一言を返す。にぃ、と更に笑みを大きくして、だ】
【本物の悪ならば、何も感じずに彼を潰すだろう。もしくは、彼の甘さを嘲笑いながら刃を振るう―――だが、彼女は違った】
【明確に悪の立場に就いている筈の彼女が、「情」を抱いて彼を潰そうとしなかった。そのことに対しての、「向いていない」という言葉なのだろう】

……ふーん。 別にお返し目的でしてる訳じゃないさ……ただ、忘れないでくれるんだな―――それが一番嬉しいね

【去る背中に最後の言葉を投げかけ―――彼女が居なくなると、ごろんと仰向けに転がった】
【そしてポケットから煙草を取り出し―――曇天に目掛けて煙を吐き出して、ふとこう呟くのであった】

最後刀振るわれても―――何とかして巻き返す自信ありました、だなんて言ったら怒って切りかかってきたかねェ……

【兎にも角にも、最良の結果は得られた。何方も死なずに―――この場を収めたのだから】

/ありがとうございましたー!
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage !red_res]:2013/07/15(月) 11:57:28.96 ID:wHfDFlbH0
【――――追撃・掃討を含めた、一連の戦闘行動が、遂に収束する】
【機関の勝利と言ってなんら遜色の無いこの戦いは、『セードムシティ』を機関の手中に収めさせる結果になった】
【雷の国は、事実上その領地の一部を、失う事になったのである】



【『セードムシティ』 市庁舎】

――――イヒャァァァッハハハハハハハハ!! 良くやったわ兵士たちも!!
……それで、首尾はどうなっとる?
「は……市民は約8000が都市より離脱、約30000が身柄を確保、約2000が死亡したものと思われます
また、我が軍は死者36、重軽傷者149……雷の国国軍の推定死傷者約1300、推定破壊車両約70であります……」
うむ……上々じゃあないか! ほんに素晴らしい戦果じゃのぉ!!
ここまで上手く行くとは、わしも思ってはおらんかったわ……機関の精兵は、やはり素晴らしい力を持っておる様じゃの……!

【占領されたそこで、今回の戦闘の仕掛け人である≪No.6≫――――グラトン=ブルーガー=ウルバヌスは、上がってくる報告に破顔していた】
【『図に当たった』と言う形容が実に似合う戦果を以って、『セードムシティ』の実権を握る事が出来たのだから、それも当然だろう】

さて……じゃが、ここからじゃの?
――――兵の半数を占領地の前線に配置し、都市の内外の通行を遮断。機関以外の通行を食い止めよ
残りの4分の1で市内を警戒、もう片方の4分の1で、道路啓開を行うんじゃ……ぶっ壊れた車両だの、死体だのを片付けい
あぁ、その際に……死体は処分してはならんぞい? 集めた後、『食肉加工』するんじゃ……!
「っ!? な、何故でしょうか……?」
何故って、決まっとろう? あやつらの肉がいるじゃろうが……飢えさせたら、制御どころじゃ無くなるぞい?
「……あの、生物兵器たちの為ですか……」
人間が喰うはず無かろう……そこまでせんでも、人間の喰い物はあるわ……

【だが、すぐにグラトンの表情は変わる。次には事態の収拾をつけなければならない】
【いつまでも荒れたままにしておけば、自分たちにとっても都合が悪い。内外の戦闘に使うのみが、軍の使い方でもないのだ】

「……しかし……武装があるとはいえ、約200の兵で30000人の市民を抑えきれるものでしょうか……?」
じゃから、そこもちゃんと考えとるわい……!
……まず、15歳以下の子供は全員、機関の制御下に置く様にするんじゃ
「人質、ですか?」
まぁ、そう言う役目もあるじゃろうがの、それだけじゃありんせんわ……それに、何も30000人を200人で見る必要なぞ、どこにも無いんじゃよ?
「…………!?」
――――――――抑えきれんなら、『分母を減らせばよい』だけの話じゃからの……!!

【生き残った――――あるいは取り残された――――30000人にとっての本当の悲劇は、ここから始まる】
【『セードムシティ』と言うレコードに、機関の老人の狂気と言う針を乗せる様に、ゆっくりと回り始めて――――】



【ほぼ一方的な機関の勝利に終わった今回の戦い】
【この街が、この悪夢から解放される日は、果たして訪れるのであろうか――――――――?】

/これにて、今回のイベントを終了します
/参加して下さった皆様、ありがとうございましたー!
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/15(月) 17:59:57.26 ID:GukDJ+Ud0
【街外れ――自然公園、その一角】
【むーっと暖かな空気と傾き始めたお日様の光、昼間よりも落ち着いた暑さの満たす中】
【公園を走る人工的に作られた川、子どもが水遊びするに最適な深さの水面がばしゃと蹴り上げられて――】

――――っ!

【きゃらきゃらと零す笑い声、虹色に煌く無数の雫の中、明るさに満ちて、この空気によく合っていた】

【――クリーム色の髪はふわふわした髪質、一つに纏められたなら、尻尾のようにほわと揺れて】
【夏空の青を映しこんだよな双眸、右の下には毒々しい紫色をした蝶のタトゥー、柔肌に浮かべ】
【肩口を大きく露出する白のワンピース、ひらと合わせた薄手のケープが、翼か何かのように踊ったなら】
【裾を無数に飾り立てるフリルの群れ、真似するよに、ころころと形を変えて】
【子どものバランスで延びる足は青空を映しこむ水面の中に沈み込んで、動くたびにゆらゆらと波紋、乱す】
【見てくれで言えば就学しているかどうかの年頃だろう、そんな女の子一人。保護者の影もなく、遊び惚けていて】

……ふふふふふー、やーっと水遊びできる季節でしょ!
去年より一昨年より、いーっぱいいーっぱい――たーっくっさん! 水遊びしてやるんだからー!

【片足を支点にしてくると回る、もう片足が水面をそぎ落とすように薙いで――水飛沫、辺りに無数に散らすなら】
【或いは誰かに引っ掛けてしまうこと、あるかもしれなくて。一人ではしゃぎまわって居ることも、また、少しだけの違和感】
【――遠くのほうにぽつと置き去りにされたサンダルが落ちていた。ざばばと水飛沫立てて遊ぶ幼子は、まるで気付いていないようだったけれど――】
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/15(月) 19:51:52.68 ID:y8RkZqRyo
>>796
/ま、まだいらっしゃいますでしょうか…
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/15(月) 19:53:28.95 ID:GukDJ+Ud0
>>797
/あなたの後ろに這い寄ってないけどいますよーって!
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/15(月) 19:58:07.04 ID:y8RkZqRyo
>>796
【いくら街外れにあるとはいえ、自然公園という公共施設の一角で】
【年端のゆかない少女が楽しげな笑い声とともに大胆な水遊びをしているなら、それに気を取られる人間もやはり一人はいるものである】
【紫、黄色、赤、いかにもテンプレートな色の花が連ねられた花壇のレンガに腰掛けて、頬杖を突きながら】
【どこか違和感すら感じるほど溌剌と、跳ね回る彼女をぼんやり眺めている――】
【Tシャツに薄い灰色のパーカー。ジーンズ。見た目高校生程度の女が、まさにそれだった】

ねぇ、あんた。

【偶然通り道にあったサンダルを拾って、散る水飛沫を時折浴びながら】
【片手で首を押さえ、いかにも気だるげな足取りで、とりあえず声が聞こえそうな距離まで近寄るとそれを突きつける】
【その態度は明らかに好意的なものではない。が、かといっていかにも気嫌いし眉を寄せているわけではない】
【いたって単純に、初対面の相手に対して表面だけでも取り繕うことすら面倒がっているだけ】
【相手が目に見えて幼く、立場上の関係をいちいち考えずに済むのも、そんな態度の理由の一つ】

水遊びは良いけど。親、いないの?
怪我するよ。裸足でうろちょろしてたら。

【ブロンズのウェーブがかった髪をかき上げて、実はどこかに関係者でもいないか勘ぐったのか、ぐるりと辺りを見回す】
【遠めで見ているときは分からなかったが、目の下にはクマと見間違えそうなタトゥーが掘られている】
【蝶だろうか。いかにもお嬢様した服装からはあまり似つかわしくないように思えるのだが―――――ただのおもちゃだろうか】

【ともかく】

【見える範囲公園を見渡すのにも飽きたところで、跳ね回る少女が落ち着く様子が無いなら再び手で招いて】
【ただ怠惰に塗れていた視線を訝しげなものに変え、よく言えばハスキー、悪く言えばノイズの混じったような掠れ声で女は続ける】

ほら、サンダル履いて。
ガキの内からタトゥーとはしゃれてるね。まったく。
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/15(月) 19:58:31.05 ID:y8RkZqRyo
>>798
/は、はやい…!では、よろしくお願いします
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/15(月) 20:15:25.05 ID:GukDJ+Ud0
>>799

【ぴょんと跳ねた爪先に付き纏って軌跡めいて空を飾る水玉、ばっしゃと着地したときに飛び散る水玉、】
【空の青さと草の青さと――とにかくたくさんの色を抱いて、きらきら輝くのが、宝石のよう】
【汗か水だかで濡れて顔にへばりつく金髪も、僅かに透ける布地も、どちらもが健全な夏めいて――まあ元気なこと】

……――わ?

【――着地においてひときわ多量の水飛沫を飛ばした、声を掛けられたのはちょうどその頃】
【僅かに不安定気味だった体は両手でぱたぱた空を仰ぐことできちり落ち着いて、落ち着いたなら、ついと視線が持ち上げられる】
【夏空色の瞳に太陽が浮かべた雲みたいなハイライト、まーるい形が一対、じぃと見つめるなら】
【(知らないヒトが云々と教え込まれているかのような沈黙少し、ヒトによっては不安になるような僅かな間は、)】

あっ、それ、私の! えーっと……、……お姉ちゃんが持って来てくれたの? なの?
わあ――ありがとうございます、なのー!

【突きつけられるサンダルが自分のものであることを理解して、その意味を理解したようなら、一気に賑やかに変わる】
【向日葵みたいに咲き誇る笑顔は尚更こんな空気に似合って、ぺっこりと頭下げる――ポニーテールが、ふわと揺らいで】
【――そんな礼の姿勢を終えればふっくらと柔らかそうな両手が伸ばされて。サンダルを受け取ろうとするのだろうか】

あのね、あのね、お母さんはね、おうちに居るよ!
暑いからね、夏はお外に出ないんだって――でもね、春は花粉で夏は暑くて秋は憂鬱で冬は寒いからお外に出ないの!
去年も一昨年もそうだったのよ、なの。私知ってるんだからー……お外に出るの、こんなに楽しいのに! ねー?

【そうしながらに返すこと、――つまり母親は母親らしからぬ怠惰さで(恐らく)クーラーの利いた部屋にでも篭っている、よう】
【手元や足元にどうしても無駄な動きが多いのは、どうやら不満か何かを言外で一生懸命に訴えているらしい】
【言葉にするに困った微細な感情の形、――ただまあ、すべてを掬い上げてやる必要も、そこまであるとは言えず】

……――でもでも、あのね、お遊びする時はね、はだしの方がやりやすいかなって!
――、――あっ、そうだ、お姉ちゃんも一緒にお遊びしませんか、なの?

【サンダルを脱いでいた理由は簡潔、邪魔だから。そして履くことを勧められたなら――まだ、遊ぶつもり、らしい】
【タトゥーについては触れようとしたよな素振りがあったものの、直後に湧いた思考に、押し流される】
【真っ白な歯を見せるように笑ったなら、そうと首を傾げて。――そんなお誘い、ひとつ投げかけた】
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/15(月) 20:39:14.72 ID:y8RkZqRyo
>>801
【幼い少女が、水辺で屈託無く遊ぶ。それはありふれた当たり前のようで、これまで余り注意してみることも無かったが】
【こうしてみるとまったく絵になるものだ。女は少女がこちらに気がつくまで、自身の若干の猫背としけた面を卑下しながら、そんな風に感嘆していた】
【もしこれが、隣で常に気を張っている親がいないからこその、開放感からくるものだったとしたら―――】
【もしかして、女がしたことは余計なお世話だったのか】

【まぁしかし、怪我をしてしまってはただの可愛そうな女の子の一人。そんな哀れなものになるよりましだろう―――きっと】
【そのものが芸術品のような済んだ青空のような少女の瞳から、濁った雨雲のような女の瞳をそらして】

あぁ、うん。元気ね、いいことだよ。
そう、お母さん。元気ないんだ。
でもきっと、あんたが元気でいたら、そのうち一緒に遊んでくれる。
んじゃないの。たぶん。

【会話の間の妙な間はもとよりそういった感性に疎いため気に触らなかったが、何より快活な少女には押され気味】
【頬の筋肉を引きつらせると猫背を逆に逸らして、少女のなにやら穏やかではない家庭事情を右から左へ聞き流しながら】
【少女の手がしっかりサンダルを受け取ろうとしているのを確認する前に、思わず手を放す】
【根拠の無い言葉をつらつら並べてしまったが、かといって家にまで乗り込んでその親に説教をくれてやるつもりもない】

【出会ったばかりの少女の言葉をわざわざ疑うのもどうかと思うが、しかし、所詮は幼い女の子の言葉だ】
【間には受けない、ことにしておき】
【このまま時間つぶしで遠めで眺める作業に戻るつもりだった女には思いもよらなかった提案に、人差し指で頬をかく】
【タトゥーに関しての答えは返ってこなかった。直接聞くのも、憚られる。嫌な予感がするのだ。家庭事情を聞いた後なので特に】

え、遊ぶ?
遊ぶっていっても、私。あんたみたいに裸足で遊べる時代はとっくに卒業しちゃってるから。
なにするの?おにごっことか、かくれんぼとか。しかし二人か。

【水辺で駆け回ること自体を遊びと認識し、楽しい時間を過ごしていた少女と仲良くするなんて】
【どうにも難しそうな予感。やはり断ってサンダルだけ押し付けるのもよかったが、生憎女の口は別の選択肢を選んだ】
【真っ白な歯が日の光やその雰囲気と相まってやたら眩しい】
【携帯ゲーム機で遊ぶような子には見えないな、と、内心で溜息をついた】








803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山梨県) :2013/07/15(月) 20:55:06.27 ID:xFXoytLno
【路地裏】


【いつもは死体やら何やら、血なまぐさい香りが漂っている路地裏に】
【今宵はあんこの甘い香りと、一人の女の愚痴が響き渡っていた】

「何故にこのタイミングで、俺にお汁粉を売りつけたんだぁ?あの自販機はよぉ…?」

【ポニーテールにまとめた赤い髪に、黒色の瞳】
【口元から棒だけ出した棒付きキャンディは、まるでくわえ煙草の様で】
【一昔前の不良のテンプレのような、謎の金色の漢字の刺繍が施された、ピンク色の特攻服。】
【上着に当たる部分は、前を止めず、サラシを巻いて隠している、豊満な胸をさらしていた】

【首元から、鎖につながれた五寸釘をネックレスのようにかけていた】
【これで地下足袋を履いているのだ。パッと見不良というイメージが出て来ても不思議はない】


【さて、そんな彼女が右手に癒そうに握っているのは、缶飲料だった】
【ピンク色のパッケージのそれは、「美味しいお汁粉」と、この時期に必ずしも会わない印刷がされていた】

いや、オレは残り少ない金をはたいてサイダーを買ったんだよ…

……んで、出てきたのが……


【はぁぁっと、下向きな気持ちを一息、夜空に吐き捨て、路地裏の角を曲がった】
【今宵、この彼女の目の前に、果たして誰かが現れるとしたら】
【それは、ひょっとしたらお汁粉のように、意外な人物かもしれなくて】

/使いまわしでよろしければ
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/15(月) 20:56:10.83 ID:GukDJ+Ud0
>>802

【両手が掴むよりも僅かに先、彼女の手が離されるなら――慌てたような声、不安定にバラける二つ、頑張って掴んで】
【「早いよー」なんて不満の声を上げようとも。その表情も声も笑っているときのものなら、本当に怒っているわけでもない】

んー……、でもね、あのね、お母さんね、あのね、私がいい子にしてたら遊んでくれるんだよ、なの!
ちゃんとね、言うこと聞いてね、いい子にしてるとね、ご本読んでくれたり、お人形さん遊びしてくれたりね、あのね……
――いーっぱい! 遊んでくれるんだよ! だからね、いい子にするの!

【――辛うじて程度に取り落とさなかったサンダル、ぎゅっと胸に抱いたなら、少しだけ首をかしげて】
【考えていた言葉がある程度纏まったようなら、口に出すこと。――普通じゃないと、ばれてしまうような、現実】
【それでいて当人には何らかの思うところもないらしい。ご褒美めいた飴に意識惹かれて、言われるままに】
【――彼女が背筋を伸ばすなら真似したように伸ばしてみる、真っ直ぐ向ける笑顔、一点の曇りもないままで】

うん! あのね、あのね、こんなにいい天気でしょっ、だからね、遊ばないとね、もったいないよ!
お昼は暑いからね、あんまりやーだけど……でもでも、これぐらいならね、いーっぱい遊べるよって! ねっ?

【自分にとって何も不自然のない会話なら。そのまま至極平和な方向にシフトして――空を見上げれば、僅かに翳りだした色】
【もう少しもすればすみれ色にでも染まるだろう、けれど明るさには何の不便もなく、温度だって、昼間よりずっとまし】
【ならば遊び時だという言葉もどこか頷けて――はしゃぎまわるつもりMAX、寧ろゲームなんて知らないんじゃないか、なんて】

……あ、あのね、あのね、私ね、お姉ちゃんのしたいことがしたいなーって!
だってね、私がお願いしたんだもん! だからね、決めていいよ――

【――きらきらした瞳が見上げるなら、篭める期待、透かして見るようで】
【幸いにも樹やスペースはたっぷりある、少し歩けば遊具広場も。大体の遊びには事欠かない程度には】
【何を提案してもたいていのことは喜んでやるような予感がするなら、あんまり難しく考える必要も、ないのだろう】
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/15(月) 21:04:20.48 ID:z6dq5ltzo
【路地の奥――酒場】

【そう広くも無い店内は閑散として、客は奥に座る男二人のみだった】
【貸切でclosedという訳ではなく、時間帯が早いだけか辺鄙な立地ゆえだろう】

……じゃあ、当分はそこに匿うのか?

「お前に預けて下水道に置かれるよりは、ずっと良いと思うが」

それは違いないな……で、あの子には話したのか?

「……どうやら、師匠から」

…………マジか

【短くなった煙草を揉み消し、肘をついた手を口許に当てて視線を落としたのは】
【右頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青を持つ、よれた黒スーツ姿の若い男】
【癖のある黒髪、鋭い灰色の目、肌は死人めいて酷く血色が悪い】

【もう一方、相手以上にやり場のない表情でグラスを傾けたのは】
【左右で瞳孔の開き幅が違うオリーブ色の目が特徴的な、黒い祭服を纏った若い男】
【腰まで伸ばした紅茶色の長髪、踵の高い靴と、紫色に染められた長めの爪が目立つ】

【刺青の男が新しい煙草に火を付ける】
【深く吸い、煙を吐くまで、有線から流れるジャズが間を保って】

……お前もあいつも、
俺の知らない所でバカスカ戦って、勝手に傷付きやがって。
心配する方の身にもなってみろよ。 まして敵が敵だ……

「……――――」

【そう言われても何も感ずる部分など無いといった表情で、祭服姿の男がグラスを揺らす】
【暫しの間があってから、彼もまた、やっと口を開いた】

「あれに関しては当分戦えないだろう。 それ以前に動けさえしない。
 ……それに私も今の案件≠ェ済めば、今後はもう――」

【――そろそろ夕暮れ時だ。 いくら奥の通りだと言っても、人が来ない訳では無い】
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/15(月) 21:21:29.92 ID:y8RkZqRyo
>>804

【どうにも、煮え切らない。しきりに挟まれる”いい子”というワードが肺の辺りに引っかかりむず痒い】
【気づこうとすれば、それで気づいてしまえそうな――何か良くない物を含んだ物言いに、やはり隠す素振りも無く顔をしかめる】
【足りないのだ。しかし、足りないのである。一押しが】
【少女がどこか傷ついていて、涙の一つでも見せたなら、それは確信に近づくのに】

あ、ごめんね。
手が、滑っちゃったんだ。

【ただ、近づいたところで、おそらく女は鈍感を装いはぐらかして、そさくさその場から逃げさるだろう】
【厄介ごとは勘弁だ。楽しそうな少女と時間を潰す、それ以上の面白くない要素は必要ない。財産にもならないなら、尚のこと】
【どうにも眩しすぎて日焼けしそうな笑顔を、直視しないよう避けたまま】
【困った返し方をされてしまい、今度は髪をかく。巻き上がったブロンズの髪が徐々にひんやりとしてきた風に揺れた】
【膝を折って身をかがめると、背伸びする少女を下から覗き込むように。無造作に伸ばされた手は、少女の頭上へ】

ありがとね。
じゃぁ、楽しい遊び。お姉さんとしようか。

【したいこと、といえば。気が済むまで少女が遊んでいるところを意味も無く気が済むまで眺めていること、だ】
【おにごっこもかくれんぼも趣味じゃない。そもそも、こんな幼い子に遊びの選択肢を譲られることすら少し気に入らない】
【女は、少女の眩しい笑顔を照らしていた日が落ちてきたのをいいことに、少し意地悪をしてみることにした】

でもね、それはちょぉっと時間がかかっちゃうから。

【拒否されていなかったなら、少女の頭を撫でながら。髪を通していても、女の体温は冷たい】
【ひんやりとしていて、そこに生命を感じさせない】

もしかして、暗くなっても、お家に帰れないかもしれない。
そうしたら、あんたのお母さん、どう思うかな。
”いい子”になるか、私と遊ぶか。
いや、難しく考えなくていいよ。ねぇ、あんた、私がしたいことしたいって、言ってくれたよね?

【女は、口の端を吊り上げた】

807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/15(月) 21:36:33.04 ID:GukDJ+Ud0
>>806

【まるで外出しないという母親、いい子になると繰り返す言葉、頬のタトゥー】
【繋げてしまえば繋がってしまうようなパーツ、今はまだ、ばらばらのまま】
【――踏み入らなければ何も変わらない、ただ、踏み入ってしまえば、きっと、面倒臭いこと】
【どこまで行っても初対面でしかない関係性、無理に関わってやる義理なんて、きっとどこにもなくって】

――もうー!

【――頬膨らませて拗ねたようなフリをしてみせる、それでもすぐに破顔すれば、ころころと笑い声あげて】
【きちんと結われた髪、ぴしと引っ張っていてもふわふわ柔らかな髪の毛越し、頭を撫でられるなら】
【僅かに驚いたような顔、それから笑顔。――綺麗な髪をしているし、服だって綺麗。ならば、虐待と言い切るには、少し弱い】

わぁ、本当にいいのっ? やったぁ! ねえねえ、何して遊ぶの――?

【大人しく撫でられていれば言葉を受け入れてくれたこと、告げられて。わーいと喜ぶのが、どこまでも素の色】
【サンダルをぎゅーっと抱いたままに僅か首を傾げて尋ねる、きらきらきらきら、瞳を精一杯に輝かせて、】

……あ、あのね、あのね、お時間ね、全然大丈夫だよ! なの!
えっとね、あのね、明るくなる前だったらね、いつでもいいよってね、お母さんがね、言ってたよ、なの!

だからね、全然大丈夫だよー! あのね、お姉ちゃんのしたいことね、一緒にしたいなって!

【――時刻はこれからどんどん暗くなっていく頃合、夏であることも考慮すれば、子どもの門限として十分な頃合】
【実際普通の子だったなら門限がどうこうなどと言って帰宅を選ぶのだろう、ただ、この子は、――】
【明るくなる頃、とは。4時か5時かそこいらの話をしているのだろうか、この年齢で、その門限? おかしさだけ、多分に孕むのに】
【さも当然でしょっとばかりに頷くのは――、意地悪を斜めな急角度で走り抜けるような、そんな、予想外】

【――彼女の気にする障害物らしきものを取っ払えたなら、どんなことを提案してくれるのかと期待する瞳、じぃと向ける】
【長めのたっぷり睫毛が瞬きするたびに夏色に良く映えて、くると外向きにカールするなら、余計に眼を大きく見せていた】
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/15(月) 22:06:31.64 ID:y8RkZqRyo
>>807

【真に遺憾ながら、女の企んだ意地悪は失敗した。”いい子”じゃない、となれば顔を真っ青にして逃げ出すかと思ったのに】
【少女に与えられているらしい随分と長い自由時間を、何かおかしいな、気のせいか。とだけ気に止めておいて】
【女の異質さに感づいてはいるのだろうが、それを咎めることも無い笑顔のままの少女に、その純粋さに―――】
【今度は女が不貞腐れたのか、くしゃ、頭を撫でる手を少し強めてしまった】

そう。分かった。
”いい子”ね、あんたは。あぁ、そういえば、名前、聞いてなかったっけ。
私、ロキって言うから。
別にお姉ちゃんでもいいし、遊ぶのに名前を教える必要は無いけど。

【満足したのか少女の頭から手を引っ込めると、ゆっくりと身体を持ち上げて立ち上がり】
【顎に手を当てて数秒唸る。てっきり、大人しく帰ってくれることを予想していたから、実際に夜遅くまで二人で楽しめる遊びなんて――】
【考えてすらいなかった。しかも、少女の言葉から予想するに眠くなるまで外で遊んでいる可能性すらある】
【朝方まで遊んで帰ってきてもそれが”いい子”、なら悪い子は何なのか。あぁ、そうだ、それなら、こちらから聞いてしまおう】
【聞ける状況を作ってしまおう】

じゃ、遊びね。

【ごそごそ、と女はジーンズのポケットを漁り、取り出した手を開くと、そこには五つほどの小石が乗せられていて】
【不自然なほど綺麗な球体を選んだソレは、花壇の花とちなんでいるかはともかく、紫、赤、黄色、加えて、透明、青にそれぞれ色づいている】
【日が落ちかけているためか、その小石は自ら発行しているかのようにすら見え、しかしそれはどこか怪しい光だ】
【とはいえ、単なるビー球、にも見える】

ルールは簡単。
あんたが、一回これを全部とって、その中の一個だけを、もう一度私の掌に置く。
それで、貴方の置いたものの色が当てられたら私の勝ち。外れたら私の負け。

【女はそれだけ言うと、目を閉じた】
【小石は一つ一つしっかりとした重みがあり、五円玉ほどの直径。とはいえ少女の掌に収まらないほどでもないだろう】

勝った方は、負けた方の言うことを、ひとつだけ聞かなきゃならないの。

【なんとも、子供相手にする遊びではない。そもそも遊びというよりは賭け事に近いものだが】
【とっさに思いつきで提案した女自身、やはりおにごっこやかくれんぼに落ち着ける気は一切無いのだった】
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/15(月) 22:19:46.54 ID:fnhpKnXg0

【薄暗い森の中。がさがさと動く影が一つ】
【濃い青色をした其れを纏っている所を見れば――――修道女であろうか】
【月の光を鋭く反射させる銀の髪。困った様に、ウロウロとさせる双眸】


「あの……そろそろ、離れて貰えませんか?
私も飼いたいのはやまやまなのですが……あなたを育ててあげれるだけのお金も無いのです
それに、野生のままの方があなたにもきっと……と言っても、分かりませんよね」

【悩みの原因。其れは、頭の上で丸まっている奇妙な生き物】
【ふわふわとした毛並み。まるで、ハムスターの様にも思える外見】
【眠っているのだろう。時折心地よさそうな小さな寝息が聞こえて】


「このままこの子を置いて行くと、獣や魔物に食べられてしまいそうですし……
かといって、連れて帰るわけにもいきません。……どうしたものでしょうか……」

【その毛玉を乗せたまま、ウロウロとする姿は何とも滑稽】
【時間も時間。そしてそんな奇妙な行動が合わされば、自然と目立つ事になろうか】










【誰一人として出歩く事の無い夜の街】
【――――其れもその筈。この街の中心に瘴気が漂っているのだから】
【不審に思って辿ったのならば、やがては一人の少女が視界に映るであろうか】
【紅いドレスを纏い、耀きを放つ金色の髪を持った少女。それと、その場に似合わぬ、ティーセット】
【一つの椅子に腰を掛けたのならば、カップに紅茶を注いで】


「誰も居ないのね。こんな素敵な夜なのに、誰も居ないなんて不思議ね。とっても、不思議
星だって沢山輝いているのに、誰も見ていないのかしら
こんなに綺麗なのに、何も見る事が無いなんて残念ね。残念」

【瘴気の元は、紛れもなくこの少女なのだろう】
【住民の誰もが関わるまいと窓を閉め切って、カーテンで閉ざしてしまって】
【――――クスリ。一人笑えば、やがてこの場を訪れた者へと視線を移すのだろう】
【見てくれだけは、ただの少女と何ら変わりない。だけれど、纏う気配だけは完全に別な種族で在ると告げている様】


「あなたはどう思うかしら?
星も綺麗で、とっても素敵な夜だと思わない?
…………それとも、真逆かしら。月が出ている夜は嫌い?」

【相手が話し掛けるよりも早く、投げかけられる問い】
【ゆるりと小首を傾げれば、答えを求めるけれど――――】
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/15(月) 22:20:23.14 ID:GukDJ+Ud0
>>808

【きちり結い上げる髪の整然さ、くしゃと力を強められたなら、僅かに崩れて】
【それでも対して気にせぬままなのは、撫でられることを真っ直ぐに正直に喜んでいるよう】
【(だってお母さんはあんまり撫でてくれないから。よく撫でてくれた偽の姉は、どこかへ消えてしまった)】

ロキお姉ちゃんって言うのね、なの。あのね、私はね、ファラエナって言うんだよ!
……でもね、あのね、お友達ってね、名前知ってた方が仲良くなれるってね、私ね、思うの!
だからね、あのね、ロキお姉ちゃんといっぱい仲良くなれたらいいなぁって――

【そして告げられる彼女の名、笑顔と一緒に反芻して、飲み込むのだろう】
【そうすれば今度は自らの名を告げて、――例えばそれがどこかの国で“蛾”を意味する単語だとか、些細なこと】
【子どもなんてものはすぐに友達を作ってしまったりするけれど。既に彼女を指してお友達なんて言ってしまう、単純さ】
【そこに一切の他意も含まないのが、逆に、やりづらいかもしれなくて――】

ふぇ……、これって、ビー玉なの? あれ、でもね、ちょっと違うよね、……うー?
――うーんと、ロキお姉ちゃんの手に、これを乗せればいいのね? なのー。

【――すみれ色に薄暗い世界の中なら、ぼうと微か光るのが何となく分かる、そこに気付けば、首を傾げて】
【けれどそこはお子様の浅い思考、ビー玉っぽいナニカで信用してしまうのが、まるで警戒なんて抱いてない色】
【彼女の言葉を噛み砕きながら繰り返しながら、伸ばした両手。小ささゆえに多少苦心しながら、全て受け取って、】

……んーと、勝ったほうが負けたほうの言うことを聞くの? なの?

【――すこしだけの違和感。そんな風に尋ねながら、選んだ色。大好きな色、黄色の丸さ】
【賭け事だというよな発想も薄いのだろう、そこについての何らかの反応を待つようなのが数秒あって、】
【それを通り越したなら。ちょんと、彼女の掌、黄色いそれが、乗せられるだろう】
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/15(月) 22:49:41.70 ID:y8RkZqRyo
>>810

【ファラエナ。それが彼女の名前。生憎これといって教養がある方ではない女はそれが蛾を意味することなど知る由も無く】
【勿論。偽の姉がいたことなんて言わずもがな。そしてそろそろこの少女の病的な純粋さには慣れてきた】
【これだけ簡単に友達を作ってしまえる彼女は、いまだ友達に関して嫌悪感を持ったことは無いのだろうか】
【傍にいれば、気を使わねばならず。少女の年齢で言うなら、相手の嫌う遊びをすることもできなくなる】

いや、あんた。私のしたいことしろ、っていう子だったか。
うん、仲良くなろう、ファラエナちゃん。たぶん、今日だけだけど。

【目を閉じたまま漏らした独り言。相手の幼さは、仲良くなろう、なんて根拠の無い言葉を簡単に滑り出させる】
【気が楽でいい。どうせ、裏を見られやしないんだから。この子にそんな力はありはしないだろう】
【嘘を嘘と取られて、気を悪くされることも無い。面倒くさくない。そういう相手だと女はたかをくくっていた】
【あながち当たっている気さえしている】

そうよ。勝った人が、負けた人に奉公…あ、いいこと、をしてあげるの。
勝った人は、きっと、心に余裕がある人だから。
負けた人の言うことくらい、簡単に聞いてあげられるんだ。

【勝者が敗者に従う皮肉と、願望が隠されているのも、やはり女は内にしまったまま】
【手に何か載せられた感触が伝わり、数秒待って相手が選びなおさないことを確認すると、それを両手で包み込み】

【黄色だね】

【女はそういって、手を開く】

やった。私の勝ち。
さぁ、私は勝者だから、その寛大な精神で、負けたあんたの言うことを一つ、聞いてあげよう。

【得意げにそういうと、再びそれをポケットにしまい込み、持っていた”確実に負ける手段”を使えなかった不甲斐なさにげんなりした】
【置かれていたのが黄色であることが分かっていたことも、それを赤に変える手段も、放棄】
【賭けは少女の勝ち。遊びは女の勝ち】
【しかし表情は得意げに見繕ってある。女にしては珍しく作った感情だった】

812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/15(月) 23:05:46.80 ID:GukDJ+Ud0
>>811

【――ヒトを疑うことをしない性質。それが元来幼子が持って生まれてきた性質で、ただ、】
【後付けで母親に刷り込まれたことが地雷めいてぽつぽつと点在するなら、ただただ純粋な存在とも言い難い】
【母親は絶対。母親が絶対。――ただ、それ以外でなら、頭に向日葵でも咲いてそうな、ちっちゃなおんなのこ】

えー……今日だけなんてね、あのね、もったいないよ! なの。
だってね、あのね、お友達になったーっていうのはね、何があっても変わらない……でしょっ?
喧嘩しても、何しても、私たちがお友達になったっていうのは、ぜーったい。変わらないんだから!

【成人男性ならばぎゅっと握れそうな顔に満たす笑顔の色、最初からずーっと濁らず、曇らず、何にも変わらないまま】
【お友達になった過去は変わらないんだからなんて自分ルールでしかないけれど。彼女の思考回路、僅かに透かして見せて】
【それならせっかくなら仲良しがいいよねなんて風に考えて居るのだろう――きっと、】

……ふーんー?

【敗者。勝者。ゲームで考えるから分かっても、きっと日常生活におけるそんなこと、意識もしない】
【ならば彼女が秘める思いには気付くことなんて出来なくて。首を傾げながらも、そういわれればそうかなあとばかり】
【そっかーなんて風に頷いたならそれが納得を示す。きょとんとした抜けた表情は、ただ、すぐにころり、色を変えて】

わ、わー! ――すごいすごい、ロキお姉ちゃんすごいよ! なの!
――ねーねー、それってどうやってやったのかなって! 私ね、あのね、ぜーったい分からないってね、思うよ!

【元々まぁるい瞳が余計に丸くなって、わあわあ騒ぐのが、子どもめいて真っ直ぐな色】
【そこにタネもシカケも疑らない純真さ、自分なら絶対分かんない――なんて、そんな感想一つ】

えっ……、ん、んーとねっ? して欲しいこと……して欲しいことー?
――うーんと、うーんと! ……あっ、そうだ、あのね、あのね、それだったらね、

仲良くするのね、今日だけ……なんていわないでね、今度もね、その次もね、その次もね、仲良くしたいなーって!

【そして言うことを一つ――なんて言われれば、何にも考えていなかったのだろう。驚いた表情、一生懸命に考える】
【首をかしげたり、そっぽ向いてみたり、空を見上げてみたり、……そうして掛ける時間は数十秒ばかし】
【たっぷりの時間を思考に使い切ったなら、やがて。ぴこんと電球でも見えそうな仕草、思いついたようで】
【――そんなことを口にするのだろう、「だめかなー?」なんて微かに不安げに尋ねる、声を引き連れて】
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/15(月) 23:24:50.72 ID:y8RkZqRyo
>>812

【そんな予感がしていたとはいえ、そんな予感がしていたからこそ切り出した遊びであるとはいえ】
【やはり一切の欲を見せない少女の命令(というよりはもはやお願い)に女は頭を抱えざる終えなかった】
【いや、ある意味で中々に難しい命令であるのかもしれない。今度や次があったとき、女は必ず、この眼前の少女と仲良くしなければならないのだ】
【次も、その次も。いや、どう曲解しようとも、結局は平和な願いだろう】

これ。これはね、覚えておくといいよ。
相手から提案された遊びを、相手の物を使って遊ぶときは、絶対自分に不利だ。
そんな気持ちでやらなきゃ駄目ってこと。あ、残りの石も、返してもらってもいい?

【この純粋な少女が少しでも目の濁る日が遠くなることを懸念して、こんなことを言ってはみるものの】
【そもそも女は小石に種も仕掛けもしかけていない。重さも同じ、目をほんの少し開いていた、なんて間抜けなオチでもない】
【単純に、この小石が、元女の一部であっただけだ。ぽい、と小石を口の中へ放り込むと、ガリガリと数回噛んだ後それを飲み込む】
【そして、少女が他の四つの石を手渡したのなら、その都度まるで飴の様に口へ運び、咀嚼し、喉を通していくだろう】

手品だよ。手品。
ほんとは、色の違いによって微妙に大きさが違ったんだ。それで私はそれを触って分かっただけ。

【わざわざ目の前で当たり前のように石を食べたのも、その現実味の無いヘンテコな様子を見せて】
【それがまるごと手品であるかのように、アピールするため】
【おそらくだが、ばれることの無い嘘はついていても気を揉まなくて済むからいい】

さて、遊んだし、私も、そろそろ帰ろうか。遅くならなかったね。思ったより。
あ、これあげる。友達のしるし。

【そして、閉じていた手を再び開くと。そこには、球体の小石と似て怪しく輝く黄色い薔薇が乗せられている】
【大きさは掌サイズをさらに小さくしたもの。なにしろ石で出来ているため、これ以上大きくするとかなりの重量になってしまう】
【何はともかく、その次も仲良く出来なかったとき、の、穴埋めを今のうちにしておくのも悪くないだろう】
【これくらいの”手品”なら強いて面倒くさくもない】

814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/15(月) 23:52:19.17 ID:GukDJ+Ud0
>>813

【いろんなヒトと仲良くしたい。そう願うのは心の底からのことで、ただ、それがどうしようもない矛盾を孕んでいる】
【それは眼前の彼女には伝えていないこと。それどころか、たくさんのお友達みんなに、教えていないこと】
【知っているのは一部の同類だけ。同じ運命を背負った仲間たち――それでも、みんなと、仲良くしたいから】

ふぇ……、……でもね、あのね、ロキお姉ちゃんはズルなことしないかなってね、思ったの!
だってね、ズルするのってね、わるーいわるーい大人のヒトとかでしょ!

【――だから、そんな理由もあったのかもしれない。皆と仲良くなりたいから、疑うことをしない。たとえそれが無意識でも】
【にこり笑いながら告げるのも結局は疑ってなかったよ――なんてこと、もしも尋ねるなら、悪いヒトじゃなさそうなんて、答えるのだろう】
【(だって悪いヒトなら遊んでなんてくれないんだから。話し掛けてなんてくれないんだから。そんなこと、思っていた)】

えっ、や、だ、だめー! あああのね、あのね、そーいうのをね、食べたらね、駄目なんだよっ!?
あのね、あのね、袋にもね、あのね、食べちゃ駄目! って書いて……あうー!?

【――ただ、そんなのも。目の前で思い切りそれを口に含まれたなら、びっくりが顔を満たして溢れて、わたたと慌てる声】
【元からでも近い距離を余計に詰めようとして、叶うなら、精一杯に駄目をアピールして、…… 飲みこむなんて、さらに予想外】
【いっぱいいっぱい驚いた結果の硬直に近い現状、掌の上のそれは、難なく攫えて――手渡しこそしなかったけれど、返すことになる】

ほ、ホント? 本当……? ロキお姉ちゃん、本当、に、何も……ないの……?
……だ、だってだって、あのね、すっごーい音してたでしょ……? あのね、喉に怪我とかね、しそうだなって……あのね、

【今までは元気だったのに。急に落ちる声のトーン、顔を見たなら、ぎゅうっと詰め込んでいるのが、心配の色】
【「本当に大丈夫?」なんて瞳が見つめて、――大丈夫そうだと見れば、少しずつでも安心してくるのだろうけれど】
【手品。――そういえば、剣を飲み込むような手品を見たことがある気がした。ならば、これも、本当に、そうなのだろうか?】

……そうー? ならね、あのね、私も帰るのよ、なの。
――、わあ……これ、くれるのっ? とっても綺麗――でもでも、あの、本当にいいのっ?

【――そうして、帰るということを告げられるなら。少しばかし残念そうにするものの、言葉はきっちり受け入れる】
【ならば自分も帰るだなんて告げるなら、夜遊びはしないと示して。この子のことだから、きっと真っ直ぐ家に帰るのだろう】
【差し出される黄色い薔薇、自分の掌にぴったり合うようなサイズ、まぁるい眼が見つめたなら、怪しげな光、瞳がぼうと映しこんで】
【ぱちぱちと繰り返す瞬き、窺うようにやがて視線は彼女を見上げて――もう一度いいというなら、今度こそ受け取るはずだ】
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/16(火) 00:12:06.12 ID:2rD6W9ymo
>>814

それは違う。違うよファラニエちゃん。
私は悪いやつかもしれないけど、ズルする人間が全員悪いなんてことないよ。
ズルしない人間が悪くないこともない。

【言葉には、わずかながらも抑揚がある。淡々としていた口調は崩れなかったが、確かに意志が宿っていた】
【本心からそう思っているのだろう。それが例え正しい事ではなくても】
【女は少女の親ではない。友達だ。物を教えるのではなく、思ったことを言っただけ】
【石を食べる自分に確かな動揺を見せてくれたのは、紛れも無い収穫だった。終止押されっぱなしだった女の反撃が――】
【成功した、のかはともかく。気分がいいのでそれでいい】
【敢えて、無事かかどうかには答えない。そのほうが、もう少し少女が不安がってくれそうだったからだ】

いいよ。あげる。
なんなら後二つくらい、別の色のもあげようか。
私は勝者だからね。余裕があるんだ。

【女の髪には、いつのまにか、少女のものと同じ形、色の青い薔薇が一つ飾られていて】
【しかしやはり柄でもないのを悟ったのか、それをもぎとると、先ほどの小石と同じく口に放り込んだ】
【それを食べ終えると、そろそろ空も青みを帯びてきた頃だろうか。朝を迎えるまで帰らないことを許されていようが】
【日の暮れないうちに帰ることが悪いわけでもないはずだ。少女はおそらく、まっすぐ家に帰るんだろう】

じゃ、またね。楽しかった。

【それだけ言うと、女は身を翻して】
【自然公園の水辺から、どこかへ向かって歩き出していく。目的地はとりあえずコンビニか自販機だ】
【石を食べた後は、どうしてか喉が渇くのである】

/では、これで〆させていただきます。乙でした!
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/16(火) 00:21:47.31 ID:2rD6W9ymo
>>815
//ファラエナ、に変更です名前間違い本当に申し訳ない。
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/16(火) 00:25:44.40 ID:YTbXcE+A0
>>815

……えー、でもでも、ご本とかでね、悪いヒトってね、みーんなね! ズルいこと! するでしょ?
だからね、悪いヒトってね、ズルいこともいっぱいするんだってね、私思うの……違うのかな、?

【――未だ幼い見た目からすれば、人生経験などきっと少ないはずで。なら、ソースが本でも、まあ仕方のないことか】
【彼女が好んで読むのがフィクションたっぷりな御伽噺系だったりするのだけれど――まあ、まあ、】
【それでもそんな思考の偏りは彼女の言葉によって、多少なりとも見直されるのだろう。ズルをすること=絶対悪ではない、と】

ほんとー? わあ、ありがと……、……

【別の色もくれる。それはきっと幼子にしてとっても嬉しいことで、喜ぶべき事案で、なら】
【ぱーっと明るさを増した顔が、瞳が、きっと期待を映して見上げるのだろう。ただ、もぎ取られるのを見れば、口に運ぶのを見れば、】
【またがーんとでも言いたげな表情へと変わる。手品だと分かっていても驚く光景、思わず言葉に詰まって】
【――もらえないらしいことよりも。やっぱりそちらがインパクトが大きいなら。あげるといわれたこと忘れてしまったよう】

――うん、またねーなの! ちゃんとね、約束ね、覚えておいてね!

【ぱたぱたと大きく振る手、彼女の背中を見送って――やがて、見えなくなったなら】
【そうとサンダルを履いて。駆け出すのは公園の外へ向かう方、街のほうに出たなら、まっすぐまっすぐ――どこかへ向かって、駆けていった】

/おつかれさまでした!
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/16(火) 20:09:46.97 ID:2NyTK9OOo
【何処かの街――路地裏】

【狭い路地を横幅一杯に塞ぐような岩に似た障害物があり、小路に入ってきた猫が迷惑そうにUターンして去っていく】
【よく見ればその岩は少しづつ少しづつ路地の奥へと前進していて、上には月明かりに照らされたひとつの人影を乗せている】
【下部に一つの巨大なハサミを備え、青く光る眼が岩のような殻の奥から覗く――甲殻類の化け物】

……重い?

…………

…………え、今気付いたの。
お屋敷出た時から、ここにいたのに、私……

【きちきちと鳴いたそれの言葉を解した体で話すのは、上に座る人影――右目を長い前髪で隠した少女だった】

【長めの前髪で右目が隠れているが、隠れていない左は明るいグリーンの色合い】
【ローズブラウンの腰までの髪は緩く巻かれ、黒い小さなハットを斜めに被っている】
【肌の色は白く、大きな瞳は斜め下に向けられがちで気弱な様子が良く分かる表情】

【黒いベルベット地に銀糸と薄桃で刺繍を施した膝上丈のディアンドルに、同色の低い踵のシューズ】
【右手にのみ、黒のハードレザー製でチェーンの装飾が付いた、少し強気なデザインの指貫グローブを付けている】

【少女は沈んだ様子で化け物の殻に揺られるがまま、明晰な緑色をちらと路地の奥へ向けた】
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/16(火) 20:30:56.19 ID:2NyTK9OOo
/>>818取り消します
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/16(火) 21:22:30.33 ID:9JIKJrdZ0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 公園】

……っ、――――!

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【口を真一文字に引き結び、無言で両手に構えた棍を振り回している】
【ブォン、ブォンと、重々しい棍が空を切る音が、無人の公園の中に響く】

っっ……ふぃー……裂帛が出せないとなると、結構勝手も違ってきやがるなぁ……
とは言え、夜中に気合いの声なんざ出そうもんなら、近所迷惑だろうしよ……ま、軽いトレーニングと洒落込むとするか……

【軽く汗をかいていた額を、左手でぐい――――と拭い、一息をつく】
【街灯と自動販売機の明かりの中に、居丈夫の影が薄ぼんやりと形を結んでいた】



【――――所変わって、風の国 郊外】

……やっぱり、夏でもこの国は、涼しいね……

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットが印象的な、身長140cm前後の少女が】
【街を見下ろす丘の上で、軽やかに吹き抜ける風をその身に受けながら、空を見上げている】
【空に浮かぶ黒い雲も、風に流されているのか、やけに早く駆け抜けていく】

……星でも見えたら、良いんだけどね……でも、夜景も綺麗かな……

【どこか疲れた様に、それでも少女は笑みを浮かべている】
【まるで、つかの間の休息を得て、リラックスしている様な姿だった】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/16(火) 22:01:11.23 ID:9JIKJrdZ0
/>>820取り消しでー
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/16(火) 22:19:06.62 ID:EugR59mE0

【森の奥にある、一つの湖】
【普段ならば月明かりが優しく水面を照らしているのだけれど――――今宵はゆらゆらと乱反射させていて】
【ザプン。何て音が聞こえたと思えば、水面から顔を出す一人の少女の姿】


「……やっぱり、まだ水は冷たいや
けど、まぁ……思ったよりも大きな魚が捕れたからいいっかな」

【水に濡れた金色の髪。頭に見えるのは、狼の耳であって】
【ザプザプと陸に向かって進めば、焚き火の側に投げつけられる巨大な魚】
【珍しく、且つ絶妙な旨さを持つ――――なんて伝えられているけれど】


「――――それにしても、潜って魚を捕るなんて何時ぶりだったかなぁ……
森の中に居た頃だって、釣り上げたりしてたし……」

【未だにピチピチと元気良く跳ねる其れ。勢いよく叩いて気絶させてしまえば、一本の串を通して】
【大して時間も要さない内に、辺りに漂い始めるのは香ばしい香り】
【食欲をそそる其れは、存外遠くまで届くものであって】
【香りに誘われて訪れた者は、今からその魚を食そうとしている獣人と出会う事になるだろうか】








【森の中にひっそりと存在する、廃れた教会】
【蔦が絡んでいたり、僅かな亀裂が入っていたりと、まるで幽霊話の舞台ともなりそうな其処だが】
【――――中から響くのは、紛れもないアリア。果たして、その正体は幽霊か、或いはこの教会の主か】


【扉を開けたのならば、先ず視界に入るであろう割れたステンドグラス。継いで、説教台に立つ修道女だろうか】
【周囲に響くよく澄んだ旋律は、この修道女のものなのだろう】
【来訪者の姿に気付いた素振りも無く、一心に紡ぎ続けている様だけれど】


「――――――。
ふぅ……これで一通り、ですね……後は……」

【休む間もなく、次の行動へ移ろうとするが――――視界の隅に止まるであろう人の姿】
【その存在を認めたのならば、身体をその人物へと向けて】
【細められた瞳。警戒の為では無く、相手が誰であるかを知る為】
【やがて首を傾げたのならば、「休む場所をお求めでしょうか……?」なんて紡がれて】
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/16(火) 22:39:40.62 ID:2rD6W9ymo
>>822
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/16(火) 22:39:54.09 ID:2rD6W9ymo
>>823
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/16(火) 22:40:07.98 ID:2rD6W9ymo
申し訳ない誤爆です…
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/18(木) 17:37:56.93 ID:oEw1enpR0
シェンは現役愚痴スレ民
今日も今日とて愚痴スレに参加してるw
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/18(木) 21:01:49.95 ID:5JK6RwaUo
【水の国・河原】

―――よっ……と……! 結構釣れるな、流石は水の国……綺麗な水してるってワケか
これ一人で食い切れるか……? んー、酒場のマスターにでもお裾分けした方が良いな……

【手の中で暴れる鮎を、既に満員に近いバケツの中に慣れた所作で放り込む。小さな笑みを零しながら、青のソフト帽を被った男はまた釣り糸を綺麗な水面に沈める】
【今の季節だと川付近でも大変な暑さであるが―――暑さ対策はバッチリだった。折りたたみ式の椅子に座る彼の背後に、大きな氷柱―――高さ2m程のモノが生えていたから】
【……どうみても自然にできたものではない。季節を考えても―――否、いくら冬でも地面からこんな大きな氷柱が生えるなど不自然で、人工物であることは明白だった】
【―――能力か、魔法か。はたまた他の何かか。光を反射して輝くその大きな氷のオブジェは、今の季節に酷く浮いていることだけは間違いなかった】

……やっぱ塩焼きか? それが男の料理ってやつだよな……でも流石に全部塩焼きってのも飽きるだろ……
半分塩焼きで半分揚げ物にするってのでいいな―――後はマスターに軽く調理法聞いてみる位で

【白シャツの袖をめくり、灰色のジレをパタパタとさせながら今日の献立に頭を悩ませる。澄み切った川に紺碧の視線を落とせば、釣竿を握る自分の姿が反射していた】
【―――思わず苦笑いが零れた。釣りをする自分の姿、そしてその後ろに聳え立つような巨大な氷柱。……余りにも今の季節にミスマッチであったから】

―――流石にこれは目立つだろ……周りにそんな人いねぇからよかったものの

【―――聞かれたら、何と答えよう。一瞬考えるが、上手くごまかせる方法など思いつく気がしなかった】
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/18(木) 21:20:59.50 ID:qsZ9vCjz0
>>827

……っ、ぶはぁっ!!

【ザバァ、と自ら何かを勢いよく持ちあげる音が、下流にほんの10mほど下った辺りから聞こえてくるだろう】
【見ると、そこに1つの人影が川を覗きこむ様に座り込んでおり、頭からひたひたと水滴を垂らしている】

……流石に水は相応に冷てぇな……!
頭と首さえ冷えてくりゃ、後はなんとでもなる……!

【その声は、まだ幼さの残る少女のものと思しきものだが、口調は男のものを思わせるような、乱暴なものである】
【わずかに弾んだ息を調整した後、その人影は再び頭を水の中へと突っ込んだ】

……っはぁっ!! ……ふぅ……!
大分良い感じになってきたな……これなら、少しは暑さを忘れられそうだ……!

【もう一度水から頭を出して、ぶるぶると頭を振るって水滴を飛ばす人影】
【軽く息を調整しているその姿をじっと凝らせば、やがてその風貌も見えてくるだろう】

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、赤色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女】

【涼を取るため、と思しき言葉を口にしながら、その髪を川の水に濡らしていた】

……さて、今日も今日とて、ねぐらを探すか……

【やがて、濡れた頭を碌に拭きもしないまま、ゆっくりとその場に立ちあがり、川の流れをじっと見つめる少女】
【その表情は、じっと何かを思案している様なものだった】
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/18(木) 21:51:36.23 ID:5JK6RwaUo
>>828

……ん

【穏やかな水の音と自分の声だけが響き渡る空間。そのような静かな世界では、小さな音も存在感を大きく露わにする】
【水面に向けられていた2つの紺碧が、自然と音がした下流の方へと動いていた】

―――すげぇ。……何と言うか、ワイルドな嬢ちゃんなこと……

【瞳がそちらへと向いたなら、見開いて丸くなる。感嘆の声が漏らしながら思うは、「動物の水浴びとはこんな感じなのか」というモノで】
【やや息の乱れた言葉を耳にすれば、その行為が涼む手段であることも理解できた。自分とは全く異なった涼み方であったが、少なくともこちらの方が楽では無かろうか】
【―――などと思っている内に、竿に振動が奔った。かかった合図だ。唐突ではあったが、慌てずに魚との駆け引きをする】

―――っとっとっと……お、大きめ

【釣りはある意味で戦闘の修行になる、というのが彼の持論の一つだ。駆け引きに、洞察力―――何より「待つ」という忍耐力が鍛えられる】
【それらが彼のスタイルと類似しているために、釣りは第二の戦闘とも言えるわけで。何度かの押し引きの末、竿を引き上げれば水面から鮎が飛び出した】
【先程より一回り大きなそれを満足顔でバケツに放り込む最中、彼女の一言が彼の鼓膜に染み付いた……「ねぐらを探す」と言う】

―――え、絶賛ホームレス中かよッ!?

【そして自然に大きなツッコミが口から漏れた。若い女性、いや少女がホームレスなど、聞いた試しが無かった。故のこの驚きであったが―――】
【漏れた瞬間、いけないと言った顔をして口を手で覆った。声量からして恐らく聞こえて、いやほぼ間違いなく聞こえているのでは……と、申し訳ない視線をそちらに送った】
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/18(木) 22:03:20.43 ID:qsZ9vCjz0
>>829

ん――――はぁ、釣りか……
確かに、食いぶちを確保する手段としては悪くねぇが……っとと、邪魔しちゃいけねぇよな……

【ふと、何の気まぐれか、少女は程近くにいる男へと視線を飛ばす】
【釣りと言うのは、中々に神経をすり減らす作業だ。些細な事でも、その集中を阻害しかねない】
【じっと見つめ掛けて、ややして自戒するように首を振ると、川から離れようと歩き始める――――のだが】

……っ!?
……おいあんちゃん、てめぇ喧嘩売ってんのか!?
こちとら止むに止まれぬ事情ってのがあるんだよ! ほっとけ!!

【余りにも率直な言葉が、その耳に入ってきたのだろう。反射的とも言うべき素早い動きの切り替えで、少女は釣りをしている男のそばまで近づいて行く】
【足を強く踏みしめて、その眼を怒らせながら――――髪から滴る水滴や、柔らかい声音の乱暴な口調など、奇妙な要素も相まって】
【対応に困る様な喰ってかかり方をしている様とも受け取れるのだが】

……っ――――っち、しょうがねぇなぁ……

【だが、そこから先更に言葉を続けそうだった少女は、突然呆れた様な言葉と共に、すっと目をつぶってしまう】
【ほんの一瞬、少女は瞑目と共に沈黙し】

……あ、あの! ……失礼、しました……

【次に目を開いた時、赤色をしていた少女の瞳は緑にその色を変じていて】
【申し訳なさそうな表情と共に、少女はさっと頭を下げた。先ほどからの怒りや刺々しさと言った印象が、そこからは薄れていて】
【相も変わらずそのショートカットからは、水が滴っているのだが】
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/18(木) 22:06:43.93 ID:GeUkY3s1o
【昼の国 路地裏】

【常に陽光が降り注ぐこの国においても、路地裏はやはり薄暗い】
【いや、わずかながら光が差しこんでいることで、余計にその不気味さが際立っている、ともとれるかもしれない】
【そこここに見てとれる赤黒い血痕や、壁や地面についた刃物や鈍器、銃器によると思われる傷、など】
【生々しい闇世界の痕跡が、照らし出されている】


……久方ぶりの祖国、だが……路地裏はどこの国も変わらんな

【小さな呟きではあるが、路地裏の静寂の中でそれは、確かな存在感を伴っていた】
【わずかな陽光の中に立つ巨体。身長は2メートルを超えているであろう】

【薄汚れた灰色の作業着と、その上に着用した黒いラバー地のエプロン。足には黒いゴム長靴】
【角ばった顔つきに、短く切りそろえられた黒髪の、大男がそこにいた】

【その黒ずんで歪んだ形の両耳、同じくドス黒く変色し、他の指より細長い両手の親指】
【それだけでも異様だというのに、極めつけはその黒髪を間から覗く額だ】
【そこには、額一杯を埋める形で、一つの巨大な眼球が埋まっていた。黒い瞳の一つ目。ギョロギョロと動いてあたりを見回している】
【本来の両眼も存在していたが、それらには生気がない。よく見れば、それが精巧な義眼であることがわかるだろう】


さて、どこから手を付けるか……準備段階でしくじるわけにはいかん……

【口から洩れる独り言も、どこか暗く重苦しい声音だ】
【大男は固い足音を響かせつつ、路地裏の奥へと入り込んでいこうとする】
【路地裏の奥からも、あるいは表通りに通じる道からも、その巨体は視界に入るであろう位置だ】
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/18(木) 22:39:30.97 ID:5JK6RwaUo
>>830

……うおっ、わ、悪い……その、珍しいなーと……じゃなくて! 
ああ、もう余計なこと言わない方が良いな俺……とにかく、済まなかった
その、鮎やるから許して―――あっ、でもバケツ一つしか無いじゃん……

【声を荒げながら近づいてくる少女を瞳に移せば、動揺の色が瞳だけでなく言葉にも表れる】
【もしこのタイミングで魚がかかったとしてなら、間違いなく取り逃がすであろうと解るくらいに。兎に角悪気は無いことを示そうと、頭を下げて謝罪を告げた】
【―――お詫びに魚を、と思ったのだが……バケツは今魚が大量に入っている一つしかなく。……流石に魚だけをポイ、と渡されても困るだろうと狼狽えた】
【そんな最中に彼女の声が彼の耳を通るが、先程の声とは性質が異なっているように感じて―――思わず訝しげな表情を彼女に向けた】

あれ……いや此方が100:0で悪かったからさ、そっちが謝る必要無い……よ?
あー、そのさ、緑―――になってるけど……瞳の話ね。 ―――さっき朱じゃなかったっけ?

【何故か慎重に、そして怪しむ様子で性質の異なる彼女の声に答える。慌てていても洞察力は消え失せてはいなかったのか、直ぐに瞳の変化に気が付いた】
【瞳だけでなく、態度も明らかに変わっている。―――まだ極少量の会話ながら、二重人格の様な印象を抱かせた。何というか、先程まで豪快な涼み方をしていた様には見えないのだ】

……兎に角さ、悪い事しちまったし此処で涼んでけば? ほら、俺の後ろにクソでかい氷柱あるから快適だし

【後ろをクイクイ、と親指を立てて指せば、この場に似合わない大きな氷柱―――約2m。其れが大量の冷気を放っていて―――故に、男には汗一つ無かった】
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/18(木) 22:59:19.07 ID:qsZ9vCjz0
>>832

いや、その……鮎だけ貰っても……

【確かに魚を貰えるのはありがたい事ではある。しかし、持ち運びに不便と言うだけではなく、今の少女には調理する手段も無い】
【何とも言えず困った様子で、少女はやんわりと身を引いてみせた】

……私も、珍しいとは思います。やっぱり、あんまり見かけませんし……

【同じ様な年頃で、家なき生活をしている人と言うのは、少女も見かける事はまれなのだろう】
【少し寂しそうな表情でそう口にする少女は、境遇を分かち合える仲間がいない事を寂しがっているのか、それとも他のホームレスなら見かける事に心を痛めているのか――――】

あ……はい。私の身体、私とあと2人でシェアしているんです
さっきのは、その仲間の1人で……男の人なんで、ごめんなさい……

【男の抱いた疑問に、若干躊躇いながらも答える少女。二重人格と言うのは間違いではなかった】
【だが、正確に言うなら三重人格なのだが――――ともあれ、その『仲間』の言動に、やはり少女は負い目を感じているらしかった】

……えーと…………いえ、大丈夫です。もう結構涼しくなりましたし、ね?

【水に濡れれば、自然と気化熱冷却が始まる。まして、大量の血液が通る頭が冷えたとなれば、身体も自然冷えてくる】
【もっとも、そうした理屈ではなく――――単に、目立つ氷柱の側にいるのが気恥ずかしかっただけなのだろう】
【何とも言えず苦笑でごまかしながら、少女はもう十分と口にした】

あ…………あの、迷惑じゃなかったら、1つ聞きたい事があるんですけど、良いですか?

【その時、少女は何かを思いついた様子で、改まって男へと向き合う】

……大きな霊力……とか、魔力とか……そう言うものが籠ってる場所とか、じゃなかったら魔石とか……心当たりはありませんか?
……今、そういう魔力を探しているんです……

【少女の問いは、魔力の満ちた場所――――パワースポットや魔石など、大量の魔力を得られる手段に心当たりは無いか、と言うものだった】
【恐らく、少女にとっては真剣な問いなのだろう。その表情も、先ほどとは違った、引き締まったもので】
【――――水に濡れた髪の合間に、ぼんやりと光る額の円環が覗いていた】
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/18(木) 23:15:22.77 ID:4ietKLlM0
【参拝客も居なくなってしまった、廃れた神社】
【だけれど、今宵ばかりは不思議と二つの気配があって】
【一人は、その身なりから考えるに巫女であろうか。もう一人は――――さて、確かに存在はしているのだけれど、まるで存在感が薄い少年】
【巫女とは言え、纏うのは妖気。狐の耳と尾が生えている所を見ると、妖狐の部類で在ろう】


「――――ええ。きっとお母さんもお父さんも待っていますから
大丈夫ですよ。何にも、怖い事なんてありませんから……もう、行ってあげましょう?」

『――――。――――?』


【何か言葉を発してはいるのだろうけれど、其れが明確な言葉になる事は無く】
【だけれど、巫女には聞こえているのだろう。少年が口を動かす度に頷いて、微笑んで】
【その手を優しく握ったならば、澄んだ声で祝詞が紡がれ始めるのだろう】
【――――やがて、少年が白い薄らいで消えたかと思えば、天へと上っていって】


「…………長い間、よく一人で頑張りましたね。きっと、お母さんも褒めてくれますよね……
……えっと……私も、そろそろお姉ちゃんを探しに……ひゃっ?!」

【其れが完全に消えてしまうまで、優しげな微笑みで見送り】
【――――気配が自分の物だけになったならば、ポツリと漏らした呟き】
【自分の姉を探すために、その場を後にしようと踵を返したならば――――不運にも、石畳の歪みに躓いて、ビタン!なんて音】
【……先程の様子から一転。果たして、その一連の流れを見ていた者が居るならば、どの様に見えるだろうか】







【賑やかな街の一角にて】
【人々が楽しそうに談笑していたり、或いは買い物をして居るなんて場面】
【その間をくぐり抜けて、忙しなく動いているのは一人の少女】
【――――纏っている物から判断するに、何処かの学生であろうか】


「はい、と言う訳でUNITEDTRIGGERや自警団に対する感想を皆さんに聞いていきたいと思いまーす!
後はチャチャッと纏めてしまえば、立派なレポートになりますね!これにて課題完了!
……の筈だったのですが、世間は冷たいですねぇ」

【明るい茶色の髪。ハキハキとした口調は、活発な印象を与えることだろう】
【様々な人に感想を聞こうとしても、邪険に扱われるばかり】
【それでもめげずに続けてはみるけれど、どれだけ時間が経っても結果は同じ事】


「まぁー……後一週間もありますし、そう慌てる必要も無いでしょうが
一人くらいは聞いておきたいですよねー……」

【眉間に皺を寄せて、立った今断った人の背に向かって「イーっ」何てすれば、一人溜息】
【この時間に学生が出歩いていることも珍しいだろう。故、そのちょこまかと動く事も合わさって目立つ事か】
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/18(木) 23:31:23.10 ID:5JK6RwaUo
>>833

……シェ、シェア……? 要するに二重、いや三重人格ってことか?
で、さっき切り替えて―――更に、自由に切り替えられるし記憶も共有している……と

―――いやその、謝る必要まるで無いからさ。どうみても俺があんな事言ったのが悪いんだし

【言葉をやや詰まらせながらも、今の現象を確認するように問い直す。多重人格者――勿論それも珍しいのだが、先程彼女は明らかに状況を見て切り替えた】
【人格の操作が可能である点が、特に珍しく感じていた。多重人格の犯罪者を捕まえたこともあったが、その人物は記憶は消えておりコントロール不可だったためだ】

【度々謝罪を口にする彼女は、何度も確かめてはいるのだがやはり先程の彼女とは別人だ。先程の人格が「男」だというのも頷けた】

ありゃ……まぁ、んな豪快に濡れたら十分か。
―――お、勿論! 迷惑かけたんだしそのくらいは答えるぜ?

【これもダメか、と少しだけ悲しそうな顔を浮かべて返答する―――が、彼女が何か聞きたいことがあると聞けば直ぐに表情が微笑みに一転】
【何とかして迷惑をかけた埋め合わせをしたいとの気持ちが、その顔からだだ漏れしている様だった】

【―――質問には、心当たりが嫌という程あった。……というか、ポケットに彼女が探しているものが入っているのだ】
【……一瞬だけ彼の動きが、表情が、視線の動きが止まった。その後、「ま……いいか」と意味深な一言を呟きつつポケットから何かを取り出した】

これなんだけどさ……あ、説明しなくてもポリ袋外したら解ると思うぜ?
あー、このポリ袋特注でさ。魔力を通さない特別な素材を混ぜ込んでるから袋から漏れないんだよ……ってこっちの説明は要らねーわな

【ジーンズのポケットから取り出したのは、半透明のポリ袋に入ったペンダント。銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインをしていた】
【彼が言う通りポリ袋から其れを取り出した瞬間―――辺りに怪しい特殊な魔力が瞬時に広がる】
【彼女が求めるものの一つに上げた魔石―――正確には「宝玉」と言うモノ。大量の魔力を含むといえばコレくらいだろう】

【さて、コレを見てどう反応するか―――と彼女の様子を伺う。同時に気になったのは、やはりその額。唯の模様には見えなかった】
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/18(木) 23:35:31.06 ID:gFq8fztao
>>831

【漸く直射の日光が届かなくなる様な、建物の間路地の奥】
【暗がりの中に隠れるように居るのは巨大な鴉、否、そんな大きさの鴉など居る筈も無し】
【こひゅうこひゅうと浅い呼吸を繰り返す影は、相手よりもずっと後にだろうか、他者の存在に気付いたようで】

【襤褸切れのように蹲るのは、黒い長着物に前を合わせた黒の羽織を着た、線の細い男】
【切れ長の目は黒く、鼻は癖無く唇は薄く、黒髪は襟足にかかり前髪は長い】
【足袋を履き黒い下駄を履き、手には紫の線が一輪描かれた黒い和傘を持っている】
【一見その体は薄く面は白く、その声もまた、どこか中性的な掠れを持ち】
【和で統一された姿を裏切るように、首元には幅広のチョーカーをつけている】

……喉、が

【言葉通りの渇きを表すように、声は幾分かしわがれてわずかに震え】
【異形じみた相手に助けを求めるように、ゆらりと影は立ち上がって一歩一歩と近付かんとする】
【ふらふらと頼り気の無い姿に――在る違和感は、先ず左手が傘の握りではなく骨の張った布の先を持っている事】
【利き手であろう右手は、それを支えるように柄を持っているものの、傘の先端が地面を杖突く事は無く】
【もう一つの違和感は、奥へ奥へと行く程に、てらてらと流れ落ちる様な血の匂いが濃くなっていく事】


/まだいらっしゃいますかしらー
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/18(木) 23:56:01.73 ID:qsZ9vCjz0
>>835

…………

【どこか言葉を詰まらせている男を前にして、少女はふっと眼を瞑る】
【先ほどの様な大げさなものではなく、それはほんの一瞬の所作だったのだが】

――――そう言う事よぉ太公望……でも、言葉には気をつけなさいよね?
加減一つで燃え上がっちゃうんだから……良い様にも、悪い様にもね?

【――――ほんの一瞬目をつぶり、次に目を開いた時、少女の瞳は青く輝いていた】
【そしてその瞬間、少女の纏っている雰囲気が一変する。余裕を宿した様な笑みを浮かべた表情に、蠱惑的に感ぜられる口調】
【――――姿を見せなかった、最後の人格。これ見よがしに姿を現したのだろう】

そう言う事よね。今の季節なら、寝冷えなんてそれほど心配無いし……
でも、髪が傷んじゃうのが問題よねぇ……まだまだお子ちゃまだけど、一応女なんだから、ちゃんと気をつけとかないと……

【まるで見せつける様に、人差し指でつ――――と唇を拭いながら、少女はそう口にする】
【だが、指一本ではどう考えても『拭う』と言う動作としては効率が悪い。恐らく『見せつける様に』ではなく『見せつけている』のだろう】
【意図的に、艶っぽい仕草を見せている様にも見えるのだが、少女の身体そのものはまだまだ幼い。ミスマッチと言うべき状態だ】

……魔力を遮断するポリ袋、ねぇ……随分妙な代物もあったものだわ……?

【それを受け取りながら、面白おかしく感じたのか、余裕を見せつけるような笑みが、若干可笑しそうなそれへと様子を変じて】
【ともあれポリ袋から、中身のペンダントを取り出す――――】

――――――――ッッ!?
ちょ、ちょっとこれ……!?
……………………これ頂戴、って言って、はいそうですかとはいかないわよねぇ、流石に……

【取り出した瞬間、少女の表情は驚愕に満たされる。それまでの余裕を湛えていた表情が一変、強く真剣な目でペンダントを見据えて】
【幾ばくかの沈黙ののち、少女は男に向き合う。流石に譲渡してもらう訳にはいかないだろうと確認して】

……これと同じ様なのを手に入れられる、心当たりは無いかしら……?
情報さえあるなら、後は私達で何とかするから……!

【魔力を手に入れる事が、今の少女の、そしてそこに宿っている人格たちの急務なのだろう】
【一つ持っている男なら、同じ様なものにも詳しいのではないかと踏んで、聞き出そうとする】
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/18(木) 23:56:34.36 ID:GeUkY3s1o
>>836
【いよいよ、闇が濃くなり始める、路地裏の奥地】
【耳に届く、空気の漏れる様な音。それが呼吸音だと気がつくのに、数瞬を要した】

【額の一つ目が、その影を捉える。儚げにすら思える、線の細い男】
【その身を包むのは、櫻の国の産物か。その中で、首元のチョーカーだけが浮いている】

【震える声、頼りない足取りにも関わらず、大男は警戒の色を抱きつつ立ち止った】
【ここは裏の世界、路地裏。見た目で相手を判断するのは危険だ】
【それを裏打ちするように、違和感。その黒い和傘の持ち方は、一見して奇妙だ。見ようによっては武器を構えているようにも思える】
【何より、大男の鼻腔を突く、嗅ぎ慣れた匂い。このまま近づけさせるのは、得策ではなさそうだ】

【そう判断した大男は、エプロンの内側に右手を差し入れ、大きな肉切り包丁を取り出すと】
【ゆっくりとこちらに迫りくる和装の男に刃先を向けて、言葉を投げた】


……そこで止まってもらおうか
この路地裏で、それも私の姿を見たうえで助けを求めているのかね? 判断力を失うほど、弱っているのか
それに、この鉄臭い匂い……お前の仕業か?

水が欲しいというなら、こちらの質問に答えてからにしてもらおう

【重苦しい声音で、そう言い放つ。一つ目が細まり、眼前の男に無遠慮な視線が注がれる】


/いましたー。よろしくお願いします
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/19(金) 00:18:28.05 ID:hWdKZZqbo
>>838

【そのまま弱り果て縋る様にか、無力な人間を装ってか。どちらにしろ数歩歩いたところで】
【相手の言葉が耳に入ったかその動きはぴたりと止まる――俯いた表情が、僅かに強張った】
【長めの前髪の間から覗き見るようにして包丁の銀色を目に留めると、傘に手を掛けたまま僅かに膝が落ちる】

……質問、だと
強いて、答えるのならば。助かるのであれば、誰であろうと、好い
渇いて渇いて、仕方が無いのだ……

【蝋のように血の気の抜けた指が、ゆっくりと柄から剥がれてこめかみに突きつけられる】
【白い面に生える唇が、ぎ、とさも不快そうに歪んで】
【まるで古びたテレビを立ち上げるような音と共に、その指の先からほんの僅かな光が迸り】

己(おれ)の渇きを満たすのであれば、この際誰であろうと――!

【瞬間。黒い影は薄青い光の尾を引いて建物の間を上へ上へと駆け昇る】
【地上から5m近く浮き上がった体は、再び推進を下へと向けながら相手を見下ろして吠えた】
【先程まで男が居た地点に落ちるのは柄の無い傘の“外見”、上空で男が握りしめ、】
【そして自由落下より少しばかり速い速度で、男ごと落下し切っ先を相手に向けられるのは】
【思うとおりの仕込み刀、銀に仄明るい陽光を照らす長い刃】
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/19(金) 00:41:45.66 ID:JccJ9mfpo
>>837

……うぉっ、三人目!? ―――おお、眼の色が今度は青か……
―――ふと思ったんだが、使い分ける理由とかって……いや、言わなくても良いんだけどさ
だって人格を入れ替えなくてもいいなら、それでも良くないか?近所付き合いとかも面倒だし、しなきゃいかない場面ってのが良くわかんねェ

俺の知ってる多重人格ってのはさ、急に他の人格が勝手に顔を出すものなんだけど……自由自在ならそれを隠すことだって出来るだろ?

【突拍子もない入れ替わりに男は身体をビクつかせる。瞳の変化を確認した後、一瞬考えるような仕草を見せれば―――湧いた疑問を、直ぐにぶつけた】
【多重人格でも、制御可能なら残りの2人を閉じ込めておくことも可能だろう。そうならば多重人格だと悟られることも無くなる、との思いつきに近い疑問だ】

―――それにしても人格ばらついてんな……川に頭突っ込むなんて今の嬢ちゃんなら絶対しないだろ
元の人格は……さっきの子だよな、見た目的に。それで、男の人格と女の……まぁ元が女だからお姉さん系の人格とでも言うか。その3つが全ての性格……と

……ホント不思議っすわ……見た目は全く変わらないのにさ。あんなワイルドな事してたのが今はなんか色気づいてる様だし……ククク
―――あ、あと気になったのはさ……額の点と人格の変化って関係有るのかってこと。これも勿論ノーコメでもいいけどさ

【改めてその変わり様に驚きが隠せなかった。特に最初に見せた男性の人格と、今の女性……否、お姉さん系の人格のギャップには苦笑いが溢れる程の】
【だが外見の変化は、その瞳だけだ―――と確認している所、ある一つのことに気づく。―――それは額の模様と、瞳の色そして数の一致】

……まぁ、これは死んでもやれねぇな。たとえコレの代わりに莫大な金や権力やいい女が手に入るとしても、絶対にやれないね
誰かの手に渡る時は、恐らく俺が死んだ時か―――ジジイになった俺の目の前に、俺の意志を受け継ぐヤツが現れた時くらいかねェ

【紺碧の双眸が深く染まり、その底に潜む硬い意志が煌いた中での言葉だった。そう言い切ると、そそくさとポリ袋にペンダントをしまってポケットに戻してしまう】
【―――が、彼女も彼女でコレを欲する理由があるのだろう。謙譲は出来ないものの、何かしらの役には立ちたい。顎に手を置いて考えた後、言葉を続けた】

……心当たりは無いが、コイツを見付けるコツってのを言うとだな……兎に角、怪しい現象が起こった所に突っ込む。危険と謎に手を出すこと……かな
―――でも、推奨はしない。下手すりゃ、いや高確率で死ぬぞ? 俺も何度も死にかねた中で。コイツと偶然出会ったに過ぎないし
更に推奨しない方法を言うと、カノッサがコイツ、コイツと同じ様なヤツを追ってるからソイツらを利用すること―――か。恩があるから言ったが、コレはやってほしくない

―――だから、コイツの劣化版で足りるならそうして欲しい。……マギタイトって知ってるか? 魔石って表現ならマギタイトかコイツかなって感じだ。
マギタイトはまだ入手難度がコイツよりは圧倒的に高い。それでも高品質のでかいのだと相当レアだな。それで良いなら夜の国で探してくるのがベストだと思うぜ?
……あそこがマギタイトの主な採掘場所だった気がするし

/すみません、先程の描写ではペンダントは渡して無い(彼女が持っていない)ということでお願いします
/恐らく「ポリ袋外したら解る」の部分で彼女に渡したように思われたと思うのですが、わかりにくくてすみませんロウ自身が袋取ってます、ペンダントはロウが持ってる状況です
/描写不足申し訳ありません……
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/19(金) 00:42:27.89 ID:2JXeOPTXo
>>839
【自分の言葉通りに、相手は歩を止める。しかし、確かに感じる殺気】
【一つ目が膝の動きを捉え、歪な両耳が漏れだす言葉を捉える】

誰であろうと、か。お前の言う渇きは、一般的に言う渇きとは、少々違うようだな……

【蝋のごとき指、歪む唇。大男は伸ばしていた右手を引き戻し、包丁を構えて戦闘体勢をとった】
【次の瞬間、ノイズの混じったような音と、微かな光。そして、響き渡る咆哮】


……奇遇だな。私も、ちょうど空腹だったんだ。この腹を満たしてくれるなら、誰でも構わない

【飛び上がった相手を見上げて、大男の唇も歪む。同時に、柄のない傘の落下音】
【自身に向けられた切っ先を見て、和傘の正体を理解する】


(仕込み刀か……接近戦タイプとすれば、あの身軽さは厄介だ。ならば……)

【大男が、無手の左腕を掲げる。すると、その左腕が耳触りな音を立てて膨れ上がった】
【男が落下してくる上空へ向けて膨張した左腕は、子供の作った粘土細工のような、肉の塊と化した】

【男がそのまま落下してくれば、仕込み刀の刃は左腕を貫くだろう。しかし、その手ごたえは薄いはずだ】
【膨張した肉が盾となり、血管や骨へのダメージを防いでいるのだ。大男から見れば、和装の男が空中で静止したように見えるだろう】

【さらに、左腕を膨張させた直後。この防御の成否を見ずに、大男は右手の肉切り包丁を空中めがけて投擲する】
【もし防御が成功し、和装の男が空中に留まっていた場合、その位置を見計らっての遠距離攻撃だ】
【包丁の飛来速度は大したことはない。対処は十分に可能だろう】

【無論、和装の男が何らかの対処を取り、膨張した大男の左腕に刃を突き刺していなければ】
【この投擲は不発に終わるはずだ】
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/19(金) 01:06:20.85 ID:hWdKZZqbo
>>841

【動作に伴う速度の上昇は恐らく能力の一部だろう、黒一色に彩色するようにちらちらと白っぽい電光が舞う】
【直下。構えた刀は重力諸々伴って落下するも、相手の出した肉塊に阻まれた――多分、貫く自信だけはあったのだろう】
【結果は相手の勝ち、致命的な部分へのダメージは通らず、刀ごと男は縫いとめられるようになった】

【目論見が外れたせいか思考は動揺、目の端に肉切り包丁を捕えはしたものの無理に動けば悪手と解釈したか】
【身を捩るだけに留め、腕の上へと座し。再び薄ぺらい唇が開く】

――シュバイジ・ア

【ばちんと。電圧はほぼ無に等しく、光量の拡がりだけは上等の電光が男を中心に発せられる】
【一瞬だけではあるものの、路地裏を表の陽光よりも明るく染め上げて、その隙に仕込み刀が引き抜かれる】
【振りかかる新しい血の暖かさのみが、仕込み包丁がどこかしらに命中した事を告げ】

何れだけ醜い化物だろうが、血は変わらないだろうからなッ!

【血。渇き。察するに、相手と似て全く異なる人種か】
【声は移動速度に流されるように僅かに間延びして。鴉の気配はやや遠く、相手の右前方程に】
【次手を仕掛けに構える姿は、右腿の外側を切られたか滔々と血を垂れ流している】
【――それとは別に、相手の足元で微弱な静電気が何かの予兆のように散った】
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/19(金) 01:07:40.38 ID:nxGIEBvn0
>>840

えぇ、そうね。普通だったら無いわよ?
ただまぁ、さっきは特殊ケースって事……それに、例えば命が掛かってる時なんかは……それ相応に、意味があるものなのよねぇ……

【ただ単に会話をするだけなら、こうして人格を使い分ける必要もなかった】
【しかし、先ほどは本人のものではない人格が、偶然ではあるものの血気に逸った行動をしようとした結果、慌てて人格を切り替えたのだろう】
【そしてそれ以前に――――通常の状況ではない場合なら、相応に人格の使い分けに意味が生じてくるのだと言う】

そう言う事。体面気にして、暑さに茹だりそうになってたから、彼が無理やり『頭を冷やさせた』って訳
――――フフ、もう分かってるんじゃないかしら? あなたが言った通りよぉ?

【人格を切り替える利点があるとすれば、心理的なブレーキを取り除けると言う事だろうか】
【確かに、見た目通りの少女ならば、川に頭を突っ込むなどと言う奇行を、簡単にできるはずもない】
【そして額の光と人格の関係については――――別に隠しだてするつもりもなかったのだろう。あっさりと認めて】

そりゃそうよ……こんなとんでもない代物が、数打ちのアクセサリー程度の扱いなんかされてたら、あたしもひっくり返っちゃうわ……
まぁ、頂けたならそれに越した事は無いって話だけど……ね?

【希少な品物である事は間違いない。それは魔力を感じ取れるからこそ分かっていた事だった】
【どんな条件にも代えられないと言うのは、逆の立場になれば自分たちも同じだろう。少女はそれについては異論をはさまず】

――――高確率で死ぬ……ね?
まぁ、構いやしないわよ? ……いずれ今のままならジリ貧な訳だし……
でも……カノッサねぇ。正直厄介だわ、あの連中……

【似た様なものを見つける方策を聞いて、少女はぐっと考え込んでしまう】
【虎穴に入らずんば虎児を得ず――――どうやら、この品物に関してはこの言葉が真理らしい】
【命の危険を警告されるが、少女はそこにはまるで無関心の様子で。ただ――――機関の名前を出された時、懸念の表情を更に深めるのだが】

……忠告はありがたいけど、劣化で足りるなら最初からそうしてるわね……
それに、採掘場で盗掘なんて、それこそ犯さなくてもいい危険な訳だし……ね
まだ、『魔海』とか『ATLAS』とか言う魔境の方が、現実的だわ……

【代替手段として示されたそれらは、少女にとり魅力的には映らなかった】
【それらでは、少女の目的は達成に近付かないと言う事なのだろう。それならまだしも賭けに出るつもりだと良い】

――――――――…………すみません、色々と、ありがとうございました
色々お話を聞けたので、私も少し考えてみます……

【不意に、じわりと少女の瞳の色が青から緑へと変じて、深々と頭を下げる】
【どうやら、少女自身の人格が再び表へと出てきたようである。男に自ら礼を言うために、わざわざ顔を出したのだろう】

/すみません、眠気が限界です……
/キリが悪くもなさそうなので、持ちこすかここで切るか、そちらにお任せします
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/19(金) 01:33:01.74 ID:2JXeOPTXo
>>842
【手ごたえはあった。包丁の軌跡を一つ目で追えば、闇を裂く白い電光。あれが、和装の男の能力に関連するものだろうか】
【痛みは感じる。落下の衝撃に加えて、能力による加速。それによる刺突。まともにくらえば、かなりのダメージだったろう】
【身を捩る男を、包丁の軌跡がなぞる。しかし、腕の上へ座して見せる男からは、まだ余裕の色が見てとれた】
【加えて、その口から発せられる言葉】

(……なんだ? 何かの呪文、か?)

【疑問が脳裏を掠める。と次の瞬間、視界を一瞬覆う電光。反射的に目を閉じ、すぐに開いたものの】
【腕から抜かれる刃の感触が、和装の男がすでに移動したことを告げていた】


……いきなり喧嘩を吹っ掛けてきたかと思えば、人を化け物呼ばわりか
失礼なやつめ。言っておくが、私の血は美味とは程遠いぞ

【血の渇き。戦闘者の匂い。己の抱える飢えとは、また異質】
【肉塊を収縮させ、元の左腕に戻す。視界に飛び込む、鴉の姿。右前方。すでに距離を取られている】
【高い機動力。動きの鈍い自分には、不利な相手か。包丁はある程度の成果を上げたようだが】


(静電気……また何か仕掛けてくる気か。これ以上、主導権を握られるのはまずいな……)

【大男の一つ目の視線が、和装の男を舐める。ゴム長靴が、一歩踏み出す】
【今度は無手の右腕が振るわれる。先ほどと同じく、異様な音を立てて膨れ上がりつつ、右腕が伸びていく】
【負傷した右足をねらう形で、下段を横になぎ払う軌道。右腕が太い肉塊の鞭となって向かっていく】

【巨体を操作しつつ、その一つ目は和装の男から離れない。肉の鞭に対処するであろう、和装の男の次の動きを】
【その目で見極めるつもりだろう。攻撃の速度は、やはりそう速くない。しかし、攻撃範囲は広い】
【和装の男の立つ位置を含む、大男の眼前の下段を、まとめてなぎ払えるであろう一撃だ】
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/19(金) 01:36:02.99 ID:JccJ9mfpo
>>843

……命の危険を晒しても、でかい魔力が必要って訳か
……俺は正直、何よりも命が大切だと思ってる。コイツを守る理由も、コレをカノッサに奪われれば多くの命も奪われるかも知れないからだ
だからの警告だが……それでも尚、か。警告が無駄ならこの言葉くらいしか言うことなくなるぜ……「死ぬなよ」ってことだけ

【瞳を見れば、その意志の硬さは理解できた。此処で知り合ったばかりの男に止められて変わるような信念では無いことは解っていつつも、言わざるを得なかった】
【軽く溜息を吐きながらも、穏やかな瞳と微笑みを投げかけて。さり気なく被っていた青のソフト帽のつばをつまんで下げた】

―――因みに俺のコイツは『ATLAS』でゲットしたんだぜ。ま、ハイリスク・ハイリターンの賜物ってこと―――……勢いが止まったな。あ、釣りの話ね
……じゃ、俺もそろそろ帰ろうか。ぎゅうぎゅう詰めの魚が可哀想だしな―――

あ、宿に困ったら「BAR FATE」って酒場探しな。 ……俺のホームみたいな所だし、マスター優しいし。……オネエっぽいけど
マーシャル・T・ロウの名前出しとけば1日くらいはタダで泊めて貰えるだろ?

【立ち上がって椅子を折りたたみ、バケツと竿を持てば思い出した様に言葉を告げれば、バケツを重たそうにしながらフラフラと立ち去っていった】
【未だに存在感を示す氷のオブジェは、ようやく溶け始めていた―――】

/付き合ってもらってありがとうございました!
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/19(金) 01:51:40.44 ID:nxGIEBvn0
>>845

……ごめんなさい、そうなんです……

【話していない事情がある。その『事情』故に、少女は命を二の次にしてでも、魔力を求めているのだろう】
【男の優しさは少女も分かっているのだろう。だからこそ、ついいたたまれずに頭を下げて】

……っ……やっぱり、『ATLAS』……!?
……マーシャル、さん…………今日は、ありがとうございました……!

【最後の言葉を胸に刻んで、立ち去っていく男――――ロウの背中に深々と頭を下げる少女】
【色々と有益な話を聞けた。その事を素直に感謝していたのだ】

「(……さて、宿探しだな……)」
もう……マーシャルさんともめ事を起こして、どうする気だったの? 良い人だったのに……
<(およしなさい。そこまで考えてなかったでしょ? ……まぁ、考えられなかったって事かもしれないけど……)>
「(人は、見た目だけじゃ分からねぇからな……)」
……と、ともかく……寝れる場所、探そう?

【程なく、少女も――――少女たちもそこを去る。何とかして目的を達成する。それだけを目指して】

/乙でしたー!
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/19(金) 01:52:30.51 ID:A2sEA7YEo
【廃ホテル】

【山中に聳える崩落しかけの欠陥建築は、その内部にのみ往時の安い荘厳さを残して静寂の中で息づく】
【お世辞にも品が良いとは言えない色取りで揃えられた調度品の数々が其処の本来の用途を窺わせ、】
【意味を成さない破壊とスプレーアートに、趣味が悪い妊婦の落書きが墨書きの罰点のように付け加えられていた】

――…………

【廊下を曲がった壁際、唐突に対面するだろうそれは誰かの嗾けた悪戯のように人の形をしていた】
【壁に背を預けだらと弛緩したまま俯く、黒服姿の若い男――前述のとおりマネキンであるなら有難いのだが】
【右頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青、片手に拳銃。 腐臭は無く血溜まりもない。 そして、呼吸する気配もない】
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/19(金) 01:54:16.47 ID:hWdKZZqbo
>>844

【喉を薄く震わせるのは戦闘への昂揚、それと己の渇きを潤す事への歓喜】
【相手が訪れるより前に居たのだろう犠牲では、足らぬと言い示すかのように。唇は引き攣る様に持ちあがる】
【一言二言、唱えるように吐息が流れ】

ザン・ジア

【先程の前兆があった場所に、縦にどうと噴き出すかのような電圧ショートが発生する】
【目くらましや加速とは違い、確かに殺意を持った攻撃。対処していなければ、足元を高熱が焼付けるか】
【それと同時にか振るわれた肉塊の鞭に対処せんと、ぐ、と体勢を低くして】
【刀を縦に柄を上に、相手の力を使って切りつけながら防御せんとした、が】

、ッ……

【予想以上に広範囲であった事に反応したか、咄嗟のように左腕が腹部を庇う】

【けれどもその行動自体に何より己が驚いたように体がびくついて】
【結果、最適な対処では無くなる。足元への集中が疎かになり、数瞬刀は肉塊に耐えたものの】
【まるで水門が決壊するかのように、手に持った得物ごと壁際へとその体は吹っ飛んだ】

【打ちどころが余り良くなかったか、軽くせき込みながら立ち上がろうとする】
【何より戦闘中だ、安定するのを待っている暇などない。次を次をと捻じ伏せ合いを求めるように刀を握り締めながら】
【何故だか抱え込むように、左腕は男の腹をぎゅうと押さえていた】
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/19(金) 02:18:00.60 ID:2JXeOPTXo
>>848
【足に負った傷程度、意にも解さぬとばかりに。和装の男の血への渇望が、唇の動きに現れる】
【じっとりとその姿を睨みつけていた大男が、足元から吹きあがる電気の奔流を知覚したのは、次の瞬間のことだった】

ぐおっ!!

【先ほどまでの電流とは違う、殺意を伴った攻撃。反応は遅れ、さらに右腕の肉の鞭を振り切った状態】
【咄嗟に飛びのくも、間に合わず。電光が大男の左足を襲った。肉の焼ける音と肉が焦げる異臭が、路地裏に充満する】


ぐ……やってくれたな……

【顔を苦悶に歪めつつ、どうにかバランスを崩さないように体勢を保つ。自身の攻撃の手ごたえ、その結果を確認する】
【男の細い体を吹き飛ばした右腕を、そのまま収縮させ、元の右腕に戻す。腹部を庇い、さらにその行為に自分で驚いたような男の様子は】
【足元からの電流に気を取られ、認識することは叶わなかった】

【額の一つ目が捉えたのは、咳き込みつつ立ち上がろうとする男の姿と】
【抱え込むように腹部を抑える、和装の男の左腕】


……『人面瘡』。奴の腹を食い破れ

【大男が誰かに命ずるようにそう言うと、大男の首筋に何かが浮きあがった】
【それは、顔だった。人間の顔。目と鼻と口が、大男の首筋に現れたのだ】
【顔が浮き出た首筋の肉が見る間に空中に向かって膨らんでいき、やがて人間の近い姿となった】
【首筋から肉が切り離され、地面に落ちる。落ちた肉が、人のような姿を保ったまま動き出す】

【肉の人形、とでも形容すべきか。大男は、自身の肉から分身体を作りだしたのだ】
【筋肉がむき出しになったような赤い身体に、飛び出しそうなほど大きな目。裂けた口から覗く、ずらりとならんだ鋭い牙】
【不気味な肉人形は、四つん這いで地面を蹴り、和装の男へと走り寄っていく。主の命を果たすべく】


【そのまま、肉人形は鋭い牙をむき出しにして、和装の男の腹部に噛みつこうとするだろう】
【しかし、その動きは単調なものだ。和装の男なら、容易に見切れるか】
【奥の大男は、動いていない。先の電流の一撃によるダメージが尾を引いているらしい。角ばった顔を、汗が伝う】

【ただでさえ低い機動力を、左足に受けたダメージでさらに削られたのだ。わざわざ、分身体を用いたのも、このため】
【肉人形の攻撃を凌げば、大男の隙を付くことは容易であろう】
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/19(金) 02:18:25.17 ID:NuBVymPt0
>>822

【柔らかに草を踏む足音が聞こえるだろうか。……近づいて、それもやがては静かに留まって。】


【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

こういう姿、私が見るのは初めてね……
こんばんは、ヨハン。
………元気みたいで安心したわ。

【ふとその気配から口元を綻ばせるのは、そんな形容のできる人影だった】
【和らいだ瞳の色。生まれ里で花を見つめる様に穏やかな息づかい。】
【……感じる温度のいろあいには十分だろうか? 森のなか、月光のもとへと足取りが続けば、】

これは……あなたが獲ったのかしら?
香りが森の中まで届いたのだけど……

【「精が出るのね」 なんてどこか反応を楽しげに待つ様な言葉を投げつつ、彼女の隣に座り込もうとして】
【座り込めたなら傍らの姿を見遣るだろうか。或いは、服や、髪の様子を知るのなら―――― その時になるのかも知れなかった】

/それではよろしくお願いします……!
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/19(金) 02:40:16.92 ID:NGY4rFQ10
>>850

【濡れたローブ。身体のラインをクッキリと浮き彫りにするには、十分で】
【元より月の光を眩く反射させていた金色の髪だって、水に濡らされれば更に鋭く反射させるのだろう】
【――――やはり、獣。近づく足音には、敏感に耳を立たせるけれど】


「ふふ、ボクだってただ物を買って食べたりするだけじゃ無いんだよ?
ちゃんと、こうやって自分で獲物を狩ってみたり……さ
…………ん。こんばんは、だね。柊」

【パチパチと、焚き木の爆ぜる音】
【表情こそ、何処か得意げではあるけれど――――ふりふりと揺らされる尻尾は、きっと隠しきれない感情の表れ】
【向けられる双眸の色合いには、思わぬ所で友人に会えた嬉しさを十二分に湛えていて】


「ついさっき……ね。お腹が空いたから何か捕れないかなーって思って潜ってみたら、思ったよりも大物が捕れちゃってさー……
此処で食べて、団長に持って帰っても沢山余りそうだから……
ねえ、柊。良かったら一緒に食べない?どうせ太っちゃうなら、二人一緒に……ね?」

【少女が座りやすい様、少し横に良ければ横目でその姿を伺って】
【小さく笑えば、冗談の言葉と共に少女にその大魚を勧めるのだろう。――――無論、まだ完全には焼けていないだろうけれど】
【ポタリ、ポタリと滴る雫。最初は、気紛れに地面に染みこむ様を眺めていたが――――】
【ふと顔を向けたならば、無意味に笑って、少しだけ距離を詰めたり、魚を突っついて焼け具合を見たりして】
【「結構大変だったんだよ?」何て言葉を返すのだろう】

/こちらこそよろしくお願い致しますー!
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/19(金) 02:41:43.77 ID:hWdKZZqbo
>>849

ッ……
まだだ、まだ、血を……苦しいんだ、分かるだろうか、“渇く”気持ちが
どちらが死のうが、どちらが生きようが、何より欲する気持ちが支配するのが

【一瞬、思考を振り払うように頭を振って。残滓を払うように左手を腹部から刀へと戻す】
【僅か前傾した姿勢は上体を伸ばし、体の横へ刀を水平に構え、下駄が軽い音と共に地を蹴った】
【前後するように『人面?』が地に落ち、主の代わりにすれ違わんとしたところ、だろうか】

【『人面?』の動きに気付いてか、相手の言葉を聞いてか。鋭い呼気が再び、ぶれて】
【咄嗟に捩った体にかする様に、鋭い牙が男の腹部を羽織と長着物ごと、されど内部に達する事は叶わず食いちぎる】
【手羽先を?ぐような音と布の裂けるような音がして、男の隠していたものが露わになる】

ぐっ、ぁっ

【痛覚を意識で押さえながら、動揺を行動で押さえながら】
【横薙ぎの刀は逆襲のように相手の腹部を襲うものの、気が散ったかのように、その攻撃は先までのものに比べて、緩い】

【男の――女の衣服は千切れ、晒しで潰したような胸元と】
【嗚呼、その下の、細身には似つかわしくなく、普通であればそうはならない程度に膨れた腹部が、胎が、】
【無意識のように庇っていたものは】

――[ピーーー]、[ピーーー]、殺してやる、[ピーーー]……!

【抵抗するように、血が出るほどに唇を強く噛み】
【先程の攻撃の成否にかかわらず、刀の刃を相手の体へ押し入れようとするだろう。深く、強く、言い様の無い感情をぶつけるように】


殺して……殺してくれ――……!


【いつだって、人の望みは理不尽だ】
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/19(金) 03:16:18.10 ID:swhkBBZ80
>>851

………寒くはない? ヨハン。
コートとか、別の火種ならあるけれど……。

【炎に照らされた横顔は、普段のかたちを失ってはいなくて】
【けれども柔らかな印象を生むだろうか。……彼女といる時は、たいていこんな顔をしているのだろうけれど。】
【透る声が確かめる様に名前を紡げば、返る言葉を聞き届けて】

……泳ぐのも得意だったのね。らしいといえば、らしいけど。
犬かき……と呼ぶのも今一つだから、狼かきとでも言うのかしら……。

【そう言うとくすくすと笑う声が零れた。抑えることなく/いつもの声で、】
【“狼”。“犬” ではなく。そう紡ぐ声は冗談のお返しの様。……もしかしたら、「犬扱い」 への感情をくすぐる様に。】
【そして勧められた魚へと視線を移して。少女は考える、】

【焚き火でついた焦げ跡が見事だ。……香りも、長らく都市部で暮らす身には大分食欲をそそる。】
【けれど、この胸で感じた問題は、きっと別のところにあって――――】

(―――――……あっ……!)

【―――― 食べ方が、“勧められた” 黒髪の少女には分からない。】
【箸や座敷の仕草ばかり慣れていて、自然のなかでの “食べ方” は知らなかったのか、】
【見付からない答えを探す様な、必死に考えを巡らす様な沈黙に少女は少し沈んで】

……気持ちは嬉しいのだけど……この魚は、どうしたら上手く食べられるのかしら。
あまり、こういう風に食べたことがないから―――

【そこまで言うと、また亜人の少女の顔を見ようとした】
【もし笑われてしまったなら、「……わ、笑わないでよ」 なんて、羞恥交じりの表情と声――― 軽く抗議でもして、羞恥に染まった頬で軽く睨んで】
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/19(金) 03:17:09.01 ID:2JXeOPTXo
>>852
さて、飢えや渇きの感情とは、私も長い付き合いだが……お前のそれと同じかどうかは自信がないな
「どちらが」……? お前か私が、ということか? それとも……!?

【下駄が、地面を蹴る音。和装の男が刀を構え直して、跳躍】
【そこへ、『人面瘡』が飛びかからんとする。和装の男が纏う、鋭い気配が揺れる】
【『人面瘡』の牙が羽織と長着物を引き裂く。血は流れない。肉体にまでは、牙は届かなかったようだ】
【緩いながらも放たれた一閃は、『人面瘡』の腹部を浅く切り裂く。『人面瘡』が後ろに飛びのいた】


【『人面瘡』が退いたことで、両者の間に障害はなくなり。その姿が一つ目に飛び込んでくる。その眼前の光景には、さすがの化け物も驚きを隠せなかった】
【一つ目が大きく見開かれる。和装の男――いや、女の、露わになった胎。その膨らみ、その胎動】

……驚いたな。身重でありながら、あれほどの動きをしていたとは
お前のような妊婦は、初めて見た


【主の驚きにも構わず、『人面瘡』は再び攻撃を加えようとする。が、その赤い身体を女の刃が襲う】
【呪詛のような深く強い言葉と共に、付きだされた刃は見事に『人面瘡』を捉える。そのまま、深々と押し込まれる】

「ゲ……ギ、ガガ……」

【断続的な断末魔の声を上げ、『人面瘡』が地面に倒れ伏す。そのまま、動かなくなった】
【大男は、その様をじっと見ていた。額の一つ目が、またも値踏みするかのような視線を投げる】
【その耳に届く、絞り出すような懇願の言葉】


……嫌なことを思い出した。私は、以前裏世界の殺人ショーに出演していてね
それに金を出すような連中は、皆、異常な性癖の持ち主ばかりだった。いや、私が言えたことではないがな

【眼前の女性に視線を注ぎながら、大男はゆっくりと歩き出した。焼けた左足をわずかに引きずりながら、ゆっくりと。女性に向かって】


ある時、その異常者の一人に呼び出された。彼は、私に殺人ショーの依頼をし、犠牲者を引き出してきた
ちょうど、お前くらいに腹が膨らんだ妊婦だった

バロット、という料理を知っているかね? 孵化直前の鳥の有精卵を食う、というものだ
それを、人間の妊婦でやれ、と言い出したのだよ。さすがの私も気が滅入ったものだ。いつもは、首を叩き落とした後の死体ばかり調理していたのでね
まあ、金を積まれて、結局は注文通りにしてやったが

【言葉を切る。大男と和装の女との距離は、かなり縮まっただろうか】
【大男は足を止め、再び右手をエプロンに差し入れて、先のものと同じ肉切り包丁を取り出した】


……柄にもなく、無駄話などしてしまったな
望みをかなえてあげようじゃあないか。下手に動かなければ、苦しまずに逝けるぞ


【肉切り包丁を順手に握り込む。一つ目が、女性の胸部を睨む】
【狙うは、心臓。苦しまないように、という言葉に偽りはないらしい。動きさえしなければ、正確に一撃で、包丁は心臓を貫き】
【一瞬のうちに、彼女の息の根を止めることだろう】

【大男が右手を後ろに引く。肉切り包丁の刃先が、心臓に狙いを付ける】
【何の妨害もなければ。大男の言葉の通りになってしまうだろう】
【今まさに、包丁が突き出され、女性の命とその胎内の命、二つを一度に消し去らんと――】
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/19(金) 03:35:52.28 ID:hWdKZZqbo
>>854

はっ……
化物に似合いの仕事だな、反吐が出る……

【多分本音だろう、悪態を吐き出しながらも腹を掠った傷は浅くなく、唇の端に血が滲む】
【震える程、肉が白くなるほど握りしめていた刀の柄を解放する。からからと地面に鉄が落ちた】
【ふ、と力の抜けた肢体は、四肢を柔らかく投げ出して、相手に全てを明け渡す】

ああ、頼む
……もう、あの男の……兄の籠の中に、戻るつもりも無い

【相手の動作を見れば、それが本気で在るのが分かる。元より先程まで命の遣り取りをしていたのだ】
【抵抗の無い身体は、すと、とごくごく静かに心臓へと包丁の刃先を受け入れて】
【深々と突き刺さった刃は苦しみはあれど、一切の望みを無くして命を零れ落とす】
【行き場を失くしたどす黒い血が傷口から口元から溢れ出し、そこかしこを不快な色へと染め上げていく】

……ごめん、なさい

【己の性を否定しきった荒々しくぶっきら棒な口調は、ふ、と融けるようにその固さを失くし】
【それが最後の呼気であったように、細い身体は包丁に体重を預けて倒れ込んだ】
【正真正銘。もう、動かない】
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/19(金) 03:46:38.56 ID:NGY4rFQ10
>>853
「ちょっぴり寒いけど……でも、火があるから平気だよ
それに……ほら、もう夏だし直ぐに乾いちゃうと思うからさ
ありがとうね、柊」

【我慢している――――と言う風でも無くて】
【ピコピコと、上下に動かされる耳。「大丈夫だよ」紡いだ後に、その優しい気遣いに対して礼を述べ】


「泳ぐのだって、木登りだって得意だよ?
泳ぎ方だって沢山知って――――ちょ、ちょっと……狼搔き何てボクに対して失礼じゃ無い?
そりゃ、確かにボクは狼だけど……そういう柊はどうなのさ。潜水艦みたく沈んじゃったら、お腹を抱えて笑うからね」

【泳ぐ事と、木を登ること。その、どちらにも自信があるのだろう】
【つい先程まで潜っていた、或いは泳いでいた事――――その事を話そうとすれば、無視できない一言】
【途端にむぅと頬を膨らませれば、少女に対して抗議の声を放つのだろう】
【やがて問うのは、もしも少女ならば――――いや、少女は泳ぐことが出来るのか、という事】
【勿論、純粋に知りたい気持ちも大きかった。けれど、今はそれ以上に悔しさが勝ってしまっていて】


「ぷっ――――ふ、ふふふふ……ああ、ゴメンゴメン
やっぱり柊は面白いなーって思ってさ……
どうしたら、も何も無いよ?普通に、手で食べたり、必要なら葉っぱでも使って食べちゃえばいいよ
丁度其処に洗える所もあるから……汚くないよ
それとも、ボクにあーんってして欲しかったかな?それなら、いいよ。柊になら喜んでしてあげるよ?」

【魚を火から遠ざければ、丁度二人の前に置いて】
【――――笑ったのには、様々な意味があるのだろう。やっぱり上品だとか、何となく少女らしいだとか】
【それでも、その一つも言う事は無く――――代わりに、“面白い”なんて紡いで】

【続く言葉は、仕返しなのだろう。少女の性格を知っていて、その上で態と行っている事】
【――――懐から取り出された、一振りのナイフ。手際よく切り分ければ、きっと摘みやすい位の大きさにはなっている筈で】
【ひょいと一つだけ摘めば、少女の前に差し出して小首を傾げるのだろう。「食べさせてあげよっか?」なんて、意地悪な微笑みを浮かべて】
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/19(金) 03:53:58.75 ID:2JXeOPTXo
>>855
……ああ、それについては、返す言葉もないよ

【その声音と、表情には、自嘲の色が見てとれるだろう】
【物心ついた時から、周囲と自分との違いは少しずつ感じ取っていた】
【それから、誰もが吐き気を催すような仕事に手を染め続け、今では見た目もこの有り様だ】
【彼女の悪態は、そのまま受け入れざるを得なかった】


【刀が、その手から零れ落ちる。四肢から力が抜ける】
【まさに、俎上の鯉、とでも言おうか。そうなった相手をいたぶる趣味は、大男にはなかった】

……では、さらばだ

【『兄の籠』。彼女が、何を背負って、何を思い、ここに命を投げだそうとしているのかは、当然知らない】
【しかしながら、その言葉、死を受け入れるその姿。己の醜さが故に、それにどこかしら、美しさを感じ取った】

【右手に伝わる感触。これまでの穢れ切った人生の中で、幾度も幾度も味わってきた感触だ】
【溢れ出す黒い血が、路地裏の淀みを上塗りする。大男の右手も染められるが、特に気にする様子もない】


【やがて、その口から最期の言葉が漏れて。細い身体から魂が抜け落ちる】
【大男はゆっくりと包丁を引き抜くと、彼女の身体を路地裏の地面に横たえた】

……普段ならば、殺した相手の死肉は胃袋に収めるのだが
今日は、あまり気が乗らないな


【包丁についた鮮血を拭い取り、しまいこむ。そのまま、武骨な両手を伸ばして】
【女の目を閉じさせ、その両手を胸の上で組ませる。まるで、眠っているかのようだ】
【最後に、ラバー地のエプロンを脱いで、女の上に被せた。女の身体が、路地裏の闇に溶ける】


……本当に、柄にもない。今も仕事中だというのに、どうかしているな……元からか

【一人呟くと。大男は女に背を向けて、歩き出す。きっと、路地裏ではいつものこと】
【何も、起きることがなければ。大男の巨体はそのまま、路地裏の奥へと消えていくだろう】
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/19(金) 03:56:55.63 ID:swhkBBZ80
>>856
/ね、眠気が……っ……! いいところですが、明日か、明後日か……それか置きレスへの移行をお願いできるでしょうかっ
/明日(というか今日の夜)は10時前後には来られそうなのですが……ッ!
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/19(金) 03:59:20.71 ID:NGY4rFQ10
>>858
/了解でありますよ!宜しければ、今日の夜……終わらなかった場合は置きレスといった形で如何でしょう!
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/19(金) 04:02:26.79 ID:swhkBBZ80
>>859
/ありがとうございます……了解です!
/一旦お疲れ様でした…っ! もしかしたら夕方に一度返せるかもです、では、今夜はおやすみなさいっ。
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/19(金) 04:04:58.07 ID:NGY4rFQ10
>>>860
/こちらこそ、お疲れ様でありました!
/ごゆっくりお休みなさいませなのです!
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/19(金) 04:20:56.69 ID:hWdKZZqbo
>>857

【動かぬ体は物言わず、されど表情はどこか安らかに】
【生理現象だろうか、涙腺から押し出された滴がほろりと溢れ落ちて相手の指を濡らした】
【砂になるでもなく、星になるでもなく。宵晒羽黒は、ヒトとしてその生を終えた」

「……なんて。《死と王の先導者(ウォーレ)》が誰より先に死に先導されてしまうとは、思わなかったなあ」

【大男が去った後、気配に気づく余地もないくらいに離れてから】
【すとん、と何者かがモノローグを垂れ流しながら今しがたまで戦場であった場所へと降りる】

「意外と紳士だったんだなあ、あの人。もうちょっと遊んだり弄んだりすると思ったけれど」
「……“戯曲”と予定の違う幕の下ろし方をするとは思わなかったなあ」

【明るいグリーンの瞳、ローズブラウンのふんわりとした短髪の少年】
【斜めに被った黒い小さなハットの下の肌は白く。二重の丸い目、鼻筋は通り口はやや大きく、はっきりとした目鼻立ち】
【白い襟の無いシャツと白いタイツが細い身体を包み、首元に黒いループタイが巻きついて】
【黒いベルベット地に銀糸と薄緑で刺繍を施した膝上丈のレーダーホーゼンに、同色のチャッカブーツ】
【左手にのみ、黒のハードレザー製でチェーンの装飾が付いた、少し強気なデザインの指貫グローブを身につけている】

「さてと、失礼しますねー」
「“おかあさんヤギは眠りこけている狼の腹をはさみで切り裂き、子ヤギたちを助け出しました!”」

【エプロンをそうっとずらすと、少年は血で汚れた女の腹にゆっくりとナイフを入れた】
【心臓からの出血が多かったからか、あまり血は出ず代わりに羊水が滔々と流れ出す】
【早過ぎる帝王切開によって取り上げられた赤子は――声を上げるには早いものの、未だ、微かに、生きていた】

「甘い人だね、ちゃんと確認しなくっちゃ」
「さあ、子ヤギはちゃぁんと在るべき場所に帰さなくっちゃなあ……」
「本当は生きたままこっちもって言われたけれど、あの場に僕が出て行ってしまったら僕も危ないものね」

【そのままエプロンを元に戻すと、母体はそのままに少年は胎児を抱え上げ】
【鼻歌交じりにそれでも人目にはつかないように、その場から去って行ってしまった】

【Levis est fortuna: id ci to resposcit quod dedit.】
【運命は軽薄である、今しがた与えたものをすぐ返すように求めるのだから】


/お疲れさまでしたー!
/ま、窓の外が薄ら明るい……
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/19(金) 04:22:39.06 ID:2JXeOPTXo
>>862
/すみません、眠気がそろそろきついので、ご挨拶だけでご容赦願いたく……
/お疲れ様でした!! ありがとうございました!!
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/19(金) 18:56:05.43 ID:+0bTpF3ao
【UNITEDTRIGGER――店内】

……ヒャハハ、回収完了……っと
まァさか"あァの世界樹"を利ィ用して追ォい出すとは思わなかったぜ
だァが、もう精神はズタボロのはずだ……あァとは、刺ィ激してやるだけ

【店のとある席に座っている一つの黒い影――】 【それは……猫?】
【2m程の身長の身体で、全身に黒い毛を持っており、所々に紫色の毛を持っており】
【眼は、白目が黒く、虹彩は真っ赤で】 【首にはマフラーの様に紫色の毛が生えており】
【また、手足や尾の先端にも紫色の毛を持っていた】

【体型は二足歩行型――椅子に座り、コーヒーをすするその姿は……とても猫とは思えない】

能力は俺様の"劣化"だァが……"進化の可ァ能性"は役立ちそうだからなァァアア、ヒャハハハ
そォれに"あっち"には"混沌の種"を植えつけた――こォっちは発芽したら回収だな、ヒャァァッハッハッハッ

【……さて、明らかにこの場にそぐわない存在だが、この者が立ち去る前に誰か現れるのだろうか?】


865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/19(金) 19:35:16.49 ID:dEWOubrk0
>>856

そう……あなたがそう言うのなら。

【納得した、そんな様子の覗く言葉。信じているから、か。少しだけ身を寄せたなら、改めて、彼女を瞳に映すのだろう】
【―――金の月明かりと朱色の焚き火。森の闇とのコントラストで、目の前の彼女を幻想的に照らしていて】
【ふたり、この場にあることが暖かくて。穏やかな感覚にこころが弾んで、くすっと小さく笑みが零れた。】

【泳ぎと木登り。先程の言葉に応じる言葉には、少女は、納得しつつもまた彼女を擽る様な目をして】

ふーん……“狼だから”?

……私は当然泳げるわよ?
一度覚えたら忘れないし―――――……それに、そんなに重くない。

【最初からずっと楽しむ様に、中途まではどこか得意げに――― 最後は、半分冗談めかして述べた】
【体重のこと。“別に沈まない”。細身の少女には不要な強調で、けれどそれも年頃の身には気になるのだろう】
【そして食事に話題が移れば/聞こえてくる笑う声。……少女の初めの反応は、きっとどこか読み易い。】

【その後には、「面白いって……」気恥ずかしさからか、消え入りそうな声が抗議して。】
【“食べさせる” なんて提案には目に見えて動揺を浮かべたが、やはりまた表情を取り繕って】

……自分で食べるから別にいいわ。
そもそも私は……もうそんな歳じゃないの。

【言えば――――ぱく、と。言葉通りに自分から、差し出すその指から食べようとした】
【……唇は指先に触れるのかも知れなくて。どこか品のある仕草でも、その実は何も変わらずに、】
【顔には余裕を浮かべようとしても―――― 却って頬が熱くなるのには、自分の迂闊を想うしかない。】

【けれど指先で魚をひときれ摘むと、そんな雰囲気のまま、隣の少女に差し出して】
【「どうするの?」 朱を隠す様に間髪入れず、“整った”筈の微笑みから、悪戯っぽく言葉を紡いだ】

【――― どんな顔を見せてくれるだろう? 亜人の少女は“やられる”のには弱いとは、もうこの時分には知っていて。】
【食べさせるでも、手からでも。それ以外の方向であれ、“尋ねた” 少女は応じる様子――――】
【……けれど“やっている”側でも、この少女には恥ずかしいのだろう。あまり長くは持ちそうになくて。】


/ちょっと時間ができたので返しておきます…!
/再開は予定通りできそうですが、もう少しだけやる事があるので……っ……
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/19(金) 20:22:08.41 ID:RQ1UqpXGo
【廃ホテル】

【山中に聳える崩落しかけの欠陥建築は、その内部にのみ往時の安い荘厳さを残して静寂の中で息づく】
【お世辞にも品が良いとは言えない色取りで揃えられた調度品の数々が其処の本来の用途を窺わせ、】
【意味を成さない破壊とスプレーアートに、趣味が悪い妊婦の落書きが墨書きの罰点のように付け加えられていた】

――…………

【廊下を曲がった壁際、唐突に対面するだろうそれは誰かの嗾けた悪戯のように人の形をしていた】
【壁に背を預けだらと弛緩したまま俯く、黒服姿の若い男――前述のとおりマネキンであるなら有難いのだが】
【右頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青、片手に拳銃。 腐臭は無く血溜まりもない。 そして、呼吸する気配もない】
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/19(金) 20:33:31.41 ID:qpCHN9NR0
【櫻の国・とある山の中腹】

【人の手が入らぬ山奥と云うものは、得てして魑魅魍魎の住処となるものである】
【それが櫻の国ともなれば尚更、かの魔海にも匹敵する危険性を誇る場所もあるだろう】
【知識を持たぬ者なら確実に、持つ者であってもやもすれば、次の瞬間に妖怪の腹に収まっていたとしても不思議ではない】

【―――さて、そのような山奥に立ち入ろうとする“物好き”な輩がここに1人】

かーっ!!だるいわーマジだるいわーだるすぎて脳漿ぶちまけそうだわー

【気の抜けた顔で妖怪の領域と目と鼻の先にある開けた場所に座り込むは20歳前後の青年】
【その青年は立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした、真に奇妙な人物で】
【本当にやもすれば唯の好奇心で妖怪の領域へと足を踏み入れようとする愚者と認識されてしまうだろう】

ほんっと!!たまたまその場にいたからってこの僕に仕事を押し付けるなんて有り得ないよね!?
“結界の調査”なんて役所のお偉い様にやらせておけばいいのに完全に役不足だよね!?

【だが、不満をつぶやくその口調からは彼が退魔師に相当するものであることを知ることが出来る】
【“仕事”とは即ち“結界の調査”―――迷い人が愚かにも妖怪の領域に立ち入らぬように張られた物である】
【本来ならば彼の言うように普段外に出払っている者が押し付けられる仕事ではないが、何分人手不足と言う事らしい】

ハァ……さっさと仕事を終えて因幡の耳をハグハグする作業に戻らないと……

【しかし文句を言っても始まらない、そう考えた青年は立ち上がり、即座に結界の調査を開始する】
【作業中、彼は妖怪や迷い人にも即座に対応できるように、自分の周囲に探知用の結界を張り巡らせている】
【とはいえ漏れ出す自身の霊力を隠蔽しきることは出来ない―――誘われてくる者もいるだろう】
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/19(金) 21:40:19.40 ID:NGY4rFQ10
>>865
「それもあるけど……で、でも。ボクだってただの狼じゃ無いんだからね!
普通の狼より誇り高いし……それに……うーん……と……

…………今の言葉、聞いちゃったからね
じゃあ、何時か一緒に海に行って競争しようよ
負けたら……当然、罰ゲームだよね? ふふふ……もう結果は見えてるんだから、何にしよっかな……」

【人狼。自分は、その気高き種族であると高らかに宣言して、何か言葉を付け加えようと意気込むが】
【――――濁されていく言葉。時間の経過と共に下がる耳が、何も思い浮かばないことを示しているのだろう】
【人差し指を突っつき合わせていたけれど、少女が泳げると言った途端に顔を上げて】

【計算通りに事が進んだ、とでも言いたげな笑みが其処にはあるのだろう】
【余程自信があるのか、もう言葉を変えさせない――――言葉無くしてそう言い表すかのように詰め寄って】
【紡がれる罰ゲームは、この少女の性格から考えればきっと碌な事では無いのだろうけれど】


「ふーん……そんな事言っちゃってさ。別に良いんだよ?柊はお上品さんだから、ボクを頼ってくれたって
指が汚れちゃうのは勿体ないし、其れに――――――」

【動揺を認めれば、ここぞとばかりに畳みかけるのだろう】
【野生――――所謂、サバイバルに関しては自分の方が知識があるだろう何て勝手に天狗になっていたから】
【月の明かりと、辺りを朱色に染める炎の明かり。其れ故に、きっと少女の赤面は分からなかっただろう。だけれど、何よりの原因は――――】
【唇が、指先に触れたことだろうか。同じく赤くなれば、先程まで調子よく喋っていた事が嘘の様に静かになり】


「へっ……?あ……ぅ……ぼ、ボクだって、もうそんな歳じゃ……」

【この亜人からしてみれば、まさかの返しだったのだろう】
【自分で言った手前、逃れる事も出来ず――――相手が少女からこそ、負けたくないという気持ちもあって】
【悪戯っぽい其れにだって、言い返せる程の余裕も無く。少女の視線を伺ったり、自分のローブを握って誤魔化そうとしていたけれど】

【目をギュッと瞑れば、その手に自分の手を添えて】
【体感を頼りに近づき――――一瞬の躊躇を見せた後、静かに口の中へと入れた】
【本来ならば、絶賛される味わい。それでも、今この瞬間は味わう余裕も無く】
【――――それ故、少女と同じ様に唇が指先に触れたその事にも気付かないのは道理だろうか】
【咀嚼も終えれば、添えていた手を離して対抗するように意地悪な笑みを浮かべるが――――寝ている耳が、様にならない】


「……むぅ、どうせ、恥ずかしがって何にも言えなくなると思ったのに……」

【怨めしそうな声は、或いは嘗ての少女だったら有り得たのだろうか】
【未だ、赤面の残る顔。誤魔化すように、ただ紡いで】


/ご用事の方、慌てずにゆっくりとどうぞでありますよ!
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/19(金) 21:56:35.20 ID:nxGIEBvn0
【雷の国 高原】

「……いきなりドライブに出ようなんて、どうしたのおじいちゃん?」
ようやく一息つけるんじゃ、外に出ても良かろうが。それに良いじゃろ、偶には?
{……なんだか、とても、落ち着ける……}
<……ハァー……!>

【見晴らしの良い広い山道に、1台の軍用ジープが駐車されており、そのすぐそばに4つの人影があった】

【量は多いが短い白髪をバック気味に整え、皺が多い割に肌の色合いが良い、ダボダボの研究衣を着こんだ、細めの目をどこかぎらつかせている、年の頃は壮年程の男性と】

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女】

【男性の研究衣の襟の部分には、≪No.6≫と言う刺繍が施されており】
【3人の子供はそれぞれに、身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】

【そばには、そこそこの大きさの滝が流れ落ちる様が見え、眼下には瀑布が川となって流れていく様子が良く見えた】
【人の喧噪も遠く、星の光も良く見える――――山の自然を味わうには、丁度良い場所と言えるかもしれない】

わしもこの国の生まれじゃ……流石にこの辺は、人の手があまり入らんからの……昔とそれほど変わっとらんわな……
「……昼間に来ても、なんだかのびのび出来そうな場所よね。おじいちゃんすごい……!」
{……滝の、しぶきが、凄い……}
<ウゥーン……>

【遠くの街の明かりに視線を注ぐ男性と東洋系の少女。眼下の滝つぼをこわごわ覗き込む少年。寝転がって、頭上の星を見上げる赤髪の少女】
【傍目には、夜遅くのドライブを楽しんでいる家族の様にも、見えない事は無いだろう】
【――――彼らの装いを、この暗がりの中で見分ける事が出来たなら、そんな微笑ましい光景ではないと、すぐに分かるだろうが】
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/19(金) 22:27:12.99 ID:nxGIEBvn0
/>>869取り消しでー
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/19(金) 23:16:08.73 ID:9+ra4SUo0
>>868

ふふっ……その勝負ならいつでも受けるわ。
勝つのは私で、いつだって犠牲になるのは貴女――――
……それだけは、どうあっても変わりそうにないけれど。

【……絶対的な自信があるのか、それとも単純に張り合ったのか。“いつでも受ける” 旨を紡げば、余裕とばかりに言葉を続けて】
【――― 取らぬ狸の皮算用。柔らかな仕草で一度瞬いて、幾つも想い描くかの様、心待ちにする様に笑みを浮かべるのだろう】
【だがそれは、“少女が”受けることになるのかも知れず、】
【今夜だって“例外”になる事は、ちょっとしたきっかけでもあれば容易くて――――】


【手を取る掌、目を瞑って口元に運ぶ姿。】
【導くそれらになぜだか心が急に惹きこまれた瞬間、】

………あぅっ……!?

【―――― とくん、と。鼓動が跳ね上がった様な気がした。】
【指先に可憐な唇を感じて。口元に触れたいつかの夜を、櫻の花弁の様に思い出して。】
【心に焼きついたあの光景が、胸の温度とともに消えずに、光の様に胸の内に灯って――――】

(……もう、言えなくなっているわよ……)
(あなたが、こんな宝物の感覚を刻んでしまったから―――――)

【目を逸らすことも、双つに双つで向かい合うことも出来ずに。】
【熱でもあるかの様に朱に染まってゆく顔を、言葉も紡げず恥じらいが彩って――――橡色の瞳が見つめる、】
【……お互いに状況は似た様なもの、ならば次に動ける方が優位。】
【気付くのはどちらが早いだろうか――――もしも彼女が先ならば、先程少女がそうした様に、攻性に転じることも出来そうではあって】


/大分遅れてすみませんっ、それではよろしくお願いします…!
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/19(金) 23:45:57.53 ID:NGY4rFQ10
>>871
「……そう言ってられるのも今の内だけだからね
負けた後で訂正しようとしたって、絶対に知らないから
……本当に、本当に知らないからね」

【そう言われてしまえば、後に退けないのが性。少女を脅すための文句でもあるが、その言葉は同時に己への足かせにもなるのだろう】
【絶対に退かせないとの言葉。睨むかのように凝視する其れは、恥ずかしさを隠すためでもあって】
【自分が負ける筈が無い――――そう、言い聞かせるけれど。その答えは、何時かきっと分かる事】


「……えへへ。柊、もしかして顔が真っ赤っかなのかな?
最近暑いから仕方ないもんねぇ
少しだけ、涼しくしてあげよっか? ボクも喉が渇いた事だし……一石二鳥、っていう事でさ」

【どれ程の時を、双眸を交えつつも無言で居たのかは分からないけれど】
【其れまでに少女が口を開くことが無かったならば、恐らくは亜人からそんな言葉が漏らされるのだろう】
【何時ものように、からかう様な口調。何時もと違うのは、同じ様に顔を朱に染め上げていること】
【優しく抱きしめたならば、その首筋に当てられるのは亜人特有の鋭い犬歯】

【まだ、皮膚を破ることは無い。流石に許可無く啜るのは気が退けるのだろう】
【だけれど、あの時の事を覚えていたならば、言葉無くして伝わるだろうか】
【――――「良いかな?」なんて、耳元で呟かれる言葉】

【もう夏なのだけれど、少女とくっついていても暑いと思うことは無いのだろう】
【そして、ある意味では顔を見ること無く出来る一方的な攻撃とも考えられよう。少女が何故、其処まで顔を赤くしたのかは分かっていないのだろうけれど――――奇しくも、其れに似た行い】
【ユラユラと、楽しそうに或いは嬉しそうに揺れる尻尾】
【喉が渇いた――――なんて、きっと方便。答えを待つかの様に、優しく抱きしめたまま少女の体温を味わって】

/こちらこそお願い致しまする!
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/19(金) 23:59:30.91 ID:+0bTpF3ao
【ゴーストタウン――廃墟】
【鼠一匹すらもはや姿を見せぬ死の世界に、ただひとつ佇む黒い影】

……こォこをこォーして……と

【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

【廃墟に散らばる瓦礫を掴み、何故か近くにある魔法陣にそれを次々と投げ入れている】
【――すると、投げ入れられた瓦礫は闇となり、魔法陣の中に吸い込まれてゆく】
【一体何をしているのだろうか?】

ヒャハハハ、たァまには趣ゥ向を凝ォらして……そォして劣化野郎を誘き寄せる!
――鼠捕りの如く、ゴォキブリホイホイの如くッ! 正義の糞野郎を一つ潰す
うゥ〜ん、堕ちるのは良ォい事だ――"可ァ能性"を縛り上げる縄を解ォき放つあァの快感……!

ヒャハハッ、あァいつには俺様に楯突いた礼をしィねェとな

【……やたら大きな独り言を聴く限りは、明らかな邪悪の者】 【魔法陣も、邪悪な雰囲気を持っている】
【瓦礫を片づけ終われば、今度はこの者が魔法陣に手を突っ込み……禍々しい物品を取り出す】
【どうやら、廃墟を彼流にデコレーションし、リフォームするつもりのようだが……】

【それを手伝うのが、人ならざる存在――二人の"亜人系の魔物"だった】
【羽毛の塊のような、しかし鳥とはまた違う羽を背に6つ持ち、上2本は長く下4本は短めで、頭部にも長いそれを1つ持っており】
【鳥のような手足を持ち、全身に鱗を持っており、そして場所によってその大きさが違っていた】

【次々と修復され、改造され、禍々しくなる廃墟】 【……わざわざやる必要性があるかどうかは、不明だ】
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/20(土) 00:29:01.22 ID:8byhNbf40
>>872

【ふぅん? なんて、いなす様な言葉。いつもの余裕を湛える少女の瞳は、金色の瞳の奥でも見る様に楽しげで】
【……脅しというより、分かり易い強がりでも聞いた様な。楽しみで仕方がなくて、つい覗き込んだ様な仕草だった。】

【けれどもひとつの温もりで。硝子は、色を変えてゆく。】
【余裕が崩れる/少女が年頃の顔色を見せる、】
【からかう言葉が耳に届けば、いつもの自分の様に指摘する、のだが、】

……あ、あなただって。
鏡があったら見せたいくらい、綺麗に朱くなって―――――――っ!?

【は、と思わず吐息が洩れた。ゆっくりとした動きだったのに躱せずに、】
【抱きしめる腕は、手のひらは優しくて。寸前で見えた頬の朱色に、なぜだか自分まで頬が熱を増す。】
【呟く言葉は、羞恥をなぞりながらもゆるやかに届いて――――――】
【―――― 「ええ」。最低限の、けれども信じて穏やかに笑う様な答えだった。】

【互いの鼓動が聞こえていて。……今だって高まっているそれは、果たしてどちらのものなのだろう?】
【交ざり合って、融けあって。とくん、とくんと流れてゆく時は、留めたくなるくらいに大好きだった。】
【受け入れる様に、祈る様に――――― 目を瞑り、その大切な温もりを少女は抱きしめて。】
【亜人の少女に自らを委ねる少女は、安心しきった微笑みを浮かべた。】
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/20(土) 00:52:02.75 ID:aKbPclF/0
>>874
「今、此処には無いから分からないもんね
分からない――――けど、ふふ。こうやってホッペタくっつけると、凄く暖かいよ?
風邪でも引いちゃったんじゃないかなって位に、ね。 ――――柊。寒くない?」

【減らず口を漏らす程度には余裕が出てきたのだろう】
【頬同士を付けたならば、互いの体温を確かめるかの様に優しく押しつけて】
【柔らかな感触。同時に、少女の熱をも楽しむかの様にしていたのだけれど】
【――――返した言葉は、少女が自分に掛けてくれた物と同じ。状況は異なって、その中に含まれて居る意味も違うけれど】

【まるで犬が懐くかのように摺り合わせて、心地よい鼓動を感じて】
【答えが返されたならば、それ以上は何も言わずに、その襟を咥えてズラし】
【白い首筋を露出させたならば、ゆっくりと牙を当てていくのだろう】


「――――それじゃ、柊
……ちょっとだけ、ごめんね」

【……その言葉を発した後、チクリと首筋が痛むだろうか】
【そのまま二つの小さな傷口を口で覆うようにすれば、少しずつ流れ出る鮮血で喉を潤していって】
【痛みと言えば、最初の皮膚を傷付けるその刹那だけ。後は、血を飲まれる様な、奇妙な感覚だけだろうか】

【大切だから。大好きだから。故に、痛みを与えない程度に抱擁が強くなって】
【――――止まない鼓動。首筋に当てられる唇からも、未だ上気したままである事が分かるであろう】
【以前よりも、長い時間。啜っているのか、ただ甘えているだけなのか。それとも、恥ずかしさに染まった顔を隠してるのかは分からないが】
【――――そんな時も、数分程過ぎれば、耳元で「ありがとう」の囁きがある筈。欲しい分は喉に流した】
「それでも、離れずに尾を振っている所を見ると、純粋にこの時を楽しんでいるのだろう」
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/20(土) 02:02:14.64 ID:MP8sbrIM0
>>875

……もう……誰のせいだと思ってるのよ?
風邪だったら、私ならすぐに治るのだけど――――。

【 俯くけれど、抵抗せずに。頬の擦り合わされる感触に、ますます温度があがってゆく。】
【抗議の言葉は強がりの様で―――― 亜人の少女の “普段” みたいに、“彼女の普段”がそこにある。奥に、本当の想いがある。】
【亜人の少女が少女を肌蹴させて、】

……っ……――――――

【犬歯が柔肌を破る感覚。ちくりとして―――― けれどもその後はただただ熱いこころよさが、熱を、いつかの感覚を少女の体に与えて】
【……鼓動が早まる。頬が火照った。】
【錯覚? ただの熱さ? なぜ熱が生まれるのかも、その正体も分からなかった。】
【けれど、彼女にはそれでよかった。大切なのは、この熱をくれる亜人の少女が触れていること―――――】
【……この上もなく近い場所に、その温もりがあることだから。 】

【どちらからともなく、いつしか強まった続けあう抱擁。ぎゅ、と腕に柔らかな力が込められて】
【それは言葉で伝えあうよりきっと分かりやすくて。……大好きな、とても大切な人だとも伝わるだろうか】
【そのまま顔を埋める亜人の少女。そっとその体を抱く櫻の少女は、金色の髪を撫でて。きっとその距離が続く限りは、ずっとそうしているのだろう】
【……「ありがとう」 なんて言葉を聞けば、一緒になにかをした後みたいに、どこか嬉しそうに少女は口を開いて。】

…………私は……少しは美味しかったかしら。

……今度、約束してたように泊まらない?
海でもいいし、私の考えてた場所でもいい――――

……どっちにするかは任せるけれど、私には……どちらでも楽しめそうだから。

【口にするのは約束の実行。……彼女と、初めてどこかに泊まること。】

【“理由” はきっと口にしない。それは“その状況”で共通する存在であったり、好みの一致であったりするのだろうけど―――】
【自分の計画する場所は明かさないまま。少女は、亜人の少女の答えを尋ねた】
【両方、なんて答えもあるのだろう。……寧ろ、それを望んでもいるのかも知れない。】

【気恥ずかしさと微笑みの交じる、上気したままの表情で紡ぐ柔らかな言葉――――浮かべるその表情は、大切な誰かだけが見るのだろうか】
【顔をあげるだけで、今は見える。……そんな誰かと、一緒にいるから。】
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/20(土) 02:37:25.45 ID:aKbPclF/0
>>876
「……少しだけ、くすぐったいかな
柊に撫でて貰うのは好きだし、気持ちいいんだけどさ
でも、やっぱり……少しだけ、ね」

【最初と同じ様に、襟を口で咥えて元に戻す――――訳でも無く】
【直接素肌に触れるようにして、少女の脈拍、体温を感じ取ろうとして顔を埋める】
【甘えている、のだろう。もう満たされたと言うのに、離れる事は無く。髪を撫でられたならば、やはり尾が感情を示し】

【自分の耳をグリグリと押しつけてみたり、背中に回した腕の指が、優しく傷口を撫でてみたり】
【じゃれるかの様に、少女にちょっかいを出すけれど――――逆にちょっかいを掛けられたって、好きな様にさせるのだろう】
【少しずつ、少しずつ収まってきた鼓動。穏やかな其れだって、心地の良いもの】
【況してや、其れを共有しているのが少女ともなれば――――自然と、顔が綻んでしまうのも仕方の無い事】


「……とっても美味しかった。だから、また何時かおかわりさせてね?
お礼に……うーん……何か、してあげるからさ

…………じゃあ、柊の考えてた所――――と、帰りに一緒に海に行こうよ
一緒に泳いだり……競争したりもしたいし
……一緒に泊まって、沢山お喋りして……一緒に、寝てさ
ふふ、今から考えるだけでも楽しそうだね」

【ようやく見合わせた顔。朱に染まり具合だって、どっちもどっち】
【また何時か――――偽りでは無い、その言葉。自分の事を受け入れてくれた少女にだからこそ、隠すことも無く言える事】
【頭を撫でていてくれた手が離れそうになれば、嫌々と首を横に振って、そのまま留めさせようとするのだろう】
【摺り合わせていた頬を撫でさせたり――――十分に、甘えて】

【問いに返されたのは、我が儘な答え。少女の選んでいた所と、海と――――】
【その、両方を二人で一緒に行きたいから。悪びれる様子も無く、勝手に想像してしまえばクスリと笑って】

【近づける、顔の距離。上気した顔も、もう気にならないのだろう】
【じっ、と見つめたならば、僅かに小首が傾げられて】
【「所で―――――何処を考えてたのかな?」なんて言葉が紡がれる】
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/20(土) 03:41:42.92 ID:MP8sbrIM0
>>877

……ふぅん……なら、もう少し続けましょうか。
……こんな風に?

【ふっと表情がまた和らいだ。……だんだんと落ち着いてゆく鼓動、素肌に触れる素肌の感触。】
【こんなにも近くで。……こんなにも、穏やかに一緒にいられる温もりがある。】
【擽ったそうに、弾む気持ちで、いろいろな仕草をそのまま受けて、】
【……耳に軽く触れてみたり、尻尾を指先で擽ってみたり。】
【感触を確かめる様に頬に優しく触れて、目と目で微笑みを合わせてみたり――――】
【堪えきれずその末にくすくすと笑みを零して、じゃれ合う姿は本当に楽しげで。……きっと、彼女も心から楽しんでいるのだろう。】

【同じ様な表情だろうか? ……さっきの “あのこと” の感想は、尋ねた少女の胸に届いて、】

…………よかった。
それじゃ楽しみにしてるわよ? どう取ってくれても構わないけど……。

……そうね……ふふっ、それは凄く楽しそう。
それにしても、あなたと泊まる、か――――。

【“食べ物じゃない”、けれども嬉しい。……不思議な感覚だと、安らぐ自然な心で想った。】
【また何時か、なんて希望への答え―――― お礼なのか次の機会か、どうとでも取れる言葉でやり取りを楽しんで】
【亜人の少女の言葉。それが楽しげな想像を生んだのか、想い描くような弾む言葉を零すのだろう】
【向けられる問いは“この少女らしい”表情の返答に繋がって、】

……秘密よ。だけどひとつ言えるのは、あなたと行きたい場所だってこと――――
山は苦手じゃなかったわよね。……それなら、きっと楽しめると思う。

本当、今から楽しみね……。

【詳しくは語らずに “山” とだけ。感情も乗せて、柔らかな声で簡単に述べた】
【 そろそろかと撫でる所作を止めようとして、亜人の少女が首を横に振れば。少し驚いた様な顔をしてから、くすっと笑ってまた撫で始めるのだろう】

【そしてふと名残惜しむ様に、橡色がとても穏やかに金色を映した。もう一度、いっそう優しく彼女を撫でて―――――、】
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/20(土) 04:11:20.74 ID:aKbPclF/0
>>878
「嫌じゃ無いけど……うぅ……何か、複雑……
だ、団長の前とか、みんなの前ではやらないでよ?
ボクだって恥ずかしいんだから……」

【大切な耳。大切な尻尾。普通ならば触らせない其処だって、少女を本当に信頼しているからこそ自由に任せて】
【耳に触れられたならば応えるかのようにピクピクと動かし、尾を擽られたならば其れに耐えるかのように身を少しだけ捩らせて】
【――――お返しとして皮膚を傷付けない程度に噛んでみたりと、まるで犬の様な表現の仕方】
【痛みは無く、寧ろくすぐったいといった感覚を味わうことになろうか】

【今だけ。そう釘を刺したならば、何も反論することは無く】
【ただ、大好きな少女と一緒に居られるこの時間を一秒も逃さない様にと】
【少しでも、長い間その温もりに触れられるようにと】


「…………むぅ。意地悪
……山は、大好きだよ。でも、キミと一緒なら何処でも好き。この場所だって好きだよ?
だから……凄く楽しみにしちゃうからね。柊が連れて行ってくれる所」

【答えが紡がれない事に対して頬を膨らませてむつけるが、直ぐに何時もの無邪気な笑顔へと戻って】
【要求が通り、掌からも伝わってくる優しさ。心地よさそうにしながらも、微笑んで見せるのだろう】
【何処であろうと――――きっと、少女が居る。という事が重要なのだろう。一緒に居るから、どんな場所でも好きになれる、なんて】

【――――それからは、撫でられながら他愛の無い話。最近はどうだったとか、その程度】
【それでも十分楽しくて、やがて訪れる別れの時】
【魚を適当に纏めてしまえば、少女の分として幾つか渡すのだろう】


「そろそろ帰らなきゃ、団長に怒られちゃうから……
コレ、柊のお土産ね。あ、後――――」

【不意に、距離を詰めて。少女の頬に手を添えたならば、その額に口付けをするのだろう】
【ごく自然に、当然の様に。――――以前よりも、少しだけ長い時間】
【離れたならば、小さく笑って見せ、もし少女の頬が赤くなっていたならば、優しく突っついて】


「えへへ――――じゃあね、柊」

【自分の顔が赤くなっている事を棚に上げれば、少女の事を言葉無くからかうのだろう】
【最後に一度だけ頭を撫でさせたならば――――そのまま、闇夜へと消えていって】
【カサリ――――何処かから、余計な足音も聞こえたけれど……それは、余談】

/この辺りでしょうか……!
/二日間、お相手有り難う御座いましたですよー!
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/20(土) 05:03:08.92 ID:MP8sbrIM0
>>879
/す、少し眠すぎるので〆のレスは一眠りしてからで……!
/二日間遅くまでお疲れ様でしたー! 甘い絡み、本当にありがとうございましたっ!
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/20(土) 12:03:31.30 ID:rA/z5/T9o
【早朝の海辺】

【何処かで汽笛の音が鳴った。 遠くに見える貨客船が空と海の境界線上を少しづつ動いていく】
【曇天の下に明晰な紺碧を湛える沖から寄せては返す波の音に混じるのは、さくさくと砂を踏む足音】
【靴を手に持ち裸足で白砂の上を歩く少年は、適当な大きさの流木を見繕って其処へ腰を下ろした】

はぁ……高いな、声。 こんなだったのかな?
ま、20年も前じゃ記憶にないか……それにしても、景色が随分鮮明に見えるなぁ。

【腰を落ち着けた後、彼は自分の体に不慣れであるような独り言を並べて、物珍しげに周囲を見渡した】
【肩までの紅茶色の髪を左側だけ数か所ピンでまとめ上げ、睫毛の長いオリーブ色の目は朝日が見えない中でも明るく輝く】
【立襟の白シャツに緩んだ黒のタイ、焦げ茶のスラックスの裾を捲り、素足はまだ波に触れていないのか綺麗なままであった】

【沖から吹く潮風は穏やかであり、心地よさ気に目を細めた少年は】
【ふと、足許の白砂に目を遣って何かを拾い上げる。 それは角を丸くした淡い緑の海硝子だった】

……決行の日までには、安定していると良いけど。
こんな姿、見せたくもないし……早くあいつが治れば良いのに、本当迷惑。

【摘まんだそれを憂鬱に曇らせた表情に酷似した空に透かし、少年は漫然として気を緩めている様子であったが――】
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/20(土) 14:55:44.30 ID:rLLXPDKO0
>>879
/凄く綺麗に〆て頂けたので、やっぱりその終わりが良いかな、なんて……!
/二日間、遅くまで本当にお疲れ様でした……! 改めてありがとうございましたー!
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/20(土) 20:44:28.53 ID:RdAu/m7Wo
【ゴーストタウン――廃墟】
【鼠一匹すらもはや姿を見せぬ死の世界に、ただひとつ佇む黒い影】

……こォこをこォーして……と

【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

【廃墟に散らばる瓦礫を掴み、何故か近くにある魔法陣にそれを次々と投げ入れている】
【――すると、投げ入れられた瓦礫は闇となり、魔法陣の中に吸い込まれてゆく】
【一体何をしているのだろうか?】

ヒャハハハ、たァまには趣ゥ向を凝ォらして……そォして劣化野郎を誘き寄せる!
――鼠捕りの如く、ゴォキブリホイホイの如くッ! 正義の糞野郎を一つ潰す
うゥ〜ん、堕ちるのは良ォい事だ――"可ァ能性"を縛り上げる縄を解ォき放つあァの快感……!

ヒャハハッ、あァいつには俺様に楯突いた礼をしィねェとな

【……やたら大きな独り言を聴く限りは、明らかな邪悪の者】 【魔法陣も、邪悪な雰囲気を持っている】
【瓦礫を片づけ終われば、今度はこの者が魔法陣に手を突っ込み……禍々しい物品を取り出す】
【どうやら、廃墟を彼流にデコレーションし、リフォームするつもりのようだが……】

【それを手伝うのが、人ならざる存在――二人の"亜人系の魔物"だった】
【羽毛の塊のような、しかし鳥とはまた違う羽を背に6つ持ち、上2本は長く下4本は短めで、頭部にも長いそれを1つ持っており】
【鳥のような手足を持ち、全身に鱗を持っており、そして場所によってその大きさが違っていた】

【次々と修復され、改造され、禍々しくなる廃墟】 【……わざわざやる必要性があるかどうかは、不明だ】
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/20(土) 21:50:02.38 ID:Xe6imCGJo
【─────────】

【ギルティ・ストリート≠ニいう街がある】
【夜の国にある、かつての城砦跡地をそのまま利用した街だ】
【代表はいない、名産品は強いて言えば死体か犯罪くらいだろうか】
【───この街に普通の人間はいない、街を囲む厚い城壁はそれそのものが巨大な格子】
【手に負えない犯罪者達をそのまま詰め込む為の虫カゴであり、二度と出られない刑務所。人々は汚い物から目を背ける当然の対処をしていて、街の内情は余り知られていない】

【だから、その事件を知るのは街の内部の人間だけだ】
【数日前に、数人の犯罪者達を引き連れた見慣れぬ者が、何処かへ消えて行った等───】


【所、日にちは変わって、水の国のとある街で】
【空に咲くのは大輪の花、色取り取りの花火が咲き誇り、人々は目を輝かせて夜空を眺める】
【赤、青、黄色、様々な花火が揚がり、その度に大きな音が空気を震わせる】
【また一つ、一際大きな花火と、爆音が───何やら、音だけがやたらと大きい】


【───響く悲鳴、騒ぎ出す民衆、蜘蛛の子を散らす様に人間が散り散りに動き出す】
【何が起きたのか、人々が離れて行く地点に行けばすぐに分かる】
【焦げ付いた地面に、元が何だったのか想像出来てもしたくなくなる物体、抉れたコンクリートと、火薬の匂い】
【爆発───である。人混みに紛れていた何かが、爆発し周囲を巻き込み破壊した】
【空に虚しく咲き続ける花火を、最早眺める者等おらず、通りにあれ程いた人の姿は一瞬にして消えた】

【そして、爆発の中心点に現れた、数人の人影が───】

/いないと思うけど複数でもOKです
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/20(土) 23:03:12.41 ID:2SybpvpOo
>>884
/まだいらっしゃいますか?
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/20(土) 23:04:21.94 ID:Xe6imCGJo
>>885
/いますます
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/20(土) 23:16:02.62 ID:2SybpvpOo
>>884

【明るく華やいだ夜空の下。路地裏にも少なからず、光は斜めに差しこんだ】

誰にでも色づかせるなんて、優しいのね

【真っ赤なルージュを塗った唇の彼女が言う】
【下唇の右端に、黒いピアスが2つ。唇は笑う】
【爆発の振動と衝撃で辺りが揺らめく。人々は動揺する】
【彼女は路地裏から真っ直ぐ人々の足取りと逆を行った】

【ウェイブがかった長いブロンドの髪は一部、ピンクに染まっている】
【青い瞳の女性は鼻元に小型の吸引器を持って行って。二回吸い込む】

【ジーンズの上のカッタードシャツはキスマーク柄。胸元を大きく開けて袖をまくっている】
【腰のベルトには拳銃が一つ、ナイフが2つに金属光沢のある長い鞭が一つ】

誰だか知らないけど、殺しちゃって良さそうね

【細く長い、真っ赤なネイルの指は腰の銀色のオートマチックに触れる】
【爆発で吹き飛んだ、天地が交差し、血肉が混合した空気を吸い込む】
【カツカツと歩みを爆心地に向けながら、弾倉を確認し、スライドを引く】

【走り去る人々。逃げ惑う一心不乱の人々。一歩一歩、歩く姿を美しく見えるよう意識する彼女】
【その対比は景色をスローモーションに見えさせる。彼女は口笛を吹く】

【歩きながら、途中で見かけた転がる瀕死の人間の頭を撃ち抜く。さりげない歩行の所作の一つのように、2つ】
【残り5発。花火はまだ上がっているだろうか。近くでも見たい。美しい光は今ならもっと美しい】
【真っ暗な世界で見る、蝋燭の灯というものは、とてもとても、美しいものだ】

【これで、生きているものは背景には存在しない。今は私と貴方だけ】

シンプルな方がいいのよ?映画は

【オートマチックをクルクルと回して、ベルトのホルスタに戻した。】
【立ち止まって、彼女は笑っている】
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/20(土) 23:17:49.31 ID:aKbPclF/0

【その街のシンボルでもある時計台の下】
【やたらと香ばしい匂いを漂わせる袋を手にした女が、一人佇んでいて】
【纏っている物は所謂巫女装束。手にしているのは――――揚げたてのポテトチップスか】


「さて、今日も特に問題無く一日が過ぎていきますね
――――いえ、時間が過ぎれば過ぎるほどコレの風味も落ちてしまうので困ったものです」

【恐らくは自警団の一人。そして恐らくは見回り中――――の筈なのだが】
【真面目な装いをしながらもその手はひっきりなしにポテチを掴めば口の中に放り込んで】
【……機関等の事もあり、緊迫した状況の中でここまで奔放な者もあまり居ないのでは無いだろうか】
【果たして仕事一徹な者が見たら何と思うのだろう】


「――――後はこのまま何事も無く勤務時間が過ぎていけば良いのですが」

【パリっとまた一枚囓る音】
【近くを通り過ぎる者達の中には白い視線を送る者も居るが、そんなのは何処吹く風で】
【――――人々から送られる視線。そしてその匂いの事もあって近くを通りかかった者の興味を自然と惹くだろう】







【暗い森の中、響くのは獣達の咆哮――――やがて、断末魔】
【真っ白なガウンを纏って、キャスケットを被った少女が其処には立っていて】
【純白の髪。其れと同じ色の大きな翼が背から生えている事が印象的だろうか】


「野生の世界と言っても、実力を見極められなければただ死ぬだけ。と、弔いの言葉を投げてみる
次に生まれた時は、もっと身長に行動る様にすると良い。と、願ってみる」

【やけに特徴的な話し方。両手にそれぞれ握られているのは、S字型にカーブした刃】
【その鋭き先端から滴る鮮血を見れば、其れが少女の得物であると分かるだろうが――――】
【チラリと見えたガウンの内側。其処にも大小様々な刃が収められており、腰には円盤形の刃が吊り下げられていた】
【表情の変化に乏しい――――と言うよりか、能面の様な顔。言葉だって、起伏が無ければただ無感情に言い放っているだけの様にも思えるが】


「……要らない時間を取られてしまった。と、嘆いてみる
少し、急いで戻らなければ――――……ッ」

【足元に転がる魔物達を一瞥したならば、その場から去ろうとするけれど】
【不意に止まった足。じわりと腹部から漏れ出た血液を見れば、遅れて痛みを感じて】
【命に関わる程でも無い。だけれど、歩いたり飛んだりするのには苦労するくらいには深いのだろう】
【無感動な蒼の瞳は何を思っているのか分からないが……付近の木に背を預けたならば、溜息を吐いて】
【――――この時間。魔物が多く出現すると言われているこんな場所に少女が一人で居るのは、やはり異様な光景か】
【獣の断末魔か――――或いは、少女が放つ“聖”の魔力。そのどちらかを便りに訪れる者は居るだろうか】
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/20(土) 23:47:31.56 ID:Xe6imCGJo
>>887
「───待ち合わせの目印に自爆テロとは…なんともまあ、過激だな」
「アンタが言えた事か?」
「相応しいとも言えますね、何せ私達を従えるつもりなのですから」

【花火が大きく炸裂し、閑散とした通りにいる三人の人影を照らした】
【緑と赤の輝きに照らされた三人───どれもこれも、統一感が無い】

「つまりは、まず一仕事で力量を測るつもりか?」

【まず一人、腕組み辺りを見回している】
【その風貌を一言で表すなら、正に女騎士=Bドレス型の鎧に身を包み、青い髪が腰の辺りまで伸びている】
【腰には一振りの長剣、白い肌に輝く蒼眼がキリッとした顔付きで、その胸は平坦である】

「ま、なんだっていいさ。シャバの美味ェ空気が吸えるんだ」

【二人目】
【白黒ストライプ模様のスーツ、高そうな黒い革靴、黒いバンドを巻いた白い中折ハット】
【シマウマ柄のネクタイを巻き、葉巻を咥えた、お話の中に出て来るマフィアそのものといった出で立ちで】
【若そうな顔付きだが、目深に被った帽子で目から上は見えず、白と黒が混じった髪をポニーテールに纏めた男】

「美味い空気…って、タバコ吸ってるじゃないですか」

【三人目】
【まずその姿から想像し得る物───神父服と帽子、それと非常に大きな鋼鉄の十字架を背負った姿形は、一見神父とも取れても、直ぐに歪と分かる】
【生殖の帽子を乗せた桃色の短髪
と碧眼が白い肌を飾り、大きな聖書を腋に抱えた男】

【まるで関連性が無い様な三人の特徴的な格好、向かい合って話していた三人の内、騎士がそれに気付いた】
【一斉に向けられる六つの眼、またもやマイペースに花火が照らす】

「異常者か…」
「人様の事言えねぇよ、俺たち」
「何にせよ、迎えがくるまでここで防衛戦ですか」

【銀色の輝きを放つ拳銃一丁、片手に光らせる女に気付けば、三人は一様に警戒を露わにして】
【他の二人を抑え、神父が一歩、前に出た】

「レディ、貴女は今、人をその銃で撃ち殺した。何故?」
「彼はまだ生きていました、じきに死ぬとしても神に祈る時間もあった、それなのに」

【───もっともらしく、しかしどこかずれていて、おかしい】
【何かが違う、彼等は───】
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/21(日) 00:19:54.29 ID:RazwxO1lo
>>889

【ぐるりと、女は三人を見渡して、一人ひとり吟味していく】
【赤いネイルの人差し指を頬に当てて、トントンと叩きながら考えている】

【女騎士、マフィアに神父…統一感がなくて、ゴチャゴチャとしていて彼女は少し嫌だった】
【これだとB級コメディだ。統一感がないのが気に入らなかった。たた、】
【背景にあがる、花火はそれを包み込むようにナンセンスで美しい。オールオッケー】
【綺麗にまとまったところで、彼女は相手の問に答えることにした】

邪魔だったからよ。今、この場に這いずる人間と呻き声は邪魔なのよ
わかるでしょう?それに、演出よ。銃声であなた達がこちらを向く。そういう、キッカケ
それに、私に引き金を引かせたのは貴方達じゃないの?質問の回答はこれでよろしい?

【解説するように、淡々と喋っている。目線は退屈そうに自分の手を見たり爪を見たり】
【時おり、目だけをそちらに向けて様子を伺っている】

それとも…こういった方が貴方は納得するのかしら?
現世の苦しみから救済し、神の身元へ送ったのよ。私は天使だから…おわかり?

【腰に手を当てて、堂々と、宣言するように真っ直ぐとした目で言い放つ】

では、戦闘のシーンに移るのかしら。…ああ、それとも名乗りのカットから?
巻きでお願いね。3人もいるんだからチャチャッとね。私は無くても良いけど

【さあ、どうぞとばかりに手をそちらの方に差し出すように向ける】
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/21(日) 00:51:01.10 ID:hFGmUaoko
>>890
「───成る程、わかりました」

【神父は、相手の言い分を最後まで聞き終えると、頷き、聖書を開いた】
【聖書の中にページは無く、くり抜かれた様に空いた隙間の中には、中折れ式の二つの銃】
【聖書型ケースを落とし、その両手には銃が代わりに握られる。中折れていた長いバレルを装着し、シリンダーがガチャリと回った】

「神よ、今一度我を許し給え」
「汝が為に争い、汝が為に傷付く我を許し給え」

【両手を広げて横へ、そのまま大きな円を描く様に回し、腕が交差した所で引き寄せる】
【これは祈り、これは威嚇、これは演舞。二つの銃身で顔の前に作り出した十字架は、誓いの証】

「───Amen」

【引鉄を引くと共に、六連装のリボルバーが周り、十字架のマズルフラッシュが二つ】
【すぅ、と両腕を下ろせば、石像の様に止まった】

「あの狂信者、本当に面倒だな」
「奴の神への価値観は分からん───が、ここは任せておくか…迎えが来た」

【眺めていたマフィアと騎士が、空に顔を向ければ───花火咲く夜空から降りて来た、プロペラの無いヘリのような航空機】
【静かに地面スレスレまでおりて来たそれに二人が飛び乗ると、女を振り返り】

「名乗っておこう…我が名はミシェル・レネ!国を棄てた反逆者にして、争いを望む者!」

「…俺はグラッパ・カルツォーネ…ま、ただの元マフィアさ」

【わざわざ名乗りを上げた騎士とマフィア、すると航空機は神父を地面に残し、上昇を始める】

…それでは、始めましょうか、異端者さん
私の名前はクリストファー・カール・エドフェルト───真なる神に尽くす者

さあ、祈りなさい、神に

【神父もまた、名乗りをあげる───刹那、二つの銃口が女へと向けられた】
【放たれるのは五発ずつの弾丸全てを撃ち尽くす2丁拳銃の乱射、一発ずつの命中率はごく低い物だ】
【また、撃ち尽くした瞬間に神父はポーズを決めながらリロードをする、これもまた、短いながら隙となる】
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/21(日) 01:24:05.92 ID:RazwxO1lo
>>891

神に祈れば、許されるって。宗教家は楽でいいわね

【ポケットから小型の薬の吸引器を取り出した彼女は鼻にそれを吸い込む】
【混ざりっけのない合成麻薬。いや、キクように混ぜてあるその薬を器官に貼り付ける】
【鼻をすすって、軽く首を回して。ポケットに吸引器を仕舞う】

御二人、御機嫌よう。私はピアス。今は、ピアス。話が変われば名前も変わるわ
けれど演った役は忘れないわ。だから、次もピアスと呼んで

【祈りを捧げる、銃声も無視するかのように飛んでいく二人に投げキッス】
【そして、見送るように上品に微笑みながら手を振っていた】
【直ぐに、目の前の神父に向き直って】

アーメン、アーメン、アーメン、アーメン、アーメン、アーメン!!さあて、幾つ祈ったかしら?神様に届いた?
ふふっ、どっちが悪人かしら?いいわ、余計なことは抜きで純粋なアクションを楽しみましょう?

【銃口が向けられると、彼女はグッと腰を落としこんで】
【初弾の銃声に合わせるかのように、地面を蹴って、バク宙を繰り出す】
【とても無駄の多い回避、避けるとか、よりも演出がかっている動きだ】

【イルカの曲芸のように美しさに重きをおいたバク宙である】
【だが、それでも薬で極まった精神力がこれでも回避できると判断したのは間違いではなかった】

【空中で回転し、少し後ろで着地する瞬間に、空中で手をかけていた腰のベルトから】
【ナイフを2つ、引きぬいてその動作の勢いで目の前の神父に向かって投げつける】
【距離はある、命中する確率も低そうだし、避けることも容易い】

【その間に、彼女はその場にしゃがみこんで、ジーンズの裾から同じぐらいのサイズの】
【小型のナイフを脚のホルダから取り出して、腰のベルトに挟んでいた】
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/21(日) 01:45:42.82 ID:hFGmUaoko
>>892
【服に仕込んでいるのだろうか、何処からか飛び出したリボルバーを、リボルバーそのものを交換する形の装填】
【中折れの銃身をスタイリッシュに起こしながら、ポーズを決める】
【そんな事をしているから隙が出来る───しかしこれは大切な事、少なくとも彼にとっては重要だ】

【次の瞬間には飛来してくるナイフを躱す事は出来ない、防御にしても、銃でやれば、銃がイかれてしまう可能性がある】
【───二本のナイフが、それぞれの腕に深々と突き刺さった】
【噴き出す赤い鮮血、一瞬の内に血に染まる神父】




───神よ、感謝します

【普通、こんなに深くナイフが刺されば、痛みに悶える───痛みに慣れていたとしても、腕が上手く動かなくなる】
【なら、彼は何だ?ナイフが腕に突き刺さったまま、銃をピアスに向けているではないか】
【そのまま、四発ずつ計八発の弾丸をピアスへ乱射しながら接近、接近出来たなら軽く跳んで】

Amen───

【逆手に持ち替えた銃の銃口を、上から突き下ろすように、ピアスの両肩に叩きつけようとするだろう】
【両肩に叩きつけたなら、残りの弾丸をそのまま打ち出す───銃口での打撃プラス弾丸での攻撃だ】
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/21(日) 02:16:00.74 ID:RazwxO1lo
>>893

なによぉ…まだ、ジャブでしょ?

【ナイフが突き刺さって居るのを見て唇をとがらせる】
【しかし、その血が滴る神父の腕がこちらに伸びて】
【銃口がこちらを向くのを見て、彼女は満足する】

いいじゃない?いい感じに恐怖とインパクト。続けましょう?

【銃撃を避けるために、彼女は横に駆け出す】
【彼女の踏み込んだ地面に銃弾が跳ねて、彼女の通り過ぎた空間を銃弾が割いて】
【背景のオブジェクトを貫く、追走するように銃弾が彼女の後ろを貫いていくだろう】

【彼女が飛び込むようにローリングして、立ち膝の体勢でそちらを向いた時に】
【きっと、銃口を向けた神父が飛び込んでくるだろう。影が彼女に覆いかぶさる】

演出としては優秀。戦術ではダメね…。   ……ハアッッ!!

【手を地面に後ろ手でついて、跳ね起きるように体を起こし】
【右足を曲げ、跳ね上げるように相手のみぞおちに向けて足を伸ばす】
【銃を向けながらも撃ってこない相手を蹴り飛ばすつもりだろう】

【中で射撃をしたならば、跳ね起きた反動で左肩への射撃は回避できるが】
【右肩は命中し、貫かれることだろう】
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/21(日) 02:38:09.13 ID:hFGmUaoko
>>894
【重苦しい衝撃が両者に走る、ピアスの膝が神父の鳩尾に深く深く突き刺さっていた】
【どんな原理か、彼は痛みやダメージに耐性があるようだ。だからこそ、回避や防御に気を回さない】

【空中の物を蹴り飛ばしたら、吹き飛んでいくのは当然である】
【しかしただではやられない、ギリギリで撃ち出した銃弾がピアスの右肩を貫いた】

【地面を転がり、勢いを殺して耐性を立て直す、決してダメージは低くはない、現れていないだけだ】
【リボルバーごとのリロード、空のリボルバーが地面を転がる】

───神よ、そのお力を我身に

【再び後方へ宙返りを繰り返し、ピアスとの距離を大きく開く、途中で両手の銃を空へと放り投げた】
【着地、と同時に背中の十字架を右肩に背負い、十字架の頭頂部をピアスに向けて、右脚を畳んで左脚を横へ長く伸ばす構え】
【十字架の頭頂部が開き、変形して───現れるのは巨大な砲口】

【次の瞬間、ピアスの足元へと向けて、十字架から撃ち出されるロケット弾、威力と爆発の範囲は言うまでもない】
【また、狙いは本人でなく足元、つまり爆風による攻撃で回避を難しくする辺り手慣れている…がしかし、発射シークエンスや反動等妨害や反撃の隙はある】
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/21(日) 03:05:50.85 ID:RazwxO1lo
>>895

クッ……!!アンタ違ってコッチは骨格があるのよ…?

【立ち上がって、肩口に手を当てて、ニィっと笑う女】
【こちらも薬の作用で痛みは感じていない。ただ、血を流し】
【骨が砕けたからか、ダラリと右腕を垂らしている】

【真っ赤に染まった左の掌を、ジーンズに擦りつけて拭う】
【真っ赤な手形と拭った痕がジーンズを色づかせる】

いいわ…そろそろ、終わりにしましょう?巻かせてもらうわね

【シルバーの拳銃を引きぬいて】
【カッカッカッカッっと真っ直ぐにそちらの方へ駆け出す】

【走りながら射撃を繰り返す。5発、体の中心、胸や顔面を狙って射撃する】
【しかし片手での走りながらの射撃、小型拳銃の射程では命中率は低い】
【これは相手がその十字架から何かをさせないためのデコイ】

【空薬莢が落ちて、引きっぱなしのスライドが残弾の空を示す】
【彼女は神父にならうかのようにその拳銃を投げ捨てると】

私のキスは殺し屋のキスよ。KISSKILLERKISS…フフフッ
何処までも何処までも届くわ、愛しているから一夜の愛だけれど本物よ

【何かにとり憑かれたように言いながら、駆けてくる】
【右手をぶらぶらとさせながら、血をまき散らしながら】
【腰のナイフを左手でつかみ、スローイング。相手を狙う何処だっていい】

【詰める間合い。この時点でロケット弾を発射しなければ自身も巻き込まれるだろう距離だ】
【ここで放てば、彼女は爆風に押されて、地面をを転がっている頃だろう】

【そうでなければ、彼女は走りながら。最後の武器である、金属製の長い鞭に手をかけるだろう】
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/21(日) 03:22:05.54 ID:hFGmUaoko
>>896
【構えた瞬間の神父を、弾丸の群れが襲う。体を貫き頬をかするも、構えは解かれず、十字架は砲口を表す】

神よ、彼の者を救い給え
神よ、我が罪を暫し許し給え

神よ───

【捧げる祈り、祈りを捧げる対象を磔にした物を模した十字架から放たれるのは、破壊の砲弾】
【引鉄を引き、撃ち出した刹那───投げられたナイフが、迫る】
【何という偶然か、飛び出した砲弾の先端に、ナイフがぶつかって───】

【爆発、再び大地が揺らぎ、地面が砕ける】
【両者共に巻き込むような位置で炸裂した爆風は、砂埃を巻き上げて、一歩早く砂埃から出てきたのは神父】
【吹き飛ばされ、爪を立てるような形で地面を滑りながら。その手に銃は無く、十字架と共に遥か後方に転がっていた】
【つまりは生身、ピアスの状態にもよるが、一撃をぶちかますにはこれ以上に無いチャンス】
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/21(日) 03:37:32.82 ID:RazwxO1lo
>>897

さあ、さあ、さあ!ここからよ……死ね……ッッッ!!

【目の前が弾ける。舞い上がる砂埃と襲いかかる爆風】
【安全な範囲であろう…が爆風はその身を吹き飛ばすのに十分だ】
【ブロンドの髪の毛がはためいて、同じように体が持っていかれる】
【右手が受け身を取れないために体中を打ちつける】

【髪の毛は瓦礫の埃と、額から流血した赤に染まる】
【ゆらゆらと立ち上がりながら、女は笑っている】
【左手に鞭を握りしめて、数メートルはあろうか足元に垂らし】
【先には悪魔の尻尾のように尖った金属が付いている】

フフフッ……ゴッド・セイブ・ザ・クイーン。…神父様はどうだったの?

【彼女は生きていることを神に感謝した】
【笑いながら、鞭を引きずりながら、歩き出す。走ることはまだ出来ない】
【距離はまだ離れている。血を滴らせながら、鞭を振り上げる】
【降りを下ろすと、空気を裂く音が響きわたって、鞭の先が地面を抉る】

【それを繰り返しながら、徐々に迫ってくる】
【スグにでも、動かなければ、あの鞭が容赦なく振り下ろされるだろう】
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/21(日) 03:56:10.96 ID:hFGmUaoko
>>898
【───恐らく、目の前の女は自分と同じ奇跡≠ヘ宿っていない筈だ】
【だから、この状況でまだ立てるというのは異常に思えた、異常である彼ですらも、普通に異常を感じた】

───祈ったか?信じたか?神を感じたか?

神は平等に我等を見、救って下さる…信じよ、神を
死の寸前まで神を信じられないとするなら、私がそこまで連れて行こう

【立たない───否、立てない】
【ダメージが多過ぎた、直ぐに立つ事は難しいのだ】
【一歩、また一歩と近付くピアスが射程に神父を入れるのが先か、それとも神父の回復が先か】

【どちらも違う】

【次の瞬間、神父の足元に展開される、輝く魔法陣───】
【何かを察したように、神父は頷いた】

…私はまだ、為すべき事がある

我等が神を信じぬ異端者を滅殺し、我等が神を全ての人間に信じさせるまで
一時の間、混沌に塗れようとも───

【転移である、恐らくは神父以外の何者かによる干渉だろう】
【ピアスに安らかな、慈愛の眼差しを向けながら、語る言葉は物騒に、その姿は消える】

【空には大輪の華がいくつも、締めの花火と、燻る火薬の匂いが広がっていた】

/お疲れ様でした
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/21(日) 04:16:11.27 ID:RazwxO1lo
>>899

【女は歩みをピタリと止める。もう、歩みを進める必要がなくなった】
【振り上げた、腕はゆっくりと降ろして、鞭はダラリと垂れ下がる】

祈りが通じてよかったじゃない、祈るのも悪く無いわ…

【魔法陣が消えていくのを目の端で確認しながら】
【グルグルと、その鞭を片手で器用にまとめあげていく】
【不思議と、彼女の肩口の出血は収まっている。赤黒い大きなカサブタのように塞いでいる】

病院ってこの時間でも空いてるの?…行ってみれば誰か居るでしょうし

【それでもダランと手は動かさず、鞭を左手で握りしめて、花火を背に歩き出した】
【空の拳銃も、血に濡れたナイフも捨てて、花火が終わる前に…】

【女はその場から立ち去る。もう既に居る意味は無い。トゥビーコンティニュード】
【この話の続きは持ち越された。エンドロールは既に流れている物語は動き出している】
【彼らが何なのか、彼女は誰なのかそれがわかるのはまた別の話…】

/遅くまでお付き合いいただきありがとうございました。お疲れ様でした
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/21(日) 16:40:14.72 ID:dl+kbt7co
【ゴーストタウン――廃墟】
【ここは、鼠一匹すらもはや姿を見せぬ死の世界だった】
【しかし今、その一角に小さな邪悪が生まれていた】

【――とある一つの廃墟が、いつの間にか生まれ変わり"禍々しい神殿"になっていたのだ】
【大きさは100坪程度+庭】 【……一体誰が何のために作ったのだろうか?】

【そして、その神殿の入り口を護るのは、人ならざる存在――二人の"亜人系の魔物"だった】
【羽毛の塊のような、しかし鳥とはまた違う羽を背に6つ持ち、上2本は長く下4本は短めで、頭部にも長いそれを1つ持っており】
【鳥のような手足を持ち、全身に鱗を持っており、そして場所によってその大きさが違っていた】

「……別に護る必要なんて無くねーか?」

『それアタシも思ったぁー、チョー暇なんですけどぉー』

「そもそも、"鼠一匹誘き寄せる"のにこんな"でかいホイホイ"は要らんだろ」

『まぁー、"邪禍"様もたまには趣向を凝らしたいって言ってたしぃー』

「……んで、それに巻き込まれたのが、俺達"ネクストラッパート"ってわけか」
「まッ、特別給くれるっつってたし別に良いけどよ」
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/21(日) 20:10:34.61 ID:2+gkXpUV0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 バーカフェ】

……うぁー……
「……珍しく、随分と根をつめて読み込んでいるね……無駄な事なんじゃないか? ……無限に近しいそれを読み込んで、読破して、理解する事なんて出来るのかい?」
無駄たぁなんだよ……一級品の魔術の塊だぜ? ……そりゃ、無理だろうがよ……

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】

【通りに面した席に陣取り、何らかの本を覗き込みながら、ソフトドリンクを飲んでいる】
【主に居丈夫が難しい顔をして読んでいる本を、青年が時たま覗き込む格好だ】

「……で、これの中身をある程度通じて、それからどうするんだい?」
んな事、考えちゃいねぇよ……ただやりたいってだけじゃ、いけねぇのか?
「……性分だね……君らしくはあるよ」

【グラスのオレンジジュースを傾けながら、フッと笑んで見せる青年。それを横目で流し見ながらも、眉間に皺を寄せて本を読みこむ居丈夫】
【静かで穏やかな夜の空気が、2人を見守っていた】



【――――所変わって、風の国 草原】

……どこかで、リスクは潜らなきゃいけない……って事、かぁ……

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットが印象的な、身長140cm前後の少女が】
【涼風の吹き抜ける草のさざ波を見つめながら、木陰に腰を下ろしている】
【じっと一点に視線を集中させているその表情は、どこか険しいものだった】

……私たち、もう元の世界には帰れないのかな……?

【強張り、張り詰めていた表情がわずかに崩れかける】
【それを横目に通り過ぎる様に、また一陣の風が吹き抜けていった】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/21(日) 20:50:28.10 ID:2+gkXpUV0
/>>902取り消しでー
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/21(日) 23:20:55.12 ID:DlPnjqD6o
【深夜―――木々の中にひっそりと佇む湖畔にて】

【そこには一人の男が居た。髪は金色で、左目には眼帯を装着し】
【浜の側の巨木に背を預けて座りながら、右手に鏡を持って自らの顔を眺めていた】
【ふと、開いた左手で顎を撫でる。髭は剃ったばかりか見当たらないが、肉が薄く】

ふむ、ん……やっぱり、ここしばらくの間で随分痩せたな
歩いて動けるだけマシってところなんだろうが……さて。

……ここでいつまでものんびりと過ごすワケにも行かない。戻るか、っと―――

【そんな呟きを漏らしてから鏡を側に投げ捨て、傍らに置いてあった大きな刀剣を手にとって】
【少しフラつきながらもそれを支えとして立ち上がり――何処かへ向かおうとする】

【――立ち上がると、その長身が目立つ。同時に、1m以上はある金髪も月光を受けて淡く輝き】
【所作はまったく興味を引くようなものではなかったが、如何せん此処は人里離れた湖畔】
【もしも誰かが居るなら、その煌めきはさぞ目立つ。パキン、と割れる鏡の音も同様であろう、が――。】
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/21(日) 23:44:13.29 ID:Re8IjcyIo
【路地裏】

【煤けた看板に上からペンキで落書きのされた、恐らくずっと前に閉鎖したライブハウス】
【半分上がったところで、歪みのせいか上げも下げも出来ないシャッターの向こうでは日夜トリップした若者がたむろし】
【】
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/21(日) 23:51:05.20 ID:VCYbevaD0
>>904

【――水が見たかった、それも、たくさんの水。ひとがたひとつ溶かしこんだとて何も変わらぬぐらいの、】

【寝ても醒めても付き纏う過去を唯一振り払ってくれる手は常に過去の迫るような恐怖を付属して、ただ、暖かで、】
【してほしいのとしてほしくないのと合間に堕ちたきり登れない意識は夜の広さに焦がれて、ふらと抜け出したのが、】
【朝だったのか昼だったのか夕方だったのかついさっきだったのかも分からないぐらいに夜は広く深く、つまり、】

【(――端的に言ってしまえば、迷子でしたとは、少々以上に抜けていたのだけれど)】

………… ……――、

【しゃらと水面と撫でる風の音、せせらぐ水音、満ちる水の香に引き寄せられたなら、息を飲み込むよな気配がして】
【それ以前にも気付くことは別段難しいことでもない、まるで川の歩くよに垂れ流す水の気配と人外の気配、隠さないから】

【彼の正面、少しの距離。声は届いても手も足も、刃も届かないような位置で、木の幹にそうと身体を隠すのは、】
【きっと彼にも見覚えのある姿――ただ、違うのは。弱気な双子の妹ですと言って通用しそうなぐらいの、表情】
【ふわと下がったままの視線は曖昧に夏に萌える草を数度撫でて、細い指が、縋るよに木の幹を撫でるけれど、意味はなく】

……いきてた、の

【――時間としてはたっぷり十数秒ほど、先に話し掛けるならば十分なぐらい、ただ、その場合は断ち切るようにして】
【紡ぐ鈴の音はやっぱり前を思えば弱いけれど、金属質の余韻は何にも変わらず、ならば、他人の空似でもなさそうに】

【夜空を真似たよな色の髪が膝ほどまで伸びて、細く編まれた三つ編みが一対、ふらと揺れるのが他と違う動き】
【長い前髪に隠すようにして、それでもちらと窺うのが黒赤のオッドアイ、向こう側でひとつ、ぱちりと瞬きをして】
【大した飾り気もない黒のワンピースにフリルのミニスカート、僅かに合わないサンダルのデザインが、どこかちぐはぐ】
【とりあえずこんな場所に来るようなデザインをしていないことだけが確実、事実、指先が土に塗れていたりもした、けれど】
【――左手の薬指、まるで何かを誓ったように黒蛇の痣が刻まれて。白磁の肌、きっとよく映えていた】

【――敵意や害意を見せる様子はなく。寧ろ、戦えるよな状況に見えないなら、野生動物よりも、或いは、か弱く】
【チャンスだと思うならばそれは間違いない。幹に隠れるように窺うのに、何の策もあるように、見えないのだから】
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/22(月) 00:03:52.41 ID:8yIaw/wco
【路地裏】

【煤けた看板に上からペンキで落書きのされた、恐らくずっと前に閉鎖したライブハウス】
【半分上がったところで、歪みのせいか上げも下げも出来ないシャッターの向こうでは日夜トリップした若者がたむろし】
【誰にも咎められないのを良い事に、げらげらとやかましい笑い声を挙げている】
【そんな非日常的な日常も。今日この日に限っては、水を打ったかのように静まり返っていた】

堕落という真実の母胎によって、初めて人間が誕生したのだ
生きよ、堕ちよ。その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道があるだろうか
おかえりなさい。彼の娘。もう、十分夢は叶っただろう。きみの欲するものは、手に入っただろう?

「っひ……い、や」

【悠々とした男の声は、怯える少女の声とは対照的にまるで再会を懐かしむようで】
【けれどもその対象は目の前の相手では無い様な、一人で語っているような口調にも思える】
【喉が詰まったかのように掠れた声で返答する少女はひどく震えていて、まるで極寒の地に放り出されたかのようだ】
【一歩一歩、近付く男から離れようとするように、おぼつかぬ足で少女は必死に後ずさる】

最初から、予定は何も変わっていない。きみがどれほど否定しようと、延びた予定が達せられようとしている、それだけ
想いは伝えられたんだろう? 恩は返せたんだろう? これ以上彼の足枷になって、どうしようというの?
きみの存在が彼の足を引っ張っている事は、分かっているんだろう? それでも、まだ続けるの?

「いや……嫌! 私は帰らない、私の帰る場所はそこじゃない! 私はもう、モルモットではないの!」

【細い路地は二人並べばもう大きく立ち回れない程度の幅で、脇をすり抜ける事はおろか、逃げ出す横道も無い】
【どれほど少女が時間を稼ごうとも、いつか必ず捕まるだろうという事は見て取れるようだった】
【空間は非現実的な程に静まり返り、助けなど来ないという事実を叩きつけるかのようだ】

「私はしあわせになりたい、私は普通の生活を送るの! もう戻らない、私の人生を邪魔させたりなんてしない!
 もしも私の存在が、あの人にとって迷惑だったとしても! 迷惑をかけないように、強くなるって決めたの!
 だからもう、もう……やめて……」

強く。唯の人として生きる事は許されないきみが。彼の足手まといのきみが、強く?
きみのしあわせは、きみが決める事では無いんだ。きみが最も役に立つ方法で、きみを昇華してあげる
すべては、この日のために。きみは彼のためでも、きみのためでもなく。道具として成るためだけに、生かされていたんだから

【二人の会話は平行線で、どれほど言葉をぶつけても妥協案が見つかる事は無い】
【ただただ少女の瞳から零れ落ちる涙だけが、とめどない動きとなって地面を湿らせた】

【Time Limit:26:00】
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 00:09:21.35 ID:9sJ+68tmo
>>906

【サク、と草波を踏んだ足が止まる。その存在を右目で確かめたからか】
【それとも気配でだろうか。分からないが、やがては右目が少女に行き】
【――相手が相手だ。緊張の間が途切れるまで、彼はまったく動かなかった】

ッ、……―――ふ、っ…。あぁ……ああ、まあね。
死んでいたほうが良かったっていうような口振りだな、まあそうか

もう何度……いや、意外にに少ないか、殺し合った回数は。
とにかくだ、前に言ったと思うが、死ぬわけには行かない事情が出来てね
もうしばらくは、やれるだけやってみようかと思ってさ。

【『一人、か』――そんな言葉も漏れたが、届くかどうかは分からない】

【ふと、彼の右目が少女の姿を上から下まで――武装の有無を、だが――確かめて】
【どうもソレらしいものがないことや、指先が汚れている事に気づくと】
【大きな鞘に収められた自らの獲物は腰に下げて、少女に軽く手招きし】

……ほら、攻撃しないからこっちに来いよお嬢さん
手に泥付けて喜ぶのはガキだけだ、良ければ湖で流すと良い。

それに、今の時間は草木も眠る丑三つ時――に、近いからまた静かだ
何が居るかもわからない森の中より、澄み切った湖の方がいいだろう?
……別に、罠ってわけじゃない。女性には優しくしろと教えられたんでね。

【それだけさ、というと、彼は道を開けるように気に寄りかかって】
【どうぞと言わんばかりに手で道を示す。その先には、真っ青な水溜りがあって】

【まあ、手を洗うには最適だ。後ろから蹴飛ばされでもしたら、と思うかもしれないが】
【幸いにして、湖面は磨き上げた鏡のよう。背後の様子だって容易に見える】
【男の表情はなんとも言えないものだったが――嘲笑などとは違う、微笑じみたものが見えた。】
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/22(月) 00:32:36.17 ID:H/YNKaSFo
>>907

【ウォークマンに入っている音楽にもほとほと飽きて、投稿サイトに上げられた新曲も探すのは面倒】
【盲目に一夜を楽しむ若者の五月蝿い笑い声に耳を傾けるのは、静かな夜道を一人寂しく歩くよりよほど退屈しなかった】
【間違っても気づかれないよう、関わりあいのある存在にはならないよう。特に緊張感の無いスリルもまた、生ぬるい刺激になる】

止めなよ。 
嫌がってるじゃん、その子。

【にもかかわらず、三日目の今日そこを訪れてみても、どうにも暇を押し潰すための騒音は聞こえてこない】
【場所を転々と変える集団だったのか】
【それなら仕方ない。彼らをここに呼び戻す手段など無いのだ】
【わずかな惜しみを抱いて大人しく帰宅したところで、付近の路地裏に芳しくない少女の叫び声を、女が聞き付けたのだった】

足手まとい、とか。
彼、とか。
道具として、とか。

【徐々に追い詰められていく少女と、それを捕らえられると確信し、追い詰めて行く男に―――】
【女性にしては低音で、しきりにじゃりじゃりと掠れ、ノイズのかかったかの様な声がかけられる】

【白の下地に青と黒のやかましい絵柄が腹部辺りに書き込まれたTシャツと、ポケットに浅く両手が突っ込まれたダメージジーンズ】
【前髪辺りをピンで止められたウェーブがかったブロンズの髪。履いているのは装飾の地味なビーチサンダル】
【声の聞こえる位置にまでいけば、甘ったるい臭いが鼻に付く、膨らませられない苺味のガムを噛んでいる女は】
【それを吐き捨てようか悩んだ後結局飲み込むと、そのまま二人へと近づいていく】

よく分からないけど。
暴漢とか。流行ってるけど良くないよ?

【事態の深刻さをあまり理解していないのか、それとも、単に表情にはでにくい性格なだけなのか】
【男を諭すようにはた面倒くさそうな口調で言うと、片足に体重を乗せて立ち止まり後頭部を右手で軽くかいた】

910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 00:37:36.12 ID:dWnCxflD0
>>908

【半分のお月様がそっと滑り落とす月明かりをきらきら返して宝石箱のようにきらめく水面、一度風にさざめいて】
【見詰め合ったのはほんの数秒ばかしのこと、ただ、常のその瞬間噛み付いてくるようなのは、いつまで待ってもなく】

――、だって、おとう、さんが、……、別に、死んでくれてても、よかったけど、……。
わたし、……――わたしだけなら、いいかなって、何にも、しないなら。 わたしたちに、

【やがてふらり堕ち行く視線、水中の海月よりももっとゆったりと、放っておけば彼の胸元辺りで止まるはずで】
【そうしながら紡いでいくのがどうしても口中でくぐもるような響きが抜けないなら、少しばかし聞き取りづらく】
【けれど夜の静寂の中。どうしても聞き取れないというほどでもないだろう、元来拾いやすい声質をしている】

【――それは赦すということなのだろうか。そうして見ればすっかり失せた卵の気配は、ある種の違和感なり得て】
【彼女個人の怨みとしてはかつてほどあるわけでもない、ただただ、ふたりを邪魔しなければ、それで――】
【(今掌に抱きとめるしあわせだけ、ぜったいに、ぜったいに、ぜったいに。毀されたく、なかったから)】

【「だって、」と。何の言葉にも繋がらない単語の零れるのは、きっと、彼の呟くよな声に反応してのことだった】

【――武装といえる武装はない。ないのだが、思い返してみれば彼女は虚空から刀を喚んでいた、なら、】
【安堵するには少しだけ足りないのかもしれない。ただ、やっぱり、この状況で戦えるようには、見えないから】
【痩せてしまうよな何かが彼にあったあとだとしても、きっとあっさり負けるぐらいに、彼女にも、なにか、あったはず】

……うそ、だ。優しくされたことなんて、ない、もの。

【……それでも口ごたえをする程度の元気ぐらいならばあるよう、ふらと揺らいだ頭、木へと預けて】
【片目だけが幹へ隠れるなら、彼の眼帯をどこか真似するみたいにも見えるだろうか、そういえば昔はオッドアイでなかったなんて、余談で】

…………――お水、きらい、取って

【そうと口を噤んで黙り込んでいたなら、きっと。信用していいのかを考えていた間、数秒ばかし】
【やがて木から頭を持ち上げればようやく見せる全身、さくと草葉を踏んでも、明確な距離詰めるわけでもなく】
【洩らす言葉は年上だとかをまるで考えていないような――小首傾げるようなかわいさも何にもない、言葉】

【水を見たかったのは心の中だけ、それでも、水の魔力を垂れ流して余るほどに纏うなら、少しだけの違和感】
【示される真っ青色を瞳は見つめるけれど、深さに視線を沿わせれば、怖がるように彼へと戻されて――】
【無形のものを取れというのもひどい話、せめて水辺まで動いてくれれば、いいのだけれど】
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/22(月) 00:49:21.59 ID:8yIaw/wco
>>909

【ゆっくりと振り向いた表情は一瞬険呑で、しかし相手を捉えるとひどく無表情にするりと感情が抜ける】
【ああ。とか、そう。とか】
【向けられた正論に何の感慨も浮かばないように、男の半身が女性の方へと向けられた】

どうしたの。迷子かな?
これは、私達の問題だから。夜道を歩いて遊び呆けるのも、ほどほどにね

【まるで諭すように窘めるようにそのくせひどく抑揚の無い口調で語りかけるのは】
【ふわふわと揺れる、目に刺さりそうな微妙な長さの銀髪を持つ男】
【薄青色の目と、青白いと形容されそうな肌の色をして、背は高く体躯は細長い】
【お貴族様みたいな真黒のマントに白のドレスシャツ、アスコットタイを締めて】
【黒のスラックスに同じく黒のオペラパンプス、右の手には白のステッキを持ち】
【いかさまの似合いそうな指は白い手袋に包まれ、貴族的風貌の時代錯誤の男だ】
【ものに例えるならば、そう、ふわふわと海をたゆたうくらげのような】

「ッ……駄目です、逃げて! 貴方が……強い人でなければ……もしも貴方まで巻き込んだら……
 そうじゃ、なくて、その人は危ないんです、だから早く――!」

【相手に注意を向ける少女の口調は、助けてほしい気持ちと、巻き込みたくない方向の違えた恐怖が混じって】
【目の前の相手が去れば己がどうなるかは確定だろうに、受け入れる事も、拒絶する事も出来ないでいる】
【そんな気持ちを表すかのように、必死に首を横に振りながらも、すがるように視線は女性から外れない】
【金の瞳と水色の髪をしたその少女は、青いビスチェに薄桃色のフレアスカート、白のロングコートを着て】
【翼のチャームのついたペンダントと、弦薔薇に紅い羽のあしらわれたブレスレットを身につけている】

……救いがあると思うと、迷うよね。自分に現状を打開する力は無いのに、迷惑になると決めつけて手を放す
犠牲になれば何もかもが上手くなる気がするから、本気で抵抗しない。そうだね?

きみも。よく分からないのなら、自分の身が傷つくのは怖いだろう?

【黒いマントをはためかせて、杖を握る手がそっと両の足よりも前に出て地面をこつりと叩く】
【と、呼応するように大音を立てながらレンガの壁が一瞬崩れかけるような音を立てて】
【どう、と。耳やかましい大音を立てながら、相手の目の前すれすれを石の拳のように突き通った】
【明らかな、威嚇だ】
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 00:56:15.62 ID:9sJ+68tmo
>>910

……しないさ、何にもね。大体、そんなことする理由が無い
君がこっちを殺しにかかるなら反撃するが、でなけりゃ一般人同士だろう?

それと、だ……優しくしなかったのは、君が女性らしく思えなかったからさ
出会いからしてそう、過程も殺し合いだけ。女性ってより、敵だったからね
レディーファーストはジェントルマンだけじゃ成り立たないってことさ。

―――……ふぅ、やれやれだな。

【滔々と。これまでになく多い言葉を返せば、最後は小さくため息を漏らした】
【話すのに疲れたか、それとも『取って』の言葉に呆れたか――】

【仕方なく浜に向かう姿からして、後者に違いない。だが、その手には何もなく】
【ふと屈みこんで、湖に手を伸ばす―――立ち上がった時には、手には1つの桶】
【木板を鉄輪で止めた、櫻のそれだ。まるでマジックのようにそれが現れ】

【やがて、水をタップリと汲み取ったそれを手にしたまま、少女の方へと向かっていき】

――さあどうぞ。ご注文のお水で御座いますよ、お嬢さん。

……俺が物を創りだす能力者で良かったよ、まったく無理難題を言うもんだ
しかし狂犬病でも有るまいに、水が怖いとは珍しい……ほら。手、出せよ

【桶を置いてから、その手には新たに柄杓を創りだす。墓参りにはうってつけの品揃え】
【もっともやることはもっと明るい。柄杓で水を汲み、少女が手を差し出すのなら】
【そこに冷たい水を落としてやって、汚れを流すのを手伝おうと。ただ、そういう意図しかなくて。】
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/22(月) 01:13:03.80 ID:H/YNKaSFo
>>911

迷子じゃない。家へは帰れるよ。遊び呆けてはいるけど大きなお世話。
あぁ、でも、私も貴方達の問題に首を突っ込んだし。大人しくその通り――――と言っておくよ。

【服装や口調。対等の存在として自身を見てすらいない無関心さ。狂人と決め付けるのには早計だが感じ取れるのは異様さばかり】
【とはいえ、女としても異様に両足、言えば腰まで深く突っ込んだ人間だ。正義のヒーローを気取るつもりも無いけれど】
【気まぐれとはいえ自己に呆れるほど珍しく浮かんだ良心で呼び止めたのもあり、そさくさ退散したりはしない】

【少女の方は、男に対して随分と襲われる側である想像と違わない台詞をこちらに向けて、感情を露にしている】
【無事に助け出せたら、いくらせびれるだろうか】
【逃げるのは却下。強い人間であるかは相手次第。その人は危ない、という言葉が】
【貴族風の男の異様さが様相だけでないのを決定付ける一つの要素になって、女を気分を若干曇らせた】

痛いのは、嫌だね。たし―――――

【言葉をいい終えるよりも早く、鼻先を掠めるレンガの腕が女の視界を半分ほど遮り】
【想定外の角度からの威嚇に身体を仰け反らせるのすら間に合わなかった女は肩をすくめた】
【額には冷や汗が浮かぶ。どうやらこの異様な男が殺害ではなく威嚇を目的として自身を狙ったことに感謝しなければならないらしい】
【それと、頭が正常な形でそのまま残っていることにも】

―――――か……に。
でも、それはあんたも、嫌でしょ。

【がり、と、レンガ製の腕から一枚。レンガを剥ぎ取ると。それを齧ってみせる】
【数回咀嚼した後、飲み込んだかと思えば。ぷっ、と、口の中に残していたらしい破片を一つ、男へ向かって吐き出した】

私だって、一応あんたに怪我くらいさせられる自信、あるよ。
どうかな。お互い異質なものに出会ったんだし、その子身のがしてやるのは。
そうすれば、お互い怪我、しずに済むでしょ。

【もう一口、剥ぎ取ったレンガを口に含む。数秒間ごりごりと硬質なものが砕かれる音が響き】
【膨らんでいた頬を徐々にしぼませて、小さな塵や塗料のついた口元をぬぐう女は】

やっぱり、ガムよりこれだわ。

【どこか満足そうにそう言った】
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 01:27:37.84 ID:dWnCxflD0
>>912

……一番最初にしたのは、そっち、なのに。
ぜーんぶ、ぜんぶ、そっちが最初――赦さないけど、怒ってない

そんなの、……ただの人身御供でしょ。自分が生きるために水面に沈めるの

【彼の胸や首の辺りでぐるぐるぐると子どもの落書きみたいになぞる視線が、つ、と持ち上げられるなら】
【開いているほうでなく塞がれた瞳にあるだろう位置に向かう視線、非難めいた色で、じぃと見つめて】
【卵を孕まされたことは赦さない。孕んだ卵の堕ちた今は積極的に狩ろうとも思わない、たったそれだけの平穏――】

【――そこからついと逸らす視線は水面のさざなみのひとつひとつを数えるよう、ただ、何の意味もなく】
【そんなひとに優しくされたくないのとどこか不条理な心情がさせるのは思春期の小娘めいた表情、ふると頭を振って】
【ドアを開けた一寸先に何が居るかは不明、何があるかも不明、――そこまでの信用は、まだ、ない様子】

【(そうと瞳を細めたなら、何か。想起したような――また、ふらふらと頭が、揺らされて)】

【水面へと近づく背中をじぃと見つめはしても駆け出して飛び蹴りのひとつでも見舞うわけではなく、】
【ならば水を心待ちにするのかといえばそれも違う、ただただ、期待も希望もなんにもなく、待って、】

……龍の首の珠とかより簡単でしょう、わたし、ちいさい頃、お月様が欲しかったの
ちっちゃいと思ってたから……――、……。 ふうん、そう、……っ、

【別段気にしていなかったというのが本当のところ。ただ、それでも綺麗になるならば、嬉しくて】
【合間に挟むのはそれこそどうでもいいよなこと、――不自然な合間は、彼の能力を聞いた、その直後】
【瞬いて彼を一度見つめなおしたなら、今度は視線は墓参りセットへ向いて、……ふうんなんて、洩らす】
【そんな余韻は直後に水を落とされたことで身体に走る冷たさに洩れる吐息で途切れて、何にもなかったかのように】

【すっかり乾いた泥が水を含んで蕩けて水に流されて落ちていく、地面で爆ぜた飛沫が僅かに足先を濡らして、】
【布に滲み込んだ泥汚れというわけでもない、ざっと流してやれば、おおよそは綺麗になるだろう、爪の中などはさて置いて】

【(同じような――というより、大体一緒なのではなかろうか――能力の持ち主。ちょっとだけ、気になって、)】
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/22(月) 01:31:28.37 ID:8yIaw/wco
>>913

「私は、慣れてるから……私は、でも、けれど……」

【握りしめた手は皮膚に圧が掛かって真白く、言葉はどんどんはっきりしなくなってきて】
【しゃくりあげるタイミングと呼吸とが重なって、一際大きく息を吸い込んで。それを皮切りに、泣き声はひどく大きくなる】
【力が抜けたように上体が折れて、脛から崩れ落ちるように地面に座り込んで、そして】

「……ごめんなさい……助けて……」

【その手を、取った】


【もう一度杖の石突が地面を叩くと、目の粗い檻のように地面と壁の建材が座りこんだ少女を囲い込む】
【逃がさないようにと、勝手に連れ戻されない為だろう。背を曲げたままで拘束され、辛うじて上目遣いのような状態で少女は女性を見上げている】
【それでももう、縋る事を決めたのだろう。握りしめた手を重ね合わせて、必死に祈り続けていた】

茶番。一体どうしたいのか、そこまでしてただのヒトとして生きていたいのか。誰にも望まれないなんて、分かっていての事だろうに
……残念だけど、今日があれを捕まえる最後のチャンスなんだ。もう、組み込むにはギリギリでね
だから私も、退けない。君がそんな小市民的な善意で立ち向かおうと言うのならば、私も全力で排除しよう

【滑る様に一歩退くと、かかとが地面とかつりと叩く――杖、足。ある程度特別な動作であれば、触れている限り発動は自由か】
【相手の背後の地面で、既にひび割れたタイルが割れ切る音が小さく聞こえる】
【もしも相手が動かなければ、50cm直径ほどの石柱がアーチ型に盛り上がり、相手の背中を強打せんとするだろう】
【そして相手が動いたならば、それを追尾する事は出来ずそのまま地面に叩きつける】
【能力の程は未知数ながら、今のところ攻撃の一つ一つが複雑な動きをする様子は無い】
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/22(月) 01:47:30.59 ID:H/YNKaSFo
>>796

それでいいよ。やっぱりそうでなきゃ。
それでこそ、助けがいがある――――ね。

【泣きじゃくる少女には、振り返らず。握られた手からはまるで命を感じさせないほど冷えた温度が相手へ伝わるだろう】
【女は機嫌が良かった。抵抗する力?意志?何にせよ涙を流して何かに恐怖する少女を、得体の知れない男から助け出すシュチュエーション】
【正義のヒーローを気取る気は無い。なれる気もしない。にもかかわらずこの展開に胸が躍る自身に呆れと軽蔑を向けながら】
【にや、と口の端を吊り上げて】

じゃ、逃げよっか。

【そのまま走り出す。向きは。どこへ。どうやって。考えて女はほとほと参った】
【この狭い路地では、あの男の横をすり抜けることさえできやしない。しかも、こっちは二人だ】
【加えて、勿論相手が黙っていているようにはとても思えない】

調度、いい、足場

【相手の攻撃に角度の常識が通じないのは先ほどの攻撃で理解した。その条件や発動のインターバルなど気になる要素はあるものの】



【それはこの場からの逃走において必要かなんて、後で考えよう】

りぃっ……!!

【何かの細工をしたのか、単に進退強化の類か。女は身体を一杯に広げて。硬いものどうしが猛烈な勢いでぶつかった甲高い轟音とともに】

が、と、ねっ。ほらつかまって。

【アーチを受け止めると、即座にその上によじ登って、少女へと手を伸ばす。かっこよく飛び乗れる身体能力が無いのをこれほど恥じたときは無い】
【行動原理はいたって単純。横が駄目ならその上だ。下も考えたが生憎穴を掘るのは不得意】
【眼前で見た少女なら、女の顔や、露出した腕の部分に、まるで陶器が割れたような皹が入っているのが分かるだろう】
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 01:48:55.84 ID:9sJ+68tmo
>>914

……そりゃまあ、確かに。だが仕事だった、としか言えないね
あの時一緒だったカリナトゥスって女、アイツも後々うるさいタイプだったし
けど、そうだな……当時の仲間に悪いから謝らない、とも言っちまったワケで…――。

まあ、なんだ……二度としないさ。悲しむ人が居るんでね。

【視線の向く先、眼帯の奥――しっかりと眼帯には術式をかけてもらったハズ】
【しかしそれでも長く卵≠ノ接していた少女であれば、汲み取れるか】
【ほんの僅か。窓の結露にも等しい少量の、その漏れだす暗い魔力に】

【――で、時は進んで手を洗う最中。水が手をすり抜け、ぴちゃぴちゃと落ち】
【相手が冷たさに息を呑むのに対し、男はにやりと笑ってみせて】

それは……今だって小さいままだ、ってツッコミは無しかい?
或いは、俺が大きすぎて君が相対的に小さく見えてるだけかな

……いや、冗談だ。なんならお詫びに、月のデザインのビー玉をあげてもいい。
俺がガキの頃なんかは、月よりも早く大人に成りたかったもんだけどね
いざ成ってみたらなんてことは無くて……その点、少し羨ましいよ

【そんなことを返しながら、手がそこそこに綺麗になったのを確かめると】
【まだ水の残る桶に柄杓を放り込み、疲れる、と言いたげに立ち上がって、背伸び】
【身長は190cmを超える―――それが近くに居ると、少女からすると鬱陶しい位かも知れなくて】

【また、その姿はひどく無防備。多少なり気を許したか、それとも気構える程余裕が無いのか】
【どちらにせよ、状況を変えうるのは少女だ。欠伸をする彼の気ままに任せないのなら、だが。】
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/22(月) 01:50:37.61 ID:8yIaw/wco
>>916
/うあ、申し訳ない
/手を取ったというのは比喩表現で、実際は男を間に置いた上でだいぶ距離が離れた上体です……
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/22(月) 01:55:20.24 ID:H/YNKaSFo
>>918
/位置関係で、いつのまに女が潜り込んだんだろう、という違和感で私が気づくべきでした…
/書き直しますのでお待ちください
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/22(月) 02:10:20.56 ID:H/YNKaSFo
>>915
それでいいよ。やっぱりそうでなきゃ。
それでこそ、助けがいがある――――ね。

【泣きじゃくる少女に視線を送ることなく、女は交渉が失敗したことを悟ると男へ向け駆け出す】
【女は機嫌が良かった。抵抗する力?意志?何にせよ涙を流して何かに恐怖する少女を、得体の知れない男から助け出すシュチュエーション】
【正義のヒーローを気取る気は無い。なれる気もしない。にもかかわらずこの展開に胸が躍る自身に呆れと軽蔑を向けながら】
【にや、と口の端を吊り上げて】

じゃ、逃げよっか。

【その勢いにかき消されそうなほどくぐもった声で少女へと告げる。告げたはいいが―――】
【相手が人質という選択肢を取る事だって容易に出来てしまう現状。そもそもまず少女にまでたどり着かなければ】
【しかし仮に男への接近が許されたとして、次にどこへ。どうやって動けば。考えて女はほとほと参った】
【この狭い路地では、あの男の横をすり抜けることさえできやしない。拳で後方へ飛ばせば?あぁ、もう、面倒くさい。そもそも時間が無い】
【とりあえず皮算用は中止。それに、勿論相手が黙ってこちらの動きを見ていてくれるわけではないのだ】

調度、いい、足場

【相手の攻撃に角度の常識が通じないのは先ほどの攻撃で理解した。その条件や発動のインターバルなど気になる要素はあるものの】



【それはこの場からの逃走において必要かなんて、後で考えよう】

りぃぃっ……!!

【何かの細工をしたのか、単に進退強化の類か】
【相手のアクションで攻撃を察知した女は右足を軸に振り返ると。身体を一杯に広げて。硬いものどうしが猛烈な勢いでぶつかった甲高い轟音とともに】

が、と、ねっ。

【裂目から飛び出したアーチを受け止める】
【おぼつかない足元。しかも質量が質量だ。身に染み渡り反響する衝撃で数秒硬直はさせられたが。悠長に痛みと痺れに身を任せている余裕は無い】
【その上へとよじ登って、身を屈めるとアーチに両手をつける。するとまるでパズルが組み立てられるかのように直径はそのままに延長を始め】
【男へと伸びて行く。速さは女の走る速度と同等ほど。攻撃手段としてはいまいちだが十分な長さにまで伸びれば】
【それは戦闘領域をつなぐ橋になる】
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 02:17:26.18 ID:dWnCxflD0
>>917

【あの場にいたもうひとりがどんなひとだったかは結局よく知らないまま、】
【当時の仲間に悪いから謝らないという気持ちもよく分からないまま、ただ、】
【悲しむひとが居るという言葉。ぱちと瞬いた瞳が、いくらか遅れて、その向こう側を、】
【――元よりの丸みをいくらか増して、口を噤む間が少し、空いて、】

……誓う?

【そうして尋ねるのは確認するよう、ただ、疑りの色は薄く――根幹までは届かなくとも、少しずつ】
【過去が現在で上塗りされていくなら、今ではないいつか、赦す日が来るのかなんて、誰も知らないけれど】
【問い掛けに返すならばしばし見つめられることだろう、やがて零す「そう」という言葉の意味、彼の答えによって、変わる】

【昼間に暖められた分は夜に同じだけ冷やされて、手を撫でるたびに神経を乱して、指の間を潜り抜けて、】
【ぱしゃんと地面に爆ぜて、毀れて、草の葉に水滴が飛び散ったなら、着飾ったよう】

――精々が鳥と同じぐらいだと思ってた。高いところに登って気付いたの、もっと大きいんだって
……、……そんなに大きいなら摘んで取って、水面のお月様でもいいの、冷たくて気持ち良さそうだから。

別に、そんなの、欲しくないけど……、どうしてもって言うなら貰っておいてあげる。
そう、なら、来世はちいさく生まれてくるようにお祈りするね

【けれどそんな景色に興味を持たないならないのと同じ、視線は、掌を、指先を、流れる雫ばかりを見つめていて】
【それがやがて終わるならば。ぱたぽたと滴る雫、指先をぴらぴら振ることで、大雑把に払い落として】
【木々の茶色を葉っぱを水面のきらめきを万華鏡のように無限に映しこむきらきらを服で拭うなら、少々お行儀が悪いが】
【さらり無理強いしても本気の声音ではない、お遊び染みたもの。――先ほどまでを思えば、いくらか調子も出てきたよう】
【どーしてもなんて偉そな言葉、続くおふざけ色、気付くなら、ほんの少しだけ、笑っているようにも見えて】

…………お父さんより大きい、んだ、

【――ちなみに彼の身長については大した反応もなかった。血縁のない父も百九十近い体躯、そこにさらにヒールを足すのだから】
【大体二メートルぐらいある人間を見慣れている。三十センチ近い差もすっかり慣れっこで、視線がどうしても瞳から逸れがちなのも、慣れゆえに】
【それでもざっくり測ってみた感想がぽつと洩れる、――決して見えない頭の天辺を見上げようとするよう、ついと背伸びして――さらと揺れる毛先、どこか涼しげに鳴いた】
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 02:28:34.63 ID:9sJ+68tmo
>>921
/舞台裏の方にも書いたのですが、申し訳ないですが持ち越しは可能でしょうか……?
/ちょっと眠気が危ない状態なので出来れば本日夜にでもと思ったり。
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/22(月) 02:29:53.72 ID:8yIaw/wco
>>920

義足か、や、能力と考えた方がいっそ楽かな

【動きはゆるゆると、暑い夏であるのにひらひらと布を重ねた格好も手伝ってか夜の中を滑るよう】
【片腕が大振りに杖を振り回すと、路地の両端を一度ずつ石突が軽く叩きつける】
【と、反応するのはアーチの少し手前の壁2点、いびつな掌状に地形が即座に盛り上がり】
【アーチの先端をそれこそ蚊でも仕留めるように叩きつけて潰した】

似たような事が、出来るのか。ならばそれこそ、こちらも少し力を入れるかな
とっとと諦めて貰わなければ、割に合わないだろう

【もうひとたび革靴が地面を叩いたと思うと、今度は細長い身体が前へと、すなわち相手側へと跳ぶ】
【振り上げた右手と杖は、相手の顔を狙うように。鼻っ柱目掛けて一直線に振り下ろされる】

【能力を見ての通り、男の得意とするのは地形を用いてのガードとアタックを兼ねた攻撃】
【アドバンテージを奪わねば、戦闘の結果は平行線】
【悠長にしていれば、それこそ本当の“Time Limit”が来てしまう】
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/22(月) 02:46:55.60 ID:H/YNKaSFo
>>923

さぁ、どっちかな。
って、破けてる。

【わざわざ親切に教えてあげる義理も無い。へその下辺りがぱっくりと裂けたTシャツに気づくと内心で肩を落とした】
【安く買ったものだが、お気に入りではあったのだ】

【ともかく】

【期待はしていなかったがあっさりと先端ごと潰された橋をしかし女はいまだ利用する気のようで】
【腰を上げるとアーチの上を走りさらに距離を詰める。円柱状のため本来ならバランス関係において最悪の地形だが】
【女が踏むその直前にその場に地面と水辺の形状をなした板状のレンガが張り、女の移動をゆるやかな物にした】
【腕が届く範囲にまでたどり着いた途端即座に攻撃が加えられるよう、腕を振り上げた】

――ぅわ。

【まさにそのタイミングで跳躍し、逆に女へと自ら接近してきた男に不意をつかれたのか】
【回避動作大きなに遅れが生じる】
【咄嗟にできたことといえば、振り上げた拳を振り下ろされる杖目掛けて殴りつけること】
【振り上げた女の手には足元の石柱と同じ材質の薄い膜が徐々に覆い始めていて、それは指、掌、甲、そして手首にまで達しようとしていた】
【質量は未完成だが、硬さならある。ダメージこそ蓄積しているが、アーチを受け止めた基盤もある。打ち砕けるか】
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/22(月) 03:07:09.94 ID:8yIaw/wco
>>924

【チ、と舌打ちが一つ】
【頑丈な杖はある程度打撃に耐え得るように作ってはあるものの、それでも硬い物にモロに叩きつける用には出来ていない】
【折れこそしなかったものの、僅かに重心から傾いてひしゃげ、辛うじて相手の攻撃を押し留める程度】
【恐らく二度目は、今度こそ折れてしまうだろう】

……動きが遅いのが、幸い。あとは無暗に硬いのがめんどうくさいけれど
怪我くらいさせる自信は、あるんだろう? いい加減かかってきたらどうだい?

【明らかな挑発だ、冷静に考えれば一笑で流してしまうべきだろう】
【曲がった杖を挟んですぐ傍に立ちながらも、その表情は無貌というに近い】
【相手がどうとか、そういう問題ではないくらい、普段から一切の表情を浮かべようとしないかのようだ】

【振り下ろした杖の片側を足元に突いて、一瞬の間】
【男の足元だけが、それ以外を残して数m上空へと打ち上げられて持ちあがる】
【大きな円柱となった地形は、まるで自重に耐えられないかのようにぱきりとひび割れて】
【それもまた丁度良い具合に、相手側へと根元からゆっくりと倒れ込んでくるだろう】
【直下への落下では無いせいか、僅か倒壊までに余地がある。対処の方法はいくらでもあるはずだ】

【対してその円柱の上に立っていた男はどうか、今はもうその上に姿は無く】
【恐らくひび割れと同時に、円柱を挟んで反対側へと跳んでいる】
【けれども今は自由落下、すぐに対処する為の地形は上下左右どこにも無し】
【相手が円柱を避けられたならば、今こそが攻撃のチャンスだろうか】

【二度目。相手が攻勢を勝ち取らなければ、勝負は平行線だ】
【防御に徹しているだけでは、相性的に負けはしないものの、少女は救われやしないだろう】
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/22(月) 03:28:48.21 ID:H/YNKaSFo
>>925

【明らかにこちらを見下している。相性が悪い相手ではないようだが、いかんせん手数で劣る】
【的をいた男の指摘に口をつむぐが、しかし戦闘方法を変えることなど不可能、そもそも変える気などない】
【そして、挑発を間に受けてみるのなら、男が言うほど女は攻撃に非積極的でもない】

あんた、何言ってるの。
私の目的は、あんたに構うことじゃぁ、ないから。

【女は目を細めると、口調に若干の苛立ちを臭わせる】
【男はああいっているものの、手段は全て女の足止めに近いもの。しかし、既に攻勢をこちらに持ってくる手段はある】
【相手にとって少女が奪われたくないものであるなら、突き崩すのが女の立場】
【こちらへ倒れ来る円柱に向かい、走る】
【受け止め、そしてそれを武器に使う。素っ頓狂な手段。だが、それをそのまま振り回すのではなく】

ちょっと痛いけど、我慢してね。



それと。


【柱へと腕を叩きつける。すると柱を超えた反対側から石の腕が出現し。その内の一つが不規則な曲線軌道を描くと】
【付近の男を過ぎ奥の少女へと向かった。そのままたどり着けば、彼女を掴んで上空を渡り、女の下へと戻ってくるはず】
【だが、まだこれだけに終わらない。利用されると分かっていても素材を用意されたのなら、最大限使い切る。お望みどおり、怪我一つ】
【させてやっても罰は当たらないだろう。きっと】

今度はあんたが避ける番だよ。

【女が触れた箇所から円形に、飛び出した腕は全部で”7本”】
【少女へと向かったものを覗き残りが全て、男へと向かう。手は開いてなどいない。しっかりと拳をつくっており】
【その直径が先ほどのアーチより小さいことに起因しているのか、女の走る速度より数段早く迫る】
【女自身は、次に倒れかけた柱から支えとなる細い円柱を伸ばし、自身が潰されるのを防ぐのと同時に、少女が手に渡る瞬間から】
【さっさと逃走を始める算段をしていた】



927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/22(月) 03:49:19.12 ID:8yIaw/wco
>>926

っ、奪うか。けれども
私には、彼の研究を引き継ぐ義務がある!

【横を通り過ぎる円柱、それを止めるには一手遅い】
【遠く遠く路地の奥へと渡り切った石の腕は、分厚い石の檻を粉々に砕き切った上で少女を掴み取る】
【僅か、欠片を挟みこんだか。白い面を苦痛と驚愕にゆがませながらも】
【ひたすらに、ただひたすらに女性の事を信じ続けていたのだろう】
【必死にしがみつきながら、途中で振り落とされぬよう奪い返されぬように小さな体を更に縮こまらせている】

【そして、同時に展開される攻撃。相手は遅くなど無い、的確であったという訳だ】
【杖を盾に己の身を庇いながらも、自由落下の最中では満足な防御など許されない】
【――一瞬の抵抗は、人間の体の案外丈夫であるところを賞賛すべきだろうか】
【みぢみぢと関節から肉を捻るような音がして、一瞬男の姿は腕の中へと隠され、隙間から血と何とも想像したくないような白い色が零れ落ちた】

成程、大口叩いた程は……ぐ、

【一番の被害は、足か。腕から解放され着地せんとするも、黒い衣服の中で原形を留めなくなった肉と骨の柱は体を支えるに至らず】
【長身はぐらりとゆれて、地面に膝――がどこにあるかも正直分からないのだが――を突く】

【それでも未だ奪還を試みるか、杖の一端がひどい色に染まった地面を叩く】
【今度の攻撃は、壁から幾つかのニードル状の石くれが幾つも相手の周囲に向かって発射される広範な物だが】
【既に少女の体は相手の手の内。攻撃に対処してやる慈悲も無く、易々と逃げられるだろう】
【何せ相手は歩く事もままならないくらいに足がひしゃげ、まるで子供がめちゃくちゃに遊んだ人形のような状態なのだから】

【それでも、どこかに表情を忘れたかのように、少し眉間に皺を寄せた程度であるのは】
【それはそれで気持ち悪いくらいに不気味なのだけれど】
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/22(月) 04:04:56.88 ID:H/YNKaSFo
>>927

【やりすぎた、と】
【心の隅に浮かぶそんな後悔を跳ね飛ばす。していたら、付けこまれる】
【ただでさえ思考の読み取りずらい、面倒な人間を相手にするのはこれ以上ごめんだ。そもそも、流れ出す液体を見るに人間かどうかすら危うい】

【皹の入った額や、露出した腕から血の一滴も流れ出ない女が戦慄するのも、可笑しな話だが】

逃げるよ。
いいよね?

【聞きはしたがそもそも答えがどうであろうと女は足を止める気は無く、少女を男の下に返す気は無い】
【石柱から手を離したと同時にただのオブジェとなった石の腕から少女をお姫様だっこの要領で抱え取ると】
【すかさず路地を抜けるため身を翻して駆け出す】
【石柱の再構成と形成に思った以上の集中力を食ったため、その挙動にはわずかな焦りがあり】
【背後に隔たりを作っておく考えすら頭から抜けていた。背中にいくつかの突起がぶち当たる。表情はゆがめるが、走り続ける】
【止まってたまるものか。背後の石柱の支えの形成にはほぼ力をかけられなかった】
【こちらに向かって倒れてくるのも時間の問題だ。二人もろとも押しつぶされては意味が無い】
【人一人抱えて走ることすら今の彼女には負担だが、彼女を自分で走らせなかったのはそれが理由だ】
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/22(月) 04:18:57.19 ID:8yIaw/wco
>>928

「大丈夫です、お願いします
 ……あの、ありがとうございます。本当に、本当に」

【砕けた骨と血の散逸した状況を一瞬目に留め、怯えたように俯いて視界を布と布の隙へと仕舞い込む】
【そこで初めて人の温もりに気付いたように、己を姫抱きにした相手にひどく頼り無い力でしがみ付くと】
【やはり俯いたままながら、言い様の無い不安が解消された安堵と感謝に途切れ途切れの言葉を繰り返した】
【少女は、軽い。抱えて走るのにそこまでの負担はないだろう】

【二人の背後、崩れ落ちる石柱と地形に囲まれながらも、それに潰される事無く座り尽くした男は】
【どんどん遠ざかる背中を目にしてようやく観念したか、地形への支配を全て解放する】
【他に追手も無く、二人は何処へなりとも無事に逃げ去る事が出来るだろう】

【時間をかけて徐々に元通りに直って行く地形の中で、懐から連絡端末を取り出し】
【ため息混じりにどこかへと通話を飛ばした】

……うん、14番の捕獲は、失敗したよ。とんだ邪魔が入ってね、いや、どこの所属でも無いだろう
追跡は難しいが、あの調子で首を突っ込むのならまた何処かで逢うだろう。容姿の情報は開示する
そうだね、18番は余っているから。パワーは落ちるが、実行に支障は無い……残念ではあるけれどね
そういう事だから、助けを早めに頼むよ。足が両方、砕けたみたいだから

【通話の内容が届く事は無いだろう、それを聞く者は皆無ではあるが】
【先程男は、「これが最後のチャンス」で在ると言った。少なくとも近いうちに、少女が襲われる確率は低い】
【女性は確かに、少女の人生を救い挙げたのだ】


/こんな感じでしょうか、長らくお付き合い頂きありがとうございました!
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/22(月) 04:28:17.31 ID:H/YNKaSFo
>>929

うん。正直、感謝してもらえるくらいは頑張ったと思うな、私。
久々に、いいスリルだったよ。あぁ、怖かったね。

【苦笑う女。少女の身の軽さに助けられたのか無事男の追撃も無く、安全圏、と言える辺りにまで逃れることが出来たのだろう】
【少女を降ろした後、適当な壁を背に座り込む】
【助け出した相手に強がりをいう余裕も無い。心臓が普段の数倍主張激しく鼓動していた】

目、つけられてないと、いいなぁ。
かお、覚えられちゃったよね。たぶん。

【額の皹、破れたTシャツ。この程度の損傷で済んだのは幸運なのか、それとも力量不足と見るべきか】
【なんにしろ、場所と相性がこちらに味方した】
【今はひとまず新しいTシャツを買いなおすか検討している自分がここに存在できていることと、少女の感謝の言葉に浸ることにしておこう】

/お疲れ様でした!


931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 18:10:40.00 ID:TwqSKmB3o
>>921

―――誓うとも。君が望むなら何を賭けたって良い。

【と。言葉短く即答し、相手が零した言葉を聞いて小さく頷いた】
【どんな手を使ってでも赦してもらおう、なんて殊勝な気持ちは、無い】
【けれども平穏に事が済むのなら――実際、争わねばならない理由も無いのだし】

【そんなやり取りが終わると、男は――シェン・ロンドは空を見上げる】
【少女よりも少しだけ高い位置で見る月を、右目の視界いっぱいに収め】

【やがて、右手には小さなガラス球がひとつ。気が付けば握られていた】
【物質を創りだす能力――以前はサイズの制約があったが、今は違う】
【幸か不幸か、卵≠身に受けてより強力になり、その代償も過大化している――】

ほら、やるよ。代わりにそのお祈りっての、よろしくやっといてくれ
別に悪いことばかりとは言わないが、何かと不便なことも多くてね。

【――そんな話はどうでも良い、とばかりに、彼はガラス球を少女の方に放って渡す】
【地上から見える半分は綺麗な淡黄色で、隕石の後なんかも、肉眼で分かる位には再現され】
【一方で、反対側は真っ暗。少し残念だが、それはそれでリアルというものか】

【そして少女の言葉から浮かぶ男性の姿――あまり良い関係とはいえないが】
【そもそも何度も会った相手でもない。というか、最後に顔を合わせたのは―――】

―――……あぁ、そういえば此処でこうして油売ってる場合じゃなかった
悪いがお嬢さん、俺はこれからちょっとした準備に行かなきゃいけなくてな
数日後にちょっと……まあ、ヤボ用があるんだ。それで、人がいくらか向こうの方に集まっててね。

【なんてこと、思い出した。そういうふうに言ってから、湖の反対側、森の奥を指さして】
【見ればうっすらと空が明るいのは、成程誰かが篝火でも炊いているということなのか】

【――しかし、人が集まって。それもこういう男≠交えて、何をしようというのか】
【果たして少女に想像が付くか、どうか――ヒントは、彼女の父親と最後にあって、というフレーズだが】
【それも、ヒントにすら成り得ないかもしれない。とすれば、頼れるのは第六感程度となる、か。】

/というわけで、先にお返ししておきますね〜
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 19:48:04.73 ID:dWnCxflD0
>>931

【君が望むならば――そんな言葉聞けば、何かせびってやろうかとでも企むように伏せられる瞳、間が僅か】
【やがてそうと閉じられて、やがて開くのは赤色だけ。そんなに上手でもないウインクもどき、ふらと視線を揺らしたなら】

――それは、別にいいや

【――なんて、そんな結論ひとつ。欲しいものはたくさんあるような気がしても、総てが気のせいのように、ほどける錯覚】
【そんな思考を超えたなら緩やかに傾げる首と、流れる髪の黒と、顔の白さに瞳の黒、舞い戻って瞬きひとつと】

っ――、……別にいいけど、あんまり期待、しないでね。
後から話が違うって夢枕に立ったって知らないんだから……わたし、もう、神様の知り合いなんていないの。

【そんな瞳が投げられる丸さを真似るように丸くなる、咄嗟に両手で挟むようにしたなら、ぱちんと軽い音がして】
【急に投げられたことへの不満を示すかのように向けられるじとり湿るような視線、ただ、それも、掌中に落とされて】
【両手に乗せてころりころ転がしてみる手遊び、一周をじぃと観察しながら故に、言葉は僅かに、緩く流れて】
【ちいさい頃に見上げた夢の叶ったような楽しさがあるなら、先ほどよりももっと明確に浮かべる笑みの角度、柔らかで】
【――それでも最後。一文を呟くのは、今までとはどこか違った声音を抱いて、ただ、その意味を、付け足すでもない】

【感傷か何かに揺らいだ視線が指差す動きを追いかけるようで指元で止まる、数秒すれば、森の向こう側へと向けられるけれど】
【木々の向こうを透かしてみようとしても見えるのは木々ばかり、ただ、空の明るいのは、窺えて】

準備? ……ひとなんか集めて、なに、するの? そんな準備が要る野暮用って、なに?

【――火にしろ、電気的な明かりにしろ、空に映すほどなら、きっとその麓にはある程度の規模があるはず】
【つい先ほどの言葉をあっさり撤回されるというわけでもないのだろう、ただ、どこか、不穏めいて、眉が顰められるなら】
【貰ったばかりのお月様を胸元でぎぅと握って――投げていく質問、彼の心中の連想ゲームには、欠片も追いつけないまま】
【背伸びもいつしかやめていたなら常の高さ、彼からすればずうっと低い少女の位置でも、見上げる視線、微塵だって、ぶらさずに】
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 20:47:14.29 ID:TwqSKmB3o
>>932

【ふふっ、と。少女の結論に小さな笑みを返しながら、服の裾に付いた埃を払う】
【――そういえば服装を明記していなかったが、これは以前と大して変わらない】
【下はスラックス、上はタンクトップに黒のロングコートという雑なもの】

期待はしてないさ、ただ来世も同じ背丈は嫌だなぁと思ってるだけでね。
って言っても、まだ死ぬつもりはない。気が早いと思わないでもないが……

……それって、あれかい?以前は神様の知り合いが居たって、つまりそういう――…?

【それらしい相手の口振りを聞けば、流石に驚き――というか、好奇心か】
【――を、持ったらしく、特に意味もない会話として投げかけた】

【また己の言った準備という事項に相手が触れれば、暫し黙考】
【話したものか否か――そんなせめぎあいが合ったんだろう。数秒すると、口を開いて】

……風の国に陣取ってる、半魔の六罪王が居るのは知ってるかい?
彼女をね、いい加減に排除しようって動きがあるのさ。
俺自身あの半魔にしばらく捕らえられてて、この動きのために助けだされた様な状況でね

だからつまり、風の国の草原地帯で近いうちにドンパチやるって事だ。
君と、君のお父さんもだが……あまり近付かないように、って忠告はしておくよ

【ありのまま、自らの状況について――計画について、相手に語った】
【半魔――他に誰が居るはずもない。六罪王だと言うところまで分かれば決定的】
【それを、討滅する作戦の準備だと。そういう風に、彼は返事をした。】
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 21:23:02.06 ID:dWnCxflD0
>>933

【服装の雑さで言えばこちらも大した差異はない、適当に選んだよな服、適当に選んだよな靴、どちらも気の抜けて】
【そんな中できちと手入れされている黒髪、少しだけの温度差――まあ、弄ってもらった。ただ、それだけのことなのだけれど】

……ご先祖様に居るの、真っ白な蛇の神様。でも、それだけ。
もう会えないし――……、変な力とかも、べつに、ないもの

【驚き、好奇心、色違いの一対に映しこめば、くすり笑ってみるのが、お気に入りの玩具を自慢する子どものよう】
【けれどそんな色もすぐに褪せてしまうなら、そんなに微笑ましいよな関係性でもないらしいとは楽に察することが出来る】
【少なくとも嫌いでない感情を抱きながらに会えないなんて言うのは、死なんかではない、もっと、――例えば会えば殺されるとか、そんな、】

【元来水神として祀られることの多い生き物、例えばそれが白子症だったりしたなら、尚更のことだろう】
【捧げられたか、見初めたか。櫻のほうには蛇の子を孕んだ娘の話も探せば見つかるぐらいにはあるというし――】
【そう珍しい話でもない、あり得ないというほどでもないのがこの世界の不思議なところ、その末端だと、自称して】
【――そう言われてみたなら、絶えず止まず湛えて溢れさせる澄み過ぎた水の気配も、どこか納得できる気がした】

リリア……、そう、あのこ、死ぬんだ。 別にいいけど、……――そっか。

【悩むような彼の幕間、じぃと見上げたままの瞳は何にも変わらなくて――告げられたなら、ようやくついと逸れる】
【その情報から導いた人物は逸れもせずに正解を射抜いて、ふわと洩らす吐息、いろんな感情を、孕むようで】
【好きではない、と思う。ただ、嫌いかは言い張れず、ならば、明確に示すなら、きっと、恐怖の類】
【「そっか」ともう一度洩らす声、空の明るみを見上げて、――やがて、彼へ戻ったなら、】

……わた、し、は、――行かない、そんなの、行かない、けど。
ねえ、……お父さん、知ってるのかな。行かないでって言ったら、聞いてくれるのかな、

【――路地裏で不良を伸す程度の荒事ならば経験もある、ただ、もっと、大規模なのは、知らなくて】
【怖がりな成分を存外に多く含むのは余談でも、知ったなら、わざわざ近くへ行こうとは思わない程度には、そうで】
【ならば気にするのは自分のことじゃない。始めのようにしゅんと下がる視線が何を恐れるのか、隠しもしないまま】

【――「やっぱり、して欲しいこと、出来た」 そう紡ぐなら、言いたいことも、予想出来るよう】
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 21:42:01.96 ID:TwqSKmB3o
>>934

ご先祖様、ねぇ……成程、道理で蛇の毒だの、危なっかしい事が出来た訳だ
でも、白い蛇って言えば吉兆の印だったりするだろう?
それと「もう会えない」ってのは、その……、…――いや、忘れてくれ。

【少し楽しそうに、そして疑問符を浮かべたような物に口調が、感情が揺れる】
【最後には悪いね、と―――額を人差し指で、バツが悪そうに掻きながら、言った】

【それは相手の抱いた感情をなんとなく察したからでもあるし】
【仮にそれが好意だったとしたら、会えないことに触れるのは良くはなく】
【好ましくないのなら、そもそも触れないほうが良い。だから、曖昧に誤魔化した】

……知り合いかい?あの女、意外な所で名前が出るね

だがそう、奴は死ぬ。正確には、俺や他の連中で殺すんだ
君が彼女とどういう関係なのかは知らない。だが、見逃すことは出来なくてね
多分決行は二日後……既に、有志の募集もかけ始めてると聞いた

だから、君のお父さんが行こうと思えば、討伐に参加する可能性は有るよ。
君の声を聞いてくれるかってのは、なんとも。男ってのは、何時まで経ってもわがままな生き物でさ
誰かを心配させると分かってても何かを成したい時があるんだ

それで、だ……戦場での出来事になるだろうから、どんな確約も出来ない。
だけどそれでもいいのなら、一応は君のお願いを聞いておこうか?

【相手がそうしたように、こちらも首を傾げて尋ねかける。その口から、しっかり意志を聞きたい、と】
【あくまでも努力目標という程度でしか無いが―――それを聞き入れよう、と。】
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 22:20:59.25 ID:dWnCxflD0
>>935

【あの時彼女が口にした蛇の名前、山楝蛇。それこそ櫻に普通に分布する蛇で、ただ、蛇神だってたくさん居るなら】
【どれがこの少女の源流なのかは不明、そもそも本人すらよく知らないような信仰の端だ、調べたって、見つからない】
【源流と末端は別たれて、なら、あとは薄れていくばかりの血の先、――今この場で気にすることでも、ないのだけれど】

――べつに。

【気にしてないという風な言葉、態度で裏打ちするようにしたなら、揺らす首もまた、それを証明するよう】
【――気にしてもどうしようもないのだから。それに、あの白さを今更想えない、親から巣立つように】
【気持ちは既に離れているならひとの信仰を喰らうものにとっては死活問題なのだろうけれど――まあ、それはそれ】

【戦場のことなんてろくに知りやしない。何かあったとしても、新聞にもテレビにも興味が、薄いのだから】
【ましてその場に立っていたことなんてあるわけがない、何にも知らないから、或いは、思うのかも】
【――彼が先ほど悩んだよう。少しだけ黙りこむ間、言っていいのか、言っていいことなのか、悩むように、】

……――お父さん、居たら、来てたら、死んじゃったりしないように、して、ほしいの、
殺されないように見てて欲しいの、無理しないようにって、ちゃんと、……ちゃんと、おかえりなさいって、言える、ように、

それだけ……それだけで、いい、から――。

【前回の邂逅では敵だった。父親と彼だって、最後に会ったときには敵だったはず、そんな彼に、最愛を預けたがるのは】
【誓うと言ったその言葉を今までよりもずっとずーっと、信じ込む。“それだけ”だなんて、とっても難しいことなのに】
【何にも知らない小娘だといえばそれで総てが片付いてしまうぐらい、それこそ確約なんて出来るわけのないこと】
【――どうしても最悪を想起してしまうなら、微かに泣いてしまいそうな瞳、彼を見上げて。ぎゅっと握る手が、どこまでも本気】

【(駄目だと言われたら。どうしよう。そうしたら。そしたら。わたしが―― ふらと廻る思考、唇を、そうと咬んだ)】
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 22:38:51.25 ID:TwqSKmB3o
>>936

【―――少女のお願い、その言葉。聞き届けるや、左手を己の手前にやり】
【右手は後方に伸ばして、恭しく頭を下げる。まるで、時代遅れの貴族のように】
【そうしてから顔を上げれば、表情は最早小さくもない笑みが浮かび】

確かにお引き受けしました、お嬢様。やれるだけやってご覧に入れましょう。

……と言っても、相手が相手だ。確約だけは出来ないよ
だが努力はしよう。女性に涙を浮かべられて断れるほど、俺は薄情じゃない

だから、そうだな……君は、もしも彼が出掛けたのなら
その時はただ待って居てやればいい。そして帰ってきたら
ただただ、暖かく出迎えてやれば良い。それが君の戦いだ、違うか?

【なんて、気障な事も言う。本気で言っている訳でもないあたり、子供っぽい】
【けれど全てが冗談なはずもなく―――不思議と、信用はできるはず】

【さて、それだけ話すと「他に何かお有りかな?」なんて尋ねてみて】
【少女がもう用はないと言うのなら、彼は湖畔を巡るように歩き始めるだろう】
【そうなれば、お別れだ。或いは街への道を、途中までの引率くらいはするかも知れなかったが。】
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 23:22:29.42 ID:dWnCxflD0
>>937

【潤んだ瞳に半分の月明かりが良く映えるなら、鏡の語源が蛇の目だったという話も、どこか信じられるよう】
【いつもみたいに帰ってきて欲しい、いつもみたいに一緒に居て欲しい、少なくとも今、独りぼっちを、耐えられない】
【――だから。下げられる頭、流れて揺れるだろう彼の金色の髪、ふわと安堵したように笑ってしまうのは、きっと、仕方ないこと】

――――、ありが、とう、

【――水を取ってもらったときも、掌中のお月様をもらったときも、言わなかったこと】
【今までよりもずっと柔らかく紡いだなら、まるで朝早くに咲く花のよう、潤んだ眼すら飾りのようにして、わらって】
【「よかった」――そっと零すなら、最愛のいのちを賭けるのだ、信用以外を抱くわけがない、抱けるわけがない】

【一度嫌った人間を二度と好きになれない性質だった。それなのに、最悪の出遭いをしたひとに、こんな、】
【――考えてしまえばよく分からなくて、理解できなくて、でも、自分から言い出したのだから。出来るのは、精一杯に信じること】
【彼に対してもそうだし、父に関してもそう、知ってしまったなら、あとは、出来ることをするしかないのだから】

……他、

【ちいさなお月様を握り締めたままの手で目元を拭うなら、言葉に僅か意識引っ掛けるような鸚鵡返し】
【立ち止まってくれるならそのまま、歩き出すならばふらと追随するよに足を出して、髪なりコートなりを掴んででも止めようとするなら、】
【まだ要件はある、というよりも。今しがた思いついたような気配、視線を向けるなら、】

待って、 ……――あげる、から 死なないで

【ついと差し出される手、空っぽの左手、――差し出して、握った指をそうと開くなら、きらと零れる桜色の燐光】
【地面の隙間から水の湧き出すように掌で湧くのはぞくとするぐらいに濃い魔力、やがてぎゅっと縮こまるよう、かたちを成す】
【――桜の花弁。蛇の鱗。どちらにも見える一辺、白磁の掌の上の見た目はか弱いのに、篭めた量が、ひどく重い】
【魔術だなんてだいそれて呼ぶにはずっと稚拙、砂糖水を煮詰めて作った飴玉のような、そんな、未熟でも】
【言葉通りをぎゅっと煮詰めて練り上げたなら。たった一度にはなってしまうけれど、壁を成して彼を守ろうとするような――そんな、もの】

【膨大な量をただ固めただけのもの、多少でも魔力を繰れるならば起動は容易く、ただ、力の調整などが出来ない】
【ただ持っているのを吐き出すだけ――花弁、花、樹、桜のかたちを模そうとする性質があるのは、効果に関わるではないけれど】
【ぶちまけるだけぶちまけたら総て水のように蕩けてそれきり。術師でないゆえの不安定さ、ただ、彼に不易を齎すでもないような、もの――】

【(強いて問題を挙げるとしたら、発動してしまえば制御不能なことと、なんだかなくしそうなフォルムであること、だろうか――なんて)】
【もちろん受け取らないという手もある。たったの一片差し出すだけなら、押し付けるわけでもないのだから】
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/22(月) 23:38:47.34 ID:TwqSKmB3o
>>938

【「せめてもの罪滅ぼしでね」―――だなんて、まさか言えるはずもない】
【中途半端に格好を付けて、ただやるべきことをやる。返事は「どういたしまして」だ】

【さて、それでいいか、なんて思って歩き出した折のこと。掴まれたのはコートの裾で】
【直ぐに足を止めて振り向けば、意識を引くのはその掌の魔力】
【花弁か、鱗か――正解は分からない。ただ、とても貴重で役立つということは即座に理解し】

ふっ……それじゃあ、君のお父さんのために使わせてもうとするよ。
生憎と、俺は既に彼女≠フためには死ねない身でね

……とにかく、ありがたく預からせてもらうとしよう
使い方は、まあなんとなく分かるし……此処に仕舞わせてもらおうかな。

【ソレを大事そうに、精巧な硝子細工を壊さないような、そんな手つきで受け取って】
【ふと空いた片手を伸ばすのは刀剣へ。少しいじれば、かちりと柄が開き】
【その狭い空間へ、滑りこませるように魔力の結晶をしまい込んだ】

―――じゃあ、今度こそ。このタイミングで会えて良かったよ
君のお父さんの事は任せてくれ、絶対に生かして帰すから、さ―――。

【そして、最後にそう言って、今度こそ彼は湖畔を一人で歩き出す】
【月光を受けて金髪が煌めき進むのは、遠目にはまるで百鬼夜行か何かのよう】
【やがてソレも、向かいの木々に消えてしまって――残ったのは、好い静寂と月明かりだけだった。】

/お疲れ様でしたー!
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/23(火) 00:03:52.89 ID:V+Qh48N40
>>939

【ついと引っかかった指先、振り向いてくれたことにもうひとつ安堵が生まれて、】
【受け取ってくれたというならば尚更だ。摘み上げられるひとひらは、儚くも見えるのに、確かに、そこにあって】
【多量の魔力を必要とし続ける身体の仕組み、その中から決して少なくない量を削って作りだしたもの、ならば】
【――彼と同じような能力の持ち主だと示すような。彼よりは拙く見えるけれど、きっと、同分類】

……――、

【――黒赤色がじぃとその指先を、行き先を、見つめて。やがて仕舞いこまれるなら、視線が彼へと戻される】
【見上げる顔は先に比べれば薄らと疲労を浮かべて――楽な作業だと言うわけでもなかったらしい、余談だけれど】
【今になってふわと深呼吸めいた呼吸を零すのだろう、緩やかに夜の空気を揺らして――】

――またね。

【今度は、その背を追わずに。まして、止めることもない】
【それらの変わりに背中へと向けるのは再会を願うようなもの、木々の向こう側に消えるまで、見送って、】


【――足が湖へと向けられて、そのうちに水をそうと覗き込む。おっかなびっくり、堕ちないように、最大限気にして】
【水底に沈む石ころや映り込む半月をしばし観賞してみることしばし、やがてふらと立ち上がれば、黄緑が煌いて、消える、】

【無言で家を抜け出して、どこかで少ないなんてとてもじゃなく言えないような魔力を落としてきて、】
【もしもおかえりと迎えてくれるならば甘えるともどこか違う感情でぎゅっと抱きつく――それと、魔力を強請って】
【勝手に姿を消す前まではぐすぐすと腐っていたのが薄れていた、というよりは。それ以上に気にする案件が増えただけなのだけれど】
【それでも知らないようなふりをするなら、時折。処理落ちめいて黙りこむ間がぽつとある、ただ、それ以外はどうにも平常運転のように見える】
【――つまり適当に放ってやるのがいいだろう、気分転換がとてつもなく上手に出来たようにも、見えるのだし】

/おつかれさまでした!
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/23(火) 21:02:39.33 ID:pR3FDkj20
581 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/07/23(火) 17:38:01.11 ID:P6T+FG+80
スレに出ない組織上位って居る意味あんの?


582 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/07/23(火) 18:01:29.61 ID:ahmPrOpm0
100%無いんだが消そうとするとひょっこり現れたり
事なかれ主義的に流されて放置されたりするんだよな
早い者勝ちで放置した者勝ちなのが現実


583 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/07/23(火) 18:16:57.86 ID:Al9MICuqi
たまにイベントやるレギンはまだマシだがコマチの奴は死んだ方がいい


584 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/07/23(火) 18:47:01.64 ID:HtlO2+U50
強キャラを持っている安心感
イベント後にちらりと登場して死んだイベント敵を上から目線で見下す事が出来る満足感


585 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/07/23(火) 19:11:01.61 ID:6OZBolBnO
代案出せって言われたら微妙だが、点呼式にしても無駄だったな
殆ど使ってなくても少し顔さえ出せば居座れるんだから
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/23(火) 21:23:37.23 ID:62v9LRqso
【ゴーストタウン――廃墟】
【ここは、鼠一匹すらもはや姿を見せぬ死の世界だった】
【しかし今、その一角に小さな邪悪が生まれていた】

【――とある一つの廃墟が、いつの間にか生まれ変わり"禍々しい神殿"になっていたのだ】
【大きさは100坪程度+庭】 【……一体誰が何のために作ったのだろうか?】

【そして、その神殿の入り口を護るのは、人ならざる存在――二人の"亜人系の魔物"だった】
【羽毛の塊のような、しかし鳥とはまた違う羽を背に6つ持ち、上2本は長く下4本は短めで、頭部にも長いそれを1つ持っており】
【鳥のような手足を持ち、全身に鱗を持っており、そして場所によってその大きさが違っていた】

「……別に護る必要なんて無くねーか?」

『それアタシも思ったぁー、チョー暇なんですけどぉー』

「そもそも、"鼠一匹誘き寄せる"のにこんな"でかいホイホイ"は要らんだろ」

『まぁー、"邪禍"様もたまには趣向を凝らしたいって言ってたしぃー』

「……んで、それに巻き込まれたのが、俺達"ネクストラッパート"ってわけか」
「まッ、特別給くれるっつってたし別に良いけどよ」
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/23(火) 22:28:29.59 ID:ioCd8Xo+0

【とある街に存在するカジノ。それなりに有名なので、昼夜問わず人で賑わっていて】
【――――その店の中心での出来事。一人の少年が、体中を赤く腫れさせながらも黒服の男達に更に打たれていた】
【誰一人として助けようとはしない。寧ろ、其れを見て嘲笑う者達も居る始末】
【――――不意にざわめきが止んだかと思えば、人混みの中から現れるのは一人の男で】


「ふーん……君か。自警団からの回し者って言うのは
いやいや、困ったねぇ……そう嗅ぎ回られちゃ、見逃す物も見逃せないんだよ
分かるだろう?分かるよな?…………おい!!何か言ってみろよ!!」

【派手な衣装。贅沢な光り物。悪趣味とも言えるセンスの指輪の数々】
【恐らくは、このカジノの支配人。黙りを決め込む――――或いは、最早喋ることも出来なくなった少年の顔に拳をめり込ませて】
【口から溢れ出る血を辺り撒き散らしても気に留めることは無く】


「自警団のヤツ等には知られてねェんだよな?
……なら、殺すなり腹を開いて売っちまうなり好きにしろ」

【非情な言葉だけを残して、その場を去ろうとするだろう】
【――――裏では様々な組織に手を貸していたり、人を拉致して売り捌いていると黒い噂が絶えないこのカジノ】
【日頃、自警団等々の者が潜り込んでいる事もあって――――あの少年以外にも誰か至って、不思議な話では無い】
【或いは、正義感の強い者が止めに入るのか……それは、定かでは無いが】







【参拝客も居なくなってしまった、廃れた神社】
【だけれど、今宵ばかりは不思議と二つの気配があって】
【一人は、その身なりから考えるに巫女であろうか。もう一人は――――さて、確かに存在はしているのだけれど、まるで存在感が薄い少年】
【巫女とは言え、纏うのは妖気。狐の耳と尾が生えている所を見ると、妖狐の部類で在ろう】


「――――ええ。きっとお母さんもお父さんも待っていますから
大丈夫ですよ。何にも、怖い事なんてありませんから……もう、行ってあげましょう?」

『――――。――――?』


【何か言葉を発してはいるのだろうけれど、其れが明確な言葉になる事は無く】
【だけれど、巫女には聞こえているのだろう。少年が口を動かす度に頷いて、微笑んで】
【その手を優しく握ったならば、澄んだ声で祝詞が紡がれ始めるのだろう】
【――――やがて、少年が白い薄らいで消えたかと思えば、天へと上っていって】


「…………長い間、よく一人で頑張りましたね。きっと、お母さんも褒めてくれますよね……
……えっと……私も、そろそろお姉ちゃんを探しに……ひゃっ?!」

【其れが完全に消えてしまうまで、優しげな微笑みで見送り】
【――――気配が自分の物だけになったならば、ポツリと漏らした呟き】
【自分の姉を探すために、その場を後にしようと踵を返したならば――――不運にも、石畳の歪みに躓いて、ビタン!なんて音】
【……先程の様子から一転。果たして、その一連の流れを見ていた者が居るならば、どの様に見えるだろうか】

/余り遅くまでは出来ないかと思いますが!
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/24(水) 19:34:28.65 ID:W0ESyxIho
   【作戦開始、その直前。既に彷徨う古城を遠く草原に認めた討伐軍=z
   【特に、作戦において最も重要な能力者の一員へと、こういったブリーフィングが行われた】


   『――ですからつまり、皆様はかの六罪王リリアを殺す必要はないのです。
    先に言ったように、“彷徨う古城”の元の持ち主は綾津妃様ですから
    城を支配するリリアの魔力を彼女よりも少なくすれば、この作戦は勝利となります。』

   『勿論、容易なことではないでしょう。既に機関内部からは強制招集の報が届いています。
    つまりナンバーズを始めとした敵対勢力が城内に展開している、ということ……』

   『恐らくはリリア自身も気付いて対策をしているはず。その点に留意して行動をお願いします。
    それと私、エリザベス・カーライルを始め、数名の能力者で城内を威力偵察し
    その後に皆様の戦いをバックアップに向かいますので、どうぞご期待くださいませ――。』


   【――ーと、そういうもの。要するに、「難しく考えずに戦えば良い」ということだった】
   【説明をしたのは小柄なメイド服の女性。名はエリザベスといい、ある人物に雇われている、とかで】
   【能力者グループの簡単なまとめ役をしている他、なんでも戦場にも出るという】

   【他に、このブリーフィングには参加していないが周囲には数名の戦士の姿があった】
   【190cmを超える長身に金髪姿の男性や、そこだけ幽世の様な雰囲気を持った、黒髪の女性】
   【更にはしっかりとスーツを着込み、随分と身なりのよい子供だとかも見受けられる】
   【参加者は彼らを知っているかもしれない。だが会話の時間は無し、直ぐに作戦開始の砲が鳴った】




【――そして現在。綾津妃という元城主の力によってか城門はすぐさま降り、少数精鋭として選ばれた人間だけが先ず入り込んだ】
【ところが討伐軍、として民間で組織された大多数は城の各所に設置された大砲によって中々近付くことが出来ず】
【故に、城内には雷火の如き轟音が遠く響き。そして各所では招聘された機関の者と、そして正義の者が衝突しようとしていた】



 【その一角―――彷徨う古城・最奥部】

【最も濃密な魔力が漂うそこは、宛らパルテノン神殿の様な作り】
【無数の石柱にタペストリー、赤い絨毯に高い天井。全ては大理石で出来ていた】
【柱の合間からは平和な庭が垣間見え、時間ハズレに鳥がチチッ、と鳴いている】

【けれども、その平穏は直ぐに玉座が砕ける音によって脆くも崩れ去ることとなる】

【それは最早半魔≠ニは思えぬ姿であった。敢えて形容するなら龍人≠ェ好ましいか】
【妖艶な体つきを打ち消すような無数の鱗に背中の翼、頭部の角は大きく、長く】
【腰元から伸びる尻尾は、鉄骨すらもへし折りそうなほどの力強さに満ち満ちて、ガァン!と大理石の欠片を叩き潰す】


    『―――実はさ、最初に降伏勧告だけはしようかと思ったけど、止めておくよ』
    『だって君たち見てるとただただ殺したくて仕方なくて、それに意味も無さそうだしさ。』

    『だから、そうだね……1つだけ君たちにお願い≠キることにしようかな、って。』
    『とっても簡単な事だよ?だいじょーぶ、人間なら誰にだって出来る事だし』
    『なんなら手助けしてあげても良い、だから――――お願い、死んでくれる――…………?』


【リリア――半魔はそう、まるで『君たちと語ることなんて有りはしない』という風に口を閉じると】
【まったく意志の疎通なんて図りもせず、亜空間から剣の形をした岩のような武器を――】

【――レーヴァテイン≠取り出して、ただ1つ声にもならない咆哮を放った】
【翼が広がり瞳が収縮し、歯列はズラリと並んだナイフのように鋭くなって】
【果てには身体の周囲に陽炎が舞うほどの高温を纏い―――対峙する者達に、死別の笑みを呉れてやった。】

/これよりイベントを開始致します。機関側の方は投下をお願い致します
/また対主催戦の皆様はこちらにレスをお願いします!
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/24(水) 19:36:34.54 ID:yax1dFC+o
【彷徨う古城%熾狽フ入り組んだ室内】
【――――どうやら在りし日は拷問室≠ノ使われていたであろう石造りの部屋だ】

【黒ずんだ血のこびり着いた壁にはこれでもかとばかり凄惨な拷問道具がたてかけられ】
【高い天井にはレバー一つで上がり下がりする鎖が垂れ下がっていて】
【室内は弱い者であれば吐き気を催しそうな死臭で満ちていた】


……莫迦らしい、何がナンバーズだ
半人前の牝猫に飼われる存在の、どこに力がある――――――

……だが俺は……そこに居続けねばならない


【備え付けの鉄製のベッド、重そうな鉄の扉を正面に彼はそのベッドに腰掛けていた】
【鉄扉に鍵はかかっておらず、並の者であれば、侵入さえできないその室内で】
【入ってこれる者はつまり相応の人物≠ニ認識して】

【白銀のセミロングの髪を靡かせて、長い前髪から鋭く青い眼を覗かせる】
【やや長身でスラリと伸びたボディラインを濃い青のストライプのシャツで包む】
【燕尾服調の高級そうな黒のスーツとネクタイ、細く長い指先はシャツと同じ色の手袋】

【男性らしからぬ女性的な端正な顔たちは、まるで仮面を貼りつけたかのように無表情で】
【陰鬱な雰囲気を纏う、儚い印象を与えそうな青年】


……これで能力者を……強く猛き能力者を屠る事ができると考えたなら
―――あの小賢しい流星を、見つけた意味も見つかるかもな


【両手にFN Five-seveNと呼ばれる大型の拳銃を握ったなら、その手の甲の文字が強く浮かぶ】
【室内を照らすいくつものろうそくの火が揺らめいた時――――――】
【壁に浮かび上がるのは金属質の鈍い陰の輪郭と】

【そしてそれを塗りつぶしてやまないFear≠フ姿の破片なのだろう】


/Fear,Seven for Fourです
/お二人、よろしくですよー
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/24(水) 19:45:57.32 ID:JS5I3mpIo
【彷徨う古城内の異次元空間、下方の階の中央部に位置する大広間】
【今日に限りその一区画だけ、『古城』と表現するには違和感を覚えるほどに煌びやかな空間となっていた】
【新品の赤絨毯、清潔感溢れる白い壁、部屋の両脇には複数、大理石で出来た巨大柱がそびえ立っており、金色の飾りつけが施されている】
【この部屋に飛び込んで来た者は、一瞬目を疑ってしまうような、そんな部屋となっている】

【その中央に、我が物顔で優雅にティーテーブルの傍に腰掛けながら、その上に置かれた水晶玉を見ている者がいる】

さてと、1カメよーし、2カメよーし!3カメもOKみたいだし!
問題なく現在の各部屋の状態は確認できる状態を確認しちゃった訳!情報戦の備えはバッチリ!

加えてトラップよーし!コマチ達との通信環境も良しッ!ポケットの中には私の装備が……
――うん!ぎっしり詰めてあるし!へへーん、家から出る前にじいやと一緒に何度も確認したもんね!
そーいう訳で、もうどっから来られても問題ナシな訳よ!


【肩のあたりまで伸びた長い金髪の髪の上に、"44"と書かれた物と、逆五芒星のマークの二種類の缶バッチを着いた丸い布の帽子】
【ぱっちりと開いた目からはエメラルドのような翠色の瞳が覗き込み、まるで西洋人形を思わせるような顔立ち】
【首元に赤いリボンを結んだ紺のブレザーに、赤と黒の縞模様のスカートに黒色で厚手のタイツで足を包んだ少女】

【いえーい!と妙にテンションを上げながら、偉く気の抜けた様子で手元の少々ぬるくなった紅茶を口に運んでいると】
【現在の各戦闘拠点を覗き見る役目の水晶玉の横、読み辛い草書文字で書かれた紙から少女の声が聞こえてくる】


「なんでもいーから真面目に仕事しろ馬鹿。下手売ったら給料カットするッスよ
ひとまず引き続きリリアの指示で動いて、恩を売れるだけ売っておくッス」

オッケー!まあコマチはレオと一緒にじいやの紅茶でも飲みながら朗報を待っていてほしいし!
このブレンヒルトちゃんに任せておけば狼藉者の一人や二人!ヒーローの三人や四人くらいイチコロな訳よ!


【まっかせといてー!と屈託ない笑みを溢しながらトン!トン!トン!と人差し指で声を発する紙を叩きながら】
【この部屋に出る正面入口の前方30m前に設置したテーブルの位置から対戦者を待っている】

/ブレンの中でーす
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/07/24(水) 19:56:47.94 ID:mkzszyR40
【古城内】
【――待ち受けるは、『騎士』】

【月が、よく見える。城内に設けられた「中庭」】
【然し今宵、其処は血塗れの戦場と化す。】

【カノッサの精鋭、最強最悪のエージェント『ナンバーズ』】
【或る時は牙、或る時は盾。カノッサの怒濤の如き力の体現。】

【今宵は六罪王の牙。しかれど彼の者の噂は………王の器には見合わぬ、『暴君』か?】
【――が、あの者は強い。故に王。故に、従う。当然だ。】

「………」

【凶暴に立てた、夕焼け色の髪に、獰猛なその目つき。】
【龍の顎を思わせる金属製面頬で顔の下半分を覆い隠す。その表情は伺えず、されど、溢れ出る『凶悪』の気。】

【夜空を思わせる黒き忍者装束に身を包む、長身の男。】
【――No.18、シルベ・ドーンナアブ。】

強さこそ、『標』

――故にッ! カノッサこそが絶対正義ッ!! 混沌の秩序ッッ!!

我が主君は罪神………そして強さよ。強き六罪王の命なれば、従うのは必然。

【小刀。白き刀身を、月光が照らし、反射する。】
【中庭の中心、龍めいた石像の上に立ち、愚かなる侵攻者の到来を待ち、『望む』ッ】

願わくば――訪れよ、強者。

【――その瞳は、狂気と、邪悪な忠誠の焔。】
【No.18、月世界騎士。その力は誰に振るわれる?】

/シルベです。よろしくお願いします。
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/24(水) 20:01:46.96 ID:vN1c5JZfo
>>944

【メイド服の彼女の話は以前に綾津妃から伝えられた通りだ。己の役目は、相応の準備が整られた舞台で踊る事だけ】
【男は与えられた情報を静かに咀嚼してから、周囲の輪の中に一点混ざり込んだ罰点のように見える金髪の彼をじとりと見据える】
【愛しい娘と、それをかつて傷付けた彼の間に密約のある事など知らぬまま。ただ幸いな事に、別段の興味も無いように視線を逸らした】

【それから靴先を向けた相手は――セリーナ・ザ・キッド。男は久方振りの相対に少し表情を迷わせた後、曖昧に笑んだ】

私に訊きたい事はあるでしょう……が、その件に関しては後程。
……生きて戻れたら、正しく全てを話しましょう。まず「月彗」の事を話す必要があるので、ね

【ナウファルにとっては聞き覚えのあるだろう名を落とし、男――セシルは踵を返して戦闘準備へと入る】


【――――】
【―――】
【――】


――……娘以外に、願いを聞き入れる相手などいないな。お前が此処で死ねば良い


【降り立つは、彷徨う古城――低く重い感情色に沈める言葉は、対峙する半魔へと】
【当てられる熱の粘つくような重さを疎むように、意味がないと知れて尚もセシルは真っ直ぐ呪われた視線を送った】

【紅茶色の腰に届く長髪に、左右で瞳孔の大きさが違うオリーブ色の目をした長身痩躯】
【黒の祭服を纏い、踵の高い靴を履き、長めの爪は紫色に染められている】
【手に一振りの剣を携えた彼は、歪な両目で討つべき相手を視界に捉えて猛禽の色合いを其処に浮かべた】

/お待たせしました。セシルです
/皆様、本日はよろしくお願いします
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/24(水) 20:04:36.84 ID:YezoHS25o
>>944

【ブリーフィング後から目的地到達への間、己と同じ最奥へと割り当てられた毛色の違う二人に】
【青年は屈託なく、迷いなく、歯を見せての笑顔を向けた】

俺は、多分だいぶ二人の力を借りる事になッテしまうと思うケド。最後まで戦わセテくれれば嬉しい
コんな事を言うと笑われソうだが、なンだろうな、集ッた者達と共に此処に立テる事を誇りに思うンだ
討伐軍に、勝利(ナスル)を。俺たちに、最高の幸運(サダルスウド)を!

【討伐軍に名乗りを挙げたものは、能力者であれそうでなかれ、大なり小なり、その身と力を捧げんが為に集っている】
【その事実が、勇気を与えてくれたのだろう。未だ若い身は、その輝きにあてられたように深く頷いた】
【祈りの言葉を皆に捧げ、長躯は古城へと乗り込んでいった】

……御前が何一つ変わりないヨうで、良かッた
自分ノ事を正当化する訳じゃないケレド、御前を許す事の出来ない自分を恥じる必要が無いからサ

【大敵へと対峙して、短く語るは止まれぬ思い。同じく、思考をぶつけ合う相手ではないと既に理解しているのだろう】
【太陽の色は怒りに呑まれることなく、されど強い思いを虹彩の奥へと秘め】
【抜き身の曲刀を空へと掲げ、口上のように祈りの言葉を星へと捧ぐ】

天に居ります孤独ノ星、大河ノ蛇ミルドラよ、わが手に護りノ剣ヲ
正しき者ノ身に力は宿りたり。偉大なる大河は、いついかなる時も我らヲ見守りたり!

【割り入る狂気に負けぬよう、ずっとずっと強大な巨悪に押し潰されぬよう、高らかに響く声は遠く空へと反響する】
【薄く煌めく刃を囲むように焼き消えぬ三本の水の牙が空中に並び、同じように天を突いた】


/ナウファルこちらに
/御三方本日はよろしくお願いいたします!
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/24(水) 20:12:14.22 ID:K1e8zAR2o
>>945

【―――コツ、コツ。鉄の扉の奥から、僅かに響く一定の足音。その足音が近づいた―――と思えば、遠のいて】
【一定だったリズムも崩れ、急に早まったり、立ち止まってみたり。姿は見えずとも音だけで、扉の向こうの人物が迷っている事が解るだろうか】
【―――そして足音が接近し、ようやくこの扉の前足音がピタリと静止する。鉄の扉がギシギシと音を立てる。警戒心がその行動から伺えて】

【ゆっくりと、重厚な扉が開かれれば―――蒼のソフト帽を被る男が一人。小さく帽子のつばを上げる動作をすれば、帽子の下から深い紺碧の視線が微かに煌いた】
【シンプルな白シャツの上に灰色のジレを重ね、下はジーンズといったラフな格好。軍や自警団の人物では無いことは、格好から見受けられる】

―――……よう。こんな血生臭い場所に来る気は無かったんだが……ちょっと迷っちまったみたいだ
あ、イキナリだけど質問―――敵将サン、どこにいるか知ってる?

【眉を潜めて鼻を摘み、その両眼をキョロキョロと動かした後、視線が止まった先は正面。ベッドに腰をかけた男へと向けられるが―――】
【始めの一声は、敵意も籠っていないフレンドリーなものだった。何ともこの場には合わない雰囲気を纏い、困り笑いを浮かべながら言葉を続ける】
【―――微笑み細める瞳の奥に、研ぎ澄ました刃を隠しながら。要するに、警戒していないように見せかけて、物凄く警戒しているという事だ】

あっ……ふーん。そっち「も」二丁拳銃のガンマンか……まーさか、それをこっちに突き付けるつもりですかねェ……
―――フレンドリーにいこうぜ、な? コレ以上此処を血生臭くするとかマジ勘弁してくれよ?

【細めた瞳は、全身から彼の両手へ。物騒な得物を握り締める両手、先程確認した鋭い眼光。―――予感するは、戦いに飢える獣を目の前にしたかも知れないとの、不安】
【このような場所にいることも踏まえて、どう考えても戦闘に発展する流れなのだが―――それに抗おうと、無駄な抵抗をしてみせた】
【……出来れば、彼は戦いたくないのだ。だから、冷や汗を垂らしながらも此方が無害だとアピールをしてみせる。まるで降伏のように両手を開いて上げながら】

【その意志に反するかのように、彼の首元でペンダントが煌いた。銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダントなのだが、その玉―――実は「宝玉」】
【「ATLAS」で手に入れたこの宝玉が、怪しく攻撃的な魔力を部屋中に拡散させて、その異質さを強調させるのだった】

/よろしくおねがいします!
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/24(水) 20:13:03.82 ID:YWMEC9gH0
>>947

【――――タン、タンと、何かを軽くタップする様な音と共に、1つの影が中庭へと踏み入る】

――――良い仕事、って奴だ……実入りはデカイわあいつらの助けになるわ……至れり尽くせり、って奴だよなぁ?

【月光に照らされながら、その人影はゆっくりと歩みを続け、頃合いを見計らって立ち止まる】
【そうして、肩で軽くタップしていた『棒』を、ゆっくりと下ろして構え直した】

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫】

【魔術師か、それとも棒使いの格闘家か――――事実としては『どちらでもある』――――そんな雰囲気を湛えた男】

……よぉ、ここの守りを預かってるの、お前だろ?
……余計な事は言わねぇ。さっさと始めようぜ……互いに、その為にここに居るんだからよ……

【石像の上に陣取る男を見据えながら、表情を徐々に研ぎ澄ませていく居丈夫】
【わざわざ、こうして互いに備えを整えての会戦である。容易な事で済むはずもない】
【――――相手の男も、相応の使い手である事を、覚悟しなければならないだろう】

(……セリーナ……あんたも戦ってるんだろ、どっかで……?
まぁ、少しでも……手助けになりゃ、お慰みって奴だぜ……)

【ふと、意識の中をかすめるのは、同じ戦場に立っているはずの『仲間』】
【命のやり取りを始めるまでのほんの一瞬、残っていた余裕が向かせたのは、その想い】

――――――――行くぜッ!

【居丈夫の咆哮が、今一度中庭に響く。月光の下で、誰かの為に戦う戦士の発破を乗せて】

/レグルスです。よろしくお願いしますー
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/24(水) 20:22:11.90 ID:GcAdM9Kgo
>>944
                        【――――風が、吹き荒れている。】

      【魔の巨城を包み込む、邪悪な威圧感とぶつかり、爆ぜて、今にも唸り出しそうな程強く深く――】

                             【――――荒ぶ。】


―――突入、成功♪っと、しかしとんでもない作戦だよまったく・・・!!危うく砲弾で身体がバラバラにされる所だったじゃないかい。
もうちっとタイミングが遅ければどうなってた事やら・・・ゾっとするよ、ホントに。

さて―――にしても、嫌な気配だ。
気配そのものは勿論、なんていうのか―――"こういうモノ"に慣れ始めてる自分を自覚しちゃったのがこう―――ね。

・・・似た物同士にならなきゃいいんだけど、心配の必要はなさそうかな。アタシのそれよかよっぽど――邪悪で、強大だよ。

                       
                        ―――アンタの気配はね、"リリア"。

【強大、無慈悲。言葉で表現する事の限界を感じる、そんなモノと呼べばよいだろうか――城を制する"龍人"が放つオーラはもはや】
【生きている者が醸し出しているとは思えないほどに凶刃で、危険で、そして圧倒的だった。】
【眼前に立つだけで身震いが止まらない、もはやそこに語らうべき物等ないかと言う様に拒絶の意を貫かれ】
【瞬間、彼女は―――"ATLAS"に乗り込んだ戦士の一人、セリーナ・ザ・"キッド"は―――腰元の愛銃を、引き抜いた。】

【右手で構えた相棒の撃鉄を、素早く親指で引き起こす――叩きつけるように金属が跳ね上がり、シリンダーが回った。】
【数奇な運命、ガンマンと半魔の龍人、遭遇する筈のなかった両名が己が武器を突きつけあう光景に将に相応しい、そう――】
【―――Fate is turning<"運命が廻る"> with wild bullet<"弾丸と共に">】


―――前に見たときより、随分と"美人"さんになったみたいじゃないかい、ねぇ?リリア。
今の姿の方がずっと―――アンタらしいよ。怒りで滅茶苦茶になって、元がなんだったのか分からなくなってる――
アンタにピッタリだ、そう思わないかい?


          ―――借りは返させて貰うよ。この"傷"と――アタシの仲間を侮辱した事。そして―――
            カズネちゃんを傷つけ、綾ちゃんから城を奪った代償・・・払ってもらおうじゃない。
            毎夜毎夜、聞きすぎて鬱陶しいくらいだったアンタの声に・・・今日、ここでッ!!


                      ――――決着をつけてやる。来いッ、バケモノッ!!

【片手で構えた銃器――"弾"末魔が、吠えた。】
【引き金が引き絞られ、撃鉄がシリンダーを叩く――火薬が炸裂し、パーカッション式特有の紙薬莢の匂いを潜らせて】
【放たれた弾丸は直線上、数メートルの位置で停止――瞬間、蒼白い巨大な召還陣を展開するッ!!】

騎士怪醒――"ティターン・アーマー"

【召還陣がそのままセリーナの身体をすり抜ける。足元まで透過されたそれが消えると――セリーナはセリーナで、なくなっていた。】
【召還された武装は"魔導鎧"――魔力を人造的に生み出す魔道エンジンを背に積んだ、悪魔製の"自動装着アーマー"】
【太古の巨人族、強固な皮膚を持つ「タイタン」をモチーフとして精製された強固な外骨格に全身を包まれたセリーナは】
【見た目には、まさに"人造の悪魔"――機械と、悪魔とを融合させたかのような不気味なシルエットと化す。】
【しかし"ソレ"は紛れもなく、ただの人間であり能力者ではないセリーナを"戦士"の次元へと昇格させる為の"武器"で】
【関節部分に、魔力が流れていく音が木霊する――魔道エンジンの駆動音が全身を駆け巡った。】

【憎き仇敵、倒すべき存在、恐怖の対象―――様々な思念が渦巻く中、一陣の風が吹き】
【セリーナ・ザ・"キッド"はガン・スピンを決めて銃をベルトへ戻した。刹那、彼女の纏うソレは殺気に変わり――】
【"居合い"、とでもいおうか。抜き撃ち――"ファスト・ドロウ"の構えを取って、彼女はリリアの攻撃を、待つ。】

/セリーナです、お三方よろしくお願いします!
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/24(水) 20:27:46.28 ID:xp/D/cMT0
>>946

【小さな足音が廊下に響いた。そしてやがて扉へと到達して、】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【絢爛たる大広間に姿現わすのは、そんな形容のできる人影だった】
【人影が光景を一顧だにせず状況を確認する。短い間だけ取り出していたのは黒色の結晶体、】  

【――――『黒のクリスタル』。“彷徨う古城”への鍵であり、半魔の襲撃から勝ち取った闇の魔力の品】
【襲撃の先触れとしての証であったのだろう、それは。そしてその秘めた力の証明であり、】


……貴女がこの部屋の主で間違いないわね?
つまりは、私たちにとっての確実な “敵”――――――――

【ゆらり、向けた橡色の視線が先客を捉えた。捉えて、もはや離さずに紡ぐ。】
【作法程度の確認の言葉/“敵”、】

―――――――― 討ち倒させてもらうわよ。
推し通るわ機関の尖兵―――――――……半魔の城は、今宵に“終わる”。

【宣戦の言葉は手短かに/白銀の太刀は虚空よりその手に。】
【闇に刹那だけ舞った黄金の焔、研ぎ澄ます戦意は閃光の如く、斬首刀の鋭さで先客の喉元まで迫って―――――】
【直後、状況は動き出すのだろう。30メートルの距離は今だけは、確実に先手を譲らせる様であった】

/討伐側、八攫 柊となりますっ
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/24(水) 20:30:37.72 ID:HVdSgyENo
>>945
【彷徨う古城=B今、この場は戦場となっている。そうである以上、張り詰めた空気は当然のものと言えるだろう】
【しかしそれ以上に、この場にただよう気配は陰惨きわまるもの、と言えるだろう】
【血でドス黒く染まった壁、見るだけで卒倒しそうなほどの威圧感を放つ拷問具、天井から垂れさがる鎖】

【重く冷たい鉄扉を、躊躇いながらやっとの思いで押し開けて、その場に足を踏み入れた瞬間】
【侵入者の一人はこの場の死臭にあてられて、こみ上げる吐き気を抑えこむ羽目になった】
【望んでこの戦場に足を踏み入れておきながら、この体たらく。果たして、相応の人物≠ニ言えるかどうか】

【踏み込んできたのは、少し長めの茶髪に細面、丸い目も青年だった。白いシャツの上に青いジャケットを羽織り、深緑のカーゴパンツと黒いスニーカーを履いている】
【中肉中背、さして鍛え上げているようにも見えない身体と、青い瞳を小刻みに震わせながら】
【恐怖と吐き気に耐えつつ、眼前の相手を見やる】


【自分と同じ色の、しかし自分とは比較にもならぬ鋭さを秘めた瞳】
【儚げでありながら、陰鬱。この場の死臭の中にあって、そこだけが切り取られたように錯覚させられる】
【その手に握られた大きな拳銃、手の甲の文字、それらを拷問具もろとも照らし出すろうそくの灯り】
【ここに至っても、怯えを多分に含んだ瞳でそれらをなぞる】

(……機関員、か? この場で一人、ということはきっとかなりの実力者。恐らくはナンバーズ……)

【正面から彼を見つめしかし警戒は緩めない。実力者ではない故に、油断が死に直結することは知っている】
【まずは、その場に居合わせるもう一人の発した言葉に追従する形で青年は口を開いた】


>>950
……僕も、見たとおり荒事は得意なほうではありません
穏便にすむなら、それに越したことはないのですが……

【同じく両手を掲げ、『今は』攻撃の意思がないことを示しつつ】
【青年はチラとソフト帽の男性に視線を送る】

【首元のペンダント。自分ですら異質さを感じ取れるほどの魔力】
【その口ぶりや、敵意を見せずにいながら警戒を最大限にする姿勢。彼もまた、修羅場を生き残ってきた実力者なのだろう】


【ひとまずは、自分の言葉で青年が討伐側の人間だと言うことは彼に伝わったはず、と判断】
【言葉を発しつつ移動し、今、青年が立つのはソフト帽の男と少し離れた位置】
【眼前の相手と、ソフト帽の男。彼ら二人が自身の視界に入る位置。彼なりの警戒態勢だ】
【青年も、このまま穏便に済む可能性は低い、と理解しているのだろう】

【さらに張り詰めていく空気。これが弾けるのは、遠い未来ではないだろう】


/ギア・ボックスです
/御二方、よろしくお願いいたします
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/07/24(水) 20:34:35.64 ID:mkzszyR40
>>951

【ああ、良い。】

【――少なくとも、第一印象はそれだ。何故か?】
【『魔術師』と称される人種の戦いは、良い。それが、持論だ。】

【・・・能力者は、努力せずに力を得る。或いは科学的な、抜け道めいた下衆な者共も。】
【魔術師と、武闘家。此れらは違う。紛う事なく、『強い』! 鍛えられているのが前提ッ!】

クク、数刻前から・・・待ちくたびれておったわッッ!!!!

だがッ、その甲斐有りッッ!
名乗るが良い、正義の犬めッ! 俺の名はシルベ………シルベ・ドーンナアブ。

【小刀を振るう。虚空に、月光のラインを刻むように。】

No.18………『月世界騎士』の名にかけて、貴様は通さぬ。
・・・強き六罪王殿は、其れを望んでおる故に。

【轟ッ!】

【石柱を蹴り砕き、宙へ舞う。凄まじき跳躍力ッ!】

さあ、いざ、尋常にッッ・・・

【そして、見よ! 彼の脚を覆うのは豪炎の脚甲! それは創炎の力による形成・・・ッ!】
【宝玉片の所持者・・・厄介!】

・・・勝負ッッ!!!

【手始めとばかり、放物線を描く軌道で天から襲う!】
【その、月光を帯び、蓄える小刀でッ! 脳天から真っ二つにする攻撃ッッ!!】

【無論隙はデカイ・・・が! この男、シルベは未知数!】
【単純かつ非力な対処では、恐らくは好ましく無い結果を生む! だが心してかかれば、何の問題もあるまい!】
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/24(水) 20:37:14.59 ID:ck1xvPtqo
【ゴーストタウン――廃墟】
【ここは、鼠一匹すらもはや姿を見せぬ死の世界だった】
【しかし今、その一角に小さな邪悪が生まれていた】

【――とある一つの廃墟が、いつの間にか生まれ変わり"禍々しい神殿"になっていたのだ】
【大きさは100坪程度+庭】 【……一体誰が何のために作ったのだろうか?】

【そして、その神殿の入り口を護るのは、人ならざる存在――二人の"亜人系の魔物"だった】
【羽毛の塊のような、しかし鳥とはまた違う羽を背に6つ持ち、上2本は長く下4本は短めで、頭部にも長いそれを1つ持っており】
【鳥のような手足を持ち、全身に鱗を持っており、そして場所によってその大きさが違っていた】

「……ZZZ」 『……ZZZ』

【……前言撤回。】 【二人は爆睡している……護るも何も無い】
【さて、今ならば容易くこの中に入れるだろうが……中から感じるのは、邪悪な気配】 【迂闊に入らない方が良さそうだ】
【だが、危険に首を突っ込みたくなるのが人の性と言うものであって……――】
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/24(水) 20:37:37.17 ID:yax1dFC+o
>>950

【貴方の言葉に反応するより早く、言葉で返答するよりも疾く】
【彼の右手の銃口が貴方へと向けられて、間髪入れずに発射されるだろう】
【ろうそくの陽炎を翳すその閃光が瞬いたなら、貴方の顔面を撃ち貫かんと銃弾が吠える】


……勘違いするな能力者=c…俺にとっての銃など手段に過ぎない
貴様ら薄汚い野良犬を殺すのに、ただ銃が相応であるだけのコト

――――――相応であるならば、また別の刃で砕けば良い


【吐き捨てるような言葉、明確に顔面へと銃弾を撃っておきながら】
【しっかりと貴方へと返答するのは、この程度回避できる、と思っているのだろう】
【それは恐らく過大評価などではなく、むしろ――――――】

【貴方の実力に対する過小評価である、とも言えるかもしれない】
【首元のペンダント、輝く明けの明星が如き眩く怠惰な光】
【それを見続けるのはきっと、太陽へと視線を向け続けるような、もの】

【ベッドから降りたなら向き合うように彼はその身体を揺らめかせる】
【スーツに包まれた痩躯、視界に映るその姿は幽鬼が如くはかなげで】
【底に映る視線の形は、どうしようもなく鋭かった】


>>954

【その視線がそちらの方向へと揺らめいた、見つめる形が三日月のように揺らぐと】
【両手を開く形で肩幅に広げたなら、銃口をそれぞれ外側へと向けて】
【そしてそのまま両手を閉じて、胸の前で両腕を伸ばし、手首を交差させる】


舐めた事を言うな能力者=\―――――こちらへと踏み込む、とはそういう行為だ
例え貴様らの興味が、この奥の売れ残った牝猫だとしても

俺の前に能力者≠ェ存在していい理由になどならない――――――ッ!!

カノッサ機関 No.4
Fear,Seven for Four――――――能力者は一つ残らず、殲滅する


【強く地面を蹴ったなら、燕尾服の長い裾がまるでマントのように舞い上がる】
【白銀の髪が彼の表情を美しく彩ったなら、そこに浮かぶ確かな殺意を羽ばたかせる】
【溶ける声色、そして映る表情が刃のように伸びたなら】

【一呼吸で間合いを詰めようとし、彼はまず>>950の元へと距離を埋めようとする】
【密着する少し前で立ち止まったなら、右足を前に出しブレーキ】
【そしてそのまま長い左足を蹴りあげ>>950の顎を下から上へ蹴り飛ばそうとするだろう】

【――――――同時に、右手の銃口をすっと>>954へと向け、そのまま乱射しようとする】
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/24(水) 20:43:06.31 ID:W0ESyxIho
>>948>>949

  フフッ……一人は娘を寝取られて、一人は若い勇志をねじ曲げられた―――。

  格好の獲物だったねえ、君たちはッ!ねえセシルクン、その後彼女とはどんな感じぃ?
  ナウファル・ディヤー・アル=ミルドリー……君は、どうやら立ち直っているようだけどさ
  今夜此処で、君たちの心をまたへし折ってあげるよ。その死という、逃れられない絶望でね

【ニヤァ、と笑んだ。既にその表情は美しくもなんとも無くて、ただ野蛮なだけ】
【獰猛な笑い声が刃のような歯列から漏れる。睨めつける視線すら、灼くかの如く感じられるか】

【――さてここで、1つギミックの紹介が在る。というのも、二人は水とそれに関する魔術が得意であるからだ】
【この神殿の外側、庭園には当然池がある。そしてそこからは、滾滾と水が湧き出しているわけであって】
【もし利用するのであれば実に有用であると言うことは、恐らく言うまでもないことか】

でも、そう……何より私が絶望を与えて、殺したいのは――――

>>ALL

【ふと言葉を切ると、リリアは右手を床に付き前傾の姿勢を取る。すると背の両翼が拡がって】
【龍爪が大理に突き立つと、翼そのものがにわかに姿を変え始める――魔術、だろうか】

【やがて数秒もせぬうちに両翼は大砲と化し、2つの砲門を三名の敵へと向け――】
【ドギュゥ!≠ニ空間を揺るがしながら火山弾の如き物を撃ち放った】
【対抗策を講じねば、やがて火山弾は三名の直前で着弾することとなる】
【そうなれば強烈な爆発と、それによって吹き飛ぶ大理石の破片が皆を襲うこととなるだろう】

【明らかに殺意、加えて――リリアの周囲を漂う熱波によってか、部屋に広がる赤絨毯が燃え上がり】
【その火がゆっくりと三名の勇者へと向かっていくのは――偶然の出来事≠ナ片付けて、よいものか】

>>952

【砲撃の直後――対象の人物が生きているか、立っているか、まだそこに居るかなど関係なく】
【リリアは砲を翼に戻すと、前傾のまま短距離選手の様に床を踏み壊しながら突撃を開始する】
【その力が如何ほどかは見て取れるまま――狙うはただただ、先ずセリーナ・ザ・"キッド"】


  ――そうッ、お前だよセリーナァァァアアアアアッ!!!私をこんな姿にした上にィイィィ……!
  以前ここで『計画を狂わせてくれた』のもテメェだ!毎度毎度邪魔ばっかりしやがってよォォォォ!!!

  ……く、フフフッ……!君だけは…絶対に、此処で……この場所で殺す……ッ!!
  息が途切れようが死体を嬲ってやる…!頸動脈を食いちぎって、その血で化粧してやるよ……ッ!
  さあ覚悟しろ!ひれ伏せッ!どれだけ謝っても死に方の懇願なんぞ聞いてやらないけどさぁァァアアアアアア!!!??


【――あぁ、いい具合にデキ上がっている。その爬虫類のようになった瞳が、真っ赤に充血していた】
【もう眼の奥で血管が切れてすらいるのだろうか、最早人を誑かす化生ではなく、ただの化け物だ】

【さてその突撃というのは、実に単純。左手に持った超重量のレーヴァテインを振りかぶり】
【接近するやいなや、鎧ごとすり潰そうと、龍の剛力で武器を下ろすだけである】
【直線的で回避は難しくない。爆発の影響がなければだが――とにかく、回避すべきなのは言うまでもない。】
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/24(水) 20:55:51.35 ID:YWMEC9gH0
>>955

……そいつは悪かったな……無駄にはさせねぇぜ、その『待ち』……!

【すぅ――――と目を細めながら答える。ただで終わる雑魚の心算などない】
【負けるつもりも毛頭ないが――――少なくとも、軽くあしらわれてやるつもりもまた、無かった】

――――レグルス……レグルス=バーナルドだ
……覚えるかどうかは、全部終わった後で、てめぇで判断しやがれ……ッ!

【男――――シルベの名乗りに応え、自らも名を名乗る居丈夫――――レグルス】
【全部終わった後で――――生き残りさえすれば、その時に好きにしろと、わずかに言葉に含みを持たせながら】

――――チッ
(身のこなしと……なんか、厄介なもんを抱えてやがるな……?
火か……どうなるかね……!?)

【次の瞬間、シルベの見せた跳躍。すかさずそれを目で追いながら、レグルスはわずかに表情を苦くさせる】
【直接でも、絡め手でも、レグルスには相応に応戦するだけの覚えがある。だが、何らかのマジックアイテムを使っているとなれば、そうとばかりも言っていられなくなる】
【あまり下手を打っては、手痛い思いをするのはこっちになるだろう。まずはその事を頭に叩きこんで】

――――頭上優位をそのまま利用しようなんざ、甘ぇぜ!!

【手に持っていた棍を以って、頭上に振るわれた刃を受け止める】
【無論、ただそれだけではすぐに突きを見舞われるなり、反撃に転じられてしまうだろう】
【だが――――レグルスは刃を受け止めるや、すぐに左手を離して、身体ごと右へと捻り込む】
【同時に手首のスナップを利かせて、棍を半回転させつつ離した左手をもう一度棍にホールドさせると】
【自らの左方へとシルベの勢いをいなしつつ、横合いから振るう様に棍で殴りつける】
【勢いをいなして、体勢を立て直そうとする隙に、一撃を叩きこもうと言う動作である】

【――――魔術師然とした恰好をしながらも、それに寄りかかる事無く、武器を取って戦って見せるだけの器量】
【少なくとも、レグルスもまた容易にいく相手ではないと言う事は感じられるだろう】
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/24(水) 21:00:14.00 ID:JS5I3mpIo
>>953
【扉から出て来た来訪者の存在に対し、金髪の少女はきょろ、と興味深そうに視線を覗かせる】
【この城に入るための黒色の結晶体を手に持ち現れた来訪者は、自分とそんなに齢も変わらない少女】
【宣戦の言葉と共に向けられた鋭敏な戦意と、目を奪われる程には美しい白銀の太刀筋を目にしていたが】

【しばらくした後、テーブルの向こうに鎮座する敵は刃を向けられている事など気にも留めずにっこりと微笑みながら告げた】


敵?うん、そんな感じ?私は≪No,44≫のブレンヒルト・フェイタルベルンちゃんな訳だけど!
確かにここは私の持ち場だし!けどまーここの部屋も城自体も私の物じゃないよー、私のお城はもっとイカしたセンスしてる訳!
この部屋だけでも私的に模様替えしてみちゃった訳なんだけど!具体的にはじいやに手伝ってもらいながら!

どう?イカしてる?女の子的にはこんな雰囲気のお城に住んでみたくない?


【明確に敵と名乗った相手に対して初撃を受けるかもしれない恐れも見せる様子もなく】
【ただただマイペースを崩さないままトレンチコートの少女に話しかけて来る、このブレンヒルトと名乗る少女だったが】
【す、と突如――手の甲に赤い宝石がはめ込まれた手袋を嵌めたその手を水晶玉の上に乗せると、何の前触れもなくその水晶玉が次の瞬間消えてしまい】


リリアにどんな恨みがあるかは特に知らないけどー、恩は売れるだけ売っておけってコマチに言われてるし
敵と名乗ったからには敵にふさわしい歓迎のおもてなしをしてあげるし!

Zeichen――――!


【口ずさむのは短縮された詠唱か、と判断するよりも前に水晶玉が消えた手元、金色の光が煌めくと】
【テーブルの位置から入口までに渡る30mの直線状のラインを地割れの様なエネルギー波が勢いよく客人へと襲い掛かる!】
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/07/24(水) 21:13:13.70 ID:mkzszyR40
>>959

ヌゥッ・・・!

【まずは、『合格点』かッ! シルベはそう考える。】
【勢いをいなされ、棍棒の一撃を受けた彼は吹き飛ばされ・・・やや離れた空中で止まるッ!】

【『空中で止まる』ッッ!? 奇妙な現象! 引き起こすのは、無論宝玉片!】
【両脚甲から噴射する爆炎は、ブースターめいて彼の空中機動をサポートするのだ! な、何たる好相性かッ!】

【しかしダメージは確かにある筈! ゆえに、シルベが選ぶ次の攻撃は、『非・接近』技!】

く、クク。今の一撃は良かったぞ・・・レグルスッッ!!
故にッ! どォれ、オレの心からのお返しを・・・受け取れィッ!!

【そして、空中で一回転! 宝玉の力とは言え、この制御! 曲芸師の如き身のこなし!】
【ただ回るワケでは無い! 回転に伴い、なんと、『炎の輪』を形成している!】

ヌゥンッッ!!! ・・・チェあェェェァァッッ!!!

【其れを、放つ! 狙うは当然だがレグルス! 当たれば胴体を焼き切る軌道だ!】
【更に! 追い打ちと言わんばかりに振るわれた小刀! そこから放たれるは光刃! これの狙いレグルスの頭部!】

【炎の輪はやや遅く、光刃はやや速いッ!】
【故に到着は同時! 回避は其れ程困難では無いだろう・・・レグルスならばッ! だが、当たればまず無事では済まない………!】

【技を放ち終えたシルベは華麗に着地するッ!】
【格闘戦だけが、このナンバーズの本分では無いッ! 炎の力と月光の力に、果たして、死角は無いのかッッ!?】

/次、飯なので遅れます。
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/24(水) 21:16:46.53 ID:YezoHS25o
>>958

【振り下ろした曲刀に呼応するように、三対の水の刃が方々へと飛んでいく】
【一つは地に突き立って火山弾とぶつかり合い、そのものではなく飛散するであろう炎と榴弾を軽減せんとし】
【一つはゆっくりと進行する炎の進行を遅らせ、足場が削られていく事を圧し留める】
【最後の一つは、タンクのように突進するリリアに対して。術者の意思に従うように追い縋って狙うのは、その両翼の付け根】
【払われるにしても避けられるにしても、中央を狙えば上下左右と何処かしらに傷を与えられるように】

【支配を受けた水は強く、直接狙われなければ蒸発もし辛い】
【対して支配が外れれば、ただの水としてあっという間に消え失せてしまうのだが】
【故、彼女の熱波と炎に巻かれた現状は己の力を広く扱うには難しく、やはり相手を在る程度叩く必要があるか】

御前がソノ名を呼ぶな!
ソノ名は祖父より授かりて父より預かりし、一族を背負う俺ノ誇りだ!
"寛大なるミルドラの光"は、御前の穢レた口にて語らレるべき名前じゃない!

【吠えると同時に跳ねるように地面を蹴り、未だ火の届かぬ部分の地面を踏み行きながら】
【セリーナの横へと、正確にはそこへと至らんとするリリアの元へと駆ける】
【所詮は曲刀使い、彼女のように弾を遠く発射する事も、彼のように魔術を散開させる事も得意ではない】

【寄る先は相手の右手側。ぐる、と接触の直前に長躯はその身を捻って、遠心力と体重を乗せるように上段蹴りを放つ】
【狙う先は脇腹を、肩先まで斜めやや上寄りに木靴が打ち上げるように】
【そも近寄れないだとか、翼や右手、もしくはもっと別の手にてあしらわれる可能性も大いに有るが】
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/24(水) 21:22:21.30 ID:vN1c5JZfo
>>958(リリア)

【――この場に精鋭として送られた人間の中で、最年長である事の意味は良く弁えていた】
【単純火力として一番高いと判断したセリーナ、半魔に対し際立つ術と機動性を持つナウファル】
【セシルの立ち位置は若い彼等を援護する事にあった。真っ向から立ち向かって勝算がない事など二度の戦いで承知済みだ】

折れば良い。裂けば良い。閉じたらまた、薔薇みたいに開くだけだ

【今更、安い挑発に乗る必要などなかった。敵に相対した瞬間からこの身は激情を抱いている】

>>949(ナウファル)

物理攻撃は通用しない。ナウファル、君の水(ちから)ならば恐らく届く
援護する。防御よりも回避に、そしてそのまま攻撃へと動いて欲しい

【立ち止まるなという事だ。まともに受けられる訳も無ければ、逃げ続けた所で勝算もない】
【剣を本来の用途に向かない逆手に持ち、ナウファルへと掲げる――相手の長躯の周囲に、黄緑の燐光が舞い始めるだろう】
【夏の季節に合う蛍色は敵の放つ熱気や悪意その他の害と成すものを水滴めいて弾く鱗粉のように、儚くも強く相手を守護する筈だ】

>>952(セリーナ)

君は前衛、私は後衛。今宵は馬鹿爆弾魔と違って、頼れる若い彼がいる
派手に頼んだよ、頼りにしている――っッ、!!

【コカトリスを標的に共闘したいつかの日を思い出したのだろう。逼迫した状況下で少し似合わない台詞を吐く】
【だがすぐに敵の猛攻が来る。僅かに腰を落とし体勢を低く、セシルは庭園に滾々と湧く水を視界に捉えた】

>>all

【開幕からド派手な一撃が着弾する寸前、命中を避ける程度に後方に跳んだ男は】
【拳を振り上げるのに酷似した動作で逆手に握った剣を振り上げる。同時に、黄緑色の燐光がぶわりと舞い上がった】

【ヴェールのように横へ拡がった燐光は爆風を幾らか和らげ、】
【散弾のように襲う大理石の大部分から二人を守り、防御や回避へと割く時間を軽減するだろう】
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/24(水) 21:23:53.99 ID:K1e8zAR2o
>>957

―――っとぉぉッ!? ……って、クッソあぶねーなァオイ……ッ!
要するに……話し合う余地すらないってワケですかい―――

【鉛弾の挨拶が空を裂き襲い掛かり―――その後、甲高い金属音が鳴り響いた】
【―――ソフト帽の男は無傷であったが、その場から動いてはおらず回避行動をとった様子は無かった。代わりに、彼の右手に朱、左手には蒼の拳銃が握られており―――】
【その右の拳銃から、小さく煙が上がっていた。―――つまり、銃弾に銃弾を合わせて弾いたのだ】

フゥ……ッ―――解ってくれないなら仕方無ェな。四肢を撃ち抜いてでも……大人しくして貰う
……だが、予め言っておく。―――俺はテメーを殺す気は無い。心臓も頭も狙わないってコト

―――舐めてるんじゃない。これは俺の信念(ポリシー)だ

【額に浮かぶ汗を拭い溜息を吐けば、男はゆっくりと両手の銃を構えて眼前の敵に標準を合わせる。敵の鋭利な眼光に恐れることなく、紺碧の両眼を向けて】
【言い放つは、殺さないとの宣言。―――相手からすれば一種の挑発にも見えるだろうが、この男はそのような意味合いを込めて放ったわけで無かった】
【瞳の深さが、それがハッタリでないコトを証明している。それでも尚、その思想は受け入れざるモノかも知れない。心臓を狙えない―――それがどれ程の枷かは明らかだろう】

へぇ、ナンバーズ一桁か―――ッ!!

【相手が名を告げると同時に、視界から男が姿を消した。動きは辛うじて見えているのだが―――右足首が、ついていかない】
【その右足首は硝子程に脆く、疾い動きには反応できず―――回避には到底間に合わない。なんとか右腕一本でガードに出るが、唯反応でヒョイと出したに過ぎず】

―――っぐゥッ……!! ―――焦るな……よッ!!

【右腕に奔る衝撃と共に、細い身体が浮いた。―――しかし此方はガードにいかなかった左腕がある。左腕は上に伸びており―――天井に向かって轟音が発射された】
【一見闇雲に放ったと思われるが、緻密な計算と洞察力と集中力に裏付けされた一発だった。何故ならその銃弾は天井を跳ね返り―――】

【蹴り上げた左足、その太腿に向かって跳弾が襲い掛かったのだから】


>>954

……おう青年、大丈夫か? どうやら敵さんは俺等を潰したくてウズウズしてるみたいだぜ?
あと……―――随分と自分勝手な俺を許してくれや。この信念なくして俺は俺では居られないんだよ

……別にアンタまで不殺を貫く必要は勿論無い―――正義の押し付けってモンが良くないのは知ってるし、何よりアンタが俺の信念のせいで危険な目に会うこともある
だから、殺られると思ったら殺っても良い……青年はな

【瞳を敵にかち合わせたまま、味方の青年に声を飛ばす。自分の信念が迷惑をかけることは解ってはいても、その誓いを裏切ることは出来ない】
【ならばせめて、こうやって予め告げておく―――というより、それしかすることが無かった】

数じゃ有利だが―――キツイ戦いになりそうだぜ? まず此処は敵さんのテリトリー、そんでコイツ……唯の「獣」じゃない
猛獣―――いや、そんな言葉じゃまだ生温いぜ……

【そして相手が名を告げれば―――血生臭いこの空間で戦闘が開始された】

……っぐッ―――!! そっちにも来るぞォォッ!!
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/24(水) 21:31:08.96 ID:ECbu7luG0
>>960

……正直、私の趣味じゃないわね。
少し………煌びやかすぎるもの。

【内装に僅かに意識を割き、軽口に付き合う様に言葉を投げて。けれど、続く言葉は透る声に撃滅の意志を乗せた。】

…………八攫 柊(やつか しゅう)。二度は名乗らない―――――

――――――― その機会も、きっとない。

【攻撃の視認と開戦は同時。少女は動き出す、】

【―――――修羅。兇剣。そんな形容で十分だろう、もはや名乗りすら終えたのだから。】
【タン、と足音が鳴れば瞬間的に加速が終わる。エネルギーと衝撃波の奔ったそこに影は既になく、斜め前方へと跳躍/瞬間的に着地――――】
【“ここまでは”、確実に彼女は終えた。着地点で何も起こらないなら、ここから先までもが遂行される。】


【ブレンヒルトから見て右斜め前の一点、低空で整えた体勢から着地、】
【斬撃の準備として捻った上体から踏み込むと、地を滑る様に一気に加速、右腕側に構えた太刀を、斬りかかる様に低空に構えて】
【直進―――――― そして十メートル程度進んだ地点に足を打ち下ろす。それにより進行のベクトルを変え、再度の急加速から一気に “残り” の距離を詰めるだろう】

【“可能ならば”、だ。撹乱の上で、中途で迎撃を受ける可能性―――――― 想い描かないほどに温くはなく】
【だがブレンヒルトが接近を許すならば、左脇腹から右肩口へと逆袈裟に、斬撃が鋭く閃くのだろう】

【“かたちあるものを斬る” 概念を得た無二の刃―――――― 並みの重合金装甲程度ならば、薄紙同然に断割する。】
【異常な速度域での戦闘。“届けば”、まず断ち切るほどの破壊力。】
【接近戦を主体とする相手とは、得物からも読み取れるだろう。判断の材料は豊富にあるが――――、】
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/24(水) 21:45:13.04 ID:YWMEC9gH0
>>961

ッ……!
(よし、手応えあり……!)

【振るわれた棍は、確かに相手の身体を捉えた手ごたえを伝えてくる】
【防御と攻撃を連続させた動作である以上、これだけで戦闘不能にさせるほどの一撃とはならないだろうが】
【振るった棍を再び構え直し、殴りつけたはずのシルベを目で追って――――】

――――なるほど、そう言う事かよ……!

【そこにあったのは、空中に浮遊するシルベの姿。それを見て、レグルスはその特性を理解する】
【スピードと空中制御を持ち合わせている――――となると、接近戦は中々に厄介と言う事になる】
【次の戦術を、考え直さなければならないだろう】

こりゃあ……保険を打っといた方が良いかも知れねぇな……!

【レグルスにあるのは、棒術ばかりではない――――多彩な現象を引き出す、魔術の力】
【それを使えば、この戦局も容易とはいかずとも、十分に打開できるはずで】
【――――ぐっと、左手に力が込められる】

――――バル(火)・ナコ(阻害)・ゼル(自身)・ザン(レベル3)……『ヒートレジスト』!!

【何か、奇妙な単語の連なりを叫ぶレグルス。そこにワンテンポ遅れて、炎の輪と光の刃が飛来する――――】

…………ッッッッ!!
――――ってぇ……切らせるつもりは、無かったんだがよ……!

【だが、レグルスは軽く頭を逸らすのみ。光の刃はレグルスの額から左側頭部辺りをかすめ、タラ、と血が零れ落ちる】
【そしてその胴体を直撃した炎の輪は――――しかし、まるで弾かれる様に爆散してしまう】
【――――火に対する魔術防御。それによって、最小限のアクションでダメージを食い止めたと言う事なのだろう】

……いつまでも飛ばさせはしねぇぞ……!
――――オー(土)・サン(拡散)・イム(怒り)・ビン(レベル2)……『メテオストーム』!!

【左目に掛かってくる血を拭う暇も惜しみ、レグルスは更なる術を発動させる】
【――――中庭の地面から、2つの岩塊が抉りとられて、宙へと持ちあげられる。それが次の瞬間、粉々に爆ぜて、大小の礫となって周囲へと降り注ぐ】
【さながらそれは、岩の礫の絨毯爆撃と言ったところか。やや距離の空いている、更に中空にあるシルベを、叩き落とさんとした一撃だった】

【残存魔力 12/17】

/了解しましたー
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/24(水) 22:04:19.80 ID:GcAdM9Kgo
>>958

【砲撃―――変化した翼が怒りと共に悪意を吐き出す、その光景はおぞましい。】
【単純に恨まれている、憎まれているという言葉で片付けられないと思わせる程、其れは強烈であった。】
【叫ばれた自分の名、ナウファル、セシル両名にも向けられる圧倒的な弾幕の容赦ない攻撃―――】
【鎧の奥、ターゲットを視認し、ロック・オン―――セリーナは"弾"末魔を、引き抜いた。】

――――熱烈なラヴ・コール、ありがとう。そんなに激しく名前を呼ばれるのは数年ぶりかな?
けど・・・久しぶりの筈なのに、ちっとも嬉しくは無いんだよ、"デビル・ガール"。

――――何度でも邪魔してやるさ。何度でも狂わせてやるさ。

――――お前が罪を、償う意思を見せるその瞬間まで、何度でも、何度でも・・・ッ!!

――――リリアァァァァッ!!

【虚空を裂くように、超速で"相棒"が抜き去られる――瞬間、左手が迫り、トリガーを引いたまま"ファニング"】
【神速と呼ぶに相応しい、猛烈な速さのクイック・ドロウを決め――バレル<銃身>を突き抜けた弾丸が】
【宙で紫の魔弾と化し、迫るリリアの胴体めがけて放たれる―――ッ!!】
【一発は攻撃、そして止まらずにニ発目を――もはや同時に射撃したとしか思えぬ速度で発射、再び召還!】
【新たな武装が空間内にイン・ストールされていく――展開した召還陣がセリーナの前で蒼く、発光する・・・!】

【しかしこうして、セリーナが襲い繰る爆風と火山弾を物ともせずに"撃ち返す"事ができたのは言うまでもない――】
【今回は彼女が、"一人きり"ではなかったからだ・・・!!】

>>962-963

【ナウファルの放った水の刃により火山弾の砲撃、及びそれに付随する強烈な爆破のダメージが軽減された事】
【そして広がるであろう炎の進行速度が遅れたこと、更に言えばセシルの魔術により破片などの二次災害も防がれた事が】
【一つ一つ重なってセリーナに攻撃のチャンスを与える、彼等の援護があってこその―――初撃だ。】

>>(ナウファル)

―――ナイス・アシスト!ナウファル君、すっかり助かったよ・・・!!
でも気をつけて、ソイツ接近戦でもハンパじゃないくらい強いから――危ないと思ったらすぐ、離れてッ!
それからアイツは、"炎"に対してはかなりの耐性がある・・・前に攻撃をぶち込んだときも飄々としてたくらい!
けど"属性"攻撃全般に強いってワケじゃないと思う、なんとなくだけど水は――君の得意分野はアイツに効くと思うッ!!

ま――殆どカンなんだけどね♪ガンマンは自分の運と感性を信じる生き物なんだ、とにかく攻撃頼んだよッ!
アタシはデカイのを―――ブチ込んでやるからさ・・・ッ!

>>(セシル)

――あっはははは・・・!!このタイミングで昔話とはね、さっすがだよギムリー・・・!
そういうのはお酒でも飲みながら、って相場は決まってるんだよ?まったくもう。
けど――そうだね、あの時みたいにまた、派手に戦ってやろうじゃん・・・!相手はコカトリスよりヤバイけど、さ!

それから――ギムリー。
あの時の事だけど――ギムリーはやっぱり、ギムリーなんだ。アタシの中では、だから―――

―――死ぬ事だけは許さない。いいね?この地獄を生き抜いたら・・・たっぷり、悦君について語ってもらう腹積りだよ!

【悦那・スティングレイ――かつての仲間を路地裏で殴り飛ばしたあの日。】
【セシルはセリーナの敵として立ちふさがった、意見を衝突させた事は記憶に新しい――】
【だが、あの時の迷いを振り切るように、ただそう云って――彼女は召還陣から武器を、取り出した。】
/続きます
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/24(水) 22:05:52.08 ID:GcAdM9Kgo
>>(リリア)

            ―――番犬吠々<ケルベロス・マグナム>ッ!!

【召還陣から取り出されたそれは――銃、のような"何か"――否、そうとしか形容できない程の巨大な、銃器。】
【拳銃と思わしき形状、しかしそれでもグリップは驚くほど大きく、なおかつ中心のシリンダーは通常のリボルバー拳銃とは】
【比較にならないほどに巨大で、そして独特の存在感を放ち―――なにより、このバケモノじみた拳銃の最大の特徴は】
【銃身――シリンダーから敵へめがけ真っ直ぐに伸びたそれが三つ、"三連装"に連なっている事だ。】
【水平ニ連装のショットガンの上部に、もう一本の銃身を継ぎ足したかのような"歪"過ぎるフォルム――】
【銃身にはレリーフとして、地獄の番犬を司って精製された事を伺わせるケルベロスが描かれている――まさに、三つ首の"砲身"】
【セリーナは"弾"末魔とケルベロスを両手に片方ずつ構え――十字にクロスさせてリリアへと向ける。そして同時に――】
【炸裂、発砲――二つの銃口が吠えた。紫の魔弾と、20mmスマート・グレネードにも匹敵しうるマグナム弾が】
【二つの火線となり直進、迫るリリアを追撃せんと放たれる・・・ッ!!】
【"弾"末魔の魔弾には魔力の、そしてケルベロスの大口径弾丸には"烈風"の効果が付与されている事を記しておく――!】

【つまりは―――真っ向勝負。突撃するリリアを回避も、防御もせずに――撃ち合い、殴り合いに応じる様、ただただ――構えた。】

【これが――セリーナの戦い方だ。】
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/24(水) 22:10:00.55 ID:HVdSgyENo
>>957
【彼の三日月型の視線を受けて、反射的にたじろいでしまう】
【自分とソフト帽の男性へ向けられた言葉。能力者への殺意。それが一体何に根差すものなのかは知るべくもないが】
【一つ確かなことがある。戦いの火ぶたは切って落とされた】

【狭い部屋を満たす銃声、閃光。続いて、さらに高い金属音。まるで反応出来なかった】
【白銀の髪の男性が発砲し、ソフト帽の男がそれを銃弾で弾いた。どうにかそれだけは認識する】
【敵の躊躇いのない攻撃とその狙いの正確性も去ることながら、それを空中で銃弾で撃ち落とす、ソフト帽の男性の神技】
【青年は、今更ながら彼らがいかに凄まじい実力者たちなのか、まざまざと見せつけられた】


>>964
ええ、どうにか……
そうみたいですね、僕でもはっきりわかるくらいの殺気です

……ええ、あなたの信念に対して何も言うつもりはありませんし、僕も本当に危ないと思ったら、殺すつもりで戦います
そもそも、僕に彼を殺せるかどうかわかりませんけどね……

僕のほうこそ、足手まといにはならないようにします

【ソフト帽の男性の言葉に、青年も視線を敵から着ることなく、返答する】
【彼の信念もまた一つの正義の在り方だろう。彼が彼たる証、とまで言われてはなおさらだ】
【むしろ、自分のほうが足手まといになりかねない、とすら思う】


はい……敵地の中で、しかもこの相手……
猛獣が裸足で逃げ出しますよ……


>>ALL

No.4……ルルーメンの時といい、ナンバーズ上位には縁があるのかな……ハハ……
……こっちも、黙って殲滅される気はない

【ぼやきと自嘲を織り交ぜて、青年もすっと表情を引き締める。自分がどこまでやれるかはわからないが】
【自分に持てる全てを持って、ぶつかってみせる。そのために、青年はここにいるのだから】


…………!!!!!

【交差した手首と白銀の髪。舞い上がる燕尾服の裾。そして、抜き身の刃のごとき殺意】
【青年が感じ取れたのはそれだけだった。身体が反応した時には、すでに苦痛がその身を蝕んでいた】

【ソフト帽の男性への蹴りと共に放たれた銃弾は、青年の身体の数か所を抉った。咄嗟に飛び退いたおかげで致命傷は避けたが】
【開幕から、ダメージを負う結果となった。垂れ落ちる鮮血が、拷問室の死臭を上塗りする】


ぐ……このっ!!!

【自分自身に渇を入れるために叫び、揺れる意識を留めて敵に向き直る】
【ソフト帽の男性に肉薄しているであろう、相手に向かって、青年が反撃を開始】

【青年の右腕が上がり、それが彼自身の胸に突き入れられる。そう、腕が身体にめり込んだのだ】
【これが彼の能力なのだろう。引き出された右手には、色とりどりのボールが複数、握られていた】


行け、スライムボール!!!

【それを、拷問室の床に叩きつける。それらはいわゆるスーパーボールと呼ばれる玩具のように】
【血に染まった室内を跳ねまわり始める。やがてそれらは、白銀の髪の男性へと収束しようとするだろう】
【それらが身体に命中すれば。ボールは粘着性を持った液体状の姿となり、彼にまとわりつくだろう。これによって、敵の動きを制限するつもりだ】

【無論、ボールの動きを見切ればかわすことは難しくないだろう。また、当たったとしても粘着性の液体は、何かになすりつけるか振り払うかすれば、以外にあっさりと取れてしまうはずだ】
【しかし、命中の直後。その瞬間だけでも動きを制限出来れば。戦闘においては致命傷とも成りうるはずだ】
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/07/24(水) 22:19:55.42 ID:mkzszyR40
>>966

・・・ほう、炎は効かぬかッ!

だが、それ以上に『受ける覚悟』を持つのは難しい物・・・大した胆力ッ!・・・よく訓練された戦士よォッ!!

【シルベが、小刀の切っ先を向ける。そして嗤うッッ!?】
【どうやらこの男! 予想は出来たやもしれないが、徹底的な実力主義者! 実力を好む人種!】

故に・・・敬意を表すッ!

【故に敵であれど、惜しみなく賛美ッッ! 其処に悪辣はない。高潔な精神ッ!】
【だが、その目的! 忠誠の対象が邪悪! この高潔な戦士は、即ち・・・邪悪な騎士ッッ!】

敬意を以て・・・貴様との戦はッ!

我らのッ! カノッサのッッ!!

絶対的混沌永遠帝国の・・・・礎としてくれるゥゥゥッッ!!

【動ッ! 小刀が月光を喰うて、唸るように輝く!】

【飛来する礫群を、地を蹴って回避! やや掠めたが、被害は実際軽微だ。】
【そして! レグルスの目にも移ったハズ! 地を蹴った際に発生した爆炎! 地上での動きすら強化するのかッ………!】

絶対的一撃を・・・貴様のそのツラにッ! 深く、刻み込んでくれるわッ………!!

・・・・・・滅ッ!

【地を蹴り、跳ねた先は右方! そして地を踏みしめ、振るう! 小刀をッ!】
【絶対的一撃・・・それは、『光刃』ッッ! だが、放つのでは無い! 小刀の刀身から、『延びている』のだッッ!!】

【シルベの小刀『月輪之天鹿』は月光を司る! 故に月光を以て刀身を形作るのは、有る意味では必然の技か!?】
【横薙ぎに振るわれた、最早ビームとすら言える光刃! 狙うはレグルスの腰………一刀を以て、両断する一撃ッッ!!】
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/24(水) 22:21:59.28 ID:yax1dFC+o
>>964
【蹴りあげた左足、まるで一本の線のようにその足のラインが伸びる】
【弾かれる金属音と響く銃声、視界の端で捉えたその軌跡は虚空へと消えていく無垢な叫びのよう】
【――――――外したか、そう思考するよりも早く、その跳弾≠フ音が耳へと流れこむ】

……別に良い、それが貴様の信念であるならば、好きにすれば良い
夢幻のようなそんな空想を貫こうが現実に叩きのめされようが
俺が貴様の信念を否定する権利などない――――――だが……ッ!!

【後ろから来る、そのことは分かっていながらも、その位置まで分からない】
【さすがの技術だ、跳弾を放つには凄まじい技術が必要な分、その技術は非常に効果的で】
【ガードごと蹴り飛ばした貴方、ちょうど貴方の相方と同じ辺りの位置に飛ばせたであろうか】

【伸ばした右足で地面を蹴った、そのまま彼の身体が空中で一回後ろへと捻られる】
【いわゆるバク宙≠ニ呼ばれる特技、白銀の髪が室内に吐息をこぼしたなら】
【風を浴びるその横顔は憂いを保ったままの、静かな泣き顔にも見えた」

分かっているのか能力者=\―――――カノッサ機関のナンバーを与えられた意味を
ナンバー4という、俺の肩書きの意味を……

そして、それでもなお不殺を貫くと言うのであれば……
信念を抱いたまま、惨めに死んでいけ――――――!!


【空中で翻る、その刹那、彼の視線が真っ直ぐに目の前の貴方を捉える瞬間】
【両手で握った拳銃がその銃口を正面に貴方を捉えるのだろう、二つの牙が貴方へと視線を向ける】
【刹那――――――咆哮が二乗、絡みつくように響き渡った】

【バク宙で跳弾を回避しつつ貴方への追撃、銃弾が数発ほどやや荒い軌道で放たれた】
【掃射したすぐ後に着地、地面を滑って両足が肩幅より広く開かれるのだろう】
【両足が地面を噛んだなら指先で両方の銃をくるくると回す】

【回避と攻撃、その両方を同時に行う――――――さすがの実力と、言えようか】
【けれども折角詰めた距離を再び開けることになる、生半可な戦法では、二人の能力者は相手できないのだろう】
【無表情の水面に奔る汗の形が、ハッキリと浮かび上がった】
>>969

【地面に着地し顔を上げたならすぐ目前にまでスライムボールが迫ってきているのだろう】
【舌打ち一つ零したなら彼は再び銃での迎撃を試みようとした】
【けれども、効果が分からなかった、果たしてこのボールに、触れても良いのか、と】

足掻きたければ足掻け、も掻きたければも掻け
貴様の持つ全ての力を――――――俺へと示すが良い
能力者≠フ全力を叩き潰して初めて、俺の力の証明となる
この世から一片の例外も一片の見落としもなく、全ての能力者を殲滅する
――――――ソレがたとえ機関≠ナあったとしてもだ

【彼は瞬間、両手の拳銃を前方へと投げ捨てるだろう】
【そしてその拳銃を楯に、ボールを真正面から貫くように駆け抜けた】
【ボールの雨を抜けたなら彼はほぼ無傷でその距離を見届けるだろう】

【―――だが、拳銃についたボールまでは拭えない、粘着力を発揮した拳銃は】
【彼の右手の袖にくっついているだろう、拳銃が二挺彼の右手に付着していた】
【追撃を行おうとして一つ遅れた、少し考えこむように表情が歪んだ】

……なるほど、小賢しい手段だ……だが効果的だな
尤も、それが通用するのは、単なる雑魚が相手の時だけだ

そんな玩具いつまで振りかざしている――――――!!

【左腕を外側へと振りぬいたなら、左手の袖からダガーナイフが零れ落ちる】
【彼はソレを左手で握ると、くるりと手元で一回転、その切っ先を貴方へと向ける】
【呼吸で一つ狙いを整えたなら、真っ直ぐ貴方へと投擲するだろう】

【銃弾よりは遅いものの、投げ方が早く、銃弾よりもタイミングが掴みづらいだろうか】
【狙いは右足、貫いたならばダメージは中々大きいだろう】
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/24(水) 22:30:54.15 ID:W0ESyxIho
>>962

【先ず飛来する水の刃が火山弾を1つ弱めた。次いで、絨毯の火勢を弱めるのにもう一つ】
【最後に翼へと飛来するものだが――これはムダだった。翼それ自体が、また変形し】
【黒曜石のような刃と化して、見事に水のソレを受けきったためであった】

【そしてリリアに近付けば、恐ろしいほどの熱気を感じるだろう】
【それこそ砂漠の昼、太陽の酷射のよう。逆に言えば、ナウファルには容易いのだろうか】


ぐ、ッ……!ふっ、あはは…!ムダだよキミぃ、無駄無駄ァ!
魔力は元来君たちの比じゃあないッ!!力ですら、古龍の力を得た私に――
『ただの人間如き』がさァ……敵うわけ無ェだろォーがヨォォォォォオオオオ!!!!


【蹴りの効力は、僅かに唾液が飛んだだけ。直ぐにリリアは立ち直って、右手を動かし】
【彼のその脛を掴もうとして、逃がすまいと、へし折ろうと、一挙に力を込めていく】
【更に数秒後、極太の尻尾がゆらりと動いて――対策を取らねば、左脇腹になる他のような一撃を見舞うだろう】

>>963

【セシルの行動は正解だろう。一気にかかっていけば倒せる、という相手ではない】
【冷静に状況を見極めれば―――そうだ、やがて援軍も来る。ならば防御は最善策】
【彼の燐光とナウファルの水の刃のお陰で、火山弾による攻撃は相当に弱まった】
【未だに脅威は有るが――そんな時、セシルには声が聞こえるだろう。聞き覚えは在るはずで】


  『――おい、池だ。そこに今、私が城の中で行使できる力を集めてある』
  『奴の特性は圧倒的な火力……ならお前の助言通り、水で抗するのが一番だろう』

  『……お前に、一時的に城の魔力を預けてやる。私達が向かうまでに、なんとかして持ちこたえろ――!』


【―――と。さて、もし彼が池の方に意識をやれば、その水は自在に操ることが出来るだろう】
【水の一滴一滴に至るまで、多量の魔力が練りこまれた極上の武器であり、触媒だ】
【使い方は自由――防御か、余裕があれば攻撃か?使うものによって姿を変えるのが、水であろう】

/続きます
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/24(水) 22:31:08.98 ID:W0ESyxIho

>>967-968

【接近よりはやく、その鳩尾に弾丸が2つ叩きこまれた。さすがにこれには鱗もひび割れて】
【それでも尚進んでいったのは流石に化け物、最終的にはナウファルの蹴撃で止められるが】
【更に向けられるのは多重の銃口。速度で負ける分、ナウファルを盾には出来ないと察し―――】


  ――オぁ、ゴ…ホッ……!ッッぅ〜――セリーナぁァァァ……!!
  しつこい糞アマが…ッ!お前が……お前らが居るから何時まで経っても計画が進まないッ!

  機関の無能な連中よりもテメェ一人のほうが私に取っては邪魔もいい所だ、このッ!
  クッ……だふが…だが無駄なんだよォ、セリーナ…!!
  私の能力は教えたよなぁ…?ならこの武器ですら……魔具ですらも取り込めるってのは……!

  ―――――容易に想像できるよなァァァァァアアアア ――!!!!!???
  アッハハハハハハハッ!!!無駄無駄無駄無駄無駄ァァ!!焼け焦げて、炭すら残らず消してやるよォォォォォ―!!!!


【――行動より早くセリーナの銃撃がリリアの胸部に25cmの風穴を開けていた。】
【吹き抜ける烈風≠フ残り風ががらん堂に音を鳴らし、同時にナウファルへの対処が疎かになれば】

【果たして、ソレで終わるはずもなく。リリアは左手の剣を自らの顎から頭部を貫くように突き立てた】
【ズブズブと吸収される魔剣に比例して胸の傷は癒え、全身に黒い岩のような装甲が出現し】

【あっという間に回復を果たした彼女が大きく唸ると、その周囲には巨大な火柱が三本出現した】
【それぞれがパルテノンの柱ほども在るソレは、リリアを中心に渦巻きながら、それぞれが勇者の元へ向かい】
【彼らの身を骨1つ残さず溶かす為に、圧倒的な火力を以て襲いかかっていった】

>>ALL

【加えて―――先ほど燃え始めた赤い絨毯が、一気に火勢を増して天井にまで炎が届く】
【やがてそれは明確に形を取り始め――灼熱の津波となって、パルテノンの全てを焼き始め】
【しかし、先にナイファルが水で対策を取ったためかゆっくりと――全ての者に、降りかからんと動き始める】

【もっとも言ったように、動きは鈍い。パルテノンの外に逃げるなり、炎自体を何とかするなり】
【対策を立てる時間は十分にある。まずは火の柱、次に火の津波だ】
【更にリリア自身は自らを更に強化している――彼女の周囲など、最早大理石が溶岩と化していて】
【まるで火獄炎の権化の如き姿は化け物という単語ですら足りない様相――既に半魔などではなかった。】
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/24(水) 22:36:08.05 ID:JS5I3mpIo
>>965

【和やかな空気で問いかけるも、当の客人はそっけない素振り、口を尖らせてやや不満そうにしながら】


えー、女の子ならこーいうキラキラした世界に憧れてこそ滾る所じゃないのそこー!
柊だっけ?淑女ならばいかなる時も優雅たれ、とお父様とかに教わらなかった訳?

―――ま、これくらいは避けられちゃうと思ってた、し!


【初撃の発動によってテーブルもろとも床を光の帯が叩き割る、おそらくは彼女が前もって仕込んでおいた罠だ】
【放った一撃の残滓から感じ取れる洗練された光の一撃は魔術によるもの―――彼女は魔術師なのだろうか】
【最初の直線軌道で辺りに来る魔術の発動―――そのほぼ同時にブレンは椅子から背後に跳ねていた】

【罠の意図は無論、相手の動きをある程度自分の予想通りに動かすためである―――同時にブレンはその手の中に握りこまれた物を】
【斜め前方に飛び、刃を向けながらこちらめがけて接近をしかけてくる柊の太刀めがけ投擲する!】
【飛んでくる得物は短剣―――それも割と高価そうな品を、高速接近しつい先ほどまで自分のいた位置に刃を振るおうとする彼女目がけて放つ、が】

【キィン!と、甲高い金属音を打ち鳴らし短剣はスッパリと断ち切られる!】


(―――うっわ、マジ!?お豆腐みたいにすっぱりと切り裂いちゃったし!それに思いのほか素早いし……!
さっすがに六罪王の一角の首狙いに来ただけはあるなぁ……)

―――け、ど!それはこっちだって負けないし!次はこっちの番!
『加速』、『強化』、でもって、―――生まれろ!『ブリューナク』!『グラディウス』!


【くるん、と空中で身軽に宙返りをかましながら着地、同時に自分の体に『肉体強化(バフ)』をかけ、こちらも接近】
【それまでの一連の動きと比べ、明らかに上がった速度を持ってこちらも柊に接近!】
【―――その同時に両方の手に握りこんだ緑色の珠に、己の魔力を流し込む―――すると、手の中の物から光が生まれ、ひび割れる音が鳴る】

【ブレンの手元から生まれたのは、右手には峰が赤く切っ先が白い曲刀、左手には1m半ほどの細長い銀の突剣】
【彼女はその速度を持って接近してくる―――が、真っ直ぐではなく柊をかすめる軌道で通り過ぎていくように動くだろう】

【だが、その際彼女は右手の曲刀を持って、通り過ぎ様に彼女の左わき腹を切りつけていこうとしてくる!逃げながらの攻撃か】
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/24(水) 22:38:08.91 ID:YWMEC9gH0
>>970

……及び腰で、こんな戦場に立てるかよ……ッ!

【――――5年前の『あの日』から、レグルスは命懸けで戦う場面を、何度も潜り抜けてきた】
【魔術に鞍替えをした今でも、あの日々の経験を失ってはいないつもりだ】
【グッと首を振るって、左目に掛かってこようとする血を振るいながら、今一度睨みつける】

……ハッ、最初から出し惜しみはなしだ……!
そうそう軽々に行くと……思うんじゃねぇ……ッ!!

【礫の雨を回避し続けるシルベを捉えながら、レグルスはもう一度、拳に力を入れ直す】

――――バルオー(命)・ジン(固着)・イム(怒り)・ビン(レベル2)……『ウォークライ』!!

【再び魔力を行使して、術式を発動させるレグルス】
【その刹那、レグルスの身体にピンク色の淡い光が纏い、まるで脈動を思わせるような明滅を始める――――】

――――――――ッッ!!

【そこに、真っ向から振るわれる光の刃――――まるで、レグルスの最初の一撃をそのまま返す様に、横薙ぎに】
【理想的なのは、姿勢を低くして刃の下を潜り抜ける事だろう。横薙ぎは、縦の回避に弱いのだから】
【だが、レグルスの得物は長物。無駄に地面に姿勢を寄せれば、その取り回しに不都合が生じる】
【なら、ベターな選択は――――上への、回避】

っっぁぁぁああああああッッ!!

【咄嗟に、レグルスは跳躍。腰を狙って振るわれた光の刃を、飛び越える】
【だが、流石にシルベのスピードは、完全に回避し切れるほどの甘いものではなく――――左のふくらはぎを、ざっくりと切り裂く】
【そのまま、再び迎撃の形で、レグルスは頭上から棍を打ちおろしてシルベを叩きのめそうとする】
【やはり、シルベの初撃に近い、真っ向からのレグルスの振り下ろし――――その威力は、上への跳躍と相反するものながら、中々の威力だ】
【――――先ほど使われた魔術『ウォークライ』。それが関係していると考えるべきだろうか】

【成功の如何に関わらず、レグルスは再び大地を踏みしめると、後方へとバックステップする】
【だが、やはりふくらはぎに受けた一撃は大きい様で、その動作はぎこちなかった】
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/24(水) 22:39:29.35 ID:YWMEC9gH0
/>>975追記

【残存魔力 10/17】
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/24(水) 22:46:57.99 ID:K1e8zAR2o
>>969

【どうやら、跳ねるのは自身の放つ銃弾だけでは無いらしい。味方である青年が床に叩きつけた其れは速度では跳弾に劣るものの、有効な手段だと男は確信した】
【軌道を大きく変化させる其れを、敵は無視することは出来ないだろう。視線を集めさせる―――其れだけで自分の跳弾が活きてくる】
【速度の違いが緩急にもなり、自然とお互いがお互いのサポートになる―――ソフト帽の男がみるに、かなりの良手だった】

【青年の能力に一瞬眼を丸くしたが―――自信無さ気な言動とは異なり、男は頼れる人物であると青年を認識した】

―――足手まといだって? 全く謙遜しちゃってさ……
(出会ったばかりの即席コンビ……でも、何かしらのコンビネーションは可能かも知れない……!!)

【正確、そして迅速に絶命させんと攻撃を放つ眼前の敵は、一人では厳しい。絶命させないようにと気を配る自分とは反対であり、其れは最も勝利に繋がる戦術だ】
【どう足掻いても、一人では敵わない―――戦術の差が、自分が背負った枷の重みがそう告げている。しかし、今は一人ではない】

【戦闘を最も効率良くこなす敵を打倒するには、数の優位を活かしそして―――1+1を3にも4にもするような、そんな工夫が大事であるということを頭の片隅に入れた】


>>971

うるせーな、意味なんて考える余裕も無ェんだよこちとら……!
兎に角強いってことだろ? ―――だからどうした……相手の強さで変える程度のモンなら其れは信念とは言えねぇんだよッッッ!!!

【アクロバティックな回避と共に間髪入れず放たれた攻撃。息も吐かせぬ展開の速さ―――ナンバーズ上位は、伊達ではないと言うことか】
【ソフト帽の男には彼のような華麗で素早い回避が出来ない。ならば自分だけの方法でこの場を凌ぐ―――!!】

―――っらぁぁあッ!!

【咆哮と共に弾丸を左の銃口から放つが―――その先は地面。放たれた弾丸は青く輝き地面と衝突した刹那、その場から大きな氷柱を生やす】
【その氷柱が彼を護る盾となり銃弾を受け止めようとするが―――数発の弾丸を受け止め、最後の弾丸が当たった途端に一気に氷のオブジェは砕け散った】
【男が握る大きく重厚な拳銃から放たれる弾丸は、一発一発が軽いはずもなく。氷の盾では、その連撃を完全に受け止めることが出来なかったのだ】

【そして彼を護っていた盾が破壊された途端、氷の破片が視界を奪い―――自分へと牙を剥いた。思わず眼を細めるしかなく―――少しばかりの隙を見せることになる】
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/24(水) 22:53:41.41 ID:K1e8zAR2o
/次スレです
/http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1374673996/
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/24(水) 22:58:50.31 ID:vN1c5JZfo
>>962(ナウファル)

【贈った燐光の守護は接近戦に挑むナウファルの簡易的な障壁となり、魔法も物理も半減近くまで擦り減らせるが】
【攻撃を受けるほどに障壁もまた擦り減っていく。減った燐光は散り散りに相手から離れ――根源たるセシルの周囲で淡く呼応した】

>>967(セリーナ)

【戦火、災禍、表現全て集め切っても足りない暴力的な熱量を潜り抜けながら細めた視線をちらと向けて、懐かしい名にニヤりと笑う】
【古い記憶を辿った後の到着点は一番最近の鮮烈に残る記憶だ。自分が放った言葉だけは今でも確り覚えている】

私はあの時、貴女の正義を否定した――、っッ

【熱風の一部が襲い掛かり、即座に虚空へ退避し、祭服の裾をはためかせて着地】
【紅茶色の長い髪が遅れてざらと落ち、その奥に表情を隠す。ほんの僅かな間を置いて、】

――…………軽率でした。今は素直に、そう思う

【俯いたまま一息に言うと、くっと顔を上げる。いつかの淀んだ色を押し込めた目は笑える位に真摯だった】
【相手を、仲間を、敵を、恐らくは一番距離を置いた地点で把握しつつ――庭園へ視線を向けたセシルが、不意にこめかみに片手を当てた】

>>972(綾津妃)

【声が届く。目に受けた呪術で水面下に繋がりを持つ相手の助言を呑み込めば、視線の先の池へ剣を握る手を向ける】
【前線に出ている二人は十分に陽動になりえるが、怒り狂う相手がそのまま自分だけを見逃してくれるとは限らない】
【少しだけ剣を持ち上げる。呼応して水が持ち上がる。相手の言葉通り支配下に置いた事を確認し――セシルの影が、揺らぐ】

>>ALL

【火柱が劫と燃え上がる一瞬、セシルの足許から影がぶつりと繋がりを絶ち走り出した。同時に本体も反対方向の庭園へ駆ける】
【本体を離れた影は炎の影を利用しその姿を一瞬晦ませ――直後に現れたのは、半魔から見れば簡単に捻れるような魔物一匹】
【風船のように膨らんだ体を丸めて虚空に浮かび眠る桃色の獏。夢を喰らう魔、それで夢魔。狙ったように相手と対になる存在だった】

【――微かに、濁流の唸り声がする】
【ただしそれは、驚異的な知覚を以てしても何ゆえかリリアだけには響かない】
【怒り狂う相手が気付けるだろうか、其処には強力な幻覚作用が働いている――件の獏の能力だ】
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/24(水) 23:11:45.27 ID:ECbu7luG0
>>974

……あいにくだけれど、そんなものには縁がないわね。
御伽話より、果たすべき “今” に私は興味がある―――――

【流れゆく清流の当然さで、戦いを在るものとして紡ぐ返答。だが、軽口に応じるのもここまでだろうか、踏み込む反撃の足音が響いて】
【――――――― 早い、超常の戦闘速度で思考する。】
【だが “彼女には”、知覚が不可能となるほどではない――――― 即座に全身に残る勢いを流用、前腕の動きから、振り上げた刃を下向きに戻して】

(……、―――――――)

【太刀の刀身で斜めに受け/反りに添わせて刃筋を流し、機動力を削がれぬ程度の停滞から手首の利きで “弾き”、そのままの勢いで反撃を狙い、】
【背後で空を切る刃を柄で知覚した。背を斬れたとしても、限りなく浅いと判断を終える。】

(このままなら問題はないか。けれど距離を取った理由が気にかかる―――――)

【横方向への移動の準備とともに、背後に逃れたブレンヒルトへと振り向いて】
【柊は足許を軽く踏み締めるだろう。気取られぬ程度に、確実に。】

【―――――― 遠隔攻撃を予測したのだ。その隙を、突くつもりでいた。】
【“単純な” 不意討ちならば対応は容易―――――― だが二重三重の罠ならば、その予測をも越えて届き得るだろうか】
【何れにせよ次手はブレンヒルトに譲られる。柊の対応は、その一手次第なのだろう】
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/24(水) 23:12:15.16 ID:HVdSgyENo
>>971
【眼前の光景に、一瞬見惚れてしまった。鉄火場の中に居ながら、何をやっているのだろう】
【意識の端でそんなことを考えながら、それでも目を奪われた】
【天井に兆弾させて相手を狙う、ソフト帽の男性の技量】
【それをアクロバティックな動きでかわし、さらには反撃にすら転じる白銀の髪の男の身のこなし】
【そして、白銀の髪の流れの中に見える、憂い】

【命のやりとりの最中でなければ、口を開けて見入っていたかもしれない。しかし、ここは戦場だ】
【大型拳銃の放つ咆哮が、嫌でも青年を現実へと引き戻す】

ああ、やってやるさ。命が尽きる瞬間まで、足掻いてもがき続けてやる
……何のために、機関まで含めて能力者を皆殺しにしたがってるかは知らないけど

ただ、無為に斃されたりはしない――!!

【白銀の男の叫び返す。自分を奮い立たせるため。全力で、目の前の脅威に立ち向かうために】


>>977
【目を見張るのは青年も同じ。ソフト帽の男性の見せる射撃術は、青年から見れば、まさに神技≠ニ呼ぶに相応しいものだった】
【戦闘能力に関しては、場慣れも含めて彼のほうが遥かに上だろう。なら自分のやるべきことは自ずと決まってくる】

(一人なら勝ち目ないだろうけど……この人とうまく連携出来れば、勝機はきっとある!!)

【青年もまた、ソフト帽の男性と同じく、この場での工夫、連携の重要性を認識する】
【眼前のNo.4の圧倒的な戦闘能力と躊躇いのない殺意に対抗しうるとしたら、突破口はそこにあるはずだ】


>>ALL

(スライムボールは命中したか……あれで武器を封じられたらいいけど、そんなに甘くはないだろうな)

よく言われるけど、これが僕のやり方でね!! 玩具もバカに出来ないって思い知らせてやる!!

【自身の放った攻撃の結果を見届ける。大型拳銃と彼の手が接着される。ひとまずは、動きを制限するというもくろみは成功だ】
【しかし、やはりそれで済むほど甘くはなかった。言葉と共に放たれたのは、ダガーナイフ】
【袖から出現した暗器。狙い違わず飛来するそれに、青年は対処できなかった】


うぐ!! ぐ……

【悲鳴を痛みをかみ[ピーーー]。わずかに足を動かして狙いを逸らせたものの、ダガーナイフの切っ先は青年の右足を貫いていた】
【反射的に蹲り、刺さったダガーナイフを一気に引き抜く。流れ出す鮮血。しかし、引き出されたのはそれだけではなかった】
【白銀の男からは見えるだろうか。青年の右手に握りこまれた独楽が二つ。足からダガーを抜く動きに隠して、密かに足に右手を突き入れて取りだしたもの】

う、おおおお!!!

【自身を苛む苦痛をごまかすため。そして、相手の認識を逸らすために、叫びながら身を起こす】
【足にダメージは大きい。この戦闘では、あまり素早い動きはできそうにない。霞がかる意識を無理に眼前に引き戻せば】
【ソフト帽の男性の防御。砕けた氷柱。露わとなった隙。敵は容赦なくそこを突いてくるだろう。だが、それは同時にチャンスとも成りうるかもしれない】

これ、返すよ!!

【右手に引き抜いたダガーナイフを握りこみ、白銀の男へと投げつける。彼の正確無比な投擲には及ぶべくもない、ひどい腕だ】
【しかし、本命は違った。ダガーナイフを引き抜いた時に取り出し、右手に握りこんでいた二つの独楽を、ダガーナイフの投擲に隠して地面に投げていたのだ】

(頼むぞ、スピンブレード!!)

【二つの独楽は、ほとんど音をさせずに地面に着地、そのまま回転をしつつ白銀の男の足元へと向かっていく】
【その周囲からは薄く丸い刃が飛び出している。地面を走り、相手の足を傷つけることで機動力を削ぐための武器】
【白銀の男の身軽さは脅威。ならば、それを生み出している足を傷つければ。今なら、ソフト帽の男性の隙に気を取られているはず。そう踏んで】

【とはいえ、相手はナンバーズ上位。青年の小細工など、どこまで通用するか。投げるのを認識され、かわされればそれまでだ】
【本来は相手の足元をしつこく走り回る武器だが、この室内でかわされれば、すぐに壁にぶつかって停止するだろう】
【また、命中したところで殺傷力はそう高くはない。どこまで、ダメージを与えられるか。そもそも、本当にソフト帽の男性の隙に気を取られるのか】
【次の白銀の男の行動に、成否がゆだねられる】
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/07/24(水) 23:16:48.46 ID:mkzszyR40
>>979

【意趣返しの横薙ぎ・・・肉を切り裂く感覚ッ!】
【シルベは獰猛な笑みを浮かべるが、面頬故に見えぬ。凶暴な眼のみが物を言うッ!】

そしてッッ!!

意趣返しの・・・更に意趣返しという訳かッッ!!
面白・・・オォォッ!!!?

【小刀で受けるッッ! だが! 力負け! シルベとてパワーには自信あり、まして先程の棍棒の一撃からは・・・】

(此れ程のパワーなど想定すら出来ぬッ!?)
(・・・となればッ!)

【あの桃色の光が原因かと気付いた時にはッ! 既に後方に弾き飛ぶシルベ!】
【体勢を立て直し、着地。しかし腕には鈍い痛みッ! 骨の痛み!】

(受け方を間違えたか・・・何たる失態ッ! だがッッ)

まだまだァッ! 此れしきの痛みなど我が心胆の前には無痛!

このシルベを! ナンバーズを簡単に崩せるとでも・・・思うてかァァァッッ!!

【腕には不安。ならば、脚を使えば良いだけッ! それは、シンプルな解決策ッ!!】
【炎の脚を振るえば、レグルスに向け放たれる刃! 其れは炎熱の手裏剣!】

【人間の首程度なら容易く刎ねられる寸法! 速い! その狙いは無論、首!】
【だが、やや焦りありかッ! 刃の形成が緩く、崩すのは容易!】

【戦いも佳境・・・月のみが、其れを見守るのだ。】
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/24(水) 23:18:32.06 ID:YezoHS25o
>>972

【掴まれた手を振り払うのは容易ではない、単純な膂力に関しては圧倒的に相手の方が上だ】
【かといって搦め手で手を放すのを狙って、それを待ってくれる相手でも無いだろう】

【天辺に達した足が力を失う前に、蹴る力を膝へと伝播して曲げ上げ、体を持ち上げる】
【蹴り足は親指と他指の間、脛の踵側は空いている部分へと脚を引き反対に膝側は相手の手を押し捻るように】
【軸足は速やかに体重を移動し、振り上げて体より上へ高く】
【掴まれた脛は指の圧によって僅か、けれども尋常ならぬ様子で皮膚と肉をひきちぎりながらも、それを犠牲に梃の要領で擦り抜ける】

嗚呼、そうだ――ヒトは脆い、ヒトは儚い、けれどもヒトは廻り巡る
心折らレた者は立ちあがり、気高き者はより明るく輝き続ケる
ソレが御前のきらいな、ヒトの美しさなンだ!

【ぐるり、風車めいた形で持ちあがった軸足は相手の肩か頭を蹴り去って――もしくは空を切って半ば投げ出されながら】
【無理矢理に抜け出た体はまともな着地ならずとも、弾幕と相手を飛び越え、背中すれすれを火の柱に焼かれつつも逃れた】
【身代わりのように焼き焦げる外套をショールごと脱ぎ捨て、曲刀を庇いながら地面を転げて祀りの中から離れる】
【初手は多少当てられたものの、最早簡単に近付けない】

ッ、まるデ盾だ……いや、ソレそのモノが剣か
兎角、チョットの水じゃ……

【ちらりと目の端に見遣るのは、既に彼が向かっている噴水だ】
【跳び起きるように立ちあがりながらそれを見送り、再び目の前の炎の化身へと目を移す】
【祈る様に曲刀を横一文字に構え、祈りを天へと捧げるも。いつものように、水を刀に呼ぶのではなく】
【水の気配を高めるように、火に支配され火の押し寄せる神殿の中、残る水へと呼びかけるように】
【少しばかり距離を置いた程度の今の位置は、危険なはずだが】
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/24(水) 23:20:24.74 ID:GcAdM9Kgo
>>972-973

【銃撃は――――なんとか、通ったか。ナウファルのサポートのおかげもあり、セリーナは最初の攻撃に成功。】
【続くケルベロスの砲撃紛いの爆裂大口径弾丸と、"弾"末魔の一撃もヒットさせる事が出来たようだ。】
【ティターン・アーマーに爆撃の衝撃波が降り注ぐ――ダメージを軽減、至近距離での攻撃だがなんとか、耐え切って】
【セリーナは残りニ発となった"弾"末魔をアーマーと一体化しているガン・ベルトに戻し、ケルベロスを両手で構えた。】
【巨大な三連リボルバーの撃鉄<ハンマー>を左手でガキリ、と起こせば銃身はダイナミックな回転を見せ】
【既に一発を撃ち終えて強烈な射出エネルギーに焼きつき、使い物にならなくなったバレルがぐるりと回り】
【残り二本となった使用可能なバレルの内一本がシリンダーと直結、装弾が完了。】
【身に着けていたテンガロンハットの影響で帽子の形に変化している鎧の奥、ターゲット・サイトを至近のリリアへとロックし】
【―――足を踏ん張り、番犬の名を持つ巨銃をリリアへと、向けた。】

―――計画、ね。アンタが何を考えてるのか、正直なところは分からない。
けどそれがこんなに大勢を巻き込んで、傷つけて、消えない痛みを植えつけるようなモノだって事はアタシにも、分かる。
邪魔するさ、いつだってアタシ達は後手に回るしかないんだから・・・ッ!!
これ以上好き勝手させて、たまるかッ!!

【構えたケルベロスを、続けて発砲しようとする。一気に攻め込み、鎮圧するのが目論みだ、だが――そうもいかない。】
【先程の風の爆裂弾が空けた風穴すらも塞がれ、更には魔剣を取り込んだことにより此処に着ての防御力向上――】
【全くもって油断ならない、一瞬でも気を抜けば殺されそうなほどの威圧感が、再び――戦士達を、襲う。】
【まず火柱――セリーナは迫る其れをバック・ステップを踏み後方へと後避けて、回避しようとする。】
【しかし逃げ続ける事は敵わない、ナウファルのお陰で速度を緩めたとは言え――】
【広がり続ける絨毯の炎は熾烈を極めた、これでは火柱か炎、どちらかを撃ち止めない限りどうにも出来まい――。】
【ならば、と言わんばかりにセリーナはターゲットを変更、すかさず今度は舞い上がる火柱目掛け銃口を向け、そして――】

―――眼には、眼をッ!!拳には拳をッ!!それがアタシが、この20数年で学んだ事、だッ!!

―――吹っ飛べェェェッ!!

【火柱目掛け、ケルベロスを発砲――そう、つまりは"迎撃"だ。向かい来る広がる火柱をどうにかしてしまえ、という作戦。】
【広がる炎はまだ速度が遅い、ならば先に対処すべきは火柱であるのは明快――問題はその方法だ。】
【セリーナには火力があり、火器が豊富に存在する。しかし逆に、冷却する武器は非常に、少ない。】
【この獄炎を生み出すフリーク<怪物>相手に一体どこまで通用するかは分からぬが――切り札は取っておくべきだ。】
【であれば、残る弾丸を使うまで。風、氷、ケルベロス・マグナムの三つ首が司るもう一つの属性は、そう―――】

【"あの"決戦時、最期に鐘を鳴らすために使用した炎の爆裂弾、つまりは火炎弾であり――】
【火柱目掛け発砲、放たれたグレネードじみた弾丸が炸裂し――爆風。炎と炎が、互いを消し合うように衝突。】
【しかしケルベロスのそれは指向性を持つ炎の"弾丸"だ、吹き飛ばす推進力ではかなりの力を見せる筈。】

【―――もっとも、降り注ぐ津波に関しては手薄になる。垂れ下がった炎の幕がセリーナを包み――アーマーを、焦がす。】
【余す所など無いかのように強烈な炎が次々に降り―――機動力を持たないセリーナは熱風に、苦しむ。】

―――あ、く・・・うううぅぅぅ・・・ッ!!ぁ、ああああ・・・・・ッ!!―――ぐうぅぅ・・・っ!!

【強固なティターン・アーマーですらも防ぎきれない程の炎の壁――浴び続ければ限界を迎えるのは目に見えている。】
【しかしその中で尚、セリーナは算段をつける。それは次なる攻撃への準備――――】

【以前の戦闘の記憶がリリアの脳内に残っているのならば、ケルベロスマグナムに残っている弾丸はそう、"氷"属性のそれだ】
【爆炎の中で溶岩と化した城に立つリリアの姿を、視界の奥に捉える。効くか――効くまいか。】

(・・・効力があるかはわからない。けど・・・くっ!ブチ込むならコイツしかない・・・!!)
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/24(水) 23:26:11.95 ID:yax1dFC+o
>>977

【目を細める、前衛後衛とハッキリ別れるわけではないが】
【それでも互いが互いをかばい合う絶妙なコンビネーションであったからだ】
【―――けれども、甘いと彼は思った、それではやはり、足りないと】


言葉だけは一人前だな、そして吠えるだけなら誰にでもできる
信念を口にするのは勝手だ、先程も言ったように否定する気もない

――――――だが、それを口に出した意味を自らに問いかけろ


【彼の右手が煌めいた、拳銃を付着させたまま強引に縦に振り上げる】
【手首から取り出すダガーナイフを握ったなら、その狙いを貴方へと向けて】
【握り直したならその先端が、真っ直ぐ貴方をつき貫かんとするように】

【砕けた氷の破片が、貴方へと注がれたなら】
【ろうそくの灯火を反芻して、まるでプリズムのように輝くのだろう】


俺は能力者を殲滅する、それが俺の信念であり存在意義だ
そして俺はそれを遂行する、そこで初めて俺という存在が意味を持つ

そうして俺は……漸く俺になれる――――――


【右手のダガーナイフを投擲したなら、その切っ先は貴方の右手を貫かんとする】
【だが狙いは甘い、右手に付着した拳銃の重さが彼の動きを制限していた】
【舌打ち一つ零したなら、強引に左手で拳銃を剥がすのだろう、その分攻撃の手段が散漫になった】

>>981

【返される叫び声、意外だなとかすかに感じた】
【―――銃を扱うソフト帽の男に比べれば、貴方はもっと弱い人間と思っていたから】
【評価を書き直すけれども表情には見せない、ただ静かに無表情を浮かべて】


玩具は所詮玩具だ、人を殺すのにはあまりにも無力すぎる
ひょっとして貴様はそんな玩具で斃されたりはしない≠ニでも言うつもりか
ならば貴様の足掻きなど、見る必要すらもない――――――


【投擲されるダガーナイフ、見るまでもないと言いたげに鼻で笑おうとするも】
【続く二つの独楽に、新たな迎撃手段を選ばさせられた】
【いつの間に、と彼の口の端から零れる言葉を、聞き取れるかもしれない】

【貴方の読み通りだソフト帽の男の見せた隙、それに対処することに彼は必死であった】


……所詮、何と言おうと貴様は玩具しか扱えない
貴様の投げたソレは武器≠セ、明確に人を殺す凶器=\―――――

それを人に向けることができる、覚悟が貴様にあるのか
役者不足だ玩具屋、あるべき世界に帰れ


【彼へと投擲されたダガーナイフが、急激にその軌道を変えるだろう】
【彼の左手へと引き寄せられるように――――――視線を向けたなら気づくだろう】
【ダガーナイフの後方に括りつかられた細身のワイヤー、それが彼の左手の手元へと続いている、と】

【ある程度までダガーナイフを引き寄せたなら、彼はそのまま左手を外側へと振りぬく】
【大きく弧を描くダガーナイフが、彼の前方の地面を薙ぐ≠謔、に一閃を放つだろう】
【彼へと寄ってくる独楽を一振りで弾き飛ばそうと、彼は攻撃を放った】

【だが追撃はできない、迎撃と防御で手一杯なのだろう】
【無表情に汗が幾筋か見えてきた、責める瞬間が近づくのだろう】
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/24(水) 23:34:44.25 ID:YWMEC9gH0
>>982

――――っ、くっ……!
(この足……コンディションが良くねぇな……! 動き回って戦うのは、よろしくねぇか……!)

【着地の動きで、左足のふくらはぎに鋭痛が走る。足首に連動する、大事な筋肉の部分が痛むとあっては、状況は楽観視できない】
【強く踏み込む、左足を軸にするなどの動作が、不完全になる恐れが出てきた】

だが……まだ!
(光明はある……さっきの一発、良い具合に入ったらしいぜ……!)

【しかし、状況は相手とて同じ様なものだ。シルベもまた、手痛くダメージを受けたらしい】
【『ウォークライ』で強化した一撃、決して無駄ではなかったようだ】

――――それはこっちのセリフだってんだよぉぉッッ!!

【身体に響くダメージ。軽快な動きが制限されるそれを抱えて、両者ともに距離を空ける】
【次の一撃は撃ち合いになるだろう。なら、まだ互いに勝機は残っている】
【レグルスとて、そう簡単に崩されるつもりはない。ましてやこの状況――――次の一撃は見えた】

(――――遠距離から足を使っての一撃……そりゃ、最悪とはいわねぇが、結構な愚策だぜ……!)
――――オー(土)・フェン(飛翔)・イム(怒り)・ザン(レベル3)……『ロックキャノン』!!

【己の得意とする魔術、その中にある「遠距離からの力押し」に長けた術を、レグルスは紡ぎ、繰り出した】
【レグルスのすぐ足もとの地面が抉れ、一抱えほどもある岩塊が持ち上がり、そのままシルベへと射出される】
【真っ向から、速度と慣性を乗せて、一気にシルベを叩きのめそうと――――】

【――――射撃に足を使えば、その後の移動に当然ながら支障をきたす】
【なら、是非もなく。後は押し切ってしまえば良い――――レグルスは、そう判断したのだ】

――――――――ぐっ…………ッ!!

【そこに放たれる炎の刃。レグルスは咄嗟に左腕でそれを受ける】
【先ほどの火に対する魔術防御は、既に効果も薄まっており、衣服に燃え移りそうになるのを振るってもみ消した】
【それでも、左腕には結構な火傷が広がる。棍を振るう事を考えれば、これもやはり無視し難いダメージとなるだろう】
【だがそれでも――――ともあれこの一撃を成功させる事。それをレグルスは優先したのだろう】
【そろそろ魔力の残量も心許ない。だからこその、確実な一撃を――――レグルスはそれを念頭に置いていた】

【残存魔力 7/17】
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/24(水) 23:43:10.39 ID:JS5I3mpIo
>>980


張り詰めた糸ほど切り裂きやすい物もないし。
ゆとりが無ければ長続きする力も手に入らない訳よ?まあカンケーないけど!


【軽口を言い切った所で、逃げの動きと同時に放たれる流し切り】
【しかし、実戦的な剣戟で振るうには軌道が極めて見やすい一撃、剣士にしてはやや甘い技だ】
【思いのほか容易く、刀身で流し切りを弾かれる】

【距離を取ってブレンは続いて柊の左手側へと移動を始めるが―――その最中、ずきり、と背中に痛みを感じる】


―――――――っ……!!逃げ切れて……ない、し……!

(……わーお、刀一本での接近戦じゃあこっちが不利だし……バリバリの剣士って事はもう間違いない訳ね
私程度のチャンバラでは単純な切りあいで超える見込みはなさそう、アイツのやりにくい間合いがいいかも!)

ほらほら行くし!schneiden―――――!


【手袋の甲に嵌めた赤い宝石から、両の剣に魔力を流し込み、剣を象って薄く斬れ味の良い刃型のエネルギーを流し込むと】
【大きく離れた間合いから柊の方向へ突剣『ブリューナク』で突きの動作を行うと、細長く真っ直ぐな形の光の刃が柊の腹部めがけて放たれる】
【加えて追い打ちをかける様に、左手の曲刀を横薙ぎに振るうと、ひね曲がった光の刃が弧を描き、柊から見て左から右へ、斜めの軌道で右胸の辺りを斬りつけて来るだろう!】

【単純な魔術の斬撃攻撃、ひねりもないその一撃はそのまま降り注いでくるが――――どう回避する?】
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/24(水) 23:45:07.67 ID:W0ESyxIho
>>979>>983

【獲物に逃げられ、何か得体のしれない獣が現れた――リリアにはそれしか分からない】
【だがどちらも激情を買うには十分過ぎる。額からは、怒りで切れた血管から赤が流れ】


  偉そうな御託を並べようが人間は無能だろーがよォォオオオ……!!
  こうやって抵抗してたって必至≠フクセにッ!偉そうなことをペラペラと、ッ〜〜!!

  ――雑魚がッ!!私の前に出て眠りこける無礼は万死に―――ッッ!!??!?


【獏を尻尾で薙ぎ払おうとする。当然、リリアにはその一点しか見えていないし聞こえていない】
【だからこそ、だろうか―――唐突な変化に気づけなかった。「神殿の柱が一本倒れてきた」のだ】
【そしてソレがリリアのいるまさにその場所に直撃し―――僅かばかり、静まって】


【―――キュルキュルキュル≠チという軽快な音が聞こえる。――『機関の無能な連中』】
【カチッ=\―『機関の無能な連中』――キュルキュル∞カチッ=\―】

『はっはーん、機関の無能な連中≠ヒえ?六罪王様の口から面白いセリフを聞いちまったなァ』
『しかも……あぁこりゃ偶然かなぁ。テープレコーダーに録音しちまったしよォ〜……』
『運悪く無線のスイッチを入れたまま聞いちまったもんなぁ……ケケッ、なぁおい六罪王よォ?』

【それは火が収まった直後の静寂に割りこむような、人を小馬鹿にした女の声であった】
【ブーツにホットパンツ、ジャケット姿。赤髪が目立つスタイルのよい、しかし大鎌を持った女性――】

「あまり虐めてやるなベイゼ・べケンプフェン=c…それに、もう六罪王ではないのだろう?」
「確かいくつか罪状があると言っていた筈だ。いや、六罪王≠ノ罪状≠言う必要は無いがな……ククッ。」

【――もう一人もまた、女性。珍しい髪型の黒髪が目立ち、紫のラインが入った服を着ていた】
【名は綾津妃。この城の主であり、まあ人ではないのだが―――味方だろうか】
【どうやら、援軍がようやく来たらしい。それに加えて、更に足音が聞こえると―――】

>>984>>983

【ナウファルを襲い、セリーナを包み混む煉獄の炎が一瞬にして消え去った】
【正確に言えば下記の要因だけではなく、火に火をぶつけた戦略の勝利でもあるのだが、加えて――】
【――目を開ければそこには水の魔力が多量に込められた花、樹、桜――自然の姿】
【まる芸術品のようなソレは、しばらく漂うと消えてしまって、残るのはもう一人の援軍だけ】

ふむ……こりゃ、怒られるね。本当はあっちの彼を死なせない様に、って貰ったんだ
でもまあ、君等が死んだら彼も危ないってこと赦してもらおうか……

――さあてお二人さん、まだ戦えるかい?遅くなって済まないね
対リリア討伐の援軍――ベイゼ、綾津妃、そしてシェン・ロンド、今此処に推参だ
状況はどうやら有利らしいな、流石に今なら隙が有るッ……―――!

【190cmを超える長身に、腰元より先まで伸びた金の髪。左目には眼帯をして、右目も金】
【刀とも剣とも付かない大刃物を引っさげた彼は、黒のロングコートを着ていて――】

【――直後、ベイゼが鎌で闇の属性を纏った斬撃を、綾津妃や呪いを込めた魔力玉を】
【そしてシェンが居合抜きの容量で衝撃波を、それぞれリリアの埋もれる瓦礫の山に撃ち放つ】
【3つが反応してか、リリアが激怒してか、巨大な爆発が起こる―――だが、未だ反撃はなく】

>>ALL

「お前たち、この隙に有り丈の攻撃を叩きこめ!相手は如何に化け物でも消耗している!」
「忘れるな……我々の目的は奴を殺すことではない、もっと容易い目標なのだッ!」
「真に奴を封じるのは此処ではないッ!!この城から遠ざることが、今最優先の課題なのだッ――!!!」

【綾津妃の、細いくせに喉を張った叱咤激励の声が飛ぶ。そうだ、殺す事は目的ではないのだ】
【これは更なる攻撃への前哨戦――明確な目標などは無く、故に命を捨てる場所ではない】

【―――ガラッ、と、リリアがその姿を瓦礫の中から見せた。まるで岩山から生まれたかのようで】
【鱗は所々傷が付いていた、俄に放心しているのは――――隙≠ニ評す他に、表現の仕方が分からない。】
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/24(水) 23:49:49.87 ID:K1e8zAR2o
/文の都合により順番逆になってます……すみません

>>985

【瞳が薄く閉じた状態では、白銀の男の冷酷な声色が耳に良く通った。勿論、その言葉も―――】
【男は眼を擦りパチパチと開いて閉じてを苦しそうに繰り返しながらも、口元だけは不敵に笑っていた】

―――勿論、解ってるさ……!俺は勝つ―――信念を守った上で……!
いや、信念を突き通せなければ其れ即ち敗北と同義……!! 

【薄く開けて見える狭く暗い視界の中に、男が刃を此方に飛ばす姿が見えた。目に入った破片も、無駄に綺羅びやかな氷の景色もまだ消えては居ない】
【その中でナイフを撃ち落とすのは幾ら彼でも難しい。正確な射撃はどれだけ目標に集中するかである。其れが不可能な今、撃っても恐らく当たらない】

【―――選んだ方法は、回避。右足首を負傷している為に、其れはスムーズとは言えない拙い動きだった】
【出来れば本人もこの方法は取りたく無かった。包帯の巻かれた右足首がバレてしまい、其れが大きな隙となる為であり―――何より、遅い】

―――っ痛ゥッ〜〜〜〜!!!

【左に動くも完全回避とはいかず、右手の甲に赤い線が奔る。肉体的なダメージは薄いが、銃を握る彼にとっては僅かな手の狂いが厭らしい】
【右手に伝わる小さな痺れが、此処ぞの一発の精度を下げかねない―――不安を多く含んだ、傷であった】

……くっそ、隙がねェ―――ホント俺と真逆だぜ……!
最短ルートで殺してくるお前と、最短ルートで殺さないように場を収めようとする俺……!

―――お互いの信念のぶつけ合い、ってか……!!

【―――瞳に一段と意志が現れ、そしてペンダントから溢れる魔力が一段と増した】


>>981

くそッ……相手の得物の威力を見誤ってたか……!!
(お陰で青年の援護も出来ねえ―――情けねぇぜ……)

【自らが生み出したはずの氷に牙を剥かれ、紺碧の眼を擦りながらどうにか視力を回復させる】
【視界が眩んでいなければ、援護射撃により敵の接近を防ぐことが出来たかも知れない―――少なくとも、意識を反らすことは出来ただろう】

【―――青年の右脚から流れる朱は、紛れもなく自分の責任だ。その不甲斐なさ、悔しさに思わず強く唇を噛み締め、白銀の男に闘気に溢れる眼光を突き刺した】
【……然しながら、冷静さを失うことは戦闘におけるタブー。相手は戦闘のプロであり、そこで更に大きな差を付けられては溜まったものではない―――】
【何とか敵の隙を見出そうと思考する中、青年が返しに放ったのは地を這う独楽。―――複数で一人と戦うならば、同時に別の方向から来られた方が厳しいのではないか】


>>ALL

【その様な発想からコンマ数秒、男は左の銃から轟音を響かせていた。銃口はまたしても上。天井を跳ね返った跳弾は、上から男の右太腿を狙う】
【独楽が下から来るのに対し、此方は上から脚を狙う。対極の方向から襲い掛かる攻撃ならば―――と、無理やりコンビネーションに持っていったのだ】
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 00:05:13.45 ID:nu+LvYxho
>>988

【偶然に助けられ、援軍に助けられた獏が役目を果たして、ふつりと消え去る】
【すると、復旧直後のスピーカーから途端に爆音が鳴るのに似て“水音”を隠匿していた幻覚が途切れた】

【音源である池には湖面上に佇み剣を掲げるセシルの姿、】
【そしてその周囲で踊る様に暴れ狂う膨大な水量で作り上げられた“濁流”が何かを形取る】

【バジリスク――それは、シェンが展開した桜とよく似た色合いで、そして最愛が好む山楝蛇に酷似した姿をしていた】
【黄緑色の燐光を鱗に纏った御衣黄桜の色合いでうねる水蛇は、セシルが剣を振り下ろすと同時にくわと巨大な口を開き】
【螺旋の様に踊りながら、瓦礫の中の半魔目掛け巨大な体で特攻を仕掛ける。単純明快な体当たりだ、質量が異常である以外は】

【それでも半魔の生み出す悍ましい力、溶岩と同質である程の熱によっては、蒸発し尽される恐れもあるだろう】
【濁流の蛇を、三人の援軍が作った隙へ確実にぶち当てるには――共闘する二人の支援が必要だ】

――…………

【既に消えた桜の残骸を追うように伸ばす手から剣が零れ落ち、セシルは池の畔で膝をつく】
【魔力を預かったとはいえ、“水流”という力の弱い池へ無理矢理に攻撃に足る力を込めた代償は重く】
【攻撃を見届ける気力が薄れていく。まだ此方の隙を晒せるような状況ではない、が――】
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/07/25(木) 00:15:29.83 ID:XcyUlnZA0
>>986

【遠距離での撃ち合い・・・矢張り月世界騎士の間合いに死角は無いッ!】
【然し、レグルスの発想は正しかった。『脚』を使った攻撃故に回避に繋げられない!】

【つまり『悪手』――否。】

【断じて、否、だッ! シルベの戦闘能力が『否にする』のだッ!】

オォォォォッッッ!!!
レグルスッ! 貴様の魔術を真っ向から破滅させてくれるぞッッ!!

これぞ宝玉炎殺法の奥義ッ! 『火車地獄舞』ィィアッッ!!

【その動きは『独楽』ッ! 振るった脚から爆炎を噴き出し、その勢いで『高速回転』!】
【冗談かと思うような、馬鹿げた動きにも思えるがッ!?】

滅ッ! 滅ッッ!! ・・・滅滅滅滅滅めェェェつッッッ!!

【その高速回転と共に! 無数に放たれる火炎手裏剣ッ!】
【飛来して来る岩に次々衝突! 爆散! 爆散! 爆散ッ! 凄まじい衝突音! 爆散!】

――ぐゥァァァッッッ!!

ふ、防ぎッ、きれんだとォォォォァァッ!?
がァァァッッッ!! ぐォッ!? ま、まだよォッッッ!!

【岩は粉々に砕け、礫の散弾レベルに! 結局殆どシルベに命中したが、『岩』よりは、まだマシなダメージッ!】

焔よ、切り裂けェェェイッッッ!!

【そしてすり抜けた炎手裏剣はレグルスへ飛来! 四枚! 狙いは殆ど無い………悪足掻きめいた乱暴な攻撃ッ!】
【シルベはまだ立っているッ! だが、ダメージは大きい………!】
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/25(木) 00:23:35.70 ID:aX7BEO7Do
>>985
【彼の再評価に気づくことなど出来ず、ただ自身の内に燻り続ける恐怖に抗うのに必死だった。青年は、強い人間ではない。それは確かだ】
【だが、自分の弱さに押しつぶされるばかりでいることを許したくない、という思いは持っている】

……ああそうだ。お前の言うとおりだよ
玩具は、人を殺すためのものじゃない

【彼の言葉には、そういうしかなかった。そう、自分の扱う道具は、所詮玩具の延長にすぎない】
【能力者の殲滅などという途方もない目的を掲げ、戦いの中に身を置いているのであろう、彼からすれば鼻で笑い飛ばされるのも、無理はないだろう】

(でも、スピンブレードに反応が遅れた……数の利は、確かにこっちにある)

【同時に、青年は白銀の男の漏らした言葉を捉えていた。自分の攻撃は、確かに相手の虚を突いた】
【勝機は、まだある。それを、いかに逃さずに掴みとれるか】


>>989
(……強い、人だ)

【白銀の男に、なおも力強く叫び返す彼の言葉。ソフト帽の男性の信念を貫き通す、という思い】
【どれほどの思いでそれを口にしているのか。青年には、とても測りかねるが。一つわかる。彼には、自分の信念を貫く覚悟がある】

【しかし、相対する男の髪と同じ、白銀の刃はその信念を容赦なく貫くべく、飛来していく】
【青年の目にも、包帯が巻かれた足首は映り込んだ。さらに、手に対するダメージ】
【それでもなお、折れぬ意思を秘めた瞳と、あふれ出る魔力】

(僕だって……まだ、いける!!)

【悲鳴を上げる足と銃弾に抉られた身体を叱咤しつつ、青年が動く】


>>ALL
な……!!?

【しかし、眼前に展開した光景は、そんな青年の思いと予想をたやすく飛び越えるがごとく】
【ダガーナイフから伸びるワイヤー。目をこらさねばわからないほどの】
【それによって操られ、空中を走る白銀の一閃。青年の独楽など、問題にならなかった】
【二つの独楽は、弾き飛ばされるどころか、ダガーナイフに斬り飛ばされ、壁に当たって粉々に砕け散った】
【明確な殺意に操られた、純粋な凶器=\―その前では、青年の独楽は無力だった。だが、青年はまだ折れず】

……ある。あるとも。僕にだって、ある
何あの夜都で何も出来ずにいたあの日から。僕にも、その覚悟はある
役者不足かどうか、見せてやる!!

【追撃はない。相手も余裕を失ってきている。加えて、銃声。頼れる味方の放ったもの】
【それを耳にした瞬間、青年は無傷の左足で、一歩前に踏み出した】
【ソフト帽の男性の技量ならば、兆弾は正確に相手に向かっていくだろう。ならば、その成否を見ることはせずともいい】

【今、この場にいる二人は、形は違えどそれぞれの信念をもって、全力でぶつかりあっている】
【自分も、また全力で報いずして、戦場に立つことなど出来はしない】
【痛む右足を、無理やり前に出し。同時に、右手が突き入れられるのは、腹部】


サプライズ・キューブ!! 弾けろ!!

【取りだされたのは、プレゼント包装が施された箱だった。またも玩具、しかも今までのものに比べても、殺傷力など皆無に見えるだろう】
【しかし、青年の掛け声と共に、その手の中で箱が破裂。そこから何かが飛び出す。白銀の男に向かって】

【それは、数個の小さな鉄球だった。ソフト帽の男性の銃撃に続く形で、箱から放たれたそれらは】
【まぎれもない殺意を伴って、白銀の男に向かっていく。狙いは、首と胸部】
【鉄球の飛来速度はそう速くはない。大きさからすれば、はっきりとその接近を目視することもできるはず。対処は、いくらでも可能】

【しかし、まともに命中すれば。鉄球は男の体にめり込む。首や胸を直撃すれば、致命傷にも成りかねない】
【青年は、明確な殺意を伴った攻撃を、白銀の男に仕掛けたのだ。青年なりの覚悟。果たして、彼に届くか】
【この攻撃の成否に関わらず、青年はこの直後、痛みに耐えかねて体勢を崩す。白銀の男なら、容易に付けるだろう、明確な隙だ】
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/25(木) 00:33:57.77 ID:qOrntCrz0
>>987

【――――― ブレンの言葉が耳に届く、】
【ふ、と小さく柊は息を吐く。それは笑う様でもあった。】
【“張り詰めた糸ほど切り裂き易く”、】
【――――― その上でこそ己は在ると。そうして研ぎ澄ます刃(ありかた)を以て、彼女を、六罪王を打倒してみせると――――】
【……答えは何れ出るのだろう。今宵、斬り合う二者の勝ち取る結末を以て、その至鋭を勝者は証明する――――!】

【二種の攻撃を柊は知覚した/迅速に対応を決定する、】
【―――――照準を外す。攻撃線全体は置き去りに出来ずとも、必要となる回避を最低限のそれに留める。】
【“予定した” 神速の移動が左への回避と踏み込みを遂行するが、】

(―――――――――ッ……!)

【広い間合いは想像以上の撓りと伸びで、“躱した” はずの一撃を届かせる。】
【胸元が切り裂かれ鮮血が舞い、だが、柊は間髪入れずに足許を踏み締め、】

【ホップする様に斜め上に跳躍――――――― 面制圧する刃の上を、跳び越える様にして接近を図った】
【そして腱と体幹の力から進行方向を反転、空中で、真下のブレンヒルト目掛けて、垂直に飛翔の―――――― 今や “落下” に転じる接近の方向を変えて】
【最大速度のまま降下する。刹那、】

――――――――――― はっ……!

【ほぼ垂直に躰ごと撃ち下ろす超重の斬撃。直撃すれば、絶大な破壊力を発揮する事は想像に容易く】
【だが、必ずしも盤石の一手とは為り得ないのだろう】
【上段の一撃など比較にすらならぬ “大きな” 振り下ろしの一閃――――――― 着地の直後に生じる隙は、到底消しきれるものでもなくて】
【その余裕さえあれば突けるだろうか。……狙われるのは、右の肩口だ。】
【跳躍のタイミングで狙いを読めば、退避に徹する事も、“それ以外” の一手も可能かもしれなかった】
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/25(木) 00:36:29.35 ID:y62whcxho
>>989

【投擲したダガーナイフは貴方のすぐ側の壁へと突き刺さるのだろう】
【―――ダガーナイフの後方に括りつけられたワイヤー、彼ならきっとこれを活かしたワイヤーアクションも可能であろう】
【攻撃の手段が増すに連れ、かかるプレッシャーも高くなっていく】


……勘違いするな、信念のぶつけ合いなど―――過大評価も良いところだ
貴様はまだ、その舞台にすら立っていない≠フだから
俺の殺意はもう伝わっているだろう、貴様を殺すことに躊躇がないことも

だが俺には伝わってこない、貴様が俺を殺さずに勝利する事など夢物語にしか聞こえない


【独楽を薙ぎ払った後、彼の左手が振りぬかれているのだろう】
【刹那、天井から落ちてくる銃弾――――――回避するには遅すぎた】
【コンビネーションと呼ぶには少々乱暴なものであった】

【けれども、縦横無尽に動き回る彼に、確かな傷をつけたのは事実だ】
【舞い上がる鮮血が彼の燕尾服を濡らしたなら、鉄面皮に確かな表情が落ちた】


っ……!!足りない……まだ、この程度では……俺の歩みを止めるには、足りない……!!
信念とは、何を捨ててでも守りぬく意思のことだ、全てに優先される存在意義のことだ
命の一つや二つ奪えない男がッ!!一体どんな信念を貫けると言うのかッ!!

例え世界を敵に回しても、能力者を殺し続ける――――――
その程度で俺に見合う信念だと!!良く言えたものだな!!

さらばだ能力者――――――最早貴様と交わす言葉など、ない!!!


【肩幅に両足を開いたなら、右手が高く天空へとかざされるだろう】
【壁に突き刺さっていたダガーナイフが強引に引き抜かれる、後方に括りつけられたワイヤーが連動する】
【振り上げられる右手に連動して、空中へと高く振り上げられたなら、ろうそくにその陰を写した】

【そして勢い良く右腕を振り下ろしたなら、ワイヤーにつられダガーナイフが貴方へと叩きつけられるだろう】
【重く鋭く、そして早い一撃、鎖鎌による一撃をかなりランクアップさせたような一撃であろう】
【―――だが、右足についた傷は存外に重い、その分力が入らずダメージは低くなっているだろうが……】
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/25(木) 00:36:46.14 ID:y62whcxho

>>992

【まだか、と思った――――――本来ならばもう、戦意など喪失してもおかしくないと、思っていたから】
【一体どれだけの思いを、そこに秘めているのか、と思うことは間違いじゃなくて】
【誤算であった、ソフト帽の男にだけ集中していれば良いと、思っていたから】


言った筈だ!!貴様の足掻きなどもう!見る必要がないと!!
付け焼刃の覚悟など嘲笑されるだけの淡く脆いもの

そんなもので!俺の行く手を遮るんじゃない……ッ!!!


【右手は埋まっている――――――ならば、残された左手が迎撃に向かう】
【左手で取り出す新たなダガーナイフ、だが鉄球は徐々にその距離を詰めてきて】
【間に合うか――――――つぶやきは言葉の中に消え、やがて溶ける】

【投擲するダガーナイフ、首へと向けられた鉄球へと激突するだろう】
【だが、叩き落とすまでにはいかない、質量の差が明確すぎた】
【けれども――――――その奥の彼の表情はまだ、死なない】


堕ちろ能力者、人を殺す覚悟を持たない者が……っ!!
これで最期だッ!!穿て、そして刻め……――――――!!

――――――Liquid Tension Experiment=I!!!


【彼が叫んだ直後、彼のダガーナイフが触れた鉄球が、その動きを止めるだろう】
【そして、まるで逆方向に発射されたかのように、貴方へと速度を保ったまま戻ってくる】
【直撃したなら、それ相応のダメージを受けるだろう、それだけの威力だから】

【一方の彼は投擲したダガーナイフをワイヤーを使い引き寄せ、今度は天井へと投擲する】
【そしてワイヤーを収束したなら、天井へと移動し、回避できるのだろう――――――だが】


っ……!!ぁっ……!!キツイ……かっ……


【右足の傷が大きかった、跳弾によって削られた足が、もたなかった】
【コンマ数秒の遅れ、その隙に、鉄球が彼の胸部へとめり込んで――――――】
【軽い身体が、後方へとふっとばされた】
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/25(木) 00:39:11.14 ID:KZtTvd+7o
>>988

【炎が次第に、勢いを増していく――セリーナが照準を狙い定めるのに比例し】
【準備に時間を割けば割くほど、炎は強大になっていく――そう。】
【火という属性攻撃の最大の利点は時間経過による火傷のダメージにこそ存在する。】
【戦いが長引けば長引くほど、燃やせるものは全て燃やして炎は増大し、継続して威力を発揮する――】
【火薬の扱いに長け、多くの火器を操り決定打は炎による攻撃で行うセリーナであったからこそ、理解は及んでいた。】
【しかし故に、速く対策を打たねば、という焦りが生まれ、セリーナの思考が熱により遮断されかけた、その時――――。】

(・・・ッ!!このタイミングで氷の炸裂弾を撃ち込んで、果たしてどれ程のダメージになるのか・・・!!)
(まったく見当もつきゃしない、魔力を吸収して自分の力に出来るなんて――・・・、相性が悪い!)
(考えれば考えるほど、アタシとコイツは――・・・ん、ううっ・・・!!どうする・・・!!)

【アーマーの防御力がどんどん低下していく。表面は焼け爛れ、過度の熱が外部から与えられた事で】
【背中に搭載された魔導機関がオーバーヒート寸前まで追い込まれる・・・魔力供給が途切れれば】
【アーマーのパワー・アシストは受けられない。セリーナは人間だ、魔力を直接操る事も発する事も不可能。】
【このままでは熱によってアーマーが解けるか、行動不能に陥るか二択――呻いた。】

【ここまできて、という後悔が生まれたその矢先―――聞き覚えのある"三つ"の声が、彼女の鼓膜を貫いた。】


(―――――・・・この、声・・・まさかッ!!)

―――ベイゼッ!?あ、アンタなんでこんな処に――っ!!
・・・って、話してる場合じゃなさそうだね。オーライ、一つ共闘と行こうじゃん"レディ<お嬢さん>"?

【一つ。ベイゼ・ベゲンプフェン。そう、ついこの間までUTの地下施設に捕らわれていた捕虜の機関員。】
【激論を交わしあわや殺し合いに発展するかと思われたあの件は記憶に新しい――が、今や完全に仲間であった。】
【ソニアという少女を取り巻く彼是。そしてぶつかりあったからこそ分かる互いの意思。】
【セリーナは確信していた、彼女が敵としてではなく――仲間として、ここに参戦した事に。】
【テープ・レコーダーが何度も何度も、リリアの言葉を繰り返し、再生する――つまり、機関への裏切りを捉えたという事。】


【更にもう一つ、これは本当に拍子抜けするほどアッサリと、聞こえてきた声でなんというか――セリーナは】
【ティターンアーマーなんぞ装着していなければ恐らく、飛びついて頬擦りしていたに違いない、そういうテンションで】
【確かに、確かに"箱"になっていた筈の友人――を超えた絆の存在、"綾津妃"の名を、叫んだ。】


               綾 ち ゃ ん ! ?

――――うっそぉぉ!?え、ちょ、待って!り、理解がおっつかないよ綾ちゃん!?
いつの間にやら復活してたの!?え、アタシが入院してる間――いやいや、言ってる場合じゃなくて!
箱は!?ただでさえ"色々"と"ミニマム"な身体が更にちっちゃくなっちゃってたあの箱は!?あれぇ!?

【なんだか所々失礼な言葉を交えつつ――戦友であり、親友である綾津妃の帰還を心から、喜んで。】
【今の今まで痛めつけられていた事など忘れていたかのように、そう――元気を取り戻して。】

【そして気付けば、身体を覆っていた業炎が消え去っている、これは―――こんな事ができるのは、彼くらいなものだ。】

―――・・・ふ、ふふ・・・っ!もう、ホントに美味しいところだけ持ってっちゃってさ!
久しぶりだね、シェンさん!元気だった?顔出さないから、心配してたんだよ!
けどありがとう、おかげでなんとか――アーマーがドロドロになるのは避けられたみたいだ。

で――"戦えるか"だって?・・・っ・・・!冗談が過ぎるよ、シェンさん。
そんな簡単に・・・動けなくなるような、タマじゃないさ!
【炎は消えた、しかし未だにオーバーヒート寸前のティターン・アーマーを無理矢理に動かし、なんと――】
【自身の足元目掛けて氷の属性が付与された炸裂弾を発射、瞬時に爆風――強烈な冷気がセリーナを襲い】
【その攻撃こそが冷却材として機能し、なんとも強引にだが――アーマー、ひいては魔導機関を強制的に、"冷やした"――!!】
/続きます!
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/25(木) 00:39:40.41 ID:5Nng7FEL0
>>991

…………!?
…………この野郎、ぶっちぎれやがった……!

【岩塊を発射した顛末を見守るレグルスの目に、高速回転するシルベの姿が見えた】
【半ば自棄を起こしているとしか見えない、意図の掴めない動き。何らかの策なんだろうが、そこからスマートな印象は受けられなかった】
【――――その予想はさほど的外れでも無く、向けられるのは炎の刃の乱射】

……散々自分から消耗してくれてありがとよ
――――これで、終わりだぜ…………ッ!!

【もはや、そこから次に繋げる意志をシルベは放棄したのだと、レグルスは判断した】
【つまり、この一撃で決めるつもりで、もろとも打ち砕こうと動いてきたのだろう】
【だが――――そこから勝負に出るのは、いささか趨勢的によろしくないとレグルスは判断した】
【言い換えれば――――この状況、自分に風が吹いていると】

……今度こそ、墜ちちまいな…………ッ!!
――――バルレル(雷)・フェン(飛翔)・イム(怒り)・ギル(レベル4)…………『プラズマスティング』!!

【右手で棍を握り締めながら、左手を真っすぐに向けて、レグルスは術を発動させる】
【瞬間、その左手から、金色に輝く矢の様なものが、本物の雷の様な轟音と共に発射された】
【電気の塊を線状に形成し、発射する魔術――――しかも、強力に魔力を込めた為、太く長く、そして強く】
【当たればまず、感電は避けられないだろう。戦闘不能に陥る可能性も高い】
【――――残りの魔力の大部分を裂いた、レグルス勝負の1発だ】

――――――――ッッ!!

【しかし、同時に飛んでくる4発の炎】
【レグルスは、『プラズマスティング』の発射直後、棍を構え直して、飛来するそれらを迎撃する】
【1発、2発――――振るわれた棍に薙ぎ払われ、叩き落とされる――――だが――――】

ぐぁ……がぁぁ……ッ…………ッ!

【3発、4発――――レグルスの左わき腹と、右肩に命中する】
【足の負傷と左手の火傷が、レグルスの手元を狂わせ、本来叩き落とせるはずのそれらを、逃がしてしまったのだ】
【着火するそれを両手でもみ消し、炎に巻かれる事こそ防いだが、上半身の大部分に火傷を負ったレグルスは、思わず棍にもたれ、杖代わりにしてしまう】
【それでも、視線だけはグッと挙げて、最後の一撃の成否を見届けようと――――】

【残存魔力 3/17】
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/25(木) 00:41:44.41 ID:KZtTvd+7o

>>ALL

さあ、それじゃ――反撃開始と行こうかい。要は"キツイ"ヤツをお見舞いすれば――それでいい、そうだろう!?
ならアタシの得意分野だ、火力じゃそうそう負けないよ?ウチの"相棒"は――凶暴だッ!!


【冷気が全身から漂う―――静かに、セリーナの怒りと冷静な思考を表すように、吹き荒れる・・・ッ!!】
【三発を撃ち切ったケルベロス・マグナムを脇へと放り投げ、すかさず残りニ発となった"弾"末魔を抜撃ち、召還――!】
【先程同様に一瞬でファニングショットを決め、召還陣を一つ展開する――!!】


                八首猛撃――――<ガトリング・ヒュドラ>

            
【見えるだろうか、その巨体が。】
【地面に展開された特大召還陣から、聳えるようにして現れたその火器は――これは、何だ?】
【超巨大な魔道機械の胴と、そこから伸びた八本の金色の銃身。視界を埋め尽くすような巨大な重火器―――】
【召還された最期の武装は、長距離制圧射撃用の超・重機関銃――ガトリング・ガン。】
【獰猛な"ヒュドラ"――伝説の魔獣を模した八つ首をモチーフとして生み出されたおどろおどろしい"魔界兵器"である】
【唸る魔導機械に搭載されたエンジンは、アーマーのそれよりも更に強烈で、ピーキーな性能のものだ。】
【召還と同時に壮絶な駆動音が戦場を揺るがし、全身を振動させる勢いで魔導機械の"回転"が行われる。】
【スーパーカーのエンジンでもこう五月蝿くはない。回転式連発銃につき物の空転が始まり――銃身も吊られて、回転。】
【まるでカウント・ダウンをするかのように音がどんどんと大きくなり、回転速は上がり続ける、そして――――ッ】

【引き絞られたトリガーと共に、破壊の嵐が巻き起こった。瞬間、空間が破裂するほどの爆音が響く。】
【ヒュドラの首を模して生み出された八本の銃身は超高速で回転し、紫色の魔力弾丸を暴力的なまでの速度で撃ち出す!!】
【ガトリング・ガンそのもの――否、もっと強烈といっても過言ではない。放たれているのは魔力のカタマリなのだから。】
【本物の竜が暴れまわるかのように、彼女はガトリング・ヒュドラを振り回す――弾丸は一直線になど飛ばない。】
【炎も、神殿も、リリアをも吹き飛ばすかのように凄まじい勢いで熱気と弾幕が張られ、銃身が鋭く焼け付いていく――。】

【まさに破壊の渦<ヴォルテクス>――――全てを破壊するために弾丸はこの1レスの間、吐き出され続ける――!!】


           ―――――うおォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!

【―――ガンマンとして、彼女は非常に、これ異常ないほど優秀だ。だが――こんな獲物を使っているときは話が別だ。】
【巻き込まれないよう、ある程度距離をとらねば―――或いは、巻き込まれる可能性も捨てきれないほどの・・・弾幕。】
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/25(木) 00:48:53.84 ID:blKAblJgo
>>988>>990

――ベイゼ! 城主さン、ソレとああっと、テレビで観た人!

【あんまりだ。全体的に。】
【元気そうと言うか、相変わらず小気味のいい悪意を晒すその姿に一瞬ひときわその顔を輝かせて】
【援軍と水の蛇、それとこの場に置いて一番のアタッカーだろう彼女の苦しむ姿に浮かれかかった意識を引きとめた】

(水が、水の力が、囘る)
(肌に触れるかのように、水が喜びその手を広げているのを感じる)

【目に見えぬ何かを感じ取る様に深く息を吸い込んで、水の気の中にバジリスクの運んだ流れの気が融けるのに合わせ】
【睫毛の下から金の瞳が覗くのと共に。それこそ空中から湧くと言うのが相応しいように、霧雨が神殿の"中から"降り注ぐ】
【それは炎を消すには至らずも、爆発にその身を蒸発させながらも。濃く緩やかに力となって広がる】
【衝突する、蒸発しかかった水の蛇をも抱きとめるように、霧の姿ともなった水がその手を伸ばし】
【薄い水面は火の粉と塵をきらきらと反射して、まるで空が石に染みわたるかのように星のように煌めいた】

【溢れる水の気を体に纏い、刀のみならず腕にも薄い水の膜をあつめて曲刀の柄を両手で握りしめる】
【一挙手一投足について水がその身を支えるように、可視化した力が沿う】

≪蛇の孤独な星≫(アル・ファルド・アル・シュジャー)よ、砂漠の青ヨ
闇夜を照らす慈愛の涙よ、その力を今一度――我はミルドラの戦士、星ヲ背負う者なり!

【再び駆け出す、しかしすぐ傍に近付くが目的ではなく】
【水の気の中を行く程に、曲刀は広く長くその刃を伸ばして力の腕となって振り上げられる】
【他の者たちの攻撃の範囲より外、されど今に於いては十分な間合い】
【最後の踏み抜きが地面を踏みしめ、星の煌めきを映しながら水の刃が天を向き、渾身の力が込められて】

――ああ、さゾや見苦しいだロう!
されどソノ必死な#しさコソが、ヒトなンだ!

【瓦礫ごと半魔を切り裂かんと、巨大な水の刃は地に指が付きそうなほどに振り抜かれ】
【軸足は傷口から血が滲み、身に宿した水の盾には薄らと血が混じる】
【キャパシティ限界まで水を支配し、借りものの力を行使する。弱いヒトの身は、女神の力を使いこなしているわけではない】
【流れ星が、降る】
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/07/25(木) 01:04:18.51 ID:pLc7E5r5o
>>992

【2対1の有利な筈の戦いだが、敵はその不利な状況を多彩な方法で乗り越えてくる】
【正面からでは敵わない、よりトリッキーに攻めなければ勝機は、隙は見えてこない―――】

【自分は跳弾を使う身、相手を惑わすトリッキーな戦法を使うという自覚がある。そして味方の青年―――】
【彼もまた、トリッキーな戦法を使っている。玩具を使い、読めない攻撃を繰り出しているが―――自分も彼も、単発では白銀の男を捉えられない】
【―――つまり、トリッキーにトリッキーを掛け合わせ、より相手を惑わせる攻撃を生み出せば、この銀の獣を捉えられるかもしれない】

……行くときは一気に―――……だな

【一瞬視線を青年にやり、彼の攻撃のタイミングを把握する。彼の攻撃を捌ききっている間に、此方が攻める。相手に思考の時間を与えず、攻める】
【―――正確な判断を下す脳が処理できなくなるくらいに、トリッキーな攻撃をぶち込んでやる―――と、その機会を待った】


>>994

―――……じゃあ今直ぐ伝えてやるよ、俺の意志ってヤツをよ

【不自然な間を開けての、静かな呟きだった。―――細く息を吐き切れば、敵の鋭い眼光を見据える。紺碧の眼光に、熱き煌めきが姿を隠すこと無く現れて―――】
【男の手からナイフが離れた瞬間、堅き意志が銃技となって躍動し―――ペンダントが、淡い光を放った】

―――弾丸憑依Slap=I!!!

【痺れる右手も、極限までに感覚を研ぎ澄ませた世界の中ではその影響を出すことは無かった。標準をナイフに合わせ、トリガーを引く】
【―――弾丸はナイフとかち合う軌道で空を裂くが、ナイフと衝突することは無かった、何故なら―――「弾丸の側面から伸びた片腕が、ナイフを掴んでいたから」】
【弾丸の軌道が変化することはない、そのまま男の右手へと一直線―――そして、ナイフを掴んだ、弾丸から伸びる腕はナイフを投げ飛ばす】
【ナイフの狙いは、ワイヤーだった】

ごちゃごちゃうるせーってんだよ……テメーの意見なんか知らねぇっつーの
やるって決めたからやるんだよッッ……!!皆が無理だとか、夢見がちだとか言うけどよォ……それでも、貫いてみせるって言ってんだこの野郎がぁぁぁッ!!

【兎に角、やる。男が語ったのは其れだけで、まともな反論なんて何もなかった。でも、その叫びは―――其れが本気だ、と言う事だけは嫌でもわかるほどだった】


>>ALL

【氷の弊害は無くなり戻った広い視野が、鉄球により吹き飛ばされる男の姿を捉えた】
【同時に使っていない左の銃で発泡し―――鉄球にワンテンポ遅れる形で弾丸が彼の左手目掛けて撃ち出された】
【ナイフを巧みに扱うその手は脅威―――脚にふらつきが見えたのならば次は手。両の手を完全に封じることが出来れば、信念を守った上での勝利が見えて来るかもしれない】
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
http://ex14.vip2ch.com/part4vip/

ローカルルール変更に伴い、1000到達の報告が不要になりました。

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
モバP「幸子とまゆが勝負してる?」 @ 2013/07/25(木) 01:02:24.90 ID:oIc1ivVr0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1374681744/

住所晒して近かったらセクロス42 @ 2013/07/25(木) 00:43:23.81 ID:qWHYxZ7Ko
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魔法使い「魔王の求人ですか……」 @ 2013/07/25(木) 00:32:54.34 ID:udj4ws8M0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1374679974/

アレイスター「暇だから遊びにきた」上条「は?」【安価スレ】 @ 2013/07/25(木) 00:32:20.88 ID:oRPL/nHCo
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【VIPdeTW】要塞占拠しようぜ【inトレネ】 @ 2013/07/25(木) 00:25:53.62 ID:zUKqHOOlo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1374679553/

幸子「ボクはかわいいのでっ!」ドヤァ 阿部さん「ウホっ!いいドヤ顔!」 @ 2013/07/25(木) 00:20:46.96 ID:Z10fHd+v0
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【ベン・トー×Another 2 】Sexual deviate @ 2013/07/25(木) 00:18:19.20 ID:6In1ZKZSo
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安価で架空のチェンメ作って知り合い釣ろうずw @ 2013/07/25(木) 00:10:58.12 ID:ISqJe6jDO
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