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ここだけ魔法少女の街 ☆1個目 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2015/03/15(日) 19:19:25.45 ID:SCFzPAQUO
【魔法少女の街へようこそ!】
ここ、瀬平戸市では昔から囁かれる都市伝説があります。
集めると願いを叶える星のかけら。星のかけらを集めるために夜を駆ける少女たち。
問題はこの都市伝説が真実であるということです。
あなたは瀬平戸市でくらす魔法少女の1人となり、他の魔法少女と関わっていくことになります。

【星のかけらについて】
いつの頃からか市内に出現する綺麗な石です。
5個集めることで一生に一回だけ願いを叶えることができます。
また、魔法少女が使い潰ぶすことで生命の危機の回避や、後述する結界の強行突破などもできます。
悪い願いであってもかなえられますが、魔法少女制度を終わらせるような願いは拒絶されるようです。

あふれだす無色の力は超常現象じみたトラブルを引き起こすことが多く、不思議事件などと呼ばれています。
探索の際は市役所や警察の生活安全課、噂が集まる喫茶店やお祓いを請け負う神社などを情報源としましょう。
各方面で働いている元魔法少女たちも情報をくれます。
魔法少女たちも自分の近くであればある程度存在を感知できますが、探知距離には個人差があるようです。

重要事項:所持個数を厳密に管理する必要はありません。ロール状の都合にあわせて好きに調整してください

【魔法少女について】
それぞれ事情や原理は違うようですが、概ね魔法っぽい技を使う少女たちの総称です。
不思議系全開のも科学っぽいのもいます。巫女さんっぽいのも魔女さんっぽいのも、他の世界からきたのもいます。
各自の事情で星のかけらを集めているため、その過程で衝突することも少なくありません。
具体的な記録は残っていませんが、現役組の魔法少女のお母さん世代に元魔法少女がいることから
だいたい1970年代くらいには出現していたようです。長く関わってきた人によると、時代ごとの流行りとかもあるみたいです。
心が少女なら名乗っていいとのことです(重要)。

【戦闘・結界について】
全ての魔法少女はどれだけ暴れても大丈夫な異空間を展開する結界魔法を習得しています。
この結界魔法により戦闘エリアになる一帯のコピー空間を作り、一般人から隔離できるほか、
結界の中で壊したものは結界解除でなかったことになります。
入るのは魔法少女なら簡単ですが、出るのは結界を作った魔法少女の撃破か許可、あるいは魔翌力を使った強引な突破が必要です。
大出力ビーム魔法で建物ごと薙ぎ払い、音を越える高速で空を駆けるような戦闘も魔法少女なら可能です。
普通なら死んでしまうようなダメージも、星のかけらの消費することで致命傷にならない撃破として扱われます。
戦闘終了後にゆっくり治療して復活しましょう。
ただし慣例として、一般人を巻き込むことは避けられる傾向がありますので、その点はご注意ください
マナーをまもって楽しくインフレし、一緒に遊んだ中の人全員が楽しかったねといえることが目標です。
すっきりさわやか全力全壊してください。

◇ここは自分だけの魔法少女を設定し、様々な魔法少女と戦闘、交流するスレです。
◇まずはしたらばで能力登録。ここに設定を纏めておくことでロールをスムーズに行えます。
◇戦闘、交流、基本は何でもありですが、相手が不快になるロール、確定ロールは避けましょう。
◇チート能力や人外級の身体能力などが普通に行き交います。
 最強設定全力オッケーですが、それは相手も同様です。かち合ったらお互いに笑ってすりあわせましょう。
◇荒らしはスルー。絶対に関わらないようしましょう。

☆次スレッドは>>980、立てられない場合は>>990が立てること
☆次スレッドを立てるまで>>980からは減速推奨(重複を回避するため)

★避難所★
http://jbbs.shitaraba.net/internet/22387/
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/03/15(日) 19:53:44.59 ID:qJJVmPagO
>>1乙です
3 : [sage]:2015/03/15(日) 20:34:33.25 ID:O2a6mM6lo
にゃあ。
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/15(日) 20:59:40.87 ID:sG+jK7iFO
>>1
5 :上田美奈 :2015/03/15(日) 21:44:36.29 ID:SCFzPAQUO
【夜のビルの上より】
【オフィス街のビルから残業以外の灯りが消えるころ】
【関係者以外立ち入り禁止の向こう側。ひときわ高いビルの屋上の端っこ】
【魔法瓶からココアを注ぐ魔法少女が1人】

「今日は、もうハズレとしたほうがいいかなぁ」

【灰色のマントの唯一のお洒落ポイントな葉形のブローチを指でいじいじ】
【得意のダウジングも反応がない以上、今日の探索はここでおわり】
【あとは星見ココアでも楽しんでから帰ろうか、というところ】
6 :姫扇園華>>93 [sage]:2015/03/15(日) 21:57:01.08 ID:aCPFUFvD0

「すいません…ウチは取り扱っていないんですよ…。」

…………そうですか。

【店主の一言に姫扇園華は落胆しながら、店を出た。姫扇園華は最新作のゲームを買いに最寄りのゲーム屋へと足を運んだが、生憎取り扱っていないとのことだった】
【ゲーム好きな姫扇園華は最新作が出る度に前もって予約や取扱店舗などを調べたりしているのだが、ここ最近色々なことがありすぎた為にうっかり忘れていた】

もう今更他の場所に行っても買えるとは思え無いしなー……。
はぁ……………ついてない。

【無自覚に出て来た言葉を頭の中で反復しながら、姫扇園華は次はこうはいかないと決心すると気を取り直し何か食べようかと考えた】
【丁度お腹も空いてきた、一人暮らしの自分が一人で外食するのは贅沢だが偶にはいいだろう。そう園華は自分に言い聞かせる様に考えながらとりあえず飲食店を探すことにした】

「この辺だと……そうだねぇ、カフェとれみぃならあったはずだよ」

とれみぃ?

【付近にある飲食店の所在を訪ねた時、街の本屋の店主がそう言うものだから園華は首を傾げた】
【最新作のゲームを買い忘れた事もあり、園華はガッツリ食事をしたい気分だったがさていよいよどうしたものか────】
【カフェというものは園華の中ではあまりいいイメージは無かった。どうも園華の中ではカフェはお洒落な店らしく、自分には似合わないし浮いてしまうだろうという勝手なイメージを持っているようだ】
【園華は店主にお礼を言うと、案内された道順を辿らずに近くのショピングモールへ歩き始めた】
【やはり自分には、まだカフェというものは似合わないだろう。それにカフェよりもショピングモールで何か美味しい物を買ったほうがいいに決まっている。園華はそう自分を説得するかの様に心の中で復唱した】

!?…………こ、これは……ッ!?

【なんとなく園華はショピングモールの中にあるゲームソフト売り場へと足を運んだ。特になんの期待も考えも無しにソフト売り場へと行ったのだがやはり、買い損ねたソフトがあることに多少の淡い期待を抱いていたことは事実だろう】
【そして、今日自分に運がなかったのはここで運を使うためだろうと都合の良い解釈をしていたこともまた事実だった】
【園華はそう思いながらソフト売り場へと辿り着いた時、やはり自分の考えはあっていたと分かり喜びを感じた】
【園華は買い損ね最新作のゲームソフトを手に取り、満面の笑みを浮かべながらカフェに行かなくて良かったと思うと同時に、その喜びさ故に溢れ出てしまった強力な自信の魔翌力に気付いてしまう。もし近くに魔法少女がいたら色々大変だと思うが、反面魔法少女との面会は、なにか熱い展開にも思えた為に、その魔翌力を消すことは無かった】
7 :パメラ [saga sage ]:2015/03/15(日) 21:59:13.83 ID:Qq18BwYvO
>>5

うふふ…先客が居るとは思いませんでしたぁ

【そんなビルの屋上に、また一人】
【前髪も後ろ髪も長い銀髪紅眼、紫のメイド服を着た】
【高校生くらいの少女である】

こんばんはー、魔法少女さん

【そのまま、ぺこりとお辞儀】
【他の魔法少女の前だというのに、その姿は堂々としたものであり】
【手には何か、籠をもっていた】
8 :恩納 風利 [sage]:2015/03/15(日) 22:05:57.70 ID:sG+jK7iFO
う〜ん……おっかしいなぁ、コッチの方であってる筈なんだけど

【ここは瀬平戸市北区、自然に溢れた同市の中でも特に雄大な自然を臨む山沿いの地域】
【山の裾野、神社の鳥居の柱にに寄りかかりつつ、地図を睨みつけている少女らしき人影が一つ】
【難しい顔をしながらしばし考え込むように地図に顔を埋めること数秒】

上から見てみたら、何かわかるかも…………よしっ!

【一言呟いた後、自らに喝を入れるように柱から身を離すと辺りを見回して近くの茂みの中へ】
【暫しの間の後、涼やかな一陣の風が吹いたかと思えば茂みの中から如何にも魔法少女然とした服装の人影が現われ】

さてと、誰かに見られる前に……って、フリルがっ、枝にっ、あぁもぉ〜っ!

【と、茂みの枝葉に服が引っかかってしまったらしく、中途半端な姿勢で身を捩る姿はどこか間抜けである】
【早くその場を離れ離れたいのか焦っているのか、ガサガサと物音をさせつつ悪戦苦闘している】
【物音と魔法少女としての気配は終始ダダ漏れであり、誰かが近づいてきても声をかけられるまで気付け無いだろう】
9 :上田美奈 :2015/03/15(日) 22:06:15.53 ID:H/A85F1nO
>>7
「あ、これはどうもご丁寧に」

【ココアを置いて、慌てて立ち上がってペコリと挨拶】
【ビルの上を好む魔法少女はある種のお約束みたいなものだし、範囲がかぶるなら挨拶は必要でしょう】
【メイド服も、たぶんコスチュームだし籠もそれに合わせてるのかな?】

「飛びつかれたときに降りるには、ちょうどいいとこですしねぇ、屋上」

【残念ながらコップはひとつしか無いのでおすそ分けはムリっぽい】
【かごの中身にあるなら分けてもいいかもしれない】
【だいぶ暖かくなった今時期でも、夜間はまだ結構冷えるし】
10 :パメラ [sage saga ]:2015/03/15(日) 22:16:07.61 ID:Qq18BwYvO

>>9

そうですねぇ…あ、隣お邪魔しますねぇ

【確かに屋上は休むのに最適だなぁ】
【なんて考えて、断りをいれてから少女の隣に座る】

ココアですかぁ、来るとき悩んだんですよねぇ

【そして、その後に籠を開ければ甘い香り】
【中身をのぞけば、そこにはロールケーキとレアチーズケーキ、そして水筒が二本とタッパーが入っているのが見えるだろう】

結局ミルクティーにしましたがぁ……あ、ケーキいりますかぁ?

【ココアの香りに誘惑されながら】
【コポコポと水筒から持参のミルクティーを取り出して】
【更に少女にケーキを見せながら誘ってみた】
11 :上田美奈 :2015/03/15(日) 22:24:50.66 ID:H/A85F1nO
>>10
【Oh、この時間に甘いものとか完全に悪魔のトラップ!】
【いや、むしろ積極的に食べないとダメって言われてる側なんですが】

「いらないといったら嘘になりますけど、お礼になるものないんですよね……」

【きゅるるるるる、とお腹の虫が雄叫びをあげました】
【面白いように真っ赤になる先客魔法少女。中学生くらいでこれはそれなりにあかん】

「いえ、今日のお茶のお供は空の星だけにしておきます」

【それでもチラ見が止まらない。実にわかりやすいタイプなようです】
【そもそもこの時間に2個食べるんだろうかというところまで気になり始めました】
12 :パメラ [saga sage ]:2015/03/15(日) 22:34:18.85 ID:Qq18BwYvO

>>11

うふふふふ…いいんですかぁ本当に?

【少女の様子を見て】
【しかし、パメラは蠱惑的な笑顔で更に推す】

このロールケーキとかこれで1000何百円なんですけどねぇ
今なら格安で食べれるお得な場所もおしえてあげますよぉ?
それに、お近づきの印なんで、見返りは求めませんよぉ?

【年頃の少女の動向ははっきり分かるようで】
【しかも、あれだけ大きく鳴れば尚更】
【チラチラ見る視線には当然気づいており】
【ゆっくり、ロールケーキを差し出してみせた】
13 :上田美奈 :2015/03/15(日) 22:42:29.06 ID:H/A85F1nO
>>12
「タダより高いものはきっとないんです。
 こういう時にうっかり受け取ると、あとからソレが危険な罠になるんですよう」

【……なんかひどい経験があるみたい】
【無料だと思って受け取ったら、貸し借り1つ分にカウントされたみたいな】

「しかも、危険度跳ね上がりましたよ、今! 確実に!!
 ううー……、いただきます」

【口とは裏腹に、ロールケーキの魔翌力に屈した魔法少女(中学生)一名】
【スポンジはふわふわだし、クリームも良い材料使っててすごく幸せ味】
【……泣きながら食べてるのはさすがに行き過ぎな気もします】
14 :パメラ [sage saga ]:2015/03/15(日) 22:51:42.94 ID:Qq18BwYvO

>>13

なかなかしっかりしてますねぇ

【タダより高いものはないし、ソレが危険な罠になる】
【確かになぁと、パメラも思うことである】
【しかし】
【眼の前の少女も、やはり年頃】
【ケーキの魔性には勝てなかったようだ】

うふふ、よろこんで貰えて何よりですぅ
…あ、それ、たまぁにカフェ「とれみぃ」って場所で出してますからぁ

【そして、泣きながら食べる少女の横で自身もレアチーズケーキを食べる】
【そして、さらっとお店を紹介したが……実は大事な事はまだ言ってなかったり】

……んー!

【そしてなぜか、タッパーに入ったアイスまで食べ始めたのだった】
15 :上田美奈 :2015/03/15(日) 23:00:06.92 ID:H/A85F1nO
>>14
「ほらやっぱり、最悪な罠じゃないですか!!
 こんな美味しいケーキ食べれる喫茶店情報とかぁ!!」

【お財布に多大な打撃を与えるトラップとか、下手な遅延魔法よりも凶悪です】
【半分泣きながらロールケーキ完食】
【そしてお店の情報をしっかりと記憶に焼き付けつつ、スマホで位置確認】

「ううー、ごちそうさまでした。
 埋め合わせは、そのうちかならず」

【しっかり食べたら、探索の続きというか帰路ですね】
【お腹が満たされた分、探索時間をのばして消費することにしたようです】
【というわけでさようなら】
16 :パメラ [saga sage ]:2015/03/15(日) 23:04:52.15 ID:Qq18BwYvO
>>15

うふふ…お客さまゲットですねぇ

【去っていく魔法少女を眺めながら】
【カフェ「とれみぃ」の『店主』は】
【上機嫌でまた空を見上げた】

【そして、しばらくした後】
【彼女も、居なくなったのだった】

//お疲れ様でした!
17 :高辻 狐花 @紫薔薇保健室 [saga]:2015/03/15(日) 23:15:38.75 ID:VBOuQkzYo
高辻狐花は紫薔薇学園校舎屋上のフェンスに深く凭れかかり、その雲翳に閉ざされた夜空を仰いでいた
深淵の様に何処までも続きを見せる黒々とした夜の奥には、波の様に棚引く雲が薄らと映えている
春の生温い風に当てられて狐花のベージュ色をしたクラシックカールの髪が微かに揺れ動く
ふ、と訳も無く小さな溜息を漏らし、反動をつけてフェンスから離れると、鉄の軋む音が夜空に虚しく残響した
暫く空を仰視していると、流れ行く雲の尾が切れて、徐々に蜜の様に重い光を垂らす満月の半身が見えて来た
絶妙な雲の間隙から洩れる光が幾条もの束となって地上を照らさんとするも、時代を追う毎に脆弱になる光は空しくも中途に途絶える
曇天の割には冴えた月の光だ、と感慨に耽る狐花の双眸には、月光が助長して、いつも以上に琥珀が艶めかしく光り輝いていた

「……ッ」

狐花は黒百合の教師兼生徒であるが故に、紫薔薇学園の屋上にいるのは不自然な事だった
騒々しい静寂の音を薙ぎ払う様に、狐花はフェンスの音を掻き鳴らした
跳躍。一般人では到底敵わない様な身体能力を行使してフェンスを蹴り上げて空へと躯体を放擲する
校舎の硝子に自分の姿が刹那垣間見えるのが何処か滑稽で面白い。殴りつけるような風を愉快に思いながら、地面へと急転直下
逆さまのまま地上へと叩き付けられるかと思いきや、魔法少女が浮遊魔法を使い忘れていました、何て健忘染みた失敗は犯さない
慣性は何処へ掻き消えたのか、説明するのが億劫なので省くとして、狐花はやはり人気の無い中庭へと着地した
傍から見ればグレースーツの大人の女性が涼しい顔で空から降って来た、と一瞬でもハーレム物の主人公にでもなれたかのような錯覚を覚えるようなシチュエーションだ
だが狐花はそんな可愛らしい物ではない。確かに、魔法少女という言葉の響きは良い
しかし、狐花が紫薔薇学園にいる理由は一つ。黒百合学園生徒会――純粋な、真なる魔法少女のみをこの世界に齎しめんとする組織への入会、の為の『土産』の確保だ

「誰も……いないわね。何よ、人っ子一人いないって、歓迎されてないのね」

傲慢染みた文句を一人ごちて、玉砂利の道を暫く貫けば、その先には偶然閉め忘れられていた窓が一つあった
小走りで駆け寄ると、内装は清潔なイメージのある白色に統一された部屋。
恐らく、否確実に保健室であろうそこへと、身を乗り出し土足で侵入する

「おじゃましまー……したわー」

丁度月の明かりが部屋を照らし出して、物色するには良い環境だった
向かい側の窓には、小さな花瓶に首をもたげる紫色の薔薇。それ以外には何も見るべきものは無かった

「……盗みをしに来たわけじゃぁ、ないのよねー」

狐花の目的はあくまで人間、否、就中魔法少女が取り上げられる

「ほらぁー……出てきなさい〜……お姉さんとイイことしましょぉ〜」

人の気配がないと無意味に声を抑えてしまうのは何故だろうか。
擦れた小さな声が静寂の中に溶ける。もしかすれば、保健室の中、ないし周辺にいた生徒が気付くかもしれない
不審者か、いやらしいお姉さんか、それを判断して攻撃するか否かは――――
18 :パメラ [sage saga ]:2015/03/15(日) 23:37:32.59 ID:Qq18BwYvO

>>6

………うーん、なかなか良いのが無いですねぇ

【場所はショッピングモール】
【長い銀髪に紅眼、そして紫のメイド服の、高校生くらいの少女が一人】
【なにやらアロマショップで悩んでいた】

こっちの、フルーツの香りのも良いんですがぁ
やっぱりこのローズの香りも捨てがたいですねぇ

【実はかれこれ一時間】
【あれかこれかと悩んでいる様子であり】
【しかも、店員もなんだか慣れた様子で見ている所は】
【なかなかに常連だということだった】

……ん?
誰ですかぁ、こんな駄々漏れにしてるのはぁ

【と、その時】
【なにやら感じる一つの魔力】
【しかも、中々に素質を感じさせるものであり】

…ん〜……うふふふ…

【途端、なんだか悪戯を思い付いた顔になり】
【結局アロマを両方買って店を出たならば】
【「わざと」魔力をそれとなく出しながら、外へと向かい始める】
【そして、外にでたならそれとなく待っているだろう】

【パメラ・レジエル…悪い癖が出た瞬間であった】
19 :姫扇園華>>93 [saga]:2015/03/15(日) 23:48:12.27 ID:aCPFUFvD0
>>18

ッ!?────……やっぱり今日はついてる。

【園華は買ったゲームソフトが入っている袋を大事そうに抱えながら鼻歌交じりに外へと向かった】
【もちろん、自分とは別の魔力が微量ながらに漏れていることは気付いていたし、園華の鼻歌の原因は新作のゲームソフトより魔法少女のモノと思わしき魔力を探知したことによるものだった】

…………………ふ……どの人か分からないなんてね……。

【園華がその事に気づいたのは丁度ショピングモールを出た時だった。もともと魔力探知の苦手な彼女にとって微量な魔力の発信源を見つけることは容易では無かった】【しかし、そんなことは園華もとうの昔から分かりきっていたことだがそんなことを忘れたいるのは新作のゲームを手に入れたことと魔力を感じたことによる歓喜からだろう】
【園華は辺りをキョロキョロと見回しながら、魔力の発信源を探す。もっとも其方からすれば丸わかりだろうが────】
20 :パメラ [saga sage ]:2015/03/16(月) 00:01:16.25 ID:pMHS2hZ1O

>>19

【外に出てしばらく】
【すると、そこには明らかに誰か探してる少女が一人】
【良く良く感じれば、先程の魔力は彼女からであるとわかり】

Hello Magical Girl……Are you in trouble?
(こんにちは、魔法少女さん…お困りですか?)

【これまたニコリとしながら普通に…英語で話しかけた】
【意味が通じたならば、それでよし】
【気づかないのであれば…】
【日本語で言い直して、ニコリと笑いながら一礼するだろう】

【万が一間違えていても、服装と台詞から何かのイベントだと誤魔化せるように】
【色々考えて決めた話しかけ方である】
21 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/16(月) 00:06:37.62 ID:pk5iBANf0
>>17

【明らかな不法侵入を果たす女性、そんな彼女に声をかける者があった】

「声を潜め無くとも僕以外に今は居ないよ……さっきカラカラと音がしたし君は窓からでも入ってきたのかな?」

【見るとベットが並べられているスペース、その一番窓際の場所にそこだけ仕切りとなるカーテンで包まれた区画から声が届く】

「しかし君は声を聞く限り女性だろう?」

「確かにこの学園はイケメンくん揃いだが少々はしたないよ」

【響く声は何処かミステリアスなもの、女性の物なのは確かにだが少し芝居がかっている物であり饒舌である】
22 :姫扇園華>>93 :2015/03/16(月) 00:17:14.38 ID:9AE8ijsm0
>>20

?????

【園華がパメラに声を掛けられ最初に感じたのは"混乱"だった。パメラの言語が英語だったことによるものだ】
【園華は高校2年生ということもあり、早ければ既に大学への受験勉強を始める頃だ。しかし、園華はまだ受験勉強を始めてもいないし英語が話せる訳でもない】
【リスニング力があってもその聴いた言語を使い相手の普通に合わせる術を園華はまだ習得してはいなかった】

────え!?あ、はい!
えっと………貴女も……なんていうか……これ?

【パメラの喋っている内容は理解出来たが、やはり同じ英語で返すことは園華には出来なかった。園華は抱えた袋を一段と強く抱き締めながら英語をサボっていたツケがやって来たのだと痛切に感じた】
【園華が今にもこの場から逃げ出そうとする様子は誰が見ても一目瞭然だろうし、実際園華も早く逃げたいと思っていることは相手も分かっているだろうとさえ思っていた】
【そうして、焦りだけが積もる園華だったがなにかを察したのかパメラが再び日本語で話し出したのを見て、思わずホッと安堵し、同時に先程までの自分が恥ずかしく思えた】
【パメラの日本語を聞いた後、園華はやはり先程の焦りが残っているのか話したい内容が上手く纏まらずに制服に入った魔法少女のキーホルダーを見せそう言った】
【その行為はパメラが聞いたことに対する返答であり自分にとってもパメラが魔法少女ならそれは自分が望んだ展開なのでそうあってほしいと期待を抱いていた】
23 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン :2015/03/16(月) 00:28:52.38 ID:bj9DWIJGO
「へぇ……成る程、"こっち"でも星のかけら争奪戦をやってるのか」

昼下がりの公園、ベンチに座る一人の女。
白を基調としたドレス姿に、ブロンドの髪は麦わら帽子を被って。
しっかりと主張される胸はよく目立つ。帽子に隠れた蒼眼はどこか遠くを見ているようで。

女は何かをブツブツと呟いている。"こっちでは"とか、"欠片"だとか、一般人には理解できない事柄であろう。
だが、もしも普通ではなかったなら少しは聞き覚えのある言葉があるはずだ。
例えば、それが魔法少女だったなら。星のかけらなどという言葉は魔法少女しか使わないはずの言葉である。

「あっちでは勝手に全部ぶっ潰れてくれたからな…つまらねーったらありゃしない。あたしの許可もなく潰れやがってあんの役立たずのゴミカス共…」

女性らしからぬ言葉遣いで悪態をつく。
女は手を前にかざす。すると、何もない空間から掌に乗るくらいの大きさの蛇が現れた。

「まあいい、まずはかけら探しだ……"行け"」

女が指示を下すと、蛇はその場から消えた。


ここまで見れば分かるだろう。この女は魔法少女であるという事が。
星のかけらを探すために、使い魔を寄越したというわけだ。

その後、女は何事もなかったかのようにベンチで過ごしている。
少しつまらなさそうに、気だるげに。
24 :パメラ [sage saga ]:2015/03/16(月) 00:28:56.86 ID:pMHS2hZ1O

>>22

うふふふ…ごめんなさいねぇ

【目の前であわてふためく少女に対して、優雅に謝罪をいれる】
【初対面で相手の素性が分からないなら、とにかく最初にペースを掴む】
【魔法少女として、そして一人の店主としての経験が多分に混じった会話術】
【……まぁ、顔は何処か楽しそうだが】

んー、そうねぇ
何処かの誰かが駄々漏れにした何かを感じ取れるって意味なら、合ってますよぉ?

【そして、相手がキーホルダーを出して】
【問いかけてきた質問には】
【クスリと笑みを浮かべながら肯定するのだった】
25 :高辻 狐花 @紫薔薇保健室 [saga]:2015/03/16(月) 00:30:44.41 ID:fpjvL+50o
>>21
静かな声だった。冷然というか、凛然というか、寧ろ憮然さえ含有した、重々しい眠気を帯びた様な声の様にも感じられた
闇に蕩ける静かな声のする方向――やはり暗黒の蟠りが絶妙に月光を回避して闇を享受するその場所へ――へと身を翻す
この時間帯に保健室とは、寝過ごした余程間抜けな生徒なのだろうか、と偏見まじりに勘繰るのは悪い癖だと自嘲する
だがやはり、突然の事に、狐花は僅かながら緊張を感じたのか、些か肩を揺らしつつも、声の持ち主の方へと一歩、一歩と緩慢に歩を進めていく
跫音がやけに鈍重な響きを纏っていた。茫漠とした静けさが革靴の音に紛れて掻き消える
狐花は静かに――――暗がりに潜む何者かに手を差し向けた
その手は女性らしい、細く、ほんのりと紅い、人間らしい温かみを帯びた手で――――

「窓から。そうね、はしたないけど。君に会えたのだから、多少の恥じらいは捨てられるわ
ねえ、君。こんな時間に保健室だなんて……ここはホテルじゃないんだから、そろそろ家に帰らないと、駄目じゃないの?」

相手の様子は判然としないまま、しかし自らの優位性を保つために敢えて睥睨する様に暗がりを見つめていた
相手の質問は総無視だ。これも全て自分が上であることを自然の内に肯定する為
闇の中で狐花は静かに笑みを浮かべる――――口端を小さく吊り上げて、下碑た、いやらしい笑みを
差し出した手とは反対――――右手に意識を傾けて、魔力を集積すれば極小の黒い粒子が収斂し、一つの懐刀を形取る
それは禍々しい殺意と共に、何処か、触れてはいけない様な感覚、禁忌近い名状し難い何かを含むソレを纏っている
例えば、人間には触れてはいけないような過去がある様に、それは深淵に紛れて顕現した

「さぁ、こっちにおいで」

もし、手を取れば、狐花は腕を引き、躯体を抱くようにして右手を添えるだろう
つまりそれは腹部へと確実に懐刀を押し付ける流れだ。腹部に突き刺さった懐刀から感じるのは痛みなどではなく――――劣等感
物理的な切傷や穿たれた跡は残らない。だが、徐々に沸々と感じる劣等感が、暗がりに潜む者を苦しめるだろう
しかし、相手が魔法少女なら別だ。
魔力の収斂と同時に、その殺気に気付く事が出来る筈だ
26 :姫扇園華>>93 :2015/03/16(月) 00:39:28.83 ID:9AE8ijsm0
>>24

【園華はパメラの笑顔を見た時、失礼ながらに"彼女はきっと性格悪いんだ"と突発的に感じた。しかし園華はその性格が彼女のいいところに違いないとまた勝手に思い込むことで自分を納得させ、パメラに対する好感度を上げた】

【園華がチラつかせる魔法少女のキーホルダーを見たパメラの喋る内容は園華にとってやはり予想通りであり期待通りだった】
【そして園華はこんなラッキーなことは二度に無いと思い、自分の待ち望んだ展開に燃え滾りながら】

ここであったのも何かの縁だろうし────軽くやってみる?

【と言って魔法少女のキーホルダーを制服のポケットへとしまった】
27 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/16(月) 00:51:49.35 ID:pk5iBANf0
>>25

【柔らかな月光がさしこむなかでシャラシャラとカーテンを捲る音がする】

「そうだね、そうだとも…」

「しかし君もまるで先生の様な口を聞くね?」

「だが僕にとって学校とはこの砂漠みたいな俗世における唯一のオアシスでね」

「どうか御容赦いただきたいところだよ……」

【そこから姿を見せたのは一人の少女……】

【足元まで届く黒髪は夜に溶けて行く様に艶やかに】

【ダルッダルのジャージから覗く肌は月の光の様に儚い印象を与える純白】

【そして身長は低いにも関わらず、重力に反逆を試みる自己主張の激しい豊満な胸】

【女性を見つめる猫目は赤いルビー】

【不思議な印象を与える声が呟く】

「罠かい?…まぁ……それも一興かな…」

【明らかに思惑に気がついていると言うような発言を残し少女はその手を取る】

【そして少女の柔らかな腹筋が懐刀に刺し貫かれる】

「うん?……あぁ、なるほどね…ふふふ………これはこれは……」

【中身の無い感嘆符を続けるながら女性の腕に軽く体重をかけて身を任せる】

【手にもっていた『機械仕掛けのオレンジ』が乾いた音を立てて白の床に落ちる】

【暫しの沈黙…そして……】

「実に文学的だね…ときめいてしまうよ……」

【にやにやと、人を喰った様な笑みを浮かべる】
28 :パメラ [saga sage ]:2015/03/16(月) 00:51:51.67 ID:pMHS2hZ1O

>>26

うふふふ…いいですよぉ?
…その為に外にまできて頂いたんですからぁ

【クスリと】
【なおも笑みを浮かべながら、返す】
【短い台詞ながらも、自信を溢れさせながら】

あ、でも私結界張るの凄く苦手なので、出来ればお願いしたいのですがぁ…?

【と、ここで一つ大事な断りをいれる】
【それなりに魔法少女歴は長いパメラであるが】
【苦手な事は苦手であり】
【結界魔法は、その一つであった】
29 :ローラ・フォン・カルンシュタイン [saga]:2015/03/16(月) 01:05:01.06 ID:lf1/JEvc0
>>23

ヘレネが魔性の構想を練りながら一人佇む公園に、新たな人影が現れる。
瀟洒なレースの日傘を差したその者は、優雅で自信に満ちた足取りでもって、ベンチへと近づいてきた。

「ごきげんよう。隣に座ってもよろしいかしら?」

幼くも張りのある声でそう訪ねてきたのは、紫薔薇の制服に身を包み、白いベレー帽を被った少女だ。
くすむことを知らない白皙の頬、ほおずき色の瞳、葦のようにほっそりとした四肢。
日本人離れした――と言うよりは、もはや人間離れした作り物のような容貌が、ヘレネを見つめていた。

もしベンチの空いた部分に腰掛けることを許されたなら、彼女は傘を閉じてからそうするだろう。

「……あなたも留学生ね。この何十年かで、瀬平戸の高校には遠くから越してくる子が多くなったと聞くわ。
 大したものも無いように見えるけれど、なぜなのかしらね――?」

相手の金髪碧眼の姿を眇める。そう言う彼女も、この国の出身者には見えない。
わかりきった≠アとを問いかける口調と相まって、からかわれているような気分になるかもしれない。
30 :姫扇園華>>93 [saga]:2015/03/16(月) 01:09:50.92 ID:9AE8ijsm0
>>28

【パメラの言葉を聞いて思わず園華は笑みを浮かべてしまう。やはり彼女は予想通りであり期待通りだと再び感じた】
【園華は一度二度辺りを見回した後、ショピングモールの入り口付近にあるベンチへと袋を置くと先程の笑みより、より分かりやすい好戦的な笑顔を浮かべながらパメラを見た】

えー……………結界って結構集中するからなぁ────……まぁ、いいんだけどっ!!

【園華はあまり器用では無く、探査や察知など集中力を必要とした言うなれば器用な魔法が苦手だ。結界も同じく探査や察知までとはいかなくともやはりそれを貼るのには集中力や器用さが必要不可欠の様で、あまり園華は得意では無いようだ】
【しかし、其れでもこの偶発的な奇跡は決して逃してはいけないと園華は思い意外と乗り気でパメラの頼みを了承した】

【園華は変身をしないまま結界を貼った。魔力による遮断が無ければ周囲の不特定多数の人々に変身する瞬間を見られてしまうからだ】
【なんてことはない普遍的な結界。ショピングモールもベンチも辺りの景色は何一つ変わっていなく、変化があるのは周囲の人々がいないことだけだった】
【園華はそんないい意味でお粗末な結界を貼り終えれば、特に何の心配も無しに変身を遂げた】
【頭にシニョンキャップを付け、白い半袖の服の上から中華風の服に中華風のズボン。一見チャイナ服に見てとれるそれが園華の変身姿であった】

さてと──────、さしずめチュートリアルってとこかな……お互いにね。

【だだ漏れだった魔力が遂に全て曝け出された。園華は軽く足馴らしの為に一度二度跳ねると、手をクイッと煽りいつでもどうぞと言った】
31 :高辻 狐花 @紫薔薇保健室 [saga]:2015/03/16(月) 01:20:06.60 ID:fpjvL+50o
>>27
ちら、と窓際に添えられた紫薔薇を一瞥する。
月光の束が一条の光が窓から差し込み、『紫』の妖艶で妖美な姿から伸びる陰影が、狐花の足元に絡みついていた
悪趣味な色彩だ。例え花言葉に上品であるだとか、高貴であるだとかの意味が含まれていたとしても、気に入らない
それよりも正面に相対する者の命を、どうやって扱うかが問題だ

「……そうね」

カーテンの擦れる音に気がついて、そちらに視線をやる
どの言葉に対しての返事かは分からない。そもそも狐花はその声に最早、興味を失っていたのだ
手に感じる重みが露に撓る葉の様に、反動をつけて引き寄せれば
声の通りに冷然と凛然と毅然と憮然と、闇から緩慢に身を表した少女、妖艶な月の光が己を織り成して彼女を魅せるならば、それを表現する美文でさえ艶やかな物だった
少女を抱いたまま手に感じるのは、確かな肉の感触。否、正確に表現するならば、魂を削り取る様な感覚だ
甘美な感覚。手首を上下に、ゆったりと動かして、傷口を徐々に広げていく。
頬を赤らめて、官能的とも表現していい程に、懐刀を奥に、奥に押し付けていけば、同時に、傷痕がある筈のそこから、黒い靄が溢れ出す
少女の背後で密かに笑みを浮かべる狐花の目は、強欲を持て余し、肉を貪り続ける狼の様な、貪欲に塗れて琥珀色にギラギラと鈍い輝きを帯びていた
少女は感じるだろうか、魂を蝕む毒が、身体中を這いずりまわって、人間の一番大事な部分――――肉体的に言えば脳、精神的に言えば過去へと近づこうとしていることに

「……随分と余裕ね」

溢れ出した漆黒の靄が二人の肉体の突き出た部分の狭間に溢れて、地面に水溜りを作る
蜃気楼の様に滲むソレは、地に落ちて尚蟲の様に這いずり、居場所を求めて少女の身体へ登頂を試みる
普通ならばこの気色悪い感覚に耐えかねて、金切り声の一つや二つ、上げてもおかしくは無いのだが――――少女は違った
依然少女は憮然な笑みを浮かべている。狐花もまだ余裕はあった、あったが――――

率直に言って、狐花の行動は慢心の至る所であったと、愚直なまでに安直な行動であったと今更ながらに悔恨の念が過った
貫く様な殺意が一直線にして一過したかと思えば、瞬きの内に思考が張り巡らされる
予想外――――否、予想の範疇内にある筈の警戒を完全に怠っていたのだ
紫薔薇学園の魔法少女に黒百合の者程優秀な者は居ないだろうと云う、偏りきった考えだった
どの様な人間かも判然としていない相手に、無遠慮に近づくのは完全に最悪手だ
だがしかし――――それでも狐花は不動を貫いた

「私は貴方を完成させてあげたいの……そう、人間は、完成される瞬間こそ永劫の美を手に入れる事が出来る……
さぁ、どう?感じるでしょ?人間の最も醜い部分……そう、醜悪な自分の欠陥を」

固有魔法カラドロス――――物理的な痛みは無いが、精神的な影響を及ぼす毒を含んだ、原典無き貪欲な鳥の名を冠した懐刀
刀身から発せられる禍々しい黒々とした靄が精神に堆積すれば、自分の不出来、過去の失態、劣等感、負の感情が飽和し溢れ出す
一定量毒を享受した瞬間、炸裂するような恐怖と、脳髄を抉る様な痛みが、精神の安定を瓦解させ、精神的な崩壊を導くことになるだろう
狐花はそれ程強く少女を抱きしめてはいない。腕を首に回して、耳元を呼気で愛撫するように囁いた

「逃げるなら、今の内、よ……」

精神的な優位を見せつける為、この近距離でもお前の技を封殺してやるぞ、と言った感じだ
少女は一体、この状況をどう打開するのか
32 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン :2015/03/16(月) 01:29:08.15 ID:bj9DWIJGO
>>29
「……あら、ごきげんよう。どうぞ、お座りになって?」

日向ぼっこに勤しんでいたヘレネの前に客が。
容姿も、声も、何もかもがボンボンのお嬢様らしい少女。
ヘレネも、普段人を接する時に使用する仮面を使って接する。
もはや定着したそれは演技とは思えないくらいに自然なもの。
笑顔を見せて、ソプラノの声を響かせて、隣に座る事を許可する。

「さぁ、私もここへ来たばかりだから詳しい事はわからないの。
わざわざ遠くから引っ越してくるなんて、検討もつかないわ。どうしてでしょう―――?」

すっとぼけた口調で少女の疑問に答える。だが、答えは言うまでもないだろう。
ヘレネは直感した。"こいつも魔法少女だ"と。わざわざこんな下らない質問を投げかけてくるあたり、こちらの事を探っているのか。

「そういえば、ここには見たこともないような不思議な石があるらしいわね。私、それを探しているのだけど、何かご存知ない?」

相手も質問の意図が分かるだろう。要は、星のかけらの情報を知りたいのである。
これも、"分かりきった"質問。まずは相手の腹を探るのだ。
33 :パメラ [sage saga ]:2015/03/16(月) 01:29:56.27 ID:pMHS2hZ1O

>>30

ごめんなさいねぇ…

【こればかりはしっかり謝る】
【そして少女が結界を張るのを待ち】

いやぁ、ここまで張れれば充分じゃないですかぁ
さて……そうですねぇ

【結界が発動】
【そして少女の変身を見届けて】
【更に、おそらく抑えるのを止めたであろう魔力を感じる】

どうしましょうかぁ…
…まぁ、最初は安定のアレですねぇ

…星の輝き、夢の彼方、我願うは『乙女の煌槍』
アウェイクン……スピカ!

【一瞬だけ悩み、しかし直ぐに決まる】
【そして口にするのは】
【パメラにとっての一つの儀式】
【魔法少女へと切り替わる、まじない】
【瞬間、パメラの横に魔方陣が現れ】
【その中から純白の装甲に青のラインが入った、メカらしい翼を広げた鳥か戦闘機を思わせるランスが召喚された】

じゃ、まずは……一撃ですねぇ

【そして、独りでに浮かぶランスの柄を取ると】
【光始めたランスをかざし】
【横一閃、ランスから飛び出たレーザーごと、薙ぎ払うように振るったのだった】
【動作はゆっくり、故に開幕を告げるためだけの、見せつけるような一撃】
【回避は、難しく無いだろう】
34 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/16(月) 01:30:30.60 ID:bj9DWIJGO
/すいません、眠気がちょっとアレなので凍結という形でよろしいでしょうか…
35 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/16(月) 01:42:48.91 ID:pk5iBANf0
>>31

【窓から程よい湿気を含んだ風がゆっくりと二人を撫で回す】

「余裕ではないさ……」

「こうして流れ込んでくる魔翌力に僕の魔翌力をぶつけてある程度緩和させているというのに……」

「完成、か」

「ふふっ、耳元でしゃべらないでくれよ、こそばゆくで仕方がない……君は同性の僕にでも興味があるのかい?」

【やんわりと広げられる傷口…】

【溢れる黒い霧…】

「はっきり言って見事としか言い様がないよ」

「これは、そうだね、さしずめプライドやらアイデンティティをいじくる類いの魔法なんだろう?」

「だからコンプレックスまみれで自尊心なんてかけらも持ち合わせてない僕には少しばかり効きが悪いのかも知れないね…」

「そして君は…」

「…僕に近づき過ぎだよ」

【ほぼゼロ距離、琥珀と真紅の視線が絡み合う中で女性の腹部に向けて…】

【自らその手を取る事で敢えて自分の位置を調節し、相手の魔法に被せてそれとなく気づかれないように魔翌力を貯める…考えれば行動はさして難しいない作戦】

【そして作られた高純度の闇の魔翌力の球体を】

【打ち出す】
36 :姫扇園華>>93 :2015/03/16(月) 01:47:44.76 ID:9AE8ijsm0
>>33

あ、いや、うん………ごめん。

【謝るパメラを見て罪悪感に襲われた園華はその罪悪感を吐き出すかのように謝罪をする】
【そして暫しの無言。園華は久しぶりの緊張に張り詰めたこの空気に歓喜すると同時に心が踊っているのを感じた】
【戦闘好きに共通するのは、やはりこういった張り詰める緊張感を好むという変わった感性を持っていると園華は考える】

おぉ!!なにソレは!!かっこいい!!

【ニヤリと笑みを浮かべ召喚されたランスを確認する】
【自分の知っているランスとはずいぶん懸け離れたランスを見て思わず興奮気味に喋る園華】

ふぅ…………まずは小手調べねェッ!

【園華は自分の魔翌力の掛け軸を外し、既に制限なく魔翌力を曝け出している。パメラから放たれたその閃光は決して避けれない速度では無いと園華は分かっていた】
【しかし、園華はこれを避けた後の展開よりこの攻撃を受けた後の展開の方が燃えると思いパメラにとっとどう捉えられるか考えずただ、強く一撃、その閃光を己の右手で殴り物理的に力で打ち消した】
37 :ローラ・フォン・カルンシュタイン [saga]:2015/03/16(月) 01:56:31.80 ID:lf1/JEvc0
>>32

「見たこともない=@……ふっ、とんだ冗談ね」

ヘレネから返された問いを受けて、堪えきれなくなった様子で紅い瞳の少女は嗤う。
銀色の髪をふわりと靡かせつつ彼女が右手を振ると、その背後で僅かに羽音が響いた。
振り返れば、そこには小さな小さなコウモリが羽ばたいていた。
真っ昼間にも関わらず、だ。

《「へぇ……成る程、"こっち"でも星のかけら争奪戦をやってるのか」 》

《「あっちでは勝手に全部ぶっ潰れてくれたからな…つまらねーったらありゃしない……」》

「……誰かが自分と同じ発想を持っていないかと、そう考えるのは大事なことね」

丸い鼻を嘲るようにひくつかせ、さっきまでヘレネが呟いていたことをざらついた声色で復唱する。
一頻り言い終えると、コウモリは主人の腕を止まり木代わりにして休んだ。

「なに、取って食おうというわけではないわ。少なくとも私(わたくし)はね。
 ただ――あなたがどこから来たのかを知りたいだけ」

《タダで、とは思っていやせん。こいつは取り引きだ。
 ……誠意を以って答えてくれれば、俺らも右にならいやす。
 ただ、先にそうするのは異邦人の側だって相場が決まってやがる》

澄ました鉄面皮を保ちながら、少女と使い魔はここで一旦言葉を区切り、相手の返答を待つ。
38 :ローラ・フォン・カルンシュタイン [saga]:2015/03/16(月) 01:58:55.00 ID:lf1/JEvc0
>>34
/凍結の方了解しました、立ち上がりが遅くてごめんなさい…
/明日は午後10時頃、遅くとも11時にはレスが可能になっていると思います。もっと早く帰れたらその時はすぐレスを始めます。
39 :パメラ [saga sage ]:2015/03/16(月) 02:04:00.09 ID:pMHS2hZ1O

>>36

……
………
…………うふふ…うふふふふ…!

【相手がレーザーを打ち消した】
【その事実に、少し驚き】
【次いで、なんだか複雑そうな…何かを思い出してしまったような顔をした後】
【静かに、笑いだした】

そうですかぁ…そうきますかぁ…
油断してましたねぇ…んー…

…そうですねぇ、これならどうですかぁ?
『シューティングスター』…セット

【そして、次の手は12の光弾】
【一つ一つの威力はコンクリートの壁を砕くかどうかぐらい】
【それを、2方向】
【少女の左右から挟み込むように、そして時間差なく同時にあたるように放った】
【性質としてはホーミング弾だが、速さに自信があれば避けるのは可能程度であった】
【パメラは…その場を動かず】
【しかし、その様子は…楽しそうに、みえるだろうか】
40 :高辻 狐花 @紫薔薇保健室 [saga]:2015/03/16(月) 02:11:39.34 ID:fpjvL+50o
>>35
柘榴を押し潰した様な、肉を踏み潰したような音が、先程の静寂に成り変わって断続的に耳を擽る
狐花は吐き気を催すようなその音に、応酬系を破壊して脳内麻薬が一気に弾け飛ぶような快感が背筋を穿ち、身体を震わせる
思わず少女の小さな躯体を引き寄せると、同時に右手に込める力を一気に強める
カラドロスが精神を喰らいたがっているのだ。カラドロスは原典無き貪欲な鳥。喰わずんば飽かずの象徴のような鳥なのだ。
烈しく、烈しく肉を、精神を、少女を求めているのが分かる。カラドロスは任意で具現化して肉を裂く事も出来る。だが敢えてしない
そんな事をしてしまえば興が削がれる。狐花が求める完成とは、ただの完成ではない
醜いものは、絶対的に到達しえない聖域がある。生命を捧げようと、世界に蔓延る醜い者達全ての命を贄として捧げても、決して届かない
黒百合の生徒会には聖域に玉座を置き佇む絢爛華麗、艶やかな少女達の楽園がある。
残念ながら、少女にはその聖域には届かない。紫薔薇学園の少女には、特別な形で完成を与えようと思う
醜悪な人間の完成とは、ただ一つ。死。人間は一つの煌めきだ。生命とは一つのストーリーだ。
終着点、ピリオドに至るカタルシスは小説を好む者なら、否、全人類が理解し得ることだろう。
生命の終着点、ピリオドとは――――勿論、『死』

「くっ……くくく……愚か、愚かすぎる……!」

少女の声が耳元に蟠った。リフレイン。反芻する。それが絶望に依拠する物だったのか、それは狐花には理解できなかった
否、やはり――――理解する気もなかった
澱むような殺意に意識を向けるまでもなく、狐花はただ嘲笑った

靄の飽和が水溜りを作ることはまずあり得ない。何故ならばカラドロスの刀身は完全に少女の身に沈み切っていたから
毒は物理的な物ではないのだ。水溜りを成しているように視認できるようになっているのはこの時の為
この時とはつまり、靄の奔流が、押し戻されている時のことだ

「甘い甘い甘い甘い甘い……甘いのッ……よォッ!!」

狐花が警鐘をただ無碍にするか、どういった魔法を使用するかも理解せずに近距離を貫き通すということは何か意図があるということだ
腹部に強烈な魔力が収斂しているのが分かる。それが隠密の元に行われていたとしても、飽和するカラドロスの毒を見れば何かするのだと一瞬で理解する事が出来る
故に狐花は少女が動くよりも先に――――

「今夜は月が逆さまになっているみたいだわ」

漆黒の魔弾を撃ち出す前に、狐花は少女の目の前から姿を消していた
魔力の前に消し飛んだのだろうか、否、そうではない、とこの状況下で少女が一瞬にして気付くはずだ
首元に感じる違和感。引き寄せられてからずっと感じる温かみが、その裏に途轍もなく重厚に重ねられた死の重みだと気付くのに、少女はどれだけかかるだろうか
少女が感じるのは一瞬の浮遊感。それは重みを失った後の反動。慣性の果て
そして次の瞬間には、首元に感じる違和感の正体がつかめる事だろう

「……ッ!」

魔法少女が体得している基本的な魔法の一つ、、浮遊魔法の応用で、元来の身体能力に浮遊魔法を加えた技
敢えて抱き寄せる力を緩める事によって、少女の躯体を巻き込んだまま跳躍しないようにと施された一連の流れは、緻密ではあるが、単純なものである。
まず腕の力を弱め、それを起点にして浮遊魔法で足を天井へと吊るすようにしてそのまま滞空。顎に腕を引っかけて再び力を強める
人間首つり自殺とでも名付けようか。首吊り自殺は窒息死が原因でない事は周知の事実だ。
つまりこれは――――首をへし折りに来ている、ということだ

即応性が求められる戦闘の最中で、少女はどう対応するのだろうか
狐花は確かに油断していた。だが、その油断でさえ自分の利点に引き込める力があった。だからこそ狡猾に、殆ど完璧に考えられていた少女の技が外れたのだ。
このままいけば、少女は狐花の腕に抱かれ、首をへし折られて死んでしまう。
対応策は多様な迄に存在する。さて、少女はどう出るか――――
41 :姫扇園華>>93 :2015/03/16(月) 02:26:19.97 ID:9AE8ijsm0
>>39

【消滅した閃光。下げた右手を元の配置に戻す。その動作は一見まるで魔法を使っていないようで一見まるで魔法を使っているかねような────不思議な様子】

?………なんで笑って?
────ハッ!?ま、まさか……俗に言うアレか!?暴走的なアレなのか!?

【園華は突如静かに上品に笑い出すパメラを見て、なにやら彼女に内部的変化があったのか、またはそれに近い何かがあったのかと思った】
【しかし、園華のその発言に気遣いさや優しさなどは存在せず、好奇心や興奮のみで構成されているとパメラにも容易に分かることだろうし、園華自身も仕方がないことだと都合良く戦闘狂の性と割り切っていた】

チュートリアルだからって油断したら痛い目みるぜ?
例えるならアレだな、ポケットモンチャー、訳してポケモンでライバルとの初戦に補助技を無視して攻撃技だけ使って結局負けるっていう典型的なパターン。

【園華の発言は大体こんな感じなのですが仕方ない仕方ない】

まぁ、私は補助技とか《耐える》しか使えないんだが────。

【園華は先程の場所から一歩も動かずにただ放たれた弾幕を防御の構えをとり受けきる。左右から放たれたそれらは一撃一撃が"個"として十二分に成り立つ威力だった。しかし、園華はそんな弾幕を全て受け切っても笑みを絶やさない】
【勿論、ダメージは受けている。園華自身も弾幕の威力は予想外の様で少しだけ驚いてはいた。それと同時にこの魔法がまだパメラにとって下位魔法と感じいよいよ彼女が只者では無いかとも思えた】

ふぅ……じゃあ、次は私の番だな。
《インパクト》

【園華はまたしてもその場から離れなかった。彼女が動かない理由はある。しかし、その理由はいずれパメラは分かるだろと踏み構わず魔法を使う】
【同じく右手をパメラの方角へと差し魔法名を唱えたその刹那、手のひらから白銀のエネルギー波とも見える衝撃波が放たれた】
42 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/16(月) 02:35:41.94 ID:pk5iBANf0
>>40

【「決まった」】

【そう思った瞬間、女性の声と共に視界が反転する】

【そして瞬時に自分の状況を理解する】

「お見事…と言うよりもこれは経験値の差なのかもしれないがね?」

「基礎の魔法も使い方しだいではこんな使い方が出来るんだね……勉強になるよ…」

「故に……故にだ」

「僕も君の強さに敬意を払う事にしたよ!」

【叫ぶと共に展開される紫の結界】

「我が隷属よ!いまこそその勤めを果たせ!」

【彼女のベットの上にあったオルゴールの中から黄土色の大きめのビーダマの様な物がやや弱いものの自分を押さえつけているせいで動けなくなっている女性に襲いかかる】
43 :パメラ [sage saga ]:2015/03/16(月) 02:46:29.84 ID:pMHS2hZ1O

>>41

あぁ、これは失礼しましたぁ
少し驚いただけ、ですよぉ

【相手の様子を見れば、興味と興奮とその他感情で埋められているのが見てとれて】
【同時に、その様が中々に好ましく見える】

あー、アレですかぁ
私はどうも、ああゆうのは長続きしないんですよねぇ

【振られた言葉にも律儀に返し…返す余裕で示し】
【そのまま、自身の攻撃を受けきった少女を見る】
【なにか特別に使った形跡は…見られなかった】
【頭の中で、次々と情報と仮説を併せて戦略を組み立てる】

さて…となる…

【そして今度は受けのターン】
【迷わずパメラはランスを手放し】
【独りでに浮いたランスが、庇うようにパメラの前面へ壁になるように出て】
【そして】

…っ……やっぱり結構効きますねぇ

【衝撃波の威力にもよるだろうが】
【概ね、耐えきれる自信があったパメラは】
【ランスを弾かれかけるが、まずは一撃、受けきって見せた】
44 :高辻 狐花 @紫薔薇保健室 [saga]:2015/03/16(月) 03:03:01.11 ID:fpjvL+50o
>>42
保健室に再び暗黒が訪れる事となる。硝子の窓を叩き付けるような風の音と共に、満月が雲の波間の内に消え行ったのだ
黒々とした闇に染め上げられた空間が再び静寂を取り戻しつつあった。
琥珀色の瞳が、闇の中で静かに蠢めいた。その眼の端に映るのは、紫色の薔薇。
夜に沈み切った紫色の薔薇の陰は掻き消えた。狐花は勝利を確信していた。否、死を克服したことに対して安堵していた
そして、一枚上手を行ったことに対して、自分の有能さを噛みしめていた。紫薔薇学園の魔法少女を一人仕留めた
これで生徒会に入る事が出来る。私の夢をかなえる事が出来る。笑いが、止まらなかった。

「貴方は確かに美しいけど、あの方には及ばないの。それに、私の好みじゃない」

勝利の確信に次ぐ慢心。慢心に次ぐ安堵。愚の骨頂。それでもいい。勝てば官軍負ければ賊軍だ。要は勝てばいい。形はどうであれ勝てばいいのだ
これが醜いことなのか。違う。勝利こそ美しさなのだ。生こそ美しき物。死は生を受ける者にとっての美しさ。
首が閉まっている状態でも尚無駄口を叩こうとする少女に、若干の畏敬を示すも、無駄だと認めさせるように巻きつける力を強める
首が撓るような音がした。あと少し、あと少しで最高の絶頂感が――――

「って……誰が年増どばァッ……!」

虚を突かれた狐花の額に直撃したのは、幼い頃見た事がある様な、ビー玉の様な球体。
見事に要所を捉えた一撃が、狐花を背後に吹き飛ばした。何よりも、経験値の差、という言葉が効いたのだろう
相手が慢心している最中的確に相手を苛立たせる発言を用いた少女の方が、偶然だとしても一枚上手、といった所か
暫しの間中空に身を留めていた所為で、頭に血が上っている所に球体が直撃したので、刹那立眩みを覚えるもすぐさま体制を整える
あの球体は何だろうか。すぐに破壊すべきなのだろうか。良く分からないが――――

「先手必勝って、あるのよねー!
――――悔いなさい、カラドリウス……!」

カラドリウス。文学に通ずる少女ならば知っているかもしれないが、神鳥の名前だ
その名に相応しいような白亜の大翼が、狐花の背後に魔法陣を介して展開される。
片手を広げ、少女を見据える狐花の琥珀の瞳が、今度は紅く輝き始めた
そして、少女が感じるのは先程の劣等感。効いていない、と断言していたあの劣等感が、身体から抜けていくような感触を覚えるだろう
果たして、少女は本当に完璧だったのだろうか。劣等感とは何なのだろうか。それが必ずしも、プライドやアイデンティティを害すことなのだろうか

「貴方の欠点は即ち『あることがなかったり、ないことがある』と思っている所
例えば、先程まで貴方は私のカラドロスを効いていないと断言した!
これがつまりどういうことか分かるかしら」

狐花が固有魔法、カラドリウスは相手の欠点を行動や性格から抜粋し、見抜く力。そしてそれに加えその欠点を自分の固有魔法へと昇華する魔法だ。
先述の様に少女は事実効いている筈のカラドロスの毒を、効果は無いと断言していた。
しかし、そこに欠点や劣等感が潜んでいる筈なのだ。虚無主義者特有の思考回路。
それが、少女の欠点だと、狐花は判断した。故に

「私が教えてあげましょう!さて、授業の時間です!」

カラドロスを天に翳し、カラドリウスの魔法を発動せんと構える
カラドリウスの特性として、相手の欠点に対する意識が高ければ高い程純度の高い、つまり強力な固有魔法へと昇華される
カラドロスの毒を喰らい、つい効いていない、と零してしまったということはつまり、自分の欠点を鮮明に自覚している、ということだ

もし、狐花の慧眼が万が一外れていたとしたら、どのような魔法が飛び出すのだろうか――――
それは兎も角として、あの球体は一体何だったのだろうか
45 :姫扇園華>>93 :2015/03/16(月) 03:07:17.23 ID:9AE8ijsm0
>>43

【衝撃、衝撃、衝撃、衝撃。白銀の衝撃波は、大地を砕き破壊しながらパメラを襲った。園華はその様子を見ながら、これじゃまだ足りない。まだ彼女は余裕。次の手は。と戦いの終止符を見出す様な考えはしていなかった】

………へぇ……やるねぇ貴女。
今のは私の中でも最高位魔法の《怪力乱神》、《クラッシュ》に次いで見栄えのいい魔法っぽいワザだったんだけど───。

【分かりきっていた。パメラが《インパクト》を受けてもオウム返しの様に魔法に耐えていたこと。だが園華はそれを分かりきったうえでわざとらしい驚いた様子を見せた】
【別に彼女を馬鹿にしてるとか、嘲笑うとか、そんな感じの悪いことをするつもりでした訳じゃない。園華はただ単にパメラの余裕を、此方もオウム返ししてやろうと、そう思い、まだカードはある、と思わせる為にしただけだった】

貴女の魔法も中々効いたけど。
さて、私もそろそろ動こうかなっと!!

【余裕を崩さないパメラは、やはり戦闘中でも戦闘前と同じ口調で、園華を手に取るように喋る。それが園華にとっての歓喜の軸であり引き金でもあった】
【あの口調を崩したい。あの余裕を崩したい。そうすれば彼女はもっと強く。園華はパメラが余裕を崩せば更に強くよ容赦無くなり、戦闘を楽しめると考えてさえいた】
【園華の左足の踏み込みはそれだけで、足元の大地を砕き小規模な地盤沈下を起こした。そして一回の踏み込みからのダッシュは、次に右足が大地を踏みしめるのはパメラの前のなるだろう】
【飛躍的なダッシュは、まるで低空飛行を彷彿させる。接近がかなえば園華は右手を若干捻りながらパメラへと拳を突き出しやはり閃光の時同様、物理的に力で攻撃するだろう】
46 :高辻 狐花 @紫薔薇保健室 [saga]:2015/03/16(月) 03:15:27.02 ID:fpjvL+50o
/すみませんそろそろ腰に限界きているんで凍結かそのまま逃亡か先方で決めていただけないでしょうか……
/いやはやもうめちゃくちゃ楽しくてついこんな時間まで……付き合わせて申し訳ないです
47 :パメラ [saga sage ]:2015/03/16(月) 03:29:49.36 ID:pMHS2hZ1O

>>45

いえいえ、今のを連続で来られると、流石に無理ですけどねぇ

【とはいえ、単発でも中々の威力】
【まともに受けるのは遠慮したいものであり】
【ついで、一つ懸念する問題が出てきた】

…また壊さない様にしないと、いけませんかぁ

【誰に聞かせる訳でもない、羽虫の羽音のように小さく呟き】

………っ!

【少女が一歩踏み出す】
【地面を砕く】
【それを見た瞬間、ランスを掴み魔力を通して】
【即興ながら二重程度の……例えるならバリアによるコーティング】
【それをランスに施し、バックステップをしながら盾にする】
【瞬間】

……くぅ!

【一撃により更に弾き飛び】
【そのうえコーティングは少なくとも半壊】
【また、着地時に少し体勢を崩してしまい、今なら追撃は容易いだろう】
48 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/16(月) 03:33:17.58 ID:pk5iBANf0
>>44

【黒い影に満たされる中、なんとか脱出に成功した少女はもたつきながらも立ち上がる】

「……………いや」

「流石にそれは自意識過剰と言うものだろう?」

「君は自分が物語の主人公にでもなっているつもりかい?」

【と、気を取り直して】

「『ドレスアップ』だね」

【そうして少女の体が紫の魔法陣を潜り服装が戦闘用のコシュチュームへと変貌する】

【先程までにダルッダルのジャージを着ていたのが今やフリルをたっぷりとあしらった暗い紫を基調とした袖なしのゴシックロリータドレスに所々赤い包帯が巻かれ右目に医療用の眼帯を赤く染めたようなものがつけられている】

【そしてビー玉らしき物体に語りかける】

「ふぅ、上出来だよ…ご褒美として今回は君を戦わせてあげよう」

【そう、もとより病弱な事もあり孤独を過ごした彼女の欠点と呼べる物はその心の大半を占める『虚無』】

【故に一円を見つければ大地震を予想し、人に感謝されると某国の核兵器の仕様を危惧するこの少女にとっては】

【たとえどんな事だろうと自分が絡むと全ての因果はしっちゃかめっちゃかにされてしまうという発想】

【まさにいいえて妙】

「ふぅん、なら、精々御教受願おうか!」

「我が隷属に命ずる!いまこそ我が敵を討つためにお前達の下賎な姿を晒すことを許可する!」

【そして先程のビー玉に魔翌力を込めて契約の元に『シール』の縛りを解放する】

『グロロロ』       『エッエッエッエッエッ』
      『グウゥゥゥ』    『アァァァァ』
        『グオオオオ』

【五個のビー玉がそれぞれ石や砂等で出来た細身の男性を思わせる人型になる】

【一人に一本づつの槍を持つ彼等はかつてこの少女を襲い、哀れ返り討ちにあいこうして封印されこき使われているのである】

「いきたまえ!」

『『『『『ヴゥゥ』』』』』

【了解とばかりに低く唸った五体は同時に女性に向かって槍を手に襲いかかっていった】
49 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/16(月) 03:37:59.01 ID:pk5iBANf0
>>46
//そんな風にいっていただけると此方としてもとても嬉しいです!
//私みたいなのが他の皆様の文章に少しでも近づけようと足掻くとどうしても遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした。
//それでは凍結という形で…
ご都合がよろしければ明日の午後三時に再開で如何でしょうか?
//大変お疲れ様で御座いました!
//ゆっくりとお休み下さい。
50 :姫扇園華>>93 :2015/03/16(月) 03:50:26.31 ID:9AE8ijsm0
>>47

【2人を軸に巻き起こる風圧は、凄まじく園華は楽しそうな笑顔を見せる】
【右手を最後まで振り切り力一杯パメラを吹き飛ばせば園華は又しても白い歯を見せ、目を細め年相応の可愛らしく達成感に満ちた笑顔を見せた】

ふぅ…………貴女本当にやるね!
私、最初の閃光を見た時は正直期待外れかと思ったけど全然、使う魔法も私とは違って繊細な柄に強力で、なにより光属性だし……光属性だし!!

【今なら追撃は容易いだろう。パメラが何か策を考えていると園華は思っていたが追撃は可能とも思っていた。しかし、園華はそんな考えなど容易く自我の興奮で打ち消し、決してパメラに追撃をしようとはしなかった】
【園華は右手の拳を開いたり閉じたり、またはぶらぶらと揺らしたりしてランスとの衝撃により受けた痛みを和らげながら、興奮気味に喋り出した。なお園華がなぜパメラの魔法を見て光属性かと勝手に思っているかというとそんな感じがしたからという原始的且つ直感的な理由だった】

でさ、ほらポケモンでもあったじゃん?
ライバルと戦い終わった後、次の再戦待ってるぜ的なやつ。
私さ、アレに憧れてるからそうしない?

【園華が言いたいことはつまりなんら簡単な内容で、勝負の決着は次にお預けにしよう。というものだ】
【もしこの交渉が了承されれば園華は結界も変身も解いて、ポケットに入っている魔法少女のキーホルダーをパメラへと投げ渡すだろう】

/すいません、眠気が限界なんで占めさせてくださいっ。
ロール楽しかったどす
51 :パメラ [sage saga ]:2015/03/16(月) 04:07:53.13 ID:pMHS2hZ1O

>>50

うふふふ、そうですかぁ?
……属性ですかぁ?

【若干痺れる手を隠しながら】
【やはり興奮あふれる少女と向き合い】

つまり再戦ですかぁ?……構いませんよぉ

【そして突如出された提案に、少しばかり考えて応じた】
【……というのも】
【パメラ自身も、出切るならもっと『本調子』に近い状態で戦ってみたいなぁとか考えてみた訳であり】
【そうして結界が解除されたなら】
【こちらもキーホルダーの代わりにとあるチラシを渡すだろう】
【……カフェ「とれみぃ」のチラシを】

//了解しましたー
//こちらこそですよ!お疲れ様でした!
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/03/16(月) 14:58:41.29 ID:msXOH8BCO
管理人さんはここだけ世界の境界線スレの管理人さん?
もし違ったらテンプレ流用は拙いと思うんですけど今更ですかね
それとも許可得てたりしてたらすみません
53 :フォルリィア>>81 [sage]:2015/03/16(月) 16:51:14.40 ID:9AE8ijsm0

綺麗な星のカケラー!カケラ!

【夕日が照らす公園でフォルリィアは小さな星のカケラを手の平の上で転がしながら一人遊んでいる】
【家の中に居ても誰もフォルリィアの遊び相手をしてくれない為、彼女は何時も決まってこの時間公園にいた】
【周りにはフォルリィアと同い年くらいの子供達や更に幼い子供達とその保護者達がいる。フォルリィアはそんな周りの人達を少しの間冷めた瞳で見つめた】

………つまらない。

【何時もなら当たり前に思えたその光景を見たくないとフォルリィアは何故か思いそう言った。瞳を閉じつい最近出会った二人の魔法少女の姿を脳裏に浮かべながら再び彼女達の様な人に会いたいと思った】
【フォルリィアは閉じた瞳を開けると、星のカケラをポンポンと馴れた手つきで軽く手の平で跳ねさせながら、公園の先にある道路をただジッと一人寂しく見つめた】
54 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 :2015/03/16(月) 17:09:56.34 ID:oHHI+7L3O
>>53
【人生という物は上手くいかないというのは身に染みてわかっていたが…まさか】
【これ程までに上手くいかないとはと、ヤンキーガールはとてもとても疲れていた】

「……………見つからない…みつからねぇ」

【子犬のワルツの様に楽しげな公園内、周囲は一足先の春にも似た明るさで】
【されどベンチに座る彼女の周囲は今だに真冬。項垂れる姿は見事に不審者で…】

【浴びせられるのは冷たい視線どころでは無く、こう、そろそろ通報されそうな】

【そんな酷く沈んでいた彼女の耳に届いたのは星の欠片と紡がれた少女の声だ】
【ピクリと彼女は頭を上げて、耳を凝らす】【そこだ】【彼女は視線を送った】

「……………」

【そこには兎のように真っ白で、お月様のように寂しげな女の子が1人でポツリ】
【ヤンキーガールは過去を思い出す遠い目を、だけど弄ぶそれに意思を戻し、驚く】

「…え、あのガキでも魔法少女、かよ」

【キラキラ光る星の屑、彼女が求める魔法の力。目を見開き彼女はフォルリィアの事を見つめた。】
【つり目で凛々しいヤンキーガール、その様子は傍目から見ればガンをつける不良にしか見えない、が】

/よろしくお願いします!
55 :フォルリィア>>81 :2015/03/16(月) 17:27:49.33 ID:9AE8ijsm0
>>54

…………?

【弄っていた星のカケラから視線を上げると目に入ってきたヤンキーガールに対してフォルリィアは何の興味も無しにただ頭にハテナを浮かべながらオウム返しの様に風鈴を見つめた】
【数秒の沈黙はまだ幼いフォルリィアにとって何の意味も無く、その刹那は思考にさえ使われなかった】

──────!

【遂に風鈴を見つめることに飽きたフォルリィアは再び星のカケラへと視線を戻そうとするが、ハッと何かに気が付きニコニコと笑顔を浮かべながら風鈴をまた見つた】
【意地悪な笑顔を浮かべるフォルリィアは見せつけんとばかりに星のカケラを風鈴の目線へとチラつかせると、力強く握りそれを粉々に砕いた】
【風鈴が星のカケラと此方を見つめている理由は恐らく彼女も魔法少女だからだろうという幼いながらにフォルリィアがそう予想したことによりうまれた行動だった】
【そしてフォルリィアは視線を風鈴から離さずに予想外の星のカケラ2個目を砂の入ったバケツから取り出すと先程同様、意地悪な笑顔を浮かべながら再び砕こうとする】
56 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/03/16(月) 17:31:10.48 ID:5mOFoyKT0

【どこかの路地とか、公園とか】

「ふんふふーん〜♪」

何処かで聞いたことのあるような鼻歌を歌い、右手の中に持っていた星の欠片≠親指で弾く。
甲高い音が響き、上空へと身を躍らせる欠片。その浮遊を邪魔するかのように欠片を空中でキャッチして、同じことをもう一度、もう一度と繰り返す。
その事自体に対した意味も無いのだが、どうやらその大した事が無い℃魔ェ面白いらしく。先程よりも僅かに足の軽さが変わり、鼻歌のキーの高さが少しだけ上がる。

量販店で売っていそうな灰色をした無地のTシャツに、長年使っている感覚を魅せる古ぼけたジーンズ。シャツの上には黒のレザーコートを羽織っていた。
僅かに胸元にある膨らみと、肩を超えて腰の辺りに届きそうなほどの金髪。顔立ちは整っており、化粧の類といったものはこれといって見受けられない。
彼女の周りに香るのはジャンプ―と皮製品独特の香りが混ざったもので。初対面であれば多少の違和感こそすれ、別段特に嫌悪感を催すような香りではないだろう。

変哲も無い野球帽を目深に被り直し、その際に零れる笑みを隠す。「これほどの解放感は初めてだ」と、口元が声を出さずに形を変えた。
もしもこの様子を見ている人間が居るとすれば、観光に浮かれた外国人≠ニいった印象を受けるだろうか。
日本語こそ堪能であるものの、本来の人種としては此処の人間ではない故、どうしても注目を集めてしまう。だが、今ではそんなことも珍しくなくなっていることも確かで
向けられる視線は最初こそ訝しげだったものの、彼女の容姿と浮かれ方を見て大したことはないと斬り捨てたのか。幸いにも人だかりができると言ったような面倒事にはなっていない。
合わせる℃魔良しとするわけではないが、時としてはそういった判断も大切だろうと判断した上での演技≠セったのd…………結果論として人が居なくなっただけであり、事実浮かれて≠ヘいた。
認めようとしないために演技≠ニ言い張っているらしいが、一目瞭然である。

瀬平戸市≠フ噂を聞きつけ、それを理由に自らの家を出て二週間。この町に着いたのは数日ほど前なので、今現在の状況を現わすのなら根無し草≠ニいったものが適切だろう。
力に目覚め、気が付いたらその手に在った欠片=B只の石ころ、よくて価値の低い宝石程度だと思っていたが、どうやらこの町ではその価値が違うらしい。

「『集めれば願いが叶う』なんて都合のいい話がある筈も無い。」

そう吐き捨てては見たものの、彼女の内面は其処まで利口には出来ていないようで。此処にやってきたこと自体、彼女が願い事に縋ろうとしている事の証明となっている。
誰だって一度は夢見るだろうお伽噺を、なんとなくで信じてみようかと思い立つ。人間的であり、子供としての思考が抜けきらない。
…………そうやって無駄な思考に支配されてしまうが故に、些細なミスを犯してしまう。

                                     カシャン

投げては取って、投げては取ってをしていた欠片≠ェ、彼女の手をすり抜けて地面へと落下。ガラスを弾いたような音が鳴る。
人ごみに紛れそうな小さな雑音だが、聞き取れる者には。それを欲さんと願う者には=A聞こえるかもしれない。
57 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 :2015/03/16(月) 17:41:02.97 ID:oHHI+7L3O
>>55
【キラキラと舞う星の欠片が砕けたスターダスト。空気に溶けて綺麗な風景だ】

【パリん。パキン。嗚呼。星の欠片が割れる時はこんないい音がするのかぁーと】
【現実にあまり対応しきれてないヤンキーガールは間抜けな感想を抱いて見つめていた】

【己を取り戻すまで、およそ数秒。】

「お、おい、ちょっとま」

【のんびりと和んでいた思考に星の欠片が割られたという現実に追いついたのは】
【余り女の子が浮かべるべき笑顔では無いある種とても楽しそうな微笑みを浮かべ】
【丁度二つ目のそれを取り出した頃合い、ヤンキーガールが紡ぐのは静止の声で】

【ガバリと、立ち上がり、フォルフィアの元へ慌てて駆け寄った。】

「ちょ、ちょっとまとうなー、お嬢ちゃん」
58 :フォルリィア>>81 :2015/03/16(月) 17:59:02.39 ID:9AE8ijsm0
>>57

んふふ〜、お姉ちゃんこれ見てたどしょ?
欲しい?欲しい?

【いつかの幼かった口調も今は見る影も無く年相応の口調となっている。それは二人の魔法少女との出会いにより単純ながらに精神的な成長があったからなのだが、風鈴はそんな理由も変わった口調にも当たり前だが気付かないだろう】
【しかし、やはり初見であってもフォルリィアの思考がその容姿から関連される年齢よりもやや幼さないと思わせるかもしれない】
【幼いフォルリィアに優しい口調で話しかける風鈴の様子はその見た目に反して若干の思いやりとも言える優しさを感じた】
【慌てて駆け寄って来た風鈴を見てもフォルリィアは笑顔で砕こうとした星のカケラを指で挟みながらチラつかせる】

欲しいなら、私と遊んでよ!そしたらね、あげるからコレッ!

【足をぶらぶら揺らしながら、瞳を星のカケラを彷彿させるほどに輝かすその瞳は期待に満ち溢れていた】
【フォルリィアは彼女が魔法少女ということ前提で話しているが、風鈴が魔法少女であるという確信に限りなく近い予想をたてていた】
【しかしその理由はやはり星のカケラに興味を持っている様子を見せたからという単純的であり至って幼稚的なものだった】

59 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 :2015/03/16(月) 18:16:56.37 ID:oHHI+7L3O
>>58
【ヤンキーガール、風鈴賛花は可愛いものが好きである、大好きである】
【だが見た目からかその可愛いものの天敵と勘違いされ、避けられる日々であった】

「……………むっ」

【故にその選択肢を選ぶ事に躊躇など無く故に相手が魔法少女であれ警戒し無い】
【先程までチシャ猫の様な笑みを浮かべていた事もすぐ忘れたし、気にもしない】

【彼女はフォルフィアの正面まで来れば、僅かに頬を紅くして言葉を詰まらせながら言うのだよ】

「あ、遊ぶとか私がこの年でチビと…」

「で、でも、それを割られちゃ困るから…しょ、しょうがないな!」

【目つきは獲物を射[ピーーー]狼の様に鋭いが、言葉は楽しげな子犬の様に明るい音色】
【ぽりぽりと困ったように頬を掻きながら、ヤンキーガールは恥ずかしげ】

「あ、遊んでやるよ!ちびっこ、てめぇの名前は」
60 :高辻 狐花 @紫薔薇保健室 [saga]:2015/03/16(月) 18:28:17.78 ID:fpjvL+50o
>>48
主人公という言葉が少女の声から発せられた。主人公?違う、私は主人公などではない
狐花は大きく眼を見開けて、瞠目のままに少女の言葉を心から否定する
私はあくまで脇役で、しかし限りなく主人公に近い脇役なのだ、と胸を張って、狐花は昂然と言い張る事が出来る
何故ならば狐花は弱い。未熟も未熟。未完成で不出来で不完全。人間味を帯びているのならば何時になっても完成されない
だからこそ狐花は人間を指導する。人間を指導し、自らを振り返り、そして己を昇華する術を知っている
それを今まさに、少女に行おうとしているのだ。存在することが無く、存在しない事がある、という考えを払拭しようとしている
濡羽色の髪は妖艶に闇に溶け、妖美を帯びる紅玉の双眸に魅了されれば、その線の細い首から発せられる声は涼しげに、凛然と
相対する少女の朦朧とした、月光が霞みに隠れて朧月夜を魅せる様な、儚くおぼろげな雰囲気に甘美な陶酔を覚えれば
しかしそれは未完成な醜悪さであると、私達には絶対的に到達しえない下位の人間であると、心の底で嘲笑し
くく、と身体を捩らせて婀娜めく様に、艶美に豊満な胸に腕を沈めて指を舐めて見せれば
少女が放つ醜悪な奴隷共を召喚する声を前にして、その手とは反対の腕を少女の方へと向けて
少女は狐花がその片手に、少女の周囲を纏っていた筈の闇を吸収し始めていることに気が付くだろう
だがその闇はただの闇――物質的な闇、光と相反する影の様な――ではなく、精神的な、魂の闇の様で

「カラドリウスは死を見届ける――――」

白亜の大翼を纏った狐花は、その瞳に宿った真紅が、魔力によって迸り漲る様な光を帯びている姿を、窓硝子に映った自分を見て確認する
その姿はやはり禍々しい殺気と魔力に満ち満ちており、狐花が呼吸に肺を上下させる度に彼女の周囲が微妙に揺らいでいるのが分かる
保健室の教員用のデスクに置いてある筆記用具だとか、作業途中のプリントが、カタカタと小刻みに騒めき始めていたのだ
それは狐花が発する純粋で純朴な狂気。単なる人を殺す、などという端的な殺意ではなく――――
狐花の右手のカラドロスが黒化し、漆黒の粒子となって一度霧散したかと思えば、再び収束し始めて一つの紫色の球体を象る
その紫色の球体に、先程まで収集していた少女周囲の精神的な闇が吸収されていく様で
それは先程少女が使役していたビー玉の様な形をしており――――ずるり、と、蛇の様な舌を出し、狐花は黒の球体を舌の上に乗せて
天井を仰ぎそのまま球体を飲み込んだ。同時に、純白の大翼にこれもまた黒の線が、皹のように張り巡らされた
刹那――――強烈な風が狐花を中心にして起こったかと思えば、保健室にある設備が狐花の大翼による風圧によって吹き飛んだ
それに巻き込まれる様に、少女が解き放った『隷属』共の身体も、その手に持つ槍が狐花に到着するよりも前に、殆ど暴力的なまでに吹き荒れる風に気圧され、背後へと押し戻されようとしている――――
吹き荒れる暴風は、半閉鎖的な空間では到底考えられないような事象。つまり、在り得ない事が在り得ているのだ
それこそが少女の持つ欠点を利用した固有魔法。カラドリウスが齎した、少女の欠陥を自覚させるための災厄
風圧によって弾き飛ばされ、身体を風の中に放擲された隷属達の終着点は勿論少女
回避は余裕だろうか。それでも五体分の肉体がそれぞれ分散して飛ばされている為、ただ単純に左右に避けるだけではいけないだろう

「一つ。貴方は一つだけ知っていればいい。貴方が生きる為には、美しくなるにはどうすればいいのか――――」
61 :フォルリィア>>81 :2015/03/16(月) 18:40:11.34 ID:9AE8ijsm0
>>59

あはははははー、お姉ちゃん顔真っ赤だよ!
私もよく顔赤くなるけど、お姉ちゃんは綺麗だねっ。

【照れているのか、恥じているのか、フォルリィアにその内面的違いは分からなかったが風鈴の火照る顔を見て不思議と可愛らしさと綺麗さを感じ、なぜかそれが可笑しく思い笑ながらそう言った】
【もっともフォルリィアの言う顔が赤くなるは一般でいう赤面なんて意味では無く怪奇的な意味であると風鈴が分かるのにそう時間はかからないだろう】

私の名前はフォルリィアっていうの。
よろしくね、お姉ちゃんっ。

【風鈴の明るい音色の口調に合わせるかのように同じく明るい口調で自己紹介をするフォルリィア】
【その二人の姿は側から見れば姉妹、あるいはそれに近い関係に見えるかもしれなかった。少なくともヤンキーが幼い子供を脅す様な光景にはとても見えない】

じゃあ、何して遊ぶ?
鬼ごっこ?かくれんぼ?缶蹴り?

【星のカケラをバケツに仕舞うと、フォルリィアの未熟な精神は既に風鈴と興じる遊びのことだけで満たされていて、それはある種、既に風鈴への興味が消えているとも言えた。実際には風鈴のことを考えている容量が無いほどにこれから始まる遊びを楽しみにしているだけだが】
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/16(月) 18:47:27.37 ID:pk5iBANf0
>>60
【姿を変えた女性を怪訝な目で見やる】

「闇は僕の属性……何ゆえに君が使っているのかな?」

【それと同時に吹き荒ぶ突風、哀れにもゴーレムたちは少女に向かってぶっ飛ばされる】

「おや?僕に向かってこいとはいっていないよ?」

【そして指先を正面に向けると同時に展開される魔法陣】

『グ…ゴオオオオ!!!!』

【それによって受け止められたゴーレムたちが紫の電撃の様な魔翌力によってダメージを受け悶える】

「ほら、もう一度だ」

【砂や鉱物でできた体をある程度崩され、無理矢理圧力を加えられることで五つのシルエットが一つの塊になる】

「 い き た ま え 」

【正面からは崩れた頭部が三つほど見え、腕は七本になったゴーレム、かなりの重さを持つようななったその体を魔法で女性に対して打ち出す】

「美しさ?成る程、しかしそれは僕が『ときめき』を得る為の一つのプロセスにすぎないのだよ…」

「そこまで深い価値があるというのかい?」
63 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 :2015/03/16(月) 18:53:35.20 ID:qx2U8t2t0
>>61
/おうふ、申し訳ないです。ちょっとバイト先に呼ばれました。
遊んでから解散という形にしてください、申し訳ございません!
64 :柊崎陽菜子 [sage]:2015/03/16(月) 18:55:15.88 ID:Vd4zKTsCo
私立江風中学校二年生、柊崎陽菜子――――結構平凡な十四歳。
腰辺りまで伸ばされた黒髪に、垂れ目がちな空色のどんぐり眼。発育はあまり良いとはいえず、制服に包まれた肢体は華奢な少女のそれである。
好きな食べ物は甘口のカレーライスとつぶあんの大福、基本的に出されたものは食べるけれど辛いものはちょっと苦手。
得意科目は国語で苦手科目は体育。最近の悩みは身長がいまいち伸びないこと――――――――そんな何処にでもいるようなプロフィールの少女は、今。

「インペリアルブリッツ、術式開放――――っ!!」

夜、人気のない公園にて、絶賛不定形の影の如き暗黒生物と対峙していた。
少女の掛け声に呼応するかのように、青色の宝石が埋め込まれたブレスレットが漆黒の極光を迸らせる。
同時、魔翌力を編みこみ形成された戦闘衣装が身体を包み込み、彼女が魔法を発動するのに必須な手甲型魔導機が彼女の両腕を覆い始め。
黒髪が清らな白へと染まり、左右に結われ――――――――柊崎陽菜子は小さな騎士、もとい漆黒の魔法少女へと姿を変える。

話は今から少し前のこと。半年ほど前から魔法少女としての活動を始めた彼女は、いつもの様にパトロールとして夜の街を闊歩していた。
魔法少女になるまで気付かなかったが、此の世界には化け物怪物の類が巣食い人々の生活を蝕んでいた。
其れ等は人々の魂を捕食して飢えを満たす――弱肉強食こそが世の理、それしか彼らに生き延びるすべがないのならば、仕方ないのかもしれないが。
かといってそれを知って見逃せるほど、彼女は達観した人生観も人格も持ちあわせては居なかった。
出した結論は、魔法少女として悪鬼羅刹の魔獣達を自らの力で打ち倒し、密かに人々の平和を守ればいいというものだった。
そんなわけで今日も人々の生活の安寧を守るために街へと繰り出し、それから人を襲おうとしている魔獣を見つけたのが今から数秒前のこと。
そして見つけたと同時に結界を展開、魔法少女へと変身し魔獣の前に立ち塞がり今に至る。

「えぇいっ!!!!」

結界は一般人を弾き飛ばす。よって結界内には彼女と魔獣のみが残され、後は役目を果たすだけ――――なのだが。
ひょこひょこと駆けて行き魔獣へ一撃、腰の入っていない拳は当然ながら魔獣へ何ら影響をおよぼすことは無かった。
そもそも此の魔獣は不定形、流動する肉体に打撃は大きな効果を齎さない。
その上陽菜子は魔法少女としての能力は大して高くない。魔翌力だけならば相当な規模を有していたが、それすらも有用に扱えない以上宝の持ち腐れだ。
拳が不快な柔らかさを伝えると同時、口もないのに地を這う唸り声。今更防御も間に合わない、漏れたのは諦めにも似た苦笑で。

「で、ですよねー…………――――――――きゃぁっ!?」

魔獣の体当たりが直撃し、近くの建物まで軽々と体が吹き飛ばされる。
衝撃、激突した建物に深く罅が入り、ぱらぱらと欠片が舞い落ちた。全身が痛むが、同時に治癒魔法が発動し傷を癒やし始める。
打撃が駄目なら後は――元より手元にあるカードはあまり無いのだ、選べる手段はあと一つ。
少々溜め時間がかかる為、それさえ何とか出来れば。そう思っていたのだが、状況は二転三転するのが戦場の常であり――――――――。

「あ、あはは……ちょっと、ピンチかも」

さっきまで一体しか居なかったはずの魔獣が、三体に増えている。どうやらお仲間が居たらしい。
逃げようとか、負けるとか、そんなことは考えなかったけれど、それでも状況的に厳しいのは間違いない。
微妙に建物に埋まってしまった体を無理やり引き抜くと、全身に魔翌力を巡らせる。
治療が完全に終わるのに十数分、待っている暇はない。魔弾はまだ十二発残っているから、きっとなんとかなると信じて。
口の端から流れた一筋の赤い血液を鋼鉄の手甲で拭うと、少女はゆっくりと拳を握り締めた。
65 :フォルリィア>>81 :2015/03/16(月) 19:02:46.84 ID:9AE8ijsm0
>>63
了解ですっ、ありがとうございました!
66 :高辻 狐花 @紫薔薇保健室 [saga]:2015/03/16(月) 19:27:16.91 ID:fpjvL+50o
>>62
魔力の風を放ち終えた後、狐花は先刻の球体による頭部の裂傷が気にかかるのか、額に滴る鮮血に掌をあてて、す、と血を拭う
掌が真っ赤に染まる程の出血量を見る限り、結構な傷の深さだったのだと今頃になって気が付く
魔法少女の基本魔法の一つである治癒魔法を水面下で展開し、痛みだけは抑えられてはいるものの
意識を保っていられるのも、十分程度だと判断する。時折起こる立眩みが露骨に貧血を物語っている
ならば長期戦に持ち込まれるようならば、収穫は無かったとしても、退散を選ぶべきだろうと、今の内に避難の経路を考えておく
死んでしまった者に、死の美しさは理解できないのだ。敗走は醜いものなんかじゃない。適切な判断なのだ。
月も未だに雲の裏側に隠れているので、陰翳に紛れて逃走すれば追ってこられない筈だ
侵入してきた窓を横目でちら、と一瞥し、再び少女の動向に集中する

『隷属』共は存在理由の無さに嘆く事も出来ず巨大な動岩体となり、再び狐花の方へと鈍重な足取りで歩を進める
重量のある跫音に伴って起こる地響きに、狐花は一層口端を強く、強く吊り上げて、瞠目する
双眸に灯した、黒味を帯びた火焔が如き紅玉の瞳が、向って来る動岩体を捉えれば、貫くのはやはり――――不動
迫りくる自分の身長と同等の物質を前にして、狐花はただ笑って佇んでいた

「美しさは結果なのよ。経過じゃない。貴方の言うときめきであったり、愛や恋というのは――――」

自信に満ち溢れた声が途切れた。狐花の肢体は動岩体の拳に触れる事無く、その風圧だけで消し飛んだのだ
それは少女が予期した事だろうか。否、そちら側からでは動岩体の巨躯に隠れて状況が把握できないだろう
動岩体の躯体は狐花が消滅したのと同時に、慣性のまま恐らく壁を突き破っていくだろう
そして瓦礫が崩れる音と、埃と塵芥が保健室を満たせば、少女は漸く狐花が消し飛び、死んだことを認識――――否、誤認する事が出来る、だろう

「――――全て美しさが包括するモノ。故に」

横薙ぎ一閃。少女の目の前に突如として現れた、グレースーツの女性の姿には、当然見覚えがある筈だ
優しげな印象を思わせるベージュ色のセミロングの髪を、毛先でカールさせたクラシックカール
毅然とした、キリ、とした双眸は琥珀色を宿し、今ではその琥珀の中に真紅が艶めかしく揺曳し
女性美の理想形であるような肉体を持つ女――――狐花は、地面から離れたまま、中空で右足を勢いよく横薙ぎに、少女を蹴り飛ばそうとしていた

「価値がある」

あることがなく。ないことがある。
少女の様な虚無主義者の欠点。意義を持ち生きる人間の意義を否定し、そこにある意義の向こう側にある虚無を指摘する。
畢竟何もかも意味がないのだ、とニヒリズム的な思考の展開こそ、意義を持ち生き続ける人々の障害になる
故に欠点。欠点とは醜悪な、目につく物の事。それの権化であるような少女へ、今、欠点の醜さを教授する。
狐花はカラドリウスで吸収した欠点を魔法で吸収し、自らの魔法に昇華する。あることがなく、ないことがある、という状況を作り出す魔法を狐花は得たのだ。
狐花の姿が消えたのは至極単純な事。自分の存在を一瞬、無いことにし、すぐさま少女の目の前で、あることにした
虚無主義者達の常套句だ。存在しない。なんていうのは。その反問以上に面倒なことは無い。
少女も身をもって実感するだろう。この魔法が、欠点が、どれだけ面倒なことなのか

もし、この蹴りを受ければ、一溜りもないだろう。胴体の中心を狙った一撃。確実に身体を吹き飛ばし、身体中の骨骨を粉々にせん勢いだ
回避は殆ど不可能。しかし、少女ならば不可能を覆す事が出来るか、ないし、衝撃を緩和する手立てがある筈だ
だが、少女が主に使役していた闇の魔力は、事前にカラドリウスによって飲み込まれている。残っている闇の魔力は、殆ど残滓、残りかすの様な物――――

「どう? 貴方自身の欠点に翻弄される気分は────」
67 :高辻 狐花 @紫薔薇保健室 [saga]:2015/03/16(月) 19:30:06.14 ID:fpjvL+50o
>>66
/しかしこの瞬間移動紛いの魔法は、負担が掛かり過ぎるようで、使用してから気づく事になったが、魔力の摩耗が激しい
/二度と使う事は出来ないだろうが、この一撃を喰らわせる事が出来たのなら、十分だ
/っていう二行を書き損じていました……すみません付け加えておいてください
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/16(月) 19:44:39.73 ID:pk5iBANf0
>>66

【ガラガラと壁が崩れる音が響き、粉塵が舞う】

「ふん、話の途中で死んでしまうとは…続きが気になるじゃないかい!?」

【本来ならつぶれて無惨な姿を晒している筈の女性が目の前にいる、そして少女に蹴りを放ってくる】

「くぅ、これは……一体?」

【すぐさま魔法で防壁を張って威力を反らすがなにぶん閉鎖空間ではぶがわるい】

「ここで一つ…夜空を散歩でもしないかいっっっっっ!!!」

【背中に魔翌力で出来た紫の翅を展開して崩れた壁から外に逃れ、ゴーレムたちを再びビー玉に変え校庭の空中を飛ぶ】

「欠点だって?……この僕……欠点」

【それがこの魔翌力を攻略する鍵だと推測し思考をめぐらせる】
69 :高辻 狐花 @紫薔薇保健室 [saga]:2015/03/16(月) 20:07:56.09 ID:fpjvL+50o

>>68
予想外の魔力消費に、頭部に感じる痛みは、治癒魔法を維持しきれなくなっている事を示していた
狐花は煩わしそうに空中で舌打ちをし、脚を薙ぎ切ると同時に左足を軸に、勢いを殺す為コンパスの様に一周。
伸脚に近い体制で両手を前に突き出して、一撃の結果を窺う間もなく、逃走経路確保の為に立ち上がった
少女が吹き飛んだ軌跡を辿り、視線は少女の行き着く先を捉えたまま、後方に数歩跳躍
これだけ暴れて保健室に襲撃の痕跡を残す事が出来たのなら、生徒会のあの方にも十分認めてもらえるだろう
その時は何と言って褒めてもらおうか――――狐花は待ち受ける結果を先取りしてクスクス、と笑って見せた
脚に感じる違和感は恐らく絞りカスの様な魔力を一部に固めて部分的な防御を果たした故であろう
予想通り、確実に衝撃とダメージは喰らわしたものの、次の攻撃へ移行しようと準備を始めていた
狐花の皹の入った大翼に似たような、同じく禍々しさと魔力の象徴である紫の翼を展開している少女の姿を確認して、狐花はそろそろか、と呟き羽ばたいた

「散歩のお誘いは、ご遠慮するわ――――」

自身の体力を鑑みた上での行動で、校庭とは真反対の方向――――狐花が侵入してきた小さな窓を突き破っての脱出を試みた
いくら距離が離れているからと言って、先程の様に少女の周囲の魔力を吸収して居ない為、追撃が行われることを危惧し、狐花は最後に牽制を行った
無い筈の恐怖を、少女は目の当たりにすることになるだろう

「さようなら」

紫色の球体を構えて佇む少女の目の前、零距離、目と鼻の先にあったのは、『死』がかかった靄
黒々と、狂気を兼ね備えた、黒い靄の様な何かは、本来少女にある筈の物で
カラドロスの毒と、カラドリウスが吸収した欠点が、具現化して少女の目の前に顕在化したのだ
少女を襲うのは、今までに感じたことが無いような狂気、殺意
そして、その狂気や殺意の塊が、名状し難い、醜悪な、物としての原形を留めていない生物のような形となり、少女へ向けて咆哮する
その咆哮は、劈く様な金切り声のようにも聞こえる。相反して、怒号の様な激しい憤懣を含んだ、轟く罵声にも聞こえるだろう
少女は再び思うだろう。欠点とは。欠点とは何か。自らが足りないとさんざ女性に嘲笑を受けたそれは何か、と。
靄は少女が怯えるか、それとも何も感じないかは別として、幾ら取り繕おうとも小さな恐怖心は心に根付かせるだろう。
そして少女の心臓へと向けて回帰すれば、周囲に狐花の姿は消えている事だろう。

/二日間ありがとうございます!
/久しぶりに楽しいロールが出来た気がしました!序でに黒百合生徒会に入る踏み台にもry
/やたらと時間かかってすみませんでした!お疲れ様です!!本当楽しかったです!
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/16(月) 20:18:52.16 ID:pk5iBANf0
>>69
//はい、お疲れ様でした!
//私も楽しかったです!
//次は負けません!
71 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/16(月) 20:44:13.28 ID:Vd4zKTsCo
>>64
//もう少しだけ募集させてもらいます……!
72 :ヴァルプ・ヴェルリエル :2015/03/16(月) 21:28:40.32 ID:ajljOWCP0
>>71
//まだいらっしゃいますか?
73 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/16(月) 21:28:59.77 ID:Vd4zKTsCo
>>72
//います!
74 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/16(月) 21:31:34.27 ID:6LW9Ff2Io

【魔法少女。己の願いを叶える為に夜を駆ける不思議な力を持った乙女の総称、とでも言えるだろうか】
【何の変哲もない少女が変身の掛け声と共に、綺麗なドレスやメイクに身を包む――――というのが、世間のイメージ】
【しかしながらそう言ったイメージとは程遠い「変わり種」というのも、現実には存在しているのである】

「……おらぁ☆ マジカル乙女の牛糞爆撃だゾ☆ ……――――早う糞塗れになろうやこのボケ犬がぁああああッッ!!!」

【――――例えば、乙女からは程遠い農作業服から牛糞のシャワーと罵声を浴びせるような。そんな魔法少女だっているのだ】
【相手は狼男。願いを叶える星のかけらも人間以外が持てば毒であり、偶々落ちていた欠片を飲み込んだ野良犬の成れの果てがこの姿】
【クリーチャーは性質上魔法少女を襲うのだが、きっと内心思っていたに違いない。――――こんなの魔法少女じゃねーだろ、と】

【空中に放り投げられたパック詰めの牛糞。10s相当なのに高々と空へ上がっていくのは魔法少女パワー故か。そして上昇が止まり下降へと軌道が変わった刹那】
【彼女が続けてなげた鍬が見事にパックに突き刺さり、破けた所から牛糞がどっさりと落ちていく。――――そして鼻の利く犬には、余計に地獄】
【結界内だから良かったものの、そうでなければこの公園が謎の異臭騒ぎで子供たちが号泣間違いなしだろう。ちなみに犬が代わりに号泣して気絶、同時に牛糞も消えた】
【――――残ったのは、星のかけら。金髪ロングツインテという幼い髪型から汚い言葉を飛ばす見た目16,17の彼女は、それを拾い上げるとガッツポーズ】

「どうよ☆ これが乙女のラブパワーじゃい☆ これであと3つ……待ってろよマイプリンス☆」

【前代未聞のファイトスタイルで星のかけらを掴み取った彼女。こんな見た目でも、こんな口調でも、こんなファイトスタイルでも――――魔法少女なのである】
75 :東雲天子/ナル・ナルス・マナ>>49 [sage]:2015/03/16(月) 21:33:43.33 ID:8YEEImqnO

【放課後の私立紫薔薇学園では、また何時もの様に部活動に励む生徒達の姿や優秀な学園なのに何故か家に帰らずに暇を潰す生徒達の姿が確認できたり、他校の生徒の姿もみえた】

ぱんぱかぱぁ〜ん!
第一回魔法少女星のカケラ争奪戦始めるよぉ〜……………………。

【私立紫薔薇学園3階の使われていない教室の中、天子は中央に置かれた椅子に座りながら"その争奪戦、私も参加させてもらう!"的な展開を望んで静かな教室の中そう言った】
76 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/16(月) 21:53:59.95 ID:ZyERHHs8O
>>37
「………あら、趣味の悪いコウモリだこと。さすが、薄汚い動物のやる事は違うわねえ」

盗み聞きされていたらしい。高尚である自分の独白を盗み聞きするなど断じて許しがたい。
沸々と湧き上がる苛立ち、本音が少し現れて毒づく。
だが、更にそれを上塗りするかのような物言い。ヘレネは平静を装いつつも、内心で少女を際限なく罵倒していた。

(誠意だぁ?こちとらてめーなんかに見せてやる誠意なんざねーよ初対面の癖に小娘風情が調子に乗るんじゃねえぶっ殺すぞボケ)

わざとらしく頬に指を当てて、長考する素振りを見せる。
だが答えなどとっくに決まっていて、やがて口を開く。

「取り引き、ねぇ…………
お言葉ですが、取り引きと言うからにはそちらもカードを見せるべきでは?ゴミクズのようなものを提示してくるなら私にもそれを突っぱねる権利がありますわ。
更に付け加えて言わせていただくと、どうもあなた方は私を下に見ている感じが否めません。取り引きならば対等な立場でしないとねぇ?
私が異邦人なのは確かです。えぇ、それは認めましょう。しかし、異邦人という事は私はこの地の事がまったく分からないのです。それを良い事に私に不利なようにされてはたまりません。ですから―――――」

誰が上で、誰が下なのか。
決まっている。ヘレネの中では、ヘレネこそが絶対。万物は全て、ヘレネの思う通りに進まなければならない。

「―――まずは先にてめぇらが誠意見せろっつってんだよ、勘違いして調子に乗ってるんじゃねーぞコウモリ女風情が」

変貌した口調には間違いなく、そんな傲慢が、ヘレネの本性が表れていた。
その後は、「あら失礼。口が悪くなってしまいましたわ」と何事もなかったかのようにまた戻るのだけど。
77 :魔法少女支援課 ◆367gIuFbMQ :2015/03/16(月) 22:05:48.95 ID:kaKLJRLMO
ここだけ魔法少女の街 ☆1.5個目
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1426511000/

現行スレにはテンプレに問題がありますので
変更版スレを新築しました。
このスレは過去ログ化依頼を出しますので、速やかな移動をお願いします
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荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
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