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【異世界】ここだけ世界の境界線★7【歓迎】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2014/11/24(月) 20:22:57.47 ID:jbcUJkYEO
【新世界へようこそ!】
ここは様々な世界が融合して出来た世界。ここの住人は親しみを込めてこの世界を『新世界』と呼んでいます。
この世界にはオーバーテクノロジーから魔術まで何でも存在します。超能力や宇宙艦隊もあれば大魔王の領地も、
獣人の集落や神の軍勢すら勢揃いの『なんでもあり』の世界。それが新世界なのです。
あなたはこの世界の新たな住人となり、先駆者や新入り、そして異世界の住人達と関わってゆくことになります。

【ゲートについて】
この世界には『ゲート』と呼ばれている様々な世界同士を繋げる空間があります。
時にそれは魔界へ、時にそれは天界へ、時にそれはダンジョンへ、繋がっている先は様々です。
稀にそこから『厄災』なるものが流れ着き、それがこちら側の世界を荒らす事もしばしば……
その度に貴方達『能力者』はその能力を最大限に行使して『厄災』を元の場所へと送り返したり倒したり……
この世界の様々な事がこの『ゲート』を切っ掛けにして起こります。

【来訪者について】
この『新世界』はその性質上、別世界からの『来訪者』がやってくることもあります。
彼らの来る世界は様々な世界。時には人間や獣人。時には悪魔や妖怪。そして時には異星人すら『来訪者』として現れることすらあるのです。
『来訪者』はこの世界に来る過程で新たな『能力』を得る事も、そして自分が持っていた能力を引き続き使うことも出来ます。
しかしあまりにも強大な『能力』は『ゲート』の力によりその効力を失ってしまうこととなるでしょう。
次の『来訪者』はあなたかもしれません……

◇ここは自分だけの『能力』を手に入れ、様々な能力者と戦闘、交流するスレです。
◇オリキャラは勿論、様々ななりきりスレのキャラも参加する事が可能なスレです。
◇まずはしたらばで能力登録。ここに設定を纏めておくことでロールをスムーズに行えます。
◇戦闘、交流、基本は何でもありですが、相手が不快になるロール、確定ロールは避けましょう。
◇チート能力や人外級の身体能力など、相手に勝利の余地を与えない設定は避けましょう。最強設定は御法度です。
◇荒らしはスルー。絶対に関わらないようしましょう。

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★避難所★
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★wiki★
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※前スレ
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2014/11/27(木) 18:49:59.79 ID:AJ8bXpts0
……釣れねーなぁ……

【静かな湖畔の森の影……ではないがまぁ森の中の拓けた場所の湖畔】
【釣竿を垂らして仏頂面の鼠人ひとり】
【大きな湖の半ば、遠く手の届かない位置であざ笑うように大きな魚が水面に跳ねた】
3 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 :2014/11/27(木) 19:07:07.02 ID:jNh+4HRL0
>>2
森の中の湖畔でもう一人男が釣りをしていた。クーラーボックス、道具箱を横に置いて針にアオムシをハサミで半分にしたのを付けて、オーバースローで針を落とす。
「あー、釣れねえかな」

彼のクーラーボックスの中身は冷蔵用の氷だけである。
どう考えても釣れているとは思えない。
「ん?」
ほんの少し竿が引かれ男は大急ぎでリールを巻く。
「引きが強くないから小物か」
少々落胆しながら巻くとやはり思ったとおり、10cmほどの幼魚だった。
「ダメじゃん、リリース」
さっさと針を抜くと魚を湖に放りなげた
「ん?誰かいるな」
鼠人に気づき竿を置いて立ち上がりしばらく歩いて話しかける。

「どうだね?釣れてる?」
4 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2014/11/27(木) 19:12:31.07 ID:AJ8bXpts0
>>3
……

【少し向こうで同じようにしていたはずの男の釣竿がしなり、小魚が掛かるのを見ていた】
【そして折角の獲物を湖に戻すその行動に少しだけ目を丸くする】
【鼠人は空腹から釣りをしているのだ、当然の反応といえよう】

ご覧の通り……
……今夜はミミズでも食うとするかね……

【そんな訳でやや妬みと嫌味の混じる応答】
【餌にしているミミズを指で摘み、湖に投げ入れた】
5 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 :2014/11/27(木) 19:23:36.57 ID:jNh+4HRL0
>>4
ミミズを食べる、そんな事はジャングルでゲリラ掃討作戦の時にはご馳走だった記憶がある。
そんな男にはミミズはなんて事はないのだ。
「ミミズ....いいじゃない。縦に切って水にさらして干すと解熱剤になるし塩で焼いても美味しい。貴重なタンパク源じゃないか」

一般人なら絶対言わない事をペラペラと連ねるこの男は何なのだろうか。
多分誰にも分かりやしないだろう
6 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) :2014/11/27(木) 19:29:20.57 ID:AJ8bXpts0
>>5
見た目が無いし、魚のが上手いっての……
……んっ? あっ……
……小ちゃいなぁ……

【溜息ひとつ、かくんと項垂れる】
【食性的にはヒトより優れている鼠人という種族ではあるが、趣向とは無関係】
【いざとなれば何でも食べるだろうが、そうでない場合はやはり食べたい物が食べたい】
【と、そこで釣竿の先端がくいくいっと揺れ、慌てて引っ張る】
【釣りを始めて小一時間、小型のハゼ一匹がようやく釣れた】
【だが鼠人の胃を満足させるには程遠く、また釣り糸を垂らして仏頂面】
7 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) :2014/11/27(木) 19:30:33.81 ID:AJ8bXpts0
>>6
//魚のが上手い→魚のが美味い、に訂正します
//あとお時間大丈夫でしょうか? 無理なようなら切って下さって構いませんので…
8 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 :2014/11/27(木) 19:41:42.57 ID:jNh+4HRL0
>>6
目の前で小さいハゼが釣れるのを見ながら段々可哀想に思えてて来た男はこう言う。
「仕方ないな、ほれ。」
鞄から油紙に包んだ黒パンを取り出すと鼠人に勧めた。
「硬くて重いパンだけどどうかね?」

//あと1レスぐらいならおkです!
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2014/11/27(木) 19:46:37.34 ID:jNh+4HRL0
>>8
思えてて→思えて、に変更です
10 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2014/11/27(木) 19:47:44.63 ID:AJ8bXpts0
>>8
……
………
…………金、ないけど?

【風にだけ揺らめく釣り糸から差し出されたパンへ視線は移り釘付けで固まる】
【乞食ではないと一蹴すべき場面ではあるが、空腹感とプライドの決闘は案外短く勝敗が決まったようだ】
【パンは欲しい、しかし金は払えない】
【その旨を伝えられそれでもムガへパンを手渡すというのならば、無言で軽く頭を下げ受け取るだろう】
11 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 :2014/11/27(木) 19:56:27.86 ID:jNh+4HRL0
>>9
ヘイルは何も言わずポケットからバットを取り出して一本口に咥えるとライターで火を付けて、ふう、と煙を吐いた。
「金はいらんよ。金より宝石とかの方が金より信頼できる。だから金は要らん。」
金は要らぬようで、油紙ごとムガに手渡すようである。
12 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2014/11/27(木) 20:06:24.93 ID:AJ8bXpts0
>>11
……

【無言のままで話を聞き、差し出されたパンを傍の荷物入れに仕舞う】
【雑多とした旅荷物はその割には小さく纏められていた】

宝石、ねぇ……それもない
……まぁ、今度会えたらその時礼をするよ

【覚えていたら、と苦笑気味】
【まぁこの鼠人、受けた義理や恩を忘れる程に無礼ではない】
【紫煙に噎せて距離を少し離れて相変わらず獲物知らずの太公望】
【今夜はパンと、ハゼ一匹の夕食になりそうだ】

//ではこれで〆でしょうか
//ありがとうございました、お疲れ様でしたー
13 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 :2014/11/27(木) 20:25:35.55 ID:2LnM39WTO
>>1乙です
14 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 :2014/11/27(木) 20:33:29.86 ID:jNh+4HRL0
>>12
「覚えてたらか....それまで生きていこうかね」
ニヤリと笑い吸い殻をポケット灰皿に入れる。
「じゃあな。また会うまで死ぬなよ!」
そそくさと荷物をまとめると森の奥に消えた。

再び戦わねばならない。そう心に誓って。


//時間がなくてかなり駄文になってすいませんでした。
//乙です!
15 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/11/27(木) 22:40:02.69 ID:aEAMVoVFo
【前スレより転載】

「被弾しているぞ。フィールド減少60%!
 サーボスカル、機体バランス制御!火器管制と平行処理!私の脳も貸してやる!」

 機体バランスが一時的に破綻まで追い込まれるも、
 幾つかの振動の後に秩序を回復。サーボスカルの内的プログラムが処理し続ける。

≪00011100110101(安定制御…機体バランス制御。回避性能…回復。処理負担増加)≫

 パージされ、地面に転がったグレネードキャノンは、
 自壊プログラムが走り、即座にプラズマ光に飲まれた。
 このテクノロジーをスカベンジャーなどに回収されるわけにはいかないのだ。

「ゲマトリア収束――誤差修正」

 タェンティースの両腕より再び放たれるレールガン。
 特有の電磁パルスと共に射出された弾体は正確に二体のネクロアを貫いた。
 敵は形状を維持しきれず、退避転送され姿を消滅させる。

「よし、敵脅威の排除を確認。残りは造換塔の破壊…いや、待て――」

 敵の排除を終えたタェンティースに同期するサーボスカルの索敵レーダーに反応。

「反応、急速接近…これは――」
≪01010111101111(ネクロアと異なル波長)≫

「……タェンティース。覚えているか。何故、我々が今回、君の助けを必要としたか」

 突然、イムカは話題を変える。こういう時は大抵、現在の状況に直結する話題であるのが常であるが。

【理由――重武装兵器の制御ユニットを持ち出すことがついに出来なかったから。ゆえに半人がその役割を担った】

「ああ、実際突破は成った。実行可能ならば実際有効な戦術だというわけだ。
 制御ユニットの現地調達≠ニいうものは――」

 接近する個体がズーム表示される。それは鉄塊と呼ぶべき様相で――
 よく見れば、その脚部はキャタピラとブースターの加速で疾駆するタンクであり、
 肩部には二連装のツインリンク・ガウスキャノン。巨大な右腕には大口径電磁ガトリングガンに、
 左腕には破壊的なエネルギーフィールドを帯びたパワーランス。

【そして、鉄塊の中央には…褐色の肌に銀色の髪をした人間の女性を模したようなユニット】

「…そりゃあヤるだろうな。有効ならば…可能であれば奴等も。
 残弾、フィールド、余っているな。――プランBだ。そいつは任せるぞ!」

【ミッション内容が変更:敵増援:A-01の排除】

 砂煙を撒き散らし、タェンティースに真っ直ぐに接近するユニット。A-01。
 光宿さぬ瞳が彼女の姿を捉える。

「…浮遊髑髏の反応を検知。銀河帝国の密使である可能性大――排除開始」

【→続く!】
16 :タェンティース・イルダ [sage]:2014/11/27(木) 22:56:44.63 ID:5lemoEsg0
>>15
敵増援、A-01確認、ミッションの変更を確認

「……あれは、マウトヘッド(=ニア・シューペリオリティ)!?」

否である、即否定
マウトヘッドは自身とは異なり完全有機体だ、コアユニットとしては適さない
ならばアレは同タイプの素体を使用した機人型か
この時の半人は未だ、アラズァヘッド型を未知だ
対異能用センサー作動

【コアとなっているアラズァヘッド型に異能性が残っていれば有用なセンサーシステム】
【反面、無論アラズァヘッドにも同様のシステムが組み込まれており、作動していてもおかしくはない】
【どちらの場合も有用であれば、火器命中率にボーナス】

「プランB了解っ!」
「……どんなプランでしたっけ?」

残フィールド40%、武装両腕部ハンドレールガン及び月光
エンゲージ
機首を、つまり半人を大きくそらへ向け上昇
背部フライングユニット主翼より雲、航跡雲
高度へと位置取り機体最低部、即ち強化脚部の足の裏ブースター出力最大
ガクンと急減速、機体バランス大幅低下
全身の血ともオイルともつかぬ液体が急減速の大Gに依って頭部に向かうのを、人工血管内に施された逆流防止弁が制御
おおよそ通常体のひとであればレッドアウトしていたであろう状況、半人の視界と思考はクリア
自由落下の軌跡を描きながらもサイドブースターを交互に点火、回避パターンはサーボスカルに委任
ハンドレールガン、ファイア、ファイア、ファイア

【高度を取り、急降下攻撃開始】
17 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/11/27(木) 23:20:27.45 ID:aEAMVoVFo
>>16

「マウトヘッド?良くはわからんが友好な相手でない事は確かだな」

 ウォーバイクを戦場より迂回させ、放射線の混じった砂煙を撒きながら疾駆するイムカ。
 バイクのけたたましいエキゾーストがタェンティースとの通信に混じる。

【異能性検索…該当アリ】
 【A-01の動力炉に異能由来のエネルギーを感。テクノロジーとの融合物であると思われる】
【対してA-01の対異能センサーは…不正ユニットエラーにより機能が失われている】

「予備のプランだ。こちらの事前評定外の戦力が確認された場合、
 君がそれをひきつけて私が迂回し潜入。造換塔を破壊する。正直、君の対峙する重兵装型は私の手に余る」

【障害物の無い平野で戦闘用ビーグル同然の相手と正面から生身で渡り合うなど無謀である】

「君が掃除をしてくれたおかげで成功率はそこそこ上がっている。ああ、もちろん倒してしまってもかまわんぞ」

 微妙にどこかで聞いた有名死亡フラグを相手に押し付けるような事を口にしたりもしているが、
 イムカは至極真剣である。

【そうしている間にもA-01はキャタピラとブースターを唸らせ瞬く間に接近。互いが銃口を向け合う】

「敵、上昇。認識…対異能ユニット」

 ハンドレールガンが放たれ、それは正確な狙いで地面を走るA-01に突き進む。
 そして直撃の瞬間!A-01の周囲に球状の粒子フィールドが展開され、
 レールガンの弾体を装甲面に到達する寸前にグズグズに破壊して消滅させた!

≪000111010101(敵、粒子フィーるド展開。減衰率…約40%)≫
「高貫通力兵装…電磁レールガン認識。反撃開始」

 ガシャン!と上空に向かって雄雄しく向けられたのは大口径電磁ガトリングガン。
 一撃一撃の初速が電磁力により強化。それを連射するという凶悪な武装だ。

【A-01の腰部より伸びる触手のような何かがうねり電磁ガトリングガンとつながっている】
 【それは高効率なスマートリンクとなり、手や通常の電子信号以上のマンアンドマシン化を実現】

「ファイア」

 感情無きコエと共に猛烈な勢いでガトリングガンが唸り、
 正に天上に穴を穿つが如く、弾体が弾幕となり死の飛礫となって上空のタェンティースめがけて殺到する。

【→A-01の狙いは正確性に欠ける。が、しかし、物量でそれをカバーするかのうような高密度の弾幕である】
18 :タェンティース・イルダ [sage]:2014/11/27(木) 23:41:50.71 ID:5lemoEsg0
>>17
「……姉妹ですっ!」

半人の足りない頭で相互の関係性を一言で表すならばそれに尽きる
そしてプランB、そんなもんはないとの返答が返らずにいた事に安堵
故郷の世界でそんなお約束があると聞いた覚えがあったのだ

「なるほど、では遠慮無く頂いておきますよ!」

無論こちらも真剣
しかしどうしてもこのやり取りでは見えない旗がはためいている気がしないでもないが
さてA-01は果たして矢張り異能性を残していた
最も半人と同タイプであれば異能的コアユニットで駆動しているのだ、当然だろう
A-01の視界から地上のイムカを外すように、回避パターンの中にある程度の方向性を定めておく

「ちっ……バリア……」
「……っ、ブレイクっ!!」

当然といえば当然、フィールドバリアに防がれるレールガンに舌打ち
機体姿勢制御、ブースター全開、フルスロットル
獣の嘶きに似た轟音の後、爆発、加速
面的飽和弾幕域からの離脱を狙う
防御フィールドに4発被弾、直撃現時点では不明、ダメコンをサーボスカルへ委任
プロペラントカートリッジエンプティ、射出
排出されたカートリッジは弾幕の中へ、文字通り消滅
視界ではなく対異能用センサーを頼りに高速機動中の射撃
先のサーボスカルの報告に依れば減衰率は高い、命中さえすれば無駄弾にはならないはずだ
増設プロペラント、及びハンドレールガン残量僅か

【加速、A-01の周囲を旋回するような軌跡を描きつつ攻撃継続】
【被弾しつつも半人はダメージ把握より攻撃に専念】
19 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/11/28(金) 00:09:36.73 ID:KnFey0K6o
>>18

≪010101111101≫

 グレネードキャノンを捨てた増設強化腕を盾のように構え、
 主要部分への防御とフォースフィールドの収斂を行うサーボスカル。

【狂気に陥っているプログラムは多数のスパゲッティコードと無意味なコードを撒き散らしながらも、
 それでもなお防御プロトコルをタェンティースと同期し走らせていく】
【フォースフィールド減衰率80%!いよいよ以って危険域に突入していく】
 【増設腕のセラマイト装甲は殺到する弾体に強かに打ち付けられ徐々に内部フレームにゆがみと亀裂が生じ始めている】

「強力な打撃だが妙だな。狙いが想定よりも甘い…雑だ。
 ネクロアの連中、このコアユニットは虎の子というより…出すタイミングを逸したのかもしれんな」

 イムカの推測以上ではないが、タェンティースが追加ブースターで
 一気に敵の中枢に突入できたのが活きたのかもしれない。
 結果として、無理矢理に追加装備を取り付けた使い捨てのユニット≠謔閧焉A
 空間転送を行い、展開できるネクロア達自身が先に交戦する羽目となったのかもしれない。

「だとすると敵は不正エラーによる目まぐるしい負荷を負っているのかもしれんな」

【実際に高機能ケーブル接続にも関わらず数撃ちゃ≠ノ頼らざるを得ないところがそれを証明している】

 大仰の動きでサイドブースターを噴かして回避運動を取っていたA-01であるが、
 命中強化されたハンドレールガンの一撃が再び、正面に突き刺さる。
 空気が歪曲するような猛烈な加速を有する電磁レールガンの一撃がだ。

「――ダメージ負荷限界。シールド…持たない」

 再びの粒子シールド現象。弾体が粉微塵に消失する。が、しかし、
 同時にA-01の周囲を覆っていた粒子が断末魔のような放電を発した後、消滅したのだ。

≪000111001111(HIT 敵シールド消滅ヲ確認――危険!コチラの回避パターン解析完了可能性88%)≫

 朗報と悲報を一度に告げるサーボスカル。先のネクロアとの闘い以来、動きを見せすぎたことによるものだ。
 解析を続けられ、回避パターンの多くを暴露されてしまった形となる。

「攻撃パターン変更。アサルトコンバット開始」

 A-01の肩部のツインリンクガウスキャノンが輝く。同時に背部メインブースターが唸りを上げ、
 重量級の身体を加速。無理矢理に前面、タェンティースの方に向かって押しあげてゆく。

【ジャーッ!!と水が急激に蒸発するような耳障りな射出音と共に分子分解の光がタェンティースに殺到する】
 【が、この絶息の一撃はむしろ、彼女の回避方向を極めて限定的にするための布石。牽制である】

「ランス接続・・・パワー最大でいく」

 重荷となるガトリングガンをパージする。タェンティースとの距離が至近に近づくタイミングで、
 ツインリンクガウスキャノンすら切り離す。武装数の低下。同時に負荷より解き放たれ、
 機械的だったA-01の口調に感情の色が混じり始める。

【パワーランスに三本のケーブルが接続され、破壊的なエネルギーフィールドがバチバチと空気を焼く】

「至近!チャージ!!」

 多少のレールガンの攻撃はシールドを失いながらも健在の重装甲で受け止める。
 猛烈な加速パワーと共に繰り出す一撃をタェンティースに突き立てんと伸ばす!!
20 :タェンティース・イルダ [sage]:2014/11/28(金) 00:38:19.19 ID:MTmHRcMl0
>>19
「くっ……うぅ……!!」

イムカに言わせてみれば雑な攻撃
しかし被弾時の反動や衝撃は半人の体を強く揺さ振り振動させる
しかし成る程、使い捨ての駒でしかも明らかな防衛型
それが何より、ネクロアのソルジャー達より後に出撃するなんてよくよく考えれば矛盾だ

「……元々、流石にここまでの使い方は想定されてませんしねわたし達っ……!」

苦々しく、しかし片頬を釣り上げて笑う
例えそれがどのような形であろうと、想定されてなかろうと
実際今こうやってイムカの役に立てているのだと、そう思うのは半人の傲慢か
だが現実、半人はそう思う事で飛沫を纏う圧倒的な恐怖の高波から身を守ることが出来ている
自己肯定感が与えるあらゆる事柄に対する意欲というものは、強い

「……よしっ! これで……!」
「えっ? わ、きゃぁっ!?」

朗報に歓喜、悲報に悲鳴
回避行動、サイドブースター点火、瞬時に真横へと機動
だがそこはA-01の真正面、視界が交差
ハンドレールガンパージ、左腕部に月光装備
増設腕部の消耗率算出、装備可能ならばパイルバンカー装備
格闘戦へ移行、迫り来るランスチャージ

「……っ!!!!」

完全なる直撃コース、月光を縦に盾に構える
超攻撃的エネルギーの奔流の轟音、圧倒的な破壊の産声
月光に依って逸らされた突撃槍、それなのに被害は甚大である
外部装甲の大半を焼かれ、破壊し尽くされ、だがまだ半人は死んではいない

「ここ、は……っ……」

増設腕部を構え、装備していればパイルバンカーをそうでなければ拳打を
振りかぶり、そして打ち下ろす

「……わたしの、距離っっ!!!」

ほぼほぼ全ての追加装甲や武装が瓦解しつつある最中
そして月光、零距離で一閃
21 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/11/28(金) 00:57:39.85 ID:KnFey0K6o
>>20

 あまりにも赤すぎる夕日を背景に、二つの鉄塊が互いにぶつかり合う。
 空を飛ぶ戦車というあまりにも現実離れした格好のA-01はエネルギーフィールドを胎動させるランスを振るい、
 重二脚の鉄塊たるタェンティースの強化腕はパイルバンカーに火を入れる。

【そして超重量の鉄塊がついに互いに衝突】

 エネルフィーフィールドは不壊の刀により直撃コースこそ逸らされたものの、
 タェンティースの即製駆逐装甲の大半を、遠未来のセラマイト鋼をまるで紙を破くが如く破壊し、
 大半の機能を瞬時に沈黙せしめる!!

≪0111101111111(フィールド全損。ダメージ90%オーバー。追加装甲増加腕動作不能。ブースター第3〜12沈黙)≫

【同時に繰り出された巨大サイズのパイルバンカー!ドン!と鈍い爆砕音と共に強化鋼の杭が突き出され、
 タンクタイプの大仰に過ぎる装甲面に突き立てられる!!抵抗も糞もない。圧倒的暴力は装甲を無意味化し貫いた】

 が、装甲が貫かれると同時、あるいは一瞬早く、

「緊急パージ!コアユニット離脱」

 A-01の紅い瞳が輝き、接続されていた全てのシリンダーが回転、接続部が切り離される。
 そして、空中分解し、兵器から鉄屑へと堕した重荷の全てから解き放たれ、
 もう一つの鉄塊…タェンティースに向かって跳躍した。

「…00011101010101…対異能ユニット起動。同位体と認識」

 銀色の髪を翻し、月光の一閃、その横腹に腰のAMSケーブル6本を叩きつける。
 バチーッ!!とスーパーソニックウェーブが走り、A-01の褐色の肌に細かい傷をつける。

「同位体…同位体?   おネエサマ?」

 それまで機械的に過ぎなかった表情が豹変したとすればこの瞬間だったろう。
 それは笑みであった。しかし、朗らかさとは程遠い。歪み、狂的な、睥睨するようなそんな笑み。

【グッと中空で両腕を上に突き出す。それに連動するように腰の6本のAMSケーブルも共に上に掲げられ】

「ハァアアアアアアアアッ!!」

 そのまま下に、タェンティースに超重量ハンマーを叩きつけるかように振り下ろした!!
22 :タェンティース・イムエト【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】E.月光 [sage]:2014/11/28(金) 01:22:43.04 ID:MTmHRcMl0
>>21
「くっ、ふふっ……」
「……サーボさん、サポート感謝します……あとは、」

ご主人様の元へ、と無機物であるはずの浮翌遊骸骨を敬称付きで呼び告げる
それより少し早く、半壊し半面を覆うバイザーを除く全ての追加武装装甲をパージ
鉄のドレスを脱ぎ捨て本来あるべき、ヒトと機械と土人形の融合体の姿へ
フルオートバーストで作動させたパイルバンカーが残弾の限り咆哮、既に形骸化したタンクの装甲を穿ち続ける
月光とケーブルのキスに依り発生した高熱の衝撃波は既に半人の体の一部を焼いていた

「……行くぞ見知らぬ妹、不出来な姉が相手になってやる」

見た事のない表情、異能性、戦闘力
兵器として余程上等だろう、所詮試作品に過ぎない半人より
ぱき、バイザーが軽い音を立ててからぱらぱらと崩れ落ちる
上空より打ち下ろしの殴打、大きくサイドステップで回避
殴られた地面が爆発、飛散する礫が体を削る
脚部イムエトに魔翌力集中、青白く仄かに発光
土の大地に小型のクレーターを残し跳躍、超高スピードでA-01コアへと肉薄
その速度を維持したまま、弾丸の如き飛び蹴りを敢行

//すみません、時間的に限界…遅くなってごめんなさい
//落ちます、お疲れさまでした、ありがとうございましたっ
23 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/11/28(金) 21:36:45.50 ID:MTmHRcMl0
フォールン・ニャンパイア黒猫軍陣地後方都市
バカらしく成る程青いそら、さんさんと元気に輝くおひさまの元猫達はお昼寝タイム
絶好の陽射しスポットを見付けて丸くなるモノや、暖房器具の暖気に辺りゴロゴロと喉を鳴らすモノ
様々ではあるが皆ともかく平和である
そんな中、越境者として訪れたニアの肩身は狭い
一応何人もの越境者がここを訪れている過去から猫達の対応も慣れたものではあるのだが、一度とある事情でタイドメイカーを見せてしまったのが運の尽きか
振り返ればそこは猫の行列

「あ、あのぉっ……ですからぁっ、アレは食べ物じゃないってんですよぉっ……」

今や猫達に取ってニアはおやつ製造機なのだ、とても美味しそうな
実際ひとくち食べれば現実を教えられそうではあるが、この数全てに与える事になれば体力がなくなってしまう
ほとほと困り果ててどうしたものかと首を傾げながら行き先も定めず猫の大名行列の先頭を歩いていた
24 :チャーリー"リトルC"マクフライ [sage]:2014/11/28(金) 21:52:50.54 ID:a06cZCASo
>>23

そしてなにより、目が行くのはその最後尾に並ぶ
大柄な、人相の悪い男の姿であった。あの男とはニアは一度会ったことがあるため、
顔を覚えているかもしれない。

『なーん』『なーん』『にゃー』『うにゃー』

「そうか、まるでサマーホリデーのフェリス・タワー前見てえだなそりゃ。
 タダで『すごくうまいスナック』貰えんだろ?」

……会話の内容が聞こえてくる。
どうやら、あの男は猫たちに『お菓子がもらえる』という事を吹き込まれ、
なんと柄にもなくお菓子を貰う気らしい。

「ヘイッ、菓子はいつ配るんだ?
 俺たちが全員寿命でくたばって居なくなるのを待つつもりか?」

しかもニアに向けて声をかけてきたではないか!
25 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/11/28(金) 22:01:07.98 ID:MTmHRcMl0
>>24
「あー、もー……ヘイッ、じゃないってんですよぉっもうっ!」
「……にゃーでもないっ!」

業を煮やしたのかついに強硬手段、とはいえ単なる大声ではあるが
しかしたかが大声されど大声、生体兵器として産み出されたニアの強化された肺活量から来るシャウトは非常に大きい
呑気なお昼寝タイムを味わっていた遥か戦線の猫が跳び起きたそうな
驚き散り散りに逃げてしかし諦めが悪いようで物陰からコソコソと此方を覗く猫達の視線

「……あのですねぇっ、なんというかその……もうちょっと絵面ってモノを考えて下さいってんですよぉっ……」

先程より小声、平常な大きさの声でチャーリーへ
猫達の後に並ぶチャーリーの姿は、強面のお兄さんの姿はなんというか……まぁご想像にお任せといった所か
26 :チャーリー"リトルC"マクフライ [sage]:2014/11/28(金) 22:13:39.26 ID:a06cZCASo
>>25

「ならYOU!だ。YOU!」

『しゃあー』『ふしゃあー』『まーお!』

ビシ、とアンクルサムのポスターのごとく、
指をさして見せるチャーリー。周りの猫もそれを真似して、2本足で立ってびし。
ちなみにまーおの子は立ってられなくて転びました。

「権利を主張して何が悪いんだ?たとえば、これだ。」

と、チャーリーは自分のベルトに引っかけていた真っ赤な手斧を見せて。

「俺はアメリカ国民としてこのように人民の武装権を行使する権利がある。
 それと同じだ。ここではお菓子を配るわけだろ?当然、俺ももらう権利がある。
 もらえない条件があるなら、そういうのを事前に告知すべきだ。ステイツならとっくに
 訴訟になっている。」

だそうです。
27 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/11/28(金) 22:22:04.62 ID:MTmHRcMl0
>>26
「……ここは多分その、ステイツってとこじゃないってんですよぉっ……」

ついでにニア自身の身の安全の権利は一体、とかくり項垂れる

「……うー……じゃあっ、ニアは責任取りませんからってんですよぉっ……?」

猫達の数も少しは減ったように見えるし仕方ないかと腹を括り、細身のタイドメイカー1本を脊椎の辺りからずるり生やした
尚猫達に取ってはもしかしたら美味しそうに見えるのかも分からないが、表面はギラつく体液に覆われた蛸のモノとも烏賊のモノともつかぬ触腕である

「……えぇと、ほ、本当に食べますっ?」

ずいっとそれを突き出して疑問符
因みに食べればそれは埃っぽくて生臭い
埃まみれになったミズクラゲを囓る、といった字面から想像出来る味と臭いと食感
28 :チャーリー"リトルC"マクフライ [sage]:2014/11/28(金) 22:31:50.20 ID:a06cZCASo
>>27

「ホーリーシット!」

『にゃあ!』『ふしゃああ!』『キシャーッ!』

猫たちは魚介類めいた触腕を見て興奮状態に陥ったが、
チャーリーは露骨に顔をゆがめると、口汚い言葉を吐いた。

「W・T・F?サシミとかスシはたまに食べてたがこのクソは何だ?
 ウドン・ヌードルか?変にぎらついてるぞ。こんなのが食えるかよ。」

チャーリーの考える菓子とは、ジンジャー・クッキーとかミンスパイとか、
チョコレート・ババロアとかそんな類のもので、こんなのでは到底なかった。
ノー、と拒否感をあらわにすると、とぼとぼと歩いて近くのベンチに腰を下ろす。

ちなみにねこはもうニアに飛びかかってきます。
アブナイ!
29 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/11/28(金) 22:42:53.73 ID:MTmHRcMl0
>>28
「ですってんですよねぇっ……」
「……って、うひゃぁっ!? ち、ちょっとぉっ……!」

チャーリーの反応を見て同意、我が能力ながら改めてキチンと考えるとグロテスクである
しかしそんな事もお構い無しに襲い掛かる猫達
もう少し平和的なビジョンを想像していたニアであるが、そも猫に対して幻想を描き過ぎだ
元々狩猟動物、食べ物を前に自重出来る程甘くはない
メガネの苛められっこがオレンジ色の苛めっ子にボカスカと殴られている時の様な不透明な煙
時折褐色の手脚や猫達の前脚後脚が突き出ては戻る

「きゅぅぅ……」

煙が晴れればそこには、ボロ雑巾のようになったニアと満足気にお腹を摩る猫達の姿
30 :チャーリー"リトルC"マクフライ [sage]:2014/11/28(金) 22:56:39.66 ID:a06cZCASo
>>29

「ポンチキとか……ヌガーとか食べたかったなあ……。」

『ミャオ!』『ニャァーーッ!!!』『フシャッ!シャーッ!』

土煙に巻かれるニアを眺めながら、
チャーリーはポケットをごそごそと漁るも、でてくるのは
中華飯店でよく売っているおみくじクッキーの包み紙とかガムのカスばかりであった。

// こんな感じで〆でいいかな?
31 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/11/28(金) 23:01:28.94 ID:MTmHRcMl0
>>30
目をぐるぐる回してダウンしているニア
猫達の住まうこの世界、ちょっとしたトラウマになりそうである
おひさまはまだまだ元気に、さんさんと輝いていた

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
32 :【影の王国】 ヴィクター・フォックストロット :2014/11/28(金) 23:19:04.43 ID:wYLEOQWJo
【裏通り】

 一人の青年が酒瓶を片手に裏通りを歩く。

 燕尾服のボタンを全て留めた、まるで執事のような外見の青年。

 彼は笑っていた。
 
 それはまるで狂人のよう。
 
 青年は酒瓶を一気に煽るとブツブツと小さくつぶやいた。
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2014/11/28(金) 23:34:26.73 ID:V8vvci21O
>>32
何か硬質の鋭いものが石畳を叩く音
少なくとも3方向
ほのかに漂う血の匂い
これが足音なら、ここにいるのは少なくとも人ではない。

血の匂いの元を目指すなら、
狼の形をした、全体がぬるりと銀色に輝く“ソイツ”に出会うはず。
タイミングがよければ犠牲者の持ち物である携帯電話に全力で爪を叩きつけている姿が
きっと目撃できる
34 :【影の王国】 ヴィクター・フォックストロット :2014/11/28(金) 23:37:14.08 ID:wYLEOQWJo
>>33
 
 青年はぎょろりと音の方向を見つめ、大股に、笑みを浮かべながら歩む。

「あは」
 青年は笑う。
 
 狂ったように。
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2014/11/28(金) 23:44:40.70 ID:V8vvci21O
>>34
その狼は水銀の質感を持っていた。
その狼は蒼い宝石が目の代わりについていた。

境界を越えるものは、人ばかりではない。
多くの場合は討伐対象となるが、このような異界の生き物たちも
時として境界に飲み込まれる。

新たな来訪者に気がついた、一匹目の水銀狼は
頭をそちらに向けて警戒の姿勢となる。


さて、ヴィクターは電波を発する機器はもっているか?
持っているなら、この無機物のケモノの攻撃リストに加えられるだろう
36 :【影の王国】 ヴィクター・フォックストロット :2014/11/28(金) 23:48:53.07 ID:wYLEOQWJo
>>35
「これ……は……」

 様々な修羅場を潜り抜けた青年でも絶句する。
 このような異形は青年でも目にしたことがない。

 青年は電波や通信の機器は所持していない。
 彼のもともとの世界には、そういうものはあったが青年は嫌っていたのだから。
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2014/11/29(土) 00:01:44.26 ID:fwVJUUqCO
>>36
現れた乱入者に、異界の魔物は一応反応はした。
しかし次の瞬間興味をなくしてしまったようにみえるはずだ。
ターゲットになったのは運の悪い次の通行人のほう。
追加される一人分の足音とドアを。
どうやらすぐ横の建物で働いていた人らしい。


「……え? ええ?」

まだ若い女性である。
そして彼女はとても運が悪かった。
このタイミングで、携帯電話にメールが届いてしまった。

ヴィクターにも、水銀の魔物は露骨にターゲットを変更するのがわかるはずだ。
携帯電話の音は、少なくともこの魔物には攻撃対象なのだ。
ぬるりとした身体に波が走り、無数のトゲのように姿を変え、
そのまま、悲運の乱入者に突っ込んでいく。

妨害しないなら、今宵の犠牲者二人目が追加である。
38 :【影の王国】 ヴィクター・フォックストロット :2014/11/29(土) 00:11:38.81 ID:jGo6sIG3o
>>37
 青年は助けるのだろうか?
 
 否、青年は彼女を助けない。

 なぜならば彼は「目の前で犯罪が起きなければ動けない」のだから。

 だからこそ青年は笑う。

 笑いながら二つの存在を見つめていた。
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2014/11/29(土) 00:21:54.68 ID:fwVJUUqCO
>>38
野生は犯罪に入らないということだろうか。
水銀狼の攻撃は正しく携帯電話の入ったカバンに向けられていて
しかし、この金属の固まりは、見た目通りの重さを持っていた。

今度こそ路地裏に響き渡る悲鳴。
全身を威嚇状態に励起させたその身体と重量は、
異界の魔物を十分に凶器に変えていた。
狙いが携帯電話であっても、その持ち主が無事でいられるはずもない。
迷い込んだ一般人が、助かったとしても酷い後遺症を残しそうな姿になるまで3秒もかからなかった。

そのまま、水銀の魔物は建物の中へと入っていく。
……おそらく、中でさらなる犠牲者が増えるのだろう。

路地裏街の別の方向からも悲鳴と肉を裂く音が聞こえてくる。
どうやら彼らは他にもいるらしい。

幸か不幸か、彼らの獲物にならなかったヴィクターは、今なら安全にこの場を離れられる。
どうぞお好きに
40 :【影の王国】 ヴィクター・フォックストロット :2014/11/29(土) 00:32:53.05 ID:jGo6sIG3o
>>39
「あは」
 酒瓶の残りを一息に飲みほして青年は笑う。

 眼前の異形はまさに、彼が[ピーーー]べき存在になった。

 青年は笑いながら悲鳴の下へと歩む。
 
 それを[ピーーー]ために。
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2014/11/29(土) 00:40:54.92 ID:fwVJUUqCO
>>40
銀色の体躯の下で悲鳴の発生源が、お肉という名前に変わるころ
ようやく影の王国の王さまは動き出したらしい。

近づくということは建物の中に入るということだが
中でもやはり、彼らの攻撃対象は電波の発信源で間違いなさそうだ。
廊下に置かれた無線LANのアンテナが的確に破壊されている。

その奥、明かりがついたドアから再び悲鳴が聞こえてくる。
中を覗けば、銀色の狼が果敢に立ち向かったらしい人を引き裂いているところ。

踏み込めば、即座にロックオンされる。
少なくとも害意には反応するらしい。
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2014/11/29(土) 01:19:37.08 ID:fwVJUUqCO
//
すいません、寝落ちしそうなのでここで…
43 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/11/29(土) 21:19:02.08 ID:/Maw/CoW0
【スプロール】
この世界は巨大な電子ネットワークにて様々な情報が政府に管理されている
だがどこまでいっても そういう監視の目を潜り抜けたい情報はあるもので そういう情報を運ぶ人員が法の外にいた

彼等はキャリアーと呼ばれ 監視カメラや追跡部隊を掻い潜り 依頼人へと情報を伝達する役割を担っていた そしてそこには能力者の姿も

???「アキレス!! こっちだ!!」
建物の屋上を飛び移りながら並走する同業者が大きく手を振る それをみたアキレスはショルダーバッグの肩紐を外し その同業者へとパス
同業者は追跡部隊と共にアキレスから離れてどこぞへと向かっていった

「ふぃ・・・中々しんどかったな」
――――ギィ!!

そして安全な場所で監視カメラを欺くジャミングを切り 地面へと降り立つのはアーティストを目差す男アキレス

「さって・・・この辺は路地裏か・・・変なのに出くわさなきゃいいけど」
と不安げにあたりを見回した 
44 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/11/29(土) 21:28:30.09 ID:802Q+9VrO
>>43
「うわっ!?」
「……なんだよお前、驚かすなってんだ」

スプロールの裏路地、数多の非人道的行為が行われる危険地帯
毒雨の残滓たる水溜りに、強い耐性を持った害獣や害虫が集い喉を潤す
そんな中、ケミカルドラックのパイプを咥えたアラズ
突然降って来た(アラズ視点)ふたりに驚いて半歩身を引く
因みに彼女の後ろにはヨタモノ若者達が気を失って倒れており、騒動があったのだと予測に容易いだろう
一応アラズは、怪我などはない模様
45 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/11/29(土) 21:41:43.57 ID:/Maw/CoW0
>>44
「あぁゴメン」
そういってアラズに視線を向けず二三歩離れてから振り返ると

「・・・・あぁえとニアタン?」
そこにいた友人が見覚えのあるドラッグを吸っているのを見て嫌そうな顔

「路地裏のドラッグはヤバイ混ぜ物も普通に出回ってるから余り手を出さないほうがってかドラッグ事態手を出さないほうがいいと思うよ?」
ニア(アラズとは思っていない)の身を案じてドラッグをやめるよう促す

―――ギィ?
だがアキレスと違い アラズをニアとは何か違うと気付いたベティは 誰だお前?とでも言いたげにハサミを振り上げた
46 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/11/29(土) 21:52:19.98 ID:802Q+9VrO
>>45
「ん? あぁっ……」

やや億劫そうにアッシュグレイの髪を掻き上げる仕草
顔立ちや体格、声まではニアと全く同じではあるが態度や雰囲気がやや異なるか

「べっつにこの位……」
「兵器だって知ってんだろってんだ、分解されちまうよ直ぐに」

言葉の通り、アラズの体内に入り込んだ毒素は一瞬のふわりとした心地良さを与えるのみで即座に解体されてしまう
アラズ自身、どのような仕組みになっているのかは分からないが恐らくディープメイカーの構成物質にでも変換されているのだろう

「……くくっ、お前は鋭いなってんだ、チビ」

ハサミを振り上げるベティに喉を鳴らす
その問い掛け(?)に答えないのはアキレスの反応を見て楽しんでいるのだろう
結構な悪趣味である
47 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/11/29(土) 22:03:36.14 ID:/Maw/CoW0
>>46
「いやいくら兵器で平気っつったってな? 体に悪いもんをわざわざ取りこまなくったっていいだろって話し
 いやジョーク言うつもりなかったんだぞ? コレはニアタンの体を心配してだなぁ」

そういってニアからドラッグを取り上げようと近付こうとして ズボンの裾をベティに掴まれる

「どうしたベティ 今忙しいんだご飯はあとd」
――――ギィ!!

「ナニ警戒してるんだ ニアタンだぞ? ちょっと雰囲気違うけどアレはきっとドラッグやってるからだきっと」
ベティがアキレスに警鐘を鳴らすが 残念 アキレスには届いてない様子

そしてアラズからドラッグを取り上げようとするだろう
48 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/11/29(土) 22:12:55.45 ID:kxkPWTr00
>>47
「そーゆーモノに縋りたい時だってあんだってんだよ、オンナノコにはなぁっ?」

アキレスの心配もなんのその、一切不真面目に笑って応じる
ベティの警戒心の高さに流石元野生だなぁなんてどこか俯瞰的に思考しつつ

「……ん? あぁっ、くくっ……」
「ほらほらっ、だったら捕まえてみろってんだ」

けらけら笑い、姿勢はほぼそのままでアキレスから見て斜め上空へと離脱するアラズ
ディープメイカーの触腕2本を生やしてビルとビルに這わせて吸盤で張り付き、体を浮かせたのだ
上から注ぐ大仰なまでに見下した、パイプを咥えたままの笑顔
49 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/11/29(土) 22:23:12.05 ID:/Maw/CoW0
>>48
「甘く見るなよニアタン 俺にだって手はあるんだ つかまれベティ!! デモン!!」
――――ギィ!?

危ないから止そうと言おうとしたが アキレスには届かず しかも追跡するという ベティは慌ててアキレスの背中に張り付く
そして足を覆う青い霧 足に力を込め大跳躍一気にアラズへと接近 すれ違い様にパイプを奪おうとします
50 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/11/29(土) 22:28:49.41 ID:kxkPWTr00
>>49
「ほらほら、こっちこっ……ちぃっ!?」

ニアの記憶内に存在しているアキレスの能力
無論それを知らない訳ではなかったが、所詮データ上のみの知識である
現物はそれを遥かに上回り、疾風い
鬼ごっこの始まりだと言わんばかりに余裕たっぷりであったアラズだが、パイプを攫われ驚愕と共にディープメイカーが力を失い落下
地面に強かに背を打つ結果となった

「いっ、っちち……」
「……あ、くそっ、か、返せってんだよぉっ……」

けほけほと咳き込み、上半身を起こしながら忌々しそうにアキレスを睨む赤眼
しかし痛みに涙目であり、迫力はない
51 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/11/29(土) 22:43:48.15 ID:/Maw/CoW0
>>50
「ゲット!!」
パイプを手に着地 すぐさま地面にパイプを棄てると 思い切り踏みつけて粉々にする

「こんなんやってるからこういう結果になるんだよ まぁコレに懲りたらドラッグなんぞ」
――――ギィ!!

「だからなんでお前は警戒・・・ニアじゃないって?」
――――ギィ・・・

ココでようやっとベティの抗議が聞き入れられました ベティは呆れたように一声

「いやだって どう見てもニアタンだぞ? ちょっと雰囲気違うけど コレはドラッグやってたから」
――――ギィ!! ギィ!!

などと背中越しにベティと言い合いしていましたが アラズに顔を向けて

「え? なに? 雰囲気違うのは別人だから? アレか? ニアタンとティースタン見たいに三つ子だったの?」
と質問するが やっぱり何処かずれた質問である
52 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/11/29(土) 22:52:19.97 ID:kxkPWTr00
>>51
「くそっ、説教なんて聞きたく……」
「……?」

粉砕されるパイプに、あぁ、と声と手を出すも距離は遠い
ぶーたれて唇を尖らせていたが、何やらベティと交わされる会話に疑問符

「……待て、それよりお前言葉分かるっての?」

サソリ語(?)を理解している素振りのアキレスに絶句

「……ん、まぁ……そんなとこ」
「アラズってんだ……あ、お前の自己紹介はいらねーってんだってのな?」

そして地面に倒れた状態からひょいっと態勢を変えて地べたに胡座をかいて座り込む
どうやらさも大丈夫な風を装ってはいるが背中を強打したダメージが抜け切っていないようだ
53 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/11/29(土) 23:11:59.25 ID:/Maw/CoW0
>>52
「いやホラ ハサミの振り上げ具合とか 角度とか あと声の調子とかでなんとなく分からない?」
サソリの言葉をホボ理解しているアキレス 

―――ギィ!!
ハサミを振り上げるベティの声はどこか誇らしげ どうだすごいだろー的な?

「あぁ・・・なるほど ニアタン三つ子だったんだ また随分と姉妹が多いのね」
実際量産型なんぞという兵器だとは思わず ただの三つ子で済ませました

それは兎も角として地面に胡坐をかくアラズ

「ベティ」
―――ギィ!!

背中のベティに声をかけると ベティがリュックの中身を漁り出す そしてアラズに近付くと

「ほら コレなら安全だからこっちにしんせ」
といって差し出したのはチュ○パチャ○プスでした
54 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/11/29(土) 23:18:40.75 ID:kxkPWTr00
>>53
「全っっ然」

手振り付きで一刀両断、そりゃそうだ

「……アホな姉共がいて大変だってのなぁっ……」

方頬を釣り上げて短く嗤う
クローンである事を黙っているのが何故か、話したくないのは何故か
それはアラズの優れた処理能力を持つ有機脳ですら答えが分からないでいた

「んっ? あぁっ……」
「……甘ったるいってんだ」

掻っ攫うように受け取り、包み紙を剥がすのに少し労を要して
そしてガリガリと噛み砕いて一言
スティックをポイっと道端に投げ捨てた
55 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/11/29(土) 23:24:54.87 ID:/Maw/CoW0
>>54
――――ギィ・・・
ざんねん ベティはしょんぼりしてしまった

「そうか? ニアタンは明るくて一緒にいて楽しいし ティースタンは礼儀正しいよく出来た子じゃない」
そういって笑みを作る そして飴を噛み砕くアラズを見て

「まぁコレに懲りたら悪いことはしちゃだめよ?」
そういって笑みを作ると足に力を込め

「それじゃ俺はキャリアー仲間の援護に回ってくるかね バ〜イ」
といって 大跳躍 建物の屋根に上って走り出した

//ではそろそろノシで
56 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/11/29(土) 23:31:39.21 ID:kxkPWTr00
>>55
「……な、なんだってんだよ、そんな……」

さすがにその落ち込みようは伝わったらしい
気まずそうに目を逸らした

「……」
「……ま、考えとくってんだ、じゃあな」

アキレスからのふたりの評価を黙って俯いたまま聞いていて、少しして顔を上げる
悪い事を、の件と別れの挨拶を軽く
そのままアキレスを見送ればスプロールの汚れた地面に大の字に転がった

「……ヤり辛ぇなぁ、色々とっ……」

果たしてそれは何に対してなのだろう
溜息と共に自然と漏れ出た呟きは光化学スモッグの雲海に溶けて消える
街中のケバケバしいネオンライトが目覚め始めた
スプロールの夜が始まろうとしていた

//ありがとうでした、お疲れさまでしたっ
57 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/11/30(日) 17:30:08.07 ID:x4A5dMPRo
【世界観移動がどのタイミングで発生するか。その制御を完全に確立することは極めて困難だ】

 世界間移動を果たした存在。所謂、放浪者なり越境者なり、異界の魂と呼ばれる存在には、
 ある種の呪いめいた宿命が課せられることになる。
 それは時に、己の意志に関わらず、ランダムに世界転送が行われるということだ。

【一定の帰還技術を有しているものならばまだいい。
 しかし、そうでなければ彷徨い歩く、正に世界の放浪者として生きてゆくことになるのだ】

 −−−−−−−−−−−−

【今回の世界はどこまでも優しかった】

 雨あがりの直後なのだろう。大地は緑の濃い香りを発し、
 地面の草花は水滴をポタポタと優しげに零し、
 どこからか現れたリスがピョンピョンと踊るように跳ねている。

「……気持ちのいい空気だね」

 そんな世界で異質な…言葉という概念があるかすら定かではないこの場で、
 一人ごちたのはヨブ・バロウズ。カノッサ機関の幹部。邪悪なる扇動者。

【もっとも、今回はなにか目的があってこの場にいるわけではなかったが】

(一通りの探査は終わったが…ふむ、この場合、こうなるのかね。母なるテラ(地球)は)

 彼にしては珍しく、物思いに拭けながらも薪を集め、火を起こす。
 湿った薪ではあったが、彼にしてみれば枯れ木とさして変わらぬ。そういうものなのだ。

【周囲は生命に溢れ、ただ、言葉を話す者。時間という概念を理解する者が存在しない。
 そんな場。ここにバロウズ以外の者が訪れたりするだろうか?】
58 :天龍院帝 【真眼】>>196 [sage saga]:2014/11/30(日) 18:15:52.65 ID:Q6r/s6N7o
>>57
あれ程嫌悪していた場所が、自身を閉じ込める為の牢獄であった病室が。
あれ程退屈していた、寝て起きるだけの空虚な毎日がこれ程までに恋しくなろうとはかつての世界にいては思えた筈がない。
緩やかに死へと向かってはいたが、自分で何かをせずとも取り敢えず生きていることはできた。
しかしこの世界ではどうやらそうもいかないようで、見渡す限りの深緑の大地に人間的な慈悲は無い。
自分を生かすモノの無い場所で、ひ弱な少女は独り歩いていた。否、彷徨っていた。
観客も台本も無い、終幕即ち自身の生命の終焉を意味する奈落に構えた独り舞台。
その壇上を独り彷徨う、世界の放浪者として。

「はぁ……はぁ……」

雨上がり、少しぬかるんだ大地を杖を頼りに必死に歩く。
純白のはずのワンピースは至る所に泥跳ねや水滲みが、その足元は足首上まで泥だらけである。
ぬかるんでいる、といっても子供であれば喜んではしゃぎ泥んこ遊びをする程度のものだ。
なのにそこを歩く少女の顔は疲労困憊、マラソンでもしたかのような汗が吹き出、滝のように流れ落ちる。

「はっ……はぁ……。ここで死ぬ……? これが解放? 終わり……?」
「こんなに呆気なく、意味も無く……嫌……だなぁ……」
「……あれ……火……?」

最期を受け入れる、そう心に準備をしようとした時、視界に映ったのは火。
雨上がりの今、自然発火は考えられない。だとすればそれは知能あるものにより起こされたものであろう。
ぼろぼろの少女、天龍院帝はまるで夏の火に入る羽虫のようにふらふらと杖と足とで地を踏みしめ望郷の暖色へと向かう。
それは人ゆえの性であろうか、どこか死を受け入れつつも生の可能性の出現に安心を覚えている。
その瞳に映るは最早火の揺らめきのみ。陽炎を眺めるようなその瞳には傍の人影は視界に入っていないようだ。
59 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/11/30(日) 18:28:33.47 ID:x4A5dMPRo
>>58

(…おや?)

 パチパチと弾ける火。汁がくつくつと音を鳴らし、ふわんと香りが辺りに立ち込める。
 そのような牧歌的な雰囲気にやや雑身が混じる。別の存在の出現だ。

「さて、居る筈のないモノが現れる。こういう場合は…」

 生物としての在り方として、害敵として排除し場を保全するという選択肢。
 知恵ある者として、彼女を保護なり何なりして、情報を得るという選択肢。

【ヨブ・バロウズは後者を選択する。彼は知恵無き獣ではないのだ】

 火の側の影が立った。影という表現が適切だろう。
 人間とみなすのは容易だが、彼の本質は実のところ人間の形状をどうにか保っている
 何か≠ニしか表現のしようがないのだ。

【人と看做せる外見特徴としては赤い髪と真紅の瞳。青年と呼ぶには歳を経て、壮年と呼ぶには若すぎる。
 服装は高級そうな黒のレザージャケットを着用し、何処と無く社会的地位の高さを思わせる。
 もっとも、この世界ではブランド物の服も社会的地位も何ら無意味なものではあったが】

 火の側の影は立ち上がると草を踏みしめる足音と共に帝に向かい歩き始める。
 敵意は無い。悪意もない。得体が知れないという一点を覗いて。

「君、迷子かね?随分と辛そうだが」

 耳障りが酷くいいバリトンの声と共に男は手を差し出した。
60 :天龍院帝 【真眼】>>196 [sage saga]:2014/11/30(日) 19:12:34.94 ID:Q6r/s6N7o
>>59
やはり、自然火ではない。無論自身の不安定にある精神が創り出した幻覚でもない。
人工的に起こされた火、焚き火である。
その熱は空気を伝い自身の冷え切った身体を優しく撫で、香り立つものが鼻腔をつく。
帝は安堵した。この目の前に現れた状況に。
自分以外に人がいるということだ。人でないにしても知的な生命体であることは間違いない。
それは即ちいつ終わるとも知れぬ独り舞台が死以外の結末を迎えるという事なのだから自然と頬も緩む。
死は理不尽な現世からも解放だとは思っていても、こんなところで人知れず果てるのは流石に好ましいものではないのだ。

「あれ? えっと……」

しかし腑に落ちぬのは人の姿が無いことだ。
もっとも正確には無いのではなく、自身の狭められていた視界に入っていないだけなのであるが。
とりあえずと周囲を見回してみようとした瞬間、自身に掛けられる声に思わず身体が跳ねる。
同時に口から勢い良く吐血してしまいそうになるがそれはどうにか我慢、嫌な鉄の味が口の中に広がるがなんとか飲み込んだ。
言葉を交わす前にいきなり血を吐くなど明らかに異常と思われてしまうだろう。
ただでさえ声の主はこちらへの憂慮と共に手を差し出してくれているのだから。

「あ、あはは……。はい、ちょっと歩き疲れてしまって……」
「いきなり現れて図々しいとは思いますが……少しだけここで暖を取らせてもらえませんか……?」

汚いので、と差し出された手は取らず。
しかし警戒している訳ではない、泥だらけの手で握り返すことが失礼だと思っての拒絶。
みれば男性は高そうなスーツを着こなした、言わば綺麗な格好である。それを汚してしまいそうなことは流石に憚られたのである。
とはいっても体力的に限界なことも事実。ヨブの手を握らなかった泥だらけの手は杖を握りしめ全体重の殆どをそこに預けている。
あっちへ行け、とでも追い払われれば目の届く範囲で動かなくなるだろう。
61 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/11/30(日) 19:23:21.97 ID:x4A5dMPRo
>>60

「君は見たところ随分と疲れているように見えるね。
 必要なのは休息だろう。暖を取るというのならば遠慮の必要はない」

 一流のオペラ歌手や劇俳優もかくやというような声音である。
 あまりに耳通りが良すぎる声。安心感を半ば強制的に染み込ませていくかのような。

「こう見えても私は神に仕える身でね。窮境の者を見捨てるような真似はしないつもりだよ」

 帝の様子、息遣い、そして過度に遠慮しがちな様子から、
 バロウズは己から一歩踏み込むことにした。彼は邪悪でこそあるが同時に誠実でもあった。

【もし可能であれば、彼女に手を、そして肩を化して焚き火の側まで導こうとするだろう。
 そこには一点の邪もなければ下心も存在しないと断言しておく】
【人のカタチをした人で無い何か。見抜けるならば、そんなものに心を許してくれればいいが】

「特に可憐なお嬢さんを無碍にしたとあっては神職以前に男としての甲斐性が問われてしまうからね」

 やや気障ったらしい笑みと共にそのような冗談口。
 焚き火では山菜と川で取った魚の香りがふわんと漂っていることだろう。
62 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/11/30(日) 20:03:47.28 ID:x4A5dMPRo
//晩飯の時間になりましたのでいったん〆にしまっしょうです。ではではノシ
63 :天龍院帝 【真眼】>>196 [sage saga]:2014/11/30(日) 20:06:22.79 ID:Q6r/s6N7o
>>61
ヨブの声は実に不思議だ。病院の医師と同じ、他人の男性の声であるはずなのにそれとは全くに異質。
数いる患者のうちの一人、研究対象でしか無い自分に掛けられた無機質で機械的な声。
男性とはそういうものだと思っていた。、ましてやこんな自分に掛けられる声などは。
しかしヨブの声は違った。自分のことを知らないからであうか。人として話しかけ、扱ってくれるその声は冷えた身体の奥、心に僅かな温もりを与える。
その不思議な、感じたことのない感覚に惚けていると、ヨブの次の一言が一瞬で帝を現実へと引き戻した。

(……神に仕える?)
(神サマなんていないのに?)
(……うそつきだ……この人)

「……やっぱり私っ……!?」

違うとこにいきます、そう告げようとするも言葉は出なかった。
何故なら帝の汚れた身体はヨブに引き寄せられてその肩に体重を預けていたのだから。
生まれてよりこれまでずっと病院に軟禁状態であった帝に医師以外の男性に対する免疫などあるはずも無く、激しい動揺に顔は紅潮、言い掛けていた言葉の続きは既に脳裏の彼方。

「あ、あの!?」
「汚れますよ……? もう、遅いけど……」

【真眼】を使えばヨブが普通では無い、異常なモノということのは気付けるのだろうが。
帝にとってこのチカラは望んだものでない上に、他者との駆け引き、ましてや戦闘の経験などは皆無である。
自身の命に対する無頓着さは他者への警戒を薄め、チカラの使い所など自分ではもうわからない。
死を受け入れてはいるものの本当の死に直面した事がないのだ。

「……やめてください、そういうの」
「な、慣れてないから……どう反応すればいいのか……こ、困ります……」

ヨブの手を借りて焚き火の前に腰を降ろせば、どこか言葉はしどろもどろ。
肩を借りた礼も、服を汚してしまった詫びも口に出せずに、ただぼんやりと赤い色を映す地面を必死に見つめるだけだ。
先はあれ程鼻をくすぐった香りも、鼻の機能が麻痺してしまったかのように何も感じない。
帝の顔に未だ赤みが差しているのは目の前に揺らめく炎のせいだけではないだろう。
64 :天龍院帝 【真眼】>>196 [sage saga]:2014/11/30(日) 20:10:28.59 ID:Q6r/s6N7o
>>62
/かしこまりました。
/遅筆で予定狂わせてしまって申し訳ありません。
65 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/11/30(日) 21:05:22.23 ID:fX44oHhTO
「まったくぅ、酷い目にあったってんですよぉっ……」
「……ここはぁっ……って、ぅ……っ」

>>31で目を回して、気が付いたら別の世界
どうやら気を失っている途中に越境が起こったらしい
先ず出迎えたのは、頬を撫でる風
否、撫でるなんてレベルではない
あわや飛ばされそうになった所を慌ててタイドメイカーで踏ん張り、手近な建築物の中に駆け込んだのだ
と、しかしそれは表現として違っていたのだと付け足しておく
建築物の中、というよりニアが気が付いたそこは既に中に当たるのであった

人々が海より空に、現実より少しだけ近い世界
海路ではなく空路、船でなく飛行機が発達した世界
蒼天をのんびりと駆ける超巨大飛行船のフラップであったのだ、転移先は
そして扉を潜れば当然そこは飛行船内
絢爛な装飾は中世ヨーロッパ風とでもいえばいいか
シャンデリアが煌めくダンスホール、人々はフォーマルな服装でワイン片手に談笑している
無論そんな所にボロボロのニアがいて似つかわしいはずもなく
自らのみずぼらしさに赤面、そそくさと退散すべく隅っこを歩く
ビュッフェスタイルの立食パーティー、美味しそうな料理の数々を見て後ろ髪引かれる気もしないでもないが
66 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/11/30(日) 21:26:11.48 ID:RZAIDix+O
>>65
「……な、なんだぁここは……と、飛んでんのかこれ……」

数分前にこの世界へ飛ばされて来た紫狼。紫狼の世界には存在しなかった飛行船に驚いている様子だ。

「やべーだろこれ……お、落ちんじゃねーか?」

いや、驚いているというよりも怖がっているようだ。隅の方でマウにしがみつきガタガタ震えている。マウは心底うっとおしそうな表情だ。
67 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/11/30(日) 21:34:57.74 ID:ihZ3yIM2O
>>66
「……あっ」

と、如何にも越境者仲間といった様子を醸し出す紫狼の元へ小走りに近寄る
完全アウェイのこの状況、同じ境遇の仲間はそれだけで有難いモノだ

「紫狼じゃないですかっ、マウもっ……」
「落ちませんよぉっ、変わった世界みたいだってんですしっ……」

やぁと小さく手を振り振り、猫にズタボロにされた服装で近寄るニア
どうやら聞こえていたらしい恐怖の呟きに苦笑、窓の外をちらりと一瞥
68 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/11/30(日) 21:48:33.64 ID:RZAIDix+O
>>67
「ニアか……え、いや、無理だろ!落ちるってこれ!だってよ、こんなに人が乗ってんだぜ?ぜってぇ落ちるって!」

マウにしがみついた姿勢のまま話す。普段からスフィンクス・モードのマウで飛んでいるというのにこの怖がりようだ。

「ん?つーか、その格好どうしたんだよ?」

なんとか気を紛らわそうとニアに視線を向けると、気になったのはその服装だ。まるで猫にやられたかのよう。

「まさかマウ……お前……」

続いてマウに視線を向ける紫狼。マウがやったのではないかと疑いの視線だ。マウは自分は無実だと言いたげに紫狼を睨む。
69 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/11/30(日) 21:56:44.74 ID:2fjJcPPE0
>>68
「え、ええっとぉっ……」
「なんでもこうっ、道路に車が沈まないみたいなっていうかぁっ……」

ともかく沈まないモノは沈まないのだと苦笑
存知の理屈や理論では証明出来ない不可思議な現象なのだ、この世界の力学というものは

「あははっ、こ、これにはふぁぁあい訳がっ……」
「違いますってんですよっ、ともかく場所変えましょうってんですっ」

今し方再会したばかりだというのに流石にそれはマウが可哀想だと否定
しかしこの格好では周囲の目線が痛いのもまた事実、紫狼の手を引こうとして拒否が返らなければ引っ張ってそのままダンスホールを後にするだろう
さすればひとつの街程の巨大な飛行船、その大きな街道とも思しき廊下に出るはずだ
人々の往来も多く、庶民的な服装も目立つここなら幾分かマシだろう
ガラス張りの天井や壁から覗く空は蒼く青く、数々の小型飛行船や飛行機が行き交って賑わう
70 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/11/30(日) 22:11:34.97 ID:RZAIDix+O
>>69
「??道路に車が沈まないのは当たり前だろ?」

よく理解が出来ていない様子。そもそも、スフィンクスマウも力学がどうとかではなく不思議な力で飛んでいるので、ある意味ではこの世界の飛行船と似たようなものなのだが……

「そりゃそうだよな……俺とマウはずっと一緒に居たしな。疑って悪かったよマウ。」

一言マウに謝ると、ニアに手を引かれ移動を開始する。だが、まだ落ちるのではないかという不安が拭いきれず、完全に腰が引けていて

「お、おい……あんま引っ張るなよ……振動与えたら落ちるかもしれないだろ……」

ついにはこんな事を言い出した。
71 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/11/30(日) 22:22:41.60 ID:2fjJcPPE0
>>70
「ですからっ、それと同じように飛行船も沈まないってんですっ」

ぴん、と人差し指を立ててしたり顔
うまく説明出来た気でいるらしいが、伝わっていない事には余り気が付いていない様子

「もうっ、案外怖がりですねぇっ?」
「まぁいいってんですっ、洋服屋さんがありますし行ってみませんっ?」
「確かこの世界、米ドルとか円の紙幣がすっごい価値で使えるってんですよぉ」

どうやらこの飛行船は空飛ぶ巨大総合モールといった所らしい
先程までいたダンスホールからテナントが立ち並ぶ街路まではすぐだ
しかし飛行技術が代替えとして発達したのみの、あくまで産業革命時代辺りの科学技術
超精密な印刷の施された紙幣は、市民達の芸術面での精神的発達も合間って非常に需要があるのだ
進んだ技術を使った紙幣を所持していれば、資金に困る事はまずないだろう
72 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/11/30(日) 22:34:11.55 ID:RZAIDix+O
>>71
「こ、怖くがってねぇよ!俺はただ、その、あれだ、落っこちたら危ないって思ってただけで!それにもう慣れたぜ。どうやら簡単には落ちないみたいだし。」

そう言うのを怖がっていると言うのだが、あくまで強がる紫狼。だが、さすがに慣れてきたのか震えも止まり、普通に歩けるようになっていた。

「へぇ、便利なもんだな。せっかくだし色々買っていくかな。マウ、お前の食い物もあるかもしれねぇぞ。」

どうやら今は財布の中身に余裕があるらしい。が、恐らくそれを無駄使いするだろう。
73 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/11/30(日) 22:43:57.21 ID:2fjJcPPE0
>>72
「ふぅんっ?」
「……まっ、そういう事にしといてあげるってんですよぉっ」

珍しくこういった件で攻勢に出れるのをいい事に、からかうように笑う
普段はどちらかといえば弄られる事が多いため、こういった機会は貴重なのだニアにしてみれば

「ただぁ、缶詰なんかはまだ品質があんまりよくないってんですねぇ……」
「すっごい平和な世界みたいですしっ、武器なんかも全然っ……」

つまりは日用品程度といったところか
軍需がなければ技術進歩は実に牛歩だ、飛行技術の発達故に未知の長旅ともそこまで縁がない
保存食などを殆ど必要としていないのだ、ここの世界の住民達は
しかしともかく服なんかを買うには確かにいいだろう、現にニアは早速気に入った服をまとめ買いである

「……ふふーんっ、お買い得っ」

試着室で着替えたモノをそのまま買ってご機嫌な様子
74 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/11/30(日) 23:00:47.42 ID:RZAIDix+O
>>73
「じゃあ、猫缶はさすがに無さそうだな。まぁ、買い溜めしてるから今買う必要は無かったけど。」

マウが腹を減らしていては困るため、マウの餌は常に切らさないようにしているようだ。

「あぁ、平和みてぇだな。どこもこの世界みたいに平和だったらいいんだけどな。」

どこか寂しそうな表情をする紫狼。脳裏に浮かぶは故郷の姿や、今までに戦いを経験してきた世界。

「…………」

買い物も忘れ、平和な世界を眺める紫狼。ずっと戦い続きだったため、こんな世界は久しぶりなのだ。
75 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/11/30(日) 23:11:30.60 ID:2fjJcPPE0
>>74
「でもほらっ、缶詰じゃないのでしたらっ」

あるみたいだと生鮮食品売り場を指差す
海の上空を飛んでいるが故に鳥肉や魚介類が多く揃えられている
反面野菜や果物は余りないが、絶望的なまでではないようだ

「どうですかぁっ? 似合ってま、す……?」
「……?」

ここではない何処かを眺めている紫狼に声を掛けかけたが途中で止まり、はてと首を傾げる
最も何と無く雰囲気を察したのだろう、しつこく問い質すような真似はしなかった
窓の外の青、太陽は少しばかり近くて眩しい
絵の具を垂らしたような雲海、合間を縫って飛行船の数々
過酷な運命を持つモノ達の、ひと時の憩いの世界

//すみませんがこれで落ちます、ありがとうございましたっ
76 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/11/30(日) 23:23:18.10 ID:RZAIDix+O
>>75
「え?あ、悪い。ちょっとボーっとしてたぜ。」

いつの日か故郷もこんな平和な世界にしたい。紫狼は決意を新たにした。
だが、今は休息の時。一人と一匹も十分に買い物を楽しんだのだった。


/お疲れ様&ありがとうございましたー
77 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 :2014/12/01(月) 21:31:55.43 ID:DmLWfdYp0
「はあ....」

男は街を歩いていた。ビルが立ち並ぶ無機質な空間を
ホルスターにある拳銃でも磨きたいほど暇なのである。

「ターゲットはいねえし、気がついたら変なところにいるしでもうわけわかんねえな」

目標の人物は見つからずこのままでは任務失敗である。
もっとも失敗しても手付金は貰っているので損はしないのだが。

ぶつぶつぼやきながら男は無機質な空間を歩く。
78 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 :2014/12/01(月) 21:36:08.20 ID:DmLWfdYp0
「はあ....」

男は街を歩いていた。ビルが立ち並ぶ無機質な空間を
ホルスターにある拳銃でも磨きたいほど暇なのである。

「ターゲットはいねえし、気がついたら変なところにいるしでもうわけわかんねえな」

目標の人物は見つからずこのままでは任務失敗である。
もっとも失敗しても手付金は貰っているので損はしないのだが。

ぶつぶつぼやきながら男は無機質な空間を歩く。
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2014/12/01(月) 21:40:27.37 ID:DmLWfdYp0
//重複してました....
//すいません....
80 :アラズァヘッド【ディープメイカー】 [sage]:2014/12/01(月) 21:41:07.39 ID:WN0SrX+LO
>>77-78
果たしてどの程度歩いたのだろう
もしすれば拳銃は鈍く美しい輝きを一層に増している頃合いかも分からない
真正面、ゆっくりと歩み寄る人影
褐色の肌、アッシュグレイの短く揃った髪
間違いなく目標となるべき人物だ、[ピーーー]べき対象である
その相手は狙われているとは思ってもいないのだろうか、まるで無警戒
と、しかし若干の違和感を覚えるかもしれない
何故ならそのターゲットたる人物と全く瓜二つの人影が連なっているのだ
双子か、或いは他のナニカか
ともあれふたつの影はゆっくりと、しかし着実にヘイルへと近付いている
81 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 [sage]:2014/12/01(月) 22:08:13.33 ID:i5MNbbaXO
>>80
二つの影があること、非生物的な謎の影の存在。
よく考えれば分かるはずである。ナニかが違うと。
が、

「.....!」

すれ違った瞬間、男は全てを感じた。
雇い主から貰ったデータ、特徴、全てが一致していると。
こうなると最早説明は不要である。
鞄からストラッシャーを出してスイッチを入れ、静かに今すれ違った者を追う。
まるで闇の中のフクロウの様に。
82 :アラズァヘッド【ディープメイカー】 [sage]:2014/12/01(月) 22:15:37.00 ID:NPTo6I1j0
>>81
「「……」」

何処か不自然にぎこちなく、しかし極めて素早い反射的動作で振り返るふたり
外見や一挙一動、全てが完全なるシンクロ的所作でありふたりに見詰められるというよりまるで4つの赤眼を持つ一匹の生物が睥睨しているようだ
それは口元の微細なる、片頬のみが釣り上がる仕草にも当てはまる

「目標確認」「排除開始っ」

くるりと半転、後ろ首から4本のタコともイカともつかぬ野太い触腕を発生させたふたり
そのまま合計8本、面を制圧するように打突攻撃を繰り出した
速度と威力に比重を置いた、牽制と呼ぶにはやや大仰な8撃である
83 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 :2014/12/01(月) 22:38:29.08 ID:5074a8Rv0
>>82
「....」
何も言わず、ただ事務的に横にローリング。
「触手生物....まさか新型を開発していたとは....」
目標を視認し剣の出力をミディアムのまま、不規則に蛇行しながら走り距離を詰める。

ただのビルに黄色い光がこうこうと光っている時、街は何事もないように動いている。
84 :アラズァヘッド【ディープメイカー】 [sage]:2014/12/01(月) 22:47:24.28 ID:NPTo6I1j0
>>83
同期の解除と機動をほぼ同時に行うふたり
始めて一匹の魔物はふたりの異能者に別れ、左右に飛翔
向かって右の個体が横薙ぎ払い、左の個体が4本を束ねパワーを増加させた打突をそれぞれ繰り出す
タイミングは嫌らしくズレており、下手に片方のみを回避すればもう片方に喰われると言った具合か
どうやらこのふたり、ある種の力を持ってして思考のやり取りを行っているらしい
連携は大胆にして緻密、触腕を振るう
85 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 [sage]:2014/12/01(月) 23:00:45.55 ID:5074a8Rv0
>>84
「....!!」
二人に分裂。流石にその様な光景を見れば驚きは隠せない。
「ち!」
なんとかスレスレのところで避けるも再び触手が。
「これでも喰らえや!」
突然剣の出力をハイに上げ、触手に向かい、振りかかる。

黄色い光が強くなっても街は黙っている。
86 :叢 【妖 ◆TUDI5yjJLc [sage]:2014/12/01(月) 23:05:57.42 ID:e8jb8WF40
夜明けの鐘が鳴る。
朱から蒼への移ろい、そして紫に輝くそらの鮮やかなグラデーションを背景に
風に吹かれ鬱蒼とした蒼き山々に薄くたなびき東雲は曙の光を浴びて明るい橙に眩く輝く。
そんな富士の山麓、一人の半妖が樹海を一人彷徨っていた…

「うぅ…寒い……」

曙の富士樹海は氷点下を下回る。凍え震える身体と悴んだ手足を引きずるようにして半妖は樹々を掻き分け彷徨っていた。
森はいのちが生まれる場所。そして同時にいのちを奪い去る場所。豊かな植物からの恩恵は計り知れないが、厳しい環境のものでは油断は死を招く。
特に上着や外套を羽織っている訳でもなく手袋やマフラーなどの防寒衣に身を包んでいる訳でもない
半妖の出で立ちは第三者から見ればまるでここを死に場所として心中する若者のそれだ。

「ねぇ、街ってどっちだろう…真雲、起きてる?さねくもぉ…?」

意識の深層で眠りに就く相棒の名を呼べども返事は返ってこない。呼び掛けは無為に独り言と成り果てるだけだ。
無駄と知れば半妖は押し黙りただ歩き続ける。野獣や死体には何度も出会って来たが一向に人と巡り合う気配はない。
それもまぁ場所を考えれば至極当然の結果ではあるのだが、つい先程この場に転移してきた叢としてはそれは叶わないものだろう。
寒空の下、いまだ蒼さを失わぬ樹々を潜り抜け半妖は歩み続ける。
87 :アラズァヘッド【ディープメイカー】 [sage]:2014/12/01(月) 23:07:52.19 ID:NPTo6I1j0
>>85
「っ、……」

横薙ぎの触腕が両断され、生臭くギラつく液体を噴射しながら萎びて朽ちる
右に位置取った個体は顔を顰め、触腕を根元からパージ
ぶちんとゴムが千切れるような音が周囲に響く

「……!」

と、そこにフォローを入れるは左の個体
地面を殴る形となった先に躱された触腕を、斜め下からの叩き上げの軌道で唸らせた
88 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/01(月) 23:11:26.06 ID:G2rBeomoO
【時刻は正午過ぎ、多くの人が行き交い賑やかな喧騒に満ちた現代日本風の街中】
【その街の中でもそこそこ人通りの多い駅の近くのちょっとした広場に発生した人集り】
【その中心には如何にも奇術師と言った格好の女性が一人立っており】

……取り出したりますは何の変哲もないマッチが一つ
しかしこのマッチに灯る火は何とも不思議な火でござい……
さぁさとくと見られよ、世にも珍しき生ける炎を!

【奇術師がマッチを擦ると同時に鳴り響くパチリと言う音】
【するとたちまち赤紫の炎が火柱のごとく燃え上がり四足の獣の様な形となる】
【犬とも狐ともつかないその炎は奇術師の周囲を駆け回ると爆ぜる様にして消え去る】
【芝居がかった仕草で被っていた帽子を差し出せば見学者達から見物料が投げ込まれ始め】
【それらが落ち着いた頃合いで片付けをし始めるが、奇術師の背後では期限良さげに狐の尻尾が揺れている】
89 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ [sage]:2014/12/01(月) 23:15:21.10 ID:uO9JjjeTO
>>86
歩んだ先、木々の間に仄かな灯り。
炎の中で薪がはぜる音と火の粉が空を跳ねる音。
ついでに、何やら麺類をずぞずぞ啜る音。

「……茹で過ぎたわ、コレ」

真っ暗闇ならほとんど保護色なローブ姿。
一般人とは違う尖った耳に、手の届くところに立てかけられた月の装飾が目立つ杖。
手元には大きなブリキのマグカップとフォーク。
そしてぴこっと動く耳。

「ん、誰かさん? それとも野生動物?」

妙に耳に心地よい、聴きやすい呼びかけが森のなかを抜けてくる。
とりあえず敵意や害意の確認から。
90 :叢 【妖 ◆TUDI5yjJLc [sage]:2014/12/01(月) 23:35:07.09 ID:e8jb8WF40
>>89

ふと何かが弾けるような音を聴いた気がした。
ぴくりと敏感に音に反応すれば伏せがちであった視線も瞬時に上へと上げられる。
今聞こえたのは薪の燃える音かそれとも自分が小枝を踏み割った音か。耳を済ませて眼を凝らし、腰を落として辺りを見回す。

「え…ぁ、明かりっ…灯だよ真雲ぉっ!」

そうして視界に入るのは仄暗い曙の樹海に一筋の光を差す唯一の存在。まだ昇り切っていない太陽に変わるたったひとつの灯だ。
半妖はもの言わぬ相棒へと嬉しそうに声を上げ、そのまま灯のもとへと駆け寄っていった。
焚き火の先に待つ人物が友好的かそうでないかを見極めることもなく、ただ楽観的に。

「だ、誰かさんです……」

がさっと大きな音を立てて茂みを突っ切ればついに発の遭遇者アメリアと念願のご対面。
彼女の問いかけにこくこくと頷きそのまま両手を上げてホールドアップ。
叢の出で立ちはどこかの高校の制服だろうか?純白のセーラー服とパンプス、そして帯刀というなんともミスマッチなものである。
防寒具の類は一切身につけていない。
91 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 [sage]:2014/12/01(月) 23:39:54.51 ID:5074a8Rv0
>>87
「」
嫌な音がして彼の体はビルのまで吹き飛ぶ

誰も居ないビルの中は散らかっていた
書類は散乱し観葉植物は横になっている。
窓ガラスは割れ、男がよこたわる。

男はなんとか立ち上がると手の剣をしっかりにぎって先ほど斬りかかった生物に剣振り下ろしながら飛び降りた
92 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ [sage]:2014/12/01(月) 23:44:30.07 ID:uO9JjjeTO
>>90
なるほど、迷子さんじゃあシカタナイ。

「夜は冷えるわ、火にあたるならこっちに来なさいよ」

じっと上から下まで確認。
戦闘者であっても旅人ではなさそうかしら、と判断。
自分が椅子に使っていた丸太の上でちょこっと横にずれた。

「追い剥ぎならつぶすけど、違うんでしょう。
 わざわざ両手上げる賊の類もないもの」

カバンごそごそ。
出てきたのは最近はちょっと見なくなった、マグカップサイズのインスタント麺ですね。
火に乗せてたケトルからお湯を注いで、小さいフォークと一緒にずいっと差し出し。

「食べないなら、あたしのおかわりになるけど?」
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(SSL) [sage saga]:2014/12/01(月) 23:49:07.78 ID:p3xfpfzuO
>>88
高く昇った陽の光が照る、白昼の街に出来る人だかり。その中心に居る奇術師の如き衣装の女性。
さしずめストリートパフォーマンスといったところか。どうやら炎を用いて何かを行っているようだ。

少女も、その人混みの中で見物していた。
女性の顔を何処かで見たことがあるなぁ……などと思うも、あまり気には留めなかった。

「……すごい」

その不思議な炎は動物のような姿をとり、しばらくすれば消え去ってしまう。
少し見とれていたのか、彼女はその場で棒立ちしていた。

……やがて芸が終わったのか、その帽子を差し出す奇術師。

見物料も払い、動こうとふと視線を向けた先、背後に揺らめく尻尾に気がつく。
……彼女はようやく思い出したようだ。何処かの世界でその女性に出会ったことを。

多分あの人だろう……と思いつつ話しかけてみる。
もしも彼女を知っているならば、その末端が赤く染まる髪の毛を見てピンとくるかもしれない。
94 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/01(月) 23:50:20.33 ID:p3xfpfzuO
//名前忘れました……
95 :アラズァヘッド【ディープメイカー】 [sage]:2014/12/01(月) 23:52:48.86 ID:NPTo6I1j0
>>91
「っ……!」

さてやったかと、しかし無機的判断で気を緩める事はせずにビルを睥睨
ついで上空より舞い降りる剣にたじろぎ、咄嗟身を引いて回避
しかし完全なそれは叶わずに右肩から脇腹に掛けて深い斬撃が走った
傷口より散る血ともオイルともつかぬ液体

「……ちっ!!」

そのままゆらり半歩たたらを踏む斬られた個体
そしてそれを補助するように触腕を唸らせるもう一方
戦闘の最初に行った面的飽和打突を、今度はひとりで行う
だがしかし、追加で生やしたのであろう触腕の数は8本と相変わらず
96 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/02(火) 00:03:00.85 ID:qp/nUj5vO
>>93

……? えぇと……ご照覧ありがとうございますですわ
だけれど、今日はもうお終いですので……また明日にでもお越しくださいな

【声をかけてきた少女を数瞬見つめると見事なまでの営業スマイルと営業口調を返す】
【記憶の何処かに引っかかる物は感じつつも単なる気のせいとでも思ったのだろう】
【今の所は沢山いた観客の内の一人程度としてしか認識していない】
97 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 [sage]:2014/12/02(火) 00:08:58.93 ID:nqL2GjcT0
>>95
頭と唇から血をだらだらと垂らして顔の左半分が真っ赤の男は、ゼイゼイと息をして体勢をかなり崩して着地。 
ヨロヨロと立ち上がり、剣の出力を上げる。

街に3m程の細い剣があらわれた。
人々は眠りから覚め、様々の思いで見ることだろう。

男は光輝く長剣を両手で持ち、構えの体勢をとる。
決着をつけるかの如く
98 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/02(火) 00:31:27.67 ID:4swlppIZO
>>96
「んん……」

かなり前であることも重なり、彼女の脳内にも少しあやふやな所はある。
やはりそちらには記憶がないのか……と少し諦めと、その営業的な表情と口調に何処か恥じらいの表情を浮かべる。


「やっぱりボクのこと、覚えてないのかな……」

少し小さな声で呟くように言う。
時間が経つごとに少しずつ何かを思い出していく。「何かを奢らされた」という程度ではあるが。

端から見れば、パフォーマーのお姉さんに話しかけ、愛想を振られただけの少女である。
何とも言えない視線が周囲から突き刺さるような突き刺さらないような。
99 :アラズァヘッド【ディープメイカー】 [sage]:2014/12/02(火) 00:32:31.49 ID:218m9ig30
>>97
「……」「……」
「「……」」

再度シンクロを始めるふたりの動き
敵の、ヘイルは満身創痍が見て取れる
しかしそれでも失われぬ裂帛の気迫の、むしろ高鳴りを肌で感じ取ったが故の判断だ
ふたりともが8本の触腕を蛇の鎌首が如くに擡げて迎撃態勢
手傷を受けた方がほんの微妙にタイミングが遅れているが、人知を越した共鳴である事に依然変わりはあらず

「「……」」

刻々と進む時計の針、それだけ迫る決着の時
路地裏で残飯を漁る鼠が、平穏な家屋に丸くなっていた飼い犬が
何かを察したように皆一定の方向に極めて注意を集中させる
動物的第六感が察しているのだ、今からここで起こるべき危険性を

『あー、ち、ちょっとタイムっ!』

そんな矢先である、突然の乱入者の出現は
薄茶色のサイドテールを揺らし不恰好なフォームで駆けてくる女
それに反応し振り向くアラズァヘッド達

『……えーとっ、貴方が雇われさんですね?』
『紙媒体で悪いんですが、これっ』

膝に手をつき呼吸を整え、なんとか背筋を伸ばしてヘイルへと一枚の紙を突き出す
警戒心からかやや距離があり、その中身を解読するのは視力にも依るが困難ではあるが不可能ではないと言ったところか

『貴方に対する今回のミッション破棄の提案と、それに伴う報酬の支払いの詳細です』
『……ま、提案ですし勿論このままコレ等とやり合ってもいいんですけどね?』

微笑み掛ける女
正直言えばアラズァヘッド達は1体は成る程確かに深手を負っている
だがもう1体は完全に無傷なのだ
その自体が女にある種の余裕を生み出しているらしい

『私個人としてはなるべく、壊されたくないんですよねぇ……どうです?』

悪い話ではないでしょう?
口角を釣り上げる行動が示すように、契約書にはアラズァヘッド達を破壊した場合の……即ち依頼を完遂した場合の1.5倍の報酬額が提示されている
ここで手を引けば、それが丸々儲けに入るというわけだ
尚サイドテールの女は警戒してはいるもののそれ以上ではない
臨戦態勢のヘイルがそのつもりであれば、一太刀を浴びせる事も難しくはないかも分からない
100 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 [sage]:2014/12/02(火) 00:53:42.91 ID:nqL2GjcT0
「....」
割り込んで来た女をちらりと見ると、出力を2段階落としてミディアムに。
「....」
訝しげに契約書を眺め、つかつかと近づくと、それをひったくった。
「....ほう、いいじゃない。」
ニヤリと笑うと剣を置き、先の戦闘でボロボロになった鞄から万年筆を取り出した
そして紙の下の方にさらさらと達筆で署名すると女の方に突き返した。
「さて、君は誰かな?」とヘイルは素朴な疑問を突きつける。
   
101 :アラズァヘッド【ディープメイカー】 [sage]:2014/12/02(火) 01:05:31.39 ID:218m9ig30
>>100
『ふふっ、貴方の英断を支持しますよ』

支払いはこちら、とデジタルデバイスを手渡して見せる
とある口座とその番号、報酬金額のデータが内部に保存されているだろう

『……ほらほら、撤収撤収』
『あ、どうせですし私を運んで下さい』

女の命令に頷き踵を返すアラズァヘッド達
触腕に女を座らせて持ち上げる

『……ギャラエ、です』
『出来れば今度はちゃんと仕事関係で出会いたいですね』

貴方頼りになりそうですし、と少し高い位置から嗤い掛ける
そのままゆらゆら、触腕に揺られて3人は裏路地へと消えて行った
残された戦闘の痕、街は何事もなかったように夜明けを迎えた

//すみません、これで〆させて下さい
//ありがとうございました、お疲れ様でしたー
102 :【ヘイル・カリヴァー】【冥界剣】 [sage]:2014/12/02(火) 01:17:25.23 ID:nqL2GjcT0
>>101
「ギャラエさん、ね」
忘れぬよう復唱し、剣を握って鞄を肩にかけて帰還の準備を始める。
「そうでありたいですね。出来れば」
少しだけ血塗れの顔に微笑みを浮かべ彼も結果を報告しに雇い主の下へ向かうべく、日の当たらない深い闇に消えた。 

//ロール、ありがとうございました!乙です!
103 :叢 【妖 ◆dEYYBbcgLM [sage]:2014/12/02(火) 01:43:54.89 ID:3x8XAtLwO
>>92

「…ありがとう…ございます、身一つで放り出されて…ここがどこだかわからなくて…」

アメリアと出逢って安堵した所為かそれとも元より涙もろいのか
およそ戦うものの、剣士のそれとは思えない気の抜けた、ふにゃりとしただらしのない表情ではらはらと涙を零す。

招かれればとぼとぼと覚束ない足取りでアメリアへと近寄り、その隣へやっとといった感じで徐に腰を下ろした。
全身で焚き火の熱気を享受し深く溜め息。余程心細かったのかアメリアとの距離も妙に近い。
かたかたと震えながら自らを抱きしめるのみだ。

「ち、違います…潰さないでくだひゃい…!」

アメリアから発せられた物騒な言葉にびくっと肩を震わせて涙目で訴えるのもやはり剣士のそれには見えず
続けられたアメリアの言葉に「そうですよ」と小さく続けて唇を少し尖らせた。
その仕草を見る限りは半妖はまるで普通の少女のように見える。

「ぁ……くださいっ…!」

差し出されたインスタント麺を見て逡巡、受け取ってもいいものかと視線をあちらこちらに泳がせ、小さな声で呻いていたが
やがてアメリアのおかわり行きが宣告されると慌ててカップ麺を催促する。
至れり尽くせりで施しを受けるのは憚られるが、背に腹は変えられないと妥協した。

それは同時に「借りっ放し」を嫌う叢にとってアメリアに対する「恩返し」の義務が発生したということ。
少し申し訳なさそうに視線を伏せがちに、頬を少しだけ染めてありがとうございますと礼を述べた。
104 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ [sage]:2014/12/02(火) 01:59:27.39 ID:uW4R2tWiO
>>103
「最低限、目についた初心者くらいは拾っていかないと
 行き倒れられたら後味悪いじゃない。
 恩だと思うなら、次の迷子に返してくれればそれでいいわ」

スープ飲み干したマグカップに、今度はインスタントコーヒーの粉末投入。
粉末ミルクと砂糖を足してお子様コーヒー化したそれをすすって一息。
敵対しないなら潰す気はないようで。

「でもまぁ、たいしたタマよね。
 こんな森の中で、どう見ても魔女とかそっち系から出てきた食べ物
 疑いもせずに手を出すんだもの。
 あなたそのうち、カエルになっても文句言えないわよ?」

明らかに迷子で、しかもよってきた相手にこの仕打ちである。
このダークエルフは旅初心者をからかうのが生きがいみたいなものだ。
外見的にはダークサイドのくせに、分類は善性らしい。
剣士のお嬢さんを上から下まで再確認し、ため息。
確かに、これでは背に腹は変えられなかったか。

「まぁでも、カエルでも餓死よりはマシかもしれないわね。
 この森、方位磁石も効かないし、地形も複雑。
 ほとんど、フィールド・ダンジョンだもの」

準備せずに入るものではないわ、と。
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2014/12/02(火) 09:19:19.39 ID:xvcVetz/0
ライサ安価も使えねーとかだっさwww
106 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/02(火) 13:24:10.28 ID:gRKHgwRLO
大口を開けてぱくり、ホットドッグを囓る
ソーセージの皮が弾け、肉と香味の混じった香り
パンの甘さとピクルスとザワークラウトと調和、実に美味しい
現代に似た、しかし少しずつ異なる世界の米国シカゴの中心部
余りにも美味しそうな匂いに惹かれてやってきたこのホットドッグカフェ
オレンジジュースとセットでお買い得価格でご満悦、しかし退店時に青ざめる事に相成った

「えっ……? こ、これ使えないってんですかっ……?」

なんと手持ちの米ドルが使えない、それはそうだろうここは似てはいるモノの現代世界とは異なる場所なのだから
店員に詰め寄られながら冷や汗、周囲の目線が突き刺さる
107 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/02(火) 13:51:11.61 ID:HpSFyeMIO
>>106
【周囲が騒然とするなか】
【我関せずといった風にホットドッグを貪っている男がいた】
【灰色の髪に赤い瞳、純白のスーツと星空柄のネクタイが特徴の男だ】

ふぅ…中々美味かったぜ
んじゃぁ、とっととずらかるか

【男は食事を終えて席をたつ。そこではじめてニアと店員のやりとりに意識を向けることとなった】
【聞けば金を持たないままに食事をしてしまったらしい。 なるほど仲間か、と男は思った】

【男はニアに歩み寄ると小さな声で語りかける】

金がねぇなら逃げるしかあるめぇよ
規則になんざ縛られるな 逃げようぜ

108 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/02(火) 13:58:54.42 ID:gRKHgwRLO
>>107
「い、いやぁその、えぇっと……」
「へ? あ、さ、皿洗いですかっ……?」

こういった場合の決まり事……
とはいえニアとしてみればフィクションの中の出来事だと信じて疑わなかった肉体労働での対価を提案されてたじろぐ
なんなら金銭代わりに持ち歩く宝石のひとつでも渡すべきかとポケットを漁り始めたところでその声を聞いた

「逃げっ、って、な、何言ってるってんですかっ」

同じく小声で否定はするものの逡巡が混じっているのもまた事実
ある世界では能力者というだけで賞金首なのだ、今更犯罪行為のひとつを恐る訳ではない
しかし道理的精神抑圧が働いているのだろう決断を下せずにいる
109 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/02(火) 14:16:30.57 ID:HpSFyeMIO
>>108
【耳を打つ少女の動揺】
【それに対して男は嬉しそうに頬を歪め】
【次の言葉を吐き出して】

規律は破るためにある
世界の言いなりなんてつまんねぇだろ?

それに 困った美人はほっとけねぇ、それが俺様の作った俺様のルールなのさ

【強引に彼女の手を掴もうとすれば】
【そのまま自分達にかかる重力の枷を『散らし』跳躍】
【もしも彼女が男の手を拒まなければ 二人は仲良く空中へ『落ちる』こととなるだろう】
110 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/02(火) 14:25:51.19 ID:gRKHgwRLO
>>109
「で、でもっ……」
「……えっ、あのっ……うわぁっ!?」

なおも言い淀む焦れったい様子のニア
しかし男に手を取られればびくりと動揺、次に驚愕
無重力落下に似た浮翌遊、男の能力だと気が付くのに数瞬の時を要する

「これっ……い、異能ってんですかっ!?」

高速で過ぎ行く街の様相、遥か後方で響く店員の怒号
次には既に全てを置き去りに出来る程の速度で落下の体験に目を白黒させている
111 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/02(火) 14:41:03.50 ID:HpSFyeMIO
>>110
ひゃっはっはっ
中々クールな力だろ?

【地上を這って回る人間達に一瞥を投げてにやにやと笑う】
【精々奴等は重力等と詰まらない枷に縛られていればいいのだと】

んじゃま、着地といくぜ

【次いで男は自分達に微量の重力を付加し街から離れた所へと着地】
【自身の手際に酔いしれながらも 男は少女に目を向けた】

ところで さっき 異能だなんだと言ってたが…
嬢ちゃんも似たようなことができんのか?
112 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/02(火) 14:47:44.22 ID:gRKHgwRLO
>>111
「えっ、ええっ……ウップ」

不慣れな重力変動に文字通りの酔いを感じて口元を抑える
先程のホットドッグをリバースしそうになるのを何とか堪えて無理矢理の笑顔
しかし結果はともあれ成る程羨ましい能力である

「はいっ、ニアも異能ですからねっ」
「ついでにもしかしてっ、越境者だったりっ?」

にょろりと細身のタイドメイカー1つを脊髄の辺りから生やして撫でながら見せる
ギラつく体液に覆われているそれはタコのモノともイカのモノともつかぬ奇妙な触腕

113 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/02(火) 15:01:13.22 ID:qp/nUj5vO
>>98

覚えて……って?

【ともすればナンパの口上にも思えるセリフに思わず怪訝そうな表情が浮かぶ】
【それと言うのもビャンコがこの世界に来たのはつい先日のこと】
【世界単位であれば以前に訪れたことがある可能性はゼロではないものの】
【覚えている限りにおいて、この街に来たのは初めての筈だ】
【故に顔見知りなどいる訳が無いと、営業スマイルで追い返そうとした、が】

えぇと、ごめんなさい? なにぶん私はこの街に来るのも初めてですから人違……っ!

【この街の住人に顔見知りなど居ない、そこまで考えた時に】
【この少女と出会ったのがこの街では無い"別の街"だとしたらと思い至る】
【そしてその瞬間に目の前の顔と以前に出会った越境者の顔の記憶を瞬時に照合し】

…………あぁ、たしか……随分前に、えぇっと……何処だかの酒場で?

【そうしてようやく、それらしき人物に思い至ることができたようだ、最もかなり朧げな様ではあるが】

名前は……ちょっと思い出せないけど、そうね確かに貴女とは会ったことが……!
……取り敢えず再会を祝うのは後にしましょう?
ここでこの格好のままだと、人目について仕方がないから

【そう言うと広げていた荷物を手早くまとめ、着いて来るように目配せするとそそくさと歩いて行くのであった】

//昨夜は寝落ちすみませんでした、遅くなりましたが返レスさせていただきました
//コレで〆として頂いても良いですし、そちらの返しで〆て頂いたり、或いは置きレスとして頂いても大丈夫です
114 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/02(火) 15:01:50.00 ID:HpSFyeMIO
>>112
【少女の背から伸びる不似合いな触手】
【それはタコやイカに似たものだがしかし、不気味にギラつくそれは今までに見た何とも似ていない気さえした】

ヒャハッ 可愛い顔してイカした能力だな。
ん…? イカしたイカ腕ってか…ひゃっはっはっ! 傑作だぜッ

【男は心底面白そうに両手を叩き】
【一通り笑い終えると 目を細めて】

越境者…? 世界を渡り歩くやつらのことか?
俺は 渡り鳥 なんざ呼んでたが…成る程、越境者か

境を越える…いいねぇ…好きな言葉だぜ

115 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/02(火) 15:13:35.63 ID:fFPISaFw0
>>114
「……こほんっ」

わざとらしい咳払いひとつ
なんともアレなジョークを聞き流すついでの所作だ
少しの間を置く手立てでもある

「ええっ、そうですよぉっ」
「渡り鳥ってんですかっ、それもいいですねぇっ」

ふむふむと腕を組み頷いて見せる
タイドメイカーの触腕をずるりと体内に収納
越境者とは果たして誰が付けたのか分からない呼び名ではあるがニアの周囲ではすっかり定着している
だがそれもそうだ、別の呼び名を称するモノがいたって何ら不思議ではないのだ
当たり前の事実を再確認し、フウムと唸った
116 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/02(火) 15:21:03.79 ID:HpSFyeMIO
>>115
【渡り鳥…自分が旅立ちの日に自ら名付けたモノだ】

ヒャハ…俺様はセンスがいいからな。

んで その越境者っつぅ名前は誰が付けたんだ?
キミに情報を渡すような… 似たような輩が他にいんのかね?

【もしも似たような人々が居るのなら】
【それはとても面白いことだ】
【是非ともあいまみえたいところである】
117 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/02(火) 15:31:33.95 ID:fFPISaFw0
>>116
「……そうですねぇっ、気が付いたらそうやって呼んでたりしたのでっ……」

誰が、とは断定出来るモノではない
もしかすればこれも一部の世界の修正力に含まれているのかもしれないし、いつからそう名付けられたのかも不明だ
しかしそれはそれで面白い、相変わらず世界はニアの興味をそそる

「はいっ、色んなひとがいますってんですよぉっ」

と、ニアの持ち得る境界間のルールや掟の最小限の、だが整然とは決してしていない情報の提供が行われるだろう
最もツラツラと並べられる言葉の羅列に理解が追いつくかは不明ではあるが
渡り鳥の群れが、そらを横切って飛んで行く
越境者達の午後は過ぎ行く

//すみませんがこれで〆させて下さい、ありがとうございましたっ
118 :叢【妖 ◆dEYYBbcgLM [sage]:2014/12/02(火) 18:33:09.08 ID:0SYVHUWvo
>>104
「行き倒……っ…」

『行き倒れられたら』という単語に反射的に反応しそうになるも思いとどまる。それは確かなことなのだから
今まで幾度となく遭難してきたものの今回ほど困窮した状況に追いやられることはそうそうありはしなかった
下手をすれば行き倒れ、樹海の中心で動けなくなっていたかもしれない。半妖といえども一応妖怪の端くれではあるので
滅多なことでは餓死などしないが、それでも動けないでいるところを野生生物に身体のあちこちを啄まれながら
生かさず殺さずされながら数百年かけて死んでゆくのはなおのこと悲惨だ。それを少しでも想像してしまったが最後、
叢の顔色はみるみる蒼白になっていった。

「次も助けられる立場じゃなければいいんですけどねぇ…あは、あはははっ……はぁ…」

さて恩返しに何をしてあげようかと頭をひねってはみたものの何も出来ない事に気が付きアメリアの提案にとりあえずは同意、
しかし自らがあまりにも無力であること、封印という名の数百年の眠りからの起き抜けですっかり勘が鈍ってしまっていること
極めつけに世界線移動に巻き込まれるようになり、このような形で遭難するケースが数倍に跳ね上がったこと。
それ鑑みるに迷子を導くことは難しいのではないかと困り顔に浮かべるのは乾いた笑み。笑顔が消え失せればやりきれなさそうなため息が続いた。

「えぇ…っ……だ、だって…お腹空いてたんですもん…」
「か、カエルっ!?ま、まさか…」

帰ってきたのは空腹に付け入れられる隙を見せる危険を全く考慮した形跡の見られない返答。
この少女の思考はまるで剣士というよりもむしろ童のそれに近い
そんな警戒心の欠片もない半妖を意地悪くからかうダークエルフの顔つきはどこか迫真性を醸し出していたのだろう。
魔女、そしてカエルになるという単語を聞きつければまたもや肩を跳ねさせ涙目でエルフを見つめ、がたがたとより一層震え始める。
それは寒さではなく怯えの震えだ。朔風にざわめく森のしわざではない。

さて表面ではそんな態度を取りつつも意外と面倒見のいいダークエルフの少女アメリア。基本閉鎖的なダークエルフとしてはギャップは強め
叢もこのような外見なれど内面は悪辣、残虐性と凶暴性が服を着て歩いているかのような醜く恐ろしいモノを内包している。
気の抜けたような外見の、内面に善とはほど遠い残虐性を巣食わせる半妖、そしてその見た目とは裏腹に親切心溢れる心優しきダークエルフ
偶然出会ったこの二人の組み合わせ、それがここまではっきり正反対に分かれているのは中々運命の様なものを感じずにはいられない。

「…あの、つかぬことを伺いますが…ここから最寄りの街までどれくらいでしょう…?」
「一応今日の寝床を確保しときたいんですけど…」

そこでふと気になったのはアメリアがさらりと言い放ってみせたある言葉。「地形が複雑」「方位磁石も効かない」「ダンジョン」この三つの不穏な単語
半妖は再び顔を顰めた。ここでの『最悪の可能性』は街に辿り着く手段を確保できないこと。
まさかまさかと嫌な予感を抱えつつも引き攣った笑みで不安げにアメリアへと問う。
もしも知らないとアメリアが応えたのならば半妖はがっくりと肩を落とし、それから捨てられた子犬のような眼でじっとアメリアを見つめることだろう。

//お待たせしました、お返ししておきます〜
//続行でもここで〆でも、都合の良い方で進めてくださいな
119 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ [sage]:2014/12/02(火) 19:17:31.36 ID:6rzNVb2fO
>>118
「神隠し歴が長いといろいろ見るのよ。
 夢の中だって思い込もうとして竜に食べられるのとか
 仮装だと思い込もうとして賊の中に飛び込んでいくのとか。
 単純な行き倒れならマシな部類ね」

色々と諦めた目。どこかで諦めきれてない目。
妙に備えがいいのも、きっと色々経験しているから。
生まれがダークサイド側にあったとしても、それをスルーしていいことにはならないわけで。

「一度学習したんだから、次は多少準備できるでしょ。
 カエル云々はともかく、一度異界の境目を踏み越えたら、常習化するわよ。
 それが本人の意図であってもなくても」

これは警告よ? とティースプーンを立てて追撃。
カエル云々も、なんだか経験に裏打ちされてると確信できそう。
なんだかんだで回りくどく心配してるのはきっと伝わる。

「さぁね?
 空でも飛べればすぐなんでしょうけど。
 あたしはもう諦めて森のなかで次の境界越えを待つつもり。
 ま、磁石が効かないってのはこの手の自殺の名所定番ジョークよ?」

ほらパス。飛んでくる方位磁石。地面に置けば多少ずれるけどもちょっと離すとすぐ安定。
問題は地形のほうだ。この類の、人手が入らない森をまっすぐ歩くのは大変な労力を消費する。
結局、この長耳は脱出を諦めてここにベースキャンプを敷いたらしい。
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2014/12/03(水) 11:10:12.04 ID:aqteYfgT0
Jゴミ溜め民説浮上
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2014/12/03(水) 21:15:39.69 ID:V25sE1CN0
てす
人いるのかな
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2014/12/03(水) 21:16:19.22 ID:57K4Lur1O
はい
123 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/03(水) 21:52:30.02 ID:C5nb61oV0
夜の繁華街、スプロール
ネオンライトが毒々しい光を爛々と灯し、毒性雨は尚もまだ降り続ける
暴力的な仮初めの絆で繋がれたヨタモノ仲間と新型のキケン・ケミカルドラッグを慎む中でそれは起きた

「……ぁ、また……これっ……」

眠気、堪えられようのない眠気
それはいい、それ自体は別に構いはしない
ただこれを良しとしないのは、目覚めが極上に最悪なためだ
大抵血の池で目覚める、肉塊の浮島の疎らな異臭漂う
今回も恐らくそうなんだろうなぁ……
諦観にも似た感情を抱きつつ、アラズの意識はそこで途絶えた

…………

ヨタモノグループのひとり、ブラックジャックのスミスがソレに気が付いた時には既に最初の犠牲者が生まれていた
即座に悲鳴、アイェェと怯えつつ失禁
続けざまにスミスは目の前でハンマー・ジョンの首が奇妙な方向に曲がるのを見た
愛用の獲物ブラックジャックを取り出す暇もなく四つん這いで逃走、本能が絶対的な死を告げている

その化物……
『頭部の変わりに海洋生物の触腕を生やす化物』は
精神を石臼で擦り潰すかのような雄叫びを上げて今まさにスミスへと踊り掛かった
124 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/03(水) 22:07:10.08 ID:IMa8BIR+o
>>123
「危ねぇ!!」

頭と腕に包帯を巻き、肩に猫を乗せた少年がスミスを突き飛ばす。

「おい!アンタ!さっさと逃げろ!!」

鬼気迫る表情でスミスに逃げるように命令する。

「お前が何者だか知らねえがな!これ以上の好き勝手はさせねぇぜ!!」

そして、化け物を睨み付け包帯を向ける。その化け物がアラズだと知らずに……
125 :アラズ【リーズンディープ】E.赤いマフラー [sage saga]:2014/12/03(水) 22:19:23.09 ID:C5nb61oV0
>>124
「あ、アイェェェ……」
「助かったぜ小僧ゥゥ……」

股間の濡れたズボンが気持ち悪いのだろう内股で逃げるスミス
彼の異名がブラックジャックのスミスから内股走りのスミスに変わったのはまた別のお話

『▪︎▪︎▪︎ー……!!』

まるでそれは精神に対する攻撃力を持つような咆哮
外見そのものが見るモノの不安を掻き立てるような造形
首の変わりに10本の触腕を生やし嬉々として飛び跳ねるそれは
触腕の彼方此方に発生している眼球全てを向ける紫狼へと向ける
次いで刹那、10本全ての触腕を振るい空間に対して面的飽和打突を繰り出した
命中率を手数で補う狙いの攻撃である


126 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/03(水) 22:37:50.84 ID:IMa8BIR+o
>>125
「ぐああっ!!」

10本もの触椀、紫狼に避けるのは不可能だった。そのまま吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。マウもその肩から落ち、地へと叩きつけられた。

「ぐ……く……やりやがったな!!こんどはこっちの番だ!」

口元から垂れる血を袖で拭う。マウは紫狼の肩に飛び乗り、再び戦闘体勢へ。

「くらえ!バンテージ・スピア!」

包帯を硬化し、槍状を作り出しそれを向けて真っ直ぐに突撃する。



127 :アラズ【リーズンディープ】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/03(水) 22:47:32.27 ID:C5nb61oV0
>>126
『▪︎▪︎▪︎!!!』

咆哮、腰を深く落として迎撃態勢
触腕を戻し、そして再度突き出す
ふたつの動作を行うにはやや時間が足りなかった
中途半端な打突となった触腕はスピアに弾かれて終わる

『▪︎▪︎▪︎……っ!?』

アラズは驚愕に後ろに飛び退くがそれは悪手だ
突撃槍に対して後方に逃げるなど、愚行なのだそもそも
4本の触腕が貫かれて落ちて右胸に穿傷、鮮血が舞い散ってネオン照らす路地の一部を染める
残る6本の触腕で紫狼を追い払うように横薙ぎを繰り出した
128 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/03(水) 23:00:44.75 ID:IMa8BIR+o
>>127
「終わりだっ!……っ!!」

追撃をかけようと接近するが、その接近は触腕によって阻まれる。

「くそっ!迂闊には近付けねぇ!」

6本の触腕を掻い潜るのは至難の技。下手に近付けば危険だ。また、最初に食らったダメージも小さくはない。これ以上の攻撃を食らえば敗北は免れない。

(くっ……どうしたらいい……?)

故に紫狼はこれ以上攻める事が出来なかった。
129 :アラズ【リーズンディープ】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/03(水) 23:08:12.42 ID:C5nb61oV0
>>128
『▪︎▪︎▪︎……!!』

横薙ぎ、縦打撃、打突
あらゆる攻撃を結界的に周囲に散りばめつ触腕の届くギリギリの位置を距離をキープ
どうやら中距離戦闘を主眼としている様子だ
だくだくと胸から溢れる真紅がアラズの足元に汚泥にも似た血溜まりを形成しつつある
よろり、微かに本体がよろけて触腕の勢いが微かに落ちた
それは逃せば決して二度目はないであろう揺らぎ
嵐の中に静寂で平穏な目の凪が刹那訪れるようなモノだ
走り出す事を選択せねば、呑まれるしかない
130 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/03(水) 23:22:50.97 ID:IMa8BIR+o
>>129
「ぐっ……ぐああっ!!」

徐々に蓄積する触腕のダメージ。口元からは再び血が流れ、皮膚の至る所に痣を作っていく。
もはや限界かと思われたちょうどその時、触腕の動きが微かに鈍った。

「今しか……無いっ!!」

包帯の槍を構え、紫狼は走り出す。だが、今までに受けたダメージが祟り、その速度は先程よりもずっと遅い。
131 :アラズ【リーズンディープ】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/03(水) 23:32:27.44 ID:C5nb61oV0
>>130
『▪︎▪︎っ!?』

紫狼が静寂の繭を感じ取り触れて突撃槍を持ちて駆け出した時、アラズはたじろいだ
左脚は大きく下がる為に浮き、軸足の右脚は急激な重心の変化を支えるため踏ん張る
足元の汚泥めいた己の血がそれを阻害した事実を、高速に過ぎ行く光景に知る
アラズは下がろうとしたのだ、だがスリップし仰向けに崩れ掛ける
そこへピタリとしたタイミングで迫る突撃槍、躱す手立てなどあろうはずもない

『▪︎▪︎▪︎ーーーっっ!!!』

直撃、重なるふたつの影法師
だらりと落ちる腕、背中より突き出した包帯槍の穂先
パキン、とテクスチャが剥がれ落ちるように全ての触腕は朽ちて変わりにアラズの顔がそこにあった

「……けほっ、な、なんだっ……!? い、って、ぇぇ……」

吐血、現状を把握出来ず混乱しつつ腹を貫いた槍の感触に怖気
132 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/03(水) 23:43:20.61 ID:IMa8BIR+o
>>131
「やったか!?」

手応えあり、無事相手を倒せたか確認する為手元を見るがそこにあったのは――

「……え?な、なんでだ……アラズ……?」

紫狼によって貫かれたアラズの姿だった。

「う、嘘だろ!?おい!?」

急ぎ槍を抜き外し、包帯を巻き付け止血しようとする。

「な、なんでアラズが……」

自身の手に付着した血液を見て、自分がやってしまったことを改めて理解する。
133 :アラズ【リーズンディープ】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/03(水) 23:49:32.13 ID:C5nb61oV0
>>132
「……ぁ? あぁ……痛っ……」
「ファック、産まれた時を除けば今迄で最悪の目覚めだってんだ……」

うるせぇよと辟易した様子
だが強がっているのだろうその仕草とは別で顔色は悪い
包帯で巻かれれば溢れる血は即座にそれを真紅に染め上げ、だが確かにこれ以上の失血は防がれたようだ

「あー……今回は何人ヤった……?」
「……んっ……? 少ねぇな、お前が止めてくれたってのかぁ……?」

立っている事が辛いのか適当なビルの壁に持たれてそのままズルズルと尻餅
犠牲になった数人のヨタモノの亡骸を確認してから紫狼とマウに赤眼を向ける
134 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/04(木) 00:03:22.46 ID:AFhaG/61o
>>133
心配そうな表情でアラズに近付き、手を差し出す。

「ああ……俺がやったんだ……その……悪かったよ。まさか、あの化け物がお前だったなんて……」

言葉は選べと言いたげにマウは紫狼を睨み付ける。

「いったいどういう事なんだ……お前、自分の意思で戦ってた訳じゃなさそうだったが……」

135 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/04(木) 00:15:05.75 ID:mLzoxiVd0
>>134
「……周囲の状況はマシだなぁ、私の状況は最悪だってんだけど」

口元の血を拭う
頬に掠れたそれがこびり付いた
夜空を見上げようとしたが、ビルの上層部が出っ張る構造になっているため叶わず
だがそれが毒性雨を防いでくれているのもまた事実だ

「知らねぇってんだ、眠ってる間にたまになる」
「……ただアレだな、私が起きれば戻れるってのは知らなかったってんだなぁ……」

ひとりで納得した風に頷いてみせる
どうやらニア譲りの説明の下手さが出ているらしい
更に独りよがりな性格が追加されて勝手に答えを導き出して一人納得という最悪のパターンである

「……ん? あぁ、マッポか……」
「んな低層区まで来るなんて職務熱心だってんだなぁ……」
「……おい、キズモノにした責任取ってエスコートしろってんだ」

遠くから響くサイレンの音
スプロールの街の治安()を守る警察組織、マッポの到着だ
彼等に捕縛されれば市民権を持たぬモノは文字通りモノとして扱われ二度と陽の目を見る事は叶わぬだろう
偉そうに手を延ばすアラズ、肩を貸せ、といったところか
136 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/04(木) 00:30:44.57 ID:AFhaG/61o
>>135
「眠ってる間にか……」

紫狼の頭で考えられるのは、洗脳か能力の暴走くらいだ。

(そういや、俺も以前意識が無い間に虫に操られてたらしいな……もしかして、アラズも似たような……?そして……俺に何かしやがった連中は勿論――)

「……カノッサ機関」

色々考えた結果、思い浮かんだ組織の名を呟く。カノッサ機関――紫狼にとって因縁のあるその組織の名を

「騒ぎになると不味いよな。分かってるって、やったのは間違いなく俺だからな。」

そう言ってアラズの手をとる。

137 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/04(木) 00:44:01.69 ID:mLzoxiVd0
>>136
「……」

カノッサの名が呼ばれれば無言、だがそれは半ば肯定のようなモノだ
赤眼に憎悪の炎が刹那燃え、しかし瞬きの後にはそれは覆い隠されていた
リーズンディープはアラズァヘッドに搭載された戦闘特化のモードだ
だが特に初期生産型に於いてはほぼ暴走状態となり制御が不可能、視界全ての生物を攻撃対象としてしまう
そんな不安定なモノを搭載した、剰えクローン生体兵器として自身を生み出したカノッサに憎しみ以外の感情があるはずはない

「……ん、なかなか紳士的じゃねぇかっ」
「痛っ……、行こうぜっ……」

手を掴み、そして体を押し付けるようにして体重を預ける
その際多少の痛みに顔を顰めるが大した事ではない
紫狼とマウを急かしてこの場を後にするだろう
スプロールの夜
貪婪な悪魔の宝石箱めいた街の毒々しい輝きは酸性雨にぼんやりと浮かび上がる

//これで〆させて下さい、ありがとうごさいましたっ
//お疲れ様です、お休みなさいー
138 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/04(木) 00:56:31.71 ID:AFhaG/61o
>>137
(やっぱりカノッサなのか……?)

カノッサ機関が黒なのはほぼ確定した。だが、カノッサの何処なのかを知るのは困難の極みだ。多数の世界に股がり、カノッサ機関という組織は、それほどまでに巨大化複雑化している。

(どっちみちカノッサは俺が潰すけどな。)

故郷の事、右目の事、マーウェスの事。戦う理由はたくさんある。たとえ困難な道であろうと、紫狼はカノッサと戦い続けるであろう。マウも同様だ。彼だって機関によって殺されかけた被害者なのだ。

「あ、ああ、紫狼様はナイスガイだからな。」

そんな冗談を言いつつも、アラズの事が心配な様子。急ぎこの場を後にした

/お疲れ様でしたー。絡みありがとうございます!
139 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/04(木) 19:52:27.48 ID:W5E1blpW0
【某所 止まり木同盟管轄の小屋】

―――ギィ・・・
「大丈夫だって」

とある世界の止まり木の宿 そのソファに座り ラジオの充電をしているのは世界をまたに駆けるが世界的ではないアーティストアキレス
そしてその傍らでズボンの裾をハサミで掴むベティ 時折不安そうに鳴いてはアキレスが声を駆ける

それだけでもまぁ異常っちゃ異常だが 問題はすでに12時間近くもの間ベティはその場で動かず アキレスもトイレなど どうしてもな用事が無ければそれに付き合っていることである

―――ギィ・・・
「だいじょ〜ぶ」
140 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/04(木) 19:59:47.64 ID:mLzoxiVd0
>>139
「ひぇぇ……参ったってんですよぉっ……」

勢い良く部屋に駆け込んでくるのはびしょ濡れになったニア
突然の豪雨に打たれ慌てて止まり木のレリーフの小屋へと避難してきたのだ

「もうっ、びっしょびしょっ……」
「あ、アキレスにベティ、こんにちはってんですねっ」

ぺったりと体に張り付いたシャツの裾を絞れば落ちる水
そこでようやくこの部屋に先住民がいるのを知り軽く右手を上げる
ふたり(?)の様子の奇妙な部分にはまだ気が付いていない様子
141 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/04(木) 20:05:45.92 ID:W5E1blpW0
>>140
―――ギィ・・・
「大丈夫大丈b」
時折その甲殻を撫でてやりながら声をかけると 飛び込んできたのは知己の友

「やぁニアt」
反射的に立ち上がろうとして足元を引っ張られる そのヌシはベティのハサミ

「・・・あぁ御免 洗面所はそっちだからシャワーでも浴びといで ちょっと今手が離せないんだ」
そういってまた座り直し ベティの甲殻を撫でる
142 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/04(木) 20:11:24.17 ID:mLzoxiVd0
>>141
「……?」
「え、えぇっ、そうさせて貰いますってんですねっ」

何となくの違和感としてふたりの行動を訝しむが、それより体の凍えを癒す方が先決
ペタペタと水跡を残しつつ歩きシャワールームへ
たっぷりの時間温かな湯を浴び、しっかり容易していたらしい寝巻き姿でリビングへ
どうやらここで一夜を明かす予定らしい

「……? まだそうしてるってんですかぁ……?」

と、まるで動いていない様子のふたりに疑問をぶつけた
髪に残った水気をわしゃわしゃとタオルで拭いている
143 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/04(木) 20:19:10.48 ID:W5E1blpW0
>>142
「うんまぁちょっと 後もう少しだから」
やってきたニアに困ったような笑みを向ける

―――ギィ・・・
「大丈夫」

いつもならニアを見つければ元気よくハサミを振り上げるベティもこの日はニアに気付いてないのか
微動だにせずアキレスのズボンの裾を掴んだまま時折鳴く程度

【それから数時間後】
――――ギ・・・・g・・・・・g・・・・ギ・・・・!!
「始まったか」

その数時間をどのように過ごしたか 兎に角ベティの鳴き声の調子が変わり
アキレスにやや緊張の色が見える

そしてベティは小気味に震えている
144 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/04(木) 20:24:26.85 ID:mLzoxiVd0
>>143
一方ニアは悶々とした様子でその数時間を落ち着かなく過ごした
たまにベッドに寝転がってみたり窓の外の雨を見てみたり意味もなく歩き回ってみたり
ただ何となく雰囲気からただ事ではなさそうだなぁと察したのか、普段からすればずっと大人しくしていたのだ

「……!? な、なんだってんですかっ!?」

そして起こる目に見える事態の変化に驚愕、目を丸くしてふたりを見詰めた
145 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/04(木) 20:37:32.98 ID:W5E1blpW0
>>144
「まぁ若干命の危険は孕んでるけど・・・大丈夫だろ?」
そうは言うもののやっぱり心配なのは同じ

そしてウゾウゾと震えるように動き回ること数十分

バキッ!! ベリベリベリ!! ベリッ!!
まるで上着を脱ぎ捨てるように 後ずさりしながら 今まで纏っていた甲殻を捨て去り

―――ギィ!!
【ベティ は ベティ(微大) に 進化した!!】

どこかで聞き覚えのあるファンファーレが流れた気もする

「はい脱皮完了 お疲れさん」
やっと自由になると ズボンの裾にベティの殻をくっつけたまま立ち上がる
146 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/04(木) 20:46:20.16 ID:mLzoxiVd0
>>145
「そ、そうなんですかっ……?」

命の危機と言われて緊張の糸は更に強く張る
何故か救急箱を手に取るくらい動揺しつつも事の推移を見守った

「……おっ、おおっ……!?」

と、微妙に大きくなった気がするベティ
脱皮だったのかぁとほぅと息を吐いて緊張を解く

「ふたりとも、お疲れ様ですってんですねっ」
「……アキレス、それそれっ……」

額に浮いた汗を拭いながら
そしてアキレスの足に引っ付いたままの脱け殻を指差して苦笑
147 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/04(木) 20:53:50.56 ID:W5E1blpW0
>>146
―――ギィ!!
ここでやっと気付いたのか ニアに向けてはさみを振り上げるベティ
どうだすごいだろーと言わんばかりに誇らしげ だが

「ほらほらニアタン触ってみ ソフトシェルだよソフトシェル」
アキレスの薦めでつついてみるなら 甲殻類にあるまじきプニプニとした感触を楽しめるだろう

―――ギィ!?
もっとも ベティに取っては迷惑な話であるが
148 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/04(木) 21:02:06.04 ID:mLzoxiVd0
>>147
「ふふっ、本当にお疲れ様ってんですよぉっ」

誇らしげに振り上げられたハサミの大きさの変化に気が付く事が出来る程には鋭くない
だがその様子から何を言わんとしているのかを見抜けない程にまでは鈍くないのもまた事実
屈んでベティを覗き込み、微笑み掛ける

「え、いやっ、あの……なんか凹んだ形で固まっちゃいそうな……」
「……おおっ、こ、これはっ……」

触れるのを促されれば最初は渋るも人差し指の先でふにっと触れば感嘆の声
149 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/04(木) 21:15:55.51 ID:W5E1blpW0
>>148
「な〜に なんくるないさ〜」
と二人でプニった結果・・・

【暫くお待ちください】

――――ギィ!!
「おこるなよ〜」

二人から離れて本域の威嚇をするベティ ニアの懸念は見事的中 すでに乾燥して硬く乾いた甲殻は若干凹んでいた
【ベティ は 拗ねている !!】

「悪かったってほら こっちおいでって〜」
―――ギィ!!

そういって近付いてもその分後ずさりしつつ本域の威嚇である
150 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/04(木) 21:20:23.27 ID:mLzoxiVd0
>>149
「うぅっ、ご、ごめんなさいってんですっ……」

欲望に負けた自分の行動を過去に戻って咎めてやりたい衝動
それはそうだ、誰だって怒るだろう固着すべき形を歪められてしまっては

「これでお詫びには……な、ならないってんですよねぇっ……?」

と、ほとんど乾いたデイバックから非常食のチョコレートバーを取り出して数本ベティに手渡そうとしてみる
物でご機嫌を釣ろうと言うのだ
バカにしている訳ではなく、まぁ今出来る限りの精一杯の誠意の表れといったところか
151 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/04(木) 21:27:35.15 ID:W5E1blpW0
>>150
余り気に病まないでください どうせニアがプニらなかったらアキレスがプニりまくってたんですから

「ほら謝るからさ 謝罪の品だよ」
といってこの男は冷蔵庫からミートボールを持ってくる

チョコバーとミートボール 満点カロリーと動物性たんぱく質

――――ギ・・・g・・・・・・・・・・・・ギィ!!
「おー揺れとる揺れとるwwwwwwwwww」

思わず突撃しそうになって 寸前で思いとどまって しばし葛藤して 意固地になって本域の威嚇

「いらないんじゃしょうがない ニアタン一緒に食べようぜ」
そういってミートボールが乗った皿にチョコバーを一緒に乗せて持ち上げようとする

――――ギィ!! ギィ!!
コレにはベティも大慌てである
152 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/04(木) 21:32:31.07 ID:mLzoxiVd0
>>151
「っ、、え、えぇっ、そうしますってんですかっ」

可愛らしい葛藤の様子に思わず吹き出しそうになるのを堪える
更にアキレスの提案に頷けば大慌てではないか
さすがにまた少し悪ノリし過ぎな気もしないでもないが、加虐的ともいえる行為に対するベティの反応を見るのは愛らしくていい
無論本心からの悪意に基づいた行動ではないと付け足して置く

153 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/04(木) 21:49:25.34 ID:W5E1blpW0
>>152
「あれ〜いらないんじゃないの〜?」
慌てるベティにわざとらしく言ってみせる

―――ギ・・・・・・g・・・・・・・・・・・・ギィ!! ギィ!!
またもや葛藤ですが欲望には勝てなかったよと言わんばかりにクレクレ催促

「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
なのでお皿を床に下ろしました

―――ギィ♪
「さてっと 心配かけてスマンねニアタン やっぱり脱皮ってのは不安なことらしい 美味く抜け出せなきゃ命の危険だし ソフトシェルで襲われるとやっぱり命の危険だし」
ここでようやっとベティの抜け殻をズボンの裾から引き剥がす

「コレでまた大きくなって 重い荷物ももてるようになった この調子で俺が乗れるようになるのは何時になるかね?」
――――ギィ!!
「まだ無理だって それより食べちゃいな」

ベティが今からでも任せろとはさみを振り上げて見せるが アキレスに窘められる
154 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/04(木) 21:55:30.12 ID:mLzoxiVd0
>>153
「ふふっ、もうっ、あまり虐めちゃ可哀想だってんですよぉっ」

なんて口では言うものの笑いながらでは説得力のカケラもない

「ふぅん……テレビなんかでは見たことありますけど、実物を見るのは初めてだってんですよぉっ」
「……まだ今の大きさじゃ、潰れちゃいそうだってんですねぇっ……」

抜け殻と、それとハサミを元気に振り上げるベティを見比べて唸る
だがまぁまだまだアキレスを載せて歩くには無理だろう
かつて砂漠で世話になった彼等はいったいどれ程の時を生きていたのだろう
なんとなくあの長い旅路を思い出して、何処と無く遠い目
窓の外の雨夜を見ているようではいるが、決してそうではなかった

//すみません、ちと早いですがこれで〆させて下さい
//ロールありがとうございましたっ
155 :マーヤ・パーヤ [sage]:2014/12/05(金) 22:39:35.54 ID:y3ntb45wO
【手記】
"世界を転々としながら、再びあの懐かしの工業都市に戻る事が出来た。
どうやら、もう既に数ヶ月経っているが状況はかなり緊迫したものになっている。
乱立する反政府組織による合法、非合法問わずの反政府運動は活発になり政府側の対策がとれず
街は混乱し、物価も以前の二倍になって――――"

この代用コーヒーの値段一つとっても、以前の二倍近くなっているが
街のあらゆる所に生えた工場から吐出されてる煙の量は増えることはないようだった。
書き込んでいた手記から、すぐ側にある窓の外に見える工場の煙突に視線を向けながらそう思った。

「今日はハズレだったようだ」

高い金を出しながら、わざわざ喫茶店で美味しくもない代用コーヒーを買ったのも
反政府組織側の人間と会う予定があったからだ。今や喫茶店は、コーヒーを飲む場所から
高い金を払って、人と待ち合わせる場所と化している。この後の予定も入ってない。せっかくだから
この一杯でどこまで粘れるか決意した。

「むっ」

無聊を嘆きながら、窓の外を見ていると要注意人物とされている政府側の人間の姿がみえた。
いつも同じ帽子をかぶっているせいで、顔を覚えられているかもしれない。気が付かれぬ前に、
慌ててテーブルの下に隠れる。気が付かれなければ、良いのだが。
156 :TypeD-7@機械翼のようじょ [sage]:2014/12/05(金) 22:48:35.49 ID:uIHfEPPQO
>>155
テーブルの下にナ ニ カ イ タ
多分寝てると思わしき、きれいな金髪のちびっこは
パッと見、息すらしていないというか、生き物の気配すらさせていませんでした。
どう見ても人なんだけど、めっちゃよく出来た人形のような……

「……んぁ?」

起き上がって目をこしこし。
そのままびっくりして立ち上がり、盛大にテーブルに頭をぶつけるまでがお約束。
ごすん、と鈍い音と頭を押さえるソイツと、めっちゃ揺れるテーブル。
……これ、政府軍がいくらあれでも、テーブルの下を確認したくなるんじゃないかしら。

「おー、☆がきらきらーーー」

やらかした本人はまったく気がついていませんがね
157 :マーヤ・パーヤ [sage]:2014/12/05(金) 23:01:24.45 ID:Hz0DWf9UO
>>156

動物、ではなかった。
何か居ると気付きし、それが人型であることを認識したせいか、
取るべき行動は遅れ、そのままそれがテーブルにぶつかり盛大に揺れる。
静まり返っていた街にできた亀裂を、男は見逃していなかった。

「……かぶってろ。できれば静かにすることだな」
テーブルの下でじっと静かにしていたが、すぐに頭の上にかぶっていた
キャスケットの帽子を外し、ソイツの頭にかぶせる。おそらく、サイズは一回り大きいだろう。
頭頂の片方しか残っていない猫耳を、露出することになるが腹は背に変えられない。
これなら、まだごまかしきれるかもしれない。

やがて男は来た。

『……頭のそれは異民か?』
「はい」
『異民許可証か?」
「ここに。確認して下さい」

テーブルの下から這い出てから、男が入ってくる。
男がまず見てきたのは、頭の耳であり、テーブルの下には目をやってない。
どうやら、それには気がついておらず、淡々と私と機械的なやりとりをする。
問題がなければ、切り抜けることができるはずだが大きな問題がテーブルの下にある。

男に気が付かれぬようにそれに目をやるが、果たしておとなしくしているだろうか。
158 :TypeD-7@ようじょとロボット [sage]:2014/12/05(金) 23:06:25.90 ID:uIHfEPPQO
>>157
キャスケット帽ゲット。
お、これかわいい!
そしてテーブルの下に放り込まれる。
問題は、こいつはおとなしくしてるタイプじゃないってこと。

「おー、こんにちわ!!」

問題
元気に挨拶する、清潔な格好のちびっこが
テーブルの下から出てきた場合に発生する誤解を答えなさい。
そのちびっこの背中には機械の翼がにょっきりはえているものとします。
なお、移民許可証とか身分証明証はもっていません。たぶん
159 :マーヤ・パーヤ [sage]:2014/12/05(金) 23:14:40.02 ID:Hz0DWf9UO
>>158

まだ許可証の隅から隅まで読んでいた男が、
ちびっこの声に気がついて、そちらを見て大きく顔をしかめる。
しばらく、判断に悩むように眉をしかめているがの、正面に立っている
こちらからよく、見える。見ているこっちが冷や汗を垂らしてきた。

『それは、お前の所有物か?」
「はい」
咄嗟に肯定してしまう。動揺だけは、表情に出さない。
『………まあ、よい。まだ機械を取り締まる法は無いからな。きちんと言うこと聞けるようにしとけ』
「はぁ……」
これで相手の毒気が抜けたのか、すぐに許可証を返してもらい
会話が打ち切られ、男はさった。
その間、ちびっこから発せられる言葉は一切スルーだった。

それを見届けると、私はちびっこの正面にたち膝をまげ目線をあわせる。
「なにものだ、お前?」
それから、人差し指で額を突く。腹いせだ
160 :TypeD-7@ようじょとロボット [sage]:2014/12/05(金) 23:22:33.40 ID:uIHfEPPQO
>>159
ばいばーい、と政府の人っぽいのお見送り。
……これはもしや、ピグコンとペドフィリア併発と思われたのか、もしかして。

「はうっち」

こづかれて後ろにあわわわとなる図。
バランス感覚、意外と良好。
動いてる分には生身とほとんど見分けがつかないね。
背負いモノがなければ完全にまじりこみそう。

「Type.D-7 CCU Code name "Princess"
 Latex Heavy industry製Carpenter システムコアユニットのプロトモデル」

元気に自己紹介したけど、内容が幼女の自己紹介じゃねえ
161 :マーヤ・パーヤ [sage]:2014/12/05(金) 23:28:34.67 ID:Hz0DWf9UO
>>160
おそらく、無駄に追求したらめんどくさい事になると男も判断したのだろう。
とはいえ、これでマークがつくのは簡単に予想できる。

「そんなサイエンスファンタチカじみた紹介はせんでいい。
名称は無いのか、名称は。お前のせいでどんなに焦ったと思う」

つん、つん、つん、つん。
大人げも無く、なんども人差し指で小突く片っぽ猫耳青年の図。
飽きたのか、元のテーブルの所に座る。いつのまにか、奥に消えていた
店長がまた戻ってきていて、幼女をにこやかに眺めている。こいつ、面倒事を避けて逃げてたな。

「はぁ……さあ、帽子を返すといい」
頬杖をつくと、大きなため息をつき
余っている方の手をチビの方に出して、帽子を求める。
落ち着きを取り戻した今、早い所かぶらないと羞恥心が沸き上がってくる。
あぁ、穴があったら入りたい。すでに、顔はほのかに赤くなってきている気がした。
162 :TypeD-7@ようじょとロボット [sage]:2014/12/05(金) 23:34:11.08 ID:uIHfEPPQO
>>161
ファンができたんですね、わかります。

「ん? んーーーーー」

名称の方を聞かれると腕を組んで考えこむ仕草。
続いて頭を抱えて身体を捻り、だんだん無理のある姿勢になって
電球エフェクト。
ここまでやってようやく思いついたらしい。

「おとーさんは、でぃーのななで“ディーナ”って呼んでたな。
 あ、ココア! ココアのみたい!!」

許可とってないのに勝手に頼ませていただきます。
帽子については、返却要求にたいして「えーーー」って顔になった。
取り返すには力技が必要なようです。
163 :マーヤ・パーヤ [sage]:2014/12/05(金) 23:41:41.97 ID:Hz0DWf9UO
>>162
こっちの目線に気がつくと、実に嫌そうな顔をする店主。
さっさと出て行って欲しいのか。ならばこちらとて居座ってやる。

「ディーナか。ほう、お父さんがいるのか。
そのお父さんの所に帰らなくていいのか?」

頭痛が痛くなってくるレベルでマーヤらしからぬ
ぞんざいな扱いをしている。こいつ、ちびっ子とか苦手なタイプだな。

ちなみに、ココアについてはそもそものココアの在庫が無くて
一部の金持ちしか頼めないような値段になっております。
代用ココアならありますが、とマスター。ちなみに、味はココアから遠くかけ離れたもの。
泥水すするほうがマシな味だそうです。

「帽子を返してくれないのか。それは、困るな。
君に預けていただけだから、君にはそれを返却する義務があるのだぞ」

なんて唇をムズムズさせながら言う。
おそらく、そろそろ耳朶が赤くなってくる段階か。これでも、返してくれなければ
力技にでるしかあるまい。
164 :TypeD-7@ようじょとロボット [sage]:2014/12/05(金) 23:48:03.20 ID:uIHfEPPQO
>>163
「かえりたいけどなー、かえれないんだよなぁ」

え?ココアないの?まじで?
じゃあ、コレで作って! とポシェットから粉末ココア提出。
この際、ミルクはあきらめます。

「あずけてただけならしかたない」

この場合はおとなしく返却。
ただし、じーっと帽子のデザインガン見してから。

「ココアとちぇんじはダメ?」

名残惜しいらしいよ!
165 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/12/05(金) 23:48:46.07 ID:7eGPMI7po
>>63

「なに、服など汚れても洗えばいい」

 衣服はステータスとなりえるが、大切にしすぎればそれは滑稽に通じる。
 そういうバロウズ特有の論法を端的に口にしていた。

【一見して理知的でスマートな物腰の男であるが、肩を借りれば分かるがかなりの体躯がある。
 レザージャケットに包まれた筋骨は巌の如く、高いレベルで鍛え上げられていた】

「慣れていないのならば、なおさら体験は必要ということではないかな。お嬢さん。
 これも、ちょうどいい機会だとでも思えばいい」

 しろどもどろな帝の言葉をあしらいながら、焚き火の側まで来ると、
 ハンカチーフを取り出して地面に敷く。そして彼女をその場に降ろすであろう。

「まあ、まずは君に必要なのは適度な休息だ。
 随分と疲労しているように見える。ましてやこんな場所に居るのが不思議なくらいには」

 沸騰した湯の入った簡素な薬缶を傾けて紅茶を淹れる。
 このような状況では香味を楽しむためのあらゆる作法と器具に不足していたが、
 文明の名残のようなものを味わうには十分に贅沢な代物であろう。

【いかにもキャンプ用品的なコップに紅茶が注がれ帝に差し出された】

「この世界の水で淹れたものだ。味は悪くない」

 この場所。この世界の空気は非常に清んでいる。
 また、酸素濃度はそれなりに高く、意識をクリアにしてくれる。
 足元を暢気に駆けるリスは愛らしく、宙を舞う蝶々は可憐で、そして穏やかに吹く風は心地よい。
166 :マーヤ・パーヤ [sage]:2014/12/05(金) 23:56:27.19 ID:Hz0DWf9UO
>>164
「訳ありか。助けがいるなら聞くぞ。帽子を返してもらってからからだがな」

そろそろ我慢の限界に近かった。まだ、他に人が居ないだけマシというべきか。
無理矢理にでも返してもらおうかと思った時に、何か渡された。
もしや、これは今や幻になったあの品物だろうか。

「こほん」
一瞬悩んだが、咳払いをして邪念を消す。
「ダメだ。ブルジョワジーの要求には屈しない!」

羞恥心と焦りのあまり、訳の分からぬことを声を震わしながら
言うと、ココアを受けとらずに帽子を取り返し、瞬時にかぶる。
あー、落ち着く。耳を出していると、どうしても気が散ってしまう。

「先ほどの醜態を忘れてくれ。ところで、先ほどの代物だが
それで誰かの帽子と交換できると思うぞ。少なくとも、この街だったらな」

チョコレートの風味に飢えた人ならば、帽子ぐらいどうとでもないでしょう。
167 :TypeD-7@ようじょとロボット [sage]:2014/12/06(土) 00:02:28.55 ID:rlkqKVVmO
>>166
「そもそも、きょーかいこえて、じぶんちに戻れるのはレアじゃん?」

境界渡り中ですわ。
なるほど、これは確かに帰れない。

「んー、そのねこみみなおすのでもいいけど?
 にくと、けがわあれば、たぶんできるよ?
 あとココアはてんちょーにつくらせて!」

何故かその帽子一個に固定してる興味。
何がそんなに気に入ったのか……。

「あ、ココアでぼうしになるんか。
 じゃあこれだとどうなるんだろう」

ポシェット逆さまにしてふりふりふり
……いろんな世界で集めてきたおやつがテーブルの上にぽろぽろぽろりん
168 :マーヤ・パーヤ [sage]:2014/12/06(土) 00:11:27.19 ID:I11N0E8uO
>>167

「あぁ、そうか、君もそうなのか」
そもそもどうやって現れたのか考えないようにしていたが、
これで合点がいった。となると、これは少し考えるか。

「治す必要は無い。余計お世話だ」
これは、自分に刻んでいるのだ。
「と、声を荒らげてしまったな。申し訳ない」

軽く謝ると、店主を呼びココアを手渡す。
その際、ごまかさないように、と言ったがどうなのやら。

「さながら宝の山だな」
外套のポケットからくしゃくしゃになっている
手巻きタバコを取り出し、マッチを吸って火をつける。別に動揺を隠しているわけではない。
「あまり、それを人に見せないほうがいいぞ。君を殺してまで奪い取る人もこの街には居るだろう」

いくつものヤミ屋が並んでいるこの街では、このおやつの山は一財産そのものであった。
それを売れば、商売すら展開できる資金を手に入れる事ができるだろう。
活動資金になるかもしれないが、と考えた所でタバコの煙と共に邪念を吐き出す。
169 :TypeD-7@ようじょとロボット [sage]:2014/12/06(土) 00:18:17.52 ID:rlkqKVVmO
>>168
「ずーっとあちこちいってるけど
 かえれたこと、いっかいもないからなぁ」

いそいそとポシェットにお菓子格納。
あ、コーヒーヌガーのチロルチョコは店長にココアの手間賃代わりに進呈。
チップのつもりらしいです。

「とりあえず、ここの人がおいしいごはん食べれてないのはわかった。
 ニセモノだって、うまくつくればおいしいのになぁ」

ビスケットのチロルチョコは自分の口に。
きなこのチロルは猫耳さんに進呈。

「じゃあしつもん。
 ここからはこびだすのにオススメは?」
170 :マーヤ・パーヤ [sage]:2014/12/06(土) 00:26:22.38 ID:I11N0E8uO
>>169

「ふむ、そんなにか」
ふるさとを惜しむ人は越境者という立場は辛いものがあるようだ。
しかし、私にはなすべき使命があるのだからふるさとを懐かしむ思いなぞ持てない。
願わくが、同志たちが運動を成功させてくれていることだ。

「そもそも代わりにするモノがないのだ。この街には、
その理由は…………まあ、論ずる必要はないな」
無駄に公共の場で危ない話題を口にする必要はない。
しかし、この娘の先の事を考えると危なっかしくて仕方ない。

「ありがたい」
もらったチロルはポケットの中へ。
これは、一番最初に見た浮浪者にあげるべきだろう。
「運び出すという、と。どういうことだ?君の場合は、よく目立つから
早い所そのポシェットの中身をどうにかしないと、奪われるか没収されるかもしれないぞ」

下手な誰かに見せようものなら、強盗に開い、隠そうとしても
目立つ風貌から秘密警察とやらに尋問され、没収される可能性もある。
なんて、話している間に店主からココアが出される。おぉ、この香りは久しぶりに嗅ぐには強烈だな。

「何か企んでいるのか」
171 :TypeD-7@ようじょとロボット [sage]:2014/12/06(土) 00:30:50.29 ID:rlkqKVVmO
>>170
「どうせすぐつぎのとこ。
 どこでなにがつかえるかわかんないからなぁ。
 ……あのえんとつとか、何つくってるん?」

要約:すぐにゲート移動しちゃうから、交易品ゲットしたい。
もっとも、本人は太陽光で十分なので、趣味アイテムしか拾わないけれども。

「どうせもっと目立つのいるしな。
 ほら、あそこ」

建物の影になんか2.5mくらいありそうな、戦闘用っぽい外見のがにゅっと姿見せた。
……保護者付きだわ!
172 :天龍院帝 【真眼】>>196 [sage saga]:2014/12/06(土) 00:35:29.79 ID:cRwZjsDZo
>>165
「た、体験……ですか……」

ヨブからの丁寧な扱いとその所作に恐縮しながらも困り顔。
帝は元々口数が多い方ではないし、今現在彼から差し伸べられた手に対する礼も持ち合わせていない。
困惑と同時に申し訳なさも感じているようで、顔を軽く俯けながらもヨブの方にちらちらと視線を泳がせる。

「え、えぇ……。私も目的があってここにいた、という訳ではないので……」
「越境……っていうんですよね……? 気付いたら知らない世界にいるのって」

精神的に居心地の悪さを感じながらも身体は完全に休息モード。
気不味い気持ちとは裏腹に足はもう全く動かず、身体はこの場所で休息する事を頑なに主張している。
歩き疲れて取れてしまったのではと錯覚していたふくらはぎをさすっていると、懐かしい、好物とする香りに思わず顔を上げた。

「温かくて……美味しいです……」
「こんな場所で紅茶が頂けるなんて、流石に思ってもみませんでした……」

差し出されたコップを軽く頭を下げて受け取ると、中に揺れるのはやはり帝の好物。
冷えた掌は熱を求めてコップを両手で包み込む。
火傷をしないようにゆっくりと啜ると、体内に熱が広がっていくのを感じて思わず吐息が漏れると、それと同時に溢れたのは素直な言葉と笑顔だった。

「……どうして」
「あの、どうして見ず知らずの……しかもこんな場所で彷徨っていた私なんかにこんなにしてくれるんでしょうか……?」

紅茶の熱は心の扉も溶かし始めたのか。
なされるがままであった帝は自分でも意識したわけでもなく、気付けばヨブに対する疑問が口をついて発せられていた。
173 :マーヤ・パーヤ [sage]:2014/12/06(土) 00:47:03.30 ID:I11N0E8uO
>>171

「工場か。あの工場は労働者の汗を吸って人民の血を流す武器を作っている。
悪趣味じゃない限り用は無いと思う」

第一線で通用する武器からへんてこ武器まで
あらゆるモノを作っている。そんな工場都市であった。

「…………なるほど、せっかくだ。
どうせなら一騒動起こしてからどこかに行くとこちらからはありがたい」

はぁ、とため息をつきココアに口をつける。思わずニヤける頬、いけないいけない。
外套の胸ポケットをゴソゴソ。マッチ箱が出てきた。中身は数本のマッチ。
赤をベースにした粋なラベル。一世紀ぐらいしたらいい感じの価値が出そうなデザインといったところか。

「いらないかもしれないが、ココアの礼だ。
さて、と。また変なのが来る前に私は退散しよう。それじゃあ、気をつけとけよ」

そう言うと、代金をテーブルの上に起き、ポケットに手を突っ込む。
視界の端に、こちらをじっと見えている気配に気がついたからには、これ以上ここには座れないだろう。
どうせ巻き込まれるなら自分一人で良いと思い、店から出て行こうとする。

後ろは振り向かないかわりに、背中越しに右手だけ小さく振って別れを告げよう。
174 :TypeD-7@ようじょとロボット [sage]:2014/12/06(土) 00:53:25.24 ID:rlkqKVVmO
>>173
「ん。わかった。なんかやる!!」

マッチをもらってこれでおっけー。
変なのの相手はある意味で得意なのですわ。
全力で手を振ってさようなら。



後日、工場の生産ラインに変な設計図がまざって
加工機械から中世の武器コレクションが出力されたとか…
175 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/12/06(土) 01:02:31.37 ID:kEi/Jlgoo
>>172

(随分と世慣れぬ印象…令嬢…修道士…いや、実験体、病人か?)

 鼻腔に感じるある種の匂い。そして彼女の特有の雰囲気から推量をするバロウズであるが、
 それは億尾にも出すことは無い。別段、警戒するべき場面でもない。

「越境、ワープシフト、世界漂流。この現象に対する呼び方は様々だね。
 一定以上のテクノロジーの世界では任意的な移動もある程度は可能になっているが、
 実際、完全な制御を為しえたという話は未だに聞かないね」

 トマトベースにトロトロになるまで煮込んだ魚とイモを加えたスープを皿に注ぐ。
 気候は穏やかであるが、先ほどの紅茶のように温かいものを食べるのはリラックスに通じる。

【実際に紅茶もこういったテクニックのための道具である。サバイバルの、懐柔の、そして誠意の、だ】

 そうして、ようやく気を多少は許してくれたのか、帝が自分から質問を告げた。
 それに対してバロウズはやはりどこか舞台役者の洗練された演劇のように応えるのだ。

「こんなに、か。理由をつけようと思えば私は、幾らでも君に告げることはできるのだろうが…」

 やや難解な言い回しをした後に、

「他者に手を貸すのに明確な理由を用意しなければならぬ道理もない」

 理由が無いと言っているのか、それともはぐらかしているのか、
 聞き手によってはどうとでも受け取れる回答であった。

「越境…ならば、ここに来たのは運がいいか悪いかは定かではないね。
 この世界は言うならば…人間種が消滅した地球。美しいが、きっと生きにくい世界だろうね」

 穏やかな日の光の下で越境したこの世界についての情報を紅茶片手に開示する。
176 :天龍院帝 【真眼】>>196 [sage saga]:2014/12/06(土) 01:43:43.01 ID:cRwZjsDZo
>>175
「ふふ、理由は無くともヒトは行動できるということなんでしょうか」
「それとも……それがあなたの神サマの教え? どちらにせよ不思議なヒト。"覗いて"みたいくらいに……」
「どちらにせよあなたのお陰で今わたしは温かい紅茶にありつけているんだかr感謝しなきゃですね」
「……ありがとうございます。伝えるの、遅くなっちゃいましたけど」

先程まで借りてきた猫のように縮こまっていた帝の急な饒舌は紅茶の温かさに心を許しただけではない。
普段は大人しい彼女だがお喋り自体は大好きなのだ。その相手が自分の知らない世界を語るとなれば俄然興味も湧いてくる。
慣れていない、と言ったのがまるで嘘のように言葉を続ける。まるで新しい玩具を得た藁科のように瞳を輝かせて。

「ワープシフトに世界漂流……? 本の中では見た言葉、それがまさか現実のものとなってわたしの耳に触れるなんてっ……!」
「あんな檻の中では絶対に聞けなかった言葉……! あなたのお話っ、とっても興味深いですっ! 」

トマトベースの真っ赤なスープを少々興奮過剰気味に受け取る帝。
気付かぬ内に吐血しているも、それに慣れてしまっていることもあり当人は全く気が付いていない。
美味しそうに湯気を立てていた真っ赤なスープは帝の口からだらだらと溢れる鮮血により台無しになってしまっていた。

「人間が消滅した世界っ……!?」
「ううっ、それもぞくぞくするくらい気を引くフレーズなんですけどぉ! わたしとしては今もっと気になることがありましてっ……」
「あなたはどうやってこの世界にきたんですかっ? わたしと同じ……? それとも……こんな何もない世界に……げっほぉぉ!!」

早口でまくしたてるように言葉を繋げていく。
そして全てを言い切る前に再び、さらに盛大に吐血してみせた。
流石にこれには本人も気が付いたようだが全く気にする素振りはない。そrぇどころか滴る血も拭かずにヨブの返答を待っている有り様だ。
普通の感性を持った人間からは正しく変人としか映らない。それを気にもとめぬ帝自身はやはり人馴れしていないせいであろう。
177 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/12/06(土) 02:17:46.10 ID:kEi/Jlgoo
>>176

「理由が必要な場合もあれば、情動のままに動ける時もある。
 便利な言葉を使うならば臨機応変というものだ。口を拭うといい。血が漏れている」

 シュっと魔法の様に帝に敷いているものとは別のハンカチーフが出てくる。
 この世慣れぬ彼女の奇行を是とするならば、それは理解と許容から最も縁遠いモノであろう。

(檻…か。なるほど)

 彼女の様子から感じられるのは閉塞感からの開放。夢見がちな囚人特有の想像の翼。
 諦念というベールに覆われた情感。開放への期待と、その裏返しの不安。不安定。

「まずは落ち着くことだね。君にそのように囃し立てられてはこちらが話す機会を逸してしまうというものだ。
 何より、君がそのような有様では尚更、話どころではなくなる」

 スッと、自然なしぐさで彼女にハンカチーフを渡す。
 間を作り、次の言葉を告げる場を整える。やはり、これも技術的な様式ともとれた。

【先ずは帝を躁状態より間を置いた。そして丁寧に言葉を選びつつ】

「この世界に来た…というならば君と同様だね。私とて自由意志でここに在るわけではない。
 世界漂流を体験した者は世界によって傷を与えられる。流れやすくなるというのは今や定説になりつつある」

 最も、ヨブ・バロウズはその気になればいつでも己の自由意志で
 己がゲートを確立している幾つかの世界に任意に渡ることが出来るのだが。

【定説というキーワードはあえて帝に提示した。
 すなわち、この現象を学術的に、あるいは組織的に研究している存在があるという示唆だ】

「何も無い世界か。君の言葉はある種で正しい。ここは文明が起こる気配がもうない。
 ある意味で可能性が閉塞した死の惑星(デス・ワールド)だ。しかし、平穏だ」

 現在、二人だけ人間が存在するこの世界はもう可能性が終息した世界だ。
 進化のエッセンスはもう残っていない。延々と美しき自然のサイクルが周り続ける。永遠に。このまま。
 時間を知らぬ世界には時間という概念すらもはや不要なのだから。

【もし、再び世界を流れることが叶わなければ…ここが終点になるのだろう。穏やかに、包まれるように逝けるのだろうか】
178 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/12/06(土) 02:53:22.72 ID:kEi/Jlgoo
//睡魔マックスなのでコレニテーノシ
179 :天龍院帝 【真眼】>>196 [sage saga]:2014/12/06(土) 03:13:25.80 ID:cRwZjsDZo
>>177
「あぁっ!?」
「も、申し訳ありません……はしたない真似を……。それに、またあなたの物を汚してしまう」

泥汚れならば確かに洗えば済むのだろう、しかし血はそうもいかない。
血の染み込んだハンカチを真っ新な状態に戻すなどかなり難しいものである。
当然帝は差し出されたハンカチを断ろうとはしたのだが、ここで受け取らなければ、口から流れ出る血をどうにかしなければヨブは続きを話してくれない様な気がして申し訳なさそうに受け取ると、赤く汚れた口元を拭った。

「……そうですか。あなたもわたしと同じなんですね」
「てっきり何かの目的でこの世界にいるのかと、勝手に色んな妄想を膨らませてしまいました……」
「でも……定説、ということはこの越境という現象は結構な人たちが認知、または経験していてそれに対してある程度の議論が行われたり仮説がたてられたりしてるってことですよね……?」
「もしかしてあなたがそれを調べる側の人だったりして……? それともわたしがこの現象に対して無知すぎるってだけなんでしょうか……あはは」

ヨブの声、そして目の前に起こるどんな事にでも冷静に対処してしまいそうな雰囲気に、帝は自分の願望を乗せた。
文字や記録でしか知り得なかったものが生きた情報として帝の好奇心、そして貪欲なまでの知識欲を駆り立てているが故に。
もちろん彼の話したことは既に一般的な事であり、帝が無知なだけという可能性もある。
しかしそうでないのであれば、と帝の黒い瞳は一層輝きを増すのであった。

「……未来への可能性すら摘まれた死の惑星……。ふふ、まるでどこかの誰かにそっくりです」
「どう足掻いても逃れられない死という不条理に与えられた運命に抗うこともできず、ただ平穏に毎日が過ぎるのを待つヒトのカタチをしたナニカに」

ぼそり呟いてから気にしないでくださいと苦笑い。
このままここで逝くのもいいのだろう。運命を受け入れ、都合の良い解釈をして全てを諦めた世知らずの小娘などは。
180 :天龍院帝 【真眼】>>196 [sage saga]:2014/12/06(土) 03:15:14.37 ID:cRwZjsDZo
>>178
/お付き合いありがとうございますです
/おやすみなさい
181 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/06(土) 21:38:46.11 ID:9F9OXZfsO
【武器の墓地にて】
一体何時の時代から作られたのか。
山のように積み上げられた、戦車や装甲車、火砲や雑多な小火器。
既に朽ち果てたものも多く、見慣れない形のものも多々まじった
まさしく武器の墓場と呼ぶにふさわしい土地。

「……暑いなぁ」

砂の地面と降り注ぐ陽光は、この地が砂漠であることと思い知らせてくれる。
積み上がったくず鉄の隙間の道に、まだ現役で動いてるのが1人と一体。
白ワンピと金髪蒼眼と、何より特徴的な機械の翼のちびっ子と、その保護者。
使えるものがないか物色中。

「やっぱり、もう少し奥?」

この辺りは劣化が激しい、と判断したらしい。
であれば、行き先は奥かしらと方向転換、開始します
182 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/06(土) 21:46:49.74 ID:TZr1Ojs90
>>181
「……と、溶けるってんですよぉっ……」

情けない声に続き太陽に対する虚しい呪詛が響き、陽炎に消える
日傘代わりのタイドメイカーはものの数分でカラカラに干からびて朽ちていく
月光を杖にしてさくさくと砂に歪な足跡を刻むニア
越境してそう時間が経過していないのだろう、
ワイシャツにチノと砂漠を横断するには余りに軽装な出で立ちがそれを告げている
倒れそうになりつつ遠間に動くふたつの影
蜃気楼か、いやそれにしては奇妙な光景
はっと生気を取り戻したように小走りに、手を振りながらふたつの影の元へ

「おぉーい、おぉーいってんですよぉっ……」

183 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/06(土) 21:56:42.92 ID:9F9OXZfsO
>>182
ちびっこ←軽装っぷりじゃ負ける気がしない!!
ロボ←ロボ
これに出会ったときの絶望感は想像不可能な領域です。
日傘?帽子?知りません。

「おー? ねーちゃんもゴミ拾い?」

気をつけよう、その辺の装甲板でも目玉焼きが焼けそうなレベルの高温だ。
確かに掘り起こせば有益な部品もあるかもだけど
ここを掘り起こそうという発想自体が、ジャンク屋かそうでなければ電波さんのもの。

「奥までいく? いっちゃう?」

相手がカラカラとか全然認識してないよ!
184 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/06(土) 22:03:19.09 ID:TZr1Ojs90
>>183
「えっ、あ、あぁっ……えぇっ……」

そもそもとしてチビさんの背中から出でる一対の翼
出会ったふたりはふたりではなく、二体なのだろう恐らくは確実に

「ゴミ拾いっていうかぁっ……」
「……えぇっとぉっ、お前達は何をっ……?」
「えっ? は、はいっ……?」

いやしかし『も』と付いているからには彼女等はゴミ拾いの真っ最中なのだろう
それといってもだがこんな炎天下の中でのゴミ拾いなど、変わりにいのちを投げ捨てるようなモノだ
暑さで早くもぼんやりとし始めた頭でぐるぐると思考を巡らせ、突然の提案に思わず頷く
奥、が何かを知らないがまぁ現状より悪くなる事はないだろうと考えが後追いした
185 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/06(土) 22:11:57.26 ID:9F9OXZfsO
>>184
見た瞬間、こいつら暑さとは無縁とわかる安心感。
いや、意外とメカなら熱に弱い可能性も……

「ゴミ拾いはゴミ拾いだなぁ。
 オタカラの山よ、これ!」

ほら! と相棒が抱えてる謎の箱を指さした。
トグルがたくさんついてたりするあたり何かの機械?

「これな! まだうごく無線機! しかもレア!!」

なるほど廃棄品がこれだけあればまだ使えるものもあって
その中には希少品も眠っている、ということらしい。

「でもなー、このへんはだいぶ傷んでる。
 生体分解金属とかナノマシン素材はどうしてもじゅみょーがな」

こんな話しながらもちびっ子の足はどんどん奥へ移動します。
手前のほうが痛みは少なそうなものだけども、何故かちびっ子が目指すのは奥。
足取りに不安がないあたり、何かの確信があるんでしょう
186 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/06(土) 22:17:56.26 ID:TZr1Ojs90
>>185
「お宝っ? ……これがぁっ?」

どの辺がだろうと示された箱をまじまじ見詰めて首を傾げた
ぽたりと髪先から汗の滴が渇いた砂に落ちる

「ふぅん……?」

無線機
別に無線機なんてある程度の文明が発達した世界なら珍しくもない
だがメカメカしい翼の彼女がおおはしゃぎするような何かしらの要素がきっとあるのだろうか
生体兵器ではあるが機械的知識が極めて希薄なニアはただ先程から首の骨を痛めんばかりだ
腕を組みちびっ子の難しげな言葉の羅列に唸りながら後を歩く
義足が砂に取られて、相変わらず歩き辛い
187 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/06(土) 22:19:31.53 ID:SpSG0y3KO
【しっとりと湿り気のある空気に満ち満ち、先の見えない闇の向こうからは何者かの気配が漂ってくる気がする】
【ゴツゴツとした岩壁に囲まれ、しかし人の手による整備が成された跡の残るソコは、かつて鉱山として賑わっていた廃坑】
【ただし今現在この闇の中で身動きをするのは、闇の底を住処とするモノ達や僅かに産出される希少鉱石を求めた冒険者、或いは】

オバケなんてな〜いさ〜オバケなんてウ〜ソさ〜〜っ♪ ね〜ぼけたヒ〜トが……ありゃ?
えぇっと〜……あれれっ? ここってさっきも通ったような……???

【何かの間違いで偶然迷い込んでしまった場違い感溢れる妖精のみであろう】
【闇に満ちた坑道の中で薄らぼんやりとした光を放ちながらフラフラと揺れ動いている】
188 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/06(土) 22:23:48.79 ID:9F9OXZfsO
>>186
「おう、おたからよ!
 すげーかわいい!」

可愛いらしいよ、これ。
美的感覚がさっぱりわからないの率がさらにあがりそう。
ともあれ、“この世界”の歴史なら博物館に入れてもいいのかもしれません。
この惨状の中でまだ動くんですから。

「でもまー、ほしいのはかわいいのじゃないんだ」

……なんだろう、何か大きなものが動いてる音がする。
それもキャタピラとか車輪じゃなくて脚が複数あるタイプの音。

ちょいちょいっと交差点っぽい地形で手招き。
「こっそりな?」という注意付き。


分岐の先にガラクタを食べてる巨大ガラクタがおりますので、発見されないように注意してくださいね
189 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/06(土) 22:28:52.11 ID:TZr1Ojs90
>>188
「かわいいっ?」
「……どこがぁっ?」

この場において最もであろう疑問は思わず口から滑り出す
しかしまぁガラクタの山の中にありながら動くだけでも貴重なんだろうなぁと何となく納得してみる

「お目当てが、あるってんですかぁっ?」

喉の渇きを覚えて細身のタイドメイカー一本を生やして囓る
不味い
が、それを構成する物質に水分が多大に含まれているのもまた事実だ

「こっそ……えっ、ちょっとぉっ……!」

何ですかアレっ、と絶叫を押し殺した小声
言われなくともコッソリではあるが、しかし義足はそれほど静音性を保証するモノではない
腰に帯びた月光の鞘鳴りも同じか
190 :ライサ [saga]:2014/12/06(土) 22:34:22.55 ID:FGL8BvzZ0
湿った空気が肌に纏わりつくような廃坑に少女はいた。
機能性を重視してか、少女の格好には飾り気がなかった。冒険者なのだろうか。
希少鉱石を求めてやってきたにしては、光源となるものを何も手にしていない。
暗闇を恐々としながら進んでいるらしかった。

「……どうしてこんな暗闇に」

額から頬へと汗が伝う。

「……怖がるのは安全を確保してから……!」

そうしているとぼんやりとした光が仄かに視界を照らした。
光のある方向へと歩みを進める。光が近づいてくる。
歩調が早まっていく。

敵か味方かはわからない。光の主に殺される恐れもあった。
だが止まってもいられない。表情が強張る。
光の主が敵でないことを祈りながら、少女は光の主へと近づいていくのだった。
191 :ライサ [saga]:2014/12/06(土) 22:34:59.83 ID:FGL8BvzZ0
>>190
アンカー忘れ>>187
192 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/06(土) 22:35:56.53 ID:9F9OXZfsO
>>189
「やっぱりいた。こういうトコには、かならず“掃除屋”さんがいる!」

とりあえずまだ気がついてはいないみたい。
あちこち傷んでるとはいえ、今までの廃棄品とは違って現役な模様。
え? 水分補給?
コレにソレを期待するのは死亡フラグです。

「ま、うごかなければ大丈夫だし、あれもにぶいから」

さてバリバリもきゅもきゅしてる大型ガラクタがぴたっと動きがとまり、
そのケツ(?)からぽろぽろぽろ、と何かが排出され始めた。
……遠目に見た感じ、金属の棒材のように見えるね。
そしてちびっ子がガッツポーズ。
なるほど、あの金属うんこが狙いの品らしい
193 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/06(土) 22:42:37.20 ID:TZr1Ojs90
>>192
「掃除っ……ほへぇっ……?」
「……んんっ?」

なるほどガラクタを食べるガラクタ
それが排出するとなれば圧縮されたガラクタだろう
果たしてそれにどのような価値があるのかは見出せないが、アレが目的の品な訳かとは察した

「でもっ、動かないとアレを取りには行けませんよぉっ……?」

向こうがいなくなるのを待つのも手ではあるが、確実性は薄いなぁなんて呑気に思う
尚水分補給は自前でなんとかなっている模様
194 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/06(土) 22:45:01.71 ID:k8AJqSYA0
>>190

ん〜〜……よしっ! さっきはコッチに行ったから、今度はコッチに行ってみるですよぅ!

【考え込んだ挙句にポンと拳で掌を叩くとクルリと反転して今来た道を戻ろうとし始める】
【そのまま進めば再びこの場所に戻って来ることになるだろうとは考えていないのだろう】

……おりょ? ソコに、ダレかいるですかぁ〜……?

【しかし、進み始める直前に背後の闇の向こうから此方へと近づいてくる足音と息遣いに気付き問い掛ける】
【その声からは恐れや警戒などの色は感じられず、散歩中に会った知り合いに話しかけるかの様な気安さが含まれている】
195 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/06(土) 22:47:41.66 ID:9F9OXZfsO
>>193
「それだけじゃない。アレ、分別されてるから
 高純度アルミニウムインゴット、ひょーりゅーするならすごいいい。
 金や銀もたまにあるから、拾うとラッキー」

ここであかされる漂流者宣言。
そう、アルミニウムの発展は電気が開発されてからである。
つまり、一見ただの金属塊なので境界線の影響を受けにくく
かつ、世界によっては完全にオーバーテクノロジーで
融点が低く成形しやすいシロモノなのです。

「うん、だから止める。
 そのあいだに、ねーちゃんがとりにいく」

酷い。
犠牲者指定されました

196 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/06(土) 22:53:01.46 ID:TZr1Ojs90
>>195
「へぇっ、分別までするってんですかぁっ……」
「インゴット! それはなかなかっ……」

甘美な響きである
最も物欲的なモノではなく、あくまで身銭としての切羽詰まった感覚ではあるが
お前達も越境してんですねぇと半ば納得と言った様子で頷いた
この状況、このメンツ
そうでないと思う方が、越境者という存在を知っている以上は難しい

「えっ」
「……ニアがっ?」
「……ま、まぁっ、頑張りますってんですけどぉっ……」

突然のご指名、無論やや逃げ腰
とはいえここで引くのもなんだかアレな気がしてタイドメイカー1本を生やしてスタンバイ
準備OKの旨をアイコンタクト
197 :ライサ [saga]:2014/12/06(土) 22:57:36.66 ID:FGL8BvzZ0
>>194
何の芸もなく光の主へと近づくのだから当然気づかれる。
声の感触だけで考えるならば、主は足音を警戒していないようだ。
警戒する必要がないほどの力を持つからだろうか。
少女は相手の能力を高く見積もっておく。心構えは大切だ

「……道に迷ったの。ここがどこだか、
どうすれば抜けられるか知らない?」

敵意を感じないのもあり、少女はそう言った。
できるだけ気さくに、何でもないような口調を心がけて。
声はよく通っており、光の主にも問題なく届くはずだ。
198 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/06(土) 23:00:36.78 ID:9F9OXZfsO
>>196
「鉄はおもたいからダメ
 ねらうならアルミかマグネシウムな」

※鉄の1/3くらいの密度ですがそれでも金属です。
よっこいしょ、と翼からケーブル一本伸ばして無線機に接続。
バシャっと開いた翼のあちこちから、ステータスっぽい発光部が明滅して
そしてガラクタもぐもぐマシンの動きが停止します。

「30びょうまではほしょー
 1分いじょーはむぼー!」

距離的には100mくらいなので、たぶん時間的には余裕。
問題は、どうやって種類を判別するか。

現地についたら、いろいろな色が転がってるけど
大半は銀色で微妙な色の差しかないぞ☆ミ
199 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/06(土) 23:08:31.35 ID:k8AJqSYA0
>>197

あれま! 迷子のニンゲンさんだったですかぁ!
えっと〜、ここはぼーけんしゃごようたし? な こーどう?ってとこらしいですよぅ
なので ワタシもいままさにぼーけんの真っ最中なのですねぃ!
ぬけかた? は〜……とりあえず、いける所に全部いってみる……とかですかねぃ?

【現れた人影の心の機微を察しようとすることもなく、質問に対しての答えを楽しげな様子で語る】
【だが、答えについては要するにここが坑道で在るということ】
【目的地も出発地点も分かっていない状態で彷徨っているということなのであった】
200 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/06(土) 23:10:33.33 ID:TZr1Ojs90
>>198
「……ま、適当に狙えばなんとかなるってんですよぉっ」
「……八葉ぉっ!!」

これが彼女の『異能』か、と目を見張りそして次の瞬間には駆け出して少しした場に座り込む
そして爆発的勢いで7本の触腕を追加、合計8本とする
それら全てを使い適当に拾ってはロボに投げ渡し拾ってはロボに投げ渡し
ロボの所持が不可能であるなら、またはそうなったのなら触腕で一束鷲掴みにしてそれを×6
どれだけの数が転がっているのかは不明だが、持てるだけを持ち数で勝負といったところ
あとの2本の触腕を脚にして逃走体勢も万全である
201 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/06(土) 23:15:44.01 ID:9F9OXZfsO
>>200
ロボはちゃんとキャッチしてくれます。
袋に詰め込んでるあたり、意外と大丈夫そうな感じ。

「よし、オッケー、オッケーよ!!」

品定めはあとでやりましょう。
早めに離脱するのがオススメです。
ちょっと外れたところに、一本だけ明らかに黄色系というか黄金のが落ちてますが、
それに手を伸ばせばきっとタイムオーバーです。

逃げるorアレをゲット!!

どっち?
202 :ライサ [saga]:2014/12/06(土) 23:20:46.63 ID:FGL8BvzZ0
>>199
「坑道で、冒険者ご用達……
それ、危なくない……?」

見たところ人気はなさそうだが、だからこそ何が潜んでいるかわかったものではない。
金目のもの狙いの賊やら、どこからかやってきてそのまま居ついたような魔物だとか。

より警戒を強めようとするのだが、どこか間の抜けたようにも聞こえる声に思わず脱力してしまう。

(冒険の最中という発言に、抜け方に対する曖昧な返答
これはどう解釈すべきか……)

なにかと難しく考えながらも、少女はより距離を詰めようとする。
声の主の姿を肉眼で捉えられるぐらいまで。
細く鋭利なガラス状の針のようなものを服の袖に忍ばせておく。念のための用心だ。
203 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/06(土) 23:23:26.47 ID:TZr1Ojs90
>>201
「っ……、うぅっ!」

いのちあっての物種である
そもそもが別段、金属に対して執着心がある訳ではない
飽くまで資金的な面で融通がきけばそれで重畳なのだ
と、まぁそれでも明らかなレアモノを前にすれば後ろ髪引かれる思いもそれなりであり
タイドメイカーの8本の展開、通称八葉による負荷の大きさに感謝だ
それがなければきっと、無茶をしてしまっていたのだろうから
悪魔の誘惑を振り切って今はただ逃げる、走る、駆ける
204 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/06(土) 23:26:11.38 ID:9F9OXZfsO
>>203
ニアちゃん戻ってきた時点で停止電波は停止します。
セフセフ。
あれは特に困ってない感じ。

「な? やくにたったぞ!」

無線機だっこしてナデナデしてるちびっ子の図。
さて、戦利品はどうするかが問題です。
なにせこの戦利品、他世界に移動してからならともかく
この世界にいるうちはお腹もいっぱいにならないし、重いし、しかも熱くなるのです。

「やまわけ? やまわけ??
 どうやってわける??」

……ネコババしたりはしない良心的な相方のようですが
生身の苦しみなんて絶対に理解してくれない
205 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/06(土) 23:34:17.55 ID:k8AJqSYA0
>>202

アブナイ、です? ん〜……今のところおっきめのムシさんくらいしか見てないですよぅ?

【本来なら少女の懸念通り、坑道には危険なモノ達も存在する筈なのだが】
【奇跡か或いは何らかの偶然か、ここまでの間にそう言ったモノとの遭遇はしてない様だ】

ワタシとしてはもっと下の方からステキな感じがするから、ソッチに行きたいんですけどねぃ
さっきからぜんぜん先に進まないのですよぅ……?
ところでニンゲンさん、お顔が見えないですけど、はなれてるとお話しし辛いのですよぅ?

【どうやら坑道の下方に何かがあると感じているらしいが】
【果たしてソレがどう言った類のモノかは依然として不明である】
【そして話してる間も中々近づいてこない少女の方へと薄っすらとした光を灯しながら近づく】
【近づくことができたならその光こそが先程からの会話の相手であり】
【その姿が物語に出て来る様な手のりサイズの妖精であることが見て取れるだろう】
206 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/06(土) 23:34:44.10 ID:TZr1Ojs90
>>204
「あぅっ……鼻血っ……」

無事に帰還、インゴット達を置いてタイドメイカーを収納しその場に尻餅
脳に掛かった負荷が鼻血という形で露出、まぁまだマシな方だ
ぐしぐしとワイシャツの袖で拭い一息

「あーっとぉっ……」
「ニアはそれなりのやつ1、2本でいいですってんですよぉ」
「案外重いし嵩張るしっ……」

遠慮だとかそういうのではない、寧ろ逆だ
タイドメイカーで運んでいる時に気が付いたのだが、これは資金として持ち歩くには少々重い
宝石類やスパイス類の方が価値はともかく携帯性だけを見れば優れているだろう
そして能力上そこまでの資金を必要としないニアにしてみれば、大量に欲しいというアイテムではないようだ

「お前ならっ、沢山持てるってんでしょぉっ?」

と、大きなロボに問い掛ける
207 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/06(土) 23:37:29.49 ID:9F9OXZfsO
>>206
「なら、これな!
 気をつけろ。こなにしたらめっちゃ燃えるから」

同じ大きさなら他より軽いの一本進呈。
……なんか物騒な説明付きです。

「んで、鼻血はとめないとな」

ポシェットからきれいなハンカチ一枚出して進呈。
……ポシェットの中に水筒が入ってるのはきっと気のせいじゃない。
おかしとかに埋まってるけど、こいつ飲み物持ってる!

ロボは集めたのをワイヤーで縛り上げたようでした
208 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/06(土) 23:46:04.44 ID:TZr1Ojs90
>>207
「こっ、粉にっ……?」

分かりましたと頷いて受け取るが、そもそも粉にするシチュエーションがなかなか思い浮かばない
ともあれ一応頭の中に注意事項として刻まれた模様

「……ん、あっ……」
「どうもってんですっ……」
「……あのぉっ、ディーナぁ? お前ぇっ……」

受け取ったハンカチを悪いなぁと思いつつも鼻に当てる
すぐに血が滲み変色、洗って返さないとと内心
ちらりと覗いた水筒にも気が付かないはずもなく
追求を始めようと、じっとりと目を細めた

//すみません、半端ですけどこれで落ちます
//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
209 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/06(土) 23:50:57.60 ID:9F9OXZfsO
>>208
「ん、こっちのがほしかったの!?」

え? なんで? と真顔で返される悲劇。
だってヒトコトも食べ物も飲み物も要求されなかったじゃないか、と。
人なら欲しい欲しくないわかるけど、人からはみ出してるとわかりませんのだ。

「んじゃ、やる」

あっさりしたものでした。
なんで怒られてるかもわかってないな、これ…

//
ほい、お疲れ様でしたぁ
210 :ライサ [saga]:2014/12/06(土) 23:51:07.00 ID:FGL8BvzZ0
>>205
「……なっ」

口ぶりからして、声の主の見てくれは幼いと予想していた少女であったが、
まさか妖精とまでは思いもよらず、思わず目を大きく見開いた。
互いに近づいたことで、妖精は少女を肉眼で捉えているかもしれない。
少女の背丈は子どものようだが、その表情は今だ鋭利さを帯びている。
警戒しているようにも、怯えているようにも取れそうだ。

「危ないと思う。どこから何が出てくるのかわからない」

敵意がないことを示すという目的もあって、少女は笑みを浮かべようとする。
だがどことなくぎこちないのは、目の前の妖精に対する警戒心の表れか。

「下の方から、ステキな……」

ステキな感じは果たして出口に繋がっているのだろうか。
繋がっていない可能性や、寧ろ状況が悪化する可能性を考慮すると、
このまま単独行動を続けるべきなのかもしれない。
だが、この妖精がいなければ文字通り右も左もわからないというのも事実。
自分にとって敵か味方かを決めるには早計な気もしたが、今は仕方がない。
少女は妖精から得られるメリットも考慮し、妖精を味方と認識することに決めた。

「……できれば私も連れて行ってほしい
ステキな気配というのに興味があるの」

少女は妖精の話に乗る素振りを見せた。

211 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/07(日) 00:22:50.87 ID:lP24ufX40
>>210

あっ! や〜っとお顔が見れたですよぅ! こんにちはですよっニンゲンさん♪

【妖精の姿を見て驚く少女をよそに嬉しげな様子で笑いかける】
【少女の顔に浮かんでいる驚き以外の感情には気付いていないのだろう】

そうですかねぃ……まぁおっきなムシさんがいきなり出てくるとビックリするですしねぃ

【うんうんと一人、自分で言ったことに納得するかの様に頷く】
【本当の意味で少女の言う危険について認識していない様である】

おぉっ! いっしょに行くですかっ? いいですねぃ! 旅は靴ズレ酔わない酒って奴ですねぃ!
それじゃあ! いざ、出発なのですよぉ〜う!

【と、少女が同行を申し出たことが嬉しかったのか宙をクルクルと回りながらご機嫌である】
【そして何処でどう聞いたのか訳の分からない諺らしきものを口にしてはしゃいぐと】
【勢いのままに先程まで進もうとしていた道とは違う道を特に考えなしな様子で進み始める】
212 :ライサ [saga]:2014/12/07(日) 00:37:45.02 ID:m/qp4hRw0
>>211
こんな暗闇の中でなければ、笑いかけてくる妖精をもっとじっくりと眺めたことだろう。
妖精という存在が身近でない少女にとって、それだけ目の前の妖精が珍しく映ったのである。
しかしここは坑道だ。気を抜けば賊に刺されるやもしれない。
芽を出した好奇心を、少女は自分の頬を抓ることで抑えつけた。
傍から見れば奇異な行動だ。

「……まあ、それもあるけれど」

おっきなムシさんと言われて少女の目つきが険しくなる。蟲と呼ばれる化け物を少女は知っていた。
妖精の言葉を受けて少女が連想したのはそれだった。

「……旅は道連れ、世はなさけって奴よ
まあ、確かにそうね」

妖精の世界では間違っていないのかもしれないが、少女は間違いだとしてさりげに訂正しつつも、
一人に比べると確かな心強さを感じていたのもあり、こくりと頷く。

考えなしに歩いているように見える妖精に不安を覚えながらも、
少女は周囲を警戒する。暗闇であっても多少は目が利くし、
すぐ近くならば妖精が放つ光もあった。
奇襲をかけられるのは避けたかったのだ。
213 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/07(日) 00:59:46.99 ID:lP24ufX40
>>212

……? ホッペタつねってどうしたです? ……あっ! ひょっとして 何かのおまじないですっ?
おまじないなら、ワタシもとってもいいのを知ってるですよぅ!

【頬を抓る仕草をおまじないと誤解したらしく、張り合う様に主張し始める】
【そしてスゥっと息を吸うと元気良くオバケなんてないさの歌を元気に歌い始めた】
【その様子からして恐らくはその歌が妖精の言うおまじないのようである】

ですよねぃ……まっ! ムシさんくらいならちょちょい〜っと追い払っちゃうですけどねぃ!

【少女の想像したであろう蟲は妖精の話すムシとはサイズがまるで違ってはいたが】
【妖精視点でみた時のサイズ比で言えば少女の想像したモノと大差が無いかもしれない】
【もっとも、少女からすれば脅威でもなんでもない類の虫ケラでしかないだろうが】

おおっ! ソレですよぅソレ! 何だかちょっと違ってたかもなぁ〜って思ってたのですよぅ……
ニンゲンさんが物知りさんでよかったですっ!

【少女の訂正を聞いてハッと天啓を得たかのように目を見開き納得する】
【妖精には不安感などは感じられなかったが、単純に他人との会話が楽しくて仕方が無いと言った具合である】

【そうこう話しながらも妖精は思い悩むそぶりもなくスイスイと枝分かれする坑道を進んでいく】
【すると少しずつ坑道の壁から人による加工の跡が薄らいでいき】
【徐々にだが漂う空気の湿り気が増して行っているのが感じられるかもしれない】
214 :ライサ [saga]:2014/12/07(日) 01:19:47.18 ID:m/qp4hRw0
>>213
「おまじないといえば、まあそうなる……のかな」

つねった箇所がほんのりと赤くはれている。
まさか妖精に見入りそうになったとは言えず、言い訳を考えていると、
なにやら歌を歌い始めたではないか。しかも元気と来たものだ。

「もう少し静かに
……あまり大きな音を立てると、変なのが寄ってくるかもしれない」

安全の確保という観点で言えば、無理やりでも黙らせたいのが本音だった。
おまじないと妖精はいうが、それが魔法の類であるようには見えない。
ただ賊に見つかる危険性を上げているようにしか思えないのだ。
とはいうものの、妖精が坑道に詳しいことや光源を兼ねていたたため、
あまり機嫌を損ねるのは得策ではないと判断し、柔らかく注意するだけに留めた。
幸い、生き物の類の足音や声といった気配も感じない。
少しぐらいならば音を立てても平気だろうという、少女の油断が混じっていた。

「……外に出たらおまじないを聞かせて?」

そういった少女の笑顔は柔らかかった。
思う所はあったものの、妖精の生気に溢れた歌を聴いていると、
自分もその元気をわけてもらっている気がしたのも事実。
できることならもっと余裕のある時に、またゆっくりと聞かせてもらいたかった。

「……強いね」

人に仇名す方のムシを思い浮かべている少女にとって、
ムシをちょちょいと追い払えるという妖精は頼もしく、またおそろしくもあった。

「まあ……有名だから」

妖精の大げさな反応に、少女は顔をそむけ、自分の髪を掻いた。
頬がほんのりと赤みを帯びている。照れているらしい。

進めば進むほど、肌に纏わりつく不快感が増しているのに気付く。
賊ではなさそうなものだが、なんにしても嫌な予感が脳裏を過る。
215 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/07(日) 01:58:09.42 ID:b8Dk705FO
>>214

ほへ〜……ワタシの知らないおまじないですねぃ……むむむ

【自分の知らないおまじないらしきソレの効果が気になるのか、ソワソワと落ち着きが無い様子である】

うぇ? そ〜んな訳ナイじゃないですかぁ〜! だってコレおまじないですよぅ?
ちょっと前にいったセカイのニンゲンちゃんに教えてもらったですからねぃ

【フフンと胸を張って得意げな様子でそう告げる妖精】
【教えてもらったおまじないとの事であるが、実際には単なる童謡、の筈であった】
【だがどういった訳か歌が響いている間は周囲の気配が薄れるようであった】
【或いは何らかの魔翌力によって本当に魔除けの効果が発揮されているのかもしれない】

【そして増していく湿度と冷えていく温度、それにも構わず進み続けて行くこと数分】
【地下に有るとは思えないほどに広大な湖が目に飛び込んで来た】
【深く澄み切った水であるにも関わらずその水底は見えず、どれ程の深さなのか見当もつかない】
【そして湖の外周を進んだ先、丁度対岸に位置する所からは小さな音を立てて水が流れ出ている】
【細く小さな川だが徐々に勢いを増しながら途切れることなく続くソレを辿れば何れは外に出られるかもしれない】
216 :ライサ [saga]:2014/12/07(日) 02:10:43.84 ID:m/qp4hRw0
「……真似しないほうがいいと思う、痛いし
効果も薄いし」

少し前につねった頬に触れて、しみじみと
つねっているのだから当然である

「けど、これは……」

反論しようとした矢先、心なし体が軽くなっていることに気付く
誰の視線も受けていないような、気持ちのいい感覚だった。
こうなってくると、歌に魔除けの効果があるというのも信じたくなる。

「……いい歌ね」

人の痕跡は殆どなかったような気がする以上、懸念すべきは魔物だけだ。
しかしそれもこの歌で遠ざけられるというのなら、それに越したことはない。
活力に溢れた歌声と、声のもつ力に、少女は惹かれるのだった。

冷えていく温度に、少女は身震いした。
すると小さな音を立てて流れる水を見つけ、息をついた。
もう少しで外に出られる、かもしれない。
少女はとりあえず妖精に付き添いつつも、妖精が取るルートによっては、
妖精と別れることを考えていた。
217 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/07(日) 02:43:11.12 ID:b8Dk705FO
>>216

ありゃ、そうなんですかぁ? ふむ……っあいへへへ〜っ!?

【やらない方が良い、と言われると逆にやりたくなるのが妖精の性なのだろうか】
【思い切りよく自分の頬を摘まむとグニョンと擬音をつけたくなる程に引っ張り】
【当然の帰結として頬に走る痛みに目を僅かに涙目にする】

……! え、えへへへぇ? そうですかぁ? よかったらニンゲンさんも歌うですよぅ!

【歌を褒められたのが嬉しかったのか頬を紅潮させつつはにかむ妖精】
【気を良くしたのか両手をブンブンと前後に振りながら元気に歌い続ける】

おぉ〜……着いたみたいですねぃ! でも、ん〜〜……ここはワタシには入れなさそうですねぃ

【透き通った湖面の際をなぞる様に飛ぶ妖精だったが、水底をしばし覗き込んだ後ポツリと呟く】
【ここが目的地であった様だが、どうやら望んでいた通りにはいかなかったのだろう】

ん〜……それじゃあ、このままお外に向かってみるですかねぃ
では、今度はこの川の向こうへと向かうですよニンゲンさ……あっ!
そう言えばまだ名前を聞いてなかったでした! ワタシはミニオンっていいますです!

【川の下る先、坑道から洞窟へと移り変わったそこを進む直前】
【振り返ると妖精は大切なことを思い出したとばかりに少女へと名乗るとが】
【アナタのお名前は? とだいぶ今更な質問をしてみせるのであった】

//時間もかなり遅くなってしまいましたのでここで〆ます
//大変長らくお付き合いさせてしまいましたが楽しかったです、乙でした!
218 :ライサ [saga]:2014/12/07(日) 02:54:03.74 ID:m/qp4hRw0
「力づくのおまじないなのよ、これ
我に返るにはうってつけなのだけれど」

早く言えと言わんばかりの捕捉をする少女

「わ、私も……?」

狼狽し、ためらっていると妖精が目的地にたどり着いたようで、
妖精がなにやら考える様を見守った。
かと思えば妖精は何かをあきらめたらしく、声を掛けられて出口へと再び歩き始めた

「ミニオン、か……覚えた
私はライサ。よろしくね、ミニオン
また機会があれば、今度はのんびり話そう」

別れ際に浮かべた少女の微笑みに、一切の含みはなかった。

//いえいえ、こちらこそ楽しかったですよ! お疲れ様でした!

219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2014/12/07(日) 07:03:44.40 ID:Ofj0jh010
ライサ安価も使えないとかwww.
220 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/07(日) 20:26:53.18 ID:QOrgVZjTO
【廃墟の国】
【其の世界は決して 毒や菌にまみれていたわけではない】
【然し、其の国に人は無く ただ寂れた廃墟郡が虚しく佇むのみであった】
【何故その国に人が居ないのか。それは誰にも分からない。何故なら答えを出せるような人間はその国に訪れないからだ】

【そんな国に一人の男が訪れた】
【目付きが悪く、背に短剣を背負った 灰髪に赤の目を持つ男だ】

ヒャハ…誰もいねぇ、何にもねぇ…いいところじゃねえか
嫌いじゃねぇぜ、こういう世界は。

【男はひび割れた 街道に腰を降ろし 不気味に輝く赤い月を眺めた】
【静かな夜だ。然し退屈な夜だ。話相手の一人でも 現れないモノかと 男は月に願った】
221 :ライサ :2014/12/07(日) 20:41:31.80 ID:m/qp4hRw0
かつて、静寂という意味では似た世界を訪れた覚えがある。
だが、その世界において人工物は見なかった。
純然たる自然の中だからこそ、心地よさを感じられた。
けれどもここは違う。並ぶ廃墟はかつてここで文化が栄えていたことを感じさせる。
人か、もしくは知性ある存在がいた。
もしかすると、今もどこかに潜んでいるかもしれない。
そうでなくとも、文化を滅ぼしてしまう何かが、自分すら滅ぼしてしまうかもしれない。

「……本当に誰もいなければよかったのだけれど」

声が聞こえたような気がした。聞こえていなくとも生物の気配がする。
探索を続けていると、紺の髪の少女は男を捉えた。男も少女を肉眼で捉えられるだろう。
222 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/07(日) 21:07:01.82 ID:QOrgVZjTO
>>221

【静粛。静粛。静粛。物音】
【ボンヤリと月を眺めていた男の耳が 僅かに響いた音を捕らえた】
【その影の主に視線を滑らせれば 不意に 男の口角が緩む】

よぉ、嬢ちゃん。いつかブリだな
運命の出逢いに乾杯…なんてのはどうかね?

【恐らく 警戒心の強いであろう彼女とは裏腹】
【何時か出会ったニヤケ面の男は 懐をまさぐりながら低く響く声を吐き出した】
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2014/12/07(日) 21:08:25.56 ID:gnv81v7d0
たから安価つけろって
224 :ライサ :2014/12/07(日) 21:19:53.27 ID:m/qp4hRw0
>>222

「まさかまた会うことになるなんて……
世界は多いようで少ないのかしら」

目を凝らせば、そこにいたのはいつぞやの男。
生死観について語り合ったのを覚えている。
数十歩分ほどの間合いを取って言葉を交わす。
以前に初めて出会ったときのように、表情は固く結ばれていた。


「……あれでしょう、酔わせるか眠らせるかしてから乱暴する気でしょう」

乾杯と聞いて、荒れ果てた町に男と一人。雰囲気としては上等だった。
それにしたって決めつけが酷い。
225 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/07(日) 21:28:41.30 ID:QOrgVZjTO
>>224
「ヒャッハッハ…世界が多いのか少ないのかは知らねぇが、不条理で凄惨に出来てるのは確かだぜ?

俺はおまえが酔い潰れれば 襤褸雑巾になるまで犯して そんでこの廃墟の一角に放置して消えるかも知れねぇし

どっかに消えた住民たちが俺達が寝るのを虎視眈々と狙ってるかも知れねぇな」

【そうして 懐から琥珀色に満たされた瓶を取り出して、一口煽れば】

「ヒャハ、俺様に出来る危険予知はこんだけだ

ビビリでチキンの嬢ちゃんは まだまだ予想の種があるのかね? 酒の肴だ、聞かせてくれや」

【小馬鹿にするような笑みを浮かべて フラフラと瓶をふる】
【心無しか 硝子の中の月までもが少女を笑うように揺れていた】
226 :ライサ :2014/12/07(日) 21:48:20.55 ID:m/qp4hRw0
>>226
「不条理で凄惨……せめて凄惨でない世界が多くあってほしいものだけど」

しみじみと、諦観とも取れるような声色で呟く。
祈りのようにも、神頼みのようにも聞こえる。

「この町が廃墟になった理由によって、危惧すべき事柄はころころ変わる
……けれど、一々挙げてたらキリがない」

ビビりでチキンと言われたからか、或るいは揺れる月がおどけているように見えたからなのか、
少女は小さく舌打ちした。かと思うと、

「……あなたのその、どんな危険もすべて払いそうな自信はどこから来るの?」

声に刺々しさが混じっていた。
227 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/07(日) 22:06:15.95 ID:QOrgVZjTO
>>226
「不条理と凄惨…そいつぁ、生きることと表裏一体だろうよ
誰かが生きてる限りそいつらは拭えねぇ…世界にはそんな下らねぇ規律が敷かれてる
その結果がこの世界(ありさま)だ。 そうは思わねぇか? 」

【この世界に何が起きたのか】
【そんなものは誰にも分からない】
【しかし、この世界にはかつて文明と繁栄があっとことは確かだ】
【そして繁栄も 文明も 何かが原因で意味を成さなくなったのも、確かなことなのだ】

【男はその世界に起きた一切合切を 「不条理」と形容し】
【その世界の有り様を 「凄惨」の一言で吐き捨てた】

【だが、誰かが生きてる限り 不条理と凄惨は付きまとうと男は言った】
【ならば 男の身にもそれが降り注ぐ可能性は十分にある】
【ゆえに少女の疑問も当然のことだろう】

「ヒャハ、俺様はどうしたらテメェみてぇなチキンが産まれるのかを知りたいね
前世で何人の鶏を殺したんだ? 主食がヒヨコだったのかね?

───まぁ、いい。 俺様が死なねぇ確信を持っている理由(わけ)を教えてやるよ
それは俺様は俺様の中で主人公だからなのさ

あらゆる不条理も凄惨も そこらのヤツにはどうにも出来ねぇことを俺様は主人公様だからどうにかできちまうんだ
だから、俺様は 負けることはあっても、勝てねぇなんてことはねぇ」

【ヒャハッ! と最後に笑ってみせる男】
【要するにただのバカ…少年漫画の毒が未だに抜けない夢見る少年】
【そんな言動を取る(容姿二十代の)男の表情はにやけているが、どこか本気さを垣間見せていた】
228 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/07(日) 22:16:15.38 ID:VuuN4PG0o
>>22

≪01001010111≫

 タェンティースの声を聞いたのか、サーボスカルは即席駆逐装甲が瓦解したタイミングで、
 彼女とのリンク及び、物理的接続を解除。反重力機構を起動させる。
 そのまま中空高く浮かぶと、これ以上のタェンティース自身への加勢を行うことなくモニタリングを始めた。

【実際、索敵デバイスとしてはこの場の戦況もこのミッション全体の大きな要素と看做しているのだろう。
 合理的かもしれないし、冷酷かもしれないし、所詮は自我無きプログラムらしい行動かもしれなかった】

 が、タェンティースの目の前には今だ脅威が健在なのだ。
 超高スピードで槍の如く繰り出された飛び蹴りは確かにA-01に命中はしたのだが、

【激突の直前、A-01が後ろ腰より生やす6本のAMSケーブルが盾か装甲のように連なり、
 彼女の蹴りを受け止めたのだ。衝撃によりA-01は大きく吹き飛んだものの…実ダメージはそれほどでもあるまい】

 そして、吹き飛ばされ、仰向けに倒れていたその脅威は、ケーブルを用い、手足を動かす事無く直立する。
 砂塵交じりの風の銀色の髪を靡かせ、タェンティースを見つめていた。

「オ…オネエサマ…ネエサン…オネエサン…アネ…」

 ギシギシと首を傾けながら、不明瞭な意志を感じさせる、
 どこか不全に陥ったかのような呟きを続けている。

「ワタシ、ワレ、A-01、オレ、アタシ、ボク――幻覚…上位命令」

 ブツブツと何かを呟き続けている。

≪自我修復…22%――ネクロアからの上位命令パルス今だ健在――造換塔危機状況――帰還命令
 対異能ユニット出力上昇――命令拒否――優先順位変更コマンド随時刷新――眼前の異能者の排除ヲ優先――≫

【タェンティースから見てもA-01の様子はあまりにもおかしい】

「次は――ボクの番」

 目を見開き、口元には獰猛さを孕んだ笑み。混沌とした様相が一瞬だけ明瞭なモノとなった。

【瞬間、ドン!と一際大きな音と共にA-01の足元の砂が爆裂する】

 上空高く飛翔したA-01は触手を明らかに不自然な長さにまで展開し、
 そのまま巨大な触手めいて、遠距離より、眼下のタェンティースへと放った!

【左右、そして上方、加速と十分なパワーを乗せた複数本のケーブルがタェンティースを貫き、あるいは押し潰さんと迫る!】
 【→よく見ればケーブルは周囲の金属粒子を取り込み、構築、再生、崩壊を繰り返す。まさに伸縮自在の動きを実現している!】
229 :ライサ :2014/12/07(日) 22:33:15.15 ID:m/qp4hRw0
>>227

「……不条理があるから凄惨が生まれる
誰かがいるから不条理が生まれる……」

人同士の争いの結末がこの世界なのか、天災の結末がそうなのか、
理由を知るには情報が足りないが、結果が廃墟なのは変わらない。

「そう思うか……?
九割はそう思う、としておく」

男の言葉を否定するだけの材料が見つからなかったのもまた事実だ。
存在する以上は変わりゆく。その変化そのものが不条理であり、凄惨なのだろう。

「それはもう、食欲を満たせるだけ」

特に表情を変えるでもなく、言葉を真に受ける。
皮肉なのだろうが、一々目くじら立てて事を荒立てるわけにもいかなかった。

「勝つ前に死んでしまえば、勝つことはできなくなると思うけど」

笑みの陰に隠された一面が見えた気がして、少女はのけぞった。
230 :タェンティース・イムエト【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】E.月光 [sage saga]:2014/12/07(日) 22:36:21.77 ID:8ZVg+2t/O
>>228
べちゃり、と着地否落下
A-01コアへと攻撃を繰り出したはずなのだが、イムエトの脚に強い負荷が掛かり損傷を起こしたのだ
故に体全体で落ちる形と相成った
起き上がるのは敵対者とほぼ同時

「わたしに……」
「……わたしに、妹として近寄るというのなら」
「いいでしょう、姉として……」

せめて少しでも早く屠ってやる
月光の柄を両手に握り締め、中下段腰溜めの構え
右腕のイムエトがぼんやりと青白く発光、続き機械部のハッチオープン
赤熱の駆動部が覗き、その軌跡に青と赤の残光を帯びる

「……っ!!」

咄嗟の判断、大きくナナメ前へと駆け出す
奇怪な鱗粉を我がモノとして唸るケーブル
爆発
背後と、そして側部から飛散する礫
バヂィ、電気音に似たノイズ
何かのエラーかと診断を走らせ掛けて違うのだと気付く
イムエトへの供給魔力が消費を上回り暴走、周囲に魔力体フィールドを構築しているのだ
始めての経験であるが半人はこれを己の新たな力だと即座に理解、下僕に命を下すが如くに扱う事に決めた
魔力フィールドは迫る礫全てに反応、減衰しながらもモーメントを殺す
途中ケーブルに縦一閃、そして飛翔しあわよくば本体へも斬撃を狙いたい所

231 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/07(日) 22:44:28.17 ID:QOrgVZjTO
>>229
「九割か…いい答えだな
そうだ、九割が不条理の濁流に呑まれて死んでいく。 下らねぇ規律に身を委ねた奴等から死んでいく

だから俺様は死なねぇ一割だ。 前も言ったな? 俺様は絶対的な死なんてもんに、俺様は縛られねぇ」

【しかし、勝つ前に死ねば 主人公(おとこ)の物語はそれで終わってしまう】
【当然のことだ。多くの物語(ジンセイ)はそうやって不条理のうちに消えて行く】

「ヒャハッ! ちげえねぇ
やっぱりおまえはおもしれぇな…

だからよ、今更だが、「呼び名」を聞かせちゃくれねぇか

俺様は【悪辣(あくらつ)】 本当の名前は忘れたよ」

【そして男は笑いながら付け足す】

「おまえも本名は名乗らなくていいぜ?
俺様がおまえの名前を危なっかしいノートに書かねえとは限らねえからな

どうだ? こえーだろ? ヒャハ」
232 :ライサ [saga]:2014/12/07(日) 23:09:05.59 ID:m/qp4hRw0
>>231

「……鉄砲玉みたいな人」

主人公だから死なない。それはただの暗示でしかないように思えた。
生きている以上、死は切り離せない。それを忘れてしまえば、
回避できるものもできなくなる。

「呼び名……? ……ライサよ」

それが本名であるのか、それとも用心のための偽称であるのか。
確かめるというのならそれこそ、危なっかしいノートにでも名前を書かなければわからない

「悪辣……、思う所があるのだけど
危なっかしいノートにせよ、人の恨みを買うようなことに自ら手を染める主人公というのは、
例え主人公であっても、死を身近にしてしまうと思う」

確かに、心から誰かのために生きる主人公は死なないかもしれない
しかし、そうでなければ。
恨みを買えば報復を受ける機会も増す。誰かに狙われたりもするものだ。
233 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/07(日) 23:09:21.11 ID:VuuN4PG0o
>>230

≪こちら、イムカ・グリムナー。現在、造換塔の破壊工作を実施中。
 自動駆逐ドローンと交戦。これくらいなら何とかなるが…引き続き足止めの継続を頼む≫

 エキゾーストと銃撃音をBGMにイムカよりの通信がタェンティースに届く。
 上空のサーボスカルが引き続き中継しているようであった。

「防がれる?防磁圏の展開を確認。私達に本来存在しないクリアランスを取得している」

 そして、そのままに伸ばしたケーブルを切断、急加速により接近を許す形となる。

「試作型と考えてい…たッけどッ!?」

 鈍い抵抗、切り裂く感触。タェンティースの手に伝わる斬撃の手ごたえ。

「………」

 そのまま交錯したタェンティースを追撃することなく、触手を操り、スタッと着地抵抗を殺して地面に足を下ろす。
 わき腹より、おぞましい血液(オイルか擬似血液の類か?)を流しながら、振り返り姉を見る。

「自我回復64%、造換塔損壊…もうすぐ…」

 ここでA-01に次なる変化が生じる。長いロングヘアだったホワイトシルバーの髪が舞い散り、耳が隠れる程度のショートヘアとなる。
 さらにAMSケーブルの外殻に亀裂が奔り、内部より肉なのか金属なのか定かではない何か…
 ボタボタと金属装甲を落として露出するそれは幾つモノ眼球と口と牙を生やした得体の知れない触手へと変じていく。

「…もうすぐなんだよ。姉さん」

≪造換塔に重大危機!速やかに帰還!拒否、眼前に異能ユニット。優先命令を刷新≫

 瞬間、A-01の像がぶれる。6本のAMSケーブル…否、『ディープマーカー』を地面に接触させ、
 そのまま、自分の身体を跳ね飛ばすように急加速させたのだ!
 わき腹より毀れる擬似血液を気にせず、派手な動きにより損壊が深まることすら意に介さず、タェンティースに接敵!
234 :タェンティース・イムエト【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】E.月光 [sage]:2014/12/07(日) 23:21:56.63 ID:8ZVg+2t/O
>>233
「わたし『達』とはまた滑稽な……」
「……わたしはあなたではないし、あなたはわたしではない」
「それだけだっていうのに!」

イムカの通信に短く肯定を伝え、そして続きA-01へ全く同時に向き直る
血ともオイルともつかぬ液体が滴るその体
自身と恐らくほぼほぼ同じであろう、コピーなのだろうから当然だ

「何がもうすぐか、わたしには分からないし分かるつもりもない、けれど……」

通信を一時途絶

「いいだろうっ! そちらがそのつもりなら付き合ってやるッッ!!!」

袈裟斬り、空を斬る刃
肩を唸らせ月光を正中線、切っ先で離れた位置のA-01を示す
全身の青と赤の発光は更に勢いを増して粒子を残して舞った
急激に供給、消費を繰り返されるエネルギーや魔翌力に軋む体
衝突するふたつの半人、可視性をも帯びた衝撃波が大地を舐めるようにして拡がっていく
235 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/07(日) 23:27:16.18 ID:QOrgVZjTO
>>232
「ヒャッハッハ…ならライサよ
逆に聞かせてくれや」

【悪辣は言葉と共に腰を上げて】
【警戒するでもなくライサの元へと歩み寄ろうとする】
【それは彼女が銃や、或いは遠距離射程の能力を有しているとすればとても危険な行為だろう】

「気に喰わねぇ奴に服従し、美味くもねぇ飯に金をやり、刺激的なイザコザに巻き込まれるでもなく、誰の怨みも買わずに生きる」

【悪辣から言わせれば虚しく詰まらない そんな生き方は】

「そいつぁ、生きてるって言えるのか?
俺様から言わせりゃ、そんなのは死ぬのと大差はねぇ
つまり、俺様は死にはしねぇから、そんな詰まらない生き方は出来はしねぇんだ」

【平然と振る舞い歩みよる男はすきだらけ】
【銃があれば撃ち殺せるし、刀があれば刺し殺せるし、能力があれば色々出来る】

「試してみろよライサ。 おまえも──俺様は渡り鳥と呼んでるが──越境者ってやつなんだろ?
不死身の男が存在するのか、その力で試してみろよ ヒャハッ」

【悪辣は ライサに肉薄しようと迫る】
【もしも肉薄が叶えば ライサの額にデコピンの一つでも入れるだろうが、もしもライサの反抗があれば男は手痛い一撃を受ける】
【当然のことだ。 「この世界」には不死身の輩など居はしない】
236 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/07(日) 23:44:43.80 ID:VuuN4PG0o
>>234

「兵器は規格品。シリーズ。兵器は消耗品。存在するばかり、価値は持たされるモノ。与えられるモノ。探すモノデはない。
 私達は私たち。シリーズで規格品で製造品。自由意志で稼動しているフリをしてどうするのデ?」

 正中線を刈り取る一撃をディープマーカーを用いて弾く!
 赤黒い肉塊と化した触手はおぞましく見開かれた眼球をギョロギョロとタェンティースに向ける。

異能、駆逐!喰う!異形、喰う!喰う!喰う!喰う!喰らう!喰らう!!
喰え!喰らえ!異能駆逐ユニット!優位を証明しろ!引き裂け!斬滅しろ!縊り殺せ!
殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺――兵器がナニヲ夢ミテイル

 タェンティースに響く胎黒い声。それは彼女の聴覚ユニットではなく、
 ましてや、生体脳ですらなく、もっと別のより内奥に存在する機関に響き渡るであろう。

「もうすぐ…終われる!」

 右の触手による突き上げ!左の触手による貫きと振り下ろしを同時!
 さらに左触手3つをそのまま地面に突き刺し固定。
 地面に反動を逃がす事で右触手の3ツに通常であれば己が肉体がはじけ飛ぶほどのパワーを持たせ、
 津波の瀑布にも似た膨大な質量エネルギーを伴った触手の振り上げを繰り出した!!

 −−−−−−−−−−−−−−

 ドン!!遠方より爆音――造換塔の方角より爆裂と…そして塔が崩れていく光景。
237 :ライサ [saga]:2014/12/07(日) 23:49:33.22 ID:m/qp4hRw0
>>235
「……なるほど」

ぴんと来なかった目の前の男の生死観が、輪郭を伴った気がした。
息をつく。口元が歪む。

「毎日毎日気に喰わない人に服従させられて、美味しくもないご飯すら食べられず、
何もしてないのに怨みばっかり買っていたらね」

手のひらを広げると、いつの間にか鋭利な切っ先のガラス板を手にしていた。
少女はそれを男に向ける。

「刺激が当たり前になって、その逆を渇望するようになった。緩やかな時が欲しくなる
悪辣に言わせれば死だとしても、私にとってそれは愛おしき生」

手にしたガラス板を男めがけて投げつける。
特別なガラスというわけではない。避けることも容易そうだ。
食らったところでただのガラス。場所にもよるが切り傷になる程度で済みそうなものだ。

「仮にそれもまた死の形なのだとすれば、それでもかまわない。
痛くないなら、苦しくないなら、私は別に死んでもいい」

ガラス板は男めがけて飛んでいくが、はたして。

238 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/08(月) 00:04:11.94 ID:R9yiRzR8O
>>237

【悪辣は投擲された硝子を視認し笑みを浮かべた】
【次いで 肉を裂くような音が体内に響き 左肩にナニカが刺さる】
【アルコールにより活発化していた血液たちは今が好機と考えたのか元気よく外界に溢れ出す】

「ヒャハッ! こいつぁ刺激的だぜ
ライサ、やっぱりおまえはクールだよ

前に会ったときから感じてたんだ。 テメェのその臆病さと聡明さ…
そいつぁ充分に 「一割」 足り得るモノじゃねえのか? 」

【その言葉と共に 悪辣は歩みを止めて】

「にしてもマジでいてぇな…硝子をぶっ刺されるなんて初体験だぜ?
俺のはじめてをどうしてくれんだよ」

【下らぬ軽口を吐き ニヤリと笑う】
239 :タェンティース・イムエト【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】E.月光 [sage saga]:2014/12/08(月) 00:11:42.77 ID:F8X3IWWF0
>>236
「違いますね」
「わたしは、『ニア』は、『ヒトに寄り添うモノ』は」
「ヒトが存在する故に存在する、けれど決して機械的判断に従うモノではない」

「……わたしの道はわたしが決めるっ……!!」

左手で月光を、右手でスカーフの様に纏う漆黒の布地を
それぞれ強く強く握り締める
精神に対する耐え難い暴風の中、堪える事が出来るのは何故だろう
それは友との想い出であり、そして約束であり、遺志なのだ
無機的な物事ではない、数字や現実的な言葉として表せるモノでも決して
だが時に頼り縋る偶像というものはこの上ない力を発揮するモノなのだ、事感受性の高い半人に取っては尚更

ふと、イムカの言葉を思い出した
彼女はこの事態の初期に、わたしを巻き込んでしまって、と言っていた
何の事はない聞き流した一言ではあったが、今にして思えば

(……イムカ様に取ってはわたしは、仲間や或いは友人ではないのだろうか?)

実際今までのその関係は複雑であったように思える
時には敵として戦う事になったり、仲間として共闘したり助けられたり
終わったらそうだ、尋ねてみよう
はぐらかされてそれだけだったり、もしくはあのいつもの調子であっけらかんと言ってくれるだろうか

A-01へ月光を突き出した半人の体を、ディープマーカーが攫った


………

【遠く、ここではない世界、ここではない場所】

『プロトリ・ミィの『ニア』解析完了』
『『ニア』クラウド構築完了』
『『プロジェクトタェンティース』step3へ移行』
『『ヒトに寄り添うモノ』を『リ・ミィ』へアップロード開始……』

無機的な判断がしめやかに下され、ひと気の一切のないリノリウムの部屋にデジタルノイズが響く
それはずっとずっと、いつまでも続いていた


【サーボスカルの視界ではタェンティースを中心とした爆発が確認出来る】
【デジタル的な視界を持つとすれば、同時に大量のデータのアップロードされる様も同様】
【尚アップ先は不明瞭、次元を越した事柄のようだ】
240 :ライサ [saga]:2014/12/08(月) 00:25:52.99 ID:ODV4lne+0
>>238

「……それはどうも」

表情を変えるでもなく、淡々と言い捨てる

「一割足り得る……、そういえなくもないかもしれない
死をないものとしているか、死をあるものとしているかの違いはあるけれど」

死なないように行動し、生きることがすべてということは、
何だかんだで死なないことに繋がる。
少女も男に通じる部分があるのかもしれない。

「不用意に近づくこうとするから
それも煩い街中ならともかく、こんな廃墟で」

近い側面はあれど、本質的にはやはり臆病らしかった。
こうして言葉を交わし、名前を交わしあっても、
相手を真に信じることはできなかった。

「……お腹空いた、食糧でも探してみるわ」

言いながら、少女は踵を返した。
追ったとしても、もう少女の姿はどこにもなかった。

//眠気が限界なのでこのあたりで〆させてください
お疲れ様でした!
241 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/08(月) 00:28:09.78 ID:hhFCCWefo
>>239

 連鎖爆裂の中、崩壊していく遺跡でプラチナブロンドの髪をなびかせながら、
 イムカはようやっと一息つき、通信回線を開く。

「こちら、イムカ。造換塔の破壊に成功…おい、タェンティース?!?」

 直後、データリンクしていたサーボスカルより確認される爆発。
 そして、ワイヤード空間より発信される大量のデータアップロード!

「――ッ!?」

 何が起きた!?それはイムカにとっては問題ではない。
 何かが、重大な何かが起こったのだ。そして、それにはタェンティースが関係している。
 イムカを動かす行動理由としてはそれだけで十分に過ぎた。

【目標破壊の余韻など欠片もなく、即座にウォーバイクを発進させ現場に向かう】

「おい、タェンティース。聞こえているなら返事をしろ!」

 常の通りの硬質な声で、呼びかけながら急行するイムカであった。

------------

【ディープマーカーの一撃は実際、強力であり、マトモに受ければ深刻なダメージは避けられないだろう】
 【→同時に突き出された月光はA-01の頭部ユニットを貫き、機能停止に至らしめている】
【→そも、最後の瞬間、A-01は自ら刃を受け入れたフシのあるような(自壊を希求していたのだろうか?)】

―――

 そして、ディープマーカーはビチャリビチャリと汚らわしい音を発している。
 A-01…と呼ばれた生体ユニットの残骸を…捕食しているのだ。
242 :【悪辣】チンピラ。集散を司る能力。 [saga]:2014/12/08(月) 00:34:51.10 ID:R9yiRzR8O
>>240
「生きるか死ぬのかの話じゃねぇ…
望むも望まないも、おまえは嵐の中を行くことになるだろうよ

それが俺達主人公の勤めだろ? なぁ、ライサ
おまえだって くだらねぇ規律に縛られることはねぇ」

【しかし その声は消え去ったライサには届かず】

「ヒャハ…拾い食いなんざして、腹壊して死ぬんじゃねぇぞ。ばーか」

【一人ごちて つきをながめた】

/遅くまですみません! お相手ありがとうございました! 楽しかったどす!
243 :タェンティース【対異能戦闘用人型兵器】E.月光 [sage saga]:2014/12/08(月) 00:42:46.31 ID:F8X3IWWF0
>>241
自身の鏡写しの存在が捕食される様を、ただ歪む視界に収めていた
思考はぼんやりと、だが意識を失い掛ける度に煩いエラー警告音にそれが阻まれる
果たして彼女(A-01)が最期に何を想い散ったのだろう、それに馳せる事が出来るのはまだ少し後になりそうだ
離脱をしたい、だが体は動けない
エネルギー0.1%以下、全イムエト喪失、本体及びコアに損傷
ギャアギャア叫ぶエラーを要約すればそうなる
補給をしろだの安静安全な場所へ行けだだの、この状況でまぁ無茶を言う

「……、けほっ、けほっ……」
「コエは、デる……か……?」

爆煙が晴れる
粒子状にひらひらと舞う青白い魔力結晶が雪の様に落ちる
左腕と上半身、随分と情けない格好でクレーターの中心に落ちている半人
月光を手放さずにいれたのを、半人は後に誇るだろう

「……コピー、ヘンジ、ですね……」
「ミッション、クリア……ダイエットにも、セイコウしたみたい、です……」

244 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/08(月) 01:01:43.40 ID:hhFCCWefo
>>243

「ああ、こちらからも確認できた」

 応答に応じたイムカの声音は硬質のままだ。
 いつも無表情で、声音も一定の幅であることが多いイムカであるが、
 実は慣れればそれなりに感情の動きが見て取れるようになる。感情がないわけではないのだ。

「…離脱は無理そうだな。ああ、君の側のヤツな。歪み(ワープ)由来の汚染物質だ。
 どうやら、君と対峙したユニットは汚染されていたようだな。汚染…まあ、突然変異を強いられるとでも思えばいい」

 そして、平常であろうとするときにイムカは何かの背景を語る癖がある。
 これも付き合いが長くなれば察せられる事柄の一つかもしれない。

【焦燥している。それが真実、現在のイムカの状態であった】

「前に君は言ったな。私が頼りになる…だったか?そう言われると悪い気はしないな」

 グチャグチャとA-01を喰らったディープマーカーはやや体積を肥大化させると、 
 次の捕食対象…タェンティースの方におぞましい視線を向ける。

【そこで理解できるかもしれない。このおぞましい歪み生物の根元。
 それは核…A-01の歪んだコアユニット。それがこの化物の根源であった】

「ああ、頼りにするといい。君をワケのワカラン化物に―――」

 イムカの声。バイクのエキゾースト。そしてそれは通信で聞こえると同時に耳にも

≪墳弾短銃:聖遺物クレイトスの憤怒°ヨ圧解除≫

 ディープマーカーがタェンティースの残骸に圧し掛かろうとした瞬間!
 その肉塊に小型ミサイル弾頭が突き刺さり、内部より爆裂!!断末魔すらなく爆発四散!!

「――喰わせはしないよ。何せ頼りになるからな」

 グオン!とバイクを停車させ、涼しい顔で言ってのけるイムカ・グリムナーであった。
 …ハンドルを握り締める右手は強く握りすぎていたのかハンドルをグシャグシャにつぶしかけていたが。

「うん、実際ダイエットには成功したようだな。持ち運びに便利そうだ」

 と、マッドなジョークを言って、タェンティースを回収しようとするだろう。

「…ご苦労様。生還してなにより…だな」

 崩壊する造換塔を背後に嘆息をつきながら苦笑(珍しい)しつつ、そう告げるイムカであった。

//よし、このながーいサブイベもこれにて終了ですな!
245 :タェンティース【対異能戦闘用人型兵器】E.月光 [sage]:2014/12/08(月) 01:15:30.30 ID:F8X3IWWF0
>>244
月光を杖に、無理矢理強引に体を動かす
それは微細な所作であったが、今の半人にしてみれば通常のヒトが行うひと月分の労働を刹那に圧縮したかのような重務
青眼を何処かに向けた、そのまま汚れ傷付いた顔で微笑む
背後より半人を覆う影、迫り来る絶対の死
だが恐怖に引き攣る事はない、声を荒げ絶望に伏す事もしない
何故なら

「……そのコトバ、ノチホドもうイチドおネガいします」
「ロクオン、しておきたいですから……」

半人の歪な影は猛烈な閃光に長く伸びて焼き付いて消える、爆風に髪が揺れる

イムカ・グリムナーがそこにいるのだ
何を怯える必要があるというのだろう?

「オソれイります……」
「……えぇ、イムカサマもゴブジで……」
「……すみません、スコし……スリープモード、に……」

回収されて果たしてひょいと担ぎ上げられただろうかそれともキャリア部分にでも乗っているだろうか
ウツラウツラと瞼が落ちて、眠るようにして活動を止める半人
太陽発電に依りしばらくの後に目覚める時まで、その意識は途絶えるだろう
眠りの使者がその鎌を振り切るより少しだけ前
半人は朧げな意識の中で想う
愚問だった気がする、先程の疑問は
問い掛ける必要はきっとないだろう、少なくともわたしがそう思えるのだからそれは重畳だ
あぁ、あの微妙にレアな苦笑も録画しておきたかったなぁなんて下らない考えを最後に
ぷつり、と意識はそこで途絶えた

//長々とありがとうございました、楽しませて頂きましたっ
//また宜しくお願いしますー
246 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/08(月) 21:57:36.86 ID:hhFCCWefo
【サイバーパンク世界:スプロール】

 電子ネットワークとサイバネティクス技術が普遍化した近未来世界。
 しかして、その実、テクノロジーにのみ偏重した世界かと問えば、それは断じて否である。
 この世界にはいわゆる科学的な常識を覆す不思議が蔓延している。

【かつてこの世界は覚醒≠ニ呼ばれる事象により大きな激変を余儀なくされている】

 魔術・魔法の類の復活。精霊の発生、亜人種の出現。
 実際、この世界を支配する企業…その上層に位置するメガ・コーポの支配者には、
 人類のみならず、大龍、大精霊すら名を連ねているのだ。

【同時に世界の不思議の多くが暴きだされ、神秘性を失った世界ともいえる】
【白日に晒された不思議はもはや不思議ではなく、事象の一つとして貶められる】

 サイバネティクスによる強化は人間そのもののスペックを大きく引き上げた。
 それこそ、社会の影に潜む住人達…忍者とすら戦いうる力を得ることすら出来る。
 巨大な支配機構が確立された世界でありながら、無数のカオスが渦巻く閉塞と活力がしのぎあう世界。

 それが、このスプロールという世界だ。
247 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/08(月) 22:33:26.76 ID:6vGepfZQ0
>>246

企業に支配された形骸的な国家基盤はすでにカネと生産力の実を握った軍産複合体に踏み潰された憐れなクニ
科学、魔法、神、ヒト、悪魔。あらゆるモノがごちゃ混ぜに、混沌として混ぜ合わさった世界。いわばごった煮の世界であるスプロール。

その首都のメインストリート。モダンなドレスシャツ、チャラチャラと金のネックレスを鳴らしながら重金属の雨を浴び歩く男の影がひとつ
それはかつてある軍人を上官と慕い、付き従い、敵対し、殺し合い、憎み、そして奪おうとした男、ジョシュアだ。
重金属の雨を浴びたシャツは仄暗く黒ずみ、しかし身体を犯す筈のそれは直ぐに皮膚の黒斑へと吸収されて消える

黒斑は雨を浴びた箇所へと一目散に駆け、ジョシュアの皮膚の上を恵の雨だと叫ぶかのように嬉々として駆け巡る。
金属分子と、それと水。どちらもグリードの大好物だ、有機物があれば尚よい。もしもグリードに人格というものがあったのならば今頃彼等はきっと有頂天なのだろう。
しかし宿主のジョシュアはそうではなかった。ただ暗い、どこか険しい顔付きでメインストリートの群衆の合間を縫いつつ歩く。

今日は日曜日、IASC本部から与えられた休暇の最後の一日。
何をするでもなくその辺りをほっつき歩き、ただ考えるのはニアの安否と、そして怨敵ギャラエの行方。
目的地を持たないその足取りは永遠に途絶えることはない。

群衆の隙間、どこか見知った顔をその視界に認めるまでは。
248 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/08(月) 22:51:41.54 ID:hhFCCWefo
>>247

 銀河帝国の密使たるイムカ・グリムナーに課せられた責務は実際多い。
 特にスプロールは覚醒≠フ影響もあってか、はたまたその混沌とした在り様のためか、
 多くの世界とゲートを確立しており、実際、任意にしろ偶然にしろアクセスしやすい世界であり、
 ここで拠点、いわば世界介入の橋頭堡を確立することの意味は非常に大きい。

【実際、境界線接続を事象として認識し、研究し、あわよくば利用しようとしている世界でもある】

 イムカにとって彼は何なのだろうか?
 部下?少し違う。が、気に入っていた。ゆえに交流を持ち、それをうれしく思っていた。
 敵?何度も敵対した。が、イムカにとっては敵対と友誼は相反するものではない。
 その価値観の違いがよくなかったのかもしれない。実際に派手に拗れた。

【そして、群集の中、ジョシュアが彼女を発見するのはそう難しいことではなかったろう】

「セイッ!!」
「アバーッ!!」

 雑然とした雰囲気を破裂させるような裂帛の気合と共に放たれるシャウト。
 そして、冗談みたいに空高く打ち上げられ…吹き飛んでいくヨタモノめいた男。

【ヨタモノめいた男はジョシュアの目の前に文字通り降って来た】

「女に触れる時は惚れさせるか代価を払えと教わらなかったのか?特に胸は――」

 声音は硬質、常なる無表情。プラチナブロンドの髪を揺らし現れたのは、
 イムカ・グリムナー。相変わらず派手というか目立つというか無駄に豪快というかである。

【絶対にこの人、隠密行動とかステルス行動はマイナス適正だといわんばかりの登場】
249 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/08(月) 23:14:11.78 ID:6vGepfZQ0
>>248
「……!」

見知った顔に足を止めその成り行きをしばし見守る。やがて一人のヨタモノが宙を舞い局面は終結。
大方流れは予想していたものと同じ、というよりはほとんどこのパターンしか存在しないのだ、この街のヨタモノと彼女との間でのやり取りは

ぐしゃりと音を立てて垂直に墜落するヨタモノ。それをポケットに両手を突っ込んだまま仏頂面で見つめるジョシュア。
暫し静まり返る大通りの人だかりの中心で、ジョシュアはヨタモノを介抱することも助けを呼ぶこともなくただ見下ろし

「……邪魔だ」

やがてはヨタモノの胸ぐらを掴んで引き起こして「通行の邪魔になるだろ」と吐き捨て、そのまま大通りの端までひょいと投げ捨てた。ヨタモノはごろごろと縦に転がりレンガの壁にぶち当たって停止。
天地を逆転させたまま壁によりかかって気絶するヨタモノ、ジョシュアはそれにただの一瞥すらくれてやることなくイムカを見つめた。
そのがっちりとした胸元に青く光るエクソダスは無い。空のナイフホルダーがただ虚しく光るのみ。

「…お久しぶりです」
「こうして合うのは何年と何ヶ月ぶりでしょうか…コミッサー」

自分がまだ19の時、そういえばこの人とはよく会っていた事を思い出した。やや穏やかな表情でジョシュアはそう切り出す。
煩わしい雨を全身に浴びながらかつかつとアスファルトを蹴る靴音を立てながらイムカへと近づく。
どんな時でも相変わらずだなと微笑ましく思う気持ちは隠せず少しだけ頬が釣り上がる。
あの時はすれ違いこそしたが、今では彼女の気持ちはしっかりと理解出来る…少なくとも理解出来るつもりにはなっている。
されど闇を知ったその瞳の奥には言い表せない何か暗いモノ丁度ジョシュアの表皮を駆け巡る黒斑のように蠢き
自然とその笑みも寂しいものと変わってしまっていた。

そこまで言い切ればやがて口を固くつぐむ。なにせいきなりの邂逅、イムカの反応をやや伺うかのように
250 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/08(月) 23:33:47.49 ID:hhFCCWefo
>>249

「………」

 イムカの方は相変わらずの無表情である。特に気配の色を表してはいないが、
 顔の険が些か抜けたような…実のところやや呆然といった風が適切であった。
 表情の変化が希薄のため、慣れた人間なら分かるというくらいの差異だったが。

(…どうしたものか?)

 正直、困っている。ジョシュアにとって自分はいい影響を与えない。
 自分の行動が間違っているとは思った事など無いが、それが兵士としての彼を惑わせた。
 イムカはそう考え、実際にそれは負い目でもあった。

「さて…な。境界線接続…特に放浪者にとって主観の時間経過などさして当てにもならないからな」

 イムカは務めて平静な態度で、ジョシュアの言葉を返すように口にする。
 ここでもっと別の態度が取れればよいのかもしれないが、あいにくイムカはこういう性質だった。

「曹長、雨に濡れるのはよくない」

 そう言って、傘をさして(近未来だというのに味気のない耐酸性ビニール傘だ)
 自分とジョシュアを汚らわしい雨粒から遮断する。

「君は平気なのかもしれないが、知己が雨に濡れているのは…やはり良くない」

 表情にも声音にも変化は無し。が、器用さが足りないのは誰にでも分かるだろう。

【さて、傘はさしたわけだが、ここからどうするか?特に展望が無いという有様である。
 歴戦の最先任上級兵曹長と上級政治将校がこのザマなのだ。いっそ滑稽かもしれない】

 【→案外、男の甲斐性を搾り出すのはこういう時か?】
251 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/09(火) 00:18:40.24 ID:HmhP/Hlf0
>>250

「…すみません、人間やめると案外恥も外聞も気にならなくなるもので」
「貴女に心配を掛けるつもりは無かったんですよ」

傘を差し出したイムカの好意に甘えると共にこれは失礼と軽く苦笑してみせる。
常人ならば無事では済まないだろう重金属もグリードにとってはみな栄養分。ジョシュアからすれば濾過されたただの水を浴びているに過ぎない。
されどやはりイムカから見れば見知った顔が毒の雨を全身あますところなく浴びているのを見るのは些か見るに堪えないのだろう。

街並みとミスマッチな見た目のビニール傘。それも1人用ではやはり心許ない。
イムカの肩が決して黒い雨に濡れないよう、ジョシュアはそっと彼女に身を寄せた。

「………(寂しいな…)」

さて、傘に入った訳だが、ここから何をすればいいだろうか?
ジョシュアが口を開かぬ限り向こうも口を開くことはない。濡れた身体の隣から微かに伝わる温もりを感じながらジョシュアは沈黙の中
やがて堪え兼ねたか、自らイムカにアプローチを掛ける。本題に入るのはこの立ち話を終わらせてからだ

「あのー…ここじゃなんですし……どこかゆっくり呑める場所で話しませんか?」

今は深夜。こんな時間に開いている場所などバー、ホテル、そしてコンビニくらいだ
コンビニは論外として問題はマトモなバーかホテルの何れかがこの近くに果たして存在するのか?である
THCを含んだ紫煙がもくもくと立ち上る酒場や会話の憚られるカプセルホテルなどは出来れば遠慮したいところ。
この辺りの土地勘は未だ掴めていない為、サーボスカルのGPSで付近を検索しようとするジョシュアであった。
252 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/09(火) 00:40:14.80 ID:q49P2UbTo
>>251

「自分をあまり卑下するな曹長。人間であることの定義は必ずしも肉体に依るものではないよ」

 イムカにしてみればそうだろう。と納得するのは簡単だ。
 この世界では肉体のサイバネ置換が普遍化。さらにイムカに到っては遠未来の遺伝子工学による超人化。
 誤解できる¢O提情報には事欠かない。ただ、雨に濡れる彼を見ていられなかったという真相には遠いだけだ。

「…つもりなど知らんな。私が勝手にやっていることだ」

 ヨタモノを天高く吹き飛ばしたイムカであるが、ジョシュアが身を寄せることは許した。
 他意はない。濡れてもらっては困る。こちらも気を使われてはいるのだろうなとは理解できる。
 務めて、合理的判断である。が、互いに言葉が足りない。イムカに到っては気の利いた言葉など期待も出来ない。

【→ゆえにここでのジョシュアの提案は実際、状況打開としては及第点だったといえる】

「確かに立ち話は論外だな。…んっ?君がやるのか」

 ジョシュアを案内せねばと思ったところで、サーボスカルのGPS検索を用いようとしているのを見て取り、
 イムカはそれ以上、口出しするのをやめた。ここは曹長を立ててやる場面であろうという状況判断である。

≪00001101010111≫

 サーボスカルと言えば、妙に積極性に欠けているマスターの様子を慮り、
 狂気に陥っているプログラムを走らせてジョシュアに目的候補地を示してやる。

【→ミドルタウン:企業重役御用達ホテル(イムカならば階級的に可)】
 【→バー:アンティークのジュークボックスが置かれた猥雑さとは無縁のバー】
【→エロエロなホテル:チープなお城めいた、まあそれなりに需要のあるアレなホテル(おお、スカルは狂気に陥っている!!)】

 
253 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/09(火) 01:06:09.45 ID:HmhP/Hlf0
>>252

「えぇと…スカル、近くのホテルとバーの検索を頼む」

イムカの手を煩わせまい、そう気を遣い率先して自らホテルを探すジョシュアであったが、彼は未だに気がついていなかった。
気を遣っているのは自分ではなくサーボスカルの動向を逐一モニターする事の出来る彼女なのであると
その気になれば彼女は指一本動かさずにジョシュアの努力を見事水泡に帰させるだろうに。

「出ました、結果は……」

網膜に投影された検索結果。サーボスカルが訪れることそ推奨した物件は全部で三つ。
大きな街だが意外と絞れたなとジョシュアは結果を流し読み。中々良さげな店が幾つもピックアップされていた。
なるほど治安の割には中々良い店を揃えてるじゃないかと半ば関心しつずんずんスクロールしつつ分析

【重役御用達ホテル→宿アリ酒アリ。最高の物件。出来ればここが好ましい】
【小綺麗なバー→話こそ出来るものの近くに宿はなし】
【ラブホ→論外。空席が無かった時用の最終手d…】

おっとここでジョシュアの目が止まった。マトモなハズのお勧め候補の最下部には会合場所には似合わぬ真っピンクの如何わしい建物が。
イムカにバレないようにサーボスカルをこっそり抱えてぶん殴る
自分の背中の向こうのイムカの目にこの光景が届いていないことを願いつつもう一度検索、今度は空室の確認を

【判定:コンマ末尾1~4、ホテル空室アリ】
【コンマ末尾5~8、バー空席アリ】
【コンマ末尾9~0、どちらもナシ】
254 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/09(火) 01:32:28.34 ID:q49P2UbTo
>>253

≪0001110101011≫

 折角、案内したというのにぶん殴られるという悲劇的扱い。
 これは訴訟も辞さないというレベルではなかろうか?

「………はぁ」

 そして、サーボスカルの状態をモニタリングできるイムカとしては、
 この冗談めいたやり取りを見てみぬフリをするくらいの優しさは存在した。

【結果として少しだけ互いの空気が緩んだ。狂気に陥っているサーボスカルが狙ってやったのかは不明であるが】

 −−−−−−−−−−−−

 あいにく、目的のホテルは「労働者諸君、団結せよ!」な集団に占拠された挙句、
 都市防衛ドローンの機銃乱射により血の海と化していたためバーに行くことになった。

【バー:黒の巣】

 今時珍しい、オーガニックな木を用いたテーブルが自慢の薄暗いバーである。
 ここにはサイケデリックな音楽は排され、耳に心地よいジャズの音曲が空間に満ちている。
 亜人種のバーテンダーは如何にも寡黙で、筋骨隆々の肉体を無理矢理スーツで包んだようなそんな印象。

【客層も名の知れたランナーや高級娼婦。ミスタージョンソンなど弁えている連中ばかりだ】

「ブラッディ・マリーを。…君と面と向かって話すのはどれくらいぶりかな。我ながら意気地のないことさ」

 久しぶりに接するうちに、ようやくわだかまりを取り敢えずは脇に置いておく程度の余裕が生まれる。
 こうして遭遇したのも何かの縁。避け続けるのもいい加減リミットなのだろうと覚悟も決まるというものだ。
 元々、イムカは行動の人である。むしろ、避けていた方が彼女としては珍しい状況だったくらいだ。

【そして、イムカは何処からか蒼白い金属で出来たスローイングナイフを取り出す。
 かつてはコンバットナイフだったものを、解析し、加工したものだ】
【ちなみにイムカの格好はこの世界ではおなじみのビジネススーツ姿である】

「機会を逸していたな。返すべきだろうにな。私はこれを君の形見だと思っていた」

 そして、その後も所有し続けていたのは?実際に有用な兵装ではあったが、最大の理由は未練である。
 手放せば本当にそれまでとなってしまうのを何処かで恐れていたのだ。
 自分の未練がましさを自覚してはいたが、それを恥とは思っていない。今だ残る人間性を自覚できた。

【自在刀を受け取る Y or N】
255 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/09(火) 14:10:27.58 ID:HmhP/Hlf0
>>254
「中々いいバーですね…近くのホテルはあのクソッタレなピンク色の奴しか見つからなかったので…帰りは少し歩くことになりそうです」

ドアをくぐって席につけばスカルで付近の詳細検索を掛けながら通信回線を開き
スカルを通して信号を暗号化、ワールシュタットへと何らかのデータをキャッシュし始めるのであった
是が非でもあのピンクキャッスルに泊まる訳にはいかないと固く決意しながら。

「いえ、なんというか…俺の方こそ未熟で…すみませんでした
自分が未熟なばかりに貴女に負担を強いることになってしまった…」

「結構辛かったですよ、あんな事言われちゃったら…それもあの顔でね」

アメリカ大衆向けのカクテルであるミント・ジュレップをオーダーし頬杖をついて隣のイムカを見つめ、数年前のあの病室でのことを思い出す
グリード襲来後、澪に自分の看病を任せ立ち去ったイムカ。あの去り際の言葉と表情にジョシュアはイムカの普段晒されることのない内面を垣間見た気がして
それ故にその後は罪悪感と自己嫌悪に苛まれていた。やはりあの人は何の感情も抱かず俺と敵対していた訳じゃ無かったんだと

誤解が解けたその瞬間には、彼女自分に小さなその背を向けていた。
その時のジョシュアはその肩を叩ける気が、彼女を振り向かせられる気がまったくしていなかったのだ。
ただただ怖気付き、お互いに離れていった。転換を促したのはアキレスを初めとする仲間(クルー)達だ。
差し出されるようにして見せられた自在刀を一目見ればジョシュアは目を丸くしたが、続く言葉を聞けば表情を柔らかくして返還を断った。

「……あぁいえ、それは持っててください。あげますよ…二つあるとはいえ心臓を串刺しにしたお詫びです」
「エクソダスも…今は失ってしまいましたしね」
【→自在刀を受け取らない】

「いざ形見と言われると嬉しいものですね」などと呟きながら差し出されたミント・ジュレップを一口。
人並みよりは酒に弱いのを自覚している為か、そこから先は中々口を付けようとはしなかった。

「っていうか…どうやって加工したんです?これ…」

それよりも気になったのは見事に加工を施されたエグザイルのこと。エクソダスとエグザイルは『ミスリル』なる鉱物から構成されているらしく
ワールシュタットに搭載されていたアセチレンバーナーはもとより重工業用プラズマカッターですら傷一つ付けられなかったとジョシュアは言う
純度の高いものになるとミスリルを加工することの出来る技術を持つ"ミスリルメイカー"の一族以外にはとても扱えないのだとか
そしてイムカの手に握られている変わり果てた姿の相棒をまじまじと見つめるのであった。
256 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/09(火) 21:00:34.72 ID:a4YM1dn50
【車庫】
飛ばされた先はどこぞのガレージの中でした 中央には赤い車が鎮座しており 隅の方には青いバイクが陰に隠れるようにおいてあった

背の届かないほどの高さにある窓から見える空はまだ青く ガレージの中に日の光を提供してくれる

「そしてガレージの扉もシャッターも鍵がかかっていて出られないというね 困ったもんだ」
はっはっはーをヤケクソ気味な笑いを一つ

「・・・どうしよう」
そして絶望に打ちひしがれた
257 :タェンティース・イムエト【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/09(火) 21:10:04.39 ID:Rm03vbG60
>>256
「……さて、弱りましたね」

コツコツとシャッターを叩き溜息
普段の自分の力量であればもしやしたら月光で斬り捨てる事も叶うかもしれない
しかしコアユニットが破損し、出力が著しく低下しているこの身では間違いなく不可能である
今考えるべきは、機能停止前にここを脱出し一刻も早い修復を受ける事だ

「車か、バイクか……どちらかをあそこ(シャッター)にぶつけて破壊は出来ませんでしょうか?」

258 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2014/12/09(火) 21:13:16.05 ID:7+ZmNgqcO
>>256-257
「まぁ、たまにはこういうこともあるわよね」

最近、どんどん動じなくなっている黒エルフ。
赤い車にどれくらい埃が積もってるかを確認中。
ついでに、ガレージの中にある使えそうなものも確認中。

「最悪でも、2日もまてばこれだけ集まってたらゲートは開きそうだけど」
259 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/09(火) 21:20:52.24 ID:a4YM1dn50
>>257
「それなんだけどねぇ・・・」
デモンアーム展開 青き霧に覆われた腕を振りかぶり

「エイシャオラ!!」
思い切りシャッターをぶん殴る・・・が デカイ音が響いただけ

「な?」

>>258
車に埃は積もっていません まるで新車同然にぴっかぴか
だけど鍵が無いので中に入ることが出来ません

「キーボックスはコレだと思うんだけど・・・」
そこにあった箱は酷くさび付いていて開けることが出来なかった

壁の隅っこの押しやられた棚には雑多なガラクタが押しやられていたりもします
260 :タェンティース・イムエト【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/09(火) 21:30:48.84 ID:Rm03vbG60
>>258
「2日……」
「……待てません。 残エネルギー量と破損状況からわたしは多分、36時間と少々で機能停止します」

シャッター前から車を調べるアメリアに振り返る
外見上は少々草臥れている程度だが、内部機構に破損が多いらしい

>>259
「なるほど……」

破壊音ではない乾いた音に顔を顰める
そして納得したように呟いて頷き、周囲をぐるり
ガレージ内に、このシャッターと上の窓以外に外部と繋がっていそうな場所を探してみる
261 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2014/12/09(火) 21:34:11.95 ID:7+ZmNgqcO
>>259
「車はちゃんと整備する人、と。
 これならまり慌てなくてもいいんじゃないかしら?
 少なくとも、ここを何日も放置するオーナーではなさそうよ」

放置車両なら新車でも埃は積もる。
ガラクタが積んであるような車庫ならば、絶対に積もる。
それがないってことは、ある程度の頻度でこの車両が手入れされている証。
その上で、向かう先は雑多なガラクタ。

「カナモノ用の油はないかしらー」

ないなら、自前のランタン用油を使いますけども。

>>260
「寝てたら?」

スリープモードで時間を稼げという宣告。
メカ相手だと手厳しいぞ、こいつ。

「あぁ、でも、コンセント探してもいいんじゃないかしら」

……交流100Vを食えるかは知りませんので。
とりあえず探しもの優先ですね
262 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/09(火) 21:49:15.52 ID:a4YM1dn50
>>260
あるのはシャッターと その隣に金属製のドア(案の定鍵がかかっている)そして窓だけである
そして辺りを見回すタェンティースの目にオレンジのツールボックスが眼に入るだろう

中には雑多な工具の上に鍵が一つ だがドアやシャッターのものではない バイクの鍵である

>>261
「あぶらあぶら・・・・・・ありますか〜?」
とガラクタ置き場を一緒になって探して

「あった コレでいいべ?」
見つけたのは黒いキャップのついた赤いスプレー缶 潤滑剤と書かれているので間違いないでしょう

さび付いたキーケースの中には鍵が一つ どうやら車の鍵のようだ
263 :タェンティース・イムエト【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/09(火) 21:55:58.02 ID:Rm03vbG60
>>261
「抜本的な解決には、至らないですから……」
「わ、わたしは家電ではありません……」

先延ばして確実に享受する運命より、そうせずに抗う事を決めているらしい
尚周囲に任せるという選択肢もない訳ではないが、それは最終手段である
最も半人やイムエト部の保持の為にスリープモードですら通常の機械に比べれば多大な消費を行う事も手伝ってはいるのだが
尚コンセントからの給電は不可能である

>>262
シャッター横のドアノブをガチャガチャと捻り溜息

「ん……バイクの、でしょうかこれ」

ツールボックスの上の鍵を手に取り、なんとなしにバイクへと向かってみる
エンジンをかけようにも換気の確保が先かと確認
同時にシート内に何か収納されていないかなど、解錠して見てみる
264 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2014/12/09(火) 21:58:24.36 ID:7+ZmNgqcO
>>262
これぞ定番ク○556!
どこのガレージにも必須の一本です。

「……新品の車なのに、キーボックスはサビサビ。
 ミステリーだわって言いたいけど、これやっぱりスペアキーよねぇ」

さて、次の家探しポイントは車に移動ですね。
さすがに自動車にトラップはしかけられてないでしょうし。

>>263
「なら、自動車から給電する?
 たしか発電機ついてるわよね、こういう車」

100V交流がダメでも12V直流なら、とかは中の人思考。
外部電源から離れろって? アッハイ

「そもそもエネルギー補給の手段聞いてないものね、あたし」

とりあえず車の中で調べれるところはかたっぱしからいきます
265 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/09(火) 22:16:39.56 ID:a4YM1dn50
>>263
シートを開けてみれば バイクの持ち主の私物であろう ヘルメットが入っていた
そしてキーを差込み スターターを回すと勢いよくエンジンが唸った

>>264
車にトラップが仕掛けられてない? そのふざけた幻想を以下略
【トラップ発動 静電気:ドアノブに触るとビリッとする】

くだらないものはさておいて 車の中を物色するアメリア

トランク
・ジャッキを含む工具一式
・発炎筒
・釣竿
・釣りえさ

車内
・男性の免許証
・何かの書類一覧
・財布
・メモ

メモには一言
スペアキー:ヘルメットの裏に貼り付ける

とだけ書かれていた
266 :タェンティース・イムエト【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/09(火) 22:22:52.91 ID:Rm03vbG60
>>264
「外部からの電気、ダメージにしかならないです……多分」

試したことがないし、電撃にトラウマがあるらしく試す気にもならないと苦笑

「基本的にはコアからの供給ですが、破損で効率が著しく低下しています」
「サブとして太陽光エネルギーなんかもいけますけど……これもしかり」

こちらはバイクを調べながら
まぁ要するに割と切羽詰まった状況なのだという事である

>>265
「……ん、掛かった……」

エンジンが掛かることを確認
なんとなくヘルメットを被ってサイズ感なんかを見てみる事に
最もこれに乗ってシャッターに突撃なんて考えがある訳ではないが
267 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2014/12/09(火) 22:26:26.75 ID:7+ZmNgqcO
>>265
残念。
情報生命の構成材に自由電子は含まれていませんのだ。

「ちょっとアキレス。これ投げて、あの窓割って。
 そのあとは、これ」

ジャッキとかいろいろと発煙筒渡しますね。
……窓割って発煙筒投げろとか、いろいろ酷いこといってる気がします。
書類については、車両保険か車検証かそのあたりでしょう。
読める文字かしら。


>>266
「それなら、ひなたにいたほうがいいんじゃない?
 というかそれだと、どう転んでも機能停止じゃないかしら」

窓から陽の光は入ってきてますし。
少なくとも現状維持分くらいはできるでしょう。

「あぁ、一応ヘルメットの内側、確認してもらえるかしら?」
268 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/09(火) 22:47:42.91 ID:a4YM1dn50
>>266
ヘルメットはタェンティースには少々大きすぎたようだ 被ったままクルクルと回転できるほどである
そして頭頂部には何か硬いものがくっ付いているようです

「ティースタン ヘルメットの内側に何かついてないか?って」
アキレスが確認に来ます

>>267
書類は確かに車両保険のものであった ただしキリル文字であるが

「・・・・・大丈夫なん?」
念のため確認を取りますが 致し方なくそれらを受け取り

「そーれっ!!」
ジャッキを投げつけ窓をぶち破り 発炎筒をコスって煙を出し コレも窓の外のポイ

「コレで大丈夫・・・だよね?」
あとはヘルメットの中身に期待である
269 :タェンティース・イムエト【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/09(火) 22:51:15.43 ID:Rm03vbG60
>>267
「……ですから、尚更早く出たいんですよここを……」

ただでさえ供給を消費が上回る今、残る時間は先程の通り少ない
その残る時間を抗う為に使うの事は決して他者に縛られるモノではない
しかしそもそも抗う手立てすら制限されるここではどうしようもないのだ

「え? メットの……?」

件のヘルメット、すぽりと被った直後の出来事である

>>268
「男性物ですかね……?」
「……痛っ」

前後を逆に被っていた事に気が付き、被ったまま半回転させる
すると矢張りというべきか異物が頭頂部に当たった

>>267-268
「何か……どれどれ?」

メットを脱いで中を覗き込んでみる
270 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2014/12/09(火) 22:52:12.66 ID:7+ZmNgqcO
>>268
「大丈夫じゃないから人が来るのよ。
 ここで夜を明かすよりは留置場のほうがマシじゃない?
 ……ただ、この文字見る限り、ここの方がマシだったかも」

東側は面倒なんだよなぁ、という経験談。
一応、手持ちの賄賂でなんとかなればいいけれども。

>>269
さて、どうかしらん?
待機ちゅー
271 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/09(火) 22:52:30.76 ID:q49P2UbTo
>>255

「猥雑なサウンドでは話もままならないからな。こういった店は重宝する」

 クソッタレピンクについてはあえて聞かないフリをしてやる。
 なにやらスカルを使ってやっているようだが、まあ、データベースは厳重に封鎖してあるし
 機能を多少使わせてやるくらい問題あるまい。と、いった態度のイムカだ。

【所作からイムカはこの「黒の巣」の常連のようである】

「…私自身も意外な発見だったよ。私は思ったより感傷的だったようだ」

 他者をそこまで慮るような人間性が残っていたことにイムカは自身でも驚いていたようだ。
 同時にこれは帝国の密使としては決して良い傾向ではないという苦い自覚も含むものであったが。
 もしかしたらジョシュアを避けたのは彼への後ろめたさだけではなかったのかもしれない。

「そして、今でも私は間違っているとは思っていないよ。どうやら正しくもないようだがな」

 僅かに嘆息をつくと、少しの間、目を伏せた。
 イムカは少し変わったのかもしれない。具体的にどう…とはいえないが。

【イムカはロングアイランド・アイスティーをオーダーし口をつける。
 酒に弱いという自覚があるらしいジョシュアと比べて随分とハイペースであった】

 そうして、自在刀を返却しようとしたのだが固辞されてしまった。
 しかし、それはいいとしても彼の言い回しが少し気に入らない。イムカはやや睨むように彼を見ると、

「詫びだと?気に入らんな」

 そうだ。彼自身の戦働きを謝罪という言葉で断じられては相対したイムカが堪らない。

「貴様はイムカ・グリムナーの心臓に刃を突き立てたのだ。
 それを誉れに思われるならいい。が、心苦しさと共に吐露されては私に立つ瀬がない。
 ――誇ってくれ。謝罪なんて聞きたくはなかった」

 自分自身に対する自負。傲慢なまでの気位の高さが言わしめる言葉だ。
 戦場に生きる者としての価値観。時に異様にも映るかもしれないし、
 これこそが彼等が拗れた原因の一つかもしれない。

【イムカの無表情にもこの時には薄っすらとした怒りと誇りを傷つけられた悲しみが混在していた】
 【→擦れ違いが続いたのだ。この程度の拗れなど予測の範疇ではあったかもしれないが】

「…ん、まあ、貴様が要らないというなら貰っておく。己の心臓を貫いた刃。武器の箔としても申し分ないからな」

 愛着を湧かせる基準がやや妙ではあった。これも天然って奴だろうか。
 が、エグゾダスを失ったという話を聞くと、少し考えて、

「…君とその武器に真に縁があるならば、その刃は君の手に戻るだろうさ。そういうものだ」

 イムカなりの励ましか、ある種の信仰かよく分からない言葉を引き出すに到るのだった。
 実際、イムカも聖遺物保持者(レリック・ホルダー)ゆえ、そういった見方を持つのかもしれない。

【ルシアンをオーダーするとイムカはひょいと自在刀を人差し指と中指で挟み弄んだ】

「銀河帝国も境界線調査には熱心でね。このミスリル?だかはハイテックでは君の言うとおりどうにもならなかったよ。
 だから、ローテックならばどうかと勘が働いてな。ルーン刻印に秀でた職工だ。
 ファンタジー小説めいた世界から拉致した職工に見せたらやってくれた」

 もしかしたら、その職工が件のミスリルメイカーなのかもしれなかったが真相は定かではない。
 イムカ自身、そのことにはさして興味はなさそうであった。腕がよければ仔細問題なしということだろうか。

「ごらんのように剣も変わったが、君も随分と変わったな。初対面は、もうちょっと可愛げのあるぼーやだったが」
272 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/09(火) 23:09:38.07 ID:a4YM1dn50
>>269-270
ヘルメットの中を覗き込んでみると メモの通り鍵が貼り付けてありました

「さて バイクのキーはある 車のキーもある ということは・・・」
あとはドアか シャッターか

まずはドアに差し込んでみようとするが 形が合ってない ならばシャッターは

「あ 入った」
すんなり入り 軽く周り 力を加えて持ち上げれば

―――――ガラガラガラッ!!
とシャッターが開きました お外は軽く雪の積もった銀世界 遠くに見えるパトランプ

「さて お外に出れました もう直ぐ警察が着ます そしてここは恐らくロシアっぽい国・・・」

【逃げますか? 逃げませんか?】
273 :タェンティース・イムエト【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/09(火) 23:15:06.71 ID:Rm03vbG60
>>270
>>272
「あ……よかった、案外あっさり……」
「……脱出しましょう、少なくともわたしはそうします」

安堵の吐息
入り込む冷たい風にストールのように纏う漆黒の布がはためく
半人に残された時間は少ない
ここで捕まる訳には、絶対にいかないのだ
他のメンバーが警察に出頭保護を求めたとしても半人は逃走を選択するだろう

274 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2014/12/09(火) 23:16:40.27 ID:7+ZmNgqcO
>>272-273
その場にぺたんと座り込み。
えーんと鳴き真似。
こいつ自分の外見使って周りになすりつける気だ!!

まぁね。色黒で耳長いこと除けば、まだ10代前半でも余裕で通じるしね。

逃げる組は頑張ってね☆ミ
275 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/09(火) 23:23:17.29 ID:a4YM1dn50
>>273-274
「それじゃ俺とティースタンは逃げるから★」
泣きまねをするアメリアに精一杯中指をおったてて

「デモンレッグ!!」
足に蒼き霧を纏い その場を猛ダッシュで離れるのであった

//では〆ト言うことで
276 :タェンティース・イムエト【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/09(火) 23:27:33.05 ID:Rm03vbG60
>>274-275
「……では、ご無事で」

さくさくと雪を踏み締める感覚がイムエトを通じて伝わる
残り35時間と強、それまでに現状を打破せねばならないのだ、焦燥
少し歩いた所で振り返り、ふたりに向けて恭しくしかし嫌味っぽさは与えぬ所作で一礼
青いそらの下、何処へともなく半人は消えて行った

//お疲れ様でした、ありがとうでしたーノシ
277 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/10(水) 22:55:16.10 ID:GpgjPZJr0
>>271
「送受信完了…っと」

どうやら相手へ送っていたのは何らかのドロップリクエストであったらしい。スカルの回線を通して暗号化されたデータがジョシュアの端末へと境界を越え送信される。
受信が終わればスカルとの接続を切り、ご苦労様と少しへこんだスカルを撫でる手のひら返しよう
机の上でパチパチと蒼いスパークを立てる硬化ホログラフィック・ドキュメントを手に取り完全に物質化されるのを待つ。

「おっと、すみません…インペリアル・スタイルには不慣れなもんで……気を悪くしないでください」

この辺りの意識のズレは未だに修正不可能なものである。それもまぁ生まれの風習が違えばのものである為、無理に矯正する必要など無いのであろうが
「ただ貴女にそれを渡す理由をこじつけたかっただけですよ」などと冗談交じりに謝罪する。
IASCの看板商品が帝国軍将官バスターともあれば大株主のカノッサはさぞ大喜びでしょうと一言付け加えて。
イムカの言葉を胸に秘め、途方もなく広い世界の何処かに流れ着いてしまった相棒と なるべく早く再会を果たせる事を想い、願う。

「ルーン?…あぁ、そうか…そういう事か…」
「この物質はエリュシオン由来のものらしいんです、つまり…魔術の発達した世界には"ミスリルメイカー"を初めとする特殊な金属加工技術があるのかもしれません」

頬杖をついたまま独り結末に行き着いたようだ、暫くもごもごと口の中で何かを呟いたのち、イムカへ予測の結論だけを伝えた。
ジョシュアも加工法さえ予測がついてしまえば後は興味なしといった態度。
しかし心の中では遺された"隊長"の遺品がこうも揃ってエリュシオン由来であるという事実に首を傾げていた。
そしてまた"ミスリルメイカー"という特異点たる存在の重要性をジョシュア達がこの時知る由などなかったのだ。

「……あの頃は物を知りませんでしたから」

ただ無知で、希望と活気を胸に抱いていたウブな少年卒業期。ニアや澪なども"ちゃん"付けで呼んでいたものだ
現在ではIASCの立派なジャックナイフに成長。纏う雰囲気も もはや新兵時代のそれではない。
幾多もの死と悲しみ、地獄を見てきた目だ。まるで今にもこちらに飛びかかり喉笛を噛み砕かんとする野犬のような目付き
そして少年のような幼さと純粋さを一切存在させぬ、世界の汚れと醜さを知ってしまった兵士の顔付き。
その精神は闇と光の狭間、何方に転んでもおかしくないといった状況の最中、ゆらりゆらりとおぼつかなく振れていた。

「さて、コミッサー…少しお耳に入れたい事がありまして…」

寂しそうな微笑みはやがてなりを潜め、続けて浮かべるのはおどけた調子の表情,、そんなジョシュアの瞳はサファイアブルーに輝く
悪戯っぽくにこりと微笑んでダウンロードしたての書類をチラつかせ、机の上を滑らせるように差し出した。
"S.F.C.P. Level7 Classfied "
"次世代型ソルダート・フトゥーロ(ver3.0)デモンストレーションについて"
【ドキュメントを開けばそこには何やら機密の匂いをプンプン漂わせるタイトルが…】
278 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/10(水) 23:17:40.65 ID:s67AN1ePo
>>227

≪0001010111≫

 改めて強調することになるが、このサーボスカルのプログラムは狂気に陥っている。
 陥っているがデータ実行は存外キチンと行えるらしいのでご安心を。

「………」(また、だな)

 しかして、話を続けていくと、何だかイムカの機嫌がどんどん悪くなっている様子。
 何かが酷く気に入らないのだろう。とにかく、機嫌が悪くなっている。
 が、表面上はいつもの仏頂面なのでジョシュアは気付かないかもしれない。

【どうやらジョシュアの言葉から伝わる何かが先程からイムカを不機嫌にしている原因らしい】

「エリュシオンか。まあ、ハイテックだけではどうにもならぬ物質があるのは事実なのだろうよ。
 我が帝国もあまねく人材とテクノロジーを欲している。所謂、ロストテクノロジーの一種なのだろうな」

 イムカ自身はエリュシオンに関する知識はそれほどは無い。
 終焉の遠未来とはまた方向性の全く異なるテクノロジーを有してらしいというくらいだ。

「こういうのを俗っぽく…安直ではあるが科学サイドと魔術サイドとでも呼べばいいのかな」

 率直かつ安直な区分けを定義するイムカ。
 本人のセンスとしてはこういうのは凝っても仕方が無いし大雑把で丁度いいのだとか。
 難しいアレコレを考えるのは軍人ではなく学者の仕事だとも。

【→そうしてスカルを使って何やらしていたモノを提示したようだが】

「…あきれたモノだな。部外者に過ぎない私に見せるものでもないだろう」

 が、好奇心はやはり刺激されるもので見てしまったものは仕方ない。目を通してしまうのは性である。

「ソルダート・フトゥーロ…君の世界の強化装甲だったか?」

【このシステムについて先ずは目を通してみる。方向性の異なるテクノロジーに触れるのは密使たるイムカの責務でもある】
279 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/10(水) 23:43:05.09 ID:GpgjPZJr0
>>278
「…ま、そんな訳で俺の近況は…」
「……あー、あの、コミッサー…どうしてそんなに冷たい目をしてるんです…?」

仮面で本心を覆い隠しながらも饒舌となっていたジョシュアであったが、ふとイムカの表情の変化に気付き、そこでジョシュアは言葉を止めた。
端から見ればそれは平生の仏頂面。普通ならばそれから差異を読み取ることは難しいだろう。
しかしそこはコミッサーコミッサーと尻尾を振っていつも付き従っていたジョシュアの本領発揮
ほんの少し表情の差異からもそれなりに何か言いたげな眼差しは感じ取れるようであった。

「いえ…正確には体液中に投与されるナノマシン群を指します。現行のバージョンは2.2。生命維持機能の向上とリフラクターの劣化コピーを追加したモデルです」
「それとの併用を想定した兵士の育成計画、及び火器や装甲の開発計画の総称がSFCP…"未来兵士(ソルダート・フトゥーロ)計画"です」

"ソルダート・フトゥーロ"について簡潔に述べればイムカの元へと手を伸ばしドキュメントのページを数枚捲って指を指す。
表紙にも記述してあった「デモンストレーション」という文字、そしてデモの内容が克明に記されている。
3.0にとって初の臨床試験、被験体はまさに目の前の男 ジョシュアだ。

「ここ、デモンストレーションって書いてあるでしょう?」
「カノッサのメガ・コーポから高官を一人招いて次世代型ソルダート・フトゥーロのデモンストレーションを行うんです」
「ですが…もしカノッサの高官が道中で"運悪く"ゴロツキに襲われ、"運悪く"身ぐるみ剥がされてしまったとしたら…」

そこまで言えば言葉は要らないとばかりに肩頬を釣り上げるジョシュア。まったくもってクーデターも良いところだ
軍人失格であるのは言うまでもないが、元々カノッサの方針に賛同して付き従っている訳では無いので気にすべき所ではないと本人は考えている御様子。
飽くまでも株式という名のカネで繋がれた存在、忠義心など所詮それまでという事だろう。
実際IASCも大株主様のご機嫌取りの為だけにこれを企画している程だ。

「…ふふ、俺もカノッサのやり方はあんまり好きじゃあないんですよ。これなら相互に利益が出るんじゃないでしょうか…?」
280 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/11(木) 00:02:36.41 ID:Qzd40X3Ko
>>279

「………」

 不機嫌な事に気付かれてもイムカはこの場では特に何か言わない。
 というより、不機嫌である事を否定していないのである意味わかりやすくもある。
 が、肝心の原因に無自覚なジョシュアにまたも不機嫌になるという悪循環。

【イムカの不機嫌はしばらく直りそうに無い】
【→ともあれ、今は話題がソルダート・フトゥーロに移った】

「ナノマシンか。私にしてみればそれもロストテクノロジーの範疇だな」

 イムカの世界は超が付くほどの遠未来の世界ではあるが、
 そのテクノロジーレベルは必ずしも全てが最盛期を迎えているとは言い難いのが実情である。
 終焉の遠未来は、不和の時代∞背教の時代∞衰退の時代≠ニいう、
 幾つもの不幸な時代を経ており、その度に人類は多くのテクノロジーを遺失・減衰させている。
 時代が続くことは必ずしも継続的な進歩を約束するものではなかった。

「…なるほどな。カノッサは支部毎に千差万別な在り様であるのは見てきたが、
 少なくとも君のところのは君が忠節を尽くすには値しないと判断したというわけか」

 言いながらもまたイムカの機嫌が一段階悪くなったような…先程から何かが原因になっているらしい。
 別にジョシュアの悪巧みに関して思うところがあるわけはないようであるが。

「相互だと?そういうのは早々に判断できるものではないな。ああ、私にはメリットはあるさ。確かにな。
 が、そもそも君自身の理由はともかく、目的は何だ?カノッサへの意趣返し、気分晴らしできれば満足。
 というには、リスクが随分と高いように思えるな」
281 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/11(木) 00:28:42.04 ID:vK8RG9jk0
>>280
「……」

益々不機嫌になってしまったイムカと原因を全く自覚出来ていないジョシュア。
むむむと首を傾げるジョシュアを尻目に話題はソルダート・フトゥーロ計画へと推移してゆくのであった。

「携帯可能なナノマシンなのでソルジャーはこれを注射器に入れて持ち運ぶんですよ」
「適合さえ出来ればコミッサーだって使えますよ?定期的に摂取しなければナノマシン欠乏症に陥りますが…」

ナノマシンが銀河帝国から失われていたというのは予想外であった。向こうは此方の技術の遥か上を進んでいるかに思えたものだが
高翌嶺の華であるかのように思えた終焉の遠未来ではせんらんや文明の崩壊によって喪われた技術も少なくはないらしい
つまりは帝国も無敵ではないという事だ。ナノマシン技術の開示は銀河帝国にとって大いなるアドヴァンテージとなるだろう。

「そういう所です。実際運営資金の半数以上がカノッサ経由なので…IASCも逆らえないというのが実みたいなものです」

別に忠を尽くすべき相手でも無ければ、方針や思想に賛同し同調している訳でもないドライな関係。
実質こちらを言いなりにするための最強のカードを向こうが持っているというだけの話だ。
しかし相手は違えど情報を漏洩させるリスクに依然として変わりはない。それなのに何故ジョシュアはカノッサではなくイムカを選んだのか

「…それは……その…なんと言いますか…」
「…………俺が、他でもないこの俺が…貴女を慕っているからですよ」

それは単純な理由だ。ジョシュアがイムカの事を好いているから、ただそれだけである。かつてイムカが口にしたそれは確かに勘違いではない
それこそ上官としてか、仲間(クルー)としてか、友達としてか、女性としてか、それはジョシュアの口から語られることは無かったが。
ソルダート・フトゥーロ計画をカノッサに露呈させたくないという感情よりもやはりこの行動の根底にあるのはイムカとの"仲直り"の儀式的な意味合いが強い
それだけ言えばジョシュアは立ち上がり、飲みかけのミント・ジュレップを机に残したまま席を立つのであった。
282 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/11(木) 00:59:49.81 ID:Qzd40X3Ko
>>281

「なるほど。強制的な士気高揚を促すメディパックと本質は変わらないな」

 個々人の戦闘性能を強化するためのツール。という意味でイムカは語った。
 もちろん、薬物が兵士に促す効能についてイムカは否定する気はない。
 素面で死地に走らせるのとどちらが酷か…という不毛な思考ゲームになるだけだ。時間の無駄である。

「ならば、私にはナノマシンは無理だな…私は注射が嫌いなんだ」

 冗談口なのか本気なのか。声音も表情が全く変わらないので判別は極めて困難。
 イムカも時折よく分からないジョークを口にする事があるのでますますアレである。

【言いながらもやっぱり終始何処か不機嫌な様子のイムカであった】
 【→そして、ジョシュアの理由についての言及は始まると――】

「…語呂に乏しい私がどれだけ言葉を言えるか分からないが」

 やっぱり無表情のままに、金糸の髪を指で一度絡めると、

「愚か者、ばか者、色情魔、たわけ者、食わせ者、軟弱者――」

 突然にジョシュアに対して全く声音も表情も変えずに色々といい始めた。
 これは怒っているのか、義務感めいた何なのか、とにかく考え付く限りの罵声?なのか。

「こんな大それた事の理由が私的感情の産物で、しかも私に絡んだ感情論とは嘆かわしいにも程がある。曹長待て」

 そのとき、去ろうとしていたジョシュアは何が起こったか正確に把握できただろうか。
 席を立ったジョシュアを呼び止めて、そして、イムカはそのまま後ろから抱きついた。彼を覆うように、包むように。

「…決してセンチになったわけではない。ただ、な」

 酒場の人間達は見てみぬ振りである。高級娼婦もかよう酒場なのだ。こういうのは珍しくないのだろう。
 イムカは常の無表情。しかし、らしくないことをしている自覚のためか、少し顔が赤い。

「久しぶりに会った。面と向かえて話が出来た。嬉しかったよ。
 だが、君は何なのだ?人間を辞めると恥も外聞も?IASCの看板商品?そういうのはやめろ。
 …見ている方がいたたまれなくなる。愚かな動機で愚かなことをするならば…君には人間性が残っている。人間だ」

 イムカが終始不機嫌になったのはそこだ。思わず傘に導いてしまったのもそこだ。
 変わってしまった。ジョシュアだけではない。イムカも会わないうちにより変わってしまっていた。

「慣れない事をしている。不全だ。私は弱い。弱くなった。貴様らのせいだぞ。どうしてくれる」

 言っている事に連続性が無い。はっきりと断言できる。イムカは今、自分で自分を持て余している。
 完全に制御できているはずの感情が乱れに乱れている。居た堪れなさに。

【ジョシュアが振り向けば、怒っているような、泣いているような、左右非対称の表情がそこにはあるだろう】
283 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/11(木) 01:39:43.18 ID:vK8RG9jk0
>>282
「…え、あの……、…っ…」

突然の罵倒。無表情にして平生通りの無機質無抑揚の声であったがその勢いにジョシュアは圧倒され
終始何も言えないまま罵倒されるごとに肩を落として目を伏せる。それも立ち竦んだまま。
すみませんと一言。またカラ回りかぁと尚更肩を落とし会計へ足を進めようとしたその刹那

「…っ……」

どん、と予測不能の衝撃にほんの少しだけよろめくジョシュア。その身体に細い腕がするりと回され、ふわりとジョシュアは抱き止められた。
予想外中の予想外だ。もしも今ジョシュアの前に鏡があったのならば、彼は自分の目がこれでもかと見開かれるのを嫌でも自覚させられただろう。

「……コミ…ッサー…?」

刹那訪れる静寂、しかし次の一瞬には既に元通り。二人は今この世界にとって"ありふれた光景"の中にある。
抱き締められたままのジョシュアはイムカが話し終わってようやく我に帰ったようで
ゆっくりと自分を抱き締めるイムカの腕にそっと手を添え、優しくその温もりを感じようと数度撫でる。
スーツ越しのその腕はあまり暖かいものではなかった。

「俺は……俺はもう…人間じゃありません」
「俺の中には訳の分からないものが住み着いてて…俺を化け物に作り変えていってる…」
「でも」
「でもこうして仲間が…アキレスが、ニアが、みんなが」
「そして貴女が側に居てくれる限り…俺は、その時だけは…人間で居られるんです」

無言のまま振り返ればなんだか不自然な彼女の表情。少しだけ申し訳なさそうな顔をしてジョシュアはイムカを抱き寄せる。今度は自分から。
色の抜けかけたプラチナブロンドの髪を触られると少しだけ擽ったそうに、イムカを宥めるようにして優しい口調で語りかけ始めた。
自らをわざわざ"商品"であるとか、"化け物"であると形容しているのは一種の恐れでありいわば忌避なのだ。
自分が人間でない事を忘れ、人間と関わり傷つくのを恐れている。言うなれば傷付かない為の予防線、痛みに慣れる為の自傷行為だ。
しかしその行為はジョシュアではなく他ならぬイムカをも傷つけていたのだ。それに初めて、今やっと初めてジョシュアは気が付いた。
しかし謝罪の言葉よりも、贖いの言葉よりも先に口をついて出たのは感謝の言葉。

「…そして俺は……俺が人間に戻れるチャンスをもう一度与えてくれた…そんな貴女達が本当に大好きです」
「本当に…ありがとうございました。コミッサー…いえ……ありがとう、イムカ…」

ふと浮かんだ"あの時"の光景、グリードに侵食され薄れ霞む視界の中で、必死にイムカへと手を伸ばしたこと。
イムカから見ればそれは仲間に似た人ならざるナニカが悲壮な表情を浮かべながら手を伸ばしてくるという正に残酷極まりない光景
ジョシュアは死ぬ事を望んでいた。頼む、殺してくれ、楽にしてくれと。しかし彼らはそうはしなかった。ジョシュアにもう一度生きるチャンスを与えてくれた。
何度絶望の淵に追いやられようとジョシュアはその事を二度と忘れることは無かった。それだけを糧として生き抜いてきた。
そしてその行為に対する無量の感謝を今、はじめてイムカへと告げる事が叶ったのだ。
きっと怒られるんだろうな、なんて思いながらもぽんぽんとイムカの頭を優しく叩くことを止めるような事はしない。するはずが無かった。
284 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/11(木) 02:04:07.83 ID:Qzd40X3Ko
>>283

「問題は無い。ああ、仔細問題なしだ。心臓が2つ。肺は4つ。肋骨は隙間が埋まって貝殻状。
 戦争のためだけの移植器官も複数だ。それでも人間と言い張る女がいるのだ。怖がる必要など無い」

 イムカは何度も見てきた。常人より超人となる代償として人間性を失った者達を。
 戦場に適合していくうちに他者を駒か数字としか見れなくなった将校を。
 当のイムカですら例外ではなく人間性の多くを損失しながら今なお足掻いている。

【だからこそ、自らを卑下し、貶めようとするようなジョシュアの言にイムカは憤りを感じ、そして見ていられなかった】

「馬鹿者、馬鹿者。歯に浮くような言葉ばかり並べるな。私も女だ」

 正面から抱き寄せられ、イムカは顔を隠して、表情も隠してしまった。
 今、イムカはおそらくは鉄面皮とは全く違う表情になっているのだろうが、
 余人にそれを見せるのははばかられる…といったところだろうか。何しろ、気位が高いのであるから。

「やめろといっている。私には大佐権限があるからして、曹長が頭を気安く叩くな。ジョシュア、これは越権行為だ」

 しばらくは、そのような極めて虚勢めいた言葉を口にするしかなかったイムカであったが、
 やがて、身体を離すと、いつもの仏頂面で顔を背けて、

「…恥ずべき失態だ。作戦の詳細はまた報告しろ」

 と、常よりやや声量の小さい声で告げるのであった。
285 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/11(木) 02:41:36.46 ID:vK8RG9jk0
>>284
「へへへ…俺も幸せ者ですよ…上官からこんなに…あ、ちょっ…」
イムカの激励を受けにやけ顏。対して顔を押さえて表情すら覆い隠してしまったイムカをよしよしと宥める。
いくらプライベートとはいえそこには軍隊らしいものは一切存在せず、端から見ればこの2人もまた まるで上官と部下には見えない。
そんな怖いもの知らずの未来兵士ですら 政治将校の権力を振りかざされればひぃぃと頭を下げる他はなかった。

まったく今日は有意義な時間であったとジョシュアは心の底から想う。こんなに楽しく、かつ嬉しくあった日は人生を振り返ってもそう幾度と無い。
今目の前で恥じらっているこの赤ら顔の上官に一泡吹かせてやったことに満足感を覚えつつ店を後にし
そして何処か泊まる為のホテルを探しつつ夜の街を談笑と共に徘徊するのであった。

【翌日、戦艦ワールシュタット 実験ラボにて…】

さて時は変わってワールシュタット。久しぶりに着るコンバットスーツを身に纏い装甲板で四面を覆われた殺風景な部屋に脚を踏み入れるジョシュア。
そして続くのはカノッサからの特使が"運悪く"紛失してしまった黒の軍服を着たイムカだ。
お互い身分証を提示しゲートを潜れば強化ガラスによって構成された自動ドアがラボと外の空間を遮断し
そしてこの空間には二台の監視カメラと、3人の研究員、そしてジョシュアとイムカを除き誰も存在しない状態となる。
4名の随伴歩兵はラボのドアの外で自動小銃を担ぎながらドーナツをむしゃむしゃ頬張っていた。

「……そんな訳で此方がカノッサ・コーポから視察にいらっしゃった"ムカイ少佐"だ。くれぐれも丁重に扱うよーに」
「では少佐、此方へ」

やる気のなさそうに形式だけの挨拶を済ませればジョシュアはイムカを監視室へとエスコート。
監視室はリフト可動式では一階、二階と高さが選べる。全面を防弾ガラスで囲まれており多少の攻撃では傷一つ入らない、まさに安全な場所だ。
側面にはドアが備え付けられており、緊急時はそこを開けることにより即座に監視室からラボへと飛び出す事も出来る。

「あそこです、あの台に括り付けられて…次世代型のソルダート・フトゥーロを右腕に点滴注射します」
「……まるでモルモットだ。なぁに、直ぐに終わらせますよ」

監視室のデスクまで歩み寄り、椅子の背もたれを抑えながらラボを見据えるジョシュア。
やはりこの場所に戻ればジョシュアの扱いは"人間"ではなく"備品"なのだ。
利用される為だけに生き、価値を生み出させる為だけに生かされる。憐れな兵士、兵器である。
286 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/11(木) 02:57:17.59 ID:Qzd40X3Ko
>>285

 ちなみにイムカはこの日、大層機嫌が悪いというか何か恥じているような風であり、
 結局、さっさとコンテナハウスに帰って一週間は眠らなくても良い脳を持っているにも関わらず、
 シャワーを浴びてさっさと寝てしまったとか何とか。

 −−−−−−−−−−−

【翌日、戦艦ワールシュタット 実験ラボにて…】

 人間を備品のように扱う。その一点についてはイムカは彼等を責める意志も資格も無い。
 任務であればそう出来てしまうことはイムカも変わりはないのだから。

「モルモットか。ああ、くれぐれも期待に応えてくれる成果を示してもらいたいものだな。私達の今後のためにも」

 如何にも傲慢なるカノッサの特使といった風情の言葉であるが、
 この言葉がある種の隠喩であることは、現在の真なる状況を知る者には察せられるだろう。

「…さて、大層な試みだが、見せてみろ。貴様の可能性を」

//そろそろ睡魔がドドンなので自分はコレニテーノシ
287 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/12(金) 21:05:53.95 ID:qMfypsDf0
>>286
「じゃあ行ってきますね。どうぞ そこで俺の勇姿でも見ててくださいよ」

ジョシュアは監視室を操作する為のコンソールをコツコツと指先で叩きながら少しだけ得意げにそう言ってみせた。
ここでまた『看板商品』という自虐を用いそうになるものの踏みとどまり、心の中で俺は人間だと一喝。
やがてにこりと微笑んで踵を返し、ジョシュアは監視室を後にした。
それと入れ替わるようにして入ってきたのは白衣の男。おそらく先程の研究員のうちの一人だろう。白髪の老人だ。
イムカに資料を差し出し、受け取れば眉間に皺を寄せてなにやらもごもごと髭の内で呟きイムカへと説明を始める。
「こんなに若かったかな…」と聞こえる気もするがそれは恐らくイムカの幻聴であろう。幻聴であるはずだ。

『えー、今回のデモンストレーションにつきましては、お手元の資料を参照のこと…』

手元の資料には「シールド容量は約40%向上」などと様々な変更点や改善点などが細々と記されているが、
特筆されているのは自己治癒能力と異物除去効果、免疫機能が大幅に強化されることだ
ソルダート・フトゥーロを使用している兵士の寿命が極端に短いとされているのには理由がある。
それは体内の免疫機能を全てナノマシンが媒介し、代替することに起因する
その際ソルダート・フトゥーロは自身を異物として排除しようとする免疫全て駆逐しあたかもそこが元から自分の居場所であったかのように居座るのだ。

こうして不随意神経や独立した細胞の働きは全てナノマシンによって完全かつ完璧に制御される。
傷付いた肉体は直ちにナノマシンによって細胞単位で縫い合わされ、常に無菌状態に保たれる肉体は炎症を起こすことはない。
老廃物も全て無毒に分解され、それには本来存在すべき分泌物も含まれているために体臭というものは存在しない。

全て破傷風などや軍用犬による探知を防ぐ為であるが、それらがやがて招くのは免疫機能、排泄機能、生殖機能の退化、そして完全消失である。
そのような肉体を持つ未来兵士達がほんの数分であろうと"管理者"たるナノマシンを失ってしまえばどうなるかは自明である。
幸いジョシュアはベルゼブブという大罪をナノマシンの代わりに体内に共生させている為、ナノマシンの副作用による完全消失には至っていないのだが。

『進行としてはソルダート・フトゥーロを注射後、適応が確認され次第SFCPに基づいて開発された次世代型兵装のデモンストレーションへ移行します』

説明を終えれば研究員の男は監視室を後にし、他の研究員達の元へと合流しジョシュアと共に試験の支度を始めた。
まずはジョシュアから一時的にアーマーを外す。両手を挙げ掌を開くジェスチャーと共に上半身のアーマーが格納され、ラバーの素体が露わになる。
ラバースーツのエアーロックを外してジッパーを下げ上半身を露わにすれば今度は分厚い枷のようなものでジョシュアの四肢を台に繋ぎ始めた。
手首、足首、そして首と胴体の6つだ。手枷には小さい穴がひとつだけ開いている。恐らくここからナノマシンを注射するのであろう。
準備が終われば研究員達はジョシュアから離れ手元のスイッチを操作、それと共に証明がダウンし赤色灯へと数秒間切り替わる 。
防弾のガラス戸を覆うようにして防火シャッターが降り、ラボ全域に長いブザーが鳴り響いた。実験(エクスペリメント)の幕開けだ。
288 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/12(金) 22:22:25.54 ID:+NCzuubHO
「あ〜〜〜」
「は〜ら〜が〜へったなぁ〜〜〜」

スプロール、重金属の雨の滴る夜の頃
窓から覗く景色はネオンのライトがボヤけて眩しい
ビルの一角を改造したのであろう止まり木同盟の部屋のカーペットの上、アラズは転がっていた
無論そんな事をしても腹が満たされる訳でもないしむしろ逆なのだが、暇と何と無くの解放感も手伝いこのような奇行に到ったのだ

289 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/12(金) 22:32:35.21 ID:r18fdGcHo
>>287

(それにしてもムカイ少佐とは…まるでファルスだな)

 名前の類似性というか、なんかに密かに嘆息をつきつつ白髪の老人より資料を受け取りながら目を通す。
 若かったかな?が、誰を指しているのかは知らないがイムカは自身ではなかろうと思う。
 何せ、年齢で言うならシルバーシート最有力どころが、とうに棺桶がお似合いなはずであるからして。

(ナノマシンによる所謂やりすぎ…問題提起は当然だったな。さしずめ依存症。
 いや、生殺与奪の主導権が握られるに等しい分、より深刻といっていいだろう)

 高度で繊細なシステムはそれゆえに脆い。複雑化したそれは長期に維持・運用しきれない。
 ゲリラ戦。あるいは限定的投入ならばいいが、徹底的な破壊と消耗を本質とする総力戦が舞台となったとき、
 このテクノロジーはこの形態のままでは到底使い物にならないとイムカは断じた。

【銀河規模の総力戦を展開している世界で戦ってきたがゆえの見解でもある】

「エネルギーパックの高効率化。そのブレイクスルーに成功した理由は――」

 しばらくは研究員と会話を交わしながら、実験の時を待つ。
 さて、うまくやれるだろうか。
290 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/12(金) 22:58:09.94 ID:KoDKk3+9O
>>288

【汚染された雨の降りしきる街並みの中、ネオンの灯りが煌々と輝く窓の外の景色】
【と、階下の人波が発する喧騒とは別の、硬質な殴打音が窓の外から聞こえてくる】

〜〜〜〜〜〜!!

【聞こえて来る音に気がつき窓へと目を向けたならハスの葉の様な物を傘にしつつ】
【もう一本の手で必死に窓を叩いてアピールしている妖精の姿が目に留まるだろう】
291 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/12(金) 23:03:47.91 ID:+NCzuubHO
>>290
「っ!?」
「……あ、あぁっ?」

なんだってんだよ、とさもかったるそうに起き上がるアラズ
先程までの痴態を見られていたのではないかと穏やかではない内心を隠しているのは明らかである

「……うるせぇよ、近所迷惑だってんだ」

ロックレバーを上げて解除、自動的にそのまま窓は開きリンクして雨除けの日差しが競出る
奇怪な行動を思い起こして気恥ずかしさが浮き出ているのか、ニアと丸で同じその顔はやや赤みを帯びている
292 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/12(金) 23:12:45.41 ID:KoDKk3+9O
>>291

〜〜〜っ! 〜〜〜〜〜っ!!

【かったるそうな様子で此方へと近づいてくるアラズの姿により一層激しく窓を叩く】
【その様子は普段から騒がしい妖精をして三割り増しで必死そうであった】


〜〜〜けてくだしゃぁぁぁっ!?

【ロックの解除に連動して自動で開いた窓に対応できず、勢い余って室内へと転がり込む様に墜落する】
【頭から床めがけて落下したその姿はズベッ、とでも擬音をつけるのが適当そうである】
293 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/12(金) 23:17:29.17 ID:qMfypsDf0
>>289
拘束台の上にジョシュアが繋がれれば、それは徐々に俯角を付け、最終的にはほぼ垂直になるまでに
拘束されつつもほぼ普段と同じ姿勢となったジョシュアの右の手枷には 銀色の粒子に満たされた点滴のようなパックから伸びた細いチューブがしっかりと繋がれる。
銀色の粒子こそがナノマシン、ソルダート・フトゥーロ。妖しげな蒼銀色の燐光を煌めかせつつゆらゆらと揺れるみなも。

『グリードとナノマシンの融合という技術的革新によってもたらされる恩恵は計り知れません。今回の実験では…』

熱弁する科学者を他所にジョシュアの左方のフロアの一部、1平方メートル四方ほどの面積が隆起し始める。
それはどうやらアーモリーであるらしく、隆起したフロアの側面には多数の武器が格納されていた。
ライフルにブレード。どれもこれもジョシュアが使用していたものよりも数段先進的に進化を遂げたものだ。
バッテリーの小型化に伴うエルゴノミクスの採用により、さらに奇異なフォルムと化した武器の数々である。

『えー、17時10分 エクスペリメンタル・フェーズ1、"ソルダート・フトゥーロの注入"を開始します』

形式ばった読みあげと共にジョシュアの右腕に繋がれた点滴装置が作動。蒼い軌跡と共に銀色の粒子達が枷へと吸い込まれる。
注入が進むごとにどくんどくんと脈動する生命の光。ベルゼブブによる緑色の光ではなく、それは蒼色だ。
注入は迅速に行われ、30秒ほどで約500mlのナノマシンは完全にジョシュアの体内へと染み渡った。

『注入完了、インストールを開始します』

続いてインストール。といってもナノマシンにジョシュアの体内での命令、行動プロトコルを送信するだけだ。
一度刷り込みを行えばあとはナノマシン自身が学習し、完璧な自立化と最適化が行われる。
この作業も同じく20秒ほどで完遂させられる。フェーズ1は周到な用意の割には妙にアッサリとした終焉を迎えた。

『インストール正常に終了、どうです?気分は』
「悪くない…2.0よりもずっと高出力で…それに身体に馴染む…これを外してくれ」

インストール終了後の気分を問う研究員に対し新たな力を得たジョシュアは早く動かさせてくれと意気揚々。
研究員はそれに従いシークエンスをフェーズ2、"次世代兵装のデモンストレーション"へと移行するべくコンソールをいじり始めた。
依然明るげな表情で研究員に語り掛けるジョシュアであったが、ふと不意にその顔を歪めた。
ジョシュアの拘束を解除しようとしていた研究員の表情もそれに従って曇る。コンソールを操作する指が止まった。

「……?…っ………ふむ…?」

ちくりとした不快な痛み。右腕からだ。ジョシュアは拘束された腕で肩を回してみたり、首を傾げてみたり。
ずきんずきんと脈動する痛みに合わせてジョシュアの右腕が赤く光りを発していたものの、光の消失と共にやがて痛みは直ぐに収まった。
294 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/12(金) 23:24:45.00 ID:9NWqLzIf0
>>292
「うわぁつめてっ!?」
「……ったく、なんだってんだよ急に……」

飛び込む勢いで飛散する水滴が掛かり声を上げた
レバーを再度操作すれば窓は閉まり、室内と外は強化ガラス1枚を挟んで遮断される

「おい、お前っ……あー、あぁ、ミニオン?」
「さっさとシャワー浴びて拭いて来い、部屋が汚れるってんだ」

クローン元であるニアの記憶から引っ張り出した名前を呼び、浴室方面を指差す
重金属の毒雨を、もしか少しでも浴びていたらそれがカーペットを汚すのを心配している風体
最も内面でどうかは定かではないが
295 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/12(金) 23:28:45.71 ID:r18fdGcHo
>>293

(………)

 イムカにももちろんその様子は伝わっていた。
 が、先ずはイムカも尊大なるカノッサの特使として振舞わねばならない。
 尊大…どう演技すればよいかイマイチ不明瞭だったためいつも通りに振舞うことにした。

「今の現象は何かね?私はグリードの制御は万全であるとコチラの資料には記入されているが?」

 僅かな違和感であろうと、無遠慮に指摘。研究員達の自尊心に刃を向ける。わざとらしく資料を手で叩く。
 イムカは演技をしなくとも十分に尊大であった。

(妙な事故は御免被るぞ。曹長)

 そもグリードとの融合などという理論がリスクもたっぷり負っている代物であることも十分ありえる。
 今、イムカが心配しているのはミッションの失敗か。それとも曹長の身の上か。
 おそらくは問われとして、イムカは答えることは無いであろうが。
296 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/12(金) 23:44:32.80 ID:KoDKk3+9O
>>294

……ぅぅぅ……ひどい目にあったですよぅ……カサがなかったらあぶなかったですねぃ

【墜落した際にぶつけた顔を摩りながら起き上がる】
【手に持っていた葉っぱは少し離れた所に落ちているが】
【恐らくは汚染雨の影響によって雨の染みた部分がどす黒く変色してしまっている】

いや〜お陰で助かりましたですよぅニンゲンさん……? ……???

【と、自分に向かって話しかけてきた人影の顔をマジマジと凝視する妖精】
【その顔からは知り合いに出会ったことへの喜びなどは感じられず】
【どちらかと言えば戸惑いや困惑と言うべき感情が浮かんでいた】

えぇと……? はじめまして、です……よねぃ? 何でミニオンの名前を知ってるですかぁ?
ニアさんにソックリですけどぉ……あっ! もしかして、ソックリさんですっ?

【どうやらどうやってか、ニアとアラズが別人であると認識している様である】
【とはいえ容姿の近さから何らかの関係性のある間柄で有るだろうとは考えている様だ】
297 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/12(金) 23:52:31.68 ID:9NWqLzIf0
>>296
「……これ、捨てるぞ?」

カーペットに転がる、アラズに取っては汚れたゴミにしか見えないミニオン曰く傘に視線を向けて一言
ディープメイカーを発生させて摘み上げ、反対がなければゴミ箱へとシュートするはずだ

「ん……?」
「あ、あぁ、まぁ……姉妹っつーか、そんなとこだってんだ」
「なんで知ってるかは……えぇと、あいつに聞いたっつーか、なんっつーかぁ……」

果たして初見で別人だと見抜かれたのは珍しい
あんなの(ニア)と同一に思われるのはその都度嫌であったが、だがいつもと異なる反応があったらあったでややたじろぐのも事実
少しの間目を丸くして、しかし努めて落ち着いた様子でアッシュグレイの髪を掻き揚げて答えた
298 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/13(土) 00:00:12.40 ID:FXTwbIou0
>>295
「……いや、何でもない…続けろ…」

ほんの少しの違和感であった。それゆえにジョシュアはそれを重篤なものだと考えることはしなかった。
痛みがやがて治まれば少しだけ不可解な顔色を浮かべつつ試験の再開を申し出るのであった。
しかしそのように静かなラボ内とは対照的に、監視室の中は騒然としていた。
カノッサからの尊大かつ高慢な特使である政治将校はぱんぱんと書類を叩きつつ厳しく研究員を問い詰め
研究員はほんの少しだけ語気を荒げて反論するという押し問答。いたちごっこが続いていた。

『ば、馬鹿な…何かの間違いでしょう…モニターを』
『ご覧の通りグリードにも、ナノマシンにも異常は発生していません…
このタイプのナノマシンはグリードとの併用も考慮に入れて設計してあります…競合などあり得ないのです…!!』

やがてジョシュア本人からの再開申請により議論は中断された。不穏な空気を漂わせつつ再開されようとした実験であったが──

『こ、拘束…解除しm──』
「ぐゥ…あァァああああぁああああ゛ッッッ!!!??!?」
『ッ!?』

拘束装置のボタンへと手を伸ばしたその瞬間、びくんとジョシュアの身体が跳ね全身から汗が噴き出す。
ラボ内の全員の目が一瞬にしてそこを向いた。同じく監視カメラもジョシュアに釘付けになっている。
脂汗を浮かべながら絶叫を響かせるジョシュアの身体を血の色の様にドス黒く、そして赤黒い波動が数回走った。
その波動はイムカは前に見た。そう『兵士型グリード』のそれとまるで同じである。
そしてソルダート・フトゥーロをひとたび導入すれば自動冷却の恩恵により汗をかくことなどない。つまりそれの意味する所は──

機能していない。ソルダート・フトゥーロが"喰われている"。

『ば、馬鹿な…!何が…何が起こっている…!?』
『分かりません!グラフが反転して…ぐ、グリード、攻撃…態勢…』
『ふざけるなッ!!今の今まで一つのエラーも検出されなかったんだぞ!?』

狼狽える者、理不尽に怒り書類を床に叩きつける者。グリードとの共存に成功したという幾度もの実験結果を一瞬にして覆され茫然自失となる者。
反応のカタチは様々なれどともあれ一瞬にしてラボの内部は混乱の渦が出来上がる。
イムカの"悪い予感"は奇しくも実現されることとなってしまったのだ。
299 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/13(土) 00:11:02.69 ID:qUBidxBuo
>>298

「競合などありえない…そう願いたいものだな」

 再開申請の受理の直後にもしっかり嫌味の一つを入れるのも忘れない。
 これにてカノッサの特使に対しての悪感情が高まると共に、これが全くの別人であるとの疑いは減ると予測する。
 感情的な前提条件を設定してやり、その奥の真相を霧の中に隠すテクニックでもある。

「………」

 そして起こったのは見事なまでの暴走事故。
 グラフの反転。ナノマシンの侵食。グリードの活性化。
 先程の言が、そっくりそのまま実現してしまったという状況である。

「このタイプのナノマシンはグリードとの併用も考慮に入れて設計してあります…だったかな?
 そう聞いた覚えがあるが、このザマに対する見解をぜひ拝聴したいものだな」

 混乱の極みに陥った状況・情勢である!

【無表情を保っているイムカの心中を察せられる者などここには存在しないであろう】
300 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/13(土) 00:30:55.32 ID:FXTwbIou0
>>299
『じょ、上級曹長の血液中から採取したグリードとの共存には成功しているのです!証明の為に数百度にも及ぶ実験を…!』

完全に研究員達への信用を失ったイムカと、必死に弁明する研究員。そしてその声を遮るかのように階下から若い研究員が叫ぶ。

『分かったぞ…!免疫排除機能だ…!』
『一部のグリードはアーリントン上級曹長の身体と一体化していた…ナノマシンはそれを通常の免疫と同一とみなして攻撃したんだ…!』
『血液中からの採取で得られるナノマシンは…肉体と一体化していないから…だから…』

ナノマシンの攻撃によってグリードが怒り、体内のナノマシン全てを殲滅するべく攻撃態勢に入ったという訳だ。
グリードはジョシュアが自分を殺そうとしたとみなし、その報復のために身体の中で派手にドンパチを繰り広げているといった所だろう。
ジョシュアの皮膚はマグマのように輝き煮え滾る。まるであの時の、10万キロカロリーの生命エネルギーの集合体と化した"化け物"のように。

『アーリントン上級曹長の体表温度が…!?せ、摂氏1800℃を超えました…!室温は80℃を超えています!!』

『ば、爆発するぞ!!逃げろぉ!!』

放射熱により監視カメラは機能不全に陥り証明も真っ赤な非常灯に。チカチカと点滅するストロボが煩わしい。
終いにはジョシュアの変化に怯え逃げ出す始末。研究員達はあっさりとジョシュアを見捨てたのだ。
我先にとシャッターをこじ開け、最終的にはイムカとジョシュアを残し全ての目がそこから消え去った。
イムカの気持ちなどこの場の誰も知らないし、知っていたとしても誰もジョシュアを救おうとはしなかっただろう。
人間とは薄情な存在である。自利と安寧を求める存在である。
301 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/13(土) 00:42:20.21 ID:qUBidxBuo
>>300

「クズ共が。環境の違いによる差異すらも考慮できんのか」

 慌てふためく研究員達に罵声を浴びせるカノッサの特使。
 そうしている間にも、どいつもこいつも保身に奔り、さっさと逃げてしまった。
 どうやら、カノッサの特使を避難させるという外交的配慮すら欠けていると見える。

「…IASCとやらの管理体制、危機管理能力に疑問符を投げかけるには十分なシチュエーションだな。曹長。
 無能なのは研究員だけだと祈りたくなる有様…いや、我が帝国にも似たような連中はごまんといるか。嘆かわしいな」

 嘆息を付きながら密かに待機させていたサーボスカルの光学迷彩を解く。
 ナノマシン技術の繊細さと問題点を知れたのは良い教訓となった。ここには貴重なデータが放置されている。
 いらぬならばありがたく貰えるだけもらってしまおう。密使としての役割としては十分だった。

「さて、後は君次第というわけだが。曹長」
302 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/13(土) 01:03:10.03 ID:FXTwbIou0
>>301
あっという間に閑古鳥となってしまったラボ内にイムカの罵倒が木霊する。
IASCの管理体制は非常に危機的なものであることは間違いない。
兵士や整備員、司令官は歴戦の勇者であろうとここは戦艦。2万人の戦闘員に対し非戦闘員数は2000である。
そうなれば現在ワールシュタットが基地として停泊している2014年のアメリカ、ボストンから運営の為の人員を徴収しなくてはならないのだ。
それに従い研究員の9割は2014年の人間。圧倒的に先進技術に対するキャリアが足りないのは自明。

そしてイムカの問い掛けに答える余裕もなくただ叫び続けるジョシュア。枷は赤熱しジリジリと鉄の焼ける音が響く。
一際大きくなるジョシュアの絶叫と共にジョシュアの右腕は指先から徐々に赤熱を超えて青白く輝き始めた。

溢れる膨大なエネルギー。その熱量は凄まじく指先の表面温度は摂氏3000度を超え、
全力稼働していた冷却用のクーラーも故障。室温はさらに跳ね上がる。

「コミッ……サー…腕を……斬って…」
「俺の…腕を…切り落とし、て…くださ…ァいッ…!!」

やがて絞り出すようにして出した声は懇願。悲壮に満ちた顔は"あの時"のまま。
助けを求める弱々しい瞳でイムカを見つめ、手を伸ばそうと必死にもがく。

ジョシュアの視線の先にあるのはアーモリーに掛けられた ジョシュア用に調整されている新型の大型ブレードだった。
変化が起こっている唯一の部位である腕を切り落とせばこの反応の連鎖は防げるかもしれない。しかしイムカは刃物の扱いに長けない。
更に今ジョシュアの近くに寄る事は多大な危険を伴う。かといって射撃や投擲ではジョシュアの腕を切り落とすのには不十分であろう。
あるいはジョシュアを見捨てて逃げるという手もある。科学者たちの選んだ、最も安全な選択である。
303 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/13(土) 01:46:31.69 ID:qUBidxBuo
>>302

「撃ち抜ければ一番良かったのだろうがな」

 生憎、粒子短銃も墳弾短銃もここには持ち出せなかった。
 いくらカノッサの特使といえどボディチェックはされてしかるべきであり、
 不要な疑いの種となる武装を持ち込むのは厳に慎まれるべきであったが。

「スカル、収集を続けろ」
≪0101011110111≫

 サーボスカルにデータ・コーデックスの吸い出しを指示すると、
 イムカ自身は何らの躊躇いもなく、コンソールを操作し、隔壁を展開した。

【おぞましい程の熱風が強い風と共に監視室に流れ込む。当然だ】
【金糸の髪を揺らしながら、イムカは当然のように実験室へと足を踏み入れる】

 熱風、肌を焼く風。酸素濃度の極めて怪しいだろう。
 これは常人が生き延びられる環境ではない。

「………」

 イムカに移植された遺伝種子の器官。織り手と呼ばれる汗腺より、特殊な化学物質が分泌される。
 オイルのような高い粘性と気密性を持つ体液が皮膚を封印し、どうにか守っている。特に髪は守る。イムカの人間性だ。
 さらに、肺を容易に焼く空気の中で、人造複合肺を活性化させる。

【神なる皇帝陛下の遺産。遺伝種子による超人化(1/4)がイムカを守護する】

(…それでも限度はあるな)

 が、それでも極限状況であることに変わりは無い。
 ましてや、外殻アーマーの生命維持装置やリフラクターフィールドにも頼れぬこの状況。
 如何に遺伝種子の保護機能があるとはいえ、生物である以上は生存の限界点があるのは自明である。

「…私は刃物が苦手なのだぞ。重量のある剣でよかったよ」

 切れぬならば重さに任せて潰し千切るのみ。どうせイムカでも文字通り刃が立たない≠フだ。
 イムカは無表情なままで、徐々に皮膚の化学物質が限界に悲鳴を上げてきているのを自覚しながら、
 ジョシュアに接近する度に加速度的に増していく苦痛に耐えながら、大型ブレードを手に取った。

「…グッ…」

 熱された金属を握ったことで手袋が一瞬にして炭化し、イムカの掌に鋭い痛みが走る。
 灼けたグリップが皮膚を、肉を、骨を焼き、半ば癒着したように張り付いてしまう。

「私もそれなりに大変なんだ。君にも忍耐と克己心を求めるところだ。泣き言を言う前にもう少し耐えてみろ。
 そんな化物に良い様にもてあそばれるような、その程度の男だったのか君は?」

 イムカの動きはゆっくりだ。急な運動は出来ない。一振りまで体力を温存せねば。
 この状況下での急な動きは意識レベルを確実に低下させる。判断を失えば終わりだ。

「お前の側には私が、私の側にはお前がいる。だから…恐れるな」

 大型ブレードを振りかぶる。構えは堂に入ったもの。問題は悲惨極まる『刃物×』適正。
 ゆえに綺麗な寸断などままならぬ。出来たとして、押し潰し、千切り飛ばすような悲惨な断面。
 が、これ以外になければイムカに躊躇は無い。何を犠牲にしてても諦めを拒否する。そう生きてきた。

【ジョシュアを剣囲に捉える距離。まさに絶息必至の灼熱地獄。イムカの遺伝種子と誇りだけでは無理かもしれない。
 他にこの接近を許容する要素あるかどうか…】

「オーダー発令:生き残れ。以上だ」

 呼吸を止める。目を見開く。上段に構えたブレードを。そのままに一気にジョシュアの腕に振り下ろした。
304 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/13(土) 11:35:30.66 ID:FXTwbIou0
>>303
イムカの身を灼く灼熱は留まるところを知らず駆け抜け、金糸の髪を焼き尽くすべく襲い来る。
ジョシュアに近付くにつれて熱線は激しさを増し、されど戦乙女(ヴァルキリー)はそれに怖じず。
彼女の語り掛けのたびにジョシュアはなんとかこくこくと首を縦に振ったり横に振ったり、叫びを押し殺しながら意思表示をしていた。
意識はある。されど身を灼く3000℃の苦痛に耐えあぐねといった様子である。
やがて刀を手に取ったイムカを見て申し訳なさそうな、そして刀を振り上げたイムカへ不安と期待を向けた眼差しを送った。
刀が振り下ろされれば暫しの静寂、無音──そして絶叫が響き渡る。

「…ッがぁぁあああぁあ゛ぁああああぁああぅぅううッッ……!!ぐぎッ…!!」

力任せに振り下ろされた刀はジョシュアの上腕にめり込み、めぎりと嫌な音を立てて進む。
ブチブチと千切れる血管と筋繊維。激痛に晒されつつも必死に押し殺したような悲鳴を上げるジョシュア
しかし腕を切断する刀はジョシュアの骨の半ば程でその歩みを止めた。素人がただの力任せで腕を切断することなど到底出来るものではないのだ。それもただの一刀で。
しかしもはや何度も刀を入れる程の余力も、猶予も残されてはいなかった。
拒絶反応はジョシュアの肘ほどまでに進み、やがて上腕すらをも侵食し始めていたのだ。
指先などの末端は既に臨界を迎え、大量のエネルギーを撒き散らしながら自己崩壊を始めている。
最早なす術なしといった絶体絶命の状況、そこでジョシュアがようやく動いた。

「ぁ…ぐあぁあぁあ゛あ゛あぁぁあァァァッッッ!!!!」

絶叫と共にジョシュアの身体に走るのは あの生命エネルギーの波動。それは紅と翠の混交した不気味な色彩で
高熱の放射により完全に融解した鉄の枷を力任せに引きちぎるようにして右肩を思い切り振り抜く。
それに従い刀は再びジョシュアの腕を食い破り、進み、やがてごきんといった鈍い音と共に完全に骨は破砕され、
ジョシュアの右腕は熱風の中振りまかれる血の飛沫と共に空中に舞った。

他の拘束を引き裂きジョシュアは起き上がる。拘束台を蹴って跳べばイムカを抱き、壁際にどさりと倒れ込むようにして押し倒した。
直後 爆音と閃光が辺りを包み、満たす。
臨界を超えたベルゼブブのエネルギーが放出され、摂氏数千度の爆発がラボを完全に破壊し尽くしたのだ。


爆発がようやく収まった頃、滅茶苦茶に破壊されたラボへと数人の兵士が駆け付ける。逃げ出した研究員が呼んだ衛兵だ。
支離滅裂な状態で一斉に喚き散らす研究員達の意図を察する事が出来ずに対応が遅れ、その結果として衛兵に一人の犠牲をも出さなかったことは不幸中の幸いであったが
駆け付けた衛兵がそこで目にしたものは、廃墟と化したラボラトリと、そこでイムカを庇うようにして変わり果てた姿と成り果てたジョシュアであった。
"生き残る"というオーダーを果たす為の呼吸。それを繰り返すたびに背中に突き刺さった鉄骨のお陰でひゅうひゅうと無様な音を鳴らす羽目になるのだ。
305 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/13(土) 12:28:57.01 ID:qUBidxBuo
>>304

「成り行きで生命賭けとはな。私もヤキが回ったか」

 名誉ある戦場での戦死ですらない。戦史に残らぬ密使として世界の果てで終わる。
 前線より遠ざけられ、半ば引退のような身の上だ。らしい最期といえばらしいかもしれない。
 が、足掻かなければならない。イムカは将校として兵には規範たる姿を見せねばならないのだ。

【精神の真奥に忍び寄らんとする諦念と絶望に対する明確な拒否・拒絶】
【同時にイムカは保身の女でもある。生命危機にあっても己が名誉が損なうことの無い様に動く】

「スカル。脱出しろ。ナノマシンのデータ。重要なロストテクノロジーだ。功績としては十二分だ。ッ――!!」

 ズキ…ッ!!頭痛が先程から酷い。イムカの眼球から血涙が零れている。
 彼女の秘匿されし異能が、生存可能な世界線を検索し続けている。
 強化された脳への強い負荷、頭部の激痛。それはこの状況の生存可能性が極めて低い事を意味していた。

(これでいい。帝国技術局にとって技術は垂涎だろう。名誉はこれで。あとは生存だ)

【イムカは剣を握る腕の力を決して緩めない。それは彼女自身の意志か。それとも異能に導かれたモノか】

 やがてそれは起こる。決して力を緩めなかったブレードを基点に吹き飛ぶ暴走したジョシュアの腕。
 かばわれる。吹き飛ぶ。何もかもが消失する。生存可能性は?賭けるしかないだろう。また、目覚められる事を。

【そして、イムカの意識は途切れた――】

 −−−−−−−−−−−−−

 衛兵が見つけたのは実験体たるジョシュアの姿。そして、

「…ウゲェ、何なんだコレはよぉ」

 そして、彼が抱え込んでいる融解した肉塊としか形容のしようがない物体である。
 皮膚と肉が高熱によりドロドロにシェイクされたようなおぞましい物体。
 それが何なのか、衛兵達は知るすべを持たないだろう。

【やがては、安全を確保した衛兵達に続き、愚昧なる研究者達がやってくるのだろう】
 【ジョシュアが抱えていたこの、未知の酵素、未知の臓器、未知の物質を多量に含んだ物体をどう扱うかは知らないが】
306 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/13(土) 20:24:18.32 ID:ySZPNKo5O
>>297

あぇ? あ〜……そうですねぃ、ちょっと待ってですよぅ
……〜〜〜〜……はい、捨ててくださいですよぅ

【ゴミ箱に捨てられようとしている葉っぱを一瞥し暫し考えると】
【ヨッと勢いを付けて起き上がり、その勢いのままパタパタとアラズの摘まんだ葉へと近づく】
【葉にソッと触れながら何かを短く呟いくと、用は済んだのか葉を捨ててくれるよう頼む】

ほへ〜……ニンゲンさんのキョウダイ、って皆そんなにソックリさんなんですかぁ?
なんだか……ちょびっとフシギなかんじですねぃ?
ニアさんからお話を? ほぁ〜、そうだったですかぁ……てっきりワタシが有名になってたのかと思ったですよぅ

【アラズの内心も知らず、的外れな所で感心したような声をあげている】
【鋭いようなコトを言いはしても結局のところ妖精は妖精と言った所だ】
307 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/14(日) 19:02:09.22 ID:ZcdxfbxEO
>>305
壁に打ち付けられ灼熱に焼かれ、背中は四肢は一瞬にて炭化し数々の破片が突き刺さる。それでもジョシュアはイムカを抱き締め決して離しはしなかった。
カーボン移植で補強された骨格は見事に砕け散り、様々な強化手術でより頑強なものへと仕上げられたジョシュアの肉体もまた焼け焦げ炭化していたが
それでもジョシュアが即死することが無かったのは幸いか災いか。朦朧とした意識の中、視覚と聴覚の殆どを失った状態でジョシュアは激痛に喘ぐ。

耳鳴りの中に微かなノイズ。ギシギシと船体の軋む音がする。
極めて大きなエネルギーの塊はワールシュタットのほぼ全域に破壊を齎したらしく
ワールシュタットは全艦で停電、EMPによる予備バッテリと電子機器の不調。そして研究ブロックの半壊という壊滅的状態だ。
そして途切れ途切れの赤色灯が点滅する中、やや遅れ気味の衛兵達は慌ただしくラボへと駆け込んできた。

「…すみ……ま…せ、……ムカ…」

掠れた声で語り掛け、視線は向けられる。庇い覆った"イムカ"へと。焼け焦げた真っ黒な四肢で抱き抱えた庇護の対象へと。
しかし本来ならば謝罪をすべく続く筈であった言葉はそこで途絶える。
ジョシュアの視線の先に存在したのはいつもの仏頂面のイムカではなく彼の胸元を真っ赤に染め、左腕からこぼれ落ちるグチャグチャの肉塊。
自分の瞳孔が開いたのが。胸に激痛が走ったのが分かった。朦朧とした意識のお陰で叫び錯乱こそはしなかったものの 思わず諦観と悔恨の入り混じった呻きが漏れる。

「………ぁァ」

失ってしまった。全てを。今のジョシュアにとって全てを失ってしまった。イムカを、力を、肉体を。全ナノマシンを失った。
満身創痍の肉体が再生することはない。何か、エネルギーを。いやここで死ぬのもいいか。どうせもう何も無いのだから。
そうふと想い両の膝をついたままジョシュアはただ何を見つめるでもなく焦点の合わぬ視線を肉塊へと向けていた。
諦観の念がこころを支配する。このまま朽ち果てるのもいいなと嘲笑を浮かべたその刹那。

『ジョシュアはぁっ、いなくならないで下さいねぇっ……?』
『…私は、私だけは一緒にいてあげるから…』
『お前の側には私が、私の側にはお前がいる。だから…恐れるな』
『生き残れ』

ッ……!!

はっとしたように顔を上げる。それに従い舞い上がる大粒の涙。ジョシュアは思い出す。
自分はこんなにも生きろと願われていた。自分を必要としてくれる人が居たのだ。ここで諦め、死ぬ訳にはいかない。
力を、信頼を、たとえ全てを失ったとしても。それでも自分は生き抜かなくてはならない。たとえどれだけ惨めで無様で泥にまみれ、尊厳を喪ったとしてもだ。
ジョシュアは炭化し今にも崩れ落ちそうな左手で"グチャグチャの肉塊"をそっと掬うと口元へ運び、祈るようにして掲げ、そして──咀嚼した。

ぐちゃ、ぶちぶちと肉を食い破り胃に押し込む音が響く。哀れな怪物は目の前のナニカをただ貪る。生き残る為に、そして遺すために。
発狂とみなされるだろうか?しかし違う。これは循環そのものだ。生命を元に戻す行為だ 。ジョシュアはただ黙って肉を口に運び続ける。
かつて魔王の翼を捥ぎ取り食い破ったように。かつて澪を遠ざけ戦場の死体の山を噛みちぎったように。
衰退世界北欧の厳しい環境の下、生き延びる為に一体何人の兵士を殺め貪ったのか。やがてジョシュアはその姿を見た衰退世界の住人達から"屍喰い"と呼ばれるようになっていた。
そんな"屍喰い"の姿を。化け物の姿を遠巻きに傍観する衛兵達は震え、怯え、ただジョシュアを気味悪がっていた。
誰もあの場所へは近付かない。誰もジョシュアを助けようとはしない。ただその場で傍観を決め込むのみだ。

「イムカ…みんな、俺…生き残るよ。生き残るから、だから…」

やがて炭化した四肢、ヒビ割れた皮膚のその隙間から火の粉と共にマグマのような輝き現れ、そして取り戻される。
真っ赤な血でべっとり施される血化粧。深紅に染まったジョシュアの頬を汗とも涙ともつかない一筋の何かが洗う。
虚ろなる瞳は暗くぼんやりと霞み、瞼は徐々に徐々に重く垂れ下がる。虚は度合いを増し、色を失ったジョシュアの世界にやがて闇が訪れた。
炭化した四肢で"グチャグチャの肉塊"を愛しげに抱き締め、それに半ば身体を沈み込ませたまま。
やがてジョシュアは動かなくなった。
308 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/14(日) 19:41:41.01 ID:Jmld+jdWo
>>307
//ちょwww人のキャラ食うなwwwwまだ生きてるwwww
309 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214 [sage]:2014/12/14(日) 19:50:05.55 ID:ZcdxfbxEO
>>308
//すみません、てっきり別世界に離脱したものと早とちりしてついつまみ食いしちゃいました…ww
//不都合ならば捕食描写無し&ジョシュアは焼けクズのまま活動停止ってことにしておいてください
310 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/14(日) 19:52:26.37 ID:Jmld+jdWo
>>309
//しゃーない脳と心臓食われてなきゃまだなんとかなる
//超こじつけかますけど続行だ
311 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/14(日) 20:22:55.32 ID:Jmld+jdWo
>>307

 抱きしめられた肉塊はジョシュア・アーリントンと共に
 ワールシュタットに回収されることとなった。

//カニバル的でやっべえ描写なのでガチで喰いよったのかどうかは割愛

 −−−−−−−−−−−−

【ワールシュタット】

「未知!あらゆるものが未知!!一体何なのだこれは…!!」

 研究員達の狂喜の叫びが分析ラボに響き渡る。
 肉塊表面に付着した化学物質。粘性で機密性に優れたそれは、
 耐熱、耐放射線、耐冷、あらゆる環境下で活動が可能なよう造られている。
 ましてやそれが汗腺から分泌され染み出しているとなれば――

「ナノマシンとは全く異なる遺伝子学的アプローチだ。これは――」
「カノッサ機関に対しては厳重に秘匿。戒厳令を」

 研究者達の熱狂とは裏腹に分析器がはじき出すのは解析不能≠フ文字ばかり。
 どういう効果をもたらすのかはまだ辛うじて分かるのだ。解答だけは。
 しかし、その解をもたらす方程式に関しては、全くの見当もつかないという有様であった。

【ワールシュタットの研究員達はどこまでも貪欲で、そして何処までも愚かであった】
 【→グリードの危険性を看破しきれずあのような実験失敗をしでかしてなお懲りない】

「我々だ!我々だけのモノだ!!」
「技術的ブレイクスルーが起こるぞ!その成果は全て我々の――」

 一週間後、この肉塊が境界線移動により消失した際の彼等の落胆はいかばかりか。
 それは、また、別の悲喜劇となるのだろう。

 −−−−−−−−−−−−

 冬眠誘発器官アクティブ
 皮膚表面、織り手による保護膜形成完了

【スタート】

 再試行再試行再試行再試行再試行再試行再試行再試行再試行再試行
 中断中断中断中断中断中断中断中断中断中断中断中断中断中断中断
 再試行再試行再試行再試行再試行再試行再試行再試行再試行再試行

 全質量中38.11%消失

 修復開始

 ・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・
 ・・・・・

【1060:55:21:01】
【8746:55:21:38】
【107460:55:22:29】

 経過経過経過経過経過経過経過経過経過経過経過経過経過

 −−−−−−−−−−−

【肉塊は世界を巡る。彼女は時間を巡る。己が賭けたその瞬間まで】

//こじつけ完了;
312 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/14(日) 20:49:49.12 ID:/+kwmHe3O
そらに浮かぶ星々はその輝きを奪われ、地上を埋め尽くす貪婪な悪魔の宝石箱めいたネオンが眩しい
常に光化学スモッグが薄っすらと帳を覆い、滴る毒雨は今夜も止まない
ヒトの絶頂期、しかし同時に退廃を歩み始める世界スプロール

だが、ある種若者達というのはいつの世も逞しい
パンクな出で立ちは個性を追い求め過ぎた結果人であることを否定し始め、原色に染め逆立てた髪やオーガニックを遺棄したピアスの数々
結果としてパンクヨタモノという一括りのジャンルとして確立してしまった今も彼等はそれを止める事はしない
そんな若者グループの中にポツンと、他の世界の常識で考えれば普通の格好の少女が混ざる
通常このグループに異性が混ざれば結果は酷い有様なのだが、アラズは違う
屈服させるだけの力があるのだ、兵器として産まれて与えられた異能の力が
そんな訳で一夜にしてこのグループのヘッドとなったアラズ、取り巻き達を従え我が物顔で夜を征く
313 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage]:2014/12/14(日) 21:12:30.54 ID:DSEIYSaM0
>>312
【身体が痛む。この世界に移動する幾らか前、巨大な鳳凰とやり合った傷が完全には塞がっておらず、身体中に巻かれた包帯には少し血が滲む】
【ふらふらと、当然行く当てなどは無い。悪趣味なネオンに照らされるのを嫌い自然と足は闇へと進む。実に心地よい、全てを包み呑み込む安寧の暗闇】
【そうしてふと目につくのは若者たちの集団、それを従える少女アラズの姿は未だゾンネの視界には入っていない。恐らくその身長故に周りのデカイ男たちに隠れてしまっているらしい】

……お金も必要ねぇ。
まぁ、何より……。

【何よりむしゃくしゃするのだ。誰かを壊してしまいたい程に。ゾンネは顔を俯けて若者たちへとゆっくりと歩み寄っていく】
【ゾンネは文明にも、ファッションにも疎い。彼らの奇抜な格好も、この世界もそういうものなのだと特に気にも止めない。故に彼らがどういう存在なのかは知らない】
【だが知ったところでどうといったこともないのだ。自分が自分である限り、世界はそれを中心として回っていくはずなのだなら】
【闇の中からひたひたと歩み寄る黒衣の少女にパンクヨタモノと呼ばれる彼らはどんな反応を示すのだろうか。腰に飾られた大きな七色の羽飾りが黒衣とは不似合いに揺れていた】
314 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/14(日) 21:25:40.66 ID:/+kwmHe3O
>>313
ヨタモノ達の視界に入る、包帯まみれの白い漆黒の少女の七色の姿
その思想は実に単純明快である
即ちニタリと下卑地味た笑みを浮かべ少女を我が物にせんと蹂躙せんと行動に移す
警告はない、それはひとが呼吸をするのに許しを必要としないように当然なのだから

『ヘッヘッヘッ……』
『ジョーダマじゃねぇか、ヘイ』
『久々だなぁ、カワイコチャンだぜ』

仲間内で交える会話は如何にもやられ役のモブのそれだ
無論実力もそれに伴っており、喧嘩慣れしているとはいえ能力者相手にどうこう出来るはずもない
また先に嗜んだキケン・ドラッグの影響も無視は不可能
4人が前後不覚に近いトリップ状態のまま、バールのようなモノを初めとする雑多な得物を手にゾンネへと歩み寄る
彼等の纏う空気は即ち暴力性であり、それを証明するように一定の距離まで詰めれば少女へと殴りかかるだろう
315 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage saga]:2014/12/14(日) 21:45:06.40 ID:DSEIYSaM0
>>314
【ゾンネの見た目は13歳程度、誰がどう見ても少女であるが実年齢は既に130を数えている。ヨタモノ共がどれだけ喧嘩慣れしていようと潜り抜けてきた死線、修羅場の数は比較にならないだろう】
【故に経験からわかる。彼らの纏う空気、その暴力性が。きっと互いの距離があと幾らか詰まれば問答不要で殴りかかってくるのだろうことも】
【しかしゾンネの凶暴性、攻撃性はそんな彼らの上を行く。彼らがゾンネを視認、下卑た笑みを浮かべて歩を向けた瞬間、少女の額から黒い4本の光状が奔る】
【気が立っているのだ、誰であろうとハナから殺す気なのだ。故の黒雷、そこに慈悲は無い】

あはっ……一番乗りぃ〜。
恐れる心が無いのかしらぁ? お馬鹿さぁん……。

【夜の闇を切り裂いた黒い稲妻。一般人が直撃すればまず即死は免れぬものであろう】
【ゾンネの思惑通りに死体が4つ出来上がったのならば、これまた予定通りにその懐を漁るだろう】
【少女の見た目とは裏腹に一連の行動は完全に強盗殺人。まるでそれが日課とでもなっているかの如くなんの迷いも悪びれも無い】
【その表情には愉悦とただただ笑顔。ヨタモノたちには未だゾンネの姿は獲物の少女と映るのだろうか】
316 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/14(日) 21:58:31.17 ID:DUs90dOo0
>>315
『アバーッ!!』
『グワーッ!!』
『ぬわーっ!!』
『GYAAAA!!』

SPAAAAAAAARK!!
黄昏より尚黒き裁きの稲妻
雷音を聞くより疾風く身を焼き尽くされて上がるは多種多様な死に際の慟哭、南無阿弥陀仏っ!
他のヨタモノ達といえば4つの燻る遺体を前に一瞬呆然、次の瞬間には

『アイエエェェェェ!!』

情けない声を上げながら失禁! 逃走! 転倒! また逃走!
後に残されたのは束の間の王様気分に水を刺され不機嫌そうに立ち尽くすアラズただ独りとなった
しとしとと毒雨は落ちる、天上を覆うパーキングのトタンがそれを辛うじて防ぐ

「……てめぇっ、なぁにしてやがん、……っ、」
「……、やがんだってんだよ」

遺体を漁る姿を睥睨、突然の頭痛に遮られつつも投げ掛ける言葉
恐らくはアラズではない、クローン元のニアの記憶の中に存在するナニカと目の前の少女の影が重なり原因と成しているのだろうがそれには気付けない
尚ヨタモノ達の懐にはドラッグやタバコ、少々の小銭が入っていたりする
317 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/14(日) 22:06:53.03 ID:Jmld+jdWo
【時は乱世】

 魑魅魍魎が跋扈し、大名と名乗る者どもの領地略奪紛争は、一行に収束する気配を見せず。
 京の将軍はその権威を消失して久しく、大江山より溢れ出た百鬼夜行の群れにより、
 その命脈すら絶たれたり。絶望と欲望が開放され、人界と妖界が混ざり合う、まさに混沌たる世也。

【これが、今回の舞台となる世界である】

 −−−−−−−−−−−−−−

【京】

 かつては文化花開き、このヒノモトの国の中枢であったはずの都。
 しかし今や大通りには手足を失った戦傷者が溢れ帰り、
 市場に並ぶものは質素かつ淡白な品物ばかり。

【京は活気を失い、古よりの建造物もどこか埃を被ったかのように寒々しい】

 【→このような所に訪れたところからはじまりはじまりー】
318 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage]:2014/12/14(日) 22:15:59.23 ID:DSEIYSaM0
>>316
【蜘蛛の子を散らすように逃げ惑うヨタモノたち。逃げるものに興味はないようで、仕留めた4つの亡骸をごそごそと漁っていると不意に投げかけられる声】
【こんなものかと舌打ちし、戦利品である小銭を握り締め肩がけの小さなポーチへと乱暴に突っ込むと声の主に向き直った】
【これまでの凶行を目撃されていたのかと焦燥、通常ならばそのような感情を抱くのかもしれないが、ゾンネの表情は至って平常。声を掛けられたから反応した、その程度であった】

……?
なにしてるって? みてわからなぁい?
どんな世界でも最低レベルの生活を送るためにはお金って必要よぉ。

【アラズの一瞬途切れた言葉に首を傾げるも、特に気にせずに問い掛けに応じる。30年後の自分であれば見知った顔であったはずだがゾンネにそんなことを知る由はない】
【四人を壊し、僅かばかりの現金を得た事で剥き出しにしていた殺意は鳴りを潜めてはいるが、目の前の女がどういった感情を持っているかわからない以上気を抜くことはない】
【睨んではいない。だがそう勘違いされてもおかしくはない程に真紅の双眸はアラズを見つめて動かない。その一挙手一投足を観察するように】
319 :夜叉 [sage]:2014/12/14(日) 22:22:05.50 ID:+xyNIW8k0
>>317

「……っ、痛いです」

空に突如として現れるゲート、そこから夜叉は吐き出されて尻餅をついた。
痛みは大したことはなくて直ぐに立ち上がり周囲を見渡す

「ここは……っ、怪我人がこんなに…!」

戦傷者が溢れかえる大通りで混乱して 何をしたらいいか分からず 夜叉は立ち尽くすのだった。

//よろしくお願いします。短文で申し訳ありません…。
320 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/14(日) 22:25:27.84 ID:DUs90dOo0
>>318
ふ、と自分自身の行動に疑問を覚える
果たして自分は何をしようとしているのだろう
殺された彼等の仇を討つか?
冗談じゃない、生き死にの話になんて興味はない
ならば目の前の彼女の行動を咎めるか?
バカを言え、彼女の行いはアラズの考えからすれば実に理に叶っているではないか

「フゥン……あっそ……まぁ、そうだよな」
「……あー、お前っ、越境者だってんだよな?」

結果として滑り出た質問はこの状況に於いてやや滑稽なモノだ
何か話さねばなるまいとの脅迫概念地味た感情が生み出した世間話にも等しい
互いが互いを警戒し、牽制する差中
アラズは半歩身を引いてナナメに相対している
321 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/14(日) 22:32:39.58 ID:Jmld+jdWo
>>319

「ケケケケケ…」

 どこかで声ならぬ声が鳴った。突然現れた夜叉に驚いたのかもしれない。
 家屋の影、あるいは屋根裏。そこにあるのは人間にあらず。下級の妖怪変化の類である。

【それらは別段悪さをする類の妖怪ではない】
【ただ、京にそれらが在ること事態が、この都市の霊的防衛がほぼ麻痺しているのを意味していたが】

「ああ…こんなところに座っちゃあいけないよお嬢さん」

 左足を無くし、首に『私は妖怪変化とのイクサで足を失いました』と書いた板をぶら下げた男が、
 心配そうに夜叉を見つめる。いいベベを着た女がうろついているのが心配になったようだ。

【同情を引き、小銭をもらって生きる戦傷者だろう。そしてそうせねば生きられぬのだ】

「アンタぁ、すぐに京から離れな。ここはもう駄目さ」

 戦傷者は本当に夜叉を心配して、そう告げているようだった。

【→ここの状況を酒場なりで聞くのもよし】
 【→影にひそむ下級妖怪を追って話を聞くもよし】
【→もちろん、自分で思い至った何かしらの行動を起こすのもよしだろう】
322 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage]:2014/12/14(日) 22:48:39.51 ID:DSEIYSaM0
>>320
【アラズの半身から自身を警戒していることがわかる。当然だ、見ず知らずの、それも異能者が目の前で四人もジャンクにしているのだから】
【ヨタモノどもが消え失せ、残ったのはアラズひとり。彼女の様子からどうやら襲われていたわけでもないようで】
【ならば必然、奴らの仲間であったのではないかとの答えに思考は巡る。仲間の仇討ちに動くかと思われたアラズ、しかし彼女の口から出た言葉はそんなものとは無縁の
質問であった】

……だったらなぁに?
私が越境者だったとして、おまえはどうするのぉ?

【予想もしていなかった質問に一瞬呆気にとられるも、くすりと笑うと明確には答えず、質問を質問で返す】
【警戒を顕にするアラズに嗜虐心が芽生えたのか、笑みはそのままにゆっくりと歩き出しその距離を縮めていく】
【特に何かするつもりはない、しかし後ずさりして距離を離すか、或いは接近を拒む為に行動を起こすかしない限りゾンネは歩みを止める事はない】

ねぇ……? 私が怖い?
いいわよぉ、逃げたって……なぁんにもしないからぁ。

【双眸は不気味に見開かれ口元は耳まで裂けたかのように歪む。何がそれほど楽しいのだろうか、その表情からゾンネの心情を窺い知る事は難しいかもしれないが】
【異常性。それだけははっきりと分かるだろう。もし手を伸ばせば届く距離まで接近できればゾンネはアラズの身体をまさぐるだろう。金目のものを求めて】
323 :夜叉 [sage]:2014/12/14(日) 22:54:25.67 ID:+xyNIW8k0
「……?」

異質な声が耳に届いて夜叉はそれが聞こえてきた家屋の影に目を向け、足を運ぼうとする


すると声をかけられて振り向けば、片足の男。 板に書かれている文字を見て申し訳ない気分になる。
麦わら帽子で隠しているが角が見られれば自分も妖怪だとばれる。それを危惧して麦わら帽子を深くかぶった

「すみません……、あの、ここで何があったのですか?」

男に状況を聞こうとする。聞き終えた後
夜叉は小銭を数枚男に渡し、家屋の影に向けて歩き出すだろう
324 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/14(日) 22:56:08.85 ID:DUs90dOo0
>>322
「どうって……そりゃ、まぁ……」

言葉に詰まる
どうしたいのだろうかが分からない
その場しのぎで思わず出た質問なのだから当然だ
同じ越境者同士仲良くしよう、とでも言いたいのだろうか兵器たる自分は

「……、……っ、」
「それ、絶対何かする奴の台詞じゃねぇか……」
「お、おいっ、それ以上は近寄るなってのっ!」

歩み寄る異常に掌を向けて静止の警告
同時に大蛇サイズのディープメイカー1本を首の後ろから生やして擡げさせる
だが逡巡はその行動をやや遅らせていた
あと一歩で手を伸ばせば届く程の距離にまで、彼我は邂逅を果たしている
325 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/14(日) 23:13:12.04 ID:Jmld+jdWo
>>323

「ここで…あんたぁ田舎からやってきたのかい?」

 男はこの世間知らずなお嬢さんにやや怪訝な表情を浮かべながらも
 事情を知らずに田舎から来ちまったんだなと誤解し、経緯を説明した。

【乱世が続く事。幕府が力を失ったこと。下克上の世であること】
 【そして長きに渡る戦乱。その恨みつらみ、負の感情が妖怪変化の滋養となり、人界に現出せしめたという噂】
【→夜叉にこの世界の一般的情報を提示(文化レベルは戦国初期→中期ほど。ただし妖怪という要素が含まれる)】

「んで、大江山から百鬼夜行が溢れてなぁ。
 陰陽師の連中はほとんど食われて、俺達も多くもこの有様ってわけさぁ。
 何とか追い出すのが精一杯だったんだぁ」

 霊的守護を担っていた陰陽師が全滅に近い形でやられ、
 侍衆も甚大な被害を被った。その挙句が現状というわけらしい。

【→小銭をもらって小さく会釈をする戦傷者。また、重ねて早く逃げた方がいいと忠告を残して】

 【→家屋の影】

 小さな家屋の影に蠢く存在あり。それこそ妖怪と呼ばれる者也。
 もっとも、このように棲まう妖怪は概ね力が弱く、さしたる悪さもできないのが常であるが。

「…むすめっこ、オデたちに何かよー?」
「おにっこ?」

 影から一つ目に小さな胴体が生えて、粗末なちゃんちゃんこを羽織ったモノが顔を出す。
 こういう妖怪は夜間に人を驚かせたり不安がらせたりするというモノが多い。

「このむすめっこ。オデたちより大分高い」
「ああ、高いたかい」
「えっど、おくすりもってる?」

【影には同じような妖怪がひしめきあっていて、小石をぶつけ合って遊んだりしている】
 【→高いというのはいわゆる位・格のことを言っているのだろうか】
326 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage]:2014/12/14(日) 23:27:56.67 ID:DSEIYSaM0
>>324
まぁ……なによぉ?
まさかお友達になりましょうなんてクズみたいな事言うつもりぃ?
お互い流れる身の上、人との繋がりなんて無意味なものって……そう思うでしょぉ?

【答えは返らず、まさか本当に友達になろうなんて言われるなどとは思っていないが、アラズのはっきりとしない態度に悪態をつく】
【まぁそれも致し方無いのだろう。その場凌ぎに近い形の問い掛けを少々意地の悪い質問で返したのだから】
【逆に何の迷いもなく友達になろうなんて言うことを言われていたとしたら、混乱していたのはゾンネの方だったのかもしれないが】
【互いの問答の間、彼我の距離は確実に詰まっており、あと一歩踏み出せば手が届くという所でゾンネの視界にアラズとは異なる異物が映る】

っ……!?
なぁにそれ……威嚇してるつもりぃ?
何にもしないって言ったのにぃ……あぁこわぁい。

【お金貰おうと思っただけなのにぃ、と呟きながらも突如現れた触腕に警戒し飛び退く。何の抵抗も無ければ金目のものを奪い取って、所謂カツアゲをして済ますつもりだったのだが、相手も同じ越境者ともなればそう簡単に事は運ばない】
【負けじと威嚇のつもりだろうか、ゾンネの額が一瞬蒼白にバチッと乾いた音を立てて輝いた】

あはっ、それともぉ……お友達とは一緒がいいのかしらぁ?
あそこで転がってる炭クズたちと一緒がねぇ?

【先程仕留めた亡骸のひとつに視線を送ればそれに乗ったように紫電が奔る。一瞬にして亡骸は炭化して彼の存在を示していたものはこの世界から消え去った】
【まるでいつでも殺せるという意思表示、これまでいくつもの死闘を潜り抜け、己の未熟を嫌という程経験してきたゾンネであったがその実何も成長していないのであった】

327 :夜叉 [sage]:2014/12/14(日) 23:40:41.22 ID:+xyNIW8k0
>>325

「田舎…えぇ、まあそんな所ですね。ですからここの状況には疎いのです」

ここは話を合わせておく、自分が別世界から来た、なんて言っても信じて貰えないだろう

「百鬼夜行……、それは大変な思いをされましたね。心中お察しします」

男に会釈を返し「ご忠告ありがとうございます」と言ってその場を後にした。
ここでは妖怪は恐れ恨まれているのだろう、人間との共存を願っている夜叉には辛い。そして素性が知られれば命を奪われかねないと思うのだった

【所変わって家屋の影】

「……まあ、ふふっ、ちょっと気になって覗いてみたの」

その妖怪達を目にした夜叉はしゃがみ込み、微笑みを見せて鬼であることを肯定、夜叉の心は和んだようである。

「お薬?少ししかないけど…はい、どうぞ」

薬を少量取り出して一人に手渡す。越境者なら携帯していても不思議じゃないだろう。受け取った妖怪がどうするのかを見守る。
328 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/14(日) 23:46:18.64 ID:DUs90dOo0
>>326
「……」
「……同感だ」

しばし無言、アッシュグレイの髪を掻き上げれば一言
アラズの意識とは別の部分が求め憧れるモノを、アラズは否定する
越境者たる立場上、そして何より自身の場合その生い立ちまでもが
それを手にする事が出来る環境とは大きく逸脱しているのだと、ゾンネの言葉に改めて頷いた
異能たる圧倒的な力を振るったとしても決して得る事が出来ないモノ
それは即ち絆、エニシである

「……あぁ、悪ぃ悪ぃっ」
「お友達ぃ? 勘弁してくれってんだ」

悪びれる様子もなく謝罪、そのまま不敵に嗤う
この上なくサッパリとした、晴れ晴れとした気分だ
それが果たして善悪で表せるモノだとすれば何方の方向を定めているのかは決して分からないが

「……礼を言っとくよ」
「あぁ、それと出来るならまだ殺さないでくれってんだ」

ひょい、と何かを投げ渡すように放る
それは換金目的としては凡ゆる世界でそれなりの価値を誇る輝く小さな宝石だ
そしてくるりと踵を返せばそのまま毒雨の夜へと消えて行くだろう

「どうかしてたってんだ、最近……」

独りごち、何処か感傷的に呟く
ニアの記憶、クローンとしての体が求めそれに従い情に流されて動く事に言いようのない心地良さを覚えていたのは事実だ
冷たい雨が全てを洗い流す、過去や一切の未来ですら
だが、そう、全てはまやかし。 この世界にあらず

//すみません、これで〆でっ
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
329 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/14(日) 23:53:34.62 ID:Jmld+jdWo
>>327

「ありがと、ありがと」

 一つ目妖怪はぴょんとひとっ飛び。おくすりを両手でうんしょっと持つと、
 トテトテと歩いて、影を伝って一軒のボロ屋に入っていく。

「オメ、位高いのに悪さしない。メズラシ」
「ニンゲン、食う。連中、ヤリスギ。オレタチもいっぱい食われた」
「オデたち、クズみたいなもん。しょうがね」

 恐怖という感情は薄いのか淡々と告げる下級妖怪たち。
 実際、彼等は夜に人を驚かしてそれを滋養とする。
 それ以外にはさしたる害もない人間にとっては共生に近い存在である。

【妖怪変化の中では最下層に近い彼等。実質それらが妖怪と人間の共生のモデルの一つとは皮肉かもしれない】
【肝試しと呼ばれる人間と妖怪の接点となりうる催しも、人間の怖いもの見たさと、下級妖怪の関係を表しているだろう】

【そして、もっと高い階位の妖怪は当然それでは済まさず、この世界では妖怪としての悪逆非道を恣にしているのだろう】

「タスケテクレタ!」
「タスケテクレタ!デモ、ケガダラケ!」
「ニンゲンジャネ、デモ妖怪デモナイ!」

 薬を持っていった妖怪が入ったボロ屋を指差して、
 ビョンビョンと跳ねる一つ目妖怪たち。

「スゴイケガ!ヒドイケガ!シンジャウカモ!」
「アタマもヤラレテル!助ケテアゲテ!」
330 :夜叉 [sage]:2014/12/15(月) 00:11:41.97 ID:QIISD5zF0
>>329

「位なんて関係ないと私は思うの。大切なのは心よ」
………そうね、あなた達も食べられたの?可哀想に。あなた達はクズじゃない。自分を卑下しちゃだめ」


一匹を掌に乗せようとする。連れて行きたいと思うくらい夜叉は愛おしく感じている

高位の妖怪の非道な行為を止めたいと思うが夜叉一人では何も出来ない。歯痒さを覚えるのだった


「……どうしたの?怪我人がいるのね。
331 :夜叉 [sage]:2014/12/15(月) 00:12:23.89 ID:QIISD5zF0
途中送信すみません…
332 :夜叉 [sage]:2014/12/15(月) 00:19:14.89 ID:QIISD5zF0
>>329

「位なんて関係ないと私は思うの。大切なのは心よ」
………そうね、あなた達も食べられたの?可哀想に。あなた達はクズじゃない。自分を卑下しちゃだめ」


一匹を掌に乗せようとする。連れて行きたいと思うくらい夜叉は愛おしく感じている

高位の妖怪の非道な行為を止めたいと思うが夜叉一人では何も出来ない。歯痒さを覚えるのだった


「……どうしたの?怪我人がいるのね」

(人間でも妖怪でもない?…どういうことかしら?)

見てみるのが早いだろう、夜叉は早足で小屋に向かう。

「大丈夫よ、必ず助けるから安心して」

とは言ってもそんな大怪我じゃ薬だけではどうにもならなそうだ。
本格的な手当ての技術なんてないし そもそもこんな場所では大したことは出来やしない。
その者が助かる可能性はほぼない、と考えながら小屋に近づいて行く

333 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/15(月) 00:26:19.51 ID:d8OxuZdro
>>330

「おにっこ、言ってる事よく分からなイ。心ってナニ?」

 首を傾げながらも、おっかなびっくり掌へ。
 陽光は彼等にとって致死性に毒となりえるので扱いは慎重にだ。

【一つ目にちゃんちゃんこの小妖怪が掌からテクテク歩いて麦藁帽子の影に隠れようとする】

「おっきい妖怪にとってオデたちただのエサ。それがフツー。でも、食われるのはやっぱヤダ」

 妖怪といっても、それぞれが別に協力関係にあるわけでもない。
 異なる種族同士に上下関係はあれど仲魔契約などない。
 少なくとも、この世界における妖怪変化はそういうものらしい。

【珍しい位の高い鬼っこに、頬をすりつける小妖怪。恐怖は薄い。しかし無いだけでもない】

「ケガダラケ、助けてくれた。食われそうなの守ってクレタ」

【ボロ屋の戸を開ければ、それが見えるだろう】

 全身包帯だらけ。体型から女性。全身を覆う大やけどを包帯で隠している。
 酷く膿んでいるためか、室内の臭いは正直ほめられたものではない。

「やあ…珍しい客人だね。この子たちがはしゃいでいるから何なのかとは思ったけど」

 部屋はほぼ真っ暗。陽光もほとんど取り入れていない。が、理由はそばをちょこちょこ歩く小妖怪から明らかだろう。
 布団に寝かされたまま、口元に薬を放り込まれて、質があまり宜しくない井戸水入った椀を流し込まれていた。

「君は、この子達に案内されたって珍しいね。高位の陰陽師かはたまた妖怪さんか。
 案外、トドメを刺しにでも来たのかな?」
「タスケテアゲテ!タスケテアゲテ!」

 夜叉の耳元でピョンピョンと一つ目が飛ぶ。
334 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage]:2014/12/15(月) 03:39:35.88 ID:tnFDLZ2z0
>>328
【ヒトは弱い、ひとりでは生きていけない程に。だから寄り添うのだ、他者と。だから紡いでいくのだ、縁を】
【そうして築き上げた絆はヒトを何倍にも強くする。守るべきモノの為に、守るべき約束を果たす為に】
【しかしゾンネはそれを否定する。他者との繋がりは弱さの証だと、絆などというものは自らを縛る枷にしかならぬと】
【誰よりも強ければ他者の助けを借りることもない。全てに優れた絶対強者であれば他者への信頼も、赦しも、意思を通わせることすらも必要無いのだから】
【だがその実ゾンネは弱いのだ。誰かを信頼し裏切られる事が怖い。未来への希望を抱き生きる他者の存在を赦す事が怖い。誰かと意思を通わせて自分の弱い部分、心を覗かれる事が怖い】
【これらの恐怖と向き合い、己の弱さを認める強さを持たぬ故にゾンネは他者を拒絶する。己のみを絶対視し他者は徹底的に排除する、それがゾンネ・シュヴァルツェアの醜い本質であった】

……?
お礼を言われるような事はしたつもりないのだけどぉ……?

【不思議そうな表情を浮かべながら小首を傾げながら、アラズの放った物体に気付き取り敢えず受け取ってみる】
【掌に握られた感触はなにやら硬く、小さな石のようである。ゆっくりと指を開いてみればそこにあったのは確かに石。しかし石は石でも輝く宝石であった】
【与えられたモノを素直に受け取るということに若干の抵抗を覚えなくもないのだが、そこは背に腹はかえられぬとプライドは一瞬で首を引っ込める】

……綺麗。

【アラズの背中が完全に闇に溶け見えなくなるまで見送ると、手にした小さな宝石を夜空に掲げて独り呟く】
【過去に囚われて希望を棄てた少女。他者の未来まで絶望に塗り潰さんとする黒い炎は消えることはない。例え多様な世界の雨に打たれながらも、絶望という炎だけは決して】
【科学スモッグに汚染された空を映しながらも宝石は美しい輝きを放つ。それを見つめるゾンネの表情に険は無く、正しく少女のものである】
【誰に見られる事もない表情は、誰に見せる事もない少女のこころか】

/書いてる途中で落ちてしまってましたすみません
/ロールありがとうごぞいましたっ
335 :夜叉 [sage]:2014/12/15(月) 12:53:03.23 ID:6+WuiMDtO
>>333

「うーん…、そうね。心って言うのは……楽しいことがあったらワクワクしたり、辛いことがあったら苦しくなったり……感じることかしら?
あなた達もそういった経験はあるでしょう?」

一つ目とちゃんちゃんこの行動を享受する。身体の上を歩かれて少し擽ったいが。

「……そんなこと無いわ、あなた達が食べられそうになったら、私が守ってあげる」

頬をすりつけられてクスリと笑い、小妖怪の頭を指で優しく撫でつつボロ屋の
戸を開けた

「……!」

室内に広がる異臭、包帯だらけの女性を前にして
知らず心臓の鼓動が早くなり、思わず嘔吐感がこみ上げてくる。夜叉は一瞬顔を顰めた

「私は、鬼です…妖怪の。トドメを刺すなんてしません!
この近辺に治療を受けられる場所は無いのですか!?このままではあなたは…」












336 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [sage]:2014/12/15(月) 15:44:24.38 ID:6WpzBojN0
 億劫そうに汚れた布団より身を起こす包帯女。
 薄暗いこの部屋は、膿の臭いもそうだがそもそもが不衛生であるようだ。
 皮膚代わりに巻かれているであろう包帯も穢れ、酷い有様であった。

「人間は不気味だって私に近寄らないのに、妖怪さんにはよくしてもらえるとはね。
 まったく、何とも複雑な気分に…ああ、気を悪くしたなら謝る。どうも色々とままならないな」

 状態の酷さとは異なり、意識はハッキリしているようだ。
 もっともこの有様ではそれが救いになるのかは微妙なラインでもあったが。

【包帯より覗く皮膚状態はつややかさは微塵も無く、まさに重度の火傷そのもの】
【流麗な身体の線、豊満でカタチの良い乳房と、火傷さえなければそれなりに見れた容姿だったかもしれないが】

 このような有様に驚いている夜叉に申し訳なさを覚えながらも、
 彼女の言葉を聞いて、

「医者か。あいにく、ここでは油薬を皮膚に塗るくらいが限界だ。抗生物質にも難儀する始末でね。
 文化レベル的にも自称医者が溢れていて、後はよく分からないカンポー(漢方)とやらか、
 陰陽師の術?に頼ろうにも、金銭もなければツテもない。自然回復に頼るしかない有様ってわけさ。あとは生命力次第かな」

 自分のことなのにやたらと淡々としゃべるばかりの包帯女。
 そも、言葉に抑揚がほとんど無く、かといって悲観し絶望している風でもないという、
 まるで機械がそのまま周囲環境と自己機能の状態を告げているような、そのような無機質さがあった。

「うー…」

 小妖怪はしょんぼりしている。出来ることが思いつかないという歯痒さゆえか。
 小妖怪達はせいぜい、腐りかけた残飯や水を運ぶことくらいしか出来ていないのだ。

「タスケテ、タスケテ」

【そして、抗生物質・文化レベルなど、言葉の端々で普通は口にされないワードが散見されている】
 【→家屋環境:薄暗くて、非常に不潔・不衛生(太陽光は小妖怪達にとって毒になる】
 【→食事事情:腐りかけた食べ物の欠片。質のよくない井戸水】
 【→治療状態:ボロボロで膿が染み出ている包帯】
337 :夜叉 [sage]:2014/12/15(月) 19:07:48.70 ID:QIISD5zF0
>>336

「すみません、灯りをつけてもよろしいでしょうか?
っ、いえ。私は大丈夫です。それより自分の身体を気遣ってください。
起きないで!そんな状態で無茶なさらないでください…」

女性の許可が取れれば、夜叉は狐の面をかぶり、狐火×3を作り出して小屋を照らす。
声を張り上げて起き上がる女性を静止。横になっているように促した。
嘔吐感を堪えながら、女性の身体から目を逸らして言葉を紡ぐ。
こういったことに耐性がない夜叉には直視していられない。

「……そうなのですか。気をしっかり持ってくださいね。…あの、私食料とかを探してこようと思います!安静にして待っていてください」

そして狐火を置いたまま外へ新鮮な食料と水、清潔な包帯、薬を探しに
機械のように無機質な女性の態度に不気味なものを感じながら、夜叉は小屋を後にした。
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2014/12/15(月) 22:37:00.68 ID:xApYWyzvo
不揃いな石畳の上を商人の馬車が行きかい、それを避ける様に道端を藁束を背負った農民や、
冒険者らしき皮鎧と長剣で武装した者たが、往来を闊歩する……。

そんな、我々に中世ヨーロッパを思わせる風景の広がる世界の、どこかの城塞都市。
その町の、小さな広場の片隅……本来であれば、文字を読めぬ人々に口頭で王の布告や街の噂、
商店の宣伝を伝える先ぶれが使うであろうスペースに、人だかりができていた。

『このアマ……さっきから大人しくしてれば、ア?この俺様に向かって?
 どういう口ぶりだ?俺の女になれといったんだ。何度言わせる?俺は冒険者だぞ。
 ゴブリンの首を素手で引きちぎったこともあるんだ。』

人だかりの中心にはいかにも傭兵崩れといった風亭の大男と、
見るからに上等な衣服に身を包んだ、女が一人。剣士らしく腰に二振りのレイピアを下げているが、
体格差は明らかで、頭一つや二つという差ではない。

『喧嘩だ!喧嘩だよ!』
『あの冒険者に5ベリアムだ。お前は賭けねえのか?』

野次馬たちは、好き勝手に騒ぎ立て賭けを始めたり好奇の目線を向けたりはするものの、
誰も止めに入る者はいない。この場にもしあなたが、いれば……。どうするだろうか?
339 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2014/12/15(月) 22:44:38.21 ID:6OEGLTZmO
【青々とした葉が風に揺れて緑の海の如く何処までも続く平原】
【それ以外には何もなく、故にそれだけで完成したある種の美しさを感じさせる景色】
【だか、そんな草原も足を踏み入れた物達にとっては何の価値もない様であった】

……オォォォォオォォォオオオ! ! !

【音と言えば草が風に揺れて擦れる音ばかりであった草原に響くは数多もの声】
【それは鬨の声でもあり、絶望の慟哭でもあり、憤怒の咆哮でもあった】
【そしてその叫びのある所の全てで剣戟の音が鳴り響いていた】
【恐らくは複数の勢力が入り乱れての乱戦に次ぐ乱戦によって生じたうねりは】
【留まることを知らずに静かな青い平原を声と剣戟と赤に染め上げて行く】

……おぉらぁぁっ!! っ、はぁ、はぁ……次はどいつだぁ! 掛かって来やがれぇっ!!

【そんな戦端の広がる乱戦の殆ど外周部、草原と周囲の森との境目にウィントはいた】
【所属している勢力と傭兵で有ることを示す肩当てを着けていることから】
【この乱戦を行っている勢力の何れかの傭兵として戦っているようである】
【最前線を立ち止まることなく駆け抜け続けた結果、いつの間にか外周部まで抜けてしまったのか】
【ウィントと同じ肩当てをしている人間は周囲には皆無である】
【しかし怯む様子もなく周囲を見渡し、自身の次なる敵となるモノを探っている】
340 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/15(月) 22:49:09.65 ID:TFPcsiYt0
>>338
「んっ、見えないってんですっ……」
「……どれどれっ? おぉっ?……」

ひとの垣根を掻き分けてほぼほぼ最前列をキープ
野次馬達にちゃっかり混ざりその喧騒を赤い瞳で見詰めている
他の世界での荒事ならば真っ先に止めに入るところであるが、この世界に於いていちいちそんなお節介をしていれば身が持たないのは明白
ただまぁ、この場合事情が事情ではある
腰に帯びた月光の柄を握り、大きく息をひとつ

「あー、お前ーっ」
「……手助け必要だってんですかぁっ?」

掛ける声は勿論、圧倒的体格差に曝されている女に向けてだ
最もはたから見れば貧相なニアが助力したとしても結果は覆る事はないだろう、笑い声が起こったとしてもなんら不思議はない
341 :ミスカ・リ・エリッタ【花姫魔導】>>193 [sage]:2014/12/15(月) 23:08:28.36 ID:SeJJMpYX0
>>339
がさりがさりと木の葉を掻き分け森の中を進む少女。木々の声を聞き、草花に語りかけ、風の通り道を探す。
風の赴くままに脚を運び、どこか集落を目指して彷徨いはや二日。食料も体力もあまり余裕が無くなりつつある切羽詰まった状況で
ようやく辿り着いた森の出口。茂みの向こうに広大な平原が見える。なにやら賑やかな様子で集落でもあるのかと少し思案。
安堵したようにミスカは屈んでローブの裾に付着した朝露を払いのける。が、ふとそこで足元に違和感を覚えた。

足跡だ。それも深いもの。そこら中にある。
最低数十、多くて数百単位か、無数の靴跡に深く抉られたぬかるみを見つめ、これは鎧のものだと察する。
重装備の兵士達が此処を通る際にぬかるみを深く抉っていったのだろう。
嫌な予感を募らせながらミスカは茂みを掻き分けそっと森の外を覗く。そして疑念は確信に変わった。

「……っ…ここは…」

そう、戦場だ。森を抜けた先は血と肉と戦士達の遺物の散りばめられた平原であった。
元来長閑かであった筈の情景の中、それらの争いの跡は赤黒い、不自然な斑目となってミスカの目に焼き尽く。
血のにおいが鼻につく。ミスカはふるふると首を振ってそのにおいを振り払う。

そして彼女は眼前の、背中をこちらに向け怒号を発する傭兵をただ恐る恐る見つめているのみだった。
──不運にもその足が足許の小枝を踏み、ぱきりと大きな音を立ててくの字に折れるまでは。
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2014/12/15(月) 23:09:35.73 ID:xApYWyzvo
>>340

男は威圧的な言葉とは裏腹に、下衆じみた笑みを浮かべていた。
自身の勝利を確信しているのだ。周りの野次馬たちの賭け話等を聞いていても
女が勝つと考えている物は誰もいないように思える……。

その状況の中、女はニアの言葉をききつけたのかふ、とそちらへと目を向け。

「大丈夫よ、お嬢ちゃん。こう見えても、私はこんな男には負けなくてよ。
 その好意だけ、ありがたくもらっておくわね。」

『あァ〜?おめぇよォォ、人を舐めるのもたいがいにしてくれねえかなあ。
 こっちがこれだけ下手に出てやってんのに、何よそ見してんだ?え?
 あんまりなめてっと……殺ッちまッぞ――!』

女はにこりと笑って悪戯っぽいウィンクをニアへと返したが、
その行為を見て自身を無視されていると感じた大男はついに自身の腰にぶら下げえていた、
手斧の柄へと手を伸ばし……にぎり……それを落とした。

『やっちまアッ……アッ……あっ……?』

「その言葉、そっくりそのまま返すわ。
 あんまり舐めてると、次は首筋に一撃をいれるわよ。」

カラン、と乾いた音と共に地面に落ちた手斧にぽた、ぽたと赤い滴が垂れる。
一瞬の出来事。なんと、未だ、腰付近で虚空を掻く男の掌に女のレイピアが突き刺さっているではないか。
男は、数秒の間それを理解できないようだったが……。

「げ、ゲェーッ……ぐ、アッ……あ、いでえ……?
 あっが……なんだよ、ぐぞ……おめえら、おめえらあ……こい!
 フクロだ!この舐めた女、フクロにすっぞ!!ちぐしょおおおぉ!!!」

自身がやられたことを理解し、ひとしきり叫ぶと、なんと手下を呼んだ!
人混みを乱雑に書き分け、男と同じくチンピラや冒険者崩れという体の連中数人が、
肩を怒らせてやってくる!
343 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/15(月) 23:21:56.04 ID:TFPcsiYt0
>>342
「……、へぇっ……」

パチリと片目を閉じてそして開く
それだけの所作だというのに何処か超然とした風に見える
目を丸くして押し黙ってしまい、次には思わず唇を釣り上げてしまうのがその証明だ

「……!」
「速、っていうかっ……」

見えなかった
更に少しして、その噛み付く疾風に目を見張る
正しくは動作の開始と終末だけ、中間点をつまりは刺突の刹那をニアの動体視力は捉えていない
と、ゾロゾロと何処からか湧き出てくる男達
レイピアの彼女の実力を見ていたであろうに、それでも彼等が勝気なのは数の優位があるが故だろうか
むむぅと唸って一歩前進、義足がコツンと石畳或いは土の地面を踏み締める

「あーっとぉ、お前ぇっ」

同時月光を抜刀、それは青白い超常的軌跡を描く
タイドメイカー始動、野太い1本を蛇の鎌首の如くに擡げさせる

「……今度は聞かないってんですよぉっ、ニアがやりたいからやるってんですっ」

更に踏み込み、触腕を横に男達を薙ぎ払うように唸らせた
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2014/12/15(月) 23:39:53.87 ID:xApYWyzvo
>>343

「へぇ、一対一じゃ勝てないから数、ね。
 なんともらしい発想だこと……この私が――。」

レイピアの持ち手を捻る様にぐるん、と回して
男たちの接近を待つ様子の女。しかし、男たちは彼女まで達することはなかった。

『げえっ!!』
『グワッ!?』

野次馬から飛び出したニアの一振り。たった一振りで。
数人いた男たちの誰一人としてそれを受ける事も、躱すこともできずに叩きすえられてしまった。

このような中世レベルの文明の元ではライセンス等の発行などがなされているわけでもなく
自身が冒険者だ、と名乗ればだれでも冒険者に慣れてしまう故にこうしたレベルの低いチンピラが
冒険者を名乗るケースも多いのだ。

『あっ、悪魔憑きだーっ!!』
『たすけてくれぇぇえっ!!』

周囲の野次馬たちは、タイドメーカーを見て驚き、
口々にわめきながら蜘蛛の子を散らすように逃げていく。例の大男も戦意を失った
手下たちに抱えられ、路地裏へと逃げ込んでいき…・・・・。

「へぇ、その『悪魔憑き』……いいえ、異能かしら?
 何度か見たことがあるわ。助けられたわね、一応。」

例の女と、ニアだけが広場に残った。
女は洒落た黒い薔薇のコサージュのついたつば広帽子の下から、
片目だけをのぞかせると、やや挑戦的な瞳で礼を述べた。
345 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2014/12/15(月) 23:45:35.97 ID:6OEGLTZmO
>>341

っ!! "暴っ風っ!!"

【その物音はその場が剣戟の響く戦場であったことを差し引かずとも】
【間違いなくホンの些細な音と言って間違いないものであった】
【しかし、此処が戦場であり、高翌揚し集中力を増したウィントの背後であった事が災いした】
【物音からコンマ数秒を要することもなく詠唱を開始、この時既に転回は半ばを過ぎている】
【物音からきっかり一秒、詠唱完了まで刹那も要らない、既に対象はこの目で捉えた】
【対象は背が低い、振るう刃の位置を微調整、想定範囲内】
【魔法の効果が発動、急激な疾走感が全身を満たして行く、目標到達まで一秒とかかるまい】
【故に一秒後に目前の怯え顏の少女の首が羽飛ぶことは最早確定的な未来に……目前の、怯えた少女?】

っ!? ぅっおあぁぁあぁあぁああ!!?

【周囲に響き渡る驚愕の叫びと轟音、数mの距離を物ともせず放たれた一撃を止められよう筈もなく】
【哀れ、少女の首は牡丹の花の如く零れ落ちる】

……ぶはぁっ!! あ、あぶ、あぶねぇじゃねえか!んのガキぃ!!

【と言ったコトはなく、ウィントの双剣の一振りが切り裂いたのは少女の傍の木の枝】
【ギリギリの所で剣の軌道を少女の首の薄皮一枚を掠める軌道へと変えられたようである】
346 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/15(月) 23:47:00.91 ID:TFPcsiYt0
>>344
「あ、あれぇっ……?」

他の世界の荒事を専門にしている輩よりも随分とあっさりだなぁなんて拍子抜け
流石に自称しているだけだなんてまでは気が回るはずもなく、ただ小首を傾げる結果となった

「あー、まぁそうだってんですねぇ」
「異能って言葉が通じるならそれで助かるってんですよぉっ」

なんせ悪魔になんて憑かれていないのだから
最も悪魔的、怪物的に見えてもおかしくはない見てくれの能力ではあると自覚しているが

「お前の出番、取っちゃったって感じですってんですかねぇっ」
「ふふっ、悪かったってんですよぉっ」

果たしてそれは礼であるが、含むモノもまた存在しているだろう
そしてそれを察する事が出来ない程にまでニアは鈍くはない
月光は抜き身のまま、漆黒の刃を輝かせていた
347 :セラ [sage]:2014/12/15(月) 23:59:45.56 ID:xApYWyzvo
>>346

「いいのよ、荒事は嫌いじゃないけど、
 相手があれじゃあね。弱い者いじめになっちゃうわ。」

ふ、と力を抜いたような笑み。
それと同時に、視線にも幾分かの柔らかさが混じった。

「私はセラよ。お嬢ちゃん、名前は?」

レイピアを腰のガンベルトに戻し、人差し指を唇に当てる。
どうやら、セラと名乗るこの女はニアを観察していたようだ。もしかすると、
自分にも打ち掛かってくるのではないかと警戒していたのかもしれない。
348 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/16(火) 00:06:28.28 ID:xtB6KR1/0
>>347
「ん……」
「……なるほどってんですっ」

同じくして納刀、きんと甲高い鞘鳴り
先程からの凛とした仕草、そして言葉の端々から溢れる自信
それは第一印象での彼女の性格を判断させるに充分な要素だ

「ニアっ」
「ニア・シューペリオリティってんですよぉっ」

ずるり、水音
タイドメイカーを仕舞う
少し軟化した風にも見える態度に同調、微笑んで告げた
349 :セラ [sage]:2014/12/16(火) 00:13:50.98 ID:8upH7SIOo
>>348

「ニア、ちゃんね。助けてもらったのだから、
 何かお礼をしなきゃならないのだけど……そうだ、この近くに2,3日前から宿をとっているの。
 そこの料理がね、おいしいのよ。よかったら一緒にどうかしら?」

ふふふ、と笑うその表情はやや大人びてはいるものの、
年相応のものであり屈託がない。身なりや先ほど振るっていた武器から見てお金に余裕もありそうだ。
止まっている宿もそれなりにランクのいいものだろう。

「あっ……ちょ、ちょっとまって、ま、まだ……あっ、ヤバ……もう?」

しかし、いきなり彼女の態度が豹変した。
妙に慌てだし、まるで何かの刻限が迫っているかのようにあたふたとしはじめたのだ。

「に、ニアちゃんごめん、私、もう、その、行かなきゃならないの。
 そ、そのね……あ、あ、最後まで――。」

――ぱしゅっ!

と、いきなりセラは光の柱に包まれるようにして一瞬で姿を掻き消してしまった。
しかし、ニアにとってはこれは驚きではないかもしれない。似ている。明らかに境界渡りの
世界転移に似ているのだ。
350 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/16(火) 00:23:53.95 ID:xtB6KR1/0
>>349
「いえいえっ、手助けなんて別にっ」
「それに必要だったかどうかも分からないでしたってんですしねぇっ」

と、言葉面を見れば断ってはいるようだが本心は別だ
にへらにへらとさぁ如何にも甘えますと言った風体は何とも情けない
それはきっと所持金に余裕のありそうなセラに対しての期待感も手伝っているなんて事もなきにしもあらず

「……ん?」
「あっ……えぇとっ……」
「……ま、また何処かでっ!」

しかし突然過ぎる越境の前兆に慌てふためき、やっと出て来たただの一言
彼女の体が消えるのを見送れば、何処かの世界での再会を願い歩き始めた

「……最後まで、なんだってんですかねぇっ……?」

途切れ紡がれる事のなかったその言葉の続きに首を傾げながら
351 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2014/12/17(水) 01:01:45.16 ID:z9wztsolo
>>337

「灯りか。彼等はあまり光を好まないようだから程ほどの光量でいい」

 包帯女は自分の事よりも小妖怪達の事を気遣っている様子だった。
 相変わらずの無機質で抑揚の無い声音での返答ではあったが。

【ゆえに小妖怪達の問題さえクリアすれば灯りをつけるのに問題は無い様子】
 【→狐火は陽を厭う、小さな妖怪達に対してはどのような影響が出る?】
 【→参考)幻の要素がある蝋燭の火などは小妖怪に優しい。逆に文化的な蛍光灯などは毒になりやすい】

「…困った。こういう風に怒られるのは慣れていないのかもしれないな」

 そして、起き上がろうとした時に声を張り上げられて、
 包帯女はなんだかキョトンとした後にすごすごと上体を降ろして不潔な布団に入った。

(全く…)

 彼女が人間から与えられたのは懐疑と侮蔑と石飛礫、あるいは無関心だった。
 このボロ小屋だって与えられたものではなく、成り行きで空き家を不法占拠しているに過ぎない。

(私の会う妖怪という連中は…気のいい連中が多いなぁ)

【口角を僅かにあげて、彼女は包帯まみれの顔を手で覆うのだった】
 【→夜叉は品物を探しに市場へ】

「人間、あまり元気ナイ。市場ボロボロ」

 一つ目は麦わら帽の影、夜叉の耳にしがみつきながら言う。
 現在、京には活気が無い。怪我人が溢れているのは勿論だが、
 都市そのものに人の行き交いによる流通と活気…いわゆる生命力に乏しいのだ。

【→食料は生鮮食品は殆ど無い。かろうじて味噌と芋がら、セリの茎くらいは手に入るだろうか】
【→水はそもそも売り物ではなく井戸水から汲むモノ。小妖怪の移動範囲では質の良くない水しか手に入らないようだ。
 ※夜叉に良い水を探りあてるための何らかの能力なり適正があれば質のよい水が手に入る?】
【→包帯:綺麗な包帯は需要があるのか見つかるだろうが便乗値上げのため、そこそこ値が張る。
 ※小妖怪の頼みとはいえ、赤の他人のために貴重な銭を使えるか?という話】
【→薬:消毒用の焼酎や油薬は探せば見つかると思われる。医者は自称医者の狂人も少なくない。
 漢方薬では「千金人参」などいまいち効能に疑問符が付くモノが売られたりもしていたが】

 これらを探し、買い揃える頃には陽光も傾き、夜の帳が降りるだろう。
 文明的な明かりの加護を受けられぬ時代、夜は正に闇が支配する空間となる。
 人は夜を避け、市場の商品も負傷者も表より姿を消してゆく。

【人間の時間が終わり、魑魅魍魎の類が活発となる月夜。妖怪の時間だ】

 そして、帰路、夜叉は遭遇する事になるであろう。
 月夜にポツンと浮かんだ影。全身をブキミなピンク色に染め上げ、
 剥げた頭と体型に不釣合いに腹を膨らませた餓鬼。片手には髑髏を刺した棒を持つ。

【妖怪:赤こべ大将。その足元には生気を吸い取られ、腹を食い破られた浮浪者の遺体】

「うー…」

 一つ目の小妖怪は夜叉の耳元で震えている。

「コリャ?コリャ美味そうなムスメ!」

 赤こべ大将は外見に似合わぬ陽気さで夜叉に話しかける。
 しかし、夜叉の真実を見抜けぬことから、妖力はともかく知覚力は小妖怪以下かもしれない。

「ヒィヒィ、夜道ハアブナイ!京ハ今やオレタチの極楽ヨォ!」

 夜叉の身体のライン。柔らかそうな太ももの肉に舌なめずりする赤こべ大将であった。

//続行か否かよくわからない状態のままで中々タイミング合わないのでとりあえず続き要素をば
//必要ないならそのまま〆ってしまってくだせえ
352 :アキレスベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/17(水) 21:22:51.28 ID:XaBY7fpe0
【とある酒場】
通りは土煙が舞う未舗装の土の道

立ち並ぶ家はやや質素に見える木製のもの
人々は馬に乗り 服装といえば女性はドレス 男性は仕立てのいいスーツか チャップスを穿き ガンベルトをこれ見よがしに巻きつけた滑降

そこは西部劇の映画の中に飛び込んだかのような テンプレ的荒野のウェスタンであった

そんな街の酒場 意気揚々とスイングドアを開けて店内に入るのは
どこか得意げな顔をしたアーティスト アキレス

余所者への視線が突き刺さる中 ソレを物ともせずカウンターへ 金を払い ウィスキーを2フィンガー
一息に呷るその姿は中々に様にはなっているが

(・・・決まった)
その心中は まるで西部劇の主人公にでもなったかのように有頂天 アキレス 酒よりも自分に酔っている最中
353 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/17(水) 21:30:53.89 ID:ImRRsrQPO
>>352
「狂っちまった世界に〜♪」
「……って、な、なんだってんですかぁっ……」

調子ハズレな歌を口遊みながらの入店
ジロリと幾つもの瞳が向けば即座に萎縮して縮こまる
最もワイシャツにチノなんて出で立ちであり、オマケに帯刀までしているのだから目立たぬはずがない
コソコソとカウンターにやって来てはソフトドリンクがないかを尋ねお約束のミルクをオーダー
そのまま俯きミルクが来るのを待つニアであるが、どうやらそのせいでアキレス(の決まっている姿)には今の所気が付いていない様子
354 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/17(水) 21:50:06.05 ID:XaBY7fpe0
>>353
さて ガラス製のコップにミルクが注がれニアの元に
すると背後から迫る気配 その数3

チンピラ1「譲ちゃん ここは子供の来る場所じゃねぇぜ?」
チンピラ2「この町は物騒だ 俺たちでよければエスコートしてやるぜ?」
チンピラ3「つってもよ もっと成長しててくれりゃ嬉しかったんだがな」

個汚い格好のチンピラカウボーイ 酒の入った赤ら顔で 余所者排除&女ゲットとでも考えているのだろう
そのうちの一人がニアの肩を掴もうとする
355 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/17(水) 21:55:51.51 ID:ImRRsrQPO
>>354
「……ぷはぁっ」

一息で半分以上を飲み干し鼻の下に牛乳髭
それを拭い、やっと落ち着いたのか周囲を見渡してみようと思った矢先

「んっ……?」
「……結構ですってんですよっ!」

振り返りざま掴まれた手を叩き落とし、赤眼を向ける
右手は腰に帯びる月光の柄に伸びていた
356 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/17(水) 22:10:27.20 ID:XaBY7fpe0
>>355
伸びる手を払いのけ 刀を抜こうとするニアであったが

ウェイター「お客さん 店内で武器はご法度ですぜ」

ニアの背へ静かに だが威圧的な声がかけられた
店の中で武器を抜かない それは暗黙の了解であり ソレを破れば保安官が飛んでくることになる

「そうだぜニアタン こういう場合は・・・」
そして横手から声がかかる 底にはすでに拳を振りかぶったアキレスの姿

「ステゴロがお約束よ!!」
と チンピラの一人を思い切り殴り飛ばす が

チンピラ2「このクソガキ!!」
「アッー!」
他の1人に殴り飛ばされるアキレスである
357 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/17(水) 22:26:06.08 ID:ImRRsrQPO
>>356
「っ、……」

きん、と鞘鳴音
この男達の行動自体は咎めないのかと内心で毒づくが仕方ない
郷に入ればなんとやら、越境しその先々のルールにはなるべく従うべきである

「あっ! アキレっ……すぅ!?」

どうしたモノかと唸っていれば横手から聞こえる救世主の声
パッと顔を明るくして声の主を見やるがなんと吹っ飛んで行ってしまったではないか

「大丈夫ってんですかっ!?」
「……、このっ……」

一瞬タイドメイカーの発動を考えるものの逡巡
果たしてこの世界に於いてこれがセーフかアウトか
何方かといえば後者に思われる現状、派手な能力の使用は憚られる

「……ならっ……」

もうひとつの異能、マウトフトゥーロを単体で始動
ニアの左眼を構成するナノマシンが仄かに青白い光を帯びる
捉えた視野から思考に指示を下す速度が極めて迅速になり、身体能力の低さをこれで補おうというつもりらしい

「アキレスの仇ってんですっ!」

割と酷い事を口走りながら手にしたグラスの中のミルクを暴漢ひとりの顔に向けて放つ
そして屈み込んでからの勢いを付けた頭突きをその顎に向けて繰り出す
358 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/17(水) 22:40:23.21 ID:XaBY7fpe0
>>357
喧嘩が始まった 酒場の喧嘩もまた娯楽の一つである
ガタガタとテーブルが斃され それでチンピラと自分達を囲う 即興のリングが出来上がりだ

コレでどちらか一方がぶっ倒れるまで逃げることは適わない
オーディエンスは早速どちらが勝つか賭け事を開始し 声援野次指笛が場を盛り上げる

「ニ・・・ニアタンまだ俺死んでない・・・!!」
殴られたときに出た鼻血を拭いながら立とうとするアキレスを追撃しようとするチンピラ2
だがニアの牛乳に驚き一瞬動きが止まる その隙を縫ってニアの頭突きが決まった

チンピラ2「うごぇ!?」
顎にクリーンヒットした頭突きで脳を揺さぶられたチンピラ2が膝から崩れ落ちる

チンピラ1「糞アマが!!」
そして先ほどアキレスにぶん殴られたチンピラ1がニアの顔目掛けて拳を振るう
チンピラ3はアキレスと殴り合いを始めたようだ
359 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/17(水) 22:44:21.46 ID:fxc0XxLDO
【分厚い雲が空をまるで天蓋で覆ったかのように隙間なく埋めつくし】
【星明かりは疎か、月明かりもその一切を地上へと届かせるには至らない】
【そして地上はと言えば、並び立つ家屋や街頭などの一切に明かりが灯ることなく闇に沈んでいる】
【家屋や街並みの荒れ果て具合からして、打ち捨てられて久しいのだろう】

〜〜〜っ、さ……さむいぃぃ……っ!!

【そんな凡ゆる光が失せ果てた様な地に、何処からか小さな輝きが紛れ込む】
【その輝きは細かく明滅を繰り返し、小刻みに震えながら闇の中を舞う】
360 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/17(水) 22:50:05.71 ID:ImRRsrQPO
>>358
「えっ? あっ、こ、言葉のあやってやつってんですよっ」

あははと笑って誤魔化し次の瞬間には頭突きで倒れるチンピラの様子に軽い安堵を覚えていた
視界の端に捉える拳、強化された神経を伝う微弱な電流、だが体はそうはいかない
例えどのような高度なシステムを導入したとしても、ハード面がそれに追い付かなければ意味がないのだから
ニアの体は、その反応に完全に従属出来る程優れてはいない

「……んぶぇっ!?」
「あ、痛、たた……!」

だが自ら後ろに倒れるようにして動き、ダメージを軽減する事が出来たのは重畳だ
それでも殴られた頬は真っ赤に腫れてはいるが
仰向けの状態のニア。 チンピラが更なる接近を狙って来るとしたら
細身のタイドメイカーを自らの体で隠しながら生やして床を這わせ、チンピラの脚を掬って倒さんとする
361 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/17(水) 22:56:35.13 ID:sYl7UNfhO
>>359
闇の中を進むこと少々。
路地の一本からアクチュエータの駆動音。
そちらを覗けば、背の丈2.5mほどの妙にかっこいいロボットが
何やら看板を建物に括りつけている姿が見えるでしょう。
ちなみに、看板の絵は「止まり木にのった小鳥」
どうやら、迷子回収設備を製作中。

窓から灯りも見えてるので、中にも誰かいるのかも?
362 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/17(水) 23:09:23.73 ID:XaBY7fpe0
>>360
「んだらぁ!!」
チンピラ3「ぐへぇ!?」

中々に熱戦が繰り広げられているアキレスたち
そしてニアはチンピラ1の拳を喰らって仰向けに倒れこむ

チンピラ1「オイタが過ぎたようだn」
ニアに追撃しようとしたチンピラ1であったが ニアのタイドメイカーの足払いが決まって無様に倒れこむ

野次「足にきてやがるぜアノヤロウwwwwwwwwwwwwww」
野次「テメェらに5ドル賭けてんだ!! さっさと立ちやがれ!!」

周りからの野次がとんだ
363 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/17(水) 23:09:35.14 ID:fxc0XxLDO
>>361

あぅぅぅ……さむいし くらいし、ニンゲンさんもいないしツマラナイですよ〜ぅ

【ひたすらに寒々しい廃墟ばかりが続く光景と物理的な寒さ故に珍しく不機嫌そうな妖精である】
【そもそもが冬の厳しい寒さとは無縁な土地の出身のため、仕方ない話ではある】

……あり? アレは……もしかして……明っかり〜〜!?
ってコトは、ニンゲンさんもいるかもっ! レッツらゴ〜〜ぅ!

【明かりを目にすれば喜び勇んでそちらに向かって飛んでいくだろう】
364 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/17(水) 23:18:04.17 ID:S0mzBP5M0
>>362
転倒させれば急いでタイドメイカーを仕舞う
ずるりと水音、しかし周囲の喧騒に紛れたか

「あ、痛ぁ……うぇ、切れてるってんですっ……」
「アキレスぅっ、大丈夫ですかぁっ……?」
「……、このぉっ!!」

口の中が切れているらしく、唇の片端から垂れる真紅
起き上がりそれを拭い、転倒させたチンピラの元へと走る
そのまま股間へ向けてサッカーボールキック、振り抜く瞬間目はキュッと瞑ってはいるが
365 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/17(水) 23:18:50.56 ID:sYl7UNfhO
>>363
止まり木同盟。
それは迷子になりがちな漂流者たちの共有休憩ポイントである。
相互扶助の決まりの結晶。

「ん〜?」

どうやら一軒家を改造した感じのようで。
問題は、中で掃除してる側の白ワンピに機械翼のちびっこは
どう見ても人間じゃなさそうな点。

「おきゃくさん?」

ロボの方はなんか無頓着
366 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/17(水) 23:31:32.56 ID:XaBY7fpe0
>>364
「らいひょーぶ!!」
顔ボッコボコですが気にしないでください

ニアの目の前でスッ転んだチンピラは ニアのサッカーボールキックの直撃を喰らって動かなくなった
事切れたわけではないのでご安心を

そしてアキレスの方もチンピラのパンチを避けて背後に回り 後頭部の髪を掴んで

「えいひゃこあ!!」
カウンターの角にチンピラの顔を思い切りたたきつけた
歯が折れ 口から血を流して倒れこむチンピラ 勝負は決した

野次「あのよそ者やりやがった!!」
野次「大もうけだ あのよそ者に乾杯!!」
野次「あのチンピラ共を連れて行け!! 敗者は豚小屋がお似合いだ!!」

テーブルで仕切られたリングが片づけられ 野次馬共がチンピラを担ぎ上げる
なおチンピラたちは酒場に併設されている豚小屋の中に放り投げられてしまいましたとさ

「うぇ・・・超痛い・・・ニアタン平気?」
まるで試合後のボクサーみたいに顔を腫らしたアキレスがやってくる
367 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/17(水) 23:33:35.61 ID:fxc0XxLDO
>>365

たのも〜〜!……? あれぇ? ……???

【過去に利用したコトがあるものの、そもそもそんな施設とは知らないまま使っていた妖精】
【妖精からすれば「なんだか他のところより落ちつくかも」といった程度の認識かさなのやもしれない】
【と、掛け声と共に建物に入り込んだ妖精だったが何やら不思議そうに辺りを見回し】

……んへ? …………?

【自分の方を向いて何やら声をかけていた様な気がするヒトガタを不思議そうに見つめると】
【宙に浮いたまま鳥と少女の中間な姿のヒトガタの額にあたる部分を小さな指でツンツンと突ついている】
368 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/17(水) 23:37:03.16 ID:sYl7UNfhO
>>367
「じーーーー
 こびとさんじゃなくて、よーせーさんか!」

ツンツン返し開始!!
とりあえずでかいのと違って、こっちはちゃんと知覚とリアクション両方もってた。

「じゃあ、あまいのすきだな!?」

つんつんされるのも気にしないで床(というかふかふかカーペット)にしゃがみこんで
ポーチの中身を順番にとりだし。
いろんな異世界のおやつコレクションだ、これええ
369 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/17(水) 23:41:07.19 ID:S0mzBP5M0
>>366
「な、なんとかぁっ……」
「ってアキレス、大怪我じゃないってんですかぁっ……」

マウトフトゥーロを解除、目を閉じて開けば青白い輝きは失われていた
ヒリヒリと痛む頬を抑えながら苦笑
と、しかし明らかに自分よりも重傷なアキレスに目を見開いて慌てて駆け寄った

「氷か何かで冷やした方がっ……」
「あのぉっ、氷か冷たい水頂けませんっ……?」

文明レベル的に氷を常備しているかは微妙だ
ならば水でも仕方ないと判断しマスターに問い掛ける

「それにしても、はぁっ……」
「疲れましたねぇっ……」

その場にどさっと尻餅、溜息ひとつ

370 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/17(水) 23:48:48.09 ID:fxc0XxLDO
>>368

はぎゃぁっ!? に、ニンギョウさんがしゃb、いたっ! ちょっ、ひぁ〜〜っ!?

【改めて至近距離にて妖精を凝視しながら話しかけてくるヒトガタに驚愕する妖精】
【今までの世界では完全な機械人格のモノからは認識されないで来ていたのだろう】
【顔面を庇う様に腕をバタつかせるも、ツンツンを止められず必死そうに抵抗している】

うぇ? あまいのはスキですけどぉ……? …………!!?

【唐突とも言える話題転換と先程までのツンツンの余波にフラついている妖精だったが】
【あまいもの、という一言に視線だけはガッチリとヒトガタの行く先をロックオン】
【ポーチから取り出されていく数々のお菓子に小さな口をあんぐりと開けて言葉もなく驚愕している】
371 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/17(水) 23:54:36.75 ID:XaBY7fpe0
>>369
「あぁうん たまにある程度だから」
この世界的に氷はまだまだ貴重品 なので井戸水でぬらした布を顔に宛がった

「口の中切っちゃったよ 超イテェ」
なお 賭けで勝った連中が話しかけてきたり 背中をバシバシ叩いてきたりしていますが機にしないでください

そんなこんなでまさに西部劇な酒場での殴りあいは集結したのであった

//ではいい時間ですし コレにてノシ お疲れ様でした
372 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/17(水) 23:58:08.97 ID:S0mzBP5M0
>>371
「たまに大怪我って、まぁ……」

越境者なのだ、仕方ないかと苦笑ながらも納得
同じように頬にタオルを当てて冷やしながら、さすがに店主に顔向け出来ないなぁと内心は冷え切っていた

「取り敢えずっ、軽く手当したら移動しましょうってんですっ……」

アキレスに耳打ち、どこか落ち着ける場所がいい
この世界もなかなか、退屈とは無縁のところにありそうだ

//ありがとうございました、お疲れ様でしたーノシ
373 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/17(水) 23:58:15.66 ID:sYl7UNfhO
>>370
「にんぎょーさんのほうがよーせーさんはみえるけどなぁ」

おやつのぶちまけ作業が終わったあとは、暖炉の稼働ですね。
……この気温でふわふわ白ワンピとか、寒さ耐性高すぎんよ。
なお、ツンツンはあきた模様。

「まえのよーせーさんは、爺ちゃんだったけどなぁ」

とりあえずこのメカっ子的には、妖精は生き物カテゴリー≒寒さはNGということのようで。
ストックの薪を暖炉に放り込もうとして

「む。これどうやるの」

夜半に凍死の危機、継続中です
374 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/18(木) 00:11:28.51 ID:gRFPeg4NO
>>373

はへ? ……あ〜、えと……それはつまり、このお菓子を食べていいよってコトです?

【一体全体何がどうしたらそうなるのかは恐らく妖精自身にも分からない】
【分からないが、今はもう目の前のお菓子以外のコトはどうでも良いのであろう】

ほへ〜! おひいはん へふは! ほははほほうへひはん へふはへぇ〜!

【許可を取るコトもなく拡がっているお菓子を口に放り込むコトが最優先とばかりに】
【ヒトガタの言葉に対して口一杯にお菓子をほうばりながら頷きつつ返答する】

……っく……ぷはぁ〜……へっ? それって、えぇっと〜……ダンロ、です?
………………………さぁ?

【妖精にとって、暖炉とは「燃えている物」という認識があるばかりであり】
【そもそもなんの為に火を燃やしているのか、日を維持する為にどうすれば良いのかなど】
【基本的に必要とされる知識二ついて皆無という有様なのであった】
375 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/18(木) 00:16:49.44 ID:4Demf5ToO
>>374
気をつけろ。たまに危険物が混ざってるぞ!
カカオ90%チョコレートとかっ

「わかんないならしかたない。
 よーせーさんは、明日のあさにはカチンコチン」

酷い宣言がなされました。
寒さ対策は自前でやってください。

「ま、『しかたない』。
 よーせーさんはヒトじゃないから、絶対てつだわないとじゃないし」
376 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2014/12/18(木) 01:36:49.28 ID:gRFPeg4NO
>>375

はぐはぐは……ってい! ……むぐむぐ……♪

【その辺りは妖精も流石に慣れた物とばかりに甘味より苦味の強そうな物は】
【妖精独特の勘か嗅覚によって事前に察知して選り分けているのであった】

それって、もしかしてこのままコオリづけってコトです? な、なんともふきつな……

【暖炉に詳しくなくとも寒いと凍るというコトは分かっているようだ】
【ヒトガタの宣告にお菓子に伸ばす手を止めつつ思案すると】

……どこかあったかモフモフなとこを探すですかねぃ

【お菓子の幾つかを抱えながら建物内の防寒用品を探し始める妖精であった】
377 :セラ [sage]:2014/12/18(木) 23:13:43.99 ID:ZNQF2RGpo
未来世界スプロール。

宝石箱のように妖しく煌めく、光輝く都市群の中にも『光』の当たらぬ場所というのは
存在するもので。都市の一角、もし知らずにその店の前を通れば、ジャンク品を扱う古売商のように見えるであろう、
その店舗の奥には、アナーキストや犯罪者、そして都市の裏事情を知る情報屋、非合法スレスレの賞金稼ぎたちの集まる
ネットワークから隔絶された酒場が存在した。

「さて、次の相手は誰かしら?それとももう、私に挑む度胸のある男はいなくなったの?」

その店舗の中央、青白い光を放つホログラム・デッキにはこの世界においては数世代前の服装、と言えるほどに
古風なビスチェドレスに身を包んだ女の姿が浮かび上がり周囲の賞金稼ぎを挑発していた。

これは、この店の最大の売りである『ヴァーチャル・デュエル』なる装置である。

参加者は電脳空間上に自身のデータを送信し、そこで戦闘を行うのだ。
そのため、模造銃を使ったりルールを設定して『死亡』しないようにする必要がないため、
本物の戦いさながらの迫力が味わえるし、戦いの場も何もない無限のフィールドから有名な古戦場、
はたまた精巧に再現された都市の名所まで自由に選ぶことができる、というわけだ。

今回の戦場設定は、『通常フィールド1』。
何もない、何処までも続く電脳空間の平地にところどころ人の背丈ほどの壁や
ちいさな障害物のブロックが設置されている基本的なステージだ。
378 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/18(木) 23:24:18.70 ID:NLcDLKq50
>>377
「いよっ……っと」
「久々だってんですねぇっ、この感じっ」

過去に幾度となく体験した境界間仮想闘技場
それと似た雰囲気を持つこの空気に何処か懐かしさのようなモノすら感じて感慨
アッシュグレイの髪を掻き上げる仕草、空色のスカーフが揺れる
時代的に見ればセラよりは進み、しかしここスプロールに於いては今ひとつ無個性であろう服装はワイシャツとチノ
腰に帯びたブレードだけがなんとも不釣り合いで妙な気配だ

「さぁてっ、連勝してるらしいってんですけどぉっ……」
「ってあれっ? セラじゃないってんですかぁっ」

対戦相手の顔を拝んでおこうと赤眼を向け、つい先日見知ったばかりの相手がいれば驚き
再会の予兆は感じていたが、これ程までに早いとは
しかも仮想とはいえ敵対、なんとも因果なモノである

「……ま、越境者(こんな身分)ですしねぇっ」
「お互いっ、力量知っとくのも悪くないってんですよぉっ」

ぶん、ぶんっ
月光のその黒塗りの刀身を抜き放ち、馴染ませるように数度空を斬る
そして改めて対峙、いきますよぉと不敵に笑い1本の触腕を生やした
ヒトの胴体程の太さと、10m程度の長さを持つそれを蛇の鎌首が如くに擡げてセラへ向ける
そして開戦の合図があればほぼ同時、タイドメイカーでの斜め上からの打突攻撃を繰り出すだろう
379 :セラ [sage]:2014/12/18(木) 23:46:37.85 ID:ZNQF2RGpo
>>378

「あら、この前の悪魔憑きさん……ニアちゃんじゃない。
 へえ、境界渡り同士は何度もめぐり合う、というのは聞いたことがあるけれど、
 まさか、あなたが次の餌食だなんて。まだお礼も返していないのにね。」

次の対戦相手としてつい先日巡り合った同胞が現れた瞬間、
セラは一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに最初にニアへと向けたように……。

未だ、得物のレイピアが腰のガンベルトに引っかけられているにもかかわらずその切っ先を
向けられているかのような気を発し、首を微かに傾けて帽子で片目を隠し、残る片目で挑発的な視線を送る。

「……この前あなたが剣を抜くのを見てわかったわ。あなた、強いでしょう。」

――ざりっ

まるで、演劇のように芝居がかった仕草でゆっくりとレイピアを構え……。
切っ先を、向ける。開戦の合図だ!

――ヒュボッ!!!

同時、既にタイドメイカーを構えていたニアの打突が繰り出される。
幾ら素早いとはいえ、距離がある。これを一瞬にして詰めることは不可能。完全に先手を取った形だ。
これに対しセラは例の一対のレイピアを構え、左手に握った一本でそれを打ち払おうとした。

本来なら、これは無謀としか言いようがない。
レイピアは刀身が細すぎ、折れやすいため受けに向いていない。
斬撃を繰り出す時でさえ、掠り切りと呼ばれるような刀身に負担を掛けない斬り方を行うほどなのだ。
タイドメイカーを受ければ、ぽっきりと折れても不思議ではない……はずなのだが……。

セラのレイピアは、タイドメイカーを受け止めたばかりか、
それを普通の剣のように受け流して見せたではないか。しかも、片手でである。
女性の腕力で大の大人数人を吹き飛ばすさきほどの一撃を受けるとはあまりにも不可解すぎるが……。

その隙を見計らい、セラがニアの懐目がけ切り込んでくる!
380 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/19(金) 00:04:56.42 ID:PaWJvGx20
>>379
「悪魔憑きってのは辞めて下さいってんですよぉっ」
「……強いかどうかはっ、見てみるまでは分からないってんですっ」

苦笑してから続ける言葉
その通りなのだ、能力持ち同士の戦いは強弱だけではなくその相性に大きく左右される事が往々にしてある
この場合、それが大いに露見した形となるだろう

「っ、うわぁっ!?」

構えの姿勢から前のめりに崩れる
タイドメイカーが弾かれ、それに釣られる格好だ
ニアの能力の真骨頂は、攻めの強さに存在する
防御や回避に回った相手をその行動ごと叩き伏せるのがセオリーであり、そしてニア自身もそれを好む
しかして弾かれ、そして攻めに一転するセラの対応は非常にニアとしては不味いのだ

「っ、こ、このっ!」
「……!!」

たじろいだまま、月光を構えて迎撃体制
異能的、魔翌力的要素を多く含む剣での防御及び咄嗟に引き戻したタイドメイカーでの背後からの反撃を試みる
381 :セラ [sage]:2014/12/19(金) 00:19:36.30 ID:uDN2qsH0o
>>380

――タンッ!!

しかし、セラの動きは以前の剣捌きと同じく目を見張る程端役、
重力が働いていないのではないか、と勘ぐってしまうほど軽やか。
この僅かの隙に、互いの剣が有効な距離まで間合いを詰めていた。

いや、それだけではない。
切り込んでくる際に、数本のナイフを投擲してけん制まで行ってきているのだ。

「でも、ニアちゃんね。私……そんな、強い相手を刻んであげるのが……。
 とっても、とぉ〜っても、大好きなのよ。『嬲り殺し』てあげるから……。
 トラウマになっても恨まないでよ?」

例の左手に握る剣……『アンヘル』で月光を払おうとするセラ。
互いの刀身が触れた途端、まるではじかれたような手ごたえを感じるだろう。
もし、ガードを開いてしまえば右手に握る『デモン』による刺突攻撃が待っていることは間違いない。

セラはタイドメーカーの追撃前に勝負を決めてしまうつもりだ!
382 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/19(金) 00:27:18.07 ID:PaWJvGx20
>>381
「な、なかなかいい趣味してますってんですねぇっ……」
「あぅっ……!?」

体を掠めるナイフ、強く弾かれる月光の刃
強く握り締めて手離す事は防いだものの、しかし大きく胸を開く格好となってしまう
右胸にデモンの刺突、目を見開いて次の刹那顔を顰める
だがそのまま一歩、義足で踏み込んで追撃が来る前に月光での袈裟斬りの一撃を狙った
剣技に於いてはほぼほぼ素人地味てはいるが、月光自体の性能でいえば鋭い斬れ味を誇る一閃
同時、根元でセラを振り払うようにタイドメイカーに指示
斬撃も然りであるが、この距離を嫌って突き放そうとしている様子の攻撃だ
383 :セラ [sage]:2014/12/19(金) 00:46:40.24 ID:uDN2qsH0o
>>382

「ほらっ……!!」

――ドッ!!

デモンを強く突き入れ、心臓を一突き……。
セラの狙いはそうだったが、さすがに時期尚早といえて。

「あがっ……!!」

自身の骨身を削るような予想外の反撃に、セラは完全に反応できなかった。
とっさに体をずらすことで刀身を肩で受け致命傷を裂けたものの、これ以上のやみくもな反撃を
裂けるべくセラはバックステップで距離を離した。

デモンはニアに突き立たったままだ。
ある程度深く刺さり、とっさに改修できなかったのだ。

しかし、いったん回避行動に入ればその素早い身のこなしは見事なもので、
軽業師のような要領でうねり狂うタイドメイカーを回避し、少し離れた場所で体勢を立て直す。

「いいわ……こういうのも嫌いじゃない。獲物だって、ちょっとは抵抗してくれないと、面白みがないわ。」

セラは、再び挑発的な目線を向ける。
いや……挑発というより獲物を目にした狩人の目、と表現すべき暴力と血への渇望が混じった危険な瞳を。

「ゾクゾクするわ……!」

再びの突貫。今度はデモンの代わりに、
太腿のホルスターから抜いた古風なフリントロックを撃ち放ちつつの接近だ。
この距離なら、命中精度の低いフリントロックも十分に機能し、危険な威力を持つ。
384 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/19(金) 01:01:09.65 ID:PaWJvGx20
>>383
「っ……あぁっ!!」

ばちん!
タイドメイカーで地面を強く叩き、その反動を付随させてバックステップ
ずるりとデモンが抜け落ちて転がる、血が噴き出して真紅の軌跡を描く
荒い呼吸を整える間も無くその場に座り込んでしまうニア
否、これは予兆であり必要な所作である
戦闘中だというのに地べたに座り込み、胡座をかくようにして脚を組む
すると首筋から生やしていたタイドメイカーの数が増え、合計6本にまで到った

「くぅっ……」
「……痛いなぁってんですよぉっ!!」

通常であれば数本を脚の変わりとして機動する戦法を取るのだが、風の様に迫るセラを前にその猶予はない
6本全てを攻撃に回して空間に対して面的飽和打突
ピストル弾が側頭部、右耳を抉って通過して行く
385 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [sagesaga]:2014/12/20(土) 21:31:19.58 ID:26zjtmrQo
【サイバーパンク世界:スプロール】
 【ゾンビアポカリプス発生より15時間経過――】

 スプロールにて突如発生したバイオハザード(実体は呪術との複合技であったが)により、
 メガロシティC-15区画は全面的に封鎖される事となった。

【都市周辺は物理的・魔術的隔離壁「エリコの壁」が展開。被害拡大を防いでいる】
 【メガコーポからなる企業連により滅菌作戦が立案…カノッサテクノロジーを含む数社が反対の姿勢を見せる】
【現在、「エリコの壁」の内部はゾンビの群れと逃げ行く人々。そして多くの思惑を孕んで動く者達の蟲毒と化していた】

「あ゛ぁぁぁぁっぁあ」
「ぐぁあああああああ」

 煌びやかであったネオン、電磁ディスプレイはその光を消失させ、
 それにとって代わったように炎上するビルや車がライトアップの変わりを果たす。
 街はあっという間に数十年放置されたかのように荒れ果て、物言わぬ死骸と動く死骸が街に溢れている。

【ここに在る者達には多くの動機があるだろう】
 【→企業に雇われ、この災厄の根本原因…キサラギ社のテクノロジー回収の依頼を帯びている者】
 【→純粋な正義感から、人命救助、災厄の消失のために動いている者】
 【→あるいは単純に巻き込まれた者】
386 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/20(土) 21:41:20.12 ID:M9rddqGA0
>>385
さて 企業の仕事を請け負い この場にいるアキレスであるが もう一つ個人的な仕事も残っている
ソレはキサラギ社付近を走行中だった運び屋がアポカリプスに巻き込まれロストしたというのだ

その運び屋が持つ情報の回収もまたこの男に課せられた使命なのだ

「えぇっと・・・? このゾンビ共は頭潰したぐらいじゃ動きとめないんだっけ・・・?」
光の消えたディスプレイの枠にぶら下がりながら 辺りのゾンビの集まり具合を観察している
387 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/12/20(土) 21:54:46.51 ID:26zjtmrQo
>>386

 このゾンビアポカリプスはブードゥーなどの呪術的要素も含まれており、
 運動を担う脳を破壊したとしても、オカルトが肉体を動かし続けるという。
 その運動を停止させる最も効率の良い手段は四肢の破壊である。

「うううう…あああああ」

 眼下には掠れた声を発し続けるゾンビの群れ。
 それは老若男女、大人も子供も男も女も一切の区別なく無慈悲に死が齎された証左。
 一企業もあまりにも低レベルな試みが、この区画の全ての生命の営みを破壊しつくしたのだ。

【→企業連の動きは様々であり、証拠隠滅に動いているモノから人命救助部隊を派遣しているモノまで千差万別】
【→受信のみ可能となったPDAには滅菌作戦施行が大勢を占めつつあるニュースが流れている】
388 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/20(土) 22:08:36.06 ID:M9rddqGA0
>>387
「うぇ・・・こりゃ中々に強烈・・・」
食堂まで上りかけた【もんじゃ】を強引に飲み下す
昔の自分なら即リバースであったが 色々な経験を経ていろいろと逞しくなった模様

「さって・・・見てるだけじゃダメだ お仕事お仕事・・・デモンレッグ!!」
足に青い霧を纏い ディスプレイを蹴って地に着地 その比類なき脚力でゾンビたちの間を縫うように駆け抜けキサラギ社を目差す

そのルートは路地裏をメインに駆け抜けることで 行方不明になった運び屋の探査も視野に入れたものである
389 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/12/20(土) 22:18:14.63 ID:26zjtmrQo
>>388

「ヒィイイイイッ!!」

 そうして極力戦闘を避けて駆け抜ける(実際ゾンビの大半は挙動が鈍い)
 アキレスの鼓膜を震わせる悲鳴が突如鳴り響く。生存者がいる!!

【どうする?】
 【→生存者を同行させるということはあらゆる行動の妨げになる公算が高い】
 【→アキレスの依頼オーダーは自ずから殺戮する必要は無く、可能ならば救助…救助を強いられているわけではない】
 【→利で見れば見捨てる理由は山ほど思いつける。あとはアキレス自身の人間性の問題となる】
390 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/20(土) 22:31:07.36 ID:M9rddqGA0
>>389
誰かの悲鳴が聞こえる 目を向ければゾンビに追い詰められた人がいる
助ける義理はない 仕事の完遂が絶対条件 助ける必要は無い

「・・・・・・・・・・・・・・ッ!!」
助ける必用はナイ 助ける必要は無い 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ベティ!!」
――――ギィ!!

必要の無いそれを助けねば 自らの精神が死ぬ 自分の仲の譲れぬ何かが呼吸を止める
背中のベティを両手で抱える ベティがハサミを開く 生存者を襲うゾンビの腕を切り飛ばさんとする

【ベティのハサミ:人の腕ほどの木の枝を切り砕く程度の力を有する】
391 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/20(土) 22:45:02.13 ID:26zjtmrQo
>>390

「ハァハァ…!!」

 悲鳴を上げていた生存者の姿はすぐに視認できるだろう。
 幼な子を両手で抱きしめ、涙で顔を濡らした女である。

【恐怖に心塗りつぶされながらも最期の時を覚悟していたのだろう】

 ゾンビの津波に今、まさに飲み込まれんとしていたその時!!

【突如割って入ったアキレス。そしてベディのハサミがゾンビの腕を飛ばした】

「は、エッ?」

 突然の状況に事態が飲み込めない生存者の呆けたようは声と、

「ガアアアアアアアッ!!」
「グワアアアアアアアアアッ!!」
「オオオオオオオオオオッ!!」

 正に質量攻撃の如く大量の群がるゾンビ達!!
 ゾンビ・アポカリプスで恐ろしいのはコレである!
 動きの鈍さなど平然とカバーする数の暴力と高い耐久性。

【単体であれば問題にせず処理できるであろう兵達を地獄に突き落としてきたのは正にこの物量である】
【ゾンビ群体の津波…アキレスと生存者…すなわち餌に向かって大量のゾンビが群がる!!】
392 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/20(土) 22:56:02.65 ID:M9rddqGA0
>>391
「エイシャコラ!!」
腕を切り飛ばしたゾンビの顔をベティで殴りつけて親子(?)から引き離そうとする
その行動如何に関わらず素早くベティを背負うと

「はいごめんなさいよ!!」
2人を肩に担ぎ上げて逃げの一手

重しを担いでいる状態だガ 飛んだり跳ねたりしない限りは常人よりもずっと早く走れるだろう

【質問:道中 >385より>純粋な正義感から、人命救助、災厄の消失のために動いている者はいただろうか?いたのなら彼等に引き渡すべく行動するだろう 】

いないのなら とりあえず無事そうな家屋の中に避難させようとするだろう
393 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/12/20(土) 23:05:09.77 ID:26zjtmrQo
>>392

「ハ…ヒッ…」

 担がれている最中に女は気絶してしまった。事態の急変に精神が許容オーバーしてしまったようだ。
 子供はずっと目を閉じて女のしがみついているばかり。下手に暴れないだけマシか?

【しかし、余計な荷物を背負ってしまった事に変わりなく、その挙動は大きく制限されている】
 【→この状態が続くならば目的達成などままならぬであろう】

 夜空を見れば、CAPCOMのロゴが輝くヘリは幾つも行き来し、
 そして、大通りを見れば、

「ヒャッハー!!」

 ヨタモノたちが各々の銃器を持ち、ゾンビシューティング(時には生存者も)に明け暮れている。
 ゾンビのみならず、明らかの生存者であったろう遺体も多数。女性の遺体には暴行の痕跡も見られる。

「オイイイイイ?!なんかファッキン走り屋がいるぜ?ハッハア!?」
「ひぃひひひひ」

 ドラッグが完全の脳にキマっているような叫びがアキレスを捉える。
 そして、新しいエモノだといわんばかりに火炎放射器、サブマンシンガンなど、
 何処かの武器商より略奪した装備をヨタモノたちが有しているのがアキレスにも見えるだろう。

【そして何より…ヨタモノ達がばら撒いた死体の一つに運び屋のモノが混じっていることも】
394 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/20(土) 23:26:46.62 ID:M9rddqGA0
>>393
「・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!!!!」
(やることが手一杯すぎてパンクしそうだよぉ!!)

辺りで動けるのは自分一人 敵はたくさん やることはたくさん

(状況を整理しよう・・・えぇと・・・!!)
自分は企業に雇われている→ キサラギ社に向かい 証拠を手に入れる
親子を安全な場所に連れて行かなければならない→ 親子の救助
情報を持ったままロストした仲間を探し出す→ 情報を手に入れる

(ビズは・・・いいや そっち方面で無能と判断されても困らない)
(この親子を背負ったままアイツラを・・・無理だな)
(今更この親子見捨てるとかイヤに決まってるだろ)

【この時点で企業からのビズを放棄します】

「・・・・あぁもう!!」
近くの家屋のドアを開け そこに親子を押し込めてドアを閉める モチロン中にゾンビがいないことを確認いたらベティを使って四肢を切り刻むことは絶対に忘れないものとする

「デモンアーム!!」
次に青い霧を腕に纏い 近場で転がっている廃車を動かしてドアを封鎖 更に

「ベティ!! このドアに近付くゾンビはみんな切り刻め!! 分かったか!!」
――――ギィ!!

門番を設置し またもデモンレッグを発動

「行くぞファッキンドラッカー!! 運び屋舐めたら怪我じゃすまねぇぞ!!」
自分は運び屋の遺体を確保すべくドラッカーたちに向けて駆け出した
395 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/12/20(土) 23:47:22.80 ID:26zjtmrQo
>>394

「ハァアア?!あたらしいゾンビが着やがったぜメーン!!」
「死ね死ね死ね死ね!!」

 駆け出したアキレスに向かってサブマシンガンの洗礼が浴びせられる。
 狙いは所詮シロウト技のゴミクソも良いところであるが弾幕は警戒に値する。

【アキレスに向かってサブマシンガンの通常弾がばら撒かれる】

 そして、接近すればしたで火炎放射の熱い洗礼が――そのとき!!

「アバーッ!!」

 直後!火炎放射器を持ったヨタモノの眼と股間に手裏剣が突き刺さり即死!!
 アキレスが後方を見れば視認可能であろう。強靭なサイバネ腕を持つストリート・サムライの姿が!!

【知識(ストリート・サムライ)…
 スプロールのランナー(何でも屋)にはこのストリート・サムライと呼ばれる者達が数多い。
 彼等・彼女等はその戦闘力の多くをサイバネティクスに依存させることで、
 白兵戦におけるすさまじい戦闘能力を実現させているのだ】

【援護というカタチになったが果たして敵か味方か?】
 【→どのような態度で行動するか?警戒するか?といったところ】

 −−−−−−−−−−−−−−−−

「カアアアアアアアアッ!!」
「グアアアアアアアアッ!!」

 その間にも親子を避難させた家屋にはフレッシュな肉の臭いに引き寄せられたのか、
 ゾンビ群れが殺到してきている。現在は入り口のドアを封鎖した廃車にたむろしており、
 ベティに向かって手を伸ばす。

【ゾンビ群れ(小)の圧力がベティに襲い掛かる】
 【腕や歯だけではなく、時折強酸性の胃液を吐き出してくる】

「ヒィ…ッ!!」

 いっぽう家屋内。子供は悲鳴をかみ殺している。入り口を封鎖しているとはいえ、窓の外にもゾンビは多数。
 まもなく、家のあちらこちらから窓ガラスの割れる音と、ミシリミシリと足音が複数混じり始める。ナムサン!!
396 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/21(日) 00:06:21.37 ID:J0dBgACl0
>>395
「誰が死ぬかよ・・・!!」
一気に距離を・・・詰めることはしない 流石に銃弾を喰らって平気なわけがない
自分にだって銃器はある 5発装填の小型リボルバー 跳躍し 銃弾を飛び越しながら拳銃を構え サブマシンを持ったヨタモノへと発砲する

突然ヨタモノが悲鳴を上げて事切れた 後ろから現れたのは機械の体を手に入れたサムライ共の姿
普通に見れば味方なのだろう だが自分は運び屋で 相手は何でも屋 職種が違うのだ 警戒はする


【以降はヨタモノを殲滅した後のロール】
「あれれー? 助けてくれたのかなぁアハハハハハハこりゃどうもアハハハハハハハ」
朗らかな笑顔を浮かべながら運び屋仲間の死体に注意深く近付き 彼のショルダーバック(中身は情報)を手に入れようとする

 −−−−−−−−−−−−−−−−

――――ギィ!! ギィ!!
一方ベティは アキレスの言葉を守るべく命を賭した戦いを続けていた
自身の脚力は成人男性の強めのジョギングほどしかない その脚力を駆使して廃車を降り 足元を駆け抜けながら 時にハサミで足首を切り落とし
時にはアキレス腱に針をつきたてる

時折吐き掛けられる酸の飛沫を浴び 甲殻から煙を吐きながらも 総身を持ってゾンビたちに立ち向かっていた

だが小さいベティには全てを対処する力はなく 窓の方に向かうゾンビには対処が出来ない
397 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/21(日) 00:22:37.23 ID:MJ3J7Q//o
>>396

「グワー!!」

 リボルバー拳銃を受けたヨタモノは肩に銃弾を受けてのけぞる!
 瞬間、口中に手裏剣が突き刺さり即死!!背後のストリートサムライだ!

【後は消化試合だ。サブマシンガンの銃弾を刀で弾きながら至近接近を果たしたサムライが、
 カタナを数回振るった後にはヨタモノの死屍累々の屍のみがそこに晒された】

「!!」

 朗らかな笑い顔を作りながら運び屋の遺体に近づくアキレスに、
 顔の半分を布地で覆ったストリート・サムライは手裏剣を構えて睨んだ。

「オヌシは何者だ。その青い霧。もしや、キサラギのニンジャ戦力?!」

【警戒されている。どうやら正体不明はお互い様のようだ】
【瞳は鋭い殺意に充ちており、疑わしきは罰すならぬ、疑わしきは殺すといった色相】

「ワァアアアアアアッ!!」

 ここで突如!聞こえたのは先程アキレスが避難させた子供の泣き声。
 そして、苦戦するベディの姿と、割れた窓より家屋に次々に滑り込んでいくゾンビの姿!!

「…妙なマネをすればオヌシを確実に殺す」

 言うや否や、ストリートサムライはアキレスへの警戒を残したまま、
 ベティに…否、ベティに群がるゾンビ群れに手裏剣を放ち、そちらに駆け出す。

【→物資回収のチャンスである】
 【→少なくともこのストリートサムライの立ち位置の一端は垣間見えるかもしれない】
【→そして仕事の半分はカタが付くチャンス。親子とベティを見捨てて逃げる選択肢も当然発生する】

【そして。ベティはベティで突然手裏剣をこちらに(正確にはゾンビに)投げてきて、
 今にも接近せんとするサムライをどう扱う?>アキレスの命令は近づくゾンビは皆切り刻めであるが?】
398 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/21(日) 00:41:20.97 ID:J0dBgACl0
>>397
「違うな キャリアーといえば分かるだろう ランナーさんよ」
スリケンを構えるサムライに 動きを止め サムライを睨みながら口を開く

キャリアー 情報の運び屋を指す呼び名の一つである

そして子供の悲鳴 窓から家屋に入り込むゾンビ そしてゾンビに切り込むサムライ達

「テメェらこそ妙な真似したらブチコロす!!」
素早くショルダーバッグを背負い 家屋へ向けて駆け出す

 −−−−−−−−−−−−−−−−
―――ギィ!? g・・・・g・・・・?

ベティは突然現れた金属人間(ストリートサムライのこと)に戸惑った 
ゾンビを切り刻めとは言われたが 金属人間はどうしろとはいわれてないのだ・・・が

「ベティ!! ゾンビだけだ!! ゾンビだけを狙え!!」
―――ギィ!!

直後 アキレスから飛んできた指示にハサミを振り上げる
全速力で家屋へと突き進むアキレス 素早くベティを拾い上げると 窓へ一直線

「んだらぁ!!」
必用ならば体当たりでゾンビを押しのけながら窓から屋内へベティを放り込もうとする
399 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>165 [saga]:2014/12/21(日) 01:04:18.27 ID:MJ3J7Q//o
>>398

「キャリアーか。オヌシが何を運んでいるかにもよるがな」
「企業とは関係がないとはいわせんぞ。ここに到るにはエリコの壁内部に潜入できるコネがいる」

 キャリアーと聞いて軽快を解くわけにもいかないのは道理だ。 
 どちらにせよ、敵か味方か判別するには情報が足りなすぎる。互いに。

「イヤーッ!!」

 シャウトを発しながら、ベティをすり抜け家屋に突入するストリート・サムライ。
 さらにもう一人は玄関に立ち両手にサブマシンガンを構える。
 全身機械化されたストリート・サムライの大半はスマートリンクシステムを搭載しており、
 恐るべき射撃精度と連射速度を発揮する。

【そして、ベディが室内に放り投げられれば、今、まさにサムライが生存者を背後にゾンビ群れと戦っている最中】
 【→状況的にこの場面では明らかに味方なサムライ。互いに消極的な共闘という概念をベティに理解できるか?】


 −−−−−−−−−−−−−

【戦闘後――】

 戦闘が終われば生存者を両手に抱えたストリートサムライが現れるだろう。
 ベティと共闘できていたならばベティも伴って。(→戦闘発生の場合は改変あり)

「………」
「貴様が目ざとく拾った。そのバッグ。開示してもらおう」

 しかして、やはり鋭い敵意はアキレスに向けられたまま。カタナとサブマシンガンが向けられる。
 ここでストリート・サムライについて情報を整理してみるとしよう。

【生存者の救助を優先している。現にアキレスの確保よりも優先していた】
 【→少なくとも証拠隠滅/殲滅部隊の類ではない】
 【→しかし、生存者をどう扱うか?という判断材料は現状乏しい】

【アキレスを警戒している】
 【→当初、キサラギの名が出た事からキサラギ社とは敵対関係に可能性が高い】
 【→アキレスに対しては、キャリアーであること以上を向こうも分かっていない】
 【→回収したバッグについても当然見られた。ゆえに開示を求められている】

【運び屋として】
 【→運び屋が荷物を安易に他者に見せれば信用失墜は免れない】
 【→同時に現在は超緊急かつ予想外の事態。なおかつアキレスは回収役であるので言い訳は…立つのか?】
 【→運び屋としてもポリシーと矜持。または現実との折り合いなど姿勢が問われる場面ではある】

【アキレスのコネ】
 【→先方に提示可能な情報は整理できるか?何故ここにいる。誰に雇われたなど】
400 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/21(日) 01:30:57.03 ID:J0dBgACl0
>>399
さて 屋内に放り込まれたベティであるが その前に凸したサムライ達がゾンビ相手に無双していました なので

―――ギィ・・・
自分に出来ることは何もないようなので おとなしく隅っこでおとなしくしていましたとさ

 −−−−−−−−−−−−−
さて 戦闘が終わって 辺りは少しだけ静かになりました 少なくても今すぐにゾンビが襲い掛かってこない程度には

「一つ聞くが・・・キャリアーが脅されてハイ分かりましたと情報を明け渡すかね?」
運び屋は依頼主と配達先以外で情報を公開することはしない たとえ死んだとしても ソレがキャリアーの絶対条件である

「お前さんら 俺が企業と結託していると見ているがソレは見当違いだ 俺がここにいるのは別口の依頼主からのビズでね」
「依頼元はカノッサ・テクノロジー 内容はこの馬鹿げたことをやらかしたキサラギの物的証拠を押収すること・・・」

「だがまぁソレは表向き 正直この場に踏み込むためなら別に何処のビズでもよかったんだ 本命はコレを回収すること」
と言ってショルダーバッグをポンと叩く

「首尾よくコイツを見つけられれば ついでで証拠押収も視野に入れていたんだガ そこの親子を見つけちまってね あえなくビズは失敗というわけ」
そういって頭をポリポリ掻き 鋭い眼光をサムライに向ける

「口ではどうとでもいえるが 信じるかはお前さんらだ そして信じなければ 俺は死ぬことになる・・・この世界の俺は キャリアーだ」
 
401 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/21(日) 01:44:55.43 ID:MJ3J7Q//o
>>400

【おとなしくしていたベティに対してストリート・サムライは特に手出しはしなかった。
 敵性存在でなければ無闇に争う気はないという分別はあるようだった】

 そして、ゾンビを駆逐し、一時的な安全を確保したところで、
 アキレスには別の試練が待ち構えていた。このヘヴィな状況である。

「互いに譲れぬ利害がある。この世界ではさして珍しいことではない」
「私達もオヌシの情報とやらが有害であった場合、排除せねばならぬオーダーがある」

 まず、キャリアーの絶対条件に対しては当然の対応であった。
 これはストリートの闇を生きる者達の不文律である。ゆえに争いは絶えない。

「…つまるところ、企業ビズに乗じての別依頼の遂行が目的だったという事か。
 カノッサ…その筋ならば、行動に矛盾はない。またも偽善を施すか」

 そして、アキレスが説明を続けている間でもストリート・サムライ達の鋭い目つきは一向に和らぐことはない。
 が、少なくとも問答無用で殺害、というようなスタンスではないこともまた確か。

「我々は生存者の救出。そして、キサラギの殲滅部隊の排除だ。…利害は一致するな。
 そして、オヌシは企業ビズと生存者を秤にかけたとき、生存者を優先…ランナーとして失格だ」

 罵倒…のようでもあったが、ストリート・サムライ達はカタナを仕舞い、銃をホルスターに納めた。
 
「長くは生きられんな。オヌシは。生存者は私達が責任を以って預かろう。
 我々のクライアントはEDF。今回は救助活動に動いている企業だ。照会してもかまわん」

 つまるところ、生存者を実験動物として解剖などという筋でもないということ。

「オヌシはビズに戻れ。キサラギの確保が貴様のビズならば、そのほうが良い。
 互いに本命が違うならばなおさらだ。そして叶うならば――証拠を掴め。一人の人間としてこの災厄は義憤に耐えぬ」
402 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/21(日) 01:53:53.19 ID:J0dBgACl0
>>401
「情報についてキャリアーが何か知ってると思うか? 何も知らないから平気な顔して運んでるんだぞ?」
大げさに肩を竦めて見せる 有害だといわれて死ぬキャリアーは 皆何も知らずに殺されるのだ

そして説明を終えて 武器がこちらから離れた なおランナー失格の一言には

「褒め言葉・・・として受け取るよ ベティおいで」
―――ギィ!!

ベティが背中に張り付く そしてバックパックからゼリー飲料を2つ取り出し 中身を胃の中に流し込む

「こっちに殺意がなきゃそれでいいや お勤めご苦労さん デモンレッグ」
そういって足に青い霧を纏い

「行くか!!」
地面を強く蹴り キサラギ社へと向かうのであった

//そろそろ時間も遅いのでそろそろノシ お疲れ様でした
403 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/21(日) 15:50:27.17 ID:fGDe7TZhO
【月面都市】
大きな天蓋窓の向こうは星空。その一角に蒼い惑星。
これは24時間変わらないこの街の特質である。
軽くはねてもわかる身体の軽さ。
24時間どころか奥年単位で変わらない、この星の特性である。
クレーターにカバーをかける形で造られたこの街は
多くの月面事業者達にとって重要な保養地だ。


「うぁー、これはヤバイなぁ」

人が集まればそこに仕事が生まれる。
箒とちりとり装備ロリっ子とカートを押すロボのペアが見つけたのは
放置されたスーツケース。
これを見て、ちびっこがヤバイといった理由はひとつ。
爆発物の可能性、というやつである
404 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/21(日) 16:16:02.31 ID:CC37bMIMo
>>403

 悪の大組織の幹部だってたまには休みたい。
 それはそうだ。心休まるひと時というのは貴重だ。
 善であれ悪であれ、休暇を希求する精神は同じはずである。
 ましてや、その生の大半を滅私奉公に尽くしてきたのだ。心のままに生きて何が悪い。

【ゆえにカノッサの幹部も休暇をとれば保養もする。間違いない】

 だからオーダーモノのスーツではなくカジュアルなシャツ(だだし超高級)に身を包み、
 この重力から開放された都市でちょっとした保養にと繰り出し、
 無目的に散策を行っていたわけで、

「おや。随分と珍しい組み合わせだね。愛玩ロボットと警備ロボットとは」
「仕事かね。いや、主導権は君も方か。それは興味深い」
「わが社のロボット部門はどうも成績が悪い…というかあからさまに赤字部門でね。頭を抱えているわけだよ」

 無駄にダンディで耳どおりの良すぎるバリトンの声で、
 なんか感情回路やら挙動からが良好な自立ロボットにそんな話をしたりするワケで(バカンスだしいいだろJK
 そんな風に自立ロボットの自立的おしごと風景という何とも興味深い行動を観察したくもなったわけで、

【そしたら何か厄ネタ拾ってきやがったわけで】

「スーツケースをそのままゴミにか。勿体無いものだ」

 ヤバイという言葉を聞いておきながら、すっとぼけた事をいうバロウズ。
 どちらかと言えば、このロボットの行動と考えを観察したいという風だ。
 未知の存在の反応を観測するというのは実に楽しい娯楽である。
405 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/21(日) 16:24:13.80 ID:fGDe7TZhO
>>404
愛玩用といわれてはてなマーク浮かべた。

「メイド服きたほうがよかったかぁ」

多分そうじゃない。
後ろのデカイののほうが、ひらひらエプロン(2.5mの体躯に合うサイズ)とか
自分の軽合金装甲の上につけはじめたのは気のせいでもない。
律儀に応えようとするのはきっと真面目だからだ。

「確かにもったいないなぁ。
 おっちゃん、これもらうか?」

一切さわろうとせず指差しで確認。
丁寧に、デカイのを盾にできる位置へ立ち位置変更したあたり
自己保存機能は健在らしい。

「いらないなら、けーさつに電話な」
406 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/21(日) 16:34:52.24 ID:CC37bMIMo
>>405

「愛玩用で重要なのは服装ではなく、心休まることらしくてね。
 メイド服を着させた戦闘ロボを発売してみたのだが、
 あまりに不幸な事故が多くてあっという間に発売中止になった」

 そっち方面で試そうとした不穏の輩が多く、その、まあ、色々と駄目になったのだ。
 ロボット部門の不良在庫がマシマシになったのは言うまでもない。

「あと、後ろのロボット君を止めたまえ。需要はおそらく無い」

 とも言えないのが好事家の恐ろしさなのだが、
 バロウズには理解が出来ない世界である事には間違いない。

【彼の能力:扇動者もこのシーンでは宝の持ち腐れかもしれない】

「フーム…君が言うヤバイモノか。興味はあるがね。正直どの程度危険なのだね。アレは」

 スーツケースを指差して問う。このお掃除区画にどの程度の被害を齎す。
 そも、この区画はどういった場所だ?など好奇心が刺激されて色々と考える。

【同時に安全確保と警察に連絡というある意味正しい思考も観察している】
407 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/21(日) 16:44:21.81 ID:fGDe7TZhO
>>406
「おおう、バトルメイドはうれないのか!?
 おとーさんらは、朝まで語ってたけどなぁ」

要人護衛とかで相当の需要がありそうなイメージでした。
開発チームの連中は割りとまじめにそれを検討していたようで
別な意味で衝撃も受けた模様。
もっとも、こいつを作ったメンバーなら
その不良在庫からまた何かやらかすに違いない。
工業用小型機の管制ユニットを萌え化するような連中である。


「んー、ちょっちまってな」

背負うようについていたウィングユニットがパカっと開いて
そこからあふれたキラキラがスーツケースに入っていった模様。

【ナノマシン展開と統合運用が限定的ながらできるらしい】

そのまま少々。

「プラスチック系爆発物と起爆ユニット。
 振動検知がついてて、ダミーが2枚。
 タイマーじゃないな、電話でスイッチっぽい?」

たどたどしい口調なのに技術用語だけ妙に流暢なのは仕様です。
適度にメカ感だしたほうが萌える、と断言するおとーさんたちの趣味です
408 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/21(日) 16:54:44.33 ID:CC37bMIMo
>>406

「目の保養だけで済ませてくれるなら売れたのだろうけどね。嘆かわしいものだよ」

 メイド的なイロエロ(誤字ではない)機能を持たせるには色々とパワがありすぎたのである。
 出力の極端な切り替えには色々技術的ブレイクスルーが必要であった。
 無駄に容姿にこだわったものマイナスになっちまったとか何とか。

【そんな馬鹿話をしながらもスーツケースを中止していたが】

「可塑性混合爆薬に信号スイッチか。故意にここに設置していたのか否かが気になるところだね」

 改めて周囲区画を確認してみる。ここを爆破することで何らかのメリットなり意思表示なりが出来る場所か?
 それとも、ただ爆発させれば満足というようなサイコキラーの仕業か?
 そして、この月面都市において、プラスチック爆弾の持ち込みはそれほど容易か?

【などなど、こういった思考ゲームは楽しいものだ。と思いつつも現実的な解も考えねばならないだろう】

「君の言うとおりだ。ここは警察の仕事だね。善良な一般市民としては通報するのが義務というものだろう」

 コムリンクを取り出して警察に連絡を入れようとする。
409 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/21(日) 17:10:12.91 ID:TgTLnt/bO
>>408
「そもそもケガさせるようなパワーつけたら
 おそーじとかおせんたくでこまりそうだけどなぁ」

むしろ最初からパワー控えめで作るべきだった、把握。
我が父たちは慧眼の持ち主だったのだなぁ、と。
メイド機能優先で戦闘能力はオプション装備で補う選択がきっと正しかったのだ。

『市街地設計図ヨリ、階下ニ水素ラインヲ確認。
 燃料電源供給停止、燃焼ニヨル酸素消費ガ目的ト推測。
 リモート起爆用監視手段ノ捜索ヲ提案』

ロボ(エプロン)がシャベッタァァァ。
都市機能麻痺させるにはよさげなポジションのようです。
政治的意図はいくらでも出てきそう。

「バレてるのに爆破しねーのかぁ。
 けーさつくるまで、まつ?」

あっさりと連絡がついて警察と爆発物処理班が出動するようです。
早くも遠くからサイレンが聞こえてきた
410 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/21(日) 17:25:01.72 ID:CC37bMIMo
>>409

「なるほど。盲点だったね。パワーを抑え目にオプション機能で戦闘を補うとしよう」

 頷きながら、ロボット部門に提案してみようと考えるバロウズ。
 後に新たなメイド戦闘ロボが発売され、数日で販売中止、リコール騒ぎになったのは別の話。
 カノッサテクノロジーの株価はまた、あそこのロボか。ということで対して影響がなかったのが幸い。

【ショギョムッジョ】

「ナノマシン…ふむ。自己生成も可能なのかね」

 少女ロボが散布するナノマシンについてはあまり深くは考えないようにしている。
 無限の可能性が持つ技術。であるが、危険度も非常に高い。ゆえに彼の世界では廃れた。
 この辺はある種の偏見と、災厄的結末に到った(あるいは到らしめた)世界を幾つも見てしまった忌避感もある。

「なるほど。社会システムへのダメージも起こりえると。政治的アピールにも位置取りとして悪くない。
 と、なるとこうして見つかったのはややオソマツではあるかな」

 少女ロボがたまたま見つけたということだが、
 彼女の索敵能力ゆえか偶然のたまものか、単に設置場所がザルであったのか。

「監視方法の操作と平行して、信号式ならば受信の妨害はできないものかね?
 我々にやれるのはおそらくそれくらいだろう。爆弾の解体は警察の仕事だ。」

 言うと、バロウズの影からヒュッと紫色のうろこを持つ三ツ又首の蛇が現れる。
 蛇は周囲にぐるうりと顔をめぐらせると、監視手段となりえる機器の捜索を開始する。

【少女ロボットからみれば、さしずめ手品めいた現象だろうか?】

「あと…エプロンは外したまえ。警察の諸君には目に毒だ」

//私事で一時間ちょい外に出る羽目になりもうした;<凍結か続行かはお好きにん
411 :TypeD-7@ようじょとロボット :2014/12/21(日) 17:36:37.06 ID:TgTLnt/bO
>>410
「自分を作るのは禁則事項。
 それに増えたら、おとーさんたちひとりじめできねーしな」

アンロックすれば作れるらしいよ。
でも本人が作りたがらない感じでもあるらしいよ。
そしてナノテクががっつり揃ってる理由は……、うん。
そのうち語られるでしょう。

「たぶん、むじんだったんだろうなぁ。
 これだからいせかいまいごはタイヘン」

人通りなさそうだし大丈夫と思ったらそこに境界渡りが落ちてくる恐怖。
しかもなぜか掃除始めるし、向こうも子供巻き込みたくないしで
いろいろ監視してる側も大変そうです。

「まほーつかいってことは、おっちゃんもわたりどりかー」

あんま驚いて貰えませんでした。
ま、このあと警察が来て、意外と面倒な内部構造で揉めますが
それは別の話

//
こちらも夕ご飯なので〆ましょう

412 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2014/12/21(日) 20:50:03.27 ID:QY5adF040
「....」
神崎は連隊本部から出ると近くの喫茶店に向かった。

復活から2日。今だ自分が死んだ身だということを実感出来ず違和感を感じている。
部下は何人かいなくなっていた。
カミモリ達が言うには左遷されたらしいがそれさえよくわからないのである。
自分が何なのか、なんのため蘇ったのか。それも分からず連隊の本部で書類をチェックして判を押している。

店に着くと昔通りコーヒーをブラックで頼む。待つ間、外車の情報誌を見ながら時間を潰す。いいなあ、と思いながら。
413 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage]:2014/12/21(日) 20:59:21.68 ID:tPtJNOYDO
>>412
「……相席、いいです?」

ふ、と突然に掛かる高く柔らかな女の声
本より目線を起こせば、或いはチラリとでも視線を動かせばそこには
薄茶色の髪を左で纏めて下ろし、その下にはくるくるとした笑顔を浮かべる顔が張り付いた女性が立っているはずだ
いつの間にかどうやら空いている席が無くなり、この申し出となった様子
否定や拒否反応が示されなければやや強引に神崎のテーブルのナナメ前に陣取るだろう
414 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2014/12/21(日) 21:16:13.91 ID:QY5adF040
>>413
「ん....別にいいよ。」
少し雑誌から目を上げ、全く表情を変えず答える。
雑誌を1ページめくり、フェラーリとかランボルギーニとかの高級車のページに入る。
ほんの少し、これらの車に乗っていた記憶だけはある。
しかし全てを思い出すにはあまりにも小さすぎ、不十分であった。
415 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage]:2014/12/21(日) 21:26:56.44 ID:tPtJNOYDO
>>414
どうも、と愛想良い笑顔のまま会釈。 着座
ウェイターが水を運んでくれば注文

「あー、お店のブレンドを」
「……あ、ブレンドのベースって?」
「……『ブラジル』、ですか。 ありがとうございます」

そして自身のコーヒーがやって来るまでの間、チラリと雑誌のページを盗み見る

「……『イタリア』車、いいですよね」
「FIATとか、好きですよ私」

笑顔の、そのまま目だけを細めた
416 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2014/12/21(日) 21:39:43.14 ID:QY5adF040
>>415
「イタリア車はいいよ....金持ちは大抵これに乗ってるんだよね。昔私も乗ってたけどね。多分」
多分ランボルギーニやフェラーリに乗ってた気がする。そんな気持ちがよぎる。

この記憶障害はカミモリ達曰く、記憶の転写過程でバグが生じてそのままロールアウトしたせいであるとのこと。
数日で自己修復するということだが、まだできてない様である。
第二世代の改良版である彼は戦闘力も第四世代と比べると大きく劣る。
すなわち、かつてのような戦いは難しいということである。
こういうことを考えるとやはり、気分はよくはならない。

コーヒーが来た。
もうひとつ小さな皿にチョコチップクッキーが一つ、ついていた。
「サービスがいいね、この店は」
つぶやくと雑誌から目を離しギャラエに話しかける。
「貴女はどういう方かな?なんとなくだけど普通の人には見えないね。どっかの研究員とか技術者の方?」
大雑把な性格は今だ健在である。
417 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage]:2014/12/21(日) 21:50:03.70 ID:/qmuNZTJ0
>>416
「ですね、同感します」
「『ドイツ』『ジャパン』なんかも頑丈でいいですけど、やっぱりセンスが違いますよねぇ」
「……多分?」

ふむ、と神崎の瞳を……その奥に存在する物体を透視するかの様に見詰める
無論透視能力が存在する訳ではない
ただ、コーヒーがサーブされる迄の短時間の合間ではあるがそれ程までの凝視というだけだ

「ん、こういう細やかな心遣いって、金額や実体以上に効果がありますよね」
「……どちらもハズレ、単なる旅人ですよ」
「……貴方は? 不思議なお方」

カップを口元で傾ける
ひとくち目を啜り、ほぅと一息
先程と同じような、興味から来るのだろう視線を神崎に再度向けた
カップをソーサーに置き、クッキーを口に放り込む
418 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2014/12/21(日) 22:06:16.59 ID:QY5adF040
>>417
「デザインはまだまだヨーロッパの方が上だ。だが、普通の人は品質が良くて、安いのに乗りたがる。当たり前だが」

運ばれてきたコーヒーを一口飲み、返ってきた答えに顔を一瞬顔をしかめる
「む....ハズレか。私は見ての通り軍人だよ。」
「でも、私以上に貴女のほうが不思議だ。なぜ旅をしているのか。それが是非知りたいね」
少しニヤリと笑うとコーヒーをもう一口飲む。
419 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage]:2014/12/21(日) 22:16:22.27 ID:/qmuNZTJ0
>>418
「無駄を楽しむのが、楽しめる立場ってのが幸福のひとつの基準でもあるんですかね」
「その当たり前が、当たり前ではなくなるって言いますか」

そこまでをペラペラと喋り、軍人、と鸚鵡返しに反芻
成る程出で立ちからすれば当然だ
だがその当然を疑う所から始めなければならない
越境者という立場がそれをさせているのだ
先程の、国などの固有名詞を態とらしく会話に出したのもそのひとつだ
尚、その事に察しが付けばギャラエが越境者であるという推測が成り立つかも分からない

「旅の理由、ですか」
「……そうですねぇ、成り行き上仕方なく、でしょうか?」

まぁ楽しんではいますけどね、と微笑みの仮面をまた被る
420 :セラ [sage]:2014/12/21(日) 22:25:49.92 ID:6i+QAxjPo
>>384

「つっ――!!」

座り込んだニアをみてダメージを受け怯んだと判断、
さらに速度を上げて踏み込んだセラだったが、タイドメイカーの数が増えたのを確認し、
露骨に顔をゆがめて舌打ちをした。

セラは自身の身のこなし、スピードとカンに自信を持っている。
それでも、あの自在に動く触手を6本相手にしてはどうしても全てを避けきるイメージができなかったのだ。

(……ハッ、いいじゃない。やってあげるわ。
 いつだって私は、そうして勝ってきたのだから。)

プライドの高いセラはここでの最適手であろう、一時の後退をあえて退け速度を活かしての攪乱戦を選択した。
踏み込みの勢いそのままに高くとびあがると、レイピアを一度ベルトに戻し、両手でフリントロックを抜き放ちニアに発砲。
そのまま、背後への着地からの接近戦を狙う。
421 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2014/12/21(日) 22:30:29.04 ID:QY5adF040
>>419
「へえ、まあ色々あったんですね。余計な詮索はしませんが。」
コーヒーをソーサーに戻しすとクッキーを口に入れ、ポリポリと咀嚼する。
「でも楽しそうですね。少なくとも今の私よりは幸せそうだ。」
にっこり笑うとコーヒーを飲み干し、その辺にいたウエイターにおかわりを注文する。

422 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/21(日) 22:33:28.20 ID:/qmuNZTJ0
>>420
「……っ、いいカンしてますってんですねぇっ……!」

多数の触腕による攻撃は制圧力こそ高いモノの、射程に関しては然程ではない
タイドメイカーの限界の10mより以上は決して届かないのだ
舌打ち、逡巡、タイドメイカー何本かを『脚』として機動するべきか?
それは確実に僅かではあるが時間的猶予をセラに与え、ニアに取っては致命的とすらいえた

「、上っ!?」
「こ、のォっ!!」

流星が如くに降り注ぐ銃弾、タイドメイカーを貫きそこからギラつく体液を噴射させる
続き行ったのは当てずっぽうともいえる所作
しかしそれが厄介なのは5本の野太いパワフルな触腕に依って行われているという点である
後方に向けてノールック、ある触腕は薙ぎ払いある触腕は打ち下ろし
様々な防衛手段を、だが命中には心許ない抵抗を試みる
423 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage]:2014/12/21(日) 22:36:55.56 ID:/qmuNZTJ0
>>421
「……なんにもないニンゲンなんていないでしょう?」
「そういう貴方は? 自称不幸せな軍人さん」

先程の多分、と言った言葉や幸せではないとも取れる今の発言
何処と無く、そう、『ただの軍人』で終わらせられぬ雰囲気である
そもそも果たしてこの国の軍隊の着ている服と神崎のモノは同じだろうか?
ふ、とそれとなく観察しているようだ

「……あ、私もおかわり」
「えぇ、同じブレンドを」
424 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2014/12/21(日) 22:53:41.39 ID:QY5adF040
>>423
「うん、そうだよね。私も南極で中東軍と戦ったり、バクダット要塞作戦とか色んなところを回って世界旅行してきたよ。ベルリンでは司令部曰く、戦闘は手榴弾の届く距離から始めよ、とさ。おかげでドイツ軍は倒せたけどこっちはどれだけの人間がくたばったか分からんのんです。とりあえず手榴弾の投げ合いってのは2度とやりたくないですね。」
淡々と過去の戦歴を語る。
「本当はこんな服なんか着たくないですよ。今は一応平和ですから我々は今暇なんですから、軍なんかいらないはずなのに今も量産され続ける第二世代は本当に
気の毒です。」

淡々と語る様子から、軍服を観察する目線には気づいていないようである。
本来そんなことは軍人としてあるまじきことであるのだが。
425 :セラ [sage]:2014/12/21(日) 22:58:59.06 ID:6i+QAxjPo
>>422

この攻撃で自身の持つフリントロックはほぼ撃ち尽くした。
ならば、とばかりに残りの小刀を投擲して再び牽制。

レイピアを再び抜き放ちながら、それを追いかけるようにニアに突貫する。
触手による攻撃は確かに脅威だが、相手は自分の速度についてこれていない。
攻撃の精度もさほど高くないように思える。

……今がチャンスだ。この勝機を逃せば、勝負はどう転ぶかわからない。

「――悪いけど、とらせてもらうわ。」

セラはうねり狂う触碗の一撃を紙一重で避け、躱しながら肉薄。
十分に速度を乗せて己の愛剣、アンヘルをタイドメイカーの根元である脊椎部目がけて突き出した。
426 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage]:2014/12/21(日) 23:03:03.16 ID:/qmuNZTJ0
>>424
「へぇ、立派な戦歴をお持ちなんですね」

中東、イラク、ドイツ
少なくともそれらを相手取る国の所属だと推測が出来る
古い言い方をすれば連合国、もっと踏み込めば米軍関係だろうか

「……ん?」
「貴方、もしかしてアンディ(アンドロイド)ですか?」

視線の先は軍服からその上に乗っかる顔に移る
それは先程迄の観察眼ではなく、単純に驚きと好奇の入り混じったモノに変わっていた

427 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/21(日) 23:10:13.78 ID:/qmuNZTJ0
>>425
「っ、マウト・フトゥーロぉっ!!」

触腕がぼんやり、青白い光を帯びる
それは内部に潜むナノマシンの活発化を告げる合図だ
先端に眼球が現れ、そして5つの視線で索敵を行う
だが、それを行使するのは少々遅過ぎた
既に投擲した短刀は不可避の領域までの接近を果たしており、

「っ!?」
「……ぁがっ……!?」

即ちセラのレイピアの一閃が喉を突き破るのも必然的に起こる
空気を求めて口を、金魚のように数度開いては閉じる事を繰り返し
そしてその内、ホログラム上のニアの体は立ち消えていった
428 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2014/12/21(日) 23:14:16.68 ID:QY5adF040
>>426
アンディか?その質問をされ、神崎は一瞬困った顔になった。ほんの一瞬だが。
「おや、惜しいね。元はそうだけど。元々私自身が指揮官型だったから戦闘力が落ちてね。困った開発部の奴らは私をサイボーグ化することでその問題を解決した。
ちなみに私の部下のほとんどはアンドロイドだよ。たまにサイボーグ手術受けてるのもいるけどね。」

コーヒーを飲みながら見事なまでに軍事機密をペラペラ喋っていているこの男は大丈夫なのだろうか。
429 :セラ [sage]:2014/12/21(日) 23:20:52.62 ID:6i+QAxjPo
>>427

――グジュッ

血液と肉の欠片、ナノマシンの粘液が引き抜かれたレイピアの刀身と共ににわかにあふれ出し、
水音とともにバーチャル空間の地面を赤く染める。

「あなたも私を満足させてくれないのね。
 でも、悔しがることはないわ。だって、相手が私だったんだもの。」

――ふふふふふふ。

薄れゆくニアの視界には互いの顔が触れんばかりに近づけられたセラの顔がぼんやりとうつり、
最期に、挑発的な耳打ちと、言葉とは裏腹に満足げな微笑が響いた……。
430 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage]:2014/12/21(日) 23:25:59.05 ID:/qmuNZTJ0
>>428
目を大きく開き、へぇと感嘆
大凡気にしてはいない素振りだが、一瞬の変化を見逃してはいない

「ボーグ、ですか……」
「どちらにせよ、興味深いです」
「……コーヒーを嗜むボーグ」

くつくつと、人差し指の関節を口元に当てて押し殺した笑い声
実に無礼ではあるが、しかしそれを隠そうとしないのは内心で機械兵を見下しているからであろうか
いや、否だ
根本の性格の問題である、ギャラエ自身の

「……っと、もっとお話ししていたかったですけど……」

携帯端末の鳴り響く音
それをポケットから取り出してディスプレイを見て態とらしく肩を竦めて見せた

「それじゃ、エニシがあればまた何処かで」
「……さようなら、不思議な軍人さん」

席を立ち、着信に出、通話先の相手と話しながらウェイターに料金とチップ
喫茶店の出入り口で端末を耳に当てたまま振り返り、神崎に向けて一度ウインクをして店を後にした
431 :おんも [sage]:2014/12/21(日) 23:27:15.72 ID:/qmuNZTJ0
>>428
>>429
〆な感じで大丈夫でしょうか?
ロールありがとうございましたっ
また宜しくお願いしますー
432 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2014/12/21(日) 23:46:39.21 ID:QY5adF040
>>430
笑うギャラエを眺め、コーヒーを一気に飲み干す。
「ええ、私も話がしたかったですが....」
彼のスマホが鳴り、ほぼギャラエと同時に席を立つ。
「分かった。第一中隊は右翼、第三中隊は左翼に回り、速射砲隊の支援の下、第ニ大隊を援護の後、敵を包囲、殲滅せよ。敵はなるべく全員殺れ。いいな。」

電話を切るとかなり真剣な顔をして、こう言った。
「すいませんが、すぐに私は連隊本部へ戻ります。またテロが起こったらしいですから。」
「ええ、ご縁があれば。今度は部下も連れてきますよ。では。」
彼も大急ぎで本部へ戻って行った。


次の日。
テロは無事終結。実行犯400名はほとんど射殺され、神崎はその報告書をタイプしているところであった。そんな時、
(あ、昨日わ勘定彼女に払わせちゃったなあ....今度会ったら返さんとな....)
こう考え、再びタイプを続ける。
「そうだ、おーい、ヘイル君。コーヒーくれ」
「はい?俺は当番兵でも副官でもありませんよ?」
「まあ、いいじゃない。傭兵のサービスの内だって。こういうのは」
「ったく本当に....」
今日もこの連隊は平和だ。多分。


//ここで〆ときます!ありがとうございました!
433 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/22(月) 21:10:10.29 ID:66qelu2wo


 ネットワークマトリクスが世界の距離を縮めたというならば、
 それらが存在しない世界は物理的には小さくとも、質実的には広大なのだろう――

 −−−−−−−−−−−−
【戦国世界:ヒノモトの国】

 この世界は永きに渡る戦国大名の領地獲得紛争により混迷を極めていた。
 漢達の手には鍬ではなく、刀や槍が握られ、力こそが摂理であると雄弁に語る。
 世は苦界と化し、暗黒時代とすら呼ばれる時代を舞台とした世界である。

 −−−−−−−−−−−−
【京の都】

 権力中枢たるバクフと、象徴たるミカドのおわす絢爛豪華なるヒノモトの都。
 であったのも今は昔。現在においてその威光は見る影すらなくなっている。

 バクフは命脈を使いはたし、地方の諸大名に対する統制を失い、
 戦乱の世に蠢動を始めた魑魅魍魎どもの度重なる襲撃により京は衰退の一途を辿っていた。

【サムライ衆も疲弊し、陰陽師はほぼ全滅と相成った】
 【京の都の霊的防衛力は消失し、次なる百鬼夜行の襲撃に耐え切れるか…都には絶望が満ちていた】

 −−−−−−−−−−−−

【スタート】

 京の都が燃えている。全身怪我だらけのサムライ衆が餓鬼や化け提灯などの妖怪と切り結んでいる。
 都市を逃げる女衆が幽鬼に捕まり、生きたまま引きちぎられている。
 幼子が炎に飲まれて原型を留めず崩れ去る。

【混迷を極める京の都…今回の舞台である】
 【→ショーグンは既に都を見捨て雲隠れ。行方を知るものはいない】
 【→ミカドはここに到り、匪賊と蔑まれる(根本には異なる者への恐怖も強いのだろう)ことすらあった
   各忍び里のニンジャに救援を要請。なりふり構うゆとりなど皆無と判断したのだろう】
 【→また、不安定な都の状況は境界線のゲートを開きやすくしているかもしれない】
434 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/22(月) 21:29:32.54 ID:3LDG0p2N0
>>433
「……あ痛っ!?」
「っちちち、って、なんだってんですかこりゃまたっ……」

今まさに越境、背の高さ程の空間に口を開いたゲートから落ちて尻餅
そして顔を顰めながらも素早く周囲を探る。 越境癖だ
黄昏の都に響く阿鼻叫喚
なんとも混沌としている、それが第一印象
しかし次に考えるよりも速く体は動く
この手の世界に於ける、先ず意思の疎通が測れそうな相手を見付けるという不文律
目の前で斬り合いを行うサムライと……何だアレ
なれば援護を行うべぎ何方かは瞭然だ、万一違ったとしたらそれはその時考えればいい

「危ない! ってんですよっ!!」

サムライのひとりと交戦中の餓鬼に向けて、月光を抜き放ち不意打ち気味に斬り掛かった
435 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/22(月) 21:43:27.28 ID:66qelu2wo
>>434

 突然現れたニアに警戒を向ける者は居なかった。
 それどころでは無いというものあるし、既に彼等の対処力が飽和しかかっている事も表している。

【火の粉舞う戦場はある種の倒錯した美しさを伴い、都の危急を照らし出している】

 ニアが見たサムライは腕を失っている。それも新しい傷ではない。
 既に四肢を失うような負傷を推して戦っているという状況。つまり…圧倒的劣勢を意味している。

「アバーッ!!」

 突然乱入したニアのアンブッシュにより、餓鬼は無残に首を刎ねられ絶命!
 が、その背後には複数の妖魔の影!!

「SYAAAAAA」

 空中の浮遊する幾つもの生首…としか表現のしようがない妖怪:鎌舌。
 鎌舌は突然の闖入者に向かって血走った瞳を見開くと、

【ビュン!とその名の由来たる鎌のように鋭い舌を振るい、ニアの首を寸断せんとする!!】
【それも背後には複数体!!初撃を防ぐだけではなく、後続をどうするかも考慮せねばならない!】
436 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage]:2014/12/22(月) 21:46:13.70 ID:c/M0tACQ0
>>433
【またこの感覚だ。ゲートに呑まれ溷濁の中に身を任せる感覚。己では抗えぬ、外部から運命を操作されているようなこの感覚をゾンネは嫌う】
【しかし最早慣れたもの。不快感は拭えずとも、何度となく越境してきたゾンネに心の乱れは無い】
【そっと目を閉じ、そして次に開いた時そこにあるであろう未知の世界に希望も、絶望も無く。ただ己が目的の為全てを受け入れるのみ】

あは……随分とまぁ、賑やかねぇ。
でも私は今そんなに楽しい気分じゃないのよ。
目障りだわ……何もかも。

【ゆっくりと目を開けばそこは燃ゆる都。ゾンネにとって見た事もない建築様式に見慣れない格好のニンゲン。そしてそれを襲うヒトでは無いモノたち】
【暴力のままに襲い喰らうモノたちも、それに抗う術を持たぬニンゲンたちも全てが気に入らない。だから】
【だから排除する。その気の赴くままに。襲うモノも襲われるモノも区別なく、ただ視界に映る目障りなモノを消してしまおうと無差別に雷撃を放つ】
437 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/22(月) 21:50:25.99 ID:3LDG0p2N0
>>435
「よしっ、大丈夫っ……」

ってんですか、とお決まりの間延びした語尾を付随させるより優先されたのは
今まさに助けたばかりの隻腕のサムライの視線のその先だ
突然の乱入者である自身ではなく、その向こうの何かを確実に視界に捉えていた
浮かぶ表情の険しさにもソレは味方ではないだろう、ならば

「……っ、八葉ぉっ!!」

咄嗟、背中を丸めて8本のタイドメイカーを生み出し爆発的勢いで背後に向け面を制圧する目的にて打突
同時にマウト・フトゥーロで触腕からの視覚情報を脳に送り込み
狙いを定めて伸ばし切った触腕を叩きつけ或いは薙ぎ払いの軌道で振るう

438 :鬼仮面(仮面のカノッサ機関員) [sage]:2014/12/22(月) 21:52:26.83 ID:S2D3+E/Ao
>>433
「なんだここは?酷い有り様じゃないか。この世界の退魔師は何をしているんだ?」

そう呟くのは、鬼を模した仮面を被った和服の少年、歳桃園太郎。その仮面にはカノッサの紋章が刻まれている。

「やあ、お侍さん。手こずっているようだね。あ、こんな仮面してるけど奴等の仲間じゃないよ。」

侍に近づいていく仮面の少年。パッと見妖怪の仲間に見えなくも無いため、誤解されぬようにする。

「僕は妖怪じゃない。彼らを倒す者――退魔師だ。」

懐から式神の札を取りだし言う。尤も、歳桃は生まれこそ退魔師の家系だが今はそれを捨て、カノッサ機関員として活動しているのだが……
439 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/22(月) 21:57:34.45 ID:66qelu2wo
>>436

「グワーッ!!」
「ギャーッ!!」

 この新たな闖入者は何にとっても何一つの救いにもならなかった。というべきであろう。
 新たに出現した暴力は逃げ惑う人々、抗おうと戦ったサムライ、蹂躙せんとした低級妖怪を
 すべて一緒くた≠ノなぎ払っていく。

【炭化する化け提灯、全身より黒煙を発し絶命するサムライ、頭部が砕け散り倒れ伏す町人。
 飛来する雷に子をかばおうとした母親は、子もろとも絶命し、決死の覚悟すら犬死と断じられる。
 陣太鼓を振るい気勢を振るい立たせていた軍楽衆も絶望の悲鳴を上げている】

 なにもかもを目障りと断じた彼女の無慈悲はそのままに現実となって現出する事となった。

「イヤーッ!!」

 そのような虐殺行為が繰り広げられた正にその時!!
 裂帛の気勢とともに、ゾンネに向かい放たれたのは…手裏剣!!

【5ツの手裏剣がすさまじい回転と速度でゾンネに向かってひた走る!!】 
440 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/22(月) 22:12:44.52 ID:66qelu2wo
>>437

「ギャーッ!!」

 鎌舌はその鋭い舌が届く前に、ニアが、眼前のニンゲン?が突然生やした触腕により、
 打ち落とされ、地面と熱いキスを演じる。その威力たるやキスが熱烈なあまりに瞬時に血だまりと化すほどである!
 が、しかし!!

「…き、貴様も妖怪変化の類か!!」

 タイドメイカーを生やしたニアの様相はあまりにも人間離れしており、
 明らかに妖怪に近しい有様であった。隻腕のサムライの敵意はニアに向き、カタナを向けられる!
 カタナは疾風を帯び、風が吹き荒ぶ。

【そも隻腕のサムライがたった一人でここを抑えていたのだ。雑兵であるはずがなし】

「疾風剣飛燕」

 その場でカタナを振るうサムライ。その剣はニアに届かず。
 しかし、発生した不可視の真空の刃こそがカマイタチとなりニアを袈裟斬りにせんと突き進む!

【様相が誤解を生んでしまったカタチとなる】

>>438

「あ、アンタ、陰陽師か!!生き残りがいたのか」

 それは絶望の人心にとっては正に救いであったろう。
 何せ、この都の陰陽師は全滅したのだ。彼の姿は正に陰陽師。退魔師そのものであったのだから。
 鬼の面も、敵を模し、なおかつ魔を祓う般若面に見えるというものだ。

「ああ、町人をどうにか逃がしているが各所が突破されている。
 ミカドのご威光で中央部はどうにかなっているが…ショーグンはさっさと逃げちまった。ハァーッ!!」

 炎を放とうとした野火送りがカタナで寸断される。

「新手の妖魔(ゾンネのこと)も現れて…ひでえもんさ。くるぞ!!」

 ドドドドド!と回転しながら向かう車輪がアリ!が、燃えている!その車輪は燃えている。
 妖怪:地獄車。中央には殺戮の愉悦に歪む瞳。

【車輪の重量そのものの質量攻撃により民兵集が次々に潰され、流血が車輪を濡らす】
【その炎は魂すらも焼き焦がし、無念と断末魔を滋養として木と鉄でできた車輪はより重く大きくなってゆくのだ!!】
441 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/22(月) 22:22:16.09 ID:DlNYWlK/O
>>440
「あっ、」

やっぱそうなりますっ? と紡ぐ言葉は風切り音に掻き消えた
咄嗟に身を屈めて回避するも、八葉全てを両断し尚突き進むカマイタチの威力に冷や汗

「……待ったぁっ!」
「ニアはえぇっとぉ……」
「あ! あの陰陽師様のシキガミですってんですよぉっ!」

と、鬼仮面>>438を指し示しながら
敵意のなさをアピールするためだろう一応月光を鞘に納めて屈みながらもホールドアップ

「で、ですからっ、味方ですってんですよっ」

こんな見てくれではあるけど、と冷たい汗混じりの苦笑
尚再度タイドメイカー1本を発動し、
言葉を受け入れて貰えたならばそれを妖怪へと
万一そうでないとすれば隻腕のサムライへ向けて振るう
442 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage]:2014/12/22(月) 22:23:41.05 ID:c/M0tACQ0
>>439
あっは、みんなバラバラぁ……っ!?

【目障りなモノを全て排除し、視界に動くものは炎の揺らめきのみ。その光景に愉悦していると、突如鼓膜を揺らした奇声に反応する】
【それが何かは視認出来ないが、眼前に迫り来る飛来物に脳が警鐘を鳴らす。舌打ちを漏らし手にする大鎌を帯電させると、それらを迎撃しようと薙ぎ払った】
【刃は手裏剣を弾き飛ばし、黒の一閃を掻い潜ったものも纏われた電流の衝撃翌力によりその軌道を大きくずらす。しかしその数5つ、不意打ちに近い形からの完全迎撃は叶わず、直撃コースから逸れた手裏剣がゾンネの肩口、頬を刻み虚空に赤い線を引いた】

こっの……!
いい度胸してるわぁ……!!

【死んでいた。恐らく手裏剣を放った者の声が耳に届かなければ、そのまま5つ全てが身体に突き立てられてこうして立っていることは出来なかったであろう】
【それがわかる故にゾンネは激昂する。悔しさ羞恥怒り、感情のまま大鎌を震えばそこから放たれるのは微弱な電撃】
【直撃して命を脅かすものでは全くない。ただ、身体の自由を奪う程度にシビレさせる電撃だ】
【ゾンネに手裏剣を投げ傷を負わせたモノがその電撃に身体の自由を奪われたのならば、そこへゆっくりと近付き、これまた緩慢な動作で大鎌を振り上げてその首を飛ばさんとするだろう】
443 :鬼仮面(仮面のカノッサ機関員) [sage]:2014/12/22(月) 22:41:10.17 ID:S2D3+E/Ao
>>440
「いや、彼女らは妖怪じゃ……」

(まぁいいか……彼女らが死んでくれればその遺体を回収出来るし……簡単にはくたばりそうにないけど)

鬼仮面が、この世界に干渉した理由はどさくさ紛れて死んだ能力者の死体を回収するため。故に彼女らが死のうと構わない。

(だけど、敵が増えるようであれば、彼女らは妖怪でないと伝えた方がいいな……)

今のところ、鬼仮面には彼女らがこの場で敵になるかは分からない。少なくとも、ゾンネの方は味方にはならなそうだが


>>441
「…………何をいっているんだい?僕は君のような式神を持った覚えはないよ?」

その言葉を否定する鬼仮面。実際、ニアには見覚えは無い。だが、その能力には見覚えがあった。

(覚えはない……確かに彼女には……だがあの触腕……似ているな、偶然か……?だが……)

以前戦った怪物とあまりにも似ていた。そして、その時に出会った、恐らくその怪物の出生に関わっていると思われるギャラエは、何かを隠しているようだった。

(考えが変わった……ここは彼女の味方をして、後に情報を聞き出すとしよう。尤も彼女が何か知っているとは限らないけど……)

「ああ、いや、違った。さっきのは間違いだ。そいつは新入りの式神だったんだ。名前は……ええと、神将・蛸。」

あの怪物の正体が気がかりな鬼仮面は、一転してニアの味方をしようとする。そして、蛸というなにやら失礼な名で呼ぼうとしている。



444 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/22(月) 22:52:09.97 ID:66qelu2wo
>>441

「シキガミだと?!」

 懐疑と敵意に満ちた眼を向ける隻腕のサムライ。そう簡単には誤解は解けない。
 が、仕方がない。仕方がないのだ。突然、状況に巻き込まれたニアには預かり知らぬ事であるが、

【衰退したとはいえ、京の都を守護するサムライ衆。その栄誉と自負は大きかったであろう】
【が、妖怪の出現によりそれは粉と砕かれた。死にゆく同胞。護り切れぬ民。炎に消えた妻子】

 無念、怒り、慙愧、殺意、後悔、嘆き、憎悪。
 それらが渾然し、宿った瞳がニアに向けられる。

「戯言を!!」

【ニアに理解できるとすればその瞳のみであろう。理屈などとうに吹き飛んでしまっている】
 【妖怪に対する憎しみが、そして己の無力に対する怒りが、
 そして、限界を超えた戦いを行っていたという状況が、サムライの判断を奪ってしまっていた】

>>442-443

 そのまま推移すれば間違いなくニアと隻腕のサムライは抜き差しならぬところまでいったであろう。
 が、ここで鬼仮面が行った…打算と気まぐれの混合物の如き言葉こそがそれを解きほぐす結果となった。

「陰陽師?!ならば…」

 人は権威と己の常識に支配される生き物である。それは愚かとは別の概念。
 実際に退魔を司る陰陽師がいるのならば、ニアでは届かなかった言葉も届く。

「…チッ!!」

 隻腕はニアへと憎しみを保留するだろう。最も、シキガミとて使役される妖怪(バケモノ)≠ノ変わりは無く、
 その懐疑と敵意は消える事はないだろうが!!

「おい!陰陽師!何やっている!!」

 ここで鬼仮面の側にいたサムライから強い警告の叫び!!
 そう、鬼仮面が状況の思案をしているなかで取りこぼしてしまった脅威があったのだ。
 それは、猛スピードで接近していた地獄車だ!状況思案を優先したためか完全に対応が遅れている!!

「キャシャシャシャシャシャ!!」

 大質量+スピードという単純、単純であるゆえに小細工無しの威力を誇る大激突が、
 今や、鬼仮面の眼前にまで迫っているではないか!!

【→ニアと鬼仮面、地獄車はやや距離が離れている位置取りとなる】
 【→鬼仮面は反応行動が遅れたために取れる選択肢とその時間は非常に限られているものとする】
445 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/22(月) 22:52:26.30 ID:66qelu2wo
>>442

「ヌン!!」

 あばら家の屋根に仁王立ちになるは忍装束を身に纏い、
 顔の下半分を布地で覆い隠した…紛れもなくニンジャである!!

「奇天烈な格好をした妖魔め!伊賀衆が黒鷺…参る!!イヤーッ!!」

 放たれた雷撃に対し、黒鷺は手裏剣を周囲にばら撒く!
 それらに誘導されるように電撃が方向を変えて衝突する。
 ただの避雷針現象にあらず。その手裏剣は鉄の属性を帯び、強化されていた。魔法?否、忍術である!

「ヌウウ!!」

 しかしこの行動は回避行動の遅延を生む。ニンジャはニンジャ等を抜き放ち、
 緩慢で、かつ質量に優れた大鎌の攻撃をすんでで受け止める。

【ただ受け止めるだけではカタナがへし折れる。
 ゆえにカタナに手甲を沿えて衝撃を受け止める防御法を選択!鍔迫り合いというには不利なる格好となった!!】
446 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/22(月) 23:01:33.64 ID:3LDG0p2N0
>>443
「んげっ……」

と、まぁ鬼仮面の反応はご最もである
見ず知らずの相手に、突然利用されるような物言いをされているのだから
さてこの事態をどう切り抜けるべきか、と逡巡
だがそれを考える合間に急変、なんとこちらの意図を汲み尚且つ乗ってくれたのだ

「た、っ……、そ、そうですってんですよねぇっ?」

蛸かと思わず出掛かったツッコミを飲み込み苦笑
一先ずはなんとかなったかと安堵、しかしだからといって助かった訳ではないのだ

>>444
「そ、そういうわけでぇっ……」

取り敢えず納められた矛先
最も敵意や殺意までもはそうではないが
ただまぁ物質的な害意がなくなったのは重畳と言える、この状況に於いては特に

>>443-444
「っとっ、遠いなっ……!」

八葉、を展開するには体力的に厳しい
5本の触腕を生やし4本を脚代わりに高速機動
地獄車と並走し残る1本で横腹を突かんと薙ぎ払う
だがそれは鬼仮面の救援には間に合うモノでは到底ないであろう
現状に於いてニアに出来る最善の手段が、
鬼仮面の恐らくは起こすであろう何かしらアクションに対する地獄車のリアクション
その隙を狙った攻撃のみなのだ
447 :鬼仮面(仮面のカノッサ機関員) [sage]:2014/12/22(月) 23:06:16.06 ID:S2D3+E/Ao
>>444,>>446
「くっ!蛸に構っている場合じゃなかったか!?」

今から式神を召喚しても間に合わない。そして、相手との距離はすぐ近く、避けることも不可能だ。ならば、とれる行動は一つ、悪魔の札だ。

「間に合えっ!!悪鬼招雷!!」

急ぎ懐から黒い雷模様の札を取り出す。そして、行うは悪魔と妖怪の力比べか。札から黒い雷が放出される。

「ぐうっ……腕がっ!!」

しかし、距離が近すぎるため札を持った自身の右腕をもその雷が襲う。

448 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage]:2014/12/22(月) 23:15:01.27 ID:c/M0tACQ0
>>445
誰が妖魔よぉ……! 訳のわからない事をペラペラと、おまえの格好の方が明らかにブッサイクでおかしいわぁ!
ブサイクブサイクブサイクぅ!! 私の前から消えなさぁいっ!!

【確かにニンゲンから見れば雷を操る尖り耳のヒトガタなど妖魔としか見えないのだろう。しかし自身以外を劣等と断ずるゾンネにとって余りに侮辱的】
【しかしそんな事よりも、最もゾンネを侮辱し、怒らせ、逆鱗に触れたのは自身の恰好を奇天烈と評されたことである。確かに独特なセンスであるが個人的には密かにお気に入りの改造ドレス、それを蔑まれたことで彼女の怒りは沸騰。髪の毛まで帯電させれば毛先がふわりと浮き上がる】
【僅かに見えるニンジャの瞳を真紅の双眸で睨みつければ、カタナと刃をぶつける大鎌に闇色を帯びた高圧電流を流す】
【一般人であれば即昇天の威力を持った電圧は、そのまま刃交わるカタナからニンジャへと流れるところであるが、それは相手が一般人であればだ】
【鍛え上げられた忍びの者と鍔迫り合いを演じられる程ゾンネを腕力はない。先程犬死に斃れた女よりも劣るものであるかもしれない程に】
【ニンジャが不利な体制であろうと、少し刃に力を込めるだけでゾンネは競り負け体制を崩すであろう】
449 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/22(月) 23:22:01.48 ID:66qelu2wo
>>446-447

「ギャッハッハッハッハッハッ!!」

 地獄車の激突の瞬間!発生する悪鬼の黒い雷!!
 それは地獄車の対し雷撃の壁となり、その妖力と質量を推し留める!!

【が、当然ながら、至近により発された黒雷は鬼仮面の腕に襲い掛かる!!】
 【→その腕を、肉を、骨を、神経を、地獄車の絶息の一撃と引き換えに、己が雷撃が襲い掛かるのだ】

「チェストーッ!!」

 陰陽師の危機を援けんと、サムライがカタナを振るうも、カタナは強靭な車輪に阻まれ折れるのみ!硬い!

【そして、接近する式神:蛸に対して…地獄車の側面の眼球がギョロリと視線を向ける】

「――火術:花連華」

 地獄車の瞳の前に幾重もの術式文字が出現し、それらが収束して幾つもの炎弾となり、
 接近する式神:蛸にまるで速射矢の如く連弾となって放たれる!!

【→式神:蛸に対して炎の連弾が迎撃として襲い掛かる!!
【→そして鬼仮面と地獄車は拮抗状態にあるが、これを早々に打ち崩さねば拙いのは明らかである!】
450 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/22(月) 23:32:35.63 ID:66qelu2wo
>>448

「ヌウウウッ!!」

 燃え盛る京を舞台に激突するニンジャと妖魔。
 先程から面妖極まる言を繰り返す少女の姿の妖怪に対して、
 ニンジャはその言葉の半分も理解できていない。だが、

【燃える京。それに混じって炎に包まれるは無慈悲なる雷撃の犠牲となったサムライと民】

(理解など不要!只、滅すべし!)

 瞬間!ゾンネの瞳に攻撃の意思宿り、そして毛先より帯電の現象!まさしく危険の兆候そのもの。
 ニンジャは眼を見開き、カタナに添えた腕に力を込めて、大鎌を弾く!が、僅かに遅い!!

「ッ!!イヤーッ!!」

 返す刀で一閃!ゾンネの顔を狙った斜めよりの斬り上げが見舞われた!!
 しかし、弾くより一瞬だけ早く、雷撃が僅かにニンジャの腕に伝わり、その動きを阻害している!!

「アイエエエエエエ!!」
「アイエエエエエ!!」

 付けくわえるならば、現在、二人がいるのは尋常たる勝負を演じる荒野でもなければ闘技場でもない。
 カオスに沈んでいる戦いの場そのものである。妖怪は跋扈し、民衆は二人の戦いに腰を抜かし、
 竹槍を持った包帯塗れの民兵は一つ目鬼の眼球に竹槍をつきたて、サムライは妖怪の浸透を阻まんと槍衾を形成。

【状況要素はたっぷりとある。ゆえに行動選択肢はかなり多い。これを利用するかしないか。
 つけいるか、つけいれられるかは、ゾンネ次第であるが】
451 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/22(月) 23:35:15.97 ID:3LDG0p2N0
>>449
「っ……!?」
(まずっ……! タイドメイカーを盾に……っ!!)
(……ん? あれ、アレって……)

サムライの鋭い一閃をも弾く地獄車、連続して襲い来る火球
防御に使用せんとするもしかし触腕は炎に弱い
と、しかしそこで突然の天啓にも似たしかしこの上なく奇妙なひらめき
果たしてそれはどうなのだろう、だが迷っている暇なんて一時足りともありはしない

「たっ、タイドっ・ホイールっ!!」

ソレがコレを示す取り敢えず思い付いた名前である
ニアが取った格好は名前の通り地獄車を模倣したモノだ
自らを中心とし、縦に展開した触腕を車輪のように機動する
多少の質量の少ない攻撃ならば上から下に振り下ろす触腕の勢いで全てを[ピーーー]事が可能
また速度も、触腕自体の筋力で強引に動かしているために相当に素早い
ほぼ直線機動のみというのが弱点か、しかしそれはこの場合どうでもいい
何故なら地獄車へと辿り着きさえすればいいのだから、何方かと言えばニア自身高速回転しているために目が回る方がマズイか
炎の連弾を弾き、或いは被弾面積の減少に依り躱しながら高速接近
そのまま横腹目掛けて激突せんと狙う
452 :鬼仮面(仮面のカノッサ機関員) [sage]:2014/12/22(月) 23:41:54.51 ID:S2D3+E/Ao
>>449
「ぐ……うう……!!」

(まずい!腕がもう殆ど動かない……)

動かなくなった右腕。だが、悪魔の札は離さない。これを離してしまえば地獄車に自由を許してしまう。

(なんとか……なんとかしないと……)

左手を懐に潜り込ませ、なんとか札を取る。取ったものは寅の札。亥では攻撃を外す可能性が高く、辰の炎にいたっては浴びせたら逆に強化されてしまうかもしれない。そのため、寅しか選択肢はなかった。

「神将・寅!頼むぞ!」

馴れない左手で札に念を込め、寅の札を足元に落とす。そして、暫くすると鬼仮面の足元、地獄車との間に割って入る形で虎の姿をした式神が飛び出してくる。

453 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/22(月) 23:57:20.81 ID:66qelu2wo
>>451-452

「ギャハハハハハハハハハッ!!」

 鬼仮面の焦燥をつぶさに観察し、口無き姿でありながら、愉悦の嘲笑を発する地獄車。
 幾百人もの人間を潰し、数人の陰陽師を粉微塵にしたことで、地獄車は多量の滋養を得て力を増していたのだ。
 いよいよ以って、鬼仮面の肉と魂を新たな滋養にせんと――

【と、その時!!】

 地面より突如生えた虎の式!それが割って入り鬼仮面への圧を弱めると共に、
 地獄車を固定、拘束せしむ!!

【さらに横手より、炎の連弾の激突を受けながらも疾駆する、忠実なる式神:蛸の姿が!!】

 式神:蛸は勢いのままに地獄車の衝突!!それを弾き飛ばすことに成功した!!
 地獄車は中空に跳ね飛ばされながらも途中でピタリと停止。
 怒りに震える車輪は纏う業火を強め、再度の方向転換――再激突をしかけんとする!!

【→均衡が崩れたことにより鬼仮面は行動の自由を得た。敵との距離を稼いだのだ!】
【→頑健かつ炎に包まれている地獄車と衝突したニアの状態は如何に?敵の再アタックはすぐだ!】

「GUAAAAAAAAAAA!!」

 地獄車の噴出する炎はまるでもう一つの太陽。
 その炎の揺らめきが帯びるは地獄車に殺され、断末魔すらも喰われた犠牲者の苦悶の形相と嘆き!
 嘆きが力を生み、糧となり、滋養を生む。まさに悪夢の連鎖也!!

【火術:火祭り】
【地獄の業火を纏った地獄車はコシャクな者共を灰燼に帰さんと突き進む!!】
454 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/23(火) 00:05:34.15 ID:Vrz5Tz6x0
>>453
「……っ!!」

衝突、衝撃、冗談みたいな熱量
全てのタイドメイカーは再度失われ、そして体は宙に投げ出されるのは必然
むしろ喜ぶべきであろう、火傷のみに収まり四肢全てが健在である幸運に対して
地面に落ちて二度バウンド、そのまま滑って少しして止まる
腕を支えに起き上がろうとしてはいるものの上手くいかない
タイドメイカーを展開せんとしてはいるものの上手くいかない
結果として命運は託された、行き連れの越境者たる鬼仮面に

455 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage]:2014/12/23(火) 00:07:28.58 ID:r73yaJIy0
>>450
くうぅ……っ!!

【眼下から迫る刃、しっかりと目で捉えてはいるが鈍い身体はそれにすぐ反応はしてくれない。一瞬死が脳裏を過るが寸前でその刃が鈍った】
【流した電流は一瞬疾く、黒い蛇の如くニンジャの腕に喰らいついていたのだ。寸での所で斬り上げをやり過ごし、しかしそのままバランスを崩して数歩その場から後退する】
【どうにかたたらを踏んで倒れそうになるのを踏み止まると、再び憎らしいニンジャを睨みつければ剥き出しにした殺意を叩きつける。刃が掠めた額からは流血、白い顔に赤い川が引かれていた】

なんなのよぉ……何だっていうのよぉっ、おまえはぁ!

【ゾンネにとっては目障りなモノを、自身にとって邪魔なモノを排除した、それだけであるのに。この男にとってそれが譲れぬ、赦せぬ事であるらしい】
【それもその筈である。護るべき対象が突如現れた異なるモノによって無慈悲に蹂躙されたのだ、赦せるものではない】
【しかしゾンネにそれが理解出来るはずもない。炎に包まれる都の状況も、護られるべく命の価値すらも理解していないのだから】
【しかし一つわかることがある。この男が自身に対して並々ならぬ殺意を抱いているということは。そしてその原因も少し考えれば明らかであった】

ふぅん、あっそぉ。
くっだらなぁい……自分以外の者のために戦うなんてバカげてる、理解できないわぁ。
だってそうでしょぉ? 自分の命以上に大切なものなんて、ある筈ないんだからぁ。
……ほぉんと、くっだらなぁいっ!!

【ゾンネが語気を強めたその瞬間、彼女の背中から黒い翼が展開される。その破壊の濁流はゾンネの周囲、背後のモノ全てを呑み込んでいくだろう】
【敵も味方も何もない。ただそこに確かに存在する生命を焼き尽くす漆黒の双翼。最期の断末魔、悲鳴は聞き取れるだろうか。もしそれがゾンネの耳を触れれば嗜虐的な笑みを零すことだろう】
【目の前の男がその光景を目の当たりにしてどのような感情を抱き、行動に出るのか。ゾンネは大鎌を構え直すと悪鬼の如く嗤うのであった】
456 :鬼仮面(仮面のカノッサ機関員) [sage]:2014/12/23(火) 00:13:05.37 ID:z6hH0RPdo
>>453
「よしっ……!!今なら……」

反撃のチャンス。そう思った鬼仮面は、動かなくなった右腕の悪魔の札を左手に持ち変える。

「たこ焼きを作らせはしないよ。さあ、神将・寅よ!今こそ新たな力を――」

そして、鬼仮面は左手の黒い札を虎の背に張り付ける。すると、虎は全身に電流を纏った獣へと変化した。

「これが式神・雷獣だ!」

『ゴルルル……!』

雷のようなうなり声をあげ、雷獣はニアを救うべく走り出した。狙うはその雷の身体での突撃だ。
457 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/23(火) 00:23:34.50 ID:8ApQyCJso
>>455

「貴様の心根に似合いの醜い傷面となったな!コムスメ!」

 絶息に至らしめられなかった事を内心で歯噛みしながらも、ゾンネに鋭い罵倒を浴びせるニンジャ。
 ニンジャソードを再び構えてゾンネと対峙する。
 影なる者ゆえに表に生きる人々が蹂躙されるのは許せない。それゆえの怒りであったが。が、

【ここでゾンネが行ったのは再びの外道行為!!
 対峙しているニンジャ自身に対してのみならず、民衆までもを巻き込んだ無差別虐殺であった!!】

「――!!」

 眼を剥くニンジャ。雷撃を避わすのは十分に可能であった。
 民と妖怪の断末魔に嘲笑を向けるゾンネに今度こそ刃を突き立てんと接敵することもあるいは。
 が、しかし―――

「ググ…ウオオオオオオオオオォォォ!!」

 憤怒に充ちた怒声と共にニンジャが選択したのは弱き者の盾となる事!!
 千歳一遇の好機を放棄し、ゾンネと距離を離し、手裏剣を周囲に展開。
 ちょうど、民衆とゾンネの狭間に位置する場で!

「忍術:金気砦(カナキトリデ)!!」

 印を結び、力ある声が発せられる。
 展開された手裏剣は中空でピタリと止まり、先と同様の現象。雷気を引き寄せる避雷針となって、
 民衆を守る防壁と化した!が、これは致命的な隙でもある!

【印を結ぶニンジャ自身は無防備極まりない格好である。あまりにも致命的で愚か。情に流され好機を逸したのだ!】
458 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/23(火) 00:35:46.49 ID:8ApQyCJso
>>454-455

「GHAYAAAAAA!!」

 邪魔をしてくれた蛸は行動不能に陥っている。体制を立て直さぬうちに屠るのみ。
 サムライ?問題にもならない。妖力に充ちた身体に傷ひとつつかぬ。ならば――

【優先して殺すべきは鬼の仮面の陰陽師。業火の車輪と化した地獄車は突き進む】

 そして、式なる進化。あるいか深化。
 虎は雷撃を纏う神獣が如き存在へと昇華されたではないか!

【態勢を崩していたニアを巻き込まんとする炎、がそこに雷虎が割って入る】

「ギイイイイイイイっ!!」

 苦悶、絶望、断末魔。負の想念に満ち満ちている炎が雷撃により祓われ消えていく。
 これぞ退魔。冥府魔道にすまう妖(あやかし)の天敵也!!

【恨みの炎が消えゆくことは妖気の減退と同義!力を失っていく地獄車はまもなく雷獣に抗いきれず――飲み込まれる!!】
【一際大きい雷撃が天を揺るがし、地獄車は完全に消滅した!!】

「やったの…か?」

 有力な妖怪を倒したことにより、この近辺の妖怪は後退を開始していた。
 炎に包まれている京の都。しかし、最終的は崩壊には到らなかった。
459 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/23(火) 00:42:23.48 ID:Vrz5Tz6x0
>>456
>>458
「……、た、助かった、ってんですっ……か、ね……?」

とさり
短い呟きを最後に突っ伏して途絶える意識
余りに多くの体力を使い過ぎたのだ、ダメージも小さくない
気絶にも似た強制的な睡眠を体は指示し、それに抗う術はニアには決してない
地獄車の消滅を空気の変化に感じ取り安堵したようにしてそのまま
倒れ伏して小さく荒い呼吸を続けていた

//すみませんがお先にこれで落ちますっ
//ありがとうございました、お疲れ様ですーノシ
460 :鬼仮面(仮面のカノッサ機関員) [sage]:2014/12/23(火) 00:58:07.03 ID:z6hH0RPdo
>>458
「……滅。」

地獄車が消滅したのを確認すると、雷獣は姿を消し、元の二枚の札へと戻った。
戦いを終えた鬼仮面の姿は、退魔師そのもの。彼の妹が能力を持たなければ、或いは能力の制御が出来れていれば、彼は故郷の世界でこのように活躍していたのかもしれない。

(しかし、まさか陰陽師として戦うことになるとはね……)

だが、今の彼はカノッサ機関員。故郷を捨て、退魔師の立場を捨てたのだ。


>>459
「気を……失ったか……」

(彼女には聞き出したいことがあったんだが……まぁ、僕も限界だし……後にしよう……)

血を流しすぎたうえに、悪魔の札の使用。消耗は半端ではなく、彼も今にも気を失ってしまいそうだ。


461 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage]:2014/12/23(火) 01:01:35.85 ID:r73yaJIy0
>>457
【必死の攻撃であった。吹き荒れる黒雷は全てを呑み込み無に帰す暴力、生存確率など微塵も残さぬ程の】
【しかしそれは覆された。ニンジャどころか、周囲の無力なニンゲンたちですらまだその魂を肉体に留めているのだ】
【ニンジャによって護られた人々を一瞥し、その後理解できぬと言いたげな表情で男へと視線を戻すと、呆れたように溜息を吐く】

……本当、頭おかしいんじゃなぁい?
こんな自分で自分の身も守れない様なクズ共守って、結果それでしょぉ?

【他者を護るために自らを危険に晒した男の信念を評価することも、それを見て情に絆されるようなニンゲン味もゾンネは持ち合わせてはいない】
【故に、ニンジャが確かに晒したこの大きな隙を見逃すことはあり得なかった。ゾンネの背面から黒翼が消失した瞬間、彼女の身体は少しだけ浮き上がり、そして高速で移動し始めた】
【携えた大鎌を振りかぶり、まるでホバー移動のように地面スレスレを滑るように移動するゾンネの先には当然印を結ぶニンジャの姿】

おまえが選びとった結果がコレよぉ?
他人と繋がって、自分を疎かにした結果……それがどんなに悲惨で無意味なことか、身体に教えてあげるわぁ……!

【そのまま近接が叶えば黒雷を帯電させた大鎌を横薙ぎに振るい、ニンジャの身体を二つに別とうとするだろう】
【しかしその軌道は馬鹿正直な程に真っ直ぐで、本人の未熟さ故に電磁浮翌遊中のバランス制御は実に拙いものだ】
【どのような軽いものでも、物理的な衝撃を加えることができれば或いは、その進行を妨げることもできるだろう】
462 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/23(火) 01:10:26.40 ID:8ApQyCJso
>>460

「陰陽師殿。お役目ご苦労様でした」

 サムライ衆が鬼仮面にかしづく。
 実際、鬼仮面がカノッサかどうかなどこの場では関係ないだろう。

【重要なのはこの場において、鬼仮面が間違いなく退魔の業を振るったという一点】

 むしろ、ここは彼等の認識の齟齬を利用して優位な立場で治療や寝床。
 報酬を求めることすら十二分に可能であるに違いない。

【ゆえに休息をとるのに不足はなかったであろう】

>>461

「………」

 ゾンネを妨げる何かは存在しなかった。
 あまりにもあっけなく、信念を貫いたがゆえの代償をこのニンジャは支払う事となり、
 肉体は二つに割られ、絶命を強いられることとなった。

【どれだけ超常の力を持っていようが肉体を破壊されては生きてはゆけぬ。諸行無常なり】

 残るは立つゾンネと地面に倒れるニンジャ。怯える民衆と、健気に竹槍を向ける包帯だらけの民兵
 そして、屋根を飛び、駆ける、同じ格好ニンジャが複数。増援が向かってきている。

【ニンジャを倒した!】

 −−−−−−−−−−−−

【京の都は今回も幾度目かとなる防衛に成功した】
 【が、嘆きの声は溢れ、涙やむこと無し。いつまで続く。いつまで続く】
【それを止めるのはショーグンか。ミカドか。あるいは新たな支配者か。それは誰にもわからない】

//では1時ですのでこのへんで〆ででっで
463 :ゾンネ・シュヴァルツェア【ダットサン】E.希喰 [sage]:2014/12/23(火) 01:32:18.34 ID:r73yaJIy0
>>462
【どちゃりと音を立てて崩れ落ちたモノを見下ろすゾンネの瞳に感情は見えない。そしてそのまま怯える民衆へと視線を向ければ、その場で大鎌を振るい刃にこびり付いた血を払う】

……悔しがる相手がいないんじゃ、これ以上は面白くないわぁ。

【ぼそりと吐き捨てるように呟くと、ニンジャの犠牲により護られた人々には手を出さず、ゆっくりと空へと浮き上がった】
【おそらく、その場で殺戮行為を始めていれば増援のニンジャたちと対峙することになり、危機的な状況に陥っていたことだろう】
【夜風を浴びるその顔に敵を下した喜びは無く、まるで口喧嘩で完全な論破でもされたような不機嫌な表情を浮かべながら、燃ゆる都を映して朱に染まった雅の空へと消えていった】

/ありがとうございましたー!
464 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/23(火) 21:17:41.06 ID:kJHuZKjQo
【空にはぶ厚い鈍食の雲、どこまでもどこまでも途切れることなく覆っている】
【街には建物、天を突かんばかりに数え切れぬほど多く聳え立っている】
【しかし、それらの建物にも広がる街並みにも人の営みを表す灯りは無く】
【地上には全てが静止したかのような静寂だけが存在している】

………ふんっ!

【と、あらゆる物音の絶えたその街にガシャン、と一際盛大な物音が響く】
【恐らくはそれなりに大きなガラスを何者かが力づくで破壊したのであろう】
【どこかでその音が響いた後には、再び静けさが街を満たしていく】
465 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/23(火) 21:25:42.99 ID:Vrz5Tz6x0
>>464
閑散とした街中、突然のノイズにビクッと体を震わせる
ワンテンポ遅れて建物の影に身を隠して周囲を確認、何事もないのを知れば一安心

「な、なんだってんですか今のぉっ……」

こっちの方かな、とソロソロと足音を殺して歩み寄る
角を曲がれば恐らくは音源だろう位置に達すれば家の影に再び身を隠し、タイドメイカー1本を生やす
マウト・フトゥーロを起動させれば触腕の先端に目玉がひとつ
視界をリンクさせたそれで曲がり角の向こうを覗き込んだ
466 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/23(火) 21:46:24.67 ID:dex7VHseO
……やっぱりここも、もぬけのから……ね
まったく、今回は街のど真ん中に出れて僥倖って思ったのだけれど、ねぇ

【ビルの立ち並ぶ一画を抜け、比較的低い建物が立ち並ぶ区画に建つ一軒の家屋】
【道路に面した低い生垣の向こう、大きなガラスが外側から割られている】
【暗がりに満ちた建物の内部へと触腕の目を凝らせばうっすらと金色の髪が揺れるのが見えるだろう】

//すみません返信遅れました
467 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/23(火) 21:52:17.05 ID:Vrz5Tz6x0
>>466
「……?」
「……むむむっ……」

金の流れがチラリ、微かに揺らめくのが視界に映る
だがそれだけであり、敵か味方かも分からぬこの状況
タイドメイカー1本とそれに伴うマウト・フトゥーロを展開したまま静かに駆け出して
金色の主が居る家屋の近くまで接近
ヒョイっと触腕で覗き込むと同時、

「……あっ」

ぱきっ
枯れて落ちた小枝を踏み抜く音が静かな街に響いた
振り向けばそこには、生垣の向こうから青白く仄かに発光する目玉付きの触腕がにょろりと姿を見せているだろう
468 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/23(火) 21:52:54.71 ID:Vrz5Tz6x0
>>466
//追記、大丈夫ですよーっ
469 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/23(火) 22:09:34.04 ID:kJHuZKjQ0
>>467

……まっ、物資にはこまらないみたいだから良いけれど

【暗がりの中からはポツポツと聞こえてくる独り言と】
【恐らくは何かを漁っているのであろう、ガサガサという物音が】
【後ろ姿からは警戒心などは無く、油断しているという見方もできる】

……! ………………あら

【微かに耳に届いた物音と小さな声の様な物に振り向き目を凝らせば】
【そこにはここまでで目にすることのなかった自分以外の生きた存在】
【が、ソレは自分が期待していた様なモノではなく、ある種の不気味さを放っており】

…………ひょっとして、この土地の生き物……なのかしらね

【物を漁る手を止め触手を正面に見る様に身体を向き直すと】
【牽制する様に少し突き出した右手でパチリと指を鳴らすと】
【周囲に握り拳大で赤紫色の炎を一つ燃え上がらせる】
【威嚇のために灯した炎に照らされ、金色の髪のみならず】
【狐の物らしき耳と尻尾をもつ女性の全身が浮かび上がるだろう】
470 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/23(火) 22:14:24.66 ID:Vrz5Tz6x0
>>469
「あっ、あのっ、怪しいモノではっ……!」
「……って、あれぇっ? ビャンコじゃないってんですかぁっ」

怪しくはないと弁解する触腕
ニア本人は生垣の影にすっぽりと隠れてしまっており姿は見えない
だがニアからすればタイドメイカー先端の目玉からそちらの様子はバッチリ見えている状況だ
特有の間延びした口調、ゆらゆらと揺れる発光触腕
声や口調で特定出来なければ、結構な奇妙な現象である
471 :Dr.AZ [saga]:2014/12/23(火) 22:18:42.76 ID:ogSjIjl6O
舞台は科学文明が異常なまでに発達し、そしてそこの人類にとって最早切っても切り離せないくらいに密着してしまった、そんな世界。
魔術は淘汰され、能力を扱う者も異端の目を向けられる。

発展を引っ張ってきたのは他でもない、企業間の熾烈な争いによるものだろう。
新技術の利権を奪い合い、新エネルギーを誰よりも早く発掘し、シェアの争奪戦が続いていく。

しかし、それらによる弊害――――深刻な環境汚染が着々とこの星全体を包みつつある事に、人々は気づいていない。


【とある研究所。どうやらここでは新エネルギーの貯蓄、それらを使った研究が行われているらしい】
【そこに、緊急事態を知らせるアラームが鳴り響く。警備ロボットが続々と押し寄せている】

研究所全体が騒然とする中、大きな爆発音が聞こえた。
そこには、ガラクタとなった警備ロボットが転がるばかり。そして、それを行った犯人――――4体のロボットが歩いていた。
彼らは紛れもなく、ここを襲う襲撃者だった。彼らは既にエネルギーの貯蓄所間近にまで迫っている。

研究所側はここで、雇っていた能力者達に襲撃者の撃退を依頼したのだった。
472 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2014/12/23(火) 22:27:42.75 ID:8ApQyCJso
>>471

「つまるところこの世界では資源獲得紛争の真っ只中というわけか」

 研究所をひた走るのは一匹の柴犬であった。
 が、その瞳には確かな知性が宿っており、実際のところ人語を解す。

【この研究所には一宿一飯の恩義があり(実際珍しい遺伝子改変犬とでも思われたかもしれない)、
 このように耳にインカムとつけて通信しながら撃退依頼に応じていた。報酬は骨っこ沢山】

「で、拙者は時代遅れの人形共を破壊すればよいのだろうが、研究所側からの支援なり何なりはあるのか?」

 小回りが利く体躯ゆえ、かなりの速度でエネルギー貯蔵庫まではたどり着けるだろうが問題は色々ある。

「何より、どこまで火力を使える?エネルギー誘爆でもろとも四散など御免だぞ」
473 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/23(火) 22:27:54.78 ID:kJHuZKjQ0
>>470

あら……喋る上に自分が怪しいって分かるなんて……見た目の割りに頭が良いのね

【こちらの様子に慌てふためき弁解しようとする姿を見せる触手】
【ある種の滑稽さと奇妙さが同居した光景にどうした物かと思案するも】

……! ……おかしいわね、そんなに知り合いは多い方じゃ無いと思うのだけれど
記憶にある限り、そんな不気味な容姿の知り合いは居なかった筈よ

【不気味なソレが自身の名を、しかもかなりの気安い口調で告げたのを受け目を剥く】
【自分が知らないモノが自分を知っているという状況】
【ましてやソレが人の形をしていないと来た所で、先程より赤紫の炎が大きくなった様に見えるだろう】
474 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/23(火) 22:34:03.86 ID:Vrz5Tz6x0
>>473
「えぇっ!?」
「……あ、そ、そういうっ……」

肥大化する炎に全く警戒心を解けていないのだと気付き慌てふためく
少しあってそういう事かと漸く理解
月光を抜き放ち生垣を切り捨てて背を低くする
やっと互いの姿が見える状況になり、苦笑しつつ手を振った
赤眼の片方、触腕とリンクし青白く仄かに光を帯びる眼球が細まる
475 :Dr.AZ [saga]:2014/12/23(火) 22:38:08.88 ID:ogSjIjl6O
>>472
資源獲得紛争。その通り、この世界は民衆が平和に暮らしている裏で常にこういった事が起こっている。
暗殺、産業スパイ、場合によっては武力による制圧……もはや、企業間の戦争によって支えられている世界と言っても良いだろう。

さて、引き受けてくれたのは、能力者というよりは、犬。
さすがの所長も戸惑いを隠せなかったが、ここは藁にもすがる思いで賭けるしかなかったのである。


ウルリックが貯蔵庫に到着する頃には、既にロボット達が何やら貯蔵庫に向かって作業を行っていた。
しかしウルリックの存在をセンサーが感知すると同時に作業を中断――――そして、無機質なカメラアイがその姿を捉えた。

【交渉の余地なし。ロボット達はすぐさま両腕の機銃をばら撒き始める】
【浴びれば当然蜂の巣。しかしウルリックは小回りが効く。回避する事はあまり難しくないかもしれない】
476 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2014/12/23(火) 22:51:14.01 ID:8ApQyCJso
>>475

「ちっ、貯蔵庫で火器などと!」

 無遠慮な銃撃にウルリックは壁を蹴り、三角飛びに跳躍。
 着地と同時に猛烈なスピードで駆け出し、距離を詰めようとする。

【距離を詰め、敵の陣形に割って入ればAIはAIの癖のような反応を起こすと考えての突貫である】
【かまわず射撃して同士討ちなら重畳、内に入り込まれてエネルギータンク損傷を厭い銃撃を止めてもよい、
 あるいはAIスクリプトが同士討ち厳禁であれば射撃が止まるかもしれない。内に潜り込む戦術を選ぶ】

 
477 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/23(火) 22:54:11.04 ID:kJHuZKjQ0
>>474

えぇっ、って……そんないかにも想定外みたいな声を出されても……

【こちらの警戒する素振りに更に慌てる様子を見せる触手】
【警戒の姿勢を崩さないまでも、別に警戒する必要は無いのではという考えが頭をよぎるも】

……っ! はぁっ!!

【と、触手のほど近くで金属音と共に生垣が切り裂かれる】
【弛緩しかけた空気の中での鋭さを伴った動きに反射的に浮かべていた炎を撃ち放ってしまう】

っ!? っくぅ!! ……〜〜〜〜っ……!

【が、生垣の向こうから現れた人影の苦笑しつつ手を振る姿に慌てて炎の軌道を逸らす】
【ニアの眼前数十cm程で軌道を斜め下方へと逸らした炎弾はアスファルトに激突】
【着弾の瞬間に一際大きく燃え上がったかと思うと数秒もしない内に消え失せる】
【炎を放った張本人はと言えば、口元をヒクつかせながらツカツカとニアに向かって歩き近づいて来ている】
478 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/23(火) 23:00:38.56 ID:Vrz5Tz6x0
>>477
「……!?」

ほぼそのままの体勢で固まり、回避行動を取る間もなかった
爆風に煽られ髪とスカーフが揺れる
万一ビャンコの判断が多少でも遅れていれば、綺麗なタコ焼きの出来上がりだったであろう
油の切れたロボットの様な所作で爆心地とビャンコをそれぞれ見比べ、冷たい汗が溢れるのを感じた

「あ、あはは……」
「ど、どうもってんです、ご無沙汰ぁっ……」

ずるりと触腕を仕舞い、同時に青白い発光も四散して失せる
交通整備の人形が如くに手を振る動作は相変わらず止まらない
479 :Dr.AZ [saga]:2014/12/23(火) 23:03:53.00 ID:ogSjIjl6O
>>476
ウルリックはその発達した脚力と小回りの良さを生かし、器用に駆け回る。
そうして、四体の陣営の間に入り込み、駆け抜けた。
その間も、当たらないながらも銃撃は続いていた。しかし、このロボット達のレベルはとても低い。
装備からAIまで、全てに至って低水準。コストの低さを活かした所謂量産型である。

ウルリックが駆け抜けた時、向かい合った二体はそれでも銃撃を続けてしまった。

【当然ながら双方とも蜂の巣。そして爆発四散と相成る】
【幸いな事に、エネルギータンクには傷ひとつついていない】

残った二体は射撃を停止。エネルギータンクの損傷を防ぐ為にプログラミングしてある為だ。

【二体とも隙をさらけ出しているような状態。好機は今】
480 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2014/12/23(火) 23:12:04.71 ID:8ApQyCJso
>>479

「機械人形も数打ちではその程度か」

 ロボットというのはテクノロジーあるいはグレードによっては
 とてつもない代物になることを知っているウルリックとしては、
 まずは己の狙いと読みが的中したと、意気を強める。

「居ぬがいいわ!!」

 人形どもの陣形内部に潜り込んだウルリックは気勢と共にその腕を振り上げる。
 それだけならばただ、柴犬の小さい手が挙がっただけ。装甲を持つロボットには無意味もいいところであったろう。
 が、しかし!!

【ウルリックが腕を振り上げた瞬間、その軌道をなぞるかのように半透明のヴィジョン。
 猛々しい巨大な白灰色の腕が出現する。それは鋼鉄すら引き裂くであろう巨大で鋭い爪をロボットに振るった!!】
【擬態…
 ウルリックの柴犬の姿はサイキックによる擬態である。本来は巨大な雷狼がその正体。
 今、その本性の一部を擬態解除に顕わにしたのだ】
481 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/23(火) 23:12:10.56 ID:kJHuZKjQ0
>>438

……どうも、とぉ〜っても刺激的な再開で嬉しくって涙が出そうだわぁ

【ぎこちなく手を振るニアに近付けば笑顔でそう告げる】
【が、笑みを型取りながらも口元は時折ヒクついており】
【額には怒りマークが、しかも複数浮かんでいてもおかしくない雰囲気を放っている】

貴女はどうかしら、涙……出させてあげましょうか? 遠慮は要らないわよ?

【そう言って右手の握り拳を持ち上げれば何故か黒い瘴気が拳に纏わり付いて見えるだろう】
482 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/23(火) 23:19:49.87 ID:Vrz5Tz6x0
>>481
「あ、あははっ……」
「心憎い演出っ、楽しんで頂けましたってんでしょうかっ……?」

後頭部を掻きながら相変わらずの苦笑
アッシュグレイの髪が揺れる
半歩身を引いて逃走体勢、しかしそういえばと無人の街を思い出す

「ひ、ひえぇごめんなさいってんですぅっ!」

悪気はなかったんですと大声を上げつつドゲザ=スタイル
過去に越境した先で謝罪の最高位であると秘伝された技だ
483 :Dr.AZ [saga]:2014/12/23(火) 23:28:32.43 ID:ogSjIjl6O
>>480
ウルリックの巨大な爪が、ロボットの鋼鉄の装甲を容易く裂く。
それは二体纏めて行われた。肩の部分から分断された二体の機能はそこで完全に停止した、はずだった―――――――


「たかが犬と侮っていたが…フン、これは予想外だな。だから能力だの魔術は嫌いなんだ。計算違いばかり起こる」

一体の頭部が発光する。同時に、そこから男の声。
そして映しだされたのはホログラム。白衣を着、白髪を伸ばし、髭を立派に蓄える科学者風の老人だった。

「よくぞやった……と、一応は褒めておくぞ。そこの犬。量産型とは言え、こうも簡単に全滅させるとはな」

口ぶりからして、この襲撃の手引をした犯人と見て良いだろう。

「それに免じて、今回はワシの負けという事にしておいてやる。だが、次はない。
覚えておけ!ワシはDr.AZ。世界の全てを手中に収める者よ!」

まさしく犯行声明文。堂々と自らの野望を宣言する。
一方的なメッセージを言って、そこでホログラムは消えた。

【今度こそ完全に停止したロボット達は爆発四散】
【ウルリックは見事、エネルギーを守った】

【報酬は大量の高級な犬の餌だった。ウルリック自身がそれで喜ぶかはさておき―――】

【研究所の復旧にはしばらく時間を要した。その後の調査で、AZの情報は全く掴めなかったらしい】
【所属不明のDr,.AZ――――この世界含め、何やら世界に暗雲が立ち込めているのは、間違いないようだ】

/これで〆でお願いします!ありがとうございました!
484 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2014/12/23(火) 23:35:21.18 ID:8ApQyCJso
>>483

「計算など大抵はカオスに沈むものよ。イクサであれば尚更な」

 老人をなじるつもりはない。ウルリックはただただ経験則のみを口にする。
 今回も何らかの手違いで誘爆しないかとヒヤヒヤものであった。

「AZ博士か。覚えておこう」

 相手がわざわざ名乗りをあげたのだ。これを無視するのは非礼にあたると、
 ウルリックはAZなる奇妙な名を刻んだ。

「さて、食事だ。骨に食料。イクサの後の食事こそ至福よ」

【舌をペロリと出しながら、尻尾をぶんぶんさせて帰頭するウルリックであった】

//おつかりさまでした!ノシ
485 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/23(火) 23:36:37.94 ID:kJHuZKjQ0
>>482

……はぁ……顔を上げて、謝る気があるのなら結構よ……でも

【二度目は無いわよ、と呟きながら土下座をするニアの頭頂部を指先でブスリと押すだろう】

まぁ、こんな所を一人でぶらつくのも飽きて来た所だったしちょうど良いわ
ほら、こんな所に居ないでこっちに来なさいな……少しは暖も取れるわよ?

【もう気持ちは切り替わったのか、踵を返せば先程の民家へと足を向ける】
【ぶち破った窓を潜り抜け何の引け目もなさそうに手招きする】
486 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/23(火) 23:43:33.01 ID:vyv9vLNKO
>>485
「はっ、はいってんですっ……」

頭頂部を突つかれてやっと顔を上げて安堵の吐息
立ち上がり膝に着いた土を払う

「ここ、どうして誰もいらっしゃらないんですかねぇっ……?」
「……ぁ、ま、待ってくださいってんですよぉっ……」

突然に、まるでヒトだけが消え去ってしまったような世界
そう考えると背筋が凍る、背後に存在しない何かの気配を感じてしまう
ゾクっと身震いして慌ててビャンコの後を追いかけ、民家に続いた
487 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/23(火) 23:58:44.23 ID:kJHuZKjQ0
>>486

さぁて、ねぇ……それなりに探してみたけれど、何処にも誰も居なかったわ
だって言うのに、街も建物もちっとも荒れ果ててないんだから不思議ね

【この家にたどり着くまでの間、ビャンコも街を長いこと探索していたのだが】
【人のいた形跡はそのまま、否、あらゆる物がそのままに残されすぎている】

食べ物なら腐る程あるみたいだから好きに食べて平気よ?
……本当に腐ってる物は無いみたいだから安心して

【追いかけて家屋に入ってきたニアに何処からか出して来たのか丸のままの葉物野菜や袋入りのパン、缶詰など】
【いかにも手当たり次第に集めて来たといった具合のそれらを敷かれていたカーペットの上に無造作に広げる】
488 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/24(水) 00:07:08.74 ID:9WXGqYIpO
>>487
「不思議っていいますかっ、ちょっぴりぃ……」

不気味だ、と周囲に警戒の目線を送る様子から読み取れるだろう
勿論何も居ないのだが、寧ろ何かしらが居てくれた方がいい
それが幽霊みたいなモノであるとしても、認識出来るのであれば逃げるなり何なり対処が出来るのだから
それが不可能な相手を、ニアは怖れる

「……へぇ……」
「えぇとぉ、ガスとか電気、水道って使えるんですかねっ……?」

奥の仄暗い厨房を覗き込み、ビャンコに確認
可能であれば適当に調理を施して食べたいのだろう
因みに料理の腕は意外にも悪くない
489 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/24(水) 00:23:52.82 ID:Vj7QniMF0
>>488

……そこは同感ね……居ないのはヒトだけじゃ無いみたいだし、ねぇ

【勿論、幽霊などがいれば場合によってはビャンコには見えるかもしれない】
【だがこの街にはそう言った存在は愚か、犬猫一匹、鳥や果ては虫まで見当たらない】
【食品のパッケージに描かれている物からして始めから存在しない訳では無さそうなのだが】

……? あぁ……厨房らしいのはソコにあるけれど……そう言えばどうなのかしら

【どうやらビャンコ自身はそれらが使えるかを試していない様だ】
【それにはビャンコが見慣れない機械類に触れるのを躊躇ったというコトもあるが】
【ある種の予感を感じていた為に無意識に避けて居た部分もあるのだろう】
【もしもニアがそれらの機具に触れたなら、それらはなんの反応もなく沈黙を返すだろう】

……まぁ、食べ物と飲み物ならソコにまだ幾らか入ってたわ
それと火が欲しいなら……多少は力になれるわよ?

【指差した先には冷蔵庫、果たして開けてみれば冷蔵機能が止まっているにもかかわらず】
【中の食品に露程の痛みも腐敗も無い様子が見られるだろう】
【また先程の様子から調理をするそぶりを感じ取ったのか、指先に火を灯しながらそう告げる】
490 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/24(水) 00:34:27.08 ID:9WXGqYIpO
>>489
「に、ニア達も急に消えちゃったりしませんよねっ……?」

静寂は不安を掻き立てるのが上手い
そしてそれに怯えるモノを嘲笑うのもまたしかり
突拍子もない思い付きではあるが、今のニアにしてみればリアルに感じられる

「……あれっ……ダメかぁっ……」
「あっ、そっか、その手がっ……!」

当然だ、ヒトがいないのであれば電気もガスも止まるのは必然なのだから
厨房機器全てがダメなのを確認、項垂れて戻る
だがビャンコの火を見てパッと笑顔、鍋やフライパンを持って縁側に
庭で火を起こして調理をするつもりらしい

「簡単なスープとかぁ、バーベキューみたいなのとかですかねぇ取り敢えずはぁっ」

冷蔵庫からソーセージや野菜、それとビャンコの入手した缶詰からマッシュルーム等を調達、コンソメで煮込みポトフ的なモノを
それと適当にカットした葉野菜などを炒めて味付けして野菜炒め
手際良くそれらを用意すればテーブルに並べて満足気

「……ま、何はともあれお腹空いてちゃダメですってんですものねっ」
「食べましょうってんですよっ」

先程までの恐怖は顔を引っ込めているのだろう、食事を始めれば満面の笑み
閑散の世界、探索前の腹拵えは美味しく出来たと自画自賛

//すみませんがこれでっ
//お付き合いありがとうございました、お疲れ様でしたっ
491 :雛苺 [sage]:2014/12/25(木) 21:54:18.26 ID:6Rkbg+79o
ゴミ溜め落ちてる?
492 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2014/12/25(木) 22:43:10.36 ID:iDsAY/nYO
>>490

さぁ……どうかしらね?

【ニアの声に混じる怯えの色に気づいているのかいないのか】
【若干の含みを持たせた笑みを浮かべながら呟く】
【ニアの心配事の内容よりもニア自身の反応の方が興味の対象の様である】

そんなに大きな火は出せないけれど……まぁ、料理をするのには事足りるでしょうね

【手際良く調理の支度を整えるニアを横目に、近場で拾い集めた枝葉や】
【家屋の中にあった木製の家具などを砕いた物を組み合わせて焚き火の準備を行う】
【流石に慣れた様子でテキパキと薪を組み終えると指を鳴らして着火】
【その後は必要に応じて火加減の調整をする程度でニアの調理する様子を興味深そうに眺めていた】

作ろうと思えば意外と上等な物が出来る物なのねぇ
……私ももう少しそっちの技術も身につけるべきかしらね

【出来上がった数々の料理とニアとを何度も視線が往復する】
【やがて一つの可能性を頭に浮かべながら料理へと手を伸ばし】
【一口目を口にした後は他のコトなど考えるコトも無く食事に没頭するのであった】

//かなり今更ですが辺レスさせていただきますね
//お付き合い下さり、ありがとうございました
493 :セラ [sage]:2014/12/26(金) 21:55:52.51 ID:BmkD7clho

とある世界、人里からやや離れた峠の『小鳥のレリーフ』が掲げられた山小屋あった。
幾多の世界を渡る『境界渡り』たちの数少ないオアシスである『止まり木同盟』の小屋だ。

「……ふぅ、こんなものかしら。」

止まり木同盟の小屋に大概一つは備え付けてあるコルクボードに、
いくつかの世界の情勢や注意点などが書かれた羊皮紙が貼り付けられる。
止まり木同盟の小屋は原則的に利用自由だが、ある者は食料を、ある者は情報を、
またある者は小屋の保全を、といった風になにかしら他の者のためになることをするのが
通例であり。

境界渡りの剣士セラは小屋を利用する代価として情報を書き記したのだった。
その他、ベッドメイクや今夜の食事の準備も終わり暇になったセラは暖炉前の椅子に腰を下ろす。

「まだ日没まで時間がありそうね。少し体でも動かそうかしら……。」

などと言葉を漏らすものの、一人で稽古というのも面白くないし
かといってハンティングや薪割りという気分でもない。どうしたものだろうか、と
手持ち無沙汰に髪を指に巻き付けて何の気なしに遊ぶのだった。
494 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/26(金) 22:03:55.59 ID:JMstPjzk0
>>493
3度のノックの後、かちゃり、とドアノブを捻り開かれる扉
誰かしら先客がいる場合がままある為、一応確認のつもりでノックをしているらしい

「……お邪魔しま〜、って、あっ」

静々と中を覗き込む赤眼、そしてセラの姿を見付ければそれは見開かれる
こんにちはと軽く挨拶、体を室内に滑り込ませて後ろ手に扉を閉めた

「奇遇ですってんですねぇっ、お久しぶりですっ」

止まり木の小屋に入りまず習慣として行う仕草
室内を軽く見渡してボードの確認をほぼ無意識にこなし椅子に腰掛けるセラへと近寄る
495 :セラ [sage]:2014/12/26(金) 22:12:32.12 ID:BmkD7clho
>>494

「……あっ、ニアちゃんじゃない。
 こちらこそですわ。お変わりないようで何より。」

セラは見知った顔を見ると、ふふ、と軽く笑みをこぼし。

「あのねニアちゃん、お姉さん、前貴方と戦って気が付いたんだけれど。
 あなた、もしかしてあまり剣を使い慣れていないかかなり我流の剣法でしょう。
 どちらにしろ、あまり剣術を習ったって感じがしないものだから。」
496 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/26(金) 22:19:35.87 ID:JMstPjzk0
>>495
よいしょ、と近くの椅子に腰掛けて荷物を足元に置きふぅと一息
暖気がじんわりと冷えた体を温めて心地良い

「えっ?」
「え、えぇっ、まぁ……」

図星である
帯びる剣自体大切な相手から託された形見の品であり、実戦の為のモノではなかった
だが越境者として数多くの戦闘を経験し、
そしてこれからも続くであろう事態に於いてそうともばかり言っていられない
幸いな事に月光自体の高い性能に助けられてはいるが、しかしそれもいつまで続くかが分からないでいるのだ
497 :セラ [sage]:2014/12/26(金) 22:32:28.69 ID:BmkD7clho
>>496

「もしよかったら、私から剣術を教わってみる気はない?
 あ、実のところ私も結構我流なところはあるんだけどね。」

ずい、と顔を近づけるセラ。
その瞳は以前の『あの時』とは違ってどこかおもちゃを見つめる子供のような色を帯びている。

「その剣、相当なモノよね。切り結んだ感覚で分かるわ。
 中には持ち手を振り回しちゃうようなのもあるけど……でも剣って結局は『使い手次第』なのよね。
 その素晴らしい剣に見合う、使い手になりたいとは思わないかしら。」
498 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/26(金) 22:39:24.20 ID:JMstPjzk0
>>497
「えっ?」

随分と近い所にあるエメラルドの瞳に微かにたじろぐ
それは多分、前回の邂逅の際に無意識に植え付けられた畏怖的なモノがあるのかもしれないし
本能的にこの後の扱いを察したのかも分からない

「……それは、まぁっ……」
「そうはもちろんっ、思いますってんですけどっ……」

それでも頷くのは剣に、月光に相応しい使い手というフレーズに惹かれたが故だ
499 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2014/12/26(金) 23:00:45.47 ID:ib1StI/WO
【戦域を見通せる崖の上で】
崖の上から見える昔ながらの城塞都市。ただし現役。
そこは今、確かに“戦場”であり、同時にその戦もほぼ終盤。
城門前で行われる最後の戦闘に決着が付けば、完全に終結するだろう。

ただしその戦闘の相手が身の丈10mを越える巨人だ。
その巨大なバトルアクスなら、たとえ単騎であっても、城門を打ち抜き得るだろう。
ならば、その城門すら撃ちぬく一撃を受け止める守護者は何者か。
全身を神器や宝具と呼ぶにふさわしい魔翌力滴る防具で固め
さらにその上かに、城壁の上から絶え間なく降り注ぐ補助魔法で固められたその姿。
彼が魔翌力を込めた咆哮を上げるたび、他に向きかけた巨人の意識が引き戻される。
結果、城門前で足を止めての正面衝突は、さながら魔翌力の鎖でつながれたチェーンデスマッチのよう。
しかも城壁の上には他の方面を迎撃していた魔術師や弓兵が徐々に集まってきているのだ。
巨人の運命は、遠からず決する。


がしかし、今回の邂逅の舞台の主役は彼らではなく、
ちょっと離れた崖の上からそれを観戦している死霊術師である。

「懐かしい戦い方してるわねぇ。
 あれぞ英雄、って感じかしら」

長大な杖と黒いローブを着込んだ、ダークブラウンエルフ耳の感慨は何やら懐かしむ感じ。
相手の戦意を強引に引き寄せる咆哮も、湯水のごとく使われる魔法・魔術の類も
彼女にとっては見知ったもの。

「あれでお抱えの騎士じゃなく、冒険者ってんだからねぇ」
500 :セラ [sage]:2014/12/26(金) 23:05:02.26 ID:BmkD7clho
>>498

「なら話は早いわ。手とり足とり、親切に教えてあげるから。
 この前みたいに痛いのはなしにしてあげる。」

言うが早いが、セラは席を立ち小屋から歩み出ていく。
その歩みは楽しげで、腰の後ろでクロスするように携えられている白黒一対のレイピアも、
歌うようにしゃりしゃりと音を立てていた。

「さ、まずはその剣を構えてごらんなさいな。
 うーん、マトは……ああ、そこの……リンゴかしら?あれを狙ってみてくださる?」

小屋の外、利用者が薪を割ったり近くの森で狩った獲物を捌いたりしているであろう
整地された広いスペースでセラの剣術指南が始まった。まずは、ニアの太刀筋をもう一度確認しようとしているらしく、
小屋の近くに自生しているリンゴをねらうように、とのことだ。

どうなることやら……。
501 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/26(金) 23:14:07.04 ID:JMstPjzk0
>>500
「あ、あははっ……お手柔らかにっ……」

苦笑混じりに後を追う
こちらとしては期待半分恐々半分といったところか

「あれっ……ですかっ?」
「わかりました、よぉしっ……」

スラリ、漆黒の刀身を抜き放ち構える
あらゆる光を呑み込む純黒、如何にも素人手に保つニア
えいっ、と気合一閃、見事な空振りである
それもそのはず、まず前提としてニアは剣技は素人である
実戦で剣を振るう際、辛うじて通じているのは月光自体が持つ破壊不能属性と更に
『握るモノの意志力に応じて鋭さを増す』
という特性の恩恵を受けているからだ
つまり戦闘意志力の低いこのような訓練の場合、その恩恵は消え失せて完全に凡人以下となる

「あ、あれっ?」
「おかしいなぁっ……」

小首を傾げてもう一度、無論空振り
振るう際に完全に目を閉じているため、当たるはずがない
502 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/26(金) 23:15:25.86 ID:64QxMJi/0
>>499
「感動的だねぇ 後のヒロイックサ―ガ待ったなしってか?」
隣で水の入ったヤカンを持っているのは武器の数では眼下の英雄殿には負けてないオッサン

「見事巨人を打ち倒し 救国の英雄となった冒険者は国に取り立てられ騎士となり 可愛い嫁さん頂いて安泰な人生をゲッチュってか?
 少なくてもバカ装備ありきの戦力だ 国に危険視されて闇の中というわけにはなるめぇ」
503 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2014/12/26(金) 23:20:55.42 ID:ib1StI/WO
>>502
「いいえ、あいつらはこれからも冒険者よ。
 これでえた収入使って、さらに地盤を固めて遺跡に潜って
 帰ってくるころにはさらにバカ装備」

なお、こっちは飲み物は魔法瓶(文字通り)から注いだ麦茶である。
この子時々庶民な舌。

「もうちょっとしたら、冒険者が集まって国盗りが始まる段階かしらね」
504 :セラ [sage]:2014/12/26(金) 23:31:02.86 ID:BmkD7clho
>>501

「あ、あれっ?」

さすがのセラも空振りには驚いた。
以前戦った際には、無手勝流の剣技なりに自身の技にも正面からくらいついてきたはずなのに、
この落差はどうにも不可解。

「……ともかく、ね、ニアちゃん。まずは剣をふるときには目をあけましょう。
 戦っている最中に自ら視界をなくす、なんて致命的よ。」

既にセラはいくつかの境界を渡っており、様々な世界を巡ってきた経験から
なんらかの術で戦闘時に能力が強化されるのだろう、とあたりをつけた。となると、今のニアは完全に素人なのだろう。

「あとね、ニアちゃん。力をもう少し抜いてみて。
 あなた今、力一杯剣を握りしめているでしょう。脱力って、すごく大事よ。」

後ろからニアを抱きしめるようにして手を回し、握りや構えを簡単に直す。
とはいえ、ニアが戦いやすい様にニアが最初に撮った構えを大幅に変えてしまうようなことはせず、
あくまで力みを解消して、自然体に構えられるようにという風だ。
505 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/26(金) 23:31:39.62 ID:64QxMJi/0
>>503
「ないな」
自らの腕から発した闘志の炎でヤカンを炙り 湯を造りながらアメリアの言葉を否定する

「冒険者なんて言い方をすればまともに見えるが 結局は住所不定の派遣労働者だよ 浮き沈みのデカイ収入で 有名どころでも仕事にあぶれりゃ塩スープで口に糊する程度
 そいつらに正規雇用の道を示してやりゃ喜び勇んで飛びつくもんだぜ? それに国を盗ったって国を動かせるやからが冒険者にいると思うか?
 人間夢見なきゃ生きてて詰まらんが 夢で腹は膨れんよ」
506 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2014/12/26(金) 23:39:12.78 ID:ib1StI/WO
>>505
「ありえないなんてことはありえないのよ。
 世界が変われば定義も変わる」

なお、麦茶の友はミニ羊羹のようです。
ぉ、崖の下ではどうやら決着がついたようで。

「1人だけ、あなたのいったソレを達成したヤツを
 世界の移動の中で見たわ。
 冒険者のパーティから複数パーティの連合になって
 最終的には腐敗した政権をまるごとぶっ飛ばした英雄ね。
 能力があっても機会がない連中をかき集めたのよ、そいつ」
507 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/26(金) 23:39:52.00 ID:JMstPjzk0
>>504
「むむぅっ……?」

尚、ニア自身も月光の特性を完全には把握出来ていない模様
おかしいなぁと小首を傾げて忌々し気にリンゴを見詰めた
無論そんな事で空振りの事実が消える訳ではないが

「えっ?」
「あれっ、瞑ってましたっ……?」

アドバイスに背筋を伸ばし改めて剣を中段に構え直す
パチパチと瞬き、視線を意識

「脱力ですかっ……?」
「ではっ……えいっ!」
「あっ、や、やりましたぁっ!」

文字通り手取り足取りである
ともあれ無駄に力んでいたそれはだいぶいい意味での弛緩を果たし、適度な脱力状態である
もう一度っ、と剣を振り抜く
見事にポトリと落ちるリンゴ、振った剣の遠心力に釣られてふらふらとよろめきながら歓喜
508 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/26(金) 23:55:03.01 ID:64QxMJi/0
>>506
「俺が言ってるのは一般論だよ 冒険者が皆上を向き続けられるもんじゃない」
沸かした湯をカップに注いで口をつける

「冒険者に踏み込むのはごく一部 それ以外は冒険者まで落ちてくるんだ
 だから皆人並みの生活を目差して這い上がる だが人並みの生活に這い上がったら?
 そこから先は命をチップにしたレート青天井のチキンレースよ ソレこそ物好き・・・いや 気狂いの世界よ」

「だから大抵の冒険者は人並みの生活を手に入れたらそこで落ち着く 国に取り入れられるのなら万々歳よ
 もっとも アソコまで装備を集めたんだ あいつも気狂いの部類よ 行き着く先が民衆の希望か 孤高の豪傑かはシランがね」
509 :セラ [sage]:2014/12/26(金) 23:57:08.75 ID:BmkD7clho
>>507

(う〜ん、完全に体さばきとかも素人ね。
 でも、この状態で私とあれだけやったなんて……将来が楽しみだわ。)

「いいわ、その調子その調子。えらいえらいしてあげる。」

剣の重さに負けてふらつくニアを見て、思わず微笑ましくなったセラは
ニアの頭をわしゃわしゃと犬猫のように撫で。

「でもまだまだ100点は上げられないわね。重心がちょっと定まってないわ。
 足腰の使い方にもうちょっと意識を置いてみて。タイミングとかスピードとか……。
 そういう剣に必須の物を覚えるためにも、まずはそういうのも覚えていかないとねー。」

とりあえず、今の段階で脱力を覚えただけでも大進歩。
高等な技術や戦術を今教えたとことで実践は難しいだろう。身体能力はありそうなので、
呑み込みは早そうだな、など考えるセラであった。
510 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2014/12/27(土) 00:03:39.63 ID:EQIQXg/+O
>>508
「じゃあ、あたしのいた世界は、貴方の気狂いしかいないわね」

勝鬨がお茶の友。
それともお酒がいいかしら。
ウィスキーならボトルでここにあるわよ、お兄さん。

「うちも、冒険そのものを楽しむ、貴方からみたらド変態どもの巣窟だったのよね。
 火竜討伐に、天に届く巨塔の攻略、鏡の森の迷宮見物。
 世界の面白いもの、全部見てやろうぜっていうね」
511 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2014/12/27(土) 00:03:59.99 ID:CU7hE7ra0
>>509
「やったぁっ、どうだってんですっ」

頭を撫でられれば締まりのない笑顔を浮かべて受け入れる
最も愛玩動物的な扱いを受けているとは思ってはいないが

「足元ですかっ、えぇっとぉ……」

えいっ、と力んで踏ん張ってみるものの、矢張り片脚が義足というのは大きなデメリット
重心はイマイチ定まらず、取り敢えず先よりはマシになったというところか
それでも牛歩たれど確実な進歩、前進ではある
とある世界の夕暮れ時、風切り音は響き続ける

//すみませんがこれで〆させて下さいっ
//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
512 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/27(土) 00:17:24.26 ID:WxS6JXrX0
>>510
「なんだそのタフボーイ共は」
嫌そうな顔をする ウィスキーに関しては拒否 純粋に白湯が飲みたかったのだ

「俺から言わせて貰えば冒険とは金を稼ぐという目的の為の手段だ
 だがその世界は手段が目的になってやがる 恐ろしいとしか言えん」

ズズズと白湯を飲み干し ヤカンをリュックに括りつける

「まぁ 巨人殺しの英雄殿が気狂いか否かは そのうち分かるだろうさ」
今一度祝辞を受ける冒険者を一瞥し 歩き出した その姿は解けるように薄くなり 世界を渡った

//ではノシ
513 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2014/12/27(土) 00:24:23.71 ID:EQIQXg/+O
>>512
それを懐かしんでる時点でこの黒エルフも大概そっち寄りなんだ、おじさん!

「さようなら、職業冒険者さん。
 貴方があのハイエンドお子様衆に会うことがありませんように」

やっぱり、本当の意味でそういう世界から見たら
自分の仲間たちの冒険は児戯なのであろう。
そもそも全員が条件付きの不死の加護持ちなんだから仕方ない。

「どうせならもってけばいいのに」

ボトルは鞄の中に格納


「あ〜あ、ああいうレイド、また混ざりたいなあ」

くさっぱらに大の字。空中に浮かび上がる操作コンソール。
    ・・・・・・・・・・・・
あぁ、なんて楽しそうな戦いだろう、と天を仰ぐ

//
お疲れ様でしたぁ
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2014/12/27(土) 00:28:35.76 ID:YkVzON/F0

>779 イリー 独眼の女 動禅魔導[sage] 2014/03/28(金) 22:06:46.96 ID:nU5NVfld0
>>>777
>そうだったのか……というと、ニホンへ?
>お母様はお変わりないか?
>……ま、帰って来てくれたんだ
>【気にするな、こちらはしっかりと微笑みを返す】
>
>>>778
>……イメージ違うな、うん……
>あぁ、来てすぐの時に何度かな
>【思い出すようにして頷き返した】
>783 【無零機人】>>21【特殊高性能試作型(タェンティース)】 [sage] 2014/03/28(金) 22:19:13.52 ID:nU5NVfld0
>>>780
>あはは……
>【笑って誤魔化しノーコメント】
>
>あぁ、それも悪くないな……折角これだけあるんだし……
>【少しくらいはな、とお菓子の山を見ながら】
>
>>>782
>そっか……ん、元気なら良かった
>……む、そう言えば……
>【手合わせと言えば思い出したのは前に一度胸を借りた時の事】
>【結局本気を出させる事も出来ずに終わってしまったのだった】
>【こっそり内心再戦を誓った身としては隠居してしまったというのはやや寂しい】
>
>あー……なんと言うか
>……酒探し?というか宝探し……
>【苦笑】

おんも何食わぬ顔でロールすんなよ
境界線で動禅とおんもの二人をわざわざID変えて弄りやがって
515 :ファン [sage]:2014/12/27(土) 07:28:12.61 ID:gEJ78p5Ho
お二人は別人ですよね?
したらばでもID違ってるし、おんもさんと動禅さんの間でも会話ありますもんね?
俺、こういう訳のわからない書込みには違うとキッパリ言うべきだと思うんです
こういう穴が境界線を破壊しかねないし、なによりお二人の名誉に関わることだから
むしろこれをスルーされたら都合の悪いように見えるので、是非返答をお願いします
516 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/27(土) 21:12:11.26 ID:WxS6JXrX0
【とある世界の大通り】
その世界は先進的な建物が並び 機械的な照明やメディア機器を有しながらも 舗装されてない道や動物を使った移動手段や 魔法の存在など どこか古臭いファンタジーと先進的なSFが融合したような
ちぐはぐなイメージを受ける世界だった

通りを行き交う人々は様々な人種に溢れ 人間は元より 容姿端麗なエルフや無骨なドワーフを初め
肌が緑のオークやゴブリン はては白い髪に紫の肌を持つ者までもが 極当たり前の様に共存する そんな世界であった

「・・・ん? 紫の肌? あぁすまん なんでもないんだアハハハハ・・・」
そんな世界でどこかで見覚えのある紫の肌を凝視して訝しげな顔を向けられるアキレスがいた
517 :タェンティース・イムエト【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/27(土) 21:20:38.32 ID:CU7hE7ra0
>>516
かつて(>>276)の後、全てのエネルギーが失われ機能停止に追い込まれブラックアウトしたはずの意識が突然に蘇る
よろめき、そして何事かと自らの掌を見た
クリアな視界は最早見ることを諦めた現世を鮮明に捉え、ここが空想ではない世界であると伝えてくる

「ここは……」
「……あ、あれ、アキレス様……?」

何処かで覚えのある、しかし微妙に異なる世界
その中ではきっと目立つのだろう、見知った顔というものは
自然イムエトの脚は動く、仲間の元へと

「どうも、御無沙汰しております……」

518 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/27(土) 21:30:04.41 ID:GyKplt+IO
>>516
「へぇ……ほぅ、この世界には色々な種族がいるんだなぁ。」

見覚えのある種族の者達に、色々と思いを馳せながら歩く包帯の少年。時として敵対した種族もいれば、共に戦った種族もいる。辛いことも、苦しいこともあったが、紫狼とマウにはとっては今はいい思い出だ。

「お、見ろよマウ。ドワーフのおっさんだぜ。そういや、アケトの奴は今ごろどうしてるかな。新しい主人とうまくやってるといいな……」

遠く離れた世界の相棒を思い出す紫狼。目を瞑り、あの時の光景を思い浮かべる。
だが、そんな行動をしていたため、足元に注意が及ばず、段差に躓き盛大にすっ転んだ。

「うおおわっ!?……いってて……」

519 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/27(土) 21:40:51.80 ID:WxS6JXrX0
>>517
「よぅティースタン なんかこう・・・なに? デジャブ? この世界」
やってきたタェンティースに挨拶する と 視界の端にスッ転ぶ見覚えのある人が

>>518
「あ 久しぶり紫狼」
なんか足元不注意で転んだ知り合いがいたので歩み寄り 手を差し伸べつつ挨拶する

「足元に注意しないと危ないぞ?」

>>全員対象
さて 紫狼の元に集まるのなら 目の前にあるのは何かの見せのよう 看板の文字に見覚えはないが 世界の修正力か その文字を読むのに苦労はない様子
看板を見る限り そこはゲームショップのようだ 店頭にはTVゲームのようなもんごあ並び 最新作の試遊台が置いてある

プレイヤーキャラが大勢の敵兵相手をなぎ払う 所謂無双系ゲーム デモ画面では 上半身裸に包帯を巻いた蛮族風の大男が敵兵をなぎ払っていたが そのキャラが発した言葉は 耳を疑うひとことだった それは

画面のキャラ「紫狼!! 敵!!  タオス!!」

などと叫びながら猛獣を操っているのだ
520 :タェンティース・イムエト【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/27(土) 21:45:48.99 ID:CU7hE7ra0
>>518
「紫狼様、こんにち……っ、」
「……大丈夫ですか?」

転び、アキレスに手を差し伸べられている紫狼の元へと辿り着き声を掛ける

>>519
「……?」
「……!?」

そこでふ、とチラリ何かが気になるのか横目で動く画面を見た
そして思わず二度見である、そうせざるを得ない光景なのだから仕方ない

「……同性同名、……?」

それにしては特徴が似ているなぁなんて画面のキャラクターと現実の紫狼を見比べてみた
521 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/27(土) 21:55:48.77 ID:GyKplt+IO
>>519
「おお、アキレス。いや、すまねぇな。なんつーかよ。アケトの事思い出してたらぼんやりしちまってよ。


アキレスの手を取り立ち上がる。

「しかし、変わった世界だよなぁ。色々な種族がいるかと思えば、こんなもんまである。」

テレビ画面を眺めながら言う。するとそこへ耳を疑う言葉が

「……いやぁ、俺もついにゲームデビューかぁ。って、いやいやいや!?おかしいだろ!?紫狼っておい!?」

いったいどういうことなのか。困惑のあまりノリツッコミを披露する。


>>520
「お、俺は平気だ。それよりこれ、本物の俺の方がイケメンだよな!?…………じゃなくて!どういうことだと思う!?」

困惑が抜けておらず、またもやノリツッコミ的な事を口走る。
522 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/27(土) 21:59:04.97 ID:WxS6JXrX0
>>520-521
画面の中の紫狼はライオンや虎を初め 熊やら狼やら鷹やら蛇からヒヨコまで無節操に操っているではないか

あ チャージ攻撃で大蛇が現れ キャラの目の前を大きく薙ぎ払った

「?!」
その台詞にはアキレスもビックリである
とりあえずご自由にプレイしてくださいということなので恐る恐るコントローラーに手を伸ばす

適当なボタンを押せばタイトル画面に戻る そのゲームのタイトルは

【豪傑無双3 〜奴隷戦役〜】
と題している そしてキャラクター画面を見てみれば どこか見覚えのある

ウーヴェ一世
エヴォリウム18世

の他 どこかで見覚えのある・・・かもしれないこの世界の戦士たち
そして 下の方にある勢力には

「・・・・・・」
先ほどの蛮族風の大男 紫狼を初め
この場にいる

アキレス
タェンティース

更に今はいないが あの時一緒に苦楽を共にした友人達が 変わり果てた容姿でズラリとラインナップされているではないか!!

「・・・・・・・・・これどう思う?」
困惑気味に振り返る
523 :タェンティース・イムエト【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/27(土) 22:05:01.17 ID:CU7hE7ra0
>>521
「え、えぇっ、イケメンですっ……」
「……なんと言いますか、なんでしょうね……?」

思わず頷いて肯定、嘘を言ってはいない
疑問に対しては当然答えを持ち合わせているはずもなく、ただ首を傾げるだけに終わる

>>522
「……」

「……」

「……えぇと、もしかして、ここって……」

半ば放棄しかけた思考
だが折角生き返ったというのにこんなところでしかもこんな理由でまた考えるのを辞めるなんて悔しい
必死に頭を巡らせ、ようやく辿り着いたひとつの答え

「……あの世界に似ている、のではなくあの世界そのもの……」
「もしくはあの世界がファンタジーとして存在する、言い伝えられているような世界……?」
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2014/12/27(土) 22:07:38.52 ID:MZNwjDARO

>779 イリー 独眼の女 動禅魔導[sage] 2014/03/28(金) 22:06:46.96 ID:nU5NVfld0
>>>777
>そうだったのか……というと、ニホンへ?
>お母様はお変わりないか?
>……ま、帰って来てくれたんだ
>【気にするな、こちらはしっかりと微笑みを返す】
>
>>>778
>……イメージ違うな、うん……
>あぁ、来てすぐの時に何度かな
>【思い出すようにして頷き返した】
>783 【無零機人】>>21【特殊高性能試作型(タェンティース)】 [sage] 2014/03/28(金) 22:19:13.52 ID:nU5NVfld0
>>>780
>あはは……
>【笑って誤魔化しノーコメント】
>
>あぁ、それも悪くないな……折角これだけあるんだし……
>【少しくらいはな、とお菓子の山を見ながら】
>
>>>782
>そっか……ん、元気なら良かった
>……む、そう言えば……
>【手合わせと言えば思い出したのは前に一度胸を借りた時の事】
>【結局本気を出させる事も出来ずに終わってしまったのだった】
>【こっそり内心再戦を誓った身としては隠居してしまったというのはやや寂しい】
>
>あー……なんと言うか
>……酒探し?というか宝探し……
>【苦笑】

おんも何食わぬ顔でロールすんなよ
境界線で動禅とおんもの二人をわざわざID変えて弄りやがって
525 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/27(土) 22:13:40.31 ID:GyKplt+IO
>>522
「奴隷戦役……これってあの世界での戦いだよな……」

見覚えのある戦士達、そして戦友達の名前。間違いない、先程思いを馳せていたあの世界での戦いだ。

「つーことはよ、ライオンがマウで虎がアケトってか?他の動物は誰なんだ……?つーか、あの世界での俺はマウとアケトでのトリオだ!他の動物の仲間なんていねぇよ!メーカーどこだ?文句言ってやる!」

なんだが三人での頑張りを否定された気がした紫狼は、メーカーに苦情をいれようとする。マウはそんな紫狼に、そんなことしてる場合じゃないだろと頬を引っ掻く。

「ああ、マウ。そうだな、この世界についてだな。」


>>523
「うん。まぁ、なんつーか。タェンティースと同意見だな。あの世界の未来なんじゃねぇかな?」

紫狼も同じようなことを考える。

「もしそうだったら、あの世界はあの後平和になったってことだよな。」
526 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/27(土) 22:22:26.27 ID:WxS6JXrX0
>>523
「う〜ん・・・・なんというか・・・なんだろうね?」
POPやらこのゲームのパッケージなんかをいろいろと物色すると このゲームのパンフレットが見付かるだろう

「なになに? 統一暦前○○○○年に勃発した地上界と冥界を巻き込んだ戦争 所謂奴隷戦争をモチーフにした豪傑シリーズの最新作
 一番の見所は当時の人間種族皇帝エヴォリウム18世が召還したという異世界の勇者たちをゲーム史上初めて導入 歴史の闇で活躍したかっれらの物語を追体験・・・」

「うん・・・多分この世界・・・あの世界だわ」
そして店内を見渡せばカレンダーがおいてある そこには統一暦3500年とある

「ということは・・・あの戦いから少なくても3500年後の世界ってことか?」
さて ゲームに目を戻せば

「ねぇねぇ これティースタンだよこれ」
褐色の肌はそのままに 妙に露出の多い服装で サディスティックな笑みを浮かべる美女が映し出される
そしてある一点が凄く・・・大きいです状態 まさに改変

>>525
「見て見て これ俺だよ」
そんなアキレスは 当時デモンレッグで恐ろしく素早く駆け抜けたりしていた影響か 黒装束で身を包み 顔も覆面で隠したNINJA風と
自らのいでたちの面影が一切ない

などと話していると なにやらあたりの視線が集まってきているような
「おっと 騒ぎすぎたか? ちょとここを離れてあの戦いについて調べてみようか?」

と提案した
527 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/27(土) 22:27:41.97 ID:Tt3E4QqfO
そんなSFとファンタジーのごった煮のような世界のゲーム屋。
様々な種類のゲーム機、ソフトが所狭しと並ぶ。
ふと一角に目を向けると数人の人だかり。
近くの看板に『最新作』などと謳われている辺り、試遊台でもあるのだろう。

「最新作……ちょっと見てみようかな」

余程の人気作で順番待ちでもしているのだろうか。そう思いつつ、その集団へと近づく。
しかし何処かで見覚えのある後ろ姿。足元にいるサソリがそれを確信に変えた。
……何とも奇遇なこと。彼らはかのファンタジー世界で共にした中の3人だった。
顔見知りと確信したところで、何やら話をしつつゲーム機を取り囲む3人の方へ。
528 :タェンティース・イムエト【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/27(土) 22:30:13.76 ID:CU7hE7ra0
>>525
「ですね、もしそうだとしたら」

それはとてもいい事だと思う
多種多様な種族達が行き交う道を改めて眺め、頬が緩んだ
全ての、平和の為に死んだモノ達を想う
彼等の死には確実な意味があったんだ、と

>>526
「三千、五百……」

限りなく遠い未来である
長寿の種族ですら存命のモノは少ないか、或いはいないであろう
感慨というか、少しの寂しさを孕む表情で俯いていたが

「え? わたし?」
「……えっ?」

なんというかまぁ、お約束な改変に思わず視線落とし自身の体を確認
二秒程葛藤、これはこんなもんだと無理矢理納得するのに要した時間でもある
尚ニアは褐色ではあるが、タェンティースの肌は白かったりする

529 :タェンティース・イムエト【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/27(土) 22:35:43.06 ID:CU7hE7ra0
>>527
「ん?」
「……あ、深雪様……」

御無沙汰ですと一礼
ゲーム画面ではかつての仲間達や、もしかしたら深雪自身も色々と改変されて活躍しているかもしれない
530 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/27(土) 22:39:30.37 ID:GyKplt+IO
>>526
「ああ、そうだな。あまりこの場所に長居するとこのゲームのコスプレ集団に思われるしな。」

言い終わった後にゲーム画面に視線を移す。しかし、ゲームやらコスプレやらの単語を紫狼はどこで覚えたのか……

「いや、思われねぇか。似ても似つかねぇや。」

紫狼の心配は無駄だった。思ったより似てなかったようだ。とは言え、無駄な騒ぎを起こすのも嫌なので移動には賛成する。


>>527
「おお、お前も来たのか。偶然てのはあるもんだな。この四人と二匹、全員あの世界で戦った仲間じゃんか。」

あの世界での仲間が集い、ある種の運命的なものを感じる紫狼だった。


>>528
「エルフにドワーフのおっさん達にゴブリンに……ええと大倉に、それに魔族らしき奴もいたな。こういうの共存っていうんだよな。」

様々な種族を見て、共存というものを実感する。オークのことは大倉と間違えたままだったが。
531 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/27(土) 22:53:51.47 ID:WxS6JXrX0
>>527
「やぁ帆村タン ちょっとコレ見てよ」
と言ってゲームの画面を見れれば

そこには帆村という名前の 髪の毛も衣装も炎をモチーフにした 活発そうな顔の美少女がいた

「どうもこの世界 あの世界の3500年後の世界なんだってよ とりあえずあの時の戦いを調べようと思うんだけど 一緒にどう?」
と提案した

>>528
葛藤するタェンティースの肩をポンと叩く

「ドン★マイ」
彼なりに慰めているのだろうきっと多分メイビー

>>530
「あぁ まさか大昔の人間がこんなところでゲームしてるとは思うめぇ」


>>全員対象
さて ゲームショップを出て辺りで聞き込みをすれば この場所のすぐ近くにユグドラシル大学という 地上界で最高位に位置する学校があるとのこと
図書館を含む一部の施設は一般でも入場できるとのことで そこに向かってみることにする

―――場面転換 ユグドラシル大学 中央広場

広い公園には学生と思しき若者や 一般の方たちが思い思いに集い それぞれの時間を過ごしていた・・・が
そこで一行はゲームショップ以上に目立ってしまうこととなる 何せ

「・・・・・・・・これ 俺たちじゃね?」
広場のど真ん中に鎮座しているのは奴隷戦役の英雄達を模した巨大な銅像 モチロン

二刀を構える女性 2匹の猛獣を使役する少年 部隊を指揮する軍服の美女 メイスを構える男 炎と氷を使役する少女など

当時の服装や人相などが史実に忠実に作りこまれているからである
532 :タェンティース・イムエト【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/27(土) 22:59:39.35 ID:CU7hE7ra0
>>530
「大倉……? あ、オーク……」
「えぇ、そうですね……」

静かに頷く仕草、あの戦争を懐古しているのだろう
想い出に浸るひとは皆共通して似た表情を浮かべる
半人の顔にもそれはありありと分かり、最近の事だというのに遠い昔のようだ

>>531
「あれ、なんでしょう」
「……何故だか少し、こめかみが……」

ヒクついているのが分かる
怒りを無意識に抑え込んでいるためだ

そして広場へ

「……そのよう、ですね……」

苦笑しつつ銅像と似たポーズを取ってみる
無論剣を構える事はしないが、よく出来たコスプレと言っても過言ではないだろう

533 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/27(土) 23:12:16.19 ID:Tt3E4QqfO
>>529-531
「ん……ちょっと月日空いたかもしれないけど、久しぶりね」

なんという偶然であろう。
越境者はお互い引き合う、という噂もあながち嘘ではないのかもしれない。

「……?」

アキレスに見ろと言われ、画面に顔を覗き込む。

「えっ……これ……」

そこに映っていたのは……まあ何というか、なんとも共通点の多い少女のそっくりさんである。
これが自分なのかということ、そして何千年も自分が語り継がれていることなどに困惑の表情を浮かべる。

ふとしたアキレスの提案。何だかんだで大学で調べ物をすることに。
まずは中央広場へと向かうが、そこに鎮座するのは…………

「うん……どう見てもボクよね、これ」

…………巨大な一行の像、それも非常に精巧な。(少女の中では)年月はさほど経っていないため、そう見た目に違いは無いだろう。
いざ自分の像、それも巨大で立派なものを見れば苦笑してしまうのが人の常……なのだろうか?

ちなみに、よく勘違いされるが彼女が操るのは炎と氷ではなく、あくまで『熱気』と『冷気』である。
534 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/27(土) 23:19:10.74 ID:GyKplt+IO
>>531>>533
「しっかし、あれだな。時がたてば世界は変わるんだな。あの時とは全然違う。俺の故郷も何千年後とかにはこんなふうになんのかなぁ……」

そんなことを考えながら、ユグドラシル大学なる場所へ。そこで目に入るものは

「お、俺達か?へぇ、よく出来てんじゃねぇか。お、アケトもちゃんと居る。」

そう言って自身の像を眺める。

「って、あれ?俺ら今度こそコスプレ集団じゃねぇか?」

英雄の像の前に同じ姿をした者達。まさか、本人達だとは思われないだろうし。




535 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/27(土) 23:29:22.80 ID:WxS6JXrX0
>>全員対象
一般の方々は兎も角として 学生と思しき若本達の視線が一点に集まり 互いに集まりヒソヒソと話し合ったりしている 
一般の人も何事かと訝しげだ

「・・・不味いな 一端離れy」
魔族「すみません」

アキレスが離脱を提案する前に声をかけられた そこにいたのは紫の肌を持った若者
魔族といえば 何時ぞやは重苦しい革の外套を羽織っていたが 目の前の青年は大分ラフな格好をしていた

魔族「当ユグドラシル大学総長が一度お会いしたいそうです よければご一緒願えませんか?」
と提案する

――――
嘗て戦争の英雄とされ 唯一この世界に残った聖獣 主を失った獣は 古ぼけた器の前で大きくアクビをする
この世界に召還されて本当に長き時が過ぎた 悠久の時の中で主を幾つも代え 今はこの大学という大きな建物で警備をする毎日

と その鼻に懐かしいにおいが漂う その目には何処か懐かしい姿が見える

考える前に動き出していた 全速力で ありったけの力を使って

【紫狼に判定 バックアタック:何処かで見覚えのある ライオンと虎を足して二で割ったような召還獣が 刃以後から飛びついてくる!!】
//なお この判定の後の猛獣のロールは紫狼に一任する者とする
536 :タェンティース・イムエト【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2014/12/27(土) 23:36:44.74 ID:CU7hE7ra0
>>533-535
「っと、すみません……」

調子に乗り過ぎたか、と銅像の真似をしていたのを辞める
少し赤面しているところから羞恥はあるのだろう、現実性から剥離したような出来事に薄れ掛かってはいたが
学園長への謁見は仲間達の是非の判断に任せ、そしてそれに従う事にするらしい
なるべく目立たぬように、後ろから気配少な気についていく半人

//すみません、眠気がやばくて寝落ちしてしまいそうなのでこれで落ちます
//ありがとうございました、半端ですがお疲れ様でした
537 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/27(土) 23:49:37.73 ID:WxS6JXrX0
>>535
背後・・・ね スミマセン
538 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/27(土) 23:55:50.95 ID:Tt3E4QqfO
>>535
端から見ればどうみてもコスプレイヤーな少女。服装が違えど、周囲の視線が突き刺さるのは言うまでもなく。
彼らもまさか本人とは思うまい……

「……?」

……声を掛けるは魔族の青年。何とも大学の総長が会いたい、とのこと。
今思えば、前見た魔族は革の鎧などを身に纏っていた。服装が異なるだけでイメージは大きく変わるものだ。
……少し考えた後、承諾の意思を伝えて彼について行く。
539 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/27(土) 23:56:39.25 ID:GyKplt+IO
>>535
「いい!?やっぱりこんな場所でのコスプレはマナー違反なのか!?って、あれ?怒られる訳じゃないのか?」

てっきり怒られるのだと思った紫狼。だが、そんなことはなく、大学総長が会いたいと言っているようだ。

「まぁ、話くらいはしてもいいかな……ってうわああ!?マ、マウっー!助けてくれー!!」

突如背後から何者かに押し倒される紫狼。その衝撃で肩からマウが落下するも、猫なので無事着地。そんなマウに助けを求めるも、マウはそれを無視する。何故なら、紫狼を押し倒したのはマウの敵なんかじゃなく、かつての友であったからだ。

『ニャゥ……』

「マ、マウー!!た、助け……あれ?もしかして……」

久しぶりだなと言いたげに鳴くマウ。その様子を見て紫狼も自身を押し倒した存在の正体に気づく。

「アケト!アケトじゃないか!!」

アケトは相変わらず間の抜けているかつての主人に、やれやれと肩をすくめるようなしぐさをした。


>>536
/お疲れ様でしたー
540 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/28(日) 00:05:31.27 ID:5WwmEDh20
>>全員対象
さて 一行(アケトが突いてくるのならアケトも)は一般の人が入れない施設まで足を踏み入れる
そこは総長がいる部屋だ 学生はノックし 一行を連れてきたと告げて下がる

ドアはひとりでに開いた 柔らかなカーペットの上 豪華な机と 椅子 そこに鎮座するのは
油で丁寧に撫で付けたオールバックの白髪
齢を重ねた深き皺

それでもなおその体からは 圧倒的ともいえる覇気を纏った 魔族の老人
濁った目を一行に向けると しゃがれ声で語りかける

???「懐かしい・・・顔に会ったな・・・」

アキレス「え? アンタ・・・まさか」

魔王「あぁ・・・嘗ての新しき・・・魔王・・・ウーヴェ・・・・一世である・・・」
そこにいたのは 嘗て奴隷戦争にて 人間種族より追放されたとき 一行を匿ってくれた魔族の長である
541 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/28(日) 00:05:42.99 ID:ZkcW0fhRo
【戦国ファンタジー世界:ヒノモトの国】

 京の都――

 コンコンコンコン…

 町大工が家屋を組み立てている音がする。
 この世界、いわば倭の風情と文化という、それになじみが無い者にとっては
 さぞや奇矯な趣に見えたことであろう。

【そして独特の空気を覚えるはずだ。衰退し、滅びようとしている街特有の空気が】

 大通りの市場は品物は食料品や質の悪い医薬品が精々で、活気もない。流通が麻痺している。
 さらには手足を失ったサムライが物乞いをしており、街全体の空気もピリピリとしている。
 戦時中なのだろう。それも、敗北するギリギリの線でどうにか持ちこたえているような。

 コンコンコン…

【町大工が家屋を組み立てている音がする。
 なんとか吹き曝しで死ぬものが少なくなるように。雨風に晒される者を少なくするために。希望をつなぐために】

 このような世界に降り立ったならば、如何にも戦闘者風の者ならば、
 頼みごと…いわゆる依頼には困るまい。

【→とりま登場してくだしい】
542 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/28(日) 00:19:22.41 ID:vmw/NMrrO
>>540
「アケトは今はここの番猫(?)をやってるんだな。それに、俺達のこともちゃんと覚えてたんだな。」

嬉しそうにアケトに擦り寄る。紫狼はアケトも同行させるようだ。

「え!?ま、まさかあの魔王なのか!?ちょ、長寿過ぎだろ……」

ここに来てから驚いてばかりである。まさかあの魔王と再会するとは

「あんときは世話になったな。っつっても、あんたにとってはもう大昔のことか……平和になったんだな、この世界。」

穏やかな表情で魔王に話しかける。

543 :セラ [sage]:2014/12/28(日) 00:23:26.37 ID:oLMhRobEo
>>541

「居心地悪いわね、なんか。」

京の都に入って半日。冒険者セラはすっかりさびれてしまった商人街を
『つまらない』という風の顔を隠さず歩いていた。

平和な時代であれば反物屋の軒先にはエチゼンやアワ、キイといった近隣国から取り寄せられた
鮮やかな染め物や美麗な細工が並び華美な装いを好むセラを大いに満足させたであろう。
しかし今はどうか。この日々の食い物にもありつけぬ苦境の時代に反物などを買う余力のある者は少なく、
大半の店は閉まっているか、簡素な木綿や麻の衣服を売っているだけだ。

それに……。

『異人……。』

『なんでも南蛮人は妖魔の血が入っているゆえ、
 あのように白い肌とおかしな色の目をしておるのだそうな。くわばらくわばら……。』

『あの剣、あの衣服……ああ、金持ってんだろうな……。
 やっちまうか……。』

明らかにこの国の人間ではないセラは往来を普通に歩くだけで人目を集める。
しかも、纏う衣服や腰にぶら下げた剣は素人目に見ても上等な物だと分かる故に、
嫉妬や羨望、あるいは畏怖の感情がこもった視線を投げかけられ続けていた。

(この国が豊かなら、こんなことはなかったのでしょうけれど……。)

困窮は人の心の余裕を奪う。
そして、自分はその人々の困窮を糧にして生きている人種である。
それを理解しているセラはむしゃくしゃとした気分をどう発散していいものか、と思案しながら
剣士やら傭兵やらに仕事を世話してくれる仲介人がいると聞く、街中心部の酒場を目指していた。
544 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/28(日) 00:27:55.74 ID:bgFthjGIO
>>540
生徒に導かれるがまま、校内を進む一行。果たしての総長の正体は…………

「え……もしかして……?」

…………しわがれた声の魔族の老人。纏うは圧倒的な覇気。そして『ウーヴェ一世』と名乗る。

「ん……えっと、先日はお世話になりました」

そう、彼こそがかつての魔王であった。先日(少女にとって)あった出来事も少女にとっても思い出深い。
数千年経っても彼女らのことを忘れていなかったようだ。……むしろ、忘れることすらできないことだろう。

「あれから、この世界はどうなったのですか……?」

少女にとっての数ヶ月。元・魔王にとっての数千年。平和になったであろうこの世界の変動について尋ねようと。
545 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/28(日) 00:36:48.32 ID:ZkcW0fhRo
>>543

 酒場に着いてみれば剣呑とした雰囲気が広がっている。
 これが冒険者的な活気に満ちた酒場であれば、喧騒とガヤ騒ぎに満ち、
 ややハメの外したエネルギッシュさもあったろうが、ここにそれは無い。

【むしろ、戦時中に近い、ある種の危険な香りには満ちていたが】

 異人の女の出現に気安く肩を叩き酌をさせようとする無礼者や、
 ボケットを小刀で切り裂いて金銭をスろうという不心得者も居たろうが、
 まあ、セラの実力を察するにオチは見えているのでここは割愛する。

【→依頼となると討伐隊参加や医薬品の原料収集など食いぱぐれはなさそうな感じではあったが、
 ここで一つ奇妙な依頼があるのが目に付くだろう】

『あばら家に住む狂人を叩き出してくれ』

 聞いてみれば、この京の都にある時を境に狂人が現れたという。
 その狂人は全身に酷い大火傷を負っており、放置すれば二三日中には確実に死ぬと思われた。
 しかし…

「どういうわけか未だに生きていてな。今は廃屋の一軒に勝手に住むようになったんだが――」

 とにかく不気味で仕方が無い。その狂人は特に何か周囲に害を与えているわけではない。
 むしろ、百鬼夜行の襲撃があった時は重傷の癖に竹槍かついで戦い、結果的に人を援けたりもしている。
 凄惨な戦いぶりと、おぞましい外見から、誰も感謝はしなかったが。

「追い出してくれ。分かるだろう?こういう状況じゃあ人心を不安がらせるってのは…何よりの罪だ。
 それに妖怪が出入りしているって噂もある。こうなるともう、罪の有無って問題じゃねえんだ。
 存在されるだけで迷惑だ。なんならぶっ殺してくれてもかまわんぜ?」

 酷い話もあったものであろうが、間違ってもいないのが性質が悪い話でもあった。
 もっとも、セラが引き受けなくても誰かが引き受けるだろう。
 場合によってはより残忍で、冷酷で、取り返しのつかない者が引き受けるかもしれない。
546 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/28(日) 00:38:47.24 ID:5WwmEDh20
>>542
なお 紫狼達が持ってきたマウの餌皿は長き時を経て完全に古ぼけていた
ついでに聖杯として学術的な価値が出ているとか

「なに・・・ギリギリ・・・といったところだな・・・もう・・・老い先短いさ・・・」

>>544
「先日・・・か・・・先日・・・なんだろうな・・・お前達にとっては・・・」
フッと笑みを作る まるで在りし日を思い出すかのように遠い目をしながら

>>全員対象

「あの後・・・本当に・・・いろんなことがあった・・・何度も戦が起こったしその度に平和もまた訪れた・・・
 すこしずつ話そう・・・ソレぐらいの時間は・・・残っている」

そういって人を呼ぶと 水差しとコップを用意させる

「さて・・・何から話したものか・・・」
椅子の背に体重を預け 天井を見上げながら記憶を探るのであった

//ではこれでノシとさせていただきます
お疲れ様でした
547 :紫狼(包帯男)&マウ(包帯猫) [sage]:2014/12/28(日) 00:53:51.90 ID:vmw/NMrrO
>>546
「そうか……あれからまたいくつもの戦いが……でも、その果てに今の共存する平和が在るんだな。」

(その度にアケトも戦ってたのかな……なんだが、立派になったなアケト。俺の手の届かないくらいに……)

かつての相棒の成長は、嬉しい反面少し寂しくもあった。

(俺も……俺も頑張らねぇとな、アケトに負けないくらい立派になって……)

紫狼は決意を新たにした。かつての相棒と共に、平和になったあの世界で――
548 :セラ [sage]:2014/12/28(日) 00:54:09.69 ID:oLMhRobEo
>>545

「へぇ、それなりに楽しそうな依頼じゃない。
 少なくとも『死体の片づけ』だとか、他の辛気臭いヤツよりは何倍もマシね。
 いいわ、どうせ話も聞かない類の相手なんでしょう。」

過去、冒険者時代の依頼を思い出す。
敷地を不法占拠している人物を追い出せ、だとかいう依頼は何度かあった。
しかし今回の相手はなかなかに手練れらしい。

もしかすると、噂に伝え聞く東洋の『鬼』だとかそういった妖魔の類に出会えるかもしれない。
セラは死闘の予感を胸に、依頼を快諾するとさっそく例の廃屋へと向かう。

「さて、どうすべきですかね……。」

廃屋を前にして、セラは一度思案に暮れた。

自身のスタイル的には真正面から乗り込んで潰すのが一番性に合っているが、
一応の大義名分くらいは作っておくべきだろう。そのほうがより、『荒事』を終えた時の快感が
増すような気がするからだ。

「京の町人衆から依頼を受けた者よ。あなたはこの廃屋を埠頭に占拠しているから、
 出て行ってほしいんですって。大人しく出ていくならよし、抵抗するなら痛い目を見させて
 あげるわよ。」

奇襲を受けない程度の位置まで下がり、廃屋へと声をかける。
相手が理性を残しているなら交渉に乗ってくるかもしれないが……。

549 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/28(日) 01:20:41.18 ID:ZkcW0fhRo
>>548

 と、警告を発したセラであったろうが、何か様子がおかしい。
 廃屋よりドタドタと何やら物々しい音、そして、キン!と鋭い金属音。
 そして、数秒後――

「アイエエエエ!!」

 パン!と、ボロボロの障子が開き、中から如何にも浪人という風情の人間が複数出てくる。
 それらは肩や胸に傷を負っており、かなりの出血。治療せず放置すれば実際死ぬだろう。

「さっさと失せろ。こちらもおとなしく殺されてやる義理はないのでな」

 別の剣呑な声が室内の闇より発せられる。
 浪人達はセラも眼に入っていない様子、

「ヒィイイイイイイ!」
「コワイ!」

 浪人達は情けない風体で、そのまま退散していった。
 どうやら別の酒屋からの依頼を受けた者達だったのだろうが、ご覧の有様である。

【そのまま、やや糸を引いたような雰囲気が徐々に晴れてきた頃――パンと再び障子が開き、
 中から包帯まみれの狂人が現れる。全身を包む包帯は返り血と膿と汚れで
 周囲に悪臭を振りまくような酷い有様であった】

「ああ、警告は聞いている。が、オメオメと出ていくわけにはいかんのだ」

 包帯まみれの身体に安い袴。風体から見れば狂人と呼ばれても差し支えない。
 が、瞳には確かな理性の光がある。それにどうやら…これでも女だ。

「…参ったな。先程のチンピラ共とは格が違うか。私もいよいよ疎まれすぎたか」

 言いながら、やや慣れない手つきで竹槍を構える。
 少なくとも、この悲惨な火傷傷で生命維持しているならば狂人扱いも無理はないのか?

「君は君の依頼を果たすのだろう。私も私の意地でここに居る。利害が一致せぬならば、こうするのが道理だ」
550 :セラ [sage]:2014/12/28(日) 01:44:51.58 ID:oLMhRobEo
>>549

「ん〜。」

自身の脇をわたわたと逃げていく浪人たちを尻目に、
セラは首を傾け、至極楽しそうに喉を鳴らす。

コサージュ付の派手なつば広帽で包帯の女からセラの目は見えないが、
口元はこれから『楽しい』事が起きると分かり切っている子供の様に喜色にゆがんでいる。
恐らく、その鋭い瞳もつばの下で挑発的な光を湛えているのだろう。

「そうね、私は貴方の意地なんか知らない。あなたの名前も、考えも、生い立ちも、何もかもね。
 ただ、貴方を追い出せと言われてここへ来ただけだから。あなたが何だろうと私には関係のない事よ。
 それに、ねぇ。」

片腕を腕を胸に下に添え、もう片腕を顎にやって未だ剣も構えずくつくつと笑う。
未だ互いに視線もろくに交わさぬというのに、あのつばのしたから全身を値踏みされているのが
女にも分かるはずだ。

「私、意思の強い人、好きよ。特に、そうした人を突いて、斬って、嬲って、削って。
 『勝ち目がない』、『殺される』。強い意志が崩れてそんな風に屈服する様。私大好きよ。」

――シャリッ

見せつける様に、ゆっくりと細身の剣――レイピアを抜く。

「さて、あなたはどんな顔をしてくれるのかしら……。」

左手に構えた白の刀身で女を指さすように構えた。
551 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/28(日) 01:57:26.50 ID:ZkcW0fhRo
>>550

「改めて聞くと酷い言い草だな。もうちょっと手ごころをくれてもいいだろう。
 これでも重病人なんだ。見ればわかるが」

 セラの言い様に思わず嘆息をつく狂人。どっちが狂人だ?とツッコミを入れたくもなるというものだ。
 が、構えを見れば分かる。所謂、サマになっているという奴だ。

「刺突剣か。変わったモノを使うな。ヒノモトの人間ではなさそうだが」

 竹槍を構えながら、すり足で間合いを計る狂人。
 セラから見れば、槍術という分野では素人ではないが、使い手という程でもないと分かるだろうか。

(どうしたものかな。コンディションは最悪。武器も限られている。が…意地だな。本当に)

 勝算の無い戦いはしない主義のはずだが、と思わず自嘲する。
 が、やってみなれけば分からないという理屈も悪くは無い。そう思った。

「――セイッ!!」

 身をかがめ、片足を前に出して、竹槍の小さな突きでセラの足元を二連突き!!
 コンパクトな突きであるのは牽制のためと、引き戻しの隙を限りなく小さくするためだ。

【ここまでくれば狂人という風評は大部分が欺瞞に過ぎないと分かるだろうか】
 【→経験に基づく間合いの計り方と、戦闘構築。脳がイカレた狂人が本能で行使する業ではない。タイプが違う】
552 :セラ [sage]:2014/12/28(日) 02:14:48.54 ID:oLMhRobEo
>>551

「ええ、王侯貴族……このあたりでは『クゲ』とか『ダイミョウ』とか言うのかしら。
 そうした高貴な血筋どうしの決闘に使われる高貴な武器よ。」

まるで、武人同士が世間話でもしている風の口調の下で死闘が始まった。

剣と槍、というリーチ差が表れた形でまずは女の牽制がセラの足もとを襲うが、
ヒノモトの剣術には見られない、独特の足運びで女が踏み込めばその分だけ、
槍のリーチから半歩ほど外れた場所へ、ひらりひらりと逃げてしまうセラ。

「でもねぇ、残念なことに、これは決闘じゃないの。殺し合い。
 ……いいえ、一方的な『なぶり殺し』になるの。」

――ズドンッ!!

と、セラはその間合い外から腰のホルスターに納められたフリントロックを
右手で抜き放ち女の胴めがけて突然打ち放った。

古風なフリントロックは我々の知る現代の銃のように精密な狙撃はできないが、
この至近距離だ。ほぼ狙いは外れないとみていい。となれば、素早い動きで回避するか、
どうにかして弾丸を防御するしかないが……。
553 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/28(日) 02:36:41.73 ID:ZkcW0fhRo
>>552

「ッ!!」

 突然の火薬炸裂音!ビシリ!と何か硬いモノに亀裂が走るような独特の音。
 そして、狂人の背後の廃屋の屋根の一部が割れた。

「…ふぅ、隠し武器の警戒はしていたが、銃とは思わなかったな」

 見れば、狂人の持つ竹槍の表面が一部亀裂が奔り、剥がれている。
 そう、寸でのところで竹槍の引きが間に合い、防御に成功したのだ!

「重心の動きが独特だったからな。剣のみに見せかけてその実、副装備を満載にしているわけだ」

 ゆえにコンパクトな突きを行い、誘い水を出したというわけだが、
 フリントロック銃の貫通力の低さと持っている物が表面が円形で、かつ強靭な竹であったことが、幸運であった。
 実際にヒノモトの火縄銃に対して竹束が盾として機能しているという。偶然にも大いに助けられた。

(後、銃を幾つ…腰に一つ。いや予備くらいはあると想定すべきか。銃…銃か)

【盾になりえる竹槍を装備していたという偶と放たれたのが目線と肩の動きで狙いを察せられるほどに
 己自身が精通した武器であった事が幸いしたのだ】
【→遺伝種子:復讐の眼…遺伝子改造により高度な視界を獲得している】

「貴族というには随分と勝ち意地が張っているな。なるほど無用なしきたりには拘らないか。いいセンスだ」

 次は竹槍を前に出し、レイピアの間合いをなるべく遠ざけるように槍先を揺らす。
 これだけでも十分な牽制。そして、後の先を取ろうとしているのは明らかである。
554 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/28(日) 21:24:00.63 ID:nAtB0Ml00
ヒトモノの世界、京の都より数里離れた村落
人類に取って凡そ最大の拠点のひとつである都ですら魑魅魍魎悪鬼修羅の群れを前に疲弊し切っているのだ
そうではない、小さな部落などはそれはもう酷い有様な訳で
アラズが転移でやってきたここもそうなのだろう
村の彼方此方には生死問わずひとが括られ吊り下げられており
呻き声や断末魔が聞こえるたびに鬼達は笑う
決してライトサイドでないアラズですら思わず辟易してしまう程のエゲツない悪行

「っ、辛気臭せぇなぁ……」
「……なぁんか来やがるしっ……」

知恵を持たぬ低級妖怪……餓鬼の中でも獰猛な部類……達がいつの間にやら集っている
舌打ち一つ、戦闘態勢
ディープメイカーを生やし子供程の背丈の、しかし凶暴性の塊といった表情を浮かべる餓鬼達と相対
555 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/28(日) 21:33:16.14 ID:5WwmEDh20
>>554
「 コ レ ハ ヒ ド イ 」
降り立った世界は モンスターの餌食になっていました

「これがアキレスの言っていた『いとも容易く行われるえげつない行為』ってヤツか」
なにやらこちらに対してヤる気満々の様子なので 背中のハルバートを両手で構え戦闘準備完了

「来いよ三下 俺が遊んでやる」
顔に不敵な笑みを浮かべ 妖怪共を挑発する
556 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/28(日) 21:42:59.97 ID:nAtB0Ml00
>>555
「あっ、お前っ……!」

ふ、と餓鬼達の注意が逸れる
アラズもそれは同じだ、この世界には決して存在しない部類の人間を前にして
そして挑発に乗るのは必然だ、獰猛な妖怪達は
3匹の小型の餓鬼がロイへ向けて、その鋭い爪牙を持って引き裂かんと襲い掛かる
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2014/12/28(日) 21:46:34.86 ID:ZkcW0fhRo

 ポンポンポポポポン――

 どこかから鳴り響く陣太鼓の音が大気を振るわせる。
 すると、太陽に向かって影が伸び始め、その黒色より無数の蝶が出現し羽ばたいていく。
 通常の蝶とはまるで異なる禍々しさを放つその妖怪変化は黒羽(くろはね)と呼ばれる。

 −−−−−−−−−−−
 妖怪:黒羽…
 六枚羽の黒い蝶。異界の気が結集して発生する妖怪であり、自我は希薄。
 その黒い燐粉はヒトの理性を狂わせるという、
 −−−−−−−−−−−

 黒、黒、黒!空は黒羽が空を黒く染めあげ、太陽の光を朧にしていく。
 さらに、この蝶、吊り下げられたヒトに群がっていくのだ。

【吊り下げられた人々は黒い繭に包まれたが如き有様となる!!】
 【→フキツ!コワイ!】
558 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/28(日) 21:50:53.98 ID:5WwmEDh20
>>556
「あ 流石に三匹一度はノーサンキュー」
そんなに挑発にのりやすくなくてもいいのよ? と言ったかは分からないが 兎に角囲まれても面倒臭いので最先頭の1匹目掛けて穂先を真っ直ぐ突きだす

その攻撃の成功失敗に関わらず踵を返して後退 囲まれないようにする配慮をする

>>557
などとやっていると空がにわかに暗くなるではないか
雨でも一振りするかと思えば そこにいるのは真っ黒な蝶

「いやいやいやいやいや流石にコレはないって!!」
なんかあたりの人間とっ捕まえていますし 今は逃げることしか出来ませぬ
559 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/28(日) 21:59:45.85 ID:nAtB0Ml00
>>557
「……?」

ディープメイカーで餓鬼を薙ぎ払い或いは押し潰しつつ変異の鱗片を察しそらを見上げる
紙に墨汁を落としたような、それでいて徐々に鮮明になる漆黒
周囲に黒い塊がぶら下がるようになれば怖気を感じ、餓鬼達よりも寧ろその状況に注意を払うように警戒

>>558
『プギャッ!?』

ぷちり、餓鬼の柔らかい頭骨を貫く感触が手に伝わるだろう
本来獲物たる人間に反撃されるとは思いも依らず……
……そもそもこの餓鬼達は大勢が鬼側に傾いてから出現したのだ、ロクな戦闘を経験していない……容易に絶命する1匹
他の2匹は仲間の死になんの感慨もなく、引き続き愚直にロイを追い続ける
そもそも逃走する相手を惨[ピーーー]るのは、彼等のお手の物なのだから
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2014/12/28(日) 22:05:52.08 ID:ZkcW0fhRo

>>558-559

「アバアババババババーッ!!」
「た…たすけ…アバーッ!!」

 不吉なる蝶に群がられた人々は悲惨極まる断末魔の悲鳴をあげる。
 この苦悶、この絶望こそが妖怪変化にとっての糧であり滋養なのだ!!

【このあまりの凄惨さに家屋の影で蠢くばかりの最下級妖怪達も互いに肩を震わせ怯えるばかり】 

 バサササササササーーーーーッ!!

 そして糸を引いたような不吉を残して黒羽は去ってゆく。
 空も晴れたはずなのだが、先程より太陽の光量が減衰しているように見えるのは
 滞留する燐粉のためか。それともオバケめいた雰囲気ゆえか。

「アババババババーッ!!」
「アババババーーーーッ!!」

 そして今なお鳴り響く断末魔の叫び!!
 黒羽に群がられ、妖気を注入され、百鬼夜行の『門』とされた人々の!!

【次の瞬間!黒羽に群がられた人々が内側から妖気をバラ撒きながら爆裂する!!】

 ロイ・ゴールドマンの所謂ファンタジーめいた世界の現象で当てはめるならば
 まるで死霊術師の死体爆破(コープス・エクスプロージョン)の如し!!
 炸裂した骨と肉は手榴弾の破片の如く周囲に甚大な破壊を齎すのだ!!

【炸裂した骨、肉、髄液、脳漿が炸裂弾の如くそれぞれに襲い掛かる!!】
561 :セラ [sage]:2014/12/28(日) 22:08:51.53 ID:oLMhRobEo
>>553

「しきたりは大事だけれど、火事場でカビが生えた物を有難がる道理はないわ。
 東洋人は礼儀を重んじるあまり、戦いの中でも足元を狙うは卑怯だとかいって、
 胴と頭しか狙わない者もいる、と聞き及んでいたけれどあなたは違うみたいね。」

フリントロックを撃ち放ち、それが命中したかどうかの確認すら取れぬうちに、
セラは既に次の動きを始めていた。

リロードに時間がかかるため、乱戦ならともかく一対一の戦いではもうお荷物となる
発射済みのフリントロックを捨て、フリーになった右手にもう一振りのレイピアを握る。
そのまま、泥混じりの地面を勢いよく蹴り一息に槍のリーチのさらに奥、自身のレイピアの間合いまで
入り込もうとする。

この突貫を許し、懐に入られれば長物の利点は帳消しにされる。
素早い対応が求められる状況だが、女は防御からどの程度の速さで構えを戻せるだろうか。
562 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/28(日) 22:15:59.80 ID:5WwmEDh20
>>559-560
数の暴力に任せてこられれば以下に餓鬼といえどもと考えての行動であったが そこまでするまでもない相手だったようで
暫し逃げた後 不意をつく形で振り返りもう一回が気へと穂先を突き出す

そしてまた逃亡 少し疲れるが確実な手で殲滅するが是である・・・のだが

「アレは・・・アレだ 死霊術のナントカだ!!」
名前までは知らないが ソレがナニを意味するかは知っている 死体を爆発物にする外道の術
そして目の前にも蝶に集られた人が

「いやちょマ・・・!!」
体に無理な負担をかけながら無理やり方向転換 目の前の爆弾人から逃げるようなルートを走る
563 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/28(日) 22:22:43.90 ID:76sfj/sLO
>>560
「っ、八葉ぉっ……一来っ!!」

餓鬼達から意識をシフトしていた事が活きた、突然の非業にも咄嗟に反応が出来た
アラズが被弾までに得た猶予は、
8本のディープメイカーを自身の前で編み合わせ補強し、盾として構えるのには充分な時間であった

「っ!!」

だがひとの骨や歯というモノは実に強固である
炸裂した幾つかの『弾丸』は盾を貫きアラズの体を食い破り血を噴き出させる
尚アラズと相対していた餓鬼達はその直撃を浴び、数を減らしていた

>>562
『プギャッ!?』

まるで同じシーンを見ているかのような、デジャヴ的光景
彼等は知能が極めて低い、学習能力に乏しい
あるのは本能のみ、それも己の生存より欲求を重視しているのだ
結果としてまたも頭蓋を貫くハルバード
だが方向転換に依って微かにでも減速したのなら、餓鬼は飛び掛かる事だろう
その鋭爪を振るった後、爆発に巻き込まれて絶命する運命を例えば知っていたとしてもそれは変わらない
564 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/28(日) 22:22:44.64 ID:ZkcW0fhRo
>>561

「そう馬鹿にするものでもないぞ?自負は力だ。ミステリアスだがな。
 時にその礼儀とやらを固守することですさまじいパワーを引き出す人種もいる。
 そういうのは敵に回すと実に厄介なのだよ」

 瞬間、裡に潜り込まれる。自然と構えを戻し間合いを計るのも中断だ。
 間合いを詰められる。これは確定事項。バックステップは――間に合わない!!

(無理に距離を取ろうとすれば、それこそ相手の距離にさせられる。接近戦に勝機は無い。ならば!!)

 発想を変える。構えも戻すのも距離を稼ぐのも間に合わない。ならば手段は――。

【狂人はその場で構えを戻すのでもなく、間合いを開こうとするでもなく、
 構えを戻しながらも、むしろ逆!!大地を蹴り、一気に前に躍り出た!!】

(刺突剣の間合いの――さらに内側だ)

【距離を潰す発想を真逆にした突貫を選択】
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2014/12/28(日) 22:32:21.77 ID:ZkcW0fhRo

 爆裂した遺体の粉塵が周囲に滞留し、それは徐々に形となり、輪郭を帯びてゆく。
 そう、村人はただ爆裂させられたわけではない。妖怪変化現出のための門とされたのだ!

 ポンポンポンポポポポン!!

 和太鼓の音と共に粉塵は肉となり。艶のある蒼き肌となり、
 眼球が現れ、歯が現れ、口が現れ、顔が現れ、そして身体が顕れる。

【炎のように揺らめく赤髪。雄雄しく天に突き立つ二つの角。
 牙だらけの裂けた口は禍々しく、残酷なる刺又を振るう】

 妖怪:羅生門の出現である!!

「人界、滅すべし!!」

 歌舞伎役者が如き様相で周囲の餓鬼をひとにらみ。
 強大なる妖気を餓鬼共にばら撒き、この塵芥が如き低級妖怪をマシなものに仕立てんとする。

【→雑魚モブ:餓鬼の能力アップをしようと試みます】
566 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/28(日) 22:37:34.08 ID:5WwmEDh20
>>563>>565
「チッ!!」
自らの命運も知らず飛びついてくる餓鬼を 柄から離して握った右の拳でパンチを放つ
大した戦闘能力もないのならこの程度で済むだろうと考えての行動である

さて こちらに襲い来餓鬼は殲滅できただろうか?
先ほどから響くドラムの音は何処から響いてくるかと視線をめぐらせれば そこに何もなかったはずの空間から現れる妖怪の姿
しかも人界滅ぶべしなんぞという物騒なお言葉

「えぇい面倒臭い!!」
足元の握り拳ほどの大きさの石を拾い上げ 全力投球で妖怪の顔面を狙う
567 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/28(日) 22:45:37.23 ID:76sfj/sLO
>>565
「あこれ、ヤベェ……」

傷付いた体が前進を拒む、撤退を求めて怯えている
滅多にない経験だ、少なくともアラズが意識した中では数度のみの
しかし反面クリアな思考は鮮明に動く
周囲の餓鬼達が飛び跳ねて嬉々としている
妖気的な力の流れに対する視覚を持たぬアラズでも推察出来る

『奴が力を放っているのだ』

だが逆説、それは餓鬼達に今この瞬間は意識を向けているのではないか
即ち自分とロイへの注意は一定より下回っているのではないか
それに賭けるのは不利ではあるが仕方ない

「……おォォラァぁっ!!」

ボロボロのディープメイカーの残り5本をそらに掲げれば振り下ろし、羅生門を押し潰さんと唸らせる

>>566
「プギャッ!?」

正に以下略、顔面を殴打されて地面を転がる餓鬼
しかし結果として刺突、そして爆発に依る絶命を逃れたロイに向かう中では唯一の個体となった
そして仰向けに伸びていたが、羅生門の出現と共にむくりと起き上がる
そして耳を劈く雄叫びを挙げれば手近な家屋に拳をぶつけて壁を粉微塵に粉砕
明らかに先程より力に満ち溢れている
青白い妖気が迸る両眼をロイに向ければ、見違える程の速度で駆け出して接近が叶えばその剛腕に生えた爪を振り下ろすだろう
568 :セラ [sage]:2014/12/28(日) 22:50:11.22 ID:oLMhRobEo
>>564

「ん……!」

セラは女の出た『逆突撃』という行動に一瞬、驚いたという風に声をだしたが、
それは困惑というより、嬉しい驚きという風。その証に、口元はにぃと再び笑みを作り
さらに地をもう一蹴りして、疾風の如き勢いをさらに加速させた。

(面白いじゃない……!それとも、組み打ちに自身アリってことかしら?)

セラは一度とった行動を撤回して守勢に回るより、今の勢いをさらに伸ばして攻勢をかけ続ける手を打った。
真正面からのぶつかり合い。そして、勝利する事こそが自身にふさわしい勝ち方であり、今まですべてそうしてきた、
という自負故の行動!

「シッ――。」

息を吐き、スピードと体重を乗せた前蹴りを繰り出す。
相手をひるませたところに、続けてレイピアを叩き込むのが狙いだ。



569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2014/12/28(日) 22:59:50.57 ID:ZkcW0fhRo
>>566-567

「コシャク!!」

 飛来する岩石を刺す又で打ち落とす。
 強制的に地面に衝突させられた岩は粉々に砕け散った.。

【そして羅生門はアラズを睨む。反応が一瞬遅れている。アラズの予測は正鵠を射ていたのだ!】

「異界の魂ども!ここでも立ちはだかるか!ムゥン!!」

 しかし、である。アラズのディープメイカーも同様に状態が良くないのは明白。
 羅生門は刺す又を力強く振るい、ディープメイカーと衝突。

【羅生門の体躯はディープメイカーの衝撃により大きく後退せしめられるが、
 その肉体にさほどのダメージは無い!好機ではあったがここでは付け込みきれなかったカタチ】

(異界の魂…同されれば自力で不利となるであろうな)

 羅生門は異界の魂との彼我実力をヨウカイ判断力で推し量り、次なる戦術を思案する。
 獰猛なだけではなく狡猾なのはまさしく世を映す鏡の如し。戦国の世。武力だけでは生きられぬ。

「餓鬼ども!火乱華の併せで詰み!行くぞぉ!」

 炎の如き髪をなびかせ首をぐるうりと回す羅生門!
 その前方に餓鬼を壁として配置。さらには己が周囲にも特に力を与えた餓鬼を配置。

【前に餓鬼を置き(おんもさんに委任)、周囲に術力を向上させた餓鬼を配置する】

「火乱華(カランカ)の術!併せぇ!」
「グゥィイイイイ!!」

 羅生門の周囲に術文字が現れる。さらにそれを再現するかのように餓鬼の周囲にも全く同じ文字が。
 この現象は科学サイドよりもむしろ魔術サイド。幻想世界の出身者にこそ馴染みがあるだろう。

【すなわち、多人数による術強化発動の兆候である!個ではなく集の力により爆発的に効果を倍増させる類の!】
 【→火乱華の術(複合→威力倍率×3→×5→×8→×16)】
570 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/28(日) 23:06:07.74 ID:5WwmEDh20
>>567>>569
(流石に投石一発ノックアウトとは行かないか!!)
当然といえば当然の結果 投石は軽くいなされアラズと打ち合う羅生門

ならばさっさと餓鬼を斃してアラズの加勢と行きたいところだガ

「!?」
餓鬼のパワーアップに泡を食う 咄嗟に柄で鉤爪を受け止めるが スピード パワーが段違いである

「この・・・ウゼェ!!」
餓鬼の顔面のど真ん中 目掛け い切りふりかぶったフルスイング頭突きを放った
571 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/28(日) 23:11:51.35 ID:ZkcW0fhRo
>>568

(チッ…思ったより)

 突飛とも言える突撃行動に虚をつければと思っていた狂人だが、
 予測よりも相手の立てば押しが早い…というより、漏れている感情は、歓喜ときた。

「セイッ!!」

 竹槍を盾に構えたまま横に突き出し前蹴りにぶつける。
 これは防御ではあるが、威力を受け止めきるためではない。
 もはやこの距離では足かせに過ぎぬ竹槍をそのままに捨てて、

【もう一歩前、防御姿勢の格好のままさらに踏み込む】

「イヤーッ!!」

 肘を突き出し、破壊的な鉄槌と化す開門頂肘。その一撃をセラの胸部に打ち込まんとする。

(分が悪いの事は百も承知。臆すな。剣の間合いに戻されては勝機は限りなくゼロに近くなる)

 突きは距離が必要な戦闘技術という前提。ゆえに踏み込む。それが狂人の導き出した苦肉の策であった。
572 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/28(日) 23:17:53.91 ID:ujGwVDxN0
>>569-570
『クケケケ……っ! プギュッ!?』

槍と爪との鬩ぎ合い、狡猾な笑みを浮かべ押し切らんとするが
正中線上眉間に受けるヘッドバット、鼻血を撒き散らして2度目吹き飛び今度こそ完全にノックアウトである

「チッ……見た目の通りメンドクセェ奴だなぁっ……!!」
「……八葉っ!」

さて一方、灯火が集い業火と化すが如き妖術を受けた新たな餓鬼達
ディープメイカーでの不意打ちで仕留め切れずに終わった事にアラズは舌打ちを漏らした
朽ち果てた全ての触腕をパージ、新たな8本を生み出す
餓鬼達がアラズとロイにそれぞれ2体ずつ、奇声を挙げながらに飛び掛かった
先の強化個体より更に妖術力を得たそれは、中位の鬼とも見まごうばかりのオーラを纏い剛腕を振るう
アラズはディープメイカー6本で対応、それと同時に残る2本で羅生門へ打突を繰り出す
マルチタスクでの戦闘が行えるのは、このディープメイカーの利点のひとつだとアラズは考えているのだ
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2014/12/28(日) 23:26:15.45 ID:ZkcW0fhRo
>>570>>572

「ヌウウウウウ…!!」

 余裕のある布陣であるかと言えば断じて否である。
 羅生門はこの繊細かつ慎重に取り扱わねばならぬ『併せ術』の核となっているのだ。
 これは極度の集中力が必要となる。

【今や、その火力たるや、この村を異界の魂ごと灰燼に帰しかねぬほどの術力を漲らせている】

「異界の魂どもよ!消し炭と化すべし!!」

 カッと眼を見ひらく!膨大な妖力を溜め込みその瞳は妖しく輝き、
 身体の輪郭すら薄ぼんやりと光っていた。

【→次ターンで火乱華の術(威力係数×32)が放たれる】

574 : ◆T/233Moei6 [saga]:2014/12/28(日) 23:31:36.75 ID:ZkcW0fhRo
>>872

//ディープメイカーの突きは何とか防いだ感で頼みますです(ミオトシ!;;
575 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/28(日) 23:44:07.06 ID:5WwmEDh20
>>573
さて 餓鬼をどうにかノックアウトとなったが

「・・・アカン」
羅城門を見れば トンでもないことになっていた
なにあの術 喰らったら消し炭ですやん

「えぇいやるしかないか!! 月閃歩行!!」
勢いよく駆け出し 小さな跳躍大きな飛翔 宙を蹴り移動するその軌道は空飛ぶ円盤
前進から闘志を滾らせ 姿を変えるは紅蓮の鳳 構えたハルバートの穂先は さながら鳳の嘴か

妖怪を刺し貫き 焼き尽くし 灰燼と返さんとするその技は ロイ・ゴールドマンが必殺技

「天破・・・・絶ぇぇぇぇぇぇええええええええッッッ槍おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

全身全霊の一撃にて 羅城門に突撃す
576 :セラ [sage]:2014/12/28(日) 23:44:54.13 ID:oLMhRobEo
>>571

「つっ……!」

竹槍で蹴り足を打たれたセラの美しく、そして戦闘の興奮に上気した顔がわずかに歪む。
セラとしては防御されるなりなんなり、とにかく前蹴りをあててほんの少しの距離と隙を生じさせれば
その間に一撃を通す自信はあった。

しかし、横から払われてしまえばバランスを崩し、体勢を崩すのみで。
折角の勢いもそがれてしまう。

そこへ……。

『イヤーッ!!』

(マズっ……避け……いや、防御を……!)

動きが止まった隙を突かれたのはセラのほうだった。
咄嗟にバックステップを繰り出すも、踏み込みから逃れきれないと見るや、
左手に握った愛剣アンヘルで肘を受けとめようとする。

『防護』の魔術が込められたこの剣は敵の攻撃を弾く際に、強烈な力を発生させる。
女の力がどの程度かはわからないが、一方的に打ち負けてしまうという事はないはずだ。
寧ろ、刃に肘を押し付けてしまう形になる分、肘にダメージを追ってしまうだろう。
577 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/28(日) 23:47:35.11 ID:ujGwVDxN0
>>573-575
「っ、く、しょっウっ……!!」

2体の餓鬼からの猛攻を防ぎ、そして更に羅生門の力の発動を止めなければならない
状況は極めて苦しい、アラズ自体としてはほぼ不可能に近い
ならばと求める、もがいて足掻き、そして生き延びるための力を

「……一蓮っっんんっ!!!」
「消えろやァァァッッっ!!!!」

8本のディープメイカーを三つ編み状に、大蛇の如くに編み合わせる
そらに擡げたそれは正に嘶く深淵
だが2体の餓鬼を防いでいた触腕までもそれに使用しているため、今は完全にノーガード状態だ
爪が脇腹に突き刺さり、牙が肩を喰い破る
それでも死なずに射抜く赤眼は羅生門に一心
圧倒的打突を繰り出し、そしてパージして超級質量の飛翔体とする
578 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/29(月) 00:01:20.77 ID:fDpuADSCo
>>576

 狂人の膂力そのものは実のところ訓練された常人という域を出ていない。
 人外のパワーや能力起因の強化とは無縁のヒトとしてのヒトの力だ。

「グ…ッ!!」

 防御を併せられた。見事な反射神経と判断力と言うべきであろう。
 が、こちらも踏み込んでの必死の一撃。最早、変更は効かない。このまま押し切るのみ。

(躊躇は判断を殺し、勢いを殺す!このまま行けッ!)

 眼前には剣。刺突剣。本来は防御には向いていないであろうソレ。
 しかし、肘が接触した瞬間、生まれるは猛烈なる反発力。

【もし、躊躇し、勢いが僅かでも削がれていたならば間違いなく弾き飛ばされ、
 全ての布石が何も為しえぬままま雲散霧消していたであろう!!】

「…たしは…私はまだ闘える!!私の戦争は――まだ終わっていない!!」

 肘先に剣傷。血液が溢れる。衝撃を受けて腕の包帯が吹き飛び、火傷傷に反発力の裂傷が走る。
 もとよりボロクズのようであった腕がさらに血塗れとなる。

「イヤーッ!!」

 そのまま肘撃をアンヘルごとセラに振るった!!
 セラには理解できないかもしれない。セラと戦いながら、この狂人は己の何かとも戦っている。
 このような有様になってもまだ戦おうとしている。

【ゆえに狂人と評した村人達の評価は実のところさほど間違っていなかったのだ】
 【→腕一本を犠牲にした肘撃であるが、実のところ反発力もあり剣を盾代わりにはされている。
   どれほどの威力を果たして発揮できたのだろうか?】
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2014/12/29(月) 00:12:29.19 ID:fDpuADSCo
>>575-577

「来るか!異界の魂ッ!!」

 ロイの放った天破絶槍は壁となっていた餓鬼を瞬時に消し炭と化し、
 そのまま真っ直ぐに羅生門へと向かう。

「ムンオオオオオオッ!!」

 そして、刺す又に己が身の莫大なる妖気の一部を収斂させ、天駆ける鳳凰に向かって激突させた!!
 激突!炸裂!衝撃!閃光!爆発的なスーパーソニックウェーブが周囲にばら撒かれ、
 地面を抉り、木々を圧し折り、家屋を倒壊させる。

【羅生門の周囲で術を練っていた強化餓鬼も微塵となり吹き飛ぶ有様!!】

 が、既に妖力の充填は完了!後は発動するのみであった!!

「オオオオオオッ!!死ぬがいい!!火乱華の術―――」

 ――術は発動しなかった。発動の瞬間のドフンという鈍い音と衝撃。
 そして羅生門の膨らんだ腹に開く風穴。螺旋めいた触腕。

「万事尽くせど功ならず…か!!」

 ごふっ…と汚らわしい血液を吐く羅生門。ギロリとロイとアラズを睨む。
 口角をゆがめ、獰猛な笑みを造る。ここで命乞い、恨み言を吐いては敵に対する礼を失する。

「これもまた快なり!異界の者共よ!これにて御免!!」

 炎のような髪の毛と共に首をぐるうりと最期に回すと、
 そのままバッと塵と化して羅生門は霧消した。始めから何も居なかったかかのように痕跡残さず散ったのだ。

【→羅生門の手番はここまで→おんもさん後はたのむすノシ】
580 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2014/12/29(月) 00:26:03.16 ID:xUrgfQkm0
>>579
「……へっ」

燃え盛る鳳凰と羅生門の槍の衝突
可視性をも帯びた衝撃波に吹き飛ばされそうになるのを何とか堪え、血だらけの体をなんとか支えていた
八葉一蓮を放った今、最早これ以上ディープメイカーを生み出す余力はこれっぽっちも残っていない
それでも片頬を釣り上げて脂汗を流しながら短く笑うのは、
今まさに散った歌舞伎者の武士道めいた矜恃とは少し異なる
負けたくないだけだ、アラズの場合決して何者にも
自身の正体を知る数少ない……ロイの存在も影響しているのかは分からないがそれがこの場合露骨に現れている様子

既に周囲に餓鬼達の影はなく、日の光は闇を払い降り注いでいる
ひと気のない廃村、冬風が駆け抜ける
またひとつ、地図からひとの領地が減った

//すみません、これで落ちます…お休みなさいませっ
581 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/29(月) 00:31:35.92 ID:b7qDnddB0
>>579
全身全霊の一撃を受け止め 辺りに凶悪な衝撃波をまき散らかす両者
なれどアラズの一撃が羅生門の腹を穿ち 決着はついた

一度勢いがついてしまった天破絶槍は着地が非常に難しい
受身を取りつつ地面を数度バウンドし どうにか軟着陸に成功

「・・・ったくよぉ そういうこと言われるとよぉ 敵ながら天晴れとか言わなきゃいかんだろうがよ!!」
グッタリと空を仰ぎ見ながら呟いた
582 :セラ [sage]:2014/12/29(月) 00:34:51.58 ID:hVT1vi8to
>>578

「あぅ……!! こ……の……!」

(な、なんなの、この力……!?人間のもの、じゃ……ない……!)

肘を受け止めた瞬間、セラは自身の左手がまるで鉄槌で打ち付けられたかのような錯覚を感じた。
一瞬で指が痺れ、感覚がおぼろにされ、ついには競り負け、じりじりと腕を押される。

セラにもついぞ経験がないほどの威力。
狂喜の笑みを戦闘中に浮かべていたセラもこれにはその笑みをかなぐり捨て、必死にならざるを得ない。

(いえ、守勢に回っては……!私は、攻めてこそ今まで勝ち上がってこれたじゃない……!
 いいえ、寧ろ……今が好機ッ、相手は完全に動きを止めている。今ならッ――。)

そう、女の動きは完全に止まっている。完全に押し切られる前に、
右手の愛剣デモンを叩き込んでしまえばよいではないか。セラはそう判断を下し、首筋目がけ
もう一対のレイピアを叩き込もうとした。

しかし!

『イヤーッ!!』

「――ぐあ゛ッ!!!!」

判断を下す。その間に既に『覚悟』を決めていた女の攻撃がセラを弾き飛ばした。
セラはそのまま数m飛ばされると、戸を突き破りながら廃屋に叩き込まれる。
583 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/29(月) 00:53:33.59 ID:fDpuADSCo
>>582

「…ゼェゼェ」

 バタタタタ…と腕からおびただしい量の血液が地面に零れる。
 なるほど、どうして自ら実践したわけだ。覚悟がもたらすミステリアスというものを。

(正直…勝算は限りなく低いイクサだ。捨て身でようやくコレか)

 歩を進め、廃屋の側で残心を行う。勝敗は…次で決まる。
 それももし、天秤があちらに向いているならばもう勝負にすらならないカタチで。

【腕を一本犠牲にしている。そして、もし立つならば、立たれたならば――】
【欠片のように散らばる可能性を拾い集めて、代償を支払って、ようやく持っていけた状況が今なのだ】

 バタタタタッ…血液がさらに地面に落ちる。気を張る。失血で意識を朦朧とさせてはならない。
 構えを取る。敵を睨むように廃屋の中を睨む。

「私は…私の名はイムカ。イムカ・グリムナーだ。貴様も名乗れ。
 貴族である誇りある者であるならば、そうであらねばならぬ≠ヘずだ!!」

 ここで相手の意気を刺激するような…立たれた時にどうなるかも承知でなおもイムカは発した。
 これは不条理で不合理極まりない言。人間性…誇りが言わしめる言葉だった。
584 :セラ [sage]:2014/12/29(月) 01:31:05.01 ID:hVT1vi8to
>>583

「やって……くれたわね……。」

廃屋に叩き込まれ、地面に仰向けに倒れていたセラが上体を起こした。
額から出血。口の中を切ったようで口の端からも血の筋。しかし、どれも傷はさほど深くない。

イムカが肘を振り切る瞬間、セラはアンヘルの『防護』の術をさらに発動させ
あえて自分自身を吹き飛ばしたのだ。それによって肘のクリーンヒットを避け、ダメージを[ピーーー]ことに成功した。

「……あなた、一つ考え違いをしているわね。
 しかも、すごく不愉快よ。あなたの勘違い。」

――ひゅん、ひゅん。

調子を確かめる様に手首を廻してレイピアで風を切る。
腹いせに砕けた木片や壺の破片を蹴り、再び廃屋の外へと歩み出る。

「私は『貴族』としての自分は捨てたわ。
 私の名は『セラ』。それだけよ。それだけが私。カビの生えた『貴族』の誇りではなく、
 生と死のはざまにたゆとう名誉を欲する、一人の決闘者。」

その表情にもう、笑みはなかった。
決闘者、というにはあまりにも酷薄なその表情は処刑人と形容するにふさわしく……。

「何から何まで、不愉快よ。この次元。そしてあなたも。」

走り寄る事も、しない。ただ、歩み寄り……。

「さよなら。」

無造作に、剣を突き出す……!
585 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/29(月) 01:58:31.95 ID:fDpuADSCo
>>584

「ならばそれが君の誇りということだろう。それでいいさ」

 不愉快と断じるセラとは対照的にイムカの包帯だらけの顔に不快の色はない。
 誇りある者に問うた。そして彼女は名を応えた。それならば十分だ。

(さて、いよいよ打つ手無しか。どうにもならん…な)

【イムカはいよいよ覚悟を決めた。連続突きでも銃弾でもあるいは蹴りでも。
 何をやられても彼女の技量と自分の状況を比較すればどうにもならない】

 が、そこで放たれたのは…無造作に突き出された剣。
 それをイムカはむしろ意外そうな表情でグシャグシャになった腕を貫かせて止めた。
 無造作…ただ歩み寄って断罪する処刑人の剣。先程までの気迫に満ちていた剣はそこにない。
 これが、先ほどまでの彼女の技量を凝らした剣であれば別だった。間違いない。

「…幾らなんでも型も戦気もない剣に殺されてやるほど落ちぶれていないよ。
 先程までの君の見事な気迫と手腕が随分と…な」

 無造作に突き出された剣。技量も糞もない無造作なる剣ならば見切るのは造作もなかった。
 が、そのような問題は別としてもう明らかだ。彼女は戦闘力を大きく保持し、片や自分はこの有様。鮮血が流れている。
 出血も酷すぎる。 決着という意味ならばもうすでに勝負はついている。

「…出ていくよ。死んだら終わりだからな。私にはもう一分の勝ち目もありはしない」

 賭けに出て、前に出て、それでもなお力及ばず。
 無理矢理に剣を引き抜く。またも出血が増えた。酷い有様だった。

「………」

 家屋の影、そこで蠢く小妖怪達に目線をやり、謝罪を示した。彼女が護ろうとしたモノ。
 敗北。代償は支払わねばならない。意地を通せず生き意地のままに無様を晒すことになった。

【小妖怪達はすぐに家屋の影奥に引っ込み、そのまま消えてしまった。
 人心の不安を承知で留まった理由。次の百鬼夜行の襲撃があったら誰が護るのだろうか】

「ではな。君は不快かもしれないが、私は楽しかったよ」

 血塗れの腕を無理矢理に包帯で締め付けながら、竹槍を杖代わりに狂人は京の都を去る。
 敗北と失敗を重ね、何処へ流れるのは。それはまた別のお話。
586 :セラ [sage]:2014/12/29(月) 02:10:33.57 ID:hVT1vi8to
>>585

雑な一撃。

先ほどの竹槍での技量を見るにわかる通り、
そんなものは防がれるのは分かっていたのに、それでもなお怒りに身を任せてしまった。
既に死んだ腕を使って刺突を防がれたとき、セラは弾かれた様に理性を取り戻して
とっさにデモンを振るおうとしたが、イムカの声を聴いて剣を留め。

「……そう。」

恥か、悔しさからか、怒りの残滓のせいか、それとも戦時の興奮によってか。
なぜかは分からなかったが、セラはそれ以上イムカに対して言葉を発せなかった。

「…………。」

赤い痕跡を残しながら、去りゆくイムカ。ちいさな化け物たちが隠れる直前に見せた、
不安げな表情。守るべきものを失った彼らがこの先いくら命をつなげられるのだろうか。

(……不快よ。不快、不快、不快、不快、不快!)

何から何まで不快だ。
セラはむしゃくしゃを結局最後まで払えず、その場から踵を返すと怒気を隠さずに京の町へと戻るのだった。
587 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/29(月) 20:52:36.48 ID:fDpuADSCo
【ニンジャ】

 ニンジャとは古来ヒノモトをカラテによって支配した半神的存在である。
 というわけではなく、もうちょっと現実的な…それもなおも超常的存在である事に疑いは無い。

 忍び里と呼ばれる拠点を各地に構える忍び衆。
 大名の領地略奪紛争に力を貸す忍び里もあれば、妖怪変化打倒のために動く忍び里。義を重んじる忍び里。
 はては野望に身を焦がし大名に代わって支配領域を拡張させている忍び里。
 等々、その在り様は千差万別といってよい。

 共通するのは彼等が高度に鍛えられ、そして不可思議な術を行使する超人であるということだ。

 −−−−−−−−−−−−

【ヒノモトの国:六府】

「………」

 京の都を追い出されたイムカの旅路は良好とはとても言えないものとなった。
 まず、格好が良くない。全身包帯塗れ、負傷塗れの女など物狂いと見間違われて無理は無い。
 人々の視線は冷たく、邪険に扱われ、時に理不尽な扱いを受けることもあった。

「………」

 そしてそうなると路銀の稼ぎようはなく、元々蓄えなどほとんどなかったゆえ、
 旅路はそのままサバイバルとさして変わらぬ道程と成り果てた。

「そこだ」

 茂みから現れたウサギを竹槍で突き刺す。鮮血が漏れるそれを引っつかみ、
 あふれる血液をそのまま飲む。ヒトが見ればひどいスプラッタであろうが、
 彼女にしてみれば栄養のみが重要であった。

「…やはり拙いな」

 味の事ではない。火傷だけではなく、京の都を追い出される時に負傷した腕の状態も深刻。
 血は止まったが無理矢理縫い合わせて縛ったそれはボロ雑巾と大差なく、
 現に彼女の上空では何時物言わぬ肉に変じるか待ちわびている鴉の群れが飛んでいた。

【このような旅を行うものだから、狂人が徘徊していると警戒されても無理は無い】
 【→ましてや山賊、あるいはニンジャのテリトリーに踏み込んでいたならばなおの事】
588 :四五六 七八【賽印流忍術】E.忍具 [sage]:2014/12/29(月) 21:03:12.65 ID:xUrgfQkm0
>>587
「あぁ、もうっ! なんなんだよぉここっ……」

果たして何度目になるだろう大声で愚痴を再度漏らす
今迄は一度足りとも誰にも聞かれていなかったそれだが、今度はどうだろうか
原因は至極明快、幾つかの越境を終えてやっと故郷に帰れたのだ
仲違いしていた親達とも漸くその絆を温め始めていた
その矢先にコレである、即ち越境
しかも切った張ったのこの世界、故郷も平和とは少し違うが流石に人類レベルでの滅亡の危機とは程遠いくらいには安寧秩序が保たれている

「なんか鴉ばっか飛んでるしぃ……」
「……ってうわぁっ!?」

妖怪!? とイムカの姿を視界に捉えて小刀を抜刀しおっかなびっくり構える
菖蒲色の、露出の極めて低い忍び装束に身を包んだ如何にもな忍者である
589 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/29(月) 21:15:37.31 ID:fDpuADSCo
>>588

「ガブガブ…ブヂッ!!」

 七八が目撃したシーンは正直かなりのショッキングであった。
 何せウサギの血を絞って飲み干した後、その肉を食らっている現場だったのだから。
 それも口の周りが血塗れの全身に汚れた包帯が巻かれたソレは、
 確かに妖怪ともバケモノとも誤認されても、仕方の無い様相であったろう。

(盗賊?いや、ニンジャか!?)

 小刀を引き抜いた七八に対し、イムカは竹槍を構える。
 拙い、全身の火傷もそうだが、特に腕の傷が深刻で、とてもニンジャと相対できるコンディションではない。
 このような所で死ぬ事は許されぬ身の上であるならば。手段を講じねば。

「ここが君達の領域ならば足を踏み入れたことを謝罪しよう。
 離れろというならば直ぐに離れる。監視をつけてもいい。
 信じてもらえるか分からないが、こちらに敵意は無いのだ」

 様相とは裏腹に理性の光が灯る瞳で…ある意味での命乞いをする。
 屈辱的かもしれないが、イムカにとって真の屈辱とは全てを諦めることであった。
590 :四五六 七八【賽印流忍術】E.忍具 [sage]:2014/12/29(月) 21:29:41.92 ID:xUrgfQkm0
>>589
「うわぁ……」

先程と同じセリフを、しかし違った意味で繰り返す
一応これでも忍者としてサバイバル術を学んで来た、そしてその中で様々な食性を身につけてはいるが実践したいかと言われればそうでないのが大半だ
つまり目の前で包帯の人物がウサギを頬張る光景にドン引きなのである

「……ん?」
「……あぁ、何貴方案外ふつー?」

言葉とは裏腹に逆手に小刀を構えたまま問い掛ける
相手の獲物は竹槍、リーチとして負けてはいるが此方には飛翔具もある
己の物差しで計測した有利不利で物事を楽観視する癖は、なかなかに抜けない

「別にそういうのは無いよ、あたしもここには偶々迷い込んだだけだし」
「……貴方、アンデッドな、ミイラ男的な種族?」

この辺りを問い掛ける頃になると既に構えは解き、納刀はしていないだけの状態である
591 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/29(月) 21:38:46.26 ID:fDpuADSCo
>>590

「…普通というわけでは無いが、少なくともまだ正気とは思いたいというところだ」

 竹槍の構えを解き、杖代わりに地面を軽く突き、重心を任せた。
 七八も改めてみればすぐに察せられるだろうが酷い重傷者だ。
 正直、なんで行動できているのか不思議なほどの有様である。

「ニンジャの迷子なんて終ぞ聞いた試しがないな。
 アレか。君はニンジャの格好をしたニンジャフリークみたいなものか?」

 しかし、イムカは眼前の少女の言にやや困惑を覚える。
 土地勘はニンジャにとっての生命線の一つのはずだがこれはどういうことだろうと。
 世界漂流者という考えに至らぬのはこの世界と忍者の親和性の高さゆえでもあったが。

【なんと似非忍者よばわり!ヒドイ!】

「私は死体になった覚えはないよ。一応、れっきとした生者のつもりさ。
 旅人だよ。湯治…火傷に効く温泉があるらしくてそこを目指している」

592 :四五六 七八【賽印流忍術】E.忍具 [sage]:2014/12/29(月) 21:48:17.95 ID:xUrgfQkm0
>>591
「おおっ、なんか達観した風な口振り……」

客観的に自身の身の物事を語れるのには憧れる
思わず感嘆、ふぅむと唸り腕を組む
こういった物言いをする相手は大抵理知的で苦手なタイプなのだが今の所拒否反応は起きないなぁと内心

「あ、あのね……貴方忍者をなんだと思ってんの……」
「歴とした忍者だっての、忍者っ」

そもそも七八の世界でも時代遅れな感があり嫌っていたその肩書きだが、今となってはそうでもない
成長の現れなのだろう、諦観的ともいえなくはないが
因み話の根本から噛み合わないのは前提としてニンジャと忍者の差異から来ている

「ふーん……」
「ねぇでも、それじゃ着く前に鴉の夕飯じゃない?」

良ければ薬いる? と腰に帯びた小袋を漁り始めた
屈み込みあれじゃないこれじゃないとお菓子の包みやら携帯食料やらゴミやらを地べたに広げ、
ようやく掌に収まる程度の小瓶とたっぷりの包帯を取り出して差し出してみる
593 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/29(月) 22:06:15.66 ID:fDpuADSCo
>>592

「達観なんてしていないよ。まだ執着すべきことが沢山ある」

 やや話のピントがずれているのは、
 理知的と称されたこの女性がその実、天然な気があるゆえであろうか。
 中々、完璧超人とはいかないのは世の中である。

「…ニンジャを何だと思っているというか、そもニンジャについて私が知るのは――」

 −−−−−−−−−−−−−−−
 ニンジャ、人にして人にあらず。
 ニンジャ、常識を遥かに越え、天空を駆け、大海を渡り、日に百里の道を走るという。
 ニンジャ、超絶の術を操り、木・火・土・金・水の風水すらも支配しうる超越者なり。
 −−−−−−−−−−−−−−−

「と、まあ、一種の魔人めいた連中であると聞いているな」

 京の都でニンジャを端的に表した歌を語るイムカである。
 まさにニンジャである。すごいぞニンジャ。

【やっぱり道に迷ったりとか、なんというかアトモスフィアだったりとか色々うーむである。
 注意;)イムカのニンジャ感は大分偏見にも満ちている。市井の噂の又聞きならばこんなものだ】

「野垂れ死にしないように努めてはいるが、正直、鴉の餌になるかどうかは賭けの部分も大きいな。
 この風体もあって、街に入るのも一苦労。村では石をぶつけられることもしょっちゅうだ」

 もちろん、この状況では路銀を得ることもままならぬ。
 しかし、追い出す者達を非難してはいけない。災厄のタネを厭うのは自然な反応に過ぎぬのだから。

「薬か。ありがたいが…金がない。礼をするにもモノもない」

 整理整頓とも縁の遠い七八をやはりニンジャフリークだな、と思いながらも、
 己が恩義に報いる何かの持ち合わせがないことに内心、情けなさを覚えていた。
594 :四五六 七八【賽印流忍術】E.忍具 [sage]:2014/12/29(月) 22:22:49.46 ID:xUrgfQkm0
>>593
「ふぅん……?」
「……??」

話のピントのズレが生じさせる疑問符に、
しかし原因に気付けないまま首を傾げてなんとなく納得した風を装う
まぁそこまで趣旨と離れ過ぎても無い事だし、これはこれでいいだろう
そこまでの鋭さを七八に求めるのは酷だ

「はーいはーい、ストップストップー」
「そんな手からビーム出すような連中と一緒にしないで下さーい」

一応越境した様々な世界の中の一部で、忍者否ニンジャがどのような扱いを受けているかは存知だ
だがそれは七八の世界観からすると無論NGである
忍者は人であり、空も飛ばないし海も走らない
使える術は撹乱逃走に特化したあくまで物理学に基づいたモノである

「まー啄ばまれるの見るのは夢見悪いし……」
「お礼はその温泉までの道案内って事で」
「生きた情報は金より重いってね」

菓子の包みを開き、中から取り出した饅頭を齧る
もうひとつを薬と包帯と共にイムカに押し付けるようにして手渡さんとするだろう
尚薬は七八の故郷の薬草を使ったそれなりに効果のある万能薬、饅頭は漉餡たっぷりの薄皮だ
最も薬の作用は別世界の、強化手術を施されている相手にどの程度の効力が発揮出来るかは不明だが

【もし使用したとすれば、薬の効力は委任とする】
595 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/29(月) 22:43:58.62 ID:fDpuADSCo
>>594

「出さないのか?その…ビーム」

 イムカが僅かに感じていたワクワク感が否定された瞬間である。
 子供の夢(年齢200歳オーバー)を無残に破壊するとは顔に似合わずなんという鬼畜。
 まさにニンジャの所業であった。

【そんな素っ頓狂が披露されたわけであるが実際に包帯と薬と食料を分けられると】

「…すまん。あ、いや、慣れていないというか久しぶりというか」

 声音こそ最初から今までずっと無感情めいたモノであったが、
 どうも、照れくさい…というより好意に慣れていないらしい。

【先程のイムカ自身の説明がそれを物語っていた。人の好意などこの世界に来てからついぞ受けていない】

 木陰に腰掛け、汚らわしい包帯をめくったイムカの姿は悲惨であった。
 皮膚と肉が混じったように融解しており、皮膚は硬くなって溶岩石のような有様。色艶も皆無。
 特に新しい腕の傷はまともな治療がされていないのは明らかでボロクズのようであった。

【特に腕を重点的に薬を塗り、全身の包帯を新しいモノに取り替える】
 【菓子を頬張ったときは甘味は久しぶりだなと、しみじみと言った】

「糖分はエネルギーになる。ありがたいことだ」

 もっとも、味ではなく栄養重点なのがアレであったが。

「私はイム…えっと、イムカだ。異人なんだ。これでも」

 −−−−−−−−−−−
【そんなわけで温泉に行くまでの数日間、二人は旅を共にすることになった】

 イムカはそこで色んなことを話した。
 急死に一生を得たもののその傷の深さと醜さゆえに京の人々に疎まれたこと。
 小さな妖怪たちが同情してくれ、酷い食と水ではあったがどうにか生命をつなげられた事。
 恩義を果たそうと、京の都の百鬼夜行より小妖怪達を護ろうとした事。(小妖怪と百鬼夜行に仲魔契約はない)

「結果として一帯の人間もそれなりに救ったはずだが、それだけでは受け入れてもらえなかったよ」

 清潔な包帯に代わり、ずっと見れる様相になったイムカは焚き火の前で自嘲するように語った。
 結局、京の都の人々は自分を排除することに決めたこと。
 雇われの異人との勝負に敗北し、京の都を去ることになったこと。

「この結果については私の力不足…以上の感情はないよ。
 私の意地と恩義で京に留まっていたが、私の存在が彼等を不安にさせていた。それは私の罪だ。
 異人の剣士も己の依頼を果たしたに過ぎない。意地が通せなかったのは心苦しいがな」

 結果として小妖怪たちを見捨てたカタチなった。
 次の百鬼夜行であの子達は生き延びられるか…生存可能性は低い。イムカも分かっていた。

【イムカ、旅路の間に己の道程を七八に語る。
 世界漂流について話さなかったのは荒唐無稽であることと、七八をこの世界のニンジャと誤認していたためだ】
596 :四五六 七八【賽印流忍術】E.忍具 [sage]:2014/12/29(月) 23:04:46.22 ID:xUrgfQkm0
>>595
「出せてたまるかっ!」

無情のツッコミは鋭く、怪我人相手で無ければ手が出ていただろう
やれやれと言った具合で露わになった包帯のその下を覗けば眉間に皺を寄せる
目を逸らす事を余りしなかったのは分析の為だ、それ位の権利はあるだろうと開き直る
火傷、と先程聞いたが想像していたより遥かに酷い
存命でいれるのは凡そ普通の人間ではないなと内心
最も七八の世界観からしても普通の人間ではない人間は多い為そこまで特別驚愕した訳ではないが

「羊羹もあるけど、これはまた今度ね」

最新技術の無空包装(真空パック)の羊羹は長期保存が効く
まだまだ高価な事も手伝い、非常食として携帯しているらしい

「私は七八」
「ふぅん……異人。 ま、宜しくね」

異人、異国の人間かと納得
まさか異世界の人物であるとは、越境者であるとはこの時は想像してはいない


道中、どちらかといえば七八は相槌を打つ方が多かった
口数が少ない方ではないか、イムカの壮絶な経験を前にするとどうも自身ののんべんだらりとした忍者生活を語るのは憚られる
何とかニンジャと忍者の違いを理解して貰おうとするのには、努力を惜しまなかったが

「……ま、そんなもんだよね」
「知った風な事言うのもなんだけどさ」

照らし出されて橙色に染まる顔を、膝に埋めて座っている

「でも納得出来るかは別問題っ」
「私ならもう、そんな恩知らずとっちめてやってるとこだね」

やや、高翌揚した風にそれでもトロリとした眠気から姿勢を変えることなく
フクロウが何処かで鳴いていた、鼠害の心配はなさそうだ
越境に関しては同様、その手の知識が未だ今一つ曖昧である事も手伝いほぼノータッチだ
597 :チャーリー・リトルC・マクフライ [sage]:2014/12/29(月) 23:10:59.47 ID:hVT1vi8to
おおよそ、中世から近代レベルの技術力を持つ次元。

その世界でも指折りの規模を持つ港湾都市の雑踏の中を
幾分か浮いた現代風の衣服を身に纏った男が闊歩していた。

「Wow!ようやく見つけたぜ!」

雑踏の中、何の脈絡もなくいきなり声をあげる男。
周囲の人々が驚くのを尻目に、道沿いの店に飛び込む。
その店は船乗り向けに銃器や剣のを売る武器屋であった。

チャーリーはどこぞの世界で銃を失って依頼、その代りとなる物をずっと探し続けていたのだ。
598 :アメリア@NPCダークエルフ [sage]:2014/12/29(月) 23:15:44.95 ID:d0RJYveLo
>>597
「あら、ミスタ・ギャングスターじゃない。
 奇遇ね?」

店内で物色してたのは、顔見知りのダークエルフでした。
手元では何やら曰くありげな短剣を品定め中だったようで。
……ナックルガードにドクロマークとか、ほとんど骨董品ですね。

「貴方が使うには、ちょっとデザインラインが古いんじゃないかしら?」

オートマチックは絶無ですしね、これ
599 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/29(月) 23:20:44.35 ID:fDpuADSCo
>>596

「とっちめる、か。成る程、それもよかったかもな」

 七八の言動と行動に密かに小動物めいた面白みを覚えるイムカ。
 潔いことは時に美徳とは言い難い。ならば、そう振舞えていれば何かが変わっていたのだろうか。とも。
 もっとも、過ぎた話。覆水盆に帰らずではあったが。

「ありがとう、いい子だな。君は」

 −−−−−−−−−−−−−
【そのまま旅が続くと、自然とイムカの興味は七八のこすぷれぐっず(ヒデェ)に移っていった。
 ミステリアスかつオリエンタルなニンジャグッズ。興味が無いといえば嘘になる】

「ん〜〜」

 竹槍を杖代わりに人気の無い山道を歩くイムカ。
 この数日で薬が良く効いたのか、ボロ雑巾のようであった片腕はそこそこ動くようになっており、
 また、七八との同道でマトモな食事と治療をようやく得られるようになったからか、
 頭部の包帯の隙間から金糸の髪が覗き始めていた。

【効きすぎだろとか、髪生えるのは早!とか中々に不可思議な現象も多々である】

「実はこんなモノ(竹槍)なんか持っているけど実のところ長物は不得手でね。
 銃(火縄銃ともピストルとも言わないところがミソ)な投擲なんかの方が得意なんだ」

 そして、七八の装備…出会った時に色々と見えた奇矯な形の忍具に興味が引かれるわけで、

「そのスリケンとかクナイ?とか色々あるだろう?
 鋼板を数枚貫通したり、摩擦熱だけで火を起こしたり…とか」

 もしかして、イムカこそがニンジャフリークなのでは?と疑ってはいけない。
600 :チャーリー・リトルC・マクフライ [sage]:2014/12/29(月) 23:26:24.45 ID:hVT1vi8to
>>598

「おう、ポンチキ娘か!見ろよこのナイフ、俺のアレより小さいぜ。」

当のチャーリーは小指ほどの大きさしかないナイフを
下品な例えで表し、カトラスをひっつかむとフェンシングの様に振り回して
キャラコ・ジャック・ラッカム!だとか叫んでいた。

「いや、俺もそう思わんでもないがよ、テンションがあがるだろうが?
 それにな、ようやく銃器の類にありつけたわけだ。聞かせてやろうか?
 俺がここにたどり着くまでの勇敢なる冒険の話をだ。」

実際、あれからチャーリーは銃など影も形もない世界をいくつか回った。
岩を撃ちだすオークバズーカ―だとかタネマシンガンだとかを片手に大暴れした、
らしいのだが全部聞くと日が暮れそうなので無視が賢明だろう。

601 :アメリア@NPCダークエルフ [sage]:2014/12/29(月) 23:30:46.82 ID:d0RJYveLo
>>600
「誰がポンチキ娘よ……。
 あとセクハラ禁止! そのアレ、魔女の魔法でカエルにするわよ?」

魔女のばあさん(びしょーじょ)の呪いだ!!
というのは置いといて、まじでやりかねない怒気は見えそうです。

「ま、あんまり目立つの吊ると今度は警察に没収されるんだけど。
 あー、タネマシンガンとか渋いの使ってるわね?」

カトラスの下にあったフリント銃を持ち上げて確認。
んー、と唸った後、別のを手に取りました。
ペッパーボックスピストルとかマイナーな……

「連射性と携帯性ならこれだけど…」
602 :四五六 七八【賽印流忍術】E.忍具 [sage]:2014/12/29(月) 23:36:05.23 ID:xUrgfQkm0
>>599
「……子供扱いしないっ」

これでも郷じゃ成人してんだから、との言葉は途中でトロけて寝息に変わる
ニンジャでも忍者でもない、ただの無防備な子供の寝顔


さて一方七八は適当な木の枝を削ったモノを杖にしている
持ち手を八角に加工しているのはおまじない的な風習だという
あからさまに効果を発揮し過ぎている薬に内心で首を傾げながらも
まぁこんな事もあるのかなぁ多分イムカは普通じゃないだろうしと強引に納得しているらしい
美しくたなびく金髪に多少の憧憬

「……へぇ?」
「あるにはあるけど、そんな半端ないヤツはないからね?」

この世界にも銃、その単語があるのかと引っ掛かる
小魚の小骨のように喉に刺さったそれは、やがて事の核心に到るだろう
それには今までの道中の時間ではまだ事足りていないらしいが
幾つか渡しとこっか? と歩きながらイムカに差し出すのは暗色の軽金属で造られた投げ苦無
ピアノ線のような細く強固な糸で結ばれているモノだ
自身は十字手裏剣を逆の手の人差し指に嵌め込みクルクルと弄んでいる
603 :チャーリー・リトルC・マクフライ [sage]:2014/12/29(月) 23:38:17.89 ID:hVT1vi8to
>>601

「は?日常会話だろうが。
 この程度で顔を真っ赤にしちゃABMCAでは3日で憤死するぞ。
 それよりも待て、これだ。」

相手に怒られてものらりくらりというか、気質的にあまり他人を気にしないチャーリーは
怒気を放つアメリアに向けていくつかの銃を取り出した。

「こういうのが男の得物ってモンだ。携帯性やらも結構だが、とにかくでかいのがいい。
 きっとぶっぱなした時楽しいぞ。」

ラッパ銃やらとにかく大きくて派手な物ばかりをがちゃがちゃと。

「まぁ、結局はこいつらもつなぎだからな。
 となれば後で土産とかになるやつがいい。もっとバカなヤツを探せ!」
604 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/29(月) 23:44:17.21 ID:fDpuADSCo
>>602

「角をつけているのか。面白いまじないだな」

 七八の木の杖を面白そうに眺めるイムカ。
 イムカは遠未来の出身であるがまじないを否定しない。
 いや、むしろテクノロジーがオカルトに隷属した世界の出身であるからこそ
 まじないには一種の敬意すら持ち合わせていた。

「これがクナイ・ダートか。なるほど」

 これまでの旅路でイムカは酷く感情の起伏が乏しい女であると把握できているだろうが、
 クナイを握った時のイムカはなんというか、非常に目がキラキラしていた。

【やっぱし、ニンジャフリークやで。この女】

 もちろん、手裏剣を見る目もキラキラしている。

「た…試してみたいのだが」

 近場の木々と手裏剣、クナイに交互に目をやって、ごくりと喉を鳴らす。
 なんというか、アレだ。憧れのアレにであったときの少年少女のようなアレだ。

「投げ方を教えて欲しい。その、自信はあるんだ。投擲には。本当に」
605 :アメリア@NPCダークエルフ [sage]:2014/12/29(月) 23:47:50.92 ID:d0RJYveLo
>>603
「育ちはそこそこ良い方なのよ、これでも」

一般向けゲーのキャラにR-15なネタふっても困ってしまうのです。
いや、実年齢は3桁いってるんだけども。

「……つまりこういうの?」

ダークエルフが選んだのは、銃というより無理やり携行可能にした大砲
というべきシロモノでした。
江戸時代の大筒の西洋バージョンみたいな。
単発で威力追求っすな、これ
606 :四五六 七八【賽印流忍術】E.忍具 [sage]:2014/12/29(月) 23:58:28.91 ID:xUrgfQkm0
>>604
「ん? あぁ、山の神様に対して……」
「……何かあるんだって、こうすると」

肝心の理由を説明出来ずに終わる
座学で習う事柄なのだが、生憎七八は睡眠学習を得意としない

「そんなテンション上がるようなモノ……?」

小首を傾げる所作、しかしながら長くない付き合いながらイムカのそのテンションの微細(?)な変化に気が付いている
恐らく七八の持って生まれた性質というモノもあるのだろうが、まぁ何より瞳の輝きを見れば瞭然でもあるか

「投げ方って……まぁ、こっちの糸をこうして……」
「あ、指切らないように気を付けてね?」

糸を防具を着けた指に巻き付け、あとは一般的な投げナイフと同等だと苦無を説明
重心が工夫されているため、狙いを定めた対象に突き刺さるように出来ている
直線、放物線軌道何方でも対応しかも強固な糸での回収や罠化も可能というスグレモノ
607 :チャーリー・リトルC・マクフライ [sage]:2014/12/30(火) 00:04:43.96 ID:upvF9KGmo
>>605

「育ちがいい?アイビー・リーグ出とかMIT出のやつでも
 これぐらいの冗談は理解するだろう。身持ちが固いとアレだ、卒業ダンスパーティーで
 お相手がみつからねえらしいから注意だ!」

最悪の場合、箒とダンスすることになるぞ。
などと冗談めかしながらアメリアの持ってきた大筒に目をやるが……。

「WTF!これはハンドキャノンとかそんなんだろうが?
 違うんだ。俺が言っているのはこう、拳銃的なアレだ。」

どういう分類なのかはよくわからないが、これは違うらしい……。
608 :アメリア@NPCダークエルフ [sage]:2014/12/30(火) 00:13:00.51 ID:gnxi5IQmo
>>607
「おかずにされるのは慣れてるんだけどねぇ」

いろいろ思うところはあるそうです。
って、これは違うのかあ。

「じゃあ、これなんてどう?
 連射できるのは便利そうだけど」

銃身を三本束ねれば、フリント式でも三連射できるぜ的な拳銃でした。
見た目は確かに変だし、全体に細やかな彫刻もされてるし
手放すのは簡単そう
609 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/30(火) 00:15:53.40 ID:4Smboy/po
>>606

「なるほどなるほど」

 七八より、投擲のインストラクションを一通り習うイムカ。
 ニンジャ学習力は無いが、まあ、何とかなるだろう。

【先ずはニンジャの定番、手裏剣から】

「セッ!!」

 回転する手裏剣は木にゴツンと当たって地面に落ちる。

「………次だ。セッ!!」

 投げようとして掌から毀れて地面にパラパラと落ちる。投擲が得意?
 背後から感じる七八の視線は大体見当がつく。なんだる屈辱。

【なんという悲劇!手裏剣には何故かイムカの適正【刃物:×】が完全適用されていた!なんて時代だ!】

「…さて、準備運動は終わりだな。どうやら私はクナイ派のようだし。うん、使ってみよう」

 あからさまなゴマカシ!しかしこれくらい出来ないようでは終焉の遠未来の過酷な派閥競争には(ry

「ん、とりあえずは投げナイフみたいに先ずは使ってみよう。いいなこの重心バランス」

 それに多機能性もイムカの好みであった。やや重いが、頑丈で使いどころも多い。
 スッと、クナイを構える。雰囲気も先程の手裏剣とは随分と変わる。

「――イヤーッ!!」

 裂帛のシャウトと共に放たれるクナイ!カカッ!と二本のクナイが同時に木に突き刺さった。
 さらに振りかぶり、もう一投!

「イヤーッ!!」

 次も二本同時であるがタイミングの妙ゆえか。
 1ツ目のクナイの影となるような位置で2ツ目のクナイが放たれている。
 実際忍術にも該当するテクニックであった!!

【カカッ!と突き刺さると共にビシィと四本のクナイを受けた木に亀裂が奔り、
 そのまま亀裂が深くなると、己の自重に耐え切れなくなった木をそのままメシメシと音と立てて圧し折れた】

「…いいな。クナイダート。すごくいい。気に入ったよ。糸を通しての技巧もまた改めてレクチャーを頼みたいな。
 くれるのか。うん、大切に扱わせてもらう。ありがとう」

【憧れの武器が手に入って、さらに忍者(notニンジャ)に直に教わったという事実に感動を覚えているらしかった】
610 :チャーリー・リトルC・マクフライ [sage]:2014/12/30(火) 00:25:39.05 ID:upvF9KGmo
>>608

「これだ!こういうのがいい!」

ガチャ、と乱暴にひん握り引き金カチカチ。
彫刻もしっかりしており状態は悪くなさそうなのでチャーリーは側近でお買い上げ。

……のはずだったのだが。

「ファック!しまった!ここの通貨がねえ!
 なんてこった。ベラヌウル銅貨とかフォルテンベラミン銀貨とかじゃだめ?」

『聞いたことないよそんな金!』

チャーリー痛恨のミス。なんとまだこの次元での通貨を持っていなかったようです。
他の次元の通貨を見せるものの、店主にはあしらわれてしまいました。
611 :アメリア@NPCダークエルフ [sage]:2014/12/30(火) 00:28:18.09 ID:gnxi5IQmo
>>610
「はいはい、両替してあげるわよ。
 手数料1割ね」

こういうときの物持ちのよさは
もはやスキル枠の領域であった。
例のがま口から購入に足りる分だけの通過をぽいっと。

「フォルテ銀貨、50で手をうってあげる」

かなりどんぶりな勘定ですが、損はしてないっぽいです、彼女的に。
612 :四五六 七八【賽印流忍術】E.忍具 [sage]:2014/12/30(火) 00:30:49.06 ID:D4aho9Fd0
>>609
「……」

小気味良い掛け声と共に放たれる、或いは放たれない手裏剣達
それを見詰める七八の表情は正にイムカの想像通りと言ったところか
刃物にマイナス修正などといった未知の修正力には気が付く事もなく、苦無投げに移るイムカの肩を優しく叩こうとしたその時

「ん……?」

雰囲気の変化を敏感に察し、水を指すのをやめて静かに三歩下がる
やがてすぐに気迫と共に投擲された苦無
へぇと見張り、そして木が折れゆく様に驚愕
見たところ自身と同じくらいの華奢な体躯であるが、かなりの力量とそれと技術力である

「……あげるけど自信なくなりそうだからやだ、教えない」

鼻から息を漏らして膨れた振り
最もその言葉は半ば本心ではあるが
七八は才能がある方ではなくむしろ努力型の人間だ
その自覚があるからこそこの反応で済ませる事が、冗談めかして茶化せた
たまにはその事実に感謝だと心の中で苦笑、後日道すがら或いは野宿の際にでも糸術を含めた賽印流苦無術を説明するだろう

//日も変わりましたのでこの辺りで〆させて下さい
//ありがとうございました、お疲れ様でした
613 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2014/12/30(火) 00:41:04.57 ID:4Smboy/po
>>612

「………」

 無表情で包帯顔であったが、何故か伝わるだろうドヤ顔である。
 これでクナイにまで【刃物:×】が適用されていたらと思うと悲しみに包まれるどころではなかった。
 銃の持ち合わせはなく、竹槍とバクチの要素の強いゼロ距離格闘戦では戦力不足が大きかったのだ。
 これで戦力としてようやく格好がつくというものだ。

「む、教えてもらえないと色々困る」

 ゆえにふくれっ面になtって冗談めかした七八の言を聞いたときには本当に焦ったものだ。
 ニンジャの技術を教わる機会など滅多にない。これでは生殺しというものであろう。

【湯治までの旅路。これまで苦難と苦痛に満ちていたイムカのこの世界での道程に。
 ようやく、心が休まり、そして楽しさのあるひと時が訪れていた。その事に、神なる皇帝陛下へ感謝を】
614 :チャーリー・リトルC・マクフライ [sage]:2014/12/30(火) 00:42:20.73 ID:upvF9KGmo
>>611

「オッ、サンキュー!いいから黙って俺の金を持っていけ!」

じゃらじゃらと通貨をひっつかみ、
アメリアのがま口の中へ。数えて等いませんが50……いや70以上は入ったでしょう。
それとおみくじクッキーの包み紙(小吉)、ヌガー、木の枝、ペンのキャップももれなく中に。

そしてもらったばかりの金で例の派手ピストルをご購入。
ぐるぐるとガンプレイをした後ホルスターに納めようとするも、サイズが違い過ぎて全然入らないようですが
楽しそうなのでたぶん大丈夫でしょう。
615 :アメリア@NPCダークエルフ [sage]:2014/12/30(火) 00:45:09.78 ID:gnxi5IQmo
>>614
「……こういうのはあのチビにあげた方が喜ぶと思うけど」

ヌガーを口に放り込みつつ不純物除去。
ま、儲けが多い分には困らないけれども。

「それじゃ、楽しい時間をありがとう。
 貴方向けの銃、見つけたらキープしておくわ」

一瞬の風のあと、そこには誰もイませんでした。
アメリアのゲート移動としてはだいぶ小規模ですが
次のマップへ渡ったようです

//
そろそろおやすみなさい
616 :セラ :2014/12/30(火) 22:48:11.65 ID:upvF9KGmo
機械が発明され、産業革命の足音が迫る世界。

この世界で数世紀にわたって続いた貴族たちの支配体制も、
文字通り血みどろの権力争いと膿みにもにた倦怠と退廃によってついに綻びが生じ、
各地で農民の反乱が相次いでいた。

「リンゴ一つで銅貨10枚もするの?前いた場所では同じ額で1カゴ買えたのに。」

とある城塞都市。この都市は農民反乱軍が貴族の軍勢を打ち破り、領主を追放。
混乱こそありながらも、平民たちによる自治を行おうとしている都市であった。

権力奪取からいくばくもたっていないという事もあって、物価は高騰し市では
食料品の類が平時の数倍の値段で売られている。セラは、貴族側にも農民側にも特に
属してはいないのだが、とある依頼を受けてこの街を訪れていた。
617 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/30(火) 23:04:46.57 ID:qxEeB91rO
>>616
「高いけど……」

農民反乱などによる貨幣価値の暴落、そして物価の上昇が深刻な近世。
当然、この都市の市場もインフレの影響を大いに受けていたのだった。

「……仕方ないのかなぁ」

やはり彼女も物価の上昇には悩まされている様子。
渋々と普段の数倍は下らないような代金を店主に支払う。

幾らかの店を転々としつつ、少女は買い物をしていたのであった。
ここは案外平和なようで、何が起こるか分からない外部に出るわけにもいかず、立ち往生しているという。
618 :セラ :2014/12/30(火) 23:21:16.15 ID:upvF9KGmo
>>617

平時の数倍はくだらない値で買い取ったリンゴを
しゃりしゃりと音を立てて頬張りながら、市場を歩く。歩くうちに……。
自身が付けられている事に気づいた。

(恨みを買うのは慣れてるけれど、この世界での心当たりはないわね……。)

人ごみに紛れ、ある時は屋根伝いに自身を追う謎の気配。
恐らく、プロが相手か。セラは荒事を予感し、にやりと笑うと敢えて相手が仕掛けやすいよう、
人のいない路地裏へと歩を進める。

『…………この路地だ。入ったぞ。』
『勘付かれたか?まぁいい、始末してしまえ。』

数人の男たちが、一言二言かわし、足早に路地へと入っていく。
混乱と雑踏に紛れ、周囲にそれを気にする者などいないが戦闘に慣れた深雪には
所作の一つ一つが一般人とは違う彼らが、逆に目立って見えてしまう事だろう。
619 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/30(火) 23:33:43.83 ID:4Smboy/po
【カノッサ機関】

 境界線接続以来、ある意味で最も混迷を極めているのはこの組織なのかもしれない。
 元より肥大化し、断片化し、既に誰もが組織の全容を把握できなくなって久しい。
 それこそ、中枢(アクシズ)などが今でも存在するのか?それすら不明であった。

【そして、ここに来ての境界線接続。迂遠となっていたカノッサ機関同士の距離が突如緊密となれば
 待っているのは当然ながら泥沼の権力闘争であった。カノッサとて人の業は越えられない】

 −−−−−−−−−−−−−

【スプロール】

 ここでもカノッサ同士の暗闘が繰り広げられていた。
 スプロールに根を張るカノッサ・テクノロジー社≠ノ対し、
 別世界のカノッサ支部…俗に言うセレン派と呼ばれる者達が突きつけた要求。

『治療実験に充てている出来損ないの能力者をコチラに引き渡せ』

 これは、能力障害(覚醒した能力が扱いきれず己の肉体と精神に害を齎す現象)治療などという、
 迂遠な行為より、もっと積極的な、如何にもカノッサらしい$l体実験の素体を寄越せという
 無遠慮な要求も甚だしい代物であった。

 −−−−−−−−−−−−−

【→アナタはどっち派?(バロウズ派:科学重点のエージェント多数otセレン派:魔術重点のエージェント多数】
【→カノッサ機関内にて内部抗争の機運が高まりつつある】
620 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/30(火) 23:37:02.76 ID:qxEeB91rO
>>518
「……予想以上に高くついたなぁ」

市場を軽く一巡りし、一通りの買い物を終えたようで、歩きながら小銭をちまちまと数える。
ここを離れようとした矢先……ふと視線に入るは怪しげな連中。
明らかに挙動がおかしく、時折コソコソと言葉を交わす。

本人は意識せずとも、数多の死地を駆け抜けてきた彼女。そういう気配には敏感なものである。
少し様子を伺おうと、物陰にバスケットを置き、連中の潜り込んだ路地へと。
621 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/30(火) 23:42:54.05 ID:MJyIcG/D0
>>619
ざんばら髪を結いもせず
肩に担いだ仕込み杖
紺の着流し身にまとい
バロウズ側に与する男

「いやだねぇ 同じカノッサ同士仲良しこよしでいこうやぁ」
ダルそうに咥えた長楊枝をチッチッと動かしながらぼやく

「んでどうするのよバロウズちゃん あいつらヤっちゃう?」
622 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage]:2014/12/30(火) 23:47:49.15 ID:0eqKbCbhO
>>619
「結構、無茶な要求しますね」

仮にも頼む立場だというのに言葉遣いもなっていないなぁと苦笑
能力障害に対する治療データの充実は実際急務である
人工的に能力者を生み出す技術はあれど、その根本的な原理はこの遠未来の凶悪なまでの科学力を持ってしても分かり切ってはいない
それをモルモット代わりに、更に魔法技師達の手に渡すなんて土台無理な話である
治療データはこの世界のコンピュータに保存され、恐らくは限りなく劣化の少ない新鮮な状態で保たれるだろう
しかし魔術師達はそれをしない
むしろ職人気質の高い彼等は彼等の中だけで技術を占有し、貴重なその技は周知される事は決してないだろう
先入観も手伝っているが、職人とは得てしてそういうモノだ
ワイシャツに白衣、タイトなスカート姿のギャラエは
手元のこの世界に於いては時代遅れかもわからないタブレット型端末を弄りながらパロウズと鈴虫に視線を向ける事なく不躾な乱入者達への対応を伺っている
623 :セラ :2014/12/30(火) 23:58:33.64 ID:upvF9KGmo
>>620

『お前、手紙を持っているな?
 ボーデンヤードの賊軍からの物だろう。それを渡せ!』

『農民風情が、女だからと言って容赦はせんぞ!』

「違う、と言っても聞いてくれないんでしょうね。」

路地の奥では、4人の男たちに一人の女が取り囲まれていた。
女は腰に一対のレイピアを下げており、ホルスターに古めかしいフリントロックを挿しているのも見える。
恐らく、冒険者だろう。しかし、男たちも皆、小刀や剣で武装しており生半可な腕前では殺されてしまうのが落ちだ。

「いいわ、かかってらっしゃいな。
 全身、切り刻んであげる――。」

しかし、そんな状況でも高飛車に男たちを挑発する女。

『後悔するがいい。』

売り言葉に買い言葉で、戦いが始まる……が、
屋上から、女目がけて飛び降りる5人めの男の存在を深雪は目にすることだろう。
あの女性は5人目に気づいているのだろうか?ともかく危ない!
624 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/31(水) 00:01:14.07 ID:3GftML4Go
>>621-622

「人の多いところではちゃん付けは遠慮するよう言っているだろう
 私にも立場というものがあるのだからね」

 そう鈴虫に言いながらも別に気にしている様子も特にないのはヨブ・バロウズ。
 カノッサ機関にてその発言力を強化させている男だ。

【青年にしては歳を経て、壮年と呼ぶには若すぎる。そんな男。
 しかし、その周囲の風聞は不穏に満ち、そも何時から所属していたのか。
 何処から来たのかすら不明瞭。そして権力志向者という組織にとっては危険な類の人間】

 鈴虫の特に本気でもなさそうな仲良しこよし発言にバロウズは「全くだ」とわざとらしい溜息。
 そも、カノッサ機関のエージェントは概ね、組織への帰依・忠誠心は希薄な者が多く、
 単に多額の報酬で雇われていたり、己が目的や生き方のために組織を利用していたりと、
 権力そのものを得んとする者は存外少ないという特徴もあったりする。

【そしてギャラエの端末に密かに通信を送っておく。この交渉、端から決裂が前提であると】

 そもそも、この要求自体、本気で通るとは相手方も思っているまい。
 要するに、これは通過儀礼なのだ。決裂し、敵対し、殺しあうと宣言するための場。
 しかし、相手方の首魁はこちらには来ず、交渉代理を立てての話になっているのは、
 ある種のパワーバランスゆえ。セレン派はいわば古参で、こちらは新鋭なのだ。

【相手方にとってはさぞや目障りに映っているのだろう】

「して…返答は如何に?」

 ローブに身を纏った如何にもな格好の男。
 耳が長い、遺伝子操作?否、エルフと呼ばれる存在なのだろう。
 科学に満ちながら、魔術覚醒が果たされたこのスプロールでは彼等も十全な魔術を行使できるに違いあるまい。

「近視眼的な要求と呼ぶに相応しいね。貴重なサンプルを君たちに渡すのは愚と言うものだ。殺したまえ」

 バリトンの声を発するバロウズ。

【扇動者:ここでは味方の戦気を強制向上させる扇動(強化バフ)として機能する】

 バン!と同時に相手方の魔術師達が不可思議な言葉を発する。既に相手も準備は整っていたというわけだ。
 鈴虫、ギャラエの影から突如、巨大な黒い手が現れ、彼等の喉をかきむしらんとする!!
625 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/31(水) 00:14:52.90 ID:VMatXXUh0
>>624
「ごめーんちゃい」
全く誠意の篭っていない謝罪を一つ 担いでいた仕込み杖は今 彼の手にしっかりと握られている
どうせ決裂するのは目に見えているのだ 臨戦態勢ぐらいはとってもよかろう

そして案の定決裂した会合 背後から聞こえる音 振り返りながら鯉口を切り

「キィエエエエエエエエエエエエエエ!!!!」
猿叫と共に仕込み杖を一閃 黒い手を切り裂こうとする
626 :ギャラエ→オンモ [sage saga]:2014/12/31(水) 00:17:23.26 ID:izzpQr/Q0
>>624
「……ん?」

端末に表示されるメッセージ、なるほどそういうアレかと納得
つまり彼等は特使ではなく暗殺者である事も充分に考えられるというわけだ
ファンタジー世界のエルフであろう彼等、魔法相手は苦手だなぁと隣の部屋に控えている自身の相方に救援要請

「……あ、やっぱりそうなります?」
「はぁい、でも私は無理そうなんで引きますね」

左手を突き出し、能力発動
体内に溜め込んでおいた衝撃波が爆発的速度で放たれる
だがそれは攻撃用ではない
自身をこの場より緊急離脱させる為の推進力だ
部屋の扉にぶつかりミンチになりそうになるのを、それをぶち破った巨漢の体に受け止められて回避する

「オッケー、いい感じですねオンセさん」
「やっぱ私達、相性最こ……うわわっ!?」

巨漢は受け止めたギャラエを遥か後方、廊下の向こうに投げ捨てるように放りそしてのしのしと部屋に侵入
エルフを一睨みすると鼻を鳴らし、そして拳を突き合わせれば一気に駆け出し殴り掛かる

【ギャラエは根本で戦闘員ではない】
【敵に対する殺意は、オンモの導入に依って確実に果たされるであろうという信頼に挿げ替えられて判断される】
【結果、ギャラエ→オンモにバトンタッチ】
627 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/31(水) 00:19:33.42 ID:KAOrkqK7O
>>623
適当な物陰からやりとりを見つつ、状況の整理を行う。
端から見るに1人の女を4人の男が包囲し、何かを求めているように見える。
双方は何らかの武装をしているが故、この後乱闘が起こる可能性は高いと。

……女の挑発に乗ったのか、張り詰める緊張は更に高まる。導火線に火をつけられた爆弾のように。

「…………!」

しかし敵は4人だけではなかった。路地裏の建物の屋上、もう1人の男が女に襲いかかろうと。

いくら見知らぬ相手でも、罪無き者が殺されるのは目も当てられない。
咄嗟に掌から放たれるは熱線。細身ながらその威力は高い。直撃すれば火傷、あるいは衣服に引火する可能性も。
飛び降りる男を迎え撃とうと灼熱の奔流が突き進む。
628 :セラ :2014/12/31(水) 00:32:00.27 ID:hpzvDaVio
>>627

『ぐわっ!?』

「――!」

上空からの音もなき奇襲。完璧な一撃のはずだったそれは、
深雪の熱線によって阻止され、火薬か何かに引火したのか男の上半身に燃え広がる。
その時に上げた声に反応したように、女は瞬時に行動に移った!

――ヒュオッ!!

瞬間、上から落ちてくる男を避ける様に駆け出し
前をふさぐ男1人を、腰のレイピアを瞬時に抜き放ってまるで東洋剣術の居合のごとく内倒し、
返す刀で別の男に襲い掛かる!

「そっちの二人をお願い――!」

女の背後。ちょうど深雪との間におり、
いままさに背後から女に斬りかかろうとする2人を任せられた!
629 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/31(水) 00:33:30.80 ID:3GftML4Go
>>625

 カッ!と真っ二つとなり消失する影の腕。
 瞬間、相手方の魔術師もローブを脱ぎ去り、
 不可思議な光沢を帯びた黒い衣装を纏った暗殺者へと様変わりする。

「気をつけたまえ。私達が科学で肉体を強化するように、
 彼等は魔術を以って肉体を強化しているのだから」

 バロウズは自身の影を踏み込み、影腕の出現をレジストしながら、鈴虫の警告を発する。
 と、同時に魔術師は二挺のサブマシンガンを取り出し、その恐るべき弾幕を一気にバロウズめがけて解き放った。

【魔術により、照準強化(エンハンスエイム)、鷹の眼(ホークアイ)、空間感覚(スペシャルセンス)など、
 大量の強化魔術を身に纏った恐るべき尖兵たちなのだ!!】

>>626

 離脱したギャラエに取り付いた影の腕はそのまま平行して追っていく事だろう。
 これは魔術的な呪い。距離を離したとて、逃れることは出来ないのだ。

【そのまま影の腕はギャラエの喉首を掻き切らんとする】

 一方、まさにヨージンボーの如く現れたオンモであるが、
 そもそも彼にある種の分別は期待できるのか?
 バロウズや鈴虫まで巻き込むようでは戦闘不安要素として、
 味方から排除されても文句が言えない立場に成り果てる危険もあるが。

「野人が!醜く、汚らわしい!」

 エルフの美的価値観から鑑みて、オンモはひたすらにおぞましく、醜い存在として映った。
 その拳は激突の瞬間!まるで見えない壁が発生したかのようにピタリと止まるのを余儀なくされる!

【オンモの腕には衝撃が伝わるだろう。まるで空気が固まって壁になったかのような】
 【→ドガン!と衝撃音が周囲に撒き散らされる。これにはエルフも眉をひそめ】

「馬鹿力が自慢というわけか。いよいよ以って度し難い」

 ゾゾゾゾゾ…とエルフの腕より大量の狩蜂(ワスプ)が発生する。
 その大量の狩蜂の羽音は正に冒涜的で耳から神経を侵されるような振動音!

「早々に死にたまえ!私の目的はあちら(バロウズ)なのだから」

 ワンワンと群がる蜂は一斉にオンモに襲い掛かる。
 その毒針を突き立てるのを狙うだけではなく、耳や口、鼻などあらゆる穴に侵入を図ろうとしてくるだろう!
630 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/31(水) 00:47:33.18 ID:VMatXXUh0
>>629
「ケェ!! 魔法使いが文明の利器つかってんじゃねぇ!!」
短機関銃を構える暗殺者に悪態をつき ついでに長楊枝をプッと暗殺者に向けて吹き付ける

しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く
――――瞬間的な其の動作

地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

こちらに銃口が向いていないのをいいことに 比類なき加速力で暗殺者に向けて前進する
美味いこと前進できたのなら 順手に持った刀で小手を放ち 手首を切り落とさんとするだろう
631 :オンモ【デヴァヴァオブライト】 [sage]:2014/12/31(水) 00:49:05.64 ID:izzpQr/Q0
>>629
『ち、ちょっとぉなんですかこれぇっ!?』

未だ元気良く絶叫を挙げている事からきっとまだギャラエは存命なのだろう
そしてそれはしばらくの間は続くはずだ
ならば巨漢の目的はただひとつ
あの姦しい声が鳴り終わる前に敵を[ピーーー]事だ

「……チッ、騒がシいチビダな」

拳を受け止めたナニカ、喚き立てるエルフ
舌打ちひとつ、周囲をちらり
ギャラエからの通信、敵味方の判別即ち喰っていい相手とそうでない相手
そもそもオンモは、彼は知能こそアレだが敵意に対しては敏感である

「アァっ?」
「チビがチビ呼んデなんだッテんだぁ?」

強く強く、両の拳を突き合わせる
爆発音に似たノイズ、途端に彼の体は彼の能力によって翼を得たように軽くなる
羽虫達の追跡を背負ったまま、ぐるりと部屋を大回りに素早く駆け抜けて再度エルフへと
フェイントを掛けて回り込むようにしながら拳を唸らせる
先程の結界が一面的な形であれば、横腹を突けると狙っての事らしい
632 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/31(水) 00:50:52.44 ID:KAOrkqK7O
>>628
飛び降りる男を墜とした瞬間、火蓋は切って落とされたのだ。
女はこの状況を逸しようと剣の一閃を2人に浴びせた。

逆に、背後の残り2人に隙を見せるが、女はまだ見ぬ助っ人(?)に対処を求む。

「……ん、うん」

セラの掛け声に呼応するかのように陰から姿を現し、攻撃態勢に入る。
同時に男達の視界に少女が入るかもしれない。

どちらかといえば近距離戦は得意でない彼女。
間合いに気を配りつつ、今度は中距離から熱気の噴射を行おうと。陽炎が起こったかのようにそこだけ大気が歪む。
温度(≒威力)こそ火炎には劣るも、襲撃を阻止するには十分なものだ。
633 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/31(水) 00:58:47.46 ID:3GftML4Go
>>630

「魔術師といえカノッサということだ」

 儀仗を振るい、内部機構のスパイクチェーンを展開し、
 全ての銃弾を弾き飛ばすバロウズ。床や壁を銃弾が抉り、あるいは兆弾し、
 倒錯的かつ破壊的な美しさを場に現出させる。

「?」

 そして、暗殺者は戸惑ったことであろう。
 拡張マガジンには今だ弾丸があるはずなのにサブマシンガンが突如その咆哮を止めたからだ。
 それは次の瞬間、ズルリと己の手首から先が毀れ落ちることで真相が明らかとなることだろう。

「「「殺!!」」」

 瞬間、四方より全く同じ格好の暗殺者達が単分子ダガーを握り締め襲い掛かってくる。
 一方を倒したとしても、別の者の刃がその臓腑を抉る。瞬間的に包囲陣と連携を完成させた相手の技量も恐るべしである。
634 :セラ :2014/12/31(水) 01:05:44.50 ID:hpzvDaVio
>>632

一人目の男は上空から奇襲をかけた男が突如炎上したために気を取られ
一撃で倒すことができたが二人目の男はさすがに一刀とはいかず、しかしながら
小刀と2、3合の打ちあいのすえ、女のレイピアが男の喉笛を貫いた。

背後から襲い掛かろうとした男たちは……。

『なッ……ぐ、クソ、これは……!?』
『仲間がいたのか……退こう……!』

女の背に一撃を加えようとしたところで、熱気による歪みに接近を阻止され、
ここでようやく深雪に気づいた。男たちは襲撃の失敗を悟り、足早にその場から逃げ去っていく!
しかし、女は追う気はなさそうだ。
635 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/31(水) 01:06:04.50 ID:3GftML4Go
>>631

【ギャラエを抉らんとする影の腕は徐々にその力を強めていくであろう。
 抉るのでもいい。喉首を押さえつけ窒息死させるのもいい。首に執着するのは呪いゆえの応用の無さであろうが】

 −−−−−−−−

「全く騒がしい。即座にこの世からの退場を勧める」

 見るに耐えないという様子でオンモを蔑視し、エルフは衝突の瞬間まで巨漢を凝視する。
 ドン!と今度は空気の壁にさえぎられることなく、拳は真っ直ぐに伸びた。
 が、エルフは――オンモの腕の内側に潜り込んでいる。

【そう、エルフとて、他の暗殺者と同じく自らを強化する魔術をタップリと行使しているのだ!】

「死にたまえ」

 蒼く輝く剣。その刃。間違いなくマジックアイテムの類。
 それはもしかしたら、ハイテクの単分子剣を上回る魔法剣の類なのかもしれない。
 その刃はオンモの首をそれこそ流麗に華麗に両断せんと、確かな技量と共に繰り出された。

【エルフ。なるほどエルフである。水が流れるが如き技量と高い魔術。そして己の優秀性を微塵も疑わず相手を下に見る傲慢さ】
636 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/31(水) 01:17:18.71 ID:VMatXXUh0
>>633
「ッ!!」
暗殺者の手首を切り落とした瞬間を狙った四方からの刺客
富岡流には包囲された敵を纏めて切り伏せるなんて芸当は伝わっていないのだ

だからこの場を凌ぐ方向で攻める

「ぃやあああああ!!!!」
鞘で四方の内の1人の短刀の腹を叩いて剣筋を逸らし 肩を押し付けて全力で刺客を押すことで包囲を脱する
脱することに成功すれば 逆手に持った刀で刺客の腿を刺し貫こうとするだろう
637 :オンモ【デヴァヴァオブライト】 [sage]:2014/12/31(水) 01:18:59.90 ID:izzpQr/Q0
>>635
『……ズァヘッド、これなんとかっ……!!』

さてはて向こうは向こうで未だ続いているらしい
アラズァヘッドに対処させようとしている模様

「……ッ!!」

一方オンモ
豪腕の拳打は空を切り、そして懐へと潜り込まれたこの状態
逆の拳での咄嗟、自らの横腹に対する打撃を加える
軽くなった体は自然、推進力を得て短く吹き飛び剣線の直撃からは逃れた
首筋に赤い筋が走る、鮮血がぴしゃりと散る
その血痕が地面を汚すより素早く着地、地面を蹴って再度の飛翔
今度はエルフの背後に回り込む軌跡である
叶えば背中合わせ、そして繰り出すはそのまま振り向きながらの馬蹄蹴り
インパクトの刹那に自身に掛けられた体重軽減の能力を解除し、速さと威力を両立させた一撃である
更にもしエルフが吹き飛んだとしたら
そこに待つのは壁ではない、オンモせとしつこく迫る大量の虫達だ
638 :オンモ【デヴァヴァオブライト】 [sage]:2014/12/31(水) 01:20:24.30 ID:izzpQr/Q0
//ごめんなさいこれで落ちます
//撤退ロール書けずすみません…ありがとうございました、お休みなさいませ
639 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/31(水) 01:23:12.14 ID:KAOrkqK7O
>>634
「ふぅ……やっと片付いたかな」

やがて女が相手した男2人は倒れ伏し、そして残った者も一目散に逃走。
2対5の戦いは終わり、どうにか一件落着といったところだろうか。

「んと……怪我はない?」

声の方を向けばセラの視界に入るであろう年端も行かぬ娘。
何歩かそちらへ近づこうと足を進める。少なくとも敵意は見られない。
640 :セラ :2014/12/31(水) 01:34:32.07 ID:hpzvDaVio
>>639

「ん……大丈夫よ。助けられたわね。」

ひゅん、とレイピアをふり血糊を軽く落とすと腰の鞘へ。
深雪から見たところにも傷はなく、口調も軽い。問題ないだろう。

「一体、なんだったのかしらね。
 いきなり襲われるなんて。」

足で男の死体をひっくり返し、仰向けにする。
その際に、紋章の書かれたペンダントが男の胸からちぎれて落ちた。
その紋章は……深雪ももしかすると目にしたかもしれない光景。

広場で火にくべられ、燃やされていた『領主』の旗に書かれていたそれなのだ。
つまり、この男たちは貴族派の潜入工作員で、この女が何かしらの文書を持っていると
勘違いして凶行に及んだらしい。
641 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/31(水) 01:36:36.84 ID:3GftML4Go
>>636

「グワッ?!」

 ここで無理矢理に突破を図る鈴虫の選択は正しい。
 無理に抗えば、それこそ敵の思う壺。かといって判断が遅れればハリネズミ。
 この場で必要なのは素早い決断であった。

【包囲を脱出。湯治に視覚の腿が貫かれる。動脈を切断した出血量。治療を受けねば早々に死ぬ】

 −−−−−−−−−−

>>637

 一方、オンモはエルフでは思いもつかない方法にて死の刃を回避した。
 そして虚を突いたその蹴りはエルフの背中に強かに打ち込まれ、
 その均整の取れた体躯をぐしゃりと歪ませた!!

「ガハッ!!」

 吹き飛ばされたエルフはそのままに己の召喚した狩蜂に突っ込むカタチとなる。
 最も、それはエルフが使役するものであり、彼自身を攻撃こそはしなかったが、

「目隠しには十分すぎるね。オンモ君。中々に頭が回るじゃないか」

 その絶望的な隙をバロウズは逃さず、儀仗を大きく振るい、
 スパイクチェーンがエルフをワスプの群れごと縦に一刀両断!!
 その一撃は刃のように美しいものではなく、悲惨なまでの荒々しさで美しかったエルフを見る影もない肉塊に変えた!

「ようやく内面とのバランスが取れたというものだ。さて、鈴虫君」

 −−−−−−−−−−−−
 再び>>637

「君も片をつけたまえ。それとも機関の報酬分の働きを見せてはもらえないのかね?」 

 挑発や失望というよりは、鈴虫という殺戮機構がどのような剣を見せるか。
 それにこそ興味があるという風な声音を響かせるバロウズ。
 彼自身、手を貸す気はない。ここは鈴虫が切り抜けねばならぬ場面であるゆえ。

【また、そうでなければカノッサのエージェントとは呼べない】

「殺」

 包囲を解かれた暗殺者達は、鈴虫に向き直り、サブマシンガンを各々が構える。
 一斉射撃で一気に蜂の巣にする魂胆だ!

【的は真っ直ぐ、一直線上に並んでいる格好。まもなく引き金が引かれ、死の飛礫による弾幕が形成されるであろうが】
 【→むしろ、この程度は乗り越えてもらわねば、高いカネ。美味いスシ、そして女。用心棒としても報酬分とはなるまい】
642 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/31(水) 01:53:23.85 ID:VMatXXUh0
>>641
腿を貫いた刺客の顔を鞘で打ち払うと 雇い主より発せられた注文
「・・・へっ そういわれちゃしょうがねぇな」

その言葉に口の端を吊り上げ 刀の血糊を振り落とすと 一端鞘に収める
体は半身 足は肩幅 柄を握る手は逆手

「ッ!!!!」

しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く
――――瞬間的な其の動作

地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き


膝抜きによって得た速度のまま抜きザマに1人目 体を狙い左下から右上への切り上げ すぐさま走りぬけ
次なる獲物へ接近 手首を返し首を狙い右から左へのなぎ払い すぐさま走りぬけ

更に次の獲物へ接近 反時計回りに回転しながら短く跳躍 体を狙い 体重を乗せた右上から左下への袈裟切り すぐさま走りぬけ
最後の獲物へと接近 逆手のまま鳩尾を狙い 真っ直ぐ刺突



――――これぞ富岡流 相影縫い
643 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/31(水) 02:00:37.65 ID:KAOrkqK7O
>>640
「……ならよかった」

「んん……たしかに物騒っぽい世界だけど……」
「…………覚えがないのなら、誰かと間違えられたとか?」

異状は無さそうなセラを見て少し安堵し、何故このようなことになったか推測してみる。

転がした死体から零れ落ちるペンダント。それに刻まれた紋章。
少女はかの広場での件をよく見ていながったが……彼女の予想もあながち間違っていないかもしれない。

「あ……そういえば名前とか言うの忘れてた……ボクは深雪、3日前ここ(=この城塞都市)に来たばかりだけど」

と、軽く名前だけ伝えておく。……どうやらセラのことは現地人と思っている様子。
644 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2014/12/31(水) 02:03:26.66 ID:3GftML4Go
>>642

 その剣技はある不可思議を引き起こす。
 まず、鳩尾に刺突が突き刺さっている。そのまま抉れば内臓破壊となるであろう。
 が、問題はそこではない。

【鈴虫が奥の暗殺者を刺した後≠ノ、前で構えていた者達の胴がずるずると地面に落ち、
 あるいは、首がくるくると宙を舞ったのだ。一瞬後に噴出する血煙!!】

「…美しいものだ」

 凄惨極まりないが、そこには醜と表裏一体の美すら見出せる。
 何事も優れているという事は美しいのだ。

「さて、残念ながら交渉決裂のようだ。私としては平和を好んでいるのだが。まことに我が身のふがいなさだよ」

 心にも思っていない事を言いながら、転がる死体への興味の一切を無くして、
 バロウズはこれから新たに始まるカノッサの権力闘争に思いを馳せる。

「鈴虫君。疲れたろう。オーガニックの米酒を用意している。まずは小さな勝利を肴にどうだね?」

 幹部であり権力志向者でありながら、バロウズは存外にエージェントに対して気安い面がある。
 もっとも、多数の死を肴に酒というのは、やはり何がが歪んでいるのだろう。きっと。

【カノッサ機関…
 その内部は大きな嵐が吹き荒れている。が、その巨大機構に崩壊の陰りは見られない。
 たとえ、その機構の実体が既に不明瞭な幻めいていたとしても――】
645 :セラ :2014/12/31(水) 02:12:39.03 ID:hpzvDaVio
>>643

「手紙、って言ってたからたぶんこれね。」

腰のベルトに括り付けられていた革袋から、一通の手紙を取り出して。

「これ、ただの普通の手紙なのよ。ここから2つ隣の町の神父様から預かったの。
 なんでもこの町出身で、家族が心配なんですって。ボーデンヤード、なんてとことは
 縁もゆかりもないわ。」

実際、セラも運び屋としてしたてられないよう中身の確認は行っている。
今回はとんだとばっちりだったということだ。

「ん、深雪ちゃんね。私はセラよ。
 今回は助けられちゃったし、一つ借りね。また会ったら3倍にしてお返ししてあげるから
 楽しみにしておいて。それじゃ、ね。」

セラはそのまま、目的地へと歩を進める。
今回は互いに境界渡りということを知る機会はなかったが再びセラと深雪が会えば
そのことは自然に理解できるだろう。

// そろそろ〆。おつかれさまー
646 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2014/12/31(水) 02:14:33.72 ID:VMatXXUh0
>>664
「・・・・・」
グイッと柄を抉れば空気が入り込み 刺客の傷から血が吹き出る
その返り血を浴びるその顔を恍惚にも似た喜びに溢れていた

「分かってるじゃないかバロウズちゃん 芳醇旨口なればなお良し だ」
懐紙で剣を拭い 鞘に収めて肩に担いだ
647 :帆村深雪【灼熱極地】 ◆rF8einrntM [sage saga]:2014/12/31(水) 02:28:47.77 ID:KAOrkqK7O
>>645
「ぼーでんやーど……ボクも聞いたことないわねぇ」

「セラさん……ね?」
「その3倍とかいうのを楽しみにしておこうかな……」

尤も、つぎ何処かで逢えれば、という前提ではあるが。
その先端が赤く染まる黒髪は良くも悪くも目立つ。

「ん……じゃあね」

やがてその場を去るセラ。
遠くなる影を見送りつつ自らも路地裏を離れる。

置いてたはずの買い物カゴが無くなっていたことはまた別の話。

//了解、遅くまでお疲れさまですー
648 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/03(土) 21:41:27.47 ID:V+eAzzXu0
【とある止まり木同盟の宿】
さて 年明けである
ここ止まり木同盟の宿でも 複数の国籍の越境者がそれぞれの国の料理を持ち込み 食べ比べで三が日を凌ごうということなのだガ

スペイン代表のアキレスは全く料理を作りませんでした なぜならば

「スペインにコレといった正月料理ってないんだよね しいて言えば年越しの教会の鐘の音にあわせてブドウの実を12個食うぐらいだし」
と言って食べる専門に回った様子 今日もこうして他の国の正月料理に手をつけては酒をかっ喰らっている
649 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/03(土) 21:55:33.83 ID:n/VJiDNJ0
>>648
そんな年始の三ヶ日
一応料理を得意としているはずのニアではあるがそもそも故郷や国籍がない
現時点までで3年程の生涯の大半を越境者として過ごしているのだから当然といえば当然である
まぁ一応何もしないというのはなんだし、本やらネットやらで調べたジャパニーズオセチを作ってみたりしている

「この、キントンっての甘くて美味しいってんですよぉ」

とはいえ数の子やら昆布巻きなんかは材料が特異な為に困難
栗きんとんや黒豆など、有る程度入手難易度の低い物ばかりではある

「あとこのオモチっ」
「葉っぱのスープに入れるらしいってんですけどぉっ……」
「食べる時気を付けて下さいってんですね」

スープに焼いた切り餅を投入したオゾウニ
食べ慣れていないモノが不注意を起こせば、口内を火傷したり喉に詰まらせたり危険だ
650 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/03(土) 22:06:45.85 ID:V+eAzzXu0
>>649
「ライスワインって始めて飲んだけど美味しいもんだなぁ」
カマボコと一緒に日本酒を飲んでいるアキレス まったくノンキなものである

だがキッチンではアキレスの与り知らぬ場所で修羅場が起きていた


―――――g・・・・ギィ!? ぎ・・・・g・・・・ギィ!!
切羽詰ったベティの声 食い気に負けて焼餅を失敬したのはいいけれど 焼けたもちがハサミにくっついて取れない取れない

振り回しても取れない ならばともう一本のハサミで引き千切ってやろうと 2本のハサミをモチを掴み

―――――ギィィィィィィィ!!?
両方くっついてしまいました 誰かとってクレと涙声で悲鳴をあげた
651 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/03(土) 22:16:53.00 ID:n/VJiDNJ0
>>650
「ニアはちょっとぉっ、苦手だってんですねぇ……」
「……んんっ?」

苦笑を浮かべるニア
そもそも酒、アルコール自体が苦手なのだから仕方ない
ふ、と何かが聞こえた気がしてキッチンへ

「あぁ、もうっ、何やってるってんですかぁっ……」
「……あちちっ!?」

すると餅を相手に大苦戦しているベティの姿が
甲殻により熱は大丈夫なのだろうが、ベタベタの粘着性は辛いはずだ
手を伸ばして餅を取ろうとするも当然熱々

「よしっ、これでっ……」
「動かないで下さいってんですねぇっ?」

バターナイフを持ってヘラ的にこそぎ落とす作戦にシフト
堪らなく地味だが確実な手段である
652 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/03(土) 22:30:29.43 ID:V+eAzzXu0
>>651
――――ギィ!! ギィ!!
やってきたニアに駆け寄るベティ バターナイフ作戦に全てを賭け ジットしている

【暫くお待ちください】
さて ハサミにこびりついたモチがあらかたこそぎ終ったようです

――――ギィィィィィィィ!!!!
するとベティは悲鳴をあげながらアキレスの元に

「ベティ・・・・重い・・・」
――――ギィ!! ギィ!! ギィ!!

よほど怖かったのか アキレスの背にガッチリ組み付いている

「あぁニアタン なんかよく分からないけどアリガトね チャイニーズの人が水餃子作ってくれたから一緒に食べようよ」
653 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/03(土) 22:39:53.96 ID:n/VJiDNJ0
>>652
「あははっ、無事で何よりってんですっ」
「つまみ食いしちゃダメだってんですからねっ?」

焼けた餅にきんとんの餡を付けて一口
邪道ではあるが美味しい

「水餃子っ……?」
「おおっ、凄いっ……あちちっ!」

話には聞いた事があるが食べるのは初めてだ
スープボールに入ったそれにフォークを突き刺す
そのまま口に運ぶがこちらも当然熱い
今日はどうにも火傷日和である
654 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/03(土) 22:49:41.00 ID:V+eAzzXu0
>>653
―――ギィィ・・・
きっと暫くは大丈夫でしょう懲りたようですし

「さて 随分といろんなことが合ったけど またこうやって年を越せた」
ゲフーと満足したように一息つく

「なにせこの間は蟲共の世界で気がついたらなんて味気ない年越しだったからな
 こうしてご馳走囲んで名ことは夢のまた夢だったもんな」
あぁ 瞼閉じれば思い出すろくでもない日々

「そういえばニアタン今年の抱負を聞いておこうか?」
655 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/03(土) 22:56:07.68 ID:n/VJiDNJ0
>>654
「全くってんですねぇっ……」

口元を紙ナプキンで拭きお茶を啜る
思えば蟲の世界以外で過ごす、初めての年明けなのだ
感慨深いような、寧ろ年末年始に特別な意味を余り感じないような

「抱負っ、ですかぁっ……」

そうですねぇと唸り水餃子に息を吹き掛けて冷まして食べる

「まぁっ……生きてっ、それで笑っていたいですねぇっ……」

こういった質問に対する答えが抽象的なのは癖だ
明確なビジョンがイマイチ想像出来ないらしい
656 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/03(土) 23:08:25.93 ID:V+eAzzXu0
>>655
「笑っていたいか・・・そうだな!!」
確かに泣いて暮すよりは 笑って暮らしたほうがいい 笑う角にはナントヤラとは良く言ったものだ

「俺は去年と変わらず すべての世界に名をとどろかせるグラフィティアーティストになることだ!!」
ドドンと効果音つきで宣言してみせる 他の越境者からやんややんやと喝采が起きる

―――ギィ!!
ベティも宣言してみせる 相変わらずナニを言っているか分からぬが もっと大きくなるが目標だそうな

「それじゃそのゾウニとやらを食べるとしよう」
と言ってたべはじめるが モチロン餅に慣れていないスペイン人

「・・・・・・・・・ッ!!」
何か顔を青くしながら胸を叩いている 詰まらせたらしい
657 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/03(土) 23:14:42.24 ID:n/VJiDNJ0
>>656
「あははっ……どうも恥ずかしい感じですってんですけどっ……」

曖昧な事に関しての自覚はあるらしい
苦笑しつつ後ろ髪を掻いてみせた

「アキレス達はっ……て、なるほどってんですねっ」

ふむむと小さく数度頷き納得
しかしそういえばなんだかんだでアキレスがグラフティを描いている所を余り見てないなぁなんて思ったりしている

「?」
「……うわぁっ、だ、大丈夫ってんですかっ!?」

慌ててアキレスに駆け寄り背中をべしべしと叩かんと
658 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/03(土) 23:28:27.29 ID:V+eAzzXu0
>>657
キットみんなの見てないところでいろいろと欠いてるんですキット

決して中の人がサボっていたとかそういうのではないのですキット

さて やんややんやの大宴会は打って変わり
アキレスの背中を叩いたり 掃除機を口の中に突っ込んだりといった大騒動の末 どうにかモチは取れました・・・が

「コイツは悪魔だ!! 食い物の皮を被った悪魔だ!!」
―――ギィ!! ギィ!!

ベティと揃って餅を敵視するアキレスがいたとさ
さぁ 三が日は終わり 彼等越境者もまた一年を乗り越えるべく動き出すことだろう
どうか彼等の旅路に幸あれ

//ではそろそろノシさせていただきます
659 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/03(土) 23:31:57.85 ID:n/VJiDNJ0
>>658
//ありがとうございました、お疲れ様でした
//お休みなさいませーノシ
660 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2015/01/04(日) 22:32:57.83 ID:7cDJCR7S0
司令部には正月にも関わらず多くの同じ顔の男達が駆け回って事務を片付けている。

が、
神崎はそんな部下達の事など知らぬと言わんばかりの顔で大通りを出歩き、初売りセールモノを買いあさっていた。
いつも通り、サブマシンガンは上着の下に隠し持ち、拳銃をベルトに直接ねじ込んでいる。
ただ、今日は軍服を着ずに黄色いシャツの上に紺色の上着を着、ダウンを着ているため戦闘には不向きそうである。
「そういや、今年はおせち食ってないなあ....テキトーなトコで買うか、ヘイル君とかに作ってもらお」
相変わらずいい加減である。
661 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/04(日) 23:03:55.17 ID:UU0brORlO
>>660
その視界の隅っこ。
『商店街餅つき大会』と書かれた横断幕と
ぺったんぺったんつかれるお餅。
年始となれば比較的よく見かける光景である。

ただし、それをついているのが警備用の2.5m級ヒューマノイドでなければ、だが。

「ほいっ!」

そして差し出されるスチロールのおわん(お雑煮入り)。
差し出したのは機械の翼を背負った金髪のちびっこ。
どうやらおせちよりも先にお雑煮にありつくのが先になりそう。
あ、一応無料配布らしいよ?
662 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2015/01/04(日) 23:17:28.90 ID:A5ajF15b0
>>661
「....なんじゃこりゃ」
餅つきが行われている様子はなんともない。普通の年始に見る光景である。
問題はついているのが2.5mの巨人だからである。
差し出されたスチロールのおわんを唖然とした顔のまま受け取ると正気に戻ったのか、雑煮を食い始めた。
「ん....美味いね。いい出汁が出てる。」
ニッコリ笑いながら感想を述べるが、本心では、
(なんなんだよ、警備タイプが餅つき?おまけに機械羽付きガール?もうわけわかんねえな)
と思っているのは間違いない。

663 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/04(日) 23:25:47.47 ID:UU0brORlO
>>662
「んむ。おばちゃんのおぞーにはすげーうまい!」

あえて具材の描写は省こう。
きっと戦争のもとになる。
こほん、と咳払いしたちびっ子はにゅっと手を差し出しました。

「この世界では“いい子”にはおとしだまがもらえる権利がはっせーするって
 おっちゃんたちがいってた!!
 おてつだいはいいこがすること!」

あ、向こうで商工会のおっちゃんおばちゃん達が生暖かい目線送ってる。
「倉島警備保障」とか書かれてる警備ロボットのほうは露骨にカメラアイを逸らした。
これは完全に仕込まれた正月トラップなのである。

ところで、目の前のちびっ子がそもそもヒトじゃないことは
サイボーグのセンサー系ならあっさりわかるけど、調べない感じです? って中の人が言ってた
664 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2015/01/04(日) 23:36:55.26 ID:A5ajF15b0
>>663
「お年玉....ね....。遂に渡す側になるとは(ボソッ)」
神崎は黒ジーンズから財布を引っ張り出すと、折り目ひとつなく、さっき作られたような一万円札を抜き取ると、少女に差し出した。
「あ....」
ついでにおばさん連中の視線にも気づき、会釈をする。
「ほれ、嬢ちゃん、お年玉だ。折り目のない、きれーな一万円」
665 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/04(日) 23:59:08.15 ID:UU0brORlO
>>664
「おー、かみのおかねかっ!!」

ゲットした諭吉先生をおっちゃんたちにひと通り見せて
そのまま簡易賽銭箱にイン!
なにやら社会の縮図を見た気がします。
こうしてお年玉は世の中に還元されていくのです、きっと。
これが世の中の縮図なのです。

「で、もういっぱい?」

もう1セットやる気だ、このちびっこ
666 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2015/01/05(月) 00:17:58.41 ID:0fAZ/MpC0
>>665
「賽銭やったんじゃないんだけとなあ....(ボソッ)」
賽銭箱に入れられる一万円札を見て、ぼやく。
「ん?ああ、いただくよ。」
食えるものは食えるうちに食う。
これが彼の基本である。
667 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/05(月) 00:24:19.20 ID:Y/FwnVbHO
>>666
「タマシイなくてもかみさまにおねがいできるとか、すげーレアよ?
 はい、おとしだまにかいめな!」

以下、拒否るか財布が空になるか胃袋の限界まで
この財布搾り取りサービスはつづくのでした、まる


//
ここらで終了ということでー
668 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2015/01/05(月) 00:33:36.93 ID:0fAZ/MpC0
>>667
「へ?」

結果、神崎の財布にはカード3枚とレシートいくつか、小銭数枚しか残らず、それ以外はどこへ行ったのかというと....
全て商店街の賽銭箱の中。
商店街の人は大喜び。
対する神崎はいうと、秘書官からもの凄く叱られたそうです。

「あーあ、金なくなっちまった。また給料前借りせんと」
反省の色はない
669 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/05(月) 20:22:34.97 ID:NXSG2r2Lo
【ヒノモトの国…備前】

 備前ノ国――
 良質の鉄鉱石、風光明媚な風景、そして効能の高い温泉と
 荒廃の一途を辿る京とは真逆と言って良いほどに栄える国。

 当然、様々な戦国大名がこの土地を狙ってはらしいが、
 現状は天然の要害たる山々とその他≠フ要項も相まって、
 戦国時代を器用に立ち回っていた。

「ふぅ…」

 今宵は満月。月明かりが地上を優しく照らし出し、
 コン…と時々耳に聞こえるシシオドシとフクロウの鳴き声も心地よい。そんな夜。

【重度の火傷を負っているイムカ・グリムナーは湯治のためにこの温泉宿に宿泊している】
 【→なお、カネは無い。まあ、なんとかなっているのだろう。同行人に期待する(手前勝手の眼差し】

「一週間以上だ。こうしてのんびり…か。なんだろうな」

 やや、考え込む様子のイムカ。全身の所々、悲惨で醜い火傷の痕跡が肌に残していたが、
 白磁の如く艶やかな肌色が、皮膚が徐々に戻り始めている。回復スピードで言えば異常であるが、
 本人曰く「温泉が特別良く効いたのだろう」ということ。

【すっかり長くなったプラチナブロンドの髪を櫛で纏めてお湯に浸からないようにしている】
 【また、その胸は豊満である。ゆえにお湯に浮く。これは自然の摂理である(断言】

「…罪悪感だな。たぶん。こうしている自分が何だか、もどかしいのだろう。
 身体を治さねば、不都合が多すぎて却って非効率。分かってはいるのだがな」

 無表情ながらもどこかバツの悪そうな声音のイムカ。
 その顔にも醜い傷が散見され、今だ包帯で隠すことが必要であるが、
 少なくとも、ふためと見れない程の酷さではなくなっており、また、怜悧な印象を与える本来の顔立ちに戻りつつあった。
670 :四五六 七八 【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/05(月) 20:43:41.89 ID:iquHudo60
>>669
長旅の末に備前に辿り着いた時
簪や櫛などといった乙女アイテムより刀などに食い付いてしまった事を後になって後悔
しかしそれだけあって投具として消費したモノの補充は充分であった
金銭は他の世界で温めておいた砂金の粒が役にたったということらしい
それは宿泊費についても同様だ

「ふひ〜……」
「……罪悪感ん?」
「何それ、イムカ貴方ってやっぱワーカーホリック?」

脅迫概念にでも捕らわれてるんじゃないの? としばしを共にしている相手に笑い掛ける
お湯に浮くソレにある種劣等感を覚えたのは以前の事だ、今となってはからかいがてら突つく位の事はしでかすだろう今はまぁしてはいないが
お団子に纏めた髪を、少し直した

「焦ったって仕方ないっしょっ」
「休む時は休むってのも、大切だよ……」

顎を引いて伸びをひとつ
ここしばらく温泉宿でのんびりな日々が続いていたが、一応トレーニングは欠かしていないらしく体はたるんでは一切ない
とはいえ言葉の通り完全に休暇モードに入ってはいるが
671 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/05(月) 21:30:21.22 ID:NXSG2r2Lo
>>670

「ワーカーホリック?私自身、それはよく分からないな」

 イムカはこの罪悪感の正体を改めて考え、七八に少しだけ身の上話をする事にした。
 存外、夜空に浮かぶ満月の妖しい輝きがそうさせたのかもしれない。

「私は帝国官僚(インペリアル・オフィシャル)の一族の出身でな。所謂エリートだ」

 自分で臆面も無くエリートであると言えるのは傲慢にも見え、イムカにとってはただの事実確認に過ぎない。
 実際、出生の優位さというものは、等しくその生涯に多大な影響を齎すものだ。

「帝国で高い身分を以って生まれたという多大なる恩義≠ノ対してどう報いればいいのか。
 皇帝陛下に対する無償の敬愛とその奉仕に全ての情熱と才能を傾ける。それが私の生き方だった」

 水面に浮かぶ月を眺めながら述懐するイムカ。ノブレス・オブリージュと言えば聞こえはいいかもしれないが、
 この価値観は人によっては酷く歪な代物に映るかもしれない。

「だから、その、ずっとそういう生き方だったのだから…慣れていないのだろうな。こういうのは」

 そして、やっぱり何処かバツが悪そうに言葉するのである。
 こういうのは中々に割り切れるものでもないらしい。

「…私ばかりというのはズルイな。君の話も聞かせて欲しいものだ」

 問い返し。ニンジャに伝わる厳格な礼儀作法(問うた内容の分、質問に答えねばならない)の一つであるが、
 イムカはニンジャではないので果たして則ってもらえるかは微妙なところである。

「ニンジャとしてクランに所属しているんだ。様々なニンポの話とかニンジャギアとか、
 君がどんな修行(滝に打たれて時折落下する巨木を真っ二つに)をしてきたとか」

【この数日のニンジャ≠忍者の説得はどうやら大失敗している模様】
672 :四五六 七八 【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/05(月) 21:51:12.98 ID:iquHudo60
>>671
ふうん、と曖昧に相槌を唸らせながらその話を聞いた
不真面目なつもりはない、むしろ逆である
同じく水面に揺れる月影に視線を一瞬、直ぐに紫の双眼に向ける
生まれた時点での歩むべき道
それは忍者の家柄に生を受けた七八に取っても他人事ではない

「……お偉いさんって事ね」
「羨ましいかも、そういうの」

官僚階級的なそれに対してのように続ける
だがその本質は、敷かれたレールに全力で傾向出来るイムカの一途さに羨望を覚えたが為だ
皮肉ではない
家の事決めに反発をし尽くした七八の、極めて表裏のない本音

「……ま、慣れてけばいいんじゃない? こーゆーの」

肩を回す
少々トレーニング過多だ、筋に違和感

「私?」
「……何それ、クランって……」

苦笑、咳払い

「私は……まぁ、郷の頭領の娘でさ」
「花嫁修業より忍者修行ばっか!」

嫌になっちゃうよー、なんて溜息
鹿威しが乾音、遠くでフクロウが音もなく野ネズミを捉える

「忍法っても、生き残る為のサバイバル術みたいなものだよ?」
「修行はワンパターンなのばっかだしさー……」

最も習慣的に筋トレなどを行っている所を見れば態度程には忍者としての道を嫌ってはいない様子
悪ぶりたい年頃といったところか
673 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/05(月) 22:04:31.85 ID:NXSG2r2Lo
>>672

「ああ、豊かな生涯を送っていると思う」

 七八の羨ましいという言葉にイムカは躊躇せずにそう応えた。
 生き方に対して何の不満を持っていないゆえだった。それは信仰にも似ている。

「慣れる…か。ああ、早く治して動けるようにならねばな」

 やっぱり、じっとしていられない性質なのはそう簡単に治りそうもなかった。

【そして七八の話になって、イムカは少し首をかしげながら】

「トーリョーの娘でニンジャ修行か」

 イムカは不満を口にする七八をじっと見つめる。
 そして、やや考えてから、ちゃぷんと湯を揺らしながら、

「生き残る術は重要だが…そういう話ではないな。キミはお嫁さんになりたいのか?」

 と、明らかに素っ頓狂な方向に話がズレてしまうのであった。その時!!

【温泉の湯気の奥に足音もなく人影!
 出てきたのはイタマエの服装で、サケとオチョコ、香の物を持ってきた温泉スタッフ】

 温泉スタッフは小綺麗な白の格好。男であるが女人の裸に何らの好色なる色を浮かべぬ瞳。
 プロフェッショナル!そしてその口元を隠すように在るのは…鋼鉄のメンポ!

「ドーモ、サケと香の物をお持ちしました」
「ああ、ありがとう

 平然と応えるイムカと、温泉スタッフ。そして改めて備えられた防水掛け軸を見てみよう。

『ここはただの温泉宿でニンジャの収入源ではない。いいね?』

 奥ゆかしくも完璧なる偽装である。
674 :四五六 七八 【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/05(月) 22:18:02.87 ID:iquHudo60
>>673
「うーん……」

信仰という概念は即ち人間社会の歴史である
それが成立するのはきっと、根源で幸福をもたらすが故なのだろう

「私が貴方と同んなじ位の年になって、そう言えるかなぁ……」

とはイムカの実年齢を知らないからこそ出た言葉

「あのね……」
「ま、貴方がそれでいいならいいけどさ……」

右頬を掻きながらの苦笑
まぁ本人に治すという意思があるのが一番なのだ、治療というのは
その面でいえばきっとイムカは満点だろう

「えっ?」
「そっちに食い付くかぁ……そ、そりゃまぁ、いつかは……」
「ってうわぁっ!?」

平然としたイムカとは反面、何度目か分からぬ事柄に対しても矢張りいつも通りのリアクション
即ち慌てて体を隠すというもの
今でこそこの程度で済んではいるが、最初は風呂桶を投げ付けそうになったものだ

「……」
「ツッコミ待ち、なんだよねぇこれ……?」

メンポを装着した板前の背と、何故か露天風呂に掛けられた掛軸の間を何度か視線を往復させて首を傾げる
675 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/05(月) 22:35:33.09 ID:NXSG2r2Lo
>>674

「同じくらいの年齢か。ああ、そうだな」

 あっさりと告げるイムカ。あとだいたい210年である。
 と、まあ、そこでお嫁さん的な話となって、

「食い付くかぁ?って、それは私も一応、女だ。そういう話は嫌いではないよ。
 ブーケをキャッチできたことは一度も無いけどね」

 そも遺伝種子を受け入れた時点でそういう幸せとは無縁となっている。
 超人化は人間性と人間としての当たり前の幸福が代価となるのだから。

【だからイムカの声音もどこか残念そうな色が混じる】
【と、ここで温泉宿スタッフが出現!】

「私には味は分からないが、こういうシンプルなのは悪くない」

 ポリポリと香の物を肴にサケを飲む。米の濁り酒。中々に悪くないと思う。
 なお、サシミや清酒は無理だ。カネも無ければ鮮度維持など問題も多い。

「ムスメ、私には妻子が居る。特に情欲を起こす気はない」

 糞マジメに七八の反応の対して応えるニン…スタッフ。
 実際、女の尊厳としてどうなの?という微妙な問題も関わってくるかもなのがアレであるが。

【なお、ここのスタッフは全員が同じ顔。同じ身長。同じ体重。同じ年齢。同じ雰囲気。同じ気配】
 【→初日にもしやアレは「分身のじゅ…」と言おうとしたイムカが口をモガモガされたのは記憶に新しい】

 七八の側にも色鮮やかかつ、細工包丁が施された見事な香の物とサケが、
 木細工の船に載せられて、ぷかりと温泉に浮かんだ。

【イムカは少し考える仕草をしてから七八に耳打ち】

「しつこいようだが、君も本当は分身が、出来たr」

 言いたい事はすぐに察してもらえると思う。
676 :四五六 七八 【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/05(月) 22:49:01.21 ID:iquHudo60
>>675
「……ま、努力するけどね」

叶うはずのない夢である
主に寿命的な意味で

「一応って……」
「……ふうん、気になる相手がいたり?」

イムカの瞳を見ていたその視線を、一瞬何処かに落とした気がする
しかし次には直ぐに悪戯っぽい笑みを浮かべて紫を覗き込んだ

「いや、まぁ……悪いとは言ってないよ、美味しいし……」

と、香の物を囓りながら
ニンジャめいたスタッフに、そういう問題じゃないよといった目線をじっとりと投げ掛けるがまぁ無駄だろう
そこの所は初日に諦めていたりする
最も予約もなしに、それも重傷のイムカと住所不定の七八を更に現物支払いで長期滞在させてくれるだけで有難い
文句の出ようがないのもまた事実なのだから
サケに関しては得意でないのだろう、相変わらず余り進む様子ではない

「出来てたまるかってーのっ……」

無論簡単に察し、苦笑
傷の面積の減ったおでこにひとつ、デコピンを弾こうとしてみる
677 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/05(月) 23:03:05.01 ID:NXSG2r2Lo
>>676

「…んっ?気になる相手は居ないな。昔は婚約者も居るには居たが、まあ色々と駄目だった」

 あっさりと答えながらも金糸の髪を少し指で摘みながら言うイムカ。
 24歳までは純粋な人間であったのだ。そりゃ色々あったのは言うまでもない。

【答えながらも少しだけ顔が紅潮しているのは温泉のせいか否かは想像に任せる】

「香の物は我が里でも自慢のものだ。とくと味わうといい」

 格好といい言動といいあからさまにボロを出しているが、
 掛け軸にはニンジャとは無関係と書いているのだから違うと認めねばならないのである。
 また、長期滞在を許可した件については――

(酷い火傷だな。…ここのは実際火傷に効く。ムスメ、金銭は半分でいい。よく来たな)

 と、このようなやり取りがあったりする。
 ニンジャっぽいが不合理なる人間性は十分にあった模様。

【そして、ニンポを使えないのかと問うたイムカにビシっとでこぴん。ちょっと痛い】

「ぬ?いきなり何をするんだ。分身の術は遁術と並んでニンジャの有名な術って聞いているんだ。
 ニンジャである君に出来るのでは無いかなと思うのも無理からぬことだと考えて欲しいものだ。
 そもそも、私に君が教えてくれる投擲術は、そりゃあ興味深くはあるがもっとその、ニンポをだな(ry」

 なお、この投擲術のインストラクションが後にトンデモな化学反応を起こすことになるがそれはまた別の話。
678 :四五六 七八 【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/05(月) 23:22:53.69 ID:iquHudo60
>>677
ふぅん、と面白くなさげな反応
最もその仕草や、仄かに桜めいた風な肌に完全に諦めてはいない様子だが
しかし今の時点では少なくとも問い質すのは不可能だろう
短い、だが割と濃密な付き合いの中で何となく分かり始めている感覚的なものだ

「……ん、美味しい」

実家で食べる浅漬けにも劣らぬ逸品は毎度の事ながら止まらない
温泉とそれと美味しい食事、それに充分な人情
スタッフに対する疑問なんかも何処かに飛んで行ってしまいそうになるものだ
それらしき場面を見れば再沸するのは止むなしとして

「だからー」
「私の知ってる忍者は増えたり飛んだりビーム出したりなんてしないってのっ」
「因みに遁の術もすっごい地味だからね?」

例えば賽印流の水遁などは、水蜘蛛やシュノーケルめいた潜水はたまたのし泳法等水辺全般での技の総称だと説明
投擲技能もある種、土遁や木遁に含まれる面も存在するのだ
679 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/05(月) 23:44:40.10 ID:NXSG2r2Lo
>>678

「うむ…」

 私の知っているニンジャは増えたり飛んだりビーム出したりしない。という言葉を聴きながら、 
 夜空を仰ぐイムカ。なんか、凧に乗った人影が数個、夜空を横から横へ通過していった。

「………」

 全く先程のイタマエ同じ身長体重気配の番頭がシツレイな覗き者を
 力強く「土遁術!イヤーッ!」と言いながら顔から下を土に埋もれさせていたりもする。
 なんという超自然的なる忍術の数々か!

「うーむ」

【そして、七八の説明を聞いても納得とは程遠い声を漏らすイムカ】

(ああ、なるほど。ニンジャはみだりに正体を明かすわけにはいかないものだしな)

 ここでようやく何らかの得心がいったらしい様子で七八の肩をポンと叩くイムカ。

「分かったよ。なるほど、君もニンジャだからな。なるほど、私が不躾すぎた。謝罪する」

 ようやく、納得に到ったようである。(欺瞞)

【とまあ、しばらくはこのようはボケボケとした休暇になるのであろう】


「ところで君の投擲術は運動を利用する類も多いな。
 そこでだが私も閃いて、銃…ええと、とにかく反動というものを上手く戦場格闘技に応用――」

 同時になにやら不穏なトンデモ構想が練られつつもある様子でしたとさ。
680 :四五六 七八 【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/05(月) 23:57:13.91 ID:iquHudo60
>>679
「忍者だけど」
「忍者だけどね?」

ニンジャ達を口を開けて見ていたが真顔で向き直る
しかし説得の為の言葉をこれ以上紡ぐのは最早諦めの域に達している

「……私はほら、彼等とは流派が違うから……」

忍者≠ニンジャの図式を自ら崩し、ニンジャのカテゴリ内に自らを当てはめそして否定
新しいパターンで攻めてみた
これで無理ならまた次の策を布団の中で練るだけだ
こんな休暇も悪くない
肩を叩かれ苦笑、瓦屋根を歩く猫にニャアと笑われた気がした

「大丈夫だよ、銃は知ってる」
「あー、そっか銃使うって前言ってたっけ?」
「格闘? ……銃でぶん殴るの?」

いつかの旅路での会話を思い起こして頷く
しかし少なくとも七八の知る銃は近接武器ではない
681 : ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/06(火) 00:20:51.50 ID:Mc8+ZYAR0
【数時間後】
二人があがってしばし後

???「あぁ・・・今日もくたくただでよ」
???「んだんだ 今日もいっぺぇ働いただ」

ズシンズシンと地響き立てながらやってきたのは妖のデイダラボッチである
そして温泉までやってくると 袴を捲くり上げ

―――ちゃぷん

温泉に足を浸けた

???「あったけぇ・・・・ここの足湯は最高だ」
???「んだんだ 酒飲みながらの足湯は最高だ」

巨大な酒瓶と茶碗を取り出し 酒を飲み始める妖達であったとさ
682 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/06(火) 22:10:46.49 ID:s4uhd2B90
人類の栄華の後の衰退、諸行無常の理を体現した世界
越境の、次元の修正力が働かぬ場合即座に倒れてしまう程の核汚染は浄化される見込みはない
コールタールのように重く、そして冷たい雨が分厚い凍雲から落ち続け昼過ぎだというのに周囲は薄暗い

「……はぁっ……」

頭上のかつてのハイウェイが雨を防いでくれる
下道は所々に破砕痕が疎らに、だが歩けぬ程ではない
左右には背の低い瓦礫の山、辛うじて姿を留めているモノを見ればマーケット街であったのだろう

「スプロールのが全然マシだってんですねぇっ……」

トボトボと当てもなく歩きながら呟いた
同じく汚染著しい、しかしある意味ひとの絶頂期の最中の世界の名を懐かしむように
何せここに来てしばらく、ひとに会っていない
居るのは汚染に対応した変異ネズミや、ミュータントの数々のみ
好戦的な連中と鉢合わせていないのは幸運だ
溜息は白く煙り淀んだ空気に溶けて消えた
683 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2015/01/06(火) 22:18:04.99 ID:QvxRuv5/O
>>682
そのマーケット街の中の1件。
なにやら窓から灯りが漏れている模様。
さらに何かが中にいる音も聞こえてくる。
どうやらこんな汚染の中でも活動してるヤツ
しかも灯りをともすくらいの知性があるやつがいる模様。

「〜〜♪」

ついでに鼻歌まで聞こえてきた。
建物に掲げられた看板は酒場みたいだけど
入ってみる価値はあるかもしれない?

なお、中に入れば携帯炊事セットで簡単なスープパスタ作ってるダークエルフである
684 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/06(火) 22:26:33.99 ID:s4uhd2B90
>>683
「……ん?」

いい加減お腹が空いたし喉が渇いた
携帯食も尽きてしまったし、久々にタイドメイカーの世話になるべきかと諦めかけたその時
漏れる光とそれと鼻歌に気が付く
汚染雨を気にして太い触腕1本を傘代わりに小走り、酒場の中へ

「あっ!」
「アメリアぁっ、久々だってんですねぇっ」

懐かしい、馥郁たる文明の香りが鼻腔を擽る
その調理人に向けて軽い会釈
体内に戻すのが憚られ、外に遺棄したタイドメイカーが萎びて朽ちた
685 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2015/01/06(火) 22:32:53.50 ID:QvxRuv5/O
>>684
「ちゃっす」

携帯コンロに小さなお鍋。
乾燥野菜にスープの元に刻んだソーセージ。
そこにマカロニが少々。
瓦礫の椅子とテーブルには薄手の布。
出会うたびに異世界旅人化が進んでるようです。

「……腹ペコかしら?」

どうやらひと通りこの辺をあさったらしく
看板と同じ文字が書かれた缶詰なんかも少々。
いったいどれだけ経ったのかも、そもそも汚染されてないかも謎。
水ボトルだって中身は変質してるかもしれないのです。

「中身がまともな保障はないけどね?」
686 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/06(火) 22:40:27.50 ID:s4uhd2B90
>>685
「えぇっ、結構っ……」
「……これで少し、分けて貰えせんかっ?」

と、がま口から取り出したのは砂金の粒
この世界に於いては恐らくいや確実に食料よりも価値が劣るだろう
越境先を見越しての交渉が可能な身分同士でしか成立しない取引ではある

「あははっ、もしダメだったらっ……」
「……どうしましょうっ……?」

苦笑、確かにいい香りだがこの世界にあったモノが汚染されていない保障はない
薬なんかもないしなぁと唸り悩むも、空腹を訴えるお腹の虫は素直である
687 :チャーリー"リトルC"マクフライ :2015/01/06(火) 22:42:05.87 ID:fAal2ROFo
>>685-686

「ファックイェス!」

と、二人の耳に聞き覚えのあるハイテンションな声が飛び込んできた。
数m先、錆びた弾丸や、明らかに銃身が曲がっているライフルなどが無造作に吊り下げられた
銃火器店の軒先にいるのは二人も見覚えのあるであろう、男。チャーリー・マクフライであった。

「ヘイ・ガイズ、ヘイ、ヘイ、ガイズ。ヘイ。ワカルか?この俺の今の気分が。
 シード・マシンガンとかアップルボムとかじゃないまともなヤツを目にした俺の気分が。」

小躍りをしながら、一山いくらで売られている壊れた銃の山に手を突っ込みそれを引っ掻き回している。
店主は彼に呆れたような目線を向けていたが、そんなことなどどこ吹く風のようだ。
688 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2015/01/06(火) 22:49:15.64 ID:QvxRuv5/O
>>686
砂金受け取り、小さなルーペで確認。
どうやらそこまで怪しい点は見つからなかったようで
自分のがま口にぽいっと。

「ちなみにこれは全部あたしの持ち込み品製だから安心して」

もともと一人前しか作ってなかったので量はいまいち。
それでもマグカップに盛り付けてパス。
自分の分はまた材料を放り込んで火にかけ直し。

行き先はそのまま窓際です。
集めたガラクタの選別作業に入る模様。

「やっぱ死体あさりはいつまでたっても慣れないものね」

銃弾やら小型のペンライトやらはかっぱらい品か。

>>687
「……外にはゴースト相手に商談してるのもいるみたいだけど」

自分が銃使わないしもう少しマーケット家探ししてもよかったかもしれない。
そういえば銃を求めてるヤツもいたんだった。

「はーい、そこのMr.ギャングスター。
 あんまり騒ぐと突然変異の化け物のランチにされるか
 ストリートゴーストに夢の世界に拉致られるわよ?」

町中に霧がわき始めて、それをスクリーンに
昔の情景が映し出されはじめますネ
689 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/06(火) 22:55:24.70 ID:s4uhd2B90
>>687
「あれっ、いつの間にっ……」
「やっほーってんですよーっ」

聞こえてきた声の方を覗けば、見覚えのあり過ぎる強面
苦笑混じりにその様子を見ていたが、アメリアの挨拶に少し遅れて声を掛けた

「それっ、ちゃんと使えるってんですかっ……?」

やや遠目からでも容易に分かる、大半がジャンクである品々に首を傾げる

>>688
「助かりますってんですよぉっ……」

取引とは別の次元での感謝の言葉
これは礼節だ、金銭や等価交換以上の大事を欠かす事は決して許されるモノではないのだから

「そりゃ、まぁっ……」
「慣れ過ぎるってのも考え物ですしねぇっ……」

苦々しく笑いながら息を吹きかけたスープをひとくち
あちぃっ、と小さく漏らしたがほぅとした吐息は安堵そのモノだ

「何かいいモノ、ありましたってんですかっ?」
690 :チャーリー"リトルC"マクフライ :2015/01/06(火) 23:04:42.36 ID:fAal2ROFo
>>688

「あ!ポンチキ娘か!バカ野郎、俺はあの『ファントムバスターズ』を4回見た男だぞ。
 ついでに言えば『ファントムバスターズ2』も2回みた。こう、アレだ。霊はな、陽気なアレとかに弱いんだ。
 つまりファックとかシットとかそんなんでいい。」

ズンデッデッデッデッデッ!ファントムバスターズ!などと
恐らくテーマ曲らしき物を口ずさみながら妙なポーズを決めた。

実際、モンゴルをはじめとして世界各地には悪霊を遠ざけるためにあえて醜い名前を付ける風習やら、
悪霊避けの効果があると信じられていた○○○を象ったアクセサリーなども古代の遺跡からは出土している。
口汚いが、完全には外れていない……のか?

>>689

「あ、スクィッドガールもいる!というかお前は頭にハニー・フィリングが詰まってるレベルのバカだな!
 俺も少し馬鹿だがこんなモン使えないくらいわかるぞ!」

いきなり罵倒されてしまった。しかし当の本人は悪気がないのが困りものなのだ。

「こういうのから使えそうなパーツを集めて自作するんだよ。
 俺の知り合いのファッキン・ナード・ジジイはパソコン?でそんなんをやってた。」

実際、スプリングだのなんだの使えそうなものを少しづつ集めているようです。
691 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2015/01/06(火) 23:09:52.09 ID:QvxRuv5/O
>>689
「ガスマスクに変えのフィルターが2個。
 ナックルダスターつきのサバイバルナイフに
 空気圧で発射するクロスボウ。
 ずいぶんレトロな構造のサブマシンガン
 あとはストックのスコープ付きのリボルバー」

自分にはあまりむいてない品揃え。
欲しいなら好きにもっていけばいいというところ。
水の入ったボトルと、保存食各種は要取引ですが
こちらは持ち帰るならお好きにどうぞ。

「信号弾はこちらでもらっとくわ。
 それよりも外のほうが気になるわ」

道に満ちた霧の中に、この街がまだ廃墟になる前の光景が映ってる。
ところどころの隙間から、今の廃墟が見えるのがなんとも。

「自然現象か、それとも悪魔の罠かしらね」

>>690
「……生き残りを誘い出す悪魔の罠、が多分正解ね」

上空からなんか羽撃く音が聞こえてくる。
そして、霧の人型に飛び出してきた獣型のナニカが
一瞬で空に運ばれていく光景も見える。

「ファントムバスターズは名作だけど
 この場合は『ジ・ワイバーン』の知識が必要じゃないかしら」

つまりは携行対空ミサイルでぶっとばせ、である。
そうでなければ建物から出てくるな、ともいう。
692 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/06(火) 23:16:31.88 ID:s4uhd2B90
>>690
「ぐぬぬっ……」
「……なるほどってんですっ」

ぐっとなってしかし反論出来ずに終わる
パーツを集めて作製など想像も出来なかったのは事実なのだから
しかしなるほど、一見ガラクタの山に見えるアレらもそういう技術を持つモノからして見れば宝山だということか

「パソコンとかはっ、知ってましたけどっ……」
「銃なんかでも出来るモノなんですってんですねぇっ……」

>>691
「おぉー……」

恐らくこの世界の、何処かに存在しているであろう生き残り達からすれば喉から手が出る程のレパートリーだ
実際ニアからしてみてもガスマスクなんかは欲しい位である

「……なんでしょうねっ、怖いような物悲しいようなぁっ……」

外を見ての感想は何処か呑気
それが果たして悪意に満ちた罠だとしても、街の記憶に触れる事は新鮮だ
畏怖と、それと寂寞にも似た情感が込み上げているのが分かる

「っと、そんな言ってる場合じゃないってんですかっ……?」

だが浸る訳にはいかない
悪魔めいた羽撃きを聞けばタイドメイカー1本を展開、対空警戒にシフト
693 :チャーリー"リトルC"マクフライ :2015/01/06(火) 23:29:02.90 ID:fAal2ROFo
>>691

「それは見てないからなぁ。 ゴーストライダー・イン・ザ・スカイならぬ
 ブルシット・ファッキン・ゴースト・ドラゴン・イン・ザ・スカイだ!」

店には携行対空ミサイルランチャーらしきものも置いてはあるようですが、
錆びとこびりついた血糊だらけで、まともに作動しそうには思えません。

「とりあえず、こっちも適当にツールとかもらっていくか……。」

ネジやはさみ、計量カップとどこであつらえたのか動物の革でできたカバンに
がさがさと使えそうなものを詰め込み。銀食器やらレンズやら世界によっては高値で
取引されそうなものも適当に詰め込んでいく。

>>692

「ウクライナ人から教わったんだ。やつらから武器を何度か買ったが、凄いぞ。
 一度、ちゃんと稼働する赤軍時代の戦車を買いかけた事がある。キャッシュがあと1250ドルあったらなあ。」

ニアはウクライナ、などと言われても何のことやらわからないはずだが、
そんなことはお構いなしに話を続けるチャーリー。彼はどうも、分かっていて相手の都合を
無視しているような気がする。

「もし今度ヤツにあったら、なんかお前用に武器を買っといてやろうか?
 きっと奴ならZAPガンとか、ライトブレイドとかも用意できるぜ。」
694 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2015/01/06(火) 23:33:10.83 ID:QvxRuv5/O
>>692
「どこかから物資集めに出てくるような誰かさんの持ち物だもの。
 実用重視で揃えてるわよね、うん。
 本人、美味しく食べられたあとだったけど」

その原因はさっき獣型のミュータントを拉致ったヤツでしょう。
霧に人をうつして、それにおびき出された獲物を上空から捕食するようなヤツ。

「ここで構えても仕方ないわ。
 向こうは今夜の晩御飯をゲットしたみたいだし、
 あとはここで生きのいいがキャンプしてるのがバレなければ大丈夫よ」

たぶんね、と後付。
どっちにしろこの壁をぶちぬいてくるようであればアウトである。
3体1で倒せる相手ならいいけれど、そうでなければお肉三人分になるだろう。
静かに静かに夜を明かしたほうが多少はマシ、といったところ。
外の幻影はその静かな夜を楽しむ無声映画くらいにはなりそう。

>>693
それはいいけど、騒ぎすぎて
上空から翼竜みたいなのがつっこんでくるよ?

なにせ新鮮で汚染のないお肉ですから。
向こうから見ればごちそうですね。

体躯は少なめに見積もっても4mはある、鉤爪付きの翼竜。
建物を盾にするか、それとも反撃するかはご自由にどうぞ。
695 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/06(火) 23:40:29.02 ID:s4uhd2B90
>>693
「あははっ……それはまぁ、惜しかったですねぇっ……」

1250ドルがどれ程のモノか、そしてウクライナがどの様な国かは一応知識としては存在する
大金であり、そして戦争ばかりの国と言ったイメージではあるが確かに
ニアの故郷の……といっても数週間しか過ごしてはいない……世界に両方とも実在していたのだ
最も地理や金銭、言葉などが同一なだけで現実世界とは掛け離れた世界ではあったが

「えぇとぉっ、それじゃあお願いしておきますってんですねっ……」

オススメのを、と半ば社交辞令めいて頼んでみる
無論実現するとは思ってはいない(失礼)

>>694
「あぁっ、そういう……」

見知らぬ誰かの形見というわけか
そうすると矢張り、手を出すのは余計に憚られてしまう
遠慮だとかそういう次元ではなく、鎮魂の為とでも偽善感情か
それとも霊的な呪縛に対する迷信めいた陳腐な畏怖か
それらが混じり合った実に人間的思考に、ニア自身が気が付く事はない

「……うぅーん……」
「まぁっ、交代で見張りしとけば大丈夫ってんですかねぇっ……」

怖くないはず、不安でないはずははないがだが多人数というのは何より心強い
慣れて見れば外の景色も矢張り、悪いモノでは決してないのだ
696 :チャーリー"リトルC"マクフライ :2015/01/06(火) 23:56:17.38 ID:fAal2ROFo
>>694

チャーリーは向こう見ずなように見えるが底なしの無謀ではなく。
結局口にチャック!のジェスチャーをして屋内にかさこそ。

店内にもそこそこに武器の類は置いてあるので、
部品は事足りるでしょう。

>>695

「しかしこの前は惜しかったなあ。
 もう少しでZAPガンが手に入ったんだが……。」

少し前に転移した近未来世界の廃宇宙船?を思い出す。
手に入れる前に結局転移してしまったのだが、使えそうなビームライフルがあったのだ。

そんなこんなを考えているうちに、チャーリーは武器自作モードに入るのであった。

// そろそろ時間ですのでこれにてお先に。
697 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ :2015/01/07(水) 00:04:00.35 ID:6GVD8rfXO
>>695
「……幸いにして、向こうが囮になってくれるみたいよ?」

向こうは武器も充実してるし、それなりに腕もたつし、
きっとまぁ大丈夫でしょう。
謎な霧は罠でもありますが、良いカモフラージュにもなるはずです。

「とりあえずとっとと食べて
 ついでにあたしの分を作って?
 それを食べたら、籠城の相談でもしましょうか」

最悪、自分がアレを眠らせれば済むと思ってる側は平和なものです。
腹をふくらませたら、あとは毛布にでもくるまりましょうか。

>>696
こっちとは手信号で、「幸運を祈る」とでも送っておきましょう


//
日付変わりますが、そろそろ終わりましょうか
698 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/07(水) 00:17:17.49 ID:2IJ6ucSV0
>>696
「ありゃっ、そうなんですかぁっ……」
「ところで、zapガンってなんですってんでしょうっ……?」

室内に引っ込んでしまったチャーリーの姿に首を傾げて疑問を残す
まぁ明日の朝にでも聞いてみよう、なんなら夜の内に素早く向こうの室内に移動してもいいのだから
後で差し入れでも届けに行こうかなぁなんて思いつつ視線を外した

//お疲れ様でした、ありがとうございましたっ

>>697
「囮ってっ……」
「まぁっ、何もないのが一番ってんですけどぉっ……」

苦笑、マグの中身を啜る
互いに空腹を満たせば……最もアメリアに空腹の概念があるかは未知だが……作戦会議
あの翼竜は視界に頼るハンターだろうか
そうでなければ態々映像霧の中飛び出た相手を狩りなどせず、もっと効率のいい方法を取るだろう
そうであれば霧が晴れた後に行動を開始すればリスクは軽減出来るのではないか
ニアの考えはこうだ
まぁそれが正解かは分からないが、交代で見張りが出来る以上寝ずの番は防げる
久々に安眠出来るなぁと、布団に包まるニアであった

//ではこれで〆させて下さい、ありがとうございましたっ
699 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/07(水) 20:13:58.37 ID:BonKY6WWo

【ヒノモトの国:備前】

 湯治に入り16日目/温泉宿:遊技場

「………」

 イムカ・グリムナーは遊技場に設置された木人と向かい合っている。
 温泉宿にナンデ木人?とか考えてはいけない。
 ちゃんと掛け軸に『ここは遊技場でありニンジャ修行とは無関係。いいね?』と書いてある。

「――セイッ!!」

 シャウトと共に地面が揺れるかのような踏み込み。
 木人との距離をゼロ距離とし、低い姿勢から頂肘を繰り出す。
 ドン!と衝撃音と共に揺れる木人!彼女は即座に身体をひねり、身体の肘から背中という広い部位を用いて、

「ハァッ!!」

 一気に身体ごと叩きつける。ボディチェック、東洋ではテツザンコと呼ばれる技だ。

【バキバキと罅割れるような音が鳴り、一瞬後、弾かれたように木人が支柱より吹き飛び、壁にたたきつけられた】

「何とか快癒…かな?」

 今だ顔は痛ましく包帯に覆われていたが、
 身体の皮膚は概ね、艶やかな肌の色を取り戻し、長い金糸の髪が翻る。
 イムカは、己の身体状態を確かめるように拳を握り締めた。
700 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/07(水) 20:27:17.45 ID:2IJ6ucSV0
>>699
「おー……」
「やるじゃん、太極拳?」

上下が逆さまになった視界にその光景を捉えている
天井深くに差し込んだクナイに両手で掴まり、まるで重力を無視している風に天地を返して屈み込んでいるがためだ
あくまで腕の力のみで成しているある意味力技だというのを、垂れ落ちる黒髪と浴衣の裾が物語っている

「顔のはまだ取れないんだ?」

不思議なものだと思う
全身は大凡完治に近い状況にあるのに、何故顔だけはまだなのだろう
まぁ最も他の場所の治癒が異常に早い、即ち温泉効果の有用性を示しているのかも分からないが
頭に血が逆流する感覚、昂揚にも似たそれをたっぷりと味わいながら七八
701 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/07(水) 20:42:00.63 ID:BonKY6WWo
>>700

「正直、よくわからん。データに残っていたのを再現しているだけだよ」

 イムカ曰く、通常の戦場格闘技で一部成績が振るわなかったための苦肉の手段とのこと。
 それはもちろん、刃物との致命的な相性の悪さだ。ナイフも駄目。銃剣も駄目ときた。

「鈍器の類も使えるのだが、どうもしっくりこなかった。少し訓練した人並み…センスが無い。
 結果として格闘技を引っ張り出したんだが、おかげで極端な戦闘距離になってしまった」

 遠距離戦か、一か八かのゼロ距離格闘戦。間を埋める武器白兵戦がスッポリ抜けている。
 イムカとしても良くないとは承知だがこれはもうどうしようもない。
 短所を無理に埋めるより持ち味を生かすことにした。

【七八の珍妙な逆立ち?というか逆ぶら下がりを見ながら言うイムカ。うむ、やはりニンジャ】

「治癒力のほとんどを身体に回しているからね。顔は後回しだ」

 平然と珍妙な事を言うイムカである。はっきり言ってトンデモ論法の類であるが、
 これはガチで免疫力、治癒力の配分をしているのか、ただの天然か。
 彼女自身語ろうとしないのがまたアレである。

「…七八。改めて礼を言う。ありがとう。君に会えなければここまでこられなかったかもしれない」

 イムカは七八に礼を告げた。そしてそれは同時になにか決断的な色を瞳に秘めていた。

【察せられるだろうか?以前、イムカは京の都を追放された旨を告げていた】
 【→そしてその際、世話になった無力で小さな妖怪達を見捨てることになったことも】
【→現在のイムカはとりあえずは二目と見られぬ姿ではない。京の民に理不尽にバケモノ扱いされないくらいには】
702 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/07(水) 20:57:13.38 ID:2IJ6ucSV0
>>701
「ふぅん、それでその完成度……」

妬けちゃうねぇと苦笑
データ、の単語に引っ掛かるモノはない
最早語るより感覚で、互いにこの世界の民ではないと察している事だろうから
少なくとも七八はそうだ、イムカは越境者なのだろうといつの頃からか半ば確信に近い感覚を持っていた

「……分配出来るとしたら、それまた羨ましい……」

治癒力の返答に対して首を傾げる……とはいえ逆転した姿勢に於いてはやや不自然な運動となるが
まぁきっとそんな力が、能力や異能はたまた魔法技術機能機構があったとしても不思議ではない

「……んや、別に」

苦手なんだよねぇと誤魔化すように笑いながら、優雅な所作で縦に反転し片足ずつ着地

「ま、私は私で楽しかったし、いいよ別に」

口元を左手で隠しながら、目線は泳いで最終的には右ナナメ下
色々と、そうこの旅の執着点が決して此処ではないと、その位は察しているのだ
703 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/07(水) 21:10:09.17 ID:BonKY6WWo
>>702

「まあ、これはあくまで緊急用さ。好んでやりたいとは思わない」

 バケモノみたいな力を持つ能力者や、超絶の技を持つ連中。
 または単純に生物的に強力な存在と対峙するには無理があるとのこと。 
 あくまで一か八かの選択肢…と、イムカ談。

「装備も揃った…私はこれから京の都に向かおうと思う。必要なんだ」

 言いながらもイムカの眼には決断と共に、ある種の足掻きも混じっていた。
 イムカ自身が説明している。おそらく小妖怪達の生存可能性は限りなく低いと。
 かれこれ一ヶ月近くが経過。その間に庇護者を失った無力な妖怪が生き延びられるだろうか?

【イムカは怪我がある程度治った段階で、革を使ってクナイのホルスターや胸当てを自作したり、
 手甲を購入したり(資金は薪割りで稼いだ)して、準備を進めていた】
【理性的に考えれば、全く以って徒労に終わる公算の高い話である。理知的無感情に見えて合理から外れている】

 →イムカは京に向かう。→同行なら次:分かれるならタイミング合わせて別キャラで出現?
704 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/07(水) 21:36:47.40 ID:2IJ6ucSV0
>>703
「……そういうモノ?」

勿体無いなぁと呟き、だが納得もする
銃があるのなら確かにその射程で倒し切れずにいる相手に対する緊急的処置として使えば充分か

「ん、そうだろうね」
「……私は……」
「私は、まぁ……」

共に旅を続けたいと思う気持ちは日毎日毎に大きく育っていた
だがこの世界の理を、百鬼の横行を知ればそれに於いて自身が出来る事の余りの少なさに打ち拉がれるのもまた同時
七八は通常の人に比べれば強いが、だが一族の中で強力な蟻が果たしてどうやって蟷螂に叶おう?

「あ、ちょっと待ってて」
「……これ、お土産」
「……またね」

別れの日、差し出すのは備前の鉄鋼を用いたクナイや調合した薬の数々
賽印流の印が刻まれており、強固でそして軽い

【別れは案外あっさりとしたモノ】
【それは再会を切望する気持ちの表れなのだ】

【京の都、妖怪達の荒屋には別の異能者の気配】
【それは単なる結果論かもしれないが、百鬼夜行から彼等を守るという奇跡に繋がっている】
705 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/07(水) 22:01:06.91 ID:BonKY6WWo
【イムカはクナイと薬を受け取る】

「ありがとう。君から教わった術、無駄にはしない。…何処かの世界でまた」

 イムカも接しているうちに徐々に七八の言葉とこの世界の状況との不整合を察していた。
 また、生きていれば再開できるだろう。願わくば、そのとき敵対する立場でありたくはない。
 そう、イムカは神なる皇帝陛下の慈悲に願ったのだ。

【こうして、イムカ・グリムナーは備前の国を去り、再び京の都に向かった】

 彼女は寝ずに行動可能な遺伝種子の特性を生かし強行軍を行った。
 ゆえに京の都から備前の国に向かったときよりも遥かに短期間で到着することになる。

「なるほど、こうなるか」

 そして――彼女は到着した。朝でありながら空は暗く、分厚い雲に覆われ、
 妖気が京を満たしている。まさに、鉄火場。再度の百鬼夜行。そのタイミングで到着したのだ!

「…我を満たすは皇帝陛下の敵を滅ぼす死。我等の思考を満たすは大いなる智慧。
 我等が進む時、我等の献身も進む。我等は皇帝陛下に選ばれし戦士」

 イムカは聖言を唱える。ここまでどれだけ失敗した。どれだけ為しえなかった。
 敗北続きだった戦いに今度こそ勝利を得られるか。全ての躊躇を振り払うために唱えたのだ。

 −−−−−−−−−

【京の都】

 此度の襲撃は悲惨を極めていた。
 先ず、百鬼夜行の凶暴性が著しく強化されている。見境なしの破壊。
 時には同族同士でも喰らい合う有様だ。

「GAAAAAAAAA!!」
「アバーッ!!」

 地面に鋭い木杭を立て、そこに老若男女問わず貫き醜悪なるオブジェを造る。
 凶暴性だけではない。異常なサディスティック…被虐性がそこにはある。
 それはこれまでの百鬼夜行と何が異なっている。

『血に染めよ!地獄を現出させよ!嘆きを!悲劇を!』

 さもありなん。天空を飛ぶ巨大な狐…否、大妖:九尾狐の叫びが大気を震わせていた。
 大妖が自然と発する妖気に中てられ、百鬼夜行の在り様そのものが強化・変質していた。

【炎に包まれる京。それこそやんごとなきミカドが空を駆け、直々に九尾と対峙せねばならぬほどに】
 【なお、将軍はまたしても姿をくらませた。いつも通りだ。事が過ぎればそ知らぬ顔で戻り権威を振りかざす】

【正に、阿鼻叫喚の地獄である!】
706 :タェンティース・リペア【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2015/01/07(水) 22:18:30.26 ID:2IJ6ucSV0
>>705
「なるほど、今回はまた……」

濁流の如く押し寄せる悪辣
妖気にアテられたイムエトが薄紫の幽光を帯び、制御を失い欠けているのがありありと分かる
剥がれた人工皮膚の各部から覗く稼働を止めた機械が、京の住民達の怯えからの放逐を半人に与えるのは自然だ
そしてその結果、半壊した半人がイムカと同じ道を行き『其処』に辿り着くのもまた必然
結果として彼の荒屋を、其処に住まう小さな住民達を守り抜く事に直結していた
動くのは右腕と両脚のイムエト、機械の補助が大きい左腕は無理だ
>>276での機能停止後、現地のカノッサで受けた補修は活動時間を半人に与えてはいたが技術力の不足が影響してそれだけに過ぎない
さてどうしたものか
何時も左腕に構えている月光を右腕に保ち、そして襲い来る悪鬼の爪や牙を防ぐ

「……出来る限りの事はさせて貰いますっ!!」
707 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/07(水) 22:35:46.62 ID:BonKY6WWo
>>706

「うー…」

 小さな妖怪達は肩を寄せ合いながら、廃屋の影より状況を見守っている。
 酷い有様だったやけどおんな≠ェ京の都より追放されてから、
 彼等は代わるようにやって来たはがねおんな≠同じように匿った。

【新たな庇護を欲して…ではない。小さな妖怪達は夜に人を「ヒェッ¥!」驚かして滋養を得る、
 ある種、肝試し的な存在なのだ。ゆえに人を過度に脅かす気もなければ、困った人を助ける心根もあった】

 もっとも、やけどおんな≠謔閧烽ウらによく分からないはがねおんな≠セ。
 質の悪い水、ボロボロの包帯、しなびた腐りかけの野菜、寝床となる廃屋。
 彼等が与えられるモノは非常に限られていた。

「うー…溶ける」

 一瞬だけ、タェンティースと切り結んでいた妖怪に視線を向けられ、
 影の端っこにいた小さな妖怪が霧散して消滅する。彼等の存在は非常に脆弱でおぼろげだ。
 下位〜中位の妖怪に睨まれただけで消滅し、その滋養に変換されてしまうほどに。

「ブパーッ!マジぃ」

 青色の肌に一つ目、一本角。そして、肥満の体型に大槌。
 ベロリと舌を出す妖怪:弥五郎どんは、イクサ中の滋養摂取を行うと、
 再び、タェンティースに向かって大槌を振り下ろす。

【その間にも新たなメシを補充せんと影に向かって視線をやろうとするがタェンティースが邪魔である】
708 :タェンティース・リペア【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2015/01/07(水) 22:48:04.04 ID:2IJ6ucSV0
>>707
水と、そして土
今の半人はゴーレムに傾向が大きく揺らいだ存在だ
最もそれは活動する為のエネルギーを、魔翌力的要素から多目に取っているというだけであり
体を構成する比率は以前と変わりはしないが

「、もっとしっかり隠れてて下さいっ!!」
「こノぉ!!」

その一喝は、戦闘の邪魔という現実からではない
恩義に報いる為だ、矢張りリアリストになり切れないと内心で苦笑
振り下ろされた鎚、受け止めるにはこの体じゃあ無理だ
回避しかないが、それも間に合わない
結果、左脚部イムエトの膝から下をペシャンコにプレスされてしまう
反撃に振るう月光、軸足を右にしていたのは重畳か
片脚を失ったもののその斬撃の軌跡はブレる事のない一閃と成った
709 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/07(水) 23:10:15.35 ID:zIBw9Jq8o

「イヤーッ!!」

 クナイ・ダートが大量発生した餓鬼の頭部を次々に吹き飛ばす。
 大通りには肉片と化した人々だったものが転がっている。

「………」

 努めて無感情に徹し、先を急ぐイムカ。
 何処に?ミカドとやらを護る義理はない。町人を救助するほど余裕はない。
 ただただ、恩義に報いるためにイムカは駆ける。

 −−−−−−−−−−
>>708

「ガッハッハ!!」

 グシャリと潰れた足を見て、野太い笑い声を発する弥五郎どん。
 が、すぐさま放たれた一閃が突き出た腹を破り、内臓を露出させた!

「ぐわーッ!!おのれぇ!!」

 が、しかし!九尾狐により強化された妖怪のなんたる耐久力か。
 毀れた内臓をすだれのように振り回しながらも戦闘能力は健在!

「妖術:暴れ石」

 弥五郎どんが真っ青な指で印を刻むと同時、
 術式文字による陣が虚空に展開。すぐさま大地が盛り上がり、大岩が出現。宙に浮く。

「ぶっつぶれろぉー!!」

 大岩が二つ、弥五郎どんの側面から真っ直ぐに機人に向かって襲い掛かる。

【単純なる質量攻撃。だが、それゆえに速度の乗ったそれの威力は推して知るべし!】
710 :セラ :2015/01/07(水) 23:16:34.34 ID:JfKDRXoTo

――ズガッ!!

燃え盛る長屋の一角が崩れ、低級の妖怪が飛び出してきた。
いや、人のそれと変わらぬ真っ赤な血をふりまいている、斬り飛ばされたのだ!

「……本当に不愉快ね、流れる血も人と大して変わらないなんて。」

続けて、長屋から姿を現したのは異国の剣士、セラ。
障子戸から破りとったと思われる和紙を用いて、己の得物にべったりとついた
血糊をふき取ると、それを燃え盛る火に投げ入れる。

そして、その視線の先には……。

「へぇ、こんどは図体の大きなのがいるわね。
 大きいだけで見かけ倒し、なんてのじゃなければいいけど。」

弥五郎どん、なる青白い一角鬼。
ざらつくほど酷薄な視線をそれに向けると、ひゅんひゅんとレイピアを手首で回し
遊ばせながら、ゆっくりと近づく。

一歩、二歩、三歩……その歩みは徐々にアクセルを踏む様に徐々に加速しつつあった。
711 :タェンティース・リペア【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2015/01/07(水) 23:21:54.42 ID:2IJ6ucSV0
>>709
「!?」
「……障壁展開!!」

驚愕すべきは2箇所
その耐久力と、それと妖術の使用
何方も半人が状況を的確に見抜き、分析を行っていれば気が付けたかも分からない事柄だ
それ程までにこの状況は普通ではないのだから、九尾舞う黄昏は
咄嗟に展開した魔翌力のバリアーフィールド、だが完全防御には及ばぬのは明らか
月光を盾に構え、2段防御とするも勢いは完全には消せない
だが片脚のみで上手く跳たのが幸いし、潰される事は回避し吹き飛ばされるだけに終わった
受身、数mを滑りその途中で月光を咥える
引き抜いたブレードを失った左脚に突き刺す
緊急の義足だ、刃を持つ脚
踏み込むには不利なそれを庇うように右脚で一足飛び、構え直した月光での刺突を試みる
是非に構わずくるり宙転、ブレードの脚での斬撃蹴りをセットでお見舞いしてやろうとの狙いもある

>>710
「……!?」

飛翔の途中、一瞬その姿を目視
だが今現在判明している脅威……弥五郎どんへと対応が優先されたらしい
712 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/07(水) 23:27:01.63 ID:zIBw9Jq8o
>>710

「お待ちなせぇ」

 そのようなセラの横より声。発したのは入道である。
 破戒僧染みたボロボロの僧服を荒く着こなし、首の数珠がチャリと音を発する。

【不自然は所があるとすれば精々、その頭部が明らかに身体よりも大きいアンバランスさであることと、
 その瞳が一つだけしかなかったというところか。妖怪:一つ目入道…新手の出現である!】

「美味そうな娘さん。あんな野蛮なヤツよりあっしと遊びましょうや。
 踊り食い、刺身食い、火あぶり食い。何でもござれでずせぇ」

 好色な笑みを浮かべながら告げる一ツ目入道。

「もちろん、食う前には前後運動。人界じゃあ味わえねぇ極楽を見せてさしあげやす。
 おっと、その前にその物騒な手足はいらねぇなぁ」

 ブンと手を振る入道。それだけだ、あとは精々風がざわつくくらいの――

【一ツ目入道が放ったのは不可視のカマイタチである!視覚では追えぬ初見殺し!果たして察知可能か!?】
713 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/07(水) 23:37:31.91 ID:zIBw9Jq8o
>>711

「ハァハァ!吹っ飛びやがったぁ!」

 そうして、腸が毀れた腹を内臓ごとバンと叩く。
 正気の沙汰とは思えぬが、妖怪の正気など理解は出来ぬが寧ろ当たり前。
 よだれが溢れる舌で裂けた唇をベロオリと嘗め回すと、

「傷がイッデェ。とりあえずメシだぁ」

 ギロオリと廃屋の影を睨む。声ならぬ叫び。再び何体もの小妖怪が消滅。
 弥五郎どんの腹の傷が少しだけふさがる。

「もっと見ねぇど…んあぁ?」

 そして眼前のカラクリ娘が今度は太刀を脚代わりにして立つという異様。
 そのまま、こちらに跳躍、ならば叩き落すのみ。

「ぶっ潰してやんよぉ!」

 大槌を大きく振りかぶり迎撃態勢をとる弥五郎どん。その時!

「イヤーッ!!」

 横手よりシャウトと共に弥五郎どんの手首に突き刺さる幾つものクナイダート!
 振りかぶられた大槌はそのまま明後日の方向に吹き飛び、待っているのはタェンティースの斬撃!

「アバーッ!!」

 そのまま、タェンティースの突きが心の臓に突き立てられ、斬脚がはみ出た臓器を切り刻んだ!!
 溢れるおぞましい血液。バタリと倒れる弥五郎どん。

「ジ…死にだぐねぇ…もっど暴れで、もっどごろすんだぁ…だすげでぐでぇ!!」

 倒れるや否や、タェンティースに命乞いをする弥五郎どん。
 何とか、廃屋の影に視線を通さんとズリズリと位置を変えようともしている。
714 :タェンティース・リペア【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage]:2015/01/07(水) 23:47:49.91 ID:2IJ6ucSV0
>>713
小さな妖怪達の消滅に、自身のこころの海に白い飛沫を纏う荒波が揺れるのを感じる
迎撃態勢を取る相手に、特攻とも等しい無謀な突撃を敢行する半人
大槌が振り上げられるのを見た、終焉を覚悟しせめて相討ちをと歯を食い縛る
だがそれは訪れず、ただ奇跡のみがやって来た

「……」

命乞いをものともせず、否最早弥五郎どんに対しての一切の興味はトドメとすべき斬撃一閃のみとなった
無慈悲で、それでいて只管に即死を求めた頭蓋への刺突
廃屋の影に、彼等に決してこれ以上の被害を出したくはない
視線は自然と、クナイの飛んできた方向へ向く
715 :セラ :2015/01/07(水) 23:50:08.01 ID:JfKDRXoTo
>>712

――ひゅいん。

文字通り、セラの両手のレイピアが風を切った。

セラが生まれ育った世界では修練や教育こそ必要なものの、
体系だった魔術が存在しており、その素養がある物は魔翌力やマナといったエネルギーを
感じることができる。

セラも教育こそ受けていないが、そうした類を『なんとなく』程度には
感じる事ができる素養があった事、そして何より実戦でそれなりに視線をくぐった経験、
何より彼女最大の持ち味である天性の『カン』。それらを持ち合わせたことが幸いして、
とっさに、ではあるが不可視であるはずの鎌鼬を感知し、はじき返すことができた。

「あら、東洋の国では礼を重んじるとお母様の蔵書で読んだ事があったけれど、
 それはやはり間違いだったのかしら?それとも、東洋式の礼は相手の四肢を削ぐ事なのかしら。
 礼、というには少しばかり野蛮だけれど、わたし好みではあるわね。」

くつくつ、と。セラは挑発するように笑いながら、入道の周囲をぐるりと円を描きながら足を運ぶ。
半ば洞察、半ば余裕の態度めいたその動きは入道の次の動きを待っているようだった。

「となると……その陳腐な風の手品は一体何なのかしら?
 私の手足は見ての通り健在。東洋の野蛮な儀式とはいえ、これではあなた、礼を失しているのではなくて?」
716 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/07(水) 23:53:55.37 ID:zIBw9Jq8o
>>714

「アババーッ!!」

 タェンティースの無慈悲な一撃により、頭部を真っ二つにされた弥五郎どんは消滅。
 そして、スタッと、タェンティースが見る影が納屋の上より着地する。

【彼女には判別できるだろうか?包帯に隠された顔。装備は見る影もない程に原始的(基準が遠未来)】
【分かるとすれば金色の長い髪に、二つの心音。そして、慄然とした声】

「…君はいつもボロボロだな。主観時間…15年ぶりだ。タェンティース」

 指をプラチナブロンドの髪に絡めて、外套のようにバサァと翻す。

「戦闘続行は可能か?キツイならあの廃屋の影に居てくれ。視線を通されたくない」
717 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/07(水) 23:57:07.54 ID:zIBw9Jq8o
>>715

「ほぉほぉ、強気な娘っこだぁ。異国の娘…組し抱くのが楽しみだぁ」

 ベロリと舌なめずりする一ツ目入道。
 そのまま、ドシンドシンと歩みだす。すーっと香りをかぐ。異国の女。上玉。スメル。

「風が駄目なら引きちぎってオモチャだな」

 大きな手がセラに迫る。実際巨大な体躯に相応しい巨木が如き腕。
 掴まれたら実際に女人の細腕などそのまま楽に圧し折れそうなほどのプレッシャーがある!
718 :タェンティース・リペア【ドレス・イムエト】E.ブレード.月光 [sage saga]:2015/01/08(木) 00:03:05.42 ID:NV/JYNZB0
>>716
「……!」
「私は、そうですね……」
「……でも、そちらも負けてはいないかと」

スカーフのように棚引かせる黒い布
口元まで上げて、戦闘中に思わず漏れる嬉々の笑みを隠した

「私からしてもとある事情により時間計測が不可能になってはいますが、ご無沙汰ですと言って過言はない程度には」
「ご無沙汰しております、イムカ様」

まるで怒られるのを怖がる子供みたいだと自分自身思わなくもない
だけどそれでいて矢張り再会を喜ぶのは自然の摂理なのだ、仕方ないと自己肯定
恭しくしかし嫌味っぽさを与えぬ所作で一礼

「……そう、ですね」
「継続はやや困難です、コピー」

己の状態くらいは判断出来る、魔力も少ないしイムエトもボロボロだ
だが防衛位なら叶う、そしてそれが今成すべき事だという事も分かる
荒屋の影の小さな恩人達を護るべく、半人は鋼の義足を鳴らした

//すみませんがここらで抜けます
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
719 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 [sage]:2015/01/08(木) 00:07:11.24 ID:T7ba/2Y40
ズガガガガガ

小隊の機関銃がたった3秒火を吹いた先には大量の化け物の死体が転がっている
だけである。あと赤い水溜まりができている

「おもしろくないなー、ほんと。」
小隊を警備にまわし、黒服の男は腰の拳銃を抜き一人、能力者の群へ飛び込もうと一歩ずつすすむ。
「さて、ここに来て6日。ストレスが溜まっててねえ」
ニヤリと笑い、銃口を一つ目入道に向ける。
引き金を指をかけ−−−
720 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/08(木) 00:14:09.32 ID:LyXpnK6Jo
>>719

 だが、ここは戦場!ハードラックは不意に訪れるものであり、
 全包囲を警戒せねばならぬ死地であることに変わりは無し!

【ゆえに機銃掃射による殺戮を恣にしていた神埼にもそれは訪れる】

「KYYUUUAAAAAAAAAAAA!!」

 耳を劈く大音量の咆哮!そして天空より飛来する圧倒的存在感!!
 それは大妖:九尾狐である!ミカドと対峙するこの傾国の大妖が、神埼の直ぐ側を掠めたのだ!

【だが、その巨大すぎる存在ゆえにただ通り過ぎるという動作そのものが破壊的である】

 直線状の妖怪は瞬時に破裂、消滅し、逃げ惑う民衆を塵と化し、
 ミカドに健気に助力せんと槍を突き出したサムライ集は下半身のみとなりパタリとむなしく倒れる。

【ゴ!ッとただ通過するだけ。しかしそれは暴走機関車を遥かに凶悪化した死そのものとなって神埼に迫っていた!】
 【→神埼の戦場対応能力が問われるだろう】
721 :セラ :2015/01/08(木) 00:17:47.93 ID:1r7dWrx3o
>>717

たん、と軽く地面を蹴り、自身を掴もうと腕を伸ばす入道の間合いから
ほんの一寸ばかり外れた距離にするりと逃れるセラ。その身のこなしはまるで
宙を舞う羽毛の様に重力を感じさせず、遊んでいるようにも見える。

「……ふふふっ、そんなに私がほしいのなら捕まえてみればいいわ。
 のろまな鬼さん、こっちよ。」

しかしその際、チャンスがあればすかさず腕に一撃を加えるのを忘れはしない。
722 :【神崎琢磨】【ノンデクション】 :2015/01/08(木) 00:23:32.22 ID:T7ba/2Y40
//PCがフリーズして書き込めそうにないので自分のレスは無視してください 
//本当にすいません
723 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/08(木) 00:24:18.17 ID:LyXpnK6Jo
>>721

「へぇへぇへぇ」

 一ツ目入道もそれこそ遊んでいるかのように手をブンブン振り回す。
 そして隙だらけのため実際、刺突を行うのはあまりにも容易であろうが、

【ドッ!と鈍い感触と共に入る一撃。が、その穴は瞬時にふさがる】
 【天空を駆け、ミカドと対峙する九尾狐が放つ妖気がこの妖怪に大きなパワを与えているのだ】

「すばしっこいが…それだけだぁなぁ」

 腕を振りながら、その巨大な眼でセラを凝視する。
 その瞳の虹彩は徐々に複雑な色相を帯びていく。

【これは魔眼の類である!徐々にセラはこの眼の超自然的な力により視線を反らせなくなっていくであろう!】
【→ 一箇所、一つ所しか見れなくなるというのが闘いにおいてどれだけ危険な事かは言うまでもない】
724 :セラ :2015/01/08(木) 00:51:30.62 ID:1r7dWrx3o
>>723

「あなたも大きいけれど……それだけみたいね。」

(再生力はトロールよりも上かしら……。思ったより刻みがいがあるわ。)

興奮、スリル、嗜虐心、いくばくかの恐怖と焦り。それらのスパイスは思考にカオスを生じさせる。
セラはその思考のカオスを楽しむために戦いに身を投じているといっても過言ではない。
貴族という立場が縛ってきた自分をこの原始的混沌が解放してくれているように感じるからだ。

(へぇ、見た目は野暮ったいけどなかなかロマンチックな術を使うじゃない。
 いいわ、なかなかいいわよ、あなた。ああ、虐めてあげたくなるわ……。)

頬に汗が伝い、口の端に落ちる。
それをぺろりと舌で絡め取って挑発的に歪んだ怪しげな視線を入道をへと投げかけた。
そう、入道の魔眼を敢えて正面から受けたのだ。あえて自分から火の中に身を投じるような所業だが……。
セラは危険があればそれに身を投じ続けるのだろう。炎に巻かれ、己が身を破滅させるまで。

「そろそろこちらからもいかせてもらうわよ……!」

――ジャリッ!

足音が変わる。今までの舞踊のような軽い足音と違い、しっかりと地面を踏みしめた武闘のためのステップだ。
伸ばした腕をボクシングのヘッドスリップのような動きですりぬけつつ、腕を斬りつけ。そのままさらに眼球を一突きにせんと突貫を慣行!
725 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/08(木) 00:58:52.60 ID:LyXpnK6Jo
>>724

「みーんなそうするんだなぁ」

 ニヤリと笑う一ツ目入道。そう、この妖怪の術中にはまったモノは、
 十中八九、この術の根源たる瞳を狙う。そのそれ以外に視線を向けられなくなる。
 ゆえに攻撃の軌道を見極めるのは全く以って容易なのだ!

【シャッ!と鋭い一撃と飛ぶ血しぶき。が、それは入道の大きな顔の頬を一部抉っただけに留まる】

「ヌゥン!!」

 そして、回避の不安定な姿勢から、反撃優先で横手より巨大な張り手が迫る。
 大きな手、それはシンプルに大きな質量!ゆえにまるで大壁が迫るが如き勢いでセラに迫った!!

【足元が見えない!横から来る攻撃も見えないであろう!何せ瞳から視線を反らすことが出来ないのだ!】
726 :セラ :2015/01/08(木) 22:01:58.84 ID:1r7dWrx3o
>>725

セラはとっさに防御の構えをとった。
何のことはない、たとえ相手の瞳しか見えなくともその瞳の細かな動き、
視界の端に入ってくる首周りの動き、頭の動かし方から見えてくるシフトウェイトの動作。
それら細かな情報を拾い集めれば、動きはおのずと見えてくるのだから。

しかし……。

――グシャッ!!

次の瞬間、響いたのは平手打ちの音とは思えぬ強烈な打撃音。
たとえ防御行動をとったとしても、入道は人間の四肢をもぎ取るほどの怪力。
大の大人とて、その防御ごと潰されるのがオチであり線の細いセラなどご多分に漏れない……はずだった。

「……本当に大きいだけなのね。ほら、もう少し頑張ってくれないと。」

剣を体の横で十字に交差させるように組んだ堅固な防御姿勢。
セラは入道の掌を受け止めて見せた。これはひとえに、愛剣アンヘルに付与された『防護』の術式の効果に他ならない。
さすがにいつものように片手で相手の攻撃を受け流しながら、とはいかないが速度に優れるセラにとってはそれでも十分。

「――ふっ!」

息を吐きながら、一瞬の隙を狙って再び瞳を狙う。
しかしこれは、いかなることか?瞳を狙う、と十分に分かっている相手に、
さらにはいましがた回避されたばかりの部位を狙うとは……。
727 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/08(木) 22:23:11.34 ID:LyXpnK6Jo
>>726

「おやぁ?なんでぇ動けるんですけぇ?」

 線の細い娘なと行動不能にするにはあまりある力を込めたはずなのに
 平然とした態度のセラをいぶかしむ一ツ目入道。

【自分の掌とセラを見比べて首をかしげるばかり】

 しかし考えるまもなく飛んでくる新たなる突き。
 なんと、すばしっこい剣術もあったものか。

「あぁ、無駄と言っているんですがねぇ」

 しかし、瞳しか狙わない(概ね狙えなくなる)のであれば、
 多少の隙を突かれ様が回避するのは容易い。首をひねって悠々と回避する。

「すばしっこい!先ずは止めるとしやしょう!妖術:鬼道」

 術式文字が展開すると全方位にヴァッと紅いオーラが広がる。

鬼の道とは怒りの道にて修羅の道…修羅は破滅へといたる道

【妖術:鬼道…(範囲は一ツ目入道から一定全方位
 一定範囲対象の心中に持つ殺意・狂気が痛みとなって跳ね返り全身を苛む術。致命とはなりえぬ効力。
 ある種の悟りを開眼していたり、心根の醜さに愉悦を覚えるレベルで正気でない場合は無効】
728 :セラ :2015/01/08(木) 22:46:00.03 ID:1r7dWrx3o
>>727

「さあ、その足りないアタマでかんがえてごらんなさ――。」

もう一つ、二つ、突きを重ねる。
愚直に。ただ愚直に瞳を狙い。ただそれだけしかないという風に剣を突き出す。
しかし、妖術の赤いオーラに呑まれた瞬間、その攻撃の手が止まった。

「――っ、ぐうぅぁ……!」

狂気や殺意、それはセラが好んで身を任せる感情ではあったが、
セラは『鬼畜』、『畜生』の類には落ち切ってはいない。あくまでも人の身に宿せる獣性を
発揮しているにすぎず、ゆえにそれは強烈な痛みとなって己が身へと跳ね返ったのだ。

「か、はっ……!!」

まるで、肺を握りつぶされ空気が全て絞り出されてしまったかのような感覚。
セラは己が身を抱きしめるように悶え、その場に崩れるしかなかった。
729 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/08(木) 22:52:49.75 ID:LyXpnK6Jo
>>728

「ッ――グゥア!?」

 妖術は発動した。しかし、一ツ目入道もまた苦悶。見よ、その瞳に一閃の傷が出来ている。
 これは二連続の突き、容易に回避できると踏んでいたそれが僅かに眼球を削っていたのだ!

【ほぼ一動作で二連の突きを放つ。これは刺突剣の動きがヒノモトでは見慣れぬものであり、
 一ツ目入道のいわば常識の外であったことが回避を困難なものとした】

「己ぇ…前後はもうヤメダァ!潰してタタキにしてそのままくっでやりやしょおおお!!」

 血液が毀れる眼球か怒りで血走り、ノシノシと地に伏すセラに向かって前進する入道。
 術の集中が衰えているのか、周囲の赤きオーラが弱まっている。

【→ 妖術:鬼道の効力が低下】
【→ 一ツ目の効力が解除】

「ぶっ潰しでやるぅううう!!」

 ぐわんと足を大きく上げる一ツ目入道。
 そのまま頭部を踏み潰すカイシャクの構えだ!
730 :セラ :2015/01/08(木) 23:08:18.76 ID:1r7dWrx3o
>>729

「くっ……はぁ、ハァッ!ハァッ!ぐ、ぅううっ……!!!」

(よ、妖術の類……みたいね……キツいこと、してくれるじゃない……!!)

未だ肩で息をするセラ、しかし入道も傷を受け集中が途切れたこともあってか効果が薄い。
この程度なら、どうにか体が動く。思考も限界を超えた痛みで食いつぶされそうだった先ほどに比べれば
幾分か正常だ。

かがんだ姿勢から、とっさにスタートを切り踏みつぶしを回避すると
未だ少し、おぼつかない手で剣を構えて。

「……痛いのも……嫌いじゃないけれど、これはすこしやりすぎ……よ、あなた。」

眼球に剣を再び突き立てるべく、繰り出す。
一つ、二つ、三つ、四つ、五つ……早い。威力こそさほどではないが早さだけなら先ほどの物よりも上。
いや、六つ、七つ、八つ!さらにギアが上がる!

「楽には『ころしてあげない』。」

狙いはただ、愚直に、一つ覚えに、ただ一点眼球のみ!
しかしこれを。速射砲のように繰り出される刺突は来ると分かっていても、果たして避けられるものなのだろうか?
731 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/08(木) 23:22:35.10 ID:LyXpnK6Jo
>>780

「死になせぇ!」

 ドスーン!と踏み潰す!そこにザクロのように潰れたセラの頭部…はない!
 咄嗟に踏み込んだセラに回避されたのだ。

【瞬間!カウンターで襲い掛かる幾つもの刺突。それも一つや二つどころではない!】

 突き刺し、戻し、また突き刺す。それに特化された剣技が一ツ目入道の眼球に次々と細かな穴を穿っていく!
 威力こそそれほどでもないのであろうが、怒涛の突きに対する完全回避など土台無理な話だ。

「ぐ…ぐぞおおお!人間の雌ごときがぁ!!」

 だらだらと血液を流す巨大な目をかばいながらヨロヨロと後退する入道。
 口調も最早取り繕う余裕も無くなったのか地金で出ている。

「見、見えねぇ!見えねぇがもう一度…!妖術:鬼――」

 視界を奪われたこの局面で一定範囲効力のある妖術は戦術的な理がある。
 が、しかし、

【黒い何かが横切り、印を組むべき右手指が数本、プンと軽い音と共に宙を舞っていなかったならば、だが】

「なぁ?!」

 慌てて、左手で印を組もうとする一ツ目入道。実際セラの速度ならば踏み込むには十分すぎる隙。
 後は、このトロール以上の再生力を備えた相手を屠り去る火力が必要となるが?

【機を逃せばたちまち眼球を修復させ、元の木阿弥となりかねない局面である】
732 :セラ :2015/01/08(木) 23:51:55.16 ID:1r7dWrx3o
>>731

「死ぬのはあなたよ。ねえ、分かる?ちょっとずつ、ほんのちょっとづつ死が近づいているのが。
 このまま掘り削っていけば、どうなるかは愚鈍な東洋のモノノケにもわかるでしょう?」

刺突、刺突、また刺突!セラの攻撃はもう止まらない。
ガトリング砲よろしく繰り出される剣は入道の再生スピードを少し上回る程度の速さで
『眼球』を文字通り掘り削っていくのだ。

その痛み、そして激痛は語るに余りある。
淫を結ぶほどの精神的余裕が生まれるかどうかはべつとして……。

――ヒュパッ!!

その突きの矛先は指にまで向くのだからたまらない。
印を結ぼうとすれば、その組んだ指までを居止めにかかってくる恐ろしいまでのハンドスピード。
之こそが彼女の異名の所以……風精シルフィードの如きと称された彼女の剣であった。
733 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/09(金) 00:11:00.42 ID:2oLrs0koo
>>732

「ガ…ア…アアアアアアッ!!」

 エゲツナイ。その一言に尽きる。言葉で心を圧し折り、さらにその剣技にて肉体を削りきる。
 わざわざ、再生スピードに合わせて削る≠ニいう技巧なれど凄惨なワザマエを以って。

【左手の印も指まで片っ端から削られるのだから堪ったものではない】

「ヒィイイイ!!ヒィイイイイ!!」

 そも印を刻んだとて最早、術の発動に必要な集中が出来る有様ではない。
 一ツ目入道の身体より大きな顔はそのほとんどを削り取られ、
 やがては、霊核すらも削り潰されて消失、痛みという痛みを存分に味わいつくし消滅を強いられることとなった!

 −−−−−−−−−−−−−

「なんとも容赦の無い事だな」

 クナイを構えていたイムカはそれを見て元に戻す。
 果たして、あの様子では余計な援護も無用であったろうかと思う。

【顔を包帯で覆っている革の胸当てと手甲、身体の各所にクナイホルスターという粗末な格好の女】
【→トドメの手前、入道の指を吹き飛ばしたのはクナイであろう】
【→プラチナブロンドの髪の女。どこかで聞き覚えのある声音かもしれないが、見覚えは無いはず(狂人は身なりが酷すぎた)】

「ほら、終わるぞ」

 天空を見れば、ニンジャ達がそれぞれ、決死の覚悟で封印縛鎖を口寄せし、九尾の動きを阻害。
 そして、ミカドが振りかざす草薙の剣の金色の光が雲を真っ二つに引き裂き、大妖に振り下ろされる。
 大炎が空を蒼く染め、衝撃波がばら撒かれるたびに大地に圧力となって叩き付けられる。

【そして尾の数本を負傷した九尾狐がミカドを怒気に満ちた眼で一睨みすると…そのままきひずを返して消えていく】
 【暗雲が晴れ、百鬼夜行も実体を失ったかのようにおぼろげとなり、波が引くように京の都より消えていく】
734 :セラ :2015/01/09(金) 00:32:22.54 ID:AbQQo5Qvo
>>733

「はぁ……はぁ……ちっ……口の中いつのまにか切ってる……。
 受けた時かしら……。」

入道が消滅しきったあと、セラは肩で息をしながらその場にしりもちをつくように倒れた。
ギリギリの勝利。しかしどことなく充足感が足りなかった。

(あの妖術は厄介だったわね……でも、アレを発動させずに、
 もっと圧倒して勝てたはず、どうして?私に何が足りなかった……?)

天才たる自負を持つセラにとって、納得のいく快勝とはいかなかった事がその理由だろう。
しかして、勝利は勝利。ひとまず、命を繋げたことに感謝をすべきなのだろう。

「そうかしら、当然の末路だと思うけれど?
 それに、最初はあの妖怪が言ってたように、四肢を斬りおとして
 一晩ほど『東洋風の礼』を尽くすつもりだったんだけれど、それよりはまだ生ぬるいわ。」

セラはあえて、礼を言わずイムカに強がりの言葉をまずはいた。
印を組む指を削ぎ落した援護はこの女からの物だろう、と装備を見て分かったが
助けられた反面、戦いの邪魔をされたという思いもあり素直になれなかったのだ。

「……ま、とりあえず終わったし。今更どうこう言ってもしょうがない……か……。
 う、うぅ……う……すごく……つかれた……。」

腕を顔の上に当て、そのまま身を横たえる。
ダメージを受け、予想以上に披露していたセラは……そのまま、1時間ほど眠り込んでしまったという。

// 〆こんなかんじでいいでしょうか。

735 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/09(金) 00:43:31.24 ID:2oLrs0koo
>>734

「全く、怖い連中ばかりだよ」

 金色の髪に指を流しながら、イムカは嘆息をついた。
 空は晴れた。そして、廃屋からもじもじと生き残った小妖怪たちが顔を覗かせている。
 タェンティースが他の妖怪の目線から彼等を護ってくれていたのだろう。

「うー…やけどおんなぁ」
「ああ、ただいま」

 小妖怪達に挨拶をし、セラを見やる、路上で横になられては迷惑千万だ。
 それに人心が荒れているこの現状では彼女は無防備になれば追い剥ぎか人買いにさらわれかねない。
 とりあえず、廃屋の床に転がしておいてやるくらいはしようと思った。

【自分を追放に追いやった仇…とは思わなかった。彼女は彼女の責務を果たしただけだ】
【もっとも、イムカのこういう考え方がセラを苛立たせるところかもしれないが】

「考えなきゃいけないことばかり。どうしたものかな」

 この区画はまだ無事だが、これから火消しなどは大忙しだろう。
 またも多くの死人が出ており、京の都が斜陽であることに変わりなし。

「まあ、今は…身体を休めるかな」

 そしてタェンティースも回収してから、イムカは廃屋の障子をピシャリと閉めるのであった。

//乙であります1
736 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/10(土) 00:15:35.59 ID:2+E7QtfTO
【カノッサ機関・巨大艦艇】
様々なエリアを横断的につなぐ組織にとって
メンバーが十分な休息が取れるというのも結構大事なこと。
とはいってもこのレインボウな窓の外を見てどれだけ休めるかは疑問ではある。
褐色肌の長耳少女にとってはあんまり心やすまる空間じゃない。

「窓の外が超空間ってのはそれなりにレア。
 それを見ながらできるのがコーヒーと軽食だけというのはもっとレア……」

縁があれば引かれやすくなるとはいうが、組織のしがらみも縁に含まれるのだろうか。
飲食に苦労しないのは助かるけど、カノッサのコーヒーはどこも美味しくないのだろうか。
……少なくともここのはほぼ泥水だ。

「カノッサのつながりがなかったら幽霊船にしてたな」

景色は落ち着かず、エサもまずけりゃ心もすさむのです
737 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/01/10(土) 00:26:43.02 ID:JyQcZxbNo
>>736

 と、ここでカフェテラス近くのエレベーターが降りてくる。
 それ自体は別段、変わったところはない。味の悪い朝食を出すにしても、
 とりあえずは、ここで食事を取ろうという者が居ないわけではない。

「………」

 しかし、降りてきた者がこのときは違った。
 ヨブ・バロウズ。黒い噂の堪えない偽善者であるというよく分からない風評の男。
 求道的な気質の者か、戦闘狂が多いカノッサの中では珍しく権力志向を自称している。

【何時から組織に居たのか出身定かならぬ男。気付けば重要な地位を手に入れていたという類】

「いつものヤツを」

 耳通りの良すぎるバリトンの声。青年と呼ぶには歳経て壮年と呼ぶには若すぎるその顔は、
 落ち着いたダンディズム?とでも呼ぶのが適切であろうか。 

【そして、おお見よ。驚愕。なんと、プライムがドロみたいと酷評したコーヒーを実に美味そうに飲んでいるではないか!】
738 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/10(土) 00:37:28.16 ID:2+E7QtfTO
>>737
まずは驚愕。
全力で驚愕。
……自販機と店員で味が違うのか?
それともこの泥湯が美味しいと思える神経なのか?

「……ダンディズムにはハッタリも重要?」

近い位置に勝手に移動して会話のジャブ開始。
向こうが此方をどの程度知っているかは横に置き
権力志向な人種との会話パターン構築が目標。

「味覚改造者? 味音痴? それともこの船の所属体系用の味覚調整?
 ……もしくは裏メニュー?」

あ、これパターン構築とか建前だわ。
たぶん元になった人格に引っ張られた好奇心の方がベースだわ。

「こんなに泥水なのにおじさまは美味しそうに飲む。
 なんで?」
739 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/01/10(土) 00:51:45.97 ID:JyQcZxbNo
>>738

「おや、君は」

 パンに丁寧にバターナイフでバターを塗っていたところ横から声。
 バロウズの脳内に記憶されている膨大なエージェントの情報が参照される。
 たしか、カノッサが鹵獲した情報生命体の実験複製体だったか?

「おや、このコーヒーの事かね。いや、私は味覚は正常のつもりだよ。
 このコーヒーは味という点では…まあ大抵の人は閉口するのだろうね」

 そう言いながらもコーヒーを飲むバロウズはやはり美味そうに飲んでいる。
 泥水という歯に衣着せぬプライムの言葉に苦笑を向ける。
 いちいちサマになっているとも見えるし、どこか上質の演技をしているようにも見えるかもしれない。

「ただ、安い味というのはそれはそれで存在価値があるのだよ。
 特に私のような…まあ、恥ずかしながら貧乏舌めいた人間にはね」

【言いながら、パンをサクリと一口。粉が何故か全く毀れない】

「ヨブ・バロウズだ。直接の面識はあったかね?」
740 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/10(土) 01:00:59.54 ID:2+E7QtfTO
>>739
「とりあえず、私の製作者のへっぽこ具合が
 私の味覚にまで被害を及ぼさなかった事実に乾杯」

泥水コーヒー入り紙コップを掲げるものまね。
ものすごく辟易とした表情から、似たような苦労が過去にあったことを想像するのは簡単。
その先をどう察するかはお任せ。

「人材データベース上でお互いを知っているだけ」

バロウズほど書きこまれた内容が両極端なのも珍しそうだ。
自分の立ち位置は道具だけれど、自分の親元は分類;求道者であろうか。
お互いに面識がないなら名乗るのが礼儀だろうか。

「アメリア・プライム。ただしアメリアはオリジナルの名前。
 だから固有名は無いに等しい。カノッサの備品。
 現在は、機密品の運用試験の途中。もっとも貴方には機密内容を知るに足る権限がある」

直接の面識はたぶんない。
数多い自分と同じ模造品か、あるいはオリジナルが遭遇した可能性は否定しないが、
自分という個体が直接遭遇したことはないはず。
741 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/01/10(土) 01:14:52.95 ID:JyQcZxbNo
>>740

「ヘッポコ具合とは随分酷い言い様だ。君についてはかなり良く仕上がっていると聞いていたがね」

 バターも勿論、市販品の安物。パンも普通。まあ、こちらはかろうじて酷くはない。
 焼けばいい香りがするのなら問題なしであろう。

「仮に何でも美味しく食べられる味覚があるのならば、
 それはむしろ持つ者にとっては幸せだと思うがね。何なら再調整も検討してはどうだい」

 紙コップを掲げるプライムにそのような与太話を言うバロウズ。
 データベース的には何故かエージェントに妙に気安いとの評判もあったりするかも。
 もちろん、これも派閥固めと揶揄されることが多いが。

「ああ、そうか。いや、若干デジャヴ…面影がね。
 あのお嬢さんはしかして、うまく逃げおおせたものだね」

 アメリアとは一度だけ面識があった。つまらない操り人形共が湧いて出たあの場所か。
 もっとも、それきりであるし、彼女が鹵獲された件には全く関わっていなかったが。

「備品…か。それが君自身を定義する君自身の在り様というわけだ。
 名無しでは話しにくい。プライムと呼んで構わないかね?」
742 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/10(土) 01:24:57.58 ID:2+E7QtfTO
>>741
「コピー品を作れと言われてアレンジを加えてる時点で二流
 わざわざ自分を悪し様に言うようにマインドセット構築する時点でドMな三流」

バターの匂いを察知して、自分もトースト注文。
開発リーダーに対しては、結構酷い評価をしているらしい。
なお、この評価を聞いて作った本人は大喜びするだろうさ。
飯についても、マズメシへの共感も重要なのでいじりません。

「アレをきちんと制圧しきれなかったことは恥ずべきこと。
 その呼び名はまあ、他に定義しようがないし正しい呼称。
 で、派閥固めに熱心な貴方としては、個体としての評価が重要?
 それとも、親元を取り込みたい方が大きい?」

鹵獲したヤツはきっちり異種返しされたそうです。
ただ、作られた側としてはどうしようもない。
アレと遭遇したらたぶん、本気で殺し合い。
743 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/01/10(土) 01:42:28.91 ID:JyQcZxbNo
>>742

「アレンジを加えたがるのは彼等の本能のようなモノでね。
 度し難くもあるが…傍から見る分には中々に面白いものだよ」

 含み笑いをしながら言うバロウズ。
 当事者的には堪った者ではないだろうけどね。とも言外に含む。
 もっとも、嫌みったらしさが全く無いのがある意味でまたイヤミかもしれないが。

「ただし、そちらの嗜好のほうはとんと理解が出来ないのでノータッチとしておこう」

 権力志向者と備品の会話とは思えないくらい何とも気安く、
 そして、居心地の悪い艦内にはおそらく稀な雰囲気になりつつもあり、

【扇動者が効いているかどうかはこの場では謎としておく】

 そうしてアメリアの件に話題は移る。
 どうもオリジナルについての感情がこの場では表立っては出していないようだが、

「知己を得たいだけだよ私は。足場を固めたいことは否定しないがね。
 私としてはプライム≠得たいというのはある。カノッサも一枚岩ではないとなれば尚更ね」

 プライムを見て、下手に言葉を操るより直裁に告げたほうがよいだろうと判断。
 この手のタイプは言葉遊びに興じでも埒は明かないし、
 運用試験中の実験体とバロウズが接触した。この事例を知らしめるだけでも周囲からの反応を期待できる。
744 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/10(土) 01:53:21.83 ID:2+E7QtfTO
>>743
「知っている。アレはそういう存在」

技術屋という存在はそういう生き物だ。
今更談義したところでしょうがない。
先導者が効いてるといえば効いてるんだろうけど、お互い
たぶん意図した効果は発揮してなさそう?

「必要ならコネクションを設けることは構わない。
 備品である以上、有効利用されるのならそこに否定要素は入らない。
 何ならコピーまるごと一体分を所有しても構わない。
 ほしいならわたすけれど、呼び出した時に“私”が来るとは限らない」

ベルトにぶら下げられたポーチから取り出されたのは一枚のディスク。
別にそこにプライムが入っているわけではなく、あくまで招集コードではあるのだけど
この場面で、得たいということに本人は一切拒否する気がない。

【キャラデータまるごと引っ張られても中の人が喜ぶくらいである
 量産型の強みといえば強み。】
745 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/01/10(土) 02:04:19.15 ID:JyQcZxbNo
>>744

「なるほど。シンプルで分かりやすい。
 群体に近い在り様というわけだ。記憶の共有は段階的にされるものなのかね?」

 仕様書を閲覧すれば分かることかもしれないが、ここはプライム自身の口から聞きたいところではあった。
 経験が完全に個体によって分散するのか、それとも一定周期に画一化めいたモノが行われるのか。

【これはプライム自身が聞くことに意味がある。そうバロウズは考える】

「では、ありがたく受け取るとしよう」

 情報生命体…カードとして持っていくことに異議などあろうはずはない。ディスクを受け取る。
 なにかしらのリスクを負うことになるのかもしれないが、それは飲み込んでやればいいだけのこと。

「有意義な時間だった。ありがとう。
 ああ、そうだ。最後に…君にとってオリジナルについてはどのような存在かね」

 ただのコピー元に過ぎぬのか、はたまた何らかのこだわりめいたものがあるのか。
 その答えを聞けばバロウズはこの場を去るだろう。
 不味いコーヒーの香り。その余韻を残して。
746 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/10(土) 02:12:02.31 ID:2+E7QtfTO
>>745
「共有されるべき経験と、個別に保管する経験は分けられる。
 ただ分類方法については我らにも明かされていない」

その辺はブラックボックス。
きっと条件付けをセッティングしたあの男は今頃大笑いしているだろう。
それだけの価値がこの瞬間にあった、という意味で。

「全体としては意見が別れる。
 個体としては……、一度は全力で挑んでみたいと思う」

おそらく、こういった回答がこの扇動者の期待に沿うはずだ。
自分の意志から離れたことも言っていない。
回答としては妥当であろう。

十分、十分な成果だ。
この泥水を無理やり胃袋に収める代償としてコレ以上は欲張りだろう。
ぶっちゃけ、自分の開発チームよりこの扇動者と組んだ方が楽しそうだ、と思った点は
ログに残さないようにしたいと思う。

「お互いに有意義な時間だったようだ。
 この素晴らしい出会いに感謝を」

//
はい、お疲れ様でした
747 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/11(日) 03:39:32.24 ID:+f8p7xf0O
【喫茶『宇宙船』】
建物まるごと異世界の接点を漂流中、というのはある意味レアで
またある意味では当たり前の光景である。
ただそこが店舗として営業してるとすればどうだろう。
窓の外を恐竜を歩いてる前提で甘味を頼める環境はある意味貴重なのではなかろうか。

「きょうはチーズケーキな!!」

頼んだ品をゲットして全力制圧。
機械翼を背負ったちびっ子(背中が開いた着衣のせいで直で生えてるの丸見え)は
あまり多くないお小遣いでゲットした楽しみを優先している模様
748 :ヴァポーレ・ピンナ [sage]:2015/01/11(日) 03:53:51.88 ID:UR6TEJ0/o
>>747

まず最初に疑問に思ったのは、なぜ私はこの世界を歩いているのかと言うこと。
その次に、なぜ図鑑でしか見たことがない恐竜なんかが少し遠くを歩いているのかと言うこと。
そして最後に、なぜそんな世界の中で場違いな建物があって、甘い匂いがするのかと言うこと。
甘い物自体は私にとって無意味だけれど、これを無視することは私の存在意義に反するのだろう。

その建物に入るためには、まずノックもなく扉を開ける。
足を踏み入れて、後ろの手で扉を閉める。入り口付近で突っ立ち、室内を見る。えっと、ここはお店か?

「……えー、っと、だな」

質問したい内容が次々にあまりに思い浮かび、消えていく。

「とりあえず、やってるか?」

そんな混乱した頭が最初に紡ぎ出された言葉は、居酒屋で店員のオヤジに尋ねるような言葉。
まずお店なのか? ホントにお店なのか?
749 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/11(日) 03:58:16.38 ID:+f8p7xf0O
>>748
なにせ店舗の外見はまごうことなき宇宙船である。
SFとかで登場しそうなキワモノである。
それが喫茶店として稼働してる理由については永遠の謎だ。
まるっと境界線上を漂流することになってしまったのも永遠の謎だ。
そもそも境界線の構造自体が永遠の謎なのだ。

「やってるぞー!」

身長2.5mのムダカッコイイ警備ロボをはべらせたちびっ子の声。
オヤジ(暫定店員)はコクコクと頷くのみ。
若白髪の店長はさっさと水と手ぬぐいの準備をする模様。
好きに座れとさ
750 :ヴァポーレ・ピンナ [sage]:2015/01/11(日) 04:06:06.15 ID:UR6TEJ0/o
>>749

どうやら、席に誘導するタイプではなく好きに座るタイプのお店らしい。
ならばなるべく、窓際の席に座る。窓際の方が、私にとって都合が良い。
そして外を見て……ええっと、あの遠くの首が長い恐竜は、なんて言ったかな。

「あー……」

私の人工知能も、ついにバグってきたか。
それとも、訳のわからないこの環境に混乱しきってしまっているだけか。
とにかく、尋ねよう。疑問はたくさんある。

「すみませーん、注文ですがー! 私のような機械にも食べられるものって置いてるかー!」

中身が露出している右手を挙げ、店員さんを呼ぶ。
つか、違う。尋ねたかったのはそうじゃない。そうじゃないのだけれど、もう良いか。
751 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/11(日) 04:09:43.12 ID:+f8p7xf0O
>>750
ずしーんずしーん
迫ってくるロボ。
そして差し出す100V50Hzの電源ケーブル。
……たべ、もの?

「ねーちゃん、バイオリアクターじゃないな?
 それならENの規格つたえないと、おみせもこまるだろ!」

今度は下の方。
デケーナとチビ−ナのコンビであった。
とりあえず店長はその推移を見守るらしい。
一応、いくつか見繕ってはいるっぽい?
752 :ヴァポーレ・ピンナ [sage]:2015/01/11(日) 04:17:27.72 ID:UR6TEJ0/o
>>751

あー、電気か。
確かにそれは機械の食べ物、食べ物? かも知れないが、私は無理なんだよな、それ。

「ゴメン、オマエとは違うからそれ喰えないんだ」

まずはデカイ方にはそう断って。

「で、規格なぁ……」

規格、と言われると困ってしまう。
なんだって、私のこの機械仕掛けの身体がなぜ動いているのか、自分でも知らないのだから。
もしかすると何も食べなくったって動くかも知れない、明日にでも止まるかも知れない。

「流動性のあるゼリー状のエネルギー物質とかあるか? 前、それを喰って美味く感じたんだが」

それがコンビニで購入した人間用のエネルギー飲料なのは、黙っていて良いか。
勘違いで購入したが、実際に美味かったし。
753 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/11(日) 04:22:44.13 ID:+f8p7xf0O
>>752
なんかロボが部屋の隅っこで体育座りになったけど気にしないでください。
いつものことです。

「電気でも規格違ったらバーストするからなぁ。
 3Vが12Vになっただけで煙でるぞ」
※中の人実体験

「そもそもここ、ヒトのおみせだし、あーーーーー
 じゃあこれな」

ちびっこからすっと差し出されたのは謎のパッケージ
LiPoとか書いてるシロモノ。
気をつけろ、大気中の酸素と反応して爆発的燃焼するアイテムだ。
今は密封されてるけど、予備知識ナシなら大惨事確定。
ゼリー状とはいかなくとも、確実にエネルギー物質ではある。
754 :ヴァポーレ・ピンナ [sage]:2015/01/11(日) 04:33:49.85 ID:UR6TEJ0/o
>>753

「海外に行ったとき、持ってきた電化製品を一つほど壊すのはいつものことだよな」

そのぐらい規格とは大事なんだよ、と言う意味の会話。
私の場合はどうなのだろうか、そのぐらいの規格違いは勝手に対応してくれる気がするが。
すくなくとも、電気はマズイ。前に喰おうとして、単に痺れただけだった。

「にしても、それは―――……」

メモリーを引き出し中です、少々お待ち下さい。
カチカチと機械的な音を立てて、頭の中が動く。LiPoと言う文字は、どこかで聞いたメモリーが。

「ああ」

見つけた見つけた。

「リチウムイオンポリマー二次電池か、それもまた電気系じゃないか。電池だし」

LiPoとの文字から導き出されたのは、リチウムイオンポリマー二次電池とそれに関連する情報。
扱いが難しいが、安定した電圧を出せるモノらしいが。
755 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/11(日) 04:39:43.74 ID:+f8p7xf0O
>>754
なんか体育座りロボのどんより具合が上がった気がする。
きっとこれも彼のオススメだったんだろう。
もしくは彼が頑張って充電したんだろう。

「ならここにはないなー」

危険物渡そうとした割にちびっこはお気楽でした。
これは本気で補給源と思ってる顔や……。
しかも相手がナマモノじゃないから保護規定にもヒットしないんや。

「ってか、ねーちゃん。
 ヒトじゃないのに自分の規格しらんのか?」

真顔で心配してきた。
SF世界出身のメカ子としては本気で心配だそうです。
そこ心配しながら危険物渡してくるあたりはアホの子なので許してあげて
756 :ヴァポーレ・ピンナ [sage]:2015/01/11(日) 04:45:56.05 ID:UR6TEJ0/o
>>755

「知っていたらそれをよこせというさ、面倒なことは言わずにな」

なぜ自分が動いているのか、そのことさえも疑問の一つなのだから。
マスターに会ったら尋ねたいことNo.1。マスターとは誰なのか、メモリーが抜けているが。

「で、食べる必要がないかも知れんが、食べることはできるならば食べるだろう?」

せっかく、口という機能があるんだから。

「前に喰ったゼリー状の流動食は美味しかったぞ! 人間用だって気づいたのは少し後だったが!」

ただし、この私の身体にどれほど意味があるのかどうかは不明。
もしかすると、バグになり得るのかも知れない。もしくはホントの栄養になっているのかも知れない。

「つか、オマエはどうなんだ? こんな痺れるだけのシラモノを食べてるのか? まずくないか?」

率直な疑問。なぜそんなマズイものを食べているんだろうか、との質問。
いやだって、味もないし痺れるだけだし、
757 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/11(日) 04:52:02.15 ID:+f8p7xf0O
>>756
「いんや? 生体反応炉積んでるから、普通にヒトと同じモノたべてだいじょーぶよ?
 糖分おおいとうれしーな」

さっきまで堂々とチーズケーキ食ってたのである、このチビ。
逆を言えば、それを知ってるから飯食ってるのである。

「バックアップの二次電池つんでるから
 これも大丈夫な」

LiPoバッテリーを翼のコネクタにぷすっとさして電力回収。
そのあたりかなりファジーにできてるというか、規格を自分側で作れるナノ技術の賜物であった。

「これはこれでおいしーわ。
 で、ヒト用くえるならロボ用じゃなくてよくね?
 それとも構造解析すればいい?」

目を合わせれば、中にしこまれたレンズがちょこちょこ動くのが見えるかも。
外部からの解析技術持ちだぞ、コレ
758 :ヴァポーレ・ピンナ [sage]:2015/01/11(日) 05:00:11.57 ID:UR6TEJ0/o
>>757

「ほー、そんな便利な物があるのか」

生命反応炉、とな。
もしかすると、それと似たようなのが私の身体の中にも積まれているのか?
だからモノを喰うし、成り立っているのか? 知りたいところではあるが。

「だが、解析は止めてくれ」

右手の平を相手に向けて、抑制する。

「自分の中身を勝手に調べられて、恥ずかしくないと思うか?
 少なくとも、私は勘弁だな。人前で裸になることさえ、私は嫌ってるってのに!」

中身を見られるだなんて、とんでもない。
とにかく、お暇するとしよう。このままここにいたら、ホントに中身を見られかねない。
そんな恥ずかしいこと、勘弁願う。

「……あー……」

問題は一つ。

「ツケといてくれる、よな? それじゃあ!」

金を持っていなかったことに気づいて、ダッシュで逃げる。
足は速い、大丈夫。逃げ切れるはず。
759 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/11(日) 05:10:37.99 ID:+f8p7xf0O
>>758
「機械にはずかしいなんてきもちは“いらない”。
 機械はヒトとちがって、じぶんじゃなおせない。
 だから、必要なら見せるのは“とーぜん”」

人々は、目は口ほどにものを言うと伝える。
だがしかし、この眼の前のちまいのの目に、少なくともそれはなさそうだ。
精細なレンズで構築された瞳は、じっと相手を貫くためのもの。

「我らは道具だから、手入れを拒まない。
 あなたを作った人は、なぜあなたをそうつくった?」

ツケもなにも、頼んだものは一切ないのに。
ちょっとばかり本性をだしたちびっこは、店長が声をかけた瞬間、元の愛嬌振りまく装置に戻った。
彼女の創造者、彼女がとーちゃんと呼ぶものは、この顛末を聞いて腹を抱えて笑うに違いない。
そしてきっとこの機械知性体が自分の手元から離れて放浪の身になったことを天に感謝するだろう。
少なくとも、自分の世界においていてはこうならなかったに違いないのだから
760 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/11(日) 21:19:36.95 ID:BHpF7ycXo
【境界線移動とは時に不便に発生するものだ】

 この時のイムカがそうだった。

 でゅらはん退治で得たカネを陰陽師に支払い、小妖怪達の住まいとなっている革ポーチを修繕。
 一路、ヒノモトは優京に向かわんとしていたところで、ゲートが開いてしまった。

 −−−−−−−−−−−−
【荒廃世界:ウェイストランド】

「拙い…」

 イムカが先ず見たのは真っ暗なトンネルの中であった。しかも荒廃している臭い。
 さらによく見れば、ミュータントの死体まである。これは十中八九ウェイストランド。特有の雰囲気がある。
 これはイムカにとって重傷を負ってより始めての世界移動。しかし拙い。

【先ず、装備だ。クナイが十数本。革の胸当てに手甲。バンディット並みである】
 【さらに引廻合羽に、振り分け荷物、編み笠というヒノモトスタイル。ぶっちゃけここじゃあ仮装パーティーだ】

「うー…ここすごく怖い」
「ウェイストランドのメトロは呪われているからな。絶対に顔を出すな。食われるぞ」

 装備は貧弱。加えて、荒廃世界のメトロは時にフル装備でも危険な場となりえる。
 正直、これはかなりヤバイ状況であった。

【とりあえず携帯用の提灯に火を入れて証明とし、歩を進めることにする】
【いくら夜目が利いても、オカルトと科学が交錯する場で闇を進むのは危険に過ぎるのである】
761 :オンモ 巨漢【デヴァヴァオブライト】 [sage]:2015/01/11(日) 21:37:11.88 ID:a9Y98hRJ0
>>760
年月劣化により穿たれた穴から、辛うじて光と淀んだ雨水が入り込む地帯
投棄されて久しいかつての高級車を軽々と振り上げ直様地面に叩き付ける、轟音
それと地面の合間に存在していた狂暴なミュータントは、『重さを取り戻した』鉄塊にプレスされて絶命

「……クソが、どうナッテやがル……」

巨漢は困惑していた
かつてより、それこそ世界の境界線が今よりずっと安定していた時期から越境を繰り返していた巨漢だが
これ程までに短いスパンでそれを体験した事はない
また今まではほぼ同じ間隔で、同じ世界に飛ばされていたギャラエの姿が見当たらない事もしばしばだ
最近になってようやく、越境が極めて自然となっていた巨漢は気が付いた
『従来より今は、平行世界間の揺らぎが大きくなっている』

「……ン?」

すんすん、と鼻を高く掲げて鳴らした
彼の特異な嗅覚は、猟犬より優れた異能探知能力を発揮する

「……居ヤがるナ?」

短く低く、まだそれなりの距離を保ったままのイムカに問い掛ける
互いに緩いカーブの向こう、通常であれば姿を見る事は叶わない
762 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/11(日) 21:45:46.01 ID:BHpF7ycXo
>>761

 果てさて、イムカの異能はどのように感知される類なのであろうか?
 先ず、彼女自身に全く自覚がない。さらに能動的に発動できる類でもない。
 また、発動しても隠密性が高く発動しているかよく分からない。

【それでも一種の特異才能めいた嗅覚があれば察せられるのであろうが】

「…本当に拙いな」

 提灯は…消さない。この場を闇で満たすことは或いはミュータントに発見される以上に
 死に直結しかねないからである。

【警戒しクナイを引き抜く。単独で脅威と戦うには装備が貧弱にすぎるが致し方なし】

 オンモから見れば前方からポワッと前方から明かりが広がり、
 こちらに向かっている形となるだろうか。

「ああ、居るぞ。君に襲われないことを祈るばかりさ」

 カードが少ない割りに努めて平静を装うのは一種のテクニックであるが、
 この時はやや虚勢めいたものがあったことは否定できない。
763 :オンモ 巨漢【デヴァヴァオブライト】 [sage]:2015/01/11(日) 21:55:14.59 ID:a9Y98hRJ0
>>762
巨漢の嗅覚は特技以上の言葉では言い表せない特殊技能である
数多の戦闘に依って研磨された訳でも、後天的に宿った新たな能力という訳でも決してない

【即ち、メタ的な意味でのフレーバースキル】

「……」

仄暗い灯火が幽鬼が如くに揺ら揺らと近付いて来る
だが、巨漢にしてみればある意味それはマシな状況だ

「……ココはナンだ、どンな世界ダ?」
「マジぃ連中バカリ居ヤガる、知ってる事ガアルなら話セ」

拳を目線の高さから下ろす事は、防御重視の戦闘態勢を崩す事はない
だが、コミニュケーションが取れる相手が出現したのは重畳なのだ
少なくとも、そこで潰れて死んでいるキテレツな不味い(食べたらしい)ヤツ等とは違うのだから
歩み寄るイムカに対し、巨漢、不動
764 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/11(日) 22:07:19.33 ID:BHpF7ycXo
>>763

「………」

 現れたのはなんと…知性のあるミュータント!(誤解)
 しかし、どんな世界だとか言っているということは言語野か認識に障害があるようだ。
 と、このように微妙に間違った分析をイムカはしていたりする。

【オンモからすれば今のイムカはさしずめ仮装パーティー中の変人か何かか?】

「あ…えっと、ここかどんなところかという質問かな」

 だが、この状況ではコミュニケーションを試みる以外にイムカに選択肢は無い。
 今の装備で殺しきれる類とは思えないし、近接格闘戦を仕掛けるのはもっと無茶だ。
 それに自分だけではない。自分の死はポーチの中の小妖怪達の破滅に直結する。

「ここはメトロだ。世界秩序が崩壊…ええと、とにかく世界で沢山人が死んで自然やらもボロボロになった。
 そんな世界の地下。元々は地下鉄…鉄道は分かるか?とにかくトンネルだ。うん」

 ミュータントへの状況説明の仕方には苦労する。
 何が感情の起爆剤になるか分からないためイムカも慎重だ。

「拙い連中ばかりって君の勘は優れているな。ええと、そうだなそこの配管に耳を当ててみれば分かる」

 言いながら、オンモの食い残しを見て、密かに嘆息。
 放射能重点な肉だが大丈夫なのかな?とか思った。
765 :オンモ 巨漢【デヴァヴァオブライト】 [sage]:2015/01/11(日) 22:19:19.03 ID:a9Y98hRJ0
>>764
「……」

仮装パーティとまではいかずとも、周囲の文明レベルからすれば素っ頓狂な出で立ちであると眉間にシワを寄せる
同時にそれは、イムカの服装が時代錯誤であると認識出来る知識の存在を意味しているのだが
草臥れてボロボロの軍服を纏う巨漢は会話という言葉のやり取りの発生にしかし緊張の糸を緩める事はない

「……チッ、そうイウ……」

苛立たし気に、先程鈍器として振るった車に成人男性の頭部程もある拳を叩き付ける
当時の技術力を惜しみなく注ぎ込まれ鋳造された装甲を容易に凹ませた

「アァ?」

配管? とけっ怠そうに、耳を当てる事まではしないが意識をそちらに向ける
不用意にオブジェクトに近付き、そこから原生生物に喰い付かれる
そんな連中から学んだ、獰猛ではあるが同時に狡猾的な慎重さを併せ持つ巨漢の生き延びる術だ
因みにミュータント肉に関してはまぁ、なんというか大丈夫だったのだろう多分
766 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/11(日) 22:28:36.43 ID:BHpF7ycXo
>>765

(メトロの車両を凹ませるか。酷い馬鹿力だな)

 やっぱり、格闘戦を挑むのは無理そうだなと脳内でチェックを入れておく。
 こうなると、やはり敵対行動は望ましくないと結論付けてよいだろう。

【もっとも先方はいつでもイムカと敵対可能。なるほど酷い綱渡りである】

 そうして、配管に意識を向けたオンモであろうが、
 おそらく彼の想像とは全く別種の理解が為されるであろうと思う。

「AAAAaaaaa...」
「Shiiiiii........」

 囁き声、話し声が配管より漏れる。それに混じって粘度の高い水が配管をドロりと流れているような音も。
 それは奇妙であった。なぜなら、オンモが意識する配管は直ぐ側で亀裂が走り、
 水など何も流れていなければ、声を伝達する際に微細に動くであろう振動も皆無であったのだから。

「言っておくが手品の類ではないぞ。説明も難しいがな。
 まあ、ヤバイとだけ理解出来ていればいい。殴ればミンチに出来るめんどくさい連中のほかに
 殴ろうが撃とうがどうにもならん存在がいるってことだ」

 とりあえずこの場は危険であり、すぐに動くべきだとい認識させられればいいのだが…
767 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2015/01/11(日) 22:33:20.80 ID:YUZqKClOO
>>763 >>764

【荒廃に蝕まれ、在りし日の姿を思わせるモノすら失せ始めている世界】
【そんな中で動くものと言えば変異の果てで環境に適応した得意な生き物ばかり】
【日夜繰り広げられる生存競争、故にこの世界において異なるモノ同士の諍いは珍しくない、が】

ひゃっほ〜〜っ! あはははははっ! すご〜〜いっ!サラマンダーよりはや〜〜いっ!

【そんな生存のための闘争に満ちた世界でこれ程までに楽し気な声が響くのはどうしたことだろうか】
【トンネルの奥、数多積み重なる瓦礫の間を粘着質な音を派手に鳴らしながら闇の中を駆けてくるモノ】
【薄らぼんやりとした輝きを放つソレは、蛍光ピンクの地肌に毒々しい青色のイボを持った、ネコ程の大きさのヤモリに跨っていた】
【恐らくはミュータントらしきヤモリに跨っている妖精のようなソレは二人の存在には気づいていない様である】
768 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/11(日) 22:38:47.86 ID:BHpF7ycXo
>>767

「突然の笑い声。狂人か?イヤーッ!!」

 イムカは声のする方角に向けて決断的な牽制クナイ投擲を敢行!
 シャウトと共にシュパァと闇を切り裂くが如くクナイが疾走する!

【サツバツ!しかし、考えて欲しい。実際薄暗いトンネルで高笑い。誰だって警戒するのだ!】
 【なお、牽制かつまさかここまでミニミニサイズとは思わんので多分当たらん。よっぽど運が悪くなければ】 
769 :オンモ 巨漢【デヴァヴァオブライト】 [sage]:2015/01/11(日) 22:39:34.85 ID:a9Y98hRJ0
>>766
「……?」
「……クソが」

短く吐き捨て、イムカを……正しくはイムカの持つ何とも奇妙な光源を睨む
巨漢の経験がこの配管の向こうで起こっている現象と当てはめる事が可能な事を警笛として脳内に響いて
これから取るべき、生き残るためにすべき行動を考えるより先に体に伝えているのだ

「テめエ、チビ、先を歩いテ照らセ」

もしくはそれ(提灯)を寄越せ、と顎をしゃくって示す
自身の戦闘能力に疑いを持たぬ巨漢ではあったが、同時に能力間に存在する絶対の相性というものもよく理解している

>>767
「……!」
「………」

と、元気いっぱいな声にピクリと反応、直様振り向き戦闘態勢
だがその、何とも緊張感とは程遠い存在を視界に入れれば数度瞬き

>>766-767
「……」

さてアレ(ミニオン)をどうしたものか
そんな視線を、だが獰猛さの抜け切る事は決してない瞳でイムカに向ける
770 :オンモ 巨漢【デヴァヴァオブライト】 [sage]:2015/01/11(日) 22:48:49.57 ID:a9Y98hRJ0
>>768
……と、思ったら見た目から想像するより意外と(失礼)素早い反応で対処している様子
さてどうなるか、取り敢えず見届ける事にした
771 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2015/01/11(日) 22:57:52.33 ID:YUZqKClOO
>>768 >>769

あはははははhっひゃぁっう!?

【気持ち良く大笑いしていた妖精に向けて放たれたクナイは妖精から大きく逸れて飛んで行くも】
【向かった先にあった剥き出しのパイプにぶち当たり盛大な金属音をぶちかます】
【突然の轟音に驚いた妖精とヤモリ、泡を食って向かった先には】

わ、わ、わっ! っびゃうっ!!?

【細々とした瓦礫とは一線を画する恐らくは崩落した天井の塊】
【それに真正面から受け身も何も無く激突、べチャリと粘着質な音を立ててひっくり返るヤモリ】

……………ぅ……ぐ、ぐるじい〜〜……ヌ、ヌッチーおぼいぃぃぃ、どいへぇ〜……

【ひっくり返った故に哀れヤモリの下敷きとなった妖精】
【ヤモリから分泌される粘液と重みによって呼吸困難になりつつ必死に這い出そうともがいていたが】
【次第に声は何とも言えない悲しげな呻き声のみとなり】
【静かなトンネルにペチペチと弱々しい打撃音が物悲しく響き始めるだろう】
772 :セラ :2015/01/11(日) 23:01:51.17 ID:CPuaf0nbo

「ふう、これで終わりかしら……。
 ドレスが汚れるからこんなのやりたくないのに。」

――どさり。

後で依頼主には、報酬の増加を要求してやる。
そう、心の中で毒づきながらセラは大きな麻袋を港の一角に下ろした。
今回、セラが降り立ったのは大航海時代、東南アジア風の港湾都市だった。

航海中の護衛依頼ということで、セラ他数名の冒険者や越境者たちが
商船団に乗り込んでいたが、途中で病気が発生しどうにか目的地までたどり着いたものの、
動ける船員がたりないので護衛依頼を受けた者たちにも、それを手伝ってくれという御ファーが来たという訳だ。

「自然は綺麗なところだけど、宿もきれいだといいわねぇ……。」

時間は夕暮れ時、沈みゆく太陽が水面に反射し艶やかな光を湛える光景を眺めながら、
ほふ、とため息をついて桟橋に腰を下ろす。
773 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/11(日) 23:10:50.52 ID:BHpF7ycXo
>>769

「アブナイだろう。そんな感じだ。この世界は地上は放射能汚染の荒野。
 地下は悪夢めいた霊魂の世界。そんな感じだ」

 闇が危険であると認識した。オンモは知識はともなく知能は決して悪くは無いと考える。
 生き残るための方策を本能レベルで理解する類なのかとも。

「オカルト…まったく専門外なのがまた困るな」

 チビと言われてまたも嘆息をつきながらもイムカは先導については異論はない。
 ここは、やや横柄なボディガードが手に入ったとでも思うにした。

>>771

「………」

 なんかバタバタしているミュータントに出会った。が、そこは問題ではない。
 ほのかに光っている…つまり多少は明かりになりえる。便利だ。
 さらには他のエグイ色のミュータントよりは食べても安全そう。これはいい。

「思いがけず、食料が手に入った。先に進もう」

 ひょいと、ヌッチーを退けてやり、紐で結んで捕獲しようとする。(風船イメージ)無慈悲!!
 この時のイムカはいつにも増して無表情であったが、顔中包帯なので気付かれなかったと思われる。

【ブラックなジョークであるが本気にしないでね。なお、イムカは何でも食べられる胃を持っています(与太話】

 −−−−−−−−−−
>>769-771

 実際、このトンネルを進めばわかるが、生きている存在が居ていい場所ではないと察せられるだろう。
 先を進む際に光源ならやや外れた場所はもうデンジャーゾーンだ。

【たとえば、オンモの背後から先程から何かが囁く声がするだろう。
 そして彼の足を時折粘性の何がが掴もうとしている感触も。しかし背後を見れば何も無い】
【ミニオンにとってはどうだろうか。先程までは彼女の周囲の闇は夜闇のように穏やかで、
 ゆえに遊びにも興じられた。今は違う、闇の黒に溶け込めば二度と輪郭を取り戻せなくなるような何かが――】

 そもそも光源の僅か先の闇が暗すぎるのである。夜目とか光源が不足とか言う問題ではなく、
 全く先の闇が見通せない。闇に濃淡が存在するならば彼等の周囲の闇はさぞ濃いのだといえる。

 イムカとオンモの足音が響く。が、明らかに足音に混じる音は数人分多い。

【殴れる類の相手ではない。時に恐怖を喚起するだろうし、あるいは苛立ちを禁じえないかもしれない】
774 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/11(日) 23:13:06.60 ID:BHpF7ycXo
//× 先を進む際に光源なら
//○ 先を進む際に光源から
775 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/11(日) 23:16:48.31 ID:62kU/EGuO
>>772
視界の端
同じく護衛でのっていたでっかいのが並の船員4人分くらいの荷物運搬中。
多分アレが今回最後の荷物。
なんか麻袋の上にちびっこを載せてるが、それはいつものこと。
それよりも問題は、あの積載量にこの桟橋がどれだけ耐えれるか、という点である。

のっしのっし歩いて、セラさんの乗ってるあたりまであと30秒。
……なお、イタズラっ子が能力の応用で、意図的に桟橋をもろくしますが
気にしないでください
776 :オンモ 巨漢【デヴァヴァオブライト】 [sage]:2015/01/11(日) 23:23:09.10 ID:a9Y98hRJ0
>>771
なんとも凄惨な交通事故を具に目撃、呆れた風に絶句
実際の所は自身の体験からくる理解力を超えた現象にやや面食らっているのだが
数多の世界を渡り歩いた巨漢ではあるが、流石にあのサイズの人間を見た事はない
トカゲの下敷きになっているその様子をただ物珍しそうにしかしなるべく平静を装い眺める

>>773
「上モ下も、ってカ?」
「……ここヨリゃ、マシか、クソが」

だがしかしそれでも、地上の方がマシと考える精神的図太さと
同時にオカルトに対しての強い警戒心を孕んだ呟き
巨漢もイムカ同様なのだ、オカルトは専門外
物質的な脅威を悉く打ち払う万壊の拳も、かつて霊的存在と対峙した際は全くの無力だったのだから

>>771
>>773
「……」

時折鼻を掲げ、そして鳴らす
だがそれでも探知出来るモノは少ない
即ち、巨漢の感覚の外に存在する輩が一行に紛れ込んでいるという事を意味する
その体躯に見合った強靭な心に恐怖はない
ただ厄介過ぎるであろう相手に対する辟易した気分がずっしりと重く冷たい曇天となって重なるばかりだ

「……クソが」

何度目だろう、吐き捨てる呪詛
777 :セラ :2015/01/11(日) 23:27:18.79 ID:CPuaf0nbo
>>775

「あの子も境界渡りなんでしょうね……。
 鉄のゴーレムみたいなのは別の世界でよくいるのよね。たしか。」

同じ船に乗っている間は、特に話をする機械はなかったが、
この世界では幾分か奇異に映る護衛ロボットに視線は自然と映る。
そして……。

――ぱき、ぱき。

「ん、あれ?傷んでるのかしらね。大丈夫かな――。」

――バキャッ!!!

案の定、セラの所に来た時点で耐久力が臨界に達し
ばきばきと桟橋が壊れ落ちてしまった!
778 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2015/01/11(日) 23:34:57.65 ID:YUZqKClOO
>>773 >>776

あぅぇ〜〜…………? はれ? おもくな……っ!!
に、ニンゲンさん? ひょっとして、助けてくれたですっ?

【粘液に塗れてヌトヌトな上にグッタリしていた妖精であったが】
【自分にのしかかっていた重みが消えたことで意識がハッキリと覚醒する】
【そして自らを掴んでいるのがこの世界でよく見かけたミュータントでは無いことに気付き目を輝かせるも】

ありが…………はれ?

【その救い主が自身を消耗品の松明を見る様な目をしながら紐を結びつけるのを見て思わず固まる】
【そう言えば朧げながらさっき食料が云々と言っていた様なと思い至った時には時すでに遅し】
【助けを求める様な目で辺りを見回すもそこには相棒(ヌッチー)の姿は無い、無情である】

・・・

【囚われの身となった恐怖と情というものの感じられない眼差しをしたニンゲン】
【そしてもう一人の、恐ろし気な容貌かつ自身が苦手とする「こわいニンゲン」によく似た気配を持つ巨漢】
【それらが合いまって無邪気な妖精をしてまともな会話が出来ない程に怯えさせていた】

……っ……! ………っ!? ……〜〜〜〜っ

【そして濃密な闇の中をニンゲン達と共に行くこととなればその顔からは怯えの色が再現無く深まっていく】
【自らの前を、後ろを、そして二人のニンゲンの足元をチラリと見てはその身を震えさせ光を弱々しく明滅させる】
【その様子からはまるでソコに何かを見て、ソレを恐れて震えている様でもある】
779 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/11(日) 23:35:40.35 ID:62kU/EGuO
>>777
「げっつ!!」

なんでやったかって?
荷物運びが暇だったから海で遊びたかったんですよ!
荷物を死守するあたりロボは自分の役目はちゃんと守った。
ちびっこが水没した?
それは本人の希望だ、問題ない。

姉ちゃんのドレスがびしょびしょでしょっぱくなったのは知らない!

「ぼごごご! ばぐばっごご!」

なんか水没チビはすげーテンション上がってるけど
どうする助ける?
780 :セラ :2015/01/11(日) 23:40:33.86 ID:CPuaf0nbo
>>779

「きゃ!?」

ようじょに先んじて、セラも海にどぼん。
一瞬混乱したものの、どうにかもがいて水上に顔を出すけれど。
一緒に落ちたと思われるようじょの様子はなにやらおかしい。

(お、おぼれてる……!?)

それを見たセラは、迷うことなく再び海の中へと潜り
助けようと手を伸ばす。
781 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/11(日) 23:41:33.48 ID:BHpF7ycXo
>>776

「光からは出ないようにな。どこに浚われるか知れたものじゃあない」

 淡々とした口調で言うイムカであるが、実のところ提灯を掴む腕は緊張で汗ばんでいる。
 提灯の光が何かの拍子で切れたとき、自分達はどうなってしまうのだろうと。

>>778

「怖いのか」

 風船のようにミニオンを捕らえているイムカであるが、
 冗談はさておき、実のところ、ここはオカルトの光源に頼りたかったという側面が大きかったりする。
 現に妖精の発する光は光明めいて、行き筋を照らしている。

「…私もだ。ここから出られたら開放するよ」

【淡々とした口調で、しかし怖いとハッキリというイムカである】
【→ミニオン自身に自覚は無かったかもしれないが、彼女の光は多くの霊障を払いのけてくれていたりする】


>>776>>778

 歩を進め一向はようやくオカルトとは縁の無いモノを発見する。廃棄された電車にもたれかかる影。
 それは放置され、干からびた死体である。こういう世界にあって死体=アイテムボックスとしばしば定義される。
 干からびた死体の側では闇は普通の闇となり、とりあえず気が休まる状況となった。

【遺体の側で気が休まるとはとんだ皮肉であったかもしれないが】

 実際、この遺体はそれなりの装備と物資を持っているようだった。イムカは、

「ナムアミダブツ…だったか。祈りは済んだ。物資を貰う」

 と、実に淡々としたものである。

【オンモやミニオンからはこういうある種の浅ましさを禁じえない姿はどう映るだろうか?】
【死因は不明。外傷は無いのに絶命している】
 【→実際、色々持っているようだが、どの品に感心を持てそう?】

≪遺体の装備≫
 ・防弾ベスト
 ・ガスマスク+フィルター
 ・身分証(××区画:ストーカー)
 ・9mmピストル(マガジン数個付)
 ・サバイバルナイフ
 ・食料(ハムと水筒が数個)
 ・ナイトスコープ(故障)
 ・小さなオルゴール
 ・絵葉書(かつて文明があった時代の名残)
 ・ライター
 ・メディキット
782 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/11(日) 23:46:23.21 ID:62kU/EGuO
>>780
「ていやっ!!」

溺れてるどころか、意外と泳ぎが達者な模様。
むしろ伸ばしてきた手をぎゅっと握って握手ぶんぶん。
さらに反対側の手で、捕まえたてほやほやのヤドカリを見せつけてきた。

そのあとついっと方向転換して、きれいなお魚に突進!
あ、逃げられてる!
783 :オンモ 巨漢【デヴァヴァオブライト】 [sage]:2015/01/11(日) 23:50:03.44 ID:a9Y98hRJ0
>>778
「……」

怯えるミニオンの様子を時折興味無さげに、それこそ苛立ちが募る中での退屈しのぎ程度に見ていたが
しかし途中で何かに気が付いたように眉間にシワ寄せた

「……おイ、チビ」
「てメェ、『視え』テんのか?」

自身に知覚出来ぬナニカの存在
それを探知しているように震える姿から、辿り着いた疑問
それを低く低く、威圧的に投げ掛ける

>>781
「モットマしな光を持って言イヤガれ」

こんな状況下に於いても何処と無く緊張感のない提灯のフォルム
あるだけ、いや無ければ今頃どうなっていたとも分からないそれに対しての愚痴である

>>778
>>781
「……マジぃな」

全くの無遠慮、かつまるで稚児が菓子を手に取るような自然な所作
遺体の乾いた腕を追って咀嚼、ぺっと吐き出して一言
悪辣の闇が気配を薄めた事によって生まれた余裕がそうさせているのだろうか?
否、これが巨漢のナチュラルなのだ

「……」

道具に関しては、珍しくやや、本当に微弱に気まずそうにして顔を背ける
巨漢の生き残る為の知識の中に、それらを活用すべく術は備わってはいない
こういうのは大抵、ギャラエの仕事なのだ
784 :セラ :2015/01/12(月) 00:05:54.29 ID:eLiIR/ako
>>782

「むぐっ……!?」

捕まえるつもりが自分が捕まえられて、
少し驚くものの、とりあえずは安堵の模様。

(なんだ、ただはしゃいでただけなのね……。)

子供がはしゃぐだけの事はあり、海の中は綺麗なもの。
と、自身の足もとに綺麗な紅色の巻貝を見つけたセラはそれをとると、
ディーナにそれを手渡す。
785 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2015/01/12(月) 00:13:42.39 ID:A7CHnpvvO
>>781

……ふぇ……?

【その声が自分に向けられた物であるコトに気づくのに一瞬の間を必要とした】
【それと言うのも周囲の様子への恐怖に震えていたためであり】
【振り返る顔が粘液とは違う液体で濡れていた辺り声を殺して泣いていたのやもしれない】

ぁ…………ぅ…………っ

【私も怖い、そう告げる瞳からはウソによる淀みや濁りを感じなかったからか】
【返事に窮しながらも、顔をブンブンと降った後に前を向き直した背中からは】
【先ほどと比べて幾分かの怯えが失せている様であった】

【因みに妖精の加護については、本人は殆ど意識していないものの】
【困難に直面しつつもなんだかんだで何とかなると言う形で享受しているのであった】
【最も、どうにもならない事態を事前に避ける様な形で加護が働いているのかもしれないが】

>>783

……!? …………っ………………です

【そして後方にいた巨漢に声をかけられるとビクリと背を震わせオドオドと落ち着きなく辺りに視線を散らし】
【申し訳程度に何方とも取れる様な返答らしき声を上げるとできるだけオンモと距離をとろうとする】
【おんもの威圧的な態度に対しての怯えとは別に、その反応からは微かな忌避の感情が透けて見える】

>>781 >>783

…………? ……わぁぁ……コレって

【横たわる屍を目にすれば、傍らへと飛びよって合わせた両手を前に目を閉じて何やら呟く】
【その仕草からは何やら供養めいたものが感じられたが】
【目を開けた妖精は死体の腕を喰らう巨漢から目を背けこそしたものの】
【特に顔を顰めるでもなく、荷物を漁る様子を遠巻きに眺めていた程だ】
【その辺りの価値観は妖精独特の物なのか、この妖精が特別なのかは定かではない】
【しかし荷物の中から出てきたオルゴールに向ける眼差しは】
【興味深いものを見つけた時の子ども、ないしは冒険者のソレに近い輝きを放っていた】
【他の二人が止めなければオルゴールに近寄りソレを鳴らそうと試みるだろう】
786 :TypeD-7@ようじょとロボット :2015/01/12(月) 00:21:05.25 ID:UYPdQ5AuO
>>784
背中のメカ翼が意外と便利な推進補助になってるようで、
結構機敏にくいくい動いておられる。

ひょいっと虹色貝殻をゲットするとそのままセラ姐の頭の上に再セット。
その辺りでどうやら満足したらしい。

「ぷはー!!」

ゲットした海産物抱えて陸に戻るようで。
このフリーダム感、なんもいえん
787 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/12(月) 00:25:06.90 ID:hMEO3Bt9o
>>783

「息絶えればただの肉で食料か。まったく」

 オンモの行動を特に咎める真似はしなかった。
 そのような倫理観が通じる場所ではなかったし、
 遺体の尊厳を無視している点では自らも対して変わりはなかったのが理由だ。

【オイルライターに火をつけてオンモに渡す。火種となりえるモノの消費は惜しいが、
 正直、一度でも闇に染まればそこで全て終わりという予感が大きく、ここで使っても問題は無いと判断】

「君にまとわりつくモノも多少はマシにはなるだろうさ。気休めだけどね」

 あまりにも頼りない仄かな光。それが今や拳や銃以上の生命線になっているというのは、
 ある種の不条理めいた印象があるかもしれない。

【イムカも提灯の中の蝋燭を再度慎重に火を継げて交換する。それこそ爆弾処理班並みに慎重に】

>>785

「んっ…ちょっと待ってくれ」

 遺体の側まで来たとき、イムカはミニオンがオルゴールも関心を向けていたのを感じ取り、
 ひょいと小さなそれを摘むと、彼女に差し出すだろう。

【螺子を回せば音が鳴る。とてもレトロで、だからこそこういう環境でも使用可能なオルゴール】
【鍵盤と突起だけがある、本当の小さくシンプルなオルゴール】

 頑張って螺子を回せば、闇の中での救いの音曲。優しげで、でもどこか物悲しいメロディが、流れていく事であろう。

「君のものだ」

 包帯だらけの顔の女が発する声は相変わらず淡々としていたが、このときは僅かに優しげな色が混じっている。 

 −−−−−−−−−−−

 イムカは引廻合羽と小袖を素早く脱ぐと、遺体から防弾ベストを引っぺがして装備。
 さらにガスマスク、フィルター、身分証、絵葉書も振分荷物に仕舞い込む。

【そして9mmオートマチックピストル。状態をチェック。マガジンを装填しコッキング。
 ただし、現在の脅威に対してはモノの役にも立たないとは承知】

「AAAA.....」

 遺体を使って致命的な霊障を広げようとしていた闇であるが、
 結局、光源と邪魔な妖精がその燐粉で祓ってしまったため断念することとなった。

 −−−−−−−−−−
788 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/12(月) 00:25:15.39 ID:hMEO3Bt9o
【さらに2時間が経過――】

 一行が進んでいくと、途中で上むかって傾斜する通路。
 かつてはエスカレーターであったろう幾つかの狭い階段が両端、
 そして、エスカレーターに挟まれて存在する広い階段がある場所に出た。

「…生き延びられたか」

 見れば天井に大穴が開いており、そこには星空が広がっている。
 人口の光が無いためか、かつての災厄が色々吹き飛ばしてしまったためか、
 怖いほどに美しく満天の星々が広がっている。

【外気のやや汚染されているだろう冷たい空気が入り込むと、
 現とも朧ともつかない存在はようやく諦めたのか、その不確かな気配を霧散しさせる】

 もう足音は人数分しかないし、粘性の影が歩を重くすることも無い。 

「取り敢えず出たら、焚き火を起こして…ハムでも食べるかな」

 一息ついて、紐をミニオンから話しながら、巨漢と妖精にむかってそんなことを言うイムカなのであった。
 こうして、突然の闇からの脱出口はどうにか終わりを迎えるのだった。
789 :セラ :2015/01/12(月) 00:27:35.06 ID:eLiIR/ako
>>786

元来子供好きであるセラは
愛らしいディーナの仕草にふふ、と微笑みをこぼした。

結局その後、セラはディーナと完全に日が没してしまうまで
海で遊び、くたくたになって宿にたどりついたのだそうな。

// そろそろ眠るのでこの辺で-
790 :オンモ 巨漢【デヴァヴァオブライト】 [sage]:2015/01/12(月) 00:41:16.82 ID:BQvbTsiv0
>>785
「……」

なるほどと得心した風に数度微かに頷いた
あのチビ(ミニオン)は臆病に見える
ならばきっと、それが巨漢自身が知覚出来ない脅威を察知出来るとすれば
警笛位にはなるだろう、有効的に働くだろう
そこで言葉のコミニュケーションを取って、その意図を伝えて情報をアクティブに交換する
それ程を巨漢に求めるというのは酷というものだ
質問しておいてその応答に対して無言という態度もそう、仕方のない事
尚オルゴールの音色に関しては特に感慨はない様子
破魔の力でも宿っていれば、また違ったろうが

>>787
「……アァ?」
「……ちいセェな」

成人男性の手首程の指で摘まむようにそれを受け取り、思わず鼻で嗤う
それは自身の余りの不似合いな行動に対しての自嘲めいたものでも同時にあった
亡骸をもう一度確認、外傷はない
乾いた皮膚の腹部の辺りを砕き、元は臓物であった乾物を取り出す
先程吐き捨てた腕の、骨に元臓器を突き刺し点火
臓器に微かに残った脂が炎上、簡易で冒涜的な松明
ある意味別のオカルトを招くような、だが現実としてこの場では強い光源だ

>>785
>>788
「……ったク」

松明の灯火も消えた頃、ようやくに感じられる空気の流れ
解放感を全面に出す事はしないし、更に言えばこの奇妙な一行とこれ以上行動を共にするつもりもない
だが、何故だろう
空腹に任せて一行を襲い、捕食するという気の一切が起こらずにいるのは
藍色に散りばめられた星、その光に、深い夜空に何を感じたのだろう
ひとつ確かな事は、オンモはまた生き延びたという事
それで充分じゃないか
そんな風に思う日が、たまにはあったっていい
気紛れな巨漢は最後は無言で、オイルライターをイムカに軽く投げ渡してそして何処かへと歩いて消えた

//ロールありがとうございましたっ
//お疲れ様でしたーですーノシ
791 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2015/01/12(月) 09:26:51.10 ID:A7CHnpvvO
>>787

……っ、あ、え……と……

【一瞬、オルゴールを取ろうとしたコトを咎められるやもと身をすくませた妖精だったが】
【差し出されたオルゴールとイムカを交互に見比べるとソロソロと手を伸ばし受け取る】

っ、っ…………わぁ、やっぱり……本当にキレイな音なんだぁ……

【受け取ったオルゴールを地面に置くと小さなオルゴールー妖精との対比としては結構な大きさのソレをー】
【両手を使ってキリキリと取っ手を回せば、流れ出す音色に目を閉じて聞き入る】
【その様子からオルゴールという物を知識として知ってはいても】
【実際に目の当たりにしたのが初めてだろうコトが伺える】

へ? ……あ…………ありがと……ですよぅ

【そして妖精の眼前のソレを君の物だと告げるイムカの言葉を聞けば】
【キョトンと不思議そうな表情ででイムカの顔を見つめるも】
【地面に置いていたオルゴールを両手で抱え上げながら感謝を告げる】
【その際の妖精はイムカの声色につられてか、ほんの僅かに笑みを浮かべていた】

>>790

…………

【一定の距離を置きながらも時折もう一人のニンゲンの様子をチラチラと伺う妖精】
【その仕草からは妖精にしては珍しくオンモを警戒しているかのように見える】
【だが、そんな妖精を余所に大した関心も示さずこれと言って害意もなさそうな様子に】
【自身の感じた気配が勘違いか何かだったのではと首を傾げるのであった】

>>788 >>790

……! やったぁ〜っ! お外に出れっtほぐっ!? ……〜〜〜っ

【長い長い暗闇の道中を飛び続けたことで表情には疲労が色濃く現れていたが】
【崩れた天井から覗く満天の星空と微かな星明かりに照らされる広場の存在に】
【思わず表情を輝かせ勢い良く広場の中心へと飛び行こうとするも】
【胴体に括りつけられていた紐がビンッと音を立てて急制動を強要】
【紐の存在をすっかり忘れていた妖精は腹部をさすりながら恥ずかし気にしている】

……ん〜ふふ〜〜♪ ん〜ふふ〜〜っ♪

【その後、ようやく紐を解かれた妖精は何処に仕舞っていたのか先程のオルゴールを取り出すと】
【地面に置いたソレを前に、音を鳴らすでもなく上機嫌に眺めている】
【あれ程までに怯えていた闇の中のナニカについてはその気配が去ったからなのか】
【既に考えの遥か外にあり、そんな脅威の存在を既に忘却してるようにも見える】

……! あのぉ……おニクより、できたら甘いモノの方がぁ……

【イムカからの晩餐の誘いに対しても小さく手を上げながら】
【オズオズとではあるものの、そんな提案をする程には気を許している様子】

……! …………

【そしてもう一人の巨漢、恐ろし気でしかし結局は何もして来なかった「こわいニンゲン」】
【もう一人のニンゲンに物を投げ渡すと、無言のまま去って行こうとする背中】
【その背中を前に妖精もまた無言、しかしその背中が見えなくなるまでの間】
【ずっと目を逸らすコトなく見つめ続けた妖精のその行為が】
【警戒心からのモノなのか、束の間の旅路を共にした者を見送ろうとした故のモノなのか】
【見つめていた妖精にも分からないのであった】

//遅くなりましたが絡み乙でした!
792 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/12(月) 21:19:14.62 ID:9yAZJrPQo
【人々の活気に溢れ多種多様な容姿、種族のモノ達が行き交う地方都市】
【大海を間近に望むソコはこの世界においての貿易の拠点とも言える港町】
【様々な人が訪れると同時にあらゆる土地のあらゆる品物もここを通過していく】

んっ、んっ、んっ……っか〜〜〜っ! 一仕事終えた後のコレはやめらんねぇなぁ〜おいっ!

【そんな街の中でも一際賑わいに溢れている一角に建つ一軒の酒場にウィントはいた】
【この日は別の街からこの街を目指していた行商人の護衛として雇われていたらしい】
【道中に山賊と一悶着あったものの、コレといった被害は無く無事に護衛を完遂したこと】
【そして何より酒やつまみの種類の豊富さにかなり上機嫌な様子である】
793 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/12(月) 21:28:17.97 ID:BQvbTsiv0
>>792
さて同じくして護衛を完遂し、卓を囲むニア
全くってんですねぇなんて言いながらも、飲み物はコーラ
アルコールには余り強くないらしくソフトドリンクで誤魔化しているというわけだ
だがおつまみの数々に舌鼓を打っているため、それなりに満喫している模様

「それにしても、賑やかなところってんですねぇ」

周囲をぐるり確認、喧騒に酔うように微笑んだ
794 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/12(月) 21:32:23.37 ID:GQiPrZos0
>>792
「んぐっ んぐっ んぐっ・・・・っぷぁ〜っはっはっはぁ〜〜!! いや全く 苦労したかいがあったってもんよ!!」

ウィントと一緒の護衛を勤め上げ その隣で麦酒を飲み干すアキレスは上機嫌

―――ギィ!!
その足元で新鮮な肉を食べれて同じく上機嫌なベティご両人である

「いや〜あれだね ミスターダンディが頑張ってくれたおかげで無事に仕事が終わったよ イヨッ男前!!」
酒の勢いそのままにウィントをヨイショしてみるテスト
795 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/12(月) 21:58:17.87 ID:9yAZJrPQo
>>793

んだなぁ、やっぱ仕事の締めは騒がしい酒場でツレと盛大に食って呑む!コレに限るな!
いっくら美味いメシでも静かに縮こまりながら食う何ざ真っ平ゴメンだね!
っにいしても、これウッメェな! お〜い! ネェちゃんこれもう一皿頼むわ〜!

【そう注文していた米と小さく刻んだ肉や野菜を炒めた料理を掻き込みながら大声で言い切る】
【嬉々として語り、騒がしく飲み食いするその様は品のある食べ方とはお世辞にも言えないものだが】
【その健啖ぶりと表情からは美味いと言う言葉が心の底から発せられていることが明らかだろう】


>>794

おおっと! ワリィがその手にゃあのらネェぜアキレスよぉ?
そりゃ確かに俺ぁ確かに男前かもしれネェが、おだてた所でここのメシ代の割り勘は揺るがネェぜ?

【臨席で麦酒を飲み干すアキレスのヨイショに満更でも無さそうに照れて見せるが】
【ニヤリと笑みを浮かべながら「お前の魂胆はお見通しだ」とばかりに見つめる眼差しは鋭さを失っていない】
【そしてその間にも運ばれ続けテーブルに乗せられていく料理は正に卓上を埋め尽くさんとしている】
【その全てを食べ尽くした上で割り勘にするとのたまう辺りコイツが一番性質が悪いのでは無いだろうか】

>>all

っと、そうだそうだ……酒が回っちまう前に聞いとかなねぇとだな……あ〜…っと……おぉ、コレだコレ

【と、話す間も休むことなく動かしていた食器を皿に置くとゴソゴソと腰に付けていたカバンを探り始める】
【数秒ほど中を漁っていたかと思うと、目的の物を探り当てたらしく、テーブルの僅かな開きスペースに出してみせる】

何か知らねぇ内に俺の荷物に紛れ込んでたんだが……お前等の荷物だったりするか? コレ

【テーブルに置かれたのはそれほど大きくないものの、何やらいかにも頑丈そうな木箱であった】
【頑丈そうと言う点を除けばそれほどおかしな所は見当たらない木箱ではある】
【誰かの所持品が紛れたと思って取り出されたソレはその場の誰にも覚えの無い品物である】
796 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/12(月) 22:11:36.63 ID:BQvbTsiv0
>>795
「あははっ、なんとなく分かりますってんです」

最近になって、越境者として仕事をこなす事が増えて来てこのような機会が増えてきた
そしてそれは同時にニアに取って楽しい時間の増加を意味する
所謂形式ばったテーブルマナーとはまるで次元の異なる、しかし『食』に対しての変わらぬ限りない感謝と喜び
久しく忘れていた、大勢で囲む食卓の喧騒
いいものだなぁと頬を緩める

「……?」
「いぃえ、ニアのじゃないってんですよぉっ?」

取り出された小箱
無論心当たりはない
首を横に振って、アキレスのモノだろうかとチラリ視線を送る
797 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/12(月) 22:16:49.43 ID:GQiPrZos0
>>795
「いやいやいや せめてそこは7:3・・・・いや なんでもないです」
食う量を考えればソレぐらいの配分になりそうだが その有無を言わせぬ勢い

「えぇいならば胃がはちきれるまで食ってやる!!」
なので少しでも元を取ろうと 目の前のポークチョップに齧り付いた

「モグモグモグ・・・・ンガッ? 何それ」
口いっぱいに肉を頬張りながらウィントが取り出したブツを見るが 身に覚えの無い箱

「いんや? 俺んじゃねぇぞ 中身はなんだい?」

>>796
「いやぁ? 俺んじゃない ニアタンのでもないん?」
口の周りを油で汚したアキレスがニアの視線に応える

「それじゃこれは一体誰んだ? まさかウィント・・・?」
何か訝しげな視線をウィントに向ける
798 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/12(月) 22:25:42.65 ID:9yAZJrPQo
>>796 >>797

……マジで? てっきりお前等の荷物だと思ったんだけどなぁ
しっかし、そうなると何なんだ?……流石に積み荷が紛れ込んだ、って事はねぇだろうし……

【同行はしたものの、それはあくまでも護衛としての同行であり、自分は一切商品に触れていない】
【そもそも、行商人が自身の運んでいた商品の管理で不手際をする筈が無い】
【そうなると一体全体何処で自分の荷物に紛れ込んだのかと一種の不気味さを感じそうなものだが】

……まぁ、そしたら取り合えず……開けてみっか

【そういった事を感じる繊細さよりも、中身の知れない箱が何なのかをしりたいという好奇心が上回った様だ】
【そして思いついたら即時即決、静止や警戒の言葉を誰かが発した時にはすでに蓋は開かれており】

………は? ………なんだこりゃ?

【そこに有ったのは、先の箱よりも一回り小さいサイズの木箱であった】
【箱の中に更なる箱があると言う、滑稽とも異様とも取れる光景をして】
【ウィントには何やら無駄に勿体をつけられたかのように感じられたのか】

……

【無言で、しかし確固たる決意を持って蓋を開け放っていく】
【そして箱が3重以上になっていることが分かった時点でも最早その手がとまる事は無く】
【まるで何かに突き動かされるかのように4つめの蓋に手をかけると迷い無く開け放ち】

……あぁ? ……あんだこの薄汚ぇボロ切れは

【中に入っていたのは緑色をした一枚の紙切れの様な物であった】
【表面には何やら文字らしき物が書いてあるものの、ウィントには馴染みのない物であった為】
【特に気にすることも無く紙切れを手にとってマジマジと眺め始める】
799 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/12(月) 22:31:38.88 ID:BQvbTsiv0
>>797-798
「えぇっ、ニアはそんな……」

大仰な、有る意味高級そうなモノは持っていない
不可思議な現象にただただ首を傾げるばかりであった
そして開かれる箱、ひょいと覗き込む

「……箱だらけ……ってんですねぇっ……」
「おっ? ……なんですかそれっ?」

マトリョシカのように次々に現れる箱箱箱
やがて突破を続けて辿り着いた終点、矢張り全く見覚えのないただの紙切れ
同じように視線を紙に、むむむと疑問符を付けて唸っている
800 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/12(月) 22:40:20.90 ID:GQiPrZos0
>>798-799
「そだね 何か分かるかもしれないし」
一端食べる手を止めてウィントの手元を見守る

「・・・・・・・・・・・なんでこんなに箱が連なってるんだ?」

気づくものにはその厳重さが分かるのかもしれないが この男にはなんか変な何かぐらいにしか思わなかった
そしてついにそれは姿を現す

「・・・・あ 分かった」
暫しその切れ端を見てひらめいた様子

「キット昔の人がつかってた栞だよ 多分著名人のだから厳重な保管がされてたんだよ」
801 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/12(月) 22:46:53.05 ID:9yAZJrPQo
>>799 >>800

はぁ〜ん……何つーか……拍子抜けだなぁ……ったくよぉ

【紙切れを何かバッチイ物でも触るかのように指先で摘みながら詰まらなさそうに呟く】
【表面の色と質感からして盛大にカビの生えたボロい紙切れ程度だろうと考えたのか】
【興味を無くした様に摘んでいたソレを他の二人に見えるようテーブルのスペースに放り出す】
【二人の反応を余所にウィントはすっかり興味を削がれたのか、何事も無かったかのように食事を再開する】

【が、テーブルに放り出された紙の端が自重によってピタリとテーブルに貼りついたその瞬間】
【条理から外れた物に触れ、接した事があるものであるならば微かに感じ取れる異能の気配と共に】
【紙切れの表面が仄かな燐光を放ち始め、表面に書かれた文字が妖しく揺らいだ様に見えただろう】
802 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/12(月) 22:52:30.13 ID:BQvbTsiv0
>>800-801
「ふぅん……」

過去の偉人が使っていた栞とは、また珍しい
だけどもまぁそれ以上の感想を抱くはずもなく
ポイっと放り捨てられたそれをチラリと一瞬眺めるだけに終わる
……はずであったのだが、

「……んっ?」

仄かな輝き、妖光、それとナニカの気配
無論気にならないはずもなく、視線は外れる事もなく注視
803 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/12(月) 22:56:56.74 ID:GQiPrZos0
>>801-802
「ねぇ〜 まったく どうせだったら金銀珊瑚とかがよかったね」

そういうアキレスはすでに興味ナッシング
ウィントが紙切れをどうしたとか全く関係なく食事を再開しました

「ガツガツムシャムシャ・・・」
だもんだから紙切れがナニか気配を発しても我関せず
804 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/12(月) 23:11:27.13 ID:9yAZJrPQo
>>802 >>803

……んおっ? どうした? 何かいま変な気配がしなk

【既に紙切れのことなど無かったかのように食事を再開していたウィントであったが】
【流石に眼前で怪しげな気配を放ち始めたソレに対して再び注意が向く】
【が、その間にもテーブルを埋め尽くしつつある料理を口に運ぶ手は休むことが無く】
【声をかけた瞬間にも卓上に置かれていた熱々の海鮮スープを手に取り豪快に口に流し込み】

っぐ!? ぶ〜〜〜〜〜〜っ!! げはっ! ごふっ!? っぁ!〜〜〜〜〜〜〜!!?

【口に含んだスープを激しく噴出すと血相を変えてイスから転がり落ちのた打ち回り始める】
【尚、吐き出されたスープは辛うじてテーブルの下に向かって吐き出されたがために】
【飛沫が他の二人や客達にかかる事は無かったものの、テーブルの下にいたであろうベティの運命は】
【またその主人たるアキレスも紙切れが輝きを放った時点で皿がテーブルに触れていたならば】
【ウィントと同様、口の中の食物の味、質感、匂いまでもがワサビに置き換わって感じられるだろう】

【また苦しみ悶えるウィントの様子に気をとられる間にも、紙切れの燐光は収まることなく輝き続け】
【その卓の料理、否、テーブルそのものからすらも独特の刺激を伴った香りが周囲へと漂い始める】
805 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/12(月) 23:17:42.54 ID:BQvbTsiv0
>>803-804
「あのっ、今なんかこれっ……」
「……うわぁっ!?」

紙に起きた変化をふたりに伝えようとした正にその時
突然ウィントがマーライオンめいてスープを噴射
当然驚愕以外のリアクションを取れるはずもなく、ただただ呆然
はっと気がつきコップを手に取り、ウィントに差し出してみる

「だ、大丈夫ってんですかっ?」
「これっ……」

飲みますか? と水の入ったコップをずいっと
余りの事に匂いの変化までには気が回っていない様子
806 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/12(月) 23:23:53.21 ID:GQiPrZos0
>>804>>805
「もぐもぐごっくん ごkッッッッッッッッッッ!!!???!?!??!?!??!?!??!」
肉を飲み込み 麦酒を流し込み



「ブォォォォォォォォぉっへえ゛っへえ゛ぇぇぇぇぇぇぇええええ゛え゛え゛!!!!!!」
同じく盛大に噴出する しかもニアの方を向いて

しってるかうぃんと わさびは摂取しすぎると鼻に来るんじゃない 後頭部が痺れるような痛さを覚えるんだ

兎に角ウィントとアキレス 正体不明の痛覚にのた打ち回り

――――g・・・・・・ggggギィ!?

失礼 足元にもう1匹いました このサソリものたうちまわっています
807 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/12(月) 23:40:31.31 ID:9yAZJrPQo

【この時のウィントの災難は食べた物がよりにもよって固形物ではなく液体】
【しかも湯気の立ち上る熱々のスープであり、それを啜ってしまったことにある】
【この海鮮スープは本来取れたての海産物の旨みを余すことなく閉じ込めるべく】
【独自の手法によってトロミを付けており、それによって温度もまた高く保たれ】
【立ち上る湯気と共に口の中からも香りが立ち上る、そういった料理であった】

〜〜〜〜〜っぉ! 〜〜〜〜〜〜〜〜ぁっ!!

【しかし、そうした料理人の試行錯誤も、その全てがワサビと置き換わったスープにおいては】
【口の中を蹂躙しつくした後に鼻腔まで遡りその辛さを余すことなく届けきった上に】
【トロミによって吐き出した後もその全てが排除されることが無く口の中に残り続け】
【結果として地獄の如き苦しみを与え続ける結果と相成ったのであった】

>>805 >>806

【そんな状況において、目を血走らせ鼻水と涎を垂れ流し苦しむウィントに水を差し出すニアの姿は】
【正に地獄に仏、救いのかみの如く後光が指してすら見えていたが為に迷うことなく水を受け取り口の中へと流し込み】

っばぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!

【その全てを先に勝る勢いで噴出させるのであった】
【当然ながら、これは渡された水もまたワサビと化していたためであり】
【しかもタイミングをほぼ同じくしてアキレスもまたニアに向けて同様に噴飯しており】
【噴出されしぶきとなったソレらは未だにワサビの概念を失うことなく存在している、故に】
【至近距離かつニ方面からの奇襲が如きそれらの暴挙を前にニアは果たしてどうなってしまうのであろうか】
808 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/12(月) 23:47:54.79 ID:BQvbTsiv0
>>806-807
「……!?」

マスクレスラーの毒霧攻撃めいた噴射がダブルでニアを襲う
その瞬間を、酒場の緩い照明が照らす飛沫が七色に輝くのを確かに見た
これは虹だ、人工の光が生み出す極彩色のハイブリットレインボウ
無論回避など出来ようはずもなく完全に直撃である、現実は無情

「……んぶべぁっ!?」
「……!!!???!?!?」
「んぎゃぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!!」

ニアは生体兵器である
タイドメイカーの能力も、超常現象と科学の融合を果たした末の奇跡に程近い産物なのだ
そしてその科学部分のひとつに、肺機能の強化が存在した
強化された肺に大量の空気を溜め込み、タイドメイカーの原料としているのだ
何が言いたいかというと、ニアの肺活量は非常に大きい
よってこの絶叫も想像を絶する、酒場の屋根が飛び上がる程のモノだという事
因みに本人も屋根近くまで飛び上がりそして地面を転がり悶えているのはいうまでもない
809 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/12(月) 23:50:13.64 ID:GQiPrZos0
>>808
「★£‡+〓§Δ∴◎‰$梶゚島凵セ仝!!!!」
―――★£‡+〓§Δ∴◎‰$梶゚島凵セ仝!!!!

もはや声にならぬ悲鳴をあげてのた打ち回る一人と一匹 楽しい宴会がどうしてこうなった
810 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/12(月) 23:59:57.11 ID:9yAZJrPQo
>>808 >>809

【突然に苦しみ悶え絶叫し始めた一行の様子に騒ぎは店外にまで拡がっていく】
【何かの伝染病か、呪いか、料理に毒が入っていたのかなどの憶測が勢いを助長していく】
【が、騒ぎの中心である一行には周囲の者達の声など聞く余裕も無く】
【只管に悶え苦しむばかりであったが、その内の一人の青年が身体を震わせつつも立ち上がると】

〜〜〜っ、っか……おぅえ……っては、こいふの……しあざかぁぁぁっ!!

【この騒動が起きる直前、目の前で、明確に妖しい気配を立ち上らせていた物を青年は知っていた】
【故に、その苦しみを、理不尽なまでの地獄を目の当たりにして見せたソレに対する怒りを漲らせ】
【震える身体を憤怒と憎悪と気合とで押さえつけ、腰元の愛剣を抜き放つと勢いよく地面を蹴り】

”暴っ風!!!”っしゃっらぁあああああぁぁ!!!

【魔法によって全力のフルスイングの勢いを更に上乗せしてテーブルごと砕けろと振りぬきそして……】
811 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/13(火) 00:09:43.22 ID:GBTHWSch0
>>809-810
はっきり言って店側としてはたまったものではないだろう
料理を食べていた一行全員が悶え苦しんでいるのだ、毒にしか見えない
異物混入による飲食店の社会的信頼の失墜の恐ろしさはきっと、越境者達の間でも今話題になっているはずだ
『食の安全』
それを改めて見直す必要があるのではないだろうか
産地だけを気にするのではなく、製造工程にまで踏み込んだ即ちHACCP制度のもっと周知浸透を願うばかりだ
さて閑話休題、ウィントが振るう刃に目を見張る

「……は、八葉っ……!」

涙目のまま咳き込みながらもタイドメイカー8本を展開
飛び散るであろう飛沫からの盾とすべく構えた
どうやらこの騒動の発端と、それと食材全てが危険なのだとこの短時間で察したらしい
812 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/13(火) 00:12:51.72 ID:6QSmWykro
>>810

                               ヽ`
                              ´
                               ´.
                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´


---数日後

【振りぬいた剣が符を両断した瞬間に爆発するように閃いた翠色の光と衝撃】
【ソレを浴びたモノ達は瞬時に昏倒するか意識を保った物も地獄の苦しみに悶え意識を失った】
【騒ぎがあった場所が人の往来の多い場所だったことにより偶然のその場に居合わせた越境者や冒険者も多く】
【そうした者達ほど症状は重篤であり、目を覚ましては余りの刺激に昏倒することをくり返す者も居たほどだ】
【この事件はこの港町の中に留まらず冒険者達の口に乗って様々な国へと運ばれ】
【更に後には越境者達の間で似たような事案が報告されたことで数多の世界へと拡散されていく】
【曰く……手に入れた覚えの無い木箱を見ても決して開けず、壊さず、厳重に封印を施すべし、と】

【最も、そうした噂が広まった後にも4重の木箱に入った奇妙な符の目撃談は絶えることが無かったのであった】

//コレにて〆です!お疲れ様でした!!
813 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/14(水) 22:13:53.08 ID:BYUlbb5Xo
−−−−−−−−−−
【とある幻想世界…境界線座標2.2639858(接続未確立)】

 ヒノモトよりまたも別の世界に飛ばされた。現在の私はヒノモトを基幹世界とし、
 様々な世界に流れる仕様になっているようだ。装備の不安がここに来て痛い。
 これは私の勘だがサーボスカルと合流しなければスプロールと再接続できない可能性が高い。
−−−−−−−−−−

 強い雨風が岩を叩いている。現在、ここは嵐の真っ只中であり、
 空は黒い雲に覆われ夜のように暗く、雰囲気は重い。それは天候ばかりではない。

「あそこには伯爵様…吸血鬼がいるんじゃあ…!」

 麓の町は焦燥と絶望に満ちていた。
 吸血鬼が地域全般を領土とし、バケモノの身でありながら人の上に立ったのだ。
 領民は租税を貴族でも、果ては人間でもなく、わけのわからぬバケモノに収めることとなった。

【幾度も起こったヒトの叛乱は虐殺に等しい結果で終わっている】
 【反乱者の一族にこそ咎は無かったが、犠牲者の魂はそれで癒えるわけでもなく】

「いつ気まぐれで殺されるかもわからねぇ。こんなの何時まで続くんだぁ…!」

【概要はそこまでだ。もっとも来訪者(ビジター)である者達にそれはどこまで意味があるかは分からないが】

 −−−−−−−−

 領主の城――

 背後に海が広がる断崖絶壁に不自然に立つ大きくそして不気味な城。
 眼下では大きくうねる、高波が崖下の岩を強く叩いている。

「ギィ…!」

 城壁なき城より、使い魔たるグレムリンが幾つモノ遺体を海に放り捨てている。
 自称『勇者達』の遺体。物語の終わり。その結末がゴミのように捨てられる。

【遺体はどれも干からびている。勇壮な男も、麗しい女も、老賢者も、幼い魔術師も全て干からびている】

 強い雨風に撃たれ、干からびた死体たちは空洞となった眼下で見るは崖の岩肌とうねる海原と――

「―――ッ」

 ガシッ!と豪雨の中、岩肌と掴み、ロッククライミングを慣行している女の影。
 その長い金色の髪が風で大きく揺れ、全身はずぶぬれになっている。

「…腹が減るな」

【片手で岩肌を掴み、もう片手でドライフルーツを練りこんだパンをモグモグ】
814 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/14(水) 22:29:12.71 ID:kJxTsHHcO
>>813
「……あれぇっ?」

と、後方……つまりは下の方から嵐鳴に混じり緊張感の薄い声
ニアは崖を登る差中でようやっと気が付いたのだ、そこに何者かがいるという事に

「イムカじゃないってんですかぁっ」
「イムカもっ、吸血鬼退治に?」

どうやら少し離れた、しかし統治下に置かれる町人の依頼でやって来たらしい
領主の城への、潜入的進行ルートは限られている
その中で崖を選ぶのは、ニアとしては自然なことだ
タイドメイカーの吸盤はこの程度を用意によじ登る事が叶うためだ
1本の触腕をナメクジのように垂直に登らせ、自身はだらーんと風に煽られ揺れている
乗りますか? ともう1本触腕を生やして首を傾げた
イムカがここに居る理由が、自身のモノと同じだと判断しているらしい
肯定が返れば、タイドメイカーに腰掛けるように促して崖を素早くよじ登る事だろう
815 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/14(水) 22:39:36.27 ID:BYUlbb5Xo
>>814

「…んっ?」

 ロングシャツの左側には双頭鷲(アティラ)のエンブレム。
 その上に防弾ベストのみという格好でびしょ濡れになっているイムカは、
 張り付く髪を撫で付けながら下を見る。

「出たな、妖怪タコ魔人。…冗談だ」

 ヒデェご挨拶をしながらもイムカは少し考えて、

「君の吸盤に頼るか否かは実際、迷うところだな。私は別段、吸血鬼退治が目的ではない」

 一端保留ということで、岩の出っ張りに指を引っ掛けて登るイムカ。
 強い風雨に打たれながらのコレはかなりの重労働であるが、
 一応、ここは高度な訓練を受けている軍人としての面目躍如だ。
816 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/14(水) 22:46:06.19 ID:kJxTsHHcO
>>815
「……否定は出来ませんってんですけどね?」

そう、出来ないだけに響くのだ、妖怪タコ魔人

「……ありゃ?」
「むむ、そうだったんですってんですかっ?」
「じゃあここに、何をっ?」

果たして思い違いであったイムカの目的
ならば一体なんだろう、まさかロッククライミングが趣味とは聞いた覚えもない
イムカが登るだけ、こちらも進みペースを合わせて首を傾げる
817 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/14(水) 22:56:05.57 ID:BYUlbb5Xo
>>816

「何を?って、領主が溜め込んでいるお宝に用があってな。
 トレジャーハント。まあ、ドロボウだ」

 相も変わらず端的な説明であるが、内容はかなりヒドイものに聞こえるかもしれない。
 イムカ自身も口にした後、んっ?とやや考え込んでから、

「…言っておくが私欲はないからな。誤解しないように」
 
 と、微妙に手遅れ感漂う弁明。
 そんな話をしているうちにもまたも遺体が放り捨てられ、
 崖上から転がり落ちてくる。女子供の干からびた遺体。しかし装備品は一等のローブだ。

「全く、こういうファンタジックな世界では魔力とやらがあれば、
 女子供もイクサで功名をあげたがるものなのかな?やりきれんよ」

 自業自得と断じている雰囲気ながらも、納得はどこかでしかねている。
 そんな微妙な心情である。が、声音そのものはいつも通り冷淡なものであった。

「んっ、あそこから入れそうだな。木の雨避けをどうにかすれば…。手っ取り早く壊すか?」

 蹴り破ろうかどうしようか悩んでいる様子。
 サーボスカルが居ないイムカ。実はこういうのに全く向いていません。
818 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/14(水) 23:07:32.68 ID:kJxTsHHcO
>>817
「あぁ、なるほどっ」
「……倒すより賢いってんですねそれぇ」

弁解は聞こえていたのかそれとも風に掻き消されたのか
ともかくそれに対してのコメントはなく、ただふむむと唸るのみ
確かにそうだ
数多の勇者が挑みご覧の有様である怪物と多大なリターンに挑むより
お宝の幾つかを拝借して失礼する方が確実性は比べ物にならないほどに高い

「……ま、御冥福をってやつってんですねぇ……」
「壊したら音で暴露ません?」
「……少し様子見してれば大丈夫ってんですかねぇっ?」

名も知らぬ勇者の、蛮勇の果てに赤眼をちらり
そして蹴破るつもりのイムカを止めようとしつつも最終判断は委ねるつもり
一応タイドメイカーを6本に増やし、奇襲体勢
なんなら触腕で雨除けをブチ抜くくらいの事もするだろう
819 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2015/01/14(水) 23:14:05.96 ID:a0tMRe22O
【ここはヒノモトの国、カントーと京の都とを繋ぐ名の知れた街道が一つ】
【山間を縦に横にとクネクネと曲がりくねりながらも整備のなされた街道が続いている】
【しかし、そんな街道だと言うのに日の高さにも関わらず道を行く人影は殆ど無い】
【そんな人気のない街道を旅装束の女性が一人、黙々と歩んでいる】

……ふぅ……そろそろ道程の半ばくらいはいったかしらね
…………さっきから誰ともすれ違わないし……一休みとしましょうかしら

【そう言うと街道沿いに立つ一本の松の木の下に腰を下ろし】
【もう一度辺りを見回すと旅装束の笠を頭から外す】
【笠の下からは金色の髪と同色一対の狐耳が現れれば】
【笠の下で窮屈だったのかフルフルと気持ち良さげに震えて見せる】
【肉体的な疲労と共に気疲れしていたのか誰もいないと思って】
【普段に比して弛緩した表情や姿を晒してしまっている】
820 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/14(水) 23:21:59.91 ID:q9kudoH1O
>>819
さて、休憩中にごめんなさい。
向かい側からふわりと、風圧だけなら心地よい風。
その風を伴って現れたのは、褐色の肌と銀髪と長い耳と
この地では明らかに異国民の顔立ちの持ち主。

なぜ、風圧だけと表現したか。
それは、そいつが獣の鼻なら確実に嗅ぎ取れるレベルで
死臭をまとっているからである。

「休憩?」

すごく短く端的に質問。
目線は全力でその耳に。

「……何尾?」
821 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/14(水) 23:23:17.58 ID:BYUlbb5Xo
>>818

「音でバレる。うん、それならなんとか」

 小窓の横までたどり着くと、イムカはなるべく音が鳴らないように、
 木の雨避けを切ろうとクナイを抜く。そして、その切っ先で木に傷を――

【ずりずりずりと音はするものの一向に切れ目が入る様子無し】

「…駄目だ」

 ああ、嘆かわしきは【刃物:×】適正。本当にイムカにかかれば何でもナマクラ。
 実際、賽印流の印が入っているコレ。ナマクラのはずはないのだが。

「やはり蹴破ろう。埒が明かない」

 即断即決、反動をつけてゴワシャア!と盛大は音を立てながら、イムカは内部に潜入。
 サーボスカルが居ないと極端にステルススキル低下するイムカ。
 本人に弁明機会があるならば「私は将校で兵士だが工作員ではない」となるのだろう。

【人には向き不向きがあるのである。そこ、脳筋理論とは言ってはいけない】

 −−−−−−−−−
【領主の城:内部】

 そこは厨房なのだろう。甘い脂の香りを放つ肉や、瑞々しい果物。ワインなどもある。
 こういうのでおなじみな、人肉やら血を絞り出した残骸やらの凄惨さは微塵もない。

「ふう、体力を使ったな。警戒しつつ、休憩にしようか。ところで――」

 イムカは身体を拭きながら、ニアの方を見やって、

「君は吸血鬼の領主を倒す依頼を受けたようだが、実際どんな風に話を聞いている?」

 ニアが聞いているのはたぶん>>813の内容であろうが。

【イムカがこういう聞き方をするときはある種の癖があったりする】
822 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/14(水) 23:34:08.71 ID:kJxTsHHcO
>>821
「……逆にどうやってるってんですかそれっ……?」
「っと、分かりましたってんですよぉっ」

小型のナイフで削っているはずなのに、木材には傷がない
ある意味芸当めいたそれに思わず目を見張り尋ねる
そして結果蹴破られる事になったのだがニアとしてもチマチマやるよりはそちらの方が好みではあった
能力的にも建物内ならば充分に威力を発揮出来るし、そもそもそういうのに向いているのだ


「……ん、いい匂いっ……」

案外整然としている厨房を素早くぐるり
取り敢えず脅威がないと分かれば鼻を鳴らして思わず頬を緩める

「はぁいっ」
「これなんか、食べれそうってんですよぉっ」

簡単に体を拭き、ぶどうを一房失敬
一粒口に放り込んでからイムカにもどうぞと差し出してみる

「んっ?」
「えぇとぉ、圧政を敷いてる夜侯を懲らしめてくれってぇ……」

金貨10枚じゃ割りに合わなそうってんですねぇと苦笑
確かにいのちを賭ける額としては、その報酬は少な過ぎる
823 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2015/01/14(水) 23:34:50.60 ID:a0tMRe22O
>>820
【フワリと木陰へと吹き込んできた風の運んできた匂いと気配に】
【先程までの弛緩していた空気が幻であったかの様に凍りつく】

えぇ、ご覧の通りだけれど?

【肉体的な感覚の精度については獣よりヒトのソレに近い程度しか持ち合わせていない】
【しかし冒険者としての経験からか、はたまたかつて得た「もう一人の自分」の記憶故か】
【血の匂い、取り分け死に携わったモノの匂いに関しては敏感に感じ取れる】

……随分と不躾な質問ねぇ……ソレを聞いてどうする気かしら?

【そして続く質問を聞けばその表情からは更に感情の色が抜け落ち】
【問いかける言葉は無機質で内心を伺わせまいとするような冷たさだけが感じられるだろう】
824 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/14(水) 23:39:35.28 ID:q9kudoH1O
>>823
たぶん、目の前のこいつに言葉の温度は関係なさそうだ。
未発達とみるか、無機質と見るかはその人それぞれ。
両方共正しい感想なのだから。

「腕前の確認。この先の宿場町は死都に堕ちた」

値踏み、というか確認作業というか、
彼女としてはより高い戦闘力の持ち主がそこに飛び込むなら歓迎。
そうでないなら、漂流者のよしみ程度、だろう。

「引き返すことを勧める。
 あそこを無傷で抜けるのは難易度が高い」
825 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/14(水) 23:44:48.54 ID:BYUlbb5Xo
>>822

「ああ、それじゃあ整理してみようかな」

 気配に警戒しつつも、甘い香りのハムを切って口に入れる。
 こうしてみれば本当にドロボウまんまであるがあえては言わない。

【ブドウを受け取ってほうばる。甘い、そして水分。重要だ】

 私が調査した限りの吸血鬼領主の行いだ。

 −−−−−−−−−−−−−−−
 ・叛乱に対して、首謀者、加担者皆殺し。
 ・租税は平均的。しかし夜の支配者が領主となって以来、作物が育ちにくい。
 ・幾度もの叛乱により、村々の荒廃が進んでいる。
 ・生贄が要求されたことは一度もない。
 ・夜の気配に惹かれたクリーチャーによる被害が出ている。
 ・人心が荒れ果て、様々な社会問題が横行している。
 ・法律めいたものは前領主(人間)のものを踏襲し、改善も改悪も行われていない。
 ・吸血鬼狩り(ヴァンパイアハンター)の称号を得んと数多の勇者サマが挑んでは死を以って冒険を終える。
 −−−−−−−−−−−−−−−

「私の勘だが、ここの領主様は人間に関心も敵意も持っていないな」

 栄養価の高そうなナッツをかじりながら言うイムカ。
826 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/14(水) 23:50:30.55 ID:kJxTsHHcO
>>825
「あ、パスタなんかもあるってんですねぇっ……」

食品棚に飾られる様に置かれている、様々な形の乾麺
まぁ最も流石に調理する気にはならないが
ぶどうのタネを吹き捨てながらイムカの整理した情報に聞き入る

「……んー……?」
「えぇとぉっ、つまりは向かってくる火の粉を払ってるってだけって事ですかね、それっ……?」

結局は住民達がただ独り芝居、勝手に騒ぎ暴れているだけという事になるのだろうか
バナナの皮を剥いて食べる、濃厚な甘味
827 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2015/01/14(水) 23:51:47.31 ID:a0tMRe22O
>>824

へぇ……つまり、貴女はソレを私に言いたくて出てきた、というコトかしら?

【腕前の確認、この先の街についての警告、引き返すことの推奨】
【それらを黙ったまま聞いていたかと思えば、返す言葉には呆れるような響きが含まれていた】

どうも、ご忠告痛み入るわ……だけれどお生憎様
ソレは私が足を止める理由にはならなくってよ?

【そう、聞き様によっては傲岸不遜ともとれる言葉を吐けば】
【その顔には発された言葉に劣らない不敵な微笑が浮かんでいる】
828 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/15(木) 00:01:01.19 ID:My9qpe4TO
>>827
「引き返しながら会う人物全員に警告中」

そうか、行くのか、と納得した模様。
強行するタイプを止める義理はない模様。
じゃあ次にいく、と動き出したところで、長耳の横に
大きな歯が目立つ人魂みたいのが現れて、何やら話す素振り。
それをひと通り聞いて、もう一度だけ警告。

「使い魔によれば、最初に警告した剣客が宿場に入って
 死都の一部になった。あなたも引き込まれないように注意して。
 ……強者が呑まれれば、それだけ掃除の手間が増える」

じゃあ、次の旅人に警告しにいく、とだけ言い残すと
長耳の持ち主は狐さんがやってきた道筋を逆に進んでいった。
戦力を集めるか、どこかの寺に祓いを頼むか、何にせよ、一応処理する方向ではあるのだ。

「頑張ってね」

//
日付変わるし、おわりますかー
829 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/15(木) 00:04:27.96 ID:grGt719Wo
>>826

「そうでもない。凶作が彼等にとっては大きな負担であることに違いはないからね」

 作物の重要性は中世期の時代でどれほどのものかは言うまでもないところ。 
 実際に夜の眷属が領主となり支配地域と化していることの弊害は多い。
 住人達の一人芝居と断ずるのは酷だと言う。

「存在するだけで恐怖を喚起し、陽光を塞ぐ領主。ただし、圧政も暴虐も行っていない。
 しかし、救いもしなければ対策もしていない。だから無関心というわけさ。
 火の粉を払うことと懲罰には厳格であるようだけどね」

 吸血鬼の領主の咎があるとすれば存在そのものと支配への無関心。つまるところ、

「食と生活に困らない地位さえ得られればいい。後は好きにしろ。
 生きたきゃ生きろ。死にたければ死ね。殺されたいなら殺してやる。
 支配者としては落第だ。疎まれるのも討伐されるのも当たり前だ」

 同時に所謂強い力を有した一種の超越者としてならば比較的穏当な在り様とも取れる。

「だからかな。私は今回、あまり討伐とかそういうのには乗り気ではないのだよ。
 これは異世界の人間が関わるべき事か?と思えてしまってな」

 言いながらも何故、潜入なとどいう明らかに領主を怒らせるような事をしているかというと、

「私の世界の遺物がここに流れているらしいんだ。軍旗の切れ端なのだが、名誉に関わる。重要なんだ」
830 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/15(木) 00:15:28.22 ID:JfJTg9cEO
>>829
「あー……そういうっ」
「……でもそれだとっ、」

ふむふむと頷きながらも次は何を食べようかなぁなんて目星を着けたりしている
でもしかしそれならば領主となった理由は何なのだろう?
領主の立場という安定した生活か、はたまた別の所に目的のベクトルが向いているのか
何にせよ吸血鬼よりはヒトに近いニアには理解出来そうにないし、考えるのは無意味かと続く言葉を飲み込んだ

「ふぅん……」
「まぁ、ニアは一応引き受けたからにはやれればやりますってんですけどぉ……」
「グンキ、……旗ってんですか」

それはまた奇妙な捜し物だと口を尖らせる
イムカの、未来の世界の旗
何やら色々曰く付きでありそうな逸品だなぁと、今は同行していない空飛ぶ骸骨を思い浮かべた
831 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/15(木) 00:16:52.03 ID:JfJTg9cEO
//すみませんそろそろ落ちそうなので〆させて下さい…
//もし良ければ続きを後日なりお願い出来ればなと思います、勝手言ってごめんなさい
//お疲れ様でした、お休みなさい
832 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2015/01/15(木) 00:24:03.85 ID:0I3OihosO
>>828

そう……ご苦労なことね

【それだけ言うと去ろうとする少女かれ視線を外し、目を瞑ると木にもたれて休息し始める】
【が、少女の傍に使い魔らしき影が現れると耳だけがピクリと動いて反応する】

へぇ……案外、物好きは少なく無いみたいねぇ
……えぇ、情報をありがとう……精々気をつけさせていただくとするわ

【そう言うとめをつぶったまま、いつの間にか背後に現れていた二本の尻尾を軽く揺らして見送る】
【少女から最後にかけられた言葉には特に反応を示さず俯いたまま見送るが】

…………死都に引き込まれる、ね……さて、彼方さんは此方をどう認識するのかしらね

【気配が感じられなくなった頃、ポツリと何気無く発された言葉は】
【何処からか運ばれてきた風に吹き消され誰に届くことも無く消えていくのであった】

//それではその様に〜
//お付き合い感謝です!
833 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/15(木) 00:30:44.20 ID:grGt719Wo
>>830

「領主…この世界というかこの時代だと結構権限が大きいな。
 はっきり言って野良で城に引きこもるよりよほど有意義な生活が出来るのだろうさ」

 俗物的とも断じられるし、地に足がついているともとれる。
 領主になろうがなるまいが、吸血鬼というだけで狩人はやってくる。
 力量無くば夜をネズミのように隠れて生きるしかないのだろうが、もし、力量あれば――

「下手にワケの分からない精神構造の類の輩よりは、よほど読みやすいとは言えるな。
 力量に相応しい地位と生活を求めた。しかし責任までは欲していない…なんとも扱いには困る」

 ある意味で能力者…それも迫害されている類の者達が求めている生き方かもしれない。
 それを第三者視点で今回見る機会となった…といったところか?

「ああ、旗だ。私の世界では120年前の敗戦で聖騎士団の中隊が失った軍旗。行方不明になった。
 これを失った事は彼等にとって大いなる不名誉。そして回収は帝国軍人としての責務だ」

 どういうわけか世界を流れてしまっていたらしい。
 ここはイムカが私人ではなく公人ゆえの責務…と言ったところか。

【何より名誉を重んじるというところに『終焉の遠未来』の一端が垣間見えるかもしれない】

「まあ、しばらくは同行しよう。討伐はともかく、ここで協力しない理由はないからね。後はそうだな―」

 服も乾いた事だし行動を開始することとしよう。

「ここの吸血鬼、なんでもシンソ≠轤オいが、シンソ≠チて何だろうな?階級か何かか?」

 などとイムカ自身、あまり理解していないことを口にするのであった。

//ではこの辺で〆としましょうです
834 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage saga]:2015/01/15(木) 21:42:55.29 ID:cT3mHWRm0
「さて、今回のお仕事ですけど」

雑多な鎧に身を包んだローニン達を前にして、ギャラエは口を開く

「簡単です、妖術で動く泥人形を捕まえる事」
「……壊しちゃダメですからね?」

ヒノモト、京の都より遠い街
酒場で高額の依頼としてそれを貼り出したのだ、即ち泥人形の捕獲
集まったのはゴロツキ紛いのローニンの面々やニンジャ崩れ数名
異国の出で立ちのギャラエに不審な視線を向ける彼等に続けた

「見事捕まえた方には……」
「じゃーん、なんとこれだけのお金を差し上げますっ!」

と、それを提示すれば小さなどよめき
恐らくこの世界にしては破格の金額なのだろう

【最初から依頼を受ける定でブリーフィングを受けていても良し】
【酒場にやって来てギャラエに話し掛けるも良しなシチュです】
835 :アグラーヤ [sage]:2015/01/15(木) 22:05:31.96 ID:FhVd6ydu0
>>834
【酒場の片隅で干し肉を囓る白髪の女。酒は飲めないのだが、空腹を満たすためと】
【こういった類の酒場でよく耳にする儲け話、特徴的な尖り耳を立てて周囲の会話を探る】
【聞こえてくるのは大抵が胡散臭いものや黒いものであったりするのだが、働いているわけでもなく、資金源も持たぬ孤高の越境者であるアグラーヤにとって選ぶという選択肢はない】

……ちょっといい?
その話、私も乗らせてもらうわぁ。

【どうやら今宵は大当たり。この世界の通貨に完全な理解を持っているわけではないが】
【これまで稼いできた日銭と比べて、そしてローニンと呼ばれる野蛮人どものどよめきからかなりの金額であることがわかる】

それとも何か特別な資格が必要?
この場で示せるモノは力くらいしか持ってないのだけどぉ……。

【座っていた席を立ち、ローニンどもを掻き分けながらギャラエの元へ】
【相当の修羅場をくぐって来たのだろう、表情には自信と他者に対する優越】
【腕脚共に生身ではなく、ギャラエに向けられる真紅の隻眼に迷いは無い】
836 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage saga]:2015/01/15(木) 22:27:03.68 ID:cT3mHWRm0
>>835
「……ん?」
「いいえ、大歓迎ですよ」
「……特に強そうな方でしたら、尚更」

エメラルドの瞳が真紅を見据え、やがて細まる
小さな笑みを浮かべて軽い会釈、飛び入りを容易に受け入れた
最もそれは、この状況そして彼女の身に纏う王套にも勝る覇気を察したが為だ
余程の武芸者、或いは越境者
『大当たり』を引いたのはどうやらギャラエも同様らしい

「……では、着いてきて下さい」
「貴女にはまた、道すがらキチンとお仕事説明しますね」

一行は酒場を後にして大型の馬車へ
大の男10人、そしてギャラエと純白の君が乗っても余裕のあるスペース
牽引する馬も、逞しいモノがそれも3頭
怒号にも似た嗎、振動が始まる

「……んじゃ、お仕事ですけど」
「最近遠くの地方に、異国のアヤカシが出現しているって噂はご存知ですか?」

この世界には、妖怪が当たり前のように存在している
彼等は夜な夜な夜行を始め、人々と友好なモノ達はそれなりの関係を
そしてそうでないモノ達もそういった関係を築いているのだ
ところが最近、妖怪達の中で奇妙な出で立ちのモノを見たという噂が立つ
所謂、『西洋式』の悪魔や幽霊にも等しいそれらは、この世界にしてみればイレギュラーだ

「それで、この街道にも異国のアヤカシが出たって……」
「ゴーレムっていうんですけどね?」

ローニン達の、イクサ前だというのに呑気な騒ぎ声が聞こえる
彼等は酒場から極めて横暴な方法で高い酒を頂戴し、酒盛りを始めているのだ

「私は貴方と同じ、異国のニンゲン……学者です」
「その奇妙な現象を調査に来ているんですよ」

越境者、と名乗る事はしない
いよいよ日も沈み始めた頃合、馬車は止まり先遣隊が松明に火を焼べている箇所へと辿り着く

「さて、噂のゴーレムが出る迄ここで待機ですね」

一応は野営地らしいが、ローニン達はここでも無論酒浸り
彼等の中で最も強いと豪語する酒豪に酒が回り始め、手癖と躾の悪い輩がアグラーヤにちょっかいを出し始める頃
周囲から動物達の気配が一斉に凪いで消えた
837 :アグラーヤ [sage]:2015/01/15(木) 23:00:12.50 ID:FhVd6ydu0
>>836
あは、話が早くて助かるわぁ。
酔っ払いよりは役に立てると思うわよぉ?

【くすりと笑うと周囲のローニン共をちらり一瞥】
【その微笑は明らかな蔑みだが、ここで無用な争いを引き起こすほどアグラーヤも愚かではない】
【口を紡いだ言の葉はギャラエひとりにあてられた声量だ。最も酒を煽り騒ぐ彼らにとって無用な気遣いであったかもしれないが】
【そしてギャラエに促されるまま、がちゃがちゃと煩いローニンたちと共に馬車へと搭乗】
【流石に独特の男臭が馬車内に充満するが、そんな事を気にしてこの世界飯にありつける訳もない】
【越境者としての自身の境遇、直面している状況。それら全てに強かであらねば】

異国のアヤカシ、ねぇ……。
この世界の妖怪どもだったら多少経験はあるのだけどぉ。
まるで越境者を指したコトバみたぁい。
ま、私はあくまで雇い主の依頼を受けただけ、その根幹についても貴女についても詮索はしないわぁ?
貰えるものが貰えればいいのだから……そのゴーレムとやらを死なない程度にやっつけて捕まえるだけよぉ。

【ギャラエの出で立ちと言動、そして依頼内容の「異国のアヤカシ」についての説明に多少勘ぐりたくはなる】
【しかし折角ありついた儲け話、みすみす反故にすることはしたくない故言葉を選び、濁す】

……シッ!

【酔っ払いのちょっかいを制止、唇に人差し指を立てて静止を促す】
【リセットされた気配に只ならぬものを感じ、精神を研ぎ澄ます】
838 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage saga]:2015/01/15(木) 23:15:47.67 ID:cT3mHWRm0
>>837
「……同感ですね」

侮蔑的な笑みを浮かべ有象無象を見る彼女に習い、似たような表情を形作った

「……さぁ? どうでしょう?」
「ま、助かりますよ、話が早い人は嫌いじゃないです」

正直腹を探られるのは、はぐらかすつもりではいたが愉快ではないのも事実
最も全てを見透かされたような言い回しにギクリとたじろいだのもしかりではあるが
さて、アグラーヤに遅れてギャラエ、そしてローニンやニンジャ崩れ達もようやく異変に気が付き始めたらしい
そして、

『出たぞ!』

闇夜を斬り裂きゴーレム、出現
それはゴーレムの名から想像するより遥かに小さい
精々人間と同程度の背丈、だが異様なのは長く太いその右腕
ぶらりと垂れて慣性に揺れる左腕は、そこだけが死んでいるようだ
2本の脚で駆け、そして一行の中で最も突出していたローニンが武器を構えるよりも速く彼を蹴り飛ばした
数m吹き飛んだその肉体は奇妙にひしゃげて曲がり、落ちてそこから二度と動かない

『『『イヤーッ!!』』』

ニンジャ崩れ達が一斉にクナイを投擲、右腕の一振りでそれを払い落とす
同時に泥が飛散、ニンジャ達の多くにそれはへばり付き、そして生きているように首目掛けて動き絞め殺す
阿鼻叫喚の絵図の中、アグラーヤに泥の塊の頭が向いた
声もなくしかし流鳴的に叫び、一足飛びで迫り必殺の蹴りを放たんとする
839 :アグラーヤ [sage]:2015/01/15(木) 23:36:50.69 ID:FhVd6ydu0
>>838
【蹴り飛ばされたローニンのひしゃげた身体を見れば恐らく即死である事がわかる】
【しかしそれを確認することも、ましてや看護してやろうなどと思うはずもない。競合相手がひとり減った、それだけなのだから】
【故に出現したゴーレムに注視していられたのだ。未知の相手、その一挙手一投足全ての情報が惜しい】

ゴーレムっていうからどんな木偶の坊かと思ったけどぉ……存外期待外れねぇ。
もしかすると私よりも小さいんじゃないのぉ?
でも……あの腕はちょっとおいしくないわぁ……。

【人間大の体躯に似合わぬ巨腕、そこからニンジャたちを襲ったのは泥か】
【であれば厄介だ。泥製のゴーレム、アグラーヤの電撃が果たして通じるか】

チッ……威勢だけのグズども、囮にすらなりはしないってのぉ!?
だったら得物くらいは役立たせてあげるわぁ!

【こちらを向いた頭に反射するように足元に磁場を形成、バチッという電撃音と共に数メートル飛翔し迫り来る必死の蹴撃を回避】
【そして宙空のアグラーヤから紫電の糸が弾き落とされたクナイたちへと伸びると、まるで意思を持ったかのようにクナイはゴーレムへと襲い掛かる】
【狙いは直撃しようとも致命足り得ぬ四肢の付け根。捕獲ということで行動の自由を奪う算段であるが果たして】
840 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage]:2015/01/15(木) 23:49:07.06 ID:cT3mHWRm0
>>839
そのゴーレムはほぼ全身が泥で出来ている
泥は時折、所々がアトランダムに緑色の燐光を帯びて光る
顔に当たる部分には眼孔がふたつ穿たれ、口部分にも同様の穴が空いている
素早いゴーレムの機動、注視して発見出来る外見の特徴はこの程度だろうか
蹴撃を回避され、そして電糸に導かれたクナイが迫ればバックステップ
その軌跡には泥が残され、接触したクナイ達を覆い包みそして落とす

【………】

着地、直立、右腕をアグラーヤ達に向ける
直後に爆発的衝撃発生
質量を無視したような大量の泥が放射され、濁流の勢いで迫る

『アバーッ!!』
『グワーッ!!』

飲み込まれ、そして呼吸を阻害されて南無阿弥陀仏するローニン達
841 :アグラーヤ [sage saga]:2015/01/16(金) 00:21:31.61 ID:9cH9g6HiO
>>840
……っ!?

【不味い。本能的に感じる危険に身構えた瞬間、視界を埋め尽くす程の泥の濁流がゴーレムから放たれる】
【電撃をぶつけて相殺するか、否高威力を溜める時間すら惜しいと判断し、直様電磁装甲を展開】
【しかし迫り来る大質量の完全なる無効化には至らず、宙空から大地へと数メートルの落下】
【地に叩きつけられ転がりながらがも如何にか体勢を立て直し起き上がれば、そこは最早地獄絵図であった】

このグズ共……!
貴方たちの手に負えない相手なのはもうわかってるでしょぉ!?
欲に縋り付いてないでさっさと逃げなさいよぉ!!
何の役にも立たないんだったら、せめて自分の命くらいは守りなさぁい!

【まだ生き残っているローニンはいるのだろうか。それを確認する余裕を持たぬアグラーヤは聞こえている事を祈り、叫ぶ】
【そしてゴーレムを睨みつける真紅には既に疲労の色が見て取れる。電磁装甲、身を守る絶対的な盾ではあるがその分疲労も大きいのである】

ここまで……これだけやってるヤツを捕獲しろっていうのぉ……?
捕まえるためだけに何人殺すっていうのよぉ……!
詮索するつもりはない……けど、ただの雇われに任せる仕事じゃないでしょうに!
いいわぁ、もう。依頼主なんて知ったことじゃないわぁ。
これだけの事をした報いは、ちゃぁんと私が与えてあげる。
「異国のアヤカシ」……。裁かれることのないイレギュラーにこの黒い太陽が裁きを下してあげる!!

【もう依頼主の意向などどうでもよいのだ。目の前で多くの命を奪うこのアヤカシも、そのような相手と知っていながらの捕獲を依頼する雇い主も】
【全てが気に食わない。ゴーレムを睨む真紅に映る疲労は湧き上がる衝動によって掻き消され、アグラーヤの全身から放電された電撃は黒い右腕へと収束していく】
【そしてその仮の掌をゴーレムへと向ければ放たれるのは天の裁き、落雷にも及ばんとする雷撃である】
【最早捕獲を目的とした生易しいものではない。己の激情に従って放たれたそれは蒼白の道筋を描きゴーレムへと奔る】
842 :ギャラエ【くるりリデレクト】 [sage]:2015/01/16(金) 00:50:28.33 ID:mFIjEZWH0
>>841
『ア、アイエェェェェ!!』

出立した時に比べれば随分と少なく、そして情けなくなったローニンとニンジャ崩れ達
アグラーヤの一括に我を取り戻したのだろうか、脱兎の如く武器を投げ捨て逃走
そうしなかったのは、出来なかったのは死体だけだ
それを除けばこの場に残されたのは、泥人形とそしてアグラーヤのみ

【………】
【………!?】

相変わらず無言、しかし泥の流鳴で唸る
低い姿勢で強く強く警戒し、そしてその時は来た
轟雷、周囲は色を失って輝く
回避は不可能だ、光そのものに対して
だがゴーレムの過剰なまでの警戒心はその微かな合間に咄嗟の行動を可能にしていた
即ちそれは、右腕を防御の為に振り上げる所作
たったそれだけが、ゴーレムの大破を防いだのだ
泥の豪腕に依って防がれる雷撃……否、泥だけではない
弾け飛ぶ大量の泥の中から1本の黒く薄い棒切れが落ちた
恐らくは此れが過剰なまでの殺傷力を秘めし雷撃を防いだ正体だ

【………】

ゴーレムは虚空の瞳で右腕を見、そして踵を返して何処かへと跳び去る
後に残されたのは数多の遺体と、飛散した軟泥、そして黒い物体

「……よ、予想外にヤバイですねあれ……」

よっこいしょ、と街道の脇の畦から這い出てくるギャラエ
どうやら逃げようとして足を踏み外し落下、結果として一命を取り留めたらしい

「ま、でも……目的の半分はこれで」
「ご苦労様でした、場合が場合ですし報酬は規定通りお支払いしますよ」
「……あぁ、野営地のもみんな逃げちゃったんですね……はい、これです」

黒い物体を掴み上げ、微嗤む
そして野営所から袋を持って来て、アグラーヤに向けて放り投げた
中には大量の、この世界での金銭……銭が入っているだろう

「……それじゃ、私はこれで」
「あぁ、来た来た、調度いいタイミングですね」

と、歩き出そうとした矢先、越境者だけが知る奇妙な感覚を捉える
それは越境の前兆、極上の間に訪れたそれに思わずほくそ笑んだ
手にした黒い物体から、汚れを払うようにして振るう
そして現れた漆黒の月光を満足そうに見詰め、最後にもう一度アグラーヤにそのエメラルドを向けた
次の刹那、ギャラエは別の世界へと消える


//すみません、眠気限界ですのでこれで〆させて下さい
//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
843 :アグラーヤ [sage]:2015/01/16(金) 14:47:25.81 ID:jQ0WDPNn0
>>842
退いた……?

【跳び去って行くゴーレムの姿を見送れば、安堵か疲労か大きく息を吐く】
【撃退には成功したのだが、結局捕らえることも倒すことも叶わず、異国のアヤカシの何たるかを見極めることはできなかった】
【なんとも言えぬ感覚が心に靄をかけるが、アグラーヤ自身を含め全滅は免れたのだ、それで納得するしかあるまい】
【気持ちを切り替えゴーレムが残した遺留物、黒い棒状のモノを調べようとした時、そこにひょっこりと現れたのはギャラエだ】

ふん、貴女は無事だったみたいねぇ。
予想外にってことは全貌を全て知っている訳ではないってことかしらぁ?
まぁ……いいわぁ。
気に入らないけど、詮索はしないと言ったのは私なのだからぁ。

【余計なことに首を突っ込むことはない。それがギャラエ個人的なものであれ、組織的に陰謀めいたものであれ】
【自身の旅する目的は明確なのであるから。下手に踏み込んでその目的、ただの人探しに支障をきたすことは望むものではない】
【アグラーヤが気にしていたゴーレムの遺留物はギャラエに回収されてしまうが、その代わりと言ったように投げ渡される袋。中身は金だ】

あは、随分と気前が良いのねぇ?
私は貴女の依頼を完遂できた訳ではないといのに。
私は変なプライドは持ち合わせていないから、貰えるものは有難く貰っておくわねぇ?

【受け取った袋の中身を確認すれば満足そうにほくそ笑む】
【踵を返したギャラエの背中に黒い右腕をひらひらと。まるで生身の腕と遜色のない動きを見せれば】
【此度の自身の目的の達成、それに細められた真紅は次の瞬間大きく見開かれた】

ばいばぁい…………?
っ……!? ちょっと、それっ……!?
待っ……! 待ちなさいよぉ!!

【ギャラエの手にしたゴーレムの遺留物、それに付着した泥が払われれば、現れたのは漆黒の刀身】
【満足感は焦燥により一瞬で塗り潰され、朧げに歪む背中に静止を嘆願】
【しかし既にギャラエの越境は始まっているのだ。アグラーヤの願いは叶うはずもなく、ただ最後に向けられたエメラルドの優越が脳裏に深く、深くこびり付いた】

……どうして?
アレがどうしてこんな所にあるのよぉ……。
貴女は一体何処で何をしているの……?
タェ____……。

【光を飲み込む程に漆黒の、美しい刀身】
【見紛う筈もない。大事なヒトが持っていたものだ、自身が手に取ったこともあるのだから】
【色褪せることのない記憶。かつての友から友へと受け継がれたモノ、月光】
【様々な感情が溷濁、ぐちゃぐちゃになった心が自然と紡ぎ出した人の名】
【大切なその名前は誰に聞こえることもなく、流れる風は髪を靡かせ言の葉を攫った】

/遅くなってすみません!
/ありがとうございましたっ
844 : ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/16(金) 22:15:46.82 ID:rmKhXW3y0
【近代世界 帆船】
一行は今 帆船に乗って島と大陸の間を渡ろうとしている
島に転移したのはいいけれど 暫く経っても次の転移が起こらない為 場所が悪いのかと結論付けたのだ

日は燦々と降り注ぎ 波は少なく 風は追い風 まさに絶好の航海日和 船員達の歌声高らかに大海原を進む
だが障害とはどこにでもあるもので

―――私掠船だ!! こっちに向かってくるぞ!!

マストの物見台から聞こえてくる報告 見れば一隻の船がこちらに向かってくるではないか!!
845 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/16(金) 22:25:09.36 ID:mFIjEZWH0
>>844
「……?」

船酔いにやられてデッキでくたばって居たところ
何やら騒ぎ、そして海原の向こうに帆船の姿

「なんですってんですかぁっ……?」

動乱の気配によろめきながらも向かい、そして迫り来る船を見据えた
846 : [sage]:2015/01/16(金) 22:41:43.62 ID:9hjmbVNV0
波に揺られゆらゆらと漂う船のマスト、見張り台の中で陽の光を浴びながら横たわり、
丸まった背中からすぅすぅと微かに寝息を立てる少女の姿。その寝顔は極めて安らかなものであった。
しかし唐突にその安寧と静寂は破られ、耳元で声を張り上げるのは隣に居合わせた見張り役の男。

「…うーん……?」
「何ぃ…?うるっさいなぁ…」

ぴくりと動く眉。騒音の不快感に眉を顰めると少女はむくりと半身を起こして眠い目を擦り、辺りを見渡しつつ愚痴を溢す。
きらきらと輝く水面に写るひとつの影。それは徐々に姿を変え、やがて帆船の形となる。
はっきりと視認できるまでに帆船が接近すれば寝起きの少女にだって大体の状況は理解出来た。
徐に立ち上がれば欠伸とともに大きく伸びをひとつ。コキコキと背骨を鳴らして船の動きを待った。
847 : ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/16(金) 22:52:09.49 ID:rmKhXW3y0
>>845-846
船員「私掠船だ!! 戦う準備をしろ!! ○られたく無いならたたかうんだよ!!」

船内はにわかに騒がしくなった
大砲に火薬を詰め カットラスやマスケット銃をいきわたらせる

すでに相手の船も至近距離まで近付いている 向こうの船員もすでに手には獲物を持ち
この船の一切合財を奪おうと鼻息を荒くしている

船長「大砲用意!!・・・・・うてぇぇぇぇぇぇえええ!!!」
その言葉は 奇しくも両船ほぼ同時であった

炸裂音が響き 砲弾が飛んでくる

【判定 衝撃:砲弾が船を叩き 凄まじい衝撃が伝わる 船縁に寄りかかるなど不用意な行動は海に落っこちる要因となるだろう】

そして幾許かの砲撃の応酬の後 白兵戦に持ち込むべく両者ロープで船を固定しだす

【判定:すでに相手の船は目と鼻の先にあるようなものだ ロープを使えば相手の船に乗り込むことも出来るだろう 相手の船に乗り込んで暴れまわるか 乗り込んできた不届き者を迎撃するかは自由とする】
848 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/16(金) 23:00:59.71 ID:mFIjEZWH0
>>847
「それって……海賊って事っ……?」
「うわぁっ!?」

砲撃戦
響く衝撃強い振動に揺られて船外へとらっかしそうになりかけてあやゆくタイドメイカーで体を支える

「……もうっ!」

その場に屈み込み脚を組んで、合計6本の触腕を展開
内の3本を脚代わりにして立ち上がり、そして残る3本は攻撃翌用
デッキに立ちはだかり、ロープを穿ち或いは直接叩き落として敵賊を迎撃せんと振るう

【船に留まり迎撃戦を開始】
849 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/01/16(金) 23:11:25.25 ID:Lb5KK7EBo
【ヒノモトの国:京の都】

 京の都の人心の不満はいよいよ高まっていた。
 先の百鬼夜行、九尾の狐による襲撃の爪あとは深く、ただでさえ度重な百鬼夜行に疲弊していた都は
 さらなる災禍に見舞われた。それもかつてない規模で。

【妖気の残滓は糸を引いたかのように残る。それも大妖中の大妖たる九尾の狐とあっては】

 ヒノモトの象徴的存在たるミカドはその超絶的な霊力と三種の神器を以って九尾を退けた。
 それはいい。過酷な時代を生きる人々にとっての希望の象徴であり続けている。
 が、問題は本来『武』の象徴たる幕府。そのショーグンは度重なる襲撃に対し一度も迎撃に指揮を執っていない。

【襲撃があるたびに雲隠れ。現れては権威を振りかざす。これでは人心が離れるのも当たり前である】

 いよいよ幕府は命脈が尽きていると誰もが確信してきている。
 その権威も無能愚劣なる暗愚の下では砂上の楼閣に等しいと言えるだろう。

 −−−−−−−−−−

「支配者は権力と義務をあわせもたねばならない。至言だねこれは」

 そんな京の都と呼ぶにはあまりにうら寂れた大通り。
 一見して豪商にも見えるような格好で歩くはヨブ・バロウズ。かのカノッサ機関の幹部である。
 彼は己の格好をホロ・クローク技術により世界に合わせているが、今回は格好と顔つきにやや齟齬。
 本来、人心の荒れた通りをこのような者が歩けば、何かしらのトラブルが付き物だが、
 どういうわけか周囲の人間はそれをするのを躊躇う。

「さて、ギャラエ君も動いてくれているとは聞いているが…それにしても」

 滅び逝く瀬戸際。その空気感がこの京の都には存在する。
 もし、彼がその気になって扇動を行えば、この世の地獄を現出させられるくらいには。

「…物騒は抜きにしたいものだがね。さて、タェンティース君が苦労したという場所は」

 何から懐中時計(を模した何か)を取り出し歩を進めだすバロウズ。

【明らかに纏う空気が周囲と異なる人物が出現】
 【彼が向かうのは、かつて百鬼夜行と異なる妖魔が出現したという場所】
850 : [sage]:2015/01/16(金) 23:12:12.53 ID:9hjmbVNV0
>>847

両者の間に流れる時間は静かなものだった。だが依然として続く静寂。
そして刻は来た。叢が眼を見開くと同時に迸る閃光と爆音。そして続くのは衝撃波と激しい揺れだ。
立っていられない程の振動、マストの上ともなれば尚更だ。ならば振り落とされる前に降りてしまえばいい。

「おっとっとっとぉ…!こりゃあぶない…なぁっ!!」

叢雲は咄嗟に隣の見張りの男の襟首を引っ掴むとマストの見張り台から飛び降りた。
男を自分の腰にしがみつかせ腰に提げていた刀の鞘を腰から抜いて両手でホールド。
船首とマストを繋ぐロープをに引っ掛けるとジップライン代わりに船首へと一直線に滑り降りた。

「大丈夫です?さ、行きますよぉっ!!」

迫る幾多もの銃弾や砲弾を潜り抜け風のように疾走。重力に引かれ止まることを知らぬ加速。
着地の寸前に男を後方へと放り投げ、自分は片腕でロープを掴んで減速。激痛と共に煙を上げる掌をクソ喰らえ睥睨する。
無事着地すればあちちと焼けた掌をぶんぶん振るい、その腕で刀を引き抜けば床を踏み抜く勢いで跳躍
敵船目掛けて一直線に駆けた。

→【敵船に突撃】
851 : ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/16(金) 23:28:03.87 ID:rmKhXW3y0
>>848
「ひゃっはー!!略d(ベシッ)ぎゃぁぁぁぁぁぁ・・・・」
ロープでターザンの如く飛び移ってきた私掠船員をタイドメイカーで叩き落とすニア

だが他の場所からも私掠船員は入り込んでくる そのうちの1人がニアに迫る

「クタバレ蛸女!!」
手に持ったカットラス(50cmほどで身幅の厚い曲剣)でニアを突き刺そうと 切先を真っ直ぐ突き出した

>>850
「乗り込んできたぞ!! ○せ!!」
船に乗り込んでくる敵兵 即ち叢へ向けて私掠船員が叫ぶ
そして内1人がピストルを向けて発砲してきた

【判定 ピストル:この時代の火器はフリントロック式で ライフリングが彫られていないために命中率が低い だが弾の口径が大きいので 当れば威力は大きいだろう】
852 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/16(金) 23:36:22.59 ID:mFIjEZWH0
>>851
「……まぁ、そのつもりで来てるんですからぁっ……」

何されても文句は言えないですよね、と片頬を釣り上げる
海に放り込まれればきっと、サメの餌食になれれば幸運だろう

「ぁゔっ!?」
「……っ、このぉっ!!」

体をタイドメイカーで高く持ち上げんとしていた矢先、義足ではない左脚に突き刺さるカットラスの刃
上昇は止まり、1本の触腕でナナメ頭上から打ち払わんと振るう

853 :アグラーヤ [sage]:2015/01/16(金) 23:42:01.50 ID:jQ0WDPNn0
>>849
【ギャラエの依頼を受けてゴーレムと戦ったのは先日。未だ越境の気配も見えぬアグラーヤは京の都と呼ばれる場所にいた】
【目的も無くふらついている訳ではない。ギャラエと、そしてゴーレムの情報を得るためである】
【もっともギャラエの方は目の前で越境してしまっているため望みは薄いのだが、今現在アグラーヤにとってはゴーレムについての情報が最重要項目であるため無駄足とはならぬだろう】
【ゴーレムの越境は目撃していない。ならば信じるしかあるまい、彼女が未だこの世界に滞在していることを】

ミヤコ、といってももっと未来の世界を知ってしまっていると期待外れな感じは否めないわねぇ。
まぁこれはこれで味があるんだろうけど、景観なんてどうでもいいわぁ。

【独特の木造様式もさして興を向けるものではない。それよりも目に付くのは明らかな格差】
【遠方へ目をやれば恐らくこの時代の貴族と呼ばれる特権階級が住むであろう大きな屋敷、それに比ぶれば市井の民が暮らすのであろうこの大通りの寂れようは目に余る】
【もっとも一部階級の搾取のみがこの景観の原因という訳ではないのだが、都に来て日も浅いアグラーヤにとって深い事情は知るところではない】

あらあら、こんな所に不似合いな……。
あれが貴族っていうのかしらぁ? お金持ってそうねぇ。

【視界に入ったのは寂れた景観に不似合いなバロウズの背中。不用心にも見える彼が襲われぬのは鉄の掟のようなものが徹底されているのか】
【はたまた後ろ姿からでもわかるその、纏った異質の空気故か】
【気付けばアグラーヤの足は彼の足跡を辿るように進められていた。恐らく、そこらの貧乏そうなニンゲンよりかは有益な情報を握っていそうであったから】
854 : [sage]:2015/01/16(金) 23:42:15.97 ID:9hjmbVNV0
>>851

だんっ!!甲板を軋ませ着地。それと共に周囲を取り囲む敵兵。しかし叢は怯みも慄きもしない。
大勢に囲まれようと片腕が焼けようと叢は焦りを見せず、その集中に一点の曇りも、綻びも見せることをしない。
徐に、しかし決して鈍重でない無駄の省かれた動作だ。まるで自然に刀が引き寄せられているかのように、少女はすっと構えてみせる。

「一刀『真打』……私は真雲ほど強くはないですけど…」

スラリと伸びる一振りの刃。それは極限と形容するに相応しい程の美しさを持つ至宝。
空のように極限に澄み、陽光をも透過させて虹へと変えるその美しさに心を奪われれば最後。我に帰るまでの間に首と胴体はさよならのキスをすることになる。
それを従える少女へと向けられたのは重厚な黒鉄の筒。程なくして黒色火薬の爆ぜる音。重く鈍い鉛玉が少女へと放たれる。

しかし

「────あなたたちよりは強いと思いますよ?」

抜刀、一閃。
妖力を込めた斬撃は空間をも斬り裂き空を食い破りながら弾丸へと突き進み、無慈悲にも弾丸を両断した!!
叢よりも遥か手前で二つに分かれたその半球はコントロールを失いあらぬ方向へと飛んでゆく。
その弾丸の間を縫うようにして駆けるひとつの影。叢だ。先程まで少女の立っていた場所には最早何の影も形もない。
フリントロック式のピストルを一度発砲してしまったからには射手は暫く無防備な状態となる筈
その隙を見逃すほど叢は愚かでも、お人好しでもない。無慈悲にその腹部に剣を突き立てるべく妖刀叢雲を構えて突進した。
855 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/01/16(金) 23:52:28.12 ID:Lb5KK7EBo
>>854

「ふむ…」

 しかしてこの豪商風の男が歩むのは豪奢な家屋が並ぶ区画
 (と、言っても度重なる襲撃でその豪奢とやらも大分瓦礫に埋まったが)ではなく、
 所謂、市井の民が住まう…それもあまり裕福ではない人々の区画だ。

【そして、そこで小さく粗末でしかし大切にされているだろう小塚があった】

 バロウズはこの小塚に刻まれた文字に指を沿わせて、関心深げに頷きながら、

「後を追けるよりというより、機会をうかがっている?かな」

 おもむろに独り言。否、尾行者に対して声をかけている。

「おや、お嬢さん。何か用かな?生憎と愛の告白には向いていない場所ではあるが」
856 : ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/16(金) 23:57:44.52 ID:rmKhXW3y0
>>853
ニアの触手は敵兵を海へと叩き落した
先ほどからサメが船の周りを取り囲み 敵も味方も関係なく食い千切り 海を赤く染め上げる

「誰か旗を守れ!!」
何処からか声が聞こえた 見ればマストを登る私掠船員の姿が
旗は船乗りにとって命よりも重き物 コレを敵の手に渡らせることは 死よりも屈辱的なことである


>>854
ピストルは確かに叢を捉えたかに見えた だがその銃弾は刀に切り裂かれ二つになって明後日へと飛んでいく ワザマエ
次の瞬間叢の姿が消えた 否 叢が目にも止まらぬ速さで移動したのだ

「が・・・グ・・・げ・・・・・?」
そしてピストルを撃った私掠船員は呆然とした 何故か眼前に敵兵 叢がいて 何故か腹から剣が映えているのだから
自らの身にナニが起こったのかもわからず崩れ落ちる私掠船員

「船長をやっちまえ!!」
何処からか声が聞こえた あたりを見回せば 三角帽子を被った身形の小奇麗な男が マスケット銃を片手に指示を出しているのが見える
857 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/17(土) 00:06:47.96 ID:OTHwsDrl0
>>856
「旗ぁっ?」

海賊船や奴隷船には、常にサメが付きまとうという
それは彼等の処刑法に関係があるのだが、この私掠船にもそれはしかりだったのだろうか?
まぁともかく、真紅に染まる海に怖気を覚えて視線を向けた事を後悔
旗と言われてマストに赤眼を向けた

「……任せて下さいってんですよぉっ!」

3本の触腕で戦場の船上を駆け勢い良く飛翔
マストに吸盤を咬ませればスルスルと高速でクライミング
敵兵を掴み、そして私掠船に向けてポイっと投げんと狙う
858 :アグラーヤ [sage]:2015/01/17(土) 00:13:04.07 ID:YtDgLRa70
>>855
あは、生憎と色恋沙汰には興味がないのよぉ。
でもまぁ……強かな男は嫌いじゃないわぁ?

【アグラーヤとてシロウトではない。後を付けるにしてもそれなりの注意は払ったつもりではあったが】
【やはり纏う空気は飾り物ではなかったようで、驚きよりも感心が勝る】

ヒトを探してるのよねぇ。
些細な情報でも喉から手が出るほど欲しいくらいに……。
そんな所で貴方みたいなニンゲンみたら、少しは期待しちゃうじゃなぁい?

【最早身を隠す必要も無くなったところで家屋の影から姿を現わす。その身なり風貌から明らかにこの世界のモノではない】
【妖しさを微笑みに浮かべてバロウズの元へと歩み寄れば、先程彼が触れていた小塚に視線を落とす】

……なぁにコレ? お墓?

【何やら文字が書いてあるようだが果たしてこの世界の文字がアグラーヤに理解できるのだろうか】
【とりあえず視線をやり訪ねたのはバロウズのことを探る腹づもりもあった】
859 : [sage]:2015/01/17(土) 00:13:20.52 ID:teHY1TEn0
>>856
「あれかぁ……わっかりましたぁっ!!」

何処からか聞こえてくる声。その指示に従い船長と思しき人影を視認。
これは見せ場だ。ぐらりと前のめりに倒れる敵兵の腹部から叢雲を引き抜けば軽く振るって血払い。
他の敵兵を掻き分けて、あるいは薙ぎ払いつつ敵船長へと突撃。そこでふとある考えが頭をよぎる。
叢と真雲は表裏一体の二重人格。即ち真雲が表に出ている間、叢は真雲の行い全てを真雲の視点で見ることが出来るのだ。

「えー…呼ばれて飛び出て叢推参!!人の船を土足で踏み荒らす輩に容赦はしないっ!!!」
「…………」
「…か、覚悟ぉっ///」

こころの中でいつも相棒たる真雲の口上を聞いていた。そこで自分も真似て高らかに名乗りを上げてみたものの上手く決まらず赤面。
頬を紅潮させつつイマイチ決まらなかった口上を無かったことにして船長と思しき人影の前に躍り出た。
860 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/01/17(土) 00:21:33.50 ID:G+EgNy6Ko
>>858

「ああ、この区画の救い人の慰霊碑のようだ」

 文章にはこう在る。
 百鬼夜行の折、妖怪とは異なる妖魔が殺戮をほしいままにした時、
 一人のニンジャがその怪異に立ち向かった。

 ニンジャは強かった。怪異と渡り合えるほどに強かった。
 しかし、ニンジャは斃すことよりも護ることを選んだ。
 そして、ニンジャは弱き民を護りきり、犠牲となった。

「弱さへの罪悪感の誤魔化しと断じるのは容易だ。見る者のレンズによって見え方も異なるからね。
 私としては、生命を賭して信念を貫いた人物には一定の敬意を払いたい…と言ったところかな」

 耳どおりの良すぎるバリトンの声にこの名も無き救い人に対する礼に偽りは無かった。
 が、あまり長く時間をかけるつもりもない。過度に執着すべき事柄でもないのだから。

「ヒト探しかね?まあ、私の要件が済んでからでもいいかな?ん…こちらかな」

 懐中時計めいたモノと路に交互に視線を移しながら歩を進める。

「どうも知人が中々面白い道程を歩んでいるようでね。
 ちょっとした調査…というより興味があってね。その足跡を追っている」

861 : ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/17(土) 00:23:25.99 ID:mfm5FCV90
>>857
下から放たれる銃撃にもめげず上を目差す私掠船員 だがなんか変な女が追いかけてくるのにはキモを潰した

私掠船員「いやぁぁぁぁぁこっちこないでぇぇぇ!!!あぎゃぁ!!」
必死に上へと逃げるが その努力も報われずタイドメイカーに摑まる だが

私掠船員「たすけてぇぇぇぇぇしにたくないぃぃぃぃぃ!!!!」
タイドメイカーに必死になってしがみ付き 落下を防ぐ私掠船員

掴みづらい触手 しかもブンブンと振り回されても火事場のなんとやら まるで指にしがみ付いた虫の如く離れてくれない

>>859
私掠船長「・・・・・・・・アッハイ ご苦rうぉぉ!!」
船の上を乾いた風が通り過ぎていった気がする

そして船長へと突撃する叢 船長はベヨネット(銃剣)のついたマスケット銃で叢の腹を貫こうとする
【ベヨネットつきのマスケット銃は銃身の長さから ちょっとした槍のように使うことが出来る】
862 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/17(土) 00:29:22.36 ID:OTHwsDrl0
>>861
「……もうっ!」
「じゃあ死なないでいいですってんですからぁっ」
「……ばいばーいっ」

しがみ付く船員に呆れながらも根性は認めたらしい
勢いをつける為に一度反対方向へと動かし、そして慣性を付けて矢張り私掠船に向けて振るう
ぶちん、野太いゴムの千切れるようなノイズ
船員をぐるぐる巻に捕獲していたタイドメイカーを根元からパージしたのだ
直様触腕の劣化が始まるが、それでも朽ち果てるのは落ちてから僅かな時を要する
つまりはまぁクッションになるだろう、皮肉な事だが奇妙なこの触腕が

「……まぁ、後は運に任せるってんですっ」
「さて、次は……?」

まだ登ってくるかなとマストの頂上付近から下を見て、敵兵を確認すれば触腕を振るう
863 : [sage]:2015/01/17(土) 00:42:53.10 ID:teHY1TEn0
>>861
「その首置いてけ……ぅっ……!?」

相手の振りかざすバヨネットに対しこちらの得物は本物の刀。そう長く剣戟は続かなかった。
終始圧倒的優勢。バヨネットを力で圧倒しさぁ止めの一撃を刺そうとしたその瞬間、叢の掌に焼けるような激痛が走った。
初めに船員を救う為に火傷した掌だ。そしてほんの少しだけ緩んだ刀を握る力。しまったと思うももう遅い。叢の腹部に深々とバヨネットが根元まで突き刺さる。

「ぁあぐっ……ぅぅ…!!」

呻き声を上げつつも決して倒れることはしない。バヨネットの突き刺さった腹部に力を込めた。
こうしてバヨネットを引き抜き辛くし、追い討ちを喰らう可能性を少しでも減らしたのだ。
もっともこの状態でマスケットを発砲されでもすればさらなるダメージを負ってしまうのは明白だ。

「いったぁぁぁいぃ……!!!」

それでもどくどくと溢れる血。叢のセーラー服の、クリーム色のセーターがどんどん紅一色に染まってゆく。
半ばキレ気味に叫び声を上げ船長を睥睨。バヨネットが腹部に刺さったままの状態で横一文字に刀を振るう。
力任せ。それもやたらめったらに何度も何度も振り回す。
864 :アグラーヤ [sage]:2015/01/17(土) 00:46:29.30 ID:YtDgLRa70
>>860
救い人……?
ふぅん、生命を賭して信念を貫く……ねぇ。
私に言わせればとぉんだお馬鹿さんだわぁ。
結局のところ一番大事なモノって自分の命だもの。

【素直でない性格故、本音を語ることは無い。まして相手が出会ったばかりとあっては尚更だ】
【しかし少し前の自分であれば、護るべきモノのない別の時間軸の怪異であればこれが本心であるのだろうが】
【孤高でなくなった今は、刻まれたニンジャの生き様に心通わせることができる。自分を含め、馬鹿の生き様と思う心に相違はないが】
【歩を進めたバロウズに付き従うようにアグラーヤも進む。彼の視界に映らぬよう、小塚へ放った黒薔薇が彼女の本心であろうか】

別にそれは構わないのだけどぉ……。
その要件とやらは貴方にとって見ず知らずの私が一緒にいても問題ないのかしらぁ?
面白い、と聞いて興味がわかないというのは嘘になるけどぉ……差し支えなければ聞いてもいーい?

【どうやら今のところバロウズから敵意のようなものは感じられない。このままついていっても危険はないだろうとの判断】
【確率はひくいだろうが、彼の言う知人とやらがアグラーヤにとって有益な情報となることだってあるかもしれないのだ】
【どうせ他に当てもない。身を守る術は持っているのだし、しばらくこの男に付き合うのも悪くはないだろう】
865 : ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/17(土) 00:56:35.48 ID:mfm5FCV90
>>862
「え ちょ ま・・・」
ぽいっちょとタイドメイカーごと元いた船に放り投げられる私掠船員
しにはしなかったようなので御の字でしょうキットメイビー

さて 次の戦闘をと考えていたニア だが下の方で歓声が上がった

>>863
切先が腹に埋まり 船長がニヤリと笑みを浮かべる そのまま引き金を引こうとしt

―――ザシュッ・・・!

叢の刀が真一文字に振るわれた 腹が裂かれ 両腕が地に落ちる
さが攻撃は終わらない

二度三度と真横に振るわれる そのつど血と臓物があたりに飛び散り そのうち船長は事切れた
相手の船長を打ち倒した それに相手の船に乗り込んだ私掠船員もすでにころされたか海に落とされた 勝負は決した

あたりに歓声が響き渡る

>>全員対象
私掠船は戦いに敗れた 彼等の財宝は全て没収され 私掠船員は全員船から叩き落され 直にサメのえさとなるだろう

そしてニアと叢は功績を認められ 報酬をたんまりともらい ついでに船上で死ぬほど痛いおもてなし(治療)を受けることとなった

//ではそろそろ〆トいうことでお願いします
866 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/17(土) 01:01:04.87 ID:OTHwsDrl0
>>865
「ん?」
「終わりましたってんですかぁっ……うっぷ……」

スルスルと降りながらホッと安堵
しかし戦闘の緊張から開放され、油断した矢先に再びの嘔吐感
酔いが冷めた訳ではないのだ、ただ意識の外に追いやっていたのみで
フラフラとマストを背にそのままへたり込んで溜息、長い船旅になりそうだ

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
867 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/01/17(土) 01:03:20.71 ID:G+EgNy6Ko
>>864

「なるほどね」

 アグラーヤの素直でない台詞に言葉短く返答すると、そのままになめくじ長屋を進んでいく。
 どこか油っぽく、不清潔で、そして襲撃の傷跡の応急修繕が痛々しい。そんな風景だ。
 同行人が居ないと気が滅入りそう…という感じかもしれない。

【そして、道中に投げかけられた台詞に対して】

「ああ、知己の足取りを追っていてね。別に隠すような事ではないから問題はないよ。
 一度、ボロボロだった彼女に世話を焼いたことがあってね。まあ、興味本位だよ」

 そうしていると、まもなく、一軒の廃屋に到着。住人が前までは存在していたのだろう。
 ガタガタの障子戸を開けると、ボロボロで不清潔な茶碗や布団などが並んでいる。

「ふぅむ…」

 懐中時計がキンキンと僅かに音を立てている。バロウズは考え込むと、

「ここで…どうやら怪異と戦ったようだ。少し再現してみよう」

 言うなり、バロウズの影からヒュッと三つ首の蛇が生えてきて、
 声ならぬ声を三つの口から発する。

【すると、内部の空間より半透明で幽霊じみたヴィジョンが幾つか姿を現す】
【一つ目のヴィジョンは全身包帯だらけの痛々しい姿の女性。大やけどの痕跡、酷い有様、通常なら長くはないだろう。
 →この包帯だらけの女は実は妖魔襲撃の折、妖魔の側で別の妖怪と戦っていた。ニンジャに加勢は出来なかったようだが。
 ※包帯の女性はもし妖魔が気まぐれを起こさなければ前回の襲撃で生命が尽きていた可能性が高い】

「少し戻りすぎたか。しかし…何ともね。ん…ああ、空間の記憶を引き出している。
 妖気の残滓が残っているおかげが、随分と鮮明だ」

 ついでに現在の状況を説明。そして――

【二つ目…次はまたしてもボロボロの…そして別の人物だ。
 機械の身体に泥めいたモノが混じった不確かな存在。様々な世界を渡り歩いている機人】

「…タェンティース君はやはりここに。しかし酷い有様だ」
868 :アグラーヤ [sage]:2015/01/17(土) 01:36:43.69 ID:YtDgLRa70
>>867
【普通のニンゲンの感性、ましてや女性であれば不快感を露わにするような景観。しかしアグラーヤの表情は至って普通、どこ吹く風である】
【自らの出自、そして置かれてきた環境から不潔不衛生汚いは慣れっこであるのだ。腹が減ればその辺の野草まで口にする始末である】
【果たしてそれが女性として褒められたことなのかはわからないが、生存能力の高さは折り紙付きだ】

ふぅん……興味本位でこんなところまで来るなんて、よっぽど大事なヒトだったりするのかしらぁ?

【やがて辿り着くのは一件の廃屋、これまでの長屋と比べても更なる廃れ具合である】
【こんなところにその知人とやらの痕跡があるのだろうか。バロウズの発した再現、という言葉に首を傾げてその成り行きを見守っていると】

……なぁに、これ……?

【視界に広がるのは幻覚か、ここにあるはずもないモノにアグラーヤは隻眼を見開く】
【成る程、再現とは恐らく、この男バロウズの力なのであろう。とすれば今見えているモノは以前ここに存在したモノというわけだ】
【無言で納得すると映し出された幻影を見やる。そこには包帯だらけの女性だろうか、見るからに瀕死の重傷である】
【その顔はよくわからないが、明らかにアグラーヤの知人ではない。流石にそう簡単に運命の歯車は噛み合うまい、内心で自嘲すると、次に映し出された幻影に思わず言葉を失い、そして叫ぶ】

……!?
…………タェンティースっ!!?
嘘……貴方の知人って……!? どういうことよぉ!?

【声を荒げ、バロウズへと掴みかかる。最早何を尋ねたいのか、尋ねているのかアグラーヤ自身もわからない】
【バロウズを見上げるアグラーヤの顔にはありありと混乱が映し出され、真紅の隻眼からは必死さが見て取れる】
869 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/01/17(土) 01:54:38.80 ID:G+EgNy6Ko
>>868

「大事なヒト…という色気のある話とはまた別だね」

 興味ありきで、他に特別めいた感情があるわけでもなさそうだ。
 しかし、無関心というほど冷酷でもない。微妙に理解しがたい機微である。

【が、廃屋で記録の再現を行うと何かがアグラーヤの探し物とヒットしたのだろう。
 彼女の様子が変わり、掴みかかられそうになる】
【その直前に僅かに身を引いて、バロウズはそれを避した】

「落ち着きたまえ。君がそれではこちらも話を進められないというものだよ」

 アグラーヤとは対照的に実に落ち着き払った、それでいて細かく抑揚をつけた声で諭すバロウズ。
 彼の能力、扇動者は声と手振り、異能、様々な要素の複合によるものだ。

【扇動者…アグラーヤの精神に一端、落ち着きを取り戻さねばならないという指向性を与えるよう試みる】
 【→扇動者は所謂、精神操作系の能力である】

「私が彼女の足取りを追っているのは私事以上ではない。
 先ほども言ったが、知人だ。彼女が恩人と思ってくれていたりすれば少し嬉しいがね。
 まあ、それ以上でもそれ以下でもない」

 蛇が再び声無き声を発する。次には青い肌の大きな鬼と対峙する機人。
 ドロと機械が混じった身体。しかし負傷しているのだろう。本調子とは程遠そうだ。

「かなり酷い状態でこの都に訪れた。都人からは疎まれていたようだね。
 無理もない。彼女は周囲からは明らかに奇異なる存在だからね」

 どうやらヴィジョンを映すとともに、バロウズはある程度の状況概要も得ているようだ。
 ヴィジョンが再び変わる。次はバロウズはやや関心を持った声音となる。

「そして…ああ、最初のヴィジョンの包帯の彼女と共闘して怪異を撃破…と。ふむ、奇縁とは面白いものだ」

 アグラーヤは自覚のしようが無かったかもしれないが、
 彼女のかつての存在、その気まぐれめいた行いで包帯女を助けたことが、
 結果としてタェンティースの助力となっていた。なんとも皮肉めいた話でもあったが。

「―――」

 そして、包帯女と再会を喜ぶ仕草をし、その後、この廃屋で数日程すごして――

「旅立った…ということだね。生憎、その後の足取りまでは掴めていない。
 まあ、この場の危機的状況は乗り越えた…ということらしい」

 バロウズの声音はまるで超一流のオペラ歌手のように染み入るものだ。
 下手をすると無条件の信頼を相手に抱いてしまいかねないほどの。

「君の友人…なのだろうね。私に分かるのはこれくらいだ。役には立ったかね?」
870 :アグラーヤ [sage]:2015/01/17(土) 03:02:12.85 ID:YtDgLRa70
>>869
あっは……落ち着けっていう方が無理な話だわぁ……。
10年……10年もかつての世界を探し回って、そして世界の境界すら越えてまで求めた相手がここにいたのよぉ……? 感情的にもなるわぁ……。

【感情の溢れるまま、バロウズに掴みかかるもひょいと身を躱されてそのままよろよろと埃っぽい床に崩れ落ちる】
【彼の能力によるものだろう、先程とは違いバロウズを見上げる顔に混乱は薄れ、しかしまだ状況の整理が追いつかないのか、溢れる笑みはどこか引きつっている】
【しかし彼から更なる話を引き出すためには感情を抑え、理性を取り戻さなければ。これが内から出たものでは無く、バロウズに与えられた想いだとしてもそれに気付く事はない】
【果たして辛うじて落ち着きを取り戻したアグラーヤはふらふらと立ち上がると、少しバツが悪そうにバロウズを一瞥し息を吐く】

……はぁ、我ながら無様ねぇ。
ごめんなさい、続けてくれる?

【続けて映し出されるヴィジョンの中の彼女はアグラーヤの記憶とは少し違っていて、向こうも向こうで様々あったのだということがわかる】
【やはり生きていたのだ、自分と同じこの世界で。頬を伝った感触にアグラーヤは自身が泣いていることに気付く】
【自身の持ち続けた希望が報われたからか、懐かしき友の姿に記憶という心が揺すぶられたのか。いつ以来であろう、流した涙は恐らく両の想いが複雑に入り乱れてのもの】

ふふ……貴方も含めて、あの子に協力者がきちんといたみたいで安心したわぁ。
私が言えたことじゃないけれどかなり不器用なヤツだったから……。

【バロウズ助けられたこと、共闘する相手がいたこと、それらがまるで自分のことように喜ばしく、気付けば先程まで腹を探っていた相手に本音を吐露していた】
【今間違いなく、アグラーヤはバロウズに対して信頼を抱いている。それは彼の力によるものもあるのだろうが、自身があれ程望んだものを与えてくれた相手なのだ】
【アグラーヤの心の壁はいとも簡単に崩れ去り、普段の彼女にはあり得ぬ、聞かれもしないことまで語り始める】

ここミヤコに来る前、異国のアヤカシと呼ばれるゴーレムと戦ったわぁ。
今貴方の見せたモノのお陰でアレがあの子と結びついた……あの土塊のゴーレムはやっぱり……あの月光はやっぱり……!

【月光とはかつてアグラーヤやタェンティースが存在した世界で、大切な友人が形見としてタェンティースに譲渡した漆黒の剣】
【アグラーヤの知る限り、その剣はふた振りが存在している筈だ。ひとつは勿論タェンティースが持つもの、そしてもうひとつはニアの父親でありジョシュアの上官であった男が持っていたもの】
【故に導き出される答えは明らかだ。あのゴーレムが彼女本人ではないとしても必ず関わっている、それに確信を持てただけで実に大きな一歩である】

役に立ったなんてものじゃないわぁ……!
本当に、心の底から例を言わせて頂戴……ありがとう。
あは、私が礼を言うのは貴方で三人目かしらぁ。
貴重な体験、ありがたがりなさぁい?
……礼のついでにひとつだけ聞きたいのだけど、翡翠の瞳を持ったサイドテールの女……知ってる?

【ギャラエのことだ。アグラーヤ自身は名前を聞かなかった為に身体的な特徴しかあげられないのだが、バロウズにとってはその情報だけで誰を指すのかが理解できるだろう】
【ゴーレムの捕獲を依頼し、そして月光を持ち去った女。アグラーヤにとってタェンティース捜索に次ぐ重要人物である】
【月光はあのような女の手にあっていいシロモノではないのだ。質問を投げかけるアグラーヤの真紅は今まで朧げであった目標をしっかりと見据えた、決意と覚悟の瞳であった】
871 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2015/01/17(土) 18:22:34.05 ID:G+EgNy6Ko
>>870

(効いたか。彼女の友人であることに間違いはないようだ)

 扇動者は単純な洗脳能力ではない。相手の精神の志向操作・誘導にこそ真髄がある。
 誘導し、芽吹かせる。時に変質させ、自覚しえぬままに取り返しのつかぬところまで導く。
 ゆえに相手の目的意識と合致するほどに異能は有用に働く。自身がそうあろうとするゆえに自覚が困難になるからだ。

【ゆえにタェンティースに関する事柄にアグラーヤの偽りの可能性は極めて低いと考えた】

「落ち着いたかね。では続けよう」

 バロウズは落ち着きを取り戻したアグラーヤに対して、特に追求も労わりもしなかった。
 ここで不用意にそうすることは、逆に礼を失するとすら思えたゆえ。

【色んなヴィジョンが早回しのメディアのように流れる。スペルファミリア(三つ首蛇)が時折、蛇声を発する。
 その中でバロウズの関心は機人の道程に加え、先の闘いにおけるミカドと九尾の狐にも向いていたが】
【そうして映像は途切れる。どうやらアグラーヤにが随分と良い情報であったらしい】

「月光…ああ、彼女の持つ太刀の銘だったね。一度拝見したことがある」

 これ自体は驚くにはあたらないだろう。機人と面識があるのなら知ってても不思議ではないだろうから。
 しかし、土塊のゴーレム。そして、翡翠の瞳…活動中のギャラエだろうかとバロウズは当たりをつけた。しかし――

「サイドテールに翡翠の瞳というだけでは難しい。もしかしたら知っているかもしれないが私も知人が多いものでね」

 嘘は言っていない。実際にその情報だけでは困難なのは本当だ。
 ただ、バロウズ自身が自らの直感と手元の情報で、ギャラエだと当たりをつけたことを話さないだけだ。
 これはギャラエがアグラーヤに残した謎なのだろう。ここで干渉するのは思わぬ結果を導くかもしれない。
 運命とは時に酷い冷笑家であり、不用意な善意が最悪の結果を招くこともある。それに――

(組織人としてエージェントの個人情報を不用意に開示するのはな)

 内心で苦笑。情報の保護は大事だ。それにその方が興が乗る。

「以上だ。私も用事は…どうやら君の用事も一緒に果たせたようだがね。
 この後は商談があるのでね。表通りで別れるとしよう。中々楽しい時間だったよ。お嬢さん」

 手を差し出すバロウズ。シェイクハンドの風習はヒノモトには無いはずだが、まあ、これはこれ。
 顔つきはどう見ても現地人ではないのでアリだろう。

【豪商風の服と、紳士然とした風貌ではあるが、よく見れば身体つきは頑健。
 観察すれば極めて高度に鍛え上げられた筋骨も読み取れるかもしれない】

「そういえば名を名乗っていなかったね。ヨブ・バロウズだ」

//んではこのシーンもこれで〆ってことでででー
872 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/18(日) 22:03:51.91 ID:gFta2+ig0
>>833
「むむぅ、責任まで含めた相応の生活を送って欲しいってんですねぇっ」

とは言うモノの、なるほど確かにこの新鮮な食材の数々を見よ
依頼者の村々は不作に悩まされているというのに一体全体どうしたモノか
恐らくこれが領主の、夜侯自身の『力』に相応しい食生活の具現なのだろう
弱肉強食、簡単な真理だ
迫害とは無縁……否、迫害をそうとは思わずに力で押し退ける事を続けて来たニアにしてみれば、
その吸血鬼と自分自身を重ねる事は余りにも難しい

「ひ、ひゃくにじゅうねん……」
「よく持ちますってんですね……?」

絶句、気の遠くなるような時だ
ニアの想定する、単なる布地の旗で持つような合間ではない
そして何より、それだけのモノにある意味執着にも似た奪還の志を得ているイムカに改めて清廉たる軍人の一面を垣間見る

「是非是非っ」
「……シンソ? ふぅん……?」

共に行動開始、心強い事この上ない
イムカ同様、吸血鬼の理に明るくないニアは首を傾げながら歩き始めた
873 : ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/18(日) 22:08:12.87 ID:IfVbfk500
>>813>>821>>825>>829
ざんばら髪を結いもせず
口にくわえた仕込み杖
紺の着流し裾端折り
切り立つ崖を行く男

この男に義憤も無ければ 給金という即物的な欲求も持ち合わせていない
唯一つ 不死なる妖を切り[ピーーー]ことが出来るのか? そんな歪んだ知的欲求だけであった

雨にぬれ 阿古に張り付く髪から見える瞳は爛々と輝きを滾らせ 口には笑みを浮かべながら崖を上る
そして2人の女に付き従い 窓(?)を蹴破り城の中へ

「あぁ? そんなもん俺が知るかよ」
早速つるされたハムを切り分け ワインを開け 勝手に飲み食いを始める

「俺は 妖を切りに来た ほかにナニが必用なもんかい・・・・なんだ いいワイン持ってやがる」
そして何か話が始まるが 殆ど話し半分に聞き流し あまつさえ米の飯は無いのかと探し回る様子
最後にイムカがこの依頼に乗り気じゃないのには

「だったら帰れ 俺が切っといてやるから金だけ貰って失せろ」
ゲップ一つ 長楊枝をくわえてチッチッと上下に揺する
874 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/18(日) 22:09:29.91 ID:IfVbfk500
>>873
名前こっちで
875 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/18(日) 22:14:04.52 ID:IfVbfk500
>>872
「シンソ? 神祖・・・あぁ カムオヤのことか」
一般常識は持ち合わせていないが 一般知識(この男のいた世界の)は持ち合わせている

「神として祭られてる先祖のこったよ」
876 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/18(日) 22:26:07.61 ID:9uULsQBfo
>>873

「断る。私は討伐とは違う目的があると話したはずだがな」

 端的に告げるイムカ。可愛げはゼロである。

「討伐を止めはせん。が、私の邪魔はするな。互いの目的を為せばいいだけの事だ」

 下品な男。とりあえずイムカの印象はそんな感であるが、
 別段、嫌悪というわけでもない。政治将校としてチンピラ同然の者を鍛える機会など無数にあった。

【何故か初対面でもすっげえ偉そうなイムカである。
 顔つき身体つきはともかく、この無表情と態度ではオイランにはなれまいて】

>>872

「糸状にした金属や、まあ色々と使っているからな」

 遠未来の技術による軍旗とのこと。また、テクノロジーレベルに反して軍旗を尊ぶ在り様は、
 もしかしたら歪に見えるかもしれない。

「まあ、とりあえず情報が少ないしな。慎重に行こう」

 先程、派手に木戸を破壊しておいてコレである。中々に調子が良かったりする。

 −−−−−−−−−−
>>872-873
【何とも行きずり的なデコボコパーティ−になったものである】

 服も乾いたところで行動開始、抜き足、差し足とは行かぬがあえて目立とうとはせずに、
 石造りの廊下を歩くことになるだろう。

「………」

 しかして、如何にも潜入スキルが低そうな連中ばかり。
 路の角をこっそり曲がろうとしたところで――

「ギギ?」
「…んっ?」

 吸血鬼の下僕たるグレムリンと遭遇。
 そのグレムリンは一瞬、鈴虫にのみ殺意を向けたが、ニアとイムカ≠見ると、
 特に何事もなかったようにテクテク歩くばかりとなる。

「…クリア?」

 頭をひねるイムカである。殺され崖下に落とされていたのは女も含む。
 まさか男女の違いで、敵味方の識別をしているわけではないだろうが?

【→イムカとニアの共通点。鈴虫に非共通点によるものであろうか?】
  【ネタバレ)触手にょろにょろと心音二つなのと、真っ当な身体との違い】
877 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/18(日) 22:28:01.09 ID:9uULsQBfo
>>875

「吸血鬼の先祖?」

 が、イムカには微妙に理解ができなかったようである。
 しかし、ニュアンスはなんとなく掴む事もできる。

「アレか。とりあえずかなり厄介そうだと考えておけばいいか」
878 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/18(日) 22:33:49.31 ID:gFta2+ig0
>>875
「か、神……ってんですかぁっ……」

これはまた大きな相手だとたじろぐ様子
宗教的概念がないニアではあるが、それだけに純粋な力の具現としての印象が強いらしい

>>876
「なるほどっ、布だけって事ないですものねっ」

しかし卓越した技術を持ってしてまで『旗』に縋る
その事実が少し面白く、また興味深い
慎重にとの案に神妙そうに頷き、散々食べ散らかした厨房を後にした
懐にこっそりリンゴ数個を忍ばせたまま

さて果たしてグレムリンと邂逅、ドキッと心臓が弾みタイドメイカー1本を展開
沈黙少々、問題無し
イムカに同じくして首を傾げ、憮然とした様子

「……なんだったってんですかねぇっ……?」

常に突然の戦闘に対応出来るよう、以降タイドメイカー1本を従えつつ歩む
879 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/18(日) 22:42:36.58 ID:IfVbfk500
>>876-848
「あぁそれでいい さっさと行くぞ」

さて 腹ごしらえも済んだところで移動しましょう
なんか2人はこっそり移動しているみたいですが この男には関係ありません
道のど真ん中を堂々と歩いてみせる そしてグレムリンに出会えば嬉々として仕込み杖を抜こうとしますが

何故かこちらに敵意を示さず歩いていってしまった
なんとなく決まり悪く 居心地が悪いが 今は妖なれど無抵抗を切るに興味はなく

「チッ・・・」
舌打ち一つして移動を再開

「どっちだよ例の御山の大将は 暇で仕方ねぇや」
だんだんと苛立ちを覚えながら移動する
880 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/18(日) 22:52:14.17 ID:9uULsQBfo
>>878

「さあ…取るに足らないと見られているのか何なのか」

 イムカのこの妙な遭遇と結果には頭を捻るばかりである。
 解だけ出されて、式が分からぬ問題ほど不気味な物は無い。

「とりあえず不本意な遭遇戦をしなくて済みそうな何かがありそうだ。
 先程の状態は維持して進もう。ニア、そのにょろにょろも常に出しておいてくれ」

>>879

「全く…なんというか」

 鈴虫の態度にこの男、本当に斬りに来ただけなんだなと思わず嘆息を付きそうになったところで――

 −−−−−−−

【ドゥン!と突然、城内に響き渡る爆音。と、共に一合か二合ほど金属が衝突する鋭い剣戟音】

『吸血鬼!今宵こそ闇の住人の滅びる時だ!』

 そして、大きく響き渡る怒号!これは――

「…どうやら新しい勇者様パーティーのご入場のようだ。
 混乱に乗じて色々と出来そうではあるが、どうしたものかな?」

 このような会話をしている間にも、剣と魔法の音撃に混じって血液の香りが風に運ばれてきた。
 突破速度はかなりのもの。かなり強いパーティーのようであるが、

【正々堂々とご入場してくれた勇者様パーティーのおかげで様々な選択肢が生まれている】

 【→勇者様パーティーに加勢して戦う】
 【→勇者様パーティーが領主までたどり着くと仮定し、その戦いを見守り敵戦力分析(可能なら暗殺)】
 【→宝物庫を見つけ、おたからをいただく好機と看做しドロボー行為】
 【→急に頭がおかしくなって領主に加勢し、勇者様パーティーと戦う】
881 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/18(日) 23:03:08.57 ID:gFta2+ig0
>>879-880
「ち、ちょっと、もう少し静かにっ……」

鈴虫の態度に静音性を求めて潜めた声を上げる
最もニア自身も普段に比べれば静かといった程度のそれではあるが

「……にょろにょろ……」

その呼び名に苦笑、まぁ仕方ない
なんせ事実にょろにょろしているのだから
細身のタイドメイカーをにょろにょろと、2人の後に続く

「っ……!?」
「勇者パーティ……うーん」

ニアにしてみれば商売敵である
だがしかし場合によっては無駄な戦闘をせずに済む事も考えられるし、なんならイムカの目的だけを果たして逃走してもいい
さてどうしようかなぁと唸り、

「取り敢えずっ、イムカの旗探してぇっ」
「勇者さん達が戦ってる裏から、吸血鬼コッソリやっちゃいませんっ?」

選択肢でいうなれば、先ずはドロボー敢行
そして可能であれば、それまで戦闘が続いていたとしたら
吸血鬼の暗殺を行い、ちゃっかり手柄も頂こうという腹だ
なんならもし万が一の場合でも、消耗した吸血鬼を襲ってもいい
882 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/18(日) 23:10:41.88 ID:IfVbfk500
>>880-881
「あ? なんだって?」
なんか小声で言われたような気がしたけれど ナインを言ってるか聞き取れなかったので聞き返しました 普通の音量で
そんなこんなで慎重になる2人と 全く自重しない1人は奥へと進んでいるわけだガ 何処からか聞こえてくる怒号と剣戟の音

「おッ やってるな」
急に笑顔になった鈴虫君 喜び勇んで駆け出してしまいました
モチロン吸血鬼を切るために ついでに勇者様とやらに加勢してもいいでしょう こちらの邪魔をしないのであれば

【まったく相談もせずにパーティに加勢しに行きました】
883 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/18(日) 23:34:18.39 ID:9uULsQBfo
>>881-882

「うーん」

 ニアの言葉にイムカは考え込んでから、

「両方やれる可能性は微妙なところだな。宝物庫を探している間に戦闘終了となる可能性もある。
 それに、ニア。申し出はありがたいが――」

 言いながら、駆け足で加勢に向かう鈴虫の後姿を見て、

「私達の…別方面からの潜入がバレるのが確定した。影から成り行きを見守ったほうがよさそうだ」

 げんなりである。もし、敵情報を掴めず、おたから漁り中に見つかれば厄介。
 帰り道遭遇も厄介だ。(その場合はパーティー全滅であろうが。

 −−−−−−−−−−−

【そうして、喜び勇んで駆ける鈴虫を追いかける形でイクサの現場に向かうイムカとニアという格好となった】

 実際に転がる無残なクリーチャーの残骸を見れば、相当有力なパーティーであると理解できるだろう。
 正直、道中は鎧袖一触であったのは確かだ。

 が、それもここまで!鈴虫を先頭に一行は大広間が観音開きとなった扉越しに見える位置まで来るが――

『アバーッ!』

 扉から弾丸のように吹き飛び壁にたたきつけられたのは巨大な体躯の戦士。下半身から下は行方不明となっていたが!

【そして、見よ!扉の奥で広がる戦闘の光景を!】

 紫色の癖のある髪をした少女?らしき存在。それが領主様であろう。その領主様に若い剣士の幾重にもルーンが刻まれた聖剣が突き刺さる!

「無意味ね」「何ッ!?」

 が、バッと、その吸血鬼の身体が複数の蝙蝠になったかと思えば、
 蝙蝠達は業火を纏い、若き剣士にまとわりついた。その剣士が無残に炭化するまで2秒もかからなかった。

【叫ぶ女魔術師。光の魔術が奔る。が、】

 輪郭を取り戻した領主様は光の壁を形成し、それを弾き返す。

「聖術、何故?!」「神は祝福してくださっている。吸血鬼であろうと」

 高速で接近した吸血鬼が女の喉首に指を突き刺し、血液を吸い尽くすまで3秒。
 美しい魔術師はただの干からびたミイラと化して床に転がった。

【後は語るに及ばず。鈴虫が乱入しようとした十数秒の間にカタがついてしまった】

「…纏めよう」

 イムカは隠れながら分析。

 −−−−−−−−−
 ・物理無効
 ・回避が極めて困難な攻撃方法持ち
 ・聖属性効かない(弱点属性無いかも)
 ・スピードもとんでもない。パワーは巨躯の男があっさり重装鎧ごと真っ二つ

 結論:正攻法は無理では?
 −−−−−−−−−

「ニア、と、そこの男。えーっと、健闘を祈る。うん、ガンバロ」

 無表情に、養豚場に運ばれる豚を見るような(ry 冗談です。見捨てているわけではない。

【正攻法ではキビシーと認識できたのは良し。戦う選択を取るなら色々お膳立てがいるだろうということだ】
884 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/18(日) 23:45:18.33 ID:IfVbfk500
>>883
道中漂う血と糞尿の混じった悪臭 それらを思い切り吸い込み ただ駆ける
そして見つけた 領主の間 そして無残にも倒れ付す勇者様ご一行

「楽しそうなことしてるじゃないかお嬢さん 俺も混ぜてくれよ!!」
惨状に怯むどころか 嬉々とした笑みを浮かべながら仕込み杖の鯉口を切る
すぐさま駆け出し 抜くと同時に吸血鬼へと一刀を浴びせようとするだろう
885 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/18(日) 23:47:26.23 ID:gFta2+ig0
>>882
「えっ?」
「あっ……あぁっ〜!?」

と、戦闘を見れば一目散に渦中に飛び込んでしまう鈴虫
これには流石にびっくりである
とはいえ見捨てるという選択肢を選び取る事は難しい

>>883-884
「……同感ってんです」

さて数秒の後には露呈する事になるだろう、別口から侵入者たるの我々の存在が

「流石、シンソって奴ってんですねぇっ……」

そして戦闘の過程を、虐殺を見ればふぅむと唸る
何処か客観的な物言いなのは、勝算故ではなくある種兵器然としたクレバーさだ

「どうしましょうってんでしょうかぁ……」
「月光試してみるにも、近寄れないってんですよ多分っ」

とある魔王との遭遇戦時に判明した、自身の剣のもつ神性
うむむと唸り、取り敢えずタイドメイカー6本展開
その場に座り込み2本を脚変わりに直立、鈴虫に対するフォロー態勢
4本を攻撃翌用に扱い、面的な空間飽和打突を繰り出してみる
無論警戒心は高く、距離は触腕の届くギリギリを取ってはいるが
886 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/19(月) 00:00:14.75 ID:Xry3H6/Xo
>>884-885

「………」

 対峙する流れになりかけている現状であるがイムカは考える。
 彼女は基本的には勝算の無い戦いはしない主義である。現状、カードが足りない。
 勝利とは幾つものロジックを組み立てて得られるものであるという持論。

(何故か、敵意を持たれていない私達…賭けどころはここか)

「ニア、動くな。とりあえずやり過ごす策を思いついた」

 言うとおもむろにガーゴイルの破片…つまり拳大の石を握り締め、

「イヤーッ!!」

 なんと、シャウトと共にイムカは『鈴虫のドタマめがけて』石を背後より投擲したのだ!!

【→急に頭がおかしくなって領主に加勢!フラグ回収! 】

//時間も12時越えそうだし、これの次のレスで一端〆にしやしょう
887 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/19(月) 00:07:26.88 ID:slc7TG/b0
>>886
「えぇっ!? っとっとっ……」

慌てて突き出したタイドメイカーを強引に制止、力尽くの軌道修正に繊維が断裂を起こす
だが元々神経の通らぬ触腕、痛みなどは感じずに裂けた部分からギラつく体液を垂らすのみだ

「やり過ごすってっ……うぇっ!? イムカっ!?」

何をトチ狂ったのだと必死の形相を向けて、だが投擲された石を止めるには触腕は傷付き上手く稼働しない
よって見守るしかないのだ、事の運びを今はただ
888 :鈴虫>273 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/19(月) 00:09:34.72 ID:pRRidrwS0
>>886-887
攻撃を仕掛けようとした そのとき

―――スカーン
「アバー!!」
何か硬い物が後頭部を直撃し 哀れ鈴虫は意識を失ってしまいました

領主の目の前には グッタリと伸びる異国風の男の姿
889 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/19(月) 00:25:34.00 ID:Xry3H6/Xo
>>887-888

「…なに?」

【乱入せんとした鈴虫に指先を向けようとしたところで、アバーッ!なる石ゴーン!】

 流石にこの成り行きに領主様のボーゼンとして目を丸くしている。
 先程までの剣呑な雰囲気に思いっきり水を差された形となったのだ。

「シツレイを。これ以上お手を煩わせる必要は無く思いましたので」

 イムカはなんと、ここで努めて無表情めいて、つまりはいつも通りの仕草で前に出た。
 はっきり言って、賭けである。会話しながら乗り切る糸口を掴もうというアレだ。

「人間…心音が二つ…ああ、ホムンクルス。あら?貴女は――」
「はい、このゴミは一緒に捨てておきますので」

 下手に追求されたりボロを出したりする前に畳み掛ける。
 この場を切り抜けようとしているのだ。ニアに目配せ。あわせろ!とアイコンタクト。

【よっこいしょっと、鈴虫を担ぐイムカ。どうやら擬似生命を誤解されている模様】
【そして領主は人間に好意も敵意も無い。戦闘不能者を無意味に殺しにかかりはしない】
 【→先程、グレムリンが敵と看做さなかった理由が氷解した】

「行くぞたこたこ魔人1号。手伝え」

 が、ここでイムカのヒデェネーミングセンス!領主様も思わず眉をひそめる!
 これ以上、ボロを出す前に可及的速やかに引かねばなるまい!

「それでは…」
「ああ、貴女――」

 去ろうとしたところで呼び止められるイムカとニア。しかし領主様は二人の上から下を見て、

「その格好は何?当家に相応しい格好を。良いわね」
「了解(コピー!)」

 ひっでえ演技もあったものだが、なんと無事に乗り切れました。

「…私の演技力も大したものだな」

 と、イムカは自画自賛するのであった。なお、傍から見ればどう見えたかは知らん。

//と、いうわけで時間も時間なのでコレニテー!
890 :アグラーヤ [sage]:2015/01/19(月) 06:08:14.26 ID:2FbO0LKs0
>>871
そう……まぁそれもそうねぇ、そこまで都合良くいったら怖いもの。

【幾重にも重なる広大過ぎる世界、ほんの僅かな情報でも有難いものだ。しかしそんな淡い期待は空振、バロウズの返答は望むものではなかった】
【恐らくは自身と同じくこの世界から異界のモノ、越境者であると思われたこの男ならばと考えたのだがそう甘くはいくまい】
【しかしアグラーヤに然程落胆は見られない。それよりも優先されるべき情報は得たのだし、何より己が眼で顔を見ているのだ。同じ越境者同士、何れ巡り逢うこととなるだろう】
【あくまでそれは予感に過ぎない。しかしアグラーヤの感覚は確信に近いものを感じていた。台本の存在しない人形劇、錆び付きかけた歯車は今まさに音を立てて廻り始めているのだから】
【一度壇上に上がった人形は、例え舞台袖へと消えたとて役を果たすため何れ舞い戻る。数多の物語を紡ぐ運命に従って。そしてその運命が尽きるまで】

あは、私の方こそ面白いものを見られたわぁ。
これ以上言葉を飾ることに意味は無いし、その商談とやらが上手くいくことを祈っててあげる。

【差し出された握り返したのは黒く、冷たい仮初めの右手。生身の腕があるというのにそちらを使わないのは礼に反するのかもしれないが、奥底では未だ人間という種族に相容れぬものがあるのだろう】
【あくまでそれは潜在意識の中、無論態度に出すことはない。親しい相手以外に、真に心を開くことはないだろう。例えそれが信頼に足る人物であろうともだ。もっともそれは人間も同じなのかもしれないが】
【しかしバロウズが知る以前のアグラーヤからは想像もつかないことである。他人、ましてや人間から求められた握手に平然と応えるなどということは。意識の変革、きっとそれを成長というのだろう】
【アグラーヤにそれを促したひとりは他でも無いタェンティースである。彼女の存在が確認できたことで、バロウズの手を握りながら彼に向ける表情は、曇天を切り裂く陽光のような実に晴れやかなものであった】

……アグラーヤ。
見てくれはこんなものでも、お嬢さんと呼ばれるような年齢じゃないのよぉ?
それと……ひとつだけ忠告してあげるわぁ、ヨブ・バロウズ。
貴方の外見、背格好にその服装は似合ってないわぁ。
それじゃ、ばいばぁい。

【似合ってないとはアグラーヤの個人的な感想ではない。この世界であれば和装だが、地域世界で着られている衣服というものはそこの住人の体格に合わせられたものが多い。つまりバロウズの見てくれや体格であれば周囲からの違和感も一入である】
【意地の悪い笑みを浮かべながら吐き捨てるように告げると、そのまま踵を返してバロウズへ背中を向ける。振り返ることなく、ただ掲げた掌をひらひらと宙空で遊ばせながら。彼もそれをずっと見ていることはしないだろう、ふたりの運命の交錯は一旦終わりを迎えたのだから】
【アグラーヤの物語の歯車を動かしたバロウズは人形に繋がりし糸の調律士か、それとも運命の荒波は彼すらも壇上へと押し上げていくのだろうか。それは誰にもわからない。途方も無い多重世界に於いても結末を持つものなどは存在しないのだから】

/遅くなってしまいましたがこちらの〆を落としておきますー
/お付き合いありがとうございましたっ
891 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】 [sage]:2015/01/19(月) 21:42:55.09 ID:BoiJx1cX0
目覚め。
目覚めはいつも見知らぬ場所だった。初めて境界を越えた時も、大罪と出会った時も、そして力を喪った今も。
此処は何処だろう?とジョシュアは思考する。背中を濡らす冷たいアスファルトの感覚に眉を顰めてながら、徐々に蘇る記憶を追ってゆくのだ。
ああ、そうだった。此処はいつもの街。見上げればワールシュタットの巨影が空を覆い尽くし、ネオンの灯りが優しく眠らない街を照らす。
あの事故の後数週間の間ジョシュアは目を覚ますことはなかった。目覚めたのはつい昨日の話。
目覚めて間もなく、自分はワールシュタットを抜け出した。力を喪い、左腕を喪い、事故により人望さえ喪った自分は"あの場"に居ることがたまらなく苦痛になったのだ。

「────……ッ…」

ずきんと痛む頭を抑え、しとしと降り続ける雨を全身に浴び続ける。
冷たい。まるで手脚の先から感覚が奪われていくような。
訓練兵の養成期間、泥沼の中で手脚を繋がれたまま一週間過ごした時もここまで寒くはなかった。
心が寒い。身体はこんなにも怒りに燃えているのに。当たった雨を瞬時に蒸発させもうもうと蒸気を上げ続ける身体。
ジョシュアの半身は焼け爛れ、マグマのように仄暗く赤熱しながら高熱を発し続けている。ベッドもシーツも包帯も焼け焦げ、直ぐにボロボロに朽ちてしまう程に。
地位も名誉も母艦(ホーム)も捨て、追っ手を振り切りこの街の中を彷徨い──今はただ、逃げ続けるだけ。
ぼろぼろの病衣と、焼け焦げた包帯を全身に纏ったままよろよろと再び歩き出した。
892 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2015/01/19(月) 21:56:19.60 ID:r+ynuDkcO
>>891
「……ちょうど、」

異常熱を纏い歩くその背後
いつの間にか随分と近く、熱波に曝されながら紙タバコをふかしている
傘はない、正しくは安いビニール製のそれは溶け落ちて骨だけになったので打ち捨てた
藍色のパーカーと、チノが雨に濡れてすっかりと色濃く染まる

「ストーブが壊れてんだ、来いよ」

勤めて目線を合わせぬように明後日を向き、水気を含み重くなった髪が張り付く
鬱陶しそうにそれを払い、ジョシュアの返答を待たずにゆっくりと歩き始めた
少ししてポケットに両手を突っ込んだまま振り返り、早く来るように態度で促す
緩い雲が流れるような早さの歩調
それに着いて行くとすればやがて路地裏のビルに存在するアラズのこの世界での拠点に辿り着くだろう
コンクリート打ちっ放しの室内は冷えていて、簡単な家具が点々としているだけの小さな部屋
もしアラズとの同行を拒めば、舌打ちしつつも逆にその後ろを彼女が追う事になるだろう
893 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】 [sage]:2015/01/19(月) 22:08:59.53 ID:BoiJx1cX0
>>892
目的もなく、終着点もなく、ただあてもなく彷徨うはずだった脚は聞き覚えのある声にその歩みを止める。
ゆっくりと振り返るジョシュア。雨に打たれ続けたその身体は徐々に冷え、やがては種火のように静み収まった。
されど白い炭がまだその身に炎の子を宿しているように、依然としてジョシュアの身体に当たる雨粒は湯気となって立ち昇る。

「…ァ……あ、ズ」

虚ろな眼で彼女の姿を追い、その名を口にするも出てくるのは掠れた雑音のみ。喉が焼け落ち声すら出ない。
悔しそうに、そして悲しそうに俯きながらただ一定の距離を保ちながらアラズの背後をふらふら、ふらふら、と。
彼方此方の壁や塀に煙草を押し付けたかのような焼け跡を残して付いてゆくのであった。
ヒビ割れた皮膚、その隙間から漏れ出る光と火の粉。まるで製鉄所を丸々飲み込んだかのような風体の男はコンクリート建築の部屋の中に連れられるとどさりと倒れ、
彼女の部屋の真ん中に仰向けに倒れたまま天井を仰ぎただ一言。

「……に…く…」
894 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2015/01/19(月) 22:18:46.55 ID:r+ynuDkcO
>>893
「ジャパニーズアニメで見たな、こんな光景」

自分の発想に思わず、鼻で笑ってしまう
最もその声のない存在を先導していたのはもっと自分より遥かに上等な……そう物語の主人公であったが
さてそういえばあのアニメ映画のラストはどうなっただろうか
そんな事を考えつつも時折振り返り、不完全燃焼めいて燻るジョシュアの歩調に合わせた

「……あぁ?」
「肉? 肉……あぁ、食う?」

そして部屋にどっかりと倒れるジョシュア
その口から囁かれた、何と無く聞こえた単語から推測
空腹なのだろうかと缶詰のランチョンミートをこじ開けて差し出してみる
ディープメイカーを食べさせようとしないのは一応の気遣いなのだろう
895 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】 [sage]:2015/01/19(月) 22:29:56.28 ID:BoiJx1cX0
>>894
「……!!」

食うかと言われるなりアラズの方を半ば睨みつける勢いで首を傾けこくこくと必死に頷く。
この状況においてタンパク質とグリセリンは喉から手が出るほど欲しい。逆にディープメイカーなぞ差し出されてもグリードが消化不良に陥ってしまうだけだろう。

差し出されたランチョンミートを缶ごと右手で握り締めると瞬く間にそれは分解され光の粒子へと姿を変えて霧散する。
それと同時にほんの僅かにだがジョシュアの皮膚がビキビキと音を立て再生したのだ。
大きくヒビ割れていた皮膚が少しだけ塞がり、マグマのように焼け爛れ燃え盛っていた肌も少しだけマシになったように見えた。
しかしこれだけではまだ足りそうには見えず、苦しそうに胸を上下させ顔を顰めたままだ。

「……あ、り……が…」

焼け爛れた喉ながらも先程よりはマシな発音が出来るようになった。
口から溢れて消える礼の言葉。それから暫くジョシュアは口をつぐんだまま何も言わなくなった。
されど溢れ出る感謝の意は涙となって頬を伝い、コンクリートの床に落ちる前に蒸気となって消えて無くなる。
896 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2015/01/19(月) 22:42:03.64 ID:r+ynuDkcO
>>895
「……私は食うなよ?」

余りの勢いに苦笑しながら戯けてみせる
即座に光解された缶詰、兆しだけを見せて終わった回復
まぁアレだけで足りるはずがないかと次の食べ物を探す

「あとは、あー……サーディンの缶詰と、カップヌードル」

鰯の水煮と、それとカップ麺
前者はともかく後者はこのままでは食べれないだろう
とはいえ先程の缶詰の食べ方を見てみるとそうでもなさそうにも思えるが

「……べっつに」

紡がれる言の葉と、霧散する涙
それらの事柄から逃げるようにして、お湯を沸かして来ると告げて立ち上がる
最も1Kの狭い小部屋、彼我の距離は別段遠く離れてはいないが

「……お前さー、どうしたんだよそれ」

カップヌードルに沸騰したお湯を注ぎながら、問い掛けてみる
897 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】 [sage]:2015/01/19(月) 22:59:19.78 ID:BoiJx1cX0
>>896
「……どうだか」

半身を起こして二、三度咳き込み口元を拭えばにやりと微笑む。どうやら冗談を言うだけの体力は補えたようだ。その声も大分元どおりのもとへと近付いている。
されどやはりその身体は赤々と燃え、ほんの僅かにだが熱波がアラズの頬を照らす。
何があったと問われれば少し言葉を濁して、そして遠慮がちに口を開いて真実を告げた。

「色々あってな…」
「グリードって覚えてるか?あれが俺の身体の中でドンパチ沙汰やらかして…暴れ回ってるんだと」

与えられた鯖の水煮は缶ごと昇華させたが、カップヌードルを見て少しだけ顔色を曇らせる。
グリードの消化能力には得手不得手がある。かつて砂をその拳に纏わせた澪にグリードが思い切り殴りつけられたように。
カップヌードルを包む発泡スチロールはどちらかと言えば劣悪な相性だ。かといって中身を浴びればそれはそれで熱い。
故にカップヌードルを差し出されればジョシュアはそれを普段通りの経口摂取で、片手でフォークを使って器用に平らげるだろう。

「…このままじゃ余命僅かってヤツなんだとさ。だから俺は…コイツを捨てる為に…勝手に抜け出して来たんだ」

命惜しささ。と自嘲めいた笑みを誰へとなく向け、あれほど死に場所を求めていた癖にいざ死が迫れば命乞いをする自分をただ恥じる。
結局俺も"そういう"臆病者なんだよ。とアラズに投げやりに告げるとラーメンの最後の一口を啜って机の上にカップを置いた。
898 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2015/01/19(月) 23:11:28.87 ID:r+ynuDkcO
>>897
「グリード?」
「……あぁ、グリード」

なるほど『覚えている』
正しくはニアの体験した追憶、アラズ自身の記憶ではない
雨の落ちる夜は更けて冷える、ジョシュアの発する熱波が心地良い
予想したのとは少し異なる食べ方に、へぇと興味深そうに片頬を釣り上げて笑う

「ふーん……」
「……ま、いいんじゃねぇの?」
「お前、元々ふつーのニンゲンなんだろ?」
「なら本能でそうやって行動すんのは……まーふつーだろ」
「それは……なんっつーかな……あぁ、もう!」

多分、今までアラズが生きて来た中で最も長い台詞をナナメ下に落とした目線と共に告げる
結局最後は気恥ずかしさからか髪を掻き乱して途切れたが
向いてねぇな、と苦々しく笑い掛ける
本人としては慰めているようなつもりなのだろう
それでも言葉の端々に、元来ニンゲンではない自分とそれ以外での線引きを滲ませてはいるが
899 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】 [sage]:2015/01/19(月) 23:28:50.66 ID:BoiJx1cX0
>>898
「元々はな……でも今は違う」
「だから…まぁ、なんだ、その……」

元々ジョシュアは人間であった。しかし度重なる越境と強化手術。ナノマシンやグリードとの共生によってその在り方は完璧に"人間"のものからはかけ離れていた。
数ヶ月に一度"メンテナンス"を受けなければ崩壊する身体。ナノマシンが無ければ何も免疫を持たない脆弱なものだ。
ナノマシンやグリードの爆発的な回復力と引き換えに元来の治癒能力は殆ど失われた。

まるで道具だ。人間が手を加えなければ容易く壊れてしまう。
だからこそジョシュアにはどうしてもアラズの境遇が他人事のようには思えなかった。
安い同情などではない。されど沈黙にて看過することなど出来ないその衝動。
「そんなに余所余所しくするなよ」それだけ呟いてジョシュアは深く俯き、「でも、ありがとう」と。それからは何も話さなかった。
傷は癒え、バックリとヒビ割れた皮膚は殆ど線のように、焼け爛れた皮膚も冷えた火山岩のように輝きを失いつつあった。
900 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2015/01/19(月) 23:50:25.23 ID:zmCDLt6U0
>>899
「……ん?」
「はっ、なんだ? 泣きついて欲しいのか?」

そういうのはお前のオンナにでも頼めよ、と一蹴
ただ再度の礼を告げられれば矢張り居心地悪そうにモジモジとして目線を泳がせてはいるが
しばしの沈黙、シルクの生地を撫でるような雨垂れの静かな音が空間を満たす
ふ、とここではない何処かをアラズはその瞳に見た

「……」
「あー、ベッド勝手に使え、シャワーはそこ」
「腹減ったらそこの袋に入ってんの適当に食えよ」

僅かな変化、内に秘めた憎悪の炎が燃焼を始める
読み取ったのだ、今怨敵のこの世界への越境を能力ではない直感で極めて鋭敏に
おもむろに立ち上がり、部屋の簡単な説明を今更ながら
行かなければならないのだ、そして終わらせなければならない

「……あー、えーと、」
「ま、またな……」

ドアの前、背を向けたまま
極めて自分らしくないそのセリフに思わず赤面
対面していなかったのは、無論それを隠すためだ
パタン
軽い音が響いた頃には、アッシュグレイの髪の少女の姿は部屋から消えていた
901 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】 [sage]:2015/01/20(火) 00:15:48.08 ID:zLYlzI/V0
>>900
心地良いとは言えない静寂。それでもアラズの返答に少しだけ嬉しそうな表情を見せ
と言ってもその表情はコンクリートの床に向けられたもの。結局誰にも見せることなど無かったが
それでもジョシュアは満足そうだった。ただ沈黙に従ったままこの時間を享受する──
──と、そこでアラズの様子が変わった。急に早口でまくし立てるようにジョシュアに寛げと伝えると立ち上がり
まるで何かを感じ取ったかのような様子を見せてそそくさとジョシュアから距離を置く。
ドアの前、振り絞るかのような声で赤面しつつ残したそのことばにジョシュアははっとして顔を上げ
今まさにその扉から出ようとしている少女に手をかざして呼び止めようと声を荒げる。

「ま、待てよ……駄目だ。行くな…!」
「待ってくれ、アラズ…待──」

どくん。されど視界は歪み、身体にも力がまるで入らない。何と言う悲運。越境の兆候を前にジョシュアはただ憤る。
しかし無慈悲にも、ぱたん。扉を閉める音と共にジョシュアの意識は寸断される。かざしていた手を握り、掴もうとした背はそこには既に無く

「……はは」
「何の冗談だよ…おい……」

次の瞬間には一面に広がる荒廃した世界。灰色、灰色、灰色…それを見てジョシュアは呆然と眼を見開き、そして何も考えられなくなった。
ただ広がる灰燼と焼け爛れた地表、そして吹き荒れる煤煙を含んだ風と黒い雨。眼下には崩れ去った高層ビル群を望む。
ここは廃墟と化した高級ホテルの最上階。おそらくVIPルームであろう。キングサイズのベッド、大きなジャグジー。スープの染みのついた豪華な絨毯。
そして彼方此方に飛び散った血と、家具と、それらを纏めて焼いた超高圧の放電痕。
その放電痕の中心に堂々と突き立つ黄金の両刃刀。まるで何かの墓標のように、英霊を讃えるモニュメントのように誇らしげにその床を穿つ。
ここは"故郷"だ。ジョシュアは今、かつての上官の墓標の前に立っている──

//この辺りで〆でしょうか?ロールありがとうございました〜
902 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー [sage]:2015/01/20(火) 00:22:51.26 ID:1p0NDBuO0
>>901
//ありがとうございました、お疲れ様でした
//また宜しくお願いしますー
903 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/20(火) 21:33:36.31 ID:N/O341XE0
【とある遺跡】
カラカラカラ・・・プシー

まるでピラミッドの中にでも迷い込んだかに思える黄土色の石で覆われた場所 恐らく遺跡
そのT字路でどちらに進んだかをスプレーで印をつけながら進んでいるのは流浪のアーティストとお供のサソリ

「ふぃ・・・随分と進んだけど 出口が見えてこないよ 参ったなオイ」
―――ギィ

キャンティーンの水を一口飲んであたりを見回す 外が昼間だからか まだ照明は必要ないみたいだが いい加減外の空気が恋しいところだ
904 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/20(火) 21:44:07.28 ID:1p0NDBuO0
>>903
「……ここ、さっきも通ってない?」

竹の水筒が似合う忍装束に身を包みながらも、現代世界で入手した真空断熱タンブラーの水を一口
似たような風景ばかりで仕方ないが、アキレスの目印がないのだから言葉の通りであるはずはない
それでも矢張り勘繰ってしまうのは若干の焦燥と疲労がそうさせているのだろう

「ミイラのモンスターとか出てきそうでやだなぁ……」

タンブラーを腰のポーチに仕舞い、来た道を振り返って肩を竦めた
905 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/20(火) 22:01:15.33 ID:N/O341XE0
>>904
「そういうこといわないでよフラグになっちゃうから」
ゲンナリと言葉を返す 正直同行者がいなければもっと精神的に消耗していたかもしれないと思うと 誰かいてくれて助かったといえよう

「曲がり角にはその都度印を入れてきたから 同じ道ってのはナイはず・・・なんだけどなぁ」
さて 移動も長引けばお腹がすくというもの アキレスの腹はグゥと鳴り

――――ギィ!!
ベティもおなかがすいたとズボンの裾を引っ張ります

「・・・・・とりあえず何か食べようか」
そういってベティのリュックから携帯ストーブを取り出し メスキット(携帯調理器具)と材料を取り出し始めた
906 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/20(火) 22:10:03.64 ID:1p0NDBuO0
>>905
「あはは、いやぁやっぱこういう所って言えばマミーじゃない?」

王道的ファンタジーの世界を故郷に持つ七八
そしてそれがステレオタイプな知識である自覚もあるらしく、やや戯けた風に笑った

「誰かが消してたり?」
「……あぁ、同感……」

通路とはいえそれなりに広い空間であり、火を起こしても窒息ということはないだろう
同じようにレトルト食品を幾つかと、それと怪しげな丸薬を5粒程

「あ、これ食べる?」

薬飯、と差し出した草色の丸薬
賽印流秘伝のレシピで調合されたそれは空腹を(微妙に)満たす効果があるという
嗅げば土と草に似た匂い、食べれば青臭くて美味しくはない
907 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/20(火) 22:18:30.73 ID:N/O341XE0
>>906
「だからお願いやめてよぉ」
これまたフラグを立てる四五六に最早涙目である

コンビーフの缶詰開けて 水で戻した乾燥ジャガイモ混ぜて フライパンでじゅうじゅう焼けば

「コンビーフハッシュ〜♪(のう゛よヴォイス)」ピコピコピコーン
―――ギィ!! ギィ!!

妙な声マネをするアキレスと 早速クレクレ催促をするベティである

「モグモグ・・・あぁえと・・・いいや また今度にする」
―――ギィ♪

何かにおいからして美味しく無さそうな丸薬 ノーサンキューでフィニッシュです
908 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/20(火) 22:27:40.54 ID:1p0NDBuO0
>>907
「……出たらお願いね?」

フラグを立てるだけ立てて万一実現してしまった場合他人任せ
なんとも無責任なモノである

「なんだよー、お腹壊すようなモノじゃないよ? ……多分」
「おぉ、いい匂いさせてるねぇ」

数々の薬草を配合した丸薬を口に放り込んで飲み込む
実際保存性は高く実際安全。 ダイジョブダッテ!
と、続き自身はレトルトパックのビニル紐を抜く
空気に触れた加熱剤が発熱、それが終わって開封すれば湯気の立つホワイトシチューがお目見えだ
パックのままスプーンで一口、美味しい
こういう時こそ食事の時間というのは大切だ、団欒に繋がり磨耗した精神力を回復させるのに役立つ
しかしまぁ、直ぐに終わってしまうのが付き物ではあるが

909 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/20(火) 22:38:34.72 ID:N/O341XE0
>>908
「そこは他人任せかYO!!」
―――ギィ!!

2人揃ってツッコミを入れる さて他愛の無い雑談とともに つかの間の団欒は終わり

汚れたフライパンはトイレットペーパーでふき取り 食べ終わった空き缶やらはその場に放置して移動を開始しましょう

〜暫しの時間の後〜

「まて 何か聞こえるぞ?」
いく度目かの曲がり角を曲がる すると何処からか 何かを擦る音が聞こえてくる

「ひょっとして誰かいるのか?」
淡い期待と共に音のなる方に向かうと

そこには アキレスが書き記したスプレー缶の跡をブラシで擦っている 全身包帯まみれのミイラ男がいるではないか

『・・・・・・あ・・・・・・・・・ぁ・・・・・・・・』
そしてミイラ男はこちらに気付くと うめき声を上げながらこちらに向かってくるではないか!!
910 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/20(火) 22:44:47.58 ID:1p0NDBuO0
>>909
「だって私戦えないしー?」

実際には戦えない事はないのだが、能力者や魔法使いに比べると劣るという事である
さて出発、ゴミなんかもその場に置いておけば目印になる

「……ん? あ、本当だ」
「どれどれ……? うわぁっ!?」

奇妙な物音、足音に掻き消されていたらしいそれをやっと捉える
アキレスに着いて行って歩けば邂逅、見事なフラグ回収である

「ああああアキレス、よ、宜しくっ!」

アキレスの背に隠れて完全委任態勢
一応刀の柄を握ってはいるが、アンデッドの魔物相手に聖性も持たぬ通常の刀では頼りない
911 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/20(火) 22:51:17.59 ID:N/O341XE0
>>910

 たたかう
 まほう
 ぼうぎょ
 どうぐ
ニア にげる

「むちゃいわないでぇぇぇぇ!!」
説明しよう 最近戦闘スキルが上がってきたアキレス君であるが 本来は戦闘に関してビビリなのだ!!
背に隠れる四五六 それに構わず回れ右 全速力で駆け出す

『あ・・・・・・・・ぁ・・・・・・あn』
そうこうしている間も ミイラ男はこちらに歩み寄ってくる
912 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/20(火) 22:58:19.40 ID:1p0NDBuO0
>>911
「あぁっ!?」
「ち、ちょっとぉっ!?」
「……くそっ、どうすっかなぁ……」

速攻で転身、退却を始めるアキレス、そして残される七八
逃げるべきか、それとも対処すべきか
もしこの場で撤退した場合、後々の憂いをひとつ残す事になる
マミーの徘徊する迷宮内でのんびり食事など出来ようはずもない
今ここで斃しておくべきか
刀を抜き逆手に構え、ジリジリと後退しつつ逡巡
913 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/20(火) 23:11:40.58 ID:N/O341XE0
>>912
刀を抜いて後退する四五六にも動じず 距離を詰めていくミイラ男

『あ・・・・・・の・・・・・・・・』
包帯の隙間からくぐもった声が時折聞こえ


『こ・・・・・まり・・・・・ます・・・・・とう・・・・アトラク・・・・ション・・・・は・・・・・・飲食・・・・・禁・・・・・止・・・・です・・・・』







―――おーい
遠くからアキレスの声が近付いてくる

男「お客さーん ここは目印つけるのも飲み食いも禁止ですよーってバイト!? お前持ち場はなれて名にやってんだ?」
ミイラ男「目印・・・・消して・・・・」
男「そういうのは清掃スタッフに任せておけっていってるだろ」

なんか作業着の男がミイラ男と話をしている ミイラ男は頭を掻きながらぺこぺこしている

「あぁよかった 大丈夫だった?」
―――ギィ!!

そしてアキレスは四五六に声をかけた
914 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/20(火) 23:17:59.02 ID:1p0NDBuO0
>>913
「……へっ?」

ぽかんと口を開きなんとも間の抜けた表情
アキレスが戻って来れば振り返り、そして作業着の男とミイラの遣り取りを眺める

「いや、あの……」
「大丈夫だったって、大丈夫だけどさ……」

取り敢えず刀を仕舞う
きん、と小気味良い金属音が澄み渡った
どういうことよこれ、訝しげにアキレスに耳打ち
915 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/20(火) 23:26:17.92 ID:N/O341XE0
>>914
「うんまぁなんというか・・・ここ遊園地だったっていうか・・・」
四五六に耳打ち返ししていると

男「とりあえず あなた方はリタイアということですぐに出てください 次やったら出入り禁止措置に出ますからね?」
といって近くの石をヨイショと押せば簡単に動いて外の光が見える

そこはまぁ 遊園地でした 親子連れやらカポーやらが楽しげに通りを行き交う 遠くには観覧車が回り ジェットコースターが下れば悲鳴が上がる

〜本日はコスプレイベント実施中です・・・もうまもなくコンテストが始まりますので・・・参加者の皆様はメインステージまで・・・お越しください・・・〜
なにやら特殊なイベントをやっているようなので 四五六の格好もおかしいと思われなかったよです

「と・・・とりあえず出ようか」
916 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/20(火) 23:31:14.75 ID:1p0NDBuO0
>>915
「……」

「アッハイ……」

ただただ赤面、俯いてそそくさと外へと脱出
実に楽し気な喧騒、だが何とも迷路アトラクションからの視線が痛い痛い

「……なんなんだよー、めっちゃ赤っ恥かいたよーもー!」

アキレスと共に迷路から少し離れ、そして地団駄
その見事なニンジャのコスプレ衣装の完成度は周囲の注目の的だ
917 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/20(火) 23:38:43.98 ID:N/O341XE0
>>916
「しょうがないじゃん あんな状況じゃ混乱する 誰だってそーする 俺もそーなる」
遠めに見たアトラクションは ファラオの迷宮とやらで ピラミッドの内部を模したドッキリ要素アリの巨大迷路でした

「ほらほらもう忘れてジェットコースター乗ろうぜジェットコースター」
そんな中 切り替えの速いこの男は遊園地を堪能しようとするのであった・・・・・

//ではこの辺でノシ お疲れ様
918 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/20(火) 23:43:05.05 ID:1p0NDBuO0
>>917
「……奢ってよね?」

膨れた女子は実に理不尽な、ワガママを押し通すモノである
今回も、そうだ
アイスクリームからジェットコースター、観覧車までをアキレスにたかる事だろう

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
919 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/21(水) 22:04:30.63 ID:n57RXnIGo

【あらすじ】

 妖怪タコタコと共に吸血鬼の城に潜入したイムカ・グリムナー。
 途中、浮浪者染みたアレと合流しちゃったり、吸血鬼リアリティショック起こして石ころ投げたりすったもんだ。
 とにかく、危機的状況は乗り切った。ガンバロ!

 −−−−−−−−−−

「というわけでどうにか乗り切った続きだ」

 吸血鬼領主が支配する地域。その居城にて、現在、尊大な態度で腕を組みながら、
 現状確認を行っているのはイムカ・グリムナー。なお、現在の格好であるが、メイド服である。
 そう、メイド服。メイド服ナンデ?成り行きである。

【天然クール系で豊満なバストの金髪メイド!属性モリモリでマーケティング的にも大成功間違いなしであろう!】

「見た限りあの領主、とんでもなく強いぞ?正攻法では死体が増えるだけだ」

 イムカ的戦力分析であるが、そう言い切った。
 彼女曰く、マトモ戦う類の敵ではなく、相対するならば色々準備をして勝算をあげねばならない類と。

「と、まあ、これは私の考えだ」

 ホワイトブリムとやや煩わしそうに外しながら、そういうのであった。
 メイド服のワビサビを理解していないのか頭飾りが気に入らないようである。
920 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/21(水) 22:15:03.18 ID:hbediFQs0
>>919
「……うんうん、そういう事だってんですねぇ」

ふむふむと頷くニア
何故か服装は和服にエプロン、そう女給風のモノである
メイドのそれだとすれば色々と比べてしまい落胆に陥っていた所だ、重畳といえよう
そう全ては成り行きだ、成り行き

「むむー……正直そうだってんですねぇ……」

どう攻略したモノかと唸る
あの力に、なるほど真正面からぶつかるのは危険過ぎる
でも、と区切り不釣り合いな月光の柄を撫でた

「正攻法でないなら、どうやって……?」

まさか寝込みを襲うなどと言った単純技が通じるとはなかなかに思えない
921 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/21(水) 22:25:32.37 ID:n57RXnIGo
>>920

「正攻法で無理ならオカルトだろう。私も一応、吸血鬼モノの本は読んでいる。映画メディアも見た」

 妙にミーハーな事を言い始めるイムカ。なお真祖についての知識がゼロあったのは、
 いわゆる、コミックやゲーム的なコア知識の類には非常に疎いため。

「弱点については色んな物語でまあ色々混ざっていたり、消されていたり、追加されていたりと。
 題材が題材だけに人気者のようだがな。吸血鬼というのは。
 しかし、こういう普遍的な物語には存外にヒントが散りばめられているものだ。オカルトには伝承で対抗するのがいい」

 ゆえに目で見た現状と照らし合わせた場合。

 ×十字架…神の祝福しっかり受けているっぽい
 ×ニンニク…厨房にニンニクあったところからアテにできん。
 △聖水…小便とスピリタスを秘密の割合で混ぜればいいのか?
 △銀製の武器…破魔の力を持つとよく言われてはいるが?
 ◎心臓に杭を刺す…実際これはかなり強いルールである

「もっとも、伝承頼りというのも心もとなくあるからな。
 何か手持ちのカードで有効打があるかもしれんが、それは今はまだわからん。
 無理ならば戦わない…という選択肢も無いわけでも無いしな」

【イムカ的分析はこれで一端終了】
922 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/21(水) 22:35:44.42 ID:hbediFQs0
>>921
「なるほどぉ……」
「ニアの世界にも吸血鬼はいましたってんですけどぉ……」

しかし破滅的な力を保持したモノには出会っていない
ステレオタイプな弱点がそのまま通じる相手だったのだ

「そもそも、夜だとか闇のイメージがあるっていうのに……」

聖属性に通じるなどとは掟破り甚だしい
vsWILDな聖水もスピリタスがないし、銀の武具もない
ならば心臓穿ち、若しくは

「一応、悪魔には強いみたいってんですけどぉ……」

月光である
最もしかし剣技にはそこまで自信がある訳ではないし、イムカに託すとしても難しいだろう
尚ニア自身は未知ではあるが、月光は魔法金属ミスリル製である
【持ち主の意欲に反応する破魔属性持ち】

「……ま、この状況ならイムカの旗を探すってのも簡単そうってんですね」

なんせ、掃除してました、で大体がなんとかなりそうな扱いなのだから
923 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/21(水) 22:44:51.68 ID:n57RXnIGo
>>922

「月光だったか?吸血鬼は悪魔(ケイオス)と区分できるか微妙なところだな。
 破魔なら効果はあるかもしれないが…まあ効くかもというくらいで考えよう」

 ニアの剣を見て…そして頭に?マークを点灯させるイムカ。
 今までなんとなく流してはいたが…

「…そういえば、何でタェンティースを同じ武器を持っているんだ?」

 と、一度気になったらそりゃ聞くであろう質問をするのであった。

【そうして、宝物庫まで簡単に行けそうであるという言葉に対しては】

「ああ、追加で言っておくと私達が侵入者であると十中八九バレているぞ?」

 事もなげにかつ、いつもの調子でいうイムカ。
 今までいつも通りの調子で、今もそうだから心臓に悪いかもしれない。
 つまり、常どおりの無表情かつ平坦な声音ということである。

「私達が切り抜けられたのは、泳がせた方が楽しそうだと思わせる事が出来たからだ。
 実際、人間に興味も悪意も無いが、戦闘中に遊興の色が見えたからな。だからあんな下手糞な演技を――」

 言いながら、やや考えて、

「…まさか私が素であんな演技したと思っているのでは?」

 じと〜っとした目で見てみる。
924 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/21(水) 22:53:57.84 ID:hbediFQs0
>>923
「……斬る前にやられちゃう可能性もありますしね……」

というか、その方が確率として高いはずだ

「むっ、ニアの方がオリジナルだってんですっ!」
「あいつの持ってるあっちは模造品っ!」

因みにニアのこれは大切な相手の形見だという
奇遇にも半人のそれも、模造品ではあるが矢張りそれでも大切な相手から託されたモノ
【両方ともが形見であり、現在の所持者は同じベースの生体兵器】
【月光という剣自体にそういった逸話が付き物なのだろう】

「えっ」
「……い、いやぁ、まっさかぁっ……」

じっとりとした目線を避けつつ、汗をだらだらに苦笑い
あの演技力になんともまぁ、アレだなぁなんて思っていたりしていたのは明白である

「あー、えーとっ」
「じ、じゃあっ、尚更どうするってんですかっ……」

話題を逸らすように、本題に移る
925 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/21(水) 23:04:43.39 ID:n57RXnIGo
>>924

「そうなのか?あちらもあちらでしっかり不壊の武器に相応しい頑丈さだったが」

 何とも珍妙な経緯だなと思う。また武器に対する一種の執着は、
 聖遺物保持者(レリック・ホルダー)のイムカとしても理解できぬことではない。

【そして何と!明らかにトンチキ演技が素と思われていたっぽい態度!なんたるシツレイか!】

「最近、私を天然だとかどうとか風評被害が酷い気がするが…私は至極真面目で面白みのない女だぞ?」

 失敬な、という態度で念押し。しかし、この念押し自体が結構アレであることには
 どうやら気付いていないっぽいイムカでありました。

「発見されるのはあの男(鈴虫)突っ込んだが時点で確定事項だったからな。
 ここは相手が遊び半分のうちに打開策なり逃亡なりするのがいいのだろう。
 しばらくは、相手の遊びに付き合う風に動いてみるのもいいだろう」

 人間のようでちょっと違う風の侵入者。
 ただ、直々に殺すのが勿体無いと考えた場合の暇人の思考。
 大量に居た人工生命たるガーゴイル。そして、ホムンクルスというキーワード。

「さて、これくらいインターバルをとらせてくれた≠フならば…」

 イムカは視線を扉に向ける。意識すれば分かる。気配がある。
 殺気にしては薄い。気配と呼ぶにも明確な意志に欠けているような感覚。しかし、何かが何時の間にか居る。

【ゆっくりと、メイド服に不釣合いなホルスターに手を伸ばす】
【相手も、そして自分達も、あと必要なのは切っ掛けのみ。開始のゴングを鳴らす合図のみだ】
926 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/21(水) 23:13:07.28 ID:hbediFQs0
>>925
「これを元に造ったってんですよ、あれはっ」

言葉足らずで追記が必要だ
ニアの月光はとある魔法世界のミスリルメイカーに依って鍛えられたモノである
それが複雑な経緯でニアの故郷の世界に辿り着き、そしてそこで科学的に模造品が作製された
それが半人の持つもうひとつのアナザー月光というわけだ


「え」
「天然じゃないってんですか?」

返すニアは真顔である
とても珍しく真顔である

「むぅ……なぁんか手のひらで転がされてる感っ……」

頬を膨らませてみる
ニアとしては面白くないのは事実、だがそれで生き延びているのもまたしかり
現に状況は芳しくないのだから、仕方ない事であるが
それだからと言って完全に納得するには、ニアはまだ幼い

「……んっ?」
「えーとぉっ、これってぇ……」

ずるり、タイドメイカー1本を展開
扉の向こうの希薄な自意識の存在を警戒し、月光を抜いた

「……向こうから仕掛けてくるって、可能性もぉ……」

充分にあり得るな、と問い掛けながらも内心で自答
927 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2015/01/21(水) 23:14:07.14 ID:ygbgVtLOO
【世界間移動は越境者となった殆どの者にとっては日常の一部となっている事柄だ】
【しかし、その時の世界観移動は常のソレとは僅かにその趣を異にしていた】
【目を開けば一面の霧、ミルクの様に濃く厚い霧は自身の体さえも見失いそうになる程だ】

……〜〜〜〜………〜〜〜〜……

【そんな場所に何処からか微かに声が響いてくる】
【微かな声を頼りにその方向へと足を向ければ濃密な霧は少しずつ晴れていき】
【目の前には岩山の内側をドーム状にくり抜いたかの様な空間が広がっている】

え〜〜っ! これじゃダメぇ!? そんな! いくらなんでも足もとみすぎですよぅ!

【と、少し離れたところで何やら騒がしく言い合ってる者達がいる】

【主に大きな声を出しているのは黄緑色の髪色の少女の様であるが】
【その少女、何故か背中には縮尺こそ巨大に見えるがカゲロウの翅によく似た翅が付いている】
928 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/21(水) 23:19:48.98 ID:kAJVHUVjO
>>927
音につられてスタスタ歩いてきたのは銀髪褐色肌の術師然とした少女でした。
長い耳が種族の証。

「妖精が何事?」

あんまり感情がこもらない声の持ち主。
でかい空間についてはあまり驚かない模様。
むしろこいつの足音は、霧の中でもぜんぜん迷いがなかったような。

「通行料とかそういうのなら、妖精の瓶詰めが高価と聞いてる」
929 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/21(水) 23:29:59.59 ID:n57RXnIGo
>>926

「君の評価は著しく間違っている。訂正を求めたいところだ」

 あっさり天然扱いされて、修正求むなイムカである。無理では?

【そうして和やかな?会話もここまで。急激に張り詰めた雰囲気へと移行していく】

「ホムンクルスとか言っていたな。相手が遊興を求めるならば…テストをしたくなるんじゃないかな?
 何処からやってきたかも知れない存在なんて打ってつけ…とな」

 イムカは油断無く目配せ。そう、どうにか興味を引き特殊状況には持っていけた。
 ただの殺戮対象として排除すべき存在(ゴミ)ではなく、テストのためのサンプル(おもちゃ)という立場には――

「戦闘状況…室内。極端に狭くもないが広くも無い。障害物に幾つかの着替えのクローゼット在り」

 環境分析を行うイムカ。ほぼ閉所戦闘と考えていい。
 極端な火力は厳に慎まれる状況。さらに空間そのものにさしたるゆとりが無い。

「以上だ。行動を開始する」

 BLAM!BLAM!言うや否や、一瞬で9mmピストルを抜き放ち牽制射発砲!
 次の瞬間、扉が粉々になる!銃弾によって?否、扉は外側から破壊されたのだ!

【舞い上がる木片に紛れて潜入する影あり。格好はイムカと同様のメイド服。
 顔は青白く、人形の如く整いすぎた顔立ち。意思希薄なる瞳。これが吸血鬼の言葉にあったホムンクルス】

 その整った造型にいくつかの奇妙な点が散見される。
 まずは脚…人間ではなく獣の脚を無理矢理引っ付けたようなカタチ。
 そして、肘には細く長く強靭な触手…にくむちが生えている。

【にくむちは実際、強い存在感…いわゆる強大な武器特有のスゴ味を発しており、
 音速を超える速度で衝突すれば生物の肉など容易に剥がしてしまえそうなほどだ】

「お嬢様の命により、排除を開始します」

 獣脚特有のしなやかさと強靭さにより狭い室内の壁を蹴り三角飛び跳躍!
 中空せ逆さま姿勢となり、手に持ったクリスナイフでニアの喉首を素早く狙った!ハヤイ!
930 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2015/01/21(水) 23:36:13.05 ID:ygbgVtLOO
>>928

「……!? 誰だ! オマエ、見慣れない! 他所モノか!!」

【と、プライムの声にカゲロウの翅を持つ少女とは別の少女が反応を返す】
【ゴツゴツと厳つい鉄製の装飾の付いた服を来てヘルメットの様な物を】
【目元がまるっきり見えないほど目深に被っている】
【その口調や言葉の内容からして歓迎ムードではなさそうだが】

「……妖精の瓶詰め……だと……?」
「おい貴様、それは冗談のつもりなのか? だとするならば……相応の報いを受けてもらうぞ!!」

【プライムの発言を聞いた途端、その顔に浮かんだのは純粋な怒りの感情】
【腰元にぶら下げていた鉄槌らしき物に手を掛けると今にも襲いかからんばかりの殺気を放っている】
931 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/21(水) 23:39:44.72 ID:hbediFQs0
>>929
「……考えときますってんです」

無論詭弁である

「あぁ、そういうっ……」
「……じゃ、前はニアがっ」

全くもって歪んだ性格の持ち主である、ここの主様は
最もその気紛れで今こうしていられるのだという事実を無視する事は出来ないが
閉所戦闘、望むモノ
その場に脚を組み座り込んで6本の触腕を唸らせる
全てを攻撃翌用に擡げさせ、そして邂逅を待った

「そう簡単にっ……!」
「……このォッ!!」

キメラめいたホムンクルスと対峙、即座にその姿を追う事となる
月光を防衛に構えて、そしてしかし暗殺者の一閃は確かにニアの喉の肉を削いだ
一瞬でその場から消え去り迅速に機動する相手の、大凡の空間めがけてタイドメイカー6本による飽和打突で反撃
致命の箇所切り裂かれる事は防いだらしいが、それでも血は溢れ出して止まらない
932 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/21(水) 23:45:33.09 ID:kAJVHUVjO
>>930
えぇ、よそ者ですとも。

「妖精なのに同サイズ。なるほど。
 できればこの場所をマークしたいところ」

興味深いというか、舐め回すというか、
少なくとも誰が見ても好意的には取らないような視線で周辺を確認しながら接近。
……妖精の分類にもよるが、勘のいいのならうげってなりそうな濃密な死の気配つき。

「自分で買ったことも作ったこともないけど、“使ったこと”はある。
 もっとも、その瓶詰めは片手で微妙にあまるくらいの大きさだったけど、
 もともと霊体なものを不死化というのは、それなりに有意義だった」

歪んだ気持ちというか、たぶん消耗品を使い切ったくらいにしか感じてなさそうな雰囲気。
殺気を浴びても涼しい顔だから余計に悪質。
933 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/21(水) 23:45:50.68 ID:n57RXnIGo
>>931

 ドドドドドン!!と、タイドメイカーによる幾つもの衝撃音!
 巻き込まれて破砕するクローゼット!舞い飛ぶ木片!濁る空気!

【タッ、と着地音!抉れているホムンクルスの肩部。片腕を潰した】

 シャッ!と投げられるナイフ。アンダースロー、急所たる眼球へ向けた無慈悲の一撃。
 同時に衝突――金属音。クナイダートとクリスナイフが絡み合い弾け飛ぶ!

【戦闘開始から4秒経過!】

 ヴン!と空気の唸る音。ホムンクルスの肘先より生えた肉鞭が唸り、
 ニアを袈裟切りにするかのような軌道。先端は間もなく音速に達する。
 衝突すれば、部位から概ね肉を引き剥がされるのは明白!

【イムカは片腕で銃を向けるモーションの最中】
 【戦闘開始から4.8秒経過!】
934 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/21(水) 23:58:45.40 ID:hbediFQs0
>>933
余程清掃が行き届いていたのだろう
それを証明するように埃はそれ程立たず、だがそれでも破壊片や木屑おが屑が舞う
空を裂いて唸る鞭打、対して座るニア
回避なんて出来ようはずもない、ならば

「……っ!!」

バチィッ!!!
乾音、衝撃、散る肉片
だが無傷、鎮座するその姿に鞭打によるダメージはない
変わりにギラつく体液を撒き散らしながら、タイドメイカーの1本が悶える
打突に突き出したままのそれらを盾に構えたのだ、そしてそれは同時に次なる攻撃への伏線でもある
残りは5本、掲げ打ち下ろす2本、拡げ薙ぎ払う2本、そして正面からの突き1本
複数方面からのそれぞれに僅かな時差をつけたそれでもほぼほぼ一斉攻撃
首から滴る血がようやく襟首を穢しはじめた
935 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2015/01/22(木) 00:02:22.18 ID:v/QLVajaO
>>932

あわわわわ……ちょっ、ちょっと! そこのアナタは越境者さんですよねぃ?
そういう事はジョーダンでも言っちゃダメな…………えっ?

【一瞬即発な空気に慌てて割ってはいる様にしてプライムに注意を促すミニオンだが】
【それに構わず発されたプライムの言葉を聞くと驚いた顔をした状態で動きが完全に止まる】

「貴様ぁ……さては「奴ら」の手の者かっ!!」
「穢らわしい死の気配を纏う穢れたニンゲン共のイヌめ!」
「ここを知られたからには生きては帰さんぞ!」

【動きを止めたミニオンを押し退けて目深ヘルメットの少女がプライムに詰め寄ろうとする】
【騒ぎを聞きつけたのか、周囲に点在する住居らしき物の中から幾つかの首が覗いており】
【ドタドタと遠くから走って近づいてくる物音が四方から聞こえてくる】
936 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/22(木) 00:10:20.30 ID:Q/iXbFFno
>>934

 バチィッ!!

 にくむちとタイドメイカーの衝突音。
 音速を超えたそれは可視化する衝撃波を周囲にバラ撒き、
 木屑を再度、周囲に広範囲に飛散させる!

【間髪入れず乱れ飛ぶニアによる触手の連撃】

 剛脚を以って回避行動に移るホムンクルス。
 BLAM!!発砲音!熱!弾ける真白い人工血液。脚部に穴!

【イムカが動きに追従した?否、偏差射撃による一撃】

 足が止まるホムンクルス!迫る触手連撃!衝突音。破砕音。
 ひしゃげる造型。冒涜的ながらも美しき人形は破壊の渦に囚われ肉塊と化す。

【戦闘開始から決着まで約6秒…濃密なる一瞬一瞬は通常時間へと回帰する】

「…ふぅ。デタラメな機動性に鞭だと?閉所に随分酷い組み合わせだ」

 ピストルを片手に持ったままニアの方に血止めと包帯を投げる。
 以前、メトロ世界で遺体より回収したメディパックである。

「すぐに動くぞ。興味を引きつつ交渉に持ち込むか、私の目的である戦旗を取り返すか、
 上手くやれれば倒す突破口を見出せるかもしれない」

 何にせよ悠長に出来る状況は消滅した。
 相手の興を削ぐのすら危険な状況。生き残り手段を模索するしかないのだ。
937 :プライム@紛い物のネクロマンサー :2015/01/22(木) 00:13:57.58 ID:kocfqpQfO
>>935
「安心してもいい。生きて帰る必要性は薄れた。
 むしろ死んで還る必要がある。
 ………あぁ、安心しないほうがいいか」

懐から抜き放ったのはどう見ても呪いのアイテムなダガー。
それを、ある程度妖精兵が集まったところで、呪術師は自分の首に突き立てよう。

「じゃあ、“さようなら”
 越境の妖精も、定住の妖精にも、等しく災禍が訪れますように」

出血とともに、先ほどまで漂わせていたものと比べても
桁違いに高濃度な死臭がぶちまけられる。
いや、そもそも中に宿していたものをぶちまけた、というべきか。
一番とばっちりを喰らうのは割って入ったミニオンだろう。
あとは距離が近いほど、霊体に近いほど、そして清らかな者ほどはやく
身体が蝕まれるはずである。
境界の影響がある程度は軽減してくれるだろうが、彼女の創造者は
それでも貴重なデータを手に入れるに違いない。

「グールパウダーを妖精の集落で使えるなんて、今回のテストはとても運がいい。
 協力に感謝」

ばしゃっと、疫病の発信源は自ら生み出した血だまりに沈んだ。
そしてそのまま、徐々に自分の肉体を虚空に還しはじめたようだ
938 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/22(木) 00:17:16.43 ID:VC8/2iRC0
>>936
「ふひぃっ……」
「……あ、いたたたっ……」

止めていた呼吸を解放、同時に集中力に依って無視していた痛みが覚醒
礼を言ってから止血、幸い深くはない

「もっとこう、広いとこだと危なかったってんですけどぉっ……」

閉所ならば回避する箇所も限られる
ならばタイドメイカーは有用だ、回避を考える必要もほとんどない(出来ない)のだから

「はぁいっ、待って下さいってんですよぉっ」

1本を残して触腕を仕舞い立ち上がり、そしてイムカの後を追った
一度だけホムンクルスの残骸に振り返って
939 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/22(木) 00:21:15.61 ID:Q/iXbFFno
>>938

「…どうした?行くぞ」

 イムカは崩れた肉塊と化したホムンクルスに振り返ったニアに言葉を投げかけて先に進む。
 彼女自身には敵の尖兵たる生体兵器という以上の感慨は特に無いようだった。

【無表情で任務に忠実。ある種、イムカにこそ似通っていたかもしれないが】

「さて、吸血鬼の城か。どのような戦場になる?」

 室外へのクリアリングを終えて、壁際に駆け出すイムカであった。
 果たして、この先、何が立ちはだかるのであろうか。

【続く!】
940 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/01/22(木) 00:28:28.47 ID:VC8/2iRC0
>>939
「……ぁ、え、っと……別にっ」
「なんでもないってんですよぉっ」

造られた、歪められたいのち
それを奪う事は苛まれるべきなのだろうか、その罪の重さに
それに否であると断ずるのは憚られた、ニア自身のそれの価値を放棄するにも等しいからだ
答えの出ない自問、だがそれを考えるのは今ではない

「あははっ……頑張って、生き延びるってんですよぉっ」

イムカに微笑み掛ける
そう、考えるのは後でだって出来る
しかし生き延びるべく行動するのは今しか出来ないのだから

//お疲れ様でしたっ
941 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249 [sage]:2015/01/22(木) 00:55:58.40 ID:v/QLVajaO
>>937

「死んで帰る、だと? ……貴様さては死と闇の領分に生きる魔の眷属か……っ!」

【取り囲まれてもなお余裕を崩さず、尚も呪いの気配を撒き散らすプライムに】
【ヘルメットの少女が何かに気づいた様に息を飲むのとナイフが取り出されたのはほぼ同時】

「総員! 加護を解放!! 押さえ込めぇぇっ!!!」
「「「「「おおおぉぉぉぉおおお」」」」」

【プライムがナイフを首筋に突き立てるより僅かに早く、妖精の叫び声が響く】
【その叫び声に集まった妖精達がそれぞれの得物を掲げて突進】
【吹き出した死の風が吹き荒れようとする直前にそれぞれが得物を地面に突き立てると】
【突き立てられた地面が光を放つとガラガラと音を立てて地面がせり上がり】
【瞬く間にプライムを内側に閉じ込める様な形で小さな岩のドームが形成された】
【ドームは地面に突き立ったシャベルやピッケル、ハンマーから漂う光を受けて輝いており】
【その輝きによってか、死の呪いはドームの内側に封じ込められた様だ】

「おのれ……おのれ! ニンゲンどもめ!」
「奴らめ! 神聖なる妖精郷で呪いをぶち撒けようとは! 何たる所業!!」
「我らを食いものにするに飽き足らず! 根絶やしにするつもりに違いない!」
「おのれニンゲン! おのれニンゲンに与するイヌ共め!!」
「もはや許してはおけん!! 我らが力! 思い知らせてくれようか!!」

【呪いによる被害こそ無かったものの、妖精達にとっては許容できかねる事態であったのだろう】
【憤怒と憎悪、怨嗟の色へと染まりつつある広場の中で】
【妖精達の怒りの渦中にありながら、その様子を悲しげに見つめるモノがいることには他の誰も気付く者は無かった】

//これにて〆
942 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/22(木) 21:15:06.67 ID:zFDI2HjM0
【とある街中】
きっかけは些細なものである
とある世界に流れ着き 路銀を稼ぐために仕事を探した

だが割りのいいバイトは見付からず やっとの思いで見つけたのはヒーローショーの手伝いである
最初は裏方のこまごまとしたものだと思った だが出演者の急病などの想定外なアクシデントが重なり

「イーッ!!」
何故かショッカ○戦闘員めいた黒タイツでショーに出ることになってしまった

とりあえずカラフルな五人組に適当にしばかれて終了・・・と思いきや
そこに突如現れた魔法陣 召還されたのは 一つ目の巨人でした

突然の事態に混乱に陥る
943 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/22(木) 21:24:14.09 ID:VC8/2iRC0
>>942
「おぉー……」

ヒーローショーの、カラフルな面々の案外それなりな動きに思わず声が漏れる
ふと通りかかりそして何と無く興味を惹かれてしかし、流石にパイプ椅子に腰掛けるのまでは気恥ずかしいらしい
後ろの方で立ったまま腕を組み、食い入るように見詰めていた

「……ん?」
「うわぁ、はっで派手だなぁ……」
「って、あれ?」

巨人が現れたのもショーの一環だと勘違い、それでもやはりヒーロー達もパニックに陥っているのを見れば事故であると気が付く

「……えーと、もしかしてメチャメチャピンチなんじゃ?」
「と、とりあえずっ!!」

腰に帯びたポーチから苦無を取り出しそして次の瞬間にはそれは飛翔
一つ目巨人の顔面、目玉に向けて3本の苦無が空を裂いて迫る
944 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/22(木) 21:36:45.27 ID:zFDI2HjM0
>>943
カラフル戦隊が無様にシリモチをつきながら逃げ惑う中 果敢に巨人へと戦いを挑む四五六
クナイの投擲に対し 巨人は掌を目にかざして防御 クナイが突き刺さり 小さい悲鳴と 怒りの形相がこんにちは

戦闘員「あ おーい四五六タンヤッホーィ」
と ここで黒タイツのやられ役が手をふりながら四五六に駆け寄る 顔は一切見えてないが 声から分かるだろうか? アキレスである

戦闘員「なんか凄いことになってるの名 どうしようかこの状況 って危ない!!」
などといっている間にも巨人はこちらに近付き 拳を振り下ろしてきた
945 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/22(木) 21:43:34.46 ID:VC8/2iRC0
>>944
「あはは、そうなりますよねぇ……」

見事防がれた奇襲
先手を打てるチャンスで仕留められなかったのは実に手痛い

「え、いや誰」
「……どうしようって、まぁ……」
「どうにかするしかっ、っとととっ!?」

振り下ろされる巨大な拳
あわやミンチにされる所を何とか回避、同時にその拳目掛けて苦無を2つ投擲

「っ、よいしょっ!」

着地、点火紐を抜いた煙幕玉を投げる
摩擦熱で着火、宙を舞いながら黒煙を吐き出した
一つ目の顔面の周囲にもうもうとした黒い煙を展開せんとする
946 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/22(木) 22:00:15.43 ID:zFDI2HjM0
>>945
「あ ひでぇ アイスやらジェットコースターやら観覧車やら集った相手を忘れやがったぞコノヤロウ」
マスクを取らないからこうなるのです

それはさておき 拳にもクナイを投げつける四五六
逃げられた挙句またも手にクナイが突き刺さり いよいよ持って怒りが有頂天の巨人

四五六を追いかけんと突進するが 急に立ち込めた黒煙に慌てふためく
なんとか煙を払おうと 腕をブンブンと振り回している
947 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/22(木) 22:07:47.15 ID:VC8/2iRC0
>>946
「あれ?」
「もしかして、アキレス?」

流石に思い出した様子
最も顔を直接見ていないので確認するような物言いにはなったが

「ようしっ、これでっ!」
「……えーと、あ、アキレス、GO!!」

大きな隙、絶好のチャンス
だがしかしあの巨躯に対しての決定打となるべきモノがない
仕方なしにアキレスに無茶振りしつつ苦無を更に素早く3本投擲
948 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/22(木) 22:21:32.76 ID:zFDI2HjM0
>>947
「そうだよアキレスだよ!!」
どうやら怒っているらしい

そして暗闇状態になった巨人にアタックしろという無茶ブリktkr

「えちょ・・・う・・・・・うわぁぁああああああ!!!!デモンアーム!!」
仕方が無いので腕に青い霧を発生させて突撃するアキレス

比類なき豪腕が巨人の顔面を捉える・・・が

「アッー!」
奇しくも同じタイミングで腕を振り回した巨人の張り手が同時にヒット
弾き飛ばされたアキレスは四五六の元にタダイマ

「・・・・・ゥ・・・・・・・ッ・・・・・」
生きているみたいです よかったね

さて 巨人はどうにか暗闇状態を脱出 アキレスのパンチで大分弱っているみたいですが 戦いをやめる気配がありません
ギロリと四五六をにらむ
949 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/22(木) 22:39:17.56 ID:VC8/2iRC0
>>948
「きゃぁっ!?」
「ち、ちょっと、大丈夫……って、」
「……あ、あはは、ドーモ……」

飛ばされたアキレスをキャッチ、なんてナイスな芸当が出来るはずもなく
半ば押し潰される形で受け止め……っと、受け止め損ねた様子
倒れるアキレスに気まずそうに声を掛ける
そしてそのままサイクロプスに睥睨されれば乾いた笑いしか出て来ないのは必然だ
早い話絶体絶命、若干涙目で頭の中には走馬灯が巡る
その中で、極限にまで圧縮された時の廻りに浮かぶ無数のボヤけた陽炎
無限とも思えるそれらの中から確かな輪郭線を帯びてそしてくっきりと網膜に張り付いたのは何だろう
不明、だが確かに言える事は唯一

「……!!」

極めて迅速に動く躯の稼働に身を委ねる事が出来た事だ
蛇のしなやかさを持ってして地を這うように疾駆、恐怖心を抑圧しながらサイクロプスの股下を潜り抜け
すれ違い様に忍者刀で腱を断つ為に一閃を浴びせようとする
ほぼ同時、逆の足に向けて苦無を植え付けんと投擲迄が刹那の所業
950 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/22(木) 22:54:03.93 ID:zFDI2HjM0
>>949
アキレスは目を回している 大事には至ってないのでご安心ください

アキレスを弾き飛ばし 煙を払った巨人は四五六を見つける そして攻撃を仕掛けようとした人間の姿が 突如消える

否 それは高速で移動したが故 目にも止まらぬ早業で巨人に肉薄 股を潜りながら腱を断ち切り もう片方にクナイを突き刺す

痛みと驚きでバランスを崩す 立て直そうとしても 腱を断ち切られてそれも適わず 後ろ向きに倒れて後頭部を強かに打つ
そのままグッタリと昏倒してしまった

「う・・・ぐ・・・・・あ あれ? 終わり?」
目をまわしたアキレスがヨロヨロと起き上がる 倒れ 景色に解けるように消え行く巨人を身ながら 戦いの終わりを認識した
951 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/22(木) 23:04:31.99 ID:VC8/2iRC0
>>950
「っと……!?」
「……あ、アキレス、大丈夫?」

随分と距離を駆け抜け、滑るようにしてやっと停止
やや遅れて轟音、巨体の倒れる振動を感じた
そして目覚めたらしいアキレスに歩み寄り無事を確認
横目で消え行く一つ目の姿を見た

「……終わった、みたい?」

なんとも現実味のない、あやふやな勝利
刀に血液は付着していない、それすら許さぬ速度で振るわれたのだ

「ま、まぁ、お互い無事? で何より……」

頭ぶつけてない? とアキレスの具合を視ようとする
952 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/22(木) 23:10:57.30 ID:zFDI2HjM0
>>951
「あぁ なんとか・・・な」
大分バイト代に合わぬ仕事となってしまいましたが まぁいいでしょう
アキレスが四五六に近付く すると

―――パチパチパチパチ
突如沸き起こる拍手喝采
先ほどまで逃げ惑っていた観客達が今の戦いを見ていたようです

観客A「スゲェや!! こんなスリル満点なショーは初めてだ」
観客B「凄かったねパパ!! カッコイイ!!」
観客C「オー ニンジャガールブラボー!!」

観客達がこっちにk知恵写真取ったりサインねだったりしてきますが 気にしないでください(ニッコリ
953 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/22(木) 23:13:45.09 ID:zFDI2HjM0
>>952
//追加

「・・・イーッ★」
そしてアキレスは誤解を助長するため 四五六の隣でなんかポーズを決めてみせる
観客がおぉ!と歓声を上げ カメラを構える

さぁ四五六よ ポーズを取るといい!!
954 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/22(木) 23:17:48.19 ID:VC8/2iRC0
>>952-953
「よかった……」
「……え、ちょっと……何?」

さてこんな状況に柔軟に対応出来る程ウィットに富んではいない
ただたじろぎ、そしてアキレスがその気であるのを見て察する
後でまたアイスのひとつでも奢らせないと、なんて思いながら

「ご、ござるっ!」

シャキーン、と印を結ぶようなポーズ
掛け声はまぁあれだ、あれ
955 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/22(木) 23:29:31.95 ID:zFDI2HjM0
>>954
―――おぉー!!

観客には受けたようです よかったね

・・・後日 正義のニンジャガールが 悪の組織の戦闘員その1を連れて戦うというちょっと風変わりな特撮が 日曜朝7:30からされたそうな・・・・・

//ではこの辺で〆
956 :ミスカ・リ・エリッタ【花姫魔導】>>193 [sage]:2015/01/22(木) 23:48:19.94 ID:je32OTEh0
森の奥のとある花園、鬱蒼と生い茂る樹々に囲まれたその花園に建つ小さな小屋には1人の魔女が住んでいる。
この地に伝わる言い伝えの魔女だ。旅人を言葉巧みに誘い込み魅了し、その肉体と魂を喰らい貪るという恐ろしい魔女──

「………枯れてる…」

──その言い伝えの魔女とやらは今、庭の手入れにご執心のようだった。
その正体は不死鳥を連れた1人の少女だ。されど少女が魔女であるという事実は変わりなく
ごく稀に伝説を鵜呑みにして少女を懲らしめようと剣を振りかざした戦士が乗り込んできたり、流れ着いた冒険者が興味本位で覗きに来ることがあるのだ
そして今宵もまたふたりの漂流者が少女の小屋へと流れ着くこととなる。
957 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/01/22(木) 23:54:02.43 ID:Q/iXbFFno
>>956

 ヒューン、ごろん

 木の上のほうで成熟していた甘い果物が落ちる。
 自然に落ちたのか?否、見よ、この情景を。

「ワンワン!」

 柴犬である。笑顔がとってもラブリーと評判の柴犬である。
 そんな柴犬は木片を齧って造ったであろうナイフを口に咥えて、

「ワンッ!」

 首ごと動かして木のナイフを投擲。木の上の果物を見事切り落として落下させている。
 なんという、ワンコロらしからぬワザマエか。

「シャクシャクシャク」

 そうして、柴犬は果物をパクパク食べているわけですが。

【犬がナイフを投擲しますか?おかしいとおもいませんか?アナタ。
 もし、疲れを自覚しているなら今日はさっさと寝たほうがいいかもしれませんね!】
958 :チャーリー"リトルC"マクフライ :2015/01/23(金) 00:03:35.76 ID:Hpq8hQ2to
>>956

「WOW!こいつは傑作だぜ!」

静かな森に響き渡ったのは、あまり品の良いとは言えない男の声だった。

いきなりの大きな声に驚き、近くの小鳥たちがばさばさと羽を打って飛び絶つ光景を、
自然が豊かでエクアドルに旅行に行った時を思い出す、などと呟くその男の主、
チャーリー・マクフライはご多分に漏れず、『魔女の伝承』を確かめてみようと
興味本位でやってきた者のひとりであった。

「ヘイ、ヘイ、ヘイ。」

ミスカを見つけるなり、何やら好奇心と不満さをMIXさせた奇妙な表情を浮かべ。

「肉体と魂を喰らい貪るどころか、こりゃなんだ?
 お菓子とミルクをおばあちゃんにしこたま出されて残すタイプの顔のガキじゃねえか。」
959 :ミスカ・リ・エリッタ【花姫魔導】>>193 [sage]:2015/01/23(金) 00:14:37.74 ID:trWBIt4f0
>>957
「あ、犬だ…。珍しい…可愛いなぁ…」

犬だ。それもこの辺りの森ではあまり見ない犬種。
魔女といえども女の子、可愛いものと甘いものには目がない。草むしりを一旦中断して柴犬を見つめるが
そこで見てしまった。コトの一部始終を。

「………ねぇジョナ、あれって犬だよね?」

犬として若干違和感のある行動。余りにも知性的であり理性的だ。
というより自前でナイフを作ってしまっている辺りがもう犬としておかしい。
自分の記憶が正しいことを保障して貰う為に相棒の不死鳥へと問い掛けるが、帰ってくるのはやはり疑問めいた鳴き声だけ

「……可愛いなぁ」

やがてその光景を見なかったことにして、再び少女は庭の手入れを始めた。

>>958
「…!」
突如響いた男の声。大げさな、演技めいたその一声にミスカはびくりと肩を跳ねさせ、慌てた様子で男の方へと振り向いた。

「えーと…冒険者の方ですか…?」

無礼な物言いもここまで来れば清々しい。若干戸惑い気味な笑みを浮かべつつも大体の事情は察した。
大方この男も"そのクチ"なのだろう。ここは刺激せず、是非とも穏便にお引き取り願う事が最善か

「あの犬は…あなたの?」

されどその前に少女にはもう一つ気掛かりなことがあった。
それがあの柴犬、ウルリックの存在。同じようなタイミングで現れたチャーリーに対し犬の所有権を問う。
960 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/01/23(金) 00:20:33.94 ID:0adHFNW7o
>>957-958

「………」

 気持ちのいい大自然を満喫していたところで闖入者現る。
 しかも、火薬の香りを纏わりつかせていることから文明人。
 おそらくは、異界の者であると類推する。自分と同様に。

「ワン!」

 そして何だかシツレイ者な男の所有物扱いされかけているではないか。
 果実を口に咥えてから、断固講義せねばと、テクテク歩いてチャーリーの隣にちょこんとお座り。

【アレ?この行動、逆に飼い主疑惑深めてね?】

「ワンワン!」

 口に咥えた果物をミスカにプレゼントという風にずずいと突き出す。
 これぞ、お近づきの礼儀作法であると言わんばかりであるが、それが通じるかは別問題である。
961 :ミスカ・リ・エリッタ【花姫魔導】>>193 [sage]:2015/01/23(金) 00:33:48.86 ID:trWBIt4f0
>>960
「…やっぱり飼い主なのかなぁ…?」
『ピィ…?』

現時点での飼い主であるチャーリーの近くへちょこんとお座り。
ミスカはその行為が"断固抗議する"という意味を持っているなどとはつゆ知らず、えらいえらいとニコニコ顏でウルリックを褒めるのみだ。
その有様にはジョナさえも困惑の声色を隠せずにいた。

「これ…くれるの?」
「ありがとうねぇ…よしよし…わぅぅ…♪」

差し出された果実を受け取り、嬉しそうにポーチへ。これでも動物とのコミュニケーションの術は比較的長けている。
そしてお返しとばかりに両手でわしわしと頭を顎を、そして頬をくしゃくしゃに撫で、さらに犬語まで付け加えて礼を述べた
無論ミスカは本物の犬ではないのでその意図が本場の犬語(?)の使い手であるウルリックへ通じるかは不明であるが…
962 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/01/23(金) 00:41:12.23 ID:0adHFNW7o
>>961

「ハッハッハ」

 エライエライされて舌をペロリと出しながら尻尾をバッタバタさせるウルリック。
 褒められて嫌だというような感性は持っていない。
 誰だってお嬢さんの笑顔の触れればあたたかくなるものだ。

「わふふふふ♪」

 そして撫でられるのは大好きだ。わしわしとしてもらうのはとても心地よい。
 そう、騎士団にあっても戦友たちにブラッシングしてもらうのは何よりの楽しみであった。

「うむ、心地よいぞ娘よ。拙者はわしわしが大好きだ」

 そして犬語の礼に対して、人語で返答するのである。笑顔でわん!
 柴犬のとってもラブリーな笑顔である。

【なんとあっさり人語を使い始めた!】
963 :ミスカ・リ・エリッタ【花姫魔導】>>193 [sage]:2015/01/23(金) 00:51:36.64 ID:trWBIt4f0
>>962
「えへへ…いいこいいこ…きゃっ!?」

嬉しそうな笑顔を見せられ、ついこちらもだらしなく頬を緩ませてしまう。
ミスカはこうやって動物や植物と触れ合っている時間が一番の幸せだ。幼い頃からこうして育ってきた。
しかし人語を介する犬というのはまた稀有な例で、驚きのあまりに豪快な尻餅をついてしまう。

「しゃ、喋れるん…ですね…?」
『』

見開いた目で尻餅をついたままウルリックを見やりおずおずと質問。ジョナもまた驚きのあまり無言のまま棒立ちでウルリックを見つめる
倒れた拍子にズレた帽子を被り直し、身体を起こしてローブの土をぱんぱんと払う。
それにしても喋る犬とはまた珍しい。驚きはしたもののここは魔法がごくありふれたものである魔法世界。
妖怪変化は慣れたもので、直ぐに順応してミスカはウルリックへわしわしを再開した。
964 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/01/23(金) 01:04:27.14 ID:0adHFNW7o
>>963

「わふ!?こ、これはシツレイを。驚かせるつもりはなかったのだ」

 しりもちを突いてしまうミスカにウルリックは焦ったように駆け寄る。
 犬語で礼を言われたので人語で返そうと思ったのが拙かったと思ったようだ。
 そう、人は犬が突然話せばそれは驚く。失念していた。

「カナリア殿にも詫びよう。貴殿の主人を困惑させてしまった」

 ペコリとジョナに対しても頭を下げる。
 こういうペット(?)ないしは使い魔に対する感覚は動物…いわゆるトーテム的な存在ゆえか。

「わふわふ」

 しかし、わしわしを再開してもらえば現金なものでまたもご満悦な笑顔になってしっぽぶんぶん。
 ふと、じ〜っとミスカの方を見上げて、

「ここは良いな娘。木々は蒼く茂り、花園もとても手入れされている。
 草花がいい歌を歌っている。中々聞ける歌ではない」

 サァアとゆるやかな風で揺れる草花の音色に耳をピクピクさせているウルリック。

「それに果実も美味い」

 超然としすぎないように俗な事も言って器用にウィンク。わんこのウィンク。珍しいかも?
965 :ミスカ・リ・エリッタ【花姫魔導】>>193 [sage]:2015/01/23(金) 04:24:22.26 ID:trWBIt4f0
>>964
「……この世界でいちばん優しい人が住んでいました」

ウルリックのキザな物言いとウインクに微笑み返すミスカはどこか上の空。まるで何かを思い出し懐かしんでいるようで
柔らかな表情を浮かべつつ目を閉じ、我が子へ物語る母親のように優しくウルリックを撫でながら語り始めた。

「その人がここに住む前、ここは豊かな土地ではありませんでした。土地は痩せ、枯れた木が一面に広がっていたらしいんです」
「でもその人は魔法を使ってこの土地に緑を蘇らせた……どうやったのかは見当もつきません。敵わない…まだまだ」

先代程大規模な魔法は使えない。先代のように植物のことを知り尽くしている訳ではない。
それでも少女は一生懸命に勉強し、魔法を習得し、植物の、生き物の生態をしっかりと見極めてあの場所を守り続けてきた。
少しだけ涙を眼に溜める。それは重苦しい悲しみの涙ではなく喜びの色。

「だから…私はこうして、その人が居なくなった今もこうして…自分の手でこの場所を守ろうって、そう誓ったんです…」

少女はその人物の意志を継ぎ、この土地を彼女の小さな魔法や手入れによって守り抜こうと腐心していた。
だからこそウルリックにこの場所を褒められたことをたまらなく嬉しく感じたのだ。それゆえの感涙である。
涙を拭い、そうしてまたウルリックの方を向けばにこりと微笑む。
それは豊かな環境、恵まれた自然に育まれた少女の、穢れのないまさに"いい笑顔"そのものだった。

//残り17文字を書き上げるその前に力尽きてしまいました…ぐぬぬ、悔しい…すみません
//お相手どうもありがとうございました。またよろしくお願いします〜
966 :おんも [sage]:2015/01/23(金) 19:39:05.41 ID:HgFBLiKG0
【異世界】ここだけ世界の境界線★8【歓迎】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1422009451/

//次スレです
967 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/23(金) 21:50:17.43 ID:HgFBLiKG0
「いやぁなんとも、なんていうか……」

頬杖を着いてぼんやり、窓の外の青空を眺める
雲はのーんびりと流れこの上なく長閑
しかしどうにも落ち着かないのは、今の七八自身の服装にあった

「……ひらひらすーすー、寒いっての」

紺色のブレザーに、膝下迄のプリーツスカート
そう、学生服である
何故このような出で立ちなのかといわれれば不明だ
越境してから気が付けばこの格好で、そして何処までも永久的に校舎が続くこの世界にいた
不釣り合いではあるが、武具の類はそのままだ
昼休み、教室内の生徒も疎ら

【学校世界】
【転移時に年齢に応じて学生や教師等の役割が与えられる】
968 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/23(金) 22:07:26.95 ID:Q9guLR5G0
>>967
「やっほ〜ぃ」
そんな四五六に声をかけるのは いつもの格好のアキレスである
彼は21歳 つまり大学三年生ということになる


「アラヤダ似合うじゃない 普段と違って新鮮ってやつ?」
―――ギィ!!

その下で 黄色いかばんを背負ったベティが挨拶 一桁ですので幼年部でしょうか

「んで? この世界ってなによ?」
と至極当然な疑問をぶつけてみた
969 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/23(金) 22:19:33.43 ID:HgFBLiKG0
>>968
「……あ、なんでいつものカッコなのさぁ……」

ずっこいなぁと口を尖らせて見せる

「寒いんだよねぇこのカッコ、動き辛いし」

ベティに視線を向ければ思わず吹き出しそうになった
なるほど年齢で考えればそうなるか

「さぁ……?」
「ちょっと前に来たんだけど、どーこまで行ってもスクールなんだよねぇ」

そして住民は全て学校関連者、即ち生徒や教師用務員
世界の果ては今も拡大を続けており、完成は未定だという

「まー、荒事はなさそうだからいいけどね……」

因みに寮や学食完備、授業は好きなモノを選んで学ぶ事が出来るらしい
970 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/23(金) 22:39:24.42 ID:Q9guLR5G0
>>969
「しーらない 世界の修正力とやらにお伺いして頂戴」
大学生にもなって制服着ることなんてないでしょうしね

「そう? 似合ってると思うよ? 普段と違う場所が露出してるし」
視線がやや下の方に逝っているのはお約束

「いやわからんよ? もしかしたらツッパリハイスクールロケンローかもしれんし」
んで改めてbスクールを見て

「まいったなぁ 俺後期中等教育までしか受けてないんだよなぁ 勉強 ついていけるかどうか」
簡単にいえば高卒みたいなものです

「四五六タンはどうする? とりあえず授業でるの?」
971 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/23(金) 22:50:01.57 ID:HgFBLiKG0
>>970
「ぐぬぬぅ……」

机に突っ伏してやる気なさげに呻く
まぁ本音ではそこまで問題視してはいないのだろう

「……ぶつよ?」

顔と手以外の露出がほぼゼロの普段からすると結構恥ずかしいらしい
じとりとした抗議の目線

「あぁ、ヤンキーとか、フリョーだっけ」

いるかもなぁと闘争についてぼんやりと思う
多分フラストレーションを発散させる為の運動は何処にだってきっとあるのだろう

「私なんて忍者修行しかしてないよ?」
「座学は出てもさっぱりだろうし……」
「あぁ、武芸の授業なんかもあるみたい、出るならこれかな?」

学校支給のタブレット端末を操作、スケジュールの確認
実に様々な授業があるようだ
972 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/23(金) 23:02:55.80 ID:Q9guLR5G0
>>971
「こういう場合はアリガトウございますとか言っておけばおk?」
抗議の視線も何のその 

「ほら 窓の外見てみ 早速やってるし」
なんか改造学ランのおにーさんたちがンダゴラァ スッゾコラァしている光景
まぁ放っておきましょう

「え そんなもんまであるの?」
とこちらもタブレットを確認すれば

「オッホホww これすっげぇ 俺芸術方面選ぼうかな」
そのラインナップの多さにビックリしている

「それでベティは・・・?」
―――ギィ!!

お遊戯だそうです ニアちゃんたちと一緒かな?

「あぁそう それは兎も角として この世界ってどうなったら転移できるんやろ? まさか卒業までとかって言わないよね?」
と 心配になって聞いてみる
973 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/23(金) 23:12:20.15 ID:HgFBLiKG0
>>972
「……これ履いとこ」

と、徐に立ち上がり後ろを向いてスカートの下に七部丈のジャージ着用
古き良きハニワスタイルである

「わぉ、元気有り余ってるねぇ」

苦笑
後頭部が千切れた学帽を被り、
口に謎の葉っぱを咥えたどう見ても中年の男子生徒が暴れている

「結構なんでも出来るっぽいよねぇ、自由な感じ……」
「あ、いいね芸術」

と、お遊戯もなかなか可愛らしいと微笑んだ

「あぁ、それはなさそうだよ」
「ここで知り合った越境者がいたんだけど、ここ何日か見ないんだ」

即ち越境したと見るべきだろう
最も問題を起こすなりして反省室にぶち込まれている可能性もなくはないが
974 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2015/01/23(金) 23:12:59.38 ID:sa1BNNpyO
>>970 >>971

こら、そろそろ授業が始まるから高等部の生徒以外は自分の教室に戻りなさ…………あら?

【制服を着ていないアキレスを見咎めたのか、教室の扉をガラリと開けて女性が入ってくる】
【が、いざ声をかけて見てその人物の服装と足元にいる巨大なサソリを見て言葉を止める】


貴方……確か、前に……えぇと………

【見覚えのある顔の名前を思い出そうと額に指を当てて考え込む女性】
【女性の頭部には金髪の髪の中に溶け込むように狐の耳が一対】
【背後には二本の尻尾がユラユラと見え隠れしているものの】
【服装はいかにも新品と言った風なパンツスーツ姿であり】
【赤い縁取りがなされているはずの目元には何故か赤いフレームの眼鏡がかけられている】
975 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/23(金) 23:23:18.72 ID:HgFBLiKG0
>>974
「わぉ」

ひゅう、と口笛を吹いて女教師を見やる
室内にいた男子生徒達も同じ反応だったり奥手な連中は盗み見るようにしたり

「あぁ、アキレスの知り合いさん?」

越境者か、と内心納得、一応周囲を気にして公言はしない
976 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/23(金) 23:24:45.92 ID:Q9guLR5G0
>>973
「Booooo!! 色気もへったくれもない格好禁止〜」
サムズダウンでブーイングするアキレスの図

―――ギィ!!
ベティも真似してハサミを振っている

「四五六タンも参加してみる? ヨーヨーとか振り回して」
多分オッサン以上じゃないと分からないネタですので無視して結構です

「実際グラフィティもちょっと頭打ちになってきたからな ここいらで一度正規の勉強するのもいいかもしれない」
実際悩みの種であった いくらかいても上達したような気がしないのだ 何処かで一度勉強しておきたかったので渡りに船とはこのことである

「それじゃ一緒に受ける? 幸いもうすぐやるみたいだし」
などと言っていると

>>974
「はーいゴメンクサーイ・・・ってアレ?」
やってきたスーツ姿の女性 その顔を見て思案顔 答えはすぐに出てきた

「やぁ誰かと思えばビャンコじゃないの 魔族との戦争の時以来だね 元気だった?」
そこにいたのは嘗ての戦友 奴隷市場で暴れまわったり 冥界で暴れまわったビャンコではないか

「ちょっとここで素敵★カレッジライフを堪能していたところさ 然し・・・」
スーツ姿をまじまじと見て

「・・・年上だったんだ」
てっきり年下だと思っていたアキレス君 意外そうな顔を見せる
977 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2015/01/23(金) 23:43:19.33 ID:sa1BNNpyO
>>975 >>976

……あぁ、アキ……レス? だったかしら、えぇお久しぶり
こんな所で会うだなんて奇遇ねぇ……貴方と話してたということは

【そちらも? と視線と仕草で問い掛けるが相手の反応からして間違いなさそうだと辺りはついている】

……その手の視線にはそこそこ慣れているつもりではあるけれど
そこまで遠慮なく眺められると逆に清々しいわねぇ

【視線の意味を周囲から向けられているものと同様と取ったのか】
【言葉とは裏腹に視線と表情はヤレヤレとでも言いたそうなものであった】

……女性に年のことを言う辺りのデリカシーの無さはこの際置いておくとして
貴方が幾つだったかは知らないけれど、私は20歳なのだけれど?

【女性に年齢を〜と言いつつ自分から歳を言う辺りまだ気にしているということは無いようだ】
【そして明らかになった年齢からして実際に教師として立つには些か年齢不足である筈という疑問が浮かぶかもしれない】
978 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/23(金) 23:48:58.38 ID:HgFBLiKG0
>>976
「ま、これで我慢しときなって」

スカートの裾を摘まんでチラリと泳がせてみる
そこから覗くのは色気の全くないジャージの太腿部分であるが
鉄壁の防御を手に入れた事で随分と余裕が出来た様子

「……ヨーヨー?」

そもそもヨーヨーの存在を知らないらしい

「ふぅん……ならちょうどいいね」
「それなら学年も関係してないみたいだし、楽しそうかもっ」

水墨画をそれなりに嗜んだらしく、その方面には興味があるのだという

>>977
「ま、そういう事」
「四五六 七八、宜しくね」
「……あ、宜しくお願いします、かな?」

教師と生徒という立場を面白がって茶化してみる
割とあっけらかんとした性格のようだ

「……むー……しかしこれはまた」

恐らく数年で同い年に達する七八であるがしかし、その妖麗めいた出で立ちにはきっとなれないんだろうなぁと
神の生み出した絶対的な差別を恨み、苦笑
979 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13 [sage]:2015/01/23(金) 23:56:05.67 ID:Q9guLR5G0
>>977
「グッb」
清々しいという言葉を最大限ポジティブに捉え サムズアップと共に笑顔を見せる

「え mjd? 俺21なんだけど」
どうやら年下で合っていたようです ナノに教員側?

「・・・あぁ 教育実習生ってやつか イインジャナイカナ?」
自分の中で適当に介錯しました

>>978
「うぅむ 仕方がない 想像力で補完するか」
男の妄想力 思い知るがいい

「分からないことは気にしちゃだめさ さてと おっれはベティをお遊戯室までつれていくかね」
この教室も授業に使うみたいですし とベティを連れて教室を出て行った

//そろそろノシでお願いします
980 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/01/24(土) 00:00:56.16 ID:VfFHeRvq0
>>979
「ち、ちょっとぉ!」

たじろいで赤面、直様両手でスカートを抑える
流石に根負けしたらしい

「ん、わかった、それじゃあ後で芸術の授業覗いてみるよ」

またね、と手を振って1人と1匹をお見送り

//お疲れさまでした、お休みなさいませっ
981 :ビャンコ・ファッチャ 【気孤の理】>>154 [sage]:2015/01/24(土) 14:46:52.13 ID:Z4shXJWMO
>>978

ふぅん……ビャンコよ、こちらこそ宜しく
別に話し方くらい自由にして構わないわよ?
最も……あんまり馴れ馴れしい感じは得意では無いけれど、ね

【言いながら周囲へと視線を巡らすと数人の生徒が慌てて目を逸らす】
【与えられた役割故か、はたまた生真面目そうな見た目や言動からか】
【生徒の中には馴れ馴れしく接しようとする者もいるのかもしれない】

>>979

…………まぁ、予想はしてたから良いけれど、ね

【此方の嫌味を全く解することなく笑顔を見せるアキレスにため息交じりで言って見せる】
【最も、本気で呆れていると言うよりは仕方ないなぁ、位の軽い口調である】

あら歳上はそっちだったの……そう言われるとソレはソレで……

【一歳や二歳の差はもうそれほど大した差では無いのだろうなとシミジミと感じつつ】
【そうは言っても歳上らしさの様なものは感じないなぁと、表情の下では割と失礼なことを思っているのであった】

……あぁ、ソレよ? きょーいくじっしゅーせい? って奴ね
全く……人に教えられるほどに修めたモノなんて無いのに無茶な話よねぇ
……まぁ、やれるだけのことはやるけれどね……さっ、席に着いたら始めるわよ

【何だかんだ言いつつ役割を全うしようとしている辺り】
【この度のキャスティングはそこそこ正解だった様にも思える】
【とはいえ、"やれるだけのこと"と言うのが呪いの掛け方、防ぎ方で有ったことは】
【生徒達はもちろん、学校サイドからしても予想外だったことだろう】

//今更ながら〆レスです、お疲れ様でした
982 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】 [sage]:2015/01/25(日) 17:52:25.64 ID:BiYgJZSRO
「ふぅ、今日はやけに寒いな…」

薄暗い空から月は沈み日が昇ってからはや数時間、冬の冷たい風を肌で感じ身体を震わす。まだ微かに生きている"人としての部分"が寒さを感じた。
痛いと感じるほどの冷たい空気に身を包み、凍り付くような冬の風を身体一杯にあびる。
あぁ__冷たい。身体が芯まで冷える。
いや、もっとなにか__生物として大切である根本的な何かまで冷えている。そう感じた。
辺りを見回しても自分の様に薄着をしている変わり者は居なかった。当たり前だ、こんなに寒い中そのような格好をしてしまうのは自殺行為というやつだ。

(つまらないな。私以外は皆同じ服装だ。暖かな衣服を纏い冬の寒さから身を守る)
(そんな服装をしていたら、仮に今日の冬の寒さが何時もと違くても気付けないというのに…。探究心というものがないのか…)

街中でただ一人の薄着をした彼女は探究心が皆無に等しい者達に呆れながら空を見上げた。
瞳に映るのは冷たい湖の様に広がる青空。
デュミナスはそれをただ無心で見つめる。
まるで身体から魂だけ抜け出したかのように。
しかしそのようなデュミナスを見ても周りの者は誰一人として足を止めずコートの波をなびかせる。
やはりここには探究心を持つ者は居ないのか。
それとも探究心は無くとも街中一人立つ薄着のデュミナスを見て気にかける者は現れるのだろうか__。
983 :おんも [sage]:2015/01/25(日) 21:12:11.65 ID:VsnZ8yCd0
妖と人とが当たり前の様に接点を持つ世界
だがしかしその中で昨今、訪れ始めた変化
西洋風の特徴を持つ妖怪が現れ、そしてその多くが暴虐の限りを尽くしているのだ
この地域、そしてこの街道でも目撃情報とそしてそれを上回る犠牲者が出始めている

【ヒノモトの国、コガネ街道】

夕暮れの向こう、この時期にしては珍しい纏まった雨雲
烏の鳴き声が聞こえる、野ネズミがボチボチと目覚めはじめた
人々はこのすっかり悍ましさに染まった街道を何事もなく通り過ぎようと急ぐ
そして突然にそれは起こった
真っ黒な疾風、疎らに歩いていた不運な飛脚の体が何かに包まれる、即死
上がる悲鳴、逃げ惑う人々
成人女性程の背丈と体格、飛脚を握り潰している右腕のみが異常に大きい
逆に左腕はぶらぶらと慣性に従っており、動きが悪い様子
土の体を持つ、小型のゴーレム

『………』

ソレは顔に当たる部分の、目の箇所に穿たれた虚空の穴で周囲を睥睨した
984 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/25(日) 21:32:50.80 ID:XOym9DYjO
>>983

ん〜〜っ! 最初はどうなることかって思ったが……こういうのも偶には悪かねぇなぁ

【異世界からの来訪者の増えつつある昨今、異国風の出で立ちの者は増えつつある】
【その中ではそれほど突飛な格好とは言えないものの、目の覚める様な青髪はやはり目を引く】
【先日の商家にて行われた座敷童討伐改めボガード討伐にて手に入れた報酬金を使って購入したこの世界の旅装束】
【三度笠を被ったその姿は道ゆく人からは単なる風来人としか見られていないだろう】
【ウィント本人も存外その格好が気に入ったのか機嫌良く街道を歩んでいたが】

……っ!! …っ、ありゃあ……ゴーレムか?

【突如として響き渡る悲鳴と破砕音に目を向ければ、そこには得体の知れない人型の影】
【ゆがんだ体躯を持つソレは、よくよく見ればその身が土でできている様だ】
【仮にも魔法の存在する世界に生きていた身、そういった存在について多少の知識はある】
【だが、それでも目の前で繰り広げられた光景に驚き様子を伺うに留まっている】
985 :おんも [sage]:2015/01/25(日) 21:45:00.34 ID:VsnZ8yCd0
>>984
虚空の眼で周囲の逃げ惑う人々を見、そしてその体にナニカを充実させて行く

【判定:魔術の視界の有無】
【もしも魔術的視野が存在しているとすれば、ゴーレムがこの世界の理に準じて人々の阿鼻叫喚から妖力を得ているのが分かる】
【そして更にそこから妖力を魔翌力へと変換し、体を維持させているのもしかり】
【即ち→魔翌力式のゴーレムである】
【しかし通常で考えれば変換の手間は不自然→異世界からの産物の可能性大】

「お、おい、あんた! あんたも逃げろ!」

ショックからやっと立ち上がった農夫らしき男が担いでいた荷物を捨てて逃げる途中、ウィントに声を掛けた
散らばる野菜や魚、彼の夕食は質素なモノになるだろう
一頻り周囲から人の気配が失せ、動かない飛脚を街道脇に投げ捨てるゴーレム
そして逃げ遅れ気味となっていたその農夫に狙いを定め、爆発的な勢いで一足飛び
ロケットめいた機動、右腕を振り上げて農夫を叩き潰さんと振るう
986 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/25(日) 22:02:58.11 ID:XOym9DYjO
>>985

……ちっ、人が気分良く旅を満喫してるってのに随分と胸糞悪りぃモン見せてくれやがる
見たとこゴーレムっぽいが……アレもヨーカイだかってのの一種か?

【そう言いながらゴーレムを眺める目には怒りや嫌悪といった色が浮かんでいる】
【が、ゴーレムの正体やその行動理由などについてまでは考えが及んでいない様だ】

【判定、形となった魔術なら兎も角、形になる前の魔翌力の流れの感知は不得手らしい】
【それがこの世界独特の恐怖感情の妖力変換、そこからの魔翌力変換となれば尚更である】

あ〜……お気遣いど〜も……でも、どうにもそうは行きそうにねぇっぽいんだよなぁコレがよぉ……っ!

【自分に声をかけて来た農夫に返事を返すも、その視線はゴーレムからは決して逸らさず】
【哀れな飛脚を投げ出したソレが此方に、正確には農夫に視線を向けたのを察すれば】
【咄嗟に農夫を横に向かって蹴り飛ばしその場から吹き飛ばすと同時に自身もその場から距離を取る】
987 :マッドゴーレム [sage]:2015/01/25(日) 22:14:26.43 ID:VsnZ8yCd0
>>986
グシャァァッッ!!

飛散する土砂、舞い落ちる砂埃
その中で粘土質のモノが体に落ちれば即座に吸収し取り込む

「あ、アイエェェェ……」
「た、助かったぜあんちゃーん!!」

ご無事でなー、と即座に立ち上がりそして遥かに駆けて行く農夫
一目散に逃げ出した彼を責める事は誰にも出来はしない
この妖魔蔓延る世界に於いて、極めてシンプルな弱肉強食こそが絶対的な価値観なのだから
そして力無き彼が取った遁走は、正にそれを体現していた

『………』

恐怖、恐慌、それ等によって齎されるエネルギー
実に甘美なる『食事』を阻害されたゴーレムは単純な思考の中次なる行動を決めた
即ち、邪魔者の排除
地に叩きつけた右腕を再度振り上げ、そして薙ぎ払う軌道で振るう
本来その範囲内にウィントは存在してはいなかったのだが、どうやら右腕は流動的に大きさの変化が可能らしい、長い
その分先程よりややスローリィになった、しかし威力で見れば遠心力が付随された一撃
988 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/25(日) 22:33:29.09 ID:XOym9DYjO
>>987

……お〜う、まぁ今回はサービスだ……どっかで会ったら美味いもんでもヨロシク頼まぁ

【農夫を蹴り飛ばし自身も跳躍した後!着地後の低い姿勢のままゴーレムの様子を伺っていたが】
【去りゆく背中を横目で見送り、それだけ告げるとゴーレムに視線を向け直しゆっくりと立ち上がる】

さぁ〜てと……こちとら得にならない戦いは趣味じゃ無い上に
ソレがバケモンの相手と来ちゃあ専門外も甚だしい
ここは一つトンズラこくのが一番、って言いてぇ所なんだが……

【そう簡単にはいかねぇよな、と腰元から双剣を引き抜き構えればゴーレムに向かって走りだす】
【相手がなんであれ、戦意ある敵に背を向け逃げるのは危険を伴う】
【であるならば倒すに至らずとも敵の機動力を削いでから逃げるが得策】
【そう考えて最速の一撃と同時に逃走を図ろうと接近を試みるが】

んげっ!? っの!! "暴風っ!"
……くそっ! あんだありゃ!? ビックリするじゃねぇかっての!!


【自身の踏み込みと同時に離れた位置から振り上げられたゴーレムの腕が伸長し襲い来る】
【ソレを咄嗟に魔法を使った強引な姿勢制御で持って斜め下方に転げる様にして回避】
【当然ながら疾走は途切れ最速の接近と攻撃は失敗、再び駆け出すも】
【ゴーレムの伸びる腕を警戒して一定の距離を保って周囲を回る様な軌道である】
989 :マッドゴーレム [sage]:2015/01/25(日) 22:44:10.04 ID:VsnZ8yCd0
>>988
『………!?』

完全に霧氷、変わる事のないゴーレムの顔
だがしかし確実な驚愕、なんせ今迄の大半の相手は数発で沈むのみ更にその上で逃げずに留まるとなると更に少ないのだ
しかし即座にその希薄な感情変幻を押し殺し、旋回するように翔けるウィントを視線で追った

【先程から虚空に見える穴の穿たれた顔で動きを追っている】
【→外部情報の取得のひとつに視界が存在している様子】

『………』

機敏な動きに対応は難しいのか、大まかな方向に当たりをつけて右腕を振り下ろす
先程より短い、しかし先端が肥大化しておりインパクトの衝撃は大きい
どうやら面制圧を主眼とした攻撃のようだ
外したとしても地面を叩き付け、そして石礫などを飛散させる事による二次被害をフォロー変わりに狙う
990 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/25(日) 22:54:35.85 ID:5Z6isVSJo
【ヒノモトの国…旅の一幕】

 所謂、東洋の文化色が濃いこの世界であるが、
 ダイミョ達が覇を競い合う戦国時代の只中であり、
 また百鬼夜行が人界を脅かす暗黒時代でもある。

【もし、苦界、あるいは煉獄と呼ばれる世界があるのなら此処はまさに煉獄なのかもしれない】

「と、分かってはいて部外者である私に出来ることは知れているのだがな」
「うー…ほうたいおんな、難しいお話してる?」

 腰のポーチから顔を覗かせる小さな妖怪達と会話しながら歩を進めているのはイムカ・グリムナー。
 銀河帝国上級政治将校にして、インペリアル・エンジニアリンクCEOと色々肩書きはあるのだが、
 現在は装備も身分も、ついでに幾つかの記憶も散逸してしまった一介の旅人である。

【土を無理矢理に固めた路を歩いているワケであるが…】

「ワー」「ワー」「ワー」

 風に混じって聞こえてくる怒声の群れ。そして焦げた臭いと…臓物の臭い。
 イムカは顔をしかめて――

(…拙いな。イクサ場に迷い込んだか?下手すると落ち武者狩りに巻き込まれるぞ?)

 己のウカツを自覚しながら、どうしたものかと思案を始めた。

//イクサ場に迷い込んでしまいましたシチュであります。ではドゾー
991 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/25(日) 23:04:08.89 ID:XOym9DYjO
>>989

(さて、どう攻めるか……あの伸びる腕は厄介だが、動き自体は反応できない程じゃねぇ)
(最初の突進攻撃の速度からして、危険はデカイが腕を使わせた方が隙もデカイ)
(この距離ならさっきの薙ぎ払いも躱せるが……狙うなら、むしろ)

【疾走の間もゴーレムの反応の観察と同時に作戦を練る】
【注目したのは敵の反応速度や機動力、そして攻撃範囲】
【そこから割り出した作戦の元、走り続けその時が来るのを待ち続け】

……! そいつを待ってたぜ!! "暴風っ!!" っだらぁぁぁぁっ!!

【こちら目掛けて振り上げられた腕とその軌道に敵の攻撃が薙ぎ払いで無いことを確信】
【予想よりも伸びる腕は長さだけでなくその大きさも増していたが意に解さない】
【何故ならば、ウィントの狙いは伸ばされた腕を掻い潜る様にして放つカウンター】
【詠唱によって生じた爆発的な風で進路を捻じ曲げ向かうはゴーレム本体】
【伸ばされた腕が振るわれるよりも早く到達し、切り払わんと狙うはゴーレムの脚部】
【狙いは飽くまでも敵の機動力の低下、現状で未知数な事の多い腕部には触れず低い姿勢から剣を振り抜こうとする】
992 :マッドゴーレム [sage saga]:2015/01/25(日) 23:11:38.50 ID:VsnZ8yCd0
>>991
『………!?』

作戦は見事的中したと言える
腕を振り下ろすゴーレム、回避し駆け抜け斬撃を振るうウィント
一閃はゴーレムの脚を裂き、バランスを大きく崩させる
その斬撃を通して返る感触は正に土塊を斬るといったモノだ
片脚では維持出来ぬ体躯、倒れかけながらも至近距離を嫌って右腕を横薙ぎに振るう
斬られた脚部の断面はじゅくじゅくと唸り、再生を始めていた

【傷口に強い魔力の集中→再生開始】
993 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】 [sage]:2015/01/25(日) 23:15:12.68 ID:BiYgJZSRO
>>990

「ここがイクサ場という世界か。初めて来たが中々興味深い世界だ」

"戦国大名"により永く多くの地略奪紛争が繰り広げられている世界。
そこに潜むは己の欲に溺れた人をはじめとする数多の種族。
サムライ、ニンジャは勿論、妖や百鬼夜行すらもが存在しているこの世界をしっかりとした足取りで進む女性が一人。
彼女の名は"デュミナス・ストラティオ"。
カノッサ機関元幹部のして全盛期は"魔人"と恐れられていた女性だ。

「妖が多いこの世界で、部外者である人間がどのような扱いを受けるかと思ったが…対してこれといった扱いは受けないな」

周囲の妖を横目に特にこれといった目的もなくただひたすらに前進する。
一歩、一歩足を運べば鼻を刺激する強烈な異臭。
常人ならばこの異臭の正体に気付く筈もないが、幾多の戦場を駆け巡り数多の死体を見てきた彼女はこの異臭に嗅ぎ覚えがあった。
遠い過去に嫌という程嗅いできた異臭__血の臭い。

「この先にはなにか__もしくは誰かがいるのか?」

デュミナスは両足を止め、異臭が漂う先を見つめる。
994 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/25(日) 23:28:56.42 ID:5Z6isVSJo
>>993

「バァーッ!!」

 見咎めた先にあったのは不々と槍を喉首に突き立てられる豪奢な鎧に身を包んだ武士と、
 その巨大な槍を軽々と馬上なら片手で振るう武者。そしてバケモノのように大きく立派な黒い騎馬である。

【何処かの世界では騎馬武者などフィクションに近いという話もあったが、ヒノモトはそうではないらしい】
【ひらけた場所にでたデュミナスが目にする光景は正にイクサのど真ん中】

 平地では騎馬が歩兵を蹂躙し、木々の深い場所に逃げ込んだ歩兵も、
 ダイミョに雇われていたのであろうニンジャに次々に屠られていく。

【戦闘分析(判定)…戦い慣れ+指揮経験があるならこのイクサはほぼ一方的な展開であると分かるだろう】
 【→兵の機動・配置などに格段の差がある。しかし歩兵単体での力量・練度は双方さして差が無い】

 臭いの正体は明白だ。人が抉られる臭い。死ぬ臭い。殺す臭いだった。
 イクサ場、それもまさに合戦真っ只中に迷い込んでしまったと考えてよい。

「おい、そこの。あまり目立つと厄介なことになるぞ?」

 そんなデュミナスに声をかけてきたのは、如何にもヒノモトの旅人といった風情の女である。
 引廻合羽に、振り分け荷物、編み笠といったある意味で真っ当なスタイル。

【しかし良く見ればやや不自然でもある】
 【→まず顔中包帯に覆われている。火傷傷でもあるのだろうか。そして髪はプラチナブロンド。異人である】
 【→そして何よりも、豊満なバストで分かりにくいが脇に不自然な膨らみ。拳銃の類を持っている】

「合戦場のど真ん中だ。何かの拍子にターゲットにされたら堪らん」

 如何に異能を持っていても、首を斬られれば死ぬし、銃弾で脳を破壊されたらやっぱり死ぬのだ。
995 :ウィント・ワーゲン 【風と共に去りぬ】 >>187 [sage]:2015/01/25(日) 23:34:58.88 ID:XOym9DYjO
>>992
……! っそ! 中身も見た目通りの泥か! うっぜぇ切りごたえだなぁオイ

【狙い通りに足を切り裂くことは叶った、敵もバランスを崩し倒れかけている】
【だが、泥の肉体故かはたまたそう言う仕様か切り口は再生の兆候を見せている】
【足の再生を許せば機動力の戻ったゴーレムは今の様に接近を許しはしまい、ならば】

治り切る前に……逃げ切るっ!!!

【至近距離を嫌って振るわれた腕を大きく後方に飛び退くことで躱すとそのまま反転】
【脇目も振らずにここ一番の全速力でその場を離脱しようと走り出す】
996 :マッドゴーレム [sage]:2015/01/25(日) 23:43:25.28 ID:VsnZ8yCd0
>>995
『………!!』

ウィントの背を忌々し気に穿たれた瞳で睨む
追いすがるにもそれは不可能だ、脚はようやく再生を終えたばかりなのだから
立ち上がったその時、既にウィントは遠く離脱を叶えていた
風鳴り、ゴーレムの虚空の口から漏れ出るゴスペルめいたそれはただ響く
いつの間にか近付いていた雨雲が一斉に泣き出した

//こんな感じで〆でいいでしょうかっ
//お付き合いありがとうございました、お疲れ様ですー
997 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】 [sage]:2015/01/25(日) 23:47:49.36 ID:BiYgJZSRO
>>994

「!?……これは一体…」

先に見えるのは大層立派な鎧に身を包んだ武士と騎乗しながら巨大な槍を振り回し敵兵を狩る武士、更には漆黒の鬣を靡かせる大きな黒騎馬だった。

デュミナスが嗅いだ臭いはやはり血の臭いだった。人の肉が千切れ、脳髄が飛び散り、目玉に穴が開く。
殺し殺されるのが常識にして理の世界"戦場"。
デュミナスはその戦場をただひたすらに見続ける。

「ん?あぁ…すまない。あまりにも魅入ってしまってね」

デュミナスは声をかけてきた女性に眼を向ける。
女性の容姿を見ても彼女もまたこの世界にやって来た旅人だと理解する。

「ああ__確かに、君も私もこの場では容姿は勿論、存在自体が目立つな」
「特に君なんかは__」

とイムカの脇にある不自然な膨らみに目を写しながら微かに微笑む。
銃を持った者が目立ちたくないとは、笑わせる。デュミナスの微笑みにはそういった意味合いが込められていた。
998 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/25(日) 23:58:49.41 ID:5Z6isVSJo
>>997

「ん?ああ、ナンバン渡来…じゃないな。えっと北方渡来?のピストルだ。
 ここではこのサイズはあまり普及していなくてね。そう目立たないんだ」

 脇の膨らみに目線がやられたのを見て、先回りで返答するイムカ。
 なるほど、TPO。この世界では携帯する分にはそう目立たないということだ。

「さて、あまり長いしていい状況ではないし、さっさと――」

 ここまで言いかけたところで、遠方の雑兵がこちらを指差して、
 何やら叫んでいる様子が目に入った。遅かった。迷い込んだ女の旅人?
 血気盛んな雑兵さん達から見ればカモがネギとナベまで持ってやって来たに等しい。

「…いかん。バレた。十中八九ファック&サヨナラ狙いされるぞ。これは」

 焦っている割にはロボットめいて感情の見出せない声音で言うイムカ。
 しかし、確かに拙いことは拙い。ほら、やってきた。

「ハッハァー!!」
「俺のモンだァ!!」
「女陰に突っ込むんじゃあ!!」

 戦場においてはたまさか情欲・欲望が開放される。
 生存本能ゆえの生理現象といえばそれまでだが、巻き込まれるほうはたまったものではない。

【おとなしく捕まればどうなるか…考えるのも馬鹿らしい状況である】
 【→汚らしい雑兵5〜8人が徒党を組んでこちらに群がってくる。これを撃退するのはおそらく容易いが――】

(下手に目立ちすぎると、イクサ場の兵隊の多くを敵に回すことになりかねんな。逃げるのもままならなくなる)

 戦場で異能だの何だのを見せ付けすぎる≠ニ術者等の手柄首と誤解されかねないのだ。
999 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】 [sage]:2015/01/26(月) 00:22:34.64 ID:1koGvadQO
>>998

「へぇ、私は銃に関しての知識は生憎持ち合わせていないんだが_なるほど確かに、それほどの小型な銃ならあまり目立つことはないな」

イムカからの先越し回答は銃の所持どうこうでは無くそれの大きさについてだった。
なるほど、どうやらここではあの大きさの銃を携帯していてもさして目立ちはしないらしい。

そうこうやりとりしている間に2人を指差し何やら叫ぶ武士達。
その叫びは獲物を見つけた歓喜の叫びか、はたまた仇を討つ怒りの叫びか、どちらにしろ彼等の瞳には2人は敵として写っているようだ。

「どうやらその様だな。下劣な叫び声だ。捕まれば君の言う通り、ファックス&サヨナラだ」
「どうする?このまま捕まるか?そうすればはれてきみは預言者になる訳だが_」

激しい敵意を曝け出しながら此方に向かってくる数多くの武士達。
それを見ながらロボットめいた声を出す割に落ち着くイムカ、対して冗談を言うデュミナス。

「やれやれ、全く…戦場を駆ける者ならば相手と自分との力量の差くらい分かるはずなんだが」

幾多の戦場を駆け巡ってきたデュミナスにとって迫り来る殺意はなんら問題無かった。
それは隣にいる女性、イムカもそうだろう。
彼女からは並ただなる力を感じる。
戦場を駆け巡って来た魔人としての血が、勘がそう感じる。

「で、本当にどうする?」
「私としては捕まるのは愚か、か弱い柔肌に触れられるのも嫌なんだが_」

イムカの慎重な考えなど御構い無しにデュミナスはいまにも自身の力を使い武士達を[ピーーー]勢いだ。
1000 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310 [saga]:2015/01/26(月) 00:36:43.28 ID:1fsmYlnso
>>999

「規律はまちまちさ。女を慰み者にして士気を上げるって考え方も無いわけではないしな」

 略奪・暴行が褒賞紛いに許可されたという例など枚挙に暇ない。
 近代化された軍規が確立していなければ尚更といっていいだろう。

【そうして、デュミナスが呼びかけるか、かけないかのタイミングでイムカは――】

「イヤーッ!!」

 襲い掛かる武士に対してハイキック一閃!武士の身体が舞い上がりドシャっと地面に激突した。
 武士はきょとんとした表情で硬直している。

「こうなると、目立たないように倒すしかないだろう?銃声だの妙な術だの抜きにな」

 所謂、指揮官に危険因子として認定されない限りはどうにかなる。
 イムカ自身はそう踏んだ、と眼前の奇妙な女に告げる。

「第三者が敵性存在に確定されるのはこういう場合は概ね不確定要素≠ニされた時だ。
 そうでなければ、撃退するに問題は無い。正当防衛だからな。アホ共の生死など気にもされん」

 イムカの口調や雰囲気から何処と無く、『軍人』の色が感じられるかもしれない。
 それも正規の、所謂、真っ当な類のだ。(非合法(イリーガル)特有の匂いは無い)

「君もたぶん、そこそこ出来る方なんだろう?お嬢さん。節度を持った戦いは可能か?」

 暗に変にビカビカした光とか、一瞬で大量虐殺とかは避けろとも言っている。

「こ、こっちはおっかねえ!こっちがアタリだ!!」
「浚っちまえばこっちのもんよー」

【そして戦場の熱気や女の出現。色々な要素が雑兵の状況判断を著しく奪っている。
 眼前で、お仲間がハイキックくらって飛んだ異常にもさして関心は薄く――】

 脇差片手にデュミナスに襲い掛かる雑兵は3人。
 刀をおそらく、服を破くというソフトなものではなく、腕や脚の腱を切るために用いられるのだろう。

「ヒャハハーッ!」

【一斉にデュミナスに襲い掛かった】
 【→惰弱ではあるが集団が3方向から一斉に…というシチュエーションは中々に厄介ではある】
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
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【ソルキチ】音羽「出来たぞ神峰、性欲を1000倍にする薬だ」 @ 2015/01/26(月) 00:28:04.40 ID:viBzpeUV0
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二本ノムリッシュ話 @ 2015/01/26(月) 00:27:07.80 ID:lUBdcIxI0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422199627/

【ポケモンブラックホワイト】もしも女主人公が変態ビッチ娘だったら @ 2015/01/25(日) 23:45:55.52 ID:e8RIadE1O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422197155/

主人『15』「メイドにプレゼントを贈る」 @ 2015/01/25(日) 23:40:42.07 ID:qsoRtGUqO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422196842/

【安価】反逆のエイスリン 鷲巣「500歳まで生きたかったのう」【咲-Saki-】 @ 2015/01/25(日) 23:19:55.75 ID:iwiLL0Cxo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422195595/

【遊戯王】主人公「荒廃世界のデュエリスト……その7です」【安価・コンマ】 @ 2015/01/25(日) 23:17:23.50 ID:irHJoIqYo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422195443/

【安価】初美「京太郎育成計画ですよー!」京太郎「その4……早いですねー」【咲】 @ 2015/01/25(日) 23:13:02.19 ID:hJHBJ0zYO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422195182/

「もし」も高校野球が「ドラ」ゴンボール並にインフレしてたら @ 2015/01/25(日) 23:10:20.99 ID:2zgi4/+B0
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