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【我が名が天に】能力者スレ【焼かれることになろうとも】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/02/14(土) 14:54:34.20 ID:mlx/cHe2o
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。


無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。


【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】 


【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。
・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・新規の方から「誰が誰だかわからない」等の要望があったため、議論の結果コテハンは「推奨」となりました。強制ではありませんが、一考をお願いします
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。
・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

 勝手に世界を氷河期などにはしないように。
・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。


前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1420312449/
wiki  【http://www53.atwiki.jp/nrks/
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713062467/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/14(土) 15:03:32.41 ID:DxXk96N9o
スレを立てたら>>1乙というのが、人間のルールなんだろう?
3 :犬神・ディザスター・禍 [sage]:2015/02/14(土) 16:33:42.10 ID:7SNQUWcF0
メイドインヘブン!世界は>>1乙した!
4 :リヒト・マグダウェル [saga]:2015/02/14(土) 22:04:25.61 ID:AxrF8Myf0
>>1立て乙
5 :ペコラ・バローニオ ◆81It1xIT0A [saga]:2015/02/14(土) 22:53:57.09 ID:v1qf7W5oo
>>1
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2015/02/14(土) 23:01:39.84 ID:DxXk96N9o
前スレ>>1000

【冗談ではない。普段、仕事の関係上血液だの生首だの見慣れているどころか】
【むしろ自分でそれを量産している身にも関わらず、相手がオバケとなるだけでこの有様だ。】
【まったく、冗談ではない。悪趣味にも程がある、こんなものを人が愉しむ為に作るなんて不謹慎だ。】

 ご、ごちゃごっちゃうっさいわねぇ……!? そんな、こまかいところなんかどーーーでもいいのよ!
 死体が怖いんじゃなくて、う、く、暗いのとオバケがいやなのよ!! つまり、だから―――雰囲気よ、雰囲気!
 う、歌でも歌えば少しは紛らわせるかしら……って、な、なによこわ、怖いとは言ってないでしょ、イヤなのよ嫌いなの!

 こ、こんなモノ……精々がつk、つくり、ものでしょ……怖くはないわよ、嫌いなだけ。
 そう、怖くない……怖くない、怖くない……私は怖くない、怖くないこわくないコワクナイコワクナイコワクナイ……ブツブツ……。

 は、はぁ!? あんったねぇ……! ちょ、ちょーしに乗るのもいい加減にしなさいよ!?
 なにが脚が竦んで動かないよ、棒読みでそんなこと言われたって説得力ないじゃない!!
 困ってるのはあんたじゃなくてわたし! いい!? なにがなんでも最速で脱出するわよいいわね!?

 ―――っくっ……こんの、ド外道が……っ!! お、おねがいよ神父、おねがいだから、はやく進んでよ、ねえ!

【まあ、そんな風にディックが違和感を感じているとは露知らず。というか、そんな余裕などない。】
【梨花はただただ尊大な態度と逆転した立場に苛立ちと恐怖が心の中で戦争を始めてもう、何がなんだか。】
【ともかく、ここから逃れるには急いで進むしかないのだ。そのためには、懇願する事も厭わない。おねがい、と縋りつくだろう。】

【だがまだ、―――いささか態度がでかい。矢張り此処は、敬語と上目遣いを所望すべきではないだろうか(提案)】
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/14(土) 23:09:18.45 ID:j8aWVDXpO
>>1乙ー




【とある街の大通り。その一角に響くはバンバンという強化ガラスを叩く音と、若い男の怒鳴る声】

【音の発生元は電化製品を売る店の前。もっといえばそのショーウィンドウ、ディスプレイ用のテレビが置かれているところの丁度前で】
【先程から流れているヴェンドゥラーのニュースを見ながら何者かがぎゃあぎゃあと騒いでいるという状況】

オイ! テメェこの前の機関員だろ!? その姿と声……あー……くぐもってねェけど!! ぜってェそうだ! あの触手野郎!! 
【バンバンと強化ガラスを叩くのは、蘇芳色の少し長めの髪に灰色の襤褸い着流しの青年。年は二十歳くらいか】
【叫ぶ事から察するに、どうやらこの青年、スクラップズ首領のカニバディールと何か因縁があるようで】

……っていうかテメェ、何透明な板の向こうの更にうっすい板の中居んだよ!? 
出て来やがれェェこのやろ……クソがァァァ!! 人質とってんじゃねェェェェ!! 奴を出せこのアマァァァ!!!! 
【しかもこの青年、どうやらテレビを知らないようでディスプレイ越しのテレビに向かって「出て来やがれ」と宣うわ画面が切り替わって出てきた女性アナウンサーを『なんか薄い板に入れられた人質』と思って更に騒ぐわでうるさいことこのうえない】
【周囲の人々は「誰か通報しろよ……」と言いたげに時折青年の方を冷たい目で見ている】



【同時刻、同じ大通り】

……っさいなー、誰か止めてよあの人……
【不快そうに眉を顰めクレープを頬張りながら歩くのは一人の少女】
【ハニーブロンドのセミロングに赤紫色のパーカー。年は十五歳くらいだ。】
【片手には中華まんやらプリンやらチョコレートやら、兎に角大量の甘い物が入ったビニール袋】
【もう片手には生クリームにチョコソース、キウイにバナナに苺とてんこ盛りのトッピングがされたクレープ】

やっぱこーゆー時は甘い物だよねー、うん
【あー幸せ、などと呟きながらもう一口クレープを頬張る少女。そんな少女に誰かがぶつかる】
【「きゃっ」というテンプレートな悲鳴をあげ、尻餅をついてしまう少女。その拍子にクレープが】

【半分はぶつかった人物の服にくっつき、もう半分は地面に落ちた】

【うあぁぁ……という声と共に涙目になる少女。すぐさま立ち上がって埃を払い、ぶつかった相手を睨みつける】

……ちょっと! 何ぶつかってんのよ!

「あァん? 人の服汚しといて何言っとんじゃワレ、クリーニング代払って貰おうかぁ嬢ちゃん」

【ぶつかった相手である怖そうなチンピラと睨み合う少女。一触即発である】


8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/02/14(土) 23:11:20.38 ID:mlx/cHe2o
>>6

【流石分かってらっしゃる(賞賛)もちろんこれぐらいではディックの笑みは消えてくれない】
【それどころかこうなることを分かっていたかのような、作戦が成功したかのような、悪どい笑いに悪化していた】

 はぁ〜? 聞こえねえなぁ?
 今の俺は瞬間的に耳が悪くなってるから上目遣いしながら敬語で言われないと聞こえないんだよなぁ〜〜!

【目つきも酷ければ声もむかつく。そんな状態でさらなる要求を突きつける。多分、これだけでは言うことを聞かないだろう】
【そこでさっきの伏線を回収。ディックが拾っておいた首を床に放り投げる。ゴン、とか重たい音がするだろ多分】

 あ、首だ

【わざとらしく言いながらディックの指が転がっていた、いや、転がした首を差す。血まみれで髪がべったりしている恐ろしい生首だ】
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/02/14(土) 23:13:52.12 ID:A66andth0
>>999

【そう、力になりたかった。手を差し伸べてくれて、温かさを与えてくれて、笑顔を教えてくれた人の、力に。】
【いっぱい与えて貰ったのに、自分は何一つ返すことが出来ていない。……だから、手伝う事で少しでもお礼をしたかった】
【そりゃ、鈴音が与えてくれたものに比べれば、りんごがお返し出来る事なんて少ないだろう……でも、少しでもいいからお返しをしたかった】

……そっか、……―――うん、わかった。

―――おおきく、なってから……―――。
……―――おおきくなったら、りんねのやくにたてるかな。……ちゃんとたよれるように、がんばって、おおきくなるね。
おべんきょうも、おりょうりも、いまよりもっともっとうまくなって……そのときは、おてつだい、するから。

【でも―――断られる。……ただ、ちゃんと理由も教えてくれた。まだレストランは始まったばかりだから何が起こるか分からないって】
【時には乱暴する人も来るし、喧嘩になってしまう事もある。そんな時、護ってあげることが出来ないから、って】
【―――全部、りんごの事を思っての言葉だった。未熟なりんごでは、どうしても駄目な時がある、と】
【まだ小さな子供である彼女を危険な目に遭わせたくない、と。―――その気持ちは、ちゃんとりんごにも伝わったようで】
【少し残念そうにするけれど、素直に頷く。今はまだ未熟だから、気持ちだけ……もっと、成長してから。】
【大きくなって、頑張れるようになったら。―――その時は、今度こそ。】

えっと……じゃあ、……りんごができることで、りんねがいちばんうれしいことって、なぁに?

【そして―――最後に、そんな事を聞くのだった】
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/14(土) 23:22:32.18 ID:hQmunEL40

【月明かりに照らし出される草原。普段ならば草木も眠る時間なのだけれど――――今宵は、一人分の笑い声が其処にあって】
【見遣れば其処に居るのは一人の修道女。何やら囲まれている様だけれど、魔物と言うには可愛らしく】
【近寄ったならば其れが犬だとか猫だとかの動物であることが知れるか】


「だから、さっきキミ達にあげたのが最後だって……って、聞いてないね……」

【側に散らかっている干し肉のカスだとかを見る限り餌でも与え居たのだろう】
【足元纏わり付いて離れない所を見るに、慕われていると考えれて】
【本人は言葉こそまるで迷惑な風を装うが、緩む表情は隠す事が出来ず】


「はいはい、もうちょっと遊んであげるから気が済んだらちゃんと帰るんだよ?
あんまり遅い時間になっちゃうと悪い人達に捕まって食べられちゃからね」

【抱き上げて遣ったり、膝に乗せて遣ったり。何ともまあ平和な光景であって】
【死神の二つ名を知っている者ならば何と無くらしく無いと思うか――それとも、寧ろ彼女らしいと思うか】
【何であれ、誰かがこの場を訪れるのだとしたならば金色の双眸は其方へと向けられるのだけれど】







【険しい山道。一般の者が訪れる事は珍しく、この道を利用するとすれば旅人だとか或いは鍛錬に励む者程度】
【――――寒い時期ならば尚の事。故に、その人影は目立ち】
【軍人を連想させる様な身形の男。顔の左半分に走った傷跡は、左の目を傷付けているのか瞼は閉じられたままで】


「金も無ければ近くに町も無い、か。――――仕方ない。今日は此処等で野宿でもして過ごすか……」

【近場に革袋を落としたならボリボリと頭を掻いて溜息を一つ】
【適当に木の枝だとかを集めれば其れを火種に焚き木を作って】


「しかし何だ。流石にこの時期に一人で野営は中々に冷えるな
……困ったモンだ。今日通った町に留まるのが正解だった」

【過ぎた事か、何て一人呟けば干し肉を囓り】
【――――月の光以外に、この焚き木を除けば光源は無く。だからこそ、この場所は分かり易い】
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2015/02/14(土) 23:29:28.93 ID:DxXk96N9o
>>8

【おう任せろ。これが私の本性です。ともあれ、梨花はディックの言葉にギクリ、とするだろう。】
【完全に遊ばれている。それもかなり掌の上で、ころころ転がされるように、弄ばれるように遊ばれている。酷過ぎ。】
【ジェットコースターに無理やり乗せたのは悪い事だったかもしれないが、梨花は別に嫌がらせを目的に乗ったわけではなかった。】


 は……はぁぁぁっ!? こ、この期に及んでそんな偉そうな口を、こんのぉ〜……ッ!!
 瞬間的に耳が悪くなるってどーゆー状況よそれ!! 敬語だけ聞こえる耳なんか可笑しいでしょ、病院行きなさいよ病院!!
 ……って、ここがそうか……ああいや、そうじゃなくてああああああもう!! 言うわよ、言うわよ!! 言えば良いんでしょ!?ったく……

 っ……だ、だから、その……あの、神父さん、いえ神父様、どうか、先に進んでくだs


【上目遣いで、というから、しょうがなくしゃがんで足元に縋りついた梨花が、悲しそうな瞳で上を見上げると】
【そこにはギョロリと目をむいて髪をだらーんと垂らした生首、が、あって、そして、そして、】


 わぁっ!? いい、、いいい、いいやああああああああああああ!!?!??!?!?!?!?

【余りの衝撃に尻餅をついて後ろへと飛退ける。しかし、これが不味かった。】
【この行動によりストレッチャーに近付いてしまった事で、"患者さん"達が動き出してもよい行動範囲内に入ってしまい】
【まんまと自らその起動スイッチを押してしまって、まあつまりは、アクターがストレッチャーから飛び上がり、二人に襲い掛かってきた。】

 へっ、うひゃぁっ?! あああ、あああちょちょtなにykkふぇおpjfりはjhcpjrc\:居\威信p:こは;c;うbc¥!!!!pふh:ぷ

 ギャアアア嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

【飛び出したゾンビの数は三体、一体はディック、そして残る二匹は抜群の反応を見せた梨花にターゲット・ロック。】
【「ウ"ウ"ア"ア"ア"ア"ア"〜……」と、この世のモノとは思えない唸り声を上げて両手を前に伸ばし、追いかける、追いかける。】

 ひl、ひぃぃいいいッひひあひあははえぇぇぇぇ!!! だ、だれか、だれk、たすけ、+けてぇぇぇぇぇっぇぇぇぇぇええええ〜〜!!!

 ぇうあっ!?

【四つんばいでとにかく逃げる。もう腰が抜けて立ち上がれない。しかし、逃げた先には更に別のゾンビがいて。】

 ――――ひっい、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁぁあぁあぁああああああああ!!??!?

【弾かれたように今度は別方向へ、もはやディックなどお構い無しで勝手にどんどん這い蹲っていく―――……】
【ただ迷路という事を忘れているのか、闇雲に進むだけでヘンな部屋へと勝手に入ってしまい、錯乱状態でベッドの下に逃げ込む。】
【扉を蹴って閉めると膝を抱えて丸くなり、呼吸をなんとか落ち着かせる。落ち着け。落ち着け。つくりもの。役者。アクター。大丈夫。】

 
 ……うぅっ……ぐすっ……! っざっけ、んじゃ、……ひぐっ……ないわよぉ……!!

【だめだ、むり。こわい。あんなん戦えない。つーか、ここどこ。出たい。いますぐ出たい。完全にグロッキーであった。】
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/14(土) 23:30:05.98 ID:vUrvBVL00
>>9

【でも――きっと、彼女は、自分へ返してほしいから、そういうことをしているのとは。おそらくは、違っていた】
【誰かに優しくしてもらって、誰かに優しくしたいと思ったなら、また、優しさを知らない誰かへと、教えてあげてほしい】
【怖くて、寒くて、苦しくて、震えてる誰かを抱きしめてあげて欲しいと思う。だって、自分は、その暖かさを知っているのだから】
【知らない誰かにそんなことをするのは難しいかもしれないけど、だけど、わがままを言っていいなら――そうなって、ほしかった、】

うん。大きくなったら、いろんなことがもっと上手になったら――そのときは、一緒にやろうね。
きっとそのときにはもっとたくさんのひとが来てくれるの、きっと、大変だろうから――。

【セリーナは自分よりずっと強い。直接手伝ってもらっているわけではないけれど、ベイゼも、強いはずで】
【だけど自分は特別強くない、力はあるけれど、その扱い方をよく知らない。――ただ、まっとうには、死ねない】
【ほかのひとには出来ないことが出来るとは思っていた。だけど、それは、誰も彼も、みんな纏めて護れるちからでは、なくて】

今、りんごが出来ることはね、いろんなこと。いーっぱい、いっぱい、覚えることなの。
お花の名前でも、動物の名前でも、食べ物の名前でも、お星様の名前でも、なんでもよくって……。
……もちろん、街の名前とかでもいいし、虫とかの名前でもいいの。そうやってね、

いろんなことを知って、いろんなことを覚えて、元気に、大きくなることなの。

だからね、特別、何かしなくたって、いいんだよ。わたしはね、りんごが元気にしてるのを見るのが、一番嬉しいな。

【ふわりと立ち上がる、そうするとポニーテールがひらりと揺れて、悩みがちに逸れる眼、視線が合わなくなる】
【それから、今度は、膝に手を置くような感じで。視線を合わせて、今して欲しいことは――いろいろ学ぶことだと、返す】

もっとね、いろんな場所に行って、いろんなものを見て、いろんなひとに会うの。
だけどね。嘘吐いたり、ひどいこと言ったり、騙そうとしたりするひとには、近づいちゃだめ。
このひとやだなって思ったり、怖いなって思ったら、すぐに離れるの。できる?

ひとじゃなくてもおんなじだよ。場所でも、動物でも、やだなって思ったら、すぐに、離れるの――。

【だけど、家で本ばっかり読んでいても、それは違う。せっかく手に入れた知識だって、紙面だけじゃ、意味がない】
【例えばお花の図鑑で、その花がいい匂いだと知っても、嗅いでみなくっちゃ、何にも変わらない、だから、】
【本とかを読んで、いっぱいお勉強するのもいい。だけど、その分、“ほんとう”のことも見なくちゃいけないよ、と】

【(ちなみに、机とかに向かうほうの勉強は、彼女、結構からっきしだったりして)】
【(小学生程度で止まっている、それでも、最近は、また始めたらしいけど――教える、というのは、まず無理そうだった)】
13 :ディック ◆r0cnuegjy. :2015/02/14(土) 23:39:47.47 ID:mlx/cHe2o
>>11

 あー……あーあーあー……

【梨花が尻餅をついた瞬間から始まるピタゴラス◯ッチ。あまりの美しい流れにディックは見てることしかできない】
【この装置を作ったやつはさぞかし頭がいいんだろうなぁ、そして性格が悪いんだろうなぁ、と思う。自分のことは棚に上げて】
【眺めているのも楽しかったが、あまり放置すると離れ離れになって永遠の別れ()になりそうなので後を追うことにした】

【道中の装置がディックに対しても発動するかもしれないが、一度タネ明かししたものに驚くほどディックも小心じゃなかった】
【むしろ二メートル範囲においては魔翌力による微量な流れを感知できる擬似レーダーがあるので初見でも殆ど驚かない】
【それに、何よりグロいものをそう感じない感性を持っていた。ともかく足止めを一切食らわず梨花の元にディックはたどり着いた】
【一応、脅かさないように扉はそっと開けた。無意味だとは思うが】

 おーい、生きてるかー? もう死んだかー?

【前述の魔翌力レーダーでベッドの下にいることは分かっていたが、覗き込むと怯えそうな上、最悪殴られるので上から声をかける】
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2015/02/14(土) 23:55:03.65 ID:DxXk96N9o
>>13

【まあ、どうにもならない事もある。怖いものは怖いのだから、仕方が無かった。】
【梨花はとりあえず救援が来るのを待つしかない。一人きりで逃げられる、とも思えず。】
【そしてぎぃぃー……と扉があくと、身を強張らせて。オバケか。オバケが来たのか。逃げられない、どうしよう―――、】


 ひゃぁっ!? な、んななな、なによ驚かせないでよもう!!
 し、死んでなんかないわよ死んでやるもんですかこんなところで!!
 ったく、どうしてくれんのよもう……うう、帰りたい……そこにいるのよね?

【どうやら、彼だったようだ。梨花は安心した様子で、勿論それでも周囲の警戒は怠らずに、ベッドの下から這い出てくる。】
【しかし立ち上がろうにも上手く立てない様子で、本当にディックにしがみつくような形で、洋服を引っつかんで腰を上げると】
【その背にぴったりとくっつき、「もうなんでもいいから早く進みなさいよ!!」と、掠れた声でそう叫ぶ。序にやっぱり、感触は硬い。】

 も、もうこうなったら進むわよ、進むからね!? いい、そーっとそーっと……、
 ちょっと、ペース速いわよ!! こ、こしが抜けて本調子じゃないんだから、合わせなさいよ!!
 ていうかもう、どっちに行けば良いのよ〜、迷路の上にオバケがいるなんて……っ、ぐすっ……。

 ……なんで、アンタ平気なわけ……? 不思議でしょうがないわ……。

【生まれた疑問。幾らなんでも冷静すぎやしないか。いや。自分がビビリ過ぎなのかもしれないが。】
【ともかく、ぴったりとくっついた状態で、梨花はそんな言葉を投げかけるだろう。】
15 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/15(日) 00:06:27.71 ID:0waZ+ftHo
>>14

 はいはい、居るからとっとと出て来いって全く……

【あまりの怯え方にちょっと呆れた風に返事をするディックだったが、若干の罪悪感がないではなかった】
【ちょっとやりすぎたかな、と思わないでもなかった。すぐに恐怖のコースター&フリーフォールを思い出したが】
【梨花をベッドから引き起こす。背中にぴったりとくっついてくる彼女を見て、こういう形で返ってくるならいいか、とも思った】

 分かった分かった早くね早く……って今度はゆっくりかよ注文が多いお嬢ちゃんだぜ
 大体居るのはオバケじゃなくて死体だろ? まぁまぁ精巧な作りになってるみてえだけどよ……

【くっつかれた状態で速いだの遅いだの言われる度にディックは一応速度調整をする。多分、結局ゆっくりになるだろう】
【疑問を投げつけられるとそのゆっくりな歩みが止まる。今回は悪戯のためや嫌がらせのためでなく答えるのに考える必要があったからだ】
【何故怯えないか。奇襲を受けないから、血や肉を見慣れているから。色々あったが何よりも──】

 ……そりゃあ神父だからな。神の加護があるってわけよ

【ディックの口を突いて出たのは嘘だった。死体に慣れてる、とさえも彼女には言いたくなかった】
【答えるとすぐにまた歩みを再開する。一応頑張って、ゆっくりと】
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/02/15(日) 00:09:15.91 ID:6nt1XbLe0
>>12

……おぼえる、……。そっか……おぼえる、か。―――わかった、……もっといっぱい、おべんきょうする!
いっぱいおべんきょうしてね、いっぱいいろんなばしょにいく。おべんきょうしたことを、みにいく!

……いやなひとからははなれる、……うん、それもできる。

―――りんね。わたし、ずーっとげんきで、りんねのそばにいるからね。

【鈴音の言葉を聞けば、りんごは力強く頷く。言葉に応じるように、無邪気な笑顔が鈴音に向けられて】

【―――ついこの間まで真っ白だった少女。自分の名前だって無かった、何も知らなかったし分からなかった】
【人間として、一番大事な事。自分の名前、感謝の気持ち、温かい心……そんな事は、全部鈴音に教えて貰った】
【まだまだ知らないことは山ほどあるけれど。―――きっとこの少女なら、理解することが出来る筈だ。だって】
【こんなにも早く、文字だって覚えられたのだから。もっともっと、色んな事を知ることが出来るだろう】

【―――特別な何かをしなくたっていい。ただ、そうやって色んな事を知って元気で成長してくれればそれでいい】
【今りんごは、鈴音の自分への心や想いを知った。―――元気に心身共に成長する事こそが一番の恩返しなんだ、って】
【例えば文字を書けるようになったとか。そんな事でも喜んでくれるのだから……元気に成長する事がきっと一番嬉しいって分かる】

【そんな鈴音の想いに応えるように、元気な笑顔を見せて。―――最後にもう一度、ぎゅっと抱き付いて】
【「それじゃあ、もうかえるね。へびさまも、さびしがってるから。―――おしごと、がんばってね。」と一言】
【労いの言葉をかけてから家に転移すれば―――次に鈴音がりんごを見る時には、もうすやすやと眠っている頃だろう】


//此処で〆という事で、おつかれさまでした!
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/15(日) 00:13:21.18 ID:gt9wzDOgo
>>7
/まだいらっしゃいますか?
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2015/02/15(日) 00:19:02.64 ID:LCzFOap+o
>>15

【暗い廊下をくっついた二人がひっそりと進んでいく。】
【電気が所々点いているが、「治療室」とか「霊安室」だとか、不気味な文字が光るばかり。】
【多分そっちが順路だったとしても、梨花は絶対に入ろうとはしないだろう。早々に其方から目を逸らし、奥を見つめて。】


 ……死体だから怖くない、っていうのが、もうそもそも可笑しいのよ……
 見慣れてる人だって、オバケ屋敷は怖いって言うじゃない……だ、だいたいねぇ、?
 う、動き出したらどーするのよ。こっちは、勝てないのよ? オバケには何にも効かないんだから……っ。

 ……でも、でも、アンタ神父よね、そっか……神の加護、そうね……
 じゃ、じゃあなんでさっきあんな事したのよ!? 神の加護受けてる人間が、人脅かして良いわけ!?
 あのねえ、割と冗談じゃなく怖かったんだけ―――ど? ちょっ、とまって、なんか、今音が後ろ、から―――――――!?

【嘘を着かれた。お互い、隠し持った別の自分の姿、という仮面を抱えていながらも】
【こうしてこの手の恐怖に差があるのは、やはり人間だから、なのだろうか。だが、そんなことは梨花には分らず。】
【極限状態にあった梨花はさっきのことを問い詰めようとしたが、やがて後ろから聞こえてくる異音に気付いて、振り返れば―――。】



            ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"〜〜〜……


【    追   っ   か   け   て   き   て   い   た   】


 わああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!


【気付かぬうちにゼロ距離にまで接近されていたゾンビにようやっと気付いた梨花はディックの耳元で絶叫。】
【そのまま自分でもどこからこんな力が湧き出てくるのか、火事場の莫迦力でとんでもない方向へと走りだす!】
【とにかく大騒ぎしながら闇雲に走った、走った、もうディックなんておいていけ!! そんなノリで走って走って、そして―――】


 ああああああああああああああああああああああああ!!!―――――、あ、れ……・?


【―――外に、出ていた。そう、奇跡的に生還ルートを辿っていたのだ。】
【どうやら迷路の出口は一つだけではなかったらしく、別の所から脱出出来てしまったらしい。】
【ただし、その直後凄まじいまでの脱力感に襲われた彼女は足から崩れ落ちて、ぜぇぜぇと肩で息をする―――。】
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/15(日) 00:24:26.36 ID:AklCxINA0
>>16

……うん、そう、いろんな場所に行って、いろんなひとに会って、いろんなことを、見ておいで。
わたしもね、いろんな場所に行ったの。旅行みたいに楽しくなかったし、面白いものじゃなかったけど――。

…………そう。でも、りんごも、いつか、結婚とかして、好きなひとと暮らさなくっちゃね。

【自分がした世界一周にも似た旅は、ただ、何も面白くなかった。いつも、追われている気がしていたし】
【実際、追われていただろう。ただ捕まらなかっただけで、誰かが、自分のことを、いつも追いかけていたはずだ】
【それをなんとなく思いながら――それでこんなことを言うのだから、少しだけ、自嘲めいた表情を浮かべながら、】
【ずっと一緒……だなんて、そんなことを言われれば、寂しいような。嬉しいような。変な顔をするのだろう】

【この子はあと何年で何かがおかしいことに気付くだろうか。そして、その頃には、周りの誰もが気付いているだろう】
【今はまだ片手程度の差異でしかない。でも、あと数年で、それは十年にも、十五年にも、二十年にも膨らんでしまう】
【人間じゃないことを知られるのは怖かった。消えてしまいたいような気持ち、だけど、それも、叶わないなら】

【少しだけ遠回しに、りんごを遠ざける。大人になったら出て行かなくちゃ、なんて、ありきたりな言葉で】
【ずっと一緒には居られない、過ごす時間が違う。ほんの一瞬、いま、このとき、重なっているだけで――】

気をつけて帰ってね、寄り道とか、しちゃ駄目だよ――。

【最後に一度抱きしめて、手を振ってやる。その姿が消えれば、少しだけ寂しいような、目で見送って】
【だけどすぐに客の注文やらを取ることになる、りんごが居る間は、我慢――というか、待っていたようで】
【結局帰るのはいつもと大して変わらない時間。起きているのは色のない蛇だけで、ほんの少しの時間、語り合って】

【りんごが飯を食うまでちゃんと見てた、とか、そんな報告を受けるのだった。――それと、チョコがうまかった、なんて、】
【もう日付は変わってしまったけど、そんな言葉を聞きながら、りんごにもらったチョコを食べる。歪んでいたとしても、】
【その甘みは確かに疲れを癒して。――結局、こたつで寝落ちしてしまった、とか、余談だった】

/おつかれさまでしたー
20 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/15(日) 00:27:37.65 ID:0waZ+ftHo
>>18

【至近距離の絶叫! ディックの鼓膜に大ダメージ!!】
【耳元で大声をあげられてディックはゾンビどころじゃなかった。音波兵器による苦痛に身を竦めてる間に梨花は全速疾走】
【後ろを振り返るとやっと分かる梨花の逃亡理由。ディックも呆れ顔をしつつ梨花の後を追いかけた──】

 おー、出口か。いやぁ流石に面白かったな……最後の絶叫だけは痛かったが

【遅れて出てきたディックが久々に見る自然の明かりに目を細める。どこか満足したような笑みまで浮かべていた】
【復讐としては上々だろう。怖がらせる以外にも得したこともいくつかあったし。妙な達成感のようなものが心にあった】

 おっ、大丈夫か?

【ディックは地面に座り込んでる梨花にわざとらしく声をかけた。わざわざ顔を覗き込もうとまでしている】
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/15(日) 00:32:09.98 ID:pQ4+GvGgO
>>17
/ちょっと離れてましたが大丈夫ですよー
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/15(日) 00:38:50.23 ID:gt9wzDOgo
>>21
/ではでは!

>>7

――…………それっ

【騒ぐ男の頭に向けて、何かが投擲された】
【それは赤い包装紙でラッピングされた物体。もし直撃したとしても微かな痛みが加わるだけだろう】
【もし反応して、飛んできた方向を振り返ったならば一人の少女の姿が目に留まるだろう】

まったく、少しは人目というものを気にするがよいわ馬鹿者め

折角ゆっくりとチョコレートを物色しようと思うておったというのに
御主の叫び声ですっかり気が削がれたのじゃ

【身長は140cm程度であろうか。腰まで伸びた炎のように鮮やかな紅蓮の髪と、漆黒の瞳をしている】
【桜色の簡素なデザインの着物を纏い、胸元には"緋色の鷹"を模したワッペン】
【腰には茶色の鞘に収まった剣を下げており】
【肩付近にはバスケットボールほどの大きさの、淡く光る白い"虫"のような物体が浮かんでいた】

【胸元のワッペンに見覚えがあったならば、少女が"SCARLET"に所属する隊員と察する事も出来ようか】
【しかし、すぐにでも逮捕するような様子はなく】
【男がどういった理由で奇行に走っているのか見極めようと視線を送っている】
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2015/02/15(日) 00:47:22.77 ID:LCzFOap+o
>>20

【ぷるぷる、と肩が震えている。息は荒く、そして制服は乱れ。】
【その状態で、梨花は―――接近し、顔を覗き込んできたディックにすかさず、飛びつくッ!!】


 外に出さえすればこっちのもんじゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!


【目の淵に涙をいっぱい溜めながら、先ほどの恐怖の仕返しをしようと、梨花は彼の腕を捕まえると】
【もう胸がぶつかろうがなんだろうがお構い無しに、先ほどまでの弱気が嘘のようにぐいぐいとその身体を引き摺ろうとするだろう。】

【そして、その体が全速力で向かう先はただ一つ―――この遊園地で最強の恐怖とスピードを誇るメガ・コースター。】


 通称 "グラン・トゥーリズモ"……業界初の逆回転型座席と変形コースを持った史上最"恐"のジェットコースターよ!!

【グラン・トゥーリズモ―――即ち、偉大なる旅。】
【その名に恥じぬGTコースターの説明はこうだ。まず、コースターと言っても乗り物形式ではなく、】
【乗った状態で脚は宙ぶらりんになる、つまりはマシンに乗り込むのではなくて移動する"椅子"に座らされるような形態の乗車スタイル。】

【そしてそのまま、なんと"座席"前方ではなく向かって "   後   方   " に坂を上昇し始める】
【つまり、下降のタイミングが分らない状態で上昇を続け、気が付いたら"   頭   か   ら    "落下を始めるのだ。 】
【そして更に恐ろしいのはなんと、この座席可動式であって、 椅 子 自 体 が 前後360度回転してしまうというキチガ○仕様であり。】

【更には業界初となる可変形コースシステムという、もう悪魔の発想としか言い様のない技術の無駄遣いが搭載されており】
【なんと走行中にコースがどんどん変形し、一度のみならず二度、三度と恐怖を味わえる超ウルトラスーパー鬼畜仕様になっているのだ】

【そのためかながいぐちゃぐちゃなコースをなんと"二週"も廻らされるという、まさに長時間、超高所を変則的なレールに沿って】
【ぐるんぐるん回転しながら猛スピードで走らされるという、拷問に近いことをさせられるのがこのコースターなのである―――!!】

【しかしその余りの過激な走行性能に脚が寄り付かず、バレンタインデーだというのになんと、待ち時間はたったの1分。】

【梨花は目をギラつかせ、復讐の復讐に走る為に彼を座席へと無理くり連れて行こうとするだろう―――ッ!!!】

/っと、ごめんなさい。とても愉しいところで、もうそろそろ終盤だとも思うのですが
ちょっと眠気と明日が速いもので、今日は一旦ここまでで凍結して頂いても宜しいでしょうか。
明日は七時かそれ以降に再開できると思いますので、ご迷惑おかけいたしますが、宜しくお願いします。
24 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/15(日) 00:49:19.17 ID:0waZ+ftHo
>>23
//了解です。レスしときますんで
//おやすみなさーい
25 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/15(日) 00:56:51.67 ID:0waZ+ftHo
>>23

【そのとき、ディックは油断していた。こっちは二回、あっちは一回。少なくとも向こうからは何もないだろうと】
【完全に甘かった。梨花はまだ戦意を失っていなかったのである】

 ちょちょちょちょちょ、ちょっと待て! お前まだ俺をこんなものに乗せる気か!?
 おかしいだろあれ! コースターじゃねえじゃん!! 椅子じゃん!!
 お前二回に対して俺の仕返し一回だってのに何でまだ追加しようとしてんだよぉおおおおおおお!!!!

【絶叫も虚しく、またしても強引に引きずられていくディック。今度という今度は踏ん張ったりと抵抗するが力及ばず】
【次第に見えてくる恐ろしい全貌。稼働中のを見ると更に恐ろしい。さっきまでのアトラクションが子供だましのようじゃないか(激怒)】
【ディックの視線がぐるんぐるん回りまくる椅子を追いかける。そしてあれに乗るのかと自問する。そう、乗るのだ】

 い、いやだぁあああああああああああ!!!!

【アトラクションに到着してもまだディックは喚いていた。恥も外聞もあったもんじゃない。何せ男が女に引きずられているのだ】
【とはいえ命に代えられるものじゃない。そう、こんなものに乗れば死ぬ、死ぬのだ。命がけなのだ】
【じたばたと暴れるがやっぱり拘束が外れない。もう可能な限りぎりぎりまで抵抗を試みるだろう。きっと店員が同情してくれる(願望)】
26 :照垣我鬼 ◆rrHt9B4adXq4 [sage saga]:2015/02/15(日) 01:13:38.61 ID:pQ4+GvGgO

>>22

【──ひゅうう、こつん】
【実際にそんな音はしないのだが、SEをつけるのであればそのような】
【そんな感じでまるで吸い寄せられるかのように青年の後頭部にぶつかる、赤色の包装紙に包まれた物体】

【青年は「ぎゃいんッ!? 」という奇妙な悲鳴をあげ後頭部を押さえる】
【な、何だ!? 敵襲かァ!? などと奇妙な呟きと共に物体が当たった場所の方角、つまり物体が飛んで来た方を見ればそこにいるのはどうやら同郷らしき少女の姿】

……あァ? そんなに五月蝿かったかァ? 俺……
【「人目を気にしろ」だの「叫び声」だのと言われれば青年はきょとんとした表情を浮かべ】

……けど仕方ねェだろ!? あの薄い板の中にあの触手野郎がいるんだぞ!? 
見えてんのか忘れてんのかは兎も角無視されてんのも癪だしよ! 
【しかしすぐに元の怒りの表情に戻るとビシィッ! と薄型テレビを指差す】
【因みに、彼女がSCARLETであるという事はその緋色の鷹のシンボルから察してはいたが、どうもそれに言及するどころではないようだ】


27 :カミナ・ゲルギル [sage]:2015/02/15(日) 01:25:48.11 ID:gt9wzDOgo
>>26

ああ、実にうるさかったとも。
この喧騒の中で100m離れておってもわらわの耳に届いたのではないかの

何やら興奮しておるのはよく判るが、周囲の迷惑にはならぬようにせねばならんぞ?

【腕組みをしながら、上から目線の説教臭いことを告げ】
【人の合間を越えて青年から数歩程度の距離まで到着する】

………………なに?

【青年の言葉を耳にして、一瞬何の事やらと返事に詰まるが】
【よくよく指差した方向に視線をやれば、そこにあるのは展示されているテレビ】
【少女はなるほど、とポンと手を叩き理解する】

……テレビを知らんとはまた、珍しい者もおったものじゃな

まあわらわも初めて海を渡った時は
あれやこれやと面を食らっておったからの、気持ちが判らんとは言わんよ

【少女も元々は文明から切り離された生活をしていた"田舎者"だ】
【今では適応しているとはいえ、青年の気持ちが判らないわけではない】
【どうせパトロールも終わり暇をしていたところだ】
【青年を放置しておいては何が起こるかもわからないこともあり、少女は世話を焼くことに決めた】

御主にも判りやすいよう説明してやろう
その方が御主にとっても店や周囲の者達にとっても有益であろうからな

来るがよい……なに、取って食いはせぬよ

【店の入口まで歩いた後、青年に向けて手招きをする】
【彼がそれに従ったならば、そのまま店内へと足を踏み入れていこうとするだろう】
28 :照垣我鬼 ◆rrHt9B4adXq4 [sage saga]:2015/02/15(日) 02:04:34.14 ID:pQ4+GvGgO

>>27

……るっせェ、良いだろ別に……つか『100メェタァ』って何だよ? 
……離れるとか言ってっから長さ、なんだよな? だったら里とか尺とかで言えよな! 
【青年はムッとした表情で少女に言い返す】

…………てれび? え? 
【少女の発言を聞き固まる青年。え、何それ知らない、というか知らないのって珍しいの? と言いたげな表情で】

……だろ!? 俺も『てれぽん』……あ、違ェや『電話(telephone)』とか知らなかったし! 
【が、少女も初渡航時は色々面食らったと聞くと硬直も解け何故か生き生きとした表情で頷く】
【因みにこの男、天ノ原という都会も都会(?)の出身だというのに長年引きこもっていた所為かかなり世情に疎い】

【そして、説明してやろうと言われ手招きをされれば、え、入れば彼奴いんのかァ? などとトンチンカンな事を尋ねながらついていく】
【もしも店内に入ったのならば青年はまるで子供のように「はァァァァ……」と小さく感嘆の声をあげながら目を輝かせることだろう】



29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/15(日) 02:23:21.15 ID:gt9wzDOgo
>>28

郷に入いれば郷に従え、御国の常識が世界の常識とは限らぬ

国を渡ったならばこれまでの常識を重んずるよりも
まずはその国を学び適応することを考えるべきじゃ……どうやら御主には色々と、勉強が必要なようじゃの?

【青年よりもずっと小さく幼げな容姿ではあるが】
【この国における常識は弁えているようで】
【諭すように言葉を紡ぎながらも、店内へと足を踏み入れていった】

【入店したらならば、青年の様子に「くくっ……」と小さく微笑ましげな声を洩らしながらも】
【そのまま近くにいた店員を呼び止め、テレビコーナーまで案内させる】

【大人しくついてきていれば何の問題もなく移動し】
【周囲の電気製品に見惚れて足を止めているようならば】
【「早く来ぬか」と背伸びをして襟首を掴み、引っ張って連れて行こうとするだろう】

電話を知っておるといっておったな?
ならば、一から説明売る手間が省けるのじゃ

【大型テレビの前に立ってリモコンを取ると】
【そのボタンを無造作に押してチャンネルを変更する】
【すると、大画面でアイドルが歌っていた画面が眼鏡に七三のニュースキャスターへと移り変わる】

電話は音を行き来させるモノならば、「テレビ」は遠くから音と映像を受け取って映し出す機械じゃ

わらわも最初は小人が何やらしておるものかと思うたものじゃし
仕組みに関してあれこれと説明しろと言われても知ったことではないが
"そういうモノ"として覚えておくがよいぞ?

【「わかったかの?」と流し目気味に視線を送りながら確認をする】
【大分抽象的な説明ではあるが、少女としても機械関係には明るくないのだからこれ以上は望めない】
30 :照垣我鬼 ◆rrHt9B4adXq4 [sage saga]:2015/02/15(日) 03:05:30.11 ID:DZEHo4l1O

>>29

【少女に諭されれば青年は、適応ねェ……と呟いて苦笑する】

……此方に来て何ヶ月か経ったと思うが今までは此方を学ぼうって余裕がなかったんだよなァ……
ま、諸事情ってヤツか……
……て、俺よりガキが調子乗んじゃねェよ
【調子に乗るな、とはいうものの口調は結構柔らかい】

【入店と同時に青年の目に飛び込んでくるのは今まで知り得なかった多くの情報で】
【それらに目を輝かせて感嘆の声をあげれば近くで聞こえる少女の小さな笑い声】
【何笑ってんだよ、などと少しばかり低い声で言ってみるものの目だけは様々な電化製品をちらちらと見ており】
【テレビコーナーに移動するまでに何度か少女にせっつかれ、漸くお目当ての場所に着いたのだった】

……へェ、要は電話の姿と音版みてェなモンで此方からは何かしらの行動が起こせねェって事だな? 
別に本人が入ってたり誰かが中にぶっ込んだりしてる訳じゃなかったんだな……
【テレビの説明を受けると青年は理解したかのように軽く頷く】
【その過程で「おー、変わる変わる」などと感心したように呟いたり】
【ものの試しといわんばかりにディスプレイを押してみては「あ、本当だ入らねェ」などと呟いたりして】
【まあ腕や身体が入ったら入ったでアートマンやマインドらしき何かが生み出されそうだが】

……あ、俺電話の時それ思った
やっぱり誰もが一度は通る道なんだな
【はじめは小人が何かしているかと思った、と聞けば青年はクスリと笑う】
【そして分かったかと聞かれれば、まあ大体は、と頷いてみせた】



/すみません、そろそろ凍結か置きレスで大丈夫でしょうか? 
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/15(日) 03:09:05.99 ID:gt9wzDOgo
>>30
/了解です!
/では置きの方でお返ししておきますので、お休みなさい!
32 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [sage]:2015/02/15(日) 17:59:57.39 ID:9gY0QZ0NO
【路地裏】

(実践に勝る修行無し──命からがら強くなるぞ…。)

【黒いハットにインバネス、白の革の手袋を填めた、レトロな雰囲気の青年である。】
【彼のインバネスの裾には、自警団員であることを表す刺繍が縫われている。】
【自警団より支給された新装備。なんの変哲もない、これまた自警団のマークがあるだけの片手剣を腰に携え。】
【そして彼の手には一口だけ食いかけられたハンバーガー。】

──ま、腹が減ってちゃあ戦はできねーからな…うめ。

【また一口、ハンバーガーに歯跡をつければ、戦えそうな標的を探していた。】
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/15(日) 23:55:36.32 ID:AklCxINA0
【街中――児童公園】
【しんとした静寂が傍にある、だけれど、うずもれてしまわないのは、大通りが傍にある立地のせいらしく】
【時々ではあるがとおりすがる人影も皆無ではない。しかし、公園の中に目を向ければ、足早に去っていく光景、】

……え、ーっと。こうやって、構えて――……。

【月明かりにきらりと煌くのは鋼の艶めき、けれど刃に水面を纏うなら、光は不可思議に屈折して、きらきらと煌くよう】
【見ればそこには一振りの刀があって、呟く鈴の音に似た声の正体は少女のようで、それなら、答え合わせは難しくない】
【おそらくは真剣で武装した少女、なのだけど。千人斬りの侍には見えず、というより、その構えもずいぶんとちぐはぐで】
【家の蔵にあった家宝持ち出してきました!みたいな、そんな雰囲気――、しばし、そうして身体を固めていたのだけど】

…………へびさまも教えてくれなかったもん、こんど、お侍さんとかに聞いてみよ――。

【飽きたか疲れたようにため息で刀を下ろす、不思議に水を纏う刃、切っ先から、絶えず水が滴って、】
【ぽすんと傍にあったベンチに腰掛ける。それでも刀の煌きばっかりは、きらきらと、辺りに光を飛ばして――】

【真っ黒の髪を腰ほどまで伸ばした少女。飾りもなくただ流されただけの髪は、時折、夜風に震えるように揺れて】
【黒と赤で色違いの瞳は少しだけ蛇の眼と似る形、ちらりっと見えた右耳には、片方だけのピアスがあしらわれ】
【ベンチに置いていたコートを寒そうに羽織る、赤と生成りを基調にしたワンピースは、後ろにふわっとバッスルをあしらって】
【足元は長い靴下とロングブーツ、高いヒールで地面をえぐるようにすると、じゃりじゃり、そんな音がした】
【まだまだあどけなさを多分に残す少女――というか、どう見ても未成年だった。こんな時間にうろつくには、幼い顔をして】

セリーナに聞いたら分かるかな、刀の構え方とか……。

【ときどき宝物を眺めるように持ち上げてはまじまじと眺めていた、垂れる滴が手を濡らしても気にしないまま、】
【ふわーっとため息を吐くと、全てが真っ白になって、嬉しげに笑った口元を、刹那だけ覆い隠して】

【(刀を見てにやにやしている不審者の完成だったとは、たぶん、気付いてないのだ)】
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2015/02/16(月) 00:14:41.89 ID:xt5GcstTo
【路地裏】


〜〜〜〜〜♪


【一人の男が道端の木箱に座って調子っぱずれな鼻歌を歌っていた】

【綺麗に刈り上げられた側頭部、ツンと縦に伸びた金髪とその髪型は所謂ソフトモヒカン】
【両手の十指のうちいくつかに填められた眼球や口など趣味の悪い形のシルバーリング】
【そして野山を舞台に巨大な骸骨が描かれた絵が刺繍されたスカジャン】
【男はまるでチンピラのような風貌だが】

【加えて異様な点が、一つ】

【男の右腕からは一本の触手が生えていた】


「ぅ、ぁ………っぁ、…ぁ、ぁ…っ」


【チンピラ男の腕から伸びる触手の先端】
【其所には二十代半ば程の女性が触手に首根っこを絡みつかれて宙に吊り下げられていて】

【女はせめてもの抵抗にと体を必死にバタつかせているが】
【触手の締め付けは一層強くなっていく】
35 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/16(月) 14:41:19.81 ID:As1Oy6lz0
>>25

【元はと言えば、村も家も家族も奪われて其処から復讐を誓った少女であtt……閑話休題。】
【ともかく、彼女はガッツという点では誰にも負けない物を持っている。心を圧し折るのは難しいだろう。】
【やられたらやり返す、というかやり返すまで気が済まない、1000倍返しだ。非常に扱い辛い性格の問題児だった。】

 私が二回でアンタが一、ですって回……? 冗談じゃないわ、寝惚けた事言ってんじゃないわよ!
 いい!? ジェットコースターに乗ってる時間なんて長くても精々5分かそこらのモンでしょ、
 そしてそれはフリー・フォールにだって言える事! つまり、二回だろうか三回だろうがアンタの味わった恐怖なんてのは、
 40分以上も気色悪い場所を役立たずの変態馬鹿神父と一緒にほっつき歩かされた私のストレスの1/10000にも満たないのよ!!

【再開された悪口GPと共に、「計算上はあと数回乗ってやっとつり合いが取れる」とまで言い切って】
【自分勝手且つわがままな理屈と、血走った眼でディックを地獄へいざなおうとするだろう―――。】

 そういえばさっき言ってたわよねぇ!? 地獄がどうの、って!?
 あっはははは! 確かにそうよねえ、地獄じゃ神に祈ったって無駄ってもんだわ、でも安心しなさい! 
 今度はアンタが神に祈る番よ、それにこれからアンタが向かうのは地獄じゃないからどんどん祈りを捧げると良いわ!

 なんたって―――これから私たちが向かうのは、"最も天国に近い場所"、なんだからねぇぇぇぇぇぇぇ!!!

【このコースター、最も高い地点はなんと80m、確かに天国に一番近い場所だ。】
【梨花はゲームに出てくる魔王の様な高笑いと共にディックをコースターへと連れて行こうと、する、が。】


 「―――あ、そこのカップルさん。ごめんなさいね、このコースター身長155cm未満の人お断りしてまして。」



【無慈悲な一言が―――コースターに乗った時の恐怖よりも深く、ブスリとディック、そして梨花に突き刺さるだろう。】
【まあ、梨花はまだ女の子()だからいいとして、彼女より若干身長が低いであろうディックは―――その……うん、まあ。】


 ……ぎゅ、牛乳でも買って飲みましょうか。

【大人しく諦めて、苦笑いしながらディックを見つめ返すだろう。現実はいつも残酷だ。】

/遅くなりました。本日も宜しくお願いします。
36 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/16(月) 15:00:17.89 ID:aalDD2QPo
>>35

 何むちゃくちゃ言ってやがるてめえ!! 人の恐怖やストレスを勝手に勘定してんじゃねえぞ!!
 ジェットコースターとフリー・フォールはほぼ臨死体験じゃねえか! それに比べててめえは何だ、
 作り物にちょっと追いかけられただけだろうが!!
 それがこっちは二回だぞ二回! むしろあれだ、その短い時間に恐怖が濃縮されてんだよ間延びしてたてめえとは違うんだよ!!

【ついに悪口GP優勝候補がやる気を出した。そんな勢いで無茶苦茶な計算にこれまた無茶苦茶な理論を突き返す】

 待て待て待て待て待て!!!! は、話せば分かる!!
 大体、あれだぞ!? 信仰者が天国に行っていいかどうかは主がお決めになるんだぞ!!
 お前それを無理やり近くまで連れていくとか神にでもなったつもりかぁああああああ!!!!

【怒号に次ぐ怒号。ディックも口論?では負けてないだろうが物理的な力の前には無力。あえなく引きずられていく】
【ところがそこにまさしく、救いの手が差し伸べられたのである──多分】

 ………………
 …………………………………………
 ………………………………………………………………………………

 なんだとてめぇええええええええええええええ!!!!

【たっぷり十秒は黙ってからディックの三度目の絶叫が木霊する】

 俺のどこがチビだっていうんだ、えぇこら!! 言ってみろてめえ!!
 大体どこがカップルだ! 目ぇどこについてんだよ!! バカじゃねえのか!!
 チビだから乗れねえとか差別だろ! 聖職者に向かって罰当たりなこと抜かしてんじゃねえぞ死んだ後覚えてろよ!!

【片腕を梨花にロックされたまま空いてる手足をばたつかせながら全力で抗議。まずチビとは言われてない】
【一五◯センチ前後の男が手足ばたつかせてるのは尋常じゃなく子供っぽく見える。言ってることも子供っぽいし】

//今日もよろしくです
37 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/16(月) 15:14:11.34 ID:As1Oy6lz0
>>36

【臨死体験―――まあ、確かにそう言われればそうか。】
【だがある意味で、怪物に追い回されるというのも一つの臨死体験なのではないか、】
【なぜならこの世界は、怪物やら悪魔やら変態神父やら暴力不良少女やら怪しく危険な物に溢れているから―――。】


 うわっ!? ちょちょちょ、なんだってこんなトコでいきなりキレ始めてんのよアンタ!!
 乗れなかったんだからアンタ的にはそれでOKでしょ!? いや、どうしても乗りたいって言うならアレだけど……
 っていうか、やめてよ恥ずかしい!! アンタ笑われてるわよ、あそこの小学生とお母さんとかめっちゃこっち見てるじゃない!!
 
 はぁ……。見苦しいったらありゃしないわね。
 女の私より若干背が低いんだからアンタは紛れもなくチビでしょ、チビ!
 だいたいなによ、私とカップルだと思われるとなにかそんなに問題あるわけ!? 失礼じゃないそれ!?
 
 そもそもアンタがまともな聖職者だったらこんな事にはなってないのよ、はいはいもう終わった終わった。


【―――と、馬鹿馬鹿しい擁護をしている場合では無かった。目の前で大騒ぎを始めた5歳児を窄めるのが先だ。】
【言ってる事も子供ならやってる事も見てくれもなにもかも子供みたいで、もう何と言うか呆れを通り越して悲しくなってくる。】
【梨花も大概だが、ここまで乗りたいんだか乗りたくないんだかハッキリしないキレ方をされるともうどう対処していいのか分からなくって。】

 「……たいへんもうしわけございませーん。(チッ……糞餓鬼が、こーひーかっぷwでも乗ってろwww)」

 ほら、もう行くわよ!! こっちまで変な目で見られるでしょ!? 
 あんまり騒ぐとまたさっきのフリーフォール乗せるからね!? わかった!?


【ぐいぐい、と彼をひっ捕まえたまま梨花はGTコースターから離れて行く。まったく手がかかる子だ。】
【とりあえず落ち着かせようと彼女は休憩スペースである公園へと足を運んで、其処のベンチに座り込んだ。】

 はぁ〜……つっかれた……なーんで羽休ませに遊びに来たってのに子供のおもりしなきゃなんないのよー。

【ふん、と少しいじけた様子でディックを睨むと、梨花はそっぽを向くだろう。】
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/16(月) 15:34:10.93 ID:DI2mIpdN0
【街外れ――自然公園】
【遠くで鳥の声がして、もう少し近くでは子供の声がする。きゃらきゃらとはしゃぐ声と、】
【母親たちが談笑する声もほんの僅かに。風が吹けば木々のさざめく音もするし、お日様はなんとも暖かく】

…………。

【――へび、だった。おおきなへび。三十センチものさしじゃいくつもいくつも必要なほど、おおきくて、ながい、しろへび】
【大きいニシキヘビとかそれくらいはあるだろうか。長いだけ胴回りもしっかりしていて、頭も大きく】
【だけど血のように真っ赤な眼を開けたままで微動だにしない。蛇はそもそも瞼がないのでアレなのだけれど、――】
【――凡そ日向ぼっこでもしながら寝ているようなのだった。その証拠に、子供が戯れに突っつきに来ても動きもせず】

【鱗は真っ白で、光の加減によって青みを帯びたり、赤、緑、橙、と色を変えたり、どこかオパールのような艶めきをもち】
【瞳は血をそっくり硝子球でくるんだような色味。寝ているようなので視線も動かず、どこを見ているのやら、さっぱりだけど】

【なんとなくとぐろを巻くでもなく身体をぐねぐねに畳みながら、午後のひなたぼっこ。場所からして、】
【この公園の主か何かにも見えるのだが――それにしては目立つ色合い、今まで気付かれなかったのが不思議なくらい】
【だけれど、きっと、そんなの関係なくて。ひそひそと聞こえてくる声を、辿ってみたなら――】

【「あれって大丈夫なのかしら」「こういうのって保健所でいいのかしら?」とか。今にも通報されそうになっているようで】
39 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/16(月) 15:42:01.50 ID:aalDD2QPo
>>37

 待て、おいコラ梨花! まだ話は終わってねえぞ説教してやる説教! 今あいつ明らかにこっちバカにしてただろ!!
 離せって! え、フリー・フォール? ……そ、それは困るな

【まだまだまだまだ文句を言い足りないディックだったが脅しが効果抜群で一発で黙った】
【もう完全にカップルから姉弟にランクダウンである。ディックの方が年上なのがより悲しい】
【親子連れや同年代のカップルに笑われながら二人は公園に撤退していくのである──】

【ベンチに座ったディックは完全に不貞腐れていた】

 うるっせぇなぁ、俺よりちょっと背が高いからって偉そうにしやがってー
 お前あれか、胸も固いぐらいにねえし、男なんじゃねえのー?

【こっちもこっちで梨花からそっぽ向いた状態で、お化け屋敷からずっと思っていたことをついに口にした】
【コンプレックスを言われてコンプレックスで返す。教科書に出てきそうな定番の仕返しである。男のチビは辛い】
40 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/16(月) 15:55:11.32 ID:As1Oy6lz0
/っと、申し訳ないです。次少し返事遅くなります。
41 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/16(月) 16:59:38.35 ID:As1Oy6lz0
>>39

【この神父の説教、というのも試しに聞いてみたい物だ。どんな顔して説法を説くのだろう。】
【というかそもそも、礼拝とかきちんとしているのだろうか。口を開けば余計な事ばかりが気になってくる。】
【まあともあれ、笑われるのだけは御免だった。梨花は生温かい周囲の視線の中で茹でだこの様に顔を真っ赤にしていた。】

 (……、ま、なんだか昔を思い出して嫌な気はしなかったけどね。)
 (……アイツは……私の弟は、こんなに口が悪い子ではなかったけれど。)
 (嫌じゃないわ―――……まだ姉だった、未だ人間だった頃の私を顧みるのも。)
 
 (……尤も。羨む資格もないくらい、今の私は――――――――――――――……って、はぁ!?)

【馬鹿馬鹿しい喧騒と、少しだけ背の小さい男の子。一緒に居るといつかを思い出して。】
【実際、梨花は彼を嫌いでは無かったからこんな風に遊べていたのだが、それもこの瞬間までだった。】
【彼女の浸っていたノスタルジーは、ディックの空気をブチ壊しにする一言のせいで粉々に散ってしまったのだった】

 なっ―――!? ふ、ふざけんじゃないわよっ!
 別に私が大きいんじゃなくて、アンタが平均以下なんでしょこのチビすけっ!
 自慢なんかしてないわよ、てゆーか何!? 何よ胸がなんですって!? もっかい言ってみなさいよ変態神父!!

【さっきまでとはまた違う意味で顔を真っ赤にした梨花が、思わずディックに飛びかかる。】
【そして両手の指で彼の頬を引っつかむと右に左にぎゅーぎゅー抓りまくる。】

 む、っむむむ、胸なんて、お、おっきくたって何にも得しないのよ!?
 戦う時にはぜーったい邪魔だし、アンタみたいな変態がすぐ鼻の下伸ばして見てくるだろうし、それに、それに……っ!!
 と、とにかく私にはおっきい胸なんか必要ないのよ! 背が低いと困る事もあるでしょうけどねえ、今みたいに!
 けど胸が小さくて損した事なんてなーんにもないもの! はんっ! アンタの負けよ負け! 男で背が小さいなんてカッコ悪いm……

 ―――、ちょっと、ちょっとまってよ……な、なんで、アンタ今、か、"かたい"って……!?

【多分、極限状態の恐怖で何も気付いちゃいなかったのだろう。梨花はその言葉の真意を測りかねて、一瞬動きが止まる。】

/お待たせしましたー!
42 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/16(月) 17:12:37.44 ID:aalDD2QPo
>>41

【残念なことに絶賛ふてくされ中のディックにここで回想シーンは入らないのである】
【いや、説法のときは真面目だし瞑想という名の礼拝もしている。懺悔も特別懺悔室でちゃんと聞く】
【どうしてこんなにこの場では子供っぽいかといえば、全てはコンプレックスが原因であるからして──】

 いででででで!! お前こそふざけんな、誰に向かってチビとか言ってやがる俺はチビじゃねえ!
 やっぱりちょっと背が高いからって威張りやがって背が高いのが偉いのかてめえ!!

【飛びかかられたディックも無抵抗ではない。反対に梨花の頬も引っつかんで左右にぎゅーっと引っ張るのである】
【若い男女がベンチの上でもみ合っているかと思えば頬をつね合っている。酷い光景だ】

 馬鹿野郎、胸が小さいならまだしもてめえは無だろうが無! 曲線じゃなくて直線になってんだろうが!
 微妙に表現曲げて誤魔化してんじゃねえぞ! 胸のねえ女なんて殆ど存在価値がねえだろうが分かるか!!
 今まさにてめえは俺という一人の男にバカにされるっていう形で損してんだよ、
 今後の人生でも道行く男が“うわ、貧乳だ”みてえな目で見られるんだよ! ザマーミロ!!

 は? そりゃお前、腕に押し付けるわ背中に押し付けるわ、あれだけ密着したりしてれば硬さもよく分かるだろお前の胸筋の
 バカじゃねえの

【梨花の動きが止まったのでディックも何となく引っ張る力を弱める。梨花が気づいてないとは思ってなかった】

//おかえりなさいです
43 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/16(月) 17:32:24.68 ID:As1Oy6lz0
>>42

【「あぐぐぐ」という変な声が漏れる。そりゃ、頬を抓り合いながら怒鳴り合ってるんだからそう成らざるを得ない。】
【そもそも口になんか咥えたまま喋ったりとか、剣を咥えながら必殺技を叫べるヤツの方が、圧倒的に可笑しいのである。】

 あいいいいいいあああああ! いあい!(あいたたたたたたたたたた、痛い!)
 ひーび!(ちーび!)ひびひびひびひびひびひびひーび!!(ちびちびちびちびちびちびちびちびちーび!!)
 はんはぁのねぇ(アンタなんかねぇ)、ほうはらひわあひふはいひびおひび!!(ゾウからアリくらいチビよチビ!!)

【暫く抓りながら伝わる事のない異言語を叫び続けていたが、その内疲れてぺいっ、と指を離し】
【同時にディックの指からも逃れると、頬を掌でさすさすと摩りながら涙目で彼を睨みつける。】

 む、むむじゃないわよっ!! なによ「無」って、そんなのもう胸じゃないでしょバーカバーカ!!
 私だってB……(にギリギリ満たなかったけど)、B! そ、そうよBあるんだからね?! Bもあるのよ、Bも!!
 AじゃなくてBなんだからね?!(重要) 無駄にデカいそこらの女よりよっっっっぽど綺麗な線を描いてんのよこの童貞が!
 
 ラインって言うなら私の方が遥かに綺麗なんだから! 貧乳じゃなくてスレンダーって言いなさいよ、この煩悩神父が!!
 女の価値を胸でしか測れないなんて、はんっ! 大した事無いのね、もっと女遊びし慣れてるのかと思ってたけど、なによ、
 言ってる事はおっぱい星人の風俗嬢大好きなオッサンとおんなじじゃない! アンタ実はあんまり女の人抱いた事無いでしょ!?

 ……きょ、胸筋っていうなぁぁぁぁぁぁっぁぁーー!!! 人の胸に堂々とさ、触っておいてなんて失礼な……っ!!
 固くないから!! 硬くないから!! ちゃんと触れるくらいのサイズはあるわよ!! このド変態の脳みそオッサン神父が!!

【もうほぼ泣きかけである。まあ、彼女は曲がりなりにも高校に通い学生と言う環境の中で育っているから】
【周囲の女の子に比べると、なんだかハッキリしない自分のボディラインには薄々気付いているし、気にもしていていた様。】
【次々と反論を並べ立てるがまあ見苦しいし聞き苦しいものばかり。最後の方は周囲が見ているとか関係無しに叫んだせいで、視線が痛い。】
44 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/16(月) 17:33:30.74 ID:As1Oy6lz0
/っと失礼。
(ゾウからアリくらいチビよチビ!!)→(ゾウから見たアリくらいチビよチビ!!)
の間違いでした。
45 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/16(月) 17:53:45.88 ID:aalDD2QPo
>>43

【果たして周囲から痛い視線を向けられるのは何度目だろうか。今回は内容が内容なだけに若い連中の視線が多い】
【ぐにゃぐにゃ引っ張られたせいでディックの頬が物理的に赤くなっている。目尻にもやや涙が】

 やかましいわ! AだのBだので張り合ってんじゃねえよどんぐりの背比べって言葉知らねえのかお前!

【完全にお前が言うな状態】

 よしんば綺麗なラインだったとしてもお前よりでかくてかつ綺麗なラインの女なんかごろごろ居るわ調子に乗んじゃねえぞ!
 それにまた表現変えてんじゃねえよ何がスレンダーだ貧相なだけだろうが!
 言ってることがオッサンと一緒で何が悪いあいつらは正しいぞ! 女の体で胸と尻が重要なのは当たり前のことだろうが生物学的にも!!
 大体経験についてお前にどうこう言われたくねえよどうせお前は処◯だろ処◯!人のこと童貞呼ばわりしてんじゃねえぞそもそも違うし!

 触ってねえわボケお前がくっつけてきたんだろうが!! 痛いぐらい硬かったわこのまな板女!!

【反論だか言い訳だかにきっちり丁寧に反撃をするディック。ここらで周囲の視線に気がつく】

 ほら見ろ、周りの奴らがお前を責めるような目で見てるじゃねえか。やっぱり貧乳は悪なんだよ

【視線の理由をディックが曲解。明らかに全ての視線は二人に向けられている。あと女性からの視線が痛い。特に痛い】
【他にもカップルが見ていたりするわけだが、ある男はうっかり頷いたせいで彼女に殴られ、別のやつは足を踏まれ】
【といった具合に騒動が波及していた。周囲の様子を見たディックがため息をつく】

 まぁいいや。長時間叫んだせいで疲れちまった

【そう言うとディックは手近な自販機に駆け寄り、水を二つ買ってきて片方を梨花に投げ渡す】
【ベンチに座り直すと蓋を開けて水を半分ぐらい一気に飲み干した】
46 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/16(月) 18:15:03.19 ID:As1Oy6lz0
>>45

【「いってーな! なにすんだよ!」「いまあんた、私の胸小さいなーって見てたでしょ!?」】
【「まあ、デカイに越した事はないからな……」「え、ちょっと!? ○○くん!? 冗談だよね!?」】
【「そーだそーだ! ちっぱいなんか死滅しちまえ!!」「黙れ、この童貞が!!」「なんだとゴラァ!!」】

【ああもうめちゃくちゃだよ。こんなんじゃバレンタインになんないよ〜。】
【でもこれ好機と捉えている人間もいるらしく……。】

【「なんか、ごめんね……私も、小さいから……、」「ばーか。さっさと行くぞ。……俺は小さいの、好きだよ。」】
【「なーに、心無い男の言葉なんて気にする必要ないよエレナちゃん。僕はそんな君を愛してる。」「き、キングさん……!」】

【吹き荒れるラブ・ハリケーン。止まる事を知らないロマンティック・タイフーン。】
【周囲のカップルに多大なる影響を与え、遊園地の一角が血染めとハートで埋め尽くされた後】
【梨花とディックはようやっとこの一連の言い合いを止めた。全く、わかいっていいなあ。いいなあ。】


 ……悪かったわね、貧相で……私だって……っ、別に……。
 す、好きで小さく育ったワケじゃないわよ! ていうか、処女で何が悪いのよ、未成年なのよ、私は!
 チビの癖に無駄に良く喋るし、やたら乳のサイズに五月蠅いし……何なのよもう、神父辞めてAV男優にでも転職すれば良いのに……。

 ……ふん。まな板でいいですよええそうです貧乳です、でもアンタがチビなのも確かだからいいもんねーだ!! っべー!

【何て子供っぽい会話なんだ。(すっとぼけ)】
【でも、これはもう仕方が無い事なのだ。男はフェラーリとハヤブサとおっぱいが好きな生き物なのだ。】
【どこまでいっても河川敷でエロ本探して股間を盛り上げてたあの頃の小学生と変わらないのだ。そうに違いない。多分そう。絶対そう。】

 ……―――ん。ありがと。 
 っていうか、アンタのせいで遊ぶつもりなのがくったくたなんだけど。
 どーしてくれんのよ本当に……もう。

【受取った水に口を付けて、ぐびぐびと飲み干していく。中々の呑みっぷりだ。】

 ……ま、多少なり気分転換にはなったけど、ね。
 こんなでもくだらないいつもの生活よりは幾分かマシ……なのかな。
 悪かったわね、私の我がままに付き合わせちゃって。今更言っても遅いけどさ、っふふ。

 ―――でも、アンタだって少しは楽しめたでしょ? 私を散々脅かして、ね。

【多分、未だ恨んでいるのだろう。お化け屋敷での事を持ち返して。】
【だが本気で怒っている訳ではなく、むしろ冗談で突っついている、と言う様な感じだ。】
【そしてその後には、馬鹿馬鹿しい言い合いで本音をぶつけ合った事もあってか、なんだか凄く―――そう。】

【スッキリとした表情で、すっかり暗くなってしまった空を見上げるだろう。なんだか少し、彼女は嬉しそうだった。】

/次のレスも少し遅くなってしまうと思いますが、8時からは確実にお返事出来ますので
ゆっくりお待ち頂ければと思います。すみません。
47 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/16(月) 18:34:07.86 ID:aalDD2QPo
>>46

【そんなキングさんの元に現れる別の女。修羅場に変わる展開が起こっている(確定描写)のはさておき】
【さんざん喚いてさんざん暴れたディックはどこかすっきりした顔をしていた。そうに違いない】

 はっ。何言ってやがる、どうせ悪いとか思ってねえだろうが
 怯えてるお前は見ものだったぜぇ。写真とってやりたかったぐらいだ。こう、きゃあきゃあ喚いて涙目で──

【肩を竦めて答えたあと、ディックがお化け屋敷での梨花の様子を事細かに話し始める。それはそれはもう楽しそうに、だ】
【実はお喋りなこの男、神父という立場では同年代の話し相手など居るはずもなく、無意識にこの状況を楽しんでいた】
【どれぐらい震えていたかを誇張して話し終えたあたりで、ディックは一息ついた】

 しかし、あれだな。大抵のことは運命だと思って成り行きに任せるんだが、まさかこんなことになるなんてなぁ
 同年代の女と話すのさえ久々だってのに、こんなところに来るはめになるとは思わなかったぜ
 ……あー、あれだ

【何となく喋り続けていたが、ふと思い立った疑念にディックは口を閉ざし、言い淀んだ】

 お前、楽しいのか? 同年代の男なら、それこそお前の周囲にはうじゃうじゃいるだろ
 わざわざ俺みてえなクソ神父捕まえなくったって良かったんじゃねえのか?

【目の前の梨花は楽しそうに見えた。しかしそれが正しいのかどうか、急に不安になったのだ】

//了解っす
48 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/16(月) 21:17:12.49 ID:XrXhBjhDO
【街中】

ヴェンドゥラーから廃の国に、か──ふふん、派手なことをするなぁ!
まさかとは思うが……死んでないだろうな
ベティはもちろん……オーギュストにギュスターヴ──それに、カニバディール!!


【大通りに面した電器店の店頭。そこに置いてあるテレビを熱心に見ている少女がいた】
【夜色の長髪に夜色の瞳を持つ彼女は、18歳くらいの年齢だろうか】
【──画面に映るのは、先日昼の国で行われた「奪還作戦」のニュース】
【口にする名前はヴェンドゥラー占領の主犯格「スクラップズ」の面々だ】
【尚、彼女は今、テレビを見ながら「電話中」らしく────】


あ、うん。お母さん?そうそう、テレビだテレビ。
……ところで後ろから、お父さんの悲鳴が聞こえるんだけど気のせいか?
え、また浮気? また!? しかもバレンタインに!?
ちょ、待ってお母さん、ハート型に皮膚剥いだらお父さん死んじゃ……え、まだ剥ぎ終わってない?
はぁ!? お父さんに剥かせてるのか!? 1分何も動かないと、え、針?
……うん、うん。あのなお母さん。娘に拷問実況するのはな、どうかと思うぞ?
うん、うん……そうだな、うん。じゃあ、また電話するから……うん。はーい……


【通りのど真ん中。ぶつぶつと少女は画面に向かって喋り続ける】
【通りの、ど真ん中である。邪魔である。通行妨害もいいとこだ】
【しかも電話中。せめて通りの隅によってほしい】
【会話の内容だって穏やかなものじゃない。どう考えたって通話先は母親だろう。なんて母親だ】

【──けれどその会話だって、そのうち終わる。ぷつん。電話を切る】
【はぁ……ガックリと肩を落とし、再び少女はテレビのニュースを見始めた】
【通りの、ど真ん中。やっぱり少女は、邪魔な存在になっていた】
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/16(月) 21:25:37.82 ID:DI2mIpdN0
>>33
/これ再投下で待ってみるのです
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2015/02/16(月) 21:30:38.74 ID:f7mgI5C2o
>>47

【残念、そこに現れるのは三人目の女とそして四人目と五人目、最終的には十人位の"別の女"に囲まれて】
【彼は大量の拳とヒールの中でもみくちゃにされ、最後は遊園地特有のデカイゴミ箱にポイ、されてしまったとさ。】
【めでたしめでたし。梨花の方は、といえば―――オバケ屋敷での事を事細かに語られると、流石に恥ずかしいのか顔を紅くして。】


 ……見ものってなによ。人が怖がってる所をゲラゲラ笑ってみてるなんて、アンタ最低ね……!
 言っておくけど、私は別にアンタに嫌がらせする為にジェットコースター乗ってたわけじゃないからね!
 フリーフォールだってそうだけど、あくまで私は私の為に乗ってただけ! それなのに……まったく、酷いヤツ。

 こっちこそ写真に撮ってやりたかったくらいよ、
 今にも朝ご飯だか昼ごはんだかをげーってやりそうだったアンタの顔をね。
 ていうか、一枚くらい撮っておけば……、……あ、そっか。そういえば―――まあいいわ、なんでもない。

 ……愉しい、って言うか……まあ、その……暇つぶし、にはなったかな。
 ほら、べつに愉しむのが目的じゃなくて、あくまで、その……気分転換、がメインだし。
 発散できればいいやー! って感じだったから。丁度目に付いたのがアンタくらいだったのよ。

【別に、誰でもよかったが偶々目に付いたのがディックだったのだ、と、梨花はツンとした態度でそう言い放つだろう。】

 ……ただ、まあ。私も気に入らないヤツとはこんなことしようとは思わないし。
 たまたまは偶々だったけど、アンタを見つけたときにその……この間の事、お礼も含めて……その……、 

 あああ、もう! なんていうか、なんとなくよ!! そう、なんとなく!! なんとなく……まあ、アンタなら良いかな、って。
 
 ……あの時もさ、結構真面目に話聞いてくれたりしたし。
 それに、暇そうだったし? 聖書燃やしちゃうバカだし? 無理やり引っ張ってっても、怒られなさそうだなーって。

 そんな感じだから、特に深い意味なんてないんだからね。

【そういって、また水をごきゅごきゅ、と飲み干していく。】

 ……そもそも、こんな無茶苦茶な遊び、他に誘える人もいないしね。私には。

【最後にはぼそり、と悲しい言葉も交えて。またあの日の夜のように、どこか遠くを見ていた。】
51 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/16(月) 21:50:45.92 ID:aalDD2QPo
>>50

【答えを聞いてから、間抜けなことを聞いたと、ディックは苦笑した】
【偶然その場に居たから。それ以外の答えが返ってこないことぐらい考えなくても分かることだった】
【そんなことよりももっと重要な、彼女が楽しんでいるかどうかの方は、良い方の答えがもらえたようだ】

 そうか。ま、それならいいさ

【ディックは満足げに笑った。最後の言葉はしっかりと聞こえていたが、あえて聞こえていないフリをした】
【梨花には何かあるのかもしれない。だが彼女が望まない限りは自分から踏み込むことはない。それがディックの信条だった】
【ただ誰かが必要としたときにだけ、必要とした役割をこなせればそれでいいのだ】

【何となく、ディックは梨花から視線を外して夜空へと向けた。イルミネーションで輝く観覧車が彼の目に留まった】
【相変わらずディックには何のための建造物なのか分からなかった。しかし目に留まったからには何か意味があるのだろうと考えた】
【彼が偶然梨花と路地裏で出くわしたときのように、偶然に意味を求めるのがディックの癖だった】

 おい、あれなんだ? なんか回ってるが

【ディックは観覧車を指差しながら梨花に聞いてみた】
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2015/02/16(月) 22:23:08.09 ID:f7mgI5C2o
>>51

【なによ、意外とアッサリした受け答えね。そんな風に梨花は膨れて居る自分に気が着いた。】
【と、言う事は彼に何か言って欲しかったのだろうか。そういう、救いの様なモノを、彼に求めていたのだろうか。】
【だとしたら、それはあまり良い事ではなかった。自分はただ、溜まった鬱憤を"仕事"以外の方法で発散したかった、だけなのに。】


 (……心のどこかでは? 私は自分が、誰かに何かをして貰うのを、……いいえ。)
 (そんな筈、ないわ。だって、私は私。霧野梨花であって、霧野梨花ではない存在だもの。)
 (そんな事……望む資格も、ない。なのに……なんで、だろう。今私は、確かに彼に―――……)

 ……ん? ああ、アレは―――……っふふ。なによ、もしかして観覧車も知らないわけ?
 卑猥な言葉と"アダルトグッズ"の名称は知ってるのに、ヘンな所で知識不足ね、アンタ。
 観覧車、っていうのは、そうね……バカと煙は高い所が好き、っていう言葉を体言してる乗り物よ。

 別に速いわけでもなければ、スリルがあるわけでもない、ゆっくりゆっくりゴンドラが上昇して、
 そしてまた元の場所に戻っていく、時間をかけて上昇と下降を繰り返すだけの、退屈な乗り物。

 ま、乗ってるのは概ねバカか、もしくはカップルか、まあ要はバカだけね。
 

【余り―――激しくない乗り物には興味がないのだろうか。】
【梨花は気に入らない、と言わんばかりに散々扱き下ろしてから、ディックの方をじっと見つめて。】


 ……でも、アレならアンタも怖がらずに乗れる、かも。
 なんたってトロいし、それに景色をゆっくり愉しむ為のモノだからね。
 折角だから、"バカ"になって乗ってみる? っていうか、もうバカだったか、あははは。

【偶然だったのかもしれない。別に、梨花もそこまでして観覧車にこだわりがあるわけでもない。】
【むしろ退屈な乗り物だと思っているくらいなのだが、今日始めてディックが自分から興味を示したのが、アレならば】
【最後の最後くらい付き合ってあげるのも悪くないだろう。そんな風に考えていたのかも、しれない。梨花は彼を観覧車に誘った。】
53 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/16(月) 22:38:30.22 ID:aalDD2QPo
>>52

 ふーん……

【梨花の解説にディックは気の無い返事をした。説明を受けてもやはり存在の意図が分からなかった】
【もちろん梨花の解説ではバカが乗ることと速度が遅いことと高いことしか分からないがそれはさておき】
【梨花にバカ呼ばわりされたディックは口を尖らせるのだった】

 ふん。それならお前もバカだからバカ同士に似合うものってことじゃねえか、バーカ
 ……まぁ物は試し、か。目に留まったのも“運命”ってやつだろ。もう臨死体験はゴメンだしな

【自分がバカではない、という反論ができなかったディックは梨花もバカだということでバランスを取ることにした】
【ベンチから立ち上がって離れた場所に見えた観覧車へと歩き始める。園内の喧騒も昼間と比べれば和らいでいて人も疎らになっていた】
【夜風を寒く感じてディックは少し肩を震わせた】

【ディックと同じようにイルミネーションに目を引かれたのか、観覧車の列には若干人が残っていた】

 ……バカ多くねえか?

【列を見たディックは素直な感想を口にした】
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/16(月) 22:43:41.31 ID:DI2mIpdN0
>>48

【ころん、と、靴底を転がす音がして、またひとつ、人影が画面の前に立ち止まった】
【じっと見つめる目は左右で色が違っていて、画面に向けてきょろきょろと動かせば、どこか不思議な感じがする】
【凄惨なニュースを見るには些か気の抜けたような顔は、ただ、最終的には小難しい色で、むっと口元を噤み】

あ……、

【来たときのようにふらりと消えてしまおうとして、ただ、その足は場に留められた。なぜなら、聞こえてくる声が、】
【たった今テレビで見た“知り合い”の名前を呼ぶものだから。“彼”の名前くらい、ニュースをよく見るひとなら知っているだろうけど】
【それでも知り合いの名前が街中で聞こえてくると、ふっと振り返ってしまうものだ。そんな様子で、】
【じっと夜色の少女を見つめたのは、こちらもまた、少女。あどけなさを多分に残す顔、丸い眼をぱちぱちとさせ】

【知り合いなのかと思って。なんとなく興味が湧いて。失礼だしよろしくないことだが、少し、電話に向ける声を、――】
【浮気、ハート型、ここまでは理解できた。残念ながら、皮膚を剥ぐとか、針がどうこうとか、そういうのは理解できずに】
【聞き耳を立てる前とあとでは圧倒的に表情が違う。嬉しくない感じのビフォーアフター、劇的とまでは行かないけど】

え……、……お父さん、大丈夫なの――?

【ぽそっと紡いだ声が夜を震わす。鈴の音とよく似た声だ、櫻のほうでよく見かける、まるくって、銀色で、ちりちり鳴る奴】
【鈴の音の声の少女は、思わず、という様子で数歩夜色の彼女のほうへと距離をつめる。それで、そう、尋ね――】

【――真っ黒い髪の少女だ。髪はどこまでも黒く、それで、ひどく丁寧な三つ編みを一つだけあしらって】
【瞳は黒赤の色違い。右耳にしているピアスは、月白色の宝石――その実、宝玉の欠片――をはめ込んだ、片方だけのもので】
【赤色のワンピースに赤色のショートコートと赤尽くめ、首のうしろでもったりと膨らむフードに、髪の毛はくちゃらっと捕まっていて】
【コートの裾から一気に広がるスカートはパニエやらで膨らんで、まるっこく。押せば凹むようなシルエットを作り】
【足元は薄手のタイツとロングブーツ、ヒールが高いのが特徴的で、ヒール分を合わせれば、それなりの身長になる、が、】
【その顔を見れば、成人済みとは間違えられないような感じをしていた。よくて、――よくて、高校生くらいの、】

あ……――えっと、こんばんは、

【――自分から話し掛けたくせに気まずくなったらしい。だって、ほかのひとの、家族のことで、】
【(しまった)というような顔をしているが、大分遅い。困ったようににこにこ笑ってみせると、あどけないのがよく目立ち――】

/まだいらっしゃいましたら……
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2015/02/16(月) 22:58:16.52 ID:f7mgI5C2o
>>52

【まあ、バカといえばバカなのだろう。成績も決して優秀な方ではないし。】
【成績が優秀だったら少なくともテストの結果が振るわなかったのを参考書に八つ当たりなんて事はしない筈。】


 バカ同士なのはまあ、認めてあげるわ。私勉強好きじゃないし。嫌いだし。
 でもねえ、"お似合い"ってのはなーんか気に入らないわね、同じバカでも差があるのよ、差が!
 アンタは変態オッパイ聖人煩悩バカ神父、私はただのバカ学生。これくらい差があるわ、一緒にしないで欲しいわね。

 ―――とはいえ。こうやってちゃっかり並んでみると、バカの多さに呆れ帰るわね。
 もしかして、世の中ってバカの方が多いんじゃないかしら。あんまり見ちゃダメよ、神父?
 これ以上バカになったら大変だもの。……ま、本当は閉園間際だから観覧車に人が集まってるだけ、なんだけどね。

 最後はこれで〆、って人が多いのよ。
 ライトアップされた園を上から見るのがデートのお決まりコース、ってわけ。
 どいつもこいつも考える事は一緒で有触れた人生送ってて、まあ面白みにもユーモアにも欠けるけど、ね。

 
【散々貶しまくって、またまた周囲のカップルからいや〜な目で見られること数分。】
【ディックと一緒に赤のゴンドラに乗り込むと、二人はゆっくりと、そして着実に上昇していく―――。】

 ―――お〜。結構キレイなのね〜、あ、あれがさっきのオバケ屋敷か……いつか爆破してやる……

【中間地点に差し掛かった辺りでもう、園を一瞥できるほどの高さには着ていた。風がびゅう、と吹き込むと】
【古くなった観覧車のゴンドラがこれまたいや〜な音で軋む。勿論、壊れる事はないと思うが。】
【見下ろした園内は冬の冷たさを象徴するような青い光でライトアップされており、宛ら星の瞬く夜空のように澄んでいた。】
56 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/16(月) 22:58:56.73 ID:f7mgI5C2o
/ごめんなさい、>>55>>53です。
57 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/16(月) 23:04:28.68 ID:XrXhBjhDO
>>54

【ちりちりと鳴る鈴。こちら側に向けられた視線。じっと近づいてくる気配】
【それら全部をひっくるめて知覚すれば、流石に鈴の彼女の方を振り向かざるを得ない】
【さらには彼女からかけられた言葉を聞けば、「会話を聞かれた」ことがはっきりと分かるのだ】
【まさか──そう、こんな大声で電話してたくせにまさか聞かれていたとは思わなかったのだろう】
【かぁ、と少し顔を赤らめれば、恥ずかしそうに苦笑いを浮かべた】


……は、ははははは、は、は、は、は、は
あ、えっと──み、見苦しい、いや、聞き苦しいことを聞かせてしまった、な……
いや、その、「よくあること」なんだ、うん、本当に
あの人浮気性で、うん、お父さん、懲りないから……
この間は浮気バレ100回記念に蝋燭立てたケーキプレゼントされたらしいし……あ、はははは

そ、それにお父さんはしぶといからな!
いくら「自分できっちりハート型に皮膚剥ぐ」ことを命令されて、
しかも「動きを1分以上止めたら身体に針刺される」なんてことをお母さんにされたって
多分、し、死なないだろうな……だ、大丈夫かなあの人……


【 浮 気 の 代 償 が ひ ど す ぎ る 】

【なんだかもう、一歩間違えれば拷問である。むしろ既に拷問だ】
【さらにそれがどっかのカノッサとスパイの話でなく、一般のご家庭のご夫婦の話なんだから恐ろしい】
【ご近所さんは通報しないんだろうか。むしろ怖くて通報できないのだろうか】

【──まぁこんなことを夜色の彼女は話す。多分両親へのフォローのつもりだが、全くフォローになってない】
【拷問内容を話し終わってやっと、両親へのマイナスイメージを他人に植え付けかねないことに気付いたのか】
【彼女はあわわわわわ、と慌てたような表情を浮かべるのだ。バカなんだろうか】

/途中で翌日以降に持ち越す可能性高いですが、それでもよければー
58 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/16(月) 23:14:30.34 ID:aalDD2QPo
>>55

【恐らく園内最後の行動となるこの場でもまだ周囲の人間を言葉の暴力に晒す梨花に、やっぱりディックは苦笑した】
【口の悪さでは引けを取らない神父だったがここまで対象に貪欲ではなかった……胸の話は別だが】

【ゴンドラに乗り込んで以降、ディックは口を閉ざしていた。景色を見ながら、彼はあることを考えていた】
【園内の綺麗なライトアップも視界に入っていたが実質見ていなかった。元々、そういったものに感動する方ではないのだが】
【隙間から風が吹き込みゴンドラが軋む音と共にわずかに揺れると、ディックの肩がそれ以上にびくっと震えた】

 ……お、落ちねえだろうな

【ジェットコースターから始まる経験の数々がすっかりディックにはトラウマとなっていた】
【そのせいで深い思考に陥っていた彼の意識は引き戻されてしまった。改めて少し考えてみるが、やはり他に答えはない】
【息を吸い、吐き、意を決してディックは口を開いた】

 ……前にお前が言ってたこと、俺なりに考えてみたんだが、な

【往生際の悪い心が中途半端なところで彼の言葉を止めてしまった。ディックの瞳が顔色を伺うように梨花に向けられる】
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/16(月) 23:19:46.72 ID:DI2mIpdN0
>>57

【さらに言うなら、この鈴の少女、どこか人間と違う気配がした。それはほんの些細で、僅かな違和感だけど】
【チョコレートの中にほんの少し洋酒を混ぜてみたんですけど、分かりますか? ――なんて、そんな程度でしかないけれど】
【ほんの少し赤くなる頬を見て、尋ねてしまって、こっちも顔を赤くしている。真っ白な肌に、ぱっと朱が差し】

よくあること……なの――? そっか……、……。
で、でも、――そんなに浮気しても、別れちゃわないんだよね? だったら……、

え――っと、……その、“だいじょうぶ”、なのかな――?

【困った顔ではわわはわわしているのだった。自分で尋ねておきながら、あんまり、気の強いほうではないようで】
【よくあることなのだといわれれば頷くし、お父さんはしぶといのだと聞けば納得した顔をするし、とにかく、】
【そういう方面に許容範囲の広い人間――なのかもしれなかった。最終的には、好きあっているなら、なんて、呟き】
【或いは変な方向に頭に花でも咲いているのかもしれないが。とりあえず、“そういうものなのだ”と、彼女は頷きひとつ】

でも……自分でやるの、きっと、痛いね――。わたしだったら、ヤだな……。

【それからぼそりっと呟くのだ。否定はしない、しないけれど、自分がやるかといえば――多分、否】
【ああそれとも強制なのだろうか、だったら、やってくれたほうが“好き”なのに……なんて思考は、心中でだけ】
【鈴の音の声は低めに紡ぐとそれはそれで別の音色の鈴のようになる、気まずくついっと逸れた視線が、ふと、テレビモニタを捉え】

あ――、あのひと(カニバディール)のこと、知ってるの? 

【低い呟きのせいで、下手したら場面の空気はお葬式状態。それを危惧したのか、いたたまれなくなったのか】
【急にぱっと元気を取り戻した少女は、そうなのあれあれなんて感じに、設置された大画面を指差して、】
【その中に映る、人物を指差す――それは、さっき、夜色の彼女が名前を呼んだ人物、そのひとであり】

【なんだか街中で少女で二人で変な邂逅をしている。通りすがる人々は、立ち止まったぎりの二人を見て、】
【なんとなーく邪魔そうな目を向けたり、全く一目すらせず通り過ぎたり、――まあ、いつものとおりなのだった】
60 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/16(月) 23:35:04.72 ID:f7mgI5C2o
>>58

【この遊園地も創設から大分経つ。その中でも、今ではすっかり老朽化したこの観覧車は】
【開園当初からずっと置いてある目玉の一種だ。尤も、現在ではジェットコースターの方ばかりに人気が集まり】
【以前はこの観覧車にも連日のように人が賑わっていたのだが、今ではそれほどでもなくなっていたのもまた事実だった。】

【―――当然、そんな昔からあるアトラクションの一つなので、矢張り古いだけあって】
【結構な勢いでガタガタ揺れる。ジェットコースターとはまた違った意味で、恐怖を味わえた。】
【もちろん、梨花の方はといえば、思っていたよりはスリルを味わえる観覧車に若干喜びを覚えていた。】


 落ちる? っははは! そんなわけないでしょー、流石にそれはないわよ。
 古いって言ってもメンテナンスはちゃんとしてるだろうし……事故でも起きたら一発で閉園でしょうから。
 向こうも向こうで命懸けの筈よ、だから心配しなくていいと思うわ。アンタもびくびくしてないで、もっと景色を―――……

 ……はぁ? 前に言ってた事、って……、

【梨花の表情は少し驚いたものに代わった。以前のそれ、というと―――あの愚痴を吐き出した時の、あれか。】
【まだあんなものを覚えていたというのも驚きだし、それをこのタイミングで言う、というのにもびっくりしていたのだった。】
61 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/16(月) 23:36:33.06 ID:f7mgI5C2o
/すいません、もう本当に終盤も終盤だと思うのですけど
ちょっと時間が遅くなってしまったので、明日の午後に延期でも大丈夫でしょうか。
2時過ぎ頃からお返事できると思いますので、宜しくお願いします。
62 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/16(月) 23:37:28.24 ID:XrXhBjhDO
>>59

【──鈴の彼女の気配。それは、道行く人々の気配に紛れ、流され、薄れていく】
【多少の違和感は、あった。だが、首を傾げ、うぅん?と思う程度】
【そもそも今の心配事はわりと「お父さん」のことであって……】
【──さらにまた、テレビの中でカニバディールの名が繰り返される】
【そうして、鈴の彼女に対する僅かな疑問は、他の様々な要因により頭の奥に押し流されることとなる】


……う、うん……。なんだかんだで、仲、いいからな。お父さんも、お母さんも
離婚は、しないと思うし……喧嘩しても家の壁が壊れるくらいで……う、うん!
お父さんもお母さんも、大丈夫だと思う。勢い余って、なんてのはしない、と、思う、ぞ……?
浮気するのもされるのもお仕置きするのもされるのも趣味みたいな人たち、だし──
そりゃ、私だって皮膚剥ぐのはイヤだが、な……はは


【──どうも彼女の両親はマジでその、いろんな方向で許容範囲がだだっ広いらしい】
【普通なら離婚どころか通報からの訴訟モノである。夫婦の多様性って恐ろしい】

【……が、ひとしきり苦笑いをして再びテレビの中に話題が移れば、こっくんと少女は頷くのだ】
【今度は苦笑いでなく、どことなく楽しそうな笑みを、浮かべていた】


ふ、ふふん。知ってるとも! また会いたい相手でもあるな!
はっきり言えばあいつのこと、詳しく知らない。詳しく知らないからこそ、また会わなきゃいけないんだ
なーんか悪いことしてるし小さい子どもと一緒にいるしで……気になるだろう?
でもこの騒ぎがあって……だいたい廃の国ってどこなんだろうな?


【──カニバディールに対する敵意は、見つからなかった】
【会いたいだのなんだのとごちゃごちゃ言っているが、友達という雰囲気でもなさそうだ】
【かと言って、仇敵という気配はまったくない。一番近いのは、「隣に座ったクラスメイト」的関係か】
【そのクラスメイトがわけわからんことをしているから、首突っ込んでるなう、というのが少女の現状なのだろう】

【「──お前は、知り合いなのか?」】
【そう言って、彼女は相手に聞き返す】
【目の前の鈴子ちゃん(仮)が、あの肉触手さん(仮)と知り合いだとはあまり思えなかったからだ】
63 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/16(月) 23:38:40.13 ID:aalDD2QPo
>>61
//了解です。おやすみなさい
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/16(月) 23:50:14.48 ID:DI2mIpdN0
>>62

【正直なところ、彼女も、結構爛れたりしていた過去がある。爛れていたというか――いかれていた?】
【好きなひとに傷をつけてもらうのが好きな性質だから。結局、深いところでは、少女の両親のことを否定など出来ない】
【今では手首に包帯を巻く必要も、首筋を隠す必要も、ないけれど。――だからといって、“病気”が治ったわけではなく】

……でも、ちょっぴり、羨ましいな――、そんなに好きなら、いいね。

【結局は、「猫飼ってるの? いいなあ、わたし猫好きなの」みたいなノリで、そんなことを言うのだった】
【皮膚を剥ぐのも結局ややってくれるならいいかな、とか、思っている辺り。多分――レベルは違えど、同類、みたいな、】

廃の国――? あ、えっと、新聞に書いてあった……かも……。
わ、たし、……その、学校のお勉強って苦手なの、ぜんぜん、分からなくって――だから、分からないけど、
遠いところ――だよね? この辺じゃないよね、だって、聞いたこともないし……。

……カニバディールが子供を連れてたの? ……ふうん、そうなんだ……。

【どうやら目の前の彼女はあのひとと知り合いらしい。それにしてはずいぶん明るいというか、元気というか、】
【機関のひとだったよなあなんて思いつつ、自分も似たようなものかとふと思う。だって、彼女も、敵意とかではなく――】
【それより廃の国ってどこなんだろうなんて首をかしげていた。もし中学校で必修だったとしても、彼女は知らないのだ】
【なぜって、学校に行っていないから。学校に行く年齢の頃には――いろいろあって、そんな場合では、なかったから】

【――彼が子供を連れていたと聞けばもっと深く首をかしげることになる。「ほんと?」なんて尋ねるように、目が瞬き】

あ――うん、知り合いなの。結構前に、初めて会って……。
……でも、ね、きっと、もう、会えないや。……わたしね、UTのひとになったの。
だから、もう、会っちゃ駄目だと思う。嫌いじゃなかったけど――、わるいひと、だもんね、……。

【子供かあなんて風の顔をしてもう一度テレビモニタを見つめる、だけど、そこに、子供の姿は見出せず】
【だけど目の前の少女が嘘を吐いているようにも、その意味も見出せず、曖昧に信じた頃】
【知り合いなのかと尋ねられれば、そうなのだと大人しく頷くのだ。「あ、悪いことは、してないよ」なんて付け加え】
【――もしかしたら、夜色の少女は、この少女の顔や声を知っていたかもしれない。少し前、テレビのCMで】
【それも、UNITED TRIGGERのCMに。出ていた少女だ、――件のリーダーの影に隠れっぱなしだったのは置いておいて、】

…………あなたはどこで会ったの? 

【――どうやら、同じような疑問を持ったらしい。こんなに元気そうな子が、どうして遭遇したのかって、それが気になるように】
【似た質問を投げ返す、息が真っ白に解けて――少しだけ真面目めいた顔を、そっと撫でた】
65 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/17(火) 00:12:14.02 ID:xrHXK0cDO
>>64

【羨ましいな、などと言われれば、素直に彼女はそれに同意する】
【仲がいい。彼女の両親はつまるところ、その一言に集約されるのだ】
【死が2人を別つまで──それどころか、死んだ後だって一緒じゃないのかだなんて、思っていたりする】


……なんか、使われなくなった国、らしい
学校で習ったような、そうでないようなって感じだな
少なくともこの近くじゃあないだろう。だったら、もっと騒ぎになってるし


【まさか相手が、義務教育を終えていないだなんて思わず話題をさらりと流してしまう】
【そもそもが使われていない国。知らなくっても問題ないし、地歴公民だなんて苦手な人種はいくらだっている】
【むしろ気になるのは、鈴の彼女とカニバディールとの出会いであり──】


……うん? うん、子ども、連れてたな。ベティって金髪の子だ
ちょっと見た目変わってるけどな……

そ、それにしても、お前UT──あ、ぁああああ!
みたことあるぞ! きわどいカッコで宣伝してた子だ!
わぁこれは大スクープだな、私有名人と話してるのか!
これはお父さんに後でメールしないとな! わぁ、後で一緒に写真撮ってくれないか!?


【……どうも、彼女の中では テレビに出てる=有名人 らしい。田舎者め】
【なんだか俗っぽい反応を思いっきり返し、きゃっきゃっと一通りはしゃぐのだ。なんか、子供っぽい】


あ、私か?うん、その、ベティって子に着いてったら、会った
いやー、見た目はビビるな!さすがカノッサ!って感じだな
でもビビりっぱなしってわけにもいかないからな……ふふん!

あ、そうそう、UTの人なら、「ベイゼ」ってやつ知ってるか?
なんかカノッサ機関のやつが追ってきてるらしいからな、忠告しておきたいんだ
ベイゼってやつは、元々カノッサ機関なんだろう?
裏切り者を制裁する、J.J.アンブローズってやつが狙ってるから、気を付けろって……あぁ、もし知り合いだったらの話だぞ?


【まるで犬のような少女であった。知らない人についてっちゃいけないとか、両親に言われなかったのだろうか】
【しかもわりとあっさり、カニバディールとの出会いを言い流す】
【もしかしなくっても、彼女にとっては出会いの状況はさほど重要ではないらしく】
【──むしろ、鈴の彼女にとって重要なことを、突然言い出すのだ】
【ベイゼ。確か、今UTに身を置いている、カノッサ機関の人間だったか──】
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/17(火) 00:26:57.81 ID:2z2QAzXK0
>>65

【使われなくなった国。そういったことは新聞にも書いてあった気がする、「ふーん」で終わらせてしまったが】
【結局無法地帯ということだろうか。例えば、路地裏が、そっくりそのままの雰囲気で国になったような――イメージ】
【だとしたら大変なところだなあ、なんて思っていた。そんなところが傍でなくてよかったと、彼女はちいさく呟き】

ベティ……、女の子なの? ふうん、……カニバディールの、子供、……じゃないよね?
子供とか、居るのかな――結婚してないと思うけど……。……似てた?

【なんだか発想が飛躍している。見た目が変わっていたという点は思考には関係せず、ただ、】
【その子供とカニバディールの関係が気になるとばかり、少しだけ目を輝かせるのが、女子たるゆえんなのか】
【似てた――?なんて尋ねた。そして、そんなところで、いきなりはしゃがれて。きらついた目は、急にきょとんと点になり】

え、えええ、有名人じゃないよ、わたしなんて、その、なんでもなくって――。
せっ……セリーナのほうが有名人なの、すっごいんだから、その、その、セリーナは凄いの!

【すぐにぶんぶんと首を振って、逃げ出すように後ずさる。それでもたかが数歩、気付けば顔を真っ赤にした彼女は、】
【自分よりセリーナのほうが凄いのだというのを連呼しだす。なんでも、この少女の案でUTは】
【孤児や浮浪者、お金のないひとたちのための、無料の食事処――を始めたとか、そんな、CMだったか】

【――ちなみにカメラは苦手な性質だった。魂が吸われるから(真面目)】

あ――でも、昔は、普通のひとみたいな感じだったんだよ。えっと……、あのひとより、おおきかったけど……。
……へびさまよりも大きいかな? おっきいよね、わたし、おっきいなーって、ずっと思ってたの――。

…………え、ベイゼ? 知ってるよ、一緒にお仕事してるの。ベイゼってね、お酒のこと、すっごい詳しく、て――。

カノッサのひとが? なんで? ……カノッサ機関なんだろう、って、
カノッサだったの? え……、――その、あんまり、昔のことは、聞いてないの、……。
……わたしも、聞かれたら、あんまり、嫌だし――だから、その、よくは知らない、けど――……、

……――カノッサのひとが追いかけてるって、なあに?

【最初はずいぶんとのほほんとしていた。どうやら元は彼も人間らしかったよう、大きかったのが特別に印象的だったらしく】
【だけどどんどんと人間味を失っていく過程も、飛び飛びではあるが追いかけていた。なぜだか利害の一致した二人、】
【ただそれだけの理由で殺しあわなかった二人――、だけど、彼女にとっての問題は、“彼”の話ではなく】
【というかカノッサだったというのもあんまり明確に聞いた覚えはない。なんとなく傾向として悪人だった、程度には知っていても】
【彼女にとってはそれでよかったし、自分の昔もあんまり知られたくなかったから、何の問題もなかった。だから、だけど、】

【過去に繋がっていた糸を誰かが辿っているなら。教えないと、いけなくて】
【後ずさった距離を再びつめながら、声はさっきよりもずっと真面目だ。どうやら、大切に想うひとのようだ】

【――そろそろ立ち話では済まないのかも。どこかに移動するといえば、彼女は、きっと、従うはずで】
67 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/17(火) 00:45:35.59 ID:xrHXK0cDO
>>66

【「うぅん、確か、カニバディールの子供じゃ、ないぞ。そんな話をしてた気がする」】
【カニバディールともベティとも1度しか会っていないのだ】
【詳しいことを聞かれても、そのくらいしか答えることは出来ない】
【……カニバディールやベティに関し知っていることが、あまりに少なすぎて】
【ぎり、と彼女は悔しそうに歯ぎしりする。ひどく、悔しそうに】


……いや、宣伝見たけど、お前すごいぞ?
あぁいうのはなかなか出来ることじゃない!
私も似たようなことをしているけど……さすがに、無料の食堂は発想がなかったな!
……すごいんだ。ああいうこと、実行するのは


──それにしても、少し、話が大きくなってきたな
こんなところで立ち話もあれだし……ファミレスにでも、行かないか?
もちろん、お前が行きたいところがあるんなら、そこに行くが

とにかく──落ち着いたところで話そう
カニバディールのことも、ベイゼのことも。順を追って


【彼女の真面目な雰囲気を察したのか。どこか店に入ることを、彼女は提案する】
【たくさんのことを、話したかった。たくさんのことを、聞きたかった】
【そのためにも──必要なのは落ち着ける場所だと思ったのだ】

【相手がどこか、落ち着ける場所を知っているなら勿論相手についていく】
【しかし相手からの提案がなければ、彼女は宣言通り近くのファミレスに入ることだろう】

【「──あぁ、そうそう。私はリーべ。リーべ・エスパス」】
【「ふふん。自己紹介くらいは、してた方がいいだろう?」】
【──移動する前に、彼女はそう言った】
【確かに、込み入った話をするのに互いの名前すら知らないというのも妙な話だった】

/ごめんなさい、そろそろ眠気がきました
/明日明後日はレス出来るかわからないので、置きレスにしていただければ、と
/木曜日からは夜から安定してお返しできるとは思います
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/17(火) 00:48:04.84 ID:2z2QAzXK0
>>67
/了解ですっ、それじゃあ置きのほうにレスお返ししておきますね
/ひとまずおつかれさまですっ、おやすみなさいですー
69 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/17(火) 00:50:36.05 ID:xrHXK0cDO
>>68
/お手数おかけしまっす
/では、ひとまず今日はお疲れ様でした、ありがとうございました!
70 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/17(火) 01:21:05.31 ID:W0ircjiKo
>>60

【ディックの眉には徐々に縦皺が寄っていった。別に言わなくてもいいのではないか、むしろお節介なのではないか】
【様々な疑念が彼の頭に浮かんでは消え、ていかなかった。残ったままだった】
【しかしもう言い出してしまったからには後戻りはできない。ディックは溜息をついて、更に続けた】

 いや、あの学校が嫌だと、行かなくてはならないのは理解してるが納得がいかないって、あれだよ
 一応、あれから少し考えはしたんだ。どうやったらお前の苦痛が取り除けるのかってな
 ……か、考えはしたんだ

【ディックの口は更に言い淀む。彼はこの続きを言いたくなかった。あまりにも情けない結論だとわかっているからだ】
【思わずディックは梨花から視線を外して窓の外へと向けてしまった。窓に反射する彼の顔には苦悶が浮かぶ】

 ……やっぱり、お前の苦痛を完全に取り除く方法は見つからなかった
 苦痛は苦痛のままにしておかないと、その手のことは目的を達成できなくなっちまう

【ディックの口が強引に動かされているかのように開き、苦しげな口調で呟いた。実際、彼の信条が感情をねじ伏せて彼に言わせていた】
【結論は、前回と全く同じだった。何度も言い淀んでいたのはそれが理由だった。だが話はそれだけではなかった】

 もしも、俺から何か出来ることがあるとしたら……いや、もうお前はやってはいるしそんなことは分かりきってるだろうが……
 つまりわざわざ言うようなことではないんだが………………

 そう……つまり、こういうことなら、俺でも付き合えるってことだ
 お前の苦しみを完全に取り除くことは俺にはどうしてもできない。他の奴なら分からないが、ともかく俺にはできそうもない
 ただ、その代わりにはなってないだろうが、お前の愚痴を聞いたり、気晴らしに付き合うことぐらいなら、俺にもできそうだ

 それぐらいしか、お前の苦しみを軽減する方法が思いつかなかった……

【喉まで出かけた謝罪の言葉をディックは飲み込んだ。謝ったりするのは梨花にとって良くない気がしたからだ】
【既に手遅れだったかもしれないが、彼なりに一応押し付けがましくならないようにはしている、つもりだった】
【言い終わってからも、彼の表情から苦悶は消えなかった。これで良かったのかと、言い終わってもまだ苦悩していた】
71 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/17(火) 14:55:31.62 ID:0z4JteK20
>>70

【渋っている―――というよりも、言うか言わざるか測りかねている、そんな所だろうか。】
【彼の表情が先程までの激昂している時の其れや嘲り笑う時の其れと違う、真面目な物に変化しているのを見て】
【梨花の方もなんだか眼を合わせづらくなって、湿った雰囲気を突き放す様に外へと視線を向けた。空には星が出始める頃だ。】


 ……ふーん。考えてたんだ、アレのこと。


【自分としては、そんなに重い話をしたつもりでも無かった。勿論、本音は本音だったし】
【今だってこうして思い出すと憂鬱にはなるの、だが。それでも、たとえいくら悩んでみたところで】
【答えが変わる訳でも、解決策が見つかる訳でも無いのだから、もう考えるのは止めようと思っていたからだ。】

 
 ……でしょうね。無理に決まってるわ、こんな問題を解決するなんて。
 誰かがどうにか出来るなら、誰も大人になんてなろうとしな――――――――――。


【だから、彼が自分と同じ結論に辿り着いた、という事には少し安心していたし、同時に】
【やっぱりそうだよね、と少し悲しくもなっていた、のだが。続く彼の言葉には少なからず、驚かされて。】

 ―――……。

【思わず、言葉を失う。この男は、こんな目にあってまだ、尚もまだ、"付き合う"と言っているのだろうか。】

 ……軽減、する。

【無くせない痛み。だが、それを緩和する事くらいなら、きっと出来るだろう。】
【其れは多分、決して消えない、癒えない痛みを持った梨花にとっては、凄く新鮮で、そして】
【うっかりしているとその、甘美な魅力に虜になってしまいそうな―――そんな、"対症療法"であった。】


(―――そんな事……あって良い筈が、でも、……そんな風に言ってくれる人は……、)

 ……私は……、その……。べつに、アンタにそこまでして貰うつもり、は……っ


【少し、二人の間の会話がズレてくる。梨花はもう、単に学校が嫌だ、という何かを通り越して】
【自分の抱えたより深い闇に光を当てる方法を―――その片鱗を垣間見てしまって、酷く動揺した。】
【だから、「じゃあ振り回してあげるからその気で宜しく」と、いつも通りの言葉すらも、出てこなくて】

【梨花は考えていた。もしかしたら―――忘れる事や消す事は出来なくても。】
【誰かがいれば―――いや、こんな事、考えたらダメになる。梨花が、梨花でなくなっていく。】
【苦痛は消せない。なら、軽減してやれば良い。そう、それは何も、普通の"悩み"だけに言える事では無いのだ。】

【深い深いトラウマや悪夢にも、自分なりに向き合うとしたらそれは、きっと―――。】


 ……っ、いい、いいわよ!! あ、アンタにだって迷惑でしょうし、それに、そんな……っ、
 あ、あんた神父でしょ! 仕事っていうか、職務があるんだから、そんなに身を骨にするみたいな、だから、その……。

【観覧車が頂上を過ぎる。あとはもう、降りて行くだけだ。】

/遅くなりました、いらっしゃいましたら宜しくお願いします。
72 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/17(火) 15:39:56.71 ID:QtLkBlzwo
>>71

【今日起こった全てのことはディックにとって経験したことのないものだった。同年代と話す機会は皆無といっていい】
【行動を共にすることなど尚更だ。確かに振り回されていたが、決して不愉快なものではなかった】
【何故なら、梨花が楽しそうだったからだ。ディックにとっては自分の行動で誰かが助かれば、それで良かった】

【梨花の内心までは知る術はないが、彼女が動揺していることぐらいはディックも気がついた】
【それは予想外の反応だった。罵倒こそされなくとも失望ぐらいはされるのではないかと思っていた】
【梨花の反応は、それとも何か違っているように見えた。言葉を考えてから、ディックは梨花に顔を向けた】

 神父、だからだ。俺たちはいつも、何一つとして物事を解決しない、できない
 懺悔したところで悩みは消えない。祈りを捧げたところで現実は何も変わらない。この世界に神なんて居ないからだ
 それでも、俺たちが生きることそのものに苦しんでいる人々に対して、出来ることがあるのだとしたら
 それは、慰めと安らぎを用意することぐらいだ。僅かな間でも、その必要不可欠な苦痛の存在を、忘れられるようにすることぐらいだ

【ディックにとって梨花の否定の言葉は真反対の意味だった。彼は神父だからこそ、彼女を助けようとしていた】
【ディックの拳は握り締められていた。彼の心は無力感と罪悪感に苛まれていた】
【梨花にとって彼の言ったことが何かを通り越したように、彼にとってもまた、ただ同年代の相談に乗るというだけのことではなかった】
【不可避の苦痛をどうするかという、至上命題だった。誰もが諦めるようなことでも、彼にとってだけは諦められない命題だった】

 ……苦しまなきゃいけないのは、辛いからな

【ディックの口から彼の意思とは無関係に言葉が吐き出された。彼の目はここではないどこかに向けられていた】
【浮かんだ記憶の情景をディックは首を振って振り払った】

 俺みたいなクズじゃお前の助けには不十分過ぎるだろうが、もしも他に居ないなら、俺の時間は差し出せる
 ただそれだけのことさ。それも、お前が必要なら、だ。不必要なら、忘れてくれ

【卑下混じりの言葉で終えて、ディックはまた窓の外を見始めた。彼の視界に広がる景色は、暗く沈んでいた】
73 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/17(火) 16:06:00.73 ID:0z4JteK20
>>71

【傷つきながら、生きて行く。人間は誰しもそれを宿命づけられているかの様だ。】
【身体に傷を負い、心に闇を抱え、魂がどこかで救いを求める。そんな状況で、それでも生きて行く。】
【けどそんな覚悟は誰にでも出来る物じゃない。だから、宗教がある。教えがある。縋っても良い場所が、教会がある。】


 ―――神父、だから、って……なに、なによその理由……!
 仕事だから、職務だから人の為にもなれるってワケ!? そんなの……!!
 そ、そんな人間いるわけないでしょ! いるわけがない!! アンタだって……違うでしょ……!?

 (煩悩まみれで、女相手に胸がどうだの直接言ってくる様な、そういう下種がアンタでしょう……!?)

 やめてよ、なんでそんな……っ……。

 (……やめてよ。憐れまないで。私は別に、救いを求めていたんじゃない。)

 ちがう、ちがうの、苦しいのかもしれないけど……っ、そうじゃ、なくって……!!

 (優しく……しないで。これ以上は、もう―――。)


【そんな、信念を感じさせる言葉が梨花に突き刺さっていく。】
【普通ならここで、少しは砕けた表情でも見せるのだろう。だが、彼女は恐れた。】
【彼の言葉が持っている温かさが、小さく見えた光が、眩しい。熱い。これ以上、触れていたなら。】


 (……いら、ない……っ、それは、私には…………っ!!)


【多分、崩れてしまう。けれども、簡単に抗える様な物でも無い。】
【彼の言葉が、只の口説き文句だったのなら、こんなには狼狽えなかっただろう。】
【でも、そうじゃない。この発言には、この言葉には重みがある。悲壮なまでの、覚悟がある。】


 ……ぁ……っ。


【何かを、言おうとして。梨花は何も言えない。ただ……俯いて、小さな声で呟く。】


 ……ぁり、がと。


【どんな物であれ。それが本気で言ってくれたモノならば。感謝はしなくてはいけないだろう。】
【梨花は揺れる心を抱えたまま、彼と同じ様に小さく拳を握りしめ。そして、観覧車が下に付くと同時。】
【耐えきれなくなった様に飛び降りて、そして遊園地を走りだす。ごめんなさい、とも呟きながら―――……。】


 (……ごめんなさい。ごめんなさい。けど、でも、ダメなの……これ以上は、もう……っ。)


【駆け抜ける。ディックを置き去りにして。その影が、遊園地の人ごみの中に消えていく―――。】
【後には少女のバックからこぼれた、なんだかあまり良い色をしていない"粉"の入った小袋が一つ、落ちているのみ。】


【―――梨花はもう、そこからいなくなっていた。】


/長くなりましたが、此方はこれで〆とさせていただきます。お付き合い頂き有難うございました。
74 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/17(火) 16:47:22.55 ID:QtLkBlzwo
>>73

【梨花の小さな呟きにディックは振り返った。その表情には小さな驚きが浮かんでいた】
【そのとき、彼は許されたのだと思った。小さな、何の解決にもならない手助けでも、させてもらえるのだと】
【しかし彼女は飛び出して行ってしまった。呼び止めようと名前を叫ぶも、すぐにその姿を見失った】

【何が起きたのか、彼は呆然とした。だが次の瞬間には理性が答えを返してきた──何かを、失敗したのだと】

 ……クソッ!

【ディックの拳がゴンドラの内壁に叩きつけられる。自責の念という怒りが彼の胸中に吹き荒れた】
【店員に急かされてディックは観覧車から降りた。園内は完全に暗くなっていた】
【冷えた夜風は頭を冷やしてはくれなかった。理性と感情がひたすらに己を責め立てた。どこで何を見逃したのか、彼には分からなかった】

【今日という日を彼は心のどこかで楽しんでいた。そのことさえも理性が責め立てた】
【もっとよく彼女を見ていれば何かに気づけたかもしれない。無力感に流されて彼女から目を背けなければ間違えなかったかもしれない】
【ディックの足が無意識に止まった。後悔の念が止めさせた】

 やっぱり俺じゃ、なぁ。普通の女子高生なんだから、もっとマシな相手がいるだろうしな……

【ディックの口から溜息が漏れた。立場の違いも彼の責め苦に加わった】
【もう一度歩き出そうとして顔を上げたとき、彼の視界に小さな袋が映った。それが梨花のバッグから落ちたことを思い出した】
【近寄ってその袋を拾い上げると、ディックの目が驚愕に見開かれた】

 こ、これは……まさか

【何故落ちているのか、何故彼女のバッグからなのか、ディックには理解できなかった。いや、したくなかった】
【袋を懐に仕舞い込み、彼は暗い園内を更に進んだ。せり上がる怒りに、奥歯を噛み締めた】
【梨花にではなく、梨花がそれを手に入れなくてはならない状況にディックは腹を立てた。それが例え好奇心であれ、何であれ】

 ……やるなら、かなり本腰を入れなきゃならなさそうだな

【彼の小さな呟きは夜風にかき消されていった。代わりに彼の脳裏で囁く声があった──これは運命だ、と】
【ディックはその言葉にさえ苛立った。他人が苦しむ運命など必要ないと思ったが声は消えなかった】
【彼はその小さな声に逆らうように道にあったゴミ箱を蹴り上げた】
【ゴミ箱は夜空に高く上がり、そして落ちた。中には何も入っていなかった】

//お疲れ様でしたー!
75 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [sage]:2015/02/18(水) 16:24:29.66 ID:aZNJxAahO
【路地裏】

──なんだろうな、最近鼓動が強く感じられる。

【黒いハットにインバネス。白い革の手袋の、中肉中背の青年が壁に寄り掛かっている。】
【そんなレトロな印象の彼の前には、1.5Mほどの『嘴』が先を上へ向けまるで鎮座するように佇んでいた。】
【青年はそれに掌を当てれば上記のように呟いた。──確かに、どくんどくんという心臓の響きが伝わる。】

【──自分の能力でありながら理解が深い訳ではない。嘴を出現させたら成長していて驚いたのも記憶に新しい。】
【──思い付いたように、嘴を開くように<Cメージをしてみる。】
【しっかりと嘴は口を開けた。呼吸も感じられる。】

(──そりゃぁ嘴だもんな…。)…、さてと…。戦うだけじゃなくて、こう、自分で鍛えた方がいいのかなァ…

【無造作にそこへポケットのあめ玉を放り込めば再び閉じて、嘴自体を消失させる。】
【──異様な光景の後で、彼は再び歩き始めた。】
76 :霧崎 ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/02/18(水) 22:48:00.78 ID:lC3rsHMBo
【街中】

【2月。ある国では邪気を払い、幸福を招くために豆を家中にばら撒き】
【ある国では義理を果たし、三倍返しを目論むために知り合いにチョコをばら撒き】
【ある国では春節である。春節?正月だよ正月】
【とはいえほとんどの行事は上旬で終わる。いや、あとひとつ残っている。一年分の大人の宿題】

ああ、やっと終わった…これで後は書類整理して…いいや、後にしよ
…それにしても何で税務署はいっつも混んでるの?…混雑するぐらいわかってることでしょーが

【ブツブツブツブツ言いながら眉間にしわを寄せつつ歩く女性。黒い長い髪を後ろで一纏めにポニーテイルにし】
【スクエアフレームのメガネ。服装はグレーにペンシルストライプの線の入ったパンツスタイルのスーツ】
【肩掛けのカバンにはノートPC、お菓子屋の紙袋には書類がぎっしり、脇に茶封筒も抱えて歩く】

こんな時間じゃ、飲み屋かチェーンしか開いてないし…帰ろ。パンケーキとか食べる前にブーム去ってったわ…

【溜息吐きつつ、ポケットからキーを取り出して電波を飛ばす。路肩のパーキングに駐車したヘッドライトが光る】
【綺麗に洗車された黒塗りのセダン。勿論、高級車で現行型のリミテッド仕様。スモーク窓に防弾仕様もある】
【書類束をトランクに入れるために後ろに回る。後ろは車が停まってなくてよかったと思っていた矢先】

……あれ?……はぁぁ…やられた……もうやだ…

【縦列駐車のリスク。テールランプがざっくり割られている。擦った後多数。凹み大。ボディもメンタルも】
【こんなに下手な奴が居るのか、わざとだろってぐらい後ろをガッツリぶつけられている。何処のどいつだ】

【取り敢えず、荷物を入れちゃおうと思い、紙袋を持ち上げると、底が抜ける。得てして、不幸は重なるものである】

…黒塗りスモークだからって逃げていいってワケじゃないのよ

【ストレスは既に過充電。心では半泣きだが、表情は作る気にもなれない。氷の様に張り付いた無表情のまま】
【一瞬、当たりを見回して(知り合いがいたら手伝わせるために)まずはトランクに書類を拾っては投げ込むことにした】
77 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/19(木) 00:04:45.47 ID:zy6MhkRXO

【繁華街】

【夜も眠らぬ街に吹くのは一陣の冷たい風】

【彼方に冷気が淀んだと思えば次は冷風の尾を引いて其方へ】

【道行く人々はその冷気に身を縮め何事かと冷気の元をたどる】

【其処にいたのは一人の少女。ハニーブロンドのセミロングに黒いブラウス、赤紫のパーカーを羽織り、紫色のスカートと赤茶色のショートブーツを履いた十五歳程の女の子】
【其方に美味しそうな食べ物があれば駆けて買いに行き、彼方に可愛らしい小動物がいるショーウィンドウがあればまた駆けていって黄色い声をあげて見てみたり】
【繁華街を駆け回るだけでも他人にぶつかりそうで危ないというのに、その身体は冴え渡った冷気を纏っていて】
【更に奇妙な事には、彼女が通ったり立ち止まったりした場所は地面が凍りついており】
【明らかに彼女の能力なのだろうが、少女自身は気付いていないようで】
【時折刺さる道行く人々の冷たい視線に顔を不快そうにしかめながらも次に見つけた場所に向かって駆け出す】


78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/19(木) 01:01:57.84 ID:JMZzO5mM0
【――――夜の公園。この時間にもなれば遊ぶ子供も居らず、静寂に包まれている筈だったが】
【今宵はブン、ブンと何度も風を切る音が響いていて】
【見遣ればいるのは栗色の髪をポニーテールに纏めた一人の女子生徒。歳は漸く高等部に入った程度であろうか】
【手にしているのは無骨な木刀。振り上げては振り下ろし、振り上げては振り下ろしなんて単調な作業をひたすらに続け――――】


「四十八、四十九、ごじゅ………じゅ……ぅ…………っ!!」

【回数は言葉に出していた通り五十回。額に浮かんだ汗を手の甲で拭えば、呼吸を整えるように一度深く息を吸って】
【長い吐息と共に木刀をその場に落とす事となる。最早拾うだけの気力も無くなる程に疲れたのか、落ちた木刀をそのままにフラフラとベンチに寄って】
【どっかりと腰を降ろせば項垂れるようにして身体を休める事だろう】


「つ、疲れたぁ…………。ううん、でも町の平和を守れるようになる為にはもっと頑張らなきゃっ!
本も読んで沢山研究したし、ぼくだって何時かきっと自警団の人達みたく……!」

【一人呟いたのは所謂将来の夢。大方自警団だとかの正義の味方に憧れでも抱いて居るのだろう】
【――――とは言え、素振りを見れば太刀筋はずぶの素人同然であり何より鉄芯の木刀でも無い物を50回振って疲労困憊なのだから実力もたかが知れる】
【精々喧嘩でちょっと強い程度の実力者。自分だけでは現実を見る事が出来ないとは何とも悲しい事】

【何であれ街灯の下で行っていたのだから良くも悪くもその姿は目立っていた筈で】






【月明かりに照らし出される草原。普段ならば草木も眠る時間なのだけれど――――今宵は、一人分の笑い声が其処にあって】
【見遣れば其処に居るのは一人の修道女。何やら囲まれている様だけれど、魔物と言うには可愛らしく】
【近寄ったならば其れが犬だとか猫だとかの動物であることが知れるか】


「だから、さっきキミ達にあげたのが最後だって……って、聞いてないね……」

【側に散らかっている干し肉のカスだとかを見る限り餌でも与え居たのだろう】
【足元纏わり付いて離れない所を見るに、慕われていると考えれて】
【本人は言葉こそまるで迷惑な風を装うが、緩む表情は隠す事が出来ず】


「はいはい、もうちょっと遊んであげるから気が済んだらちゃんと帰るんだよ?
あんまり遅い時間になっちゃうと悪い人達に捕まって食べられちゃからね」

【抱き上げて遣ったり、膝に乗せて遣ったり。何ともまあ平和な光景であって】
【死神の二つ名を知っている者ならば何と無くらしく無いと思うか――それとも、寧ろ彼女らしいと思うか】
【何であれ、誰かがこの場を訪れるのだとしたならば金色の双眸は其方へと向けられるのだけれど】
79 :主催 ◆EQBB9rCCt1P5 [saga sage !red_res]:2015/02/19(木) 09:35:29.42 ID:Bd7BWnNio
前スレ>>944
【彼女が殺し損ねたことを口惜しく思うのと同じく、スピードルにとっても彼女に刻まれた傷は深く】
【車両に詰め込まれる寸前、忌々し気な目で彼女を睨んでいた。が、それも一瞬のことである】

【彼女の生返事に、彼女の考えが司令官にも伝わっていたのだろう。それ以上何も言うことはない】
【事実、そういった側面があるのは確かなのだから。ならば、自分がすべきは彼女に十分な治療と報酬を準備することだ】
【他の参加者たちにも言えることだが、治療費やクリーニング代は報酬金とは別途で出されることになるだろう】

【彼女の呟きに、医療兵もふと上を見上げかけるが、すぐに自分の仕事に専念する】
【後は、ただ去っていく彼女をその場の誰もが黙って見送ることだろう】


前スレ>>945
【決着がついてなお、自分たちを捉え続ける視線にカニバディールは密かに舌打ちする】
【音に聞こえた『ヘイダル』の隊長、その座に相応しい実力と眼力。自分たちにとっての脅威を思い知らされたがゆえだ】
【その奥にある彼の迷い、背負うもの、そして己への賞賛には当然気づくことはないが】
【カニバディールもまた、アサドを、そして彼ら『ヘイダル』認めざるを得なかった】

【アサドの叫びには昏い笑みを返すのみ、自分たちが作り上げたこの世ならざる光景への反応だけは期待通りだった】
【自分に向けられた銃口に、再戦を予感しながら『スクラップズ』が敗走していった】


前スレ>>946
【笑う少年からは、憎々しく思いながら視線を逸らす。肉塊男の耳に僅かに届く独白】
【またも厄介な因縁を背負ってしまったらしい。だが、次に戦う時こそは、必ず】
【彼の姿をしっかりと記憶にとどめて、異形は去る。変わって駆け付ける救護班は、迅速な処置を彼に施すだろう】

【金貨が飲み込まれた瞬間、すでに離れていてそれを見ていないはずのカニバディールの背に、密かな悪寒が走った】


前スレ>>959
【彼の悔し気な言葉には、憎悪を滾らせた視線で応じる。一度ならず二度までも、ミハエルはカニバディールを追い詰め、深手を負わせた】
【枯葉こちらを取り逃がし、こちらは彼に敗れた。今回は痛み分けと言ったところか】

【互いに憎悪を向け合う因縁は、またも持越し。それぞれの援軍に連れられて、正義と悪は分かたれた】
80 :主催 ◆EQBB9rCCt1P5 [saga sage !red_res]:2015/02/19(木) 09:35:39.01 ID:Bd7BWnNio
【その後。廃の国、中央廃墟ビル郡『エリア47』 付近、『スクラップズ』の新たなアジト】

【荒廃した高層ビル群を向こうに臨む、荒れた平地にヴェンドゥラー中央部は根を下ろしていた】
【周辺を囲む巨大な隔壁は、カニバディールがあらかじめ義眼に取り込んでおいたものだ】

【アジトの中央、元はヴェンドゥラーの市庁舎であった場所。『スクラップズ』首領、カニバディールはそこにいた】
【巨大な卓の上に並べられた大量の料理を、一心不乱に貪っている。右腕と、触手を器用に動かしながら】
【咀嚼し、味わい、飲み下す。その常人の半分以下しかない身体のどこに、それだけの量が消えているのだろうか】

【久々の自分自身の口での食事を終えた頃、デュアル兄弟とスカーベッジ、そして喪服の中年女性が入室してきた】


[ボス、最後まで残ってた盗掘団が恭順の意志を示してきやした。これで、この近辺は掌握しましたぜ]

『連中を完全に引き込むには、まだ時間かかりそうだがよ。こんな場所で生き抜いてきたような奴らだ、強情なのが多くて面倒だぜ』
「だが、それだけこの地での生存能力に長けているということでもある。彼奴等の力は、今後の開拓に必要不可欠だ」

……ご苦労。あの手の人種を手懐けるのは私の得意分野だ。どうにかしよう
こちらも、機関との話はついた。今後のここでの我々の活動――――廃の国の踏破・攻略、残されている資源や研究資料の採取・盗掘、現地生物の密猟・捕獲
これらに対して相応の額面の投資を引き出すことに成功した

技術者や科学者も、必要な人数派遣してくれるそうだ

【口を拭いつつ、配下たちを振り返るカニバディール。ヴェンドゥラー奪還戦での傷はまだ癒えてはいないが】
【アーグによる治療と食事による回復促進によって、指揮を取れる程度にはなっていた】

「ならば、まずはこの『エリア47』 と、北西部廃研究所地帯『エリア11』 が当面の目標となるな」
『廃ビルエリアと研究所エリアに繋がる地下トンネルの掘削作業に、アジトの再整備に補強・拡張、上空のドーム型障壁の建造……さっさと計画書作らねえとなあ』
「ヴェンドゥラー全土を奪えなかったことが響いているな……地下トンネルの新たな掘削には、特に時間を取られるだろう」
『ああ、まったくあのクソどもが……やっぱ外部に通じるトンネルだけは、最初っからここに作っといて正解だったな』

[食糧、生活物資、その他もろもろ、全部外から引っ張ってこなけりゃなりませんからねえぇ……大所帯になって、今まで見たく盗みだけじゃ成り立ちませんし]
[下っ端連中にあてがう娼婦もまた追加で雇ってこねえと……精力滾るのは結構なんですがねえぇ]
[ひひ……ですが、ここを全部しゃぶりつくせば、釣りが来るだけの利益がでるってもんですよおぉ。この周辺だけでも、希少金属やら武器やらがあんだけ採れたんですから]

「どういう国だったかは知らんが、人類の御多分に漏れず人殺しは上手かったらしいな。おかげで武装についてはそれほど不自由せずに済む」
『まったくだ……さあて、これでいよいよ、あんたらの目的も動き出すってわけだな、ナティアさんよ?』

〈ええ……そういうことになりますわ。私達ボックス一家は、このために、貴方がたと手を結んだのですから……〉

【異形の双子の片割れに声をかけられ、それまで口を閉ざしていた喪服の女性、ナティア・ボックスが静かに返答する】
【カニバディールは、ゆっくりと彼女の方へと向き直る】

無論、いまさら言われるまでもなく承知しているとも。互いの目的、互いの利益のために、わざわざこの危険地帯に根を下ろしたのだからな
一刻も早くその目的に近づくためにも、お前の夫と息子たちには早いところ復帰してもらいたいものだね

〈まあ、それを言われてしまうと、返す言葉がございませんわ……〉

【帽子から垂れたヴェールの奥で薄く笑うナティア。その視線が、窓の向こうの廃ビル群へと向く】
【続いて、デュアル兄弟が、スカーベッジが同じく視線を窓の向こうへ。カニバディールもまた、振り向いてそちらに単眼を向ける】

――――廃の国。まさに我々に、ボックス一家に、『スクラップズ』に、ふさわしい地だ
この終わりの地から始める……我々の地獄を……

/すっかり遅くなりましたが、前回のイベントの締めの文章です
/参加していただいた皆様、改めてありがとうございました!!
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/19(木) 14:12:48.78 ID:ryu4KxQDo
 
82 :ヒライ ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/02/19(木) 19:54:08.44 ID:NaL7I1T+o
【路地裏】

【この街の旧市街のブロックはあまり治安が良くない。適当にぶっ立てた建物が】
【現代のラビリンスを生み、嫌われ者の隠れ家には持って来いの地域になっている】
【まあその代わりに裏の市場は栄えて、安酒場や盗品を求めるにはもってこいの地域だ】

【路地裏を一人の男が歩いていた。背は無駄に高く、暗い夜道でもサングラスを外さない】
【グレーのスーツに身を包み、その上に薄手のモッズコートを切る。片手にはビールの缶がある】

はぁあー…飲んで打って箱行って…それしかしてないな最近

【飲みに行った帰り道。その時。銃声が近くで2,3発鳴った。彼は足を止めて、ビールを飲み干す】
【缶を投げ捨てて、腰のベルトに挟んだリボルバー式拳銃を抜く、撃鉄を起こし、構える】
【ゆっくりと歩き出す。さっさとここから出ていくためだ。暇だが、面倒事は御免だ………が】

……クソッタレ

【進んだ道が悪かった。壁に寄りかかるように倒れる死体。頭と胸に一発づつ。勿論知らねえやつだ】
【一般人のようだがそれでもここに来て、ここで死ぬんだから何の影もない人物ではないことだろう】
【しかし、問題は犯人が近くに居るかもしれないことと、後は今を見られたら真っ先に自分が疑われることになる】


/ついでに>>76でも募集します。
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/19(木) 23:26:05.59 ID:JMZzO5mM0
【路地裏――――少し奥まで入り込んだその場所】
【辺りに転がっているのは数人の男女の姿。然れど、呻きながらも皆息をしており】
【よく見れば出血も無く。更にはその者達全員が機関に所属する事を示す逆五芒星を手の甲に彫っている事が分かるか】


「――――一件落着、でありますか。少し手間取ったでありますが、大きな怪我を負う事も無く終えられて良かったであります
…………連絡も済んだ事でありますから、もう少しで自警団の方々が引き取りに来ると思うのですが……」

【その場に立つのは、軍服に身を包んだ少女だ。腰には軍刀を提げ、片目は眼帯で覆われ】
【藍色の髪を纏めるように被ったのは制帽。一切の乱れを見られない其れは、少女の気質を表している様であり】
【――――自警団の所属を示す腕章。そして、其処に着けられたバッヂ。この少女が紛れも無く正義の徒である事を示すのだが】


「最近はカノッサの動きも目立つようになって来たでありますね……。あまり気を抜く事も出来ないであります……」

【呟き共に漏らされた溜息は現状を憂うが故か】
【路地裏となれば悪事を働く者も多いだろうし――――逆に、其れを阻止しようと見回りをする者も多い】
【だからこそ、この現場をそのどちらが目撃をしたって可笑しくは無い話であって】






【この時間、出歩く者も居なくなり閑散とした市街地】
【頼りなさ気に辺りを照らす街灯の下に在るのは純白のローブを纏った者の姿】
【被ったフードの中を見遣れば白の髪を持った少女であると分かるだろうか】

【手にしているのは一枚の地図。人々の導となり、様々な情報が記された物だけれど――――作られた年は中々に古い様で】
【況してや此処は商業区。今見たところで殆どの施設だとかは変わっているのが現状】


「――――困りました。このままでは与えられた任務の遂行が出来ないとイリニは考えます
バドルモ商会の場所が分からない限り受け取りも出来ません
神堂様から与えられた任務を完遂出来なければイリニに対する評価が陥落すると危惧します」

【故に、迷い人であると表すのが正確か。まだ十代前半であろう年頃にも関わらず、その表情には焦りだとか不安だとかは無くて】
【寧ろ無表情。感情の起伏だとかが一切感じ取れないのがこれまた奇妙だけれど】

【兎にも角にも、地図を片手に辺りをキョロキョロと見渡しているのだから少女の陥っている状況は遠目でも把握しやすい】
【――――その者に対し手を差し伸べるか、或いは不審人物として警戒するかは人それぞれ】
【何かの出来事に巻き込まれる、というのも否定は出来ず】
84 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/19(木) 23:37:38.78 ID:oyW0fKmqo
>>76

【歩道側から手が伸びてきて書類のうち数枚を持ち上げる】
【紙が散らばる大惨事に参加してきたのは神父だった。薄いブロンドの短い紙に正装たるカソックを着ている】
【胸元には十字架。背丈が一五◯センチかそこらの小さい男だった。顔には人の良さそうな笑みを作っていた】

 お手伝いしましょうか?

【答えを聞かずに神父は書類に一瞬視線を移してから素早くそれをトランクの中に放り込む】

(こういう機会は利用しねえとな……さて、どこから攻めるか)

【神父の目的は手助けではなく善意から漬け込んで金を取ることだった。書類に手を伸ばしながら視線だけを動かし女の容姿を確認】
【外見からは普通の仕事人と判断。それなりの金額は持っていそうに思えた。そのまま書類を掴もうとするが──】
85 :霧崎 ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/02/20(金) 00:15:10.33 ID:En7mlHn8o
>>84

【拾い集めているところに人影が。彼女は営業用の人の良さそうな笑みを瞬時に作り】

あ……すみません。ありがとうございます。

【と、言い残りを拾い集める。順番とかはもうどうでもいい。とにかく拾って車につめることにする】

【予測通り、見かけは単なるビジネスウーマンと変わらない。書類も特筆すべき事項はないよくある】
【会社の経費や収支報告。これだけで大企業か零細かもわからないぐらい極々一部の数字だけ並ぶ】

【まあ、しいて言うならば大企業に務める人間がセダンの高級車に乗っていることはおかしくないにしても】
【わざわざブラックスモークのフィルムをガラスに張るものだろうか?まあ女性ならプライバシやら紫外線やら】
【考えられる理由は幾つも在るので怪訝に思う必要もないことだが】
86 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/20(金) 00:26:16.58 ID:vB9TjY9Ro
>>85

 いえいえ、困ったときはお互い様ですから

【神父は笑顔の仮面を被り続けたまま返事をして、また手伝いに戻る】
【乱雑に掴み、適当に拾っているように見せかけながら神父は書類に次々と目を通す。だが目ぼしい情報はない】
【女の風貌からも何か特別なものは感じ取れない。一般から離れているように思えるのは車のガラスぐらいだが──】

(うーん、ただの会社員か。書類の内容から察するに会計職か。あんまり詳しくねえがさてどうするか……)

【書類を拾い続けながら同時に神父の脳が目的のための正しい行動を模索する。相手の情報を取得した後は攻め手を考えるだけだった】

 いやぁ、紙袋の底が抜けるなんて、よくありそうですが災難でしたねー

【ひとまず神父は当たり障りのない会話から始めて付け入る隙を探すことにした】
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2015/02/20(金) 00:29:58.84 ID:X1S7fUu3o
>>83
/まだいますか? 置きレス移行確実ですけどよろしければ……
88 :霧崎 ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/02/20(金) 00:46:46.98 ID:En7mlHn8o
>>86

…流石、聖職者でらっしゃいますね。それとも善きサマリア人に書かれてるのかしら。

【彼女は少し、気が立っていたので表情もなく、ついトゲのあることを言う。無意識である】
【職業で人を判断するのはあまり好きではないが宗教家というのはあまり好きではない人種だ】
【それでもご厚意を無碍にするほど非常識ではない。間で揺れた微妙なラインからでた言葉だ】

【拾い終えれば、彼女はクルマのトランクを閉める。割れたテールランプとへこんだバンパーを見て】
【また気持ちまでへこむ。純正品で交換したらいくらになるんだろうか。社用車なのがせめてもの救いだ】

…こっちのほうが災難ですよ。書類なんて後は帰って綴じるかシュレッダーにかけるだけですから。
すみません。お手伝いいただいて。ありがとうございました。

【眉間にシワを寄せてぼやいた後、社用の礼と挨拶をして、クルマに乗り込もうとする】
89 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/20(金) 01:10:14.00 ID:vB9TjY9Ro
>>88

【相手の言動から神父は彼女が苛立っているのが分かった。が、考えている間に時間がきてしまったようだ】

 あ、ちょっとお待ちを!

【思わず神父は彼女を呼び止めた。しかし続きの言葉が出てこない。この場で出会っただけでは呼び止める正当な理由がない】
【僅かな時間の間に神父は思考を魔力で高速化させてまで巡らせた。何か相手が納得できる理由はないか、と探した】
【非常に際どいラインではあるが、神父の思考が一つの答えを弾き出した】

 ……ここで出会ったのも主のお導きかと存じます
 もしこの後にお時間があるようでしたら、お話しでもしませんか
 その……貴女から、疲労のようなものを感じましたので、お節介かとは思いますが……

【暗に愚痴でも聞こうか、と神父は提案した。だがこれは神父という立場を取ればただのナンパだ。そう相手に思われればアウト】
【苛立っているという予想が正しければ一筋の光明もあるがそれが外れていても失敗。かなり成功率の低い呼び止めの自覚はあった】
【せめて相手が善意を無下にせず、こちらの話に付き合ってくれるのだとしたら、あるいはとは思ったが──】
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/20(金) 01:26:48.68 ID:s5JUOM450
>>87
/申し訳無いです……今気付きました……
/また機会がありましたら、其の時に是非
91 :霧崎 ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/02/20(金) 01:37:06.54 ID:En7mlHn8o
>>89

【呼びかけられて、彼女は振り返る。その表情、紛れも無い、苛立ちが現れていた】
【実際の表情は、それまでと同じで無表情なのだが、覇気というかオーラというかそんな感じの】
【ドス黒い何か、鬼の顔が背後で浮かび上がっているような得も言われぬ威圧感。後付の笑みを浮かべ】

…何か?

【相手の言葉を聞いて、彼女のオーラは収まる。怒り、いら立ちを通り越してもう呆れ返った】

懺悔でもしろと?道に迷っているとでも?…ええそうですね。人間に生まれた限り幾らでもありますね。
生憎、神も仏も信じてないものですから。……すいません、早く帰って寝たいので。

【彼女はまた軽く一礼して、クルマに乗り込んだ。彼が何処に立ってようが構わずにエンジンをかける】
【高級車のエンジン音、排気量。男らしい急加速とハンドリングで彼女は瞬時に立ち去っていく】


/すいません、ちょっと体調が悪くなって来てしまったので失礼させていただきます
/また機会があればよろしくお願いします!本当にすみません…
92 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/20(金) 01:40:11.32 ID:vB9TjY9Ro
>>91
//お疲れ様でした……またお願いします
93 :ベイゼ・べケンプフェン ◆SYLP4psCi. [sage]:2015/02/20(金) 01:59:45.73 ID:ydcG9WJio
【深夜――UNITED TRIGGER=z

【正義の旗頭、その事務所。或いは不逞な飲んだくれが集う居酒屋の、すぐ外】
【既に客もほぼ帰り、どうやら店じまいの様子。看板を仕舞う女性が一人、居た】
【その髪は燃えるような赤。そしてやはり赤――深紅のジャケットを羽織った女性だ】

【疲れたのか、ぐっと伸びをしてから冷たい夜の空気を深く吸い込み、吐き】
【そうしてから看板に取り掛かる。UTのメンバー、或いは店員という感じで】

あ〜……疲れたなァ、今日も……。我ながらよく働くぜ……
酒の作り方も大体覚えたし、楽しいから良いけどよォ……っと。

……そういや、裏にある酒樽を運び込んどくんだったかな

【電飾を消し、看板を店内にしまうと、彼女は再び店外へ出て来て】
【そのままぐるりと店の外を通って裏へ向かう。街灯は壊れているのか、やや暗く】
【しかし、女性の髪や衣服はやはり目立った。特に黄土色の瞳は、時折キラリと光って見えて――。】

/予約になりますー
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2015/02/20(金) 02:18:19.41 ID:X1S7fUu3o
>>93

【獲物を狙う餓狼の如く、青年は息を潜めて「狩り」の機会を狙っていた。一度も店内に入ったことは無い。その存在を勘ぐらせないように、である】
【UTに居ることは分かっていたが、セリーナや他のUTメンバーに知られるようなことはあってはならない。――――制裁は、静かに行われるべきだから】

【そしてその時が来た。餓狼がつけ狙う獲物が姿を現したのだ。青年はゆっくりと彼女の跡を追い、そして表通りから完全に2人の姿が隠れた瞬間――――】

……――――ッッッ!!!
([ピーーー]……ベイゼ・ベケンプフェンッッ!! カノッサ最大の裏切り者には――――残酷な死を……!!)

【確認の言葉すら掛けることなく、強靭な肉体が背後から彼女に飛びかかる。濃厚な殺意を彼女に向け、右の抜き手で彼女の首を貫かんとした】
【――――動き自体は完璧だった。タイミング、スピード、そして予備動作も少なく無駄のない動きだった。それでもミスがあったとすれば、余りにも殺意が強すぎた】
【仮にもカノッサのナンバーズであった彼女なら、その濃厚な殺意に反応するも、躱すことも恐らく容易であろう】

【そしてもし躱したのなら、ニット帽に赤いズボンと黒の長袖シャツを来た眼鏡の青年が、今にも食い殺しそうなまでの鋭い錫色の視線と殺意を向けて立っている筈だ】
【身体は小さく華奢だが、明らかにただの青年ではない。左右の腰に装着されている水入りペットボトルは、どこか薄暗い中で不気味に光っていた】

/よろしくお願いしますー!

95 :ベイゼ・べケンプフェン ◆SYLP4psCi. [sage]:2015/02/20(金) 02:27:57.17 ID:ydcG9WJio
>>94

【殺意を纏った青年の貫手。それは惜しくも首に届く寸前で"止められる"】
【何故か。――両者の間に出現した、黒い鋼鉄の鎧で出来た人型が】
【マインド≠ェ、抜き手をその堅固な両腕で受け止めたからであった】

【そして叶うならば、マインドは見かけどおりのパワーと、そして意外なまでの俊敏さで】
【青年の手を握りしめようとし、あわよくば骨まで砕かんとするだろう】

……おいおォい、ご挨拶だなクソガキ。鼻息荒くしてどーしたよ?
女を襲うときはまず首を狙えってのはママにでも教えてもらったのか?
ま、いいけどよォ……闇討ちするなら、もっと静かにやれっての

【――やはり、時が経っても元No.3というだけは有る。勘は鈍っていないのだろう】
【ニヤリ、と笑いながら青年の方に振り返ると同時、耳元のイヤリングに触れると】
【その左手には漆黒の刃を持った大鎌が握られて。相手の出方を見るように、視線がぎらりと光った】

/よろしくです〜!
96 :ロウの人 ◆EeJ7tvIqpI [sage saga]:2015/02/20(金) 02:48:46.66 ID:X1S7fUu3o
>>95

【人間の手なら簡単に砕けてしまいそうなパワーを込めるマインドだが、それでも青年は痛がる様子すら見せなかった】
【右手からバチバチと跳ねる紫電。触れても痺れや熱は感じないが、紫電に包まれた右手は鋼の様な固い感触へと変化していた】

……――――ッッ!!

【そして見た目からは推測も出来ないパワーで腕を振り切り、その拘束から青年は逃れる。先程の動き、そしてこの腕力――――】
【タイプは近距離、それも、相当な身体能力(スペック)を持った人物。そのようなことがこの一瞬のやり取りだけでも見えてくるのかも知れない】

……ベイゼ・ベケンプフェン。カノッサを裏切り、その敵であるUTに身を置く最大の裏切り者……。
お前と出会うのは始めてだけど……これでお別れだ。僕はお前みたいな裏切り者だけは絶対に許さないし……それが僕に与えられた仕事だから……なぁぁっ!!

【青年は彼女の名を知っていた。無差別に襲っているわけではないらしく、どうやら――――彼女がかつて所属していた、カノッサの人間のようだった】
【彼女が裏切った組織は仮にも世界最大の悪、カノッサ。裏切って何もない訳がなく、恐らく彼に任された任務は――――裏切り者への、彼女への制裁だった】
【まるで達人の歩みのように軽い足取りで床を蹴れば、爆発的な加速で彼女へと猛進する。しかしながら彼は丸腰、彼女は武器持ち】
【それなのに彼には武器を警戒する素振りも見当たらず、まるで気にしていない様子だった。そのまま突っ込み、右のフック――――】

――――お前だけは、消す……ッッ!!

【――――と見せかけて、左後ろ回し蹴り。明らかに動きは素人ではなく、熟練に満ちた印象のフェイントを交えたコンビネーションを青年は繰り出していた】
【彼女の右わき腹、それもアバラやや下の肝臓。突きさされば一番痛いであろう部位に踵をめり込ませんと繰り出すが、もし受け止めても――――】
【その感触は、まるで金属バットでのフルスイングを受けたような衝撃。足を覆う紫電は、彼の能力――――身体の部位を硬化させ威力を増加させる、というモノ】
97 :ベイゼ・べケンプフェン ◆SYLP4psCi. [sage]:2015/02/20(金) 03:03:33.87 ID:ydcG9WJio
>>96

……機関かよ、懐かしい名前だなァ。こっちとしちゃ裏切った気は無ェが
ま、抜けた後にUTに居ちゃそう見られるのも当然、かァ……。

【わざわざ事情を説明して――などというような間も、その気もなかった】
【相手がどれだけ早く、固く、そして強いのか。一挙一動を睨むように見つめ】
【青年が一度距離を取れば、マインドを自分のすぐ側へと呼び寄せて】

裏切り者の処分係にしちゃ、随分な狂犬っぷりじゃねェか
面白ェ……やれるもんならやってみろよ、助けを呼ぶなんて野暮はしないぜ?
これでもかつての三番手……数字背負ってたのには相応のワケ有りってなァ!

【すぐさま繰り出される右のフック。それに対応するように、再びマインドが動く、が】
【――フェイント。マインドは既に反応できない速さで、本命の回し蹴りが放たれていた】

【しかし、その虚を塞ぐのはベイゼ本人。構えた大鎌を両手で振るって、迫る足を下方から切り裂こうと対応するも】
【その切れ味に関しては、並の刃物。鋼鉄並みの硬さを誇るとなれば、靴を斬るのが精々と思われ】
【また、パワーに関しては圧倒的に負けていた。マインドはともかく、本人の筋力は前線を離れて久しく、落ちており】

ちッ……!重ェンだよ、クソがッ……―オラァ!!

【結果的に、大鎌はギリギリ攻撃を受けきるのが限界。重い一撃は、ベイゼの動きを完全に封じる事となる】
【だが、交代とばかりにマインドが動き出す。黒金に覆われた左拳が、青年の胸部めがけて繰り出された】
98 :ロウの人 ◆EeJ7tvIqpI [sage saga]:2015/02/20(金) 03:20:54.94 ID:X1S7fUu3o
>>97

僕はカノッサに入ってから徹底的に暴力だけを磨いてきた……――――幾らかつてのNo.3とはいえ、負けたりはしない。
……それは僕が強者だから、そしてお前が僕にとって許せない「裏切り者」だからだ……!!

お前は僕の居場所を裏切った……――――裏切りという行為はッッ!! 僕は決して許すわけにはいかないんだッッ!!

【刃物をもろともしない姿勢の理由も、今の鬩ぎ合いで判明した。彼の拳足は刃物にも切れない攻防一体の武器であるが故に、恐れずに前進できるということである】
【加えてあのパワー、スピード。特にパワーに関しては、どう考えてもあの体格からは考えられない。――――恐らく、改造】

……――――それも予習済みだ……!!

【マインドが放った拳も、両手をクロスして防ぐ。――――ここでも紫電を纏った両腕が鉄壁の盾となり、骨を折ることも容易であろう左拳を受け止める】
【マインドと本体の連携攻撃や彼女の能力に関しては、機関から情報を得ており――――勿論青年も、それを学習に来るべき事態に備えていた】
【情報に関しては、完全にこちらが上手――――故の、自信だった】

【そして受け止められた左足が鎌を離れたかと思いきや、すかさず跳ね上がり彼女の首へと繰り出された】
【着地を経由しないその跳ね上がるハイキックは、武術の有段者にしかできないような動き。しかしながら動きの性質上、威力はそこまで強烈なものではないだろう】
【それでも鉄の硬度と化した其れが脅威なことには、変わりはなく――――】
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/20(金) 23:30:34.21 ID:s5JUOM450

【某酒場。喧噪に包まれる其所の一角に、似付かわしくない姿が一つ】
【緑色のローブを纏ったその女は酒を飲むわけでも無く、台の上に本を幾らか積み重ねて居て】
【――――これまた“遺跡”だとかに関する専門書なのだから小難しい】
【然れど本人は苦もなく読み進めている様で】


「うーん……そっか…………大きな魔獣を封印した所だったんだ……
何時か行ってみたいけど、やっぱり一人だと危なそうだしまたクルちゃんとかを誘おうかな……」

【小さな呟きは誰に聞かせる訳でも無く、喧騒に消されて】
【さて、酒場の中では特に浮いた存在だ。周りの者は大半が仲間と飲みに来ているので気にしていない様だが――――】
【後から来た者は席を探そうと辺りを見渡せば先ず最初に目に付くだろうし、或いは一人で酒を飲んでいた者が良い獲物を見つけたとばかりに近寄る事も考えられる】
【何であれ、酒場とは治安が安定しているとも言い難く、近寄る者全員が善人とも考え難いが…………果たして】







【月光に照らされる森の中。其処に響くのは魔物達の咆哮】
【見遣れば其れは人と同じ形をしていて――――知識、或いは戦闘経験があるならば其れは曾て“人間”で在った存在だと知れるか】
【今となっては思考するだけの力も無く、満たされる事の無い空腹を満たそうと延々生物を殺めるのみ】
【そんな中、乾いた音が数回。どれもが見事に心臓、又は頭部を破壊して居り】


「死んだ後も良い様にコキ使われる何て大変だよねぇ……
――――ま、安心してよ。原因は突き止めてるしキミ達の遺体も手篤く埋葬するように指示してあるからさ」

【遅れて空から舞い降りたのは純白の翼を生やした一人の修道女】
【両手に持つ双銃がその職らしからぬ印象を与えるが――――……】
【無駄な弾痕を残す事無く一発で葬ったのは彼女の優しさか、一人その場で月を見上げ】

【――――場所が場所だ。そして今宵は月が明るい事もあり、見つける事は難しくも無く】
【“音”だって存外遠くまで響いたのだから場所を特定するのも難しくは無い】
【仮にその場を訪れて見れば、翼を生やしたその通りの女が一人月を見上げている姿が視界に入るのだけれど】
100 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/21(土) 00:10:46.51 ID:IG9ODrJCo
>>99
【怒号、グラスの割れる音───元々騒がしい酒場と言えども、急にそんな轟音が鳴れば目立つのは明らかだ】
【店にいる者達の視線が一つのテーブルに集中する、そこには四人の男がいて、その内の一人にテーブルに掛ける三人の怒りが向けられていた】

おいおい、そう怒んなよ?たまたま、『たまたま』俺様がツキにツきまくってただけだろ?
「ふざけんなてめぇ!!なんで運がいいだけでAが五枚も出てくんだよ!?」
知らねーよ!アンタらの内の誰かがイカサマでもしてたんじゃねーの?

【怒鳴られている相手の男はこの酒場では見ない顔だ、怒り狂う男の罵声を浴びて尚飄々と椅子にかけている】
【真っ白な高級スーツに撫で付けた金髪、ゴールドフレームの眼鏡に、トランプを散りばめた模様のネクタイ…見た目だけで言えば、こんな酒場には似付かわしくないようにも見えるが】
【とにかくトランプゲームのイカサマを疑われているらしいこの男、しかし身の潔白を主張して、それでいながら態度は悪い】
【自分が悪くないと相当の自信があるのだろうか?その態度と、イカサマのタネを見付けられないのが合わさって、相手の男の神経を余計に逆撫でしているようだ】

ま、そう怒りたい気持ちもわかるけどな?でも大人気ないぜそーゆーの
賭けは賭けなんだからそうアツくならねーでギョバフッ!!?

【そして───とうとうぶん殴られた、人をムカつかせる為にあるような、下まつげの長いしたり顔に拳が減り込む】
【そのまま殴られたその男は、椅子から転げ落ちながら、ローブの女性のいる台に盛大に突っ込んでいった】
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 00:34:30.20 ID:CYEqrusT0
>>100
【何かに没頭していれば周りの事を忘れてしまう様な人物は何処にでも居る】
【そして、小難しい表情で古書を広げている女もまた其れに該当し】
【――――辺りよりもより一層騒がしい箇所に漸く気付いたのと、男が突っ込んできたのとは殆ど同時で】


「ん――?何か騒ぎでも……ひゃっ?!」

【視線を向けた頃には既に時遅く。否、例え猶予があったとしても元より女の身体能力では避けられない事は置いて置き】
【素っ頓狂な声を上げるだけで何を出来るわけでも無く。お供えの如く置かれていたコップだとかの水が盛大に飛び散るのは仕方ない事、か】
【呆然して居る、何て例えがこの場面では一番合うのだろう。滴る水も今だけは気にすることは無く】

【襲撃だとすれば、自分は戦闘に自信があるわけでも無いのだから今すぐにでも逃げたい】
【だけれど、こちらへと吹っ飛ばされた者を無視して逃げる訳にも行かない、なんて葛藤は直ぐに終わり】


「あのー……大丈夫、ですか?
何処か怪我とかは……?」

【事情は分からない。いきなり男が突っ込んできた、それだけだ】
【――――かといって無視して本を読み進めたり考えに耽る程薄情でも無く】
【手を差し伸べれば起き上がるのを手伝おうとするし、怪我の有無を問うたのは応急処置程度ならば行う意思の表れ】
【小声で「自警団の方をお呼びした方が」とも加えるけれど――――これは男にとってもあまり好ましくは無いか】
102 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/21(土) 01:03:42.45 ID:IG9ODrJCo
>>101
【殴られて吹っ飛び、台にぶつかり、あっちもこっちも大ダメージである、当たりどころが良かったのか卒倒なんかはしなかったが】
【それでも痛いもんは痛い、かと言ってやり返してやろうだなんて思える程、この男は腕っ節には自信が無かった】
【いっその事子供みたいに泣き喚いてドン引きさせてやろうかという考えも浮かんで来た所に、手が差し伸べられる】

……あ、ああ…大丈夫だ、なんともねぇ

【相手がどうやら女性であったようなので、思わず条件反射的にカッコつけてしまった、これで後には引けなくなってしまう】
【差し伸べられた手を引いてよろけながら立ち上がり、女性の提案には黙って首を振る、自警団を呼ばれるのは自分にとってもヤバい】
【周りでは客が酒の肴と喧嘩を煽る、相手の男もやる気満々だし、いつもならこんな状況でも土下座やらなんやらして許して貰う物を、女性の前でそんな事が出来ようか】

……離れてな、巻き込まれるぜ
来いよ、相手になってやる、治療費の分も俺様が毟っちまったけどなぁ!

【意を決したこの男は、女性に対してニヒルな笑みを浮かべながら対戦相手に対峙する、今正にゴングは鳴った───!】


【それから、三秒くらいは経っただろうか?まるで投げられたスローボールが打ち返されるみたいに、ズタズタにされた金髪の雑魚が再び女性の掛けていた台に吹っ飛ばされた】
【それは素人目に見ても明らかであった───弱い、弱過ぎる】
【その余りの弱さは吹っ飛ばした本人ですら困惑する程であり、簡単につき過ぎた決着に観客は冷め切っているし、空気は完全に白けムード、やがて酒場は喧嘩の事も流れ元の空気に戻っていくだろう】

……あ…あの……絆創膏とか……持ってない……?

【さっきよりも酷く殴られ、辛うじて見れた顔も今では見る影も無くなった男は、(自分の)血塗れになって女性に問い掛ける】
【絆創膏とかそういう物でどうにかなるような傷には見えないが、こういう事を言えるのだからきっとまだ大丈夫だ】
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 01:19:57.64 ID:CYEqrusT0
【問題無い。その言葉でならば今の内に立ち去るが吉かなんて考えが浮かんで】
【女子供ならばまだしも相手は男。恐らくはこういった荒事には慣れているのだろうし、自分が居ればかえって邪魔になる筈だ】
【――――決断したならば行動は迅速に。あの男が惹き付けてくれている間に……なんて、思う暇すらも無く】

【格好いい、と言うよりも自分や周りに被害が無ければ良いな……そう思っているのがこの女】
【呆気に取られていたが、追撃も無く騒ぎも後は収拾に向かうだけなのだと察すれば取り敢えずは一安心して】


「その顔、絆創膏なんかじゃ治らないよ?
……もう。本当に“巻き込まれそう”になったんだけど」

【最初に突撃したときから、少し離れていて良かった。まだあの席に座ったままならば、きっと自分も何らかの被害を受けていただろうから】
【呆れた様な溜息を吐いたなら、白いハンカチを水に浸して顔の血を拭ってやり】


「何であんな事になったのかは知らないけど、もっと周りの人に気を遣って欲しいな
今日は貴方以外に誰も被害を受けなかったから良いけど
――――あ。でも……私は本と服を濡らしちゃったかな

……ほら。何時か今日以上に痛い目を見るかもしれないから気を付けてね?」

【終われば、治癒の魔術でも施してやるのだろう】
【付け加えるのはもう危険な事はするな、とのお節介】
【髪から水を滴らせ、何処かジトーとした視線を向けているのは……非難の現れ、か】
104 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/21(土) 01:44:23.89 ID:IG9ODrJCo
>>103
あーくっそ……あの時左脚から踏み出してりゃなー…右脚からだからタイミングが…

【なんて、見知らぬ相手に、しかも現在進行形で迷惑を掛けている女性に介抱してもらいながら言い訳を繰り返すが、最早だれも聞く耳を持たず】
【わざわざ教訓も言ってもらえてるのに、全く懲りていないようだ】

……あ、悪いな、えーと…なんかその……アレだな
お詫びとお礼になんか奢るよ!な?つーかほら!それがいい!ま、まあ座れよ!

【魔術による治療のおかげか、ギャグ漫画的表現かはおいといて、顔の腫れも瞬く間に引いて、それなりに見れる顔にはなった】
【それから女性の非難の視線に気付き、バツが悪そうに目を泳がせてから、慌てて倒れた台やら椅子やらをセッティングし直して、女性に『まあ座れよ』と促す】

い、いやーなんだ、その、ここで会ったのも何かの縁だから!ね?
何頼んだって良いんだぜ?幾らでも頼んだっていい!ほら、金なら今丁度あるからさ!

【本人的には女性から向けられた非難から逃げる為に躍起になっている所だが、必死であればある程ドツボというか…言葉選びに駄目な所が良く出ている】
【おまけに、『金はあるから』と言いながら三つくらい、高級そうな財布を出して見せたりする。どう考えても自分の財布じゃあないけど】
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 01:59:06.82 ID:CYEqrusT0
>>104
【元に戻された椅子には素直に座るが――――無論、それで機嫌が良くなる訳では無い】
【寧ろ、言葉の続きを聞いたならば先よりも長い溜息を吐き】


「お金がどうのとか何を頼むとかじゃ無くて……私が言いたいこと、分からないかな?」

【激怒されるならまだ良い。子供の様に叫かれるのもまだ良い。無視されるのだって、赤の他人ならば苦でも無い】
【――――が。淡々と母親の行う説教の様な言葉を紡いで行くのは、果たしてどうだろうか】
【何を頼んでも良いと言われた所でその言葉に特別反応する事も無く】


「そのお金とお財布、何処から手に入れたの?
…………私は貴方の為を思って言ってるつもりだけど……

別に本を濡らされて怒ってる訳じゃないし、服を濡らされて怒ってる訳でも無いよ?
だからお詫びは別に私は必要ないかな。――――もう一度聞くけど、そのお金とお財布は何処からか教えて欲しいな」

【それは最早尋問の様。貴方の為を思って言っているの――――お説教でよく使われる文句】
【言い訳すら言わせる事を許さないような、そんな雰囲気】
【ジッ、と向ける視線は逸らす事無く。無論、メニューを取る事も無くそんなお説教な雰囲気は続くのだが】
106 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/21(土) 02:20:16.54 ID:IG9ODrJCo
>>105
【齢28歳、この歳になってまともに他人に諭されるのはいつぶりかと言う物になる】
【学校サボって母親の財布から抜いた金で遊んでた時以来だろうか?いやそれよりも───そんな風に走馬灯めいた思考が頭の中を過ぎ去っていく】
【つまりそれくらいに、女性からされる説教には威力があったようで、気圧されたかいつの間にか向かい合った椅子に着席している】

……え……と……

【ジッと真っ直ぐ見つめて来る視線に目を合わせるのは居た堪れず、テーブルに置いた財布とか床のシミとか、どうでもいいものに視線を縋り付かせるしかない】
【自分にも『巻き込んでしまった』という罪悪感が無い訳でもない、だからこそお詫びをしようだなんて言った訳で、それでも怒られるとかいうのは予想の範疇であったが】
【まさかこんなマジムードな説教が始まるとは思いも寄らず、言い訳しようにも出来ない空気】

……だってよ、アイツら裏で手組んで俺様をハメようとしてたんだぜ?
だから、その……こう、盗んだっつーか…バチを当ててやったというか……

【もう件の男達は店を出て行ったようだが───先程から賭けをしていた連中から盗み出した財布らしい、尤もらしい理由を付けて自分を正当化する理由も付け加える辺りがまた子供っぽい】
【言った後で『これでは言い訳になる』と気が付いたがもう訂正するには遅い、子供が親の顔色を伺うみたいに、泳がせる視線でチラチラと女性の顔を見て】

……まあ、俺様もイカサマしたけど…

【絞り出すようにポツリと呟く、つまりはこいつが全面的に悪いのであって、殴られるのも正当な理由があったということだ】
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 02:41:10.54 ID:CYEqrusT0
>>106
「――――人から盗った物ならそれは奢る、って言わないよね?
人のお金を勝手に使ってしかもそれを“奢る”なんて言うのは……私は、あまり良い気がしないな」

【その金の経緯を知らなかった自分まで巻き込んで共犯にしようとしたのか――――なんて言い出さないだけまだ優しい】
【歳はまだ二十歳。淡々と語る言葉、然れど適当な教師の様にただありきたりの言葉だけを繋いだ物でも無い】
【言ってしまえば女の性格から来るお節介なのだが……それがまた、説教の雰囲気を更に高める事となり】


「貴方だってもう立派な大人なんだから、何をすれば人が喜んで何をしたら人が怒るかも分かる筈だよ
――――もう、さっきの人達は居なくなっちゃったから謝る事も出来ないけど……

もしも次にあの人達に会うことがあるなら中身を使わないままで返して欲しいな
……ほら。お金に困ってたなら、少しだけだけどあげられるから……ね?」

【その金を使うこと無く、持ち主の元へと――――それが難しいならば、私利私欲には使うなと】
【詐欺師に対して詐欺をするなとは何とも酷い】

【お金に困って居るなら、と勝手に勘違いすれば丁度男の目の前に置かれるのは小さなお手製の布袋】
【中には数日ならば不自由なく過ごす事が出来る程度の金が入っていて】
【小さな笑みを浮かべれば、小首を傾げて見せた。もう不正な行為で金を手に入れて欲しくは無い――そんな風に言い聞かせる様で】


「私はギルドの依頼で遺跡の探索とかをしてて、お金も沢山貰うけど使い道も無いから……返す事とかは考えなくても大丈夫だからね

――――それじゃ、私はそろそろ戻らなきゃ。もう、さっきみたいな事はしちゃ駄目だよ」

【例え要らない、と突っぱねてもそのお金を押しつけて】
【もう時間だからと濡れた本だとかを纏めればそのまま此処を後にする事になるのだろう】
【去り際、身体に気を付けてね――なんて言葉を残して】

/そろそろ良い時間なのでこれにて……!お疲れ様でありました―!
108 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/21(土) 03:11:24.41 ID:IG9ODrJCo
>>107
え?いや、俺様これが仕事みたいなもんだし、俺様の手に入ればそれはもう───いやあの、すいません

【それが正当に手に入れた金でなかろうと、盗んだ金であろうと、自分の手の中に一度入ればそれはもう自分の物である】
【昔から自分はその理論を信じて疑わなかったし、そうして生きて来たから、当然の事だと思っていた物を否定されれば面も食らう】
【そりゃまあ間違ってるのはこの男なのであって、どちらの言い分が正しいだなんて言うまでもないのだが】

……俺様は金がありゃ嬉しいし、周りの奴だって……

【『何をすれば喜んで、何をすれば怒るか』───そんな事は今更言われなくても知っている、人はみんな金があれば嬉しいんだ】
【タダで何かが貰えれば嬉しいし、金を貰えれば嬉しい、その逆なら怒るってだけだ。それでいて、自分の幸せだけを考えるのが人だ、違うのだろうか?】
【そういう風に思っているから、女性が言った言葉の本当の意味なんて意味がわからなかったが、ちょっとだけあった良心とかそういうのが、テーブルに残された袋に躊躇の念を抱かせる】

【───と言ったからといって、いくら諭されたからと言って、そう簡単に変わるくらいならこういう人格は出来ていない】
【女性がその場を去るまではさも何か思う所があるかのように押し黙っていたが、女性がさって暫くしてから、テーブルの袋と財布を全部懐にしまいこみ、店を出る】

……そーいや、今日はあそこの店に新しいスロットマシンが入るんだったな

【クズはどこまで行ったってクズなのだから、クズなのだ───】

/乙でしたー
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/21(土) 16:09:59.30 ID:MTZ3m1rA0
【水の国 幹線道路】

……フーンフフーン、フフフフーン……

【くたびれた薄いスーツを右肩にひっかけ、Yシャツにスラックスとテンガロンハットにその身を包んでいる】
【やや無精髭の目立つ顎に、やや長めでだらしなく乱れ気味の金髪とは裏腹に、活力に満ちた瞳を光らせている】
【腰に、鞘に収まったごつい2本のナイフ、何本ものハードダーツ、そして一丁のリボルバーハンドガンをぶら下げている、身長170cm前後の男性が】
【鼻歌交じりに機嫌の良さそうな口元の笑みを湛えながら、そろそろ夕方に差し掛かろうかと言う時間帯の道を歩いている】
【その左手は、1枚のコインをちょい、ちょい、と指で弾いてはキャッチすると言う、手遊びを繰り返していた】

……昨日は上手く儲けさせて貰ったなぁ……久しぶりにツイてた……
ここのところ溜まってた、湿ったれた赤字もすっかり埋まったし、さて……どうするかね?

【上機嫌混じりに、男性は右手でポケットから葉巻を取り出すと、口に咥えてライターで火をつける】
【午後の道を葉巻を吹かしながら、ゆっくりと散歩する男性――――なにやら浮世離れした様な雰囲気を湛えている】
【走り抜けていく車を目で追いながら、男性はゆっくりと葉巻の煙を吐き出した】

/予約です
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 16:29:06.00 ID:mha36wtE0
>>109

【太陽がゆっくりと降りてくる、だけれど、ほんの少し前を思い出せば、ずっと高いようで】
【気温だって一週間前と比べたら断然に暖かい。それなら、きっと、春が近づいてくる証拠みたいに】
【街路樹も気持ち嬉しそうに太陽を浴びているように見えて。――そんな中、こつこつと、急ぎ足な足音がした】

【それは後ろからで、硬く高い音はヒールが高いのを教えてくれる、それなら、女性だろうというのまでが分かり】
【足早に歩いているようなら歩幅も小さめにかつかつかつと何度も何度も繰り返す、そのうちに――】
【ふわりと長い黒髪を揺らして、通りすがるのは、どうやら少女のようだった】

【――きっと、どこかに向かう途中なのだろう。胸には布のトートバッグを抱いて、ひらりとスカートを揺らし】
【何にもなければそこで終わる、三十分もすれば存在すら忘れる、そんな一瞬。だけど、それで終わらなかったのは、】

――、っ、あ!

【たまたまそこにあった道の凹み。コンクリが割れて欠けた部分に、どうやらすっぽりとつま先を取られたようで】
【追い抜いた距離は少し離れてしまっていて、手を伸ばしても届かない。何か便利な異能でもあれば、救えるかもしれないが、】
【そうでなくても別に死んだりするような転び方でもない。ひとも少ない歩道なら、車や自転車に轢かれる、というのもなくて】

【問題といえばもしかしたら、胸に抱いていたトートの中身――チラシか何からしい――がぶちまけられる、ことかもしれない】
【ばさーっと前方に、風に乗って数枚が車道に、散らばってしまって。きっと、男性のもとにも、一枚がひらり】

【最近UNITED TRIGGERが始めたという、孤児や浮浪者向けに食事を提供するサービス。それの、宣言用チラシ――らしい】

【――ちなみに見事にすっ転んだ少女は腰まで黒髪を伸ばしていて、ただ今は三つ編み一つに結わえてあり、頭にはヘッドドレスと】
【瞳は黒赤の色違いでどこか蛇に似る、右耳には宝玉の欠片をあしらったピアスを片耳にだけつけていて】
【深い赤を基調にしたワンピース、ふわりと広がる姫袖にはレースをたっぷりあしらって、生成りのペチコートがちらりと窺え】
【というか見事にすっ転んだのでペチコートどころかパニエまで見えていた。なんなら太もものガーターベルトの金具までも】
【足元は踵の高いパンプスで、リボンの飾りなんかが付けられていたが、特につまずいたほうの靴は脱げてしまっていて】
【なんと言うかまあ無様なのだが、覗き見る限り彼女も顔を真っ赤にしているので――だいぶ恥ずかしいらしいのだった】
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/21(土) 16:47:18.49 ID:MTZ3m1rA0
>>110

……んま、のんびりさせてもらいますか……………………ん?

【風に薄まっていく葉巻の煙にすっと目を細めている男性は、割合すぐに背後からの足音に気がついた】
【ヒールの足音だと言う事はすぐに分かる。それだけならば、さしたる興味もなく男性は己のペースを崩さない】
【道を急いでいるようなら、わざわざ此方が歩調を速める事もないだろう。ただその姿だけを確認しておこうと視線を送った――――】

……あ、っ……

【レースをあしらったワンピース。そんな服装に何らかの感慨を抱く前に、眼前の少女は転倒してしまう】
【突然の転倒に男性も驚いたのだろう。左手で弄んでいた金色のコインを取り落として、チャリンと地面に落してしまい】
【一瞬、どうしたものかと動きが固まってしまった男性の胸板に、ぶちまけられたチラシの1枚がパサッと張り付いた】

……あー、こりゃ…………
(……ついてねぇなぁ、このお嬢ちゃん……てか、随分と派手に…………)

【先ほどまで、自分の「ツキ」について胸中で思う所があっただけに、眼前でのその転倒劇はショックだったらしく】
【危うく、失礼な自分の本音を漏らしてしまうところだったと、男性はあわてて口を噤む】

(…………つか、このチラシは何だよ…………――――――――ッ!?)

【とりあえず――――転倒した少女の方はあまり見ないようにしながら、男性は自分に飛んできたチラシを捕まえ、その印刷面を見やる】
【――――わずかに呆れの感情を含んでいた焦りの色は、その一瞬、どこか切迫した慄きに書きかえられた】
【思わず、左手で今吸い始めたばかりの葉巻を取ると、その火をグッと握り潰し、間髪いれずにナイフの鞘へと突っ込む】

(……待て待て、待て待て待て……落ち着けよな。このお嬢ちゃんが、『UNITED TRIGGER』と関係が深いなんて、限っちゃいねぇよな……?
 ただの、印刷業者とか、店だって言う本部で雇われてるバイトとか……その類だって事もある訳だ…………
 まぁ、つまり何を言うかって言うとだ…………この場は、単なる通行人Aであった方がだな…………今はな……)

【――――この男性、実は『UNITED TRIGGER』とはあまり良い関係とは言えないタイプの人間だった】
【それが、全くの偶然で接点となり得る邂逅に遭遇し、思わず気が逸りかけたのだ】
【しかし、今はそこには触れない方が得策だと、どうやら判断したらしい】

あー……っとと、大丈夫かい?

【ともあれ、まずは足元に落としてしまったコインを拾い上げると、男性は急ぎ足で散らばったチラシを拾い上げ始める】
【とりあえず、転倒してしまった本人である少女へと、気遣いの言葉を投げかけながら】
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 17:01:26.96 ID:mha36wtE0
>>111

【ばしゃあーっと散らばったチラシの音、ぱしゃんと不思議な音でどっかに飛んでいってしまったチラシの音、】
【刷ってきたばっかりのチラシをそんな風にぶちまけてしまえば、微妙に悲しくなってくる。倒れこんだ彼女は、】
【そんな風に恥ずかしさとか諸々の感情をぐっと堪えていた。下手したら泣きそうなくらいで、だけど頑張ったのは】
【さっき男のひとを追い抜いた――という一点だった。多分、誰も居なかったら、泣いたかもしれない、なんて思いながら】

だいじょ――だいじょ、ぶ、です、

【だけどその頑張り、少し無意味だったかもしれない。強がって返す声はほんの微妙に震えて】
【ようやく身体を起こしてきたと思えば、色違いの目元にはうっすらと涙の煌きが見える。ただ、まあ、】
【子供みたいに泣き出したりはしない――年頃は十六くらいだろうか。それで泣かれても、とっても困るのだが】

あ――すいませんっ、あの、わたし、拾いま――、

【そのうちぺたんと座ったと思えば、さっき追い抜いたひとがチラシを拾ってくれているのが、見えて、】
【まだ恥ずかしそうに真っ赤な頬とかちょっと涙目な目元をそのままに、慌てた表情を浮かべると、自分でも拾おうとして】
【手を伸ばそうとして、――、その手の平に怪我をしてしまっているのに気付くのだ。見れば、赤く血がにじみ】

【小さく「あ……」なんて呟くと、新しいチラシを汚してしまいそうで、その手は躊躇して戻される】
【結局は彼が拾ってくれるのに任せることになるだろう。――その間、彼女が何をしているのかというと】
【じっと掌を見つめて――そこに湧いてくるのは薄く桜色に染まった水。それで、どうやら掌でも洗っているらしい】
【異能か、魔術か。それは分からないけれど――彼が集めてくれたチラシを受け取る頃には、手も綺麗で、水に濡れた様子もなく】

あの、ごめんなさい……、ありがとうございます、……穴があったの、見えなかったの――。

【脱げてしまった靴を履いてから、チラシを受け取ることになるだろうか。嬉しいような、恥ずかしいような、表情で】
【くしゅっと自嘲めいて笑ってみせる、まだ座ったままだから、百六十センチに靴の十センチ、女性にしては高い身長も】
【全くもって関係なく、ただ、あどけなさをたっぷり残す顔だけが見上げて、――まだ少しだけ、頬っぺたが赤かった】

113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/21(土) 17:20:36.87 ID:MTZ3m1rA0
>>112

(……声が震えてる……そこまでショックだったってか?)

【明らかに大丈夫じゃなさそうな返答に、男性はどう言葉を返したらよいものか迷う】
【それが結果的に沈黙となって現われた。とりあえず、散らばったチラシを拾い集めながら、その様子を確認すると】
【子供っぽいかと言う印象だったその少女は、意外と子供と言う頃合いではなさそうだと言う事に気付く】
【それでこの様に声を震わせるのは――――疑念は、とりあえず作業に対する集中で振り払う】

よし……っと、これで…………
(……あー、手をやっちまった訳か…………――――っ、だが、アレは…………やっぱり『関係者』って、か?)

【立ち上がろうともしない少女に、どうしたのかと視線を送れば、どうやら手を怪我しているようで】
【そこからの少女の思考は、流石に男性にも読みとれる。その手で拾い上げると言う作業をする事を躊躇しているのだろう】
【なら仕方がないと、男性は拾い上げに専念するが――――何か不思議な力を行使して、掌の傷を洗浄する姿が目に入る】
【――――やはり、なるべく見ないようにしながら、男性は散らばったチラシを拾い終えた】

……あー、とりあえず大した怪我はしてないみたいだな……?
……チラシの方も、とりあえずそんなには汚れてないみたいだから……ま、大丈夫なんじゃないか?

【座ったままの少女に、やや上体を傾けて覗き込むようにしながら、男性は拾い上げたチラシを渡す】
【結構高い身長だが、それに反して印象はとにかく子供っぽい。それは表情と言う事もあるし、振る舞いと言う事もあるのだろう】
【この少女の事は、どうも計りかねる。男性としても、どう応じるべきなのか、戸惑っている様だった】

……いやはや、ツイてなかったな。こんな所で足を取られるとは……
まぁ、人通りがそんなに多くなかったってのが、幸いなんだろうな……

【座り込んだままの少女に対して、手を差しのべながら、男性はそう口にする】
【――――通行人は、数が増えれば増えただけ、何故か冷たくなる】
【それを思えば、今この場にいるのがこの2人だけと言うのは、互いにとって衆目に晒されずに済んだと言う、不幸中の幸いなのかもしれない】

……どうだ。足、挫いてしまってないか?

【手を差し伸べたのは、気遣いと言うよりも、立ち上がる様に促す意図の方が強かった】
【それには、何時までも据わっていると情けないぞ、と言う気持ちも無くは無かったが、それよりも、身体の具合を確かめさせる意味が大きい】
【――――ヒールの転倒は、足首を挫いてしまう事も少なくないのだ。男性はそれを懸念しているらしい】
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 17:29:47.28 ID:mha36wtE0
>>113

【手はとりあえず綺麗にした。洗った水はどこか地面にでも流してしまって、それで、すっきりとおしまい】
【水を呼び出したり操ったり出来る能力で助かるのはこういうときだ、なんて、うっすらと思うのだけど、顔には出ず】
【そうやって手を綺麗にしてしまえば自分の傍のニ、三枚も拾ってみるが、ほとんどを彼に任せるのには変わりなく】

うん、たぶん、だいじょうぶだと――、えっと、あの、本当にありがとう、
刷ってもらったばっかりだから……、それに、汚れたの配れないもんね――。

【大した怪我はしていないと思う。あくまでぱっと見の判断だけれど、】
【すりむいた掌以外に痛い場所も見受けられない。強いて言えば心が痛い気がするが、気のせいだろう】
【やっぱり困ったようにというか少し自嘲気味というか、笑いながら。伸ばしてもらった手には、少し迷いがちに手をだし】
【しっかり握ってしまっては新しく溢れた血をつけてしまいそうで。指先だけで応じることになるだろう、少し失礼だが】

街中じゃなくて良かった、そしたら、もっと、嫌だったし――うん、だいじょうぶ、みた゛ッ、

【それでふわりと立ち上がる、ふわっふわのスカートはそれだけで元々のふんわりした形を取り戻して】
【ぱたぱたと軽く手ではたけばなんとなく綺麗になった気もする。それで、服は大丈夫そうだと安堵の息を漏らし】
【足もとんとんと爪先で地面を叩くようにして確かめる。足元は大丈夫そうだった、ひねった様子は見受けられず】
【だいじょうぶです!とアピールするみたいににこりと笑ってみせる、――だけど、その身体が、がくっと崩れ】

【舌を咬んだみたいな変な声で彼女はまたへたり込むことになる。だけれど咄嗟のことで、】
【とりあえず数秒後に事情を察したらしい彼女に声を掛ければ、「ヒールが……」という言葉が返るだろう】
【見れば、高めのヒールがばっきりと逝ってしまっていた。というか、立ち上がったのが止めになって、折れたらしい】

/すいません、次のレスちょっぴり遅れますっ……
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/21(土) 17:49:47.88 ID:MTZ3m1rA0
>>114

……まぁ、あんな状況で素知らぬふりして通り過ぎる様な、そんな罰当たりな真似はしないよ
それに、舗装された道だったのが幸いだったな。地面剥き出しの道なら、多分何枚か、配れなくなってたのが出て来てたぞ?

【男性は苦笑しながらそう口にする。無論、互いに赤の他人なのは事実なのだが――――】
【だからと言って、目の前で問題に直面した人を無視する様な冷たい神経は、持ち合わせてはいないらしい】
【チラシに関しては、流石に男性にもどうしようもない部分が大きいが、道のコンディションのおかげで、被害も少ない様だ】

(……なーんか、頼りないお嬢ちゃんだな……?)

【先ほどから、その年不相応のあどけなさに、男性は危なっかしいものを感じていた】
【覇気――――と言う様な大げさなものではないが、どこか力なく、照れ隠しにしても、いささか威勢が無さ過ぎる様な気がする】
【ともすれば、本当に「幼い」内面の様なものを感じて、男性はそれが心に引っかかっていた】

…………あん、どうやら何とか大丈夫そう、なッ――――お、おいどうしたよ?

【此方の促しに応えて、少女はようやく立ち上がる。男性はただその様子を見守って、ようやく納得した様子で1つ頷く】
【足元もしっかりと踏みしめている。これなら、もう問題もないだろう――――そう思った矢先に、少女がくずおれた】
【がくん、と勢いよく姿勢を崩したのは、何かあった証拠である。男性としても、一瞬声がひっくり返った】

……あー、なるほど…………こりゃきついな。今すぐの応急修理……って訳にもいかねぇか…………

【少女の足元に注目する男性。ヒールの踵がへし折れてしまっているのは、すぐに分かった】
【こうなると、ちょっと困った事になってしまった。片方だけが折れるとなると、靴を履いて歩くのに支障が出る】
【かといって、こんな所で少女に裸足で歩け、となど言えるはずもなく、また、そんな事をすればソックスや霜焼けなど、被害が拡大しかねない】

(…………やれやれ。俺はどうするべきなのかね?
 ……ちょいと、意見を聞かせてくれよ……マイハ二ー?)

【男性は、ポケットから先ほど仕舞い込んだコインを取りだすと、徐に1回だけトスをする】
【それを手首で捉え、そっと覗き込む――――とは言え、そばの少女からしてみれば、何をやっているのか、と言う様な光景だが……】

/了解しました
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/21(土) 17:59:51.76 ID:MTZ3m1rA0
>>114
/すみません、こちらもそろそろ、一時離席します
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 18:05:46.27 ID:mha36wtE0
>>115

【「そしたらお洋服も泥になっちゃってたね――」】
【呟く声は、なんだか、彼の言葉に合わせていいところ探しでも始めたようだ】
【転んだけどまだましだった。いや、転ばないのが最善なのは分かっている上で――現実逃避、みたいな、】
【でも別に本気でこんな人生嫌だとふさぎ込むわけでもなく。軽いお遊びみたいな現実逃避、なんてことのない、意味もない】

折れちゃったみたい……、どうしよ、靴の換えなんて持ってないし……。
UTに戻るか、お家に帰らないと……、でも、今日はこれを配ろうって思って――、……。

【面白いくらいに折れてしまったヒールを弄んで彼女はしょんぼりとする、それで、また、少し泣きそうな目をして】
【一応仕事場であるUTに戻ればヒールの低い仕事用の靴がある、或いは、家まで戻れば、もちろん靴はたくさんある、だけど】
【困ったようにチラシを元通りに入れたトートバッグを抱きしめるのだ。それから、少し遠い目をして――いたら】
【なんだか彼がコイントスをしているのに気付いて。ぱちくりした目をするが、すぐに、何かに気付いたように】

あ――、でも、その、怪我はしてないから。……もう大丈夫、あの、もう行っても――。
拾ってくれてありがとうございました、――とっても助かりました、――。

【そんなことを言い出すのだ。つまり、もう自分は大丈夫だから、自分のやりたいことの続きをしてほしい、と】
【もう構ってくれなくて大丈夫だと。しゅんと眉を気弱そうに下げて、もう一度立ち上がってみるものの】
【なんとなく傾いてしまうのは仕方ないだろう。両足の高さが十センチ近く違うのだから、バランスも危うく】

【それでも大丈夫だとアピールするように笑ってみせて、一度ぺこりと頭を下げてみせるのだろう、それは、】
【妙に綺麗なお辞儀で。やりなれているのか、誰かに叩き込まれたのか、背中の三つ編みがぴょこんっと揺れて】
【――姿勢を戻せば、少し窺うような目で彼を見つめるのだ。コイントスの意味は、いまだに分かっていない】

/戻りましたです、お待たせしましたっ
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 18:06:25.31 ID:mha36wtE0
>>116
/あ、了解ですー、もう少ししたら食事で抜けると思いますが、
/それ以外なら待機してられると思いますので、都合ついたときにお返しいただけたらっ
119 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/21(土) 19:00:48.84 ID:0X595IIEo
【――――――PM.3:21 聖都スラウロット】

【よく晴れた昼下がりの事。街の北部に住む人々が、地割れのような異音を聞いた】
【音は徐々に近付き、大きくなり、やがて洪水≠ニいう目に見える形で都市に襲いかかり】
【第一波は街の二割を押し流し、やがて街全域が冠水するに至る】
【原因は街の上流に位置するダムの決壊。鉄砲水とも、テロとも言われたが】


『その真実は実に単純。水を操る私の仕業……それもテロではなく、天罰ですわ
 既に街が冠水して三時間近くになりますし、私も動くとしましょうか。』


【PM.7:00―――聖都スラウロット・中心部】

【大きな広場に通り、新旧様々な建築物が立ち並ぶこの場所は、特に浸水が酷く】
【現在、水深は5m以上。街の構造の問題か、溜まった水は抜けることもなく増水を続け】
【足場はもっぱら屋根や、流れてきた木板の上。既に生存者達はそういった場所に逃げ延びていたのだが――】


『あら、十字架を持っていませんのね?なら死刑……とまでは言いませんけれど
 生憎と私は"眼"を授かっていますの。異端者か否かを見極める眼を、アーグ様から。

 ……ですから、とても残念ですわ。この中心部に居る総勢472名の何方様も
 アーグ様の仰る"信心"を持っていらっしゃらない事が分かってしまう事が……。
 ですがご安心を。溺死というのは、見る側も死ぬ側もとても楽な死に方でしてよ?
 
 だって誰も、もがき叫ぶ事が出来ないのですから…――あら?』


【生存者たちを、時折大波が襲って水底に誘い込んでいた。波の、そして声の主は女性】

【しかし人かと言われると、妖しいところだった。彼女は真っ白なドレスを着ていたが】
【よくよく見ると、そのドレスも肌も全てが真っ白――かつ、粘性の液体に覆われており】
【まるでナメクジが人の姿を真似たかのようだった。唯一つ、被ったシルクハットだけは黒く】

【――それとはまた別の騒動が、同じ場所で起きていた。事態は全く掴めないが】
【時計塔―,ペンシルビルほども有る大型の―が、根本から破壊されて水に沈んだのである】
【轟音に埃、舞う水しぶき。真っ白な女性はやれやれという様子で首を横に振り】


『……まあ、良しと致しましょう。彼なら、あのお方を止めるには最適ですもの。
 アーグ様の準備が整うまでの邪魔者の排除……私、"ロース"が全霊をかけて、お引き受け致しますわ…――。』


【女性――ロースは深い水の上に浮かぶようにして立ちながら、僅かに生き残った生存者の息遣いと】
【そして、不意に訪れた耳が痛いほどの静寂に水の動きを収めた。――能力は、水を操る事らしいが】
【だとすればこのフィールドは彼女の物。緊迫は、既に最高潮にまで達していた】

/当レスより、イベント開始とさせていただきます。
/襲撃側の方は投下を。またVS主催の方はこちらにレスをお願いします。
/最後になりましたが、皆様本日はよろしくお願いします!
120 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/21(土) 19:03:12.33 ID:DA5wRBgyo
【聖都のある区画では静寂が訪れていた】
【河川からある程度離れたこの場所では、激流の勢いが殺されるために区画全体の構造を保ち続けていた】
【それでも冠水の規模は大きく二階建ての家でさえ屋根しか見えないほどだった。背の低い建築物は全て水の中に沈み、水上に見えているものは疎らだった】
【屋根、あるいは屋上が、物静かな湖の上で月光に照らされながら船団のように浮かんでいた】

【──それは、嵐の前の静けさだった】

【三階建ての建造物の屋上に人影があった】
【黒髪に東洋人特有の平坦な顔つき。長身に赤黒い色の長外套を着込んでいる。三十代程度の若くもなく老いてもいない風貌を持つ男だ】
【低い柵に足をかけながら、男は水に沈んだ街を見下ろしていた。男の口元には自然と笑みが浮かんでいた】

 ……こりゃあ、やるじゃないかあのジジイ、作戦が渋い。伊達に封印されてねえな
 次会ったらもうちょっと傅いておいてやるか

【思わず男の──アインの口から漏れるのはこの惨状を作り出した者への賞賛。魔術師が、より高位の魔術師の手腕に心から敬服していた】

 さて、と。約束もあるしそれなりに暴れてやらんとな
 さぁ、獲物はどこだ……?

【獰猛な笑みを浮かべた魔術師の瞳が、狩るべき敵を探し始める】

//カミナの人、カズネの人、今日はよろしくお願いします
121 :霧野梨花 ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/21(土) 19:04:43.67 ID:hW6z8PZco


【―――高高度飛行中。カノッサ機関所属・特殊兵員輸送機"レイジング・ファントム"機内。】


 『準備は良いかね、No,7? 一分後には降下地点の直上・二万フィート付近に接近する。』

 ポイントと座標を確認するわ。LD-1751,座標は―――数字が細かいわね、読み挙げるのが面倒。

 『何時もの事だろう、端末の方に送信してある。マップ上に表示出来るよう調整した、君は印を目指して"跳ぶ"だけでいい。』

 有難う"ソーン"……っと、ごめんなさい。今はNo.1、だったっけ。

 『人目があるところでは上司として接してくれたまえ、問題児扱いされるのは君も余り気持ちが良くないだろう?』

 ……敬語を使え、って事?

 『何でも良い。少なくとも睨みつけるのと高圧的な物言いを改めてくれれば、ね。さて、確認だ。
 君の目的は現地に存在する能力者・及び敵対勢力の殲滅・破壊行動だ。重要拠点を破壊し能力者をただ殺せばいい。』

 シンプルでいいわね。嫌いじゃないわ。
 
 『君好みの作戦だな。あの六罪王には今の内に我々が機関に従順である所をアピールしておきたい。くれぐれも慎重に、な。』

 ……? フレデリックに? どうして。

 『今後間逆のことを始めるのだぞ? それも彼らに悟られないよう、静かに、計画的にな。
 現段階では、我々は機関に対し好意的な一派であると、そう思わせておく必要があるだろう。』

 ……ふーん。ま、何でも良いけどやる事は変わらないわね。それより、準備は完了よ。いつでも"飛べる"わ。

 『タイミングが良いね。丁度降下地点に到着した。機体を旋回させる、ハッチが開き次第、君は―――……もう"行った"、か。』


【高度二万フィートの上空、飛翔する巨大な漆黒の輸送機後部のハッチが開いた時、中空に身を投げ出したのは1人の少女。】
【降下用の装備で全身を包み、暴風の中に突撃するようにして、彼女は地上へと降下を開始、重力に従がい猛速で落下していく。】
【機体の背に描かれた逆五芒星のシルエットが、彼女と、そして彼女の「上司」が所属する組織が、"カノッサ"である事を示している。】

【そのまま地上付近に差し掛かると同時、少女は装備したヘルメットの中でゆっくりと目を閉じ―――そして、風が吹き荒れる。】



        "Summon Insects"   (  ―――来たれ、我が眷属よ―――  )
          "Dragon fly"      (  ―――荒れる鋭翅で、仇敵を吹き飛ばせッ!!―――  )



【疾風が彼女を包み込むのと同時、彼方より飛来した一匹の"巨大蜻蛉"が丁度彼女を"拾い上げ"て】
【降下する彼女をキャッチすると、そのまま彼女は蜻蛉の背へと移動し、爆風を撒き散らしながら疾風の速度で地上へと接近。】

 御機嫌よう、―――自警団の、能力者共ッ!!

【先陣を切り既に攻撃を開始していたカノッサ機関員達と交戦中の自警団・及び国軍の防衛グループへと突撃。】
【ボートや戦闘用船舶、そして屋根に避難した戦闘員達の真上を超高速で飛び回り、巻き上げた砂塵と暴風で吹き飛ばす―――!】

 吹き飛べッ!! バラバラに裂けろッ!!そして消え去れッ!!
 戦火を生み出し、犠牲者を育む貴様達能力者は、世界の―――人間の抱えた歪みだッ!!
 消えろ、消えろ、消えろ消えろ消えろ消えろ消えろッ!! 能力者も、正義の味方とやらも、全部無くなってしまえぇぇーッ!!
 
【圧倒的な機動力で彼らの攻撃を回避し、蜻蛉は羽から繰り出される衝撃波と風の刃を用いて自警団グループを次々に殺害。】
【ナンバーズ―――機関の中でも上位の戦闘力を抱えることを意味しているその絶大な戦闘力を誇示し、身につけたマントを翻した。】

【蜻蛉の上に乗った少女は降下用装備を取り外すと、その正体を現す。】
【群青色の防弾マントと頭部につけた戦闘補助バイザー、そして昆虫を操る能力―――】
【幾多の戦場に姿を現し、既に自警団やUT、SCARLETにも交戦報告が上がっている機関の能力者―――No.7であった。】

/No.7です! ネモさんの方、そしてリーベさんの方は宜しくお願いしますー!
122 :No.7 Nemesis ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/21(土) 19:09:20.47 ID:hW6z8PZco
/ごめんなさい!><
>>121はNo.7 Nemesisです、名前間違っちゃってました!
リーベさんの方とネモさんの方は>>121の方へお願いします!
つってもまあ正体は梨花なんだけdry
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/21(土) 19:19:12.78 ID:c7kKKruz0
【聖都スラウロット、本来ならば美しい街並みはとある人外の巻き起こした災いにより恐怖と水の底に沈みつつあった】

【そんな中、もう一人の『禍』が動き出す】

【民間人達が命からがら避難している教会の屋根の上で突然悲鳴が上がる】

「あひゃはははは♪」

【その人物は突然に水の中から飛び出すと同時に長物系統の獲物を無造作に振るい、次々と殺害して行った】

「あは♪」

【血で染まった手で血で染まった遺体の血で染まった服や装飾品を剥ぎとっていく】

「あー、このおばぁちゃん金歯だぁ♪」

【独り言の様に言ってから手にした戟で老婆の遺体の下顎を砕いて金歯を引き抜く男の娘】

【腰まで伸ばした紫の長髪にシルバーのメッシュと鎖をあしらったヘッドギア】

【狂笑に歪んだ可愛らしい顔は赤い瞳】

【病的なまでに色白な肌にズタズタに切り裂かれたタンクトップとノースリーブのパーカーにアームカバー】

【スニーカーとダボダボのハーフパンツにベルト代わりの巻かれた太く黒々のした鎖】

「あははは♪儲け儲け♪」

【腰に結わえた革袋に金歯を仕舞う小柄な少年の名は犬神・ディザスター・禍】

【______不幸を振り撒き】
【絶望を撒き散らす_____】
124 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/21(土) 19:19:20.77 ID:FgenREODO
>>121


   【 ──────とくん 】

   【 暴虐の中、水面が揺れた】
   【 風の仕業か。それとも 】


   【 ──────ど、くん 】

   【 また、揺れた。波が、立つ 】
   【 ダム決壊の、余波か。いや 】


   【 ──────どく、んっ……! 】

   【 揺れた。水面がひどく、揺らぐ 】
   【 ……違う。風でも余波でもない 】


   【 ──────ど、く……ッッ! 】

   【 違う、違う、違う、違う、違うッ! 】
   【 これは、この揺れは──こ、の…… 】
   【 この────「衝撃」は…………ッ! 】



   ────見つけたぞ……!
   No.7──────ッッ!!




   【 ず ──── がががががががッ!! 】

【ダム決壊による鉄砲水で破壊されへし折れたビルの一棟】
【それが突如、轟音と共に砂塵と化し、ビル内部から人影が飛び出した】
【通常の跳躍などでは到底なし得ない距離……それを、軽々と跳び──】
【ぐ、ぐ──拳を握る。にんまりと愉快そうに、彼女は、笑って】
【上空にいるであろうNemesisに向け──「あの」衝撃波をまずは1発……!】

/リーべです!Nemesisさん、ネモさんよろしくお願いします!
125 :カミナ・ゲルギル [sage]:2015/02/21(土) 19:27:02.23 ID:N/6W9VBYo
>>130

――――っ!

(状況はどうなっておる……被害は、原因は――)
(くっ、また後手に回る結果になってしまったのじゃ――!)

【一筋の"紅蓮"の閃光が夜空を切り裂き疾駆する】
【目下にありありと映る惨状と、自分が"何も出来なかった事"に歯噛みしながらも】
【純白の翼を羽ばたかせ――一人の少女が戦場に姿を現す】

【身長は140cm程度であろうか。腰まで伸びた炎のように鮮やかな紅蓮の髪と、漆黒の瞳をしている】
【桜色の簡素なデザインの着物を纏い、胸元には"緋色の鷹"を模したワッペン】
【腰には茶色の鞘に収まった剣を下げており】
【着物の背中に細く刻まれたスリットから三角形の"翼"を生やした少女であった】

【此度の元凶を探るべく視線を巡らせていた少女は】
【ふと――屋上に立つ一人の男の姿を見つけた】
【避難民であろうか? もしそうならば救助は必要であろうか――否、】

(あんな面をした輩が――無辜の民であることなど有り得はせぬじゃろう……!)

【「経験上」その表情を見るだけで理解出来る】
【その男は元凶か、もしくは其れと関わりのある者であろうと】
【翼に秘められた「加速」の特性を発動、男――アインに向けて飛翔すると】

【――】

……そこの男。わらわはSCARLET所属のカミナ・ゲルギルじゃ
此度の事件に関して幾つか訊ねたいことがある、素直に応えるならば善し……そうでないならば――
 
【ある程度の距離を保ちながら、屋上の床より5m程度浮かんだ位置で男を見下ろし】
【威圧的な口調でそう告げ、鋭い視線を投げかけながら返事を待った】

【それと同時に少女の左右の空間がじわりと歪み、滲み出るようにして何かが出現する】
【"紙"――2m四方はあろうかという其れは、空中で見えない手で操られるかのようにパタパタと折られ始めた】
【明らかに異能であり、攻撃の意志とも取れる現象だ】
【返答次第では即座に――戦端は開かれることになるだろう】

/アインの人、カズネの人、本日はよろしくお願いします!
126 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/21(土) 19:32:54.50 ID:MM1vtMzao
>>119
【時を同じくして──】
【自警団より派遣された青年が一人。】
【濁流が飲み込む街を、上方から見下ろしていた。】
【自警団ではあるが、今は単独行動のようだ…。】



──成る程。凄いことになってるな…。自警団に所属してから、初めての大仕事…。
(人助け──よりも、元を絶たねェと、この殲滅は終わらない。対象は、あいつか…。)

怖いな。──見るからにヤバそうだ。路地裏のチンピラじゃあない。…でも、倒さなきゃな。どんな手を使っても…。──しかし、なァ…。



【──1.5Mほどもある、大きな嘴。それに捕まって、空中への移動を可能にする。】
【黒いハットとインバネス、加えて白い革の手袋──と随分レトロな印象の青年だ。】
【水面から顔を出す建物に降り立てば、その災禍の主へと躯を進めていた。】

【──各地でさらに被害が出始める。突如訪れた静寂と、続いて起こる、戦う者への殺戮。】
【まるでこの災害自体が陽動のような──そう、機関に対する敵対組織の…。】
【とはいえ、この災害の目的など、今は二の次だ。】
【現に人が殺されて──殺され続けている。止めなければならない。何を以てしても。】

【静かに、静かに、災禍の主へ接近していく。】
【──ぎりぎりまで近づければ、相手に気づかれないうちに嘴を消失するだろう。】
【そして、支給された片手剣を装備する。】
127 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/02/21(土) 19:35:49.82 ID:bik+/opIo
>>123

【雷鳴の如き呻きをあげる濁流に街は一瞬に飲み込まれる。街は崩れ落ちた。いとも簡単に】
【戦争の篝火がそこかしこに見える。煙に巻かれた空はまた曇り始める。暗く、陽は陰る】

…酷いものだなこの国は。幾つ街がおちれば気が済むんだ。

【残る街の屋根を渡りながら彼女はこの国の愚かさを蔑んだ。彼女は数日前にヴェンドラー奪還に】
【傭兵として参加した。暫く休暇を取り、本業の旅人として寄り道していたら…こんな目にあってしまった】

【彼女は身長も180近く手足も長く、肉付きよく、兵士として恵まれた体格で女性としても恵まれている】
【髪は長い黒髪であるが、風に舞い、陽が透けるとそれはとても濃い紺であるとわかる】
【現代的な戦闘服にミリタリーブーツ。革のコート。肩にはとある部隊章が縫い付けられていた】
【風に舞う青い鳥の羽。かつて存在していた傭兵集団《青い鳥旅団》の所属を表わす部隊章だった】
【背には2m近い長さを有す、黒い鋼鉄製の片刃の直剣。斬るというより、突き刺す、叩き切るに特化した】
【重量級の代物。後の装備は懐のソードオフ水平二連式散弾銃と風を呼ぶ魔術書。後は能力だけだ】

チッ、雷帝を預けるんじゃ無かったな。…火力が足りん。

【前作戦で用いた狙撃銃を惜しむ。たらればの話だ。無駄なことは忘れて戦場に適応せねばならない】

【屋根を跳ぶ。視界に残忍な略奪行為が見得る。教会の十字架が呼ぶ。呼んでいる。これは奇跡だ】
【彼女は神なんて信じちゃ居なかったが、大勢の市民たちは神の奇跡に縋る。祈りは無意味ではない】
【既に燃え始めていた怒りの炎が爆発し己の矜持に火を付ける。そのエネルギーは教会へ身体を向けさせる】

…匪賊が

【鋭角的な角度から接近する。動作にフェイントを混ぜつつ接近を試みる。何らかの攻撃が無ければ】
【相手の視野ギリギリの真横から突撃するトップスピードに乗った彼女の右の拳が頬を殴りつけるだろう】
128 :ネモ・アーネスト :2015/02/21(土) 19:37:08.41 ID:aFgzxa/40
>>121
【水が張る都に少女が一人、拳を握り立ち尽くしていた】
【骨に皮が張り付いているかのように四肢は細く、肌には血の気が無く】
【髪は色素が抜けて白い。虚弱。それを全身で示すような少女だが】

【―――ぎりっ、と。歯軋りがなる】

【―――ぽとん、と。握った拳から血が滴る】

【いかにも虚弱。守られる側にしか見えない少女は今、怒りに震え】
【戦う意思を確かに拳に握り締めていた】

【つい先ほど、一瞬にして戦場が死体の山へと変わった。変わってしまった】
【自分は間に合わなかった】
【何も出来なかった】

【また歯軋りが鳴った、その刹那】

【轟音と共に水飛沫が舞い、水音が鳴った時既に少女の姿はそこに無く】
【少女は上空、No7 Nemesisの目の前で拳を振りかぶっていた】
【攻撃方法は極単純。ただのパンチだ。】
【ただし、その威力は機関の技術により最大限高められた肉体から放たれるもの】
【諸に命中したとすれば、十分なダメージを負わせられるはずだ】
【命中すれば、の話だが】
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 19:38:41.53 ID:CYEqrusT0
>>119

【――――地上では無く幾分高度の有る上空。鋭角で飛来するのは純白を翼を持った人物】
【ゼン=カイマの其れとも異なるけれど、紛う事無き修道女であって】
【以前一度会った事のある存在。金と銀との双銃を手にしたならば、辺りを見遣り】


「連絡を貰ってから直ぐに来たけど…………まあ、予想通りかな
信心、ねぇ……水遊びにしちゃ随分とオイタが過ぎたみたいだ」

【脚を着けるのは、何処ぞの屋根であろうか。犠牲者は数多くとも生存者が少ないのはその静寂が伝える事】
【――――ならば、今優先すべき事は。コレを引き起こした原因を抹殺する事であり】
【同じ悲劇を繰り返させる事が無い様、終止符を打つのが務め】


『冠水させるならせめて箱船でも用意して置いてくれれば良いのに、ねえ?
気の利かない人は嫌われるよ――――尤も。気の利くボクはキミの所のお爺ちゃんを棺桶に入れた後しっかりと杭を打ち込んであげるけどさ

久しぶりだね、ロース。コレでお別れになるのもまあ……味があって良さそうだ
今日はキミと仲の良い電気ビリビリ君は居ないのかな
…………何だって良いか。ボクはキミを屠る。それに変わりは無いしさ
不死なら死んだ方がマシだと思わせるくらいに虐めてあげるのも良いけど』

【彼女単体での行動、とも考えにくいのは確か。だからと言って周りに今は他の敵が見える事も無く】
【――――数が少ない内に減らして行くのが最善の手。その結論に至れば、銃口を其方へと向けて】

【果たして水を操る彼女に……人外であろう彼女に銃弾を直接当てた所で効果が有るかは分からない】
【例え有ったとしても、不死ならば対した脅威にはならないだろうが――――それは攻撃を行わない理由にはならない】

【頭、心臓、腹部。其れ等の部位に向けての発砲】
【人であればどれもが致命傷成り得るが、相手は人成らざる者。様子を伺う一手としての攻撃】
130 :ロウの人 ◆EeJ7tvIqpI [sage saga]:2015/02/21(土) 19:39:01.80 ID:Ml39Ngpfo
>>119

【スラウロット上空――――。マーシャル・T・ロウはSCARLET専用ヘリの中からその惨状を、憤りの湛えた視線で見下ろしていた】
【時計塔が大きな音を立てて水に飲み込まれる様よりも、辺りの建物の凄惨な様子よりも――――彼に瞳や耳に訴えかけるのは、人】
【濁った水に沈んだ両親を想い咽び泣く子供の声、届かぬと解っていても必死に恋人の名前を叫ぶ女の姿、瞬時に訪れた絶望に呆然とする老人の表情】

【ロウは数々の悲しみを瞳に映し唖然としていた。絶望という水が肩まで上ってくる感覚。身体の震えが止まらない中、ロウの視線は偶然一人の女性へと留まった】
【笑みで察した。雰囲気で察した。そして何より自身の勘が言っている。――――この女が、この絶望を生み出したのだと】

【――――ふと、身体の奥から熱い何かが湧き上がってくるのを彼は感じた。震えが止まる。身体が熱い。熱くて溶けそうだった】
【この感情は何だ?絶望ではない。悲しみでもない。……これは怒りだ。罪なき人々の命が、これ程簡単に奪い去られたという事実が鉄をも溶かす憤怒を生み出していた】

「ここでは危険です、もっと奥で――――」 <<……――――下ろしてくれ>> 
「いや危険すぎます、ここでは――――」 <<……――――下ろせェッッ!! そんでお前は出来るだけの人乗せて早く行け……アイツは俺が……絶対に倒す!!>>

【ヘリが屋根近くへと接近し、中から一人の男が降りてきた。――――青いソフト帽にジーンズ、白いシャツ、灰色のジレ。そして胸には緋色の鷹】
【両手に赤青の拳銃を握り締め、向けるは紺碧の焔を宿る双眸。そしてマーシャル・T・ロウは胸に湧くマグマのような怒りを声に変えて、彼女へと吼える】

これは事故じゃねェ……――――全部お前の仕業だろ。なぁ……アンタ、愉しそうな顔してたよな。
――――多くの人を殺しておいて、希望を飲み込んでおいて……――――どうしてそんな表情が出来るんだッッッ!!!!!

お前は俺が倒す……――――死んだ人の為だけじゃない、残された人の為にもッッッ!!! お前だけは倒さなくちゃなんねぇんだッッッ!!!

【――――咆哮、そして発砲。右の赤い銃から放たれた弾丸は正確に彼女の首へと向かう。なんの仕掛けも無い真っ直ぐな弾丸――――これは攻撃ではなく、意思表明だ】
【俺はアンタを倒す。そのような真っ直ぐな想いを示すような、真っ直ぐな軌道だった】

/ロウ中身ですお願いします!
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/21(土) 19:39:10.66 ID:bcB9BW6Lo
>>120

――――水に塗れてて、なんだか騒がしい……いつもと違う混乱と騒乱の渦中
また……またこんな事ばかりで懲りない人たち……ま、アタシも似たようなモンなんだけど……

【かの男の居るビルと少し離れた2階建てビルの屋上に彼女は佇む

【広がる光景は凄惨、その町に賑わいは無くならば人々の営みなど無く文明は鱗片としか残っていない】
【多くはこの大水に流されたのだろう、言葉にするならば「災害級」の出来事にきっと多くの力の無い人々は生き残れない】
【それは世の常、弱者は強者によって屠られるという原理は古くから連綿と続く習慣のような物……しかし】

【しかしそれに「はいそうですか」と納得出来るのならば、この魔術師はこの場にはいない】
【その淀みにも似た魔翌力を従わせこの軍場に立つ由がある、ひとつは縁でもうひとつは……意地の類】

たった1人のどうでもいい思惑だけで沢山の人の想い出を流して代わりに嫌な想い出を刻む
嫌な感じ……本当に、嫌――――――――……

【錆色のローブ……立ち上る魔翌力を受けてそれは赤色へと変移する】
【同様に魔術師の瞳も髪の色も、戦火を思わせる赤色へ――――――やがて赤の瞳はかの男へと突き刺さる】

遙か上から見下ろして同じ魔術師として不愉快ね
こんな惨状に惹かれるなんて、どうかしてる―――――――

【はためくローブに隠れる魔銃は立ち塞がる障害を貫く槍】
【魔翌力を受けて目覚める「銀の爪」は都合6本、機械的なフォルムの爪に纏い付く赤の魔翌力はさながら血流】
【ならば爪はこちらを見据える敵を引き裂く剣―――――――】

【爪へと満ちた魔翌力は先端へと充填され輝きを増す】
【番えられた魔翌力、そこから導き出されるのは魔翌力による砲撃……開戦の予令】
【此度の軍場に居合わせたもう一人に一度だけ目線を移し、男の応えを待つ……剣は掲げられそして振り下ろされる時を待つ】

/カズネであります、お二方よろしくお願いします
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/21(土) 19:45:05.80 ID:280tKPeX0
>>119

【砕ける人の城より、飛び立つ音。破壊される金属の音色に混じって、白により近い人造の天蓋が上へと、荒ぶる水の主が前に降り立つ靴音がひとつ】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いでその容貌を飾って】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。白と黒のぬらりと照る裁きの水に、凄絶なる鋼の音を伴って対峙する。】

【現出する戦場にて新たに立つのは、ひとりの、そんな形容の出来る人影だった】
【それはひどく凍てついた気配をしていた。そこに立つだけで夜は凍り、斬首刀の如き冷徹なる強度がそれを在らしめる。】

【譲ることの出来るものなど、ない。滅びが、其処にあることを許さない――――――、】
【―――――それは、この意思を形成するもの。揺るがざる鋼鐵の翼――――】


―――――――金翅鳥!

【銘を喚べば、瞬きの間に応える。年の頃を顕わすであろう声は、透る音色ながら芯を思わせて】

【構えるように振り抜く右手。その前腕に顕れるのは、継ぎ目のない漆黒の鎧だ。手の甲にまで張り出した先端部が、押し寄せる波の光を跳ねて】
【―――― 同時、もう一つの変化が訪れる。】

【霊鳥の形をした炎が虚空より生じ、その内より赤熱の如き光が浅い孤を描きながら伸びる。少女が其れを両手に取り、】
【その光が纏う、黄金の火の粉が音無く爆ぜ散って。現われたのは―――何処までも清冽に美しい、白銀の太刀だった】
【冷たく澄んだ刃の輝きは無謬。極限域の鋭利さを持つ刀身には金象嵌が施されて、火焔の如く強き耀きを思わせ、その熱を以て斬撃者としての己を創造していた】



祈りを捧げることはない、赦しを求めることはない――――――神の光とやらもヒトへの裁きも、叩き斬れば断たれそこで終わるわ。
無形の水の時間は終わり――――……ここからは、断ち切る鋼と蒸発の時間。

排除されるのは貴女の方だ―――――絶望するのは、させられていいのは、“人”じゃない……!

【“切断”という概念を体現し、限りない熱を冷たき耀きに秘めた櫻の刃。白の女性の首へと向けられれば、大気が異様な存在感を伴って静寂を生む】
【外観は完全に近接戦闘型だ。為す術もなく足場を失うだけの能力者ならば、不意の一撃を以て撃滅を図るほかに勝機はありえない――――】

【“ならば、如何にしてそれはロースへと干渉を図るのか”。警戒を呼び起こし直接に対峙する、人々に揮う力の余力など残さない。割かせることで力削ることを、意図し、初撃を譲った様で】
【強度のほかに瞳の奥に、眠るものが何であるのか。……今は、語る必要もないだろう。ただ、強固なる力として剣の少女はあった】


/防衛側、八攫 柊となりますっ。皆様、よろしくお願いしますー!
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/21(土) 19:48:44.90 ID:hd82p+sg0
>>119

【町中がパニックだ、その原因はダムの決壊によるものらしいが、それを引き起こした元凶も そこにはいる】
【以前話に聞いていた"アーグ"という者と関連することか……はっきりとは分からないが】
【とにかく、今はあの敵による脅威を除かねばならない、でなければきっともっと犠牲が増える】

【その男は、敵の能力によってか まるで整地でもされたかのような静かな水の上に立っていた】
【男の足の先からは何か光がスパークを放っている、どうやらそれが水に立てる理由らしい】

テメェェーーーーッッッ!!!何者だッ!何故こんなことをするッ!?

【白いシャツに黒いインナー、藍色のスラックスのベルトに差したレイピアは白銀の輝きを放って】
【シルバーブロンドの髪を風に揺らしながら、ターコイズブルーの瞳を女に向けて、そう叫ぶ男】
【首に覗かせるロザリオから、彼が聖職者であることが伺える】
【腰の剣を静かに抜いて、切先をドレスの女……ロースに向けて構える】

………………これ以上お前らの思い通りにはさせねェ!覚悟しろ!!!

(……奴は水を自由に操ることが出来るらしい、フレデリックの能力……とは少し勝手が違う)
(地の利はどうやっても奴にある、決して油断の出来る相手じゃねぇな…………だが……!)

【バシャッと水飛沫が跳ねれば、次の瞬間には男はロースに向けて飛んでいた】
【接近を許せば繰り出されるのは5連の連続刺突、それを見れば剣の扱いに秀でた"剣士"だと直ぐに解ることだろう】
【レイピアは突きの武器、一撃一撃は鋭く、そして風を貫くほどに速い】
【この国を護るため、今 剣士は闘う!】

/エルヴェツィオです!皆様宜しくお願いします!
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/21(土) 19:54:54.81 ID:c7kKKruz0
>>127

【軍隊風の女性からまさに放たれるまさしく光速の鉄拳】

【そのほんの刹那、コンマ1秒の瞬間、男の娘は確かにその瞳で彼女を捉えた】

【白い、精気も生気も無い白眼で、夥しい流血よりも紅い深紅の虹彩で、墨汁をドロドロになるまで煮詰めたようなとても光など一条も宿っていない黒曜石の様な瞳孔で】

「_______あは♪」

【確かに、笑って_______】

【ほんの少しだけ頭をずらす事によをり拳をヘッドギアに受けその侭、水切りの石の様に水面を2〜3回跳び跳ねて水面に叩きつけられる】

【が、少年の体は沈まない…厳密には着水した瞬間に凍り付いた水面がそれを赦さない】

_______ギュアッ!

【それと同時に飛んで来るドリルの様な貫通力と破壊力を底上げした氷柱が彼女に襲いかかる】

//遅れて申し訳ございません、この度は宜しく御願いします。
135 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/21(土) 19:56:40.06 ID:DA5wRBgyo
>>125>>131

【水平に動いていく薄茶色の瞳がまず、上空の人影に気づいて上げられる。続いて別の屋上にいる女に向けられた】
【最後に目が伏せられて、瞳が前に向けられた。現れた二人の人物のいずれでもなく、ただ目の前に。彼は二人のどちらも見ていなかった】

 二人、か。随分と寂しいことだ
 まぁ、仕方ない……今宵の主賓は俺ではなくあの司教どもだからな
 お零れに預かる身としてはこれぐらいが妥当だろう

【魔術師の口からは溜息。アインの意識は遥か先に居るこの惨状を作り出した者に向けられていた。惨劇の中心人物を羨んでいた】
【アインは二人の質問を全く意に介さないまま、柵を踏み台にして跳躍。水面に音も無く降り立った。足元には小さな波紋が広がる】
【一歩、二歩、三歩と進むごとに足元で波紋が生まれ続ける。三階建ての建造物からある程度離れたところで、彼は歩みを止めた】

 初対面のようなので名乗りを上げておこう。俺の名はアイン。魔術師だ
 お前たちの名を聞かせろ

【右手にカミナ、左手にカズネを迎えて、アインは両腕を広げながら己の名を語る】
136 :No.7 Nemesis ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/21(土) 19:58:31.28 ID:hW6z8PZco
>>124>>128

【一面に水飛沫と疾風を吹き荒れさせ、抵抗する者の居なくなった戦場を旋回し】
【目障りな生存者が居ないのか、それをバイザーでスキャンしながら確認していく―――。】
【この一帯にどうやら生存者は居ない様だ、ならば次の一角に―――そう思った矢先、バイザーに二つの光が灯った。】

【まず一つは、強大な振動音と大地―――といっても既に陥没しているが―――の"揺れ"を察知し】
【バイザーからNemesisへと、確かに"生存者"が居る事を伝える。これは―――いや、この振動は、まさか。】
【更なるスキャンを実行、震源の中心をキャッチしたバイザーが映像の拡大を行った直後、"彼女"が現れたのだった。】


 (この、"揺れ"は……この、振動は……ッ、まさか―――"お前"かッ!!)

 ―――探したって? 嗚呼、勿論知ってるわよ。
 しょっちゅう彼方此方で張り紙してるのを見たからね、その度に破いて唾吐いて捨ててやったけど。

 でももう、その必要も無くなるわ。今日此処で、お前の身体は水の中に沈み、そして魂は地獄に落ちるのだから、ねッ!!


【繰り出された振動、そして跳躍する身体と、そこから生み出された最初の一撃に対し】
【蜻蛉を急旋回、まずは衝撃波を軽々と回避。恐らくは以前の戦闘で学んだのだろう、"直撃"は避けるべきだ、と。】
【しかし退避したその矢先に、Nemesisはもうひとりの"生存者"―――いや、というよりも、遅れてきた"援軍"による一撃に見舞われた。】


 (なッ―――こい、つは……ッ!! "もう一匹"の方か……忌々しいッ!!)


【現れたのはリーベ、そしてNemesisと同じ年頃の少女だった。】
【しかし見る限りではまるで、奴隷の様に疲弊した格好である彼女を見やり】
【然したる脅威とは判断しなかったのだろう、Nemesisは振りかぶらされた拳を直に―――、そう、直にだ。】


 ――――ヒーロー気取り? 悪いけど子供の出る幕じゃないわ、下がれッ!!


【    "  受  け  止  め  る  "   】
【拳を、自身もまた改造人間である"Nemesis"は直に、掌で、全力を持ってその拳を受け止めるだろう。】
【ここでネモもわかる筈だ―――このナンバーズ、ただの能力者ではなく、相当に強大な力を持っているのだ、と。】

【そして直後、受け止めた拳を押し返すようにしてNemesisは強烈な回転蹴りを繰り出し、ネモを吹き飛ばそうとするだろう。】
【同時に、蜻蛉を急旋回させてその身体を暴れさせる事で疾風を生み出し、リーベ、ネモ二人目掛け風の刃を乱射し、攻撃開始。】


 忌々しい……徒手空拳しか能のないクソガキ二人を相手に、遊んでやれですって?
 今の機関の没落ぷりを物語ってる様なダッサイ作戦ね……いいわ、直ぐに決着を付けてあげる。
 リーベ、リーベ・エスパス……お前だけは、たっぷりと地獄を味合わせて、泣き叫んで命乞いをさせてやる。
 そして悠長に突撃した身の程知らずの"白髪"、お前は私の名を噛み締めながら逝け。我が名はNemesis。カノッサ機関のNo.7。

 又の名を"復讐の戦姫"―――さあ、踊れ能力者共ッ!! 地獄行きの舞踏<ロンド>をッ!!


【風が吹き荒れ、水飛沫が舞い上がる聖都で、少女三人よるデス・ゲームの火蓋が切って落とされた。】
137 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/21(土) 20:05:24.89 ID:0X595IIEo
>>126(鳩ヶ谷)

【静かに、ただ静かに――それを徹底すれば、接近は難しくないだろう】
【足場は疎らだが確かにあるし、遠く水音が響いていて足音は消せる】
【片手剣を装備すれば、後は後ろから刺し殺すだけ。大丈夫、問題は無い――】


『……レディの背後から忍び寄るなんて、少し無粋ではありませんこと?』


【――水場全てが彼女のテリトリーで無かったなら、暗殺は容易だった事だろう】
【しかし、そうではないらしい。女性は振り向こうとすらせずに指を動かし、大波を起こすと】
【波は一気に青年を飲み込み、水底まで引きずり込もうとするだろう】

>>129(グリース)


『あらグリース様、ご機嫌麗しゅう。ブリッツでしたら時計塔でしてよ?
 大方、"そちらの大司教様"と遊んでいるのではないでしょうか。
 ほら、スライムには電気が……あら、噂をすれば――ですわね?』


【――会話の最中、グリースのもとに吹っ飛んでくるモノ≠ェ一つ】
【いや、一人=B小柄な黒尽くめの彼は、まさに以前死闘を交わしたブリッツに違いなく】

【しかし、血に塗れていた。血まみれの状態で、錐揉みという言葉が相応しい状態で】
【真っ直ぐにグリースのもとに飛ばされてくる。避けなければ、人体同士のぶつかりあいだ】
【不死ならともかく、常人であればそれ自体が致命傷になりかねないが――。】

>>130>>129(ロウ・グリース)

【男の放った首への銃弾、女の放った肉体各所への斉射――結果から言えば、致命傷には成り得ない】
【理由は単純、水が邪魔をしたからだ。分厚い水壁が立ちはだかり、弾丸の軌道を緩くしてしまったのである】


『無駄、とは申しませんけれど……冠水した場所で、銃弾は如何なものでしょうね?
 水を操るただ一極に絞った私であれば、この程度は造作も無いことでしてよ。
 ……それにしても、殿方の喧しいこと。もう少し紳士的に対応して下さらないかしら』


【怒号と絶叫への返事は冷たいもの。クスリと笑う姿は、やはり人ではなく】
【意趣返しとばかりに水の弾丸を何十と周囲の水場から弾くと、ロウ一人を蜂の巣にせんとして】

>>132>>133(八攫・エルヴェツィオ)


『銃士二人に剣士お二人……バランスの良いパーティーですわね?
 それもお一人は聖騎士様となれば……完璧、ですけれど……っ。』


【水を征ける男の騎士と、剣の才を持たずとも力を覚える少女の剣士】
【両者に等しく向けられる水の狂気は、刃。波の形状が鋭く変化し】
【さながら斬馬刀の如き巨大な刃が、両者を胴から真っ二つに切り落とさんと迫る】

【この刃の恐ろしいところは、つばぜり合いに持ち込めないことであり】
【仮に水の刃を剣で受けても、その一部が切れるだけ――残りは胴へ、となるのだが】

【――エルヴェツィオの繰り出す五連の刺突に関しては、ひたすら後方へ下がりつつ】
【時折身を"踊ら"せて回避する事しか、ロースはしない。接近戦が苦手と見える】
【事実、全てをかわし切ることは出来ずに頬や腕には鋭い赤の筋が走っていて】

/続きます
138 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/21(土) 20:06:11.26 ID:0X595IIEo
>>ALL

【激流に飲まれたこの街では、何かと出来事も急を要するものらしい】

【まず第一に、崩れた塔から二人分の人影。ひとつは小さく、ひとつは大きい】
【片割れが誰かは、その場に居る数名も知っていることだろう】
【大司教が用いる礼装、瞬間移動を現実的な使用に耐えうるレベルに引き上げる豪奢なマント】
【そして、厳しい面構え。――服の所々は焦げ付いていたが、確かにフレデリック・シャリエールその人であり】


『――肉体をスライム状に変化させられる男には、雷撃を用いる駒を宛がう。
 理に適っているが、いかにも性根の悪い男が考えそうな作戦よな

 ブリッツ、とか云ったか……半不死のようだな。何度殺せば死ぬのか、試してやろうじゃないか
 貴様の抱え込んだ尊い命の数が尽きるか、私の魔力がゼロになるかの……ん?
 ……エルヴェツィオに、ロウ……オマケにグリース・イムリンパルス、か。』


【もう一方――先ほど時計塔の煙から、吹き飛ばされてきた小柄な方は】
【名をブリッツというらしい。フレデリックの言葉からするに、雷使いでアーグの駒、か】

【――ともあれ、戦場に二人加わった。ゼン=カイマ大司教のフレデリック】
【そしてロース同様、アーグの手下というブリッツ。――後者は、手酷くやられているようで】


『……困りましたわね、口ばかりで喧嘩好きな狂犬を飼うと苦労しますわ。
 此処は一つ、戦場をリセット致しましょう。ね、それが良いと思いますの
 直にアーグ様も居らっしゃることですし……これで終わり、なんて言わないで下さいね?』


【僅かに手傷を負ったロースがそう言うと、周囲の水がざわめいて】
【直後、何千もの水道管が一斉に破裂したように、水が一挙に湧き上がり】
【その場で特に高い場所に居る物を覗いて、水が身体の自由を絡め取ろうと迫り】
【また離れた場所に居たとしても、その視界をゼロにしてしまう】
139 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/02/21(土) 20:11:46.94 ID:bik+/opIo
>>134

【敵の目を見ることもなく、彼女は拳を振りぬく。感触が硬い。有効打に至らないことを識る】
【彼女の瞳はただ黒く。ただ一点を射抜く、鋭い眼光であった。さながらそれは背負う剣の様に】

…貴様には地獄の水底がお似合いだ

【吐き捨てる言葉に乗せるのは侮蔑。だが、勝利を確信した時の尊大な科白ではない。やって無い事を知っている】
【そして彼女は彼奴を知っている。ヴェンドラー奪還戦。其処に奴も居た。敵味方なんぞどうでもいい必要なのは】
【自分がある程度彼奴の技を知っていて、奴も知っている。情報の数は兵士や弾丸の数よりも有益な数字である】

ッッ!!ハァァッッ!!

【背負っている剣を抜く。余りある刃は教会のレンガ瓦を砕き、木製の屋根を叩き切り、それを振り上げる】
【凄まじくい衝撃が彼女の腕に伝わる。当たりに重い音が響き渡る。飛来する氷柱を剣をブチ当てて叩き割った】
【激しく氷の欠片は飛び散ってあたりに舞い落ちた。彼女は屋根を蹴って跳び上がり、別の建物へ移る。敵を探す】

【わざわざ、相手に有利な場所に向かう必要ない。急ぐな、焦るんじゃない。戦争は逃げやしない】
140 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/21(土) 20:19:45.53 ID:FgenREODO
>>128>>136(ネモ&Nemesis)

【唸る衝撃。舞い散る飛沫──それらの狭間に、少女の姿が見えた】
【危ない……しかし放たれた「衝撃波」を戻すことなど不可能】
【マズいと思ったのは束の間──自らが生み出した波動は、何も傷つけることなく空に消える】

【そして────受け止められた白き少女の拳を見て、彼女は、笑った】
【戦うつもりだ、あの子は。あんな、小さくて細いのに……!】
【リーべの身体が、心が、歓喜で震える。……まだ、この世界は捨てたものじゃ、ない!】


……戦うつもりか、勇敢な少女!!
お前────名前は!


【戦場にいるは、あまりに儚く弱い存在に見えた、少女】
【それでも、この夜色の彼女は、白き少女を一時のパートナーとして無条件で受け入れる】


私はリーべ──リーべ・エスパス!
機関No.7は蟲遣いだ、蟲の召喚と融合とを使いこなす!!


【だ、んッ! 宙を蹴る。リーべの身体が舞う。夜色の直下の水面が、ばしゃんと派手に爆ぜる】
【──足から「衝撃」を放出し、その推進力により空中移動を可能にしているのだ】
【初撃の「衝撃波」──あれを見れば、リーべの能力(ちから)が何かは見えてくる】


No.7──いや、……ふふん!! やっと名前を言ったな、「Nemesis」──!!
私は嬉しいぞ、やーっと名前が分かったからな!!
けど、張り紙みて連絡してくれればもーっとよかったぞ!!
ま、いいや!次は何だったか……そうそう──
──お前に「痛い」って、言わせてやるんだったな……Nemesis!!


【だん、だん、だんッ! 宙を蹴る。空を舞う。飛沫が煌めき、爆ぜる】
【ネモがNemesisにより吹き飛ばされたなら──まっすぐにネモの元へいき小さな身体を左手で捕まえようとするはずだ】
【或いはネモが何らかの対処策を取れば、リーべはネモの行動を尊重する】

【そして、ネモの行動に関わらず──リーべはまた笑って右手を掲げ】
【バカの一つ覚えと言わんばかりに、再度の「衝撃波」……】
【だがこれは、迫り来る疾風を掻き乱し、風の刃を相殺するためのモノ】
【リーべ自身、ネモの戦闘法がまだ理解出来ていないためか──まだ、防戦になってしまう!】
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/21(土) 20:21:04.92 ID:N/6W9VBYo
>>131>>135

――――それが答えと受け取って良いのだな、魔術師?

【二度は名乗ることもない。アインの行動を敵対意志と判断し、瞳に炎の如き激情が奔る】
【「悪を許せぬ」「理不尽を許せぬ」「私欲のままに人外の力を振るう者を許せぬ」】
【秘めた正義の意志が淀むことなく顕現し】
【今度は返事を待つこともなく――】

ならばよい……話せるように首だけは残しておいてやるのじゃ
それ以上の温情など――このカミナ・ゲルギルに期待するでないぞ?

          【貴宝院流不折正方形一枚折り・狼面】

【――冷たく吐き捨てると、即座に攻撃を開始した】

【左右に浮かんでいた紙は巨大な狼の頭を模した「折り紙」へと姿を変え】
【内部に血液のごとく神気を注入されたそれ等は、ボコボコと立体的に変化し「特性」を得る】

【オリガミ――少女の有する異能】
【無より紙を産み出し、特定の形に折ることによって力を与える奇跡】
【「特性」により、人を丸呑みに出来るような巨大な口に】
【本物の狼の如き鋭い牙を生やし、表面の硬度は獣の毛皮程度にまで上昇する】

【左右二体の「狼面折り紙」は、それぞれアインに向けて空中を高速で疾駆し】
【弧を描く軌道で挟み込むようにして襲いかかろうとする】
【攻撃方法は巨大な口で思いきり噛み付くという原始的なモノだが】
【噛み付かれてしまった場合、牙を突き立て強靭な力で身体を引き千切ろうとするだろう】

…………

【とはいえ、"この程度"で倒せるような手合いではあるまい】
【カミナは新たに左右に1枚ずつ、上空に2枚の紙を出現させながら注意深くアインを観察していた】

【位置関係は、アインの移動に合わせて少し動いたものの】
【更に距離は大きく――大体15m程度は離れていようか】
【相手の手札が魔術師としか判明していない以上、不用意に近づくことは出来ない為だ】

>>131

(もう一人――有り難い事なのじゃ)
(早くこやつを片付けて、生存者を探しに行かねばならぬ……援護を期待しておるぞ)

【カズネの方にも視線を送るも、言葉は交わさず】
【ただ互いに同じ相手を倒す意志があるならば、協力関係ということであろう】
【そちらの行動も念頭に入れながら、アインに視線を戻し意識を集中させた】
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/21(土) 20:22:31.31 ID:280tKPeX0
>>137-138>>133

【エルヴェツィオ―――少女は名を知らぬが、卓越した剣士。けれど反撃の如く振り下ろされる水の刃――――剣士には恐らく相性劣悪、なれば、“この言葉を以て『今』を塗り替えるしかない”。】
【隙が作れるかどうかは分からない、仮に意志の疎通に成功したとしても。だが、叶えば彼にも或いは。……好機を、さらに齎すのだろう】


……私が、一瞬だけあれを停める。あなたは出来る限りで対応して―――――

(……繰り返させはしない、譬え……一度は、誓ってすら砕かれた強さでも。“失わない”、その答えに揺らぎはいらない―――――――!)


【“時戒の宝玉”――――出し惜しみはしない、大きな力の発露こそが絶好の好機。ニュートラルからアクティヴへ/切断されるその刹那に、異能を伴って肢が躰にその速力を与えていた】
【“時”の力を介し一瞬だけ水面の時間を停め、不動のそれを足場に瞬きすら許さぬ狂疾の神速で水面より跳躍。影は水に断たれ溶け去れど、切断者は弾丸の如く虚空を貫いて――――。】

【――――――――――斬撃、シルクハットを中継し右の鎖骨へ深々と刃を埋め込む様に、ロースから見て左斜め上からの斬り下ろしを放った】
【遮られる視界の黒を渡る     刃。単純にして動きを止めるための一手であるが、それはもっとも強力に“切断”の異能を働かす手段でもある。音も影も置き去りに、速度を頼りに目論むカウンターであった】

【何より―――――――恐らくはその両手持ち故の熾烈が放つ“切断”の斬撃、刃渡り程度の厚みの重合金装甲程度ならば薄紙同然に断割せしめる。“水圧”と“強度”という質的な違いがある故に、単純な比較は出来かねたが】
【容易に防ぐことは至難だと、異様なまでの“力”の波が伝えるだろうか。水を操り恐らくは読むロースならではの、判断法】

【だが、どの道それはただ一撃だけの一閃で終わるだろう。視えた大司教の姿―――あれが、“マリアさん”の夫、かと―――それ故にその優勢はこちらの優勢、それをかき消す様に高く水が昇る】


……ッ、……何、が――――――……ッ、―――――――!?

【軽く咳き込み、近場に着地。巻き返しを図ったロースの意図は達成されることとなるが――――橡色は、見通さんとする様に細められ。数メートルは離された距離を、最大の警戒を以て観測していた】
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/21(土) 20:23:42.28 ID:280tKPeX0
>>142
/
【だが、どの道それはただ一撃だけの一閃で終わるだろう。視えた大司教の姿―――あれが、“マリアさん”の夫、かと―――それ故にその優勢はこちらの優勢、それをかき消す様に高く水が昇る】


【だが、どの道それはただ一撃だけの一閃で終わるだろう。視えた大司教の姿―――あれが、“マリアさん”の夫、かと―――それ故にその優勢はこちらの優勢、だが、それをかき消す様に高く水が昇る】

…に修正ですっ
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/21(土) 20:26:38.00 ID:c7kKKruz0
>>139

【些か増えた水嵩の中で少年は凍りの上でブリッチするように躰を反らせながら起き上がる】

「あはは、いててて」

【等といいながら、頭を擦り別の建物に飛び乗った彼女を視界に納める】

【その眼(まなこ)はまるで新しい玩具を買い与えられた子供の様に歪む】

「あー、そう言えばこの前のブロッコリーを切り倒した時のーっ!」

【芝居掛かった口調で言葉を…】

「誰だっけ?」

【摘むがなかった】

「もー、神聖な教会の屋根を壊すなんて酷いことするねおねぇちゃん♪…それじゃあ」

【と、ここで一拍置いて戟を構える】

「戯(たわむれ)れよっか★」

【軽く手を自らの前面にかざすと先程と同じ氷柱が夥しい弾幕の様にはなたれる】

【と、ここまではフェイク、当たっても当たらなくてもどうでもいい】

【跳躍した少年が女性の居る建物の外壁にぴったりと引っ付いて登ってくるのが見えなければ】
145 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/21(土) 20:29:58.33 ID:MM1vtMzao
>>138
>>137


(──なるほど、こいつには奇襲は効かない。見た目通り化け物じみた感性をしている…。)
(水を操る。シンプルで強力な能力だ。──…だが。)

(ほかに、止めようとしている奴もみられる。ならば、少しでも、こいつの意識を反らさせれば──)


【冷や汗と、苦笑いを浮かべる。小手先を粉砕する力がこの相手にはある。】
【──奇襲は不発に終わる。とはいえ、大波≠起こす彼女は、いかにも油断している≠ニも見受けられる。】
【ならばこのまま、少しでも情報を与えない。声すら、発することなく──。】
【──嘴を出現させ、それに捕まりあえて$に飲まれた。】
【飲まれると同時──彼は嘴にしがみついたまま水面に躍り出る。】

【彼にとっては、初手こそが千載一遇のチャンス。力量を見くびられている現状が、大打撃の機。】
【彼にせまる水の紐をくぐり抜け、一直線に、他の者と交戦するロースへ迫る。】
【──巨大な嘴、途中鳩ヶ谷を建物の上へ落としながらも、回転を加えて──!】


【攻撃が成功するか否かを問わず、青年の体は再び水に捕らわれるだろう。】
【とはいえ、成功はしなくても、戦況になんらかの影響を及ぼすはずだ。】
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/21(土) 20:34:28.99 ID:bcB9BW6Lo
>>135

名を名乗る程度の理性はあるのね、素直に感心したわ―――――――

【かの魔術師の瞳はこちらを見ていない、まるでこちらをお呼びでないと言わんばかりに】
【水面に降り立つモーション、どこか演劇地味ていてまるでこの状況に酔っているよう】
【いや、酔っているならば自分も同じかと女魔術師は心の中で頷く……どこかおかしくなければこの場になんて居ない】

ヒトツギ・カズネ……不愉快だけどどういう訳かアンタと同じ魔術師よ
で、宣戦布告はそれで良いのかしら……じゃあ、やりましょう―――

【ビルの柵に片足を乗り上げ、アインが仰々しく広げた腕、掌へと自らの手を伸ばす】
【号令にも似た動作、爪達は小さな唸りを上げて赤熱する砲身をアインへと向け……放つ】
【魔翌力を帯びた砲撃を6つ、それぞれに一息分程度の間を与え断続的に放たれたそれはもう一人の「彼女」に合わせての事】

(scarlet……それにあの姿は櫻かしら?あれはオリガミとかいう文化だったわね確か……)
(獣の頭を作るなんてどういう原理なのかしら、面白い術―――――彼女の術、状況対応能力が高そう)
(近距離をやってくれるならアタシは遠距離の方が都合がいいわ、偶然とは云え僥倖ね……)

【空中を漂う狼の顎は敵へと迫り、ならばそれを援護するように魔弾はアインの退避を阻害するように周囲へと着弾する】
【人の身長程度の水柱、視界を遮るには十分か……尤もこの程度の絡め手で何がどうなるという期待は少ない】

>>141

ま、近距離は任せたわ……支援は惜しまないから

【互いの攻撃方法を見れば互いの特性は分かる】
【カズネは遠距離〜中距離の特化型、至近での戦闘ではただのお荷物だ】
【加えて空を飛ぶ優位はカズネには無い、だが欠けた分は翼を持つ者が居る】

好きなだけ舞いなさい……

【カズネの声は届かないまでも支援砲撃でその意志は伝わる】
【魔翌力を爪へと装填し、陽炎を纏い始めた瞳で行く末を見つめ……】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 20:35:52.39 ID:CYEqrusT0
>>137>>138
「ああ、ソッチはソッチでもう始まってたんだ――血の気の多いあの二人なら仲良くやれそうだ
――ったく。無駄な怪我をしたらそれだけゼン=カイマに迷惑掛けるって分からないのかなあの堅物は。ま、ボクとしては多少傷を負ってた方が清々するけど

…………だからと言ってボクはそんな遊びに誘って欲しくは無いよ、っと」

【身軽に一度後ろへ羽ばたけばその人物を避けて】
【己の居た場所を突っ切っていった際に顔を確認すれば――――面倒事がまた一つ、と一人溜息を吐いた】
【冠水しているこの場所。水を操る彼女は厄介なのは勿論の事、其処に電気も加われば更に面倒になる事は直ぐに理解出来る】
【自分は水と雷との両方を操れるが……それに特化した者に対しては些か心許ない、とは以前の事で分かっているのだから】


「オマケに、ってボクに対して結構失礼だと思うんだけど
キミの所の尻ぬぐいを手伝ってあげるんだからもっと大事にしてくれても良いと思うな、ボクは

その内ちゃんとしたお礼として貰うからね
ゼン=カイマの人達は別に良いけど、キミは嫌いだし」

【弾丸の効果は零では無い。――――当てる事が出来れば、の話だが】
【接近に持ち込むことも考えたが、今は其れよりも他の方法を考えるべきかと判断を改め】
【水。ならば電気が有効だろうが彼女に対して単純な其れが通じるとは考え難い】
【故、試す事は他の二つ。然れど続けざまに攻撃を行う前に“水”を用いた反撃。先ずは回避に努める事に専念し】


「――――終わり?ボクに言わせれば終わらせるつもりだけど」

【上空へ飛ぶにしても間に合わない。ならば狙うのは“相殺”だ】
【テナーの瞳を用いれば自分の周囲――余裕が有るのならば周囲も含め――の其れを弱めようとして】
【完全に打ち消す事は先ず不可能だろう。然れど、その威力を少しでも弱める事が出来れば仲間を一先ず逃がす手助けになるかとの考え】
【出来なければ脚を取られる、が。もしも其れが成功したならば――――】

【――――懲りずに潜るようにして一発の弾丸が放たれる】
【たった一発。だけれど、それは尋常では無い“熱”を帯びていた】
【魔力を用いた弾丸であろう。蒸発、或いは極小さい水蒸気爆発。何であれ、“水”である彼女への有効打を探る為の一発】
148 :ネモ・アーネスト :2015/02/21(土) 20:37:37.83 ID:aFgzxa/40
>>140>>136
【全力をぶち込んだ。確かな手応えが有る】
【―――筈だった。全力は確かに命中したが、手ごたえは無く】
【受け止められていた。唯一つ、戦場で頼りにしてきた拳が通用しなかったのだ】

(この、力は・・・・・・)

【能力者だとしても、異常だと思えるNemesisの腕力】
【まさか自分と同じような―――】
【だが、今はそんなことを考えてる暇は無い】
【すぐさま襲い来る回転蹴りに防御体制を取るが、吹き飛ばされてしまう】
【受身も取れずに落ちるかと思ったが、そこへ差し伸べられた手に掴まって少女は体制を立て直す】

あ、ありがとう!

【リーベが一時の友としてネモを迎える意を示せば】
【ネモは笑顔を返してそれに同意し】

あたしはネモ!SCARLETのネモ・アーネスト!
ヒーロー気取りなんかじゃないっ!
あたしは世界の盾、皆を守るんだぁっ!!!

【馬鹿でかい宣言が辺りの水を奮わせる】

【少女は空中移動の術を持たない】
【少女は一旦瓦礫の上に着地し、再び飛び上がり追撃を狙う】

【狙う隙はリーベが風の刃を相殺したその直後】

まずはその―――邪魔な虫からぁ!!

【リーベとNemesis、二人の間にわって入り、また拳を蜻蛉めがけ叩き込もうとするだろう】
【拳一つ、片手で足りないなら両手、二倍の力を叩き込む。そんなまたまた単純な攻撃だが】
【これはリーベに向けて、自分は殴ることしか出来ないと伝える意味も有った】
149 :ロウの人 ◆EeJ7tvIqpI [sage saga]:2015/02/21(土) 20:38:57.08 ID:Ml39Ngpfo
>>137

――――お前には……分かるのかよ……!?

……両親を失った子供の辛さが!! 恋人を水に飲み込まれた男のその絶望が!! 長年住んできた思い出の都市が壊される痛みが!!
――――そして大事な人を残して溺れ死んだ人々の悲しみが……お前には分かんのかって聞いてんだよッッッ!!!!

【クスリと笑いながら静かにしろとあしらうその態度を受けて、冷たい返事を溶かしつくすようにロウは声を荒げた】
【自分が奪ったモノの重さを分かっていないようなその言葉が、笑みが――――余計に心を熱く燃え滾らせる。ロウは銃のグリップを強く握り締めた。そして――――】


<<――――弾丸憑依Slaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaap=I!!!!!!>>


【首元の宝玉が光ると共に、ロウは自身に襲い掛かる水の弾丸に向かって「一発」だけ弾丸を右から放った】
【そして放たれた瞬間、弾丸から大きな掌が出現する。ロウの身体を覆うほどの巨大なそれは、右から左へとビンタを放つような動きをして弾丸を薙ぎ払った】
【襲い掛かる水を凌ぎ、反撃に移ろうとしたロウの視界に映し出されるは見知った大男。そう、あれは……フレデリック・シャリエール】
【いや、それだけではない。グリースも知っているし、八攫は会話こそないが大会の優勝者なこともあり知っていた。――――余裕の無い心に、どこか安心が広がる】
【フレデリックという新たな参戦者に対しロースが言葉を零すのだが、その言葉の中に含まれた一つの単語がロウの脳内を駆け巡った。――――アーグ、である】

なっ……おいフレデリック、この女アーグの手下なのかッッ!? あの悪霊に生きた手下が……ってうぉぉおおッッ!?
(――――っぐ……前が見えねぇ……!! 地面もねぇし跳弾も使いにくいし……戦場が相手に有利すぎんだよクソ……!!)

【ロースの後ろに潜むは永き眠りから目覚めし混沌、アーグ。――――となればこの事件も、彼ががあの時アーグを仕留めていれば起きていなかった】
【……――――余計に、決着を付けなくてはならない。燃える使命感の焔を瞳に宿し行動に移そうとした刹那、視界が水の壁に包まれた】
150 :ネモ・アーネスト :2015/02/21(土) 20:42:28.55 ID:aFgzxa/40
>>148
×【一旦瓦礫の上に着地し】
○【一旦屋根の上に着地し】
でした!ごめんなさい・・・・・
151 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/21(土) 20:43:52.59 ID:bik+/opIo
>>144

【移った建物の上で彼奴を見つけると、冷徹な鋭い目で睨むようにして捉え続ける】

……イカれたガキめ。

【呟いて吐き捨てる。言葉を飾る必要もない。どうだっていい。ヤツを殺すと決めたのだから】
【後はそれを達成する方法だけに脳のリソースを使った方がいい。それが集中というものだ】
【ともあれ、奴が前作戦において認知されていないのは大きなメリットだ。彼奴がどんなに理解力】
【適応力が高くとも、知っているのと、知るのでは刹那の差でも確実に差は存在する。それが隙だ】


【氷柱の弾幕を回避せず、彼女は懐の散弾銃を抜いた。二連式のソードオフ。弾幕、弾幕で対向する】
【放たれた2発は細かな鉄球を放出させ、前面の氷柱を砕く。全てをバラバラに砕いて、しかし】


クソがッ!!

【一瞬とはいえ視界を遮られた瞬間に、奴が姿を消す。銃弾はあるがうかつに装填は出来ない】
【散弾銃をホルスタに戻し、彼女は現在地から後方へ下がり、距離をとった。レンガ屋根はガラガラと落ちる】
152 :ロウの人 ◆EeJ7tvIqpI [sage saga]:2015/02/21(土) 20:44:12.20 ID:Ml39Ngpfo
>>137 >>138
/すみません、【右から左へとビンタを放つような動きをして(水の)弾丸を薙ぎ払った】に訂正をお願いします。
/ロウの弾丸と水の弾丸で区別が付きにくかったです、申し訳ありません……
153 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/21(土) 20:49:35.73 ID:DA5wRBgyo
>>141>>146

 カミナ・ゲルギルにヒトツギ・カズネ、か。覚えておいてやろう
 さて、ただやるだけではつまらんので──ん?

【名乗り終えた二人に向かい、アインは更に言葉を向けようとしたが中断。両者の素早い攻撃に対応せざるを得なくなった】
【巨大な二頭の狼に追従する弾丸によって水の膜が張られてアインの逃走経路を断つ。その紗幕の中に彼の姿が消える】
【水柱が収まり魔術師の姿が現れる。彼の左右で二頭の狼は、白濁した圧縮大気の壁で接近を押し留められていた】

 手が早いのはいいがもう少し喋らせろ……
 ただやるだけではつまらんので初撃は受けてやる、と言いたいところだったが
 流石の俺も犬に引きちぎられては死ぬのでな。こればかりは防がせてもらおう

【立方体だった圧縮大気が変形。巨大な手となりそれぞれが狼を握り潰そうと覆っていく】

 それに、今日は魔術師が相手のようだしな。いつもなら属性を限定して戦うのだが、それもやめだ
 正義を騙るお前たちがどれほどのものか、試させてもらおうか──!

【大気を操作しつつアインの右手が水面に触れる。微かな魔力の燐光が弾け、カズネのいる建造物の前が波打つ】
【次の瞬間、超高速で水が噴出。狙いは建造物。水圧のカッターで斜めに切り裂いて足場を潰す算段だ】
154 :No.7 Nemesis ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/21(土) 20:53:19.52 ID:hW6z8PZco
>>136>>148

【見たところに拠れば、ネモ・アーネストの攻撃手段は徒手空拳のみ、だろうか。】
【勿論、これ以後に強力な能力を駆使してくる可能性は否めないのも確かだったが、しかし】
【リーベ、そしてネモと共に接近戦を得意とする能力者を二人相手取るという事実に代わりは、無い。】


 (基本的に近付いて殴るか、鬱陶しい言葉でベラベラこっちを説得しにかかってくるか、
  若しくは衝撃波を撃つかの三択しかないリーベにプラスして、それ以下の殴るしか能の無い小娘が1人……フン。)

 ふふふ……あら、共闘しているつもりかしら。ネモ・アーネスト、名乗れとは言ってないけど、自己紹介有難う。
 でも別に名乗らなくても良いのよ? どうせ今日アンタも此処で死ぬんだからね、カンフー・ガール。
 それにリーベ……大丈夫? アンタの能力は人と一緒に戦うの、とてもじゃないけど"不向き"でしょう?

  ―――"共闘"が、"脚の引っ張り合い"にならないと良いわねぇ、お二人、さんッ!!


【ブオオオン、と強烈な羽音を響かせて蜻蛉は更に上昇、衝撃波を駆使し水上を闊歩するリーベと】
【彼女の援護を持って足場へと避難するネモを見下ろす形になると、怪しげに旋回を開始する。】
【そして風の刃が衝撃波に相殺され、直後飛び掛ってきたネモに対し蜻蛉は怯まず何と―――"突撃"!】

【そう、拳に合わせて羽を振りかざし、まるで刀剣のようにそれを唸らせて斬撃を繰り出すのだッ!】
【丁度向かってきたネモをカウンター気味に迎え撃つ形となるが、同時に彼女の拳もまた、蜻蛉へと確かに命中し】
【その拳の一振りは細く、耐久性には優れない蜻蛉の脚部を一本だけ、圧し折るだろう。】
【だが―――その直後、Nemesisが一瞬痛そうな顔をして胸の辺りを押さえたのを、見逃さなかったのであれば】
【昆虫とNemesisのダメージ・レベルは密接とまでは行かずとも、"リンク"しているという事に気が付けるだろうか。】


 ……ぐっ、ぅっ……!! 「邪魔な蟲」、ですって?
 私からしたら、お前達二人こそ本当のお邪魔ムシよ、小賢しい能力者めッ!!


【そしてカウンター攻撃で突撃した直後、蜻蛉は翻るようにして低空を飛行し、水面ギリギリを飛翔する事で】
【羽から生み出した衝撃波を水面へと叩き付け、強大な水飛沫であたり一面をどんどん吹き飛ばし、破壊していく。】
【その目的はただ一つ、水上を闊歩できるリーベに対し、水上を移動する手段を持たないであろうネモの移動を封じる為。】

【衝撃波と風・そして巻き上げられた水の生み出す破壊力が次々と水面に浮いた家屋や足場をズタズタに引き裂き、破壊していく―――!】
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/21(土) 20:56:57.22 ID:c7kKKruz0
>>151

【なんとか隙をついて登って行くも狙ってか偶然か落下してきたレンガ屋根をモロに浴びてしまう】

【戟を外壁に突き刺してなんとか耐えるもダメージは免れない】

【それでもただ___男の娘は笑う】

「あはははは、いったぁーいッッッ!」

【勢い良く戟を引き抜くと共に一気にかけ上がり勢い余って空中にまで飛び上がる】

「はろぉ♪」

【瞬間_彼の身に付けていたパーカーを脱ぎ目隠し(ブラインド)の為に彼女の顔に被せるように投げる】

【それと同時に放たれる氷柱、今度は数こそ十本程だが先程よる太く、そして長くなっており】

【それに正比例して威力も高い、そしてその氷柱を彼女ではなく、彼女の______足場としている屋根_____に向かって打ち出す】

【男の娘は只でさえも傾斜があって尚且つ災害でダメージを負っている誰かの住居の屋根の方を破壊するつもりのようだ】
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/21(土) 21:05:27.27 ID:hd82p+sg0
>>137-138

【いくらかは避けられた、だがエルヴェツィオは確かな手応えも感じていた】
【中距離や遠距離を得意とするタイプの能力者は 接近戦に不向きなのが多い傾向がある】
【この敵も攻撃された時の動きから察するにその例に当てはまるとみた、ならば距離を近く保てれば勝機はきっとあるはず】

……っ…………!なるほどこういう攻撃も出来るわけか……だがこれしきッ!

【飛んでくる水の刃、しかし単純な攻撃だと彼はレイピアで捌こうと構える】
【しかし、如何に形を変えようとそれは水、レイピアは何の感触も得られぬまま水を通り抜けてしまい】

な…………何ぃ……っっ……!!?

【必死に身体を捻って水の刃をかわす、しかしシャツの胸辺りの生地がすっぱりと切れている】
【何と鋭利、此方が剣で受け止めることは出来ず、水だけが通り抜けてダメージを与えてくる】
【あと少し反応するのが遅ければ、上半身と下半身が分離するところであっただろう】

あ…………危ないところだった、そうだこれは水だ……!普通に戦えば切ることは出来ない……!
ならばやはり俺の能力で……………………ッ!?な……なんだ?

【エルヴェツィオは冷や汗をかきつつも、何処からか吹き飛ばされてきた何者かに目を向ける】
【手負いの状態だ、つい今まで誰かと戦っていたようだが……】
【しかし次に捉えた人物によって それは直ぐに理解できた、大司教、フレデリック・シャリエールだ】

フレデリック!やっぱりお前も来ていたのか……!こいつは心強い。
ってことはそこの…………ブリッツとかいうやつと戦っていたのはお前か、どうやら……押してるみたいだな!
……まあいい、フレデリック大司教サマが居れば百人力だ、コイツら…………倒すぞ……!!!

【こんな状況でも相変わらずの軽口だ、だがそれもフレデリックへの信頼から来るもの】
【援軍、それも彼が来てくれたのならと強気になり、改めてロースに焦点を合わせる】

…………また水を使って……!だが、既に対策なら出来ているぜッ!!

【迫ってくる水にレイピアを向ける、またさっきのようになると思っていても違う】
【バチバチと音が聞こえた、同僚のフレデリックならば知っている、彼もまた 雷を従えられるということを】

【紫電のバリア、高圧の電気がエルヴェツィオの体に盾のようになって現れる】
【触れた水は反発して、更には僅かに蒸発している、その強力さが分かるだろう】
【防ぎつつ、ロースとブリッツを探す、リセットとはどういうことか】
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/21(土) 21:11:49.16 ID:N/6W9VBYo
>>146>>153

【カズネによる援護も加えた初撃……それによりアインの姿は見えなくなるも】
【これで終わり、などと楽観視するほど少女も幼くはない】

【程なくして何事もなく姿を現し】
【狼折り紙をいとも簡単に押し留めるその並外れた力量を確かめると】
【チッ――と、小さく舌打ちを吐きながらも】
【潰されていく二枚の折り紙を切り捨て、操作を手放した】

【くしゃり……と、力を失いただの紙となって潰された折り紙は】
【そのまま力を失い光の粒子のようになって無へと還っていく】

……試す、じゃと? このわらわを相手にほざきおるわ、三流悪党風情めが
待っておれよ、その余裕面をすぐに歪めてやるのじゃ――

【忌々しげに吐き捨てながらも、すぐに完成した次の折り紙を従えて行動を開始する】
【左右、一つは"亀甲"、亀の甲羅を模した防御用の折り紙として顕現し】
【もう片方は"四つ子蛙"。真ん中で口を合わせるようにして】
【四葉のように連結した奇っ怪な形をした折り紙であった】

…………っ! いかん、

【アインの行動――水圧カッターにより建物を切り裂くという離れ業に】
【一瞬判断を迷うも、すぐに生み出した折り紙を操作し行動させる】
【それは"亀甲"折り紙。皿のように平面に構えながらも、亀甲は>>146(カズネ)に向かい飛翔する】
【目的は、崩れる足場の代わりにカズネを受け止め載せるためであった】

【もしこの行動が成功した場合、その場で折り紙を空中で固定】
【もしくは指示があればその通りに動かすことだろう】

【そして同時にもう一枚、「四つ子蛙」をアインに向けて向かわせた】
【一見真正面からの無謀な突撃、速度も大したことはない】
【狼の奇襲をも容易く受け止めたアインに対しては無意味とも取れそうではあるが】

【ある程度接近する、もしくは迎撃された場合】
【その時点で「特性」が発動。蛙の連結が解かれて四方に分裂し】
【四方向から粘着質の舌を素早く伸ばしてアインの体に絡みつかせようとするだろう】
【攻撃翌力は皆無で、成功したとしても魔術により拘束から逃れることは難しくないだろうが――】 

【新たに左右、そして上方に紙が出現し折られ始める】
158 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/21(土) 21:18:05.64 ID:0X595IIEo
>>142

【水が上がる直前、柊が振るった刃は赤い飛沫を周囲に散らす】
【その速度、切れ味、剣圧。対極に位置する相性は、良くも悪くも作用する】
【噴き上がった水で結果を見ることは叶わないが――手応えは、確かにあっただろう】

>>145>>147>>149>>156

【これもやはり水が噴き上がる直前であった。水中に飲まれた青年とは】
【――ロースに取っては、やはり"終わった存在"だったのだろう】

【故に、嘴は彼が思うよりも一層たやすくロースの肉体を穿ち貫く】
【その上同時に、蹌踉めく身体にはグリースの放った弾丸が直撃】
【小気味よい炸裂音の後に、周囲へは更なる赤が飛び散って、水が視界を奪い】


『……その女、それにいま貴様が……グリースが避けた小僧はーアーグの手下だ。
 それぞれ水と雷に特化した能力を持っている上に、半不死≠フようでな

 道理は知らんが、殺しても死なん。とはいえ、限界は誰に有るはずだ
 ブリッツ……雷の方は先ほど五回ばかり殺してやった
 今の攻勢で、女の方も二度は死んでいるはずだ。百回も殺せば、恐らく…――ッ!?』


【噴き上がる水の中に響く、フレデリックの声と戦局の説明】
【そしてそれを裏付けるかのように、"恐らくは"死んだであろうロースの水流は】
【グリースの力によって弱められる事はあっても、衰えるような事は無く】


>>ALL

【噴水の様に上がった水は、やがて降りる。不意に訪れるのは不快感=z
【神聖な山で迎え入れる朝日の温かさと、腐肉の臭いが立ち込める路地裏と】

【その双方を一挙に掻き混ぜてぶち撒けた――そんな感覚が出現し】
【直後、その場に居合わせた全ての"敵対者"に対して放たれるのは】
【分厚く巨大な魔力の槍。ともすればバリスタとも見紛うようなサイズのそれは】
【水を巻き上げ、同時に蒸発させるほどの強烈なエネルギーを内包しながら各人に迫る】

【唯一、青年――鳩ヶ谷だけは例外だ。水中に居るのが、却って的となるリスクを消失させた】
【オマケに今この瞬間に限っては水の拘束も緩い。脱出するのなら今だろう】
159 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/21(土) 21:19:58.90 ID:0X595IIEo
――――――――――――――――――――――――――――――

カカッ……酷いものよな、寄ってたかって女子を甚振るとは。
 その中に聖職者を名乗るものが三人も居るとは……それも、しかも……よ。

 ――この私がかつて治めたゼン=カイマの騎士風情が混じっているとは……ッッ!!!

【声は高くも低くもない。水しぶきが晴れた時、倒れた時計塔に異様な人影が見えた】
【先の魔力の槍の発生源――背は240cm超。目元は穴あきのアイアン・マスク】
【古式ゆかしい大司教服を着込んでいるが、その丈はまるで絨毯でも纏っているかのようで】
【口元は裂け、覗いた歯列は数・形ともに人とは思えず、長い袖からは捻くれた爪が垣間見える】

【――アーグ、とは彼の事だった。真っ黒い拘束具染みた衣装と、聖職者の衣服とが入り混じり】
【加えて黒羽根のファーを纏っているのが異装。手には巨大な宝杖を持っていた】
【知る人ぞ知る宝槍カテドラルと形状が酷似していて、フレデリックの視線は忌々しさが入り混じり】

【また、もう一方の腕には傷付いたロースを抱えていた。真っ白な女性は、今は朱に塗れていて】
【しかし抉れた胴は治りつつある。半不死=\―その言葉は事実なのだろう】
【――ところで、もう一人の敵であるブリッツは姿が見当たらず】


さて……?私の邪魔をする者の名は、なんというのかな……?
 フレデリック・シャリエール、グリース・イムリンパルス……他に、なんと?
 ……おっと、貴様は見知った顔だな銃士。良い良い、そう猛るな…――ク、フフッ


【そう言って、一度言葉を締めくくった。不穏な雰囲気、言わずとも分かる強烈な力】
【名乗りを要求するのも、何処か高慢な様子だった。――敵の首魁は、時計塔という大きな足場の上に現れた】
160 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/21(土) 21:21:09.84 ID:FgenREODO
>>148>>154(ネモ&Nemesis)

【鋭利な風を相殺してしまえば、一先ずの危機は去る】
【しかしいつまでも防戦一方ではジリ貧だ】
【そもそもNemesis自身が蟲に乗り、体力を消耗する様子がない】
【かと言って、単調な「衝撃波」のみでは避けられるのは目に見えていた】
【互いの力を会わせなければ──この状況は打破出来ないッ!】


ふふん、チカラなんてモノは使い方次第だな!
同じ能力を持ったお父さんだって、お母さんとラブラブだからな!
私が誰かとラブラブに戦えても不思議じゃないだろう!!


【Nemesisに返す軽口──いや、だいぶむちゃくちゃな理論ではあったが】
【リーべ自身は、ネモとの共闘に積極的な姿勢を見せている】
【けれど──未だ、策は閃か、ず……】


(空中移動は出来ないか──ならきっと、水上の移動も)
(それにあれは……打撃。格闘がメインの攻撃手段か!)
(なら、腕力や握力はそれなり……少なくとも、「波動」頼りの私より、ずっと強いな──!)

(────!! 今、Nemesis……痛みを!?)


   ネモ────そのまま、トンボの脚を掴んで、全部、折れぇええええ!!


【びり、びりびりびりびりびり──!】
【彼女の喉から発せられる振動が、周囲の大気や水面を震わせる】
【打撃が蜻蛉に当たった──つまり、「なんとか頑張れば」、蜻蛉の脚にしがみつくぐらいは出来そうだとリーべは考えたのだ】
【そして蟲とNemesisがダメージを共有しているなら──追加の攻撃は、かなり「効く」はず……!】

【相当傍若無人な指示だ。ネモの負担なんざ考えちゃいない】
【しかし生まれたチャンス──潰すことはしたくない!】


   おまけだッ! ────耐えろよ、ネモ……!!


【龍のように水上を疾走する、Nemesisの蟲──スピードが厄介だが、「コレ」なら……!】
【──す、とリーべが水面に手をかざす。……とくん。小さく、水が、波打って】

   【 ず、ず、ず────……! 】

【水が、踊り出す。騒ぎ、唸り、悲鳴をあげる】
【何を──振動だ。揺らして、いるのだ。水を、周囲の、水を】
【衝撃波の力で水面に居ながら、水を揺らし──揺れた水は、次第に大きな、波となり……】

   【 ず──────!! 】

【──津波。津波だ。それも、局地的な、大波だった】
【最初は小さな波だが、振動を与えれば与えるほど、波は巨大なものとなっていく!】
【そしてリーべの生み出した大波は、水上の足場を蹂躙するNemesisたちへ──そう、ネモすら共に巻き込もうと、迫り行く!!】

【さらにはこの大波。蜻蛉を狙ったものだけでは、ない】
【水中を振動させぐちゃぐちゃにすることで──沈んでいた足場を新たに出現させようともしていたのだ!】
161 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/21(土) 21:21:41.10 ID:bik+/opIo
>>155

【彼奴の声を聞いて方向を察知すると、剣を改めて両手で握り構え直す】

【飛び上がる敵を見、歯を食いしばる。気合を入れろと自分を鼓舞する。言葉が悪いのはご愛嬌だ】
【剣の構えを崩しはしない。投げつけてきたパーカーはハイキックで横に蹴り飛ばす。自分の武装の】
【短所は取り回しの聞きづらさ。刀のような軽妙な連続攻撃には不向きだ。蹴りならば隙をつかれても】
【踏み込みに応用出来る。その剣の隙を突いてくと予想したが、戦場に立ち込める霧というのは予知できないものだ】

この…クソッタレが。

【崩れ始める、建物の屋根を歩きながら、彼女は懐から2つ目の奥の手を取り出す。風の魔導書だ】
【彼女は片手でそのページを一枚無造作に引き裂くと、とたんに台風のような突風が彼女の背後から吹く】
【追い風は彼女を身軽にする。退くのは難く、攻めるは易く。彼女も飛び上がった彼奴に向かって風を得て飛び上がる】
【崩れ落ちる足場を振り返ることもせずに、ただ敵という一点だけを見つめて】

【その時、彼女の背には翼があった。例えではなく紛れも無い本物の翼が。カラスのように黒く、大鷲のように尊大で】
【だが白鳥のように優美で、戦場のように汚れている、片翼の鳥。彼女は風を得て、鳥は飛んだ】

ハァァァァァァアアアアア!!!

【バットのフルスイングの様に剣を構えて、過ぎ去りざまにそれを振りぬく!!】
【鳥は当たるも当たらぬも関係なしにそのまま横を飛び去って、別の地点に着地する。風はすぐにやんでしまう】
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/21(土) 21:24:08.09 ID:bcB9BW6Lo
>>153

【孤狼を握り潰す空気の塊、であるならば空気を扱う魔術師かと考えたがどうやらそれは違う】
【ゆらりと微睡む水面に淡い光、何をするのかと瞳を細く見つめればそれは唐突に訪れる】
【沸き立つ水面、吐出される一閃が圧縮された水だと理解る頃には自らが立っていた足場が崩れ初めていた】

ちっ……!複数の属性を扱うなんてトンでも野郎ね……!
(それもビルを両断せしめるなんて……余計な事に魔翌力を使いたくはないってのに!)

【瓦解する視界、爪との魔翌力のパスを強化しより直接的に接続を行う】
【瓦礫の粉はしかし飛沫上げる水により僅かと立たずに飲まれてゆく、カズネの身体も水に塗れ】
【水面へと溶ける、その寸前―――――――救い上げる者がある】

うっひゃあ……アンタもアンタで大概便利ね、助かったわ流石に沈むのはゴメンだしね
さ、て――――――やられた分はやり返すのが性分だからこっちもこっちでやっちゃうんだから

【(>>157)カミナによる折り紙に掬われ一時呆けながらも礼を口にし次には砲身を敵へと向けている】
【ここは戦場、敵に情けを与える者は誰一人としてなく……】

圧縮式に高速式、繋げて……撃ち抜く……っ!

【爪の1つの装甲を解き姿勢制御を含む接続を腕へと】
【他5つの頭部、尾部を接続し各爪内部の魔術式を結合――――その姿は長距離砲のそれ】
【接続部位から露見する魔翌力炉はカズネよりの供給を受けて尚も昂ぶり赤き光と熱を排しながら魔翌力の圧縮を開始】

装填、終了……そっちが水ならこっちは熱量よ……!

【カミナの捕縛の試みに合わせカズネは長距離よりの射撃を放つ】
【熱線と化した魔翌力の本流はさながら流星のようにアインという敵へと迫る、弾道に合わせ水面が揺らぎ蒸気を排出する熱量】
【個人には過大となる力だが、しかし埒外の魔術師にどれだけ通用するのかと……赤い瞳は見据えていた】
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/21(土) 21:35:57.19 ID:MTZ3m1rA0
>>117

(……なんつーか、心の弱い感じの娘だよな……自分の物が壊れてしまったんだから「しっかりしろよ」とも言えないが……
 こう、何度も泣きそうになるって、どうよ? ……ま、何かあったのかも、わからんけどね……)

【掛ける言葉が見当たらず、トスしたコインをキャッチしながら男性は横眼で少女の表情を窺う】
【――――先ほどから感じている、この「子供っぽさ」。どうやら気のせいなんかではなく、かなり実感を伴っている様だ】
【それをどう考えるか、単純に精神的に頼りないだけなのか、それとも心に問題でも抱えているのか――――】
【答えが出ない以上、尚更掛ける言葉が浮かばない。ともあれ男性は、そこには触れない事を決めた】

……そうは言ってもどうするんだ?
そんな足じゃ、20mも歩かないうちに、もう1回転びかねないぞ……?

【改まった挨拶の言葉を受けて、しかし男性は渋い顔で首をかしげていた】
【元より、ここで立ち去っても義理は果たしたと言う事になるのだろうか――――とは言え、どことなく後味が悪いのは、確かだ】
【――――『UNITED TRIGGER』の人間と、あまり長らく接触しているのも、男性にとって言えば、推奨されない行為なのだが……】

――――――――『表』、か…………そうだよな、やっぱそうこなくっちゃな……!

【そっと、手首でキャッチしたコインを確認した男性。そのコインは、人物の肖像を上にしていた】
【それを確認して、男性の表情が晴れる。なにか、得心がいったという様な表情だ】

――――よし、決めたぜ!
……ほらよ、掴まれ。今から靴を買いに行こうじゃねぇか、当面歩いてく間だけでも履く物をな!

【コインを取り上げ、これ見よがしに眼前に翳しながら、男性は唐突にそう提案をする】
【それまでの、どこか当惑した様子が一変、はきはきとした断定的な力強さを伴った口調で。雰囲気がかなり変わっている】

金なら心配するなよ、昨日カジノでしこたま儲けられたからよ!
どうせ俺1人じゃ持て余した揚句、また博打でスっちまうのがオチだ。金は使わなきゃな!

【――――最初の男性の上機嫌ぶりの原因はそれだったのだ。今の男性は、どの程度かはともかく、それなりの額の金を持っている】
【どうやら、先ほどのコイントスは、少女に余剰な金を以って『施し』をするかどうか、自分に諮っていたものらしく】
【そこから出た結論と言う事で、己の迷いを一気に吹っ切ったのだろう】

/ただ今戻りましたー
164 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/21(土) 21:38:25.14 ID:MM1vtMzao
>>158
>>159


──ぷはッ!…敵は…! 手応えはあった…!


【──この能力の利点は、自由自在に操れる点。加えて、消失の後、すぐ手元で出現させられる点だ。】
【鳩ヶ谷は直ちに嘴を消失させ、自分の元に出現させた。】
【失いそうな意識を日増しに強くなる嘴の鼓動が呼び戻す──しがみつき、弛んだ水から強引に水面へ出てきた。】

【──水中にいたため魔翌力の槍の標的になることはなかった。】
【加えて現れた強大な威圧感も、水中だからこそ紛れて──、不運にも、無意識に、慣れさせた。敵の存在感≠。】


──お前が親玉か?


【鳩ヶ谷は水面から上昇しつつ、今打ち抜いた敵を探すように辺りを見渡す。】
【──そうしてやはり不運にも、アーグの前に姿を出してしまったのだ。】
【先述の通り、鳩ヶ谷はこの男の存在感に慣れてしまった。そのため安直にも対峙する。】
【嘴の上に立ち、片手剣を構える。慣れてしまったことが彼の姿勢に無駄を無くしている。】

【──自警団に入って日も戦闘の経験も浅い──、そんな彼が。】
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/21(土) 21:38:56.47 ID:c7kKKruz0
>>161
【目隠しのパーカーを蹴り飛ばされた瞬間に取り出された魔導書】

【大きく飛んだ彼女の背より生えた翼、まさに荘厳、片翼の堕天使の斬撃男の娘の命を切り裂こうと煌めく】

【しかしながら少年は力任せに振るわれる剣に対して此方も力任せに戟をかち合わせる事である程度衝撃を[ピーーー]】

【それでも尚、衝撃をかわす事は出来ずに水面に強く叩きつけられる】

バッシャャャャャャャャャャャャン!

【大きな水音と水柱を立てて着水した少年】

【______刹那の沈黙】

【そして】

「UHYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

【頭から血を流し、只でさえズタズタだったタンクトップは衝撃で脱げ、余程のダメージを負ったと言うのに】

【それでも彼は狂笑を上げ獲物を携えとびかかる、どうやら遠距離戦では勝ち目が無いと思ったようだ】
166 :ネモ・アーネスト :2015/02/21(土) 21:40:16.56 ID:aFgzxa/40
>>160>>154
【今度こそ手ごたえは有った。カウンターを受け、こちらもダメージを受けたがそれでも】
【確かに一本、骨を持っていってやった】

いーっだ!!
あたしはSCARLETなの!こんなところで死んじゃうわけないし
あんたなんかに心配されるほど、あたしは弱くないもん!

それに―――見えたもん、あんたのやっつけ方!

【攻撃を終えて落ちながら、羽の斬激を受け、拳から血を流す右手を掲げ少女は叫ぶ】
【蜻蛉の羽を折った瞬間、Nemesisが呻き、胸を押さえたのを少女は見逃さなかった】

(たぶん・・・・・・あのGIFTの時と同じだ
 あの虫とあいつは繋がってる!)

【勝機は見えた。Nemesisには通用しなかった拳も、あの蜻蛉になら届く】
【そして蜻蛉に拳が届けば、ダメージはNemesisにも伝わる】
【後はまた着地して、もう一度、何度でも、蜻蛉をやっつけられるまで叩き込んでやればいい!】
【勝てる、そう確信した、が】

―――!?

【蜻蛉が自分を無視して何処かへ飛んだと思えば、強烈な水飛沫と共に下の足場が塵と化していく】
【まずい、自分は空中を移動することも水上を歩くこともできない。】
【足場がなければ―――ただの足手まといだ】

【否】

【足手まといになる気は、ない!!】

リーベぇえええええ!!おねがい!!

【リーベの叫びが大気を奮わせたと同時、ネモの叫びが水面を揺らす】
【足場が無ければ足手まといなのは確かだ。でも、今はリーベが居る】
【今日あったばかりなのに、自分を信じてくれるリーベが居る。だから、自分もリーベを信じるッ!】

【リーベの口から出た作戦はむちゃくちゃだ】
【でも、無茶を言うって事は、それだけ信頼されている証明】

任せてよ、絶対にやってやるから!

【リーベが生んだ波にネモが飲まれ、ネモを飲んだ波がNemesisまで迫り】
【波の中から浮かんだ足場に乗ってネモが姿を現す】

いっ―――けぇえええええええええ!!

【そしてその足場を蹴り、蜻蛉の足を掴もうとして】
【もし蜻蛉の足をつかめたならば残った手と、両足、そして頭。全身を使って蜻蛉に攻撃を加えようとするだろう】
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 21:48:56.52 ID:mha36wtE0
>>163

【こんなに盛大に靴が壊れたのは初めてだった。それも、転んでしまって、壊れてしまって、】
【それが妙にショックだった。転ばなければ恥ずかしい姿は誰にも見せなかったし、靴も壊れなくって】
【なんだかしょんぼりするし、だけど機嫌が悪くなるというよりは自分のせいだし、どうしようもない気持ち】
【欠片片手に最後に大きなため息を一つして、――それで、さっきの、立ち上がる仕草へと繋がり】

あ……えっと、チラシ配るのは、後にして、いっぺんお店に戻ろうかなって――。
それか、――残念だけど明日に配ることにして、修理屋さんに持って行くとか……。

……えっと、靴下は洗えばいいし、今日は暖かいから、少しくらいなら裸足で歩いても……。

【どうするのかと聞かれて、彼女は、じゃあいっぺん戻ろうかと思っていた、なんて、答えるけれど】
【少なくともUTは国違いで風の国だし、家はどこか分からないが――とにかく、歩かずに行くのは無理だろう】
【かと思えば裸足で歩いても別にいいしなんていいだして、気弱なんだか無頓着なんだかよく分からなくなりそうだけど】
【(その実、転移用の魔術を仕込んだアクセサリを持っているので、ひどい話だけどあんまり、切実な話では――ないのだった)】

え……でも、わ、わたしも、お金、あるよ――その、今は、あんまりたくさんは持ってないけど……。
でも安い靴くらいならきっと買えると思うし、……それより、わたしが、お礼しなくっちゃ。拾ってもらって――、

……あ、今度UTの酒場に来てくれたら、お酒、安くするよ。……だめ、かな――?

【だから、あんまり本気に考えていないから、そんなことを言われれば、びっくりしたような顔をしてしまう】
【靴を買いに行くのはまあ選択肢の一つなのだが、お金を出してもらう――となれば、それは少し違っていて】
【慌てたように首をぶんぶんとさせる、それで、――とにかく、お金を出してもらうのまでは遠慮したいようなのだが】

【――お礼をしたい、だなんて言い出して。それはそれとして、その内容が、そんなものだったりする辺り】
【彼にとってはきっと都合は悪いのだろう――、それでも何も知らないから、悪意、とか嫌がらせ、ではなく】

でも――、いいのかな……。わたしが悪くて、壊れちゃった靴なのに……。

【そのうちに吹っ切れた様子の彼の言葉に押されだす。元々気の強い性質ではなく、むしろ、】
【相手の意見に影響されやすい――というか、相手に合わせてしまう性質があるくらいで、或いは癖のようなものだが】
【どんな器にも寄り添う水のような――、少し困ったような目、本当にいいのかと尋ねるような目、伺いがちに、彼へ向けた】

/おかえりです!
168 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/21(土) 21:49:10.50 ID:DA5wRBgyo
>>157>>162

【斜めに切り裂かれた建造物が水面に衝突して巨大な水柱を上げ、水底へと沈んでいく。吹き上がった水が周囲に降り注いだ】
【アインは状況を確認するべく周囲を見渡した。足場を切り裂いたがカズネはカミナに助けられた。そして次の攻撃が迫っていた】
【カミナの一見して無謀な攻撃に対して、アインは無造作に右手を向けた】

【赤衣の魔術師から放たれたのは圧縮空気による大気の弾丸。それが“四つ子蛙”に命中して破裂させる】
【それぞれから舌がアインへと伸びていくが、到達直前で水面から水の壁がせり上がり舌を全て切断する】

 いや、それなら熱量で対抗しよう

【アインの左手がカズネへと向けられる。赤い燐光が灯り、弾けた】
【手の前方に魔法陣が現れ、その中心から膨大な業火が水平に発射されて水面を蒸発させながら直進。カズネの放った熱線に命中】
【接触面で真下の水面が歪むほどの熱量が拮抗し合い、次第に消滅していった】

 ははっ! 魔術師にしては地味だと思っていたが考えが間違っていたな!
 まぁまぁな攻撃じゃないか。もっと撃て

【水蒸気に包まれる魔術師は笑っていた。敵の放った攻撃の“派手さ”に彼は感心していた】
【もう一度アインは、右手をカミナ、左手をカズネに向ける。それぞれの前方に魔法陣が出現】

【カミナにはカズネの熱線を相殺した業火が放たれた。圧倒的な熱量と勢いで直進するだけだが威力は証明済みだ】
【カズネには小さな水の弾丸が無数に、かつ広範囲に飛来する。更に命中しなかった水の弾丸はカズネの背後で終結】
【巨大な水の竜と化して後ろから強襲してくる】
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 21:50:04.81 ID:CYEqrusT0
>>158>>159
「まあ、何れ死ぬなら良いさ。起き上がる度に頭を撃ち抜いてあげてればそれで終わりだからね
――――そう簡単に出来そうも無いけど」

【そんな簡単に全ての片が付かないことは、以前の事で既に理解して居る】
【水に沈んだところで大して時間を掛ける事も無くまだ浮上してくるだろう】
【然れど、今は拘束具も無い。姿を見せる度に殺す、ただそれだけ】

【手足をもごうが石化させようが、それが絶つ事に通じている訳で無い事だけは分かっているのだから】


「――――ッ」

【さて、今の内に準備を整えて。そんな事を思った最中、何とも言えぬ感覚】
【――――繋がっている存在が予め分かっていれば、其処から先の理解も早い】

【身体を捻る事で槍の回避。腹の脇を裂かれるも、貫かれる事が無かっただけ良しとして】
【チ、と小さな舌打ち。あの二人を相手にしていても厄介であるが――――更に“アレ”が加われば戦況は好ましく無い】
【ただ……屠るには絶好の機会とも取れ】



「女子を甚振る?そりゃまた随分と都合の良い解釈をする頭を持ってるねえお爺ちゃんは
――――一方的に此処の人達を殺したのは何処の誰かな。あの程度じゃまだ足りない位だ

キミのお仲間同様名前を知られてるのはあまり良い気がしない、けど
棺桶の準備は終えてきたのかな、アーグ。キミの可愛い可愛いお仲間の心配をするよりも、自分自身の心配をした方が良いんじゃ無い?
ほら……死神は蝋燭が消えた人の命を刈り取るのが仕事だし。キミは十分長く生きすぎた」

【当然、一人で向かえば返り討ちに遭うのは理解出来る】
【だけれど、今は他にも仲間が居るのだから――――可能性は零では無い】

【場所はまだ遠い。否、先ずは相手の出方を窺うべきか、と】
【直接戦った事は無くともその尋常で無い力は戦わずしても分かる事】
【そして何より、もう一人の半不死の存在が気になったから】

【先ので死ぬ様な輩ではあるまい。何もして来なければこのままアーグへと向かうが――――】
170 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/21(土) 21:51:38.81 ID:bik+/opIo
>>165

【また硬い!手応えが硬すぎる!!攻撃の際に敵を視認することは出来ない角度だった】
【その為に攻撃が入ったかを確認する手立ては経験で培われた勘と感触で判断するしか無い】
【だから、硬すぎる。ということはまだ生きている。おとなしく濁流に飲まれるような相手でもなかろう】

【適当な建物の上に降りる。滑空は可能でも片翼で滞空することは出来ない。昔ならそのまま魚をついばむ】
【水鳥の様に追撃したものだが。息を大きく吸っては吐いて、ヤツを待つ。慌てるな。どうせヤツは食らいつく】

――――沈めっっ!!沈んでいろっっ!!

【飛びかかる彼奴に向かって、足を一歩踏み込んで、彼女は真っ直ぐその巨大な直剣を突いた】
【懐には近づけさせない。距離を取らせる。牽制の一撃だ、馬鹿正直な突撃は危険だと教育してやる】


/すみません、次レスちょっと遅れます
171 :ロウの人 ◆EeJ7tvIqpI [sage saga]:2015/02/21(土) 21:55:46.18 ID:Ml39Ngpfo
>>158

【水の壁に阻まれている中で響くはフレデリックの声。半不死という衝撃的事実を耳にしても、ロウ自身はそんなこと関係ないと息巻いていた】
【――――不死身であれ何であれ、自分は殺さない。殺さずに捕まえて、制する。これが自分の信念だから】
【大量の命を飲み込んだ彼女であっても、俺は殺さない。殺さずとも彼女を止めることは、きっと出来るはずだから】

【憤る自身に不殺の2文字を冷静に刻み込もうと深く息を吐けば、同時に今握っている拳銃を仕舞い、両腰に装着していた二丁拳銃用のホルスターから他の銃を取り出した】
【両手にリボルバーを握り締めれば、首から下ろした宝玉のペンダントが昂る精神に共鳴し魔力を放つ。そしてロウは吼える。命を護り信念を貫く為の牙≠フ名を】

                          来い――――Mirage Magicians<bッッ!!!!!!

【その言葉に、両銃が共鳴し―――魔翌力を爆発させ、そして姿を変える。今まで使っていた赤青の自動拳銃とは全く異なる姿、デザイン、そして威圧感―――】
【両銃を分類するならば、リボルバー式の装飾銃だろうが―――其れにしても規格外のサイズ。30cm近い全長であり、そして綺羅びやかに輝いている】

【右銃は朱。全体がメタリックレッドで爛々と輝き、黒のグリップにはSCARLETの紋章がメダルで埋め込まれており】
【左銃は蒼。全体がメタリックブルーで煌めいており、黒のグリップにはペンダントの宝玉半ば剥き出しでが埋め込まれていた】
【新たな牙が両手に握られた直後、水の壁は姿を消す。――――そして直後、無慈悲な水の槍がロウの身体を貫かんと迫るが……!!】

……――――うぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!!!!!!!!!!
――――FREEZE AND IGNITED !!!!!

【ロウは無謀にも避けず、その場で新たな両銃を槍に向けた。そして左、右、とワンテンポずらして発砲したのだ。しかも、まったく別々の方向に】
【左銃から放たれた弾丸は、真っ直ぐ槍へと飛んでいく。青く輝いたそれが当たれば、水の槍を先端部付近だけだが凍らせて氷の槍へと姿を変えさせる】
【そして右銃から放たれた弾丸は、一見明後日の方向に超高速で放たれたのだが――――刹那、急激なカーブを起こし氷の槍を真横から捉えた】

【――――槍にひびが入ると同時に、軌道が横へとずれる。結果、ロウから数M離れた地点に槍は落ち、氷の破片を激しく散らせた】
【飛び散る破片が頬を削り赤が滴るが、その痛みに顔を顰めている場合ではなかった。見開いたロウの双眸は、現れた混沌――――アーグを見ていたから】

――――クソジジイ……あん時にテメーさえ成仏させられていたら……!! こんな惨劇は起こらなかったんだ……!!
此処も壊れずに済んだッッ!! 多くの人の命も失われずに済んだ!! 大きすぎる絶望とは無縁な人生を送れていた筈だった!!
――――野放しに出来ねぇ、出来ねぇよ……。コイツを倒さないと多くの人が理不尽な目に会っちまう……絶対に……此処で……止めないと……!!

うぉぉぉぉおおおおおおッッ!! ――――弾丸憑依Icarus=I!!!!

【コイツが全ての元凶。つまりコイツを止めないとまた人が死ぬ。――――止めないと。倒さないと。身体が勝手に動いていた】
【放たれた弾丸は急激に伸びあがり、段々と加速をして空を裂き、時計塔へと登っていく。下から登ってくる燕のような弾丸は、アーグの腹部を貫かんとしていた】

172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/21(土) 22:07:57.31 ID:deMl55fm0
>>158

【手応えは確か―――ヒトであればまず行動不能を狙い得る深さの破壊/ふたつ。だが噴き上がる水柱は勢いを死なす事無く高まり、一時的なれども視界を奪う】
【どうにか体勢を整え着地したが、それで状況が好転したともいえず。大司教の言葉を聞き届けながら、現状に抗すべく加え得る情報とともに思考を進める】


(……死なない体、か……。そして、幾度も斬れば滅ぼせる。……とはいえ、この状況に対応するとすれば……、―――――――。)

【打開策は幾らか、彼女の思想を鑑みても二、三は残るか。だが、それを大きく覆すほどの――――ここまでの攻防を遥か越える異様を感知する】

【絶対的腐敗の気配――――それに、“神聖さ”――――? 奇妙な感覚に意識の一部を割いた直後、膨れ上がる“力”がその瞳を見開かせた】

―――――……く――――――!!

【思考するより尚早く一閃、辛うじて眼前で押し止める。圧し込まれる瞬間に対応、刃が流れを換えながら僅かに斜め上へと迸り、芯を外す】
【右腕の黒き護りと刃の冴え、瞬間的出力に特化した身体操作技法。それらが相俟って漸く逸らし得るほどの、超越した破壊力の発露】
【ひとつでも欠いていればまず間違いなく、腕ごと持っていかれていただろう。それだけの出力と密度の力、地の利を得たロースとすらも次元が違うのか? 思考、】

……、はっ、……―――――――。

【そして変わらずある、腐敗と神威と光の気配。それは遠い昔触れた暖かな力を、少しだけ思わせるものであった】
【だが、意識は拒絶する。なにより彼女が戦ってきたものが、護ろうとしてきたものの記憶があまりにも悍ましい感覚に警鐘を鳴らしていた】

【……これは、違う。憧れていた陽の光や、護ろうとしたひとの温かさとは―――――“思わせる”何かは確かにあれど、対極に位置するものだと五感と思考とが確信させる】
【“神の光”、ヒトへの裁き。断ち切ると言った剣の冷たさは些かも朽ちず、ただ凄絶を以て新たな影の現出を待つ】
【果たして、顕れるのは何者の姿か。注意深く一体を窺う少女の双眸は、晴れてゆく蒸気のなか黒曜の如き鋭利さで刃の煌めきを帯びていた】

>>159

【―――――そして、深淵が姿を現わす。アーグ――――言葉からすれば嘗てのゼン=カイマの統治者層であったことは間違いない様だが、荒廃を齎さんとした所業は、やはり―――――。】

(―――――――……許さない、当然みたいにそう振る舞う傲慢な破壊の力も。ここで逃せば今以上の禍を呼ぶ、か――――――)

【首魁――――奇怪な容貌よりも敵意を喚んだのは、それがこの破壊を齎した元凶であるというただ事実。睨み据える双眸の光は、俄かに熱の如き烈しさを生じて】


……八攫 柊(やつか しゅう)。覚える必要はないわ、ただの狂った力のひと。
自分の民を滅ぼそうとする様な愚かな輩(モノ)に、呼んでもらう名前なんてない―――――――!!

【―――――――――――叛逆する刃の向く先、ひとつ。天に背くが如き“上昇”の軌道を描き、時計塔に刃を衝き立て壁面を蹴って、僅かな足場を利用した接近を図る】
【体術の練度で言えば凄まじいものがあるが、先程の跳躍に比べれば流石に速力に於いては劣るか】
【それを意識しての事だろう、直進はせずこまめに軌道を変え速力を保っていた。刃圏に捉えられたならば振るうが、果たして―――――あれだけの“力を操るものが、見逃すことがあるかどうか】

【接敵できたならば仮面を狙い、頭部ごと縦に断割せんとするが如き唐竹割の一閃。威力は折り紙つきだが―――――“不死”を操ると思しきあの男が、それで終わるものとも思えない】
【故に一瞬の隙を生みだすことを狙うことが目的であった。警戒は最大限に重ねられている。持ち前の反応速度が意味を為さない力が降るとすれば、間違いなく、この少女に危険な作用を齎すが――――、】
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/21(土) 22:09:18.92 ID:deMl55fm0
/>>172
持ち前の反応速度が意味を為さない力が降るとすれば、間違いなく、この少女に危険な作用を齎すが――――、】

それでも持ち前の反応速度が意味を為さない力が降るとすれば、間違いなく、この少女に危険な作用を齎すが――――、】

…でしたっ
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/21(土) 22:11:08.41 ID:c7kKKruz0
>>170

【飛び掛かる少年に迫る鋒】

【それをギリギリの所で戟の柄でそらして翼の無い方へと回り込もうとする】

【軍人の様な彼女は見たところ身長は180は下らないであろう、勿論少年の獲物がナイフなどならば勝負にすらなるまい】

【しかし、男の娘が獲物とするのは戟、中距離を主体とした武器である】

【これならば実に身長にしても30cm程の差がある彼女ともある程度ならば渡り合える】

【この戟やその扱い方は全て他人から奪った物、その人生をスラム街で過ごす男の娘が持つ野獣のような直感力】

【そしてそれによって討ち倒した無数の猛者達】

【獣を思わせる荒々しい戦いの中で彼を救う物、それは料理番組を見て『あ、これ今度作ってみようかな』と思うように】

【彼が葬ってきた数多の剣が、槍が、杖が、薙刀が、棒が、昆が、拳足が】

【その闘争本能により加速され、くり出される】

【そして少年は…】

「もっと……もっとだよおねぇちゃん!もっと僕と遊ぼうよ!!」

【ほんの少しだけ少年の様な顔をして戟の石突きを彼女に叩きつけようとする】

//了解いたしました。
175 :No.7 Nemesis ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/21(土) 22:12:34.50 ID:hW6z8PZco
>>160>>166

【依然として離れた位置にいるリーベは―――衝撃波による遠距離攻撃を、辞めたか。】
【確かにこの蜻蛉は、全ての召還昆虫の中で最も高い機動力とスピードを誇る超高速タイプだ。】
【生半可な遠距離攻撃では殆どの場合見切るか、回避するかしてしまう―――だからこその、援護か。】


 (……なるほど。至近距離に居ればダメージを与えられるネモを"活かす"方向で戦う、か。)
 (その為に足場を復活させ、序に言えば私の行動範囲を狭めるための後方支援攻撃も行う、と……フン。)

 力は使い方次第……はっ。確かにその通り。けど残念、生み出す結果はいつも同じよ。
 至る道が違えど、アンタ達の持つ"能力"が、導く未来は唯一つ、破滅と悲鳴に満ちた悲しい世界……ッ!!
 私はもう懲り懲りなのよ……ッ!! 能力者が、己の傲慢で世界を破壊する、あの光景を……もう二度と、見たくないのよ!!

 だから……―――消してやる!! 私の未来と一緒に、お前達の未来もッ!!
 

【レシプロの戦闘機が放つ、空冷エンジン独特の、あの乾いた音の様な、鋭い羽音を響かせて】
【蜻蛉は更にスピードを上げていく。だが、リーベの起こした津波に乗って此方へ跳躍してきたネモを】
【回避する事までは出来ず、そのまま脚部へとしがみ捕まれる。重量を感じた蜻蛉の高度が少しずつ、下がっていき】


 ……私の"倒し方"……? あっははははは! 哂わせるなッ!!
 思いついたところで、それが出来るほどお前に―――ぐッ……お前、ごときに、その"覚悟"が、あるかッ!!

【しがみついたネモが全身を使って蜻蛉の脚部目掛け攻撃を開始し、一本、又一本と昆虫の脚はひしゃげていく。】
【確かにダメージは蓄積し、Nemesisの表情は痛々しいものへと変わっていく。だが―――これらは致命傷には至らず】
【そして逆に、彼女へと怒りを蓄積させるに至っていく―――Nemesisの怒号と共に蜻蛉は急上昇、上空へと全力で飛翔し】

 
  ――――――――――――――――――――落ちろッ!!

【―――からの、一直線の急降下。まるで逆U字型を描く様にして、蜻蛉はGを受けて直下型のコースで飛行!】
【重力差を使ってネモをブラック・アウト―――気絶させるのが目的か。いや、それだけではなかった!】
【更に言えば蜻蛉は水面付近で急浮上、波を回避するようにして衝撃波と、そしてしがみついているネモ自身をも】
【硬い水面にたたきつけるようにして、―――いや、ここまでいくともう、水中に叩き入れる、といったところだろうか、】
【つまりは"水"を大量に浴びせさせる事で単純なダメージと、そして窒息を狙って行動するだろう―――!!】

【そして、更に言えばもう、その蜻蛉の背中にNemesisは乗っていなくて―――。】


 なにをボーッとしているの―――お前の相手は、私が直々にしてやるッ!!


【蜻蛉から飛び降りたNemesisが、落下しながらその速度と重量を駆使してリーベへと突撃、】
【すかさずとび蹴りを食らわせて近接戦闘へと持ち込もうとするだろうッ!!】

/もどりましたー!
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/02/21(土) 22:16:23.56 ID:pydEU3hno
【聖都スラウロット――】
【原因などは省略するが、ここは現在絶賛冠水中である】

【そんな場所のとある地点――地形の関係上、大雨になると水がここに集まりやすい場所の一つなのだが】
【今回もきっちり出来ている水溜まり、大量の瓦礫のおまけ付き――、そこから、ひとつの存在が顔を出す】

むゥ……出ェ遅れたな、何かあァりそうだと思ったのは正ェ解だァったが
……水流に巻き込まれたのをいいことに瓦礫漁りしィ過ぎたな、久々に"祭"でもしィようかと思ったが……

【それは額に竜のような鰭を1つ持った漆黒の鱸の頭に、ドス黒いゲル状の物で出来た人の様な姿を持つモノ】
【手の甲や背には魚の背鰭が、踵上部には魚の鰭が、尻には先端が鏃状の魚の尾があり】
【頭部や尾、鰭の断面は虚空の様に見え、ゲル状の物がそこから出ていて――生えていると言った方が適切か】
【また、断面の縁には紫色の毛、そして2本の角――ようするに、人ならざる何かである】

まァよい、俺様は暴れるのも好ゥきだが、火ァ事場泥棒も好ゥきだ
どォーせ撤去さァれるんなァら! どォんどん回収しィようじゃアないか……

【ドサクサに紛れて、この辺りに浮いていた虫の息の人間を、水の中へ沈めたような気がしたが……】
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/21(土) 22:17:42.87 ID:N/6W9VBYo
>>168>>162

【拘束し、カズネの攻撃を通りやすくする為の「四つ子蛙」であったが】
【奇襲に動揺することなく、的確に対処したアインの手際によって無に帰し】
【舌を切り取られた蛙達は水にドボリと落ちて沈んでいく……】

【カズネの凄まじい火力に対してもあっさりと相殺させるその底知れぬ力量に】
【頭の中で驚異度のランクを一階層引き上げながらも】

【続いてアインより放たれる業火。火は元より最大の天敵であり】
【その上威力は先程の相殺現象により嫌というほど見せつけられている】
【受ける事など当然ながら不可能。この距離では範囲から逃れきることも難しいだろう】
【ならば、このまま為すすべもなく墜落させられてしまうのか……否、】

――――……一手、遅かったな魔術師。
先にわらわに手を加えなかった事を、冥府魔道で悔いるがよいわ

【パァン――と、森羅万象に響かせるかのように手を高らかに打ち鳴らし】
【周囲の空間に"神気"が波紋のように拡散する】
【迫る業火。しかしてカミナはその場から動くこともなく】
【小柄な少女が消し炭にされんとするその時――「太陽」が、天から墜ちて爆散した】

【業火とカミナの間に割り込んだのは、上空より放たれた巨大な火弾】
【それは内に秘めた膨大なエネルギーを撒き散らしながらも、業火の方向へと爆散し相殺させる】
【今までの「折り紙」とは一線を画す謎の力。その正体は程なくして理解できるだろう】


【上空より飛来するは翼長10mを優に超える三本足の「大鴉」。艶やかな黒の羽毛にくりっとした双の瞳】
【紙による紛い物ではなく、臓腑が有り血液の通う"生物"であった】

【「降り神」。貴宝院流の切り札と呼べる術法である】
【折り紙に膨大な神気を注ぐことによって、簡易的な神降ろしを実現する奇跡】

【"太陽の化身"という超越特性を兼ね備えたこの巨大生物は】
【先程から上空に出現させていた紙を結合させ産みだしたモノであった】

貴様が遊び気分でこの戦場に立っておるならば、わらわとしても都合が良い
せいぜい相手を侮ったまま……瓦礫と共に藻屑となるがいい

【カミナの上でバサバサと巨大な翼を羽ばたかせながら浮翌遊していた八咫烏は】
【両の翼を大きく広げ――その表面に複雑な幾何学模様が出現させた】
【ポツ、ポツ、とその模様に沿って小さな光の粒のような現象が発現したかと思えば】
【次の瞬間、それは無数の細い熱線となってアインへと襲いかかる】

【全方位から囲むようにして襲う八咫烏の熱線】
【急所に当たらなければ致命傷にならないであろう細さだが】
【その分レーザーめいた貫通力と熱量を誇り、また非常に数が多い】

(あやつの方には……、今は手が回らぬ)
(すまぬがそれには自分で対処してくれることを祈るのじゃ――)

【一方、カズネを襲う水の龍には今はカミナは手を回すことが出来ない】
【ただ、彼女の技量を信じ折り紙の操作を続けるだけであった】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/21(土) 22:21:00.12 ID:hd82p+sg0
>>158-159

……どうやったかは分からないが、少しの間だけ水が"止まっていた"な……
アンタの持っている能力なんだろう……?助かった、礼を言う。

【先程の水の攻撃、避けることが出来たのは柊という女剣士のお陰か】
【迂闊だったと反省すると同時に、彼女に感謝の言葉を送ることだろう】

アーグ…………その名、以前に聞いたが、こいつらが街に洪水を起こしたのも裁きとやらが理由か。
それに不死……か、本当に厄介な奴らだ、しかしこのまま攻め続ければ………………ッ!?

…………何……だ……?この嫌な感じは………………

【フレデリックからの説明を受けて、エルヴェツィオは確信した、わざわざスラウロット(ここ)を狙ったのも その為だったのかと】
【水が降りていけば 不意に何か変な気配を感じた、何かおかしい、妙な不気味さがある】
【だがそればかりに集中してはいられないらしい、次の瞬間には敵からの攻撃がある】

【魔力によって形成された巨大な槍、まさかあの二人のどちらかがここまで強力な攻撃を使えたのか……?】
【疑問はあるが、まずはこれをどうにかしなければ、とはいえ細いレイピアでこれと力比べしろというのは無理な話】
【今 彼は着地出来ていない、宙で止まっているような形になっていて】
【自力での移動では間に合わないと悟ったなら、近くの浮かんだ瓦礫にロープを伸ばす】
【いや、正確にはロープではなく その形にした雷の魔力、瓦礫に張り付いてエルヴェツィオの身体を引っ張る】

【ブーツのつま先が掠りながらも 辛うじて避ければ、何処か雰囲気の変化したフィールドを見渡した】
【攻撃の先に見えた新たな人影、あの巨体が……"そうなのか"】
【今、名を訪ねてきた者、あれが この元凶である、大司教アーグか……!】

………………ほぉー、生で見るのは初めてだな…………、あんたが アーグか……ッ!
余り良い噂は聞かなかったが、過去の人間が俺達に何をしようってんだ……?
(あいつのあの武器…………よく見りゃあフレデリックの持ってたカテドラル、じゃねぇか……?)
(それにあの態度…………随分と余裕綽々って感じじゃあねぇの、よほど腕に自信があるのか……)

俺の名はエルヴェツィオ、姓は誇り高きサルヴァドーリ、尤も100年前のジイさんが代々騎士団をやっているサルヴァドーリ家を知っていればだがな。

【彼の家は代々騎士の家系、といっても決して有名どころというわけではないのだが】
【昔の騎士団にも居たかも知れないという程度、アーグが分かるかは微妙なラインでもある】

【だが血の誇りは受け継いでいる、例えかつての大司教が相手だとしても背を向けることはしない】
【瓦礫からアーグに向かって跳ぶ、レイピアでの真っ向勝負、やれるものならやってみやがれという感じで】
【頭、胸、肩、それぞれの部位に順番に2度ずつ突きを繰り出す、勿論本気で殺しに来ている】
【さて、かつての大司教の実力とは どれ程のものなのか】
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/21(土) 22:22:21.39 ID:MTZ3m1rA0
>>167

まぁまずは、出て来てしまった問題を解決する方が先だわな。けど……それで良いのかい……?

【靴無しでここからの行動をする事は、余り余裕のある行動とは言い難いだろう】
【解決策として、まずは足周りを立て直す為に行動する事が第一なのは間違いない】
【しかし、伝え聞く『UNITED TRIGGER』の酒場は風の国であるし、家と言うのは――――どこかは分からないが、この近辺と言う事も無さそうだ】
【車を拾うか、代わりの靴を手に入れるか、そのどちらかをどうにかしなければならないのは、まず間違いないだろう】
【そこで、少女が本当に『裸足で歩いて行く』選択肢を検討している事には、いささか戸惑いを覚えたのだが……】
【――――転移魔術のアクセサリーに関しては、知らずにいた以上、男性の思索の中に存在する事もないのだが――――】

言ったろ? 俺の方に持て余してる金があるんだって
それに、どっちにしても靴屋までは今のままで行かなきゃならないんだろ?
ま、要は気にするなって事だよ! どうせ博打で出来た金だ、真剣に使い道に悩む様なものじゃねぇからよ!

【金額の嵩についての問題ではなく、また先のチラシの拾い上げについても大した事とは捉えていないのだろう】
【ただ、男性には「執着しない金」があって、たまたま目の前に「使い道」があると言うだけの話だ】
【――――要するに、少女の移動手段の問題に対するスタンスと一緒で、男性もここについてはあまり重きを置いて考えていないのだろう】

……あー…………悪いな。あまり酒を飲む方じゃなくてよ。多分、そんなに顔を出す機会は無いんじゃねぇかな……?
(…………そこはともかく、俺がUTに顔を出すなんて、不味いんだよな…………万が一セリーナと鉢合わせなんかした日にゃ、目も当てられない……)

【やはり、と言うべきだろうか――――UTの酒場に誘う少女には、男性はやんわりと断りの返事を返す】
【無論、当たり障りのない理由を述べてはいるが――――かつて、UTの人間とは戦場で対峙した事があるのだ】
【下手に虎口に飛び込む様な真似をするのは、男性にとっては宜しくない――――運試しと言っても、それは男性の主義に反するのだ】

ま、どっちにしろだ。靴は必要なんだろ? だったらまずは行かなきゃよ!
ほれ、とにかく掴まりなって、高さの違う靴じゃ歩きにくいだろ、支えてやるからよ!

【男性としても、別に善意を無理強いする様な、有難迷惑な真似をするつもりもない】
【とにかく、少女の靴の問題を解決する為には、ここから移動をしなければならないのだ】
【なお少女が誇示するようなら、男性もそこまで無理強いはしないだろうが、ともあれ、移動の手助けぐらいはしようと言う】
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 22:34:29.90 ID:mha36wtE0
>>179

わたしは、別に――その、洗うの、わたしだもん。ひとが洗ってくれるなら、たぶん、しないけど――。

【そんな判断基準なのだった。他人にやらせるのは嫌でも、別に、自分でやるなら、手間を増やしても構わない】
【ちょろっと洗面所でお湯で揉んで洗うくらいならそもそもあんまり手間とも思っていなかった、とは余談だけど】
【「あ、でも、歩いてたら慣れるかも――」なんていきなり楽観的なことを言い出す辺り、気弱だが根暗すぎはしない、のが分かり】

そう――? じゃあ、その、……うん、お願い、しようかな――。
……でも、あの。お店で一番安い靴でいいよ、スニーカーの安売りの奴とかでいいの。

それで――、そう? じゃあ、今日はこれ配りたいから、出来ないけど……。
今度会ったときに……大丈夫だったら、良かったら、お茶でも――。

【だけれど、こうも言われると断れなくなる程度には気弱な子だった。少し悩むように唸ってから、こくりと頷き】
【今のうちに予防線――というか、一番安いのでいいと、それ以上のものはもらえないと、釘を刺すようにして】
【それから、酒はあんまり飲まないのだと聞くと。残念そうというよりかはぱちくりして、そっかあなんて呟き一つ】
【じゃあ変わりにと提案するのは、お茶のお誘いだ。「どう?」なんて尋ねるように、彼女は小さく首を傾げ】

うん――あ、待って。……えっと、あなたのお名前は、なあに?
わたしね、りんね。鈴の音って書いて、鈴音――鈴音・シュトラウス。

その……お店屋さんまで、お願いします。

【歩いてたら慣れるかもなんて幻想だった。一歩目で彼女はそれを思い知って、彼の身体に捕まりながら】
【数歩歩いたところで、ふっとその足を止めて欲しがる。なぜかと思って見てみれば、人懐こいように笑いながら】
【尋ねるのは男性の名前。それから自分の名前を名乗って――改めて、ぺこりと、小さく頭を下げてみせる】

【――ちなみに預ける体重は見たとおりに軽い。骨と皮というレベルではないが、痩せすぎ、に片足突っ込んだ程度で】
【あんまり負担にならないように気にしてもいるので、大した重労働とかにはならない――と、思われた】
181 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/21(土) 22:36:43.31 ID:FgenREODO
>>166>>175(ネモ&Nemesis)

【──ず、ず、ず、ず、……!】
【Nemesisと蜻蛉を呑もうとした波が、今度はネモを後押しする足場となる!】
【リーべは動けない。動くつもりもない。今は──その時ではない】
【津波を生み出すのはリーべ。今自分が下手に動けば、折角のチャンスが無駄になる】
【ネモ、ネモ、ネモ、ネモ……今は、お前が頼りとなる!】


──違う、違う、違う、違う!
結果は同じじゃない、能力は使い道ひとつですべてが変わる!!
お前に何があったのかは、まだ知らない……けど!!
能力者全員が、傲慢なわけじゃ、ない!!
優しいやつも、臆病なやつも、寂しがりなやつだっているんだ!

分かってるのか、Nemesis──!
お前が「そう」なった理由のヤツと、お前自身が同じになっていることを……!同じことを繰り返しちゃ、ダメなんだNemesis──!


【びり……また、大気が震える。】
【正論だった。あまりに澄みすぎた、理想論だった】
【けれどリーべは、そんなありふれた言葉を吐かざるをえない自分を苦々しく思ってた】
【──リーべはまだ、Nemesisのことを、よく知らない】
【本当は、知りたかった。こんな状況でも、自分の父親であれば相手のことを聞き出すのだろう】
【けれどリーべは、まだ未熟。ゆえに、ありふれた言葉しか紡げない】
【それがひどく、悔しくて────】


……──っ、ネモ!!


【はっとする。気付けば戦友が危機の真っ只中】
【ぐ、と振動を送る手に、力を入れ──しかし】


────っ、あ、ぐ、……っあぁあああああ!!


【Nemesisの接近。その感知に遅れたのは、自分の未熟さとネモの危機に気をとられていたから】
【気付いた時には、完全な回避など不可能な距離にNemesisがいた】
【水を繰る手と反対の腕で、Nemesisの蹴りを受け止めようとする、が──】
【ここは水上……地上とは違い、「踏ん張り」が効くわけではない】
【故に──故に、リーべ・エスパスは、Nemesisの威力に「押し負け」】
【そのまま、深い水の中に叩き落とされることになる……!】
182 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/21(土) 22:38:42.41 ID:0X595IIEo
>>164


……―左様。私がロースの、そしてブリッツの"持ち主"に相違ない
 貴様だな?我が手駒を無為に壊したのは…――ク、ハ…ッ!


【目の前に姿を見せた青年に、異形の大僧は歪な爪を伴った手を向けると】
【有無を言わさず、暗い光の波動を正面から叩き付けようとする】
【術の効力は簡易な衝撃波。そして――精神への強烈な汚染効果だ】
【善を悪に、悪を虚無に陥れる呪いに近い術式であった】

【強引に水中へ逃れるか。或いは、食らったならば――対抗できるのは健全な精神だけ、だが。】

>>169>>171


おお、おぉ……いつもながらに無礼千万な修道女よな、グリース…。
 ところで、話さなかったか?私は異教徒を同じ人類だと思っておらぬ
 隣人愛も共に信仰を分かち合ったものの話。地下を這うウジ虫を殺さず
 むしろ助け出そうとするお主らの行動こそ全く不可解極まるのだが…――?


【グリース、そしてマーシャル・T・ロウ。見知った両者へは、優先的に顔が向く】
【耳を塞ぎたくなるような言葉数はとどまるところを知らず、寧ろ苛立ちを誘うのようであり】

【――或いは、聞いてはいけないのかも知れなかった。グリースなら、気付けるかもしれない】
【アーグが話す端々に、ノイズのように交じる小さな音。それが古い術式だと知っていたなら】
【耳を塞げと叫ぶ、だろうか。―――それとも気付かず、いつも通りの対応をするとしたら】


……――時に、そこな二人。グリース・イムリンパルス、マーシャル・T・ロウよ。
 良い銃を持っているようだな。ぜひともその銃を使って…――"死んではくれまいか"……?

>>172


八攫 柊……いや、いや……!覚えておくとも、老いぼれの頭蓋の内に刻んでおこう!
 大事だ、名前はッ!……魔術師に教えてしまうと命取りになるほど、大事なものだ。

 …――"止まれ"、八攫 柊よ。今すぐに剣を下ろして、自害せよ。
 貴様もだぞフレデリック・シャリエール――弾丸と剣の影に隠れ
 我が愛杖カテドラルをかすめ取ろうとは大司教の風上にも置けぬ奴……。


【名前――アーグが知ったそれが、本物だとしたら。そして、アーグの言葉に耳を貸したとしたら】
【彼の命令は、自身の意志をねじ曲げて"強制"される事となる。術――禁呪、か】
【相手の名前をトリガーとした服従の呪文=\―。――最も、停止されずとも】
【アーグは巨大な宝杖をわずかに動かして、唐竹割りを見事に防いで見せる事も追記する。】

【――見れば、フレデリックも飛びかかろうとした体勢のままに脂汗を浮かべながら動きを封じられていた】
【術の支配下に置かれようとしているのは――グリース、ロウ、そして柊。あまりにも強力すぎる術であったが】


確か、禁呪であったような。……いや、問題はあるまい…恐らくだが……。
 ……ク、フフッ!この術を禁じたのは、確か120年ほども前のことよ。
 自分で編み出して禁じたのだ、他者に使われてはたまらぬでな……さ、どうだ?


【――飛来するロウの弾丸は、水中からの妨害で撃ち落とされつつアーグの腹部をかすめてゆく】
【妨害とは雷撃≠ネのだが――ともかく、出来た傷からはとぷっ、と赤い血が滴って】
183 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/21(土) 22:39:10.56 ID:0X595IIEo
>>178

【エルヴェツィオがしっかりと礼を払って―皮肉であろうが―名を名乗れば】
【アーグの口元は、正に裂けたように歪んだ。そして、その手をぐわりと広げると】


百点満点をやろうではないか、サルヴァドーリの騎士公よ……。
 生憎と、我が時代の騎士団の名などは頭と首しか覚えておらぬでな
 貴様の先祖など、誰一人も我が脳には詰まっておらぬが……まあ、"止まれ"。


【やはりこれもまた、服従の術を試みる。効いてしまえば、攻撃につながる動きは止まるであろうし】
【止まらずとも――癒えかけた傷を無視して、大司教の腕から飛び出した瀕死の不死】
【ロースが、レイピアでの攻撃を全て代わりに受けるだろう。アーグも、それを当然とばかりに眺めていて】

【その直後――或いは彼の停止後、ロースはふらりと揺れながら騎士に抱きつこうとし】
【周囲の水を呼び寄せ圧縮し、自身と彼を水球に押し包んで共に水底へ沈まんとし】

>>ALL

【名前を用いた服従の術。効果の程はいかほどかとニヤつくアーグを援護するように】
【奥深い水中で、何かが光った――そう気付いてすぐに水を離れたものは、勘が良い】
【そうでないものは全身に痺れを覚えることだろう。光ったものは雷だ。電流が水中を広く伝わっている】

【更に追撃とばかりに、水中をすさまじい勢いで稲妻が走って各人の肉体を撃ち貫かんと一挙に迫る】
【もっとも、誘導性は無い。足場があり、動く余裕さえあれば回避は比較的容易く】
【また攻撃の直後、アーグのすぐ側へと水中から飛び出す影があり】


『ぷはっ……!いやぁ、流石に何分も息を止めてろってのはキツいなぁ
 オマケに何回もぶっ殺された後だから再生も中々間に合わなくてさ……?』

あの程度の相手に不覚など……まさに恥だぞ、ブリッツよ。
 次からは一撃で仕留めねばなるまいて。遊ばずにな……さ、殺してこい
 まずは大司教崩れの若造だ。妻帯しておるそうだが……死ねば、一つ絶叫が見れような。


【黒の拘束具に、両手足は無数のレザーベルトで覆った青年。細身で小柄な彼は】
【フレデリックに何度も殺されたというブリッツ、だろう。恐らく、水中からの雷撃も彼の仕業であり】

【その彼に、アーグは動けぬフレデリックの始末を命令した。にや、として敬礼すると】
【青年は両手に電流を迸らせながら、現大司教の元に向かう。――この時、誰か一人でもフレデリックの目を見れば】

【『この隙にヤツを攻撃しろ』というアイコンタクトを理解できるかも知れない】
【確かに、ロースは手負いかつ、ブリッツはアーグの元を離れたばかりであり】
【フレデリック自身は動けないが――チャンス、といえばそうではあった】
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/21(土) 22:39:43.69 ID:bcB9BW6Lo
>>168>>177

――――――――……っ!拮抗させるなんてッ!?

【砲身の装甲が開かれ排熱を開始する最中、あれだけの砲撃に対抗した魔術師へ驚愕を浮かべる】
【こちらは砲撃のダメージを負っているというのにアインという魔術師は至って平静だ、戸惑いは小さな舌打ちに変わり】
【淀みは熱量を持ってより熱く昇華されてゆく、陽炎は揺らぎを増やし】

(この子を使う事も考えなきゃダメかな……不安だけど、でもその時の為の物なんだから)

【浮かぶ亀甲の上、ローブの影に佇む魔銃へとふと視線を下ろす】
【古の巨兵よりの欠片から作られた魔銃、其の名をアストレア……膨大な魔翌力と引き換えに魔翌力を無効化する魔弾を放つ代物】
【一度だけ放つ事の出来る絶槍、使い所を違えば命に関わるが―――――敵は待ってはくれない】

偉そうな事を言うだけの力はあるのね、その魔術一体どこで習ったのかしら
圧縮系統の物かと思ったけれど、水に満ちたこの空間で熱線を創りだす程度は出来る……属性特化か……
それだけの力を持って……なんでこんな事に半ば加担するような事をするのか、理解に苦しむわ!!

(アイツがそういう類の魔術師なら……一点特化の私にとっての天敵、オールマイティーなんて冗談じゃないわ……)

【さて、と―――爪をまた別の形へと変形させる、3つを自分の左右の腕に纏わせ魔翌力を流しつつ回転を開始】
【数多もの水弾が眼前に迫る頃には温まった砲身が熱い咆哮を上げる、各弾丸の威力は弱い物の単純な物量で勝るスタイル】
【数多に対するは数多とばかりに燐光の群れは自分に迫る水弾を撃ち落とす】

露払い……だけじゃ勝てないのよねえ!!

【背後に立ち上る魔翌力の気配、右掌を合わせて向けて爪の残存魔翌力を衝撃として一気に放ち竜を弾き飛ばす】
【水に満ちたこの空間は幸いだ、カズネの身に流れる水滴一つ一つがこちらの持つ熱量を減らしてくれる】

どうした物かなあ……アタシもあれだけの使い魔でもいればいいんだけど
でも、居ない物はしかたないし!ねだる事も出来やしないなら、出来る限りをするしかないっ!こっちの事は安心なさいカミナ――――――

【カミナが喚んだ大鴉、纏う圧倒的な力その炎の権化に息を飲み胸は昂ぶりそれに合わせさらに魔翌力が溢れ踊る】
【爪はより多くの魔翌力を喰らいその身を赤へと変える、赤熱変移……水滴程度ならば一瞬で昇華させる程の熱量】
【それを従える術者さえも同じようにやがて全身が陽炎を纏い始める】

サテライトを上方に……砲身とエネルギーラインを固定っと、さてさて足場が持てば良いけれど
まあ、安心しなさいなんて言った手前情けない姿は見せられない物ね……

【3つの爪が花弁のように結合し遙か上空へと舞い上がり、ある一定の高度で停止し開いた花弁はアインへと向けられる】
【花弁が宿すは「魔翌力誘導」と「反射」――――――それは間接攻撃の装置】

可変式でその頭上から焼き尽くして、気に入らない面を歪めてあげるわ―――――――

【残りの3つの爪はカズネの右腕に添えられ上空へと熱線を照射、頭上の花弁はそれを受け】
【増幅された魔翌力線はアインの頭上より迫る、始末に終えないのはその照射継続時間と追尾性だ】
【30秒程の熱線照射、合わせて花弁の操作による頭上からの熱線の追尾……カミナの熱線と合わせた光景は終末の姿に等しく】

【ただその分の反動は術者へと還る、余剰の熱量は身を焦がすような代物】
【これ程に高まればカミナによる亀甲もその根本的な在り方が影響するならば燃えてしまう危険性もある】
【尤も燃えたぎる凶星が水に堕ちて沈む理由がどれ程とあるか……】
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/21(土) 23:01:01.34 ID:MTZ3m1rA0
>>180

まあ、そりゃそうなんだろうけどな……?
下手したら、2kmくらい歩いてる内に穴が空いちゃうんだぞ?

【これは、男性の実体験なのだろうか、妙に実感を伴った言葉で呟く】
【足の裏への負担の掛け方にもよるのだが、存外に靴下と言うのは、地面との接地と摩擦で傷つきやすいのだ】
【靴を壊した事であれだけ落胆した少女の事、ソックスにも穴が空いたりしたら――――まぁ、落ち込む事は想像に難くない】
【汚れに関する意見については、流石に男性も全面的に賛成の様だが――――】

おぅ、任された……!
あー、まぁ……確かにあまり高いのだと、逆に居心地悪いよな? 分かった……
(……その服装にスニーカーってのもどうかとは思うが、間に合わせならそんなものか……)

【この辺が、お互いに納得できる妥協点なのかもしれない。少女の言葉に、男性も頷いた】
【お仕着せの親切にならない様に、少女がそれを提案するなら、それを受け入れる――――というには、いささか強引だったきらいもあるが】

お、良いのかい? ……それじゃあ、機会があったら、そうするとしよう。君は、普段UTの店に居るんだろ?
次に会った時、スケジュールが空いてたらそうしよう!
(……ま、それくらいは、な……)

【代わりと誘われたお茶の誘いには、男性も快諾した。少女の謝礼の気持ちなら、ありがたく受け取るのだろう】
【――――と言うよりも、UTの酒場に出向く事にならないのであれば、何とか急場はしのげるのだと言う事だが――――】
【コインで決めた事1つで、ここまで少女を振り回すこの男性、意外と自分に正直なのかもしれない】

あぁ……そういえば名前も名乗らないうちに、色々と喋り込んでしまったんだよな……
悪い悪い、奢るの奢らないのって話までして、そりゃ無いよな?
――――俺はパウル。パウル=ミュンツァー……ま、よろしくな鈴音

【込み入った――――とは少し違うが、いつの間にか親しげと言える会話までしているのに、互いに名前も知らずに居たままだった】
【少女――――鈴音のその言葉で、ようやく男性――――パウルはそれを思い出し、そして名を名乗る】
【名を覚えるには、その名を口にするのが一番なのだ。少女の名前を口にするのもどうか、などと言う委縮は、この場合適切ではない】

(……機関の≪No.21≫……なんて、不利益な情報を明け透けにするこたぁ、ないわな……)

【――――胸中で、ふと己の本当の素性を思い返すが、今この場には必要の無い事――――≪No.21≫はそっとそれを再び仕舞い込む】

よし、じゃあ鈴音、俺の手に掴まりな!

【手を差し出すと、半ば腕を組む様にして、鈴音の折れたヒールの側を支える。其方にある程度の体重を預ければ、バランスを崩す事は少なくなるだろう】
【よしんばバランスを崩しても、支えとなれるはずで――――パウルには、鈴音は大した重量にはならない様だった】
186 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/21(土) 23:12:48.71 ID:MM1vtMzao
>>183>>182


ほほう…。お前を倒せば、す、むッ──!(やべ…ッ!)


【元々円錐形の嘴だ。無駄な力を抜いているとはいえ、バランスをとるのが難しい──。】
【そして、鼓動を強くする嘴は、敵の才気に当てられ震える。】
【相手が衝撃波を放つと同時、鳩ヶ谷の躯は地へともつれ落ちる。】






【──敵の衝撃波が、偶然にもきっかけを生んだ。】
【生き物のように鼓動を有する巨大な嘴──。】
【鳩ヶ谷に自在に操られるのみの存在は、勿論意思なんてものは持ち得ない──…】
【…持ち得ない、はずである──それが精神攻撃によって、鼓動に色≠付けた。】
【精神なんてものはない嘴の規則正しい鼓動が、不規則になったのだ。】




【──   そのきっかけが、強引に、嘴に成長≠施す…。】

【──アーグの体躯を大きく上回る巨大な全長。】
【二つの翼を広げれば、その広さは優に10Mは越えるだろう、その正体は──】




【太古より顕現せし──史上最大の翼竜──】
【──ケツァルコアトルス、そのものである。】



【──とはいえ、彼の翼に飛行能力はない。翼を風受けにしグライダーのように急降下。】
【ついでに鳩ヶ谷の躯を嘴で捕らえれば、目指す先はフレデリックとブリッツのちょうど中間地点になる。】

【どれもこれも、偶然の賜物である。とはいえ、フレデリックにとっては思いもよらない救援となった。】
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 23:13:29.97 ID:mha36wtE0
>>185

【「そうなの?」なんて彼女は呟いた。きょとんとした顔をするなら、靴下で歩いたことは特にないのだろう】
【それで足元をじっと見下ろすのだが、数秒――なんだかよくわからない沈黙をして、次に紡ぐ言葉は、「そうなんだあ」】
【じゃあ駄目だね――なんて最終的には呟いて、思い通りにいかないらしいことに、なんとなくむうとした顔をし】

うん、それに、スニーカーとかなら、運動するときにも使えるし……。
――わたしね、いま、戦い方とか教えてもらってるところなの。まだ、ランニングとかばっかりだけど――。

【だけど黙り込んで拗ねるような不機嫌ではない。どちらかというとにこにこして、そんな風に言うのだろう】
【一回こっきりの話ではなく、とりあえずある程度は使う予定みたいだった。使い捨てなんて、靴にかわいそうだし】
【――ちょっぴり自慢げに言ってから、少しだけ自嘲げに笑う。よく表情の変わる、子供みたいな子】

うん、平日のお昼は“たんぽぽ”でお店に居るし、夜は、酒場のほうで働いてるよ。
でも、ごめんね。昼間はお金のないひとにご飯出してるから、あんまり、普通のひとは入れないんだけど……、
……その、土日とか、次の初めのほうは、やってないから。そういうときなら、来てくれたら抜けられると思う。

【――たんぽぽ、と言うのはさっきのチラシに書いてあった。孤児や浮浪者に食事を提供するサービス、それの、名前】
【ちょっと前のテレビを見ていたなら彼女がそれの発案者だと分かるかもしれないけれど、それを知らなくても、問題はなく】
【未成年にしか見えないような少女がUTでそんなことを始めるのも不思議だが、酒場で働いているというのも不思議】
【その実成人だから何の問題もないのだが――まあこんな世界。未成年で世界のために戦うひとだって、それなりに多い】

パウル――、うん、よろしくね。……わ、わたし、重くない?
だいじょうぶかな……、重かったら言ってね?

【名乗ってもらえたなら嬉しそうに笑う、それで、急に、表情をがらりと変えて――気まずい、みたいな顔をする】
【それで上目がちに自分が重くないかとか大変じゃないかとか尋ねて。そんなのを気にする辺り、女の子だなあ、という感じだけど】
【距離が近くなれば必然的に彼女のシャンプーやリンスの甘い香りがするくらいで、別段重くもない。ただ残念なのは、】
【身体つきが非常に平坦なために嬉しいような出来事は何もなく、そちらに体重を預けて、ひょこひょこと歩く】
【その様子が変わった玩具みたいで面白い――くらいの楽しみは、あったかもしれないけれど】
188 : ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/21(土) 23:14:44.81 ID:IG9ODrJCo
>>176
/まだおりますかー?
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 23:15:04.46 ID:CYEqrusT0
>>182>>183
【――――違和感。言葉、とは意思を伝えるだけで無く様々な事に用いる事が出来る】
【或いは……そう。櫻の国では言霊、なんて言葉があったか】
【人では無い。何よりある意味ではこの女もまた戦闘に“特化”して創られ存在だ】


【身体が言葉に従おうと、グリップを握る手に力が込められ】
【然れどそれに拮抗するのは己の意思。――――可笑しいのだ。声であって其れは声では無い】

【呪禁。嗚呼、それならばシックリと当てはまる】
【耳に通すには何とも不快感を味わうものだし、何より危険な物だ】
【身体の自由を奪われるのは其れは死を意味して、何より命令されるのは――――……】


「ボクの性に合わない、ってね

みんな、一々アーグの言葉を耳に入れてちゃ駄目だ
耳を塞ぐか、そうで無ければ“声”を聞かずに済む方法を考えるか……アレの言葉には“呪い”に似た何かが混じってる
まともに聞いてたらそれだけで――――ッ!!」

【自分は自分だ。何にも縛られる気は無い】
【辺りへの忠告或いは警告。果たして聞こえたかも分からないが――――あろう事か、女は翼を広げて飛翔した】

【身体に纏ったのは“水”。防御の為では無く、“音”を遮断する為の其れ】


「――――邪魔なんだよ、キミ達は
オマケに人の名前を気安く呼べば好き勝手に命令しちゃってさ

……で。ボクの友達が何だって?
この堅物は嫌いだけど…………こんなのでも死ねばゼン=カイマとマリアが悲しむからね」

【水の其れを解除したかと思えば、次に取りだしたのは雷を操る能力】
【青年が帯電した其れを振るおうとするならば――――フレデリックを庇うようにして前に現れ、片腕が其れを受け止めるだろうか】

【当然、雷を操れるのであってダメージを零に出来る訳では無い。身体に凄まじい電撃が走れば苦悶の声を漏らすし、煙も僅かに上る】
【――――が。其れだけで終わる事が無いのは直接交えた事のある二人にならば分かる事】
【不敵に口の端が吊り上がり】


【雷を受ける事が出来たならば其れをそのまま消し去り、同時に双銃を短刀へと変えたならば青年の首を狙う事だろう】
【“反射”に近いのだから狙いは荒い。突き故に刺されば一撃で致命だが、避けるのも容易】
【加え、アーグには純粋な魔力で創り出した“槍”を放つのだが――――其れは不意打ちである事を除けば僅かに強力な魔術程度】
【詠唱とて簡易的なものだし、それこそ魔術に長けた者ならば払う事も消し去る事も難しくは無く】
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/02/21(土) 23:18:30.36 ID:pydEU3hno
>>188
/いますんよー
191 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/21(土) 23:24:58.60 ID:DA5wRBgyo
>>177>>184

【熱線にせよ水弾にせよアインにとっては大した攻撃でもなかった。これぐらいは防げるか、と思って放った攻撃に過ぎない】
【だがその防ぎ方にアインは驚いた。目の前に出現したのはこの魔術師からしても異様な存在。経験したことのない召喚物だった】
【戦いの中において、その存在にアインは意識を奪われた】

 ……正義を名乗るだけはあるな、カミナ・ゲルギルとやら
 流石に、これは驚くぞ。確かにあまり手加減のし過ぎは良くなさそうだな

【魔術師の口から思わず感嘆の言葉が漏れ出す】
【八咫烏に動きが見えた瞬間、アインも動き始めた。魔力と意識を周囲に張り巡らせて膨大な量の水を操作。扇状に水が波打ちせり上がる】
【次の瞬間、高さ数メートル、奥行き一メートル近くの巨大な防壁を展開。魔力の発生から魔術の発動まで一瞬の出来事だった】

【──が、アインは判断を誤った】

【無数の熱線が水壁に命中。熱量で膨大な水蒸気を発生させながら次々と壁を貫通】
【壁の向こう側にいるアインの腕、肩、脚といった各所に小さな穴を穿ち肉を内部から焦がす。瞬時に断面が炭化するために出血さえない】
【苦痛に顔を歪めながらもアインは別の防御策を探す。だがその瞬間、上空から熱波が降り注いだ】

【八咫烏の神々さに目を奪われ、一手間違えたがために続くカズネの攻撃が直撃した。眩いばかりの光の中に魔術師の姿が消えていく】
【膨大な熱量で周囲を水蒸気が埋め尽くす。熱せられた大気が膨張して水上にある建築物の壁に熱波として叩きつけられる】
【数十秒にも及ぶ熱線の照射が終わり、水蒸気が晴れた先に赤衣の魔術師の姿はなかった──】

【静寂が訪れた。水面は穏やかに揺れ、夜風が戦場を覆う熱気を冷やしていく】
【次第に、波紋が大きくなっていった。まるで何かが振動を起こしているかのように水面は激しく揺れ始め、更には渦を巻き始める】
【渦は徐々にその回転速度を増していく。そしてそれが頂点に達したとき、渦が真っ二つに割れた】

【深い湖に突如として空いた筒状の空間の中に、アインは立っていた。口からは荒い息が漏れ、肩が激しく上下していた】
【身体のあちこちには熱線による小さな穴が穿たれていて服を焦がしている。更に服のあちこちが焼き切れて黒く焦げた肌を晒していた】
【頬や額の焦げた肌が灰となって剥がれ落ちて、アインの足元に微かに降り積もっていた】

 ──……くっ、くく

【魔術師の肩が、微かに震えた】

 くっはははははははははは!! これだ、これでこそ!! この痛みこそ、戦いだァッ!!

【哄笑。心の底から愉快でたまらないといった様子で、アインは空を見上げながら大きな笑い声をあげた】
【膝を畳み、跳躍。筒状の構造が崩壊して膨大な水が空いた空間に流れ込み、その勢いで水柱が上がる】
【その中からアインが飛び出し、水上に着地。即座に屈んで水面に両手をつく。膨大な魔力が水の中に流し込まれていく】

【空中のカミナと八咫烏の周囲の水が上昇。水面から更に数十メートルも持ち上がった膨大な水が両者を囲むように上空から降り注ぐ】
【広範囲かつ純然たる質量による攻撃は熱量で容易に防げるものではない】
【同時にカズネの周囲の水面から、建造物を切り裂いた水圧のカッターが十本近くカズネへと放たれる】
【下から上に向けられる攻撃の都合上、上空は安全地帯になりやすい。その逃走経路を防ぐように圧縮大気による巨大な手が、水の刃が放たれた一瞬後にカズネ目掛けて落下する】
192 :ネモ・アーネスト :2015/02/21(土) 23:26:26.78 ID:aFgzxa/40
>>181>>175
ぐっ・・・・・・まだ、動くの!?・・・・・・

【脚をすべてへし折っても蜻蛉は止まらない】
【Nemesisの表情は確かに歪んだ。ダメージは有る。】
【それでも蜻蛉は、Nemesisは怯まない】
【あの光景を二度と見たくないと、Nemesisが少しだけ見せた覚悟の根幹】
【これが彼女の覚悟ッ・・・・・・】

―――リーベ!?

【自分を助けようとしてくれたリーベが今危機の真っ只中】
【自分がしくじったからこんなことになったんだ。】

あたしがっ・・・・・・なんとかしなきゃ!

【手を離してリーベの元へ向かおうとした】
【が】
【急上昇する体、急激に全身を包むGに体が言うことを聞かず、手を離すこともできずに】

(まずい・・・・・・このままじゃ)

【急上昇、ここから推測できる攻撃は】
【水面への叩き付け、そして沈める】
【この高さから水面へたたきつけられれば、強化された体でも生きていられるかは分からない】

【少し怯ませるだけでいい、一撃を―――】

っ――――――が、あぁ・・・・・・

【―――少女の体が水面にたたきつけられ、衝撃が襲う】
【全身が水に沈んだときにはGと衝撃に少女の意識は飛びかけていて】

【しかし、少女は水面にたたきつけられる直前に思い切り脚を伸ばしていた。】
【決死の一撃は蜻蛉の頭、顔面めがけて】
【なんとか蹴りを入れようとしていた】
193 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/21(土) 23:28:19.48 ID:bik+/opIo
>>174

【突いて、避けられればその剣を横に薙ぐ。だが、それも当たらない。スピードでは劣る】
【幾ら常人では持ち上げることすら難しい大剣を振り回すこと出来たとしても身軽に振り回す事は無理だ】
【尤も、それを捨てて、威力に特化させているのだから弱点ではない。仕方なのない事だ】

【だがその2mの半径すら何とも出来ないほど弱くはないはずだ。幾多の戦場を渡り、戦い続けてきた】
【武器も全てなくなって瓦礫で殴りあうギリギリの殺し合いをする地獄の縁の辺獄を超えて今も生きている】
【ならば信じるしかない。思いつくままに踊れ。半径2mのダンスフロアを。ワルツでもタンゴでもいい。踊るんだ】

【叩きつけられた石突きが、彼女の額を割る。ダラリと真っ赤な血が流れる。髪の毛をつたって滴り落ちる】
【だが、彼女の眼(まなこ)は尚、凛々しく眼光は鋭く、獲物を得た荒鷲…いや、狼の様で】

…捕まえたぞ。

【そう言って、片手で戟の柄を掴もうとした。ガッシリと、掴むことが出来たのならそれを、思い切り引っ張って】
【顎めがけたハイキックをお見舞いする。ヒットしたならすかさずもう一発、腹部を思い切り場外めがけて蹴り飛ばすだろう】

クッ…クソッ…

【石突の一発が視界を揺らす。片手で血を拭い、額を覆う。標的のロックオンがここで一時的に外れてしまった】


/すみません。只今戻りました。よろしくお願いします
194 :ロウの人 ◆EeJ7tvIqpI [sage saga]:2015/02/21(土) 23:30:48.64 ID:Ml39Ngpfo
>>182 >>183

お前の行動理由とか理屈とか、んなもんは全くこれっぽっちも興味ねぇ……!!
――――それでも結果的にお前が人類の敵になるんならッッ!! 罪なき人々の命を自分の利益の為だけに犠牲にし利用するんならッッ!!
俺は絶対にお前を止めてやる……!! しかも元々死んでる幽霊……ってことなら、全力でお前をぶっ潰せるワケだ……!!
だから今ここで――――〜〜〜〜〜ッッ!? ……これ……はッ……!? どういう……こと……だよ……!?

【銃口はアーグへと向いている筈だった。この言葉では言い表しがたい怒りの感情を、銃弾と共にあの化け物へと放つつもりだった】
【なのにその銃口は、自身のこめかみに向かんとしている。肘が曲がり、段々と銃口が自身に近づいてくる。必死に腕に力を入れるが、思い通りには動かない】
【グリースの指摘も、ロウには届いていなかった。自身が放つ怒りの籠った声にかき消されていたからだ。彼の熱き心が、皮肉にも彼を陥れたのである】

……動けよ……!! 何やってんだよ俺の右腕ェッ!? アーグをぶっ倒してみんなを護るんだろ!? それが俺の、SCARLETのすべきことだろ!!
――――なんで……言うこと聞かねぇんだよ……!! おい……こんな所でこんなカッコ悪い死に方……出来るわけねーだろーが……!!

【右腕がアーグに乗っ取られているかのように、まるで右腕だけがロウに反旗を翻したかのように動いていた。今までロウを支えてきた右手が、此処に来て牙を剥く】
【自身に問いかけながら踏ん張るも、強力すぎる術の前には無意味であり――――銃口がこめかみに向き、銃声が鳴り響いた】

……――――っっ、あぶねーな全くよぉ……!! ざけんなよ、右手くっそ痺れてんじゃねーか……ま、衝撃もあってか傀儡は解けたらしいがな。

【右手に握られた拳銃が、いつの間にか弾き飛ばされていた。弾き飛ばしたのは――――左。銃口から溢れる煙がその事実を示していた】
【屋根の固い所を左銃で撃ち抜き跳弾させ、右銃のグリップ底を射抜き無理やり右の拳銃を吹っ飛ばしたのだ。右手を痛そうに振りながらも、凌ぐ】
【だが攻撃は終わっていないと言うことを彼は瞬時に悟った。やや遅れるもガンマン故の広い視野が雷の瞬きを捉えたのだ。そしてそれが此方へと迫ってくることも】
【ロウはすぐさま真横に飛び退こうとするが、彼の足はお世辞にも早いとは言えない。劣る反応速度も災いとなって、脇腹を深く稲妻が焼き切った】

っぐッ、ぐぉああああッッ!!! ッガハッ……っぐ……!? く……そが……!! ちぃ……変な術に手間取って……ちょい……ミスっちまった……ぜ……。

【――――なんとか水に落ちることは無かったものの、受けたダメージは甚大だ。この傷では満足に動けるのもそう長くはない、そう判断せざるを得ずに舌打ちをする】
【うつ伏せに倒れながらも近くに落ちていた右銃を掴み、灼ける激痛に身を捩らせながらも懸命に起き上がる】
【――――アイコンタクトが、倒れ際に見えたのだ。ふらつく身体を何とか踏ん張らせて、ロウは左銃をアーグへと向け、魔力を込めた】

此処しか……ねぇんだ……!! mode:Ignited……――――――――――――SHOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOT!!!!!!!!!!!!!!!!

【発射までにタイムラグがややある分、威力は高い。ギリギリまで、ブリッツが戻ってくるかアーグの意識がこちらに向くギリギリまで魔力を込める】
【軌道は真っ直ぐ、速度は超高速。魔力をある程度銃口に溜めて爆発させることで速度を大幅に上昇させるこの銃技で、アーグの少ない隙を狙った】
【それでも、コンマ数秒。怪我の影響か僅かにロウの中で何かがずれていた。少しだけ溜めすぎたのだ。下手をすれば、躱されるかもしれない……!!】





195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/21(土) 23:35:09.90 ID:MTZ3m1rA0
>>187

……前に、靴の裏に穴が空いてる事に気付かなかった時があってな?
履いた靴下が1日でダメになっちまう事が3回続いたんだよ。おかしいなって靴を見たら、穴が空いてたって訳さ
靴べらが完全にダメになった訳じゃないから、完全に地面に着いた訳でもないのにそうなんだぞ? ……ま、後は推して知るべしって奴だな

【まぁそれも、歩き方による、特に足の裏への負担の掛け方によるのだが、ともあれパウルはそんな経験をしているらしい】
【靴に穴が空いている、というのも中々間抜けな話だが、これは場を和ませる意図もあったのだろう】

……ほぉー、戦い方を、ねぇ……そりゃ良い事だ。自分の身を守るに足るだけの力があれば、色々と余裕も出てくるしな、精神的にも……

【鈴音のその言葉を、どこか意外そうに聞きながら、感心した様子のパウル】
【実際に、これはスポーツマンやトレーニーなどに言われる事だが、身体能力が高まると、精神的にも余裕が出てくるのだ】
【いつ物騒に襲われるか分からないこの世の中で、戦闘力を持つと言う事は大事だが、それを抜きにしても】
【日常の生活の中での改善点としても役に立つだろうそれは、パウルから見れば「良い心がけ」と言ったところなのだろう】

……はぁー、なるほどね。そしたらさっきのチラシも、その宣伝に使う訳か……
そしたら、結構忙しいんじゃないか? 2つの店を掛け持ちしてる訳だろ?

【パウルの認識としては、『たんぽぽ』というのは「なんとなく聞いた事がある」程度の物だった様で】
【とりあえずすぐに飲み込む事は出来た様だが、鈴音がそこに中心的に関わっていた事までは、どうやら知らなかった様だ】
【――――そうした慈善的なサービスに携わっている人間だったと言うのも、これまた意外だったが】
【それよりも、鈴音が『たんぽぽ』と酒場を行き来している事の方が、パウルには気になった様で】
【とは言え――――これだけ治安が悪化している――――日常的と言う意味ではなく、非日常がすぐそばにあると言う意味で――――世の中なら、そこまで目くじらを立てる事もないだろう】
【そんなことよりも、もっと問題の根が深い生き方をしている人間なんて、数え切れないほどに居るのだから――――】

ッハハァ! 大の大人がこの程度を重たがってたら話にならないぜ?
――――心配すんな、大丈夫だよ

【――――鈴音が何を心配しているのか、パウルもすぐに察したのだろう。どこか豪快な位に快活に笑い飛ばす】
【そもそも、今は抱きかかえているとかそういうレベルではなく、介添えをしている程度の状態だ】
【これで負担に顔を顰めるようなら、それは色んな意味で大丈夫かと問い掛けたくなるレベルだろう】
【ちょこちょことした、おぼつかない足取りをそばで支えていると、何故か小動物を連れている様な感覚で、妙な味を感じるのだが】
【まぁそれも、わざわざ口に出して言う事ではないだろう。からかいのネタ程度にしかならないだろう事だ――――】



【そうこうしている内に、約15分後。パウルは鈴音を連れて近場のホームセンターへとたどり着く】
【目当てのスニーカーを見つけると、その値札を覗き込む――――4180、2580、3320――――1980】
【「これで良いか」と、パウルはひょいと取り上げると、鈴音に試し履きを進めるだろう。サイズが合わないのでは、靴があってもしょうがないのだ】
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/21(土) 23:35:27.60 ID:c3PWwmVm0
>>182-183>>178

全部、あなたの力だったわ。先にあれを傷付けたのもね。
……急ぎましょう、彼の言葉からすれば未だ終わってはいないはず――――……これ以上、犠牲を拡げる訳にはいかないもの。

【きっと彼の力こそが彼の命を救い、彼女に先んじてロースに傷を与えたのだと。それは、間違いなく彼女が見た事実であったから】
【けれどここから先、言葉を交わす余裕があるか――――分からない、分からないからこそ残した言葉。……生きて、戦い抜こうとの誓い、願い。】


【事実、そこからの展開は急峻かつ激烈なものであった。“力”の発露、顕れたアーグ。向かおうとする幾つもの戦意さえも、なにも変える事などないのだと言う様に悠々と佇む仮面の男】
【刃を裁て昇ろうとする少女を見ながらも、それはまるで雰囲気を変えず】
【余裕の面持ちで―――仮面からは窺えないが、声や身の様子からの判断―――何も、物理的対抗手段を取ろうと試みてはいない様に見えた】

【それが命取りだと意識は加速――――“時戒の宝玉”との精神接続すら可能にしてみせた強固な自我は、何事か紡ぐ狂える聖者を視認して】

――――――ッ……!?


【ぎちりと、その躰が音をたてて支配下に陥った。次段の行動に割り込む強制停止が、アーグの撃滅を意図していた精神構造の弱所を確実に捉えて】

【見開かれた瞳に映りこむものは、彼の言葉通り己自身に刃を向けようとする左腕―――――】


……嘗め、るな……ッ!


【瞬間、膨れ上がる精神の劫火が鎖を弾けさせた。それは、聖書を歪めたかの如き災厄を齎さんとし続ける男への怒り。護るための力を奪うことに――――まして、自害などという手段をとらせようとした悪辣への答え】
【己を貫くはずの雷霆を、視認してその速度で回避する。宙に留まるその一瞬に、言葉を返し―――さらなる悪意に、反応、せずにいる事など出来なかった】

……自分だけは例外、か。
神でも気取っているつもりなの、アーグ――――……っ!?

…………下衆。悲劇を救うどころか喜んで、嗤うあなたに人の世を生きる資格はない……ッ!

【思い出す笑顔、狂わそうとする邪悪への激情。奈落の底で眠れと叫ぶ心は、修道女の“助言”ひとつを得て何者にも縛り得ぬ神域の超速度と化して壁面を今一度捉え飛翔、】


―――――――――――砕け散れッ―――――――――!!

【時計塔の文字盤諸共の“切断”、叩き斬った構造物を雪崩落ちる鉄骨を逆回しにしたが如き破壊的隠蔽として本命の刃が昇るだろう。狙うのは、右脚を中継しての胴体への直撃】
【そして、斬撃はそれだけには終わらない。文字盤の破壊に成功すれば、頂上部を足場に藍き剣士は全身を一周転】
【銃弾を捉える要領で刃は長針を捉え、眼下の一点に向けて投擲/投射――――長針は、ブリッツの頭部を穿ち抜く軌道であちらに先端を向けて撃ち放たれて】
【“不死”であるはずの彼の思考と行動を、一時的に停止させようとするだろうか】

【だがこれ単体では余程ブリッツが周囲への注意を欠くか、或いはフレデリックの救援に向かう共闘者がいるのでもなければ不発に終わるだろう。軌道があまりにも直線的に過ぎた】
【けれど死神の双銃がかれを狙う今ならば――――それは、絶対的強度と精度の拘束となる】
【“一刻も早くアーグを沈黙させねばならない”、“フレデリックを死なせることなど出来ない”。二律背反の答えが齎した行動が、喚び起こす次段は如何なものとなるのか】
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/21(土) 23:36:14.64 ID:hd82p+sg0
>>182-183

……っ…………っっ手ン……メェ…………、随分な脳ミソじゃあねぇかッ…………!
ならば嫌でも覚えさせてやる……!あの世でも忘れねェようにしっかりとなッ!!!

なっ…………!?お……おい!お前ら!!!一体何やって………………ッ!!?

【ドスドスと肉を刺す感触が手から伝わる、ただしそれはアーグのものではなく】
【ロースが奴を連続突きから庇う、部下は大司教の為に盾になり、大司教は部下を盾にするのが当然のように行われる】
【3回ほど攻撃してからか、急に動きが極端に鈍くなり、次の突きを出そうとする時には止まる】

…………ぐ……身体が…………動かねぇ…………、ヤバイ……!
……が…………ハッ………………ッ……!

【一体これは何なのだ、他の有志達も何か様子がおかしい、まるでアーグの言う通りに動かされている】
【そしてエルヴェツィオ自分も、どうやら術中に嵌まってしまったようだ、体が動かない】
【その隙にロースに抱き付かれ、水の牢獄に閉じ込められ、そしてどんどん沈んでいく】
【早くこの拘束を解かなくては、相手は不死の肉体、死んでもまた浮かんでこれる】
【だがエルヴェツィオはただの人間、息が出来なくなれば直に溺れ死んでしまう】

【しかし更に追撃があった、水中で身体を貫かれる感触、ブリッツからの攻撃だ】
【幸い、エルヴェツィオの能力も雷の属性、抵抗力があったので普通よりもダメージは軽くなった】
【が、それでも今の衝撃で酸素がだいぶ肺から漏れ出てしまった、残ったのはあと一呼吸分だろう】

(こいつで…………剥がれてくれることを願うしかねぇ……!)

【ぴしという音、エルヴェツィオがロースに電流を流したのだ】
【但し黒焦げにするほどではなく、微弱な電流、これで彼女の神経や筋肉を直接刺激して動かそうとする、簡単に言えばカエルの足を使った実験と同じ】
【もしそれがうまくいったのなら、彼女の脳天目掛けてレイピアからの突きが飛んでくる】
【いくら不死といえどまともに食らえばダメージも大きいはず、呼吸が無くなるまでに 仕留める……!】
198 : ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/21(土) 23:42:51.77 ID:IG9ODrJCo
>>176
【流れ込む土砂と水と瓦礫とその他諸々、これが夏の出来事だったら多少はマシかもしれなかったのに、だなんて言ってると不謹慎としか思われない】
【勿論こんな状況でそんなこと冗談でも言っている事は出来ないのだが…ともあれ、頭の中で考えるのくらいは許されるだろう】

……あー…

【家族と逸れてどれくらいだろうか?街が冠水してからずっと、瓦礫のイカダに乗ってどうしようもなく水の上を漂っている】
【被ったキャップはすっかりぐしょぐしょに濡れていて黒い髪まで染みている、外ハネになっている髪型も心なしか元気が無い】
【パーカーもジャージズボンもパンツも濡れまくって気持ち悪い事この上なく、『早く救助が来ないかなあ』なんて考えながら、この少年は流れていた】

【そんでもって、今少年はとても困っていた、救助が来ないとか寒いとかそういった理由がどうとかじゃなくて】
【今流れて行っている先の水溜りの中に、半魚人めいた形容しがたき深き者どもがいるではないか】
【今この状況では半魚人はこちらに背中を向けているが、『見つからないといいなあ』程度に願うしかなく、やがて少年の乗る瓦礫のイカダは半魚人のいる水溜りに流れ着くだろう】
199 :No.7 Nemesis ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/21(土) 23:44:59.21 ID:hW6z8PZco
>>181>>191

【リーベの言葉に対し、Nemesisは更に怒りを募らせていく。】
【奇麗事だ。理想論だ。そんなものが通用するならば、もっと前に私は幸せになっていた。】
【そうならなかったから今がある。そうならなかったから、今の私がいる。それが全てで、それが結論だった。だが。】


 (―――でも、もし……もし、本当に、コイツの言う様に……)


【能力者の全てが全て、悪人ではないのだとしたら。自分の戦いに、意味は無くなる。】
【いや―――だが、ブレるワケには行かない。彼女の言葉がどこまで正しくあっても、それでも。】


 ……ええ、その通りよ。弱っちいヤツもいれば、傲慢なヤツも、へらへら笑ってるやつも、何でも居る……!
 でもねぇ……いい、脳みそお花畑の"キンキン声"が五月蝿い熱血猪突猛進女、アンタに一つだけ言っておくわ……!!

 ―――能力者が、能力を操るのが、私のような"人間"である限りッ!!
 アンタのような、人間である限りッ!! そこのネモのような、人間である限りッ!!
 弱っちくて、優しくて臆病で、寂しがりな人間である限りッ!! その負の感情は全てを台無しにしていくッ!!

 能力は―――持ち得たこの異能は、人間を悪魔に変える起爆剤だ……そのスイッチだ、そして殺意は麻薬だ……!!


【命中したとび蹴り、そしてリーベとともにNemesisは水中へと身を投げる。】
【急降下した自身の肉体を水が受け止め、水中の中でバイザーが起動、リーベの姿を捉えて】


 
           FUSION INSECTS (  ―――我が身と融け合い、変化せよ。―――  )

            BEETLE       (  ―――剛なる力で、仇敵を殲滅せよ。―――  )

【そのまま水中にて、"第二"の能力たる"融合"を起動―――ッ!!】
【前回見せたカミキリムシのそれとは異なる、強大な装甲とパワーを発揮する甲虫<カブト>との融合だッ!】
【そのまま水中へと驀進し、重さを利用して水の中をぐんぐんと進むと、リーベを捕縛しそのまま首を締め付けようとする―――ッ!!】


 (水中で、格闘戦をこなすなんてアンタに出来るかしら、"饒舌お花畑"ッ!!)
 (私はカブトムシと融合する事で圧倒的な防御力・耐久力を得てる……当然、肺活量も俄然上昇、)
 (暫くの間は無酸素状態で動ける……ッ!! このまま水中で、締め落としてや―――ぐッ!? ……ネモ、か……ッ!!)

【―――しかし、同時にダメージも負う。蜻蛉の過激な攻撃に対し、必死の対抗を試みたネモのそれが】
【しっかりとダメージを与え、蜻蛉の脳髄をガツン、と揺らし―――そのまま蜻蛉はコントロールを失い】
【 ネ モ を 抱 え た 状 態 の ま ま 、水中へとドボン―――と、落下していくだろう。】


 (なら―――これで、どうだッ!!)

【Nemesisは最後の力を振り絞り、蜻蛉の"尾"を使わせて、ガッチリとネモを捕縛させようとするだろう。】
【そしてそのまま水中に沈んでいけば―――酸素の蓄積量の差でネモを窒息死させられる、とそう踏んだのだろう。】
【だがネモもまた改造人間であり、その身体能力は化け物染みている。尾の拘束を逃れるか、また破壊するか―――若しくは。】

【無酸素状態の中で"我慢対決"に勝利し、蜻蛉の力が抜けるのを待つか―――選択肢は豊富だ、だが時間はあまり長く、かけられない。】
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/21(土) 23:53:54.90 ID:c7kKKruz0
>>193
【確かに額に叩き付けた筈の一撃、それでも彼女の手は気丈にも戟を掴む】

「あは、つかまっちゃったねぇ!?」

【綺麗に少年の顎に吸い込まれていくハイキック、少年の軽い体が戟を掴んだまま大きくはねあがったのと先程の一撃の効果が二発目の蹴りを空振りだったが】

【その美しくも凛々しい顔に血化粧を施した彼女の一撃は矮躯の少年の脳を揺らすには充分過ぎた】

「あ、はぁ……すっごい……これ………グニャグニャしてる…………気持ち悪い………でもさぁ」

【辛うじて両手で戟を持つ事で彼女に支えて貰っているような状況で尚笑いながら付け足す】

【僕の武器にずっと触ってていいのかなぁ?、と】

「血(ブラッ)____塗れ(ティ)____かき氷(アイスエイジィィィィィィ)!!!!」

【それは男の娘の異能の名、低温を操り戟で粉々のかき氷の様にしてしまうためにつけられた能力の名であり彼の二つ名】

【武器越しだろうと腕の一本ぐらいなら凍らせられるはず!!!】
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/21(土) 23:56:06.73 ID:mha36wtE0
>>195

そうなんだ、……そんなにすぐ駄目になっちゃうんだね、そっかあ、布だもんね――。

【靴に穴――その話を聞いて、彼女は、自分の家の靴は大丈夫だろうか、なんてそんなことを思う】
【もっともすぐに、底の厚いブーツとかばっかりだと思い出せば、大丈夫そう、なんて思うのだけれど】
【「気をつけるね」なんて笑って、ほんの一瞬、ヒールの折れてないほうの足の裏を確かめ、「大丈夫みたい」と呟いた】

自分のことだけじゃないの、わたしのやりたいこと、ちゃんとやるには――強くならなきゃ、いけないの。
だからね、大変だけど……頑張るんだ。ほんとに大変なんだよ、セリーナってば、ぜんぜん、手加減してくれなくて――。

――あ、わたしね、UTで働いてるの。酒場の給仕さんだよ、みんなみたいに戦うわけじゃないけど……。

【なんて、ほんの雑談みたいに言う。それで、今更、気付いたようにそんな風に名乗るのだろう】
【酒場の給仕。いわゆる正式なメンバーとは違って、戦いに赴くでもない、どちらかと言えば、出迎える立場】

それでね、“たんぽぽ”もやってます。
……あ、えっとね、そうじゃなくて。昼間のUTのお店を借りてるの、場所はおんなじだよ。

【少しだけ自慢げだった。自分のやりたいことの一端、きっとここから始まるのだと思っている、こと】
【それで僅かに演技がかった声で胸を張って、すぐに面白いようにころころ笑う。彼の勘違いには軽い訂正を入れて、】

それなら、いいけど――――。

【両足の高さが違うせいで、頭の位置が安定しない。ぴょこぴょこと歩いていると、本当に変わった玩具みたいだ】
【それでも一生懸命、彼の歩く速度にあわせようとしたりして――小動物とか思われていることには、全く気付かず】
【また転ばないようにと気にしたような真面目な顔で歩いている。その仕草と表情の差が、また、面白く】

【それで、ホームセンターまでは時折彼女のほうから、どうでもいいような話が振られるのだろう】
【本当にどうでも良くて、好きな動物とか、好きな食べ物とか、そんなことを尋ねるのだ。ちなみに】
【彼女の好きな動物は蛇で好きな食べ物はオムライスで好きな色は桜色というのを知れて、まあ、どうでもいい】

――やっとついたあ、

【――ホームセンターについたころにはなんだか疲れた顔。慣れない歩き方と、近い距離に気を使ったことと】
【そんな理由から、実際以上に疲れたように思っているみたいで。ふあと吐息を一つ、だけど、まだ終わってない】
【またぴょこぴょこと彼に付き添われて店内に入っていって――それで、選んでもらった靴には、】

――――う、ん、大丈夫だと思う。

【そんな言葉と頷きを返す。しゃがんで爪先の辺りを押してみて、別段問題はなさそうだと言い】
【ためしに数歩歩いてみるも問題は感じられない。特にぴったりで誂えたよう、というほどではないけれど】
【まあ安いものでこれだけ合えば十分だ、というくらいには。一通り履き心地を試すと、彼女はそれを脱いで】

えっと……じゃあ、あの、お願いします――。

【なんて、遠慮がちだが、会計を任せるのだろう。ただ、レジを通す間、彼女は一瞬だけ、その姿を消して】
【とは言え入り口のほうで赤いワンピースが翻るのが見えた。逃げた、とか、そういうのではないよう】
【実際に会計を済ませて入り口のほうへ行けば、彼女はそこに居るだろう――「あ、」と、呟いて】

靴、本当にありがとう――、おかげで今日中に配れそう、駅のほうに行って配るの。
……それで、良かったら、これ飲んで。お礼なの、重かった――でしょ。

【ぺこりと頭を下げてから、にこにこと差し出すのは、そこの自販機で買ったお茶だ。ようく冷えた、ペットボトルの】
【まだ冗談めかせて重かったとかそういうのを言うのだから、はじめより打ち解けているみたいで――】
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/22(日) 00:01:04.22 ID:U+u6qkE/o
>>191

【二者の火力を一点に集中させた、並の相手ならばオーバーキルにも程がある超爆撃】
【真っ当に考えるならば、如何に防御を固めようが無事で居られるはずはない】

【しかし――この相手を決して低く見積もってはいけないとカミナは感じていた】
【何せここまでの戦いでまるで力の底を見ている気がしないのだ】
【手を抜いているというのは――恐らくハッタリではなく事実だ】
【ならばこれを受けたとしてもあの男はきっと……】

っち、この戦闘狂めが……こういうふざけた輩に限って
不相応に力を持っておるから始末に負えんのじゃ……!

【大方の予想通り、未だ決定打には至らず】
【笑いながら魔翌力を流し込むアインを忌々しげに睨みつけながらも】
【先程左右で完成させた折り紙……"鬼の面"を模した其れを自身を守るように配置し】
【八咫烏へと追撃の指示を送ろうとした、その瞬間――】

なっ――――

【――一瞬だが、カミナは言葉を失った】
【其れは宛ら大瀑布。圧倒的な質量攻撃は単純故に突破口も限られる】
【蒸発させるなど、八咫烏の全火力を叩き込もうが考えるまでもなく不可能】
【このまま防御を固めようと、其れごと全身を微塵に砕かれ朽ち果てるだけだろう】
【これが、このアインという魔術師の本気か――】

――くっ……こ、の……カミナ様を、舐めるでないわ愚物めがッッ!!

【襲いかかる破壊の水流。最早迷う暇もない】
【奥歯を強く強く噛み締めて覚悟を決めると、カミナは手で複雑な"印"を結び始める】

           "――四海・五地の・主とは・吾大君の・天津大龍――"
               
                【神道……水印壱式・龍神印】
【生成している"全折り紙"と、八咫烏の表面を水の膜を思わせる薄いオーラが覆っていく】
【神気を用いた術法の内、水神に由来する印を以て簡易的な防御を完成させると】

カズネよ――"其れ"は好きに使うがよいっ!
御主が命ずるならばその通りに動かして見せるのじゃ――

>>184(カズネ)に対して叫びながらも、即座にカミナは"脱出"を試みた】
【龍神印の効果はギリギリで維持されている"亀甲"にも施されている】
【指示したならば、足場としてではなく本来の用途――盾として一方向からの攻撃を防ぐだろう】
【また、それを選択せずともそのまま足場として運用することも可能である】

【カミナは八咫烏の腹にくっつくようにして移動すると、鬼面折り紙を体に重ねるようにして添える】
【八咫烏は、鬼面折り紙ごと卵を温めるかのようにして翼と羽毛で包み込むと】
【壁のように持ち上がった水の一点に向けて、業火を相[ピーーー]る際にも用いた"小型太陽"を射出】
【同時に、錐揉み回転しながら一瞬だけ間"穴"に向けて矢の如き勢いで飛翔する】

ぐ、がっ…………!

【しかし、こんな無茶をして当然スマートに脱出できるはずもない】
【直撃ではないとはいえ、叩きつけられる水の一部を受ける結果となり】
【また、一瞬空いた水の隙間をそれが塞がるよりも早く通り抜けるなど出来るはずもない】
【バン、と膨大な水を受けながらも突破には成功するも】
【そのまま制御を失い建物の屋上に突っ込むようにして不時着し、叩きつけられた】

(いかん……被害、は……)
(寝ておるわけには、いかぬぞ――――!)

【気が遠くなるような凄まじい衝撃……だが、悠長に寝ている時間などありはしない】
【自分を守る八咫烏の翼はバキバキにへし折れ、盾がわりの鬼面折り紙も一枚が破壊されていたが】
【しかし……戦闘は続行、可能だ】
【カミナの周囲を取り囲むようにして4枚の大きな紙が出現し、折られ始める】
【このターンには反撃する余力はない。故に、"次の一手"へと布石を置いた】
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/02/22(日) 00:02:48.16 ID:Pn2WpcO2o
>>198

こォれは……ふゥむ、こォの質に太さ、大黒柱か
壊れずに流れるのは珍しい、こォーいうのは結構使えるな、――よォっとッ!

【こちらに向けて流されている少年にはまだ気がついていない様子のその存在】
【再び水中に潜ったかと思えば、(水が濁っているのでそちらから見えるかはともかく)太い柱を発見し】
【――そして次の瞬間、その柱が無くなったのだ、それが闇となって水中にある魔法陣に吸い込まれて!】

【さて、そこにあったものが無くなれば周りから補うしかない、つまり柱があった所へ水が流れ込むので水流が発生する】
【もしかすると、少年の乗る瓦礫の流される速度が上がるかもしれないし、そうでもないかもしれないし】
【だが、どちらにせよ変わらない事実がある――】

……ん、まァたなァにか流れて来ィたな……ほォう、人間か

【それは、流れてきた瓦礫、その上に乗る少年をこの存在が発見するということ】
【魚っぽいだけあって泳ぎは上手。水中でターンを行い、少年の方に向けてさっとひと泳ぎ。飛沫は飛ばず、水は揺れる】

よォう人間、奇ィ遇だな――テメェーも火ァ事場……いィや水場か、どォっちでも良ォいが泥棒でもしィに来ィたのか?

【"そんなわけないか!"と言いながら浮かべるその笑みは、少なくとも正義の存在が見せるようなものではない、邪気の篭ったものだった――】
204 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/22(日) 00:10:29.36 ID:YYrQ1faDO
>>192>>199(ネモ&Nemesis)

【──騒々しい戦場から突如落とされた水中は、ひどく静かだった】
【自分が吐く息が、泡となって水面に昇っていく】
【ネモは、大丈夫だろうか。Nemesisは、いま──】

【がぼ、と泡が口から溢れる。泡はゆらゆらと揺れ、水面へと消える】
【考えることが、多すぎた。Nemesisのこと、ネモのこと、この戦いの行方】
【戦闘により火照った肉体が、じんわりと冷やされていくのがわかる】
【ゆっくりと、身体が水底に沈んでいくのがわかる】

【──リーべ、と声が聞こえた。ネモの、声だ】
【長い言葉が聞こえた。Nemesisの、声だ】
【……ぎり、と歯を食い縛る。まだ、自分はここで、気を抜いている場合じゃ、ない!】


【がぽ……! 空気が、また零れる。もう、肺に空気はあまり残っちゃいない】
【加えて、ヒトと蟲とではあまりにチカラが違いすぎ──ぎちり、と首を締め上げられる、が……!】


(────蟲……冷たいのには、弱い、は、ず……!)


【ぐぐ、と口元が笑みの形に歪む】
【リーべの肉体面は、常人とさほど変わりない。水の中だからといって、スピードが上がるわけでもない】
【彼女の強さ──それを支えるのは、彼女の異能に他ならない】
【だから、リーべが水中で、真っ向勝負のばか正直に、格闘戦を受けるわけがないのだ……!】
【──廃墟の床をぶち抜き、声を使って敵を倒す。そう、リーべは時として、四肢に頼らぬ戦いをする!】


【──ひゅう。突如、水温が下がり出す】
【今までの水温も十分に冷たかったが、それ以上……まるで、流氷の浮かぶ海のよう】
【──Nemesisは、覚えているか。一度、リーべが分子の震えを操作し、熱を生み出したことを】
【今彼女が行なっていることはその逆……分子の震えを抑え、周囲を低温化させていた!】


(ぐっ……ふ、ぅ──息っ、……!!)
(んっ、が…………あ、あ……!)


【周囲の低温化──急激に起きたその現象は、そのままNemesisの身体を末端から凍らせようとしていく】
【狙いは四肢の、低温からくる麻痺に伴う拘束力の低下か】
【リーべを離せば、身体の氷結を止めることは出来るだろうが……】
【そうすれば間違いなく、彼女は「衝撃」の推進力を使い水上へ出てしまう!】
205 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/22(日) 00:11:41.05 ID:OnuuVJ0Ro
>>186>>189

……――何…?妙な嘴とは思っていたが、貴様…――ッ!


【流石の異形、老怪とあってもこの変化には驚愕したと見える】
【ニヤけていた表情は一転し、自身よりも巨大な存在に思わず目を奪われ】
【後を追うように巨大な火球を放つものの――今一歩、その行動には追いつかず】


『――う、おッ!?ンだよクソがッ!ボクの邪魔ばっかりしやがって!
 弱っちいニンゲンの癖に、何時までも目の前をチョロチョロと――ッ、グ…!?』


【フレデリックの前に立ちはだかる巨大な翼竜。その存在ごと焼き払おうと】
【ブリッツが強烈な電撃を迸らせるものの――グリースという名の横槍が入り】

【雷撃はその腕に止められて、虚を突いた反撃が喉元に突き刺さる】
【うめき声をあげるよりも早くまたひとつの命を失うブリッツに、アーグは小さく呻きながらも】
【己に飛ばされた槍の術式を苦もなく解除。何事もなかったかのように、翼竜と青年、そして修道女を睨みつける】

【――ひとまず、フレデリックは無事か。一方で、ブリッツは復活にやや時間がかかる様子で】
【隙どころか、動くことすらままならない状態で肉体を露天に晒していて】

>>194>>196>>197


私だけが例外?神を気取る?……フフッ。無知も程々にしておけよ、小童が
 ゼン=カイマの大司教とは、即ち神の代弁者ぞ。

 貴様らが思うような、ただの"偉い人"ではない……どれほどの歴史があると思うッ!
 数百、数千年……あの地を築く先人たちは教えを伝え続けてきた!
 人々を救い、教え、導き招くためにどれほどの血が流れ、それを糧としたと思うッ!!
 ……おっと、悲劇ならば救ったがね。先日も一人の男を救ったよ――カニバディール、という男をな?


【三者三様に術がかかる。その様子を笑いながら――或いは警戒を緩めながら――アーグはからからと笑う】
【絶対の自信、力の裏打ち。そして妄信的と言って差し支えない、凶悪な神学概念を覗かせながら】
【冷酷に駒たちを使うのだ。ロースという女性を身代わりに、ブリッツが殺される様を冷静に眺め】


【――まずは柊の刃が迫る。しかし、アーグは欠伸をしながら術を発動すると一瞬で数m離れた場所に転移し、回避】
【直後に堕ちる時計の長針は、グリースによって行動を止められていたブリッツの頭蓋を見事に破壊し】
【その体は僅かな痙攣を起こしながら動きを止めた。――針を杭だと思えば、しばらく再起は不可能であろう】


【続いて場面は水中へ。エルヴェツィオの攻撃を受けたロースは、ほぼ死にかけた身体で抱きついていた】
【最早意志の問題ではない――故に、神経へ作用する電流は効果が大きかったらしく】
【その体はビクリと蠢いてから彼の拘束を解き、彼より先に沈んでゆく】

【――追い打ちとばかりに頭部を突けば、真っ赤な水流が周囲に巻き起こり】
【それがエルヴェツィオを押し上げ、ロースを水底に引きずっていった】


う、む……?……おや、これは困った。優秀な駒が二人消えてしまったか?
 あれを作るのは大変なのだぞ間抜け共……一度生きかえらせるのに、何人の魂を、オ…ッ――!!?


【最後は弾丸。紛れも無く、それはマーシャル・T・ロウの放ったものであった】
【射止めたのは胴でもなければ手足でもない。――鋼鉄の、アイマスクである】

【それを高威力の弾丸が弾き飛ばすと、アーグの瞳が顕になった】
【単眼だ。ぎょろりとしたただひとつの瞳が、金具に千切られた瞼の奥にあり】
【真っ赤に染まった眼を見ると、最早それは化物以外には見え辛く】

【――怒りの眼が、この場に居合わせた全てのものを睨みつけ】
206 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/22(日) 00:12:10.24 ID:OnuuVJ0Ro

>>ALL


……良かろう。貴様らが酷く藻掻くのは、よくよく理解できた
 では潰そう、ネズミを逐一罠で捉えようという私の考えが誤りだったのだ

 絶つのであれば、その"もと"を……あぁ、考えてみればそうか…。
 どのような病魔が流行った折にも、最後には街や路地を燃やして駆除したのだ
 ……心を腐らせる病魔の源も、同じように焼き払わねば意味は無かろうて

 ちと手間ではあるがな……水も有る。吹き飛べ。お前たち全員、この場所で朽ちよ
 この面倒は、少しでもネズミと戯れようと考えた私への罰であろうよ――さあ。


【ダンッ!=\―重量20kgを超える宝杖カテドラルが、その柄が時計塔を強く叩いた】
【僅かな静寂は、チャンスにも思える。攻撃を防ぐ肉の盾――ブリッツ、ロースも今は居ない】
【しかし耳を澄ますと聞こえる物もあった。落ちる音、燃える音、焦げる音と臭い、背筋を凍らす存在感】


【それは――隕石≠ナあった。直径は、それぞれ数十メートルは有るだろうか】
【無論、宇宙から降り来る本物ではないのだろう――だが、質量は本物に違いなく】


……助けないのかね、流浪の避難民を。私を殺そうというのなら、試してみたまえ
 無事に殺せれば安全圏まで送り届けてやっても良いぞ?…――ク、フフッ。冗談だ

 ―――さあ、英雄気取りの異教徒共ッ!今一度貴様らに命令をくれてやろう――!
 今度は術は無しだ。死ぬがよい=c――首を切れ、頭を撃て。
 泣いて詫びを請いながら、私の前に跪いて舌を噛み切り、純粋に安寧を迎え入れよ

 されば救おう、ネズミ共を。異教徒共を。……私は嘘は吐かんぞ、特に私の好みに付いては……なァ?


【―――やがて、件の静寂を挟んで数十秒もしないうちに落ちてくる】
【まず質量が建造物を押しつぶす。次に炎熱が周囲を支配し、水と反応して蒸気が起こり】
【その強大なエネルギー同士が反発して起こるのは、一帯を破壊する大規模な爆発である】
【予測される被害は如何程か。街そのものが吹き飛ばずとも、この戦場は――。】




『……この場に居る全員に命令するぞ。私があの術を止めてやる
 時間を稼げ。……良いか、此処で全てを出し切っても構わんからな』


【―――声は、落ち着いた低いものだった。アーグよりもよほど心に良い、巌のような大司教の声だった】
207 : ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/22(日) 00:20:56.23 ID:UqT6Snpbo
>>203
【半魚人が瓦礫を漁るせいで水流が出来上がり、吸い込まれるように水溜りの方へと流されていくイカダ】
【最早どうする事も出来ず、しかし大きな独り言を聞くに人間の言葉は使えるようだというのだけは少年にはわかった】
【わかった所で、話せる奴かはまた別の話、流れ着いた先でイカダが止まり、目の前に表れた半魚人をジッと見る】

…流されたんだよ……悪いか

【半魚人の笑い声に気圧されて、ポツリといじけた子供のように言い返す、ここで少年は半魚人に助けを頼んでも無駄だろうと思った】
【助けてくれるような奴はこんな事は言わないし、こんな風には笑わないから】

……なあ、一つ聞くけどさ
この街がこんな風になったのってお前のせい?なんか見るからに『水を使った悪さします』みたいな顔してるけど

【イカダの上に胡座をかいたまま、半魚人の事を静かに睨み付けながら問い掛ける。周りを見るまでもなく、辺り一面冠水し、街は壊滅状態だ】
【こんな風にしたのはお前かと、少年は問う。こんな事をするのは正義の味方のやる事だけど、今この場にはいないから、その代わりに】
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/22(日) 00:26:11.76 ID:1QfCUeIe0
>>201

登山用の靴下、とかでも無い限り……まぁ、な。多分……そんなに、確信か持てるほど何枚もダメにした訳じゃないけどな……

【――――余り靴下でトークを広げ過ぎるのもどうかと思い始めたようだが、そもそも話を振ったのが自分の方なので何も言えずに】
【まぁ、靴下に穴が空く事自体は、誰にでもある事である。話題と言うのは、そうした「誰にでも関係しやすい普遍性」の様なものが大事で】
【靴下の穴と言う題材は、あるあるネタとも言うべき、共感を呼びやすいものだったのだろう】

……なんか、目的があるのか。それなら、確かに頑張らなきゃいけないよな……?
――――まあ、鍛えるとなるとそりゃ、手は抜かないだろ? いや……案外向こうからしたら、手加減してるつもりなのかもしれねぇぞ?
(……セリーナ、セリーナ……ねぇ? ものすごい戦闘力の女だったが……殺狩ならともかく、俺とガチるとなると……流石に自分の運には、自信がなくなるな……)

【何かを胸に秘めている、そんな様子の鈴音に、パウルは静かに頷きながら相槌を打つ】
【だが、鈴音自身の姿をもう一度振り返ってみると、どうも戦士としては頼りない印象のあるあどけなさだ】
【スニーカーで頑張り、きついという言葉が出てくると言う事は、肉体派の修練をしているのだろうが……】
【――――出てきた言葉『セリーナ』については、流石に今となっては有名人だ。パウルも知らないはずがない】
【――――1度は、直接戦場でタマの取り合いをした事もあるのだ。その姿は鮮明に焼きついている】
【彼女が本気を出すとなると――――あまり考えたくはない事になりそうだと、うすら寒いものを感じて】

はー……なるほどねぇ。同じ建物で、2部制でやってるって事か……それなら少しは楽になるんだろうな
酒場なんて、陽が落ちるまでは掃除と在庫の点検くらいしかする事の無い、暇な場所だしな……テナントの有効活用ってのは、良い事だろうよ

【鈴音の説明を受けて、段々と『たんぽぽ』の実像がつかめてきた】
【そうした慈善的な行いについては、パウル自身はさほど興味がある訳ではないのだが、単純に話としては面白い様で】
【そうした中であくせくする鈴音の姿を想像してか、どこか面白そうに頷くのだった】

【――――その他、他愛の無い雑談には、パウルもまた肩の力を抜いて応える】
【ただ、やはり話の種になる様な『仕込み』をさり気なく挟みこんでくるやり方を、こっそりと実践している様だが、その方向性はいささか方向音痴の気がある】
【好きな動物は『マトウダイ』。金運に良い魚と言われているから。好きな食べ物は『サンドイッチ』。鉄火場の食べ物だから――――など】
【分かるんだか分からないんだが、冗談なんだか本気なんだかわからないトークで応じて見せるだろう。あまり女の子受けしそうな話ではないが……】

――――よ、し……っと、これで良いみたいだな。じゃあ行くか……

【どうやら納得したらしいスニーカーを携えると、パウルは支払いを済ませる為にレジへと向かう】
【途中で鈴音の姿が見えなくなったのは、先に外で待ってでもいるのだろうと、然程気に留める事もなく】

――――――――っと……お、いたいた。ほれ、これでなんとかなるだろ?
駅の方か……なるほど、頑張れよ?
……ぉ、良いのかい? ……ありがとう、遠慮なくいただくよ。丁度喉は乾いてたんだ……!

【会計を済ませた靴を差し出しながら、パウルは代わりにペットボトルのお茶を受け取り、その場でキャップを空ける】
【冷えた液体が喉を滑り落ちるのは、こうして歩いた後には堪えられない癒しだ】

なぁに、ほんの良い運動になったって程度の話だよ! っふぅー……
…………じゃあ、俺はそろそろ失礼するよ。チラシ配布、頑張って来いよ。じゃあな!

【鈴音の冗談には、敢えてはぐらかす様な言葉で応える。「敢えて」真っ向否定しないのも、冗談めかした態度の1つで】
【そうして店での購入を済ませると、そろそろパウルも立ち去ろうとする。これから鈴音にはやる事がある。それを邪魔するつもりは無いし、そこまで手を貸すのもまた然りだ】
【威勢良く別れの言葉を口にすると、そのままパウルは再び道路へと歩いて行く――――】

(――――UT、UTなぁ……ま、いつかは雌雄を決する事になるんだろうぜ……そこでラックがこっちに、向いてくれりゃあ良いがな……)

【――――本来の敵対者との、どこか微笑ましく和やかな時間。それを複雑な思いで振り返る彼の表情は――――背中越しに、既に≪No.21≫のものになっていた】

/乙でしたー!
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/02/22(日) 00:32:01.13 ID:Pn2WpcO2o
>>207

ほォう、なァんだ流されてきたのか

【笑みはそのまま、どこか小馬鹿にした口調でそう喋る半魚人っぽい何か】
【今のところ攻撃してくる様子はないが、かと言って味方してくれそうにもなさそうだ】

お? とォっちめたいのか? ククク、俺様こォーいうのすゥるの大好きよ
だァが、今回は違うな――俺様はやァてねェぜ

そォもそもこォの都ォ市、俺様"大嫌い"だァからな
今日は"薄まった"かァら様子を見ィに来て――見ィ事に流されたってだァけだ

【かなり嫌いなようで、大嫌いと言う単語にはとても力が篭っていたが――】
【……どうやらこいつも巻き込まれただけらしい、魚なのだから問題無さそうな気もするが】

まァったく、水が得意な"ベルーダーフ"がいィて助かったぜ
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/22(日) 00:32:54.59 ID:DmHBOnyyo
>>191>>202

ふんっ……ざまあないわね侮るからそうなるのよっ!
アタシだって伊達に戦場を渡り歩いちゃいないわ……、さて戻りなさい「静かの海」

【水の場でこれ程の炎が舞い上がる事など早々あるまい、ましてカミナの繰る大鴉は壮麗ですらある】
【古の人々が見たならば神と称えるだろう姿、成る程「折り紙」とは「降り神」という意味でもあったか】
【湧き上がる水蒸気の中で佇む黒の姿はあらゆる神秘を内包しているようだった、カズネもアインと同じく目を奪われていた】

【まだ敵は沈んでなどいないというのに……】

――――――――……っなに?まさか、まだっ!?

【水面の波紋は予兆、腹の底を揺らすような鈍く低い音にカズネは構え爪を携える】
【脈動めいた音はやがて渦を生み出し戦火はまだ潰えていない事を示す、あれだけの熱量を受けて尚アインは生きている証左】
【ならば、と爪に魔翌力を装填し今攻撃を放とうとするも鳴動に飲まれ番える事は叶わず】

嘘でしょ……どれだけアホ生命力なのよ……
何がそこまでアンタを駆り立てるっていうの、ただ混沌を齎す為だけに……そんな身体になって……

【いよいよ渦を裂いて現れる魔術師に錆色の彼女は戦慄を覚える】
【果たして自分があれだけの攻撃を受けたならば生き残れるか、その答えは絶無だ】
【人の執念は他の者に畏怖を与える、カズネとてそれに襲われる事は例外ではない……しかし仲間の声がカズネの意識を引き戻す】

(―――――っと、いけない呑まれちゃダメじゃないアタシ)

【カミナの声に我を取り戻しピシャリと頬を叩く、敵がいるのだ戦わねばならない】
【戦いアインの執念よりも更に強き物を示さなければならない、何よりこの街に生きている人達の為】

(カミナへの礼は後っ!……あのオッサンこの期の及んでとんでもない攻撃を……)

【爪の装甲を展開させ炉心より熱量の剣を引き出し爪その物を剣とする】
【五指の動きに合わせ踊る熱量の刃を迫る水圧の猛威へと差し向けるが、如何せん数が足らず何より近接の心得が足らない】

―――――く、あっ……!

【水の一閃が幾らか柔肌を貫いて赤く染める、嬌声にも似た苦悶の声を上げながらも致命部位への損傷は避ける】
【しかしそれを凌いだとて一息入れる間髪は無く迫る巨大な掌は告死宣言めいてカズネへと迫る】

爪、合わせて……クソっ間に合わな――――――――…

【装甲を閉じた爪を頭上に掲げ防御形式へと変形させようとも掌の圧はすぐさまカズネを襲い押しつぶす】
【数秒肉薄するもののやがて万力で締められるようにカズネは押され、カミナからの亀甲を加えてせめて直撃を避けようとするも】
【瀑布の如き衝撃のまま水面へと叩きつけられ血を漏らす、赤熱する爪の表面は一気に冷やされ膨大な蒸気を生み出し姿を隠す】
【その中に微かな紅色が混じりやがて虚空へと溶けてゆく】

(……やだ、馬鹿みたいに暗いじゃないのしかも痛いし……幾らか折れてるみたい)
(痛すぎて気絶できないなんて笑えない、流されてしまえば楽なのに……つくづく損な在り方……)

【白煙の中、浮翌力を保つ爪に捕まりながら死に体の身体に鞭を入れる】
【各魔翌力のラインに異常は見られない、元より魔術特化させた身体に於いて重視すべきは魔翌力の動作】
【爪との接続が継続されているならばまだ戦える、そしてなによりもまだ戦っているだろうカミナがいるのだ……ここで潰える訳にはいかない】

……オーダーは変わらないわ斉射よ斉射、せめてデコイくらいは果たさないと顔向け出来ないじゃないの!

【腕に爪纏わせて苦境に於いてこそ笑みを浮かべ魔翌力を装填し敵へと向けて構える】
【高速射出される魔弾に凡そ正確さという物はない、6つ全ての爪より乱雑に放たれる幾重の魔弾】

【回し、回し、只管に回し熱を上げてゆく……揺らめく炎を思い浮かべ、焼き尽くす情景を刻むように】
【水蒸気の白煙を貫いて魔弾はアインを飲み込もうと数多く迫るだろう】
211 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/22(日) 00:34:16.83 ID:nHNPrQeZo
>>200

【ここに来て確かな手応えを感じる。顎に入れる。2発目は外す。クリーンヒット、上々だ】
【これまでの手応えのないジャブがここに来てアッパーを決める間口をこじ開けたんだろうか】
【額を割られても価値のある手応えだ、これがリングならTKOは頂いている所だ】
【しかし、ここは戦場。どちらかが死ぬか、撤退するまで戦いは続く。だから、彼女は笑わない】

【額の血が、顔を撫でる。揺れる視界。彼奴の声――――ッッ!!】

――クソッ!!

【意識が覚醒する。しかし、遅い。彼奴の武器を伝って氷が彼女の左手に迫る。白い冷気が撫でる】
【急いで離そうとしたが既に皮膚は張り付いて、握ったまま手は離れることが出来ない。考える暇はない】
【腕が完全に凍りつく前に何とかしなければ。なりふり構わず、彼女は右手の大剣を振り上げた】

ハァアァァアアアアアアアアアアアッッッ!!!

【それを戟のどこでもいい、柄へ振り下ろす。叩き折れるのなら叩き折れるでもいい。そうでなくてもその重量】
【その勢いで、屋根は叩き折れて、戟も下へ引っ張られる。彼女は剣の勢いで無理やり手から引き剥がしたのだ】
【凍りつきかけてた手の氷は砕かれ、張り付いていた手も離れる。しかし、その素手で氷を触った時のようにくっついた】
【皮膚が、同時に持っていかれる。彼女の左手の皮膚は剥がれ、血が流れる、むき出しの真皮、彼女は絶叫する】

……クッ…クソッ……ハァ……ハァ……

【思わず右手の剣を離しそうになるが堪え、歯を食いしばって息を整える。その痛みは想像を絶する】
【しかも自分で手のひらの皮膚を剥ぐのだから、常人では成し得ない行為だ。だがそれも戦場ならば】

【彼奴に狂気があるのなら、彼女にも狂気はある。戦場にいて狂気を患わない者は居ない】

こちらの手ばかり怪我をするな…まあ、いいさ。能力者は治りも早い…

【血の流れる左手で額の血を拭うが、ただ顔を真っ赤に汚すだけだ。長い髪が風になびいた。とても濃い、紺色だ】
【右手に握った剣を肩に担ぐ、左手負傷、視界不良。尚も私は意気軒昂。天気、晴朗なれど波高し…だ】
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/22(日) 00:39:34.32 ID:UfeKap010
>>208

【まあ、確かに、靴下とは気付けば穴の開いているものだ。靴に穴が開いていなくたって】
【いつまでも使えたりはしない――だろう、多分。どこかで繕ったりしないといけなくなるはず、試したことはなくても】

【セリーナは手加減しているのかもなんていわれたら、「えー……」なんて、比較的にマジな感じの声がする】
【運動なんて得意でもなかった。ストレッチなんて多分セリーナと一緒にやったのが始めてだってくらいだし、】
【冬だというのに汗がぼたぼた垂れるくらいまで走ったあとに別のことをやったりする。――リアルに結構辛くって】
【だけどやめないのは夢があるからだけど、それはそれ、これはこれ、辛いものは辛いのである――とか余談だけど】

知ってるひとにお金なくてご飯に困ってるひとが居たら、教えてあげてね。

【――なんてことを言って。ふと逸れた意識が足元を狂わせる、一瞬、転びそうになって、――支えてもらって】
【跳ね上がった三つ編みがぺたんと背中に落ちて来る頃には、また最初みたいに苦笑している、恥ずかしそうに、頬を少しだけ赤くして】

【マトウダイ。身体に的の模様のある魚。それは分かったが、金運――がどうというのは、全く初耳で】
【サンドイッチが鉄火場の食べ物というのも知らない。というか鉄火場ってなんだろう、そのレベルだ】
【だけど変な顔とかはしてみせないだろう。普段酒場で酔っ払いの謎トークを聞いているのだ、だから、というわけでもないが】
【今度は「マトウダイって金運のお魚なの?」とか、「鉄火場ってなあに?」とか聞いて――会話を続けたのだろう】

うん、駅のほうと、あと、ちょっとを路地裏のほうで配るの。
普通のひとにも知ってもらいたいけど、路地裏の孤児の子たちとかに伝わらなかったら、意味がないもの。
でもちょっとここだと遠いかな――? もうちょっと近くで配ったほうが、良かったかも――……、

【まずは、そういうことをしているとみんなに知ってもらいたい。大々的にテレビで宣伝したのも、そうだし、】
【だけど、まさに彼女が手を差し伸べようとするような孤児たちはテレビも見られない。それなら、存在を、知れない】
【そしてそれは全く意味がなくて、だから、路地裏のほうまで配りに行く。――戦闘が苦手でも、チンピラくらいになら、勝てる】
【にこにこ笑顔の裏っかわに少しだけの闇を隠して、横目で呟くも――「まあ、今日は駅のほうで配ってみるの」と続け】

――ばいばい、今日はありがとう――、またねっ。

【あえて触れられないとなると、彼女はくすくすと小さく笑って、「もう」なんて呟く】
【その冗談にショックを受けるほど病気めいて痩せたい少女でもない。むしろ、もう少し増やしたいとか――余談】
【最後にもう一つぺこりと頭を下げる、櫻の人間はよく頭を下げるとか言うけれど、多分それだ。最後に手を振り、】
【その背中を見送ったあと――その数十分後には、その姿は、駅の前の広場にある】

【さらにその一時間後にはその姿は路地裏の中をうろうろとしていて、もちろん、その足元には】
【買ってもらったスニーカーが、まだまだ真新しくぴかぴかとして、目立っていた】

/おつかれさまでした!
213 :ネモ・アーネスト :2015/02/22(日) 00:47:57.19 ID:vztDCI8Q0
>>204>>199
(・・・・・・届いた・・・・・・)

【水中に沈んでいく最中、蜻蛉の体から力が抜けていくのを感じる】
【これで、リーベを助けに行ける】
【しがみつく蜻蛉を振り払い、リーベの元へ向かおうとした瞬間】
【緩んだ蜻蛉の拘束が急に強くなる。蜻蛉の最後の抵抗だ】

(ぐっ・・・・・・邪魔なの・・・・・・)

【だが、カノッサの改造人間たるネモだ。手負いであれど、死にかけた虫の抵抗程度ならばすぐに抜け出せる】
【少女は振りはらった蜻蛉を蹴り、水上へと上りリーベが凍らせた氷上に立つ】

っ、はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・
リーベは・・・・・・

【水の中を覗き、リーベとNemesisの二人を見る】
【水を凍らせるリーベと、その前に仕留めようとするNemesisの戦い】
【この二人の間に入れば、邪魔になるだけだ。】
【今は助けに生きたいと叫ぶ心を抑え、水上に上がってくるはずのNemesisを迎撃する体制を整えることにした】
214 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/22(日) 00:50:00.93 ID:eXpP47/ao
>>202>>210

【膨大な水の落下が湖に巨大な波を引き起こし、アインの足元が大きく縦振動を起こす。だが魔術師は水面に留まり続ける】
【迫り来る弾丸に向かってアインの腕が無造作に振るわれる。水の波濤が吹き上がり一部が凝結。水と氷の二重防壁が弾丸を防ぐ】
【更に氷の障壁の前面が隆起、氷の槍と弾丸が無数にカズネ目掛けて応射される】

 ク、ククッ……不相応とは頭の悪い結論だな……!
 俺たちは渇望しているんだ、自由を、悪行を、倫理の放棄を、完全を、復讐を!
 だからこそそれを可能にする力を望み、それを会得することができるのだ。こんな簡単な理屈が何故判らんのだ!

【水面の上下運動に合わせてアインが跳躍。魔術で空中に静止し、眼下のカミナとカズネへと両手を向ける。前方に魔法陣が展開】

 俺もお前たちも力で物事を押し通そうとする部分においては同類だ。ならばこそ力を示せ!
 魔術師を名乗りたいのならば、これぐらいはやってみせるんだな……!

【アインはカミナとカズネ、それぞれに向けて言葉を叫んだ】
【前方に魔力が集中。膨大な魔力が術式を通して変換され、業火を形成。魔法陣から莫大な火炎が両者に向かって放たれる】
【火炎は僅かに直進した後、広大な範囲に拡散。幅と高さがそれぞれ数十メートルもの巨大な焔の津波が上空から迫り来る】
215 :ロウの人 ◆EeJ7tvIqpI [sage saga]:2015/02/22(日) 00:51:50.62 ID:bzIsgrwao
>>205 >>206

――――カニバ……ディール……だ……とぉ……!?

【神経をゴリゴリと削りとる激痛の中で、その言葉だけが異様に鮮明になってロウの耳に届いていた】
【――――自分の精神(こころ)を折った宿敵カニバディール。何度も闘い、そして何度も逃がした大悪人。奴が悪さをするごとに、後悔と決意が深まる】
【その大悪党とアーグが繋がっている。そのような許しがたい真実に身体が震えた。――――そして痛みがある程度消えた。痛みを覆うは、強すぎる程の使命感だった】

……――――アーグ、良く聴け……お前は悪だ。それもどこまでもどす黒く、邪悪な。
何が駒だ、ネズミだ……人をゴミのように扱うアンタを――――俺は絶対に赦さねぇッッッ!!!!
SCARLETとして、マーシャル・T・ロウとしてッッ!! 一人の人間としてお前を倒さないとダメなんだ、だから――――――――!!

【――――絶対に俺が、俺たちが倒す。アーグだけじゃない。カニバディールも、カノッサそのものも。――――だからこそ、此処でくたばるワケにはいかない】
【マーシャル・T・ロウは濁りの無い清冽な光を瞳に湛えて、アーグの邪悪な一つ目を恐れずに睨む。もう折れない、逃げない。そう心に誓ったのだ】
【しかし誓ったからと言って、いくらハートが熱くとも強くとも実力が跳ね上がるわけではない】
【アーグとロウには、カニバディールとロウにも、カノッサとロウにも実力差は大きく離れている。――――しかし、だからこそこうやって仲間がいるのだ】
【かつては対峙していたフレデリックだって今では共闘しているし、離れた場所ではロウの知らない内に2人のSCARLETが闘っている】
【強大なスペック差に絶望なんかする必要はない。出来ることは仲間を信じ、フレデリックの言葉を信じ――――その一瞬に全力を尽くすことだ……!!】

……――――っぐぅっ……!! くそ……バケモンじゃ……ねぇか……。
いーやっ!! そんなことは……関係……ねぇな……!! ……きっと当たんねぇ、当たんねぇ、怖くねぇ……!! 闘ってるのは俺だけじゃねぇんだよ……!!

【衝撃で屋根が揺れる。――――当たればロウがいる屋根ごと沈んで一巻の終わりである。本来最優先すべきは自分の命であり、どうやって凌ぐか躱すか、だが】
【フレデリックが時間を稼げと言った。あの術を止めると言った。――――正直リア充だし態度はでかいし奥さんは可愛いし腹が立つ部分が多いが、優秀な人物だと思う】
【ロウはフレデリックを信頼している――――だからこそロウは、一切上を見なかった。こっちに隕石が来たら諦めると言わんばかりに、神経と体力の全てを攻撃に注いだ】

――――mode:Ignited……。――――20……。――――40……。
――――60……。――――80……。――――100%。

【左銃口を上空へと掲げ、銃口に最大限の魔力を込める。宝玉の力を飲み込まれるギリギリまで引き出し、己の魔力も可能な限り込めた】
【――――更に、宝玉が淡い光を放つ。幽幻の宝玉の能力を活かし、自身の守護霊を1発の銃弾に込める。世界を護れるか否かの、重要な一発を】

                    ――――Twelve Six Strike=@READY(覚悟はいいか)――――? 
              ――――――――――――SHOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOT!!!!!!!!!!!!!

【銃口に集まった魔力が凝縮され、太陽の如き大量の光を放ちながら――――轟音を、聖都に響かせた】
【弾丸は空へと登っていく。まるで宇宙へと放たれたロケットの如く、雲を裂いて見えなくなるまで。――――そしてそこから、軌道は急変する】

よーく覚えておけクソジジイ……――――これがこの俺の……マーシャル・T・ロウとかいうきったねぇドブネズミの全力だッッッ!!!

【――――12時の方向から、6時へと落ちる。故に「Twelve Six Strike」。アーグが落とした隕石に混じって、否それよりも速く――――流星の如き弾丸が、降り注ぐ】
     【狙うは、アーグの心臓。――――青く輝く正義の流星が、世界の運命を乗せて目標の心臓へと急加速した】
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/22(日) 00:54:23.26 ID:S2yrIMCo0
>>211
【片腕を封じたと思った束の間、自らの皮を剥ぐと言う暴挙】

【片腕を負傷させたが大剣を振り回した際に戟ごと吹き飛ばされかける】

【幸いにも戟のダメージはそれほどでは無いものの危うく屋根から転がり落ちそうになる】

「うぅ…………あぁ…………」

【戟を杖代わりに何とか立ち上がるもそれこそ大人と子供、体力の差が大きい】

【加えて先程の打撃で意識も不安定だ】

【それでも彼は、男の娘は、狂戦士(ベルセルク)は戟を構える】

「ま…だ、だ、よ…まだ足りないよ………もっと僕と遊んでよ………もっと僕を満たしてよ…………おねぇ……ちゃん!!!」

【彼が自分でも知らずに求めるそれは野獣の本能か、渇愛か】

「その……程度で…………僕に勝とうなん………て……無…理だ…よぉ」

【息も絶え絶えの少年、しかし、生憎彼は死闘(これ)以外の触れ合い方を知らないのだ】

「無理………無理……無理…無理、無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!」

【自分の能力による超低温を前に少年から流れていた血液が凍り付き、殆ど本能の侭に戟を振り回す】

【ただ、無心に超低温の戟を軍人風の彼女に向けて振るう】
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/22(日) 00:58:41.77 ID:Ss8Cxy8H0
>>205>>206

「邪魔なんだよ――――キミは。そう言ったはずだけど、聞こえなかったかな?
人の話はちゃんと聞いておかないと怪我をするんだから駄目だよ
こんな風に、さあ…………」

【血飛沫が顔に掛かろうと気にすることは無い】
【雷を受けた腕は焦げているが――――何時か全身を焼かれた時よりはよっぽどマシだ】
【一時的にでも無力化してしまえば今は障害にもならない】

【――――一先ずのその場からの離脱。アーグへと視線を向ければ……丁度、アイマスクが外れた頃】
【元より人から遠く見えた存在だが、こうして素顔を見れば尚更“人外”に思え】
【喉から短剣を抜けば再び銃へと戻す。ただの弾丸、果たして曾ての大司教を殺せるかも分からないが】


【“魔術”を用いる者ならば、一つだけ方法はある。たった一度限りの――――全ての魔力の変わりに魔術を打ち消す力】
【たった一度だけ。だからこそ場面を選ばねばならないが――――……】



「強制するのが信仰じゃ無い。お前がしてる事はただ我が儘を通す子供と同じだ
――――ボクはお前を殺す。お前を生かしてたら別な場所も同じ様な目に遭うからね

何よりもお前は嫌いだ。神だの何だの、そしてそれを強制するような馬鹿は
首を斬れ?頭を撃て?
呆けがとうとう深刻な所まで来た様だね。ボクはお前なんかに赦しを乞いもしなければ逃げもしない
一人で孤独に死ねば良いさ。――――死ぬのは、お前だよアーグ」

【時間を稼ぐ。加え、全力を出し切っても構わない。ならば、好条件】
【もう時間も無い今、手数を多くすることよりも大きな一撃を与えた方がきっと良い結果をもたらす筈だ】
【そう考え、出した答えは――――……】


「団長サマの命令に従うのは癪だけど……
あの傲慢を此処でどうにかしておかなきゃ、きっともっと多くの人が死ぬからさ
……また力を貸して貰うよ――――」

【片手で構え、銃口をしっかりと向け】
【狙いは胸。然れど只の弾丸に非ず、全ての魔術を打ち消す一撃】
【魔術を用いて防ぐ事を許さず、何よりも其れは弾丸による一撃と表すには余りにも威力が掛け離れていた】
【当然だ。全ての魔力を消費する、なんて燃費の悪い条件に加え修道女自身が元より持って居る魔力が大きいのだから】


「――――……ヴァルゴ」

【片手は酷い火傷により使えない。だけれども、外すことは出来ない一発】
【――――やがて曾ての大司教に迫るのは、轟音。鉄をも容易に砕き尚も推進力が衰えぬほどの其れ】
218 : ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/22(日) 01:00:31.17 ID:UqT6Snpbo
>>209
へー……やってないんだー……

【『自分のせいじゃない』と半魚人は語るが、にわかには信じ難い、それは少年の視線にも現れる】
【とはいえ、どちらにせよこの半魚人はいい奴では無さそうだ、今はやってないにせよいつかはやるかもしれない】

……まあ、どっちにせよ、だ……お前、『悪い奴』だろ?
見た目からして気持ち悪いし、ここに自警団とかがいたら突き出してる所なんだが……この状況じゃ来そうにもないし、そうともいかない
だから今ここで俺が正義の味方の代わりにお前をとっちめておこうと思うんだが……どう思う?

【そう言って、よっこいせとイカダの上に立ち上がると、水の中から突き出していた鉄パイプを引き抜いて、半魚人に向き直る】
【気だるそうな目は言っている事が冗談じゃないと知らしめる鋭い眼光を放っているが……どう考えても少年が不利な状況だ】
【周りは水に沈んでいるし、少年が足場に使えそうな瓦礫はどれも不安定、相手は半魚人ときた】

……ちなみに俺の考えをいってやろう、俺は無謀だと思う

【それは本人もよくわかっているようだった】
219 :No.7 Nemesis ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/22(日) 01:05:01.72 ID:RUwSxbsfo
>>204>>213

【こいつ―――どこまで、器用な真似を。】
【Nemesisは振動によって引き起こされる目の前の"冷凍現象"に舌を巻いた。】
【頭を使って戦うタイプには見えなかったが、どうやら此方の弱点と自分の能力の使い方は心得ている様だ。】


 (―――振動、か……ッ!! 分子を"揺らし"て、こないだとは逆に今度は低音に……ッ!!)
 (しかもこの状況で、"自分"も低音の中で苦しむ事になるかもしれないのに、周囲に氷を生み出すなんて……ッ!!)
 (認めてあげるわ、リーベ・エスパス……流石に、この私をあそこまで追い込んだだけの事はある、ってね。だけど……それでもッ!!)


【融合体となったカブトムシの、指の先から腕の辺りまでがゆっくりと凍り始める。】
【Nemesisは凍傷になりかける指先に対し、苦悶の表情を浮かべながらも、更に怪力を絞り始めて】
【もう片方の腕で強く、握りこぶしを作ると一発、水中であると言う事を感じさせない凄まじい勢いで、それを打ち出し】


 ――――――――――ッ!!

【一撃、リーベの腹部目掛け拳を振り絞り、そしてそれと同時に首を絞めていた腕を離して離脱を図った。】
【だが自分の体重は甲虫との融合により増している。少なくとも浮力で浮き上がる事は不可能。で、あればこそ―――!!】



"Summon Insects"  (  ―――来たれ、我が眷属よ―――  )
           "Sentipede"       (  ―――怒れる牙で、仇敵を喰らい尽くせッ!!―――  )


【二度目の、そして融合と同時に使用する"召還"―――当然、体力を大幅に消耗する。】
【だがそれでいい。ネモの放った攻撃が蜻蛉を遂に撃墜し、そのダメージもまた体に響いていたが、】
【それでも、Nemesisは大量のエネルギーを消耗しながら、水中での召還を決断・即実行―――そして、蟲が現れる。】


 (来いッ、センチピードッ!! 私を連れて浮上しろッ!!)


【蠍や蝶、蜻蛉といった多種類の昆虫を操る彼女の"レパートリー"の中でも】
【泳ぐ事が出来る上に、水中で蛇のように高速移動する事も可能な、最も使用頻度の高い昆虫―――ムカデが現れた。】

【巨大ムカデは全長9mはあろう巨体を器用にくねらせ、うねらせると、蛇のようにして水中を優雅に泳ぎ】
【Nemesisの身体をしっかりと捉えると、そのまま水面へと上がっていき、そして浮上―――と、同時にネモへと攻撃を、仕掛けたッ!!】


 ―――ハァッ、ハァッ……う、ぐっ……くっ!!
 ……リーベ、ですって? …っふふふ。ふふふふ!!悪いけど、人の心配なんてしてる暇、無さそうよ!!


【そのまま"龍"の様に自在に泳ぐムカデの背に飛び乗った梨花は、ネモの足場となっている氷へと跳躍】
【その重量と防御力が生み出す衝撃で、着地の瞬間のインパクトで氷を打ち砕きながら、ネモと対峙するだろう。】
【そしてゆっくりと―――そう、試すようにゆっくりと近付いていく。その手には武器も握られていない。そう、単純な徒手空拳。】

【全身の重装甲と、強化された感覚器官によるサポートがあるのは確かだが―――彼女は相手の得意とする分野で、勝負を仕掛けた。】
【拳を構え、遂に格闘戦が始った―――!】
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/22(日) 01:07:33.76 ID:ApZGm/t+0
>>205-206

………………ぶはっ…………はぁ……はぁ……っはぁ…………
(ど……どうにかなった……、あの様子じゃあこの戦いの内に復活するのは難しいだろう)
(それにもう片方も俺が浮かんでくる間に倒せたようだ…………これで残るはアイツだけか……)

【びしょびしょの身体で近くの瓦礫によじ登る、行き着いたそこはフレデリックの近く】
【そこで呼吸を整えつつアーグへと視線を向ける、どうやら誰かの攻撃が当たったようだ、しかし、アーグの素顔は彼の予想の遥か上を行っていた】
【あれではまるで悪魔ではないかと、アーグの単眼を見てエルヴェツィオは驚きを隠せなかった】

…………今度は一体………………、…………何ッ……!?

【音が近付いてくる、音源は空にあった、まさかこれもアーグの術の一つなのか】
【次元の違いを感じた、あれが此処に落ちれば 全滅は免れない、どころかこの街さえ消すかも知れない】
【残り僅かな時間でアーグを仕留められるか、いや、十数秒で勝てる相手ではないことぐらい今この瞬間にも思い知らされている、だが……】

………………!……何か策があるのか……?あれを止める策が…………
……分かった、お前を信じる、俺の大司教はフレデリック・シャリエールだ、アイツじゃない。
…………護ってくれよ、それまで護ってやるからな……ッ!!!

【フレデリックがあの術を止めると言った、彼のことだ、考えも無しに言う筈もない】
【それに焦りが感じられない、やはり何かあるのだろうか、ならばその策に乗ろう】
【フレデリックの肩を叩いて その命を彼に預ける、長い付き合いだ、彼のことは信じている】

それじゃあちょっとばかり無茶させて貰おうか……!テメェの言うネズミがどれだけ足掻くか、その眼でしっかりと見やがれッッッ!!!!

【エルヴェツィオの身体を紫電が包む、と同時に思えるだろうか、アーグの居る時計塔まで一気に近付いていた】
【先程までと明らかに速さが違う、紫電を帯びたレイピアが、アーグに研ぎ澄ました一突きを放つ!】
【その剣芯は雷の落ちた避雷針のように、高圧の電流を流していた】
221 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/22(日) 01:10:42.24 ID:FC/jwgtSo
>>205
>>206



(──いろいろ考えることはあるが今はそれどころじゃねェ…!こいつは俺の能力で、味方なンだ!)



【翼竜の嘴にぶら下がり、廻る思考を纏める。乱暴に嘴が離れれば、鳩ヶ谷は地に落ちる。】
【すんでのピンチではあったが、共闘者の一人グリースによって能力も無事だ。】

【──とはいえ、戦況は変わらない。共闘者による攻撃も敵の大元はもろともしない。】
【その上、上空からは流星群──今まで以上にピンチだ。】



【──彼は、自警団員の一団員である。目的は、悪いやつを倒したい≠ニいうもののみ。】
【そのため現場にいる者達の、深い事情など知るよしはない。】
【目的を果たすため──救済側ではなく、単独で討伐側に回ったというだけの者である。】


なるほど、こいつが真の悪か。見たこともねえくらいどす黒くて、むかつくくらい強大だ──。


【フレデリックに、敵の大元との因縁があるというのはすぐに分かった。】
【そして、現状を打破するには、フレデリックの言葉に懸けるしかないというのも──】



──…分かった。 俺はあんたの言葉に懸ける。勝ちてェからな。

(とはいっても…このままじゃ飛べねェみたいだしな…だけどもう一度…)戻ってくれよ──、ッ!!



【瞳を閉じる。嘴が消失するイメージで、翼竜の姿を消失させる。】
【再び発現された嘴は、普段となんら変わらないそれだ。だが──力強い鼓動。そしてまた少し嘴の質量は増えている。】

【「いけ──」言葉と共に嘴は回転を交えてアーグへと放たれた──。】
【先ほどの翼竜の全体重をのせたような、重い攻撃となる。】
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/02/22(日) 01:21:27.42 ID:Pn2WpcO2o
>>218

ほォう、なァかなか良ォい眼をしィていィるな
……ククッ、まァ俺様が"悪"の側のモノなァのはたァァアアーーっぷり肯ォ定しィてやる!

【少年から幾らか距離を取ったかと思えば、ザバァっと一気に水中から飛び出し】
【空中で一回転してから、その脚を"水面に"つけて着地(水だけど)、そしてよくわからないポーズをとり】

あァ、どォんどんとォォっちめに来ィな、今なら賞ォ金もセェットだぞ
だァが俺様は超強ェ"悪魔"だァからな……テメェー如きに負ァけるつもりはねェぜ

【水面を"スライドしながら"少年に接近する悪魔、まあ殆ど警戒していないというか、余裕の表情というか】
【腕を組んで堂々と立って、その体制のまま移動してくるのは少々シュールかもしれない】

ヒャハッ、こォこで無謀な人間の首をはァねるのォも良ォいが……一つ良い事を教えてやろう、俺様は悪の中の悪を進む者だァが!
"対価"さァえしィっかり払って貰えれば、"立場がどォーであれ"そォの分は働いてやァるつゥもりさ、勿論"気ィ分でな"!

【そして、振り下ろされる右腕――ヒレは刀よりも鈍いが太さがあり、それなりの切れ味は保証される】
【どうやら少年をヒレで攻撃するつもりのようだ、但しこれは動かなければ当たらない――そう、相手の意志を確認するための、ただの脅かしだ】
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/22(日) 01:24:00.53 ID:U+u6qkE/o
>>210>>214

下らぬ……下らぬ下らぬ、下らぬ――っ!
人が人でいられるのは"法"が在るからに他ならんじゃろうに……!

倫理を犯し、理性を壊し、欲望の赴くままに力を振るうなど、人ならぬ畜生の振る舞いよ
それを通したならば……人の築き上げた歴史は、社会は、千々に崩れ瞬く間に潰えていこう

自由と無法の違いも判らぬ阿呆風情が、グダグダと好き勝手に囀るでないわ痴れ者め――――!!

【カミナという少女は徹底して己の正義を盲信する"法の番人"だ】
【故に揺るがず、敵対する者達が何を言おうが否定し叩き切っていく】
【身体は既に満身創痍。しかし心は未だ折れていない】
【目の前の男はきっと、いずれ世界に災厄を齎す存在だ――ならば、正義の味方は倒れてどうすると】
【心を熱く奮い立たせながら――術法を完成させる】


力が見たいならば……痛みが欲しいならば好きなだけくれてやろう
しかし、その代償は……貴様の命を以てしか払いきれぬ物と知るがよい――ッ!

【周囲に展開していた4枚の折り紙は、それぞれ台形や棒状の物体へと変化し】
【積み木のようにカタカタと組み合わさることによって、巨大な"装置"が完成する】
【それは――「投石器」。完成したことにより特性を付与され、立体的に膨れ上がった装置に】
【翼の折れ曲がった八咫烏が三本の足で地を蹴り飛び乗った】

【最早飛ぶこともできない巨大烏。しかし、飛べないならば別の手段で空を駆ければ良い】
【儚い偽りの命なれど――「母」を守る為に己の命を躊躇いもなく捧げ】
【襲い来る膨大な炎の津波に対して――】


その様な生温い炎で、太陽の――命の輝きに勝る事など出来るはずもなかろうが――!

【――ダン、と凄まじい勢いで真正面から撃ち放たれた】
【その瞬間、全身を覆っていた黒の羽毛は黄金に輝き膨大な熱量を放ち始め】
【火炎の先端と接触する頃には】
【その巨大な身体自体が一つの星であるかのように、眩いばかりの光と神性を帯びて顕現し】
【破滅的な熱同士が衝突した瞬間に臨界点を迎え――小太陽とは比べ物にならない極大の爆発を引き起こした】

【炎の津波を"丸ごと呑み込み"押し返す、正真正銘カミナが現在保有する限りの最大火力だ】
【しかしながら、アインのいる地点に到達する頃には大きく減衰している事だろう】
【もしも直撃したとしても、この爆発で仕留めることは不可能だ――ならば】


カズネ……機を逃すでない――――余さず全力で叩き込んでやるがいいのじゃ!!

【遠慮なく仲間を頼る選択をする。カミナは一人ではない。一人ならば、とうの昔に倒れていただろう】
【未だまともに語り合ったこともない相手だが、この戦いの中で信用するには十分すぎるほど"知っている"】
【だから、任せるに足ると……隣を任せられると全幅の信頼を乗せてカミナは叫んだ】
224 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/22(日) 01:29:48.39 ID:YYrQ1faDO
>>213>>219(ネモ&Nemesis)

【Nemesisの四肢が、じわりじわりと凍っていく】
【それと同時、リーべ自身も寒さを覚え始める。いくら術者本人とはいえ──周囲の環境には勝てない】
【更には腹部にはしる衝撃……! がぼ、と最後に残った空気の泡を、吐き出してしまう!】


(ん、ぐ……ふぅっ──!)
(……っ!! ────ネ、モ、が……!)


【打撃により、身体がより深みへ沈む。だが、まだ終わるわけには行かない!】【きっとネモが、自分を待っている。さっきはネモが、信頼に答えてくれた。なら、次は自分の番だ】

【空気も、ない。早く、早く、浮上、しなけれ、ば──!】
【ぐぐ、と足に力を入れる。ず、ず、ず、と確かな振動が、周囲の水を通して伝わって、き、て……】

   【 ────ざ、ぁ……!! 】

【水中での、急加速! 衝撃波を用いた移動により、リーべの身体は軽々と水面に投げ出される!】
【弾ける水滴たちは星屑のごとき煌めきを見せ、その輝きの中で夜色が笑っていた】
【ムカデを、Nemesisを、ネモを眼下に見据え、空中でくるりと回るとそのまま、ぐぐ、とまた足と拳に力を込め】


──っ、は……! ぜっ……ひゅ、あっ……!
はぁっ……はぁっっ……あ、っ……ふ、は、ぁ!

ネモ────ツインなんとかアタック、だ! う、お、おおおおお!!!!!


   【 な ん だ そ れ 】

【ツインなんとかアタックて。ツインなんとかアタックて!】
【まぁ、要は合体攻撃とか連携攻撃のことだろう。こいつ、戦闘中だって分かってるのか!?】

【しかし言ってる本人は大真面目だし、繰り出す技だって今までと変わらず、一切手加減なしの躊躇なし】
【空中に飛び出した勢いを利用し、Nemesisに突っ込む形で拳から「衝撃波」のラッシュを放とうとする──!】
225 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/22(日) 01:33:41.89 ID:nHNPrQeZo
>>216

【相次ぐ敵の連撃、剣を前で構えて、防御に徹するがスピードもさるところながらも】
【片手を負傷していて右手だけでは全てまで攻撃を弾き返す事は出来ない。崩れやすい】
【足場の上で彼女は一歩、一歩と下がり、身体のあちこちを切りつけられながらも未だ、屈せず】

【直撃を回避し続け、ダンスを踊る。曲が、彼女の中で流れている。集中すると脳が勝手に生き残る術を】
【探すため、余計な事が思い浮かんでしまう事がある。小さい頃に故郷で聞いた曲だ。ワルツだかタンゴだか】
【曲名は知らない。村の人たちが踊っていたのをよく見ていた。あの頃はダンスは苦手だった。でも、今は踊れている】

【踊らせて、相手の隙を伺う。彼奴も人間。木の股から生まれたわけでもあるまい。底なしの体力じゃないはずだ】
【隙は必ずある。舞台は崩れかかった建物の上。攻撃を防ぎながら、懐からまた、アレを彼女は取り出した】

負けるのは嫌いか?

【何度目かの攻撃を剣で弾く。だが彼女は追撃はしなかった。このままじゃジリ貧だ。奇策で勝負に出る】
【屋根の端まで追い詰められた彼女は振り返って、其処から勢い良く飛び降りる】

【羽根をはためかせるも上昇するには風は足りず。いや、また彼女は真っ赤に血塗れたその手で魔導書を開く】
【右手に剣、左手に本。彼女はページを口で破り捨てる。さすれば、また先程の突風が彼女を加速させる】

【舞い上がり彼女は飛んだ。十分な高さを得た頃に、風は止み。彼女は戻ってくる】
【速度を上げて、速度を上げて、速度を、速度を、速度を、速度を、速度を手に入れて】
【まるで黒い弾丸のようになった彼女は舞い戻る】

…私も、嫌いだッッ!!

【狙いは彼奴ではない。彼奴の足場である建物だ。急角度で迫り、剣をブレードを前方に構えて柱に向かって突撃する】
【壁を突き抜けて、崩れかかっていた建物は為す術もないだろう。先ほどやられた手を、やり返してやる】
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/22(日) 01:33:43.46 ID:/xWjh76w0
>>205-206

【神速の斬撃は文字盤を捉えて、けれど“標的”を逃し雷の化身を長針で穿つことに留まる。挑発じみた言葉は、内容も確りと少女の耳に届いて】


……呆れた聖者ね。全部、灰燼に帰すことだけが救済か――――……聴くべき声も、聞かないまま。

(……だけど、あの、力は―――――――……っ、)

【カニバディールを“救った”というのも、恐らくは彼の定義によるものだろう。“悪事を働くだけの力を取り戻させた”――――そんな所がせいぜいだろうと胸中でふと浮かべる】
【だが、その力の巨大さは少女にも否定できるものではなかった。隕石の如き熱の巨塊、近接戦闘に特化した彼女には相性が悪い。……加えて、辺り一帯の様相――――、】
【仮に“焔翅剣葬”を以て迎撃を試みたとしても、余波の如く起こるであろう熱波までは防げまい。……無論誰一人として救うことなど叶わず、意志も、力も無に帰する】
【ひどく急いて、あらん限りの冷静さで打つべき手を想い。……それは、やがてひとつの訪れを得る】


【――――祈りを捧げることはない、】

【――――許しを求めることはない/為すべき“今”を、求めるのだから。】

(――――!、これは……、――――――――……!)

【諦めることが出来ず“その一手”を探す少女の懐で重みを増す、金の桜が象嵌された拵えの――櫻の様式で造られた懐刀。……遣い方は覚えていた。想えば、それは容易く胸裏に浮かび上がった】
【そして守るべき時は『今』なのだと、なぜか快く響く“大司教”の声。……答えは、もうとっくに決まっていたのだろう】


私に命令することは許さない――――……だけど、あれに誰も殺させない。
……頼んだわよ、“大司教”さま。……負けるつもりは、私にはないの。


【理不尽なまでの、要求と献身。述べるのは不敵なまでの、覚悟――――。】

【驚くほど長い時間を要することは、以前の修練で分かっていた。懐刀に、秘められし力】
【求めるべきは発動時間の短縮、そして不完全であれ稼げるだけ時を稼ぎ“次”へと繋げること――――……力ならば、“金翅鳥”(おのれ)と“時”(いま)とが此処にある!】


……助けるわ、一人の犠牲も許しなんてしない。

幾千年のゼン=カイマのもう誰もいない歴史より、私には皆が生きる“今日”が重い。
……これは、ただそれだけの事だ。あなたの裁きは、届かない―――――断罪の時間よ、“司教”アーグ!!


【叩き斬る―――――――――叶うならばアーグまで届かせて、けれどなによりも己が稼ぐべき“時”を想う。  】
【迎え撃つそれは風と時と焔と“切断”の嵐。停めて引き千切り風が歪め潰し、絶対の現象の如く切断概念を乗せた黄金の焔が吹き荒れる。】

【ただふたつの炎熱塊を防ぎ退けるために、“金翅鳥”“時戒の宝玉”“折鶴童子の懐刀”、 】
【ありえざる三種の“力”との精神接続すら宝玉を基点に繋いで。魂すら弾けそうになる壮絶な負荷を、己がものとして瞬間瞬間に結界を展開し、それを攻撃にすら転用してみせる】

【それはひとつの荒ぶる焔であり、心身に極限の過負荷を強いる“力”の発動。誰も時を稼ぐことが出来なかったなら、恐らくは発動することすらも叶うまい。……“だが、この時には限りなく適する”】
【すべて、かれらとのこの時を稼ぐために。譬え時満たされず不完全であろうとも、身を磨り潰す熱になろうとも。今は、護り継ぐべきこの刹那に己が全霊を懸ける―――――――!】

【その先の勝利を確信して、未だ見えぬ明日を想って。今宵、共に戦ってきた彼ら。名前も一部しか知らないけれど、あんな絶望を許せないと思うことは――――――きっと、同じだからこの時を戦う彼らのことも信じてゆける】
【何処までも諦めることのないその意志は強く、砕け散る結末など認めない。狂気とすら映る魂のいろでも、それこそが――――彼女であり、守ろうとする“人”の力であるのだと。嘗てひとであった狂気の聖者に、それは、宣戦を布告する様でもあった】
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/22(日) 01:47:43.30 ID:DmHBOnyyo
>>214>>223

(ホント……自由自在なのね、忌々しい……)

【無数の魔弾は威力が低いのが災いしたかアインの創りだす壁に飲み込まれてしまう】
【加えての氷槍の五月雨にカズネの表情は苦々しい物になる、属性の扱いだけでなくその扱いの技量】
【恐らく其の点に関してだけ云えばカズネという魔術師を遥かに越える】

【氷槍を魔弾の奔流で掻き消しながら次の手を模索する】

(魔翌力もそろそろ辛い状態……だけどアイツばかりはもっと昂って……)
(―――――わけのわかんない理屈ばっかりを並べて、偉そうにこっちを見下ろして……)

【稼働限界の近い爪の装甲が爆ぜるように剥がれ水面に沈む】
【赤々と燃えて滾る炉心は地獄の業火のように揺らぐ、カズネの髪は尚も輝き出し赤光を放つ】

アタシとアンタが同類だなんて一々トサカに来る……!
アンタみたいなのが魔術師の正しい姿だっていうなら喜んでそんな称号捨ててやるっ!!

【浮翌遊する爪とのパスを再度確保し不安定ながら水上に浮かび眼前に広がる炎の壁、災害級の焔へと牙を向く】
【揺らぐ焔、瞼を閉じても視える雄大な姿に鼓動は尚も早く高鳴る……魔翌力の迸りに合わせ身体が熱を吐く】
【「まだ、足りない」己の中に揺れる熱はそう囁く、より高き熱をより強き炎を―――――――】

【それは目の前にある】

その、渇望全てを……喰らい尽くして燃やしてやる!!

【炎の奔流はカズネを飲み込み火柱は天を焦がす】
【満ちた水は熱を受けて沸き立ち白煙を吐き出し辺りへ流れる、酷く終末めいた光景】
【されどそれは唐突に崩れ落ちる、―――――――薙ぐような一閃】

―――――――邪魔よ、失せなさい

【爪の炉心は熱を吸入し更なる魔翌力を生成しながら魔翌力を供給する】
【炎より現れたカズネの身体は巡る熱き魔翌力より全身に陽炎を宿す、赤熱の魔女……魔女は傍らに備えた魔銃を掲げる】
【古の巨人の銀を宿す単発のみの異形の銃、込める弾丸は己の全ての魔翌力】

【カズネの背に控える大きく開かれた爪はさながら機械の翼の如く】
【魔翌力の全てを銃へと組ませんと鳴動する、銃口の奥が超新星を思わせる黄金に一度だけ輝いて】

―――――吼えろッ!アストレア!!

【カズネの号令を経て極光の如き極大の砲撃は放たれる】
【阻む魔翌力を全て無へと還す奔流は浮かぶ波間をかき消してその極光の槍先を魔術師へと向ける】
【アインが砲撃に立ち向かうならばカズネの姿も見えるだろう、その爪が砕け落ちカズネ自身も膝を付く光景さえも……これが最後の一振りだと】
228 : ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/22(日) 01:48:37.35 ID:UqT6Snpbo
>>222
ちっ……モンスタ○ボールが欲しくなるような奴だなお前は…

【水の上をスケートのようにスイスイと動く様を見ると、殊更自分の置かれている状況が不利だと実感する】
【それでなくとも水に濡れて体力もとられているのに、これは無謀でしかないのではという考えばかりが浮かんで来た】
【こんな状況で尚正義の味方の代わりをしていたって、良くなる事なんて一つもない、しかし黙っていてもそれは同じだ】

……金より命の方が大事だって、今の状況で実感するよ

【振り下ろされた半魚人の腕、それを持っていた鉄パイプを上に掲げて防御する───が、その腕が鉄パイプに当たる事は無く】
【身構えていた少年は、『そういうことか』と半魚人を見る。舐められているのだと理解するのは難しくはなかった】

───代価ってなんだよ?学生の小遣い程度しかねーぞ、札は濡れてるし
金魚の餌でもやれば街の避難所に連れてってくれるのか?

【鉄パイプを持つ手を下ろして、ブスッとした表情で半魚人に取引を持ちかける……といっても、まず代価に何を払えばいいかレベルの話だが】
【この状況で半魚人に勝負を仕掛けるのは無謀という他にない、それを心から痛感した少年は、気に入らないが助けを求める最後の砦に半魚人を頼る事にした】
229 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/22(日) 01:48:43.47 ID:OnuuVJ0Ro
>>215


左様、カニバディールよッ!傷付いた奴の身体を、この私が手ずから癒してやったのよ!
 まさしくあれこそ神の奇跡よな……スクラップズ、といったか。
 部下共々、神という存在への考えを改めておったぞ?……ところで

 ――貴様の言う善だの悪だのは誰が決めるのだ、マーシャル・T・ロウ。
 貴様の独断と偏見ではないのか?私が悪なら俺は善、と言いたいだけではないのか?
 自分が気持ちに酔いしれて他者をなぶることに快感を得る異常者だと考えたことは?

 ……無かろうて、そうであろうよ。…ク、フフッ。――正気か狂気か、恐ろしい物よな
 私の正気は神が保証してくれるが、貴様の正気は誰も保証してはくれまい?


【迫り来る青の流星に対して、アーグは実に冷静ぶって氷結の魔術を展開した】
【銃弾の軌道を見る。単眼は視界こそ狭いが、その働きは健全な2つ目よりも尚強く】

【数十枚に貼られた氷点下の空気層が弾丸を凍らせ、凍った外郭を上書きするように凍結させ】
【やがて氷塊と化した弾丸が、アーグの胸をコツンと打った。けらけら、と笑いが戦場に木霊して】

【凍りついた弾丸がふわりと浮かぶ。念動力でも使うように空中を高速で動き回ると】
【ロウがそうしたのと全く同じ軌道で宙を舞い――射撃した主のもとへ、氷塊は舞い戻り】
【巨大化した弾丸と化して、その胸を穿ち貫かんとする――ッ!】

>>217


――黙れッ!出来損ないの操り人形風情が……誰だ、貴様に自由意志など持たせたのは?
 とんだ失敗作ではないか。口答えばかりで、小手先の殺ししか出来んようなメスの一匹など……む、ッ…!


【ロウの攻撃は失敗に終わった。しかしアーグの気を引き、時間を割くという一点においては】
【次の一手、グリースの企みを大きく助ける事となった。アーグは振り返るや、罵声を飛ばし】
【そして異変に気づいた。射撃は怖くない――しかし、妙な間が有る。長年の勘が、頭蓋の中で警鐘を鳴らす】


……私が知らぬとでも思ったか?100年200年先の未来であれば
 私が全く知らない攻撃の術があるとでも本気でそう思ったか……っ!?

 馬鹿が、大馬鹿がッ!ゼン=カイマの叡智を築き上げたのは、表も裏もこの私だッ!
 魔力などくれてやるわ、貴様の足りない脳天に敬意を払って全てくれてやる……。
 だが代償は大きいぞ、グリース・イムリンパルス――その翼、二度と飛べぬように変えてやろう――!


【アーグの首元、黒羽のファーが浮き上がる。何十何百という羽根は、その全てがグリースに狙いを定め】
【ヴァルゴの一撃と引き換えとばかりに、機関銃のように撃ちだされる】
【その効力は純然たる闇。深淵から漆黒を取り出したような、どす黒い魔力が込められており】
【数を多く受ければ受けるほど、物理以上のダメージを深々と身体の芯に残す攻撃で】

【――しかし、一方でヴァルゴの弾丸はアーグの右腕を手のひらから腕へと貫通し】
【その身からは大量の蒸気が昇った。望外の魔力が、目に見える形で滅されて】

/続きます!
230 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/22(日) 01:49:16.50 ID:OnuuVJ0Ro
>>220
 

―――『悪魔』だとでも思ったかッ!?……ク、フッ。この身体は奇形よ……!
 だがな……その私が今此処に立って生きているのは、紛れも無く神の啓示だッ!
 悪魔だ、などと一瞬でも思ったのであれば、それは神そのものへの無礼に他ならぬぞ騎士風情がッッ!!!


【狂気が増していた。その気迫は、笑っていた時の得体のしれないそれよりも背筋にクる】
【しかし、友の力とはそれを上回るものらしい。フレデリックは無言でエルヴェツィオの言葉に頷くと】
【即座に術で姿を消した。次に現れるのは、一等高いビルの屋上に、であり】

【一方で、紫電を纏ったレイピアによる突きはアーグの身を確実に蝕んでゆく】
【流石のアーグも接近戦は苦手と見えた。巨大な槍であるカテドラル】

【それを改造した宝杖を駆使して攻撃を防ぐものの、既にその魔力は霧散しており】
【杖はまた金属であるがゆえに、直撃を避けても身体に電流が走ってゆく】
【増して相手は剣の名手。片腕が自由に動かぬ今、劣勢は明らかであり】

>>221>>226

【そこに止めとも言える一撃を加えたのは、鳩ヶ谷・八攫の両名であった】
【第一には黄金の焔とその嵐がアーグを"刻む"。魔力があれば、きっと振り払えたのだろうが】

【今できるのは、手にした宝杖カテドラルに含まれた、強烈な雷の力を放出し】
【ギリギリのラインで攻撃を受け、或いは直撃を逸らすことであり】
【周囲にも、こちらも荒れ狂う嵐のごとく雷電を撒き散らすものの】
【そこに止めを指すように嘴=\―鳩ヶ谷青年のそれが、痛烈に響く】

【人とも思える身長をした大司教は、堪らず吹き飛ばされて水に顔を濡らし】
【起き上がろうにも、血が滲む。或いは――彼自身は、不死ではないのか――?】

/続き(ry
231 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/22(日) 01:50:33.39 ID:OnuuVJ0Ro
>>ALL

【隕石が迫る。フレデリックの術は、その熱が肌に感じられるほど近付いてから発動した】
【原理は簡単だった。転移の魔法陣を街の上空に展開させ、隕石を全て別な場所に落すのである】
【落す場所はどこでも良かった。――後日、とある海の沖合で大爆発が起きたというニュースが流れるが】
【もしかすると、それがこの隕石だったのかもしれない。ともあれ、その始末は存外静かに終わりを迎える】

【もっとも――後に、当該ビルの屋上で気絶したフレデリックが発見されることとなる】
【全魔力を消費し、件の豪奢なマントも喪失した状態だったというから、代償はかなり大きかったと見え】


ク、ッ……!馬鹿な……異教徒どころか、下らぬ信念を抱く若造どもに……ッ!
 何をしておるのだ、ブリッツ……!ロースッ…!
 貴様ら、私のために動く駒でありながら先に逝くとはどういう了見で……む、ゥ…!


【――魔力を喪失し、満身創痍。破壊のための術を唯一つすら既に使えないアーグは】
【倒れ伏し、喚き散らす哀れな老魁でしか無い。しかし――遠く、ビルや家屋の屋根を飛んで近寄るものが居た。その軌跡は、黄金】
【"彼"は、アーグと他の全員の間に入るように着地した。そして、眼を真っ直ぐ前に向ける】

【龍の意匠が施された、黄金の軽装鎧。ふわりとした髪もまた、眩しい金色であり】
【輝かしい両色が、彼の好む月の――下弦の月の光に、一層の眩さを見せる】
【不敵ながらも温和な笑み。御曹司と言われれば信じられそうな、柔らかな顔付き】


……やあ。働き者の六罪王の登場だよ、正義のみんな。
 腐れ縁の素敵な修道女に、ボクの胴を真っ二つにした少女剣士……知り合いも増えたもんだね

 もっとも、ボクが一番話したい相手とはすれ違いみたいだけれど……。
 さて……要件は、わかってるよね?ボクは彼、アーグと協力関係にある
 此処で殺されちゃ困るんだ。だから、彼を殺すならボクを殺してからにしてもらう

 かといって、ボクも殺し合いは好きじゃないし得意でもない……提案だよ。
 キミたちは此処を引く。ボクはアーグを引き連れて……勿論、二人の従者も連れて
 この街から去る。……二度と来ない、という約束までは出来ないけどね
 ……孤独な若者と、孤独な老人の逃避行だ。それくらい、許してもらえないかな?


【カノッサの首魁――かつて月≠落とした男。ダグラス・マックスウッド】
【その人物が、平然とそこに立っていた。当然のように交渉を始めていた】

【突然に静まり返る戦場は、一つの潮≠具現化しているようだった】
【食い下がってもいいだろう。――ただし、優男に見えても六罪王なのだ】
【アーグとは手の違った怪敵であることは、この場にいる数名は良く良く知っているはずで――。】
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/22(日) 01:52:15.91 ID:S2yrIMCo0
>>225

【何度も、振るわれる戟、しかしお互い疲弊している筈の彼女によってその激しさを感じさせる踊りの様な動きにかわされ、大剣に阻まれる】

『負けるのは嫌いか?』

『…私も、嫌いだッッ!!』

【負け、彼の人生においてそれは死に直結する】

【再び巻き起こる突風、片翼の堕天使は天空へと舞い上がり、一発の黒い凶弾となって建物を破壊する】

「あっ……くぅ……」

【転がる様に水面に投げ出されるも能力で足場を作るが上手く立てない】

【それでも…】

「あは…は………あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」

「負けるのが嫌いかぁ?」

【さも可笑しいと言うように笑う】

「僕みたいな生まれながらにして敗北者の僕なんかに………ねぇ」

「僕が嫌いなのはねぇ、おねぇ………ちゃん……が……………今……遊ぶのを止めることだけだよっっっ!!!」

【戟を水面に突き立てると同時に広範囲の水面が凍り付く】

「うぅぅ、あああああああああああ」

【戟を口にくわえて、四つん這いのままとびかかろうとする】
233 :ネモ・アーネスト :2015/02/22(日) 02:10:41.74 ID:vztDCI8Q0
【水飛沫が飛び、視界が埋まる】
【浮上してきてのはリーベか、それとも―――】

―――Nemesisッ!!

(リーベは・・・・・・いや、絶対くるっ!上がってくる!)

【今はただ信じて、リーベがあがってくるまでこいつの相手をするッ!】

Nemesis・・・・・・あなたにも、『理由』があるのは分かったの
それに、あなたもきっと私と同じ力を持ってる
だからこそ今ここであなたを止めて、後でゆっくりお話しするの!!

【着地したNemesisに拳を向けて、宣言する】
【既にあれだけの衝撃を受けた身体だ。どれぐらい持つか分からないけど】
【ダメージを受けているのは同じ、ならあたしでも、止められる筈!】

さぁ、こぉおおい!!

【拳を繰り出すNemesisに自身の拳を打ち出し迎え撃つ】
【拳に拳を打ちつけ、ラッシュとラッシュの打ち合いが始まる】
【―――だが、ネモ自身の未熟さも、受けたダメージの量もあり】
【徐々に徐々にネモが押されていく・・・・・・が】

――――――リーベッ!!

【再びあがる水飛沫と共に、リーベが帰ってきた】
【信じたとおりに、リーベが帰ってきた!!】

ツイン何とか、あたしもいっくよぉおおおおおおお!!

【なんだこれといいたくなるような技にも少女はノリノリで答え】
【心に希望がさしたからか、萎えかけていたラッシュの勢いもましていくッ!】
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/02/22(日) 02:14:30.47 ID:Pn2WpcO2o
>>228

残念だァが俺様は使う側だ、口袋怪獣用の球は投ァげても無ゥ駄だぜ

【掌を上にすればそこに現れる魔法陣、そこからいずる闇は形を成して行き――】
【そして現るは、5cmほどで足の短いタコだった、所々に宝石のような美しい球状のものがある】
【……ただ、出したところで役立つことはいまはないので、とりあえず右角の中腹辺りに乗せておく】

別に貨ァ幣である必要はねェー、――そォーだな、金魚の餌で払いてェーなら良質な奴5kg位で良ォいぞ
……そォう、なァんでも良いんだ、鉄くずでも、藁の家でェも、金の像でェも、どっかの土地でもな

【なんでも良い、この存在が"一人の救助活動"をするのに必要な価値さえあれば】
【近くの瓦礫に腰を下ろし、脚を組みながらそんな主旨のことを語る魚的存在】

なァーんもねェなら"自ィ分自身"で支ィ払ってもォらおうか、ちょォーっと小ォ腹が空ゥいてるんでな……!
なァに、少し痛ェが死ィにはしないし拘ォ束もしない、安心と信頼の支ィ払い方法さ

【何やら危ない香りがする言動をしているが……まあ、この存在に安心や信頼があるかと言われれば、……】
235 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/22(日) 02:17:30.35 ID:eXpP47/ao
>>223>>227

【劫火の津波が巨大な爆発と激突。津波が衝撃で左右に引き裂かれていき、熱波がアインの元に到達する】
【アインは両腕で身体を爆風から守るが、減衰したとはいえ人間の身体を焼くには十分過ぎた。皮膚の焼ける苦痛に魔術師が眉を歪める】
【だが敵の攻撃のメインはそれではなかった】

【爆煙と劫火の熱風を切り裂いてカズネの全力の砲撃がアインへと直進。魔術による防御を無効化する一閃は魔術師には天敵だ】
【見事な連携攻撃はカズネの攻撃を直撃させることに成功した。極光の中にアインの姿が消え、夜空に光の槍が駆けていく】
【遅れて膨大な熱量による熱風が吹きおこり、湖にさざ波を立てさせる。引き起こされた津波が建築物を更に飲み込んでいく】

【眩い光が収まった上空に、アインは浮かんでいた。左手には熱で焼き切れた右腕を棒切れのように持っている】
【同じく炭化した影響で千切れかけた左脚が風に靡いて力なく揺れていた。顔の半分は真っ黒に変色していてひび割れから血が流れている】

 ……大口を叩いておいてこれか。我ながら、情けない結末だな

【アインの口が動く度に炭化した顔の皮膚が剥がれ、風に流されて散っていく。口元が笑みを形作るが、血が染み出して赤く染まった】

 いや、中々やるじゃないか。こうなっては俺もこれ以上は戦えんな
 義理分もこれぐらいでいいだろうから、今日のところは帰らせてもらおう

【周囲の大気がアインに纏わりつき、次第に渦を巻いて巨大化していく。僅かな時間で出現したのは大きな竜巻だった】

 今日の俺は主催ではなかったが、いずれ俺が開くこともあるだろう。そのときは是非にでも止めに来るがいい
 それまで精々、鍛錬なりその命の輝きとやらでも磨いておけ。磨けるのかは知らんがな……
 お前たちが正しく力をつければ、俺を止めることも可能だろう。もしも、そうしなければ──

 お前たちが守りたがっている無辜の民とかいう、無価値な有象無象が消えるだけだ

【竜巻が激しさを増し、アインの姿がその中に消える】
【水面に到達していた竜巻は徐々に上昇していき、空へと消えていった。赤衣の魔術師もまたこの場から去ったのだった】
【──かくして、戦いはカミナ・ゲルギルとヒトツギ・カズネの勝利で終わった】

//以上です!
//カミナの人、カズネの人、お疲れ様でした!
236 :ロウの人 ◆EeJ7tvIqpI [sage saga]:2015/02/22(日) 02:17:59.27 ID:bzIsgrwao
>>229

……どんな理由であろうと、どんな時代であっても――――無関係の人間の命を好き勝手に弄ぶ奴は悪党だよ……!!
――――その神とかいうのがアンタみたいなクソジジイの味方するクソヤローなら、お……れは…………。

……――――くそ……ここまでやってもダメよかよぉ……ったく、現実……は……非情……だ……な……。
(――――嗚呼、情けねーけど俺は一足早くリタイアだ。でも死んだわけじゃねぇ。でも……もし生きて帰ってこれても、こりゃ……凹むぜ……)

【ぐらり、と身体が横に傾き、それに釣られて足が崩れる様に横に動く。まるで酔っ払いがバランスを崩したように、左に3m程滑るように移動してロウは突っ伏した】
【手先は器用だが、ここで余力を残すほど精神(ココロ)は器用じゃない。魔力を使い果たし、体力と精神力の限界を迎えたのである】

【意識がシャットダウンし一旦の眠りにつくだけだが――――こんな戦場で眠るのは死を意味する以外なく、両手の銃が元に戻った瞬間、力なく苦笑いを浮かべた】
【ロウ本人は死を覚悟する。意識が薄れる。そして先程までロウが立っていた場所に巨大な氷塊が大きな音を鳴らして落ちた】

(ちくしょー……そこは当たってくれよ……あー……出来れば……――――もっと、生きてぇなぁ……起きたらベッドとか……密かに願ってるぜ……)

【マーシャル・T・ロウは渾身の一撃を外し、力尽きる。死んではいないが、この闘いからは一足早く離脱したことには変わりない】
【結局ダグラスの姿をその双眸に映すことなく。その姿に憤慨することすらできずに、屋根の上にうつ伏せで意識を闇に落とした】
【もし生きていたのであれば、誰かによって無事運ばれたのであれば――――病院で目覚め、小さく息を吐くだろうが】

【それが出来るかどうかは、この闘いがどのような終焉を迎えるかで決まることであった。残りの正義の味方に、彼の命は委ねられたも当然、ということである】

【マーシャル・T・ロウ 魔力消耗による気絶で戦線離脱】

/たまにはこういう形で……!! ありがとうございましたー!!
237 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/22(日) 02:25:14.13 ID:FC/jwgtSo
>>230
>>231


やッたの、か…?──!


【共闘者の連撃。それが成功したのか、あの圧倒的な存在感は薄くなっていた。】
【──だが、直後に訪れる、威圧感…。優男。確かにそう見受けられる。】
【──しかし鳩ヶ谷はその男の登場の後、なにかをしようという考えは起こらなかった。】

【今こそ息の根を止めるチャンスのはずだ。今倒せば、これからの被害を押さえられるんじゃあないか?】
【そんな考えも浮かんだ。にも関わらず、彼は傍観を選択してしまった。】
【すべては、自分かわいさ≠艪ヲに──】

【この事が、後に彼の心に深い負い目を残したという──。】

/私もここらへんでおやすみさせて頂きます`お疲れさまでした…。
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/22(日) 02:28:34.09 ID:Ss8Cxy8H0
>>229-231

【魔力はもう無い。飛ぶ事すら叶わない】
【――――だが、手は動くし脚も動く。物は掴めるし、或いは摘める】
【何を表したいか、と問われれば。取りだした“小瓶”がその答えとなるだろう】

【聖水何かよりもよっぽど高位な物だ。何しろ中身は“聖人の遺灰”】
【何時の日か、フレデリックにカテドラルを返した際に渡された物】
【撒けば邪気を持つ物は立ち入らせない。詰まりは――――撒いた其れで、闇を纏う羽の相殺を図り】

【散らす範囲は限定的。手や足に数発受けるが……全てを受けるのに比べれば、天と地の差だ】


「出来損ないの操り人形に自慢の魔力を奪われた感想はどうだい?
――――嗚呼、今の言葉がその感想だったかな。あんまり怒ってると只でさえ少ない寿命が更に削られるよ

さあ、ボクに意思を持たせたのは誰だろうねえ?偶発的かもしれないし……それなら、もしかしたらキミの大好きな神様がくれたのかもしれない
キミの様な存在を殺す為に、さ
たかが数百数千で大きな顔をしてたら其処等の悪魔に嗤われちゃうよ」

【穢れを許さない白。其れも、槍を返す事が無ければ――――そして、遺灰を貰う事が無ければ保てなかった存在】
【何時か、フレデリックと戦った時。鏡に映されていた彼女は、やはり同じ翼を持つ者】
【クスリ、と笑えば双銃を握り直し】


「悪いんだけど、この翼は結構気に入っててね。まあ、死神なんて呼ばれるボクには似合わない位の白さだけどさ
――――キミが気安く汚して良い程の物でも無い

キミの様な存在が触れて良い程まだ汚くなってないんだよ、アーグ
先に逝く?キミが都合の良いように盾として使ったんだ。都合の良いように、と言えばまだ居たけど――――……
謝罪の言葉を紡げるような口でも無いだろうし、直ぐに楽にしてあげるよ」

【魔力も消し、仲間達の攻撃によって窮地に立たされた者は既に脅威からは遠い】
【二人組が居れば話も変わるのだろうが…………現に、アーグが憤る通り側に居ないのが現実】
【ならば、後は終わらせるだけだ。この巫山戯た男を殺し、再び同じ様な事が起きるのを阻止せん――――と、引き金を引く瞬間に間に入ったのは見覚えのある姿で】


【条件を聞けば、先ず第一に理性が其れを拒絶する】
【魔力を失ったアーグ殺すには絶好のチャンスであり、此処で終える事が出来れば全てが終わる】
【だが……同時に、有無を言わさず弾丸を放った所でダグラスに阻止されるであろう事も理解して居て】

【魔力を持たない今の状況、圧倒的に不利。或いは仲間の脚を引っ張る事は先ず確実で】
【一度に回復する手段でもあれば、もう一度ヴァルゴの力を使えば良いのだが――――そう都合良く行かないのが現実】


「あんまりキミの顔は見たくなかったけどね。でも、丁度良くもあるのかな
キミは大してボクに話す事は無いだろうけど……ボクからキミに聞く事はある
――――ま、今は置いておきだ

そこのお爺ちゃんを見逃してくれ、だっけ?
キミ等に得があってもボク等には何の得も無いと思うんだけど
……まあ良いさ。今やりあってどうにか出来る状況じゃ無いし」

【敵、とは思えない雰囲気だけれど確かに敵なのだ】
【魔力が無くとも戦闘は出来るが、精々相手が手練れの者限定の話。ナンバーズだとか況してや六罪王相手には無謀である事は明白】
【現に殺し合っているが――――不満げながらも、六罪王相手に状況をひっくり返せるだけの力も無い】
239 :No.7 Nemesis ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/22(日) 02:31:54.89 ID:RUwSxbsfo
>>224>>233

【ネモの言葉は虚しく響く―――後でゆっくり、か。】
【確かに、Nemesisの戦いには理由がある。だが、それは誰でも同じ事。】
【理由抜きに戦う事が出来る者が居るとすれば、それは本当の意味での強者だけだろう。】
【理由無き戦いとはそれ即ち、"縋る物"無き戦いに等しいのだから。】

 ―――分からず屋ね。『理由』抜きに戦える様な人間なんて、いるもんですか。
 これからアンタが戦う事になる相手はきっと、皆こうして何かしら歪みを抱えたヤツばかりよ。
 正義だの……悪だの、くだらない社会通念上の方便を掲げるヤツ。寂しいだの悲しいだの、個人の感情を振りかざすヤツ。

 けどね……もう、悩む必要すらないわ。だって、アンタの生涯はここで、幕を下ろすから。
 ゆっくり話を聞く……? っふ、っふふふふ……あっはははは! ええ、いいわ。じゃあ聞かせてあげましょうか?
 故郷も、家族も、夢も、希望も、幼い頃にぜぇぇぇぇんぶ奪われて、身体と魂と未来を売ってまで戦う、悪夢の様な日々の話をッ!!

 私の弟はッ!! まだ五歳にもなっていなかったのにッ!! どこの誰だかも分からない能力者にッ!! 命を奪われたッ!!
 私の母親はッ!! お腹の中にもう1人の命を抱えていたのにも関わらずッ!! 崩壊した屋根の下敷きになって殺されたッ!!
 私の、……っ、私の、父親はッ!! 私の、目の前で……手を、伸ばして……なのに、つかめなく、て、つかめ、つかめ……つ、か……

【拳が振りかざされる。殴られる。蹴り飛ばされる。血飛沫が舞い、重い音が響き渡る。】
【しかしそれでも、Nemesisは歩みを止めず、ただ只管に言葉を紡いでいく。】
【ネモの攻撃に対し、抵抗など見せず、只管に受けて受けて受けて。】

  ―――――――――つかめ、なかった。

【上空へと飛び出したリーベと、そしてネモの同時攻撃が一斉に襲い掛かって。】
【放たれた衝撃波が雨霰となってNemesisの真上から降り注ぎ、全身を破砕していく。】
【そして更に、ネモの拳がそれに重なって―――衝撃。生まれたインパクトが、足場を崩落させる。】
【―――氷で出来た足場が粉々に吹き飛び、Nemesisの身体は水中へと沈んでいく―――だが。】
【澄んだ水の内部、彼女の腕が自らの懐から器用に"何か"を取り出して】
【そしてその取り出した"何か"を―――身体へと突き刺すのが見える、だろうか―――これは。】
【そう、リーベは既にこれの正体を知っている。あれは―――Nemesisの全てを奪う、悪魔の微笑みだ。】




 ―――ぃ。


【ドクン。血脈の中に毒素が流れていく。全てを侵し、犯し、そして全てを消し去っていく。】
【麻薬が、感覚を鈍らせる。ダメージなど最初から無かったかのように。】
【身体が熱くなる。そうだ、まだ戦え。もっと戦え。思い出せ、あの日のことを。】

【全てを奪われたあの日のことを。思い出せ。思い出せ。能力者は―――】
             


                       み、な……ご、ろ…・・・・・・・し…・・・・・・……



【この日、最大級の水しぶきが上がる。それと同時に、竜巻を起こすような勢いでムカデが巨体を振り上げ、出現。】
【当然その背に乗っているのはNemesisであり、そしてダメージを受けながら"クスリ"による非人道的なドーピングで】
【身体能力を一時的に超強化した彼女は、ムカデの背に乗ったまま二人を追撃、まずは残った足場を粉々に吹き飛ばしていく。】


 ころせ、ころせ、ころせころせころせころせころせ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せッ!!


【体当たりで氷と浮いた家屋、足場を次々破砕しながら、すれ違い様にリーベ、そしてネモの二人に背に乗ったNemssisが攻撃!】
【圧倒的なパワーを誇るカブトムシの腕力を込めた一撃が、とてつもない速度で振り回されるッ!! 命中すれば、命の保障は無い。】
【そしてそれに連なって、ムカデの顎による噛み付き攻撃も同時に襲い掛かるだろう、もはや今のNemesisは鬼神の如き強さを発揮する!】
240 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/22(日) 02:32:59.21 ID:nHNPrQeZo
>>232

【飛びつかれる高さに落ちる前に、残り少ない力で高度を上げ、近くの建物に降りる】
【2本のその足で着地しようとしたが、膝から崩れ落ちて屋根を転がる。レンガ瓦がバラバラと散った】
【彼女の飛んだ跡には瓦礫と、汚れた羽根が落ちている。羽根は濁流に飲まれて、流されていく】
【屋根の上で彼女は立ち上がることが出来なかった。翼に包まれるようにその場所に伏している】

【そうだ。戦場において負けは死だ。生きて虜囚の身になれば、名誉すら奪われて死よりも恐ろしい末路だ】
【だが、撤退は戦術の1つだ。生きてまた戦う。退く決断は攻める決断よりも崇高で立派な決断である】

【しかし、みすみす匪賊を逃したとなれば、自分の矜持に反する。つまらないプライド、自ら作った不自由な律】
【だからこそ、矜持を持ち続けて、不条理に立ち向かわなくてはならない】
【戦場で狂気を患わない人間は居ない。だが、理性を失った人間は戦場ですら必要としない】

…くっ…クソッ………逃して……なるものか……っ!

【県を立てて、彼女は立ち上がる。髪を振り乱して、震えながら。体力が損なわれている。出血が、ここに来て響く】
【一歩、一歩と、前へ。敵を探し、敵を討つ為に。剣を引き摺って。だが、尚、眼光は鋭く。前だけを見つめて】

…敗北者に……語る権利は…無いッッ!!

【戦争の歴史は私の血の歴史だ。誇りにかけて、最後の一瞬まで、私は諦めはしない】

【彼女は待ち構える。最後の一振りだ。一心不乱に両手で掴んだ。焦るんじゃない。…彼奴は来る】
241 : ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/22(日) 02:37:12.07 ID:UqT6Snpbo
>>234
強欲の権化みたいな奴だな……んなもんある訳ねーだろ、あってもこの状況じゃ邪魔だから捨ててたっつーの
自分自身で払うのも当然いやだ、死ぬのがマシなくらい痛いパターンだろそれ

【どっちにしたって払えないか、払いたくないような代価だ、丁重にお断り願う】
【だとすれば困った、こんな強欲な半魚人に助けを求めるのが間違っていたのかもしれない、しかしこのままでは流れも無いこんな水溜りで一晩を過ごすしかない事になる】

……よし、じゃあ後払いでどうだ?出世払い?まあどっちにしろ、後だ

【苦し紛れに、代価の後払いを申し出る、どれくらいの物になるかは分からないが、とりあえず今は助かる筈だ】
【どうやらこの半魚人は悪い奴みたいだし、完済し切る前にどうにかなって、結局うやむやになればいいななんて思ってないともいえないけど】
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/22(日) 02:40:05.54 ID:U+u6qkE/o
>>235

…………これでも死なんとは、貴様相当人間を辞めておるようじゃな

【洩れ出たものは呆れすら混ざったの悪態だ】
【普通の人間ならば致命傷であろう状態でも、当たり前のように口を聞き術を行使する】

【戦闘不能に出来た以上不死ではなかろうが】
【あの圧倒的とも言える攻撃翌力、複数属性による応用力に加えこの並外れた耐久性となれば】
【下手をすれば六罪王にすら匹敵するのではないかと】
【今宵初めて知った強大なる「悪」――アインの顔を、射抜くような視線で睨みつけ……しかと頭に刻み込んだ】

ふん……負け犬風情がよくよく吠えおるわ
そのまま尻尾を巻いて震えておれば、最低限の矜持は保たれように……

貴様が下らん企みをするというのならば……わらわ達が全て叩き潰してやるまでよ
――あまり人間を舐めてくれるなよ、三流魔術師……

【ゲホ、と大きく咳き込みながらも】
【最後の言葉を残し去っていくその姿を、忌々しげに見やり強気に言い返す】
【何事にも通じることだが、心で負けていては勝てる戦いも勝てはしない】
【故に少女は希望を、正義を信じ――悪の野望を挫ける未来を目指し邁進していくだけだった】

【同時に、残っていた折り紙たちは全て消えていく】
【戦闘が終わった以上残しておく意味もないからだ】
【その代わりに新たな折り紙――大きな鶴を折ると、それを操り飛翔……】

>>227

……乗るかの?
本当は生存者を探したいところじゃが……生憎とその余裕もないらしくてな

せいぜい一人を送り届ける程度の余力しかないが
御主が望むのならば、そのくらいの面倒は見てやろう

【カズネの傍に降り立つと、鶴の背に乗らないかと誘う】
【もし承諾して貰えたならば、鶴の上から手を差し出して騎乗させようとし】
【その場合――一度だけ「ありがとう、助かったのじゃ」と礼を告げて】
【そのまま最寄りの自警団キャンプに向けて、飛んでいくことだろう】

【断った場合は、「む、そうか……」と少々残念そうな顔をして】
【だが強要することはなくあっさりと引き、手を振って別れる事になるだろうか――】

/お二人共お疲れ様でしたー!
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/22(日) 02:41:50.88 ID:eehxokRi0
>>229-231

【数多の力がその意志を為し、アーグの齎さんとした絶望を砕く。……喚く声は今も聞こえれど、剣士になにを齎さんとすることもない。】

……神の意志なら、全てが叶う。そんな風に考えたことが―――たぶん、あなたの敗因なのよ。
……私も、あの人たちも死んでいない―――それは偶然でも“力”の違いでもない。

…………守ろうとした、重みの違い。

【神の意志―――その絶対性を否定する言葉、アーグの正当性を否む様な響き。人の生命や“異教徒”、それは彼の求めた結末よりも重いのだと。ゆえに、彼女らは――彼らは――勝利、したのだと】
【聞き逃すことはできるだろうか、或いは届かずに霧散するだろうか。いずれ、意識はその内の大きなものを担ったひとりへも向いて】

(……本当に、やってみせたのね。流石はマリアさんの旦那さまで、ゼン=カイマの大司教、か―――……ふぅっ。少しだけ、疲れた……な)

【……先に役職よりも知己の修道女の名が出る辺り、何とも彼女らしいと言えたが。“アーグの打倒と隕石への対処”、その一方を言葉通り果たした彼への思いは言葉にされねど、ふと穏やかに向ける目が湛える様で】
【あとは、あの異形の男の意識を断ち捕えるだけ――――……魔力の尽きた魔術師ならば、恐らくさして苦戦することももはやない。そう、安堵めいたものを浮かべた直後にそれは起こった】

【金色の影が舞い降りる。軽やかに紡がれる言葉が、その存在を少女の意識へと完全に呼び起こさせた】


―――――……ダグラス……、マックスウッド……!!

【刃が、奏る。橡色に映り込んだ金に彩られしかの男を、逃さないと手の内で熱いほどにもその戦意に応じるが如く力を昂ぶらせる】

【あの時、逃していなければ――――あの時、捉えて封じ切るほどに強くあれたなら。……幾度も求めた力の幻は、その後も彼の暗躍を伝え聞くたびに柊を苛んだ】
【そして一層打ち込んだ、増した力は今やさらなる速力と鋭さを与えて―――――。】


冗……談、今度こそ、あなた達、を……――――っ、あ……!

【  立ち上がろうとするコート姿の剣士の身は、苦しげな吐息とともに深く頽れた。息や、断線したかの如く力を伝えられぬ四肢の力の途切れが酷い―――……内側から全身を蝕むほどの超大な過負荷。アーグに届かせた力の具現は、大きな摩耗を伴うもので】

【意志力と、  によって駆動するばかりの華奢な肉体。追撃に用い得るほどの力は、もはや彼女には残されていなかった】
【疲弊に微かに震えるその手が柄から手を離していない事は、けれど譲ることのない意思を伝えるだろうか。……それとて、六罪王と嘗ての大司教に届かせられなければ意味を為すことはなかったが】

(……また、あんなものを“この先”に逃すの? ……また―――防げたはずの禍と破壊を、こんな風に、……野放しに、して、しまう、―――――――……、)

【この街でさらなる崩壊が拡がることこそ彼らとともに防いだが、アーグによる“次”の禍根を断つことは今は、恐らくは叶わずに】
【また、こんな破壊を繰り返させるのかと――――絶望的なまでの重い感覚が手足を鉛の様に縛り付け、僅かな力をさらに削り取る。きっと言葉は意味を為せず、誓うことも、今や、出来ない】
【かれが言葉を紡ぐなら、それは確かに届くだろう。憎むべき敵、嘗て止めるべきだった強大な“力”。六罪王としての言葉ならば、恐らくは今は望むだけ、鋭く響くはず】
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/22(日) 02:45:16.26 ID:eehxokRi0
/>>243
【意志力と、  によって駆動するばかりの華奢な肉体。追撃に用い得るほどの力は、もはや彼女には残されていなかった】



【意志力と、必要性によって駆動するばかりの華奢な肉体。追撃に用い得るほどの力は、もはや彼女には残されていなかった】

…でしたっ
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/22(日) 02:47:43.50 ID:S2yrIMCo0
>>240

【もう少し、本当にもう少しのところで男の娘はその翼に手が届かず水面に落下する】

【やがて、水面に浮いてきて…暫しの沈黙】

「■■」

【それは既に人の言葉ですら無かった】

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

【訳の解らない雄叫びを上げながら自身のトップスピードで】

【気高い紺色に向かって】

【狂気の紫色が向かった】

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!」

【肉体の限界や精神の限界など消し飛び】

【それはもう、一つの純然たる狂気】

【まさに災い】
【まさに厄】
【まさに禍】

【全身に絶対零度の冷気を纏い】

【噴き出す流血は深紅の吹雪となり】

【周囲の骸、濁流、その全てを凍てつかせるそれは】

【シンプルな『全力での突進』である】
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/22(日) 02:52:52.93 ID:ApZGm/t+0
>>229-231

(くっ…………流石にそう簡単に直撃させてはくれねぇか、だが確実に弱っている……!)
………………今のうちだ、フレデリック……ッ!

【アーグは魔力が足りなくなってきている、カテドラルを握る力も弱々しく感じて】
【もうすぐ、あとちょっとだ、このままどんどん押し込む、ようやく勝機が見えた】
【フレデリックの方も成功したようだ、あんな巨大な隕石を何処かに飛ばすとは 流石は元騎士団長兼現大司教】

【血塗れになっていくアーグを見て、エルヴェツィオは勝てると思っていた、そう、このままなら】
【しかしそうはさせてくれないらしい、近付いてくる気配を感じ取り、はっと視線を向ける】
【そこに立っているのは、あの六罪王、そして、フレデリックの友であった男ではないか】

……うっ…………!ぐぅぅ…………ッ……!!ここで充電切れかよ…………冗談キツいぜ。
(まずいな……この状態で勝てるとは思えない、それに厄介な能力も持っていると聞く)
(ここはアイツの言う通り引き分けとした方が良いか……、今向かっていっても犬死にするだけだ……)

…………勝手にしやがれ、……だがな!次 またこんなことを起こそうもんなら次こそぶったぎってやる!
……分かったら、とっとと このスラウロットから出ていきやがれ。

【今のこの状態では勝てない、だから相手が退くというのならそうさせる】
【魔力も静電気させ起こせぬほどに消費し、立っているのも危うくなってきた】
【吐き捨てるようにダグラスにそう言った、手でしっしというジェスチャーもして】

…………他の奴は……気絶している、のか……?それなら構わないんだが……
……しかし悔しいな、こんなにボロボロにされて挙げ句に逃しちまうとはなー……

【他のメンバーは大丈夫だろうか、フレデリックに、どこか他の場所で戦っているであろうマ リア、それに今ここにいる皆】
【それに彼も限界だ、ダグラスが居なくなればどすっと腰を下ろすことだろう】
【握っていた彼のレイピアも、すーっと霧のようになって消えていくのだった】
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/22(日) 02:55:02.85 ID:DmHBOnyyo
>>235

(アイツ……まだ、生きて……)

【アストレアに全てを賭けて放った、しかしそれでもあの男を倒すには至らない】
【これだけ人から離れても尚遙か先に立つ者が居て、そしてその者は人々の平穏を奪ってゆく】
【どれ程の力があれば人々の想い出を守れるのかその答えは遠く】

(――――悔しいけど、これ以上は身体が保たない……)

【背後で爪が崩れる音が聞こえる、極度の活性による反動か爪とパスを持っているカズネにも僅かばかりの痛みが響く】
【酷く冷たい感覚は、きっとこれは爪が水底に沈んでゆく感覚なのだろうそれはずっとずっと暗くて終わらない悪夢を思わせる】
【自分もこのまま沈んでしまえばきっと楽だ、だけど……だけどそれを赦す訳にはいかない】

………なんかじゃない、絶対に無価値なんかじゃない……

【何よりも人々を無価値などと云い嘲笑う者をこのままにしてはおけない】
【果すべき義務があるならばそれこそがカズネの背負うべき義務に他ならない】

【今はただその姿を見送ろう、だが炎とは唐突に燃え上がる物いつの日かその赤色が立ち塞がる時が来るやもしれない】


>>242

――――――……ええ、まだ沈みたくないもの……助かるわ

【魔翌力の昂ぶりの失せた掌は僅かに温もりを残すのみ、赤光の魔女の姿は既に年頃の乙女に戻っていた】
【差し出された掌を弱々しく握り身体に残る最後の力を振り絞って鶴翼へと身体を滑り込ませ深い息を吐く】
【見上げる空の下でまだ戦っている者達もいるのだろう】

ううん……ごめんね、アタシが未熟なばっかりに次の戦火の種火を残しちゃった
折角くれたチャンスなのにね、情けない……―――――

【普段ならば零さない弱音が漏れたのは届きそうにない物を見てしまったから】
【決してカミナに励まして貰いたい訳ではない、でも言わずにはいられなかった想いの吐露】
【応えないで、と云うように視線を伏せた、身体の傷よりも深い物……炎が燃える時が来るならばその傷が果たしてどうなるのか】

【今はただ痛みを癒やし次を待つ、そよぐ風だけがなんとなし頬を撫でるようだった……】

/お疲れ様でした!
248 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/22(日) 02:56:09.33 ID:YYrQ1faDO
>>233>>239(ネモ&Nemesis)

【傷だらけの、ネモが見えた。自分より年下の、女の子なのに】
【そんな子が、あのNemesisの猛攻に耐え待っていてくれた】
【細くて、小さくて、まだ幼いはずなのに──!】
【どんなに怖かったか、どんなに勇気が要ったか……!】
【ネモのような子がいる限り、世界が絶望に染まることなんて、決して、ない──!】

【凍てついた水中にいたせいか、夜色のコートはぴたりと肌に張り付きボディラインが明確になる】
【身長はNemesisと似たようなもの──けれど肉付きは健全に、豊かな曲線を描く】
【身体付きからも分かる。リーべは、苦労などなく育ったことが】
【それでも──それでもその事実は、Nemesisの凶行を止めない理由には、ならない!】

【衝撃波と拳の応酬。一方的にそれを受け、遂にNemesisは水面下に沈む】
【──沈、む? 違う。Nemesisは、これだけで終わるような軟弱な機関員でないとリーべは知っている!】


──っく、……Neme──sis……!


【また、止めれなかった。現実と夢を同一にする、あの、クスリ──】
【出来ることなら、彼女の胸元に飛び込み持ちうるクスリすべてを奪ってやりたい】
【だが……それを実行するには、些かダメージを受けすぎていた】

【Nemesisとムカデ、両方を同時に、1人で相手をすることは不可能】
【かと言って、ネモにムカデの相手が勤まるとは、思いにくかった。──ならば】


……ネモ、踏ん張れ。Nemesisを、頼む!!


【ネモは宙を移動する術を持たない。ならば、「移動させてやる」まで……!】
【こちらに迫りくる敵意に対し──リーべは、Nemesisに向け「ネモを掴んでぶん投げ」ようとする!!】
【そうすることで、カブトムシの一撃をネモに回避させ、またネモがNemesisに攻撃することを期待したのだ】

【そしてリーべは──刀を、抜いた】
【布に包まれた、一振りの刀。この3ヶ月の間、まだ一度たりとも抜いたことのない、刀】
【これまでヒトに使った回数はただの4──黒塗りの、頑丈そうな、冷たい刀身だった】


……ヒト以外なら、いくらでも、使う──!!


【笑みはない。夜色の瞳は、普段よりも暗い。この刀を持つときは、笑ってなどいれなかった】
【ぶ、ゥ、ん──刃が、揺れる。震える。材質は、リーべの「振動」にいくらでも耐えきるだけの、もの】
【黒塗りの刃。ただの人が使えば鉄の塊でしかない】
【しかし彼女が使えば──振動を伴う、斬れ味鋭き殺人剣となる!】

【狙うはNemesisの騎乗するムカデ──騎乗者を斬らぬよう、狙いを定め】
【噛みつきを受け止め、押し斬るよう──夜色の刃を、いざ、振るう!!】
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/02/22(日) 02:58:21.08 ID:Pn2WpcO2o
>>241

強ォォ欲でなァァアアにが悪い、むゥしろ欲がねェとな!
テメェーだァって"避ィ難所に行く"欲があァるだァろう?

……あァ、痛いのは否ィ定しないが"身ァ体は五ォ体満足"のまァまだし死ィぬほど痛くはしィねェぞ
"左手の魂"を頂くだけだ、切断の痛みはあァるがテメェーの精神次第ですゥぐ……1〜4週間で治る

【その後に「(多分)」と言っていたような気がするのは、気のせいに留めておいたほうが良さそうだ】

ククク……まァ、後払いでも構わねェぜ、1年複利5%で受ゥけ付けよォうじゃアないか

【死んでも取り立てに行くからな、なんて末恐ろしいことを付け足しつつそう提案し】
【人間ならともかくそうでない相手故に、本当にそうしてくる可能性は捨てきれないところ】

さァて、姿を元に戻すか――海水体は乾燥に弱いしな……避ィ難所の場ァ所知ィってるなら教えろ

【――混沌の魔翌力がこの存在の周りに渦巻く、その全てを覆い隠した後に晴れたかと思えば、半魚人は半魚人でなくなっていた】
【それは黒い外套を羽織っていて、頭部から二本の赤い角を生やした、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【首には紫色の毛のマフラーを巻いていて、黒い褌一丁の服装、鋭く赤い牙や同じく爪を持ち、いかにも悪魔だと思わせる黒い翼や同じく尻尾を持っている】

【……ところでここは水面の上、この姿を確認した直後にザバァンと水に沈むというなんとも間抜けなオチが待っていて】
【そしてもう一匹、先程の半魚人らしき存在――角や毛がないそれが、沈んだ奴を引き上げて、引き上げられた悪魔は近くの瓦礫に何事もなかったかのように座って】
250 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/22(日) 03:09:49.55 ID:OnuuVJ0Ro
>>238


得ならあるさ、キミたちは死なずに済むんだから。
 それは理解出来ているはず……無為に反発するのはキミの悪い癖だね
 何者にも束縛されないのは良いけれど、あまり無茶するといつか損をするよ、グリース。

 ……それと、あまりこちらのご老人を挑発しないでもらえるかな
 連れて帰るのはボクなんだ。……ボクだって、怒り狂う傑物を連れ帰るのは怖いんだから。


【相変わらず――というと、どうなのか。いつもの調子で話を進めるその姿は】
【知らぬものが見れば、六罪王とは捉えづらいはずだ。にこり、と笑って】
【最後には冗談なのか本気なのか分からないが、それらしい言葉も添え】

>>243


……怒ると、傷が悪くなるんじゃないかな。安心してよ
 キミがあの時負わせた傷……あれは、ボクにとっては今も致命傷だ
 何故似合いもしない鎧を身に付けているのか……理由は、一つでね。

 それと、大丈夫…――そうそう何度も、長引かせたりしないさ
 ボクたちが終わるか、キミたちが死ぬかなんだ。単純さ、心配することは無い


【――その笑顔は、何処か儚げであった。まるで不治の病に冒された薄幸の青年だ】
【理由≠ニは何か、はっきりということは無かったが――何かを予感させる言葉を告げ】


>>246


フフッ、キミたちからすればボクはとんでもない厄介者だろうね
 ……でも、その気持ちを僕らは何時でも味わっているんだ
 あと一歩で目障りな相手を殺せた、排除できた。……そう思いながら
 また次の戦場で次の強敵と出会う。……当然の理だけれど、嫌な因果だ

 …――そうそう。キミ、フレデリックの友達なんだろう?
 だったら、彼にこの伝言を伝えておいてくれるかな


【そういってエルヴェツィオの方へ紙飛行機の形で一枚の紙を渡す】
【内容は見ても問題ないだろう。――わずか数日後、一隻の船がドラクレア島≠ノ向かう】
【そんな件の伝言であった。ドラクレア島というと、アーグやこのダグラスの根拠地だと噂されるが――】
251 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/22(日) 03:10:01.91 ID:OnuuVJ0Ro
>>237>>236>>ALL


……さあ、戦いは終わりですよご老体。大丈夫、一度の失敗はよくあることだ
 十字軍だって一度じゃ成功しなかった……増して、今回は本調子じゃあない。

 『次がある』んだから……今は帰って、体勢を立て直そうじゃないですか。ねえ?
 そうそう、十字軍といえば逃げ帰る時に焦って川に落ちて死んだ王様が居たとか。
 ……ああはなりたくない。そうですよね、大司教サマ?

グ、うゥッ……!待て六罪王……殺す、あの女だけは殺さねばならぬ……ッ!
 そこな騎士も…剣士も、銃士も小僧も……大司教を騙る若造も……ッッ!


【執念と見るか、醜態と見るか。どう取っても、それはみるものの判断に委ねられるだろう】
【だが、猛る悪霊も六罪王たるダグラスの言葉をようやく聞き入れて】
【充血した単眼でじろりと敵≠睨みつけながらも、彼の術に身を委ね】

【――やがて、若者と老人は姿を消した。あとに残ったのは、冠水した町並みと】
【倒壊した幾百もの建物。そして、戦果はといえば半不死の敵が二人――否】

【詳しくは後日、被害が明らかになってから分かること、としよう】
【しばしも待てば救護が駆けつける。スラウロットの自警団、SCARLETの人員】
【或いは、今日に限ってはゼン=カイマの騎士達も何人も姿を見せ】
【避難民の救護や、負傷者の治癒などに尽力するのだった。不名誉な"元"大司教のイメージを払拭するように。】


【聖都スラウロット:中央部での戦い――勝者は、防衛側】
【混沌の大司教は撤退。氾濫した水も、彼が姿を消すと同時に水嵩を減らし始めたのだった】

/ということで、VS主催はこちらで終了となります。
/皆様、遅い時間までお付き合い下さりありがとうございましたっ!
252 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/22(日) 03:10:37.95 ID:nHNPrQeZo
>>245

【彼女は本当に、意識の続く最後の、最後の、最後まで戦う意志の灯火を消さなかった】
【本当の一瞬まで、その剣を振り下ろす、一瞬まで、タイミング、呼吸、動作を考え続けた】
【呼吸を整えて、目を離さずに、歯を食いしばって、全神経を研ぎ澄ませて、風を、感じて】

【相手がどんな気狂いだろうと、能力を持っていようと、武器を持っていようと、そんなのはどうでもいい】
【1人の人ならば、殺せないわけがない。狂気も災いも災厄も絶望も知ったことか。そんなものは無い】
【弱い心の生み出す幻想だ、夢想だ、想像だ、言い訳だ。前を見て、進むのに言葉など必要は無い】

ハァアアアアアアアアアアアア!!

【絶好のタイミングで彼女は剣を振り下ろした。勢いは屋根を砕き、突き刺さるほど。しかし、それがあたったか】
【どうかは彼女は知ることは無かった。振り下ろした剣と共に彼女は崩れ落ちる。剣とともに屋根を滑り落ちる】
【大振りな剣撃。しかも、満身創痍の一撃だ。もう最後の悪あがきぐらいにしかならなかっただろう】

【ガリガリと跡を残して、レンガ瓦と共に落ちた彼女は濁流に呑まれる。一瞬でその濁り水に姿を消した】
【彼女の意識はとっくに途切れていて、最後の剣を振り下ろした時にはもう既に無かった】

【残ったのは彼女の剣の跡、それだけだった。明確な爪の跡を残して。この戦いは、幕引きとなる】



/時間も時間なのでこの辺で〆にさせていただきます
/長時間お疲れ様でした。お付き合いいただいてありがとうございましたー!
253 : ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/22(日) 03:10:38.96 ID:UqT6Snpbo
>>249
この場合は『欲』とは言わねえよ、『願望』だ!
……なんにせよ、得体が知れないしヤバそうだからそれはパスだな、なんだよ魂ってこえーよ

【そろそろ水に奪われた体力も限界に近づいて来たようだ、瓦礫の上に座り込むと、持っていた鉄パイプを置いて】
【蒼い顔をうつむかせて震えている、一端の口を聞いていてもただの人間の少年なのだ、この寒さと濡れた体ではいつまでも気丈ではいられない】

……はあ…はあ……何だっていいが……俺が死んだら払えねーぞ……
ボケてる暇があったら早くしてくれ……もう道案内する元気もなくなりそうだ…

【いくらイカダだからとは言っても、ただの看板の残骸が何かだ、染み出す水に沈みかけていて、体は常に水に浸かっている】
【倒れこむように両手をついて、気を失う前に早くしろと悪魔を急かす、悪魔が何か行動を起こせば、避難所までのルートを口で案内するだろう】
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/22(日) 03:30:41.27 ID:S2yrIMCo0
>>252

【決着の瞬間】

【それを一言で表現するなら『爆発』であり】

【実際に起こった事をより正確に表現するなら『ドッカーン』というなんとも間の抜けたオトマトペになってしまう】

【しかしそれは】

【紺色の渾身の斬撃と】
【紫色の捨身の突進が】

【殆ど奇跡と呼べるタイミングで重なった事に他ならない】

【結果として】

【紺色は濁流に飲み込まれて】
【紫色は衝撃に叩き潰された】

【その余波として、低温が周囲を凍り付かせ、衝撃が周囲を破壊しつくした】

【その爆心地にはクレーター方に消滅した部分で一人の少年が沢山の漆黒の鴉のような羽が落ちているなかで気絶していた】

ヴァローナ VS 犬神・ディザスター・禍

【勝敗】
【引き分け、否、誇りの分で犬神の敗北とも言えるかも知れない】

【結局、彼がこの戦いで手に入れた物は各種金品と現金800、堕天使の羽位である】

【しかし、彼の顔は心なしか穏やかであった】

//此方こそお疲れ様でした!
//また機会が在れば是非!
//とても楽しかったです!
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/02/22(日) 03:35:40.70 ID:Pn2WpcO2o
>>253

どォっちも"何かを求める"って点じゃア変ァわらねェじゃアねェか、ククッ

あァ、俺様が言ィう魂はこォれだ、こォれをこォーしてこォーーうだッ! 説明は以ィ上!

【近くに居た半魚人的な存在の頭のヒレを掴み持ち上げる、確かにそうしたはずなのだが――】
【……持ち上げられてはいない、いや、――"透けた頭"が持ち上げられていた】
【身体は引き上げず、悪魔が魂と呼ぶその存在のみを捉えて引き上げる、そんな技である】

ベルーダーフ、帰ればすゥぐに治るかァら我ァ慢しィな

【そして、透けた頭のヒレを手刀でばっさり切断、もう片方の手でキャッチ。されてる側は結構痛そうだが無言である、肉体自体は無事だ】
【切断したヒレ……の魂なのだろうか、それをバリバリ貪りつつ、先程引き上げた頭を身体に押し戻して】

……、……今のはボケじゃアねェ、ちょオーっとした茶ァ目っ気だ、わァァアアかったな!
とォにかく乗ォりな、空からなら早いだァろう――ペルドキアッ! 掴まりな

【水面にあらわる魔法陣、そこにベルーダーフと呼ばれた存在は闇となり吸い込まれ、そして別の闇がいづる】
【――それは体長5m程の赤い飛龍だ、いかにもあったかそうな炎属性の見た目なそれは水面近くを羽ばたいていて水に触れようとはしない】
【悪魔はそれに飛び乗って、そして少年に向けて手を伸ばす】 【その手を捕らえることができれば、飛龍の背に向けて一気に引き上げようとするだろう(脱臼に注意)】
【また、引き上げることに成功すれば、飛龍は一気に上空へ向けてひとっ飛び。少年の話すルートを参考に、避難所へ向かおうとするはずだ】
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/22(日) 03:40:00.57 ID:Ss8Cxy8H0
>>250>>251

「損ならずっと昔にもうしてるさ
――――“次”は無いよ。アーグはその事を良く覚えておくと良い

……ボクも疲れたし長話する気分じゃ無いからさっさと行きなよ
其処の死にかけのお爺ちゃんの顔だって眺めてて気持ちいいモノじゃ無いし」

【ふん、と鼻を鳴らせばその場に座るのだろう】
【何であれ、今日の戦いは終わった――――だから、気も緩む】

【果たして次も同じ様に出来るかは分からないが……遣らねば、どうにもならない事だ】
【戦う為に与えられた力なのだから、其れを行わなければ罰が当たる】
【何時まで守る事が出来るかすらも分からないが…………少なくとも、命が続く限りは】
【睨み返す視線は鋭く。軽口を返せば姿が消えるまでジッと視線を向け】


「――――まあ。今は難しい事を考えなくても良いかな……少し、疲れた
後は他の人がどうにかしてくれるだろうし、少し位休んだって別に良いよね…………」

【全ての魔力を消費すれば、相応に体力気力も消耗する】
【膝を抱え込むようにすれば暫しの休眠と入る事だろう】
【――――応援が駆けつけた頃に漸く起きて、ある程度まで回復した事を確かめれば治療も断りその場から飛び去った様だけれど】

/主催様、参加者の皆様お疲れ様でありましたっ!
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/22(日) 03:40:40.13 ID:ApZGm/t+0
>>250-251

…………ああ、伝えとくぜ、あばよ。
出来れば俺はもう二度とお前らに会わねぇことを祈ってるぜ。

【飛んできた紙飛行機を片手でぱしりとキャッチする、開いてみればそれは"招待状"か】
【これは勿論、後々フレデリックに渡すことになる、渡す先が教会か病院かは今は知らぬことだが】
【仮にどこへ向かうことになったとしても元大司教についていくつもりだ、それも友として】
【また 同じ志の仲間としてだ、覚悟ならばとっくに出来ていたのだった】

さてと…………当分はまた苦い薬飲んで包帯ぐるぐるにして過ごすことになりそうだ。
帰るか……、腹が減っちまって仕方がねぇよ。

【騎士団員達に肩を貸してもらいながら、聖都スラウロットを後にすることになる】
【ドラクレア島……、その地で待ち受けているものとは一体何なのだろうか……?】
【とにかく、まだまだ問題は片付きそうにはない、今までより一層鍛錬に力を入れなければ……】

/主催者様、参加者の皆様、ありがとうございましたー!
258 :ネモ・アーネスト :2015/02/22(日) 03:41:32.05 ID:vztDCI8Q0
>>248>>239
連絡遅れて申し訳ない・・・・・・
レスが思いつかなくなってきたので寝落ちます・・・・・・
259 :No.7 Nemesis ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/22(日) 03:43:29.03 ID:RUwSxbsfo
>>258
/了解です!おやすみなさいませ!
260 : ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/22(日) 03:46:05.49 ID:UqT6Snpbo
>>255
……結構便利だなそれ……俺にもそんな能力がありゃなあ…

【『そうすれば、こんな事にはならなかったのに』 そう思いながら、頭に響くような声で叫ぶ悪魔の諸行を霞む目で眺めていた】
【赤い飛竜の上から伸ばされる手を弱々しく掴むと一気に引き上げられ、グッタリとしながらも方向を案内する】
【そこは街の丘というか、高台にある広場らしい所で、どうやら結構な数の住民が集まり、救助を待っているようだった】

【焚き火を焚いているので上空からならよく分かるだろう、当然少ないながら中には自警団員なんかもいるが…】
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/22(日) 03:49:09.25 ID:s3V/ZELb0
>>250-251

【動け、と命じてもやはり四肢は反応を返さない。無意識に繰り返される苦痛ばかりを伴う試行―――終わらせたのは、脳裏に奔る疑問と言葉で】


……あなたに、心配されることじゃない。

……貴方達が、敗れて終わる。……そのために、戦ったんだから――――

【反発か、それとも彼とのこれだけのやりとりで少し回復したのか。いずれにしろ、そうした“自分たち”のものの様な、変わらず戦おうとする様な言葉を紡げる程には意識が活力を取り戻すだろう】

【彼の言葉を受けてやや力を取り戻したのは、その“時”が心の動きを生んだゆえか。それには―――ダグラスの、不可解とも思える静穏な様子もある】
【“理由”とは何なのか、命を賭してでもそれは求めるに値することなのか。あの傷が彼を追いつめたことで其れを求める段に到ったのかもしれないが――今、少女に分かることではなくて】


(……何れまた、彼の目論見も探る必要がある……、か。……、―――――――――。)

【今も致命傷だと鎧を纏い述べてのけた彼が、間違いなく今も動かそうとするひとつの噂――ドラクレア島の計画。……確たる証拠の実在こそ知らねど、耳に届くほどには頻繁に聞こえていた】
【都市を破壊する大波、現われた元凶たる元・大司教アーグ。巨悪を倒さんがためにそれに挑み、ついに掴み取った“正義”への意志たち。六罪王、ダグラス・マックスウッドの月の様な“静けさ”――――】
【胸裏に浮かぶ幾つもの映像を、また動き出す明日への力として胸に刻む様に。戦場跡に駆けつける幾つもの足音を聞きながら、柊は、今宵の幕とともに目を瞑った】


/主催の方&参加者の方々、遅くまで本当にお疲れさまでしたっ……! ありがとうございましたー!
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/02/22(日) 04:02:52.33 ID:Pn2WpcO2o
>>260

結構じゃアねェ、超だ! ククッ、"力"が欲ォしけりゃア、"多量の魂"と引ィき換えにくゥれてやァるぞ

【……どうやらこの悪魔、強欲さだけでなく傲慢さも持ち合わせているようだ】
【そうこうしているうちに、やがては避難所に辿り着き――かなり人気の少ない隅っこの方の物陰に龍は降り立つだろう】
【(なお、龍が上空を飛んでいた時点でそこそこ発見されていたようなのであまり意味は無い)】

人間が沢山いィるな……クククク……素ォ材が一気に集められそうだ
……あァ、"今ォ日は"やァらねェから安心しな

んで、支ィ払いは後払いだったか? 気ィが変わったなら左手首から先の魂でェも何でも頂くが
払うならさァっさとしィな、人が集まってきそうだ

【どこからか出された一枚の紙――そこには、今日の契約内容と対価(参考値)が書かれていて】
【しかし見せるだけだった、控えは渡してくれない不親切仕様である】

【龍に釣られた人々がこの辺りに集まるまで、そう時間はかからない――】
263 : ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/22(日) 04:11:48.90 ID:UqT6Snpbo
>>262
……は、はっ……その魂ってのが持ってかれるのも痛いんだろ…?じゃあ嫌だね

【力をくれるという持ちかけに惹かれはするが、頷きはしない。こんな時にそんなパワーアップはごめんだ】
【龍が避難所に降り立つと、ボロ雑巾みたいに地面に落下して、それからよろよろと立ち上がる】

…今日はやめてくれよ……俺は疲れた…
それに、今払う元気もねぇや……後で必ず払ってやるから、さっさと行けよ……
お前、悪い奴なんだろ……?早くしないと自警団に見つかるぜ……

【そう言って、立ち去ろうとするが、足を躓いて転び、地面に崩れ落ちる、それっきり立ち上がろうともしなくなった】
【だがやがて、龍に釣られて人がやってくる、この少年はすぐに発見されるだろうから心配はいらない(まあしないと思うが)】
【それよりも、彼が今言った通り、早くこの場を離れなければこの場にいる自警団に目を付けられてしまう、そうなる前に去るのが賢明だろう】
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/02/22(日) 04:34:09.82 ID:Pn2WpcO2o
>>263

ククッ――注射と同じだ、人間、……怖がるんじゃアない

別に肉体の疲労は問題ねェが……ふゥむ、弱った魂はあァまり美味しくないのは確かだ!
OK、チェーックボックスはこォっちに入ィれといてやる

【手に持っていた契約用紙、そこの支払方法欄にある内容の――"後払い"のところにひとりでにチェックされて】
【やはりひとりでに紙が巻かれて、それを握りつぶしたかと思えばもう紙は無くなっていた】

俺様はやァられたらやァり返すタイプでェな……契ェ約用紙はこォまめに作る事にしィてるんだよ、大抵は見ィせねェーが

さァて、そォろそろ……  『龍だ!』 『おい、人が居るぞ、2人だッ!!』 『ちょっとまて、でかい方なんか角とか尻尾とか翼とかねえか』
『お前、その顔……指名手配犯の邪禍だなッ! 何しに来たッ! 逮捕するッ!』 ……騒がしくなァるんで、帰らせて貰おうッ!

【悪魔の乗っていた龍は再び空にへと舞い上がり――そして、その内夜の闇にへと消えてしまうだろう】

『君、大丈夫だったかい、……さっきの奴はやったことのない犯罪を探すほうが難しい程の重犯罪者だ、何かされてなければ良いんだけれど……』

【詐欺から放火、テロや窃盗に、殺人や強姦、それに――なんて、悪いやつってレベルじゃない情報が駆けつけた自警団から手に入ることとなるのだった】

/お疲れ様でしたー
265 : ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/22(日) 04:35:52.68 ID:UqT6Snpbo
>>264
/乙でしたー
266 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/22(日) 21:55:13.79 ID:kbtEZ1POO


【町中。そこで起きていたのは一つの騒動】

【何のことはない、ごろつきが気弱そうな男に因縁をつけて絡んでいるというよくあるもので】
【周囲の人は、それを遠巻きに眺めているだけだったのだが】
【その中に一人の少女が混じっていた】

【ハニーブロンドのセミロングに赤紫のパーカーの十代前半程の少女。はじめは通りすがりにそれを見つけると何事か言い掛けながら飛び出そうとしたのだが】
【突然ハッとした表情を浮かべるな否や唇を噛んで野次馬の中に身を隠し、それからはじっと気弱そうな男が絡まれるのを見ていた】

…………ッ!! 
【突如、少女は踵を返して走り出す。唇を噛み、一心不乱に】

【町を駆け抜け、そうして辿り着いたのは、路地裏に少し入った暗い通りで】

…………! 
【少女は声にならない叫び声をあげるとその拳を壁に打ちつける】
【少女が拳を離した後には薄い氷の膜が張っていて】
【それと同時に冷えはじめる、少女の周囲の空気】
【白くなる、少女の吐息】

【少女は白い息を吐き出しながら何度も何度も拳を壁に打ちつける】
【幾ら壁が凍りつこうとも、その手から血が出ようともその動作は止めず】

【突然、頭を壁に打ちつける少女】
【打ち所が悪かったのか額から一筋の血が流れ】
【頭を壁につけたままその場に座り込む少女】

【それでもなお、壁に拳を打ちつける事を止めない】


267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/22(日) 22:35:13.12 ID:UfeKap010
>>266

【ひらり、と、まるで御伽噺の1ページみたいに、雪みたいな――光の欠片が、舞い落ちる】
【見ればそれはひな鳥の産毛のようにふわふわと揺れて、感じることも出来ないほどの風で、どこかに舞い飛び――何も、なくなるけど】

おねーちゃん、どうしたの? あのね、そんなのしたらね、痛いでしょ! ……ってね、私はね、思うのなの。

【やがて舞い降りるそよ風。冷える空気に割り込むように溢れるのは暖かさ――春の陽だまりの、ぽかぽかした、暖かさ】
【聞こえてくるのはひどくあどけない幼い声で、視線を向けるならば、やはり、どうしようもなく幼い人物がそこに居る】
【まるで天使みたいに太陽の日差しとおんなじ色をして、おんなじ光を放つ翼を持った――ちっぽけな、女の子】

【クリーム色の髪はくしゅっとした猫っ毛、柔らかそうな毛を、後ろで一つ、ポニーテールに結わえて】
【瞳は丸く大きくて少しだけタレ目。真夏のあおぞらとおんなじ色を瞬かせて――右目の下には、紫で蝶の刺青】
【纏っているものといえば黒と白できっぱり二色のワンピースとケープ、ぷわっと丸いスカートが、動けばぽむぽむと揺れ】
【足元は爪先のまあるいおでこ靴、ちょっぴり大人ぶって踵のあるようなのを選んで――まあ、就学も怪しいくらいの、幼子だ】

それにね、血が出てるよ――なの。女の子はね、顔にお怪我しちゃいけないんだよ!

【どうやら人懐こくて構いたがりなのは見て分かる。ぶら下げたポシェットからネコの刺繍がしてあるハンカチを出せば、】
【彼女に「これ使っていいよ!」だなんて言って差し出して、にこーっと何の翳りもない笑顔を見せるのだ、首をかしげて】
【強制的に止めることはない。ただ、それでも続けるというなら、その腕を頑張って引いてみるくらいはするかもしれないし】
【こっちを見てくれなかったりするなら声を大きくして気を引こうとしてみたり、そんなことをする――はずだった】

/まだいらっしゃいましたらー
268 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/22(日) 23:07:52.05 ID:kbtEZ1POO

>>267

【ふわりと吹いた暖かな風と、ふわりとした女の子の声】

【少女は一瞬だけびくりと身体を震わせ、声のした方を向く】
【かちりとワインレッドの双眸を合わせれば其処には小さな女の子】
【嗚呼、こんな小さな子に見られてしまったのか、と少女は少し気恥ずかしそうに俯くが】

……ううん、何でもないよ? お姉ちゃん大丈夫だよ? 
【すぐに顔をあげると何処か強張った作り笑いを顔に貼り付ける】

えっと……君は迷子、なのかな? 
お父さんかお母さんは? 
こんな所いちゃ危な……ッ……い、ょ……
【そしてすぐさま女の子に対して優しい声で注意するのだが】
【やはり途中で何かに気付いたのかその声が段々と消え入りそうなものになって】
【その直後「あー、馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿私の馬鹿ホント馬鹿」とブツブツ呟きながらまた拳を壁に打ちつけだす】
【それと同時に少女の周りの空気は更に冷たくなり始めて】



269 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/22(日) 23:23:13.87 ID:Fv6o1j7Mo
【路地裏】

【月光を遮る影の中に何人もの人間の、干上がった身体が転がっていた。身体中の水分を失ったミイラにも近い状態となっていた】
【年齢は様々だったがその全てが男の死体だった。服装は貧相で、路地裏に住む貧民によく見られる格好だった】
【死体の群れ、影の中へと男が放り込まれた。新しく出来上がった死体だった。その先、月明かりに照らされた場所に人影があった】

【壁際に座っていたのは男だ。東洋人らしき平坦な顔つきに黒い短髪。長身を赤黒い色の外套で包んでいた】
【風貌は若くもなく老いてもいない、三十代前後といったところだ。服から出ている手や首といったあちこちに黒い火傷がある】
【顔面の左半分は真っ黒になっていて表面では血が凝り固まっていた。気だるげに脚を外套の裾ごと通路に放り出している】

 ふん、まだ足りんか……やはり魔力量の差、か

【男は調子を見るために右腕を屈伸していた。袖の中にも残っている火傷のせいで痛みが走り、僅かに眉を歪ませた】
【男の左手が近くに転がっていた男の死体に伸びる。死んだばかりのそれはまだ普通の身体の状態だった】
【袖の中から黒い触手が伸びて死体に巻きつき、覆い隠す。数秒経って触手が消えると、死体は他と同じく干からびた状態になっていた】
【男の左手の甲にあった火傷が、跡形もなく消えていた】

 全く面倒なものだ。いちいち男を探さねばならん……せめて魔術師ならばもう少しマシなのだがな

【男の口から溜息が漏れた。気だるげに倒れていた死体を蹴飛ばし、死体の群れの中に加えた】
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/22(日) 23:23:54.72 ID:UfeKap010
>>268

【目が合う、真っ青な蒼穹の色と、ワインの深い赤色と、――合えば、女の子はにこりと笑って】
【だけれど、大丈夫だと言って笑うなら。それがどう見たって作り笑いに見えるなら、――急に、気に食わない顔】

むう……、おねーちゃん、きっとね、嘘吐きさんだってね、私は思うな!

【頬っぺたをむくーっと膨らませてそんなことを言う、両手に腰を当てて。拗ねるような顔、蒼穹色が】
【じとりっと伏せられて、相手よりも小さな位置からじっと見つめる。それで、緩く首をかしげて】

あのね、迷子じゃないよ! お母さんはね、おウチに居るの!
お父さんはね、居ないけどー――、私はね、お散歩してるのよ、なのっ。お空のお散歩な……の……、

……――おねーちゃーん?

【迷子じゃないというのは女の子的に誇るべきことらしい。胸を張ってみせると、宣言するのは母親の居場所】
【なんでも家に居るらしい。ということは一緒に出歩いているわけでなく、迷子というか、家出というか――だけど】
【散歩だというなら家出でもないらしい。言葉を証明するように彼女は2,3度翼を羽ばたかせると、暖かい風がふわりと揺れ】

【――どうして少女がそんな顔をしたり、そんなことをするのか、それが、彼女にはよく分からなくって】
【また首をかしげる、それで、じーっと考え……、やがて伸ばす手は、相手の服の裾を掴もうとしていて、】

お姉ちゃん、ここね、とっても寒いから、あっためてあげる!
だってね、寒いのって、かなしいでしょ? だからね、私が、暖かくしてあげるのよ、なの!

【もし視線をそっちにやったなら、ヒマワリみたいに笑う顔がそこにある。――彼女は、そう宣言すると】
【背中の翼が一度ざわめく。それで、はらり――と落剥していくのだ、羽根の1枚1枚がばらばらになって、舞い上がる】
【そうして宙に留まったたくさんの羽根は、やがてふわっと暖かな光を放ちだして――太陽の暖かさ、お日様の温度で以って】
【この場所を、或いは少女を暖めようとするのだが――強く制止でもされれば、この行為は、きっと行われないはずで】
【少女を心配しているのは分かるのだが。――決して悪気はない、だけど、どう見えるかとか、そういうのは――少女次第、で】】
271 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/22(日) 23:40:41.42 ID:YYrQ1faDO
>>269

──影魔術だなんて、珍しいもの使うのね


【女の、声がした。だが、その姿は未だ、見えなかった】
【──すぅ、と。死体の山の一画から、影が伸びる。自然現象などでは、決してない】
【伸びた影が、ゆらりと揺れた。揺れて、揺れて、波打って】
【やがて……影の中から、1人の女が姿を現す】
【艶やかな長い黒髪に、紅い瞳の、女だった】
【身に付けるのは、やけに胸のあいた夜会服──だがこんなところにいるのだ。高貴な身分というわけじゃ、ないだろう】


ふふ──ひどい怪我
けれど、元正義の地方検事様、ってわけじゃなさそうね……?


【囁くような笑い声をたて、女はからかうようにそう言った】
【──かつん。影から生まれ出た女は、ヒールの音を響かせて男に一歩だけ、近付いた】
272 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/22(日) 23:52:35.34 ID:Fv6o1j7Mo
>>271

【声のした方向に男は顔を向けた。首の火傷が捻れてひび割れ、微かに血を滲ませた】
【その不可思議な現象を男は黙ったまま興味深そうに見ていた。左目が開かないことを少し残念に思った】

 生憎と両面表なんて変わったコインは持っちゃいないし、世直しにも興味がない
 変わった魔術といえばお前もそう見えるが。それはなんだ?

【突然の訪問者にも男は落ち着き払っていた。大怪我をしていることは、慌てる理由にはならなかった】
273 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 00:05:23.31 ID:xGwyogKDO
>>272

【かつん。また、男に一歩だけ近付く】
【路地裏に、死体の山と怪我をした男。そんな物騒な光景を見ても、悲鳴ひとつあげない】
【まっとうな人間じゃ、ないのだろう。その立ち振舞いや格好──娼婦と呼ばれる類いの人種か】


これ……? ふふ、影魔術よミスタ・トゥーフェイス
オンナだって、今時ある程度護身の術を持たないと


【また一歩、近付く。男との距離は、もうそんなに離れちゃいなかった】
【かつん。男の正面に回る。醜い男だと、女はそっと笑った】
274 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/23(月) 00:05:39.66 ID:u6KIYVCwO

>>270

【拳を壁に打ちつける最中、嘘吐きという言葉が幼い少女の口から聞こえれば少女は不意に拳を打ちつける事を止め】

──うん、そうだよ? お姉ちゃんは嘘吐きさんなんだよ? 
【ぎちり、と硬い音が聞こえてきそうな作り笑いを幼い少女に向けて】
【実際、そうなのだと少女は思った。だって「もう正義の味方になんかなろうと思うもんか」と思っていたのにまたこうして人を助けようとしたりとか、見ず知らずの女の子に「お母さんは? 」だなんて余計な質問したりして】
【嗚呼、本当に馬鹿だなあ、自分の決意なんてすぐ揺らいで、などという自己嫌悪が無意識に表情を硬くする】

……そう、お散歩なんだね
迷子じゃないなら……別に良いんじゃないかな? 
【相変わらず硬い笑顔を幼い少女に向ける少女】
【ごめんね、余計な事言っちゃったよね? と出来るだけ明るい声で少女は謝罪する】
【そうしながらも、心の中では深く溜め息。嗚呼、また助けられたくない人に余計なお節介したんだな、と言動を悔いて】

【そんな時に掴まれる服の裾】
【暖めてあげると言われれば少女はどういう事だろうと首を軽く傾げ】
【しかし疑問に感じたのも束の間、向日葵の如き笑顔を向けられれば何だかいたたまれない気持ちになって】

や、めて──
【まるで油がきれた機械のようなぎくしゃくした動きで少女は首を横に振る】

や、止めてッ!! 
お姉ちゃん寒くないよ! ぜんぜん寒くなんかないから!!! 
【悲鳴に近い声で少女は女の子を制止しようとする】
【実際問題結構寒い、のだが少女はまた嘘を吐く】

【彼女が制止する本当の理由】
【それは「こんな小さな女の子でさえ人を助けようとする事が出来るのに何で私は誰かを助ける事が出来なくて空回りで迷惑がられて」という彼女自身のエゴによるもので】


275 :??? ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/23(月) 00:06:36.35 ID:YjxabqOVo
【聖都スラウロット】
【街を巻き込んだ戦いから一晩経った、あれだけ溜まっていた水もすっかり引いていて、その爪痕を痛々しく残すのみ】
【流された瓦礫や、水に溶けた土砂が街の街道を塞いでいて、人々は嘗ての生活を営んでいた場所すら奪われてしまっていた】

………

【この少年も、その一人。自分が住んでいた家の残骸を眺めてからの帰り道を、トボトボと一人歩いていた】
【外ハネの黒髪の上にキャップを深く被り、モノクロ迷彩のパーカーとジャージズボンは泥ですっかり汚れている】
【自分の住んでいた家からやっとのことで引き揚げた思い出の品を手に、前が見えているのかすら心配になる目でフラフラと歩く】

……なんで、俺だけが

【───避難所で知らされたのは、自分以外の家族の死】
【両親と、たった一人の妹が水死体で見つかって、その死体の顔を確かめたのが今日の昼頃の事。きっと一生忘れる事は無いだろう】

……誰だよ…誰がやった……

誰が何のためにこんな事したんだよ……!畜生…!!

【少年は、ただこの街で生きていた、ただ家族と生活していただけだった】
【そんな彼が、渦巻く陰謀や策略、戦いの事なんて知る筈も無い、ただ独り力無く、何も知らず、無力な怒りを叫ぶ事しか出来ない】
276 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/23(月) 00:11:00.95 ID:YCpWNBSAo
>>273

 ……影魔術、か

【男の瞳が値踏みするように女の身体の至る所へと動き回る】
【その正体が判明すると、男は鼻で笑った】

 珍しい魔術を使う人間が娼婦とはこれまた珍しい
 それで、俺に何の用だ? 単なる娼婦がこの状況で営業するとは思えん
 今はちょうど身嗜みが良くないところだからな、あまり女には見られたくないんだが……?

【そう言うと男は肩を竦めて見せた。見えないところにも火傷がある状態は、娼婦相手でもあまり見せたくなかった】
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/23(月) 00:20:57.96 ID:vtiGAR450
>>274

【彼女には姉と呼んで慕う人物が居た。そして、その昔に、そのヒトが居なくなってしまったことがあった】
【居なくなる前にふらりと家にやってきた彼女は、見たこともないような顔をしていて、どうしようもない顔ををしていて】
【それだのにさも平気なみたいに、いつも通りを演じるみたいに笑って、そして、それから何年も姿を見せなかった】

【ぱちくりと瞬いた瞳がじっと少女を見つめる、――少し似ている気がしたのだ。わらって、そのまま、居なくなった鈴の声に】

あのね、あのね、でもね、私はね、嘘吐きさんも、別にいいって思うの!
ちゃんとしたコト言わないといけないときもあるけど――だけどね、お姉ちゃん、本当に大丈夫?

あのね、私でよければね、お話聞くよなのっ。

【あのときは何も出来なかった。冬なのに薄着で、行く場所がないといって、でも大丈夫だって笑って、】
【家の中なのにがたがた震えて、手が震えて、それなのに大丈夫としか言わなくて、おかしな姿を見ても、何も出来なくて】
【――だから、なんて言ったら、怒られるかもしれないけれど。目の前の少女に、何かがしたいのだ、と、思った】
【にこにこ笑って自分の胸をぽんと叩く。ちょっとドヤめに笑って見せて、「だめー?」なんて、尋ねる様子は】
【何にも悪気なんてない。だけど、きっと、相性が悪い。幼くて、経験が浅くて、どうしたらいいのか分からないことが多くて】

【だけど、どんなヒトとでもお友達になれるって、無条件に信じていて。――だから、きっと、少女とも友達になりたくて】

――――あう、そう、なの? ……じゃあね、あのね、寒かったらね、言ってねっ、約束なの!

【だから。悲鳴のように上がる声、びくっと跳ねた肩はすぐに小さくなって、物音にびっくりした動物のよう】
【怒らせてしまっただろうかと怯えるように伺いながら、彼女は、辺りを暖めることをやめる。ただ、】
【落剥しだした翼ばかりはどうにもならないようで、ひらひらと地面に落としながら――それはやがて消えるけれど】

う、ううん……――。

【どうしたらいいのか、それを考え込む。どうにかしたかった、どうしたらいいのかは、分からないけれど】
【お友達になりたいし、お友達には笑って欲しい。小さな頭は、そんなことばっかり考えて――少しだけ、自分勝手で】
【そんなことを考えていたため、立ち去りもしない。ただ小さく唸って、時折、少女のことを見上げるのだった】
278 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 00:28:44.23 ID:xGwyogKDO
>>276

【背の高い、女だった】
【陽に当たってなさそうな白い肌。締めれば折れてしまいそうな喉元】
【器用にピアノでも弾けば、きっと見栄えはいいのだろう】
【そして多くの娼婦と同様、胸部は豊かだった。纏う黒衣が、胸元の曲線を目立たせていた】


あら──いけない?
影魔術はともかく……娼婦が、お客を誘うことに何の問題があって?

それに……ふふ、いいじゃない。娼婦に見られても、すぐに忘れるわ
身なりを整えたいなら……シャワーでも?


【本音を言えば、身なりなど整えてほしくなかった】
【醜い者がいる。その事実が、この女を束の間だが満足させていたのだから】
【けれど、そんなことなど目の前の男に言えるわけがなく──】
【どこか仕方なさそうに、女は誘いをかけるのであった】
279 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/23(月) 00:37:58.91 ID:YCpWNBSAo
>>278

【女の容姿に男は口元をにやけさせた。表情を動かすほど固まった皮膚が動いて痛みが走るが、気にしなかった】
【娼婦がどういった生き方をしているかはよく知っていたが、むしろその論理性を彼は気に入っていた】
【まぁそんな細かいことより、とにかくいい身体の女が相手では男は誰だってこうなる】

 ……妙な女だ。身体つきは好みだからそれはいいが
 いいだろう、買ってやる。だがお前が理由を話したら、だ
 俺を恐れる理由がないのかなんなのか。積極的理由なのか消極的理由なのか

【男は立ち上がった。見えない箇所にある火傷のせいで動きは緩慢だった】
【女が自分に声をかけた理由がなんなのか、男はどうしても気になった。気にすべき理由はないが、知的好奇心のせいだった】
280 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/23(月) 00:49:57.25 ID:u6KIYVCwO

>>277

……うん、大丈夫だよ、でも……おはなし? 
【幼い少女の口から出た言葉に少女はまた軽く首を傾げる】
【だがその言葉の意味を自分なりに理解するとその表情は今にも泣き出してしまいそうなそれになり】
【自分の半分、下手をすれば三分の一程しか生きていないだろう女の子が自分の事を心配している】
【経験なんかないだろうに「私でよければお話聞くよ」なんて言ってくれている】
【それでも、こんな小さな女の子に今の気持ちを打ち明けたって多分分からないだろうなという事だけは何となくだが分かっていて】

【だから、少女は泣き笑いの表情を浮かべる】
【そして、幼い少女の頭に綺麗な方の手をやって撫でてあげようとして】

……ごめんね、こんなちいちゃい君に余計な心配させちゃったね
────本当に、ごめん……

【ただただ、謝る】

281 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 00:56:17.86 ID:xGwyogKDO
>>279

【皹割れた表皮が動く様子を見て、女もまた笑った】
【売買が成立しかけていることよりも、男の容姿の方がよほど心を踊らせる】
【叶うなら、壊れかけの皮膚をちぐはぐに剥ぎ取ってやりたかった】
【首筋を掻きむしり、血液や滲出液でぐちゃぐちゃにしてやりたかった】
【──もっとも、それを赦してくれる男なんて、魔術師の娼婦より稀少な存在だろうが】


……なにが積極的理由で、なにが消極的理由にあたるかわからないけれど──
そうね、ふふ……醜かったから。ただ、それだけよ


【──ウソをつくことだって出来ただろうに、女は素直な言葉を紡いだ】
【それは気紛れでもなんでもなく、男が金を出す条件を満たすため】
【嘘をついてまで金欲と情欲を解消するほど、女は落ちぶれちゃいないつもりだった】

【男が彼女の言葉に満足すれば、女は彼の動きに合わせ歩くのだろう】
【向かう先は──言うまでもないが】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/23(月) 01:00:46.22 ID:vtiGAR450
>>280

【あのときの自分に出来たかもしれないこと、後で、いっぱい、いっぱい、考えてみた】
【それで、気付いたのだ。もしかしたら話を聞いてあげることなら、出来たかもしれない――なんて】
【――だけど、どうやらそれは違ったらしい。そもそも、想定している人間が全くの他人なので、そこから間違いでも】

そうなの、お話なの!
あ、でもね、あのね、違うことでもいいよ! 今日ってね、猫さんの日でしょ、猫さんのこととか――。

【何に苦しんでいるのかを教えてくれなくても、それでもよくって。話せば、楽しいお話をすれば、】
【それできっとある程度は元気になれると信じていた。だって自分はそれで元気になれるから、単純な考えだけど】
【ふと気付いたように携帯電話を取り出して確認するのは時刻、指し示している時間は、――「あ」なんて呟き】

……もう終わっちゃってたのなの、えっとね、えっとね、じゃあねー好きな食べ物とか!

【おはなし?と、聞き返してくれたこと。それで元気さは取り戻していた、こんなお話どう、これは、なんて、話題を並べ立て】
【だけど話題を並べていく間に少女の泣き出してしまいそうな顔に気付けば、彼女も、しゅーんとテンションが下がっていき】
【最終的には「兎さんの話とか……」なんて言葉を最後に、黙ってしまう。柔らかそうな唇をむぐうと噤んで、】

あのね、お友達になりたいって思うヒトのこと、心配するの、当たり前でしょ?
まだお友達じゃなくってもね、友達になったら心配するんだから、一緒なの――。

【撫でられれば、なんだか気に食わない気がするのだ。自分のやりたいこと、出来ていないって、思う】
【だけどそれはどこをどうしたらやりたいようになるかも分からず、起動してからまだ数年っきりの彼女には】
【自分が考えている本当のことを口に出すので精一杯で――ここに居たのがお姉ちゃんだったら良かったのに、なんて、】

【そうしたら、きっと、もっといいことが言えるんだわ――なんて思って、だけど、精一杯に真面目な目が見つめた】
283 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/23(月) 01:04:07.23 ID:YCpWNBSAo
>>281

【女の返事に男は少しばかり驚いた】

 お前のような女が、醜悪な容姿を気に入るとはな

【比較的、楽に動く左手で男は自分の顔の左側を撫でつけた。確かに今の顔はさぞ醜いだろう】
【火傷がなくとも自分の容姿は端麗な方ではなく、正直、平凡だと考えていた。そういった意味では今回は得をしたのだろう】

【男は簡単に納得して女の後をついていくこととした。疑問点が解消されれば他は気にならなかった】
284 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 01:29:35.23 ID:xGwyogKDO
>>283

【「変わり者とでも──?」 女はそう言って、またそっと笑った】
【元より変わった術を使う女だ。好みが奇妙でも、違和感はあるまい】
【それ以上の追求がなければ、女は宿泊施設へ向かうのだ】
【男が道中会話を求めてこなければ、女も沈黙を保ったままだろう】

【そして──近くの宿泊施設】
【空調はカビ臭かったが、慣れてしまえば気になるものではない】
【ベッドは軋むし、壁紙は端の方が剥がれかけている】
【けれど清潔なシーツやタオルは用意されており、風呂場も一応、掃除は行き届いている】
【安いとも、高いともいえない場所だった。相手が娼婦ということを考えると、当然か】

【部屋に入れば、女はまず男に対して入浴を促すだろう】
【男が望めば、共に入るだろうけれど】


……ところで、あなたは何故あんなことに?
それに──普通なら、あんな大怪我して生きていられないと思うけれど


【その会話はバスタブの中でか、それともベッドの中でか】
【女はなんとなく、男に訊ねてみた。ほんの少し湧いた、好奇心からだった】
285 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/23(月) 01:41:18.71 ID:2MgtNqy9O


>>282

【はじめは元気よく話題を提供してくれていた女の子。そのうちにその顔がしょんぼりとしていき】
【嗚呼、私そんなにつまらなそうな表情でもしてたのかな、と少女はまたいたたまれない気持ちになって】
【楽しい話、楽しい事、それは確かに自分の気持ちが紛れたし実際楽しい事をしてゴチャゴチャな今の気持ちを紛らわそうとはしてきた】
【それでも──幾ら甘い物を食べたって、幾らウィンドショッピングや繁華街の探索をやったって、結局無駄なものは無駄なんだとさっき知った】
【だから、仮にいたたまれない気持ちになってなくてもそのような話にはのれないわけなのだが】
【かといってこんな小さな子に「正義の味方になれなくて挫折している」「諦めたいけど諦めきれない」なんて話は重いよなと思ったりもして】

……お友達、か
…………真っ直ぐだね、君も
【ぽつりと少女が紡ぐ言葉は「君“は”」「君“も”」という言葉】
【女の子の言葉が自分が憧れていた人達の、助けてくれた人達の信条となんだか似ている気がして】

──私も、なりたかった
【泣きそうな声でまたぽつりと、ようやく自分の本音をもらす】
【それをどうとらえるかは幼い少女次第なのだが】


286 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/23(月) 01:45:13.39 ID:2MgtNqy9O
/>>285訂正
/「君“は”」「君“も”」という→「君“は”」ではなく「君“も”」という
287 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/23(月) 01:48:31.37 ID:YCpWNBSAo
>>284

【宿泊施設の一室に入ると男はすぐに外套をソファに放り投げて風呂場へと向かった】
【所要時間は十分少々、のつもりだったが思いのほかシャワーが傷口に沁みて十五分ばかりかかった】
【風呂場から出てきたとき、彼はバスローブを着ていた。膝の少し上までは隠れているが、それより下の肌もあちこちが黒くなっていた】

 聖都スラウロット戦で暴れてな。少しばかりヘマをやってこのザマだ
 普通なら生きていないような怪我で生きているのは、単に俺が普通じゃないからだ

【聖都スラウロット。元大司教と六罪王の襲撃に遭い冠水までした大事件。事も無げに男はそれに参戦したと答えた】
【当然、防衛側などではなかった。己の傷を治すために何人もの人間を犠牲にするような男が、街を守る理由などない】
【ベッドの端に男は腰掛ける。一挙手一投足に痛みが走るのか、動きは緩慢だし度々、顔を歪めていた】

 そうだ、名前を聞いておかねばな
 俺はアイン。お前は?
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/23(月) 01:54:36.62 ID:vtiGAR450
>>285

あのね、私ね、お日様って大好きなの!
だってね、暖かくって、明るくって、ポカポカで、ピカピカで、すごいでしょ?
だからね、私もね、そうなりたいなーってね、思ったの。だからね、そうなるの!

私ね、みんなのお日様みたいになりたいな! いろんなヒトとお友達になってね、
もちろんお姉ちゃんともお友達になるの! ね、ね、ダメ? 私とね、お友達には、ならない?

【――その言葉は、多分、少しだけ急だった。真っ直ぐだといわれて、彼女はにこりと笑い】
【教えてあげるのは自分の夢だ。いろんなヒトのお日様みたいになりたい。いろんなヒトのお日様になって、】
【みんなと友達になる。ちょっと突飛した感じはあるけれど、本音なのだ。だから、もちろん】
【目の前の少女とも友達になりたくて――改めて宣言するのだ、それで、だめかなあ、なんて尋ねて】

なれるよ、あのね、私ね、私だってね、……う、うーん。
ええっとね、お姉ちゃんには教えてあげる! 秘密だよ、内緒だよ、――あのね、私ね、“セーブツヘーキ”なの。

でもね、だけどね、私の夢はね、お日様みたいになることなの!
だからね、そんなことしないし、だけど夢は叶えるの! お姉ちゃんもね、夢、あるでしょ?

だったらね、しちゃいけない夢なんてね、きっと、ないの! それにね、諦めたら夢って叶わないんだってご本に書いてあったわ!

【内緒だよと何度も念押しする。それから教えるのは、自分のこと――生物兵器なんです、なんて、いきなりだ】
【だけどそんな使命どうだって良くてただ夢を叶えたいのだとも教える。本当なら真逆のこと、やりたがっている】
【生物兵器の自分だけど夢は叶えると夜空に宣言して、だからお姉ちゃんも夢叶えよう、なんて、あまりにも簡単に言う】

あのね、私ね、ファラエナって言うのなの。お姉ちゃんのお名前、なんですかってね、知りたいな!

【青空色の瞳がきらきらしていた。びっくりするくらい前向きで、ただ、いろんなことは知らなくて、】
【なんだかんだいろいろ言ったけれど、結局、少女が何に悩んでいるのかも知らない。本当に、いろんなことを知らなくて】
289 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 02:22:43.80 ID:xGwyogKDO
>>287

【男が風呂場から出てくれば、女が入れ替わりにシャワーを浴びに行った】
【汗を流すだけだったのか、さほど時間はかからない。10分かそこらすれば、水音は止まる】

【──浴室から出てきた女は、男と同じくバス・ローブをきていた】
【白の衣装のせいか、湯で火照りわずかに差した肌の赤みが目立つ】
【胸元は先程より隠れていたし、バス・ローブのせいでサイズも抑えて見えるかもしれないが──】
【その代わり、ほっそりとした脚が、あらわになっていた】
【傷どころか、肌荒れすらしていない脚。太ももからかかとまで、触れれば弾力となめらかさを味わえるか】
【足の指先は爪までが丁寧に手入れされており──ほんのり、湯と石鹸の香りが残っていた】

【男がベッドに腰かけているのを見て、女は男の足元でそっと膝をつく】
【見る者がいれば、それは仮初めの主人にかしずいているようにも見えただろうか】
【そして、彼が拒まなければ──女は膝下の傷口に、口付けを施しはじめる】


……スラウロット。あら、つい昨日のことね
それにしても──やりすぎだわ、これは
死なない身体か何かにしても……ふふ、ひどいこと

私はロゼッタよ。ロゼッタ・ルゥ


【スラウロットを襲撃した1人。そう、示唆されても女は怯えなかった】
【多少、驚きはしたが──それくらい。そもそも、客には人殺しなんていくらでもいた】

【ふふと女は笑い、指先を彼の膝から上で踊らせる這わせようとする】
【けれどまだ、深くまではいかず──指が傷を見つければ、その周囲をそっとなぞることを繰り返す】
290 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/23(月) 02:33:31.01 ID:YCpWNBSAo
>>289

【浴室からできた女──ロゼッタをアインは目で追った。艶かしい脚線美が露わとなった格好を見れば自然と口角が上がる】
【傷口に唇をつけられればくすぐったさに小さな笑いが漏れだした。傅かれて悪い気はしないので、そのままにさせておいた】

 嬉しそうだな、お前は

【傷を見つけては笑みを浮かべながらなぞるロゼッタは、アインにも少し奇怪に映った。だが綺麗な女が笑っているのは気分が良い】
【膝から更に上、ローブで隠された太ももは全体的に火傷が広がっていた。特に一度は千切れかけた左の太ももは未だに酷かった】
【傷の深さから触れられればアインは眉を歪めるが、それでも彼はロゼッタを止めなかった。それぐらいこの光景は官能的だった】

 一体、醜いものの何がそんなに良いのだ。優越感か?
 それが男の火傷でも良いなどとは、お前は本当に変わり者だな

【理解できない、といった口調で言いながらもアインは明らかに上機嫌だった】
291 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/23(月) 02:46:21.69 ID:BfQD4n/WO

>>288

【突然にこりと笑い、お日様が好きなのと話す女の子に少女は一瞬頭にハテナを浮かべ、へ? なんて気の抜けた声を発する】
【しかし、その後に続く「皆の太陽の様な人になりたい」という発言にそういう事かと納得】
【そこから続く「お友達になろう」という発言。先程の太陽になるという言葉といまいち繋がらなかったのか、「別に良いけど……んー? 」などと少女はまた首を傾げる】

【しかし、その後に更に続いたのは目の前の子が実は生物兵器なんだ、という発言。少女はその言葉に思わず固まり】

……え、あの……機械? 全身? 違うよね? 機械じゃないよね? 
【あまりにも驚いたためか突然念を押し出すのは全身が機械なのかそうじゃないのかという全く的外れな事】
【……まあ、色々と事情でもあるのだろう】

【しかし、しちゃいけない夢なんかない、と言われれば少女はまた悲しげに「無理だよ……」と呟く】

……お姉ちゃんだってね、本当は正義の味方になりたかった
誰かに助けられるだけじゃなくてね、誰かを助ける人になってみたかった
憧れた人達だっていたんだ
……でもね、駄目なんだ
人を助けようとしたら別の人にやられちゃうし、困ってるだろうなと思って助けてみたら余計なお世話だったし……憧れの人がいる組織を馬鹿にするような人が他人を助けられるのに私は出来ないし
……私に本当に力があったら助けられる筈だろうって、言われちゃうしさ
【少女は自嘲気味に呟くと深く溜め息を吐く】

……ファラエナちゃん、ね
私はサフィア。サフィア・エレファリスっていうの
【少女は名乗ると、また俯いて】

……どうしようもない事言ってごめんね、君には関係ない話なのに
【なんて言って】


292 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 02:52:27.90 ID:xGwyogKDO
>>290

【左の太ももに、指先が触れる。がさついた皮膚と、裂かれかけた傷の感触】
【それを感じると、やはり女はそこで指を踊らせた】
【触れるか触れないかのぎりぎりでなぞったかと思えば、指の腹で軽く押す】
【爪で抉ることまではしなかったが──痛みを感じない程度に、瘡蓋を掻く】

【左脚では執拗なまでに傷を弄るも、右側に潜り込ませた指は、すぐに足の付け根あたりへ向かうのだ】
【──けれど今は、まだそこまで。男女の会話を楽しむように、女は右足の付け根を右手で撫でようとしていた】


……優越感。そうね、そうかも知れないわ
醜ければ醜いほど好き──男よりも、女の方が好ましいけれど

ふふ……残念だわ。あなたの傷は、すぐにでも治ってしまいそうだから


【指先が脚の上部を這う。それにあわせ、女の口付けも上へ上へと移動する】
【ふくらはぎから膝へ、膝から、太ももへ】
【邪魔なローブの端は、頬で押し退けようとする】
【その後足の傷が完全にあらわになれば──】
【太ももの、目を背けたくなるようなその傷口に……ゆっくりと、舌を這わせようとするのだ】
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/23(月) 03:02:24.32 ID:vtiGAR450
>>291

んーっとね、あのね、わかんない!
機械かもしれないけれどね、ゴハン食べるし、お風呂も入るよ!

【――だそうだ。自分の身体が機械なのかどうかは本人には分からず、ただ、分からないので】
【どうかなーなんていいながら手を差し伸べてみるのだ。触って確かめてみたら、なんて、意味合いだろう】
【それで彼女の思ったとおりに触ってみたなら、そこには、人間らしい――普通の柔らかさと、暖かさがあり】
【なんなら脈の打つ感じすらも伝わるのだから、この子の嘘のように思える。何もかもが、まるで人間と変わらず、ただ】

でもね、あのね、私ね、えっとー……お母さんに会ってから、ずっとね!
身長もね、伸びないし、靴も大きくならないの!

【成長がそこにはない。見せてくれる足はころっと子供のサイズ、「ずっと」と言う割には5年程度の時間だけど】
【それでも数年だって何も変わらないのは確かに人間じゃない。悲しいことなのに、だけど、彼女はにこにことして】

だったらね、お姉ちゃんのね、憧れー!のヒトにね、聞いてみたら、いいのっ。
どうしたらいいのーって聞いたらね、教えてくれるってね、私は思うな!

私はね、あのね、セーギノミカタってよく分からないけど……、

みんなとお友達になりたい!って思ってね、でもね、お友達になれないヒトも居るかもって思ったときにね――、
ちょっとしょんぼりしたときにね、リーベお姉ちゃんってヒトとね、お話してね、また頑張ろって思ったの!

悪いヒトとだってお友達になる方法! できれば戦わないでお友達になる方法、一緒に考えてくれてね。
それでね、いろんなヒトに聞いてみたら分かるかもってね、教えてくれたの! だから、私、きっと見つかると思うの!
いつかね、悪いヒトとだって、良いヒトとだって、お友達になってみせるんだから!

【きっと、それは、挫折と言うにはちっぽけで。だけど、彼女にとっては、結構大きな段差だった】
【絵本の中みたいに誰とでも仲良くなれないかもしれないって思ったときに、彼女は、少しだけ、混乱して】
【だけど、それを、勇気付けてくれたヒト。――幼子はそのヒトが眼前の少女の憧れであるのも、知らないけれど】

だからね、――サフィアお姉ちゃんもね、誰かに聞いてみたり、憧れのヒトに聞いてみたり、いいって思うの!
どこに居るのか分からなかったら、私も一緒に探してあげるよ!

【誰か他のヒト、たくさんのヒトに聞いてみなさい、と、あの夜色の少女は笑ったから】
【だからたくさんのヒトに会って、聞いてみようと思った。――聞いたりするのは恥ずかしくないって、教えてもらったから】
【サフィアお姉ちゃんもそうしてみたら、なんて、彼女は笑って――、「どう?」なんて、尋ねた】
294 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/23(月) 03:10:43.61 ID:YCpWNBSAo
>>292

【愛撫にも似た指の動き。それが断続的に小さな痛みを男に与え続けていた】
【しかし脚を動かすことは躊躇われた。無粋なことのように、アインには思えたのだ】

 いや、中々治らないので疎ましく思っていたところだ……それも、お前のような女を引きつけるのであれば意味があるな
 弄るのは構わんが、あまり酷くしてくれるなよ。傷口が開けば、また一人追加しなくてはならんからな

【この傷をこの程度まで癒すのに何人費やしたか。そんなことは当然、魔術師は覚えてなどいなかった。他人など消耗品に過ぎなかった】
【ロゼッタが口付けをしていない側の膝に肘を乗せて頬杖を突きながら、アインはその官能的な動きを眺めていた】
【傷口に舌が這ったところで、彼に感覚はなかった。硬化した皮膚の感触は鈍くなっていた。それでもその光景だけで彼は笑みを浮かべた】

 そういえば、お前は何故あんな魔術を覚えていたんだ。自衛のためなら他に方法が色々あるだろう
 まぁ確かにこいつは見た目はいいが……

【アインの右の手のひらが上を向き、指が手招きするように折りたたまれる。ベッドの影の中心が宙に伸びていき、黒い触手状に固まった】
【何本も伸びた黒い触手がが音もなくロゼッタへと忍び寄り、ロゼッタのローブから覗く脚に絡みつき、表面を這おうとする】

//なんか いいところですが ねむいです ^q^
//凍結をお願いしやす。明日は昼ぐらいに居るとは思いますです
//すいません、おやすみなさい!
295 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 03:14:52.26 ID:xGwyogKDO
>>294
/了解でっす!
/もし明日、夜まで長引くようであれば、別のロールもあるため置きレス気味になるとは思います
/では、おやすみなさい!
296 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/23(月) 03:52:07.20 ID:/fc8WQV7O

>>293

わ、分からないの? 
でもご飯とか食べられるなら多分違うんだろうね
【そう言いながら差し出された手にそっと触れ、人らしい柔らかさと温度を確認する】
【そうしながら、まあこんなに笑ったり出来るんだもの、違うよねと以前会った白い少女の事を思い起こし】
【そして「あーもう何もう」なんて呟きながら勢いよく頭を横に振る】
【その後、彼女に成長がないのだと聞けば「ずっとかあ……私だったらちょっとなあ……あ、でも経済的には……うーん」などと考えてみて】

憧れの人に聞く……か……
うーん、迷惑じゃないかな? 
「そんな事自分で考えろ」なんて突き放されたりされそうだけど……人によっては
【ファラエナの提案に彼女は難色を示す。そもそも、彼女の憧れる人々というのが大体『助けてくれたり導いてくれた人達』なので人によっては本当にそうなるかもしれなくて】

【そしてそのままファラエナの小さな挫折の話を聞き思わず「……リッ!? 」なんて素っ頓狂な声をあげる】
【だって、憧れの人の一人はファラエナが会ったその人で】
【……まあ、他の憧れの人の一人はファラエナの『お姉ちゃん』なのだがこれはどちらも知る由がないだろう】

誰かに……か……
本当に迷惑がられないかな? 
ちゃんと答えてもらえるのかな……? 
そんなの知った事かって、言われないかな? 
【自信なさげに少女は呟く】


/すみません、そろそろ眠気が酷いので凍結か置きに移行したく……

297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/23(月) 03:53:55.85 ID:vtiGAR450
>>296
/了解ですー、こちらは用事も特にないですので
/そちらが都合いいほう選んでいただけたら、と思いますっ
/今夜中にレスは返しておきますので、ひとまずおつかれさまでしたー
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/23(月) 04:22:20.00 ID:vtiGAR450
>>296

【それにしても、作った人間って趣味が悪いのかもしれない。こんなにあどけない姿で、生物兵器だなんて】
【人間に溶け込むことを前提にしているし、実際、こうして溶け込んでいる。言われなければ気付かないだろうし――】
【強いて人間との差異を探そうとすれば、幼い見た目の割りに魔力が多いことが目立つが、所詮その程度でしかない】

お姉ちゃんの“あこがれ”のヒトって、サフィアお姉ちゃんに、そんなコト言うヒトなの?
あのね、私はね! そんなの言わないってね、思うな!

【憧れているのに信じられないのだろうか、なんて、ふと思った。自分なら、絶対に信じてしまうから】
【というか大体のヒトのことは信じている。そういうのを、頭がお花畑、とか言うのかもしれないけれど――】
【あんまりにも自信満々に言うものだから、そういう気すらしてきそうだ。にま、と、ひときわ大きく笑い】

私ならね、教えてあげるな! それでね、分からなかったらね、一緒に考えるの!

【そうやって宣言する。自分ならそうするって、だから、きっと、憧れたヒトもそうするよって、何の根拠もないけれど】
【みんなの太陽になりたいなんて夢を掲げるくらいには前向きで、明るくて、そして、きっと、夜の冥さをよく知らない】
【或いは無謀とか無鉄砲って言葉になるのかもしれないけれど、――まあ、とりあえずは、】

私ね、サフィアお姉ちゃんの夢、ステキだって思うな!
だってね、私、テレビで見たよ! 昨日ね、街がね、びしょぬれなの!
でもね、あのね、悪いヒトと戦うんだよー。カッコいいでしょっ?

……あ、でもでも、あのね、戦ったりしなくてもね、凄いんだよ!
私のお姉ちゃんね、お金がないヒトのためにゴハン作ってるの! 

【思ったことをとりあえず全部言ってみるのだった。正義の味方ってカッコいいって、すごいって、すごい夢だって】
【お金のないヒトのために食事を作る――というのはどこかで聞いたことがある気もするが、まあ、本人は言わなかったこと】
【テレビとかチラシで知っているかもしれないが、知っていれば繋がるかもしれないが、――まあ、些細なことで】
【「サフィアお姉ちゃんも、ああなるんだよねー」なんて、もう決定事項みたいに言っていて――】

299 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 14:27:09.82 ID:xGwyogKDO
>>294

【ざらざらと、瘡蓋の上を舌が這う。うっすらと唾液が糸を引き、そっと乾いていく】
【時折、思い出したかのように彼女は傷に口付けた。啄み、吸うような口付けだった】
【指先は傷を弄るのをやめ、柔肌の方で遊びはじめていた】
【ゆるゆると、今度は傷を避けるように細指が踊る】
【肝心の場所には触れぬまま──まだ、両の指がぎりぎりのところで遊んでいた】


あら……今さら1人追加したところで……ああ、面倒なのね、ふふ
罪な人──でもそう言われると、意地悪したくなるわ


【少しばかり、冗談を言ってみた。そう、冗談】
【サディスティックな遊戯を受けたがる相手には、あまり見えなかった】
【だが、たちの悪いジョークだった】
【ただの遊戯のためだけに、人の命を使い潰してもいいと言っているのだから】
【男の趣向にあわせたか、それとも、本心からか──彼女は娼婦だ。どちらだって、やってのける】


【ゆるりと、影の蛇が女の白い脚に纏わりつく】
【絹のようになめらかな肌は、邪な影を拒むことなく受け入れる】
【湯を浴びてから少し経っていたせいか、女の脚は冷えていた】
【神の楽園にいた蛇も──このようにして女に誘いをかけたのだろうか】


……っ、あ──ふ、ふ……相性が、よかった、の
んっ……誰にだって、あるでしょう──?
それに……ふ、……ぁ──は……陰に、生きている、もの……っ、ん──


【男の影のせいか。女の声が、少しずつ甘くなっていく】
【陰に生きていると、女は言った。娼婦なんて、確かに社会の嫌われもので、汚れ役だった】
【だからこそ、影魔術を選んだのだと女は言う。相性がよかったのは、ただの偶然と幸運だ】
【どちらが主な理由かは、わからない。相性がよかったからなのか、それとも日陰者だからなのか】
【けれど──今はそんなこと、どうだっていいのだろう。そう、どうだって】

/お返ししておきます!
300 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/23(月) 15:03:31.43 ID:ujCDXo2Ko
>>299

【指先が傷から離れていく。僅かな痛みが与えられる緊張から解き放たれて、男は小さな吐息をもらした】
【未だに口付けを続ける女を見て、男の脳裏には小さな悪戯が浮かんだ。先ほどまで無粋と思っていたことを、あえてする気になった】
【まるで痛みから逃れるかのように、彼女の口元から脚を離す。唇を近づけようとすれば、わざとらしく微かに逃げるのである】

 お前も悪い女だが、娼婦だしな……その答えは気に入った
 だが俺もそこまでマゾヒストじゃない。あまり調子に乗るようなら、お預けだ

【ロゼッタの冗談がアインの気分を更に良くした。娼婦の仕事としては十分過ぎるだろう】
【するりするりと少しずつ影の蛇は女の脚に巻きつきながら上っていく。まずは足首から、ふくらはぎ、膝へと】
【蛇の身体は柔らかで弾力があり、僅かにぬめり気を帯びていた。巻きついた脚を痛みを微かに感じる程度に締めつけていく】
【膝に到達すれば焦らすように触手が這うのを止めて、先端の腹で膝の少し上を撫で回す。微かに丸みを帯びた蛇の頭が女の肌をつつく】

 ふふ、それで、魔術を手にしたというのに使い道は自衛だけか?

【男の指先が宙で踊る。新たに影の触手が生まれ出て、静かに女の腹元へと伸びていく。ローブの上から触手が腹部に巻きつこうとする】

//今日もオナシャス!
301 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 15:41:36.95 ID:xGwyogKDO
>>300

【ゆるりと、求めるものが逃げていく。また、追う。逃げられる】
【暫しそれを繰り返し、焦れったさから女は笑った】
【されるがままの相手というのは、楽ではあったが退屈なのだ】
【彼のささやかな悪戯は、傷と共に女の心を充たしていく】
【多少は何かしてくれた方が、彼女だって愉快なのだ。誰だって、仕事はやりがいを求めるものだ】


あら……っ、……ん、ふ──ご機嫌を、損ねてしまった、かしら……?


【拗ねたような甘い声で、女は言った。あてつけのように、届かなくなった愛しいモノに息を吹き掛ける】
【けれど、本当にやめて欲しいわけでもなかった。まだ触れていたいのは事実だったが、現状に不満を持っているわけでもない】

【時折漏れ出しそうになる声を抑え、ふふ、と女は笑った】
【こちらも意地悪のつもりか、決して局部に触れることはしない】
【指先から、僅かな暖かさを肌越しに伝える。脚の根元に置かれた指は、時折忘れてたようにつぅと動いた】


……ぁ──ふ、……意地悪な人
そういうことを女に、……っん、……言わせ、たい、の……?


【通常では得られない感触からか、女の吐息が湿り気を帯び始める】
【冷めきっていた肌はまた赤みを持ち始め、熱を抱きつつあった】
【影に締め付けられれば、くっと喉が微かに動き、悲鳴にもならない息が漏れた】
【身を焦がされるような僅かな痛みと、それと相反するかねような蛇の表皮】
【痛みと心地好さが同時に与えられ──男の意地の悪さに、また女は笑った】

【男の言葉に答えなかったということは……つまりはそういうことだろう】
【きっと女も、時として夜に魔術を使うことだってある。世の魔術師の重鎮が聞けば、嘆くに違いない】

【そして新たな感触が腹部に伝わると、女は明確に声を漏らす】
【少しずつ──彼女は余裕をなくしつつあった】
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2015/02/23(月) 15:51:16.97 ID:KYfAgEhi0
アインは愚痴スレラジオ参加の荒らし
絡む奴も同罪
303 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 16:06:41.39 ID:xGwyogKDO
>>301
/ごめんなさい、次遅れます
304 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/23(月) 16:12:27.78 ID:ujCDXo2Ko
>>301

【女の唇から逃げ続ける。逃げられなくなれば上や下にずらして避け続ける。ときにはそれを受け入れる】
【狭い空間の中で男は器用に脚を動かし続けた。小さな動きで女の心を揺らし続けた】
【しかし忘れた頃に動く指先で男の集中が途切れる。僅かに身体を震わせている間に、女の吐息が傷口に吹きかけられた】
【そこであえて男は脚を女の口元へと寄せた。逃げ続けた求めるものを、自ら飛び込ませたのだ】

 さて、どういう意味にとったのやら……力を持てば振るいたくなるだろう?
 そういった意味だったのだがな……ふふ

【わざとらしく、アインは意地の悪い笑みを浮かべた】
【膝の周囲で蠢いていた触手が二本とも、両側の太ももに巻きついていく。脚よりも多く何重にも】
【柔らかなその感触を楽しむかのように太ももの締めつけが強くなり、また弱まる。強く締めつけ、緩める。その動きを繰り返す】
【蛇の頭はローブを押しのけて脚の付け根に達していた。しかしまだそれだけだ。触手の先端が付け根をくすぐり始める】

【腹部に一周巻きついた触手がローブの隙間に顔を埋める。中に侵入すると腹部に直接巻きつき、表面を這いながら上へと進んでいく】

 いやしかし、気に入ったぞ、お前

【そう言って男は右手を女の頬へと伸ばす。指先がまだ黒く焼け焦げていた】
【頬に触れる直前で動きが逸れて、口元にその指を差し出した】

>>303
//了解です!
305 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/23(月) 17:25:01.99 ID:ivwCA0/MO
【防波堤、バス停。夏でもないのに、やけに夏を感じる風景。】
【ベンチに座るのは、黒いハットとインバネス、白い革の手袋を填めた青年である。】

──はァ…。

【一つため息をついた。随分と傷心の様子だ。】
【先の事件で戦闘に駆り出され、他者と協力してなんとか勝利を納めたはずなのに。】
【──言いようもない、不安。】
【現在行っているのは、傷心旅行といったところか。】

──(あれからこいつはどんなにイメージしてもあのおっきな鳥にはならねェ。
いやなったとしてもだ──俺にはあんなつえーやつに、勝てる自信がない…。)

あーいう見るからに強そうなやつ、自分の手だけで倒してェよ…。でも、俺にそんな力ないって痛感した。
──自分一人だけでも、立ち向かえるかな?…立ち向かえたらいいよな。でも、心おれたかもしんね…。

【──傍らに嘴を携える。鼓動はあるが、どんなにイメージしても前日の翼竜にはならない。】
【また一つ、ため息をおとした。】
306 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 17:32:11.35 ID:xGwyogKDO
>>304

【僅かな動きだけで、女は翻弄され続けた。残念そうな表情を浮かべ、時折蛇により奏でられる声が漏れ聞こえる】
【先ほどまでは男を弄んでいた女が、今度は逆の立場になっていた】
【女はそれに、気付いているのか。或いは、それすら気付かぬまま、眼前のことに夢中なのかもしれない】
【──不意に、届く距離に望んだモノが来た。僅かな、迷い。また、逃げないだろうかと、そう考える表情】
【けれど、耐えることなど出来ない。自らを抑えるようにゆっくりと、また女は男の傷に吸い付こうとした】


……っう──く、ふっ……ふ、ふ……嘘つき
でも……ん……嫌いじゃ、ない、わ──


【ぎちりと大腿を締め付けられ、女は時折苦痛で顔を歪める】
【苦痛と、苦痛が緩められることによる相対的な快楽──じとりと、身体に汗が滲む】
【柔肌の至る場所に、蛇が蠢いて……堪らず女は身を捩る。だが嫌がっているわけでないのは、表情からすぐに判った】
【汗ばみ始めた体表に、湿り気のある蛇──今は、互いを煽る香料にしかならないだろうか】

【焦れったさから、何度か身体を震わせる。衣擦れや頬に触れる大気の揺れですら、女には心地よかった】
【醜い指が口元に差し出されれば──脚の傷を捨て置き、指を咥えようとする】
【舌先でそっと舐めとり、唇で触れ、挟み、甘噛みをする。そんな女の表情は、酷く、愉しそうだ】


ん……ふ──ふ、ふ……あら、それは……っん……光栄、ね
なら──もっと気に入られないと、いけない、かし、ら……?


【ふ、ふ、と女は笑い、そっと身体を動かした】
【そして片手を彼の脚から離し、そっと胸元を押してベッドに倒れさせようとするだろう】
【……そこまですれば、後はこれまで以上に甘美な時間が始まる】
【終わってしまえば──互いに話すことがなければ、金銭のやり取りをした後あっさりとした別れになるはずだ】

/ただいま戻りました!
307 :??? ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/23(月) 17:56:35.87 ID:YjxabqOVo
>>305
……なあ、アンタ

【防波堤いに押し寄せる漣の音が幾つか繰り返した時、ベンチに座る男にふと声がかかる】
【声のした方向を見ると一人の少年が立っていた、手荷物も持たず、パーカーにジャージズボン、外ハネの黒髪の上にキャップを被った姿だ】
【格好のどれもが薄汚れていて、唯一キャップに取り付けられた缶バッチだけがキラキラと輝いている】

この地図の丸印のところに行きたいんだけど……道とかわかるかな?

【物静かというか、暗いというか、影のさした表情と声色で、折り畳まれた地図を差し出してみせる】
【この辺りの事が描かれた地図に、赤く小さな丸がかかれていた、この辺りの地理に詳しければ案内も難しくない場所だが…】
308 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/23(月) 18:00:46.67 ID:ujCDXo2Ko
>>306

【女に押されて男は簡単にベッドに倒れこんだ。役目を終えた影の蛇たちも主人たちの邪魔をしないように、魔力に戻っていった】
【全てが終わればあとはあっさりとしたもの。大した会話もなしにアインは衣服を着なおして外套を纏う】
【仕事には満たされた度合い程度の金額が支払われた。気に入ったという言葉通り、通常の額より大幅に多いだろう】
【金に殆ど関心のない男だったが、それ以上にロゼッタに対しては金を払う気にアインはなったのだ】

【簡単な別れの言葉を言い残して、先にアインは部屋を立ち去った。廊下を歩き階段へと向かう。その途中、何かに気づいて立ち止まる】
【来た道を戻り自分たちのいた部屋を通り過ぎる。次に立ち止まったのは別の部屋の前。左手を扉につける。口元には邪悪な笑み】
【長方形の扉が真っ黒に変色。その全てが極太の触手と化して部屋の中へ流れ込む。奥からは男のくぐもった声と、女の叫び声】

【改めてアインは階段へと歩き始めた。道中の扉が次々と人間を吸い殺す触手に変化して部屋の内部で虐殺を繰り広げる】
【アインの皮膚が表面で泡立った。火傷で黒く焦げていた傷跡が蒸気をあげながら、侵食されるように新しい皮膚へと置換されていく】

 いや、客が多くて助かった。今日は中々いい日だな
 たまには大怪我も長引かせてみるものだ……

【廊下に響き渡るのは男女の絶叫が入り混じった地獄の合唱。アインの背後に残った扉は自分たちのいた部屋のものだけとなっていた】
【最後にアインの顔の左側が修復されていく。皮膚の境界線が上から、下から、徐々に広がっていく】

 さて、しばらくはジジイも大人しくしてるだろう。ドラクレア島の招待ももう少し後になりそうだ
 マシラばかりに足場固めをさせているのもなんだな。俺も少しはそのあたりが出来るということをあいつにアピールしておくか

【蒸気が治まり、アインの顔が完全に元に戻る。ゆっくりと瞼が開き黒い瞳が露わとなった。明順応を起こして瞳孔が細く縮まる】
【アインは階段降りていった。彼のいたフロアには、完全な静寂が訪れていた】

//お疲れ様でしたー!
309 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/23(月) 18:03:10.44 ID:ivwCA0/MO
>>307

ん 。

【振り返って少年を見る。生きてく内に何度かある、なんてことはない道聞きだ。】
【知らなければすみません、で済む話な訳だが、袖にある自警団の紋章にはそれなりに責任がある。】
【言うなれば、「困っている人を助けなさい。」だ 。】

──ちょっと待っててね 。

【彼は現在傷心旅行中。行き先であるホテルを記した地図を開き、少年のと照らし合わせる。】
【──どうやら、ホテルへの方向と同じようだ。】

二人でいけば確実ですし、一緒に行きましょうか

【立ち上がっては、少年にそう提案した。】
310 :??? ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/23(月) 18:12:02.91 ID:YjxabqOVo
>>309
……いいのか?……悪いな

【男の快い提案に少し悪いと感じたようだが、どうやら道はわかるみたいだし、聞くだけよりも確実なので甘える事にした】
【立ち上がった男の身なりを見て、袖の紋章を見ると、目を伏せる】

……アンタ、自警団か……

……この間の事件、知ってるか?…スラウロットの事だ……

【伏せた目を上げて、ジロリと擬音がしそうな、そんな目付きで男の目を見詰めて問う】
【相手が自警団だと知った上で、自警団だと知ったからこそ、問い掛けている】
311 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/23(月) 18:17:40.74 ID:ivwCA0/MO
>>310

──…。     知ってるよ 、あれは酷い事件だったな…。

【少年の視線が、まるで突き刺されたかのように感じる。】
【──結果からして、あまりにも巨大な襲撃故に、救う間もなく蹂躙されたかの事件。】
【救うべき責務を果たす、それが叶わず敵の大将を退けることしかできなかった。】

【まるでその責任を問われているように感じる。とはいえ、言い訳など出来ない。】
【あまりにも他人事のような、言葉を発した。】
312 :??? ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/23(月) 18:29:10.10 ID:YjxabqOVo
>>311
……俺さ、スラウロットに家があったんだ…

【まるで遠い思い出の事を語るような、『あった』という過去形の言い方、そういった言葉が示すのはつまり…】

…全部無くなった…俺の物も、家も、家族も───みんな……

なあ…?アンタ、自警団だろ?あの時アンタ、何やってた?
人を助けてたのか?それとも……

【聴かれていないのにも関わらず、譫言のように語るその声は、後悔の念と向けようの無い静かな怒りに充ち満ちている】
【だが内容は単なる疑問、自警団があの時、何処で何をしていたのかが気になるという、ただの疑問だ】
313 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 18:36:19.56 ID:xGwyogKDO
>>308

【事が終わり、金銭が払われる。金額の多さに、女は驚いた】
【だが、拒むことなどしない。その金額が自分の価値ということを考えれば、悪い気はしなかった】

【男がその場を去っても、しばらく女は部屋にいた】
【再度シャワーを浴び、服を着て、備え付けのコーヒーを飲んだ】
【そんなときに──僅かにドアの隙間から、悲鳴のようなものが聞こえてくる】

【ふふ、と女は笑った。まさか男がこんな場所で、路地裏の続きをするとは思ってなかったのだ】
【──今ここで廊下に出るのも、無粋というものだろう】
【別れた男女がすぐに顔を合わせるなんてみっともないことを、女はしたくなかった】
【もう少しだけ、コーヒーを飲んでいよう。全てが終わり、彼が出ていくまで】


……ひどいものね。ふふ──ホテルのオーナーも可哀想
人喰いホテルだなんて噂が、立たないといいけれど……


【時折聞こえてくる悲鳴をBGM代わりに、女は映画の感想をいうかのように呟いた】
【けれど返ってくるのはまた違う叫びのみ。女はそれすら愉しそうに、聞いていた】

【──そして、フロアに静寂が訪れれば女は一息ついて廊下に出る】
【静かな空間は、嫌いではなかった。自然と口元が、笑みの形に歪む】
【かつ、こつとヒールの音を立て、優雅に女はホテルを出る】
【夜の空に、月が出ていた。大嫌いな、明るい月】
【女は日が暮れれば、空を見ないようにしていた。見上げてしまえば、そこに月があるかもしれないから】

【──かつ、こつ。ヒールの音を立て、路地裏に入る。途中で、華奢な少女とすれ違う】
【ざわ、とロゼッタの影が揺れた。少女の顔面の皮膚が、半分裂けた】
【少女が絶叫する。影の爪が、少女の口元を耳元まで大きく切り裂き、絶叫がただの唾液と血糊の泡となる】
【怯えた様子の、少女。逃げようとして、女に背を向ける】
【少女の服が、裂けた。背中が、腹部が、臀部が、胸部が、大腿が、指先が、次々と裂けていく】
【影により構成された爪が容赦なく振るわれ、少女の血を路地裏に撒き散らす】
【少女が、地面に崩れ落ちる。まだ、息をしていた】
【脚で、少女の頭を踏む。赦しを請いて、少女は涙を流す】
【女は笑い──少女の頭を、踏み潰した】


……バカね。「それだけ」のはず、ないじゃない


【ああ、せっかくの靴が、汚れてしまった。汚い。棄てないと】
【今度はどんな靴を買おう。ついでだから、ヴラドの言う通り服も新調しようか】
【かつ、こつ。女はまた、歩き出す。そしてそのうち、影の中へ溶けていった】

/お疲れさまでしたー!
314 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/23(月) 18:39:59.75 ID:ivwCA0/MO
>>312

──。

【なんと答えるべきか。…青年は判断に迷った。】
【この少年の心を少しでも和らげるために、殴られ役を買って出るのか。】
【自警団が悪かった、と思わせて──そこまで思考が廻って…。】
【そこでまた、一息ついた。恐らくここが少年の岐路なのだろう。ならば、】

──自警団は戦ってたよ。自警団じゃねェやつも戦ってた。君たちのように戦えない人達のためにね。

【「俺達は悪くない。」、まるでそうのべるような口調。】
【戦ってた──そう、戦っていた。そしてすんでの所で彼は諦めていた。】
【もう少しで倒せそうな相手を、新たな敵の出現によって。】
【結果相手は敗走に成功。そんなこと、言えるはずもないけれど。】
【──そのくせ、自分は悪くないと述べる自分が、酷く汚く思えてきた。面には出さないが。】
315 :??? ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/23(月) 19:01:22.90 ID:YjxabqOVo
>>314
───……

【『戦っていた』───それはつまり、あの洪水は自然現象や事故なんかではなくて、やはりれっきとした人災であると証明された証であった】
【考えをまとめるように、話を飲み込むように、押し黙る少年、寄せては返す波が少年の心境を表しているかのように音を鳴らす】

……それは…戦わなくちゃならない事だったのか?
相手がどれだけいたかは知らないけど……もっと救助に人を分けられなかったのか?

【こんな事は逆恨みだ、救助にだってギリギリの人員を割いていたに決まっている、それは自分だってわかるのに、だのに】
【『もしかしたら』そう思ってしまうのが人間だ、自分の無力を知っているから尚それは拭い去れず、誰かに押し付けるしかない】

……俺はずっと助けを待ってた…体がびしょ濡れになって、寒くて震えて……悪魔に頼み込むくらい辛かった……
そうやって生き残ったんだよ…俺が、『俺だけ』が!
きっと俺だけじゃない……助けが来たら悲しまずに済んだ人がもっといた筈だ…!

……なあ、言ってくれよ…『救助する暇は無かった』ってさ……そうしたら俺は納得出来る気がするんだ…
…許せはしないけど、『納得』出来る……『仕方無かった』って…言い訳出来ると思うんだ……

【あの時、家族と逸れ、漂流し、息も絶え絶えになった少年を救ったのは一人の悪魔だった───いや、少年自身が悪魔に身を売ってでも助かりたいと願ったのだ】
【そうまでして生きたのに、自分以外の家族は死んだ、その事実がどうしようもなく納得出来なくて、自分に向いた不甲斐なさが節くれ立って他者に向く】
【涙を堪えて、拳を震わせ、懇願するように絞り出す、心を鎮める為の言葉を】
316 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/23(月) 19:29:22.24 ID:ivwCA0/MO
>>315

戦わなきゃ救えなかったんだ。
戦わなきゃいけなかったんだよ…。
救わないんじゃない、救えないんだ。

──だから、お前もな、誰か任せで納得するか決めんじゃなくて 、戦うべきなんだ。自分自身で、  …な…。

【──少年に対する言い訳が、自分に対しての言い訳に感じられた。】
【どんな巨大な悪にでも立ち向かうのが、自分の戦う理由。】
【怖くても、立ち向かえたはずだった。ただ、邪魔する怖さを討ち果たす覚悟がなかった。】
【あそこで立ち向かえば倒せたかも知れない。もっと多くの人が死なずにすんだかもしれない。】

【   ──分かってて出来なかった。】
【少年にも、自分にも、言い訳しているような感覚。】
【それがどれだけ恥ずべき行為か、醜くて汚い行為なのか。】
【身に染みて理解して、語尾が弱くなる。】




【──本来は少年を奮起させるつもりだった。】
【責任を誰かに転嫁しないで──その上で──、…、】
【その目的を果たす上で、救えなかった言い訳と、立ち向かえなかった言い訳が重なる。】
【自分に、汚い嘘をついた。そんな気分になる。】




  くそォ  …。

【  ──自分の体たらくが深く身に染みる。】
【あの場で追撃を緩めた、自分が嫌になる。】
【何にでも立ち向かえるという確信を、自分で反故にした。】
【その確信を嘘にしたくないという気持ちを、自分で反故にした。】


【──少年を見つめる瞳に、涙が浮かぶ。】
【一番泣きたいのは自分ではなく少年だ。にも関わらず。】
【かつてのいじめられっこの弱虫な自分となんら変わっていなくて、嫌になる。】
317 :ネモ・アーネスト :2015/02/23(月) 19:40:11.54 ID:WfQz/k2B0
>>248>>239
【拳が、重い】
【叫ぶNemesisの言葉は掠れて、途切れ途切れ】
【彼女の過去がどれほど重いものか痛いほど伝わって来、その重みが少女の拳に取り憑いているのだ】

・・・・・・あなたに何があったとしても、人を殺したことは許しちゃいけないと思う
―――それに、何より、あなたが!Nemesisがすごく辛そうだから!!
やっぱり、あたしはあなたを止めるの!
あなたが殺してしまった人のためにも、あなたのためにも!

【これは綺麗事かもしれない、けれど胸の奥から湧き出した本心であるのは確か】
【羽のように細く、痩せきった体の少女はリーベとは対照的に苦労の多い人生だったことが分かるはず】
【それがすこしは少女の言葉に説得力を乗せてくれるだろうか】

【拳を振りかざしても、Nemesisは抵抗しない】
【その無抵抗が更に少女の拳を重くするが、少女は拳を止めることができない】
【そして最後、少女とリーベの同時攻撃によりNemesisの体を氷と共に沈めていく】

【はっきりと、聞こえたNemesisの言葉】
【―――つかめなかった】
【その苦痛は少女も良く知っているものだ】
【拳が、重い】

終わっ、た?・・・・・・
Nemesis、あなたとはもっと・・・・・・
―――!?

【終わったと思ったがリーベの氷上は寧ろ、今までよりも・・・・・・】
【そうか、終わっていないのだなと少女は理解し、足を広げ拳を握り戦闘体制を取る】
【そして水中より現れるのは―――】

まだっ・・・・・・こんなに・・・・・・

【まるで巨大な龍のような、濡れた体をしならせ唸り、竜巻の如し、災害の如しムカデが現れる】
【もう、こんな奴の相手をする力は残っていない。】
【―――でも、止めるッ!そう誓った!】

分かってる、リーベ!・・・・・・
もう、足手まといなんかにならないから!

【言われなくても、踏ん張らないわけに行くものか】
【リーベに体をつかまれた瞬間、少女はリーベの狙いを察知し】
【言葉と共に瞳でも、任せてくれと伝えていく】

【ふわり、と。空を舞う少女の体は弧を描きNemesisの真上へ】
【最後だ。踏ん張れ。リーベから任されたんだ。そしてNemesisのためにも】
【―――ここで決めなきゃ、『みんな』の盾なんて言えない】

【Nemesisの真上から降り注ぐ拳の豪雨】
【満身創痍の筈の、血みどろの身体から繰り出されるものとは思えない程その拳は鋭く、速い】
【しかしただでさえ敵わなかったNemesisが、今は更に強化されている。これではまた―――】
【―――否ッッ!!!】

っ―――ううぅぅぅぁぁぁああああああああああああ!!!

【彼女の拳の血液が鈍く、黒く輝き―――爆発を起こす】
【そして肘に垂れた血もまた黒く輝き、爆発。そして衝撃波の威力を拳に乗せる】
【少女の感情の暴走が、爆発が、少女にかけられていたリミッターを一時的にぶち壊していた】
【爆発によるパンチの加速と、爆発する拳の追加火力】
【これなら、届くか!?】
318 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/23(月) 19:44:04.60 ID:hMxMz1q4o
【昼の国―聖都】

【先日の事件のそのままの姿を残す聖都。水が引いて残されたのは瓦礫の山だけだ】
【救助隊が駆けまわり、生き延びた人はまた助けあって。また復興への一歩が始まろうとしている】
【中心から少し離れたここは被害も軽微だった為に幾つもある治療所の1つが設置されていた】
【仮設のテントや集会所には沢山の負傷者が横たわり。医学的、魔術的な治療を受けた】

【その治療所から少し先の街中】

…何?全部流れてしまっただと?…何一つ?…いや、十字架は要らない。バイブルも結構だ。
こんな時にすまないな、店主…失礼する。

【雑貨店から1人の女性が出てきて溜息。長い黒髪に、十分すぎるほど高い身長。体型は(略!wiki参照のこと)】
【服装もブーツにミリパン、Tシャツに黒革のコートを羽織っただけというシンプルなものだ。】
【額と左手に包帯を巻いていた。それと、腰にはホルスタと拳銃が。十分すぎるほど戦場帰りの戦闘員である】

【彼女は煙草を探していた。重傷で担ぎ込まれて魔術による治療を受けた手前、目覚めてすぐに煙草をくれというのは】
【些か、常識にかける。しかし、吸いたいものは仕方ない。散歩と言って出向いたが見つかるはずもなく…】

ええい…軍人なら十中八九吸ってるだろ。何処かに居ないものか…

【オイルライターの蓋を手の中でカチカチカチカチ鳴らしながら見回して、あてもなく歩き始めた】
319 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/23(月) 19:52:50.30 ID:YjxabqOVo
>>316
……『自分自身で』、か……そうか…

【もうそれ以上、あの事件について何も言う事は無い、望んだ答えは返っては来なかったが、それをどうこう言うまでもなく頷いて】
【帽子のツバを掴んで下ろすと、男を攻めるでもなく、切り出す】

…泣くなよ、アンタ自警団だろ?
……ここ、親戚の家なんだ、住む場所が無いから色々訪ねてる

天野ソラっつーんだ、俺……

【聞きたい事は聞けた、話を本題に戻す。同じ様に二人でわんわん泣いているだけでは何も変わらないから、そう自分に言い聞かせて】
【地図の丸印を指差しながら、行きたい理由と名前を教える。『色々訪ねてる』という事は、きっとこれで何軒目かなのだろう】
320 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/23(月) 20:00:55.23 ID:YjxabqOVo
>>316
/申し訳ありません、少しの間飯落ちします
321 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/23(月) 20:03:01.61 ID:ivwCA0/MO
>>319

── ん、( 確かに、俺は自警団…諦めるな… )

【少年に慰められ浮かぶ涙をぬぐっては、少し恥ずかしくも感じるが】
【依然と頬を赤くしつつ、ハンカチで鼻をかみ、】
【また一つ、ふぅと息を吐いた。】

俺は鳩ヶ谷 廉。──戦うつもりがあるなら、自警団でもスカーレットでも、住みかくらいなら提供してくれるぞ? ──とはいえここも安全という訳じゃあないから、親族を守るためにここを拠点にするのもありとは思うが…。

もしダメだったら考えてみてくれ。──んじゃ、いこうか。

【そういうと、割と田舎な道を歩き出す。】
【ちなみにAIRの舞台のような街だったりする。】
322 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/23(月) 20:03:36.19 ID:ivwCA0/MO
>>320
了解です!
323 :No.7 Nemesis ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/23(月) 20:11:02.50 ID:fqRQe1Ywo
>>248>>317

【有触れた哀しみだ、と割り切る事も出来た。なにも、Nemesisは特別な人間ではない。】
【家族、恋人、友達、戻るべき場所、全部を失って尚強く、逞しく生きている人間だって存在する。】
【大体にしてこの世界には、悲しい出来事が溢れているのだ。一々立ち止まってなど、居られるものか。】

【リーベやネモの言葉は、真冬の湖と貸した冷たいこの一帯に、暖かな光を齎すだろう。】
【たとえそこに、どんな悲しい理由があったとしても。死刑以外に、殺人が容認されていい事は、無い。】
【そして、そんな殺戮の日々に身を置けばきっと、いずれ体は朽ち果て、魂が穢れ、落ちる所まで、落ちてしまう。】


【―――間違っている。Nemesisの、仮面の少女の存在は。】
【そういわれて、正面からそう投げかけられて、少女は困惑していた。】



   ―――――――たかが、数十分。数十分だ。

   私と拳を合わせただけのお前や、お前が、即興で思いつけるような 拙 い 理 屈 に。

   人生の3分の2以上、復讐と虐殺に費やしてきたこの私が―――"私と向き合う私"が、"殺人鬼"として生きてきた私が。

   そんな単純で、当たり前の、……"常人"が精一杯ひり出した、「発想」に!! 思い至らないワケが、あるか!!

   当たり前だ!! 人が死ぬ事に正義など無いッ!! だけどね、それでも殺さなくちゃならないから!!
  
   だから私は戦ってるんだ!!

   アンタ達正義の味方が、ノロノロノロノロと、えっちらおっちら重箱の隅延々突付くようなショボい世直しばっかりしてるから!!

   だから―――……私が、私であるためにはッ!! 私の望む世界を作るためにはッ!! 私自身が、"戦鬼"となる以外、ないんだ!


【詭弁だろう。ならば今直ぐ、世界を平和にしてみせろ―――詭弁だ。だが、それを堂々と、口に出来る彼女は、もはや。】
【人間でも、能力者でも、被害者でも、そして悪人でもないのだろう。そう―――彼女はまさに、鬼だ。倒すべき、鬼だ。】
【たとえ彼女を倒す事が、救いの無い正義であったとしても。それが正義を掲げる者の覚悟、守護者の義務なのだ。】


   黙れ……黙れ、黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇぇぇぇっ!! お前もお前もお前もお前も、殺して殺して、殺し尽くしてやるっ!!


【―――飛来したネモの拳が、その連打がNemesisの重装甲に突き立てられる。】
【彼女もまた、負けじと自身の拳を振り上げる―――向かい来る連打に、全霊を賭けた一撃を、打ち出す。】
【両拳を握り合わせ、大きく身体をそらし、その―――"鉄塊"と化した拳の塊を、ハンマーの様に振り下ろして、ネモの連打に、呼応し】


       " サヴェージ・ハンマァァァァァァァッッ" !!


【身体と身体がぶつかり合う。弾けとんだ甲虫の装甲から血飛沫があがり、Nemesisの口から多量の血液が散る。】
【爆発で加速された"ロケット・ナックル"がNemesisの身体の中心線を次々にラッシュ、ラッシュで撃ち砕いていく―――】
【だが、その"全て"の攻撃を超装甲は受けきり―――そして、ネメシスはネモへと最後の一撃を、振り下ろすだろう。そう、最後。】

【なぜこの一撃が最後になったかといえば―――応えは単純だ、リーベの持つ"刀剣"が、漆黒の剣がムカデの顎を、両断し】
【真正面から深く切り裂いて、その肉体を真っ二つに、丁度"スライス・チーズ"の要領で"引き裂いて"いくからだ―――】
【この強烈なダメージを軽減しようと、ムカデは自ら身体を末端で切断、全身が裂かれることをなんとか、防ぐのだが】


 ―――――――あ、ぐっ……が、はっ……ぁっ……!!
 はっ……ぁっ……はぁっ、ふぅっ……んん……ぐ、うううっ……!! 


【多大なダメージを負ったNemesisはこの一撃を最後に、リーベの齎したムカデへの痛覚が流れ込み、"融合"を解く―――。】
【そして、そのまま収縮していくムカデと共に―――水中へと沈んでいってしまう。】 
324 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk :2015/02/23(月) 20:30:52.23 ID:ivwCA0/MO
すいません、私も少し席はずします
325 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 20:34:07.92 ID:xGwyogKDO
>>317>>323(ネモ&Nemesis)

──違う。違う、違う、違う、違う、違う!!


殺さなくちゃいけないなんて、そんなこと、ないっ!
ショボい世直し? 言ってくれるな!!
私はそれがやりたいことだからやってるんだ!!


社会の中で生きていけず、UTやSCARLET、自警団や政府に取り零されっ……!
そのせいで道を外してしまったやつらが、絶対に、いるから……!
そんな人たちを、助けたい──目の前にある悲しみを……笑顔に変えたい、だけなんだ!

いいかNemesis──どれだけお前の過去が悲しくても! それは明日お前が人殺しをする理由にならない!!

   私は──お前に、女の子として、笑っていてほしいんだぁあああああ────ッッ!!


【目論見通り、ネモはNemesisと対峙し拳を突き合わせる】
【なら、やることは簡単だ。もう、刀を降り下ろすだけ】
【振動が、刃に伝わる。肉を、甲殻を裂く感触が、柄を通してはっきりと分かる】
【──ばしゃ、と水が跳ねた。刃の震えが、水を弾く】

【……Nemesisが、倒れるのがちらりと見えた。切り裂いたムカデが、氷の浮かぶ水中に沈んでいく】
【生じたのは、一瞬の迷い。水上で動けないネモと、沈み行くNemesis──救えるのは、どちらか1人】
【ぎり、とリーべは歯を噛み締める。どちらかを選ばざるをえない状況を作り出してしまったことが、ひどく悔やまれた】
【しかし迷っている暇などない。今動かなければ、2人、とも──】


……っ、く、そ、がぁああああああああああ──!
────ネ、モぉおおおおおおッッ!!


【選んだ。選んで、しまった。ネモを、勇敢な少女を助けることを】
【刃を片手に持ったまま、リーべは「衝撃波」の推進力を使いネモの元へ跳躍】
【恐らくは足場が消滅して身動きの取れなくなったネモを、もう片方の腕で抱き抱えにいくはずだ】
【ぎ、と……刀の柄を握る片手に、力が入る。流れたのは、一筋の血液だった】
326 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/23(月) 21:01:20.26 ID:YjxabqOVo
>>321
……いや、俺は遠慮しておく
『自分自身で戦わないと』、な───

【正義を志し、戦う決意をした者ならば自警団やSCARLETは協力してくれるだろう、だが少年はそれを断る】
【『自分自身で戦う』と決意した意思は強く、しかしそれが果たして正義の為かと言えば───それは、少年の目が語っている】
【そこに、正義を奮起した者の光は無い】

【一緒に歩いていくと、そう迷う事もなく地図の場所に着くだろう、目立った目印もない、平凡的な家だ】
【……勿論、目的地に着くのは『何も問題がなかったならば』の話だが】

/ただいま帰りました
327 :桐生 雹牙 ◆LUMFQ0Vuok [sage]:2015/02/23(月) 21:05:37.78 ID:k7uu5+Em0

【奴を追うために数々の街を巡り、そしてここに辿り着いた。それが彼にこれから起こるであろう運命であり、宿命であり、出会いである、希望であり、絶望なのだろう】

【片手に質素な小袋を持ち、薄い水色のシャツとベージュのチノパン。そしてシャツの腕の部分から見える豹の刺青。そしてこれも薄い青色のアシンメトリーの髪の毛】

【そして鋭い眼光。彼が掻き毟る程追い求めている物はここにあるかどうか。己の誇りの為に1人の戦士の物語が幕を開ける】

ふん、チンケな街だな。

【夜の街を嘲笑うかの様に鼻で笑う男は街の中をズンズンと歩いていく】

前の街にも、その前の街にも居なかった。奴は一体どこに行ったのか。

必ず見つけ出し、決着をつけてくれる…!

【苛立ちを隠せない様子の男は小袋から出した握り飯を二口で口に入れ飲み込んだ】

しかし、この街どうも…。

【何かを感じると思っていた。男はそれが何かは明確には分からない。だが男も戦士、その直感的な物が何かを感じ取ったのかもしれない】
328 :ネモ・アーネスト :2015/02/23(月) 21:15:22.95 ID:WfQz/k2B0
>>325>>317
違う!!
人を殺して直る世界なんてない!人を殺して出来た世界に、望む物なんて絶対無い!!
―――Nemesisが鬼なんかになって、犠牲になっていいはずの世界なんて、どこにも無い!!

あたしは、みんなが笑っていられるために戦うんだ!!
Nemesisだって笑ってなきゃ、あたしは嫌なんだ!!

【少女は只、只、叫ぶ。嘘も偽りも虚構も無い、心をそのまま口から放つ】
【拙いなんていわれようとどうだっていい。そんなことは自分でも分かってる】

拙いかもしれないけど!でも、これがあたしの本気だから!!

【そしてNemesis、ネモ、二人の最後の一撃が交差し】
【鉄塊が少女の胸を捉え、打ち抜いた】

かっ・・・・・・ああぁ・・・・・・
―――Nemesis!・・・・・・・

【鉛のように重い体を無理やりに動かして、手を伸ばして】
【今度こそ、最後。水中に沈んだNemesisの手を掴む】

【そしてNemesisと共に落ちていく体はリーベに抱きかかえられ、なんとか水面の手前で止まる】

ありがと、リーベ
大丈夫だから・・・・・・あたしも、Nemesisも・・・・・・

【選んでしまった事を憂うリーベに笑いかけて最後、一言、呟いて】
【そうして少女の意識は途絶えてしまう】
【けれどネモの手は決してNemesisを離さない】
【Nemesisも守るんだと、少女は誓ったのだから】
329 :クラフト・エル・ステニィ [saga]:2015/02/23(月) 21:15:25.63 ID:+Ut8um9X0

【―――水の国、街中―――】
【人の声と声の中、静寂を突き破る風が走って―――しまった】

……っは、っは、っは………は、ぁ……。

【黒い髪、緑の瞳】
【切り揃えられていない前髪は少しのだらしなさ、または不潔感を感じる人もいるだろう】
【息を切らし、街道の真中。膝をつき、顔は青ざめて―――焦燥に駆られて、頬も生気がないように色が見えない】
【青白く、この男の視界はぼやけている。ふら、と瞳が揺れ動き、今にも崩れ落ちそうな程だ】

だ、誰か――――――っ!!

【声を綴る。街中という、街道という事すらも厭わない。それすら考慮できない程焦っている】
【一度声を詰まらせた後、視野を周りへと回し――――】





食べ物、くだっ、さ――――






【まあ、結局はこれだけやっておいて食べ物が欲しいだけなんですけど】


ごぼぉっ!! ダメだごぼぉっ!!

【軽く咳をして(別に血を吐いている訳ではない)、更に律儀に自らの限界を伝えて咳(別に吐血している訳ではない)を再度吐いてばたりと倒れる】
【うつ伏せでびくんびくんと震えて、ちーんと消沈、奇怪な視線を何個も向けられるが、こんな奇妙な人に食べ物を渡す人などいない訳だ】


【……誰か、助けてあげてください】
330 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/02/23(月) 21:25:47.96 ID:+TLQd/DhO
>>326

……、無理はしないようにな 。一人きりじゃあないんだから。

【共闘者の存在は大きい。選択肢を広げる意味でも。】
【そのことを伝えた意味はあるというものだ──。】

ここっぽいな 。そろそろチェックインの時間になっちゃうし、ここらでさよならだ。 ──またな?

【そういうと彼はそこから目と鼻の先のホテルへ足を進めるだろう】

/すいません。今からちょっと返せそうにないんで、区切りもいいのでこの辺で
/お疲れさまでした!
331 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/23(月) 21:46:11.07 ID:YjxabqOVo
>>330
……ああ、また、な───

【鳩ヶ谷と分かれ、地図に記された家を訪ねた天野。次の朝ホテルを出る時とかに、鳩ヶ谷と再会したりする事はないだろう】
【ここにだって居場所はなかったのだから、何処か別の場所へ行ったのだ】

───力が必要だ……あいつみたいな、強い力が

【居場所を奪われた人間は、やがて復讐鬼へと身を堕とす、それは自らが望んだ事だ】


/乙でしたー
332 :桐生 雹牙 ◆LUMFQ0Vuok :2015/02/23(月) 21:53:25.50 ID:k7uu5+Em0
>>329
/クラフトさんいらっしゃいますか?
いらっしゃいまして宜しければ絡んでもらえると幸いです。新規なのであまり勝手も分かっていませんがそれでも付き合ってもらえれば幸いです。

【テクテクと歩き続ける。特に目的があるわけではなく(あるにはあるのだが)歩き続けていた。取り敢えず手に入れたい物ここの地図や情報などてある。】

ここは水の国と言うのか、ふん。どうりで人が鬱陶しい程居ると思った。

ち、全員氷漬けにしてやろうか。

【と、口だけではいうがそれを実行することは無かった。うざったいだけで氷漬けにするなど考えられない理由だ】

だがまぁ、飯を食うにはいい景色かもな。

さてと…、ん。

【何だか倒れている男がいる。どうも怪しい雰囲気が出ているが、何やら食べ物を求めているようだ。】

(ふん、誰が飢えようが知った事か。)

…。

…ちっ。

【舌打ちをして近付き、男は食べ物を求めている男に向けてラップに包まれた大きな握り飯を投げた。】

俺の前で死なれてもイイ気分じゃない。さっさと食え、俺の気が変わらんうちにな。

【目線を逸らした男。舌打ち混じりで黙々と自分の握り飯を喰らっていた】
333 :小山絵手雄 ◆SEBUhSQF9U [sage saga]:2015/02/23(月) 22:05:46.66 ID:ozAaPISv0
【何処かの街の駅前】

さぁ〜、よってらっしゃい見てらっしゃい!

【一仕事終えた人々が行き交うその場所に、響く声】
【その声の主は、派手な色の法被を来た、若いサラリーマン風の男】
【既に男の周りには、幾らか人集りができている】
【そばに立つ看板には、知名度が高いであろう家電メーカーのロゴ...どうやら、家電の実演のようだ】

さて、本日お見せするのは...こちら!赤外線でポッカポカ、ハロゲンヒーターのご紹介!

【声を張り上げる男のそばには、持ち歩くのには些か手間であろう段ボールの山が積まれている】
【その中で、「鎧」達は静かに出番を待っている...】

//試運転したいので、戦闘希望です。
//12-1時程度まで募集します。
334 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/23(月) 22:42:30.30 ID:phqy0O1VO

>>298

……うーん、どうかははっきりとは分からないけど……場合によってはそういう人もいるかもしれないかなって
【宙を見つめ考えてから少しだけ苦笑して、ファラエナの否定の言葉を聞いて「嗚呼やっぱりこの子真っ直ぐだな」と思ったりもして】

……そっか
ファラエナちゃんは本当に優しい子なんだね
…………君はずっとそのままでいてね
【ふわり、と微笑】
【嗚呼、この子はきっと短い半生で『きれいなもの』をたくさん見てきて『うつくしいもの』に囲まれて生きてきて】
【それこそが広い世界の真実だと思っているのだろうか? などと少女は思案する】
【それは嘗ての──故郷にいた頃の自分を思い起こさせて】
【あの頃の自分は広い世界もきっと『うつくしいもの』の方が多いのだと信じていた】
【だからこそ広い世界を見てみたいなんて飛び出したりして】
【けれども、広い世界は違っていた】
【『白』は嘘や嘲りを覆い隠す色だったし、『人々を導き諭す職』は他人に不名誉なレッテルを貼り、笑顔の裏で他人を侮辱する輩だった】

【“偶々”出会った人が悪かった】
【“偶々”出会い方が悪かった】

【この思想の真相はただそんな事なのだが、少女はそんな事知る由もなくて】
【いわば勝手に絶望して達観しているだけなのだが】

……え、す、素敵……かな? そう言われると何か照れるんだけど……
……街が? ああ、スラウロットの水害ね
…………『わるいひと』? 
あれ……人のやった事なの? 
【自分の夢が素敵だと言われればサフィアは照れ臭そうに頬を掻き、話に乗る】
【聖都の事件。はじめの物しか見ていないので「何か大災害起きた」「聖都ヤバい」「家とか流されてる」くらいの情報しかなかったが】
【故に、ファラエナの「悪いヒトと戦う」という言葉に首を傾げる】
【その言葉を発すると同時にサフィアの中にじくじくと黒い何かが染み出してくる】
【不安感、とでもいうのだろうか? 何だかこれから恐ろしい事になりそうな予感がして】
【思い出すのは冷たい目。幼子にさえ向けられた差別の目】
【突飛かもしれない、それでも何だか、怖くて】
【不安感を消し去るようにふるりと頭を振る】

【そして少しだけクリアになった頭に入るのは「ファラエナのお姉さんはお金のない人の為に食事を作っている」という情報】
【だが悲しいかな、その情報は『ファラエナのお姉さん=鈴音』という結論を導き出す事はない】
【そりゃあチラシなら見た事はあるけどパッとその事は思い出せないし、そもそも思考回路を其方に回転させる余裕はまだないようで】
【直前に生物兵器云々の話をしていたのもあって義姉妹なんて発想には簡単に思い至らなかったらしく】
【そうなんだ、程度の感想しか出てこなくて】
【まあ後でその事に気付いて変な叫び声の一つでもあげるのだろうが】

【そして、「お姉ちゃんもそうなるんだよね」と言われれば彼女は困惑したような表情を浮かべ】

……ならないよ? 
『正義の味方』になろうとするのもうやめちゃったし……
【なんて言って】


/今日もよろしくお願いします! 
335 :No.7 Nemesis ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/23(月) 22:48:42.65 ID:fqRQe1Ywo
>>325>>328

【吐き出す血液の代わりに、身体が欲する酸素ではなく、多量の水分が浸入してくる。】
【息が―――出来ない。視線が歪んでいく。身体が熱い。いや、寒いのか。それすらもう、わからない。】
【そうだ。"クスリ"を打てば―――いや、だめか。もう、動かそうにも身体に力が入らない。それに、二度もクスリを使えば。】


 (―――二度も、使えば……? っは……どうなるっていうのよ……いまさら、私の身体なんて……)
 (もうとっくに、ずーっとむかしのとっくに、ボロボロに壊れたじゃない……なのに何を、躊躇う必要があるのかしら。)
 (ああ……たぶん、そうだろう。まだどこかで、私は生きる事を望んでいるのだろう。……忌々しい。なんて、忌々しいのかしら。)

 (私自身もまた、私が駆逐すべき"能力者"であるというのに―――……なんて、浅ましいんだ。こんなに……醜い。)


【薄れ行く意識―――途切れそうになる命の火が、まさに消えかけた瞬間だった。】
【確かに感じたのは掌から伝わる、人間の手の温もり。久しく味わっていない、優しい感触。】
【誰だろう。わからない。けど、確かに―――動かなくなった指先が、少しだけ温かくなった、気がした】


 
 

 『さしもの彼女と言えど……二人が相手では、こんなものか。』

 「Oh! それは少し検討違いの様に見えマスよ? ソーン。確かに相手は能力者が二人。デスが!
  片方はSCARLETの隊員と言えど、まだ戦場を圧する様な強大な能力を持たない少女。そしてもう片方にいたっては―――」

 『名無しだ、とそう言いたいのだろう? 分っているとも。だがね、アレはNo.7の報告にもあった衝撃波を操る件の少女だ。
  確かに組織に属しているような戦闘員ではないだろうが、それでもあの能力の汎用性と火力、そして本人の耐久性は異常だよ。』

 「Hmm……しかし、特筆すべき相手ではありまセーン。少なくトモ、ワタクシならばもう少し上手く出来マ〜シた、いやホントに。」

 『……分っている。例のプラン、準備はどうなっているのかね?』

 「Oh! それならもう、バッチリ準備万端デース。抜かりも滞りも無く、何時でも"実行"出来マスよ? ソーン。」

 『……そうか。だが、まずは"彼"の起動が先だ。No,7の"強化"プランに関しては、そっちが完了次第着手してくれ。』

 「わかりマシた。では、その様に―――」

 『……私は、彼女に甘いだろうか。』

 「……さあ。どうでショウ! 傍目には少し、過保護に見えないコトも、ありまセンが。」

 『……本来は、ま逆の事をしているのだが、ね。すまないが、彼女を迎えに行ってくれるか? ―――No.4 "シック・ボーイ"』

 「ンフフフ……♪ 仰せのママに、No.1 "ソーン"。」




【Nemesisの腕を掴んだネモと、そのネモを抱えて水中を移動するリーベ。】
【No.7の敗北により戦闘は終了し、そして救出劇にすらも幕が下りようとしていた、その時だった。】

/つづきます
336 :No.7 Nemesis ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/23(月) 22:49:19.37 ID:fqRQe1Ywo
>>325>>328

【―――突如として二人の頭上を覆いつくすのは、"爆発"の様な轟音を携え空中より舞い降りてくる一機の巨大な輸送機。】
【形状からして軍用、若しくは"戦闘"に用いられる事を考慮されているようにも見えるその漆黒の輸送機には】
【カノッサ所属を示す逆五芒星のマークと、そしてNo.1―――カノッサのナンバーズ最上位を現す刻印が。】

【輸送機は翼からジェットを噴射し垂直飛行の軌道を取りながら、ヘリのようにその場で器用に旋回―――】
【そして直後、機体の横ハッチが開くと同時、飛び出した"影"は余りに素早く、そして風の様に宙を舞い―――!!】


 「ンンんん〜〜〜〜ンッフフフフフフフゥ〜!! ひっさしぶりの登場デーース!!
お嬢様方、ワタクシの"同僚"と戯れて頂き感謝致しマスよ! デスガ―――少々、やりすぎた、様デースね?」


【機体から飛び出してきたのは、間違いなく"人影"であった。人の形をしているのも確かだった。】
【だがしかし、それは漆黒の夜空に紛れているからか、それともまた別の理由があってかは分らないが―――】
【全身が、目を潰すかのような  "  黒  "  に染まっている。そのシルエットは先ほどのNemesis同様、まるで、そう―――】

【―――昆虫。いや、甲虫。それも所謂、"ゴキブリ"を彷彿とさせる様な醜悪な見た目であって―――。】
【だが、驚くべきはその見た目だけではない。異常なまでの機動力は勿論、その速度たるや目にも止まらぬ勢い。】
【ハッチを飛び出し、向かうはリーベとネモ、そしてNemesisの元。だが、驚くべき事にこの"乱入者"はなんと―――!!】


 が、が、ガガガガガガ、ガガガサガ、サガサガサガカサカサカ、サカサカサカサ、カサカサカサカサカサカサガガガガガササガサ!!!


【爆発的な"スピード"で持って、なんと"  海  面  を  走  っ  て  "いるのだ。】
【沈むより前に次の脚を踏み出し、強烈な脚力と瞬発力で水面を叩き蹴り、絶妙なバランスで渡る!!】
【人と、そしてゴキブリとが融合して生まれた怪物はまさに、周囲の時が止まっているかのような超高速移動を持って加速!】

 

  「か〜え〜し〜て〜下サイッ!」


【そして繰り出される高速の"キック"と、それによる衝撃波をまるでマシンガンの様に繰り出しながら―――】
【弾け飛ばした水飛沫に紛れるようにして、瞬時にネモの手よりNemesisを回収、その身体を無理やり"奪い取り"!】


 「ンンフフフフフフフフhhhhhhhhhhwwwwwwwwww
  ご婦人方のお相手もまたンー、ひっじょうに"ソソル"ものがあるのデスが、
  残念、ワタクシにもワタクシの上司にも、時間があまりないのデース……と、いう訳でまたの機会に踊りまショウ? んふふふふ!」


【そして次の瞬間、水面を一層強く"蹴り上げた"時―――跳躍、輸送機内へと飛び移ってしまう。】
【純粋に脚力のみでそれをやってのける、超絶的身体能力とそれを御する"技術力"―――。】
【不愉快極まりない言葉遣いの男は"融合"を解き、シルクハットにタキシードという"紳士"染みた格好を晒すと】

 「ワタクシの名前はカノッサ機関のナンバァァァフォーッ!! シック・ボーイと申しマス。以後、お見知りおきヲ。」

【仰々しくハットを取り去り、不穏な笑みを浮かべお辞儀をすると同時、機体が垂直に跳ね上がり上昇、】
【輸送機はNemesisを載せて夜空へと―――消えていって、しまった。】

【後に残ったのは数名の生き残った"自警団員"と、そして彼らの救助隊のみ―――】
【迫るボートが二人を救助に来た時、今宵の決戦は二つの因縁を残したまま、静かに幕を下ろすだろう。】

/以上となります!長くなりましたが、戦っていただき有難う御座いましたー!
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/23(月) 23:00:07.60 ID:vtiGAR450
>>334

【ただ――彼女も、別に、起動してからずっとこんな思考で生きてきたわけでは、ない】
【こういう風に育つ素質自体は確かにあったのだろうけれど、ここまで深く根付くのは、明確に母親(マスター)のせいだ】
【そんな絵本や本ばかり与え、誰もが手を取り合う世界はありえるのだと囁き、ただ、弄んできた】
【それでいて夜に出歩かせて、穢いものにも触れるようにして――そうやって、一人、嗤っている存在が居る】

だってね、私は、お母さんの言うことを聞くいい子なの!

【だけど見上げてもその糸は見えなくて、なぜなら、本人に見ようとする意思がないからだけど――】
【小鳥のように強く刷り込まれた愛着は簡単には揺るがない。ご主人様の求める形になるよう、真っ直ぐ太陽へ向かい】
【きっとそのうち、大きな花でも咲かせて――そのときにどんなようになるのかなんて、まだ分からなくても】

ニュースで言ってたのなのー。

【――とりあえずニュースとかは見ているらしい。子供らしい見た目どおり、あまり本気で、というわけではないけれど】
【「でもよく分かんないの!」なんて言ってしまう辺りにはよく分かってないし、他人事、というか――だけど、】

でもね、私もね、ああいう場所に居たらきっと戦うって思うわ!
だってね、誰かを助けられるなら――それってとってもステキだって、思うもの!

【この、何もかも破壊するための力で、誰かを救えるなら。その気持ちは強くって、使命を放棄してでも、そうしたい】
【それが原因で他の姉妹に蔑まれたとしても、きっと、――なんて考えていると、悲しくなってくるものだが、どうでもいい】

そうなの……――?

【問題は。サフィアが正義の味方なんてもうやめると言ったときに、上手く言葉が出てこないこと、だろう】
【何か言いたいことがありそうな顔をしている。だけれど、それを、上手な言葉にすることが出来なくって】
【ぐむむっとゆがめた表情で黙り込んでしまう。そうすれば、なにか。言葉が見つかりそうな気がして――】
338 :クラフト・エル・ステニィ [saga]:2015/02/23(月) 23:18:25.55 ID:+Ut8um9X0
>>332
【……びっくんびくん、と震えて痙攣したように見える。というか痙攣してるなら多分元気なんだけどね。この人。こんな痙攣の仕方とかないし】
【誰かが近寄ると、一度止まってから顔だけをのっそりと上げて】

―――そ、れはっ!

【先刻までの様子が嘘なのではないかという程の元気のよさ】
【がばり、と飛び起きるが、その動作は軽さはどうも飢餓で倒れた人には見えない】
【うつ伏せの状態から手をついて、身体を一回転させるように起き上がる】
【身のこなしはともかく、フットワークはだいぶ軽いようで、こんな起き上がり方をすると余計に疲れるのだが】

……な、なぁ一応聞くけれどさ
貰っていいんだよな? 毒とかないよな? タダだよな?
いやタダじゃなくてもいいんだけど……いや金は払えないから別のになるけど、いいんだよな?

/気付くのに遅れてしまってごめんなさい、まだいますか?
それと、むこうのスレッドで呼ばれているようですが、大丈夫ですか?
339 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/23(月) 23:18:52.63 ID:xGwyogKDO
>>328>>335-336(ネモ&Nemesis)

【選んだ。選んで、しまった。これで、何度目だ。5回目、か】
【過去の4回は、選択の結果を刃の露にした。だけど、今回の、は……】


……ネモ、今、なんて──?


【正義の力を名乗るには、どうしても命の選別が必要になる】
【その結果が今のカノッサであり、路地裏であり、世界の現状だった】
【綺麗事をリーべは叫ぶ。だが、「残酷な選別」が必要なことも、理解していた】
【その選別をするための、夜色の刃だった。だから彼女は、刀を抜きたがらないのだ】
【──本当は、そんなこと、したくなかった。けれど……誰かがしなくては、いけない、なら……】

   【「大丈夫だから……あたしも、Nemesisも……」】

   【……っ!……嗚呼──ネモ、ネモ、ネモ……!】

【気が抜けて、膝を折りたくなる。けれど、もう少し、もう、少しだ】
【次第に水も引き始めている。避難所にでも行って……2人に、手当てを、受けさせ、て──】
【────なんだ、この、音、は…………?】

【ば!と上空を見上げる。カノッサ最上位の刻印が、そこにあった】
【リーべの表情に、絶望がはしる──意識のない2人を抱え、水上で闘うほど体力なんて残ってないし、そんな実力だって……!】


……っつ、あ、──ひ、ぃっ……!
な、なんだ、あれ……う、わ……き、気持ち、わる……ッッ!


【ぞく、と身の毛がよだつ。生理的な嫌悪感と、理解不能な現象を見た恐怖】
【そのふたつの感情が、リーべの身体を凍りつかせ──「……っく、ネモ!」】

【自分の身を守る「衝撃」を放つ精神的な余裕など、存在しなかった】
【彼女に出来た精一杯のことといえば──水飛沫や移動の余波から、その身を挺してネモを守ることくらい】
【ネモを抱え、背を彼に向け──服がさらに、水で濡れる】
【そうしている間に、彼は行ってしまった。ネモがせっかく掴んでくれた、希望を連れて】
【──今宵幾度目かの後悔と自責の念が、リーべに押し寄せる】


……シック──ボーイ。No.4……。……く、そ

──リーべ! リーべ・エスパス…………ッ!!
いつか──いつか、その子を、もらい、うけるからな──っ!!


【び、り──! この夜最後の振動が、周囲を震わせた】
【勝敗でいえば、勝ったのだろう。しかし、リーべからすれば、敗北も同然だった】
【得たものは新たな友情と因縁。失ったものは、言葉にならないなにか】
【ばしゃ、と今度こそその場に崩れ落ち──救助隊の到着を待つ】
【強く、ありたい……もっと。お父さんと、お母さんみたいに】
【輸送機の消えた夜空を睨み付け──リーべは、遠い田舎にいる家族の姿を、想った】

【──そしてネモが目を覚ました時には、あの鮮烈な夜色は、姿を消していることだろう】
【「奪われた。すまない」──そう、メッセージを残して】
【けれど、ネモが望めばきっと、また会える。彼女がその勇気の灯火を、胸に点している限り】

/お疲れさまでした、ありがとうございましたーっ!
340 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/23(月) 23:32:24.84 ID:phqy0O1VO

>>337

……お母さんの言う事を聞く良い子、か
そうだね、親の言う事を聞くのはとても大切な事だよ
……ううん、親だけじゃない。他の大人の人の言う事もちゃーんと聞かなきゃいけないよ? 
じゃないとお姉ちゃんみたくなっちゃうからね? 
【彼女には目の前の少女の母親の思惑は分からない。だから額面通りに受け取って】
【自分は親(代わりの先生)の言う事聞いてたっけ、と思い出してみればごくたまに守らない時もあったりして】
【あー、そういやあの時怒られたっけ、なんて思い出して苦笑】
【その結果「お姉ちゃんみたくなっちゃうよー」なんて初めて会った他人にしてみれば「具体的にどうなるんだ」と突っ込みたくなるような一言を発し】
【また何となくファラエナの頭を撫でてみようとする】

……そっか、また後で見てみないと

はは、誰かを助けられるなら素敵な事、か
私もそう思ってたなあ……
【ファラエナの言葉にしみじみと、しかし悲しそうに呟くサフィア】
【自分も誰かを助けられたらどんなに良かっただろう? 困っている人に手を差し伸べられたら──】
【考えようとして、やーめた、と小さく首を横に振る】

……うん、そうなの
だって、幾ら手を差し伸べようと…………
【言いかけて、あー止め止め! と少し投げやりに呟く】
【このまま言い切ったら愚痴になっちゃいそうだし、悪い子になりそうな気がするし、何より純粋な子にする話じゃない】

ま、とにかくお姉ちゃんは正義の味方に向いてないから止めたって事さ
【そう言って、黙り込んでいるファラエナに笑いかけるのだけどその表情はなんだか自棄になっているようで】

341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/24(火) 00:08:31.89 ID:SfNssJjY0
>>340

【――些細な話だ。お姉ちゃんの言うこともちゃんと聞くとか、そんな。そのお姉ちゃんと言うのも、まあ、アレだろうけれど】
【子供を連れて歩くのがなんとなく似合いそうな気がする。子供は好きそうだ、推測だけど、――】
【この前もケーキを食べたとかイチゴをくれたとか言っていたら頭を撫でられる、けれど、さっきのようには喜ばず】

私はね、夢を叶えるって、決めてるの。いろんなヒトと友達になって、みんなの太陽になるの。
だからね、サフィアお姉ちゃんみたいに、したいこと、諦めないの。

【「だからあなたみたいにはならない」】
【それが、多分、一生懸命な言葉なのは見て分かった。もっといい言葉があるはずと思いながら、】
【だけど上手に思い浮かばなくて、――気に食わない顔をしながら、声もいつもより低いまま、そう紡ぎ】

【生物兵器の自分がこんな夢を叶えるのだから、人間であるサフィアは、もっと、いろんな夢を叶えていいはず】
【自分がサフィアだったら、もっといろんな方法を探してみて、調べてみて、絶対に夢を叶えようって頑張るはず】
【どうしてしないのだかがよく分からなかった。どうしてそうやって諦めようとするのかが、まだ、理解できなかった】
【結局は未熟なのだ。未熟だし、植えつけられたプラス思考は止まらないし、その制御の仕方もよく知らない】
【前向きなのも行き過ぎれば面倒くさくもなるし――、なおさら厄介なのが、みんなはそうじゃないかもと、よく考えないこと】

――――じゃあ、やめちゃえばいいの。もうぜーんぶやめて、やめちゃえばいいのっ!
正義の味方なんてやめて、ただのお姉ちゃんになっちゃえばいいなの!

だったら、そんなこと言うのやめて、ケーキ食べたほうが、楽しいでしょッ!

【――それでいて思考もまだまだ青く実るから、最終的には怒ってしまうのだ。キッ、と、丸い目を釣り上げて】
【言いたいことが上手く言えない。頑張って考えて言ってみても、上手に伝わったという感覚がしない】
【あの時の鈴の音と同じ目だと思った。どうにかしないと消えてしまうと思って、だけど、引き止めるための言葉は頭の中になくて】
【そもそも会ったばかりならどんなヒトなのかもよく分からない。あの時の“姉”とは状況が違う、違うけど――】

【(――いいの、もういいの、そう言って、震える手で紅茶を飲んでいた)】
【(後ろの壁に掛けてあったカレンダーはクリスマスイブより1日前を示していて、それなら、一緒にパーティをしようと)】
【(誘ってみても言葉は通じなかったし、居残ってはくれなかった。ただ、雪の降り積む外に、その姿を消して――)】

お姉ちゃんの――、ば、……ば、……。

【だけど“ばか”の言葉は言えなくて。逆切れみたいなもの――というより、逆切れだろう】
【一生懸命考えたけど言葉を見つけられない自分への苛立ちが何よりも大きい、それから、思うのは】
【“ともだち”が困っているのに助けられない自分への――これも、また、苛立ちに似た感情】

【――自分に対して怒っている。その証拠に、全身からは薄らと魔力の燐光が零れだして――僅かに夜にシルエットを描く】
【ぎゅっと両手を握り締めて、なんならスカートの布地もぎっちりと握り締めて、ちっちゃな体は――少し震えているようにも見えた】
342 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/24(火) 01:05:20.12 ID:Ayj6fzinO

>>341

【姉の言う事だって、と話すファラエナ】
【嗚呼、本当にお姉さんや母親が好きな子なのかなあとサフィアは何処か温かい気持ちになって】
【もうこの子このまま育ってくれないかなと密かに願いながら頭を撫で】
【それで少し喜んでいない様子を見ればサフィアは少しだけ首を傾げる】
【が、貴女のようにはならないという風な言葉を聞くとああ成程と少し納得したようで】

……うん、君ならきっと出来るよ
確証はないけど、君なら出来る

【だって、本当に太陽みたいに温
かで優しい子だもの】
【──なんて言って、夢を諦めた少女は笑う】


……うん
だから辞めたよ? 
正義の味方目指すのも憧れるのも辞めた
そんなのよりケーキ食べたり街を探索したりしてる方が楽しいもんね
思えば私、正義の味方になる為に故郷を出た訳じゃないもん
広い世界を見る為に出たんだもん
だったらそんなのに憧れるのとっとと辞めて世界を見て回って終の住処でも見つければ良いんだよね

【ならやめてしまえという言葉にサフィアは一瞬目を瞠り】
【何処か歪んだ笑みを浮かべる】
【そうしながら紡ぐ言葉はさながら売り言葉に買い言葉】

……あーあ! 何で正義の味方なんてモノに憧れちゃったんだろ! 
そんなの腹の足しになる訳ないじゃん! 
ちょーっと遅れただけで大正義教会様々に「ウチはUTやSCARLETみたいな無能組織とは違うんですよぉ」なーんて馬鹿にされる始末とか! 
あーもう! 馬鹿みたい! UTもSCARLETも教会も憧れてた人達も正義に憧れてた私も皆みーんな馬ッ鹿みたい! 
【終いにはヤケクソになって大声で叫んで、あっはっはー!!! なんて棒読みの笑い声を上げたりなんてして】

【でも、本当は分かっている】
【正義の味方に憧れるのなんかもう辞めたなんて言っていても本当は諦めたくなんかないなんて事】
【だって、諦めてないから困っている人を見て飛び出しかけたりお節介を焼きたくなる訳で】
【持ち前の向こう見ずな性格もあるかもしれないが、それでもやはり人が好きで、憧れる人がいて、誰かを助けたいと思っているからで】
【だからこそ絡まれている人を助ける為に飛び出そうとして、飛び出そうとしている自分に気付いて、嫌悪して、こんな所で壁に拳を叩きつけていた訳で】

【それでも、まだ自分の気持ちには気付けない】
【勿論、ファラエナの苦しみにだって】


343 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/24(火) 01:16:45.89 ID:5rVs2Qmoo
>>ALL

【聖都スラウロット――ダムの決壊による洪水から、一両日】
【夜が明け、現場に居合わせた者の証言から様々な事態が明らかになった】


【まず被害――流れ込んだ多量の水は、街の8割を何らかの形で襲っていた】
【内の三割では家屋が押し流されるほどの強烈なダメージを街に与えており】
【割合で言えば"残り"にあたる部分でも、深刻な浸水被害が報告され】
【その死者は実に数百名。千を超えるかは、今後の行方不明者の捜索次第で】

【次点――多くのものが知りたがるであろう原因と手法は、ただ一点に集束する】
【アーグ≠ニいう存在だ。ダムの決壊は彼の手下によるものであり】
【また彼自身も、目撃者の多い"隕石"によって街を破壊せんとしていたらしい】


【一般人が知れるのはその程度。加えて、アーグが"元"ゼン=カイマの大司教であり】
【その立場は、既に"当地"とは関係が無く――悪霊のような存在として暴れている事、というくらい】
【――この情報は、当のゼン=カイマの騎士たちが救助活動を行いながら主張したモノであった】

【アーグに関してはもう一点、特に直接戦闘に関わったものにだけ伝えられる事実≠ニして】
【彼の手下である『ブリッツ』の死と、『ロース』の捕縛――これらが騎士団側から発表されていた】
【半不死であっても、やはりいずれは終わりが有るということなのだろう】
【雷電の一極特化能力を持った人造人間、或いはアーグ曰く『駒』――彼は、確かにその肉体を白灰へと変えたのだった】
【尚、ロースの身柄はゼン=カイマにあるという。興味の有る者は、其処を訪ねてみるのも良いかも知れず――】


【――それから、一部ではカノッサやならず者たちが便乗したとみられる被害もあった】
【特にスラウロットの美術館・博物館からは、ほぼ全ての作品群が盗み出されていたらしく】
【幸いにも、そのお陰で浸水の被害を免れていたりするのだが――これはまた、別の話であった。】

――――――――――――――――――――――――――――――――
344 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/24(火) 01:17:28.23 ID:5rVs2Qmoo

【同日――風の国・某港町】

【比較的大型の港湾を備えたその街に、一隻の最新鋭艦船が寄港していた】
【名は"Sea Queen"――海の女王を称するその船舶には、現状三名の人影があった】

【一人は女性、二人は男性。女性は20代といったところで、その出で立ちは"海賊"に他ならず】
【男性の片割れは海賊――ではなく、マフィア風の格好。金ピカの装飾品や縁の大きなサングラスが如何にもという感じで】
【唯一、最後の一人である10代前半の少年はスーツをぴしりと着こなしていた、が】
【撫で付けた髪に、整いすぎた服や所々に見える装飾など――やはり彼も一般人ではないらしい】


『……なあ、オイお嬢さん。パルヴィ!スラウロットの話しは聞いてるんだろう?
 そりゃアンタが仲間の仇を討ちたいっていう気持ちはわかるし、手は貸すさ
 
 だが、行く先に居る奴は隕石を落すようなバケモノだ!
 俺だったら……いや、どんな海の男だって、隕石相手に突っ込んでったりはしないさ
 どれだけの宝があってもな。沈む沈まない以前の話さ……蒸発しちまうぜ、文字通りにだ。』

「うっさいわねビスク爺!こっちは残党の有り金全部つぎ込んで船を改修したのよ!?
 死んだ私の親父に、それこそ月と同じくらい大きな借りがあるっていつも言ってたのはアンタでしょうが!
 ……こっちは仲間を18人も殺されてるのよ。今更女海賊の一人が死ぬかもしれない危険位なによ!」

『……あー、なあ?頼むからそこの勘定にこの年寄りを加えてくれないかね?
 マルコ坊っちゃんもほら、このまま行くとうちのファミリーの存続にも……』

「無くなった先代……僕のお父様もよく言っていた、とビスクはいつも言うじゃないか。
 仁義は通せ、借りた金は返せ、約束は守れ。……相手に貸しがあるなら、返すべきだと僕は思うぞ
 それにいいじゃないか。まだ誰も言っていない話題の孤島……一番乗りしたのが海賊、と…――」

『――世に名高きスペーツィエ・ファミリーです、と言えれば……いや、そりゃまあ……。』

【最新鋭の船舶――それは即ち、海賊船であった。しかし、艤装はほぼ駆逐艦と呼んで差し支えないものであり】
【なんとも堂々としたことに、一般の湾内であるにもかかわらず海賊旗がしっかりと掲げられてすらいた】

【そして船の側にはこんな立て札。『"ドラクレア島への同航者求む。"』】
【『"道中の衣食住保証、それ以外は命も報酬も保証無し。成果は山分け――"』】
【『"――ド畜生をブチのめしたい奴、大歓迎。希望者は船長パルヴィ・シルッカ・パルシネンまで―。"』】

/以上で先日のイベントは完全に終了とさせていただきます。
/みなさま、大変お疲れ様でした!お付き合いいただきありがとうございましたっ!
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/24(火) 01:22:14.05 ID:SfNssJjY0
>>342

【はらりはらりと肌から光の欠片が剥がれては落ちていく、その身に宿す膨大な魔力が、ざわざわとざわめいて】
【どうしたらいいのかが分からない。結局何年も前から変わっていないんだと分かって、それが、ひどく気に食わない】
【自分が怒っているのもなんとなく分かっている。いけないと思う、そもそもなんで怒っているのか、考えても――】
【よく分からなくって、また、むかむかする。それが積み重なるたびに、体から落剥していく光の魔力は増えて、夜が少し明るくなる】

――――ッ、

【言葉が届かないのは悲しかったし辛かった。お日様みたいに照らしてあげたいのに、足りない、もう少しなのかも、分からない、】
【だけど。ぎゅううっと服を握って唇を噛んで、或いは泣きそうに目を見張っていた彼女の様子が、ふっと、変わる。ぴくりと――、】
【そしてその直後に、だん、と、地面を踏み抜かんばかりに踏みつけるのだ。もちろんそんな怪力はなく、何の意味もないのだけど】

鈴音お姉ちゃんはUNITED TRIGGERでお仕事してるの!
みんなのためにゴハン作ってるんだから! お姉ちゃんの作るゴハンはとってもおいしいんだから!

お姉ちゃんはバカじゃないもん! サフィアお姉ちゃんのバカ!

【続けて2回3回と蹴りつける音が続く、簡単に呼ぶならそれは地団駄で、子供にしか許されないような、意思表示の仕方】
【これ以上なく子供っぽく感情を爆発させて、さっきよりも怒り出すのは――ここで、やっと、繋がってくるよう】
【さっきからサフィアやリーベを指さずにお姉ちゃんと言っているのはあの少女のことだった。ごわりと、魔力が体から溢れ】
【だけど襲い掛かって来るわけもなく、ただ、出来る限りの大声で子供っぽいののしりをぶつけるのが、精一杯で、】

もう知らないっ!

【顔を真っ赤にするくらいまで怒って――ふん、なんてわざとらしく鼻を鳴らすと、さっき崩れ落ちた翼が、また作り出される】
【本来なら作るのにいくばくかの時間が掛かるものなのだが――怒りから溢れていた魔力を、それへと転用したらしく】
【何にもなければこのままばさりと羽ばたかせ空へと去ってしまう。追いかけられない道を選んだのが、彼女の意地だった】
346 :ネモ・アーネスト :2015/02/24(火) 01:32:18.32 ID:pz8hyGn80
>>335-336>>339
【消えていく意識の中で視界も、聴覚もぼやけていく】
【瞼が完全に閉じかけた、その刹那。ヘリコプターの羽音共に、視界に黒い影が現れる】
【黒く、滑り輝き、人の神経を犯すような姿をした男だ】
【―――何がおきているのか分からない。その男は『拘束で』 『水上を走って』いたのだ】

【やっと掴んだ温もりが手から離れていく。奪われていく】
【守ると誓ったのに、奪われていく。嫌だと手を握ってもむなしく空を掴むだけ】
【―――そこに既にNemesisの手は無かった】

【守りきれなかっただけじゃない。目の前でリーベが自分を守って傷ついている】
【足手まといにはならないと言ったのに、だ】

【嘆く暇はもう無かった。少女の意識はここで途切れる】
【目を覚ましたときは病室の中で、ぼんやりと天井を見上げて】

【不甲斐なさと、後悔で。少女は涙をこぼした】

//すいません遅くなりました・・・・・・
//お疲れ様でしたー!!
347 :ヒライ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/24(火) 01:58:55.69 ID:W0sq/1XHo
【街角】

【深夜もまわり、街の通りからも人通りは殆ど消え、静かな時が訪れる】
【そんな街の外れの酒場。日をまたげば閉店時間も超えて】

『お客さん、閉店ですよ。お客さん』

【店員は声をかける。客は酒瓶と煙草の吸殻の山の間で突っ伏して寝いている】
【しびれを切らして店員はテーブルをぶっ叩くと、そいつは飛び上がるように起きた】

……ああ……そう。……オーラィ

【テーブルの上の煙草の箱とライターを掴んで、立ち上がる。やたらに背の高い男だ】
【黒い髪に黒いレンズのサングラス。服はダブルのライダースにスーツ地のトラウザーズ】
【フラフラしながら外にでると秒速で鍵をかけられ『CLOSED』にひっくり返された】

【男はくしゃくしゃに髪の毛を掻いて、少し歩いて降りたシャッターの前でつまずいて転ぶ】
【暫く突っ伏して、何となくしてから起きてシャッタに背をつけて、膝を曲げて座り込んだ】
【手に握った煙草の箱から1つくわえて火を付ける。人通りもクルマも少なくて、この時間は寂しいな】
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/24(火) 01:59:13.81 ID:SfNssJjY0
/もうそろそろ終わりかとは思いますが次のレス少し遅れます……申し訳ないです
349 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/24(火) 02:04:58.39 ID:Ayj6fzinO

>>345

【はらりはらりと落ちていく光の欠片】
【それと同じように、サフィアの周囲にはまたじわじわと冷気がまとわりつきはじめて】

【コントロール出来ていた筈の能力が、抑えられない】
【本人も気付いていないが、抑える事が出来なくて】

【その直後に耳に入ったのは地面を踏みつける音】
【自棄になって笑っていた彼女はその音にふと笑うのをやめ】

──鈴音、お姉ちゃん? 
【聞こえてきた言葉にぴくりと反応を示す】
【嗚呼、そうか。彼女が好きな“お姉ちゃん”って鈴音さんの事だったのか】
【やっと理解して、頭の中でピースが嵌め込まれて】

……知ってるよ! 
とても凄い事だと思うしカレー、凄く美味しかったもん! 
それに優しいし私の憧れの人だった!! 
でも、でももう辞めたんだ!! 
憧れるのも何もかも辞めたんだ! 

……知ってるよ! 
私が馬鹿だって事くらい私が一番知ってるんだ!!! 
無鉄砲で正義なんかに憧れて本当の本当に馬鹿だよ! 
私が一番知ってるんだから! 
【それでも口をついて出てくるのは子供じみた、反論にすらなってない反論で】
【両の拳をぐっと握り締め、ただただ叫ぶ】

……私だってファラエナちゃんの事知らないよ! 
【やっぱり売り言葉に買い言葉】
【テンプレのような言葉を返し】

【ぐいっと相手に背を向けた】
【その耳に響くのは相手の羽音】

……もう知らない! 
全部ぜーんぶ……馬ッ鹿みたい……馬ッッ鹿みたい!!! 

【──人がいなくなった暗い通り】
【ヒステリックな叫び声と壁に拳を叩きつける音が響く】
【その音の元となっているのは一人の少女】
【その足元には小さく鋭い氷山の連なりが形成され】
【周囲を冷たい風が吹き荒れていた】



/ここらで〆ということで
/絡み乙でしたー! 
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/24(火) 02:46:02.71 ID:SfNssJjY0
>>349

【――ばさ、と、光の翼が夜の暗がりを劈いて、風が踊る、光の暖かさが夜風を乱すけど】
【それで何もかも溶かせてしまうほどに彼女は太陽ではなく、ただ、ほんの手の冷えさえも暖められない】
【最後にひとつだけあっかんべーをして彼女の姿は夜の中に消えていく、きらきらの星空を背景にしてみても】
【ちっとも気分は晴れないし、いつもなら楽しい空を飛ぶことも、ちっとも楽しくなかった。ただ、なんだか心がもやもやとして】

【街外れにある公園。暗い中にぽつりと浮かぶ液晶画面の明るさが、あどけない顔付きだけを照らし出し】
【登録してある番号に掛けるまでほんの数秒、出てくれるまでに5コール、どうしたの、と聞こえてくる鈴の声】
【泣くつもりなんてなかったはずなのに気付けば涙がぼろぼろ落ちてきて号泣、電話の向こうからは困惑した声が聞こえて――】

【――結局その十数分後には駆けつけてくれるのだから、ヒトがいい。ただ、いつもに比べて赤らんだ顔、見せるなら】
【友達の誕生日のお祝いをしてお酒とか飲んでいたら急に深夜に呼び出されて、という感じで、困り顔】
【よしよしと抱きしめてもらって、泣きつかれて寝たので抱えて送ってもらって、そんな、後日談】

【結局、何があったのと聞かれてもサフィアの名前は出さなかった。出しても、上手く何か言える気はしなかったし】
【出さなかったら何かいいことがあるわけでもないけれど、出しても、いいことが思い浮かばなかったから】
【どうしたらよかったのかはよく分からなかった。それでも、今日の自分は間違いだったとは思って――正解は、見えなくて】

「――あ、音々ちゃん? うん、ごめんね、急に……、……うん、何か買っていくもの、ある?
 うん、うん……――じゃあ、お酒と、何か買っていくね。つくろっか? ……うん、じゃあ、何か――」

【そんなことを浅い眠りで考えながら眠る、聞こえてくるのは、鈴の声と、電話越しに聞いた覚えのある猫なで声と】
【「あ、じゃあ、なんかおつまみお願いします」とか言っている、――すっごく温度差のある、会話だった】

【(ちなみに、起きて朝日を浴びたら、いらいらした気持ちはすっきり消えていた。ひどいことを言ったという後悔は、残ったけれど――)】

/おつかれさまでした!
351 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/02/24(火) 15:57:16.15 ID:XAvP9ZPGO
【自然公園】

剣──、じゃなくて、刀の使い方は多少心得てるんだ。試合に勝ったことはないし、侍なんて嫌いだけど…。
俺だって、櫻の国出身だ、親、商人だったけどな…!

【黒いハットとインバネス、白い革の手袋を填めた青年がいる。】
【その手には、自警団から支給される一本の刀。】
【その刀を構えては素振りをする──訓練中のようだ。】
【インバネスという外套を羽織っているだけあって、その様は中々に侍っぽい。】

勝てる強さが必要なんだ。それがあれば、立ち向かう勇気だって湧くはずなんだ──。

【ぶつぶつ呟く青年を気味悪がって、回りには誰もいない。】
【自警団の紋章のおかげか、通報する者はいなさそうだが…。】
352 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/24(火) 20:28:31.18 ID:W0sq/1XHo
【昼の国―聖都】

【先日の事件のそのままの姿を残す聖都。水が引いて残されたのは瓦礫の山だけだ】
【救助隊が駆けまわり、生き延びた人はまた助けあって。また復興への一歩が始まろうとしている】
【中心から少し離れたここは被害も軽微だった為に幾つもある治療所の1つが設置されていた】
【仮設のテントや集会所には沢山の負傷者が横たわり。医学的、魔術的な治療を受けた】

【その治療所から少し先の街中】

…何?全部流れてしまっただと?…何一つ?…いや、十字架は要らない。バイブルも結構だ。
こんな時にすまないな、店主…失礼する。

【雑貨店から1人の女性が出てきて溜息。長い黒髪に、十分すぎるほど高い身長。体型は(略!wiki参照のこと)】
【服装もブーツにミリパン、Tシャツに黒革のコートを羽織っただけというシンプルなものだ。】
【額と左手に包帯を巻いていた。それと、腰にはホルスタと拳銃が。十分すぎるほど戦場帰りの戦闘員である】

【彼女は煙草を探していた。重傷で担ぎ込まれて魔術による治療を受けた手前、目覚めてすぐに煙草をくれというのは】
【些か、常識にかける。しかし、吸いたいものは仕方ない。散歩と言って出向いたが見つかるはずもなく…】

ええい…軍人なら大概吸ってるだろう。見つけ次第、かっぱらってやる…

【鋭い眼光はまるで番犬…いや猟犬の様で、獲物であるたばこを探して歩き始めた】
353 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/24(火) 21:53:42.97 ID:Y58IrHZ3o
【何処かの国の何処かの街、何処かの路地裏】

【まるで地獄のようだった、夜の闇に彩られる暗い地獄、鉄紺色の焔がごうごうと燃え盛っているのに、驚く程に寒気のする世界】
【燃える鉄紺の焔は熱を発さず、明らかに自然の物ではない。焔の中に崩れ落ちた何人かがいた】
【焔に焼かれている彼等は、どれも焼け焦げた死体ではなく、ミイラの様に干からびて息絶えている】

……星ってこんなに綺麗だったか

【燃ゆる暗い焔をその右手に宿しながら、一人死体の中に佇み空を見上げる少年、どうやら彼が犯人らしい】
【外ハネの黒髪の上に、汚れた缶バッチを付けたキャップを被り、モノクロ迷彩のパーカーに身を包んでいる】
【そしてその右手には、辺りに散らばり死体を燃やすのと同じ鉄紺の焔を纏い、それを振り払うように掻き消すと、己の右手をまじまじと眺めた】

……この力があれば……これで俺も……殺せる…!
俺から奪った奴らと……何も守れなかった奴らを……!!

【燃える死体の服に刻まれた、逆五芒星を踏み付けて、憎しみと高翌揚感の混ざったような声色で呟きながら、少年は路地裏から歩き出そうとしていた】
354 :Bullet ◆yX9SOcHUiw [sage]:2015/02/24(火) 22:21:02.56 ID:e1qmtBzr0
>>352
「……遅かったか」

水の国で、トラブルが発生した。
そう聞くや否や、即座に自分は出向いたのだが、鉄の国からでは遠すぎる。
自らの使命を果たそうとした時には、既に事は終わっていたのだ。
その不甲斐なさに、思わず歯ぎしりをする。悪は全て殺し、駆逐すると誓ったはずだというのに。

男は溜息をつき、改めて水浸しの都市を見渡す。
身長187cm、体重105kg。高い技術を思わせる黒い戦闘服と背中の銃火器は、鉄の国の者、それも軍人だと一目でわかる。
顔立ちは整っているが、ハンサムというよりはゴツゴツとした岩のようで、その中央にある二つの眼は、瓦礫の街に向けられていた。
この戦いで、どれほどの人が苦しんだのか?どれほどの人が悲しんだのか?想像で終われるものではない。
「悪」が存在しているから、このような悲劇が起こるのだ。

「……そうだ。「悪」は私が全て[ピーーー]のだ……」

誰にも聞こえない呟きを一つ。落ち着いて一息つこうと、煙草入れから一本の煙草を取り出し、鉄の国の物と思しきライターで火を付け、今まさに口へ運ぶ。
それが煙草を探し求める彼女の前だったのが、どちらにとっての不運となるのだろうか。
355 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/24(火) 23:22:59.13 ID:W0sq/1XHo
>>354

おい、そこのアンタ

【ひと声かけてから、後ろから肩を叩く。軍人の性質上、平時であってもの急に】
【声をかければ警戒するものだ。殴られたり、銃を向けられるのはこちらも気分が悪い】

タバコをくれないか?

【身長は少し低いぐらいだ。女は有無を言わせぬ眼光をしていたが、本人はそんな気もなく】
【極普通に、それよりも優しい笑みでも付け足しているつもりで声をかけた】
【服装も似たようなもので、怪我の様子などを見れば事件に居合わせた人間かも知れない】


/すみません、気づくのが遅れました。まだいらっしゃればよろしくお願いします
356 :Bullet ◆yX9SOcHUiw [sage saga]:2015/02/25(水) 00:10:27.00 ID:hE9cTul/0
>>355
「……?」

煙草をくわえたその時、後ろから突然肩を叩かれ、何事かと後ろを振り向く。空いて居た右手を背中の銃にかけようとしたが、相手の服装を見てそれを止めた。
おそらく軍人と思しき戦闘服、それに身体のあちこちが傷付いていて濡れている。
男はその姿を見て、ここの戦闘に関係のある者だと察したのだ。

「(派遣兵か……それも女……私がのうのうと移動している間、彼女もまた傷付けられていたと言うのか……)」

彼は心の中で悲痛な叫びを上げた。女も戦場に駆り出されているこの現状、そしてそれすらをも傷つける者がいる事実に、ただ我慢ならなかった。
そんな事を考えている内に、ふと意識を戻す。目の前には、依然として女がいた。
どうやら煙草を欲しがっているらしい。その無遠慮な様子に若干の警戒心を抱くが、悪意は無いようだ。

「……ああ……煙草か」

男は我に返ったような返事をして、懐にしまおうとしていた煙草入れを再び開け、そのうちの一本を寄越し、ライターを着火する。

「……鉄の国の物だ。味はここの物よりは刺激が強いだろうがな」

煙草に火を付ける。
彼もまた煙を吹いた後に、改めて女に聞くべき事を聞こうと、口を開いた。

「……名前は?先日の戦闘に関わりがあったのか?」

質問内容はごく単純だが、簡潔に内容を聞くには手っ取り早い。
男は早い所この事件の真相をつかみ、元凶が分かり次第それを根絶やしにしようと思っていた。
その瞳には、妙にギラギラとした生気がうごめいていた。
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/25(水) 00:39:14.08 ID:z/gyQ4R90
【路地裏――――少し奥まで入り込んだその場所】
【辺りに転がっているのは数人の男女の姿。然れど、呻きながらも皆息をしており】
【よく見れば出血も無く。更にはその者達全員が機関に所属する事を示す逆五芒星を手の甲に彫っている事が分かるか】


「――――一件落着、でありますか。少し手間取ったでありますが、大きな怪我を負う事も無く終えられて良かったであります
…………連絡も済んだ事でありますから、もう少しで自警団の方々が引き取りに来ると思うのですが……」

【その場に立つのは、軍服に身を包んだ少女だ。腰には軍刀を提げ、片目は眼帯で覆われ】
【藍色の髪を纏めるように被ったのは制帽。一切の乱れを見られない其れは、少女の気質を表している様であり】
【――――自警団の所属を示す腕章。そして、其処に着けられたバッヂ。この少女が紛れも無く正義の徒である事を示すのだが】


「最近はカノッサの動きも目立つようになって来たでありますね……。あまり気を抜く事も出来ないであります……」

【呟き共に漏らされた溜息は現状を憂うが故か】
【路地裏となれば悪事を働く者も多いだろうし――――逆に、其れを阻止しようと見回りをする者も多い】
【だからこそ、この現場をそのどちらが目撃をしたって可笑しくは無い話であって】







【――――夜の公園。この時間にもなれば遊ぶ子供も居らず、静寂に包まれている筈だったが】
【今宵はブン、ブンと何度も風を切る音が響いていて】
【見遣ればいるのは栗色の髪をポニーテールに纏めた一人の女子生徒。歳は漸く高等部に入った程度であろうか】
【手にしているのは無骨な木刀。振り上げては振り下ろし、振り上げては振り下ろしなんて単調な作業をひたすらに続け――――】


「四十八、四十九、ごじゅ………じゅ……ぅ…………っ!!」

【回数は言葉に出していた通り五十回。額に浮かんだ汗を手の甲で拭えば、呼吸を整えるように一度深く息を吸って】
【長い吐息と共に木刀をその場に落とす事となる。最早拾うだけの気力も無くなる程に疲れたのか、落ちた木刀をそのままにフラフラとベンチに寄って】
【どっかりと腰を降ろせば項垂れるようにして身体を休める事だろう】


「つ、疲れたぁ…………。ううん、でも町の平和を守れるようになる為にはもっと頑張らなきゃっ!
本も読んで沢山研究したし、ぼくだって何時かきっと自警団の人達みたく……!」

【一人呟いたのは所謂将来の夢。大方自警団だとかの正義の味方に憧れでも抱いて居るのだろう】
【――――とは言え、素振りを見れば太刀筋はずぶの素人同然であり何より鉄芯の木刀でも無い物を50回振って疲労困憊なのだから実力もたかが知れる】
【精々喧嘩でちょっと強い程度の実力者。自分だけでは現実を見る事が出来ないとは何とも悲しい事】

【何であれ街灯の下で行っていたのだから良くも悪くもその姿は目立っていた筈で】
358 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/25(水) 00:52:49.87 ID:yt5oZzxdo
>>356

ああ…すまないな。

【彼女はそれを受け取って、自分のオイルライターで火を付ける。肺まで入れて吐き出して】
【薄くなった煙を嗅いで、やっとこその鋭い目を満足そうな表情へ変えると】

普段吸っている安物よりはマシだ。硝煙と血の臭いがついてなきゃ何だってマシだ

【彼女がいつも吸っているのはフィルターもない安い紙巻きで、味なんか気にするほうが間違いだって代物】
【それに戦場に立てば泥から砂の味、場合によっては血の味までする時がある。…まあその時は旨いから】
【おかしな話だ。平時が不味くて、戦時が旨い。この煙草は平時でも幾分マシな味がした】

…ふっ。…まるで憲兵だな。鉄の国じゃそうやって女を口説くのか?

まあいいさ……名前は…ヴァローナ。此処に来る前のヴェンドラー奪還戦に傭兵で行った
生きて帰れたんで神にでも感謝してやろうとここに寄ったら……このザマだ

救助隊の支援でもしようと移動していたら…匪賊が居てな。死体あさりをする匪賊が
討とうとしたら…私もこのザマだ。…主犯の奴の事は知らん。見ても居ない

【それが事実だった。たまたま此処に居合わせただけだ。情報については一般人となんらかわりはない】
359 :Bullet ◆yX9SOcHUiw [sage saga]:2015/02/25(水) 01:27:34.24 ID:hE9cTul/0
>>358
「そうか……」

彼女の答えに、男は愕然とした態度を取る。水の国がこうなった主犯を一刻も早く探し出さなければならないのだから。
しかし、彼はそのまま立ち去るのではなく、そこに留まった。

「この惨状を見ろ。誰がやったと思う?」

彼は一息付いてから、街を見渡して言う。

「……私にもわからない。だが確実に言えるのは……このように人が苦しみ、悶えるのは、人の中に「悪」が存在しているからだ」
「私はそいつらを根絶やしにする活動をしている。……私の言いたい事が分かるか」

また、煙を吐く。そして彼女の方を見、続きの言葉を発した。

「……その賊が居た所まで案内しろ」
「そういった小さな悪意からしらみ潰しにしなければ、たとえ復興しようと平和など夢のまた夢だ」

たとえそこに仕留めるべき標的が居なかったとしても、探し出して息の根を止める。
そんな確固たる殺意が、男の中に垣間見えるようだった。
男の左肩に刻まれた朱色の鷹の紋章も、この時ばかりは、何か黒い輝きを放って居るような気がした。
360 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/25(水) 01:47:06.06 ID:yt5oZzxdo
>>359

アーグ、とか言う元司教の亡霊が何だかんだとお抱えの騎士どもは言っていたぞ
…まあ事実かどうかは知ったこっちゃないが、ダムを吹き飛ばすぐらいだから
それなりにデカい組織だろう。残念なことにテロリストの名前を揚げ出したらキリがない

【彼女は煙草を吸う合間に、淡々と述べた。彼と違って、義憤に燃える様な様子はない】
【匪賊を逃したといった時に苦虫を噛み潰す表情をしたが、彼女は冷静だった】

言いたいことは分かるが、理解しようとは思わない。

【彼女は端的に、憚らずに言う。遠くを見つめていた。崩れた建物があるだけだが】

無駄だよ。今はすぐに応援の軍や、自警団が警らに回っている。あるのは教会の前の献花台だけ…
…アンタ、SCARLETか。だったら、教会のお偉方に話を聞けばいい。傭兵崩れよりは愛想もいいだろう

【今頃になって徽章に気がつくと、彼女は更に冷たくそう言った。傭兵からすれば国軍なんて使い捨てに】
【するろくでなしの集まりとしか思えない。SCARLETはお国に体よく使われる「首輪付きの犬」…だ】

…本部に行くか?よければ官給品の煙草を貰ってきてもらえると助かるんだが
361 :Bullet ◆yX9SOcHUiw :2015/02/25(水) 02:21:21.64 ID:hE9cTul/0
>>360
「……自警団などと、そんなものは罪を犯した人間を捕まえるだけだ。」
「それは根本的な解決にはならない」

彼は言い切る。悪人を捕まえて更生させずに、手っ取り早く、根本的に解決する方法があるとすれば、それは一つしかないだろう。
男の意図はまさしくその言葉通り、悪人を根絶やしにしようという事なのだ。

「荒廃した地にも、何処にでも悪は現れる。貴様が先ほど言った、賊のように」

男はまた、淡々と語り始める。自分の行動方針を語っているようで、それは彼の生き方をも同時に話していた。

「その理由が貧困だろうと困窮だろうと、そんな事はどうでもいい」
「結果的に悪事に走った者が、総て悪なのだから」

煙草の煙を吸い、一息吐く。
そして、事情という物もあるのだろうが……明らかに態度の悪くなった彼女に向けて、もう一言付け足した。

「……これは組織の命ではない。自分の意思での活動だ」
「そうする理由がなければ、ここへは来ない。そうだろう」

彼は徐に懐から煙草入れを取り出し、それを彼女に向けて投げる。

「持って行け。ここに目的の物が無い以上、私は他所へ移らなくてはならん」
「……余り煙草は吸わないのでな」

それだけ残して、その場から立ち去ろうと踵を返す。
そして背中を向けた時、背負った黒いアサルト・ライフルは、獲物を探し求めるような妖しい光を放っていた。

/この辺で……
362 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/25(水) 02:37:31.25 ID:yt5oZzxdo
>>361

…SCARLETさんはご立派だな。二束三文の金をもらって、幾らでも殺す私とは大違いだ

【煙草を落として、ブーツのかかとでもみ消した。マナー云々言われても仕方がないが、こういう場所で】
【こういう人間なのだから仕方がない。非難は後ほど幾らでも受け付ける。なおす気はないが】

アンタの夢が成就した時に人類がアンタ1人になっていないことを願うよ
…どんな御託を述べようが「首輪付き」には変わりない

【彼女はつい、皮肉を言ったが煙草を投げ渡されるとそれを取って】

…煙草の分の非礼は詫びるよ…ミスター……ったく、人に名乗らせるなら
自分も名乗って欲しいな、全く…

【そう言ってまた、タバコを一本抜いた。久しぶりだったからつい吸いすぎてしまう。平時ぐらいは】
【禁煙を考えてもいいかもしれない。まあ…この一本を吸い終わってから考えるとしよう】


/お疲れ様でしたー!
363 :クラフト・エル・ステニィ [saga]:2015/02/25(水) 19:58:49.78 ID:eMdeTSxe0
//相手の人から連絡がないので、再利用させて頂きます


【―――水の国、街中―――】
【人の声と声の中、静寂を突き破る風が走って―――しまった】

……っは、っは、っは………は、ぁ……。

【黒い髪、緑の瞳】
【切り揃えられていない前髪は少しのだらしなさ、または不潔感を感じる人もいるだろう】
【息を切らし、街道の真中。膝をつき、顔は青ざめて―――焦燥に駆られて、頬も生気がないように色が見えない】
【青白く、この男の視界はぼやけている。ふら、と瞳が揺れ動き、今にも崩れ落ちそうな程だ】

だ、誰か――――――っ!!

【声を綴る。街中という、街道という事すらも厭わない。それすら考慮できない程焦っている】
【一度声を詰まらせた後、視野を周りへと回し――――】





食べ物、くだっ、さ――――






【まあ、結局はこれだけやっておいて食べ物が欲しいだけなんですけど】


ごぼぉっ!! ダメだごぼぉっ!!


【軽く咳をして(別に血を吐いている訳ではない)、更に律儀に自らの限界を伝えて咳(別に吐血している訳ではない)を再度吐いてばたりと倒れる】
【うつ伏せでびくんびくんと震えて、ちーんと消沈、奇怪な視線を何個も向けられるが、こんな奇妙な人に食べ物を渡す人などいない訳だ】


【……誰か、助けてあげてください】
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/25(水) 23:02:27.63 ID:mV1CP0Re0
【離れた位置に街明かりの見える海辺】
【半月に程近い月だけが光源になって砂浜を照らす、月明かりは、波間にいくつにもばらけ、細かく散らばり】
【波の打ちつける音ばかりが静かに響く――中に、ざらざらと、砂同士をこすり合わせるような音が、響いていた】

……――ま、こんなもんかしら。

【――見れば、人影が一つと、無数の薔薇の花、魔力を乗せて風に舞う花びらを見るに、何かそれ由来のものだとは知れるが】
【そして特筆すべきは、その人影の前に佇む大きな影――これまた無数の色とりどりな花に覆われ、何なのかははっきりしないものの】
【頬に手を当て満足そうに呟く“彼女”が、ふわりとその手を振り下ろすと、――いっせいに花弁は散り果て、風に攫われて消える】
【あとに残されるのは――砂のお城、だろうか。それもとっておきに大きな、佇む女性の背丈を優に超え、二メートルはある、】
【さっきまでの様子を見るに能力か何かで作り出した砂のお城、手作りならひどく時間が掛かりそうに、細かな仕上がりの】

【腰に微妙に届かない長さの髪は深い紺色、月明かりで浮かぶハイライトは僅かに青みを帯びるが、黒に見えるほど暗く】
【瞳も同じ色合い、振り下ろした手をもう一度頬に触れされて、満足そうにしてから――取り出すのは携帯電話、で】
【シャツとプリーツの入ったミニスカート、羽織っているのはコートだが、暖かい夜なら、ボタンは開けられて】
【足元はロングブーツ、――ちなみに足跡はまっすぐここまで歩いてきたきりで、城を作るのに苦心した様子は見えず】

前よりも上手に出来たわね、――。

【髪に飾られている薔薇の花の髪飾りが夜にきらりと煌いた、それから数度連続するのは、携帯のカメラのフラッシュ】
【違う角度で数枚撮ったと思えば、「送っときましょ」なんて呟きが聞こえて――視線は画面に縫い付けになる】

【――大きな大きな砂のお城は暗がりの中でもよく目立っていた。或いは、その前の薔薇の花の光景も】
【原因らしい人間はせいぜい数歩しか動かず、まだ立ち去る様子もなく。それなら――誰かが興味を持っても、おかしくなく】
365 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/02/26(木) 17:56:04.89 ID:r/CqFaWLO
【先のテロの舞台となった都市、スラウロット──】
【「傷心旅行もすんだろう」ということで、青年はその復旧活動に駆り出されていた。】
【支給された作業着と軍手、自身の能力である嘴をも巧く利用しながら作業に勤しむ。】
【──ダムの決壊による水はすでに干上がっていたが、それとは別に悪天候。】
【テロ被害にあった住民連中は水浸しに成る地面にトラウマを蘇らせて寝込むものも多数現れる。】
【また各地の崩壊っぷりも凄まじく、復旧活動は困難を極めていた。】

【──そんなこんなで休憩時間。各々が屋根の下で思い思いに休むなか、】
【青年は一人、先の戦いの最中、自身の能力が覚醒した地点。】
【時計塔に訪れていた。】

嘴は変化なし──やっぱり相手の攻撃がなんかのきっかけになったんだ…。

とはいえ、相手の攻撃がどんなだったかなんてのは覚えてないし…。

【嘴を出現させて、雨に濡れながら時計塔を見上げる。】
【──雨足が強くなり、雷雲も出始めてきた…。】
366 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/26(木) 21:20:19.52 ID:eQiuoBGDO
【聖都スラウロット】

【先日の事件により、聖なる都と呼ばれる都市は混迷を極めていた】
【表通りは復興に尽力する自警団員や市民たちが、汗水を垂らしている】
【皆、精神的にも肉体的にも、弱っていた。こんな大都市が、惨劇に見舞われたのだから】


……はぁい。お疲れのようね
少し、「休んで」いかないかしら──?


【しかし世の中には、このような事件を喜ぶ人種だっている】
【聖都の暗がり。そこを通りすがる男たちに声をかけている女が、いた】
【艶やかな黒い長髪に、紅い瞳の、女。身体のラインが強調された黒いドレスを着た、女だった】
【彼女は道行く男たちに、声をかけていた。見るだけで分かる。娼婦だ】
【災害すら商機に変えてしまう、ハイエナのような──社会の、嫌われ者だった】
【周辺に彼女の「お仲間」はいない。店に所属しない、はぐれ者だろうか】
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/26(木) 21:29:34.18 ID:iiqS8NKR0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】


【――――夜の国 公園】

うぁ……ぅ……きっつ…………
「――――見つけた、こんな所に! 最近無茶し過ぎじゃないのか……!?」
……言うなって、そこまでじゃ……ねぇ、よ

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【ひょろっとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の男性と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】

【人気の無い公園の街灯の下で、何事かの声を荒げている】
【青いコートの男性は、街灯にもたれかかる様に身体を預け、脂汗を流しながら歯を食いしばっている】
【黒いコートの青年は、そんな男性を前に、悩んだ様子で眉間に皺を寄せていた】

「……また血豆を作って、少し流血してるんだろう? 無茶は厳禁だ……体力を養う前に、浪費するだけだよ……!」
……別に、珍しい事をしてる訳じゃ無ぇや……それよりも、身体の嵩を早く、戻さねぇと……

【2人のそんな様子などお構いなく、図上では蛾が街灯の明かりに誘われ、しつこく飛び交っていた】


【――――所変わって、風の国 商店街】

――――どうですか、様子は……
「……やっぱり、まだ流石にしっくりこない、ねぇ……おっかなびっくり、歩いてる状況さ……」
<でも、今日は大分歩けたと思いますよ! ……そろそろ、休憩しませんか?>

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のどこか虚ろなオッドアイを持ち、額に大きな傷跡が残っている】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女と】

【銀色のウェーブがかったロングヘアーに、目元をサングラスで隠し、毒々しい赤い口紅が塗られた唇をしている】
【全身は、飾り気のない黒のライダースーツで固められており、スマートな印象を与える】
【両手足が、どこか不釣り合いな細さの、鋼鉄製のものに接ぎ変えられている、身長160cm前後の女性と】

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】

【ゆっくりと、練り歩く様にして人のまばらな道を歩いている】
【一番年長と思われるライダースーツの女性が、どこかぎくしゃくした歩きで進み、2人の少女はそのペースに合わせていた】

……もしもの時には、私が皆さんを運びます。だから心配はしないでください……
「……流石は、元『Justice』……」
…………
<……ぅ……ほ、ほら、せっかく出てきたんですし、何か買っていきましょうよ!>

【一行の空気は、どこかその歩行同様に、ギクシャクしたものを感じさせている】
【オレンジの髪の少女はそれをなんとか払拭しようとするが、仲介と言うにはやや頼りない光景だった】


【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/26(木) 22:25:44.82 ID:jspiuxf8O


【路地裏】

【本来なら暗い路地を不自然な赤色の光で照らすのは、炎を纏った小さな蛾】

【それはひらりと優雅に舞い路地裏に鱗粉のように火の粉を落とす】

──よし、ざっとこんなモンかね? 

【不意に聞こえたのは若い男の声。炎を纏った蛾はその声が聞こえたのか声の主の元へひらりと飛び】

【其処にいるのは一人の青年】
【年は二十歳前後。蘇芳色の少し長めの髪に白いワイシャツ、黒いレザージャケットに黒いパンツと革靴という格好で】

……取りあえず着てみたがこれだけは上手くいかねェな……
【どう着けんのこれ……とぼやきながら見るのは手に持ったこれまた黒いネクタイ】
【しかし、すぐに「ま、いいか」なんて呟きながらジャケットのポケットにネクタイを突っ込むと足元から灰色の襤褸布のようなものを拾い上げ肩に引っ掛ける】

……しかし酷ェもんだな
一体どんな奴が殺ってったんだか……
【そうひとりごちる青年の焦茶色の視線の先には二つの骸】
【一人はシャツにレザーのパンツ姿、もう一人はスーツのジャケット一枚】

【どちらも全身に黒く禍々しい紋様を浮かび上がらせ、苦悶の表情で息絶えている】

【まあ、服装がおかしいのは青年の所為なのだがそれは恐らくどうでも良い】

【それより問題は、幾ら彼の周囲を炎を纏った蛾が一匹飛んでいたとしてもこの状況では青年が犯行を疑われかねないという事と】

……これアレだな
各々の財布から半額ずつ貰ってけば良いな……財布ぶ厚いし
【青年が遺体から服を剥ぎ取っただけではなく窃盗までしようとしている事なのだが】






【繁華街】

【人々で賑わう通り、その一角に吹き荒れるのは凍えそうな程に冷たい空気】

【ゆっくりとゆっくりと移動していくその冷気の中心には一人の少女】

【しっかりと閉めた赤紫色のパーカー、紫色のスカート、黒いニーハイソックスに赤茶色のショートブーツ】
【ハニーブロンドのセミロングからのぞく額には血が流れた跡があり、そのワインレッドの双眸は何処か虚ろ気味で】
【ぐしゃぐしゃに傷付いた片手からはぼたぼたと血が垂れている】

【──そんな、十代前半程の少女】

【人々は少女の普通ではない様子と、その身体から発せられる夥しい冷気から少女を大袈裟に避け、奇異の目を向ける】

【ざわざわと囁かれる人々の心無い「何なんだあれ」「ヤバいんじゃない? 」という声に、少女はキュッと唇を噛み】
【それでもなお、覚束ない足取りで歩く】

369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/26(木) 22:27:27.27 ID:uvFDHpll0
【街中――路地裏、入り組んだ道の奥】
【ぴったりと半分になった月がうっすらと差し込む、それも足元を見る程度の明るさでしかないけれど】
【きらりと煌いて闇に目立つ瞳にはそれで十分だった――とか、誰に教えるわけでもないのだが】

……あら、これ、あの子の。
こんな場所でも配ってますのね、――少し遠いと、……思うのですけど。

【こつりと甲高い音で地面を踏むヒールの靴がそこだけがしゃりと音を立て、見つめた先にはかみぺら一枚】
【拾い上げてみれば何かのチラシ、軽く眺めてから小さく呟く――指先は曖昧に皺を伸ばしたり折れた場所を直しながら、】
【視線は壁に残された元々これを貼っていたらしいテープを見つけ出す、触れてみても粘着力なんてとうに消えた――】

【――懐から取り出した絆創膏で変わりに壁に貼り付けてやる。たまたま吹いた夜風に飛ばないのを確認してやれば】
【「ま、いいでしょう」だとか呟いて、傍に置いてあった中身のよく分からない木箱に腰掛ける、それからくうと猫めいて伸びをする】

【黒猫と同じ毛色の髪は少しだけ毛先をくしゅっとさせたボブヘア、瞳は青林檎の色合い、それが闇夜に獣の瞳のように煌き】
【多少不健康な方向性に色白な肌、黒のコートで身体を隠して、ただ、女性としても豊かなスタイルのよさは目立ち】
【薄いストッキングとハイヒールの靴、退屈げにあくびして口元を押さえる指先には、透明なマニキュアが塗られ】

【女性が壁に貼っ付けたのはどうやらUTのチラシ、最近始めたという、孤児や浮浪者のための食事提供】
【たんぽぽなんて花の名前を冠した計画をたっぷり書いたチラシを横目で一瞥、小さく呟くのは、】

……やっぱりここからだと遠いと思うのですけど――。

【――いつの間にかその足元には黒猫が居て。同意するみたいに、にゃーなんて鳴いている】
【彼女はそれを靴の爪先で緩くあやしてやるようにして、取り出した携帯電話の画面の明かりが、闇の中にぽつんと浮かんでいた】
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2015/02/26(木) 22:33:46.86 ID:+201WBVmo
>>367
/まだいらっしゃますでしょうか?
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/26(木) 22:38:08.64 ID:iiqS8NKR0
>>370
/ぎりぎりで残ってましたが、ここに
372 :スクラップズ ◆EQBB9rCCt1P5 [sage]:2015/02/26(木) 22:53:58.40 ID:+201WBVmo
>>371
/ありがとうございます、よろしければお願いします

>>367
【風の国特有の、肌を撫でるそよ風が商店街を吹き抜けていく】
【三人のどこかちぐはぐな女性たちも、まばらながら歩く人々も等しく、その間を吹き抜けていく】

【その一行から見て、向かい風となる風と共に、一人の男が彼女らとすれ違った】
【それ自体は珍しい光景ではないだろう。パーカーにジーンズというカジュアルな格好の男に、特に怪しげな様子もない】

【いや、なかった、というべきか。その男は、すれ違いざまにライダースーツの女性が漏らした一言に、わずかにピクリと身体を動かした】
【男は、そのまま歩き去っていく。一行からそれなりの距離を取ったところで】
【その男は、懐から携帯端末を取り出し、歩きながら声を潜めてどこかへと連絡を取り始めた】


【それから、しばらくは何も起きない。買い物をして回るなら、問題なく出来るだろう】
【だが、そのうちに。複数の気配が彼女らの周りに現れ始めるはずだ。商店街を歩く人の中に混じって、あるいは街の路地裏の奥から視線を投げて】

【気付かれないようにしてはいるが、彼女らなら気が付くことも出来るだろう。プロというわけでもないらしい】
【そう、彼女らを尾行しようとしているものたちがいるのだ。一体何者か。仮に間を置いたとしても、殺気は見せてこない】

【そのうちに、彼女らの背後に一人の男が現れるだろう。最初の男とは違う。黒い外套をスッポリと被り、フードで顔を覆っている】
【フードの影からわずかに覗く男の顔には、鉛色のピアスが複数付けられているのが見えるはずだ】

【黒外套の男は、距離を取ってゆっくりと彼女らをつけていく。黒く厚い軍用ブーツで、商店街の地面を踏みしめて】
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/26(木) 22:55:11.48 ID:6QB1xDIQo
>>368
「こんばんわ、お嬢さん」

【そんな少女に話かけたのは怪しい男】
【ボサボサの白髪頭に眼鏡をかけた白衣の初老】
【例えるならばそう、《狂った科学者》とか《怪しい医者》とか、そういう風体】

「そんな状態で一体何をしているのかね?」

【左手で缶コーヒーを弄びながら単刀直入な質問】
【男を動かしたのは単純な好奇心】
【町を歩いていたら(この男も十分以上に視線を集めた事だろう)"面白そうな物"を見つけた。それ以上でもそれ以下でもなかった】

//初ロールです!まだいらしたら宜しくお願いします!
374 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/26(木) 23:12:13.35 ID:jspiuxf8O

>>373

【突如かけられた男の声。その声に少女は立ち止まり虚ろげな双眸を男に向け】

【すぅ、と何処か不快そうに眉を顰めた】

【“白”い髪に“白”い服──】
【白嫌いの彼女からしてみたら嫌いなモノの塊が現れたようで】

……何を? 
ただ歩いているだけですよ? 
それが……何か? 
【男の雰囲気も手伝ってか何処か警戒したような、それでも冷たい声色で返す少女】
【少女に纏わりつく冷たい空気はもう少しだけ冷たさを増して】
【じりり、と少女は後退る】


375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/26(木) 23:12:18.22 ID:iiqS8NKR0
>>372

…………じゃあ、とりあえずそこのお店にでも……
「……あぁ、適当に見繕っておこう……ついてでも、色々と買い込んでおいて損は無いだろうしねぇ……」
<じゃ、じゃあ行きましょう!>

【一行の、どこかちぐはぐな空気は、周囲への注意を散漫なものにさせていた】
【恐らくは、互いにどこか居心地の悪さを感じつつも、どう払拭したものか計りかねているのだろう】
【オレンジ色の髪の少女が、何とか積極的に言葉を繋ぐ事で、沈黙が場を支配する事を避けている様だったのだが――――】

【――――――――――――――――】

……リベルさん。もし荷物が重い様だったら、私がもう少し持ちますよ……?
<え……だ、大丈夫ですよ、これくらい! それよりも、ラベンダーちゃんは『支え』をお願いします>
「……大丈夫さ。そこまで覚束なく歩いてる訳でもないしさぁ……」

【主に食料品を買い物袋にぶら下げて、3人はどうやら帰路へと入った様だ】
【2人の少女がそれぞれに荷物を持ち、ライダースーツの女性は相変わらず、アンバランスな義足でゆっくりと歩いているのだが】

(――――――――…………ッ?)
「(……なんか、居る…………多分……いや、間違いないさねぇ…………これは一体……ッ!?)」
{(……おいリベル、リベル! 分かるかお前!?)}
<(……うん。なんか、様子が変だよね…………こっちを、窺ってる何かが、いる…………!)>
〔(……気をつけときなさいよ。あたし達3人だからって、安心していられるとは限らないんだから、ねぇ?)〕

【――――どうやら『それ』を3人が察知するのに、然程の時間は必要なかった様で。一行の会話が、スイッチを切ったラジオの様に途切れる】
【歩調は相変わらずではあるものの、その『重さ』が、ぎこちなさから切迫したそれへと色合いを変えていく】

……………………「……………………」<……………………>

【どう対応するべきなのか――――下手な会話も交わしづらい。それをきっかけにして、相手が何らかのアクションを起こして来ないとも限らないからだ】
【――――状況のイニシアティブは、往々にして「コトを仕掛ける側」に存在する】
【3人共、それを良く理解しているからこそ、下手に現在のバランスを崩す事が出来なかったのだ。ごく一部の例外を除いて】
【――――そう、『ごく一部の例外』を除いて。敢えて人気の少なく、かつ広い空間の確保できる、広場の方へと足が進んで行き――――】

――――っ、『イーグル・フォース』!!
「!!」
<!!>

【そこに足を踏み入れた瞬間、ボロボロのコートの少女が唐突に咆哮する。その瞬間、その肉体から閃光が放たれ――――】

【ラベンダー色の羽毛を持った、巨大な鷲】
【鋭い嘴と鉤爪を持っており、翼は片翼だけで3m近くあるだろう】

【巨大な怪鳥の姿が、そこにあった。それに合わせてか、切り替えた様に素早く動き出すオレンジの髪の少女と、ライダースーツの女性】
【恐らくは、距離を取る心算なのだろう。その為の布石として広場に足を踏み入れ、そして『鳥』へと変身したのである】
376 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage]:2015/02/26(木) 23:18:28.42 ID:QPWAiScbo
【路地裏】

……アンタ、『アーグ』って奴を知ってるか?……そうか

…なあ、アンタ───

【ゴミとクズとアウトローの吹き溜まり、平和を平凡に享受したい人間はまず近付きはしない場所】
【見るからにまともではない奴らが屯していて、聞くからに良くない内容の話が行き交っている】
【そんな所に平凡な格好をした少年がいれば目立つのは当然であり、またその少年が格好の割に、持つ雰囲気が只事じゃないのが拍車をかけている】

【外ハネの黒髪の上にキャップを被り、モノクロ迷彩のパーカーとジャージズボン、そしてスニーカー】
【どこにだっていそうな格好なのに、彼の目は驚く程に闇が深く輝きが無く、無感動に俯いている】
【そんな少年が、数々の悪人面相手に臆する事なく、同じ事を問いかけ続けている。まるで壊れたラジオのように同じ事ばかりを問う少年を相手に、問われた相手は皆黙って首を横に振るだけ】

……『アーグ』って奴を知ってるか?

【この場にいたのなら、貴方にだって同じ問いかけが訪れる。その答えに答えるか答えないか、若しくは只事ではない少年について問い返すか、それは問われた者に権利がある】
377 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/02/26(木) 23:42:57.52 ID:6QB1xDIQo
>>374
「ふむ、意識してか無意識にかは知らないがね」

【そんな少女の反応も、少女の周りの冷たさも、まるで意に介していないように男は語る】

「そんな状態で」
【その血濡れた手や額に目をやり】

「こんな場所を」
【繁華街の、奇異の視線を向ける大勢の人間に目をやり】

「歩いていては、それは声をかけてくれと言っているようなものだよ。例えばそうーーー」

【そして一呼吸置き、若干声色を変えて】

「『どうしたんだい?』『何かあったのかい?』『悩みでもあるのかい?』」

【それは聞きように寄っては挑発のように聞こえたり、はたまた侮蔑のように聞こえたり】

「ーーーとでも言って欲しかったかね?」
【そんなことを言って左手のコーヒーを一口啜る】
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/26(木) 23:46:53.46 ID:8D376qvk0
>>366
/流石にもういらっしゃいませんか……?
379 :スクラップズ ◆EQBB9rCCt1P5 [sage]:2015/02/26(木) 23:48:00.64 ID:+201WBVmo
>>375
【彼女らが家路についただろうことを確認すると、気配たちはそれに続いて数を増やしていく】
【少しずつ、少しずつ、彼女らを包囲するかのように。途切れ途切れに聞こえる会話の一部も、聞き漏らすまいとするかのように】

【やがて、彼女らに沈黙が降り。その足取りが重苦しさを帯びるにあたって。とうとう、つけている者たちも隠すことを辞めたようだ】
【確かな複数の足音を響かせ、気配たちが彼女らへと近づこうとする。しかし】
【そこは、彼女たちも手練れ。自分たちの優位を例外へと変えてしまうほどの】

[――――!!!!]

【一行の背後についていた黒外套が、足を止めた。広場へとたどり着かれた時点で、反撃の可能性はわかっていたが】
【突如、眼前にその姿を現した怪鳥には驚きを隠せなかったらしい】


[……まあぁ、元『Justice』だったつーほどの人が、そう簡単に済むなんてこたないでしょうけども]
[また愉快なもんが飛び出しましたなあぁ……どうしましょうかねえぇ?]

【外套を脱ぎ捨てながら、男が広場へと踏み込んだ。オールバックにした鉛色の髪と同色の、濁った瞳で怪鳥に姿を変えた少女を睨む】
【カーキ色のジャケットの上に、ポケットがいくつもついた黒のベストを着用し、迷彩柄のズボンと、黒く厚い軍用ブーツを履いたその男は】
【両耳と口元、口から覗く舌の外周にもびっしりと。鉛色のピアスを装着していた】

『……出来れば生きて拉致りたかったが、無理そうだなあ、こりゃ。単体じゃ俺らが勝てる相手じゃねえだろ』
「だろうな。ならば、やることは一つだ。この場で始末して、死体と持ち物だけいただいて帰る。油断はするなよ?」

<そうこなくっちゃ嘘ですぜ、兄貴!! このガキども、さっきからヒソヒソと、俺の悪口言ってたに違いねえんですから!!>

【彼女らに対抗するかのように、気配の一部がピアス男に続いて広場に入り込む】
【片方は、一つの身体に二人で同居している異形の男たちだった。一つの身体に二つの頭と、四本の腕がある】
【向かって右側の頭は病的に青白い肌にほっそりとした顔つき。落ちくぼんだ目に白く濁り切った瞳。長い白髪を後ろで一つに束ねている】
【向かって左側の頭は浅黒い肌に顎の突き出たがっしりした顔つき。つり上がった目に爛々と光る黒い瞳。短い黒髪をボサボサに乱している】
【四つの袖があるスーツから伸びる、本来の腕の位置にある両腕は青白く細く、脇の下あたりから生える両腕は浅黒く筋肉質だ】

【180センチほどの身長の胴体を包むスーツは中心から向かって右側が白、左側が黒にカラーリングされており、 ネクタイや革靴も同じように左右で色分けされている】
【そのスーツの両胸にある胸ポケット。ライダースーツの女性は、それが見えただろうか。そこには、白地の側が黒い糸で、黒地の側が白い糸で、それぞれ「No.50」と刺繍されていた】


【もう片方、最後の一人は、骨と皮ばかりに痩せこけた男だった。飛び出さんばかりに大きい目に、くすんだ鉛色の瞳】
【ほとんどドクロと化した顔を半ば覆い隠す黒い長髪だけが、女性のように艶やかで、そのアンバランスさが男の不気味さを引き立てている】
【擦り切れた白い着物に、黒いジャージズボンと白いランニングシューズ。胸部には、着物の上からめり込むように、心臓のあるべき部分に小型のエンジンが埋め込まれている】


「――――では、始めよう。何、相手は強敵だが、やることはいつもと同じだ。殺して奪え」

【二つ頭の片割れ、この場では一番立場が上らしい白い頭の号令を受けて、異形どもが動き出した】
【二つ頭の太い腕が振るわれる。そこから噴き出す何か。砂だ。黒ずんだ、砂が腕から出現したのだ】
【空中を舞う砂は、一つに集まって大きな刃となり、怪鳥と化した少女へと飛んだ。速度は速いが、当たっても大したダメージにはならない。おそらく、攻撃が通じるかを見る試金石だろう】

【残る二人もそれぞれ動き出す。ピアスの男が掲げた右腕、その肘から先が巨大なガラス片のブレードへと変形し】
【ライダースーツの女性へと、そのブレードを掲げて走り寄ろうとするだろう。なかなかの瞬足だが、動きは単純だ。そのまま、ブレードで袈裟懸けに斬りかかろうとする動き】

【もう一人、エンジン男は最後の一人、オレンジ色の髪の少女へと向かう】
【何やら支離滅裂な罵詈雑言を喚き散らしながら、腰に差していた日本刀を抜き放ち、切っ先を彼女へと向けて】
【そのまま、彼女へと突きを繰り出そうとするだろう。こちらも足は速いが、遠間からの突きだ。ピアス男以上に見切りやすいだろう】
380 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/26(木) 23:50:56.38 ID:eQiuoBGDO
>>378
\ここにいるぞ!/
381 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/27(金) 00:11:36.65 ID:3aWLKrUVO

>>377

【男の挑発とも侮蔑ともとれる声色での一言】

【少女は更に不快そうに表情を歪める】
【なんだ、それは】
【まるで私が誰かに構って欲しかったようじゃないか、と】

【嗚呼、だから白い奴って嫌い。彼奴等大体嘘を吐くか人を馬鹿にするかしかしてこないもの】
【本当、白いのに関わると碌な事がない】

……別に意識してそうしている訳じゃないですよ
それに、こんな触ったらどうなるか分からない人に話す馬鹿なんて…………あ、いますか此処に
【深い溜息を吐きながら少女は返す】
【その後に続ける言葉には一欠けの嘲笑を込めて】
【彼女なりの意趣返し、なのだろうか】

【実際、誰かに話しかけて欲しかったかといえば必ずしもそうではなかったし、話しかけて欲しくなかったかといえば嘘になる】
【まあ、それは話しかけてくる相手とその態度によりけりだったのだが】

──それで? 貴方は何者なんです? 
カウンセラーにしては三流のようですが? 
【皮肉を言い、にこりと微笑する少女】
【その足元がぱきりと音をたてて凍りつく】

382 :ラティーナ・S・クリーピオン ◆Do8.EzECwlkr [sage saga]:2015/02/27(金) 00:19:20.61 ID:kQSL83G00
>>366

【黴臭い路地裏の舗装を、その両脚は淡々と踏んでいた。何処かに向かうことにより、一定の周期を刻んでいた。】
【かつん、こつん。その両脚が娼婦に近付くにつれ、周期は少しずつ長くなり、そして遂には止まる。】
【足先は血染めのように紅く、太腿へと昇るにつれて焼け焦げたような漆黒へと変わる。そんな、両脚であった。】
【然れど、その両脚が果たして、娼婦の「客」になり得るであろうか。】

「…………」

【何故ならば娼婦の目前で立ち止まり、そしてその瞳――右は青、左は茶のヘテロクロミア――で娼婦を見つめる両脚の持ち主は、紛れもない女であるから。】
【静謐に光る銀髪をポニーテールとして肩に垂らす、黒い外套の女だった。娼婦と同程度の背丈から、同じ高さの不機嫌そうな表情にて、睥睨していた。】
【外套の下には、同じように黒いレディース・スーツを着ている。だがその女は、懐のポーチに手持ち式の電動ドリルをぶら下げていた。】
【更に言えば、その隣には赤黒いチェーンソーが吊り下げてもあり――何よりその背中には、身の丈ほどもある、痩せこけた大鎌が背負われていた。】
【僅かに漂う鉄と錆の臭いは、仄かな潤滑油の臭いなのか、鮮血と白骨の香りなのか。】
【ともあれ、このように足を止め、静かに息すらもかかるほどの距離で「嫌われ者」を見つめるからには、幾らこのように奇妙や女と言えど、一つの動機はあるのだろう。】

/それでは、よろしくお願いしますっ。凍結になってしまいそうですが……
383 :ヒライ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/02/27(金) 00:24:17.06 ID:IU8+DIrBo
【街角】

【深夜もまわり、街の通りからも人通りは殆ど消え、静かな時が訪れる】
【そんな街の外れの酒場。日をまたげば閉店時間も超えて】

『お客さん、閉店ですよ。お客さん』

【店員は声をかける。客は酒瓶と煙草の吸殻の山の間で突っ伏して寝いている】
【しびれを切らして店員はテーブルをぶっ叩くと、そいつは飛び上がるように起きた】

……ああ……そう。……オーラィ

【テーブルの上の煙草の箱とライターを掴んで、立ち上がる。やたらに背の高い男だ】
【黒い髪に黒いレンズのサングラス。服はダブルのライダースにスーツ地のトラウザーズ】
【フラフラしながら外にでると秒速で鍵をかけられ『CLOSED』にひっくり返された】

【男はくしゃくしゃに髪の毛を掻いて、少し歩いて降りたシャッターの前でつまずいて転ぶ】
【暫く突っ伏して、何となくしてから起きてシャッタに背をつけて、膝を曲げて座り込んだ】
【手に握った煙草の箱から1つくわえて火を付ける。人通りもクルマも少なくて、この時間は寂しい】
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/27(金) 00:25:14.79 ID:5lsAVNkh0
【住人の殆どが寝静まった小さな街】
【美術館だとかそんな物が有るわけでも無い此処は特に悪人達の標的となる事も無く】
【強いて言うならば身を隠したい者、或いは旅の際に宿を見つける者が通る程度】

【さて、そんな場所に今宵は珍しい姿が一つ】
【街灯の下に置かれたベンチに座り、サンドイッチを摘んでいるのは――――一人の修道女か】
【腰に提げている二丁の双銃が何とも物騒ではあるのだけれど、特に殺気などを漂わせている風でも無く】


「――――ん〜……流石に徹夜での尾行は疲れたけど……まあ、何とかなったし別に良いかな……」

【辺りに出歩いている者も居ないのだから、必然的にその修道女の姿も目立って】
【手にしているのは数枚の書類。行方不明だとか何だとか物騒な文字が並べられ】

【何故こんな所に修道女が、と疑念を抱き話し掛けるのもただ何と無く近づくのも良いのだろう】
【――――兎にも角にも、気配を感じ取れば其方へと視線を向ける事は間違い無く】







【某繁華街。何時の日も、どんな時も喧騒に包まれる其所は日々諍いも絶えず】
【――――今宵其処を見回りしていたのは一人の少女】
【軍服を一切の乱れなく纏い、きっちりと制帽を被った姿はその性格を表している様で】
【片目を覆うのは眼帯。自警団の腕章に“SCARLET”所属を示すバッヂを着けているとなれば一介の自警団員とも異なるか】


「全く……楽しむ事自体は良いのでありますが、もっと節度を弁えて欲しいものであります
暴れて他人を傷付ければ楽しむ事も出来ないでありますよ…………」

【小さく愚痴を零しながらの巡回。流石に彼女の横を過ぎる時は幾分シャンとした姿となる者が多くとも、少し過ぎてしまえば下手をすれば女性に絡む者まで居る始末で有る】
【はあ、と溜息を漏らしながらも巡回を続ける姿は中々に目立ち】

【同じ正義の徒の目に留まる事も否めず――――同時に、何か騒ぎがあれば巻き込まれる可能性も否定出来ず】

385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/27(金) 00:26:41.04 ID:jQ6P/hDC0
>>379

――――飛び立つまでの間を!
「ッ、ダメだ! 囲まれちまうよ!」
<複数の人が来てます! このまま飛ぶには余裕がないです!>

【そのまま2人を抱えて離脱する心算だった『鳥』も、その厳しいタイミングをものにする事は叶わなかった】
【追跡者の3名が、間髪いれずに広場へと足を踏み入れてくる。悠長に人を抱えて飛翔するのは、もう難しいだろう】

「ッ、こいつら…………2人とも気を付けな! こいつら機関の一味みたいだよ!」
……只者ではないだろうとは思ってましたが……!
<そ、そんな…………!>

【ライダースーツの女性が目ざとく見つけ出した≪No.50≫の刺繍。それだけがあれば、相手の素性は分かったも同然である】
【そのまま飛翔する事を諦めて、身体ごと振り向く『鳥』と、怯えと嫌悪の入り混じった表情で、思わず買い物袋を手放すオレンジ髪の少女】
【戦火を交えずに、この場を切り抜ける事は出来そうもない。それを3人は了解して身を強張らせる】

「2人とも……悪ぃがあたしゃ、まだ本調子じゃねぇ……火力援護ぐらいしか、出来そうもねぇけど……」
――――皆まで言わないでください。あなたを死なせる訳にもいきません。前線は、私が張ります……!
<じゃ、じゃあ私は――――ルヴァ、お願い!>
〔ま、この場じゃそれが適切な判断でしょうねぇ……〕

【状況に対応すべく、3人はそれぞれに戦闘態勢を整えるべく、動き始めた】
【鋼鉄の腕を開閉させながら、ライダースーツの女性は肩から、2門のガトリング砲台を展開させる――――この女性、サイボーグなのだ】
【鳥と化したコートの少女は、広げようとしていた翼を一端畳み、2歩ほど前へと出る。離れすぎない様に、前へと立ち位置を張る為に】
【そしてオレンジ髪の少女は、そっと瞑目して数瞬、再びその瞼を開く。その瞬間、『緑』だった瞳は『青』へとその色を変じさせていた】
【更に、変わったのは瞳の色だけではなかった。その外観に、大きな変化が生じる】
【――――黒と紫の色彩の、シックなドレス。少女がもう少し大人であったなら、きっと妖艶な美しさを発揮させていたであろう、大人の装い】

〔――――さあ、夜に無粋な真似をしてくれた機関のお兄さん方……早々に、お引き取りを願うわよ……!〕

【声色はそのままに、まるで急に大人びた様な様な口調で、オレンジ髪の少女は身構える。その身体に、黒い闘気が満ちて行き】
【その両手に、ロープの様な形状で成形された闘気の束が握り締められた】

【――――そして、衝突は始まる】

……っく! はぁっ!!

【『鳥』は、撃ち込まれた砂の刃を、翼で頭を庇う様にして被弾する。その丈夫な羽が十数本、飛散する。回避よりも防御を優先させたのだろう】
【そうして持ちこたえると、『鳥』は反撃とばかりに、その場で翼をはばたかせ、羽毛を弾丸状に2発、双頭の男性へと発射する】
【鋭い弾丸と化したそれは、速くまっすぐ撃ち出されたものであるが、攻撃としては単純な質量攻撃である。見切ってしまえば対処はいくらでもできるだろう】

「……っ、甘いんだよぉ! そんな動きで!!」

【ライダースーツの女性は、ガラスのブレードで切りかかって来るピアスの男性の斬撃を、その鋼鉄の腕で受け止めた】
【――――ガラスとは、単純に強度で言ってしまえば、決して鉄に引けを取らない。だがその腕もまた、その一撃を受けられないほどヤワではない】
【腕で受け止めると同時に、女性は体勢を低くしながら、やはり鋼鉄の足でローキックを見舞う。バランスが厳しい事を見越して、敢えて姿勢を低くしたようだ】

〔女に対してその態度は無いんじゃないかしらッ、出直してきなさいッ!!〕

【唐突に色々と変わったオレンジ髪の少女は、不吉に痩せ衰えた男性の突きに対して、不愉快げな表情と共に手にしたロープを振るう】
【その先端には、闘気が強く集中しており、ある種の重りの様な状態となっている。球状に成形された闘気を、ロープ状の闘気で以って振り回し、叩きつける】
【――――その切っ先を叩き逸らすと同時に、男性へと打撃を届かせようとする。諸共に『拒否』の姿勢を強く打ち出した対処だった】

/すみません、始まったばかりですがそろそろ時間がきついです……置きスレへの移行をお願いできますか?
386 :スクラップズ ◆EQBB9rCCt1P5 [sage]:2015/02/27(金) 00:27:40.89 ID:4MzJ8Vn4o
>>385
/こちらこそ、お待たせしてこんな時間になり申し訳ないです……
/了解しました、次から置きレスに投下します
387 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/27(金) 00:31:10.44 ID:zCUkprQDO
>>382

【足音が、聞こえた。音からして、女のものだった】
【通行人の半分は女で、半分は男。だから、珍しい音でもなんでもない】
【──つん、と戦場の匂いがした。客の誰かも、似たような匂いを引き連れていた気がする】
【ひとつひとつを取れば、この女にとっては気を引く出来事でもなんでもなかった。ひとつひとつを、取れば】


……お仲間、のようには見えないけれど?
それとも──今夜の相手はあなた……?


【ふふ、と女は囁くように笑った。告げた言葉は、半分だけ冗談だった】
【レズビアンの客だって、女の客には僅かながら存在した。だが、まったくいないわけじゃない】
【紅い瞳が、銀髪の彼女を見る。相手の持つ武器のせいか、警戒心が時折ちらついていた】

/よろしくお願いしまっす!
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/02/27(金) 00:33:49.09 ID:jQ6P/hDC0
>>386
/では明日以降、よろしくお願いしますー!
389 :ラティーナ・S・クリーピオン ◆Do8.EzECwlkr [saga sage]:2015/02/27(金) 00:53:20.39 ID:/WI2vHyoO
>>387

「……いいえ。興味がない、と言えば嘘になりますが。
 安心してください。別に、切り裂きジャックのような趣味はありませんから」

【緩やかに微笑みと囁きをひさぐ娼婦にも、彼女は淡々と、眉間に皺を寄せたまま答えた。仏頂面は、彼女元来の面持ちのようだった。】
【態とらしく、両手を挙げる。然しその細い指には、真鍮のナックルダスターと思しきものが填められているのだった。】
【それだけではなく――彼女の凡ゆる一挙手一投足の度に、黒い外套の内側で、何かが打つかり合う金属音がするのである。】
【無感情の顔面といい、冷淡なその語り口といい、どこか信頼のおけぬ女であった。そして更に、彼女はこう続ける。】

「丁度『仕事』が終わって、暇なものでして。
 どうせ話し相手を選ぶなら、面白そうな人がいいでしょう?」

【言い終えれば、彼女もまた微笑む。漸く見せた表情の変化であったが、それも極端にぎこちなく、唇を歪めたと形容すべき嗤いでもあった。】
【果たして斯様に不気味で厭世的な女が、娼婦という職業に対して、話し相手としての役割を求めるのだろうか?】
390 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/27(金) 01:10:40.91 ID:zCUkprQDO
>>389

【表情が動かない相手は、女にとって厄介な相手だった】
【何せ感情がわからないのだ。嬉しいのか、心地良いのか、嫌なのか、苦痛なのか。まったく、わからない】
【それに、喋らなさすぎて意味深な相手も、好きではなかった】
【別に話し相手なり商売相手に特別すぎる感情も、行き過ぎの興味も抱かない──】
【──円滑な会話の妨げになるモノは、好みではなかった】

【けれど、誰かが自分自身の存在を求めるならば、それに応じなくてはいけない】
【それに──今夜はまだ、暇そうだった。生憎と人通りだって、少なくなってきた頃合いだ】


そう……? 私も少し暇なの。あなたと違って、仕事はこれからかもしれないけれど

けど──安心したわ。私もホワイトチャペルで内臓をさらけ出したくないもの
それにしたって──ずいぶんと武器をお持ちのようねリッパー・ガール
そのコートの中身で、一体どれだけの男を泣かせてきたのかしら──?


【夜なのが、幸いした。闇がある間なら、得体の知れない相手の対処は出来るから──そう、女は思う】
【ゆらり。女の、影が揺れる。相手が万が一害をなしてきたときに、すぐにでも動けるように。ゆらり、また、影が揺れる】
【警戒は、解かない──だが、距離を取ったりすることも、なかった】
【下手にこちらが相手に手を出せば、良からぬ噂に為りかねないことを女はよく知っていた】
391 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/02/27(金) 01:13:13.42 ID:6cggcDxmo
>>381
「ん、私かね?私は通りすがりの暇人だよ。職業という意味なら科学者になるねぇ」

【少女の皮肉も、また足元の氷もやはり意に介さずに飄々として】

「すまないね、"面白そうなモノ"を見つけると手を出したくなるのは職業病のようなものなのだよ」
【こんな男に尚面白そうと評されるモノなど推して知るべしであり】
【また少女も"そこ"にカテゴライズされた事を意味しているのだが】

「さて、私の事よりキミの事を話して貰いたいものだかね。なに、三流とはいえカウンセラーだ。話を聞く位出来るだろうよ」
【そしてこんな所で皮肉を返しつつ、次はお前の番だと求める】
392 :ラティーナ・S・クリーピオン ◆Do8.EzECwlkr [sage saga]:2015/02/27(金) 01:45:48.23 ID:/WI2vHyoO
>>390

「数えていません。男も女も人間でなくても、仕事とあらば躊躇はしないのが信条でして」

【警戒を裏返した娼婦の問いにも、彼女は眉一つ動かさなかった。ある種の職業意識と付随する誇りが、女を冷淡にさせているようにも見えた。】
【畢竟、彼女から薫る錆びた臭いは、潤滑油のそれでもあったし、鮮血と白骨のそれでもあった。】
【娼婦は微笑んだまま、動くことなく影を揺らす。青と茶の双眼が、それを捉える。ぎこちない微笑は、既に消え失せている。】

「……影の変化、ですか。魔術か科学か存じ上げませんが、是非ともそのカラクリを教えていただきたいものです」

【やはり、彼女の表情は固定されたままであるが――その目元が、僅かに細まった。】
【彼女も、構える。僅かに腕のポジショニングが変わる。飛び退くことも柄を握ることもしなかったが、もし娼婦が先制の一手を打つのならば、即座の反撃にて応じる構え。】
【それにより、閉じられた彼女の黒い外套に仕込まれた「もの」が、ちらと見えるだろう――無数の銀色は、明らかに外套の装飾ではなかった。】
【均衡が生まれて、何分かが経つだろうか。娼婦の女がそれ以上の動きを見せなかったのなら、彼女はやがて力を抜いて微笑するだろう。】

「……話し相手を欲している、と言って、自己紹介をしないのも不義理でしたね。
 申し訳ありません。ラティーナ・S・クリーピオン、職業は『解体屋』です」

【構えを解き、最低限の距離を取れば、深々と一礼。銀髪が揺れ、代わりに背後の大鎌が一瞬だけ台頭した。】
【再び彼女の表情が見えれば、そこに仏頂面はない――僅かであるが、眉間の皺は残ってもいるが、確かに微笑んでいた。】

/すみません、そろそろ眠気が厳しいので、凍結をお願いします……。
/今日と明日は、23:00ほどからお返事できそうです。
393 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/27(金) 01:51:30.15 ID:nkHzeH8wO

>>391

……科学者、ねえ
確かにそれっぽくはあるけど……何ていうか“良い”研究はしてなさそうですね
……大方、そういう“面白そうなモノ”を見つけては研究している……といった所でしょうか? 
【科学者と名乗った男を頭から足先までじろりと見回すと少女はハッと鼻で笑う】
【その声はやはり何処か苛立たしげ】
【どうやら研究対象として見られているのだと感じたようで、それが気に食わなかったらしい】

【そうして、自分の事を聞かれれば少女はチッと舌打ちをして】

……誰が貴方に教えますか
貴方のような恐らく“所属”のない研究者には無縁のオハナシですよ
【そうしてベロを出す。所謂あっかんべえというやつをやり】
【白衣や服装に“何も”ついていなかった事から機関員ではないと判断したのだろう】
【お前のような奴には教えてやんない、お前なんかには分からない、なんて言い】
【馬ッ鹿みたいなどと小声で呟く】
【はっきりいって、年相応かそれよりも少し幼い子供のそれである】



394 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/27(金) 02:10:17.63 ID:zCUkprQDO
>>392

【ざわりと、女の影が泡立った。血の臭いが、女の感情を昂らせる】
【ちらりと、空を見る。今宵は、月が出ていなかった。ざわり。影が、踊る】
【けれど──女の動きは、それまで。表情に宿るのは、僅かな緊張】
【その表情が、ラティーナの持つ「銀色」に由来するものだと、果たして彼女は気付けただろうか】


──ロゼッタよ。ロゼッタ・ルゥ
ごめんなさいねリッパー・ガール
私、銀色は好きでないの──それに、夜空の月も

その、忌まわしい銀色を脱いできたら……またお話してあげるわ
私は娼婦──次はお客としてきてくれるといいわね……?


【ざわ、ざわ。また、影が泡立ち──女を足元から、飲み込んでいく】
【白い脚も、強調された腰回りも、引き締まった腹部も、豊かな胸元も、細い喉も、じわりと影に侵されていき】
【突如。水の中に落ちたかのように、女はその場から消えた──影の、中か】
【そうして……暗がりに、静寂が訪れる。逃げたのだろう】
【次に出会うことがあれば──きっとまた、女は銀色と月を忌み嫌うのだ】

/ごめんなさい、その時間から再開だとちょっと厳しいかもしれません……
/始まったばかりですが、ここで締めさせていただきます。勝手を言ってしまいすみません
/では、お疲れさまです。ありがとうございました!
395 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/02/27(金) 02:51:30.89 ID:6cggcDxmo
>>393
「おやおや、随分嫌われたものだね」
【そんな少女の態度に、いっそ微笑ましくさえ思いながら】

「まあ、大いに悩みたまえ、若人よ。悩みは弱者の特権であり、いずれ武器になる」

【なんて適当なのかなんなのか分からない事を言いながら、少女に背を向けて歩き出す】

「悩み続けたまえ。悩み続けた者にしか、答えの価値は分からないのだから」

【そこまで語り終えると歩みを止めずに振り返り、「それと・・・」と前置きして】

「それだけ言い返せる元気があれば、カウンセラーなど必要なかろう?」

【などと、意地悪めいた言葉を残して去ってゆく】

//そろそろ睡魔に負けそうなので、こんな感じで〆で宜しいでしょうか?
//そんな訳で絡み有り難うございました!お疲れ様でした!
396 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/02/27(金) 03:41:43.52 ID:GTT5j61bO

>>395

【大いに悩むと良いと言われその場を後にされかけると少女は憮然とした表情で「……何それ」と呟く】
【嗚呼、やっぱり白い奴に関わると碌な事がない。こんな何処の所属ともしれない科学者に────】
【そこまで思考した束の間、開けた“視界”】


──ああ、何だ
簡単な事じゃないか、自己解決
【少女ははたと何かに気付いたように呟くとくつりと笑う】

嗚呼、何で直ぐに思い至らなかったんだろ? 
そうだ、“そう”すれば良いんだよ! 
【少女は何処か嬉しそうな声をあげるとくるりと半回転】
【ふわりと冷たい風に揺れたスカート、その後ろをちょっと押さえて少女は去りゆく科学者に返す】

……嗚呼、取り敢えず感謝しておきます
“答え”ならもう見つかった
【言い放ち繁華街を駆け出す少女】

【街を駆けるその笑顔は】

【──酷く歪んだ狂喜の笑顔だった】



/ではこんな感じで
絡みありがとうございましたー



397 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/27(金) 19:22:09.94 ID:Fbd59vUno
【"巡洋艦サイズの海賊船"――と、いうものが存在する。甲板は広く、数十人が集まれる幅があり】
【艦橋は機能的かつ十分な武装済み。眺めがよく、一番上の展望デッキでは数キロ先も裸眼で見通せるほどで】
【海風は強いが、船体の揺れは少ない。船酔いし易い人間でもそこそこ生きてゆける船、それが――】


【海賊船Sea Queen=\―その航海は想像されていたよりも安定したものであった】
【波は穏やかで、天気は概ね良し。料理は海に慣れた者達が作っている以上】
【まさか栄養バランスが悪いはずもなく、味付けも海賊風に濃い目と飽きが来ない】

【――無論、それは平和的な一面でしか無い。制限を付けずに乗組員を公募した結果】
【いがみ合う者達が共に乗り合わせる、という結果に繋がっているのも事実であった――が】


『船の規律を乱す奴は、大昔からブッ殺す事になってるんだ……なあ、知ってたか兄ちゃん?
 ……なに、知らなかったから許してくれって?おかしいなあ、告知は乗る前にしたはずだ
 海に出たら法律は船長が決める。暴れるな、殺すな、秩序を乱すな。……簡単なことだ、今どき五歳児でも理解できるぜ

 さて、俺はお前が機関の人間だかUTの人間だか知らないが……約束を破った以上は船から降りてもらおうか
 なあにチョイと足に風穴開けて動けないようにはするが、一緒に樽も落としてやるよ
 生きて帰ったら便りでもくれよ。最深部7000m、潮流のど真ん中に位置する遠洋から生きて帰れたら……な?』


【"今日も"銃声が響く。不逞を働いた男が一人足を撃たれて、そのまま船舶の縁から蹴落とされた】
【理由は喧嘩や因縁の付け合いではない。落とされた男は誰それ構わず横柄な態度を取り】
【デカい顔をしておきながら覗きまでしようとした――らしい。それを、元締めの男性が取り締まった。】

【――この元締め、マフィアであった。名はビスク・フランコ、スペーツィエ・ファミリーの"狂犬"である】
【クリームカラーのスーツを着こなし、金のネックレスやピアス、中折れハット】
【顎には髭を蓄えた壮年の男で、些か狂気的だが紳士でもあり、船の治安維持を受け持っている】
【悪人だが、マナーはあるタイプだった。問題なく過ごしていれば、カードゲームの誘いをすることもあり】


【それから船長というのは女性で、名前はパルヴィ・シルッカ・パルシネンといった】
【肌は浅黒く仏頂面で、最新鋭の――それこそミサイルやレーダーすら積んだ船を操縦するにも関わらず】
【昔ながらもコートにベルト、カットラスやマスケット短銃で着飾った女傑であった】

【彼女は少し、性格的には妙な人物だった。というのもえらく静かだったり、荒くれじみていたり】
【どこか二面性のあるタイプで、ついでにいうと酒が飲めなかった】
【――その彼女を強引に酒に飲み続けていたチンピラが、翌朝船から消えていた、という出来事もあったりした。】


【他に乗っているのは主として自警団、教会の騎士、魔術師に一般人――他にも一攫千金を目論む若者や】
【ドラクレア島というキーワードに特別の興味を抱くもの、好奇心に奔らされるモノ】

【中には純粋な金銭目的で、給仕を手伝う銀髪の少年なんかも混じっているのだが】
【細かい点は良いだろう。ともかく航海はそこそこ順調で、不和は拳銃で強引に解消される日々が続いていた】
【事が起きたのは、エンジンが焼け付く寸前まで船が走って――"八日目"の事であった】
398 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/27(金) 19:22:46.89 ID:Fbd59vUno
【『ドラクレア等への海路』――八日目・昼過ぎ】

【昼食は羊肉の香草ステーキ。なんでも例の元締め、ビスク・フランコお手製だったそうだが】
【肉の焼き加減も上々で、添えられたサラダも海賊船の料理とは思えない出来であり】
【ただ天候が曇り、或いは霧に分類される不穏さを除けば良い午後であった】


【――異変は音≠ゥら始まった。雲の切れ間から、波とも風とも違う"咆哮"が響いたのである】
【気付いたのは給仕の少年。即座に船長が船の速度を落としてレーダーで探知したところ】


『龍≠ゥ……。前にここに入り込んじまった時に見たのと同じやつだな…?
 ……今じゃあの時の部下はもう居ないけど、こっちには武装が有るんだ…――。』


【『人間舐めるなよクソヘビ野郎』――という艦内放送の直後、ミサイルハッチが全門開放され】
【凄まじい煙と爆音を上げて、12発に及ぶ小型のミサイルが上空へと放たれたのだった】

【数秒後には命中したのか、或いは撃ち落とされたのか、白く雲に覆われた空で真っ赤な閃光が走ると】
【それが開幕の合図であったように、甲板や艦橋へと何筋もの稲妻が降り注ぎ】
【やがて船体正面・上空から真っ直ぐに、蛇に手足が生えた様な龍≠ェ駆け抜けて行った】

【――戦いの始まりだ。船室から外に出た者達は、龍以外にも一つの異変に気付くだろう】
【ビタンッ≠ニいう、これまた音。海面から響くそれを、船の縁に居た若者が覗き込むと】

【直後に、彼の頭は食い千切られていた。船体側面からぬぅ、と伸びた真っ白な怪物に食われたのだった】
【やがてその怪物は縁から船上へ姿を見せる。ブヨブヨとした身体は白く、ふやけているようにも思え】
【おそらく原型は人なのか手足と頭があった――しかし、手は膝に届くほどに伸びていて】

【彼ら――この白い無数の怪物たちは、伸びる身体を船体にへばり付かせて、海から上ってきたのだった】
【そして船上に辿り着くやいなや、近場に居た人間目掛けてその腕を4mばかりの伸ばして組み付こうとし】
【手が掛かれば、収縮。ゴムが縮むようにして接近し、大きな顎で喰らい付く。――まるで、海のゾンビのようだった】



【海が荒れ始める。雲は見る間に黒く染まり、ポツポツと雨粒が甲板に当たって雫が弾け】
【嫌な気配が周囲に満ちてた。まるで海域全てが魔物で構成されているような、不快な波音】
【そして白い人型の怪物と、龍――まるで島へ辿り着く試練≠フように、彼らは立ちはだかるのだった】

/お待たせいたしました、こちらを持ちましてイベントスタートとなります
/参加者の方々はこのレスに返信をお願い致します。
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/27(金) 19:45:17.66 ID:RgzA8QAg0
>>397>>398

【最新鋭の装備を誇る海賊船の中、一人の男の娘が羊肉のステーキを頬張っていた】

「もっちゃ、もっちゃ」

【熱く、そして厚いステーキを両手で掴んでかぶりつく、羊肉は本来匂いの強いものだが香草のお陰で気にならず柔らかく仕上がっている】

【『人間舐めるなクソヘビ野郎』、そんな如何にも海賊というような豪快な放送の後に煌めく閃光、轟く轟音】

「ごっきゅん…」

【小動物の様に頬一杯に頬張っていた肉を飲み下すと共に甲板へと駆ける】

【大海原のど真中、小柄な少年は背中から戟を抜いて構えた】

【雄叫びを上げる竜、ブヨブヨとした人型】

【銃声、雄叫び、閃光、轟音、鮮血、流血、雷鳴、悲鳴】

「………あひゃあ♪」

【三日月の様に破顔し、大きく息を吸う】

「UHYAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

【狂戦士が今、船上に繰り出す、戦場に躍り出る】

【牽制にブヨブヨや竜に放つ氷柱の弾幕は正にドリル】

【犬神・ディザスター・禍】

【絶望を振り撒き__________】
【_________不幸を撒き散らす】
400 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/27(金) 19:45:28.18 ID:B+EWgTAco
>>397>>398
【船上で八日間。聖都戦で街の破壊活動に勤しんでいたこの男も海の上では大人しかった】
【自分から誰かに絡むこともせず、仮に絡まれてものらりくらりと避け続け、暇なときにはカードゲームをするか景色を眺めて過ごす】
【しかし八日間。それだけ平和な活動ばかりしていると、当然鬱憤が溜まるのであった──】

【長槍が旋回して弾力のある白い腕を切断。続けて体ごと旋回しつつ矛先から真空の刃を飛ばして首と身体を両断】
【船の手すりに上がってきたゾンビの一体を海に返す男の姿があった。黒い短髪、東洋人の顔。赤黒い色の裾の長い外套に長身】
【両手に持つ槍は矛先が二つの刃を組み合わせたような独特のもの。彼の名はアイン。ドラクレア島の“招待”を受けた一人だった】

 流石に八日間も海上で漂ってると運動不足になるが……これはちょうど良いアトラクションだ
 食事も遊戯もサービスが良かったがこんなところまで行き届いているとは、船長を後で労ってやらねばな

【赤衣の魔術師が不敵な笑みを浮かべながら槍を縦に旋回させて甲板に突き刺す。左手で槍を支えながら、右肩を回す】

 おまけに龍とはな。狩り甲斐があるが……

【海の向こうに魔術師の好奇の瞳が向けられる。だがメインは後回しと言わんばかりに瞳が船上へと戻って来る】
【槍の矛先が甲板から離れ、アインの手首が半回転して槍を肩に担ぐ。まずは雑魚退治からだ】
401 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/02/27(金) 19:58:26.82 ID:2EcTWBvBO
>>398


あいつに立ち向かう勇気を──リハビリにしちゃ温いかもな… 。


【目指す先がかの六罪王が居る場所ならば、青年鳩ヶ谷廉は立ち向かうため、乗船する。】
【──長い航海の途中、散々な障害が待ち構えるだろう、逆にそれが有り難かった。】
【怯えた相手に立ち向かうのはさすがにきつい、ならば、徐々に慣れていくしかない。】

【──自分よりほんの少し強い敵を倒していけば、いつかは彼らの喉元に届く。】
【目的を遂行する覚悟を胸に秘めて、現れた怪物と対峙する。】
【いつのまにか当初の二倍近く肥大化した嘴を出現させる。】
402 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/02/27(金) 20:05:16.05 ID:T9vwBkiNo
>>398

【収集した情報を繋ぎ合わせ、この船に乗って、どれくらい経ったか───苦痛であった訳ではないが、とても気持ちの良い船旅ではないと感じていた】
【それは船酔いだとかそういうものでは無くて、もっと精神的な感情。力の代償に根付いた物がいつまでも心に渦巻いて渦巻いて、一度間違えれば今頃海の藻屑になっていた所だった】

…………

【少年はガリガリと爪を噛みながら、『食欲が湧かない』と昼食を取らずに甲板から海を眺めていた】
【海風にキャップが何度も飛ばされそうになったのでちょっと細工してその心配を無くす、それ以外はボンヤリとしていた記憶しかない。海風で缶バッチが錆びないか心配だった】
【『いつ着くのか、いつ復讐相手を見られるのか』そればかり考えて、早くしないと憎しみが爆発して他の船員を襲ってしまいそうで、怖かった】
【まるで今日の天気みたいに曇った心がにわかにざわついて来た時、事は起こる】

【───咆哮、爆音、一瞬にして景色は早変わりし、甲板に落ちる稲妻を安全地帯で眺めながら、それを見た】
【龍、空を駆ける巨大な生物をその眼に焼き付け、見惚れそうになっていたのを不穏な音に引き戻される】
【音のした方向を見ると、ふやけた水死体じみた怪物がいくつも甲板に進入してきている所だった。気分が悪い、嫌なものを思い出す】

───ワザとか?ワザトだろそれ、人のトラウマ刺激して楽しいか?なあ……

【鉄紺色の焔、ただの炎とは明らかに違う、ゾッとするような寒気と色を放つ焔を右手に灯すと、悲鳴に掻き消されそうな声量で静かに、静かに呟く】
【爆発寸前だった憎しみが、この瞬間に爆発した。『あの日』を思い出されるような怪物を見て、その怪物の裏にいるであろう奴に対して】

まあいいや、丁度ストレス解消したかったんだよ

死 ね

【焔に包まれた右手を振るうと、手から分離した焔がリング状に変形し硬質化、チャクラムめいて目の前の、こちらを狙っている怪物一体に向かって飛んで行く】
【首をスッパリ斬るような狙いだが、これで死ぬかは定かでは無かった。そもそも生きているのかさえ】
【そしてこの焔は勿論ただの炎ではない、鉄紺色をした焔は熱を発さず、生物の持つ生命力だけを焼き尽くす冷たい焔───生命の無いモノには殆どその効力は発揮されないが】

/天野ソラです、よろしくお願いします
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/27(金) 20:09:34.78 ID:MV/XqXMO0
>>397-398

【彩り豊かな食事、穏やかな海。船室で静かに時を重ねれば、思考するのにこれほど好い舞台も多くないだろう】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いでその容貌を飾って】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。 時の停まった様な一瞬に、“そこにある”ことで命や若々しい熱や彩りを感じさせる。】

【そんな形容のできる人影は、けれど何事か思案して微かに表情を曇らせていた。躰が鈍ることを避けるために、看板で鍛錬に励むこともあったのだろうが】
【それは先の戦で見えながら捕えることの叶わなかったアーグの事かもしれないし、現われた六罪王やそのあまりに静穏な様子であったかもしれない】
【けれど、戦意でなく幾重もの思索を与えていたものは。同意し、同乗した条項とその実施であった】

【ほぼ間違いなく命を奪い去るであろう銃声は、看過できるものではなかった。それは、“正義”に属する同乗者の幾人かも同様であっただろうか】
【或いは抗議を試みたかもしれない、或いは別の処罰を提案しようとしたかもしれない。けれど恙ない――マフィアの視点での其れ――航海が続いたことは、それが無為であった事を示すだろう】

【……“力”としての、彼らと共に航行する彼女の存続も。】

(……! この音―――人為的なものじゃない? それに、この艦にある装備が使用されてる……―――――あれだけの兵器が、必要となるほどの相手か)

【波の音に混じり届いた咆哮、そして連続して響く現代の弩の反動と炸裂音。太刀金翅鳥≠虚空灼く黄金火より取り出しながら、橡色は数多の白と巨いなる龍へと対峙する】

……、これは、何―――――ッ、……言葉は通じそうにないか。
斬り裂かせて貰うわよ―――――――ドラクレア島に、辿り着く前のひとつの障害として……!

【機銃の掃射より尚多く、数多の斬撃が白き異形を襲う。一撃を以て破壊する“切断”の異能、それが顕現となり白銀の剣舞は刻み尽くし消し尽くさんと最至近に現われた“一体”を狙った】
【けれど自らに伸びるその腕の性質は未知数、物体であるのかすらも定かではない。思い浮かべるのは、ひとつの大敵】

(……六罪王、ダグラス・マックスウッド。やはり、ここに潜伏しているの――――?)

【彼やアーグの異能によるものか、それともこの一帯に千古の旧きより潜む理性なき怪物か。正体不明の力なれど、迷い込んだ船舶を襲うことは事実。ドラクレア島に踏み入るために、突破せねばならない試練である事は間違いない】
【それはどの時点で滅びるのか、どれだけ斬り裂けば力を失うのか―――今はただ眼前の脅威に対処するために、確かめる様に白銀が迸る】
【仮に滅ぼせば次の“同種”の白き敵へ、手近なものから斬りかかるだろう。なにぶん悍ましいまでに数が多い―――個別撃破、そして殲滅。】
【遠方にある巨よりも優先すべき、差し迫った脅威の排除。選び取る意志は、限りなく鋭利に昼下がりの陽光を斬り裂いていた】

/八攫 柊となります。よろしくお願いしますー!
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/27(金) 20:13:23.63 ID:WX547Dti0
それにしても…………悪人と一緒に乗るなんて気持ちの良いもんじゃねぇよ………………
なアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーァ?

ありえねぇっての!まともな人間ならともかく 街を襲ってた奴らと一緒の船に乗って!何の問題も起こさずに黙って過ごさなくっちゃあならないなんてよォ……!
考えられねぇっつーの!もっと気楽にまともな人達と行けりゃ良かったのになー!?

【そう不満を垂れ流すのはシルバーブロンドの髪を束ねた、ターコイズブルーの瞳をした男】
【白いシルクのコートを羽織り、下には黒いタートルネックのシャツ、首に下げたロザリオから聖職者であることが伺える】
【男の名はエルヴェツィオ、今は解散となった第三近衛騎士団の剣士だ】

全く…………招待状を送るんならダグラス共が船を用意しとけってんだ。
海賊の船に悪い奴らと過ごすなんて…………乗せてもらったことには感謝してるがよ、宝くじ当てるより貴重な経験なんと違うのン?
お話し出来るのはマリアと、以前手伝ってくれた八攫柊……だっけか、って二人は見知ってるみたいだし。
後は………………グリースの奴がギリギリセーフだな、フレデリックと殺り合ってたって所がどうも気になっちまうな……
(マリアの人脈の広さには驚かされるぜ、これが俗に言う女子会……なのかね……)

【ブツブツとごちりながらも、八日という時間が経っていく】
【出来れば何事もなく島に到着出来ることを願っていた……が、そう甘くはなかったようで】
【美味しいステーキを食べて航海のストレスを紛らわせることが出来ていた時に、突如として聞こえた音】

【正体は"龍"か、しかし形としては普通の連想するそれとは少し異質なもの】
【なるほど、こういう生物が棲んでいるような海域を越えないといけない島とは、身を隠すのにはうってつけというわけだ】
【腰に差したレイピアを抜けば、エルヴェツィオは紫電を纏わせ龍へと刃を振るう】

いいぜ…………かかってきやがれ、白いトカゲちゃんよォ!
お前を切り刻んで、とっととドラクレア島とやらに向かわせて貰おうか!!

【計5発の雷球が龍へと向かって、まるで魚のように宙を泳ぎ龍へと向かっていく】
【当たれば部位に関わらず等しく高圧の電流が炸裂するだろう、そのままなら肉を焦がすことも出来そうだった】

/エルヴェツィオです!皆様よろしくお願いします!
405 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/02/27(金) 20:15:53.46 ID:bj4B9/sd0
【聖都スラウロット】

【先日の事件により、聖なる都と呼ばれる都市は混迷を極めていた】
【表通りは復興に尽力する自警団員や市民たちが、汗水を垂らしている】
【泥水はすっかり干上がっているが、倒壊した家屋の処理はまだ終わっていない】
【元の街並みを取り戻すには、時間が必要だった】
【皆、精神的にも肉体的にも、弱っていた。こんな大都市が、惨劇に見舞われたのだから】


……はぁい。お疲れのようね
少し、「休んで」いかないかしら──?


【しかし世の中には、このような事件を喜ぶ人種だっている】
【聖都の暗がり。そこを通りすがる男たちに声をかけている女がいた】
【艶やかな黒い長髪に、紅い瞳の、女。身体のラインが強調された黒いドレスを着た、女だった】

【彼女は道行く男たちに、声をかけていた。見るだけで分かる。娼婦だ】
【災害すら商機に変えてしまう、ハイエナのような──社会の、嫌われ者だった】
【蔑みや嘲りの視線や声が女に掛けられる。だが、気にする様子などまったく見せていない】
【そもそもが娼婦。真っ当な扱いをされないことに、女はとうの昔に慣れていた】
【周辺に彼女の「お仲間」はいない。店に所属しない、はぐれ者だろうか】
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/02/27(金) 20:16:25.01 ID:w32MGHrv0
>>397-398

【上質の絹糸のようなブロンドの長髪の女性が、物憂げに船内で過ごしていた。着ているのは白いローブ。首元には十字架のネックレス】
【左手の薬指にはプラチナリングとダイヤモンドの指輪が煌めく。身長は高くも低くも無く、それでもスタイルは良い】


【その船旅は、些か心痛と不安の募るものであった。……毎日のように誰かが海に落とされるのを受け入れるには、マリアは優し過ぎたのだ】
【それがこの船のルールだとしても。排除されるのはルールを破ったからだとしても。常に誰かを護ってきた彼女には、どうしても表情が曇ってしまう】
【……だが、この船≠オか道は無い。大切な者を護るためには、この船で島に向かうしかないから―――彼女は、じっと我慢した】
【幸い、同じ船には知人も乗っている。知った顔と一緒に居れば、船旅も寂しくはなく……そして、八日が過ぎた】

【―――突如、轟音が響き渡る。船の中に居たマリアでも非常に大きく聞こえる程の音がビリビリと船内の壁を震わせて】
【その正体が稲妻と分かるのに、そう時間は掛からなかった。外に出れば、青白く雷光が迸るのが見え―――そして】
【龍、か。上空には空中に存在する生き物としてはあり得ない程に長く、大きい生物が舞っている】

――――ッ!これ、は……!

【しかも、それだけではない。不気味な音と共に船の上に揚がってきたのは白い何か=\――なんだ、これは】
【人型の見た事も無い何かが、船員を襲った。―――不味い、このままでは乗員乗客が更に襲われる……!】

【意を決したようにマリアはキッと前を見つめると、左手を前に掲げる。すると、一瞬の後に七色に光る大盾がその手に転移されて】
【右手には一振りの大きな光の刃を携えて。敢然と甲板に躍り出ると、真っ先に船員を襲っていた怪物に斬りかかる!】
【騎士団から離れてもうかなり経つが、その動きは衰えていない。もし怪物がマリアに気付いていないのなら、瞬く間に踏み込んで間合いを詰めて】
【絡みつく腕を一閃。光の刃を振り切って切り落とし、返す刀で首元目掛けて斬り上げる。高速で二度の斬撃、燕返しの要領だ―――】

【この後もマリアは船員を襲っている個体を優先的に倒しにかかり、船員を助けようとするだろう。……間に合うか】


//マリアです!宜しくお願いします!
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/27(金) 20:16:56.13 ID:WX547Dti0
/ミス……>>404>>397-398宛です!
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/02/27(金) 20:18:38.60 ID:w32MGHrv0
>>406
//追記です!助けに出たのは>>398に描写されている既に襲われた船員では無く「たった今襲われようとしている」船員です!
409 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/27(金) 20:22:27.08 ID:Fbd59vUno
>>399>>400>>402>>403

【これは一概に言えることだが、ブヨブヨとしたバケモノは非常に脆く】
【氷柱を飛ばせば容易に肉体を貫通したし、槍を振り回せば四肢が落ちた】
【それこそ刀の試し切りをバターで行うようなものであった――しかし】

【胴で分断すれば、吹き出た体液はそのままに上下の半身はそのまま動き】
【足だけでも敵に迫り、腕だけで這いずってなおも飛びかかろうとするのである】
【首を切れば身体は一度倒れるが――歯で甲板をズルズルとうごめく姿は、不気味という他無く】
【なにより生命力と純粋なパワーだけは常軌を逸していた。オマケに、後から限りなく船に登ってきていて】


>>401

【嘴のサイズは如何程か――1mか、2mか。しかしただ構えて振るだけでは】
【出現した化け物達のリーチには及ばないだろう。なにせ、4mの腕が迫るのだ】
【タイミングを合わせて振り抜けば頭をグルリと回せるだろうが】
【それでも冗談のように動きを続けて、牙で頭ごと青年を貪り尽くそうとすらして】

>>399>>404

【龍≠ヘ、緑色の鱗をした長大なモノ。空を飛ぶ原理は不明であったが】
【少なくとも、氷柱や雷球で撃ち落とせるものではなかったらしい】

【氷の一撃に応じて鱗が落ちてくる。その分厚さと云ったら、金庫に使う鉄板のようであり】
【特に、雷撃に関しては反応すら無かった。となると恐らく、稲妻を司る龍なのだろう】
【もっとも、その巨体はすぐに雲の合間へと消えてゆく。――こちらが襲撃の主力ではない、のか――?】

>>406

【怪物の動きは総じて鈍い。マリアが近付けば、不気味な呻きをあげてそちらを睨むものの】
【絡みつく腕を伸ばすより早く切り落とされ、首もとを斬られれば呻くがままに倒れ伏す】
【――すぐにフヤケた身体は起き上がるのだが、足止め事態は比較的容易であると言えた】


【やがて数分もすると、船上はバラバラになった怪物の死体と戦える船員だけとなっていた】
【戦えないモノ――研究者や給仕らは船室へ逃げたらしい。船長からもその旨の放送があり】
【或いは、ここで一部の者(>>401-404>>406)は背筋に寒気を覚えるかもしれない。その理由は直ぐに分かって】
410 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/27(金) 20:22:50.31 ID:Fbd59vUno
>>ALL

【船の舳先に霧が、暗雲が集って形を成す。その形状は人のそれであって、今一歩人のそれでは無い】
【下から上まで2,5mに足りない程度。棘のついた鉄のマスクを目元に被り】
【拘束具に似た衣服で胴を覆って、首元には黒羽のファー。黒く染め抜かれた絹糸の服は】
【袖も裾も長く優雅で、手元もつま先も隠してしまう――見るものが見れば、大司教のそれと分かる服】

【なにより、その男には目を引く二点があった。裂けた口元から覗く、ナイフのような無数の歯列と】
【そして手にした豪奢な杖である。杖は十字架を模していて、恐らく数十kgはあるとみえ】
【綺羅びやかな黄金や宝石が、まるで力を誇示するように暗がりの中を光り輝いて】

【――総じて言えば、それは聖人の如きオーラを纏った悪魔。端的に表すのであれば、混沌≠フ二文字が相応しい】
【スラウロットを水底に沈めた男。その名前はアーグ=\―誰ともなく、船内にその名前が木霊して】


『……ハッ、何処から湧いて出たのか知らないが、随分仰々しい登場の仕方だなお偉いさんよ。
 だが、この船に乗る許可を与えた覚えは無いぜ?……もう一回眠っちまえよ、クソジジイがッ!』


【マフィア――ビスクの声だった。彼は対空砲火を強引に舳先に向けると、間髪入れずに射撃を始める】
【弾丸のサイズは人を撃つそれではない。当たれば四肢が砕け、死体はズタズタになるはずだ】

【――正確には、だった。その弾丸は撃たれた端からアーグの翳した手の前で全て停止し】
【やがて弾倉が尽きる頃には半球の鉄壁を描くまでに至っており】


ク、フフッ……!無駄だ、無駄無駄……この私に銃火器とは。
 焼け石に水……いや、天に唾する様な真似よな。……さ、相応の報いを受けて貰うぞ?

 見た顔もある、が……ドラクレア島はそうそう立ち入れぬ禁域よ――
  ――貴様らにその資格が有るか、測ってやろうではないか……―!


【一喝と共に空中で静止していた弾丸が反転し、船上の全ての人物に各数発ずつ放たれる―!】
【その威力は流石に戦闘機を落とす物で有るといえ、直撃すれば四肢が千切れる程度は実に容易い事だろう】
【更に動きを阻害するように、白い怪物――ブヨブヨとしたゾンビたちが、強引に腕を伸ばして動きを封じようと迫って行った】
411 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/27(金) 20:42:38.38 ID:B+EWgTAco
>>409>>410

【両断し、一度は倒したと思ったゾンビの半身が飛びかかる】
【アインは忌々しげに舌打ちをしつつ、槍の側面を叩き込んで海へと吹き飛ばす】

 体力自慢、というわけか。そういうことなら遠慮はすまい──!!

【続いて接近してくる白い怪物を槍が縦に両断。翻った切っ先が更に水平に断ち、槍から手を離して魔術を発動。業火が残りを焼き尽くす】
【続々と迫るゾンビを槍が正確に迎撃。その間隙を魔術が埋める。水が押し流し、炎が燃やし尽くし、風が吹き飛ばし、岩が圧し潰す】
【一体、また一体と向かってくる順番にアインは対処していくが、船上では大規模魔術が使えない以上、数は中々減らなかった】

 あれは……ジジイか

【槍を縦横に振り回しながら横目でアインは船の前方にいるアーグを確認した】
【周囲を怪物に囲まれた上、更にアーグの反射による攻撃が迫ってきていた】

(他のやつも庇ってもいいが、どう対処するか、見ておくか)

【弾丸が飛来すると同時にゾンビたちの腕が迫り来る。アインは甲板に手をついて魔術を発動。彼の四方で大気と水の二重防壁が形成】
【弾丸は噴出する風と水によって上方へ軌道修正。空中に跳ね上げることで防ぐ。ゾンビたちの腕は水圧と風圧の壁で防御】
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/27(金) 20:50:05.96 ID:RgzA8QAg0
>>409>>410

【水っぽい音を立てながら体を貫かれ、断たれるもズルズルと這い寄るブヨブヨとした人型】

「ふぅん、すっごいね!」

【それでも少年は動じず、いや、まるで夏休みの自由研究の結果を見ているかのように嬉々として戟を構えた】

「さっきのお肉はおいしかったけど君たちはどうなのかなあぁぁぁ!!!」

「血塗れかき氷(ブラッティィィィアァァァァイスエィィィィィィジッッッ)!!!」

【自らの能力の名、対峙した相手は悉く苺かき氷の様に真っ赤なシャーベット状にしてきた能力】

【超低温を操る能力で吹雪を纏った戟で水分が多いであろうブヨブヨを氷ったところから切り崩していく】

【常に細胞を殺しながら再生をする暇もなく殺し続ける戦法はこの生物らしからぬブヨブヨにどれ程通用するだろうか】

【そして暗雲から姿を顕す異形の人物_____人物といっていいかはわからない異形】

【必殺であり決殺の弾丸は、しかし、彼によって阻まれる】

【そしてこの少年にも飛来する弾丸、少年はその野生動物の様な第六感で避けるも甲板に穴を空けられて横に吹っ飛ばされる】

「うわぁ!?」

【わりと可愛らしい悲鳴を上げてしまった少年は何とかして船の縁に戟を引っ掻けて海に堕ちるのを防いだ、が、】

「誰?」

【ギギギ、と少年は顔を異形の人物に向ける】

「僕が遊んでるのに……邪魔…………しないでよ!!!」

【その白眼は、精気も生気もなく】
【その虹彩は、鮮血の深紅に濁り】
【その瞳孔は、墨汁をドロドロに煮詰めた様なにまるで視力など、否、それ以外も何も写さない程の虚無を湛え】

「……………………ぐちゃぐちゃになっちゃえ」

【ポツリと呟くように特大のドリルのような氷柱を放つ】
413 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/02/27(金) 20:52:05.10 ID:2EcTWBvBO
>>409


(重要なのは戦闘中の立ち回り、強大な敵に対しては考えてから行動してたんじゃあ遅れる!)
(走り回れ、そして嘴は全く別行動にしろ、自分の身は剣一本で守るんだ──!)


【青年は出現させた嘴は宙に浮かせ、彼自身は剣を構え直した。】
【青年は目の前に迫る怪物の四肢へは剣で対応! 切りつけては下がる、切りつけては下がるを繰り返す。】
【加えて宙で操る嘴は、そのまま迫る怪物の口へ放たれる。】
【同時。口へ浸入させられた嘴はそのまま開き=A内部から破裂を誘うだろう。】

【──あちらこちらで、分離しても尚動き続ける怪物達を目撃する。】
【彼も例外なく、切りつけた際上手く切断できたものの攻撃を、剣でなんとか応じていた。】
【嘴を動かしながらの迅速な対応──本来そこまで器用ではない彼がこれを実践できているのは、】
【命をかけた綱渡りの攻防故か──。】

【それでも当然疲れが見える──加えて背筋に走る、おぞましい気配。】

>>410


(──あいつか。あれだけ弱らせたのに回復してやがる。…あの場でおじけついた自分をぶん殴りたいぜ…。)

──ウォオオオオオオオオルァ!!!


【青年は動きを止めようとする怪物を嘴で下から突き上げると、遠心力を用いアーグへと放つ。】
【結局その怪物の体で跳ね返ってくる弾丸を防ぐという結果になりそうだ──。】
414 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/02/27(金) 21:02:02.83 ID:T9vwBkiNo
>>409
チッ……気味悪い奴らだ…

【ただ単に首を撥ねた所では余り意味は無さそうだ、舌打ちをして一歩引く】
【こうなれば───辺りに構わず焔を撒いて生命力を焼き尽くしてしまうか?とも考え始めたが】
【流石にそれはまずい、と思える程度には理性を残している。とはいえどうにか出来なければ、このまま船が沈んでしまう】

つーか、効くのかこれ?生きてる……よな?

【ならば、と、取り敢えず試しに一匹に鉄紺の焔をぶつけてみる事にした】
【右手を再びふるえば、分離した焔が火球となって、たった今首を斬り落とした怪物の頭に向かっていく。当たれば火球は弾け、鉄紺の焔が頭を包まんとするだろう】
【生命力を焼き尽くす焔は、普通の炎の様に物を焦がしたりはしない……だが、包んでいる物から生命力を奪って行く、代わりに与えるのは途轍もない寒気と苦しみ】
【水で簡単に消えるという性質上、雨が降る今の状況は余り芳しくは無いが……】

>>410
───ッ!!

【───が、それをしっかりと確かめるまでもなく、脊髄を素手で撫で上げられた様な寒気に振り向いた】
【その先にいるのは暗黒の大司教と形容するに相応しい風貌の巨大な人影、見た事も無い姿であったが、途端に心の中に根付いた悪魔が騒ぎ出すのを感じた】
【『奴を殺せ』と心が叫ぶ、何故か?その理由はすぐにわかる。人々が叫ぶその名前、ずっとずっと会いたかった、憎き敵のその名前】

───アーグ……!

【震える声で繰り返す、目の前で繰り広げられる人外じみた諸行をどうしようもなく見詰めながら】
【体が震える、あいつが、あいつが全てを奪った張本人だと、体の奥から怒りと憎しみが震え出す】

……アァァァァァァァァァァァァァァァァーグッッッ!!!!

【アーグが弾丸を弾きかえすのと同時に、咆哮が響く。両手からは鉄紺の焔が轟々と燃え上がり、それを目の前に放つとすぐ目の前で形を作り硬質化する】
【爪の生えた、巨大な掌、そう形容できる形状をした禍々しい焔の壁を模ると、その厚い焔の壁で弾丸を防ぐ】
【ただ、それ程硬い物ではないその壁は弾丸を完全に防ぐには至らず、幾つかが貫き体を掠めるが、威力が潰され表面の肉を削る程度に収めている】

テメェかッ!!テメェが!テメェが皆をッ!!『街』をッッ!!

【自分の体を掴む怪物の腕を力付くで振り払いながら、崩れる焔の壁の向こうに見るアーグの姿、再び見たそれをどうして放っておけようか】
【しつこく掴みかかる怪物の腕を、右手に焔で形どった刃で斬り払いながら、可能であるならアーグに向かって甲板を駆けていこうとするだろう】
【他に何も見えてはいない、見えるのは、感じているのは、憎む敵の姿だけ】
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/27(金) 21:09:01.90 ID:MV/XqXMO0
>>409-410

【断つことで停止する事など望めない――――悪夢に蠢く器を与えればここまで悍ましく、生理的嫌悪を齎す容を得るのだろうか? 表情が歪むのは避け得ず、不死というものの異様を理性にまで覚え込ませる】

【けれど、朽ちていない命は未だあるのだ。それで、刃が熱を増すのには十分に過ぎた】

っ――――――――――……ハァアアッ!!

【切断。消滅。断片から砂の如く風に解け去る微塵へ。ひとつ止められればまたひとつ、剣は斬り裂き虚空に還さんとする――――“細胞片にまで刻み墜とせば、粘液の如きその不死なる貪食は動きを停めるか”。】
【けれどそれすらも通じるかは分からず、現実をさらに歪める巨大な“力”が現出する。腐泥の昏き闇、聖なる煌輝。相反する双極が導く混沌は、ひとつの名へと時を置かずして到り――――、】

アーグ……ッ!

【白たちを斬り刻みながら見据える橡色は、あの脅威と現況を思い――――けれど、さらなる苦境へと追い込まれた彼女らに生じかける戦慄を、悪夢を薙ぐための意志に変える】


―――――――それを決めるのは、貴方じゃない。逃すと思わないで、“元司教さま”――――……スラウロットの重みとこの“道”は、あなたが思うほど軽くない……!


【銃弾の一発を刀身に捉え、軋む腕に苦しげな表情で堪えながらも撃ち返すことでもう一発を相殺。その所作で二発は空を切り、残る一発が耳朶を揺らすが橡色は現実を捉え続けている】
【それで稼げた時は、一瞬。なれば、望む“今”がために選ぶ手段はひとつだった】

【左手が、懐より一振りを取り出す。金の桜があしらわれた小刀。滅ぼすのでなく封じるのでなく、その力が、刃とともに解放されて】

【“魔を退かせる”性質の具現――――抜刀により時経てなお鈍らぬその輝きを示す懐刀は、金を帯びた太刀と大小の如く無貌の白への威容を示した。そして、“力”が空間に満たされんとする】
【仮にアーグの意志が宿っているのであれば、“力”に逆らう様に抵抗を試みるはず。譬え数秒であれ、それで動きを止められれば僥倖。仮に意志なき無貌を導くものが本能であるならば、“退かせる”事により事態の好転が望める―――、】
【……何れにせよ状況があちらに傾いているのは事実であり、これはそれを巻き返す、或いはイーブンに戻すための対応型の一手に過ぎない】

【そして、また別の可能性。白き異形たちが“魔”に属さず、あの混沌の力の如く聖なるもの≠ナあるという仮定―――――、】
【打つべき手を見極めるための思考/試行、次なる一瞬を望む幾つもの観測。時は、一拍すらも待たずに速度を上げて】
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/27(金) 21:13:16.79 ID:/b33TZrao
>>410

【縁が人を結ぶのであればその先に待ち受ける物は果たして何であるか】
【彼女の、魔術師の縁は紐解いたならばある巨兵に因る物で今彼女が錆色のローブの下腰に掛けている銃に他ならない】
【古の物を今の技術で再誕させた異形の銃……】


【洋上での生活は考えたよりも幾らかは快適だった】
【元より旅また旅の根無し草の生活、ベッドに決まった時間に食事が出るだけで十分過ぎた】
【ともすれば日常生活よりも上等かもしれないこの船旅この航海は幾らかの不貞の輩の死というイベントがあった物の比較的平穏だった】
【目的の島までは恐らく不自由は無いだろうと思うと同時に「事は起こるだろう」と確定事項のように頭の中で考えていた】
【そしてそれは現実の物となる―――――――】

――――――――……あー…………

【目覚めは不快な音から始まる、もはや聞き慣れた節さえある戦火の声/音】
【同乗する人間の中には前に敵であった者もいた、それ含め人と関わらぬようにと過ごしていた魔術師は寝起き故の気怠さを隠そうとせず数秒頭を抱え息を整える】
【毛布を抱きしめ平静とした心を手繰り寄せてギアを順繰りに上げる感覚、ローからハイへと己の意識を深淵から表層へと繰り上げる】

【魔翌力/意志が流れ身体に巡ればやがて励起し目覚める赤光の魔術師】
【居室の扉を砲撃で吹き飛ばし外界へと降り立つ彼女はその魔翌力を潤沢に含んだ赤い髪と同じく赤色のローブを海風に躍らせる】
【現れた敵、龍と云われる物に白い根源の知れぬ怪物……そしてかの大司教と呼ばれる悪漢の姿】

随分と大仰な舞台装置だけれど……
水子の類かしら?何にせよ見ていて気分の良い物ではないわね――――――――…セット

【ぼんやりと開かれた赤の瞳は陽炎纏う】
【魔翌力の奔流により熱を持ち始めたカズネの身体、襲う雨粒は音も無く蒸発してゆく】
【赤熱有する魔術師の瞳は船にへばりつくような白い怪物へと向けられ、躊躇いの無しに魔翌力による砲撃を向けられる】

【銀色の爪、カズネの魔術行使のバックアップを兼ねた機械の爪は先の戦いの傷跡を残しながらもいつものように彼女の側にいた】
【最適化された魔弾を自動で吐き出し近づく者を排除して、そうしてやがて敵と相まみえる】

あれがアイツの言ってた大司教……か……
仲良くなれそうもないわ、って言っても仲良くするつもりなんてさらさらないのだけど……
それにしたって随分と大盤振る舞いな―――――――銃火器はダメみたいだけど魔翌力の類ならばどうかしら

【怪物を片手間で処理しながら魔術師は挑戦的な笑みを浮かべ前線へと駆け出す】
【追従する爪もやはり陽炎を纏って踊り狂う、6つの爪はそれぞれ根本で結合し花弁のように花開く】
【装甲が展開されれば魔翌力が吹き出し、やがてそれは熱量で攻撃を防ぐ盾となる】

(――――――――衝撃、やっぱり重いわね……でも耐えられない訳ではないわ)

【魔術師とは云え体力は女性、銃弾1つの衝撃で身動ぎもするが銃弾の1つとして彼女の身体を貫く事は無い】
【熱量の盾は飛来する弾丸を甲板へと溶かし落とす、やがて全てを凌ぎきったならば白い息を大仰とばかりに吐いて大司教を睨みつけ】
【爪の補助による貫通性の高い魔弾を一発だけ放つ、直撃はしないまでも肌を掠めるような軌道は狙いの物で、そしてそれは明確な宣戦布告であった】

./遅くなってしまい申し訳ありません、カズネでありますよろしくお願いします!
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/02/27(金) 21:20:11.36 ID:w32MGHrv0
>>409

―――さあ、あなたは早く船内へ!
(……―――?この妙な感じは一体……、…―――ッ!)

【船員を助けるのには苦労は無かった。白い怪物の動きは緩慢であり、襲われた船員を開放することには成功したのだが】
【船員を船内に誘導した所で、覚えのある不気味な感覚が体を奔る。その正体は―――マリアにはもう、分かっていた】
【人ならざる長躯、そして人ならざる業を持つ者。つい先日聖都を襲い、夫が戦った……かの大司教、その人だ】
【彼の事はよく知っている。その圧倒的な力も、許されざる業も、夫やとある魔術師から伝え聞いている】
【そして―――彼を倒した先にしか、大切な人々の本当の平和も、子供達に贈る安寧も為し得ないことも知っている】

【……機先を制すべく、軍艦にも劣らぬ性能を持つこの船の重火器が閃く。しかし、その悉くは―――】
【―――防がれていた。全てが、アーグに向けて炸裂する事は無く到達する前に静止していたのだ。】
【圧倒的な力を、余裕を、見せつけるように。彼の不気味な涸れた笑い声が甲板に木霊して……次の瞬間】

―――!

【弾丸が反転し、此方に向かってくる。本来対空砲である其れが、唯の人に他ならぬ自分達に向けられる】
【加えて、回避させぬように白い怪物の腕が足に絡みつかんとする。このままでは、避けられない=\――が】

【―――そもそも、マリアには避ける必要が無いのだ。盾を己の体の前に翳すと、砲撃を盾で受けた=z
【本来なら、いくら頑丈な盾でも対空砲を防ぐ事は出来ないだろう。しかし―――この盾は、違う】
【物理的<Gネルギーを、全て打ち消す―――その本領が、今まさにここで発揮されるのだ】

【弾丸が盾に触れた瞬間、それこそ先程のアーグのように弾丸は静止して、ポトリと落ちる。】
【―――やがて自分に向けられた全ての弾丸を防げば、落ち着いて絡みついた腕を落として】

―――報いを受けるのは……貴方の方で御座います。
己を天≠ネどと称し、揚句多くの命を弄んだ貴方に―――大司教を名乗る資格は、御座いませんよ。

【今度は自分の番と光の刃をその場で一閃、振り切る。……すると、振り切った斬撃はアーグの杖を持つ手目掛けて飛ぶ筈だ】
【直線的ではあるがそれなりに高速で、瞬時の判断なしに回避できる攻撃ではない。しかし―――この大司教は、圧倒的に強い】
【あるいは魔術を打ち消す力も持っている可能性だって大いにある。―――此方の攻撃に対してどう出るか様子見の攻撃、と言ったところか】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/27(金) 21:33:34.00 ID:WX547Dti0
>>409-410

なんだアイツ…………デカイが俺達を襲わずに消えやがった、あれなら突っ込めば船だって沈めちまえそうなもんなのに……
それに、俺の雷撃が効かねぇ…………どうにもあれとやり合うには骨が折れそうだ。

【確かに当たった、しかしダメージはどうやら無さそうで、明らかにエルヴェツィオとは相性が悪かった】
【しかし今戦わずに済んだのは幸運か、それなら他に集中も出来る】
【……が、事態はより危険な道へと進み始めているようだ、彼も知る、ある気配を感じた】

……なっ…………!テメェは………………"アーグ"……ッ!!
傷はもう治っちまったみてぇだな……、そっちから出向いてくれるとはご苦労なこった!
今度こそ、そのムカつく顔をバラバラに切り刻んでくれるぜ……!

【その言葉と共にレイピアの切先をアーグに向けて構えた、洪水を起こされたり一族を覚えてないと小馬鹿にされたり、彼のアーグに対する怒りは一気に高まった】

【アーグに向かって放った対空砲が放たれる、まともに食らえば……と考えていたが】
【やはりこれだけではアーグには届かないのか、無効化されてしまっている】

何…………しまった……!アーグの野郎、返してくるつもりか……!

【各自に襲いかかる弾丸、威力など実演されなくても知っている】
【更には、そこに集中したせいか、足元に居た白いゾンビに足首を掴まれてしまった】

(このままじゃ不味い…………!どうやって避ける……!?)
(くそ……!あれを使って逃げるしかねぇ……!)

【急いでゾンビの腕を切り裂く、簡単に切れるが その手首から先は足を掴んだままの状態だ】
【エルヴェツィオは懐から一本の杭を取り出した、そしてそれを思いきり船首へと投げつけて】

【見れば光るロープが杭から伸びていた、それがエルヴェツィオと杭を繋いでいる】
【刺さった杭に引き寄せられるように、エルヴェツィオをロープがゴムのように収縮して船首まで引っ張ったのだ】
【先程まで彼の居たところのゾンビは肉片を飛び散らせる、後一歩遅ければ自分もああなっていたのだと 冷や汗を垂らした】

チクショウ…………調子にのってられるのも今のうちだ……!覚悟しやがれ!

【船首の壁を蹴り、負けじとアーグに突撃していく】
【レイピアを前に構え、突進のようにしてアーグの頭を狙って跳んでいった】
【しかし狙いも単純で、素早いが動きも直線的だ、アーグならば対処も どうだろうか】
419 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/27(金) 21:47:24.41 ID:Fbd59vUno
>>411

【水圧・風圧の併用は効果的だった。ゾンビは動きが鈍い分、即座の対応が出来ず】
【なんとも間抜けに近づこうとして弾かれるや、転んで倒れこむ始末】
【しかしそれで死ぬはずもない。弾丸が弾かれたのを見て】
【アーグがチラリとアインを見て笑った様にも思えるが――思い過ごし、だろうか。】

【――さて直後、アインの背後には新たなゾンビが船の縁から姿を見せて対峙する】
【しかし些か趣が違った。体表は茶色に染まっており、身体の所々から刺が覗いていて。】

>>412>>413

【まず凍らせながら切り裂くという戟での攻撃だが、これは効果が有るように見えた】
【即座に動くことが出来ない凍結状態、かつ細切れにすることでその活動を封じることが出来たのである】

【そして同様に効果のある一撃が鳩ヶ谷青年のそれだった。攻撃が決まる事は、すなわち頭部を内側から砕く事を意味するが】
【その直後、ゾンビの動きが止まったのである。首を切ってもダメだが、頭を砕くと効果がある】
【身体はまだもぞもぞと蠢いてはいたものの――少なくとも、敵は一体減らせた事になる。】


【一方で彼らの攻勢についてだが、まず投げ放たれた嘴は予想の通り弾丸を防ぐ盾となり】
【巨大な氷柱に関しては、大司教の一笑の元に放たれた極大の火柱がその全てを溶かしてしまった】
【こと属性魔法に付いては凄まじい力を持つらしい。ニヤリと、いう嘲笑が大きくなって】

>>414

【頭部を火球が包み込めば、しばしは不快な呻き声が響くものの】
【やがて動きが止まる。となると、明確な弱点は頭部なのだろう】
【火はすぐ消えるものの効果アリ――さて、ここからはその術者であるアーグだが】


……むゥ…?この私に何のようだな、小僧。

 『街』……街、か。生憎と、滅ぼした街の数は覚えておらぬでな
 もう少々ハッキリと物を言ったらどうだ、死人でもあるまい?
 それとも……スラウロットか?ククッ……だとすれば、愉快よな……。

 あの街は実に実りの良い所だった。異教徒は数多く死んだ事だし
 『こやつら』を調達するにも上々よ、数ばかりは多くてなぁ……?


【挑発的な語調だった。彼が杖を一振りすると風が起こって、旋風が青年の足元を襲い】
【さながら鎌鼬のように、その部位をざっくりと切り落とそうとするだろう】
【それを見分けて避けられれば接近は容易だ。しかし、アーグはふわりと浮き上がりつつあって――】
420 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/27(金) 21:47:39.91 ID:Fbd59vUno
>>415


『あの時』の剣士の小童よな……?――フッ、小細工を弄しおって
 その程度で私を止められると、ほんの毛ほども心の底から思っておるのか……?

 生憎であったなぁ、小娘…。この私は大司教であるぞ――?
 『聖なる人』……まさにその人物である。控えよ、聖に魔にと不埒な娘が
 ……小賢しくも翳したその小刀、まずは献上でもしてもらおうかッ!

【言葉とともに杖が振るわれる。顕現するのは長大な鞭であり】
【狙う先は少女が抜刀した懐刀。下手をすればはたき落とされるドコロか】
【そのまま回収されかねない危険な軌道。それから、ゾンビたちの反応だったが】

【――止まった。わずかだが、その動きはたしかに止まっていた】
【彼ら自体が邪悪とは思えない。だとすれば、禁呪の類で動きが止められているのやもしれず】

>>416>>417

【もとより大火力の砲撃とあれば、ゾンビの生命力などさして関係もないだろう】
【撃てばあたるのだ。そして爆ぜる。――そして続く魔弾の砲撃は】
【奇しくももう一人の遠距離攻撃と重なった。飛ぶ斬撃と、魔弾とは】
【風雨の中に、小さいながらも紅い華を咲かせてアーグの横頬をべっとりと血で汚し】


ぬうッ……!誰かと思えば大司教を僭称する小僧の女……か。
 ククッ、オマケに中々愉快な魔術師まで居るわ。……良いではないか
 強い女は嫌いではないぞ。精々抵抗してみせよ……そして、我が手に落ちた時は鳴くが良い……ぞ?


【歪んだ口元から血が滲み、歯列が真っ赤に染まってゆく。不意に手を翳せば】
【瞬間、放たれるのは漆黒の羽根。ちょうどアーグの首元に有るそれだった】

【数十から数百におよぶそれらの羽根は、一枚一枚に服従≠フ術が掛かっている】
【喰らえば純粋に切創を負うのもそうだが、数が過ぎると視界が歪み、呼吸が乱れ】
【やがては意識が途切れるだろう。そうなれば――かの"混沌"の意のまま、という術であった】

>>418

【邪魔をするのは鈍いゾンビばかりだ。流石のアーグも数を相手に阻害は出来ず】
【接近自体は容易だろう。そして突進もまた然り――レイピアを構えて飛びかかるも良い】


――だが船上でその動きは不味いのではないかな騎士公風情がッ!
 私が非力な棒きれだと思っているのなら大きな間違いだと身体に刻みつけてやろうじゃないか…――ク、ハッ…!


【対処は単純、元は巨大な槍である杖を振るって、下から叩き上げるように相手を追っ払うのだ】
【加えてそこには強い風の魔術が付与されている。吹き上げる魔力は、飛び上がったエルヴェツィオを押し飛ばし】
【そのまま船外――海へ叩き落とそうとするだろう。アーグの動きは、思わず敏捷な物であった】
421 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/27(金) 21:48:34.51 ID:Fbd59vUno
>>ALL

クク、ッ…。中々の顔ぶれが揃っているではないか、沈め甲斐が有るというものよ!
 ……だが、ただ捻り潰すのも面白く無い。まして、顔だけは知った者も居るのだから
 ここは一つ……試験でも、してみるか?攻めはお主に任せるぞ、雷龍よ…――。


【姿を見せた大司教アーグは、ふわりとその体を浮かせて霧の中へと消えてゆく】
【代わりとばかりに舳先へ姿を見せるのは巨大な龍。その前足が甲板にのしかかると】
【ぐらりと船体が揺れるものの何とか持ち直し――大きな龍の半身が船先に乗り上げる】

【その鱗は非常に分厚く、どうやら雷を始めとした属性魔術は効果が無いと見え】
【その他で目立つところといえば、目と長い髭、それから口元に覗く牙であろうか】
【眼はギョロリと見開かれて居て、何処に居ても獲物を補足している様な感覚を与え】
【或いはその髭は、敵を見分け探知するソナーのように時折ゆらりと動いており】

【――しかし、攻撃はしてこなかった。まるで出方を待ち、"先手を貴様らに譲ってやる"とばかりの様相で】
【キチンと次の攻勢への準備はしていると見え、立派な角には雷雲のような"力瘤"が目立ち始めていた】



【その一方で、もし船体の外――海面を見る余裕のあるものが居れば】
【船体にへばりつく無数のブヨブヨが、一箇所に集合しつつ有ることに気づけるだろう】
【場所は船体前部。ちょうど舳先の下部で、まるで一個の集合体になるかのように塊となりつつあって】

【アーグの姿も、そのすぐ傍にあった。海上近く、白い集合体を指揮するかのように杖を振るっていた】
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/02/27(金) 21:51:11.87 ID:o98OgZwg0
【街角――人通りもそれなりにあるような場所】
【自動販売機が設置されていた、空の月は半分から少し丸くなった形をしていて】
【――自販機の明かりが前に佇む人物をぼんやりと照らし出す、色をどこかに落としてきたような人だった】

金を入れて――押すんだろ。

【ちなみに、もう何十分かはここに居る――というのを知っているのは、同じくらいそこに居る人だけだけれど】
【自販機に書いてある緊急連絡先の番号とかまで熟読して“彼”は迷っているようだった、その様子は、】
【こんな機械使うの初めてです、なんなら触れるのも初めてです、くらいの態度をしていて――】

【透き通るような白い髪は腰を超える長さまである、瞳は血を透かしたように真っ赤な色合いで、】
【髪は誰かが手慰みにしたように一つだけ三つ編みが混ぜ込まれている、服はごく薄い水色の着物に、黒の羽織で】
【身長は二メートル近くもあるような長身、ただ細身で、彼はふと視線を上げて周囲を見渡してみると】

……今度聞いてくるか。

【どうやら数十分近く粘って今更気恥ずかしくなってきたらしい。そう呟いて――すまし顔で、自販機から身体を逸らし】
【ずっと握り締めていたわりに暖かくもない小銭をもう一度握り締めると、がぎゃり、そんな音がした】
423 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/27(金) 22:00:50.07 ID:B+EWgTAco
>>419

【水と風の防壁が解除されると、アインの影が円状に広がり隆起。立体的に伸びた影が周囲のゾンビを刺し貫きながら更に伸長】
【船から飛び出して海へと放り出していく】
【槍を構えなおしながらアインはアーグに向かって片手を軽く振る。今このときは敵対すべきタイミングではない】

 なんだなんだ、特別製か? 強そうじゃないか

【アインの口元が愉悦に歪む。更に視線を動かせば甲板の先には龍。船体の外にはアーグ】
【アーグ以外のどちらを先に仕留めるか悩むぐらいの状況だった。が、アインはまず紫の怪物に相対した】


 でかぶつは他の連中に任せて、何ができるのか見ておこうじゃないか

 とりあえずはお前からだ──────来い


【風切り音を鳴らして槍が旋回。肩に担いだ状態でアインは怪物に対して挑発しながら手招きをした】
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/27(金) 22:17:08.50 ID:RgzA8QAg0
>>419>>421
【特大の氷柱がかの者の炎で溶かされてしまう】

「へぇ…」

【感嘆の声を上げながら尚も笑みを濃くする】

「ならその顔をしっちゃかめっちゃかにぃ!?」

【台詞を言い終わる前に船にその体を預ける様にする龍】

【その手前では合体?して体積が増した既に人型とすら言えない白い何か】

「か、怪獣大戦争!?」

【等と場違いにも程かあるリアクションも間違いでは無いほどの圧巻の光景である】

「とりあえず…」

【と、敵の方を向く男の娘】

「戯れよっか?」

【先程かの異形の者に放ったのと同様の一本の氷柱をブヨブヨに向けて打ち放つ】

【しかし、この遮る物のない甲板でこの二体を同時に相手取るのは難しいだろうだが】

「無いなら創ればいいんだよ?」

>>ALL

【吹雪が甲板に吹き荒れると共に縦2m横2m程の前面にトゲの付いた壁が各々1m程の間隔を空けて防壁の如く現れる】

「それじゃあ存分に戦って乱れようよ……みんなぁ」

【割と広い範囲での能力の使用により片膝を着くも船と言う構造上、ここにいる人間は運命共同体だという事は理解できているようだ】
425 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/02/27(金) 22:22:41.71 ID:TzXPb0Syo
>>421


(ここに居る連中、すべてがあの化け物に最大限の攻撃をすれば、それこそひとたまり≠烽ネいはずだ。)
(──爺の姿が見えない…、あの化け物はおとりなのか? それとも耐えきれる?…。)

………………………………… 。は 、


【吹き荒れる甲板、前部には巨大な化け物。角には宜しくないなにかを溜めている。】
【片手剣を構え、嘴を化け物に向けて携えながら、じっと観察していた。】

【──そしてその後、ふと我に帰りつい吹き出したのだった。】

【──自分の悪い癖は、考えすぎるところだと思う。】
【これから自分は、自分よりも強い敵と相対する≠ニ決めたはずなのに、】
【ついつい、悪い予想を仕立ててしまう。】

【──青年は一つ、長い息を吐いた。てっとり早い、目の前に強そうな化け物がいるのだ。】
【そこにどんな意図が孕んでいるかは関係のないことだ。自分は今船員として共闘している。】
【ならば自分がすべきことは、自分ができること──何かアクションを起こしてみるということだけのはずだ。】


──一転集中だ 狙いはあの角。 事が起こる前に出鼻を挫くんだ!

【ぶぉんっ! と音を立て構えた片手剣を指揮棒のように縦に振るう。】
【2M近くある巨大な、円錐形の嘴が一直線に化け物の角へ向かう。】
【雷龍の攻撃の基点が角にある、というのは、目に見えて分かること。】

【──嘴は螺旋を加えて角へ向かう。そして、突き抜けようが、避けられようが、どうなろうが=z
【嘴は一旦消失し、繰り返し繰り返し敵の角へと向かっていくだろう。】
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/02/27(金) 22:36:53.28 ID:w32MGHrv0
>>420

【遠距離から放った斬撃は、果たして一太刀浴びせる事に成功した。どうやら何でもかんでも打ち消されたりする訳では無いようだ】
【……しかし、強大な力を持つことには変わりはない。迂闊に踏み込めば何が起こるか分からないことを肝に銘じておく】
【―――この身は最早自分一人の物ではないのだ。自分が傷つけば悲しむ人が居る……その事を、一瞬たりとも忘れはしない】
【無事に大切な人の元に帰る事こそが、何より優先すべき事。大いなる勇気と、少しの慎重さを心に秘めて戦う――――】

―――!

【―――不意に、無数の黒羽根が放たれる。その一つ一つが高速で向かってくるのだから、避けようと思ってもそう簡単に避けられる物では無く】
【咄嗟に盾で弾くが、幾つかは防ぎきれずに白いローブに切れ込みと赤い染みを作る。……しかし】
【術は力を弱める。何故?―――ローブの特性だ。このローブ、騎士団に居た折の物で、知っているとは思うが魔術耐性を持つ】
【完全にアーグの強力な術を打ち消す事は出来ないにしろ、戦闘不能に陥るまでには至らない程に軽減されて】
【多少の目の眩みは生じても、深刻な状況には陥らずに済む。―――彼女の心は、堕ちない】

―――誰が、貴方の手に落ちるものですか。私はあの人の妻――――この心、何人たりとも奪わせはしません。

【海色の瞳は、凛然と前を見据える。その瞳に宿る心は、攻撃を受けて尚一分の揺るぎもなく】
【追撃を試みようとするが、それよりも早くアーグの身体は霧の中へと消えていった―――そして】
【代わりに現れるのは、一体の龍―――先程の物と見て間違いないだろう、コレもアーグの配下か……!】

【―――しかし、様子がおかしい。すぐに襲って来る事は無さそうだ……それどころか、出方を伺っているようで】
【一言で言えば、非常に妙≠セ。これだけの数の敵に対して、先手を譲るような真似をするものか―――】

【先程の攻撃と同じく、マリアは斬撃を飛ばす。狙いは角、攻撃の予備動作をしているのだから最警戒して】
【これもまた、機先を制すと言うより様子を見る為の攻撃。いつ何が起こっても良いように注意を龍に向けながら―――】
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/27(金) 22:44:40.98 ID:MV/XqXMO0
>>419-421

【怪物達を止めるとともにアーグの意識が向けば僥倖、その機に共闘する彼らが隙を突く―――それを意図し、且つ判断を確かなものとするための静かなる一手】
【アーグの力はその意図をも越えて攻撃の悉くを退けた。だが、確かに白き屍たちは一時的にその動きを止めた】
【それが、引金となったのか。突如現出する鞭が小刀を奪い去らんと、凄まじい鋭さで虚空を迸る】


――――……ッ!!

【退避―――動きを止めた白の合間をかい潜る様に小刀を引き戻し移動。効果的なればこそか、奪われることなど出来はしないのだ】

【―――――思い出す、嘗てこの刃を少女に託した鬼神の女性。彼女もまた、何者かに操られ支配下に置かれた存在だった】
【……或いはあの白き龍も、アーグにより支配された悪意のない存在なのか? それは、まさに現われる巨躯の姿により確信に変わった】

【“献上せよ”、総て神の威光の下彼の手に堕ちる定めなのだから。……そう“大司教”として告げるかの如きアーグの言葉は、目の前の龍が、その偉容が伝える様で―――けれど、】

……その類の高慢さは聞き飽きた――――……ただ奪うものにある肩書なんて、あの白の“ひとり”分の意味もない


【“金翅鳥”が秘めし火の力の開放、不完全なれど力ある黄金。その焔を高じさす様に小刀は微かな風を纏い、跳躍する濃藍色を支え、龍の頭部近くまで瞬息を以て誘導しきる】
【“開放”、】

【導かれるは、左右非対称なりし双剣の狂焔―――――――!!】
【“魔を退かせる”力を宿すまま、“切断”を太刀が載せて斬撃を生むまま。焔が風を巻き込み熱量を増して、膨れ上がる破壊の現象が龍の頭部へ、とりわけ角へと数多の刃伴い襲い掛かる】
【仮にかの龍が魔を宿すなら特効を示すが、“切断”と超高熱により飽く迄物理的破壊を中心としたものだ。だが、それでもあの巨躯に対しても一定の効果を望める】
【そして、海上で数多の屍たちを操るあの司教―――――、】

【“龍に意識を向けられている”、その意識の流れを自覚する。だからこそ、この状況は彼女には自らの狙いを遂行する好機となる】
【切削、貫徹、切断、突破―――――“力”届かすための経路を、角と龍鱗とを破壊することで空けようとするのだ】

【その先に目論むひとつの結末は、今は誰に伝えられる事もなくただ双剣と四肢に揺るぎない熱を与え。龍の意識をこちらに向かすことを、頭部を傍に据え続けさせることを“必要”として求める様、なおも剣戟は龍に向けて鋭さを増す】

【そこに彼の嘴(>>425)が幾度も襲うのだ、龍の角は相応の脅威に晒されるだろうか。金剛の硬度と絶対の強度があるならば、耐え凌ぐ可能性も皆無ではないが――――、】
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/27(金) 22:46:16.88 ID:WX547Dti0
>>419-421

【流石に防がれたか、しかもアーグの言う通り今、不味い位置にいる】
【下からの突風を起こす魔力はエルヴェツィオの身体を大きく吹き飛ばすだろう】

カテドラル……!ぐっ………………押し返される……なんて魔力のパワーしてやがるんだ……!!

【このままでは落とされる、だが足掻こうとしても彼は風を操ることは出来ない】
【海面に叩き付けられる直前、四肢を下にして猫のように海面と接触する、見ればその手足には紫電が走っていて】
【雷の層を海と自分の間に作り出し、沈むことだけは免れる、が長くこうしていては体力を消費するばかり……しかもアーグとの距離が空いてしまった】
【ぱちゃぱちゃと海面を器用に走って近くまで追い付く、離れた場所にまで飛ばされなかったことが幸いだった】

…………何……!?アイツはさっきのデカブツじゃねぇか……!!
……ヤバイな、アイツには俺の術は効かねぇ、かといって俺のこの細いレイピアで鱗を貫いて肉まで刃が届くかも分からねえ……つまり他の相性の良い奴らにあの龍は任せて…………

…………やはり俺がアーグを叩くしかねぇ…………だが、何だありゃあ……?

【アーグは今自分と近いところにいる、ならばとエルヴェツィオはアーグに向かっていく】
【だが……何をするつもりなのか、嫌な予感がする】
【しかし……だからこそ攻める!これ以上アーグに有利なように事を進めさせぬよう、何か分からなくても止めに向かわなくては】

アーグ!今度こそ その首、貰ってやるぜッ!!!

【水面を思い切り蹴って、エルヴェツィオはアーグに再度接近を試みる】
【以前の戦いから学んだ事だが、アーグが防げる遠くからの攻撃よりも、リスクを負ってでも得意な接近戦で仕掛けていくのが今の彼の戦術だった】
【まずはレイピアでの刺突、通常の中段突きの為防がれてしまうだろうが、狙いはその次にあった】
【右手のレイピアに集中している間に、左手に隠し持った杭でアーグの腹部を狙う】
【よく見ればびっしりと術式の刻まれたそれは、アーグに突き刺されば雷の荒縄が拘束しようと伸びてくる】
【だが接近を許さなければ、或いはレイピアだけに気をとられなければ防ぐことも可能であった】
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/27(金) 22:46:26.88 ID:MV/XqXMO0
/>>427

とりわけ角へと数多の刃伴い襲い掛かる】 → とりわけ角へと数多の刃伴い襲い掛かった】

…でしたっ
430 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/02/27(金) 22:48:10.92 ID:T9vwBkiNo
>>419
───ッッッッ!!!

【『覚えていない』だと?あれだけの事をしておきながら、あれだけの命を奪っておきながら、何とも思っていないというのか】
【その一言だけで、もう冷静さをこの少年から取り払うのには十分すぎた】

テ……メェェェェェェェェ!!───殺すッ!殺すッ!殺すッ!殺す!!
苦しんで苦しんで苦しみぬいてッ!!死ぬ事を懇願させてからッ!!後悔させてブチ殺すッ!!

【街を壊し、あまつさえ被害者を『あんなもの』にしたなどと、到底許すことの出来ないのは当然の事ながら、この鬼気迫る様子はまた別の物すら感じられる】
【アーグに勇猛に立ち向かわんとするのは正義の行動であるはずなのだが───それをさせるのは、憎しみばかりだ】

【浮き上がりつつあるアーグを逃すまいと躍起になり過ぎて、目の前しか見えない肉食動物さながら、足元への注意が疎かであった】
【咄嗟に回避したがそれは既に遅く、右脚の脛辺りの肉はパックリと裂けて血が噴き出し、踏み込む力を無くした脚を踏み外して地面に転ぶ】
【思い切り走っていた所に紐をかけられたようなものだ、頭から転がるように転んだ少年は、甲板の床に這い蹲り、歯を食いしばりながら上を見上げる】

>>421
───ッ、余裕かましてんじゃ……ねェェェェーッッ!!!

【船を大きく揺らし出現した巨龍、集合しつつある白い怪物、それらの変化を見つつも、彼の目に映るのはアーグ一人】
【血の流れる右脚を、しかし強引に動かして、地面を爪で引っ掻きながらも立ち上がる。痛みなど、こんなもの、『あの時』死んだ者達の苦しみに比べれば】

【アーグに向かおうにも、そのアーグは海上に浮いている、ただ遠距離攻撃で狙うだけなのは対処されやすい宜しくない行動だ】
【どの道この場では狙いが着けにくい、狙い易い船首に行きたいが邪魔者がいる───ならば、潰そう】

邪魔だ、どけ……どきやがれ!!クソ野郎ッ!!

【龍に対してすら、啖呵を切りながら駆け寄っていく、これは勇気なんかではない、目の前の脅威が見えなくなっているだけだ】
【駆け寄りながら右手を振り上げ、投擲するように掌を上に構えると、その上に鉄紺の焔が渦巻く】
【そこに、更に左手に作り出した焔を混ぜ合わせる事で、渦巻く焔が巨大な槍の形を模って硬質化し、右腕を振るうと同時に焔の槍が龍の左眼向けて打ち出される】
【硬質化した焔はガラス並みの硬度を誇る、それと同時に焔そのものの性質も持ち、槍が刺さったならば、鉄紺の焔が広がり生命力を奪わんとするだろう】
【この雨ならばいつまでも燃えている事も無いし、これ程巨大な龍の一部分を焔で包んだとて、それ程大した効果はなさそうだが】
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/27(金) 22:50:48.66 ID:/b33TZrao
>>420

取り敢えずお互いの挨拶はこれでいいかしら
蘇ったなんて聞いたかれどなんだ一応血は出るのね、なら始末も出来る……って事

【紅色の華、僅かだが一撃を与えられたならば魔術師はくつくつと笑う】
【傷つけられるならば倒せる、尤もそれに辿り着くまでは相当の苦難が待ち受けるだろうが】
【それでも標のひとつは見いだせた】

で、今度は何かしら……?随分と演出が凝っているけど……

【黒い羽根は仇花、ならば赤く燃え立つ爪は獣の掌】
【残火を灯す爪は巨大な生き物の獰猛な切先だ、迫る羽根ごと空間を裂いてやればパラパラと焼き尽くす】
【爪の軌跡には火のライン、纏う魔女の姿は災厄を思わせる】

アタシが欲しいならこの量の100倍は無ければダメよ
まあ持ってきたところで、その時には全部焼き尽くしてあげるけど――――――

【僅か掌に刻まれた裂傷に眉を顰めながら指先から血を払う】
【「良くないモノ」だと瞳が語るが、魔女の精神力という物はそれ故に魔女と呼べる代物に出来上がっている】
【元より安易に触れれば逆に焼き尽くす類の性分、手を出すならば無事に済む理由は無く】


>>421

ドラゴンスレイヤーか……中々良い称号ね箔を付けるには丁度いいわ
(でも、龍なんて生き物が従うなんてあの大司教一体どんな業を使ったのかしら……)

【重厚な存在感は古より生きしモノの持つ物か、まるで旧い遺跡その物と対面しているような感覚に無言のまま打ち震える】
【それはかつての戦いで目撃した巨人との出会いにも似た類の衝動にも似た何か、ゴクリと喉を鳴らし】
【自らの切先を偉大なる生き物へと向ける】

(一先ず離れなきゃね、竜種の一撃なんて喰らったらただじゃ済まないに決まってるしね)
(それにあの瘤、竜種特有の角に稲妻……アイツの言った事が正しいならば雷竜か、アタシの魔術が効くのかしら)
(というか龍なんて超越種それこそ本でくらいしか見たことないのだけど――――――――)

【ローブを翻し後方へと距離を取りながら龍の挙動を観察する】
【存在感は云うまでも無いが目を引くのは力を根源を思わせる角、力の奔流】

一点集中させた砲撃で!―――――――試すッ!!

【偉大なる者、それに対するは赤光の魔女】
【掲げた掌から立ち上る熱線と化した魔翌力、魔女の扱う奔流を包むように爪が並び立ち熱を魔翌力をより強く沸き立たせる】
【やがて掌を龍へと向け放つ、赤熱の砲撃は先程の大司教に放った物よりもより強い貫通力を持つ代物】
【鳴動する角のその力が放たれる前、その一端となる前に撃ち伏せる為!】
432 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/27(金) 23:16:31.46 ID:Fbd59vUno
>>423

【―のしっ、と一歩。そこまでは鈍い。しかし、そこからは凄まじく速かった】
【伸縮自在の腕を男に向けて伸ばし、所々から伸びる刺ごと身体に絡ませようとしつつ】
【どうやらこちらは足も伸びるらしく、一気に地面を蹴って身体を近づけると】

【大きな口を開いて、男の右腕を喰らおうとする。それこそ、骨ごと持っていくような顎の力があり】
【加えて接近するや、全身の刺が飛び出してそのまま男の身体を貫こうともするのである】
【捨て身の特攻、というわけか。刺がある分、近付くことを許しただけでも危険であり】
【かつ、スピードが全く違うという"初見殺し"でもあるこのバケモノは、酷い腐臭を放っていた】

>>424>>425

【吹き荒れる吹雪に、角を執拗に狙う嘴。いずれも龍にとっては不快だったに違いない】
【ブルブルと重みのある動きで首を左右に振ってから、ぎろりと二人の年少を睨むと】

【おもむろに、その髭が動いて迫った。電流を纏った鞭、とでも表せばいいのか】
【撃たれればその箇所がミミズ腫れになる上に、下手をすれば気絶しかねないような電撃が流される】
【そういう一撃が両者に迫る。――しかし、逆を言えば鱗の無い部位が自分から近付くようにも考えられて】

>>427>>429>>431

【続けて龍に迫るは角への斬撃。これは端的に言ってしまえば、効いた】
【その片角に、大きな切り傷を付けたのである。パッと舞った血が船べりを濡らし】
【ギロリと、大きな瞳が少女を見た。――直後、その瞳が火を吹いた】

【正確には火を噴く槍が突き刺さったのである。如何に龍といえど、粘膜は弱い】
【そこに巨大な能力生成物が飛ばされれば、当然といえば当然の結末であり】

【最後に、これは鱗をも貫通して胴体に突き立った――赤熱の砲撃】
【一介の魔女にしては過分すぎるほどの一撃は、龍の体液を雨に混じらせる程の威力を誇り】
【堪らず龍も呻くのだった。呻いて、傷ついた角からは紫電がバチバチと周囲に広がって】


【――そして昔話と同じく、龍を悪戯に攻撃した者には天罰がくだる】
【これは龍の能力なのか、それとも天の偶然なのかは分からないが】

【少女と青年と、そして魔女と。三人に同時に落雷が迫るのである。その威力は甲板を焦がすにあまりある】
【加えて、龍は大きな前足を振るった。狙う相手は、剣士と青年。爪の一本が大太刀ほども有る手が振るわれると】
【まるで裁断機の如く、人体を断ち切るサイズの一撃が追撃として二人に迫っていって――!】
433 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/27(金) 23:17:03.26 ID:Fbd59vUno
>>426


―――――それは残念だ……しかし、だからこそ燃えるというモノだぞ?


【声は唐突に後ろからであった。飛ばした斬撃に付いては、確かに龍の角を捉えた物の】
【それとは全く関係が無いタイミングでの、執着と言って差支えのないアーグの"転移"】

【そして声が途切れるかどうか、間髪入れずといった瞬間に振るわれるのは一本のナイフ】
【アーグがその口腔から取り出した短刀には、強烈な麻痺毒がしっかりと塗りこんであり】
【そして、短刀であるがゆえに攻撃速度も速く隙も無い。腰元に深々と差し込まんと振りかざし】

【その直後には、彼女への攻撃の成否を問わずに再び姿を消してしまう。】
【強いて言えばこの転移の直前には、小さな隙が有りはした、が――】

>>428

【エルヴェツィオの位置であれば、アーグが転移を二度繰り返した事も分かるだろう】
【マリアの元へ、そして元居た位置へ。――騎士がレイピアを持って水面から攻撃するのは後者の直後】


――ぬ、ッ…!?グ、オォッ……!貴様ッ、この海を歩くとは小癪な……!…!?
 くゥ…――馬鹿が…ッ……!この程度で、私が縛れるとでも……!!


【アーグにとっては奇襲だ。防げるものも防げず、レイピアが肉体を掠めると】
【直後に、腹部へと激痛が走って雷撃の荒縄が肉体を縛り付ける】
【完璧に決まった。それでも、稀代の大魔術師はギリギリと音を立てながら腕を動かし――】

【――そして、極度に接近したエルヴェツィオの頭部を鷲掴みにしようとするだろう。――いや】

【掴む≠フだッ―!隠し持った奇形の二本と、強引に荒縄を破った長い二本と。】
【持ちうる全ての腕を用いて、騎士の頭部を鷲掴みにして、ある魔術を発動する】

【それは『反転』の魔術。禁呪――相手の持ちうる感情・価値観・思想――その全てを反転させる術】
【今、彼は混沌の大司教たるアーグを憎んでいる。そして苦楽を共にしたゼン=カイマの面々を大事にしている】
【されば――。…――効果の是非は、騎士の精神に全てかかっていた】

【そして数秒の隙を置いてから、アーグは醜悪かつ愉悦に歪んだ表情で再び転移を用いる】
【魔術があれば自由の身。しかしレイピアの傷と雷の荒縄は、術で癒やされようとも確かに効いた】
【大きなダメージになったはずだ。それは、彼の獲物に滲んだ血液量が物語っていた】
434 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/27(金) 23:17:25.88 ID:Fbd59vUno
>>ALL


『―――強いな。やはり、こうして戦いの場に自ら残るものは強い
 皆がみな、あの島で生きてゆけるとも思えんが…――良いではないか、アーグよ。』

ククッ、左様よな……。もっとも、その強さというのが我々には目障りなものよ
 私とて力の有る者は嫌いではないが、楯突くものに限ってはそうではない。
 ……そういう訳だ、殺してしまって構わんぞ雷龍や。いや――"殺せ"。

『…――――承知した。』


【船の動きが、止まる。前進も上下動も無くなって、ただ一瞬大きな揺れがあった】
【海上での大きな揺れというのは2つ理由が有る。一つは大波、一つは――"座礁"だ】

【そう、座礁。船体前部、船底にへばり付いた大量の青白いバケモノは一つの個体と化し】
【数に物を言わせて、浅瀬へと強引に船を引っ掛けたのである。――はて、浅瀬?】
【最深部7000mの海に浅瀬などあるものだろうか。気付ける者は、ハッとするかもしれない】
【目的地は孤島なのだ。その近くまで来ているのだとしたら、或いは――。】


【――しかし答えは誰も返してくれない。座礁した船の舳先に陣取った龍は】
【その角に蓄積させた紫電を、力瘤の解放をもって口元から撃ち放つ】

【さながらドラゴンのファイアブレスだ。ほぼそれと同じ動作で放たれた電流は】
【船体を艦橋ごと飲み込んで、大波のように表面を全て浚ってゆく】
【つまり、純粋な意味での逃げ場は無い。防御せずにそこに居れば、落ち着く頃には丸焦げで。】

【単純、故に苛烈であった。単なる電流の放射で、それは船を覆うくらいに大きな一撃だった】
【それだけのこと――問題は如何にその一撃を防ぐかであり、しかし活路は僅かに見えていた】

【原因はとある青年(>>425)と聖騎士(>>426)、そして剣士(>>427)だ。角を攻撃するという選択肢は、全く正解と言って良いもので】
【龍から見て左斜め前、船体の右半分。そちらは雷撃の放出がにわかに弱まって見えたのである】

【また或いは、各所に設置された氷の壁(>>424)も防壁足りうるが、まだ弱い】
【自力でさらなる防御を成せれば、十分に防ぎきれる――そういう潜在力はあって】


『クソッタレの化け物どもがッ!オイお前ら、これじゃ船が前に進まねェ!
 なんとしても船を前に進めやがれ!沈んでもこの海域じゃただの的だが
 せめてもうちょい奥まで行ければ上陸だって出来るんだッ!分かったか―!』


【そして、課題はもう一つあった。船が進まなければ永久に島へはたどり着けないのだ】
【そうなればなされるがまま。集合体と化したブヨブヨの側からは、アーグの姿が消えていて。】


【――まさか、これで終りというはずがない。龍は傷の多さに堪らず飛び上がって】
【再びその姿を雲に消した。しかし、また別な何かが船の正面――霧の中で蠢いていた】
【大きい。まるで岩山のように影を覗かせる何か≠ヘ、来たる最後の大波を予感させた】

【とにかく、まずは座礁を何とかせねばならない。そして次点で、備えというものが大事だった】
【誰が何処にどれだけの力を裂くか。――不穏をにじませるように、船体がグオぉン、と軋んでいた】
435 :???? ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/27(金) 23:24:36.30 ID:D4IcyJPYo

【冷たい風が、肌を貫く。だがそんな痛みにすらも、もはや反応する事無く。】
【ただ彼女は黄昏て居た。いや、その表現も正確には間違っているのかもしれない。】
【黄昏る、というより―――何も考えず、考えられず、ただ自分自身を呪い続けていただけだ。】



 ――――――――――。



【動かなくなった"愛銃"に一瞬だけ、目をやるも、すぐにそれから視線を逸らし】
【もはや自分には過ぎたる物だ、とでも言わんばかりに、彼女はガン・ベルト毎それをベンチに置いて】
【ゆっくりと立ち上がると、傷で上手く動かない足に力を入れ、松葉杖を突きながら川を見下ろす橋へと移動していく。】



 ―――……きれい……。



【橋の手すりに体重をかけ、下を覗き込む。視界一杯に映る水流を眺め】
【小川のせせらぎを聞きつつ、夜風に身を打たれながら―――杖が、カラン、と音を立てて。】



【彼女は―――ゆっくりと、橋の下へ、身体を投げ出そうとした。】
【身につけた患者衣の懐から、零れ落ちた携帯電話型の端末が、音を立てて転がっていき】
【画面に表示された無機質な文字が夜の闇に融けていく―――"情報統合ネットワーク"の、掲示板に表記された、文字はシンプルだ】



 ………―――――――――――――――"ごめんなさい"。



【ふわりと。風が舞い踊った。】
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/27(金) 23:39:55.95 ID:RgzA8QAg0
>>432-434

【落雷そのものの如く襲いかかる雷龍の髭、それは一種の鞭の様に良くしなり少年を打ち据えようと迫るが】

「こんなの避けるのって無理だよぉ」

【等と泣き言を言いながら氷の鎖を絡ませアースの様にして先端を海に浸すことで電撃を軽減して氷の防壁に隠れる】

「あぎゅうぅ!!」

【しかしながらそれでも威力を殺し切れずに小柄な体が吹き飛ぶがその瞬間に戟を振るい、『自分が吹き飛ばされるエネルギー』をプラスして髭に切りかかる、切断に至るかどうかは解らないが…】

【そして龍の口からほとばしる雷、咄嗟に少年は体を先ずは球体の密度の高い氷でガチャポンの様に覆い、次に密度の低い氷をウニのイガの様に生成する】

【これにより抵抗の少ない方に電気を流して自分のダメージを防ごうとするものであろう。】
437 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/27(金) 23:40:11.62 ID:B+EWgTAco
>>432

【遅い一歩目が魔術師の反射神経を騙した。緩慢な動作は続く高速の動きをより速いものに錯覚させる】
【一瞬遅れて長槍が伸びてきた腕を切断、あるいは叩き落すが、もう片方までは対処が回らなかった】
【身体に巻きつかれた上、棘で肩や腕を貫かれる。更に続けて怪物の身体そのものがアインへと迫る】

 フェイントとは、使役物にしては中々上等だな!

【腕の迎撃に使った槍を反転。石づきで迫り来る怪物を刺突して接近をなんとか抑え込む】
【いつもであれば試しに受ける攻撃ではあったが、今はそうしていられない理由があった】

>>434

 ──────ぐっ、くそ、この忙しいときに!

【アインの背筋に悪寒が走る。視界の端には紫電。発生源は龍の角だ】
【いくら己の力量に絶対の自信を持つこの魔術師であっても、龍の攻撃をまともに受けて無事でいられると思うほど愚かではなかった】
【すぐ側にあった>>424で作られた氷壁に怪物ごと無理やり滑り込むと魔術を発動。岩の壁と更に自前の氷の壁で防壁を形成】
【攻撃に備えながら石づきから怪物に向けて火炎を噴射。一方向にのみ纏められた瞬間的な爆発が怪物に襲いかかる】
438 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/02/28(土) 00:04:27.42 ID:8n4aL0kVo
>>435

【川底へと身を委ねるため、彼女が欄干から手を離しかけたそのとき。彼女でもその声は聞こえるだろう】
【その声は彼女もどこかで聞いたことのある声かもしれないし、あるいはもう忘れてしまっているのかもしれない】
【しかしどちらにしろその声は酷く焦って、否、彼女を助けるために必死なそれだった】


「――――――やめろっ!」


【その声はすぐに大きくなり、その離しかけた手を掴もうとするだろう】
【そして彼女がその声の方向へと首を振れば、奇っ怪な格好をした男が真面目くさった表情でその瞳を見返すことになる】

【魔女が被るような大きい紫色の帽子、同色で縁に金色の刺繍が施されたローブ、そして木製の大きな杖】
【まるでお伽話から出てきたような魔法使い。銀色の髪をした、以前彼女と話したことも、戦ったことも有る男だった】

【どこから出てきただとか、そんな話はどうでもよく―――彼女が此方を向けば、男は酷く驚愕した表情を見せる】
【ただ歩いていたら、何処から抜け出してきたのか、患者の衣服を纏った誰かが橋から飛び降りようとしていたので】
【それを助けたら面識のある人物で、しかもとても有名な彼女だったとなれば、この男に驚かない理由はなかった】


「……セ、セリーナ……!?」


【男が驚愕のうちにいる今ならば、手を振りきって飛ぶことも可能といえば可能。……それは、彼女の精神状態にも依るが】
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/28(土) 00:04:55.25 ID:q9GskWcj0

>>432-433

【刃は龍の角の一を捉え、流れ出す血が生命としての龍を認識させる。睨み据える瞳にはその主にとってはあまりにも小さな命が映るか】

――――――く、あっくううぅっ……! ……ッ―――――――

【そして放たれる雷霆を、右手が“金翅鳥”を龍の体表へと導くことで辛うじて受け流す。けれど無理にその場で堪える声は、防ぎきれず灼かれる痛みを如実に伝えるだろう】
【ふらつきながら着地した濃藍の影に、凄まじい膂力とサイズの剛腕が迫り】

――――……ッ!

【通り過ぎる衝撃を感じながら、今一度剣士は宙に身を躍らせる。着地するのは、まさに今し方己を屠らんとしたその腕】
【狙った一手は今も未だ望める、龍の頭部はそう遠くない。けれど―――――数多襲う共闘者たちの力が、その命を保つとともに龍に撤退を選ばせた】

【時間がない―――――……龍はもはや飛び去ろうとしている。為せることは、もはや少なく】

【――――最後に龍へと残すものは、小刀による額への鮮烈な一閃。仮に屍たち同様に被支配の側にあるものであれば、やはり同様の――僅かばかりの干渉が叶うのだろう】
【それは、まるでメッセージの様で。すれ違う橡色が巨大な瞳のひとつと向かい合い、言葉はなく、龍の意識に灯ろうとする様だった】


>>434

【その間際、放たれた巨大な雷霆。船体全てを覆うほどの出力と規模―――――致命的な力である事は確実だった】
【頽れそうになる身を強いて奔らせ、“弱まった”半分へと瞬時に意識を向ける。声は、龍の間近から辺りへと届くだろう】

……こっち、に……! ……っ!


【跳躍、方向を示す様に。誰かが見る余裕があるのかも分からず――――けれど、少女自身にも確かな作用を齎した】
【僅かばかりの滞空時間が、致命的な“長さ”から掬い上げる。そして】
【やがて雷霆が収まれば、船を動かす人手を求める声が聞こえた。……だが、直ぐに応えることは出来そうもなかった】

【剣戟による近接戦闘を本分とする彼女には難度の高い課題。思考は、現状に対処するために働かせられて】
【暫くの時があれば風の力を繰ることも叶うのだろうが―――……現状で、直様発動することは叶わない。強引に発動しようとした所で、一指たりとも動かせないほどに消耗するだけだ】

(――――! あの影……―――――さっきの集合体とは違うもの? いずれにせよ、此処から仕掛けるのは容易じゃない――――)

【静かに呼吸を整えながら、波間に見えた新たな影を見遣り、捜す。“力”はその手に静かに猛り――――最後の試練を、その眼に映さんとする様、見据えて】
440 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/02/28(土) 00:05:02.07 ID:E2skdBNHo
>>432


!! ── こなくそッ ! …ッぐあああッ !


【ずンと迫る電撃の鞭──しなるその部位に対して剣を合わせる。】
【振るった片手剣に鞭が巻き付き、強い電撃がつたう──。】
【咄嗟に武器を手から離すものの、ぷす、ぷす、と体から湯気を立てる。】

【愛用のインバネスが焦げるものの、気絶にはいたらなかった──、】
【とはいえ、絶大なるダメージをその身に与えられる…。】
【その痛みがやけに腹立たしく感じられた様子で、痛みに悲鳴をあげた勢いで雷龍の睨み付ける。】

──ッ糞が…、何が「殺せ」 だ 、てめーーみてェな糞爺をいッちばんぶん殴ってやりてェよ…!あん時ぶん殴っとくべきはやッぱ俺にじゃあなくて爺になんだッ!

>>434

【落とした片手剣を拾い上げて薄い雷が通過する£n点へと駆ける。】
【ダメージが深いのに走れるのは、腹立たしさ故か、勢いで動いている様子だ 。】
【ほんのりと電撃を帯びた片手剣を放れば、それを避雷針としながら、さらに嘴を前方に出現。】
【そうして青年は雷の波を完璧に防ぎきったのだ。】


【その後再び青年は霧へと向き直る。】
【どうせそこには何か≠ェあるのだ。ならば、そこへ攻撃を放つ。】
【簡単な話だ。──蛹や繭に危害を与えれば完成形はつたないものになる。】
【霧の中に何かがいるのなら>氛氓サしてそいつがいずれにせよ出てきてくるのなら、】

【──「邪魔してやれ。」だだそれだけのイメージで、嘴を霧のなかへ放つ。】

441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/28(土) 00:09:07.41 ID:UV2dgdbmo
>>432

(届……いた……―――――――?)

【砲撃の後の排熱の煙に塗れ龍の姿が霞む物のかの生物の叫びが遠く響き渡る】
【古の者に届く一撃はこの場に居る者達の協力による物だが何よりも自分の一撃が通った事に驚嘆を隠せずにいた】
【焔纏う魔翌力、受けた龍ならばその根源は遙か昔の人の世の物だと理解るか……】

―――――……っつ、しっぺ返しっ!?盾っ、間に合わないっ

【天罰、遙けき上の者へ牙を向けた報い】
【それは文字通り天上より飛来し魔女を焦がさんと振り下ろされる】
【しかし魔女とて常の理とは外れた身、凡そ日常とは程遠い場所に生きる者それを世界は「魔女」と呼ぶ】

【爪を掲げ盾を作ろうにも雷の疾さには間に合わない】
【しかし竜種の攻撃に無抵抗でいて生きていける理由などなく、ならばと砲撃ではない魔翌力の奔流にて打ち消しを試みる】

っ、つ……ああ――――――――!

【雷光と熱量、自然現象に近い雷光が必然勝つがその何割かは避ける事は出来る、身を襲う痛みに悶えながら自分の肩を抱き】
【片膝を付いて苦痛を浮かべるがその瞳には依然焔は灯っている】


>>434

――――――今度は何よもうっ!何この揺れ、座礁!?
アタシ砲撃しか、ぶち壊すことしか出来ないわよもう!前に進めろってたってアタシに言ってるなら大間違いよ!間違い!!

【戦いとは別の大きな揺れに小さな悲鳴を零しながら甲板へと倒れこみながら喚く魔女】
【ある事に特化しているというのは聞こえはいいがしかしその実態は状況の変化に対応し難いという事】
【敵を焼き尽くせはしても船その物を動かすような器用な事は出来はしない】

【精々、爪を合わせ盾として弱まった雷撃から身を護る程度】
【そう、其の程度……だがそうすれば魔女の砲撃は魔女が生きている限り敵に火を穿つ】
【迫る大波にも、相対することが出来る―――――――】

(ギアはもうハイになってる……アタシは未知の不穏に備えるべき……か)

【息を大きく吸い込み呼吸を血流を魔翌力の流れを早める】
【赤い光はより鮮烈に、爪の炉からフレアのように焔を零しやがて魔女の周りは熱せられ水蒸気に覆われる】
【カズネの背部にまるで後光のように番えられた爪は日輪の映し身か、暗雲に塗れた中で尚も強く強く輝きを増し】

例え何が出てこようとも全部撃ち落とす……

【静かなその言葉はただ強くあれと自らに語る物】
【掌はそっと未知の脅威へと向けられ――――――――次を待つ】
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/02/28(土) 00:17:57.55 ID:kKedyFtH0
>>432-433

―――ッ!?

【斬撃は確実に龍にダメージを負わせた。其処に関しては問題ない……しかし、問題は其処≠ナはなかった】
【不意に。そう、全く「不意」に。意を向けていない場所―――背後から、声が聞こえる。】

いっ……―――っあァ……ッ!!

【注意を完全に龍の方に向けていたマリアは、その声に咄嗟に反応することが出来ず―――】
【―――結果、短刀は避けることが叶わずに深く彼女の腰に突き刺さる。走る痛みにマリアは顔を歪め】
【そして……次の瞬間、身体を襲う痺れるような違和感に気付く。足が、体が、動かない―――!】
【動かす事も儘ならず自身の体重を支えられなくなった足。ぐらりとマリアの身体が揺らぎ、その場に倒れ込む】
【それが今の攻撃によるものであると理解するのに、そう時間は掛からなかった。痺れは短刀から来るものだ、と】

(―――これ以上毒が回る前に、短刀を引き抜かなければ……!)

【足に比べて、多少ではあるがまだ毒が回っておらず動く手。それを何とか動かして刺さった短刀を引き抜けば】
【光の球を左手に生み出し、龍でもアーグでも無く上空目掛けて二発放つ。……これに、何の意味があるのだろうか】
【痺れで向きの制御が効かなくなったか……?否、違う。その理由は後で分かるか】

【そして、その後に来る龍の電撃。それは凄まじく、船の表面を全て覆うものだった。―――そう、「表面」を。】
【麻痺して体が動かないマリア。防ぐ事も出来ず伏したまま電流を真面に受けるか?……いや】

【電撃が放たれる、その一瞬。ほんのりと暖かい光がマリアの身体を覆ったかと思えば】
【―――次の瞬間、彼女の背には淡い光と微かな暖かさを放つ純白の翼が生える。ふわりと羽ばたけば、彼女の身体は上空へ舞い上がり】
【艦の「表面」を流れる電流を、上空でやり過ごす―――】

【そう、体が麻痺しても魔術が使えなくなった訳では無い。今も麻痺毒は効いた状態で、その証拠にマリアは上空で足を力なくぶら下げてるが】
【それでも魔術の産物である純白の翼は動かせる。まだ、彼女は諦めてはいない―――!】

【ところで、先程真上に打ち上げた光球は何だったのだろうか?】
【その答えは、今分かる筈だ。丁度今、打ち上げた二つの光球が弧を描くように落下して船の左舷と右舷をかすめて海の中へと飛び込んでいった】
【数秒後、僅かな衝撃が船を揺らす筈だ。衝撃の発生源は船底―――そう、光球が海底で炸裂したのだ】
【船を動かすのではなく、船底に穴が開かない程度の炸裂で乗り上げた暗礁を吹き飛ばして削り取る。この作戦、功を奏すか……?】

【マリア自身は、電撃が止めば再び艦上に着地して次なる脅威に備える。足が動かない今、移動は翼を使う事になるだろう―――】
443 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/02/28(土) 00:21:48.32 ID:lv48Uo8Go
>>432
【立て続けに龍に襲いかかる攻撃、その連撃の一端を、狙ってはいないがこの少年も担った。そうした協力あって、龍にダメージを与えられたのだが】
【突如輝く頭上、認識する間もなく、全身を光が包む。輝く雷が全身の筋肉を伝わり、硬直させ、開いた口から声にならない声が絞り出る】

───〜〜〜ッッッッッッッ

【雷にそのまま打たれてもすぐ黒焦げになる事はない、ただ、その電気ショックは全身の筋肉という筋肉を駆け巡り震わせ、まともな動作を出来なくしてしまう】
【体が弓形に仰け反り、心臓が震え、血流が乱れ、肺は空気を取り込めず、脳が活動を乱し一瞬意識がブラックアウトする───】

【再び意識を取り戻すのは、数秒も経ってはいなかったが、それでも攻撃への対処法を絞らせるには十分過ぎる物であった】
【襲い掛かる龍の爪、それを身一つでどうにかする術は無い、躱すにしても怪我がそのまま脚を引っ張り、最早間に合わない所まで来ている】
【咄嗟に両手に鉄紺の焔を灯し、放出したそれで作り出すのは厚い盾、簡易的な物だが硬質化させれば───】

(───間に合わないッ!?)

【いや、それ程迄に厚い盾を作り出すまで暇が無い、それでも無いよりマシと妥協に妥協を重ねて作り出したのが、両手に纏う焔をそのまま硬質化させただけの簡易な籠手】
【それを用いて、両腕を盾に龍の爪を受けると、その瞬間に腕から胸からバキバキと景気の良い音がした、当然耐え切れる物ではなく、見よう見まねで床から飛び上がる事で衝撃を逃す方法を取る】
【当然空中に浮かんだ体は抵抗を無くして押し出され、船の縁へと飛ばされて背中を打つ、血と共に肺の中の空気を吐き出して、床に崩れ落ちた】

(……畜生……なんだよこれ……こんなに………こんなに『遠い』のかよ…?)
(だったら……俺は何のために力を……)

【『虫の息』とは言ったものだ───体に多大なダメージを一気に食らった少年は、呼吸もままならず、体制の立て直しもきかない】
【体が弱まると精神にも影響する、代償を払って力を手に入れたのに、全く届かないとなると尚更】
【そんな少年の事に敵が構ってくれる筈もない、霞む目に映るのは船の上を薙ぎ払わんとする龍の攻撃予備動作】


───クソ……

クソッ……クソッ!クソッ!!クソォォッ!!
ふざけるな!!ふざけるな!!これで終わりだと!!ンな訳あるかよ!!バカヤロー!!
まだ行ける……まだ『引き出せる』んだろ!?いくらでも心を喰らえ!!力を寄越せ!!もっと力が必要なんだよ!!

【『ここで終わる』?そんな馬鹿な話があるか、やっと復讐相手に会えて、その瞬間に終わるなんて、あり得ない】
【いくらでも魂を売ってやる、いくらでも心を削ってやる、復讐を成し遂げる力があるならそれ以外はいらない】
【叫びに応えるかのように、少年の胸から滲み出す漆黒の鼓動。心を蝕み力を与える『卵』が、力を生み出す】

【床に両手を叩きつけると、陣の様に燃え上がる鉄紺の焔が吹き上がり、次の瞬間巨大な牙の様になって硬質化した焔が、甲板の床板を割りながら少年の目の前に幾つも突き出した】
【自分の目の前しかカバーしていないが、逆に言えば自分だけを防ぐ防御壁、鉄紺の焔が持つ、魔力を若干弱体化させる力も働いて、防ぎ切るには十分だった】

/長くなったんで分けます
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/28(土) 00:21:52.88 ID:bLkPtzYv0
>>432-434

【捉えた!どうやら思いもよらぬナイスタイミングで攻撃を仕掛けられたらしい】
【流石、長く騎士団として活動してきた仲間だ、彼女が倒れなかったからこそアーグの次なる攻撃があった、そしてそれが奴の隙へと繋がったのだ】

(以前から思っていたが、やはりこいつはフレデリックと同じように転移の術が使えるんだな)
(しかし移動した直後ではどんな術者もノーガードになる……!)

(……そういえば、確かマリアも以前会ったときに転移が使えたはず……恐らくフレデリックから教わったものだろう、上手くやればあるいは……!)
へへ……!お前よりも出来ることは確かに少ないがな、これぐらいはやれるってことだ!

もう一発も……………………ッなんだと……!?

【レイピアを引き、さらに攻撃を加えようとするが、それはまたもアーグの力に阻まれることになる】
【まさかあの縄を引きちぎるとは、強度は最低でも鉄の鎖程はある筈、それに不意打ちだった】
【彼の知らぬ箇所から襲う二本の腕、そして破られると思っていなかった腕が掴みかかり】

ぐっ…………う………………お……おお……あ…………っ……!

【彼に掛けられるのは反転の力を持った呪術、レイピアを握る手の力がだんだんと弱くなっていく】
【アーグが手を離し転移によって逃れた後、エルヴェツィオは頭を力強く抱えて苦しみ始める】

【……何故、フレデリックもマリアも、あんなに幸せそうにしているのだろうか】
【自分は母も、父も、妹さえも居なくなって、なのに彼らは式を挙げて 自分の失ったものは全て手に入れて。術のせいなのは分かっている、だが心の奥底に少しでも嫉妬が無かったと言えば嘘になる】
【返事の帰ってこない石に向かって土産話だとか自慢話をして、何が満たされるというのか】

………………う……ぐ…………っ……!

【きっと術に破れてしまえば楽になる、こんな貧弱な心など消すことが出来るだろう】
【…………しかし、それでも】

…………それでもよォ………………!……ダチを裏切るなんて…………出来るわけねェよな……!

【迫る龍から放たれた電流、だが彼はまだ死んでしまった訳ではない……!】
【左の腕を龍の雷撃へと向ければ、それよりも弱いが同じく雷を放出して打ち消そうとする】
【腕は先からどんどんと焦げ付いていくが、此方も出力を弱めることはしない】

【今はそれで限界だった、意識もごちゃごちゃとしてしまっていて、直ぐには動けない様で】
【膝まで沈んでいる脚を見れば、かなりの力を防御で使ってしまったことも伺えるだろう】
445 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/02/28(土) 00:22:07.20 ID:lv48Uo8Go
/>>443続き


アァァァァァァァァァァァァァァァァーグゥッッッッ!!!
俺は……ッ!俺は死なねェぞッ!テメェをブチ殺すまでッ!
邪魔する物を全部ぶっ潰してッ!テメェを殺すッ!

【焔の障壁が消えた時、既にアーグの姿はそこになく、龍も飛び去った後】
【辛うじて聞こえた放送の内容は、『このままでは船が着かない』ということ、つまりそれはアーグまで辿り着けないということだ】
【目の前の巨大な影とか、アーグの行き先とか、色々あるが、今一番嫌な事は、アーグを逃してしまうこと】
【船を進めるにはどうしたらいい───?いや、進めるかどうかというより、邪魔する物を無くせばいいのだ、つまり───】

だからッ!逃がさねェよォォッ!!

【折れた腕とか肋骨とか、血を吹き出す脚とか、自分の事であるのに全く構わず、駆け出す先は船首】
【船首の先から下を見ると、船に群がる白い塊、あの全てがかつての街の人間であると考えたくもないが、そう考えると新たな気持ちも湧き出してきた】

───今、解放してやる……ッ!

【あんな姿になってまで使い古されて、そんな事、許される筈がない。ああなるくらいなら、一層の事───】
【船首から身を投げた少年は、空中を白い塊へと落下しながら、両手に大きく灯した鉄紺の焔を、両手を合わせる事で重ね合わせ、大きな焔へと変える】
【そして、両手から噴き出した鉄紺の火柱は巨大な刃となって硬質化し、少年の落下の勢いを合わせて振り下ろされ、真っ白な塊を纏めて両断せんとした】
446 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/28(土) 00:30:26.85 ID:0OEiRIceo
>>438

【多分、間違いなく聞いた事のある声だったのは、勿論言うまでも無かった。】
【ただそれが、最後に聞いたのは何時だったか―――そこまではもう、思い出せなかった。】
【一ヶ月前? 半年前? もう一年近くは経つだろうか。確かに脳裏に刻まれていた筈の、声だったのに。】


 ―――――――――――――――――っ。


【名前だって覚えている。戦い方も。顔も、人相も、そして彼の熱い意思も。】
【戦場でダメになりそうな時、彼の叫びは何時だって彼女を勇気付けた。心強い、味方だった。】
【だからそう、有体に言ってしまえば彼女はライラ・フェルンストレームの事を、随分と信頼していたのだろう。】


 ……放して。

 ……放して、ください。



【―――なのに、出てきた言葉はなんだか、とても虚しいモノだった。】


 ……放して……っ!!


【捕まれた腕を振りほどこうと、自分の腕に力を入れた。】
【彼の身体を押し返そうと、両足を踏ん張ろうとした。】
【そして、その結果彼女は、―――後方へと、倒れる。】

 ……っ!!

【傷ついた脚がもつれて、まだ杖無しには上手く歩く事すら出来ないのに】
【そんな状態で男の人を押し返そうとすれば、結果は見えていた。】

【彼女は―――セリーナ・ザ・"キッド"は】

【酷くやつれた表情で、視線を伏せた。】
447 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/28(土) 00:33:33.33 ID:YTssaqYVo
>>436

【多重の氷を、雷撃の熱が徐々に溶かしてゆく。しかし幸いにして攻撃の時間は短めで】
【ちょうど少年が危うい、と思った頃に収まって――晴れて外に出てみれば】
【そこには龍の髭が落ちているのが見えるだろう。まだ拾うわけにはいかないが】
【確か『報酬は山分け』だったか。――少し、希望の湧く光景だった】

>>437

【壁に身体をねじ込んで、そのまま突如としてバケモノに向けて爆発を仕向ければ】
【ほんの少し、怪物の身体は壁からはみ出した。――はみ出して、蒸発した】

【雷撃が幸いしたのだ。ブヨブヨとした身体は、消し炭どころか泡にすらならず】
【アインの元には力を失ったバケモノの腕だけが残るだろう。】
【雷撃に関しては、多重の壁が完全に防ぎきってくれた様子だった】

>>439>>441

【龍は語ることが出来る。しかし、額への一閃に何がしかの返答はなく】
【ただ動く右眼が少女をにらみはした。含みを持った視線は、やがて空へと舞い上がり】

【――それからは、『待つ』という選択も決して間違ったものではなく】
【寧ろじっくりと力を溜めるのが得策ではあった。特に、大火力を持つ剣士と魔術師は】
【この後の働きが特に重要でもあって――もしかすると、研ぎ澄ませた意識の向こう】
【霧の影の更に奥に、島影のようなものが見えるかも知れなかった】

>>442>>443&>>445

【上空に舞い上がるマリアの元には、流石の電流も届かない】
【むしろ飛び去る龍の動きのほうが危険な位だったが――これもさほど問題は無く】

【――ズ、ズズッ。海底で響く、何かがズレるような音が羽ばたきの音に続いて聞こえ】
【更に続くは少年の刃。船底にこびり付いた大量のゾンビを、確かに生命を灼く焔で断ち切ると】
【彼ら≠ヘ怨嗟の声を上げる事もなく、安らかに逝った。――やがて、彼は海に落ちるだろう】

>>444>>443&>>445

【これで、海に居るのは二人だ。復讐に燃える少年と、苦悩と戦う騎士と】
【二人に接点は無いかもしれない。だが強いてあげれば、彼らは共に海に居て】


『そのまんまじゃ死んじまうから俺が助けるってね……そら、乗れガキども!
 海で遊ぶのはもうちょい我慢して、敵の最後に備えろってんだ!
 ……こっちはお前らを船から下ろした気はないんだ、折りてもらっちゃ困るぜ、なあ。』


【――小型の救助艇に乗っているのは、ぴしりとした身なりの男だった。つまる所、マフィアが助けに来たのだ】
【雷撃はもう無い。備えるべき時は、もうすぐそこまで来ているのだから】
【貴重な戦力を失うわけには行かないという訳なのだろう。それでも、助けは助けだ】

【ボートに乗れば、船上へ戻るはしごも有る。それでなくとも、一人や二人なら立つことも出来たし】
【特に騎士に対しては――効果があるかは分からないが、別の人間の体温が側にあった】
【海水という孤独な温度よりも、きっと心があたたまるハズで――勿論、都合の良い解呪などは存在しないのだが。】
448 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/28(土) 00:33:58.88 ID:YTssaqYVo
>>440>>ALL

【霧の中から姿を見せたのは、巨大な――これは、なんと呼べばよいのだろうか】
【海魔、か?それとも"水死体の成れの果て"か、或いは単純に怪物か】

【見た通りを言えば、巨大な白い塊だった。人間の上半身だと思えなくもない】
【所々には顔に近いものがあって、よくよく見れば表情も見える気がした】
【気がしたというのは、それがすぐに体内に飲み込まれていってしまうからであった】

【――腐臭がした。嗅ぐだけで、覚悟の薄いものは吐くだろう。薄い毒であったかもしれない】
【アーグがその頭部に位置する場所に乗っていた。ニヤリと笑う顔は、既に裂けていたが】
【そのまま頭部がパクリと後ろに倒れてしまいそうな、酷い様相の喜悦が隠しきれていなかった】


まこと……良い異教徒は死んだ異教徒だけ、という言葉は真言よな。
 スラウロットで殺した全ての水死者、かき集めるだけかき集めてみたら
 コレが思わず役に立つではないか。……さて、もう少し死体を集めておくか?


【その肉体は一人の騎士によって傷付けられたはずだったが、回復魔術か既に言えていた】
【血は滲んでいたが、という具合だ。――さて、アーグがその宝杖を振りかざすと】

【"白塊"は大きく動いて、両手と思しき部位で船の右舷・左舷をがしりと掴んでしまい】
【そしてそのまま近付いて――巨大な口――最早穴≠ニ呼べる部位で】
【既にボロボロの船そのものを、一挙に飲み込もうとした。飲まれれば、内部は強烈な酸が充満しており】
【たとえ鋼鉄で出来た船体であろうとも、そもそも動かす人間のほうが先に死ぬことは必定であり】


【――だからこそ、ここで今一歩のふんばりが求められていた。見えるのだ、巨体の先に】
【僅かな緑と雲の晴れ間。指し抜く陽光が、海を明るくブルーに照らしだしているのが。】

【――幸いな事がいくつか有る。まず、怪物の動きが極端に鈍いことであった】
【下手をすれば波より遅い。それは恐らく、青年(>>440)の嘴による妨害が功を奏した結果であり】
【また、性質が先のブヨブヨと同じだとすれば脆いはずであり――弱点も既に、分かりきっていた。――頭部の、完全破壊―ッ!!】
449 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/02/28(土) 00:54:21.12 ID:8n4aL0kVo
>>446
【男が彼女と共に戦ったのは、セードムシティを開放するためカノッサの科学者、グラトンと戦ったのが最後だろう】
【その時の彼女の言葉は、今でも男の心の刻まれている。確か―――「英雄(ヒーロー)になろう」だったか】


「セリーナ……お前……」


【不意にこの男―――ライラの脳裏にそんなことが浮かんだのは、今聞いた言葉が当時のそれとずいぶんかけ離れているように思えたから】
【……いや、かけ離れているのだろう。現に今のセリーナの言葉は、随分と覇気がない。いや、覇気どころか―――】
【―――まるで、生きている意味を見失ったかのようなか細い声のようにも聞こえて】

【それが余程驚きだったのか、彼女を見つめるライラの目はまるでおぞましいものでも見たかのように丸くなっていた】

「……っ!」

【後方へと……川へと倒れようとするセリーナだが、それはライラが許さない。掴んだその手はガッチリとホールドされ、離れない】
【それと同時に、ライラはセリーナを手すりから降ろそうとするだろう。何かの拍子に落ちてしまっては、元も子もないのだから】
【座らせれば、また変な気を起こす前に自分が欄干を背にして座って。そして、彼女へと向き直る】


「……っ、とりあえずだ! 何が……何があったんだよ、セリーナ!
 いつもの……はそんな見てねーから分かんねーけどよ、俺の知ってるセリーナは、そんなんじゃねーぞ?」


【周りを見れば、落ちているのは杖。そしてセリーナが纏っているのは病院着。彼女は……怪我をしたのだろうか?】
【そして一番大きな変化といえば……彼女のトレードマークの1つといえるガンベルトがどこにも見当たらないということであった】
【何かあったのは明白だが……あれこれ詮索するより、本人の口から聞いたほうが早いというのを、ライラは既に理解していた】
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/28(土) 00:58:39.67 ID:LbWeQWPm0
>>447-448

【かなり体力を消耗はしたもののなんとか電撃をやり過ごす事が出来たらしい】

「はぁ……はぁ……」

【目の前に落ちている龍の髭、ちょろまかしてしまおうと手を伸ばした瞬間】

「?」

「『動かなくなっちゃった』人の匂い?」

【とりあえずは髭は置いておいて匂いのする方向を見る】

「………………………………海坊主?」

【彼の拙い知識が弾き出した答えはさほど間違っては居ないが妖怪のせいにしても始まらない】

「あれ?絶体絶命?」

【大きく口?を開けるその塊に向かって両手を伸ばす】

【幸いにも相手の動きは遅い】

「おっきいからって僕に勝てるとおもった?」

「無理だよ、無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!!!」

【能力で作り出した氷塊を戟を使って腕の持つ限り連続ブヨブヨの頭に打ち出していく】

>>ALL

「多分出来るのはこれで最後だからみんながんばってぇ!」

【崩れつつある船に氷で安定した足場を作り出す】

【それと同時に海賊映画よろしく船に接続した大量の重りの付いた氷の鎖を巨大なブヨブヨの体にロープの様に渡す】

451 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/28(土) 01:00:12.25 ID:+D6MB7SIo
>>447>>448

【蒸発した怪物を見てアインは安堵の息をつき、残った腕を振り払った。久しく感じていなかった命の危機だった】
【船の微かな揺れを感じて船の前方を見るとより巨大な何かが船を掴んでいた】

 ほう、ありゃ死体の利用か
 ククッ、ジジイめ、中々悪趣味なことをする!

【アインの口元が残忍な笑みに歪む】
【本来であれば残虐だと評されるであろうアーグの行動を、赤衣の魔術師は口ではこう言いながらも心では賞賛していた】
【槍の矛先を怪物へと向けながら、アインは少しどうすべきかを悩んだ】

(周囲の連中、特にヒトツギ・カズネがいるから何とかなりそうだが……さて、どうするか)

(ここはひとつ、ジジイに対して力があることを多少示してもいいんだがな……)

【敵となる可能性の高い周囲の人間に自分の情報を渡したくない、と思いつつもアーグに失望されるのもどこか気に入らない】
【そんな二つの考えがアインの中で少しせめぎ合っていた。さほど重要なことでもなかったが、それでも悩んではいた】
【最終的には自己顕示欲とこの戦いの中で使えなかった高火力魔術を撃つ、という欲求が勝った】

【船上で魔術を水平に撃つわけにはいかず、更に炎系は輻射熱で周囲への影響が大きいと考え、それらを避けられる魔術を選択】
【矛先が空へと向けられ、その前で魔法陣が展開。その更に上空で巨大な岩石の塊が瞬時に生成される】
【直径にして約三メートルもの球状の岩石が射出。上空から怪物の頭部へと斜めに高速で飛来していく】
452 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/02/28(土) 01:04:37.03 ID:E2skdBNHo
>>448


くッせ──なるほど、やッぱ糞爺だ…! ぶッつぶす!!

【青年は敵へ放った嘴が刺さっていることを確認 。】
【そうして、ずッ、と怪物に指を指す。】
【くンッと指先 をはねあげれば、嘴は回転を交え頭部へ浸入しようとする。】
【嘴はわずかに開く、突き進む、わずかに開く、突き進む──と繰り返し、】
【嘴自体を深く深く、怪物の内部へと──。】


──暴れろッ!…


【内部で大きく嘴を開けば嘴は僅かな空間を作り出す──。】




暴れろ暴れろ暴れやがれーーーーッッ!!!!!

【指示通り。その僅かな空間で嘴は、敵の頭部の内部で無茶苦茶な動きをするのだ。】
【ダメージがいかほどかは分からない、それでも、攻撃の手を緩めることはない──。】
453 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/28(土) 01:11:21.33 ID:0OEiRIceo
>>449

【見違えたように思えるのも当然だろう。現に、今の彼女は何もかもを見失っていた。】
【髪や肌に変化は見られない。身体だって、別に痩せ細っているだとか、そういう訳でもない。】
【ただ唯一、ブルーとも、翡翠とも取れるようなあの神秘的な瞳だけ、見る影も無く濁りきっていて。】


 ―――放してよ……、ねぇ、なんで……っ……放してっ……!


【恐らく、抵抗はするだろう。だがそれにしても、全力の抵抗ではない。】
【身を投げようとするのも、それを阻止する彼の制止を振り切ろうとするのも。】
【そう、何もかもが"全力"ではない。まるで、力の入れ方を、忘れてしまった様に。】


 ……"おれのしってるセリーナ"……?
 …………そう……。

 それで、君が一体、アタシの何を知っているの……?


【紡がれる言葉もまた―――どこか冷たく、そして辛辣に聞こえるだろうか。】
【橋の縁に座り込んだセリーナは、ライラと目を合わせようともしないで、言葉を続けた。】

 
 ……精々が、二度か三度、一緒に戦っただけ……そうでしょ?
 それで一体、アタシのなにを、きみが理解できているって言うの……?
 ……教えてよ。ねぇ、教えてよ。きみのしっているアタシって、どんなだった?

 こんなじゃ、なかった……? もっと明るくて、それでがむしゃらだった……?

 
 ―――……なら、教えてよ。……アタシが、誰だったのかを。

 ……誰でも、良いから……教えて……。


【大凡、セリーナとは思えない言葉と、そして態度。】
【単に怪我を負っただけ、とは思えない状況だったが、彼女はそれを語ろうとしない。】
【だが、ライラの言葉には反応を見せる。そう―――アタシは、誰だったのか、と。教えてください―――と。】
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/28(土) 01:18:58.54 ID:UV2dgdbmo
>>448

【燃える為の糧があるなら後に必要なのは着火という過程】
【膨大に広がる燃料の海に一欠片投げられるマッチ一本の着火剤、ただそれだけで良い】

――――――――……

【ならば大司教は、アーグという男は間違いなく着火剤だった】

(腐臭が鼻に付く……水子ってのはあながち間違いではなかったみたいね……)
(何それは、どれだけの人を使えばそこまで大きくなれるのかしら、どれだけの尊厳を無視すればそんな物を作る気になるのかしら)
(自分の求める物と違うから殺して、そしてそれを集めて……利用する……―――――――)

【突き出した掌から魔術式が導き出され前方へと展開される】
【幾重にも重ねられた圧縮式と加速式、導き出される答えは純粋な力】
【不遜なる者に突き付ける為の刃、赤光の翼は今赤々と燃え盛る】

何かしらこの肌の底から沸き立つような感情は……
本当にどうしようもない淀みが内臓に流れるような感覚、原因はアンタ以外には考えられない――――――――

【船ごと飲み込まんと迫る死体の塊、俯く魔女はしかし逃げる様子は無い】
【炎はただその場にあるだけ、そこに在ってただ全てを燃やすだけ】

また死体を集める?ですって、何を戯けた事を言うのやらこの場に私という存在がある限り
貴方の思惑のその全部を焼いて潰してやる、何よりも私の昂ぶる意志のままにッ!!

【この命を弄ぶ男だけは許してはいけない、この男だけはこの世に蔓延らせてはいけない】
【赤い光がより昂く一度輝いて収束した後に海を照らす―――――――】

最大火力!報われないアンタ達も!それを利用するアイツも!
赦せない、何もかもを、全部、全部、全部、全部ッッ!!

【暴力的な魔翌力砲撃、極限まで圧し熱となった力の奔流は腐臭も毒もその軌跡にある物を全て焼いて祓い突き進む】
【戦火の先端、その先に在る青空へと突き抜ける為の裂槍の一振りは白い巨体のその頭部へと】
【抵抗があるならば持続してまだ威力が足らないならば炉の稼働率を限界以上に伸ばし、それでも足りないならば命を燃やし】

っっっ!!焼き尽くせえええええええぇぇぇぇ!!!!

【叫びと共に赤光は駆ける】
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/28(土) 01:33:01.79 ID:bLkPtzYv0
>>447-448

【ボートを右手でがっしりと掴むと、そのまま片手で引き上げる】
【もう左は使えない、どうやら筋肉が焼けて動かなくなってしまっているようだった】

…………ありがとよ、島に着いたら沢山お世辞でも言ってやるよ。
海賊も良いところあるじゃねぇか、まあちょっとは見直したぜ……?

【そんな言葉を交わしつつ、片手で梯子を苦労して登り、甲板へとどうにか出る】
【直後、辺りに立ち込める腐臭、死体共が集まっていたのはこれになるためだったのか】
【当たり前の事を言えば、もうこいつらは人間ではない。ただの肉が集まった人形だ】
【ならばせめて、あの肉体を滅ぼす事が 洪水で死んだ奴らへの救いとなるのだろうか】

……ああ、これが最後の一本だ、まさか島に着く前に全部使っちまうとはな。
だが…………今は必要なものだ、だから使わせてもらう……ッ!

【大口の怪物へと投擲されるのは三本目の杭、しかしこれは今までとは違う術式が施されていて、これをアンテナとして魔力を直接流せるのだ】
【そして杭に溜まった魔力は限界を越えた時に、その魔力を炸裂させる】
【怪物の頭部を狙ったもの、突き刺されば発動できる】

【それに向けてエルヴェツィオが手をかざせば杭にどんどんと魔力が送られていくだろう、そのままいけば 彼の雷属性の魔力が大きな爆発を起こす事になる】
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/02/28(土) 01:40:33.57 ID:kKedyFtH0
>>447

【無事に、暗礁の問題も解決することが出来たか。鈍い音と共に船体が揺れれば、海底のもう一人の働きも加わって恐らく船も動くようになった筈】
【―――マリアの使う光の力には、祝福≠フ力がある。葬儀すら行われなかった者達へ、安らかならしめんとする祈りを込めて―――】

【船に着地したマリア。前を見れば、その先に薄く巨大な影が視界に浮かび上がってくる。……それが常ならぬ物であるのは自明の理】
【―――やがて、ツンと鼻を突く異臭が漂う。その匂いが徐々に強くなっていくにつれて、その姿ははっきりとしていく】
【……白い。大きな、白い何かが目の前に現れた。――――これ、は……】

――――全て、……亡くなった方々……ですって――――?

【アーグが言い放ったその言葉に、マリアは思わず絶句した。目の前にあるこの白い塊は――――全て、彼が襲い殺した人だというのだ】
【あまりに非道、あまりに非業。多くの命を己の勝手な思想で蹂躙し、殺め、揚句その亡骸までも弄ぶ……】
【何が大司教だ。何が神だ。何が信仰だ。―――――これを悪魔の仕業と言わずして、何だと言うのだ】

……私は、……――――貴方を、絶対に許しませんッ!!

【あの温厚なマリアが、思わず声を荒げた。震える手は恐らく怒りによる物だろう。それ程までにこの男は、アーグ大司教は、許しがたかった。】

【そうこうしている間にも、巨大な怪物は船に近づき……やがてその手で船を掴んでしまえば、乗員諸共船を丸呑みしてしまおうとする】
【―――やるしかない。死してなお利用される人々を救うためには、この悲しき怪物を止めるしかない。】

(……どうか、安らかに眠って下さい。これ以上、苦しまないよう……―――今、私が楽にして差し上げますからね。)

――――はあああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!!!!!

【飲み込まれる前に、もう一度マリアは上空へ舞い上がる。やがて怪物の前にその身を静止させれば、目を瞑って祈りを込めて】
【やがて静かに目を見開けば―――翼に帯びた光が暁光の如く強まり、次の瞬間右手に太陽と見紛うばかりの光の塊を生み出せば】
【その悲しき運命を薙ぎ払うように光の弾丸を撃ち抜く。強烈な聖光の奔流は、一つの塊となって怪物を頭部ごと吹き飛ばすように閃く―――】


457 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/02/28(土) 01:45:21.63 ID:8n4aL0kVo
>>453

「――――――……っ」

【これもまた"あの時"とは違った反応に、思わず息が詰まるライラ】
【怪我と同時に、何かが……折れてはいけない何かが折れてしまったのか、今はそう考えるほかない】
【兎に角、橋から身を投げて命を捨てる―――これはどう考えても異常だ。これだけは確実に言えた】


「……あぁ、確かに俺とアンタはたった2,3回一緒に戦っただけだな。

 ……だけどよ! そんな2,3回の共闘で十分わかるほど、アンタは分かりやすい性格だ!
 明るいし、がむしゃらだし……そんでなにより、正義に燃えていた! それが『セリーナ・ザ・"キッド"』じゃねーのか!
 UNITED TRIGGERのリーダーとして悪に立ち向かってたんじゃねーのかよ!」


【彼は彼女が運営する正義の組織には加入していない。だから彼女の細かい性格なんて知る由もない】
【だが、戦っている時の彼女は……燃えていた。どんな悪にも決して挫けず、立ち向かう。2,3回なんて、十分すぎる回数だった】
【他にも色々な場所で―――例えば、CMとかで―――彼女はよく見かけるが、兎に角明るいイメージが強い】

【様々な彼女を構成するパーツが、消えていた】
【立ち消えてしまった何かを取り戻そうと、ライラは大声を張り上げる。彼女の心の何かを呼び覚まそうとするように】

【……何が有ったのだろう。大怪我と、そして彼女のメンタルの破壊。同時に成し遂げられるのなら、それはカノッサの連中か】
【彼女から聞いたほうが早いと思いつつも、色々考えを巡らせてしまう】


「なぁ……ホントに、どうしちまったんだよ……」


【出るのは、情けない問い掛けのみだった】
458 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/02/28(土) 01:45:22.85 ID:lv48Uo8Go
>>447
(───なんだよ……)

【『解放してやる』なんて、自分で言っておいて似合わない、と思った】
【だってこの焔は、紛れもなく復讐の為だけの力で、生物を苦しめる為だけの力で、それなのに解放だなんて、おこがましいにも程がある】
【だのに、『誰一人』として自分に怨みをぶつけもしないで朽ちていって───憎しみばかりのささくれた心が、少し救われた気がした】

【とは言え今は落下中、両手の焔を消したし、後は落ちるだけなのだが、落ちた所で、どうにかしようもないのはわかっていた】
【多分死ぬだろう、でも死ぬわけには行かない、どうにかして生きる、生きて、復讐を遂げる、それまでは───なんて考えながら、暗い海に落下した】

【ザバンと音を立てて落ちた後、俺た両腕と傷付いた片脚では犬かきすらままならず、仰向けのまま浮かぶしかない】
【このままずっと海の上だったならそれこそ死を覚悟しただろうが、そこはしっかりと救助がやって来た。救助艇に乗るマフィアに引き上げられ、一先ずは救助艇の上に乗る】

>>448
【さて、救助艇に乗った所でどうするか───梯子を登るのももたつきそうな今、メイン戦場である甲板に戻るのには手間取りそうだ】
【すこし狙い難いが、この救助艇から狙う事を選択し、救助艇の上に最後の力を振り絞り仁王立ちする】
【だが、両手を上げようにも上手く上がらない、支えようにも両腕が両方とも折れているのであれば、何をどう支えろというのか】

───俺、俺は……俺はあいつに全て奪われた……街も、家も、家族も……
だからブッ殺したい、あいつと、あいつの仲間を皆ブッ殺してやりたいよ……!

【もう十分、体の限界は来ている筈だ、それでも尚、目の前の憎き仇の為に立ち上がろうとする、攻撃しようとする少年は、誰に言うでもなく呟く】
【きっと誰かに聞いて欲しかったのだろう、ずっとずっと、船の中で鬱屈して溜めてきた憎悪と悲哀の中の、悲しみを、弱さを】

街の人間を意味なく殺しておいて、その死体すらあんな風にするのが許せない……街の人間をゴミみたいに扱うのが許せない……!
俺は誰一人として助けられなかった……だから力を手に入れて、やっと誰かを助けられる、これ以上悲しむ人間が生まれなくなる、その為に…っ!

【『誰かの為に』なんて体のいい言い訳だ、結局の所彼の行動指針は憎しみ以上にも以下にもなく、人の為というのも憎しみを晴らす為の言い訳に他ならない】
【今まで戦いとは無縁だった少年は、そうとしか戦う理由を知らない、だがそれは一朝一夕で作り上げられる物なんかではなくて】
【だったら今はそれでいい、憎しみだけで戦えているなら、それで】

───アァァァァァァァァァァァーグッ!!!テメェはッ!!
絶対にブッ殺すッ!!

【そうして、ようやくあげた両手、片方が片方を無理矢理支えるようにして、もう梯子を後で登る事なんて考えていない】
【その合わせた両手に燃えた鉄紺の焔が、叫びに呼応するかのように燃え上がり発射され、空中に打ち出された巨大な焔の塊はやがて巨大な翼と顎を模る】
【燃え上がる鉄紺の焔はデフォルメされた飛竜の形状を模って、その尖った顎と鋭い翼を以って白い怪物の頭部を貫かんとした】
【甲板からではなく救助艇からなので狙いが着け辛く、オマケに腕がボロボロであったので、狙いは逸れて頭部を掠めるだけに終わるかもしれないが───】

【やれるだけの事はやった、力を使い果たした少年は、救助艇の上でへたり込む】
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/28(土) 01:49:05.53 ID:q9GskWcj0
>>447-448

【龍を意識に留めながら、現在進行形の記憶たる思考は霧を見遣る。そしてふと見えた希望が橡色に美しく映えるが―――――転瞬、鼻を衝く腐臭が異変を報せる】

【そして見た、スラウロットで膨大なる水に呑まれた膨大なる命たちの果てたる異形。巨魁と呼ぶのでもまるで足りず、船を呑み込むほどに巨いなるもの】

(……、――――――――。っ、―――――――――――――――――)

【外道の言葉などどうでもよかった。耳に届くが、“彼ら”が如何なるものかを伝え意志に覚悟を問うだけだ。スラウロットの夜より宿してきた怒りを胸に、静かに、戦うべきモノと過去を想う】
【これは、命であったものだ。……これは、歪められてしまった幾つもの姿だ。“けれど、貶めることなど許せないから”。】


……これ以上“あなたたち”を奪わせなんて、しない。
奪わせたままの終わりなど許さない――――――……せめて私が辿り着いたとき、彼方たちに恥じずにいられる様に。
この命に、“誓う”―――――――――――……終わりまで、私は忘れない。
二度と悲劇を繰り返させないために、幾度砕かれたとしても歩み停めず戦う……!!


【続くはずだった幾つもの日々、辿り着きたかった幾つもの未来。……それは、壊されてはいけなかった想いだから】
【嘗てのスラウロットの犠牲者たち――――それがあんなモノの下にある事など、こんな風に歪められたままの終わりなど】
【八攫柊というひとつの意志を前に、断じて許されることなどありえないのだ――――――……守るべき未来と踏み躙られた総ての想い、焔となれと四肢を動かして】

【繰り返させはしない。忘れなどしない。……失われた耀きは取り戻せないけれど、戦うべき“今”は変わらずある――――。】
【―――――――――――“それが、己には総てなのだと”。意志は、駆け出す脚にさらなる力を与えた】

【零下の防壁のひとつを蹴り、懐刀の“風”によりその直線加速をさらなる高みへと押し挙げて。最至近距離へと到達する剣は、その加速度を剣に託さんとこのときに真に、閃くのだ】

【懐刀が有する二種の力、そのもう一端は右手に微かな光の様に宿り力を与えている。すなわち、魔を退かす仄白き力――――】
【禁術と“退かす”力が相反するものであることは、先程の屍の群れへの干渉で分かった。その無念を腕に籠める様に、黒き装甲が顕れ、小さなものの右腕を支える】

(……祈りを捧げることはない、)

【……赦しは、この刃の如く彼らの下へ。】

(私は、戦う――――――――――――――――――!!)

【抜き放つ、絶対の一閃――――――――!】


……焔翅、剣葬―――――――――――――――

【“金翅鳥”が秘めた火の力の完全開放/剣速による絶対域への断熱圧縮、】
【放ち得る最大の“力”と剣圧を以て、この魂に懸けて彼らを悲劇へと貶める呪縛を断ち切る―――――――――!!】


       ――――――――――――――――――――――――――――迦楼羅ッッ――――――――!!

【白塊というかたちを裁つための全霊、禁術を終わりに導くための解放。風と氷が齎す切断概念の焔を得て、恒星の如き灼熱の一閃が白き“終わり”へと閃いた】

【狙いは頭部、そして熱がその巨躯を構成する全体へと拡散される。何処まで届くかは少女以外の“力”次第――――懐刀による解放も同じ事だっただろう】
【それ自体もまた、他の“力”が届くことを助けるのだろう。斬り裂かれ灼かれ呪縛を断たれたならば、抵抗は確実に減じるはず。共に戦えば辿り着く未来――想うべきは、ただその先だった】
460 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/28(土) 02:03:58.00 ID:YTssaqYVo
>>>450>>451>>452>>454>>455>>456

【第一に少年の戟が届いた。もとよりブヨブヨの頭部を、刃が何度も刺し貫き】
【その身に氷鎖を巻きつけることで逃亡を防いだ。――もっとも、逃げるようなことはなく】
【むしろ攻撃ごと飲み込んでしまおうと近付くのだが、それを第二撃が食い止める】

【それは嘴。戟と並んで頭部の肉組織を叩くことで潰し、粉砕してゆくさまは】
【外見こそ奇異であったが、徐々に確実に、その集合体を削ってゆき】

【そして一度区切りを指すようにアインの巨岩が頭部をグシャリと潰してみせた】
【アーグはふわりと浮いて攻撃を交わしたが、憎々しげな表情――などではなく】
【まるで大事に育てた子供の成長を見るかのように、期待に満ちた顔で船を見下ろし】


【俄に白塊≠フ動きが停止する。ちょうど、人が思い切り殴られて脳震盪を起こしたような物だろうか】
【僅かな間があった。――あって、すぐに熱戦と雷撃の爆発が霧と暗雲を一挙に晴らす―!】
【ヒトツギ・カズネ―魔女の一撃と、エルヴェツィオという騎士の全力を込めた爆雷であり】
【コレが完全に敵を肉塊≠ヨと変化させる。モゾモゾと蠢く塊からは、"何人分か"がこぼれ落ち始め、水に溶け】

【最早それは脅威ではない。純粋な亡者――死して尚生かされる、哀れな存在に成り果てて】
【だからだろうか。マリアの放つ光の奔流に対しては、全くの回避行動が無いように思えた】
【自ら消滅し、安らかなる眠りを迎え入れたいという集合無意識、とでも言えば良いのか】
【――徐々にその肉体は溶けてゆく。水に混じって、自由な世界へ解放されてゆく】

>>458

【皮肉、だろうか。他の同行者の一撃が、よりにもよって苛烈すぎたと言えば良いのか】
【少年の攻撃は『頭の有った位置』を素通りする。――いや、そこには誰≠ェ居た?】


く、っ…ぉ……!中々……アインといい、あの魔女といい……面白い…ッ!
 フフ、クッ……良いぞ、小僧……!もっと私を恨むが良いッ!
 恨んで恨んで、恨み尽くせッ!心など復讐の業火で燃やしてしまえ!
 そうすれば届くやもしれんぞ…――この私に。コレは期待への証だ……なあ?

 ……貴様の両親も居たかもしれんぞ?或いは、行方不明なのであればだが……
 いや、友人か?……どちらにせよ、だ。大分役に立った……もう用済み、だがな。

 しかしコレほど役に立つのであれば、もう一度あの街を波に飲むのも悪くはない
 その時は貴様も誘ってやろうじゃあないか。……異教徒の憎悪は、まこと耳に心地の良いものよ――


【ジュッ!=\―飛龍の形状を模した火焔は、アーグの右手を焦がして燃やす】
【無論、大魔術師である彼のこと。本気でそれを受け止めているはずもなく】
【まるで少年が自身を識別するための符号のように、安易に火傷を手に付けて】

【そして、復讐の焔を煽り立てる。燃えろ、もっと燃えて私を気持よくしてくれ――】

>>459

【――少年に向けられる下衆な思想は、やがて船体を包むように迸る一撃で遮られる】
【肉塊の全身を浄化する光。頭部がそうなったように、やがて全身がゆるゆると水に溶けだして】
【塞いでいた航路も、やがて拓ける。霧も、雲も、暗礁や龍の雷撃も――最早船を遮るものは無く】


フンッ……。今日の所は、コレで終わりか……?
 まあ、良かろ。中々楽しい物が見れた……今宵は飯が美味かろうな

 ……そう。一つ、説明をしておいてやろう……貴様らは、これより禁域に足を踏み入れる
 彼の地は記憶の集う土地=c――安易に、妙な場所へは入らぬことだ
 食われるぞ、過去という怪物に。……もっとも、すぐに死ぬやも知れぬが。
461 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/28(土) 02:05:49.06 ID:YTssaqYVo
>>ALL 

【言うだけ言って、といったところか。混沌の大司教はケタケタと笑いながら姿を消して】
【ただ静かに波の音が残響していた。肉塊は全て姿を消し、そこに龍の咆哮が聞こえたものの】
【見上げれば、晴れ間の中を龍は島の方へと飛んでいって――ジャングルに姿を消し――】


【――水死者の死体を用いたゾンビ、その集合体、何より龍に加えて混沌の大司教、と】
【航海の最後に待ち構えていた強烈な試練は、今ようやく終わりを迎えた】

【船体は――まだ、無事といえる範囲だろう。艦橋の強化ガラスは全て割れていたし】
【そこら中に焦げ付いた死体の痕があったが、幸い死者は一桁が良いところで】
【船内に逃げたものは全員無事。――なお、船外で戦ったものを船長が見た際の一言は】


……おうっ…?……アンタらホントに人間かよ、雇って正解だなぁ……。
 ま、不死でもこの世との腐れ縁でも何でも良いけど……ちっと、休むか?


【なんていう、薄情なものだったとか。それから小一時間は休息だ】
【島に近づく前に怪我の手当てや船の整備、腹拵えなどをしっかりと済ませ】
【そして、遂に船は島へと再接近を開始して――待ち構えていたのは、意外過ぎる物であった】

【巨大な港湾に、おあつらえ向きの桟橋。この規模の海賊船ならあと5隻は停泊できそうで】
【そも、絶海の孤島なのである。伝説の種族が防護しているにも関わらずこの設備は――?】
【そう思う人々には、答えが用意されていた。それというのも、一人の人間であった】


……遂に辿り着いたんだね、おめでとう。キミたちを待っていたんだ
 長い時間と試練を乗り越えて、かな…――ようこそ、ドラクレア島へ。

 ――――歓迎するよ。ここに居合わせた代表として、六罪王のボクがさ。


【ふわりとした金髪、貴公子然とした微笑みを称える面立ち、ジーンズに着崩した白いシャツ】
【靴は履かずに素足だった。彼が六罪王ダグラス・マックスウッドだと認識できるのは、見知った相手くらいなものだろう】

【彼はそれくらい覇気が無かった。というよりも――無いのは、気配だろうか】
【そこに居て、そこに居ない。桟橋で一行を迎え入れるのは、どこか空っぽな"人形"に思えた】
【だから、斬っても良いが無駄ではあった。しかし、問題はそんな事よりも島だろう】

【白い砂浜、蒼い海に入江、ヤシの木にジャングル。南海の孤島という言葉がピッタリだ】
【事実、気温も高い。ここだけ雲の切れ間になっているようで、太陽が燦々と降り注ぎ――いや】
【全景は後で調べれば分かる。ただひたすらに目立つのは――上下が逆さになった、天まで通じる巨大な塔】

【たしか、以前風の国で暴れた半魔が居た。彼女が根城にしていた、ATLAS≠ニ寸分たがわぬ物が、島には悠々と聳えていた――。】

/と、いった所でイベントは終了と致します。
/この後や島・報酬については追々保管致しますので、まずは皆様、お休み頂いて構いません!
/それでは、遅い時間までお付き合い頂きありがとうございました!お疲れ様でしたー!
462 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/02/28(土) 02:13:05.54 ID:0OEiRIceo
>>457

【ライラの声が、夜の帳と、墨のような黒い川の中に掻き消えていく。】
【しんと静まり返った橋に聞こえるのは、どこか遠くで車が通る音と、川のせせらぎだけ。】
【自分へと向けられた、変らない熱を持った言葉―――そう、自分とは対照的に変らない彼の言葉に対し】


 ―――……違うよ。


【掠れる声で、彼女は明確に答えた。彼の言う彼女は、彼女ではない、と。】


 違うよ……違う。いや、"違ってた"んだ。最近、やっとそれに気付いた……。
 
 明るい? ……違う。何も知らずに居たから、能天気に過ごせていただけ。

 がむしゃら? ……違う。前を見ていなかったから、壁を知らずに走れていただけ。

 
 ―――正義に、燃えていた? ……違う。違う。
 縋れる"方便"を見つけて、それを盾に戦う自分の様に、酔っ払っていただけ。


 ―――悪に立ち向かっていた? ……違う。
 悪だと思い込まなければ、そういい聞かせなければ、アタシも君も、みんなも、引き金を引けないっていうだけ。

 それだけのこと。君はアタシを"知っている"んじゃない、ライラ。

 ……君も。アタシも。アタシを、買いかぶって、勘違いしていただけ。


【ひとつ、ひとつを否定していく。】
【そして今度はセリーナがライラに、尋ねた。】


 ……どうしてしまったと思う……? アタシはさ、どうしちゃったんだろうね。
 どうして―――どうしていままで、"あんな風に"振舞えたのか、もうわからないよ。



 ねえ、ライラ君はなんで、カノッサ機関ハンター、なんて、性懲りも無くそんな名前を名乗れるの?
 
 大なり小なり、人間はみんな、互いを消耗しあって、互いを蹴落としあって、互いに差を作って生きているでしょう。
 
 そのなかでどうして、アタシ達が―――アタシ達だけが、偉そうに理想を語ることがゆるされるの?

 悪は倒さなくてはいけない。人を救わなければいけない。悪い事なんてない。世界は本当は美しいものだ。

 だから、守らなきゃいけない―――どうして、そんな方便を用意してまで、アタシや君は、知りもしない誰かの為に命を張るの?


 そうしたいから、っていうエゴ以外に―――どんな意図があって、アタシや君は正義を掲げてたの?

 本当は―――そんなに美しいものだらけでも、ないって知ってるくせに。どうして、あんなことが……いえたの。

 もう、アタシにはね。それが―――わからないの。


【風が、止んだ。川の音も、どこか遠くへと消えていくようだ。】
463 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/02/28(土) 02:24:40.96 ID:+D6MB7SIo
>>460

【空中に跳ねて避けたアーグ。もちろん、アインとしてもアーグを狙ったわけではないし当たると思ってはいない】
【思ってはいないが──やはりその微かに見えた表情が、何とも気に入らずアインは舌打ちをした】

 ふん、全く。これだから年寄りは嫌いなんだ……

【手離された槍が消滅。役割は終わった、と後は静観を決め込んでいた】
【ヒトツギ・カズネとエルヴェツィオの高火力攻撃が敵を完全に沈黙させれば口笛を吹き、消失していくアーグを眺める】
【去っていく龍を見るアインはどこか不満げだった。滅多に遭遇できない超常的存在と戦えなかったことが彼には少しばかり悔しかった】

【その後の休憩時間。腕や肩に棘で穴が開けられていたアインだったが、これぐらいは彼にとって軽傷で、大した治療も受けずにいた】
【船員が慌ただしく働くのを手伝いもせず眺め、たまに無責任に檄を飛ばして到着までの時間を過ごす】
【そして船が孤島と言われていた場所に到着。設備の良さはこれといって気にしなかったが──】

(あれが、六罪王のダグラス、か……)

【ダグラスとの直接の面識はアインにはなかった。だが人づてにその名前は聞いていた】
【アインの好奇の瞳がダグラスへと向けられる。しかしそれはすぐに別のものに惹きつけられた。そう、島の奥地に見える巨大な塔だ】
【上下が逆さの塔。頂上さえ見えないそれはこの魔術師の膨大な好奇心をくすぐるには十分過ぎた】

(これは中々。あのジジイといいカノッサの六罪王といい、どうにも面白くなってきたじゃないか)

【魔術師の口元に笑みが広がる。どのような展開が待つのか、興奮が隠しきれなかった】
【雲間から見える日差しにアインは目を細めた──多少、この島を探検するのも悪くはなさそうだ】

//ではこれにて。お疲れ様でした!
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/02/28(土) 02:42:23.90 ID:bLkPtzYv0
>>460-461

【激戦は終わりを迎える、否、これはまだ始まったばかりなのだろう】
【ぼーっとする頭を押さえながら、あの島、ドラクレア島をぼんやりと眺めて】

…………気遣い感謝するぜ、ベッドをしばらく借りる。
頭が冴えなくなっちまってな……、何、少し眠ればきっと良くなる筈さ。
腕に薬を塗ったら直ぐに寝たい気分だ…………、そしたら起こさないように頼むよ……

【肉体的にも精神的にも疲れきっていた、休めば治ると言ってはいるが、数時間の眠りでどうにかなるとは、正直彼自分も思っていなかった】
【何もなければリゾート地のような島だ、そう、異様な塔さえ視界に映らなければ】
【ダグラスからの賞賛の言葉を適当に聞き流せば、何も言わずに借りた自室に戻っていってしまう】
【ベッドで横になりながら、右手に持ったロザリオを眺めて部屋で一人呟くのだった】

………………この島から無事に帰れたら、アイツにぶん殴ってもらうか…………

/主催者様、そして参加者の皆様、お疲れ様でした!
465 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/02/28(土) 02:43:40.36 ID:lv48Uo8Go
>>460
───……っ!!

【憎々しげに顔を顰め、歯軋りをする、攻撃を当てた筈なのに、あいつの腕を奪ってやった筈なのに、それなのに心は一寸たりとも晴れはしない】
【それどころか、愉しむかのようなアーグの言い草が更に心をざわつかせて、しかしもう立ち上がる力すらない】

……させねぇよ…二度と……あんな事はさせねぇ……
テメェは死ぬんだ……俺がブッ殺す……

【一先ずの戦いの終結を感じ取っていたのだろう、少年は静かに、しかし確かな意思で答えると、そのままぶっ倒れる】
【後で船に戻るのも誰かの手を借りなければいけないくらい、全身全霊を使い果たした少年であったが、まだこれは始まったばかりだ】

【それから───少年は船に戻ると体の処置をしてから自室にこもり、後は泥のように眠っていた】
【疲れだとか色々あって、この時ばかりは歳相応に大人しい寝顔で眠りこけ、本格的な島の探索が始まるまではとにかく回復に宛てた】
【その時現れた六罪王ダグラスの事も後で話に聞いただけ、対して抱いた感情は、『アーグの仲間ならブッ殺す』という単純過ぎる物だったという】

/お疲れ様でした!
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/02/28(土) 02:47:21.60 ID:UV2dgdbmo
>>460

――――――――……

【魔女は滅びを与える者、故に死者への手向けは与えても祈りはない】
【何よりも祈りを捧げる為にいる者がこの場にいるのだから、それは彼女に任せてしまえば良い】
【魔女はただ死者の名残を灰に還し、その灰に塗れてどこか憂いを帯びた瞳を浮かべるだけ】

……っ、……ふう……一先ずは安心かしらあの大司教を燃やせなかったのは悔いが残るけど
まあ、それも時間の問題……いつか絶対に燃やしてやる泣いて謝っても赦さない―――――――

【消え去ったあの男の声が不快な程に耳に残っている】
【忌々しい様子を隠す事はせず魔女は吐き捨てるようにそう言ってその場にへたり込む】
【加熱したのは爪の炉心だけではないカズネ自身の身体も同じく熱せられて、要するに今は急冷状態】

【普段のトゲトゲした印象は今ばかりは何とも表現し難いぽわぽわした印象に変わっている】
【持てる性能の殆どを冷却という行為にまわしてしまっている所為だった】
【十分に冷めたならば魔女はまた自室に篭もり暫しの猶予を過ごす】


(―――――さて、上陸か……竜種が住むっぽい島だけど果たして何が出るのかしらね)

【最低限の装備、いつも遺跡に潜る時に使っている品々をバックパックに詰めて乗船に移る】
【久しぶりの陸地は激戦の後もあってどことなく懐かしくさえあったが、その余韻を楽しむ暇など在りはしなかった】
【眼前に広がる光景のその1つに、現れた六罪王に目もくれずカズネはただ息を飲む】

え、……あ……あの塔は、いや……違う、そんな筈はないここは風の国じゃない筈なのに
あの半魔の仕業?いいえ、それも違う……じゃあ、それじゃあ一体何がこの島に……起きているの……

【遙かに掲げられたあの逆さ塔、穿たれた楔のような形状には見覚えがある】
【それに関わる敵の姿が瞼の裏でチラつくがしかし彼女は既に軟禁されている身である筈だ】
【だとすれば、と先ほどの大司教の言葉が脳裏に浮かぶ】

記憶の集う地……ここは……―――――――

【ひとつの幕が降り、また新たな物語の幕が開く】
【終わる事のない物語の中、新たな場面で蘇るは過去の遺物の姿】
【終わった筈の物語がまた繰り返されるというならば果たして今となって魔女であるカズネに何が出来るというのか】

/お疲れ様でした!
467 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/02/28(土) 02:54:10.37 ID:8n4aL0kVo
>>462

【彼女の口から紡ぎ出される言葉の数々は、どれもこれも"死んでいた"】
【何かを悟ってしまったかのような口調は、逆にライラの心を締め付けていくようで】
【……とても、冷たかった】


「勘違い、だって……?」


【正直に言って、ライラ=フェルンストレームという人間はあまり強くない】
【少なくとも、共闘していた頃のセリーナと比べればまだまだちっぽけな正義気取りで、ひよっこである】
【だから、こういった風になってしまったセリーナのその核心を突く質問には、答えられる部分のほうが少なかった】

【だが、答えられる部分も有る。自身を持って、セリーナへと訴えかけることの出来る部分が】


「――――――……腹が立つから。


 ……俺がカノッサ機関ハンターをやっている理由。
 最初は、些細な事だったな。カノッサ機関の奴に騙されて逃げられたんだ。コマチ……って奴だっけか。
 んで、ムカついたからカノッサ機関をぶっ潰そうって決めた。だから俺はカノッサ機関ハンターになった。

 で、次にカニバディールと会った。何回も何回もアイツと合っているうちに、段々と腹が立ってきた。
 何にだろうな。それは分かんねー。だけど、無性に腹が立ったからアイツに立ち向かった。

 ……ダメなのか、それで?
 カノッサ機関が悪さをしてる、それに腹が立ったから正義振りかざして奴らを止める―――それでいいじゃねーか。
 子供の喧嘩と同じだろ、大人になっても行動原理は変わんねーよ」


【綺麗事は言わなかった。否、言えなかった。彼女の濁った瞳は逆に、全てを見透かしそうだったから】
【だから、思った儘を言った。昔を思い出しながら、これだけは確実に言えると思ったことを、素直に言った】
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/02/28(土) 03:35:31.45 ID:q9GskWcj0
>>460-461

【幾つもの力が白塊を砕き、肉塊へと変わるそれを聖なる力が数え切れぬ想いへの救いの様に浄化する。アーグへと向く復讐の焔が“彼ら”の戦いを狂える聖者へと刻み、そして、】

【遂に辿るべきすべてに届かせ、薙ぎ払い灼く浄火の刃。それは嘗て命であったものの果てを源たる海へと還し――紡がれる悪意の言葉をも遮ったならば、双眸はアーグへと鋭く向くだろう】
【幾ら言葉を向けようと愉悦以外で影を歪ますことはなく、“絶対”としての威光を疑うことも力に拠らざる崩壊もない。あれは、そう言うものだとここまでの遣り取りが理解させていた】

(……今日のところは、か。私にも、それは、同じことだ)

【今此処で攻め込んで来るならば、遥かに不利となった形勢で抗うしかない】
【“彼ら”へと誓った果てなき戦いは、今もあの男へと向くべく力を籠め刃を鋭く震わせながら意志を確かめていたが―――嗤う影は去りゆくものなれば、神ならず翼も持たざる彼女には、追うことなど到底叶わずに】

【ここでこの日の戦いが終わるというのなら“今は”――――今だけは、受け止め、受け容れるべき現実だった。次にあの男が何をも企む前に、ドラクレア島で決着を付けなければ―――そう、決意を確かに胸に秘めて】

…………ふぅっ。今は、少しでも回復するのが先決、か…………。

【ひとつ、ささやかな吐息を解かす。ひとまずの脅威は、過ぎ去ったのだと】
【雷撃に灼かれた肉体の回復が叶うのかは分からなかったが、何もしないよりは余程早まるだろう。剣を清めるとともに治療を受ければ、疲れきった肉体はようやく力を抜いた】
【そして幾つもの光景を蘇らせながら、一時間ばかりの時は過ぎ去って―――――、】

【遂に上陸したドラクレア島、“出迎え”にやや目を見開くもそう時を置かずして状況に適応した】


……本当に分かり易い仕掛けをするのね、“ダグラス”。

言いたい事は山ほどあるけれど、人形を相手になにをするつもりもないわ。……お勤め、ご苦労様。あなたを描いたものによろしく


【“目的のため今暫く鎧を必要とする”と語っていた六罪王。その彼がかくも軽装であるという事実、そしてあまりにも欠く覇気、存在感。理解するには、十分な要因だったのだろう】
【敵意とはまた違う静かな熱を、明確な戦意を呼称に載せて声は紡ぐ。憎しみではなく、刃を揮うものが度々宿す一つの清冽なまでの感情。通り過ぎれば、それも薄れる】

【記憶の集う地、彼女たちを喰らうという過去=Bその正体は未だ掴めなかったが―――目を遣れば、すぐさま理解できるほどに唯一無二たる存在があった】

……これ、は―――――――

【嘗て一度だけ臨んだ巨怪の塔、半魔の城であった筈の天を衝く異形構造体。ATLAS=\―――異界を象徴するかの如く聳え立つその威容は、戰いの予感を剣士の心のうちになおも強めただろう】


/お疲れ様でした……! 主催の方&参加者の皆様、ありがとうございましたー!!
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/28(土) 08:32:02.71 ID:LbWeQWPm0
>>460-461

【ボロボロ崩れていく白いモノ】

【陽の光に溶けるように消えていくなかで男の娘は甲板にもたれかかっていた】

「あひゃひゃ………」

【疲れきった体を冷やし、出血している部分は凍らせる】

【異形の者の嘲笑うような声と超越種の猛る雄叫び、そして船長の素っ気ない労い】

「あは!ありがとね!船長さん♪」

「あのお肉まだある?僕また食べたいなぁ!」

【終始弾んだ声色で返す少年、そして島に到着する】

「ろくざいおー?」

【にこやかに声をかける青年の平凡極まりない姿と覇気の無さに全くの警戒をしないまま】

「わー、おっきぃーい♪」

【天を突かんばかりの塔をみてはぴょんぴょんと跳び跳ねている】

【船にのっていた時もそうだが彼は基本的に薄暗い暗黒街の住人のため、好奇心旺盛な年頃もあってかルンルンである】

【この先に、どんな物が待ち構えて居ようとも】

【狂気にとりつかれた男の娘はその可憐な童顔を綻ばせ】

【ただ刹那に生きている】

//大変お疲れ様でございました!!!主催者の方に参加者の方、まことにありがとうございました!!!
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/02/28(土) 11:14:28.69 ID:kKedyFtH0
>>460

【祈りは届いただろうか。怪物と成り果てた人々を、少しでも救えただろうか。それは分からない、けれど……】
【怪物として倒すのではなく。悲しき呪縛を断ち切り、せめて人として祝福と共に天に召されるように―――祈り込めた一撃が、爆ぜる】

【その怪物は、避けようとしなかった。彼女の祈りを受け入れるかのように、聖光を回避することなくその巨躯で受け止めて】
【やがて自壊するように体は崩れ、母なる海に落ちて行く。もう誰にも操られる事無く、呪いから解き放たれて―――】
【無念だっただろう。辛かっただろう。悲しかっただろう……。もう苦しまなくていい――――さあ、安らかに眠れ】


【――戦いは、漸く終わりを迎える。この期に及んで尚憎しみや怒りを煽らんとする大司教の言葉に、やりきれない怒りを覚えるが】
【最早、今のマリアは戦えない。強い麻痺毒が全身に回った上に、長引いた戦いで魔力も枯渇し翼も維持できなくなり、殆ど動けない状態なのだから】

(足の一つも動かせませんか……。こんな姿を旦那様に見せたら、きっと心配させてしまうでしょうね。早く治さなくては……)
(それにしても……記憶の集う土地、で御座いますか。一体どういう意味で御座いましょうか……)

【船内に戻ると、治療を受ける。食事どころか指一本動かす事すらままならない現状では、何をしようと思っても出来るものでは無くて】
【治療の合間に、先程のアーグの言葉を思い返す。「記憶の集う土地」……その意味する所は、一体何なのか】

【やがて船は島に到着する。治療を終えたからと言ってマリアの身体はまだ十分に動かないのだが、それでも何とか足を動かして】
【島に降り立ったマリアを迎えたのは、見覚えのある姿――――夫のかつての親友だった。……いや、正確には、本人ではない。これは、彼の姿をした作り物……】
【島には塔が見える。マリアには見覚えは無いのだが、周囲の反応から察するに、本来別の場所にあって此処にはある筈の無い物なのだろう】

(―――……あの塔も誰かの記憶で御座いましょうか。)
(何が起こるか分からりませんが……―――私は、退く訳には参りません。彼らを倒した先にしか、子供達の為の平和は訪れませんもの)

【意を決したように、マリアは前を向く。これから切り拓く戦いは、きっと厳しい物になるのだろう―――でも、その先にしか平和は望めないのだから】
【子供達を、愛する人々を、護る為に。揺るぎない瞳は、凛然と先を見据える―――】

【追記。もし指輪を使った通信機能が島でも機能するなら、今日の出来事は逐一夫に話す筈で】
【ついでに「私は大丈夫で御座いますよ、心配しないで下さいな。」と言うのだが……きっと、少し無理をしている事は気付かれてしまうのだろう】

//遅くなりましたがお疲れさまでした!


471 :主催 ◆SYLP4psCi. [sage saga !red_res]:2015/02/28(土) 17:46:42.09 ID:YTssaqYVo
【その後――桟橋に停留した海賊船では、偵察隊の募集が行われた】
【詳しいことは省くが、要するに案内を買って出た六罪王に付いていくメンバーの決定だ】

【行きたい、といえばどんな負傷者でも参加出来たし、これにはビスクも同行した】
【各々の用意が済めば出発。炎天下とあって、ダグラスのラフな格好も納得できる】
【が、ずっと裸足だと砂浜というのは熱い物で――その件で、彼が騒いだりもしていて】


『ハッ、人間味に満ち溢れた六罪王サマも居たもんだ……。
 ……しかし、アンタ鎧を着てるんじゃないのか。船長はそうだって言ってたぜ
 鎧を着た金髪の六罪王が、ダチの海賊を皆殺しにしたから敵討だ、ってな。』


ああ、それはボクの本体さ。今此処にこうして居るボクは、能力で出来た偽物だからね
 本物は致命傷を負ってて鎧を脱げないんだ。……傷を負わせた剣士は、船にも乗ってたはずだけどね。

 ……さあ、こっちが"キミたちに使ってもらう区画"だよ。寝泊まりする場所は確保してあるんだ
 ボクの能力は便利だからね。機関の力を使わなくても、家くらいはすぐに作れるからさ


【砂浜を少し歩いた先。そこには眼を疑いたくなるような光景が広がっていた】
【有るのは洞窟でもなければ木と葉で出来た掘っ立て小屋でもない】

【そこには、一流リゾート顔負けのログハウスがズラリと並んでいたのである】
【さも『ここで休んで下さい』と言わんばかりの作り。実際、入れば寝具まで揃っていて】
【ダグラスは当然のように島の地図を渡しながら、改めて皆の方に向き直り】


そういうわけで……キミたちにはこれから、この島を探索してもらいます。
 ……なんてね。要するに、死なずにボクやアーグを見つけ出し
 そこで追い詰めて倒せばキミたちの勝ちだ。と言っても、一筋縄じゃいかない

 この島には色々な生き物や地形が有るんだよ。古龍も棲んでいるし、恐竜だって居る。
 毒草、蛇、虫にその他も盛り沢山だ。火山もあるし、お城だって幾つかある。

 ……さて、そんな島に一々船で乗り付けるのは大変だ。
 お金も時間も掛かりすぎて、招待したって中々来てくれやしないだろう?
 だから僕らは設備を用意したのさ。簡易な宿泊施設と、入江をね。
 此処は存分に使ってくれて構わない……ただし、怪物は此処にも出るから気をつけてね?


【馬鹿にしている――の、ではないのだろう。機関の首とは思えない、"らしくない"この男は】
【恐らく大真面目に、休息地点を提供しているのだ。そして、その上で――】
【――自身と、アーグと。或いはそれ以上の敵を、この島で殺してみせろと言っている】

【ともあれ、それだけ告げるとダグラスは軽く手を振って砂浜を歩き出し】
【更に奥にある幾つかの建物を指し示した。後に分かることだが、そこには様々な器具や工材が置いてあり】

【加えて、転移用のゲートまで置いてあるのだった。――本土からでも容易に来れる様に、とのことで】
【本体も居らず、島に立ち入るのも危険と思われる以上、一行はここで一度足を止めざるを得ず】
【残るものは自由に、一部の者は海賊船を修理して海路で。或いは、望むものは転移ゲートで帰る事が許された】
【ちなみに転移先は水の国中央部――とある邸宅の敷地内であり】
【その邸宅というのが、UTとSCARLETの情報に流されているダグラス・マックスウッドの所有物≠ナあった】


【――かくして、ドラクレア島は遂にヴェールを脱ぎ捨てた。いずれまた、大々的な探索隊が組まれるだろうが】
【その間にも自由な出入りは可能であり、命の保証がないことを除けば、誰しも調査を行うことが出来るだろう】

/以上のレスを以って『ドラクレア島への海路』を終了と致します
/報酬や具体的な状態に付いては舞台裏・イベントスレ・wiki等でお知らせします。
472 :ラティーナ・S・クリーピオン ◆Do8.EzECwlkr [sage]:2015/02/28(土) 19:02:55.74 ID:e4nc5UaW0
>>394
/遅れましたが、了解しましたー。いえいえ、こちらこそ回しづらい時間しか空いていなくて、ごめんなさい……
/絡みありがとうございました! お疲れ様ですっ
473 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [sage]:2015/02/28(土) 22:09:49.62 ID:xqfb4XKq0
/>>405 で再募集します
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/01(日) 00:12:38.51 ID:aCo62Pre0
【ギルドに依頼対象として張り出されているとある遺跡】
【常に不気味な声が聞こえるだとか、中に入った者達は誰一人として無事に出てくる事は無かった等の噂が存在して居て】
【そんな遺跡の入口に、今宵一つの影が在る。その人物が手にしているランタンの灯りが遠目からでも容易に見つけやすくするのだけれど】

【――――緑色のローブを纏った女。何処か困った様な表情を浮かべ、件の遺跡の入口で佇んで居り】
【手にしているのはギルドの依頼書であろう。溜息と共に其れをポケットに仕舞ったなら憂鬱げに見遣って】


「イリニちゃんもクルちゃんもみんな忙しいなら……仕方ないけど、諦めるしか無いかな…………
うーん……もっと沢山お金を持ってたら傭兵さんとかも雇えたんだけど……」

【見たところ、女が一人だけ。見掛けからしてそう戦闘に長けている様でも無いのだから危なっかしく】
【果たして女を見つけた者が悪人か善人か、其れはまだ分からぬ事で】







【住人の殆どが寝静まった小さな街】
【美術館だとかそんな物が有るわけでも無い此処は特に悪人達の標的となる事も無く】
【強いて言うならば身を隠したい者、或いは旅の際に宿を見つける者が通る程度】

【さて、そんな場所に今宵は珍しい姿が一つ】
【街灯の下に置かれたベンチに座り、サンドイッチを摘んでいるのは――――一人の修道女か】
【腰に提げている二丁の双銃が何とも物騒ではあるのだけれど、特に殺気などを漂わせている風でも無く】


「――――ん〜……流石に徹夜での尾行は疲れたけど……まあ、何とかなったし別に良いかな……」

【辺りに出歩いている者も居ないのだから、必然的にその修道女の姿も目立って】
【手にしているのは数枚の書類。行方不明だとか何だとか物騒な文字が並べられ】

【何故こんな所に修道女が、と疑念を抱き話し掛けるのもただ何と無く近づくのも良いのだろう】
【――――兎にも角にも、気配を感じ取れば其方へと視線を向ける事は間違い無く】
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/01(日) 00:41:05.68 ID:1c+HdOHco
>>474

(―――――不気味な声が響く遺跡、か……ただの探索でないのは言うまでもない)
(つーか他の奴らが手を付けないってところからしてきな臭いというか厄いというか……はてさて……ん?光……か?)

【かつかつとブーツの音を鳴らしその影は近づく、ランタンの灯りに気がつけば少し怪訝そうに一度だけ立ち止まって】
【数秒考えた後に進む事を選びまた足を進めればやがてその影の姿は顕となる、その白い影】

――――――ん、なんだ同業者か……?
げ……女か……道に迷ったならこっちとしては都合がいいんだけど……

【後ろ髪だけを結んで垂らした白い髪、色違いの瞳を浮かべる青年の表情はどこか訝しげだった】
【見たところ件のローブの人は武装らしい物を持っていない、自分も自分で軽装でナイフ程度しか持っていないが】
【しかしそのナイフとて通常の代物ではないし、装具に関しては防刃などの各種機能を持ち合わせている】

でも、あれだよなこういうケースって大抵は都合の良い方向には転ばないんだオレ知ってるよ……
……まあ、うだうだ考えてもどうせ始まらないし、行くか……よう、ねーさんそんなトコでグダっててもしかして何か入り用か?

【少なくともわかっている事は目の前の人は敵ではないだろうという事】
【ついでにこの遺跡と関係があるという事、さて……と息を吐いて青年は努めてにこやかにローブの人へと手を振って話しかける】
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/01(日) 01:05:31.63 ID:aCo62Pre0
>>475
【その女は見た目からして歴戦の戦士だとかとは程遠く】
【研究室に籠もって文献を漁っていたり、そうでなければ何処かで講義でもしている方が似合っている姿なのだが】
【――――まあ、ギルドの洋紙を持って此処に居るのはそう言った意味なのだろう】

【何があるかも分からない場所、一人で行けば命を落とすだけかと溜息混じりに諦めていたその時】
【声の聞こえた方向へと視線を向ければ、僅かながらに警戒しながらも小首を傾げるのだろう】


「うーん……あのね、ちょっと此処の遺跡について気になる事が書いてあったから少し中を探ってみたいなー……って思ってたんだけど……」

【然れど、敵では無いと知れば安堵した表情を覗かせ】
【やがて紡ぐのは此処の遺跡について。何やら同じ様な遺跡が他に二つ存在しており】
【一つは悪魔が閉じ込められている。一つは異界へと繋がっている。一つは曾て悪魔を崇拝していた者達が使った祭壇が在る】
【どれもまあ胡散臭い話だが――――事実だとすれば、厄介な話】

【そして当然その話が本当ならば内部だってどんな仕掛けや敵が居るかも分からず、一人で探索出来る様な場所でも無いのだから後込みしていたとの事】


「特に閉じ込められている悪魔はまだ子供、って話も聞いたから……可笑しな話、だけど…………ずっとそのままにしているのも可哀想かな、って……」

【遺跡を探索したい気持ちはある。それよりも、封印された悪魔とやらがまだ子供である事が可哀想だからと】
【――――無論、同じ様な場所は三つ存在して居る話が本当ならば此処が其処であるとも限らず】
【何よりも悪魔に対して可哀想だから、と言う感情を抱く事も人によっては咎められるかもしれないけれど】


「あの、初めて会ったのにこんな事を頼むのは失礼だと分かっては居るんだけど…………
もし中に入るなら、私も一緒に着いていったら駄目……かな……?」

【「お礼も支払えるから」と続ければ、青年の双眸をじいっと見遣り】
【戦力としては期待は出来なさそうだが――――或いは罠等を避ける要員としてならば……?】
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/01(日) 01:22:46.67 ID:1c+HdOHco
>>476

――――――――……ふうん……

【彼女の話を聞いている間、青年は相槌さえも返さず物思いに耽るようにしているだけ】
【話の内容を聞きつつも彼女の人となりを探って、どうやら相当に甘い人種だという事は分かったらしく】
【説明が終われば、一度だけ深く頷いて】

奇特なヤツ、悪魔を助けようだなんて考える人間なんざそうそういねーぞ全く……
それだけならまだしも何が手ぐすね引いて待ってるかも分からない遺跡に潜ろうなんざ……もう

【掌を額に当ててやれやれとばかりに天を仰ぐ】
【ここまでの天然記念物ものの人間性を持った人物と出会うとは流石に予想が付かなかった】
【どうしたものか、とそのままの姿勢で考える事数秒……】

向こう見ずなのも大概にしておけよねーさん、まだ若いオレが言うのもどうかとは思うが命あっての物種だろうに
今回ばかりは運が良かったとしてせめて傭兵の1人や2人くらいは雇ってから挑むとかあったろう

【仕方ない、起こってしまった出来事は出会ってしまった偶然からは逃れる事は出来ない】
【この舞台がそういった前提の元で成り立つならば、精々踊らされないように踊るしかないだろう】
【「今回だけだぞ」そんなテンプレな言葉で返せば、青年が彼女の提案に首肯したという事で……】
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/01(日) 01:49:34.01 ID:aCo62Pre0
>>477
【話を聞きながら俯いたのは、自分でも断られると考えて居たからだろう】
【ギルドで組んだならばともかく行き当たりばったりだ。互いの素性すらも知らない】
【だから、断られたって不思議では無い話。後は結論を待つだけで――――……】

【今回だけ、との言葉を聞いたなら嬉しそうに頷く事だろう】
【さて、そしたならば善は急げとやら。暗闇の広がる其処を、ランタン片手に歩み出して】


「あ……その前に、お互いの名前くらいは教えて置いた方が良いのかな?
私はスイ=アルカ。ギルドの依頼とかを受けて遺跡を良く探索していたりするんだけど……」

【互いを深く知る必要はあるまい。然れど、名だけは知らねば不便だろうか】
【そんな考えがふと浮かび、先ず口にしたのは己の名。続けるのは、殆ど趣味で遺跡を探索していると言う事で】
【青年も同じ様に名を返すならば、反芻する様に一度呟いた後に遺跡の内部へと歩みを進める事になろう】




【遺跡内部。壁も床も、全てに微細な魔力が含まれて居た】
【道中で見つかる乾いた血だとか骸だとかは、此処が安全とはほど遠い位置にある事を示しているのだろう】
【――――時折聞こえるのは、此処に巣くった魔物達の声。足跡は……人型の魔物か、或いは骸となり彷徨う者達か】

【やがて見えるのは分かれ道。錆び付いた扉と、降りる階段】
【扉の向こうからは瘴気が感じ取れて…………階段の下からは、其れに相対する“聖”が感じ取れる】


「どっちが罠、と言う事は無さそうだけど……どっちに言ってみようか……?」

【罠らしき特徴は無い。だから、選ぶ道は青年に任せて】
【本来の目的ならば迷わずに瘴気の漂う其処が正解だろうけれど。まだ、浅い場所】
【――――何であれ、実際に行かねばどちらも分からぬ事】
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/01(日) 02:16:12.45 ID:1c+HdOHco
>>478

成る程「良く」探索をしてるのか……お前、今みたいな事を毎回やってんじゃないだろうな……
危機感が無いというか何というか……まあいいや……ああ、名前なオレはエルフェスだ一時的とは云え同行する間だ、よろしくな

【遺跡という鉄火場に似合わぬ雰囲気、今まで生きてこれたのは運が良いのか】
【或いは普段は同行者が居るという事だろうか何にせよ戦火や血の香とは程遠い人間には変わるまい、と】
【それはさておいて問題は遺跡である、冥府へと広がる口を思わせるそれは毎回と云えどやはり慣れる物ではなかった】

【腰のホルスターから音もなくナイフを引き抜いて感触を確かめるようにグリップを握りしめる】
【銀色の古いナイフ、アンティークにも見えるそれは宛ら闇夜にぼうと輝く蛍の光のような仄かな「退魔」の気性を宿していた】

――――――――…きな臭いのは間違い無い、か……ここまで露骨だといっそ清々しい

【アルカの3歩程前を歩き安全を確かめながら遺跡を進む】
【骸や血、由来の知れぬ生き物の声、有りがちな話ではあるが実際に肌に感じればその異質さは脅迫的でさえある】
【魔翌力を宿す壁に危険は無いかとペタペタと触れながら、まるで霧の中を歩むようにしてゆけば】

お前の目的は悪魔なんだろ?だったらそれに似つかわしい物を辿るのがセオリーだ
瘴気か、あまり良い気はしないけど乗りかかった船、つーか自分で選んじまった事だし……しょうが無い
先行するからある程度の距離を保って付いて来いよ、近すぎても遠すぎてもダメだぞオレだって万能じゃねーんだからな

【ナイフを構えたままそっと扉に手を掛けアルカに何があるか分からないから気構えだけはしておけと言い終わるや否や】
【出来る限り音の出ないようにそうっと扉を押して瘴気の先へと一歩踏み出す】

【傍らのナイフは階下から漏れる「聖」の気質に共鳴でもしたのか人知れず小さく揺れていた】
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/01(日) 02:43:15.12 ID:aCo62Pre0
>>479
「うーん、と……あまりしては無い、かな…………」

【言葉を濁すのは、嘘を吐いている証左】
【ただ、何時もは誰かしらが居るのだが――――今は関係の無い事として】


【いざ扉を開けてみれば瘴気は更に濃密な物となろう】
【肌を刺すような感覚すらするし、感受性が強ければ吐き気すら催す可能性だって有る】
【――――杭で壁に打ち付けられたのは数体の死体。風の通りも無く、乾燥も出来ない此処ではその骸だって悲惨な状況だ】
【計五つの突起が有る事だけが曾て人間で在った事を知らせ、其れを除けば腐れた肉塊にも等しい】

【壁一面はビッシリと文字で埋め尽くされ、床には臓だったのであろう物が無造作に捨てられ】
【――――先の骸の足元に捨てられていた血濡れの洋紙。古代文字が記されて居る其れ】

【青年の言葉に従い、少しばかり遅れて中に入った女は息を呑んで固まっていたのだが】
【初めて、でも無いのだろう。目を瞑り、心を落ち着かせれば洋紙を拾い上げ】


「深淵、悪夢、始まり、終わり――――……全部バラバラの単語ばっかりだけど……

…………あれ、でも……書かれてるのは転移先についてかな……?」

【ぴしゃり、と水を多分に含めた雑巾を叩き付けた様な音】
【――――打ち付けられて居た骸の内、一体が床に落ちた……かと思えば、蠢くようにして青年へと迫る】
【移動も遅く、脅威では無い。ただ……不可解なのは、その肉塊が通った後に残る体液から煙が立ち上っている事】
【酸、と記すの最も適切か。即ち、斬り付けるだとかをすれば血の変わりに酸が飛び散る仕組みで有り】


「エルフェス、どうしようか…………一応遺跡内の転移先は割り出したんだけど…………
一応此処じゃ無くちゃ転移出来ないみたいで――――っ?!」

【女は漸く敵に気付けば、驚きで固まる事となる】
【戦闘に持ち込むか、引き返して階段を下るか、或いは“この部屋のみと限定された”転移の術を指示するか】
【――――他の死体もゆっくりと蠢き始めた事から、決断の時間はあまり長くは残されては居ない様で】
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/01(日) 03:04:31.88 ID:1c+HdOHco
>>480

ほれ、見たことか……一体過去に何があったやら
お前の探してる悪魔とやらもただ子供ってだけなんじゃねーのか……

【血塗れた部屋、とでも云えばいいのか】
【一般人が見たならば嗚咽のひとつでも零しかねない情景にしかしエルフェスという青年は平然としている】
【その心中をひた隠しにしているだけなのかも知れないが、ガードとしての性能になんら落ち度は無く】

それにしても何だこの部屋スナッフビデオでも撮ってたんじゃないかってくらい乱雑に致してるけど
っ、よくそんな紙を拾えるな……もう少し物怖じしてもいいだろうに……うおっ……死体が驚かせるなよもう……

【瘴気なのか腐臭なのかそれも定かではない程に満ちた空間】
【床に貼り付けられた死体達は一体何をしてそのような無残な姿になってしまったのか、そんな哀れみも1つの物音でふつと消え去る】
【音に驚きそちらに見やれば死体が落ちた音、風か何かで腐っていた杭が外れたのだろう……という予測は残念ながら外れていたらしい】

―――――……っ、やっぱこういう展開で来るよなあ!ち、あまり不確かな物には頼りたくねーけど……
アルカ、その転移だか何だかやるんなら今直ぐにやっちまえ!こっちは死体共を抑えるから早くしろ、奴さん達の中身は中々面倒そうだ……

【死体共の動きは遅い、余程の事が無い限りはこちらが捉えられることはないだろう】
【しかし転移の術を扱う者がいるとなれば変わってくるかもしれない、それが時間を要する物であるなら】
【気は進まないが立ち向かわなければならない、ならば……切先を向ける】

……ってな訳で、お前たちには悪いけどもう一度だけ縛られて貰おうか
なに、別に長時間動けないのなんて慣れてるだろうさ――――――――

【太腿に巻きつけたホルスターから刀子を取り出し至近の骸へと振り放つ】
【鋭い一閃、刀子の切先が一度でも骸に刺さったならばその箇所を起点とし簡易の結界を発動させる】
【至極単純な封じ込めの結界はそれ故に弱い物だが足止めくらいにはなるだろう、後は彼女の手際次第だが……】
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/01(日) 03:34:21.13 ID:aCo62Pre0
>>481
「ちょ、ちょっと待ってて!直ぐに準備するから――――!!」

【無詠唱で出来る程に単純でも無いらしく、現代で使われる其れとは異なった呪文を唱え始め】
【青年の投擲した其れは見事に刺さった――――否、この場合は埋もれたと称するべきか】
【兎にも角にも狙い通りに結界が発動し、動きを制限する事には成功した様】

【――――だが。異変が起きるまではそう時間を要することは無かった】
【瞬く間に結界が飲み込まれ、肉塊は行動を再開することとなる】
【個体としては弱くとも、生命力だけは無駄に高い】
【戦闘に慣れている者ならば先ず殺される事は無いだろうが、だからと言って負傷させられる事が無いかと問われれば話は別】
【――――青年に向かって伸ばされたのは溶けた人の顔。其れは“笑っている”のだろう】
【開けた口には最早舌なんて物は無く、不揃いに並んだ歯が有るだけ】

【ぼたり、ぼたり。更に二つの個体が床に落ちたならば活動を開始して】


「――――エルフェス、発動させるよ……!」

【丁度その頃、青年と女との足元に魔方陣が展開される事となる】

【…………さて。辿り着いた先】
【今度は一面が赤色に染め上げられ、ポツンと祭壇が置かれた部屋】
【先程とは比べものにならない程の瘴気に満たされた其処は、まるで魔界の様で】

【無礼にも祭壇に座っているのは――――紅いドレスを纏った一人の少女か】


『あら、こんな所に人間が来るなんて珍しいわね。とてもとっても珍しいわ
迷子かしら?墓荒らしかしら?嗚呼、其れとも――――あの人達と同じ悪魔を崇拝する、なんて珍しい人達かしら』

【クスリ、と笑ったならば小首を傾げて】
【紛う事無き悪魔に違いは有るまい。その様子はどう見ても“封印されていた”とは異なり――――女の探していた場所とも異なる事が此処で知れる】
【然れど落胆する暇も無く。下手をすれば直ぐにでも戦闘になりそうな気配に女は不安げに青年を見て】


『――――何でも良いわね。お持てなしは出来ないけれど、ようこそ人間さん達
どんなお話を紡ぎたくてここに来たのかは分からないけれど、悪魔を倒して英雄になりたかったのならば貴方達は丁度良い所に来たわ
目の前に悪魔が居るのだもの。悪い悪い悪魔が

それとも、お話に来たのかしら?どんなお話でも私は好きよ。話を聞く事は好きよ?』

【悪魔はそんな事を気にした様子も無く言葉を紡ぐ】
【攻撃的、と言う訳でも無いらしく。ただ冗談めかしたように笑いながら】

【奇襲か、会話は。選ぶのは青年であり】
【――――同時。祭壇に刺さる一振りの短刀も見えるか。瘴気に飲み込また此処で唯一“神聖”を纏う短刀が】
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/01(日) 04:07:09.67 ID:1c+HdOHco
>>482

――――――死に際も心得てない奴が!気安く寄るな!!

【生と死、その区分けは絶対であり越えてはいけない領域である】
【しかし眼前に在る彼らは領域を侵し曖昧となって外れた者達、凡そこの世の法則に従う物ではなく】
【結界から解け、そして迫る「死に笑い」の顔――――――エルフェスは毅然として立ち向かい、その右拳を頬へと叩きつけ吹き飛ばす】

【手袋の焦げる音と忌々しいとばかりの舌打ちの音】
【焼け焦げたその下の表皮はしかし爛れているがどこか無機質】
【それも其の筈彼の右手は極めて人の腕に近い義手であり、表皮が剥げて初めてそれは露見した】

よっしゃ!こっちに構わずとっととやっちまえ―――――――

【彼女の声に応え身構えれば唐突に世界は変わる】
【暗転し、見える世界は新たな物……であるが果たしてそれが幸いか】

【立ち上る濃厚な瘴気はそれを否定するようで】
【ならば、その赤色の中にある祭壇それに佇む1人の少女こそが或いは、かの悪魔か】

九死に一生、と安心している暇は無さそうだ……

【青年の紫白の瞳は一際輝き悪魔を見つめる、旧く「凍える瞳」と呼ばれたそれはある白い女性より与えられた物】
【万象を見通せと定めた瞳はエルフェスという土台の上で本来の性能の10分の1も果たせないが】
【それでも物の在り方を薄ら程度は見渡せる、悪魔という異質へと】

馬鹿を言うなあの死にぞこない達がどうだかは知らないがオレは英雄だの何だのに興味なんざねーよ
まして崇拝なんて阿呆らしい事、したところで腹が膨れる由も無い……後ろのヤツが用事があるんだとさ……

【飽くまで目的を違えてはならない、この場にいるのは彼女の目的を果す為】
【甘っちょろい考えでこんな危険に飛び込んだ1人の人間の為、憎まれ口を叩きながら彼女へと目配せして用を果たせと促す】
【悪魔と縁があるとするならば自分ではなく、その悪魔に手を差し伸べようとした彼女に他ならないのだから】

(―――――とは、言いつつも「もしも」に備えなきゃいけないのがガードの常ってヤツか)
(悪魔の気性なんか知らないしなあ、気が変わってってのが無いとも言えないし……と、落ち着け落ち着け同種だからって昂ぶるな)
(しかし、ありゃ……結界の起点か何かか……神聖で魔を御するなんてよくある話だし……)

【冷静な思考に淀みは無い、ナイフは相変わらずと握ったまま……そのナイフが先程よりも強くカタカタと震えていた】
【同じような性質を持つ刃、一方的な共鳴を抑えこむようにして強く強くと握り締める】
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/01(日) 04:37:13.89 ID:aCo62Pre0
>>483

『あら、残念ね。――――それでも別に良いのだけれど
フフ……それにしても、残念ね?答えを教えてあげるけれど、此処は外れよ?

其処の人が思っている場所とは違うのだもの。可哀想な悪魔の子はまだ別な場所で独りぼっち
光も差さない場所で、悪い人間に騙されて閉じ込められたまま。――――……何て言ったかしら。何処かの商会の人達が封印したと思ったけれど
悪魔、なんて水を飲まなくても食事を摂らなくても死ぬ事は無いのだから悲惨なお話ね?』

【所詮悪魔からすれば他人事だ。女の考えを見透かしたように言葉にすれば楽しそうに嗤って見せて】
【――――青年の右手と、得物に視線を移せば物珍しそうな表情でも浮かべるのだろう】
【悪魔の姿が黒い霧となって四散した……かと思えば、次の瞬間には青年の直ぐ目の前に現れ】


『珍しいわね。意思を持っているのかしら?
いえ、それとも“アレ”に反応しているのかしら?
ずうっと昔に悪魔召喚の儀式を邪魔しに来た人が残したモノ。――――結局、打ち勝つことは出来ずに一つ寂しく残ったまま
お伽噺のようには行かないのね。勇者様も身体をバラバラにされて、お墓が作られる事も無く捨てられたのだから』

【何処ぞの悪魔が現世に現れる事を阻止しようとして、失敗した者の話。――――祭壇に突き刺さる其れは見せしめか無念を孕んだ忘れ形見か】
【――――祭壇に突き刺さる其れが、同じ様に僅かな反応を見せた。心臓の鼓動の如く、規則正しく“聖”を放つ】
【まるで自身を取れ、己を用いて魔を滅しろと伝えんばかりに】


『――――……だけれど、よくよく調べてみたらあの短剣こそが“曰く付き”だったみたいよ?
心の弱い人を支配して、妖怪も悪魔も――――“人成らざる者の全て”を殺してしまうような
人間以外にも善い存在は沢山居るのに、理不尽なお話ね

結局は此処に現れた勇者様も操り人形だったの。あの短剣に操られた心の弱い人
人間以外の全てを滅ぼそう、なんて考えに乗っ取られたお馬鹿さん
――――貴方の後ろに居る子の用事は分かったわ。貴方の用事は、本当に何も無いのかしら?』

【そして、鼓動は徐々に早くなる。まるで其れは誘い水だ】
【強い誘惑の様で、甘美な囁きの様で。――――だけれど全てがその誘いに乗るとも限らないであろう】

【もしも青年が短剣へと近寄る事があるならば、悪魔も邪魔をする事は無い】
【精神が強ければその誘惑を断ち切る事も出来――――或いは、強靱な精神の持ち主ならば件の呪い染みた曰くをもねじ伏せて短剣を扱う事も出来るのだろうが】

/っと、申し訳無いですがそろそろ時間の方が危うく……!
/持ち越し、或いは置きレス移行して頂けると有り難い次第であります!
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/01(日) 04:59:25.72 ID:1c+HdOHco
>>484
/了解であります!
/明日は13時〜18時までならレス出来ますので、それ以降は置きスレで対応していただけると幸いであります
/それではおやすみなさいませ!
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/01(日) 05:25:34.75 ID:1c+HdOHco
>>484

そりゃなんとも面白くない話、でもまあ一発で当たりを引くなんて事はそうそう無いか……
残念だったなアルカここじゃないそうなんでまた違う場所でも当たれとさ―――――――

【アルカが最初に語った通り、ここは悪魔崇拝の祭壇という事なのだろう】
【となればあの悪魔こそがどの時代かも知れぬ時に於いて崇拝されていた悪魔そのもの】
【崇め奉る者のいないこの場所で果たして何をしているのか、そんな意味も無い考えがチラついた一瞬に】

――――っ、なんだこの……そんなにオレを驚かせて楽しいか、ええい近いから少し離れろこの悪魔……

【唐突に近づく姿にやはり埒外の存在なのだと思い知らされる】
【何とも心臓によろしくない奴なのだろう、せめて自分の精神安寧の為にと律儀に一歩離れて伺う】

コイツの思惑なんざ知らねーよ、人間なんざそもそも他人が何を考えてるかさえわかりゃしないんだ
物が何を思ってるかなんか尚更理解る筈もないだろう、しかしなんだ随分と悲しい墓標だな……
使っているのか使われているのか……オレが語るべきでも無いんだけどさ

【短剣のその来歴を知る由も無いが、一体どれだけの魂を注いだならば彼処まで脅迫的な力を持つのか】
【魔に対する嫌悪、否嫌悪を越えたもっと強い想いが捻れでもしたのか、短剣は「聖」を宿しながらもその本質は人を狂わす「魔」に違いない】
【妄執は呼び水のように鼓動を鳴らす、一歩一歩と青年は呟きながら近づいて】

きっとコイツは在るべきでは無いんだろう、想いだけが形になってただそうするしか出来ない哀れな依り代
おい、悪魔……この短剣がお前の言う通りに「魔」を滅そうとする代物ならオレが抜いて支配されちまったらどうするんだ?
きっといの一番に近くにいるお前に牙を向くけど、まさか自殺志願でもねーだろう?

【祭壇へと経て掌を短剣に伸ばし掴む寸前にふと止まり、向こう側の悪魔へと尋ねる】
【まるで語り部のようなかの悪魔、しかしこうして舞台に上がっているからには定められた役柄が在る】
【ならば短剣が抜かれる事に躊躇いの無い悪魔が、一体何を求めているのか……と】
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/01(日) 11:24:29.64 ID:aCo62Pre0
>>485
/申し訳ないですがその時間帯は丁度忙しくなります故に後程置きスレにてお返しさせて頂きますっ
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 11:47:50.36 ID:Mv2sCmPLo
【荒廃した街】

【かつての繁栄の痕を滲ませる豪奢な建築群は、そのほぼ全てが瓦解し見るも無残に朽ち果てていた】
【割れた煉瓦の敷き詰められた広場跡と思しき場所、その中央に、身の丈ほどの機械的な大槌を構えた女性がいる】

【一見すると、派手な出で立ちの若者といった雰囲気だ。セミロングの金髪に赤のメッシュを入れ、左耳にリングピアス】
【ピンクの豹柄のパーカーの前を大きく開け、白のキャミソールに包まれた豊満な胸元と、銀のメダイが覗いている】
【それを少し崩すものが、無線型のヘッドセットと、様々な携行品が付属し所々が薄汚れたボトム、軍用ブーツだ】

【暫くすると、女性のヘッドセットから微細なノイズが聞こえ、何処かからの通信が入る】

"敵補足現場付近です。グラナさん、周囲を警戒して下さい"

……問題ない。前方、後方、共にクリアだ。バイタルにも異常はない

【無線に応答する声は外見と裏腹に低く落ち着いており、辺りを見回す動作も随分と手慣れた様子がある】
【大槌を構え直し、ゆっくり歩を進めていく女性の後方――廃屋の影で、大きな影が蠢いた】
489 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 11:52:59.29 ID:s2DMPdbDO
【街中──病院近く】

【しとしとと、雨が降っていた。まだ、冷たい雨だった】
【休日ながら天気のせいで人通りはまばら】
【そんな中、傘もささずに歩いている少女がいた】


……セリーナ、セリーナ、セリーナ、か
最近人を探してばっかりだな
ジェイクの手がかりはないしカニバディールは廃の国とやらに行ってしまうし──
Nemesisは……、……くそっ

まぁ、いい。あの病院にはいなかったみたいだから、次だな、次
まったく……なんだってこんなに病院は多いんだ! いや、悪いことじゃ、ないが……


【それは夜色の長髪に夜色の瞳をもつ、18歳ほどの少女だった】
【布に包まれた刀剣らしきものを背負い、手には何やらメモと写真を持っている】
【──街中にある「病院のリスト」と……これは、セリーナ・ザ・"キッド"の、写真?】

【ぱしゃん、と水溜まりを蹴って、夜色の少女は歩く】
【蹴った水溜まりがぶゥんと揺れ、波打って──】
【──そういえば彼女。雨の中だというのに、傘もないのに、まったく、まったく、濡れていなかった】
490 :グラナ ◆bri/izHl03Wl [sage]:2015/03/01(日) 12:04:48.71 ID:Mv2sCmPLo
/コテハンテスト
491 :グラナ ◆bri/izHl03Wl [sage]:2015/03/01(日) 12:06:56.45 ID:Mv2sCmPLo
/再度テス
492 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 13:26:08.47 ID:s2DMPdbDO
>>488

【た、んッ──! グラナと呼ばれた女の前方から、1人の少女が駆けてくる】
【夜色の長髪に夜色の瞳をもった、18歳ほどの少女だ】
【彼女の背中にあるのは明確な武器──布に包まれた刀剣らしきもの】

【少女の顔に浮かぶは焦りの表情。発されるのは、攻撃の意思】
【ぐぐ、と少女が拳を握る。ぶゥん、と大気が揺れる】
【この場にいるのは女と少女。少なくとも女はそう、思ってるはず、で……!】


──後ろ、何かいるぞ……!!


【少女が叫ぶ。彼女の能力(ちから)か、文字通り大気が震える】
【力を込めた拳を、夜色の少女は振るおうとしていて──】
【一度その拳が宙を殴れば、彼女の異能が発動。その拳から「衝撃波」が放たれる】
【手加減や躊躇など一切なく──女が静止しなければ、その「衝撃波」は女の背後で蠢く「影」を襲うはずだ!】

/お見合い状態もあれですし、まだいらっしゃるのであればっ!
493 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 15:18:31.74 ID:s2DMPdbDO
【路地裏──死体置き場】
【其処は誰にも看取られることなく、嘆かれることなく処理される肉体の仮置き場】
【冬だからか。腐敗の進みや臭いはそうキツすぎることはないが──普通の感覚では、近寄ろうと思う者は少ない】
【仮にいたとしても、死体の持つ金銭目的や、魔術的に死体を利用する魔術師など……そのほとんどは「ならず者」だ】

【そんな、物騒極まりない場所にいるのは、1人の少女】
【夜色の長髪に夜色の瞳をもち、布に包まれた刀剣を背負う18歳ほどの少女だった】


……まさかとは思うが、ここにはいないだろうな?
いや、馬に引き摺られてたんなら、最悪ここに──

──え、まてまてまてよ? 死体置き場(ここ)にある可能性があるんなら、葬儀所の可能性も……
す、素直に病院全部回ってからの方がいいのか──?


【──そんなことをぶつぶつ呟きながら、少女は死体に手をかける】
【死体の顔を確認し、「違う、違うな」なんて言うことを繰り返し……いやもう、不審者以外の何者でもありません】

/予約でっす
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 15:29:21.35 ID:6hdjPLad0
>>493
【路地裏の死体置き場…人の寄り付くことのない暗がりにいる人間は最早人と呼んで良いものか……】

【しかし、この珍妙な女性を後ろから眺めている影があった】

【シルバーのメッシュが入った紫髪に鎖をあしらったヘッドギアをつけたパーカーの男の娘】

【その血を思わせる深紅の瞳には一条の光も存在しない】

「えーと、何してるの?そこのおねぇちゃん…」

【舌っ足らずでハイトーンな声色、そして白々しい口調で少女に問う
背中には戟、手には二匹の太ったネズミを持っていた】
495 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 15:39:13.88 ID:s2DMPdbDO
>>494

【声をかけられると、少女の肩がびくりと震える】
【当然といえば当然だろう。誰が死体置き場で人の声を聞けると思うものか】

【ぎ、ぎ、ぎ、とゆっくり少女は振り返る】
【お化けじゃありませんように、だなんて思っていたかもしれない】
【だが──そこにいたのは少年。見た目はあまり普通じゃないが、少なくとも生きてはいそうな少年だった】


……え、あっ、あのな、人探し、だ
お前知らないか? セリーナ・ザ・"キッド"ってやつ
たまにテレビでCMやってて──あっ、写真な、これ、な


【声の震えは、どうしても隠せなかった。いやだって、絶対お化けだと思ってたし】
【威厳?そんなのないないないない。むしろ人探しにこんなとこくるなんてただのアホかバカだ】
【けれどそんなことなどお構い無しに、少女は彼に1枚の写真を差し出した】
【そこに写っていたのは以下wiki参照な「セリーナ・ザ・"キッド"」の姿】
【正義組織UTのリーダー格という、それなりに有名な人物だが……路地裏の住民たる彼が、それを知っているかどうか】
496 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 15:47:44.33 ID:eNSbwrmKO
【ドラクレア島】
【──ざっぷーんと波が押し寄せる浜辺。】


これまた随分と…。愉快な武器だな…。


【黒いハットと同色のインバネス。中肉中背の体躯と白い革の手袋という特徴の青年がいる。】
【──なんとなく、そう、ただなんとなくという理由でこの島に入ろうと考えた青年は、】
【今までと同じ装備じゃあ心もとないと、先のクエストで手にいれた素材を用いた新たな武器を手にしていた。】

【──浜辺にて腰をつき、見た目は通常の両手剣を掲げる。】
【刀身、その刃には15cmほどの等間隔で切れ目のようなものが…。】
【──青年はそれを鞘にしまいこみ、押し寄せる波を見つめる。】


懐かしい。景色じゃあなくて、空気が…。どう考えても初めての場所なのに…。 ──くっさ。


【嘴を出現させる。いつもより鼓動が強い。】
【そして先のクエストで死体と戯れたためにめちゃくちゃ臭い。】
【──青年はそれを操り海水へと沈めた。】
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/03/01(日) 15:51:52.52 ID:6hdjPLad0
>>495

【挙動不振な少女の話を聞く】

「しーえむ?」

【テレビなんて見ることは無い男の娘にはなんの事かわからない】

【そして差し出された写真を覗き込む】

「キッドさん?…その人が『動かなくなっちゃった』って誰かから聞いたの?」

【ここは死体置き場、当然この男の娘にとっては『動かなくなっちゃった』人が置いてある場所である】

「よいしょっ」

【死体から服を剥ぎとるそれを焚き付けにして戟を壁に叩きつけた火花を点火する】
498 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 16:00:24.75 ID:s2DMPdbDO
>>497

(CMを知らないのか──なるほどな)

ん、そうだな……「動かなくなった」「かもしれない」……だな
だから、探してるんだ。まだ、「動いている」かもしれないからな



【たった少し、会話をした程度。それだけで、この少女は彼のことがなんとなく分かった】
【手に持ったネズミ。日常で使う単語を知らない。死者への敬意もない】
【──それだけ見れば、彼がずっと路地裏で暮らし、サバイバルをしてきたことは自ずと分かる】


……お前、名前とかあるのか?
私はリーべ。リーべ・エスパス
ずっと、こういう暗い場所にいるのか?


【「死体」「生きている」「路地裏」──そんな単語を使わないよう、少女は言葉を紡ぐ】
【今は、死体の服を使うことに対して文句なんて言わない】
【きっと、彼の生活は「そうすること」が「当たり前」になっているだろうからだ】
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 16:11:20.44 ID:6hdjPLad0
>>498

【複雑な顔をする彼女に向けて満面の笑みを向ける】

「リーベおねぇちゃん…うん!覚えたよ!」

【戟を使って鼠の首をもぎ、雑巾を絞るように血を抜く】

「僕?僕の名前はね!」

「犬神・ディザスター・禍(いぬがみ・でぃざすたー・わざわい)っていうんだよ!」

【どう?かっこいいでしょ!なんていいながら首から覗く肉を噛み付いて皮を持って引っ張る】

「うん!そうだよ!ずーと、ずぅぅぅっっっと!」

「だから退屈なんだよねー」

500 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 16:26:47.29 ID:s2DMPdbDO
>>499

(思ったより名前、ながっ……!)

ふふん、なんか凄い名前だな
犬神なんてのは櫻の国じゃ、呪いのための神だし──ディザスターにしても、禍にしても……
名付け親のネーミングセンスを疑いたくなる。なんだ、今流行りのキラキラネームか!

……いや、それはさておき──


【鼠の血液がぼたぼたとコンクリートに落ち、疑うことなく肉を食む】
【その姿に、リーべは思わず眉をひそめた。あまり、長く見ていたい光景でないのは間違いない】


……たいくつ、退屈、か──
うぅん、そうだな……とりあえず、私はお前のことをなんて呼べばいい?

それと……お前、勉強とか、したくないか?
いろんなことを見て、知って、学ぶんだ
そうしたらきっと退屈じゃなくなるし──それに、暗いところに、ずっといなくてもよくなるぞ?


【犬神・ディザスター・禍。この名前を聞いて、リーべは彼をなんと呼べばいいかわからなかった】
【犬神。なんだか名字っぽい。彼女は他人を、下の名前で呼ぶのが好きだった】
【なら、禍と呼ぶか? ……わざわい。わざわい。人に対しては、あんまり掛けたくない言葉だ】
【結局彼女は、彼の呼び名を彼自身に決めさせることにした】
【そしてそのついでに──勉強をしてみないかなんて提案を、彼に持ちかける】
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 16:45:40.29 ID:6hdjPLad0
>>500

「キラキラネーム?でしょ!すごいでしょ!」

【一気に鼠の皮を剥ぎ肉にかじりつく】

バリッ………グジュ………ペキッ………

【内臓や骨ごと肉を細かくして飲み込む】

「んっとね、うーん……わざわいで良いよっ!」

【そして勉強をして見ないかと持ちかけられる】

「勉強?うーん…僕お金ないしなぁー」

【さらに言うと戸籍や住居、保護者すらいない】

「それにね!ここにいても遊んでくれる人が居るんだよ!」

【何やら嫌な予感のする言葉を吐きながら鼠の爬虫類のような尻尾をブチリと噛みきる】
502 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 16:57:10.07 ID:s2DMPdbDO
>>501

(……多分キラキラネームのこと、知らないな。うん。助かった)

ん──そうか、じゃあ、禍って呼ぶな!


【凄いでしょ、なんて能天気な一言に、リーべは思わずほっとひと安心】
【キラキラネームなんてぶっちゃけ相当な侮辱の一言だ。いや、むしろ怒られるのが当然の言葉だ】
【だが──無垢とは恐るべきもの。そんな言葉を掛けられて怒らない禍に対し、リーべは安心すると共にちょっぴり罪悪感を覚えるのであった】


そうそう……勉強だったら、私が教えられる
お金なんかいらないぞ? それに──ん?

ふふん、誰が遊んでくれるんだ? ネズミとかか?


【つん、と血の香りが鼻につく。あまり、気分のいいものではなかった】
【さらには咀嚼され嚥下される肉や臓物を間近で見れば──今夜の食事は野菜だけでいいかと思えてくる】
【そして──最後に紡がれた禍の一言に、リーべはふと首を傾げたのだ】
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 17:11:27.56 ID:6hdjPLad0
>>501

「禍…禍…えへへ////」

【照れ臭そうに、嬉しそうに自分の呼ばれた名前を舌の上で転がすように反芻する】

「ほんと?じゃあ今度教えて貰おっかなあー」

「えー、ネズミさんはすぐに『動かなくなく』なっちゃうよー」

【そしてもう一匹の鼠の皮を剥いで木の枝に突き刺して日で炙る】

「えっとね、武器とか持ってる人とか、お金を持ってそうな人と戟(これ)で遊ぶの!」

【十歳を少し越えたばかりの幼い少年】

「でもってね、その人が『いなくなっちゃった』りお金かごはんをくれたら終わりなんだ!」

【その可愛らしい小柄な体の背負う業は、罪は、咎は】

「戟(これ)で叩いてるとみんなすぐに『いなくなっちゃう』のなんでかなぁ?」

【どこまでも重く、深かった】

【勿論彼の言う『いなくなっちゃう』は相手が逃げおおせたと言うことではない、遊んでいる少年にすらわからなくなる程になるまでシャーベット状に解体させられてしまっているのである】
504 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 17:31:17.52 ID:s2DMPdbDO
>>503

……そう、か──


【この少年は……ずっとこんな風に生きてきたのか】
【自分の半分くらいしか生きていないのにも関わらず──きっと、背負った苦労は自分の倍以上はある】
【彼女には家族がいた。両親がいて、兄弟がいて──】
【その、誰1人欠けることなく、傷つくことなくここまで生きてきた】
【けれど……だからと言って、温もりのある家庭の中だけで生きていくつもりは、彼女には更々なかった】
【「目の前にいる人を、助ける」──そのために、彼女は家を出たのだから】


……きっと「いなくなる」のは、動かなくなってしまうから、だろうな
ソレは強い武器だ。だから……消えてしまうんだろう。動かなく、なったあとで

禍。実験をしてみよう……なんで「いなくなる」のか、試してみるんだ
叩けばモノは、細かくなる。細かくなって、何がなんだか分からなくなるから「いなくなった」ように見えるんだ
例えば……うん、この人形を使うといい。ちょうど、「動かなくなった」人みたいだしな
ふふん、これもひとつの勉強だぞ、禍!


【──ふふん。リーべは笑って、近くに転がっていた人形を禍に放り投げる】
【少年は罪を背負っている。それは、間違いない】
【夜色の彼女は、その業というものを、軽くしてやりたかった】
【彼女には、目の前にいる少年が当たり前のように表を歩き、普通の生活が出来るようにしてやりたかったのだ】
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 17:53:31.68 ID:6hdjPLad0
>>503

【ネズミの肉から落ちた油に火がついてパッともえる】

「へえー、そうなんだ!」

【無垢にその瞳を輝かせてリーベを見つめる】

「そっかぁ、戟(これ)で叩いたら人はいなくなっちゃうんだ…」

【そうして得意そうにしている彼女から人形を受けとる】

「えっと…いつも通りにすればいいんだよね?」

【少年は放られた人形をキャッチし、少し離れたところに置き戟を構える】

「それじゃあ」

「『血塗れかき氷』〜ブラッティアイスエイジ〜」

【少年がその名前を、自らの能力の名前を呟くと同時に戟に霜が下り、ダイヤモンドダストが舞う】

【吹雪を纏った戟を、遠心力とてこの原理で叩き付け続ける技】

【そして『理(ことわり)』『無』き少年は】

「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理
!!!」

【と叫びながら人形に戟を叩き付け、人形は勿論空中で爆発したかのように綿と繊維とボタンを飛ばして原型を失う】
506 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/01(日) 18:08:09.46 ID:WC/fdh/bO
【とある町中、人々から奇異の視線を向けられる初老の男が一人】
【ボサボサの白髪頭に眼鏡をかけた白衣姿。左手には缶コーヒーを持ち、右手では何故かガラス製のメスを弄んでいる】

【そんな身なりの男が目的もなく歩いていては視線を集めるのも、或いは逸らされるのも当然の事で】

「ふむ…何か面白いモノでも転がっていないものか…」

【そんな事をひとりゴチても、こんな奇特な人間から見て尚面白いモノなどそうそう落ちていたり歩いていたりする筈もなく】
【男は気まぐれに適当な道を選んで歩いている】

//予約です。宜しくです!
507 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 18:25:04.87 ID:s2DMPdbDO
>>505

【──ひゅう、と暗い路地に、灯りが差す。いや、これは……氷、か】
【氷の欠片たちが舞い散り、それが月明かりを反射し──】

【その一瞬。綺麗だと、リーべは思った】
【決して赦されぬ罪咎を追った少年が紡ぎ出すこの光景を、綺麗、だと……】

【ぱん、と布地が弾け、綿が飛ぶ。その綿ですら、戟の一閃で宙に溶ける】
【彼が戟を振るい終われば──その頃には、人形は「いなく」なっていた】
【はっと、我に返る。次に彼女が思ったのは、恐ろしいという感情だった】
【だれかが彼に、理を教えなくては。例えそれが不可能に、限りなく近かったとしても】


……すごいな、禍。確かにこれじゃあ、「いなくなって」しまっても仕方ない、な

でも──今ので分かった、か?
お前のその武器を、今みたいに叩きつけるとみんな「いなくなって」しまうんだ
理由は、さっきも言ったな? どんどん小さく砕けていってしまうから、だな


禍……わざわい。あまり、その武器を振り回さないことだ
みんなにその武器を使ったら、遊んでくれる人はいつかいなくなってしまう
私は……禍が1人ぼっちになってしまうのは、嫌だな


【果たしてこの言葉を、どれだけ禍が聞いてくれるかは分からなかった】
【それでも、リーべは禍に言った。少しでも、聞いてくれと思いながら】
【……まったく、理解せず拒絶されるかもしれない。けれど、それも仕方ないことだとも、リーべは考えていた】
508 :リーべ ◆my2He3rcPs :2015/03/01(日) 18:25:55.89 ID:s2DMPdbDO
>>505
/追記。遅れてしまいごめんなさい
509 : ◆yX9SOcHUiw :2015/03/01(日) 18:26:22.79 ID:PE7loQvO0
>>506
【男が細い道を歩いている時、薄汚れたローブを羽織り、フードを顔の上半分まで被った男とすれ違うだろう。】
【ただの人間、一見すれば他と違う所もなく、違和感なくそのまま素通りするかもしれない】
【しかし男が刺激を求めて周囲に目を凝らしていたとすれば、今すれ違った男の「違和感」を、なんとなく感じ取れるかもしれない。】

[………]

【ローブの下は人間のはずだ。だが彼からは、一切の息遣いが聞こえなかった】
【それに気がつかなかったとしても、彼からはまるで生気を感じなかった。死人、あるいは魂を持たぬ何かが、人の形をして歩いているかのような。そんな注意すればするほど膨れ上がる違和感が、彼にはあった。】
【彼は白髪の男を尻目に、大通りに出ようとしている。もし男の気に止まり、「それ」に声をかけようとするのならば、今が最大のチャンスだろう】
510 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/01(日) 18:47:21.14 ID:WC/fdh/bO
>>509
【息遣いに気付いた訳ではない】
【ただ、何人もの人間を、或いは人ならざる者を観察してきた男の直感が違和感を訴えた】

「キミ、単刀直入に聞くが…一体何者だね?」

【すれ違った男に振り向いてかけるのはそんな言葉】

【男を動かしたのは正義感だとかそんな物ではなく、ただただ純粋な好奇心】
【何者か?という問いには本当に言葉通りの意味しか込められていない】
【しかし、それを受けとる側がどう感じるかはまた別の話であるのだが…】
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 18:48:21.09 ID:6hdjPLad0
>>507

【戟を一通り振り回し終えてから背中に、背負う】

「ね!すごいでしょ!えへへ///」

【そして不思議そうに首をかしげる】

「え?リーベおねぇちゃんは遊んでくれないの?」

【と、言いながら枝に突き刺さった鼠をバリバリと噛み砕く】

「んくっ、それに僕はずっと一人だもん!へっちゃらだよ!」

「それにそうしないとお金とかごはんもってかれちゃうし…」

【なぜか言い訳をするようにしながら懐から乾燥させた黒パンをとりだしてガリガリとかじる】

「それにそうしてるとこういうのも手に入るしね」

【そして彼は懐からもうひとつ何か鉱石のようなもの『最高品質の光属性マギタイト』を取りだして弄ぶ】

【それそのものが柔らかな光を放つ鉱石】

【スラムのいう環境が彼を狂戦士に変えた】

【それでも紫の長い髪の男の娘は年相応でもある】

【狂気の紫はとても純粋なのだ】

//いえいえ、お気に病まないで下さい。
512 :VISOR ◆yX9SOcHUiw :2015/03/01(日) 19:07:21.01 ID:PE7loQvO0
>>510
【男の言葉に、彼は立ち止まる。】
【辺りを静寂が支配する。そんな時間が数秒続いた後に、彼は後ろを振り返った。】

[SCAN結果:一般人。COMBAT MODE解除。NOMAL MODE ニ 移行]

【彼から響いたのは、重く鈍い電子音の言葉と、それに伴う金属音だった。同時に彼は、手袋を付けた手でフードを脱ぎ、その顔を露わにする。】
【目は赤く発光し、顔は金属。耳、鼻と言える部分は平らな装甲で無く、頭も分厚い鉄板で覆われている。額にあたる部分には、「H」の刻印が成されていた。】
【その様相は、誰が見ても紛れもない「機械」だった。機械が人の形を成し、自我を持って動いているのだ】
【彼はそのまま数秒言葉を止め、男の言葉を返す】

[質問確認。回答:私ノ通称ハ 「VISOR」。型番 175。カノッサ機関 "ナンバーズ"所属。No.9ノ名ヲ 冠シテイマス]

【彼は聞き取りにくいが淡々と、身の上を隠す事無く自分に関する情報を吐き出す。】
【それも男が「一般人」だったから、このように自ら正体を明かすのだろう。機械からすれば、奇妙な格好をしていようが何だろうが、ひとえに「一般人」は「一般人」と認識するのである。】
【それよりも彼は、カノッサ機関の人間、それもNo.9の座にあると言う。それの意味する所がわからない者はいないだろう。当然、男にとっても】

[貴方ハ 何者デショウ?]

【重苦しい電子音で、丁寧に質問を返す。敵でなければ妙に丁寧な対応を見せる所も、機械の機械らしい側面のひとつだと言えるだろうか。】

513 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 19:08:17.22 ID:s2DMPdbDO
>>511

1人でも平気、か……


【そう言い切る禍を見るリーべの目は、やはり複雑なものだった】
【彼女は、1人になるということを平気だと言い切れない自信があった】
【かと言って、彼の精神が強いかといえば……それも違うと、彼女は思う】


……お前とは、違う遊び方がしたいな
その武器を振り回す遊びじゃない、遊び方
一緒に遊んでも、誰かが動かなくなったり、いなくなったり……そんなことにはならない遊び方が、したい
そんな遊びがあるってことを、お前には知っていてほしい


【彼の取り出した、紫の鉱石──それを見て、リーべは眩しそうに目を細めた】
【ほんのりと淡く光る、マギタイト。この明かりが、彼を変えてくれないだろうか──】
【そう思ってしまうほど、あまりに彼は純粋すぎた】


……ふふん。それ、お前と似てるな、禍
お前は綺麗なものを、いろいろ持っているんだな


【そう言うとリーべは、禍の頭をそっと、撫でてみようとした】
【理由など、特にない。強いていうなら……そうしてみたくなったから、だろうか】
514 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 19:17:24.92 ID:eNSbwrmKO
>>496
でまちます。
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 19:22:30.10 ID:6hdjPLad0
>>513

「違う……遊び?」

「教えて………くれるの?」

【綺麗な物をいろいろと持っていると言われる】

「そ、そんなことないよぉ////」

【リーベからそっと延びてくる手、普段の少年なら人の手がこんなにも近くにあれば直ぐに距離を取り、臨戦体勢をとっていただろう】

「あぅ/////」

【しかし少年はそれをしなかった、自分でも不思議だった】

【今まで彼に延びてくる手は悪意、害意、略奪、色欲などであり】

【『慈しみ』等、今まで受けた事がなかったのである】

【紫色の絹糸のようなふんわりとした髪に触れられ、一瞬、怯えたようにビクッと震え、それから甘えるように目を閉じた】

「『最高品質の光属性マギタイト』(これ)……リーベおねぇちゃんにあげるよ」

【ポツリと独り言の様に呟く】
516 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/01(日) 19:32:49.33 ID:ojhQKZfTo
>>496>>514

【海水に沈んでいった嘴がゴン、と何かにぶつかる。沈めていった水面にぶくぶくと泡が上がってきて、収まった】
【数秒後、すぐ近くから男が浮上してきた。東洋人の顔を持つ黒い短髪の三十代の男だ。何やら不機嫌な顔をして頭を押さえていた】
【その男はしばし周囲を見回して鳩ヶ谷を見つけると、ゆっくりと、迫ってきた。次第に男の全身が水上に出て行く】
【赤黒い外套を身にまとった長身だった。張り付いた髪の間から覗く瞳には──怒り?】

 ……おい、あれを沈めたのはお前か、お前だな?

【男──アインが指し示した先には嘴を沈めた場所。男の眉間には縦皺が走っていて、まぁつまり、明らかに怒っている】
517 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 19:38:10.07 ID:s2DMPdbDO
>>515

ん……そうだな
人形遊びに……水辺で、石を投げて石を水の上で跳ねさせたり
他には何があるかなぁ……
1人で出来る遊びは、絵を描いたり歌を歌ったり……ふふん、いろいろあるな
2人で出来ることは……うーん。お前を抱えて空を飛んでみたり、とかか?


【ふふん。またリーべは笑い、ゆっくりと彼の頭を撫でる】
【手を乗せれば、ふわとした感覚が伝わって……それでいて、少年の僅かな怯えが、なんとなく分かった】
【だから、リーべは決して乱暴に頭を撫でたりせず──ゆっくり、ゆっくりと、彼が安心できるように手を動かすのだ】


……禍? くれるのか──?
でも、どうしてだ? これは、お前が頑張って手に入れた、宝物じゃ、ないのか?


【──ぽつ、と紡がれた彼の独り言を、リーべは聞き逃さなかった】
【あげる、と言われたことは、素直に嬉しかったが……その理由が、気になった】
【今まできっと、奪うことしかしてこなかった少年。その彼が、誰かに物を与えるなんて──】
【驚きと、喜び。そのふたつが、今の彼女の中でごちゃごちゃになっていた】
518 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 19:46:07.98 ID:eNSbwrmKO
>>516


─────…………………。


【まさか真冬の海に人が潜んでいるとは思わなかった。】
【さらにさらに、昨日今日でようやく出入りが可能になった島である。】
【その上この男はしっかり外套まで羽織っているではないか!】

【この男は怒っている?──表情は明らかに不機嫌だ。】
【青年はこの時男の顔を見つめ固まり、金魚のように口をぱくぱくとしていた。】
【感情を侵食するのは恐怖。お化けやそういった類いの何かに出くわしたような……】

【男の問いには答えない。──】



───お化けだあああああああああっ!!!!!!


【つい最近高値払ってこさえた大剣すらも置き去りに逃げ出そうとした!】
【──そして砂浜の滑りやすい砂に引っ掛かって転んでしまった!】
519 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/01(日) 19:50:42.88 ID:WC/fdh/bO
>>512
「私は通りすがりの科学者だよ。『ドクター』とか呼ばれているね」
「しかし違和感の正体が機械とはね。それもカノッサ機関のナンバーズとはまた面白い」

【一先ず質問に答える。その後に顔を出したのはやはり好奇心。】
【勿論カノッサ機関のナンバーズが意味するところは男にも分かっている。しかし男にとってカノッサ機関のナンバーズという称号は、ソコに自らへの害意がなければ興味の対象にしか写らないらしい】

「カノッサ機関に所属しているのは自らの意思かね?それとも製作者やそれに類する者の意思かい?」

【まるで日常会話でもするように、左手の缶コーヒーを飲みながらそんな質問を投げ掛ける。】
【どうやら"機械自身の意思"というモノに興味をもったらしい】
520 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/01(日) 19:53:06.08 ID:ojhQKZfTo
>>518

【水気を含んだ外套はアインの長身にべったりと張り付いて、色合いのせいで血糊のようにも見える】
【外套の中に着た服もまた黒い色ばかりで、水のせいで余計に色が濃くなって見える。そんなのがいきなり海からできたら不気味だ】
【鳩ヶ谷の絶叫が真冬の海にこだまする。アインは動かなかった。直立不動のアインの前方で鳩ヶ谷がずっこけてから、彼は口を開いた】


 ────────だぁれがお化けだぁーーーーーっ!!


【鳩ヶ谷に負けず劣らずな絶叫をあげるとアインは砂浜を踏みしめ、疾走。後方に砂埃がたつ勢いで爆走!】
【怪人、海坊主(?)が不運にも砂浜に倒れた無垢な少年に向かって迫り来る! そんな勢いで走るほど二人の距離はないにも関わらず!】
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 19:53:25.57 ID:6hdjPLad0
>>517

【少年は無言でゆっくりとリーベの話を聴きながら優しく頭を撫でられる】

「だって、リーベおねぇちゃんの方がきらきらしたの……いっぱい持ってるから」

「…………………お礼っていうの?」

【そして頭を撫でていたリーベの手をとって自分の薄い胸板に押しあてる】

「リーベおねぇちゃんになでなでしてもらうと………胸(ここ)がポカポカして………あったかいの……//////」

「よくわかんないんだけど……きゅうってして気持ちいいんだよ」

【上目遣いでリーベの瞳に自分の紅い瞳を映す】

「もうちょっとだけ……なでなでして?」
522 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 19:59:37.20 ID:eNSbwrmKO
>>520


【ずっこけ顔から砂場にずざざざざざ!】
【口に入り目に入りしっちゃかめっちゃか】
【目をこすりぺっぺっと砂を吐いて、我に返り振り帰ればもう彼はそこまでせまっている ! 】


──あわわわわわわわわるかった、わるかった ! 嘴は俺だがお前を殺したのは俺じゃない ! 本当だ! 多分あのアーグとかいう奴だ! 怒りを沈めよう !


【話せばわかるといわんばかり、鬼気迫る表情で上述する。】
【黒い外套はしっかり砂まみれ、ものスゴく情けない。】
523 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/01(日) 20:05:57.96 ID:ojhQKZfTo
>>522

【怪人が両腕を振り上げる。張り付いた髪の間から鋭い眼光が少年を貫く。目には殺意(気のせい)】
【怒りが収まらない怪人は少年の前で急停止。長身が月明かりを遮って少年に影を作る。絶体絶命だ!】


 静まらん、俺を殺したお前を呪わねば怒りは抑えられん! このままお前を食ってやろうっ!!







 ──────って、死んどらんわっ!!


【ノリノリなノリツッコミを繰り出してアインは槍を召喚。軽く振り下ろして少年の頭を叩く】
524 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 20:08:23.28 ID:s2DMPdbDO
>>521

そう、か……?
ふふん。そう思うなら、もらうぞ。ありがとうな、禍

【お礼と言われれば、断る理由などどこにもない】
【彼の返事にリーべは納得し──また、笑ってありがとうと言うのだ】


あったかい、か……それはきっと、大事な感覚だな禍
安心だとか、友情だとか、愛情だとか……そういう気持ちは、多分、そういう風にあったかいものだ

お前がそんなふうにあったかくなってくれるのは……私も、嬉しいぞ


【禍の、血のような赤い瞳。それとリーべの夜色の視線が、かちりと結びつく】
【決して、真っ暗で冷たい闇の色ではない。夜色──それは、ほんのりと星が灯る緩やかな色なのだ】
【手を求められれば、リーべはまた笑って彼の頭を撫で続ける】
【そうしてきっと、彼が満足するまでリーべは彼を撫でていることだろう】
525 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 20:11:12.83 ID:OEjINPzwo
>>523


ひいいいっ… !!────っえ ?


【のりのりのアインにより恐怖は最高潮! 動悸がヤバい。】
【冷や汗だらだら、がたがたがたと震え歯がかちかちと触れ合い音が鳴る。】

【──おそらく、ノリツッコミと槍で叩く順番が逆だったら、青年は気絶してしまっていただろう。】
【恐怖が薄れた後に頭をはたかれたので、そうは至らなかったようだ…。】

【そして、恐怖が薄れたからこそこの男が何者か思い出す。船に同乗していた男だ。】


……あ 、──確か、アイン、さん……。


【───気まずそうだ。】
526 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 20:15:16.43 ID:OEjINPzwo
>>523
すいません、夕飯で遅れます。
527 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/01(日) 20:18:03.40 ID:ojhQKZfTo
>>525

 やっと気がついたか、小僧め

【アインは鳩ヶ谷の反応に不機嫌そうに鼻を鳴らした。長槍が跳ね上がってアインの肩に担がれる】
【べたつく髪の毛を鬱陶しそうに手でずらすと薄茶色の瞳がはっきりと見えるようになった】

 とりあえず立て。ほら、剣だ

【アインが左手を鳩ヶ谷に差し出すと同時に槍が消滅。右手を彼が置いていった剣に向けると、袖の中から黒い触手が伸びていく】
【剣を巻き取った触手が引き戻され、反動を利用して剣を鳩ヶ谷の隣に突き刺した】

>>523
//了解です。こちらも食事にいってきますので、ごゆっくり
528 :VISOR ◆yX9SOcHUiw [sage saga]:2015/03/01(日) 20:19:59.79 ID:PE7loQvO0
>>519
[一般人ニハ 危害ヲ加エマセン。私ニPROGRAMサレタTARGETハ UNITED TRIGGER モシクハ SCARLET マタハ 敵意ヲ持ツ人間ノミデス]

【彼は男の質問に対し、また数秒の硬直をする。電子音が響き、彼のコンピュータが思考している事を示している】
【そしてその答えをデータ化し、重苦しい音を発するスピーカに送信する】

[私ニ 個人意志ハ アリマセン。「VISOR」ハ私デハナク「人間」デス]

【意味を要約すれば、彼を製作した人間ががカノッサに属している、という事らしい。そして彼はまた言葉を続ける。】

[私ハ PROGRAM ノ ROUTINE デ動ク存在デス。目的ハ自分デハナク MASTER ガ我々ヲ監視シテオリ、最適ナ命令ヲ我々ニ下スノデス]

【彼の言う事は単純だった。機械としての彼はVISORではなく、VISORとしての人間が、機械を操っているにすぎない。彼は「visor(監視者)」の意思を遂行する、駒にしかすぎないのだと】

[デスガ]

【さらに電子音の声は続く。】

[意志━━VOLITIONハ無クトモ、PURPOSE(意思) ハアリマス。コウシテ貴方ト会話シテイルノモ、私ノPURPOSEデス]
[目標ハMASTERニヨリ 決定サレテイマス。シカシ我々ハ ソレ以外デノ自由ヲ 持ッテイマス。オ分カリ 頂ケマスカ]

【彼等は生き方を制限されており、完全な自由となることはできない。むしろそれを疑問に感じたりすることはなく、ただプログラムによる命令を守るだけの存在なのだ。他からの干渉によって、自分の生き方や存在意義が大きく変わる】
【人間とは余りにも違う。だがそれが機械であり、機械としてのあり方なのだ。しかし、彼は自由に過ごしている。現に今男と話すという行動を取っているのも、彼自身の「機械意思」によるものなのだ】
【機械としての自由は、意志の自由ではなく、行動の自由なのだ。しかし、もし彼に意志の自由が解放されたとしたら……どうなるのだろう?】
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 20:21:12.31 ID:6hdjPLad0
>>524

【微笑むリーベに向かって男の娘に穏やかに笑いかける】

「ふふ……えへへへ……♪」

【二人を照らす火の前にマギタイトを置く】

「これも勉強なの?……安心……友情……愛情……よくわかんないや……」

「ちょっと怖いけど……嫌いじゃない……かな?」

【穏やかな夜色の瞳に血の深紅の瞳が映る】

「リーベおねぇちゃん……えへへ////」

【言葉は無粋とばかりに少年は微睡む】

530 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 20:32:37.73 ID:s2DMPdbDO
>>529

そうだな、禍。こういうのも、ちゃんとした勉強だ
知らないことを知ることを、勉強っていうんだ
だから……これもお前にとっては、勉強なんだろうな。ふふん!


【狂気に堕ちた少年。だがリーべは、まだ彼を狂気から引き上げることは出来ると、そう思った】
【少しずつ、心の暖かさを教えてあげることができれば──きっと】


……ん。ふふ、嬉しそうだな、お前は
そんなに一緒にいたいなら……くるか?
とはいえ、私も旅をしてたからな。宿屋になってしまうが
ふふん……この機会に、宿屋ではなく安い部屋を借りて住むのもいいかもしれないな!


【少なくとも、この瞬間の少年は幸せそうに見えた】
【ならば……また、この路地裏に彼を放置するというのも酷というものだろう】
【だからリーべは、彼に誘いをかけてみた。共に、来ないか、と】
531 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 20:41:25.52 ID:OEjINPzwo
>>527


ど、どーも……。


【目の前にたぐりよせられた両手剣を手に取ると、砂を落としながら立ち上がった。】
【そして再び、水にずぶぬれのアインを見る。】
【──至って堂々としている。そこになんら負い目も後ろめたさも、不振な点もない。】

【だからこそ、だからこそ思う訳だ。】


…(この人、海の中でなにやってんだ……?)

──か、寒中水泳こそ健康の秘訣ですかい?


【──あまりにも不自然に切り出した。普通に聞けばいいものの……】
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 20:46:08.10 ID:6hdjPLad0
>>530
「勉強…」

【そして一緒に住まないか、と誘われる】

「ふぇ!?」

【一瞬、眼を剥いて心底驚いた顔をする】

【そして恐る恐ると言った感じに】

「……いい、の?」

【と、控えめに聴いてくる】

「僕なんか居ても……リーベおねぇちゃんは得しないよ?」

「それに僕は男の子だよ?」

「僕は一人でも大丈夫なんだ?」

「なのに、災厄(ディザスター)なのに?」

「今なら…今だったら…幸せな夢って事にできるよ?」

【今まで誰にも愛される事の無かった少年はまるで拒絶される理由を探すように告げる】
533 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/01(日) 21:02:43.87 ID:LcKQhJFOo
【水の国・ダグラス邸】

【昨日海賊船が到着したドラクレア島。そこに設置された転移ゲートが通じているのが】
【ここ、ダグラス邸である。水の国の郊外に位置し、驚くべきことに】
【その所有者は六罪王ダグラス・マックスウッドだということだが――既に、館に人影は無く】

【――さて、転移ゲートの前。時は夜、一人の男が周囲を何時間も彷徨き続けていた】
【衣服はブラウンのベストと黒のスラックス。革靴も控えめな色でまとめており】
【その髪は長く、艶やかな黒。背は180cmと少しで、鍛えているのか肩幅は広く】

(……ええい、マリアはまだ帰ってこんのか……!)
(もう8日……いや、10日に近い。エルヴェツィオが共に居るとはいえ……)

(やはり後を追うべきか?或いはこのゲートを越えてしまえば……?)
(しかし、ゼン=カイマの大司教としてあまり危険を犯すべきではないのも事実……)
(……グリース辺りが居れば、代わりに見てくるよう頼んでも良いのだが……いや……。)

…………、……もしものことがあれば絶対に許さん…。

【なんというか、その剣幕は"物凄い"ものだった。それ以上、言いようもないほどで】
【人を待っているだろうことは分かるが、張り詰めた雰囲気が実に近寄りがたく】
【春めいてもなお冷える夜を、彼はじっとゲートを睨みながら耐えていた】

/申し訳ありませんが、こちら予約となります。
534 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 21:06:22.44 ID:s2DMPdbDO
>>532

【恐る恐る、禍から言葉が紡がれる】
【無理もない。こんな言葉をかけられるなんて、きっと初めてだろうから】
【──嬉しかった。拒まれなかったことが。いいの、だなんて聞いてくれたことが】


ふふん……当たり前じゃないか!

禍。私のお父さんやお母さんは、たくさん人を殺してきた
でも、私はお父さんもお母さんも大好きだ。愛情をくれて、育ててくれた家族だから
私には、引きこもりの妹がいる。外に出るのを怖がって、ずっと部屋から出てこない
でも、私は妹のことが大好きだ。なんせ妹だからな!
私には、お兄ちゃんもいる。双子の、兄だ。他の家族と比べると、めちゃくちゃ普通だ
でも、お兄ちゃんのことも大好きだぞ? お兄ちゃんだからな!


【唐突に語られるのは──遠い故郷の田舎町にいる、彼女の家族の話だった】
【悪い人も、良い人も、ダメな人もいる。そんな、家族構成だった】
【多くの家族がいた、リーべ。禍は1人でも平気だなんて言うけれど……やっぱり、そんな風には思えない】
【1人で平気な人間ならば──きっと、あんな表情など出来ないだろうから】


……それと、同じだよ禍
お前がいくら、最悪で災厄だろうとも……それを受け入れない理由なんてない
私がそうしたいから、そうするんだ!
損とか、得とかそんなの関係ないさ……友達に、損得勘定なんていらないんだ


ああ──ふふん!ただし部屋の狭さは気にするなよ!なんたって1人用だ!!
まぁその部屋だって、さっきも言ったが引っ越すつもりだからな!
引っ越しシーズンなんだ……いい部屋はたくさんあるだろうが!


【彼の不安なんて、まるで気にしていないようにリーべは笑う】
【明るい、明るい人柄なのだ。計画性がないといえば、それまでかもしれないけれど】
535 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/01(日) 21:08:55.24 ID:WC/fdh/bO
>>528
「なるほど、自由な自我は許されても自由な意思は許されない。といったところかね」

【男は彼の話をそのように解釈ーーー否、評価した】
【自我とは即ち行動を決める為の思考であり】
【意思とは即ち行動原理、信念とも呼べるモノを決める為の思考である】

【それは機械としては当たり前な事だろう。行動原理、信念、目標、そんなものの自由を許してしまえばそれは反逆を許すのと同義である】
【むしろ自由な行動を許されている彼は、機械としては十分過ぎる程の自由があると言って良いだろう】

【そこまでわかった上で男は、この高度な自由自我を持った機械が自由意思の解放された姿が見たいと願った】
【それはやはり悪の組織に利用される可哀想な機械を解放したいなんてモノではなく、好奇心という名の純粋な欲望の結果】

「…キミはもし『目標を自分で決めろ』と命令されたら、一体どうするのかね?」

【そんな思惑を持って発したのはこんな質問】
【この程度で完全な自由意思に至るとは聞いた本人も思っていない】
【多少の"エラー"が出ればラッキー程度の物だった】
【そうでなくても、仮想的な自由意思の想像に対する答えに純粋に興味があった】
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 21:21:43.44 ID:6hdjPLad0
>>534
【狂気の紫色に向かってまるで諭す様に紡がれる言葉】

【それはリーベの家族の事だった】

「かぞ……く……」

【殺してきた、その意味はわからない…そんなことは関係ない】

「僕、どんな顔してたっけ……」

【ほぼ無意識に、少年は手を差し出す】

【狂気も、災いも、彼の振り撒く不幸も、彼が撒き散らす絶望も、皆等しく受け入れると言った】

「うん、僕…リーベおねぇちゃんの家族になりたい……家族にして!」

【今度ははっきりと自分の意識で、彼は暗黒の中に煌めく、白夜の世界を求める様に】

「犬神・ディザスター・禍を!『血塗れかき氷』を!リーベおねぇちゃんの家族にしてほしいの!!!」
537 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 21:39:18.61 ID:s2DMPdbDO
>>536

【彼の叫びが、路地裏に響く】
【それはあまりに純粋で、必死な──そんな一言、だった】
【どんな悪人の誘惑だって、どんな善人の説得だって……彼の、心からの願いには敵うまい】
【そう思ってしまいそうなほど、彼の叫びは……!】

────ふふん、よくぞ言った犬神・ディザスター・禍!!
今日から……いや、今から……たった、この、瞬間から……ッ!
お前は、私の、私「たち」の、家族だ!
エスパス家へようこそ……だな!!


よろしくな……禍──私の、弟!!
それとも……ワザワイ・エスパス、か──?


【差し出された手を握る。握り、そのまま彼女は禍を抱き締めようとした】
【何の迷いも、何の後悔もなかった。このことを彼女の両親に告げれば──むしろ、喜ばれるぐらいだ】
【彼女は禍を、はっきりと弟だと、言った。彼女のファミリーネームを名乗ることも、許された】
【きっと禍は、これから様々なことを学ばなければならないだろうが……今は、それを考える余裕なんて、ないかもしれなかった】
【──今まで愛されることのなかった少年は、たった今、家族を得ることが出来たのだから】
538 :VISOR ◆yX9SOcHUiw :2015/03/01(日) 21:41:44.44 ID:PE7loQvO0
【質問に対して、赤く発光するL.E.Dの目で男を見つめる。迷うことなく淡々と答えを出してきた電子頭脳は、ここに来て少々のラグを見せた】
【沈黙。26秒続いたそれを打ち破ったのは、彼の電子音だった】

<<コノ質問ハ CONTRADICTION 要素アリ。該当DATAナシ。分析完了…該当ナシ 。「解釈変更」。分析中…"COMPREHENSION"思考データ 言語化送信>>

[目標ガ無イト言ウコトハ 私ノ存在意義ハアリマセン。私ハ戦闘MACHINEデアリ 実際ニソノSYSTEMヲ多数搭載シテイマス]

[シカシ 私自身デソレヲ決定スルトスレバ DATA上ノ情報ヲ分析シ 最適ナ行動ヲ決メマス]
[私ハ 会話ニヨリ 得タ知識ヲDATAニ収集シ、学習シマス。ソノ中ニハ ソノ人ノ行動理念モ 含マレマス。]
[私ガ多数ノ人間ト触レ 学習スルホド ソノDATA ヲ総括シタ行動理念ガ 緻密ナモノトナリマス。]

【彼の答えは、単純なものだった。確かに機械には、自分の意志はない。あってはならないのだ】
【その上で、自分で決めるとするのならば、他人の知識を利用すればいい。今ここで話している事すらも、いずれは彼自身の「知識」として、行動理念の元として集積されていく】
【世の中にはたくさんの人がいる。当然「人間」にはたくさんの考え方がある。機械は復讐に燃えたり、正義を掲げたり、悪を自称したり、平和を望んだりもしない】
【だが、そのような多種多様な人間と多く触れていく事によって、彼が持ちうる「自由意志」は、より人間に近付いて行くのかもしれない。】

[質問:貴方ノ行動理念ヲ 教エテ頂ケマセンカ]

【彼は男に顔を向け、尋ねる。自分に聞くと言う事は、男にも何かしらの行動理念があり、自分と話しているのだろう。と、彼は考えたからだ。】
539 :VISOR ◆yX9SOcHUiw :2015/03/01(日) 21:42:00.37 ID:PE7loQvO0
>>538
/>>535宛です
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 21:48:52.09 ID:6hdjPLad0
>>537

「弟……リーベおねぇちゃんの…」

「えへへ、ありがとぉ」

【目元に大きな涙の粒をためながらリーベにむかって笑顔を向ける】

「ワザワイ・エスパス……僕の新しい名前…」

【そしてリーベに抱き締められる】

「わひゃあ!?リ、リ、リ、リーベおねぇちゃん!?」

【抱き締められながらも面白い程のキョドリぶりである】

【幼いながらも彼も男子、思うところがあるのだろう、顔を真っ赤にして湯気を出している】
541 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/01(日) 21:59:21.78 ID:ojhQKZfTo
>>531

【少年が自分をまっすぐに見てくる。目の前の少年は自警団。対して自分はあの船に同乗した数少ない悪側の人間】
【アーグを解放したとは知らずとも、スラウロット戦で何をしていたかぐらいは知っていてもおかしくない】
【何を言い出すのかと、アインは不敵な笑みを浮かべた──が、続いた言葉に彼はずっこけた】

 そ・れ・じゃ・な・い・だ・ろ・う・が〜〜っ!!

【右手に槍を再度召喚すると、今度は石づきで鳩ヶ谷の額をぐぐっと押す、押し込む、ぐりぐりと捻る】

//お待たせしまして、すいません
542 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/03/01(日) 22:05:58.81 ID:xVSmzyhWO

【路地裏】



──きゃああああああッ!! 
誰かぁ……っ、誰か助けてええええええええ!!! 
い、嫌ッ! こっち来ないで……
嫌ぁ! やめてぇぇぇぇぇぇッ!!!! 

【響き渡るのは少女の悲鳴】
【何者かに襲われてでもいるのだろうか? その声は必死で、怯えていて】


【だが、もしその声を聞いてその路地に足を踏み入れたのなら広がっているのは全く別の光景】

【そこにいるのは、一人の男と一人の少女】
【ハニーブロンドのセミロングに赤紫色のパーカーをきっちりと着た、十五歳程の少女】

【少女の両手は男の身体に触れており、男の身体は少女に触れられている所から凍りついていて】

【────つまり、少女が男に襲われているのではなく少女が男を襲っている(?)という状況】

【明らかに自作自演といったこの状況】
【しかし少女は誰かが路地に足を踏み入れたのならば其方を見て満面の笑みを浮かべて呟く】

【あ、やっと人が来てくれたよ、と】

543 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 22:09:49.52 ID:s2DMPdbDO
>>540

ふふん! かわいいなワザワイは!
やっぱり弟もいいな! 妹もかわいいしお兄ちゃんもいいけど、弟も悪くない!


【ぎゅうっと、もう遠慮の欠片もなくリーべは禍に抱きつく始末。家族とはいえ限度があるが気にしないのがリーべだった】
【ちなみに年上。しかも年頃の女の子だ。何とは言わないが、むっにゅむっにゅである。むっにゅむっにゅ】
【しかもお互いの年齢的に、間違いなく身長差だってある】
【……となると、その「むっにゅ」がだいぶ禍に押し付けられてる可能性も、あるや、なしや】

【──きっと2人はしばらくこうしているだろうが、流石に日も暮れてきた】
【夜の路地裏は、昼間とはまた危険性が段違い。彼女もそれを知ってか、禍に「帰ろう」と告げた】
【「行こう」ではない。「帰ろう」と……そう、自然に言ったのだ】

【禍がそれに同意すれば、一先ず彼らはリーべの泊まる宿屋に向かうはずだ】
【そこで、リーべは姉として最初の教えを禍に課すだろう】
【1.宿屋のものを理由なしに壊さないこと】
【2.宿屋にいる人たちを理由なしに叩いたり、刺したりしないこと。悪口言われたらパンチぐらいはよし!】
【3.困ったことがあったら、ちゃんとお姉ちゃんに相談すること。ご飯もお金もお姉ちゃんが出すから、盗んだりしないように】
【…………────以上である】

【ちなみにリーべの両親や他の兄弟たちとの対面は、まだ先になる】
【リーべ曰く、「だいぶ田舎町に住んでるから戻るのに時間めちゃかかる」──らしい】
【それでも電話で声くらいは聞くことが出来……彼が家族として加わったことを教えれば、特にお母さんが、かなり喜んだ、とか】


/この辺で〆ってことでよろしいでしょうかっ!
/ロールありがとうございました! お疲れさまでしたーっ!
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/01(日) 22:13:44.52 ID:ScxChr640
>>533

【何時間待たせただろうか……張り詰めた空間の中、突如ゲートが揺らぐ。別の空間に繋がっているゲートが開けば】
【冷たい夜の空気を和らげるかのように、ふわりと暖かい風が吹て―――其処に立っていたのは、一人の女性だった】

【金色の髪は夜風にさらりと靡く。海色の瞳は優しい光を湛えて、首元には十字架のネックレス】
【身に纏う純白のローブは、所々焼け焦げたような跡や傷。腰部には痛々しい血痕も赤く染みて残っていて】
【足が上手く動かないのだろうか、少しふらついたり引き摺ったりしながらもゆっくりと歩く】

【痛々しい傷跡を抱えているにも拘らず、痛がる素振りも見せずに変わらぬ微笑みをその顔に湛えて】
【ゲートの前で待っていた男性――愛する人の姿を見ればゆっくりと近づいて、やがてその元に辿り着けば】
【そっと寄り添うように身を寄せて、彼の頬に温かい掌を添えて優しく声を掛ける―――】

―――そんなに怖い顔をなさらないで下さいな。笑顔で迎えて下さった方が、私は嬉しゅう御座いますよ。

頬が、とても冷たい……こんなに冷たくなるまで、私を待ち続けて下さったので御座いますね?
……ご心配をお掛けしましたね。―――ただいま帰りました、貴方。

【触れた彼の頬は、冷えた空気に晒されてすっかり冷たくなっていた。―――待ってくれていたのだろう、ずっと】
【その事が嬉しくて。 張り詰めた表情を和らげるように。冷たい夜の空気を暖めるように。笑顔は春花のように咲いて】
【久し振りの最愛の人との再会を、心から喜ぶ。―――彼も、安心して笑ってくれただろうか】

【ともあれ、これで久しぶりに再会できた。無事というには少し足の状態がおぼつかないけれど……】
【話すべき事は色々あるが、まずは寄り添わせて欲しい。……きっと、それが何よりの労いになるから】

//遅くなりました!本日は宜しくお願いします!
545 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 22:17:34.86 ID:OEjINPzwo
>>541


【青年も先のテロに赴いた身、とはいえ、あの事件のことは、自分がいた現場以外は、】
【資料でしか知らない状況であり、そこに連なるアインという名前は完全に意識から抜け落ちていた。】
【あるのは、船の上で共闘したという記憶のみ──共闘したということは、仲間のようなものだ。】

【──額をぐりぐりされる。いだだだたと表情を歪め。】


ななななんすか? なんなんすか?──


【誠不思議そうに涙目で男を見つめる。】


/おきになさらずー
546 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/01(日) 22:21:41.29 ID:ojhQKZfTo
>>545

【自己顕示欲の強いこの男にとって暴れていたのに知られていないというのは屈辱的であり、ある意味頭のタンコブのことより怒っている】

 誰が健康のために寒中水泳などするかっ。見ず知らずの島に来たのだから海中まで探るものだろうがっ!
 お前には知的好奇心というものがないのか、小僧!

【ぐりぐり、ぐりぐり。槍の石づきがまるで火起こしのように回転数をあげていく……煙が出そうなほどに】
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/01(日) 22:28:02.27 ID:6hdjPLad0
>>534

【しばらくの間『むっにゅ』に押し潰されるように抱き締められたあと半ば気絶したような状態で抱擁が解かれた】

「うん…帰ろっか……」

【そして五本の指をしっかりと姉の指に絡ませて手を繋ぎ】

【二人は帰路に着く、二人の家へと】

【そして少年は姉と約束を交わし、同じベットで眠る】

【初めて出来た家族であり、淡い恋心ん抱いた姉と共に】

//わかりました!とっっっっても楽しかったです!!!
これからも宜しくお願いします!
大変お疲れ様でした!
548 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 22:29:37.24 ID:OEjINPzwo
>>546


──………………なぁる、ほど…。


【ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり…………】
【彼に圧倒されながらも納得した様子でこたえる──】
【そうしているうちにじゅぅううううと煙が立ち】


ンガっ!!──……んで、何か見つかったんすか…?


【ぺしん、とその槍をのけて額を押さえる。】
【「何かあるなら自分もいってみようかな」というような、安易なものである。】
549 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/01(日) 22:32:10.37 ID:LcKQhJFOo
>>544

【ゲートが揺らいで見知ったシルエットが姿を見せれば、動きは速く】
【こちらからも小走りに歩み寄って、そっと彼女を抱きとめる】

【ローブの様子や、歩き方の小さな違いを見れば】
【何かしらの戦闘に巻き込まれたのだろう、という予測はすぐに付いて】
【特に腹部の怪我を刺激しないようにと思いながらも、優しく彼女を抱きしめると】

あぁ……ああ、すまん。中々、笑って待つ程の余裕が無くてな
この数日はまったく生きた心地がしなかったぞ……?

……よく戻ったな、マリア。是非とも何があったかを聞きたい所だが
まずは休もう……歩けるか?辛いようなら、このまま……。

【そう告げて、一度何処かに座ろうか、という提案をする】
【近場には枯れたバラ園があって、そこにはベンチがあったから】
【彼女が歩けるのなら連れ添って、難しいようであればそっと抱き上げて】
【まずはそこまで向かおうとするだろう。転移でゼン=カイマへ、というのもダメではないが】

【提案しないのは彼女の体調を気遣ってか。疲れ切っているだろうし、無理は行けない】
【もっとも、望むならそれも可能だ。そこは妻である彼女の選択次第、となるだろう】

/こちらこそ、よろしくお願いしますねー!
550 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/01(日) 22:34:09.91 ID:ojhQKZfTo
>>548

【槍を弾かれるとアインは不満げに息をつき、長槍を消した】

 色々あったにはあった。何だか珍しそうな魚やら魚じゃないものやらサンゴやら……色々だ
 だが俺の気に入るものはなかったな

【砂浜をアインが歩む。足跡をつけながら、彼は数歩分、鳩ヶ谷から離れた】

 ところで、お前は何をしにここへ?

【海を見ながらアインは疑問を口にした。ここは単なる自警団、そして若者がくるような場所には思えなかった】
551 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 22:42:13.15 ID:OEjINPzwo
>>550


(なーんだ…。)

【ちょっと落胆。とはいえそんなこと口に出せばさすがに失礼。】
【頭の中で思いながら、自分のためではないが寒いなかわざわざ調べたアインに感謝する。】
【「タオルありますよ、貸しましょうか?」と述べながら、小さいがハンドタオルを手渡そうとし──】


──いやァ 、なんだか懐かしいんですよ。空気が。居心地が良いというか。 ……そんな気しません?
それと、俺のレベルアップの、なにかきっかけがあればと思いまして。


【笑いながらそうこたえる。】
552 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/01(日) 22:44:39.97 ID:WC/fdh/bO
>>538
【男は彼の回答を心から喜んだ】
【この機械は単なる摸倣ではなく、収集し学習する事を選んだ】
【他者の意見にただ同調するのは意思ではない。他者の意見を飲み込み、吸収し、自らの答えを産み出す事こそが"意思"なのだ】
【その点において、この機械は既に完全な自由意思の芽を持っていると言っても過言ではない。それがとても喜ばしいことに思えたのだ】

「私の行動理念かい?"知りたい"のだよ。好奇心と言っても良い」

【だからだろうか。あるいは自らの核心たる部分を語るからだろうか。質問への返答は今までの何処か飄々としたそれと比べて熱をもっていた】

「信念が、疑念が、聖人が、狂人が、迷い、悩み、苦しんだ先に得た揺るぎなくも尊い答え!」
「たとえ当人にしかその価値が解らずとも、否、解らないからこそ、私はそこへ至った思考へ敬意を込めて、その答えが知りたいのだよ」

【それは意思を持ち、思考を諦めなかったモノへの称賛と、至った答えに対する絶大な好奇心】

「そしてキミは私の好奇心を十分に満たしてくれた。感謝しているよ、VISOR」

【その称賛は目の前の機械にも向けられた。男は既に彼の個としての思想を評価していた】
553 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/01(日) 22:48:19.07 ID:ojhQKZfTo
>>551

【差し出されたハンドタオルにはむっとするが、やはり寒いのかアインはそれを受け取った。顔を軽く拭くと、鳩ヶ谷に投げ返す】
【外套は炎や風といった各種魔術を発動させて既に乾かしていた。内側の服や髪の毛はまだだったが】

 いや、そうじゃない。この海岸にいる理由じゃなく、この島に来た理由だ
 何故、あの海賊たちの呼びかけに応じたのだ?

【アインは軽く顔を左右に振って、質問が違うと示した】
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/01(日) 22:54:01.16 ID:ScxChr640
>>549

【やはりと言うか、何と言うか。直ぐに状況を察して抱き止めてくれる所が彼らしい】
【実際、歩くのがやっとなのだ。気丈に痛みは顔に出さないものの、深い傷は癒えておらず】
【回復魔術を使おうにも、戦闘で魔力を使い切っている為にそれも出来ない……そんな状況で】
【だからこそ、抱いて支えてくれるのが有難かった。安心したように体重を彼に預けて】

……本当に、心配させてしまったので御座いますね。
―――大丈夫で御座いますよ。ほら、私は必ず貴方の元へ帰ってきますもの!

……ああ、申し訳御座いません。実はもう立っているのも辛いので御座いまして……

【―――其れからは、彼女の言った通り。もう立っているのも辛かった彼女は、素直に抱いてもらって】
【傍のベンチまで向かう事になるのだが……なぜか彼女は少し嬉しそうに彼の腕の中で笑っているのだった】
【辛くても、痛くても、こうして笑っていられる理由は……こうして抱いてもらえるのが少し嬉しかったから、らしい】

―――こうして貴方に抱き上げて貰えるのも、あの時以来で御座いますね。
ふふっ……そう考えれば、この傷も悪くなかったのかもしれません。なんて、本当は無事でいるのが一番で御座いますが……
……重くはありませんか?

【……そうしている内に、ベンチに辿り着くだろうか。足が動かないのだ、座らせるには一苦労かもしれないが……】
555 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 22:55:39.29 ID:OEjINPzwo
>>553


──船に乗ればあのアーグってのと戦えると思ったからッスかねぇ。
スラウロットでみんなで戦ってせっかく満身創痍にしてやったのに、新しい六罪王が現れたからって理由で俺はびびっちまって…せっかく倒せるチャンスだったのに…、
自分がなさけねーから、もっかい自分の手で立ち向かいたいッス。


【少し語弊があるが…倒したいという気持ちは本物だろう。】
【そして立ち向かいたい、というのも──。】
【語弊といっても、立ち向かう勇気を取り戻したいというのが本意てあり、】
【アーグという対象は、きっかけに過ぎないものである。】

【──青年は、アインを悪いやつだとは思っていない、少なくとも、現時点では。】
556 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/01(日) 23:02:07.70 ID:s2DMPdbDO
>>542

【その叫びを聞いて、暗い路地を颯爽と駆ける影があった】
【誰かが助けを求めている──早く、早く行かなくては。手遅れに、なる前に……!】
【ひゅうと、風を切る。一歩翔る度に、大気が震える】
【走る、走る……夜色の髪が、闇になびい、て──】


…………っ、────!?

サフィ、ア……? サフィア・エレファリス────?


【その場にたどり着いたのは、18歳ほどの、少女だった】
【夜色の長髪に夜色の瞳──数ヶ月前に出会った、あの、少女】
【彼女自身は、目の前で氷を操る相手のことをしっかり覚えているのだろう】
【その目をいっぱいに見開いて……「どうして」と、そう、小さく呟いた】

【え?弟?家族が増えた?宿屋に向かったはず?】
【そんな細かいことなど気にしちゃいけない。いけないのだ!】
【……多分それはスレ世界標準時刻で昨日のことなんですそういうことにしないとタイムパラドックスがどうたらなんです!!】

/まだいらっしゃれば……!
557 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/01(日) 23:04:42.32 ID:ojhQKZfTo
>>555

【鳩ヶ谷の答えに、アインは思わず吹き出した。それから喉の奥で笑い始めた】
【己の力量を絶対的に信じるこの男がなお上だと判断せざるを得ない魔術師がいる。その魔術師に目の前の青年は挑むというのだ】
【その事実にアインは呆れはしなかった。ただ若人が夢を語ったときのような、妙な気分が胸に広がった】

 お前があのジジイに、か?
 そうか……奴はお前たちに倒されかけた、というわけか。それはなんとも愉快だな

【アインは皮肉ったような笑みを浮かべた。アーグに対してアインはある種の敬意を持っているが、同時に敵意もある】
【自警団の青年が生きたままそのアーグを追い詰めたと聞けば、バカにもしたくなるというものだ】

 夢を語るのは結構だがな、小僧。それを達成するだけの力がお前にあるのか?
 ……そうか、だから先ほど“レベルアップ”と言ったのか
 どれ、何ができるのか、見せてみろ

【両腕を組みながら、アインの瞳が見定めるように鳩ヶ谷に向けられた】
558 :VISOR ◆yX9SOcHUiw :2015/03/01(日) 23:11:32.82 ID:PE7loQvO0
>>552
【好奇心。彼が今まで得た行動理念の中では、ポピュラーなものと言えた。】
【だが同時に、それはイレギュラーな答えでもあった。好奇心とはその機械にとっては普通、自分の好きな事に向けられるものだった】
【しかし、目の前の男は「他人の好きなこと」自体を好奇心としている。この飽くなき探究心そのもの、それをVISORはその膨大容量の電子データの中に記憶した。】

[役ニ立テタ用デ何ヨリデス。「ドクター」]

【重苦しく響き渡る電子音は、男に感謝の言葉を向ける。】
【それは人に感謝される言葉を向けられた時に返すべき言葉とした、人間としてのVISORによるプログラムでしかない。所詮機械に義理や感情と言ったものは存在していないのだから】
【もとより、彼の言った「学習」というものも、非常事態での自立運動を可能にさせるシステムでしかない。】
【しかし、彼の中には確かに、この男の生き方が明確に記憶されているのだ。】

[…「TIME IS UP」。自由行動時間 超過。任務ヘ移行シマス]

【彼の身体からシステムの音が響くと同時に、彼の手足はブースタとなり、その出力でたちまち彼の身体は宙空に浮いた。】

[時間デス。サヨウナラ、「ドクター」 マタ何処カデ]

【彼は手足のブースタをふかし、空へと飛び立って行く。これから彼は、悪の組織の命のままに、悪事に赴くのだろう】
【今、交わされた会話。短く僅かであったが、しっかりと膨大な容量データの中に含まれた、男の「行動理念」は、いずれの日にか活用される時が来るのだろうか】
【その時、今回の「記憶」は、彼の取りうる行動に、どのような影響を及ぼすのか】
【それはまだ、誰にもわからない。】

【夕暮れに浮かぶ一筋の雲に、彼の影が消えていった】

/この辺で。お疲れ様です!
559 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/01(日) 23:15:10.33 ID:LcKQhJFOo
>>554

重いか、というのは愚問だな。以前と変わらずだよ
お前のことなら何時でも、どれだけでも支えてやれるとも。

……しかし、傷を負ったのが悪く無いというのは感心せんな
言えば毎日でもしてやるぞ。毎朝こうして起こしてやっても良いし……
なんなら、寝るときもベッドまで運んでやろうか?

【冗談とも本気とも――少し笑っているから、前者だろうが――言葉を返すと】
【抱き止めた時と同じように、そっとマリアをベンチに座らせて】
【足が動かない様子を見ると小さく顔を顰めてから、彼女のすぐ隣に腰を下ろし】

さて、まずは傷を簡単に治すぞ。……それと、どうだった?
エルヴェツィオも一緒に乗っていたが、奴の事も併せて聞いておきたいのだ

【"何があったのか"――彼女の肩に手を置いて、治癒の魔術を発動し】
【その身に負った傷を徐々に回復させようとしながら、端的に尋ねるのだった】
【まだほとんど情報が入っていないのだろう。特に足の麻痺は気になるようで】
【もう一方の手――指輪の輝く左手で、マリアの手を取りながら目を向けた】

/次のお返事が少し遅れてしまうやも……30分以内には戻りますので…!
560 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/01(日) 23:20:04.54 ID:OEjINPzwo
>>557


……、俺は能力を得たとき、世界が広がった感覚になった。なんにでも立ち向かえるような感覚を得たッス。
自分のこと、主人公か何かかと勘違いしてしまったこともある。


【倒す力、たとえそれがなかったとしても──彼は立ち向かう勇気が欲しかった。】
【勇気を手にいれるには、力が必要で、戦いの中でそれを得るのも一つの方法ではあるが、】
【新しい環境に触れるというのも、強さを手にいれるきっかけになりうるはずだと青年は考えている。】

【青年はひとりでに語り出す。】


俺は主人公じゃない。分かってる。でも誰にだって限界を越えることはできる。
エースなら、ここぞというときに、150km/h≠達成できるッスよ。

──きっとここにきっかけがある……。んだ !


【青年は嘴を出現させた。──強い鼓動を感じる。】
【男に背を向けて、浜辺にあるヤシの木へ向けて嘴を放った──。】


【──放たれた嘴は軌道の中で姿を変える 。】
【あのテロ事件の最中、姿を表した、史上最大の翼竜の姿に──】


──これが俺の150km/h <bス


【ヤシの実を薙ぎ倒す。その存在を背後に、アインの方へ向き直った。】
561 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/01(日) 23:46:34.59 ID:WC/fdh/bO
>>558
「もう時間かね、寂しい事だ。また何処かで出会える事を願っているよ」
(そして願わくば、キミという意思が誕生する事を)

【後半は言葉にせずに、別れの言葉を返す】
【悪事に赴くであろう彼を止めるような事はしない。男にとっては悪事も尊重すべき答えのひとつでしかないのだから】
【飛び去る彼を見送って、冷めたコーヒーを一口啜り、また町へと歩き出す】
【また面白いモノでも転がっていないかと、ひとりゴチながら】

//お疲れ様です!有り難うございました!
562 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 00:02:56.19 ID:GwcWfFZ0o
>>560

【嘴。それに続く翼竜の巨体。鳩ヶ谷の力の顕現と強い言葉に、アインは在りし日を思い浮かべて目を細めた】
【かつてこの男にも若い時代があった。夢と希望だけに溢れていた時があった。それを、鳩ヶ谷の言葉は連想させた】


 ──────なるほど、な。それがお前の出す、“エースの一球”というわけ、か


【アインの口調は優しげなものだった。老人が、若人に語りかけるようなものだった。彼の胸中には懐かしいものが広がっていた】
【アインは目を伏せ、再び開く。瞳には鋭い光が宿っていた】


 懐かしいな
 俺にも、お前のような時代があった。魔術を使えるようになったとき、俺はこの世の全てを手にしたと思った
 お前のように自分を物語の主人公だと確信し、困難は乗り越えるためにあるのだと、そう思っていた時期があった


【アインの脳裏に広がっていたのは色褪せた光景。学舎、友人、恋人、師。友と夢を語らい、学び、光の道を歩む姿】
【その全てが燃え尽き、暗闇の中へと消えていった。何もない闇の中を、ただ一人で立つ己の姿があった】


 ──────そして、誰もが限界を超え、エースならばいざというときに壁を突破できる、と考えていた時期も、“あった”


【パチン、と小さな音が響いた。アインが指を鳴らした、ただそれだけだった】


 これは──────お前への“餞別”だ


【光が、周囲の闇を吹き飛ばした】

【翼竜のその更に先。遠方に広がる森の中心から閃光が広がった。目がくらむほどの光の中に木々が吸い込まれていく】
【離れているアインと鳩ヶ谷の元にも轟音、続けて熱波が襲いかかる】
【衝撃波が砂浜の砂を舞い上げて二人に吹き付ける。強烈な熱風が海まで広がり波を逆方向に押し返していき、光が夜を昼に変えた】

【光が収まったとき──爆発の中心には、何も残されていなかった】
【森の中心には円形の空間が出来上がっていた。木々どころか地面も衝撃で吹き飛び、巨大なクレーターとなっていた】
【爆心地から遠い箇所でさえも衝撃波で木々がなぎ倒されて葉のほとんどが散らばっていた。葉っぱや枝の欠片が砂浜にまで到達している】


 アーグは、俺よりも更に上位の魔術師だ。お前の力では全くもって、奴には及ばないだろう
 お前もいずれ、その考えを捨てるときがくる

 人間は誰も、エースになどなれないのだと


【アインはただ前を見ていた。前を見ながら、彼は昔を見ていた。その瞳は沈痛さを湛えていた】
【だが彼は頭を軽く振り、幻想を振り払った。それから鳩ヶ谷へと改めて向かい合った。悲観的な考えへの、答えを聞くために】
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/02(月) 00:12:31.48 ID:B6HcSqtV0
>>559

―――自分で訊いておきながらですが、貴方ならそう仰ると思っておりました。
貴方はいつだってそうですものね。何を言わずとも支えて下さるのですもの……本当に、有難う御座います。

あら、本当で御座いますか?それならこうしてベッドまで運んでもらいましょうか!……なんて、冗談で御座いますよ。ふふっ……
(……でも、悪くないかもしれませんね。今度本当にベッドまで抱いて貰おうかしら……)

【冗談とは分かっていても、少しだけ想像してしまう。……そうやって寝室まで連れて行ってもらうのも悪くないかな、って】
【まあ冗談は冗談とは分かっているから真に受けたりはしないだろうけれど。……って、あれ?少し本気にしているような様子……】
【……数日後、足が治ったのに寝る前に抱っこをお願いするマリアの姿が見られるかもしれない。……その時は、抱いてあげて下さい】

【そして、彼の手によって治癒魔術が施される。流石に現職の大司教、教会魔術のトップクラスともあればその効果はてきめんで】
【短刀を刺された深い傷も、神経を蝕んでいた麻痺毒も、徐々に確実に治っていく。そうして傷が癒えていく内に】
【尋ねられた事、即ち今回の航海中の出来事を此方も端的に手短に答える―――】

……島に到着する直前に、アーグ元大司教と大型の龍に遭遇いたしました。
龍というのは文字通りあの伝説上の生物その物で御座いまして、非常に強力な雷撃を操るので御座います。
それこそ、船舶一隻を丸ごと焼き尽くすような電撃を放つくらいに……まともに浴びれば恐らく一溜りも無かったでしょう。

この傷も、足の麻痺も、その際の戦闘でアーグから受けたもので御座います。
他にも服従の術を掛けようとしたり……私を自分の手に落としたいなどと言っておりました。

エルヴェツィオ様には、精神に何かしらの術を掛けたようで御座いました。……彼は、それに屈することなく立ち向かわれていましたが。
……戦いの後は、非常に心理的に参っていたようで御座います。今度出会った時は、どうか彼を労ってあげて下さいな。

私に掛けようとした服従の術や、エルベツィオ様に掛けようとした術……心や体を操る術に長けているようで御座いました。
操ると言えば、他にも―――アーグは、禁術を操っていました。死者を、……スラウロットの犠牲者を、死して尚操って怪物と為し利用していたので御座います。
異教徒は人ではない、などと―――

【声が、震える。夥しい数の命を奪っておきながら、それを虫を殺すにも足らぬような感情で弄んでいた―――その事を許すことが出来ず】
【この時ばかりは、湛えられていた微笑みも消えて険しい表情となる。……彼女は怒ったとき、このような表情をするのだろう】

……彼らは、私が祈りを捧げました。せめて、人として天に召されるように……

島には、貴方の旧友がいました。島の何処かでアーグと彼が待っているから、探し出せと……
島へはそこのゲートで誰でも行き来が出来ます。……それどころか、島には休憩できる小屋も御座います。
―――島は、どうやら誰かの過去の記憶に残る物が現れているようで御座います。まだ詳しくは分かりませんが……気を付けなければいけないようで御座います。

【これで、説明は終わり。彼女の知る限りの現況を話したが、彼には伝わっただろうか?】

……一度、ゼン=カイマまで戻りましょうか。子供達にもきっと心配させたでしょう、ちゃんと顔を見せてあげないと!
それに、貴方に渡したい物も御座いますから……

/すみません、イベントを振り返ったりしていたら遅くなりました……!
564 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/03/02(月) 00:18:21.95 ID:oP6ua6bJO

>>556

【名前を呼ばれ、少女は更ににこりと微笑む】
【ずっと憧れていた夜色】
【いつかああなりたいと思っていた『わたしの、ヒーロー』】

……嬉しいなあ、覚えててくれたんですねリーベさん

何を驚いているんですか? 
前に会った人物が偶々能力者だった……有り得ない話じゃないでしょう? 

……でも、リーベさんかぁ…………
【ハズレ、かな? と呟いて少女は触れていた男の身体をトンとリーベの方へ向けて押し出す】

……この人はあげますね、煮るなり焼くなりお好きなように
【そういって笑いかける女の子は、嘗てと全く変わりなかった……が、その瞳は何処か諦観の色を秘めていた】


565 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/02(月) 00:30:43.48 ID:pQHnAIjAo
>>562



────────∞!!



【爆音、暴風。──あまりにも強力で圧倒的な力=z
【そしてこの男のいう、越えられない壁の存在。】
【アーグという存在は、この男以上だと言う──。】
【あまりにも、重みがある言葉、そして現実──。】

【………そう、なのだろう、自分はエースにはなれない。】
【人間誰しも、主人公にはなれないのだ──。】
【──それでも。】


……──アインさん。限界を越えたら、もうその先に壁ないッスよ。
越えた経験がある=Aそれだけで、もう諦める気持ち(限界)はなくなるんだ。
俺はたった今壁を越えられた。ならもうなんにでも立ち向かえます。

──俺は主人公じゃあないけど、立ち向かえます。俺はその気持ちを、絶対嘘にしない。


【青年は、限界≠、諦め≠ニ言い換えた。】
【そして、諦め≠かなぐり捨てる意地を示した。】
【胸に手をあてて、本物の力を目の前にして、意志≠貫く覚悟≠、】
【覚悟≠突き通す、意志≠──。】

【青年は、仄かに笑みを浮かべていた。】
566 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/02(月) 00:32:02.80 ID:PSf4tmjDO
>>564

【最後にあった時は、こんな瞳をしていなかった】
【もっと無鉄砲で、もっと、明るくて、もっと、もっと……!】


……サフィア、どうしたんだ?
一体何があったんだ……!!


【とん、と男の身体がこちらに押されれば、リーべはコートを脱いで男にかける】
【男がその場から逃げ去るようなことがあれば、とりあえずコートは返してもらうのだが……】


サフィア……お前と会って、何ヵ月くらい経つ?
その表情──何もなかったわけ、ない、よな……?
この数ヶ月。お前に一体、何があったんだ? お前、何を、してたん、だ……?


【──変わらない。この夜色は、何も変わらなかった】
【「あの時」だって、サフィアの行動に対し「何故」「どうして」と問いかけた】
【そして今も──彼女は問う。何故、そんな表情をしているのか、と】
567 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/02(月) 00:44:27.13 ID:+yzw/Ipzo
>>563

……ほう、冗談で良いのか。それなら、こうして怪我をした時以外は無しだな
私としては毎日でも全く構わなかったのだが……フッ、"冗談"だよ。

【――さて、それから話を聞く間はいつもと同じく静かだった。聞く姿勢、というやつだ】
【真っ直ぐに目を見て、時折頷く。眉にシワが寄るのも――まあ、いつものことで】

【アーグと龍の双璧。スラウロットの犠牲者を用いた禁術の使用】
【なんとなくだが、想像した通りではあった――そんな反応が返ってくる事だろう】
【尋常な悪霊ではないのだ。禁じ手を使うことは、ある程度予測出来てはいた】

【だが、その反応があからさまに変わったのは『服従』の件だった】
【親友であり、同輩であるエルヴェツィオ。気高い彼を術で従えようとする魂胆や】

【自身の妻である彼女を『手に落とす』と言った内容には――憤怒、とでも言えばいいのか】
【ピキ、とこめかみが筋立って。眉に寄ったシワは、深く額まで刻まれる】
【その顔を見せたくないのか――或いは小さな嫉妬でも抱いたか】
【この時ばかりは顔を背けて、枯れた薔薇園にじっと視線を注いだりするのだが――】

……相変わらず腐った男のようだな、我らが100年前の大司教殿は。
やはり確実に始末する必要がある。……まずは、カテドラルを奪還せねばならんが…――。

しかし、そうか。……よく生きて戻ってきてくれたな、マリア。
島については、騎士団を編成して慎重に調べることとしよう
休憩所などとふざけているようにも思えるが、恐らくダグラスは本気だ

この邸宅……敷地も奴の者だが、既に誰も居なかった。
となればやはり、ドラクレア島に身を潜めているのだろう。
アーグも間違いなく其処にいるようだし……傷が落ち着いてからで構わない。

【『今しばらく、その力を借りるぞ』――と。『借りたい』ではなく、少し強気にそう告げて】
【そっと髪を撫でてやると、他者には見せないようなにこりとした笑顔を向け】

……ああ、一度帰ろうか。子どもたちはもう寝ている筈だが
朝になってお前が戻っているのを知ればきっと喜ぶだろうし……お前が居ない間、大変だったのだぞ?

【そうしてちょっとしたエピソード――例えば、子供たちが中々寝付かなかっただとか】
【或いは、遊びに誘われ続けて大変だったとか。そういったことを話しつつ】
【折を見て、転移の術を発動する。僅かな時間を置いて、眼を開けば寝室で】
【ちょうどベンチがベッドに変わった形。より暖かで柔らかい感触が伝わることだろう】

/いえいえ、お気になさらず!
568 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 00:47:17.61 ID:GwcWfFZ0o
>>565

【アインは笑みを浮かべる青年を真っ直ぐに見て、その言葉を聞いた】


 ────────そうか


【アインは小さくうなずいた。決して、青年の答えを正しいとは思わなかった】
【いずれ彼も膝をつくときがくる。壁を前に、諦めるときがくる。この世界に夢や希望はないと気づくときがくる】
【それは予想ではなく、確信だった。しかしそうだとしても、彼の言葉を否定する気にはならなかった】
【かつて自分がそうであったとしても──かつて自分が、そうであったからこそ】


 ならば、俺たちに追いついてこい
 現実を変える力を身につけ、この世を理解する知恵を学び、その魂を携えて追いかけてこい
 そうすれば、あるいは──────この俺を、倒せるようになるかもしれんな


【アインは笑みを浮かべた。挑発するような笑みを。言葉には目の前の青年に対する期待が込められていた】
【鳩ヶ谷に背を向けて、彼は砂浜を歩き始めた。彼の前へと、足跡を残しながら】
【その姿は、夜の闇の中へと消えていった】


//こんなところで。お疲れ様でした!
569 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/02(月) 00:55:25.31 ID:pQHnAIjAo
>>568


(追い付くさ──……すぐにでも。)──任せろ。


【男の挑発も受け止める。基より、彼の念願は。】
【「どんな強大な悪にも立ち向かい、殴って聞かせてやること」──】
【この男よりも強い悪がいるのなら、越えなければなるまい。】

【そのためには──。】


これを使いこなさなきゃなァ…。


【青年は独り夜の浜辺で両手剣を抜き放つ。】
【それを大きく振るうと、刃が無数に分離──その中央を雷竜の髭を加工したワイヤーで繋ぎ、】
【連なって≠オなったかと思えば、刃のひとつひとつが、帯びた電気を放出する。】

【──その日は朝まで、夜の闇を電気が照らしたという…。】


/お疲れさまでした!
570 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/03/02(月) 00:57:41.55 ID:oP6ua6bJO

>>566

……何があった、と言われましても……
【目の前のリーベの驚きや戸惑いなどどこ吹く風、といった様子で少し困ったようにポリポリと頬を掻くサフィア】

【男は震える唇で礼を言うとコートを身体に巻きつける】
【寒さが治まれば男はコートを置いてその場から逃げ去る事だろう】

【サフィアはリーベの問いに一瞬遠い目をするがすぐににこりと笑い「何も? 」と答える】

……ただ普通に働いてお金を得て旅を続けていただけですよ? 
その過程で様々な人に助けられましたが……本当にそれだけです
特に変わった事などありません
【声も、表情も、以前と全く変わりのないサフィアだ】
【しかし、やはり何処か冷たさがある】
【それからもう一つ、気付く点としては片手に包帯らしき物が巻かれているという事なのだが】


571 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/02(月) 01:09:03.32 ID:PSf4tmjDO
>>570

(変わった……なんだろう、どこが変わったとかは、わからない──けど)
(変だ。おかしい……なんだ、この、違和感、は……)


【特に変わったことなどない、と言われてしまえば、リーべは何も言えなくなってしまう】
【角が生えたわけでも、翼が生えたわけでも、闇のオーラを纏っているわけでも、ないのだ】
【それでもサフィアから伝わる冷たさに……違和感を覚える。覚えて、しまう】

【なんて話そう。どう、話そう──「理由」を話そうとしない相手に対し、リーべはひどく弱かった】
【焦る。気持ちが、から回る。どうにかしなくてはという感情のみが、先走る】
【──目の前にいるのが、知り合いだというのが、リーべの焦りをより一層深くさせてしまっていた】


……、…………?
サフィア、怪我、しているのか──?


【そうして見つけた、片手の包帯。何か、あったのか。誰かと戦いでも、したのか】
【怪我をしているんなら、ちゃんと治療しないと……そう、思い】
【ひどく心配そうな表情で、リーべはサフィアの、包帯が巻かれた片手に、触れようとしていた】
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/02(月) 01:20:57.17 ID:B6HcSqtV0
>>567

【―――だが、実際は「手に落とす」事は出来なかった。この事実は間違いなく二人の心の強さを示している】
【マリアの心は如何なる術や毒を以てしても落とす事は出来なかったし、エルヴェツィオの信頼はアーグの術も耐えて見せた】
【その確固たる事実も、彼に伝える。「―――私も彼も、貴方の事を強く信頼しているからで御座いますよ」、と。】
【嫉妬する必要も無く、アーグの手に落ちる心配も無い。―――彼女はいつだって、彼の事を心から愛しているのだから】

……間違いなく、彼の企てている事は災いを齎す物で御座います。
―――あ、その槍の事で御座いますが……いえ、この事は家に帰ってからに致しましょう。

……約束しましたもの、何時までも貴方の傍に居るって……ですから、こんな所で死ぬ訳には参りません!
私は、どんな所へ行ったって必ず貴方の元へ笑顔で帰って参りますよ。これからも、貴方の笑顔を見る為に―――

―――勿論で御座います。私の力、存分に頼って下さいな!

【彼の強気な言葉に、当然だと言わんばかりに笑顔で頷く。頼まれずとも、元よりそのつもりでいるのだから】
【撫でられれば、気持ち良さそうに目を細める。……こうやって撫でられるのも、手の感触を感じられて好きだ】
【―――話を終えると、一旦帰る事になるだろうか。自分が不在だった時の事を聞けば可笑しそうにくすりと微笑んで】
【「少しは私の日々の苦労もお分かりいただけましたか?」なんて悪戯っぽく笑ったりするのだった】
【実際、食べ盛り遊び盛りやんちゃ盛りの子供達を十人以上も抱えていれば、その苦労もいかばかりか……】
【……転移魔術が発動すれば、二人は寝室に居ることになる。―――今日はそのままもう休むか】
【着替え終えれば、今日はもう寝ることになるだろう。治癒魔術を受けたとはいえ流石に疲れと眠気はあるから】
【こうして一緒に寝るのも一週間以上振り。やっぱり一人で寝るよりこっちの方が落ち着く……】

【彼女の言う「渡したい物」は、翌朝起きてからになるのだろう。気が付けば、もう彼女は横で静かに寝息を立てていて―――】


//すみません、キリの良い所なので一旦凍結で宜しいでしょうかっ!
//明日こそは9時には再開できると思いますので……!
573 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/02(月) 01:23:38.26 ID:+yzw/Ipzo
>>572
//了解であります!でしたら、お返事は日中にでも、と思いますので
//今日はこの辺りに致しましょう。再開は明日夜9時予定、で構いませんが
//どうか無理だけはなさらず……それでは、一旦お疲れ様でした!
574 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/03/02(月) 01:32:20.55 ID:oP6ua6bJO

>>571

【ふわり、と時折吹く風は本来の外気よりも更に冷たい】
【恐らく、彼女の能力の一端なのだろうか】

【戸惑う相手を少し首を傾げながら見るサフィア】
【そうして漸くリーベから紡がれた言葉を聞くとサフィアは、あー……と苦笑を浮かべる】

……何だろ? よく言う「クソッ、壁殴っちまった……」ってやつですよ
あまり心配しなくても良いですから……ね? 

【触れた片手は、能力を使用した所為なのかひやりと冷たい】
【そして、うっすらと血が滲んでいる】
【触れて判るのかはさておき、その傷は結構酷いようだ】


575 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/02(月) 01:47:05.64 ID:PSf4tmjDO
>>574

(冷気……? サフィアの能力か何か、か……?)

──サフィア。少し、うちで休んでいくか?
この怪我だって、だいぶひどい。壁を叩いたにしても……血が滲むまでやるのは、やりすぎだ!


【──戸惑いが、初めて叱咤に変わった】
【心配しなくても良い。そう言われたところで、目の前に怪我人がいるんじゃ心配だってする】
【きっと何度サフィアが宥めすかしたところで……駄々をこねる子供のように、リーべは彼女に気をかけるのだ】


心配するな、だと……!?
するに決まってるだろう……こんな、血を滲ませて!!
壁を殴ったところで、簡単に血なんて出ない!!
何か、そうなるほどの何かがあったんじゃないかって考えるのは当然だ!

……サフィア。私は……何も知らないうちに、友達が傷付いていくのを見るのは……イヤだぞ……


【び、り──いつぞやのように、大気が震えた】
【彼女の片手に触れたまま、リーべは思わず叫んだ。どうして、と】
【どうして、そんなに傷があるのに──平気でいられるのか。どうして……】
576 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/03/02(月) 02:11:11.06 ID:oP6ua6bJO


>>575

【休んでいくかと問われれば、壁を叩くにしてもやり過ぎだと叱咤されれば、彼女は何処か気が抜けた笑みを浮かべて、変わんないなぁ、と呟く】

【そして、更に叱られて大気が震えればサフィアは、やっぱり、と笑って】

……リーベさんはあの時からずっと変わんないんだなあ……
真っ直ぐで、他の人を好きで、挫折した人を導いたりもして
……知ってますよね? ファラエナちゃん
あの子を励ましてあげたんですよね、貴女は

…………わたしも、できれば────


……やめよ、不毛だこれ

【大気が震えるのも構わず微笑みを浮かべ語るサフィア】
【その声にぽつり、と悲しげな色が混じり】
【最後にはまた諦観が混じる】
577 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/02(月) 02:23:49.92 ID:PSf4tmjDO
>>576

ファラエナ……? サフィアもあったのか
ふふん、懐かしいな! あいつは「宿題」の答えをまだ探してるんだろうなぁ
私自身、あいつに出した「宿題」の正解を見つけられてなくって……。……サフィア?


【懐かしい名前を、聞いた。あの時は一緒に路地裏で人を探して、夜の散歩もして、空を飛んで】
【それで、友達になって──リーべの中で、あの燐光を纏う幼子の記憶が甦る】
【ファラエナにも、だいぶ会っていなかった。風邪、ひいてはいないだろうか……そんな考えが、浮かんでは消え】
【ふとそこで──サフィアの気持ちが、垣間見えた気が、した】


……何が、不毛なんだ。サフィア

ひょっとして……何かに、落ち込んでいるのか
「私も、できれば」──「できれば」、なんだ
……サフィア。もしかして──……。

もしかして──誰かを助けようとして、助け、られなかったのか


【それは単純な、連想ゲームだった。言葉の端と端を繋ぎあわせ。記憶の角と角を紡ぎあわせ】
【──たどり着いたのは、その結論だった】
【サフィアはもしかすると……あの夜の「私」のように、なりたかったんじゃないか、と】
578 :リーべ ◆my2He3rcPs :2015/03/02(月) 03:06:26.81 ID:PSf4tmjDO
>>576
/ごめんなさい、だいぶ眠気がきつくなってきました……
/ここで別れたことにしても、凍結でもどちらでも大丈夫です
/別れた場合、携帯で呼び出しくらった挙げ句「また様子見にくるぞ覚えておけ!」的捨て台詞をはいて立ち去ったことにしていただければ、と
/凍結の場合、こちらは明日の夕方くらいから再開は可能かと思います
/こちらから絡みに行っておいてすみません……お先に失礼します。おやすみなさい
579 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [sage saga]:2015/03/02(月) 03:18:36.82 ID:XyfFGNpO0

>>577

……はい、つい先日
あの子はまだ頑張ってましたよ? 
あの子にはあのまま真っ直ぐ育って欲しいものです

【ファラエナに会ったのかと問われれば彼女はまたにこりと笑って頷く】
【サフィアもまた彼女と“友達”になった。終わりは、喧嘩別れ、であったが】

【そして、何かに落ち込んでいるのかと尋ねられれば彼女は慌てて「あ、いえ! 何でもないんです! 」などと否定し】

──違いますよ
ちょっとだけ違うんです
誰かを助けようとしました。でも、もう他の人に助けられちゃったんです
……でも、そいつが最悪な奴で
忘れ物を届けてあげたら迷惑がられるし、ムッときて嫌みを言っちゃったのにどこ吹く風で響きもしてないし……

────憧れを、見下されるし

【ぽつり、とそう呟いた瞬間サフィアの口から堰を切ったように言葉が溢れる】

……私、あの後UTの人とかSCARLETの人に助けてもらう事があって、良いなって思ったんです
私もそうなりたいなって、誰かに助けられるだけじゃなく誰かを助ける人になりたいなって
リーベさんや鈴音みたいに、SCARLETのお侍さんみたいになりたいなって
誰かにとっての『正義の味方』に、『正義のヒーロー』になりたいなって……!! 
だから人を助けようとした! 
それなのに……他の人に助けられてて、ただでさえも空回りなのにもっと酷くて……
彼奴、自分は教会だって……UTやSCARLETや自警団なんかとは違う教会だって言った……
彼奴……私の憧れを嘲笑したんだ! 
そりゃ私はそんな組織にあまり関わりはないし憧れてるだけの人間だけど……私が憤るのは変だけど……それでも……悔しくて……
でも……そんな他人の憧れを踏みにじるような奴でさえ誰かを救えるのにって思ったら「もういいや」なんて思えてきて……
「力のないお前なんかが正義の味方になれる訳ない」なんて言われたらじゃあもう良いよってなって……
……でも、気付いたら誰かを助けようと飛び出そうとしてる私がいる
……余計な御世話なのに小さな子に「お母さんは? 」なんて聞いてる私がいる……
正義の味方なんか……馬鹿みたいって思ってるのに、憧れるのはやめた筈なのに……まだ諦めたくない私がいる
やめたくて、諦めたくて、やめたくなくて、助けたくて、なりたくなくて、諦めたくなくて、なりたくて、悔しくて、見返したくて、壊したくて、分からせたくて
……もう、分かんないんだ
頭の中ゴチャゴチャ過ぎてどうしようもないんだよ……
【弱々しい声で言い終えると同時に崩れるように座り込む彼女】
【空気は、一層冷たさを増して】



/>>578
了解です、では凍結ということで……



580 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/02(月) 03:46:27.33 ID:+yzw/Ipzo
>>572

【寝室へ転移すると、一挙に空気は緩んだように思える。そのせいか、は分からないが】
【ふと横を見れば妻はもう眠りに落ちていて、よほど疲れていたのだろうと髪を撫で】
【静かで安らかな寝顔を眺めながら、やがて自分も眠りに身を任せ――そして、朝】

【――彼女が眼を覚ますのは、きっといつもよりも遅い時間になるだろう】
【日は窓から差し込むほど高く、子供たちは学び舎に向かったのか静かなもので。】
【きっと疲れているだろうから――なんていう、言葉にもしない配慮の結果であったりするのだが】

ん……起きたか。おはようマリア、傷はもう良いのか?
まだ歩くのが難しいというようであれば、今日一日は"あの時"のように手を貸すぞ?

【あの時、というのは勿論昨夜のことだろう。――本来、この時間は大司教として職務中の筈だが】
【司教に準ずる人員に仕事を任せたのか、フレデリックは椅子に腰掛けて外を眺めていた】

【今日は晴れ。気温も高く、休みをとったからかその格好は大司教服――つまり、ローブではなくて】
【何処かで見たような、ジーンズと白いシャツなんてものだった。曰く、「洋服も悪くない」らしい】
【砂糖もミルクも入っていないブラックコーヒーを飲みながら、というのは中々画になる格好で。】

/先にお返事だけしておきますねー
581 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/02(月) 13:27:45.76 ID:UYZXZI0W0
>>467

【戦う事に対する理由づけ。それは、きっと各々が抱えた自身の正義に拠る所が大きい。】
【ライラにとっての正義がどういった物なのか、この言葉を聞いただけではその全てを察する事は出来まい。】
【だがしかし、それでも理解が出来るとすれば、彼が自分に嘘を付けない―――という、真直ぐな心を持っている事だった。】

【子供の喧嘩と変わらない。やっている事は、自分と相手との、譲れない部分のぶつけ合い。】
【それはとても純粋で、そしてそれ故に決してブレる事の無い、ハッキリとした彼の"根拠"であった。】
【そう―――根拠。戦う為の、根拠。戦う自分を赦す為の根拠。敵を殺す事を認めて貰う為の、残酷な根拠だ】

 ―――……ダメ、とは言わない。それが君の原動力なら、アタシは羨ましいとしか、言えないよ。
 君は綺麗だ。潔白な人間だ。純真な存在だ。アタシの様に別の何かに縋ろうとせず、自分に正直に生きる人間だ。

 でも、それじゃあつまり―――

 ―――――――――――――――――――君は今も昔も、"自分の為"に、相手を殺してる。


 そういうこと―――――――なんだよね?


【縋る正義を、自身の心根に求めると言う事は、つまり。】
【エゴをぶつける、と言う事だ。腹が立った、だから殺す。だから戦う。】
【誰にも否定される事の無い完璧な理屈。だからこそ、それは凶器の様にも、見えた。】


 自分で納得がいくように、自分が怒っているから、それを発散する為に、君は杖を振るう訳だ。 
 それはとても素晴らしい事だと思う。アタシも―――ずぅぅっと昔は、そうだったから。

 お金の為だけに引き金を握る、アタシはその時機械だった。
 お金を求める心を持ってはいても、ただの機械だった。
 
 ブレないよね。そうやって自分の為に戦う内は。羨ましいよ。

 でもね……一度正義を掲げたら、もうそうはならないんだ。
 誰かの為に、と思った時点で、正義と言う言葉に、アタシはずっと呪われてきたんだ。
 
 気が付いたんだよ……いや、気付かされたんだよ。あの"肉屋の彼"に……

 アタシは―――セリーナ・ザ・"キッド"は。

 本当は自分の為に戦う人間の癖に。
 
 臆面も無く正義を騙っていた、ただのペテン師だ、って。


 ……だからもう……アタシには、帰る場所なんて、ない。
 武器を握る資格も……君の様に戦う事も……静かに生きる事すらも、許されない。赦せないだろう。

 ―――……それなら、この歪んだ人間に引き金を引くのは、せめて自分でありたいと、そう思っていたのだけど。

 丁度良いや……ねぇ。ライラ君?



【脚を引きづりながら、立ち上がったセリーナはライラへとしな垂れかかる。】
【そして半ば抱きつく様な形で―――彼の持つ杖を引っ掴み、自分の喉元へと宛がいながら】



 こんなアタシにも……" 腹 が 立 つ " でしょ……?


【この女は―――何を、言っているのか。】
582 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/03/02(月) 14:04:04.04 ID:xpnoEylAo
>>581

「……。

 ……あぁ、そうだ。俺は自分のために戦ってる。
 世界平和とか、考えてないわけでもないけどよ―――それでも一番は、俺のためだ」


【最初は、自分の魔法を認めて欲しいなんていうそれこそ子供のような欲望から放浪の魔法使いを始めたライラ】
【その内何回か戦闘に巻き込まれ、胸の内に沸き起こる沸々と煮え滾った感情を、悪に……カノッサ機関にぶつけていた】
【それでも結局、結局は自分の為なのだ。ライラは否定しなかった】

【そしてセリーナの口から語られるのは、彼女もライラと同じ、自分の為に行動する"只の機械"だったということ】
【"誰かの為"と思ったその時から、"自分の為"に行動することはできなくなるということ】
【正義という仮面を被り、"自分の為"に行動する―――そんな、人間だったということ】

「……"肉屋の彼"……!?

 ――――――……カニバディールの野郎……」

【その言葉に該当するのは1人しか居ない。ライラの因縁の相手、幾ら戦っても倒しきれない、人食いの人外】
【歯ぎしりこそすれど、今必要なのはセリーナの病んだ心を開放すること。でも、思いつかない。どう言えば良いのか】
【考えれば考えるほど、セリーナと同じ考えへとはまっていく。―――もしかして自分も、セリーナと同じペテン師ではないのか、なんて】
【……どうすれば、いいんだ】


「……!?


 セリーナ……ッ、お前……お前まさか……!?」


【ぐちゃぐちゃになった思考を、セリーナの身体が強制的に引き起こす。彼女の手が掴んだのは杖、ライラの象徴】
【ソレを喉へと宛てがうセリーナに、思わず声が出る。恐怖と、そして絶望が入り混じったような声で】
【―――放て、そう言っているのか。正義組織UTリーダーの、この女が】
583 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/02(月) 14:19:35.10 ID:UYZXZI0W0
>>582

【醜いと思う。何もかもが。セリーナだけではない。この世界、その物がだ。】
【破壊の中で産声を上げた、ほんの少し優しかっただけの狂戦士に、】
【ペタリと貼られた"英雄"等と言う、くだらないレッテル。】

【掲げる正義は相手を否定する為の強力な武器―――】
【安全な位置から相手を否定する為の、縋る事の赦される"地位"。】
【相手が悪で。自らは正義。だから、攻撃できる。だから倒して良い。殺して良い。】


【―――醜い。自らを悪だと理解している悪に比べて。】
【この世界の抱える、"正義"という存在を取り巻く全てが―――、】
【酷く、空虚に思える。そしてその思想は、一度心に住み着いたが、最後。】


 ―――撃って……。
 それが、アタシの歪んだ生き方に、
 アタシ自身がケリを付けられる、唯一の方法だから。


【―――蝕んでいく。かつての正義も。いつかの笑顔も。みんな、みんな。】

 
 撃ってよ……おねがいっ……、終わらせて……もう、アタシには……っ……なに、も……っ。






【――――――――――――ドン。】
【という、銃声と共に、セリーナの身体が崩れ落ちたのは、寸刻後の事だった。】


 
 「……チッ。こんな所に逃げ出してやがったか。」


【橋の向こう、セリーナの背後から現れたのは1人の男であった。】
【ライダース・ジャケットを身につけ、上下ともにレザーで固めた厳つい風貌。】
【そして片手に握られたのは一丁の猟銃―――銃口から煙を上げるそれが意味する所は……、】


 「……ん? おいおい、誰だお前は。そこで何してる? そいつ薄着だが娼婦じゃねえぞ、女が欲しけりゃ街の方へ行きな。」


【この男が"撃ち"―――そして、セリーナが"倒れた"、という所か。】
【だが銃で撃たれたにしては衝撃が軽すぎたし、なにより血も飛び散っていない。】
【それどころか、男の方は人を撃ったと言うのになんとも、軽そうな態度で飄々とすらしていて。】

【―――逃げ出していやがった。その言葉を聞く限りでは―――患者服を着ながらこんな所をうろついているセリーナの、知りあいか。】

/次、少し返レスが遅くなります。
584 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 14:37:15.89 ID:emowoG3No
【ドラクレア島・砂浜】

【ターコイズブルーの海、真っ白な砂浜、燦然と降り注ぐ陽光。ここは南の島……ではなくドラクレア島。人外魔境である】
【古龍やら何やらひと狩りいけそうな島ではあったが、海岸は平和なもの。波の音とそれに紛れる微かな鳥の囁きが聞こえる】
【それぐらい、平穏なものだった】

【砂浜の中に不自然に樹が立っていた。太い幹にいくつもの枝が分かれ緑の葉を生い茂らせている。根元はしっかりと砂に埋まっていた】
【その下、葉が作る影の中に岩で作られた机。上にはアルミ缶と本が一本と一冊】
【隣には氷で出来た立方体。上の面に凹みができていて、中には水と氷の塊と、いくつかのアルミ缶が入っていた】
【そしてもう一つ。木と布が組み合わさってできた椅子と、それに座る男の姿があった】

 ……大人しくリゾート地にしてカノッサ機関の収入源にすればいいものを

【男の口が上機嫌そうに呟いた。男の名はアイン。この島に招待されて船でやってきた魔術師だ】
【いつもの赤黒い外套は椅子にかけてあり、上下とも袖と裾の長い服を着ている。若干中途半端だが、砂浜でくつろぐおっさん状態だ】
【机も樹も氷も全て彼が魔術で作り出し、椅子だけは他所から持ってきていた】

 まぁやっぱり、あまり人が寄りつかんか。たいていの市民はカノッサ機関が嫌いだしな

【波打つ音にアインのどうでもいい独り言が混ざる】

//予約でございます
585 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/03/02(月) 14:45:47.32 ID:xpnoEylAo
>>583

「ッッ……――――――!!


 セリーナ……! それで、それで本当に……ッ!」


【確かに、セリーナは自分の為に正義を騙り行動してきたペテン師なのかもしれない】
【でも、それが全てだったのだろうか。本当にセリーナという人間は、自分の為"だけ"に戦ってきたのだろうか】
【―――そのペテン師は、本当にペテン師としての顔だけしか持っていなかったのか】

【それで本当に良いのか。そう言おうとした瞬間、重い発砲音とともに傾いたセリーナの身体】
【突然の出来事。とっさに彼女の身体を支えようとして―――背後の彼に気付いた】
【手に持つは煙を上げる猟銃。撃った、のか? 精神を摩耗し、衰弱した彼女を、この男が?】


「……俺は、ライラ=フェルンストレーム。セリーナの知り合いだ。

 ……テメーこそ誰だよ、セリーナに、何しやがった」


【ライラは、逆に冷静な精神を保っていた。激情に駆られ、魔法をぶっ放すでもなく。彼に襲いかかるでもなく】
【ただ、セリーナを支えながら彼を見ていた。その瞳は、彼を射[ピーーー]がごとく。そう、ちょうど……敵を見るかのように】
【しかしライラが敵と対面した時のように攻撃をしないのは、冷静に、セリーナに撃ち込まれた弾丸の行く末を見ていたからか】
【セリーナから血は出ていない。ましてや、貫通してもない。「何故撃った」ではなく「何しやがった」とは、こういうことで】

【……それでも、彼に杖を突き出し何時でも攻撃の準備ができているところを見ると、つまりは敵意しか無いのであって】

/了解しました!
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 14:50:00.08 ID:CE77GcsH0
>>584
【ドラクレア島の砂浜】

【あの異形の聖職者は「過去に殺される」等と不吉なことを言っていたが、少なくともここだけを見ればそんな不穏な影はない】

【そしてこの島へと侵攻した内の一人、犬神・ディザスター・禍、もとい、ワザワイ・エスパスもこうして砂浜でおゆっくりと歩いている分には】

「♪ぐぅ〜ちゃぐちゃにして〜」

【などとこっちの方が不吉な歌を明るい調子で口ずさんでいると白と青の世界に一人の男性がくつろいでいるのが見える】

【氷…と言うことは彼も自分と同じ類いの能力の持ち主なのだろうか?】

【こういうときにこの男の娘の姉になってくれた彼女ならどう声をかけるだろうか?】

【そんな疑問だけで思考を埋めつくしながらも少年は男性に声をかける】

「あひゃ、こんにちは!」

「おにぃちゃんも船に乗って来たの?」
587 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 14:57:14.10 ID:emowoG3No
>>586

【アインの手が岩の机に乗った魔道書に伸ばされたとき、自分に向けられる声に気がついた】
【しばしその相手の顔を観察すると、彼は相手が誰なのかを思い出した】

 あぁ、そうだ。お前はあのときの小娘か

【魔道書に伸ばした手を戻しながら、アインは答えた。彼の脳裏に浮かぶのは船上における戦闘】

 あの氷の壁は中々良かったぞ。おかげで命拾い、とまではいかないが、助かった

【犬神──もとい、ワザワイ・エスパスの展開した氷の壁を利用して、アインは雷龍の一撃を防いだ】
【あれがなくともこの魔術師はなんとか対処したが、あって助かったという事実は認められるものだった】
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 15:09:55.80 ID:CE77GcsH0
>>587

「こ、小娘って……もうっ…僕は男の子だよう!」

【氷の壁、雷龍…少年もまた思い出す、そして彼の実力を…】

「あひゃひゃ、そう真っ正面から言われると照れちゃうよ……」

「僕は犬が…ううん、ワザワイ・エスパスだよ」

「おにぃちゃんは?」

【そういって近くの椰子の樹に蹴りを入れその実を二つキャッチする】
589 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 15:22:10.53 ID:emowoG3No
>>588

 ワザワイ? 変わった名前だな
 俺はアイン。そう呼べ

【ワザワイが身を取っている間にアインは袖から影を伸ばして氷の箱からアルミ缶を取り出し、彼に投げ渡す。よくある清涼飲料水だ】
【アインも机の上に置いていたアルミ缶を手に取り、口をつける。飲む。しばらくして、首をかしげる】

 ……男?

【怪訝な顔をしてもう一度ワザワイの方を見る。上から下まで観察するようにじーっと】
590 :キング ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/02(月) 15:29:40.64 ID:UYZXZI0W0
>>585

【力が抜けたセリーナの身体が、ライラにしっかりと支えられる。】
【と、同時に聞こえてくるのは―――まるで寝息、の様な、落ち着いた鼓動と脈拍。】
【心臓は確かに動いている。そればかりか、呼吸すらもしていて―――となれば、答えは一つか。】


 「ライラ……へぇ、"ライラ"ね。あー、そうか……
  どっかで聞いた名前かと思ったが、なるほど。オーケイ、事情はなんとなく呑み込めた。
 
  まあなんだ、そう睨みつけるなよ。
  俺は別に、そこの鬱病酔いどれや、お前さんに手出す程飢えちゃいない。
  そうだな、俺は―――……俺もそいつと、知り合いって所だ。まあ、知り合いって言うには
  ちょっと踏み込み過ぎてもいるんだが……それはそれとして、別に敵意はねえよ。撃ったのは不可抗力だ。」


【現れた男は夜風に黒い髪をなびかせながら、人成らざる者を思わせる真っ赤"な瞳でライラを見つめて、ヒラヒラと話始めた。】


 「ライラ・フェルンストレーム。
  ソイツからよ、ちょくちょく話は聞いてたぜ?
  "とっても真直ぐで、かっこいい魔法使いの子がいる"―――ってな。

 
  俺の事はそうだな……"永遠の20代"とか、"スーパーハンサム"とでも呼んでくれると有り難い。
  ……ジョークだよ。名前はキング。まあ、そんな事はどうでも良い。重要なのは俺が敵じゃないって事と、
  この猟銃にセットされてんのは弾丸じゃなくて麻酔針だって事、それくらいだからな。


  ついでに言うなら、"病院のベッドから無断で逃げ出したじゃじゃ馬"を
  連れ戻す為に彼方此方走り回されて大分ヘトヘトだったりもする。
  暴れられても困るんで一発バコン、で眠って貰った訳だ。呑み込めたか? ボウズ。」


【銃を橋の手すりに立てかけて、自分が無防備である事を証明する為】
【両手を上にあげ、敵意が無い事を示しながら近づいていくその男は―――キング、と名乗った。】
【どうやらセリーナの旧友であるらしく、彼女が病院から逃げ出した事を知って、慌てて追いかけてきた様だった。】


 「―――悪かったな。場所が場所なだけにこの"バカ"が何をしようとしてたのかはなんとなく、予想が付くが……。
  止めてくれたんだろ? 俺が間に合ってなきゃ、今頃そいつは下流の方でプカプカ浮いてたかもわからん。
  感謝するぜ、ライラ。お前が間に合ってくれて、本当に良かった。偶然か? だとすりゃ、運命的だ。

  さて―――……悪いが、見ての通りそいつは病人だ。二重の意味でな。 
  怪我は勿論だが、……ちょいと面倒なモンに罹ってる。なんとなく、分かってるかもしれんが。
  ともかく、病院に連れてかなきゃならん。また"ダイ・ハード"ごっこでもされたら、次は助からんかもしれんしな。

  起こさない様運ぶのを、手伝ってくれるか? 代わりに、何が起きたのか事情説明と、御礼くらいはしてやるからよ。」


【軽薄そうな男では在ったが、それはどうやら見た目と態度と口調のみ、という様だ。】
【恐らくは身投げでもしようとしていたのであろう事を見抜くと、それを止めた筈のライラに感謝し】
【そして一緒に病院へ運ぶのを手伝ってくれ、と申し出るだろう。代償に、この一連の事情説明とお礼を約束して。】

/お待たせしました!
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 15:34:46.96 ID:CE77GcsH0
>>589

「変かな?」

「前の名前も長くてかっよかったけどね」

【パシッとアルミ缶をキャッチしてプルタブを開けて喉に流し込む】

「ん、ぷはぁ…ん、そんなに僕……女の子に見える?」

【視線を感じながらやや困った様に笑う】

【腰まで届く紫色の長髪にシルバーのメッシュと鎖をあしらったヘッドギア、切り刻まれておヘソが見えるタンクトップにノースリーブのパーカー】

【ダボダボのハーフパンツにベルトの様に何回か巻かれた黒々とした太い鎖にスニーカー、背中に背負った戟】

【攻撃的な服装ながら彼の顔は幼く、肌は新雪のように白い、深紅の瞳は大きく、そして少し垂れていて可愛らしい印象を受ける】
592 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 15:40:43.40 ID:emowoG3No
>>591

【飲み物を喉に流し込みながらアインはしばし考えた。一秒ぐらいだった】

 いや……男と言われればそうか、とはなるが、言われなければ女に見えるな
 年齢がいくつか知らんが、仮に女だとして胸がなくてもおかしくなさそうだしな

【アインは真面目に答えた。若干、生真面目なところがあった】

 前の名前、か……なんていうんだ?

【名前が複数ある、ということにアインは驚かなかった。前の、という部分を彼は意味深に繰り返した】
593 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/02(月) 15:52:18.77 ID:PSf4tmjDO
>>579

【まだ彼女が頑張っていたと聞けば、リーべはふっと頬を緩める】
【きっと、あの幼子に対するリーべとサフィアの気持ちは、ほとんど同じなのだろう】
【道を違わず、まっすぐに──。それは、困難な生き方になるかもしれないけれど、それでも】

【そして、その後に続くサフィアの告白。それをリーべは……ずっと、静かに聞いていた】
【彼女が話し始め、座り込んでしまうまで……一言も、何も、言わなかった】

【冷気のせいか、吐く息は白かった。暗い路地で聞こえるのは、2人の呼吸音のみ】
【時折、遠くの方で自動車のエンジン音がし、思い出したかのように酔っ払いの喧騒がこだまする】
【──何度めかの、静寂。聞こえるのはまた、は、は、という呼吸の音だけになり】


   ──── 諦めろ

   【その言葉は、ただ静かに】

   ……そう、言うとでも、思ったか?

   【ただ静かに紡がれ……彼女は、笑った】


サフィア──誰かを助けたいと、助けようとする意思は、尊いものだ
それは時に理想を語ることになり、時にただの夢になってしまうかもしれない
私だって……何度も、何度も、何度も、笑われてきた
目の前の誰かを救う。それを繰り返すだけじゃ、何も変わらない──そう言われたこともある
大バカ者の夢だ、子供の言い分だ……いずれ、現実を見ればそんなこと言えなくなる──そう、言われたこともある

……けど、違う。違うんだ!
目の前の誰かを助けて、何も変わらないわけじゃない!
例えば……例えば、そう! お前みたいに──!
お前みたいに、誰かを助けたいって思ってくれるやつが、1人増えるかもしれない!
誰かを助けた結果、本当はその誰かに傷つけられるかもしれなかった人は、傷つかないかもしれない!!
バカにされたって構うものか! ほんの少しだけど……確かに、確かに、変わるものは、あるんだから……ッ!!


サフィア──あんまり、大袈裟に考えなくていいんだ
「ヒーロー」になろうとして、お前が死んでしまっては意味がないからな
それに……誰かのヒーローになるのは、ほんの些細なことをするだけでいいんだ。私は、そう思う
道に迷った子供に付き添う……そんなことでさえ、不安を覚えたその子にとっては、それは英雄的行為なんだ!!


……「ヒーローになる」ってことは、「無茶をする」ってことじゃ、ないと思う
自分の出来る範囲で、自分が出来ることをする……それが、大事なんだと思う
やれることは、人それぞれなんだ。私は、私に出来ることを。お前は、お前に出来ることを……それで、いいと思う

人は……時に冷たく残酷にもなれる。誰かの夢を、簡単に笑ってしまうくらい、残酷に
そういうヤツに限って、アホみたいに強いってのも……よくある話なんだ
うまく……言えないけど──うん、その……
私は、誰かを助けたいから、誰かを助けてる。だから……サフィアも、さ
サフィアも……誰かを助けたいって思った時に、助ければ──それで、いいんじゃ、ないか?
だって……絶対こいつ、強いって分かりきってる敵に向かっていくのは──
「誰かを助けるための一歩」を踏み出すより、めちゃくちゃ、勇気どころか、うん……なんか、いろいろ、難しい、し……
私だって……この間……そのせいで、助けられなかったやつ、いる、し……えっと、だから────


【──最初は、勢いでいろいろ言ってみた。自分がバカにされたことだったり、言われたことだったり、いろいろ】
【けれど、おもいっきり、思ったことを一気に話してしまえば……後に残るのは、少し口下手な夜色】
【話したいことがありすぎて、うまく纏めきれずにいる……サフィアより少しだけ年上なだけの、女の子だった】

【そして言い終わってしまえば……サフィアをそっと抱き締めようとするだろう】
【空気の冷たさは彼女のせいだと知っていても……それでも、冷えきってしまったサフィアを、暖めて、あげたかったから】

/お返ししておきます!
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 15:59:08.07 ID:CE77GcsH0
>>592

「あひゃひゃ、なにそれぇー!」

「たしか十歳……のはずだよ」

【小柄な少年には過去の記録が存在しない】

【自分の両親すらしらないのだ】

「前の名前はねー」

「犬神・ディザスター・禍(いぬがみ・でぃざすたー・わざわい)っていうんだよアインおにぃちゃん!」

「リーベおねぇちゃんが言うにはきらきらねーむっていうんだってさ!」

【椰子の実を放り投げて戟を使ったラッシュで殻を砕いていく】

「無理無理無理無理無理無理っと」

【頑強な表皮を削り取り、瞬く間に種子の部分だけにしてしまう】
595 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/03/02(月) 16:01:24.27 ID:xpnoEylAo
>>590

「―――……ッ」

【彼に言われ、爪が木に食い込むんじゃないかと思うほど握りしめた杖をすっと降ろすライラ】
【"眠っている"と、そう感づいていなければ……あるいは、撃っていたかもしれないが。とりあえずその危機は回避される】


「とっても真っ直ぐで、かっこいい……な。

 キング。……キング、か。……ハァ、あんまビックリさせんなよ。緊急事態っては、まー、わからなくもないけどよ。」


【深く、本当に深くため息を付きながらそう悪態をつく】
【彼の取った策が一番よい方法だったなんて分かってはいるものの、心臓が止まりそうになるのは悪い心地しかしない】

【……セリーナが言っていたライラの評価は、セリーナの先ほどの言葉に当てはめるとライラに悪い気持ちしか起こさせない】
【真っ直ぐ。それはつまり、この先セリーナと同じく絶望してしまうかもしれない、そういった未来が有るということ】
【普段なら、とても嬉しいはずなのに―――下を向いてしまう】


「最初は、まさかセリーナだとは思わなかったんだけどな。驚いたぜ、それこそ心臓が止まるくらいな。

 ……あぁ、良いぜ。つっても、何が起こったかはだいたい想像がつくけどな……」


【セリーナと旧知の仲で、それなりに信頼の置ける仲間なのだろう、このキングという男は】
【―――この男を信頼しなければ、ソレこそ自分もセリーナ諸共、絶望の水底へと沈んでしまいそうだったというのもあるが、兎に角】
【二つ返事で了承すれば、杖を拾うなり、セリーナをおぶるなり、またはキングにセリーナを引き渡すなりして病院へと運んでいくだろう】
【既にセリーナの口から誰にやられたのかは聞いているが、何をされたのか。聞きたくなかったが、同時に聞かなくてはならないともライラは思った】
596 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 16:05:20.41 ID:emowoG3No
>>594

【空中の椰子を狙った見事な戟の動きにアインは「ほう」と感嘆の声をあげた。十歳という年齢を考えても、良い動きだった】
【ワザワイの答えにはいくつか疑問点が浮かび上がり、アインはどれから訪ねるか少し悩んだ】

 十歳のはず、ということは自分の正しい年齢を知らないのか?

【結局彼は最初に浮かんだ疑問を解消することとした】
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 16:21:38.30 ID:CE77GcsH0
>>596

【丁度種子の上を向いた部分に戟で皸を入れて一つは自分の口元に持っていき一つはアインのテーブルの上に置く】

「んきゅ、んきゅ、うん、そうだよ、アルバムとか写真とかも無いしね」

「ずっと、ずぅぅぅっと、暗くてジメジメしたところに居たんだ」

【物心付いた頃から路地裏で略奪と犯罪に手を染めて生きてきた彼には自分の正確は年齢を知る手段すら無かったのだ】

【いつ生まれたか、誰から産まれたか、それすら知れずに死んで行くように生きてきたのである】
598 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 16:30:03.45 ID:emowoG3No
>>597

【話を聞きながらアインも「すまんな」とワザワイに礼を言って置かれた椰子に口をつける】

 そうなのか、そりゃ難儀だな

【アインの相槌はよくある話を聞く程度のものだった。というのも、彼は特殊な生まれでもなんでもないので、実感が湧かないのだ】

 両親を探そうとかは、思わなかったのか?
 俺ならそうするが……

【浮かび上がった疑問をアインは続けて言葉にした。好奇心の旺盛な自分ならば、というよくある連想だった】
599 :キング ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/02(月) 16:31:30.40 ID:UYZXZI0W0
>>595

【元々、睨みつけられているにも拘らず緊張する様子を見せなかったそのキングと名乗る男は】
【それでも矢張り、ライラが杖を下げると少しだけ、安堵の表情を見せるだろう。オーライ、と呟いた。】

 
 「良い子だ、理解が速くて助かるぜ。放っておくと何しでかすかわからんからな、止むを得ず、だ。
  まったく……人騒がせな女だよ。元々度を超えてアルコール入れるとブルーになる傾向はあったが
  それにしたって今は酷過ぎだな。どうだ、お前も結構凹んでるみたいだが―――……色々言われたか。」

【キングはセリーナの肩を担ぐと、もう片方をライラに担いで貰おうとするだろう。】
【―――と、その時何かを思い出して一旦、彼女の身体を預け、自分は先程彼女が居たと思わしきベンチの方へと走り。】


 「あーっと、ちょっと待っててくれ。もしかしたらこの辺に―――近いな、感覚が……おっ!
  あったあった、まーったくなんだって銃まで持ち出してやがるんだこのバカは……、ああ、そうか。
  "コイツ"で死のうとしてたんだな……けど"動かない"から諦めて橋に身投げしようとした、と。成程ね。」


【キングがベンチの近くで見つけてきたのは、セリーナがいつも大切にしていた"相棒"と呼ぶ魔銃・"弾"末魔。】
【そしてそれが鎮座しているガン・ベルト―――年季の入った、以前にも所有者が居た事を想像させる年代物のそれだ。】
【更に言えば、橋から飛び降りようとした時に裾からこぼれおちた"携帯型端末"―――W-Phone、UTメンバーの証も回収して。】

【だが気がかりなのはキングが言うに―――今、その愛銃は"動かない"、という言葉だろうか。】
【弾が無いならともかく、銃が"動かない"とはどういう事か。キングは再び方を担ぐと、ぽつり、ぽつりと言葉を紡ぎ始めた。】


 「カニバディール……カノッサの、No.29。
  お前さんも、名前くらいは聞いた事があるんじゃないか?
  むしろ、彼方此方で戦ってるお前さんなら交戦した事も、あるかもしれんが。

  まあ、今回の件の原因は"アイツ"だ。つっても、俺はそうは思わないが。
  ともあれ、セリーナはアレと一対一でやりあってボコボコにやられた、肉体的にじゃねえぜ?
  いや、肉体的にもこっぴどくやられてはいるんだがなによりも―――……ハートの方を、な。やられちまった。

  ……詳しい所までは、話してくれなかったから察するしかなかったが。
  どうにも、アイツと戦闘中交した言葉で……色々と、自分の中にあるモンをポッキリ折られたみたいでな。
  たとえば、信じるべき正義だとか……誰かの為に戦う信念だとか……人を助けようって言う、意思そのものだとかを、粉々にな。

  もともと多趣味な女だし、正義に生きるのがダメならよ、俺からしてみりゃ
  ギャンブルと乗馬と居酒屋経営でもやって平和に暮らせばいいじゃねえか、くらいにしか思えなかったが
  どうにも……ただの仕事だった筈のUTの経験が、コイツをご立派な「セーギノミカタ」ってのに変えちまってたんだろうな。

/申し訳ない、続きます。
600 :キング ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/02(月) 16:32:08.18 ID:UYZXZI0W0
>>595

  折られた何かがデカケりゃデカイ程……ダメージもデカイ。
  それだけこいつにとって、UTで培った誰かの為に戦う事、ってのが―――大事だったんだろうな。
  それがなきゃ生きていけない。それが否定されたら、行く場所が無い。そんな風に思っちまってたのかも、しれん。

  ま……要は口喧嘩に負けた、って所だ。シンプルな話だろ? けど……なぁ。
  お前さんもあんまり冴えた面じゃねぇからあえて聞いてやるけどよ。
  ……正直、コイツがなんでこんなに"傷ついてる"のかは、理解が出来るんじゃねえか?

  ―――思うに。コイツはいつかぶつかる"壁"だ。
  自分が護るべき物、その為に撃つべき相手、その狭間に取り残される、兵士。
  こういう世界に居るんじゃ、誰でも彼でも迷う事無く進めるってのはオカシな話さ。そうだろう?

  むしろよ、やってりゃいつかはこうなるんだ。病む時がやってくるんだ。
  ……それは多分、何処までいっても俺達が暴力でしか物事を解決出来ねえからだ。
  因果なもんだな。けど、きっと何時かは誰でも悩む羽目になる。呪い、ってところか。

  
  ―――ただ、そうじゃない奴ってのもこええよな。
  折れるモンがねえって事は、そいつはもう完全に"自分を正しい"と思いこんじまってるっていう、なによりの証拠だろ。
  
  だから―――まあ、なんだ。来るべき時が来た。そんな風に思ってるのさ、俺はな。」


【正義。悪。二項対立の中に、身を溶かせばいつかは来る審判の日。】
【だが、自分を完全な善に、そして相手を完全な悪に評して戦う事等、一体誰が出来ようか。】
【そんな―――優しさの欠片を失ってしまった様な英雄が、本当に英雄なのだろうか。残念ながら、そうなのかもしれないが。】

【キングは呟くだろう―――こうなるのは、当たり前なのかもしれねえな、と。】
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 16:40:07.95 ID:CE77GcsH0
>>598
「うーん、どうなんだろう?」

「僕っそういう感覚無いんだよね」

「生きてるかも怪しいし、それに今はリーベおねぇちゃんも居てくれるし」

【えへへ、この前お引っ越ししたんだよ!と無垢に笑う】

「それよりさ、アインおにぃちゃん」

【すすっていた種子の殻をバキリと噛み砕く】

「僕としてはアインおにぃちゃんの能力とかも気になるところなんだよね」

「お互い、堅気じゃないしね?」
602 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 16:58:53.19 ID:emowoG3No
>>601

【無邪気な笑顔を見せるワザワイは、アインの目にも不幸には見えなかった。その言葉から、何かしらの幸運が守ったのだろう】
【境遇を想像してアインは微かに微笑んだ。目の前で話す人間はやはり不幸せであるより幸せであった方がいい】

 俺の能力か。おかしなことを聞くな


 ──────もう、見せているが?


【パン、とアインが手を打つ。微かな地響き。軋む音を響かせながら、樹が蠢いた】
【何かに引っ張られるように砂の中へ樹が引き戻っていく。徐々に小さくなりながら葉を落とし、枝が幹に戻っていく】
【二人に影を落としていた樹木はものの数秒で跡形もなく消えていた】

【アインが椅子から立ち上がる。外套を手に取り、椰子の中身を飲み干す。背後に伸びる影が二次元から三次元に変化。触手が椅子を畳む】
【アインが外套を羽織りながら椰子の身を岩の机に置く。椅子を畳み終えた影の触手がアルミ缶と椰子の身を包み、消す】
【岩の上の魔道書を手に取り、外套に仕舞いこむ。岩は急速に水分を失い、砂に変化して崩れる。氷が急激に増えて内部にアルミ缶を包む】

【樹木、岩の机は綺麗になくなり、残ったのは畳まれた椅子と内部にアルミ缶を封じた氷の塊だけとなった】

 知ってるかは知らんが、これを俗に魔術と呼ぶ。俺は魔術師だ

【微かに外套についた砂を払いながら、アインが短い説明を付け加えた】
603 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/03/02(月) 17:05:23.60 ID:xpnoEylAo
>>599

【元々口喧嘩は強い方ではなく、俗にいう「すぐ手が出るタイプ」のライラはキングの問に「まぁ、な」と返し】
【セリーナの片側の方を持って歩き出そうとする。と、重くなる感覚。まだ拾い忘れたものがあったのか、何やら色々取ってきて】
【キングの手に見えたのは……銃? ライラは見覚えが有った。敵と戦う際、セリーナが何時も使っていたあの銃】

「……動かない? その……弾が詰まってたりでもしてんのか?」

【キングの言葉に違和感を感じ、その銃に人差し指を向けて慣れない単語で問いかける】
【しかし、見るからにガンマニアっぽいセリーナがメンテナンスを怠るとは考えにくい。そもそも、動かないというのも変だ】
【……まるで、「使われるのを拒否されている」ような言い振りに感じて】


「……やっぱ、か。さっきセリーナの口から聞いてはいたんだけどな。
 カニバディール……アイツは……なんつーか強い。何度でも俺達に戦いを挑んでくる。
 俺も何回か戦ったが……全部取り逃がしちまってる。……くそっ」


【ライラが思うに、セリーナがUTリーダーとして存在し、そして戦って得た物というのはとても大きいものだろう】
【ソレを、バラバラにぶち壊したカノッサNo.29。彼にもまた、譲れないものがあって。それがセリーナ以上に大きかったのだろう】
【そんな化け物相手に戦っていたと思うと、戦慄を覚えるほかなくて】


「……あぁ、分かるさ。っていうか、嫌でも理解させられた。
 今まで、なんで考えてこなかったんだろうな。いや、考えるのを無意識に拒否してたのかもしれねー。
 俺がカニバディールを撃退したって喜んでたのも、本当の意味で勝ってたんじゃなかったのかもな」


【自身の信じる考えを粉々に打ち砕かれた時、それが本当の意味で人間の死ぬ時。道がなければ、人は生きていけないのかもしれない】
【そしてセリーナは審判を受け、負けた、とでも言おうか。心を病み、今すぐの戦線復帰など出来ないだろう】
【……怖い、と感じた。ポジティブに考えれば、良い教訓になったのかもしれない。しかしセリーナのこの状況を見て、誰がポジティブに考えられるのか】

【セリーナの肩を担ぐ中、ライラは1つ気になった事を尋ねようとした。先程セリーナと話す中、気になったこと】


「なぁ、キング。
 ……セリーナを治すのに、俺の……いや、俺達の力は必要なのか?」


【それはつまり、自分でも役に立てないかという意志の表れでもあって】
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 17:16:07.46 ID:CE77GcsH0
>>602
【一瞬で幾つもの超常現象が次々と起こる】

「あ、ひゃひゃぁー」

【彼の笑顔も若干ひきつっている、当たり前だ】

「無理無理、僕じゃ勝てないよ」

【条件反射で戟に伸ばしていた手を離して肩を竦める】

【魔術師、能力とは違うベクトルで力を振るう者】

【今まで彼が葬ってきた相手にも居なかった訳では無いが格が違う】

【こんな全知全能と言って差し支えないように相手に、勝てる筈がない】

【いつか刃を交えるとしたら不意打ちで不意討ちするしかないな、等と考える】

「僕の出来ることなんて精々この程度だよ」

【と、持っていた椰子の実の中の液体をチャプチャプと種子の中で揺らしてから傾けるとシャーベット状になって口を開けた少年の舌の上に落ちて行く】

「僕は『血塗れかき氷』(ブラッティアイスエイジ)って呼んでるけどね」

「低温を操る、地味な能力だよ」
605 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 17:22:10.54 ID:emowoG3No
>>604

 流石に、四十年以上も生きた年数が違えば、力量の差も大きくなる
 十歳に負けようものならこっちが凹む

【ワザワイの反応にアインは苦笑を浮かべた。いくらなんでもこれだけ年下よりは強くなくてはならない】
【──そう、実は彼は三十代ではなく五十代だった】

 低温、か
 いいじゃないか、色々使い甲斐がありそうだ。物も冷やせるしな

【アインが顎で氷の塊を示す。世辞などではなく、心底から彼はワザワイの能力を良いものだと考えていた】
【物を冷やす、という単純明快な効果は、使い方次第で様々な効果をもたらす。彼はそのことをよく知っていた】
606 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/02(月) 17:31:48.49 ID:pQHnAIjAo
【ドラクレア島から離れ、水の国に戻った鳩ヶ谷青年は、】
【冬のため人があまりいない浜辺にて、見た目普通の両手剣を握っていた。】


──こ、これだ…! この奇っ怪な剣の使い道 ! それすなわち防御なんだ !

こう、こうすれば──…… ウオrrrrルァァァァァアアアアアッ!!


【普段通り黒い和風外套を羽織り、黒い帽子を被る。】
【白い革の手袋をはめて、嬉しそうな表情で両手剣を振り回す──。】

【雷龍の爪と髭を加工した、その特殊な両手剣は振るわれる度刃が無数に離れ、】
【それらを繋ぐ髭を加工したワイヤーに連なり伸びて鞭のようにしなるのだ。】
【青年がそれを無差別に振り回せば、刃が青年の周りを巡る。】
【それに伴って、刃に帯びた電気がばちばちィ!と放電──雷が無数の鞭となり辺りに広がる。】

【──青年はこの武器を切るためのものでも攻撃するためのものでもない、二重の防壁と解釈。】
【ものの数分で疲れてしまえばばたんと砂浜に倒れた。】


──勝てる!!俺に必要なのは、この両手剣を片手で扱えるだけの筋力 !!
ここまで自分にワクワクしたのは初めてだ !! こんな感覚、櫻の国の学舎時代にはなかったぞ ! 今度自警団のトレーニングルーム貸してもらおう !


【ぜえぜえ、と息を吐くものの、その表情は希望に溢れていた。】
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 17:38:09.08 ID:CE77GcsH0
>>605

「まぁ、僕のに限らず力ってのは使い方だからね」

「って、アインおにぃちゃん……幾つ!?」

【見た目と実年齢が噛み合わない人物はたまには居るが基本は肉体強化系の能力者である】

「凄いんだね、魔術って………妬ましい位だよ!」

【バリバリと種子を噛み砕いて殻ごとそしゃくする】

「出来たらさ、武勇伝っていうの?」

「お話してよ!」

【紙芝居を見に来る子供の様に目を輝かせながら熱く焼けた砂浜の一部を凍らせてペタンと座る】
608 :キング ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/02(月) 17:38:19.99 ID:UYZXZI0W0
>>603

【何度もぶつかっている―――と聞けば、キングは流石だな、と言葉を漏らした。】
【例えば自分だったら、撃退しても撃退しても向かってくる様な相手に対しては、もう】
【戦いを挑まず別の方向でアプローチでもかけている所だし―――ライラは矢張り、強い】


  ……動かない、っていうか―――……まあ、それも簡単に説明してやる。
  この話はセリーナだけの問題じゃなくて、俺やお前にも……いや。
  この世界その物に、降りかかる火の粉の話かもしれんからな。

  カニバディールは、譲れないモンってのを持ってる。ついでに言えば、
  アイツが強いのは自分を「悪」だと認識している点、だろうな。それはそれは、強い武器だよ。
  結局の所、てめぇを知らずに戦うってのは眼瞑って剣振るうのと同じだからな。それじゃ、勝てるモンも勝てん。

  なんでそんなに何度も何度も戦いを挑めるのか―――要は、奴は自分がそういうモノだと、理解してるんだろう。
  戦いの中に自らを置き。悪として悪の道に生きる。だが、それが醜い事で在るというのも、同時に理解してるんだ。
  一本筋の通った悪、ってのは映画やドラマでも魅力的だろ? あれと同じさ。アイツは、醜さを受け止めて生きてる。

  俺は直接ぶつかった事はねえが……ライラ、お前の言葉を聞いて確信したよ。
  カニバディールってのは、凄まじいヤツだ。戦闘力だけじゃねえ、戦うなら気を付けろ。
  
【キングは一旦言葉を切ると、煙草を取り出して片手で器用に火を付ける。】
【ライラにも一本どうだ、とジェスチャーで示すが―――吸うのだろうか。】

  ただよ―――俺から言わせてもらえば、考え過ぎってのも考えモンだ。
  我ながら何を言ってるのかわからねえが、どいつもこいつも頭でっかちになりすぎなんだよな。
  別に俺達は世界を救うアメリカン・コミックスのスーパーヒーローじゃねえ。なにも、そこまで背負う事はねえんだよな。

/ごめんなさい、またも続きます……!
609 :キング ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/02(月) 17:38:41.87 ID:UYZXZI0W0
>>603

  ライラ、お前もだぜ。別にビビる必要はねえ、言ってる事がどれだけ立派だろうと、相手はただの犯罪者だ。
  と、俺はそうやって割り切ってる訳だが、まあそれはともかくとして。そうだな―――俺やお前が、出来る事、か。

  ……メンタルに関しては、ぶっちゃけなんとも言えねえな。
  こういうのってよ、俺やお前の立場からどうこう出来るモンでもねーと思わないか?
  同じ様な立場に居る人間が、同じ様な言葉でコイツを説得出来るとは、どうにも考えられないんだよな。

  だから、何かしてやるとしたらそれは―――
  こいつが自分で立ち上がるのを身近で待ってやる事、くらいなのかもしれねえ。

  ……ただ、心配するならメンタルじゃなくて……なんていうか。
  それどころの話じゃなくなる可能性も高いんだよ、コイツの場合。

【キングは煙を吐き出すと、遂に核心へと迫る発言をする。】

  さっき、銃が動かない、って言っただろ? 弾詰まりじゃねえ。本当に動かねえんだよ。
  試しに一発撃ってみるか? 引き金引いても何も起きねえからやって見るといい、おもしれえぞ。
  まあ冗談はさておき、―――その銃、悪魔の技術で作られててな。厄介な成り立ちを持ってるんだよ。

  で、だ。―――生半可な覚悟で使い続けると、所有者自身を悪魔に変えちまうっていう、まあ……その。

【苦々しい表情で吐き出す言葉はどれも、危険な香りしかしないものであって。】

  ……要は、メンタルなんて言ってられん、かもしれん。
  本来なら、セリーナの奴も心が強い方だったからな、銃の魔力にも耐えられたんだが
  今はそういう訳にもいかないだろ? なんたって自殺未遂だからな。正直、やばいってレベルだ。

  で、もっと言うならカニバディールの奴にこの銃の弱点をピンポイントで突く様な、
  そういう……キッツイ攻撃を貰っててな。聖なる力とか、なんかそんなのだ。
  で、銃自体もダメージを受けて使用停止状態、セリーナに魔力が行くのを止められん、って訳だ。


【つまり―――この男は、何を言っているのか。】

  
  
  ―――……暴走したらよ、お前コイツを撃てるか。


【煙が、夜空に溶けて行く。
610 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 17:44:46.74 ID:emowoG3No
>>607

 いくつだったかな……52か3か、そこらだ

【記憶を掘り返しながらアインが指折り数える。出した年齢はなぜか幅があった】

 武勇伝か、どれがいいかな
 直近でいえば、アーグ……お前たちが船で戦ったあのジジイを封印から出してやったことか

【顎に手を添えて、更にアインは引き続き記憶を呼び起こす。若い人間の要請には答えたくなるし、老人は武勇伝が好きだった】
【正確に直近となるのは聖都スラウロットを襲撃したことだが、敗戦であったため武勇伝とはいえない】
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 17:58:09.46 ID:CE77GcsH0
>>610

「け、結構良い年してたんだね…」

「ってあの人(?)封印されてたの!?」

「そして何で封印といてあげた人に攻撃されてるの!?」

【ツッコむ、そりゃそうだ、なんなんだこの人は、最近戦った奴を封印から解いたって】

【しかもそいつと黒幕であるはずの男性が戦っているという状況】

【普通は混乱する】
612 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 18:03:31.90 ID:emowoG3No
>>611

 ふふ、強い人間同士には変わった繋がりがあるもんだ
 あのジジイが面白いことをしてくれると聞いていたから封印から出した
 そしてそういうやつと戦うことも、また俺にとって楽しいことなのさ

【アインは不敵な笑みを浮かべて説明した。力を持つものは一般的な人間とは違う繋がりを持つことがある】
【アーグを封印から出したことへの報酬がアインにとっては騒ぎに参加することであり、戦うことだったのだ】

 諸々の事情で俺はこの島にきたが、お前はどうしてきたんだ?

【今度はアインがワザワイに質問を返した】
613 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/03/02(月) 18:09:11.81 ID:xpnoEylAo
>>608

(……自身を知らずに戦うのは、目を瞑って剣をふるうのと同じ、か)


【キングの忠告を聞けば、あぁ、と短く言葉を切った。改めて、あの宿敵の恐ろしさがわかってきたところだから】
【……自分を「悪」と断じていること。というより、自分の立場を認識していること。それのどれだけ強い事か】
【もう既に、それは証明されている。自分の前に何度も立ちふさがったこと、セリーナの心を打ち砕いたこと】
【そして今もどこかで、悪事を働いていること】

【タバコに関しては首を横に振った。どうやら吸わない主義らしい】
【魔法使いがタバコを吸えば何やら絵が崩れるやらなんやらで……、閑話休題】


「……正直、ビビってんだろーな、俺。次にアイツと合う時、どうなるか正直分かんねー。
 ま、とりあえず善処するぜ。

 ―――……待ってやる、か。それが一番かもな。それまでに、カニバディールが倒せりゃいいんだが。
 ……どういう意味だ?」


【考え過ぎなのかもしれない。だが、そのまま見過ごすことが出来ないのもまた事実】
【今のセリーナの状況がそれを立証している。自分にもいつかこんな日が来るぞと警告されているようで】
【要は、バランスを保ち続けることが一番必要なことなのかもしれない。いつかそれが、崩れる日が来ようとも】

【そしてキングの口から"悪魔の技術"やら悪魔に変えるやら単語が出てくれば、直感に頼らなくともヤバいシロモノなのが理解でき】
【言葉が進んでいくにつれ、セリーナがカニバディール戦で負った傷の深さが見えてくる】
【心を砕かれ、愛用の銃さえも己を滅ぼす魔具と化している。そんな中でキングが放つ一言に、ライラは】


「―――……」


【答えられない。ただ、単純に撃てないから黙っているのではなかった。撃つか、撃たないか。わからないから黙っていた】
【もはや制御不能になった状態のセリーナに魔法を放ち、動きを止める。言っていることはシンプルで、とても残酷だった】
614 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/03/02(月) 18:15:55.67 ID:xpnoEylAo
>>608-609
/すみません、次遅れるかもしれません!
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 18:21:50.07 ID:CE77GcsH0
>>612

「繋がり、かぁ」

「此処に来た目的?」

【深紅の瞳に狂気を孕ませ、アームカバーの袖で三日月の様な笑顔を浮かべる口元を隠す】

「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」

「あっひゃーぁぁぁ!そんなの決まってるよ!」

「アインおにぃぃぃちゃんと一緒だよ!」

「こんなに楽しめるのに来ない訳ないじゃん!」

「そして、何かをするのに……戯れ以外に理由なんているのかなぁ?」

【鮮血のように一点の曇りも無い狂気を視線に変え、アインの瞳に映す】
616 :キング ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/02(月) 18:32:43.17 ID:UYZXZI0W0
>>613
【キングは―――彼もまた、付き合いは長い筈なのに、随分あっけらかんとした表情でそんな事を告げた。】
【撃てるか。撃てないか。だが、正直に言えばこの質問は若干、意地悪でそして的を外れた物でもあった。】
【撃たなくては、ならないのが正解だ。どんな状況であれ、ライラがそうでなくとも、誰かが必ず、撃つ。】
 
 ……ま、焦って答えを出す必要はない。
 俺も撃てるか? って尋ねられて、おう当り前だとは返せないからな。 
 撃たなくて良い方法があるならそうするし、その為に出来る事はしてやるつもりだ。

 ……なんにせよ。立ち直るのには少しばかり、時間を要する。
 で、だ。重要なのはこっからだぜ、ライラ。俺には人脈ってもんがあまりない。 
 お前にやって欲しいのはな、セリーナが……UTの「オヤブン」が、こんな状態だって事を

 他の連中に教えてやることだ。俺が言っても、あまり信用しちゃ貰えねえかもしれないからな。
 出来る範囲でいい、「ちょっと時間をくれてやれ」と、そんな感じで事情を説明してやってくれ。
 ま……その、悪魔化の危険性に関してはなんとも、言い難い所だが……お前に頼んでも、大丈夫か?

【先ずは何より、この状況を理解していく事、それが重要だった。】
【セリーナ自身が連絡できない以上、キングは勿論だが事情を知ったライラにも】
【誰かに訪ねられたりしたのなら、その時には今日聞いたあれこれを話してやって欲しい、と。】

 さて―――話はこんな所だ。お、見えてきたぞ。

【病院の光。そして、此方を見て駆けつけてくる救護員達。】
【キングは眠ったセリーナを彼等に預ける様にして、肩の荷を降ろす。】


 ……悪かったな、迷惑かけてよ。お陰でアイツが命拾いした。お前には感謝してるぜ。
 そういや、お前さん"魔法使い"だったな? ウィザード、良い響きだね。

 実は、昔俺は属性魔法を駆使するある男を弟子に持った事もあってな。
 魔術関連には結構明るい方なんだが―――っと、あったあった。これ、使え。


【そういってキングが取りだしたのは―――小さなキャンディー。棒付きの、飴であった。】 

 名付けて「ロンリー・ポップ」。激寒とか言うな。
 口に突っ込んで舐めてる間は一時的に魔力量を増大させる、ドーピング剤みたいなモンだ。
 ついでにいうと、噛んでガリゴリやった瞬間に反応速度もイカれたレベルに上昇する、これも勿論一時的にだがな。

 ヤバそうな奴と―――そうだな、それこそカニバディールでも、まあなんでもいいんだが。
 そういう輩と対峙した時にでも使ってくれ。窮地を凌げる―――かも、しれん。
 ああ、だが使用後はよく休めよ。身体に良い成分なんてピザより少ない配合で作られてるからな。

 翌朝、トイレで尻が―――……いや、なんでもない。まあ受取れ、礼だ。


【そう言って怪しげな飴を無理やり握らせると、キングは病院とは別の方向へと歩き出した。】

 それじゃ、俺もお暇するぜ。UTの連中にちょいと挨拶もしておきたいしな。
 
 ああ、それと。
 
 ここんところこの辺りにはいやな雰囲気が充満してる、勘だが余り良くない事が起きそうだ。
 
 早めにセリーナを別の場所の病院へ移せるよう努力するから、お前さんも速くここから離れた方が良いぞ。

 なんていうか―――……まあ、いいや。単なる予感って奴だ、用心しとけよ。


【最後に怪しげな言葉を残し、キングは病院―――そう。】

【地の国首都 『ニュー・ドレファス』にある、総合病院を後にした―――。】

/っと、こんな所で〆させて頂きます。ありがとうございました!
617 :アイン ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 18:36:37.26 ID:emowoG3No
>>615

【少年の狂気が魔術師の瞳に映る。それを受けて、更に暗い笑みをアインが浮かべる】


 ──────ククッ、あぁ、そうだなぁ

       それ以上の理由など、俺たちには必要ない。全ては楽しめるか否かだ──────


【魔術師の瞳に燃え盛るのは純然たる欲求。淀み無き単一の“渇望”】
【子供に対して優しげに語る老人の姿は一瞬にして消えた。ここにいるのは地獄を作り出す一つの悪鬼だ】


 休息もこれぐらいでいいだろう。俺は行く

 生き残れよ、ワザワイ・エスパス。そうすれば今度は“俺が”遊んでやろう


【波の音をかき消すように、男の重々しい声が砂浜に響く。魔術師の鋭い眼光が齢十の少年を貫いた】
【微かな、威圧。薄い笑みと共にアインは重たい空気を消し去ると、ワザワイに向かって軽く手を振ってから背を向けて歩き始めた】
【彼の姿は森林の中に消えていった】

//いい感じになってきたのでこのへんで。お疲れ様でした!
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 18:51:13.92 ID:CE77GcsH0
>>617

【迂闊、としか言い様がない】

【アインの眼を見た瞬間、全身に鳥肌が立ち脂汗が流れる】

【『渇望』と『狂気』】

【同じ物を求める者故に判るその闇の深さに少年は戦慄した】

【世界から彼の言葉以外を消失させるような言葉】

【相手の自由を容易く、そして根こそぎ奪う威圧】

【結局少年は魔術師が立ち去るまで呼吸すらする事が叶わなかった】

「かはっ……はぁはぁ……あひゃひゃ………笑うしか無いね………ほんっとに」

【それでも尚、少年は笑う】

「勿論、お互いにね……アインおにぃちゃん……」

【少年も立ち上がり彼の消えた方向とは逆の方向に歩を進める】

【愛する姉の待つ我が家へと】
619 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/03/02(月) 19:06:39.91 ID:xpnoEylAo
>>616

【俯いて、また首をキングの方向へ戻せば長い溜息をついた。この状況、ため息しか出てこないというのが本音であって】
【あまり深く考えるな、そう言われても思考はどんどん暗い方向へと沈んでいってしまうのが性というものだった】


「……あぁ、わかった。
 ……ま、今のセリーナに会ってどうするって話だもんな」

【彼女に面会した所で、早い話が今の自分みたいになるのがオチだ】
【早く、回復してくれるのを待つ。セリーナのことについて話し合う機会が有れば、そう念を押さなくてはならないと感じるライラ】

「……飴?
 ……なるほどな、魔翌力ブースト……あぁ、ありがたく貰っておくぜ。サンキューな」

【キングが突然取り出した飴に訝しげな目を向けるが、タダより安いものはないとは誰が言ったことか】
【何か不安な言葉が聞こえたような気がしたが……気にしないと割りきれば、握らされた形だが、ポケットに収め】
【キングを見送ろうとして、彼の一言。嫌な雰囲気? ……ライラには何も感じられないが、彼にはなにか感じるらしい】
【……やはり彼、人間ではないのだろうか、だなんてどうでもいい事を思えば、キングの背中を見送った】

【最後に、救護員の手で病院へと搬送されるセリーナを一瞥すると】


「……俺は、信じてるぜ。セリーナ……―――」


【そう呟いて、背を向ける。この直後、大災害に見舞われるこの土地を】
【その時この男が、誰かを助けるために再び此処を訪れるかは、まだ神のみぞ知る所】


/お疲れ様でしたー!
620 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/02(月) 19:12:25.61 ID:pQHnAIjAo
>>606
/もうちょいこれで待ってみます!
621 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/02(月) 20:35:24.31 ID:pQHnAIjAo
>>620
とりけします
622 :上・カミナ 下・マシラ [sage]:2015/03/02(月) 21:10:30.63 ID:pgcvkxjCo
【街外れ】

……ふぅ。まだまだ肌寒いものじゃの
もう一枚ほど厚く着込んできても良かったやもしれんのじゃ

【人通りが少なく、古びた街灯がチカチカと光る何処かの街外れ】
【夜の帳が降りれば一層治安も悪くなるそんな場所を、一人歩く人物がいた】

【身長は140cm程度であろうか。腰まで伸びた炎のように鮮やかな紅蓮の髪と、漆黒の瞳をしている】
【桜色の簡素なデザインの着物を纏い、胸元には"緋色の鷹"を模したワッペン】
【腰には茶色の鞘に収まった剣を下げており】
【肩付近にはバスケットボールほどの大きさの、淡く光る白い"虫"のような物体が浮かんでいた】

【吹き抜ける寒風に、身をぶるりと震わせ呟きつつも】
【少女は周囲を警戒するように視線を巡らせながら道を歩き続けている】
【もし胸元の"ワッペン"に覚えがあったならば、これが「パトロール」であることを察することも可能であろうか】

【薄暗く、犯罪率もそれなりに高い場所だ】
【能力者による犯罪が絶えぬ昨今、何が起こったとしても不思議ではない】
【また、路地裏なども近く其処から音やアクションがあったならば反応することもあるだろうか?】

【――】

【路地裏】

「はっ……はぁ…………っ!」

【地獄の釜の如く暗く、腐臭や血臭の漂う路地の奥地に荒い吐息と慌ただしい足音が響いていた】
【その主は――自警団の制服を着て、血を流しだらりと下がった右腕を押さえながら】
【必死の形相で走る壮年の男であった】

「(まだか……まだ、表通りには着かないのか……!? くそっ……!)」

【極限状態が体感時間を引き伸ばし、永遠とも思える逃避行の中】
【見捨ててしまった仲間たちの顔と、今なお自分を追跡する襲撃者達の姿を頭に過ぎらせながら】
【男は一心不乱に表通りを目指し駆け抜けていた】

【もし、この場面に遭遇する者がいるならばそれは救いの手となるか】
【それとも――男に更なる絶望を与える存在であろうか?】


/1時が限界ですので、それを過ぎたら持ち越しでお願いします!
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/02(月) 21:18:10.33 ID:B6HcSqtV0
>>580

【彼女は熟睡していた。無理も無い、あれだけの戦闘の後だ、精神的にも肉体的にも疲労はしていたはずで】
【その上に傍に夫が居る安心感の所為か、眠りは一層深い物になって―――】

―――……んぅ、……今何時――――……えっ!?

【翌朝、彼女は夫よりかなり遅くに起きる。微睡む目を擦りふと時計を見れば―――針は、かなり遅くを指していて】
【マリアは寝坊したと勘違いして慌てたようにベッドから飛び起きる。本当は夫の厚意なのだけれど……】

【見れば、日ももうすっかり高くなっている。そうだ、子供達や夫の朝食は!?まさか朝食抜きで仕事に出かけたんじゃ!?】
【普段は当然マリアが皆の朝食を作っている。つまり、彼女が寝坊したら朝食を作る人が居なくなるという事でもあって】
【朝食抜きで、育ち盛りの子供達や激務をこなす夫が平気な筈が無い―――って、あれ?】

……あ、貴方!?お仕事はどうされたのですか!?子供達の朝御飯は!?

【見れば、其処には夫が居る。今頃もう仕事に出掛けている筈なのに、どうしてこの時間に夫が家にいるのだろうか】
【本人は私服なんて着て悠々とコーヒーを飲みながらのんびりと外を眺めているけれど……今日は、平日だ】
【とりあえず、状況が呑み込めず焦っているマリアに説明してやるといい。今日は仕事を休むことにした事を】

【子供達の朝食についても。よく考えれば、マリアが不在の十日間余りは彼女抜きで誰かが朝食を作っていたわけで】
【今日の朝も、昨日まで同じ誰かが朝食を作ったのだろう。……それを、誰が作ったのかも、寝起きで焦るマリアに教えてやって欲しい】
【それにしても。寝坊しても真っ先に家族の事を心配してしまう辺りが彼女らしいと言うか……】

//宜しくお願いします!
624 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/02(月) 21:34:57.05 ID:+yzw/Ipzo
>>623

【戦場でもないのに、いつになく慌てた様子の妻を見れば――思わず、クスリと笑いが漏れる】
【おもむろにコーヒーのカップをテーブルに置くと、改めて彼女の方に向き直り】

よしよし、まずは落ち着け。……仕事なら、他の者に任せたよ
私とて永久に大司教ではないのだ、後続を育てる義務があるからな
今日はその実践、ということにして……神ではなく、お前のために一日を捧げることにした。

それと食事については私が作った。なに、朝の簡単な物くらいは作れるさ
流石に夕食ともなると経験が足りんが……マリア、お前も何か食べるか?
トーストで卵とベーコンを挟んだものと、後はフルーツが幾つか残っていたはずだが……。

【――と、そういう事情が有るらしかった。無骨に見えて、着実に内面は変わっているのだ】
【以前なら『神事だけは抜かせない』と言っていただろうが、今では大切なものの順列は変わっている】
【料理の―と呼べる程ではないが―腕も、ゼロから少しはレベルアップしたようで】

【彼女が首を縦に振れば、言った通りの物が出てくるだろう。少し冷めてはいるものの】
【火の魔術を応用すればすぐに温かく、些かスパイシーな朝食がテーブルに運ばれてきて】
【添えられているのはリンゴとキウイ。皮は綺麗に剥かれていたから、これは子供たちの誰かの仕事に違いなく―。】


【或いは、"話がある"と言えばそちらが優先されることとなるだろう】
【曰く『今日はお前のために捧げた』のだから。いつかの聖夜の様に、全てが彼女に優先しているらしかった。】

/よろしくであります!
625 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/02(月) 21:50:43.49 ID:PSf4tmjDO
>>622

【路地裏──たん、たん、たん、たん、たん、と疾走の音が響いていた】
【まだ、大通りの光は見えない。まだ、彼は暗闇の中を…………】

【……人。人がいた。彼の前方、壁にもたれ掛かるように立っている──女、だった】
【艶やかな黒髪に、宝玉のような紅い瞳。身体のラインが強調されたドレスを着た、背の高い女だった】
【こんな場所。こんな時間。こんな身なり──娼婦か】

【ただの娼婦が、男の助けになるとはあまり思えない】
【だが生死の境にいるであろう彼にとっては、そんな娼婦でさえ、「藁」に見えるかもしれない】
【それとも。仮にも自警団なのだ。彼を追う「何者か」から女を護ろうとするだろうか】

【もし男が、女の前で止まるようなことがあれば──きっと、彼女は笑ってこう言うのだ】
【「あら、どうしたの──?」 と。男の危機など、見えていない素振りをして】

/もしかしたら今凍結中のロールのお相手さんが来たら少し返事が遅れるかもしれません
/それでもよろしければお願いします!
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 22:08:36.83 ID:pgcvkxjCo
>>625

「はっ……はぁっ――――!! あっ……!」

【地獄に助けか、死力を尽くして走り続けた男は人影を見つけて一瞬安堵の表情を浮かべる】
【だがそれが――娼婦と思わしき人物だと認識した瞬間に、「これで助かる」と過ぎった感情は一変する】
【侮蔑か、落胆か……否、】

「君……ここは危険だ――今すぐ、今すぐここから逃げるんだ……!!」

【この男はどうしようもなく「正義」であった】
【民間人ならば相手の職業などで差別はせず、自警団としての本分を全うせんとする】
【そして、背後から迫る追跡者の存在と「守るべき民」を秤にかけ――腹を括った】

【女性の前で立ち止まると、その場で即座に反転】
【彼女を庇うようにして構え、左腕で腰から警棒を引き抜きながら逃げるまでの時間を稼ごうとする】

「詳しい事情を話している暇はない、俺が足止めしている間に少しでも遠くに――」

【だが、現実は無情である。力なき正義は届かず虚しく果てるもの】
【男の持つ正義の力は悪意に抗うには余りにも非力で】
【"眉間目掛けて飛来する"漆黒のスローイングダガーが、次の瞬間には男を絶命させんとする】


【ポツリ、ポツリと闇に何かが浮かび上がる】
【其れは"猿"の能面。闇に目が利くならば面を被り黒装束を纏った何者かである事を見定められるか】
【それが二体並んで、音も気配もなく幽鬼のような足取りでぬるりと、二人のいる場所まで駆けてこようとする】
627 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga]:2015/03/02(月) 22:13:22.18 ID:KWNgL1YBO

【どこかの公園】

らんたったーらんたったー

【街灯が辺りを照らす中、上機嫌な声が響く】

るんたったーるんたったー

【その声の発生源は、ぱっとみればまだ幼さの残る顔立ちに低身長の少女】
【側には小さな旅行カバンがあり、ちょこんとベンチに座っている】
【一見してみれば、相応に可愛らしい光景なのだろう】
【――その、少女に付属する異形さえ無ければ】

暇だなー凄い暇だなーついでに寒いなー

【足をぷらぷらさせながら、彼女はただただ呟く】

…はぁ、この姿では誰も寄り付かないのかしら?

【途端、がらりと声のトーンが変わる】 

しかも、ろくな場所に泊まれないしぃ……はにゃぁ…

【更にころりと調子を変えて、また夜の公園に呟く】

……曲射ちでもやろっかな……でもこないだみたいに追い回されたらやだな

【ピンクと銀という二色が混ざったツイン縦ロール、背中の翼と、スカートを若干捲りながら動く尻尾、そして赤と黒のゴスロリという確実に人目を引くだろう姿の彼女は、特に感慨もなく呟き続ける】
【その手には、銃とも剣とも取れる2丁拳銃が握られており】
【その赤と極彩色のオッドアイは、手頃な空き缶を探していた】


/今回初めての新参者ですが、それでもよければどなたか…
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/02(月) 22:14:02.92 ID:B6HcSqtV0
>>624

【十日振りの日常の幕開けは何とも慌ただしい物となった。……まあ、マリアが勝手に慌てているだけなのだが】
【そんな様子を可笑しそうに笑う夫は、やがて今日は仕事を休む事を伝える。此処で漸く彼女は納得したようで】

まぁ、私の為に休まれたので御座いますか?そうで御座いましたか……
―――ふふっ……♪

【―――お前の為に休んだ、なんて言われるとそれはもう嬉しい訳で。誰が見ても判る程に嬉しそうに顔がほころぶ】
【嬉しくない筈が無い。誰よりも大切な人に、誰よりも大切にされて……こんなに幸せなことが、あるだろうか】
【改めて、と言うか。もう十分過ぎるくらい彼が好きだったけれど、今日また一層彼の事が好きになって】
【かくして、焦りとともに始まった一日は魔法みたいに幸せな一日に変わるのだった―――】

あら、朝食も貴方が!?まあ……!
勿論頂きますよ、貴方が私に初めて作って下さったお料理ですもの!

【朝食も夫が自分で作ったと聞かされると、マリアは驚いたような表情をする。】
【自分の知っている彼は、料理なんて出来なかった筈だ。それが、いつの間に作れるようになったのかと】

【……でも、すぐに理解する。きっとこの人は、自分を喜ばすためにこっそり練習していたのだろう、って】
【この人は、不器用だけれど黙々と一生懸命努力して、その努力を見せびらかしたりはしない……そういう人だ】
【誰よりも傍に居るから、言われなくったって分かるのだ。―――その静かな優しさが、とても嬉しい】

【―――テーブルについて夫の作った朝食を食べている間のマリアは、それはもう幸せそうだった。】
【恐らく五つ星シェフの作った料理でもこうは行かないだろう。何度も何度も「美味しい」と言うはずで】
【実際、マリアにとってはこれがこの世で最も美味しい料理と感じているのだろう。それもその筈】
【誰よりも愛する家族が、自分の為に作ってくれた朝食だもの……美味しくない訳がない】

【さて朝食を食べ終えれば、マリアは身だしなみを整える筈。寝起きの姿のままという訳にもいかないだろう】
【寝癖を整えたり、着替えたりして……それも終えれば、夫の元に戻って来て】
【「折角暖かくお天気も良いですし、散歩に出掛けませんか?」なんてお誘いをするのだった】
【折角休みまで取ってくれたのだ。このまま無為に家の中に居るなんて勿体ないもの……】
629 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/02(月) 22:23:08.96 ID:PSf4tmjDO
>>626

【──女は強かだった。少なくとも、目の前の男と「追手」、そのどちらかが強者かを、見定めようとするくらいには】
【結論として、女の天秤は「追手」に傾いた】
【少し考えてみれば当然のことだ。男は身の危険を省みず他人を守ろうとする「愚か者」なのだ】
【その上、見るからに敗走中の身体。……男は女を、見捨てるべきであった】

【漆黒の刃は、何者にも妨げられること無くその目標を達成する】
【そして──ぬるりとこちらに掛けてくる黒衣の者を見れば、眉をひそめるのだ。女は、獣も嫌いだった】


……バカな男。社会からの弾かれ者を守ろうとするだなんて
それで──? あなたたちは何者かしら
事件の目撃者をおとなしく帰す気には、あまり見えないけれど……


【紅い瞳が一瞬だけ、絶命した男に向けられる。自分を守ろうとした者に向けられるには、あまりに冷たい視線だった】
【そして彼女は今度こそ、猿の面へと向き直る。自衛のためか、彼女の影がざわりと泡立った】
630 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 22:25:39.89 ID:emowoG3No
>>627

【鼻歌交じりで公園に神父が一人やってきた】
【神父といっても一五〇センチという低身長のせいで度々子供と間違えられる。神父である証拠はカソックと首から下げた十字架だ】
【薄いブロンドの髪は公園の電灯の明かりにあたると白くも見えていた】

【公園に入った彼はまっすぐに自販機へと向かい、硬貨を投入。取り出し口から飲み物を取り出し、プルタブを開けて口をつける】
【飲みながら反転。公園の敷地内に目を向ける。特に意味のない、なんとなくの行動だ】
【そしてその視界に彼女が入ると──神父は飲み物を思いっきり吹き出した】

 ぶふぉっ!!
 な、なんだありゃ!?

【彼は神父として教会で様々な人間を見てきたが、あそこまでいわゆる属性特盛り娘は見たことがなかった】
【口が缶の中身で濡れているが、拭うことも忘れて彼女に見入っていた。異次元の物質を見るような目で】
631 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/02(月) 22:35:30.40 ID:+yzw/Ipzo
>>628

【彼女が自分の手料理を美味しい、と言って食べてくれるのは、純粋に幸せな時間で】
【勿論、それをわざわざ口にはしないものの――食事中の表情はずっと緩やか】
【ほのかな満足感も有るのかもしれない。いつも作って貰ってばかりなのだから】
【これで少しは"返せた"かと、コーヒーで頭を覚醒させながら考えて】

フッ……その様子なら、もう傷の心配はしなくても良さそうだな
何事も無くて何よりだが……む、散歩か?……そういえば――。

【さて、食後しばらくしてマリアが身だしなみを整え、戻ってくると】
【まずは提案された事に、頷いて答えた。つまり散歩に行こうというわけで】
【フレデリックはそのままの格好で、マリアの手を取り――二人で外にでることになるだろう】
【元より温暖な昼の国。既に春の陽気と言っても差し支えない日和であり】

……しばらくすれば、一足先にこの国も夏になるだろうな。
その頃には全てが落ち着いていると良いのだが……そういえば、マリア
昨日は話しそびれてしまったが、まだ何か伝えることがあると言っていたな?

【時刻は昼前。復興の進むゼン=カイマのの人通りはやや少なく】
【なんとなしに通りを進み、向かう先はちょっとした丘の上】
【この時期は風が心地良い場所なのだ。話を聞きながら、足の様子を気遣ってみたりもして。】
632 :りえる ◆GBHFWL/yB. :2015/03/02(月) 22:46:16.22 ID:KWNgL1YBO
>>630

はにゃーん?

【今の今まで彼女しか居ない公園に響いた異音に気付き、眼を向ければそこには人間が一人】

………………ふむふむ

【なんだか驚愕で固まった様子は、今まで何度も経験した他人の姿であり】
【下手な刺激は与えないように、サッと2丁拳銃の刃を畳みスカートの内側に収納】
【そしてその人間の近くの自販機と比べてみて】

……ふっ…勝ったな

【角込みで、とは心の中だけの声】
【そして一人で勝手に勝ち誇った彼女は、次のアクションを考えた後】

………こんばんわ?

【とりあえず、普通に挨拶した】
【人間、第一印象は大事なのだ】
【……まぁ、人間やめてからは上手くいかないのだが】

/よろしくお願いします
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 22:47:10.16 ID:pgcvkxjCo
>>629

「――――――」

【末期の言葉もなく、男はあっけなく絶命する】
【愚直な正義を通せるのは相応の実力と判断力を有している者だけだ】
【その男はどちらでもない……故に、当然の帰結であった】
【暗い暗い闇の中で、娼婦に背を見せたまま力無く崩れ落ち】
【名も知れぬ自警団の男は二度と立ち上がることはなかった】

【猿面達は、目標の死亡を確認すると一瞬だけ互いの面を向き合わせ】
【女の質問に答えることもなく、奥から覗く視線を交差させてアイコンタクトで意志を伝え合うと】
【懐に手を入れながらもそれぞれ左右に別れて跳躍。建物の壁を蹴り、勢いを乗せて――】

はい、はい――其処までです。
余計な労力は使うなと、口を酸っぱくして教育したはずですよ?

【――パァン。と、乾いた音が何処からともなく鳴らされる】
【其れを聞いた"影"達は、壁を蹴り込む角度を調整し】
【空中でくるりと身軽に回転した後、微かな音を立てて着地した】
【曲芸じみた動きに、表面上は見えぬ得物――この猿面は隠密、暗殺者の類であろうか】


【その正体は兎も角として、今意識するべきは「声の主」であろう】
【先程の声質からして男、それも三十近い年頃といったところか】
【カツ、カツ、と革靴で路地裏の地面に足音を響かせながら】
【路地裏の奥よりゆっくりとその姿を現していく】

【身長は160cm程度であろうか。茶色の短髪に垂れ目の猿顔をした男だ】
【黒地に白のストライプが刻まれたスーツを身に纏い、その胸にはカノッサの証である逆五芒が刺繍されていた】
【腰には得物であろう、全長40cm程の朱塗りの棒が括りつけられているのが見える】

【男はニヤニヤとした締りのない笑顔を浮かべながら】
【そのまま女性と8m程度の距離にまで歩み寄る】
【そして――】

こんばんは、麗しいレディ――このようなお見苦しい場面を巻き込んでしまい大変申し訳ありません
ドレスが"汚れて"はおりませんか? 怪我などは負っておりませんか?

部下の不手際は私の不手際……何なりと申して頂けたならば幸いです

【腕を広げ、大仰な仕草をしてみせながら恭しく頭を下げる】
【口調だけ見れば丁寧なモノであるが――彼女ならば気づくだろうか】
【男の"目"が、コールタールのように昏く濁った其れである事に】

【額面通りに受け取り対応するか、其れ共"警戒"し相応の行動を選択するか】
634 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 22:53:59.81 ID:emowoG3No
>>632

【ほえぇ〜、とは神父は返してくれなかった。見られていることに気がつきつつも目が点になって動かせない】
【普通の挨拶が届いても動かない、動かない、動いた。しばらくしてやっと肩をびくっとさせた】

 お、おぉ。こんばんは……
 えっと……………あー………………オシャレ、だな

【挨拶に普通の挨拶で返した神父は続く言葉を探した。見つけられなかった。捻りだしたのはお世辞にならないお世辞だった】
【袖で口元を拭うと、もう飲む気の失せた缶を後ろのゴミ箱に見ずに投擲。缶は放物線を描いてゴミ箱に吸い込まれていった】

 いや、それ…………どこから突っ込むんだ……………

【わなわなと震えながら神父の指先が少女の服装を指し示す。神父の足は無意識に、会話に適切な距離まで歩き出していた】
635 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 22:54:16.97 ID:emowoG3No
>>632
//よろしくです!
636 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [sage saga]:2015/03/02(月) 23:08:05.15 ID:XyfFGNpO0


>>593

【遠くの静寂、滔々と紡がれる言葉、消えそうな叫び、そして──訪れた静寂】

【それを破ったのは、憧れの人の「諦めろ」という言葉】
【彼女は思わず弾かれたように頭を上げ、目を見開き】

【続いた言葉に何処か気の抜けた表情を浮かべる】

【その後に語られるのは、リーベの経験と心情】
【目の前の誰かを助けて何も変わらないわけじゃない】
【誰かのヒーローになる為には大袈裟な事をしなくたっていい】
【ただ、自分に出来る事をやればいい】
【誰かを助けたいと思った時に助ければいい】
【そう、彼女は言う】

……私には何が出来るんでしょうね? 
お料理は上手くないから鈴音みたく飢えている人に食事を作ってあげられない
そんなに優しくもないからリーベさんみたいに悪人に手を差し伸べてあげる事も赦す事も出来ない
お金だって十分にないから宿のない人に宿賃を分け与える事だって出来ない
辛い過去なんてものもないから誰かを支えてあげるのも出来ない

……他に、私の出来そうな事はあるのでしょうか? 

【……やっぱり私に誰かを助ける力なんかないのかな……と白いため息を吐くその身体】
【それがふわりと抱き締められればサフィアはキョトンと目を丸くする】


637 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/02(月) 23:08:15.83 ID:PSf4tmjDO
>>633

【猿面の跳躍を見れば、ざわりと蠢いていた女の影が明確な形として夜闇に触れた】
【ぬぅううう……! と女を守るよう出現するは、影で構成された数多の「触手」】
【僅かな動作で戦闘の気配を感じ取った女の瞳の奥が、爛々とした輝きを孕む】
【この女──ただの娼婦では、ないのか……?】

【だが、場を仕切り直すように響いた空虚な音に、口元に浮かべた笑みが消えた】
【現れたカノッサ機関員──これが、彼らの元締めといったところだろうか】
【普段であれば「営業」のひとつやふたつかけたであろうが……】
【その気にならなかったのは感情の昂りのせいか、それとも猿顔の男の目のせいなのかの判断が、今の彼女にはつかなかった】


こんばんは──天下の機関員様
ここはあなたたちの舞台でもあるもの……ちょっとした、「事故」みたいなものよ

ふふ……あなたの判断が早かったおかげで、私自身を含めて「商売道具」に傷ひとつなし……
そうね……何なりと、と言うのであれば──猿回しでもしてもらおうかしら?

それにしても、ひどいわね。こんなにぼろぼろにしてしまって
もう少しラクにしてあげられなかったの──?


【ゆるゆると、影の触手たちが女の影へと戻っていく】
【しかしそれだけで女の警戒が解けたと判断するには早計かもしれない】
【彼女の足元。その、影の表面は未だにぼこりぼこりと泡立っていたのだから】

【何なりと、と言われれば、なんとも悪趣味な冗談を女は言った】
【そして話のネタにするつもりなのか。絶命したばかりの身体をピン・ヒールで踏みつけ、同情しているふりをする】
【──死人だって、たまには役にたつときもある】
638 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga ]:2015/03/02(月) 23:13:16.65 ID:KWNgL1YBO

>>634

そうだねー……

【珍しく、遠ざかるどころか近づいて来た人間を見ながら思う】
【ああいう反応をした人間は、逆に逃げることが多いのだ】
【なかなか珍しい、ついでに自分が人と普通に会話できるのが珍しい】

もし貴方がこの角と角と尻尾を突っ込んだなら、多分小吉だね

もし君が……この服装を突っ込んだなら……凶……かな?

んでんで、ソチラがこの眼を突っ込んだなら、大吉ってね!

【身振り手振り、指差しながら】
【ころころころころ、口調を変えて話しかける】

……ところで、吃驚した?

【そして最後に、今更な事を聞いてみる】

639 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 23:19:30.16 ID:emowoG3No
>>638

【近づいたのは会話に適切な距離をとるため。会話というのがこの神父にとってはとかく重要であった】

 おみくじかよっ!

【思わず神父は突っ込んだ。見た目の奇抜さよりも先に少女の返事に対して】

 そりゃあお前……それだけの格好してりゃ驚くに決まってんだろ
 なんだってそんな格好してんだ

【今更な質問に神父は呆れ顔だった。子供のような身長のくせして神父というこの男もあまり人のことは言えないが】
640 :リーベ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/02(月) 23:29:27.41 ID:PSf4tmjDO
>>636

【サフィアを抱き締めれば、リーベは少しだけ、その腕に力を込めた】
【ただ寄り添うだけではなく……まるで彼女に、力を分け与えるかのように】


……簡単さ、サフィア。
料理をしなくても、戦わなくても、お金を使わなくても、辛い過去がなくてもいいんだ

例えば、困ってる人がいれば声をかけて、話を聞いてやるだけでいい
例えば、怪我人を病院に連れていってあげるだけでいい
例えば、道に迷った人に今いる場所を教えてあげるだけで、いい

やれることなら……たくさんあるじゃないか!

それにな、サフィア。今、何も出来ないと思うなら……出来るようになればいい!
食事を作ってやりたいなら、習えばいい。学べばいい
自分が弱いと感じるなら、強くなるよう自分を鍛えればいい
お金は……ふふん、まずお前は無計画にお金を使わないようにするところからだったな!!


【出来ることはない、なんてことはないと、彼女は言う】
【それを望むのであれば──何かが出来るように過程を踏むことだって、考え方を変えれば「ヒーロー」への第一歩なのだ】
【……ちなみに、サフィアの金遣いの無計画さをしっかりとリーベは覚えていたらしい】
【にしたって、言うべきシーンは考えた方がいいとは思うが。やっぱりバカなのかなこいつ】


サフィア。私だって、最初っからこの能力(ちから)を使いこなせてたわけじゃない
むしろ今だって、実はだいぶ振り回されてるんだ!
喧嘩の仲裁をしようと思えば酒場もろとも周囲がぶっ飛ぶし
細かい制御をしようと壁に的を描いてから「衝撃」を放てば──ふふん、壁が倒壊する始末だからな!!


鈴音、か……ふふん。あいつと知り合いなのは驚いたが、いいじゃないか!
確かあいつ、UTで食堂をやってるんだろう?
食堂には、シェフも必要だがウェイターも必要なんだ!
もし、どうしても、必死に必死に考えて、結局何も出来ないなんて考えになったら……鈴音の食堂に行けばいい!
飢えてる人に、暖かい食事を運ぶ──これだって、立派な人助けだと思うぞ!!


【食堂「たんぽぽ」──UTの酒場を利用した、貧困層向けの食堂だ】
【リーベもテレビCMでしかその存在を知らないが……】
【鈴音と知り合いで、かつ自分に自身のなさそうなサフィアには、うってつけの「人助け」だと思ったのだ】


────あと、鈴音のサイン、もらってきてくれないか!!
だってあいつ、CMでてる「ゆーめーじん」なんだろ!?


【………………。】
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/02(月) 23:30:16.94 ID:B6HcSqtV0
>>631

【……余談。マリアは「これは今晩は張り切って夕飯を作らねば」と、内心で思っていたりする。】
【こんなに嬉しいお返しがあれば、マリアも張り切ってしまう訳で。―――祝いの日でもないのに、今晩は御馳走になるようだ】

ふふっ、貴方が治して下さったからで御座いますよ。もう痛い所も御座いません!

【傷はもう心配ない。昨晩彼が治してくれたお蔭で完全に癒えて、足取りもしっかりとしている様子】
【だから、一緒に散歩するのも平気。痺れの取れた足は、きっともう何時間でも歩ける筈】

【手を取られて外に出れば、一足早い温暖な日差しと心地よい春風が頬を吹き抜けて】
【今日は絶好の散歩日和。徐々に元に戻りつつある街並みを眺めるのもなかなか楽しいもの】
【人通りは少ないものの、人々がちゃんと活動しているから活気が無い訳ではなく】
【時たますれ違う人たちに軽く挨拶したり手を振ったりして……やがて小高い丘の上に辿り着けば】
【昨日の話の続き、そう言えばすぐに寝たせいで出来なかったのだ……丁度良い、今話しておこうか】

ああ、そうで御座いました。その事なので御座いますが……

―――貴方、槍をアーグに奪われていましたよね?
……これから、彼らとの戦いは恐らく避けられないでしょう。そこで、貴方にこれを―――

【―――そう言うと、マリアは徐に転移魔術を発動する。十秒ほどして魔術が展開されて】
【マリアの手に転移されたのは―――槍だった。それも、穂先が銀色に輝く美しい物……】
【穂先は雷龍の大爪、柄は雷龍の角。長さはカテドラルには及ばないが、それでも2mは優に超えるもので】
【何よりも特徴的なのは、魔力を送れば雷龍の力で穂先がバチッと紫電を帯びる事。槍に雷龍の髭を仕込んだお蔭だろう】
【単に魔術の軸として使うのにも、雷属性の攻撃を繰り出すのにも、槍として使うのにも、申し分ない性能を発揮するだろう】
【其れを、フレデリックに手渡そうとする。重量はマリアでも両手で持たないと支えられない程のものだが……彼は問題ないだろう】

カテドラル≠フ代わりになるかは分かりませんが……
先日の雷龍との戦いで得た髭と角、爪を組み合わせて作った雷槍で御座います。

単体でも大きな魔力を秘める雷龍の角、雷の力を持つ髭、単純な刃物として優秀な爪……
三つを組み合わせた槍は、優秀な力を発揮するかと思います。

子供達が安心出来る平和を取り戻すには、貴方の力が必ず必要になります。
―――どうか、力を貸してくださいな。私と共に、子供達が笑って過ごせる明日を創りましょう。

【―――そう言って、マリアは微笑む。彼が自分と一緒に戦ってくれると、返事を待たずとも信じているように】
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/02(月) 23:31:40.05 ID:pgcvkxjCo
>>637

――キキッ、私をカノッサと知ってその口ぶり……中々に剛毅な御人のようで。

ええ、ええ、傷がないなら何よりですよ。もしもそのお美しい肌に傷の一つでもついていたならば
どのように責任を取って良いものやらと途方に暮れていた事でしょう
何せ女性から告げられる「責任を取れ」ほど重い言葉は、この世に二つとありませんからねえ

【特徴的な高く短い笑い声を上げながら、口元を三日月のように大きく歪ませる】
【いちいち腕を掲げてみせたり、くるりとその場で回ってみせたりと】
【何処か"道化"じみた態とらしさすら感じさせる仕草を選んでいる】

これはこれは手厳しい、返す言葉もありません

いえ、いえ、私としても、もっとスマートに事を済ませて欲しいものですがねえ?
生きているならば勿論のこと、死体であっても相応の使い道はあるのですから

可能ならば、気づく間もなく逝かせて差し上げたいのですが
――何分部下はまだまだ未熟でしてね、理想通りの働きは難しいようです

【額に手を当て、悲観に暮れるかのような仕草を取って見せながら告げていく】
【……よくよく観察していたならば――男の目に宿る感情も自ずと理解出来てくるだろうか?】

【其処にあるのは"欲望"だ。しかし――普段彼女が向けられるであろう其れとは程遠く】
【まるで家畜に値札をつけて回るような】
【無機質とも取れる視線で彼女の身体を頭頂から爪先までギョロリと見やる】

【この男は会話をしながら"値踏み"している。彼女にどれだけの価値があるか】
【ただの娼婦であれば興味を示さず捨て置いただろう】
【しかし――彼女は異能を見せている。故に、どう"扱う"べきか計っているのだ】

……さて、長々と貴女様の商売の邪魔を続けるのは私としても心苦しいものです
その男は情報を握っている可能性がありましてね、私共に回収させて頂けたならば幸いです

【コツ……】

【コツ……】

【二歩、男は彼女に歩み寄る。変わらずへらへらとした笑みを浮かべながら】
【交戦の意志は無いと示すかのように、両腕を左右に大きく開いているが――どれほど信用出来るものだろうか】
643 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga ]:2015/03/02(月) 23:32:21.01 ID:KWNgL1YBO
>>639

へぇ、お兄さん気になるんだぁ

【どうにも、目の前の人間は胆が据わってる】
【そんな事を感じながら、彼女は回答する事にした】

変態に技術を与えた結果なんだぁ!

【簡潔に、それでいて彼女的に一番ピッタリくる一言で】

いたいけな女の子を無理矢理手込めにしてフヒヒとか何とかされてる内に、気付いたらこれっす!

混ぜれば良いって訳じゃ無いのに、ねー?

【さも友達に話すように、軽い調子で話す】
644 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/02(月) 23:38:00.56 ID:emowoG3No
>>643

 ────はぁ?

【重苦しさを連想させる内容に対してあまりにも軽い調子。神父は相手が冗談を言っているのかと思った】
【首を微かに傾げて、考える、いや、考えようとしてやめた。これは冗談だ、考えなくても分かる】

 いやいや、冗談言うならもっと面白いこと言えよ
 そんな人体改造の産物が公園ほっつきあるいてるとかどこの異世界だよ

【ぶんぶんと手を左右に振りながら、否定しながらも神父は相手の顔を注視した】
【神父であり、また実は裏でよろしくないことをやっているこの神父は相手の嘘を見抜く観察眼に優れている】
【今回もそれに頼って相手が言っていることが事実かどうか、表情や仕草からも判明させようとするが────】
645 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/02(月) 23:55:06.23 ID:PSf4tmjDO
>>642

ふふ……あなたたちのお仲間も、いいお客様ですもの
あんまり無下に扱うわけにもいかないわ。そうでしょう?

それに──確かに女の言う「責任」は重いかもしれないわ
けど……「責任」の中じゃあ、安い責任だもの。あなたならきっと、「そう」すると思うのだけれど


【なかなかに、神経を逆撫でにする動きをする男だと女は思った】
【だが、その思考を表層に滲ませることがないあたりはさすが娼婦というところだろうか】
【女の告げる「責任」は、確かに精神的には重い一言だろうが……金銭的には、安くてすむ】
【なんたって病院にいくか腹を殴るかすれば、それで終わってしまう「責任」なのだ】
【ふふ、と女は笑う。女の敵は女とは、よく言ったものだ】


【「部下の教育は大変ね」……そう、簡単な言葉を男に返す】
【それだけの言葉になってしまったのは、彼の視線のせいでもあった】
【値踏みされるような感覚。性欲の対象としてではなく、もっと他の──。あまり、心地の良いものではない視線だった】

【一言でいえば、彼女の身体は健康体だ。肉付きも良好で、雌としての機能は言うまでもない】
【娼婦なんて職業なのだ。自らの身体に自信はあるだろうが……そんな視線を向けられれば、不快になるのは当然だった】


……「相応の使い道」ってやつね
私もあなたたちのお仕事を邪魔するつもりはないもの──お好きに、どうぞ


【近寄られることを、嫌ったのか。女は影から触手を出し、死体を触手でつまみ上げる】
【そしてそのまま……触手を用いて死体を男の方へ運ぶはずだ】


ところで──ふふ。あなたは私を、いくらで買ってくれるのかしら……?


【──それは、女の純粋な疑問だった。他者への興味が薄い娼婦に浮かんだ、小さな疑問】
【その大元にあるのは、「男の欲望」の理由に対する好奇心なわけだが……そこまで答えてくれる男には、見えなかった】
646 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/02(月) 23:55:22.27 ID:+yzw/Ipzo
>>641

【辿り着いた丘の上。爽やかな風が吹く中で手渡される、雷龍の大槍】
【ともあれまずはと言った様子で受け取ると――まず、少し距離を取って一振り】

【見ていても分かるほどに動作が早い。カテドラルの一振りが"風を叩くよう"であれば】
【こちらはもっと爽快で、まさに"風を切る"と言った具合。素材が軽く強健である事も気に入ったのか】
【紫電を一筋、空に向かって放つと、満足気に頷き――同時に、少々申し訳無さそうにもして】

軽い≠ネ……カテドラルに比べて、やはり鋼鉄が使われていないからか…。
柄が角、刃が爪…ふむ……。この形状であれば、突くだけではなく
なぎ払うような使い方も出来そうだ。……しかし、良いのかマリア

確かに、お前がわかっている通り私には武器がない。
拳と術だけでは限界があるのは事実だが……これはお前の働きの成果なのだろう?

……生憎と龍の討伐などしたことはないが、この槍を手にするだけでも分かる。
この生き物は本来、人間とは比べ物にならない力を持つ存在なのだ、とな
それを撃退して素材を持ち帰った以上はお前の物……それを、私に託しても…む、っ……?

【――その言葉は聞くまでも無い、とばかりに続いた『力を貸して』という声】
【全てお見通し、というわけだ。『やはりかなわんな』といつか言ったことを繰り返すと】

……分かった。この槍……いや、薙刀か?まあ、雷龍の一振りだな

これはありがたく使わせてもらうとしよう。……感謝するぞ、マリア
どうやって恩を返したものかと、今から何とも悩ましいものだが……
……まあ、良かろう。共に子供たちの明日の為、力を併せて……そうだな?

【一人と一人ではなく、二人で。そう言って歩み寄ると、後ろ手に槍を転送し】
【その温かさと奥に宿る力を確かめるように、彼女の手を取るのだった】
647 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga ]:2015/03/02(月) 23:57:41.14 ID:KWNgL1YBO

>>644

えー……全否定ですか……そうですか……

【ころりとまた調子が変わってしまう】

ま!信じるか信じないかはキミしだいだけどね!

【ころり】
【そんな事を言いながら、彼女のオッドアイは彼を見る】

ただ、りえるはこれ以外の答えは持ち合わせて無いんだよねー

…手込めにしてフヒヒは未遂だがな……

【あっけカランと、ころころと、話を続ける彼女】
【こういうとき、人を信じさせるのは難しいと思う】
【特に、外観だけで無く内面までも混ざった自分なら尚更かなと考えながら】

648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2015/03/03(火) 00:07:28.33 ID:j1dlLw1x0
てす
649 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/03(火) 00:09:06.18 ID:B6xKq7Fro
>>647

【神父はころころと変わる少女の様子を見て、悩んだ。こういった手合いは流石に経験がなかった。それゆえに、判断がつかない】
【少女の言ったことが真実だとすれば、この神父にとっては結構、真面目にならざるを得ない話だった、が──】

 ──────大変だなぁ、お前も

【ぽりぽりと頭をかきながら、神父は少女に合わせて軽い調子で声をかけた】

 いや、それにしてもそれは混ぜすぎだぜ。やった連中は何がどう溜まってたんだか

【神父の指が少女の角、髪、服装、尻尾やら何やらを順番に指していく。まとめて突っ込んだ形だ】
650 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/03/03(火) 00:21:38.40 ID:0cdKIo1p0


>>640

……困っていたら話しかける、怪我人がいたら病院に連れていく、道に迷っていたら案内する……
【リーベの言葉を反芻し、うーん……と唸るサフィア】

それ、故郷にいた時から私がやってたような事じゃないですか……
【え、そんなので良いの……? とサフィアは不安げに相手を見上げる】
【考えるより先に身体が動くタイプのサフィアのこと。自分のいた故郷でそんな事が起きればすぐさまそうしていた】

【そして、出来ないなら出来るようになればいいのだと言われれば「簡単に言ったなー……」なんて苦笑したりして】

おっ……お金は最近は大丈夫ですよ!? 
ちゃんと宿代は残すようにしてるし……うん
【金に関する無計画さに触れられれば彼女は慌てて「最近は大丈夫」などと弁明する】
【まあ実際の所今回の挫折の件で、気を紛らわそうとお菓子やらケーキやらを大量に買って財布の中身を相当吹っ飛ばしていたのだが】

【そして話がリーベの能力の話になると彼女は首を傾げる】

……リーベさんでもそんな事があるんですね
私のはさっき見た通り触れた物を凍らせる能力です
でもまだ使いこなせていない感じはあるんですよね……どんな風に成長するのか不安ですけど
【サフィアはそう言うと自分の手をじっと見つめる】

……はい、ポスターが貼ってあるのを見ました
それに、鈴音に会った時に「今度UTに来てみたら」って誘われてはいるんです
……でも、給仕の仕事が其処で出来るかっていえば微妙かもしれないんですよね……給仕自体は今の稼ぎぶちではあるんですが
【給仕自体は今もしている、うってつけの仕事ではあるだろう】
【しかし、ネックとなるのは鈴音自身がUTの正式な一員ではないという事で】
【鈴音が上に話を通そうにもその上は今リーベが探しているセリーナであるし】

【そんな真面目な話の最中、リーベが放った「サイン貰ってきて」という言葉にサフィアはずっこけかけるのだった】


651 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga ]:2015/03/03(火) 00:23:55.29 ID:yHz698/bO

>>649

【信じて……くれたのだろうか?】
【上から下まで指摘されて、彼女は思う】

んとねー……さすがに何がどうインスピレーションがビッグバンしたのかは分からないけどね

何か最後の方は……時代はモンスター娘ですぞ!とか、大正義ツインテドリル!とか、どうしてこうなった……とか言ってたよ?

【自分が混沌とした何かになっていくにつれ、周りも同じように混沌としていった記憶はある】
【そして、一番最初の目的も】

ただね、皆最初は、この眼だけしか考えて無かった……きがするかも?

りえるが人間やめたのも、この眼に耐えるためだって言ってたっす!

【そして、彼女は自分の左目】
【絶体に自然ではあり得ない、極彩色の瞳を指差す】
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/03(火) 00:26:43.95 ID:4D6HRHrbo
>>645

何事も"暴力"に頼るのはスマートじゃありませんからねえ
生憎と私の趣味ではありません

それに私は、これでも約束事は律儀に守るタチでしてね
もしも女性に責任を問われましたら……きっと納得して頂けるよう手を尽くすことでしょう
裏切るリスクも、約束を破るリスクも痛いほど理解しておりますので――

【意外にも"まとも"な答え、だが本当に真っ当な方法で手を尽くすかは疑問だ】
【何せ契約に意図的な穴を空けて引っ掛けることを好むような手合いだ】
【その場で納得はいけど、"最終的に"どう帰結するかは知れたものではない】
【ある意味では短絡的な解決よりも余程悪辣であった】

それはそれは、話が早くて大変助かります
では――

【スッ、と片手を軽く振るうと、それに反応して後ろの"猿面"が疾駆する】
【差し出された死体は男ではなく、部下が掴んで回収し】
【その小さな身体――140cm程度であろうか、にも関わらず器用に担いで奥へと運んでいった】
【最早死体は顧みられることもなく――やがてその姿も見えなくなった】

おや、このような場面でも"商売"を忘れないとは……流石、我々を"客"と割り切れるだけの事はありますねえ

しかし困りました。残念ながら私はとうの昔に"枯れて"おりましてね?
いやはや、貴女様のような魅力的な女性と一夜を共に出来ないとは……真に残念なことです

【彼女の発した疑問に対して、まずは「普通の」受け答えを行う】
【娼婦としての売買を意味するとは当然ながら考えてなどいない】
【故に、言葉は更に続いていく】

ですがまあ――――"用途"によりますかねえ?
ええ、ええ、その働き次第では……望む額をご用意しましょう

貴女様のような手合いの場合は、戦闘員として使い捨てるのというのは余りにも勿体無い
寝物語に"吹き込んで"いただくか……逆に"集めて"いただくか
どの程度の上客を捕まえていらっしゃるかによって話は変わってきますが――"獲って"頂くという手もあります

【ピッ、と指で首を切るジェスチャーを行いながら告げる】
【異能を持っている事を認識した上で、彼女の性格の"強かさ"の方を評価し提案する】

勿論、娼婦という職業に誇りを持っていらっしゃるならば強要などいたしません
しかし……もしもっと"上"を、欲望を求めるのならばどうぞ手をお取り下さいませ

私はあらゆる"欲望"の味方……カノッサの名に掛けて期待を裏切らぬよう努めましょう――

【相も変わらずドブ川のように濁った目を向けながら、彼女に問うた】
【どのような価値を見出したか、は語ったが】
【結局男自身が秘めた欲望についてはまるで言葉にしていない――】
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/03(火) 00:27:33.60 ID:P0DaY+Eg0
>>646

【その槍さばきは実に見事な物だった。目にも留まらぬとはこの事か、一閃薙ぎ払われた槍は疾く】
【しかし……これが、軽い≠ゥ。マリアにとっては両手で扱うのがやっとだった程なのだが……】
【その力には驚くばかりだ。同時に、それが頼もしくもあるけれど―――】


【彼が槍を手にして申し訳なさそうにしていると、「何を今更」と言わんばかりに優しく微笑む】
【今更彼の物も自分の物もあるものか。喜びも、苦難も、何もかも全て分かち合っているのだから】
【それが苦難の末に得たものだとしても、彼に使って貰えるなら本望だ。だから―――使って欲しい】
【その槍を使って、一緒に望む未来を切り開いて欲しい。それこそが、彼女への一番の恩返しになる筈だから】

―――ええ!
貴方と共に、明日を創れること……それが何よりの恩返しなので御座いますよ。
……どうかこれからも、私と共に居て下さいな。私はそれだけで、何よりも幸せで御座いますから―――

【手の感触を確かめるように、優しく握り返す。重なる暖かみは、春の日差しにも負けないくらいの温もりを持ち】
【その暖かみを、次代にも贈れるように……二人は力を併せるのだろう】


【さて、その後のお話。そうして手を繋いで散歩をしつつひと時を過ごせば、帰りがてらに買い物に出かける筈で】
【曰く、「今日は一緒に夕飯を作りましょう!」とのこと。何事も挑戦だと言わんばかりに】
【因みに今晩は子供達の大好きなカレーライス。野菜を切ったりする事くらいはそう難しい知識もいらないだろうから】
【適当な野菜と肉とカレールーを買って帰れば、今日は二人一緒に台所に向かう事になるだろう―――料理も、力を併せてみるのも良いかもしれない】
【さてさて、カレーの出来は如何に……?】
654 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs :2015/03/03(火) 00:31:27.50 ID:CBhEWk7Z0
>>652
/ごめんなさい、次遅れます!
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/03(火) 00:33:31.03 ID:4D6HRHrbo
>>654
/そろそろ時間限界なので、持ち越しでよろしいでしょうか?
656 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/03(火) 00:34:49.04 ID:B6xKq7Fro
>>651

【少女の続く反応で神父は嘘を言っていないと判断した。微かに、研究者たちへの不快感に眉をひそめる】

 ひでぇ話だぜ、全く……!

【神父の声には明らかな怒りが混じっていた。少女の境遇がいいものとは思えなかった】
【彼は少なくとも、そういったものに義憤を感じるタイプだった】

 瞳、か。能力か何かがありそうだな

【じっと、神父が少女の不自然な瞳を覗き込む】
657 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga ]:2015/03/03(火) 00:50:16.45 ID:yHz698/bO

>>656

あはは、でもでも、この姿じゃないと出来ない事もあるしぃ

【怒ったような様子の「彼」に対して、彼女は言葉を繋げる】

……人間やめたけど……悪くは……ない?

というか、個性って感じ?

【ころころ】
【実際に、彼女は今の自分の境遇は割りきっていた】
【それに、世の中はやっぱり危険だらけなのだから】

それで、やっぱりこの眼が気になるか?

……何か、飲み物を頂けたらお答え致しますわ

【ころころ】
【あっけからんと、『緑一色にした自販機』を指差して聞いてみた】
658 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs :2015/03/03(火) 00:50:59.02 ID:CBhEWk7Z0
>>655
/す、すいません気付くの遅れました
/持ち越し了解です!
/置きスレと本スレ、どちらにお返しした方がいいでしょうか?
659 :リーベ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/03(火) 00:51:07.91 ID:5zpulp/DO
>>650

だってな、サフィア。そんなことっていうけど……
「そんなこと」だろうけど、みんながみんなそれを出来るわけじゃ、ない
みんなが困ってる人に話しかけれるわけじゃないんだ
もしそうなら……道端で死にそうになってるやつや孤児なんて、世界にいるはずがないんだ

お前のいう「そんなこと」は、立派な人助けだと私は思う


【「そう考えるのは、甘いのか──?」 そう、リーベは問いかけた】
【サフィアの言う「そんなこと」だって、リーベの中では立派な「人助け」だったのだ】
【……けど。さらりと、「そんなこと」だと流されて、悔しいなんて思わなかった。むしろ、その逆だった】
【普通の人だって、たまにしかやらない善行。それを当たり前の行為であるかのように言われれば、嬉しいのは当然かもしれない】

【更に続くお金の件や、サフィアの苦笑には──やっぱり、いつものふふんという笑みを返す】
【苦笑に対しても、お金の件に対しても……なぜかどや顔なのだけれど。腹立たしい】

【そして──自分たちの出来ることと能力の話になってしまえばそのどや顔だってさすがに普通の表情になる】
【「氷結の能力」……使いこなせれば、ひどく強そうな能力だとリーベは思った】
【全てを凍らせ動きを止める異能。……お城とか作ってレリゴーして欲しいだなんてこっそり思ったりもしていたのは秘密であった】


最初のうちは、誰だって能力を使いこなせない
私のお父さんやお母さんも、今はすっごい強いけど、最初は一般人レベルだったって言ってたしな!


【それに──そう、リーベは一息ついてまた話し出す】


ふふん……いいか、サフィア。仕事の世界はコネが大事らしいぞ。お父さんが言ってた
確かに「たんぽぽ」でウェイターが出来るかは、わからない
でもな……いいことを教えてやろう!

────UTのトップのセリーナ、今は行方不明らしい
どこにいるかはわからないから、今私が探してるんだけどな……
だからだ、サフィア。セリーナがいないうちに「たんぽぽ」に潜りこんでしれっとした顔して今のうちに「たんぽぽ」に馴染むんだ
そしたらセリーナが帰ってきたとき、「ま、いっかー」ってなるかもしれない

……ん? ────そ、そうだ!!
サフィア、お前がセリーナ見つけてうまいことやれば、雇ってもらえるかもしれないぞ……!


   【 こ の 卑 怯 者 】

【いや、この、誰だこいつ。こいつこんなブラックだったのか。いや、今この瞬間だけブラックリーベになったのか】
【それとも、リーベの今の状態こそ全てのキャラクターが持つ「心の闇」的なやつなんだろうか】
【なんだかもう、「サイン」発言が可愛く見えてくるほどの俗物っぷり】
【……お父さん仕込みの、生活の知恵というやつなのだろう。きっと。そう思いたい】
660 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/03(火) 00:52:58.32 ID:GCUEkhWho
>>653

【二人で共に、そしてその先へ。――そう固く、改めて誓い合って】
【それから買い物へというのが、やはり家庭らしい。そんな呟きを漏らしつつ】

【夕飯をと提案されれば、乗り気とは言わないまでもやはり頷いて答えるのだった】
【元より料理は下手、なのではなく知らないだけ。人任せにしてきたところがあり】
【さればということで、その夜は協力してカレーを作ることとなるのだった】

【――結果から言えば、大きな失敗もない、カレーらしいカレーが出来たと言えるだろう】
【ジャガイモがかなり大玉で武骨な形をしていたり、他にも野菜が不揃いだったり】
【そういう失敗はあったものの、ちゃんと食べられる程度の物が出来ていた】
【勿論、その影には料理上手な妻の助力があったことは言うまでも無いだろう。】

【ついでに言えば、手に何本も絆創膏をする――なんていう、ありがちな事も無かった】
【別に手を切らずに上手くやったというわけではなく、フレデリックの能力のお陰で】
【単純に、小さすぎる切り傷は"傷として残らない"というだけなのだが。――これは、ちょっとした小話。】


【やがて出来上がったカレーを皆で食べ、今日は洗い物も手伝って】
【そうして夜も深ければ共に眠ることになるだろう。慣れないことをしたからか、今度はこちらが先に寝入ってしまいそうで】
【しかし、眠るより先に一言告げるのは忘れなかった。『愛している』という、単純明快な一言だった―。】

/と、いった感じで締めということで…!お疲れ様でしたっ!
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/03(火) 00:53:04.05 ID:4D6HRHrbo
>>658
/もうすぐ終わりそうですし、本スレでやっちゃいましょう!
/21:00くらいには帰宅していますので、またよろしくお願いします!
662 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/03(火) 00:54:12.50 ID:B6xKq7Fro
>>657

 む……それなら、いいんだが

【少女の言葉に神父は怒りを鎮めた。当人が自身の境遇をどう思っているか、それが重要だった】
【それでもやはりそういった境遇に人を変えてしまう連中は、彼にとって腹の立つことに変わりはなかったが】

 飲み物か、それぐらいなら別に……

【少女の指を辿って自販機を見る。少女の顔に視線を戻す。違和感。もう一度自販機を見る。驚愕】
【さっきまで確かにあの自販機は違う色、というか緑一色という点数高そうな色はしていなかった】

 ……あれ、お前がやったのか?

【少女と同じく、神父も自販機を指差した】
663 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs :2015/03/03(火) 00:55:15.13 ID:CBhEWk7Z0
>>661
/かしこまりっ
/ではその時間帯より少し前に本スレにてお返ししておきます!
/長い間お待たせしてしまい申し訳ないです
/今日はありがとうございました!お疲れ様でした!
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/03(火) 01:06:26.31 ID:P0DaY+Eg0
>>660

【煮込んで仕上げるのは流石にマリアが行った。煮込む火加減の調節などはやれとすぐに言われて出来る物でも無いだろうし】
【……そうして二人の手で出来上がったカレーライスが、食卓に並ぶ。スパイシーな匂いが食欲を誘う】
【野菜の形が不揃いな所も、手作り感があってそれはそれで悪くない。子供達も誰が切ったか直ぐに分かったようで】
【今日は殊の外喜んで食べたのだとか……子供達もすっかりフレデリックに懐いたようだ】

【後で感想を訊けば、マリアは「楽しかった」と答えるだろう。料理も誰かと一緒に作るのは楽しいもので】
【其れが愛する人となれば、尚の事。また今度も一緒に作ろうかな……なんて考えていたりするのだった】
【洗い物も、一人でやるより二人でやった方がずっと楽。今日はずいぶんと夫に楽をさせて貰った】
【皿の最後の一枚が洗い終われば、「有難う御座いました!」と一言労いの言葉をかけて】

【暫くすれば、寝床に就くことになるか。眠る前に掛けられた最後の一言に、嬉しそうにほほ笑んで――】

//はい、其方こそお疲れ様でした!
665 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga ]:2015/03/03(火) 01:10:18.00 ID:yHz698/bO

>>662

ふふーん、まぁね!

【予想通りの反応で愉しくなる】

……世界はね、色で出来てる……んだよ?

色は、限りなく全部を表せるっす!

赤なら……情熱的……青なら……クール…

黄色ならビリビリするかもしれないし、黄緑なら風を感じるかもしれぬ

茶色なら土を思い浮かべて、緑なら葉っぱを考えるってね!

そして黒なら暗いしぃ、白なら明るいってねぇ

【ころころころころ】
【目まぐるしく変えながら、話をする】

りえるはね、色を使うことで世界を支配するのだ!

……って感じの能力を得たとさ……半分失敗だけど

【そして最後に、足元の小石をぽんっと自販機にぶつける】
【その自販機は、みるみる内に太い蔦に絡み付かれていった】
666 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/03(火) 01:21:56.84 ID:B6xKq7Fro
>>665

【自販機に絡みつく蔦。神父は本日二度目、目を点にした】

 ……すっげぇなお前。俺ぁこういう能力は何も持ってねえからなぁ

【神父は心に思ったことを素直に伝えた。彼にも特殊な能力そのものはあるが、こういった派手なことはできない】

 あー…………あれか。分かんねえが、お前、その能力とかも気に入ってんのか

【どこか気まずそうに神父は言う。もしも思ったことが正しいのなら、彼女の境遇に義憤を覚えたのはやはりお門違いだからだ】
667 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/03/03(火) 01:26:08.00 ID:pUjfiYBAO

>>659

【皆が皆、困っている他人に話しかけられる訳ではない、だから立派な人助けだと言われればサフィアは笑顔になり】

……私、やります
それで人助けになるんなら幾らだって! 
【なんて言うのであって】

【話題は更に能力の事、自分が出来る事となる】
【氷結、と一言でいってもその氷は酷く脆い……本人はまだ気付いていないが】
【余談だが、彼女が能力を子供に見せると何割かの確率で「雪の女王みたい! 」と言われるらしい】

【更に続く仕事の話。リーベの言葉に「コネ……ですか」などと呟いていたが】

え、なにそれちょっとあくどい
【セリーナがいない間に馴染んで有耶無耶にすればと提案されればボソッと呟く】

……って! リーベさん!? 貴女そんな事言う人ですっけ!? 
幾らコネとか言ってもそれは……
【──も束の間、本人見つければ雇ってもらえるかもという言葉にわたわたと慌てるのだった】

668 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga ]:2015/03/03(火) 01:33:40.54 ID:yHz698/bO

>>666

【何故だか気まずそうな彼の様子を見ながらも、彼女は言葉を紡ぐ】

気に入ってるよぉ!……りえるが生き残れたのも、この眼のおかげだからぁ!

………アリガト

【何となく、ありがとうの言葉が出てきた】
【思えば、ここまで話を聞いてもらったのは久しぶりである】

……そうだ、りえるばっかりじゃ無くて、キミの事も教えて欲しいっす!

とりあえず名前とかどうかにゃーん?

【なので、自然と興味は出てくる】
【というか、今の今まで名前さえ聞いてなかった事にきづいたのだ】
669 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/03(火) 01:41:09.24 ID:B6xKq7Fro
>>668

【礼を言われて神父は少し照れくさそうに頭をかいた】

 あー…………名前、か。ディックだ

【どこか皮肉めいた笑みを浮かべながら神父はその名前を答えた】

 俺のことを教えてほしいったって、見ての通りただの神父だぜ?

【ディックは両腕を広げてくるりと一回転。確かに神父だが、小さい】
670 :リーベ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/03(火) 01:49:23.73 ID:5zpulp/DO
>>667

【笑顔になったサフィアを見れば、それに応えるようにリーベは笑った】
【「やります!」 という返事がくれば「そうこなくっちゃ!」だなんて大きく頷いて、またぎゅうっとサフィアを抱き締めるのだ】

【──そして、コネである。お父さんの知恵袋の一部らしいが……】
【結局のところ、知恵袋の「中身」を使うかどうかは本人の選択によるところが大きい】
【つまりまぁ……カエルの子はカエル。卑怯な知恵を施した「お父さん」の娘にも、若干卑怯な精神は宿っているのだ。多分】
【でもいいじゃん。完全無欠なパーフェクトヒーローなんていないんだし……】
【バカで口下手で俗物で悪どくて能力の加減できなくて田舎者で……意外とこの夜色。欠点まみれなのかもしれなかった】


……むっ? サフィアはあんまりこういうの好きじゃないか
お父さんは「使えるものは使っておけ」だなんて言ってたけどな……人によるか、やっぱり


でも──それはさておいて
セリーナがいないってのは多分、大事なことだろうから……
サフィアも、もしセリーナを見つけたらまず鈴音に連絡してやってほしい。それと、できれば他の、UTの人たちとかにも
セリーナのサイn──いや、それは抜きに、人がいなくなるって、相当なことだろうから、な……
馬に引き摺られてたって目撃情報あるらしいから、探すとしたら病院、だと思うけど


【……時折不穏な単語が混じるのは、気のせいだろうか。サインとか、サインとか、主に、サインとか】
【リーベだって、完璧な女の子じゃないのだ。有名人のサインを欲しがる年相応な仕草だって、みせる】
【けれど、メインはサインではなく──やはり、「人1人が失踪した」ということへの事件性】
【それも……正義組織のリーダーなのだ。行方不明になる理由は、考えにくかった】
【セリーナのことを語るリーベは、直前までのブラックさは陰を潜め……真面目な表情になっていた】
671 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga ]:2015/03/03(火) 01:54:30.31 ID:yHz698/bO

>>669

【ディック、ディック……】
【頭の中で繰り返して覚える】

神父?……ほえぇ

【言われて見ると確かに神父みたいな格好】
【だが、しかし】

……ふむふむ

……神父?

【一回転した様子を観察】
【ただし、なんとなく視線が頭の上に送る】

……あ、そうだ

りえるはね、りえる

りえる・かおすって言うんだぁ!

【少しの間思案した後、自分も名乗ることにした】

672 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/03(火) 02:00:52.00 ID:B6xKq7Fro
>>671

【ふと、少女の視線を追いかける。自分を見てるようで見ていない。目が合ってるようで合ってない】
【なんだか上に向いている。自分の頭を見ている。いやもっと上を見ている。何故だろう。もしや────】


 ────てっめぇえええええええええ!! 今俺の背丈見て神父じゃねえと思ってんだろぉがぁああああっ!!

 ンだよコラァ、てめえの方がちょっと背が高いからって偉そうにすんじゃねえよっ!
 背丈があろうがなかろうが神父に変わりはねえだろうがっ!!
 人を背なんかで判断してんじゃねえよ殺すぞっ!!


【豹変。背丈の話題は(口に出さずとも)彼にとってタブーであった。もう、カンカンである】

 りえる・かおすぅ? 見た目と中身通りカオスなわけか、けっ

【怒りのあまり態度が適当に変わってしまった。顔をぷいっとそっぽ向かせている】
673 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga ]:2015/03/03(火) 02:12:02.42 ID:yHz698/bO
>>672

【どうやら怒らせてしまったようだ】
【身長に関しては彼女も思うところはある】
【なのでちょっと考えた後、行動する事にした】
【……まぁ、彼女の場合、身長じゃない物が育ったのだが】

多分キミの方がおっきいよぉ?

りえるは……角で誤魔化してるのです……

【といいつつ、ディックに一歩踏み出し】
【とりあえず近ければ分かるだろうと、更にぐいっと詰め寄ろうとした】
674 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/03(火) 02:22:54.03 ID:B6xKq7Fro
>>673

【詰め寄られてディックの視線がりえるの頭頂部へと上がる。角だ。角を含めると自分より高い】
【ディックはむっとした】

 ……角で誤魔化していようがそうでなかろうが、俺よりでかいじゃねえか。生意気な

【ディックの視線が下へと落ちていく。顔を通り過ぎて首、更に胸へ。そこで止まった】

 ……まぁ、勘弁してやるか

【そこを見て態度が軟化した。彼は胸好きなやつだった】

 話が二転三転しちまったな。全く、お前が背がどうだの言いだすから……
 もう夜も遅い。お前、泊まるところあるのか?
 ないならうちの教会を貸してやるが……

【ディックが公園の外を指差すと、夜の暗がりの中に十字架が見える】
675 :サフィア・エレファリス ◆rrHt9B4adXq4 [saga sage]:2015/03/03(火) 02:26:24.53 ID:pUjfiYBAO

>>670

【ぎゅうっと再び抱き締められれば彼女は照れたように笑う】

……そうですね、あまり好きではないです
もう少しなりふり構わないって時ならそれもありかもしれないですが……
【こういうのは好きではないかと問われればサフィアは少し困ったように笑って頬を掻く】

……分かりました、鈴音に連絡すれば良いんですね? 
私も宿に泊まってる人や食堂に来る人から色々聞いてみたいと思います
【サインはさておき真面目な表情で返すサフィア】
【とりあえず自分が泊まってる宿の他の客や宿の階下の食堂に来る客から情報を集めてみると答え】

……そうと決まれば早速行動あるのみ、ですかね! 
【漸く人助けの役にたてるかもしれないという嬉しさから満面の笑みを浮かべ、挨拶もそこそこにそのまま駆けて行くのだった】
【こういう所はやはり向こう見ずなサフィアらしいといえばそうなるのだが】

【……まあ、直ぐにUTの連絡先を聞く為に戻ってくるのではあるが】


/そろそろ眠気が酷いのでこのあたりで〆とさせていただきます!
/絡みありがとうございました! 


676 :リーベ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/03(火) 02:29:08.60 ID:5zpulp/DO
>>675
/お疲れさまでしたっ!
677 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga ]:2015/03/03(火) 02:34:23.26 ID:yHz698/bO

>>674

【何故か視線が下に行った気がした】
【が、とりあえず落ち着いたので良しとする彼女であった】
【そして、そこに思いがけない提案】

……良いの?

【遠くに見える十字架とディックを交互に見ながら聞いてみる】

…なら、お願いしたいっす!

ここ最近は野宿だったからな

そろそろ、屋根のある場所に一度は入りたいと思っておりましたわ

【ころころころころ】
【表情も口調も変えて、ディックの提案に乗る】



/そろそろいい時間です?

678 :ディック ◆r0cnuegjy. [saga]:2015/03/03(火) 02:38:16.08 ID:B6xKq7Fro
>>677

 ころころ変わるお前の口調も慣れてくると面白いな
 なんだ、珍しいもの見せてもらったし、そもそも珍しげに見ちまって失礼だったしな
 その礼だから気にすんな

【そう言うとディックは少し笑ってみせた。色々言いはしたが、神父である以上、困ってそうな人は助けたくなるのだ】
【ついてくるように手招きをしてから、彼は公園の外へと向かう。いくつかの通路を進み、小さな教会にたどり着く】
【彼はそこでりえるにベッドのある一部屋を貸し与え、自分は別の部屋で寝るだろう】
【翌日の行動は彼女の自由だ】

//ですです。ちょっと雑な纏めですが、今日はこのへんで
//夜遅くまでありがとうございました。ちょっと不調で、上手くできなくてすいません。また遊びましょう
//お疲れ様でした
679 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga ]:2015/03/03(火) 02:55:55.68 ID:yHz698/bO
>>678

【教会の貸し与えられた一室】
【そこで彼女は、一冊の本に何かを書いていた】

今日は、よかったなぁ

久しぶりです……人と長く話せたのは……

……ディックは…白?……うーん……灰色?

【カリカリカリカリと】
【彼女の一日を締めくくる日記を書きおわる】
【明日の事はまだわからないが】
【離れても、また来ていいかなと】
【ぼんやり思いながら、気づけば寝ていたのであった】

/こちらこそです!
/こんなに遅い時間まで、自分の拙いロールにお付き合い頂いてありがとうございました
/ではお疲れ様です!
680 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/03(火) 18:45:54.95 ID:dckvcXqqo
【──水の国、砂浜。】
【そこにいるのは、体長5Mにもなる、巨大な翼竜──】


(──こいつあれだな。大きいだけあって俊敏さは言うほどないって感じだな…。
俺が乗ったら飛べなくなるし、一度変化させたらなかなか戻らない…。

嘴のまんまのほうがいいンじゃねーかってくらい、なんつーか、…、)
──弱い…。


【その正面に、一人の青年がその翼竜を見上げている。】
【黒い和風外套にハット、白い革の手袋を填めている中肉中背の青年だ。】
【もうひとつ特徴をあげるなら、右手に鞘に納めた両手剣を持ち剣先を地面に置いている所くらいか。】

【自身の覚醒後の能力についてずたぼろの評価。】
681 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/03(火) 20:53:21.80 ID:5zpulp/DO
>>652

ふふ、機関員様らしい答えだわ……。娼婦に言われたくはないでしょうけれど
あなたの取り引き相手は苦労しそうね──?


【男の性根の深くまでを知っているわけではない】
【だが、たった数時間にも満たない会話だけでその一部を覗くことはできた】
【詐欺師なんて言葉は、彼を示すには綺麗すぎる。機関員らしい男だと、女は思った】


【死体が猿面たちと共に、闇の中へと消える。だが、やはりというか……既に女の興味は死体にまったく向いておらず】
【彼女の思考は、男の語る内容に、完全に移っていた】
【まずは猿顔の軽い社交辞令のような最初の言葉を、女は笑って流す】
【今は、男が枯れているかどうかなど関係がないことだった。彼女が聞きたかったのは……そこから「先」の話だ】

【──吹き込むか。集めるか。獲る、か。その言葉とジェスチャーだけで、何を意味するかは分かった】
【少しだけ、悩んだ。だがほんの少しだけ。獲る、ということはたまに自分がやっていることだったからだ】
【娼婦であることに大袈裟なプライドなんて、そんな高尚なものを女は持ち合わせてなどいない】
【女は金と引き換えに、求められた行為をするだけなのだ】
【客が次の日路地裏の染みになろうが海の藻屑になろうが、関係なかった】
【それに──たまに感情の昂りに従い「染み」を増やす行為に金額がつくのは……。ふふ、と笑みが零れた】


……喰えない男。でもいいわ
お金さえ貰えれば、私自身に害のない範囲で大抵のことはする。それが娼婦ってものよ

それで──? 私は何をどうすればいいのかしら機関員様……?


【女は、笑っていた。会話の端々に仄かな血生臭さが漂っているのにも関わらず、だ】
【男の欲望に触れることをしなくなったのも……余計なことに首を突っ込まないように努めているからか】
【変に客に興味を持ちすぎた結果、人生が破綻した同業者たちを女はよく知っていた】
【──結局のところ、彼女は金さえ払えばなんだってする女なのだ。駒として使うには、都合が良いかもしれない】

/お返ししておきます!
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/03(火) 21:44:59.67 ID:4D6HRHrbo
>>681
キキッ――いやはや、話が早くて大変助かります

とはいえ私のお願いしたい内容など先程提示したモノと大差はありませんよ?
私どもに有益な情報や、価値のある"首"に対して報酬金を設けるというだけの話です

自警団の、政治家の、正義組織の――カノッサの……
個人もしくは団体の急所となりえる内容であれば相応の額……そうですねえ
一千万を最低ラインとして考慮いたしましょう

【寝物語――情事後の気の緩みに吐き出される其れらは】
【娼婦や愛人でなくては聞き出すことは難しい、限られた者にしか依頼することの出来ない仕事だ】
【それもただの娼婦――浅ましいだけの女ではなく】
【目の前の女性のようにマシラからして"信用に値する"人物である必要が生じる】
【"首"に関しても同様だ。男が最も油断する瞬間を狙うことが出来】
【また、武器を携帯する必要もない能力者であれば尚の事成功率は期待できる】


【故に彼女を駒として使うならば、己の部下のような諜報、暗殺が相応しいと判断する】
【能力者など手段さえ確立していれば替えがきく存在だ】
【戦闘員として使い捨てるよりも有益な手段があればそれを選択する、それだけの話であった】

【また、"吹き込む"に関しては説明しない】
【恐らく、何らかの理由で必要ないと判断したのだろう】
【これで、仕事の説明は終わり。ならば後は契約を交わすだ――――】


――――とまあ、これは貴女様を駒として雇い入れる場合のお話です。


【――――パン、と拍手を一つ打ち鳴らす。話題の転換を表すように】
【これ以上、何を話す必要があるのか】
【その答えは、待たずともすぐに判明することになる】

先程も言いましたが、私は"欲望"の味方を自称しております
皆様が胸の内に抱え……しかして力及ばず現実には叶える事の出来ない"欲"を
あらゆる手段で満たして差し上げることを本来の生業としております

ええ、ええ、私が説明した通りに仕事をしていただけたならば、私としても実に助かりますし
貴女様も莫大な報酬を得る事が出来、今以上に豊かな暮らしの中である程度の充足を得ることが可能でしょう――ですが、


【コツ】

【コツ、コツ】

【三歩、彼女に歩み寄る。ギョロリと闇の渦巻く両の眼で彼女の心を覗き込むように】
【その顔をじとりと観察しながら、"本題"を切り出した】


本当に"それ"が――貴女様の"欲望"でございますかねえ?
いえ、いえ、地獄の沙汰も金次第、それで満足なさる方も当然多くいらっしゃることでしょう

ですが、貴女様は人ならぬ力を天より授かった身……本当に"それだけ"ならば実に無欲な御方だ
もし……もしもですよ?
貴女様が心の奥に仕舞い込んでいる、本当の"願望"がおありならば……いかがです――この"猿(マシラ)"めにお聞かせいただけませんか?

【闇の、更に一歩先。其処へと誘う手が彼女に向けて差し伸べられる】
【口は裂けたように吊り上がり、血のように真っ赤な舌が微かに差し込む月光に照らされ不気味に闇に浮かび上がっていた】
【この誘いに対してどのように答えるだろうか。無論、上記の契約内容で構わないというのならばそれで話は終わる】

【しかしながらもし――"己の欲"を叶えたいと願うならば、話は更に先へと突き進んでいくことになるだろう】
683 :ヒライ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/03/03(火) 22:13:02.38 ID:fYPsWH3ho
【酒場】

【街の外れの外れの裏通りの路地の先にあるような安酒場】
【夜通し開いていて馬鹿みたいに安い以外は良いところはない】
【客は多種多様で仲間と馬鹿話をして大笑いするチンピラ、博打を打つおっさん】
【古ぼけたスーツで1人読書をする白髪の老人、仕事あがりのケバイ女などなど…】

【ある一角。ビールとバーボンの瓶と吸い殻が入りまくった灰皿のあるテーブルに】
【やたらと長いブラックリジットデニムとレースアップの10ホールを履いた足を乗っけて】
【椅子で船を漕ぎながらガッツリと爆睡中の男が居た。顔にツバの広いハットを乗せ、背もたれの縁に】
【首を預けながら真上以上の角度で寝ている。服はシンプルなシャツのジャケットとネクタイ】
【腕時計は変な三角の形だ。その腕をだらんと伸ばして寝ている。このうるさい店内でよく寝れるものだ】

【まあ、そっからは予想通りで寄った客が足を引っ掛けて、椅子のバランスが崩れて、真後ろに思いっきりコケる】
【頭を直で打って、板張りの床に転げて、帽子がどっかに飛んでった。客達は一瞬目をやって、それ以上何もしない】

……痛っ………あー……ん?…今何時だろ…

【彼はサングラスをかけていて人相はわかりづらかったがとにかく背だけはやたら高くて細かった。もやしどころかカイワレだ】
【立ち上がってから、椅子を元に戻して、瓶に少し残っていたビールを飲んで、「…よわったなあ」と溜息をついた】
684 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/03(火) 22:17:13.08 ID:5zpulp/DO
>>682

【よくある話だ、と女は思った】
【かつて出会ったヴラドは、銀幕が好みだと言っていた──なら、こんな話もスクリーン越しに観たのだろうか】
【最低ラインが予想より高額だったのも、女の気を良くさせた。流石は天下のカノッサだと思う】


【ぱん、と音が路地に響く。契約を了承するかのように、女は恭しく頭を垂れた】
【仮にカノッサの味方だという噂が流れるとしても──それは早くても半年ほど後になるだろう】
【それに、女は何処にも所属しない娼婦だった。自分に不利な噂が出たところで、違う街にいけばそれで終わり】
【──自身を社会の嫌われ者だと女は自負していたが、社会に縛られぬ身軽さは気に入っていた】


【……こつ、と足音が暗闇にこだまする】
【男が話を続けようとしていることに気付き、女は首を傾げた】
【欲を強調する、男の口振り。女の表情が、怪訝そうに歪み……そして、じわりと笑みに変わっていく】


──私、ケモノが嫌いなの。あの臭気……呻き声……醜い爪に……黄ばんだ牙……!
獣人なんて見たくもない──……!

……ふふ。でも、あなたの力を借りるのは癪だわ
私はあなたに踏み込まない──女の心を「濡らす」には、ただ指を入れるだけでは不合格よ


【──ケモノが、嫌い。そう言った瞬間、女の瞳がぎらりと輝いた】
【喉から搾りだすように紡がれた声には、明確な憎悪と……皮肉なことに、獣の如き獰猛さが潜んでいた】
【しかし──娼婦として、ではなく彼女自身としてのプライドか。女は、男の手を取ることはなかった】
【欲望は見せた。それだけで、満足しろと……そういうことだろうか】
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/03(火) 22:44:47.03 ID:4D6HRHrbo
>>684

――キ、キキキ……ッ! ああ、これはこれは残念です。振られてしまいましたねえ!

貴女様が今しがた覗かせて下さいましたその"欲"の行く末を――この眼で是非とも見てみたかったのですが
ええ、ええ、私とて引き際は弁えているつもりです。無理強いなど無粋な真似は致しませんとも
では――

【甲高く耳障りな笑い声を洩らしながら、くるりとその場で一回転し】
【紳士然とした深い一礼をしてみせながらも、追求することもなくあっさりと諦める】
【"獣人"に対する深い憎しみ。それが齎す未来に興味がない訳ではないが】

【飽く迄もマシラは客の欲望を"支援"する立場だ】
【相手が望まないのならばそれまで、元の話に戻すだけである】

【マシラは後ろに手をやり、指先で合図を送ると】
【背後に控えていたもう一体の部下が反応し、その場から飛び退ると闇に姿を消す】
【……もう一度、その隠密が姿を現すのは丁度一分後】
【その手には、小さな革製のバッグが握られており】

……改めまして、カノッサ機関No.95"マシラ"の名の元に貴女様を正式に雇用させていただきます

――中には前金として200万。それと私の事務所に繋がる連絡先を記載した紙を入れておきました
今後のカノッサの発展の為、ご活躍を期待しておりますよ

【マシラが台詞を言い終えると同時に、黒装束は滑るような動きで彼女に近づき】
【そっとバッグを手渡そうとするだろう。中を覗いたならば口にした内容と寸分違わぬ物品が納められている】

【人間としてはまるで信用ならない人物だが】
【事、契約や商談に於いては理由がない限りは律儀に接するのがこの男だ】
【何らかの形で不利益が生じない限りは――仕事をこなしただけの富は約束されることだろう】

【彼女がこれを受け取り、承諾したならば今宵の遣り取りはこれまで】
【何事もなく進んだならば「では、最後に――」と、彼女の名を尋ねる事だろう】
686 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/03(火) 23:02:09.67 ID:5zpulp/DO
>>685

【──思わず、感情を昂らせてしまった。普段なら、コントロールできるはずなのに】
【先程死体を見てしまったせいか。彼を照らす月の光のせいか。男の、耳障りな声のせいか……嗚呼、酷く、苛つく】
【けれど……けれどまだ話は終わっていない】
【目の前の男を軽く引き裂いてやりたい気持ちはあったが、後々面倒なことになるのは分かりきっていた】

【──男……マシラが引き下がれば、暫く女は目をギラつかせていたが】
【それでもバッグが手渡されるころには──今まで通りの笑みを、浮かべていた】

【受け取ったものの中身を、確認する。形式的に確認しただけで、いちいち枚数を数えたりしない】
【連絡先を見ることすら、しなかった。きっと後から見るつもりなのだろう】
【そして、雑にバッグを持つと彼女はそっと、マシラの手を取ろうとして──】


……ロゼッタよ。ロゼッタ・ルゥ
部下の方に息抜きすることも教えてさしあげて──?


【──拒まれなければ、マシラの手に口付けを施そうとする】
【別にその行為を拒絶しても、彼女は気にしない。拒まれることに、彼女は慣れていた】

【一連のやり取りが終われば、ふふ、と彼女は笑ってその場を去る】
【かつ、こつとピン・ヒールの音を響かせ──女はそのまま、暗闇の中に消えていった】

/お疲れさまでしたー!
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/03(火) 23:17:14.08 ID:9gHmv17G0
【とある国の某所にて】

【不要になった採石場、ここは現在 自警団や様々な組織の使用する訓練施設となっている】
【また、一般にも解放されており、個人が技を磨いたり 能力者が自身の能力を試す場としても使われていた】

【あちらこちらにコンクリート製の高さ1m程の障壁が設置されていたり、丸太に麻の布を着せたような案山子の的まで用意されていた】
【この設備ならば訓練にはもってこい、加えてここに来る人間同士で組手まで可能なのだ】
【流石に殺しとなると問題だが、位置的にも病院に近く、少々の無茶ならば平気というわけだ】

……むむぅ……………………っ…………

【そんなこの場所に魅せられてか、今日もまた誰かが、丁度施設の中央付近で仁王立ちをしていて】
【身長は優に180、いや190は越えている、黒のタンクトップから溢れ出る筋肉はボディービルダーのようにがっちりとしている】
【稲妻のようなギザギザに綺麗にセットされた口髭、右の額と左の目元についた傷痕は歴戦を生き抜いた証か】
【下は軍支給の乗馬ズボン、輝く額とちょこんと乗っかったような七三分けが特徴的な男だ】

【しかし時刻は早朝、施設は開いたばかりで誰も居ないのだ】
【彼自身は大真面目にここへ鍛練にやって来ていた、だがそのせいで誰も相手が居らず】

誰か吾と闘ってくれる者は居るまいかーーーーーーッ!!!!!

【スピーカーのように大きな声で、そう叫ぶのであった】

/予約です!
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/03(火) 23:23:59.59 ID:4D6HRHrbo
>>686

【ロゼッタに手を取られても、マシラはニヤけた笑みを崩さずされるがままにする】
【警戒していないのか、それとも何があろうと対応できる自信があるのか】
【拒むことなく彼女の口付けを受け入れて】

キキッ――そうですねえ、たまにはそういった催しも考えておきましょうか
では、ロゼッタ様……ごきげんよう、良い夜を――

【大仰な仕草で礼をして見せながら、ロゼッタの背中を見送る】
【無論ながら、その背を刺すような真似はせず】
【ぎょろりと……昆虫めいた無機質な視線で彼女を今一度見やった後】
【部下を引き連れながら闇の中へと溶けるようにして去っていく】

【闇に潜む悪意、世界最強の暴力とも謳われるカノッサ機関との繋がり】
【それを得たロゼッタが如何にして――その"欲望"を満たすのか】
【脳裏に薄く過ぎらせながらも、猿顔はくっくっ、と喉を鳴らしながら思い馳せていた――】


【今後は、マシラに情報やターゲットの死体を引き渡すことで報酬を得る事が可能となる】
【モブ( NPC )を対象とする場合は、中の人やキャラへの連絡をせずとも】
【"達成した"という事にして金銭を取得する設定を使用することが出来るだろう】

【また、プレイヤーキャラクターや組織などを対象とした場合は】
【ロール中に得た情報をマシラに連絡する事で報酬を得ることが出来】
【必要ならば、マシラを通してその情報をカノッサの連絡ツールで伝達することも可能となるだろう】

/お疲れ様でした!
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/03(火) 23:32:28.64 ID:VB4eYRe80
【ゼン=カイマにまた別な教会からの手紙が届いたのはつい数日前】
【差出人の名はグリースとか記されていなかったが――――この都市の一部人間にとっては態々特筆すべきでも無いであろう】
【況してや其れが現大司教宛なのだから、受取人自身が差出人をよく知る筈だ】

【さて、内容はと言えばゼン=カイマで拘留しているであろうアーグの手下についての事】
【自身が行って直接その人物から話を聞く、との旨だけが簡潔に記されていた】
【――――許可を求める訳でも無く、殆ど決定事項の如く決めつけていたのは彼女らしいが】



【そして当日。ゼン=カイマ上空に現れたのは翼を生やした件の女】
【目的の人物が拘置されている教会の前に降り立てば生やしていた翼を消して】
【――――……一瞬ばかり腰に提げた双銃に触れるも、今は必要の無い物と判断すればそのままで扉を数回ノックする事だろう】


「キミの所の大司教サマから許可を受けて来たグリースだけど入れて貰えないかな?
別に問題を起こすつもりも無いからさ」

【場所が場所――――と言うよりも、此処で拘束している相手が相手にも関わらず何時もと変わらぬ調子】
【仮に扉が開かれたならば、中へと入って「お疲れ様ー」なんて労いの言葉と共に手土産として持ってきたパンの入ったバスケットでも近場の者に手渡すのだが】
【無論、女がそれだけの為に訪れた訳で無いのは手紙の内容を知っている或いは伝えられて居れば分かる事】
【「で、問題のロースは何処に居るのかな?」と小首を傾げながら言葉を続け】


/予約でありますー
690 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga sage ]:2015/03/03(火) 23:40:21.78 ID:h48d40aUO
>>687

くぅ……くぅ……

【早朝、彼女は寝ていた】
【前日の夜から寝床を探して、日付が変わってしばらくした辺りで見つけた寝床】
【もちろん彼女はできる限りの睡眠を貪るつもりだった】
【……だったのだが】

…………うきゃぁ!?!?

【突然の叫び声】
【それはもう凄まじい叫び声に一瞬で目を覚まされる】

……なんなんですかーいったいー!

折角の……睡眠が……

絶対許さないっす!絶許っす!

【ころころころころ、口調も雰囲気も表情も変えながら】
【ガバッと起きて周りを見れば、ガッチリとした体格の男が一人】

……近所迷惑とか考えないんですの!?

【標的を見つけしだいビシッと指を指し】
【150センチ行くか行かないかの背丈でピンクと銀の縦ロール、赤と黒のゴスロリ、隠す気は更々無いちょこんとした角と大きな翼と爬虫類的な尻尾、そして赤と極彩色のオッドアイという属性詰め合わせ少女は怒鳴り返した】

/お待たせしました、よろしくお願いします!
691 :ロース ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/03(火) 23:52:40.93 ID:GCUEkhWho
>>689

【――手紙と、その内容に対しての返事は無かった。というのは】
【即ち『好きにしろ』という意味合いであって、決して邪険に扱ったわけでもなく】

【事実、ゼン=カイマに辿り着けば壮年の男性が彼女を待ち受けている】
【名はアレクサンドル。元々は騎士団の一幹部であり、今では司教の地位にあった】
【フレデリックよりも年上だが、謙虚で身の程を知った背の小さい男である】

『お待ちしておりましたぞ、グリース様。あの手下の尋問……でしたかな
 大司教様から話は聞いております。よろしくお迎えするように、と……さて、此方です。』

【頭を下げてから、案内する先は教会の奥。本来、其処には神父の生活空間や】
【或いは鐘を鳴らす塔への階段があったりするのだが――今回は、更にその奥へ】

『本来は荷物置き場でして。……何分、少しでも"水"があると能力が使えますからな
 地下牢に繋ごうにも、あそこは水気が多いですし手枷も効かない相手です。
 ……今は従順なものですが、お気を付けを。我らは扉の外に居ります故、何かありましたら…――。』

【たどり着くのは教会の最奥。半地下で、窓のない乾燥した部屋の前】
【扉は複数の錠前や結界で塞がれていて、それらを全て開けるのに二分もかかり】

【――やがてグリースが中へ入れば、安全の為か簡単な鍵がかかる音がするだろう。】
【室内は白熱球があるもののやはり暗い。ちょっとしたテーブルと椅子、古ぼけた本棚等など】
【如何にも物置です、という佇まいの中に彼女は居た。真っ白なドレス姿――に、見える肉体を持ち】

【その表面は明かりを受けて僅かに輝いて見えたが、乾燥はやはり好まないのだろう】
【白肌はなんだかくすんで見えて、表情も少し退屈そう。椅子に腰掛け、両断された黒いシルクハットを淡々と縫い合わせながら】
【この部屋に入ってきた、一般人とは違う誰かを、眼を慣らすようにじっと見つめた。】
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/04(水) 00:17:20.98 ID:NbJQr46l0
>>690

【朝日を浴びて男の額がキラリと輝く、前髪がかからぬようきっちりとセットされた髪型だからか、男にスポットライトでも当たっているのではないかと言うほどに輝いている】
【怒鳴り声で少女の存在に気が付くと、そちらへと向き直って】

いきなり何を言うか、派手好きのレディよッ!!!
今はもう6時半であるぞ!6時になれば起きるのが一般人(ヒューマン)の常識であろう!!

見よッ!太陽も金色に輝いておるぞッ!あの太陽こそ一日の始まりを知らせる世界の目印!
怠惰はいかんぞ!例えそれがお若いレディであったとしても例外としては認められん!!!

【両手を顎の高さに挙げ腕を曲げる、そうすると自然に上腕二頭筋が膨れ上がり】
【太陽の光に肌が照らされて、少女には分からないだろうが見事な肉体美の光景を作り出す】
【彼曰く、6時には起床し 身仕度をしているのが一般人の常識なのだという】

…………ならばかかって来るが良いッ!そのエネルギー、全て吾が受け止めてやろうではないか!!!
遠慮は無用!手加減も必要なし!その眠気を醒まして弛んだ習慣を叩き直してくれるわッ!!!

【何とも暑苦しい言葉の数々だが、言い終えると男は青いグローブをはめて構えをとっていた】
【両の拳は顔と腹部をカバーするような中段の形、人差し指をクイクイと曲げて見せている事から、先手はくれてやると言っているのだろう】
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/04(水) 00:19:05.07 ID:Lywp/nBc0
>>691
【手枷も効かない、と聞けば大体は予想通りなのだろう】
【尤も、従順であるのも振る舞いであるのか否かは分からない事】
【――――本人は聞いているのか聞いて居ないのか、適当に返事を返せば扉を抜けて】


「まあ、こう見えてもボクは其れなりに心得もあるつもりだし安心しててよ
万が一、なんて事があれば…………その時はその時でどうにかするからさ」

【今から会いに行くのはアーグの手下、であるにも関わらず。何時もと変わらぬ緩い笑みのままで答えて】
【手をヒラヒラと振りつつ中へと入り――――やがては目的の人物を視界に入れる事となろう】
【「やっほー」なんて言葉は果たして命の奪い合いをした相手に掛ける言葉かも怪しいが……自然と其れをするのがこの女】


「いやあ、キミも大変だったねえ…………街を冠水させたと思ったら色んな人に目の敵にされたりしてさ
最終的にはこんなVIP待遇の場所に閉じ込められちゃうんだから。――――僕もその一因を担ってるのかもしれないけど

少し振りだね、ロース。元気にしてた?
どうせあの頭の硬い大司教サマは遊び相手も話し相手も用意して無くて退屈だろうと思ったから遊びに来たよ
暇だったらボクとお話しでもしてくれないかな?
顔色?うーん……身体色?よく分からないけど、何だったら林檎半分分けてあげるからさ。」

【悪びれる様子を見せることも無く。気儘にベッドにでも腰を掛ければ言葉を紡ぎ始めた】
【此処に捉えられている者にとっては意外な訪問客――か否かは定かでは無いが】
【何であれ勝手に踏み入ったその人物は小首を傾げつつ問うた。自分と話してはくれないだろうか、と】
694 :ロース ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/04(水) 00:31:08.45 ID:YLI4c1jWo
>>693

……あら。お久しぶりですわね、グリース・イムリンパルス様?
まさか貴女様がこのような場所にまで居らっしゃるとは思いませんでしたわ
もう少し自由が効けば、せめて掃除くらいはしておきましたのに。

【他の聖職者とは違う軽い言葉。何より、見聞きしたことのある音色と姿】
【すぐに相手が誰かは理解出来たらしく、スッと立ち上がって恭しく礼をする】

【――確か、以前の戦いではゼン=カイマの騎士・エルヴェツィオによって】
【胴や頭部をレイピアで貫かれていたはずだが、やはり彼女も不死らしく】
【何処に不具を伴うでも無く、平然として彼女を迎え入れる】

本当に。此処は私にとっては地獄……いえ、砂漠のような場所ですから。
かろうじて岩間の日陰に逃げている状態、とでも言えば分かりやすいでしょうか?

……ですから、林檎を頂けるのなら是非。お礼は期待しないで下さいませ
わたくし、今持っているのは針と糸……それにこのシルクハットくらいですから。
それで…――どのようなお話を?女二人で恋愛話、という方でも無いでしょうし
……そうですわね。歌舞音曲でしたら、得意ですけれど。

【マイペースな所は似たもの同士かも知れない。砂漠のよう、といいつつも】
【その言葉は何処か余裕があって、なんだか死ぬ時までそんな調子なのではないかと思わせる】
【綺麗に縫い合わせたシルクハットをくるりとさせてかぶると、白い瞳をグリースに向けた。】
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/04(水) 00:42:36.70 ID:m7FnAhXC0
【街外れ――広がった草原と、その向こうには林が見え】
【元はぽつぽつとでも建物のあった場所なのだろう、草原の中には時折生活雑貨や家の名残が見え】
【転がっていた熊の絵が描かれた茶碗をぱきりと踏み抜く足、――強い風に長い髪が翻った】

わあ、お星様綺麗――、

【呟く声はどこか鈴の音に似て高く透き通る、「夜景も綺麗」と呟いて笑う口元からは、ふわりと白い吐息が昇り】
【きょろきょろと辺りを見渡しながら、足場の悪い中を気をつけるような仕草で歩く――人影は、少女だった】

【真っ黒く長い髪は腰の長さまで、春の近い夜の風は冷たいような暖かいような、中途半端な温度に踊り】
【瞳は黒赤、左右で色違い。右耳には片方だけのピアスをしていて、宝玉の欠片をあしらった色味は月白色】
【黒を基調にしたワンピースはふんわり広がった姫袖と後ろ下がりのスカート、腰元には飾りのコルセットを締めて】
【ふわふわのパニエが裾からちらちらと覗く、すとんと細い足には編み上げのパンプスの紐がぐるぐるとして】

特等席、みつけた――。

【肩から鞄を提げた彼女はすっかり綺麗に柱の折れた家、屋根だけが三角に残る民家を見つけると、】
【積もった瓦礫によいしょっと登って――最終的にはちょこんと煙突の上に腰掛ける、そうすれば】
【数メートル程度の高さだって周りがよく見えるようになって、どこか満足げ。笑えばころころと鈴を転がすよな声がして】
【――何かあればきっとすぐに気付くのだった。或いは気付かれるかもしれない、人外めいた索敵能力など持ち合わせないなら】

【遠くで鳥の鳴く声がひとつ、夜だのにさえずる音色は、だけれど不思議と、この光景に似合っているようで】
696 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage saga ]:2015/03/04(水) 00:44:27.09 ID:whuJK1icO

>>692

【ここに来て、安直に声をかけたのは失敗だったかなと彼女は思う】

……本当になんなのだろうな

【言いたい事を言ってとりあえずスッキリした彼女は】
【いかにもかかってこい、という様子の男を見る】
【途端、頭の中で『何人かが』作戦会議を始める】

……素手は専門外だから、得物くらいは使わせて貰うわよ?

【そうして出した結論は】
【とりあえず相手をしてみるという答えであり】
【彼女は愛用している得物】
【銃としても、逆手で扱う剣としても使える二丁拳銃をスカートの中からサッと取り出した】
【銃のグリップにナックルガードを兼ねた片刃のブレードが付いた、特長的な品である】

……ガン=カタ、なんてね!

【そのまま、跳躍】
【バッサバッサと羽ばたいてある程度の高度に到達すると】
【次の瞬間には真っ直ぐに男に急降下し始めた】
【彼女としては『まだ何を使っていいか』分からない闘い】
【なのでとりあえず、闘いながら聞こうかと思い】
【一気に距離を詰め、とりあえず挨拶代わりの飛び蹴りを放つ算段だ】
【仮にも人間を辞めて異形と成った彼女の一撃】
【並みの人間ならば、もしかしたら軽く弾き飛ばされるだろう】
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/04(水) 00:51:17.60 ID:Lywp/nBc0
>>694
「んー?掃除をした後よりもする前の方が生活感もあって突撃してて楽しいと思うけどねー……
ま、此処を掃除したら折角の椅子も本棚も全部無くなってそれこそ殺風景な部屋になっちゃいそうだけど

しっかしキミもやっぱりブリッツと同じ性質なんだね。ああ、短気さとかは全然違うみたいだけど
――――お礼は要らないよ。ボクが勝手にあげたんだし」

【懐から取りだした林檎。魔力も何も込められていない短刀を手にして半分に割ったならば、其れを女性へと放る事だろう】
【時期が時期なのだから蜜も水分も存分に入って居て潤すには十分か】
【残った半分を囓りつつ、返答を聞いていたならば小さく笑って】


「恋愛話をしてる位なら昼寝でもしてた方がボクは好きだな
――――大体は気付いてるんじゃないかな?それとも、ボクが来た、と分かった時点で察してたとかさ

“島”についての話とキミの所のお爺ちゃんについての話を聞きに来たんだ
別に協力的じゃなかったら関節を一つ一つ千切ってくとかそんな事はしないよ。だけどまあ、それなりに協力してくれればボクの方からお堅い大司教サマにキミの待遇を良くしろとでも伝えて置くし
でなければまあまた色々な事を交渉しておくよ。願いがあるなら……ま、叶えられる範囲なら叶えるし
コッチの教会の許可があれば何度か遊びにでも来るからさ
無理に話させる気は無いしキミにとって得かどうかは分からないけど――――どうかな?」

【言葉が示すのは、先日海賊船が上陸した件の島。そして、彼女の主でもあるアーグについて】
【無理に話させる気が無いとは本当の事なのだろう。何より、嘘を吐かれたとしても真偽は判断できない】
【――――ならば。自ずと協力するのを待つまで。彼女にとって、情報に対しての報酬が魅力的であるかも分からず】
698 :ロース ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/04(水) 01:08:38.36 ID:YLI4c1jWo
>>697

ええ、"不死"ですわね。具体的に申し上げれば、不死というよりも
所謂『残機制』とでも言えば良いのでしょうけれど……詳しくは、聞かれたらお話しますわ。

【放られた林檎を受け取れば、ほんの一瞬グリースを見遣ってから】
【クスリと笑って、瑞々しい果実を口にする。その水分が心地よいらしく】
【なんとなくだが――その表皮にも潤いが満ちていくようにも見え】

私が水分を操れると知って、それでも尚渡すのは信頼と捉えてもよろしいのでしょうか?
……勿論、気まぐれでしょうけれど。それでもお礼は言わせて頂きますわね?

それで、ドラクレア島とアーグ様のお話……具体的には、何を?
私が貴方様に『教会について聞きたい』と言っても、受け答えの方法が幾つも有るのと同じですわね。
答えられることもあれば、答えられない事もございますし……

……それに、私はアーグ様の駒ですから。純粋に知らされていない事も多いですわ
それでも尚と仰るなら、お幾つでも答えて差し上げますわよ?
ただ座っていても暇ですし、待遇改善は是非お願いしたいですもの。

【返答は色好い物。分かる範囲で答えよう――ただし、全てを知っているわけではない】
【其処だけキチンと釘を指して、林檎をシャクっ、と口にする。】
【恐らく、嘘ではないはずだ。信頼という一点においては、ブリッツの100倍は信用出来るだろう】
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/04(水) 01:14:31.38 ID:NbJQr46l0
>>696

それぐらいは当然の権利であろう……、吾はこの拳で十分……!

【妙な形をした武器を使う、しかしそれぐらいを許さなければ対格差も筋力も違う】
【あくまでもフェアに出来る限り近付ける、それが男の中の真理であった】

……その翼、やはり飾りではないようだなッ!!

【急降下によって加速させた飛び蹴り、結論から言えば成功であった】
【それはぶつかると どすんという低い音を鳴らし、男に確実に当たっていることを告げる】
【しかし 当然反応せずに棒立ちしていた訳ではない、その豪腕をクロスさせ、胴はしっかりと守りきって】
【それでいて身体の軸も土煙を出しつつも数センチ地面を引き摺っただけだ、並のタフさではない】


【今度はこちらの番だと身体を横にずらし、細かいステップを刻みつつ、少女の右肩左肩に目掛けて二発のジャブ、一発一発は全力には遠いが 素早く、鋭く、確実なパンチだ】
【だが彼の筋肉量から見て それも成人男性のストレートに匹敵する威力だと察するのは容易、一気にK.Oされるということは無いにしても 注意が必要だ】
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/04(水) 01:27:45.61 ID:Lywp/nBc0
>>698
「場所が場所だ。キミだって林檎一つ分の水だけで大きな騒ぎを起こすつもりは無いって分かってるからね
ビリビリ君な彼なら乾電池一つでも喜んで厄介事を起こすだろうけど」

【ゼン=カイマで閉じ込められていながら僅かな水分で騒ぎを起こせば――――……それより先は彼女ならば語る必要も無いと判断すれば肩を竦め】
【代わりとして「少しでも元気になったなら良かったよ」の言葉】


「そこら辺は理解してるよ。全部答えられるとしたらダグラスかアーグだろうからね
けど、まあ。0と3とじゃ全然違うし、少しでも情報が貰えるならボクとしても有り難い話
まだ全容を知らないから明確な質問を投げる事は難しいけど――……強いて言うなら、先ずはアーグの協力者かな

キミとブリッツ、そしてダグラスだけじゃ無い様にも思えるんだよね。確かにお爺ちゃんは凄く強いけど…………協力者が三人だけだと大群相手には苦戦するんじゃない?
そして何で態々あの島を選んだのか。ボク自身はまだ直接行ってないから詳しくは分からないけど、龍が居たり“無くなった筈の”建物があったりするなんて話も聞くし
――――あの島は一体何なのかな。ただの不思議な島、で片付けるには事が大きすぎるけど」

【核心を聞こうにも、まだ其処に至までのモノを手には入れていない。だから、断片的に情報を手に入れて其れを自分なりに組み合わせて行く】
【協力者と、島についてと。最初の問いはごくごく単純なものが二つだ】
【特に協力者については他にも居るならば名と人物像を聞きたい、といった具合であり】
701 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage saga]:2015/03/04(水) 01:41:45.97 ID:whuJK1icO


>>699

この程度じゃやっぱりダメですか、そうですか……

【加速も付けた蹴撃は、確実に当たったものの余裕を持って受け止められた】
【ついで、武器程度なら使用可能と確定】

なら、遠慮無く使わせてもらうっす!

【受け止められてる少しの間に返事】
【まだ、銃としては使わない】
【次いで、相手が動いたのに合わせバックステップ】
【普通ならば、これ位では男の範囲からは逃れきれないが】
【閃くように翼を羽ばたかせ更に滑るように距離を離して】
【そうしてタイミングをずらしながらジャブから逃れる】

でも、次はこれだよぉ!

【そして避けた所で、今度は体ごとぐるりと回転しながら踏み込む】
【狙いは、しなやかに伸びた尻尾の一撃】
【打撲というよりは、鞭のような一撃は下手に当たれば体の内側に響く一撃だ】
【更に、避けられたなら今度は両手のブレードで追撃をする二段構えである】
702 :ロース ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/04(水) 01:51:44.97 ID:YLI4c1jWo
>>700

協力者は……そうですわね。貴方様の推察通り、まだ居りますわよ
六罪王ダグラス様、そしてヴィサス様……"雷龍"のお話は聞いていまして?

ヴィサス様は古龍ですの。それも、人の姿を取ることも出来る最上位種…。
何故アーグ様に手を貸すかは存じ上げませんけれど、きっと楽しいのではないでしょうか
強い人間と出会って、話すというのは……人間でも、そういう方は居らっしゃいますものね。

【"雷龍"――海賊船の話を聞いていれば、その存在は既知だろうか。巨大な蛇のような、空を飛ぶソレだ】
【まず第一に飛び出た協力者が古龍だという。或いは、もっと発想を飛躍させられれば】
【――龍の意匠を凝らした鎧、というのが脳裏を過るかもしれないが。】

後は、私のようなアーグ様の下僕ですわね。ブリッツは雷、私は水。
あとは風や火ですけれど……生憎と、私はまだ会ったことがありませんの。
言えることは、まず不死で有ることですわね。そして、やはり一極特化型の能力者であること。
後は……きっと、何か不具を抱えていますわ。私が人の表皮を持たないように、必ずです

……それから島について。私は深く知りませんけれど……ある仮説がありますわ。
あの島は記憶が集う土地=c――その"記憶"が、誰かの"コレクション"だとしたら?

だって、変ですもの。あの島にあって一番目立つのは風の国に在ったATLAS≠ニいう塔と……
それから、ここゼン=カイマの全盛期の建築物や、ヘルクラネウムの火山群も有るとか。
……世界遺産でもなんでもなく、"歴史的に事件のあった場所"ばかり……変ではなくて?

【ATLAS、ゼン=カイマの建造物、そしてヘルクラネウムの火山群。――確かに、紙面を騒がせた土地ばかりだ】
【半魔の暴虐に、かつての宗教対立と都市の破滅。火山では古龍の胎動だのがあったとか。】
【言われてみれば妙ではあった。或いは、島自体が"そういった記憶を保存する場所"なのだとしたら。ロースの仮説は、つまりそういうものだった】
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/04(水) 02:08:03.62 ID:NbJQr46l0
>>702
/申し訳ありませんが、持ち越しをお願いしてもよろしいでしょうか?
/今日は9時以降には再開出来ますので……!
704 :ロース ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/04(水) 02:10:53.44 ID:YLI4c1jWo
>>703
/大丈夫ですよー!ただ今日と同じく、こちらが来れるのが23時前後なので……
/開始はその辺りになっちゃうのですが、よろしいでしょうか?
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/04(水) 02:13:31.91 ID:Lywp/nBc0
>>702
「古龍……龍、か。ボクには今一その考えが分からないけど――――分かった所でどうにかなる訳でも無いし、良いかな
でも、龍に関してはあんまり良い思いなぁ……。ま、何であれその龍も邪魔をするなら対処するまでだよ
どれだけ強くても結局は人間が一番繁栄してるんだ。そんな存在が横やりを入れてくるならご退場を――――……」

【何時も通りの軽口。だが、一瞬ばかり引っ掛かるモノを感じた】
【ダグラスの鎧についてもそうだが、ずっと前に機関の100のナンバーを持った者を助けたときの言葉】
【龍の餌にされている、だったか。仮にその話が本当だったならば“退場”だけで済ませる気は無いが】
【――――まだ憶測だ。それに、後々ローズに聞けばケミッシュの安否も含めその答えも分かる事だと思い直し】


「つまりは四大エレメントに因んでる訳だ。土が居ないだけ良いと言えば良いのかもしれないけどさ
その不具とやらがアーグの趣味なのか分からないけど、探しやすくて結構だよ
残りの二人もお爺ちゃんの手下ならボクがしなくても誰かが“殺しきる”と思うけど……それでも良いかな」

【きっとそれは表面だけの言葉だ。仮に殺すなと言われればその場では適当に頷くだけで結末は変えるつもりが無い】
【そんな事、似たような性格の女性ならば直ぐに理解出来るだろうが】
【優しさと取るか、質の悪い嫌がらせと取るか。其れは、人次第であり】


「そのキミが言うコレクションとやらが建物だけなのか、それとも出来事まで忠実に再現するのか。それだけで大分これから先も変わってくるね
ただ一つ――――どれも良い記憶ばかりじゃないのは確かだ。なら、それに似たような事件でも探っていけば掴めるだろうし…………
果たしてその記憶が一人によって作られたのか、踏み入った人達の記憶なのか。……島に入った人達の記憶が復元されるのだとしたら、厄介だけど」

【彼女の言うコレクションを元に話を進め。ならば次には其れを集めたのが一人か複数か】
【一人だとすれば、今までに関わって来た者として炙り出せる可能性もあるのだう。然れど複数人の記憶が混じっているとなればそれも難しい】
【続けたのは、其処に住まう生き物について。以前の事件と同じ様な魔物やらが出てきたならば、或いは――――】
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/04(水) 02:15:40.53 ID:NbJQr46l0
>>704
/安価ミスです……>>703>>701向けです……!
/申し訳ありません……!
707 :ロース ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/04(水) 02:16:06.33 ID:YLI4c1jWo
//>>704はあれです、レス番だけ見てたミスなのでスルーで……!
708 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage ]:2015/03/04(水) 02:20:59.94 ID:whuJK1icO
>>706
/とりあえず把握しました!こちらは一応早くても8時前後にはいますのでー
/お疲れ様でした!遅くまでありがとうございます
709 :ロース ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/04(水) 02:33:34.44 ID:YLI4c1jWo
>>705

……ヴィサス様は、独特な考え方をお持ちですわ。
単純に殺しを楽しんだり、何かしらの目的のために動いているわけではありませんの
龍≠ナすから…――永い生の中で、色々と考える所が有るのでしょうね。

【古龍、という存在は一度考えから除いたほうが良いのかもしれない】
【ロースの答えも漠然としていて、恐らく彼女自身でも掴みきれていない相手なのだろう】
【アーグやダグラスとは違ったタイプの強者か。――話は移り、エレメントの件でコクリと首を縦に動かし】

作ろうと思えば、ある限りの属性で使徒を作ることは可能ですわ
ただ、それでは手間もかかるし何かと危険も増えますから。

例えば、ブリッツのような単純馬鹿がもう一人でも居たとしたら……?
……殺すだけなら良いですけれど、きっといつかアーグ様に牙を剥きますもの。
それでは困るから、四人に絞った。……ええ、殺して下さって構いませんわよ?
大きな括りで見れば身内とはいえ、生かしてくれと頼む義理も情も有りませんもの。

それとグリース様。私達の不具は、アーグ様の趣味ではなく先天性のものですわ
私達にはそれぞれ素体がある……そして、意図せずして全員が不具。
……アーグ様には、祝福という名の呪いが掛かっているのではないかと、思うのですけれど。

【身内への情――自身でも言っていたが、そんな物はかなり希薄なのだろう】
【でなければブリッツを"単純馬鹿"と読んだり、反乱分子の例に上げたりしない筈で】

建物だけであればただのパノラマ。……ですけれど、きっと記憶も再現されているのでしょうね
恐らく、建物にまつわる出来事は意図的に。それに惹かれるようにして
個人単位での記憶すら、島に足を踏み入れることで再現されてしまう……。

……特殊な島ですもの。恐竜は平然と歩いていますし、霊長類も多いですわね
気候は南国ながら高山には雪が積もり、そもそも霧に覆われているのに島だけは晴れ。

元は……きっと宇宙の気まぐれか何かで作られた島なのでしょうけど
強大な能力者が其処を上手く利用して、どんどん捻くれている。
……そういえば、ヴィサス様は元よりの住人だそうですわよ?
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/04(水) 03:01:05.48 ID:Lywp/nBc0
>>709
「あのビリビリ君が雷の攻撃性を表してるんだとしたら納得だけどね
――――キミがそう言うならボクとしても気軽に動ける。……キミの家族を殺す、って訳でも無いみたいだからね
他二人について聞き出そうにもキミ自身が知らないなら実際に会った時のお楽しみになるのかな
ま、その二人は“オマケ”。本命は別に居るからね

……今までの事から分かってる通り、ボクはアーグを殺すつもりだ。キミを創り出した人だろうが何だろうが、次は復活も出来ない位にはバラバラにする
キミがアーグの下僕である事は分かった。なら、そのアーグが殺されるとしてキミならどう考えてるの?
あの時は身を挺して守ってたみたいだけど」

【同じ仲間に対しての情の薄さ。家族、とはまた異なるのだろうと自分なりに理解して】
【続けたのは、ならば彼女を創り出した存在についてだ。信頼か愛情かは分からない】
【或いはそのどちらを抱いて居たとしても何ら不思議では無いからこその問い】
【彼女にとっては身を挺して守らねばならない程の存在なのか。それとも、ただ下僕としての勤めと割り切っているのか】
【――――答えが何であろうと、僅かな溜息の後に紡がれる言葉を聞いて】


「つまり、面倒事が一気に集結してるって感じだね。懐かしい顔ぶれに会える可能性もあって嬉しいやら悲しいやらだよ全く……
島から出ない限りは害が無いだろうけど、島を拠点とされればボク等教会側としても動かなきゃいけないし――――
元よりの住人?……つまり、ヴィサス……って龍に聞けばもっとよく知れるのかな」

【仮に今までの出来事をも記憶として復元されれば相当に面倒な事になるのだけは理解出来る】
【多くの人々が犠牲になった忌むべき記憶が集結した場所。其れに実体が伴ったのだとしたら行く者は悉く酷い目に遭う事は容易に想像が付く】
【――――が。ヴィサスが元よりの住人との話を聞けば、打開策は無くとも効率的に事を進める策を本人との会話で聞き出せる可能性に至り】


「……っと、そう言えば閑話休題で悪いんだけどさ。ドラクレア島に居る龍は一匹だけなのかな
ダグラスが其処に居たなら、ケミッシュ――分裂の能力を持った機関の百番目も一緒に居たと思うんだけど
――――嗚呼。単刀直入に言えば、ケミッシュが其処の龍の餌にされていたのかどうかと、今ダグラスと一緒に居るのかを聞きたいな
ブリッツが半殺しにした所までは知ってるんだけど」

【龍で会話を繋げるが……この話だけは島の内容を問うものとも異なり】
【何時かの夜聞いた話の真偽を確かめる為。そして、生存の確認】
【死神と呼ばれる教会の者が其れを確かめるのも可笑しな話だが――――本人からすれば助けた事もあり、少し気に掛かっているのか】

/丁度3時辺りですがお時間の方は大丈夫でしょうかっ!
/持ち越しの場合、また同じ時間から再開出来れば幸いであります!
711 :ロース ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/04(水) 03:23:47.98 ID:YLI4c1jWo
>>710

答えは単純ですわ。貴女様がアーグ様を殺すなら、私は貴女様を殺します。
じゃあこの場でどうしてそうしようとしないのかと言われれば
能力を使えない以上は単なる"人外"である私に、勝ち目が無いからとお答えしましょう。

……拘束されている以上は、口ばかりにならざるを得ませんわね。
もしこの拘束が続く内にアーグ様に危険が迫れば、他のお二人の検討を祈るばかりですわ。

それと……ヴィサス様にお話を聞くのが、やはり得策ではないかと。
あの方は島の一角でお茶会を開いていますの。お客は何時でも歓迎されますわ
そして、あの方はお話を聞くのが好きですから……きっと、楽しい時間になりますもの。

【アーグを殺そうとすることへの答えは、本当に単純極まるものだった】
【根底にかの大司教への服従が有るのだ――その上で、合理的に物事を判断出来ている】

【狂信者ではなく、かと言って正常者でもない。その精神のバランスは、語るには些か歪すぎて】
【――ただ、助言は的確だった。お茶会で古龍の話が聞けるなら、ハードルはかなり低いものとなる】
【其処に辿り着けさえすれば、という具合だが――さて、此処で面白いものが見れるだろう】

【時は話が龍の数に移った頃。グリースの言葉を聞いたロースが、『あっ』というような顔をするのだ】
【いわゆる、"やってしまった"なんていう表情。頭の上のシルクハットが、ずるりと滑って膝に落ち】

……私としたことが、忘れていましたわ。……龍は、特に古龍ですけれど。

島には、ヴィサス様を含めて三頭……一頭は、山奥で眠っていますの。
ですがもう一頭は……そう、考えてみれば確かに人を食べていましたわね
黒い龍で、名前はなんと言ったか忘れてしまいましたけれど……ダグラス様が、躾けようとしてらっしゃいましたわ。
そういう意味では、ヴィサス様より余程協力者と言えますわね。……近付かないことをお薦め致します。

その……残虐というか、暴れ龍≠ナすの。恐らく、その"分裂"を喰らっていたのも
ダグラス様の望みではなくて、龍が強引にそう求めたからではないでしょうか。
アーグ様はその手の"娯楽"がお好きですから、きっと横から唆したでしょうし……―。

……その、ケミッシュという女性についてはブリッツから聞いたきりですわ。
生死のほどは知りませんけれど……あの馬鹿の電流は、人殺しには最適ですもの

【『死んでいなければ奇跡ですわね』――と、いうコメントが最後だった】
【つまり、アーグ側ではケミッシュの現状を知らないのだ。むしろ、死んだと思っているようで】

【――それから注目すべきは、ダグラスが飼いならそうとしたという黒龍だろうか】
【名前は不明。しかし残虐で人を喰らい、六罪王でも手に負えないとなれば】
【いっそ天災≠フような存在として考えたほうが、シンプルで良いように思えた】

/一応こちらはまだ行けますよ〜
/とはいえ朝になってしまってもなんですし、四時を目安に一度切って
/また改めて、同じ時間にということでお願いしたく!
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/04(水) 03:58:17.87 ID:Lywp/nBc0
>>711
「随分とお熱い主従関係の様で。二人の関係が爛れと様と何だろうとボクがする事に変わりは無いから口出しをする気も無いけどね
その時にキミが邪魔をしに来たとしたら――――……一緒に葬っておいてあげるよ
お墓は用意出来ないと思うけど。まあ、こうして話したよしみとして花束ぐらいはね。生前葬式ならボクの教会で受け付けるよ?

――――しっかし、お茶会か。何処かの悪魔を思い出すから嫌いな言葉だけどさ
其処で有益な話を聞けるならまた別問題かな。その内行けたら行くだけ行ってみるよ
場所は――――……ああ、そのお茶会の場所は知ってるの?
知らなければ大司教サマにでも聞いてみるし、あの人も知らなければ適当に飛んで探すけど」

【殺害を予告されれば返す様に本人を前にして平然と殺す事を宣言してみせて。それでも険悪な雰囲気を醸し出さないのは……性格が性格だからか】
【お茶会に関しては余り良い思い出が無いとの言葉が示す通り、珍しく表情を曇らせて】
【それでも確かな情報が得られるのだと知れば――――其処に行く事を決めたのだろう】

【尤も、気軽に行ける様な場所でも無い。そもそもアーグ達が行動を起こす方が先の可能性だって十分にあるのだから、あくまでも仮の話として】


「暴れ龍――――なる程ね。ダグラスでも手を焼いてるならよっぽどなんだろうけど……
……でも、飼い慣らそうとしてる訳で殺そうとした訳じゃ無いから――――まだ余地はありそうだ
アーグが唆したのが本当の話なら、あの呆けたお爺ちゃんの身体を粉々にして牛の糞に混ぜたい位だけど

――――個人的な恨みは無いけど、似たモノのとしての恨みはある
ブリッツはもう死んだから虐めようにも虐める事が出来ないけど……その暴れん坊の龍についても色々と考えとこうか」

【龍種が三頭。眠れる一頭は分からないが――――少なくとも残り二頭は判明している】
【その内の一頭は話を聞ける事が出来るので良しとしても残りの一頭が言葉通りの存在だとしたら――…………】
【否。此処で弱気になる様な輩でも無い。寧ろ戦いやすくて好都合、といった具合に笑って見せて】

【ケミッシュに関しては、少なくとも戻っていないとだけは把握したのだろう】
【だからと言って野垂れ死んでいないと言う訳でも無いが、少なくともまた只食わされるだけに生かされている訳で無い事を知れば安堵して】
【後は、特に訂正する事も付け加える事も無い。自分が助けた事を伝えたところで彼女がアーグやダグラスに告げるとも考えがたいが、リスクは少なくするに越した事は無く】


「何となくは理解してきたよ。まー……まだアーグの目的は本当に異教徒の抹殺だけなのかとか色々気に掛かるけど
島については……実際に行ってみなきゃまだ分からないね
そう言えばキミは残基制の様なものだと言ってたけど――――つまり、沢山殺されればもう生き返る事も出来なくなるって事かな」

【さて、続くのは彼女達の半不死についてだ。ブリッツが死んだ事が本当ならば、もう彼は残基を使い切った事となる】
【まだ見ぬ二人とて、多く殺せばやがては動かなくなるのだとしたら――――……実際に戦闘する事となった際、行動も大きく変わり】


/把握であります!
/それでは申し訳無いのですが、この辺りで一度切って同じ時間に再開……と言う流れでお願い致しますです!
713 :ロース ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/04(水) 04:02:59.31 ID:YLI4c1jWo
>>712
/かしこまりましたっ、でしたらまた23時半目安で再開ということで!
/恐らくお昼の内にお返事は返せると思うので、状況をみてお返しておきますね
/と、いうわけで今日はこの辺で。お疲れ様でしたー!
714 :ロース ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/04(水) 15:18:51.21 ID:YLI4c1jWo
>>712

お茶会の場所は『温室の傍』ですわ。島の中ほどに、巨大なガラス張りの温室が有りますの
ヴィサス様のご趣味で、色々と時間のかかる植物を育てていらっしゃるとか……。
空からなら目立ちますから、きっとすぐに見つかるのではないでしょうか。

……お望みでしたら、ご招待用のゲートはすぐに開けますけれど。

【――墓、という単語には触れない返答だった。敢えてそうしたのか、偶然か】
【或いは不死でありながらやがては死ぬ不完全さを自覚しているようにも思え】
【また、言葉の最後で妙に重要そうな事をポロリと零す】
【ヴィサスという古龍に会える。それも、さもこの場ですぐに――そんなニュアンスで】

聖人の遺骸を牛の糞に混ぜて、だなんて悪口ばかり言っていると
殿方に好かれないどころか地獄行きになってしまいますわよ?

……という冗談はさておき、アーグ様の目的は様々ですわね。
行動理念は異教徒の鏖殺ですけれど、他は"小目的"と言って良いでしょう。
例えば、ゲームの魔王は『世界の支配』が大目的であって
『勇者を倒す』のも『お姫さまを拐う』のも小目的……根ではなく、枝葉ですわ

アーグ様はその枝葉を愛でるお方ですから、きっと最終到達点など無いはず。
……ダグラス様は、どうでしょう?私、あの方の考えは読めませんの。

【あくまでも下僕であるロースの考え。真の答えが混じっているかは分からないが】
【何処と無く的を得た答えだ。アーグは、確かに大きな目的のために動くタイプではないだろう】
【むしろ途中の事柄を楽しむタイプだ。殺すのではなく、苦しむ姿を見たい――そういう存在であって】

……ええ、私達の半不死というのは、つまり他者のエネルギーを借りて肉体に封じたもの。
一度の死に付き、能力者一人分の"魂"という対価が要りますわ。……勿論、術で縛ったものですけれど

アーグ様がこのゼン=カイマで大司教を務めたのが約半世紀だとか。
その間の宗教戦争で、一体何人の能力者が捕らえられたのでしょうね?
全員の魂を四等分して……まあ、つまりは殺し続ければやがて死にますわね。

……ブリッツは早まったのですわ。不死であることを過信し過ぎた
多くの命を抱えた以上は、むしろ臆病なほど慎重に……私は、そう思いますの。

/お返事だけしておきますねー
715 : ◆IjMn4A7nco [sage]:2015/03/04(水) 19:47:15.05 ID:haLX+ncIo
【雨の日は、多くのものが掻き消される。】
【ニオイ、音、気配、視界。そんな日には決って事故が多発する。】
【この路地でも、轢き逃げが一件。数秒前に起こっていた。】

【法定速度を大きく越えた大型車、運転手は急いでいたのだろうか?】
【見通しの悪い通りなのだが、減速せずに突っ込んだことがこの事件の原因だった。】
【何か重いモノを吹き飛ばす鈍い音は雨に紛れ、運転手の気にも留まらない。】

【車が過ぎ去った後に残された、小刻みに震える黒い塊と血溜り。】
【血潮は雨で滲みどこまでも広がってゆく。鉄のニオイと雨のニオイが混じり、どこか淋しい。】

【黒い塊。近寄れば、それが男性だということに気づくだろう。後続車にはねられる前であったならの話だが。】
716 :ヒライ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/03/04(水) 21:00:27.60 ID:YfaJ0VHFo
【酒場】

【街の外れの外れの裏通りの路地の先にあるような安酒場】
【夜通し開いていて馬鹿みたいに安い以外は良いところはない】
【客は多種多様で仲間と馬鹿話をして大笑いするチンピラ、博打を打つおっさん】
【古ぼけたスーツで1人読書をする白髪の老人、仕事あがりのケバイ女などなど…】

【ある一角。ビールとバーボンの瓶と吸い殻が入りまくった灰皿のあるテーブルに】
【やたらと長いブラックリジットデニムとレースアップの10ホールを履いた足を乗っけて】
【椅子で船を漕ぎながらガッツリと爆睡中の男が居た。顔にツバの広いハットを乗せ、背もたれの縁に】
【首を預けながら真上以上の角度で寝ている。服はシンプルなシャツのジャケットとネクタイ】
【腕時計は変な三角の形だ。その腕をだらんと伸ばして寝ている。このうるさい店内でよく寝れるものだ】

【まあ、そっからは予想通りで寄った客が足を引っ掛けて、椅子のバランスが崩れて、真後ろに思いっきりコケる】
【派手な音を立てて思いっきり頭を打つ。テーブルの瓶が1つ落ちて割れる。ハットもどっかに飛んでった】
【店内の客達は一瞬目をやったが、特に気にすることもなくすぐに目を離す。つっかけた当人も気がついてない】

……痛っ………あー……ん?…今何時だろ…

【彼はサングラスをかけていて人相はわかりづらかったがとにかく背だけはやたら高くて細かった。もやしどころかカイワレだ】
【立ち上がってから、椅子を元に戻して、瓶に少し残っていたビールを飲んで、「…よわったなあ」と溜息をついた】
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/04(水) 21:47:19.23 ID:NbJQr46l0
>>701

ぬぅ…………!オプションパーツでよく動きおるわッ!

【少女がその身体に付けられた翼で、男から大きく距離を離し拳を避ける】
【宙を舞えるというのは戦いにおいて普通の人間よりも優位に立つことが出来る能力】
【危なくなれば敵から離れ、攻める時にも一気に敵との距離を詰めることが可能だ】

【それを自由に行えるというのは肉弾戦を主体として戦う男にとっては相性の良い相手ではない】
【攻撃を見極めた上で確実にダメージを乗せていく、男のスタイルは必然、そうなるだろうか】

【少女の次なる攻撃は尻尾による凪ぎ払いか、しかしこの程度であればまだ回避は可能だと】
【男は右のグローブの甲をクッションとしつつ、尻尾の一撃をガードする、片手で受けきった所を見れば 男の屈強さを改めて知ることになる】

一発一発は歳の割には大したものよ…………だがしかし!!
まだまだ青いッ!狙いが見えておるわァーーーーーーッッ!!!

【少女がブレードを構えた一瞬、男が地面に目掛けて思い切り拳を降り下ろす】
【重く鈍い音と共に土を震わせるが、次の瞬間、男と少女の間に割り込むように地面が盛り上がり】
【壁となって少女の行く手を阻む、最終的に男の身長と同じ程度の高さになった土の壁によって少女の動きが止まってしまったのなら危機が訪れることになる】

【その壁を拳で砕き、死角から男が襲い来るのだ、そのままならば腹部への強烈なストレートを許すことになる】
【いくらグローブが模擬戦用に威力を弱めてくれるとしても、火力は十分にあった】

/本日もよろしくお願いします!
718 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage saga]:2015/03/04(水) 22:25:41.07 ID:AaeY+QF5O

>>717

こんなん聞いてないっす!?

【尻尾の一撃を難なく受け止められて】
【更なる連撃は突然出来上がった壁によって中止を余儀なくされる】
【何らかの能力によるものかはわからないが】
【この一瞬、確実に彼女の動きは止まった】

……失敗…!

【その一瞬が、彼女から回避する余裕を奪ってしまう】
【次の、壁ごとぶち破るようなストレートに対して反応が一瞬遅れる】
【それでもまともに受けるよりはと後ろに跳ね、少しでも軽減しようとするも】
【見事に一撃、ヒットしてしまった】

っ、く……!

【そしてそのまま、逆らうような事をせずに殴り飛ばされる】
【しかし、その間】
【彼女は『見ていた』】
【男が作り出し、そして自ら崩した土砂】
【そらに混ざり、飛び散った石や土の塊を】

……こっちも、使わせてもらおうか…

【ぼそりと呟く】
【……もし、男が自らの足元を注意深く確認していたら気付くであろう】
【土色の中に混ざる、『緑色に変わった石』を】
【そしてもし、それに気付かずに踏んだり蹴ったるするようであれば】
【太い蔦が、彼の足に絡まりつこうとするだろう】
【そうして一瞬でも動きを止めるようであれば、彼女は一気に懐まで踏み込んで掬い上げるようにブレードでの斬撃を叩き込む予定だ】

/遅れました……こちらこそです!
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/04(水) 23:11:44.51 ID:NbJQr46l0
>>718

【まずは一発、男は拳に残る感触を確かめて そう手応えを掴んだ】
【男の戦い方は正に豪の拳そのもの、細かく何度もではなく、一撃でのノックアウトが主体】
【だが少女の方も負けているわけではない、しっかりと攻撃に反応してみせたし、俊敏さも決して劣っている訳ではないのだ】
【男も内心彼女を骨太だと評価して、だからこそ全力の対決を最後まで望むのだった】

見よ!これぞ吾の能力を応用した土の障壁よッ!!
並の人間ならば上か側面から攻めてくると考えるが そのような常識、吾には当てはまらぬことが分かったろう!

さぁどんどん行くぞ!共に血と汗を絞り出そうぞッッ!!!

【更なる追撃を試みて一歩踏み出すが、それは少女の思惑通りの結果へと繋げてくれるだろう】
【突如として現れた蔦が男の太い右足に絡み付く、少々引っ張る程度では抜け出せそうになく】
【その一瞬を突かれ少女のブレードが男の身体に一筋の傷を作り出す、そこから血が漏れ出る】
【が、しかしどうしたことか、傷そのものはカッターで切りつけられた程度で深くない】
【男の鍛え上げられた肉体によるものか、皮膚から下は頑丈なようだった】

ぬぅ…………っ……やりおるやりおる……!
吾の肉体も歓喜に奮えておるわッ!ならばもっと滾ぎらせようではないかッッッ!!!

【ブチブチと蔦を片足で千切っていく、怪力、馬鹿力、止まらぬ勢いは機関車の様】
【そして、例え後退したとしても追ってくる、巨体に見合わぬ軽快なフットワークは驚異的で】
【少女の左脇腹に目掛けフックをお見舞いしようとするだろう、まともに喰らえば呼吸が辛くなる程の衝撃で】
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/04(水) 23:32:54.53 ID:Lywp/nBc0
>>714
「――――直ぐに開ける?もしも其れが“この場で直ぐに”だとしたら……ボクからすれば何とも奇妙な話だ
そっから逃げちゃえば後は誰も追って来れないんだからさ

……だけど今から行けるんだとしたら早めに行った方が良いのかな
話を聞くだけならう時間も掛からないだろうし」

【もしもこの場で転移の術か或いは其れに似た何かによって茶会の場所まで行けるのだとしたら】
【其れを逃亡に用いる事が無いのが気がかり。だが――――所詮は自分の主観】
【もしかすれば何か条件があるのかもしれないし、行った先に居るであろう人物が逃亡に手を貸さないから――なんて理由でもあるのかと一人納得して】


「別に地獄に堕ちようが何だろうがもうボクの行き先は決まってるんだから今更構わないさ
――――いや、寧ろ創られた存在にもちゃんと死後の魂だとかが宿ってるなら万々歳だ。死んだ後もお化けになって悪戯とか出来て楽しそうだし

……ふうん。詰まり、余計に質が悪い訳だね
けど、だったらその樹を叩き切るだけだしさ。はっきりとした目的が無いなら予め先回りして阻止するのは難しいけど…………
ダグラスについてはきっとみんなよく分かってないよ。もしかしたらお堅い大司教サマなら何か知ってるかもしれない――――……いや、それは無いかな
もしも本当に何か知ってて隠してるんだとしたら、もう一度邪魔してやらなきゃ」

【枝葉を延ばして行くのならば大本である樹を倒してしまう。荒っぽく、何よりも確実な解決方法】
【――――下僕である彼女の考えならば強ち間違っているとも考えがたい】
【そして、其れが本当なのだとしたら。これから先更に被害が広がる事とて容易に想像が出来る】
【何より以前の大司教の性悪具合は実際に目の当たりにして居るのだから、余計に】


「指一本動かせない位に拘束しちゃうのか、それとも殺し続けるのか……どっちの方が楽かな

――――にしても、ねえ。普通の人なら一度死ねば次に死ぬのが怖くなっていきそうなものだけど
人様の命を勝手に使って何を考えてるんだか。……創った側じゃ無くて創られた側のキミ達に言っても仕方ない事だって分かってるけどね
取り敢えず残り二人にしても人より命が多いだけで何時かは死ぬ事が分かって安心したよ
後は……そうだね。キミが本当にゲートとやらを開けるなら、その先に居る人にでも聞いてみようかな
……ま、それだけの時間があるかどうかは分からないけどさ」

【自分とて創られた存在だが、何も幾人の命を犠牲に――――という訳では無い。だから、理解出来る様で理解出来ない事】
【所詮理解した所で何も無い、と割り切ってしまえばかぶりを振って】
【さて、続くのはゲートについてだ。自分が彼女から聞きたい事は粗方聞いた。ならば……次は、件の龍から話を聞いてみるか――との考えに至り】
【同時にその場所に其処までの余裕があるのか否かも確かめる様で】
721 :ロース ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/04(水) 23:55:55.29 ID:YLI4c1jWo
>>720

死に関しては……恐らくですけれど、感覚が薄くなってゆくのではないでしょうか
誰しも"死の恐怖"は覚えるはずです。ただ、何度もそれを経験すれば
自然と怖れは消えてゆく……慣れ、ですわね。ブリッツはそれが顕著でしたわ
攻撃を受けても生き返るから大丈夫、一瞬少し痛むだけ……やっぱり、馬鹿ですわね。

【吐き捨てるように――或いは、僅かに悔やむように。腐れ縁の悪友という感覚だろうか】
【そして口調から察するに、ロース自身は死ぬのが怖いに違いない。怖くなくなることが怖い、とも取れるが】

【――ともあれ、一度頭を振ると自身の脇に手を翳した。すると其処に複雑な固定転移の魔法陣が出現し】

私の身体に刻み込まれた術式は、招待客の方専用ですの。私自身は通れませんわ
以前にディハート様という殿方を"ご招待"した時も、向こうで何を話したのかは分かりませんでしたし……
……行かれるのであれば、どうぞお気をつけて。お茶会の会場からは出ないことをお薦め致しますわ。

【クスリと笑って、転移の陣を大きく展開する。――もし、そこに足を踏み入れれば】
【瞬時に光景は様変わりし、森林の中の拓けた土地に辿り着く事となる。】

【其処には場違いなアンティークの家具が置かれていて、椅子にテーブル、その上にはティーセット】
【或いは菓子だったり、櫻の国製のお茶であったり。大分ごちゃごちゃとしたパーティー会場が在って】
【そして、その中央の席に一人の女性が座っていた。彼女以外に、周囲に気配は無かった。】

【――上記の光景は魔法陣に足を踏み入れた場合だ。そうはせず、話を続けるという選択肢もあるが―。】
722 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage ]:2015/03/05(木) 00:02:23.79 ID:arlCGUBGO

>>719

うっわ!ナニコレ!?

【思惑通りに事が運んだが】
【考えた通りの結果は与えられず】
【切った感触は、想像以上に硬く、思わず声に出るほど】
【しかも、絡み付いた蔦は嫌な音を発しながら千切れ始める】

っとに馬鹿力かよぉ!

【完全に千切れる前にまた距離を離すべく後退】
【その間にも頭の中に混ざった複数が作戦を立てる】

こういう真正面からの戦い……久しぶり……

【内心を吐露しつつも、更に思考を纏める】
【先程の一撃、壁を破壊する力、更には蔦を引きちぎる勢い】
【それらから、まともな一撃を受けるのは避けなければならない】
【そして、そこまで考えて】

エスケープ&トラップ……ヒット&アウェイ……ガード&カウンター…

【巨駆からは思いがけぬ、軽快で豪快に迫る男に対して】
【腹部を狙うフックを、ブレードを交差させる様にガード】
【その威力に、またも弾かれそうになるが】
【今度はそれを耐えて、逆に対格差を利用して男の懐に潜り込もうとする】
【潜り込めたら、今度は男に向けて至近距離から】
【殺傷力は低いがスタンガンの様な電撃の弾丸を撃ち込もうとするだろう】
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/05(木) 00:06:54.32 ID:eaSKLbqh0
>>718
/此方719ですが、明日は日中にも用が有るためもう切り上げなければならない時間でして……
/お返事を返しておいて下されば時間が出来次第しめておきますので今日はここで……、ご理解頂ければ……!
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 00:13:12.97 ID:5nJ8oDMI0
>>721
「なる程ね。キミは歩くゲートの役割を担ってる訳だ
――――そう時間を掛けるつもりも無いし、多分直ぐに帰ってくるよ」

【特に警戒する様子も無く気軽に魔方陣へと踏み入ったのは先で何があっても対処が出来るという自信か、それとも彼女への僅かな信用か】
【何であろうと辿り着く場所は変わり無く――――辺りを見渡せば、「へえ」なんて短な感想】

【特に辺りを探ることも無く目的の人物―であろう彼女―を見つけ出したならば笑み一つと共に近寄って】


「ローズもブリッツも、あのお爺ちゃんもボクの名前を知ってたけど…………キミはボクの事を知ってるのかな?
知って様が知ってまいがどっちだって良いんだけどさ。あー……でも、少しは知ってた方が話も短くて済むかな

キミが龍……もとい、ヴィサスで合ってる?もしも違うならその人の所に案内して欲しいんだけど
…………別に大した話は無いんだけどさ」

【丁度対面に位置する辺りだろうか。勧められる前に椅子に座り、菓子を勝手に漁って】
【気に入った一つを手にしたなら、頬張りながら投げた問い】
【人に尋ねる姿勢としては失礼極まりないが、改める様子も見せずに視線を向け】
725 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage ]:2015/03/05(木) 00:18:10.15 ID:oUxl7eeBO
>>723

/おっと、了解しました!
/お時間取らせてすみません……今日もありがとうございました!
726 :ヴィサス ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/05(木) 00:28:41.19 ID:5I3hPKGZo
>>724

【ゲートの先に居た女性は、一言で言えば『気が強そう』なタイプだった】
【金髪碧眼、整った顔立ち。ただし髪は短めにカットしていて、何とも凛々しげ】
【それと特徴的なのは左目の眼帯だろうか。袖付きの白シャツを着ていると、何とも貴族らしく見え】

む……。……いや、知らん顔だな。人の名前は一々覚えている方が少ないのだ
 ロースは知っているが……、……あぁ、アレが招待した客か?

 衣服から察するに修道女。となれば……アーグも確か、聖職者だったな
 アレの仲間か?それとも、その格好は所謂"コスプレ"というやつか?
 ……どちらでも良いが、人の名を尋ねるときはまず自分から名乗るべきではないか?

【クラッカー、ラスク、和菓子も幾つか。お茶にしても、紅茶から煎茶までなんでもあった】
【その点、どれを手にして食べようとも咎めはしない。むしろ基本的なマナーにうるさいようだった】
【――ただ、アーグのように人を小馬鹿にしたり、ダグラスのように自分の世界に入り込んだりはしない】
【話し方からしても常識人らしいことは分かるだろう。右眼を開けると、鋭い視線をグリースに向けた】
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 00:42:15.98 ID:5nJ8oDMI0
>>726
「アーグが聖職者ならこの世の詐欺師達は大天使サマに見えそうだ
――――で。ボクをあんなのと一緒にしないでよ。コスプレって言うのは強ち間違いでも無いけどさ」

【鋭い視線を向けられても何処吹く風。――――所か。このお茶貰うねなんて言いながら勝手に紅茶を注ぎ】
【喉を潤し、一拍置いた後に女からはジトっとした視線を返すのだろう】
【如何にも不服だ、と言わんばかりに頬を膨らませて】


「ったく、そんな事を言うならブリッツとかにも予めそう教育しておいてよね…………
グリース・イムリンパルス。どっかの教会のしがない修道女の一人とでも取っててよ
そして、キミの一番最初の問い掛けの答えはイエス。ロースに此処までの転移陣を作って貰って来たんだ

キミからの追加の質問が無ければボクの方からもう一度聞かせて貰うよ
キミがヴィサスで合ってるか、ってね」

【そのままでブツブツと文句を連ねれば、漸く自身の名を告げる事となる】
【修道女に必要な清楚やら淑女等とは大分掛け離れているけれど――――教会に属している事だけは間違い無いのは、纏う“聖”で理解出来るか】

【もう一度同じ問いを投げれば、今度は茶を啜りながら返されるで有ろう答えを待って】
728 :ヴィサス ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/05(木) 00:52:01.39 ID:5I3hPKGZo
>>727

……フッ。それは失礼したな、アレとは違ったタイプか。
 グリース・イムリンパルス……覚えておくようにしよう
 それと、貴様の質問の答えはイエスだ。私の名はヴィサス。言葉の意味は完璧、だな

【何処と無くズレた話し方。そして、名前は符号でしかないと言いたげな語り口調】
【如何にも古龍らしい、といえばらしくもあり――面倒な女、と単純に捉えてしまうことも出来て】

さて……それで、貴様は何の思惑があってロースに招かれたのだ?
 まさか茶と菓子を楽しむだけではあるまい。此処に誰が居るかは聞いて来ているはずだからな
 あのアーグか……ダグラス、だったか。あの二人に会いに来たと言うのであれば、今日は外れだが。

【かちゃん、と茶器が置かれる。足を組み、両手も組んで改めてグリースに向き直ると】
【威圧だとか、嘲笑だとか。そういう些細な事は全く無く、純粋に小首を傾げていた】
【珍しい客なのだろう。ただの修道女だというが、既にその力は見抜いているらしかった】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 01:09:38.71 ID:5nJ8oDMI0
>>728
「いや、君自身に用があったのさ。――――と言っても、さっき言った言った通り大した話は無いけどね
どっちかというと今日は姿を見に来たって言うのが一番かな
キミだって初対面のボクに対してそんな聞く事は無いだろうし

招かれた理由は……彼女にあげた林檎のお礼、かな?」

【勝手に訪れておきながら、大した用も無いと】
【好きに茶を飲み、菓子を食い。小首を傾げるその様をじいと見えれば視線もまた菓子へと戻り】
【龍の前だろうと自由気まま。或いは神様や悪魔の前でも同じなのかも知れないが】
【クスリと笑い、冗談半分の答え。それとて次の言葉を繋げる時には無くなるのだが】


「でも、まあ。――――勿論キミから話を聞きたい事は幾つかある
ブリッツとロース。それ以外の二人について何か知ってる事があるなら聞きたいし
後はキミ以外の龍二頭についても何か知ってるなら聞きたい
眠りこけてる方と、暴れん坊な方とね

――――後はキミがボクの敵なのか。つまり、アーグやダグラスの仲間なのか。聞きたいのはその辺りかな」

【カップの底が見えたと同時に紡がれた問い】
【知らなければそれで良いし、言いたくなければ別な良いけど――――そんな言葉も最後には加えて】
730 :ヴィサス ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/05(木) 01:30:51.50 ID:5I3hPKGZo
>>729

ふむ……。ブリッツ、という名はあまりよく覚えていない。
 だがロースであれば、アレはアーグから借り受けた執事と云った所か

 客の招待を始めとして、島に居るときは何かと身の回りの世話をさせていた。
 確か、アーグの部下だろう。不思議な見た目の女だな。
 ……それ以外の二人、というのは、生憎と私は何のことか分かりかねる

【第一の質問に関する答えは実に簡潔。が、ほぼ既知の情報と変わらないだろう】
【特にブリッツの事は殆ど覚えていない様子。となれば、さほど関わりも無かったのか】

【それから第二の質問、自身以外の龍について聞かれると】
【おもむろに近場の紙とペンを手に取って、サラサラと何事か書き綴り】
【やがてそっとグリースの方に差し出した。見れば達筆で、『Erde』と『Zorg』と記されていて】

寝ているのが『Erde』……エルデ。あちらに山脈が見えるだろうが、"アレ"がそうだ
 あまりずっと寝ているから、その上に土が積もって山になってしまった間抜けな龍だな。
 まあ、あと何千年かすれば重さに耐えかねて起きてくるはずだが……

 ……もう一頭はゾルグ。今は何処を飛んでいるか知らないが、確かに暴れん坊だな
 生まれてこの方、人にも同種にも良いことをした試しが無い様な奴だ。
 名前の由来は『完全なる破壊』…――名づけたのが誰かは、もう忘れてしまったが。

 それと……敵?一つ言っておくが、私は誰の味方をしたこともない。
 この島に立ち入る者があれば、その資格があるかどうかを試すだけだ。

 アーグも、ダグラスも、共に試験に合格したからこの島に居る。
 先日船で入ってきた人間たちも中々出来る様だったから、今は自由だ
 ……だから、敵も味方もない。私は島から出ないし、襲われなければ襲わないつもりだが。……問題でも?
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 01:49:31.86 ID:5nJ8oDMI0
>>730
「本当に何千年も眠っててくれれば良いんだけどね。――――起きたとしてもボク等からして悪いのじゃ無い事を願うよ
そのゾルグって暴れん坊は……聞く限り碌でもないみたいだ。全く、人でも龍でも節操ないのは嫌になっちゃうね……

――――まあ、ロースからはゾルグについては何となく聞いてるけどさ」

【溜息を吐いたのは、同じ龍である彼女からの言葉を聞いてだ】
【その名が示す意味の通りならば龍で有る事も合わさって厄介な相手】
【或いはダグラスが飼い慣らさそうとしていた事からして、ヴィサスの様な人に似た其れとは異なるのかとも推測するが】

【実際は会わねば分からぬ事かと思い直すのだろう】
【もう一頭に関しても良い予感はせずとも、全ての龍が邪である訳では無いと理解はして居り】


「ふうん。なら別に良いんだけどさ
キミが取り敢えず人間を襲う、って性格だったらボクとしても色々と考えなきゃいけないからさ

――――大体はそんな所かな。キミが敵でも味方でも無いと分かっただけでも大きな収穫だし
……あ、そうそう。ダグラスの着てる金ぴか鎧について何か知ってる?キミ達と同じ様に龍を模した物だと思ったけど
後は何で彼が態々此処に居るのかとか、さ」

【さて、後は今の所特に聞くべき事も無い】
【適当に話して戻ろうかと追った矢先の事――――ふと、六罪王の纏う鎧を思い出し】
【彼女ならば何か知っているだろうか、と】
732 :ヴィサス ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/05(木) 02:02:29.76 ID:5I3hPKGZo
>>731

寝ていても起きていても、アレは人間にとっては何の問題も無い存在だ。
 精々、次の寝所を探して何処かへ飛ぶ程度……食事が要らないからな、アレは

 ゾルグについては……想像できる悪い所を全て足せば、大体正解だろう。
 全てを飲み込む口だとか、全てを拒む甲殻だとか……到底人が敵うとも思えん
 ……もし出会ったら、素直に逃げることを親切心から薦めておいてやろう

 それと……鎧、か?アレなら、ダグラスという男が欲しがっていたので呉れてやったのだ
 本来は人が着ると気が触れる筈だが、どういうわけかアレは上手く着こなしているようだな

【あれ、アレと指示代名詞ばかりだが、要点はやはり簡潔なのだった】
【欲しいと言われてあげた、という鎧で命を繋いだ――そのダグラスに話が及ぶと】
【回想するように視線はグリースから離れて、空を飛ぶ大型の鷲に注がれる】

……確か、最初は冒険のような心づもりでこの島に来たと言っていた様に思う。
 事実、あの男は船で来た。私の試験に合格してからは、島の各所を見て回っていたな
 
 大方、その時にこの島が気に入ったのではないか?喧騒というものもないし
 過ごしやすさで言えば群を抜いている。……ここ何十年かは、見どころも増えたからな
 最近などは大きな塔が出来てな。そら、其処に立っている逆さの塔だが……あそこは面白いぞ
 時折、雲の上から巨大な魔獣が降りてくるのだ。塔を囲うように……そういえばクジラに似ているな、アレは。

【―――ここ何十年かで見所が増えた、という言葉に、違和感を掴めるであろうか】
【この島の特徴といえば、やはり『過去の記憶』が再現されているという一点だ】
【ヴィサスの言う見所というのがソレを指すなら――ダグラスが生まれる余程前に、島は今の状態だったと言えるのだが―。】
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 02:21:55.86 ID:5nJ8oDMI0
>>732
「あんまり逃げたくは無いな。別にゾルグがどうとかじゃ無くて、個人的にお礼をしときたいしさ

――――にしても、もしかしてダグラスは元々気が触れてるからそれ以上ヘンにならないとかじゃ無いよね?
別に彼が変人だろうと狂人だろうと大して変わらないら良いんだけど」

【負けず嫌い、と言う訳でも無い。単に個人としてゾルグと呼称される龍が嫌いだから】
【ダグラスへと渡した鎧が元は曰く染みた物と聞けば少しばかり興味深そうにして】
【――――何らかの方法でその欠点を回避した、と聞いても彼ならば納得出来る】
【だけれど、芸術家は大体が変人だなんて話をふと思い出したならば、皮肉を込めて紡ぎ】


「何十年かは、って事は――――その言葉が示す通りなんだろうけどさ
まあ、立て続けに大きな事件が起きたりしてるからね。ボクは教会であの塔の担当してなかったから詳しくは分からないけど……
そもそも、あの事件に関しては終わった筈だけど…………首謀者全盛期な所だけ再現されてたりして

でも、巨大な魔物か…………あれ、そう言えばゼン=カイマもあるって聞いたけど彼処はどんな感じなのさ?
――――序でに、それ以前の見所とかは無いの?」

【ロースがヴィサスは元よりそこの住人、と言っていた事は真なのだろう】
【でなければ、ここ何十年かで見所が増えたとの言葉も吐くことは出来まい】
【魔獣が降りてくる、との事が当時の記憶の再現ならば――――そして、ふと思い至ったこと】
【果たして何処までが再現されているのか。起承転結を全て終えた事件。事件の記憶まで再現しているとしたならば】
【其れは忠実に史実を辿っているのか、或いはIFを紡いでいるのか】
734 :ヴィサス ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/05(木) 02:39:44.11 ID:5I3hPKGZo
>>733

アレが、どの程度再現されているのかは私には分からない。
 当時というのを知らないし、其処まで奥深く歩み行ってはいないからだ

 ……ただ、過去の記憶から出てきて島の大地を踏んだ者は未だかつて居ない。
 恐らくは建造物や地所といった、曰く付きの記憶に縛られているのだろうな
 だが、逆に踏み入って帰ってきた者も……なに、それ以前の見所?

【結論から言えば、これは分からない。実際に足を踏みれれば良いだけではあるが】
【危険が伴うのは当然という具合か。特に、過去の激戦が再現されているのだとすれば】
【件の塔には、かつての六罪王の記憶が眠っている筈だ。それも、ダグラスより余程暴れ癖の有る半魔だったか。】

【――さて、それ以前の見所はと言われると、ヴィサスの視線は空を泳ぐ】
【指折り数えて、ああでもないこうでもないと言って――ちょうど、二分ほどして】

幾つかある。……100年前に来た、何とかという人間が建てた巨大な城が第一かな
誰が侵入するでもないのに罠が多く、建てるだけ建ててみな死んでしまった。
今ではミイラの彷徨くダンジョンといったところだ。時折行くが、暇つぶしには最適だぞ

第二には、エルデが眠る山。山頂から見るこの島は雄大で美麗だ
山そのものも温泉があってな。というのも、エルデの体温で溜まった雨水が沸いているだけなのだが……悪くない

第三に上げるなら私の植物園か。いや、我ながら完成度には自信を持っているぞ
貴様の三倍はある球体のサボテンや、60メートルほどもある樹木も有る。
私の密かな楽しみ、という奴だ。もし見ていくのなら案内しても良い、が……

……人間というのは忙しない生き物だと認識している。
お前はどうなのだ、ダグラスのような暇に飽かして生きている様な人種か?
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 03:01:50.23 ID:5nJ8oDMI0
>>734
「――――キミ達の話から考えるに、どうも記憶と言っても事件の最後辺りの所が再現されてそうだ
ずっと戦ってるなら、外に出て来ないのも納得出来るしね。戦ってる最中は目の前の相手にだけ集中してて外に出よう何て考えは先ず無いしさ

ボクなりの仮説だし、危険を冒してまで今は行く気になれないから真実はまだお預けだけど
ん……いや。記憶に捕らわれて戻って来れない、なんて可能性もあったりして」

【まだ自分が行く事も無いのだから何とも気楽な事だ】
【適当に自分なりの推理を並べ、だけれども解決に急ぐわけでも無いのだから答えはまだ分からずとも良いと】
【何時かは知れる事。それが今である必要は何処にも無い、と結論づけて】


「そりゃ、人間の寿命は短いんだから忙しなくもなるよ。夢を叶えられずに老衰する人だって多いし
――――比べて、ボクは人間じゃ無いから。寿命も無いし、殺されない限り死ぬ事も無い。それに、ちょっとの事じゃ死なないね

暇か、と言われれば微妙だけど…………それでもそこら辺の人間よりはずっと時間を持て余すと思う
今はアーグの事とかで忙しいけどね

城……ミイラが居るなら相性も良さそうだし、何か面白いものもありそう
温泉だって好きだし、折角だから浸かっていきたいけどそこまでの時間もきっと無いから
――――と言う訳でさ。折角だしキミのご自慢の庭を見てから帰るよ
折角誘い受けの準備したのにあの修道女は見ないで帰ったーなんてボクが帰った後に拗ねられても困るし
気に入ったら……うーん…………何時かまた遊びに来させて貰うね」

【人では無いのだから、人とは異なった時間を過ごす。不死では無いが、不老ではあり】
【結局は持て余す時間もある。時を経ても死なない、とは生きている内にすべき事も少なくなって行く事に等しく】

【城にも山にも興味はあるが、帰るべき時間を考えるとそこまでの猶予も無い】
【ならば帰る前に彼女の言う自信のある庭だけを見て帰ろうか――――なんて言葉】
【尤も、それだってからかう様な口調で有り。もう帰れ、と言われれば誤魔化すように舌先を出しながら戻るのだろうが】
736 :ヴィサス ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/05(木) 03:21:30.19 ID:5I3hPKGZo
>>735

ふ、む……。……お前はアーグとは違って、ダグラスとは似ているな。
 話している時の感じが、だが。……いや、アレのほうがもう少し浮ついているか?
 捉え所がなくて、話していて楽しい。ロースも良いが、アレは少々固いからな

 ……さて、どうしたものか。誘いはしたものの、時間が無いとあれば別日が良かろう
 生憎と歩いて回るには時間のかかる庭園だ。一周するのに三時間というところか
 口うるさい番犬も居ることだし……よし、やはりまた来い。その気が残っていたら、で構わんから。

【と、いうことだった。一周で三時間となると、庭というより自然公園だ】
【長く生きて、何百何千年と趣味を続けるとそうなるのだろうか】
【或いは島の一角がまるまるこの古龍の手によって植生を変えられていそうな予測も出来て】

【ともあれ、元の場所へ戻るとあればヴィサスから呼び止めることはない】
【――呼び止めはしないが、言葉はかける。聞く聞かないは、グリース次第で】

そういえば、先ほど『ゼン=カイマ』とか言っていたな。
 その名前には聞き覚えがある。……たしか、先に話した城の者達が"そう"だった
 確か、島には逃げてきたとか、言っていた気もするが……記憶違いかもしれないな。

【100年前。――100年前だ。そして、ゼン=カイマというキーワードがリンクすれば】
【自ずと微かな兆しが見える筈。しかし、それを確かめるには今ひとつ時間が足りない以上は――】

【――現状では、帰還することが第一となるか。来た時と同様に転移陣へ足を踏み入れれば】
【僅かにラグを置くようにして、明るいジャングルのお茶会は教会奥の荷物置き場に変貌する】
【ロースはなおも其処に居た。シルクハットを手遊びしながら、『如何でした?』と尋ねかけ―。】
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 03:58:18.88 ID:5nJ8oDMI0
「――――そ。じゃあ、また何時か機会があったら来てみるよ
アーグやダグラスがまた別な問題を起こしてなければ、だけどね

次に会うのが何時かも分からないし、そもそも会えるのかも分からない事だけど
キミが敵でも味方でも無いなら、次に会うその時まで元気で――とでも残して置こうかな」

【無理強いをする事も無い。と言うよりも、時間が無いのならば、と気を遣って貰ったのだから逆に幸いで有り】
【何時かは分からないが、また時間があるときにでも訪れるとだけ残し】
【――――元気で、とだけ伝えれば教会へと戻ることとなろう】

【ただ、その少し前。ゼン=カイマと城との繋がりを聞けば】
【年代からしても。そしてアーグが其処に居る事にしても。そして、今までの事からして。自分なりに何かが脳裏を過ぎったか】


【――――やがて教会へと戻ってきたならば、彼女の問い掛けにはにこやかに「楽しい時間だった」とだけ答えて】
【待遇の改善を聞き、特に無いと応えられれば自分なりに伝えて置くとでも返すし。具体的に何かあれば、其れを伝えると返し】


「じゃあ、ボクの方も時間だからそろそろ教会に戻るけど――――……嗚呼、また何時か遊びに来れたら来るよ
キミが逃げ出してなければ、だけど。もしも逃げてたら…………次は敵として見なきゃ、ね」

【冗談めかして笑えば、扉をノックして鍵を開ける様に指示するのだろう】
【――――去り際、一度手を振れば扉も静かに閉められて】

【さて、直にアレクサンドルの元へと向かえば幾つか告げられる事となろう】
【先ず古龍等々の得た情報を伝え、其れを大司教に伝える様に言ったのは記すまでも無い。彼が其処から然るべき所へと情報を伝える事も考え】
【ロースに対する待遇の改善。彼女の希望があれば其れを伝え、無かったならば本を置くなりしてやれだとか、数日置きに果物を少しだけ与えてやれだとか】
【そして大凡100年前。ゼン=カイマから逃げ出した者達についてと、その者達とアーグとの関係があれば調べておけだとか。或いは“城”について何かあれば知らせろだとか】
【伝えるだけ伝えた後、翼を生やして飛び立とうとするが】


「そうそう。ヴィサスって古龍はどうも敵でも味方でも無いみたいだよ
話を聞く限り不干渉――って訳でも無いんだろうけど、アーグ達に比べれば全くの無害かな
それと、何か情報が入ったり分かったりしたら伝えろ、とでも言っておいてよ

じゃあ、また何時か。もう歳なんだし、無理して身体壊さない様にしなよ?」

【最後。何か分かれば口頭でも文章でも良いから伝える様に――――其れを大司教に伝えて欲しい、とだけ告げて】
【クスリ、と笑みを残せば今度こそ空へと羽ばたく事だろう】
【ゼン=カイマに数枚の白い羽を舞い落とし、やがてはその姿も彼方へと消えて】

【――――断片的には理解した部分も多い。或いはコレで“次”をどうにか出来るだろうか】
【まだ見えぬ先の事。人知れずの溜息は、憂いか】

/時間もよい具合ですのでこの辺りで失礼致します……!
/二日間、遅くまでお付き合い頂き本当に有り難う御座いましたですよ!
738 :ヴィサス ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/05(木) 04:26:07.36 ID:5I3hPKGZo
>>737

【―――後日、グリース宛に数枚の紙面からなる資料が送られる】

【その内容は主に100年前のゼン=カイマについて。つまり、アーグが"死んだ"頃だ】
【『都市の全壊に伴い、歴譜も不確かながら―』なんて文頭から始まったこの文書は】
【最終的に、アーグの治世を嫌って都市を逃れ、新天地へ赴いたとされる一団についてまとめられていた】

【口伝では一種の伝説として、遥か新たな土地で教えを広めた者達として語り継がれて居るとかで】
【また別に、一部資料からは裏切り者と記されているという。その集団の名は――】

【第二近衛騎士団=\―と云った。近衛騎士団というのは、つまりゼン=カイマの守護を司る存在であり】
【頭に付く"第二"は、彼らが史上二度目の誉れ有る集団であったことを指し示している】
【ちょうど、フレデリックが率いていたのが第三近衛騎士団。それからもう一つ、判明したことがある】

【というのは、当時のドラクレア島は流刑地の扱いを受けていたらしいという事であり】
【ただ、100年前だ。遠洋航海術は発展途上だったとかで、実質それは死刑を意味していたらしく】


【もし、その地に騎士団が赴いた――逃げた、或いは流刑に処されたのだとすれば】
【様々な想像が働く事だろう。しかし、やはり永い時というのは事実を包み隠してしまうもので】
【結局のところ、真実は不明。要調査。そんな言葉で、資料は締めくくられているのだった】

【尚、追伸もある。ロースについてだが、その後大司教を含めた数人で相談したところ】
【せめて風の有る所に、ということで、鐘付き塔の中程にある小部屋に場所を変えたのだという】
【窓も有り、部屋も明るいとか。もし次に足を運べば、虜囚の肌ツヤは目に見えて良くなっているはずだった。】




【時を同じくして、水の国。遥かな辺境ではあるものの、国内の風に妙な物が混じっている】
【そんな噂が流れ始めていた。妙なものとはつまり――何か、凄まじく強大な生き物の遠咆が聞こえる、と言うものだが】
【これがただの噂に終わるのか、或いは何かの予兆かは、まだ誰にも分からぬ所だった。】

/ですねっ、こちらもそう考えていたので折も良いかと!
/こちらこそ、二日間もお付き合い頂きありがとうございました!お疲れ様でした―!
739 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/05(木) 15:04:42.98 ID:DSlEbTGYO
【公園】


特訓での『100回の素振り』なんて……ッ実践での『10回の攻撃』に満たないんだ……。

これができなきゃ話になんねェんだ……! でも ッ! きつい !


【黒いハットに和風外套 。白い革の手袋を填めた中肉中背の青年である。】
【両手でクレイモアのような、鞘に収まった大剣をもち、】
【割とひろめの公園の一角にて、それを上段に素振りし続ける。】

【──せいぜい90回目に到達した程度ではあるが、すでに剣の振りは鈍い。】
【自身の筋力不足を痛感しながら、100回目を終えたと同時に倒れこんだ。】
740 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/05(木) 18:00:23.63 ID:KQvMabIJo
>>739
【公園にて、日傘をさした少女がゆっくりとした歩調で歩いていた】

さてさて、今日はなにか面白いことでもないかなぁ……

【シャツとスカートの上にジャケットを羽織った、普通の格好の、少し背が高いくらいの少女】
【それなのに通りがかった誰もが少女を見やるのは、その透き通るような白髪によるものだろう】
【だが、そんな周りの目を気にも留めず、のんびりと散歩する少女】
【彼女は日の光が少し苦手だったが、その元で現れる自然の些細な変化を眺めるのが好きだった】
【今日は何が見つかるだろうか……そんなことを考えながら歩いていると、ふと向こうで誰かが倒れているのが見える】

んー、なんだあれ……?

【別に子供とかが寝っころがっているのは微笑ましいで済むが、子供にはちょっと見えないガタイの人間が倒れているのを見ると、突然体調が……みたいなことが脳裏に浮かんできたりする】
【そう滅多にあることでもないだろうが、もしそうだったら大変だと思い、そちらの方へ向かって声をかけてみる】

あのー、大丈夫ですか……?
741 : ◆IjMn4A7nco [sage]:2015/03/05(木) 18:32:32.94 ID:eDwsWtcCo
>>739
【公園、それは少年少女が集うプチ遊園地。】
【しかし、そこには似つかない大人が二人陣取っていた。】
【一人は平日に大剣を振り回す男。もう一人は平日に安物のスーツを着て佇む男。】

【当然二人を気味悪がってか周りには人っ子一人いない。そのため独り事が男の元まで聞こえてきていた。】

"素振りの百回"と"実戦の十回"……彼は傭兵なんでしょうか……?

【スーツを着たリーマン風の男は、廉を見ながらそう呟く。】
【辛そうだなぁ、とか。頑張ってるなぁ、とか。そんなありきたりな感情を抱き】
【廉の挙動を見守っていた。そして、程なくして廉が力尽き倒れこむと】
【男は近くの自動販売機でジュースを二本買い、廉の元へ歩み寄った。】

お疲れさまです、精が出ますね。
何か目標があるんですか、あなたを素振りに駆り立てるような。

【男は転がる廉にスッとジュースを近付け渡そうとしながら、問い掛けた。】

>>740
【ジュースを買いに行っている間に、随分と可愛らしい少女がやって来たものだ。】
【男は内心舌を巻きながらもジュースを二本買った自分に指を立てる。】
【知らないおじさんから物を貰わない、なんて教えられているかもしれないと一瞬逡巡するも、】
【そんなことで騒ぎ立てるようならば大剣を持った男に話しかけることはないだろうと思い直す】

あ、あの良かったらコレ飲みます?

【スーツ姿の男は若干つかえながらも少女にジュースを差しだした。】
【また倒れている男にも渡すのだが、二人は初対面なのである。】
【一応廉が倒れた理由ならば説明可能であるが。】


742 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/05(木) 18:32:49.95 ID:DSlEbTGYO
>>740


──はァ …ッ はァ… ッ


【顔を真っ赤にしてぜぇぜぇと息を荒くした様子で、だらだらと汗を垂らし。】
【偶々少女が近寄ってくれば、話しかけてきてくれたことをこれよしとし、】


…飲み物かッ…何かを…ッ俺にくれまずか…ッ


【汗で視界がぼやけ、少女の姿をちゃんと確認できていない。】
【そのインバネスには堂々たる自警団の紋章。】
【にも関わらず、自分等が守るべきであろう存在に水を催促するダメップリが目につくだろう。】
743 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/05(木) 18:34:59.22 ID:DSlEbTGYO
>>741
/ウップス。リロードをしておりませんでした。
744 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/05(木) 18:41:45.00 ID:DSlEbTGYO
>>741


ンはッ… 頂きます !


【直ぐ様上体を起こせば、汗を振り撒きながら両手でそのジュースを受け取ろうとする。】
【成功すれば、キャップを上げんくんくと喉をならしながら飲み干すのだろう。】
【飲みップリはとても立派だ。】


──ぷは ァッ! ご馳走さまでした!

……それは勿論、強くなるためですよ! いずれは六罪王をぶっ飛ばす予定です!


【ぐぐッ!サムズアップをすれば爽やかな笑顔を。その姿はスポーツマンのよう。】
【自警団の紋章が確認できるから、傭兵とは言わずとも兵士という立場であることは間違いないだろう。】
【とはいえ、100回の素振りでこの様だからたかが知れているが。】
745 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/05(木) 18:59:21.08 ID:KQvMabIJo
>>742
【顔を真っ赤にした男が倒れているのを見て、熱中症だったりしないか……なんて思ったが、この様子ならそういうのではなさそうだと、クローフィは判断する】

えぇと、飲み物ですか……確か自販機があっちの方にあるんでちょっと待ってて──

【と言い残して、買いにいこうと足を向けたところでスーツの男に気づく】

>>741
へ?あ、あぁどうもありがとうございます……

【突然の差出しに少し戸惑いつつも、素直に受けとる──素直な子と思うか、そのうち事件にでも巻き込まれるんじゃないかとでも思うかは、評価の別れるとこだろう】

えっと、この人のお知り合いでしょうか?

【ここで男にジュースを差し入れに来たということは、たぶんそうなんじゃないかと思って問いかける】
【特段それを知ることでなんだというわけでもないが、要は世間話だ】
746 : ◆IjMn4A7nco [sage]:2015/03/05(木) 19:10:56.03 ID:eDwsWtcCo
>>744
……良い飲みっぷりで。

【廉の飲みっぷりに目を見張り、素直に驚く。】
【しかし、自分が渡した物が喜ばれるというのは存外気分の良いものだ。】

六罪王……ってなんですっけ?確かカノッサの……?

【男は名前も知らぬこの大剣男が随分と大きな野心を抱いている事に気付く。若さがまぶしい。】
【あまり歳は変わらないのにここまで意識が違うのか。苦笑するしかないじゃないか。】
【そう考えていた男の顔は自警団の紋章を見て凍り付く。】

【実はこのスーツの男、ありとあらゆる筋からの借金を抱えており日々逃げ隠れしながら働いているのだった。】
【総合負債およそ百憶、内自警団関連から十億の負債。裏では名前がカネクイムシ呼ばれているのだった。】

>>745
【もう少し警戒という言葉を憶えたほうがいいよ、お嬢さん。】
【心の中でそう呟くが、口にはださずただ少女の将来を案じた。】

えーっと初対面ですね……
あなたはこういう方とは仲がいいのでしょうか……?

【大剣を公園で振り回す知合いなどいてたまるかっ。と突っ込みながら答え】
【逆に大剣を不信に思わず近づいた少女の素性について興味が沸いたのかそう問い掛けた。】
747 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/05(木) 19:22:02.45 ID:DSlEbTGYO
>>745


──OKでした 、お騒がせしてすみません。


【頼んでおいて結局問題なかったのが少し気まずく感じつつ、苦笑を浮かべる。】
【──無論、この季節だからこそ熱中症ということはない。】
【当然、この季節だからこそ、日傘をさす少女を訝しげな表情で見つめるのだが……】


あ、いや、知り合いじゃあ……。


【男性と主張のタイミングが被り口を塞ぐ。】

>>746


イェス! 俺にはあいつらに立ち向かう志があるんでね !


【きらきらとまぶしい笑顔で答えるものの、つい最近までは六罪王関連で少し傷心していた。】
【当然そんなことを話すつもりもないし、自警団に入って日の浅い彼は自警団の資産状況を知る由もないから、】
【男が我々から借金を背負っている等知らず、知っていたとしてもたった今飲み物を恵んでくれた彼をどうこうするつもりはない訳で──】

【少女とは初対面な訳だが、彼としては少女が「日傘を指していること」が気になるようす。】
748 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/05(木) 19:56:59.78 ID:KQvMabIJo
>>746
あれ、そうなんですか……いえいえ、私もそういうわけでは
遠目に誰か倒れてるのが見えたので、それで気になっただけでして

【きっとこの人も私のように水分を乞われたのかと思いつつ、そう答える】
【大剣の存在は近づいてから気づいたし、自身も能力の都合上見慣れないものではないのであまり気に留めていないようだ】

>>747
いえいえ、何かあったとかじゃなくてよかったです

【そこはかとない気まずさ故にはみかんだ笑顔を浮かべつつ、そう答える】
【実際、何か病気だなんだで倒れられていてもクローフィにはなにもできなかったわけだから、こっちの方がいいに決まっている】

……えっと、何か気になることでも?

【男が何かを気にしているのはわかったものの、その内容がいまいちわからない様子】
【大剣に動じなかったことから見ても、わりとおっとりというか鈍感というか、そういうタイプのようだ】
749 : ◆IjMn4A7nco [sage]:2015/03/05(木) 20:06:03.25 ID:eDwsWtcCo
>>747
【どうやら私のことは知らないようですね、助かった助かった。】
【まあたった十億、私の負債の一割ですし。すこし気を張りすぎたのかもしれませんね……】
【男は廉の反応を見て安堵すると、肩の力が抜けたのか自然体で話すことが出来るようになったらしかった。】

立ち向かう意思ですか……まあそんな心がなければ自警団なんて入りませんよね。
愚直に正義を貫くというのも悪くないと思います、ええ。

【元気に即答する廉に再び舌を巻かされながらも、しっかりと彼の意見を尊重し肯定した。】
【男にとって廉は眩しい存在であった。が、男だってそんな時期がなかったわけではない。】
【そんな時期の彼を打ち砕いたのは絶望。はたして今まで自分の前で爽やかに笑う青年は絶望を味わったことがないのか?】
【不意に少しだけ意地悪な気持ちが沸き起こり次の問いを投げかけさせた。】

それで、六罪王と相対したことは?
やっぱり普通とは違って"別格"という感じでしたか?

【ここで別格と肯定したなら男はサラリーマンらしく、ズルイ正論を叩きつけるつもりだが……】

>>748
なるほど、なるほど。
若いのに優しいなんて素晴らしいです、ええ。

【かわいらしい上に優しいとは中々見られない逸材じゃないか。などと心の中でも似たような感想を抱いており】
【せっかくの機会なので男は少女を通報されない程度に眺めることにした。】
【すると、少女が赤い目をしていることに気付く。白い髪の毛を見たときはファッションかと思ったが、これはアルビノというやつだろうか?】
【しかし本人のコンプレックスになっているの可能性もあるし……と、黙って少女を見つめたまま静止してしまう。】
【それは奇しくも廉と殆ど同じ理由である。きっと彼が質問を投げかけてくれるに違いないっ】
750 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/05(木) 20:17:28.79 ID:DSlEbTGYO
>>749


──相対しましたとも、共闘者と共に。
勿論強かった。別格って感じでした 。みんなで協力してぎりぎりではありますが倒しかけたんですが、また新手の六罪王がでてきて──

俺はぶるっちまいましてねぇ…………。

【恥ずかしそうに、他人事のように苦笑を浮かべた。】
【おそらくその答えは男の期待にそうものだろうし、青年としても嘘はついていない。】


>>748


あ、いや、こんな季節でも日傘をさすんですねぇ。
日焼けしやすい性質なんですかね? こんな季節にも日傘をさすなんて…


【──青年は、相手にどこか違和感があるとき、直接的な質問はしにくい性格のようだ。】
【どこか回りくどく、なんで日傘なんてさしてるんですか?と聞いて──。】
【病気とかあるんですか?、とは聞きにくい…。】
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 20:35:01.04 ID:Y33nuFlR0
【路地裏――大通りまであともう少し、そんな位置】
【満月にいまひとつ足りない月が天で艶めく、ただ、街明かりや雑踏の賑やかさの前には、誰も気にせず】
【暗がりの路地裏に続いていく場所に座り込む人物のことも、大多数の人が無視していくのだけど――】

あ゛――、……どうしてこんなところに付くんでしょう、気をつけてましたのに……。

【ふらりと現れてからそこに腰掛けた人物は女性で、まだ寒い時期なのに服装といえばごく丈の短いワンピースで】
【胸元もそれなりに空いている代わりに厚手のコートを羽織っている、そのボタンを片手で曖昧に締めながら】
【取り出したのはコンパクト、ざっくりと顔を映しこめばすぐに気付くのは右頬、――血の飛沫らしいものがこびりついていて】
【はぁとため息なんてしながら鞄を漁ってウェットティッシュやら取り出して拭う、それから念入りに残りを探しだし】
【唇の下で黒子のようになっていたのも見つけ出して拭い取る、さらにそれから服は無事かと確かめるが――そちらは無事そう】

【黒猫の毛とおんなじ色をした髪の女。少しくしゅっと癖をつけたボブヘア、肌は普通よりかいくらも白く】
【瞳は青林檎の色味、ただ闇の中では宝石か獣の瞳のように煌いて――ただ今は手元の小さな鏡へ真っ直ぐ向いて】
【コートのボタンを閉めてしまっても目立つのは胸元、豊かに膨れて。投げ出したハイヒールの足も、癖なくきちんと伸びていた】

【頬に血が付くのなんて全うでないのは確か、もっと裏路地を探せば、首筋に噛み傷のある浮浪者を見つけるだろうけど】
【別に誰かに襲われたと叫ぶでもなく、それどころか金を握らされてご機嫌――とはひどく余談でしかなく、】

【とりあえず彼女は頬にべったりついた血をぬぐってしまえば、落ちた化粧をしなおす準備を始めていた】
【明かりの少ない場所なのに化粧をする手になんら迷いもないのは慣れているのか。黄緑の瞳が煌いて、――】
752 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/05(木) 20:40:15.58 ID:KQvMabIJo
>>749
>>750
あぁ、これですか?
そうなんですよねー、冬でも放っておくと火傷みたいになっちゃって大変なんですよ

【大剣の男に質問されて、やっと両者の視線の意味に気づいて答える】
【クローフィ自身容姿のことに加えてよく聞かれることだったので、別に気分を害するということは全くなかった】
【そしてこの答えを返した後の、時々訪れる無言の気まずさもクローフィは知っていたので自分から話を振っていく】

それにしても、大きな剣ですねー
これの素振りでバテちゃったんですか?

【見ればわかるだろうということではあるが、それでも構わない】
【彼女は自身の身体的特徴に起因する気まずさというのが嫌いで、それが回避できればなんでもよかったのである】
753 : ◆vrv2g2Oz1g [sage]:2015/03/05(木) 20:49:43.06 ID:UqSeuZP1o
>>751

【微かな血の香を嗅ぎ当てたか、ゆらと翳る背高の影が、大通りからの光を遮った】
【逆光で暗く映る姿は死神の様な――長い長い紅茶色の髪、その特徴がなければ、そんな】

……ああ、君は。いつか何処かで、会ったような、気がするけれど――

【戦闘の痕のような、所々の擦れた古めかしい黒のローブを纏ったその男は、僅かに首肯して】
【左右不揃いの歪な視線を、互いの目が合わない形で相手へと向けた】

【茫然自失、とでも言うのだろうか。何処か遠い所から此処へと辿り着いたばかりのような疲弊感】
【それこそ幽鬼めいて、通りからの風に僅かに翻るローブの裾――見覚えは、有るだろうか】

人違いなら、良いが……そうでないなら、訊きたい事が有るんだ
ねぇ、――音々子、さん?

【背高は首を傾げる。ざらと流れる髪、その所々にも、焦げ跡が僅かに残っていた】
754 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/05(木) 21:00:41.84 ID:DSlEbTGYO
夕飯で遅れます
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 21:02:25.04 ID:Y33nuFlR0
>>753

【古びた――わけでもないが、使い慣れしてるのだろう道具と、詰め込んだポーチは猫の模様で】
【適当に膝の上を作業台にして化粧している様子は電車の中の化粧と似て、ただ、あれよりは迷惑でもなく】
【ぬぐって落ちた部分をなんとなしに修復していれば影が落ちる、僅かに目を細めながらも、それで作業は滞らず】
【暗視に優れた目はこういうときに便利なのかもしれなかった。とか、そんなこと、考えていたわけじゃないけれど――】

あら、あなた様は行方不明だって聞いてますのよ、クリスマスもお仕事だって言ってましたもの。
バレンタインの日もお仕事だったそうで、仕事場で配るチョコを作るのを手伝わされましたが――天音さんも。

【結局、いつその姿を確認したのかはよく分からなかった。コンパクトの鏡を向けた気もするし、見なかった気もする】
【最終的な確認が声であるのは確かなのだろうが。こういう仕事なのだから、人の声を忘れることは滅多にないし】
【個人的重要人物のすぐ傍の人間ならなおさら忘れるわけもない、ある意味では恩人、かも、しれないし――】

何か御用ですの? それともお仕事としての御用事かしら?

【ぱたん、と、鏡用に開けていたコンパクトを閉じて、終わり。それでようやく向けた顔は、いつもの営業スマイルで】
【猫撫で声も相変わらず。強いて差異をあげれば今宵は煙草や男の臭いよりも血の臭い。それと、気持ち程度の香水の】
【変わらない笑顔はそれだけ何を考えているのも分かりづらいものだが、目が、少し――褪めているように見えた】
756 : ◆IjMn4A7nco [sage]:2015/03/05(木) 21:04:48.88 ID:eDwsWtcCo
>>750
なるほど、やはり相対しましたか。

【やはり目標というのだから何らかの繋がりがあって当然。】
【男は自分の読みが当っていたので、思っていた台詞を吐きだす事ができる。】

一つ言えるとするならば――"別格"だとか"目標"だとか言ってしまうのはアレです。

【ここで一息おき、少しだけ間をあける。】
【こんな事を言ったらこの青年は傷つくかな…でも、この台詞の自分なりの答えを既に見付けているのなら凄い男かもしれない。】
【ここでこの青年の強さを見ておこう、そう今の自分の気持を結論ずけ、問いを投げ掛ける。】

心で敗けている。恐らくあなたは六罪王を倒すために素振りしていたのではなく。
弱い自分から目を背けるために、逃げるために、紛らわすために剣を振るっていたのではありませんか?

>>752
肌が生まれつき弱いんですね、日光が天敵とは。

【まるで吸血鬼みたい――という言葉を小さく呟く程度に抑え、うんうんと頷く】
【もっとも呟きは少女の聴力が良ければ聞こえてしまっているだろうが。】
【不意に出た言葉、無意識なので流石に其処まで気が回らなかったようだった。】

【それでも呟く程度に収めたのは少女はこの話題を出すことがあまり好みではなかったようで。】
【瞬時に大剣の話に切り返たからだ。すくなくとも男はそう受け取った。】
【そして話題の大剣へと目を向けると確かに大きいかなぁなんて思いを抱く。】
757 : ◆IjMn4A7nco [sage]:2015/03/05(木) 21:05:44.24 ID:eDwsWtcCo
>>754
/了解です、ごゆるりと〜
758 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/05(木) 21:21:49.21 ID:GzUV3xnEo
>>755

行方不明……まあ、そうだろうね。それ以外に、表現のしようが無いのだから

【“聞いている”――相手のそのニュアンスだけで、男は何処か安堵したようだった】
【此処に現れるまでにあった、それこそ一瞬で生き死にが決まる刹那を、幾度と無く繰り返した感覚が】
【ごく平凡な、他愛無い行事の名にその空気を取っ払われて――目を閉じたのは、思い返す過去があったから】

ヒトとしての、用事だよ。答えるかどうかは君に任せる、何となくは察したのだけど。
……あの子は、無事なんだね。元気にしているなら、それで良いんだ
今は、普通に生きていられているのかな……“視えない”んだ、今の私では

【酷く消耗した、と言うにも無理がある程に。今の彼には、“魔力”が無かった】
【ただの人間に生まれ直しでもしなければ、そんな状態にはなれないと言える程のゼロであって】
【今のこの男なら――性差はあれど、殺すことは可能だろう。能力者で有るなら、それこそ誰にでも】

【知りたい事は、“あの子”の現状のようだ。自身の力を血液としていた筈の少女の、その後について】
【繋がりの消えた今、彼がそれを知る手立ては目の前にいる相手だけだ。消え入るような声色が、それを物語った】
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 21:37:37.11 ID:Y33nuFlR0
>>758

【クリスマス。仕事より一緒に家でパーティもどきでもしないかと誘ったら、お仕事があるからと断られた】
【バレンタインも適当になんか酒でも飲んで過ごさないかと誘ったら、やっぱりお仕事があるからと笑われた】
【なんていいつつ自分の誕生日には休んでくれたりして、邪険にされているわけではないらしいと思ったり、】
【そもそもよく考えたら休みの日は気付いたら家であの人とゲームしてたりするのだからそう言う話ではなく、余談】

さあ、どうでしょう? 元気かどうかはわたくしが決めることではありませんから――、
ご本人にでも聞いてみたらいかがでしょう? 今の時間なら仕事でもしているんじゃないかしら……ああ、

【「できないんですのね」】
【ずっと笑顔だった。笑っていた。ひたすらずっと笑ったまま、だのに、目だけがいつまでも褪めている】
【明らかに聞いた後に言ってくる辺り嫌味だろう、“彼女”がこの女をどう評価していたかといえば、】
【「ちょっと怖いひと」だ。別にそれは否定ではなく、だいすきなのだけど、少し、こわいひと――そう言っていた】
【例えばもう一人に聞けば沸点が異常に低いとかすごく短気とか聞き出せただろうが、まあ、それはIFでしかない話】

【それでもクリスマス、最低でもバレンタインまでの記憶があるらしいから、生きてはいるのだろう】
【だからと言って目の前の黒猫が会わせてくれるとか連絡を取り次いでくれるとか、――きっと無さそうに見えて】
【仕事といえば覚えてさえいればUTで働くとか言っていた気がするが、ここは風の国でもなく】

【教えてあげません――と褪めた目が言っていた。バレンタインまでの生存ですら口が滑った、と言うように】
【化粧品の詰まっていたポーチを鞄に仕舞いなおす、ふらりと立ち上がる――気付けばその足元で黒猫が鳴く】
【いつ現れたのかもよく分からない能力の形、触れようによっては凶器になる爪と牙、猫と侮ったら首を掻き切られるような】

それだけですの? 大金の仕事ならともかく、教えられませんわね。

【百五十八センチの身長と靴の高さ。頭の位置はあれよりいくらか低く、ただあちらのほうが子供ぽい】
【身体つきもそうだけど表情がそもそも違う。あの子は好きな人間に対して、嘘の表情は作らないものだから――】
760 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/05(木) 21:39:42.08 ID:oxrqOuHgo
>>752


ほお……。


【本当なら、「何か事情はおありで?」とか聞きたいのだが、】
【足早に話題が代わり、少し残念そう。】
【男のように、吸血鬼だなんだという推測はできなかったようだ。察しは悪そう。】

>>756

──違う、負けてない。いや、あのときは確かに負けたけど…。勝つまで立ち向かえるッスよ。もう。
弱くても、俺には能力(ちから)がある。何にでも立ち向かえる能力(ちから)が。


【心が敗けている──確かにその通りだ。その通りだった=B】
【そのために先述の通り、彼は心を病ませていた。】
【だが、再び立ち向かうために、その勇気を得るために──強くなることを誓ったのだ。】


だから、どんな強大な敵にも立ち向かうって決めたんだ。
当面の目標はこの大きな剣を手足≠フように扱うこと ! 今はまだ、バテバテッスけどね。

【と、少女の言葉に頷き、苦笑を浮かべた。】


/ただいま戻りました!
761 :ロゼッタ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/05(木) 21:52:33.63 ID:BPLI8HIDO
【路地裏】

【女。女がひとり、嗤っていた。くつくつと、愉快そうに】
【身体のラインを強調させたドレスを見に纏う、艶やかな黒髪に紅い瞳をした女だった】
【くつくつと、女は嗤う。それに同調するかのように、周囲の影が踊ったように見えた】


────「アイン」

ふふ……1000万だなんて、ずいぶん安く見られたものね彼も
私がベッドの中でお相手する男の値段と同じだなんて……桁が1つか2つは違うでしょうに


【その細い手には、1枚の紙──「図書館へ侵入した賊の討伐」を依頼する手配書が摘まれていた】
【こんな場所と時間に、男を誘う格好をしている女。恐らくは娼婦だ】
【そのような女が「手配書」を持って、笑っている──酷く、違和感のある光景だった】
762 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/05(木) 21:53:23.11 ID:GzUV3xnEo
>>759

【基本的に彼の中の女性観は、神への畏怖とイコールだった。祟りはしても救う話は余り聞かないのと同じ事】
【何せ自分を拾い育てたのがそういう女だったのだから――故に怯えはしなくとも、向けられている感情の何たるかは理解したようだった】

仕事……仕事、か。すっかり自立したんだね、それだけ分かれば、十分だろう
有難う。残念ながら支払える物は無いけれど、何か……礼でも、した方が良いのかな

【視線は黒猫へと向いていた。能力で作られたモノ相手、とはいえ、その“目”を合わせる事は無かった】
【まだ呪詛は残留しているのだろう。それを相手が知っているかは別として、争う意図は無いという表現】

【もっとも――相手に向けるような視線など、持ちあわせてはいないのだから】
【こうして姿を表した事自体が間違いだと、してはいけないことだと理解して、そうした以上、尚更】

つまらない詫びと、言い訳とだなんて、あの子だって聞きたくは無いだろう

【相手の褪めた目には、その姿はどう映っただろうか】
【何かの幻覚だと思えば片がつくような、二度目に見た時には消え失せているだろう、その程度の存在が】
763 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/05(木) 21:59:14.76 ID:KQvMabIJo
>>756
【吸血鬼のよう、という言葉はクローフィの耳まで届いたが、とりあえずスルーしておく】
【別に自らの素性を明かすことにそれほど抵抗はないが、それよりそこから続く男の話の方が気になったというだけの話である】
【後で聞き直されたりしたら言おうかな──などと頭のなかで巡らせつつ、それもないだろうなぁとも思ったり】

>>760
なるほどー……いいですねぇ、なんだか青春っぽい感じというか

【青春を謳歌すべき年頃の台詞としてどうなのかと思わなくもないが、実際そう思うのだから仕方がない】
【そこまで明確な行動理念というものを持っていないクローフィには、その男の笑みはある種の眩しさを伴って映った】
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 22:08:23.47 ID:Y33nuFlR0
>>762

【多分失敗だった。あの三匹の捨て猫の中で、一番、人に慣れていないのがこの黒猫だから】
【結局ごく小さな群れの中の、同じ場所に捨てられた黒猫同士しか信用していない、まして、】
【自分が唯一大切に思う二人のうちの一人をひどく泣かせた人間に――笑ってやる以上の顔なんてしたくもない】

【関わりなんてしばらくなかったはずだのに嫌われている。というか――怒っている】
【大切なものを傷つけられるのは不愉快だった。多分、――群れた三人の中で、誰よりも、一番】

【(だから、見つけるなら、白い蛇とか、紫の鳥とか、違う方面を探すべきだったのだろう、きっと)】
【(蛇なら家の裏の森をよくうろついていたし、鳥も、……なんかどこかで呼べば来る、それを知っていれば、)】
【(少しくらいもうちょっとまともな言葉をもらえたかもしれないけど――この黒猫相手には、期待できそうになかった)】

さあ? わたくしはあの子じゃありませんので……。

【きっと聞きたがるだろうな、なんて、思ったけれど。それを伝えてやるのはどこまでも癪に思えたから】
【伝言を頼まれるのも嫌だったし伝える気もなかった。いっそ、今宵出会ったことも、なかったことに】
【自分でやれと思うのは怒りからか気質からか。よく分からなかったけど――】

【(それを伝えたり、教えたときに、どんな顔をするのかと思うと。きっと、あれだけ泣いたのも忘れてしまうのだ)】
【(だから不愉快だったし癪だったし気に食わない。笑ってなければ、ひどい顔をしてしまいそうなくらいに)】
765 : ◆IjMn4A7nco [sage]:2015/03/05(木) 22:13:30.90 ID:eDwsWtcCo
>>760
【青年はどうやら適当に高い目標を立て、ただ剣を振るっている訳ではないようだった。】
【自分の持つ強さと弱さ、その二つと向き合える青年の"心の強さ"は男にひしひしと伝わってくる。】

どうやら―――余計なお世話だったようですね。
あなたは今でも強いし、きっともっと強くなる。そんな基礎が垣間見えましたよ。

【男はフッと目を細める。まるで未来に思いをはせるように。】
【それから、数瞬。今度はゴソゴソとポケットを探り名刺を取り出すと青年へ渡した。】

金梨厄介と申します、以後お見知りおきを。

【廉と知合いになっておいて損はないだろう、そう思っての行動だった。】
【名刺は簡素で、ただ名前と社名しか書いていない。ちなみに社名には"ぷらんな"と記されていた。どうでもいい。】

>>763
【別に少女を吸血鬼だと思った訳ではなく、あくまで比喩なので後に続く言葉は取り留めのない事。】
【男ですら別段気にしておらず、すぐに吸血鬼なんて言ったことは忘れるだろう。】

【それから青春に憧れる少女の横顔を片目に腕時計を一瞥、どうやら自由でいられる時間はここまでなようだった。】

また会いましょう、可愛らしいお嬢さん。

【可愛らしいとか、内心歯痒い台詞なのだけれど、やはり立ち去るときはこうであろう。】

【男はそう思いながら少女にも廉と同じように名刺を渡すと、公園から立ち去って行った。】

/いきなり複数ロール持ち込んで申し訳なかったです
/でも楽しかったーっお先に失礼します、ありがとうございましたー
766 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/05(木) 22:21:09.97 ID:GzUV3xnEo
>>764

【殺してしまったはずの存在は勿論、言える立場でもないが、酷い嘘を吐いて笑うあの女性と】
【もう一人、相手とあの子の姉妹とも言うべき存在にはさしたる面識が無いというのが実情だったのだろう】

【故にか、あるいは、あの子に繋がる存在たる、一番最初に出会った相手を選んだと言う事か。どちらであろうとも】
【当人にだけは見せる顔がなかった、というのが最終的な結論――もう、あの頃には戻れないのだから】

……そうだね。では、良い夜を

【短い挨拶を残し、相手に背を向けてふらと踵を返せば、男は大通りへと歩を進めていく】
【多大に機嫌を損ねたであろう事は十分理解しているので、それ以上の長居は無用と判断したらしい】
【いずれは雑踏に紛れて消えていくだろう。いつかのような、頭一つ高い、嫌でも目立つ背では無いのだから】
767 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/05(木) 22:22:53.08 ID:oxrqOuHgo
>>765


ん……。よろしくお願いします。俺の名前は鳩ヶ谷 廉、お見知りおきを。


【名刺を受け取り、名前を確認。】
【認めてもらえた、ということが割と喜ばしく思える。】
【だから、もし何かの事情で彼に多重債権を抱えていると知ったとしても、】
【追い込みをかけることはないだろう。】

【──青年は引き留めることもなく男を見送るだろう。】

//お疲れさまでした!


>>763


青春、とは違うッスよ……。でも、頑張ります。
──ちなみに、貴女の名前はなんでしょう?


【と、少女に名前を尋ね。】
768 :ヒライ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/03/05(木) 22:39:11.50 ID:rBw5WMfZo
>>716で再募集します
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/05(木) 22:41:10.12 ID:Y33nuFlR0
>>766

【あの子ならひどい顔はせず屈託なく笑うだろうと思って、多分、それも不愉快だった】
【自分ならばいきなり消えた男になど笑顔以外のどんな顔も見せてやらないと思うし、だけど、】
【あの笑顔とこの笑顔が違うのくらいは分かりきっているから。あの子は笑うし自分も笑う、意味が違いすぎた】

【それともあの子が今でもめそめそと毎晩泣いてすがりつくような状況なら教えてやっただろうか、とか】
【考えてみてもやっぱりIfでしかなく、そもそも、最近の彼女なんてものは昼間も夜も仕事だとかで】
【休みの日に会えたと思えば仕事の話も多いし、拾ってきた子供とやらの話もするし、――主婦か】
【まあなんだかんだ元気だとは思うのだが。早起きが大変だともらしていたような気はするけれど、】

どうも。

【どれも教えてやるつもりはなかった。もう一人で眠れるようなら――あの子に教えるつもりも、毛ほども】
【黒猫は最後の瞬間、作った笑顔すら剥落させて、見せる表情はひどく褪めたものだった。足元の猫はただ見上げ】
【そのまま主の真似でついと視線を逸らして夜のほうへと戻っていく。さっきの客と会うかもしれないが――まあ、良かった】
【そのうちに背中は見えなくなる、向かい合ってなければ、青林檎の瞳も見えないものだから――無音に戻して】

【――街中。気のいい店主にお願いして貼ってもらったチラシの一枚、目立つ場所に張ってもらった黄色の色合い、花の名前】
【お金のないひとのための食事処、お金がなくてもくれば暖かい食事が食べられる、そんな場所の宣伝文句】
【まるっこい文字は見覚えがあるだろうし隅っこに描かれているつちのこはどうやら腹の膨れた蛇のよう】
【孤児の子供のためなのだが、ひらがなの多い紙面はそのまま漢字が苦手な“彼女”の書き癖へ直結するようで】
【場所はと見ればUNITED TRIGGERとある、――どうやら、元気にお仕事をしているらしい、とは、まあ分かるのだった】

/お疲れでした
770 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/05(木) 22:46:20.76 ID:KQvMabIJo
>>765
ふぇ?え、えと……ありがとう、ございます
【ぎこちなく別れの挨拶を返すのは、このタイミングでそのような言葉を言われると思っていなかったからだろう】
【こういう言葉は言う方も恥ずかしいだろうが、言われる方もそうであったりするものだ】

【立ち去る男を横目に、名刺にかかれている内容を確認する】

社名ぷらんなの金梨さん……?
うーん……謎?

【というのが、名刺のわずかな情報に対するクローフィの率直な感想であった】

//いえいえ、こちらも楽しませていただきました
//またの機会があれば、その時はどうぞよろしくです

>>767
私はクローフィ・チャイカと言います、まぁこの名前を覚えておいてなにかあるということもそうないでしょうけど……以後お見知りおきを、鳩ヶ谷さん

【もしもロシアの言語に通ずるところがあれば、この名前から彼女の素性に思いを巡らすことができるかもしれないが、どうであろうか】

それにしても、この名刺……ぷらんなって、どんな会社なんでしょうね?

【社名からは全く業務内容が想像つかないというのはどうなのかと思いつつも、そうなると正体が気になるのが世の常である】
【もちろん彼女とてそうであったのだが、一人で正解というべきものにたどり着けるとは到底思えないので、目の前の同じ名刺を受け取った人間に投げてみるわけである】
771 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/05(木) 23:00:53.82 ID:GzUV3xnEo
>>769

【相手の最後の表情は見れずとも、その声色で十分に理解した。こんな自己満足は、これを最後にしようと】
【断ち切らなければいけないのだから。クリスマスもバレンタインも、全ては美しい過去の思い出になるのだから】

【雑踏の中、有象無象の人に混じった男は、その誰にも聞きえないほど微かに、こう呟いた】

……呪いを解いてくれ、レイシー。もう、全て終わった

【――何処かで、黒い女の高笑いが聞こえたような気がした】
【雑踏の中から男の姿が消えていた。今まで其処に存在しなかったかのように、誰も気に留めないまま】
【もう一つの変化が、あの黒い館――まるで煙のように、その場所から失せていた。あの墓も、森も、何も無い】

【それは何かの暗示にも似ていた。彼とあの女の残した痕跡が、ひとつ残らず全て抹消されているという事が】
【元来、双眸に掛けられていた呪いは何だったか――あの子の窺い知らぬ所で、かつて“友”の屋敷で起きた現象】
【彼と同じ呪いを掛けられた女が、最終的に呪いによって、再生なき永遠の“無”へと還った過去】

【(神に近しい存在を討伐しようとして負ったその呪い。その存在こそが、あの黒い女だったのだから)】

/お疲れ様でした、ありがとうございました
772 :鳩ヶ谷 廉 ◆eKWCneGadk [ ]:2015/03/05(木) 23:05:43.36 ID:oxrqOuHgo
>>770


いやいや、何かの縁で協力を扇ぐこともあるかもですよ ? よろしくッス 。チャイカさん 。


【残念ながら、青年は櫻の国出身ゆえに、それ以外の言語には疎い。】
【その名が意味することは、うかがい知ることはできなかった。】
【とはいえ、かつて吸血鬼に血を吸われたことのある身としてはそういう存在にどこか縁を感じる。】


ぷらんな、ぷらんな…プランナー?
…… わかんねッス……。
まあ世の中には「こんな仕事必要か?」みたいな業種もありますし、そんなんでしょう。多分。

──そろそろ暗くなってきたんで、俺も帰ります。ではまた、チャイカさん。


【安易、あまりにも安易な発想。別段正解したいとは思わないが、あまりにも直線的な答えだ。】
【そして、剣を肩にかつぐようにして、彼もその場から立ち去った。】


/おつかれさまでした!
773 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/05(木) 23:31:02.25 ID:KQvMabIJo
>>772
ふふふ、平和的な要請ならいくらでもいいんですけど……はてさて

【稀に名乗った時に自身の正体を看破する人もいるが、彼にはそこまではできなかったようだ】
【クイズの正解を出してもらえなかった出題者のように心のなかでちょびっと落胆しつつも、まぁそんなものさと気をとりなおす】

まぁ、そんなとことしかこれでは言いようがないですしね……

私もそろそろ行くとしますね。ではまた今度、鳩ヶ谷さん

【大剣を担ぐ姿を見て彼の体力回復にほっとしつつ、こちらも別れを告げる】
【普段とは違った一日だったけど、なかなか悪くなかった──そんな風に思いながら、家路へついた】

//お疲れさまです、ありがとうございました!
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/06(金) 18:22:38.37 ID:8x4LObnv0
【街中――日当たりのいい公園】
【周囲にさえぎる建物がない立地、街路樹も、ちょうどその便利を日陰にすることなく】
【ぽかぽかのお日様をたっぷり浴びていただろうベンチも、ただ、今はそろそろ冷え込んでくる頃】

…………うううん、

【見ればそこに人影があった。――人影というか、多分ひとなんだけれど、丸まった姿というか】
【ベンチの上、聞こえてくるのは健やかな寝息、ぺたんと膝を綺麗に折って、ぎゅっと抱きしめて】
【――だけど少し寝苦しそうなのだった。抱きしめた膝をより抱きしめ、羽織ったケープをぐるりと身体に巻きつけ、】

さむい――、

【寝てるんだけど起きているような状態、零すのは心底素直な意見で、それはもう太陽はないから寒いのは当然なのだが】
【きっとここが暖かだったうちからずっと寝ているのだろう。――もし誰かが知っているなら、数時間前から居座っていた】
【冷たい気温が空から降りてくる、まだ半分は夢の中の彼女――少女は、まだ、すこし、起き出しそうには見えなくて】

【縦になっていれば腰ほどまで届く黒髪はくしゃりと投げ出されて、ベンチから垂れたり、背中で丸まったり】
【蛇の目と少し似た色違いの眼は閉じられているが色は黒赤、右耳には、片方だけのピアスをつけて】
【レースを多くあしらった赤のワンピースに赤いケープ、フェイクファーは暖かそうでも、外で寝るのは考慮してなく】
【足元は踵をハートの形にあしらったヒールのブーツ、片足のほうは、ベンチからだらしなく飛び出していて】

【どうにも無防備な寝姿、だった。パニエで膨らんだスカートがまくれ上がっていないことが奇跡に思えるくらいの――】
775 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/06(金) 18:54:37.11 ID:U3c2psDKO
>>774
【別段、親切心が働いた訳ではない】
【強いて言えばただ何となく、気になっただけに過ぎない】

「こんばんわ、お嬢さん。老婆心だが、そろそろ起きなければ風邪をひくのではないかね?」

【そんな声をかけたのは白衣の初老】
【ボサボサの白髪頭に眼鏡をかけて、左手には少し前まで暖かかった缶コーヒー】
【町中を適当にふらふらと、面白いモノでもないかと巡り巡って何となくアンテナに引っ掛かったのが少女であった】

//投下速度の遅さに定評のある初心者ですが、どうか宜しくです
776 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/06(金) 19:11:37.91 ID:2vHj9UjYo
【すでに日が落ち、街に明かりが灯りだす頃】
【市街のビルの中で、頭ひとつ抜けて高いものの屋上に、一人の少女が座っていた】

……

【特に何を言うでもないし、何を考えるでもない】
【彼女は昼間の発見に満ちた散歩も好きだったが、こうして無為に浸りながら、ただただ光に溢れる町の夜景をぼんやりと眺めるのも、また好きだった】
【足の下にはそれなりの数の人間が家路へ向かっているわけだが、まさか頭上に人がいるなんて思わない】
【その白い髪と赤い目で人目を惹きがちな少女でも一人の時間に浸れるのも、彼女がこの時間を好む理由であった】

【まぁ、もしわざわざ自分の頭の上を気にするような人がいれば自殺未遂だなんだで騒がれるのであろうが──さて、彼女は今日も一人の時間を過ごせるのか】

777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/06(金) 19:16:07.50 ID:8x4LObnv0
>>775

【たぶん、少女もそれをどこかで分かっていた。だって、寒いのだ、さっきまで暖かかったはずだのに】
【ということはまず夜になっているのだろう、ていうか多分夜だと思う。だって瞼の外にお日様を感じない】
【掛けられた声に彼女はぐぬぬと眉をしかめてううとかそんなうめき声を小さくあげるのだろう、そのうちに、】
【モスキート音めいて出せる限りの高い不満を示して――だけど、すこしだけ蛇っぽい眼が、ようやっと開かれる】

あああ……、寒いよう……。

【起きてしまえば、身体の冷えはいっそうよく感じられた。手足の先まで冷たいみたい、身体を縮こめて】
【だいたい自分のせいなのだけどどこかに不満を向けたげに唸っていたが――そのうち、それも無意味だと気付くなら】

おはよう――、……。

【やっと身体を起こしてそんな挨拶。言い終えれば、ふああと大きなあくびを一つして】
【昼間の頃は暖かくて気持ちよかったのだけど――ずっと同じ姿勢で寝ていたせいか、身体が痛い】
【ベンチの上にあひる座りになると、彼女は伸びをしたりしだすのだろう。髪にはぴょんぴょこと寝癖がついていたし】
【服も――折れ線とまでは行かないけれど、なんだか変な形になってしまっていた。そして、まだそこには意識が向かないようで】

/すいません、気付くのが遅れました……よろしくですっ
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/06(金) 19:27:41.69 ID:8x4LObnv0
>>775>>777
/すいません次のレスちょっと遅れますっ
/よっぽど遅れはしないので少し待っていてもらえたらと……!
779 :????????????? ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 19:32:31.24 ID:VwrTyjiDo

【大地は唸りを上げていた。風は叫び、天は慟哭する。】
【辺り一面に、破壊された都市機能の残骸が散らばり、崩れたハイウェイが地面を穿って】
【裂けた大地の割れ目から覗く地下鉄と、崩落したモノレールとが交わり合い、その上を倒れたビルが埋め尽くす。】

【"大災害"―――そんな言葉で形容出来れば、どれだけ幸せな事だっただろうか。】
【今この時、広大な土地を持つ"地の国"の首都、『ニュー・ドレファス』は悪夢の様相を成していた。】
【先日起こった"超局所的"大地震は不幸にも首都直下を震源地とし、周辺都市数カ所へも大きなダメージを与えていたのだ。】

【だが、何時までも哀しみに暮れている暇は無い。一日も早い復興を、と全ての人間が立ち上がった。】
【周辺諸国や国連からの援助は勿論、個人で莫大な資産を有する投資家や大企業、そしてボランティア等が協力し合い】
【数多の人間が住んでいた首都から、迅速な避難と怪我人救護が出来る様支援し、その力のお陰もあって急速に事態は進んでいた。】


【―――だが、勿論その全てが完了したわけでは無く。】
【今日に至ってもまだ、取り残された人々が幾人も避難活動を続けていた。】
【そして、それは現状において決して良い状況とは、言えなかったのだ。なぜならば―――、】


 『 ―――……タイム・リミットまで後少し……か。
   今日、此処に集まってくれた諸君ら全員に、感謝をしよう。
   急な要請にも拘わらず、地の国に住む民の為にこうして―――
   大勢の人間が警備を固めてくれる、これほどまでに心強い事は無い。 』


【タイム・リミット。そう、この避難活動には時間制限が存在していた。】
【それは怪しげな一つのウェブ・サイトが産み出した、悪夢の始まりと、同時に終わりを告げる鐘だった。】
【この地震の震源地と思われる詳細なポイントを記したマップと、"何らか"のカウント・ダウンを告げる不気味なサイトが出現したのだ。】

【政府は未だそのカウント・ダウンの正体が掴めずには居たが、局所的過ぎるこの地震は何者かの"陰謀"ではないかと】
【多くの学者や政府関係者が疑っており、その詳細を物語る様なウェブサイトと、そこにカウントが記されていたとあっては】
【流石に、気に留めず放置する、という訳にも行かず。万一の事を考え、全住民の避難をカウントダウン前に完了させる様努力していた。】

【だが、現実問題それがギリギリの所で完了しない事が判明した。】
【最後の"避難輸送機"及び"軍用ヘリ"が発着するまでまだ、少し時間を要する。】
【しかし、タイム・リミットはあと十数分で来てしまう―――だからこその、"警備任務"。】


  『 諸君らの任務はただ一つ、カウント・ダウン発生と共に予想される"攻撃"―――……と、いっても
    恐らくは第二の地震か、もしくは爆破等によるテロだと予想されるが―――その何かが起きた時、
    輸送機が発着するまでに可及的速やかにその"問題"を解決する事だ。だが安心して欲しい。
    恐らくだが、直接敵が乗り込んで攻めてくるという様な、そういう事態は起こらないだろう、
    というのが我々地の国・国軍司令部の考えだ。いや、"起こり得ない"、と言った方が正しいな。
 
    なぜならば―――周辺地域全体を、軍が大量の戦車や戦闘機で随時警戒行動中の上に
    衛星による監視、航空管制機による上空索敵等も完全に配備され、敵の入りこむ隙間など無いからだ。
    移動できるのは君達"警備班"と、そして我々国軍の兵士と、そして避難住民だけ、と言う事だな。
    それ以外には鼠一匹―――いや、蠅の一匹たりとも、この地域には近づけない。約束しよう。
    だが、カウントが明示されている以上なんらかの形での"攻撃"、若しくは"変化"は予想される。

    我々はその何か、の部分をまだ掴めてはいないが、必ず住民だけは護り切ってみせると――――――――― 』


【ドレファスの中央、都市機能の集約する"フリーダム・タワー"広場周辺に集まった"全員"に対し】
【国軍の司令部に所属する軍人、ドミニク・ケーブル大佐は、今回の作戦の概要と状況を説明していた。】
【つまりは、タイムリミットにおける"異変"を速やかに察知し、それが避難の妨げになるのを防ぐ、という物だ。】


/続くゼェーット!!
780 :????????????? ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 19:34:25.03 ID:VwrTyjiDo









【……しかし。自らの命を掛けた彼の決意と、軍人として皆を護るという高潔な意思を遮るように】
【タイム・リミットより少し前となったこの時点で―――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ、という】

【―――強烈な地響きが唸り始める。そして、同時にこの場全員が"揺れ"を感じ始めるだろう。】
【大地の脈動、地球が悲鳴を挙げているかのような鼓動が、足元を伝って全身へと流れ始めたのなら―――】








   『 ――――――――――――――――――全員伏せろ!! 何か……何かが、"来る"ッ!! 』







【つい先ほど、敵の"侵攻"はあり得ない、とそんな事を力強く宣言したばかりの男が】
【"来る"という言葉と共に狼狽を見せながら、軍用車両へと近づきドアにしがみついて、振動に耐える。】


【だが―――実際に、来ているのは確かだった。それは上空からでも。陸上からでも。水上からでもなく―――――――――――――】


/ 続きます!
781 :????????????? ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 19:35:38.64 ID:VwrTyjiDo










   イイイィィィィィィィィィヤッホォォォォォォォッォオォォォォォウーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!


【地中から―――そう、"大地を割って"、広場へと進撃してきた―――。】
【いや、正確に言えば、進撃してきたのではない。こいつは最初から、地中に居たのだった。】
【地震の直下。震源地と思わしき座標から―――大地を割り、地盤を"砕いて"、1人の―――" 男 " が、現れた。】



   あぁぁぁぁぁあぁっぁあぁっぁぁぁぁ〜〜〜〜〜^^ よーくーねーたーぜーーーー!!
   ったくよう、幾らなんでも待機時間長過ぎだろォ? お陰で身体が鈍ってしょうがねェ。
   地中から此処まで"登って"くるのにだ〜いぶ時間費やしちまった。マグマは熱いし、地盤は厚いし。
  
   でもま、地震は起きたんだな、ん、良かった良かった。
   いやぁ、流石の俺様と言えど素手で地盤を破壊するのは手古摺ったな!
   つっても「なんかでっかい事やってデビュー戦飾ってこい」ってのが作戦だったしなぁ〜。
   じゃあ地震起こして全部ブッ壊そうぜ! ってのも俺様の発案だし、ま、しゃーないって所か。……あん?


   おいおい、なんだてめーら。こんなとこで雁首揃えてなにぼーっと突っ立ってんだよ。
   おら、敵だぞ、敵。俺様、敵!! てーーき!! 「てき」!! 敵って分かるか? 英語でエネミーだよ、エネミー!!

   大体なんだおめーらは。どいつもこいつもオナった後の賢者タイムみてーにバカ面下げてゾロゾロと。
   戦隊ごっこのつもりか? それともアベンジャーズか? 円陣でも組んで「あっせんぶる!」とか言ってみたらどーだ、ん?

   
   ―――それとも、アレか。一から説明してやろーか。あー、そうだな。


   俺様、新しい六罪王。夢は世界(勿論カノッサ含む)を全部ぶっ壊してこの地球って物語を"完結"させる事。

   GIFTだか、UTだか、SCARLETだか知らんがぜーんぶ俺様が"完結"させてやる。ん、そういうことだ。

   あー、あとDRUGSとかいうのも居たっけ? 影薄くて忘れてたよHAHAHAHAHA!!

   ま、なんでもいい。踏ん反り返ってる他の六罪王も動かない罪神もお前ら正義の味方もそうで無い奴もぜーーーーーーんぶ!!!!!


   全部――― 俺 様 が 直 々 に " 完 結  "  さ せ て や る !

   
   ま、そゆことよ。要は悪い奴だ! 擁護不可、理解不能の悪の大魔王様だ。
   さぁさぁ戦おうぜ戦おうぜ戦おうぜ!! 完結させてやっからよ〜、戦おうぜ!!

   おう、そうだ。こないだの地震、まあ分かってると思うけど犯人俺様なwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

   じゃ、そゆわけでよろしく。


/ まだまだ続きます!!!!!!!
782 :????????????? ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 19:36:48.64 ID:VwrTyjiDo

【―――男の外見を、簡単に説明するなら、"身長2m越えの黒人ヒップホッパー"と言った所か。】
【通常の人間ではあり得ない程盛り上がった筋肉が、真冬だと言うのに上裸の状態で見せつける様誇張され】
【下半身に履いた、オリーブ・ドラブのカーゴパンツは端が破けてもいたが、その外見と相まって武骨さを強調し】
【何より、ゴーグルに似てレンズが一体形になった黄色のサングラスと、威圧的なドレッド・ヘアーが異物感を漂わす。】

【―――巨大な、怪物。人間の形こそしてはいたが、この男は明らかに、"モンスター"であった。】
【その言葉が正しければ、彼が地面に潜っていたのは、" 地震を起こす為素手で地盤を砕いていた "から、であって】
【そしてその理由は、彼がカノッサ機関に所属する悪人で、しかも新たなる"六罪王"の地位についた人間だから、という物だった。】

【―――つまりは。一連の"大事件"の主犯が、このたったひとりの男で】
【そしてそれは単なる"顔合わせ"の為だけに、行われていた、という事。】

【男は身体に着いた土をぱっ、ぱっ、と払うと、片手を大きく振りかぶり―――そして、地面に凄まじい勢いで、叩きつける。】
【そのスピードたるや、余りにも早過ぎて衝突音が遅れて聞こえてくる程―――"音"より素早く、叩きつけられたであろうという事を物語る。】

【そしてその、インパクト<衝撃>たるや計り知れない破壊力を生んだ。まず、この一撃で全員の居る地面に"亀裂"が入り】
【生じた衝撃波で近くに散開していた戦闘車両や救急車両が"余波"で吹き飛ぶ程―――とてつもないショックウェーブが放たれる。】
【寝ざめの一撃、と言うには余りに凶悪なその拳が放つ衝撃波と風、地面の崩壊から伝わるショック、三つの攻撃が全員に襲いかかった。】


/ここまでになります!!!さあ始めるゼェェェェーット!!!
783 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/06(金) 19:41:18.74 ID:K8s4WvBgo
【廃寺】

【月明かりの綺麗な夜だった。古ぼけた伽藍を照らす御光の下、縁側に腰掛ける和装の姿がひとつ】
【肩口で切り揃えた白い髪に、青藍色の燐光を零す黒い彼岸花を指した、葡萄色の双眸の若い男】
【白地に紫の蝶が踊る和服に濃紺の帯を合わせ、帯飾りには涼しげな蜻蛉玉が春の夜の風に揺れていた】

はーあぁ、春が近いと嫌やなぁ……こうも夜な夜な吹き荒まれたら、寝るに寝れへんし
その癖ちぃとも暖かくならへんのやから。全く……いっそ死ね、みぃんな死ねばええのに

【茫洋と独り言を宣えば、男は気だるげに溜息一つ、ついと指先を虚空に躍らせる】
【刹那、廃寺の庭に沸き起こるのは御仏の力──仙界の草花が、ゆらりと鎌首をもたげ】
【荒れ果てた枯山水を蘇らせるように、青藍色の燐光を散らしつ伸び育ち、彩りを深めていく】

【刃物のような冷たい目をした男とは裏腹な、聖なる力に満ち溢れたこの場所は、まさしく春の夜の幻のよう】
【くあ、と欠伸を零せば、男は縁側に寝転んで静かに目を閉じた。来客の可能性などこれっぽっちも考えてはいないようだ】
784 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/06(金) 19:46:44.66 ID:U3c2psDKO
>>777
「うむ、おはよう」
【などとそのまま挨拶を返し、コーヒーを一口】
【 服やら髪やらの乱れは気にしない模様。そもそも男自身が服装に無頓着を通り越して奇っ怪な格好である。】

【そんな奇っ怪な男の興味は開かれた色違いの眼に向けられて】
「ほう、オッドアイかね。普通の人間としてならばなかなか珍しい物を持っているね」
【こんな言葉。失礼かもしれないという常識は持っていても、好奇心の前では選択肢にも上がらないのである】


>>778
//了解です!私の投下も遅いですし、ゆっくりしてください!
785 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/06(金) 19:53:56.90 ID:N12NgKW1o
>>776
【すっかり日も落ち空が暗くなって来ると、代わりに人工の光が街を照らし出す】
【しかし、その光ですら届かない影もまた同時に存在していて、それは光と表裏一体にすぐ近く存在する】
【彼女が少し目を向ければ見えるような所だが、特別気になるような事もなければどうでも良さそうな場所だ───だが現在は状況が違う】

【表の通りとは違う、裏路地の中で、何か黒っぽい物が揺れている。彼女の視力が良ければ幾らかの、またはすべての情報を読み取れるだろう】
【一つ、路地裏で揺れる黒っぽい物は、炎の様に見える、暗い揺らめきを持つもの】
【二つ、暗い炎はただ燃えているのではなく、人を包み込んでいる、それが三つ程】
【三つ、その中で、暗い炎に包まれていない物がいる、どうやら少年のようだ、黒いキャップに灰色のパーカーを着ている】

【そして───その少年が首を捻ったかと思うと、ジロリと彼女の方を見た。いや、彼女『自身』の存在を確りと認識し、見詰めている】
【もしかしたら、少年を凝視していれば目が合ってしまうかもしれない、光のない暗い目と】

/まだおりましたらー
786 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/06(金) 19:57:23.63 ID:O5KZUTo0o
>>779-782

【フレデリック・シャリエール――彼がこの地に赴いた理由は、さして立派な物ではない】
【というより不明確だった。強いて言えば贖罪かもしれず、或いは単なる偵察かも知れず】
【自身でも判別しがたい理由を携えて、ともかく彼は"震源地"に居たのだった】

【その身長は180cmと少々。艶やかな黒の長髪をした彼は、2mを超す大薙刀を背負っており】
【緩やかな白いローブを身に纏い――左手の薬指には煌めくリングが一つ。】
【また右腕を見れば、そちらは黒金の義手であった。厳しい表情と併せて、ひどく無骨な印象を与えるだろう】


(地震……カウントダウン……、まさかダグラスがこういった手に出るとも思えんが……)
(……良くない予感がするのは確かだ。後から駆けつけるよりは、いま此処に居る方が…、…――ッ!)

来たかッ…!しかしこの揺れ、一体何処から何を…――な、っ……!?


【――ことの起こりは唐突だった。再びの地震、大地を掘り進んで現れた、としか言いようの無い大男の登場】
【そして彼の初撃――煽り文句は耳に入らなかった。ただ、相手がどんな存在であるかは理解出来た】
【異様過ぎる。その怪異とも言うべき敵の一挙一動が、なにか同じ形をした生物ではないように思え】

【だからこそ、逆に冷静で居られた。一周回ってというやつで――まず、風と衝撃波を"切り開く"のだ】
【背の大薙刀を振るった結果だった。その刃は紫電を纏い、風切音は対抗するように遅れて聞こえ】

【更に、その刃から放たれた強力な雷撃がショックウェーブの一部を相殺し――】
【『この程度ならば』と、フレデリックは真っ直ぐに敵の元へ突っ込んでいった】
【敵ほどではないが、こちらもまた巨体。――加えて、衝撃がほぼ利かないという能力も備えており】


貴様がこの一件の首謀者だということはよく分かった……。
そしてダグラスの"同僚"だということもな…――他に言うことはあるまい?

――言いたいことがあるのなら今言うことだ、墓石に言葉くらいは刻んでやろう…――ッ!!


【正面から突っ切って、声を掛けながら大薙刀を振るう。刃は敵から見て左側から――】
【その腕と胴を真っ二つに切り捨てようとする、そんな軌道で迫ってゆく】
【刃は古龍の爪で出来たもの。切れ味は勿論、纏った紫電がより高い攻撃力をもたらしているようだった】

/というわけでフレデリックです。よろしくお願いしまっす!
787 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/03/06(金) 19:59:11.16 ID:Idpk6jG9o
>>782

【ヴァローナは溜息をついた。必要な情報は何もなく、希望的観測ばかり述べているからだ】
【黒い髪は腰ほどまで長い。身長180センチ。グラビアモデルにでもなれそうな体格だが職業は傭兵】
【目に飛行用のゴーグルをかけ、黒で揃えた戦闘服に古い革のコートを着ていた。それは彼女が】
【かつて存在していた傭兵集団「青い鳥旅団」の一員であったことを示す、唯一の代物】

【将官の話もろくに聞かず、彼女はバイクに積んだ武装のケースを開けて用意する。タクティカルベストの間には】
【ヴェンドラーの大木の樹皮をプレート代わりに挟み、風を生む魔導書を取り出しやすい位置へ挟む】
【近接武器は、大剣ではなく軽量の『黒燕』を用意。ショーテルのような刃が曲がった5、60センチほどの剣だ】
【黒い鋼で作られ短所を埋めるためにグルカナイフのように分厚く重量を増やして威力を高めている。腰に差し】

【左腕には盾を装備。指先から肩を少し超える程度の小型のもので軽量、防御力は高く無いものの】
【彼女の十八番である飛行の補助翼やエアブレーキの役割を果たす。無くてもいいが、念のためだ】

【そしてメインの装備は巨大なライフル、ウバーフレーテ。通称『魔笛』。狙撃銃ではなく、『突撃砲』と呼んでいる】
【前時代の対戦車ライフルを更に大型化したもので狙撃銃ではないため精度は低くいが、威力は折り紙つきだ】
【威力だけに特化したためその取り回しの難しさ、装弾数の少なさなど問題も多いが、信頼性は棍棒にもなりうる強度】
【しかし、片翼の現在では一門装備するのが限界だ。それを背負って、最期の一服かもしれない煙草に火を付ける】

【そこで、また地震。フィルターを噛んで、その場にしゃがみ収まるのを待った】

……フン

【彼女は鼻で笑う。やりやすい相手で助かる。殺す理由をわざわざ与えてくれるのだから。矜持は十分だ】
【うねるようにやってくる地面、ソニックブーム、音。彼女は煙草を捨てて、その巨大な黒い片翼を広げた】
【吹き飛ばされるんなら、利用してやる。追い風も向かい風も全ては私のものだ。彼女は吹き飛ばされつつ】
【体制を変え、羽根を翻して、高く舞い上がった。ビリビリと衝撃が羽根や武器を伝う。】

さあ、まずは私からのご挨拶だ。受け取れっっ!!

【空中で砲を構える。魔笛の何ふさわしい地獄を轟音が数発鳴り響いた。砲火が眩く光る】


/ヴァローナです。皆様よろしくお願いします!
788 :(山形県) ◆Heckemet8M [sage]:2015/03/06(金) 20:00:35.87 ID:gRjFG0vqo
>>779-782

【この場に存在する2人の人物、彼らはとある場所で雇われ、そして戦いに赴いた】
【1人はガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】
【もう1人は、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

「そのナントカ王ってよくわからねェーけどよォ、とりあえずぶちのめせばいいんだろォ〜?」
『そうですね』

【彼らのもとに迸る亀裂、このままではまともに喰らって即刻再起不能となるが――】

『フェベロリゲステスプ!』

【女性のほうが光となり、男の背にまとわれたかと思えばそれは翼となり――飛翔!】
【衝撃波や風は受けるものの、地面に居るより状況は――いいのか悪いのか。とりあえず男のウィンドブレーカーは死んだ。】

「――このままッ! この拳を使ってッ! そこの野郎を……ぶっ飛ばすッ!」

【だが、翼のお陰で衝撃波で吹っ飛んだ先で体勢を整える事が可能となり、その先で地面を蹴り急接近】
【相手に対して繰り出すは拳!】 【棘の生えた腕による殴りは、通常の打撃のダメージに加えて、棘による刺突や抉り取りなどが加わっている】
【なお、棘の強度はそこまでではない】
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/06(金) 20:05:07.15 ID:lLN0JC/10
>>779-802

…………………………これはこれは、老体の心臓には些か悪い登場の仕方をしおる…………
随分とハジけた六罪王も居たものだ……、戦地に応援に出る我々の見にもなって頂きたいな。

【そう軽口を叩くのは齢60は過ぎるであろう老人であった】
【白い無地のシャツに サスペンダーで固定された、グレーの軍支給のキュロット】
【それらの服装に加え、腰に差した二本の軍刀から見て彼は軍人なのだろう】
【筋肉量も若い人に遅れをとってはいない、老人だからと手を抜かれるような身体はしていなかった】

【二本の軍刀を左右それぞれで構え、眼前の巨躯の六罪王を睨む】
【実力は計れないが、今の自分は国を守る事こそ使命となっている、ならばやるしかあるまい】

パワフルな奴よ……!それでも様子見とは実に面白いぞ………………!!

【先ずはこの衝撃波を耐える、二本の軍刀を深々と大地に突き刺して】
【ぐっと力を込めて堪える、結果的に5mは引きずられたが】
【それでも耐えきれば刀を抜き、六罪王へと弧の軌道で、老体とは思えぬ速度で疾走し 接近を試みる】

【剣の間合いに入ったのなら、すれ違い様でその軍刀で斬りつけるだろう】
【しかし今は能力を発動してはいない、この男に刀が通用するかどうかの小手調べの意味もあった】

/ブラックです、よろしくお願いします!
790 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage saga ]:2015/03/06(金) 20:05:39.31 ID:2DOKS7C5O

>>782

【大災害、大災厄】
【そんな話を聞き付けて、ふらりと故郷を訪ねてきたは良いけれど】
【まさか軍の兵士に捕まるなんて運がない】
【しかも、連行される最中に緊急事態に遭遇とは更に運がない】
【目の前に起こる異常を目の当たりにして、彼女は考える】
【現在、彼女は『新たな六罪王』と『警備組』が向きあう、その更に後ろにいた】
【そして、考えた末に】

そろそろ人目を気にするのは嫌になってきたんすよねぇ…

【頭の中の8割が『撤退』を叫ぶなか】
【彼女自身は、あっさりと逆に『加勢』を選択した】
【いつものようにスカートから自らの獲物】
【二丁拳銃と双剣の複合武器を取りだし】
【ピンクと銀の髪を縦ロールにして、赤と黒のゴスロリを身に纏い、角と翼と尻尾、そして極彩色の左目を持つ彼女は】

まずは様子見……間違えて警備の皆様に攻撃されないようにしないといけませんわね

【『敵対者』の回り、散らばる瓦礫を】
【見る、観る、視る】
【次々と、あらゆる瓦礫が『青く』変わる】
【もしも、この青く変わった物体に衝撃が加わるならば】
【すぐさまにも、他の変色した瓦礫を巻き込みながら】
【次々と鋭い氷の槍を産み出しながら】
【ひとつの氷の檻へとかわるだろう】

/初イベント…拙いですが、皆様よろしくお願いします!
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/06(金) 20:05:40.17 ID:dxhea1ys0
>>779->>782

【ここは地の国、その首都たるドレファスは見る影も無いほどに瓦礫の山と化していた】

「うふふ、リーベおねぇちゃんならこういう時、迷わず首を突っ込んじゃうんだろうなぁ♪」

【姉の真似事と今回の作戦に参加した男の娘はそんな事を言いながら、一人ふ頬を緩めていた】

「鼠に…蝿ねぇ」

【あれはいつの間にか沸いてる物じゃ無いかな?等と場違いな疑問を浮かべていると共に揺さぶられる大地】

【そして其処から、地の底から現れたやたらとテンションの高い男】

「マ、マグマぁ!?」

「し、しっかも素手って……」

【ハッタリか?しかし現にコイツは地震を起こした風だ】

【無学な少年には男が喚く団体の意味は分からない、正義の名のもとに集まった者達を表す物も、悪の結社の名も、今の少年の中では姉以外の単語に価値は存在しない】

【善悪の区切りの存在しない少年】

【紫色の狂気、ワザワイ・エスペスはしかし相手が無造作に地面に叩きつけた拳をみのがさなかった】

「!?!?!?」

【それだけで地面に亀裂は入り、突風と衝撃が体を襲う】

【しかし少年は野生動物にも匹敵するその第六感、もとい闘争の中で鍛えられたバトルセンスによりインパクトのその瞬間にジャンプし、吹き飛んだ救急車両の上に飛び乗り更にジャンプ】

「UHYA♪」
【牽制とばかりにドリルの様な氷柱を弾幕の如くかの黒人に飛ばす】
792 :小山絵手雄  ◆SEBUhSQF9U [sage saga]:2015/03/06(金) 20:06:04.45 ID:QOpGjbtQ0
>>782

な…何だありゃ?

【突如現れた黒人男に、間抜けな顔をさらすスーツを着たサラリーマン風…というよりそのものの男、小山絵手雄】
【彼が勤務する家電メーカーの『社会貢献』という名目で、派遣されてきたのだ】

【そして、間髪入れずに襲い掛かる衝撃波】

ぐっ…うわっ!?

【規格外の破壊力の前に、あっさりと吹き飛ばされる男】
【そのまま、背後にあった建物まで吹き飛ばされる】

痛たた…化け物かよ…

【呻きつつ、愚痴をこぼす】

…でも、俺が派遣された理由は納得だな。"家電鎧、装着"!

【その言葉とともにどこからか飛んでくるのは、パソコン、カメラ、スピーカー、アイロン、バッテリー…どう見ても、普通の家電製品にしか見えない代物】
【それらが次々と、男の体へと装着されていく】
【そうして完成したのは、頭以外家電に包まれた、近年の笑いを狙ったデザインの特撮ヒーローのような男の姿】

【カメラから"charge"の電子音】
【それを、男の方へ向ける。映し出されるのは鮮明な男の姿と、様々なデータ】

とりあえず、まずは情報収集だな…

【むやみに突っ込んでも返り討ちにされかねない。そう判断し、まずは物陰からカメラで黒人と、戦闘に参加している面子の情報収集に徹する】

//よろしくお願いします
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/06(金) 20:06:40.38 ID:8x4LObnv0
>>784

【あくびして溢れた涙をぐしぐしと手の甲で拭う、ぐううっと伸びをすれば、かすかに骨の鳴く音】
【そうやって一通り身体の点検を済ませると、それでやっと、服を調え、長い髪をざっと手櫛で整える、も、】
【頭の天辺でぴょこっと跳ねた大きなあほ毛には気付かないよう――よいしょ、と、足をちゃんとしたに下ろして】

そうなの? そうかな……、ううん、あんまり、見ないけど……。
昔はどっちも黒かったんだよ、……いつからだっけ、鏡見てる暇なんてない頃だったから――。

十八くらいの頃かな? 気付いたら、赤くなってたの。左目。

【オッドアイが珍しいのだといわれれば、特に気分を害した様子もなく返す。ぱちくり、数度瞬いて】
【赤いほうの目の下に指で触れながら――自分はそうだから、あんまり珍しい感じもしないらしい】
【ちょっと不器用に赤い右目だけを閉じてウインクする、それで、左目だけで彼を見上げ――、】

【――少しおかしなことを言った。昔は左目が赤かったのだという、だけれど、今は黒く】
【なんだったんだろうね、なんて、呟く辺り。本人もよく分かっていない――よう】
【元通りに右目も開けてやると、にこりと笑う。そういえば、おかしなところがもうひとつ】

【(この少女、少なくとも十八より年上には見えないこと。せいぜいが十六くらいに見えるものだから)】

/戻りましたっ、お待たせして申し訳ないです!
794 :山城桃子 [sage]:2015/03/06(金) 20:07:24.70 ID:Y9WHhMYno
>>779-782

【レイリスフィード学園普通科一年、山城桃子――――表向きは普通の学生であった筈の彼女は、現在値の国にて救助活動の援助を行っていた】
【キッカケは年が明ける少し前のこと。自らが進んでいく道に迷い葛藤していた時に、自警団所属の医師である女性と出会い】
【そして自警団へと所属することになったのだが……それからというものの、彼女の近辺でこれといって目覚ましい事件が起きることは無かった】
【平和ならば其れに越したことはない。そう思いながらも自警団の新人見習いとしてパトロールなどをこなしていたのだが――――】

(初めての大きな仕事だけど…………足腰死ぬほど痛くて死にそうだわ)

【幼さは抜けきっていないものの顔立ちは整っており、瞳は切れ長で紅色】
【艶やかな黒髪を後ろで一つに結っており、肌は白磁の様にきめ細やか】
【学校指定の黒いブレザーに身を包んでおり、足元は黒タイツと編み上げのブーツを着用している】
【いつもならば竹刀袋に入れている刀を今日は腰に差し、少しばかり窶れた表情を浮かべながら軍人の言葉を聞いていた】

【今回の主な任務は、カウントダウンとやらと同時に起きるであろう何かに対する警備なのだが】
【無論困っている人が大勢いるのに放っておくことなど出来る訳がなく、市民の救助やら物資の配給の手伝いを地震発生の少し後から続けていたのだ】
【しかし鍛えているとはいえ、まだ未熟な身――――普段は使わない筋肉を使っている所為か、全身が軋む様に痛い】
【此のような状態で何か起きたら。想像するだけでゾッとするが、今の彼女に出来るのは何も起きないようにと祈るのみであり】
【そして其の期待を裏切るかのように、その場に居たあらゆる者の想定を超えた存在が出現する――――】

「なっ…………」

【端的に言えば、度肝を抜かれた。蝿一匹通さない、そんな言葉の直後に此れである――驚かない筈がない】
【ましてや彼女は歩んできた人生こそ少しばかり特殊だが、精神年齢自体は歳相応なのだ。目を見開き、言葉を飲み込む】
【現状を理解するまで数秒。戦場においては致命的な空白といえたが、幸いにも現れた男の独壇場が続いたためになんとか状況を理解する】
【理解≠ヘ出来たが――――――――納得≠ヘ出来ない。地震を素手で起こしていた等、信じられるわけがないだろう】
【だがそんな思考とは裏腹に、心の奥底では理解も納得もしていた――――いや、正確に言うならばさせられていた】
【男から感じる其れは、明らかに普通ではない。異常など通り越して、超常すらも生温い。此の男なら出来るのではないか、そんな嫌な説得力を男から感じてしまうのだ】
【そして、すぐさま思考も納得することになる――――――――男が手を振り上げ、叩き付ける】
【距離は離れている。能力が放たれても、余程速くない限りは対応できるだろう】【そんな予想を打ち砕く、無慈悲な一撃】

「っ――――」

【身体が持ち上がり、吹き飛ばされる。冗談にしても笑えない、とてもではないが脳みそが状況についていくことが出来ない】
【嘘だろうという反面ああやっぱり、だなんて考えながらなんとか受け身を取る――――しかし全身に受けた衝撃波は生半可なものではなく、戦闘を始める前から既に体中が痛い】
【しかし幸いにして衝撃波で地面から浮いていたお陰で地面からのショックに関しては影響を受けなかった】
【頬についた泥を服の袖で拭いながら、腰に差していた一振りの日本刀の柄に右手をかけ――――――――握る】
【抜いただけで今まで彼女が切り捨てた人間の殺意が身に満ちる呪刀、ただ抜くだけでも覚悟がいる其れを使わなければ生き残れない】
【予知に近い確信とともに深呼吸をし息を整え、構える――――紅色の瞳で、相手を射抜くかのように見つめ】

//山城ですお願いします!
795 :リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga]:2015/03/06(金) 20:07:48.91 ID:OVDsgYJbo
>>783

―――――くしゅんっ。

【廃寺に木霊する可愛らしい音。正体はくしゃみだけども】
【男が音のした方へ視線を寄越せば、彼女の姿が視えるだろう】

【春の尻尾も見えてきた今日、それでも気温は低い。しかし彼女は随分と薄着だった】
【白を基調とするワンピースの上に、同系色のカーディガンを羽織っていた】
【長い白髪はハーフアップに纏められていた。更に肌も白いのでまるで病的にも思える】

【肌寒そうに羽織った白のカーディガンを両手で掴み、男を視界に入れると足を止めた】
【琥珀色の双眸が少し薄まり、先客を訝しげに見つめる】

あ……先約がいましたか。
良い場所が有ったと思ったんですけど――――……ふぅん。

【辺りを見回して、彼女は感心するように鼻を鳴らした】
【廃寺に漂う雰囲気、何か不思議な事が起きたであろう痕跡―――原因はあの男か?】

【とりあえずはにっこりと微笑んで、相手の出方を伺うとしよう】
【居眠る男の反応を伺いつつ、清楚に微笑みながら彼女――リリルカ・メリフルアスは”去れ”と胸中思うばかり】

/いましたら
796 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/03/06(金) 20:09:03.99 ID:UOslVAC4o
>>779-782

【―――先日まで自分が居た場所を歩く。そこはもはや、自分の見た景色とは違うそれで】
【大自然の脅威は自分一人の力では到底止められないものであると分かってはいても、無力さに顔を歪ませるばかり】
【……しかしそれも、この災害が"本当に大自然の脅威だったならば"の話だ】


「―――……ま、正直疑わしい話では有るんだけどな……。そのカウントダウンってやつ」


【"フリーダム・タワー"に集まった十数人の一人がそう呟く】
【魔女が被るような大きな紫色の帽子、同色で縁に金色の刺繍が施されたローブ、そして木製の大きな杖を身につけるその男】
【まるでおとぎ話の世界から飛び出してきたかのような銀髪のその男は、軍人の彼が言う"攻撃"に懐疑的だった】
【誰かの仕掛けたイタズラじゃねーのか? ……なんてそうも言う男だが、しかし用心に越したこともないのもまた事実であり】

【……そして、先日出会ったとある女性がこの首都の病院にいるというのも、この男が此処にいる理由であった】

【第二の地震でも、テロでも、住民を護り切る―――軍人の彼と志を同じくして、その時を待つ。……そして】


「――――――っ!!!  こ、れは……"第二の地震"って奴かぁ……ッ!?」


【突如一帯を襲う大きな揺れに、軍人の彼に言われなくともバランスを崩して膝が地面についてしまう】
【そんな状態ではあるものの、即座に辺りを見回し揺れ以外の異常があるかどうかを見ることが出来る辺り、この男も成長したといえるだろうか】
【だが、異常はその瞬間まで見当たらなかった。なぜなら、"それ"は目に見えない、地中からやってきたのだから】


「ッ……んだよテメェ……新しい……六罪王だぁ……?」


【地中を割り現れたその男―――大柄、というにも小さすぎる人間の域を超えた体長の彼。その彼の捲し立てに悪態をついた後】
【"六罪王"というワードに反応を見せる。カノッサ機関の幹部。男も一人、そう呼ばれる人物に相対したことが有った】
【……しかし、他の六罪王やカノッサ首領、罪神までも"完結"させるというのはどういうことなのだろうか。聞きたいことは山あれど】
【まずこの男が―――魔法使いのこの男が言うべきことはただひとつだった】


「……ヘッ、相手がカノッサ機関のやつなら話は早ぇー。 まず先にぶっ倒せばいいんだからなッ!!
 覚えとけ六罪王、俺の名はライラ=フェルンストレーム……テメーらカノッサをぶっ潰す"カノッサ機関ハンター"だァッ!!


   W  2  !  !   W i n d   C u t t e r ! ! ! 」


【自らの名を……ハンターとしての名を明かし左手を突き出せば、眼前に出現する魔法陣。それを右手の杖で思い切り突き破れば】
【出現するのは直径1m程の三日月型の刃。カマイタチと呼ばれるそれらは彼の発生させた衝撃波を打ち破り、間接的に男を守りながら彼へと迫る】
【しかし、動きは直線的。対処するのは容易だろう。あくまで防御用、攻撃が入れば御の字といったところか】

/ライラです、今日はよろしくおねがいします!
797 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/06(金) 20:11:21.26 ID:2vHj9UjYo
>>785
……ん?

【いつもと代わり映えのない夜景】
【普通に見ていればなんの代わり映えもない風景な訳だが、日常的にそれを眺めてきた彼女だからこそ、そこに何らかの違和感を感じとる】
【夜景というものは必然的に光に目が向きがちだが、その魅力を引き出すのは光の届かない闇の部分──そのうちのある一ヶ所に、謎の違和感がある】

あれは……なんだろ、人?

【散漫になっていた意識をそこに集中させることで、さらなるものも見えてくる】
【不思議な揺らぎとそれに呑まれている人、そして呑まれていない人】
【クローフィが一番気になったのは、そのうちの最後】
【彼は、明らかに彼女の存在を認知し、そのやけに光を感じない瞳でこちらを見つめてきている】

……なーんか、厄介なことになりそうな感じかなー

【そんなことをこぼしながら、自らのなかに眠る血の魔力を糧に背中に翼を産み出す】
【そして飛び立ち、向かうは問題の暗がりへ】
【少年が何を意図してクローフィを見ていたのかは知らないが──彼女は、その視線を非日常への招待と受け取ったのだ】

//おりますよー、よろしくお願いします
798 :ネモ・アーネスト :2015/03/06(金) 20:11:48.23 ID:0jJlP4c/0
>>779-782
【今宵の任務は"警備"と、比較的ありふれた物であった】
【自警団に所属する少女、ネモもドミニク大佐と同じようなことを考えていた】
【"今回の敵は恐らく爆破や地震。敵そのものが乗り込んでくることは無い"と】
【少女が今胸に掲げたのは戦う意思でなく守る意思。言葉にすれば聞こえはいいが】
【それは先頭になる可能性が頭に無いということであり、油断でもあった】

【そしてタイムリミット直前、予想より少しだけ早く"攻撃"は繰り出された】
【轟音と共に揺れる大地、常人であれば立っている事も出来ないであろう超局所的大地震】
【少女は片手を地につけ、なんとか振動を耐える。そして首を振り、あたりに危うい人間が居ないか目を凝らし―――】

【―――割れる地面。そして、現れる男】

【"たった一人の敵が地盤を砕き、地中から現れた" 少女の目が捕らえたのはそんなありえない光景】
【男は語る。自分がこの大事件、大災害の全ての元凶であると】

【少女が真っ先に浮かぶ感情は驚愕でもなく、恐怖でもなく、怒り】
【男の口から放たれる、そのふざけた声が、言葉が、少女の頭を真っ赤に染める】

「―――ふっっざけるなぁぁああああ!!」

【この凄惨な光景を作り出したのがこの一人の男だというならば、数え切れないこの町の人々を苦しめたのがこの男だというならば】
【湧き上がるこの感情を抑えられるはずも無い】

【男が拳を叩きつける。同時、"衝撃"が周囲に飛ぶ】
【少女はその衝撃を"殴る" そして"相殺"】
【きっとこの男には遠く及ばないだろうが、それでも少女はカノッサの技術を結集した実験体】
【馬鹿げた身体能力を誇るSCARLETの戦士なのだ。衝撃程度ならば、どうにでもなる。してみせる】
【衝撃がやんだならば、少女は鞄から篭手を取り出し、装着。拳を打ちつけ金属音を響かせ覚悟完了】
【―――戦う意思を胸に掲げた】
799 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/03/06(金) 20:13:42.59 ID:F+cnWzP20
>>782

なっ…!! いっ…!?

【『何なのよ、これっ!?』『一体、この地響きは!?』】
【そんな驚愕の言葉をあげる暇すら無く、起きる天変地異を認識する間すら無く、突如現れた大男の影を捉える隙すら無く】
【熊出等比は『迫りくる暴威』に条件反射的に行動した。】

リアライズッ!!

【眼前に現れるのは岩石の壁。常人の身長の2倍ほどもある高さの巨岩が三個、等比の身を風と衝撃から守るべく本来の大きさを取り戻す。】
【復元したのは『防御用』の岩石。その硬度たるやコンクリートを遥かに凌駕し、底面は平たく切り取られ万一にも転がり出すことなど無い岩の山。】
【しかしその圧倒的な強度が嘘であるかのようにみるみる岩壁には大きな亀裂が走っていく。】
【更には自身の立つ地面に対しては何の対策も講じられていなかったため、地盤への衝撃により起きた小規模な地割れに等比は危うく飲み込まれかけた。】
【すんでのところで落下のみは避け、何とか片手で地面のひび割れに手を掛けてぶら下がっている状態である。】

何て…化け物っ!!

【等比が漸く言葉らしきものを口にできたのは、そんな危機的状況においてであった。】


/よろしくお願いします!(ヤバい、返レスに時間がかかりすぎる…!)
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/06(金) 20:15:05.75 ID:L7buWxIuo
>>779-782

(災害……か、こればかりはどうしようもないわね)

【自然の振る舞いにより文明は一夜にして崩れる】
【連綿と続く人類の歴史の中それは当たり前のように牙を向いてきた】
【元より世界に生かされている身、ならば歯向かう手立て無く……瓦礫の中、不思議な居心地の良さで彼女は佇んでいた】

【変わらない物などない、そんな1人だけの前日譚】


(―――――――まあ、何も無いに越した事はないのだけどね……)

【時間は変わり「今」となる、呼びかけに集った理由は勘】
【何かが起きるだろうというそんな大雑把な理由、しかし人間の直感は精密ではないが確実だ】
【或いは「魔女」と移り変わった故の超常的な何かが原因なのかもしれないが当の本人は存外のんびりと構えていた】

【無論その内に沸き立つ魔翌力を隠したままで、ではあり】
【そして魔女の勘は現実となる、より鮮烈な事件の一端として】

……っ、いきなり現れて――――――――!

【揺れに対しての驚愕は1人の人間へと変わる】
【そも人体は掘削に特化して作られていないとかそういう理屈っぽい事は抜きにして事実は事実である】
【地面にへたり込む事はないまでも傍らに浮かぶ「6つの爪」に寄り掛かり、事の正体を見極めようと錆色の瞳を向けた】

――――――なに……災害でなくて、人災という事かしら……ふぅん……そう

【否、次の拍子には錆色は夕焼けよりも尚赤い紅に染まり魔翌力を称える】
【腰まで伸びた髪も纏うローブもその全てが沈まぬ太陽のように煌々と揺らぎ震えていた】
【全ての原因は言うまでもなく、巫山戯た調子で私が犯人ですと告げた愚か者に対して】

これだけの人達の生活を台無しにして、それでも諦めずに復興させようとしている人達の努力さえ
それさえも無為にしようだなんてよくもまあ……ここまでトサカに来る事を私の前でしてくれるわ……天才ね

【1つの爪の装甲を展開、耐衝撃翌用の障壁を全面に配置】
【人魂のようにさえ見える瞳は一挙一動と捉えて次の出来事を読み取ろうと揺らぐ】

(…………っち、もう少し修復しておけばよかったわね!)

【衝撃と揺れ、身構え耐えるが今日まで続いた戦いの損傷からか爪の表面はポロポロと溢れて瓦礫と同じく地に落ちる】
【露見する爪の炉心はカズネの変化と同じように赤く染まりつつ在り、ならばそれは魔術師が魔女として訪れる合図】

秒間云十発、どれだけ丈夫かは知らないけど……

【鳴り響く駆動音、爪に刻まれた魔術式が組代わり】
【音が止めば爪達はカズネの腕を中心にくるくると周り始める、例えるならばガトリング】
【ならば爪の先端が赤く染まればそれは発砲の予兆――――――、一呼吸置いたならば放たれる魔女の言葉通りの砲撃】

【ばら撒かれる魔翌力の弾丸は冷えた空気を塗り替えつつ怪物へと迫る、時間にして数十秒程度】
【ハレーションが起こる頃にようやく爪は回転を止め】

どうせ死なないんでしょうけど、挨拶としてはこれでいいかしら……おバカさん

【くしゃり、と笑みを浮かべる姿は紛うこと無く魔女のそれ】
【驕り高ぶる者に火をくべて、毒を呑ませ滅ぼす者……戦線は起こった、これより戦火は広がる】
【幸いなのはこの土地が既に壊れている事、くらいだろうか】

/カズネでありますよろしくお願いします
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/03/06(金) 20:15:13.51 ID:wRITfidQ0
>>779-782

…………これはまた、酷いことになってるネ―――

【―――其処にいる少女は、SCARLETの一員だった。肩につけた腕章がその地位を明らかにしている】
【……と言っても、見た目は手練れっぽさの欠片も無い普通の少女だが。ともかく、此処にいる理由は他の面々と変わらない】
【つまりは、この窮地を救い戦うため。―――目の前の、訳の分からない強大な力の持ち主と対峙するため】
【悪だとか正義だとか小難しいことは分からない。でも、傷ついた人を護って治すのは自分の使命だから―――】


私が出来る事は、皆を護って、治してあげる事―――六罪王だろうが何だろうが、関係なイ。……行くヨ。

【前髪を切り揃えたショートカットの黒い髪、やや小柄で華奢な体格、ややタレ目で茶色い瞳。】
【燕の型を取ったペンダントを首元に下げている。 鼠色のロングコートに黒いズボンという出で立ち】
【背には鉄製の箱。相当の重さがあると思しきものを軽々と背負っている辺り、見かけによらず力はあるようで】
【手には、牙を加工したような無骨な刀が握られている】


―――ッ!?

【……そして、攻撃の第一波。文字通り波となって襲い掛かる衝撃は、何トンもする車ですら吹き飛ばすほどで】
【そんな物を食らっては生身の人間ではひとたまりもない。ではどうするかというと……】

……ッ、五行霊符、水符・土符―――「泥濘壁」!!

【ポケット取り出した黄土色と水色の符……何やら呪文らしきものが書かれた短冊のようなものを掲げると、少女の前の土が隆起して茶褐色の壁が出現する!】
【この壁は、粘土と泥で出来ている。―――粘土と泥でできた壁は、当然柔らかい。しかし、柔らかいが故に衝撃を吸収することが出来て】
【結果、衝撃を凌ぐ事が出来て。今度は反撃とばかりに此方から仕掛ける】

火符・陽符―――「朱雀」!!

【今度は赤色と白色の符を掲げる。すると、目の前に炎の塊が大きな鳥となって出現―――そのまま男に向かって飛行する】
【飛行速度はそこそこ速い上に、本物の鳥のように意志を持って男を追尾する。回避するとすれば衝撃で吹き飛ばすか火そのものを消してしまうか……】

//春燕です!よろしくお願いします!
802 :ジンジャー中身 ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/03/06(金) 20:25:34.55 ID:DiPHCHUjo
>>779>>780>>781>>782

【集まった面々の隅で、乗ってきたバイクの後ろでカチャカチャと何かを動かしている二人組がいる】
【印象的な二人組だった。集まった面々でもとびきり背の低い女の子ととびきり背の高い男性の二人組だ】

【小柄な方の服装は白と黒、ロングスカートの侍女服を着た少女だ】
【銀色のカフスボタンが袖に付いた黒を基調とした丈がくるぶし部分まであるロングドレスの最もオーソドックスなデザイン】
【そして長い黒髪を黄金でできた三日月の髪飾りでポニーテールに束ねて、耳部分にはアンテナヘッドホンのようなセンサーがついている】

【もう片方の大男は黒い短髪を若干しゃれた状態に整髪料で整えた、自身満々の顔つきとは裏腹に若干年若い印象を与える顔立ち】
【新品同様の真っ白な白衣に身をまとい、その下にはストライプのブラウスに真っ黒なスラックスをはいており】
【その首には髑髏模様が際立つ奇妙なデザインのネクタイを首に絞めているその男は、何か不気味な仮面にドライバーでメンテナンスをしている……?】


ふむ、ではどこに要救助者が埋もれていようとも分かるようサーモグラフィ機能を今のうちに調整しなおしておこうか?
この人数ならばどんな輩が来ようと何も問題はない!ならばもうすぐにでも助けを求める者たちのための用意をしておこうではないか
緊張感なさそうと思うかね?大丈夫、これが私の平常運転万事問題ない!ここぞというときは任せたまえ!

「ハカセ、その前に口を吹いてください、チョコレートまだついているのデスヨー」

おっと!……いやいや失礼、バレンタインデーにもらったチョコレートまだ食べきってなくて!


【ずいぶんと調子のよさそうな男、頭をかきながらその場にいる者たちに手を振っている……しゃがんで侍女に口を吹いてもらいながら】
【なんというか、やたらコミカルな男だが……突如、再び起こった地震が発生した瞬間、メンテする手を止め、調子よさそうなその表情を引き締める】
【突如聞こえてきた声の方向に何の気もなく目を向けながら立ち上がり、腰につけていた機械製のベルトのスイッチを入れながら】


「皆さん!お気をつけてください……この男、すさまじくヤバそうデスヨー!こいつが……新手の六罪王!」

……なるほど、なかなかにド派手な登場、私に負けず劣らず目立ち好きと考えていいのかな?
負けていられないね、私もいきなりだがMAXでぶつかろうとしようか!

新たな六罪王!この"WILD"が……ジンジャー・ユースロットが君の初陣を迎え入れようか! 変 身 !


【現れた男が発生させた三重のショックウェーブを……このジンジャーと名乗る男はよけない!】
【足元が今にも崩れそうなこの状況でもなお雄々しく相手を見返しながら、二つの握り拳を前で固く握り、左手を腰に、右手を斜め前に突き出して】
【頭上で大きく円を描きながら叫び、起動スイッチを入れると、傍らの少女が粒子化して彼の体にまとわりつき始める】

【二人が一人になり、そこに現れたのはその身を白いボディに銀の装甲、穴の開いたホラーなデザインの仮面に赤の複眼】
【―――異形の仮面の戦士がそこに現れ、自分以上の身丈の男へとその歩みを進める!】

/ジンジャーです、遅れました!
803 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/06(金) 20:33:36.30 ID:K8s4WvBgo
>>795

──……あん?

【まさに寝入りばな、閉じた目を再び開かせたのは相手の小さなくしゃみ】
【むくりと起き上がり、不機嫌げに一瞥する視線は酷く鋭いものだった。胸中に感情を留めた相手とは正反対】
【きっと歳で言えば一回り以上は上だろう男は、大人気もなく機嫌の悪さを全面に押し出していた】

何や、小娘。このクソ寒い夜によう足出して歩くなぁ、子供産めなくなるで
分かったらさっさとおウチに帰って風呂入って温まって寝えや、あと此処はあッちのシマやから

【京訛りの言葉を捲し立てれば、ふんと鼻を鳴らして男は再び体を下ろし目を閉じた】
【「あッち」とはどうやら一人称らしい。その貌は良く見れば薄く仮粧を施しているし、まるで女郎か何かのようだ】

……、……──

【そのまま暫しの間、男は相手を無視するように目を閉じたままだったが】
【短い静寂の後に再びその葡萄色の双眸を相手へと向け、ぶっきら棒に言葉を紡いだ】

……奥の間なら、空いとるけれど

【今度はすぐに寝入るでもなく、どうする、と言わんばかりに相手を見据えたままだ】
【庭先ではなおも仙界の草花が咲き誇っていた。月明かりを受け、淡い光を零しつ春の風に揺られている】
804 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/06(金) 20:34:07.29 ID:K8s4WvBgo
>>795
/追記、遅くなりましたがよろしくお願いします
805 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/06(金) 20:34:24.29 ID:N12NgKW1o
>>797
【少女がその場に降り立つまで、少年が迎撃したりする仕草は無かった。寧ろ最初からどうにかしようとするつもりもなかったのかもしれない】
【近くで見れば状況はクリアだ、まず暗い炎は実際には黒でなく、青味が混ざった鉄紺色をしていて、それに包まれているのはやはり人間であった】
【三人の人間は鉄紺色の焔に焼かれ、既に息絶えていた…しかしその死体は炎に焼かれたような焼け焦げた物でなく、生気を抜き取られたように干からびていて、おそらくはこの鉄紺色の焔が熱ではなくおぞましい寒気を発しているのが関係しているのだろう】

………

【少年の姿は遠目で見るよりもハッキリとする。外ハネの黒髪の上に黒いキャップ、灰色に見えたパーカーはモノクロ迷彩柄であった、それからキャップに汚れた缶バッチが付いている】
【やはり見間違いではなく、目に光は無く、睨むか眠たいかのような目付きは、ジッと少女の姿を見て】

……覗き見か?監視か……まあいい、どっちにしろ、視線を感じたのはお前のか
まず一つ聞く、お前はこいつらの知り合いか?

【目の前に降り立った少女を見詰めながら、落ち着いているのとはまた違う低めのトーンで、干からびた死体の一つを指差して問う】
【この死体はここいらのチンピラの物で、少女とはまるで接点もないが、少年はそれを知らない、故に問い掛ける】

/申し訳ありません、少しの間飯落ちします
806 :リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga]:2015/03/06(金) 20:47:06.62 ID:OVDsgYJbo
>>803

―――――……。

【不躾、というのが口を開いた彼への第一印象だった】
【確かに自分より年齢が高いと見受けられるが、それが礼儀知らずの免罪符にはならない】
【初対面に対してそうも不躾な言葉を投げかける事が出来るとは―――と、少しかちん】

ご心配なく、子供なんて産む気もしません。

【とりあえず一言だけ返しておく。シマ、という言い分には目を瞑ろう】
【その気になればこの土地ごと買い取ってやろうか、という金持ち思考は胸で留まらせる】

【続く無言の後、再び目を開いて男は”奥の間なら”と勧めてきた】
【しかしながら、それはどこか不本意だと彼女は思う。なぜ、私がお零れを貰う感じなの、と】

そう、ですか……でも、そこからじゃ、この風景は楽しめないでしょう?

【遠回しに拒絶を提示する。私が居たいのは貴方の座する、縁側だと】
【とはいえどうしたものか。これしきの事で”始末”する気もない――― 一緒に縁側に?なんだか、それも】

……………え、と、こちらで何をしてらっしゃるの?

【じっと、見つめられていたのにバツが悪くなった。とりあえず会話をしようかと、しどろもどろに質問をする】
【あまり人と関わる事はない彼女は視線が定まらない。男の目を見たり、不意に廃寺全体を見回したり、少し忙しないかもしれない】
807 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/06(金) 20:49:19.69 ID:U3c2psDKO
>>793
「ほう、後天的なのかね。猫だとか、或いは魔眼持ちだとかでは普通に見られる現象ではあるのだが、それらは基本的に先天的なモノなのだよ。後天的なオッドアイというのは移植でもしなければ非常に珍しいモノだね」

【語る男は少し楽しそうだった。事実楽しかったのだ】
【見つけたモノが思ったよりも珍しそうだった、面白そうだった為に興が乗ったのだ】

「しかしその見た目で18を越えてるとは、こう言っては何だが人類ではないのかね?」
【またも直球な質問。そして飛躍的な問である】
【それは単純にその方が面白そうだという発想と好奇心とが混ざった結果ではあるのだが、他に言い様はないものか…】


//特に影響はないのですが個人的に気になったので聞いてみたいのですが
//> 気付いたら、赤くなってたの。左目。
//> 昔は左目が赤かったのだという、だけれど、今は黒く
//…正しいのはどっちなのです?
808 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 20:50:55.55 ID:VwrTyjiDo

>>787
【まず、最初の一撃は銃声から始った。ヴァローナが空中に衝撃波を回避し】
【そして握り締めた銃火器が轟音とともに火を噴く。正確無慈悲な銃弾の軌道が】
【真っ直ぐな線を描いて"男"へと直進して行き―――そして、素手で"止められた"。】

 ハーッハハハハハハハハハハハハハハハアッハハハハハハハハハハ!!
 オイオイ、なんだこのチョコレートの塊みてぇな豆鉄砲はよォ、ジョーク・グッズか何かか!?
 どうでも良いが、やりなおーし!!

【そして全ての弾丸を拳で握り締め怪力で"変形"させると、一つの塊にしてなんと、"投擲"―――!!】
【だがその破壊力と速度はとてもキャッチボールのそれを超えていて、隕石の様な加速度でヴァローナへと正確に、迫るッ!】
>>791

【ワザワイの放った氷のドリルに関しては―――なんと、一つ一つを拳で、撃ち砕いたッ!!】
【飛んでくるそれをひとつ、ひとつ目で見切り、確認し、そしていとも容易く"殴り壊した"のだッ!!】
【衝撃波や広範囲攻撃を一切使用せず、ただただ"異常な"速度を以ってして加速し、そして格闘で制圧!】

 ―――氷ってお前。季節が季節だから洒落にならねーぞ?
 夏にやってくれよ、こういうのはよぉ〜?

【そして瞬時に、落ちていた"鉄パイプ"を拾い上げるとこれもまた、"投擲"―――!】
【とはいえそれは弾丸はおろか、音速すらも遥かに凌駕する速度で、真っ先に犬上を狙い撃ち放たれる"ジャベリン"!!】


>>796
【強烈な烈風が男の身体へと殺到する、だが―――。】

 ―――あァ? なんだコラ、わざと手ェ抜いてンのかよ。
 そよ風なんか起こしやがって、リラクゼーションのつもりか?
 もっとおもしれぇジョークじゃなきゃ、俺様は笑わねェぞ!!

【お返しとばかりに蹴り砕いた地面が、散弾銃の様な勢いで一斉にライラへと降りかかるッ!!】
【ただ、ただ蹴飛ばしただけで、その衝撃と破片が手榴弾の爆風のように―――砂塵を巻き上げ、襲い掛かった!】

>>800
【カズネの魔術によって生み出された砲撃が、連続で男の肉体へと降りかかるッ!】
【だがしかし、それら全てに対し男は―――超絶的な感覚・反射神経で"反応"し、自身の拳をもって】

ウゥゥゥゥオオオオオオオオオラララララララッラララララララララララララッラアラララッラララララッラララララララーッ!!!!

【"魔弾"を、破砕していく!! この男の肉体は、一体どうなっているのか!!】
【そして反撃とばかりに、拳で生み出した"圧力"を、大気ごと吹き飛ばしッ!! 暴風の様に巻き起こして、カズネを弾き飛ばそうとする!】

>>786>>788>>789

【三者三様の接近攻撃は―――悠長に上記の攻撃に対応していた男に、殺到した。】
【まずブラックの素早い斬り込みが命中し、そして続いてフレデリックの一撃が、最後にヘケメトのソレが空中から降り注ぎ】

 ―――そうだ。"こういう"のが、やりたかったンだ!!

【男は、ニヤりと笑う―――そして驚いた事に、なんと、男の身体にはほんの"擦り傷"程度のダメージしか顕現していなかった!】
【そう、なんとも恐ろしい事に、全ての傷が瞬時に"治癒"していってるのだ―――男は凄まじい速度で反撃に躍り出る!!】
【まず、一番近くに居るであろうフレデリックに対し、返す刀で刃を掴み取り、先ほどのあの"拳"で殴りかかるッ!!】
【次に近いヘケメトに対し、至近距離で「ッ!!!!!!!!!」と叫び声を上げる!!それだけで、音が超音波の砲撃となり!】
【少し離れた所にいるであろう、ブラックに対しては―――なんと、近くに合った"車両"を片手で持ち上げると】
【それをそのまま、まるで「ゴミ」か何かのように軽々と―――放り投げた!!】

>>801
【現れた火の鳥に対し、男は即座に対応、そして近くにあった瓦礫をもちあげると―――】

 火には、風、だよなァッ!!

【思い切り、振り上げてその"瓦礫"で突風を生み出す―――そう、まるで巨大な団扇のように!!】
【重さ1tは超えているであろう、きょだいな瓦礫を紙か何かのように、振って振って、振りまくり!!】
【巻き起こした突風で、春燕もろとも、火の鳥を吹き飛ばそうとするだろう!!】
809 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 20:51:06.84 ID:VwrTyjiDo

>>790
【そしてこれら上記の攻撃全てに対応した上で、りえるの生み出した氷の檻を―――】

 あん? おいおい、なんだこりゃ。
 邪魔くせェなぁ……ウオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

【全身を躍動させ、気合を入れて雄叫びを上げる―――それだけ。それだけの、動作で!】
【彼の全身から発せられた莫大な熱量が、一瞬にして氷をずべて溶かしきってしまう―――!!】

 オラオラ、どうしたよ!! もっともっともっともっと、凄まじいのを撃って来いよ!!


>>792>>794>>798>>799>>802

【そして、主に攻撃を仕掛けなかった面子に対し、男は欠伸をしながら―――】

 なんだ、お前ら。やる気はあるのか!? あるなら良いんだけどよ。
 もっと俺とエンジョイしようぜ? そうだな、例えば―――こんな、風にッ!!


『DARKEST HOUR』  発動。

【男がそう、一言叫ぶとまず、周囲に光を放つ怪しげな物体が複数個、現れる。】
【そしてそれらは黄金の輝きを放ちながら"砲台"へと瞬時に姿を変えると、一斉に砲撃を開始ッ!!】
【強烈なレーザー光線による、遠隔射撃攻撃で>>798>>799へと攻撃を、無慈悲にも開始したッ!!】
【レーザーの威力は一撃で車両を吹き飛ばすほど、当たっても当たらなくても、周囲を破壊センと降り注ぐ!!】


『VIRUS』 発動

【次に男が呟いた時、男は付近にあった横転した戦車に触れていた。】
【そして男の手から怪しげな光が放たれると同時、戦車がひとりでに動き出して―――!!】
>>794に対し、砲撃とマシンガンによる機銃掃射を開始するッ! 中に乗っていた兵士が裏切ったとも思えない―――!】



『THE THING』  発動。
【そして今度は、男が小さく呟くと、男の"影"が一瞬にして変化、実体化して】
【巨大な真っ黒の「オオカミ」の姿となると、>>802、そして>>792へと襲い掛かった!!】
【鋭い牙と俊敏な動き、怪力のつめで一斉に近接戦闘を開始しはじめる!!】



>>ALL


   そうだ……そいや、自己紹介もまだだったな!
  

  俺様の名前は、"ベクター"ッ!! ベクター・ザ・"フォビドゥン"!!

  異名は"完結者"<ザ・コンプリーター>ッ!! さあ、遊ぼうぜ勇敢な正義の味方さんよォ!!


『CLOVER FIELD』 発動!!

【男―――ベクターが怪しげな言葉を呟き、そして自分の周囲を、思い切り強く"踏み始める"!!】
【すると、足跡がくっきりと残る程になり、その足跡に迂闊にも踏み入れた国軍の兵士が―――爆発・四散した。】
【そう、これは男が"地雷"を生み出す為の能力―――足跡は全てが地雷となっている、迂闊に接近すれば―――ッ!!】

【だが、射撃攻撃や遠隔攻撃で、起爆させて地雷を無効化させることも可能だろう。】
【そんな事よりもこの男、この異常な身体能力に加えて、まさか―――ッ!!】


【まさか―――――――能力を複数、扱えるのか……!?】
810 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/06(金) 20:53:59.05 ID:2vHj9UjYo
>>805
わぁ、無惨も無惨……これなら血を吸われて死ぬ方がよっぽどいいんじゃないですかねぇ

【そんなことを軽い口調で言いながら、クローフィは少年の前に降り立ち翼を仕舞う】
【別に彼女が見ず知らずのチンピラなどという有象無象の生死を一々悲しむような感性の持ち主だということではない、精々血が勿体ないなぁ程度──要はただの軽口だ】

別にあなたをジーっと眺めてたって訳でもないんですけどねー、あれはただの趣味ですし
いいえ、全く?こういう裏路地系の知り合いは心当たりないですねぇ

【なんだか勝手に敵意を持たれてるみたいだなぁと思いつつも、クローフィは質問に答える】
【どっかの量販店で普通に買えそうな簡素なシャツにスカート、その上からジャケットをというカジュアルな見た目と相違なく、彼女の口調はただ世間話をしているだけのような気楽なもの】
【明かりに乏しい裏路地でも目立つ赤い瞳からは、敵意の類も感じられない】
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/06(金) 20:57:40.98 ID:8x4LObnv0
>>807

そうなの、でも、あの頃のことはよく覚えてないし――。
なんでそうなったのかとかも、分からないの、……なんでだろうね、分かんないや……。

【後天的な目の色の変化。だけれど詳しいことを聞きたくても、記憶が曖昧なのだと先に言われる】
【昔は左の赤い赤黒のオッドアイ、今は、右の赤い黒赤のオッドアイ。ころころ瞳の変わるのは、まあおかしい】
【猫も子猫の頃だけ瞳の色が揃わないとか、そういうのはあるらしいが――その類でも、きっとないだろう】

……人間だよ、わたしのお父さんとお母さん、ちゃんと人間だもの。
でもご先祖様は蛇なの、真っ白な蛇。――ふしぎでしょ、ねえ、わたし、人間に見える?

【表情がふと変わる、一瞬だけ言葉に詰まるように彼女は黙って――、だけども、まあ、教えてくれる】
【両親は人間。だから人間。そんな言い方は、ただ、少しおかしいように見えて。なんとも断言できないような、】
【理由があるのかと思えば実際あるらしい。蛇が先祖だというのだ、妄言でなければ、――御伽噺の一節みたい】

【少し悪戯っぽい、からかうような声でそう尋ねると彼女は首をかしげてみせるのだろう】
【鈴の音とよく似た声がころころとした音色で笑っていた、――彼女からは、人間とは少し違うイキモノの気配がした】
【だからといってそれが蛇のものなのかは分からない。もっと曖昧で、形のない――ナニカのように思えたが】

【(ごく僅かな感覚だ。巧妙に偽装されている、その方面に明るくなければ――気付くのも難しいだろう)】

/今は左目は黒ですね、赤いのは右目ですー
/昔のことはなしてました、分かりづらくて申し訳ないのですっ
812 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/06(金) 20:59:39.33 ID:K8s4WvBgo
>>806

……何や、気に入ったんか?
歳の割に、風流の分かる小娘やな

【相手の言葉に、男は何やら少し気を良くしたようだった】
【相変わらず寝転んだままの男が、庭の方へついと指先を滑らせると、呼応するかのように草花が艶やかに揺らぐ】

こうしてな、死んだ物に花を咲かすのが好きなだけやわ……ええ景色やろ?
見たいなら好きなだけ見ればええ、何や、そないにあちこち見る事あらへんから

【つまりは、眼前の光景はこの男が作り出した物だと言う事らしい】
【ばつの悪そうである相手を知ってか知らずか、揶揄うような言葉を掛ければ男はくつりと笑んだ】

【それからゆるりと体を起こせば、男は僅かに縁側の端に寄った。……相手の席を空けた、という事か】
【相変わらず指を踊らせ、青藍色の燐光を操り草花を彩らせる男の表情からは、余り読み取れるものは無かったのだけど】
813 :(山形県) ◆Heckemet8M [sage]:2015/03/06(金) 21:06:58.34 ID:gRjFG0vqo
>>808-809

「うおッ、こいつァ……効いてねェ、……いィや!」 「治ってるんだッ!」 「殴ったところが、一瞬でェーッ!」

【うるささには定評のある彼だが、次に放たれる相手のそれには劣っていた】
【攻撃に転用できるレベルのその声は、至近距離ということもあり――まともに喰らってしまったッ!】
【その衝撃で後ろにぶっ飛び倒れそうになるも、まるで曲芸の様に両手を地面につけて軽い後方転回もどき】

『この治癒力……まともにやりあうのは愚策です、ヘケメト――行きますよッ、ブラインドネス・Aコール!』 「ニードルバレット!」

【先程の衝撃波でついていた細かい傷が広がり、出血が目立ち始めた彼――背中にまとわれた女性の掛け声と同時に放つは】
【10個ほどの棘の弾丸!】 【長さ5〜10cmで強度も先ほどと変わらない……つまり、普通に考えたら効くはずもない技】
【しかし、この弾丸には「軽くでも刺さるとほんの一瞬、ほんの一瞬だけ視覚情報を閉ざす」効果がある、いわばサポート技だ】

【この攻撃によって偶然にも近づかなかったことが、相手の地雷を回避することに繋がったようだ】
814 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/03/06(金) 21:10:11.36 ID:Idpk6jG9o
>>808    >>799 >>all

【やはり、距離が遠すぎる。有効射程外、並びに武器自体の威力も疑問視される】
【彼女は空中を踊るように飛び回り、舞い落ちるように錐揉みで加速して隕石を回避する】

…クソッタレ


【彼女は空中を滑空しながら思案する。力で押せばどうにかなる相手じゃない】
【多くの能力者の攻撃を加えても、良く見積もっても同等、未知数を含めると…】
【弱点すらわからない現状。ジリ貧になる前に作戦を練らなくてはならないだろう】

【彼女はタクティカルベストのポーチから発煙筒を取り出した。色は緑。明るい光と煙を放つ】
【上空からそれを投げる。緑の流星のように流れて、味方に合図する。落下地点は瓦礫の】
【影で比較的安全な場所。軍やそれに類する人間なら意味がわかるだろう『再集合』だ】
【戦い続けて敵を抑えこむ必要もある。各自、判断は任された】

…こんな状況で、何人が気づくものだか



【危機的な状況の熊出へと舞い降りる影、翼を有した人影はまるでカラスか、堕天使か】
【影は減速しつつ踵を瓦礫ばかりの地面に擦り付け着地する】

早く、手を。……ッツ!!早く!!

【女は手を差し伸べる。その手は片手で難なく引き上げることが出来るだろう】
【盾に、刀に、背負った長い長い、機関砲、そして翼は大鷲のようであった】

【そして彼女をかばうように仁王立ち。腰だめに据えた巨大な砲。こちらも”砲台”となり】
【それら、砲台へ殴りつけるような乱れ打ちを開始する。それは止めどなく雷鳴の用に鳴り響く】


【発煙筒の煙で集まった人間が居たのなら簡単に彼女は趣旨を説明しだす】

やられるのはまだ早い。立って。戦おう。…でもその為には作戦を立て直す必要がある
他の皆が戦ってくれている。…私にできることはただ砲を撃ちこむだけだ。だが真上から攻撃できる。
それには風、高度、武器自体の威力、重量による速度減少…問題は山積みだ。…皆はどうだ?
何でもいい。地図もない。やりたいこと、やれること。全て話せ。我々は生きて、勝たなければならない。

【彼女の目は鋭い。この状況で1つも諦めていない闘志と、冷徹なまでの冷静さが見受けられた】

【地雷原が発生した今、うかつに接近することも危険だ。彼女の上空からの砲撃で除去は可能だが】
【今は動かない。焦るな、焦るな、命が散るのを見て、焦るな。判断を間違えるなと何度も自分に言い聞かせる】
815 :リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga]:2015/03/06(金) 21:11:46.33 ID:OVDsgYJbo
>>812

歳の割……もう、22にもなりますし、多少は心得ます。

【なんだか、子供扱いされているみたいで、また少しかちん】
【とはいえ眼前の男からすれば子供みたいなものか、と諦めもする】

【男の指先に呼応して、枯れ果てた草花が息を吹き返す―――嗚呼、まさかとは思ったけど】
【彼の指先はそういった”能力”を放つものだった。だとしたなら、彼を立ち去らせては……】

……貴方の仕業、と?良い能力をお持ちになってらっしゃるのね。
ならお言葉に甘えて、好きにさせ…………あ、あちこちね。

【こうした風景を観る為に、夜の散歩がてら此処まで足を運んだのだ】
【彼と共に風景を楽しむ事は致し方ない。好きにさせて貰うと返すが―――揶揄を感じ取って言葉を詰まらせた】
【本当に不躾な人だ、と少しばかり溜息をついてしまうが、この風景に免じて許すとした】

………生命を司る、再生の力?
見た目とは裏腹に、なんていうか、優しい能力ですね……。

【指を踊らせ、草花に彩りを持たせる彼の隣へと静かに腰掛けた】
【人二人分、空いた二人の間。彼女の心の距離だとでも言うのか】

【指先を見て、多少失礼な言葉も交えつつも、彼の力を賞賛する】
【何よりも、その力は自分とは真反対にあるとも思えたから。彼女はちらり、と自分の手に視線を降ろして溜息をついた】
816 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/06(金) 21:13:56.41 ID:N12NgKW1o
>>810
───……ああ、そうか…

【たった今手にかけた者たちと、この少女は知り合いではない、とわかると、大きく頷く───否、俯いて、左手で顔を抑える】
【少女が魔力を感じ取れるのなら、この少年の中に渦巻く魔力が感知出来る。黒く、暗く、まるで明るい物の無い、憎しみと死者の無念で出来た様な負の魔力だ】
【かといってそれがしっかりと存在しているかと言えばNOで、寧ろこの状態はコップになみなみと注がれた水のような状態となっている】

……こいつらの仲間じゃないなら……なんつーか、悪りぃな…巻き込んじまって……


───逃げるか、抵抗するか、選んでくれ

【俯いて顔を抑えたまま、謝罪の言葉を述べる少年は、段々と息が荒くなり、声が震えてくる】
【体に渦巻く魔力も同じ、震えながら力が増し、心の許容量を超えて飲み込んでいく】
【やがて少年は少女に選択を迫り、顔を抑える指の間から憎悪に満ちた目を向けると、右手に鉄紺色の焔を灯す】
【今にも襲い掛かってきても不思議ではない、理由はともかく、先手を打つならこのタイミングだ】

/お待たせしました
817 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/06(金) 21:18:00.43 ID:O5KZUTo0o
>>808-809


ちィ……!この刃が過擦り傷とは、やはり貴様マトモな人間ではないな……!
能力か、それともそもそも根底からして違うのかは知らんが…――む、ゥ…ッ!!!


【まるで鋼鉄を薙ぎ払ったような感覚に、思わず舌打ちが零れる】
【だがそれで気を抜いてはいけない。敵の拳は、まるで大型トラックのような迫力があり】
【何とか義手の右腕でガードするものの――フレデリックの巨体は、数メートルも背後に押し飛ばされ】

【強化合金の義手すらも、そのフレームが歪んでいた。それでも恐慌に陥らないのは闘者故か】
【瞬時に敵の足元に地雷が張られたことを理解し、それに合わせて何事か詠唱すると】
【直後、フレデリックと敵の直線上に炎が舞う。爆破の魔術か――ともかく、そうして道を確保すると】
【老人の手首にも思えるガントレットを壊れかけの義手に装着し、再び真っ直ぐに突っ込むと――】


(斬撃がダメなら打撃……物は試し、と云うやつだが……)
(……複数の能力か。数でまさる以上は、出来る限り私が注意を引けば…――!)


【――直進、そして右腕のストレートをベクターへ叩き込もうとする】
【しかしこのストレート、威力が全く人間のソレではない。ソレこそ、先ほど敵が放った拳と近しい物があり】
【直撃を受ければ、ただの人間は内蔵に障害を負う様なパワーがあった。装備したガントレットの能力、なのだが――】

【しかし、それにしても真っ直ぐ過ぎる。――愚直なのではなく、"デコイ"として】
【出来る限り敵の目を引くように。反撃を見越してか、既に新たな術を口元で唱え始めていた】
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/06(金) 21:21:10.49 ID:dxhea1ys0
>>808
【___今まで、防がれる事はあった】

【かわされる事もあった】

【だが、仮にも煉瓦や漆喰などなら容易く貫通して破壊する代物をあろうことか素手で事も無さげに粉砕した相手にこう言う位は許されよう】

「非常識にも程があるよっ!?」

【そして、飛来する鉄パイプ】

【これを察知して空中に氷の壁を造り出すも容易く砕かれ、戟を持ってしてガードするも戟ごと瓦礫の山に吹っ飛ばされる】

「ぐぅ……あぁ……む、むちゃくちゃな…」

【そして巻き起こる爆発、更に他の戦士達を悉く圧倒すると共に名乗る黒人】

「の、能力を……複数………くっくっ…………強い訳だね……」

「でもっ!」

>>ALL

「リーベおねぇちゃん程じゃなくたって!」

「僕にだってこれぐらいなら出来るんだよ!!!」

【かの黒人に飛んでいくのは先に楔の付いた氷の有棘鉄線、本来なら相手を縛り上げて肉を根こそぎに出来る代物だが今は一瞬でも拘束出来ればいい】

【そして黒人の足元へ、地雷源と化した彼の轍へと飛ぶ氷塊や雪塊、あわよくば黒人に自分の能力によるダメージを、それで無くとも自分や他の近接系の戦闘を得意をする者が近づける様に出来ればそれでいい!】
819 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sage]:2015/03/06(金) 21:21:47.96 ID:UOslVAC4o
>>808


「――――――……ッ!?」


【驚愕する。幾ら攻撃が通れば御の字だとして放った風の刃が、"そよ風"として見做されている―――!?】
【それだけではない。此処に集った十数人、誰一人として弱いものは居ないだろう。強者として、それぞれの理由のために此処に集った十数人】
【彼らの攻撃に全て対応した上で"反撃"している。身体には傷一つ付かず、そして此方には、ヘタすれば即死級の力が篭った攻撃を―――】


「ち、ぃ……ッ!! ッグ……ゥッ!!」
(突然現れたと思ったら……始めの攻防だけで分かるぜ、コイツ、"クソ強ぇ"ー……)


【此方の風の刃に返す形で放たれた地面への蹴り。それだけで土塊と衝撃波が生まれ、さらにこちらへと襲ってくる】
【避けるもままならず、衝撃波によって後方へと吹き飛ばされつつ土塊のダメージもまともに喰らってしまう】
【……とある怪物の退治によって得られた報酬で織り込んだ服は衝撃を吸収するが、それでもまだダメージは通る】
【何とか踏ん張って大きく後退ることはなかったものの、ローブやその下の服には幾つかの傷が刻まれた。―――強い。その一言しかライラには出てこない】

【さらに彼が大地を踏みしめたかと思えば、その足跡は地雷へと姿を変え、哀れな国軍兵士が一人犠牲となる】
【ちらりと周りを見れば、彼が生み出したものが跋扈している。何だこの能力は? こんな能力、見たことがない―――】


「くそ……ッ、面倒くせー能力持ってるみたいだな……ッ!!

 だが、テメーの思い通りにはさせねーぞベクター!! 喰らえ――――――


   E  3  /  !  !  !     E a r t h   S l a s h i n g ! ! ! 」


【疑問など抱いている暇はない。まずは彼の動きを止めなければ―――ライラは杖を少しひねり、左へその"鞘"を抜き去る】
【杖の中から現れた白銀の刃。詠唱し、地面に現れた黄色い魔法陣にその刃を思い切り突き刺せば】
【数秒後、僅かな地面の隆起を前触れとして彼の前、右後ろ、左後ろの三方から土で出来た刃が突出してくる】
【刃たちは斜めに地面から生えており、このまま1mほど伸びれば3本とも彼の腹部へと突き刺さることだろう。それにより動きを止める目的も有る】
【土で出来た模造品ゆえ、強度は本物の刃ほど硬くないものの、圧縮された土刃は思いのほか硬い。せめて1本でも刺されば―――そう思うライラだが、果たして】
820 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/03/06(金) 21:23:58.98 ID:F+cnWzP20

>>809
【その化物が嵐のように大暴れする中、等比は片方の腕で自重を持ち上げ元の地盤へ着地する。】
【しかし息をつく間もなく現れたのは数多の砲台。それらの発する光は収束し、今にも熱線を照射せんとまばゆく輝く。】

砲台っ!? でも、さっきと違ってそういう直線的な攻撃なら…かえって軌道は読みやすいわ!!


【四方より襲いくるレーザーを、等比は今度は能力を使わず自身の身体能力のみで回避する!】
【小刻みなステップと鍛えぬいた動体視力によりすんでのところで身をかわし続け、その中で自身を狙う砲台の位置を確認し】

ひぃふぅみぃ…よっし、把握!

【レーザー自体、さらにはそれにより破壊された地盤からの飛散物をも同時にかわしつつ、手に持つ大ぶりのメイスを振りかぶり】

あの砲台、物理攻撃が効くのかどうかっ、わからないけっ、どっ…!!

…せええええいっ!!

【あらん限りの力を込めて砲台の一つを打ち砕かんとする!】
821 :小山絵手雄  ◆SEBUhSQF9U [sage saga]:2015/03/06(金) 21:25:31.73 ID:QOpGjbtQ0
>>808-809

…器用なこった。

【物陰の小山は、ひとり憎々しげに呟く】
【吹っ飛ばされた時に打った背中の痛みはまだ引いていない】

【そこへやってくるのは、漆黒の巨大な狼】
【背後に忍び寄る物音に気付き、録画を止める】

やっぱ御見通しか…!もう少し情報得ときたかったんだがな…仕方ないか。

【残念そうな口調】
【そして、襲い掛かる狼】

ぐっ…影のくせに重いなこいつ!

【鋭い爪を携えた狼の初撃を、とっさに片腕に装備して居た盾…アイロンシールドで防ぐ】
【しかし衝撃は抑えきれておらず、押され気味だ】

器用貧乏じゃないな…。でも、器用ってだけなら、うちの家電も負けてないぞ?

【カメラが腕からひとりでに外れ、代わりに装着されたのはプロジェクタのような機械】
【スピーカーとプロジェクタから、"charge"の電子音】

影なら光に弱い、はずだろ!!

【プロジェクタから、強烈な光が放たれる】
【同時に、足元のスピーカーからは大音量の音。こちらも狼なら聴覚は鋭敏だろう、といったところを狙った攻撃だ】

822 :山城桃子 [sage]:2015/03/06(金) 21:26:40.55 ID:Y9WHhMYno
>>809

【素手で岩盤を殴り地震を起こす、其のような相手に対し牽制や小手調べをしている暇など確実に存在せず】
【最初から全力でいかなければ次の瞬間には死ぬ――――いや、全力を出した程度で生き残れるかどうか】
【覚悟をしていなかった訳ではない。もしかしたら死ぬかもしれない、ある程度の危険は承知のうえで此の場所に来たつもりだった】
【だが実際はどうだ。カノッサ機関幹部、六罪王ベクター=\―――彼女の胸によぎったのは闘争心や正義ではなく、紛れも無い恐怖=z

「――――――――」

【地を踏みしめる足が、刀を握る手が、隠しようがない程に震える――――今まで散々殺してきておいて、自分が死ぬとなったら怖がるのか】
【殺せないほどに強い恐怖、其の一瞬の時間が命取りだと分かりながらも恐怖は拭えない】
【そんな彼女に対して動き出す戦車、兵士が自分を狙うとは思えない】【即ちアレも、男の能力の一つということだろう】
【総てを把握しきれている訳ではないが、それでも男は明らかに幾つかの能力を使っている】
【脅威の身体能力に頑強性、傷を与えたとしても常軌を逸した治癒能力で再生し、其の上一つでも太刀打ち出来ないような能力を複数所有している――――なんだ、此の悪夢は】
【夢にしたって出来が悪すぎるだろう、ここから生き残るなんてどんな冗談――――――――でも、まだ死にたくない。[ピーーー]ないんだ。この生命を賭して、やらなければいけないことが幾つもある】
【だから、動け――――――――――――――――奥歯を噛み締め、戦車を睨め付けて】

「ふざけるな――――――――」

【其れは男でも戦車に乗る兵士でも此の場にいる誰かに向けられたものではなく、口にした本人に向けた言葉だった】
【今まで多くの人間を殺してきた。須らく皆が罪人だったけれど、それでも死刑執行人として彼女は死体の山を築いてきたのだ】
【そんな殺戮者が、今更自分の死を恐れるな。叱咤で激励でもなく、其れは純粋な憤怒】
【我が身可愛さに震える己に対する怒りで、恐怖を喰らい尽くし――――震えはまだ止まらないけれど、彼女は刀を強く握り締め、しっかりを前を見る】

//すいません続きます……
823 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/06(金) 21:26:42.88 ID:K8s4WvBgo
>>815

22……? もっと幼いかと思うたわ。10コ下か

【成人していたとは思わなかったらしい、僅かに目を丸めたが、そういう彼も20代半ば程に見える容姿だった】
【二人分の距離で隣同士に座る二人の眼前では、なおも神聖な草花が現にあらぬような光景を描いていく】

まあ……そんな所、か。仙界の草花を喚び出す、御仏の力の一部に過ぎんけれど

【ある程度力を送り終えたのか、指先を膝の上に下ろして男はそう説明した】
【仏教に関係するものなのだろう。能力者同士でなければ、まるで荒唐無稽な話だった】
【続いた相手の言葉には、意外と怒るでもなく考え込んで、それから愉快げに肩を揺らす】

くく、確かになぁ……何で、よりにもよってあッちに与えられたのが、此れなのか。
そろそろ分かっとるやろうけれど、あッち自体はさして慈悲深い訳でもない。まして昔は「逆」やったのにな

【──最初から分かっていたとは、言ってやる必要もあるまい】
【確かに、分別の無い幼児に余りある武器を持たせたようなものだ。だが今は、一応これでも、「変われた」らしい】

で……能力者、やろ? そッちも。
こんな夜更けにほっつき歩いとるワケは聞かんでおいたるから、名前教えや

【二人分離れた相手へと、男はようやく視線を向けた。葡萄色の双眸は、落ち着いていれば案外澄んだものだった】
824 :山城桃子 [sage]:2015/03/06(金) 21:27:03.90 ID:Y9WHhMYno
>>822続き

【同時、砲撃と機銃掃射が彼女に迫る――――山城桃子には、幾つかの素質がある】
【其れは異能ではなく、人間の誰しもが持つ能力の延長線上のもの――――その内の二つが、並外れた動体視力と集中力である】
【極限状態に置かれた少女の動体視力、集中力は限界を超え砲弾すらも完全に捉えていた】
【だが其れに身体がついてこない。今更回避は間に合わず、刀で切り裂いた所で爆発に巻き込まれるのが落ちだろう】
【ならばどうするか】【迷っている暇など無く】【選択肢は、既に決まっていた】

【彼女の家――――山城家には、一つの技術が代々伝えられていた】
【其の名を『剣気』――――――――異常なまでに発達した殺意を威とし、物理干渉を可能とする技術=z
【現実に干渉するほどの殺意、其れを制御するなどまともな神経では不可能だろうが、彼女は生まれついてからひたすらに其れを磨いてきた】
【当然彼女一人分の殺意では大した効果は発揮できないだろう、だが彼女の刀もまた彼女同様普通ではない】
【天元暁、山城家で受け継がれている死刑執行の刀。その刀身には罪人達の殺意と怨念が宿っている】
【此れを扱うことが出来るのは山城家当主だけであり、一度刃を抜けばその身を数百数千の殺意に浸すことになる呪刀である】
【自らの殺意に呪刀の其れを上乗せすることにより、山城桃子は強大な『剣気』を操る事が出来るのだ】

【練り上げられた殺威を刃に載せ抜刀する――――其処から放たれるは、射程を持つ飛ぶ斬撃=z
【飛ぶ斬撃が砲弾に当たれば、彼女に辿り着く前に砲弾を爆発させることが出来るだろう】
【間髪入れずに右へ飛ぶ。体中に機銃の弾丸が掠っていくも、なんとか致命傷を避ける事は出来た】
【だが全弾回避とはいかず右太ももに一発直撃してしまう、これではまともに駆ける事は出来ないだろう】
【――――――――構わない。今まで対人相手に一度も使ってこなかった切り札を既に抜いてしまったのだ、ならばもう隠す必要など無く】

「はぁっ――――――――!!!」

【回避行動を取り始めていた頃には、既に彼女は剣気を練り上げ始めていた】
【殺せないかもしれない。当たった所ですぐさま回復してしまうかもしれない。そんな考えを総て捨て】
【純粋に、ひたすらに、狂おしいまでに澄み切った祈りを刀へと込める――――――――『[ピーーー]』、ただ其の一念を】
【次弾を撃ちだすまで僅か一秒、間髪入れずに再び飛ぶ斬撃が放たれる】
【狙いは男の首元、あらゆる障害物を掻い潜り男の首を断ち切らんと、断罪の刃が飛来する――――ッ!!】

//長くなってすいません……
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/06(金) 21:27:36.23 ID:lLN0JC/10
>>808-809

【何て強靭な肉体だ、刃が紙で指を切った……いやそれ以下のダメージしか与えられぬとは】
【しかもそれだけではない、車両そっくりそのままを軽々と投げ飛ばす程の怪力】
【今はっきりと理解した、こいつは人間のレベルを超えた怪人なのだと】

【他の有志達の攻撃さえ余裕すら感じさせる程に受け止め、無効化し、傷を与えられずにいる】
【だが、生憎と他に気を配るような余裕は此方には用意されなさそうだ、投げられた車両が迫って】

なんと圧倒的……!これは長い闘いになりそうな………………
しかし、年長者の私が他より先に倒れる訳にもいきますまい…………、使おう……我が能力……!

【一瞬、ブラックの持つ軍刀の刀身が仄かに光ったように見えた、そう、蒼く】
【腰を低く構え、迫る車両に一太刀………………すると車両(それ)は豆腐かバターのようにすっぱりと】
【斬れる、中央から綺麗に真っ二つに、今度の切れ味は先程とは明らかに違った】

…………むっ………………!奴め…………あれはまさか複数の能力を使っているのでは……!?
全ての能力に共通する点が見つからん……、なるほどいよいよ厄介になってきおった!

【地雷を踏まぬギリギリのルート、足跡の無い道をだっと駆け抜ける】
【どうやらこの老人、走りながら地雷の場所を確認し 判断している、能力に補助されてもあるが 流石は現役の軍人、動体視力はかなりのものだ】
【もう一度、先程と同じようにベクターに斬りかかる!ただし先程とは切れ味が違う】
【それはついさっき、鉄屑を切断したことからも分かるであろう事だった】
826 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga sage ]:2015/03/06(金) 21:27:59.64 ID:2DOKS7C5O

>>809

なにあれー…流石に引くんですけどー……

【一連の流れを全て見ていた彼女だが】
【やっぱりどう見ても『規格外』な存在であると知った】
【集まっていた『警備組』の全員が当たっても、有効打にはなり得なかった】

となると、どうするかにゃーん?

【呟きながらも動き、視界に映る物から手頃な物を見る】
【途中、砲台やら戦車やら緑の煙が映るが、今は気にしてはいられない】
【生半可な攻撃は効かない、やるなら威力重視】
【しかし、彼女自身はどちらかと言えば、一撃より手数重視の戦い方】
【威力を高めるならば、一つに集中するか……もしくは】

…リミッター……ううん、まだダメダメ

【頭の中で思った事を瞬時に消し去り、次の手を打つ】
【幸い、この場所には自身よりも戦いに慣れた『味方』が居る】
【なら、自分がすべき事は】

キャハハ!こういうの初めてェ!

【再び、観る、視る】
【色は赤、現すは炎熱の爆発】
【それを、男の足跡の近くの瓦礫に次々と『設置』する】
【一つ一つの威力は、男に通じるとは思えない代物だが】
【あの厄介な『地雷のような足跡』の除去をするためだ】
【そして、自らが銃で起爆させるために、銃口を向ける】

……とは言っても、ちまちまやるのも問題です……はい…

【そうしながら、『とある物』にも、何度も能力を使い続ける】
【ダメージになりえる威力を叩き出すために、次の一手のために】
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/06(金) 21:28:02.99 ID:L7buWxIuo
>>808

(まあ、災害を起こすくらいのイキモノだもの早々簡単には墜ちてくれないか……)

【元より相手は埒外の存在、たかが速射性に優れる魔弾だけで仕留められる理由もない】
【ならば考えられるのは長距離高出力砲撃ないし、懐に隠した魔銃……切り札を容赦無しに浴びせる事でしか】
【きっとアレを黙らせる事など出来はしない】

さて、と――――――――……
アタシの前で暴風を謳うなんて、たかが知れるわね!!

【距離を測り爪を構える、都合3つの装甲を展開させ盾とする】
【魔翌力の流動による熱量を含む赤色魔翌力の盾、惑う光は風を燃やし無へと還す】

……とは言ったけどあまり防御に使い過ぎるのは良くないかな
装甲剥げて来てるし、ここは一気に決めちゃわないと活動出来なくなりそう……
となると……セオリーなら遠砲撃からの支援かしら?

【ぱらぱらと落ちる装甲は輝く灰のように瓦礫に積もる】
【火焔に塗れる魔女の姿はどことなく終末を思わせるが少なくとも今この場に於いては】
【終焉を望む者に敵対する終焉に臨む者に他ならない】

有象無象の能力、近寄るのは得策とは思えない……というかアタシ近接無理だし……
一先ず炉に火を付ける―――――――

【吸入される魔翌力を種火に炉心の赤熱は加速しより強く魔翌力を生成し熱を生み出す】
【6つと1つの赤色はやがて陽炎を纏い景色を歪め始める】

見ず知らずを頼るのは癪に触るけど、アタシしか出来ないならアタシの出来る事をするしかない

【やがて火花がチラつくようになったならば、それが契機】
【爪の装甲が展開され6つ全てが繋がり長大な砲身が姿を表す、かつては銀の輝きを宿したそれは今は灼熱の姿】
【腕と魔術式で接続された爪の装甲が爆ぜ燃え盛る炉心が瞳のように赤く燃える、純然たる力の権化】

近くに居る奴ら!全員退きなさい焼け焦げても責任取らないから!――――――――ってぇ!!

【一瞬の光の収束の後、砲身は白け……熱量としての魔弾は放たれる】
【瓦礫をより細き灰に還し地盤を崩し大気を燃やす如き、槍のような砲撃はかの六罪王の胸へと向けて】
【熱波纏う魔弾の照射は時間にして5秒程、長くは無いがそれだけの時間でも熱は身を蝕む呪いのような物】
【加えて衝撃を含む魔弾は周辺の地雷さえも巻き込み誘爆させる可能性もあるだろう】
828 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/06(金) 21:30:20.65 ID:2vHj9UjYo
>>816
いえいえ、別に大したことではありませんし

【半分とはいえ、人を襲いその血を啜る吸血鬼の血脈が流れている彼女にとってはこの光景にこれといって感情を抱くことはない】
【迷惑がかかったとしたら飛行に消費した魔力と時間だけだが、些細なものだ】

ふーむ、逃走か抵抗ですか……

【彼女に人の魔力を感じとる能力はなかったが、彼がどんな状態にいるのかはなんとなくわかる】
【見るからに、何か──恐らく、クローフィに襲いかかろうという闘争心か何かだろう──を必死に抑え込もうとしている】
【それに対して、これ幸いと逃げ出すのはもちろん簡単であるが……】

生憎、闘争を前にして背を向けるというのはしない主義でしてね……抵抗を、選ばせてもらいましょう!

【そういい放ち、その手に真紅の片手剣を産み出して少年に斬りかかる!】
【込めた魔力は大した量ではなく、剣の性能も鋼でできたものと同程度──これは、ほんの小手調べだとばかりに、狙うは少年の右手】
【受け止めるのは、容易いだろう】
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/03/06(金) 21:30:42.16 ID:wRITfidQ0
>>808-809

―――なッ……!?ウソでショ……―――ッ!

【春燕は唖然とする。幾ら力があると言っても。いくら腕っ節が強いと言っても。―――あの瓦礫の塊を、持ち上げるか?】
【圧倒的の力の前に、驚きを通り越して呆れの感情さえ湧き上がってくる。どうしたらこのような力が使えるのか……】
【―――なんて、悠長に感心している場合ではない。瓦礫により生み出された風は台風をも凌ぐ猛烈な突風となり】
【華奢な体の春燕はあえなく数十メートルも先に吹き飛ばされる……】

……うァ……ッ!

【猛烈な風に蹂躙されては受け身も出来ない。地面に激しく叩き付けられる形になった春燕は思わず呻き声を上げて】
【しかし、これで倒れる訳には行かない。この横暴極まりない人物を止めねば、傷つく人は増えていく一方なのだから】
【常識外の強大な力を持つ彼には恐怖すら感じるが……諦めてしまう訳には行かない!】

【春燕は起き上がる。―――その瞬間次に目に飛び込んだのは、地雷が如く爆ぜる足跡……これは……彼の、能力か!】
【また一つ、命が消える。このままだと、もっと―――】

【見れば、他の面々も彼の能力に対峙している。しかし……どういうことだ。それぞれ全てが「全く違う能力」ではないか―――!】
【多重能力者、か?―――そうだとすれば、危ぶまれることがある。「まだ隠し持っているカードがある」という事だ】
【今見せた能力が、彼の持っているもののほんの一部に過ぎないとしたら。―――厄介どころの話ではない】
【兎に角、迂闊に近づくのは危険だ。何より地雷もあるのだから……なら、遠距離からの攻撃だ】

金符・火符・陽符―――「鉄砕弾」!これで誘爆出来れバ……!

【今度は銀色・赤色の符を重ねて発動。すると鉄で出来た野球のボール大の塊が出現―――それを、彼の足もと目掛けて投げる!】
【その鉄の塊は、地面に触れるまたは衝撃が加わると同時に弾けて爆発する。誘爆には十分か―――】
830 :ネモ・アーネスト :2015/03/06(金) 21:33:10.67 ID:0jJlP4c/0
>>809>>799>>814
【降り注ぐ光線の雨、そして危機的状況に居る熊出】

「くっ……!!」

【どんなに思考が赤くとも、少女が最優先するのは人命】
【熊出を見捨てて、ベクターを殴りに行くことは出来なかった】
【しかし自分が助けに行けば、二人で光線に晒されるだけ】
【動けなくなりかけた、その瞬間。熊出の元へ飛来する漆黒の翼】

(やることは……決まった!!)

「誰だかわからないけど、あの子をお願い!!」

【ヴァローナへ向けて少女は叫び、光線が二人の元へ届かぬよう少女は光線を"殴り" 軌道をそらしていく】
【カノッサ印の特殊金属で出来た篭手は一般の物とは比べ物にならないほど丈夫であるが、それでも数回光線を弾くだけで皹が入っていく】
【彼女が助かるまででいい、頼む、耐えてくれッ……】

【最後の一撃。とうとう少女の篭手が砕けて散る】
【生身の拳じゃ光線を弾くことはもう出来ない。だが―――】
【もう自分の仕事は済んでいた。ヴァローナが熊出を助けてくれたから】

【役目を終えた少女は光線の隙間を縫い、後退。ヴァローナが投げた発煙筒の元へ】
【あのベクターに致命傷を与えることは自分には出来ない。その代わりに―――】

「あたしは盾になる。ちょっとやそっとじゃ死なない体なの。
だから、囮役は任せてほしいの!」

【そう豪語する少女の体は酷く細く、頼りがいがあるようには見えない。】
【それでも胸に掲げたSCARLETのエンブレムは、世界の盾となると誓った心は偽者じゃない。】
【信じられないかもしれないが、少女が無理を言っているわけではないことが伝わるはずだ】
831 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/06(金) 21:42:33.87 ID:U3c2psDKO
>>811
【眼のことは解らないらしい。ならば話題は少女の正体の方へ】

「ふむ、少なくとも年齢を気にしなければ外見、内面ともに人間にみえるね」
【これが男の正直な評価。ではあるのだが、「しかし…」と続く】

「これは雰囲気とか何となくとかいう不確かな話だがね。人を、或いは人ならざる者を見続けてきた私が、"面白そうなモノ"を探してる時に君が"何となく気になった"という事実も付け加えておこう」

【はっきりとナニカの気配を感じ取った訳ではない。しかし彼女には違和感にも満たない小さなナニカを感じたのも事実であると】
【気遣いなどは一切ない。問には、そこに秘められた興味や悩みには、事実を持って誠実に答えるのがこの男である】

「しかし祖先が蛇か。混血の血は薄れはしても混ざっているものだが、その血が何か影響する事もあるかもしれないねぇ。…それが過去か未来か、あるいは訪れないかは分からんがね」
【少なくともこの男の見解では、祖先の血はなくなった訳ではないのだろうと】


//あ、最初は同じ色だった訳ではなくてオッドアイからオッドアイへの変化でしたか。理解しました!
//お手数おかけしましたですっ
832 :リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga]:2015/03/06(金) 21:46:35.99 ID:OVDsgYJbo
>>823

まあ、幼く視えるとよく言われますし―――10つ、ですか。

【若く見られる事は良い事だ。ただし子供に見られる事はまた別問題だが】
【それにしても10つも違うとは、と彼女は驚いた。年上とは思ったが、そこまでとは】

御仏……?え、と……神様、に分類される人達の事でしょうか。
私の出身では、そういう宗教は栄えてませんから……なんにせよ、興味深いです。

【東洋の神秘、というヤツなのだろう。彼女にはそういうモノと関わった事がない】
【故に彼の能力が御仏の奇跡ということに、さして驚くこともなく】

慈悲深い方とは見受けられませんもの。どちらかと言えば、荒々しい……。
昔の貴方に遭遇していたのなら、この場で”殺し合い”でも始まりましたか?

【くす、と視線を草花に注いだまま彼女は笑う。彼女もまた慈悲深い人間ではない】
【どちらかといえば男の言う”逆”に位置する。無差別に殺戮を楽しむタイプでもないが】

この時間に、こんな危ない場所に来た人間が無能力者なら、随分と平和な世の中でしょうね。
………此処で出会ったのも何かの縁でしょうか、リリルカ・メリフルアスと申します。

【彼女もまた能力者だが――その能力は自慢げに教えられるものでもない】
【人を死に至らしめる毒性。優美な見かけからは察するには困難な凶悪な力だった】

【視線を向けられ、彼女もまた視線を返した。じっと琥珀色の眼が男を見つめていた――小首を傾げ、貴方の名は、と】
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage]:2015/03/06(金) 21:50:48.89 ID:DiPHCHUjo
>>808>>809

【目の前の敵へと降りそそぐ攻撃、それらをジンジャーの―――否、"シンクロライダー『W-1』"の赤い複眼が捉える】
【弾丸も、氷も、烈風も、砲撃も、炎も、その全てに『力づく』という手段で応えて、近接攻撃には身体性能だけで全てを防ぎ、声や投擲だけで返り討ちにしていく】
【そして黄金の砲台のレーザーに、戦車の強制操作―――そして自分たちの方向には黒い狼の影が襲い掛かる!】

【一撃、二撃と肩や胸にその爪の攻撃を受け、火花が散るがひるまない―――三撃目をその右手で力任せに払いのけながら】
【その左手に黒いW-Phoneを取りながらジンジャーは、侍女―――ジャンクちゃんの焦りの混じった声を聴く】


「ダメージ軽微……い、いえ、信じられない!その全てを『パワー』だけで吹き飛ばしてしまったッ!!
その上、複数の特殊攻撃手段を確認!―――信じられない、いくらなんでも、こんなデタラメなッ!!」

ワーオ……まさに『デタラメ』と表現する他ない、こりゃ使える技は使えるだけ使える状態を保とうか!
『テュポーンΩ』!!"クラークタクト"、"ワイルドアロー"射出!

≪chainsaw-now≫
≪arrow-now≫


【コマンドと共に電子音声が発生、彼の白いバイクから警棒のような近接武器と機械の弓矢が射出】
【弓矢はまず背中に接続され、その手に近接武器を取るとそこから長柄の白い刃が金切音とともに伸びる】

【目の前の狼に向けて振るうは力任せの横薙ぎの一撃、防がれてもよけられてもいい、その攻撃は狼の隙を作るための行動なのだから】
【一度だけ狼の方を向いてつぶやく、追ってくるなら追ってこい、と―――それでも構わないと言わんばかりに彼は激走する】
【そう、本丸のベクターへと攻撃を振るうための接近をするために!】


残念だがとても"二人"では戦いきれる自信がないね……
いいだろう、少し試してみたいことがある。そうだな、まずは彼>>819と……彼>>825でためしてみるか

そこの君たち!これより援護する!臆せずデンと構えて受け取りたまえ!

≪Force-now≫

【背中のワイルドアローに持ち替え、上記のコマンドをタップし弓にセット――そしてあろうことか青い光の矢を今まさに土の刃を放とうとするライラを射抜こうとする!】
【だがこの一撃を受けてもダメージがない……変化があったのは彼の三本の土の刃!その矢を受けた瞬間にライラの魔翌力が上昇!】
【土の刃の強度、質量、重量、そして突撃速度が上がり、攻撃翌力が上がるだろう!】

≪excite-now≫

【続いてブラックに赤の光の矢を放つ!今度は彼を射抜いた瞬間に振るう刀の威力が上昇する!】
【相当の腕前、油断しているこの瞬間の一撃を上げれば少しは動揺する、それを見込んでの行動】

【この男の武装、味方に"強化呪文(バフ)”をかける事ができるのか―――それも狙いすました遠くの味方めがけて精密に!】
【当の本人は至って冷静だ、援護した味方が攻撃を決める瞬間、親指を下に向けて挑発している―――完全に仕留めたか確認していない狼を背にしながら】
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/06(金) 21:52:57.41 ID:8x4LObnv0
>>831

【人間に見える、と、言われれば彼女は少しだけ嬉しそうに笑う。だけれど、どこか陰があるのも確かで】
【素直に喜べることでもない――らしい。それは、たぶん、彼に教えていないことも、知っているからだ】
【それでも彼女は足を数度ぱたぱたさせると、「しかし、」そう続く言葉へ視線を向けて、追いかけて】

……面白くなんてないよ、わたし――おもしろいことなんて、しないもの。

【だけどそこは、多分、本心に近かった。面白いことなどない――そう思っている、きっと、ほんとうに】
【少なくとも陽だまりの中で昼寝をして夜まで寝入る、とか、そういうのは面白くないと思っているらしい】
【それなりにおかしな行為だと思うのだけど――言い訳できる理由らしい理由は、実はあって、】

日向ぼっこしてただけだし……、気付いたら寝ちゃってたみたい、……ほんとだよ?
――そうなの、わたし、ご先祖様が蛇で……、とっても綺麗な蛇なんだよ。真っ白で、きらきらしてるの。

あ――、鱗ならあるよ、ペンダントだけど。……見る?

【日向ぼっこしていたらしいのだ。冬は寒いからとか言い訳、お日様が暖かくて、眠たくなったのだ】
【ちょっと往生際悪く強調なんてするが、結局眠気に負けたのには変わりない。それから、彼女は少しだけ不思議そうに】
【「不思議な顔もしないんだ」なんてこっそり思って――ぱちくりと瞬く、だけど、不愉快ではなかった】
【それから。首から提がる鎖を引く。服の中に入り込んでしまっていたペンダントを引っ張って取り出すと、】

【彼へと見せるのだろう。薄く白濁する鱗。その白はごく僅かに青みを孕むようだが、それは定かではなく】
【なぜなら、その鱗にはオパールのような虹色の艶めきが浮くから。よく分からないのだ、白か、月白かなんて】
【しっとりと水の魔力を薄衣のようにして纏う、蛇を魅了する力のあるアクセサリだが――この時期では特に意味はない】

【見てくれるなら、「きれいでしょ」なんて、少し自慢げに、子供っぽい顔で――きっと彼女はどやめに笑うのだろう】
835 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/06(金) 22:03:02.18 ID:K8s4WvBgo
>>832

まあ、そう言うものやな……櫻の出やから。生まれは、泥の街やけど

【櫻の国の宗派で有るらしかった。確かに、この廃寺とそれを飾る蓮に似た草花は、東洋の空気を醸している】

そうやなぁ……くく、「殺し合い」になれたかは知らんけれど。
そッちの力量はまだ分からんのやし……まあ、多分、見た光景は変わっとったやろうな

【今は静寂に神聖に息衝くこの光景が、昔の彼なら違っていただろうと言う】
【元の能力がこうではなかった──と、言う訳では無いだろう。何げに相手を格下に見たような言い方が、まだ当時の名残を思わせるが】

【──男は、遠い昔を思い返すような、そんな目をした】
【回顧と言うよりは、寂寥のような。後悔、と言い切ってしまうのは、何となく男には似合わなかった】

首を括った死体が好きで好きで……いくつも吊るして、それを眺めるのが何より好きだった
所詮全ては諸行無常、死に行く事が誰の作為であろうと無かろうと、それは救いと同じやと思うとったから

【かつては、この神聖な草花が、幾つもの罪のない命を「吊るして」いた】
【当時の彼が彩った庭を相手が見たなら、きっとそんな光景だったのだろう】
【──語り過ぎた、と言うように一つ溜息をつけば、合わせた瞳を緩く細め】

……月彗(しすい)。どうぞよしなに

【彼の名、か。月明かりを受ける仮粧の面で
、薄い唇が弧を描いた】
836 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/06(金) 22:03:06.17 ID:N12NgKW1o
>>828
【右手を狙って振り下ろされた片手剣、それを弾くのは狙われた右手】
【右手に纏う鉄紺の焔が硬質化し、まるで籠手の様にそれを使って剣を防いだのだ、但し硬質化したのはほんの一瞬で防御が終わればまた焔へと戻る】

……だったら…死んでも文句言うなよ……俺は殺す気だ
俺も文句は言わねぇからよ……!

【溢れ出す殺気、抑えきれない力が暴走し、糧を欲する。その力に振り回されているのだろう】
【少年は後ろに飛び退りながら、焔を纏う右手を少女に向けると、右手に纏われた焔が少女に向かって射出される】
【射出された鉄紺の焔は火球となり、寒気を放つその焔はただの炎の様に物を燃やしたりはしない。ただ、命あるものから生命だけを奪う代物だ】
【真っ直ぐな射線はスピードもなく、回避は用意だが、もし焔が発火すればそこから生命力が奪い取られていってしまう】
837 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 22:07:49.28 ID:VwrTyjiDo
>>814
【発炎筒の煙で、残っていた国軍の軍人と、そして先ほどのケーブル大佐がヴァローナの元に集まってくるだろう。】
 『ああ、そうだ協力しよう……!! 今軍は分断されている、まず情報網を取り戻す!!』
 『その為に、ツーブロック先にある"緊急連絡用"の管制塔車両を修復させる必要がある!』
 『先ほどの衝撃波で恐らく機器が故障しているが、我々の班が向かえば迅速な修理が可能だ!』

 『そして―――修理が完了次第、即座に航空支援を此方に要請する。爆撃だ!!』
 『ヤツには弾丸による攻撃のダメージは見込めない……あ、あまりにも強大すぎる、パワーだ!』
 『だが、射撃ではなく"爆発"であれば、ダメージは稼げる、エネルギーロスも弾丸より少ない……!!』

 『そして、その連絡用車両に数人、向かわせて欲しい……我々と一緒に、援護を頼みたい!』

 「数人は此処に残って、地雷撤去の為に射撃を開始しますッ!! マック! グレネードはあるか!」
 「ドナルドを呼んで来い、マークスマンの援護が要る! MK11で地雷を根こそぎ狙撃してやれ!!」
 『そして―――ヤツの時間稼ぎの為に、地上からも爆撃を加えたい!』
 『連絡用車両の付近に、レーザー誘導式のミサイル・ランチャーが幾つかあった筈だ!』
 『あれを何発もぶち込めば、流石のヤツも対処には手間取るだろう……!!』

【説明はこうだ。戦力としてベクターの注意をひきつける物と、航空支援を要請する為に】
【連絡用車両へと進む物、その二手に分かれる、というもの。そして車両付近には武装もある、との事だった!】

>>819

【ライラの放った魔術によって―――興奮していたベクターの腹部は、一斉に"貫かれ"るッ!!】

 う、ぐ、おおおおお……ッ!!?
 なん、なんじゃこりゃぁぁ!? てめ、なん、なんっだこれ、ああああああ、邪魔!

【しかし、止まったのは一瞬。彼は身体に土の刃を突き刺さした"まま"―――】
【なんと、身体を捻って刃を圧し折り、そして貫かれた状態のまま、近接戦闘に移行したッ!!】

【だがしかし、ここでッ!!】
>>813
【飛来した針の弾丸達が、ベクターの肉体を貫通していく。そして、その視界情報が一瞬だが、"シャット・アウト"され―――!!】
>>817
【反応が遅れたのだろう、フレデリックの拳が見事に、"ベクター"の胴体を、真っ直ぐ、撃ち抜くッ!!】
【強烈なダメージが四散し、ベクターの上半身は大量の出血を―――した、のだが。】

 ―――ゴキュ、ゴキュ、、、ゴキュゴキュキィ、ゴキュクキュッ

【圧し折れた骨が。潰れた内臓が。破裂した血管が―――瞬時に。瞬時に、再生していくッ!!】

 ……にっひひひひ。ふ、ふふ、はははははははははッ!

 アレだよ……ほら、どんなバカでも知ってるだろ?

 ターミネーター2……って映画さ……アレ。初めてみた時よォ……驚いただろぉ?

 あの無敵感溢れる、液体金属のふわぁ〜っとした再生能力。一瞬で、弾痕がふさがってくヤツ。

 ――――――――――――――絶望感、ハンパねーだろ?

【手にした鉄パイプに、自身の"血"を付着させると―――】
【鉄パイプが、あろうことか"剣"へと変形していく―――それは、地球上でもっとも硬い性質を持った"物質"と  " 進 化 " し】

 ウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥオラァァァァァァァァ!!!

【振り、翳す。凄まじい勢いで、ただ、剣を、振るう。それだけで―――疾風が巻き起こり、轟音と衝撃波が、放たれた。】
【この、不可思議なまでの力と戦闘能力―――これは、ある"一族"と一致する物がある……だが。】
【アレは確かに―――絶滅したのだ、と。そう、現代の文書には記されている筈―――ッ!!】

>>818>>826>>829
【此方へと飛来してきた氷の鎖を、先ほど生成した"鉄パイプ剣"によって、いとも容易く両断するッ!!】
【だがしかし、ここで犬神と、そしてりえる、春燕の攻撃が次々に地雷を破砕していく……!!】
【これは、後に近接戦闘を挑む者達にとって、明らかな援護となった!!】
838 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 22:08:14.56 ID:VwrTyjiDo

>>820
【熊出の鉄槌が、確かに砲台の一つを、粉々に破壊する―――そう。】
【数こそ多く、また破壊力も高いけれど、砲台自体の耐久力は、そこまで高くも無い!】
【だが、これにより砲台が一斉に熊出を狙う事になるがここで―――>>814の、ヴァローナの救助が入るだろう!!】


>>833
【オオカミは確かに、誘導される。意識を完全にジンジャーへと移し、執拗に攻撃をしようと仕掛けるだろう!!】
【そして―――そこに!!】
>>821
【グオオオオオオオオオオオッ!! 光が直接、ダメージとなってオオカミの身体を吹き飛ばす。】
【どうやらまさに、それこそが弱点であったようで―――余りに強烈な破壊力に、オオカミは一瞬、影を潜める。】
【だが、その代わり今度はなんと、"実体化"せずに影に戻って―――地面を縫うように、泳いで小山へと接近していく!!】
【この状態で、オオカミは幾ら攻撃を浴びせてもビクともしない。そして小山に接近し、顎の部分のみを実体化させ、喰らいつこうとする!】

>>822>>824
【切り伏せられた砲弾が爆風を生み出し、その煙に視界が遮られ―――】
【ベクターは確かに、山城の接近を赦す。だが―――その瞬間、だったッ!!】

 ―――ェェェェェェヤァァァァァァァァァッ!!

【まるで、その襲撃を予め"予知"していたかの、ように―――ベクターは猛速で反応ッ!!】
【無慈悲にも生み出した剣をもって、山城の懇親の一撃を、受け止めてしまうだろう!!】
【そして、そのままあり得ないほどの怪力で、ぶつかりあった剣を振り切りッ!!】

 おまえのそれ、真似してやるよッ!!

【こちらも、なんと至近距離で―――見よう見まねで、剣から飛ぶ斬撃を―――ゼロ距離で、撃ち、放った……!!】

>>825
【真っ二つに裂かれた戦闘車両、そして次なる攻撃が、更なる飛躍を持ってベクターに踊りかかった!】
【流石に老練、優れた一撃がベクターを、確かに―――今度こそ、切り裂いたッ!!】
【強烈な切れ味が袈裟懸けにベクターを襲い、その威力にさしもの男も、たじろぐ……ッ!!】

 う、ご――――ォォォォォ!!
 チッ……なんつう、切れ味だ。再生がおっつかねぇ……!!

>>827

【―――そして、そこに凄まじいまでのカズネの攻撃が、加わり。】

839 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 22:09:09.95 ID:VwrTyjiDo
>>ALL
  『いいか!! ぐっ……私だ、ケーブルだ!! 諸君、効いてくれ!!』
  『あ、あの化け物は異常だ!! 単純な火力では倒せない!!』
  『航空支援を要請する、その為にここから3ブロックはなれた連絡用車両に急がねばならない!!』
  『だから、幾人かには私とその車両で連絡を取るための、援護、を…・・・!?』

【ベクターの上半身は、あまりの火力に吹き飛び。そして、残っていたのは下半身だけだった。】
【――――災いは去った。平和が戻ったのだ。終わり。】

  【なんて】

    【ことには】

      【―――なる筈も、なく。】
【ぐちゃり。ぐちゃ、ぐちゃ。―――信じられない事だが、下半身のみとなった彼の肉体が――――】

  おいおい、なんだよ。やりゃあ、できるじゃねえか。そういう強烈なの、待ってたんだよ。

【―――――――再生、してしまった。ベクターは、大声で笑った。そして、高らかに宣言するッ!!】

  アッハハハハハハハハハハハアハハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!
  俺様がどうしてこんなに強いのか……多少なりとも知識があるヤツなら、わかるんじゃぁねぇか?
  その昔―――吸血鬼の真祖と、狼男のライカン族が交わりあう事によって生まれた、突然変異の"最強種"。


   その名を―――――――――――――"クリムゾン"。

   確かに、数年前に完全に絶滅した、ってのが定説だが……ふふっ、ふっ、ふははははは!!

   蘇っちまったよ! まあ、つっても"人工的に"無理やり、生み出した、って感じだけどな!!アっはははははは!

   そう―――俺はかつて、"勝利王"や"断罪王"といった、神と呼ばれる種族と対等に渡り合った伝説の化け物の、再来だ。

    クリムゾン―――その最大の能力は"血液"にこそ、存在するッ!!
   進化した究極の生命は、その血液を無機物に添加するだけでッ!!
   強制的に無機物を、―――そう、なんでも進化させる事が出来るッ!!


  例えば、この剣がそうだ。さっきまでは鉄パイプ、だが今はもうそうじゃあねえ。
  俺様の血を浴びた事でコイツは"世界でもっとも硬くもっとも進化した最強の硬度と切れ味を持つパイプ"に進化したッ!!

  そして―――例えば、こんなことも可能だ。ここに、さっき死んだ兵士の銃が落っこちてるだろ?
  これに血を浴びせると―――は。っはははははは。ははハハハハハハハアッはあははははははははっはあは!!


【血液が―――全てを、強制進化させていく。クリムゾン、伝説に名を刻む呪われた生命の一族ッ!!】
【確かに過去、絶滅した筈のそれが蘇り―――今、奪った銃器に血液を与え、そして―――進化させるとッ!!】


  電磁式加速銃<レール・ガン>だッ!!

【>>ALL全員へむけて、一斉に放たれるのは―――電磁力によってあり得ない速度まで加速された、超大口径の、弾丸!!】
【その発射速度は光にこそ遅れをとろうが、現代の戦車の主砲を凌駕するほどの破壊力を一発一発が保持し】
【尚且つ、超スピードで連射され―――球切れになるまで、一斉に全員へ目掛け発射される―――ッ!!】


 『伏せろッ!!狙いは正確ではない、隠れるんだ!!伏せろーーっ!!!』


【ケーブル大佐が破壊された車両の中へと逃げ込む。そして、強力すぎる砲弾による連射攻撃が、雨霰のように降りそそいだ!!】


 『くっ……信じられん、だが、だが最後のヘリが―――まだ……ッ!!どうにか、それまで……ッ!!』

【最後の避難船が発射するまで、あと数十分―――ここにいる全員が、協力しなければなし得ないミッション!】
【それは、この男を完全に倒す事、ではなく―――逃げ遅れた人間たちを、収容するまで耐え切ること、だった!!】
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2015/03/06(金) 22:21:20.83 ID:MB1ntx0MO
散々やめるやめると言っておきながらまた戻ってきたのか(困惑)
841 :リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga]:2015/03/06(金) 22:22:19.59 ID:OVDsgYJbo
>>835

………ふぅん。
力量をお見せするのは、機会があれば―――ですね。

【格下に見られた事を感じ取ってか、やや語調を強めてしまう】
【とはいえ此処で開戦という訳にもいかないだろう。何よりも、彼にその気はない】

【人を見る目には自信がある。過去何人もの顔色を伺い立てたし、何人も騙してきた彼女だから】
【故に、彼が見せた寂寥感を察知した時――何処か、彼女は羨望の眼差しを向けていた】

死が救い……とは、傲慢でしたのね。
人の末路を決めるのは、他人である貴方ではないのに―――……こほん、まあ、構いませんけど。

【咳払いをして、咎める様な発言を食い止めた。彼は咎人であり、それに悔いているのか、嘆いているのか】
【なんにせよ人の生き方を決めるのは本人に他ならないと彼女は考えている】
【だがそれを口に出して、今更咎めるのはお門違いと感じでいた。何よりも、彼女もまたそれに反しているのだから】

今は違うのなら、良いことです―――本当に、素晴らしいことで。

【誰かを殺す時は、自分の利益になる時だけだ。殺害が相手にとっての救済とは―――静かに、彼女は含み笑う】
【変われたのなら、良いじゃないか。私のような、いつまでも、変わらされたままの”私”とは全然違うのだから】

月彗さん……変わったお名前、ですね。

【確りと記憶するように、言葉に出して確かめた。これから先、どういった縁があるかは分からないが……】
842 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/06(金) 22:22:20.73 ID:2vHj9UjYo
>>836
いいでしょう、私が勝ったらあなたの血でももらいうけましょうか!

【受け止められたのは予定調和とばかりに落ち着いて構え直しつつ、威勢よくいい放つ】
【彼女のそれは少年のそれとは違い、あきらかにこの戦闘を楽しんでいる】
【その身に流れる吸血鬼の血が、闘争を求め彼女を駆り立てるのだ】
【剣の腹で火球を反らしつつ距離をとった少年に追いすがり、さらに斬りかかっていく】
【次の狙いは少年の肩をめがけて上段斬り、今度は確実に攻めに来ているようだ】
843 :(山形県) ◆Heckemet8M [sage]:2015/03/06(金) 22:24:44.92 ID:gRjFG0vqo
>>837-839

「――俺はよォ〜、この世界の事もあんたが言うそのソレ(クリムゾン)も知らねェー」
「だけどわかるぜェ、あんたはケッコー強いから本気出せってことだろォ〜?」

「隠れるなんてめんどくせェ……真正面から全力で、――ゥ受け止めてやるぜェーッ!」 「アウ、リフレクト・シールドだァッ!」
『今のあなたの魔翌力ならもう一枚できます、ガーディアン・シールドも同時に展開しますよ……!』

【ヘケメトが己の右眼に手を伸ばし――なんと、それを取り外す!】 【取り外した眼はズボンのポケットにしまって】
【眼があったところから漏れだす多量の魔翌力……どうやら、この眼は一種の"栓"のようなものだったらしい】

【そして、背中から4つの光の手足が伸び……そこから目の前に展開される魔翌力の盾!】
【多量の魔翌力を注ぎこむことで通常を遥かに凌ぐ"反射性能"を得ている】
【更に、彼らを中心にして半径およそ10mのドーム状に広がる魔翌力は、味方(≒相手以外)砲弾の勢いを少し落とすだろう】

【ぐぐぐ、と弾丸と反射の盾がせめぎ合う】 【そして、幾つかの弾丸を跳ね返し、それは相手の方へ(幾らか弱まっているかもしれないが)飛ぶ】
【――その内砂煙が上がって、ガラスの割れるような音がしたかと思えば弾丸の反射も止んで】
【煙が晴れれば、そこには両腕のぶっ飛んだ男が一人、立っているだろう】

【(もしかすれば、他のモノに本来当たるはずだった弾丸を彼らが反射及び減衰をしてくれているかもしれない)】
844 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/06(金) 22:35:21.92 ID:O5KZUTo0o
>>837-839


クッ……ふ、フフッ…!馬鹿を言え、血が出るのなら貴様は生き物だ…!
永久に死なない生き物などこの世に存在しない…――些か厄介なのは、認めるがな…ッ!!


【相手の肉体を確かに義手が打ち抜いた。本来なら其処で全ては終わりなのだ】
【内蔵どころか骨や血管、筋繊維に至るまで全てを破壊したのだから】

【――しかし、相手は楽しそうに会話を続ける。思わず額を冷や汗が伝い落ちる】
【だが、一つの変化にも気付いた。鉄パイプが鉄へ変化したように、自身の右腕】
【つまり、鋼鉄の義手にも変化があることに。その硬度、そして"感覚"――ニヤリ、と小さく笑んで】

【直後に降り来る砲撃の嵐。レールガンという、直撃がそのまま死につながる砲弾の雨】
【それを、フレデリックは逃げずにその場で受け止め続けるのであった】


ほう……確かに厄介だが、便利な血液じゃあないか。
この時ほど、この腕が義手であったことに感謝したことは無い……良い、硬度だ。


【無論――受けたのは右腕で。見ればその義手は、すっかりと外見を変えており】
【一言で言うなら盾≠フよう。レールガンの弾丸は、全てその防盾にめり込んではいたが】
【その一発たりとも貫通を許してはおらず、流石に衝撃の大きさからすぐには動けない物の】
【問題はない≠フだ――なぜなら、フレデリックは既に詠唱≠終えていたのだから】


【――レールガンの射出が終わるちょうどそのタイミングで、ベクターの周囲の空間から複数の白い鎖≠ェ出現し】
【そしてそのまま、ベクターに絡み付こうとするだろう。ただの鎖と思って破壊を試みるなら、不正解】


ふン……この近距離だ、魔術の恐ろしさというのを味わってもらうにはちょうど良い。
どんな具合だ。魔力で構成された拘束専用の鎖というものは?
ただぶち壊すだけでは足りん……術者≠殺さねば、中々な…――?


【そう、その鎖は魔術によるもの。破壊を試みても、物理的な衝撃では揺れるばかりで】
【その分、フレデリックの額に浮かぶ汗が増えるのに気付ければ、対策もそう難しくないだろう】
【――とはいえ、人外の膂力を抑えるには限界がある。放っておいても、3分持てば良いような物だった】
845 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 22:36:04.45 ID:VwrTyjiDo
/わぁぁぁぁぁあごめんなさいネモさんの方すいません!!安価抜けてました!
えっと、一応レスとしてはケーブルさんから是非囮を頼む、ってことで>>ALLの方に反応していただけると幸いです!!
846 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/06(金) 22:36:56.56 ID:U3c2psDKO
>>834

「ふむ、勘違いしてるようだが。キミに興味を持ったのはキミに人とは違う気配…と言うには希薄ではあるが…そういう空気のようなものを感じたからだと言っているのだよ」
【そう、ただ夜まで寝入ってるだけであれば声もかけなかったかもしれない】
【少女に感じた違和感とも言えないような空気(それが少女の祖先のモノなのか、はたまた男の気のせいなのかは分からないが)があってはじめて声をかけたのだ】

「そしてキミという存在は、私を存分に楽しませてくれているがね?」
【そう、楽しいのだ。蛇を祖先に持つと言う少女、そんな未知に触れるのが、好奇心を満たすという行為が、この上なく楽しいのである】

【そしてペンダントを見せられると「なるほど確かに綺麗ではあるな」なんて言いつつも】
「それ以上に私としては解明してみたい素材でもあるがね」
【などと、ここでも好奇心を優先するのであった】
847 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/03/06(金) 22:37:22.70 ID:F+cnWzP20
>>814 >>837-839

【無謀にもベクターのごく近くまで踏み込み、砲台一門の破壊と引き換えに絶体絶命の窮地に陥った等比。そして全砲門が彼女の方を向いた。】

(あ、ヤバいこれ、死んだ、かも…?)


【しかし次の瞬間彼女が見たのは走馬灯では無く―風のように駆ける黒鷲!】
【一斉砲撃の起きる寸前、彼女は無意識に差し出された手を掴んでいた。そしてそのまま、名も知らぬ女性―ヴァローナに等比は救出されたのである。】

あ、あの…あ、ありがとうございますっ!!私、勝手に突っ走ってしまって、それで…、本当に、申し訳ありません…

【しかし今はその浅慮を落ち着いて反省している暇すら無い。続けようとした懺悔の言葉を飲み込み、等比はヴァローナに向け言った。】

…あのっ!

私は、今あの男…ベクターに立ち向かえる程の力は持っていません。ほんの少しの戦いではっきりとわかりました…。

それで、…名も知らぬ軍人さん!私にできることがあれば何でも言ってください!

【自身は力不足だと、そう冷静に判断し彼女は言った。共に戦う―力になりたいと。】

848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/06(金) 22:38:33.08 ID:dxhea1ys0
>>837-839

【拘束を目的とした物とは言え、決して手加減はしていなかった____筈なのに】

【霧雨を払うように切り裂かれる氷の鎖】

「最強……種………?」

【やはりと言うか、なんと言うか、普通の人間では無いとは思ったがそれでも逸脱しすぎている】

【しかもこの黒人はこれ程の動きと能力を乱用して乱発していると言うのに疲労の色さえ感じられない】

【そして迫り来る弾幕】

「っっっっっっ!!!」

【素早く自分が叩きつけられていた瓦礫の山にその小柄な体を潜り込ませその上から亀の甲羅の様な氷を被せて増強を図る】

【相手は自分のその比類無き強さはその血に由来する物だと言った】

【勿論、自己申告のため信用にたる物では無いが嘘をつくタイプには見えない、それなら………】

「僕の能力で…」

「僕の『血塗れかき氷』〜ブラッティアイスエイジ〜で凍らせれば……」

【さっきもヘラヘラしてはいたが氷について文句を言うような素振りをみせていた、ならば!】

「玉砕覚悟の自殺行為!」

「それが狂戦士(ぼく)の生きる修羅道(みち)!」

【戟を両手で握り、構える】

【かつての藍色と紫色の戦いで見せた技】

【オーバーヒートする筋肉を冷却し続ける事により実現する駆動】

【常に筋肉がオーバーヒートする程動かなければ自らが凍り付くマイナス300度の超低温】

ビキビキビキビキビキビキビキビキ

【黒人(えもの)迄に至る道はスケートリンクのように凍り付き】

【少年が身を潜めていた氷塊と瓦礫が弾け飛ぶ!】

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!」

【狂気の雄叫びと共に負荷によって全身から噴き出す鮮血が凍り付き、あたかも不紅の吹雪を纏った闘争心だけの一匹の獣の如く】

【自分の命を軽々しく危険に曝し『全力で相手に突っ込む』という暴挙を選択する】

【これで少なくとも他の戦士達よりこの紫の長髪の少年へと注意が向けば、裏を返せば他の戦士達への警戒を一瞬だけでも削げれば恩の字である】
849 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/06(金) 22:41:10.36 ID:K8s4WvBgo
>>841

ふゥん……なら、その機会とやらを、楽しみに待っとくわ

【どこか、愉しげだった。今は争いから離れて久しいし、それに眼前の相手には何か秘めたるモノを感じ取ったから】
【そんな機会が来るなら、と面白そうに言うのは、恐らくそんな時がくる事は無いだろうと理解している故だった】
【──もう、意味の無い殺戮に手を染めはしない。そう、かつて誓った相手がいたのだから】

……あッちにとっては、死が救いだったから。それを、相手にも押し付けたんやろうな
生まれてこなければ良かった、生き長らえる意味など無かった、そう……思い続けていたから

──……はぁ、辛気臭いわ。もう寝てまおうか

【率直に称賛されたことが慣れなかったのか、ついと視線を外せば、月彗は軽い欠伸を零す】
【自分の話ばかり長々としてしまったように思う。これ以上は出ないぞ、というように、名への感想にも軽く鼻を鳴らすだけだった】

そういや……先刻から、やたら人のことを褒めて来よるけれど。
そういうそッちは……、何か誇れる事は、有るんか
誇れる、まで行かずとも──自分の芯とか、そう言うのは。

【今度は此方が振る番、とでも言うように、月彗はリリルカへとそう問い掛ける】
【どこか、先程から彼女には、羨望のようなモノを向けられているように感じたからだった】
850 :山城桃子 [sage]:2015/03/06(金) 22:42:02.57 ID:Y9WHhMYno
>>837-839

【当たれば僥倖、少しでも傷がつければ上等、致命傷を与えられたのなら奇跡――――そんな考えすら、甘かった】
【素手で地震を起こせる身体能力、それが腕力に留まらず全身体能力が相応に高かったとしたら】
【彼女の攻撃など見抜くのは容易、速度特化でない少女の動きなどそれこそ止まって見えたことだろう】
【油断、ではない。単純に相手が彼女の予想を遥かに上回り過ぎて、一切の予測が砕かれ意味を無くしているというだけのこと】
【彼女の動体視力ですら捉えきれない速度、思考の片隅に終焉を視る――――だが、まだ終わらない】

「――――ッ!!」

【其れは意識的などでは決してなかった。物心ついてから十数年、ただひたすらに鍛錬を積み続けて来た結果無意識に刻まれた技術】
【常に死と隣り合わせで生きていきた。だからこそ彼女は死の匂いに敏感であり――――圧倒的な力、死を撒き散らす存在である男の動きに合わせるように無意識に行動を取っていた】
【ただ相手の斬撃に合わせて後ろに跳躍しながら、刀を強引に振るう。ただ単に防御すれば刀が折られる、故に剣気で鋭さを強化した刃で相殺しようとしたのだが】
【相手と自分では元々の下地が違う。自分の比にならない威力を相殺出来るワケもなく、殺しきれなかった衝撃と斬撃が少女の身体へと降りかかった】
【身体が後方数十メートル程吹き飛ばされ、左腕に深い刀傷が刻まれる。血が滴り、斬られた部分が酷く熱い】
【最強種だのなんだのと男が言っているが、其れすらも頭を通り抜けて行ってしまう程度には、彼女は消耗していた】

「っ…………」

【痛みを噛み殺そうとするも、既にダメージの許容量は限界に近い。気を抜けば意識が飛びかねないし、集中力が持続しているのが奇跡と言ってもいいぐらいだ】
【だが逃げるなど有り得ない。アレを止めなければもっと恐ろしいことになる――――無理矢理、身体を起こす】
【かなり吹き飛ばされたが――――――――逆に言えば、男とかなり距離を取ることが出来た】
【離れた所の会話は耳に挟んでいた。ふた手に別れ、囮と航空支援要請の為に軍人たちを援護する組に別れる】
【囮になるには少女は脆すぎる上に、火力が高い訳でもない。その上此の傷だ――――ならば必然、彼女は軍人たちが連絡用車両に向かうための援護に回ることになる】

【幸いまだ立ち上がっていなかったため咄嗟に身体を伏せて、なんとかレールガンをやり過ごす】
【近くを通り過ぎただけでも衝撃が身体を襲ったが、今までのダメージの総量に比べればまだ傷としては小さなものといえるだろう】
【少女は刀を杖代わりにして立ち上がり、連絡用車両に向かう者たちを援護すべく身体を引きずるようにかけ始めた】
【数十秒後には彼らに追い付くことが出来るだろう。幸いにして彼女には遠距離攻撃もあり、最悪身体を盾にすることぐらいは出来る筈だ】
851 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/06(金) 22:44:28.59 ID:N12NgKW1o
>>842
多分……マズイぞ

【真顔でこんな事を言える程度には落ち着いた───いや、もう抑えようともしなくなったようだ】
【きっと少女が逃げていれば、追いかけたか他の誰かを襲っていた、だとすれば少女が戦う気である事が吉兆であったと言えよう】
【殺害衝動を真っ向から受けてくれる少女の自信を信じ、片をつけて貰うのを願う事にした】

……ッ!

【大きく後ろに飛び退ろうとしたせいで、更に下がるまでに隙が出来る、そこに少女の剣が襲う】
【突き出した右肩を薙いだ剣は、少年の肩から黒味がかった鮮血を弾けさせ、少年の表情は僅かに歪む】
【しかし、すぐさま着地した脚で地面を蹴り、攻撃を終えた少女に接近、振り上げた左手には鉄紺の焔を纏う】

ぶった斬れろッ!!

【八つ当たりな憎しみの篭った叫びと共に、左手に纏う焔が鋭い爪を持つ龍の手の形に変化し硬質化、それを振り下ろして少女の体を切り裂こうとする】
【人の手より一回り大きなその爪は、簡単に人の肉を抉り取ってしまう鋭さがあるが硬度自体は大して無い、ガラス程度の硬さだ】
852 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage saga]:2015/03/06(金) 22:46:08.59 ID:2DOKS7C5O

>>839

うわぁ……これは酷いよぉ!

【咄嗟に伏せて、とにかくレールガンをやり過ごす】
【そして、考える】
【見た出来事、聞いた話、そして戦場の様子】
【その結果】

りえるは…このままサポートに徹するわね

【彼女は、この場に止まる事を選んだ】
【と、同時に『脳内の何人かが』あれやこれやと騒ぎだす】
【強大な能力、殺しきれない可能性】
【そして、断片的な情報を合わせて】

まだ……まだ……

【今はただじっと伏せる】
【じっと伏せて、弾切れまで待つ】
【その間も、『一撃』のための仕込みをあちこちに続ける】
【特に……男の背後、ひっくり返った戦車を色濃い黄色へと変えながら】

――――そして。

…キタ、キタキタキタァ!

【あの怪物が、鎖が巻き付く(>>844)】
【その瞬間、今の今まで染め上げた戦車に対して銃弾を叩き込む】
【そうして、衝撃で起爆した『戦車爆弾』は】
【まさしく『雷を束ねた槍』となり、敵を内側から焼き焦がすべく放たれるだろう】
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/06(金) 22:47:14.31 ID:8x4LObnv0
>>846

【ぱちりと丸い瞳が瞬く、そんなことを言われたなら、彼女は、ほんの数秒ほど、自分の手へと視線を落とし】
【「そうかな」なんて小さく呟く。曖昧に無意味に首をかしげて。あくまで人間であるのを望むみたいに、呟くのだ】
【「そんなことないよ」と。だけど――少しだけ悲しげな目は、そうじゃないことを、きっとよく知っていて、】

そう――? ……、あ、じゃあ、わたしも、何か飲み物買ってこようかな……。
あんまり変なことじゃなければ教えてあげてもいいよ、どうしてもっていうなら――うんと、特別。

ご先祖様が蛇だって言っても、変な顔しなかったから。……でも、あんまり、面白いのは、ないと……思うけど……。

【それでも。蛇の血のこととか、否定されないのは彼女にとっては気分のいいことなのだ。見れば口元は笑んで】
【あんまりに言いたくないことは黙るけど、との前置きつきでそんな提案をする。もちろん、頷くのは彼次第だが】
【何か聞きたいことでもあるなら――世間話レベルで話せることなら、教えてくれる、つもりなのだろう】
【自分にとってはこれが普通だから。よく分かんないという風に彼女は視線を伏せて――数秒、「まあいいや」と呟き】

【――もしそういうことになるなら、彼女はちょっと待ってて、なんていい残し】
【近くの自動販売機のほうまで歩いていって、暖かいミルクティーでも、買ってくるのだろうけど】

だめ、あげない――、作ってもらったの、特別なんだよ? 蛇と仲良くできる魔術を書いてもらったの。
ただの鱗なら取っといてあるのがお家にあるけど……、今持ってないや。

【桜をモチーフにしたペンダント。だめなんて言って、彼女は元通り服の中に落としてしまう】
【蛇の血を引いていたとしても蛇を操る術は持たなかった、それを、魔術的に可能にしてもらった、アクセサリ】
【――自慢するだけ自慢して、おわり。少し、子供っぽいのかもしれない】
854 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sagesaga]:2015/03/06(金) 22:49:24.44 ID:UOslVAC4o
>>833>>837-839


「―――……は? ……うお、ッ……何だ、これ……!」


【突如掛けられた大声に一瞬だけ首をまるで日曜朝にやっているヒーローのような風貌の彼に向けるが、ちょうどその時青い光の矢がライラを刺し貫く】
【しかしライラに与えられるのはダメージではなく、魔力! 今まさに出そうとしていた「Earth Slashing」の威力が底上げされる】
【その土の刃がベクターの身体に刺さったのを確認し、もう一度チラリとヒーローの彼を見て「誰だかしらねーけどアリガトなっ!!」と大声を張り上げ】
【再びベクターへと向き直るのだった】


「……オイオイ、嘘だろ……ッ!?」


【……そして向き直った時には既にベクターは刃をへし折って行動を開始しており、有ろうことか刃をその身に生やしたまま戦闘をし―――】
【その過程で追った傷を全て――――――再生していた】
【驚愕を通り越し、呆れとこの場に似合わない笑みを唇から零していた。尤も、その笑みも一瞬で消え去ることになるのだが】

【何せ、上半身が消え去った状態から回復しているのだから】


「クリムゾン、だって……?

 なんだか知らねーが、伝説の化け物かよ……。また面倒な奴を、相手取ったみてーだな、オイ……」


【ライラはその名に聞き覚えがなかったが、今こうしてみているのは紛れも無く彼の言う「血液で無機物を強制的に進化させる」能力だ】
【歯噛みしている暇もない。放たれるのは音速を遥かに超えた銃撃。直撃すれば、今度こそ命は無い。ライラは手に持った刃を振り上げ、そして振り下ろした】
【白い「無」の魔力を込めた一撃で地面を大きく抉れ、レールガンが放たれる直前にその穴へと飛び込む。直後、上で聞こえる爆音】


「……つまり、誰か囮になれってことだろッ!!! 良いぜ、俺が攻撃し続けて囮になってやる!!
 攻撃は最大の防御っていうしなッ!!!


 F  2  S  1  /  !  !  !   F l a m e   S l a s h  B o m b e r ! ! ! 」 


【何とかレールガンを凌いだライラだが休む間もない。ケーブルの声を聞きながらそれに大声で反応しつつ、減光するブレスレット】
【眼前に現れた赤と緑の魔法陣を刃で一刀両断すれば、現れるのはバレーボールより一回り大きい赤と緑の球体】
【山なりにベクターへと飛んで行くソレが彼に当たるか、もしくはベクターの近くで壊されれば爆弾のごとく発破し】
【風により指向性を持ったナイフほどの炎の刃がベクターめがけ大量に吹き出す! 喰らえばやけどと切り傷をいっぺんに負うだろう】
855 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/03/06(金) 22:51:53.64 ID:Idpk6jG9o
>>837

ケツに火ぃついてやっとマトモになったか”大佐殿”。一発で吹き飛ぶような指揮系統なんて御立派だな

飽和攻撃でヤツを遅滞させろ。分隊ごとに横に散開し、3重に線を築け。おい!地図を持ってこい!
…とにかく、支援が到着し非戦闘員の撤退が完了するまでは数を稼ぐしか無い。穴だらけの防衛線だが
気合で埋めろ。伝令兵!さっさと走れ!!…よし、私は指揮車の方は私が預かる。

【彼女は地図にペンで戦略を示し、相手を包囲する半円の線。さながら石畳で出来た古代の劇場のようであった】
【上下関係なんて知ったことかと言わんばかりに彼女は指示を飛ばした。経験だけはここの誰よりもある自身がある】

>>847

私は出来る事をした。だから、君も出来る事をしろ。
走れるなら、共に来い。…全く、戦場は男ばかりで息が詰まりそうだ

【そう言って、彼女は少し笑った。相手と、自分を安心させるための作り笑いだ。それでも】
【無意味ではない。意味は、価値は、後から我々で作るものだ】


>>830

……ああ、頼んだ。私は3ブロック、走り抜ける。

【一言だけ。その短い一言には強い信頼が込められている。絶対的な信頼。】
【戦場で出会う名も知らぬ一時の戦友は長年の親友よりも信頼できることを彼女は知っている】

【ベクターが何を言おうと、笑おうと、ほざこうと彼女は一切の反応を示さない。勝手にしろ、殺してやるから好きなだけ】
【アホ面晒してやがれと。いう暇も勿体無いので、「ファック」と一言。戦場の砂埃が彼女に吹き荒ぶ】

【猛烈な砲撃に彼女は廃墟に飛び込み、大鷲の片翼で身体を包んで防御する。砲弾は直撃しなかったまでも】
【廃墟は崩れ、コンクリの雪崩が彼女の真上に崩れ落ちる。ガラガラと埋まった中で、砲撃。一発で全てを吹き飛ばした】

さあ、走るぞ野郎ども。爆撃ついでにピザでも頼もうじゃないか。死んでも走れよ。此処より地獄は無いんだからな

【突撃砲の弾倉を変え、両手で銃を抱えると翼を気高く振り上げて彼女は駆け出した】
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/06(金) 22:56:33.00 ID:L7buWxIuo
>>839

――――――――焼却……お陰で炉心が焼け付いちゃったわ……

【焔の後に残るのは魔翌力の残り香だ】
【燻るような香りは燃え残った魔翌力が残す穢れの香り、しかしそれも……】
【過去より蘇った魔物の叫びに掻き消される】

ちぃ……ごった煮なのはその身体が原因ってコトね!どこのマッドサイエンティストだか知らないけど
眠った者を目覚めさせて、ここまでして何がしたいのか――――――

【凡そ稼働可能ではない爪へ魔翌力を通し無理矢理に動かす】
【軋む音は即ち魔女自身のダメージを示す、歯車が掛け無意味にから廻る感覚】
【されどより強く回ったならば風の1つくらいは巻き起こせる、人の姿でありながら人でないのはその精神が人を越えているから】
【だからこそ魔女はそれ故に魔女と呼ばれる】

【されど魔物とてそれ故に魔物と呼ばれる物であった】

血液がアンタの力なら!流れる魔翌力こそがアタシの力、強く強く流れるならばそれだけ纏う力は大きくなる!
滅びたなら静かに眠っていなさい、アンタはこの時代には不似合いなのよ―――――――!

頭上展開、長距離砲撃は厳しいけど……!せめて盾程度にはっ!!

【痛みに悲鳴を上げる爪を身体を推して魔女は立つ】
【宿すのが焔ならば瞳は赤く燃え上がる、地上から上空へと逆さの流れ星のように煌めく5つの光】
【最早装甲さえも零れ、欠けた爪を散開させ五芒に配置し展開する、装甲による防御は見込め無いが魔翌力としての盾ならば】
【魔翌力のオーバーロードによる衝撃ならば―――――――】

【されどそれは魔女の力を弱める事に他ならない】

【瞬間、上がった星は敵の砲撃に合わせて爆ぜ膨大な魔翌力を放つ】
【魔翌力とそれによる熱量からの防御式、勿論この場で思いついた必死の一手】
【全てはこの人災より人々を逃がす為、また立ち上がろうとする人々の明日の為】

(…………時間が出来たら、ちゃんと直してあげるからね)

【その言葉は魔女の心の内にのみ響く】
【言葉に応えは無い、ただそっと解ける感覚は爪の稼働停止を意味する】
【5つの星が墜ちて残るのは今や1つと1つ】

【だが、星は潰える時こそ宿した熱量を解き放つ物】
【堕ちた爪の残り火を集め、灯る炎を加えながら地上を駆ける流星が在った】

(遠距離は無理!防御ももう無理!だけどまだアタシはここに居る、居るなら――――――――)
居るならっ!生きているならまだ出来る事がある!足掻いて数秒稼ぐ事で誰かが明日に歴史を刻めるなら……ッ!!

【悶狂う魔翌力の流れに血管がはち切れ皮膚が焼き切れ血を焦がす】
【だが痛みで歩みを止めてしまうようならば魔女はとうの昔に潰えている】

【爪と右腕を繋ぐ、半壊し引き裂かれつつある爪を魔翌力で強制的に抑えこむ】
【裂けた爪の奥に携えるのは圧縮された赤い魔翌力、姿はさながら炎を携える竜種の顎のよう】
【一歩一歩の為に装甲を剥離させながらも、死に近づきながらも赤は迫る】

(倒せるかどうかさえ分からない怪物、けど……一秒でもいいのっ!アタシも頑張るからお願い、耐えて!)

【短射程の砲撃、砲撃を得意とする魔女にとってその攻撃手段は悪手も悪手】
【それでも彼女の魂が燃え尽きる事など無い、死ぬ事よりも意志を通さず斃れる方がずっと痛い】
【矢継ぎ早の仲間の攻撃の間に添えて、駆ける魔女は右腕の大顎を怪物へと卑近させトリガーに指を添え引く】

【残り火による焦げ付いた咆哮、先程の長距離攻撃とは劣るが今稼ぐべきは一瞬】
【荒野に吹きすさぶ熱風の如き接触砲弾は、その魔女の全ては明日に生きる誰かの為に】
857 :リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga]:2015/03/06(金) 23:01:35.22 ID:OVDsgYJbo
>>849

【機会があれば――簡単に、機会というものは作られてしまうのだけど】
【とはいえそれもまた縁の業。彼が彼女の進む道に塞がらない限りはあり得ない】
【楽しみに待つ、と言う男の言葉には無言の笑みで返しておく―――本当に、楽しみだと】

………ふふ、辛気臭いだなんて。
そういった懺悔のような話、私は好きですよ―――ええ、本当に。

【彼の話は聞いていて、愉快だった。非常に興味深いし、羨望の念も湧く】
【馬鹿にしているわけではない。まるでタイプの違う人間である事に、人間嫌いの彼女は興味を持った】

誇り、芯……そう、ですね。
ある、といえばありますし、ない、と言えばない―――どうでしょうね。

【彼女はその問いかけに、少し神妙な面持ちになり、はぐらかした】
【答えたくない訳でもないが、自分の過去を見渡しても、彼の望むものは出てこないのではと考えていたが】

【ふわ、と彼女の掌から”スズラン”の花が”咲いた”。ふわふわと彼女の掌から宙に少し浮くそれは、緩やかに回転する】

月彗さんの”過去”と”今”は……きっと違うものでしょう。
例えば、貴方がマイナスからプラスになったのなら……私は、プラスからマイナスになった。
そう思うと、貴方に誇れるだとか、芯だとか、そんなモノは……ね?

ひとつ言えるなら、私の敵になるなら、私は躊躇わないという事でしょうか。
私は、全てを利用して、何を使ってでも―――私のしたい、様に生きます。

【珍しく饒舌になったものだ、と思わず口を抑えた。今宵は何処か、風情の所為か口が回るばかり】
【それと共に最後に言った言葉が既に”芯”である事に気づいて、面白可笑しくて】
【掌で回転する”スズラン”を愉しげに草花の辺りを旋回させていた―――その花は、猛毒のそれだが、外見こそ麗しい】
858 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/06(金) 23:04:19.07 ID:2vHj9UjYo
>>851
(ふぅむ、少し落ち着いてきてますね……)

【戦闘の中にあってもクリアな思考で、少年の様子の変化に気づく】
【何かを吹っ切れたようなその声色は、彼女の生存にとってあまりいいものとは言えない──往々にして、そういった人間の身のこなしというのはより洗練されるのだ】
【だが、彼女はそれを歓迎する──強者を越えることにこそ、闘争の意味はある】

くぅっ……!

【一撃を当て終えたところに振り下ろされた反撃……当然、斬り終えた右腕での迎撃は間に合わず、咄嗟に左手に簡素なナイフを産み出してすんでのとこで受け止める】
【だが、攻撃は抑えられてもその姿勢は大分無理のある状態だった──受け止めた左手首から、ゴキっと嫌な音が鳴る】

まだまだぁ、これからです!

【だがその痛みをこらえて爪を押し返しつつ、振り下ろされた剣を跳ねあげて下段斬りを繰り出すした】
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage]:2015/03/06(金) 23:04:43.72 ID:DiPHCHUjo
>>837>>838>>839

【接近には気が付いていた、だが同時にサラリーマンめいた服装の男>>821の援護の気配にも】
【ゆえに迎撃もするまでもなくおそらくは彼が自分の安全を確保してくれると見ていたのか……?】
【だからW-1はその小山という男に一瞥だけしながら、今度は少女のどこか甘ったるい声で】


「―――身を守っていただき、感謝いたしますデスヨー!」

ああ、私からも感謝するぞ名も知らぬ御仁!しかし……


【上半身が消し飛んでしまったにもかかわらず、動きが止まらない】
【なぜ死なない?なぜ通じない?その疑問が浮かんでは消える―――その理由、その名前はベクター自身が明かした】
【吸血鬼の真祖とライカン族の雑種、ゆえに生まれた変異種"クリムゾン"!】

【仮面の下で表情は見えないが、らしくない苦々しい声がそこから漏れてくる、胸の前で拳を握りしめながら】


……オレがここまで"挫けそう"な気持ちになるなんていつ以来かな……『アイツ』以来だよ
まいったな、皆の力を合わせたそのパワーが通じねぇなんてよ!どうすりゃいいんだありゃあ……

「ハカセ!らしくないではありませんデスヨー!人前で『地』を出すなどいつ以来デスヨー!?」

―――おっといけねぇ、じゃなかったいかん!うおおっ!!


【しゃがんで両腕を前にかばうように出しながら、電磁加速銃の弾丸を乱発射!】
【正確ではないゆえ直撃はしなかったものの、すぐ傍に着弾したレールガンの衝撃だけで彼がそのまま勢いよく後ろに吹き飛んでいく!】
【圧倒的すぎる、強すぎる!装甲の下から血をにじませながらも彼は―――必死に叫ぶ!】


挫けてはいけない、諸君!
火力支援で確実に吹き飛ばすために……食い止めなくてはならないッ!!『テュポーンΩ』ッ!


【掛け声とともになんとW-1は後ろにバックジャンプ、その先には―――彼の呼びかけに答え自動出動する彼の白の愛機!】
【乗り込むと同時、サスペンションに仕込んだ緊急跳躍を発動、足跡によって作られた地雷が爆破するよりも前に空へと跳ね上がり!】
【そのままベクターの方向へとW-1が乗り込んだバイクが突っ込んでいく!】

/続きます!
860 :ネモ・アーネスト :2015/03/06(金) 23:05:21.99 ID:XwqLNZhgO
>>839
「了解!!囮になればいいんでしょ?
 皆の盾になるのがSCARLETだもん」

【ぱんっ、と拳と手のひらを合わせて気合を入れる】
【そして瓦礫の影から顔を出せば】

(……!?)

【下半身だけが残った、無残なベクターの姿】
【終わった、のだろうか。しかし胸騒ぎは消えず、嫌な予感で頭が埋まる】

「そ……んな……」

【結局、嫌な予感は的中する。ベクターが復活したのだ】
【嫌な予感はまだやまない。もっと、やばい何かが来ると告げている】
【それは 電磁式加速銃<レール・ガン> 】
【目にも留まらぬスピードで弾丸が方を掠め―――】

「いっ……ああああああああああ!!」

【少女は後方へ大きく吹き飛ばされ瓦礫に激突。そして】
【―――少女の右腕が吹き飛んでいた】
【だが喰らったのはこの一撃のみ。吹き飛び体制が低くなったことが幸いだった】

「だ、だいじょう、ぶ……
 まだ……」

【まだ動ける、そうケーブル大佐に目で訴える】


//すいませんおくれましたぁ!!
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/06(金) 23:05:25.85 ID:lLN0JC/10
>>837-839

【攻撃の瞬間、ブラックは身体への負担が軽くなったのを感じた】
【ジンジャーという仲間からの援護か、たった一撃分の効果であっても能力による体力の消費が激しい彼にとっては随分と助かる補助であった】

【これならば、この威力のまま攻め続ければまだ勝機はある】
【他の仲間からの攻撃も確かに効いている、そしてそれらが積み重なり…………】
【遂にはベクターの上半身を吹き飛ばした!やったのかと考えもした】

【……が、相手はあの六罪王となった男、これだけで終わるはずもないと考えを改め、】
【そして実際に、忌まわしいがその通りになってしまった、この驚異的な再生能力には 脳を、心臓を吹き飛ばしても足りぬというのか】

"クリムゾン"…………だと……?そうか…………生で見るのは初めてだな。
…………これはどうにも骨が折れそうだ、不死の肉体……か…………

【以前、軍の使用する書庫で読んだことがあった、吸血鬼の持つ不死の身体に 狼男の持つ強靭な肉体、二つの最強が合わさった最凶の種】
【その血液は全てを進化させる、ただの銃器も強力な電磁加速銃、レール・ガンへと姿を変え】
【放たれる、連射される凶暴すぎる弾丸、まともに食らえばまずその部位は吹き飛ぶだろう】
【ブラックは能力を更に強力に使う、使わざるを得ない、軍刀の刀身ははっきりと分かるほどに蒼い焔を帯びて】

【自身に当たりそうな弾丸を……、一発目、先ずは右の軍刀が切り捨てる!】
【二発目、すぐさま左の刀身で火花を散らしつつ弾く、そしてやって来た三発目】
【右で弾く…………が、バチンという音と共に刃が宙を舞うことになった】

折れたか……、何という強敵!これだけの人数を相手にするのにあの余裕さ……!
しかし……、もしも"あれ"と同じならば、不死身ではなく再生にも限りはある筈……!
ならばここは…………臆さずに攻めていくッ!!!

【何やらブラックは 不死について前例のようなものを知っている様子】
【それが何かは今は分からないが、レールガンが止まればまた走り出す】
【残り一本でどうすれば奴を少しでも止められるか、今はこれがベストだと信じて】
【ベクターの攻撃手段を少しでも減らす為、奴の両腕に斬りかかり、切断を試みる】
【再生されても他の者達に少しでも有利になれば!】
862 :ジンジャー中身 ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/03/06(金) 23:06:29.29 ID:DiPHCHUjo
>>859続き

奴を抑える御仁>>844には防御の援護! ≪hard-now≫

【人外の膂力はともかく、敵を抑えるという最も危険な役回りにいるフレデリックの命を守るために】
【まずW-1は空中のバイクから緑の光の矢を発射して防御力の援護!】


狙いすまして大技叩き込もうともくろむ彼女>>852には攻撃の援護!≪Force-now≫

【続いて大火力の一撃――それも感電させ大幅に動きを止めることが出来ると期待するりえるには赤い矢の援護】
【『戦車爆弾』に仕込まれた雷撃の威力を上げてわずかにでも動きを封じる可能性にかけて発射!】



そして私からの一撃もくらいやがれッ!!合わせろジャンクちゃん!「yes sir!!」



"ワイルド"ッ!!
             「ライダァァァーッ!!」
                               「"ブレイク"ゥゥゥゥゥ!!!」


【ベクターめがけて通常弾たる白の矢を無理やりガードを弾かせようと両腕めがけ一発ずつ放ったなら!】
【そのままアクセルを全力で回転させて―――力任せに突進を試みる!】
【再生されても構わない、槍のように体を貫いて体内で前輪を回転させまくれば―――少しくらいは再生速度が落ちるとみての行動だ!】
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/03/06(金) 23:07:52.00 ID:wRITfidQ0
>>837

――――!?

【目の前で繰り出された各面々の攻撃は、彼の体を貫いた。その一つ一つ全てが常人なら致命傷たり得たものだったはずだが】
【―――信じられないことに、彼の体は再生≠ウれた―――これは、何という事だ……―――自ら回復する力すら持つのか……!】
【おかしい。何かがおかしい。次元が違うと思えるほどに、持つ力があまりにも多様かつ強力すぎる……!】

【「鉄砕弾」は確かに地雷の誘爆に一役買った。接近戦闘の一助にはなっただろう。でも―――その攻撃全てを嘲笑うかのように】
【此方側の最後の攻撃、カズネの砲火により消し飛んだはずの上半身は、元通りに戻っていた】

【これではどうしようもない―――反撃の糸口さえ掴めないのだ。幾ら攻撃しようと元に戻ってしまうのだから】
【物理的手段では倒しようがない。首を落としても回復されるのだから……―――しかし、彼の強み≠ヘそれだけではなかった】

――――何でも、進化……だっテ―――!?

【全ての無機物を進化させる。それも、強制的に。―――どうしろと言うのだ。これではもう、太刀打ちできないではないか】
【……いや。本当にそうか?何か切り口は無いか―――全てを進化させるのだ、そこに切り口は……!】

(レールガン!?ただの銃火器が、そんナ……!)

【いや、今はそんなことを考えている場合ではない。それよりも、彼の攻撃を如何にして防ぐかが先決なのだ】
【いくら高速でも、いくら高威力でも、弾丸は直線にしか動かない。なら―――下に逃げればいい】

土符・陰符―――「陥穽」!!

【伏せると同時に、黄土色の符と黒色の符を地面に張り付ける。すると、彼女の真下の土がすっぽりと消え失せて】
【丁度彼女が隠れることの出来る穴が出来上がり、そこに落下するように身を隠す。―――あとは銃弾をやり過ごすだけ】
【銃弾がやめば、もう一つとっておきの攻撃を―――】

―――薬屋の本領、とくと味わうがいいネ!
金符火符・陽符、―――「鉄砕弾・改」!!

【―――三つの符を発動する事により生み出した、先ほどより大きなサッカーボール大の弾。それを、あろうことか】
【少女の細腕で「投げた」―――!>>844の拘束を見越して、何も邪魔するものが無ければその弾は彼に直撃、爆発する筈で】
【その爆発の威力も先ほどとは桁違い。間違いなく体の一部が吹き飛ぶ程の威力だ―――】

【だが、いくら吹き飛ばしたところで相手は再生能力がある。しかし―――狙いは、其処≠ナはないのだ】
【弾丸には、薬屋の知識をフル活用(悪用?)した毒≠ェ仕込まれている。麻酔薬を改良(改悪?)した神経中枢を蝕み麻痺させる強力な神経毒―――】
【それが、爆発した瞬間に破片と共に拡散されるようになっていて。もし彼の体に食い込んだ毒まみれの破片が彼の血を浴びたら……?】
【―――彼の体の中に、最強の猛毒が存在することになるのだ】


【それからは、囮と航空支援の二手に分かれることになる。】
【囮になるにはいささか自分の力では火力不足――なら、少しでも力になるには航空支援の援護に回る方が良い】
【ということで、春燕は航空支援の援護に向かう―――】
864 :小山絵手雄  ◆SEBUhSQF9U [sage saga]:2015/03/06(金) 23:13:41.77 ID:QOpGjbtQ0
>>837-839

【影へと戻っていく狼】
【どうやら、見込みは当たったようだ】
【そして聞こえた、>>859の声】

どういたしまして。それにしても…『クリムゾン』?何だそりゃ…

【〈検索〉すれば、何かつかめるかもしれない。そう考え、スピーカーのエネルギーをパソコンへと回す】

【それが、決定的な隙となった】
【影へと潜っていた狼が、男の足へと喰らいついた】
【「鎧」とはいえ、スピーカーはそこまで頑丈な部類の装備ではない。めり込む牙に、たちまち火花を噴きだす】

ぐっ!?離せこの犬っコロ!このっ…!!

【再度プロジェクタの光を浴びせかけ、ひとまず追っ払う】
【しかし、この攻撃でスピーカーはもはや使い物にならない。そして、壊れた部品の隙間からは血の紅】

【そして、息つく暇もなく、音速を超えた弾丸の群れ】

この…畜生っ!!

【足のこともあり、あまり素早くは動けない。そのためアイロンシールドを盾にする】
【…しかし、弾丸の威力は男の想像を超えていた】
【弾丸は命中した場所からクレーターを形成していき、その嵐がやむころには持ち手付近しか残っていない有様であった】
【破片が、男の顔に細かい傷を作る】

ハァ…ハァ…修理代、予算で落とせるかな…?

【軽口とは裏腹に、息は乱れきっている】

…このままじゃ不味いし、とっておき、使うか。

【先ほどの検索結果も芳しくない。それに、今の男には決定的にパワーが足りない】
【切札を切らせるには、十分な理由だった】

…来い!【ストーブアーマー】!

【プロジェクタ以外の家電鎧が、次々と換装されていく】
【右手にはハロゲンヒーター、足には電子レンジ、背中にはコタツ、胴体にはストーブ】

今夜は…残業だな…!

【ストーブにエネルギーを集中させると、たちまちあたりにも猛烈な熱気が放射される】
【そして、全身の鎧から放たれる光】
【これこそが、この男の切札。安全装置さえ無視する危険な代物故に、もって十数分程度】

うおおおおおおおっっ!!

【特攻】
【それはまさに、特攻だった。ハロゲンロッドを大上段へと振りかぶり、男へと振り下ろそうと、猛烈な熱気とともに駆ける】
【無論、ただで済むとは思っていない…が、もし辿りつけたならば、猛烈な熱気とハロゲンロッドの遠赤外線が黒人を焼くだろう】
【死に物狂いの行動であり、本人はそんなことを考えていないだろうが、結果的に囮となっている】

865 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/06(金) 23:19:31.13 ID:8G9RiWyKo
>>857

【ふわりと現れた鈴蘭の花、どこか自分と近しいその能力の発露に、月彗は僅かに目を細める】
【そして何より、続くリリルカの力強さの篭る言葉に、驚かされたと言うべきだろうか】
【思っていたよりずっと強い信念を持った相手である、と理解すれば、その貌は面白げに笑むのだった】

成る程な……初めから持ってなかったのと、途中で失ったのでは、訳が違うやろな
なまじ持っていた過去がある故に、失った今に苦しむ──……それなら「足掻く」のは正しい

……ええやないか。面白いわ、そッち

【「応援したるわ」と、男はそう、相手を讃える】
【苦しみという点では、寧ろ此方が下回ると思った。初めから何もないより、途中で全て失う方がずっと苦しい筈】
【それでも、いつかの自分のように己もないまま道を踏み外事は無いのが、リリルカだと】
【敢えて言うなら、酔狂、だろうか。そこに、月彗は興味を引かれたようだった】

【──夜は、静かに更けていく。この世の物ならざる草花と、覚悟を秘めた鈴蘭の舞と共に】
866 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/06(金) 23:22:31.70 ID:N12NgKW1o
>>858
【いくら爪が龍のそれを模していたとしても、力までも模倣は出来ない、防御ごと叩き潰すなんて事は出来ず】
【左手を押し返された瞬間は防御が開き体がガラ空きになる、そこに斬り上げた剣が襲い掛かり、腹筋から胸にかけて大きな傷が生まれた】

グッ……が……!まだ…浅いッ!

【少年が言う程浅い傷では決してない、だが、『この程度の傷では止まらない』という旨を叫び、その通り少年は体を乗り出し前進する】
【それから、左手の大爪で少女の首に掴みかかろうとするだろう、パワーが増しているわけではないが動きを制限するには十分だ】
【もし少女を掴む事に成功すれば、続けて右手に鉄紺色の焔を纏い、そのまま拳を少女の腹へと突き出すだろう。強力なパンチでなくとも腹部への打撃は効果的で、そこにオマケで生命力を奪う焔もプラスされている】
867 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/06(金) 23:25:11.16 ID:U3c2psDKO
>>853
【願ってもない提案に承諾し、ペンダントを没収され、ミルクティーを買ってくれば自分もコーヒーを飲み一息。そして最初の質問が】

「キミは人である事を望んでいるように見えるが、それは他人から人であると評価されたいのかい?それとも自信を持って自分は人であると宣言したいのかい?」

【これである。変なことも世間話程度もあった物じゃない】
【この男は人が悩み、苦しみ、考え抜いた答えにこそ価値を見出だしている。故に相手の悩みを表面化させるし、時には解決の手助けだってする】

「しかしその一方で自分の祖先に関しては受け入れているように見える。それは純粋に人でありたいという願いとはキミの中で矛盾しないのかね?」

【意地の悪い質問をする。しかし男としては回答を拒否されようとも構わないのであった】
【そう、たとえ自分がどう評価されようともこの質問の結果、少女がその悩みを深く意識してくれればよいのである】
868 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/03/06(金) 23:27:05.20 ID:F+cnWzP20

>>837-839 >>855

【ヴァローナの笑みによってだろう。いくらか平静さを欠いていた等比も、心からの笑みで返すことができた。】

はい。走りなら任せてください。私も伊達にSCARLETの一隊員ではありませんよ、基礎体力には自信があります!

【しかしヴァローナがベクターへと直接攻撃に向かう、いわゆる『囮役』を買って出ると聞いて、等比は言った。】

…名も知らぬ軍人さん、私は…先程も申し上げたよう、ベクターに直接立ち向かうには力不足です。

ですから、私は航空支援要請の為の連絡用車両の方に向かいたいと思います。
…命を救ってくれた軍人さんと行動は共にしたいですが…私の実力はそれに伴わないんです。

【語る等比の目は意外にも強く、まっすぐにヴァローナの目を見つめていた。『もう決めている』―そう語るかのように。】

共に命を張ることができないのが悔しいです…どうか、絶対に生き残って下さい!
名も知らぬ軍人さん!

【言うや否や、連絡用車両へ向けて等比は駆けだしていた。降り注ぎはじめた無数の巨弾をかいくぐりながら。】
【自分にできることをやる。それこそが今この場において人々を救うための最善手であると判断したから。】
【砲撃の雨の中、等比はヴァローナの方を振り返り―足を揃えることは叶わなかったが、せめて手だけは額の前へと掲げ】


御武運を!!

【そう『敬礼』し、ケーブル大佐の指示の下、連絡用車両へ疾風の如く駆けて行った。】









869 :リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga]:2015/03/06(金) 23:35:57.87 ID:OVDsgYJbo
>>865

【ゆらゆら、と舞うスズランは草花と踊るように辺りを漂う】
【やがて、飽きたかのように彼女の掌にまた舞い戻る――くしゃ、と彼女はそれを握りつぶし】

変わったのではなく、変えられた―――そういう表現が、正しいのでしょうか。
別に私は誰よりも、不幸であるなんて思ってはいませんけどね……。

お褒めに預かり、光栄ですわ……。

【応援を素直に受け取り、微笑む。彼の言葉が素直に嬉しいかのように】
【握りつぶされたスズランは、その手の中で液状に形を変えていた―――じわり、と彼女の手を濡らす】
【ぺろり、とそれを舐めとり――彼女は立ち上がり、少し歩を進めて振り返る】

今宵は有難うございました。良い風景に良いお方に出会えましたわ。
また縁がありましたら、”味方”という立ち位置でお会いしたいものですわね。

【一礼し、彼女はにっこりと微笑んでいた。しかし、心底の笑みかと訊ねられれば……】
【彼女が人を心から信じることも、会話を楽しむ事もない。彼女の言葉は全て管理されたモノだ】
【だが、今宵はそうではなかった……と、思いたい。彼女また、自分の言葉の真偽は判別できないから】

それでは失礼致します―――お身体に、気をつけて。

【踵を返して廃寺から立ち去る。引き止めなければ、彼女は暗闇に消えていく】
870 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/06(金) 23:42:14.77 ID:2vHj9UjYo
>>866
【剣を振り上げた態勢というのは、重心が後ろよりになるもの──二度の攻撃で痛手を負わせた少女だったが、ここでの前進攻勢はかなり捌きにくいものだ】
【今自由に迎撃できるのは左手のみ、だが無理な力のせいでその手首は折れて使い物にならない】
【ならば、どうすればいい?使えないものは容赦なく切り捨てろ──首もとに迫るその爪を、あろうことか左手を犠牲に受ける】

ぐ、ぅ……ああああああ!

【肉が裂け、手から血が噴き出すが、なんとか首を掴まれるのだけは防ぐ】
【少年の意図した通りに動きを制限することはできただろうが、彼にとって最適の距離は与えない】
【そして、今度は横からの斬りつけ──だが、激痛もあって今まで通りのキレはなく、恐らく決定的といえるダメージにはならない】
【少年がパンチを続行したなら、双方の攻撃はほぼ同時にヒットするだろう】
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/06(金) 23:44:00.57 ID:wtZadcM30
【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【其処に有る、数種類の自販機などが並んだ少しばかり豪華な待合室】


「…………暇なのです。あの馬鹿二人も何処に行ったか分からないのです」

【ぶすっと頬を膨らませ、足を悪くしているのか車椅子に座る一人の少女】
【汚れを知らない白銀の髪。何より特徴的なのは、額に生えるその角か】
【魔力を感じ取れる力があるならば、少女から強い“聖”の魔力を感じるであろうし、仮に無かったとしても何と無くその周囲だけ清んだ気配が漂っていることに気付くか】
【とは言え、本人はそんな聖人からは掛け離れた様子。抱く不満を隠す事もなければ、当然看護師達だって近寄ろうとはしない。故、今この場は少女以外の者は居らず】


「ふん。全く困ったものなのです。別にあの馬鹿二人がどうなった所で私の知った事では無いのです
そんな事よりもジュースを…………を……―――――
ん……んん…………―――――何なのですこのアホ自販機は!お前にお金を恵んでやろうとしている私を拒否するのです?!」

【キィキィと車椅子を自販機の前まで移動させたならば、お金を投入して】
【いざ、最上段にあるココアを購入しようと手を伸ばすが――――届かない。手をプルプルと振るわせながら伸ばそうと届かない】
【何度か挑戦するも、やはり届かない。終いには何とも理不尽な理由で自販機を叩き出す始末である】
【まるで子犬の如くガルルと唸りながら自販機を威嚇するする少女だが――――仕切りも何も無いこの待合室、外から丸見えであって】
【果たして一連の流れを見た者はどんな感想を抱くのだろうか】
【この少女は扱えないが、近くには踏み台代わりに使える椅子だって存在している。故、小さい者であろうが手を貸すことが出来るけれど】







【――――喧噪に包まれる繁華街。少しばかり治安が宜しくない場所で、其れは起きていた】
【先ず、柄の悪い男が顔を血に濡らしながら突っ伏している。他には、仲間と思われる者達もショーウィンドウに頭から突っ込んでいる者も居たり】
【一言で表してしまえば惨事だ。放っておいても直に自警団だ警察だと来るだろうが…………】


「ふん……悪事をするなら次からはもっと上手くする事ね。こんな場所で子供の売買の話をするなんて馬鹿の極み以外の何でも無いわよ」

【見れば男達は其れなりに有名な拉致集団、らしいけれど。――――この場を訪れた者がその事を知っているかはまた別な話】
【無論、自警団だとか或いはカノッサだとかであれば直ぐにでも分かるのだけれど】
【兎にも角にも、人々がざわついているのだからその現場だって嫌でも視界に入る】
【――――そして。突っ伏した者達以外で血を浴びているのは女性……即ち赤髪の修道女以外誰も居らず】

【誰もが避けているのだから、興味を抱いた者は幸い。この騒ぎを引き起こした者に接触するのは実に容易だが――――?】

/予約でありますー
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/06(金) 23:47:14.19 ID:8x4LObnv0
>>867

【暖かいミルクティ。冷えた指先にはちょうどよく、しばらく、手の中でころころと転がしていたのだけど】
【そのうちに意を決したように――というよりはずっと気楽に封を開けて、中身の甘さを喉に流し込む】
【ある程度飲めば蓋を締めて、体育座りの要領でベンチに足を乗せる。少し行儀が悪い、が、】

……どっちも、だよ。きっと、わたし、どっちも欲しいの。弱虫だから――。

【少し考えてから、返す声は囁くように空気が混ざる。曖昧に目を閉じて、数秒、零れる吐息は白く】
【変かもしれない、世間話どころじゃないかもしれない、だけど、こんなこと、初めて聞かれた】
【人間として見られたいのか、人間だと胸を張りたいのか。よく分からないけど――どちらの気持ちも、確かにあるなら】

わたしのゆめ、普通に生きることだったの。普通ってね、家族が居て、帰るお家があって、そんな普通。
“私”のお父さんもお母さんも死んじゃってるの、小さい頃に。それから、ずっと、普通じゃなかったから。

街を歩いてるひとみんなにお家があって、家族が居て、……そう考えると、とっても、羨ましかった、なあ――。

【普通に生きたいという夢。誰かに言ったことはあんまりなかった、だって、普通に人間らしく生きたいなんて】
【お花屋さんになりたいとかケーキ屋さんになりたいとか、そんな夢とは明らかにかけ離れていて。言いづらかった】
【別に職業的になりたいものなんてなかった、だから、そんな、平穏をほしがるような、夢を抱いていた、それを教えて】

だって、嫌いじゃないの。わたし、お父さんとお母さんの子供でよかったって思ってるし、
……へびさまの子孫でよかったって、思ってるよ。それにね、

あの蛇(ひと)は“わたし”のお父さんで、お母さんなの。この名前、付けてくれたのも、そうなんだよ。
わたしね、鈴音って言うの、鈴の音って書いて、りんね。

【普通に生きるには人間でなければいけない。だから人間で居たいし、人間だと言い張りたい、だけど、】
【――たぶん、彼の言うとおりに矛盾しているのだろう。人間、蛇、人外、どれでもなくて、どこにも居られない】
【人間寄りの何か。蛇でもなければ人間でもない、なんでもない――だけど人間の言葉で、人間らしい心で、混ざりこむ異質】

【自分の名前を告げるときは、どこか嬉しげだった。名付けてもらったというのが嬉しいのだろう】
【彼女の声は鈴の音と似ている、だから、その名前もよく似合って――あどけない顔で、いっぱいに笑って】
873 : ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/06(金) 23:52:43.75 ID:8G9RiWyKo
>>869

……そう、やな。また何時か、そッちの力量を知れる日が来れば。愉しみにしとるわ

【自己中心的な生き方を貫いてきた故に、他人の表情の裏を知る事が、彼は余り得意ではない】
【そんな彼の、ごく主観的な見方で、だが──きっと相手も、同じ思いだろうと判断し】
【去りゆくその背を茫洋と眺めたまま、やがてその影が捉えられなくなった頃、漸く視線を外してゆるりと体を横たえた】

【(生まれ落ちた時から何も無かった。両の手足も、全うな容姿も、何もかも)】
【(泥の街、あの汚らしい廃棄物の中で死ぬ運命だった。「兄」に拾われさえしなければ)】
【(拾われ養われなければ生きて行けない存在だった。「あの女」に見初められ、この力を与えられなければ)】

……──阿呆らし

【くあ、と欠伸を一つ。月明かりの下、男は静かに目を閉じた。今宵の邂逅を、脳裏に浮かべながら】

/お疲れ様でした、ありがとうございました
874 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 23:54:31.84 ID:VwrTyjiDo
>>847>>850>>855
【ヴァローナの迅速な指揮が、国軍の戦意を高翌揚させていく。】
【彼女ならば、この危機を乗り越えられるかもしれない、そう思わせるだけの力強さ。】
【そしてそこに、熊出と山城の護衛が加わった。これで連絡車両を復活させる事が出来る、筈だった。】
 『……ヴァローナ君、礼を言うよ。
  それに熊出君、そして山城君も……この救急キットで、今の内に怪我を少しでも癒してくれ。』
 『正直に言って……私は怯えている、だがそれもここまでだ、戦おう!!
  連絡車両へと向かう!!全員、私とヴァローナ君に着いて走ってきてくれ!!』
【全員が、必死に車両へ向かって駆け出す。そして周囲からは、やっと戦況を飲み込んだ戦車隊が近付いてきていた。】
>>843
【そして―――全て、とは行かなかったが、ヘケメトのリフレクターは確かに多量の弾丸を吸収、そして反射ッ!!】
【しかしその反射した弾丸すらも、ベクターは自身の猛片方の腕にもった"剣"で八つ裂きにし、一つ一つ破砕していく!!】

 ほォォォう……!! 反射か、仲間の為たぁ随分気前が良いじゃねェかよォ、えぇ?
 だが―――そんなことばっかりやってたんじゃあ、とっとと"完結"させられちまうぞォ!!

【ベクターは撃ち尽くしたレールガンを放り投げて捨てると、握り締めた剣を一回転、ニ回転と振り回し―――】

 ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウオオオオオオオオオオオッ!!

【その場で―――瞬時にして、"暴風"を生み出す―――いや、もはやその火力は竜巻にも匹敵するほどッ!!】
【即席の竜巻で、ヘケメトを粉々に吹き飛ばすべく、猛攻撃が襲い掛かった!!】


>>848>>854>>856

【そして、犬神の全身全霊を込めた超接近、カズネのゼロ距離射撃、ライラの爆裂刃に対して―――!!】

            絶     対     感     覚    !   

【ベクターの全身が、脈動した。絶対感覚。そう、それは最強種たる彼が手に入れた最大にして最強の武器。】
【全身の感覚器官、五感をフルに活用し、更には第六感、霊的なセンサーまでもを超常的な次元で活発にさせる事で】
【相手の攻撃一つ、一つの動作その全てを"正確に" "寸分狂いなく" "完全なレベル" で察知、もはや"予知"の要領で】


  ハッ!! ヨッ……トォォォォォッ!!

【まず、犬神の接近を、完璧に―――見切った上で、避け切る!!】
【そして、ライラの発破攻撃の全てを目で見たうえで瞬時に軌道把握、空中へ跳躍し回避ッ!!】
【更には、カズネのゼロ距離射撃に対し、中空に逃れる事でこれもまた、完璧なレベルで回避、回避、回避ッ!!!!!】


 フッ……フ、フッハハハハハハア!!
 掠りもしねえぞ、ノロマ共ッ!!―――――――オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

【そして中空から、連続で剣を振るい、飛ぶ斬撃による一斉攻撃で三人を執拗に攻撃、攻撃、攻撃する!!!】
【だが―――この三者の攻撃への対応、という動きがベクターにとっての大きな、隙となってしまった!!】

>>861>>844>>859>>862>>852>>863>>864
【まず、着地後のベクターを襲ったのはブラックの一撃。これが、ベクターの両腕を見事に、切り裂いたッ!!】

 ――――ぐっ!? き、さま、うおぉおおおおおッ!!?

【そして、直後に始ったフレデリックの拘束!! これにより、ベクターは両腕を失ったままの状態で、動けなくなる!!】

 ―――ぬぅぅぅぅぅぅぅぅゥゥゥッ!! やるじゃねェかよ、えぇ、おい!! っはっははは!!いいぞ、その調子だ!!
 ウ、ああああああああああああああああああ!!!

【怪力で、引き千切ろうとするもそれは叶わない―――ベクターにはまず、両腕もなく力も入れづらいのだ!!】
【そして、其処に重なるのがジンジャーによって強化されたりえるの戦車爆弾、小山の赤外線の一撃、春燕の―――毒!!】

 うぉ、ゴッ……!? こいつ、は……!! 無機物の、毒、か……ッ!? グ、アアア嗚呼ああああああ!!!・¥!?!?!

【ベクターの身体が、毒で犯され、赤外線で焼かれ、そしてジンジャーの前輪クラッシュにより、削られていく―――ッ!!】
875 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 23:54:57.02 ID:VwrTyjiDo

 【が、しかし―――ここで、予想外の、反撃が全員を襲うだろうッ!!】


  う、く、うぷぷぷ……ふ、はははははは!!HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!

  いいぞ、これだ!! この人数がいるんだもんなァ、こうじゃなくっちゃなァ!! けどよォ!!



  ―――まだだ。まだ、足りねー。

【その次の瞬間、ベクターの背中をベクター自身の"骨"が突き破って、出現し!!】
【それらが肉を突き破った直後に、"背中から生える副腕"として、なんと巨大な腕として機能し始めたではないか!!】
【手始めに、骨は無限に伸びる槍のように、前面にいるフレデリックを貫かんと数本同時に、凄まじい速度で襲い掛かる!!】

【そして次に、弾丸のように撃ち出された"骨"がミサイルの雨となって、ベクターの周囲へと"無数"に降り注ぎ、攻撃ッ!!】
【その一撃一撃は先ほどのレールガンのそれに勝るとも劣らぬほどの破壊力を持ち、周囲に展開した】
【ジンジャー、ブラック、フレデリック、そして小山へと降り注いだ!!】

【そして、遂にベクターは自身の身体を、その"骨"で破壊し、肉をそぎ落とし―――】

  脱出ショー、ってヤツだ。

【無理やりに身体を"縮め"て、束縛から退避してしまう―――最後に。】
【肉体に入り込んだ最強の猛毒に対し―――それ以上に進化した細胞が、一つ一つ、瞬時に"適応"し始めて】

  おいおい。俺様の血液の中に入り込んだんだぞ。俺様の思い通りに、ならん筈が、ないだろうッ!!

【ドクン、ドクン。身体が脈打ち、そして毒を完全に"克服"する―――これもまた、一時的な時間稼ぎにしか、ならない!】
876 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/06(金) 23:55:08.81 ID:VwrTyjiDo

>>ALL

【だが、その間に>>863>>847>>850>>855の混成部隊が、着々と連絡車両へと近付いていく!】
【そしてその車両の陰が見えてきた、その時であった―――!!】

 『DEEP RISING』   起動。

【拘束を逃れたベクターが、新たなる能力を顕現。掌から放出するのは―――水。】
【だがそれはもはや濁流の様にドバドバと流れ始め、そして連絡要請部隊の方へと、流れていき―――!!】

 『……!? 諸君、足元に水が……なっ!! に、にげろっ!!回避だッ!!』

【―――水浸しになった部分全てをテリトリーとして、水の中から―――巨大なサメのような、怪物が出現したのだ!!】
【おかしい、確かに水にぬれているとは言えそのしたは地面であるというのに―――このベクターの能力は】
【擬似的に海を出現させ、そしてその中に住む怪物をつかって遠隔攻撃を可能にする、というものだったのだ!!】

【巨大なサメが、一斉に混成部隊の全員へと襲い掛かる!!連絡車両は、あと数十mの距離にあるというのに……ッ!!】


【そして更に、ベクターと戦う残りの人員に対し、新たなる攻撃が加わった!】

>>860>>861>>844>>859>>862>>852>>864>>856>>854>>848>>843

 『DARKEST HOUR』―――集結、直列形態ッ!! 一斉射撃、始めーッ!!

【先ほど生成した幾つかの光の砲台のうち、残った数台が集合、合体し巨大な砲台となって】
【中空へと浮かび上空より無数のレーザー砲撃をこのフィールド全体に対し敢行し始める―――!!】

 『VIRUS』―――全開ッ!!

【周囲に残っていた、瓦礫撤去用の超巨大クレーンにベクターが触れると】
【クレーンはひとりでに起動を開始、そして展開していた周囲の重戦車体にも数台、触れると】
【それらは忠実なベクターの下僕となって、クレーンは巨大なアームを全員めがけ滅茶苦茶に振り回し、】
【戦車隊は離れた位置から攻撃をする後方組に対し弾幕を張り始めたッ!!】


 『THE THING』―――解き放てッ!!

【極めつけは、あの巨大な影のオオカミだ。影はどんどんと肥大化し、体長にして10m以上はあろう】
【巨大なオオカミへと変貌すると、全身から影の刃を触手のように伸ばして彼方此方を全力で破壊し始める――――!!】


  フフフフフフフフフフ!! HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHHAHAHAHAHAHAHAHAH!!!!

【―――囮組みにとっては、悪夢の様な連続攻撃が繰りだされる。だが、これさえ防ぎきれば―――!!】
【ヘリの発着まではあと数分、そして、気付いた物が居るだろうか、ベクターの周囲の地盤は―――大きく、傷ついている。】
【今其処に彼を釘付けにし、そして地面に攻撃を与えられればもう一度彼を―――!!】
877 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/06(金) 23:58:40.17 ID:wE5wRg3DO
>>871

【──本来は弱った者の為にある病院。その待合室で、明確に元気いっぱい!な声がガンガンに響けば人1人くらいはやってくる】
【少女の声に引き寄せられたのは、これまた少女だった】
【とはいえ、やってきた少女の髪は相手とは対照的な夜色】
【布に包まれた刀剣を背負ってはいるが……少なくとも、この場所で抜く気配はない】
【怪我をしていないあたりから、入院患者の見舞い客、といったところだろうか】


──おい、お前! あんまり騒ぐと怪我だか病気が悪くなるぞ?
それにしても看護師め、困ってるんだから助けてやればいいのに!
で……どの飲み物がほしいんだ? ボタン、届かないなら押してやるぞ?


【ふふん。夜色の少女はそう笑って、白銀の少女に手を貸そうと申し出た】
【ココアがほしいと教えてくれれば、彼女は素直に求められたものの購入を手伝うはずだ】


/よろしくですー
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/07(土) 00:15:28.85 ID:UdPJaF5i0
>>877
【どれだけ腕を伸ばそうが届かない物は届かない。睨んだところで自販機がココアを転がしてくれる筈も無く】
【――――結局は虚しい努力なのだ。忌々しげにディスプレイをベチベチ叩いていた所に、丁度別な者の声】

【如何にも不機嫌、といった様子で其方へと視線を移したならば更に機嫌を悪くしたようで】


「五月蠅いのです!別に騒いでないのです、騒いでるように聞こえたならお前の耳が可笑しいのですよ!
さっさと耳鼻科にでも行って帰ると良いのですあほ!!」

【恐らくは聞こえたのは最初の一行だけだったのだろう。“注意された”とだけ認識すれば、これまた一層騒がしくなり】
【近場の看護師が溜息を吐いて過ぎていった所から、恐らくは何時もの事なのだろう】
【三白眼で睨み付ければ唸りながらの威嚇を続けて居たが】


「――――ん……?少し待つのです。お前は今私の代わりにボタンを押すと言ったのです?
ふふん、私の手助けをしたいならば最初からそう言えばいいのですよ。普段ならばユニコーンの血を継ぐ高貴な私がお前達の手なんか借りないのです
ですが、今日だけは特別にお前の手を借りてやるのです!感謝して代々語り継ぐといいのですよ!さあ、分かったならば私の為にあの忌々しいココアのボタンを押しつぶすのです!!」

【少し遅れて、脳が情報処理。途端に得意げな表情になれば、『押させてやる』なんて言葉が紡がれ】
【兎にも角にも傲慢な態度。手助けをして貰う立場で有りながら、感謝の言葉を一つも伝える事も無く】

【――――意地悪してやるのも素直に押してやるのも、それは少女の自由か】
【或いは説教の一つでもしてやれば良いのかも知れないが……こんな性格であれば、どんな反応を示すのか想像が容易くもあり】

/こちらこそよろしくですよー
879 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/07(土) 00:17:12.71 ID:4SMCvXgho
>>870
チィッ……!腕を盾に…!

【掴みかかろうとした左手の爪が少女の左腕に突き刺さり、動きを阻害される。そのままでは掴む事が出来ない】
【距離が適切で無くては右手での殴打も威力は低くなる、このままでは大したダメージも望めない】
【考える時間も与えずに反撃が来る、咄嗟に右手に纏う焔を硬質化して籠手の様に扱い防ぐが、硬質化が間に合わず、剣を受けた焔は脆いガラスの様に割れてしまう】
【右腕に受けきれなかった衝撃が来る中、少女の腕に刺さった爪を焔へと戻し、それを少女に残したまま切り離して後ろに下がる】

【少年の操る鉄紺色の焔は冷たく、生物の生命力を燃やす物。そのままでいればここに転がる死体の様に生命力を吸い取られ尽くしたミイラのようになってしまうだろう】
【とは言っても、全身を包まれたりしなければそうなるまでは時間を要する上に、普通の火のようにも消化出来る。ただ腕の生命力を奪われれば少しの間筋力・免疫力が低下するなどの弊害はある】

……ハァ……ハァ……!まだ…やれるか…?

【腹に大きな傷を負い、そこからは生者のそれとは思えぬようなドス黒くなった血を流しながら、少女を睨み付けて問い掛ける】
【お互いかなりの傷を負っている筈だ、このままでは本当にどちらかが死ぬまで止まぬかもしれないと、同意を求めるのも兼ねて確認する】
880 :ネモ・アーネスト :2015/03/07(土) 00:20:23.93 ID:E4nEQWjWO
>>855>>876

>>876
【失った右腕、その断面から血があふれ出す】
【感じたことの無い痛み、痺れ。意識がもう飛びそうだ】

【だが、囮になると言った。盾になると誓った。】
【―――ヴァローナに、信じてもらった!】
【あと少し、片手が残ってれば十分ッ!】

【むちゃくちゃに振り回されるクレーンのアーム、少女はそれに真っ向から突っ込み】

「っ―――らぁ!!!」

【"殴る" 馬鹿の一つ覚えのように、唯只管"殴る"】
【しかし一撃でとまってくれるような攻撃じゃないのは百も承知】
【左手で一撃、それで足りないならもう一撃、右手が無いなら使うのは―――】

【"頭"】

【拳に続いて打ち付けるのは頭突き。左手と頭を使ったむちゃくちゃなラッシュ】
【もはや虫の息の少女の攻撃―――そうは思えないほどの猛攻】
【ヴァローナから、大佐から、皆から、この場を託してもらえたんだ】
【力を出さずに居られるかッ!!】
881 :(山形県) ◆Heckemet8M [sage]:2015/03/07(土) 00:23:54.21 ID:iWBwXBwxo
>>874

「仲間だァ? 知らねェーな、多分あいつらも雇われだろォ? ――俺の命とこの背中を護る、……俺の考えいることはそれと、」
「そして……例え腕が吹き飛ぼォーと、脚が吹き飛ぼォーと、戦える内はそれをやめねェーってことだけだァァーーアッ!!」

【眼から漏れる魔翌力の量は先程に比べるとずいぶん少ない、シールドに使いすぎたようだ】
【逆に、出血量は増している。】 【腕がぶっ飛んでいるし、その他裂傷も多いから当然か】

『駄目です、ヘケメト――これ以上魔翌力を使えば、攻撃できなくなります』
「……だったら、だったらよォ、こうすればいいじゃア……ねェーのッ!」

【己を襲う暴風、脚だけの力で回避するのは厳しい、けれども自分は一人ではない――ずっと背中を護る者がいる】
【先程シールドを展開した4本の手足を翼に統合、大きな翼にすれば一気に飛翔ッ!】
【しかし脚を取られて近くの道路標識に激突、まともに背中を打ってしまい口から血を吐く】

「ゴハッ、グ、グゥ……――テメェ、アウを傷付けやがったな……、――――ブッ[ピーーー]ッ!」

「――――メテオブラッアアニードォォォォウ……ブゥレイクッ!」

【己の持つ魔翌力を限界まで使用し、全身にまとわれるのは緑と赤が混じりあった黒っぽい棘――強度は今までよりも高い】
【翼を勢い良く羽ばたかせれば、道路標識の所から一直線に相手に向かって空から突進ッ!】
【体重、加速、重力、多方面からの力を一撃を相手にお見舞いするつもりだッ!】

【なお、他人の攻撃に巻き込まれることは承知のうえだ、というより彼は間違いなく忘れている】
882 :山城桃子 [sage]:2015/03/07(土) 00:24:44.68 ID:7RKzuyKoo
>>874-876

【満身創痍を絵に書いたかのような重症、溢れ出る血が止まる気配はなく、放っておけば何れは失血死するだろう】
【彼女を支えているのは、簡単に言ってしまえば気合だった。こんな所で[ピーーー]ない。あんなのを放っておけない。なにより自分が培ってきた総てを否定させないという挟持】
【そんな気持ちが彼女の足を支えている。機銃掃射によって負傷した右足を引きずるように、それでも置いていかれないように必死に歩を進め】
【息を切らしながらも援護に回るべく、大佐達のいる場所へ加わった】

「えぇ…………ありが、と……………………」

【救急キット程度で治療できる様な軽さでもなく、そして総てを治療するにはあまりに受けている傷が多すぎた】
【それでも無いよりはマシだ、と一番深い傷である左腕の刀傷、そして右の太腿の銃傷の部分に包帯をキツく巻き止血を施す】
【元より色白な少女だが、血液が抜けた事で其の白さはもはや病的と言っても良かった。少なくとも戦えるようには見えなかったが――――】

【駆ける。駆ける。ひたすらに足を前に動かす。半ば意識を失いかけながらも、刀の呪縛を振り払う日のように走り抜ける】
【気を抜けば気絶、歯を食いしばらなければ痛みに思わず泣いてしまいそうになるし、僅かにでも覚悟を緩めれば呪刀に餐まれる】
【内と外、あらゆる状況で追い詰められていく中、ようやく連絡用車両へと近付いていき――――更なる難関が、邪悪より放たれる】

「あっ――――」

【鉄砲水のように迫り来る水流に足を取られ、思い切り地面に倒れ込む。髪、服、全身が水に濡れ、急激に体温が下がり始めた】
【しかし迫り来る死の気配に今のままだとまずいということを察し、刀を地面に突き立てて立ち上がり】
【鮫のような怪物を前に、深く息を吐き出した――――――――】

「…………ほら、此処は私達に任せてあなた達ははやく連絡車両に急いで
「あと、少しなんだから――――――――」

【少女は軍人たちに速く連絡用車両に向かうように告げると、水に流されないように思い切り強く地面を踏み込む】
【後一撃――――それが限界だろう。だからこそ総てを賭ける。勝って、帰って――――今は、ゆっくりと眠りたい】
【だから目の前の化け物を[ピーーー]。体力は残り僅か、しかし練り上げられた剣気は此の戦闘中でも間違いなく最高の質と量】
【研ぎ澄まされた殺意は刃の如く――――刀身に剣気を宿し、切れ味を極限にまで高め】

「――――――――――――――――邪魔するんじゃないわよっ!!」

【真っ先に彼女は飛び出し、鮫に向かって飛び掛かる――――――――そして狙いを定め、おそらく最後になるであろう攻撃を放った】
【刺突。点であるがゆえに見切れれば躱せるだろうが、見切れなければ非常に回避が難しい一撃】
【怪物の図体の大きさから敏捷性は低いと視た彼女は、確実に攻撃を当てるべく回避しづらい刺突を選んだ】
【狙いは目。もし仮に怪物の表皮が硬かった場合、攻撃が通らないかもしれない。しかし目ならばおそらくは――――そしてもし刀が目に突き刺されば】
【追撃として突き刺した刃を斬り上げようとするだろう。此れが通れば、おそらくある程度のダメージは通るはずである】
【ただし致死量には遠く及ばないのもわかりきっていた――――――――だが、援護に回ったのは彼女だけではない】
【鮫を仕留め切れなければ最悪怪物に接近してしまった自分は殺されるだろうが、後の数人が何とかしてくれると彼女は信じたのだ】
【名前も素性も何も知らないけれど、それでも此の戦場において他の人達はとても心強かった】
【だからこそ信じ、駆け抜け、最後の力を振り絞った一撃を――――――――怪物へと、放つ】
883 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/07(土) 00:32:55.45 ID:tUnBjlx4o
>>874-876

【伸びる"骨"――その異様な攻撃は、フレデリックの肉体を確実に貫く】
【左肩、左太腿、そして頬。だが不可解な事に、出血はごく少ないものだった】
【その理由は>>862の支援も当然ながらあってのことだが、其処に加えて――】


ふゥー……危ないトコロだった。貴様の"骨"か……
これが胴体を集中して狙っていれば、或いは死の危険もあっただろうが……。

フッ……便利な盾と能力を持ったものだ。糠に釘、というところか?


【そう、仕掛けは能力。肉体をスライム状に変形させる事で、斬撃を無効化させられるのだ】
【もっとも、骨や内臓は形を変えられないが――急所である胴は、右腕の盾て守り抜けば】
【後は動きを阻害される程度。頬に突き立った骨を噛み砕き、足に深々と刺さった物を右手で折れば】
【内部に残った物がぐにゃりと押し出され、傷跡も無く笑って見せる。――】

【直後に降り注ぐ骨の弾丸は、左手に持ち続けた龍の大薙刀を振るうことで全て払った】
【勿論、物理的にではない。蓄積された紫電を展開することで、骨を電熱で融かしたのである】


さて…――ちと騒がしいぞ、貴様…。そろそろ眠ってもらおうか
延々と頭を潰し続けるか……いや、もう一度地殻まで押し込めてしまうか……。

……まずは貴様だな。一匹狼のはぐれ物……正面から吹き飛ばしてやろう…――!!


【フレデリックが選んだのは、巨大な影の狼を潰すこと。その手法は――やはり、簡単】
【まず右腕で周囲に転がっていた車両を掴む。怪力を齎すガントレットと、今の硬度を持つ義手であれば】
【1トンを超す鉄塊――車であっても、持ち上がる―!その車をレーザーからの盾とし】
【或いは、振りかかるクレーンアームは仲間(>>880)に任せて――】

【――グォン!≠ニいう音を立て、右腕一本で車両を巨大な狼へと投げつける】
【それだけでは足りないと踏んだのだろう。相手に接触するタイミングで、再び爆破の魔術を唱えると】

【術での爆発と、引火しての更なる衝撃と、純粋に鉄塊としての重さと物量が影に襲い掛かる事となる】
【これで倒せなくても良い。少しでも時間を稼げれば、止めへの道が誰かが示してくれる】
【触手の刃や魔術の行使で確実に余力は減り続けていたが――まだ、フレデリックには動くだけの体力がある】

【大薙刀を構え直す。呼吸を整えれば、そっと柄を持つ左腕を背後に引いて――。】
884 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/07(土) 00:33:44.45 ID:Rd0h3ERDO
>>878

【少し注意しただけで罵詈雑言が10倍近くになって返ってくる】
【この様子では、更なる注意をしたとしても効果は認められないどころか自分の気力が削がれてしまう】
【それどころか白銀色をした悪口のオンパレードで病院が埋もれてしまう。それはまずい】
【唸りをあげる彼女に、夜色の少女は苦笑いを浮かべ──……ん?ユニコーン?】


……ユニコーン? お前今そういったのか?
ユニコーンってあれか、角がある馬で翼があってってやつだろう?

────す、すっごいなお前!
マジか、本当にか! ユニコーンだろ、あの伝説の!!
実在したのか!? あれ私おとぎ話のなかだけの存在だと思ってたぞ!!
ココア? ココアか分かった! へーユニコーンってココア好きなんだな初めて知った!!
なぁなぁなぁなぁなぁなぁ! ユニコーンと会ったって、お父さんとお母さんとお兄ちゃんと妹と弟に教えていいか!?


【ぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽち】
【ぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽち】
【ぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽち】
【ぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽち】
【ぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽち】
【ぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽち】
【ぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽち】


   【 ※ 1こしか 出てきません 】


【白銀の少女の「ユニコーン」という言葉に反応したのか、夜色の少女は大はしゃぎである】
【興奮のあまりココアのボタンを連打連打連打連打。ボタンが機体にめり込んできた気もするが気にしないほうがよさそうだ】
【しかもこのままだと彼女、ユニコーンの存在を家族どころか全世界に拡散しかねない。どう考えても口が硬い性格には見えないのだ】
【そのうえ多分、ユニコーンとペガサスが混じりに混じって彼女の頭のなかではミラクル生物になっている。これはまずい】

【──がこん。ココアが少女の望み通り、自動販売機から出現する】
【まぁ望みのモノは得られたのだ。変なやつに絡まれたのも、事故にあったと思えば────がこん。……うん?】


【がこん。がこんがこんがこんがこんがこんがこんがこんがこん…………】
【──むっちゃ出てくるココア。むしろ取り出し口からあふれでるココア】
【もはやオーバーキルの供給過多である】

【ぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽちぽち】
【……そんな状態になってもまだボタンを押し続ける少女。アホなんだろうか】
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage]:2015/03/07(土) 00:35:05.59 ID:iNulq49fo
>>874->>876

「はぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
全員の死力を身に受けてッ!シロアリに食い荒らされた柱みてーにボロボロに崩れ落ちやがれぇェェェェェ――――ッ!!!!


―――がぁッ!?

【到底"紳士"らしからぬ乱暴な言葉を投げかけながら猛攻を続けるW-1、だがッ!】
【その至近距離で、まだ足りないとのたまったその『敵』の発言に―――思わず彼もゾッと背筋を凍らせる!】
【背中から生えた骨の弾丸を胴体に、肩に、腹に、額にと次々命中!その勢いでW-1の体がバイクから吹っ飛ばされる!】

【ぐ、とうめき声を上げながら地面にたたきつけられた体を無理やり起こすと、続いて混成部隊への攻撃と自分たちへの攻撃を目にする】
【サメとレーザー、自分たちの方向に向けられるのはレーザー!】


おあッ……ぐっ、まずい……レーザーが来る!ガードしろジャンクちゃんッ!!
「了解!―――『ヘッドレス・クロス』!"鋼の雨傘"!!


【レーザーの方向に向けた手から鉄粉がばらまかれ、ジャンクちゃんの言葉に従うように結集し】
【その場に鋼鉄製でできた雨傘を生成する―――開かれた傘に直撃したレーザーに押される形で、それを持つW-1のボディがじり、じりと後ろに押されていく】
【やがてドロドロに溶けてしまった傘もろとも、狼の影の刃が乱雑に彼らの体を痛めつけ始める!】


ぐっ、があッ、ああああッ!!!
「ううッ、なんて、パワー……しかし、持ちこたえてくださいデスヨー"WILD"!!あなたはもう、あの方の後を継いだ身なのだから!
見えますか、あの地盤が!あともうひと押しすれば―――生還のチャンスを切り拓くことができます!」

……っ、ああ、私を見くびってくれるなジャンクちゃん!大技叩き込むぞッ!!


『Maximum charge』


【猛攻の雨がわずかに収まるほんのわずかなスキを突き、ベルトのレバーを一度引き、一気に押し込むと】
【電子音声とベルト中央の風車が勢いよく回転を始め、W-1の全身に赤色の凄まじいエナジーが迸り、その全てが右足へと集中していく!】
【地雷を踏まぬよう足跡を一歩、二歩と飛び越えたならばそのまま勢いよく上へと跳躍し!】


  ワイルドォォォ……!
                        「雷(イカズチ)ィィィ!!!」

                                        キ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ――――――ク ッ ! ! ! !


【その赤い雷を纏った右足を、跳躍力まかせにベクターめがけて叩き込みに行く!】
【この一撃で敵の体を滅ぼすことが出来なくてもそれでいい、ほんのわずかに尻もちでもついてくれればいいのだから!】

【なぜなら、この勢いで地面に激突さえさせればそのまま地盤の倒壊にベクターを追い込んで完全に封じ込めることができる、それを狙っての一撃なのだ!】
【窮地を脱するべく放たれた戦士たちの乾坤一擲の必殺技ははたして一筋の光を見出すことが出来るのか―――!?】
886 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/07(土) 00:35:53.08 ID:W4sbuvf0o
>>879
……フゥー、フゥ……まぁ、やれるやれないの二択ならやれるでしょうが……

【荒い息を吐きながら、こちらも未だ戦意を失わない眼で応じる】
【だが、左手はぼろ雑巾と化ししかも例の焔までやられた状態──持久戦に持ち込まれたら不利なのはこちら、かといって電撃戦でも確実に勝てる状況は片腕では作れない】
【少年が命を懸けてでも倒す相手なら別だが──死なずに終わらすには、ここが潮時だと判断する】

……私としては満足できましたし、ここで停戦もありだと思いますが……どうでしょう?

【確かに彼女は闘争を好むところはあるが、なにも死してもなおとまではいかない】
【半分はある人間の血は、平和と生存を求めてもいるのだ】


887 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga sage ]:2015/03/07(土) 00:42:44.37 ID:YVnpjPNlO

>>876

うひゃあ!?

【爆発、爆発、爆発】
【閃光、閃光、閃光】
【辺り一面に撒き散らされた攻撃に煽られ、思わず飛び出す】

うっ、く…最悪です……

【動けば動くほど、目立つ】
【それはつまり、被弾率が格段に跳ね上がるという意味で】

っ、ぐっ!?

【爆発、閃光】
【そして見えるは、多数の戦車】
【放っておくには、危険すぎる代物】

……仕方、無いですわね…特別に……全力、です! 

【砂塵にも、障害物にも邪魔されない位置】
【……つまりは、正面】
【そこに、真っ向から向き合い】
【戦車を、敵を、なるべく視界内に固定する】

……ファーストリミッター、解除

【眼を、見開き】
【見る、視る、観る】
【色を想像し、結果を思い描き、眼を極彩色に輝かせながら】
【『世界を、塗りつぶす』】

……全部…全部!ぶちまけろ!

【瞬間】
【『戦車の多数を含む、広範囲』が、全て赤く塗りつぶされ】
【一度に、爆炎を上げた】

……ぁ…!

【しかし、代償は大きく】
【すぐ隣に、レーザーが直撃】
【その爆風と余波で吹き飛ばされた彼女は、近くの瓦礫に落ちる】

……ぁは……もう、なにも見えないや……

【いくら人よりは高い身体能力があるとはいえ】
【全力を出すために、無防備に姿をさらした代償は酷く】
【加えて、能力の反動で一時的に視力を失った彼女は】
【もう、大人しく耐えるくらいしか出来なかった】
888 :リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga]:2015/03/07(土) 00:42:51.11 ID:IrLEbdNro

【夜の街は物騒とはよく言ったものだ。今宵も、1人、また1人と死に絶える】
【快楽殺人、無差別殺人、計画的殺人―――多種多様、常に引き起こされる人の死】
【大抵それは、能力者の所為なのだが。町中の高級街で今日もまた誰かが死んだ】

……突然、倒れてしまったんです。私は、彼と商談に……はい……。

【如何にもな、高級BARで1人の男性が”心臓麻痺”で倒れたのだ】
【その時、その場に居たのは―――リリルカ・メリフルアスという女性】
【彼女は現在、事情聴衆を受けていた。とはいえ、現場からは何も痕跡はないし、彼女が何かしたという証拠もない】
【彼女はただ、仕事の商談の為に彼と同席し、酒の席で会話していただけ。よくある光景だったのだから】

はい……非常に、残念ですわ。良い、パートナーでしたのに……。

【白百合、という表現がよく当てはまる。白を基調としたワンピースとカーディガン】
【長い白髪と、きめ細かな白い肌はもはや病的とも思える程、麗しく】
【彼女の琥珀色の双眸には涙が溜まり、肩を震わせていた―――】

【事件と無関係、と判断されたのか。ようやく解放され、彼女は一礼して繁華街へと歩を進める】
【その表情は暗く……だが、唇の端はやや釣り上がり、愉悦を帯びたものを感じさせる】

――――――馬鹿な、人ですわ。

【証拠なんてない。周囲の人間が見たのは、彼女の豊満な胸を弄り、乱暴に口吻を交わした男の姿だけ】
【疑うだろう、彼女を。しかし誰も気づくはずがない―――彼女の唇から、一筋の”血液”が滴り堕ちる】

/この時間から、という猛者がおられましたら……
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/07(土) 00:42:54.22 ID:liij3Ri00
>>874-876

「そん………なぁ…………」

【音速に匹敵する自滅技に等しい突撃】

【しかしそれは余裕と言った風に避けられてしまう】

「……………………あひゃひゃ」

「結局、僕には難しい見たいだね…綺麗に戦うのっ…………て」

【不安定な足場故か戟を地面につきたてて黒人の背後で膝を着いてしまう】

【そして襲いかかる斬撃】

「あ“…………………ぎゅうぅ」

【体が跳ね飛び地面にうつ伏せに叩きつけられる】

>>ALL

【天空より神罰のように地面に降り注ぐレーザー】

【肥大化し、体に刃を纏った影の狼があらぶる】

【そして黒人の手駒として暴走する重機】

「………………………だから」

「汚く地面を這いずりまわって勝つとしよっかぁ」

【瞬間、地面から筍のように氷の柱が伸び、頭上にてドーム形の氷のシールドを形成、この攻撃を食らえ半紙を破るより容易く敗れるとしても無いよりはましな筈だ】

【更に地面から伸びる氷の柱で重機を下から押し上げ転倒させる効果も期待出来よう】

【そして黒人の背後からその頸へと氷の鎖を伸ばす】

【指一本動かせないこの状況、しかし、反撃は充分可能なり!!!!!!】

【せめて最後に、囮として注意を此方に引き付ける】

【この鎖が当たろうとあたらまいと注意さえ引ければ】

【万策尽きた、剣折れ矢尽きた】

【あとは野となれ山となれだ】

「えへへ、もし生きてたらおねぇちゃん………………誉めてくれるかなぁ?」
890 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/03/07(土) 00:43:29.26 ID:s9uX9O6Do

>>874

【翼を何度も何度もはためかせ、低空で彼女は駆ける。誰よりもそれは疾い。先にたどり着けば】
【辺りを確保して、部隊の到着を援護するだろう。しかし、水が彼女にも襲い掛かる】

【だが、その程度の小手先の術に踊らされるような女ではない。誰よりも疾く、踊ってやるんだ】
【懐から一冊の魔術書を取り出す。風の魔導書。ページを引き裂いて、青く燃えて散った。風が】
【風が彼女を助ける。突風は上昇気流に彼女を載せる、羽ばたけば彼女は黒い片翼の『青い鳥』へ戻る】
【左腕の盾を展開して補助翼として、飛行を安定させる。上空に上がり、回避するだけじゃない】

私のッッ!!!仲間に触れるんじゃないッッ!!ハァァァアアアアア!!!

【旋回して、戻ってくる。風を切って、右手に握った滅びのラッパを水へと『魔笛』を撃ち鳴らした】
【それだけじゃない。戦場を縦横無尽に飛び回りベクターの操る全てを目標へ砲撃を食らわせ続けた】
【さながらそれは銃撃ではなく、砲撃ではなく、爆撃のよう。命中も確認せずに銃身が焼けるまで撃ち鳴らす】

【だが、彼女は歯を噛み締め、睨む。アイツを一発ぐらいぶん殴ってやらんと気がすまない】

【最後のマガジンを装填すると、彼女は高く高く高く飛ぶ。足りない風は魔導書を口で破り捨てる気合】

【ベクターの真上、まで高く上がれば。翼を畳み、今度は『ツバメ』のように落ちていく。盾の空力ブレーキを】
【展開し、速度を操作する。それが、軋んで嫌な風切り音がなる。サイレン。唸るようなサイレン。魔笛の本来の意味は】
【この急降下爆撃時の風切り音のことだ。真上から猛スピードで落ちながら砲撃をばら撒いた。弾丸を叩きつける】

【最後の一発を撃ち放った時、その強固な銃身は弾け飛んだ。破片が彼女の頬を掠める】
891 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sagesaga]:2015/03/07(土) 00:43:42.34 ID:MoZdLt2Xo
>>874>>876

「ちっく、しょ……おッ――――――!!!」


【「Flame Bomber」を刃で発動させることによって生まれた「Flame Slash Bomber」。場面が場面ならば決定打にもなりうる威力を持つはずのこの魔法】
【しかし六罪王の力は底知れない。ライラ自身のと合わせて3人の攻撃を同時に処理し、そしてあまつさえ反撃を加えてくる】
【対するライラ、魔力の過使用とベクターの攻撃によるダメージは以外と大きく、この斬撃を回避、防御し切る技術はない。肉体にも入り込む傷】


(……カノッサの連中と戦ってると、なんかフツフツ湧いてくるんだよ。それが何なのかはまだ知らねー―――)


【地獄のような波状攻撃はまだ終わらない。先ほど別のメンバーに浴びせていた光の砲台は集結、合体しレーザー兵器と化す】
【その砲撃を間一髪でかわしていくがそれが長く続くはずがない。脇腹に光の熱戦を浴び、苦悶の表情を浮かべるライラ】
【そしてこれも"進化"なのだろうか。クレーンと戦車がひとりでにベクターに立ち向かう者たちを鏖殺しようと動き出す】
【クレーンの攻撃こそ当たらないものの、戦車の砲撃、爆裂する地面。その余波で吹き飛ばされゴロゴロと地面を転がり、何とか立ち上がる】
【さらに影の狼。もう狼と言っていいのかわからない進化を遂げた刃の触手を有す影は無闇矢鱈に空間を刺し貫いていき】
【ライラはその触手を回避し、杖で防ぎ、刃で叩き斬り―――ありとあらゆる手で防御するも全てを防ぎきれない。身体が、切り刻まれていく】


(仮にそれが人を助けたいっつー"正義"だったんなら俺はアンタと同じ道を辿るんだろうな、だが―――)


【ボロボロになっていく体。……だが、ライラは倒れない。斃れるのは、プライドが許さない。まだ1mmでも体が動くのなら相手に立ち向かうのがこの男だった】
【その証拠にまだ目は死んでおらず、それどころかベクターを睨んでいた。血だらけになった眼をベクターへと向ける】
【―――ブレスレットが、魔力と魔法に変える変換器が一気に減光する。貯めていた魔力を、一気に開放するつもりだ】
【誰かが1秒稼いでくれた時間を無駄にはしたくないし、自分もたった数秒、いや数瞬を稼ぐつもりでライラは叫ぶ】


(―――やっぱりそんなんで止まれるほど、この世界は甘くねーな)


「   W   4   !   !   !     F r e e z e   J a v e l i n ! ! ! 」 


【眼前に出現した一際大きな水色の魔法陣を剣で勢いよく刺し貫けば、出現するのは水色の塊―――氷で出来た巨大な投げやりのような物体】
【それは先ほどのベクターが投げたパイプがごとく高速で彼へと飛来する。直撃すれば、腹へと刺さるコースだ】
【そしてソレが刺さらなくともヒットすれば―――彼の身体は地面と身体を接着するように勢い良く凍りつく!】
【爆撃の援護に、または誰かのトドメへと布石になってくれればそれでいい。 ライラはそう、祈るしかなかった】
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/07(土) 00:44:50.37 ID:QvkZSPugo
>>874

――――――――ッ!!?

【大顎は獲物を噛み切る事無く虚空を喰み、やがて崩れ落ちる】
【ふつと接続が切れる感覚の後に奔るのは痛み、それでも声ひとつ上げないのは魔女の矜持】

【零れた血液は魔翌力を含み既に高温となり外気に触れた瞬間に燃え盛り消える】

(――――――――……少しは稼げた、かな)

【魔女は魔を扱う者、それ故に鎧は纏わずならば剣も持ちはしない】
【対抗する為の装備も朽ち果て、今や魔女はその身一つそしてその身体さえも既に傷つきガラクタのよう】
【悪戯にただ悪戯に斬られ切り裂かれて血を零す、陽炎ひとつ】

(……もう魔翌力も無しか、存外冷静なものね)

【倒れる身体の一片に力の一つも入りはしない】
【散華してゆく己の何か、喪失の感覚にしかし戸惑いが無いのはやりたい事をやった結果だからだろうか】
【酷く自己中心的な考え、でも自分の命は自分だけの物でどう扱うかなど他人に決められては気持ち良い物ではない】

【それに喩え此処で灰となろうともその灰は土に溶けて新たな芽を育むだろう】
【落ちる瞼、ただこの静かな今を享受して頁を閉じる事となるこの災禍の中心で沈む】
【完全に身体を伏して、そこでふと懐で硬い物が触れて……意識は急に表層へと広がる】

【いつかの巨兵の名残を集めて銃とした、ただ一振りの魔銃】

(…………そうだ、この子も居るんだ――――――――)

【切り札のひとつ、だがそれを切るにも糧たる魔翌力が既に空だ】
【種火を、僅かでも良い種火さえあれば事足りる……魔翌力を、火を、焔を、力を感覚を伸ばして必死に探る】
【そうしてふと耳に届く微かな音、トクントクンと鳴る爆心がひとつきり】

【種は自分の一番近くに、そうだいつだって自分はそうして来たのだから】
【今からしようとする事に躊躇いは無い、爪の欠片が突き刺さる右腕を掲げ】

――――――――……動けぇぇぇぇッッッッ!!

【深く己の胸に突き刺し心臓を掴み、その鼓動を種火にもう一度だけ火を灯す】
【血に魔翌力が溶けているならば心臓さえも同じ事、爪の魔翌力炉に類する物は魔女の心臓に他ならない】
【火花を散らし火種を起こし猛き炎へと、力へと変える】

【燃え沸き立つ心臓は鼓動の音の度に魔翌力を零し】
【その魔翌力を左手に携えた魔銃に注ぎ込む、今こそ生命を燃やす時】

……………元からっ、ゲホッ……血の気は多いからね……
これだけ流れれば、むしろ頭が冴えるってもんよ――――――――

【今際の際の冷静さ、掠れゆく瞳は解けつつある地盤を捉え】
【そして銃口は魔人にではなくこの地面へと向けられる、―――――――】

アンタなんかと土葬されるのはゴメンだけど、きっとこれが一番の手立て
地の底に呑まれてしまいなさい――――――……!

【引き金を引く力は弱く、されど一拍遅れてカチリと鳴って】
【爆心の音を宿す砲撃は地面深くへと放たれる、魔人を地の獄へ埋める為】
893 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/03/07(土) 00:46:48.66 ID:kqvJC5Cs0


>>874-876


【ベクターの猛攻に傷つきながらも連絡車両まで残りわずかの距離にまで近づいた救援要請組。】
【しかし周囲が突如海面状に変化し、異形の水棲怪物共が襲い掛かる!】

ううっ…!ベクター、あの男一体幾つの能力を持ってるっていうの!?

【どうやら地に足は付いているようだ。しかし水に浸かった足は思うように動いてくれず、そして余りの天変地異の連続に等比の判断能力は瞬間、低下し】

…ッあぁっ!!!

【背後から突進する一匹の鮫の怪物に等比は気付くことが出来なかった。】
【めきめき、という軽い音。それは紛れもなく彼女の肋骨と大腿骨がへし折られる音であった。】
【吐血。嘔吐。激痛。そのまま彼女はべちゃあっと音を立て浅瀬に真正面から倒れ伏した。】


【折られて、動かない足。いくら力をいれようとしてもただ痛みが走るだけ。使えぬ足。頑張ることが、できない…】
【しかしそれでも、彼女は必死で力を込める。朦朧とする意識の中で、自問しながら。】

(何をやってるの、私は…)
(力になるはずが助けられて…何度も誰かに盾になってもらって…私は…私は…!)


(私は何のために頑張ってきたの?)
(決まってる)



私は!今頑張るために頑張ってきたんだ!!



【立てない足で、彼女は立ち上がった。】
【同時に空中に十数個の石ころを投げる。そのどれもが異形の鮫の頭上に正確に位置するように。】
【何万回も練習してきた投擲。その狙いが外れなかったのは至極当然な、彼女の頑張りの結果であった。】


『復元(リアライズ)』…!!

【唱えると同時に全ての小石達がその本来の大きさまで膨れ上がる。始めに使ったものとは比べ物にならない程の…】
【大岩に!】

降り注げ!『巨岩の大雨(ロッキー・トレンシャル・レイン)!!』
894 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/07(土) 00:48:52.73 ID:4SMCvXgho
>>886
……停戦、か……お前が死んでも決着を付けたがる性格じゃなくて助かったぜ…

【問い掛けに対し、少女が求めたのは終戦、これ以上の血で血を洗うような戦いは求めないという言葉】
【それを聞いて、安心し切ったような表情で頷いた少年は、そこから糸が切れた人形のように崩れ落ちた】

…ハァ……ハァ……っ痛…!割と酷くやっちまったな……悪かった…
お陰でこっちも収まった……一先ずは、な……

【腹部の傷を抑える少年からは、いままでのような憎悪や憤怒の感情は消え失せており、危な気だった魔力も鳴りを潜めた】
【ただ、依然光の無い目で少女を見遣ると、『悪かった』と礼を告げる】
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/07(土) 00:49:33.56 ID:UdPJaF5i0
>>884
「ふふん。その通り、私はユニコ―…………オマエは馬鹿なのです。何でユニコーンに翼が生えているのです
まあ、良いのです。今私は機嫌が良いから許すのですよ
魔を裂く聖なる角を持つ、あのユニコーンなのです。一時は教会で悪魔の討伐の指揮までとっていたのですよ
だからお前は私に会えたことを幸運に…………別に言っても良いのですよ?後、お前は少し五月蠅いのです」

【持て囃せば持て囃すほど調子に乗る性格。典型的なお子様なのだろう】
【――――ボタンに関しても“今は”止める事は無い。壊れようが何をしようが、自分の物では無いからどうでも良いのだ。……今は】

【さて、驚かれればやはり薄い胸を張り。我を讃えよと言わんばかり】
【五月蠅い、とは決して注意できる立場では無いのだが…………この際、それは置いておき】


「それと、全てのユニコーンがココアを好む訳では無いのです。私の父は甘い物が嫌いで――――うん?
お、お前…………止めるのです!さっさと止めるのですよこのポンコツ!!
ネジを外してきたならちゃんと締めてくるのですあほ!!こら、ココアは別に一つあれば――――!!」

【鼻を高くして語っていれば、その時になって漸く違和感に気付くのだろう】
【果たして、今ので何度目の落下音だろうか?気付けば恐ろしい速度でココアが増殖して行く】
【まるで何処かの饅頭が増える話だな――――なんて笑う余裕すらも無く。気付いた頃には車輪の側にまで転がる程溢れ出ていて】


「こんの――――ッ!!!さっさと止めるのですスカポンタン!!お前はココアを自販機から枯らす為だけに生まれてきたのですか!!」

【手を伸ばしてその一つを手に取ると、言葉では無く痛みによって制止を試みようとするのだろう】
【所詮非力な少女が投げた物だ。例えスチール缶であろうと中身が入って居ようと当たった所で痛みは無い】
【――――が。それが角ならば話は別だ。グルグルと回転し、それはボタンを押し続ける少女の額に目掛けて真っ直ぐに飛んで行き】
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/07(土) 00:53:10.03 ID:cLernc640
>>874>>875

【―――もう一度、全ての攻撃がベクターを襲う。拘束された状態での思い思いの一撃は、それなりに効果があったように思えた】
【思えた、のだが。―――あろうことか、反則じみた奥の手を使ってきた。即ち、自分で自分の体を削って脱出する―――】
【再生能力があることを前提にしかできない荒業。いくら何でもこれは誰も思いつかない……】

【しかも、春燕が投じた毒までも適応するのだ。ウイルスや菌類には薬物耐性を持つものが存在するが、それを一瞬のうちにやってのけたというのだ】

……ッな……!?薬物耐性菌より厄介ナ……!

【自らが生み出した毒にこうも簡単に適応されると、薬屋のプライドも傷つけられる。……けれど、今はそんなこと言ってる場合ではない】

【今は、彼を倒すより連絡部隊の援護だ。囮が何とか踏ん張っている間に辿り着かねば―――】
【―――と、思ったその瞬間。目の前を濁流が押し寄せ、水浸しにして……其処に、巨大なサメが出現した】
【大口を開けて襲い掛かる様子は、ジョーズもさもあらんと言った風な大迫力。襲われれば一たまりもないだろう】
【しかし―――】

>>882

私だって薬師ダ。―――意地でもあのデカブツの動きを止めてやるヨ。
こっち(鮫)には毒は効くよネ……薬師春燕のプライド、見せてやル!ワタシの作った「最高傑作」―――とくと味いなさイ!

金符・火符―――「蝮弾」!!

【極限まで研ぎ澄まされた一撃が怪物の動きを止められなかった時は、彼女が襲われて殺されてしまう可能性も高い】
【が―――薬師の意地とプライドにかけて、そんなことはさせない。符を二つと手持ちの自家製麻痺毒を合わせて作り出した麻酔銃を、桃子の作った傷口目掛けて放つ】
【銃弾は貫通しなくてもいい。ただ鮫の体内に食い込めば――――それだけで、強烈な即効性の麻痺毒になるから】
【この毒は、彼女の作った最も強力な麻痺毒だ。特筆すべきはその即効力、巨大な敵に対しても数秒も経たぬ内に呼吸が出来なくなる代物】
【「万が一襲われたら」「最悪殺される」、その万が一・最悪すら無くすように。動きを完全に止めるべく、放たれる一撃―――!】

897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/07(土) 00:59:30.81 ID:c2hxrFht0
>>874-876

【攻撃は確かに奴に効いている、苦しんでいる、勿論これだけでは討ち取るには足りないが】
【奴の全身を吹き飛ばすほどなら、いけるかも知れない、その為にも時間を稼がなくては】
【フレデリックの敵を拘束する術により一時的にベクターの動きが止まる、腕を切断したのなら腕力に任せて千切ることも出来まい】

【……と、考えもしたが、奴の前ではこれさえも甘い考えとなってしまうのか】
【不死身であることを利用して、人間ではあり得ない方法で攻撃、直後に脱出してみせる】
【自分の骨すら自在に操り、毒さえも適応し 凌駕してしまう、奴はまさに怪物だった】

ぬ……っ…………!ぐう……ッッッ………………!!
何でもありな身体だな……、正直、今の我々ではこれでも火力不足かも知れん……!

【降り注ぐ骨の嵐、やむを得ず全速力で後退するものの、どうしても遅れてしまう右脚にぐしゃりと幾つか骨を受けてしまう】
【逃げる時に脚に纏った能力のお陰か、肉こそ吹き飛ばなかった が、脚を引きずっているところから見て、最初に比べると動きは鈍くなってしまっているだろう】
【敵のタフさのせいで能力を解除すら出来ぬ状況が続く、そろそろ救援が無ければブラックの能力の限界も見えてきてしまう】

ッ……!今度は全てまとめてときたか!しかし そう簡単に……倒されるものか……ッ!!!

【圧倒的な連続攻撃、ブラックは動かせる片足だけで 動けるだけ動き回る】
【今回せる力は全て脚に込める、それにより韋駄天の如きスピードを得るが、段々と弱くなっているのも事実】
【レーザー砲や戦車の弾幕にも少しずつ追い付けなくなり、ギリギリで肩や脇腹を掠めていく】

【だがブラックは今やれることを全力でやる、それが国を護る将校としての責務!】
【これで最後、能力による攻撃はこれで底を尽きる、思い切り大地を蹴りつけ】
【低い姿勢で構えたまま、すれ違い、今度はベクターの両脚の切断を試みた】
【それは鎌鼬が通り過ぎるかのよう、だがこの一撃で彼はこの戦い、もう能力は使えなくなってしまうのだった】
898 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/07(土) 01:08:43.89 ID:Rd0h3ERDO
>>895

   【 が こ ん 】

【見事に缶の角が、少女の頭にクリーンヒット。これが今宵最後の落下音となることとなった……】

【びー、びー、という警告音と共に、ココアのボタンに浮かび上がる「sold out」の表記】
【脅威の夜色ココア魔神は、己が召喚したココア缶の海に崩れ落ちていく】
【嗚呼、もっと彼女の静止が早ければ──しかしそんなことを今更言っても仕方ない。自販機のココアは枯れてしまったのだ】

【がしゃがしゃがしゃがしゃ、と缶同士が擦れる音が待合室に響く】
【ココア缶の海に漂う夜色の少女は、ぷすぷすと頭から煙を出しつつふふんと笑い……】


──ふふ、ん……ユニコーン…………地上さいきょーの、生き物……油断、し、た……


   【 な ん の 話 だ 】


【もう、彼女の頭の中の「ユニコーン」のイメージはしっちゃかめっちゃかだ】
【これはバカだポンコツだスカポンタンだと罵られても仕方ない。むしろ白銀の少女の正当な権利だ】
【──ぱたん。渾身の一撃所謂必殺技をまともに喰らったせいか。夜色の少女の手が、力尽きたように床に触れた】


…………と、ところでユニコーン、は……な、なんでこんな、とこ、に──?
ココアの海を越えて、次はカフェオレでも目指す、のか……


【……どうも、頭の打ち所が悪かったらしい。少女は缶の上に倒れたまま、うわごとのようなことを言い出した】
【ココアだのカフェオレは明確に妄言だろう──本来は、「何してたんだ?」のひとことを言いたかったはずだ】
899 :クローフィ・チャイカ [sagesaga]:2015/03/07(土) 01:09:59.12 ID:W4sbuvf0o
>>894
ふ、ふ……同感です、流石に命を落とすのは勘弁ですし……

【こうしてお互いの衝動をぶつけあい、負傷にとどまったところで終わらせる】
【恐らく、両者にとってそれなりに理想的な状態で終わらせることができただろう】

いえ……こちらこそ、ザックリやらせてもらいましたしお互い様……
互いに、有益なものであったようで何よりです……

【こちらも敵意の消えた眼で謝罪を行う】
【そして少し手間取りつつもジャケットを脱ぎ、それを少年の前に置く】

止血に布が必要であれば、どうぞ……私は、別に手段がありますので……
それでは、また会うときがあれば……

【そう言い残すと、左手を右手で押さえながらゆっくりと少女は去っていった】
【次に会うときは、どのような形になるのか──それは、神のみぞ知ることである】

//遅くまでありがとうございました
//初めての戦闘描写で変なとこもあったかと思いますが、御容赦を……楽しかったです、また絡む機会があれば是非
900 :小山絵手雄  ◆SEBUhSQF9U [sage saga]:2015/03/07(土) 01:13:42.39 ID:4aMf6EDb0
>>874-876

【ハロゲンロッドのクリーンヒット。これまで会ってきた能力者であればこれで沈んだ】
【しかし、目の前にいるのは能力者の枠に収まるかどうかも怪しい化け物】

ぐうぅ…いい加減諦めろこの野郎っ…!

【一旦後退し、アームをかわしつつ呟く言葉は、もはや懇願の域】
【刃の触手やレーザーはロッドで対応するも、全身や鎧に細かい傷を増やしていく】

【その間にも、迫りくるミサイルの雨が、視界を埋めていく】

あんなのどうすりゃいいってんだよ畜生…!

【自力では、どうしようもない。そう肌で感じる…が、少し引っかかる】

…じゃあ、自力じゃなければ!

【必要な『もの』は、そこらじゅうに転がっている。賭けてみる価値はある】
【そう思った時、指はすでにプロジェクタのボタンを押していた】

『火には、風、だよなァッ!!』

【響く、ちぐはぐな台詞】
【映し出されたのは、先ほど録画した黒人の姿(>>808)】
【実体化したそれは、同じようにそばにあった瓦礫を持ち上げ、同じように振るい、同じように突風を生み出した】
【風に煽られたミサイルのいくつかが、近くのミサイルとぶつかり、爆ぜた】
【その爆ぜたミサイルに巻き込まれる形で、ほかのミサイルも次々爆発していく】
【思わず、その成果に小さくガッツポーズ】

これで…終わりだ…頼むから終われ…!!

【ピーピーと、すでに鎧は危険信号を発している。恐らくは最後の一撃】
【レンジの光を、黒人へと集中させる。マイクロ波による攻撃で、多少なりともダメージの上乗せを狙う】
【そして、ロッドを正眼に構えると、熱気はさらに温度を増していく】

はぁぁぁぁぁ…めぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!

【咆哮とともに、黒人へと熱気の塊が突き進む】
901 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/07(土) 01:19:51.63 ID:/P11oA0eo
>>893>>882>>896

 『ぐ、ああああッ!! あと少しっ……あと、少しだというのに!!』

【軍人達が必死に銃撃で応戦する、だが水の中に隠れては神出鬼没の出撃を繰り返すサメに翻弄され】
【思うように弾丸を命中させる事が出来ない、ここまでか―――そう思われたときだったッ!!】

 『―――なにっ、あの石は……巨大化、したッ!?』

【熊出の放った小石が、巨大な岩石の雪崩となって一斉にサメの巨体を襲い、埋め尽くす!!】
【その衝撃に吹き飛んだサメは動きが明らかに鈍る、そして其処に迫るは―――ッ!!】

 『よ、よせ山城君!! 君は―――命を捨てる気か!!』

【もう、ボロボロのはずの彼女の懇親の一太刀。普通であれば、この流れで接近など、出来まい。】
【だが彼女は、彼女だけはやってのけた!!確実にサメの眼球を貫いた刀が、そのまま傷口を押し広げ、そして―――!!】

 『いまだ、一斉射撃ッ!! 春燕君、援護を!!』

【軍隊の火力攻撃が集中し、そしてトドメとばかりに春燕の麻痺毒が突き刺さり―――サメは、痙攣し水の中へと消えていく!!】


 『でかした……でかしたぞ、三人ともッ!! 山城君は早く、車両の中へ!!』
 
 『熊出君、君もだ、早く手当てを―――春燕君、急げッ!! 車両を復旧させる、周囲を見張っていてくれ!!』

【無事に辿りついた応援部隊とともに、連絡用の車両が急ピッチで修理されていく。そして、航空支援を行うための無線が、つながり。】

 「了解した、これより全飛行部隊による一斉爆撃を行う。ターゲットを補足するためのLTLMが其処にある、ヤツをロック・オンしてくれ!」

 『ブラボー・3、了解!! リック、出番だ!!あのイカれたブラック・マフィアにたっぷりレーザーを照射してやれ!!』

【航空支援の爆撃を精密化するためrのポイント・レーザーロックが携帯式モジュールにより行われていく―――ッ!!】

 {くそっ、ダメだ!!ちょこまかと、動きやがって!! ロックオンできない、誰か―――!!}

 『いや、その必要は無い!! 彼らに任せろ!! 彼らを―――能力者を、信じろ!!』

【航空支援の要であるロックオンは―――ベクターの動きを補足することにかかっていた。そして。それは。】
【今尚、ベクターと接近戦を行う勇敢なる戦士達によって、齎される事になる……!!】


>>883

【まず、フレデリックは自身へのダメージを最小限に抑える!!】
【これにより行った反撃で、彼の持ち上げた巨大な車両が、凄まじい勢いで投擲され!!】
【巨大オオカミに向かい、凄まじい一撃となってオオカミの動きを、止めるッ!!】

>>889>>880

【諦めない―――腕を失おうと、身体を穿たれようと!!】
【余りに熱すぎる、2人の少女の攻撃が、悪魔の操る巨大建設重機に火を噴いたッ!!】
【犬神の生み出した巨大な氷の柱が、機械の足元を突き崩し、そのバランスを破壊してッ!!】
【そしてそこに重なるネモの、命を賭けた拳が!! あろうことか、建設機械を、破砕していく―――ッ!!】

>>890>>887

【そして、ヴァローナの怒りの射撃と、りえるの究極の一撃が、残る戦車部隊を蜂の巣にしていく―――ッ!!】
【戦車隊は次々に破砕され、その動きを止めた。だが、瞬間、ヴァローナの周囲に展開するのは―――!!】
【合体していた筈の光の砲台だッ!! 分裂し、小型になる事で超・大量のレーザーを横殴りの雨のように、浴びせるッ!!】
【だがこの攻撃をヴァローナがひきつけておくことが出来れば―――或いは、他の全ての戦士が光線から、逃れられるか!!】
902 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/07(土) 01:20:06.44 ID:/P11oA0eo

>>891

【そして―――暴れまわるベクターめがけ、遂に飛来するのは、氷の槍ッ!!】
【ベクターは再び、"絶対感覚"を用いてそれを軽々と回避、する、のだが―――!!】

 ……!! まさか、これは……お前、魔術師、まさか―――ッ!!!?!?

【そう、凍りつく大地が、更なるダメージを負う。そして、そこに畳み掛けるように繰り出されるのが―――!!】

>>885>>881>>897>>900

【ヘケメトによる究極の突貫攻撃と、ワイルドのライダー・キック、小山のマイクロ派による熱撃、そしてブラックの、最後の一撃ッ!!】
【この通常であれば全てがトドメのソレになりうる超・多重攻撃により、ベクターは強烈なダメージを負うッ!!】

 お、ぐ、が――――ええい、厄介な!! お前ら全員、邪魔くせェェんだよォ!!!

【拾い上げた剣を、再び振るおうと、するが―――そこに、最後の攻撃が、加わった。】

>>892

【その時、穿たれたのは地面。カズネの射撃が正確に、凍らされて吹き飛ばされたベクターの足元を、ブチ抜いてッ!!】


>>ALL


【―――全ての攻撃がベクターの肉体を襲った時、生まれた衝撃波により彼の身体はもう一度"地下"へと吹き飛ばされていく。】
【そう、余りの火力に元より不安定であった地盤が再沈下し、彼の周囲を含めた一帯が、地面の中に沈んでいったのだ。】
【避けきれる規模の攻撃でも無ければ、また基本的に攻撃を避けるでもない彼は、崩落の中に呑まれていき―――】

 
   『―――急げっ!! 最後の車両の収容が完了した!! 』

   『お、おいまて、名簿に在った1人が行方不明で―――!!』

   『言ってる場合か、もう探している時間はない!! 』

 

         『ヘリを発進させろ!!』



【そして、ベクターの影が消えた時、最後の避難民の収容が完了し、遂にヘリが脱出可能状態へとなって。】
【残っていた軍人達も、怪我人も、ヘリの中へ詰め込まれていく、今此処に居る戦士達もまた、"脱出"する事が先決だろうか。】


   『おい、そこにいる全員>>ALLもだ、もう時間稼ぎは終わった!!』

   『軍が航空支援で、この一帯を爆撃し奴を抹[ピーーー]る!! その前に速く、ヘリで脱出するんだ!!』

   『巻き込まれたら命の保証は出来ない、早く、早くヘリに乗りこめ!!』


【―――空を見上げれば、既に爆撃機を含む航空戦力の近づいてくる機影も見えるだろうか。】
【東の空を覆い尽くす航空船団が、この首都を爆破しベクターの抹殺を図る。直接攻撃より、遥かに効果的だろう。】
【だが、ひとつ気がかりなのは"行方不明者"がどうだ、とヘリで言い合いをしている兵士と救護員が居た事だが―――ともかく今は。】


【ベクターが沈黙している今は、脱出する事だけが作戦を成功に導くだろう―――!!】

903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/07(土) 01:27:26.22 ID:UdPJaF5i0
>>898
「お前は地上最悪所か史上最悪のアホなのです。後世まで名を受け継がれるから喜ぶと良いのですよ」

【倒れ行く少女を横目で見つつ、ココアのプルタブを開けて一口】
【勝利の後の一杯は何よりも美味しい――などと酔う事も無く。警告音、缶の擦れる音。そして少女が寝そべり少女が溢れたココアの一つを飲んでいるなんて奇妙な光景が出来上がった】

【――――手を貸さないのだから冷たい。一缶を飲み干せば次のココアへと手が伸ばされ】
【また買わされるはめにならなかった事を考えれば……少しは、この状況も役には立っただろうか】
【物事、何事も程ほどが大切ではあるのだけれど】


「私がカフェオレ海をならばお前は常識と呼ばれる大地でも目指して旅立つと良いのです

――――元は、何処ぞの馬鹿悪魔のせいで此処に居るはめになったのですよ。車椅子だって、その所為なのです
石化の呪いはお前は知っているのです?徐々に身体が石となり、最後には心臓も石化して死ぬのです」

【呆れた様に視線を下にさげれば、皮肉で返して】
【続いたのは、此処に居る理由だろう。約せば、とある悪魔による“石化”の呪いのせいで此処に入院する事となった】
【元は歩けたのだろうが、呪いも今や下腿の浸食を終えて動かす事すら出来なくなった――と】

【――――溜息を吐けば、今飲んでいる物とは別なココアの缶を拾い、プルタブを開け】
【車輪を動かして倒れる少女の所まで近寄れば、その缶を差し出す事だろう】


「そんな事より、お前はなんで此処に居るのです。頭を除けば健康のお手本の様なのですよ
……もしかして、精神科か本当に頭のネジでも直そうと病院に来たのです?

――――それと、早く起き上がらないとおまえの身体でモップ掛けされるのですよ」

【白銀の少女の歳は14或いは15が妥当。倒れる少女の方が年上であるにもかかわらず――――尊大な態度は崩れないし、罵倒も皮肉も弱まらない】
【まあ、結局の所は何で病院に居るのだ、と問うているだけで】
904 :天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/07(土) 01:29:54.37 ID:4SMCvXgho
>>899
俺はまだしも、お前も有益か…?もしかしてストレスでも───

【自分の方には戦った理由がある───それは自分だけが知る事であるが、理由としてはちゃんと存在する物だ】
【だが、同じ様な物を抱えているようにも見えない少女も『有益であった』と感想を漏らす事に違和感があった】
【怪しむように見つめたが、人には色々あるもんだと納得する事にした】

……いや、そりゃこっちも同───行っちまった、聞けよ……

【傷に対する何らかの手段、もしくは理由があるのはこっちも同じ、それを伝えようとしたが、言い切る前に少女が行ってしまった】
【出されたジャケットをそのまま放置する訳にも行かないので、取り敢えず拾って……】

……───いやいやいやいや、俺は別にそんな事はだな……

【歳の近く見える少女の着ていた代物である、年頃の少年には刺激が強く───あ、違う?そうじゃない?】
【───とにかく、人の服を自分の血で汚すのは忍びないと、それを包帯代わりにはせずに持って行く】
【いつの間にか、流れる血は止まっていた】

/お疲れ様でしたー!
905 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/07(土) 01:39:03.66 ID:tUnBjlx4o
>>901-902

【強烈な攻勢は敵の再生能力と反撃を許さず、全力で地下へと押し込んでゆく】
【フレデリックからすれば、その攻撃の道を開いた――壁として、最善を為したのみ】
【それが結実したことを確認して、視界の先でベクターが地盤ごと地下へ沈むのを見れば】

(…――脱出、だな。あれだけ暴れておいて、地下がこのまま無事とも思えん)
(航空支援とやらに巻き込まれても敵わん……足も動く、か。)

【他の者と比べて目に見えるダメージは少ない。魔力・体力は著しく減っていたが】
【まだ余力があった。右腕の変化というイレギュラーが無ければ、また別だったろうが――】

……あの魔女め、もう少し魔力の総量というのを計算したらどうなのだ
いや…――それほどの余裕を持って挑める相手でもないか。……仕方あるまい

【――そうして撤退を計るときに目に入ったのは、以前森のなかで出会った一人の魔女(>>892)】
【その火力は離れたい力でも分かる程だった。そして、それ程の威力を持った術を使えば】
【恐らくは動けないだろう事も、魔術を嗜むフレデリックには分かる。――故に、駆け足で彼女の方へ近づけば】
【些か乱暴ながらも右腕一本で担ぎ上げて、そのままヘリへと飛びのらんとするだろう】


【また或いは、其処で改めて戦場を眺めて動きの悪い者(>>887)――何かしらの傷などを負ったであろうものを見つければ】
【薙刀を置くなり、能力を応用して腕を伸ばして服を掴み、ヘリに引きずり込もうとするだろう】
【勿論、これは他に誰も手を貸す余裕がない時の最終手段だ。相当に乱暴な救出方法であった】
906 :(山形県) ◆Heckemet8M [sage]:2015/03/07(土) 01:41:00.70 ID:iWBwXBwxo
>>901-902

「おいテメェー、逃げんじゃアねェぜ……砕いて、壊して、消し飛ばす」

【魔翌力と体力を多量に消耗した状態の男一人、このままでは崩落でも爆破でも、とにかく何かしらに巻き込まれかねない】
【けれども、動くのでさえ精一杯だ】 【どうするか、どうやってヘリに乗り込めばよいのか】

『お……重いですよ、ヘケメト』

【いつの間にか光から元の姿に戻った女性、術後の吹っ飛びなどによって今はヘケメトの下敷きになっている】
【彼女が無事ならば翼があったはずなのに、そうでないから飛ぶことも出来ない】

【――空から何かが飛んでくる、黒い影だ、ここに来て援軍……?】
【それは全身真っ黒な毛に覆われている奥二重でコワモテ、エルフ耳で2mの身長の悪魔だった】 【頭部には二本の鋭く禍々しい赤い角を持っている】
【黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、首にはマフラーの様な長い紫色の毛を持ち、他にも所々に紫色や赤の模様や毛を持っている】
【鋭く赤い牙と同じく爪を持ち、手足や尻尾の先の方は紫色で、いかにも悪魔だと思わせる尻尾の先端には赤い棘がある】
【赤い棘は肩や手の甲、アキレス腱の位置にもあり、先端に赤い爪を持ち紫色の翼膜な黒い悪魔の翼を背から生やしていた】

{……ちッ、あァっちで手ェ間取ォってりゃア終ォわりかけか} 「なんだお前か、……帰れ帰れェ」
{報ォ酬の1/5よォこしな、あァのヘリにぶゥん投げるからよォ} 「どォーせ強制……なんだろォ」
{当ァたり前だ!} {――……俺の弟ェ子の頼みだからな、"奴"を苦しめる為にもテメェーには死ィんで貰っちゃア困る}

【悪魔は2人をひょいと持ち上げれば、近くの救助用ヘリに強引にねじ込み、そして自警団に"指名手配犯が出たぞ"と騒がれる前に逃げようとする】

【(もし、あなたが望むならば悪魔に救助や治療を持ちかけても良い。報酬の幾らかは犠牲になるし、ついでに自警団等に追い回される気分も味わうが)】
907 :山城桃子 [sage]:2015/03/07(土) 01:42:16.93 ID:7RKzuyKoo
>>901-902

【確かな手応え、彼女の刀は正確に鮫の瞳を貫き、斬り上げる――――同時に鮫を蹴り撤退、空中に身体を放り出す】
【水浸しの地面に投げ出されるが、直後鮫の瞳、其の傷口を狙った一撃と軍隊の一斉攻撃が放たれたのを見て息を呑んだ】
【さっさと離脱していなかったら鮫どころか仲間に殺されるところだった、これだけ頑張って挙句に仲間に殺されるのは流石に笑えない】
【だが結果は怪物の撃退――――結果としては成功といえるだろう、突っ込んだ甲斐も少しはあった……ならいいのだが】

「…………ええ」

【呼び掛けられ、ニ、三度深く息を吸い呼吸を僅かに整えてから車両に乗り込む】
【だが限界などとうの昔に超えていたのだろう、車に乗り込むと殆ど同時に身体が崩れ落ちた】
【度重なる攻撃、彼女は呪われた刀を持ち少しばかり常識から外れた技術を持っているが、あくまで無能力者の女子高生だ】
【此処までの奮戦でも、其の健闘は讃えられるべきなのだろうが――――気絶する其の瞬間まで、彼女が抱いていた思いは】
【六罪王ベクター≠ノ対し、一切刃が立たなかったという悔しさと、そして――――――――】

「もっと、強く………………――――――――――――――――」

【気を失う直前、掠れた声で呟いた言葉は連絡用車両を修理する音に掻き消され、どことなく消えていった】
【もっと強く――――自分が強いだなんて思っていなかったけれど、今回の任務で自分の弱さを改めて見せつけられた】
【尤もベクターに対して単体で挑み勝てる個体などあの場には居なかったのだろうが、そんなことは彼女にとっては関係ない】
【負けた。勝てなかった。それどころか勝負にすらなっていなかった。私がなりたいのは正義の味方で、正義を貫き通すには力が絶対に必要で】
【だから、強く。もっと強く、誰よりも強く――――自分の意志を貫き通せる、力が欲しい】
【痛みから開放され深い微睡みの中でなお、彼女は安息ではなく力を求めた――――――――】
【おそらく次に目が覚めるのは病院のベッドの上だろう、少なくとも其れぐらいまでは静かに眠りたい】
【そして次目が覚めたら、其の時は――――――――】
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/07(土) 01:42:37.42 ID:cLernc640
>>901

【―――効い、た。効いた!麻痺毒は確実に鮫に対しても効力を発揮し、その動きを止めた!これで襲われる心配はない。早く車の修理を!】
【幸い、自分は万全とはいかないまでも他の面々と比べれば軽症だ。今すぐ手当をする必要もなく、自分は見張りを任されることになり】
【―――そして、無線が修復される。爆撃が、開始される―――!】

【折しも、ベクターと対峙していた面々の活躍により彼の足場が崩れる。その身は再生しても、体ごと穴に落ちれば話は別】
【今ぞ好機とばかりにヘリが発進する。既に軍と合流していた春燕たちはおそらく囮部隊より先にヘリに収容されていただろう】
【その中で、全員に向けて大きく声をかける―――】

―――応急処置が必要な方、今すぐ止血が必要な方はいませんカ!
私はSCARLETの救急医療隊員でス!すぐに処置を施しまス!


【―――そう、戦場よりむしろここからが彼女の本領発揮なのだ。豊富な薬学・医学知識による早急かつ適切な処置―――】
【これだけの規模の戦闘の後だ、治療の必要な人も多いだろう。今こそ彼女の力を発揮する時】



909 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage saga ]:2015/03/07(土) 01:45:25.23 ID:YVnpjPNlO

>>902

【絶叫、轟音、声鳴】
【視力を失っては満足に動く事も出来ず】
【更には、元々飛び入りで参戦したような物である彼女は】
【ここに来て、最大の危機だと気づいた】

……絶望的ィ…

【ただでさえ身体中傷だらけのボロボロ、翼に関しては確実に折れてる】
【この状態で出来ることと言えば、限りなく少なく】
【ギリギリ離さないですんだ愛用の武器を握る事くらい】

……たすけてー…

【とりあえず、上に向かって二〜三発引き金を引き】
【誰かが気付いてくれるのを願うばかり】
910 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sagesaga]:2015/03/07(土) 01:47:08.96 ID:MoZdLt2Xo
>>901-902

【ライラの作戦は功を奏したようで、ベクターを地面へと縫い付けることに成功した。そこに叩き込まれる必殺の連撃】
【自身の攻撃も合わせ、ベクターへと向かっていく一人一人の一撃。そして、ボロボロに成った地面がベクターを地中へ再び吸い込んでいく】


「……ざまーみろ、何が、六罪王だ……ってんだ……」


【小さく、それこそ誰にも聞こえないような声で悪態と膝をつく。体力だけでなく、精神力すらもかなり削られていたようで】
【しかし軍人たちの声が聞こえれば必死の思いで体を持ち上げ、ヘリへと一歩一歩歩いて行く】
【さらに動けない者が居れば、1人ぐらいは肩を貸すなりして共にヘリへと歩いていくだろう。そしてヘリへと到着すれば、バタリと倒れこむ。もはや虫の息だ】
【傷だらけの身体はもはや動かすだけで激痛が走る。だが、ライラは不敵に笑んでいた】


「ッ……俺は、止まらねーぞ……」


【自身に、あるいは誰かに向けた言葉を吐き出して。ライラはしばし休息の時間を取ることになるだろうか】
911 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/07(土) 01:48:38.90 ID:Rd0h3ERDO
>>903

【ココア缶の温もりが、背中を通して伝わってくる】
【痛い。ごつごつする。でもあったかい。気持ちいい。けど痛い。背中と、頭が】
【──少女がココア缶を開け、説教をしているうちに夜色の少女の頭も冷えてきたのだろう】
【ぐる、ぐる、としばらく視線が迷子になっていたものの……「石化」の話題になればようやく正気に戻った表情となった】


……海? 大地? ……一体なんの話、だ……んっ……なんか頭痛いぞ?

しかし──石化の呪い、か……やっぱり、おとぎ話みたいに感じるな
その、呪いを解く方法とか……、……ない、のか?


【缶を差し出されれば、未だに痛む頭を押さえながらソレを受けとる】
【ざらざらと雑な音を立て、少女の体の下で缶の山がわずかに崩れた】
【ココア缶を受け取り礼を言えば、相手と目線を会わせようとしてか。ゆっくり体を起こすはずだ】
【車椅子に乗った少女と、缶山に座る少女。目線はぎりぎりで、同じくらいなのだろうか】

【かしゅ、とプルタブを開ける。石化の呪い。それを解く方法があるのなら、目の前の少女は入院なんかしていないのだろう】
【仮にあったとしても、その方法はきっと酷く難しいはずだ──そう、思ったのか】
【相手に尋ねかける夜色の声は、次第に細く弱くなり……こくん。気まずさからか、ココアを一口だけ、飲むのだ】
【そしてその後、ふはぁと息をつき、まだまだ痛む頭をふるふると振る。大量の缶が、尻の下で悲鳴をあげていた】


……ん、私、か。私はまだ頭のネジなんか外れてるつもり、ないんだけどな

ここにいるのは、人を探してたんだ。知ってるか? ──セリーナ・ザ・"キッド"ってやつ
私も直接会ったこと、ないんだけどな。今、行方不明らしくって
セリーナの仲間が探してたから、探すの手伝ってるんだ
話によると怪我してるみたいだから……病院を手当たり次第に見て回ってて、な


【もう、罵倒も皮肉も気にしていなかった。むしろ皮肉が通用するアタマかどうかも疑わしい】
【尻の下の感覚が硬いのか痛いのか。しばらく少女はもぞもぞと居心地悪そうに蠢いている。缶山からどく選択肢はないらしい】
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/07(土) 01:50:05.90 ID:liij3Ri00
>>901-902

【再び黒人が大地の亀裂に飲み込まれる】

「おーい、ここだよここー、へるぷみーだよー」

【等と緊張感の無い声を出していたワザワイ・エスペスも隊員の一人におぶさってヘリに回収されていく】

【患部を凍らせて出血を押さえているとはいえ、暫くはまた筋肉痛だろう】

「結論、リーベおねぇちゃんがやってることはすごく大変でした、まる」

【因みに戟の方も隊員が回収してくれた】

【ただ一つ気がかりなのは】

【あのレベルの化け物がたかが爆撃や機銃掃射ごときで倒せるか、という事である】

【能力者がよってたかって攻撃して一時的にスペックを落とす事が出来ても果たしてあの黒人を打倒しえるか】

【それだけが甚だ疑問ではあるが今の彼にはどうしようも無いことであり、即ちこの場に居ても自分の安全が保障できない程の武力をあの黒人からは感じ取っていた】
913 :ヴァローナ ◆8R7odKA9zA [sage saga]:2015/03/07(土) 01:55:51.29 ID:s9uX9O6Do
>>901

チィッッ!!次から次へと!!

【彼女は飛び続ける。1秒でも多く時間を稼ぐために。撤退する時間を稼ぐ】
【どうせ自分は飛んで退却すればいい、最後まで残れるのはこの自分だとかんがえる】
【ぶっ壊れた銃は早々に投げ捨てて、剣を抜く。盾と片手剣。空を舞う剣闘士。ダンスタイムは終わらない】
【空中でロールし、飛び回り、旋回し、あざ笑うかのように飛び回り続ける。レーザーが身体をかすめても】
【翼を貫いても、盾を焼いても、最後まで戦い続けた。片翼となっても、イカロスは未だ墜ちず】

来いっっ!!最後まで相手をしてやるッッ!!

【急カーブを繰り返し、急降下からの急上昇で加速し、砲台の群へと突撃を敢行する。盾を構えて】
【その身を弾丸とするように、突撃。すれ違いざまに剣を振るい、戦い続ける】
【髪が焼かれても、肌が焦がされても。(胸を貫かれそうになったが、防御プレート代わりの大樹の樹皮がそれを拒んだ)】

【何度目かの突撃の後、盾は破壊されて彼女も疲弊していた。飛行速度も高度も落ちている。潮時だ】
【十分に時間を稼いだことだ。そうと決まれば直ぐ様撤退した。多分ヘリが飛び立ってからの事だろう】

【無事退避できたなら、飛行中のヘリのドアをノックして開けてもらって彼女は飛び乗る】
【大きな翼は幻だったかのように消えていることだろう。だが、彼女のコートに縫い付けられた、部隊章の青い鳥は】
【消えること無く燦然と輝いて、どれだけ傷ついていても彼女の瞳から闘志が消えうることは無い】
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/07(土) 01:56:02.48 ID:QvkZSPugo
>>901-902

――――――――……ざまあないわね

【こぽり、と吐血しながら魔女は満足そうに笑みを浮かべその場に崩れる】
【支える物もないのならばただそのまま地面に転がり、もう後はどうでもいい】
【爆撃だろうがなんだろうが好きにしてくれれば良い、心臓を燃やした今先は長くない】

…………まったく、誰の事……言ってんだか………

【この戦場の物はきっと全部朽ち果てるだろう】
【でも、この掌の銃だけはその由来故に残るかもしれない】
【或いは、この銀色の輝きが誰かの目に留まるならばそれでいいや、なんて】

【最期にそっと瞳を閉じようとした時にふと視界に映る一人の姿(>>905)】
【どうやら格好良く散る事は出来ないらしいと、観念したように息を吐いて】

――――――――……

【担ぎあげられる痛みに小さく呻いて遠ざかる景色をぼんやりと見つめる】
【酷い戦火、大地に刻まれた爪痕……ふと爆撃という単語を思い出し、力のないままで手を延ばす】
【墜ちた爪達を置いたままだ、爆撃されてしまったならきっと欠片も残らない】

【嫌だ、それだけは嫌だと身体に力を込めようとも動きはしない】
【ずっと一緒に居た半身といっても良い彼らが遠い、手は届く事はない】
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage]:2015/03/07(土) 01:56:55.43 ID:iNulq49fo
>>901>>902

【ベクター自身を足場にして彼らの体が後ろへと跳ね、味方たちの元へと戻ってくる】
【同時に、味方たちが全員の避難を完了させることが出来ると連絡――結局自分は救助にはかかわれなかったが】
【今は生きて事を成した事実をかみしめるのが先、そう感じたW-1は無言でヘリへと乗り込む】

【今まさに飛び立とうとするヘリの中でベルトを外すと……光と共に変身が解除され、一人が再び二人の姿になる】
【そこに立っていたのは先ほどジンジャーの傍にいた小柄な侍女、先ほどジャンクちゃんと言われていた方だろうか、その姿が戻っている】
【もっとも、ダメージは引き継いだままだ、体中のあちこちが破損し、バチッ、バチッ、と内部から火花が飛び散っている……完全に大破しなかっただけマシだろうが】

【―――ただ、奇妙なのはもう一人、ジンジャーの方だ、その変身が解除されると同時、その大柄な体が変身前よりも大きく縮んでしまっているのがわかる】

【と、言うよりも……何か妙だ、体も小さくなり、短い黒髪が長く艶やかに肩まで伸びているし、今は疲れ切ったその顔はどこか可憐で幼く変わっている】
【そして小柄な体もあちこち丸みを帯びており―――目に異常がなければその場にいる人間の目には非常に幼い少女の姿に見える事だろう】
【W-1が体中にベクターにつけられた負傷と全く同じダメージを負った少女は、疲れ切り、弱り切った顔で壁に背をつけ座り込みながら、己の手とわが身を見ながら皮肉気に】


……やれやれ、相変わらず……ぐっ、面倒な、『副作用』……だね
"対策"は用意していたはずなのに……こんなに消耗していては何もできない、何の意味もないじゃあないか……

「いいじゃないデスヨー、今日くらいそのままお休みくださいませ……結構その姿のジュニアハカセも可愛らしいと思うのデスヨー
……それにしても、凄まじい敵でした……六罪王との戦闘ともあればかなりのダメージは覚悟しなければならないとは思ってましたが……
まさかこれほどまで追い込まれるとは、想定の範囲外、だったのデスヨー……」

全員……ぐっ、相当、に、消耗……しているね
私も、ここ、まで……手傷を、負わされたのは……久し、ぶりだ……まあ、接近、戦を……挑んだ者、は……似たり、寄ったりか……


【言葉を発するのもきついらしいダメージを隠すこともなく、ジンジャーだったらしき少女は体を引きずりながらその辺の者に手当を頼もうとしたが】
【途中で、不可解な言葉を聞く、名簿の中の一人が行方不明、というどこか聞き捨てならない言葉】
【気が付いたらその言葉を口にした男の傍に小さな体を引きずりながら、懐の赤い鳥が刻印された緑の卵のようなアイテムを取り出して話しかける】


そこの君……先、ほど、一人……行方不明、とか、聞き捨て……ならない、事を、言わなかった……かね
私の、アイテムで……空から、探して……なんとか避難誘導を、して、見ることはできないか?
逃げ遅れて、死んでしまっては……大変だ、それが、例えば……素敵な、女性だったり、したら、なおの事、マズいと……

「ジュニアハカセ!こんな状況でなんてことをしているのデスヨー!?全てをどうにかするのは不可能デスヨー!
今は治療に専念を!そこの方>>908!医療の心得があるのデスヨー?ハカセの負傷が深刻です!どうか処置を!


【自分だって割と早めに修理を始めないとまずいのでは、という状態のくせに、機械部分の露出を隠そうともしないメイドロボは】
【そんな慌てふためいた状態を隠そうともせずに正義の医療隊員の助けを借りようとしている】
916 :ネモ・アーネスト :2015/03/07(土) 02:01:53.00 ID:E4nEQWjWO
>>901>>902>>All
【崩れ落ちていく重機、それと同じように少女の体も崩れていく】
【かすかにだが、朗報が聞こえた。最後の車両の収容が完了した、と】
【あとは脱出するだけだ。あと少しだけ、動いてくれ―――】
【そうして少女はなんとか、片足を引きずりながら脱出ヘリの元へ向かう】

【だが幸か不幸か、少女には聞こえてしまう】
【――― 一人行方不明者がいる、と】
【ヘリに乗らなければ死は免れない。けど、黙ってヘリに乗れるようではSCARLETは名乗れない】

【少女は歩き出した―――ヘリに背を向けて】
【きょろきょろと辺りを見渡しながら、耳を澄ませ、かすかな呻きも聞き逃さないように】
【今すぐに治療が必要なことは明白な、片腕を失った少女。叫ぶ体力も残ってないらしい。】
【それがヘリに背を向けてふらふら歩く様子は周りにどう映るだろうか】
917 :小山絵手雄  ◆SEBUhSQF9U [sage saga]:2015/03/07(土) 02:02:55.86 ID:4aMf6EDb0
>>901-902

【化け物が、沈んでいく】
【それとほぼ同時に、小山の膝が地面へと落ちる】
【ビーという音とともに、全身の鎧から火花が散り、その機能を停止した】

……終わったか…良かった…

【そうつぶやくと、急に気が抜けてしまう】
【重い鎧を纏い、動くこともままならない】
【その場にばたりと倒れ、そのまま気を失った…】

918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/07(土) 02:03:14.56 ID:c2hxrFht0
>>901-902

ぶあ……っ…………、フ……いくら不死身とて、これでしばらくは動けまい………………

…………さあ皆様、ヘリが用意出来たようです、急ぎましょうか……

【能力の多用によるものか、傷によるものか、ブラックは小さな血だまりを作るほどに吐血して】
【だが地面の崩落によって奴は動きを封じられている、痛がってもいられない、今のうちだ】
【刃先がぼろぼろになった軍刀を杖のようにしつつ、出来るだけ急いでヘリへと向かう、もし兵士でも誰でも肩を貸してくれるのならきっと有り難く頼ることだろう】

【地形ごと吹き飛ばすならば、あの怪物も葬り去れるだろうか、今は上手くいくことを願うだけだ】
【……しかし一人、逃げ遅れたのか 巻き込まれて死んでしまったのか、誰かが居ないらしく】
【勿論多くを救う為なら たった一人の為にここで立ち往生するわけにもいかない、あの怪物がいつ復活するかも分からないのだ】

…………ハァ……、歳をとると身体が思うように動かんな、老いが最大の敵と言ったところか。

………………む……そこの君、一つ、聞いてもよろしいですかな?
………その行方不明者というのはどんな人か、教えて戴いても……?

【無事、ヘリに到着したのなら、会話が聞こえたのか近くの隊員にそう訪ねるだろう】
【ブラックはどうにも気になるらしい、すっきりしないというか、不安というか……】
919 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga sage ]:2015/03/07(土) 02:06:22.87 ID:YVnpjPNlO
>>909
/下記に変更願います


>>902

【絶叫、轟音、声鳴】
【視力を失っては満足に動く事も出来ず】
【更には、元々飛び入りで参戦したような物である彼女は】
【ここに来て、最大の危機だと気づいた】

……絶望的ィ…

【ただでさえ身体中傷だらけのボロボロ、翼に関しては確実に折れてる】
【この状態で出来ることと言えば、限りなく少なく】
【ギリギリ離さないですんだ愛用の武器を握る事くらい】

……たすけてー…

【とりあえず、上に向かって二〜三発引き金を引き】
【誰かが気付いてくれるのを願うばかり】
【…結果は、彼女は無事に回収してもらえた】
【眼が見えないので確認は出来なかったが、確か二人ほど手を貸してくれたような気がする(>>905)(>>910)】
【…なんとか、生き延びる事には成功した】
【が……今度は周りからの物珍しそうな視線に晒されるのだった】
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/07(土) 02:12:51.52 ID:UdPJaF5i0
>>911
「簡単な話なのです。悪魔を探し出し、殺せば良いだけなのですよ
――――死の概念が無い悪魔を殺せるならば、です
首と身体を切り離そうが、何十本の杭を打ち込もうが死なない悪魔を殺す方法が呪いを解く方法なのです」

【単純明快、ただ術者を殺してしまえば終わり。――――だが、この歳の者が巫山戯た様子も無く“殺す”と言うのも何とも不思議な話】
【そして、件の悪魔は死ぬ事が無いという。その話が本当ならば、至る結末はただ一つだけだ】

【――――だが、其れを初めて会った者に話した所で何かなる訳でも無い】
【戯れに気まずい気分にさせた所で双方得がある訳でも無いのだから。また、得意げに笑って】
【「そんなの私ならば直ぐに見つけられる事だから今は休んでいるのです」なんて言葉を紡ぐのだろう】


「それに、私の話は今はいいのです。お前が聞いた所で何か手に入る訳でも無いのですよ
――――セリーナ・ザ・"キッド"……UNITEDTRIGGERのあの女の事です?私も新聞で見た事があるだけで本人を知らないのですよ

ただ……探すのならば、その組織の者に聞いた方が手っ取り早いと思うのです。UNITEDTRIGGERならば別に組織に属していない者が入っても大丈夫な筈なのですよ
……後、卵を孵化させる様にお前の尻で温められたココアなんて飲みたくないのです。さっさ其処からと退くのです」

【問われた人物については、実際に会った事は無いが――――一つの組織のリーダーである事は知っている、と】
【続けるのは、探すのならばその組織に属している者に直接問うた方が早いのではないかとの言葉】

【それだけを言い終えれば、ココアを飲みながら天井を見て】
【暫しの沈黙。車輪を動かせば、丁度車椅子の背を見せるようにして】


「お前、私の退屈凌ぎに少し付き合うのです。――――此処に居てもこれだけの量のココアについて問われれば後の雷が面倒なのです
さ、分かったら中庭に連れて行くのですよ。久しぶりに新鮮な空気が吸いたいのです」

【此処からずらかろう、なんて提案だ。これだけのココアを自販機に戻すには手間が掛かるし――――何より、自販機を開ける手段が無い】
【今の内に此処から逃げてしまえば咎められる事も無く、犯人は分からぬまま】
【何よりも、新鮮な空気が吸いたい――との言葉には本音も混じっていて】
【向けられたのはどことなく期待の含まれた眼差し。幸いにして此処から中庭まではそう遠くも無いのだが――――?】
921 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/07(土) 02:23:47.98 ID:/P11oA0eo




>>916

『お、おい君ッ!!よせっ!! もう無駄だ!! "彼女"は夢遊病者のように歩き回っていて、どこにいるのかなんて―――!!』

「ネモ、ダメだ!!君まで巻き込まれたら―――レノックス、来い!!」

【慌てて、指揮官のケーブル大佐と、そしてレノックスと呼ばれた若い兵士が彼女を羽交い絞めにし】
【半ば無理やりにでも、ヘリに連れ込もうとするだろう。たとえどんなに暴れられようと、無理やりに、だ。】

『頼む、彼女は―――……必ず探す!! だが、今は無理だ!! 
 この機を失えば、我々はベクターを仕留め切れないかもしれぬ!!』

【ヘリは―――ある1人の避難民を除き、全ての住民を乗せて上昇、そしてその直後、驚異的なまでの火力による――――】



               『全員、目を閉じろッ!! 閃光が来るぞ!!』


【轟音と衝撃―――何十機もの戦闘機・爆撃機による戦略爆撃が敢行され、地の国首都は完全な、壊滅状態へと陥った。】

【ベクターの影は、見えない。あの雨のようなミサイルと焼夷弾の前では、さいもの再生能力も―――尽きた、か。】



>>918

【ヘリは上昇していく。そして、安全な基地と移転された政府機能がある大都市「アズテリオス」へと向かう。】


『……ええ、ブラックさん。実は、その―――……ご存知ですか、"彼女"が、今―――』
922 :ベクター・ザ・"フォビドゥン" ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/07(土) 02:24:04.99 ID:/P11oA0eo








>>ALL


【爆撃で崩壊した地の国の―――シンボル・タワーである自由の塔<フリーダム・タワー>は、中央から圧し折れていた。】
【全長にして200mを超える長さを誇っていた、地の国の象徴でありこの国の自由を保障する偉大なる砦。】
【だがそれももう、戦略爆撃により真ん中から真っ二つに折れ、100mもないただの鉄塔と化していた。】

【煙が晴れた時、視界に移る首都「ニュー・ドレファス」はどれほど過酷な物に見えただろうか。】
【あらゆる物が破壊され尽くし、そして全てが粉々に散った中で―――】


 『私達グラウンド・ニュースは現在、事件の舞台となった地の国首都上空を飛行しております!
  空撮映像をご覧下さい皆様!! ありえない光景が広がっています、地震の後に現れた怪物により町は壊滅、
  そしてとうとう軍が爆撃により付近を一体丸々吹き飛ばすという、強行にでたのであります!!』


 『―――あっ、何かが見えます。煙の中で蠢く何かが―――あ、あれはッ!!!』

 『首謀者です!!!!!首謀者と思わしき、あの"怪物の男"が―――!!』



 『無傷で、なな、なんと、無傷で"フリーダム・タワー"の天辺に、た、たっております!!!!!』

 『圧し折れたフリーダム・タワーの頂上で、彼は―――いや、もうひとり、もうひとりいます!!』

 『ベクター・ザ・フォビドゥンと名乗ったあの男が、何か―――そう、女性を、女性のような人影を、抱えています!!』


 『人質でしょうか、姿はよく見えない―――おい、カメラを!!もっとズームしろ、もっとだ、もっ……』




【全世界に同時中継される、この報道ヘリからの空撮映像は、あらゆる地域に震撼を走らせた。】

【ベクター・ザ・フォビドゥン。爆撃を無傷で耐え切り。そして―――その傍らに、1人の女性、担いだ姿。】

【少し癖のある金髪と、整った顔立ち、豊満な肉体を包むのは痛々しい"患者服"であり―――。】



  




 
                    『……セリーナ・ザ・"キッド"―――!?』




【事態は急転回を迎える。ベクターは勝ち誇るように、女性の身体を抱えたまま報道ヘリに笑いかけると】
【そのまま、地下へと姿を消していった―――。】


/おわりでーーーーーーーーす!!!おつかれさまでしたー!!!!!!!!!!
923 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/03/07(土) 02:29:42.60 ID:kqvJC5Cs0

>>901-902 >>908

【自身の持てる最大の技を使い、等比の体力・精神力の疲労は限界に達した。彼女の能力はその周囲に及ぼす影響が大きいほど彼女の力を消耗させるのである。】
【等比は地の国の兵隊によって担ぎ込まれた脱出用のヘリの中で考えた。】
【薄れてゆく意識の中、新たなる六罪王・ベクターの脅威について、そして共に戦った仲間について。】

(あのSCARLETの銀髪の子…身を挺して私を救ってくれた…ありがとう…)

(名も知らぬ片翼の軍人さん…凄く恰好良かった…どうか、無事でいて下さい…)

(やましろ君?って最後に呼ばれてた子…私よりよっぽど重体なのにあれだけの力を出せるなんて…本当に凄い…でも少し、怖い…?)

(そして、あの黒髪の同じSCARLETの…、あ、あそこで皆の手当てをしてる…)

【そして今等比が持てる最後の意識で、彼女はまだ名前も知らない同志に呼びかけた。】

あの、一緒に戦ってくれて…ありが、と…

【等比はそのまま寝入るように気を失った。外傷による出血はなく肋骨3本、そして右足の大腿骨が完全骨折している。】
【幸いにも折れた肋骨による内臓の損傷は無い為、一般的な骨折の処置のみで充分だろう。彼女の気絶は能力の過剰使用による体力的なものであるから、恐らく数日も寝ていれば骨以外は元通りになる筈だ。】
【ゆえにそれほど緊急の治療が必要なわけでは無い。ただ等比は、感謝の意を伝えるために同志を呼んだのだった。】



924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/07(土) 02:30:13.48 ID:cLernc640
>>915

了解でス!すぐに取り掛かりましょウ……って、アレ?こんな女の子$場にいましたっケ……
―――まあ、そんなことは今はどうでもいいでス!体が小さいのですから、尚の事治療を急がねばなりませン!

【「―――どうしてこんな場所に少女がいるのだろう。もしかすると、逃げ遅れて戦闘に巻き込まれた子だろうか?」】
【……春燕に生じているのは、そんな勘違い。だが見覚えのない少女≠フ姿を怪訝に思いつつもそこは治療のプロ】
【いくら状況が妙だとしても、いくら勘違いをしていても。「目の前に傷ついた人がいれば治す」―――其処だけは不変のようだ】
【治療を始めれば、その繊細さに触れることになるだろう。酷い手傷を負っていたとしても、治療中に一切痛みを感じさせることなく】
【あっという間に傷に対する止血と傷薬の処方を済ませてしまう。あちこちが患部固定のため包帯で巻かれてミイラみたいになるのは仕方ないか】
【ともかく、ものの数分で治療は終わる。即効性のある痛み止めは、幾らか消耗を回復する効果も齎すか】

―――これで良し、ト。大丈夫、安静にしていればすぐに治りますからネ。
もう痛くないですカ?―――それでは、私は別の人の所に行きますネ。

【彼女≠フ治療が終われば、春燕はすぐさま別の怪我人の所に向かう事になるだろう】
【少女相手でもきちんとした応対をするのは、彼女のポリシーでもあるのだとか……】
925 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/07(土) 02:33:10.61 ID:Rd0h3ERDO
>>920

【「悪魔」の話を相手から打ち切ってしまえば、この夜色の少女も相手の意向に従うのだ】
【──本当は、いろいろ聞いてみたかったのだけれども。確かに初対面で話すことではないし……何より相手がそれを望んでいない】
【ならば、歳上であろう自分が彼女に従うのが、得策だろうと……そう思い、それ以上の追及はされることはなかった】


……その、UTのやつが探してたんだ
ずいぶん会ってないって……そう、言ってた
UTのやつがリーダーの所在を知らないだなんて──よっぽどのことだと思って、な……

新聞とかにも、セリーナが巻き込まれるような事件とか事故はそんなになかったし──
セリーナが現れそうなところにも、行ってみたんだ。聖都スラウロット──あの、ダムが決壊させられた時にな
結局セリーナはあの場所にも来なかった……UTのリーダーなら、いてもおかしく、ないのに……

──ま、お前が知らないってことは、この病院にはいないってことだろうな!
実際、受付の人に聞いても知らないって言われたし……


【「見つけたら、教えてくれ」──とは、言わなかった】
【恐らく相手は、この病院から出ることはないのだろうと彼女は推測した】
【故に、協力を要請することは相手にとっては酷だと、そう考えたのだ】


……ふふん。それくらいはいいぞ。付き合ってやる!
ところで──お前、名前はなんていうんだ?
私はリーべ! リーべ・エスパス! よろしく、な?


【ぐぐ、とココアを一気に飲み干し、空になった缶をゴミ箱へ。がこん。ハズレ】
【はぁとため息をつくも、すぐにふふんと笑顔で誤魔化し──白銀の少女の提案にのった】
【車椅子。少し、動かしかたにコツのいるそれの操縦に、最初はえらく苦戦するだろうが……】
【夜色の少女──リーべは、白銀の要望を決して拒むことなく、中庭へと彼女を連れ出すことだろう】
926 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/07(土) 02:37:54.72 ID:Rd0h3ERDO
>>920
/ごめんなさい、そろそろ眠気ががが
/明日はイベントに参加予定なので、続けるとしたら置きスレの方になるかと
/このまま中庭行って、適当におしゃべりして解散の流れでも大丈夫です
/継続するか〆るかは、そちらのご都合におまかせします
/申し訳ないです、一足先に落ちます。お疲れさまでした!
927 :フレデリック・シャリエール ◆SYLP4psCi. [sage saga]:2015/03/07(土) 02:38:07.53 ID:tUnBjlx4o
>>914>>919

……手荒なのは許せよ。私とてさほどの余裕は無いのだからな
とはいえ、ダメージは貴様らよりマシだ……後で治してやる。
暫くはそのまま寝ているのが懸命だろうが…――待て、アレはなんだ……―――?

【引き上げた二人にかける言葉はそんな物。無骨だが、小馬鹿にする様なものではなく】
【ふと男の目線は釘付けにされる。無論、その視線の先にはフリーダム・タワー≠ェあった】
【正確にはその先端。フレデリックはその目を鷹のように鋭く細めて、じろりと睨み】

>>921-922

……何故、貴様が其処に居る。正義の旗頭ではないのか、お前は…ッ!

【目を疑う、という単語はまさに読んで字の如く。目元を擦らずには居られなかった】
【直接敵対したことは無い。言葉短にやりとりをしたことはあったし】
【いずれ、その折の謝罪にとも思っていた。だから相手を見間違えるはずもなく】

【六罪王は――まだ、良い。あの程度で死ぬはずはないと、全身に残る攻撃の衝撃が物語っていたからだ】
【その生存は特別驚くことでもない。しかし、その腕の中に"彼女"が居る事を考えれば――】

【――折れた『自由の象徴』と、『虜の正義』と。何か、嫌な予感が強く渦巻き】
【それ以上に何を出来るでもなかったが、変に言葉を練ることも出来ないまま】
【今は、ただ見守る事しか出来ないままで。大薙刀の柄を、思わず握りしめていた】

/大変お疲れ様でありましたっ!
928 :(山形県) ◆Heckemet8M [sage]:2015/03/07(土) 02:39:08.98 ID:iWBwXBwxo
>>921-922

{ひゅウ、今は指ィ名手配犯云々じゃアねェのに元気だなァ〜ッ}

【ヘケメト達をヘリにぶち込み、そして血気盛んな自警団等を軽くいなしつつ上空へ避難する悪魔】

{――混沌の種が増ゥえる事は良ォい事だ}
{さァて、俺様も"時ィ間がねェ"……火ァ事場泥棒の続きはまァた今度だ}

【ベクターの方に顔を向けつつ、そう独り言を発したかと思えば】
【その足元に生成される魔法陣に、闇となって吸い込まれていくのだった】

『"なに、へっけー、くっつける両腕が砲撃と爆撃でこなみじんになったって?"』
『"逆に考えるんだ、生えるまで私が回復の術を使えば良いんだと"』 『……この口調、疲れますね』

【なお、その後、ヘケメトは両腕がこなみじんになったことを理解し】
【"拾えないなら生やせばいいじゃない"理論をかましてきたアウがつきっきりで回復の術をかけていたおかげか】
【二週間くらいで腕が元通りになっていた(但し今度はアウが疲労困憊状態に)とかなっていなかったとか】

/お疲れ様でしたー
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2015/03/07(土) 02:48:40.73 ID:cLernc640
>>923

ふふっ―――何を言うんですカ。仲間ですもの、当然でス!
……本当にお疲れ様でしタ。どうか、ゆっくり休んでくださいネ……

【―――労いの言葉は、ちゃんと彼女に聞こえただろうか。それは分からないけれど、勇敢に戦った彼女に敬意を表して】
【感謝の言葉をきちんと受け止めて、小さな微笑みと共に言葉を返して。やがて眠ってしまった彼女に一礼すれば】
【……その後の治療は、春燕が受け持ったのだとか。次に彼女が起きる頃には、完璧な処置が施されているだろう】

【名前は知らないけれど、同じSCARLETに所属しているならまた会うこともあるだろう。】
【その時はもっとお話しできたらいいな、なんて思いながら治療にあたったのだとか―――】



>>921-922

(……やはり、爆撃ではやられはしませんでしたカ。……ン?あれ、は……――――!?)

ウソ……―――セリーナ、さん……!?


【能力者の全力攻撃を悉く受け切ったのだ、爆撃だけでどうなる事は無いだろう。それは想定内だった】
【しかし―――一つ。たった一つ、大きな衝撃を齎す、想定外の出来事があった。なんという事だ―――】


            【どうして、其処にセリーナがいるのだ】


【全く想定外だった。彼女が其処にいることも、囚われていることも……―――】
【畑違いとはいえ、その名前は誰でも聞き及んでいる程の女史。それが、どうして其処にいるのだ】
【まさか、「行方不明者」とは―――彼女の事か。事態は急転直下、これは大変なことになった―――】

//お疲れ様でした!
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/03/07(土) 02:49:25.54 ID:QvkZSPugo
>>921>>927

――――――――……ん

【出来る返事といえば精々その一言】
【どういう訳は自分は助かってしまって、じゃあ後は意識を離してしまえばいいや】
【そう思っていたのだが、今日はやたらと邪魔が入るようだ】

――――――…………

【なんなのよ、とでも言いたげな視線を向けてフレデリックの云う方向を、かの塔を見つめる】
【霞む目に映る光景は遠いがしかしその姿を間違える筈はなく、ただ驚愕の色を浮かべ】

……何をやってんの、アンタ……そこはアンタの場所じゃ……ないでしょ
ばか…………セリーナ―――――――

【浮かぶ疑問は掠れゆく意識の中で現れては消え行く】
【今はただ、この眠りに任せ己に宿る熱を意味を見出さなければならない】
【旧い、遠く過去の知らない想い出の記録を……】

/お疲れ様でした!
931 :ライラ=フェルンストレーム ◆db8egkjV8E [sagesaga]:2015/03/07(土) 02:52:05.82 ID:MoZdLt2Xo
>>921-922

【ボロ雑巾のように寝転がるライラの耳に、ケーブルの言葉が聞こえてくる】
【『"彼女"は夢遊病者のように歩き回っていて、どこにいるのかなんて』 ……背筋が、ゾクリと奇妙な感覚を伝える】

(まさか―――いや、アイツは病院に、先に、避難しているはず―――)

【頭で否定しても、その感覚は止まらない。それがこの戦闘で出来た傷によるものなのかはともかくとして】
【ケーブルにその先を聞こうとするものの体が言うことを聞かず、ライラは意識を深みへと落としていった】



(―――――――――……嘘、だろ……?)




【ライラがその報道を見るのは数日後、目を覚ましてからだ。病院食のスプーンを思わず取り落とすことになる】
【想像が、最悪の想像が、現実のものとなった瞬間。ライラの顔は瞬く間に青ざめ、テレビへと釘付けになっていた】
【何も出来ないライラには、ただうつむき歯を食いしばって、愛用の仕込み杖……『シルバーレイン』をただ強く握りしめることだけしか出来なかった】


(―――くそ……)

/お疲れ様でした!
932 :ジンジャー中身 ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/03/07(土) 02:55:00.87 ID:iNulq49fo
>>921>>922

……SCARLET……黄 春燕>>924君か
フフ、なるほど……噂に、たがわぬ、手際、ではないかね……君のような……お嬢さんの、治療を、受けるのは……
人生の、楽しみの、一つというもの……すっかり良くなったような気がするよ、ありがとう

「まだ『気がする』止まりデスヨー、ゆっくり安静になさってから動いてくださいませ、ワタシの修復は
その後からでも問題ございません、特に歩行などに支障はないようなのデスヨー」

そう、だな……少し休みをいただく、ジャンクちゃんの修復はその後に……


【そこまで言いかけて、機内のモニターに表示されていた映像に目が行く】
【ぶかぶかの服を引きずりながらゆっくりと、その映像に近寄りながら内容を確認する】
【移っていたのはジンジャーに≪久方振り≫の多大な困難を与えた張本人、ベクター・ザ・フォビドゥンの無傷の姿だった、そして】


バカ、な……あいつ、いや、それよりも……あれは……!


【傷まみれの少女はその映像を見る、普段は女性の味方を公言しているその男の目線の先には】
【見まがうはずもないその抱えられている女性の姿は、かつてこんな風に映像を見ている途中で心惹かれたその女性に間違いなかった】
【TV越しに心から感じた事をあけすけに打ち明け、それでも前に進み戦うと決めたその女性の事を見間違えるはずもない】

【今や、ベクターに囚われたセリーナ・ザ・"キッド"の痛ましいその姿を――――!】



……――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ァァァッ!!!!



【傷の事も忘れ、日頃の紳士的なふるまいすらもかなぐり捨てて】
【心配したジャンクちゃんに体を押さえつけられたままモニターめがけて駆け寄りながら口から飛び出した、声にならないほどの金切り声の怒号が】
【むき出しの感情を露わにした"男"の怒号が、機内に響き渡った―――】

【to be continued…】

/お疲れ様でしたー!いいイベントでございました!
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/07(土) 02:59:52.19 ID:UdPJaF5i0
>>925>>926
「む……それは可笑しな話なのです。そもそも、何処に居るのかも教える事が出来ないならばよっぽど疚しい事でもして居るのです?
或いは――連絡を取ることが出来ないのです。どっちにしても可笑しな事なのですよ
仮にも正義を名乗る者の行方を誰も知らないのは、大体の場合何か裏があるのです

新聞は大きな事件の事しか取り上げないのですよ。もしかすれば、事前に何かを止めようとして――――の可能性もあるのです」

【ユニコーンの少女とて賢い訳では無い。だが、以前の経験からして推測する事は出来る】
【果たして本当に行方を知らないだけで――――と、思考が至り。やがては其処から幾つかの考えに分枝する】
【どれもが悪い方向。かぶりを振って追い出してしまえば溜息一つ】

【何時の時も同じ事が起きる、なんて内心憂いを抱きながらも車椅子を押されれば下から見上げる様な形となって】


「ゴーリェ・スパシーチェリ。皆には『チェリ』と呼ばせているのです
――――リーベ。お前は不器用なのですね」

【苦戦している間、クスリとその年頃らしい笑みを零して見せて】
【――――中庭では適当な話が紡がれる事だろう。別れ際、背を向けて数歩あるいたならば呼び止めて】
【暇な時にでもまた来れば良い。その言葉を贈る事となる。最も、それだって皮肉混じりだが……或いは恥ずかしさを隠す為か】

【今宵の話は此処で終わりを迎える事となろう。月日が巡ればまた会う事があるのか】
【それは、誰にも分からぬ事で】

/了解です!それでは、こんな感じに〆でっ
/お相手頂き有り難う御座いましたですよー!お休みなさいませっ!お疲れ様でありましたー!
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/07(土) 03:09:05.31 ID:liij3Ri00
>>921-922

【各地から沸き起こるどよめきに何事かと視線を窓にむける】

「…………………あの人は………たしか……………」

【少年は女性の顔を知っている、なぜならば彼がワザワイ・エスペスとなったその日】

【姉となった女性が探していた人物】

【どういうわけか死体置き場で彼女の写真を持って探していた姉】

【たしか彼女の名前は…】

「キッド……さん?」

【ここで少年____ワザワイ・エスペスの意識は途切れた】

//皆様、大変お疲れ様でした!お休みなさいませ!
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2015/03/07(土) 03:14:47.97 ID:c2hxrFht0
>>921-922

【彼だって本当は今すぐヘリから降りて探し回りたかった、この爆撃では……死んだのか 】
【もう、実は運良く郊外に逃れてましたと、そんな1%より下の様な可能性に懸けるだけだ】

…………そう……か、何、部下が世話になっていてね、話は聞いていた。
彼女には一目置いていたよ、ひた向きさがあって不思議な女性で……
……美味しいステーキの店でも教えてあげようと思っていたのだがね、残念だったよ。

…………しかし、私はまだ彼女の事を信じてはいる、生きていたならまた会いたい。
……その時は最悪なシチュエーションでなければ良いがね……気長に待つよ。

【語ってしまったかなと、基地に到着するまでは もうこれ以上ヘリの中では喋らなかった】
【後にニュースで知ることになる、考えていた最悪な事態は 起こってしまったのだと】
【あの爆撃の後も未だ六罪王は健在、そして彼女が生きていたとしても…………】

……出来れば、こうはならないで貰いたかったものですな。

【病院のロビー、壁に取り付けられたテレビにそう呟くと何処か淋しげな表情を浮かべ】
【美味しくも何ともないサイコロステーキをフォークで突き刺して、口にも運ばずに遊んでいた】

/主催者様、他参加者の皆様、ありがとうございました!
936 :小山絵手雄  ◆SEBUhSQF9U [sage saga]:2015/03/07(土) 03:53:48.43 ID:4aMf6EDb0
>>921-922

【目を開けば、真っ白な天井】

……………ここは………?

【男が目を覚ましたのは、病院の一室】
【身を包んでいるのは薄い緑の患者服。その身を包んでいた鎧は外され、そばの段ボール箱に詰め込んである】

とりあえず、修理しねぇと…痛っ!?

【鎧へと手を伸ばすと、全身が痛む。良く見れば、全身を巻く包帯は未だ生々しい赤色】
【もう少しの間、安静が必要だろう】

【しばらくして、退屈に耐え兼ねテレビをつける。ライバル社の製品なのが気に食わないが、そこに文句を言っても仕方がない】
【そして映し出されたのは、健在の化け物…】
【あそこまでしてまだ生きているとは、正直信じたくない。だが、それは紛れもない現実】

…………………マジかよ………。

【それきり男は、言葉を失った】

//お疲れ様でした。
//駄文・遅筆申し訳ありませんでした。
937 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/07(土) 11:06:26.81 ID:fR8C/qJOO
>>872
「鈴音、ね。なかなか似合いの名じゃないか。私は『ドクター』と呼ばれている、そう呼ぶといい」
【名乗られれば名乗り返す程度の常識は持っていたようだ。もっとも、本名ではないのだが】

「ふむ、たとえ矛盾していようとキミが受け入れているのならば、それはきっと壁となっても乗り越えられるだろう」
【というよりも、混血であるという問題にかんしては直視して受け入れる以外に解決方法などないのかもしれない。混血であるという事実は変えようがないのだから】
【その点彼女は自らの血を呪う事なく、嫌いじゃないと言う。ならばきっと、乗り越えられるだろう】

「それとキミの夢だかね、例えば人間であっても親も無く、家も無く、或いはそれ以上に普通じゃない生き方をしている者もいる」
「一方で人外であっても人間の中で人間のように、或いは人間以上に普通の生き方をしている者もいる」
「『普通に生きる』。素晴らしいじゃないか。普通である事の価値を知っているのは大きな財産だよ。そしてそれは人間であれば叶う事でも、人間でなければ叶わない事でもない、"君が叶えられる夢"だ」
【人外よりも人外らしい人間もいる。人間よりも人間らしい人外もいる。そんな中で普通に生きる為にはもはや人間である必要もないと、男は語る】
【それは人も人じゃないモノも沢山見てきた男の率直な意見だった】

「それでも尚、キミは人間である事を望むかい?」
【それは決して否定的な言葉ではなかった。むしろ聞きようによっては頷いてくれる事を望むようなそんな言葉だった】


//昨日は寝落ち大変申し訳御座いませんでした
//こちらは本日基本的に空いている予定ですのでご都合の良い時間に反応貰えたらと思いますです
//本日もどうか宜しくお願いします!
938 :篝 香弥奈 ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/07(土) 15:18:55.37 ID:P49X+X7Vo
【廃寺】

【荒廃した寒村に残された信仰の史跡、古ぼけた伽藍から望む枯山水の庭】
【そこには何か、神聖な空気の残渣が残されているような──錯覚などでなく、実際に】
【まさに昨晩、そんな出来事があったのだが。知ってか知らずか、訪れた人影は辺りを見回していた】

うーん……折角此処まで来たって言うのに、手掛かりだけで姿は無しかぁ。
もう、月彗上人も気紛れなんだから……行平様に何て報告しようかな、っと

【そう一人ごちて、かつ、と足元の小石を蹴るのは、いかにもOLと言った出で立ちの女性】
【ショートボブの黒髪に黒い瞳の猫目、スカートタイプのビジネススーツ姿。片手には、巻物を持っている】

鷹丸に文を頼んで、私はしばらくこの辺りを探してみましょうかねー。全くもう、高くつくわよ〜……

【ぴゅい、と口笛を吹くと、遠方から一羽の鷹が飛来して、女性の肩に停まる】
【巻き物を仕舞い、懐から取り出した手帳に何やら認めればページを破って、手馴れた手つきで鷹の脚に括り】
【そして、再び鷹を空へと放った。ゆうるりと大空を旋回し一声鳴くと、鷹は寒村の空を飛び立って行く】
939 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage saga ]:2015/03/07(土) 16:54:37.95 ID:Z4vnDYs5O

【地の国】
【先日の死闘(>>922)の舞台となった国の、大都市の病院】
【その一室に、一人の異形の少女が居た】
【角あり翼あり尻尾あり、そしてちびっこい身長で、ピンクと銀の髪を縦ロールにした……りえる・かおすだ】

…うっわぁ、やっぱり悲惨っすね

【ポチポチと備え付けのテレビを操作して、流れるニュースを見る】
【被害の甚大さ、かの敵の生存、そして拐われた女性】
【そんな映像を未だ左目に包帯を巻いたままの彼女は見ていた】

……さてと…早く動かないと……

【少しの間じっと見ていた彼女だが】
【それが終わるとガサゴソと、何やら傍らに置いてある買い物袋を漁り始める】
【幸い、体力自体は二度三度寝ることで戻っていた】
【そんな彼女は、動けるようになるとさっさと買い物に出ていた】
【……何故か、報酬を貰うことが出来たのが幸いである】

……やはり人前は嫌です……目立ちまくりです…

【そして何とか衆目の視線に晒されながらも買い物を済ませ】
【こっそりと自分の病室に戻ってきた彼女は早速着替えた】
【やはり、フリフリのゴスロリ】
【目立ちたくないのに目立つ服装であるが、もはやこの格好でないと落ち着かないのだ】
【更に旅行バッグや日用品、全てを一新した】
【……以前の荷物は、あの戦いの際に多分何処かに無くしていたのだ】
【そうして、次々と荷造りをした彼女は】

さてと、ではでは退院といくかにゃーん

このまま残ってると、面倒な事になりそーだしぃ

【そのまま『自主的退院』を図ることにした】
【今はまだゴタゴタしているが】
【落ち着いた時に、異形である彼女は何かと問題になりがちである】
【特にこういう医療機関では特にである】
【一応、最初はこの身体を能力という事にして誤魔化したが】
【採血されたりしたら一発で人体実験の事がバレる可能性があるわけで】

……まーだ飛ぶのには辛いけど…何とかなるかも?

【こうして、まだ本調子とは遠い彼女ではあるが】
【荷造りを済ませて、ついでに退院の旨を書いた手紙をベッドに置いてから】
【むしろ堂々と病院の出口を目指して歩き始めた】

/遅ればせながら、皆様昨日のイベントお疲れ様でした!
/そしてこのまま絡み待ちします
940 :百槙 理人 ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/07(土) 18:01:24.89 ID:wgttnFS2o
【植物園】

【夕日も沈みかけ、夜の帳が開かれようとする曖昧な空の色を、ガラス張りの天面が満天に映し出す】
【冷たいとも温いともつかない温度に保たれた其処には、多種多様な草花と、一人の青年の姿があった】

──……♪

【大きな葉を持つ植物の下、椅子に腰掛けて歌を口ずさむ、白皙の青年】
【緩い癖のある淡い茶の髪、紺碧の双眸は柔らかく細められて、指先に止まった蝶を見ていた】
【濃茶のセーターで悴む手の甲を隠し、指先のみを露出させる様は少女のする事と似通っており】
【グリーンチェックのボトムと古ぼけたスニーカーで包んだ足は、長さを誇示するかのよう自然体に組まれている】

ん……ふふ、もう夜になっちゃうね。どうしようかな、帰ろうか……
……でも、遅く帰って僕を心配する兄さんの顔も見たいし……ふふ、ふふふっ、迷うなぁ……

【そうと指を持ち上げ、眼前に蝶を持って来れば、まるでそれと会話するように青年は一人呟く】
【蝶は何をするでもなく、僅かに触覚を動かすのみだった。それも、彼の目には返答の類に見えたのか】
【「そうだね、それがいい」とまた呟いて、青年は緩く微笑んだ。……まあ、傍目には、奇妙な光景なのだろうが】
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/07(土) 18:14:37.55 ID:CJUmb4ok0
>>937

【褒められれば彼女は嬉しそうにする、それなら、きっと、自分の名前が好きなのだろう】
【ただ彼の名前を聞けば一瞬だけ妙な顔をする、……なんてことなく、医者とか、そういうものが苦手なのだ】
【だけどよっぽど変な顔をするのも失礼だと意識的に表情を直して、分かった、なんて、いい子みたいに呟いたなら】

……言ってないこと、いっぱいあるけど。それは、いつか、ね――。きっと気が向いたら教えてあげる。

【ふふ、と、少し悪戯っぽく笑うのだ。確かに言っていないことはたくさんあった、それこそ、たくさん】
【蛇の血が混じるから、それだけで人間じゃないと思っているわけじゃないこととか、隠している、いろんなことを】
【気が向いたらなんて言うけど予定は未定、教えてくれるのかも――また会えるのかも、分からないけれど】
【ひとまず、今宵は聞き出せそうにないのは確か。地面の足を真っ直ぐに伸ばして、数度、ふらふらさせると】

でもね、わたしのゆめ、だいたい叶っちゃった。お家もあって、家族……みたいな子たちも、居て。
おいしいご飯は食べられるし、お洋服もちゃんとあるし、お風呂もあるし、お仕事もしてる――ほしかったもの、たくさんあるの。

……だから、今度は、誰かの夢を叶えてあげたいな、おんなじ夢を、持ってる子に――。
みんなにお家を準備してあげることは出来ないし、みんなを“普通”にしてあげることは、出来ないけど……。

せめて、おいしくて暖かい……普通のご飯だけでも、食べて欲しいの。
わたし、UTで、そういう子のためにご飯作ってるんだよ。

【でも、夢は、凡そ叶ってしまったのだという。憧れたものとは少し違うけど――だいたい、これで満足していた】
【それなら夢は少しだけ形を変えて、今度は、誰かの普通を叶えてあげたい、なんて、思っているのだと】
【だけど力不足だと思っているなら――、まずは出来るところから、ひとまず、孤児や浮浪者のための無償の食事を作っている、と】
【聞いたことがあるかもしれない。あのUNITED TRIGGERが。まさにお金のない人々のための食事を提供しだしたこと、】
【テレビCMでそれを宣伝したときに映っていたのは、金髪のガンマンだけじゃなく――この少女も、居たこと】

……――でも、やっぱり、人間がいいなあ。わがままかもしれないけど……。
人間で居られるうちは、人間で居たいの。きっと、いつか、みんなは気付いちゃうから――。

【その言葉には、少しだけ寂しそうに笑ってから、頷いた。人間でいたい、よく分からないナニカより】
【「今年で二十二歳なんだ」とぽつり呟くのは、見た目との差異を教えるため、或いは人間じゃない証拠を見せ】
【あと何年もせずにばれてしまうだろう。そもそも、長く付き合うひとの前には、どんなごまかしも通用しない、】
【だって――もう何年も、その身体には、一ミリの成長も、変化も、或いは老いとかも、ないのだから】

【(瞳の色は変わったけど、それだけだった。何をしても変われない――わけでは、ないのだろうけども)】

/食事がまだなので途中で離脱しますが、帰ってきたのでお返ししておきますっ
942 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/07(土) 18:23:22.89 ID:Rd0h3ERDO
>>933

……事前になにかを、か──
確かに裏があってもおかしくなさそうだ……


【ユニコーンの少女の推測に、リーべはため息をついた】
【セリーナの不在。如何にプラス思考のリーべと言えども、今回ばかりはよろしくない発想ばかりが浮かんでしまう】
【けれど、この病院にいないとなれば今のリーべにできることはただ一つ】
【この、白銀の彼女の話し相手になってやることくらいだった】


【「──チェリ。チェリというのか、よろしくな!」】
【不器用と言われてしまえば恥ずかしそうに笑うリーべ。どうも、器用でないという自覚はあるようだった】
【そして、当たり障りのない雑談を交わした後にまた来い、と言われれば──】
【「うん、来るぞ! 言われなくても、来る!」 ……だなんて、なんとも彼女らしい言葉を残して帰っていくのだ】


【──時間は経ち、翌日の朝】
【家族に迎えたばかりの弟が一晩中いなかったことを心配しつつ、リーべはテレビをつけ……】
【……セリーナ・ザ・"キッド"がカノッサ機関の手に堕ちたことを知る】
【画面に繰り返し映される、ベクターとセリーナの映像。時折ベクター制圧戦の様子も放送され……】


……わ、ワザワイ────!?
あ、あいつバカッ……!! いないと思ったらなんてとこにいるんだ……!
生きて……生きてるんだろうな──頼む、生きててくれよ……!


【「──どのみち、こいつはいつか殴る。よくも、弟を……!」】
【ぎり、と歯を食い縛り、リーべはすぐに外出着に着替え……布に包まれた刀をひっつかみ、食事もとらぬまま外に出る】
【どこへ────? もちろん、「今日、弟が行きそうな場所」だ】

/遅れましたが!
/昨晩はありがとうございました! 改めて、お疲れ様でしたー!
943 :アイン ◆r0cnuegjy. [!nasu_res]:2015/03/07(土) 18:37:58.23 ID:y9xGNUxHo

【都市警備隊の詰所には三人の珍しい人物が集められていた。国立図書館に侵入した魔術師を討伐すべく集められた、外部戦力たちだ】
【魔術師の侵入を許したのはこれで三度目だった。一度目はただ見逃し、二度目は部隊が全滅。今回で対処しきれなければ面目が立たない。そう判断したがゆえの、なりふり構わない手段。それが依頼による追加戦力の補充だった】
【とはいえ、警備隊も彼女らを主だった戦力だとは考えていなかった。あくまで、万全を期すための追加戦力。自分たちで対象を捕獲、ないし対処することが重要であり、主戦力は警備隊なのだ】
【もちろん、詰所で彼女たちに強化魔術を施している若い魔術師は、そんなことを表には出さなかったが】


 『────…………これで、全員分が終わりました』

 『キリーノ・リカニツカヤ様とワザワイ・エスパス様には対魔術の強化を、リーベ・エスパス様には火力上昇を施しておきました』


【施術を終えたと若い魔術師が伝え、一礼する。彼は時計を確認すると三人へ目配せをして、部屋の扉を開け放った】
【それから三人は人員輸送車に誘導される。車の後部に三人を入れると魔術師が運転席に乗り込み、車を発進させた】

【時間にして約10分後。運転席から叫び声が響く】


 『な、なんだこれは!?』


【途端に車は急激に速度を上げる。車内が激しく揺れることも構わずに運転手は全速力で車を走らせた】
【何かの異常が起こっていた。しかし輸送車の後部は扉で閉ざされていて、窓もないために外の様子が分からない】
【十秒、二十秒と時間が過ぎる。更に一分、二分と経ってもまだ車は止まらない】
【三分と少しで激しい慣性力と共に車は停止した】

//続きます
944 :主催 ◆r0cnuegjy. [!nasu_res]:2015/03/07(土) 18:38:30.20 ID:y9xGNUxHo
【車の扉が開き外の様子が明らかとなる。周囲に広がっていたのは────戦場だった】
【瓦礫、瓦礫、瓦礫。風景の全てが破壊の痕跡によって埋め尽くされていた】
【構造の残った建造物などほとんど見つからない。あるのは未だに黒煙をあげているコンクリート片と折れ曲がった鉄骨、引きちぎられた鉄筋ばかりだ】
【本来であれば石畳で塗装されている道路も基盤から崩壊。亀裂が走り上下に分断されて崖になり、あるいは左右に分裂して裂け目ができあがっている】
【道路の端では瓦礫に叩きつけられてひしゃげた車が煙をあげている。大型車両も三等分されて別々の場所に転がっていた。鉄の塊となった車両がそこかしこにある】
【遥か遠方に見える背の高いビル群でさえ、途中で引きちぎられたものに、中央から縦に真っ二つになって断面を夜風に晒しだしているもの、完全に崩壊しているものもあった。薙ぎ払われたビルの上部が落下。巨大な直方体の瓦礫と化して真下の建造物を押しつぶし、更に破壊を広げていた】
【周辺は中世風の街並みが広がっていたはずが、内乱が起きたかのように様変わりしていた】

【崩壊した街並み。だが被害はそれだけではなかった】
【瓦礫の下には何者かの腕だけが出ていた。周囲には血が広がっている。押し潰されて圧死した人の姿がそこにはあった】
【別の場所には巨大な力で引き裂かれたような人間の上半身と下半身が散らばっている。手足はそれぞれありえない方向に曲げられていた】
【巨大な瓦礫の側面には叩きつけられて、血の花を咲かせる死体があった。すぐ隣には手足どころか身体のほとんどがバラバラになった死体がある】
【子供の死体もあった。熱に晒されて全身が黒く焦げていて顔の造形もわからなくなっている。近くには庇ったらしき母親の焼死体】
【潰れた車の隙間に数人が一緒くたに潰れた肉の塊があった。大型車両の中は血と肉の海と化している】
【街には血と死の臭いが充満する。無数の瓦礫の隙間に同じく無数の死体が点在がしていた。その半数は一般市民、そして半数は────警備隊のものだった】


 『そんな、バカな……に、二五三名もの警備隊が、全滅してるだなんて……』


【若い魔術師が絶望の表情で立ち尽くしていた。彼の足元にも息絶えた同僚が転がっていた】
【魔術師の視線が上がる。その先に、唯一残った建造物が鎮座していた】
【国立図書館。この国で最大級の蔵書量を誇る巨大な知の宝庫。神殿を模して作られたそれは月光を受けて荘厳な輝きを放っていた。周囲の全てが破壊されている中、残った建造物はこれだけ。まるで何か見えざるものに守られているかのような、そんな錯覚さえ覚えさせる神聖さがあった】

【その前に、男が立っていた】
945 :主催 ◆r0cnuegjy. [!nasu_res]:2015/03/07(土) 18:39:35.31 ID:y9xGNUxHo

【夜闇に紛れる黒髪。長身に赤黒い外套を羽織り、右手には長槍、左手には本】
【瓦礫の山の中心にその男はただ存在していた】


 ──────あぁ、安心した


       敵が“たった”これだけかと思って、内心残念に思っていたところだ──────


【アインが無造作に瞳を四人に向ける。左手の本を閉じて、外套の中にしまいこむ。赤衣の魔術師は小さな笑みを浮かべていた】


 『奴が、“アイン”です…………!』


【若い魔術師の声が震えながら敵の名を示した】
【アインの頬はすすで黒く汚れていた。外套も何箇所かが切れている。だが、それだけだ。怪我どころか目立った外傷すら見当たらない】
【総勢二五三人の警備隊の包囲網は、たった一人の魔術師を相手に何一つ致命傷を与えられないままに全滅していた】


 『…………申し訳ありません、皆さん。どうやら規定時間よりも早く交戦が始まり、我が部隊は全滅してしまったようです』

 『私はこれから郊外に展開中の部隊と連絡を取り、援軍を要請してきます。どうか彼らが到着するまでアインを押しとどめておいてください……!』


【言うや否や警備隊員は急いで装甲車に戻り、来た道を戻っていく】
【アインは走り去る装甲車を何もせずに見送った。興味なさげに笑うと彼の視線は残された三人へと移る】


 さて、と。援軍か…………間に合えばいいがな

 意外と早い再会になったな、ワザワイ・エスパス?
 あのときの約束をこうも早く果たすことになるとは、思ってもみなかったぞ
 今日奪取したものはあの“アーグ”を倒すのに必要かもしれんものだ。邪魔翌立てするならば、容赦はしない────!

 それともう一人、知った顔がいるな。いつぞやの小娘か
 今日は人数も多いし、俺の気分も良い。あのときほどは手加減してやらんぞ。せいぜい死ぬなよ…………?

 残りの一人は知らんな。自己紹介をしておこう
 俺の名はアインだ。お前の墓に彫る名を教えろ。見てのとおり、俺と戦えばまともな形では死体が残らんのでな


【長槍が跳ね上がりアインの肩にかつがれる。攻撃の兆候はまったくなかった。援軍という時間制限がある中で、アインはわざわざ話す程度の余裕を保っていた】

//投下文は以上です
//ジンジャーの人は依頼を受けていない立場なので、ここに通りかかるだとか、そういった感じできていただければ、と思います
946 :キリーノ・リカニツカヤ(No.7 Nemesis) ◆/iCzTYjx0Y [!nasu_res]:2015/03/07(土) 19:05:13.15 ID:/P11oA0eo
>>943-945

【キリーノ・リカニツカヤは頭を抱えていた。】
【なんで―――なんで、なんでいるんだ。なんでいるんだ、リーベ・エスパス。】
【まさか彼女も自分と同じくアインと因縁があるのだろうか。あっても可笑しくなさそうではある、のだが】

 (な、なんなのよ……!!よりによって、私が素顔と裏の顔両方隠して参戦した時に限って……!!)
 (梨花でもなければ、Nemesisでもない、って、これでまたリーベに今日顔を覚えられたら、)
 (私はリーベの中に三人も存在する事になっちゃうの!? なんなのよ、もう!!)

【怪しげなマントと、その下に着込んだ灰色のジャケット、そして頭部には何と―――】
【100円ショップかドン・○ホーテで買ってきたのだろうか、コスプレ用のプロレスラーの覆面を被り】
【極力、自分がNo.7 Nemesis、つまりカノッサ所属の悪人である事を悟られまいようにと、彼女は苦戦していた。】

【だがまさか、"知り合い"が乗り込んでいるとは……、正直信じられなかった。】
【リカニツカヤは声の調子を変えようとしてゴホン、コホン、と何度か咳払いをすると、魔術師の言葉に応えた。】


 わ、わかった。ご協力感謝する。この魔術のお陰で力が漲るようだよ、ッハッハッハッハ!
 (うぇぇぇ〜……し、死ぬほどやり辛い……!! っていうか、これリーベにバレてるんじゃ……ああん、もう!)


【だがいつまでも車の中で悶々としているわけにも行かなかった。車は急加速の後に停止、】
【勘を働かせたNemesisは異常な事態が起きている事を素早く察知し、腰元のリボルバーに手を添えた。】
【そして扉が開くと同時、Nemesisは―――リカニツカヤは、素早く車内を飛び出し、外の光景を確認する。これ、は―――……!!】


 ―――なっ……なによ、これ……!?

 (まさか、ベクター!? いいえ、アイツは今地の国で活動中、でも、でもこんな……ッ!!)
 
 (こんなことが出来るやつが、ベクター以外に存在するの!? それとも内乱か!? 戦争なら、いやでも……)

 (―――嘘よ……。アイン、確かにアイツは強力な術者だった。私が取り逃した相手、でも、でも、でも―――……ッ!!)


 こんな、ことって……!!

【目の前に広がる破壊の跡に、Nemesisは絶句していた。耳から入ってくる253という数字も、脳裏を通り過ぎていく。】
【冗談じゃ、ない。自分が知りうる限り、単体の能力者でこんな事が出来るような存在は―――あの、ベクターくらいなものだ。】
【だが、少し前に自分でも戦ったあの、あの魔術師がこの災いの元凶だと、そういうのだろうか! 信じられない、と彼女は唇を噛んだ】

 
 ……援軍、要請……ええ、わかったわ……!!
 残念だけど、どうやらそういう手段を取らざるを得ないでしょうね……アイン!!
 手加減、ですって? はん、なんでもいいわ。精々そこで偉そうに踏ん反り返ってなさい、"私から一度逃げた臆病者"!!

 震えた声で私に押し負けそうになった事実を捏造してんじゃないわよ、いい?
 兵隊の雑魚を何百人屠ったところで、この世界じゃ強さのアッピルには至らないのよ!!
 どうしても自分が強いと、そう証明したきゃ―――私と、ここにいる全員を、ブチ殺してみなさいッ!!

 さあ、槍を構えろ魔術師!! No.せ――――……き、キリーノ・リカニツカヤが相手だッ!!


【バサッ、とマントを翻し、Nemesisが吼える。手始めとばかりに、彼女は攻撃を開始したッ!!】


 "Summon Insects"  (  ―――来たれ、我が眷属よ―――  )
           "Sentipede"       (  ―――怒れる牙で、仇敵を喰らい尽くせッ!!―――  )


【彼女の掛け声とともに、割れた地面が隆起し、大地が震え、そして鼓動とともにアインの"直下"から―――!】

 来いッ、センチピード!!

【足元を突き破るように、巨大な―――全長にして9m前後はありそうな、超大型のムカデが出現、顎でその身を喰い破らんとする!!】
947 :キリーノ・リカニツカヤ(No.7 Nemesis) ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/07(土) 19:06:08.59 ID:/P11oA0eo
>>943-945

【キリーノ・リカニツカヤは頭を抱えていた。】
【なんで―――なんで、なんでいるんだ。なんでいるんだ、リーベ・エスパス。】
【まさか彼女も自分と同じくアインと因縁があるのだろうか。あっても可笑しくなさそうではある、のだが】

 (な、なんなのよ……!!よりによって、私が素顔と裏の顔両方隠して参戦した時に限って……!!)
 (梨花でもなければ、Nemesisでもない、って、これでまたリーベに今日顔を覚えられたら、)
 (私はリーベの中に三人も存在する事になっちゃうの!? なんなのよ、もう!!)

【怪しげなマントと、その下に着込んだ灰色のジャケット、そして頭部には何と―――】
【100円ショップかドン・○ホーテで買ってきたのだろうか、コスプレ用のプロレスラーの覆面を被り】
【極力、自分がNo.7 Nemesis、つまりカノッサ所属の悪人である事を悟られまいようにと、彼女は苦戦していた。】

【だがまさか、"知り合い"が乗り込んでいるとは……、正直信じられなかった。】
【リカニツカヤは声の調子を変えようとしてゴホン、コホン、と何度か咳払いをすると、魔術師の言葉に応えた。】

 わ、わかった。ご協力感謝する。この魔術のお陰で力が漲るようだよ、ッハッハッハッハ!
 (うぇぇぇ〜……し、死ぬほどやり辛い……!! っていうか、これリーベにバレてるんじゃ……ああん、もう!)

【だがいつまでも車の中で悶々としているわけにも行かなかった。車は急加速の後に停止、】
【勘を働かせたNemesisは異常な事態が起きている事を素早く察知し、腰元のリボルバーに手を添えた。】
【そして扉が開くと同時、Nemesisは―――リカニツカヤは、素早く車内を飛び出し、外の光景を確認する。これ、は―――……!!】


 ―――なっ……なによ、これ……!?

 (まさか、ベクター!? いいえ、アイツは今地の国で活動中、でも、でもこんな……ッ!!)
 
 (こんなことが出来るやつが、ベクター以外に存在するの!? それとも内乱か!? 戦争なら、いやでも……)

 (―――嘘よ……。アイン、確かにアイツは強力な術者だった。私が取り逃した相手、でも、でも、でも―――……ッ!!)


 こんな、ことって……!!

【目の前に広がる破壊の跡に、Nemesisは絶句していた。耳から入ってくる253という数字も、脳裏を通り過ぎていく。】
【冗談じゃ、ない。自分が知りうる限り、単体の能力者でこんな事が出来るような存在は―――あの、ベクターくらいなものだ。】
【だが、少し前に自分でも戦ったあの、あの魔術師がこの災いの元凶だと、そういうのだろうか! 信じられない、と彼女は唇を噛んだ】

 
 ……援軍、要請……ええ、わかったわ……!!
 残念だけど、どうやらそういう手段を取らざるを得ないでしょうね……アイン!!
 手加減、ですって? はん、なんでもいいわ。精々そこで偉そうに踏ん反り返ってなさい、"私から一度逃げた臆病者"!!

 震えた声で私に押し負けそうになった事実を捏造してんじゃないわよ、いい?
 兵隊の雑魚を何百人屠ったところで、この世界じゃ強さのアッピルには至らないのよ!!
 どうしても自分が強いと、そう証明したきゃ―――私と、ここにいる全員を、ブチ殺してみなさいッ!!

 さあ、槍を構えろ魔術師!! No.せ――――……き、キリーノ・リカニツカヤが相手だッ!!


【バサッ、とマントを翻し、Nemesisが吼える。手始めとばかりに、彼女は攻撃を開始したッ!!】


 "Summon Insects"  (  ―――来たれ、我が眷属よ―――  )
           "Sentipede"       (  ―――怒れる牙で、仇敵を喰らい尽くせッ!!―――  )


【彼女の掛け声とともに、割れた地面が隆起し、大地が震え、そして鼓動とともにアインの"直下"から―――!】

 来いッ、センチピード!!

【足元を突き破るように、巨大な―――全長にして9m前後はありそうな、超大型のムカデが出現、顎でその身を喰い破らんとする!!】

/ぎゃぁ〜!!!!紫のままやった〜!すいません、書き直しです!
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/07(土) 19:09:08.01 ID:liij3Ri00
>>943-945
【車から出てくる小柄な少年】

「あひゃぁ、本当に埒外なんだね!」

【自身にかけられた魔術の効果も実感しつつ、眼前に広がる光景】

【自然災害だと言われても信じられてしまう現状】

【殆どが廃墟と化したその地に、赤い体液で染まったその血に降り立つ】

【生臭い、血と言うより肉の匂いのする風を浴びてシルバーのメッシュが入った紫の長髪がなびく】

「まぁ、僕はお金が手に貰えればいんだけどさ!」

【目下彼の姉、リーベ・エスパスに養って貰っている身としては大好きな姉に少しでも楽をさせてあげようと思っての行動だったが姉も同じ広告を見たらしく今回は兄弟での参加である】

【が、瓦礫の中心に立つ人物を目撃した瞬間に警戒のレベルが跳ね上がる】

【槍を肩に担ぐその尊大な態度の青年に向かってやや緊張気味に答える】

「うん……本当だよね……アインおにぃちゃん!!!」

【牽制とばかりにアインに向かって飛んでいくドリルの様な氷柱】

【この瞬間、彼の目的は『金銭』ではなく『姉弟で生き残る』ことに変更された】
949 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/07(土) 19:14:43.15 ID:Rd0h3ERDO
>>943-945

【──移動中の車両の中。リーべ・エスパスは弟であるワザワイ・エスパスの隣にしっかりと座っていた】
【朝に家を飛び出し、弟が来そうなところを片っ端から見て回り──最終的には「アタリ」を引いたわけだ】
【「……ニュースを見て、驚いた。生きてて、よかった」】
【心底安心したように、まずリーべはワザワイを抱き締めることだろう】
【「だけど……まだまだ安心出来ないな。危なくなったら、逃げるんだぞワザワイ」】
【──告げられたのは、心配からくる言葉だった。家族を失いたくない姉の本心だった】
【けれど……ワザワイがそれに従わないのも薄々分かっていた。多分、家族を亡くしたくない気持ちはお互い同じだと思っていた】
【リーべの表情に、緊張が浮かぶ。普段は1人で戦うことが多いのに、今回はチーム戦】
【しかもその内の1人は他ならぬ弟なのだから──気が張るのも当然のことかもしれなかった】

【Nem──リカニツカヤの正体など、恐らくこの場では気付いていない。「そう」だとわかるのは、戦いが始まってからか】
【それでも人懐っこいリーべのこと。「よろしくな、キリーノ!」だなんて笑って挨拶をするあたり、流石かもしれない】


【────だが、事態の急変によりリーべも口を閉ざさざるをえなくなった】
【がががががが、と揺れ続ける車体。不安が掻き乱され、ワザワイを抱く腕に力が籠る】
【車が、止まる。扉が、開く。──そこから見えた光景に、リーべは絶句した】
【「この光景を、ヒトが作り出せるものなのか」……思わず、呼吸が止まる】
【だが、もう引き返せない。来てしまった以上、他の人間を捨ててワザワイと逃げるなど不可能だ】
【──何より。それは彼女の中に潜む自尊心が、赦さなかった】

【車を降りる。初対面であるのに関わらず、リーべは背中にある「刀」に意識を向ける】
【──目の前の「化け物」相手に、刀を使わないことが出来る自信が、なかった】


……ワザワイにキリーノは知り合いなのか。ふふん、厄介そうな相手と知り合いになったな

アイン、アインか──私はリーべ。リーべ・エスパス……ワザワイの姉だ!
ふふん……。…………。


【名を名乗る。自分はワザワイの姉だと──そう】
【──そして、この魔術師相手にどう攻め、どう時間を稼ごうかと考えていたところで……>>946キリーノが、なんだか、聞きなれた声、で】


   ──── あぁああぁああぁああぁああぁあああ !?

   おまっ …… お前 !! N e m e s i s だろ────!?


【ああ、考えるのもバカらしい。ある程度戦いに必要なのは勢いだ。それをNemesisに教えられ……】
【さらにはアインにワザワイ>>948の氷が襲いかかる!】


……ふふん! そうだな、とりあえずそうだよな──!
まずはやってみないことには分からないな……!

おいNemesis! それにワザワイ──!
こいつはどんな戦い方するんだ……!?


【ず、と拳を振り宙を殴り付ける。ぶゥん──大気が、揺れる】
【Nemesisはこれが何の前兆か、知っているはずだ。これは……リーべの「振動」させる力!】
【ムカデの攻撃に氷のドリル──それを追いかけるように、アインに向けて手加減なしの「衝撃波」が放たれた……!】
950 :剛田 剛太郎 ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/03/07(土) 19:28:27.14 ID:yzl2wVpko
>>943->>945

……――――みん……な、おい……動いてくれよ!なあ!しっかりしてくれ!―――カジさん!動いちゃだめだ!
早く手当てしないと死んじまう!誰か!……生存者がここにまだ何人かいるんだ!助けてくれッ!……頼むよ!

『………剛、田……無事、か、流石だな』


【――――あまりにもあっけなく、大勢の者たちが死んでいった、本当に―――あっという間の出来事だった】

【その青年が駆けつけた時にはすでに惨劇は起きていた、ほんの少々、足を運んできた相棒の所に顔を出した数分のうちに警備員たちの戦闘は始まっていた】
【戦闘している顔ぶれの中に、異動前に警備員のなんたるかを骨身に叩き込んでくれた先輩の姿もあった】
【数人の見知った顔ぶれが戦闘において窮地に追い込まれているのを見て、すでに考えるよりも先に体が動いていた―――――】

【彼が戦線に加わってほんの2分足らず、その短時間の間に自分以外は再起不能、その実に9割が死亡するすさまじい結果が起きていた】

【青年は思いのほか整った顔立ちの男だった。柑橘系の整髪料の匂いが漂うさらさらの茶の短髪に凛とした印象を与える目つきに真っ赤な瞳、整った鼻筋】
【だが今、彼のその顔は悔しさと、悲しみと、烈火のごとき怒りによって歪んでいるのが見て取れた】
【彼の着る、胸に『剛田 剛太郎』と書かれたネームプレートのある紺の警備員服は衝撃であちこちが切り傷だらけになっており、血が流れ始めている】

【だが、冷静さを失い始めていた青年の胸倉を―――深手を負っていた壮年の男性警備員が突如力いっぱいに掴み上げると】


『―――"職務"を……全うしろ、剛田……警備員なら、手が届く、限り……全ての守るべき物を守りきる、それが……"職務"だ
言った、だろうが……男なら、任された……仕事ぐらい、やれる限りやり切れってよ……大の男が、みっともねぇマネするな……』

カジさん……!

『行け……!"生存者"を、守りきるんだ……剛田!』


【力強いまなざしで剛太郎の事を睨み、命令する男に―――剛太郎は深くうなずいた】
【立ち上がってアインの方向を向き、ポケットから六角形のやや大きめな錠前を手に持ちながら彼はすぐ傍まで来ている『相棒』に向けて叫ぶ】


――――――ムクッ!!!

「……ふん、戦いとなると頭が冷静な状態に切り替わるのはお前の長所じゃのう、剛の字―――存分にやれいッ!!」


【ぱちん、とムクと呼ばれたトイプードルが巨大な棺桶と共にあらわれ、己の首輪から赤い宝石の付いた鍵を咥えてはずし、剛太郎の手元に投げると】
【彼は無駄のない動きでその鍵を右手で掴み、六角形の錠前を前に突き出した】
【すると、彼の腰回りに光が灯り、ほんの一瞬で彼が引いてきた棺型の魔術礼装と同じ装飾のベルトが発現するだろう】

/続きます
951 :剛田 剛太郎 ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/03/07(土) 19:29:03.73 ID:yzl2wVpko
>>950続き

「―――魔導回路起動、戦闘駆動用意……鬼神鎧装 『炎牙』爆現ッ!!」

―――――アインッ!!テメーはッ!!テメーの目論見は俺が八つ裂きにしてやるッ!!変 身 ッ ! !


【錠前とカギを持った両手をクロスして前に威圧するように差し出して…次に肘を引いてカギを持つ右手を顔の横まで引く】
【そしてその錠前を持つ左手を右手へと持って行きそのままカギ穴に差し込んでガチャリとひねった】
【するともう一度錠前の外殻が凹凸状の溝にそって割れ、内側から赤い輝きを放つ】
【そのまま引き抜いて錠前を前に威圧するように差し出すと、錠前の内側から吹きこまれたような声が響く】


「―――『Flare≪フレア≫』 Lock-free』


【内側から赤く開いた錠前をベルトの中央部に押しこむと金属を叩き割る様な甲高い音が鳴り響く】
【ブル、と空気が震え剛太郎の身体が銀色の、というか鉄の色をした何かのエネルギーに包まれる、そしてその同時に棺桶型の魔術礼装が彼の後ろに移動した】
【錠前に連動するかのように棺桶が開くと……そこから赤いエネルギー玉に包まれた炎のナイフのような物が姿を変えて行く剛太郎に接触する】

【バリン!と割れると…無機質でのっぺりしたシルエットの戦士が登場すると同時、赤い炎のナイフが入ったエネルギーが肩や胸のプロテクター、仮面のパーツになる】
【胸と肩などでつなぎ合わせその顔の前面に仮面のパーツががっしりとはまれば…】

【顔の正中線を赤い刃が突き出した横縞の溝のついた防護の鉄仮面の下から赤い複眼を覗かせた異形の顔立ち】
【肩や胸に肩衣半袴を思わせるデザインの堅いプロテクターで覆われた肘や膝に鮫肌のようにザラリとした手触りのサポート】
【手の淵や踵は鋭く尖った鉄となっており……本気を出して叩きつければ本当に斬れそうなデザイン】

【そこには警備員服の優男の姿はなく――――魔術の鎧を身にまとった異形の武者が現れ】


―――"葉隠流"、剛田 剛太郎……推して参る!葉隠流 『桜花』ァ!!


【炎の魔翌力に包まれたその両手を桜の枝のごとく鋭く研ぎ澄まし、容赦なくアインの腹部めがけて貫手を叩き込む!】
【ただの貫手と侮ってはいけない、彼の鍛え抜かれたその手は、その技は―――刀で切り裂かれるのと何も変わらぬ切れ味を誇るのだ!】
【真っ向から食らっては腹部を貫き、炎の魔翌力が体内を焼き焦がすことになるだろう!!】
952 :主催 ◆r0cnuegjy. [!nasu_res]:2015/03/07(土) 19:43:17.08 ID:y9xGNUxHo
>>947


相変わらず口の減らないガキだ。実力が伴えばいいんだがな

それよりお前、名前違わないか?


【アインの足が地面を踏みしめ魔翌力を通す。直後に後方に跳躍。地面からの奇襲を軽々と回避する】
【大型ムカデの出現に合わせてその左右から巨大な岩の手が現れる。ムカデを片手で持てるほどの大きさの手が左右からムカデを掴もうと迫る。捕まれば強大な力で握りつぶしてくるだろう】

>>948>>949


お前と戦うのを楽しみにしていた。早くその日が来たのは喜ばしいぞ──!!


【アインの手が翻る。空中に大気の壁が現れて円錐形の氷柱を空中で受け止めた】
【つづく姉の攻撃も大気の壁が受け止めるが貫通。アインへと迫るが、直前で漆黒の幕によって遮られた。それはアインの足元の影が伸長し立体となってできた“影の壁”だった】


 いい連携だな、リーベ・エスパス。さすがは姉弟といったところだな

 だがまだまだだ────“そんなもの”ではこの俺に傷一つつけられんぞ


>>950>>951


【剛田の鋭く強烈な貫手をアインの長槍が正確に迎撃。腹部に当たる直前で跳ねあげさせて防ぐ】
【更に後方へ跳躍。剛田との距離を取る】


 生き残ったとは不運な男だ


 安心しろ、月並みな言葉と結果として、お前はすぐに彼らの後を追うことになる


>>ALL


 『攻撃』はそれなり、か。だが『防御』の方はどうだ────?


【長槍の矛先が四人へと向く。先端を中心に魔法陣が展開。魔翌力が集中していく】
【次の瞬間、閃光。赤白い業火が拡散。瞬時に幅と高さが数十メートルにも及ぶ巨大な焔の“津波”と化す】
【周囲の瓦礫や死体さえも焼き尽くす火炎によって膨大な熱量を伴った熱風が吹き荒れる。直撃すればただではすまない】
【だが────今に限っては対処法が与えられていたはずだ。不可避の範囲を持つ魔術であったとしても防ぐ術がある】


//みなさま、本日はよろしくお願いします
//レス順の指定をさせていただきます。リーベ、ワザワイ、剛田、キリーノ(敬称略)の順でお願いします
//レス順の指定は味方に指示したり、相手の指示を見たりする上でのお願いです。他の方のレスも見ていただければな、と思います
//ご協力、よろしくお願いいたします
953 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/07(土) 19:45:41.55 ID:fR8C/qJOO
>>941
【妙な顔もたいして気にしない。もとよりこんな格好でこんな名乗りではまともな返事が帰ってくる方が少ない】

「そうか、ではそのいつかが来ることを祈るとしよう」

【いつか、と言われれば素直に引き下がる。未知への探求はもとより、未知そのものも楽しむ男だ。そこに未知があると分かるだけでも十分なのかもしれない】

「ふむ、意思を持ってUTを使えるのは良いことだね。なかなかそれが出来ない輩も多い…」
【男は意思なき正義が、正義の為の正義が、その象徴たるUTがあまり好みではなかった】
【だからこそ、そこに明確な意思を持って参加している少女を評価した】

「なるほど、確かに不老というのは長く付き合って行く上で誤魔化しきれない要素だね。」
「…それで、キミは正体がバレるまで騙し続けるという選択肢を取るのかね?」
【あえて、騙すという汚い言葉を使った。】
【それに迷わないのであれば決意とも呼べる強い意思を見る事が出来るし、迷うようであればその迷いの芽を育てる事が出来ると考えたのである】

//気付くの遅れました、申し訳ないですっ
954 :悦那 ◆vrv2g2Oz1g [sage saga]:2015/03/07(土) 19:54:10.59 ID:wgttnFS2o
【廃ビル】

【数人の若者達が肝試しに来ていた。ろくな装備もなく、ガス漏れの可能性など考えもせず、あろう事かジッポの火を灯りにして】
【サンダルで戸を蹴飛ばし開けては中を覗いて大騒ぎ、ドアストッパーの重要性など当然知りもしないのだろうが】

【──不意に、がたりと奥の扉が揺れた】
【早速近所迷惑な悲鳴を上げた若者達は、好奇心旺盛に恐る恐る扉へと近付いて行く。一人が意を決して戸を蹴飛ばすと、】

──、死ねえ……

【大きな衝撃音と共に、眼前から、地の底から響くような恨めしい男の声】
【足元を見れば、明らかに死体と分かる肌の人間が倒れており、それがあろうことかびくりびくりと起き上がろうとしていた】

【──正真正銘の悲鳴と、必死に逃げる足音が遠くへと行った頃。死体はようやく壁を支えに起き上がり、忌々しげに額を擦った】

痛てえ……、何なんだ畜生……。ドアを蹴って開けるやつがあるかってんだ、クソが……
おまけに死人でも見たような叫び声上げやがって、耳がキンキンすらぁ……ああ、畜生。

【癖のある黒髪、鋭い灰色の目、右頬には「牛の首が乗った皿」の刺青。そんな特徴を持つ、いやに血色の悪い男】
【よれたスーツの、倒れた際についた埃を適当に払って、彼は深々と溜息を吐く。ぶつけた箇所を鏡で見れば、黒い内出血】

うわ、何だこりゃ……ってそうだよな、俺もともと死んでたのか……はぁ。クッソ……

【遣る瀬無く再び溜息をつけば、静寂を取り戻した廃ビルの屋上へとふらふら歩き出す。目的は勿論、受難を労う為のタバコだった】
955 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/07(土) 19:59:42.59 ID:Rd0h3ERDO
>>952

(Nemesisは蟲、ワザワイは氷結──それに、あの警備員は近接戦闘タイプか……!)
(確かNemesisには銃器による攻撃法もあった……あの「大ムカデ」を使いつつ、後ろからサポートか?)
(あの警備員は見るからに近接タイプ──アインの動きを押さえてもらえば……)
(それに、ワザワイの「氷」で足の動きを止められれば……)
(でも、そんな小手先の、分かりやすい連携が通用する相手なのか──!?)


【──放った衝撃波が、あっさりと防がれる。魔術師、か。Nemesisとワザワイの返答を待たずして、それだけは察することが出来た】
【大気の壁に、漆黒の壁──だが周囲の惨劇を見るに、「大気」と「影」のみを操るだけの相手とは思えなかった】
【たんッ。宙を蹴る。前に、出る。盾になるのは、自分でいい──そう、思った】
【幼いワザワイや幾度となく戦ったNemesisを、盾になどしたくなかったのだ】


(防御、防御────ッ、…………!!)


   伏 せ ろ 「 け ー び い ん 」 ──── ! !

   ワザワイ、Nemesis…………! 「道」をあける ──── ッ !


【だ、んッ──! もう一度、大きく地を蹴った。ワザワイとNemesisを後方において、ひゅうと風を斬る】
【夜色の髪が、靡いて……ぐぐ。拳を、また振りかぶり──】


   う ………… ぉ、おおぉおぉおぉおお ──── ッッ !!


【ぶ、ォん──!! 放たれるのは先ほど同様の「衝撃波」だ】
【だが、先ほどよりも威力は強い。若い魔術師に施された強化魔術が、発動していた】
【全員に迫りくる火焔……それを真っ向から見据え】
【リーべはその、巨体と化した焔を──局地的に、「撃ち」、破る……!!】

【衝撃波により火焔の壁を一点突破──「壁」に空いた衝撃波の穴を通して、攻撃を為せとリーべから指示が飛ぶ】
【気がかりなのはリーべとアインの間にいた剛田か】
【リーべの叫びにすかさず反応できれば、彼女の「衝撃波」を避けることが出来るだろうが──!?】
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/07(土) 20:05:32.09 ID:CJUmb4ok0
>>953

わたしは……、ほかのひとみたいに強くないもの。怖がりだし――。

【だからみんなみたいに戦えない。怖がりで、弱虫で、戦場に赴こう、なんて、気にはならない】
【あの場所に居ながら戦う気のないひと、ただ、その代わりに――名前と信頼を借りて、そんな夢を叶えようとして】
【ゆっくりだけど――彼女なりに頑張っているのだろう。ひとの思うようないわゆる正義、とは、違うかもしれないけれど】

…………――そだ、ね、

【騙す。間違えていないだろう、嘘を吐いて、騙すのだ。自分は人間だって、人間みたいな顔をして】
【知っているひとも居るが、知らないひとももちろんたくさんいる。幼馴染の二人には、結局言えていないし――】
【仲良しであればあるほど、仲良しになりたいと思えば思うほど、言えなくなる。――壊れるのが、怖くって】

――わたし、もう、帰るね。お家に帰ってご飯を作らなくっちゃ、……。

【結局曖昧に笑ってみせて、数秒ほど黙り込む――次に続けた言葉は、そんな、逃げるようなものだ】
【時計も見ずに言い出すものだから、よほど嘘ではないのだろうけれど――どうしても急で、都合が悪いような感じがして】
【立ち上がってもすぐに立ち去らない辺り、やっぱり。騙す、その言葉を使われて、――弱虫、だから、】

/こちらも食事してて遅れました、申し訳ないです!
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/07(土) 20:23:20.17 ID:liij3Ri00
>>952
「っ!やっぱり氷柱じゃダメなんだね」

>>955

「おねぇちゃん……あいつは………アインおにぃちゃんは!」

「少なくとも僕と同じ氷と植物は使えるはずだよ!」

【極論、自分と姉さえ無事ならそれで良いのだが今回は姉の流儀に従い氷の防壁を全員の周りに展開する】

【そしてリーベの衝撃波によって作られた『道』魔術で一時的に強化された脚力でアインに向かってとびかかる】

【そしてアインに向かって飛来する先程と同じ氷柱、とここまでは囮】

【次の瞬間、攻撃性ゼロの綿雪がさながら雪山で起こるホワイトアウトの様な状況を作り出そうとアインの視界いっぱいにとびこんてくる】

【更に雪に紛れて手足や首に絡み付くように放たれたのは先端に楔の付いた氷の有棘鉄線】

【僅かな時間でも足止めさえ出来ればいい、何せ今の自分は一人ではない】

【大好きな姉が一緒にいてくれるのだから!】

「僕が動けなくさせるから!」

「今の内にみんな攻撃してぇ!」

【落下する最中、全員に大声で叫ぶ】
958 :キリーノ・リカニツカヤ(No.7 Nemesis) ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/07(土) 20:47:04.21 ID:/P11oA0eo
>>952

【多重攻撃を全て回避、そして即座に反撃するこの即応性の高さ―――矢張り、侮れない。】
【Nemesisは舌を巻いた。あの時と同じ、しかし今日は戦場<バトルフィールド>が圧倒的に、広い。】

 (あの時は……路地裏で戦ったからこそ、狭い場所でヤツを追い詰められた、けど……ッ!)
 (今日はそういう訳にはいかない、か……あんなに軽々と地中からの奇襲を避けるなんて……忌々しい!)

  !! まずい……―――センチピードッ!! 

【そして現れた地属性の攻撃―――石の巨腕に両側から捕まったムカデは、動きを封じられる。】
【同時に力が込められていき―――ギチギチ、とムカデを絞め殺すべく万力の様なパワーが、加わる!】

  がッ―――くっ、こん、のォ……ッ!! バカに、してぇぇぇぇぇッ!!
 
【ムカデがもがき、両腕から逃れようとするも、上手く行かない。Nemesisにリンクした意識が、ダメージを彼女にも伝えていく。】

 (……単に攻撃を仕掛けても、この広い場所じゃ回避される……なら、やっぱり此処は……ッ!!)

  ……くっ……し、かた、ないわね……!! >>955>>949リーベ!!
  アインの攻撃は属性を操る魔術よ、豊富で強力な攻撃手段を持ってるわ、気をつけて!!
  ……私が誰かなんて、そんなことはもうどうでもいい!! 協力してあげるわ、ただし今回だけよ、いい!?
 
  アイツをブチのめしたら、その次はアンタとそこの弟分を叩きのめしてやる!! わかった!?

>>955>>949のリーベの言葉に思わず応えるNemesis。これでは、正体を隠す意味など無いに等しい。】
【だが建前上、カノッサのナンバーズがこんな所に私怨で駆けつけると言うのは、どうしても良くないのだろう。】
【Nemesisは恥ずかしさからか、それともムカデが捕まって苦しいからか、わからないが顔を真っ赤にし、叫んだ。】

【そして共闘を申し出ると、合わせる様にリーベの切り開いた"安全地帯"へと逃げ込み】
【炎を回避する―――そして、>>957のワザワイがアインへと攻撃を放ち、意識を其方に向かせている事を利用して―――ッ!!】


 >>952

 名前、ですって……? はん、今の私はキリーノ・リカニツカヤよ!
 Nemesis名義でリーベやらなにやら有象無象と共闘すると、上司が色々五月蝿いのよ!
 アンタみたいな友達の少なさをウリにしてるアウトローの大馬鹿と違って、こっちは組織で動いてるから、ねッ!!

【減らず口、もう減る所の見えない減らず口だ。Nemesisは吼えると、先ほど施された強化魔術を全身に、漲らせる!!】

 
 ―――力で、どうにも出来ないならッ……切り裂く、までッ!!

【Nemesisの眼の色が変る。それと同時に、ムカデの無数に生えた脚部が異常なまでに延長され、】
【鋭い輝きを放つと、強化された切れ味を持ったそれを、まるで刀剣の様に無茶苦茶に振るい上げるッ!!】
【捕まえられていた状態から、なんと見事に石の腕を全てバラバラに切り裂くと、足止めを喰らっているかはともかく】
【ワザワイに対応している筈のアインめがけ―――鋭い脚部を乱舞させながら、とてつもない速度で襲い掛かるだろうッ!!】
 
 (あとは……遠距離からの、銃撃……でも、ただの銃弾じゃヤツには、届かない!!)
 (私が銃撃を行うとしたら、アイツの意表を突く為も含めて、もう少し追い詰めてから融合して使いたい……!!)


【Nemesisは確かに、強烈な遠距離攻撃を持っている。だが、それをアインは知らない筈だった。】
【彼女はリーベと、そしてジンジャーに対し、アインから見えないように銃のホルスターを指差し、目配せで合図する。】


 ――――――とっておきは、"とっておく"から意味があるものよ。
 あとでコイツをブッ放す、だからそれまでに全員で、アイツの動きを止めて!!
959 :キリーノ・リカニツカヤ(No.7 Nemesis) ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/07(土) 20:50:53.08 ID:/P11oA0eo
/ごめんなさいジンジャーさんじゃないです剛太郎さんですすいませんorz
960 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/07(土) 21:03:04.08 ID:4SMCvXgho
>>939
【テレビを観た、この国でなんやかんや色々大変な事があったらしい、知ったのはテキトーで簡単な情報だけ】
【それとかのUTのリーダーが攫われただかなんだかと知ったが、まあ今はそれはどうでもいいや】

兎に角だ!
こーゆー大きな事件があった時っつーのは稼ぎ時と相場が決まってんだよなァ〜!

【そんな風に独り言を呟いて歩く男がいた、真っ白な高級スーツに身を包み、撫で付けた金髪とゴールドフレームの眼鏡が煌びやかな奴だ】
【とんでもない三下臭を小綺麗な見た目から漂わせながら、未だ事件の影響で騒がしい街を歩く】
【腹に抱くは良からぬ考え、火事場泥棒か詐欺か騙り、どれを取っても邪な物で、人の不幸に群がるハイエナの如き腹積り】

ま、とりあえずは情報収集だな……やっぱり一番近くで見てた奴らに聞くのが一番か

【何をするにも必要なのは情報だ、テレビで観ただけでは不十分過ぎる為に、この男は情報収集として病院に向かっていた】
【何しろあれだけの事件だ、死人は沢山、怪我人も更に沢山出ただろう、そういう奴から話を聞いてリアリティを出せば詐欺もしやすいと言うもので】
【頭の中で『俺様天才!』と自画自賛しながら病院の入口を潜った、が───】

【何分頭の中で良からぬ事を考えるのに夢中で前を良く見ていない、タイミングが神懸かり的にかち合い、病み上がりの少女にぶつかりそうになって───】
961 :剛田 剛太郎 ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/03/07(土) 21:08:09.50 ID:yzl2wVpko
>>952

【素早い身のこなしで迎撃し、なんなく防ぐアインに対して、チッ!とあからさまに舌打ちする剛太郎―――否、鬼神鎧装『炎牙』、か】
【左の貫手を腰に、右を前に突き出して構えを取り、次の一撃を入れる機をうかがい始める――そこに、だ】
【突如、槍の矛先にて展開される魔法陣、その集中していく魔翌力、の規模に流石の剛太郎もたじろいだ!】


(まずい―――この範囲じゃカジさん達が―――!!生存者がやられちまうッ!!)

『ほう、あの若さでそれほどの腕前を持つとは大した魔術師じゃのう……!剛の字!生存者にはワシが付く!
お前はそいつに集中せい!炎には水、モードを『リキッド』に……!』


【犬がそこまで言い終わらないうちに、リーベ>>955の声が響く、伏せろ、と言う言葉を】
【ちらりとだけ後ろを見れば、援軍のうちの一人が拳を振りかぶり「道を開ける」と言うではないか】
【その瞬間、彼は全てを察し身を低くした―――が、違う、伏せたのではない……この構えは、クラウチングスタート?】


違うムク!『リキッド』じゃない!『スピード』の鍵をちょうだい!―――後そこのアンタ!
俺は警備員って名前じゃなくて剛太郎だからね!―――葉隠流、『椿』!

「(なんじゃと!?なぜ『スピード』を!?―――いやいい、任せてみるかのう!)」


【言われた通り、今度は空色の鍵を用意し、『――――』、と、聞き取り辛い発音で転送を行う】
【続いて彼は身を低くしたままベルトの錠前を一度閉じ、転送されてきた鍵を差し込むと勢いよく捻る、すると呪言音声が響き―――】


『―――『Speed≪スピード≫』 Lock-free』


【赤い複眼が空色に変わり、肩衣半袴の形をした装甲も同じ色、しかし先ほどよりもより軽量化した素材に変化】
【どこか流線的なフォルムの姿に変わった『炎牙』―――攻撃翌力より機動力に特化した『スピードフォーム』へと変化した!】

【フレアフォームとの違いは3つ、その両手に逆手持ちのスライサーのような装備が追加された点と、両足に渦巻く風のエネルギーが発現している点】
【そして、背中に風車のような装備が搭載された事である、この背の風車に衝撃波が生んだ突風を受け、少しずつ、しかし確実にその両足の渦巻く風の勢いが増している】
【衝撃と共に前に出たワザワイ>>957の、有刺鉄線のような魔術で縛られようとするアインに再び狙いを定め、右の足で勢いよく踏み込み始めながら―――】


そいつ>>957に押さえつけられたまま俺の速度が捉えられるかな!?葉隠流 奥義!!―――『疾 風 迅 雷』 ッ !!


【叫んだ直後―――彼の体は文字通り、吹き抜ける疾風の如く、爆ぜるように低姿勢のままアインへと近づき!】
【なんかいろいろな名前で呼ばれている少女>>958の乱撃に気を取られた隙をついて容赦なく右足の健を断ち切りにかかる!】
【なぜ足を狙うのか―――?決まっている、ムカデの少女の目配せに気が付いたからだ】


(キリだかネメだかよく知らないけど、とりあえず信じるぞ!
足をやられれば機動力も落ちる!そこを容赦なく大技叩き込むんだ!)


【強敵に対する連携、未熟ながらある程度は備えているらしい―――味方の一手にかけるべく打った行動か!】
962 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/07(土) 21:17:44.98 ID:fR8C/qJOO
>>956
「おや、そうかね。それでは仕方あるまい、また出会う機会がある事を祈っているよ」
【帰ると言われればそれを止めはしない。それがたとえ嘘のような逃げるような言葉でも】

「ただ、よく考え、悩みたまえ。キミの夢は嘘の上に成り立って良い物なのか、人や自分を誤魔化して手に入れるべき物なのかを」
【発芽した悩みの芽、それを育てるように水を撒く】
【それがいつか答えを出す事を祈って。そう、たとえその答えが酷く危ういモノだとしても、悩み抜き、考え抜いた答えを男は祝福するだろう】
963 :主催 ◆r0cnuegjy. [!nasu_res]:2015/03/07(土) 21:25:10.30 ID:y9xGNUxHo
>>955

【業火の“津波”は圧倒的な物量を持ちまともな攻撃では突破できない。だが強化された衝撃波の一点集中はそれを打ち破り、隙間を作り出した】
【ワザワイの展開した氷壁によって、業火の通過に伴う熱が大幅に緩和される。姉弟の連携によって攻撃はほぼ完全に防がれた】
【彼女らの後ろに抜けていく火炎は瓦礫の山を舐めながら進み、遥か後方でようやっと消える。道中では火種が次々と生まれ戦場において大火事を発生させていた】
【四人からは遠いが、街の被害であることに変わりはない。アインの魔術は効果が及ぶ範囲が広大だった】


 まぁ、“これぐらい”はやってもらわねば俺もつまらんな


>>957

【氷柱を視認したアインが身構える。しかしそれはフェイクだった】
【突如、視界が遮られる。更に首や両手足に氷の有刺鉄線が食い込む。透明な氷の針に赤黒い血が滴っていく】
【僅かな時間での足止めは、確かにその通りだった。アインの口元に獰猛な笑み】


 面白いし使い方もいい────…………だが、俺を舐めすぎだ!


【怒号と共に氷が融解。アインの全身を火炎が包み込む。脆くなった有刺鉄線を力づくで引きちぎると共に火炎が消失】

>>958>>961

 お前もだ、キリーノなんとか!
 以前の戦いから何も学習していないようだな!


【アインの左の拳が突き出る。動きに合わせて、以前に見せたものよりも遥かに巨大な大気の拳が生成。大型ムカデを真正面から迎撃する】
【更に低姿勢から接近して腱を狙った剛田の一撃を垂直に立った槍が阻む。視界が塞がった状況でもアインの行動は正確だった】

>>ALL

【リーベが活路を開き、ワザワイが視界を塞ぎ動きを封じる。そこにキリーノと剛田の攻撃。見事な連携にアインの肩が興奮に震えた】


 『防御』の方もなかなかだな、いい連携だ…………!

 ガキばかりのわりには愉しませてくれるじゃないかっ!!


【アインが左手を前に出す。魔法陣が展開。三つの熱線がワザワイ、更にその後方にいるリーベに向かって直進。触れるどころか近づくだけで肌が焼けるほどの高温だ。直撃すれば身体に穴が開いてしまう】
【氷で防ぐのは難しい。だがワザワイに施された強化魔術には魔術を攻撃で防げる、というものがあった。今なら戟で相殺までいかなくとも威力の減衰ができるはずだ!】

【同時に予備動作無しで魔術が発動。キリーノの側面に広がる瓦礫の影から、影の槍が十本近く伸びていく。軽い甲殻程度なら貫くほどの勢いがある。槍に貫かれれば体力を吸収されるような感覚に見舞われる。】
【位置的に、気づければリーベがフォローに回れるだろうが、直線上にいるワザワイにも攻撃が向かっている】


 さぁて。お前は仲間を殺されて怒り心頭といった具合だろうな。俺としても少しは運動がしたいところだ

 久方ぶりに近接戦に興じるとしよう────!!


【槍の矛先が半円を描き、剛田の首元を狙って正確に振り下ろされる。魔術師の身でありながら、アインはあえて接近戦を選択した】
964 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga sage]:2015/03/07(土) 21:26:38.84 ID:Z4vnDYs5O

>>960

【こそこそするから、変に見咎められる訳で】
【さもなに食わぬ様子で歩く彼女に対して、奇異の眼差しはあれどかかる声はなく】
【別段問題なく彼女は病院の入り口まで来ることができた】

んー…それにしても、これからどうしようかにゃーん?

【既に彼女は、今後の身の振り方を考えていた】
【とは言え、目的が無いわけではない】
【彼女の、数少ない友人】
【同じ研究所で、共に過ごした仲間】
【その人物が、確か地の国には居た筈なのだ】
【あの『人災』に巻き込まれたとは、思わない】
【とりあえずは、一度探してみるのもいいかと考えて】

…っ!

【少し気が抜けていたのか】
【いかにも高いですよと言わんばかりのスーツの男に、頭の角から真正面でぶつかってしまった】
【その衝撃でよたよたとよろめくが、尻尾でなんとか耐え】

あ……すみませんです…前見てなかったです

【とりあえずは、謝るのだった】

/よろしくお願いします
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/07(土) 21:29:12.34 ID:CJUmb4ok0
>>962

【普通ではいられなくなった子たちに、せめて、食事だけでも普通のものを用意してあげたい】
【暖かい食事を、きちんとお皿に盛られた食事を、食べさせてあげたい――自分は、あの頃、食べたかったから】
【いつかの自分のような子に、そんなことを、ずっと考えてきた。人間とか、そうじゃないとか、気にしてこなかった】

【人間じゃないとばれたらどうなるだろう、居られなくなるだろうか、それとも、受け入れてもらえるのだろうか】
【それが分かるなら。もし居られなくなると分かっているなら、もしかしたら、とっくに消えていたかもしれないし】
【受け入れてもらえると分かっているなら、何も怖がらず打ち明けただろう。そのどちらでも、ないなら、】
【――きっと、彼女も分かっていないのだ。どうしたらいいのか、ただ、人間みたいな顔して、笑ってみせて】

……またね。

【視線をいくらも下げた目が、それでも一応は彼を見る。それで、さっきよりも少し低い声が、そう呟き】
【ミルクティを回収した後、公園から出て行こうと歩いていく――その背中は、公園の入り口、その辺りで】
【きらりと紫色の光に包まれて――まるで世界から脱落するように消える、なんてことない、転移魔術なのだけど】

【――悪意でもって騙しているつもりなんてなかった。だけど、これは、騙していると言われてもおかしくなくて】
【だったら言ってしまおうというだけの勇気もない。だからって、ずっと隠せることではないのは、分かっている】
【少しだけ暗い気持ちで自室に戻れば、そこには、先祖――人間の姿をした蛇が、少し、驚いた目で、】

【「おまえ今日は仕事だって言ってなかったか」】
【――とりあえず、その一言で暗い気持ちは吹き飛んだようだった。……平和?】

/おつかれさまでした!
966 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/07(土) 21:46:45.22 ID:Rd0h3ERDO
>>957-958>>961(ワザワイ・Nemesis・剛田)

(やっぱり……! 多属性を扱える魔術師──!)
(風、炎、氷、樹木……それに影──!)

全属性を──扱えると考えた方が、よさそうだな……!


【ワザワイとNemesisの言葉を聞き、アインという人物の戦闘手段がリーべの中で明確になってくる】
【魔術にはさほど詳しくはなかったが……それでも、属性があるというくらいは知っている】
【その属性同士を組み合わせた攻撃も存在するというのも、父親の持つ本を読んで知っていた】
【要は「なんでもできる」ということだろう──どのような攻撃がくるか予測不能であるのは厄介だったが……】
【────弟がそばにいる。弱音を吐くわけには、いかな、い……ッ!!】


ふ、ふん……当然だNemesis! 協力しないと、勝てるどころかここで消し炭だからな!
ありがとうNemesis──みんなで、こいつをどうにかして……生き残るぞ!


【切り開いた「道」を、ワザワイが通過していき、剛田が更にアインとの距離を詰めていく】
【位置関係としてはアインの近くに剛田とワザワイ、そして後方にリーべとNemesisといったところか】
【Nemesisの声が聞こえる。指差されたのは「銃」……それがただの銃でないことを、リーべは少しだけ知っていた】
【彼女が何をしようとしているかを即座に悟り──このまま、リーべは全員のサポートに回ることを決めた】
【遠距離ではNemesisが、近距離では剛田が強力な攻撃を保持していると思考。なら、中距離戦闘が得意な自分は、彼らを援護するまで……!】

【ワザワイの「氷結」がアインの火焔の中でちらつき、赤と白の演舞を作りだす】
【Nemesisの「大ムカデ」が暴れ、剛田の一撃がひゅうと大気を斬っていく】
【だが────これで終わってしまう相手なら……253人もの警備隊を壊滅させることなど……!】

>>963(アイン)
>>ALL


…………ワザワイ!! Nemesis────!
く、そ、ぉおぉおぉああぁあぁああああぁああぁ────ッッ!!

(ま、た……またか──!! また、私は「選ぶ」のか……)
(よりによって──弟と……Nemesis、を…………ッ!!)


【熱線に気付き、身体がワザワイを守るために前に躍り出ようとする】
【だが、ふっと嫌な気配がして後ろを向くと……Nemesisに襲いかかろうとしている「影」──!?】
【聖都スラウロットでの光景が、甦る。あのときリーべは、Nemesisの手を掴めなかった】
【今度も、ま、た────?】


……ワザワ、イ────戟を、「血塗れかき氷」を、全力で発動させろ……!!
お前の武器なら──魔術を、アインの魔術をどうに、か────ッッ


【だ、んッ──! 地を蹴る。熱線を避け、Nemesisに向かう】
【完全には避けきれない。じゅうと肉が焼ける音がし、リーべの右足の皮膚が一部燃えた】
【だがリーべは止まらない。彼女の目的は、今、やりたいこと、は……!】


────っつ、ぅ、あ、……あ、ぁ、ぐ、ぅううううぅあ、が、ぁあああああ……! Nemes、is────っ、……!!


【距離的なものか。リーべが「選んだ」のは──Nemesis!】
【影の槍を身体で防ごうとして……彼女はNemesisの身体を、突き飛ばそうとするのだ】
【熱線で足を焼かれたリーべ──Nemesisを突き飛ばしてしまえば、影槍を防ぎきることなど、でき、ない……!】


────Nemesis、ワザワイ、を……弟、を…………!!


【「頼んだ」────その言葉が紡がれるより前に、リーべに、槍、が……!】
967 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/07(土) 21:50:09.85 ID:4SMCvXgho
>>964
【道端とかで少女とぶつかる、というのは羨ましい出会いの展開ではあるが、不意に人とぶつかるというのは結構なダメージがある物だ】
【ましてやその少女に角が生えてたりなんかしたら…凄く限定的な状況かもしれないが】

〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ

【丁度肋骨の繋がっている辺りにザックリと突き刺さる少女の角、(自分のせいだが)不意打たれて突き刺さった角のダメージに息が一瞬止まり、声にならない声を上げる】
【そのまま膝からグシャアと崩れ落ち、胸を抑えて悶える事数秒、何が起こったかわからないという風に少女に顔を向ける】

いっつ……!一体何…が……角ォっ!?

【男の目の前にいるのは、角やら羽やら尻尾やら人外要素てんこ盛りの少女、そういうのに免疫の無い人間が見れば当然の如く驚きの声を上げる】

いや、角っつーか……え?何?悪魔?仕返し!?

【見たまんま悪魔という存在に免疫が特別ある訳ではないが、悪魔には2体ほど会った事がある───そのどちらも、いい関係とは言えないのがあって】
【見た目からして悪魔っぽい少女もきっとその類かと思い込んだこの男は、情けなく声を上げるのであった】
968 :Dr. ◆f3bMeM2SOI [sage]:2015/03/07(土) 21:51:48.31 ID:fR8C/qJOO
>>965
【少女の背中を見送り、空になった缶コーヒーをゴミ箱に投げ捨てる】
【悩む切っ掛けは与えた。それを考え抜き、答えに至れるかは少女次第だ】
【果たしてあの少女はどんな答えにたどり着いてくれるのか、そんな事に思いを馳せながら】
【決して町に混ざる事はない白衣姿はそれでも夜の町に消えていく】
【また何か面白いモノでもないだろうかと】


//お疲れ様でした!ありがとうございました!
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/07(土) 22:03:01.49 ID:liij3Ri00
>>963
【迫り来る熱線、そして最愛の姉の言葉】

「う、うん!『血塗れかき氷』!!!!!!!」

「UHYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」

【魔術の効果と少年の能力を纏った戟が熱線を消滅させる】

「あぎゅうッッッ」

【それでもその衝撃を殺しきることは出来ずに瓦礫に強く叩きつけられる】

>>966

【しかしそんな激痛など今の男の娘の思考の中から完全に追い出されていた】

【時間が…酷くゆっくりに感じる】

「おねぇ…………………………ちゃん?」

【少年の深紅の瞳に映ったのは】

【今まさに影に貫かれんとする姉の姿】

【少年はあろうことかアインに背中を向け】

【姉に向かって駆け寄ろうとする】
970 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga sage]:2015/03/07(土) 22:16:18.79 ID:OPb+cxzzO

>>967

悪魔…悪魔ですか…

……あの人は、竜だと言ってたんですが

【うつ向いていたせいもあってか】
【側頭部に2本生えてる角が良い感じに入ったらしく】
【目の前で悶えている男の言に対して、思った事を呟く】

…まぁ今は良いのです

大丈夫でこざいますか?

というか見ず知らずの相手に対して、反応おかしくないっすか?

【ころころころころころころ】
【表情も口調も雰囲気さえもかわるがわる変えながら】
【とりあえず放っておくのも悪いので、落ち着くのを待つことにした】
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage]:2015/03/07(土) 22:28:26.65 ID:yzl2wVpko
>>963>>969

(戦闘スタイルは俺と同じ魔術と武術を組み合わせて戦うスタイル……ムクなしでも遠近両用で行ける上に威力も乗ってる分
俺より先を行った技能なのは火を見るよりも明らか!―――だがそれでも、負けるわけにはいかねぇ!)

【威力よりもむしろ、全ての攻撃に対応したその『技の多彩さ』と『行動速度』、これこそがアインの恐ろしいところではないかと剛太郎は分析する】
【仮面の下で刺すような目線でアインを観察しながら相手の次なる一手に対応すべくおのずと体が行動を始めていた】
【自分に対しては―――体術による接近戦!首元めがけてその槍が振るわれようとしている!】


……へん、だが体術の方は……流石に俺より上回ってるというほどでもなさそうだな!
まあそれだけ動ければ十分だったんだろうけどね……!

葉隠流 『梅花』!!


【スライサーを持ったまま、両手で胸の前にやさしく花のような形の構えを行うと、その両手に風の魔翌力が充填】
【正確に振り下ろされる槍の軌道を完璧に見切って、その手で勢いよく槍をはじいて防御する事だろう】

【だがここで思いもよらぬ事態、姉>>966を庇って弟>>969があろうことか背を向けて攻撃を庇おうとする!】
【まずい、非常にまずい!味方を庇うのを責めるつもりはないが、問題はそれで大勢がひと塊になってしまえば……影の槍一つでまとめて釣る瓶打ちを叩き込まれる!】
【なんとかして防がなければならない、それを行うには!】


「―――ワシが動くしかないのう!『ライドコフィン』スタンドアップ!!その重装甲を見せつけてやれ!」

ナイスムク!―――そしてテメーにはこれでお返しだッ!!葉隠流 奥義ッ! 『七 星 天 道』 ッ!


【吠え声とともに動いたのは剛太郎のお供の、初老の男の声でしゃべる子犬だ!】
【彼の意のままに一緒に持ってきた棺桶が突如ひとりでに立ち上がると、そのまま影の槍の軌道上に移動させる!】
【ちょっとやそっとの装甲なら貫ける槍だろうが……この男の持ってきた棺桶、重厚な見かけに違わぬ凄まじい強度!まっすぐ向かう軌道から外れなければ姉弟をカバーしきれるだろう!】

【お返しとばかりに剛太郎が『スピードスライサー』を手に発動させるのは、攻撃点を自ら高速でぶらして相手の体の七点へと連撃を精密に叩き込む奥義!】
【狙うは右肩、腹部、左腰、右胸、右大腿、わざとかすらせた右頬すれすれに、最後は左肩から斜めに袈裟切り!】
【相手に動く余裕は与えない、可能な限り動きを封じる!】

【なぜなら、先ほどムクがあえて、『射線の邪魔にならないようかばわなかった』キリーノの攻撃を期待しているから―――!】
972 :キリーノ・リカニツカヤ(No.7 Nemesis) ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/07(土) 22:37:50.63 ID:/P11oA0eo
>>963

【大気圧が急激な形を成し、拳となってムカデの体躯に襲い掛かる―――そう。】
【視界には写らない"空気"を操り、それを形状化して攻撃するアインの、遠距離戦での十八番。】
【たしかに、大ムカデは正面からその大気の拳を受け仰け反ったまま押し返されそうになる、が、しかし―――ッ!】

 う、ぐぅ……!! つっ、相変わらず、厄介な"能力"ね、その"空気大砲"は……ッ!!
 でもね、よく見なさいドラえもん魔術師……! あのときから、学習していない? はん……ッ。

 ―――今回は、サソリじゃないのを用意してる、でしょ?
 唸れ―――センチピードッ!!

【なんと―――ムカデはその体躯の"柔軟性"を利用し、大気圧を―――"仰け反って避ける"事で、受け流したッ!?】
【そう、ちょうど蛇が全身を屈伸させて、ぺろん、と上を向いている様に―――仰向けになる形で、大気圧から、逃れたのだ!!】

 おじさん、古い人間だから知らないかもしれないけど―――『マトリックス』って、知ってる?
 古今東西を問わず、自分の方に向かってくる"攻撃"は、こうやって仰け反って避ける、って決まってるのよ!!

【すかさず飛退けたムカデが、今度は薄い身体を活かして這うように地面を疾駆!大気圧から逃れつつ、接近していく―――!!】

【―――が、しかし。Nemesisの影に現れた攻撃が、彼女を刺し貫かんと襲いかかってしまう―――!!】

 (!? ま、マズッ……!!)


>>966>>969
【その時だった、ダメージを覚悟で駆け寄ったリーベが、逃げ遅れたNemesisの身体を、弾き飛ばし―――!!】


 ―――――――――馬鹿ッ!! アンタ―――――――― くっ、……ッ!!
 (リーベ、アンタってやつはどうして、そう……!! 防御の要は、アンタの衝撃波なのよ!?)
 (それに攻撃の基点にもなり得る、ここでアンタがやられたら、全員の役目が狂うし、それに―――それに!!)
 
  ……ッ!! なんで、助けるのよ……自分を捨ててまで、この……この、馬鹿っ……!!
 (私のことなんて―――見捨てなさいよ……!! っ、どうして……ああ、もう!!)

【リーベの身体が、貫かれるかと思った、その瞬間―――>>971の放った超剛性を誇る棺桶が、槍を防ぎ切って!!】

 ―――ナイスフォローッ!! 剛太郎、感謝するわ!!

【しかし自らを投げ打ったリーベに対し、思わず感情を露にして、駆け寄ろうとするワザワイに掴みかかると、梨花は激昂し】

 ―――近寄るなッ!! お前まで、一緒に串刺しになってどうする!!
 冷静に考えて、何の為にリーベは、お前の姉は私を助けたッ!?
 お前が此処で暴走して、それでどうする、この馬鹿弟子が!!

 ―――回避しろ、回避するのよ!! 後方に下がって、アンタは今から"後方支援"に廻りなさい!!
 アンタの氷の能力があれば、いくらでも射撃でアイツの行動を封じられる!!
 どんどんブチ込んで、それでアイツに炎を撃たせて!! その隙に、私と蟲と、剛太郎でアイツを叩くッ!! 

/続きます
973 :キリーノ・リカニツカヤ(No.7 Nemesis) ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/07(土) 22:38:18.00 ID:/P11oA0eo

>>ALL



     聞こえてる!? 全員、その場に―――頭を、下げろッ!!


【そして、梨花が叫ぶと、アインに猛スピードで迫っていた"ムカデ"が急速に、"肥大化"―――いや、"延長"、して!!】


   よく覚えておきなさい、アイン!! キリなんとか、じゃなくて―――キリーノ・リカニツカヤ、よッ!!


【全長にして既に―――20mはあろうサイズへと、ムカデが伸びると、もはやそれは龍にも見えるほど、巨大で!!】


【そしてその全身を、巨体からは到底ありえない速度で振り回し―――暴風が巻き起こり、砂塵が吹き飛ぶッ!!】




   いっけええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!



【凄まじい長さ、そして重量と質量を誇るムカデの全身がまるで刃のように研ぎ澄まされ】


【フィールドを圧巻するほどの超絶的な速度と、勢いで横なぎに―――  薙  ぎ  払  わ  れ  る  !】

【そう、全身を鞭のようにしならせ、生やした剣のような脚部を"刃"として!!】

【ムカデは自分の肉体を武器に見立てる様に、フィールドに存在するもの全てを、圧倒的なパワーで薙ぎ払い、切り裂こうとする!!】
974 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/07(土) 22:41:22.48 ID:4SMCvXgho
>>970
いやいやいやいや!だってお前どう見ても人間じゃねーだろ!これが落ち着いていられるか!
つーかなんで周りの奴は平気なんだよ!?これ俺様の方がおかしいの!?

【少女にとっては失礼にも程がある、この世界には珍しいほど常人的反応、冷や汗をかきながらしゃかしゃかと立ち上がり】
【周りの目もはばからずに裏返った声を張り上げて『落ち着いていられるか』と断言する】

……あ、もしかしてお前、残党か!?こう、人間に化けて後片付けでもしに来たとかそーいうのか!?
お、俺様は関係ねーぞ!ただの一般人だ!だから見逃してぇ!

【とかなんとか、ビビりから来る憶測で有る事無い事叫ぶもんだから、病院中の注目が集まりつつあった】
【早い所この男をどっかに連れて行くか誤解を解くか、ブン殴って気絶させるかなんでも良いがどうにかしなければ、状況は悪くなる一方だろう】
975 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga sage ]:2015/03/07(土) 22:57:56.04 ID:OPb+cxzzO

>>974

ふむふむ

【目の前で何やら捲し立てる男の様子を見て】
【どうにも落ち着かせるのは無理だなと考える】
【ついでにいえば、触らぬ神に祟りなし的な空気を色々ガン無視していて】
【たっぷり10秒、小首を傾げて考えた後】

きゃーやめてーおそわれるーたすけてーいやー

【なんて白々しい台詞を吐き出しつつ】
【するりと男に近づくと、手にはいつの間にか黄色い弾丸が一つ】
【もし男がりえるに触れられてしまえば】
【一発ビリビリっと、軽い気付けの電撃を受けてしまうのだが…】
【そしてそれでも何か言うようであれば】
【多分、口を開く度に繰り返すつもりだったりする】
976 :主催 ◆r0cnuegjy. [!nasu_res]:2015/03/07(土) 23:12:10.19 ID:y9xGNUxHo
>>966>>969>>971>>972

【熱線は強化された戟とワザワイの能力『ブラッディ・アイスエイジ』によって相殺される。能力も含めれば防御するには十分だった】
【影の槍が軍勢となってキリーノに迫る。その途中でリーベによってキリーノが突き飛ばされ、棺桶が間に割って入る。槍は多少貫通するものの、リーベに命中するより前にその全てが受け止められた】
【またアイン本人の槍による攻撃も簡単に弾かれて防がれる。アインもその衝撃を上手く流し、態勢は崩れない】
【攻撃の全てが失敗に終わり、更に反撃が迫る中で、アインには笑みが浮かんでいた】


 ──────ククッ、流石に個別攻撃に対しては連携が完璧には収まらんな?


【高速の接近戦はアインにとって苦手な部類に入った。だがそれでも挑んだからには理由がある】
【魔術師特有の探知能力。鋭敏なそれは本職には劣る動体視力を補うことが可能だった】
【右肩、腹部、左腰、右胸、右大腿、右頬に左肩と流れるような剛田の連撃を、同じく淀みない動きでアインの長槍が順番に弾き返していく】


 流石は本職。“いい動き”をする……………!

 だがこの俺を仕留めるには“まだまだ”足りないな…………────なにっ!?


【剛田の反撃を押さえ込み、追撃に移ろうとしたとき、ムカデが巨大化。脚部を刃とした巨大な一振りの剣となって振り払われる】
【純粋な質量を持った攻撃は単純である分、対処が非常に限られる。巨大な質量には巨大な質量をぶつけるぐらいしか、対処法はほとんどない】
【巨人が持つほどの大きさの剣が迫る中、剛田の攻撃に対処していたアインにはしゃがむ時間さえなかった】


 ────…………どうやら、あのとき本気を出していなかったのは俺だけではなかったようだな


【轟音。空気を打つ衝撃が周囲に広がる。巨大な剣はアインの手前で動きを止められていた】
【剣が切り裂いたのは同じく巨大な岩の壁。次に断ち切ったのは木の壁。最後にそれを止めたのは氷の壁だった】
【分厚い三つの防壁によって純粋な質量攻撃は受け止められていた】


 広い場なら広い場で、お前も面白い戦いをするな。キリーノとやら

 ククッ────いや、そうだな。“前回と違って”今回は戦いになっているんじゃないか?

 もっとだ…………


  も っ と 俺 を 愉 し ま せ ろ っ ! !


【怒号と共にアインが長槍を旋回。剛田に向かっていき、槍による高速の三連突きをくりだす。矛先は風の魔術で強化されており、見た目以上にリーチが長くなっている】
【またしても同時に魔術が発動。アインの近くに魔法陣が展開。業火の円柱がワザワイとキリーノ、更にその先にいるリーベを狙って直進。ワザワイが防いだ熱線よりも更に大きい熱量と勢い、範囲を持つ魔術だ。先ほど以上に単体での防御が厳しくなっている】
977 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/07(土) 23:24:57.20 ID:4SMCvXgho
>>975
おいちょっと待て、なんだその手に持つ怪しい物体は待て待て待て落ち着け、だから俺様は無関係の人間で邪魔をする気は───

【少女の手に現れた黄色い弾丸を見て、にわかに危険信号を鳴らし出す全神経、ゆっくりと後退りするももう遅い】
【『落ち着け、話を聞け』と自分を棚上げしてまくし立てるも、抵抗虚しく雷撃が体を駆け巡り、体をビクビクと震わせる】

アババババビバババババババババ!!!!

【電撃を食らってまでも騒がしい奴である、とはいえ大人しくはなった───と、思えるのも一瞬で】

……テメーいきなり何すんだ!?死ぬかと思っ───アババババ!!

……だから、俺様は邪魔するつもりは───べべべべべべべべべ!!

……ちょ、ちょっと待って……マジで死───ビビビビビビビビ!!!

【もう本当に、話していなければ死んでしまうのだろうかと思うくらいよく喋る、一瞬大人しくなったかと思うと話し出し、その度電撃を食らってまた一瞬大人しくなる】
【それを数回繰り返してから、ようやく大人しくなるだろう…また膝から崩れ落ちたが】
978 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/07(土) 23:29:47.02 ID:Rd0h3ERDO
>>969(ワザワイ)


(……っ、ぐ──ば、か……くる、な──ワザ、ワイ……)
(く……ぐ、ぅ、あ、ぁあ、……っふ、く──)
(あいつに……背を、向ける、だ、なん、て……っつ、あ……!!)


【焼けた右足が、痛かった。骨まで達していないことを、願うしかない】
【お父さんは、怒るだろうか。お母さんは、泣くだろうか。お兄ちゃんと、妹、は……】
【それに、出来たばかりの弟、は────】
【ふふ、と思わず笑みが出た。最期に浮かべる表情は、苦痛よりも笑みが「自分らしい」と思っていた】
【うまく、笑えているだろうか。痛みのあまり、ぎこちない笑みになっていない、だろうか──】
【襲いくるであろう影槍の一撃。その痛みに耐えるために、リーべはそっと、目を閉じ、て……】


>>971(剛田)
>>972(Nemesis)

【……おかしい。いつまで経っても、自分の命を絶つはずの一撃がやってこなかった】
【それとも──もう死んだか? ふふん、痛みすら感じさせないとは、なんとも親切な魔術師、め……そう思い、目を、開ける】
【喋る犬、動く棺桶、煤まみれで炎のちらつく廃墟──死後の世界というやつは、随分とファン、シー……、…………!?】


────っく、……が……っ! わ、「ワンたろー」、か……っつ、う……!
ふ、ふふ、ん──すまな、い……足、ひっぱっ、た……!

ふふん……Nemesis──神さまってやつは……まだまだ、お前との決着をつけることを望んでるみたい、だな……
く、ぅ──んっ、ぐ……ふふん、勝ち逃げは……ぎ、ぃ……ゆ、許されない、みた、……っ、い、だ──!


【強靭な盾と化した「棺桶」と他のメンバーの会話から、リーべは何が起きたのかを瞬時に理解する】
【そしてNemesisの「警告」──それと巨大化したムカデを見れば、無理に立ち上がるようなことなどしない】
【むしろ今立ち上がるのは完全に誤り……すべてをミキサーの如く粉砕しようとする一撃に──アインは……!?】


>>976(アイン)

【──……防がれた。ムカデによる質量攻撃。如何に強大な魔術師と言えど、アレを防ぐことは出来まいと……】
【そう考えていたリーべは、己の考えの甘さを後悔する羽目になった】
【けれどその思考だけに時間をとられてはいけない。次の一撃は、既に放たれてい、て……】


>>ALL


────ワザワイ! 前方に向けてアイスエイジを!!
Nemesis──私の衝撃波とワザワイの「氷結」で援護する……!!


【ぐぐ、と足を引きずりながらもリーべは立ち上がる】
【死を目前にしたばかりというのに、その夜色の瞳には再び闘志が宿っていた】
【幸いなことに、弟は近くにいた──仮に地獄の業火が眼前にあったとしても……】
【「私」と「弟」の、連携攻撃であれば────!!】


   ──── い、け、ぇえぇえぇえぇえぇえぇえええええええ !!!

   アイスエイジぃいぃいいぃいいい ──── エスパス ぅうぅうぅうう ──── ッッ!!


【「凍結空間」──そう名付けられた、姉弟2人の連携攻撃】
【リーべは強化された「振動」を思う存分に打ち振るい、アインの放つ業火に相対する】
【一度はアインの火焔壁を突破したリーべの「衝撃波」!】
【それに加えてワザワイのブラッディ・アイスエイジがあれば──Nemesisをアインに向かわせるには十分すぎる】
【さらにはNemesisに指示された通り、ワザワイが追撃で氷弾を撃ち続ければ……活路は、見いだせてくるか……!】
979 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage saga ]:2015/03/07(土) 23:44:28.85 ID:OPb+cxzzO

>>977

もー、お兄さんたら酔ってるじゃないですかーやだー

【何度かビリビリさせた後……まぁりえる自身もビリビリ来てたのだが】
【くずれおちて『落ち着いた』男の様子を見て、手を止める】
【そして然り気無く周りに眼をやり】
【見ていた観衆に無言の圧力】
【眼があった何人かは慌てて眼をそらした】
【……人間、厄介事には巻き込まれたくないのだろう】

で……なんなんですかぁ……?

りえるが何かしたっすか?

【ころころころころ口調も表情も変わりながら】
【然り気無く、入り口の隅の方へと促して】
【明らかに動揺しっばなしの男に対して聞いてみるのだった】
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/07(土) 23:51:32.61 ID:liij3Ri00
>>972

【胸ぐらを掴まれ、小柄な体が爪先立ちになる】

【しかし幼い少年は顔を綻ばせてこういい放った】

「なんで?リーベおねぇちゃんと一緒に『動かなくなる』んなら別にいいよ♪」

【しかしながら幾分か冷静になった男の娘は再びアインに視線を戻す】

>>976

【そしてアインへ向けるのはドス黒い殺意と狂気】

【迫り来る焔の柱の熱気により髪は逆立ち、光によって顔に影がつけられることで彼の笑顔をより恐ろしい物にしていた】

>>978
>>ALL

「わかったよ!おねぇちゃん!!!!」

【そのまま両腕をアインにつき出す】

「『氷結空間』〜アイスエイジ・エスパス〜!!!!!!!!!!」

【「振動」による「衝撃波」に荒れ狂う極寒の「吹雪」と刺々しい大小の「氷塊」を重ねる】

「いっっっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」
981 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/08(日) 00:01:11.95 ID:PlFbqSiMo
>>979
【口を開く度に何度も何度も電撃を浴びせられては堪ったものだはない、拷問じみた時間が続いて、どっちが上かはきっちり理解した】
【促されるまま隅の方へと移動して、チリチリになった自慢の金髪を気にしつつ、少女の問い掛けに頬を引きつらせながら答えた】

いや、だってお前明らかに人間じゃ……あぁいや何も文句無いですすいません許してください

……えーと、じゃあ折角だから聞くけど
お前、こないだここであった事件について何か知ってる?誰がやったー、とか、何がいたー、とかそーゆーの

【未だに人間らしからぬ少女の姿を気にしているようだが、余り言うとまた電撃をくらいそうなので追求しない事にした】
【代わりに、本題である事件の事について聞いてみる。テレビで伝えられた分は知っているが、より詳しい情報を知りたいと、男は駄目元で聞いてみる】
982 :剛田 剛太郎 ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/03/08(日) 00:06:47.50 ID:Mv8QZ1W2o
>>976

「……いい動きじゃあ、もしかするとあ奴もあの"暗黒の時代"を生き延びた精鋭か?
嬢ちゃんの大技にスピーディに対応するとは、やるもんじゃのうこの若造!」

―――くそっ、"本物のムク"に負けず劣らずのいかした身のこなしできる奴だな……!
必要なのはスピードじゃない、もっと強引なパワーで!どんどん攻めるぜ!ムク!次は『バイオ』だ!

「うむ!お前の大好きな『力任せ』って奴をどんどんかましてやれ!」


【再び力を切り替える事を試みる、引き抜くのは緑の鍵、それを異形の武者の手元に転送すると】
【彼はそのままベルトの錠前を再び閉じて鍵を差し込み、勢いよく捻るだろう―――そのまま呪言音声が響く!】


『―――『Vaio≪バイオ≫』 Lock-free』


【空色の複眼と肩衣半袴の形をした装甲も今度は緑色に変化、全身一回り大きく盛られたような武骨なフォルムに変わっていく】
【続いては純粋に膂力と装甲を強化したパワータイプのモード、『バイオフォーム』への変化を果たす!】

【向かってくる槍の三連付きに対して、これまた一回り大きくなった両腕で庇うようにガードしようとするが、先ほどと比べ微妙に伸びたリーチに対応しきれない!】
【スピードフォームで受けるよりはマシだったとはいえ、右腕、左肩、右胸と連続攻撃を受け、槍と体の衝突面から火花が飛び散るだろう】
【剛太郎のうめき声が上がる、ダメージを受けて怯んだか、いや―――!】


屁でも……ねーよ!こんくれー……!
その槍貰うぜ!―――葉隠流、『毬栗』ッ!!


【両腕に搭載された重厚な打撃武器、『バイオナックルハンマー』から放たれるのは―――すさまじい膂力から放たれる強引な武器へ向けての攻撃!】
【タイミングは三撃目、自分の右胸を狙って打ち込んだ所をめがけて、力任せにたたきつけてほんの一瞬でも槍を手から離させるのが狙い!】
【胸に一撃は食らってしまうが構わない、肉を切らせて骨を断つ―――次の一撃こそが本命!】


もう一発ッ!!葉隠流、奥義!『柳 緑 花 紅』 ッ ! !


【本命の一撃に選んだこの奥義は―――おそらく奴は例の岩か何かの防壁呪文でこの技を防御すると見ての選択】
【だがこの『鎧通し』の一撃をまともに受ければ―――衝撃がその防御を伝わってアインの体を弾くことになる!この攻撃の特殊性に気が付くか!?】
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage]:2015/03/08(日) 00:10:59.25 ID:Mv8QZ1W2o
/そういえば、>>950を取ってましたので、次スレになりますhttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/
984 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga sage ]:2015/03/08(日) 00:28:30.65 ID:RG5QifLDO

>>981

分かればいいのですわ

【態度が収まった男の様子を見て、もう大丈夫だと判断】
【途中また何か言いそうになったが、また弾丸をちらつかせた】
【そして、男の問いに少し考えて】

りえるも、詳しくは知りませんの

ただ……あれは、新しい六罪王……ベクターとかいう男の、仕業

しかもしかも、この前の地震は、あいつが生身でおこしたんだってさ!

【そしてりえるは、特に気にせず見た話、聞いた話を聞かせる】
【圧倒的な力、殺しても死なない怪物、クリムゾン】
【彼女からは、大まかながらあの場で起きた大体の事をきけるだろう】
985 :キリーノ・リカニツカヤ(No.7 Nemesis) ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/08(日) 00:31:55.25 ID:bbS6LNy4o
>>978
【なんとか、防ぎきった―――その事実に対し、どこかで胸をなでおろしている自分に、気が付く。】
【可笑しな話だ。何度と無くぶつかり、そして殺し合いまでしているのに、一度の共闘でここまで、入れ込むとは。】

 (まったく……どこまでお人よしで、どこまでバカなんだか……。)
 (でも……っふふ。いいわ、そうこなくっちゃね。ええ、そうよリーベ―――!!)

 当たり前でしょう!? アンタを地獄に叩き込むのは、他でもないこの私なんだから!!
 こんな所で弟共々ヘバったりしたら、無理やりにでも蘇生させてもう一度殺してやるわよ、良いわね!?

 ―――とにかく、撃ち込み続けるしかない……ッ!!

>>976
>>980と、>>978によって繰り出された衝撃波、として氷の吹雪で】
【Nemesisは自身に向かう炎の柱を上手い事、回避するだろう。だが、それでも―――】
【その炎をムカデの巨躯が、避けきる事は叶わなかった。業火に塗れ、ムカデがのた打ち回ると同時―――】

 バカなッ……!? 今のですら、防ぎきったっていうの……!?
 なんていう、デタラメなヤツ……!! う、がっ、くッ……あ、ああああああぁぁぁァァ……ッ!!

【炎に焼かれるダメージが、ムカデを通じてNemesis本人にも伝道する。】
【彼女は全身を悶えさせながら、しかしそれでも戦う意思を捨てず、剛太郎の攻撃に合わせ、覚醒するッ!!】

 ―――……お互い怪物同士、こうなったら……とことん、愉しませてやるわ!! アイン、覚悟しなさい!!

        "Summon Insects"   (  ―――来たれ、我が眷属よ―――  )
         "Butter fly"       (  ―――盛る炎で、仇敵を焼き尽くせッ!!―――  )

【彼女が唱えると同時、はるか上空より火の粉と共に戦場へ現れるのは―――複数匹の、小型の、蝶々の群れ。】
【今までのソレとは違い、大型の巨大な蝶が現れるわけではなく、ホンモノの蝶々と同じサイズのそれが、群生で大挙し】
【一斉に戦場の中心、アインの周りをヒラヒラ、と旋回し始める―――と、その時だった。火炎が、業火が、爆風が戦場に、巻き起こる!】

  大きいのばかりが好きだと思ってた? けど残念、サイズもいいけど、遊びには"数"を重ねる事も、重要よ!! 

【現れた真紅の蝶が舞うと、燐粉が幾つも幾つも空中に散って、それが大気と反応する事で火薬のように、引火、引火、引火―――!】
【周囲の炎や、先ほどアインが繰り出した火柱も含めて、戦場には莫大な量の火炎が巻き起こり、そしてアインを飲み込むべく襲い掛かる】

/続きます
986 :キリーノ・リカニツカヤ(No.7 Nemesis) ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2015/03/08(日) 00:32:08.30 ID:bbS6LNy4o


【更には――――――――Nemesisの攻防は、まだここで終わらないッ!!】

            FUSION INSECTS (  ―――我が身と融け合い、変化せよ。―――  )

          LONG HORN BEETLE       (  ―――影なる力で、仇敵を撃滅せよ。―――  )

 
【力押しとばかりに、Nemesisの能力の"切り札"たる、融合まで重ね―――ドクン、と身体が脈動する。】
【能力の連続使用で、身体に激痛と疲労が走り、Nemesisの苦悶の声が漏れる―――だが、まだ止まらないッ!!】
【彼女の影となっていた部分より黒い触手が伸びると、全身を瞬く間に覆い、そして彼女を"カミキリムシ"と融合させていく!!】


 くッ……うう、うううぁぁぁぁッ!! 、あぁ、、ん……っ、ぐ、ぐううッ…・・・!!!
 はぁ―――ハァ、ハッ……くっ、くくっ……ふふふふふ!!

【融合が完了した時、Nemesisは人と、そしてカミキリムシが合体したかのような、異形のシルエットと化していた。】
【宛ら甲虫人間、と言った所か。そして腰にぶら下げていたリボルバーを引き抜く―――だがもう、その銃も只の銃ではなくなっていて!】

 私の細胞を、グリップ部分に植え込んだ特製の"リボルバ"ーよ……ッ!!
 お陰で融合が開始されると、能力が銃を"身体"だと勘違いして、一緒に強化させてしまう……!!
 この銃は、もはやただの銃じゃない……!! 融合で得た生体エネルギーを撃ち放つ、邪悪なる巨砲ッ!!

 さあ、吹き飛びなさい―――"ストライク・ブリッド"ォォォォォォォォォォォォォッ!!

【轟音。彼女のエネルギーを弾丸に変換した、凄まじいまでの破壊力を誇る強烈な弾丸が、放たれた。】
【膨大な火薬量を誇る"55口径・A.E(アドバンスド・インセクト)マグナム弾"の何もかもを吹き飛ばす一撃が、アインに直行する!!】
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/08(日) 00:37:00.91 ID:G2mHk0zj0
【――――とある酒場。余り治安が良い、とは言えない其処は怒号やら乱闘に野次を飛ばす声などが絶え間なく行き交っており】
【少し視線を辺りに向ければ割れた酒瓶が転がっていたり、乾いた血が床を彩っていたりする場所】

【だけども、其処の二階は静かなもの。と言うのも、ノックアウトされた者やら泥酔して眠りこけてしまった者が殆どなのだから当然と言えば当然だが】
【さて、そんな場所に似付かわしくない人物が一人】
【二階の一角に置かれたテーブルに本を山積みにして、小難しい表情で其れを読み進める人物】
【纏うのは緑のローブであり――――一見すれば、宛ら学者の様な女であって】


「うーん……無理矢理受注させられたのも納得出来ないけど――――どうしよう、かなぁ……
そもそも何があるのかも詳しく分からないなら迂闊に一人で入る事も出来ないし……」

【一人溜息を吐けば、一枚の洋紙を手にする事となる】
【記されていたのは“探索依頼”。どうやらギルドより遺跡の探索を依頼された様だが――――溜息は、上手く行っていない事を示すのだろう】

【偶然にもこの酒場を訪れた者が静けさを求めて二階に上ったならば、その通りの女が視界に映ろう】
【席は全て飲んだくれだとかで埋まっており、奇しくも女の正面しか空いた場所も無いのだが】









【月明かりに照らし出される草原。普段ならば草木も眠る時間なのだけれど――――今宵は、一人分の笑い声が其処にあって】
【見遣れば其処に居るのは一人の修道女。何やら囲まれている様だけれど、魔物と言うには可愛らしく】
【近寄ったならば其れが犬だとか猫だとかの動物であることが知れるか】


「だから、さっきキミ達にあげたのが最後だって……って、聞いてないね……」

【側に散らかっている干し肉のカスだとかを見る限り餌でも与え居たのだろう】
【足元纏わり付いて離れない所を見るに、慕われていると考えれて】
【本人は言葉こそまるで迷惑な風を装うが、緩む表情は隠す事が出来ず】


「はいはい、もうちょっと遊んであげるから気が済んだらちゃんと帰るんだよ?
あんまり遅い時間になっちゃうと悪い人達に捕まって食べられちゃからね」

【抱き上げて遣ったり、膝に乗せて遣ったり。何ともまあ平和な光景であって】
【死神の二つ名を知っている者ならば何と無くらしく無いと思うか――それとも、寧ろ彼女らしいと思うか】
【何であれ、誰かがこの場を訪れるのだとしたならば金色の双眸は其方へと向けられるのだけれど
988 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/08(日) 00:46:13.45 ID:PlFbqSiMo
>>984
【話を聞いている最中、男はまず『こいつが当事者とか意外』みたいな表情をして、それからうんうんと頷いていた】
【しかしそれも最初だけ、段々と話が進むにつれて、その時起きた事のスケールの大きさ、犯人の強大さをイメージしてゲンナリとしてくる】
【そして彼は判断を下す───『これは一介の詐欺師が首を突っ込んでいいモンじゃない』と】

……お、オーケーオーケー、わかったわかった。つまりアレだ、そのー……
……俺様の手には負えねぇって事がよーくわかった

【『軍隊に自分を売り込んで前金だけもらう』とか『情報を知ってると嘯く』とか、そういう事すらすればどうなるかわかったものじゃない、何せ相手は六罪王】
【下手に手を出せば住処と犬ごと殺される、障らぬ神に祟りなしだ】

つーか、お前らよくそんな奴に抵抗しようとしたな……死んでもおかしくねーぞ…
しっかし六罪王かー……こりゃUTのリーダーさんも流石にやべーな…ついでにUTも壊滅しねーかな……

【もはやスケールが大き過ぎてどうコメントするべきかわからない、取り敢えず『立ち向かった奴らはバカ』という結論だけは出た】
【オマケにセリーナ・ザ・キッドが捕らえられていたというのはニュースで知っていたので、この際邪魔な正義組織も潰れないかと独りごちる】
989 :主催 ◆r0cnuegjy. [!nasu_res saga]:2015/03/08(日) 01:00:17.81 ID:P7BK9Q2+o
>>978>>980

【業火の直射が衝撃波と衝突して拮抗。そこにワザワイの『ブラッディ・アイスエイジ』が重ねられ、円柱の火炎が相殺される】
【その隙にキリーノが抜け出る】

>>982

【アインの槍による三連撃が剛田に命中。だが致命傷というほどではない。タイミングをしっかりと見計らった剛田の拳が槍に直撃。手放しはしないものの、槍につられて腕が大きく下に引っ張られる】


 ちっ…………!

 単なる攻撃で倒れるほどヤワじゃないか!


【迫る追撃。槍での迎撃は不可能。剛田の予想通りアインは大気の防壁によりそれを防ごうとする──が】
【衝撃が貫通。強烈な力でアインが軽く吹き飛ばされ、足から瓦礫まみれの床に着地。膝のクッションで勢いを殺す】

>>985>>986

【剛田から距離ができたところでキリーノの召喚した蝶が周囲を旋回。無数の爆発がアインを包み込む!】
【更にキリーノが追撃。ただでさえ人体を破壊するには十分すぎる威力が、融合によって強化されたリボルバーの銃撃が爆煙の中のアインに叩き込まれる】

>>ALL

【暴風。広場の全方位に放射する風が煙とキリーノの召喚した蝶を吹き飛ばしていく。姿を現したアインは負傷していた】
【左腕から先が完全に消滅。爆撃によって肌の至る所が焦げつき、外套が千切れ黒く薄汚れていた。服の切れ目から覗く肌からは出血。切れた唇が口元を赤く濡らしている】



 ──────…………流石に、大口径の銃を更に強化した弾丸を打ち込まれれば、身体の一部ぐらいは吹き飛ぶな



【アインの表情からいくつか余裕が消えていた。剛田に近距離に入られたために手間取る魔術は使えず、簡易なものはエスパス姉弟に二人がかりで防がれる】
【そしてその隙にキリーノによる高火力の攻撃。アインの目から見ても、即興で組まれた連携とは思えない、見事な動きだった】
【状況の打開のために剛田に近接戦を挑んだのもまずかった。集団戦の中で押し切れるほど、剛田は弱くなかった】
【だがそれが分かっていても、アインは近接戦を演じるしかない。剛田を引き剥がすのは困難であり、リーベたち後衛がそれを許さない】
【集団における連携が作り出す最上の状況。それが敵が効率的に力を発揮することを封じることにあるとすれば、四人は完全にそれをこなしていた】



 これは中々、“厳しく”なってきたじゃないか────!



【アインの口元にはなおも笑みが浮かび上がる。残った右手で槍を旋回させ、肩にかつぐ。一歩踏み出し、疾走】
【周囲に三つの魔法陣を展開しながら剛田に向かって突撃。長槍が真っ直ぐに振り下ろされる】
【同時に魔法陣から閃光。火炎、雷撃、岩の弾丸の三種の攻撃が、やや遠距離にいるキリーノに迫る】

【キリーノの攻撃を受けたアインは動きに変化はなくとも、ダメージは蓄積されている。更に左腕がなくなったのは近接戦において巨大な不利となる】
【また耳をすませば最も遠くにいるリーベやワザワイに聞こえるだろうか──微かに、軍靴の音色が響いていることに】
【ここを凌げば、勝利は近い】
990 :りえる ◆GBHFWL/yB. [sage saga ]:2015/03/08(日) 01:02:30.73 ID:RG5QifLDO

>>988

【とりあえず、自身がしってる情報は特に隠さず伝えた】
【途中、段々となんだか嫌そうな顔をしていったのが気にはなったが】
【続けて、男が口に出した言葉に反応する】

本当にだよぉ!りえるなんてちょっと彷徨いてたら軍に捕まって、そしたら目の前に出てきたんだからついてないよぉ!

【こんな事を言いながら、やはり自分は運が無いと思う】
【あんな異次元レベルと遭遇するなんてそうそう無いはずなのに】
【…それでも、こうして生還できたりするので結局どうなんだろうか】

……というか、ーお兄さんUTになんか恨みでもあんのー?

【と、ここまで考えて】
【男が、ぼそりと呟いた一言も聞き逃さなかった】
【なので、これも特に考えなく聞いてみたのだった】
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/03/08(日) 01:16:24.03 ID:CtS/Ga320
/>>987
ま、未だいらっしゃるでしょーかっ
992 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/08(日) 01:18:28.68 ID:2oq4HfxDO
>>980(ワザワイ)

【弟と共に、突破口を開く。ずきりと足が痛むも、衝撃波を放つ分には何の影響もなかった】
【──自然と、また笑っていた。さっきみたいなぎこちない笑みではなく、心底楽しそうな、そんな笑み】
【不謹慎だと言われるかもしれない。けれど、誰かと──家族と一緒に戦うことが、堪らなく愉快だったのだ】


>>985(Nemesis)

【──Nemesisの言葉に、リーべはふふんと笑って返す】
【余計なお喋りなどしている余裕は、なかった】
【如何に怪我が脚にしかないといえど、気を抜いてしまえばそれが命取りになりかねないことを直感として分かっていた】
【大きく頷いて──「行け」と……ただそれだけを、目線で語り】
【Nemesisに迫り害為す焔を、防ぎ続けるのだ】


>>989(アイン)

【剛田とNemesisの攻撃がアインを襲う。今までとは違い、彼にダメージが蓄積かれていることが分かる】
【それに加え──確かに、彼女には聞こえたのだ。希望と呼ぶのに限りなく近い、音が】


>>ALL


────ワザワイ。後少し、だ……!
ゴータローとNemesisを、守りきれ────ッッ!


   ぐ、ッ────増援が、味方、が……くる、ぞ…………!!

   い、け、ぇ、ぇ、え、ぇええ、ぇえぇえぇええええぇえ────ッッ!!


【息があがってくる。衝撃波を何度も撃ってきたからか、それとも脚部の火傷からの出血のせいか】
【だが──きっと、後少しだ。後少しで、味方がくる。この攻撃を、防ぎさえすれ、ば……!】

【リーべに雷撃を防ぐ能力はない。慎重に意識を集中させ、精密に能力を扱えば不可能ではないかもしれないが……】
【他に岩と火焔が迫ってきているのだ。雷撃に対応するだけの精神的余力など、ほとんどない】
【「衝撃波」を放つ。岩の弾丸は、Nemesisに到達する前に防ぐことができるはずだ】
【火焔の攻撃──これは「アイスエイジ・エスパス」でワザワイと共に打破することが出来……】
【残された、雷撃──これの対処ばかりは、ワザワイに任された……!】
993 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/08(日) 01:21:43.63 ID:PlFbqSiMo
>>990
それでもバケモノに手ェ出して生きてんだから大したもんだろ、ヤブを突いてヘビを出してんだぜ?
ありえねーってマジで……あ、でも報酬は貰ったんだろ?いくら?

【いくら己の意志でないとしても、街一つ壊滅させる怪物相手に手を出して五体満足で生き残る事自体が驚きだ】
【この男からしては特にそう、特に戦う理由もなく、出来るだけ争いから逃げ続けている性格故に】
【ただ、戦いに興味はなくともその見返りには興味があるようで、結局命あっての物種なのだが気になる物は気になるのである】

……あー…いや、ほら俺様別に恨みとかそんなんじゃなくてな?
なんつーかさーほら、わかるだろ?……大人には色々あんの!イロイロ!

【別に恨みも何も無い、対抗する組織の人間という訳でもないが、『そういう』正義組織が邪魔になる人間はいるものだ】
【それをわざわざ口に出して聞かせる事もないので、しどろもどろになりながらも無理矢理誤魔化したが、逆に怪しくなってしまった】

……ったく、とんだ無駄足だったな…家帰って犬とボール遊びしてる方がまだ有意義だったぜ…

【そうして、この件に首を突っ込まないと決めたこの男は、自分から勝手に来たというのに悪態を吐いた】
994 :リーべ ◆my2He3rcPs [saga]:2015/03/08(日) 01:26:35.32 ID:2oq4HfxDO
>>992
/追記っ
/下から2行め、火焔攻撃への対処に関しては
【火焔の攻撃──これを防ぐために、またも「衝撃波」を放つ。「ワザワイ、もう一度、"アイスエイジ・エスパス"だ!」と叫び……】
【ワザワイにその気力が残されていれば──やはり打破することができることだろう】
/に変更してくださいごめんなさい!
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/08(日) 01:31:08.79 ID:G2mHk0zj0
>>991
/一応居りますが朝が早い為遅くまでは難しいかもしれません……!
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2015/03/08(日) 01:36:07.61 ID:CtS/Ga320
>>987

【草を踏む小さな足音。耳に、風に乗ってふと届くか】

(……? 人の声――――近いわね。それに、何か聞き覚えがある様な――――)

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いでその容貌を飾って】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。 時の停まった様な一瞬、黒曜石の彩りとなめらかな白磁に剣のしなやかさが添えられた様な印象】

【笑い声には不思議そうな顔をして、やがて表情の静けさにふっと柔らかな温度が加わる。穏やかな月光を受けて姿を見せるのは、そんな形容のできる人影だった】


……食べ物、その子たちにはあげても良いの? 野生と野良とは違うのかしら。
こんばんは、銃使いの修道女さん。こうして遇うのはスラウロット以来ね。

【つい、切り込む様な言葉、今は意識していないモノを思い起こさせるちょっとした無粋。 】

【最後に述べたあの都市の一件で、少なくとも敵対する立場にはないと判断したのか、】
【それとも、子犬や仔猫―――群れ遊ぶ姿にはっと目を奪われれば、かわいい、なんて言葉が浮かんだ―――と戯れる姿が無邪気にみえて、つい心緩ませることになったのか。どちらにせよ、害意は言葉になくて】
【けれど表情にある読み取られにくい感情、毒はなくて無彩色に近い挨拶の言葉。くす、と浮かぶ微笑―――そして、“強さ”を求めた硬質さに見出されるものや如何に】

【さて、どんな風に受け取られるだろう。“意外に激し易い”だとか“冷静沈着/冷徹”だとか、スラウロットでの戦いぶりから浮かぶ言葉はいろいろあるのだろうが―――。】

/>>995 了解です……それでは、よろしくお願いしますー!
/時間・心情etc.で無理だったら斬っちゃって頂ければっ。速めのレスを心掛けますねっ
997 :りえる ◆GBHFWL/yB. [saga sage ]:2015/03/08(日) 01:43:34.55 ID:RG5QifLDO

>>993

まぁりえるは終始後方支援してただけだからにゃーん
お金?……これくらい?

【お金の話になると、何故かイキイキとする男の様子を見ながら】
【ただ単純に、目の前でパーをつくって見せた】

大人には……色々……
……あぁ、確かに大人には色々居ますね
変態とか、ヘンタイとか、hentaiとか!
削岩機に撃ち込まれながら車に引きずられて爆発すればいいのになのです
…………というかお兄さん、何をそんなに挙動不審になってるんです?

【そして続けて、自身の研究所時代を思い出してしまい思わず毒を吐く】
【そんな人間ばかりではないと分かっては居るのだが】
【なかなかに、酷い体験をすると頭から離れないものだ】
【そんなトラウマを押さえつつ、何だか怪しい男を見る】

…?お兄さんわざわざそんな話を聞きにきたんです?

【そして最後に、男の悪態について、記者かなんかかなぁと思いつつ疑問を口にした】
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/08(日) 01:50:26.90 ID:Sm0I+M6o0
>>989

「……ゼェ………………ゼェ……あひゃあぁ」

「まさ……かアインおにぃちゃん…………のそん………なお顔が見れ………るなんてね……あひゃひゃ」

【アイスエイジ・エスパスにより殆どの攻撃を迎えうつがそれでも電撃だけは別だ】

「…………こうなったら!」

【一瞬、躊躇するような素振りを見せ、姉へ視線を移す】

>>992

【激戦と激痛の中にありながら笑顔を浮かべる姉、自分の時折みせる狂気とはまったく違う笑顔】

「楽しい………の?おねぇちゃん?」

「僕…もおねぇちゃんがいるだけで…すっごく楽しいよ」

「だから僕にはおねぇちゃん以外の物なんて………要らない、必要ない」

【そういうと自分の唯一の獲物である戟を投げて自分より前の地面に突き刺す】

【丸腰になる代わりに鉄を使った戟を避雷針の代わりにする】

「うぅぅぅぅぅぅぅりゃゃゃゃゃゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

【そしてまさに力を振り絞ってという風で刺々しい氷塊を吹雪と共に打ち出し続ける】

>>982>>985-986

【そして彼の踏みしめている地面のそこから>>989の足首へ向かって地面に潜る形で潜ませた先程と同じ氷の鎖が襲う】

【確かに万全の状態なら避けることは容易いだろう、しかし今は戦闘中、しかも手負いである】

【良ければ動きを止め、そうでなくとも注意を僅かにでも引ければそれは大きな隙となる、それを二人がついてくれればいい】

「そいつ…………………『動かなく』しちゃってよ」

【支援をしながらかなり黒い台詞を呟くのであった】
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/03/08(日) 01:52:37.11 ID:G2mHk0zj0
>>996
「まあ、良いんじゃ無いかな。何時も狩りで苦労してるなら偶にはこうして甘やかしてあげないとね
飴と鞭――って訳じゃ無いけどさ」

【チラリと向けた視線。知り合いでは無いが、顔見知り程度ではあり】
【故に害が無い、と判断したならば足元で戯れる其れ等に視線を戻すのだろう】

【頭を撫でて遣ったり、喉の下を撫でて遣ったり】
【一頻り遊んでやれば、「もうお帰り」なんて言葉で促して――――やがては、静寂がこの場を包むこととなる】
【ただ、それも数秒の事。小さく笑ったならば、少女へと視線が向けられて】


「――――キミも食べ物欲しさに釣られて来たのかな?
生憎今は持って無いけど……近場の酒場とかでも良ければ何か奢ってあげるよ

それともキミは餌付けを拒む誇り高い野生のー、だったりするのかな?
……彼処では話すだけの余裕も無かったからね。だけど何となくキミの話は聞いてるよ――――八攫 柊」

【殆ど初対面。それにも関わらず、冗談の一つでも紡げば小首を傾げて】
【それが意味する事は、名を確かめたり彼女の性格を確認したり――――或いは、食事の誘いであったり】
【様々な意味合いが含まれて居るのだけれど】

/お願いしますですよ!
1000 :エース・セブン ◆81It1xIT0A [sage saga]:2015/03/08(日) 02:02:07.23 ID:PlFbqSiMo
>>997
はぇー……やっぱ貰えるもんなんだな…
ま、下手したら死ぬし疲れるし、俺様は真似しようとは思えねーけど

【なんだかよくわからないが、とにかく多いのは伝わった】
【そんなに金を貰えるのは羨ましいが、同じ事はしようとは思えない、というかそうやって苦労の元に稼がれた金を楽して騙し取るのがこの男の仕事だ】

あぁ……色々…っていや!俺様は変態じゃねーよ!どこをどう見たら変態だっつーの!
よくわからんが、俺様は削岩機にも打ち込まれねーし車にも引き摺られねーし爆発もしねぇ!見た目に合わない恐ろしい発想してんじゃねーよ!

……まあ、実際は違うけどな、やりたい事があって、情報が必要だったんだ
でももうやめたぜ、話聞いたらやる気無くした、いつまでもこんなしみったれた街にいたくねーし帰るさ

【故に、今回は壊滅寸前の街で人の弱みに付け込む詐欺でも働こうとしたのだが、話を聞くにもうスケールが全く違う】
【首を突っ込んで引きずり込まれては堪ったものではないので、そうなる前に退散する事にした───少女は知らぬ間に悪の芽を摘んだという事になるのかもしれない】
【全くもって傍若無人な酷い言い草で捨て台詞を残してから、『やれやれだぜ』と首を振りながら病院を出て行こうとする】
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
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1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
【SAO】アインクラッドでおっかなびっくり生きる 15 【安価】 @ 2015/03/08(日) 02:00:18.02 ID:MZW4c/7so
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425747617/

【艦これ×村正】提督「装甲艦娘?」★2【安価】 @ 2015/03/08(日) 01:21:48.42 ID:qdkxPBD6o
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幼馴染「中二病でもうんちがしたいっ!」 @ 2015/03/08(日) 01:02:52.09 ID:N539M7kJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425744171/

オーク「クッ…コロセ!」 @ 2015/03/08(日) 00:49:44.78 ID:j6K9ZfLpO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425743384/

【艦これ】朝潮「司令官が泊地に着任しました!」【女提督】 @ 2015/03/08(日) 00:48:49.22 ID:IXKsT5/Y0
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さやか「ん?まどかポケモンやってんの?」 @ 2015/03/08(日) 00:22:39.10 ID:E9qsDx4H0
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【艦これ】提督「安価で艦娘を壊す……?」 @ 2015/03/08(日) 00:18:45.22 ID:R3316qr8o
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不良「俺達が…」リーゼント「プリキュア…?」 @ 2015/03/08(日) 00:13:07.28 ID:kq3xMK3Z0
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