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ここだけ魔法少女の街 ☆1.5個目 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2015/03/16(月) 22:03:20.70 ID:kaKLJRLMO
☆魔法少女の街へようこそ!☆
ここ、瀬平戸市では昔から囁かれる都市伝説があります。
集めると願いを叶える星のかけら。星のかけらを集めるために夜を駆ける少女たち。
問題はこの都市伝説が真実であるということです。
あなたは瀬平戸市でくらす魔法少女の1人となり、この街で生活と星のかけら争奪戦に参加することとなります。

☆星のかけらについて☆
いつの頃からか市内に出現する綺麗な石です。
5個集めることで一生に一回だけ願いを叶えることができます。
また、魔法少女が使い潰ぶすことで生命の危機の回避や、後述する結界の強行突破などもできます。
悪い願いであってもかなえられますが、魔法少女制度を終わらせるような願いは拒絶されるようです。

あふれだす無色の力は超常現象じみたトラブルを引き起こすことが多く、不思議事件などと呼ばれています。
探索の際は市役所や警察の生活安全課、噂が集まる喫茶店やお祓いを請け負う神社などが情報源となります。
各方面で働いている元魔法少女たちも情報をくれます。
魔法少女たちも自分の近くであればある程度存在を感知できますが、探知距離には個人差があるようです。

重要事項:所持個数を厳密に管理する必要はありません。ロール状の都合にあわせて好きに調整してください

☆魔法少女について☆
それぞれ事情や原理は違うようですが、概ね魔法っぽい技を使う少女たちの総称です。
不思議系全開のも科学っぽいのもいます。巫女さんっぽいのも魔女さんっぽいのも、他の世界からきたのもいます。
各自の事情で星のかけらを集めているため、その過程で衝突することも少なくありません。
具体的な記録は残っていませんが、現役組の魔法少女のお母さん世代に元魔法少女がいることから
だいたい1970年代くらいには出現していたようです。長く関わってきた人によると、時代ごとの流行りとかもあるみたいです。
心が少女なら名乗っていいとのことです(重要)。

【戦闘・結界について】
全ての魔法少女はどれだけ暴れても大丈夫な異空間を展開する結界魔法を習得しています。
この結界魔法により戦闘エリアになる一帯のコピー空間を作り、一般人から隔離できるほか、
結界の中で壊したものは結界解除でなかったことになります。
入るのは魔法少女なら簡単ですが、出るのは結界を作った魔法少女の撃破か許可、あるいは魔法を使った強引な突破が必要です。
大出力ビーム魔法で建物ごと薙ぎ払い、音を越える高速で空を駆けるような戦闘も魔法少女なら可能です。
普通なら死んでしまうようなダメージも、星のかけらの消費することで致命傷にならない撃破として扱われます。
戦闘終了後にゆっくり治療して復活しましょう。
ただし慣例として、一般人を巻き込むことは避けられる傾向がありますので、その点はご注意ください
マナーをまもって楽しくインフレし、一緒に遊んだ中の人全員が楽しかったねといえることが目標です。
すっきりさわやか全力全壊してください。

・当スレは自分だけの魔法少女を設定し、いろいろ動かして遊ぶスレです。
・キャラクター登録はしたらば側で行ってください。なりきりという遊びの都合上、資料共有が便利です
・戦闘や交流などにおいて、相手が不快になるロールや確定ロールは避けましょう
 キャラクターの言葉と中の人の言葉は違うものですが、きつい言葉を使う場合は相手への配慮を
・魔法少女によっては強力極まりない攻撃魔法や人外レベルの身体強化、異様に硬い防御な自己回復などを持ち合わせいます。
 最強設定全力オッケーですが、それは相手も同様です。かち合ったらお互いに笑ってすりあわせましょう
・荒らしは放置しましょう。関わってもいいことはありません

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・避難所
http://jbbs.shitaraba.net/internet/22387/

・前スレ
ここだけ魔法少女の街 ☆1個目
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1426414765/
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
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2 :東雲天子/ナル・ナルス・マナ>>49 [sage]:2015/03/16(月) 22:07:30.81 ID:8YEEImqnO

【放課後の私立紫薔薇学園では、また何時もの様に部活動に励む生徒達の姿や優秀な学園なのに何故か家に帰らずに暇を潰す生徒達の姿が確認できたり、他校の生徒の姿もみえた】


ぱんぱかぱぁ〜ん!
第一回魔法少女星のカケラ争奪戦始めるよぉ〜……………………。


【私立紫薔薇学園3階の使われていない教室の中、天子は中央に置かれた椅子に座りながら"その争奪戦、私も参加させてもらう!"的な展開を望んで静かな教室の中そう言った】
3 :東雲天子/ナル・ナルス・マナ>>49 :2015/03/16(月) 22:07:57.24 ID:8YEEImqnO
>>1乙です
4 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン :2015/03/16(月) 22:14:02.02 ID:ZyERHHs8O
前スレ>>37
「………あら、趣味の悪いコウモリだこと。さすが、薄汚い動物のやる事は違うわねえ」

盗み聞きされていたらしい。高尚である自分の独白を盗み聞きするなど断じて許しがたい。
沸々と湧き上がる苛立ち、本音が少し現れて毒づく。
だが、更にそれを上塗りするかのような物言い。ヘレネは平静を装いつつも、内心で少女を際限なく罵倒していた。

(誠意だぁ?こちとらてめーなんかに見せてやる誠意なんざねーよ初対面の癖に小娘風情が調子に乗るんじゃねえぶっ[ピーーー]ぞボケ)

わざとらしく頬に指を当てて、長考する素振りを見せる。
だが答えなどとっくに決まっていて、やがて口を開く。

「取り引き、ねぇ…………
お言葉ですが、取り引きと言うからにはそちらもカードを見せるべきでは?ゴミクズのようなものを提示してくるなら私にもそれを突っぱねる権利がありますわ。
更に付け加えて言わせていただくと、どうもあなた方は私を下に見ている感じが否めません。取り引きならば対等な立場でしないとねぇ?
私が異邦人なのは確かです。えぇ、それは認めましょう。しかし、異邦人という事は私はこの地の事がまったく分からないのです。それを良い事に私に不利なようにされてはたまりません。ですから―――――」

誰が上で、誰が下なのか。
決まっている。ヘレネの中では、ヘレネこそが絶対。万物は全て、ヘレネの思う通りに進まなければならない。

「―――まずは先にてめぇらが誠意見せろっつってんだよ、勘違いして調子に乗ってるんじゃねーぞコウモリ女風情が」

変貌した口調には間違いなく、そんな傲慢が、ヘレネの本性が表れていた。
その後は、「あら失礼。口が悪くなってしまいましたわ」と何事もなかったかのようにまた戻るのだけど。

/スレ移動とのことでこちらにも一応お返事書いておきます
5 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/16(月) 22:14:46.30 ID:6LW9Ff2Io
【魔法少女。己の願いを叶える為に夜を駆ける不思議な力を持った乙女の総称、とでも言えるだろうか】
【何の変哲もない少女が変身の掛け声と共に、綺麗なドレスやメイクに身を包む――――というのが、世間のイメージ】
【しかしながらそう言ったイメージとは程遠い「変わり種」というのも、現実には存在しているのである】

「……おらぁ☆ マジカル乙女の牛糞爆撃だゾ☆ ……――――早う糞塗れになろうやこのボケ犬がぁああああッッ!!!」

【――――例えば、乙女からは程遠い農作業服から牛糞のシャワーと罵声を浴びせるような。そんな魔法少女だっているのだ】
【相手は狼男。願いを叶える星のかけらも人間以外が持てば毒であり、偶々落ちていた欠片を飲み込んだ野良犬の成れの果てがこの姿】
【クリーチャーは性質上魔法少女を襲うのだが、きっと内心思っていたに違いない。――――こんなの魔法少女じゃねーだろ、と】

【空中に放り投げられたパック詰めの牛糞。10s相当なのに高々と空へ上がっていくのは魔法少女パワー故か。そして上昇が止まり下降へと軌道が変わった刹那】
【彼女が続けてなげた鍬が見事にパックに突き刺さり、破けた所から牛糞がどっさりと落ちていく。――――そして鼻の利く犬には、余計に地獄】
【結界内だから良かったものの、そうでなければこの公園が謎の異臭騒ぎで子供たちが号泣間違いなしだろう。ちなみに犬が代わりに号泣して気絶、同時に牛糞も消えた】
【――――残ったのは、星のかけら。金髪ロングツインテという幼い髪型から汚い言葉を飛ばす見た目16,17の彼女は、それを拾い上げるとガッツポーズ】

「どうよ☆ これが乙女のラブパワーじゃい☆ これであと3つ……待ってろよマイプリンス☆」

【前代未聞のファイトスタイルで星のかけらを掴み取った彼女。こんな見た目でも、こんな口調でも、こんなファイトスタイルでも――――魔法少女なのである】

/>>1乙です!
6 :ヴァルプ・ヴェルリエル :2015/03/16(月) 22:25:13.89 ID:ajljOWCP0
前スレ>>64
魔獣が飛ぶ。レイラに向けて再び体当たりが襲う。
影がよろよろと立つレイラに命中する―――直前、飛来した無数の『釘』が魔獣を貫いた。
こつ、こつとじゃり、じゃりとブーツが地を踏む音がする。
レイラが張った結界の中に一般人は存在できない。つまり、
この場に新たな魔法少女が踏み入れたことを示したいた。

足音は止み、声が響く。姿を現すはネイルガンを持った、銀と赤銅の魔法少女。
腰まで伸びた銀髪が靡き、街頭に照らされた赤銅色の肌に刻まれた傷が淡い光を発していた。
纏うのは所々が破け、其の奥に傷をのぞかせたライダースーツ。魔法少女の衣装と言うにはやけに痛々しく、ボディラインを強調している。
15の年齢の割には身長は高く、出るところも出て大人びたように見えるだろうか。

「おーおー、随分やられてるじゃないか
 よわっちぃ魔法少女なこって」

釣り目を細め、口角をにぃと上げて少女は笑う。

ネイルガンを放り投げ、少女は左肩の火傷跡と殴打痕に手をかざせば、傷口が発していた淡い光が強くなり、閃光を放ち、その手に収束する。
光が収束した先に握られていたのは全長2.5メートルの巨大ハンマー
少女はそれを肩に担ぎ、駆け

「ま、とりあえずは邪魔なそいつらをぶっ[ピーーー]かァ!」

真っ赤に発熱するハンマーを、魔獣めがけて振り下ろした。
多重の身体能力魔術で強化した腕力×重量×熱量
7 :ヴァルプ・ヴェルリエル [saga]:2015/03/16(月) 22:26:28.96 ID:ajljOWCP0
//>>6の方はコピペミス+saga忘れです

前スレ>>64
魔獣が飛ぶ。レイラに向けて再び体当たりが襲う。
影がよろよろと立つレイラに命中する―――直前、飛来した無数の『釘』が魔獣を貫いた。
こつ、こつとじゃり、じゃりとブーツが地を踏む音がする。
レイラが張った結界の中に一般人は存在できない。つまり、
この場に新たな魔法少女が踏み入れたことを示したいた。

足音は止み、声が響く。姿を現すはネイルガンを持った、銀と赤銅の魔法少女。
腰まで伸びた銀髪が靡き、街頭に照らされた赤銅色の肌に刻まれた傷が淡い光を発していた。
纏うのは所々が破け、其の奥に傷をのぞかせたライダースーツ。魔法少女の衣装と言うにはやけに痛々しく、ボディラインを強調している。
15の年齢の割には身長は高く、出るところも出て大人びたように見えるだろうか。

「おーおー、随分やられてるじゃないか
 よわっちぃ魔法少女なこって」

釣り目を細め、口角をにぃと上げて少女は笑う。

ネイルガンを放り投げ、少女は左肩の火傷跡と殴打痕に手をかざせば、傷口が発していた淡い光が強くなり、閃光を放ち、その手に収束する。
光が収束した先に握られていたのは全長2.5メートルの巨大ハンマー
少女はそれを肩に担ぎ、駆け

「ま、とりあえずは邪魔なそいつらをぶっ殺すかァ!」

真っ赤に発熱するハンマーを、魔獣めがけて振り下ろした。
多重の身体能力魔術で強化した腕力×重量×熱量の威力、惰弱な魔獣程度であれば容易に仕留める威力を持つ
8 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/16(月) 22:36:38.51 ID:DJk9zL52o
>>5
魔翌力を感じ取り、公園まで走ってきた兵馬一姫。前々回の戦いで怪我の回復にかけらを使用してしまい、かけら0になってしまった彼女は、なんとしてもかけらを手に入れようと急いだ。だが、ちょうど戦いが終わったところであったようだ。しかし、一姫は事態を上手く認識出来ないでいた。

「……ええええっ!?ちょっ……魔法少女……だよな?なにその攻撃!?」

それもそのはず、今まで様々な魔法少女を見てきた。だが、牛糞で戦う魔法少女など初めて見たのだ。ドン引きの一姫。

「ま、まあ、その、なんだ……そういうのもありだよな。うん。……でも、子供が見たら泣くぞこれ……」

こいつとは戦いたくない。そう思った一姫は、とりあえず話をしようとする。

9 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/16(月) 22:37:00.89 ID:DJk9zL52o
>>1乙です!
10 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/16(月) 22:50:42.51 ID:Vd4zKTsCo
>>1乙です!

>>7

世界は決して優しくなんか無い。其れは平和主義者でありなおかつ争いを好まない、平凡な少女が出した一つの結論だった。
悪いことなど一つもしたこと無い、とは流石に言い切れない。人並みに悪いこともしてきただろう。
ならば陽菜子は極悪人なのか――――否、そんなことはないはずだ。聖人君子でないならば悪である、などという暴論は罷り通らない。
では普通に生きてきた彼女は、何故父も母も奪われたのか。罪があるわけでもなく、罰を受けたわけでもないのに、なんで人並みの幸せすら享受できなかったのか。
答えは簡単だ、世界はそんな場所だから。善く生きていれば幸せになれるとは限らないし、悪く生きていても悲惨な死に方をするとは限らない。
だから彼女は誰かを救うことはあっても、自らが救われる可能性を考慮しない――――今もこうして、一人で魔獣と戦い打ち倒そうとしていたのがその証拠だろう。
そしてそんな考えを打ち砕くかのように、煌めく銀と熱を感じさせる赤銅の魔法少女は姿を表した。

「――――――――え?」

自分と比べるとかなり高い身長、間違えても自分と一つしか違わないなどとは夢にも思わないだろう。
魔法少女という華やかな存在の印象を打ち砕くかのような、妖艶さを演出したライダースーツに思わず目を引かれ。
同時に魔獣の注意が逸れたその瞬間を目敏く見抜き、自らの魔導機に魔力を圧縮した弾丸を装填する。

「カートリッジ、ロード――――――――っ!!!!」

此の場にいる魔獣は三体、そのうちの二体が強者の出現に慄き、同時に排除せんと動き出していた。
しかし戦いの素人である陽菜子から見ても実力の差は歴然、もはや勝負にすらならないのが目に見えていた。
そしてその予想を裏切らず、赤銅の魔法少女が放った灼熱の鉄槌は、二体の魔獣を圧殺≠オ消し飛ばす。

だが残りの一体は他の二体に比べて知能が些か高かったのか、そのまま突っ込んだ所で一瞬で負けることを理解していたらしく。
二体が目の前で潰され、赤銅の魔法少女が攻撃を放ち終えた直後――――攻撃後に出来る一瞬の隙を狙うように、凶悪な突進を繰りだそうとする。
大振りな一撃だが、先ほど少女が吹き飛ばされたことから分かるように、その威力は直撃すれば非常に厄介といえるだろう。
攻撃後の硬直を狙った絶妙な攻撃が、赤銅の魔法少女へと襲い掛かり――――――――そして、その攻撃は彼女に届くことは無かった。

「今度こそ――――えぇいっ!!」

使用した魔弾は三発、魔導機の中で炸裂、もはや暴走の勢いで魔力の乱流を巻き起こしながら、手甲型のデバイスは唸りを上げた。
排莢を終えると同時、地を蹴り駆け出し、残りの一体を殲滅せんと漆黒の魔法少女――――陽菜子の拳が、轟音とともに放たれる。
赤銅の魔法少女の言うとおり、柊崎陽菜子は魔法少女としては弱小の部類に入るだろう。本人とて其れは否定しない。
だがその身に秘めた魔力量と魔弾と魔法を組み合わせた際の瞬間的な破壊力に関して言えば、彼女は魔法少女の中でも相当な域に達している。
一発でも十分な魔弾を三発、そして赤銅の魔法少女に習い上から拳を叩き付け最後の一体を圧殺=\―――勢い余り、地面に大きな罅が入った。
土煙が視界を覆い、互いの姿を隠す――――――――そして視界が晴れる頃には、赤銅の魔法少女と漆黒の魔法少女の間に一つの星のかけらが出現するだろう。
11 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/16(月) 22:56:31.62 ID:6LW9Ff2Io
>>8

「ん? なんだテメェ魔法少女か☆ ハベ子ちゃんはこんなナリでも魔法少女だゾ☆ でも正直これコンプレックスなんだゾ☆」
「流石のポジティブガールも変身してこんなイモ臭い格好だって知ったときはヤケ酒3日間したゾ☆」
「子供が見たら泣くのも何となく想像できるけど、リアルの魔法少女の闘いは見世物じゃないからそこは問題ないと思うんだわさ☆」

【びしっ、と彼女に向けてピースをしながら快活にハベ子ちゃんは言葉を飛ばす。どうやら魔法少女であることは間違いないらしい。あと20オーバーであることも】
【綺麗なドレスやステッキからは程遠い上下ピンクの農作業服で牛糞を投げる魔法少女。戦いたくないのは当たり前であろうか】
【――――兎に角、幸か不幸かこのハベ子ちゃん、彼女に問答無用で飛びかかる……なんてことは無さそうである。ちょっと変でフレンドリーではあるが】

「こんな格好だけどハベ子ちゃんは絶対にかけらを5つ集めないといけないんだよ☆ そう、愛の為に☆」
「……流石にこの格好は嫌だから結界と変身解くゾ☆」

【結界が壊れ、同時に変身が解けてハベ子ちゃんの身体が光に包まれる。変身解除――――というわけだが、光が消えて露わになる彼女の元々の格好は】
【先程の農作業服とは正反対の、たくさんのフリルとリボンが嫌という程につけられた、白×ピンクを基調としたカラーリングのロリータドレス】
【魔法少女じゃない時の方が魔法少女っぽい――――これも前代未聞なのかもしれない。その型破り甚だしい彼女が言うは「愛」。愛の為に闘う――――らしいが】
12 :フォルリィア>>81 [sage]:2015/03/16(月) 23:15:04.21 ID:9AE8ijsm0
【薄暗く青い月明かりが街を照らすそんな夜。ある魔法少女は誰かから必死に逃げていた。彼女の名前をA子としよう】
【A子は魔法少女になってからまだ二ヶ月程しか時を得ていない。しかし、彼女の精神は"普通人"以上に貪欲であり、他の魔法少女よりも星のカケラに対する独占欲が高かった為、その少ない期間の間に二桁の数の星のカケラを手に入れていた】
【しかし星のカケラは、まだA子の願い全て叶える為に必要な数が無かった。A子はその"普通人"以上の貪欲ゆえ、纏めて願いを叶えるつもりだった】
【A子が使う魔法は"テレパス"という使い方次第では、非常に強力な魔法だった。この魔法のおかげで彼女は此処まで星のカケラを集めることができ、同時に自分の貪欲さを気付かぬうちに高めていた】
【テレパスを使えば、魔法少女だろうが普通人だろうがその精神構造を覗ける彼女は、ある種の優越感に浸っていた】
【誰もが絶対に見せたくないそのプライバシーを意のままに覗ける彼女はその精神構造も思考パターンも全て数式的、図式的に見れた為に、誰も私には敵わない、と無意識のうちに錯覚していた】

あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは────

【無邪気な笑い声が禍々しい結界《フロル》の中に響き渡る。A子は自身の魔法であるテレパスを今日という日ほど恨んだことは無かった。A子は今日という日ほど自身の貪欲を恨んだことは無かった。テレパスが無ければきっと貪欲にはならなかっただろう──貪欲で無ければもっと早くに願いを叶えただろう──テレパスで無ければきっと錯覚なんて──錯覚が無ければきっとこんな状況には────】
【耳を塞ぎ必死にその狂気の笑い声を遮断しようとするがテレパスによりその笑い声も狂った精神構造もプライバシーも全て流れる様に自身の中に侵入してきた】
【異物が内部に浸透する度に激しい吐き気に襲われた。混乱するA子に最早魔法を制御する術がなくテレパスの窓を閉じることは出来なかった】
【破壊された全ての星のカケラを思い出しては後悔し、なにか考えれば狂気が侵入し、何も考え無ければやはり狂気が侵入し、もうA子に逃げ道は"死"しか無く、幼い少女フォルリィアによる玩具の破壊行為が彼女の最後の救済となった】
【肉片が赤紫色の結界内に飛び散った。唯一原型を留めている顔面には赤い切り傷が目の下にあったが今までにないくらいの幸せに満ちた表情を浮かべていた】

あ〜あ……壊れちゃった。

【そう言ってフォルリィアは顔を掴むと地表に埋まる幾万の人形同様、それを埋め込むと結界内に入ってきた魔法少女がいないか探した】
13 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/16(月) 23:15:39.46 ID:DJk9zL52o
>>11
「そ、そりゃ御愁傷様……」

(つーかテンションたけぇ……)

哀れみの視線を送る。彼女にもだが、戦っていた狼男であった犬にもだ。まさか、牛糞ぶつけられるなんて思いもしなかっただろう。哀れなり。

「ふーん、愛の為ねぇ。」

悪いやつじゃなさそうだなと、一安心。一姫が今まで出会った魔法少女は、危険な思想を持つものが大半だった。だからだろうか、それだけで安心感を得ているのは。

「ああ、その方がいい。あたしも戦う気無いし……」

と、相手が変身を解いたのを見て色々な意味でまた一安心。だが、その後の姿を見て

「え?逆じゃね!?変身後と変身前逆じゃね!?」

と、思わずツッコミを入れた。
14 :ヴァルプ・ヴェルリエル [saga]:2015/03/16(月) 23:28:50.23 ID:ajljOWCP0
>>10
狙い通りに二匹は圧死。
さあ、後は一匹。そう振り向いたときには魔獣は既に眼前に
そいつに口があるとすれば、息が降りかかる十分な距離だ。
迎撃は無理。回避は間に合わない。一発、覚悟するしかないかと力んだ瞬間
魔獣は唐突に地に落ち、超局地的な地震でも起きたかのように足元が揺れた。

「……ひゅー、やるじゃねぇか」

ゆっくりと全身の力を抜いて戦闘態勢を解き、生成したハンマーを傷口に触れさせ、元の光に戻す。
自分も火力には自信があったが、こいつはそれを上回るかもしれない。
素直な賞賛を込めて手を叩くと

「出たな。さて……こいつの取り分だが」

出現する星のかけら。
単純な善意や、人を守りたいという気持ちで戦う魔法少女も居るだろうが、基本的にほとんどの魔法少女はこの星のかけらのために戦っている。
そんな星のかけらが二人の前に一つ、戦闘は避けられないか―――と思いきや

「こいつはやるよ。」

ヴァルプは柊崎に背を向け、歩き出す。星のかけらには興味がないとでも言うように。
引き止めなければ、彼女はそのまま最初に放り投げたネイルガンのところまで歩くだろう。
―――にぃ、と口角を上げながら

ヴァルプの狙いは星のかけらを回収する隙、そこにネイルガンを打ち込むこと。
彼女にとって星のかけらは二の次。いつか壁に成りかねない柊崎を殺しておく事が今の最優先。
だが、この作戦は相手が星のかけらをほしがっているという前提で進められている。
もしも、万一に柊崎が星のかけらに興味が無いのであればヴァルプの作戦は全て崩壊。拾ったネイルガンを柊崎に向けることも出来なくなってしまう
其の場合、ヴァルプは柊崎の目にどのように映るだろうか。唯の良い人で終わるのだろうか
15 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/16(月) 23:37:48.70 ID:6LW9Ff2Io
>>13

「おいその視線やめろ☆ 兎に角人生は与えられたカードで闘うしかないから仕方ないんだぞ☆ ハイ、ハベ子ちゃん元通り☆」
「……つーか、闘う気無いってことはやっぱりテメェも魔法少女なんだろ☆ ハベ子ちゃん同業者に会うの初めてだから仲良くしてクレメンス☆」

【憐憫の視線を送る彼女に対しびしっと指差して「やめろ」と言う辺り、そういう憐みには敏感なのだろう。世間の目を無視している訳ではない、ということらしい】
【「与えられたカードで闘うしかないのさ」なんて達観したかのような、二十歳越え故に出そうな台詞を発してから変身を解き――――魔法少女っぽい格好へ】
【彼女が突っ込んだ通り――――そう、逆なのだ。フリフリのスカートから農作業服という彼女の変身は見た目的には完全にスケールダウンなのだ】
【本当は今が変身後なんじゃないか? と思うかもしれないが、ひしひしと伝わる魔翌力がフッと消えたことが何よりの証明。今はただの甘ロリファッションの女の子なのだ】

「……だよな☆ ハベ子ちゃんそのツッコミ来ると思ったゾ☆ だからこそあんまり見られたくないんだよな☆」
「つーかテメェから星のかけらの臭いがしねぇんだけどどうしたよ☆ もしかして持ってねぇの☆」
「もしかしてハベ子ちゃんと同じ新人魔法少女か、もしくは闘って奪われたか☆ ハベ子ちゃんはさっきのが実は初めての戦闘で内心クソビビりだったんだゾ☆」

【案の定飛んだツッコミにてへぺろフェイスで応えるハベ子ちゃんだが、すんすん、と鼻をぴくつかせて言うは「星のかけらを持っていないだろう」という指摘】
【続けて聞くはその理由。言った通りハベ子ちゃんは新人であり、まだまだ情報不足。故の「仲良くしてほしい」だったり、今尋ねてみたり】
16 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/16(月) 23:52:45.59 ID:Vd4zKTsCo
>>14

柔らかな何かを潰した感触と、確かな痛み。敵を殺した実感を其の拳に感じながら、陽菜子は戦闘衣装についた砂埃を手で払う。
最初に受けた突進のダメージが未だ消えず、鈍痛が全身を蝕んでいた。
彼女は戦闘に使用する魔力を魔弾で代用している為、身体に残存している魔力は総て治癒と結界の維持に回すことが出来る。
そして結界の維持に関しては余程の大きさでもない限り大した量を使わないため、その魔力の殆どを自らの治癒に注いでいた。
それでも治るのに十数分かかる辺り、あまり魔法の才能は無いらしいが――――それでも、ゆっくりと治癒は進んでいく。

「あ、えと……助けてくれて、ありがとうございました!」

陽菜子は相手が取り分の話をする前に、勢い良く頭を下げて礼を述べる。実際、相手が現れなかったら相当の苦戦を強いられていただろう。
彼女が二体同時に一発で敵を倒し、その上魔獣の注意を引きつけてくれたからこそ拳をすんなりと通すことが出来た。
瞬間火力こそ高いものの隙が多く出すのにも一苦労、そんな魔法性質を持つ彼女は一対一ならばともかく数対一に酷く弱い。
本来ならばもっと手酷くやられていた筈だったのを、目の前の少女に助けられた。
ならばまずは礼だろう、どうやらちっこいがそこら辺の筋は通っている人間らしい。

「その、星のかけらなんですけど…………」

こいつはやる、そんな予想外の言葉に陽菜子は目を丸くした。魔法少女ならば喉から手が出る程欲しい此れを、相手はあっさりと自分にあげるというのだ。
余程のお人好しなのか、それとも――――少なくとも、お人好し以外の可能性を、陽菜子は考えなかった。
人間の善性を信じて生きている彼女には、相手が考えていることなど想像すらつかないらしい。
ただ相手が親切で、いい人で、星のかけらをくれた――――そんな都合のいい話なんて、そうそう在るわけもないのに。

「あっ…………」

相手が背を向け、歩き出してしまう。どうすればいいか少し迷った後、陽菜子は小走りで駈け出した。
どうしよう、早くしないと何処かへ行ってしまう。そう考えた瞬間、身体が勝手に動き出していたのだ。
そして陽菜子は星のかけらを回収すると同時、ネイルガンへと向かって歩いていたヴァルプの方へと方向転換する。
そしてもしヴァルプがネイルガンを陽菜子へと向けたならば――――ヴァルプの視界には、頭を下げて星のかけらを差し出す陽菜子の姿が映るだろう。

「あのっ、これっ!!」
「わ、私にはまだ叶えたい願いも無いから…………だから、これは貴方みたいな良い人が使うべきだと思いますっ」

そう、ほとんどの魔法少女が持つであろう、星のかけらにかけるべき願いを彼女――――柊崎陽菜子は持っていなかった。
単純な善意や人を守りたいという気持ちで戦う魔法少女、そんな漫画やアニメにしかいなさそうな、冗談のような存在――――しかしどうやら、柊崎陽菜子は至って本気のようで。
助けてくれてありがとう。星のかけらを譲ってくれてありがとう、だけど私にはまだ必要無いから、私を助けてくれた貴方にこれを受け取って欲しい。
相手が良い魔法少女だと信じきっていた彼女は、その感謝を込めて再び頭を下げて星のかけら差し出した。
其の姿は実に無防備であり、ネイルガンで撃ちぬく事はあまりに容易だろう――――彼女は悪意にも敵意にも、酷く鈍感故に。
17 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/16(月) 23:55:30.50 ID:DJk9zL52o
>>15
「お、おう……まぁ、仲良くしなくもない。」

テンションについていけない一姫。それに、発言からして年上だろうに魔法少女っぽい格好。しかも変身前。うん、ちょっと引くね。ただ、悪い人ではなさそうなので、仲良くしておいて損はないだろう。情報交換とかも捗る筈だ。

「う……悪いかよ。かけら持ってなくて。あたしもまだ新人で、戦い慣れしてないんだよ。それにあんときゃ、大変だったんだよ。狂人に囲まれたと思ったら、凶刃で切り裂かれ、腸(はらわた)出そうになってだな……」

なにやら物騒な事を言い出す一姫。だが、これは実際に起こったことなのだ。

「牛糞が武器だけに糞ビビったってか?まぁ、確かにビビるよな。その次の戦闘では屋上に叩きつけられたし……」

魔法少女じゃなければ死んでいた!
18 :ドラセナ ◆.vzNWXs0Ko [sage]:2015/03/17(火) 00:05:29.10 ID:c36hpCGaO
【瀬平戸市の公園。キィー……キィー……とブランコを漕ぐ音。】
【セーラー服とプリーツスカート、傍には歩くのを補佐するための琥珀の頭の杖。】
【という出で立ちの少女ーーーーー右手に指輪が光る、が、何やら考え込んでいた。】
【年齢は18.9歳くらいであろうか。黒髪ショートヘア、メタルフレームのメガネを身につけている。】

『ふむ、この小さな金平糖のようなものを5個集めると願いが叶う……か。どうにも信じがたいのう。』

【手のひらに乗った小さなーーーーそれこそ金平糖のようなそれを弄びながら呟く。】
【月光を反射してきらびやかに輝く「ほしのかけら」。偶然一つ手に入れたのだが、】
【集めようにもその所在が分からずにいた。】

『これを5個集めれば、わしの足も元に戻るのだろうか。忌々しい「あの魔法使い」に使えなくさせられた、この片足を……』

【少女の右足は、スカートから覗くその足を見るとわかる。】
【くるぶしから縦に大きく、螺旋状に大きな古傷があった。】

『この「ほしのかけら」を……』

【突如、奇妙なことが起きた。バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ……】
【少女の手のひらから大量の「ほしのかけら」が溢れんばかりに湧き出したのである。】
【指と指の間から溢れ、地面に転がってゆく。バラバラバラバラ……夜の公園に響いた。】

『なーんて……』

『足を直すのもいいが、これらを奪い合うわし以外の魔法使いにも興味がある。』
『いわゆる『魔法少女』という奴か……くくく、興味が尽きんのう。』

【突如、それらが全て消える。掌に乗せたただ一つを残し、それらは『まるで幻であったかのように』消えてしまった。】
19 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/17(火) 00:19:30.53 ID:PIQXnQjuo
>>17

「……マジかよそれ流石にションベン漏らしそうになったなう☆ でも願いを叶えるってくらいだからそーゆーことにもなるわな☆」
「でもかけらがあると死にそうでもなんとかなるんだろ☆ それ分かってるならハベ子ちゃんもヤンチャしちゃうかも知れねーぜ☆」
「それだけ皆願い叶えることに必死ってわけだ☆ じゃあハベ子ちゃんも甘い事言ってられねーな☆ おっしゃケツの穴締めていくじぇ☆」
「まあ安心しやがれテメェはかけら持ってねーんだろ☆ だから闘うつもりはねーよ☆ あと友達だしな☆」

【テンションについていけなくてもこれが彼女の通常モードなのだから仕方がない。真面目な話をしながらも語尾の星はそう簡単には取れないのだ】
【星のかけらが5つ揃えば願いが叶う。つまり今後の人生が一変するということだ。となれば叶えるにはそれなりの覚悟、つまりリスクがあるのは当然のこと】
【それが命であっても、願いを叶えるという非現実的な事が起こせることに比べれば決して重い代償ではない】

【ハベ子ちゃんは狂人を否定しなかった。願いを叶えることに必死なら、そうなるのも何となく分かったから】
【ハベ子ちゃんは気合を入れたそのような狂人に勝つには、少なくとも「甘さ」を捨てなければいけないから】

「つーか牛糞メインじゃねーから☆ あれは最終兵器だこの野郎☆ まあ兎に角、お互い頑張らなきゃな☆」
「……あ、テメェ囲まれたって言ったよな☆ ってことは2対1やられたってことか☆ じゃあもしかしたら複数で1人攻めるってのが常套手段なのかもな☆」
「――――ってことで、連絡先交換しねーか☆ ハベ子ちゃん今この公園近くに住んでるから、もしこの公園周りに魔法少女がいたら2人で囲むってこと☆」

【2対1。卑怯に見えるかもしれないが、これを卑怯と言うのは「甘さ」だ。何をやっても結局はかけらを集めた者が勝つ。それ故の提案だった】
【彼女がラメ付きキラキラのスマホを取り出す。もし彼女が応じるのであれば、「北条 豊穣(ハーベスト)」の名前が相手の携帯画面に映るだろうが、彼女は応じるのだろうか】
20 :ヴァルプ・ヴェルリエル [saga]:2015/03/17(火) 00:20:37.20 ID:I72fuyn50
>>16
振り向いた。ネイルガンを向けた。銃口の目の前に―――柊崎の頭があった
上がりきった口角が更に上がろうとしてピクリと動く。この距離であれば魔法少女であれど、回避は不可能と言ってもいいだろう。
大笑いしてしまいそうだ。抑えろ。もうすぐだ。
引き金を引く指に力が込められる。かちり、と音が鳴る。

―――が、それだけ。引き金を引けない。身体が動かない。
他人などどうせ皆屑なのに、そんな奴らをぶち殺すのにためらいなど無い、はずなのに。
意識したくないと頭の隅に追いやろうとしても、それは消えず、より強くなっていく。

ヴァルプの頭の中には二種類の人間、自分と其の他屑共しかいない。
自分以外は皆屑。誰も自分を助けてくれない。そう信じていたからこそヴァルプは迷わなかった。
だがこの柊崎はそのどちらにも当てはまってくれず、故に迷いが生まれてしまっていた。

―――どうせこいつも、私を助けてくれるわけがないんだ。迷うな。殺せ
暗示をかけるように頭の中で何度も唱え、そして

「……バッカじゃねぇの」

独り言、そう呼ぶにはふさわしくないほどの音量で声が漏れ―――引き金が引かれた。
しかし、漏れた声は柊崎が違和感を感じるに十分なもの。ヴァルプは自ら回避のチャンスを差し出したのだった。

柊崎が回避に成功したならば、ヴァルプはいったん距離を取るために後方へとび、またハンマーを生成し構える。
つまり、本性をあらわし―――

「気に入らないんだよ、お前みたいな偽善者はッ!!」

こう吐き捨てるだろう
21 :高坂 椿姫 [sage]:2015/03/17(火) 00:42:14.33 ID:iDnf4sW10
>>12
まだいらっしゃいますか?
22 :フォルリィア>>81 [sage]:2015/03/17(火) 00:44:17.60 ID:tpFW03Ie0
>>21
いますよーん
23 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/17(火) 00:46:00.26 ID:jOpNtjYYo
>>20

星のかけらが欲しくない魔法少女等、ほとんど居ない。願いがないにしても、此れが在れば緊急の時に超回復の魔法を扱うことが出来るからだ。
だから受け取ってくれるだろう。そう思い差し出すも、星のかけらが受け取られることは無く。
そうして不意に聞こえた独り言に、疑問の声を漏らしながらも一瞬の間を置いて顔を上げた。

「…………え?」

顔を上げると同時に、引き金が絞られる。常人が行動を起こすにはあまりに短い時間、しかし魔法少女にとっては非常に大きな空白。
思考が追い付くよりも先に、身体が無意識に動いていた。右に半歩、たったそれだけ身体をずらす。
見たこともない様な大きな釘が、顔の真横を掠めて飛んでいった――――頬に一筋、浅く切り傷が刻まれる。

「……………………」

攻撃と、投げ掛けられた言葉。其の二つから察するに、相手は敵意を持って自分に攻撃を仕掛けてきた。
事情は分からない。もしかしたら今回の戦闘で手に入れた星のかけらの他に、陽菜子が持っている星のかけらを奪うための行動かも知れないし。
それとも彼女が想像できないような理由があるのかもしれない――――少なくとも、相手の口から語られない限り予想はあくまで予想だから。

ハンマーを構える相手に対し、陽菜子は数秒ほど動けなかった。
偽善者。善かれと思って行動してきたが、自分の行動を顧みれば確かに否定は出来ないかもしれない。
自分はもう大切なモノを失った。知らないうちに手からこぼれ落ちてしまった。其れは二度と元には戻らず、彼女のもとに帰って来ることはないだろう。
けれど同時に護る手段も手に入れたから、他の誰かが自分のようにならないようにと、此の半年間一人で頑張ってきた。
誰かが悲しむのが嫌だから。何もかも失って空っぽだった自分を埋めてくれた魔法、けれど周りの人間にそんな事情を話したことはないし。
だからこそ、事情を知らない人間からすれば、こんなのはただの偽善だろう。理由を知った所で、やはり偽善と言われるかもしれない。だが――――――――。

「偽善でも、いいです――――――――私はもう、二度と後悔したくないから」

母親が魔法少女の手によって殺された。魔法少女になってから聞かされた其の言葉に、きっと陽菜子は人生で一番後悔した。
自分の知らない世界で戦って、そして死んでいった母。何も知らずにのうのうと生きてきた自分に腹が立って、なにも出来なかったことが悔しくて。
けれど今、彼女は其の世界に立っている。戦う力を持っている。ならばもう二度と後悔しない為に――――此の拳は、悲しみを打ち砕くための魔法だから。

「私は偽善者かもしれませんし、きっと馬鹿だと思います」
「でも…………何も知らずに、なにも分からずにただ殺しあうなんて、そんなのは嫌です」
「だから、教えてください――――どうして私を殺そうとするのか」
「どうして――――――そんな、悲しそうな目をしているのか」

星のかけらを右手にぎゅっと握り締め、拳を作る。構えは我流、此の半年間実践の中で彼女が作り上げた独自のものだ。
素人丸出しの陳腐なモノだが、それでも今は構わない。ただ相手の攻撃を受け、相手に攻撃を与えられれば其れでいい。
無傷で相手と分かり合おうだなんて、そんな甘いことを陽菜子は一切考えていなかった。
敵意を持った相手と分かり合おうとする以上、傷を負う事なんて大前提――――全力でぶつかり合ってこそ人は分かり合えると、信じているから。
だから彼女は問うと同時に、構えた。全力で相手を受け止め、そして自分の全力を受け止める為に――――。
24 :ヴァルプ・ヴェルリエル [saga]:2015/03/17(火) 00:49:44.37 ID:I72fuyn50
>>23
//眠気のほうは大丈夫でしょうか?
//こちらはだいたい3時ぐらいまでならば大丈夫ですがー
25 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/17(火) 00:51:34.42 ID:jOpNtjYYo
>>24
//全然だいじょうぶです!
26 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/17(火) 00:54:33.97 ID:2cS4M03Co
>>19
「ま、それだけ叶えたい願いがあるってことだな。あたしもそうだしよ。」

良い願い、悪い願い、どちらとも言えない願い。様々な願いを持った少女達は皆、それぞれ戦う理由がある。一姫だってそうだ。負けられない、必ず叶える。そう心に誓った願いがある。

「かけらあるからって無茶はすんなよ。あたしだって……その……せっかく出来た友達を失いたくねぇし……」

少し照れながらも言う。一姫は周囲から不良に見られがちで友達が少ない。その事を妹の二那に心配されているくらいだ。そのため、自分のことを友達だと言ってくれた豊穣には、少なからず恩を感じている。

「いや、相手も組んでた訳じゃないんだけどな。乱戦だった。でも、その案いいな。確かに有効かも知れねぇ。」

二対一。この間の戦いで、自身の力不足を感じた一姫にとっては魅力的な提案だ。二対一ならば、相手が格上だろうと勝てる見込みがある。一か八かの小細工に頼らなくてもいいのだ。

「オッケー、連絡先だな。」

(本名……なのか……?)

そう言って、ポケットからスマホを取り出す。その名前をみて、驚愕の色を隠せないがとりあえずは、連絡先の交換。画面には、兵馬一姫の名が。因みに待ち受けは、妹とのツーショット写真であった。

「んじゃ、もし公園付近に魔法少女っぽいのがいたら、連絡頼むよ。じゃあな!」

そして、それだけ言うと帰って行った。


/時間が遅くなって来たのでこれで
絡みありがとうございます&お疲れさまでした!

27 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/17(火) 01:17:51.55 ID:PIQXnQjuo
>>26

「なんだテメェかわいいなオイ☆ 無茶すんなって言ってくれたのはマンモスうれピーが、その約束は守れそうにないゾ☆」
「ハベ子ちゃんにも死んでも叶えなきゃなんねえ願いがあるんだからな☆ 無茶しなきゃ愛は掴み取れねぇんだぜ☆」

【頬をほんのりと赤く染める彼女の反応が少し意外だった。案外素直でカワイイ子だと思ったらしく、ニヤリと微笑みながら肩に手を置いてハベ子ちゃんはそう言った】
【――――それでも、彼女は首を横に振る。ふざけた口調にふざけた格好、ふざけた戦術。でも闘う意志は、覚悟は、願いへの渇望は――――紛れもなく、本物】
【其れ故のこの戦略であり、幸運にも彼女もその提案を受け入れた。スマホの画面には、兵馬一姫。その名前がスマホの画面とピンク色の瞳(カラコン)に映り込んだ】

「一姫ちゃんか、名前も可愛いんでないの☆ じゃあ一姫ちゃんシクヨロ☆ もし相手がかけらを奇数個持ってたら少ない方が多く貰う、偶数だと平等に分ける☆」
「まぁ相手のかけら根こそぎ奪うってのはムズイだろうけどな☆ まあ兎に角協力できればお互いオイシイだろうしガンバだお☆」
「ってことでハベ子ちゃんをよろしくおにゃーしゃー☆ ばいびー☆ ――――あ゛ぁ〜……しんど……帰ったら腰の湿布張り直してチ○ビタ飲も……」

【内心こういう名前が良かったな、とコンプレックスを爆発させながらもそこは何とか隠していつものきゃぴきゃぴなハイテンション】
【彼女が公園から姿を消すまで、ぶんぶんと手を大きく振って――――そして完全に消えた瞬間、若々しいオーラが一気に消えたのだが、その姿を彼女は知らない】

/ありがとうございましたー!!
28 :高坂 椿姫 [sage]:2015/03/17(火) 01:17:53.41 ID:iDnf4sW1o
>>12

【三角帽子にマントという魔法少女というよりは魔女っぽいそ風貌の魔法少女、高坂椿姫は日課と化した夜回りを行っている最中だった】
【その主な目的は星のかけらの収集、他にもまだ見知らぬ魔法少女の情報収集であったり、トラブルに巻き込まれている者がいないかの確認も兼ねているのだが】
【何時も通りに家々の屋根を軽やかに飛び移りながら魔翌力の探知を行っていたとき、見知らぬ者の魔翌力とその結界の存在を新たに感じるのだった】

「結界発見っと、中にいるのは・・・・・・ひとりだけかしら?こういう時に探知能力の高い人なら中の様子も分かるんだけど
 とりあえずは確認してみましょうか。かけらの奪い合いの真っ最中ってのだけは勘弁してほしいところだけど」

【そう独り言を零しつつ結界の詳細な座標を割り出せば、飛行の魔法によってその場所へとすぐに辿り着く】
【世界から隔離された空間の中へと何の警戒心も抱かずに入り込もうとするのは、彼女の魔法少女としての経験がまだ足りなかったからだろうか】
【そうして椿姫は躊躇いなく結界の中へと進入し―――次の瞬間には己の不用心さを悔やむことになる】

【目の前に広がっていたのは自分の知る結界の中とは全く異なる光景、禍々しい異界と化した世界だったのだから】

「・・・・・・な、何なのよこれ。かけらのせいでこうなったの?それとも・・・・・・」

【この異常な空間へと踏み入ってしまったことへの後悔、未知の恐怖に対する不安と焦燥】
【パニックを起こしそうになるものの気合で何とか押さえ込めば、現状を確認しようとすばやく周囲を見渡して】
【すぐに十数メートル先に立つ、ひとりの魔法少女の姿を確認するのだった】

【自分から声をかけることができなかったのは、彼女の足元に咲く真っ赤な花のようなものの正体に気づいたからであり】
【無言のまま杖を構えて警戒態勢をとる彼女の頬を、一筋の汗が流れ落ちた】

//では、よろしくおねがいします!
29 :ヴァルプ・ヴェルリエル [saga]:2015/03/17(火) 01:20:19.79 ID:I72fuyn50
>>23
ばかじゃねぇの、つぶやいた其の言葉はふと漏れたものだと思っていた。
けど本当は、そこに避けてほしいという願いが込められていて、ヴァルプはどこかで柊崎を殺したくないと願っていたということ。
ヴァルプの胸に芽生えたそれは、きっと罪悪感などと呼ばれるのだろう。
けれど其の名を自覚することは出来なかった。したくなかった。
その思いを認めてしまったら、きっと一生迷ってしまうから。

「うるせぇ……そんな台詞は聞き飽きてんだ……
 お前に教えてどうなるんだあぁ!?どうせ助けるだなんて言うんだろ!?
 そういってッ!……本当に助けてくれる奴なんてどこにもいねぇじゃねぇか!!」

柊崎が動かないならば好機、とヴァルプはハンマーを構えて飛び込む。
感情任せなその行動は非常に直線的―――だが、多重にかけられた身体強化術式により、ただの腕力であればかなりのもの
そして振り下ろされるハンマーもただのハンマーではない。真っ赤に発熱し、その熱は容易に鋼鉄を抉る
強化された魔法少女の肉体だとしても、もしも命中したならばミンチは避けられない。

「どうせ、お前もかわいそうって顔するだけなんだろ?
 どうせお前もそこらの屑と同じなんだ―――死ねよ」

見るからに『痛い』攻撃だ。恐らく柊崎は回避を取る。
だが、焦葬鎚≪ヘヴィーヒート≫はそれだけでは終わらない。
柊崎が回避し、ハンマーが地面を焦がしたならば、そこには『印』が刻まれる。
そして印は光を放ち―――爆発を起こす。
感情任せに振るった攻撃には、感情任せの魔力、爆発が自分にも及ぶなんて考えられていない量の魔力が込められている。
無傷で居ることは難しい、はずだ

もしも柊崎が受け止めるなんて事をするなら、『印』は柊崎の手甲に刻み込まれることになる。
そして至近距離で放たれる爆発―――は起きないはずだ。
ヴァルプの迷いが、『印』の軌道を許さなかった。
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/17(火) 01:46:32.81 ID:31MTpC6DO
検索して視聴できます
http://utato.me/?guid=ON&inv=AVlhBVtOeTAwMDc%3D
31 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/17(火) 01:52:08.92 ID:jOpNtjYYo
>>29

「少し前の私だったら、そうかもしれない……けど、今の私は魔法少女だから」
「それが偽善だって言われても、目の前に困っている人がいたら放ってはおけないよ……」

母が残した手甲型魔導機、此れがなければ陽菜子は殆どの魔法が発動出来ず、逆に言ってしまえば魔導機さえ手放してしまえば彼女は一般人と変わらない。
託された魔導機、しかし使わないという選択肢もあの日確かに存在した。其の上で戦うことを選んだのは彼女で、選んだ以上魔法少女としての責務は果たさねばならない。
魔法少女としての責務――――即ち、人々の救済。他の魔法少女の在り方は知らない、けれど陽菜子は魔法少女になると決めた時から其の責任を負うと決めたのだ。
それは名前も知らない誰かのためで、同時に自分自身のためでもある――――父を失って、そして母も失って、何の目的もなく空っぽに生きていたあの時。
そんな自分に目的と使命を与えたのは、紛れも無く魔法少女≠ナ、あの日から魔法少女であることが彼女の誇りであり存在意義となった。
だから逃げれない。逃げれるわけがない。助けられるかどうかなんて分からないけれど、それでも目を逸らすことなんて出来る訳が無くて――――。

「――――――――くぅっ!?」

赤銅の魔法少女が接近し、ハンマーを振り下ろす。驚異的な威力と引き換えに大きな動作、最初から躱すつもりならば機動力の低い陽菜子でも回避出来ただろう。
そしておそらく回避が最も安全で正しい。防御に自信がない限り、此処は絶対に躱す場面だ――――だが陽菜子は、避けるつもりなど微塵もなかった。
何故なら全力で受け止め、全力でぶつかると決めていたから――――だから、躱さない。どんな攻撃でも、どんな思いでも受け止める。
残りの弾丸は九発。弾丸の数が陽菜子が魔法を扱える数であり、使い惜しんであとたったの九回しか魔法は使えない。
そしておそらく此処で使うことを惜しんだら、あの鉄槌に叩き潰されて終わりだろう――――だから防御にも全力を尽くす。

まずは一発の魔弾を装填し魔法陣状のシールドを展開、同時に二発目、三発目、四発目と合計四発の魔弾を防御陣に注ぎ込む。
陽菜子の扱う魔弾機構は、デバイス内で魔力の塊を爆発させ一時的に魔力量をブーストするという、一歩間違えれば自滅必至の危険なシステムだ。
だがそれ故に得られる効果は強大で、魔弾四発分ともなれば其の防御の硬さは並大抵の攻撃ならば耐え凌ぐことが出来る程。

しかし赤銅の魔法少女、ヴァルプ・ヴェルリエルの焦葬鎚≪ヘヴィーヒート≫は並大抵等という言葉では片付けられない明らかな規格外≠セ。
防御陣と鉄槌が激突し、同時に殺しきれなかった魔力衝撃が全身を痛めつけ、骨と肉を軋ませる。
防御陣を挟んで熱が手甲へと伝わり、重量が少女の足を地面に食い込ませていた――――痛い。熱い。苦しい。思わず弱音が口から出そうになった。
けれど其れを飲み込み、歯を食いしばり、攻撃に全力で耐えながらも相手の目を見据えて。

「それにっ――――――――教えてくれなかったら、助けることなんて出来るわけないっ!!」

助けられるかどうかは分からないけれど、教えてくれなかった助けられる可能性すらも潰してしまうことになる。
意味が無い。どうせだなんて言葉で、可能性を捨てたくない――――――――言葉は真っ直ぐに、けれど彼女なりの気持ちを込めて。
反撃を思考する余地すら無く、防御に意識を集中しなければ一瞬で潰される。その上次の瞬間にでも押し負けそうなのだから、陽菜子に反撃の選択肢はなく。
よって彼女が扱える武器は言葉と気持ちだけ――――印が、手甲に刻まれた。
今はまだなんとか耐えているが、熱と重量、衝撃は未だに陽菜子を圧倒し続けている――――押し負けるのは時間の問題であり、其の均衡はおそらく数秒で崩れるだろう。
敗北は目の前だった。既に身体は限界で、例え攻撃を凌ぎ切ったとして陽菜子に攻撃をするだけの余地があるかどうかすら定かではなく。
陽菜子も其れをわかった上で、気持ちだけは負けないと防御陣維持の為の五発目の魔弾を装填した。
32 :ヴァルプ・ヴェルリエル [saga]:2015/03/17(火) 02:45:15.59 ID:I72fuyn50
>>31
漫画で見るような、絵に描いたような台詞が、頭に突き刺さる。
こいつと話しているだけで、知らない何かが頭に入り込んできやがるんだ。
気に入らない。気に入らない。気に入らないッ!
他人なんて、どうせ虐げるか見てみぬ振りをするだけなんだ。
そうじゃなかったら、身体に刻まれた無数の傷は出来なかったし、自分が魔法少女である事もない。
こいつも、あいつらと違うわけがないんだ―――

「魔法少女だからなんだッ!
 力を持ってる分、『あいつら』より酷いことが出来るだけじゃねぇかッ!!
 うざったいんだよ……もう、しゃべるなよぉお!!」

振り下ろしたハンマーに更に力が、魔力が篭る。
避けられるだろうと思っていたが避けないならば好都合なだけ。

「その口ごとッ……お前の全部、ぶっ飛ばしてやるッ!!」

込めるのはありったけ、今打てる全部で―――こいつを否定してやる
ヴァルプは魔力量が決して多いほうではない。寧ろ少ないといっていいだろう。
そうでもなければ、全身に多重の身体強化術式をかける必要も、それによる負荷で痛みを感じる必要もない。
―――それでも、その絶対量の少なさを補うだけの火力がヴァルプにはある。

四重にブーストがかけられたシールドに罅が入る。が、罅が入ったのはシールドだけではない。
規格外の代償は重い。既にヴァルプの身体にも罅が入っていた。
感情任せにハンマーに込めていた魔力もそこが見え始め、負荷に耐えていた身体もきしみ始め、全身の傷口から血を流し始めていた。

最後の一押し、残った全てをハンマーに込める。
全身から血涙を流しているかのような姿となった今でも、痛みはたいして感じやしない。
胸にうごめくこの気持ちの悪い感情さえ晴れれば、身体が多少どうなろうとかまうものか。
あいにくさま、痛みには慣れているッ!

込められた魔力に答えるようにハンマーは赤を超えて輝き、『印』もまた太陽のごとく閃光を放つ。
シールドを張ってくれているなら迷いは無い。

「これで生きてたらッ……教えてやるよ!」

今ッ!『印』をッ!起動するッ―――

両者の視界が白で埋まる。爆音が耳を殴る。公園全てをも埋め尽くす爆発が二人を包んでいた。
視界が戻るには少し時間がかかるだろう。数十秒経ち、視界が戻ったときにはヴァルプは結界から姿を消していた。
魔力はもう使い切った。身体にももう限界が来てる。とまぁ、理由は色々と上げられるが―――
結局は胸に芽生えた感情に、もう耐え切れなくなっただけ。ヴァルプは逃げ出したのだ。

//すいません遅れました……
33 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/17(火) 03:04:01.05 ID:jOpNtjYYo
>>31
//非常に申し訳ないのですが眠気が限界なので、凍結か締めしていただけると嬉しいです……
//凍結の場合火曜は来れず水曜から再開になるので、最悪破棄してもらっても構わないです
34 :ヴァルプ・ヴェルリエル [saga]:2015/03/17(火) 03:06:26.33 ID:I72fuyn50
>>33
この文で〆のつもりでしたので、返信はいつでも大丈夫ですよー!
今日のところはお疲れ様でしたー!!
35 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/17(火) 03:07:48.11 ID:jOpNtjYYo
>>34
//すいません、時間があるときに〆のレスを投下させていただくので……
//絡みありがとうございました!
36 :フォルリィア>>81 [saga]:2015/03/17(火) 17:20:45.31 ID:tpFW03Ie0
>>28

【蔓延す異臭腐臭。誰かの吐瀉物に埋もれる人形。鳥の様に空を飛ぶマネキン。目が痛くなる様な赤紫色の景色。柔らかな土。生暖かい温度。地に埋もれた人顔。言い表せない不快さ】
【────狂気。狂気。狂気。狂気。狂気。不快。不快。不快。不快。不快】
【ああ、と叫びながらフォルリィアは人顔を踏み潰した】

────────貴女魔法少女?それとも魔女さん?
お姉ちゃんも遊びたいの?
いいよ………何して遊ぶ?鬼ごっこはもう飽きちゃったから成るべく違うのがいいな。

【落ち着いていて、されど無邪気な口調でそう言いながら後ろの少し離れた場所に立つ高坂椿姫へとフォルリィアは体を向けた】
【真っ白な衣服には真っ赤な血液が不規則に染み付いている。美しく幼い少女の顔には真っ赤な血液が斑点模様の様に付着している。純粋無垢な少女の左目は真っ赤な赤眼、純粋無垢な右目はグシャグシャに潰れていて真っ赤な血液を涙の様に流している。口からは唾液を垂れ流れ流し、小さな両手は人間の体液に染まっている】

お姉ちゃんは、海と森……どっちが好き?ねぇ、どっちが好き?
私と遊んでくれるから、せめて場所だけはお姉ちゃんが決めていいよ。
そしたら、遊ぶ内容も少しは思い付き易くなるでしょ?
ちなみに、私はお姉ちゃんと遊ぶ内容決めてるよ……────"星のカケラ争奪戦"。

【地に埋もれる人形に一滴の真っ赤な血が流れ落ちた途端、突然嵐の様に強く激しくフォルリィアから溢れ出す狂気とも言える意識内容は念話の使えない魔法少女でも感じることができるだろう】
【赤眼を見開きながら、その場から動かないフォルリィアは同じく動かない魔女の様なコスチュームをした椿姫を見て頭の中で壊れる椿姫と壊す自分の姿を想像していた】
【『腕をちぎる』『眼球を弄る』『服を真っ赤に』『暴れたら足を』『魔女なんだ』『魔法少女なんだ』『普通じゃない』『どうして動かないの』『右目を潰して』『断られたら』『星のカケラがある』】
【念話を使えないフォルリィアの思考は、フロルという結界の魔力を通して無差別に断片的な内容として念話となり椿姫へと流れるが椿姫がそれを読めるかどうかは分からない】
【そんなことにフォルリィアは気付かず、最終的にその断片的な思考は『遊ぶ』という一言に変化し、それ以外の考えは全て消え去った】


37 :上田美奈 [sage]:2015/03/17(火) 22:22:27.52 ID:7RBjUI1xO
【上空。曇り空の雲の上。背景に満月と天の川】
【魔法少女になって一つよかったことは、地上の天気が悪くても星が見られることだ】
【運が良ければ大気光。フィールド防御を全開にすれば、空が蒼から玄に変わる領域まで】
【今宵は、そこまで高くない。富士山のてっぺんより低い】
【ただ、この高さにいてもミナは自分は飛行が得手とは思っていない】

「飛ぶのが上手い魔法少女って、やっぱりひねり込みとかできるのかなぁ」

【空の星を数えながら、空に夢見た赤い豚さんを追いかける同輩たちの姿を想像してみる】
【あの映画の空中戦みたいに飛べれば、どれだけ楽しいだろう】
【そして思い直す。飛行が不得手なことと空中戦が下手なことは別問題である、と】
【小回りは効かないが最高速と瞬間の加速なら、多少は自信があるのだから、それを活かせばいい】
【今夜はまだ時間に余裕があるのだから、ダウジングが反応するまではちょっと真剣に考えてみよう】

【かくして、瀬平戸市上空3000メートル付近で空中ソロダンスがひっそりと開幕しているのであった】
38 :高坂 椿姫 [sage]:2015/03/17(火) 23:18:37.52 ID:e+a8nwzYo
>>36

【そこは狂気が蔓延する異世界。五感の全てから得られる情報が理性を蝕む牙となる】
【結界の魔翌力を通じて脳裏に直接流れてくるのは、自分自身がまるで子供が玩具を壊すように殺されてしまうイメージ】
【それがフォルリィアの思い描いたイメージだと気づけたのは、同時に流れてきた彼女の思念があったから】
【もっともその内容は読むことはできても理解することは全くできないものだったが、それでも椿姫はひとつだけ理解できたことがある】
【彼女は明らかに自分に危害を加えようとしていること。それを理解した上で椿姫は・・・・・・】

「・・・・・・全く、本当は子供の相手なんて苦手なんだけど」

【流れ込んでくる思念を遮断する精神防壁を構築しながら、冷や汗を流しながらもにやりと不適な笑みを零す】
【もし今の椿姫の心を読めるのなら、実にシンプルな思念が読み取れるだろう―――『遊びとやらに付き合ってあげましょう』と】
【常識的に考えれば相手の誘いに乗るよりも他の方法を選ぶべきだろう。しかし椿姫はあえて正面から挑む道を選んだ】
【それは根拠の無い慢心か、それとも実力に裏づけされた自信なのか、実際は恐らく半分半分といったところだろうが】
【ただ、彼女は逃げや姑息な手を選ぶくらいなら正々堂々と立ち向かうような性格でり、彼女の魔法もまたそのスタイルに合致したものだった】

「森と海、どっちでも・・・・・いや、森がいいかしら
 最近は忙しくて自然に触れ合う機会がなかったから、たまにはそういうのもいいわね
 ・・・・・・さあ、楽しく遊びましょうか?」

【まるで日常会話でも交わすかのような口調で語りかけながら、椿姫はゆっくりとフォルリィアの方に近づいていく】
【その視線は休まず彼女の純真無垢な瞳へと向けられていて―――同時に右手に握った杖を密かに起動させた】
39 :恩納 風利 [sage]:2015/03/17(火) 23:19:47.52 ID:ThqCKj0+O
>>37

【雲を隔てて下界から隔絶された月下のステージ、観客も無いそこに何処からか声が聞こえてくる】

……ぁぁぁぁぁああああ あ あ あ!!

【ここは既に地上3000mもの高空、しかし聞こえてくる声は在ろう事か頭上から響いており】
【徐々にではあるとのの、明らかに速度を増しながら声は美奈の方へと急接近しつつあり】
【刻一刻と迫るその声のボリュームが最高潮となった次の瞬間】

あ あ あ あああぁぁぁぁぁぁぁぁ……

【美奈のすぐ近くを少女らしき人影が叫びながら高速で地面に向かって落下していく】
【声はみるみる遠ざかっていくが放っておけば人影が地面に衝突するのも時間の問題だろう】
40 :パメラ [saga sage ]:2015/03/17(火) 23:20:37.51 ID:grf6HxUZO

【公園】
【昼間は人々が数多く足を運び、夜は静寂に包まれる場所】
【そこで、一人の魔法少女がある怪物と戦っていた】
【正確には、公園内に張られた結界内で、だが】

ふぅ……
『シューティングスター』セット…

【夜空を羽ばたく、大きな黒い影】
【対するは長い銀髪に紅眼に、紫のメイド服を着て大型の、近未来的なランスを手にした高校生くらいの少女】
【彼女は、空から降る黒い羽根の魔力弾を見切り】
【逆にこちらは多数の光弾は、寸分たがわず命中させる】

『ライトニングライト』セット
……これで終いですねぇ

【更に、数条の閃光が走り】
【甲高い叫びと共に、影を地に叩き落とした】
【そうして黒い影……星のかけらの影響で魔性の力を得たカラスは】
【『4体全て』撃破されたのだった】

他のカラスは影響を受けただけ、みたいですねぇ……大元はこちらですかぁ

【最後の一体からポロっと落ちた星のかけらを確認して】
【ついで、結界も解く】
【カラスは、すでに普通のサイズに戻っており】
【公園には、誰も……?】
41 :上田美奈 [sage]:2015/03/17(火) 23:25:26.48 ID:7RBjUI1xO
>>39
【きれいな縦ループをきめたところで何かが落ちていった……?】
【自分より高い高度を飛ぶ魔法少女がいるのは、珍しいけどありえないことではないけれど
 なんであの子は立て直しもしないで落ちていくんだろう?】

「って、大変!!」

【慌てて結界を展開して、周囲を隔離空間化】
【ご本人はともかく、この高さから魔法少女の防御力で落っこちれば、
 巻き込まれた普通の人や、直撃した建物を粉砕するに余りある威力になりかねない】
【落下を止める、という思考回路はないらしい。ある意味で慣れすぎてる判断ではある】
【地面に着弾する音で、ミナがびくっとなるまであと数分? 数十秒?】
42 :フォルリィア>>81 :2015/03/17(火) 23:45:18.86 ID:tpFW03Ie0
>>38

──────────♪

【幼い少女は治癒魔法も飛行魔法も回復魔法も攻撃魔法も念話魔法も探知魔法ま使えなかった。まだ幼い少女が使える唯一の魔法は《結界魔法》のみ】
【だからフォルリィアには椿姫の思念なんていう一種の精神的、内面的判断を魔法を通して読み取ることは出来なかった】
【しかし、彼女の精神構造といったモノを読み取ることが出来なくともフォルリィアは椿姫がこれから『遊んでくれる』と彼女の意を決した表情やその不敵な笑みを見て直ぐに直感的に理解した】
【椿姫の流す冷や汗の様にフォルリィアは赤い血を流し椿姫の不敵な笑みを真似る様にフォルリィアは無邪気で不気味な笑みを浮かべる】
【フォルリィアの裂けるほど上がった口角からは僅かに白い八重歯がチラつき、潰れた瞳と赤眼は狐の目のように細くなった】

そう……じゃあ、遊び場は《森》ね!
遊ぶ内容はね、やっぱり《星のカケラ争奪戦》がいいからそれで決定っ♪

【椿姫の返答を聞いたフォルリィアは変わらず笑顔でそう言うと、細めていた瞳を見開かせ──────《エトランジュ》と次なる遊び場の名前を口に出した】
【フォルリィアがその単語を声にした瞬間、突然とフォルリィアから溢れ出す魔翌力力場は一瞬にしてフロル全土へと広がった。激しい風圧と消えてゆくフロル内部の狂気や不快さ。そして崩れ出した結界フロル本体。まるで硝子の様に結界内にはヒビや亀裂が現れ、瞬く間にフロルは崩れ消滅した】
【そして現れたのは、真夜中の《森》と潰れた瞳が治っている巨大で真っ赤な斧を持った破顔するフォルリィアの姿────】


43 :恩納 風利 [sage]:2015/03/17(火) 23:45:36.24 ID:ThqCKj0+O
>>41

いぃやぁぁぁぁっ!! しぬぅ! しんじゃうぅぅぅ!!

【超高空からの高速自由落下の最中、パニックに陥った様に手足をばたつかせる人影】
【遥かに遠く広がっていた大地も、もはや目と鼻の先まで迫っている】
【恐怖と混乱のあまり激突より先に気を失ってしまおうかという寸前】

っ!? けっか、い……っ!! か、かさかさかさぁっ!!

【自身の周囲に突如として広がる結界魔法、その瞬間に思い至った自らの魔具の使い方】
【慌てふためきながら無意識に抱え込んでいたソレ、強い魔翌力を帯びた傘を両手で掲げて迷いなく開いてみせる】

〜〜〜〜〜〜〜っ!!!

【すると隼もかくやといった勢いの落下速度が急速に減速を始める】
【地上まであと数百メートルといったタイミングであったにも関わらず、着地は階段を数段飛ばした程度の衝撃】
【そんな程度であったにも関わらず着地後、何故か人影は傘にしがみついたまましゃがみ込んでピクリとも動かない】
44 :上田美奈 [sage]:2015/03/17(火) 23:51:55.44 ID:7RBjUI1xO
>>43
【よかった。アスファルトに人型の穴があく光景を見逃したのは残念だけどケガはなさそう】
【……足がしびれた? 足をくじいた? 魔法少女なら怪我してもさっくり治るでしょう】
【一応様子見。とりあえず様子見。そこそこ速いスピードで降下し、距離をとって監察】
【前にここから不意打ちされた経験があるので……】

「おーい、無事ですー?」

【近場の建物の屋根を足場に、地味系灰色マントからの声掛けです】
【傘使う人なら、落下には耐性あるだろうし、声に心配の色は一切なし】
【事務的な確認って感じがありありと……】
45 :恩納 風利 [sage]:2015/03/18(水) 00:06:53.71 ID:JFafujpDO
>>44

【警戒しつつ観察する間も傘の下でペタリと座り込んだ姿勢のまま身動きもしない人影】
【しかし事務的な口調ながら自身へ向けられたであろう声が届くとビクリと小さな背中に震えが走り】
【傘をさしたまま、ぎこちない動作でゆっくりと声のした方へと振り向いた人影の顔は】

………………〜〜〜っ………

【全体的に青系統で統一されたコスチュームに誂えたかの如き蒼白に染まっており】
【正面からよくよく見れば小刻みに震えている体と併せて考え見れば】
【その表情は敵意や好意、警戒や油断などの一切を持つ余裕すらない、切羽詰まったもの】
【端的に言えば、今にも吐いてしまいそうなのを喉元で押しとどめているといったものであった】
46 :上田美奈 [sage]:2015/03/18(水) 00:13:07.44 ID:zTFsuHpsO
>>45
【方向180度回転。これは見ちゃいけないものを見てしまった】
【落下で酔った? それとも月イチで調子が悪い日に飛んだから?】

「見ません! 耳も塞ぎます! だから出しちゃってください!!
 結界解除すればたぶん消えますから!!」

【恐らく、魔法少女史上であっても極めて稀かつ、最低最悪に類する結界の使い方であろう】
【幸いにして一般人は隔離済みだし、少なくとも展開した自分の感知範囲には人はいなさそう】
【ステルスしているのがいないのであれば目撃者は唯一自分だけ、ということになる】

「背中さするとかより、出しちゃったほうが絶対楽ですから!!!」

【スレ開始して1000レスも貯まる前にゲロイン誕生の瞬間に立ち会ってしまいそう】
47 :恩納 風利 [sage]:2015/03/18(水) 00:26:38.00 ID:JFafujpDO
>>46

〜〜〜〜〜〜〜……っ!

【嗚呼無情、この場で唯一の救い主になり得る存在はこちらに背を向け耳を塞いでしまった】
【出してしまえば楽になる、そのセリフが頭の中をグルグルと巡り行く】
【しかし人が他にいないとは言え往来のど真ん中、こんな格好で夜に吐瀉物塗れなど、余りにもあんまりではないか】
【故に、救いを求めるように背を向ける人影に尚も伸ばそうと身じろぎしたその瞬間】



・・・・・数分後



…………もうやだ…………風に吹き消されてしまいたい

【そこには幾分か血色を戻すも、代償として大いに生気を欠いた表情で電柱にもたれ掛かり項垂れる姿が】
48 :高坂 椿姫 [sage]:2015/03/18(水) 00:30:10.34 ID:9XeG9UOZo
>>42

【結界の書き換え、どうやらそれが彼女の使う魔法らしい】
【装い新たに広がる光景は真夜中の森のそれであり、先ほどまでとは比べ物にならないほど目に優しい】
【もっとも暢気に森林浴を楽しんでいる暇はなさそうだと―――大斧を構える彼女の姿を見て悟らされる】
【遊びの名前は《星のカケラ争奪戦》、魔法少女なら誰であろうともその意味は分かるだろう】
【時に命の奪い合いにまで発展する魔法少女同士の争いを、果たして遊びと言い切ってしまってよいのかは甚だ疑問ではあったが】

「……さて、いっぱい遊びましょうか、真っ赤な魔法少女さん」

【椿姫はそう不敵な笑みを浮かべて答えれば、手にした杖をまるで指揮棒のように優雅に振るう】
【その動作に応じるかのようにして椿姫の背後に浮かび上がるのは、真紅に輝く幾何学的文様によって描かれた魔方陣】
【静かに、しかし確実に、椿姫は全ての照準をフォルリィアに向けて定めて―――】

「―――けどその前に、ひとつだけ質問があるわ
 これは星のカケラ争奪戦なんでしょう。ならあなたはカケラを五つ集めれば願いが叶うってことも知っているはず

 ……あなたはカケラを集めて、何を願いたいの?」

【常軌を逸した狂気を内包する彼女が、カケラを求める理由】
【引き金に指がかかっている状況で訊ねたのは、魔法少女の存在理由でもある願いについてだった】
49 :上田美奈 [sage]:2015/03/18(水) 00:35:02.51 ID:zTFsuHpsO
>>47
「大丈夫ですって。誰も見ていないし聞いてませんから」

【案の定、結界を解除すればそこはいつもの往来に戻りました】
【ぬるめに淹れたほうじ茶を魔法瓶から注ぎつつ差し出しましょう】
【気にしないから、口をゆすいで? ね?】

「とりあえず、家までは付き添いますよ、えぇ……」

【安い同情とは思いつつも、多少のアフターケアはするそうです】
【心のなかで合掌】


.//
このあたりで終わりましょう
お疲れ様でした
50 :フォルリィア>>81 [sage]:2015/03/18(水) 01:18:32.06 ID:pBiMEYMn0
>>48

【地響き。震動。割れる大地。フォルリィアは無言で斧を地面へと叩きつけた】
【闇と自然に支配された結界《エトランジュ》。漆黒の影がフォルリィアと椿姫の零細な体を包んでいる】
【この遊び場でこれから始まる遊びは、椿姫からすれば決して遊びなんて優しい言葉で片ずけていい行為では無いことは椿姫自身がよく分かっている筈だろうが、フォルリィアはそうとは思っていなかった】
【星のカケラ争奪戦も砂場遊びも、フォルリィアにとっては楽しい行為であり、暇潰しの行為でしか無く、その二つは等しく遊びという類であり違いはなかった】
【その思考は未熟な精神的年齢とフォルリィアの精神構造が常人とはかけ離れていて極めて異質という二つの要素が複雑に混じり合った結果生まれた、幼稚であった】

よろしくねっ、魔女のお姉ちゃん!
沢山、沢山、遊びたいから簡単に────壊れないでよねッ!!

【椿姫の不敵な笑みに対して応え返すかのように歓喜に満ち溢れた笑顔を見せながら巨大な斧をいとも容易く持ち上げ、椿姫を真っ二つにする為の予行練習とでも言いたげにその斧を縦横に振り回しながらフォルリィアはそう言った】

あ、私の斧とお揃いだねっ、お姉ちゃんの背後にあるやつ!!
じゃあ、お姉ちゃんの武器はその杖ってことかな??

【椿姫の背後に現れた真紅の魔法陣を見て、フォルリィアは手に持つ斧と見比べながらはしゃぐ様に喋る】
【まだ椿姫の魔法を見ていないことからの興味と既に椿姫をただの玩具としか見えないフォルリィアは警戒の様子すらも見せない】
【幼い子供は自分の知っている場所に居ると変に安心したり、逆に自分の知らない場所にいると不安になったりするが、フォルリィアにはそんなことは無いようで例えエトランジュに居ようが安心は無く、ひたすら歓喜に支配されていた】

え?私のお願い事??
ん〜…………とねぇ、えっとねぇ……。
──────"楽しく遊ぶこと"かな!

【フォルリィアは悩んだ。そんな質問は生まれて初めてだったからだ。よくよく思い返せばなぜ自分が星のカケラを集めていたのか、という疑問を持ったフォルリィア】
【そしてすぐに、魔法少女が遊んでくれるから、という答えに辿り着く】
【星のカケラを持っていればそれだけ、魔法少女と関わり争うことになる。フォルリィアはそれを理解していたから星のカケラを集めていたのだ】
【そして魔法少女と遊ぶことはフォルリィアにとっては大変楽しい行為である為、星のカケラが揃えばその願いを叶えるだろう】
【だがフォルリィアの魔法少女と遊ぶというのはいわば、殺し合い、であり楽しく遊ぶというのは、殺し合いをして魔法少女を[ピーーー]こと、を意味する】
【つまり、フォルリィアの願いが叶えば彼女に殺される為だけに魔法少女になる人々が出現するということだ】

だから、お姉ちゃんも楽しく遊ぼうねっ!!

【フォルリィアは質問にだけ答えると、大地を蹴り、椿姫の元へと走り出した】
【いつでも対応出来るように斧は構えているフォルリィアの姿は戦い慣れ、殺し慣れていることを感じさせた】


51 :恩納 風利 [sage]:2015/03/18(水) 14:36:54.51 ID:JFafujpDO
>>49

……そうデスネ……平気デスヨネー……うぅぅ……あったかい

【どんよりと沈みきった顔で投げやりな返答を返すも、差し出されたほうじ茶を受け取り口に含ませる】
【だがその温もりの為か、どうにも物悲しくなってしまったのか半ベソをかきつつほうじ茶を飲み干していく】

……ありがとうです、魔法少女の……えっと、お姉さん

【申し出に甘え家の近くまでと断った上で歩き始める】
【月光の届かない雲の海の下、夜の街を並び歩く二人の人影は】
【誰に見咎められることもなく街の何処かへと消えていった】

//遅くなりましたが〆の返しです
//絡みありがとうございました
52 :パメラ [saga sage ]:2015/03/18(水) 20:13:49.26 ID:jyL6nYdfO
【公園】
【昼間は人々が数多く足を運び、夜は静寂に包まれる場所】
【そこで、一人の魔法少女がある怪物と戦っていた】
【正確には、公園内に張られた結界内で、だが】

ふぅ……
『シューティングスター』セット…

【夜空を羽ばたく、大きな黒い影】
【対するは長い銀髪に紅眼に、紫のメイド服を着て大型の、近未来的なランスを手にした高校生くらいの少女】
【彼女は、空から降る黒い羽根の魔力弾を見切り】
【逆にこちらは多数の光弾は、寸分たがわず命中させる】

『ライトニングライト』セット
……これで終いですねぇ

【更に、数条の閃光が走り】
【甲高い叫びと共に、影を地に叩き落とした】
【そうして黒い影……星のかけらの影響で魔性の力を得たカラスは】
【『4体全て』撃破されたのだった】

他のカラスは影響を受けただけ、みたいですねぇ……大元はこちらですかぁ

【最後の一体からポロっと落ちた星のかけらを確認して】
【ついで、結界も解く】
【カラスは、すでに普通のサイズに戻っており】
【公園には、誰も……?】
53 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/18(水) 22:30:24.92 ID:VP5Yqi1to
>>32

現状で既に耐えられる限界値は突破している、それでも押し潰されていないのは瞬間的な爆発力が高いという陽菜子の特性と、そして気持ちが未だ折れていなかったからだ。
けれど所詮は魔法少女になってまだ半年の見習いで、戦法も技量も何もかもが相手に劣っている――――気持ちだけで何とか出来る差等、あまりに小さい。
陽菜子の全力を潰すかの如く、相手が最後の一押しばかりに更にハンマーに魔力を込める。かかる負荷は当然として、まだ余力があったのかと精神的な面ですら追い詰められ始めていた。
それでもまだ諦めない。諦められないし、諦められる訳がない。彼女には此れしか無いのだ。
手甲に刻まれた印が光り始める。強力な魔力反応、危険だと分かりながらも回避行動など取れる筈もなく。

「あっ――――」

瞬間、轟音――――――――視覚、聴覚が感知出来る域を超え、脳が状況に追いつく前に陽菜子の身体は強力な爆発に晒された。
印が刻まれていたのは手甲、即ち防御陣の内側であり、爆発は完全な直撃だった。身体は軽々と公園の端にまで吹き飛ばされ、其の姿は見るも無残としか言い様がない。
焼け焦げた戦闘衣装、覗く肌は焼け爛れ、ダメージは明らかに許容量を超えていた。陽菜子は元々身体が小さいため打たれ弱く、大抵の攻撃は直撃すれば沈んでしまう。
其のようなステータスでありながら、公園全域を巻き込むような爆発を中心で、それも防御なしで喰らってしまったのだから無事な筈が無かった。
立ち上がりたいという気持ちはあるのに、立ち上がれない。意識を回復以外に少しでも向ければ、其の瞬間きっと死んでしまうだろうから。
それでも彼女は無理矢理立ち上がろうとして、顔を上げ漸く回復した視界を爆発の中心点へと向けて。

「わた、し……は…………………」

此の半年間、インペリアルブリッツの指導を基に一人で頑張ってきた。運が良かったのか悪かったのか、他の魔法少女とは殆ど遭遇することもなく、ただ魔獣とひたすら戦い続けてきた。
強くなったつもりは無かったけれど、気持ちだけならば誰にも負けないなんて、そんな風に思っていた――――現実は、やっぱりそんなに甘くなくて。
幾ら気持ちが折れなくても、其処に戦闘技術や戦略が伴わなくてはなんの意味もない――――柊崎陽菜子は、どうしようもなく弱かった。
意思を貫き通すための力、相手を受け止められるだけの実力。力が欲しい、いや力を手に入れなくてはいけない。
強くならなくちゃ、きっと此の先自分は何も成し得ないから。

結界が消えると同時、陽菜子の変身も強制的に解かれてしまう。静かな夜、日常世界への帰還――――だが、受けたダメージは消えない。
陽菜子の扱える治癒魔法では追いつかない、そう判断したらしい彼女の魔導機が右手に握っていた星のかけらを強制的に発動する。
奇跡と称して差し支えない強力な魔法が発動し、陽菜子のダメージは完全に回復した。

「………………」

それでも、心に纏わり付いた重い何かは消えなくて。無理矢理其れを振り払うかのように、重たい身体を持ち上げた。
制服についた砂を手で払うと、肺いっぱいに空気を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。
全く歯が立たなかった。悔しさと、生身の人間と初めて戦った恐怖、そして敗北を胸に右手を握り締めて。

「――――――――…………強く、ならないと」

世界は、決して優しくない。だから強くなって、それで――――――――決意を新たに、少女は歩き始める。
主人の思いに応えるように、細い腕に嵌められた青いブレスレットが月の光を反射して小さく輝いた。

//返事大変遅れてすいません、これにて〆にさせていただきます!
//絡みありがとうございました、楽しかったです!
54 :上田美奈 [sage]:2015/03/18(水) 22:45:18.89 ID:zTFsuHpsO
>>52
「むー、出遅れたかな、これは」

【結界を解いたところにタイミングよく一名】
【もっとも戦闘するという気迫はなし。手元から伸びた振り子がかけらに向かって動いているだけ】
【ここから魔翌力弾出たりするなら銃突きつけてるような絵図ではあるんだけど
 ぶら下げている本人には全然そんなの気がついてない様子】

「カラスは光物集めるし、やっぱり多いですよねぇ。
 こっちも一羽〆たんですけどハズレでした」

【目を回した状態でぶら下げられてるカラス1羽】
【他のカラスの方にぽいっと放り投げて“森へお帰り”の構え】

「それはそれとして、今日は持ちあわせあるのでお店への案内を要求します!
 いったら準備中でしたっ」
55 :藤宮明花 [sage]:2015/03/18(水) 22:47:32.09 ID:XOvGw4Wko
木製の扉には精微な彫刻が施されていて、豪奢な装飾が施されたドアノブを握り開けば、それは軽快なカチャリと言う音を立てて開くだろう。
向こう側には先ず大きな縦長の、シルクのテーブルクロスがかけられた机と、勿論其処には幾つもの椅子が並べられ。
机の端、大きな窓を背にして、より煌びやかで、一際大きな椅子があり、其処に彼女は坐していた。彼女の眼前には、幾つかのパーツに分解された猟銃があった。
この乙女の園には似合わない、無骨、且つ、洗練された金属と木のパーツ群の一つを摘まみ、一つ、一つと当てはめていく。

――――――――黒百合学院生徒会は、現生徒会長にして魔法少女、藤宮明花により組織された魔法少女狩りの組織。

無論魔法少女達の鉄則として、表立って、少なくとも世間に堂々とそう宣言する様な活動はしていない。
だが、この黒百合学院に所属する生徒ならば嫌でも。その他の魔法少女も。耳に入れた事ならばあるかもしれない。
若しくは――――――――実際に、その犠牲になりかけた魔法少女も。

「――――――――あ」

全ての組み立て作業を終えて、ボルトアクション式の猟銃の槓桿を下げる。その振動によって伝わる衝撃で、傍に幾つか立てられていた銃弾が倒れた。
通常の銅色の弾丸と、同じ形をしていながら青い色をした弾丸。その一つが、生徒会室の出入り口の扉へところころと向かっていく。
魔法少女が扱う魔具を作り替えた"魔弾"。恐らく魔法少女であるならば、即座にそう察する事が出来る様な、魔法の力が秘められている。
彼女が立ち上がったのは、それが転がりその扉のすぐ目前に差し掛かった辺りの事。誰かが入ってくるとすれば、恐らくその爪先にでも触れる事だろう。
56 :パメラ [sage saga ]:2015/03/18(水) 23:04:01.90 ID:YrUpfi8aO

>>54

…あら?

【結界を解いた所に現れたのは一人の少女】
【良く見れば、いつか会った少々だとわかり】
【話を聞けば、どうやら他にも居た様子】

まだ居たんですかぁ…すいませんねぇ

【放り投げられたカラスを見ながら】
【とりあえずは礼を言っておく】

いつも早く閉めますからねぇ…わかりましたぁ

………それにしても、案外強かですねぇ

【そうして帰路に着こうかと思ったのだが】
【自然なように星のかけらに伸びる振り子を見て】
【もしかして待ってた?】
【なんて思うのであった】
57 :上田美奈 [sage]:2015/03/18(水) 23:13:26.19 ID:zTFsuHpsO
>>56
「まぁ、戦ってないで寝てたのを不意打ちで締めただけですから」

【たぶん、戦ってたら瞬殺された烏が4から5に増えてたと思う】
【そして目線に気がついて、振り子を小型化してスマホのストラップに戻した】
【別に漁夫の利狙いしてたわけじゃないです、はい】

「……戦ってまで取ろうとかはしないですよ。
 そこまで強い願いは持ってないので」

【ここで響く腹の虫。なんか同行者に出会うたびにおやつやお茶してる気がしてきた】
【おやつ会は平和をもたらすのです】
58 :パメラ [saga sage ]:2015/03/18(水) 23:23:08.63 ID:YrUpfi8aO

>>57

そうですかぁ…それなら、私がもらっておきましょうかぁ

【相手の言葉を聴いて】
【それならと、今回は自分が貰うことにする】

……うふふ、なら行きましょうかぁ

【そして、自身も獲物を仕舞い】
【夜道を歩き出す】
【何もなければ、15分ほどで店に着いて】
【パメラ自身が、店の鍵をかちゃっと開けるだろう】
59 :上田美奈 [sage]:2015/03/18(水) 23:32:32.06 ID:zTFsuHpsO
>>58
【飛べば早かったんじゃ、という意見はきっと却下された】
【まぁのんびり歩いたほうがお腹も減るというもの】

「魔法少女になったときに、願い叶っちゃったんですよねぇ。
 回復魔法、結構使える方だったのがあたりというかなんというか」

【願いを取引ネタにする魔法少女もいますが、ミナは積極的にぶっぱなす方です】
【多くの場合ぶっぱなしたほうが、無意味な敵対を防げるという意味と
 治療系の願いなら結構手を貸せるという意味も兼ねて、ですね】
【入り口のベルを鳴らして入店です】

「もう営業時間終わってるみたいですけど、いいんです?」

【入ってから確認するあたり、やはりしたたか系疑惑は拭えない】
60 :パメラ [sage saga ]:2015/03/18(水) 23:42:14.15 ID:YrUpfi8aO
だろう】

>>59

ふぅん……何か、治したかったんですかぁ?

【道すがら、そんな話をして】
【ついたのはカフェ「とれみぃ」】
【古風なアンティークのような雰囲気の店だが】
【中央に置かれた幾つかの機械】
【ドリンクバーやアイスバー等々が、色々ミスマッチであった】

良いんですよぉ、私の店ですし

【客が欲しい割りには運営は適当である】
【まぁそもそも、カフェの癖にドリンクバーが主力の時点でおかしいが】
【そうして、店主であるパメラ・レジエルは】
【店のカウンター内に陣取って、ゴソゴソとクッキーを取り出すと】

ではお客様、いらっしゃいませ♪
メニューはドリンクバーとプレミアムドリンクバーと期間限定サラダバーと150円のスィーツになりますがぁ?

【一口自分で食べたあて】
【満面の営業スマイルで、聞くのであった】
61 :上田美奈 [sage]:2015/03/19(木) 01:29:28.53 ID:yv0x952nO
>>60
「母をですねぇ。
 ま、そんなわけで争奪戦の場において人畜無害に潜んでます。
 なにせこの業界、願いそっちのけで戦いを楽しむタイプも少なくないので」

【同盟者として使えること。戦闘相手として楽しみにくい相手であること】
【最終目標に対して興味が薄いこと。そして完全に撃破するには手間がかかりすぎること】
【自分が、本気で争奪戦で挑むときに攻撃対象にしないのどんな相手か】
【熟考した結果がミナの現在のスタイルである。全力で後ろ向き、とも言う】
【そして店内、を見渡しふむ、と一声】
【「篭りやすい」というのが正直な感想である】

「いいですねぇ。気楽なお店な感じで」

【学生さんの懐にやさしい価格設定と飲み放題システム】
【いい具合に落ち着ける店内】
【うむ。テスト前に篭もる場としては図書館の完全なる上位互換ではあるまいか】

//
大変おそくなりました。ごめんなさい!
62 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/19(木) 01:59:10.05 ID:d/I4FdRm0

「ん、ぅーー………ん」

【絹のように艶やかな、良く手入れされた黒髪が夜の陰に混じりて溶けた】

【囁き吹く風は冷たくは無く生温い、月は雲に身を潜める、朧月夜の一欠片】
【寝静まる街、染み入る沈黙、片隅に潜む廃工場、闇に隠れる孤独な空間にて】

「……あー、くそ、足りねぇ、欠片の数もなりなきゃ、魔翌力の足りねぇ」

【厳しい表情の少女が一人いた。】
【彼女の周りには壊し尽くされた機械達の残骸が死体の様に散らばっている】

【彼女は上半身を大気に晒し、贅肉を削ぎ落とされた刃物にも似た鋭利な肉体に汗をかいていた】
【野山を駆け回った狼にも錯覚する。孤独だが故に、艶やか、その姿には機能美の如き美が宿る】

「足りねぇ、何もかも足りねぇ、勝ち取る為に、もっと気合をいれねーとなぁ」

【独り言は意思の指針にて己の揺らぎを縛る鎖、吐き出せば再び彼女は意識を集中】
【巡回する血液の熱を拳へ注ぐ想像を、強く強靭な火炎を掌で握り潰す幻想を】
【水滴程の魔翌力量、強引な術式起動に軋む身体を気合で納め、彼女は意識を絞る】

【ドクリ――――小さな波動が世界を揺らした】
63 :パメラ [saga sage ]:2015/03/19(木) 02:14:32.79 ID:OsAvAyezO

>>61

なるほど、親をですかぁ……
…そうですねぇ、最近の子は血の気が多いですねぇ

【話を聞きながら、そういえばと思い出す】

少し前に、店の中で始めようとした困った子達も居ましたねぇ
……まぁ、迷惑なんで両成敗しましたぁ

【結界張られるとはいえ、迷惑な物は迷惑であり】
【レーザーの雨で薙ぎ払ってやったのだった】
【当店、暴力沙汰は厳禁である】

いやぁ、嬉しいですよぉ
結構内装には気を使ったみたいですからぁ

【にこりと微笑む】
【パメラにとっては、この店は】
【何よりも大事な宝の一つだった】

/お気になさらずに!
64 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/03/19(木) 20:10:57.14 ID:eSQFtWfE0

【どこかの路地とか、公園とか】

「ふんふふーん〜♪」

何処かで聞いたことのあるような鼻歌を歌い、右手の中に持っていた星の欠片≠親指で弾く。
甲高い音が響き、上空へと身を躍らせる欠片。その浮遊を邪魔するかのように欠片を空中でキャッチして、同じことをもう一度、もう一度と繰り返す。
その事自体に対した意味も無いのだが、どうやらその大した事が無い℃魔ェ面白いらしく。先程よりも僅かに足の軽さが変わり、鼻歌のキーの高さが少しだけ上がる。

量販店で売っていそうな灰色をした無地のTシャツに、長年使っている感覚を魅せる古ぼけたジーンズ。シャツの上には黒のレザーコートを羽織っていた。
僅かに胸元にある膨らみと、肩を超えて腰の辺りに届きそうなほどの金髪。顔立ちは整っており、化粧の類といったものはこれといって見受けられない。
彼女の周りに香るのはジャンプ―と皮製品独特の香りが混ざったもので。初対面であれば多少の違和感こそすれ、別段特に嫌悪感を催すような香りではないだろう。

変哲も無い野球帽を目深に被り直し、その際に零れる笑みを隠す。「これほどの解放感は初めてだ」と、口元が声を出さずに形を変えた。
もしもこの様子を見ている人間が居るとすれば、観光に浮かれた外国人≠ニいった印象を受けるだろうか。
日本語こそ堪能であるものの、本来の人種としては此処の人間ではない故、どうしても注目を集めてしまう。だが、今ではそんなことも珍しくなくなっていることも確かで
向けられる視線は最初こそ訝しげだったものの、彼女の容姿と浮かれ方を見て大したことはないと斬り捨てたのか。幸いにも人だかりができると言ったような面倒事にはなっていない。
合わせる℃魔良しとするわけではないが、時としてはそういった判断も大切だろうと判断した上での演技≠セったのd…………結果論として人が居なくなっただけであり、事実浮かれて≠ヘいた。
認めようとしないために演技≠ニ言い張っているらしいが、一目瞭然である。

瀬平戸市≠フ噂を聞きつけ、それを理由に自らの家を出て二週間。この町に着いたのは数日ほど前なので、今現在の状況を現わすのなら根無し草≠ニいったものが適切だろう。
力に目覚め、気が付いたらその手に在った欠片=B只の石ころ、よくて価値の低い宝石程度だと思っていたが、どうやらこの町ではその価値が違うらしい。

「『集めれば願いが叶う』なんて都合のいい話がある筈も無い。」

そう吐き捨てては見たものの、彼女の内面は其処まで利口には出来ていないようで。此処にやってきたこと自体、彼女が願い事に縋ろうとしている事の証明となっている。
誰だって一度は夢見るだろうお伽噺を、なんとなくで信じてみようかと思い立つ。人間的であり、子供としての思考が抜けきらない。
…………そうやって無駄な思考に支配されてしまうが故に、些細なミスを犯してしまう。

                                     カシャン

投げては取って、投げては取ってをしていた欠片≠ェ、彼女の手をすり抜けて地面へと落下。ガラスを弾いたような音が鳴る。
人ごみに紛れそうな小さな雑音だが、聞き取れる者には。それを欲さんと願う者には=A聞こえるかもしれない。

//さ、三度目のなんとやら…………
65 :上田美奈 [sage]:2015/03/19(木) 21:17:00.77 ID:yv0x952nO
>>63
「そこまでいくともう常識のレベルの問題な気がします。
 一般の人に迷惑かけないためのものですよね、結界って……」

【というか、どこのお店だって店内での暴力沙汰は厳禁のはずです】
【魔法少女が魔法少女をやってられるのは、世界の裏側で活動できるからというのも忘れられてた気がします】
【夜中にパトロールする警察とかが増えたら、かけら探ししにくくなるのは自分たちなのにね】

【さて、必要なぶんだけ小銭をおいて、クッキーの他にドリンクバーゲット】
【飲み物はホットココアをチョイス。魔法で緩和しててもこの時期の夜はまだ寒い】

「で、店長は普通に生活できるみたいですけど、
 何か重要な願いがあるんです?」

【気を使ってるならドリンクバーの機械のチョイスも考えた方が、という意見は心に秘めました】
【それよりも、協力できるところは協力したいスタンスです】
66 :パメラ [sage saga ]:2015/03/19(木) 21:44:18.64 ID:GstF/MaDO

>>65

ですねぇ……

【ゴソゴソと、更に冷蔵庫からショートケーキとミルクティーを取り出して】
【フォークで突き刺して一口食べる】
【そうしながら、自身の願いについて聞いてきたので】

今は特に無いんですよねぇ
……強いていえばぁ、他の子を育てる事でしょうかぁ
なかなか筋のいい子もいますし、下手に死なれたりしたら寝覚めが悪いですからねぇ……あと客が減っちゃいますしぃ

【ぼんやりと】
【とりあえずはいまのところの話をする】
【多少ぶっきらぼうな様子ではあるが】
【嘘は言っていない】
67 :上田美奈 [sage]:2015/03/19(木) 21:53:18.08 ID:yv0x952nO
>>66
「なら、とりあえずこの場の二人は、ある程度共闘できる、
 ということで大丈夫そうですね。
 育てられる方かもしれないけれど」

【互いに刃を向けなくていい関係なら、それに越したことはない】
【余計な敵を作らないことは、願いを叶えるという目標に対してとても重要な事だ】
【願いへの障害は少なければ少ないほどいい、というのが持論】
【…ただしこの思考、クッキーをココアに浸しながらである。締まらないことこの上ない】

「魔法少女同士ってもうちょっと話し合いしたほうがいいと思うんですよね。
 奇跡を使わないといけない願いならともかく、お互いの能力でなんとかなること、結構多くないです?」

【うん、ほんのりココア味なクッキーは幸せ風味】
【お世辞にも行儀がいいとはいえませんが、中流の出なので許してください】
68 :パメラ [saga sage ]:2015/03/19(木) 22:09:31.76 ID:GstF/MaDO

>>67

そうですねぇ

【返事を返しながら、なるほどと考える】
【どうにも、目の前の少女は堅実なタイプの様で】
【仲間……とまでは行かなくても】
【敵対者を作らないように立ち回るタイプらしい】

うーん……それもそうなんですがぁ
結局、疑心暗鬼になるんですよねぇ
追い詰められれば追い詰められるほど、戦えば戦うほど、ねぇ
やっぱり、目の前に確実な方法があるとそちらに釣られますしぃ
皆さん、騙されるのが恐いですからぁ

【話を聞きながら】
【そしてなんだかクッキーを浸してる様子を眺めながら】
【そんな言葉を返す】
69 :上田美奈 [sage]:2015/03/19(木) 22:20:17.77 ID:yv0x952nO
>>68
「まぁ、そうでなくても、
 お店の維持という点には微力ながら協力することになるんですけど」

【常連宣言入ります】
【縁は作っておくに越したことはないし、その縁が
 魔法少女を辞めた後でも有効そうならもう絶対に作っておくべきものです】

「魔法が使えてる時点で、半分以上奇跡の証明なんですけどね。
 奇跡、奇跡かあ。何人か願いを叶えた知り合いもいますけど、なかなか
 思い通りの願いを叶えるのも難しいです、はい」

【しっとりココアを吸い上げたクッキーもぐもぐ】
【美味しいのはいいことです。口で堅いこといってるくせに、表情がふにゃっとなりました】
70 :パメラ [sage saga ]:2015/03/19(木) 22:34:05.25 ID:GstF/MaDO

>>69

あらあら、それは嬉しいですよぉ?

【相手の言わんとしている事を察した】
【客の同行には鋭いのだ、彼女は】

奇跡は滅多に起きないから奇跡なんですよねぇ……
……というかぁ、貴女はもしかしてそこそこ魔法少女長いんですかぁ?

【こちらもしみじみ】
【まぁ、代償に死ぬ可能性が付きまとうのだから】
【ある意味仕方ないかと考えて】
【表情が緩みきっている客を見るが】
【ふと、そのとき思った疑問を聞いてみた】

71 :上田美奈 [sage]:2015/03/19(木) 22:49:13.85 ID:yv0x952nO
>>70
「ノートと教科書の持ち込みに制限がないなら
 赤字を作ってしまうかもしれませんけどね?」

【コーヒーを一杯で一日とはよく言ったものである】
【これで年齢がもう少し上だったら、朝までお酒を飲んでいたかもしれませんが】

「そういう意味では、この街はちょっと奇跡の大盤振る舞いしすぎなのかもしれません。
 んー、キャリアはそうですねぇ……、どれくらいが平均かはわかりませんけれど、
 後発の子が魔法少女になってから、願いを叶えて、そのせいで心が折れちゃうのを一部始終見るくらいには……」

【ちょっと後悔の色も見えました。でも、自分のかけらで結果を変えようとも思っていないようで】
【いや、そもそも誰かの願いをかけらでカウンターできるのかを試そうと思わない、のほうが近いのかも】
【これで失敗して、自分のたった一回を消費する価値があるかどうか、決めかねている】

「一つわかってるとしたら、死者の蘇生だけには使うべきじゃない、ってことですね…」
72 :パメラ [saga sage ]:2015/03/19(木) 23:05:59.49 ID:GstF/MaDO

>>71

そのくらいは問題無いですねぇ

【むしろ長居してくれないと売り上げが伸びないのだ】

ふぅん……だとすると、それなりにはという感じですかぁ
……まぁ、良く考えて使わないと、後戻り出来なくなりますからねぇ

【少し気まずそうに】
【そう話をする相手の言葉に返事をする】

…………………確かに
あまり、誉められた願いでは無いかも知れませんねぇ

【その言葉だけで】
【彼女が何を見たのか、想像がつく】
【しかし、それが何をもたらすかは】
【彼女にも、あまり分からない部分である】

……さぁて、そろそろ掃除しないといけませんねぇ

【そして、暗くなった雰囲気を振り払うように】
【カウンターの奥から箒を取り出してきたのだった】
73 :上田美奈 [sage]:2015/03/19(木) 23:12:18.37 ID:yv0x952nO
>>72
「蘇ったその人が、本人だと誰も証明できませんから」

【遠回しだけども、端的だけども、店長さんの人生経験ならこれで足りるでしょう】
【その願いを叶えた元魔法少女は、きっと自分の心に敗北したんです】

「あ、お手伝いします。
 無理やり開けてもらったぶんはそれで」

【お掃除を手伝って、それが終わったらお別れとしましょう】
【願わくば、彼女の“育てる”の足しになればいいのだけれど】
【きっと後ろ向きな自分よりも、多くの人にアドバイスをできる立場なのだから】

//
おしまいでいいです?
74 :パメラ [sage saga ]:2015/03/19(木) 23:22:58.81 ID:GstF/MaDO

>>73

本人じゃなかったらそれはそれで詐欺ですよねぇ

【短い、しかし色々と込められた一言】
【つまりは……そういう事なのだろう】

そうですかぁ?……なら、椅子を上げておいて頂けますかぁ?

【少しだけ迷うが直ぐに頼む】
【彼女も、使えるときは使うタイプである】
【その分、何が土産に渡そうかと考えながら】
【掃除を進めて、それが終われば】
【アップルパイを渡しながら、帰るのを見送るのだった】

/そうですね、この位で〆ますか
/お付き合い頂いてありがとうございました!
75 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/20(金) 21:30:39.05 ID:uW/1RPP1o
私立江風中学校二年生、柊崎陽菜子――――わりかし普通な十四歳。
腰辺りまで伸ばされた黒髪に、垂れ目がちな空色のどんぐり眼。発育はあまり良いとはいえず、制服に包まれた肢体は華奢な少女のそれである。
右肩には教科書やらお弁当箱の入った通学カバン、どうやら学校が終わり下校途中らしいが…………。

「今日の夕御飯、どうしようかなぁ…………」

きれいな赤色に染まった夕焼け、帰路にある小さな湖の横にある道を一人歩きながら思い悩む。
まるで主婦か何かの悩みのようだが、実際の所其れはあまり間違いではなかった。
両親は既に他界しており、引き取ってくれる親戚も居ない。両親の残した家で一人暮らす彼女は、自分のことは自分でやらなければならないのだ。
身長はかなり低い割に、生活力の高さは同学年の女子の比ではないらしく、子供っぽい見た目に反してその思考回路は割りと所帯染みているようだった。

「冷蔵庫、なにか入ってたっけ――――ふあっ」

とはいえ生活力が高いというだけでちんちくりんなのは見た目通りらしく、転がっていた石ころに躓き、前方に倒れこむ。
ついつい間抜けな声を上げてしまい、身体を起こすと周りに誰かいないかを確認した――――と、そこでようやく気付く。
彼女の制服のポケットから転がり落ちた綺麗な石――――星のかけら。どうやら転んだ拍子に飛び出したらしい。
星のかけらを持っていることから、柊崎陽菜子が魔法少女なのが見る者が見れば理解できるだろう。
また腕につけたブレスレットから微弱ながら漏れだす魔力、そして彼女本人から滲み出る魔力を感知出来れば、転がり落ちたかけらを見ずとも彼女が何者か察することが出来る筈だ。
此の前魔力を使いすぎたのか、少しボーっとしているらしい――自分に呆れ小さくため息をつき、制服についた砂を手で払った。

//一時頃に落ちるので凍結になる可能性があります
76 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/20(金) 22:08:09.02 ID:QO2ZkT6Jo
>>75
星のかけら。それは多くの魔法少女が欲する物。多くの少女がそれを巡り、時に争い、時に協力してきた。この兵馬一姫も例外ではない。

「ん?こりゃ……」

そんな星のかけらが今、一姫の足元に転がってきた。ラッキー、これはついている、そう思いかけらに手を伸ばす一姫。かけらを掴む直前、辺りを確認するとすぐに持ち主らしき少女が視界に入った。

「…………はぁ」

当然、この少女が魔法少女だと気づき、一つため息をつく。そして、少し面倒そうな表情で落ちていた星のかけらを拾うと……

「おい。これ、落としたぞ。」

それを返そうと、かけらを持った手を伸ばした。
77 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/20(金) 22:26:36.97 ID:uW/1RPP1o
>>76

五つ集めることで願いを叶えることが出来るという奇跡の結晶、其れが星のかけらだ。
魔法少女はその奇跡を追い求め魔法少女となり、自らの願いを叶えるために星のかけらを集める――――其れが定石である。
だからこそ星のかけらは大事にするのが普通なのだが、普通に転んで落とす辺り陽菜子はそうでもないらしい。

「あっ…………」

かけらを拾おうと立ち上がった所で、落とした星のかけらが拾われてしまう。
思わず小さくだが声を上げ、そして拾い上げた相手に視線を向けた――おそらくは自分より年上であろう、少し背が高めの女の子。
背が高いというだけで微妙に威圧感を覚えつつ、相手の様子に目を向ける。
星のかけらを見つけた時の表情、そして自分を見つけた時の落差――――魔法少女、だろうか。

「えと……ありがとう、ございます」

星のかけらを受け取り、頭を下げ俯き気味になりながらも相手を見る。
魔法少女なのか、それとも一般人なのか。あなたも魔法少女ですか、なんて聞いてもし違ったら大恥である。
だが何方にせよ親切な人であることに代わりは無いし、魔法少女ならば星のかけらを強引に奪っていかない辺り悪い人では無いはずだ。
一先ずは星のかけらを拾ってくれたことに対して礼を述べ、そして少しの逡巡の末に小さく口を開いた。

「あの、もしかして…………」

あなたも魔法少女ですか――――と、重要な問いかけこそ飛び出さなかったものの、陽菜子がなにを訪ねたいかは大体察しがつくだろう。
もし相手が魔法少女だったとしたら、お礼を言うと同時に謝らなければいけない。
自分がドジをして星のかけらを落としたばっかりに、相手に無用な期待を抱かせてしまったのだから。
星のかけらの入手方法は幾つかあるが、そのうちの大半に戦闘が絡んでくる。願いを叶える代償とでも言うのか、時には命さえ賭けなければいけない。
陽菜子自身に叶えたい願いはないけれど、奇跡に願いを委ねる気持ちが理解できないわけではない――――だからもし相手が魔法少女ならば、謝らないと。
78 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/20(金) 22:43:28.47 ID:QO2ZkT6Jo
>>77
「ああ、まぁ……知ってるよ。その石が何かを」

自分が魔法少女であるという意味だ。魔法少女です、と言うのもなんだか恥ずかしいらしい故の言い回しだ。そして、暫し陽菜子を見つめる。すると、疲れている様子が分かる。

「……て言うかよ、あんた相当なドジだろ……」

そして、次に口を開き出てきた言葉は少しばかり失礼なものであった。

「かけら落とすとかあり得ねーよ。しかも、なんか疲れた様子だし。あたしがあのまま奪おうとしたら、どうするつもりだったんだよ。」

始まったのは説教のような忠告のような。不機嫌そうな表情で早口気味に言葉を発する。
79 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/20(金) 23:08:17.71 ID:uW/1RPP1o
>>78

此の石がただの石では無いことを知っている、それはつまり自らが魔法少女であるという意味にほかならない。
まあ公の場で自分は魔法少女だ、だなんて中高生が言っていたら、はっきり言って滅茶苦茶恥ずかしい。ぼかすのは当たり前だろう。
やっぱり、という思いと同時に申し訳無さがこみ上げてきて、目を伏せる。

「えっ…………べ、別に私はドジじゃないですっ!」

心外である。今日はたまたまちょっと考え事をしながら歩いていたら石につまずいただけで、普段は割りとしっかり者だと自負しているのだ。
無論夕飯のことを考えながら歩いている時に転ぶような人間がしっかり者な訳がなく、相手の評価は正当かつ的確なのだが。
本人にあまり自覚はないらしく、相手の言葉を否定した――――が、否定した後になんとなく自信がなくなってきた。

「えと、それは…………」

かけらを落とすなど有り得ない。正論すぎて返す言葉も無かったが、同時に其れは相手と彼女の意識の差異を浮き彫りにしていた。
叶えたい願いが無い陽菜子にとって、星のかけらとは緊急時の回復アイテム程度の認識しか無い。
一応母の形見のため持ち歩いてはいるが、真に託された物は別にあるため星のかけらを其処まで重要視している訳ではない。
だが目の前の彼女はきっと違うのだろう、星のかけらに託したい願いがあって、だからこそ怒っている。
次第に言葉は小さくなり、受け取った星のかけらを胸元で握り締めて。

「…………ごめんなさい」
「私がかけらを落としたりしたから、その…………」

まずは先ほど考えていたとおり謝罪を、そして伏せていた瞳を相手へと移す。
身長差があるため必然的に上目遣いの様な形になるが、空色の瞳は真っ直ぐ相手を射抜くように向けられ。

「……もしかけらを奪われそうになってたら、多分取り返そうとしたと思います」
「けれどそれは星のかけらだから取り返すんじゃなくて、お母さんの残してくれたものの一つだから取り返したいだけで」
「星のかけらには、そこまでこだわりは無いんです……私には、叶えたい願いも無いから」

星のかけらを奪われない為に戦う意志はある。だが其れは願いが在るからではなく、此の星のかけらが亡き母の残してくれたモノだから。
叶えたい願いがある相手からしたら、少女の言葉は酷く異質に聞こえるかもしれない。
魔法少女でありながら、叶えたい願いがない。命を賭けて戦っているのに、満たすべき渇望がない。
異常と言われればそれまでかも知れないが、其れが変えようのない陽菜子の在り方だった。
80 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/20(金) 23:31:00.99 ID:QO2ZkT6Jo
>>79
「いや、別に謝らなくてもだな……礼を言われても、謝られる筋合いは無ぇよ。」

一姫が聞きたいのは、謝罪の言葉などではなく、質問の答えだ。何故、かけらを落とすようなことをしてしまったのか?それが信じられなかったための質問であったが、その答えもまた一姫にとって信じられないものであった。

「へ?願い無いのかよ?じゃ、じゃあ、何のために戦ってるんだよ?見たところ、戦いが好きってタイプでもなさそうだし……」

ある者は野望の為、ある者は他者の為、友の為、家族の為、己の為。皆、思い思いの願いを持っている。詳細こそ尋ねたことは無いが、一姫は戦いと交流のなかでそれを感じてきた。だが、この少女は違った。

「なあ、いったい何のために戦ってるんだよ?何がお前を動かしているんだ?」

そして、一姫は陽菜子に興味を抱く。
81 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/20(金) 23:32:12.97 ID:quVjJN4Y0
【柔らかな月の光の刺す私立紫薔薇学園の保健室】
【一人のやや小柄な少女が清潔感のある白いベットの上で上体を起こした状態で窓からの月明かりで本を読んでいた】
【開いた窓からさしこむ光は柔らかく闇に溶けるような少女の黒髪を照らす】
【本のタイトルは『あゝ無情』】

「良い夜だね……………こんな夜には何かが起こりそうな気がするよ……ふふっ」

【少女は猫目を細めてそう呟くのであった】
82 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/20(金) 23:45:32.24 ID:uW/1RPP1o
>>80

「……そうですね、あんまり戦いは得意じゃないです」

陽菜子は汎用魔法であるはずの攻撃、防御ですらデバイスの手助けがなければ発動すら出来ない。
そんな人間が戦いに適正があるはずもなく、平和主義者で比較的のんびりとした彼女は相手の見立て通り戦いが好きな人間ではなかった。
ならば何故戦いに身を投じるのか、どうして叶えたい願いもない癖に魔法少女になってしまったのか。

「普通の人は気付くことが出来ないけど、この世界にはいろんな危険があります」
「例えば魔獣とか――――魔法少女なら、知ってるとは思いますけど」
「私はそういう怖いモノから人を守るために、魔法少女になったんです」

人の魂を喰らい魔力を得る怪物たち、其れ等は一般人では太刀打ちできず襲われたらまず助からない。
そういった存在から人々を守るために魔法少女になった、彼女は迷いなくそう断言する。
だがそれはあくまで理由の一つ――――どうやら、他にも理由があるみたいで。

「それに中には悪い魔法少女も居ますし――――私のお母さんも、魔法少女だったから」
「お母さんはもういないけれど、私に魔法少女としての力を託していってくれたか――私は魔法を誰かを守るために使いたいんです」

陽菜子が魔法少女になったのは、どちらかと言うと此の二つの影響が大きい。
母から魔導機を受け取り魔法少女になるまで知らなかったが、どうやら陽菜子の母も若い時魔法少女をやっていたらしいのだ。
そしてそんな母は数年前、魔法少女の手によって殺された――それが誰かは分からないけれど、母とともにいた魔導機がそう教えてくれたのだ。
自分はもう失ってしまったけれど、だからこそまだ失っていない人たちが失くさないように――――それが、柊崎陽菜子が魔法少女として戦う理由。
83 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/21(土) 00:10:18.41 ID:fcPYWSZLo
>>82
「人を守る……」

それを聞いて、頭に思い浮かんだのは、警察官……ではなく、幼い頃に見たアニメのヒーローだった。妹と一緒に夢中になって見ていて、それに憧れさえもした。だが、それと同時にそんなものテレビの中の存在だと思っていた。

「あぁ、確かに悪い魔法少女も居るな。」

一般人を巻き込んだり、果てしない野望を抱いたり、一姫がこれまで戦ってきた魔法少女にもそういった悪い魔法少女もいた。そして、一姫はそういった者達に嫌悪を感じていた。だが、だからといって、人を守ろうとは思わなかった。

「なんて言うかさ、あんた……凄いな。」

戦いで傷つけば痛みを感じるし、死ぬのは当然怖い。遺された者が悲しむからと言えば聞こえはいいが、一姫は結局は悪から逃げていたのと同じだった。
この少女も怖くないという訳では無いのだろう。だが、それでも人のため戦うと言ってのけたのだ。一姫は、これに感動を覚えていた。
84 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/21(土) 00:23:23.44 ID:lDCXKl/go
>>83

陽菜子の戦う動機は、決して理解できないような物ではないだろう。ただ、それを実行し続けるのが難しいというだけで。
戦うための力を手に入れた、だから人を守る。実に英雄らしく、そして何処までも幼稚と言わざるをえない。
まだ見返りを求めるほうが幾分人らしいと言えるが、陽菜子にはそんな気も無いらしく。

「へっ!?」
「ぜっ全然すごくなんか無いです! 私なんて取り柄もないし運動も勉強も苦手だし……」
「それに守るって言っても、私まだまだ全然弱いですしっ」

魔法さえあれば常人等想像も出来ないような力が手に入る、けれど其れは他の魔法少女にも言えることだ。
陽菜子はまだ魔法少女になって半年と日が浅く、魔力量を除けば軒並み平均的な魔法少女を下回る力しか持っていない。
未熟者で、理想に自分が追いついていないのだ。それが悔しくて、何より歯痒くて仕方がない。

「…………あなたは」
「あなたは、星のかけらにどんな願い事を…………?」

聞かれっぱなしというのもアレだしと、話題を逸らすかのように訪ねてみる。
今までの話から考えて、自分とは違い星のかけらで叶えたい願いがあるのだろう。
今まであまり他の魔法少女と接触がなかったため、他の人の願いとやらに少し興味があった。
85 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/21(土) 00:39:40.27 ID:fcPYWSZLo
>>84
「いや、凄いよ。断言する。」

一姫はここにきて、堅かった表情を崩し、やっと笑顔を見せた。

「取り柄が無いとか謙遜し過ぎだろうが。あるだろ?その心だよ。」

言った後に少し恥ずかしい台詞だったなと思い、顔を赤らめる。
だが、正義感溢れるその精神。それは、間違いなく人に誇れる取り柄だろう。一姫はそう思った。

「あたしか?あたしは……」

少し迷った。妹の事を話すべきかどうか。だが、すぐに決断する。彼女になら、話してもいいだろうと。

「……妹を助けたいんだ。あいつは、今難病で入院していて……つっても、医者が言うには死ぬような病気じゃないんだ。ただ、あいつには元気でいて欲しいし、それに妹を守るのは姉の役目だろ?」

正直に全てを話した。
86 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/21(土) 00:55:56.50 ID:lDCXKl/go
>>85

「そ、そうでしょうか……えへへ」

相手が漸く表情を崩してくれたということもあってか、あまりに真っ直ぐな褒め言葉に思わず頬が緩む。
謙遜というか結構本気だったのだが、それでもまあ褒められて悪い気はしない。
それに相手の言うとおり、他の誰にも負けない何かが陽菜子にあるとすれば、其れはきっと心にほかならないから。

「…………」

緩んでいた表情を引き締め、真剣な顔で相手の言葉に耳を傾ける。
最初から悪い人ではないだろうと推測はしていたが、どうやらその予想はしっかりとあたっていたようで。
彼女の願いは誰かに危害を加える物ではなく、大切な家族を助けたいというとても純粋なものだった。

「……良いお姉さんなんですね、なんだかとっても安心しちゃいました」
「見ず知らずの私にも言葉をかけてくれたし――――あっ、そうだ」
「お名前、まだ聞いてませんでしたね。私、柊崎陽菜子って言います!」

折角他の魔法少女と出会えたのだ、せめて名前ぐらいは聞いておかねばなるまい。
そして名前を聞いた後、陽菜子は夕方子供達が帰る時間であることを知らせる音楽が流れだしたのを聞き。
用事があることを思い出し、最後にもう一度頭を下げてお礼を言った後に小走りでその場を去ろうとするだろ。
また会えたらいいですね――――――――なんて、そんな言葉を残して。
ちなみに用事とはスーパーのタイムセールであり、陽菜子が卵を賭けて主婦たちと壮絶な戦いを繰り広げるのはまた別の話である。

//すいません、落ちる時間なので少々駆け足ですが〆させていただきます……!!
//絡み乙でした、楽しかったです
87 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/21(土) 01:10:29.30 ID:fcPYWSZLo
>>86
「ああ、まぁな。」

(良い姉なのかね?あたしは……)

一姫は常日頃から妹にとって良い姉であろうとしているが、どこか不器用で空回り気味だ。妹を守る為に強くなろうとしたら、不良扱いされるようになったり。そんな自分は本当に良い姉なのだろうか?そんな疑問が浮かび上がった。

「まぁ、あのままかけら盗んだら妹に誇れる姉でいられなかったからな。」

だから、返すという行動に出たのだった。

「あたしは兵馬一姫。柊崎か、覚えておくよ。」

一姫はその名を忘れないだろう。その美しき精神を持つ少女の名を――

/お疲れさまでしたー
こちらこそ楽しかったです!
88 :アイリス ◆31p11oQm7A [sage]:2015/03/21(土) 19:10:51.71 ID:2N+OyBJY0
【公園。】
【ではなく、「結界が貼られた」公園。】
【年齢19歳くらいであろうか、若い少女がーーーーー】

「くっ!」

【ーーーーーー魔物と戦っていた。】
【大きな牙を蓄えた、サーベルタイガーのような巨大な魔物である。】
【その爪の一撃をなんとか避けると、少女は杖をかざした。】
【少女ーーーーアイリス。アイリス・アイゼンバーン。】
【銀色の髪、眼鏡。同じく銀の双眸。バサリと象牙色のローブが揺れ、天へと伸びた杖のエメラルドが光った。】

【瞬間、キィンという甲高い音ともに、まるで「何かに斬り裂かれた」かのように魔物の首がはねられる。】
【コロリと足元に転がる首。完全に死んだのを確認すると、慣れた手つきで牙を抜き取った。】

「ふぅ……「かけら」は持っていなかったか。あれは高く売れるんだが…ん?」

【結界を解く。公園の日常が戻ると、彼女は人の気配を感じて振り返る。するとそこにいたのはーーーーーーーーーーーーーーーー】

/絡み待ちです。誰かお願いしまーす
89 :上田美奈 [sage]:2015/03/21(土) 20:48:18.70 ID:LbOyecG3O
>>88
【その年齢は危険!って魔砲使いと恐れられる魔法少女さんが言ってた!!】
【というわけで、気配の発生源は14歳でした】
【あきらかに地元民。灰色のマントの下から見えているのは地元の私立中学のもの】
【全力で後ろ向きな魔法少女こと、上田美奈である】

「……あれ、売れる先あるんですか」

【苦学生には耳寄りの情報だったようです】
【18歳未満だといろいろ制約が厳しいし、無理かもですけども】

「といいますか、そのクラスのを撃破してかけらが出てこないってことは
 まだどこかに本体がいるってことなんですけども。
 売り筋よりはそちら優先するべきでしょうか」

【ミナの魔具はペンデュラム型。指からぶら下げて使う振り子であり、
 最も誇れる魔道はダウジング。すなわち、振り子を使った広域探知魔法である】
【さて、サーベルタイガーさんの親分さん、探しだしていいです?】
90 :アイリス ◆31p11oQm7A [sage]:2015/03/21(土) 20:54:48.64 ID:2N+OyBJY0
>>89

「ん……ああ、もちろん。多くはないが売れるさ。なにに使うかは分からないがね」

【というわけでアイリスの目に留まったのは自分より少し若い少女であった。】
【この姿の自分を見てもあまり驚かないことと、そして何よりその姿。灰色のマントに魔法道具。】

「なに? それは本当かい。困ったな。どうにも探知型の魔法は苦手だ。というより……」

【そこでちらりと相手を見る。】

「見つけ出すつもりかい? ひょっとして、構わない、やってくれ。せっかくだし、高く売れる筋を教えてあげるよ。」

【自分で見つけるつもりはないようである。いや彼女の場合見つけられないのであるが、】
【相手に一任するらしい。見つけるも見つけないも彼女次第。はてさてどんなのが出てくるのであろうか。】
【アイリスは少女の邪魔をしないようすこし脇にずれた。】

(振り子みたいだな……彼女も私と同類か。)
(あまり見たことないタイプ……さてどうなることか。)

/よろしくお願いします!
91 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/21(土) 21:01:26.31 ID:FYUKcKpPo

静寂に包まれる夜の月尾神社。その鳥居を潜る者が一人いた。
黄緑色のエプロンドレスに身を包んだ幼い少女だ。歩くたびにふわふわとした金髪が揺れている。
しかし、彼女は人間では無い。
身長30cmの彼女を人間と呼ぶにはあまりにも小さ過ぎた。
その少女――メリー・メルエットは、小人だった。

メリーは静かに参道を歩いていく。
大した距離ではないが、人間よりも歩幅が狭いため拝殿に辿り着くのに少し時間がかかった。
拝殿の中央には大きな鈴が吊るされていた。
鈴から垂れる綱を抱えるようにして掴み、思いっきり振り動かすと清浄な音色が境内に響き渡った。


(どうか、無事におうちに帰れますように……)


両手を合わせ、瞳を閉じ、心の中で強く念じる。
奇跡を起こす魔法少女が神様に願うなんておかしい話かもしれない。
だが、今は神でも仏でも悪魔にでも、縋れるのなら何にだって縋りたい気分だった。
92 :上田美奈 [sage]:2015/03/21(土) 21:06:35.48 ID:LbOyecG3O
>>90
「まぁ、お金で買っても願いは叶いますからねぇ。
 買うのに使う資金で元が取れればありなのかな。
 でも1人あたり5個までしか買いませんよね、うーん」

【考える事全部口にでるタイプのようです】
【そんなこと考えてる間にも振り子はゆらゆらと揺れて、
 そしてある一方向でピタっととまりました】
【なるほど、そっちか】

「見つけて仕留めないと、どう見ても肉食獣でしたし、
 街中で猛獣にもぐもぐされた遺体なんて出たら、一週間は夜歩きが大変になります」

【結界貼り直し。内部の状況は一般的な地域コピー型】
【気になるのは空間に細かい粒子状の魔素が漂っていることくらい?】
【迷いなく、木立の奥へ】

「あれ? 思ったより近い? って、うわあ」

【ちびさーべるたいがぁ*6が毛玉団子になっていました】
【なにこれ超かわいい。でも振り子はその毛玉の集まりをまっすぐ指しているわけで……】
93 :アイリス ◆31p11oQm7A [sage]:2015/03/21(土) 21:14:17.16 ID:2N+OyBJY0
>>92

「ああ、そりゃ確かに勘弁願いたいな……。綺麗だ。それが君の魔法かい。」

【相槌を打ちながら、相手が結界を張るのを見る。漂う粒子の波を目で追った。】
【と、慌てて彼女も杖の先端に魔法の光を灯す。】
【少女が歩いて行くその後ろを、杖をライト代わりにしながらついていった。すると……】

「へぇー……これは驚いた。魔物の子供か? こんなの初めて見たな。」

【なにこれ超かわいい。相手の後ろからアイリスは覗き込む。】

「親がその辺にいるんじゃなかろうか……しかしこうなるとどうも倒しにくいぞ……。」

【と、後ろを振り返る。】
94 :上田美奈 [sage]:2015/03/21(土) 21:24:15.57 ID:LbOyecG3O
>>93
「何いってるんですか。親ならさっきアイリスさんが倒しちゃったでしょう?
 親玉がいるほうかなーと思ったら逆パターンですね。
 子が欠片の本体で、守る者を強化した感じなのかな」

【……振り子でさぁべるたいがぁたんをじゃらしてる】
【なんだこのもふもふでころころなイキモノたちは】
【特大毛玉が6個に別れるころには、彼らのいたところにかけらがひとつ】

「後ろは大丈夫ですよ? 向こうが隠蔽かけてない限りは。
 隠蔽かけてたら、大抵見えないですし」

【視線を戻すとそこには、新種の妖怪「猫まみれマント」が発生していますが気にしないでください】

「……野良猫だと、基本的にオスは子育て手伝いませんから」
95 :アイリス ◆31p11oQm7A [sage]:2015/03/21(土) 21:32:05.91 ID:nDjZnSlMO
>>94

「しまった。さっきのでかいのが親だったのか。」

【天然である。】
【それはそうと彼女は一瞬だけ口惜しそうな表情をした。ローブの懐にしまった牙が重くなったような気がする。】
【子が本体とは思わなかった。まあ倒してしまったものは仕方がない。】

「それもそうか。君は探知が得意なのかい。私はどうも苦手でね。ごく単純なものしか……」

>【視線を戻すとそこには、新種の妖怪「猫まみれマント」が発生していますが気にしないでください】

「なんだそれ!?」

【気にする。】
【視線を戻して彼女は驚いた。】

「なにやらよく分からないことになっているな。」
「んで、その『かけら』どうするんだい。君が叶いたい願いはなにかな?なんてね。」

【おどけたように彼女は聞いた。自分が横取りするような気は無いらしい。】
【魔具『シリウス』のエメラルドが光る。そよ風を相手と相手の(?)妖怪に送った。】
96 :上田美奈 [sage]:2015/03/21(土) 21:38:05.25 ID:LbOyecG3O
>>95
「まー、どっちにしろ、これはここで終わりです。
 独り立ちにはちょっと早いかもですが、動物を飼う余裕はありませんので」

【星のかけら、1個ゲットしつついて沈静化】
【マントのあちこちにぶら下がっていたさぁべるたいがぁは、子猫6匹に戻ってしまいました】
【えぇ、かけらを資金に変えようと思う程度には財政難なのです】
【そこに6匹も食い扶持を増やす余裕はありませんので】

「本来、かけらに願うつもりだった願いは、魔法だけで解決できてしまいまして。
 とりあえずあの大物は、探知中心では倒せなかったものですし、そちらでどうぞ」

【沈静化した星のかけらをぽいっとパス】
【そよ風の中くらいならちゃんと届きますね】
97 :アイリス ◆31p11oQm7A [sage]:2015/03/21(土) 21:47:43.73 ID:nDjZnSlMO
>>96

「そうかい。そりゃよかった。っとと」

【放られたほしのかけらを受け取る。これで3つ目となった。願いはないものの、以外と持っていることになる。】

「って、いやいや待ちたまえ。そもそもこれは君が見つけ出したんだから、君が持っているといい。煮るなり焼くなり売るなり好きにしな。
ちなみに、売るならここからまっすぐ行った路地裏の先にある某店がいいぞ。私の紹介……風使いのアイリスの紹介だ、といえばそこそこ高くなる…はず。」

【『シリウス』の光が強まった。そよ風がごく一瞬だけ強風に。】
【弧を描いていたほしのかけらが吹き飛ばされて、そのままなら相手の手のひらに戻るはずである。】

「さてと、これで全部やっつけたわけだ。」
「私もこの辺で行くかな……っ、」

「あいたたたた、しまった。さっきの親玉との戦いで、足をひねっていたらしい。つつ…」

【戦いの緊張感のようなもので、忘れていたそれが今になって痛み出したようだ。】
【左足首が赤色に腫れているのが分かる。】
98 :上田美奈 [sage]:2015/03/21(土) 21:57:53.06 ID:LbOyecG3O
>>97
【それでは、ありがたく、とキャッチしてポケットへ】
【扱いがぞんざいだ……】

「では代わりにこれを」

【なぜか差し出される子猫。にゃー】
【報酬です。報酬なんです。報酬以外ありえません】
【猫まみれ第二弾になるかもしれませんが】

「……いえ、売り飛ばすよりも裏を洗うべきかもしれませんよ、それ。
 5個で十分なのに、数を集めてる。それをそこそこの価格で売りに出してる。
 そんなことしなくても、お金がほしいなら5個集めて願ったほうが確実です」

【頭に子猫載せた状態でシリアス継続させる図】
【ひゅいっと伸ばすペンデュラムは、特に何もしなければ挫いた脚に巻き付きます】
【紐の部分、伸縮自在? そして巻き付いたら治癒魔法が発動しますね】
【さくっと直しちゃう感じ】
99 :恩納 風利 [sage]:2015/03/21(土) 21:58:30.77 ID:a6w2hEWuO
>>91
【夜空に浮かぶ月の光がが静寂と共に誰もいない境内を包み込む】
【そんな折、境内の上空からユラユラと揺れる影が一つ一陣の微風を伴いつつ音も無く手水場の屋根へと降り立つ】

……ちゃ……着地、成功ぅぅ……ふぅ……慣れるにはまだ掛かりそうだなぁ、コレ

【手水場の屋根へと降り立った人影は溜息交じりに呟くと手にしていたパラソルを両手で閉じる】
【するとビーチパラソル程の大きさであったソレが見る見る内に折り畳み傘程の大きさへと縮む】
【小さくなったソレにクルクルと纏め紐を掛けて背負っていたリュックに仕舞い込み】

さってと……今日は疲れたし帰りは歩いて帰ろうっt

【手水場の屋根の上で軽く両手を上に伸ばしつつ屋根の上から飛び降りようとしたその瞬間】
【無人であると思っていた境内に鳴り響く清浄な、しかし静寂を破って余りある鈴の音】
【不意を突いて響き渡ったその音によって生じた驚きによって足元への意識が疎かになり】

っわ、わっ!わぁっっgっ!?!?

【屋根の瓦の縁で足を滑らせると無様に腕をグルグルさせつつ転がり落ち】
【境内の石畳へと頭から落下して、鈍い音を盛大に響かせる】
【魔法少女化している事で耐久性は上がっているため致命傷には至らなかったようだが】
【実際の痛み以上に石畳に落下したこととその際の音によって実際以上に痛みを感じたのだろう】
【言葉にならない叫びを伴いつつ頭を抱えてゴロゴロと石畳を転げ回っている】
100 :アイリス ◆31p11oQm7A [sage]:2015/03/21(土) 22:12:28.56 ID:2N+OyBJY0
>>98

「えっ 子猫か。あんまり動物勝った事ないんだよな……。」

【猫まみれ第二弾。】
【数匹の子猫がローブにしがみつく。そこそこなついてる…らしい。】
【しかし、方やほしのかけらを奪い合って殺し合いまで起きているというのに、この2人呑気なものである。】
【だがアイリスは、この平和さが嫌いではない。】

「ふーん、さてどうだろうかね。人にはいろいろ理由があるものさ。現状、こちらに飛び火しなければ追うつもりはないよ。」

【「今はね」と付け加える。】

「おっと……これはすごい。治癒魔法って奴か。ふむ、なんともない。」

【片足をくいくいと動かしてみる。赤みは当然引いているし、そもそも痛みも存在しなかった。】

「ありがとう。君はいい人だ。」
「さてと、私はそろそろ行くよ。じゃあね、魔法使い。お互い、怪我や死ぬことがないよう。」

【「なーんて」】
【と言い終えるや否や、強風。それがやむと、】
【風の魔法使い(と数匹の子猫は)、その場から去っていった。】

/マターリなロルお疲れ様でした!楽しかったです!
101 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/21(土) 22:14:30.90 ID:FYUKcKpPo
>>99

「っ!?」

突然背後から響いた謎の音に、メリーは肩をビクッと揺らした。
まさか……敵?
慌てて振り返り、賽銭箱の陰に隠れながら音の鳴った方を伺う。
そして、彼女の不安そうな目に映ったのは――悶えて転がる一人の少女の姿だった。

(……魔法……少女……?)

一体何が何だか、状況がまるで分からなかったが、少女の姿を見てそれだけは分かった。
戸惑いながらも、ゆっくりと相手へと歩みを進める。

「あ、あの……だ、大丈夫……?」

自身への敵意は感じない。というか、もしかしてまだ気付いていないのではないだろうか。
恩納風利の近くへと辿り着くと、メリーは恐る恐る、心配そうに声をかけた。
102 :上田美奈 [sage]:2015/03/21(土) 22:22:58.48 ID:LbOyecG3O
>>100
【本来なら、星のかけらなんて争奪する必要はない、というのがミナの持論なのです】
【見つけたメンバーでじゃんけんでもすればいいのに、わざわざ殺しあう】
【その必然はどこにあるんでしょう?】

「ただ、集めないと願いは叶わないのに探索が苦手な人が多くて
 戦闘力がとても高い人はいっぱいいる。不思議です」

【見つからないと願いは叶わないなら、人より早く見つけるほうが
 きっと集めやすい、というのも持論でした】
【こっちが過去形なのは、戦闘力で撃破しないとかけらを取れない魔獣の数が
 それなりに少なくないから、という経験則によるものです】

「健闘を祈ります。こちらはもう少々、粘ってみますよ」
103 :藤宮明花 [sage]:2015/03/21(土) 22:24:39.46 ID:K+suLnrRo
黒百合学院付近の路地、二人の少女がいた。
ダブルボタンのブレザーに紅いリボンにスカート、右胸には黒百合の校章。黒百合学院の生徒である事を証明する、端的且つ鮮明なその制服を身に纏う少女が、二人。
――――――――明らかに正常な状態では無かった。片方の少女は、息を荒げて、左手で右腕を掴んでいた。まるで其処に何かが合って、それを抑えるかのように。
片方は、腰元まである黒い髪を持った少女は。藤宮明花は、それに動じることなく彼女を見据えていた。
生徒会長。苦しげにそう呻いた少女が、藤宮明花へと手を伸ばした。そしてその瞬間に、彼女は――――――――結界を、起動する。
そしてそれに呼応する様に、その少女の身体は内から噴き出した靄の様な力に包まれる。"魔法少女"ならば見覚えの在るであろう。それは星のかけらが産み出す怪異。
其処には、四肢も頭も持っていれど。その姿は人間と懸け離れた、外骨格と複眼、肥大化した右腕に大きな爪を持った怪物、怪異へと変質する。

「黒百合の生徒は常に、清く、正しく、美しく。そんな野蛮な格好は校則違反。そうでしょ?」

彼女はそれを前に、薄く笑いを浮かべたまま微動だにしなかった。其の手には武器も持たなければ、魔法少女としてのコスチュームを身に纏う訳でも無い。
彼女を知る物ならば、彼女の今の状況をこう下す筈だ。『何時も通り』、と。

「まぁ、分からなくもないけれど。私達黒百合の生徒は常にエリートの重圧を、責任を、負っているのだから。
 だから、少し羽目を外すくらいは、確かに許されるべきだと思うけれど……」

「――――――――その羽目の外し方は、余り良くないと私は思うわ」

事実彼女はその怪異に対して、欠片の不安を抱いてはいなかった。それが本能のままに駆け出して、唸り声と共に接近し、今正に。
その右腕を振り下ろし、彼女の身体を断たんとしていようとも。
104 :恩納 風利 [sage]:2015/03/21(土) 22:29:13.76 ID:a6w2hEWuO
>>101

〜〜〜〜っ……ぅ……だいじょ、うぶ……ですぅ……?

【石畳の上を転がり続けること数秒、落下の際の衝撃がようやく薄れたのだろう】
【転がるのを止め、しばしの間をうずくまった姿勢となっていた風利であったが】
【自らに掛けられた声を聞いて自分以外の人の存在をようやく認識】
【内心で姿を見られたことに焦りつつ取り敢えず顔を上げて返事を返そうとするも】
【顔を上げた先、何者かの姿があるべき所に誰も立っていない事に首を傾げ】

……えっ? あれ? いま……誰かの声が……あれ?

【そう言いつつ辺りを見回すも風利の目には誰の姿も映らない】
【それもその筈、声をかけてきたのが数十cmの身長しかない小人とは夢にも思わないのだから】
105 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/21(土) 22:41:19.49 ID:FYUKcKpPo
>>104

「よかった……」

大丈夫と返事を聞き、とりあえずは一安心する。
どうやら何者かから攻撃を受けたというわけではなさそうだ。
抱えていた頭には目に見えて大きな傷もない。治癒魔法も必要ないだろう。

「……えっ」

――視界に入ってない!
存在を認識してもらえていない。その事にメリーはほんの少しショックを受けた。

「こ、ここです……! こっち……し、下だよ……っ」

胸に手を当てて精一杯の大声を出す。
その直後、自分の位置を知らせたことを少し後悔した。
自分に気付いていないのなら、そのまますぐに立ち去ればよかったのだ。
相手が善良な魔法少女とは限らない。自分を見つけ次第、星のかけらを奪おうと襲い掛かってくるかもしれない。
不安に身を震わせながら、メリーは風利を見上げて反応を待つ。
106 :恩納 風利 [sage]:2015/03/21(土) 22:56:13.44 ID:a6w2hEWuO
>>105

……! ま、また聞こえ……っ? どこから? ままままさか幽霊……

【こちらの返事に対して更に帰ってるくる声、しかし相変わらず姿は見えない】
【すぐ間近から聞こえるにも関わらず姿が見えない声の主の存在に】
【これは夢でなければ幽霊なのではと顔色が青く、口の端がヒクヒクと引き釣り始めるも】

へっ?した?……したって、下…………?

【そして半ば慌てたような口調で告げられた単語の意味を理解すると同時】
【目線をゆっくりと眼前の石畳へと下ろしていくと、そこには小さな影が一つ】

………………へっ? ……あ〜……………えっ?

【そこに立つ存在、紛れもなく人間のシルエットをしつつ縮尺だけが狂ってしまったかのようなそれを前に】
【視線を外すことなくマジマジと見つめながら四つん這いの姿勢を低くして人影に目線を合わせると】

……喋る、人形……っていうより……妖精さん?

【目の前の人影の存在が信じられないといった純粋な驚きの表情を浮かべるも】
【無意識の内に現れた好奇心からか恐る恐る左手を伸ばし人差し指でソッと小さな人影に触れようとする】
107 :ストレーガ>>101 [sage]:2015/03/21(土) 22:58:08.06 ID:7NJxtTDm0

「何か面白いことはないかのー」

 黒い犬の仮面に黒と赤を基調とした軍服ドレスを着ている女性が街中の大通り中央に立ちながらポツリと呟いた。
 彼女の名はストレーガ《魔法魔女》、勿論真名ではない。
 夜の街中はビルや広告塔の光でやや明るい為、ストレーガの姿はよく見える。
 しかし、歩く人々はストレーガを無視しているかの様に気にしていない。さらにはストレーガの立っている位置は大通りの中央だ。普通人混みの中、道に立っていればすれ違い様に人と接触してしまうがストレーガは誰とも接触をしていない。
 何故誰もストレーガと接触をしないのか、何故誰もストレーガの奇妙な姿を無視出来るのか────。
 答えは簡単だ。誰もストレーガに気が付いていないのだ。
 ストレーガは自身の体を丁度覆う程度の小さな結界を貼ることで一般の人には認知出来ない様にしていた。更には、自動ですれ違う人々はストレーガを避けるという効果を発動させていたのだ。
 これによりストレーガは誰とも接触しないし、誰にも認知されなかった。
 だがこの結界はストレーガの目的の手段でしかない。魔法少女ならストレーガを見つけられるし、すれ違い様にぶつかることも出来る。
 つまり、この人混みでストレーガを認知したらそいつは魔法少女ということになる。
 これがストレーガの魔法少女を探し出す方法だった。


108 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/21(土) 23:11:00.19 ID:FYUKcKpPo
>>106

ああそうか、やっぱり珍しいんだ――。
自分の存在に驚く顔を目の当たりにし、メリーは理解した。
今までずっと一人の少女に人形としてしか扱われていなかったか気付くのが遅くなった。
この世界に小人はいない。こんな小さな人間がいることを誰も知らないのだ。

「妖精さん……じゃないよ」

伸ばされた左手の指を両手で優しく掴む。
耳の奥で心臓の鼓動が馬鹿みたいに大きく聞こえていた。

「わ、わたしはメリー・メルエット……。小人の魔法少女、です」

蚊の鳴くような声で自身の名と、同業者であることを伝える。
ずっと頭の隅で気になっていた疑問に納得がいったからだろうか。
緊張で体が縛られているはずのに心は妙に落ち着いていた。
109 :パメラ [sage saga ]:2015/03/21(土) 23:12:31.86 ID:3Kop+XV/O
>>103

【その日】
【ある少女が街を歩いていた】
【長く艶やかな銀髪に、紫のメイド服を来た彼女は】
【普段は店に籠ってまばらな客を待ち】
【夜は夜でまだ見ぬ魔法少女を求めて徘徊する、という日々を送っているのだが】

…ふぅ……羽を伸ばせましたぁ

【本日は、いわゆる定休日】
【買い物に遊びにその他にと、変わることの無い日常を満喫していたのだった】
【……まぁ、服装がおかしいのは気にしてはいけない】

……んー?……あ、こんな所に来てましたかぁ
…はぁ……相変わらず、ですねぇ

【ふと、辺りを見れば、いつか見た景色】
【そしてそのまま歩くとたどり着いたのは―――黒百合学院】
【内外にも有名な、超御嬢様校であった】

…………そういえばぁ……っ…

【確か、後輩の子が言っていたような】
【と、何かを思い出した所で】
【魔力の、結界の発生を感じる】
【場所は……かなり近く】

……行ってみましょうかぁ

【少しの思考の後】
【彼女……パメラ・レジエルは、結界に向けて歩き始める】
【そして、発生から少し後に、結界を見つけて、入ったならば】
【きっと、怪物が少女に対して腕を降り下ろすまさにその時に出くわしてしまうだろう】

//まだいらっしゃいますでしょうか?
//宜しければ、お願いしたいですが……
110 :恩納 風利 [sage]:2015/03/21(土) 23:29:55.19 ID:a6w2hEWuO
>>108

……! こびと……の、魔法少女……?

【最初の驚きは伸ばした指を包む小さな掌から伝わる温もり】
【ソレは目の前の存在がその言葉通り明確に血の通った生命であることを訴えていたから】
【もう一つの驚きは魔法少女と言う単語】
【ソレは目の前の存在がじぶんと等しく超常の力を持つ存在である事を示すから】
【しかし、それらを上回り風利の心をかき乱したのはこの世界に存在しないモノである筈の「小人」という単語】

まさか……キミも、誰かの願いで……?

【ソレは目の前の存在が自身が負っている痛みと近しい痛みを抱えているのではという疑問から】
【故に、小人を見つめる目に浮かぶのは同情と憐れみ、そしてある種の親近感である】
111 :藤宮明花 [sage]:2015/03/21(土) 23:38:05.08 ID:K+suLnrRo
>>109

彼女が見た光景は――――――――藤宮明花が引き裂かれる、何て悲劇的な出来事とはかけ離れていた。
振り下ろした右腕を、受け止める物があった。姿形は変わっていない、だがその右手には、銃があった。それは紛れも無く、『魔具』であった。
それはその銃身自体で、その攻撃を受け止めていた。明らかに人間の力により成される力では無いと言うのに、その銃は欠片の傷も負ってはいなかった。

「さぁ――――――――――――ロイヤル・ハンティングと、いこうかしら」

その言葉と共に、藤宮明花の身体は光と解け、再構成される。その身体を再度包むのは。
典型的な魔法少女、と呼ぶには懸け離れていた。ワイシャツに黒のネクタイ、ツイードジャケットにコーデュロイパンツ、ウェリントン・ブーツ。
ハンチング帽を被り、幾つかのポーチが腰元に存在し。そしてその瞬間に、勢いよく前へと踏み込んで、その猟銃の銃床を、その怪異の胸部へと叩き込んだ。
衝撃と共にそれは後退るそれ、その隙に猟銃の槓桿を引いて弾倉を開き、其処に一発銃弾を入れて、閉じる。流れる様な、それは随分と手馴れた動作で。
そしてその瞬間、引き金を引いた。それは瞬間的で、狙いは定まっていない様で"定まっている"。猟銃が、その異形の頭部を叩く。
更にそれに後方へと下がると、その異形はバランスを崩して倒れ込み。そしてその姿を――――――――――――人間の、少女の物へと戻された。
その右腕には、星のかけらが埋め込まれていた。そして、藤宮明花は……それに対して、猟銃を。照準を、合わせた。

通常考えれば、その先に考えられるのは―――――――――――― 悲劇、に他ならない。

/まだいますよー!よろしくお願いします!!!
112 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/21(土) 23:44:23.32 ID:FYUKcKpPo
>>110

自身が映る相手の瞳には一切の敵意はなかった。
攻撃されるかも、なんてのは無用の心配だったようだ。

「え……? う、うん。召喚されたの……魔法少女の、願いで……」

コクリ、と頷いて肯定する。
――メリー・メルエットは一人の少女の願いによってこの世界に人形として呼び出された。
召喚した魔法少女の事を恨んではいたが、彼女はもうこの世にいない。
晴れて自由の身となったため自分の世界に帰るために行動している。

「キミもってことは……もしかして、あなたも……?」

まさか、目の前の彼女も願いによる被害者なのだろうか。
人差し指を握る手にほんの少し力が込められた。
113 :パメラ [saga sage ]:2015/03/22(日) 00:01:31.90 ID:QVFZyKZ/O

>>111

っ……!

【結界に入った瞬間、眼に映る光景】
【降り下ろされた腕、受け止める銃】
【光と共に変わる、姿】
【そして、そこから】
【狩る者と、狩られる者の姿】
【一瞬にして決まった】
【戦いとも呼べないような出来事】
【そして、その最後には―――】

……本当…この辺りはろくなことが起きませんねぇ
寝覚めが、悪くなるじゃ無いですかぁ

…アウェイクン……スピカ!

【瞬間】
【彼女の横には、魔方陣】
【自らに課した誓いの言葉さえ省略し】
【魔方陣から呼び出すのは、一つのランス】
【純白の装甲に青のラインが入った、メカらしい翼を広げた鳥か戦闘機を思わせるようなランスである】

『ライトニングライト』セット!

【そして、唱えるは一つの魔法】
【数は要らない、故に一つだけを即座に発動し】
【そのひとつを、猟銃の魔法少女に放つだろう】

【そして、当たるか当たらないかに関わらず】
【相手がこちらを認識したならば】
【こう、話しかけるだろう】

……初めまして、魔法少女さん

/こちらこそ、拙いですが宜しくお願いします!
114 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 00:12:09.15 ID:SpgFDYT1O
>>112

へっ? 召喚された、って…………まさか、そんな事まで……

【小人の少女の返答は肯定、しかしその内容は些か風利には予想外であった】
【自身が真っ先に想像したのは願いによって今の姿に変えられた、といった物であったのだから】
【自身の勘違いを自覚した上でフと気がつくのは目の前の少女の置かれた状況】
【ただ一人、見知らぬ世界に突然呼び出されたというのが真実であれば如何程の心細さであろうか】
【ソレを思えば自分なんて……と、内心で思いつつ目を伏せるが】

……えっ……あ、あ〜〜……あっれ〜? ボ……ワタシったら「も」って言ってた?
違う違うっ! ワタシは、別にそんな、大した事情とか……ないからっ……
だから………なんか、ゴメンね?

【「自分の事情」なんてモノは人に言うほど大層な物では無い】
【その思いが目の前の少女の置かれた状況と併せて風利の口を噤ませる】
【故に浮かべるのは期待を持たせるようなことを言ったことを申し訳なく思っているといった】
【しかし同時に、何かを誤魔化そうとしているような曖昧な笑みであった】
115 :パメラ [sage saga ]:2015/03/22(日) 00:14:41.73 ID:QVFZyKZ/O
>>111
>>113

/すいません、一部描写不足でしたので直したのを置いておきます

っ……!

【結界に入った瞬間、眼に映る光景】
【降り下ろされた腕、受け止める銃】
【光と共に変わる、姿】
【そして、そこから】
【狩る者と、狩られる者の姿】
【一瞬にして決まった】
【戦いとも呼べないような出来事】
【そして、その最後には―――】

……本当…この辺りはろくなことが起きませんねぇ
寝覚めが、悪くなるじゃ無いですかぁ

…アウェイクン……スピカ!

【瞬間】
【彼女の横には、魔方陣】
【自らに課した誓いの言葉さえ省略し】
【魔方陣から呼び出すのは、一つのランス】
【純白の装甲に青のラインが入った、メカらしい翼を広げた鳥か戦闘機を思わせるようなランスである】

『ライトニングライト』セット!

【そして、唱えるは一つの魔法】
【数は要らない、故に一つだけを即座に発動し】
【そのひとつを、一条のレーザーを猟銃の魔法少女に放つだろう】

【そして、当たるか当たらないかに関わらず】
【相手がこちらを認識したならば】
【こう、話しかけるだろう】

……初めまして、魔法少女さん
116 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/22(日) 00:27:21.82 ID:z95YZb27o
>>114

「え? え? ……そ、そうなの?
 う、ううん! こっちこそ勘違いしちゃってごめんなさい……」

メリーの心に芽生えかけていた仲間意識がしおしおと枯れていく。
人間と小人。体のサイズは違えど彼女と自分は似ている存在なのかもしれない――
なんて期待を持ってしまったがそんなことは無かった。
その曖昧な笑みの裏に隠された意味にメリーは気付かなかった。
人の言葉を疑いもせずにそのまま受け止めてしまうほど彼女は素直だったのだ。

「あ、あの、あなたの名前……お、教えて?
 あなたとは、たぶん……戦わなくていいような気がするから……」

それでも、例え同じ痛みを持っていなかったとしても、目の前の少女はきっと悪い人ではないはずだ。
ずっと緊張していた口元をゆるませて、少女の名を尋ねた。
117 :藤宮明花 [sage]:2015/03/22(日) 00:28:32.45 ID:xeiKV6tAo
>>115
>>113
然しそれの引き金は引かれた。雷管を叩き、炸裂音と共に鉛玉が飛翔する――――――――――――但しそれは、"まともな軌道を描かなかった"。
それは最初、真っ直ぐに少女へと向かう様に見せかけて、それは余りにも無理矢理に"捻じ曲がった"。
上下左右、余りにも逸脱した軌道を描きながら弾丸が飛んでいく。その着弾地点は銃口から直角以上に、彼女の足下へ。
魔法少女として、以上に特化し、強化された感覚器官。それによりそれを捉え、藤宮明花は、その位置から後方へと一歩下がる事で、その閃光を回避した。

「――――――――御機嫌よう」

微笑んで、彼女へと小さく頭を下げた。
彼女に、其処に何か激怒や、嫌悪感等の感情は浮かび上がっておらず、事実彼女にはそう言う感情は無かった。
ただ、其処に辿り着くまでの情報が少ない、と言うのもあるが――――――――またそれ以上に一つ、理由があった。

「――――――――私に何か御用でしょうか、魔法少女様」

終着点はほぼ決しているが、その過程を決して疎かにはしようとはしなかった。魔法少女……人知を超えた力を得た少女。
彼女は、それを赦さなかった。彼女が赦すべき魔法少女は唯一つ、"優良なる存在"のみ。

銃口は下げて、敵意は未だ発していなかったが。その問い掛けに対する返答さえ聞けば、其の銃口はきっと顔を上げる。
118 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 00:55:10.87 ID:SpgFDYT1O
>>116

あぁっ! えと……勘違いさせたのはワタシの方だしそんな……ねっ?

【口調と共に弱々しくなる人差し指を握る力に慌てて否定しようとするも】
【お互いに謝罪を繰り返す事になって話が拗れる事態が頭をよぎり】
【それ故に困ったように首を傾げつつも「お互い様だから」という意思を言外に訴えるに留まる】


名前? そっか、そう言えば……えぇっと、確かメリー……ちゃん、だったよね?
ワタシは、えっと………っ………恩納、風利……だよっ? フーリ、って呼んで?

【名前を問われ、同時に先立って彼女に名乗られていたことを思い出す】
【自分の名前は可能な限り他人には明かさずにいたい、そして目の前の相手は完全なる初対面】
【ならば名乗る名は本名で無くとも構わない、或いは部分的であっても何ら問題はない】
【だが、既に自身の名と秘密を明かした少女に対して自分は既に一つの不誠実を行っている】
【であるなら、向けられた信頼に対してこれ以上の不誠実を行うのは許されない】
【故に明かすのは紛れもない自身の本名、内心の葛藤を悟られぬよう笑顔で告げる】
119 :パメラ [saga sage ]:2015/03/22(日) 01:00:13.89 ID:QVFZyKZ/O

>>117

そうですねぇ……特に大きな用は無いんですがぁ 

【相手の問いに、そう返しながら】
【考えるのは先程の光景】
【不可思議に動き回った弾丸に、落ち着き払った動き】
【更に、先程見せた一連の攻防】
【そこから、相手の最低ラインを予測して】

あー、いえ……たった今出来ましたぁ

【動きを見て、顔を見て、目を見て】
【感じた事は、ただ一つ―――何故か気に入らない】
【実は他にも、黒百合学院にまつわる黒い噂や、魔法少女達が話す良くない噂話などもあったのだが】
【それら全てを抜きにしても、きっと】
【この考えに至る事には、変わらないだろう】
【故に、とるべき行動は一つ】

貴女を放って置けば、きっと寝覚めが悪くなりますねぇ
…………壊しましょうか、魔法少女らしく、ね

『ライトニングライト』セット!

【相手が、銃口を上げると同時】
【今度は本気の、12の光球を生み出し】
【開幕とばかりに、ランダムにレーザーを】
【魔法少女と魔法少女の、舞踏会を告げる光を】
【12条、放つだろう】
120 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/22(日) 01:16:48.67 ID:z95YZb27o
>>118

「……フーリ、ちゃん?」

恩納 風利。
涼しげで爽やかな印象がする良い名前だとメリーは思った。

「えと……そういえば、どうしてフーリちゃんはさっきあんなに痛がって……」

先程風利が頭を抱えて苦しんでいた原因を聞こうとしたが、ハッとして言葉を止める。
怪我の理由が知りたかったが、あまりゆっくりしていられないことを思い出した。

「――ごめんなさい、わたし、もう行きます。
 安全に休める場所を探しに行かなくちゃいけないから……」

名残惜しそうに、弱々しい笑みを浮かべる。
ふわり、とメリーの小さな体が宙に浮かんだ。飛行魔法を使用したのだ。
ずっと握っていた指が離れた。風利の温もりを感じていた手に冷たい風が触れる。
メリーは風利の目線の高さまで浮かぶと、ぺこりと頭を下げた。
そして彼女に背を向けて、星の瞬く夜空へと飛んでいき――その小さな体はあっという間に見えなくなった。

/すみません、そろそろこの辺りで閉めさせてもらいますっ
/お疲れ様でした!
121 :藤宮明花 [sage]:2015/03/22(日) 01:23:46.02 ID:xeiKV6tAo
>>119

「あら、そうですか。……あまり、手荒な事はしたくないのだけれど」

ポーチを開いて、右手を其処に突っ込む。引き抜いたその手には青色の弾丸が四発、指の間に挟まっていて、槓桿を引き親指と人差し指の間の一発を装填する。
槓桿を押し込んで下ろす。この一連の動作に数秒の時間はいらなかった。其処から、放たれる十二の閃光へと対応する。
一、二、三、四、五。彼女の特化した魔法として、身体機能の出力向上と感覚器官の鋭敏化がある。熱や空気の動きを肌で感じ取り、それにより着弾を予測し回避する。
六条目の回避の際に、レーザーがその頬を撫でつけた。一瞬で焼け爛れたその一部の痛覚器官を反射的に遮断して、そして猟銃の引き金を引いた。
猟銃から離れた"魔弾"は、残る六条の閃光を"貫いて、掻き消した"。通常の銃弾では有り得ない挙動であり、それは間違いなく"魔具"であると証明していた。

もう一度槓桿を引く。

「魔法少女。その力は強大で。幼気で、無知な少女達に渡すには余りにも危険な力」

開いた其処に右手の弾丸を装填する。

「だからそんな力は、"私達"みたいな優秀な一部の人々に管理されるべき」

「そう思いませんか?」

槓桿を戻して下ろす。


「黒百合学院生徒会長、藤宮明花。貴女を、狩らせていただきます」


そして乾いた銃声と共に、弾丸が放たれる。魔弾の射手より放たれた魔弾は、不規則且つ滅茶苦茶で、既存法則を完全に鑑みない軌道を描いて。
それは一度、彼女の後方へと回り込み、更に其処から方向を転換し。弾丸は彼女の"背中"から、貫かんとするだろう。
122 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 01:41:16.43 ID:SpgFDYT1O
>>120

うん、ヨロシクね? メリーちゃん
……え゛……あ〜〜……アレは、ちょっと足を……

【自己紹介も終えた所で飛んできた質問に先程までとはまた違った理由で言葉を濁す】
【魔法少女が足を滑らせて屋根から転げ落ちたと言うのは流石に間抜けすぎるだろう、と】

んぇ? 安全に休める場所……って……っ

【何でそんな、と問う直前メリーには帰る家さえも無いのだと思い至る】
【その身を魔法によって浮かび上がらせ手元から飛び出していこうとする背中に向け】
【「それならウチに」と出かけた言葉を喉元で押しとどめ、飲み下すと目を伏せる】
【相手は初対面で、自身と同じ魔法少女で、小人だとしても自分と違い歴とした「女の子」】
【他にも理由を挙げればキリがない程度なのだから、そんな提案はするべきでない】

……気を付けてね、また今度……どこかで、きっと……

【去りゆく背中に届く事を信じて手を振り見送る】
【再び出会うことを祈り、伝えられ無かった言葉を伝えられることを願いながら】

//遅くまでお付き合いありがとうございました
//お疲れ様です、お休みなさい
123 :パメラ [sage saga ]:2015/03/22(日) 01:52:41.71 ID:QVFZyKZ/O

>>121

【放たれる光条、貫く銃弾】
【やはり、あの銃は厄介か】
【系統は違うだろうが、魔の力を宿した物なのだろうと】
【同じ様な力を扱うパメラは、分析する】
【そうしながら】

……つまらないですねぇ
そもそも、管理できるなら、なぜ先程のような事が起きるんですかぁ?

【相手の、明花の言葉を切り捨て】
【逆に話すのは、そんな言葉】
【そして、パメラに襲いかかるのは自由自在の弾丸】
【しかし】

……目障りですねぇ
…なら、私は壊し尽くすだけですよぉ……?

【手にするのは、一層の輝きを放つランス】
【それを、両手で掴み】
【横に、丸ごと一回転】
【途端に放たれるのは、ランス自体から放たれるレーザー】
【それを、薙ぎ払うように、弾丸事巻き込もうとしながら】
【そしてそのまま、明花をも横薙ぎに払うような一閃】

【もし、ダメージも少なく乗り越えたなら】
【大降りな一撃で多少の隙が生じたパメラがおり】
【追撃のチャンスが生まれているだろう】
124 :藤宮明花 [sage]:2015/03/22(日) 02:23:45.58 ID:xeiKV6tAo
>>123

槓桿を引いて銃弾を装填し、槓桿を戻す。この作業に寸分の狂いは無い。それが全ての始まりで、全ての戦いはこの後に続く。
薙ぎ払うような一閃、そしてそれは事実藤宮明花をその熱量で焼き殺さんとするだろう。だが――――――――彼女には。
傲慢である訳がある。その自信に裏付けされた、彼女には圧倒的な。平凡な人間を遥かに超えることが出来る、"才能"が彼女にはあった。
それは――――――――その全てにおいて、作用する。

彼女は上方へと銃口を向けた。引き金を引けば、それはその通りに飛んでいく事だろう。――――――――それでいい。
そして彼女は、思い切り上方へと"跳んだ"。飛行能力では無い、単純な脚力強化によって、彼女は殲滅の閃光を回避した。

「"私にならそれが出来る"」

ジャケットの裾を翻して、藤宮明花が墜ちていく。そして上方に放たれた銃弾が――――――――墜ちていく。
彼女の遥か上方で、小さくそれが炸裂した。破裂した其れは即座に"銃弾の形となって"、藤宮明花のみを避けて、彼女へと弾丸の雨として降り注ぐ。
そして降り立つ地点は、彼女の前方。降り注いだ雨の中で、彼女がそのまま立っているとするならば、藤宮明花は其処から更に一歩、彼女との距離を詰めて。

「当然でしょう?私の管理は完成していない」

「やがて全ての魔法少女を私が、黒百合学院生徒会が管理し。やがて全ての星のかけらを、黒百合学院生徒会が管理すれば」

「あんな風な"悪い事"も、無くなる」

「そう思わないかしら、魔法少女さん?」

発動する魔法は、酷く単純な物だ。猟銃の銃身下部に、銃剣を装着する、と言うだけの。
長大な銃剣は彼女を中央に捉え、彼女へと放たれる。単純な突きによる攻撃ではあるが、それは彼女の才と、肉体強化によって脅威に成り得るだろう。
125 :パメラ [saga sage ]:2015/03/22(日) 03:06:23.03 ID:QVFZyKZ/O

>>124

…………っ…

【手応えは、無い】
【当然だ、このくらいですむなら】
【――――何も思わない】
【そして、明花が避けた先を見上げ】

……っ、『プロテクトシェル』セット!

【回避は間に合わない】
【故に、取るのは防御であり】
【手放したランスは、即座にパメラの上方に展開】
【そして紡ぐはバリアの詠唱、発言するのは魔力による盾】

くぅ………!

【しかし、十分な時間は足りず、幾らかすり抜け】
【直撃は無いが、体に傷は生まれる】
【それでも、その大多数を耐えきれば】

……言い訳にしか聞こえないですねぇ
自分の都合の良い結果しか見ない、っていう、ねぇ

【再び地に降り立ち、相対する彼女に向けてそう告げる】
【近づき、恐ろしいまでに正確な一撃を】
【ランスを手放し、壁にしながらも避け】
【代わりに今度は、15の光弾を生み出し、放つだろう】
【威力としては、拳銃並みだが、ある程度のホーミング弾を】

/遅れました、すみません
126 :藤宮明花 [sage]:2015/03/22(日) 03:37:29.98 ID:xeiKV6tAo
>>125
「だって私は」

手離されたランスを、彼女は左手で"奪取"した。その直後に放たれる十五の光弾、全て避け切れる量では無い―――――― 故に。

「――――――ッ!!!」

甘んじてそれを受けた。十五の内の五つの銃弾は乙女の柔肌を抉り、鮮血を流し。そして苦痛に顔を歪めるも。
然し彼女は魔法少女であり。また痛覚遮断により、更なる戦闘行動へと移行する。
左手に奪い取ったランス、それを彼女へと突き出した―――――――――"ただの刺突攻撃では無く"。
それは光の奔流である。それは彼女にとって、もっとも見覚えのある攻撃手段であろう―――――――――それは、"閃光"だった。
彼女の本来の物よりも出力は劣る。精々八割程度と言ったところだろうが、彼女は確かに、僅かな間で在りながら彼女の"固有魔法"を奪い取った。

「貴方達の誰よりも"支配者"で」

それは彼女の放った残りの弾丸とぶつかり、そしてそれが貫通できる程度の威力を持っているならば、彼女へと向かっていくだろう。
支配者の証明。一時的にとは言え、どんな魔具も支配下に置き、自らの物とする固有魔法――――――――― だが、本来の狙いはそれでは無い。
故に彼女は再度、ランスを手離した。このまま、他人の魔具を握り続ければ幾つかの弊害が発生する。それに、自分の得物は、この猟銃だ。

「都合の良い結果を手に入れる事が出来るから」


「―――――――――才能の無い、貴女達とは違うのよ?」


その笑いは、其処にある"見下し"。選民思想。差別意識は――――――――――――――――――それは彼女を、藤宮明花を構成する、最悪であり。
同時に彼女の才能を肯定し、また彼女の才能であり。それは全ての彼女の才能の、源であった。

槓桿を引いて弾丸を入れて戻し、槓桿を下ろす。照準を合わせるのに時間はいらない。
引き金を引けば、雷管を叩いて炸裂し、弾頭は飛んでいく。
放たれる弾丸は、射出された瞬間に無数に拡散する。それはまるで散弾銃の様な、"面"の攻撃だった。
一撃一撃の威力は低いだろう。貫通力で言えば彼女の猟銃の通常の弾丸にも劣る――――――だがそれを幾つもとなれば、それは十分な威力と成るだろう。
127 :パメラ [sage saga ]:2015/03/22(日) 04:15:23.35 ID:QVFZyKZ/O

>>126

……ぅう!?

【飛ぶ閃光、迸る閃光】
【明花によって奪われたランス―――スピカの奔流は】
【確かに、光球を飲み込み】
【そして、パメラの左腕をも掠り、抉る】
【血が飛び、痛みが襲う】

【が】

……うふふ、うふふふふ

【そこで、笑う。笑ってしまう】
【スイッチが、切り替わる】
【魔法少女としての、パメラの本質へと】

そうですねぇ、確かに
都合の良い結果だけを手に入れられるなら、支配者ですねぇ

まぁ、もうどうでも良いですがぁ
……もっと、楽しませてくまさいよぉ…?

【パメラ・レジエルは魔法少女だ】
【願いを叶えるために戦い】
【生き残るために戦い】
【何かを得るために戦い】
【戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦い続けた魔法少女だ】
【そして、戦い続けた挙げ句】
【戦いを止められなくなった魔法少女だ】
【――――スイッチが、切り替わった】

……ヴィルゴ

【相手が猟銃を向けても、動くことなく】
【一言呟き、現れるのは6つの大きな魔方陣】
【それが全て、壁となり弾丸を弾き―――いや】
【魔方陣の中から現れるのは、6つの】
【五メートルはあろうかという、巨大なランスが弾丸を弾きながら】
【そして、それが魔方陣から抜けきる前に】
【一つ、また一つと、雪崩のように大口径レーザーを放ちながら】
【戦場に、姿を表そうとしていた】
128 :藤宮明花 [sage]:2015/03/22(日) 04:47:55.44 ID:xeiKV6tAo
>>127
「―――――――――――― 一発」

ポーチへと手を突っ込んだ。引き摺りだした弾丸は一発だけ。その内の殆どは火薬、飛んでいくのはほんの先端部分。
成程、ほんのちっぽけだ。この膨大な力の流れを。視界を包む閃光を。私を呑み込む熱量を。覆す程の力を、決して有してはいないのだから。
―――――――――然し彼女には必要無い。
其の手に握るのはほんの一発の弾丸だ。魔弾では無い、只の弾丸だ。
槓桿を引いて、弾倉を開き、銃弾を籠めて、槓桿を戻し、槓桿を下ろす。一連の動作は身に沁みついていて、もう目を閉じていても出来る程、だ。

「一発、あれば」

照準器を覗き込む。銃床を肩に当て、引き金に指をかける。
レーザーが脇腹を抉っていく。血が噴き出して足下を染めて、肩を抉る。太腿を焼いて頬を撫でる。当然だろう、今、藤宮明花はこの攻撃を"真正面から受けている"。
抉られた内臓から逆流した血が口の端から流れ出る。いやそれでもいい。それでいい。この構えこそが自分であり、この構えこそが狩人である証左なのだ。
何時だって自分はこうして[ピーーー]。こうして狩りとる。こうして私は支配する。だから、これでいい。研ぎ澄まされていく。鋭敏になっていく。

彼女の身体はほぼ崩れかけていた。このレーザーの雪崩が過ぎ去って行った時、彼女は脆くもこの地に崩れるだろうと、それこそが自然の通りで、実際にその通りだった。
その通りだった、筈だった。

藤宮明花には願いがある。選民思想、余りにも道徳的では無い願い。"全魔法少女の管理"。それは最早、星のかけらを用いて叶えられる願いでは無かった。
ただ、自分の力を持ってそれを成そうとする。それが、どれだけ捻じ曲がっていて、肯定される物では無くても、彼女は"真っ直ぐ"に其処に進むと決めている。

星のかけらは奇跡を起こす。そしてその通り、星のかけらを、藤宮明花は一つだけ、消費した。
―――――――――その身体が再生されて。やがてその閃光が晴れた瞬間。


「―――――――――――― 人は、死ぬんだ……ッ!!!」


魔弾では無い。捻じ曲がる軌道も無ければ、拡散する事も無く、鉛玉の嵐と成る事も無い。其処に在るのは――――――唯々純粋な一発だけ。
狙い済ました一発。研ぎ澄ました一発。ただ純粋な狩人の弾丸。彼女の額へと狙いを定めて、彼女は猟銃の引き金を引いた。
129 :パメラ [saga sage ]:2015/03/22(日) 05:27:08.91 ID:QVFZyKZ/O

>>128

【光、閃光、雪崩、破壊】
【一切合切を破壊し尽くさんと放たれた槍は】
【しかし、幾分強引に放たれた物であった】
【本来ならば、完全に出しきらなければならない物を】
【半ば強引に、転送しながらの使用】
【これだけで、パメラの魔力の半数を持っていく】
【そして】

……っぅ!?

【崩れ、消え去り】
【そして治り、再生していく明花】
【自身に向けられていく銃口】
【背筋に走る、冷たい感触】
【瞬間、首を反らし】
【呼び戻したランスで、自らを叩き】
【更に、バリアを張ろうとした】
【結果は】

……ガッ…!!?

【反らし、逸らし】
【頭部への一撃は避け】
【しかし変わりに、バリアを破った弾丸は軌道をずらし】
【パメラの胸部を、貫通した】

……はぁ……はぁ……あっ……く……

【薄れる意識に耐え、一つを念じる】
【――即ち、星のかけらの奇跡】
【再生の、治癒を願い、叶えさせる】
【パメラもまた、一つを消費して、生を掴む】
【そして、もう1つ】
【蜃気楼の様に、掻き消えるパメラ】

……ふぅ…貴女とは、まだ決着はつけられませんねぇ
次は、叶うなら全力で……それでわぁ

【クスリと】
【死にかけたというのに、笑みを浮かべながら】
【パメラは、星のかけらの離脱能力を、使ったのだった】
【そして、彼女は姿を消した】


/すいません、このぐらいが潮時かと思いましたので、切らせて頂きました
/下手なロールでしたが、ありがとうございました!

130 :藤宮明花 [sage]:2015/03/22(日) 05:47:46.25 ID:xeiKV6tAo
>>129
確かな手応えである。だがしかし、望んだ手応えでは無い。刈り取った手応えでは無い。殺してない。
頭を撃ち抜いていない。それは魔法少女に対して言えば、つまり―――――――――

「しぶとい、のね」

自分と同じことをした。星のかけらの奇跡による再生、その上で彼女は其処から掻き消えようとするだろう。
……出来る事ならば仕留めたいが、発動した後なのだとしたらもうそれは敵わない事だろう。照準器を覗き込むのを止めて、銃口を下げる事にした。
そうして、彼女の身に纏っていた、彼女の魔法少女としての衣装が消えていき、黒百合学院のブレザーの姿へと戻り。

「ええ、また会いましょう」

「同じ獲物と二度相対すれば。その時は、必ず貴女を狩り取って差し上げます」

スカートの裾をほんの少し摘まんで彼女の笑いに微笑みを返して送り出した。口惜しい物であるが、今回の邂逅は此処まで。

「……逃げちゃったのね。また、探さなきゃ」

彼女の介入の成果により、先の少女は何処かへと去ってしまっていた。となれば、この結界も用済みだろう。
結界を解けば、何時もの光景が広がっていく。
すっかりと元に戻った、ただの少女としての姿で。藤宮明花は、悠々と帰路へと着いた。

/こちらこそ、こんな遅くまで付き合っていただき、ほんとうにありがとうございましたー!
131 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/22(日) 12:57:52.83 ID:O1CI8aMyO
「貴方に対して何ら恨みはありませんが…私も生徒会長に媚を売らねばならないのです。
反乱分子は処分しなければなりません」

真夜中の路地裏、そこに二人の少女。
一人は鎧を着た金髪蒼眼の少女。もう一人は色鮮やかなドレスを着た黒髪の少女。
鎧の方、ヘレネは少女の腹目掛けて膝蹴りをする。血を吐き、悶える少女に対して容赦なく暴行を加える。

「我らが黒百合学園生徒会に対して、貴方達が反乱を企てようとしているのは分かっているのです。
 吐きなさい―――――どこに集っているのですか?」

ヘレネは少女に拷問を仕掛けているのだ。
そもそも、ヘレネは黒百合学園の生徒で現生徒会派だ。更に生徒会に入り、取り入るための行動である。
超お嬢様学校である黒百合学園には優良な人物が下の者を管理するという思想の生徒会派と、全員平等を訴える反乱派に分かれている。
魔法少女による抗争は表沙汰には決してされないが、当然死人も出ている。

頑なに口を開こうとしない少女にしびれを切らしたのかヘレネは、

「……あー、もう良いわ。死んじまえよお前。言う事の聞けない家畜なんざカスだカス。
よくよく考えたらお前の首を校門の前にでも置いとけば連中は嫌でも反応するじゃん?うん、オッケーオッケー」

少女を宙に放り投げる。そして、杖に光が集まり、収束。
命を刈る光線をヘレネは今にも発射せんとしていた。
132 :東雲天子/ナル・ナルス・マナ>>49 [sage]:2015/03/22(日) 13:27:20.42 ID:QUktYj8R0
>>131

「黒百合学園の人達ってぇ〜、随分と物騒なのねぇ〜。やっぱり女子しかいないからかしらぁ〜」

 宙に放り投げられた少女のドレスを掴み近くの屋根へと着地する一人の女性。
 黒百合学園とは異なる制服──私立紫薔薇学園の制服を着こなしたその女性の名は東雲天子。私立紫薔薇学園の"前"生徒会長だった女性だ。
 天子は軽い口調で鎧を着た女性にそう言うと掴んだ女性を離した。

「君、結構バランス悪い姿してるわねぇ。鎧に杖ってどうなのよぉ? やっぱりそれも黒百合学園のしきたりなわけぇ?」

 小馬鹿にする様な口調と、嘲笑うかの様な瞳は天子の傲慢さをよく表している。
 光が凝縮されていく杖を見ても尚、天子はその表情も口調も崩さない。
 話す内容はヘレネへの挑発か、黒百合への中傷か、何方にせよヘレネにいい印象を与えないということに変わりはない。
 既に魔法少女としての姿であるヘレネを前にしても臆さない天子はよほどの自信があるのか。
 助けた魔法少女を気にする様子も無しに、変身もしない天子はただヘレネへと喋り掛けるだけだった。
133 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/22(日) 13:53:57.09 ID:O1CI8aMyO
>>132
「………あら」

光線のチャージが中断される。というのも、今まさに撃ち抜かんとした少女が今現れた別の魔法少女に助けられたためである。
その少女は、同じくエリート校である紫薔薇学園の校章をつけていた。

「人の姿に文句を付けるのは淑女として感心しませんわね…まあ良いわ。
 それで、紫薔薇学園の方が一体何の御用で?これは私達黒百合学園の問題…他校の方に干渉してもらいたくないのだけれど」

面倒な事になった、と思った。
他校生に見つかるとは、それも紫薔薇学園に。

(一緒に消してしまった方が楽だけど、さすがに他校にまでもみ消しが効くのかね。いや、無理矢理にでももみ消すけど。どうしたもんか)

「それよりも貴方、早くその子を放しなさい。さもなくば、一緒に撃ち抜いてしまうわよ?」

再度、チャージ。
杖を向けて、最終警告をする。どちらにせよ、満たんになったそれをボロボロの少女に撃ちこむ事は確実のようで。
134 :東雲天子/ナル・ナルス・マナ>>49 [sage]:2015/03/22(日) 14:22:25.28 ID:QUktYj8R0
>>133

「別に貴女達の学園は如何でもいいのよねぇ〜。 ほら、黒百合学園も紫薔薇学園もエリート高校って世間では通ってるから、私としては揉め事は起こしたくないわけ。 でも魔法少女としてなら話は別よのぇ〜」

 ポニーテールの髪を弄りながら変わりない口調で淡々と喋り続ける。
 確かにヘレネの言うことは一理ある。天子は紫薔薇学園の生徒であり、黒百合の内部事情に干渉するほどの力は無いし、道理もない。
 だかあくまでそれは内部事情での話。いまこの瞬間、ヘレネが少女に行おうとしている行為は見方によっては魔法少女としての行動に捉えられる。
 魔法少女同士の争いの余波は、後々此方《紫薔薇》へも爪痕を残すかもしれない。
 たとえそれが、間接的であろうが学園に魔法少女の問題を持ってこられたくない天子にとっては彼女達の行動は目に余った。

「ふぅん…………。 じゃあやってみればぁ? 私は別にこの子を守って主人公に成りたい訳じゃないのよねぇ。 だからこの子がどうなろうが知ったことじゃないわけ。 でもぉ、私としては私の領域で問題が起きるのは嫌なわけなのよ。だから 貴女にこの子は殺させないってやつなのよねぇ」

 掴んだ女性を離し、屋根へと落とす。天子は女性を気にする様子も無く、ゆっくりと地面へと降りた。ローファーが地表を踏む音が静かな裏路地に響き渡る。
 やっと同じ目線となった天子は、ヘレネに説明しながら変身していく。
 説明が終わると同時に天子は結界を貼った。やはり魔法少女の存在は知られたくないようで、いくら人気のない場所でも用心深い様だ。この行動からも天子の述べた説明が嘘ではないことが分かるだろう──というかこの人は前に紫薔薇学園全体に結界を貼って生徒達巻き添えにしたから、多分自分以外の魔法少女の行動によって生まれる問題が嫌いなだけだった。
 
135 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/22(日) 14:40:29.35 ID:O1CI8aMyO
>>134
「そう……それじゃあ、仕方ないわね」

警告が通るとは思っていなかった。
自分で勝手に領域を広げておいて、そこで問題が起きるのが嫌い。これが主人公以外の何物であるかは置いておいて。

「てめーを殺して、さっきのあいつもぶっ殺す、これで文句はないな?」

敵を前にもはや自分を取り繕う必要もなくなったヘレネはその本性を露わにする。
邪魔をする者は敵だ。ゴミ以下だ。踏みつけて、殺すだけ。

結界を張られた以上、まずは先にこっちからやらなければさっきの少女は殺せない。
エネルギーが溜まった杖を向けて、今度こそ光線を発射する。
真っ直ぐに飛ぶ光線は、天子の胸を貫かんとするだろう。
136 :ナル・ナルス・マナ/東雲天子>>49 [sage]:2015/03/22(日) 14:55:49.73 ID:QUktYj8R0
>>135

「そう────[ピーーー]しかない」

 本性を露わにしたヘレネ。
 なんだ、何処か、私に似ている、そう感じた天子は親近感の様な感情が心の隅にポツリと芽生えたのを感知した。
 ゆえに天子もその微かで半透明な色の無い、生まれたばかりの感情に身を委ね、本性を曝け出す。

「では始めよう。 私と君の潰し合いを────」

 結果生まれたのは、別の人格だった。
 姿は同じであれど、瞳には紅い魔法陣が浮かびあがり、天子の本性である凶暴な口調とは違い、冷静で不気味なほど無機質なその声は明らかに別だった。
 
「君の名前は?」

 放たれた光線は彼女の胸を貫くことは無かった。彼女は既に別の場所へと、先程よりもやや左へと身を置いている。
 光が放たれた瞬間か、タイミングを合わせたのか──何方にせよ彼女が避けたという事実が其処には存在した。
 名を訪ね、一つの魔法陣を生み出す。魔法陣からは轟と共に、黒色に槍の様な形状をした物質化した魔翌力が放たれた──。
137 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/22(日) 15:24:22.15 ID:O1CI8aMyO
>>136

「…あぁ?」

光線は外れた。いつの間にやら、天子は先ほどいた位置より移動していた。
ヘレネはその事実を確認して舌打ちする。

(ちっ、こいつイカれてやがるぜ!いきなり喋り方が変わりやがった。それとも人格をいちいち切り替えなきゃいけない厨二病か何かか?)

「私の名前はヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタインだ!よーくこの高貴な名前を刻み込んでおくんだな!イカレ野郎が!」

名乗ってやると同時に、飛躍。放たれた黒色の槍を回避する。
そして、空中から小さな炎弾をまばらに放ち、更にそれを杖の光線で撃つ。
撃たれた炎弾は破裂し、拡散。
炎のと光の雨だ。それは視界全体を覆い、天子に襲いかかるだろう。
下手に動けば光線に当たる。当然、光線に当たった方がダメージは多いのだ。
138 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 15:29:01.81 ID:SpgFDYT1O
【天高く暖かな春の如き日差しの降り注ぐ昼下がり、爽やかな風に揺れる木々には花開くのを待つ蕾】
【それらを見上げつつ小刻みな、しかし幾分かの荒さを持たせた息を繰り返す人影が石段を登る】

はぁ、はぁっ……はぁ……っ……着い、たぁ〜〜! はふぅっ

【石段の最後の一段を手摺りに掴まった腕で身体を引き上げるようにして登り終える】
【俯き気味のまましばらく立ち止まり息を整えるとゆっくり顔を上向け、辺りをグルリと見回す】
【見回した先、穏やかな日差しの中で静寂と共に昨夜と変わらぬ様子の月尾神社の境内が広がっている】
【数十秒も立ち止まっていただろうか、不意に歩き始めると境内の石畳を真っ直ぐ歩んで行き】

ん〜、来てみたは良いけど……やっぱり、居るわけないよねぇ

【社殿に鎮座する賽銭箱の前まで来ると溜息を一つ吐いて階段にそのまま座り込む】
【リュックサックを背負った小学生ほどの少女ーー恩納 風利ーーは膝に頬杖をつきながらボンヤリ境内を眺めている】
139 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 15:55:04.11 ID:HwPZcbBd0
>>138
【ここは月尾神社の境内】
【淡い陽射しと春の風が柔らかく吹く】
【そしてその神社のわりと端の方の木陰で本を広げている人物が一人】

「……おや、誰かくるね…」

【そうして息を弾ませて石段をかけ上がってくる幼い少女】
【そしてそのまま石段に座り込んでしまった少女をその赤い猫目に写してから木陰から座り込んでいる少女の後ろにそろりそろりと近寄る】

((ふふふ、鴨居が葱を背負ってきたとはまさにこのことだ))
((僕はかわいい生き物はいじりたくなる性分でね…))
((まぁ、ちょいと脅かすくらいなら許されようと言うものだ…))

【どうやら後ろから軽くこずいて脅かすつもりのようだ】
140 :ナル・ナルス・マナ/東雲天子>>49 [sage]:2015/03/22(日) 16:05:20.75 ID:QUktYj8R0
>>137

「私の名前はナル・ナルス・マナだ。 よろしく、そしておめでとう。 今日が君の生まれて初めての命日だ。 誕生日──とは違い、人生で一度しかない記念日だ。 存分に喜び、存分にハメを外してくれたまえ。 なに、安心していい。最後まで、そう──最期まで付き合おう、一人の魔法少女として」

 ヘレネの荒い口調とは対比的な口調で機械の様に心の無い音調で坦々と喋るマナ。
 放つ槍が避けられ様が焦る様子は見せない──それどころか、マナからはなんの感情も感じさせない。
 イカレ野郎、ヘレネの指摘はある意味合っているのだろう。
 戦闘好きなら戦いに歓喜し、弱者なら戦いに恐怖し、正義感ある者なら戦いに怒りを感じ、例え人を殺そうが、殺人好きなからその行為に快感を感じる。どれほどイカレていようが其処には感情というものが存在している。だが、彼女はそれを感じさせない、認知させない。

「嗚呼────、ザルヴァートル。 君は美しい魔法を使う、いや、作り出すのだな。 しかし、いけないな、断じていけない。 私達がやっているのはなにか──私達が繰り広げるべきはなにか──今一度考えてくれよ、我が敵よ。 私達がしているのは劇か?舞踏か? 殺し合いだろうに──」

 ヘレネの繰り出したのは魔法と魔法のユニゾン──混合魔法とでもいうべきか、正確には違うだろが、やはり魔法と魔法を組み合わせた技であるのは確かだった。
 しかし、マナにはそれが技には見えなかった。確かに素晴らしい、認めよう、そうは思うがやはり違う、アレはなんだ、技か、いや芸だ、マナはそう感じた。
 効率を狙った戦術、確率を上げる為の技術、魔法少女として格の高い技。
 だが其処に美しさがあってはいけないと、殺し合いに美を追求するのは間違いだ、とマナは思った。
 ゆえにマナはヘレネを褒める言葉を口にはしなかった。
 だがやはり技であれ芸であれ、魔法であるのは確かだ。当然、魔翌力の集合体なので威力は存分にある。
 ならば何方を取るか──光か炎か。否──選ぼうが変わりはない。運に身を委ね、マナは光の一撃を受けた。衝突により煌びやかな光と共に起こる小さな爆風はマナの華奢な体を後方へと弾く。
 先程よりも後ろへと身が置かれたことにより、魔翌力の雨は避けられたが、やはり光のダメージは受けていた。

「では────私の番だ。存分に味わってくれよ、《未知》を」

 刹那────先程マナが立っていた位置から紫色に光る魔法陣が浮かぶ。そして鳴る音と共に生み出されたのは黒い腕。
黒腕から繰り出さるは拳による打撃──その腕は勢い良く伸びヘレネに一撃翌与えんと向かった。



141 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 16:13:26.36 ID:SpgFDYT1O
>>139

……ふぁぁぅ……ん〜、ちょっと眠い、かも……

【賽銭箱を背に境内をボンヤリ眺めている内に暖かな日差しが微睡みを運んできたのだろう】
【欠伸を一つ吐いて目を細める姿は直ぐにでも居眠りを始めてしまいそうであったが】

……っ! いけない、いけないっ! お昼寝しに来たんじゃないんだから、しっかりしないと!

【眠りこけそうになる寸前、ハッと気がつき両手で頬をパチパチと音を立てて叩く】
【ホンの僅か頬に赤みを帯びさせるも、多少は目が覚めたようだ】

よしっ、そしたら探知魔法で……っと、その前にお水飲んどこっと

【気持ちを切り替えて立ち上がろうとするも、その前にと座ったまま背負っていたリュックを下ろし】
【ファスナーを開けてリュックから水筒を取り出すべくゴソゴソと漁り始める】
【尚、この段に至ってもその場に自分以外の人がいる事には全く気付いていないようだ】
142 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 16:19:00.06 ID:HwPZcbBd0
>>141
((もぅ、かわいらしいものだ…))

【一人でなにやらコントをやっている幼女の背中を割りと勢いをつけて、石段から落ちないくらいの力で押しながら】

「わっ!」

【と、大声を出す】
【ちなみにいまこの少女は猫目を細めてニヤニヤと笑っていたりする】
143 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/22(日) 16:35:23.18 ID:O1CI8aMyO
>>140
「ホラホラホラ!避けられるなら避けてみやがれってんだ!」

一応、ヘレネは単に有効だと思って仕掛けたわけで、別に美しさだとかは何も求めてはいない。
だが、マナにはそれが芸術のように感じてしまったようで。
マナはこれを劇か舞踏かと言った。しかし、それは此方のセリフでもある。
大袈裟だが、どこか機械的なものを感じさせる彼女こそ劇か何かの出演者のように見えてならなかった。

まあどちらにせよ、ダメージは与えられたようでヘレネは口を歪ませる。
ヘレネは未だ落下中。更に、自分の攻撃の爆風によって視界が安定しない状態だ。
そこに、黒い腕が伸びてきたものだから反応しきれない。咄嗟に障壁を張って防御する。

「てめぇの方がよっぽど芝居がかったように見えるんだけどなぁ――――ぐぅっ!」

拮抗。だが、押されている状態だ。
苦労せずとも、出力を上げれば障壁を破る事は容易であろう。

/すいません、23時くらいまで返信ができないのでご了承下さい…
144 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 16:37:52.79 ID:SpgFDYT1O
>>142

ん〜……あったあった! さってと〜いっただきま〜

【リュックから取り出した水筒の蓋を軽い音を立てつつ開けてカップにすれば】
【トクトクと水筒の中の湯気を立てるお茶を注ぎ込む】
【そして軽く息を吹きかけて熱を冷ましていざ口を付けようとしたその瞬間】

っすぶ!!? っっはぁ! げほっぇほっ! あ、あちゃちゃちゃっ!!!

【背後からの突然の衝撃と大声に含みかけたお茶を吹き出し手の内のカップを取り零す】
【そして必然であるように零したお茶は風利の膝へと吸い込まれるように落下】
【その熱さにむせながら階段で暴れまわる】
145 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 16:44:56.21 ID:HwPZcbBd0
>>144

「ふふふふふ、あーはっはっはっはっはっはっはっはっ!」

【壮大に転げ回る幼女を見てお腹を抱えて笑う】

「ふふふふふふ、あはは、大丈夫かい?ふふふふふ」

【この少女、ダルッダルのジャージを着た長い黒髪の少女、狂犬病 鬱月は気遣うような声をかけながらも笑いを殺しきれていない】
【それでも薔薇が刺繍された淡い紫のハンカチを差し出すくらいの事はする】

146 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/22(日) 17:10:27.04 ID:AzfLFAGK0
今日も平和だな……
ほんと嫌なぐらいに……

【街を歩いて呟くのは小さな少女】
【黒百合学院の制服を身に纏っていて学生だということが分かる】
【金色の髪をたなびかせ少女は歩く】
【もしこの少女が大人の姿ならばさぞかし美人だっただろう】
【もっともその姿は一生拝むことは出来ないだろうが】
【だが少女の姿でもその優雅さは感じることができ見るからにお嬢様といった様子だ】

この街に閉じ込められてから一体何年が経ったんだろうか……
あの学校は息が詰まる……
設備は良いがやはり居心地が悪いな……だいたい私にあんな学校は合わんというのに……
やはり一刻も早く呪いを解かねばな……

【少女はそう愚痴をこぼすと静かに街を見渡す】

最近は特に目立った事件も無いしな…なにか面白いことでもあればいいのだが……

【小難しい顔でブツブツと呟きながら少女は足を進める】
【考え事に夢中で前が見えていないらしくもし目の前に人が現れたとしても避けることは出来ないだろう】
147 :ナル・ナルス・マナ/東雲天子>>49 [saga]:2015/03/22(日) 17:12:52.69 ID:QUktYj8R0
>>143

「芝居か────」

 落下中のヘレネの言葉を反復する様に呟く。

「確かに、私の立ち振る舞いは芝居の様だ。 舞台の演者か物語の登場人物か。 だが、別に意識している訳ではない。私はあまり表に出ないゆえ、こう機会があるとつい話し過ぎてしまうのだ。どうか許してくれよ、魔法少女」

 二重人格──いや、そんな生易しいものではない。一つの肉体に二つの魂が宿っているのだこの女性(天子)は。
 表は天子、彼女が日常的な主人格でありマナはその後ろに隠れる裏。
 マナが人格を支配するときは、決まって主人格である天子の干渉が必要だった。ゆえにマナは自身の意思で出てこれない為、比較的表に出ることは少なかった。その副作用なのか、マナの口数は多いし、口調も演者ぶっているのだ。

「嗚呼、ザルヴァトールよ。また魅せてくれるのか魔法を。それとも見せてくれるのか魔法を──。仮に私も君も演者なら、題材は殺し合いただ一つ。需要高き題材だ。さぁ、始めよう────嘘偽りの無い、真っ白な台本による真っ赤な舞台を」

 そう言うとマナは更に黒腕の魔力を高め出力を上げる。
 ──魔力と魔力のせめぎあい、鈍い音に連動するかの様にうまれた風圧はやがて衝撃波となり、二人の間の地表を破壊していく。
 そして刹那──黒腕が禍々しい光を纏うと同時に防壁を破った。先程の魔力によるブースト影響だろう。黒光りする黒腕はそのままヘレネに向かう。


 
148 :ナル・ナルス・マナ/東雲天子>>49 [sage]:2015/03/22(日) 17:15:10.17 ID:QUktYj8R0
>>143
了解ですっ
149 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 17:16:12.58 ID:SpgFDYT1O
>>145

〜〜〜〜〜っ!

【足に溢れたお茶を両手でバシバシと叩くようにして熱を飛ばしていく】
【言葉にならない叫びを上げながら階段から降りて背後を睨め上げる】

何するんですかっ! あっついじゃないですか!!

【背後に立っていた人の顔を見てその顔に見覚えがないのを確認】
【その上で突然の理不尽な行為に流石の風利も憤りを隠す気は無く】
【差し出されるハンカチも受け取ろうとする様子は一切ない】
150 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 17:24:12.19 ID:HwPZcbBd0
>>149

「あはは、悪い悪い」

【0.1ミリも気にしたそぶりを見せずにニヤニヤと笑い続ける】

「それゃ熱いよ、ふふ、火傷をしたなら言ってくれたまえ」

「なに、ほんの戯れと言うやつだよ、悪気は無い」

「もし謝罪が必要なら膝まずいて靴にキスをするくらいの事ならしよう」

「そういえば何かを探していたようだね?待ち人などがいたのかい?」

【ペラペと喋りながら話を逸らそうとする】
151 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 17:47:20.79 ID:SpgFDYT1O
>>150

…………はぁ

【こちらの憤りも何処吹く風という様子で笑みを浮かべ軽い口調で謝罪を口にする】
【その姿から言葉通りの謝罪の意思を一欠片も感じ取れなかったのだろう】
【怒りに染まっていた顔は不審からくる渋面へと取って代わる】

ヤケドは……大丈夫みたいです、けど
……………………あの……もう良いです、ゴメンなさい、それじゃ

【そして続けざまに飛び出す言葉の数々にその不審はよりハッキリと明確な物となり】
【これはいよいよ関わらない方が良さそうな類の人かもと確信したのだろう】
【渋面を無理やりに引きつった笑みを貼り付け、その場から立ち去ろうと後ろへ一歩後退る】
152 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 17:59:30.68 ID:HwPZcbBd0
>>151
「おいおいあんまりつまらない事を言うなよ、なに、もっと僕にいじらせて…いや失礼、お話しようじゃないか」

【しかめっ面をする幼女に向かって一瞬更に大股で一歩近付く】

「僕はあまり人をお話をする機会がなくってね!」

「いやぁ、君の様な可愛らしい御嬢さんをお話出来るなんて無上の喜びなんだよ」

「ぜひとも君のお名前を、おっと、こういうのはまず此方から名乗るべきだね?」

「僕は狂犬病 鬱月、不吉極まりない名前だが…まぁ、うつつきさんとでも呼んでくれたまえ」

「おっと、これでは僕ばかりがしゃべってしまっていけない、いかんせん僕は饒舌が過ぎる、この類いの悪癖は直し難いのが難点だ、と」

「しかし君はこんなところに一体何をしに来たんだい?お昼寝かい?」

【強いて近い物を言うので在ればネズミをペシペシと叩いている猫という風の顔をおおぎょうに両手を広げて更に一歩を踏み出す】
153 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 18:28:38.87 ID:SpgFDYT1O
>>152

っ、あ……ぅ、そのぉ……ぇ〜っと

【こちらの態度を全く気にした風もなく歩み寄ってくる饒舌な年上の少女】
【それともこちらの態度とその内心を察した上での振る舞いなのだろうか】
【どちらであるにせよ、厄介なのに目をつけられてしまったという事には変わりない】
【もはや引きつった笑みですら維持できなくなりつつあり、若干の怯えすら浮かびつつある】


へ、へぇ〜……そうなんですかぁ〜、ふぅ〜ん……あ、あは、あははは……

【矢継ぎ早に言葉を連ねつつも逃げさせる気は無さそうなその様子に最低限の相槌を返す】
【とは言えこうも聞き募られてはその内にボロが出てしまいかねない】
【そうなる前にこの場を退散しなければと考えようとするも考えがまとまらない】
【そうこうする内にこちらの名前や目的を尋ねつつまた一歩近づいてくる少女に無意識の内、スカートの裾を握り締め】

っ!! あ、あああのっ!! 着替え! 濡れた服を着替える! 着替えたいんです!!
なので、ちょっと、あっち行っててもらっていいですかっ!

【目の前の人物の行動で意識から遠のいていたスカートの湿り気に言い訳を閃き半ば叫ぶように訴える】
154 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 18:40:42.46 ID:HwPZcbBd0
>>153

「あはは、なに、それほど時間はとらせないさ」

【と、ここで幼女がスカートの裾を掴んで叫ぶ】

「いやはや、確かに君の言う通りだ」

「僕は同性だし何より僕の責任かもかもかもかもしれないから着替えくらいなら僕も手伝おう……と、年頃の乙女にいう台詞ではなかったね、いやはや反省反省」

【反省をするならもっと別の事を反省して欲しい物だが先程の木陰に戻って腰をかけながら大きな声を出す】

「君は真っ昼間にそんな所で着替えるのかーい?」

「いや、君がそういう趣味があるのであれば僕は何も言わないともー!」

【わざとらしい大声でだ】
155 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 19:04:52.50 ID:SpgFDYT1O
>>154

は、はははは……お、お気遣いなく〜……

【着替えを手伝う、その発言に選択を決定的に間違えたかと絶望しかけるも】
【特に食い下がる様子もなく自分の要望通り遠ざかっていく背中に胸に手を当ててホッと一息】
【その程度の思慮と常識は持ち合わせていたことを心の内で感謝するも】

…………あっちの木立ちの中で着替えるので、ご心配なく〜……っ

【わざとらしくこちらを煽るような発言をしてくる鬱月にギリギリと顔を軋ませながら言い残し】
【石畳から外れて鬱月から見えなくなるよう、社殿の裏手の木立ちに向かって足早に向かう】

………………ふぅ、ここまで来れば……よしっ!

【木立ちにはいって数分、境内から完全に見えなくなった頃にほんの少し開けた広場に出る】
【後ろを振り返り付いて来てないか確認すると急いでリュックの中から折り畳み傘、否、自身の魔具を取り出し】

変身っ! 〜〜〜っ! そ、うっ、れぇっ!!

【傘を一振りすれば濡れたスカート諸共に魔法少女のコスチュームへと切り替わる】
【そうして続けざまに傘を開いて空に向かって突きつけると魔翌力を込めて気合一声】
【吹き荒れる風の爆発によって自身を空に向かって吹き飛ばす】
【射出の方向は境内の反対方向、少しやり過ぎかとは思いつつもこれで漸く安心と加速の途中で一息つくのであった】
156 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 19:22:56.72 ID:HwPZcbBd0
>>155
【着替え終わったらどのようにいじり倒そうかとニヤニヤ顔で考えていると聞こえる爆音】

「まさか……この国の神社の境内にはスプリング式地雷が埋っていただなんて!」

「いつからこの国はあんな悪魔の兵器を使用するほど落ちぶれたんだ!」

「しかもあっちはあの娘が行った方向じゃなかい!」

「これは大変だ!今すぐスプラッターな事になった彼女を回収してネットオークションに出品しなければ!」

【等とうそぶきながら感じる魔翌力の残り香】

「なーんてね『ドレスアップ』!」

【そういって現れた魔法陣を潜ると所々に赤い包帯を巻いて医療用の眼帯を染めた物を着けた紫を基調としたゴシックロリータドレスに身を包む】

「『エクスプロージョン』!」

【背中に闇の魔翌力で出来た三対の翅を作り出し空中に斜めに配置した魔法陣に両足を付け】
【自分を発射する、因みに石畳が割りと剥げた】

「さーてと、此方に飛んでいった筈だけど…何処へいったのやら…」

【空中でキョロキョロと辺りを見回す、今は探知の魔法を使ってはいない】
157 :姫扇園華>>93 [saga]:2015/03/22(日) 19:25:05.07 ID:QUktYj8R0
>>146

「あれは…………なるほど、最近流行りのコスプレか。でも何故超お嬢様学校の黒百合なんだ?」

 丁度ナイトロードの前を歩く園華は、何をする訳でも無くぶらぶらと散歩をしている最中だった。
 なんでもあの超スタイリッシュホラーアクションゲームであるデビルなんたらかんたらを全作徹夜でクリアしたらしく、目が疲れたので青空を見ようと街に出たらしいが────だったら寝ろよな話である。
 なにはともあれ、園華は前を歩くナイトロードを見てそう言ったわけだが、園華の服は今魔法少女としての衣服なので、此奴の方がコスプレみたいだ、鏡見ろ。

「なんだ、迷子か?コスプレして迷子って最近の小学生は凄いな、こんななら小さい細菌でバトルする世界行っても通用するだろうなぁ……あれ、確か主人公小学生だよな────っとどうしたの君?」

 さぁ、如何だろうか。目の下にはクマ、先程からブツブツ独り言、コスプレの様な日常離れした衣服、そして制御出来ない魔力から生まれる重圧感を纏う女性がナイトロードに話しかけました、不審者です、すいません。
 辺りに人はまばらまばらいるが、気にもしない様子だし街の近くにあるお店もお客さんで賑わっている。
 時刻は昼か夕方か、何方にしよこの時間に小学生が街を歩く筈がないが園華は気付いていない。
158 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/22(日) 19:41:31.84 ID:AzfLFAGK0
>157
ん?
あぁ、いや、ただの散歩だよ
それと私はちゃんとした黒百合の生徒だ
それにさっきからなにやらブツブツ言っていたようだがそちらは不審者か何かか?

【ナイトロードが園華を見て不審者だと思ってもなんら不思議ではない】
【誰だってこんな人物に話しかけられたら不審者と思うのが普通だ】
【奇妙な衣服にこの重圧感】
【少なくとも普通の人間では無い】
【自分と同じ魔法を使える人間かただのおかしな変人か】

(ここは探りを入れるか……ふっ…なかなか面白いやつに出会えた)

私から見たらそんな格好をするのは漫画やアニメなどに出てくる魔法少女だけだと思うんだが?
まさかそれが普段着というわけでもあるまい
本物の魔法少女というわけでもあるまいに

【ナイトロードはさりげなく魔法少女という単語を口にする】
【これに少しでも反応すればこの目の前の人間は恐らく魔法少女ということになるだろう】
【ナイトロードは園華の少しの変化も見逃さないよう注意する】
159 :恩納 風利 [sage saga]:2015/03/22(日) 20:08:12.37 ID:SpgFDYT1O
>>156

……っ……えいっ! …はぁ、良かったぁ今日は上手くできたまたい

【空中での加速が緩やかに収まり徐々に飛翔のベクトルが下方に向き始めたその時】
【両手で掴んでいた傘を気合とともに勢いよく開く】
【すると先程までの勢いが急速に減衰し空中でほぼ浮遊する状態に落ち着く】
【現状で自分の行える最大の移動手段であるこれを使いこなすべく練習を重ねていたのだが】
【今回は傘を開くタイミングが文句なしの成功であったようだ】

……流石に魔法を使うのはやり過ぎだったかなぁ
でも、あの人なんか変だったし……しょうがn

【その時、自分が飛んできた方向から聞こえた爆発音に空中で下方を伺い見る】
【すると自分の下方に何やら空中を飛行する人影を視認】

……えっ、ウソだよね? ……いやいやいやいや、無いって無い無い無い

【その人影が放つ気配と魔力から背筋に鋭い悪寒が駆け抜ける】
【その悪寒を否定するように小声で否定を何度も繰り返す】
【自身と人影の距離や位置は結構なものである、故に気付く筈がないと自身に言い聞かせる】
【とは言え風利に空中で姿を隠す術はなく出来ることといえば音を立てずユラユラと緩やかな落下に身を任せるのみである】
160 :姫扇園華>>93 [sage]:2015/03/22(日) 20:08:51.16 ID:QUktYj8R0
>>158

「!?」

 ナイトロードの発言に声を失う園華。
 あまりにも衝撃発言だった様で、数秒間硬直し、後半の話は耳に入らなかった。

「…………はっ!あ、えと、魔法少女ですけどなにか!?」

 硬直していたせいで最後の魔法少女という単語しか確認出来なかった園華は、その単語からナイトロードが魔法少女を知っていると予想し何故か逆ギレの様な口調で答えた。
 ナイトロードは頭のキレる女性の様だが園華はそうでない様で、多重に練られたカマかけは意味を成さなかったようで意味を成した様な微妙なモノとなった。

「貴女も魔法少女か?」

 園華が魔法少女確定だが、ナイトロードは如何だろうか。園華自身は早とちりによりにより自ら魔法少女と明言したが、探知が得意でない園華は目の前にいるナイトロードが魔法少女と確信は持てていなかった。
161 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/22(日) 20:22:47.74 ID:AzfLFAGK0
>>160
(こいつ…馬鹿だ……)

【ナイトロードは園華を呆れた様な目で見る】
【まさかこんなカマかけに引っかかるとは思っていなかったナイトロードは目の前の園華が頭の回らない人間と決定付けた】
【しかもこちらには直球で魔法少女かどうかを聞いてくる】
【あまりにもその姿が可笑しかったのかナイトロードは思わず口元が緩む】

ふふっ、あぁそうだよ
私もそちらと同じ魔法少女ということになるな
まぁ、少女と言っていいかは分からないが……

【こんな単純な人間に隠す必要は無いと考えたのかあっさりと自分の正体を明かす】
【ただし吸血鬼というところは伏せて】
【さすがに全部は言えないということだろうか】
【口元に笑みを浮かべながらナイトロードは園華を見る】

さぁてどうする?
戦闘でもするか?それとも逃げるか?

【心底楽しそうにナイトロードは園華へと選択肢を迫る】
【しかしナイトロードはただ園華の反応を見て楽しんでいるとだけ】
【本人は別に戦う気は無いようだ】
162 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 20:30:53.16 ID:HwPZcbBd0
>>159

【探してみるも中々空中に幼女は漂っていない】

「うむ、しかしたしかに此方の方に…」

【翅を生やして空中に浮きながら目を凝らしていると】

「………………………あ」

【かなり遠くの方で、しかも眼帯をしているので遠近感が掴み難いが何かフリフリした物体がフヨフヨと浮いているの発見する】

「あれ、もしかして…いやいや、あんなに分かりやすくいるはずが…」

【懸念を交えながらきっと墜落している自家用ヘリかなにかだと思いながら徐々に速度をあげて飛んでいく】
163 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 20:55:25.29 ID:SpgFDYT1O
>>162

こっちを見ないでこっちを見ないでこっちを見ないでこっちを見ないでこっちを見ないでぇぇ……っ

【不確かな予感を抜きに考えればさっきの人と現れた魔法少女が関係していない可能性も十分ある】
【十分あるのだが、そうである気が全くと言っていい程にしないのが恐ろしい】
【だからその全身全霊を込めて祈りの言葉を口にし続けるも】

……ぁ……まっ、来てる? 来てる、よね? こっち、向かって……い……いっやぁぁぁぁぁぁっ!!!

【遥か遠くにありながら、確かな視線を感じさせつつ徐々に近付く人影に】
【追いかけられているという現状に恐怖心が際限なく高まった末】
【悲鳴を上げながら更なる風の爆発によって高空へと自身を打ち上げる】
【空は晴れ渡っているものの高空には幾つかの雲が揺蕩っている】
【その内の一つに飛び込むように急激な軌道と速度で突っ込んでいった】
164 :姫扇園華>>93 [sage]:2015/03/22(日) 21:07:09.30 ID:QUktYj8R0
>>161

「?」

 口元を緩めるナイトロードを見て何が可笑しいのかと思い頭にハテナを浮かべながら、首を傾げた園華。
 もっともナイトロードが園華を小馬鹿にしているとは思いもしていない。
 しかし彼女の表情を見るに悪意は感じられないのでそれが一段と園華を悩ませた。

「おお! なんだお前も魔法少女かぁ!! ん、少女じゃないって…………どーみても少女────いや、幼女なんだけど」

 園華はナイトロードが魔法少女と分かり親近感を覚えた。急になれ慣れしくお前呼ばわりする様子を見るに結構嬉しかった様だ。
 腰に手を当て目に見て分かるほどテンションが上がっている園華は脳筋率百パーセント。因みにパンツはいちご柄だ、やったね、いちご百パーセント!
 ナイトロードが魔法少女ということに対しては何の疑問も持たないのだが、何故か少女ではないの"少女"の部分に疑問を持った園華。

「ん、あぁ……別に逃げはしないぞ。お前が戦いたいなら戦ってもいいけど…………フンッ!!」

 ナイトロードの意地悪な選択に園華は悩む様子も無しに答えた。
 そして辺りをキョロキョロと見回し丁度人が見ていないのを確認すると、電柱部分にのみ結界を貼った。園華はその結果を貼った電柱を軽く殴りだした。すれば次の瞬間、電柱は真っ二つに折れ、倒れたのだ。
 園華は手をぷらぷらさせながら、ナイトロードに目を移し、どうする?、とだけ聞くと結界を解いた。勿論、電柱は元通りだ。

 
165 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 21:16:53.24 ID:HwPZcbBd0
>>163

【少女の耳に先程聞いた幼女と同じ声が聞こえる】

「なるほど、9.11の再来ではなかったわ・け・だ・ねっ!」

【可愛らしい悲鳴を上げた物体が上昇し、飛び込んだ雲に自分も急ぐ】

「ふふふ、かくれんぼかい?」

「僕は結構得意だよ、もっとも……」

「隠れる方限定だけどねっ!」

【雲の中の開けた場所を縫うように高速で飛ぶ】
166 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/22(日) 21:23:05.57 ID:LuI1VlbQo
瀬平戸市中央総合病院。それは瀬平戸市の中央に位置し、街の中心的な病院となっている巨大病院だ。その病室の一つ、027号室に二人の少女の姿があった。

「それじゃ、そろそろ帰るよ。」

一人は兵馬一姫。魔法少女として、ある願いのために戦っている高校生だ。その願いとは、妹の兵馬二那の病気を治すこと。

『うん、またね、お姉ちゃん。それにしても、驚いたなぁ、あのお姉ちゃんに友達が出来たなんてねぇ。次は彼氏かな?』

もう一人はその兵馬二那だ。どうやら、二那はこの病院の027号室に入院しているらしい。

「ば、馬鹿言ってんじゃねぇよ。そういう二那こそどうなんだよ?あのお見舞届けてくれた男の子とか」

『あ、あれはただの友達だよ!』

「ホントにそうかぁ?ま、いいや、んじゃ、また来るからな。」

『うん、待ってるからね、お姉ちゃん。』

それだけ言い残すと、一姫は病室から出ていった。その先は廊下。そのまま帰ろうとするが、出入口付近で妙な気配を感じる。

「……これは……魔翌力……?」

間違いない魔翌力の気配だ。まさか、魔法少女がこの病院で何かをしているのだろうか?だとすれば、放ってはおけない。病院に何かあれば一大事だ。
一姫は、急ぎその魔翌力を辿り足を進める。暫くして、その魔翌力の発生元が判明する。そこは、病院の隣にある外部倉庫らしき建物。意を決し、ドアノブに手をかける。すると、カギはかかっていなかったようで、扉は簡単に開いた。

「こいつは……クリーチャーか!?」

そこにいたのは、不気味な白い人型。魔法少女ではなくクリーチャーだ。咄嗟に倉庫とその周辺に結界を張る。

「魔法少女じゃなかったけど、どっちみち放っておけねぇな!二那には手出しさせねぇよ!ついでにかけらも頂いてやる!」

中華風の鎧姿へとドレスアップした一姫は、魔法陣を足元に展開。そして、そこから召喚した青龍刀を手に取り、白い人型へと斬りかかった。人型から発せられる魔翌力は小さく、動作も速くはない。一見すると、一姫が優勢に見えるだろう。
だが、一姫は気づいていない。もう一体の白い人型が背後へと迫って来ていることに……
167 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/22(日) 21:24:43.21 ID:AzfLFAGK0
>>164
あぁいや、ただ聞いてみただけだ
別に戦う気は無いぞ

【ナイトロードが同じ魔法少女だと分かると見るからにテンションが上がる園華】
【どうやら感情が出やすいタイプらしい】

おぉ、電柱が……
なかなかの力だな

【ナイトロードは園華が電池を真っ二つにする光景を見て感嘆の声を漏らす】
【こんな性格の人間は黒百合は居ないタイプの人間】
【こういう人間は嫌いではないのかナイトロードは楽しそうに笑う】

ふふっ、お前のような人間は嫌いではない
むしろ好きだ
お前みたいなやつが黒百合学院に居たら良いんだが……

【学院のことを思い出して溜息を吐く】
【どうやら学院のことはあまり気に入っていないらしい】
168 :姫扇園華>>93 [saga]:2015/03/22(日) 21:36:57.47 ID:QUktYj8R0
>>167

「ん、なんだ壊し損だな。いや、壊してないが、いや壊したか、ん?」

 壊したかけど壊れてない、けど壊した、けど壊れてない、もうワケワカメ。
 自分で言っといて漫画のように目をグルグルしながら混乱する園華。

「なんでだ?黒百合っていったら、超お嬢様学校だろ。 殆どの女子中学生は黒百合か、紫薔薇かで迷うほど人気あるじゃん。 まぁ、大体の人は行けないんだけどな」

 黒百合学園は私立紫薔薇学園と肩を並べる超エリート校だ。違いがあるのは女子高か共学かという些細なことだけで両校とも進学する女子中学生から見れば、ノイシュバンシュタイン城の様に高貴な城なのだ。
 しかし、ナイトロードはそれに不満があるかの様に溜息を漏らした。
 一体なにが不満なのか、園華には分からなかったがやはりお嬢様ならではの悩みなのだろうか────。
169 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 21:38:43.28 ID:SpgFDYT1O
>>165

〜〜っぶはっ! はぁ、はぁ、はぁ……どどどどうしよっ!?

【衝動的に上空へ逃げてしまったものの、考えてみれば相手も飛べるのだ】
【であるならば、このまま逃げた所で飛行が不得手な自分では逃げきれない】
【時間が夜であればまだ闇にも紛れられたが今は昼過ぎ、それも僅かな雲があるばかりの晴れ】
【雲に隠れた所で高度を維持するには先程同様の風音を鳴らす事になる】
【そんな思考を巡らせる間にも時は過ぎていく焦燥の末に出した答えは】

……〜〜〜〜〜っ!!

【自身を中に漂わせている魔具たる傘を閉じる事であった】
【すると途端に通常通りの物理法則に則り風利の体が下方へと落ちて行く】
【雲を突き抜けての急激な上昇からの再び雲を突き抜けての落下によって追ってから逃れようという魂胆である】
170 :上田美奈 [sage]:2015/03/22(日) 21:42:59.20 ID:MQfEa3Y8O
>>166
【手のひらサイズの魔翌力弾(緑色)が数個、白い人型へ横から急襲】
【一撃目でひるませ、二撃目で弾き、残りは純粋に火力として着弾】

「よりにもよって病院に発生とか……。
 なんてとこに湧きますか」

【額に青筋のせた魔法少女からの支援火力といか援護射撃とか、そんな感じ】
【魔翌力弾の主は、普段着の上に灰色のマントをまとったその娘は、大変ご立腹な様子】
【違う病院とはいえ、身内に重症者がいた経験者としては許しがたい内容だったようで】

「……そちらは、ここにご家族が?」

【怒りを抑えつつかけられた声は、同情というよりは共感が乗っていました】
【曰く、事情はわかったから手伝わせろ、と】
【否、断られても強引に手伝うぞ、と】
171 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/22(日) 21:51:29.02 ID:AzfLFAGK0
>>168
【確かにほとんどの人間は黒百合学院に不満を持つなどありえないだろう】

あそこの雰囲気が苦手なんだ
なんというかその…みんな固いんだよ、だからもっとのんびりした学校が私には似合っている

【ナイトロードにとっては嫌々通っているのであって更に黒百合学院はお嬢様学校】
【そういうのがナイトロードは苦手らしい】

それに生徒会の奴らが色々と……少し話し過ぎたか
まぁこちらにも色々あるということだ

【ナイトロードは明日からまた学院に通わなければいけないことを思い出し再び溜息を吐く】

そういえばまだお互いのことをなにも知らなかったな

【ナイトロードはふとお互いの名前も知らないことを思い出す】
【こちら側から名乗るのが良いかと思うとナイトロードは名前を名乗る】

私の名はエヴァージェリン=ナイトロードだ
そちらは?
あぁ、名乗りたくなければ別に名乗らなくてもいいぞ
あくまで私が勝手に名乗っただけだからな
172 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 21:56:31.78 ID:HwPZcbBd0
>>169

【堕ちて行く少女に気づかぬまま雲がバラバラになるまで潜り続ける】

「うーん、確かに魔翌力の残り香は感じるのだがね…」

【そうしてやや思考してから周りの雲共々魔翌力弾で轟音と共に雲を消し飛ばす】

「うん?今ので体ごと消滅する程の威力じゃなかった筈なのだがね……」

【綺麗に広がる晴天を眩しそうに見つめてから左右と上を見回すも宙を舞う幼女は発見ならず】
【幻術や陰匿の類いをかける程の距離とも思えない】

「と、なると……」
「ビンゴ!」

【かなり距離を稼がれはしたが文字通り落下していく幼女を発見する】
【何故飛行魔法を使わないのかとも考えたがきっと魔翌力探知による追跡を逃れるためと判断】

「ふむふむ、あの齢にしてなかなか頭の回る子供もだね」
「いや、中学生の僕が言うのもなんだが子供と言うのは案外飲み込みやら成長やらが早い物だ」

【そしてここでまた意地の悪そうなニヤニヤとした笑みを浮かべる】

「だから今この時期にちょっとだけエキサイティングな事があっても、逢っても、遭っても、それは彼女の成長の為になるに違いないね!」

【そして黄土色のビー玉を取り出す】

「我が隷属よ、いまこその下賎姿を晒す事を赦そう!」

【ビー玉の封印が解かれ、槍をもった砂や泥で出来た痩身の男性と言った風のクリーチャーが幼女の上から降ってくる】

『ヴゥゥ』 『ヴアァァ』 『ガァァ』
  『エッエッエッ』 『グルルル』

【………五人ほど】
173 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/22(日) 22:07:48.11 ID:LuI1VlbQo
>>170
「とりゃあ!」

前方の人型に善戦する一姫。だが、既に背後にはもう一体の人型が。その気配を感じ取り、振り向くが

「っ!?もう一体!?」

人型は既に攻撃体勢。その腕を一姫へと降り下ろさんとしていた。防御が間に合わない。絶体絶命かと思われたその時。

『……!?』

横から飛んできた魔翌力弾。それにより、人型は地へと膝を着けた。

「だ、誰だか知らねぇが助かったよ……」

冷や汗をかいた顔で言う。二体目の人型に相当驚いたようだ。だが、いつまでも驚いていられない。呼吸と体勢を整え口を開く。

「ああ、まぁ……妹がな……それより、手伝ってくれるんだな?頼むぞ!」

体勢を整えたのは、一姫だけではない。二体の人型もだ。一体は一姫の方へ、もう一体は美奈へ向かい、拳を突きだし飛びかかった。
174 :姫扇園華>>93 [saga]:2015/03/22(日) 22:11:27.37 ID:QUktYj8R0
>>171

「あー……たしかに、エリート校って言われるくらいだからなぁ……。気品第一って感じで中々……なぁ……」

 たしかに、言われてみれば黒百合学園は気品を大事にする傾向があるから生徒達も固そうではあった。
 園華が通う高校は共学で偏差値的にも普通だから、そういった特別な悩みは無かったがやはりエリート校なだけに、そんな悩みもあるのかと、納得した。

 ナイトロードはなにかを言いかけたが、それを掻き消す様に口から漏らした溜息により最後までは話してくれなかった。
 憂鬱そうな表情の浮かべるナイトロードを見て、お前も苦労しているんだな、と同情の言葉をかけた。

「難しい名前だな…。私の名前はきせんえんかだ。よろしくな、エヴァージュリン!」

 ナイトロードの自己紹介に返すかの様に此方も自己紹介をする。
 既に魔法少女を晒した身だし、此処まで話した限りナイトロードと友達になってもいいだろうと考えた園華は名乗ると、握手を交わす為に笑顔で手を差し出したのだった。

/こんな感じで〆っすかなん
175 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/22(日) 22:23:21.99 ID:AzfLFAGK0
>>174
えんか…園華か
ふむ、いい名前だ

【園華が手を差し出したのを見てナイトロードは園華の手を握る】
【その顔は笑顔で心の底から嬉しそうだった】
【思えば自分はこんな友達が欲しかったのかもしれない】

それと私のことは気安くエヴァで構わん
エヴァージェリンだと長いしな

【エヴァというのは特に親しい者にしかナイトロードは呼ばせていない】
【それだけ園華を気に入ったということだろうか】

【ナイトロードは周りに人が居ないのを確認すると霧のようなものが集まってマントの形になりナイトロードはそのマントを羽織る】

ではまた機会があったら色々話そうじゃないか
ではなーーー

【マントで全身を覆うとそのままマントは小さくなっていきナイトロードと共に消える】
【やがて園華の前には元から誰も居なかったかのように虚空が広がっていた】

//これで〆で良いと思います
//ロールありがとうございました
176 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 22:25:06.02 ID:SpgFDYT1O
>>172

〜〜〜〜っ!

【ビュウビュウと、或いはバタバタと耳元で鳴り続ける風切り音に恐怖を掻き立てられつつも目を瞑りジッと耐える】
【或いは息をする事もなく耐える姿は呼吸するだけで自身が見つかってしまうかもという不安からのものである】
【だが段々と時が経つにつれ地表にそのまま激突することへの恐怖が膨れ上がりつつあり】
【実際に何度も繰り返した落下によって感覚として地表が大分近づいてきていることを感じ取りつつあった】
【故に目を恐る恐る開くと遥か遠くに過ぎ去ったであろう上空を仰ぎ見るように視線を向けて】

……ぇ……なっ……ヒィャアアアアア!!?
何アレ!? 何アレ!? なんで!? なんっ、ワアァァアァア!ッグカハッ!?

【そこには何故か物騒な獲物を手にした、恐ろしげなモンスターの集団が自身に迫る姿が飛び込んできた】
【予想すらしていなかった事態に元々限界を迎えつつあった意識は完全にパニックに陥り】
【目標を定めぬままに力任せに発動した魔法によって今度は横っ跳びに自身の体を吹き飛ばす】
【それは先の急上昇時を上回る速度での急激な機動で飛行ではなく「発射」と表現出来る程のものである】
【が、余りにも無理な軌道で吹き飛ばしたが為に身体に掛かった負荷で苦悶の声が上がる】
177 :上田美奈 [sage]:2015/03/22(日) 22:27:07.83 ID:MQfEa3Y8O
>>173
「……やっぱり、攻撃魔法は苦手ですね」

【起き上がってきた一体に対しての拘束魔法】
【ペンデュラムの紐を拘束具につかう十八番】
【こっちは、最初の火力系よりもよほど自信がある感じ】
【縛り上げるというよりは、絞め[ピーーー]とか縊り[ピーーー]方向に締め上げる】

「こちらも、家族のためにこの力を持った側ですので」

【身内を救うために星のかけらに縋ったものは多かろう】
【だけども、かけらの力を存分に振るえるのは魔法少女だけであり
  きっと、その力に手が届いたのはもっと少なくて……】

「最低限、サポートするくらいの義務はあると思うのですよ」

【縛り上げた2体目の中から、イキモノから響いちゃいけない音がするのはこの直後】
178 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 22:37:19.20 ID:HwPZcbBd0
>>176

【すんでのところで横に逃げられたためそのまま地面に向かって落下するゴーレムs】
【そして盛大に挙動不審に陥っている幼女を見て腹を抱えて笑う女子から約一名】

「ぷっ、くくくくっ、ダメだ、腹筋が捩り切れる、くっ、あははははははははははははははは、ひーひー、ダメだ、例え声で位置がわかろうと、ぷぷっ、笑いを堪えきれない、あはははははははは」

【ゴワシャアァァ、とゴーレムsが砕け散る音を聴きつつも】

「『エクスプロージョン』!」

【先程と同じように魔法陣の爆発で自信を吹っ飛ばして地上にクレーターを作りつつ着地】
【そして幼女が落っこってくるであろう場所目星を付け、「オーライ、オーライ」という風に両手を動かしている】
179 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/22(日) 22:47:54.87 ID:LuI1VlbQo
>>177
『…………ゥ!?』

拘束された人型は、嫌な音を立てながらもがき苦しむ。そんな状態の人型に一切構うことなく、もう一体の人型は一姫に襲いかかる。一姫はそれからバックステップで距離をとる。

「やっぱり、仲間意識とかは持ち合わせてねーか。まぁ、そういう相手の方がやり易いけどな!」

攻撃を回避したときに生じた隙。そこに、一姫は青龍刀を振るう。

『……ッ!?』

一刀両断。真っ二つに斬り裂かれ、一体目の人型は消え去った。

「一体一体は大したことないみてぇだな。さて、かけらはと……あちゃー、ハズレか……」

早速かけらを回収しようと、人型が消えた地点へ向かうが、そこにかけらは存在せず。と、なると……

「かけらを持ってるのは、そっちのクリーチャーだったみたいだな。」

星のかけらの在処は、もう一体の縛られてもがき苦しむ人型だろう。だが、やがてそのもがきも鈍っていき、動かなくなった。やがて、霧のように消える人型。跡に残ったのは、一つの星のかけらだけであった。
180 :上田美奈 [sage]:2015/03/22(日) 22:53:37.22 ID:MQfEa3Y8O
>>179
「いえ、仲間意識というには危険なのにあいすぎてまして」

【最後にぐいっと引っ張っると、しゅるしゅると元の長さに戻る振り子】
【……ちょっとこんな死に方はしたくないかもしれません】
【そして、一姫さんのいうとおり、かけらがぽろり】

「んー……」

【落ちたかけらをパス】
【もらう気がないタイプらしいです】

「先に対応したのはあなたですし、そちらが貰うべきかと」
181 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 22:57:07.27 ID:SpgFDYT1O
>>178

……っ……んぅぅっ!

【急激な横方向への移動によって生じた勢いが収まりつつある頃、漸く意識がハッキリしてきた】
【そのため、先ほどの化け物たちが自分を追ってきていないことを確認すると即座に傘を開け放つ】

っ、ぇほっ! ぇほっ!! 〜〜〜っ、ここは……あそこ、に

【そして再び勢いが減衰し緩やかな落下状態に移行する頃には地表まで数十メートルと言った所であった】
【いつの間にか瀬戸平市の中央を流れる背竜川までやってきていたようだ】
【幸運にも人気の無い河原へとゆっくりと降り立とうと定めた直後】

っ!? …………っ!

【轟音を立てて現れたのは先程まで追って来ていた魔法少女、恐らくは先の怪しい少女と同一人物】
【こちらに向かって呑気に手を振り待ち構える姿は先ほど迄の様子と相まって異様にも写る】
【故に、三度の風魔法によって着地地点を強引に自身の後方へとずらし着地する】
【十数メートル程の距離を保った状態で着地すると開いた傘を手にしたまま警戒の表情で睨み付ける】
182 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 23:05:02.29 ID:HwPZcbBd0
>>181

【待ち構えていたところから更に後ろに着地する幼女に向けて笑顔を向ける】

「いやはやー、さっきのシャウトはよかったよ!」
「毎朝目覚まし代わりに聴いたらさぞ気持ちよく起きられるだろうね、何せ僕は朝の目覚めが壊滅的に悪いんだよ」
「いや、いっそ動画にしたほうがいいかな?サイトにアップしたら僕も年収が百万円とかになるかもしれないね!」

「で、だよ…」

「鬼ごっこはおしまいかい?」

「魔法少女……ん?幼女?」

「の御嬢さん…」

【やや声を低くして思わせ振りに顔に影を作る】
【この声色としゃべり方、先程の少女と同じ物である】

183 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/22(日) 23:06:19.30 ID:LuI1VlbQo
>>180
「え?わっ?」

かけらを受け取るも、まさかかけらを貰えるとは思わなかったため、驚いた様子。うっかりかけらを落としそうになる程だ。

「い、良いのかよ?かけら持ってる方倒したのはお前だし。それに、お前にも必要な物なんじゃないのか?」

と言うが、一姫としては貰いたいのが本音だ。

「ほ、ホントに貰っちまうぞ?」

一応、最終確認。
184 :パメラ [sage saga ]:2015/03/22(日) 23:13:17.61 ID:BdW/U6CmO


【ビル街】
【大小幾つものビルが連なり】
【夜になっても人々は道を行き、往来も盛ん】
【そんな場所に建つ、一つのビルの屋上に彼女は居た】
【長く艶やかな銀髪に、紫のメイド服を来た、魔法少女】

んー、はい、そうですねぇ
久しぶりにヤバイって思ったのは確かですねぇ
…………はい?

【その彼女は今、スマホを片手に通話中】
【どうやら、相手は親しい人物のようで】

え、戻って来るんですかぁ?
止めてくださいよぉ、今でさえ今までで一番不安定な状況なのに、貴女まで戻ってきたら何が起こるか分からないじゃないですかぁ
……あー、まぁ……はぁ、仕方ないですねぇ……あんなに派手に送り出したのに、もう戻って来るんですかぁ
はい、用意だけはしておきますよぉ……では……はぁ

【なにやら会話をした後、通話を切ると】
【ため息一つ―――しかし】
【それとは裏腹に、口元には笑みが浮かんでいて】

……さて、今夜は熱が浮かんで離れないんですよねぇ……
……誰かに、相手して貰いたいものですがぁ…

【そして、屋上から町を見渡すその目には】
【好戦的な光が、爛々と灯っていた】


185 :上田美奈 [sage]:2015/03/22(日) 23:17:03.63 ID:MQfEa3Y8O
>>183
【自分の髪の毛を手でがりがり】
【どうやって説明したものか、と】

「逆の立場だったとして、そちらはおとなしく受け取ります?
 自分の願いを叶えるにしても、自分の納得するかたち叶えたいんですよ」

【変換拒否しです。きっちり受け取ってください】
【それよりも気になってることがあるのだ、彼女には】

「もし、それで納得しないというなら情報をください。
 というかあなたの願いを訊かせてください。
 ……一応、こんなんでも治癒魔法は得意ですから」

【純戦闘型に補助型が先を越される場合、その大半は
 戦闘型のほうが近い位置にいたからだろう】
【今回、一姫は、かなり近い位置にいたはずの自分よりもさらに早かった】
【この倉庫周りで一番近くて、みんなが利用する施設であり、
  手出しさせたくない一般人がいてもおかしくない仲で真っ先に思いつくのは……】
186 :ストレーガ [saga]:2015/03/22(日) 23:25:34.66 ID:QUktYj8R0
>>184

「それはいけないな。熱は冷まさなければならない。如何だろうか、特別私が貴様の熱を冷ましてやろう。なに、安心してよい。人は死ねばいずれ冷たくなる──ようは貴様を殺せばいいのだろう?」

 同じくビルの屋上に立ち、至高の様に下を見下す黒犬の仮面を被る女性がパメラへ背後から声をかけた。
 何処かの国だろうか──確かドイツ・ナチスか、いや、実際には違うがそれに近い軍服を着ている。
 暗夜であるからか、比較的全身の服装が黒い為、薄い青色の腰まで伸びた髪がよく目立つ。
 軍服、それは彼女の魔法少女としての衣装だが、その服装からはファンタジーさなど一切無く、ただ死の香りだけを放っていた。
 冷たい夜風に吹かれる髪を押さえるでもなく、彼女はただパメラの返答を待つ。
187 :神宮美弥 [sage]:2015/03/22(日) 23:31:16.16 ID:CiBz3dZBO
【時はうららかな昼下がり、春の足音は日の光をもはや暖かいと思えるほどに近づいている】
【参拝客がようやく途切れた月尾神社にて、短い影を落として佇む人物が一人】
【竹箒を手に境内の掃除をしているのは白衣に緋袴を纏った、この神社の巫女らしき少女】

「今日はいい天気ですね、お掃除も捗ります」

【ね、と少女が視線を向けた先にいたのは風に舞う落ち葉と戯れていた子狐】
【追いかけ目を回したそれに苦笑、しゃがんで頭をそっと撫でる】
【子狐はというと嬉しそうに目を細め、しかしふとぴくぴくと耳を震わせる】
【温かな手のひらを頭を振って払いのけ、落ち着かなさそうに周囲をきょろきょろと見回した】
【対する少女は驚いて手を引っ込めるものの、その動作の意図を察したのか立ち上がって掃除を再開】
【いつもそうなのだ、この神獣は人に見られている時に可愛がられるのを好まない】
【だから来客を予期すると、決まって触れられるのを拒もうとする】

「まったく、恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか」

【今度は前足で竹箒にちょっかいを出そうとしている子狐に、語りかけながら石畳を掃く】
【近い来訪にほんの少しだけ胸は膨らみ、顔は自然と出入口にあたる鳥居を向いてしまう】
【しかしあまり客をじろじろ見るのもよろしくない、くすりと微笑んで足元へと視線を戻す】
【擦れた木の葉が音楽を奏でる。境内を吹き抜ける春風が豊かな黒髪を揺らして駆けた】
188 :恩納 風利 [sage]:2015/03/22(日) 23:33:25.02 ID:SpgFDYT1O
>>182

……なん、なんですか? こんな事して、何が……っ

【風利は魔法少女となって日が浅い、だがそれでも時に魔法少女同士で星のかけらの奪い合いが起きる事は知っている】
【だがそれは自身の譲れない願いを叶える為に行うことだと理解していた】
【故に、戦闘状況にも無いただすれ違っただけに等しい自分へと向けられる謂れなき悪意が理解できない】
【故にまともな答えなど帰って来るはずもないと思いつつも問いが口を突いて出てしまったのだ】

……鬼ごっこなんてしてません、付きまとわないで……この……っ……ヘンタイ!

【そして尚もこちらに危害を加えそうな雰囲気を察すれば、発するのは糾弾の叫び声】
【後退りしながらのソレは迫力という点については問題外だがそれでも風利の感情は余すことなく伝わるであろう】
【即ち、鬱月に向けられているのは子どもが夜道で突然に遭遇した変質者に向けるのと同様の】
【忌避と恐怖と憎悪と憤り、最早歩み寄りの余地の一切を持たない拒絶の感情である】
189 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/22(日) 23:36:14.23 ID:LuI1VlbQo
>>185
「う……そりゃそうだよな。……わかった。このかけらはあたしのだ。」

そう言うと、かけらを無くさないようしっかりとしまった。

「あたしの願いか……それは、最初に言ったここに入院してる妹のことだ。妹はちょっとばかし厄介な病気で……つっても、死ぬような病気じゃないんだけどな。だけど、あいつには元気でいて欲しいし。まぁ……そんなところだ。」

正直に話す。この病院に入院している妹のことを。

「治癒魔法か。それって、どの程度のものなんだ?まさか……」

一姫は苦手とするその魔法。どんなものなのかと興味を持つ。そして、浮かんだ考えは、妹を治す事が出来るのでは?というものだった。

「いや、なんでもない。」

だが、流石にそれは無理だろうと思い、その考えを口に出すことはなかった。そもそも、一姫が見たことのある治癒魔法は傷を治すものばかりだ。病を治すなど、不可能だと判断した。


190 :パメラ [saga sage ]:2015/03/22(日) 23:37:49.82 ID:BdW/U6CmO

>>186

……うふふふ
これは、また……はぁ
……貴女に出来るなら、の話ですねぇ

【掛けられた声の方に振り向き】
【答えるのは、そんな挑発的な声】

……試してみますかぁ?

【相手から漂うのは、これまた異様な何か】
【しかし、それに動じる事もなく】
【彼女はクスリと笑みを浮かべた】

/よろしくお願いします!
191 :上田美奈 [sage]:2015/03/22(日) 23:45:32.14 ID:MQfEa3Y8O
>>189
「少なくとも、私がかけらを欲する最初の理由になる病を治せるくらいには。
 ……そのせいで星のかけらが宙ぶらりんなんですけどね、今」

【ある意味で、本命の願いは絶対叶えられない白いけものよりはよほど良心的な契約だったと思う】
【でもそれは逆説的に、得てしまった力で何を為すのという問題を抱える羽目になった】

「そうですねぇ、母は終末医療に片足入れてましたよ。
 最もそれを強引に治したせいでいろいろ大変なことになりまして」

【いろいろ思い出したのか、ちょっとブルーな感じ】
【いろんな人の努力を完全に踏みにじったという痛みも、
 社会的な意味でたくさんの問題も引き起こしてしまった】
【それを込みで、病が治ってもどうしようもないことがたくさんあることも知った】

「本当は無差別に治癒魔法ばらまいてもいいんです。
 短期的にはきっと正しいことです。でもその先まで正しいことかどうかわかりませんでした」
192 :ストレーガ・ヴァルプルギィ>>115 [sage]:2015/03/22(日) 23:55:19.49 ID:QUktYj8R0
>>190

「いや──私が出来るか、出来ないか、なんて話しではないよ。貴様が[ピーーー]るか死ぬことが出来ないか、の二択だ」


 ストレーガはそう言う。つまりはまぁ、そうなのだろう、パメラのいった言葉を言い換えただけだ。
 しかし、意味は違ってくるが。ストレーガの言葉の意味には自分は負けないという前提が存在した。それは自信であり慢心であり傲慢でありパメラに対する過小評価。


「存分に魔法を奏でてくれよ、貴様の熱を私に感じさせてくれ」


 首を鳴らし、指を鳴らし、音を奏でる。
 踊れよ。歌えよ。奏でよ。とストレーガは闘争の刹那に期待し思い馳せる。


「私の名前は至高魔法少女《ストレーガ・ヴァルプルギィ》。貴様の名はなんだ魔法少女よ」


 争いの理か、決まり文句か、己の名を口に出す。勿論これがストレーガの真名では無いが────。
 パメラが名を名乗ればそれが死合開始の合図となるだろう。



 
193 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/22(日) 23:59:28.11 ID:HwPZcbBd0
>>188

「おいおい、変態とは御挨拶だなぁ」
「そんなものは紀元前からきまっているさ!」

「 戯 れ だ よ 」

【そして幼女の周りをクルクルと浮きながら回る】

「僕は本を読んでいた」
「そこに君が通りすがった」
「そしたらなんと君は実に面白い反応を示してくれるじゃないかい!」
「しかも魔法少女と来た日には追いかける以外の選択肢なんてあるわけがないだろう?」
「なぜ君のような幼(いたい)けな幼女が命をかけて戦うようなったのか!」
「そう考えると楽しいだろう?」
「君はもう人は殺(あやめ)たかい?」
「ははっ、本当に…」
「良い娯楽だよ」

【役者のようひ大きく手を広げて選挙演説の様にかたる少女】
【気が触れている訳じゃない、理性を纏った狂気】
【それが目の前で笑っている】
194 :美月 アリア ◆ADZP4KwVH2 [sage saga]:2015/03/23(月) 00:02:48.89 ID:xiujjewHo
>>187

【ふう、という吐息の音。そこから一拍置いて、その少女は姿を見せた】
【―――胸までのストレートな銀髪に、黒百合学院の制服。それから黒リボンの髪飾りといった出で立ち】
【そんな少女は、一頻り周囲を見回した後に、少し上気した色の白い顔を巫女姿の彼女へと向けた】

着いた……んです、よね……、この感じ……。
ぁ……すみません、月尾神社の方、でしょうか……?

【少し自信なさげな、か細い声。両手の指先を、遊ばせるように組み換え、組み換え。】
【彼女からの返答が得られたならば、その表情も少しはほころぶこととなるか】

【「こちらに来るのは始めてでして……」といった事を口にしながら、彼女の方へと歩み寄る、その途中】
【一瞬だけ、少女の顔が別な方――子狐の方に向けられて。少しばかり、不思議そうな表情をした】

【――――と、ここまで書き連ねて来たが、追記しておく事がある。】
【それは、始めからここまで、少女の目は閉じられたまま≠セ、ということである】
195 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/23(月) 00:10:50.69 ID:6JUy05w1O
>>147
「喋るならまともな標準語を喋れよ!てめえの芝居がかったセリフを聞くのはうんざりなんだよ!」

ヘレネは面倒な言い回しが大嫌いであった。
また、意味の分からない用語などを説明なしに使われる事も。
マナの口調は聞くだけでヘレネの機嫌を損ねるものだった。マナのように、殺し合いを楽しむわけでもない。
邪魔者を消し、虐げる。そうしていつしか、自分は絶対者という共通認識が生まれる。そんな至福の喜びを求めているだけなのだ。

「うっ、障壁が…!ぐげあ!」

拮抗に競り負け、障壁が破られる。そのまま為す術もなく、黒い腕の拳を身に受けた。
吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。

「てめー痛いじゃねえか!ふざけんな!」

ヘレネは自分が痛みを受ける事が大嫌いである。他者に痛みを与えるのは大好きだが。
何とか立ち上がり、次の一手。

「やはりてめーのような存在は放っておいたらこの先どれだけ害になるか分からない!
殺し合いを楽しむような屑など死んで然るべき、そうだろう?
これより、私という名の正義を実行する!てめえは地獄行きだ!」

そう言って、この結界全体を覆わんとする規模の魔法陣を作り出す。すると、この空域全体は強烈な魔力が立ち込むようになる。
更に、ヘレネの持っていた杖も変化を見せる。禍々しい光に包まれて、なんと杖は剣になったのだ。
196 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/23(月) 00:12:06.96 ID:gxMVcH0yo
>>191
「お、おい!そりゃ本当かよ!?凄いじゃねぇか!」

美奈の治癒魔法は一姫の想像を越えていた。これはひょっとすると、妹を治すことができるんじゃないか。そう思い始める一姫であったが、その考えはすぐに消えることになる。

「……だけど、なんつーか……その、単純に治ればいいって問題でもないんだな……」

その様子を見て、どうやら単純に治ってハッピーエンドという訳でもなかったということを察したようだ。一姫の場合も恐らく似たような状況になるだろう。だとしても、一姫の願いは変わらない。必ず妹を助けるつもりだ。そして、その後に生じる問題も受け止めようと覚悟する。
だが、そこに美奈を巻き込んではいけない。そう考えた一姫は、妹を治してもらうという考えを頭から排除した。

「……あたしからは、なんとも言えないよ。」

それが正しいかどうか、一姫にも当然分からない。
197 :MG-01 [sage saga]:2015/03/23(月) 00:20:35.67 ID:t5oPLu0U0
【深夜、路地裏】
【人気はなく、電話ボックスとまばらな街灯のみが光をもたらしている】

転送地点、確認完了…転送、開始。

【電話ボックスのスピーカーから聞こえてくる少女の声とともに、突如闇の静寂が破られる】
【電話ボックスから、緑色の光の奔流】
【光は、徐々に一人の少女を形作っていく】

【そして、奔流はやみ、後には一人の白髪の少女】
【緑色の瞳と全身に刻まれた電子回路のような模様が、暗闇に浮かび上がる】

転送完了、各部機関問題なし…対象物「星のかけら」の捜索、開始。

【そう呟くと、全身のジェットへと火が付き、少女の体は舞った】

【音を抑えるような構造ではあるが、それでもジェットエンジン】
【その音は、近くにいれば否応なしに聞こえるだろう】
【また、この少女は星のかけらがこの近くにあることを探知して現れた】
【それを探しに来た魔法少女か、はたまたその星のかけらを持つ魔法少女と出くわすかもしれない…】

/凍結濃厚ですがよろしければ
198 :神宮美弥 [sage]:2015/03/23(月) 00:21:21.44 ID:7v3TPuyCO
>>194
【近づいてくる足音にもなんら反応は見せず、竹箒が石畳を撫でる音だけが響いて消える】
【声をかけられれば初めてそちらを見やり、固く瞑られた両目にほんの少しだけ漆黒の目を見開いた】
【しかしそれ以外に驚愕の仕草は見せない。ここは神社なのだ、どんな人が訪れようとも不思議ではない】
【ただ誰の助けもなしに石段を登ってここまで辿り着いたという事に疑念を覚えたが、言葉に出す事はない】
【詮索は自分の仕事ではない。何かを求めて神社にやってくるという事だけが重要なのだ】

「ええ、そうです。ようこそおこしくださいました」
「本日はどのようなご用件でしょうか?」

【微笑んで返す。掃除の手は声を顔を上げた時点で既に止めていた】
【事務的な口調ながらも決して突き放すようなものではなく、どちらかといえば柔らかい声色】
【一瞬だけ視線を向けられた子狐は意に介した様子もなく、興味深そうに金色の瞳で少女の顔を見上げていた】
199 :パメラ [sage saga ]:2015/03/23(月) 00:21:56.44 ID:keliSElAO

>>192

うふふふ……そうですかぁ

【相手から感じるのは、絶体の自信】
【それは、きっとそのまま魔法少女としての力量となるのだろう】
【事実、自信がある魔法少女というのは、強い】
【しかし】

そうですねぇ……では……
……パメラ・レジエル。ただただ壊すだけの……魔法少女ですよぉ……?

【それは、パメラ自身も同じであり】
【しかし、彼女は相手を侮らない】
【そうやって消えていった魔法少女は……少なくないのだから】

…星の輝き、夢の彼方、我願うは『鶴翼の聖盾』
アウェイクン……アルナイル!

【呼び出すのは、純白の、羽の意匠が施された中型の盾】
【それを手にして】
【…戦いは、始まる】

200 :上田美奈 [sage]:2015/03/23(月) 00:22:09.84 ID:hgJ1Tbx4O
>>196
「なので、できればかけらで治すほうが後に残らない、とも思います。
 あとはまぁ、この街ですからお医者さんのほうも、急に治ることに慣れていると思います」

【表沙汰にならない何かがないと、きっと大変なはずです】
【それがかけらによる帳消しなのかはわかりませんが】

「私程度の魔法少女なら、過去にも結構いたはずです。
 たぶん同じ悩みにぶつかった魔法少女も私だけじゃないはずです」

【この長い説明は、次の問いのためだけに続けたもの】
【何も言えないところまで詰めた上で一撃】

「もし試したいなら、同業のよしみでやってみてもいい。
 ただそのときは、対価を払ってくださいね?」

【同業の、つまり魔法少女で対価といえばひとつしかない】
【そして一姫の手元には……?】
201 :恩納 風利 [sage]:2015/03/23(月) 00:29:23.23 ID:MY5U1+GSO
>>193

たわむ、れ? ……たわむれ、はたしか……遊ぶ、って意味……だったけ

【早口で言い募る鬱月、それが殊更に強調するように告げた単語】
【しかしそれは風利には馴染みの薄い表現だった為か少し理解までに間を空ける事となった】

……つまり、ヘンタイさんはふざけてるんですね? そうですか、ふぅん

【そして戯れを風利なりに解釈した結果、辿り着いたのは「自分はあそばれている」という事】
【要するにからかわれ、弄ばれ、おちょくられているのに他ならないのだと受け取ったのだ】
【その瞬間から、風利の瞳からは色が抜け落ち鬱月の言葉はただの雑音へと成り下がる】
【何やら芝居がかって話しているようだが、それも全て意味をなさない音の羅列に等しいのだと言うように視線を外し】

……話はおしまいですか? それじゃあワタシ帰りますから、さよなら

【この手のタイプには深く関わってはならない、それを身に染みて知っていたというのに】
【その後悔すらも腹の底に沈めるようにしてひたすら平坦な口調で有無を言わさず告げると背を向けて河原を歩き始める】
【その歩調は風利の普段の歩調と変わらないものであったが纏っている空気は全くの別物】
【感情を感じさせない人形の様でもあり、牙を剥き出しに威嚇する獣の様でもあり】
【風利の周囲に漂う張り詰めた空気と併せて嵐の訪れる前の静けさが形になったようでもあった】
【例え静止の言葉が有ったとしても、構うことなく歩き続け土手を登り切れば】
【振り返ることなく土手を駆け下りてそのまま何処かへと走り去っていく】

//時間的にもだいぶ長くなってしまったのでコレにて
//乙でした〜
202 :ナル・ナルス・マナ/東雲天子>>49 [sage]:2015/03/23(月) 00:34:04.69 ID:pe5xv9Zx0
>>195

「いけないな──。女性は淑女で無ければならない。確か、君が私に言った言葉だったかな。嗚呼、悲しきことに今の君からそれが微塵も感じない。やはり、それほどの器など持ち合わせていないか。君には冷たい地面で五体投地するのが身の丈にあった姿のようだ──」

 叩きつけられたヘレネを嘲笑う様にやはり芝居めいた口調で話すマナ。
 ヘレネを襲った黒腕は消滅、魔法陣も消えている。どうやら一撃だけで連発は出来ないようだ。
 身を起こすヘレネに対して、やれやれ、と小馬鹿にでもしているのか、首を横に降る。


「そうだ、そうだとも。私が悪だ、私が邪だ、君は善で君が正だ。分かったかね愛しき主人公よ。君が舞台の中心だ。だから、君がここで命途絶えればこの舞台は悲しくも素晴らしい物語となりうる。ゆえに君は死ぬことが許され────っ!?」

 驚愕。唖然。ただの二言だった。いや二言もだ。ヘレネの創り出した巨大な魔法陣を感知し、芽生えた感情から漏れた言葉はそれだけだった。
 マナの両目は魔具だ。その魔眼は魔法、魔翌力の流れを読む、見ることが出来る。
 ゆえに結界全土を覆い尽くした魔法陣に集まる魔翌力も見えていたし、剣となった杖が纏う魔翌力にも気付いていた。だからこそ、マナはその二言の感情を感じたのだ。

「クハッ────ハハハハハハハハハ! なんだこれは、私は知らないぞこんな魔法。如何言うことだザルヴァートル、何故だ、何故なんだ。君は素晴らしい物語では飽き足りぬと言うのか、自分が世界の中心となりたいのか──」

 なぜだか、笑みが溢れた。いや、笑みでは済まなかった、声が、歓喜が、好奇が喉を通って口から漏れた、あふれ出た。
 予想外であり、期待通りであった。マナは恐怖とはまた別の感情を覚えた。それが歓喜かどうかはわからない。いや、そうなのだろう────だからこそ、これから始まる刹那に身を委ねたいと思った。



203 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/23(月) 00:37:06.94 ID:lbGbQSe90
>>193
「ふむ、間違ってはいないのだがね…」
「はッ!もしや僕は無意識の間に『友情を育もうとした相手からは徹底的に嫌われる魔法』でも発動させていたのか!?」
「なーんて…」
「友情(そんなもの)、無意味だ…」

【走り去っていく幼女を追うことはせずに声をかける】

「それではまた戯れよう!可愛らしいお嬢さん!」

【そうして翅を展開し、自分の学校、さらにその保健室へと飛んでいくのであった】

//はーい、お疲れ様でしたー!
//長らくお付き合いいただきありがとうございました!
//とっっっっっても楽しかったですよぅ!
204 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/23(月) 00:42:15.31 ID:gxMVcH0yo
>>200
「…………試してくれ――」

暫しの沈黙の後、口を開く。試してくれと。だが、すぐその後に続ける。

「――って、さっきまでのあたしだったら言ってただろうな。だけど、そんな軽々しく頼めねえよ。」

それは拒否の言葉だった。治ればいい、治せばいい。ただそれだけではなく、もっと考えなくてはならない。

「それに、お前の言った通り、かけらで治した方がいいってあたしも思ったからな。」

ここで頼んだら、後悔するかもしれない。そんな結果になったりするのは、断固として避けたい。故に一姫は、これまで通りにかけらを集めるつもりだ。

205 :美月 アリア ◆ADZP4KwVH2 [sage saga]:2015/03/23(月) 00:42:40.07 ID:xiujjewHo
>>198

【少女がここまで辿り着く事ができたのには幾つか理由があるが――その一つは、魔力の感知に優れるならば察せるか】
【微かではあるが、少女を中心として魔力が流れていた。探知魔法を自らの周囲に、薄くだが展開しているのだ】
【――――まあ、彼女が詮索しない以上は、そんな事が語られる事もないのだが。】

あ……その、御守りが欲しいのですが……。
ええと、健康、に御利益のあるものはありますでしょうか……?
それから……勝負関係のものと。―――あ、これは友達にあげるものですけど……。

【線は細く、色白。そんな少女が健康の御守りが欲しいというのだから、妙に真に迫るような感じもするだろうか】
【それから、友達≠ニいうワードを口にした折には、少しはにかんだりもして。】
【元々内気そうなのは抜きにすれば、彼女の穏やかな声音のおかげか、多少は態度が解れつつあるようだった】

【ただ――――先述の魔力を感知できたのならば。それは、少女が魔法少女である事を示してしまうのだが。】
206 :ストレーガ・ヴァルプルギィ>>115 [sage]:2015/03/23(月) 00:45:00.36 ID:pe5xv9Zx0
>>199

「失望させるなよ、我がレジエルよ、妾の敵よ」

 殺し合いか戯れか、二人の魔法少女の火蓋が切って落とされた。

「魔法少女は、皆各々変わった魔法を使う。決して誰とも被らないその魔法はもう一人の自分と考えていいだろ──。そしてそれがもう一人のレジエルか。ふむ……ならば、私も見せよう、歴戦の少女の片割れを────魔女達の地獄《Gehenna・Hexennacht》」

 ────刹那、鳴る戦慄。奏でられる断末魔。歌う悲鳴。全てがストレーガから聴こえる。数多の尊い命が消えた瞬間の演奏が、たった一人の女性から奏でられた。
 大気が歪み、ストレーガは歴戦の死者を纏う。魔女達の地獄、それが彼女の魔法、体内に異界、地獄であるゲヘナの創造だ。
207 :上田美奈 [sage]:2015/03/23(月) 00:51:08.45 ID:hgJ1Tbx4O
>>204
【目の前の14歳、つまりミナに浮かんだのは安堵の表情】
【あと一歩で死ぬ場面を回避したかのような、酷い安堵の表情】

「拒んでくれてありがとう。 少し、楽になりました」

【治すだけの力が自分にあってそれを使わないことは
 相手を見殺しにすることと何が違うのか】
【今回、たまたま病院の近場で魔法少女に遭遇できた】
【それ故に、思い切ってぶつけてみた。返ってきたのは、力強い意志だった】
【尋ねて、良かった】

「そして謝罪を。試すような真似をしてごめんなさい。
 機会があれば、次は仲間として共闘を」

【それだけ言い残すと、ミナは全力で飛行して逃げた】
【なんのことはない。めっちゃ照れくさかったのである】
208 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/23(月) 00:53:25.52 ID:6JUy05w1O
>>202
「おー、なんだなんだぁ?私のあまりの圧倒的な力で頭のスカウターでもぶっ壊れちまったかぁ?ん?
喜んでるんじゃねえぞ気持ち悪い。ドMかてめえは。もう少しビビってみろよ。ほら」

魔法陣が展開された時点で、この空間にはある魔法が永続する。
それこそ、神の力に勝るとも劣らないものだ。どこかにある動力源を破壊しない限り―――――

「何が素晴らしい物語だ。私がその中心で、主人公でなきゃ意味がないだろう?清く正しく素晴らしいこの私がだ。
それが物語の主人公で、正義で、世界の中心じゃなければ何になるんだぁ?この際はっきり言わせてもらうけどなぁ、
私の思い通りにならない世界なんていらないんだよ、万物は私のために動かなければならない」

清々しいまでの自己中心。それをさも当たり前のように言ってしまうのがこの女だ。
ヘレネはエゴイズムをそのまま体現したような存在。マナの問いなどナンセンスにも程がある。何を今更―――という。

「何もかも知ったつもりになってるんじゃねえ、クソアマが!」

疾走。風を切り駆け抜けて、ヘレネはマナを捉えた。
風のように振るわれたその一閃は、マナを確実に両断せんとその胴体を捉えていた。
209 :神宮美弥 [sage saga]:2015/03/23(月) 01:05:50.11 ID:7v3TPuyCO
>>205
「ああ、分かりました。でしたらこちらへどうぞ」
「よろしければ手、引きましょうか?」

【なるほど確かに、盲目ならば地形などは把握できても記された文字を読み取るのは難しい】
【移動に気を使ったのだろう、少女の手を引いてやろうと手を伸ばす】
【拒否されなければ歩幅を合わせて、もしも断られれば逐一振り返りながら社務所の方へと向かうだろう】
【途中何を勘付いたのか子狐が美弥の袴の裾を咥えて引っ張ったが、それで歩みを止める事はない】
【黙したまま目的地へと辿り着き、手を握っていれば離して少し待つように少女へと言った】

「そうですね…健康でしたら、こちらの厄除守なんてどうでしょう。病気や災厄から守ってくれますよ」
「それからこちらは勝守です。勝負事のためにこちらを選ぶ方は多いんですよ」

【それぞれについて説明しながら少女の手に選び取ったお守りを持たせる】
【魔力に関して言及する事はない。相手が触れないならば、こちらから何かを言ってもしょうがないのだ】
【長い黒髪を耳にかけながら、どうでしょうかと少女の顔を覗き込んで問うた】
210 :ナル・ナルス・マナ [saga]:2015/03/23(月) 01:06:23.48 ID:pe5xv9Zx0
>>208

「いやはや、私も少々慢心が過ぎた様だ──許してくれたまえ。これほどの魔力に打ち震えない者などいない、断じて存在しない。それが恐怖であれ歓喜であれ、変わりなく身を震わせるだろう──」

 ヘレネの言葉に思わず苦笑い。
 彼女は何を言っているのか、ビビる?あぁ、ビビっているとも。
 マナはいまこの瞬間、恐怖した。その魔力に対して確かに恐怖したのだ。そして、それにまた歓喜した。ある意味ヘレネの言う通りドエムだろう────

「ハハハハハハ!そうだ、其れでこそ中心だ。もっと貪欲にもっと惨めに、全てを欲し、万物を喰らえ──」

 ヘレネの自己中心的な精神構造をマナはよく知っている。片割れがそうだった様にヘレネは反吐が出るほどの自己中心的な思考を持っていた──が、それだけでは足りなかったとマナは感じた。
 ヘレネからはまだ遠慮とでも言うべきか、貪欲さに欠けている。

「知る由もない────」

 ガチィン──、甲高い音が辺りに響く。マナの姿は変わっていた。武装、いや魔具による魔装を身に付けていた。

「アレフ・ヌル──至高であり絶対だ。私が邪ならそれを潰すのがザルヴァートルの役目。そして、邪の役目は存分に抗うこと。ゆえに、反抗させてもらうよ──」

 ────刹那、反撃としマナはヘレネの胴へと拳による一撃をお見舞いせんと繰り出す。
211 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/23(月) 01:07:42.89 ID:gxMVcH0yo
>>207
「試してたのか?いや、別にいいんだけど。」

少し驚いたような表情な一姫だが、そこに怒りは存在しなかった。

「むしろ、礼を言いたいくらいだ。お前に会わなかったら、あたしは将来間違った選択をしてたかも知れなかったし。」

治した後のこと。一姫はそこまで深く考えていなかった。だが、今は違う。

「ああ、そうだな。お前みたいな奴がいると頼もしいしな。」

拘束に治癒魔法といった戦闘面は勿論だが、その心もだ。彼女によって、一姫は少し成長したのだから。

/お疲れさまでしたー
212 :ナル・ナルス・マナ [sage]:2015/03/23(月) 01:07:59.65 ID:pe5xv9Zx0
>>210
一撃を魔装で防いでいた
を書き忘れていましたん、すいません
213 :パメラ [saga sage ]:2015/03/23(月) 01:08:04.43 ID:keliSElAO

>>206

そちらこそ、つまらない結果は残さないでくださいねぇ

【一言、言葉を返し】
【ついで見た光景は、異界】
【死臭と断末魔が奏でる世界】

……なかなかな趣味ですねぇ
……では、いきますよぉ……?
『シューティングスター』セット!

【そして、その展開が終わったならば】
【まず放つは八つの光球】
【パメラ自身の汎用魔法は、威力としては高くはないが、それぞれが弧を描きながら】
【ストレーガへと、殺到するだろう】
214 :ストレーガ・ヴァルプルギィ>>115 [sage]:2015/03/23(月) 01:21:19.24 ID:pe5xv9Zx0
>>213

「私は演奏が好きでな。数多くの人々が集まり楽器を手に取り音色を奏でれば、それだけでは演奏となる。だから、私は死者を集めた。私のゲヘナに宿る少女達は、痛み、恐怖、憎悪、怨念、嫉妬、ありとあらゆる感情を楽器にしてくれる。そして、彼女達は私の期待通りに音色を奏でる」

 ──いい趣味。演奏が好きだけならそうだろが彼女はそうではなかった。勿論、パメラの褒め言葉はただの皮肉だろが。
 いま、ストレーガが説明している間も、彼女の体内に存在するゲヘナでは命失った少女達の絶望や悲しみの様々な感情的概念によるクラシックが奏でられている。


「では、私はこの子を使おう。星のカケラで叶えたかった願いは病弱な母を助けたかったようだ」

 ストレーガはそう言った。そして、それに反応するかの様に彼女の胸からは一人の血塗れ少女が身を出した。
 魔法少女、少女の衣服が日常に削ぐはないことからしてそうだろう。

「魂は私の魔翌力となる──奏でてくれよ、演奏を」

 少女の悲痛な叫びと共に、破裂する魔法少女の肉体。散りばめられる肉片はやがて固まり一つの壁となり、パメラの攻撃を防いだ。
 そして魔翌力の纏う肉片の壁が爆散。大玉となりパメラへと向かった。もしくらえば肉片は魔翌力爆弾として爆発するだろう。
215 :美月 アリア ◆ADZP4KwVH2 [sage saga]:2015/03/23(月) 01:29:54.29 ID:xiujjewHo
>>209

【彼女からの言葉には、ほんの少し躊躇いを見せた後、「お願いします」と手を出して】
【そこからは導かれるまま、言われるまま。そうして御守りを手にすれば、】
【それぞれ、両手で形を確かめるように触ってみたりして。】

目が見えないのもそうなのですが、どうも昔から体が弱いものでして……。
何だか物騒な事も多いですしね……はい、これにします。

なるほど……勝守り……ですか。でしたらこれも一つ、お願いします。

【苦笑しながら漏らすのは、自身が病弱であること。それは見掛け通りといえばそうであって、】
【どちらかと言えば、物騒な事≠フ方が引っかかるだろうか。】

【―――とまあ、早くも御守り2つが決まって。財布を取り出して、勘定の準備】
【そこでふと、話題が移る。少女の顔が向くのは、件の子狐であった】

そういえば、この子は……何という種類の動物なのでしょうか?
恥ずかしながら、本物の動物とはあまり接する事が無いもので……。
216 :パメラ [sage saga ]:2015/03/23(月) 01:38:09.63 ID:keliSElAO

>>214

……ふぅん……っ…

【相手の話は、半ば聞き流した】
【結界内の光景は、音色は】
【パメラが今まで見てきた中で】
【最上位並みに、異常な世界であった】

……それが、貴女の魔法、ですかぁ
『フェザープロテクション』セット!

【閃光、弾ける肉塊、そして迫る弾】
【普通ならば、見てはいられない不快さ】
【しかし、パメラはそれを押し込め】
【発動するは、盾のバリア】
【防御性能に特化したアルナイルのバリアは】
【大玉を防ぎ、爆発をしのぐであろう】

……チェンジ、スピカ

【そして、爆発を凌いだ瞬間】
【パメラは盾を魔方陣へと押し込み】
【代わりに引き出すは、メカニカルなランス】

……火葬とまでは言いませんがぁ
……焼き払って差し上げますよぉ

【それを手に握り】
【瞬間、輝くランスから放たれたのはレーザー】
【それは、一直線にストレーガへと、放たれるだろう】
217 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/23(月) 01:40:13.57 ID:6JUy05w1O
>>210
大きな音を立てて、剣はマナの武装によって防がれた。
これにより、"剣を振るえばマナの武装のところに命中する"という因果が決定付けられる。
ヘレネからすれば確実に攻撃を当てられるが、同時に防がれるためダメージは入らない。あまり良い結果とは言えないため舌打ちをする。
問題はそれの耐久性だ。何度も何度も繰り返せば破壊する事も可能かもしれないのだから。

「反抗なんてせずにそのままおとなしくやられてくれた方が私的にはありがたいのだがなぁ?」

即座に退いたため、反撃の拳は空を切る結果となる。
そして、ここでまた因果が確定する。即ち、"マナの反撃の拳は当たらない"という事。
マナはまだ効果に気付いていないはずだが、二回同じ事をすれば嫌でも分かるだろう。

続けて、ヘレネはその場から動かずに剣を十文字に振るう。
すると飛び出すのは同じく十文字をした斬撃の形。炎魔法を加えられたそれは燃え盛りながら、マナを焼き切らんとしている。

/すいません、眠気が限界なので今日はここまでとさせてください。凍結か〆かはそちらにお任せします

218 :神宮美弥 [sage]:2015/03/23(月) 01:46:34.33 ID:7v3TPuyCO
>>215
「そうですね、特に黒百合学院については、あまりいい噂を聞きませんし…」
「きっとこのお守りが貴女を守ってくれるはずですよ」

【制服を見れば、彼女がどこの学校など一目瞭然だ】
【月尾神社を訪れる魔法少女達から聞く噂話の中でも、特に物騒ともいえる黒百合学院】
【生徒でもない美弥はあまり詳しくはないが、少なくとも生徒会とやらに対する少々の危機感は持ち合わせていた】
【美弥が厄除けを選択したのは、生徒すらも危険だという風評を思い出したというのもある】

「ありがとうございます。それではこちら、お包みしますね」

【一旦お守りを渡してもらえば金額を告げ、少女が勘定を済ませている間に手早く紙包みで包む】
【会計を終え、改めて手渡せば話題は神獣へと移り変わる】
【目線を追ってああ、と合点。そこに何かがいるのは分かっても、何がいるかは分からないのだろうと】

「この子は狐ですよ。クウって言うんです」
「よかったら触って見ますか?」

【足元でうろうろしていた子狐を抱き上げ、どうぞと少女へと差し出す】
【急に持ち上げられたクウは最初こそ不満気に美弥の腕の中で身を捩ったが、触られるのが嫌いというわけではないらしい】
【少女がクウを抱くにしろ撫でるにしろ、金色の目を細めて気持ち良さそうに喉を鳴らすのだから】
219 :ストレーガ・ヴァルプルギィ>>115 [sage]:2015/03/23(月) 02:03:43.20 ID:pe5xv9Zx0
>>216

「ほう──」

 ・・・・・・
 あれを見ても臆さなかった。アレは言わば魔法少女の力量を問う検査。
 自分と同い年の少女が無残な姿ど現れ、耳にコベリつく様な悲鳴をあげ、無抵抗に爆散する、不快かつ猟奇的光景だ。
 それを見て戦意喪失したのなら、その魔法少女はストレーガ・ヴァルプルギィの相手には不足であることを意味した。
 だな、パメラは立っていた。
 それはつまり──そう、つまり

「──面白くなりそうだ」

 その一言で十分だった。
 パメラの片割れはスピカというのか、なるほど。ストレーガは興味深く形状変化するパメラの片割れを見ている。
 盾からランスへと変わった──武器を召喚、変化出来るのか、あるいはあれは魔具か──。


「そちらがランスなら此方もそれに応じよう。少々早い気もするが、なに私からの祝福の花束としてもらって構わないぞレジエルよ。魔女の性欲《Sorcery・Libido》。魔女狩りの終焉鎌──《Kronos・Strega》」

 再び鳴る戦慄。ストレーガの魔言に反応するかの様に狂気が浮き上がる。
 魔女の性欲、ゲヘナに住む魔法少女や人間の欲求を満たし、それを具現化、いわば物質化させる第二の魔法。
 そしてもう一つの魔言を口に出した刹那──ドガァン、と轟く音響。
 放たれたレーザーとストレーガの何かが激しくぶつかり合った衝撃音だろう。
 げんにレーザーは消え、ストレーガの姿は先程よりやや後方に下がっている。
 微かに上がる煙が晴れれば、見えるのは右腕の肘から赤黒く長い鎌の刃部分を生やすストレーガの姿だった。
 魔法少女を狩る魔女の鎌は生命の終焉。
ゆえに魔女の終焉鎌。
220 :東雲天子/ナル・ナルス・マナ>>49 [sage]:2015/03/23(月) 02:06:08.76 ID:pe5xv9Zx0
>>217了解です。自分も限界なので返信は明日(今日)します。おやすみなさい
221 :美月 アリア ◆ADZP4KwVH2 [sage saga]:2015/03/23(月) 02:24:19.68 ID:xiujjewHo
>>218

ふふ……何だかお恥ずかしい話ですね……。あまり、悪い学校ではないのですが……。
私なんかに良くしてくれる、優しい方もたくさんいますし……。

【そう、少女の言った物騒な事≠ノは、黒百合学院生徒会の事も多分に含まれていた】
【少女にとって最も身近であり、危険な存在。今日は場所がこの神社であるから探知魔法を使っているが、】
【学校生活においては彼女達の目がある為に使えずにいたのだ。】

【それから、包み終えた御守りを両手で受け取ったなら、今一度、確かめるように一通り触ってみて】
【そうして、ブレザーの内ポケットへと仕舞いこむ。そうしている内に、彼女が子狐を抱き上げていて】

狐……クウ、さんですか……。
――――え、あ、よろしいのですか?……でしたら、少しだけ……。

【差し出された子狐――クウを両腕の内に抱き締めれば、優しく、その毛並みを撫でる。】
【「ふわふわ……」と呟きが漏れ、笑みが零れて。一頻り撫でたところで、鳥居の方向から足音がした】
【クウはまた、少女が来た時のように離れてしまうだろうか。どちらであれ、程なくしてもう一人の少女がやって来る】

「アリアー、アリア……あ、いた。御守り、ちゃんと買えた?
 ……って、その様子なら大丈夫そうね。それじゃあ、そろそろ戻りましょうか。」

あ……咲羅ちゃん。ふふ……大丈夫です。これくらい、一人でできるって言っているでしょう?
咲羅ちゃんこそ、トレーニングは……――そうですか、では、行きましょうか。
……巫女さん、クウさん、ありがとうございました。また、お会いしましょうね……。

【咲羅、と呼ばれたのは、同じ黒百合学院の制服を着て、竹刀袋を背負ったポニーテールの少女。】
【彼女こそ、アリアと呼ばれた少女がここまで来られたもう一つの理由。最初から、一人ではなかったという事実。】

【そしてどうやら、別れの時が来たようだった。二人は彼女――美弥の方にお辞儀をして、歩き出して】
【鳥居をくぐる前にもう一度、振り返る。そこから先は、きっともう、見えなくて。】



/すみません、短いですがここで〆ということで!
/お疲れ様でした!
222 :パメラ [sage saga ]:2015/03/23(月) 02:29:38.41 ID:keliSElAO

>>219

【耳に響く悲鳴、目に蔓延る光景】
【何も思わない―――――訳は無い】
【しかし、それらを今は押し込める】
【今だから押し込められる】
【―――戦いへの興奮に包まれた、今だからこそ】

……ふふ…

【そして、放たれた閃光は】
【更なる狂気に染まる世界に轟音を響かせ】
【そうした先に見えたのは、赤と黒の刃】

……うふふふ、それは光栄ですねぇ
…なら、もっともっと、激しく、壊しましょうかぁ

【ストレーガが、終焉ならば】
【パメラが持つのは、星を宿した器】
【輝きの名を冠した、星光】

『ライトニングライト』フルセット!
『シューティングスター』セット!
……ファイア!

【一瞬、ストレーガと目を合わせ】
【唱え、産み出すは幾多もの光】
【あるものは細いレーザーを放ち】
【あるものは、側面に回りながら、ストレーガを追尾する】
【パメラ自身は、その場を動かず】
【ストレーガを、見据えていた】

【……数は多いが、高威力の魔法を受ければ打ち消されるだろう】
【また、追尾弾のホーミング力は高くなく、素早い動きにはついていけない】
【……閃光が、放たれた】
223 :神宮美弥 [sage]:2015/03/23(月) 02:58:50.67 ID:7v3TPuyCO
>>221
「ふふ、クウも喜んでいるみたい」

【少女から溢れた笑みに、なんだかこちらもつられて笑顔になってしまう】
【今のような来訪者の喜びこそが、美弥が神職としてここで働く最も大きな理由なのだ】
【美弥の言葉通り、子狐はおとなしく少女の腕の中で丸くなって心底嬉しそうに喉を鳴らす】
【そのまましばらくされるがままにしていたが、客人の訪れを聞きつけた途端手足をバタつかせ始める】
【その様子を敏感に感じ取った美弥が優しくクウを受け取り、石の地べたに下ろしたのは咲羅が鳥居をくぐるとほぼ同時だった】
【四つ足を地につけたクウはふるふると身を震わせ、前足を器用に使って毛繕いを始める】

「あら、ご友人と一緒だったんですね」
「いえいえ、当然の事をしたまでですよ。よろしければまたどうぞ」
「なにかあれば、相談に乗りますから」

【知り合いらしい二人の会話を聞けば、その裏の事情は大体察せられる】
【口にしていなかった疑念の解を得て、声に出さないまでも小さく頷いて納得】
【後から来た方がそうかはまだ分からない、けれど少なくとも盲目の少女は魔法少女であると確信していた】
【きっとそれに伴う困難や悩みは多い。同類として神職として、そんな彼女達を少しでも助けてあげたい】
【思わず最後に口をついて出た言葉は、そんな美弥の生き方から零れてしまったものなのだろう】
【鳥居をくぐって帰路へつく二つの背中をお辞儀で見送る。幸があらん事を声に出さずに神へ祈った】
【そうして境内の人影がまた一つだけになれば、頭を上げて立てかけていた竹箒を手に取る】

「よかったですね、可愛がってもらえて」
「………なに言ってるんですか、嬉しそうにしていたじゃないですか」

【自身の毛繕いを終えたクウに語りかけながら掃除を再開する。竹が石を擦る音が今はどこかうら寂しい】
【無論落ち葉が多いわけではない。こういった事に求められるのは結果ではなく誠意という名の行動なのだ】
【他の者には聞こえない短い会話を済ませ、また無言のままに境内を掃き清める】
【いつの間にか日が少し傾いて、伸びる影を長いものにしていた】

//ありがとうございました、お疲れ様でしたー
224 :ストレーガ・ヴァルプルギィ>>115 [saga]:2015/03/23(月) 07:26:50.10 ID:pe5xv9Zx0
>>222

「嗚呼──私は今焼かれたのか。クク……心地の良い痛みだ」

 光の一撃を防いだが、同化しているゲヘナの魂で造られた魔女の終焉鎌が焼かれた。悲鳴をあげるのは死者の魂。
 まだ微かに煙を立たせる鎌を手でさすりながら、この戦いを楽しんでいるストレーガ。

「二種か──、では再び私の奏者による演奏を聴いてもらおうか」

 ゲヘナを通してストレーガの意思と連動する死者の軍勢。
 ストレーガの影が不気味にうねり始めた。
 第三の奏者──、何歳だろうか、まだ二桁も歳が無い容姿の少女がストレーガの背後──漆黒の影から姿を現した。
 少女の姿はやはり血塗れで、しかし何処か黒っぽくもある。
 そして少女は目に涙を浮かべながら、ストレーガの身代わりとなり幾多の細い光を浴び続ける。
 肉を無理やり引き裂く音、光の疾走による音、痛みで悲鳴をあげる少女の悲鳴、全ての音色が重なり演奏となる。

「ようこそ──これで貴様も奏者の仲間入りだ」

 この演奏にパメラは加担した。少女を貫くという演奏を、少女を楽器として奏でたのだ。ストレーガは其れを喜ぶ様に言った。

 既に死んだというのに少女は魂ごとゲヘナに呑まれ、今こうして痛みを味わっている。
 ストレーガの体内は殺した魔法少女、人間の魂、魔力、生命力を総じて内包している。
 言い換えればストレーガに殺された者は消滅しあの世に行くことは無く、自我を持ったまま無限地獄《ゲヘナ》へと送り込まれてしまうのだ。
 幾ら死のうが一度ストレーガに殺されれば最後、二度とあの世に行くことは出来ずゲヘナから離れることは無い。ただ、ストレーガが死ぬまで終わりのない地獄を見るのだ──。
 先程爆散した魔法少女もいまは再び、ゲヘナで泣いているだろう。

「念には念をだ──」

 再度、奏でられる演奏。ゲヘナの門が開く。いまは少女が細い光を代わりに浴びている。しかし、側面の光はどうだろう。
 流石に少女一人では厳しいか。なら奏者を増やせばいい。無限は無理でも一人や二人増やすことはストレーガからしてみれば容易い。
 側面の光線へと放つは今までと趣向の変わった魔法。
 ストレーガの付近に魔法陣を創り出す。そして赤黒い魔法陣から生み出されたのは、奈落へと引きづり込む為の道連れの手だった。

「本来はこう使う魔法では無いのだがな。たまには趣向を変えるのも悪くは無い」

 道連れの手は本来、ストレーガ《ゲヘナ》から逃げる魔法少女や人間の足を掴み引きづり込む魔の手なのだが、どうやらこの日は守りの手として使ったようだ。
 ストレーガを尾行する側面の光線に魔の手が迫る。

「さぁ──美しいゲヘナの門を見てみるといい」

 ストレーガはその隙に得意魔法である身体能力強化魔法を使用し、パメラの元へと一気に接近を試みた。
 成功すれば、魔女狩りの終焉鎌による一閃がパメラを襲うだろう。そして斬られれば鎌を通してその傷口から魔力・体力を吸い取りゲヘナへと吸収される。
 パメラはその時、ゲヘナへの門を見ることが出来るだろうか。黄金に輝く終わりのない地獄の門を────、そして門の先に待つのは、白銀の地獄。
225 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/23(月) 17:40:26.57 ID:2EpwuUSA0
【夕方の街通り】
【様々な人間が闊歩する中をナイトロードは歩いていた】
【道行く人達がナイトロードを見て振り返る】
【その理由はナイトロードが黒百合学院の制服を着ているからだ】
【お嬢様学校として有名な黒百合学院はまさに憧れの象徴である】
【だがそんなところにも闇の部分は存在する】

生徒会の奴ら……
最近は少し度が過ぎているな……

【ナイトロードが言う生徒会とは黒百合学院の生徒会のことである】
【生徒会に認められた魔法少女以外はもれなく排除】
【それが黒百合学院生徒会だ】

独裁者が居れば当然それに反対する反発者が居る
これも必然と言えよう
私の手を出すところではない

【ナイトロードが言う反発者とは白百合同盟という反生徒会を掲げる組織のことだ】
【魔法少女を集めどうやら生徒会に反旗を翻すつもりだとか】
【だがナイトロードはそれに参加するつもりはない】
【あくまで自分になにも影響が無いならナイトロードはそれでいい】

生徒会や白百合同盟など私はどうでもいい
だが…もし私の平穏を脅かそうとするなら忠告ぐらいはするか

【ナイトロードはそう呟くと人混みの中を歩いていく】
【だがしかし子供のような体系に金色の髪】
【更には黒百合学院の制服を着ていれば嫌でも目立ってしまうだろう】
226 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/23(月) 18:43:51.39 ID:8kYUUO9fO
227 :東雲天子>>49 [sage]:2015/03/23(月) 18:55:43.44 ID:pe5xv9Zx0
>>217

「ぐぅ──ッ」

 放たれた十字の業火は凄まじい熱気を帯びてマナの体を焼く。
 今まで演者ぶった口調のマナの口から初めて発せられた人の声は苦痛。
 業火はやがて爆発と化し、マナは更なる痛みと熱を味わいながら吹き飛ばされた。

「いったぁ〜い………なぁにここ?」

 身体を起こしながら、そう言う彼女の口調は先程までの芝居がかったものでは無かった。
 更に軽い音調の声に、魔法陣の無い瞳、魔装もしていない姿でもある。
 服装は最初ヘレネと相対した時同様、私立紫薔薇学園の制服を着ている。
 東雲天子だ。マナの面影の無い天子の姿がそこにはあった。

「貴女……だぁ……れ……」

 天子はそう言うと再び地面へと倒れた。
 どうやら、ヘレネの放った十字の業火はナル・ナルス・マナを天子の魔翌力ごと焼き払った様で、いまの天子からはマナの魔翌力どころか魔法少女の魔翌力すら存在しない。
 つまり彼女は唯の少女となったのだ。
 言い換えればヘレネの勝利、だが魔法少女の呪縛から解かれた意味では天子の勝利なのだろうか──
 常人となった天子の記憶にある魔法少女の情報は都合の良い改竄をされ、普通となった天子がこの結界内で起き上がることは無かった。


/ちょっと無理矢理な感じですが、〆でっ
ロールありがとうございましたっ!
228 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/23(月) 18:59:20.03 ID:8kYUUO9fO

「あーあっ、この程度じゃあ魔法すら使う必要性もねぇや」

【公園には白い山が出来ていた。特攻服のヤンキー達が積み重なって出来た山だ】
【所々に映えるのは雪景色ならぬ血化粧で。風の代わりにゃ心底辛いか呻き声】

【その山の天辺だ。セーラー服姿の女が1人。長い黒髪ぶらりと揺らし飽きた様に愚痴こぼす】
【まさにお山の大将だ。違いをあげりゃ大将は猿では無くて狼よ。鋭い目をしたヤンキーガール】

【狼の様な気高さで、女は山の上に立つ。胸元光るは星屑の、鋭利で謙虚な輝きだ】

「ほれこいよ、さぁこいよ、私は待ってるぞ。解りやすく分かりやすく待ってるぞ」

/途中食事で落ちてしまいますが…よろしければ
229 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/23(月) 19:15:47.10 ID:2EpwuUSA0
>>228
あれは……

【ナイトロードが丁度公園の前を通り過ぎようとしたその時】
【公園の方からなにやら声が】
【見ればそこにはたくさんの人間が山のようになっておりその上に立つ1人の女】
【周りの血からどうやら喧嘩をしていたようだ】

所謂不良という奴か
あぁいう輩は暢気で羨ましい

【自分もあれぐらい自由になれたら良いのにと思う】
【まぁ不良になるのは御免だが】

それにしてもあの女……
一人であれをやったのか……相当の手練れのようだな

【ジッと賛花を遠くから見つめナイトロードは呟く】
【だがその様子は賛花からも丸見えでしかもナイトロードは子供体系に黒百合学院の制服と良く目立つ格好をしている】
【賛花から見れば嫌でも目に映るだろう】
230 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/23(月) 19:31:14.92 ID:8kYUUO9fO
>>229
【闇夜に溶ける金色、月光に光るは碧眼よ。その魔性の気配に女は気がつく】
【じろり、と刃物にも似た視線だ。その目線は品定めをする様に。下から上へ】
【へっ!と。女はやがて唾を吐くように息をつきゃ。手をゆらりと軽く振る】

「残念ながらお嬢ちゃんみたいな品の良い'ちびっ子'の見世物じゃあないよ」

【力の抜けた気怠げな表情。ある種馬鹿にした表情とも取れる、か】
【ただひらひらとハエを追っ払う様な仕草を女は少女へ向けるのだった】

「はやく帰ってママの温かいスープでも飲みな」
231 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/23(月) 19:39:45.12 ID:2EpwuUSA0
>>230
まぁそう邪険にしないでくれ
確かに“体”はちびっ子だがな
それに生憎母も居ない

【何を思ったかナイトロードは賛花へと近づいていく】
【ちびっ子呼ばわりに不満があったのか?】
【いや違う】
【生身の体でこれだけの人間を圧倒する賛花に興味を持ったのだ】

それはお前1人でやったのだろう?
みたところ学生のようだが……

【人の山へと視線を移しじわりじわりと賛花へと近づいていく】
【その気配はとても子供の物ではなく人外の気配】
【しかしそれは極僅かで勘の鋭い者なら気づくかもしれない程度だった】

最近は周りが騒がしくてな
お前のように私も自由に過ごせれば良いのだが……
あの学校は居心地が悪い

【そう黒百合学院のことを言うとナイトロードは溜息をつく】
【それは賛花から見れば少し馬鹿にしたような態度に見えたかもしれない】
232 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/23(月) 20:07:16.18 ID:mJjyrSAQo
>>231
【滲む空気、ただの子供がこの光景に近づくものかと警鐘を鳴らす獣の感よ】
【僅かに正面の異物へ身構えた女は、相手に攻撃の意思を無しと判断すれば力を抜き】

【ゆらり、構えをといた。だがその表情は相手を侮ったモノでは無くなっていた】

「えらくおしゃべりなちびっ子なこって。そんなに一気に話されると私の方が居心地が悪い」

「まぁお嬢ちゃんよ。私みたいなのになっちゃいけねぇさ。確かに自由さ。だが少し表を歩けば」

【うんざりとした様子で女は渋々と軽快に、歌うように言葉を生み出す少女へ告げる】
【ついでにトンと人の体と言う名の床を蹴れば、呻き声と共に『もう辞めてくれ』と床が騒いだ】

「こんなのがわんさかさ、バーゲンセールでもこうでもいかねぇ。」
「居心地が悪いと思えるのはそう思っちまう程に守られてるんだよ。常識やらモラルってやつに」
233 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/23(月) 20:20:34.36 ID:2EpwuUSA0
>>232
あそこにはその常識やらモラルやらが欠如してるんだよ
まぁそれは極一部だがその極一部がタチが悪い

【そう言うと思い出すのは生徒会】
【自分達が認めた者しか許さない選民主義の生徒会長】

…まぁこちらにも色々あるんだよ
色々とな

【含み気味にナイトロードは言うと賛花の下で呻いている人間へと視線を落とす】
【それは哀れみの目かそれとも呆れの目か】
【そうしてまたすぐに賛花へと視線を戻す】

ところでお前
お前もやはり力の持ち主か?

【力の持ち主】
【察するにそれは魔法少女か否かということ】
【ナイトロードは賛花が素の力でこの人の山を作ったとは思っていないらしい】
234 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/23(月) 20:46:23.50 ID:mJjyrSAQo
>>233

「力、ねぇ」

【にやり、と女が獰猛に哂った。嬉しいのか、楽しいのか、恐らくその二つが混ざった微笑み】
【まるでライオンが獲物を見つけたように、だ。女は気怠さが霧散した生き生きとした言葉を吐いた】

「あるといわれちゃ、ある。ちょっとした程度だけどよぉ」

「…・・・・で?」

「俺はあると言ったぜ。聞いたってことはてめぇも”関係者”だろうさ」

「魔法少女と、魔法少女。さて、てめぇは私をどうしたいんだ?」

【ぎゅうと足元を踏みしめる。ぽきりぽきりと細かい音を、興奮という熱を抑えながら女は尋ねる】
235 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/23(月) 20:58:14.75 ID:2EpwuUSA0
>>234
私は特にやる気は無い
ただ興味を持っただけだ、それだけの人間を相手にできるお前にな

……ま、そう言ってもそちらはやる気のようだな?

【ナイトロードは賛花の笑みに応えるように微笑む】
【その微笑みはこれから起こることを心待ちしているよう】
【最近の刺激の無い生活】
【呪いを受けてからは出来るだけ戦闘などは避けてきた】
【自分は戦闘狂では無いはずなのに今は戦いたくて仕方がない】
【長年の平和に体が耐えかねていたのか】

お前も戦いたくて仕方がないのだろう?
その隠している興奮を解き放ちたくて仕方がないのだろう?
良いだろう、このエヴァージェリン=ナイトロードが受けてたとう

【ナイトロードが宣言すると同時に一歩踏み出す】
【その一歩に感じられる威圧感】
【ナイトロードは静かに、そして残酷に口元に笑みを浮かべた】
236 :パメラ [saga sage ]:2015/03/23(月) 21:00:35.62 ID:ARqKMbDjO

>>224

………………

【巡る閃光、血濡れの少女】
【ストレーガへと向かった光線は】
【悲鳴と共に消え去り】
【獲物を追う光球もまた、数多の手により掻き消される】

……ふぅ…寝覚めが、悪くなりますねぇ……確実に

【一つ、呟き】
【しかし、一切の油断なく敵を見据えていたパメラは】
【明らかに人間を越えた身体能力を発揮するストレーガに、対応する】
【終焉の鎌を、星の槍で受け止め】
【その力には逆らわず、弾かれるようにまた距離をとる】

せめて……なるべく一瞬で終わらせてあげましょうかぁ……来たれ、ヴィルゴ!

【そうしてまた距離を離したなら】
【口に出すは、更なる力の顕現】
【瞬時に空中に浮かんだ六の魔方陣からは】
【六の、巨大なランスが姿を現すだろう】

……うふふふ
私に届く演奏を、貴女は作れるでしょうかぁ?
……出来なければ、私はそれを壊すだけ、ですねぇ

【悠然と、優雅に、堂々と】
【その姿は、戦いのみを見ているようで】
【その言葉は、一つの宣言であり】
【……ここで、パメラに対して何も出来なければ】
【――数秒遅れて、空に浮かぶ六基の砲台は、断続的に砲撃を始めるだろう】
【人間一人を、軽く飲み込み、悲鳴すら上がる間もなく消し去る、破壊の奔流を、ストレーガ目掛けて】
237 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/23(月) 21:09:33.68 ID:es1/0gB1o

メリー・メルエットは小人である。
身長30cmの彼女にとってこの世界はあまりにも巨大で、数えきれない程の脅威が蔓延している。
少しでも周囲の警戒を怠ればそれは死に繋がる危険性を孕んでいる……そのはずなのに。

「うわぷ……っ! うあ、あ、や、やめて! やだっやだ……っ! お願いだから、もうあっちにいって……っ」

真夜中の住宅街はとても暗く、闇に身を隠して忍び寄る野良犬に気付けなかった。
野良犬はメリーの何を気に入ったのか、彼女の全身を一心不乱に舐め回す。
身に纏う青いワンピースも鮮やかなブロンドの髪もあっという間に淀んでしまった。
腰に下げた剣を引き抜こうとする。しかし、べたつく涎のせいで手が滑って抜くことが出来ない。
魔法で強化した脚力で地を蹴って後方に逃れようとする。だが今度は足が滑って仰向けに転倒してしまった。
何の抵抗も出来ぬまま、メリーは体中をべとべとに汚され続けている。

「だ……! 誰か助けて……!」

叫ぶ声は小さく、家の中でくつろぐ住人達には届かない。
しかし、彼女は無意識の内に念話魔法を使っていた。
近辺にいるかもしれない、どこの誰かも分からない魔法少女へと助けを求める声が送られる――。
238 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/23(月) 21:21:11.87 ID:mJjyrSAQo
>>235

「───ハハッ!」

【山の頂点を中心に世界に魔術の波動が広がった。女の抑えきれない笑い声は静かなる夜をざわりと揺らし】
【再び女は床を踏みしめた悲鳴が上がるが気にしない。気にする余力もアリはしない、集中の全てを目前へ】

【目前の敵へ、敵となった少女へ、少女の姿を取った得体の知らないそこの見えない化物へ】

「いいぜ、いいぜ、とてもいいぜっ、お前は何者か私は興味も微塵もない、今思うのはただ一つだ!」

【女は足を思いっきり引き上げた、謂わば矢を引く弓の様に、月へ反り立つそのカモシカのような靭やか女の足は】
【頂点に触れるとぐわんと、大気を切り裂き振り下ろされる。ただの蹴り?魔法少女に常識など通用しない】

【切り裂かれた大気は暴風となり少女の髪を激し燻らすだろう】【そして】
【蹴り上げられた床、つまりは平均的成人サイズの男は、巨大な質量に押し出された様に少女へ”射出”された!】
239 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/23(月) 21:22:30.75 ID:mJjyrSAQo
>>238
最後についか

「てめぇが、私の一撃にどれほど耐え切れるかってことだ!!!
240 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/23(月) 21:40:29.69 ID:2EpwuUSA0
>>238
随分と手荒いな
結界も展開せずに仕掛けてくるか

【賛花がこちらへと蹴り飛ばした男を体を横にずらすことによって難なく避ける】
【その表情は冷静ながらも心は激しく興奮していた】

まぁまずは結界を張ろうじゃないか
あまり騒がしくやると後が面倒だ

【ナイトロードはそう言い公園一帯に結界を張る】
【これで戦闘フィールドは完成】
【どれだけ暴れても外の世界と干渉しない】

さぁ私もやろうか!

【ナイトロードの言葉とともに霧のようなものがナイトロードの周りに集まりやがて夜のような黒いマントが出来上がる】
【そのマントを翻しナイトロードの体を覆ったと思うと次の瞬間には賛花の後ろの遥か上空で手を掲げている】

氷神の戦鎚《マレウス・アクィローニス》!

【ナイトロードがそう叫ぶとナイトロードの掲げた手の先に多大な質量の氷塊は作り出される】
【周りの温度が低下し少し寒気がする】

さぁ私の番だ、避けてみろ!

【そしてその氷塊を賛花へと落とす】
【それはさながら小さな隕石】
【だが落下は直線的】
【避けることなら容易だろう】
241 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/23(月) 22:00:27.89 ID:mJjyrSAQo
>>240

「残念、私は結界を張るようなド派手な──そう、そんな魔法は使えねぇからさ」

【ほんの様子見で吹き飛ばされた床は悲鳴を上げて吹き飛べば、結界をすり抜けぶち当たる】
【魔翌力の残滓、それが原因でありタダ蹴っただけの攻撃に魔翌力が宿った事を人へ知らせる──では】

【女が扱える魔術は?】

「上手に使えるのはただ、これ、この程度の魔術────    でも」

【女は拳を握り締めた】【足を踏みしめ、腕を引く。燃える瞳は真っ直ぐに。目の前の氷塊へ注がれて】

【魔翌力の波動が再び世界に広がった。女の体から湧き上がるマグマにも似た熱いそれは腕に集まり】
【細身のそれに鮮やかに浮かび上がるのは文様。魔法の基礎であり基本,、誰しもが使える”強化魔術”】

【ただ、彼女の物は濃さが違った。】【この結果がそれを様々と伝えるだろう】

【獣の如き気迫を込めた叫びと共に、魔翌力の氷塊と女が触れ合う直前に。グオンと突き出された拳は】
【その瞬間、爆発したように氷塊が粉々となった!つまりは、彼女は拳により氷塊を殴り、”破壊”する】

「この程度でもさ、喧嘩するにゃちょうどいいと思わねぇか?」

【破壊力により生み出された風に髪を揺らす女は、少女を見下げ、血を流す拳をペロリと舐めれば】
【挑発するように甘い甘い声色で言葉を紡ぐ。彼女はとてもとても、無邪気に楽しそうであった】
242 :ストレーガ・ヴァルプルギィ>>115 [sage]:2015/03/23(月) 22:02:25.02 ID:pe5xv9Zx0
>>236

 弾かれたパメラを目で追う。
 その瞳は紅く底の見えない地獄の螺旋を彷彿させる。黒い犬の仮面を被ったストレーガの表情はパメラには見えないだろうが、頬を火照らせ歓喜のあまり破顔しているだろう。

「ほう──処女宮《ヴィルゴ》か」

 パメラの魔名を聞いて呟く。
 ヴィルゴ──処女宮、または乙女座を指す言葉だったと記憶するストレーガは無意識に反応していた。
 現れた六つの魔法陣──そして時を移さずにそこから召喚されるは同様の数の巨大なランス。
 ストレーガはそれを見て真紅の瞳を細め、仮面のしたの口角を上げた。
 紅い地獄はそのランスを前にしても、臆すること無く尚も、獣の如く瞳を輝かす。

「いったであろう? 私は演奏を聴くのが好きと──。貴様はなにか勘違いをしてはいないか? 演奏を作り奏でるのは、私では無く貴様と我が奏者達だ。私に届き私を破壊出来る演奏を作るのは貴様の役目だレジエルよ」

 ストレーガはそう言うと再び狂気を創り出す。右手から生える終焉の鎌が鳴り、背筋を震わせる様な怨念を纏わせる。

「死者魔女の魂──《Arc-en-ciel》」

 魔名を呟くと同時に魔女狩りの終焉鎌が纏う怨念がストレーガの頭上へと巨大な丸い球体となり浮かび上がる。
 その球体は深淵の闇を内包しブラックホールの如く、辺りの風や空気を吸い取り出す──、風の流れが力強くで変えられ、代わりにゲヘナで喘ぐ罪人の下劣な欲求が様々な声となり球体から吐き出される。
 パメラの放ったヴィルゴによる攻撃とせめぎ合いをするべく形ある深淵を向かってくる攻撃へと放った。
243 :上田美奈 [sage]:2015/03/23(月) 22:14:46.05 ID:hgJ1Tbx4O
>>237
【本日、地味系を自他ともに認める身としては珍しく、春っぽいパーカーに袖を通しておりました】
【春休みなのをいいことにのんびりお散歩してたら、念話を察知】
【そのまま発信源の方へ……】

「えーとこれは、異変なんでしょうかね?」

【犬のおもちゃさんを見て真っ先に思ったのは、小さい子のところにかけらが落ちて
 人形さんに擬似的な魂でも入ったかな、という感じ】
【ほかの魔法少女の願いを収集する感じの生態ですが、さすがに召喚という形は想定してません】

「とりあえず助ければいいんですね!」

【ポケットから取り出したのはにぼし(野良猫餌付け用)でした】
【……犬も多分食べるはず。ほら、こっちがおいしいよー】
244 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/23(月) 22:21:24.48 ID:2EpwuUSA0
>>241
ほう、強化魔術か
それもかなりの……

【砕かれた氷塊を見つめ呟く】
【ナイトロード接近戦は不利と思うと賛花から距離を取る】

ならこちらも力で行こう
先ほどよりも威力は高いぞ?

【再び賛花へと向かい手をかざす】
【この行為は魔翌力を手先に集中させるため】
【今のナイトロードではこれをしなければ魔翌力を練るのに時間が掛かってしまうからの対処法だ】

ウェニアント・スピリトゥス・グラキアーレス・オブスクランテース《来れ氷精、闇の精》ーーー

【先ほどの魔法は無詠唱で出来た】
【しかし今度の魔法は詠唱が必要だ】
【詠唱を一つ終えるたびに手先に魔翌力が集まっていく】
【属性は氷と闇】

クム・オブスクラティオーニ・フレット・テンペスタース・ニウァーリス《闇を従え吹けよ常世の氷雪》ーーー

【しかし詠唱をするということはそれだけ相手に隙を与えるということ】
【この間にも賛花は動いているだろう】

ニウィス・テンペスタース・オブスクランス《闇の吹雪》!!!

【ナイトロードの言葉と同時に手先に溜まっていた氷と闇の魔翌力が賛花へと向かい放たれた】
【放たれた魔翌力は黒々としていて冷気を纏い、賛花へと直進していく】

//すいません
//今日は都合でロール出来なくなりました
//明日に持ち越しか〆るかは任せます
245 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/23(月) 22:23:19.29 ID:mJjyrSAQo
>>244
/わかりましたー!では凍結ということで、のんびりお返しさせていただきますねー!
246 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/23(月) 22:25:04.60 ID:es1/0gB1o
>>243

不意に野良犬の鼻に香ばしい匂いが漂って来た。
匂いのする方向へと顔を向けてみると、そこには干した小魚を携えた少女の姿が。
野良犬はにぼしとメリーを交互に見ると「あっちの方が美味しそうだな」とすぐに判断した。
もうお前に価値はないと言うようにメリーを後ろ足で蹴ると、少女のもとへと尻尾を振って向かった。

「うぅ……」

路上に転がっていたメリーは低く唸り声を上げながら、ふらふらと力無く起き上る。
しばらくの間呆然と犬と少女を眺めて、やっと自分が助かったことを理解した。
いや、助けられたのだ。そこにいる見知らぬ少女の手によって。

「あ、あ……ありがとうございます……!」

少女を見上げ、心の底から感謝の言葉を告げる。
涎のせいで分かり辛いがその目には涙を溜めていた。
247 :上田美奈 [sage]:2015/03/23(月) 22:30:26.98 ID:hgJ1Tbx4O
>>246
【ひときわ大きいにぼしをぽいっと遠くへ】
【犬でも有効でよかった】

「えーと、とりあえず大丈夫です?」

【しゃがみこんで、はい、とハンカチ進呈(水色ベースに雲の模様入り)】
【まずは身体を拭いてから移動したいところ】
【あまりにもベッタベタですもんね、今】

『あ、こっちが使えるんでしたっけ。
 よかった。お人形さんに話しかける変な人は回避できそう』

【心配する箇所がまずここでした】
248 :パメラ [sage saga ]:2015/03/23(月) 22:32:48.10 ID:ARqKMbDjO

>>242

ある意味では、ピッタリですよねぇ、この名前はぁ

【風に流され、聞こえた呟き】
【それに対して、そんな風にふと答えると】

うふふふ……そうですかぁ
……なら、壊してみましょうかぁ……

【心の底を揺るがす怨念】
【隅々まで広がる狂気】
【その、ただただ黒い衝動を集めたかのような漆黒は】
【次々と吐き出される、線引く閃光と激突し、せめぎあい、そして】
【極大の、爆発】
【粉塵と、煙を巻き起こし】

……さぁ、まだ終わりでは無いですよぉ?

【視界も、影さえも覆い隠した爆発の余波の中】
【パメラはランスを手に取り、横凪ぎに薙ぎ払う】
【ランス―――スピカからは、レーザーが伸び】
【さながら、一つの剣のように、狂気の世界を一閃】

【視界は見えない状況】
【しかし、それはパメラ自身も同じであり】
【ストレーガの姿を、完全に把握している訳ではなかった】

249 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/23(月) 22:42:18.57 ID:es1/0gB1o
>>247

野良犬は投げられたにぼしを追いかけて食らいつく。
――あれ? あんまりおいしくなくね?
微妙な表情をしている辺り、やはり猫用だと口に合わなかったのだろう。
がっかりとした様子でとすぐ近くの角を曲がって去って行った。

「え……!?」

人形だと思われていることに衝撃を受ける。
蘇るトラウマ。自分を召喚した少女に人形として扱われる日々。
一体何度泣いたか分からないあの最悪の日常が脳裏に浮かぶ。

「ち……違います! 人形じゃない!」

珍しく大きな声を上げて否定の言葉を投げかける。
先程よりも多く溜まった涙を手の甲で拭うと、少女の目を真っ直ぐに見上げた。

「わたしは、メリー・メルエット……っ。
 人形じゃなくて、小人、です……!」

弱々しいながらも、はっきりと自身の正体を伝えた。
250 :上田美奈 [sage]:2015/03/23(月) 22:51:13.39 ID:hgJ1Tbx4O
>>249
【なんかトラウマ抉っちゃった感じだろうか】
【よくよく見たら関節に継ぎ目とかもなさそうだし、これでお人形だったら
  それはきっと大人の男性向けなレベルの精度っぽい?】
【そして名前を聞いてうむー】

『とりあえず、怪しまれないように念話でいきましょう。
 そしてつまりえーと、“あたしメリーちゃん、今あなたの後ろにいるの”みたいな
 都市伝説でもなくて、小人さんだと……。
 』

【とりあえず、パーカーのフードに入っててもらって大丈夫かな?】
【それとも、抱っこされた方がいいのかな】

『小人さんだと、どれだろう。
 個人的には床下よりは、誰も知らない小さな国が好きなのですが。
 あ、私はミナです。えーと、ミナ=ウエダです』

【適当に創作モノを頭に思い浮かべる感じだけど、念話にだだ漏れ】
【これはこれで厄介そうな臭いがぷんぷんします】
【特に抵抗がない場合はパーカーに入った状態でちょっと場所を移動】
【行き先は、近場でやってる魔法少女が直接経営する喫茶店ですね】
251 :ストレーガ・ヴァルプルギィ>>115 [sage]:2015/03/23(月) 23:00:15.46 ID:pe5xv9Zx0
>>248

 怨念と光の──魔翌力と魔翌力のせめぎ合い。
 ビルの屋上で巻き起こる魔法少女と魔女の競り合いは今、初めて巨大なものとなった。

「クハッ──ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ────ハァッ!!」

 そして生まれる闇と光の超新星爆破。
 余波は二人の空間だけに留まらず、足元のビルや周囲のビルをも巻き込む。
 ビルの窓ガラスは割れ、屋上の角は耐えきれず崩れ落ちた──。
 それを見てストレーガはただ笑った。
 それを見てストレーガはただ歓喜した。
 そしてその笑いを掻き消す様に魔女狩りの終焉鎌を横に一閃、スピカより放たれた光を弾いた。
 光はそのまま隣のビルへと向かうだろう。

「もっとだ……もっと聴かせてくれ!私の耳は飢えているぞ!レジエル──貴様のレクイエムを聞かせてくれよ。貴様は私を楽しませる奏者であろうが──。魔女狩りの終焉砲──《witchcraft・sprengen》」

 ──刹那、歓喜するストレーガから火山の噴火の様に激しい憎悪が放たれた。
 ストレーガの背後から現れた真紅で巨大な回転する魔法陣。
 辺りは夜にもかかわらず、熱気に包まれだす。そしてそれは今から放たれる魔女の性欲による魔法の知らせでもあった。
 そして熱気が生まれた次の一瞬、魔名を唱えたストレーガの背後にある魔法陣から巨大な戦車放が姿を合わした。
 鼓膜を破るほどの震動音と空気を振動させ、戦車砲から放たれたのはゲヘナの業火による砲弾。
252 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/23(月) 23:02:28.10 ID:es1/0gB1o
>>250

『うぅ……。は、はい、わかりました……』

やはり小人はこの世界だと珍しい存在なのだ。
こちらが平気でも恩人に迷惑をかけてはいけない。
口を噤み、念話魔法を使用する。

『えと、ミナ……さん。よ、よろしくおねがいします』

ペコリと頭を下げると、その髪先から涎がだらりと垂れた。
そういえばまだこの忌々しい唾液を何とかしていなかった。

『あ……ごめんなさい、お借りします……』

差し出されていた水色のハンカチを遅れて受け取る。
人間にとっては手を拭うためのサイズだが、メリーからすればバスタオルのような大きさだ。
急いで体を拭くとメリーの代わりにハンカチは涎まみれになった。後でちゃんと洗って返さないといけない。
これでパーカーのフードに入っても大丈夫だ。大人しく持ち上げられ、運ばれる。

『あの……ミナさん。ここは……?』

連れられて来た場所は見知らぬ喫茶店。
歩行の揺れで落とされないようにしっかりとフードに掴まりながら、店の外観を不安そうに眺める。
253 :上田美奈 [sage]:2015/03/23(月) 23:10:32.21 ID:hgJ1Tbx4O
>>252
【ちょっと犬くさいのは仕方がない。諦めよう】
【ハンカチは、実は100円のだからあんまり痛くなかったり】

『ここはですねー、ヘンなのがうろちょろしてても
 魔法少女な店長権限でスルーされるお店ですよー』

【看板は「とれみぃ」。結構目利きの聞いた内装なのにドリンクバースタイルの変な店】
【そして、店主も魔法少女なのでいろいろ小回りが効く】
【さっさと店内に入ると、奥まったテーブルでメリーちゃんをおろして
 自分はまんなかの機械からマグカップにたっぷりのココアと、ちょっと迷ってクッキーを少々】
【あとはおしぼりを何枚かピックアップ】
【最後に、コーヒー用のミルクの中身を1つ分捨てて、自分のココアを少しすくって、はいこれで二人前】
【バイトちゃんに小銭をわたして、目的達成】

「さて、とりあえず身体拭き直しましょうか」

【今度は声に出して、おしぼりをはいっと】
254 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/23(月) 23:22:46.49 ID:es1/0gB1o
>>253

『魔法少女のお店……?』

店内のテーブルにちょこんと降り立ち、不思議そうに周囲を見回す。
人間の喫茶店に入ったのは初めてだった。外から見たことはあるのだが。

「……ごめんなさい、なにからなにまで」

ココアと数枚のおしぼり、そしてバイトに渡された小銭を目の前にし、メリーは苦い表情で礼を言った。
窮地を救われたどころか物凄く世話を焼かれてもらっている。
一体自分はミナに何をどうすればこの恩を返せるのだろうか、と悩んでいるようだった。

暖かいおしぼりで体を丁寧に拭き直して行く。。
ミナに背を向けているのはやはり少し恥ずかしいからだろうか。
ワンピースを捲って肌についた汚れも直接落とした。

「ふぅ……」

ようやく体からべたべたが完全に取れた気がする。
体を拭き終り、ミナの方へと向き直った。
255 :上田美奈 [sage]:2015/03/23(月) 23:29:45.27 ID:hgJ1Tbx4O
>>254
【頭ぽりぽり。なんと表現したものやら】

「なんといいますか、好きな作品の主人公になった感じでしょうかね。
 あまり気にしなくていいです。完全に自己満足です。趣味です」

【……お人形扱いでトラウマある相手とは知らずにテンション上げ上げである】
【人形でなくナマモノとして扱ってるだけマシなのかもしれない】
【どうせならお洗濯もしちゃうかなぁ、とか考えてるんだけどそれだけでワクワクしておられる】

「しかしなるほど、かけらの使い道としてはありかもしれませんね。
 うん、これはとてもステキです」

【自分の事情を説明しないと、第2、第3のメリーちゃんを発生させそうだぞ、この魔法少女!】
256 :パメラ [saga sage ]:2015/03/23(月) 23:34:29.25 ID:ARqKMbDjO

>>251

【爆発、轟音、響くのは光と闇の激突した余波と、鼓膜を叩く笑い声】
【テキを両断するために放ったレーザーブレードは弾かれ】
【周囲に残るは、衝撃の痕のみ】

冗談が下手ですねぇ
貴女だって、私に壊されるための「テキ」なんですよぉ?

【いつの間にか】
【爆発に飲まれ、破壊された何かの破片が、パメラの頬を切り裂いていた】
【――今のパメラは、たったこれだけで切り替わる】
【痛みを感じ、血の流れる感触を得て】
【初めて、魔法少女としての本来の姿を、表に出せるのだ】

……このビル、脆いですねぇ

【そして、感じたのは大量の魔力と、熱気】
【薄れる煙の先に、魔方陣を見たパメラは】
【迷う事なく】
【自らとストレーガの間に、ヴィルゴ六基によるレーザーの発射を命じ、光の壁とさせる】
【叶うならば、相殺】
【出来なくても、砲撃の軌道は下にずれ込めばと、飽くまで予想しながら】

【――同時に、どちらにしろビルは耐えれないだろうと考え】
【パメラは素早く空へ飛び】
【破壊の先、ストレーガを見据えようと目を向けた】
257 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/23(月) 23:37:19.09 ID:es1/0gB1o
>>255

「ん……」

気にしなくていいと言われるが、メリーの表情は曇ったままだった。
軽く顔を俯かせて曖昧な返事をする。

「え……っ!?」

しかし、ミナの予想外の言葉にすぐさま顔を上げた。
その顔は信じられない、と言った風で驚愕と困惑に満ちていた。

「そんな……! だ、駄目です! もう小人を召喚するなんて、ぜったい……っ!」

おしぼりで拭き終ってさっぱりした体に嫌な汗が流れ出す。
全くもってステキなんかじゃない。もう自分のような悲劇を起こしてはならないのだ。
胸の前で強く手を組み、今にも泣きだしそうな目でミナに訴えかける。
258 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/23(月) 23:39:04.65 ID:es1/0gB1o
>>257
/手を組む、ではなく指を組むです
259 :上田美奈 [sage]:2015/03/23(月) 23:42:01.63 ID:hgJ1Tbx4O
>>257
【(´・ω・`)←まさしくこんな表情】

「あちゃあ。つまりもともとこちらの住人ではなくて
 召喚でこっちに来ちゃった、と……。
 こちらに住んでる不思議さんではない、と」

【なんか勢いが、栓を抜かれたお風呂みたいに減っていった】
【つまりはあれか。この子は、自分の世界の中にまだ見たことのない小人の国がー とか勘違いしてたわけだ】
【それに会いに行くのにかけらを使う選択をしたかった、と】

「そうですよねぇ……。魔法があるんだからー、とか思っても
 他の不思議なものまであるとは限りませんもんねぇ」

【テーブルの上にへにゃっと】
【とりあえず強引な拉致は阻止できたようです】

260 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/23(月) 23:51:40.05 ID:es1/0gB1o
>>259

「……!!」

コクコクコクと力強く何度も頷いて肯定する。
自分の恩人が大切なかけらを拉致に使うなんてとんでもない。
とにかく誤解は解けたようだ。お互いの認識がずれたまま話が進まなくて本当に良かった。

「そう……ですね。
 わたしからしたら、人間の方がふしぎなもの……だけど」

召喚された時は本当に驚いた。
何せ自分の数倍はある人が大量に存在しているのだから。
よく心臓が止まってショック死しなかったと思う。

小さな簡易カップに注がれたココアを両手で持ち、一口飲む。
甘い味と香りが口いっぱいに広がり、自然と口元が緩んだ。
261 :上田美奈 [sage]:2015/03/23(月) 23:59:21.17 ID:+thq+HgvO
>>260
「あ、てことは、こちらに来て縮んだわけでもなく
 ヒトと小人が共存してるわけでもなく、
 自然との対比だけはそのままだと……」

【これはこれでとても興味深い内容である】
【メリーちゃんの世界の話を聞くだけでも本が書けそう】
【あ、ココアがお気にめしたようで何よりです】

「それでかけらは帰還用というわけですか。
 そうですよねぇ。国内なら交通機関タダ乗りし放題で帰れますもんね。
 というかそれよりもそのサイズだと犬や猫や烏のゴハンになりそうですし……」

【想像したら恐ろしい光景が見えたので思考カット】
【まぁ、帰還目的なら手伝ってくれる魔法少女も多かろうですね】

「とりあえず、ここに住み着けば安全は確保できそうですけど」
262 :ストレーガ・ヴァルプルギィ>>115 [sage]:2015/03/24(火) 00:01:16.97 ID:WT/ZhP/R0
>>256


 ゲヘナの業火──終焉の炎は砲弾となり、パメラへと向かう。
 豪快な音と共に放たれた砲弾は、空気を押し退け、風の抵抗をものともせずに飛来する。
 そして、光の壁との激突──先程の超新星爆破とは比べものになら無い轟音を響かせ、最早余波の領域を超えた衝撃波と化した風圧を生み出した。

「クハハハハハハハハハハ!」

 ──結果は相殺。
 光の壁もゲヘナも激しい爆発と共に消滅。
 爆発により又しても生まれた衝撃波は、ストレーガの髪を不規則に乱し、軍服は激しくなみをうった。
 ストレーガはそんな些細なことを気にもせず、巻き起こったビックバンを狂喜の瞳で見ている。

「第二曲といこうかレジエル──とは言いたいがここまで私を楽しませてくれたお礼だ。このまま私に演奏を聴かせるか、また日を改めるか、選ばせてやろう」

 衝撃波により、ビルに亀裂が入る。
 無理もない。ただのビルが魔法と魔法の衝突耐えられるはずがない。
 亀裂はやがて広がりビルは崩れ、ストレーガはその瞬間に、パメラ同様空へと移動した。
 ストレーガの背後に先程の戦車砲の姿は見えないが変わらず終焉鎌は生えている。
 まるで自分が緋想天かの様にパメラを見下しながらせめてもの慈悲だと言いうかのようにそう告げた。
 
263 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/24(火) 00:11:35.79 ID:y6MNK6+DO
>>227
「ぎゃっははははははは!私の勝ちだ!ざまあみやがれ!!」

倒れ伏す少女。ただ一人そこに立っているヘレネの勝ち誇った笑い声だけがそこに響く。
ヘレネはここでマナは死んだと確信していたため、生死の確認をしようとはしなかった。
結界が解かれ、周囲の光景が元に戻る。先ほどまでの戦闘はまるでなかったように。

「……さて、こうしちゃいられない。逃げたあいつを探さないとな。
まあ、もう学校には来れないだろうよ。自殺しに行くようなものだし。まったく、ざまあねえぜ劣等種が!」

まだ、終わってはいない。余計な事を喋られても厄介なので確実に消さなければならないのだから。
しかし、これで学校へのアプローチはできなくなったはずだから、一収穫といったところだろうか。
ヘレネは闇の中に姿を消す。あの少女がどうなったのか、それは誰にも分からない。
ただ一つ言わせてもらうとすれば、しばらくして、その少女が外に出ている姿を見た者は誰もいなくなった、という事だけだ。

/ロールありがとうございました!
264 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/24(火) 00:18:29.90 ID:6RaNM5SLo
>>261

「う、うん……。
 ……………………うん」

つい先ほど犬の晩御飯になりかけていたことを思い出した。
顔を青ざめさせ、小さな体が小刻みに震える。
次からは道路はあまり歩かないようにしよう。出来る限り飛行しよう。そう誓った。

「ここに、住めば……」

メリーは店内をぐるりと見渡した。
この喫茶店の店主は今は不在なのだろうか。
まだ一目もその姿を見ていないが、きっと優しくて良い人に違いないとメリーは思った。
だってこんなに素敵なお店で、こんなにココアが美味しくて、そして恩人のミナが信頼を寄せているのだから。

「――だめ、です」

だがメリーは提案を断った。
ぎゅっと握り拳を作り、ミナを見つめる。

「そんなの、わたし……だめです。
 いつ星のかけらが集めきれるか分からないのに、厄介になんてなれない……っ。
 いっぱい、いっぱい、ミナさんにも店主さんにも……迷惑がかかっちゃう……!」

メリーは弱々しくもはっきりとした口調でミナに自分の意思を伝える。
カップの中のココアを全部飲みきり、汚れたハンカチを抱えると、メリーの体がふわりと浮かび上がった。

「わ、わたし、もういきます……。
 ミナさん、本当にありがとうございました……っ。
 ハンカチはちゃんと洗って、その、あとでここに届けに来ます……!」

ミナの目線の高さまで浮かび、深々と頭を下げる。
まだまだ感謝の言葉は伝えきれていない。だがもうここにはいられない。
このままここでミナと一緒にいたら、きっと押し切られてこの店にお世話になってしまうだろうから。
メリーはミナに背を向け、逃げるようにして窓から飛び去って行った。

/すみませんここで閉めということで……!
/ありがとうございましたっ
265 :パメラ [sage saga ]:2015/03/24(火) 00:21:05.88 ID:GqP4aq8jO

>>262

……うふふふ、いいんですかぁ?

【もはや破壊という言葉では生ぬるい、現象】
【その惨状を眼科に、二人の魔法少女は対峙した】
【……考えが、巡る】
【今、退く理由は無い】
【壊して壊して壊して壊し尽くしたい衝動は収まらず】
【そして】

……では、日を改めましょうかぁ

【臆する事もなく、まるで友人と口約束するぐらいに軽く、そう言葉を返す】
【その心中では、この魔法少女を野放しにするという危険な選択と】
【自らの中に渦巻く衝動が、駆け巡っているが】
【今は、それを捩じ伏せる】

一時の衝動に身を任せてもよかったのですがぁ
生憎と、私の手札が揃ってないんですよねぇ
ですから、本日は終演、というのが最良かと思いますよぉ?

【見上げながら】
【否、ストレーガを越えた先、夜の星を目に写しながら】
【そう】
【幕引きの意思を告げた】
266 :上田美奈 [sage]:2015/03/24(火) 00:24:52.26 ID:G73bMWcAO
>>264
【うーむいい子だ。可愛いし、いろいろ楽しい話が聞けそうだったけど、
 そうかぁ、ソロを貫くかぁ。それが本人の意志じゃあ、仕方がない】
【そもそもこの業界は孤独で当然というところがあるし、仕方ないのでしょう】

「どうせ100均のだから、布団なり防寒なりに使ってくださいな。
 面白い話を訊かせてもらった対価としては格安ですからね」

【割とまじめに、お茶代+ハンカチ代でこの話とか贅沢すぎると思いましたので進呈です】
【これで押し切れたら完璧なのですが、そうもいかないなら仕方ありません】

「まぁ、そのうちまた会うでしょうし、えぇ。
 同業のよしみって言葉、便利ですねぇ」

【アルバイトのモブ魔法少女さんと目配せしつつ、ドール関連のお店をスマホで検索開始するのでした】

//
お疲れ様でしたぁ
267 :ストレーガ・ヴァルプルギィ>>115 [sage]:2015/03/24(火) 00:46:34.93 ID:WT/ZhP/R0
>>265

 パメラの言葉を聞くとストレーガは無言で笑うと終焉鎌とGehenna・Hexennachtを解除した。
 ──静寂、魔法を解いたことにより死者の演奏会は幕を閉じ、二人の戯れも終わりを告げた。

/ロールありがとうございました!
268 :パメラ [saga sage ]:2015/03/24(火) 01:00:52.47 ID:GqP4aq8jO
>>267

【結界が解かれ、世界は元に戻り】

……うふふふ…では、私は帰りますねぇ
それでは……また…

【そして、彼女もまた、去るのだった】

/こちらこそありがとうございました!
269 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/24(火) 10:07:46.68 ID:1qQa85/zO
>>244

【シン―――と大気が凍てついた】

【金色の少女の紡ぐ不吉な羅列は現実を改変し、魔翌力は魔風という形で編まれた。】
【得体の知らぬ、そして底知れぬ闇色をした。術士の彼女の様な不気味な極冷風】

「ちっ、流石に糞ムカつくゴミみたいな奴らだけど………よ!」

【それは獣の様な速度と貪欲さを兼ね備え、女の元へ迫り。山と少女との間】
【不良達を庇う形に割って入る女へ、そして…顔をガードした彼女を飲み込んだ】

「――――――ッッ!」

【喰われた女が存分に味わうのは自身の身体を侵食し破壊する死神の感触であった】
【収縮し裂ける皮膚、皮膚と言う城塞の隙間から忍び寄る冷気は血液を凍らせる】
【熱を奪われる、意識を奪われる、生を奪われる、女は死の直前に魔術を体へ展開】

【ようやくの展開で、ある】

【多重展開された強化魔法の文様は蔦が伸びる様に身体にぎしりと絡み合あった。】
【女の身体に熱が戻る。女の瞳に意識が戻る。女の心に生が戻る。気合を…入れる】

【新陳代謝の強化】【肉体の物理的強度を強化】【肉体の全体的な性能を強化】

【凍えていた口元を食い縛り、折れそうになっていた膝を、足を強引に前へ…前へ】
【ガードを解き、真っ直ぐに前を見据えて、拳を再びしっかりと握り締めた。】
【血肉を沸き上がせ、魔風の冷気に耐える。否この魔風を突破せんと――する!】

「流石に、これを浴びせるのは、気がひける!」

「くそ、クソ、つめてぇ、冷たいが、この程度で、……舐めんなァ!」

【無論、金色の少女が更に魔風を紡ぎ出して、女を更に抑える事も可能であろう】
【はたまた、更に違う魔術を使うのかもしれない…が万が一女が魔風を突破すれば】
【抑制された力が一気に噴き出す、暴風の如く迫り、少女の胸へ拳を振るうだろう】
270 :エヴァージェリン・ナイトロード [sage]:2015/03/24(火) 16:32:24.74 ID:BLhxpE9X0
>>269
な…ぬッ!?

【ナイトロードが放った闇の凍風】
【賛花はそれを避けようともせずに正面から拳で受け止める】
【普通なら腕ごと吹き飛ぶだろう】
【しかし賛花の腕は吹き飛ぶどころか少しずつこちらへと押し返している】

な…これを押し返し…!?
なんだこの力は……!?

【決して油断していた訳ではない】
【手加減をしていた訳でもない】
【ただーー賛花の力がナイトロードの予想を上回っただけのこと】

【賛花の拳が魔風を喰らいこちらへ迫る】
【その姿はまさに暴風】
【そのまま暴風はナイトロードの胸へと迫り来る】
【避けることも出来ないナイトロードの胸へと賛花の拳が入る】
【圧倒的な賛花の力にナイトロードの体はまるで紙切れのように吹き飛ばされた】
【吹き飛ばされたナイトロードは遥か後ろのコンクリートの外壁まで飛ばされ叩きつけられる】
【叩きつけられた外壁の方は完全に砕け散りコンクリートの破片にナイトロードは埋もれてしまう】

完敗…だ…
お前の…か……

【「お前の勝ちだ」と言い終える前にはナイトロードの意識は途絶え公園に張られていた結界が消える】
【消えた結界の後に残るは倒れて動けないナイトロードと賛花のみ】

//昨日はすいませんでした
//これで〆でお願いします
271 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/03/25(水) 17:27:22.24 ID:EP5OSIguO
>>270

「…………あー、うん、そうだな」

【確かに殴りつけた感触だ。吹き飛んだのは少女で、彼女は今クレーターの中心だ】
【つまり女は勝利者。されどぼーと少女を眺め、無表情に女は呟く】
【その様子に勝利の美酒を!などの余韻は無く、ただふらぁ〜りと揺れるのみ】

「勝ちか…いや、多分勝ちなんだけどさ………あれだ」

【もう無理、も女は言った】
【そしてそのままばたりと倒れる】

「…………きゅぅ」

【魔翌力不足、あの一撃を受け切るのに元々少ない魔翌力を絞り出したのだ】
【身体と精神をむすぶチャンネルが途切れた女も同じく気を…………】

「―――ッ!あぶね」

【失ってはいないが暫くは動けないだろう】
【ズキズキと無理をした代償の痛みを感じながら、彼女はただ耐えていたのだった】

「まぁ、でも、楽しかったからそれでいい……や、げふ」

【ちなみに気を失った少女は後で学園の先生へと受け渡される事だろう…】

/気がつくのに遅れてしまい申し訳ない!
絡みありがとうございました!
272 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/25(水) 22:03:58.17 ID:H7tMGxmyo
紫薔薇学園近くの通り道。人通りが少ないこの道だが、一部の生徒の登下校の道となっている。兵馬一姫は本来この道を使用しない筈だったが……

「……魔翌力を感じたのは、この辺だったと思うんだけどなぁ……」

辺りをキョロキョロと見回す一姫。どうやら、魔翌力を感じ取り、それを追ってここまで来たようだった。だが、一姫はあまり探査魔法が得意でないようで精密な場所まで分からない模様だ。

「うーん……こっちじゃないのか?」

来た道を引き返そうとしたその時、背後にあったマンホールが突如として音を立て跳ね上がった。

「なんだっ!?」

いくら探しても見つからない訳だ。何故なら、クリーチャーは地下に居たのだから。そして、そのクリーチャー、子供ほどの大きさに巨大化したネズミは、振り向いた一姫に、鋭い爪を向けて襲いかかって来たのだった。

「くそっ……!?」

咄嗟に足元に魔法陣を展開し、大盾の召喚を試みるも、間に合わない。絶体絶命か!?
273 :斜乃 月緋 [sage]:2015/03/25(水) 22:25:00.39 ID:YiUxF4Qd0
>>272
「結界ッ!」

突如、周囲を魔法の結界が覆う。それは当然魔法少女の手による物だが、その少女は「上空に居た」。
飛行魔法で上空から急降下した月緋は、その手に一つの魔方陣を保持していた。
大きさは少しづつ拡大していて、約50cm程。その円の紋様はゆっくりと回転して位たが、月緋が魔翌力を込めると僅かに発光しつつ停止した。

「【剣戟】……!」

その魔法陣から魔翌力で形成された長剣が生まれて、地面に向けて発射される。それは弾丸の如く飛翔し、ネズミ型のクリーチャーに向けて一直線に飛翔する。
そしてそれに遅れて、少女が空から落下して来るだろう。

「……貴方……まだ大丈夫よね?」
274 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/25(水) 22:44:02.74 ID:H7tMGxmyo
>>273
『ギャッ……!!』

飛んできた剣が片目に突き刺さり、悲鳴をあげるネズミのクリーチャー。それにより、鋭い爪の一撃は軽いものとなった。肩を軽く切り、そこから血が流れるが、この程度なら治癒魔法が苦手な一姫でもすぐに治療できる。

「つ……だけど軽傷で済んだか……ああ、あたしなら大丈夫だ。助かったよ。」

体勢を立て直した一姫は、すぐに変身し、足元に魔法陣を展開。そこから、青龍刀を取り出した。

『ググ……!』

一方、片目を潰されたネズミのクリーチャーは、体勢を立て直さんとマンホールに向かい逃げようとする。

「逃がすか!……くっ……!まずはこっちを治してからか……悪い、ちょっとお前、あのネズミの相手をしててくれ!」

急ぎそれを追おうとするが、肩の傷が痛み、追跡を困難とした。
275 :ヴィント/風神 翡翠 [sage]:2015/03/25(水) 22:45:41.82 ID:rxVQWpnZ0
【夜の街通り】
【普通なら学生などは出歩いていないこの時間】
【しかしそこに1人の少女が】
【黒百合学院の制服を身にまとっている彼女は静かに道を歩いていく】

魔翌力探知 開始……目標 消失

【どうやら近くに魔翌力を感じその正体を探していたようだ】
【しかし見失ったらしくその場に立ち尽くしている】

魔翌力反応 完全に消失
引き続き 魔法少女捜索を続行します

【業務的な口調で呟くとヴィントは再び歩き出す】
【ヴィントの瞳には生気を感じられずまるで機械のような冷たさがあった】
【そしてそれは口調にも感じられ、まるで機械のよう】
【機械的なその動きから本当に機械なのではないかと錯覚を覚えるほどだ】
【しかしヴィントーー風神 翡翠は歴とした人間である】
【僅かに揺れるスカートの左脚側の太ももには鈴の刻印】
【リーンベルの物である】
【首輪のような機械からは「ジジジ」と不気味な機械音が夜の道に鳴り響いた】
276 :斜乃 月緋 [sage]:2015/03/25(水) 22:59:09.88 ID:YiUxF4Qd0
>>274
「了解、足止めだけ? それとも討伐してオーケー?」

まぁ、勿論遠慮などするつもりもない。だが、目の前の彼女も一撃ぐらいコイツに食らわせてやりたいだろう。
それにしてもーー

(なんか私の魔法と似てるわね……まぁ、向こうは武器召喚なんだろうけど)

ーーまぁ、その程度のどうでもいいことを考える程度には余裕があった。
走ってクリーチャーを追いかけながら小陣で魔翌力の刃を生み出し、ネズミの足の付け根に突き刺す。それでゴロゴロと転がったネズミに対して、一切の哀れみを持たずに陣を形成する。

「アンタも一発ぐらい切ってやりたいでしょ? ……ちょっと待ってなさい」

またもや50cm程度の陣が生み出され、それがマンホールの下へと滑り込む。這いずってマンホールに向かおうとするネズミを横目に、月緋は一姫の元へと向かう。

「怪我してるし……本当に大丈夫よね?」

自分は対クリーチャーの時は滅多に接近戦をしないので、特に何か無い限り怪我は負わない。それこそこの前の謎の九官鳥とタイマンでもしない限りは。
だが、魔法少女によっては近接戦闘を主とする者も居る。目の前の少女がどちらかは分からないが、取り敢えず心配ではある。

月緋が一姫の目の前に来た時に、先のネズミの悲鳴が響いた。そして月緋がマンホールに向けて指で手招きをすると、上下から魔法陣に挟まれたクリーチャーが、鎖に囚われたまま一姫の正面まで運ばれてきた。

「倍返しでもするならさっさとやって頂戴。魔法陣を維持するのも大変なんだから」

何故か偉そうに命令する月緋だが……本当にこれで大丈夫なのだろうかーーー。
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/25(水) 23:05:07.47 ID:UWlm5Pwy0
>>275
【夜の通り、普段からここで取り巻きと不良を連れだって歩いている彼女は今宵も煙草を蒸かしていた】

「ったく、最近はなかなか骨のある野郎がいやしないんだぞ」

【紫煙が眼球を洗っても瞬きすらせずにぼやく】
【そして大きくさらしを巻いている大きくも小さくもない胸いっぱいに煙を吸い込んで吐く】
【灰色の髪を鎖で束ね、上下に改造した私立病葉工業高校の学ランを着た彼女は喧嘩の相手を求めて今日もブラついていた】

「んあ、おうおう、そこのオジョーサン」
「そのセーフクよぉ、紫薔薇んとこのオジョウサマだろ?あん?」
「んでもっと、お前、魔翌力だ?」
「ぐろろろ、あんたらみたいな金持ちの甘ちゃんに喧嘩なんてできんのかよ、おい!」

【エリートや金持ちの嫌いな彼女は不用心にも一人で夜道を歩いている少女に絡みに行こうとすると耳に入った魔法少女と思わしき言葉】
【所詮は温室育ちの甘ちゃんだ、そう思って彼女は少女に絡みに行きメンチを切る】
278 :クウ [sage]:2015/03/25(水) 23:08:21.23 ID:L3Wn7Xij0
【日が地平線に近づき、街一帯が夕暮れ時に染まる頃】
【様々な店が連なる北瀬平戸商店街は、夕飯の準備のために訪れた人でそれなりの賑わいを見せていた】
【そんな大通りの端の方、屯しているのは学ラン姿の男子学生達】
【白シャツを出してズボンの位置をやたらと下げている、典型的な不良スタイルだ】
【にやにやと下卑た笑みを浮かべた彼らが取り囲んでいるのは、およそ商店街には似つかわしくない一匹の子狐だった】

「おいおいおいおい、なんだってこんな所に狐がいるんだぁ?」

【子狐を捕らえている男が言えば、まるで示し合わせたのかのようにどっと笑い声が沸き起こる】
【尻尾を掴まれ持ち上げられた子狐に為す術はない、じたばたと手足をばたつかせても抵抗が実る事はなかった】
【本来ならば子狐にとって弱者である人間どもにこうして玩具にされているのは、到底我慢できるものではない】
【しかし事情によって現在の魔翌力量が乏しい事、そして一般人の目が多い事が子狐の反撃をうまい具合に封じ込めていた】

「見ろよこれ、こいつお使い中だったみたいだぜ!」

【また別の男が漁っていたのは、かわいらしい花柄の買い物袋】
【その中にあったらしき買い物リストをなぜか自慢げに見せびらかし、また笑い声が周囲に響いた】
【子狐はというと怒りを織り交ぜて必死に抗議しようとするが、いかんせん獣の言語が伝わるはずもない】
【ただでさえ身動きが取れない状況、契約主の少女がいない中でできる事など限られている】

『だっ………』
『誰かああぁぁぁぁぁ!!』

【その一つが空気を震わす事のない、子狐が持つ人間との唯一の意思疎通の手段となる念話だ】
【ただ難点を挙げるとすれば、魔法少女である存在にしかその声を知覚できない事か】
【それでも頼るしかないのだ、届くとも知れぬたった一筋の望みの光に】
【本来人の言葉を持たない子狐の叫びは、まだ声変わりも済ませていない少年のよう】
【道行く人々は男子学生達の不良然とした格好に恐れをなしたのか、見て見ぬ振りして通り過ぎて行くだけ】
【さかさまの世界で暴れながら、広く伝わっただろう叫び声を聞きつけてやってくる誰かを待ちわびた】
279 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/25(水) 23:20:36.37 ID:H7tMGxmyo
>>276
「まぁ、こういうのは早い者勝ちだしな。可能なら討伐しちまっていいぞ。」

肩に治癒魔法をかけつつ話す。もうほとんど傷は塞がったようだ。

「いいのか?あたし、とどめさしちまうぞ?」

すばしっこいのを捕まえるとはやるな。と、捕らわれたクリーチャーを見て、思考する。そして、自らの正面まで運ばれてきた。それに青龍刀の切っ先を向け、氷の属性を付与する。そして――

「氷龍の牙っ!!」

そこから氷柱を放つ。そして、ネズミのクリーチャーは悲鳴をあげ、元のネズミへと戻った。その後には星のかけら。一姫はそれを拾おうと近づく。

「……?これは……」

が、ここで再び魔翌力を感じる。月緋は気づくだろうか?今度はさっきのネズミよりも弱い魔翌力だ。それは、開いたままのマンホールから感じる。

「まだ終わりじゃねぇのか!?」

瞬間、マンホールから大量のネズミのクリーチャーが飛び出してくる。大きさは先程のものより小型。普通のネズミと変わらないが、驚異なのはその数。それらは、牙を剥き結界内の二人の魔法少女に飛びかかってくる。

「くっ!なんだこの数!キリがねぇ!」

一姫はそれを青龍刀で斬っていくも、数が多すぎる。
280 :MG-01 [sage]:2015/03/25(水) 23:21:23.38 ID:E6y2NTjh0
【深夜、路地裏】
【人気はなく、電話ボックスとまばらな街灯のみが光をもたらしている】

転送地点、確認完了…転送、開始。

【電話ボックスのスピーカーから聞こえてくる少女の声とともに、突如闇の静寂が破られる】
【電話ボックスから、緑色の光の奔流】
【光は、徐々に一人の少女を形作っていく】

【そして、奔流はやみ、後には一人の白髪の少女】
【緑色の瞳と全身に刻まれた電子回路のような模様が、暗闇に浮かび上がる】

転送完了、各部機関問題なし…対象物「星のかけら」の捜索、開始。

【そう呟くと、全身のジェットへと火が付き、少女の体は舞った】

【音を抑えるような構造ではあるが、それでもジェットエンジン】
【その音は、近くにいれば否応なしに聞こえるだろう】
【また、この少女は星のかけらがこの近くにあることを探知して現れた】
【それを探しに来た魔法少女か、はたまたその星のかけらを持つ魔法少女と出くわすかもしれない…】
281 :ヴィント/風神 翡翠 [sage]:2015/03/25(水) 23:21:37.13 ID:rxVQWpnZ0
>>277
音声認識 生体反応を確認

【ヴィントは自分に声を掛けてきた女の方へ振り返る】
【そしてしばらく女を見た結果】

服装確認 病葉工業高校の生徒と確認

【女の制服から高校を特定すると女の発言を再度確認する】
【その発言ならどうやら目の前の女は魔法少女のことを知っている様子】
【そうと分かるとヴィントは女をその生気の宿っていない瞳で見つめる】

発言から魔法少女とのなんらかの関わり または魔法少女である可能性あり

先ほどの対象から目の前の女を対象へと変更します

【まるで機械のように淡々と告げる】
【その様子はあまりにも不気味でまるで目の前に居るのは本当に人間かと疑うほどに機械的だった】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/25(水) 23:35:13.20 ID:UWlm5Pwy0
>>281

「んなっ、きもちわるいんだぞ!」
「なんなんだよお前!?機械みたいなんだぞ!」

【思わず一歩引いて目の前の機械じみた少女を睨み付ける】

「はっ!そんなこといって私をビビらそうとしても無駄なんだぞ!」
「私は金岡 こぶし!闇校の生徒だってのはわかったようだが舐める相手は間違えたな!」
「私にブン殴られたくなかったらおとなしくかけらをわたすんだぞ!」
「さもないとな…」

【ベロリと出した舌の上でタバコを揉み消してから学ランのポケットの中から稲妻の意匠が施されたメリケンサックを取り出す】

「こうだ!」

【真横に振り抜いた鉄拳が電柱を捉え】
【そのまま二人の間に音を立てて倒れて行く】

「私は常に正しいんだぞ!」
「だから私に歯向かうやつは悪党だ」
「そして正義は必ず勝つ、悪は滅ぼされる」
「わかったらおとなしてかけらをわたすんだぞ!」

【とんでもない理論したり顔でいい放つ】
283 :斜乃 月緋 [sage]:2015/03/25(水) 23:37:43.23 ID:YiUxF4Qd0
>>279
一姫がネズミを葬り去るのを横目に、少々嫌な気配を覚えてマンホールを見る。まだ魔翌力は検知していないが、「続き」が無いとは限らない。
念のため陣を形成しつつ、一姫に話す。

「アンタも……分かる? これは……」

一姫が感じてから少し遅れて、月緋も微弱な魔翌力を検知する。そこで少し安心したが、折角だし使ってしまおうと「大陣」を形成した。
そして、マンホールから湧き出てきた大量のネズミを見て、思わず絶句した。

「っ……!? これは……」

月緋は飛行魔法で飛び上がり、マンホールの上空まで飛翔する。そして、真下に大陣を向けて魔翌力を込めた。

「【機関銃(マシンガン)】!!」

魔翌力片が出現し、それが弾丸のように形成されて射出される。そのプロセスが完全に自動となり、まさしく並べられたマシンガンの如く魔翌力の弾丸で地を穿って行く。

「アンタ! 少しだけ足止めしてあげるからなんとかしなさい!」

足止めできるのは、恐らく十数秒。その間に巨大な魔法陣を操作して範囲を調整し、一姫の周囲に来たネズミも屠って行く。
「なんとかしろ」という無茶な要望に、そこまでの期待は込められていない。
ただ、自分が魔法陣を作る程度の時間さえ稼いでくれればーーその程度の思いだ。
284 :ヴィント/風神 翡翠 [sage]:2015/03/25(水) 23:55:25.06 ID:rxVQWpnZ0
>>282
【女ーーこぶしが放った一撃は近くの電柱を折りそのまま電柱は2人の間を倒れる】
【しかしヴィントは表情一つ変えずにこぶしを見る】

敵対行動確認
戦闘態勢 結界展開

【ヴィントは周囲に結界を張る】
【それは周りへの配慮かこぶしを逃げられなくするためか】
【恐らく後者の方だろう】
【今のヴィントが周りのことを考えるとは思えない】

戦闘レベルAへ設定 対象の殲滅を開始します
魔装《フリューゲル》展開

【ヴィントがそう告げるとたちまちヴィントはプラグスーツを身に纏う】
【そのプラグスーツにはところどころにプラグが伸びていて手足の部分などには機械の装甲が付いている】
【そしてヴィントの頭上には輪っか状のユニットが浮翌遊しており背中にはブレード状のユニットが左右に3枚ずつの2対、計6枚のユニットが浮いている】
【そしてそれが現れると同時にヴィントの体が地上付近を浮翌遊する】

フリューゲルの展開 確認

【そして腰の電磁ブレードを抜き逆手に持ちこぶしを見据える】
【しかし機械的なその様子は変わらずに】

これより殲滅フェイズへ移行します
285 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/26(木) 00:03:48.34 ID:bb6hQrLmo
>>283
「な、なんとかしろったってよ!」

あまりに数が多すぎる。一姫の魔法では時間があったとしても一掃は不可能だ。下手な動きをすれば隙をつかれる、魔法陣を展開し大技を決めようにもこの数では無理だ。

「くそっ!!せめて一ヶ所に固まれば……考えろあたし……一ヶ所に……一ヶ所に集めるには……」

こうしているあいだにも、マンホールからネズミ達は増え続けている。それを見た一姫は、あることを思い出す。

「……ええい!一か八かだ!」

一姫はマンホールへと駆け出した。途中、何匹ものネズミが一姫の身体を傷つけていく。身体のあちこちから出血する。されど一姫は足を進め、そのままマンホールへと転がり落ちた。その中で魔法陣を展開。大盾を召喚するも、このネズミ達は盾の後ろへ回り込んで無意味だ。一見、意味のない行動に見えるが……

「頼む……上手くいってくれ。」

一姫が思い出したのは、クリーチャーは、強い魔翌力や星のかけらを狙う習性を持つという話だ。ならば、その習性を利用すればネズミ達を一ヶ所に集められる。
一姫は先程拾った巨大ネズミが落とした星のかけらを取り出す。これで、このマンホールの下に魔法陣の魔翌力と星のかけら、二つのエサが出来たのだ。一姫の狙い通り、ネズミ達は一斉にマンホールへと向かっていく。月緋の周囲に残ったのは数匹だろう。

「今だ!!このマンホールにぶちこめっ!!」

盾を上空に構えた一姫がマンホールの下から叫ぶ。
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/26(木) 00:05:48.79 ID:F3I0ak5F0
>>284

「チッあれでビビらねぇとは多少はやるんだぞ」

【そして展開される結界とプラグスーツを身に纏い武器を構える少女】
【そんな少女に向けてこぶしはクレーターが出来る程に両足に力を入れてジャンプしその魔具・雷のメリケンサックをつけた拳をふりかぶる】

「うおおおお!鉄拳征裁(アイアンブロー)!」

【そう言うと同時に右腕が鋼鉄の様にメタリックな光沢と強度と重さ帯びる】
【体を鋼鉄に酷似した状態に変質させて鉄拳征裁!】
【シンプルではあるが肉体強化の魔法と組み合わせる事で比類無き破壊力を得る魔法である】
【寧ろこぶしは肉体強化とこの固有魔法以外は使えないがここまでやってこれた程には】
287 :恩納 風利 [sage]:2015/03/26(木) 00:06:33.26 ID:xHHo6yDIO
>>278

ええっと、じゃがいもとにんじん、玉ねぎはオッケー……っと
あとは糸こんにゃくとバラ肉かぁ……ん〜、この時間だと安いのはぁ〜……っ!?
……??? 今のって……あっち、かな?

【空が茜色に染まる時分、家路を急ぐ学生や夕餉の支度に追われる主婦達に混じる制服姿の一見少女】
【買い物メモを確認しながら商店街内で次に行く店の場所を脳内で確認中の様子】
【と、その脳内シミュレーションを遮るように唐突に響き渡る誰かの助けを求める声】
【一瞬、驚きに目を白黒させるも声が響いて来たと感じる方向へと小走りで向かう】

え〜っと……っ!!? アレは……大変っ……〜〜〜〜っ!

【そして辿り着いた先では明らかに年上な学生達がキツネらしき獣を虐めている現場であった】
【その暴虐ぶりと見るからに助けを求めている風のキツネの姿を見つめて考えること数秒】
【コソコソと人気のない路地の物陰へと入り込むとランドセルから取り出した折りたたみ傘をおもむろに不良達に向けて】

……っ……〜〜『風よ、ホドホドに逆巻けっ』!

【魔翌力を込めて発された言葉は杖を通じて通りの一角を占拠する不良達を目掛け吹き荒れる大風を呼び寄せる】
【ホドホドにと言ったにも関わらず吹き荒れる風は紛れもなく突風であり】
【不良達の中には2メートル近く上空に舞い上がった者まで出た始末である】

え〜〜っと、たしか、さっきのはこんな風に……「……キツネさん! 今の内だよっ」

【不良達が風に吹き飛ばされた直後、先ほど響いた念話の感覚を頼りにキツネへと呼びかける】
288 :斜乃 月緋 [sage]:2015/03/26(木) 00:15:56.51 ID:0cYgk7Ms0
>>285
「……馬鹿なのかしら」

途轍もなく場違いな気がしないでもないが、どう見てもそれは馬鹿の所業だった。というか、まず年頃の女子が取るべき行動でないのは色々な意味で明白である。

「ま、お望み通りにやってしまいましょうか」

ここで悩んでいても仕方ない。【機関銃】の後に作り上げた大陣に書き込み、魔翌力の使い方を式として表す。

「……行くわよ! 【榴弾砲】!」

魔翌力を内部に内包した魔翌力弾ーーそれも長さ50cm程度の爆弾レベルだーーが生み出され、射出される。

「死んでも耐えなさい!」

マンホールの上30cmで炸裂した榴弾は、指向性を持ってその内部の魔翌力を衝撃として解放する。
そして、マンホールの周囲に居たネズミも一緒に吹っ飛ばす程の威力でマンホール内部を暴風が吹き荒れる。
あとは、一姫の防御力次第だ。まぁ、そこまで酷い破壊力を持つわけでもないのだが。
289 :ヴィント/風神 翡翠 [sage]:2015/03/26(木) 00:24:43.14 ID:5uQPnxMF0
>>286
対象の跳躍を確認

【こぶしが跳びヴィントへとそのメリケンサックを振るう】
【さらにこぶしの右腕が光沢を放つ】
【それを確認するとヴィントは回避行動に移る】

危険レベルA 回避行動に移ります

【後ろへとスライドするように下がりこぶしの射程外へと遠のく】
【どうやらこぶしは接近戦が得意なタイプらしい】
【だとすればこちらに有利であちらに不利な間合いを探す】

近接戦闘は不利と判断
遠距離戦闘を開始します
気流確認 操作 射出

【背中のブレード状のユニットの内一つを前方へ移動させそれを横薙ぎに振るう】
【前方のユニットは風を纏い、纏った風をそのまま前方へと鎌鼬として飛ばす】
【鎌鼬は空を切り地面を抉りこぶしへと迫っていく】
290 :クウ [sage]:2015/03/26(木) 00:25:23.15 ID:hIQQF0cz0
>>287
「なあなあ、こいつどうしtうおおおおお!?」
「とりあえず金はもらっtぎゃあああああ!?」

【いくら彼らが強く見せかけていようとも、所詮は一般人だ】
【魔翌力を探知することなどできやしないし、魔法の知識も抵抗する術も持ってはいない】
【もちろん突如現れた突風にどうこうできるはずもなく、哀れ宙空へと舞い上がって目を白黒させる】
【理解の範疇外にある事態の中で、正常な思考を保つことができるほど精神が強い者もいなかったらしい】
【口々に悲鳴やら罵詈雑言をまくし立てているが、結局は自業自得である】
【そして子狐はというと、驚いた不良の手からうまい具合に逃れることに成功していた】

『うひゃあああぁぁぁ!?』

【それはいいのだが、子狐は人間に比べれば圧倒的に軽い。不良達よりも高く飛ばされているのも自然の理】
【こちらも驚きに手足をばたつかせながら、まさに声にならない声を上げていた】
【それでもどうにか自身に向けられた念話を捉えたのだろう、尻尾やらなんやらを駆使してどうにか空中で体の向きを変える】
【そのまま風の勢いも利用して、風利の胸の中へと飛び込もうとするだろう】
【無事抱きとめてもらえれば、おとなしく腕の中で収まっているはずだ】

『た、助かった!ありがとうな!』
『ついでにあれも拾ってくれ!大事なものなんだ!』

【子狐の目線の先にあるのは、先程まで不良達が弄っていた買い物袋と一枚のメモ】
【手放してそのままなのだろう、現場から少々離れた場所にぽつねんと落ちていた】
291 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/26(木) 00:28:48.37 ID:bb6hQrLmo
>>288
「うおぉお!?」

ハーメルンの笛吹き男の物語の如く、一姫に誘き寄せられたネズミ達。それらは、爆風により次々消えていく。威力は十分すぎる程だが、その分一姫の負担が大きくなる。

「……っつ!耐えきってやる!これしき……」

歯を食い縛り爆風に耐えようとする一姫。大盾のお陰で直撃は避けられたが……

「ぐあっ!?」

あまりの威力に大盾ごと吹き飛ばされてしまう。やがて、ネズミ達は一掃され、ネズミ達の魔翌力は感じなくなった。マンホールを覗けば、星のかけらが一つ落ちているだろう。だが、一姫の姿は見当たらない筈だ。弱ってはいるが、魔翌力は感じる為、近くにいるのは間違いないが……

292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/26(木) 00:34:51.44 ID:F3I0ak5F0
>>289

「くうっ!外したか!」

【またもや地面にクレーターを作って着地するがそこに鎌鼬が迫る】

「そんなもんっ!」

【全身が金属光沢を帯び、腕を目の前でクロスさせる】

「効くかあっ!!!」

【地面が抉れ、アスファルトが砕けるも少女の体に傷は無し】
【真空の刃では金属と化した彼女の皮膚に傷をつける事は叶わない】

「ぐろろろろ、上に逃げたな?」
「ちょこざい、ちょこざい」
「そのていどこの私に勝てると…」

【近くに落ちていたスチール缶を拾い、雷のメリケンサックの電気で加速させてレールガンとして打ち出す】

「思うなだぞ!」

【白熱し、オレンジ色の光線となった空き缶が三つ、少女に向けて発射される】
293 :斜乃 月緋 [sage]:2015/03/26(木) 00:35:40.62 ID:0cYgk7Ms0
>>291
「少しやり過ぎたかしら」

そう言う月緋に反省の色は無い。別に一姫がくたばったとは思っていないし、魔翌力も反応している。
だが、一姫が出てこないので自らもマンホールに入ることにした。

「ったく……私が何で入らなきゃいけないのよ」

愚痴を零しながら、声を出す。

「早く出てきなさい、気絶してるならその限りじゃないけど、どうせ虫みたいな生命力で生き残ってんでしょ、えぇ?」

何故かやたら挑発的な台詞だが、一応真面目に探査はしているらしい。
294 :恩納 風利 [sage]:2015/03/26(木) 00:43:11.17 ID:xHHo6yDIO
>>290

あわわわわ……ホドホドって言ったのにぃ〜……お怪我しませんように、って
わ、わっ、わわっ!? ……あ、危なかったぁ〜〜

【実のところ、一般人どころか誰かに向けて魔法を使ったのはこれが初めてだったりする】
【故に不良達とは言え風に巻き上げられる不良達を心配そうに見上げていたが】
【こちらの呼び掛けに応えるように飛び込んできたキツネを危ういところでキャッチする】

ど、どういたしま……へ? アレもって、アレ? ……えぇぇ〜〜っ!?
……あぁもうっ! ……上手くいきますように……っ、『風よ、かの物を我が手に』っ! んぶっ!!?
〜〜〜〜〜……ほ、ほら……ここを離れなきゃ……コッチ

【そしてキツネからの更なる要求に目をむいて声を上げる】
【実の所、魔法の細かな制御はまだまだ難しく小さな紙切れだけを狙って引き寄せるなどはまだまだ困難】
【しかし頼まれてはやるしかないと買い物袋とメモ目掛けて傘を振りつつ呼び掛ける】
【するとまたしても吹き寄せた突風がその二つを結構な速度と勢いで風利の顔面めがけてすっ飛んでくる】
【激突した買い物袋とメモを片手に抱え直せば顔をさすりながらその場を離脱するべく路地の先へと進む】
295 :ヴィント/風神 翡翠 [sage]:2015/03/26(木) 00:45:50.10 ID:5uQPnxMF0
>>292
【超高速で迫り来るスチール缶】
【ヴィントは手にしていた電磁ブレードを構えタイミングを合わせ二刀の電磁ブレードがスチール缶を斬り裂かれヴィントの元には届かない】
【いや、切り裂いた破片が僅かにヴィントの頬を斬り裂く】
【斬り裂かれた頬から血が流れる】

負傷箇所 確認
戦闘続行可能 引き続き戦闘を続行します

【鎌鼬ではあの鋼のような体には傷一つつけられない】
【ならばここはもう近距離戦闘を行うしか無い】

遠距離戦闘は不利と認識
近接戦闘を開始します

【ヴィントはこぶしの元へと地面を滑空するとブレード状のユニット2枚で両端から、手に持った電磁ブレードで前方から斬りかかる手数で削る戦闘へと変えたようだ】
【両端と前方の計4つの刃がこぶしを襲う】
296 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/26(木) 00:49:41.27 ID:bb6hQrLmo
>>293
「お前なぁ……やり過ぎだっつーの!!」

その声に反応するかのように一姫が姿を現す。下水の中から。

「マンホールの下にあたしが居るの分かってただろ?もうちょっとソフトな攻撃にしてくれよ!あー、くそ、早くシャワー浴びてぇ……」

物凄く汚い状態になった一姫は、不機嫌そうな表情で言う。

「……まぁ、でも、お前が居なけりゃヤバかったし、そこは助かったよ。……あたしの作戦が甘かったって面もあるし。」

とは言え、この窮地を乗り越えられたのは月緋のお蔭。それに関しては、素直に礼を言う。

「かけらは一個づつでいいよな?あたしはデカイ方のネズミが持ってたのを取ったから、そっちのはお前が貰っとけよ。」

と、先程の小さなネズミのクリーチャー達が落とした星のかけらを指差した。
297 :クウ [sage]:2015/03/26(木) 00:59:45.96 ID:hIQQF0cz0
>>294
『お、おい?大丈夫かよ?』
『そうだな!とにかく逃げるぞー!』

【頼んだものが恩人の顔面へと吸い込まれていく様に、思わず風利の顔を見上げて心配の言葉】
【しかしさほど大きな怪我でないと分かればすぐさま前へと向き直り、なぜか偉そうに逃亡を宣言】
【同時に地面に下ろされれば、とことこと尻尾を揺らして後を追い路地を行く】
【ちなみに不良達は、地面に打ち付けられてしばらくその場から動けなかったらしい】
【ある程度大通りから外れ路地の奥まで行けば、そろそろ大丈夫だろうと足を止める】

『さっきは助かった!改めて、ありがとうな!』
『あ、それ返してくれ!お使いを頼まれてたんだ』

【金色の瞳で顔を見上げ、ぺこりとお辞儀をして感謝の言葉を述べる】
【実際、あのままではどうなっていたか知る術はないが少なくともいい方向には転ばなかったはずだ】
【ふと風利が持っている買い物袋に視線を移せば、ちょいちょいと前足で引き寄せる仕草】
【言葉と組み合わせて見ると、おおよそ獣らしくない人間臭さがそこにはあった】
【子狐に差し出せば器用に取っ手の部分を加えて、またぱたんと尻尾を振るだろう】

『おいらはクウってんだ、お前は?』
298 :パメラ [sage saga ]:2015/03/26(木) 01:00:05.43 ID:5dah74bfO

【カフェ「とれみぃ」】
【アンティークな雰囲気を醸し出しながら】
【しかし、店の中央にあるドリンクバーその他諸々が色々台無しにしており】
【また、店内は閑古鳥が鳴いていた】

……ふあぁ……眠いですねぇ

【……カウンターの隅、欠伸をしながら眠そうな少女が一人】
【長い銀髪に、紫のメイド服を着た彼女は、店主のパメラ・レジエルである】

……なんですかぁ、最近は物騒なので見回ってるんですよぉ?
……はぁ、貴女は真面目過ぎるんですよぉ…他の子達はもう少し緩く過ごしてますよぉ?

【カウンターの内側にはもう一人、栗毛色の髪をポニーテールにしたバイト魔法少女がおり】
【ちゃんと仕事してください、的な視線を向けられたが】
【パメラは半目で抗議】

【……さて、こんな店ではあるが】
【客は、何人訪れるだろうか……?】
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/26(木) 01:05:13.64 ID:F3I0ak5F0
>>295
「おいおい、お前本当に人間なのかぁ?」
「まぁ、私は正しいから関係なんいだぞ!こい!」

【自分が血を流しても瞼すら動かさない少女に対して不快感から顔をしかめるが両手をボクシングの様に構える】

「ぐろろ、接近戦ならこっちの土俵なんだぞ!」

【体を硬質化させて両手に持ったブレードの柄を掴んで止めるが両端から飛んでくるユニットのブレードは対処しきれずに十字に胸を切り裂かれ、破片を飛ばして浅く亀裂が入る】

「ぐぅ!ぐろろろ、なぁ、中学生でもわかる問題だぞよ」
「電磁石ってしってっか!」

【瞬間、彼女は自分の体に円を描く様に電流を流す】
【こぶしは相手の武器が電磁ブレードだとは気づいていない、それでも相手の武器を掴んで僅かでも動きを止めているであろう今】
【精密機械を装備している少女に強力な磁力を浴びせてさながら磁石を近づけたケータイの如く不具合を生じさせようと言うのである】

「か〜ら〜の〜」

【大きく頭をそらせると同時に足を少女の足めがけて踏み込み、その勢いで少女のおでこに向けて石頭どころか鋼鉄の頭でヘッドバットを叩き込もうとする】
300 :斜乃 月緋 [sage]:2015/03/26(木) 01:10:49.43 ID:0cYgk7Ms0
>>296
「……あ、生きてた?」

酷い言いようだが、これがデフォルトである。

「まぁ、実際アンタごと焼き払うつもりで撃ったしね。無事で何よりよ」

無責任極まりないが、本人はそれを気にかける様子もなく。

「かけら……ね。まぁ、それでいいわ。丁度偶数だから割り切れるしね」

軽く笑って、星のかけらを手に取る。

「……さて、私はこれでおさらばするわ。あと、お礼は要らないから次はもうちょっと考えて動くことね……じゃあまたいつか……ありがと」

月緋は一姫の返事を待たずに飛行魔法で飛び、更に魔法陣を蹴って急上昇する。

最後の言葉は、果たして届いたのだろうか。

//申し訳ありませんが、時間も時間なのでそろそろ〆で宜しいでしょうか?
301 :ヴィント/風神 翡翠 [sage]:2015/03/26(木) 01:20:51.66 ID:5uQPnxMF0
>>299
【確かに普通の機械ならこれで不具合なり何なりが起きるだろう】
【『普通』の機械ならーー】

危険レベルS 緊急回避へ移ります

【ヴィントが装備しているのは魔翌力を原動力として動く魔装】
【当然それが電磁波程度で不具合を起こす筈は無い】
【起こしたとしても微弱なものだろう】
【しかしその微弱な不具合が命取り】
【ヴィントはこぶしのヘッドバットを避けようと上体を反らす】
【しかし先ほどの不具合が回避行動に影響をもたらし頭を掠める】
【掠めただけでも十分な威力を持っていたそれはヴィントの次の動きをさらに遅れさせる】

ダメージレベルB 戦闘続行可能
次の行動へ移ります

【ヴィントは6枚のユニットを全て攻撃へと使う】
【上と下からまるで獣の牙のようになったそれはこぶしを噛み砕こうと口を閉じる】
【しかし先ほどのヘッドバットの影響で動作に隙が生じておりその隙を見て攻撃すればヴィントへと決定的なダメージを与えられることだろう】
302 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/26(木) 01:28:46.16 ID:bb6hQrLmo
>>300
「てめぇ、それマジで言ってんのかよ?あたしは一応あんたを信用したっていうのによー!信じたあたしが馬鹿だったよ!」

最初の巨大ネズミの攻撃から助けて貰ったとき、一姫は彼女なら信用しても大丈夫だと思った。それなのに、こんなことを言われてしまい、落胆する。信じた自分が馬鹿だったと。

「うるせー!これでも考えてるっつーの!だいたいお前さ……え?今……」

腹を立てた一姫は、文句を重ねるが途中でそれを止めた。そして、最後に聞こえた言葉。それに耳を疑った。気のせいか?いや、それは確かに礼の言葉だった。

「……あたしが馬鹿だったな。」

そもそも、本当に一姫ごと焼き払うつもりだったら、最初に助けたりはしないだろう。見殺しにすれば、一姫の持っている星のかけらも手に入る。だが、彼女はそうしなかった。きっと、彼女は本当は一姫が当初思った通りの人間なのだろう。一姫はそう考えた。
最後に一姫は、表面だけで彼女を判断したことを恥じ、自身を馬鹿だったと言った。

/了解です。絡みありがとうございました!



303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/26(木) 01:37:27.02 ID:F3I0ak5F0
>>311

「うっしゃあぁ!」

【攻撃は避けられたが上体を大きく反らしての回避は近接戦闘においては悪手といえなくとも妙手とも言えない】
【特に素手での喧嘩という戦闘経験によっと培われた勘がこれを好機ととらえる】
【迫る機械の牙、しかしそれにより相手は丸腰】
【しかも若干のタイムラグもある】
【こちらも回復を後回しにすれば充分に合わせられる】

「私の正しさの前に跪くんだぞ!」

【大口を開けて迫る刃の中心、空洞になっている部分に体を無理矢理ねじこむようにして飛び込む】
【勿論鋼の強度を持ってしても傷は負うし学ランもズタズタになるが構わない】
【自分に楯つく悪党は】
【いつでもどこでも鉄拳征制!】
【一切の防御を捨てて雷のメリケンサックを填めた拳で腹部にボディーブローを叩き込もうとする】
【しかしこれこそ悪手】
【普段彼女が相手にしているヤンキーならどんな屈強な豪傑でもこれで終わりだっただろう】
【だが相手は自分と同じ魔法少女である】
【拳を叩き込んだ、その後についてまでこのバカ学校の女子は考えが回っていない】
304 :ヴィント/風神 翡翠 [sage]:2015/03/26(木) 01:57:22.18 ID:5uQPnxMF0
>>303
あぐぅあッ!?

【こぶしが放ったボディーブローはヴィントの腹部へと見事に命中した】
【ヴィントは奇妙な呻き声を上げ後ろへ大きく吹っ飛ばされる】
【こぶしの怪力はヴィントのプラグスーツをところどころ破壊しプラグも切れているところが目立つ】
【破けたプラグスーツからは丁度ヴィントの左太ももにあるリーンベルの刻印も見える】
【こぶしから見てもその刻印はよく目立つだろう】
【さらに背中のユニットや頭上のユニットもところどころが壊れており「バチバチ」という音が聞こえてくる】
【こぶしの防御を捨てた捨て身の攻撃はヴィントを戦闘不能のところまで追い詰めたらしい】

ダメージレベル危険域へ到達
これ以上の戦闘継続は困難 速やかにこの場から離脱します

【結界を解き、余力を使って空中へと浮かび上がる】
【そしてそのままリーンベルの研究所がある方向へよろめきながらも飛行する】
【戦闘が終わったその場に残ったのはヴィントの魔装や電磁ブレード、プラグスーツの破片とこぶし一人だけだった】

//時間もあれなのでここで〆させて頂きます
//ロールありがとうございました!楽しかったです!
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/26(木) 02:15:26.96 ID:F3I0ak5F0
>>304

「ぐろろろろろ♪」
「なーんだ、人間っぽい声も殴れば出るんだぞ!」
「ん?なんだその…刺青?」
「私もやってるけど変な柄なんだぞ!」

【吹っ飛んだ少女の太股の刻印に気を取られている隙に上昇を許してしまう】

「あっ!こらー!かけら寄越せー!」

【ふらついてはいても今のダメージを負った体では先程のような大ジャンプはできない】
【そもそもこの非行少女は飛行魔法が使えないのである】

「チッまぁ良いんだぞ」
「逃げた手負いの奴に追い討ちをかけるってのもザコ敵みたいで気分が乗らないしな!」

【傷だらけの体をいたわりながらお大きく伸びをしてシンナー臭いビールの缶の散乱しているごみ捨て場の横に腰を下ろす】
【電柱に唾を吐いてからタバコに火をつける】

「ぐーろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろっろー♪」
「私の正しさがまた一つ証明されたんだぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

【誰も居ない夜の町にその誰に向けるでも無い、もしくは何処かで見ているかも知れない自分の敵に向けて叫んだ彼女は満足気に笑うのであった】

//はいお疲れ様でしたー!
//私もとっても楽しかったです!
//とても充実したロールができました、またいつか!
//それではお休みなさい!
306 :高辻 狐花 @黒百合学院 [saga]:2015/03/26(木) 14:58:44.46 ID:dklxrFMvo
【高辻狐花は、昼食である卵のサンドウィッチを取っていたその手を止めて、一瞬唖然とした表情で正面の少女の顔を見やっていた】
【黒百合学院校舎某所。木目調に仕立てられた洒落たサンルームは、春の暖かで優しい温もりに満たされており、生徒教員共に人気の憩いの空間となっている】
【黒百合学院生徒であり教師でもある高辻は、皆が和気藹々と会話をしている最中、自分の生徒であり良き親友である少女の発言に虚を取られ、彼女だけ時が止まったかのように動かなかった】
【コバ姉は魔法でも使えるみたいだね、などと、突然の発言に異様なまでの反応を示してしまったのだ】
【すぐさま何を言っているのだと、一笑に付して話題転換をすればいい物を、図星を指されつい呆然としてしまった事に、今頃苦笑いを浮かべても、彼女を取り囲む少女たちは納得してくれはしなかった】

「そ、そんな訳ないじゃない……って、ふ、ふふ。馬鹿ね、貴方達。それよりも――――」

【高辻の一蹴を無視して、少女達は与えられた餌を競う様に啄む小鳥が如く勢いで彼女になだれ込んで行く】
【お嬢様学校に相応しくない景色だが、常に恋と異変に飢えている少女達は、餓狼の様を呈して、自らの下品を承知で彼女に質問攻めの雨霰を降らせた】
【本当に魔法少女なの、コバ姉が生徒会の顧問になりたいって、そういう事なの、先生はレズなんですか、コバ姉あーん!ほら!あーん!】
【どさくさに紛れて理解しかねない質問までもが押し寄せていくのに背を仰け反って回避しようとするも、椅子に座っている以上限度がある】
【きゃ、から続く叫び声がサンルームに木霊した。遂に流石の柔らかさで行った仰け反りにも、高辻は対応できても椅子は出来なかったようで】
【椅子ごと背後に倒れた高辻は、勢いのままそれこそ雪崩れ込んでくる少女達の下敷きとなり、呻き声を上げた】
【暫くしても退こうとしない少女達の重みに耐えきれず】

「あのねぇ……!黒百合学院院生たる者!優雅で毅然と振る舞うべし、でしょ!
どきなさい!あー……もう!!!
誰か助けてー!!!」

【抱きかかえる様にのしかかる少女達の臀部を、どこからともなく取り出した教鞭でぺしぺし、と叩く姿はギブアップ宣言の様で滑稽だった】
【同じように昼食を楽しむ他の少女達からは、愉快な彼女達を一方では嘲笑するように小さく笑い、一方では下品だ、と不快感を見せたのだった】

「もー!貴方達ったらー!こんな間抜けな魔法少女がいてたまりますかー!!」

【高辻の唸るような怒号が辺りに響き渡る。この騒ぎに、野次馬が募る事なんて、あるのだろうか】
307 :如月 千寄子 [sage saga]:2015/03/26(木) 15:35:16.35 ID:Vsw9R+nP0
>>306


「あ、あの、っ……みな、さん……?」

吃り気味の、ぼそぼそとした、か細い声であった。高辻とその取り巻きが成す人の山から、数歩ほど離れた位置にいた。
紺色のロングスカート、ハイソックスにローファーを履き、ブレザーに銀のネクタイを締めていた。齢十六ほどの、少女である。
濃い隈の上にある、不安げな「一つの」瞳――右目には、脱脂綿の眼帯――を、赤縁眼鏡の下で右往左往させていた。
高辻に質問を浴びせていた少女たちは、振り向くだろうか。すれば、新たに視線を浴びるのは、彼女となる。声をかけておきながら俯いている、彼女である。
腰までかかる黒髪に指を絡め、何かもじもじと弄びながら、やはり彼女は逡巡するだろう。そして数秒後、

「コバ……えっと、高辻先生……が。
 そんなに、い、いっぺんに質問されて……困ってらっしゃるんじゃ、ないでしょうか」

そこまで言い切った所で、彼女はまた口を結んだ。
髪から解いた両指を不安げに絡め、斜め下を見る左目は浴びせられる視線に一つとして答えない。
ブレザーのポケットからは、スマートフォンの充電ケーブルがはみ出ていた。
308 :金岡 こぶし [sage]:2015/03/26(木) 15:51:51.94 ID:F3I0ak5F0
>>306-307

【御嬢様学校のサンルームで少女達が一人の女性にのしかかり、その女性は教鞭で生徒のお尻を叩き、さらにそれを不安げに見つめる眼帯に眼鏡の生徒】

「ぐろろろろ♪」

【そのサンルームの上でその珍妙な光景を楽しんでいる者が居た】
【灰色の髪を細い鎖で纏めて袖を切り落とした私立病葉工業高校の改造せ複数の学ランを上下に着てボタンを全部外してサラシを巻いた胸を露出させている少女】

【学校のレベルとしては天と地程もあるこの学院のサンルームの上にいるのはおかしいのだが今はそれどころではない】

「今確か、魔法少女っていってたな」
「ぐろろろ♪」
「どいつが魔法少女かはわからないけどどいつでもいいんだぞ」
「力がある奴なら」

【ガラスに向かって思いっきり拳をふりかぶる】

「それを使って自分の身を守るもんなぁ!」

【魔法で強化された拳がガラスに当たればたちまちここにいる生徒達に鋭いガラスの破片が雨の様に降り注ぐだろう】
【そして自分の身を魔法を使って守った人物が魔法少女だと言うことである】
309 :高辻 狐花 @黒百合学院 [saga]:2015/03/26(木) 16:23:40.41 ID:dklxrFMvo
>>307>>308
【伸し掛かる少女達の視線が高辻よりも、擽る様な小さな声に向けられたのは、その少女が異質を纏っていたからだろうか】
【その異質さとは『普通』の異質さとは全く異なった――異質さの中に潜む異常さを醸し出していたことは間違いない】
【兎も角、触れてはいけない。禁忌、というよりも、面倒くさい。触れたら後で面倒事を起こすような気がしてならない、と云った雰囲気を少女は持っていた様だった】
【仕方ない、と落ち着き払い、興が醒めたと言わんばかりに、静かに高辻の元から離れ、座っていた席に各自戻ると、声なき罵倒を露骨な静けさに表わしていた】
【揉みしだかれたグレーのスーツを正して立ち上がり、先程の少女達に「今日はあの子に免じて許してあげる」と残して席を後にする】
【内心、最早興味は異質の少女に全て注がれていたのが、取り巻きに一片の視線もやらなかったのに出ていた】
【いつもより少し早い歩みで、異質の少女の元へ行くや否や、少女の手を取らんとする】
【ベージュ、セミロングのクラシックカールの髪を揺らして、琥珀色の硝子玉の様な瞳で少女を映すと、小さく微笑んで見せる】

「ありがと、貴方、変わってるわね……ふふ、失礼だったかしら
もしよろしければ、後でお話しできたらいいんだけど――――否、ナンパじゃないのよ
お礼がしたいな、って」

【高辻の瞳が、少女を閉じ込めて離さない。琥珀に閉じ込めた獲物は決して逃がさないつもりでいるのが彼女だ】
【少女の手を取る事が出来たのなら、す、と優しく擽る様に円を描くだろう。そうでなくとも、当たるか当たらないかの距離感で頬に手を添えるだろう】

「放課後なんかどうかしら――――」

【突如、少女達の叫び声と、硝子が割れる音が起こったかと思えば、高辻が振り返る頃にはすでに何もかもが終わっていて】
【破砕されたサンルームの硝子が雨の様に降り注いできたかと思えば、高辻は他の少女には目も触れず、正面の異質の少女を抱きかかえ倒れ込む】
【背中で鋭利に陽光に煌めく硝子を全て甘受しきれば、高辻は少女を抱きかかえたままぴくりとも動かない】
【だがしかし、少女は気付くだろう。高辻はまだ生きている】
【それどころか、艶やかに身を微量に動かして、まぐわう様に少女を貪る様に、柔らかな躯体を押し付けていることに】
【余裕だ、と言わんばかりに、少女の耳元で囁く】

「――――お誘いの話、結果は後ででいいわ
貴方も『特別』なら、魅せて頂戴……!」

【これがもし、他校の魔法所による仕業ならば、黒百合学院に対する宣戦布告として受け取ってもいいだろう】
【正確には黒百合学院生徒会に対しての宣戦布告だ。由々しき事態だ】
【高辻は尚も死んだかのように動かない。動いていると感じられるのは、異質の少女のみだ】

【灰色の女が結界を張らずに襲撃したことに関して、その場にいた魔法少女は全員、彼女の行為を問題視するだろう】
【異質の少女も同じ筈。暗黙の了解を無碍にするとどうなるか――――】
310 :高辻 狐花 @黒百合学院 [saga]:2015/03/26(木) 16:26:58.68 ID:dklxrFMvo
>>309
/す、と手の甲を、です抜け落ちてました
/あと魔法所となっていますが魔法少女です!すみません
311 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/26(木) 16:49:18.27 ID:c8HFAjmko

【此処、瀬平戸ショッピングモールは、瀬平戸市内の若者が最も集う場所と言っても語弊はないくらい活気に満ちた施設である】
【若者向けのファストファッションブランド店、豊富な品物が並べられた日用品売り場。ゲームセンター、ドラッグストア、雑貨屋など】
【幅広いニーズを満たすこのモールだが、最近その一角にややニッチな店が出来たらしい。その店がどういうモノを売っているのかというと――――】

「キャー! このワンピ可愛すぎだろこのヤロウ☆ ハベ子ちゃんえぶりでいがピンク主体だったけどこういう水色もいいかも知れないじぇ♪」
「こっちのヘッドドレスもらぶりぃだな☆ あー、ダメだヘッドドレスにこの値段はつらたん……」

【このワーキャー騒いでいる彼女の格好とモール内から明らかに浮いた雰囲気で分かると思うが、ロリータ系の服を売っている店である】
【ゴシックロリータやクラシックロリータ、姫ロリと呼ばれるものまでロリータ系ならさまざまなモノが集まるロリータ専門店】
【ズラリと並ぶファンシーな品物の数々に目を輝かせる先程の彼女は、白×ピンクを基調としたロリータドレスといった格好で店内に溶け込んでいた】

「あ、この傘いいゾ〜☆ なんか持ってるだけで魔法少女っぽい! 魔法少女感2割マシマシじゃね☆」
「個人的に日傘とか軟弱っぽくてあんまりハベ子ちゃん好きじゃないけどこれは買わないといけない気がするんだわ♪」

「コスチュームがどうみても魔法少女じゃねぇ分、変身前くらいはマジカルっぽさを出さねえとダメだろ☆ よっしゃハベ子ちゃんお買い上げぇ!」

【フリル付きにピンクの傘を手に取りながらやけに大きな独り言。その言葉から分かる通り彼女は魔法少女であり――――】
【金髪のロングツインテを揺らしながら振り返りレジへGOした時、魔法少女にしか分からない星のかけらの匂いが、魔翌力が振り撒かれた】
312 :如月 千寄子 [sage]:2015/03/26(木) 17:04:59.86 ID:Vsw9R+nP0
>>308>>309

人の波は熱量を失い、彼女から離れるように引いていく。独り取り残された彼女は、俯きをさらに深くして立ち尽くす。
溜め息をつくこともできない彼女は、片目を潤ませて唇を噛んだ。
だが、青白い指先に柔らかく温かな手が添えられたのは、その直後であった。彼女は跳ねるようにして顔を上げた。

「へ? わ、私と、です、か……?」

緊張に頬を染めた少女の顔が、高辻の瞳に映り込む。彼女はその時点で、既に半ば高辻の瞳に閉じ込められていた。彼女に、ここまでの至近で他人と接する経験は少なかった。
擽るような、悦ばせるような指遣いの度に、彼女は声にならない呻きを漏らす。
投げかけられた誘いの言葉に、彼女はようやく真っ当な返事をしようと、口を開こうとした。

「……あ、ァッ……! 高辻、先生……ッ!」

しかし次に彼女の口から零れたのは、息を呑む悲鳴だった。高辻と共に倒れ込めば、潤んでいた目の淵から一筋の涙が零れる。
彼女に状況は理解できなかったが、高辻から流れる血と行動の意味は理解できた。はず、であった。

「……あ、っ……! あ、ぅっ……は、いっ……」

蠢き、囁く。僅かな行為。だがそれでも、人肌に慣れぬ彼女の耳を赤くさせるには十分だった。
単純な緊張故か、それとも別の感情か。何れにせよ、彼女は背筋ごと静かに体を震わせた。
彼女は既に、高辻へ十分な信頼を抱いていた。

のしかかる高辻から名残惜しげにそっと這い出て、彼女は立ち上がる。ブレザーのポケットから、彼女は何かを取り出す。紅く透けた細長い容器に、紫の液体が詰められている。
一本の注射器を、彼女は自らの左掌に突き刺した。激しく歯ぎしりをして、数秒後に彼女は針を引き抜いた。傷口と針先から血液が飛び、木目の床を赤黒く汚した。
彼女は灰色を視界に捉え、そして睨め付けた。彼女に黒百合の学徒として、別段の誇りはなかった。
ただ自らの時間を侵された故に、眼前の敵へ殺意を覚えていた。

「……っはぁ、っふふっ……ああ、あの白痴ッ……!
 私の幸せを、ッ……ふふふっ、くふっ……!」

だが、彼女は笑っていた。眉間を歪め、青筋を立てたまま、喉の奥から息を切らして笑っていた。
彼女の吐息は荒くなっていた。草臥れたローファーが火の付いた紙のように蝕まれ、「別のもの」に姿を変えていく――。
313 :金岡 こぶし [sage]:2015/03/26(木) 17:19:58.48 ID:F3I0ak5F0
>>309>>312

【悲鳴と呻き声の木霊する中心に少女は着地する】
【魔法で防御を取った者は居ない、聞き間違えか?】

「ま、そんな事は至極どうでもいいんだぞ!」
「なんたって私は常に正しいんだからな!」
「ぐっろっろっろっ♪」

【すると一人の人物を押し退けて立ち上がる少女】
【そしていきなり自分の体に注射をしたかと思えば突然纏う空気を変え自分を睨み付けてくる】

「ぐろろろろ♪」
「私は魔翌力探知やら結界やらは使えないからわからないけどさ…」
「あんたがこのオジョーサマ学校の魔法少女かぁ?んん?」

【自分の近くにあった椅子に足を置いて我が物顔で煙草に火を付ける】

「ヤクでもキメたのかい?おじょーさん?」
「喧嘩はやったことあんのかあぁん?」
「ほら!かかってこいよ!ほらほら!」
「ぐろろろろろ♪」

【所詮は温室育ちのお嬢様、とう侮りながら自分の魔具である雷のメリケンサックを取り出して右手にそうちゃくする】
314 :高辻 狐花 @黒百合学院 [saga]:2015/03/26(木) 17:59:33.14 ID:dklxrFMvo
>>313>>312
【出来る事ならば自分が魔法少女であることは隠し通したい。自分が魔法少女であると知られれば、襲撃される可能性も一気に跳ね上がるのは自明の理だ】
【須らく魔法少女は願いを抱えている。決して叶わないと思っていた願いが何時かきっと必ず叶う日が来ると信じている】
【星の欠片――――悲願でありお荷物。持っているだけで常に命の危険に晒されるモノ】
【襲撃して来た灰色の女はそれが目的ではないのかもしれない。】
【ただ単純に、戦闘が目的で、死闘の、血と肉が飛び交う饗宴を貪るが為にここにやってきた可能性も十分に考えられる】
【少女の立ち上がり呪怨の様に重く響く声が、灰色の女への殺意へと変わったのを目の当たりにした所で、高辻は片手で匍匐前進紛いに這いずって少女達から距離を取る】
【あまりここでは使用したくは無かったが、仕方ない、と背後に滲む鈍痛に目を細めて立ち上がる】
【背中の痛みに若干猫背気味で、右手を上げ号令をすると同時に、高辻を中心に、蜘蛛の糸の様な黒と紫が入り混じった魔法陣が張り巡らされた】
【そして魔法陣がサンルームを丸ごと覆い尽くす結界が展開されれば、異常な感性を持ち合わせていなければ、刹那にして恐怖を覚えるような空間に放り出されたのが理解出来るだろう】
【結界が張り巡らされたサンルームは、澱んだ邪悪さを感じる、暗澹たるものだった。希薄な結界の端を示す透明な壁には、血飛沫が雨粒の様に滴り、所々に、粘着質などろり、とした、黒々とした、蠢く何かが這いずりまわっている】
【蠢く何かは結界に飲み込まれた一般人である少女達へと這いずり、一人一人を鵜呑みにしてしまう】
【空気は霞がかかったように澱み、地面は水溜りの様に可視性の紅い魔力が溜まっている
そして何より目が惹かれるのは、天井から全てを睥睨する大きな瞳。選別するように、瞳孔が三人を追えば、異質の少女へと視線を定める】
【高辻は結界の展開の終了を確認した後、邪魔な取り巻きを含む全ての人間が排除された空間で、治癒魔法の詠唱を始めた】
【基礎魔法故に無言での詠唱が可能だが、傷が深かった故に声に出しての詠唱。異質の少女に聞こえる程度の大きさなので、少女も高辻の回復を察する事が出来る筈だ】
【硝子の突き刺さった背中から、傷痕が閉じていくようにして修復されれば、硝子が次々と抜け落ちていき、上半身を反らして前後屈をして回復を確認すれば】
【少女の変身を視界に留めつつ、久方ぶりに見つけたお気に入りとの会話を邪魔した愚か者を、笑みを含みながらに見つめる】

「くく、良い趣味してるじゃない。オレペンなんて、久しぶりに見たわよ」

【邪気を含んだ笑みに喉を鳴らして、高辻自身も灰色の女へと掌を向ける】
【魔力が弾ける。漆黒の弾丸が、高辻の掌から瞬時に展開された魔法陣を媒介として、一直線に放たれた】
【勿論標的は灰色の女。悠長に魔具を装着している瞬間を狙った一撃。終着点は左足太腿付け根】
【回避するのは容易だろうが、威力はお墨付きだ。高辻の魔力が一点に集中され、破壊力を高めた魔力の弾丸】
【掠めただけでも肉を貪り喰らうだろう。基礎魔法の単純な一撃。だが、高辻がそれだけで終わる訳がない】

「ちょっと、辛いかもだけど、我慢して、ね」

【背後への跳躍を行い、灰色の女から距離を取り、同時に掌から同じように魔力を固めた弾丸を放つ】
【それは灰色の女の方へ――――向かわずに、異質の少女へと向かっていった】
【風を切る弾丸が、洗練される様に、纏う魔力を削いで本来の姿――――懐刀の形を表す】
【それは異質の少女へと刺さるや否や、黒い魔力を流し込み、少女の中に潜む劣等感や黒く渦巻く感情を引き出そうとするだろう】
【少女が拒めば直ぐに引き抜く事は可能だし、あまつさえ、少女が嫌ならば懐刀は少女を通過して消え去っていくだろう】
【それは物理的に傷を押し付ける懐刀ではなく、精神的に傷を抉る、魔刀カラドロス。原典無き貪鳥の強欲な毒】

/妹に使いパシリされて遅れましたすみません
315 :如月 千寄子 [sage]:2015/03/26(木) 18:08:36.49 ID:Vsw9R+nP0
//あ、ごめんなさい……ちょっと次遅れますっ
316 :高辻 狐花 @黒百合学院 [saga]:2015/03/26(木) 18:10:50.95 ID:dklxrFMvo
>>314
/9行目はそして魔法陣から展開された結界がサンルームを丸ごと覆い尽くしてしまえば〜でしたなんか日本語おかしかった
/16行目硝子の突き刺さった背中から、傷痕が閉じていくようにして修復されて行き、硝子が次々と抜け落ちて、上半身を反らして前後屈をして回復を確認すれば、ですこちらも日本語が
317 :如月 千寄子 [sage saga]:2015/03/26(木) 19:14:54.52 ID:Vsw9R+nP0
>>313>>314

「……あ? 黙って殺されてくださいよ、低脳」

灰色の挑発に、彼女は引き攣る嘲笑と罵倒によって応じる。
既に魔力の侵食は、彼女の全身に及んでいた。地味なブレザーもロングスカートも、もはや彼女は纏っていなかった。
鮮血のような赤と乾いた静脈血のような黒色を基調とした、フリル付きの破れた看護服が、魔法少女としての彼女である。
右手で握るのは、先程の注射器――彼女の魔力に呼応して本来の姿を取り戻した、身の丈ほどもある一振り。彼女はそれを、灰色に向ける。

「貴女みたいな馬鹿に、私の時間を潰されたくないんですよねェ……。
 とっとと腑と脳髄と粉骨ぶちまけて、惨たらしく死ね……ッ!」

続く呪言と共に、詰められた紫の溶液が注射針から噴き出した。溶液は宙に浮き、やがてのたうつ球体となり、そして表面を変化させた。
溶液から生まれた紫の針が、無数に球体から湧き出る。灰色を穿つため――高辻が放つ弾撃と共に、それらは灰色の頭上から降り注ぐ。

「……あ、れっ……?」

――そして自らが、全身が赤く染まるほどに血を浴していることによって、彼女は漸く異変を知覚した。
彼女にとって、血の雫や不定形生物や霧のように澱む魔力は見慣れたものだった。だが頭上から彼女を射抜く巨眼の視線は、彼女に小さな悲鳴を上げさせるのに十分なものだった。その直後だった。

「――か、アっ……!」

高辻の投げた短刀が、彼女の脇腹を抉った。彼女は痛みに歯を噛み、呻き、よろめく。
だが、一瞬のことだった。短刀は彼女を透過し、赤い魔力の霞に消えた。
生まれた猜疑を高辻への視線によって訴えようとした彼女は、自らに傷も凶器も残っていないことに気付き、唖然とした面持ちで高辻を見つめていた。説明を、求めていた。

//ただいま帰りましたー……遅れて申し訳ないっ
318 :金岡 こぶし [sage]:2015/03/26(木) 19:35:57.77 ID:F3I0ak5F0
>>314>>317
【視界が、世界が変わる】
【別の何かに塗りつぶされていく】

「ぐろろろろ♪」
「演出ご苦労ぉ!」
「死場所には悪くないなぁ!」

【天井でギョロギョロと動く目玉を一瞥し、大きく笑う】
【そして女性から飛来する光弾】

「ふん!その程度で!」
「鉄拳征裁(アイアンブロー)!」
「うらぁっ!」

ギャイィィィィィィィィィィィィィィン

【普通に当たれば絶命必死の光弾、しかしそれは高い金属音を立てて眼帯の少女に向かって蹴り飛ばされる】

「私の正しさ揺るがないんだぞ!」

【そして姿を変えた少女の方を見やる】
【自分が蹴り飛ばした光弾が突き進む先】
【体から血を流すナース服の少女がいた】

「ぐろろろろろ?」
「おうおう仲間割れか?」
「悪党のすることはいちいち醜いんだぞ…」

【そして頭上から降り注ぐ紫の針】

「んなもん効かないんだぞぉぉぉぉ!!!!!」

【腕をクロスさせて顔を守ると共に降り注ぐ針】

ギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ

【耳をつんざくような音と共に少女は再び姿を表す】

「んなもんこの私の正しさの前には無力なんだぞ!」

【体に細かい傷が走ってはいる物のあまり大きなダメージを負っているようには見えない】
【そしてそのまま少女はクレーターができる程に強く踏み込み、ナース服の少女に殴りかかろうとする】
【まるで鋼の様に金属光沢を帯びた体で!】
319 :藤宮明花 [sage]:2015/03/26(木) 19:36:22.71 ID:oqjsCoiFo
>>313>>314>>317
/既に複数ロールであり、負担が増えることは承知の上ですが、乱入したいです……!
320 :如月 千寄子 [sage]:2015/03/26(木) 20:03:45.56 ID:Vsw9R+nP0
>>319
//私は大丈夫ですー。
321 :高辻 狐花 @黒百合学院 [saga]:2015/03/26(木) 20:06:55.62 ID:dklxrFMvo
>>317>>318
【清楚で気高い黒百合学院の生徒とは思えない言葉の使い方だ、とは思いながらも、その暴力的な気性さえもが、自分の力になると考えると、楽しみで仕方がない】
【高辻は高揚感に身を震わせながら、少女の貫くような、訴えかけるような視線を見て、優しく微笑んだ】

「大丈夫、ちょっと自分の弱い所とか、ダメなところとか、昔ミスっちゃったこととかを思い出すだけで……
怖いかもしれないけど、我慢すれば、今を耐えれば、きっと次に繋がるって――――」

【与えられた解答に、少女は抉られた傷痕が徐々に黒ずみながらも、穿たれた穴が閉じて行っていることに気が付くだろう】
【しかしその傷痕は消える事の無い――心の傷が消える事は無いのと一緒で――火傷の痕の様に、残り続ける傷痕】
【そして刹那にして少女の背後に立ち、傷痕を愛撫するように、優しく、ゆったりと傷痕を弄る高辻は、恍惚とした表情でいて】

「痛いの〜痛いの〜飛んでけ〜……なんてっ……
くっくッククク……あーっはっはっはッ!!さぁ!声に出して言って見なさいな!
貴方の、弱い と こ ろ !」

【空に浮かぶ禍々しい瞳を仰ぎながら、天を衝くような笑い声を上げる】
【正面から向って来る灰色の女なんぞお構いなし……という訳にもいかない】
【耳に衝く不快な音を無視するわけにはいかず】
【このままでは自分も彼女も致命傷だ、と気怠い表情で、再び掌を灰色の女へと向ければ】

「二人でイチャラブしてるんだから……!邪魔しないでくださるゥ?
お相手なら後でたぁ〜っぷり……してあげるわ!」

【掌から放たれたのは先程と同じ弾丸――――かと思いきや、今度は弾丸が弾け飛び、迸った】
【掌の魔法陣から弾丸が放たれると同時に、弾丸が破裂し、幾条かの漆黒の雷霆となり、ジグザグに、灰色の女の方向へと奔った】
【一直線でない分、回避は難しいだろう。だが、跳ねる様に飛び交う漆黒の雷霆は、灰色の女に向かうまでは良いが、確実に女を抉ろうとはしていないようにも窺える】
【さらに言えばインテリアが破壊されていく様子から察するに、攻撃力はそこまで無いようだが】
【直線に駆ける灰色の女は、回避するか、それともそのまま突っ込んでくるのか】

【どちらにしろ、猪突猛進を行う少女は、この雷霆が成す意味を理解できるだろうか】

【この雷霆が、少女の腕や脚の付近を通過したかと思えば、行き着く先を得た様に、方向転換をし始め】
【鎖の様に巻き付き始めるだろう。そうともなれば、少女はまさしく鎖で繋がれた獣、という訳だ】
【漆黒の雷霆を撃ち殺すには、放った高辻自身に一撃を与えるか――――それとも回避する他ないだろう】

【予想される本数は6本程。向かって右から左脚へと。左から右足へと。右斜め下から左腕、左斜め下から右腕。残り2本は股の間を通過し、跳弾して腰と頭部】

>>319
/私は構いませんよー他のお二方はどうでしょ
/もしよろしいのであれば今回のローテーションから、私(このロール)、ちよこさん、金岡さん、藤宮さん、でどうでしょうか
322 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/26(木) 20:08:24.95 ID:Hj4h2cORO
/更に上からで申し訳ありません、よろしければ自分も乱入したいのですが…
323 :高辻 狐花 @黒百合学院 [saga]:2015/03/26(木) 20:10:23.11 ID:dklxrFMvo
どんとこい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!どん!!!!!!!!!!
324 :如月 千寄子 [sage]:2015/03/26(木) 20:12:39.66 ID:Vsw9R+nP0
>>322
//いいですとも!
325 :如月 千寄子 [sage]:2015/03/26(木) 20:52:10.43 ID:Vsw9R+nP0
>>321>>318
 
「……ぁ、ぅ……そうなん、ですか……?」

高辻の微笑みとその回答に、彼女は微かな怯えを困惑の表情に浮かべていた。が、与えられた傷口が既に塞がりつつあるのを見れば、取り敢えずの合点を得たようだった。
しかし、尚もその挙動は不安定である。灰色から目を逸らしてまで伺うように周囲を見渡し、襤褸布同然の一組のハイソックスをもじもじと擦り合わせる。
そして高辻に這い寄られ、背後から抱き寄せられるようにして傷痕を撫でられれば、彼女は「ひっ」と声を漏らして――叫んだ。

「――ッ、っぅ……!! やだ、やだやだやだやだ……ッ!! 駄目、駄目ッ……!!
 怖い、怖いよぉ……やだ、こんなのやだぁっ……!! 許して、くださいッ、高辻センセッ……!!」

絶叫に続き、彼女は嘆き、拒み、涙を流して高辻へと縋る。恍惚とした表情など、彼女が知る由もない。
ぶるぶると頭を振り、黒髪を振り乱して、迫る灰色への意識も注射器ごと放り捨てて、彼女は高辻を抱きしめようとする。眼帯と眼鏡が、吹き飛ぶ。

「お願いですッ、……!! 今はもう、やめて、ください……!!」

高辻の胸で泣きじゃくっているであろう彼女は、ふと高辻の顔を見上げた。眼帯のと眼鏡の外れた、雀斑だらけの彼女の顔が、露わになる。
彼女の右眼は余すところなく赤く充血し、瞳は腐りかけのように膨張して白濁していた。それでもなお、涙を流していた。
見れば、彼女の破れた衣装から覗く傷も見えるだろう。左腕には無数の注射痕と、切り傷――リストカットと思しきそれには、まだ塞がりきっていないものさえある。
黒く、或いは白く淀んだ両目は、赦しを乞うような必死さをもって高辻を見上げていた。
涎と涙と血の雫が混ざり合い、彼女の破れたコスチュームに染み込んでいった。
326 :金岡 こぶし [sage]:2015/03/26(木) 21:05:38.33 ID:F3I0ak5F0
>>321>>325

【攻撃の最中だと言うのに突然二人でいちゃつき始める彼女らを見て舐められていると感じ青筋をたてる】

「こらー!」
「なにイチャついてんだテメーら!」
「むしろそっちの眼帯ナースよこせっ!私のタイプだ!」

【等ととんでもない事をいいながら突進する少女に絡み付くのは黒い稲妻】
【それを余す所なく彼女を縛り上げ、磔にしてしまう】

「んー!んーんーんーんーんー!」

【空中で必死にもがくが拘束の弱まる気配は微塵もない】
【それならばと少女は苦肉と策にでる】
【雷のメリケンサックの電力を最大まで上げ、絡み付いている稲妻を弾き飛ばそうとするのである】

「んーんーんー!んんんー!」

【そして半ばプラズマ化する程の電流が小型の雷になって四方八方に向かって飛来する】
【それが当たったインテリアが次々と弾け飛ぶ程の奔流】
【掛け値なしの無差別攻撃が周囲を襲う】
327 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/26(木) 21:31:28.24 ID:5uQPnxMF0
くぅ…まだ少し傷が響くな……

【夜の街通りをナイトロードは歩いていた】
【様々な光が交錯するそこはまだ人通りが多い】
【そしてそこではナイトロードは少し浮いていた】
【ナイトロードの金髪碧眼はそれ自体がよく目立つしさらには黒百合学院の制服】
【これでは目立つなという方が無理だろう】

それにしても一昨日のあいつは中々骨があったな……
いやいや完敗だった

【ナイトロードが言うのは一昨日の賛花との戦闘】
【結果的には自分が負けてしまったが本人は特に気にしていないらしい】

生徒会の連中もあのような真っ直ぐな性格だったら良いのだが……

【ナイトロードは溜め息をつくと歩き始める】
【しかし依然周りから浮いており遠くからでもナイトロードがすぐ目に付くだろう】
328 :藤宮明花 [sage]:2015/03/26(木) 21:31:33.63 ID:oqjsCoiFo
>>321>>325>>326

――――――――――――不許可。

不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。
不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。
不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。
不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。
不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。
不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。
不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。
不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。不許可。

誰に許可を得て異能足り得る。誰に許しを得て魔法少女で在る。それは下賤には過ぎた力であり。それは管理されるべき力であり。
此処黒百合の"管理者"は、それを赦した覚えは無かった。断じて、許すなどと言う寛容を示すつもりは無かった。"劣等種"への譲歩など爪の先一つも持ち得ない。
選ばれし"黒き百合"にこそ其れは正しく備わるべきだ。優等種たる人間こそがその力を持つべきで。


―――――――――――― 賎民がこの黒百合に魔法を行使する。それは断じて許されるべきでは無い。


一発の弾丸こそが制裁である。その制裁に慈悲は無い、それは静謐を以って達成と成す。


放たれた雷撃の全てを、"魔弾"が喰らう。縦横無尽、上下左右、音速の速度を以ってして駆ける其れは全ての雷撃を吸収すると、更に上空へと飛翔した。
そして、すぐさま方向を転換すれば、それは遥か墜ちていく。僅かな数秒の間さえも保たず、所要時間は秒にも満たない刹那の切れ端。


「―――――――――――― 黒百合学院生徒会は、全ての下々の魔法少女の存在を許しません」


一直線に落下する雷を喰らった魔弾は、やがて金岡の頭上で弾け飛ぶ。その雷撃の威力は加速度的に上昇し、そして乱れ飛ぶかと思われた雷撃は。
一点に集中し、宛ら天を貫く柱の如く、巨大な雷となって降り注ぐ。


「これより生徒会に従わない黒百合学院は、即時の『処理』を行います。これは生徒会長より言い渡される黒百合における最高意思」

「現在此処に存在する黒百合学院生徒全てに告ぐ」



「直ちに。"魔法少女を排除しなさい"」



黒百合学院生徒会長、藤宮明花。硝煙を吐き出す猟銃の向こう側より、"最高権限"と共に、彼女は結界へと足を踏み入れた。
329 :恩納 風利 [sage]:2015/03/26(木) 21:45:57.41 ID:xHHo6yDIO
>>297

……えっ? あっ……うん、どういたしまして
この辺りは色んな人がいるから、今度からは気をつけるんだよ?

【走りつつも顔面が気になるのか、時々手の平でペタペタと触っていたものの】
【子狐に話しかけられれば特にその事に触れる事なく微笑みつつ忠告を伝える】

あ、コレね? 大切なものって、お使いの途中だったんだねぇ
……あれ? お使いってことは……ひょっとして、「使い魔」なの?

【子狐の言葉に驚いた顔を浮かべながら買い物袋を差し出す】
【どうやら魔法少女の中にそういったモノを使役する者がいることを知識として知っているようだ】
【もっとも、魔法少女の用いる念話を使う小動物な時点で気付いていても良さそうな物だが】

クウちゃんって言うんだ? ボk……ワタシはフーリって言うんだ、ヨロシクね?

【名乗る子狐に少し躊躇うも名前の方だけ、イントネーションを若干変えつつ名乗り返す】

//遅れましたが返させていただきます
330 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/26(木) 21:48:40.36 ID:bb6hQrLmo
>>327
「くそっ!居残りとかふざけやがって!」

夜の闇を歩く少女。此方は紫薔薇学園の制服を身に纏っている。彼女はどうやら、教員に居残りをさせられてしまったらしく、不機嫌そうな表情をしている。

「だいたい、あれだけ血流した次の日に頭が働くかっつーの!こっちは魔法少女として戦ってるんだぞ!」

なにやら物騒な独り言を言い、落ちていた空き缶を蹴飛ばす一姫。その近くには、黒百合の制服の少女。目立つ容姿も相まって、すぐにその存在に気が付いた。そして、ヤバい聞かれたか?と思い、口を塞ぐ。

(ヤバいな……)

もし相手が魔法少女なら、戦いになってしまう可能性がある。そうでなくても、危ない人だと思われてしまう。
331 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/26(木) 21:55:11.47 ID:Hj4h2cORO
>>321>>325>>326>>328
藤宮と共に現れたのは、同じく魔法少女。
騒ぎを聞いて、一緒に駆けつけてきたところである。自分は生徒会、ひいては会長であり全権限である藤宮を支持し、従うと言って。
そもそも黒百合学院内で、戦闘を行うなど断じてあってはならぬ事。
楽しい学校生活が脅かされるとか、一般の生徒の安全がとか、そんなくだらない事は微塵にも考えてはいないが。
"劣等種"風情がのさばり力を行使しているのが気に入らないのだ。要は、藤宮と同じ思想である。ある種の似たもの同士かもしれない。

「あのさぁ……おたく何してんの?ここ学校だよ?天下の黒百合学院様だよ?うちの生徒何傷つけてんの???
大体てめぇどこから来たんだよ、本当困るんだよね。害虫駆除も大変なんだよ?分かる?」

灰色の少女が原因である事は分かっている。
まずはこの害虫を捻り潰す。その後、二人の魔法少女をどうするかは、まあ藤宮が決めてくれるだろうとして。

(うわぁ、こんな時にイチャラブしてるこいつら頭おかしい)

その二人の様子を見て内心ドン引きする。半分嘲りと侮蔑が混じって。


「ほんとさっさと死んでくれねーかなー。劣等種はご主人様に逆らわず家畜になってれば良いのにさぁ!」

杖に光が集まり、収束。
金岡に、真っ直ぐ光線が発射される。それは、普通の状態なら胸を貫通する勢いだった。
332 :金岡 こぶし [sage]:2015/03/26(木) 21:59:42.24 ID:F3I0ak5F0
//すいません、順番ってどんな感じですか?
333 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/26(木) 22:01:21.02 ID:Hj4h2cORO
/高辻さん、ちよさん、金岡さん、会長、自分の順番ですよ
334 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/26(木) 22:01:27.84 ID:5uQPnxMF0
>>330
さて、今日も何か面白いこと……ん?

【近くから聞こえた魔法少女という単語】
【ナイトロードが声の主の方へ視線を向けるとそこには紫薔薇学園の制服を着た一姫】

あの娘…今、魔法少女と……
ふふっ、確かめてみる価値はありそうだな
まぁ戦闘になった時はその時だ

【先ほどの一姫の発言から何かを気付いたのかナイトロードは一姫の方へと方向を変える】

少しすまんよ、そこのお嬢さん
お前今、「魔法少女」と言わなかったか?

【不敵に笑いながらナイトロードは一姫へと話し掛ける】
【しかしその様子からは殺気といったものは愚か戦意さえも感じられない】
【もしも星の欠片を集めているならこのような戦意や殺意をまったく感じさせないことは中々難しいだろう】
【そこを見るにどうやらナイトロード自身には戦う気は無いように思える】
335 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/26(木) 22:02:30.37 ID:S5Wd4RVUo
肌を撫ぜる風はまだ冷たく、薄着で出歩くには少し早い――――そんな春宵。
沈みかけた陽は地平線の遥か彼方を赤く染め上げ、月明かりだけを頼りに小さな歩幅でせっせと進む。
少女――――柊崎陽菜子は今、白のジャージに身を包みランニングに勤しんでいた。

「はぁ…………はぁっ…………」

魔法少女になれば身体能力は上がる。其れが強化魔法に依るものなのか、それとも別の要因によって上がるのかは人それぞれだが。
何方にせよ基礎的な動き、体力がなければ其れを使いこなすことなど不可能だ。
特に陽菜子の場合、拳による肉弾戦が主体となるため、身体を動かせるようにするのは強くなるための必須条件である。
そんなわけで魔法少女として強くなるためにランニングを始めたのが今から四ヶ月ほど前、元々運動が苦手ということもあってか成果はあまり出ていないようだったが。
なんとか人並み程度には近づくことが出来ているようないないような――――肩で呼吸をしながら、足を止めずにひたすらに進む。

「はぁっ……はぁっ…………着いたぁ」

ゴールに定めていた公園に辿り着き、速度を緩めながら袖で額の汗を拭う。
身体はすっかり温まってしまっているらしく、頬や耳が赤くなっているであろうことが鏡を見ないでも分かった。
とはいえこれから魔法の鍛錬――――更に身体を動かすことになるのだから、どちらかと言うと都合はいいのだが。
まあ魔法の鍛錬は少し休憩してからにしよう、そう思いとりあえずベンチに腰掛けて。
ジャージの中に仕舞っていたネックレスを取り出す――――それは魔法少女が欲する物を加工したもので。
先日星のかけらを転んで落として怒られてしまったため、落とさないようにとこうしてネックレスにして持ち歩くことにしたのである。
今日は落としてないよね、そんな確認をするために星のかけらを取り出し、淡い輝きを見てほっと一息。
そんなわけで魔法少女、柊崎陽菜子は今日も一人強くなろうと小さな努力を重ねていた。
336 :金岡 こぶし [sage]:2015/03/26(木) 22:08:00.65 ID:F3I0ak5F0
>>333
わかりました!ありがとうございます!
337 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/26(木) 22:15:02.69 ID:bb6hQrLmo
>>334
「えっ!?」

(こいつ……どっちだ?)

話しかけられるとは思っておらず、驚きの声をあげる。思わず構えようとするが、ここで疑問が。殺意や戦意を全く感じないのだ。もしかして、魔法少女ではないのだろうか?いや、罠かもしれない。下手なことは言えないと考えた一姫は、とりあえず誤魔化そうと口を開き

「ち、ちげぇよ、い、違法少女って言ったんだよ。」

(いや!誤魔化すにしてももっと他にあっただろあたし!)

違法少女というなんだかいかがわしい響きの言葉を口にしてしまう。誤魔化すにしても無理がある、と内心自分にツッコミを入れた。



338 :高辻 狐花 @黒百合学院 [saga]:2015/03/26(木) 22:20:38.85 ID:dklxrFMvo
>>325>>326>>328>>331

捩じらせ助けを乞う様にして高辻へと身を寄せる少女に、哀憐など一切感じていないにも関わらず、顔を覗き込む少女に、高辻は温和に、優しげに笑って見せた
感情の鬩ぎ合いに耐えきれずに、不安と恐怖が綯交ぜに揉みくちゃになったその表情を抱き寄せて、子供をあやす様に背中を優しく擦った
大丈夫、と柔らかな口調で少女に語り掛ける。少女からすれば、何が大丈夫なものか、理解らないだろうが
少なくとも、一人では無いことだけは、高辻の存在で保障されるだろう
胸の深淵から湧き上がる、自分の脆弱さと、自分が自分を責め立てる、自責の念に戦慄し、半ばパニックに陥る少女を諭す様に、宥め賺す

「怖いのは分かるわ……分かるけれど、落ち着いて
目を瞑って、深呼吸。ほら、吸って、吐いて――――」

少女を教導する為の第一歩だ、と高辻はまず少女の荒んだ心を落ち着かせることにした
高辻は黒百合学院の生徒であり教師だ。一介の教師として生徒の抱える悩みを解消するのも仕事の内
高辻の囁くような声が、少女の耳元を撫でつける。曖昧な自意識を、正しい場所へと導く声が、少女を安寧へと近づける
カラドロスの毒は只管に自己否定を促していく。自己否定が自らの中で起こるということは、自我の崩壊を意味する
これに対抗するためには、自己肯定が必要なのだ。自分ならばそれを覆せる、自分なら大丈夫と自己暗示を反芻すれば

「大丈夫。大丈夫だって、声に出してみて
何が怖いのか、何が嫌だったのか、よく考えるの」

カラドロスの毒が齎す効果が、大丈夫の一言で解消する筈がないのは、高辻自身が良く把握していた
故に高辻は、口を噤んで背中に当てた手で、ゆったりと毒を抜き出していく
黒い、粘着質に絡みつくヘドロの様なソレは、少女から這い出ると、形を変えてやがて一つの飴玉程の球体となり、それを手に取る
一連の行動に伴って、少女の表情に平生の安らぎが徐々に表れ始め、緊張の線が綻び、何れ解けて行く筈だ

「ごめんなさいね、怖かったわよね――――でも、もう大丈夫」

眼前奔る雷の多岐に渡る強烈熾烈な洗礼、対処するにこの時点で少女は恐らく戦慄の後の重厚で鈍重な倦怠感に満ちて、殆ど無意識の状態にあるだろう
動かすに相応の時間がかかってしまえば、恐らく二人纏めて雷撃の餌食になってしまうだろう
だからと言ってここまで来て少女を見捨てるなんてことは出来ない

万事休す、なんてよく言ったものだ

その時――――

「――――ッ!!」

全ての瞳が、そちらへと向けられた。向かざるを得なかった。向かなければ許さなかった。
至上。頂くが如く。君臨するは栄華と気品に溢れ、燦然と輝く後光さえ見える御姿こそ
顕現する神の威光こそ全てを包括し、全てを支配し、全てを司る、闇を払拭する救世主あらせられる彼女こそ
永劫、永遠、永久、久遠に続く絶対的な壮麗さこそ

「――――黒百合学院生徒会会長、藤宮明花様」

黒珠を口内へ放り込み、飲み込む。鼓動、脈動、一定の速度で刻まれる心音が、烈しく、頻度を上げて行けば
確かに感じる。少女が今までに感じていた懊悩や苦悶や劣情を、今まさにここで、自らが噛みしめているという感覚
それが、細動する血管に流れる魔力の一部となって行くことに、恍惚を隠し切れずに
会長の御前にもかかわらず、再び高笑いをして見せれば

「あァ……さいッ……こうにッ!!!気分が……いい!!
明花様、やっと、やっと会えた……!」

現れた二人の姿に感涙を抑えきれず、一滴、琥珀から流して
灰色の女へと視線を戻す。先程の電撃が功を奏したか、左手左足を掴んでいた鎖が砕かれてしまっていた

「駄目じゃないの――――私が無能だって、思われちゃうでしょッ!!!」

会長の横に佇む、言葉使いの荒い女から放たれた一閃の前に、先行できるほどの速度で再び闇色の弾丸を解き放つ
それは灰色の女の目の前で炸裂して、先刻と同じように身体を捕らえようと四肢を磔にしようと四散するだろう
咄嗟の一撃で、耐久性は芳しくは無い。破壊する事は出来るだろうが――――後続する光り輝く一撃は、どうだろう
339 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/26(木) 22:25:38.80 ID:5uQPnxMF0
>>337
ほうほう、違法少女ねぇ…

【ナイトロードは内心で笑いつつも顔には出さない】
【どうやらナイトロードの目的はただのからかいのようだ】
【学院でいつも一人だから鬱憤でも溜まっているのだろうか】
【本人は好きで一人で居ると言っていたが本当のところはただ友達が出来ないだけでは……】
【ナイトロードは一姫の戸惑っている顔を見て心底楽しそうにしている】

で?
その違法少女とは一体なんなのだ?
私に詳しく教えてくれないか?

【どんな言い訳をするのか楽しそうにナイトロードは一姫へ言葉を投げ掛ける】
【一体どこまで性格が悪いのか】
【話しているナイトロードは若干だが口元に笑みを浮かべていた】
340 :上田美奈 [sage]:2015/03/26(木) 22:34:54.58 ID:Qh3InXyXO
>>335
【さて、そんな春先の朝方】
【まだ肌寒いだろうに、公園にはかなり規模を絞って作られた結界が展開されておりました】
【犬の散歩中のおじさんが結界に気付かず素通りしていくあたり、間違いなく魔法少女のものです】
【なので、ちょっと目を凝らせば、中で何やら訓練中の魔法少女も確認できます】
【パーカーにフレアスカートとレギンス。色は灰や茶系統の地味カラー】
【年の頃は中学生くらいでしょうか】

「よ、っと」

【誘導制御タイプの魔翌力弾を一個だけ】
【目を閉じた状態でいろいろ動作させているようです】
【つきだした左手にぶら下がった、妙に凝ったデザインの振り子が、
 誘導弾に併せてくいくい動作しているところまでバッチリ目撃可能ですね】
【どうやら、同じ朝練組のようです】
【結構集中してるけど、見てるうちに振り子が柊崎さんに反応を示した時点で
 誘導弾は方角を見失ってミナの頭にごっつんこしてたんこぶ発生です】
【場合によっては、そのあと恨みがましい目線が向けられます】
341 :フォルリィア [sage]:2015/03/26(木) 22:35:09.60 ID:0h4QyB7Y0
【薄暗く青い月明かりが街を照らすそんな夜。ある魔法少女は誰かから必死に逃げていた。彼女の名前をA子としよう】
【A子は魔法少女になってからまだ二ヶ月程しか時を得ていない。しかし、彼女の精神は"普通人"以上に貪欲であり、他の魔法少女よりも星のカケラに対する独占欲が高かった為、その少ない期間の間に二桁の数の星のカケラを手に入れていた】
【しかし星のカケラは、まだA子の願い全て叶える為に必要な数が無かった。A子はその"普通人"以上の貪欲ゆえ、纏めて願いを叶えるつもりだった】
【A子が使う魔法は"テレパス"という使い方次第では、非常に強力な魔法だった。この魔法のおかげで彼女は此処まで星のカケラを集めることができ、同時に自分の貪欲さを気付かぬうちに高めていた】
【テレパスを使えば、魔法少女だろうが普通人だろうがその精神構造を覗ける彼女は、ある種の優越感に浸っていた】
【誰もが絶対に見せたくないそのプライバシーを意のままに覗ける彼女はその精神構造も思考パターンも全て数式的、図式的に見れた為に、誰も私には敵わない、と無意識のうちに錯覚していた】

あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは────

【無邪気な笑い声が禍々しい結界《フロル》の中に響き渡る。A子は自身の魔法であるテレパスを今日という日ほど恨んだことは無かった。A子は今日という日ほど自身の貪欲を恨んだことは無かった。テレパスが無ければきっと貪欲にはならなかっただろう──貪欲で無ければもっと早くに願いを叶えただろう──テレパスで無ければきっと錯覚なんて──錯覚が無ければきっとこんな状況には────】
【耳を塞ぎ必死にその狂気の笑い声を遮断しようとするがテレパスによりその笑い声も狂った精神構造もプライバシーも全て流れる様に自身の中に侵入してきた】
【異物が内部に浸透する度に激しい吐き気に襲われた。混乱するA子に最早魔法を制御する術がなくテレパスの窓を閉じることは出来なかった】
【破壊された全ての星のカケラを思い出しては後悔し、なにか考えれば狂気が侵入し、何も考え無ければやはり狂気が侵入し、もうA子に逃げ道は"死"しか無く、幼い少女フォルリィアによる玩具の破壊行為が彼女の最後の救済となった】
【肉片が赤紫色の結界内に飛び散った。唯一原型を留めている顔面には赤い切り傷が目の下にあったが今までにないくらいの幸せに満ちた表情を浮かべていた】

あ〜あ……壊れちゃった。

【そう言ってフォルリィアは顔を掴むと地表に埋まる幾万の人形同様、それを埋め込むと結界内に入ってきた魔法少女がいないか探した】
342 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/26(木) 22:40:56.98 ID:bb6hQrLmo
>>339
「そ、そりゃあれだよ。違法ってのはつまり……そう、万引きで」

次から次へと口から出任せ。もはや、一姫自身も何を言っているのか分かっていない。

「その……あれだ、万引き少女が店長に捕まって、警察には言わないで何でもしますからって……」

やがてそれは言葉通りいかがわしいものに変わっていく。

「って!なに言ってんだあたしは!?」

暫く話した後、やっと冷静になった一姫は顔を真っ赤にし、再び自身にツッコミを入れた。

「いや、違う!別にあたしはそういうビデオに興味がある訳じゃない!!」

そして、必死に言う。興味が無ければ無意識にこんな話しないと思いますがねぇ
343 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/26(木) 22:52:59.95 ID:S5Wd4RVUo
>>340

休憩も終わり、そろそろ魔法の鍛錬を行うための結界を展開しようか――――そんなことを考えていると。
結界が発動しない。なんでだろう、考える事数十秒、ようやく既に別の結界が貼られているという結論を叩きだした。
本来ならば一瞬で気付きそうなものだが、陽菜子は探知の魔法すら使えない未熟者なのである。

「え、と………」

他の魔法少女がいる、そのことに少々戸惑いと驚きを覚えながら、恐る恐る貼られていた結界へと侵入を試みる。
そして其処にいた一人の少女へと視線を向けた――――飛び交う誘導弾、それをぼーっと眺めていると。
ペンデュラムが陽菜子に反応して、其れが原因なのか誘導弾が少女の頭に激突した。

「えっ…………」

自分が原因なのか、もはやかける言葉すら見つからず。
恨みがましい目線を受け止め、困ったように苦笑いを返した――――。
344 :如月 千寄子 [sage saga]:2015/03/26(木) 22:53:37.30 ID:Vsw9R+nP0
>>338>>326>>328>>338

――心の奥底、一番深いところから、嫌なものがどんどん溢れてくる。考えるだけで、胸の奥に氷のナイフを突き刺したような、いや、もっと、現実に似て容赦がない。
気付けば私は、いつのまにか私自身の武器を放り投げて、しかも憎らしい害敵の前で、醜い顔を晒しながら泣き喚いていた。

見たくないのだ。私が、本当は何を思っているかなんて。

現実を曝されて、いつもみたいに誰かのせいにして逃げようとして、ヒステリーを起こしてしまいたくなるけれど、なぜだか今はそれができなくなっていた。
そうやって、見たいものだけを見ようとしている自分が、とても情けなく思えてくるのだ――だから、私は、泣いていた。でも、いつかみたいに一人で泣いているわけじゃ、ない。

「……ごめん、なさい……っ、はぁ……すぅっ、……はぁっ……」

こんな情けない私を抱き締めて、赤ん坊をあやすみたいに背中を撫でながら、優しく微笑んでくれる人がいる。
高辻先生。高辻狐花先生。私にお礼をしてくれると約束してくれた人。私を受け止めてくれている人。私を、きっと、認めてくれている人。
彼女の言う通りに、私は深く息を吸って、吐いた。力が抜けて行く。ぐちゃぐちゃにかき混ぜられた頭の中が、お風呂のお湯から湯気が上がるみたいに、少しずつ静まっていく。
「……だい、じょうぶ」目に力が入らない。微睡んでいるみたいで、もしかしたら少し虚ろに見えているかもしれない。
私の何がいけないのか。私の何を是正すべきなのか。私は、どうすればもっと、認めてもらえるのだろうか。
考える、考える。ふと視界の端に、雷と思しき閃光が見える。ああ、あの知恵遅れのしたことか。でも大丈夫、コバ姉さまがいる、それに私はきっと――――。

――――私は、漸く一つの結論を出した。
そこに一つの銃声が重なって、私はどうにかコバ姉様の身体から立ち上がることができた。

「明花、かいちょ、ぅ……」

倦怠感はどうしようもなく振り切れず、一眠りしたあとの充足感のように、私の身体を蝕んでいた。
だが、だが、それではいけないのだ。放り捨てた注射器に、手を伸ばす。それを依り代にして、今度は私だけの力で立ってみせる。
隣にいるのは、会長の取り巻きだろうか――いずれにせよ、彼女らに嫌われては、私の結論を実現することはできない。
呻くようなか細い声と共に、私は「魔法少女」に向き直る。交戦の意思表情に他ならない。もう、私がやることは、ないのかもしれないが。
345 :パメラ [saga sage ]:2015/03/26(木) 22:56:32.32 ID:3CvNZOyAO

【カフェ「とれみぃ」】
【アンティークな雰囲気を醸し出しながら】
【しかし、店の中央にあるドリンクバーその他諸々が色々台無しにしており】
【また、店内は閑古鳥が鳴いていた】

……ふあぁ……眠いですねぇ

【……カウンターの隅、欠伸をしながら眠そうな少女が一人】
【長い銀髪に、紫のメイド服を着た彼女は、店主のパメラ・レジエルである】

……なんですかぁ、最近は物騒なので見回ってるんですよぉ?
……はぁ、貴女は真面目過ぎるんですよぉ…他の子達はもう少し緩く過ごしてますよぉ?

【カウンターの内側にはもう一人、栗毛色の髪をポニーテールにしたバイト魔法少女がおり】
【ちゃんと仕事してください、的な視線を向けられたが】
【パメラは半目で抗議】

【……さて、こんな店ではあるが】
【客は、訪れるだろうか……?】
346 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/26(木) 22:59:55.99 ID:5uQPnxMF0
>>342
ほほぅ?
そういうビデオとは一体どんなビデオなのだ?
はっきりどんなビデオか言わないと私にも分からないなぁ〜

【戦闘の時よりも楽しそうにナイトロードは続ける】
【戦闘の時よりもイキイキしていて本当に楽しいようだ】

ほれほれ、どんなものか言ってみろ
一体どんなビデオなのだ?

【もうその笑いを隠しもしないでニヤニヤと一姫へと執拗に迫る】
【最早目の前の一姫が魔法少女だということはすっかり忘れている】
【日頃の鬱憤を晴らすための嫌がらせと一姫が知ったら溜まったものではないだろう】
347 :上田美奈 [sage]:2015/03/26(木) 23:03:32.86 ID:Qh3InXyXO
>>343
【目が会うこと数秒。地味系は自分がどんな目線だったかようやく気がついた】
【ちょっと目をそらし。バツが悪いとはこういうことという見本】

「いや、えぇ、私が下手くそなのが悪いのです、はい」

【だから気にしないで!という必死のアピール】
【頭にできたたんこぶだって、全部自分のせいなのです】
【今更ながら、これすごく痛い】

「入ってこられるってことは同業者さんですか。
 えーと、おはようございます? 本日はお日柄もよく ってこれは違うし」

【必死で話題をそらす姿が別方向でいたいのは仕様です】
【地味な練習部分を公開しちゃったのもあれだけど、やっぱりミスって自分を撃墜は
 ちょっとどころじゃなく恥ずかしいのです】

「えーと、えーと、暖かいお茶を出しますので、今日のコレはどうか内密に〜〜」
348 :クウ [sage]:2015/03/26(木) 23:06:29.38 ID:hIQQF0cz0
>>329
【差し出された買い物袋をはむっと咥え、ご機嫌そうにぱたんと尻尾を振る】
【無事大切なものが帰ってきた事に安心したのだろう、子狐の安堵の表情は金色の尻尾に出る】
【しかし使い魔という単語が口から飛び出せば、ぴんと獣の耳を張って抗議の姿勢】

『むっ、おいらは使い魔じゃないぞ!』
『ミヤがおいらを使役してるんじゃなくて、おいらがミヤに力をあげてるんだ!』

【自身の契約主の名を零しているのにも気がついていないあたり、余程譲れないところなのか】
【ふんっと小さな胸を張っているのを見るに、情報の漏洩を気にしていないだけであろうが】
【風利が魔法少女である事が既に露呈しているにもかかわらず態度を変えようとはしない】
【それは子狐とその主が、魔法少女に対して好戦的ではない事を暗に示していた】

『フーリか、よろしくな!おいらは月尾神社ってとこに住んでんだ』
『なんかあったら来いよ、相談に乗ってやる!』

【言い直した様子に気がつく事もなく、元気よく相手の名を復唱】
【ついで伝えるのは自身が住まう神社の名前。もはや素性を隠そうともしていないのだろう】
【申し出に貸し借りのつもりはない。ただ困っている人を見捨てないのが子狐の主の方針なのだ】
【ふと空を見上げる。茜色はいつの間にか群青へと染まりかけ、一番星が瞬いていた】

『それじゃあ、おいらはもう行くな!遅くなったらミヤに怒られちまう』
『またなフーリ、今度うちに遊びに来いよ!』

【慌てたように目を見開けば早口に述べ、風利に背を向けて大通りの方へと駆け出す】
【途中一度だけ足を止めて振り返り、尻尾を振って空気を震わす事のない別れの挨拶】
【それが済めば再び前へと向き直り、人混みの中へと飛び込んでしまう】
【小さな子狐は雑踏に紛れ、あっという間に見えなくなってしまった】

//それではこれで〆させてもらいますね
//ありがとうございましたー
349 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/26(木) 23:09:29.33 ID:bb6hQrLmo
>>346
「し、知らねぇよ!そもそもあたしは無意識に言ってただけで!」

知らない、無意識だった。真っ赤な顔のままそれを連呼するも、ナイトロードはそれを聞き入れてはくれない。次第に苛立ちを覚える一姫。

「だから!知らないって言ってんだろうがっ!!」

ついには耐えられなくなり、魔法を発動してしまう。それは、炎の魔法。尤も、小さな火球だがそれだけでも一姫が魔法少女だということが一目でわかる。

「あっやべ!えーとこれは……」

慌ててそれを消すも、もう遅い。今更言い訳は無理だろう。続く言葉が出てきていない。
350 :金岡 こぶし [sage]:2015/03/26(木) 23:09:34.57 ID:F3I0ak5F0
>>338>>311>>328>>344

【なんとか両足の拘束を解いたところで顔の拘束も振り払う】

「うお!なんか変なのが増えてるんだぞ!」

【闇色の光弾を挟み蹴りで打ち砕くもその後に続く極光により胸元に深い傷を負う】

「ごはぁ!……なんなんだぞ」
「なんなんだぞこれ!」
「私は闇校で一番硬い体を持つ金岡 こぶしなんだぞ!」
「なんで常に正しいこの私がお前らみたいな悪党なんか…」

【その言葉が届く前に彼女に降り注ぐ神の裁きを思わせる光】

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

【轟音とこの世の物とは思えない悲鳴の後には深いクレーターの中心で辛うじて意識を保っている少女がいた】

「な、なんなんだぞ…お前ら」
「なんで……私に刃向かう悪党なのに………私より強いんだ…ぞぉ……」

【殆ど指を動かす事すら出来ない彼女が口にしたのは寧ろ純粋な疑問であった】

「なんで……常に正しい私が……こんな所で……私は………願いを叶えて…………最強になるのに……………」
351 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/26(木) 23:13:18.12 ID:S5Wd4RVUo
>>347

「あっ、えっと……おはようござい、ます?」

根が礼儀正しいのか、目を白黒させながらも小さく頭を下げて挨拶を返す。
状況がいまいち掴めていなかったが、だんだん理解が状況に追い付きはじめ。

「は、はいっ、私もその、魔法少女です」
「それで、その……ごめんなさいっ! 私のせいでミスさせちゃったみたいで……」

おそらくは自分が原因で操作を誤ったのだろう、そうでないにしてもミスの一端は間違いなく彼女にある。
自分に非があるならば、その割合が幾つであろうと謝らないと心地が悪い。
だから陽菜子は深く頭を下げて、申し訳無さそうに謝った。

「別に言いふらしたりなんてしませんよ、あんまり他の魔法少女とも会わないですし」
352 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/26(木) 23:22:16.67 ID:5uQPnxMF0
>>349
おぉっ!?
なるほど、炎魔法の使い手か

【一姫が火球を出したのに少しだけ驚いただけ】
【むしろ魔法の属性を確認して何やら興味深そうに見つめる】

あぁ、お前が魔法少女だということは最初の反応でだいたい分かったから心配は要らんぞ
第一私も魔法を扱う身だしな

【平然とした顔でナイトロードは言う】
【それを聞けば一姫が魔法少女だとわかっていることを隠して一姫反応を見て楽しんでいたということが理解できるだろう】

いやぁ中々面白い反応だったぞ?
暇潰しには楽しめた

【さらにそこに追い打ち】
【ここまで馬鹿にされたようなことを言われて一姫は黙っていられるだろうか】
353 :上田美奈 [sage]:2015/03/26(木) 23:27:41.03 ID:Qh3InXyXO
>>351
「うー、でもですね。うー……。
 じゃあ、ありがとうございます、かな」

【このパターン、気が付くと謝り合戦になりそうと思ったので自分から折れることにしました】
【実際問題、今のタイミングで相手が好戦的なタイプだったら、間違いなく先制されてたはずです】
【むしろ弱点を教えてもらったことを感謝するべきです】
【今、そう決めたのです】

「会わないなら、それはそれで平和かもしれませんよ。
 最近は、かけらよりもバトルが好きでこれやってる人も結構いるので。
 夜に高い空から見ると、結構いろいろ見えるんですよね」

【とりあえず、汗を拭くことにしたようです。魔法少女でも風邪はひきますし】
【ベンチのカバンからは、一緒に魔法瓶も出てきました】

「お近づきの印としてどうでしょう。お店のほうがよいのであれば
 一応この時間でも開いてそうなお店も知ってますけど」

354 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/26(木) 23:36:17.38 ID:bb6hQrLmo
>>352
「て、てめぇ!からかってやがったな!!」

弄ばれていたと知り、当然怒る。そして一姫は、足元に魔法陣を展開し、そこから青龍刀を取り出す。

「あと!あたしが使うのは炎だけじゃねぇぞ!」

そして、青龍刀の先端をナイトロードに向け氷塊を放つ。尤も攻撃というよりも、馬鹿にされた仕返しが目的なので、ピンポン球くらいの小さな氷塊だ。

「どうだ!氷も使えるんだぞ?驚いたか?」

そして、得意気な顔。
355 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/26(木) 23:41:03.85 ID:S5Wd4RVUo
>>353

「へぇ、そうなんですか……そういえば私も、この前他の魔法少女と戦いました」

つい先日この公園で出会った魔法少女と、命を懸けて死闘を繰り広げたのを思い出す。
背が低く華奢、どう見ても好戦的には見えない陽菜子だったが。
この前魔法少女と削り合い、そして星のかけらを使わなければ死ぬというところまで追い詰めれた。

「あ、じゃあ折角だし頂きます」

ちょうど走ってきた所で喉も乾いていたし、お茶の誘いに乗ることにする。
生憎と持ち合わせが無いため、お店ではなく此処でごちそうになるつもりのようだ。
356 :藤宮明花 [sage]:2015/03/26(木) 23:43:10.97 ID:oqjsCoiFo
>>338>>344>>331>>350
「―――――――――――― それでこそ、黒百合学院の生徒です」

彼女等の意思は。『生徒会』へと従うと言う意思は、確りと受け取った。
ヘレネを従えて現れた藤宮明花は、満足気に頷いて、猟銃の槓桿を引いた。甲高い音を立てて青色の空薬莢が跳ねて、魔翌力の残滓と消えていく。
高辻狐花、如月千寄子。彼女等の下へと歩み出す。黒百合学院生徒会長藤宮明花が彼女等に向ける表情は……ただ小さな、生徒会長としての労いの言葉だった。
不法侵入者への対抗。高辻狐花の"教師"としての行動。その他にも様々な要因が積み重なった――――――――― が、その中での大半を占める物とすれば、やはり。



この黒百合学院生徒会会長、藤宮明花へ肯定の意思を示した事である。



それでいい。全ての魔法少女はそれが最低条件であるべきだ。それこそが最も正しい事で、"頂点"である自分へ傅く事で。彼女達は"優等種"足り得るのだ。
認めよう、彼女達は"魔法少女"である、と。認めよう――――――――― 彼女達が、魔法少女の絶対管理者。黒百合学院"生徒会"の一員である、と言う事を。
彼女の、金岡にかける表情は穏やかな物だった。プラスの方向性では無い――――――――― 見下しているからこその、"自然と漏れ出る笑み"だった。
猟銃の銃口すら下げて、諭す様に語り掛け。

「常に正しいのはこの私。私こそが絶対権限。貴女のような"劣等種"とは、私は違いますから、私達は違いますから」

「……そうですね。今度はもっと、"まともに"生まれ変われると良いですね」



「―――――――――――― ヘレネさん。"処理"を」



管理された世界へと向けて。"資格の無い魔法少女"は全て"処理"しなければならない。
傍らに立つ、ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタインへと向けて。"この侵入者の完全なる抹消を依頼する"。
357 :上田美奈 [sage]:2015/03/26(木) 23:47:57.59 ID:Qh3InXyXO
>>355
【魔法瓶の中身は、あったかいほうじ茶でした。あつあつでないのが大事なところです】
【振る舞う本人はもう一つプラスチックのカップ出してるので心配いりません】

「いきなり狙われるのは怖いし、探知系は常時動かしたいんですけど
 こういう時は不便なんですよねぇ……。
 気がついたそのままぶつけて、喧嘩になるのも大変ですし」

【朝っぱらからのんきなお茶会してる割に話題がシビア】
【別におごりでもよかったのですが、そこはそれ】
【あまり裕福ではないほうなので、ここで一杯のほうが財布が楽です】

「あー、忘れてました。ミナといいます。上田美奈です。
 江風の中学校のほうに通ってます」
358 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/26(木) 23:49:21.54 ID:5uQPnxMF0
>>354
氷か
なら私と同じだな

【ナイトロードが手を横に振るうと周りに黒い靄のようなものが集まりやがて黒いマントを形造りナイトロードはそれを翻す】
【その行動で一姫が放った氷塊は簡単に払われる】

その武器の形…青龍刀か
なるほどなるほど、接近戦も可能というわけか

【ナイトロードは一姫へと攻撃はして来ない】
【馬鹿にしているのかただ単に戦闘をする気が無いのか】
【どちらかは分からないがナイトロードは不敵に微笑みながら話し出す】
【その口元には鋭くなった八重歯が少し覗いている】

さぁどうする?
馬鹿にされた腹いせに私と戦うか?
それともここは平和にやり過ごすか?
それともこの場から逃げ出す?さぁどうする?

【今から一姫がどのような行動に出るかをまるで見定めるようにナイトロードは一姫を見つめる】
【その様子はまるで初めての物に興味津々な子供のようだ】
359 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/26(木) 23:57:34.03 ID:S5Wd4RVUo
>>353

魔法瓶に入れられたほうじ茶を受け取り、口をつける――程よい温かさが、喉を通り抜けた。
走り終えた後は冷たい飲み物が欲しくなるが、少し身体が冷え始めていた陽菜子にはちょうどいい。

「私なんて探知魔法使えないから、奇襲は身体を鍛えて一発目は耐えるしか無いんですよね……」
「それか感覚を研ぎ澄まして……こう…………」

陽菜子には魔法の才能がない。汎用魔法すら使えず、魔具が無ければ結界と治癒しか使えない。
圧倒的な魔力によって強引に其れ等を補っているが、殴ることしか出来ない辺り器用さは欠片も無い。

「江風中学校! わたしも江風中学校に通ってるんです!」
「あ、私、柊崎陽菜子っていいます、よろしくお願いします!」
360 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/27(金) 00:06:39.96 ID:mo2hyHgro
>>358
「余裕もってられんのも今のうちだけだぞ!」

そう言うと、周囲に結界を張る。結界の範囲は狭い、接近戦でいくつもりだろうか?そして、変身。中華風の鎧に身を包んだ。

「くらいなっ!」

まずは先程より大きい、野球ボールくらいの氷塊を連続で放つ。無数の氷塊がナイトロードに向かう。
361 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/27(金) 00:06:49.59 ID:3aiX0UrpO
>>338>>344>>350>>356
この場に存在する黒百合学院の生徒全てが、生徒会に賛同した。
それはつまり、この場の全員が金岡の敵になったという事だ。
元より当然か。命が惜しければここでNOと言うはずもないし、黒百合学院の実態については彼女達は熟知しているはずなのだから。
しかしこれで良い。どちらが自らの得になるか、大局の判断が正しくできる者なら間違いなくこの選択をするはずだ。

「……えぇ、仰せのままに。生徒会長様」

まだ息のある金岡の元に歩み寄る。侮蔑と嘲笑を混じらせた下卑た笑みを浮かべて、金岡を見下す。
杖には既に光線の発射の準備ができている。

「で、何か言い残す事はある?ないね?ないよね?wwwww蛆の言語なんて誰にも分からないし聞いても無駄だし、まあ良いか別にwwww
まあ、精々自分の浅はかさを呪うんだなぁーwwwwwwざまあwww死ねwwwwwww」

そうして、無慈悲にも光線は発射される。
このまま行けば、光線は金岡の胸を貫くだろう。
だが、もしも、金岡が星のかけらを所持していればあるいは――――――
362 :上田美奈 [sage]:2015/03/27(金) 00:09:13.98 ID:NaxujejCO
>>359
「あ。これは嬉しいかも」

【まさかの同じ学校。しかも同級生っぽい雰囲気】
【発育不良っぷりもお互い様。】

「反射神経とかそういうのにはまったく自信がなかったので
 基本的に先に見つけて逃げ道確保してから、ですねぇ。
 見ての通りの身体なもので」

【下手に触ったら折れそうとか言われる細腕です】
【もうこれで肉弾戦とか完全に無理があるということで、後衛スタイルです】
【魔翌力量は人並みだけども、操作方法の習熟にはそれなりに才能があるっぽいのかな】

「ずーっと、威力足りないなーと思ってて、足りないならせめて狙った場所に当てようというのが
 さっきの真相なんですよね」
363 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/27(金) 00:17:06.52 ID:hdlT1isd0
>>360
結界を張ったか
ならこちらも戦わせてもらう!

【ナイトロードのマントが揺らめく】
【そしてそれを大きく翻しナイトロードは自分の目の前へと氷の魔翌力をイメージする】

氷楯よ!私を守れッ!

【ナイトロードが叫ぶと同時に目の前に氷の楯が生まれ一姫の氷塊はそれによって防がれる】
【そしてすぐさま次の魔法の準備をする】
【相手に攻撃の隙を与えず接近させないためだ】
【次は闇の魔法】
【ナイトロードの周りに小さな黒い球体が数個浮かぶ】

行けッ!闇の爆氷ッ!

【そしてそれを凍らせ一姫の元へと飛ばす】
【そして一姫のすぐ近くまで近づいた瞬間それらは中の闇の球体が爆発し付近にダメージを与えるだろう】
364 :高辻 狐花 @黒百合学院 [saga]:2015/03/27(金) 00:19:13.38 ID:8HSMWpYko
>>344>>350>>356>>361

身体と精神を緩慢と貪り喰らい尽す蠱毒を甘受し、過去の桎梏に囚われ、懊悩に頭脳を揺らされ、地に伏しそのまま死に行くのが必然
人間は皆等しく臆面もなく、苦渋は何時の日か時間が解決すると考えている
だがそれでは打ち止めなのだ。成長しない。人は贖罪を忘却に追いやり、反省する事は無い
だからこそ、今高辻がその機会を与えたのだ。過去を顧み、自らの武装とするのは、歴史と叡智を手にした人間の特権
少女は、助けられながらも、手を差し伸べられながらに立ち上がり、その己の両足で地面を踏み抜いた
少女は、この一瞬の間に、より強く、より強かになる過程を一歩突き進んだ
高辻の持つ固有魔法、カラドリウスの効果の一つでもある。だが、それ以上に、大きな壁を一つ乗り越えた、という功績が、彼女自身を肯定する、大きな大きな誇りとなったはずだ
その両足で、よろめきながらにも、一貫して自分の力で立ち上がりきった彼女の頭をぽん、と優しく叩けば、高辻は身体中に廻り跳ね回る様な力を右手に集積し

「貴方は良くやった、けど、まだやれるんじゃない? って……」

会長の、凛とした声が、騒々しい灰色の女の声を断ち切った
憐憫の情は寸毫も見当たらない。何故なら、彼女は崇高なる黒百合学院生徒会に歯向かった
その時点で、彼女に対する感情を一切持ちえなかった。獣を殺す感覚と似ていたのかもしれない
会長の号令と共に、高辻は少女の手を取ろうとした。横並びになって、灰色の女の生末を眺めていようと、そう促すつもりでいた

「私も、もう良いか」

高辻の帯びていた魔力が、吐露した諦観と共に希薄になっていく
折角手に入れた固有魔法だが、生徒会長が命令したのはあくまでヘレネと呼ばれる少女だ
私が出しゃばる余地は無いだろうと、少女から取り入れた固有魔法を解除した

「貴方、名前は?」

ヘレネの大笑いと、眩い光が場を切り裂く中、高辻は少女の名を訊いた
将来星の欠片が集まれば、この子を私のハーレムに加えようと、心の中で画策して

「それで――――生徒会長、いえ、明花様」

名を訊いた後で、高辻は翻って会長へと首を垂れる

「私、高辻狐花は、貴方様率いる黒百合学院生徒会に入会させていただきたく――――」

堅苦しい儀礼染みた言葉と共に、生徒会の顧問にしてほしいとの由を会長に告げる

「……という訳です。
それで、この子も、この子が入りたい、というのなら、この子にも生徒会役員の座を与えてやってくれませんか」

少女の方を一瞥して、許しを請う
会長は、許してくれるのか
そして、灰色の女の安否の如何は――――
365 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/03/27(金) 00:25:14.91 ID:6ED9ZuaOo
>>362

「私も運動とか本当苦手なんですけど……その、魔具が手甲型で殴るしか出来なくて」
「だからこうしてランニングとかして、身体を鍛えてるところなんです!」

運動はできないが、彼女には他の選択肢が無かったため鍛えるしか無かった。
とはいえ鍛錬の成果がうまく出ているとはいえず、陽菜子の身体能力ははっきり言って並以下である。

「なるほど……威力が低くても急所に当てれば有効なダメージを与えられますからね」
「私の場合、ガードとかも全部正面から壊すような戦い方しか出来ないから尊敬しちゃいます」

攻撃力一辺倒の正面突破、其れこそが柊崎陽菜子の戦い方であり其れ以外の戦い方は性能的に出来ない。
膨大な魔力量と攻撃力特化の魔具、其れ等を考慮すればこの戦闘スタイルは適切なのかもしれないが。
陽菜子の温厚そうな見た目からは、正面突破は想像も出来ないだろう。

「…………あっ、ごめんなさい。私もういかないと」

どうやらこの後用事が在るらしく、おちゃごちそうさまでしたと礼を言いカップを返すと。
そのまま結界を出て帰ろうとするだろう。学校が同じで学年まで同じなのだから今後会う機会もあるだろう。
春休みが明け、三年生になったら顔を合わせることも在るはずだ――――その時を、今は楽しみに待つことにする。

//ごめんなさい、眠気が限界なのでこれで〆という事でお願いします……!
//絡み乙でした!
366 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/27(金) 00:31:33.49 ID:mo2hyHgro
>>363
「くっ……出てこい!大盾!」

近づいてくる球体を見て、すぐに魔法陣を展開。そこから大盾を召喚する。それにより、爆発を防ぐ。

(氷と闇の魔法か……闇はともかく、氷ならば……)

盾の後ろで一姫は思考する。氷が相手なら、炎を使えばいいと。そこで、火球を再び使用。最初に見せたものよりも、大きいサッカーボール大のそれを盾の後ろから投げつけた。しかし、相手が見えずねらいが甘い。命中率は低いだろう。
367 :上田美奈 [sage]:2015/03/27(金) 00:35:09.51 ID:NaxujejCO
>>365
「当てれれば、なんですけどね。
 苦手なのに手甲型とはなんというか、渋い趣味をお持ちのようで」

【誘導弾はまだ練習が必要そうな感じです】
【少なくとも、索敵を疎かにしないで使えるようにならないと危なそう】
【むしろなんで手甲型なんだろう、とちょっと首をひねる感じ】

「春休みは、また練習してると思います。
 今度、一緒にやりましょう!!」


//
お疲れ様でした
ちょうどよいタイミングで助かります
368 :姫扇園華 [sage]:2015/03/27(金) 00:47:57.26 ID:od13Wl550
>>345

「ふ……私もとうとうカフェデビューか。思えば長かった……。生まれてこの方、ゲーム漬けだった私はお洒落度皆無、カフェテリアなんて死ぬまで──いや、死んでも行かない場所だと思ってたけど──」

 この子の名前は姫扇園華ちゃん!年齢は17歳の高校2年生!私服よりゲームソフトの方が所持数多いJK!
 生まれてこの方、カフェなんてお洒落な世界に踏み入ったことすら無い彼女は、なんと天地万物ありとあらゆる物を粉砕するその柔肌に包まれた右手でカフェとれみぃのチラシを掴んでいるぞ!
 一体彼女は誰からそのチラシを貰ったのか、それはこのカフェで働くパメラ・レジエルからだったのだ!何故なら、彼女は以前パメラと軽い模擬戦をした仲なのだぞ!
 カフェに入ることを恐れていたのは、知らない世界だから、という理由が大きかった彼女にとって未知の異界に知り合いがいることはつまり、全く知らない田舎でセブンイレブンを見つけたくらいの安心感があるのだ!

「いやぁ、やっぱりなんだかんだ生きてるうちにカフェには行くべきだよね、うん。私はほら、別に怖かったとかじゃなくて、ただ積んだゲームをやってからノンビリ行こうかなって思ってただけで、怖かったからとかそんなんじゃなくて、機会が無かった的な──」

 彼女の座右の銘は《未知恐ることなかれ》、え?じゃあ彼女は何故入らないかって?HAHAHA、そんなこと聞くなんて野暮ってもんだぜ!!
 だが彼女はビビっていることは確かだ!
 パメラから受け取ったチラシは既に汗ばんだ手によりグシャグシャのぐしょぐしょ、足はガクガク、額からは汗が滝の様に
 無駄に前置きすることでカフェに入る為の心の準備をしているのだ!
 まぁ、店側からすれば店の前で制服を着た女子高生が立っているだけならなんとも思わないだろう!
 しかし、彼女は魔法少女!震えすぎた足によりとれみぃが揺れているぞ!
369 :如月 千寄子 [sage]:2015/03/27(金) 00:49:28.70 ID:/FjRu1tsO
>>350>>356>>361>>364

杖代りをついていても、少し気を抜いただけで身体は倒れそうになった。でもその時、コバ姉様が私の肩に手を置いてくれた。
柔らかい指先から、温かいものが流れ込んでくる。コバ姉様の体温だけじゃない。多分、肉体強化系の魔法に近い。
吹き飛んでいた眼帯を拾い(ああ、既に結界の血で真っ赤だ)、軽く血を絞ってもう一度付け直す。眼鏡も、一緒に。

「……はい、やれます。まだ、きっと、やってみせますから……」

「……期待して、ほしいです。私が、私であるために」

少し、失礼だっただろうか? だけどそれでも彼女は、コバ姉様は、きっと私にまた微笑んでくれるだろう。
にしても、耳障りな高笑いと情けない呻きだ。会長の一声がなければ、とても聞けたものではない。
侮蔑を込めた、睨め付けるような目線を、あの灰色と馬鹿笑いの魔法少女(ヘレネ、と言ったか)に向けて――もしかしたら、気付かれたかもしれないけど。
でも、コバ姉様が結界を解き、私の手を取って、無様な闖入者の行く末を見届けてやろうとおっしゃるのなら。私は、喜んでそうしよう。
ふぅ、と息を吐いて、変身を解く。そうすれば、いつもの私だ。ブレザーにロングスカート、右目に眼帯。赤縁眼鏡の、陰気で地味な一女生徒。でも、きっと私は変われたはず。

「……は、はい! えっと……如月、千寄子です。
 改めてよろしくお願いします、高辻先生」

コバ姉様に、名前を訊かれる。……とても、嬉しい。きっと彼女は、いや絶対に、私のことを認めてくれる。それが、多分嬉しい。
えへ、と、年若い初心な少女らしく、努めて清楚に微笑んだ。こういうことを、望んでいるのだろう。私も、そうしたい。


「…………ッ、………………」

そして私は、コバ姉様がしたのと同じように、生徒会長へと一礼する。
姉様が、何か挨拶をなさっている。私はあんな風につらつらと言葉は紡げない。半ば俯いたまま、何か言わなければと思うけれど、思考の欠片をいくら掻き集めても結局捨ててしまって話せない。
そんな時にも、姉様は機転を利かせてくれた。私の方を一瞥して、姉様から私を会長に紹介していただいたのだ。

「あ、あのっ……ッ、私からも、生徒会役員を、希望させていただきます……ッ」

すっかり緊張しきってしまっていたけど、変な言い方にもなってしまったけど、どうにか言葉にして伝えることはできた。
真っ直ぐに、それでもどこか不安げに、会長の冷徹な瞳を見つめる――受け入れてもらえると、いいのだけれど。
370 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/27(金) 00:52:06.57 ID:hdlT1isd0
>>366
ちぃ…氷では防げん……
なら…!

【ナイトロードが呟くと地面から闇の刃のようなものが数本伸び火球を斬り裂く】
【伸びた刃はまるで触手のようにナイトロードの周りを蠢いている】

まずはその邪魔な大盾を消させてもらおう

【ナイトロードが手を大盾の方へと広げる】
【するとそこに氷の槍が現れる】
【力を一点に集中させ大盾を貫くつもりのようだ】

貫けッ!氷槍闇閃ッ!!

【槍が闇の魔翌力を纏い回転しながら大盾への迫り来る】
【その勢いは果てしなくこのまま大盾を貫通しそのまま後ろにいる一姫まで届きそうな勢いだ】
371 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/27(金) 01:02:18.76 ID:mo2hyHgro
>>370
「くっ!?大盾がっ!?」

音をたて、大盾に風穴が空く。そして、その後ろの一姫へと槍は迫っていく。

「まだだっ!!」

このままではマズイ。そう思った一姫は、盾を捨て、片手で持っていた青龍刀を両手に持ち直す。そして、槍を受け止める。だが、大盾を貫く程の威力。青龍刀も長くはもたないだろう。だが、一姫にはまだ策があった。

「くっ!やるじゃねぇか!だけど、その槍も氷だろ?だったら――」

それは、青龍刀に炎の属性を付与すること。これで槍を溶かそうという作戦だ。

「こいつで溶かしてやる!!」

青龍刀が真っ赤な炎を纏う。
372 :パメラ [sage saga ]:2015/03/27(金) 01:08:27.39 ID:oRYQEksuO

>>368

……ん?

【カウンターに寄りかかり、惰眠を貪ろうとしたその時】
【何故か感じる震動】
【そしてなんか感じたことのあるような魔力】
【皿とか色々カチャカチャ鳴り始めて】

……あー……あの子ですかぁ

【若干イラッとしながら外を伺えば】
【見えるのは制服を着た一人の、見覚えある少女】
【パメラは少し考えて】

……ちょっとあの子何とかして来て下さいよお
大丈夫ですよぉ、スピカの全力砲撃に耐えられるならそこそこ渡り合えると思いますからぁ

【それって死にますよね】
【何てニュアンスの返事をされるが、手をひらひらさせて誤魔化す】
【そして、ため息一つついて億劫そうに立ち上がると】

……何やってるんですかぁ、店の耐震検査なら済んでるんですがぁ?

【ガチャっと、入り口を開けて】
【何だかもういっぱいいっぱいの少女に対して話しかけるだろう】
【そして、園華が落ち着きを取り戻して、一歩店内に入ったならば】
【怠そうな表情から一転、満面の営業スマイルで】
【いらっしゃいませー!、なんて言う筈だ】

373 :金岡 こぶし [sage]:2015/03/27(金) 01:10:44.07 ID:bcZdKrxV0
>>356>>361>>364>>369

「だまって聴いてりゃあぁ…」
「良い気になりやがって!」

【既に虫の息、体を肉体強化の魔法で無理矢理生かしているような状態でなおその瞳に一切の絶望の色は無し!】

「てめぇらの……意識や趣旨ど知ったことかぁ!」
「うぉらぁっ!」

【飛来する光弾を左腕の裏拳で弾く、が…】

バキィィン

【今まさに消え行く命の燭(ともしび)から作り出せる魔法でいなしきれる筈も無く砕け散る】

「ぐぁ!」
「つうっ!はぁ…はぁ…」
「見渡す限り敵しかいねぇ…」
「魔翌力も殆どスッカラカン…」
「自分の正しさは否定された…」

【そこで大きく息を吸い込む】

「それがどうした!!!」
「んなもん『いつも通り』だろ!!!!!」
「私には自負があるんだぞ!」
「お前らみたいな悪党に殺されるぐらいなら!!!!!」

【僅かに残ったその魔翌力、残った命を全て燃やし尽くす程の自負心】

「せめて最期に盛大に嫌がらせをして散ってやるんだぞ!!!!!!!!!!!!」

【地響きと共に全ての魔翌力が心臓に集中し臨界点を超え一気に鋼の体を内部から音速を超える速度で弾き飛ばしながら高温高圧で解放される】

「この身体が朽ち果てようとも!!!!」
「私の偉大なる魂は常に絶対の正しさと共にありぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃゲホッ」

【そして少女の所有していた二つの星のかけらと勝手に雷のメリケンサックと読んでいた雷の意匠を施した雷の魔翌力を帯びたメリケンサックが生徒会長の元へ飛んでいくのであった】
374 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/27(金) 01:13:20.89 ID:hdlT1isd0
>>371
確かに槍自体は氷だ
炎を使えば溶かすことも出来るだろう
だが……

【炎を纏った青龍刀は確かに槍を溶かし切った】
【しかし大事なことを一姫は忘れている】
【槍には闇の魔翌力も乗せてあるということを】

闇の魔翌力はどう処理するのだ?

【氷槍を支えとしていた闇の魔翌力は行き場を失いその場で爆発する】

【もしそのまま回避行動を取らずに至近距離からの闇魔法の爆発を喰らえばひとたまりも無いだろう】
375 :姫扇園華 [sage]:2015/03/27(金) 01:33:42.62 ID:od13Wl550
>>372

「あっ!ひゅっ!?」

 ガタガタに震えた彼女はまさに歩く天災!
 でも、そんな彼女でも乙女なんです!
 汗ダラダラで涙目の情けない姿を知り合いに晒すのは少女の生き恥に他ならない!そしてそんな姿を今まさに知り合いというか顔見知りというか微妙な関係のパメラに見られた彼女は焦りと驚きにより、声にならない声を空気の無い肺から無理やり出した様な声で返事をした。


「い、いや……えっと……すいません」

 羞恥心が余裕の無い園華の心を更に支配する!園華は最早焦りと恥と緊張の三種の心肝により悟りの領域に突入した!
 悟りの世界に突入した彼女はただ無表情で自分の生き恥を認め、さらなる高みを目指し謝罪をした。
 もっとも謝罪をした瞬間、悟りなんて大層な精神的概念は忘れ去ったがな!
 だがそれは同時に園華の心に余裕が出来たことに他ならない!なによりの証拠に先程までの揺れが収まっているやったね!

「お、お邪魔しましーす………?」

 落ちついたがやはり緊張はする。いや、落ちついたからこそ緊張するのだろうか──。
 ややおどおどしながら、カフェとれみぃの店内へと足を一歩踏み入れた。
 店内へと入った園華へと向けられた社交辞令的歓迎の言葉を聞いて、カフェの場合どう返せばいいのか、とか、パメラの表情がいきなり変わったこと、とか、そもそもカフェは初めてなのでここの内装は洒落乙なのか、とか様々な疑問を抱いた園華はとりあえず一言お邪魔しますと言って、この後自分は何処に座ればいいのか分からないので無言で突っ立った。

376 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/27(金) 01:36:02.85 ID:mo2hyHgro
>>374
「ぐはあっ!?」

氷の槍は溶け、水溜まりへと変わるも、やはり闇の魔法には対処が出来ず、爆発に直撃する。鎧を着こんでいるとは言え、人たまりもない威力。反撃をしようと青龍刀を強く握りしめ属性を付与するが、爆風によりそのまま吹き飛ばされ、持っていた青龍刀は一姫の手を離れ宙を舞う。

「く……あたしの負けだ……」

地に伏せ、負けを認めた――かに思えたが、一姫はまだ諦めていなかった。一姫には最後の策が残っていた。

(なんてな……)

最後の策。それは、宙を舞う青龍刀だ。だが、ただそれだけでは攻撃にはならない。重要なのは、宙を舞う直前に一姫が付与した属性だ。その属性は雷。この戦いで一姫が一度も見せていない属性だ。そして、雷を纏った青龍刀が落ちる先は、恐らくナイトロードの足元に広がっているであろう水溜まりだ。先程の槍が溶けて出来たものだ。このまま青龍刀が着水すれば、水溜まりを通じナイトロードへと電流が走る筈だ。だが、気付かれて弾かれてしまえばそれまでだ。

(上手くいってくれよ……)

果たしてこの作戦は上手くいくのか?
377 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/27(金) 01:47:02.10 ID:hdlT1isd0
>>376
……終わりか

【ナイトロードは一姫が降参の言葉を言うと一姫の元へと近づいていく】
【その様子に戦意は感じられずただナイトロードは笑みを浮かべるのみ】
【一姫の作戦のことには気付いていないようだ】

その目、まだ諦めていない目だ
だが戦闘は終わりだ、これ以上続ける気は無い
それにこの前の傷口が開いている
もう私は戦えない

【そう言うと水溜りを歩き一姫の目の前へと立つ】
【月を背に立つその姿は美しく思わず見惚れてしまいそうになる】

結界の解除をしろ
まぁお前が私にとどめを刺したいならそれでもいいが……

【その間に青龍刀は僅か水溜りから数cmのところまで落ちている】
【作戦に気付いて居ない今のナイトロードになら青龍刀が地面に着いた瞬間に水溜りからナイトロードへと電撃が流れることだろう】
378 :藤宮明花 [sage]:2015/03/27(金) 01:51:47.12 ID:3pLjEUIto
>>361>>364>>369>>373
「……ヘレネさん。余り下品な言葉遣いはどうかと」

ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン。彼女へと最後の処理を命じたのは確かに藤宮明花であったが――――――――少し、その表情を、その笑みを。
ほんの少しだけ歪めて……とは言っても、その侮蔑と嘲笑に対して、怒りや殺意、等を抱いているという色は持っておらず。その言葉もまた、飽く迄諌める程度の物であった。
理由については簡単だ。自分よりも下位の人間に対して、幾らでも彼女は寛容になれる。
悪意や思想、という問題ではない。彼女にとってはその状態が"標準"であり。先ず彼女の最低限の前提として、"上位種"という意識がある。

「勿論――――――――認めましょう。今日より貴方達は"生徒会"の一員。
 この世界の魔法少女たちを管理する上位存在、全ての魔法少女たちに黒百合を咲かせる為に……ともに、頑張りましょう」

「ああ、もちろん。ヘレネさんも」

故に彼女は、自らへ頭を垂れる彼女達へと向けて―――――――――しっかりと、その手を握った。
彼女は常に他人を見下している。けれども、"誰かを認めることはある"。彼女達を、この生徒会に賛同する彼女達を、確かに"優等種"であると、認めて。
高辻狐花、如月千寄子両者へと。空いた左手を以て、一度ずつその頭を撫でて。そしてそれから、ヘレネへと、"その手を握れ"と手を伸ばした。

そして、それは唐突に。止めを刺したと思われた、侵入者が起き上がり。立ち上がり。最後に此方へと向かってきた。……あの様子は、星のかけらでも使ったのだろう。
――――――――彼女がポーチから取り出したのは、五つの星のかけら。万能の力。魔法少女が追い求める願いを叶える最高峰。奇跡の欠片。
彼女がそういう風に立ち上がるのならば、藤宮明花もそう対応してみよう、という。所謂意趣返しだ。断じて認めたわけではない。言うなれば……死に征く彼女への、最大限の嫌がらせ。
小さく呟いた。それは余りにも単純至極なことで、魔法少女が託す願いとしては。余りにも懸け離れていて、けれども彼女の願いは星のかけら、程度で叶うものではないのだから。


「―――――――――何処までも、貴女は"劣等種"でしたね」


成される奇跡は、"多段変身"。彼女を包むコスチューム、狩人のそれが光と解けて、それはもう一度、そしてより強く、衣装として結びついた。
黒百合学園の校章を襟章として抱く、黒の軍装。既存のどの物とも異なる、スカートの軍服。


―――――――――"黒百合の猟兵"


右手に握っていた猟銃は、長大なライフルへと変化していた。ボルトアクション式の、仮に何かに例えるとしたら、"対戦車ライフル"が最も近いであろう。
大口径の弾丸を装填し、槓桿を閉じて照準を合わせる。何時も通りの手順ではあれども―――――――――其処から放たれる弾丸は、桁外れの威力を持っていた。
一直線に飛ぶ彼女へと、照準を合わせる。引き金を引けば、爆音とともにその"魔弾"が放たれて。それは正しく、"膨大"な威力を持っていた。
そのまま止まることが無いのだとしたら……いかに魔法少女といえども、其の体を腰元から二つに裂くか、或いは上半身を丸ごと抉り飛ばすか。
379 :パメラ [saga sage ]:2015/03/27(金) 01:54:57.39 ID:oRYQEksuO

>>375

……んー?

【慌てて、落ち着いて、今度は緊張して】
【なんだか、以前会った時とはまた様子が違う園華を観察して】
【口には出さないが思った事が一つ】
【あの戦い方でまさかのインドア派……ですかぁ】
【店主としての観察眼は、この時点で色々察した】
【というか、こういう感じの慣れてない客はたまにいる】
【……まぁ、彼女の場合は中でも指折りだったりするのだが】

一名様ご案内しますねぇ

【とりあえずは、固まってしまった園華をカウンター席に誘導】
【同時にバイトに冷水を指示したので、園華が着席した時にはスッと出てくる筈だ】

とりあえず水でも飲んで下さいよぉ
それとこれも、まずはサービスですからぁ

【そうして何事もなく進んだならば】
【パメラはカウンターの内側に入り】
【ゴソゴソと冷蔵庫の中から大きなモンブランを出して側に置くだろう】
380 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/27(金) 02:05:15.31 ID:mo2hyHgro
>>377
「とどめをさすつもりはねぇけどさ。一矢報いるつもりはあるんだよね。」

馬鹿にされたまま終わるのは許さない。どうにか一矢報いたい。一姫はこの戦い勝ち負けよりも、それを狙っていた。

「痺れちまいな。」

そして、青龍刀は着水する。当然電流が流れるが、それはすぐに止まる。何故なら、一姫は結界を解き、魔法を中断したからだ。これ以上戦うつもりのない相手を執拗に攻めることはしたくないし、そもそも一姫自身がもう限界だ。

「望み通り、結界は解除したぞ。」

ゆっくりと、そして辛そうに立ち上がり言った。
381 :姫扇園華 [sage]:2015/03/27(金) 02:19:31.50 ID:od13Wl550
>>379

「──///」

 パメラに悪気は無いだろうが──というより悪気以前に店と対応なだけだろうが、園華はやや大きめな声量でお一人様と言われたことが恥ずかしく思えた。
 見れば顔はやや羞恥心で赤く染まっているっぽい。
 流石に店内の雰囲気に慣れたのか、右足と右手が同時に動くなんてベタな行動はしないで、しかし染まった顔をパメラに見せまいと俯きながら案内される席へと足を運ぶ。

「あ、ありがとうございます………」

 席へと座ると同時に置かれた水。
 園華はその水を置いた主に視線を移動させ、若干の上目遣いをしながらお礼を言った。
 そしてなんだか今日はお礼を言ったり謝罪をしたりと忙しいってか店内に入ってからマトモに話してないなぁ、なんて思いつつ冷蔵庫の中を弄るパメラの背中を見ている。
 魔法少女として以前出会った時とは違い、年相応の後ろ姿を見てなんだか言い表せられない不思議な思いを感じながら、水を飲む。

「わ、モンブランっ……いいんですか?」

 そして此方へと振り向いたパメラとなぜか視線が合ってはいけない気がした園華は、すぐ様顔を下に向けた。
 ──が、視界の景色に追加されたモンブランを見て反応するかの様に歓喜の声を漏らし、表情で好物ですと物言いながら説得力のない遠慮をする園華。
 言葉では遠慮しているが、やはり顔は喜びの表情を浮かべ、なにより既に右手でフォークを掴んでいる。
382 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/27(金) 02:20:47.57 ID:hdlT1isd0
>>380
な、なるほど……
これが狙い、だったか……

【体に流れた電流】
【しかしそれは一瞬ですぐに一姫が止めたのだと分かる】
【このままやれば自分を倒せたというのに】
【体力が限界だったのか情けを掛けたのか】
【そらはナイトロードには分からないが結界まで解除した一姫に感謝せねばならない】

礼を言うよ
いや、まさか二度も連続で負けるとはな
一応まだ戦える気でいたんだがこうも負けが込むと自信を無くすな
いや、今回は実質引き分けか

【笑いながらナイトロードはマントを広げる】

では私は行こう
こんな体では色々面倒だ
早く治療をしないとだな……

まぁ何はともあれこれで別れだ
また会う時にはこの決着を付けようぞ

【ナイトロードは一姫へと背を向けその場を去ろうとする】
【しかし何故かマントを再び翻し一姫へと向き直る】

最後に名を名乗っておこう
私の名はエヴァージェリン=ナイトロード

ではまた会える日を楽しみにしているぞ

【今度こそナイトロードはマントを翻し体全体を覆う】
【次の瞬間にはナイトロードは霧のように消えまるでその場には元から誰も居なかったかのような静けさが広がった】

//そろそろ落ちさせてもらいます
//ロールありがとうございました!
383 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/27(金) 02:31:57.27 ID:3aiX0UrpO
>>364>>369>>373>>378
「…………あら、失礼しました。ついつい、熱が入りすぎましたもので」

これで終わった、と思った。無様な侵入者は、ここで無様に死ぬと。
藤宮に窘められ、荒くなった口調を正すが、あくまで素の口調はこちらのお嬢様にまったく似つかわしくない方である。
そう、この場では藤宮の方が立場は上なのだ。従わなければいけない。"今"は―――――

(クッソ、私の事ですら見下しやがって…いつか、足を掬われるんだよそういうのは)

正直な話、例え藤宮であろうと見下されるのは不愉快でしかなかった。
だが決して口には出すまい。いつか対等に、いや、それ以上に立ってやる。それまでは、精一杯働いて精々媚を売らせてもらおう。

「ありがとうございます。明花様。精一杯、働かせていただきますわ。他の方も、どうぞよろしく」

にっこりと微笑んで、差し出された手をゆっくりと包み込む。
温かな体温が感じられた。同時に、自分だけが藤宮の手を握っている、きっと彼女達より上として認められているという他の二人に対する優越感。
自分は彼女の副官。ナンバーツー。生徒会を主導する主要メンバーとして動くのが、現在のヘレネの目標であった。

と、その時。終わったと思われた金岡が起き上がり、藤宮に襲いかかったのだ。

「ちっ、味な真似を…!明花様に敵うとでも思っているのかよ家畜以下が!」

だが、ヘレネは動こうとしない。何故ならば、藤宮の一撃が向かってくる金岡を粉砕すると信じているから。
もしもの時の為に、一応光線のチャージはしておく。藤宮の手を握ったまま、事の顛末を見届けるとする。

/すいません、今日はこれ以上返信できなさそうです…
384 :兵馬 一姫 [sage]:2015/03/27(金) 02:33:30.81 ID:mo2hyHgro
>>382
「引き分けだな……」

(つってもあたしの方がボロボロだけど……)

とは言え、一矢報いた。これでナイトロードの自身への印象が、いやらしいビデオが好きな人ではなくなったとひと安心。

「え?決着って……おいおい、勘弁してくれよ。」

二度も同じ手が通じるような相手ではなさそうだし、次戦っても勝てる気がしない。そもそも、今回だって引き分けだ。不安を覚える一姫だったが

「兵馬一姫だ。」

名乗られたからには、名乗り返すのが礼儀。一姫は自身の名を告げた。そして、ふらふらとした足取りで帰路に着くのであった。

/お疲れさまでした。遅くまで絡みありがとうございます!
385 :パメラ [sage saga ]:2015/03/27(金) 02:40:25.71 ID:oRYQEksuO

>>381

【甘味は偉大である】
【大抵の女子にとっては、魅惑の果実だ】
【それはどうも、目の前の園華も例外では無いようで】

ええ、どうぞぉ♪

【実に分かりやすく、表情が一変する】
【その様子がまた、年相応で、少し微笑ましく感じるのだった】
【そしてもちろん、答えはイエス】
【ニコリとしながら、勧めるだろう】

これ以降は、ドリンクバーが300円、プレミアムドリンクバーが500円、各種スイーツかっこわらいが150円に成りますからねぇ

【そして手早く、分かりやすく、身振りで示しながら説明した後に】
【自身は棚からカステラ、冷蔵庫からミルクティーを取り出すと】
【園華の前で口にし始めるだろう】

んー……最近調子はどうですかぁ

【最後に、こんな感じに話を振りながら】
【ちなみにバイト少女はパメラの横でコップを拭いていたりする】
386 :高辻 狐花 @黒百合学院 [saga]:2015/03/27(金) 03:00:24.56 ID:8HSMWpYko
>>369
>>373
>>378
>>383
「私は、先生よ。先生は、勿論みんなの将来を期待してる」

人を教導し、自分の力とする。固有魔法にも露わている通り、高辻は自らを高める為に他人を指導する
あくまで自分の為。自分の為が、他人の為になっているのなら、悪いことではないだろう。自身の中で行われる自己肯定を反芻する
如月千寄子……この少女へ、私は何処まで尽くして、そして彼女は、何処まで優秀な私の礎になるのだろうか、とやはり高揚感を抱いて、可愛らしい笑みへ、こちらも笑みを返す
灰色の女をちら、と一瞥して内心苛立ちを覚えるも、感情を表に出すのは美しくないと、平生を装って黙然と、口を噤んで会長の対応に平伏する
ああ、やっと認められたのだ。普段承認する側の人間である高辻からすれば、他人から認められる、ということの快感には慣れていない
刹那はしたない笑みを浮かべてしまった事に自責の念を置いて、同じように『認められた』千寄子に視線をやると、口の端が吊ってしまうのではないかと思う程に笑って見せた
瞠目し、開き切った瞳は、少なからず焦点は合っておらず、遠くの方を見つめていた

「良かったわね、私達も漸く生徒会の人間……救われるべくして救われ、救うべくして救う、優等たる種だと、認められた……!
あぁ、優等種なんて言葉……! 心地よくて心地よくて……! くくっ……」

認めない誰かを劣等だと嘲笑い、見下すこの空間は、率直に言えば異常なのだろう
だが、それでもその異常さを凌駕する力を、この生徒会長は持っている
この人を支持し、そして自分も認められれば、それで幸福になれると、会長の存在がある限り信じられる
それが普通だと、思う事が出来る

「……」

灰色の女の、最後の無駄足掻き。嘲笑する訳でもなく、表情一つ変えずに、冷酷なまでに無表情
冷然と見つめる彼女の最後が、きっと惨たらしい物に終わったとしても、高辻は黙殺を貫き通すだろう
静謐が澄み渡る。心なしか結界内の靄が晴れつつある気がした。高辻は小さく息を吸う。
清々しい気持ちで、新たな人生を迎え入れる準備をする。会長の一撃が、合図となる
誰もが行く末を眺めていた。誰もが死の華々しく散るを見つめていた。誰もが天井を見上げる事はなかった
天上を覆う巨大な瞳は、何時の間にか会長へと向いていた。
その瞳は、琥珀色に濁り、澱んだ光を潤わせて、ぎらり、と貪欲とも思しき眼光の中に、映える生徒会長を、閉じ込めている――――

「……全て、全てが完璧に。私達は完成される……
千寄子ちゃんは、まず一歩……あぁ、今後が楽しみ……!」

会長の放つ一撃が着弾したかのようにも見えた
弾けた爆音と共に、炸裂した光が、幾条ともなって辺りに分散する
終わった――――のだろうか
387 :姫扇園華 [sage]:2015/03/27(金) 03:01:10.77 ID:od13Wl550
>>385

「────!」

 パメラの返答を聞くやいなや、園華は直ぐにフォークでモンブランをすくい口へと運んだ。
 モンブランの甘さと濃厚さを味わい、まだ口の中に広がる程よい余韻を楽しみながら満面の笑みでパメラにお礼を言う。
 魔法少女の怪力ゲーマー娘でもやはり、女の子の様でスイーツは大好物らしい。
 口元に付いているクリームを恥ずかしながら拭くと、二口目を頂く。
 そして再び甘味に全身を犯され恍惚の表情を浮かべながら、瞳を潤ませる。
 緊張や羞恥心など最早甘味の前では無力の様で、げんに園華の心は甘さを欲し甘に満ちていた。園華の脳内メーカーは今"美味"で埋め尽くされているだろう。
いや、ほんの端に一つだけ"体重"という文字が半透明で存在しているかもしれない。

「プレミアムドリンクバー………」

 さてなんだかんだ四口目を頂こうとしたが、パメラの懇切丁寧なメニュー説明を聞いて手が止まる。
 "プレミアムドリンクバー"、園華にはそれが一体なんなのか分からない様だ。
 ファミレスの様なドリンクバーか、やはりカフェなので違うなにかか──、甘味に無力化されていた羞恥心とは別に、変なプライドというかただの見栄っ張りなのか、カフェが初めてということをパメラに悟られたく無い園華は聞かずにただ悩んだ。

「え? 最近────?」

 そんな思考を遮断する様に頭に入ってきたパメラの声。
 園華はその声が表した言葉を反復する様に呟きながらモンブランを食べつつ隣のバイトを横目で見る。
 やはり彼女との共通の話題となると魔法少女のことだろうか──、しかし一般人が近くにいるのにそんな話をするのか、なんて思いながらパメラの質問の意を見出せない様子。もしかして園華、コミュ……。
因みに口調がやや崩れているのを見るに緊張感はもうないようだ。






388 :パメラ [sage saga ]:2015/03/27(金) 03:27:36.10 ID:oRYQEksuO

>>387

【至福の一時】
【そんな言葉がぴったりだろう園華の様子を見て】
【これで一応は気も解れたろうと考える】

プレミアムドリンクバーですと、タピオカジュースやシェイク
それとスープバーとサラダバーにフルーツバー、その他色々も付きますねぇ

【次いで、その後の説明で】
【少し悩んでいるようなので】
【すかさず一推し】
【ちなみにスープバーは本日は本格コーンポタージュ(バイト少女作)】
【サラダバーには瑞々しいレタスとキュウリ】
【フルーツバーにはメロンとパインがあったりする】
【間違いなく、なにかが絶対おかしいラインナップだった】

ん?……あぁ、言ってなかったですねぇ
この子も魔法少女ですから安心して下さいよぉ
……というか、ここ基本的に魔法少女しか来ませんからぁ
だいたいは、私が面倒を見てあげてる子ですけどねぇ

【モグモグと】
【カステラをミルクティーで流し込みながら、さらっと重要な事を告げる】
【となりのバイト少女は、何だか微妙そうな顔をしてはいるが】
【聞かれたりするならば、概ね肯定するだろう】
389 :姫扇園華 [sage]:2015/03/27(金) 03:45:15.13 ID:od13Wl550
>>388

「タピオカジュースか……う〜ん。じゃあタピオカジュースとす、スープバー"だけ"で」

 説明されたらなんだか頼まなくちゃいけない雰囲気になってしまったことに遅れて気付く園華。
 しかし、口の中は丁度モンブランで甘さに満ちてはいるが些か喉が乾く。
 別に水でもいいのだが──せっかく来たのだからタピオカとやらも頼んでみようと思い頬を掻きつつ注文をする。
 なお、スープバーだけを強調したのはなんかセット内容が可笑しかったし、体重的なアレがアレで荒れだからだ。

「え!?ま、魔法少女………なの?」

 あっさりと言うパメラとバイトちゃんを交互に何度も見る園華。
 どうやら意外も意外だった様で、勢い良く席からたってしまった。
 席から立つと、園華は震える指で行儀悪いがバイトちゃんを指差し文字通り震え声で聞いた。

「えと────私とか結構魔翌力ただ漏れなんだけどいて平気?」

 そして再び席に座ると自分のせいで他の魔法少女にここがというよりパメラ達がバレないかといきなり不安になった。
 特に最近は物騒な魔法少女も増えたと噂に聞いており、やれ某生徒会やら、やれ魔法少女を復活させる組織やら、やれ童話魔法少女やら、やれ研究所やら兎に角危険が迫らないかと心配はある園華。
 



390 :パメラ [saga sage ]:2015/03/27(金) 04:08:37.83 ID:oRYQEksuO

>>389

仕方ないですねぇ、なら400円で手を打ちましょうかぁ

【園華の要望に、少し考えた後】
【ぽんっと適度な値段を提示する】

間違いなく魔法少女ですよねぇ
というか驚きすぎですよぉ?

【そして、唖然としている園華に対し】
【バイト少女と二人、うんうんと頷きあって示す】

そうですねぇ……まぁ、大丈夫だと思いますよぉ?
意外とわからないもの何ですよねぇ、この辺りって
それに、何度か派手にやった事がありますけど案外大丈夫でしたし
……まぁ、もし何か来ましたら

……そいつ、壊しますけどねぇ

【んー、と】
【何やら思案顔で考えながら園華の問いに答えていく】
【――ただし】
【最後の一言は、一切の感情が乗っていなかった】

あー、でも
最近は本当にちょっと危ないのが増えましたねぇ
……貴女も気を付けて下さいねぇ
特に黒百合の方とか、演奏がとか仰る方には要注意ですねぇ

【黒百合の方に関しては互いに一度死にかけましたし】
【なんて最後に付け足しながら、ミルクティーを飲み干した】
391 :姫扇園華 [sage]:2015/03/27(金) 04:35:06.24 ID:od13Wl550
>>390

「400円か……っ!?ハッハッハッハ、金…というか財布………粉々だった……」

 提示された金額があるか、いやあるだろがもし無かった場合を考えて財布を取り出す。
 財布はまぁ、無難というか年相応な物だったのだろうう──。
 が、園華が手に持っている財布は、見るも無惨なガラクタと化していた。
 どうやら、カバンに入れた際に馬鹿力で破壊してしまったようだ!
 普段は制御しているのだが、人生初のカフェに行く予定だったゆえ、準備する段階から緊張していたようで力の制御も出来ていなかったようだ。
 園華は勢い良く財布をカバンにしまうが、勢い良く入れた為カバンを破壊してしまった。

「えぇ、そうなの?……私、探知とか出来ないから魔法少女まだ二人しか会ってない……あ、でもバイトさん入れたら三人だ」

 涙目になりながらも平常心を保とうと、普通に会話に戻る。
 園華は魔法少女のステータスで言うなら攻撃に特化し過ぎた不器用な類なので、自分から魔法少女を探すという行動は出来なかった。ゆえに、街中の魔法少女と比べると出会った数は少ない方だろう──。
 当たり前の様な二人を見て、驚いて損したと言いながら先程の注文を取り消す。

「へ〜、まぁ街歩いてたらエンカウントしたりするからなぁ……。それより壊すって物騒なことを……」

 一度だけ、街中を歩いてたら黒百合学園の魔法少女と偶然出会ったことがあったのを思い出す。
 パメラともそうだが園華の場合は大体魔法少女と会うパターンとしてエンカウント式だったりする、まぁ、二回しか魔法少女と出会ってないけれど。
 パメラの最後の一言を聞いて引きつった笑顔を見せながらモンブランを完食!
 モンブランの味わいに浸ると共にパメラを起こらすのはやめようと思ったり。

「黒百合はあまり良い噂聞かないからなぁ……魔法少女関連だけど。演奏は……まぁ……私は知らないからなんとも……ね」

 黒百合学園──、先程思い出した黒百合の少女の姿が浮かぶ。
 名前は確かエヴァ、魔法少女ではあったが自分やパメラが言うような悪い感じはしなかったと思うと同時に、寧ろ黒百合では彼女の立ち位置が異端なんじゃないかとも思えた。
 そして演奏の方は初めて聞いたのだろうか、中々いい言葉が見つからない。
 園華自身もそういった物騒な魔法少女と出会ったことは無く、最近見つけた情報を提示する施設で知ったことなので仕方ないと言えば仕方ないが──。

「────っともうこんな時間か。ごめん、私今日はもう帰るね。モンブラン美味しかったからまた来るよ!ばいば〜い」

 ふと時計を見ると丁度いい時間。
 美味いモンブランを食べ、人生初のカフェに入った園華は満足気な表情を浮かべながらそう言うと、店を出た。
 そして園華はカフェとれみぃの店員二人にタダ飯をしたという事実を刻むのだった──。

/そろそろ睡魔翌来そうなので、これで〆ということで!ロールありがとうございました!


392 :パメラ [sage saga ]:2015/03/27(金) 04:51:42.90 ID:oRYQEksuO

>>391

……うわぁ、やっぱり凄い力ですねぇ

【色々と無惨な状態になりつつある鞄を見ながら、おもう】
【……まぁ、地震起こした時点で分かっていたことなのだが】

あー……そういえばそうでしたねぇ

【そうして思い返すは、初めて会った時】
【確かに園華は探知が苦手だったなと思い起こす】

貴女もなかなか苦労しているようですねぇ
……あー、いえ、お客様には見せれない物でしたぁ、すみません

【一瞬の変化】
【しかし、自身でそれに気づくと珍しく素直に謝る】
【…やはり、少し殺気だってるなぁと、考えながら】

全員が全員……とは言いませんがぁ
猟銃持った魔法少女には気を付けて下さいねぇ

【そう忠告しながら、んーっと一延びして】

そうですかぁ
……まぁ今回は初来店ですので、多目に見ましょうかぁ

……ありがとうございましたぁ♪

【そうして、最後】
【結局何にも払ってない園華に】
【言外に次からは必ず払わせる、というニュアンスを含みながらも】 
【これまた営業スマイルで、見送るのだった】
【……バイト少女は、頭を抱えていたが、気にしてはいけない】

/了解です!
/自分も結構危なかった……お付き合いいただき、ありがとうございました!
393 :如月 千寄子 [sage saga]:2015/03/27(金) 09:30:03.92 ID:kzISp0Pz0
>>373>>378>>383>>386

「ふふっ……そうです、よね。変なこと言って、すみません」

姉様から、笑みが返る。一度目は私の言葉を受けて、優しげに。もう一度は会長の一撫でと握手を受けて、些かはしたなく。
私も、同じようににんまりと笑った。私にとって礼儀とか、マナーとか、そんなのはどうでもいい。
私は勉強ができる。大して苦労もせずここに入学した。私はスポーツができる。運動部でもないのに、学年の体力テストではいつも上位だ。
私は、魔法が使える。私は、コバ姉様に認められ、成長を期待された。私は、生徒会長に認められ、この黒百合学院の生徒会に入った。――全て私の才覚、私の天性に起因する。
私は、選ばれた涅槃寂静の人間なのだ。馬鹿にされたり、蔑まれたり、疎まれたりするのは、全て私の能力に嫉妬されているからだ。それだけだ。
だからこそ。私自身の存在を、その優等さを、あまねく全てに認めさせたい。

「ええ……私は、私たちは、天賦の才を持つ魔法少女なんです。その中でも、最も優れた一握りなんです。
 『神の御業を見よ。神が曲げたものを、誰が直しえようか』――ふふっ、素敵な言葉」


昔見た、「ガタカ」という映画を思い出す。遺伝子操作で産まれた天才たちに、欠陥遺伝子しか持たない主人公が立ち向かう話だったか。
あんなものはフィクションの産物だ。所詮、天才に凡人は勝てない。私のような、コバ姉様のような、生徒会長のような天才に。
あそこにいる灰色の凡人と、もう一人。あれはきっと、会長の思い違いだろう。自分に才能があると思い込んでいるに違いない。あんな喧しい女に、果たしてどんな才覚があるのか。
もう一度、ちらと見てみる。まだ始末していないのか、無能な女――ふ、と、眼鏡の下から、嘲るような目線。二回目ともなれば、流石に気付くか? 
まあ、どうでもいい。その時は、格の違いというものを教えてやるだけの話。
つい、口元が緩む――その時、だった。

「――な、ッ……」

最後の足掻きか。成る程、雑種の野良犬には野良犬なりの暴れ方というものがあるのかもしれない。
意表を突かれつつも、どこか呑気にそんなことを考えていられたのは、私たちの能力を信じて疑っていなかったからかもしれない。会長が、かけらを取り出す。

ああ、やはりこの人は、優れた人間だ。また、憐憫の笑みが浮かぶ。
いや、これは憐憫ではないのだろう。どちらかというと、憐憫の上に成り立つ、もっと高位の感情だ――優越、か。
私はミリタリーおたくではないから、軍服に似た制服の経緯も、銃の所以も知らなかったのだけれど……とても頼もしく、そして美しく見えた。
「『美しい者は強者であり、醜い者は弱者で在った』」これは、谷崎潤一郎だったか。美しさもまた、才能である。ともかく私はそんな風に呟いて、全て予定調和のことの顛末を、見届けることに決めた。


//やたら遅れて申し訳ない……! 置いておきますッ
394 :金岡 こぶし [sage]:2015/03/27(金) 13:13:04.68 ID:bcZdKrxV0
>>378>>383>>386>>393

【生徒会長の放った極光、しかしそれが当たるまでもなく勝敗は決していた】

「ぐっろっろっろっ♪」
「私……はつ……ねに……………正し………………い」

【それが彼女の最期の言葉となった】
【ビキビキと硝子の様にひび割れ、そして砕け散った】
【その欠片すら光に飲み込まれ、跡形も無く消滅する】
【絶対の正しさを胸に】
【最強を夢見た少女は】
【その誇りを抱いて】
【散った】

……カチャリ

【打ち出されていた2つの星の欠片と雷のメリケンサックも減速し会長の足元に静かに落ちる】

【戦いは終わった】
395 :恩納 風利 [sage]:2015/03/27(金) 14:18:39.30 ID:LdVqnWjYO
>>348

へっ? あっ、う、うんっ? そう、なんだ?

【何の気なしに口を突いて出た問いに対しての予想外の切り返しに驚きつつ】
【話の流れでサラッと魔法少女の名前らしきものまで口走っていることに】
【その事を指摘すべきか否かを内心で迷っていたところ】

月尾神社って……えっ!? あそこに?…………そ、そうなんだぁ〜……へぇ〜……

【更に住処まであっけらかんと明かしてみせる子狐に、これはもう言わないでおいた方が良いかもと結論】
【それにしても、自分はよくよくあの神社に縁があるのだなと】
【ここ数日の出来事を振り返りつつどこか遠い目で空を見つめる】

あっ、そっか……そう言えばワタシも買い物の途中だったけ
うん、それじゃあまた今度お話に行かせてもらうね?

【バイバイ、と慌ただしく雑踏へと飛び出していく子狐の背中へと手を振る】
【子狐が見えなくなれば、さてと、と自身も用事を済ませるべく人通りの中へと向かうのであった】

//結局またしても日を跨いでしまいましたが
//絡み乙でした
396 :藤宮明花 [sage]:2015/03/27(金) 19:37:26.42 ID:3pLjEUIto
>>383>>386>>393>>394
"私は常に正しい。
世界を大別することなどできない。大局的にも、それを事細かに顕微鏡で分解してみても、究極的な正しさなど存在しない。人間には過ぎた旗だ。
藤宮明花は理解している。"ただの人間には"、"劣等種"には、過ぎた力であると。

「それは貴女には―――――――――過ぎた自覚なのよ?」

彼女は非凡であった。それが正の性質であったか、負の性質であったか、それは終わるまで分からない。"全ての終着点"までは分からない、が。
少なくとも彼女は確信していた。全ての誰かを見下す傲慢、それだけの傲慢が成立するほどの物がこの手の中にあると確信していた。

これがその、証左だ。

硝煙、否。その形をした魔翌力の残滓に揺蕩う銃口は、ゆっくりと光に包まれて消えていく。猟兵の軍装もまた、それと同様に消えていく。
其処に立っているのは、たった今一人の少女に手を下した、黒百合学院生徒会会長、藤宮明花。

「……全く、つまらない狩りでしたね」

ブレザーと黒いスカートを身に纏い、ただの学生の姿をしながら。その眼光は、今し方行った"処理"を当然の如く、忘れようともせずに達成感に溢れ、それを湛えていた。
誰も楔は打ち込めない。流れ始めた激流は、回り始めた歯車は、誰の死を以てしようと止まらない。只々愚直に只管に、目的の遂行のために執行する。

「―――――――――高辻さん、いえ」

靄は晴れていくだろう。全て総て転換される。此れより進むのは天の道。其処には一片の澱みもない。
その双眸を見据え返した。琥珀色の濁り、澱みとする光、餓狼の如く眼光。然しそれに納められるのが自分だというのならば、藤宮明花には、どうとでもしてみせる"義務"があった。
平伏するならば、それ相応の施しを。全ての劣等種を、優等種を含めて。

「貴女には、生徒会の顧問をお願いします。"狐花先生"。全ては完成される。それは生徒会の手によって、そして貴女の手によって。

「完全なる世界は、私達の手を以てして」

/分けます
397 :藤宮明花 [sage]:2015/03/27(金) 19:38:49.27 ID:3pLjEUIto
>>383>>386>>393>>394
それから、その隣の少女へ。傷だらけの少女、傷塗れの少女。けれど彼女は、"選ばれた"人間だ。
その通りだ。勉学の才能。運動の才能。魔法少女としての才能。それらは全て必然だ。だからこそ、彼女は、今。此処に"選ばれる"。
けれど……まぁ、彼女のその視線の意味。言いたいことも、その理由も分かる。分かるが。
それは、彼女が考えるべきことではない、と言うのが藤宮明花の意思であり。同時に、一つ。"考え"もあった。

「いけないわ、千寄子さん。そんな"目"をしては。私達は黒百合の生徒」

「けれどそう、その通り。私達は生徒会。私達こそが神にも等しく、私達が成す事は神の所業」

「―――――――貴女には、書記長をお願いします。千寄子さん、これから宜しくお願いしますね?」

それから、最後に。自分の手を握り続ける彼女へ。ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタインへと、声をかける。
嗚呼、分かっている。行儀の良い言葉使いは、きっと彼女には似合わないのだろう。それはいいのだ、それは黒百合学院の生徒としての問題で、彼女にとっては。
生徒会にとっては、大した問題ではない。"選ばれた人間"でさえあればいい。――――――――――だからこそ。

「ヘレネさん。貴女には生徒会の"副会長"をお願いします―――――――――」

彼女等と同様に、そう告げた後―――――――――握るその手を引いた。丁度自分の方へと来るように、ともすれば自分の胸の中へと来るように。
そのままそれに従うのであれば、藤宮明花は彼女の耳元に。息を潜めて告げる。


「――――――――――――――――――貴女の事は、私がずっと見ているわ」


生徒会副会長、生徒会会長より最も近い場所に位置する存在。それは恐らく、彼女の思惑通りなのだろう……だが、同時に。
彼女は、最も近いが故に最も藤宮明花に"見られる"事になるだろう。
明確な理由があったわけではない。ただ口調が荒いから、何て理不尽な理由でもない。彼女の思考を読めたわけでもない。これは唯々、直感を以てして下された。
それから彼女は、遺された二つの星のかけらと、魔具を一瞥した。それからヘレネが手を放すならば、その通りに。離さなければ、そのままにして。
劣等種の魔法少女の魔具……とはいえ、彼女ならば有効活用できる。"劣等種"達が、唯一この藤宮明花に役立つ事が出来る手段なのだと、魔具を拾って制服の内へ。
その次に、二つの星のかけらを拾い上げた。

「星のかけらは、貴女達で……いえ、これじゃあ一つ不足ですね。それなら私の方から一つ、お渡しします」

「少ないながら、私からのお祝い、とでも言えばいいかしら。兎も角、受け取っていただけると嬉しいです」

制服の内側から取り出した自分の星のかけらを合わせて、これで三つ。手のひらに載せて、彼女等へと差し出した。
受け取ればそれは誓いとなるだろう。そしてそれが出発点となり、そして終着点へと歩を進める。
『選ばれし優等種による魔法少女の完全管理』を目的とした、黒百合学院生徒会。今日これを以てして、その活動は本格的に、"成立"への道筋を描き始めるだろう。

/本当に申し訳ありません、遅くなりました……
398 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/27(金) 21:23:51.53 ID:t7hwshQEo

最近、ある噂が瀬平戸市に流れていた。

・洗濯物を干していたら塀の上を小さな女の子が走っているのを見た。猫に追いかけられていた。(専業主婦)
・美少女フィギュアだと思ったら小人だった。全力で捕まえようとしたら泣きながら逃げられた。(男子高校生)
・夜勤明けにふと空を仰いだらちっこい女の子が飛んでいた。俺、疲れてるのかな……。(タクシードライバー)

――体長僅か数十pしかない小人がこの町に棲んでいる……と。


「見つけた……!」

金髪碧眼の小人の少女、メリー・メルエットはヘトヘトに疲れ果てていた。
この数日間、星のかけらをずっと探し続けていたのだ。
早く家に帰って両親に会いたい――その一心で彼女は休みなく町中を駆け回っていた。
そして今、やっと五つ目のかけらを見つけ出した。
もう遊具で遊ぶ子供もいない夜の公園。そこに設置されたブランコのすぐ傍に落ちていた星のかけらを拾い上げた。

「よ、よし……! それじゃ、すぐに願いを叶えて……っ!?」

腰に括り付けた袋に手を突っ込み、これまでに集めた四つのかけらを取り出そうとする。
だが、勢いよく伸ばした手が袋の底に触れることは無かった。
メリーの顔が瞬く間に青ざめていく。恐る恐る袋に目を落とすと、底の辺りの布が綺麗に破けていた。
今まで我慢していた疲労が失意と共に襲い掛かってくる。メリーはぺたんとその場に座り込んだ。
一体何時から袋が破けていたのか? どこでかけらを落としたのか? そんなことを考えてももう遅かった。

冷たい夜風が公園を吹き抜ける。無人のブランコが鎖を軋ませながら寂しく揺れた。
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/27(金) 21:36:56.88 ID:bcZdKrxV0
>>398

【夜の公園】
【遊ぶ子供も居ないこの場所にゆっくりと降り立つ影があった】

「おや?人形かな?」

【夜に溶ける黒髪を揺らしながら】
【キィキィと風に軋んだ音をならしているブランコの横に落ちている人形の様な物を見つけて近寄ろうとする】
【片手には近くのコンビニのビニール袋をもった少女の影はやがてその人形がやや震えているのを理解する】

「………君は…どうしたんだい?」

【そう言えば最近小さいおじさんと言う都市伝説を耳にした】
【もしかしたらこの人形の様な生き物がそうでは無いかと意識の疎通を試みる】

//こんばんわー
400 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/27(金) 21:49:34.36 ID:t7hwshQEo
>>399

不意に、地面の振動を感じた。誰かがこちらに近づいて来ている。
もう今はまともに動ける体力は残っていないから、危害を加えてくるような人間では無いといいのだが――

「だ……誰……?」

見上げるとそこに立っていたのは黒髪の少女だった。
ビクビクと肩を震わせて、不安そうな声で相手が何者であるかを尋ねる。

「わたしは、その……なんでもない、です」

一般人を相手に星のかけらを無くした等という魔法少女関係の話は通じないだろう。
メリーは小さく首を横に振って自分が大丈夫であることを伝える。

/こんばんは、よろしくお願いします
401 :パメラ [sage saga ]:2015/03/27(金) 21:52:05.27 ID:ZobP9IwqO


【夜、駅前】
【仕事帰りのサラリーマンや、遊び歩く若者が道行く広場】
【そこにある大型の掲示板の前に、紫のメイド服姿の少女が一人】
【長い銀髪を垂らし、紅眼を向ける先にはチラシ】
【そして手には同じチラシ】

とりあえず、新しいのは張り終わりましたかぁ
……そういえばぁ

【チラシには、カフェ「とれみぃ」と書かれていて】
【良く良く見れば、掲示板の逆端にも同じチラシが張られていた】
【そうして、自分の用事は済ませたパメラだが】
【ふと、思い出したかの様に掲示板のチラシを眺めて、一枚取った】
【そのチラシには、不動産の賃貸部屋等が書かれているが】

……今でも、これだけは分からないんですよねぇ

【それは、一般人が手にとって見た場合】
【魔法少女が直接手に取ると、それはその魔法少女にしか見えない文字を浮かべるのだ】
【――駅前掲示板、ここは、不思議な情報掲示板であった】
【魔法少女にしか分からない文字を浮かべるチラシ】
【そのチラシに書かれているのは、瀬平戸市で起きた不思議事件や、魔法少女達の動向】
【そして、『童謡姫』と、この情報提供者によって名付けられた一部の魔法少女達の小話である】

………はぁ、相変わらず有益ですがぁ
やっぱり色々危ないですねぇ……どうしましょうかぁ

【順から見ていき】
【最後の童謡姫の辺りで切り上げたパメラは】
【そのままふらりと駅前広場を、そして人通りの多い通りから少ない小道へと離れる】
【……今日も、彼女は夜を行くが】
【今夜は、誰かに出会うだろうか?】
402 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/27(金) 22:02:33.85 ID:xN+B0hV20
週末を控えた街、一週間の労働を終え帰宅勢の足音続く夕方。
その一路である背竜川に掛かる橋、その歩道に一人の女――――魔法少女が居た。

「…………」

染めた茶髪を肩甲骨までおろし、一部をサイドテールに。
顔半分を覆う禍々しいフェイスガードに、制服というには無理がある白の長ラン。
手足に黒のグローブとブーツを付ける、肌の露出は殆ど無い。
唯一見えている眼元は、キツい三白眼。先程から無言で周囲を睨む様子は果し合いを思わせるようで。
しかし、目当ての相手は一向に現れないまま、夕日が川向こうに沈んでいった。

「今日は外れみたいッス……、」

ぼそりと呟く女。その声は落胆の色を滲ませている。
結界を張る準備までしてきたのだが、一時間待っても探知魔法に掛かる気配は見当たらず。
肩を落として、魔法陣入りのサラシ(結界用)を懐に仕舞う。
結界が無いせいで夕方の交通量でも人目を引くのだが、流石に声を掛けてくる人は無かった。
それもこの長ランのお蔭か、とマスク越しに溜息をつく。

しかし、とはいえ流石にこの場で変身を解くわけにはいかない。


「……コンビニ(の化粧室)、借りまスか」

ひとりごちて、凭れていた欄干から背を離す。
そうして人が避けるコスチュームのまま、踵を返して、橋の一方へ足を進め始めた。
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/27(金) 22:31:01.69 ID:bcZdKrxV0
>>400

「いやいや、そんな風にビクビクしなくても良いよ」
「君の持ってるのは星のかけらだろう?」
「普通に考えれば喜ぶものだろう?」
「なのになんで君はそんな顔をしているんだい、お人形さん?」

【少女は好奇心をこの赤い目に一杯に小人を見つめる】

//すいません、遅れました
404 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/27(金) 22:42:12.01 ID:t7hwshQEo
>>403

随分と落ち着いている人間だ、というのが少女に対する第一印象だった。
この数日間で色々な人間に目撃され、迫られたが大多数の人達はメリーを見て驚き騒いでいた。
しかしこの少女は違う。メリーを目の前にしてもほとんど動じていない。
まさか、小人なんか目じゃない、もっと不思議なものと日常的に接しているのか――

「えっ!?」

思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
どうやら彼女は魔法少女だったようだ。不思議なものと接するどころか、不思議な側の人間だった。

「そ、それは……集めていた四つのかけら、なくしちゃった……から……」

言葉に出してみるとより悲しみが増した。
くたくたになるまで町中を走り回り、悪臭に耐えながら汚ない下水道を進んだあの日々を思い出すと涙がこみ上げてきてしまう。

「えと、あの、わたし……人形じゃない、です。
 小人の魔法少女……です」

これで人形と間違われるのは何度目になるだろう。
もう人形だということにしたほうがスムーズに会話が進むのではないか?
一瞬そう思ったが自分の正体についてはやはり譲れない。
弱々しい口調だがはっきりと否定した。

/大丈夫です
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/27(金) 22:57:42.77 ID:bcZdKrxV0
>>404
【魔法少女として今まで沢山のクリーチャーを葬ってきた少女にはこのくらいの不思議現象はなんともない】

「あぁ、そうだったのか……」
「それは…御愁傷様だね」

【不味いことを聞いたかとやや顔を背けてブランコに腰をかける】

「小人!?」
「小人だって!?」
「これは嬉しい!」
「リトルピープルの類いにあったのはこれが初めてだよ!」
「分かりやすく言うと君は小さいおじさんの仲間というわけだね!」

【と、ここで思わずハッとなり顔を赤くする】

「すまない、つい興奮してしまったよ」
「まだ地面の上に座るのは寒いよ」

【そういって手を伸ばして両手で包み込む様に捕まえようとする】

//すいません
406 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/27(金) 23:10:23.35 ID:t7hwshQEo
>>405

興奮してあげられた大声に反応してメリーの小さな肩が大きく揺れた。
今までの落ち着きを忘れて大喜びするほど小人と出会ったのが嬉しかったのだろうか。
しかし、少女の口調はどこか芝居がかかっているように思えるものだった。
彼女のオーバーリアクションは本当に喜んでいるのかそうでないのかが今一分かり辛い。

「……っ」

自身に伸びてくる両手を訝しげに見つめる。
少女の質問に素直に答えていたが、メリーはこの少女のことを何も知らない。
このままべらべらとこちらの情報を与え続けていいのだろうか?
今の所、彼女がメリーに危害を加えそうな気配は無い。
だがこの差し出された手が何を起こすかはまだ分からないのだ。
もしかしたら、両手で包み込んだ瞬間に握りつぶされる可能性もある――

「……あ、あなた、ほんとに誰なの……?
 まさか、このかけらを奪いに……?」

足に力を込め、地面を強く踏みつけて立ち上がる。
そして一歩二歩と急いで後ずさりして少女の手から逃れた。
警戒心をあらわにし、小さな体を緊張させながら少女の次の言葉を待つ。
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/03/27(金) 23:32:52.36 ID:bcZdKrxV0
>>406

【捕まえようとした手はしかし小人を捕まえる事は叶わなかった】

「おやおや?」
「何か気に障るような事を言ってしまったのかい?」
「なーんてね」

【そのダルッダルのジャージのゼッケンにでかでかと『 狂犬病 』とかかれた少女は巻いてきたマフラーを少しずらしてニヤついた口許を露出させる】

「わかってると思うけど僕も魔法少女……狂犬病 鬱月というしがない中学生だとも!」
「親しみを込めてうつつきさんと呼ぶといい!」
「さーて、どうだろうねぇぇ?」
「あっはっはっ」
「流石に僕もそんな踏んだり蹴ったりな泣きっ面に蜂な事はしないさ!」
「盛大に安心したまえ!」
「僕は今!神やら仏やらその他諸々に誓って君に危害を加えないと誓おうじゃないか!」
「と、まぁ」
「ただ僕の膝の上にでも乗せようと思っただけだよ?」

【話す言葉の全てか白々しい、自分にとって損をしない言葉だけをペラペラと饒舌に話す物のこの少女の核心には決して近づけない】
【そしてゴソゴソとコンビニ袋を漁りチェリーの缶詰を取り出す】

「もののついでだ、僕の好きな曲の一節の様な質問をしようかな」
「君は小人だからやっぱり年齢はニ百歳とかなのかい?」
408 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/27(金) 23:45:39.67 ID:t7hwshQEo
>>407

まくしたてられる鬱月の言葉にメリーは唖然とする。
神様連中への適当な誓い方と、その白々しさに相槌を打つことも出来なかった。
しかし、彼女のどこか奇妙な言葉達は「あんまり悪い人じゃないかも」とメリーに思わせるには十分だった。

「あ……、メリー・メルエットです。わたしの、名前……」

名前を教えてもらったからにはしっかりとこちらも自分の名を相手に伝える必要がある。
自己紹介をするメリーの声からは、先程よりは警戒心が薄くなっているのを鬱月は感じるはずだ。
後ずさりした分前に進み、メリーは鬱月との距離を詰める。
再び手を伸ばせば大人しく持ち上げられ、膝の上にでもどこにでもちゃんと乗るだろう。

「えと、は、8歳です。ごめんなさい」

何だか相手の期待に応えられなかった気がして思わず謝ってしまった。
409 :パメラ [saga sage ]:2015/03/27(金) 23:49:02.73 ID:ZobP9IwqO

>>402

……あー、ちょっと買いすぎましたぁ…

【ふらふらと】
【長い銀髪に紫のメイド服を着た少女が一人】
【手には大きな買い物袋を抱えて】
【その背中にも何やら詰まった鞄を背負い】
【しかし、その足取りに反して】
【一切誰にもぶつかる事なく、橋に向かって歩いていた】

…ふぅ、それにしても、やれば出来ますねぇ

【自身の視界も定かでは無い中】
【しかしそれでもぶつからないのは、ちょっとした探知魔法の応用で】
【自身の近く1メートルくらいの動きくらいは、感知できるようにしたためである】
【もちろん隠蔽は欠かさない】

……ん?

【と、そんな時に感じるのは、他人の魔力の反応】
【ふと、足を止めたパメラだが】
【それは偶然にも、フェイスガードの少女がすぐ側を通りすぎた時であり】
【よほど鈍くない限りは、応用的探知魔法を使用しているパメラに気づいてしまうだろうが、はたして……?】
410 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/27(金) 23:58:44.29 ID:bcZdKrxV0
>>408

「そうか!」
「メリーちゃんか!」
「八歳か…ふむ…」
「はたしてあのピエロみたいなDJが悪いのか妖精じゃないからなのか……」
「まぁそんなことはどうでもいい!」

【近づいてきた彼女を両手で包み込んで握り潰さぬように慎重に膝の上に乗せてマフラーを膝掛けの様に乗せてやる】

「しかし君の様に……うん、あれだ…」
「ミニマムだとクリーチャーとも戦いずらいだろう?」
「もしかして実は凄く強くって魔法少女を何人も葬りさっていたりするのかい?」

【そして人差し指に闇の色の魔翌力を集めて缶詰のフタを円を描く様に撫でると鋭い刃物で切ったようにフタが外れる】
【そして二本の指をシロップの中に突っ込んでチェリーの枝の部分を摘まむとメリーの目の前に持ってくる】

「甘い物でも食べてながらお話しようじゃないか小さな僕の親友?」
411 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/28(土) 00:05:17.02 ID:PGs0fTMq0
>>402
>>409

やはり夜は良いな
できればずっと夜が続けば良いんだが……

【夜の街】
【様々な光が入り乱れ雑踏の中をナイトロードは歩いていた】
【時間は深夜】
【黒百合学院の制服を着ているナイトロードは周りからよく目立ってしまう】
【さらにナイトロード自身も子供体型に金髪碧眼という目立つ容姿をしているから余計目立つ】
【だが本人はそんなことは気にも留めずに街を歩いていく】
【ナイトロードが歩いているとそこには目を引く光景が】

メイド服?
それにその横の奴は……

【奇抜な格好の人間が二人同時に居るなど中々あることではない】
【それに興味を惹かれたのかナイトロードは二人の元へと歩いていく】
【だが自身の魔翌力は隠しもし相手が魔法少女だった場合に自分が魔法少女ということを悟られないようにする】
【まぁ相手が魔法少女だった時はどうせナイトロードも遅かれ早かれ自身が魔法少女だということを明かすのだろうが】

【新野とパメラから見ればナイトロードはとても良く目立つため雑踏の中から確認するのはそう難しくないだろう】
412 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/28(土) 00:14:40.10 ID:dCyUciNko
>>410

膝の上に乗せられ、ふわりとマフラーをかけられる。
もう季節は春だがやはり夜は少し冷える。冷たくなっていた体が優しく暖められた。

「う、ううん。まだ誰とも、戦ったことはない、よ……?」

メリーは魔法少女ともクリーチャーともまだ戦ったことが無かった。
かけらを探している時はとにかく彼らを避けていた。
その理由は「勝てないから」というよりも「人とお話しするのが怖いから」という対人恐怖症的な情けないものだった。
実際に戦ったことが無いため、自分の実力が魔法少女の中でどの程度のものなのかも分からなかった。

「え……? えっと……」

目の前に迫ったチェリーを手で押し返そうとする。
食べ物を貰うなんてそんなの鬱月に悪い。これは彼女のものなのだから彼女が食べるべきなのだ。
と思っていたはずなのだが、次の瞬間にはメリーは小さな口を開き、チェリーの果肉を齧っていた。
校内にシロップの味が染み渡る。幸せそうに口元を緩ませながら咀嚼する。

(この人、良い人だ……!)

一瞬で餌付けされた。お腹空いてたからね。仕方ないね。
413 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/28(土) 00:23:01.07 ID:GTEOf8T70
>>409>>411


魔法少女のままで魔力も放つがままの女、新野角武は歩き始めてすぐ変化に気付く。
ぴくんと立ち止まれば、後ろから来た男性が迷惑そうに脇を避けていく。それには目もくれない。

(なんか、変な反応が……)


例えるなら首筋がちりちり炙られる感覚、広げたままの探知魔法に何かが掛かったようだ。
踵を返せば、そこには異様に大荷物の少女。なぜ通り過ぎるまで気付かなかったのだろう。

「あの。 大丈夫、っで、スか……」

何かに気付いたはいいが、それを叫ぶ確信はない。
反射的に掛けたのはごく一般的な気遣い――――その時、また好奇以外の色を含んだ目線を感じ取る。

振り向くと、向こうから異国風顔立ちをしたの小さい子が。気の所為でなければ真っ直ぐこちらに向かってくる。
黒百合のお嬢様に知り合いは居ないし、しかしあちらの目線はどうも此方を捉えて離さない。

「えっ、と。 お友達……?」

この少女の関係者か、できればそうであってもらいたい。
話し掛けた手前去る事も出来ず、挙動不審になりながら。両手を胸のあたりでそわそわと、不安げに二人を見比べた。
414 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/28(土) 00:27:40.23 ID:pH/F2g1W0
>>412
「へぇ、偉いね」
「誰にも迷惑をかけずに自分の願いを叶えようとするなんて」
「普通はどんな手を使ってでもかけらを手に入れようとするものだよ」

【小さな口でチェリーをかじるメリーの頭を食べる邪魔にならないように細心の注意を払った力加減で撫でる】

「ふふふ、本当に君は可愛らしいね」
「しかし…こんなおとなしくて可愛らしいメリーちゃんがなんでこんな血生臭い世界にいるんだい?」
「もし差し障りがなければ教えてもらえるかな?」
「君の願いを…」

【そういって自分もチェリーを二つ口にほおりこんで指に付いたシロップを嘗めとる】
415 :フォルリィア [sage]:2015/03/28(土) 00:31:59.76 ID:vsn2ALNb0

 既に時刻は零時をまわっていた。
 静寂と闇が支配する小さな公園は、不気味な雰囲気を漂わせると同時に、寂しく切ない雰囲気も感じさせる。
 冷たい夜風が吹けば、人のいないブランコは揺れ動き、木々に生える草はその身を揺らし、砂場には砂煙が舞い上がる。
 月にも照らされない公園は天を見上げても地を見下ろしても藍色一色。
 しかし、そんな藍色の中にただ一つヒトの形をした黒色が混じり混んでいた。
 小さな影だった──か細い影だった。
 そしてその主人もまた同様に小さく細く、華奢だった──。
 少女はまだ幼かった、まだ未熟だった。
まだ純粋だった。
 幼く未熟で純粋な少女は退屈だった。
 公園で遊ぼうが、ゲームをしようが退屈でつまらなかった。
 意味も無く砂場で遊んだ、意味も無くゲームで遊んだ、意味も無く滑り台をした、意味も無く鬼ごっこをした。
 ────つまらなかった。
 しかし、唯一楽しめたことはあった。
 ああ、何時だっただろうか、あの魔法少女と遊んだのは。満たされなかった心が満たされた時だった。
 玩具を使えば直ぐに壊れた少女にとって壊れなかった玩具達、何をしても一番だった少女が一番になれなかった遊び。

「もう一度したい──」

 ただそれだけだった。
 あの遊びをもう一度したかった。
 ゆえに、結界を張るのだ。
 狂気と腐臭と異臭と不快に塗れたフロルを貼るのだこの少女フォルリィアは──。
 ──刹那、小さな公園はフロルと変化した。
416 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/28(土) 00:40:02.68 ID:dCyUciNko
>>414

「そ、そう……かな?」

今までに出会った魔法少女は鬱月を含め、あまり好戦的では無かったような気がする。
そのため実は魔法少女がかけらの争奪戦を繰り広げているなんて大嘘なのではないか? とメリーは思っていた。
しかしそれが普通では無かったのだとすると、今までは単に運が良かっただけなのかもしれない。
これからのかけら探しを想像すると少し憂鬱になったが、とりあえず今は褒められて頭を撫でられて嬉しかった。

「それは……。
 ……わたしが、魔法少女の願いでこの世界に召喚された、から……」

何故自分がこの町にいるのか、その理由を応えるメリーの顔が憂いを帯びたものとなる。
その表情を鬱月に見せないように顔を俯かせた。

「わたし、早く……早く自分の世界に帰りたいの……。
 パパとママに会いたい……おうちに帰りたい……っ」

そう自分の願いを口にするメリーの声は震えていた。
神に祈るようにぎゅっと指を組み、長い睫毛を伏せている。
417 :パメラ [sage saga ]:2015/03/28(土) 00:41:47.01 ID:U2XZ9Mp8O

>>411
>>413

……あー、邪魔でしたかぁ?

【立ち止まり、そしてかけられた声】
【同時に感じるのは、はっきりした魔力であり】
【とりあえずは、こちらも一般的に返しておく】

はい?……えーと、どなたか居るんですかぁ

【と、同時に】
【パメラも誰かの視線を感じて】
【そして、まだ荷物で姿がわからない相手の言葉から】
【別の誰か、第三者が確実に居る事を把握する】

……はぁ…珍しく回り道をしたらこれですかぁ
こんな事なら、大人しく転送した方がよかったですねぇ……

【知らずため息】
【しかし、自身の探知は止めないで】
【むしろ、更に少し広げる】
【話しかけられたという事は、既に最初の相手には感づかれている可能性は高いので】
【今さら隠す必要もないという、判断だ】
【ちなみにパメラ、荷物を下ろしたくても下ろせない状態なので】
【相変わらず、抱えたままである】
418 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/28(土) 00:53:08.57 ID:pH/F2g1W0
>>416

【悲痛な声を上げて体震わせるメリーの体を握り潰さないようにしながら優しく手で包み込む】

「それは……災難だったね…」
「本当に…現実とは嫌がらせが好きな物だ」

【そして口から2つのわっかを繋げたチェリーの茎を抜き取ってから自嘲気味に笑う】

「こんな究極的には全てが無意味だと思ってるような奴がいると思えば」
「こんなに良い子が苦しまなきゃいけないなんてね…」
「ははっ!こんなの僕のキャラじゃないのにね!」
「本当にらしくない!」
「しかし……」

【と、少し言葉を区切ってやや口調をはっきりさせる】

「困難にたいして努力する奴は負け犬だ、なんせ努力そのものに価値を見いだせていないのだから…」
「『がんばれ』なんて言葉に意味がない事は知ってても生憎僕はそれ以外のこういうときに言うべき言語を知らなくてね」
「両親にはすでに放任されてしまっているが、いかんせんこういう性格だからなんとも思ってはいないが…」
「まったく…酷い奴もいたものだ…」
419 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/28(土) 01:06:44.40 ID:dCyUciNko
>>418

自身を包み込む鬱月の手をそっと触れる。
やっぱり、この少女――狂犬病鬱月は良い人だと確信する。
白々しくて大げさで奇妙な言い回しをする彼女だが、今さっき会ったばかりのメリーにこんなにも優しくしてくれる。
鬱月はメリーを良い子だと言うが、メリーから見れば鬱月の方が何倍も良い子のように思えた。

「ううん……だいじょうぶ。その、ちゃんと分かる、から……」

鬱月の顔を見上げ、微笑みかける。
きちんとした言葉にしなくても、彼女の気持ちはしっかりと伝わってきた。

「でも、あの……酷いやつ、なんて言わないであげて……。
 あの子……わたしのこと、愛してくれてたから……」

メリーの言う少女とは、自分を召喚した魔法少女のことだろう。
恨んでいるはずの少女を庇う言葉を言い辛そうに口にしていた。
420 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/28(土) 01:15:14.36 ID:pH/F2g1W0
>>419
【自分を召喚して家族と引き離した筈の人物を庇うメリーを見て意外そうな顔をする】

「おや?どうしてだい?」
「君を召喚した魔法少女は自分の一生のお願いを使ってまで君を家族から引き離した奴なんだろう?」
「普通の人間(?)は恨むと思うのだがね…」
「まぁ、僕もあまり人の事を言えた義理ではないが…」
「大層にカグヤなんて呼ばれてはいるが…はっ!盛大な皮肉他ならないよ」
「人に無理難題を押し付けて」
「その人生を台無しにして不老不死…」
「ここまで僕と合致する名称もそうはないさ…」
「話がそれたね…」
「なに、童謡姫と言うある種の称号さ」
「愛、か」
「メリーちゃんはもう恨んではいないのかい?」
421 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/28(土) 01:28:53.63 ID:dCyUciNko
>>420

童謡姫の称号「カグヤ」
その称号には聞き覚えがあった。駅前の掲示板のチラシに彼女の動向が書かれていたはずだ。
言われてみて初めて気付いたが、カグヤの紹介と鬱月の言動は一致する。
しかし、本当に彼女は他人の人生を台無しにするような人間なのだろうか?
もしかしたら他の人物とメリーへの対応は全く違うのかもしれない。

「う、恨んでる、よ……。
 絶対に許せない、と思う……」

でも、とメリーは続ける。

「よく、分からないの……。
 嫌いなんだけど、好きな気持ちも……あって……。
 いなくなってくれて凄く嬉しいのに、凄く悲しい、ような」

メリーの言葉はふわふわとしたものだった。
二つの感情が混在していて心が迷っている。気持ちが曖昧になってしまっている。
今でもあの、結界に閉じ込められて人形扱いを受けていた日々は思い出したくない程に最悪だと感じている。
だが、本当は自分は楽しかったのではないか、実はあの少女と一緒に入れて幸せだったのではないか? という気もしていた。
422 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/28(土) 01:45:01.40 ID:pH/F2g1W0
>>421
【長い黒髪が夜風に揺れる】

「感情に深い意味を求めるべきではないよ」
「心理学的な事を言えばどんな相手であろうと顔を合わせ続ければ好きになってしまうとか」
「相手に監禁されるとその相手に恋愛感情を抱いてしまうとか」
「そんなのがざらに立証されているからね」

【ほんの少しだけ柔らかくメリーに微笑みを浮かべる】

「曖昧なら曖昧なままに」
「あやふやならあやふやなままに」
「自分で作り出した気持ちを大切にすると良い」
「紙綴るのも良いかもしれないね、まさに文学だ」

【いつも保健室に籠っていて、善悪の基準を持たずに好奇心のままに動き】
【尚且つ、それに価値を求めていない】

「僕をときめかせてくれるのはいつも作り物さ」
「そして人間の作る作り物の内で一番面白いのがその人間作りだす人生」
「僕は健康且つ不老不死になって他人の人生に干渉して干渉する」
「ただそれだけの暇人に過ぎないのだよ!」
「それゆえにたくさんの気持ちを見てきた僕が保証しよう!」
「君の気持ちはとても綺麗に輝いている物だ、卑下する必要はない」
「胸をはりたまえ」
423 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/03/28(土) 02:03:44.15 ID:dCyUciNko
>>422

「わたしの、気持ちを……?」

鬱月はメリーの気持ちに手を出すことはしなかった。
絶対的に少女のことを恨んで許さないべきだとも、メリーの感情が間違っていると否定することもしない。
彼女の干渉はただメリーの気持ちに自信を持たせるというものだった。
迷って悩んでいる心を肯定し、受け入れさせる。ただそれだけのこと――

「う、うん……! わかった……!」

メリーは鬱月の人差し指を両手で握り、笑顔を向けた。
疲れていた体が少し楽になった気がする。これならまた歩けそうだ。
浮遊魔法を使用し、宙に浮かび上がる。
鬱月の手元から離れたメリーは改めて彼女に向き直った。

「その……ありがとう、うつつきさん……。
 わたし、何だか頑張れる気がしてきた……!
 えっと……い、いってきますっ」

若干照れたような笑みを浮かべながら感謝の言葉を伝える。
またもう一度星のかけらを探しに行こう。自分の気持ちを大切にしながら進んでみよう。
そう思ったメリーは鬱月にぺこりと頭を下げると、夜の空へと飛び去って行った。

/眠気が圧倒的ですのでここで閉めます
/遅くまでおつきあいありがとうございました!
424 :狂犬病 鬱月 [sage]:2015/03/28(土) 02:16:59.49 ID:pH/F2g1W0
>>423

「おや?僕の囈(たわごと)なんかが役にたったのかい?それはなによりだ!」

【握手をするときの様に人差し指先端を軽く振る】

「!」
「あぁ…いってらっしゃい!」
「魔法少女には戦闘狂もいるから気をつけたまえ」

【メリーが飛び去った方向に向けてしばらく手を振った後にこの少女も背中から三対の闇の魔翌力で作られた翅を展開する】

「ふふ、小人が空を飛んだら妖精の立場がなくなってしまうよ…まったく」

【そして彼女もまた、自身の寮に向けて飛んで行くのであった】
【今度からは保健室にチェリーの缶詰を常備しようと考えながら】
【もしかしたらこれが今生の別れかもしれない】
【お互いのどちらかがこのすぐあとに酷たらしく殺されるかもしれない】
【が、そんたことに意味は無いし価値は無い】
【もう二度と会えなくとも、こういうのもまた、悪くない】
【そう思いながこの少女は新月の空に消えていくのであった】

//はい!お疲れ様でした
//とっても楽しかったです
//いずれまたロールいたしましょう!お休みなさい!
425 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/03/28(土) 02:30:49.67 ID:CACUnrg8O
>>386>>393>>394>>396>>397
結局のところ、全ては予定調和であった。
無能は何をやっても無能だ。金岡が一矢報いようと特攻を仕掛けたところで、激流の流れを変えられるはずもあるまい。
優良種にそうやって淘汰されていれば良いのだ。劣等種が何をしたところで、無駄でしかないのだから。
だから、今回の結果は、然るべき予定調和だ。

そして、その選別者たる黒百合学院の生徒会が現時点を以って発足される。
選挙は無し、会長に選ばれた者だけがなれる特別な存在。
更に言えば、学校を牛耳る権力を手に入れた事にもなる。優良種と認められた者だけが座れる座。
ヘレネはその思惑通り、副会長、つまりナンバーツーとなった。それは、藤宮に次ぐ特権の持ち主という事。他の連中よりも上に立つ事に成功した。
後ろで何やら強い視線を感じるが、それは自分より無能で上になれなかった者の妬みだろう。気にする事などない。
精々生徒会の為に、そして「私」の為に働けば良い。役に立たないなら切り捨てるまでの事だ。

「えぇ……それは光栄ですわ」

耳元で囁かれた"ずっと見ている"という言葉。ヘレネは微笑んで答える。あぁ、それも上等だろう。
しかと自らの有能さを藤宮に見せつけ、そして忠実に尻尾を振ってやる。少なくとも今は。

(まあ、その後どう動くかは天運次第だがな…将来泥船にならない事を祈ってるぜ…)

泥船になれば、いつも通り沈まぬうちに乗り換えるだけである。そうやって、いつも立ち回ってきたのだから。

そして、差し出された星のかけら。宣誓して、それを受け取る。

「私、ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタインは、優良種としてこの黒百合学院生徒会副会長の責務を果たす事を誓います」

これにて、ヘレネは完全に副会長となった。
これからはきっと忙しくなるだろう。これを起点に、絶対に立つ為の準備とする。

/遅れて大変申し訳ないです…
426 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/28(土) 03:03:27.76 ID:PGs0fTMq0
>>413
>>417

ここの道を通って正解だったな
またなにやら楽しそうなことが起こりそうだ

【心が躍る】
【これから一体どんな展開になるのか】
【平和的に会話で終わるもよし戦闘になるもよし】
【どんな展開になってもいい】
【今はただこの楽しみを抑えなければ】

いやいや中々面白い服装をしている者が居たから来てみただけだよ
しかしお前たちからはなにやら不思議な力を感じるなぁ?

【ナイトロードが言うのはつまりは魔翌力】
【ナイトロードの得意なカマかけである】
【もし魔法少女なら不思議な力やそこらへんの言葉には体が反応する】
【そこを狙った発言のようだ

//すいません!
//寝落ちしてました!
427 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/28(土) 07:42:26.57 ID:GTEOf8T70
>>417>>426

呼び止めて、改めて感じる魔法の気配。
しかしそれを発する主からは特に危険な匂いは感じない。返ってきた答えも、まるで普通人の如くごく平凡なもの。

「あ、いや邪魔ではなく……むしろ邪魔して、ゴメンナサイ」

思わず謝りながら、横歩きで欄干側、メイド服の彼女の側面に回り込む。お互い顔が見えるように、だ。
そこで改めて、やってきたもう一人の子とを見比べて、その食い違いに気づく。
年齢や言動一つをとっても、この中の誰一人接点があるようには見えない。

「えっと、コスプレじゃ、ないよー……これは特攻服」

反応したのは、面白い服装という言葉の方。困ったように、どもりながらも訂正を入れる。
拘りを語り続けるのはさておき、気になるのはもう一方の現状。

「あ……持ちまス、よ?」

重そうというか視界の確保も覚束無げ。よくこれで歩いて来れたと感心するくらいである。
このままでは話も進まないだろうのでと、見えるように片手を差し出す。
背丈こそないものの、最低限の身体強化魔法を帯びている身からすれば、人間の持てる荷物など羽根の如し。
問題は、控えめに見てもヤンキーな自分の姿を見て物(ブツ)を差し出すかどうかであった。


/次に返せるのは20時過ぎくらいになるかもしれません……
/不都合があればいつでも切って頂いて構いませんので!
428 :パメラ [sage saga ]:2015/03/28(土) 12:09:49.09 ID:F69l7FsGO

>>426
>>427

……そうですねぇ
見ず知らずの相手にそういう事を話しかけるのは、同じだと自白してるのと変わらないと思うんですがぁ?

【第三者】
【ギリギリ、こちらの探知範囲には入らない辺りか】
【しかし、相手の発言から】
【こちらも、同類だと悟る】

あ、いえ
……これ、下手に動かすと溢れそうなのでぇ
ありがとうございますねぇ

【ついで】
【最初の相手の提案をやんわり断る】
【良く良く見れば、何やら袋の縁まで入っている、パックされた何か】
【ちょっとぐらっとしただけで落ちそうである】
【そして、パメラ自身は彼女の顔を見て】
【多少、眼を丸くするが】
【それを殆ど表にださずに、あくまで普通に返した】
429 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/28(土) 19:13:05.71 ID:bo5k6HRyO
>>427
>>428

まぁそうだな
確かに自分も魔法少女だが……
それをお前達が知って私に不利益なことは起きないからな

【戦闘になったとしても戦闘にならなかったとしてもナイトロードにとってそれはどちらでもいい】
【戦闘になれば戦えばいいだけだし戦闘にならなければそこから色々面白い話が聞ければいい】

そこの横のお前も魔法少女だろう?
そしてお前も
さてどうする?魔法少女が三人、乱戦するかそちらで協力して私を倒すか?
おっと戦わないという選択肢もあるぞ
あくまで私は戦闘の意思があるものとしか戦わない

【ナイトロードは戦う意思がなければ戦わないと言っているがそれをすぐ信じる者はほとんど居ないだろう】
【いきなり現れ魔法少女と名乗る知らない人物】
【疑うということは至極当然だ】
430 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/28(土) 19:54:09.37 ID:GTEOf8T70
>>428>>429

(断られたッス……)

予想はしていたが、普通に落ち込む。
行き場を失った手を、もぞもぞと再び胸の辺りで彷徨わせ。
改めて彼女らの言葉から、自分と同類である事を再確認する。

険悪まではいかないが、素っ気ない紫の少女に、煽る様な口調の小さい娘。

(やっぱりかけらとか、縄張(シマ)の取り合いとかするんスか、ね)

星のかけらという、狙う得物が同じである以上、この邂逅は来るべくしてなのだろう。
ここで言動を間違えれば、最悪2対1でフクロにされる予感。
どちらに答えたものかと、首を振って、取り敢えずは質問を受けた方から。

「はぁ……、憚りながら、(魔法少女)させてもらってまス……」

「ウチ……私は、情報交換さえできれば、良いんスけど……」
「あ……でも、実際、大した情報とか持ってないんで……はい。 スミマセン……」

目当てのクリーチャーがいるという事を暗に匂わせる新野。
残念な事に、オブラートに包み過ぎて、逆に裏がある様な言い方になってしまった。
431 :パメラ [saga sage ]:2015/03/28(土) 20:23:52.71 ID:7hAuM4zAO

>>429
>>430

……ふむ

【一人は、見た目に反して大人しそうな子】
【もう一人は、声だけでも分かる、自信の高さを持った人物】
【少し考えて】

…まぁ、やる気ならそもそも既に始まっててもおかしく無いですよねぇ

【くしゃっと】
【『中身が空になった』袋を丸めながら、答える】
【――実は、中身だけ器用に自身の魔法で『転送』したのだ】
【夜で、しかも人通りもまばら】
【気づく人間は、いないだろうと考えてだ】
【……中身は今ごろは、店で寝てるクマ型ヌイグルミの上に落ちてるだろう】

……黒百合ですかぁ
…刺客という訳でも無いようですねぇ……
なら、別に相手する気は無いですよぉ?……今は気分が乗らないですしぃ

【そして初めて、第三者を見たならば】
【最初に思うのは、黒百合の生徒か、と】
【しかし、別段特にやる気は感じないので】
【こちらも積極的に、という姿勢ではない】

情報、情報ですかぁ……
聞きたい事はどのような感じでしょうかぁ?

【再び、今度はフェイスガードの少女へ】
【様子を見る限り、なんだか人見知りするタイプの様に感じられ】
【多少、落ち着かせるように話しかける】
432 :篠原 皐月 [sage saga]:2015/03/28(土) 21:07:59.34 ID:xJQcu+iO0

【闇に空が染まりきったころ】
【黒百合学院の校門から、一台の軽自動車】
【ハンドルを握っているのは、ポニーテールにレディーススーツの、OL風の女

ハァ…不良がカチコミにやってくるとか、昭和の時代で絶滅したと思ってたのに…
勘弁してほしいわ、全く…

【彼女自身はその日には居合わせていなかったのだが、なんでも不良が学園内に忍び込み、サンルームのガラスを割ったらしい】
【本来非常勤講師の彼女は残業とはあまり縁がないのだが、その事件を受け学園が打ち出した「校内パトロールの強化」という名目で、このような時間まで残されてしまったのだ】

【予定外の残業に心身ともに疲労がたまり、今日はまっすぐ家に帰ろうと思いつつ、脇道へと曲がったその矢先】
【上空から、何発もの光弾】

うわっ…!?何よ一体!

【急ブレーキをかけ、上空を見上げると、そこには数人の魔法少女らしき影】
【そのうちの一人が着ている改造学ランに、「闇校」の文字】
【校門から出たところを探知魔法で探り、魔力の反応があったこの車を人気の少ないところまでつけてきた、といったところか】

…なるほど、やられた仲間のお礼参りって訳。

【一人納得のいった様子で呟く】
【車からゆっくりと降りる。その片手には、年不相応の、いかにも魔法「少女」といった感じのピンク色のステッキ】

悪いんだけどさ、今日あんたらのお仲間のせいで残業させられてクタクタなのよ。だからさ、おとなしく引いてもらえない…って、聞いても無駄よね。

【あきらめの表情】
【そして、ステッキを構える】

生命あふれる大宇宙よ、私に力を!ミラクル・マジカル・コスモ・チェーンジ!!

【刹那、体が光に包まれる】

【そして、光の中から現れたのは、黒いワンピース、黒い帽子に星の飾りがついた魔女っ娘…いや年齢的に考えれば「魔女」】
【顔を赤らめているのは、恐らく気のせいではないだろう】
【不良たちの中には、露骨に指をさし笑いを浮かべるものもいる…】

やりたくてやってるわけじゃないわよ…それじゃ、始めましょうか。

【ステッキの一振りで、辺りには結界が展開されていく】

【これだけの数の魔法少女が集まれば、尋常でない量の魔力を辺りに漂わせているはずだ】
【また、不良少女たちもこの魔女も、大多数の魔法少女がそうであるように星のかけらを懐に忍ばせている】
【それ目当ての魔法少女を呼び寄せることも、十分に考えられる】
433 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/28(土) 21:12:32.06 ID:a6b9nnQK0
>>430
>>431

それなら戦闘は止めておこう
それで情報交換とはなんの情報だ?
他の魔法少女のか?

【新野が情報交換という言葉にナイトロードは興味を持つ】
【ひとえに情報と言ってもたくさんある】
【魔法少女のことや他の組織】
【それらのどの情報を求めていても不思議ではない】

あぁそうだ
その黒百合学院の生徒だ
まぁ、訳ありだがな

【自分の深いところまでは教えずナイトロードはそれだけ答える】
【黒百合学院は表向きにはお嬢様学校として人気だが魔法少女の世界ではかなり悪名が高い】
【その理由は生徒会である】
【自分たちの好き勝手にやっている生徒会に少しばかりナイトロードも怒りを持っていた】

あそこの連中は少しばかり限度というものが弁えられないものかね
お前もそう思わないか?

【ナイトロードは愚痴をこぼしながらパメラに同意を求める】
【どうやらかなり生徒会に対しての鬱憤が溜まっているようだ】
【今の生徒会になってから黒百合学院の魔法少女達は自分が魔法少女とばれないように息を潜め生活している】
【もちろんナイトロードもだ】
【こういう黒百合学院の生徒が誰も居ないところでしか羽根を伸ばせないのだからナイトロードはかなり迷惑しているだろう】
434 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/28(土) 21:39:39.17 ID:GTEOf8T70
>>431>>433

「おぉ、転送(テレポート)……?」

不意にメイド服の全貌が露わになる。一拍置いて、その現象に思い至り、感嘆の声。

(凄い――――あれ。 でも、なら、なんで運んでいたんスかね?)

器用だな、と思うほか、何故手間を掛けて肉体労働していたのかと、微かな疑問が浮かぶ。
魔力の省エネかな、と思考を寄り道させているうちに、二人から異口同音に問い掛けが。

「あ、はい」
「実は、赤茶色、というか銅色……? の鎧の、クリーチャーを、探してまス」
「頭に一本、角が生えてて……逃げ足が早くて、結界からも何度かトンズラ、されました」
「……知ってまス、か?」

頭に人差し指を立てて、身振り手振りで尋ね人(?)の特徴を説明。
何を隠そう、先程まで背竜橋に佇んでいたのも、其れの出現を待っていたからなのである。
出現率の低さ故に、今日のように空振りに終わるのも、決して珍しくはないのだが。
なので、訊ねたものの二人からのこころよい回答は期待していない。
一拍置いて、その前の二人の遣り取りを反芻。

「ち、小さいのに、苦労してるんス、ね」

黒百合のイメージにそぐわぬ表現と、少女の幼い外見に、多少なりとも同情の視線を送らざるを得なかった。
435 :パメラ [sage saga ]:2015/03/28(土) 22:07:29.51 ID:7hAuM4zAO

>>433
>>434

そうですねぇ……
……ただ、まぁ……生徒会長でしたかぁ?
あの人がいる限りは、止まらないと思いますよぉ
一度お相手しましたがぁ……少くとも実力と意思は本物でしたぁ

【黒百合の少女の話を聞いて】
【すぐに、何を示しているか悟る】
【最近の噂では、本格的に動くという話もあったのだ】

うーん……そうですねぇ
……何度か見たような覚えはありますがぁ……詳しいことは分からないですねぇ…

【そして今度はフェイスガードの少女】
【思い当たる節はあれど】
【しかし、有益な物は無さそうであった】

あー、ですけど…
私の店にくる子達とか、あとは駅前の掲示板でしたら何か分かるかもしれませんよぉ?

【だが、代わりに】
【次の情報源になりそうな事を教えることにした】
436 :フォルリィア [sage]:2015/03/28(土) 22:07:38.34 ID:vsn2ALNb0
>>432

「……………………………」

 白銀の短い髪に純白の衣服を着た赤眼の右目を持つ幼い少女が幾多の不良達に紛れ、白い目で篠原を見ている。
 明らかに引いている表情を浮かべている少女は一目で篠原が魔法少女と分かった。
 更に貼られた結界により初めて周りにいる不良達も魔法少女だと認識した。
 既に両手じゃ足りないほどに魔法少女と出会い遊んできた少女はその経験からか、一通り見ただけで大体魔法少女の力量が分かった。
 何人かは分からないが周りにいる不良達は大したことないだろう。
 少女にとっては触れたら直ぐに壊れてしまう繊細な玩具に過ぎない。
 直ぐに壊れる玩具に価値は無いし、飢えた心を満たす力もない。
 少女が求めているのは渇いた喉を潤す鮮血を流す玩具──飢えた心を満たす壊れない玩具。

「────アハッ」

 数が多ければいい訳じゃない。重要なのは質だ。量より質なのだ。
 価値が無いモノが百集まろうがそれに価値は無いし、存在理由も無い。
 ただ胸糞悪いだけだ、人を楽しませることの出来ない玩具は有るだけで邪魔に過ぎない。
 仕方ない、今日は掃除をしよう。
 少女は貼られた結界内で更に結界を貼った。それは固有結界魔法《フロル》──。
 景色の変わった結界内で少女は狂った様に破顔した。
 純粋な赤眼は真っ赤な血を流し潰れていた────

437 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/28(土) 22:45:08.27 ID:a6b9nnQK0
>>434
>>435
まぁな……
最近の黒百合の雰囲気はなんとも好きになれん

【新野の同情をナイトロードは素直に受け取る】
【普段ならなにか皮肉で返すものだがどうやら本当に迷惑しているようだ】
【そして新野が探しているという情報はどうやらクリーチャー関連のものらしい】
【しかしナイトロードはあまりクリーチャーとの戦闘は行わないため情報は持っていない】

クリーチャーか……
すまない、私はあまりクリーチャーには詳しくなくてな

【申し訳なさそうにナイトロードは言う】
【そしてパメラが一度生徒会長とやり合ったということを話す】

ほほぅ、お前やり合ったことがあるのか
一体どんな感じだったのか詳しく教えてはくれないか?

【そう言ってナイトロードはパメラからなにか情報を手に入れようとする】

//戻りました
438 :篠原 皐月 [sage saga]:2015/03/28(土) 23:03:16.08 ID:xJQcu+iO0
>>436

【不良連中を大したことはないと見積もっているのは、この魔女も同じ】
【大魔術の1、2発で片が付くだろう…そう考えていた、その時】

………!?

【突如、先ほど自身が展開したばかりの結界が、おぞましいものへと変貌していく】
【不良軍団もうろたえているあたり、彼らの仕業ではない。では誰の仕業か】
【その答えはすぐに見つかった】
【少女の周りにいた不良が、その異常に気づき飛びのいたのだ】

小学生……?怪我して、偶然巻き込まれた…って訳じゃないわよね?

【血を流しながら笑う様子は、長年の魔法少女の経験から考えても狂気じみた物を感じさせる】
【状況と合わせて考えれば、元凶はこの少女であることは確信的だ】
【そして、不良共とは桁が違う強さを持っているであろうこともまた確信的】

……お嬢ちゃん、一応だけど、ここは危ないよ?迷子ならお母さんの所まで送ってあげるよ?

【無駄であろうことは知っている。それでもこう言ってしまうのは、教師の性だろう】
【それに、長年の経験の中で、相手がどのような力を持っているのかわからない場合に突撃するのは危険ということを、嫌というほど学んできた】
【その経験に従って、相手がどのような力を持っているかまずは見極めようと試みる】
【優しい言葉とは裏腹に、ステッキはしっかりと握りしめられている】

//お風呂入ってくるので次のお返事は遅れるかもしれません
439 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/28(土) 23:13:22.15 ID:GTEOf8T70
>>435>>437

「あ、ありがとうございまス」

「メイド喫茶……うぅ。ちょっと敷居が、高い……」
「……掲示板で、探してみるっス」

二人から寄せられた答えにぺこりと首を垂れる。それに続いて幾ばくかの逡巡。
店という単語、それに紫の少女の服装から導き出される結論は、とても華やかで乙女チックな世界。
それは所謂不良とは無縁の聖地である。丁重にご遠慮願(ったつもり)で、第二の選択肢を選んだ。

当然だが、新野角武に黒百合の知り合いは一人も居ない。
続けて始まった二人のやり取りには参戦できるわけも無く。独り、とりとめのない考えを巡らせる。

(……そういえば、黒百合って高校スよね。 え、という事はこの子――――)
(いやいや、ウチの勘違いという可能性も――――)

頭を振ってその考えを他所に追いやる。
魔法少女ってすごい。本当にそう思った訳で。


(――――というか、会話について行けないス)

なんだか高級そうな会話をしているな、という雰囲気。
上等でない頭で辛うじてそれだけを読み取り、邪魔にならないよう最低限の相槌だけ打つ。

「トップもお仲間、なんスね」

自分とは無縁のお嬢様校の頂点、その一角と(魔法少女という)共通点を持つ3人。
見た目や年齢はばらばらだが、案外狭い世界であると嘆息する。
それも、例の生徒会長の性質を知らないからこその、のほほんとした感想だった。
440 :恩納 風利 [sage]:2015/03/28(土) 23:19:19.07 ID:FceecvTlO
……うわぁ〜……大きいとは聞いてたけど、ホントに大っきいや〜

【太陽が沈み月が空の頂点へと達した頃合い、休日の夜を楽しむ人々で賑わう南地区の駅前】
【その広場に設置された今時珍しい巨大な掲示板、その正面に立って見上げる一人の少女らしき人影】
【今夜は普段の行動範囲である北地区から足を伸ばし、初めて訪れたようだ】
【それも魔法少女向けの情報が手に入るという話を風の噂で聞きつけたからなのだが】

……ん〜、量が多くてよく分かんないなぁ……
えぇっと、これはイベントのお知らせ……北地区でセール、バザーの日程……むぅ

【広告を端からあらためていくも、中々お目当ての魔法少女関連の情報にいきつかない】
【あまりに情報探しに夢中になっているがために周囲への注意が散漫になっており】
【ある種の挙動不審さを放つ風利に向かって誰かが近づいてきても気が付かないだろう】
441 :パメラ [saga sage ]:2015/03/28(土) 23:31:53.83 ID:7hAuM4zAO

>>437
>>439

うーん…一言で言えば狩人、でしょうかぁ
あぁでも、女帝と言っても差し支えないかもしれませんねぇ

絶対的な自信と、それに違わない実力
獲物は猟銃でしたけど、変幻自在な感じですかねぇ
あとは………そういえば、一度だけ私の武器を奪われて逆に使われましたねぇ…しかも私が使った魔法をそのまま使ってきましたし
……まぁ、一番厄介だと感じたのは、ダメージを受けることを厭わない部分ですかねぇ
星のかけらも躊躇いなく使ってましたからぁ

【黒百合の少女の問いかけ】
【それに、特に渋る事なく答えていく】
【それは、その時感じた事全てであり】
【しかし、自分自身は殆ど隠しながらであった】

あー、そっちも考えたんですがぁ……全然違いますよぉ?
少くとも、普通(?)の喫茶店ですからぁ
……カフェ「とれみぃ」って言うんですがぁ、良ければどうぞ

【次に、何か考え違いをしているフェイスガードの少女に対して間違いをただして】
【ついでにポケットから出すのはチラシが二枚】
【それを、差し支えなければこの場の二人に渡すだろう】

お仲間はお仲間ですがぁ……はっきり言えばあまり遭遇したくはないタイプかも知れませんねぇ
魔法少女狩り…なんて事をしている見たいですからぁ
……まぁ、それ以外にも最近のこの街は危険な方も多いので、先ほどみたく無闇に魔法を使ったりするのはやめた方が良いかも知れませんよぉ

【最後に告げるのは助言】
【どうにも、彼女はあまりこういう事には疎いようなので】
【何か起きて寝覚めが悪くなる前に、教えておく】

442 :上田美奈 [sage]:2015/03/28(土) 23:40:28.98 ID:78i1lQkOO
>>440
【そのままとすん、と軽い音を立てて何かに衝突】
【反対側の端から広告をチェックしていた子でした】
【年の頃は中学生くらいで、大きいとは言えない体躯のせいで結構苦労しているみたい】
【この掲示板、おっきいから】

「あ、すいません」

【ぶつかり方は軽度なのですぐに謝るくらいの余裕はあったみたい】
【挙動不審っぷりはお互い様で、注意力の散漫具合も似たようなもの】
【でもそれよりも、あやまった直後の表情がモノを言う】
【「あれ?この子も同業者?」と、ミナの顔にはばっちり書いてあった感じ】
443 :エヴァージェリン=ナイトロード :2015/03/28(土) 23:55:20.76 ID:a6b9nnQK0
>>439
>>441

なるほど……
相手の魔法を模倣出来るのか……
色々と厄介だな……

【あの生徒会長とはいつか一戦を交えることになるかもしれない】
【それに備え情報を集めておいて損はないだろう】

ありがとう
色々と良い情報を得られた
感謝する

【ナイトロードは感謝の言葉を言うと新野がその生徒会長を仲間などと言っている】
【恐らく黒百合の生徒会のことを知らないのだろう】

仲間ではない
それに私にとってはまだ敵でもない

【ナイトロードは自分に直接の被害が無ければ手は出さない】
【しかし最近の生徒会こ動きはナイトロードにも影響が出ている】
【実際そろそろ動いてもいい頃かと思っていたところだ】

奴らは自分たちが認めた者しか認めない
気に入らない奴は始末する
だから黒百合の魔法少女はいつも魔法少女ということを他の魔法少女にま中々言いたがらない
当然だな
誰だって命は惜しい
まぁとにかく危険な連中ということだ

【ざっくりと新野に説明する】

まぁお前も気を付けろよ

【最後にナイトロードは忠告をする】
【やはり見知った者が襲われるのは気分が悪いものらしい】
444 :恩納 風利 [sage]:2015/03/28(土) 23:59:59.91 ID:FceecvTlO
>>442

わととっ、ごっごめんなさ……

【情報探しに夢中であったとはいえ、違いに肩を軽くぶつける程度の軽い接触】
【ほんの一瞬だけ驚きと焦りを覚えるも、それは日常でごく普通に起こりうること】
【謝罪の言葉と共に軽く会釈をすれば事はそれでお終い、そうなる程度のモノな筈であった】

……? …………あっ

【しかし、何気なく伺い見た相手の顔にふと僅かな既視感を覚える】
【その既視感の理由を脳内で探ること数秒、該当する顔と出会った状況を想起】
【時は夜、場所は街中、状況は錐揉み急速落下からの……】
【そこまで思い出した所で思わず声をあげてしまい、直後にしまったと内心で青ざめる】
【身元を可能な限り知られたくはないのだから、ここら素知らぬフリをするべきだったと】
445 :フォルリィア [sage]:2015/03/29(日) 00:11:50.96 ID:f+AAyWN80
>>438

 優しい物言いで話しかけてきた篠原を少女は子猫の様な愛敬のある鋭い目付きで見る。
 流石教師と言うべきか──慣れた口調で事態を収拾させようと説得する篠原の姿は貫禄に他ならないものを感じさせた。
 篠原の声を聞いても少女は口を開こうとはせずに数秒間という僅かな時の中、沈黙を続けた。


 ──そして地に埋まる人形をゆっくりと足で踏み潰すと少女はやっと口を開き、対等に篠原へと返答をした。





「   やだ     」



 たったの一言。たったの二文字。少女の返答はただそれだけだった。
 笑顔を浮かべながら返答をした少女は時を移さずに白銀の髪を激しく揺らし、その華奢な体をいっぱいに使い近くにいた一人の不良を前触れなく襲った────。
 か細く可愛らしい二本の指は不良の瞳を抉り、眼球をいとも容易く悍ましい大地に落下させた。
 柔肌から垂れ落ちる不良の鮮血、少女と同じ右目から流血し声にならない声を上げる不良、それを見て破顔をする少女。
 なんの抵抗も無く行われた信じ難いその行為はまるで気に入らない玩具を壊す子供のそれと似て異なるものだった。
 目を見開き笑い声を上げる少女は、転がる眼球を踏み潰し、篠原へと意識を向けた。
446 :上田美奈 [sage]:2015/03/29(日) 00:13:27.95 ID:PXIiddgRO
>>444
【熟考数秒。とりあえずバトルマニアスタイルじゃないことに感謝】
【足を使ってかけら探しする派ってだけでも大歓迎】
【問題は、知り合い方が大惨事すぎたこと】

「……えーと、多分探しものはいっしょですし
 見つけたら、お互いに教える感じにしましょか」

【これは諦めた人の表情でした】
【あらゆることに妥協してあゆみだけを止めないタイプの人種としては
 比較的穏当かつ常識的選択をしたのでしょう】
【見なかったことにすると宣言した手前、ミナの側から例のアレに触れることはしません】

「一応、一枚あるにはあったんですよ、あやしいの」

【指さした先の張り紙には「怪奇、空を泳ぐ謎の魚」という文字が…】
447 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/29(日) 00:24:41.09 ID:djAuOfxR0
>>441>>443

「会長(トップ)というか、総長(ヘッド)ぽいっスね……想像できないス」


立て板に水で晒される話は、黒百合を統べる者の非常識な戦力。
聞いただけでもラスボス感がすごい。もし倒せても何回か変身して蘇ってくるような気がする。
脳内に浮かぶのは、縦ロールお嬢様が盗んだバイクで走り出す姿。
別世界への貧困な想像力故、この図が現界である。
改めて、魔法って何でもありなんだなぁ、と想像を逞しくした。

「やっぱ、考えたんすね……あ、どもでス」
「とれみー……ファンキーな名前っスね」

一息ついて、渡されたのは初めて聞く喫茶店の紹介紙。
受け取ったチラシを眺め、褒め言葉ともつかぬ感想を漏らす。

「狩り……始末……」
「は、はい。 肝に銘じまス」

二人からの矢継ぎ早の忠告にこくこくと頷く。
今度カチコミに誘われたら、そのヘッドには注意するように伝えなければならない。
ついこの前一人の魔法少女が単騎で突撃したとも知らず、新野は警戒を新たにする。


(ん、メイドさんも、さっき魔法使ってなかったでスっけ?)

ガード越しに、少しだけ腑に落ちない顔を浮かべながら。
448 :恩納 風利 [sage]:2015/03/29(日) 00:28:00.01 ID:beFabQX4O
>>446

【こちらの反応を見て押し黙る少女の姿に、或いは自分があの日の魔法少女と気付かないかも】
【そんな淡い望みをおぼえもしたものの、少女の気まずそうな表情に全てを察する】

………………助かります

【髪型や髪色、服装が違えども顔の作りや声までもが変わっている訳ではない】
【これだけ間近で顔を付き合わせてはバレない筈もない、その現実を大人しく受け入れよう】
【幸いな事にかけら探しに協力的そうな上に個人情報に触れようとするそぶりもない】
【一人での探索に行き詰まっていた現状、協力者の存在は願っても無いのだから】
【そして有効かつ円滑な関係性を維持するためにもあの夜の出来事については全力で忘れようそうしよう】

えっ? ど、どこっ……! 空を、泳ぐ魚……?

【そして協力関係(?)に移行して早速の情報入手に驚きつつ指差す方向を注視する】
【そして目にした紙に書かれた突飛な、しかし"らしい"と言えばそれらしい内容に目を丸くする】
449 :上田美奈 [sage]:2015/03/29(日) 00:34:12.56 ID:PXIiddgRO
>>448
【こういう場でアレに踏み込めるのは勇者か鋼の精神の持ち主です】
【残念ながらミナはそのどちらでもありません】
【大丈夫。世の中には筋肉モリモリマッチョメンの魔法少女もいるというから】

「場所は南の山沿い。夜の廃工場で巡回の警備の人が目撃、と」

【内容確認中。少なくとも、自分の探知範囲の外側なのは確認しました】
【山側まで探索しにいったことはミナにはありませんので】
【しかし、空を飛んでいけばそれほど遠い距離でもありません】

「確認する価値はあると思うんですけど……」

【どっちがいきます? それとも協力します?】
450 :パメラ [saga sage ]:2015/03/29(日) 00:41:24.36 ID:1jW+GmUiO

>>443
>>447

まぁ、どう考えても一筋縄ではいきませんねぇ

【うんうんと肯定】
【実際、一筋縄では行かなかった】

はぁい、お代はお店の売上貢献でお願いしますよぉ?

【更に続いて、得るべき対価はそれだと】
【恐らく手渡したであろうチラシを指差しながら一礼する】

良いと思ったんですけど、回りが少しですねぇ……
うふふ……機会があればいらして下さいねぇ♪

【ついで、もう一人の少女にも反応】
【そしてこちらはニコリと笑みを返しておいた】

あぁ、そうそう、失礼しましたぁ
私、カフェ「とれみぃ」店主のパメラ・レジエルと申します
宜しければ、お見知りおきを……うふふ

……どうしましたぁ?

【と、ここで名乗っていないことに気づき】
【店まで紹介したし、タイミングも頃合いかと考えて名乗る】

【……が、なんだか微妙そうな表情のフェイスガードの少女に対して、少し首を傾げるのであった】
451 :恩納 風利 [sage]:2015/03/29(日) 00:53:19.49 ID:beFabQX4O
>>449

南の方の山……

【自分は専ら拠点である北地区を回っているばかりであった】
【故に土地勘は皆無と言って良い程度、一人で行くには少し気が重いが】

えっ? 一緒、に?

【思わぬ申し出に思わず聞き返すが、考えてみれば正に渡りに船】
【現状ではクリーチャーの類との戦闘については断片的な知識しか持っていない】
【であるならば、少なくとも自分よりは経験者であろう魔法少女に同行するのは色んな面で参考になる筈】

……お願いします

【一緒に行動することへの不安もあるが、ここは話に乗るべきと同行を申し出る】
452 :エヴァージェリン=ナイトロード :2015/03/29(日) 01:04:30.40 ID:48G/z+1I0
>>450
>>451

まぁただで情報が貰えるわけは無いな……
では今度寄ってみるとしよう

【パメラの店「とれみー」に寄ると約束する】
【確かに情報を得る場所が増えるのはありがたい】
【これはどちらにとっても利益がある】

おう、しっかり銘じておけ
下手すれば死ぬからな
お前の仲間にもしっかりと伝えておけよ

【新野へと再びナイトロードは念入りに忠告をする】
【しかしこんなことを続けていればバレたらナイトロードは確実に生徒会から目をつけられるだろう】

(まぁ、その時はその時だ)
(なるようになるだろう)

【しかしナイトロードはなんとも適当に考えている】
【人にはあれだけ忠告しておいて自分はこれなのだから呆れてしまう】

ならこちらも名乗らねばならないな
私の名はエヴァージェリン=ナイトロード
まぁエヴァとでも呼んでくれ

【パメラが名乗ったのに対しナイトロードも自らの名を名乗った】
453 :上田美奈 [sage]:2015/03/29(日) 01:07:01.81 ID:PXIiddgRO
>>451
「……なんといいますか、この掲示板が囮というのを
 自分の中で否定しきれないんですよねぇ」

【経験の浅い魔法少女をおびき寄せてなけなしのかけらを強奪、なんて
 あってもおかしくないし、設置者にその気がなくても襲撃者は利用できると思うのです】
【大丈夫そうなら、今後はお互いソロでつかえばいいしそうでないなら
 次回からは警戒しながら利用できますから】

「それはそれとして待ち合わせですが、今夜の真夜中。
 一番高いビルの屋上でいいです?」

【魔法少女でなければ成立しない場所指定です】
【それでよろしければ、ここは一旦お開きとしましょうか】
454 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/29(日) 01:28:22.86 ID:djAuOfxR0
>>450>>452

「あはは……仲間(ツレ)と財布に相談、しときまス、ね」

商売人の魂に圧されて、汗混じりに手を振る。
メイドさんの居る店に行くには、まず金銭より先に、強盗と間違われない服が必要だろう。
色んな意味で道のりは遠い。

「な、何でもないっス……! えと、名前もファンキーだなぁ、って……」

「ウチ――私、は新野(にいの)、っス。 下の名前は、恥ずかしいので……ナシで」

案外(?)鋭い読みにびくっと体を揺らす。
ありていな言葉で前向きな意志を見せて。今までより僅かにトーンを落とした声で、最後の名乗り。
理由としては、キノコみたいな名前はやたらと表に出したくなかった。
あまり指摘が来る前にと強引に二の句を紡ぐ。

「あー……今日は貴重な話、をありがとう、ございまス……?」

最後が疑問形なのは、当初の目的を忘れがちになっているからだろう。
頭を下げようとして一旦止まり、納得してからもう一度ぺこりと。
455 :恩納 風利 [sage]:2015/03/29(日) 01:35:59.84 ID:beFabQX4O
>>453

えっ? オトリ? それは……なんで?

【少女の発言に心底不思議だといった顔をしてみせる】
【どうやら魔法少女同士の諍いの存在は知っていてもそこまでもって回ったやり口までは発想が至らなかったようだ】

待ち合わせ? 一番高いビルの上……え〜っと……分かりました

【一旦別れてから再び合流するということなのだろう】
【周囲を見渡して一番高いビルに当たりをつけて頷き了承の意を伝える】

//返信遅くなりました
//ここで〆とさせていただきますね
456 :上田美奈 [sage]:2015/03/29(日) 01:40:38.22 ID:PXIiddgRO
>>455
「え? だってほら魔物倒した魔法少女って疲れてるし
 かけらも高確率でもってるじゃないですか。
 すごく取りあげやすいと思いますよ? やられましたし」

【……奪われた方の経験者っぽいお言葉】
【世の中には恐ろしいことをする魔法少女がいたものです】

「それではまた、真夜中に」

【合流してからどうなるかはまた別の話ということで】

//
お疲れ様でした
457 :パメラ [sage saga ]:2015/03/29(日) 01:41:14.91 ID:1jW+GmUiO

>>452
>>454

はい、その時はサービスさせて頂きますねぇ

【客ゲット】
【パメラ・レジエル、経営は適当なのに集客は熱心であった】

貴女もサービスしますからぁ、お気軽にいらして下さいねぇ
……それならいいんですがぁ

【そしてまた一人】
【なんだか慌ててるような様子に、また少し傾げながら】

エヴァさんに、新野さんですねぇ、分かりましたぁ

【一人一人、覚えるように復唱】
【うんうんと、頭のなかに染み込ませて】

いえいえ、これも何かの縁ですよぉ、きっと
……さて、そろそろ行かなくては行けませんねぇ…
それでは、お二人ともお待ちしてますよぉ

【最後に】
【新野に対しては何でも無いように手をひらひらさせて】
【そして、綺麗に一礼する】

【このまま、何もなければ】
【きっと、パメラは確かな足取りでこの場を後にするだろう】

/この辺りが丁度よさそうですね…

458 :篠原 皐月 [sage saga]:2015/03/29(日) 03:21:57.67 ID:tlMOGjkY0
>>445

【間に流れる、幾ばくかの静寂】
【それは、血をもって破られた】
【悲鳴が、響き渡る】

んなっ…!?

【目の前のあまりにも残虐な凶行に、言葉を失う】
【不良たちもそれは同様なようで、中にはその場にへたり込んでしまうものもいる】
【他校の生徒とはいえ、流石に放っておくわけにはいかない】

…あー、もう!
希望を運ぶ、車輪よ来たれ!マジカル・コスモ・ファスト・ドライバー!

【その呪文に反応し、魔女の後ろに止めてあった軽自動車のエンジンが唸り、ヘッドライトが闇を照らす】
【軽自動車は無人のまま猛スピードで走り出し、不良のそばにぴたりと停車した】

全員、死にたくないんだったらその車に乗りなさい!早く!

【その声で我に返った不良軍団は、我先に軽自動車へ乗り込もうとする】
【妨害されることなく無事に乗り込むことができれば、車はまたひとりでに走りだし、結界外か、それが叶わなければとりあえずの安全地帯へと不良軍団を運び出すことだろう】
【残りは、少女に不運にもつかまった不良のみ】
【少女の方へ、目線を向ける】

…ちょっとばかし、おいたが過ぎるんじゃない、お嬢ちゃん?

【その口調と視線に、先ほどまでの優しさはない】
【ステッキを少女へ向ける。それは明確な脅しの意思】

3秒あげるから、その娘離しなさい。それ以上やるようなら、いくら小学生でも手加減しないわよ?

//遅くなり大変申し訳ありません
//ご都合の良い時にお返しください

459 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/29(日) 10:36:50.83 ID:48G/z+1I0
>>454
>>457

新野か、覚えておこう

【新野の名前を聞きしっかりと頭の中に入れる】
【これでもナイトロードは記憶力が良い方なので忘れはしないだろう】

では私からも礼を言おう
貴重な情報をありがとう、今度そちらの店にも寄らせてもらう

【とパメラへと情報の礼を言う】
【今回のことでかなりの情報を得られた】
【これで生徒会の者と戦う時に少しばかり有利になるだろう】

ではこれにて私は帰るとしよう
非常に有意義な時間になった

【ナイトロードがそう言うと何もないところからいきなり黒いマントが現れナイトロードを包む】

また機会があったらその時はよろしく頼むよ
今度はそのクリーチャーの情報も集めておくよ

【そして黒いマントから僅かに魔翌力が発せられたと思うと既にそこにはナイトロードの姿は無くマントも何事も無かったかのように消えていた】

//相次ぐ寝落ち申し訳ありません……
//自分もこれで〆させてもらいます
460 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/29(日) 17:16:41.80 ID:djAuOfxR0
>>457>>459


(えと、メイドさんがパメラ、で小さい子がエバー……どっちが苗字だっけ)

外国人風の名前は馴染みがない新野にとって、二人分は関連付けて覚えるだけで一苦労である。
それ以前にどちらとも見た目のインパクトが強くて、自分の事を棚にあげ目を白黒させる始末。
性と名の謎に触れて悩んでいると、誰からともなく別れの挨拶。

「あ、はい。 オキヲツケテー……」

曖昧に頭を下げて、消えた姿と歩いていく後姿を見送る。
独り欄干に残ってすっかり日も落ちた夜空を見上げること暫し。

「さっさと、着替えなきゃ、スね……」

思い出すのは魔法少女狩りという危険な言葉。
我知らずぶるりと身を震わせ、橋向こうのコンビニへとぼとぼと進んでいった。


/絡みお疲れ様でした&ありがとうございました!
461 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/29(日) 18:38:33.49 ID:KbjgH1FP0

「んー、あっちでもない、こっちでもない……見つからないわねぇ。」

辺りも次第に宵闇に呑み込まれつつある黄昏の時間帯。
そんな時間帯の路地裏に、何やら地面に這いつくばった状態でいる江風高の制服を着た生徒が一人。
転々と設置された室外機の下を覗いては凹み、覗いては情けない声を出しているさまは些か怪しく思えるであろう。
“ 茶髪で長身の男子生徒 ” がそんなことをしていると見れば、より一層。

「おかしいわねぇ。確かにさっきはビビっと感じたのに…もしかして先に取られちゃった?
 あーんもう、おバカ!スカポンタン!アタシってば本当にどんくさいんだから!」

…ちなみに何度も言うが男である。
現に文面だけなら女性的な台詞だが、それを音源はまさしく声変わりした男性そのもので、なんともいえないミスマッチ感と不協和音を醸し出す。
漫画の一場面ならキーッと擬音の付きそうな悔しがりようで、少し腕をバタつかせて自分で自分の頭をコッツンコしているのは本当に男。
キモいから詳しい描写はいらない?申し訳ないです。

そんなこんなで何かを探している近寄りがたい男子生徒。
そんな彼自身とその周りには一部の人種なら分かるであろう、僅かに魔力がふわりと風に乗って漂っていた。
462 :フォルリィア [sage]:2015/03/29(日) 19:15:49.78 ID:f+AAyWN80
>>458

「早い早〜い!」


 不良達は魔車に乗りすぐ様少女と篠原がいる場から離れ狂気の結界フロルから抜け出した。
 少女はその様子を見ながらも決して邪魔はせず独りでに動く車の速さをはしゃぎながら眺めていた。


「つまらない玩具は有るだけで邪魔だから、壊しただけだよ? 私の結界(へや)にあっていい玩具は私を楽しませてくれる壊れないものだけ──。 なにも悪いことはしてないよ」


 篠原の強い口調、脅しに少女は臆すること無く優しい物言いで反論する。
 その内容は彼女達を人とは見ていなく、人権など無に等しい理論で成立していて、不良の一人を躊躇いも無く襲えたのも、その破綻した価値観があるからこそ出来た行為だったのだろう──。
 鋭い目付きで篠原を睨む少女の意識は既に逃げた不良達にも、自身が掴む不良にも向いてはいなく、篠原たった一人に向けられていた。
 さて、どうしようか──少女は篠原の全身を、ステッキの先まで見ながら彼女は何処まで遊んでくれるか考えている。


「おばさんこそ、あまり調子に乗らないでよね。 私、遊んでくれる玩具は好きだけどおばさんは好きになれないかな。だから、遊びとか壊すとかじゃなくて────[ピーーー]よ?」


 少女の考えは一転。
 先程までは過去出会った有象無象の魔法少女同様、どう破壊しようか、彼女はどう遊んでくれるか、そう考えていたが篠原の物言いが酷く気に入らなかったせいか幼稚ながらに殺意を覚えていた──。
 少女にとっては不良達も人も魔法少女もただの玩具に過ぎずそれ以上の価値は無い。
 自分の部屋にある玩具を自身がどう扱おうが勝手だと考えている少女にとって篠原の言いたいことは理解し難いし、何より耳障りでしか無かった──。
 不良を掴む腕に力が入る。無意識の内に怒りを露わにしていた。
 白銀の髪を一度かき上げると、少女は不良を篠原の方へと転がすように投げた。


「──────────」


 不良の転がる地面が、人形にまみれた大地が徐々に変化していき真っ赤な海となった。空を飛ぶマネキンは消え、代わりに血の色をした満月が浮かび、赤い雨が降り始める──血だ、海も雨も鮮血そのものだった。
 転がる不良は流血と海の血と雨の血により真っ赤になりはじめている。少女の潰れた瞳は結界の景色同様変化し治っていた。
 少女は無言で結界を変化させていた。
 ────固有魔法フォルリィア。計三つの固有結界魔法で構成された魔法だ。
 そしてこの結界魔法の名前は血海魔法、ダジャレじゃないよ。
 少女の白銀の髪も純白の衣服も真っ赤に染まり、柔肌には斑点模様の様に血が付着する。
 辺り一面、目に見えない先まで変化の無い景色──。何処までも続く血の海、障害物一つ無い空間、結界内全土に降り注ぐ鮮血の雨、三人を照らすのは真っ赤な空に浮かぶ肉な満月。

463 :望月星奈 [sage]:2015/03/29(日) 19:46:40.44 ID:s1VCWasF0
>>461
「………なにやってんの」

【そんな悔しがる貢の背中にかかる、呆れたような女性の声】
【振り変えればそこにあるのは、紫薔薇学園の制服を纏った少女の姿】
【肩にありふれた学生カバンをかけ、もう片方の手には付近にあるスーパーの袋】
【まだ地平線に残る夕焼けの名残を背に受け、薄暗い路地に長い影を落とした】

「あー…もしかして落し物?」

【なにかを探している様子の貢を見て、納得したかのように一人頷く】
【探し物ではなく落し物と表現したところに、目の前の男性を詮索するつもりなど微塵もない】
【先程までの貢のひとりごとを聞いていなかったための判断だ】
【しかし例え耳に入っていたとしても、彼女はまったく同じ事を考えただろう】
【相手は明らかな男性、すなわち魔法少女では断じてないはずだという先入観があった故だ】
【確かに感じる魔翌力の出処も、別のどこかからのものだとほぼ断定】
【ならば困っている人を見かけた以上、放っておくのはどこか目覚めが悪い】
【夜は迫り既に世界は暗い、こんな中で探し物はさぞかし大変だろうと】

「なんなら手伝おうか?暗くなるし、早く見つけた方がいいでしょ」
464 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/29(日) 20:18:09.46 ID:KbjgH1FP0
>>463

「ああ、どうしよう。困っ―――え?女の子?」

どんなに探しても見つからないそれがもどかしく、ぐああと頭を抱える蔵間。
もう一旦帰ってしまおうかと考え始めたその時、突如頭上から声が懸かる。あ、やばい。若干騒ぎすぎたかもしれない。あれ、もしかして警察?職質なパターンですか?
絶望的な発想で顔をあげると其処に居たのは予想外…というか警察ではなかったようで。
自分と同い年位の少女を見て首を傾げる。制服からして紫薔薇の学生であるらしい。

「ああ、うん。確かに落とし物といえば落とし物なのだけれど……」

この街に伝わる願いを叶える石を探してます☆なんて通りすがりの女の子には口が裂けても言えない。
とりあえずうやむや、ふわふわな物言いで返答をする。
と、相手のある言葉を聞いたかと思えば、突如ぱあっと顔を輝かせた。

「……ほんとに?やだ、嬉しい!お姉さん喜んじゃう!ええっと、どう言えばいいのかしら…
あー?……パワーストーン、そう!パワーストーンみたいなのを落っことしちゃったのよ!ここら辺の筈なんだけど〜。」

満面の笑顔を浮かべたかと思えば、マシンガンの如くトークし始める。
彼にとっては至っていつも通り、だけども周りに対しては絶大なインパクトを与える、そんな口調で。
本当の話の中に全力で即席の嘘をぶっこんでいく。まあパワーストーンって言い方は間違っていないはず。願いを叶えるパワーストーン(力を持つ石)。モロだ。
何はともあれ彼も相手が魔法少女だということには気付いていない。それほどにポンコツ探査能力なのか、はたまた警戒心が希薄なのか。
465 :兵馬 一姫「」/フェデーレ『』 [sage]:2015/03/29(日) 20:34:52.23 ID:vsr5TGqeo
紫薔薇学園近く。夕暮れ時の人気の少ない帰り道。そこに結界が張られていた。その結果内には、二人の少女。その内の一人が悲鳴をあげた。

「うあああああ!!……くそっ……!」

悲鳴をあげた少女は、兵馬一姫。彼女は、今日もいつも通りに家へ帰るつもりだった。だが、運悪く他の魔法少女と遭遇してしまい、追い込まれてしまった。一姫は、魔法陣から現れた巨大な腕に胴を握られている。

『……ねぇ、いい加減星のかけらを渡してよー。そして死んで。』

もう一人の少女、フェデーレはその光景をうんざりした様子で見ていた。

「……ふざけんな、誰がんなことするかよ……」

巨大な腕に掴まれながらも、一姫は強気な態度を見せる。フェデーレはそんな態度に更にうんざりした様子で、ため息を一つ。

『はぁ……なんでわかんないかなぁ。エインフェリャル様の為に[ピーーー]るのは、光栄な事なのに。』

「くっ……」

一姫は、この窮地を脱する方法を考える。そこで思いついたのが、以前のようにかけらを渡すふりをして騙し打ちをすること。

「わかった……星のかけらは渡す。だから、命だけは見逃してくれ……」

『やだ。……けど、かけらだけじゃなくて、知り合いの魔法少女数人を半殺しにして、こっちに渡してくれたら考えてあげるよ?』

なんて残酷な事を考えるんだ。と、一姫は戦慄した。例え嘘であっても、こんなことにわかったと言いたくはない。だが、この状況から助かるには言うしかない。

「わ、わかった……何人だって連れて来てやるよ……だから、この腕を……」

『約束だよ。嘘ついたら針千本どころじゃ済まないからね?』

腕は、一姫を離し地面へと放り捨てる。地面に伏せる形となった一姫。そこに、かけらを受け取りにフェデーレが近づく。

一姫(今しかない!)

『えっ!?』

フェデーレが近づいたその瞬間、一姫は立ち上がり自身の拳をフェデーレの頬へと叩き込んだ。フェデーレはそのまま吹き飛び、近くのブロック塀へと激突した。

「なんてな!誰がてめぇの言いなりになんてなるかよ!てめぇも、エインフェリャルって奴も狂ってるな!」

それだけ言うと、一姫はかけらを取り出し結界の破壊をしようとする。このまま戦っても勝ち目はないからだ。かけらの消費は痛いが、命には代えられない。

『……ねぇ、気安くその名を口にしないでくれるかな?』

だが、この少女フェデーレは一姫を逃がしはしなかった。

『しかも狂ってるってなに?あ、そっか、頭が悪いからそんなこと言っちゃうんだね。』

口元から血を流すフェデーレの言葉は、怒りに満ちていた。殴られたことにではない。一姫が、エインフェリャルの名を気安く口にしたあげく、狂ってると言ったからだ。フェデーレは、口元の血を持っていた短剣の柄に擦り付ける。すると、魔法陣から出ている腕が素早く動き――

「なっ!?しまった!」

一姫の足を掴み、逆さ吊りにした。

『お馬鹿なお姉さんの脳味噌は、きっとプチトマトくらいの大きさなんだろうね。ちょっと見てみたくなったかも……よーし、確かめてみよう!えいっ!』

そして、その腕は一姫を掴んだまま地面に叩き付けた。

「ぐああっ!!」

『どう?痛いでしょ?やめてほしいでしょ?でも、エインフェリャル様を馬鹿にした罰はまだ終わらないよ。』

「うぐっ!!ぐあっ!」

悪魔の腕は、一姫を更に地面に叩き付ける。何度も何度も何度も何度も。その顔面は血にまみれ、鼻と前歯を折る悲惨な有り様となっている。果たして、この窮地を救う者は現れるのだろうか……?
466 :望月星奈 [sage]:2015/03/29(日) 20:37:28.33 ID:s1VCWasF0
>>464
「えっ、お姉さんって…えっ?」

【手伝いの申し出の直後、予想外に激しかった貢の勢いに思わずたじたじ】
【ふと気になった言葉を復唱するも、相手の声にかき消されるほどに小さいものだ】
【まさかここまで喜ばれるとは思っていなかったのだろう、合わせて浮かべる笑みはどこか苦々しい】

「パワーストーンって言ってもね…もうちょい詳しく教えてよ」

【それでも重要なキーワードは聞き逃さない、探し物を聞けばううむと小さく唸った】
【ずり落ちる学生カバンをかけ直し、ぐるりと辺りを見回してみる。影は既に夜の闇に溶けかけていた】
【こんな暗い中で石一つを探すなど、ともすれば無謀に近い行為だ】
【少しでもその特徴を知っていなければ、見つけ出すのは万に一つもないだろう】
【まさかそれが自身も探し求めているものだとは思いもせず、問いかけながらしゃがみこむ】

「まあなんにせよ、今から探すのは難しいんじゃないかな」
「どの辺で落としたのか分かるのならともかくさー」

【しばらく地面とにらめっこし、やはり難しいと腰を上げる】
【路地裏といってもその範囲は広い、そこから見つけ出すなど砂漠の中の砂一粒を探すようなものだ】
【落し物だというのならば、どこかしら場所の見当がついてもおかしくないはず】
【貢の言葉を信じきっているが故、どうだろうかと漆黒の瞳で言外に問いかけた】
467 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/29(日) 20:55:28.52 ID:KbjgH1FP0
>>466

「んー、……とりあえず綺麗な石よ。確かに大体このくらいの大きさなんだけど……
 確かに今からじゃ見つける確率は極薄なんだけど〜〜…!…ぐぬぬ……あ、そうだわ!」

相手から詳しく。そう言われると若干困ってしまう蔵間青年。
とりあえず手振り身振りで説明ともなんともとれない言動を繰り返すものの正直これでは相手に全然伝わらないなぁ…と若干自覚。
ならばどうしたものか…と少し考えるとハッと思い付く。そうだ、“実物”を見せればいいのだ。
蔵間は最初に拾ったものと、つい先週偶然発見したもので合計二個の石を持っている。
とりあえず何個かないといけないパワーストーン(大体あってる)とか言っておけば誤魔化せるだろう、と満身ナウな蔵間は学生鞄を漁り、ピンク地にホワイトのハートが散りばめられたポーチを取り出す。
可愛らしいクマのチャームが付いたジッパーを開けると、石を一個取り出した。
本人は何も気付いていないがやっちまった。

「こーゆー石を探しているのよ!あ、持ってるじゃないかとか無粋な質問はやめてね!
 これはピースオブスターという名の世にも珍しいパワーストーンで五個集めてようやく価値があるものになるの!」

しかも蔵間は割と嘘が下手である。
でまかせは言えているがほとんど真実に近いっていうか嘘の名前に本当の名前が完全に入っちゃっている状態。
この路地裏にはオカマと少女と星のかけら。
果たして、それを見た相手の少女の、反応は如何に。
468 :パメラ [saga sage ]:2015/03/29(日) 21:05:06.01 ID:ugm6R9eBO

>>465

……ん?

【夕刻】
【人通りも少ない通りを歩く、一人の影】
【長く伸ばした銀髪に、紫のメイド服】
【手には、どこかのパン屋から買ったのか、フランスパンが幾つか入った袋を持ち】
【スタスタと、あるいていた】

……結界、ですかぁ

【感じたのは、結界】
【足を止め、少し悩むが】
【ふと、周りを見て少しの既視感を覚える】

……学校の近く、夕刻時、結界…はぁ、気になりますねぇ

【たしか、前にもこんな感じの状況で首を突っ込んで】
【結果、とんでもないのに出会ってしまったと】
【考えつつも、足は自然とその結界に向かい】

……何が起きるでしょうかぁ

【侵入】
【そして、見たのは、少女が叩きつけられる光景で】

……はぁ
…………『シューティングスター』セット

【ため息一つ】
【そして、侵入した彼女は】
【パメラ・レジエルは、状況に一石を投じる】
【存在を、示すが如く】
【少女を掴む腕に対して、一発の光弾を叩き込むが……?】

//絡み大丈夫でしょうか?
469 :望月星奈 [sage]:2015/03/29(日) 21:19:03.44 ID:s1VCWasF0
>>467
「うーん、そう言われてもねー…」

【なんとも曖昧な説明と動作では残念ながら伝わらなかったらしく、首を捻って悩む仕草】
【その大きさやらなんやらで気づいてもよさそうなのだが、やはりまだ探し物が同じとは気がついていない】
【考えても思い当たらないのだから、まったく先入観とは恐ろしい】
【貢がごそごそとカバンを探り始めれば、期待を孕んだ目でその様子を眺める】
【写真かなにかか、とにかくなにかしらの手がかりに縋るしか今はないのだ】
【ちなみに少女趣味に関してツッコむ事はない、聞こえないようにため息を漏らすだけだ】
【先程からの口調によるこの男についての推測が、ただ確信に変わっただけなのだから】
【とはいってもこういった人間と、こうして面と向かって話す事は実は初めて】
【だからこそ、浮かべる微笑は少々引き攣っているのだが】
【しかし取り出された石を見れば、笑みは消えて動きを止める】

「……………えっ」

【呆然。一瞬にして絶たれた思考をどうにか再稼働させて、どうにか発したのはあまりにも間抜けな声】
【そこからの貢の声は耳に入れど頭には入らない。静寂が訪れてからようやく我に返ったように瞬きを繰り返した】
【ついで漏れるのは乾いた笑い。ようやく繋がった点と点が示す真実に辿り着いたのだ】

「……ははっ、そういう事ね」

【額に手を当てて下を向く。予想だにしなかった現実を受け止めるには少々の時間を要した】
【顔を上げれば変わらず笑顔、ここで石を奪うべく戦いを起こす気にはどうにもなれなかった】
【目の前の魔法少女に対して星奈が選んだのは、遠回しの真実の告白だった】

「知ってるよ。だってそれ、あたしも探してるもん」
「ここに来たのだって、多分同じ理由だよ」
470 :兵馬 一姫「」/フェデーレ『』 [sage]:2015/03/29(日) 21:27:02.88 ID:vsr5TGqeo
>>468
「う……あ……」

既に虫の息となった一姫。だが、フェデーレはとどめをさそうとはせず、一姫を地面に叩き付け続けていた。簡単には殺さない。エインフェリャル様の悪口を言った奴は、精一杯痛め付けて、それを後悔させなくては。そんな考えがあったからだ。もっともっと痛め付けなくては。そう思った瞬間――

『もう……誰?今、お馬鹿なお姉さんの脳味噌を飛び散らせようとしてたのにー』

悪魔の腕に光弾が命中。掴んでいた一姫を離す。それを見て、不機嫌そうに頬を膨らますフェデーレ。一姫は、そのまま地面へと落下する。

「うぅ……」

『まぁいいや……エインフェリャル様への生け贄が一人増えただけだよね。やっちゃって、山羊さん!』

フェデーレは、不機嫌そうな顔から一転し笑みを浮かべる。そして、悪魔の腕をパメラの方へ向け、そこからサッカーボール大の黒い火球を放つ。

471 :兵馬 一姫「」/フェデーレ『』 [sage]:2015/03/29(日) 21:28:12.55 ID:vsr5TGqeo
>>468
//入れ忘れた……
もちろん大丈夫ですよ。よろしくお願いします!
472 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/29(日) 21:38:16.76 ID:KbjgH1FP0
>>469

「……?」

鞄を探している間、何かなんともいえない視線を感じたのは気のせいだろうか。
まあこんな口調の男が現れたらドン引きのひとつやふたつ、起こってしまっても仕方がない。
別にキモいと真正面から言われても笑って流しちゃうから平気だけどね。因みに好みの男だったら(デンマーク式レスリング)でホールディング余裕。

「あら?どうかしたの?」

星のかけらをを出した途端、相手の顔色が変わる。
それに疑問符を浮かべれば、首を傾げて相手に向けて気遣いの言葉を投げ掛ける。が、そこで僅かな違和感が。
何か相手の反応が少しおかしいような?綺麗過ぎて言葉を失ったとか?いやいや初見のアタシじゃあるまいし。
まるでそれを知っているような―――…ッてあれ?
知っているような?

「な…っええ!?じゃあ、まさかアナタ、魔法少女なの!?嘘でしょ!?」

相手のその言葉を聞けば―――びしっと相手の少女を指差しつつ、驚愕の表情を浮かべる。
やばい、とここでようやく察し。
まさか相手も同業者――いや、こう言うと別の意味にも聞こえて相手に失礼だから魔法少女と言っておこう。
思い切り大切なものを見せびらかしてしまったと後悔すると共に、未だに剥き出しに外気に晒しているそれハッと我に帰る。

「し、親切にしてもらえたからって、流石にこれはあげないわよ。これはアタシの願いを叶えるための宝物なんだから!」

さっとすぐに両手に抱え守る態勢。今更ながらの警戒心だ。
473 :パメラ [sage saga ]:2015/03/29(日) 21:45:46.91 ID:ugm6R9eBO

>>470

…………?

【エインフェリャル様】
【確かに聞こえたその単語は】
【以前、何処かで聞いたような響き】
【しかし、それを深く考える間もなく】

……アウェイクン、スピカ!
『プロテクトシェル』セット!

【呼び出すは、メカニカルな白のランス】
【魔方陣から現れたそれを、手に持ったなら】
【素早く発動するのは、バリア】
【そのバリアで、黒の火球を防げれば】

見てしまっては、もう引き返せないですよねぇ……
『ライトニングライト』セット!

【続いて、こちらが放つのは12の細いレーザー】
【12の光球が、産まれ、そしてそれらを放ちつつ】
【パメラ自身は、その後に続くように接近を試みるだろう】

/こちらこそ、宜しくお願いします!
474 :望月星奈 [sage saga]:2015/03/29(日) 22:00:14.79 ID:s1VCWasF0
>>472
「いや、むしろあたしが嘘だと信じたいんだけど…」
「そもそも、そうでもなかったらこんなところ彷徨いてないって!」

【相手の驚きようにやや気圧され、思わず口角もひくひくと引き攣る】
【朱く染まっていた地平線はいつの間にか藍に染まり、星が放つ遥か昔の光も既に多数が見える時間帯】
【そんな頃合いにただでさえ薄暗い路地裏を好んで歩く少女などほとんどいないだろう】
【いるとすればそれはやむを得ない事情があるか、例の探し物がある場合だ】
【だからこそ星奈はここで少女に出会えば警戒するし、いざとなれば戦闘も辞さない】
【しかし男性に対する警戒心が薄いのは、これまで魔法少女という視野に一切入れていなかったせいだ】
【だからこそ今回は気がつくのに遅れたし、今だって信じがたい】
【だが星のかけらを見せられれば、それは絶対的な証拠となってしまう】

「いやいや取らない!取らないから!」
「なんかもう、そういう気も失せちゃったし」

【さて互いが互いの正体に気がつき、自身が持つそれを守ろうとするのは至極当然な行動】
【それでも星奈に奪い取る気はもはやない、首を横に振って慌てて弁解】
【おそらく相手も戦闘に持ち込むつもりではないだろうと踏んだ上での判断だ】
【あーあと肩を竦めて見せ、顎に手を当てて考える素振り】
【最初から答えは決めているだろうに、わざとらしく思いついたように目と目を合わせた】

「いいや、手伝うって言っちゃったし。さっさと探しちゃおう」
「あたしよりあんたの方が先にこの辺に来たんだしね」

【我ながら義理堅いと思う。たった一度の口約束を律儀に果たそうとしているのだから】
【裏稼業である忍としての、信念と信条がきっとこの根幹にはあるのだろう】
【ほらと促して路地の先を見据え、神経を研ぎ澄まして星のかけらの気配を探す】
【同意が得られれば同時にゆっくりと歩き出し、足元に落ちていないか目を細めて進むだろう】
475 :兵馬 一姫「」/フェデーレ『』 [sage]:2015/03/29(日) 22:00:57.61 ID:vsr5TGqeo
>>473
『へぇ、やるじゃん!』

火球を防いだパメラ。それを見て、余裕そうに笑うが、実力で押しきれる相手ではないと内心思った。

『わわっ!?山羊さん!防いで!』

そして、迫り来る十二もの光球。悪魔の腕はそれを防ごうと、フェデーレの前へ移動するが……

『っ!!いったいなぁ……もう……』

数が多すぎた為、十しか防ぎきれず、残りの二つに命中。肩と腹部から血を流す。そして、そうこうしているうちに相手は接近していた。

『でもさ……いいの?そんなに近づいて?このお馬鹿なお姉さんが死んじゃうよ?』

だが、笑みは崩さない。悪魔の腕は、急ぎ倒れていた一姫を掴みあげ、盾のようにパメラの前へつきだした。
476 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/29(日) 22:19:24.54 ID:KbjgH1FP0
>>474

「ああ、確かに一理あるわね…ってちょっとひどくない!?心はちょっとセンチメンタルな乙女だから大事に扱って頂戴!」

こんなところ彷徨くのは自分達くらいしかいない――かなり的を射ている発言である。
魔法少女になってまだ日が浅い蔵間にとっては、あまり気にしていなかったが……星のかけらを探すときは、先程の自分のように人目のないときに行動する、全員考えることは同じということか。
と、ふむふむと頷きながら、神妙な顔付きで言葉を紡ぐ。……ここだけ切り取ればハーフの好青年っぽいのになぁ。
ただし現実はニューハーフである。嘘だと信じたいという言葉にガーンとショックを受けた顔をして、むっとした様子で抗議をしてみせる。

「……ほ、本当?良かったわぁ」

相手の言葉に少し疑いの念を向けるが嘘を付いているようには見えない。
あっさりと警戒を解いてしまえば、ほっと安堵の溜め息を漏らす。
何分魔法少女との交戦は未体験なため、少しひやひやしていたのだ。即戦いを望む人間もいるらしいし彼女はまだまだ良心的な子であるらしい。

「な……っなななななんて優しいの、アナタ!感動して泣いちゃうわよ!」

前言撤回。この子優しい。超優しい。
じーんとした表情で手を組んだ状態で相手に感謝の念を送る。因みにちょっとキモいよ。
ならば、自分もその温情に答えねば、と促されると同時にむむむと地面とにらめっこを再開。そのまま無言の時が来ると思いきや。

「あ、そういえばアナタっていつから魔法少女をやってるの?アタシはついこの間なりたてホヤホヤなんだけど…」

お喋りしたい心情なのかふと気になったことを聞いてみる。
色々と詳しそうだから、と先に前置きをしておきつつ。
477 :望月星奈 [sage]:2015/03/29(日) 22:44:10.86 ID:s1VCWasF0
【ショックを受けた貢の憤慨には、悪びれずごめんごめんと軽く流す】
【なるほど確かに、星のかけらに少女として認められているのだ。体の性別以外をもってして】
【ならばその心の在り様も推して知るべし、とはいえ反省はあまりしていないのだが】

「ん、まあ一度手伝うって言っちゃったしね」
「貸し一つって事にしてあげるよ」

【あまりにも簡単に解かれる警戒に少し不安を覚えるが、そこをあえて言及する事はない】
【例えそれが原因で彼に危機が訪れようとも、自分が立ち会っていなければ遠い世界の話なのだ】
【ともすれば薄情、しかし人の在り方に口を出すほど星奈お節介ではないのだ】
【ひしひしと伝わる歓喜と感謝の念に思わず一歩下がるが、不思議と悪い気はしなかった】
【そして訪れるしばらくの無言、二人の足音だけが路地に響いて消える】
【宵闇の沈黙は重くのしかかり、そこにいるだけで押し潰されてしまいそう】
【月が照らす静寂を打ち破った問いに、地面に目を走らせながら言葉を返した】

「あたし?いつ頃だったっけかなぁ…だいぶ小さい頃からだったと思うけど」
「もともと母が魔法少女だったんだよね。そんでいろいろ教えてもらってたんだ」

【この場合教わっていたのはまた他の事、主に忍の極意だがそこまで口にする事はない】
【魔法少女だという事は知られても、その裏の家業までを知られるのは好まないのだ】
【彼が新米、というのは納得がいった。どこか欠如した危機感から察するのは易い】
【そのままなにかを言おうとして口を開き、ふとその動きが止まった】
【気がついたのだ、そういえば当たり前の情報を交換していない事に】

「望月星奈、黒薔薇学園。あんたは?」
478 :望月星奈 [sage]:2015/03/29(日) 22:44:42.60 ID:s1VCWasF0
//ごめんなさい、>>477>>476にですっ
479 :パメラ [sage saga ]:2015/03/29(日) 22:46:54.49 ID:ugm6R9eBO

>>475

あー、見ず知らずの方ですがぁ、それは困りますねぇ

【接近し、突きつけられる少女】
【確かに、ここで下手に出るとなると、彼女の命は消えてしまうのだろう】
【立ち止まり、片手でランスを持ったパメラは】
【しかし】

……仕方ありませんねぇ、巻き込むので今は使いたく無かったのですが
…………『ヴィルゴ』アウェイクン!

【それには動じない】
【むしろ、自分から腕の動きを封じてくれるならば好都合と】
【パメラは、自身の手札を切る】

【―――そして、起こる変化は】
【空に浮かぶ、それぞれ離れた六の魔方陣であり】
【そこから現れるのは、六の、五メートルはあるかというランス型の砲台であり】
【何も、フェデーレに行動が無ければ】
【上空、六方向から、フェデーレを狙うであろう】

どうしますかぁ?まだ腕を増やせたりしますかぁ?

【さらに、一連の流れに、何かしらの妨害が無いのならば】
【今度はこちらが問いかけるだろう】
【…何かを溜めているようにほのかに光るランスを、片手にもちながら】

//大変遅れました、申し訳ないです……
480 :高辻 狐花 @黒百合学院 [saga]:2015/03/29(日) 22:51:51.82 ID:sCmvKQllo
>>393>>394>>396>>425
【刹那の内に燦然と輝く甘美なる終焉。線香花火の様に、最後の足掻きと言わんばかりに烈しさを増して、しかし静かに落ちていく】
【決して私達には到達しえない人間達が、唯一美しさで私達と同格の位置に肩を並べられる瞬間】

【結界内に跋扈する、血の色をした蜜の様な何かが喰らっていた少女達や、破壊され飛散したインテリアの破片などが解放される】
【赤黒い結界が、舞い上がる燃え滓の様に、天へと昇れば、周囲に満ちていた靄も消える。解放された少女達の呻き声だけが残る】
【全てを鵜呑みにする程の眼の天蓋が、地上へと朽ちる。そして魔力の残滓へと還元され、女の死を讃える様に、陽に照らされて綺羅綺羅と】

【高辻は、基本的に心から他人を見下す事はしない。この空間内にいる人間達と同調するために敢えて他人を卑下し、貶める様な発言を取る】
【散り行く彼女に、小さな笑みを添えて踵を返す。それが高辻の出来る餞別で、高辻なりの礼儀だ】
【千寄子の言葉。一握。確かに、私達は一握の砂の様なものなのかもしれない。取り逃した砂が、するすると落ちていく様は、彼女に相応しい】
【生徒会長、明花との逢着。漸く叶った嬉しさが再び喉の奥から湧き出てくるのを噛み殺して、しかし少量の笑みの材料とする為に、全て我慢することは無く】
【明花の信任の言葉。首を媚びる様に、小さく傾けて目を瞑り、荒れに荒れて皺だらけになった胸に手を当てて、彼女に聞こえるか聞こえない程度に呟く】

「えぇ、まずは、貴方様の完成の元――――」

【ヘレネと呼ばれる少女を一瞥してから、明花の掌から、憚り無く星の欠片をつまみ上げて、懐へとしまう】
【結界が解除された世界で、明花と高辻は、あくまで教師と生徒の関係。無言の明花とのやり取りは、ヘレネからすれば腹立たしいものかもしれない】
【そこまで下賤な者でもないか、と副会長を冠する者を信頼して、下碑た憶測は捨てる】
【結界の蜜の保護から解放された生徒達の面倒を見なければ、と破壊されたサンルームの硝子を仰視して、一拍の間隙の後に動き始める】

「申し訳ないけど、千寄子"ちゃん"、直ぐに保健室の先生をよんでくれないかしら――――救急車は要らないわ
そこの……ヘレネ"副会長"さんも、私と一緒に応急手当を手伝って――――勿論、"生徒会長"も」

【結界内で保護していた時分に、身体中に突き刺さっていた硝子は排除したが、まだ裂傷の手当てが済んでいない】
【この問題はあくまで、この学校内で終わらせる、というのが教師側の方針だ。内密にする、という側面こそ持ってはいるが、噂で天下の黒百合に襲撃があったのは、街中で噂になるのは時間の問題】
【傷の深度が著しいと思われる硝子際の少女から看護に行く。呆然と立ち尽くしていれば、教師の一喝が飛んでくるだろう】

「さっさと動く! 黒百合の美しき華は、何時までも美しく無いと――――でしょ?」

/すみません所用でだいぶ遅れました……
/長期にわたる大規模ロール、お疲れ様でした!すごく楽しかったです!お疲れ様です!!!
/金岡さんには踏み台になってもらった感が……申し訳ないです
481 :上田美奈 :2015/03/29(日) 22:54:37.60 ID:rDdHgwJLO
【夜の市立図書館】
【建物をまるごと包む結界】
【そして内部より時より漏れる魔翌力の煌き】

「一つ、2つ、3つ!」

【牙が生えて、噛み付いてくる書籍の群れ】
【迎え撃つのは、私服の上に地味なマントを羽織った魔法少女】
【本棚と本棚の間を飛びながら一冊一冊丁寧に誘導弾で撃墜しているようで】

「もう! 細かい飛行も、大火力も私にはないんだってば!!」

【結界の効果を考えれば建物ごと吹き飛ばすことも不可能ではない】
【だけど、それをできる魔法が自分にない】
【結果として、不利な戦場で抵抗を続ける形になったのが現状】

「このっ!!」

【バインドで縛り上げてそのまま捻り潰された不確定名“ガジガジブック”】
【とりあえず1波凌いだ?】
482 :兵馬 一姫「」/フェデーレ『』 [sage]:2015/03/29(日) 23:03:15.31 ID:vsr5TGqeo
>>479
『ああ……そう来たかぁ……』

すぐに気づく。自身を狙う上空の砲台に。人質は意味をなさないと思い、一姫の身体を思い切り投げとばす。投げる方向は、パメラの方だ。

『うん。腕も足も出せるよー。けどね、次に出すのは――』

フェデーレは懐から短剣アゾットソードを取り出すと、それに魔翌力を注ぐ。すると、足元に大きな魔法陣が出現する。そしてそこから――

『じゃじゃーん!山羊さんの頭なのです!』

大きな口を開けた山羊の頭が現れた。山羊の頭は、そのままフェデーレに顔を近づけ、パクリと食らい付いた。

『これ、よだれでベタベタになっちゃうから、あまりやりたくないんだけどね。』

なんとフェデーレは、山羊の口内に入ることで砲台の攻撃を防いだのだ。

/気にしないでください
483 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/29(日) 23:05:55.35 ID:KbjgH1FP0
>>477

「ならいいんだけど…でも。ああっ、ありがとう、恩にきるわ!」

ここまで親切にしてくれるとは思いもしなかった…!
相手の心中に気付くこともなく、新米魔法少女?は嬉しそうに何度めかのお礼を述べる。

「……まあ、長いのね!そうなの、お母様も――いいわねぇ、どんなことでも親に教えて貰って手に入れたものって。羨ましいわぁ。」

相手の魔法少女歴の長さに口に手を当てて驚いた様子。
思っていたより長かった…というか、あの噂は一体何時からのものなのだろう?
そんなことを考えつつ、魔法の手解きも教えて貰ったであろう彼女にほんの少し羨望の感情を抱いてしまう。
その理由は母親にニューハーフでいることを案の定ともいえるが微妙に否定されてしまっていることからか。
まあ息子に女性らしさを求める母親ってどんな感じだとツッコミを入れたくなるが、そうやっていつか少しでも自分の性癖を認めてくれたらなぁとか思っていたり。
先程相手に言った通り少しセンチメンタルになってると、ふと相手の言葉にきょとんと目を丸くする。

「…!やだ、名前言ってなかったわね。アタシは見ての通り江風高。蔵間 貢、貢でいいわ…えっと、星奈ちゃん?」

そう言えばお互い名乗っていなかった…今ごろね、とクスクスと笑うときちんとこちらも名を名乗る。
とりあえず相手を名前呼び…も、疑問計。先輩とかだったらことを考えて。
そのあと、うーんと大きく伸びをして。

「……んー、もう見つからないし今日はここで帰っちゃう?素敵な女の子に会えたし、アタシはもう満足よ。」
484 :篠原 皐月 [sage saga]:2015/03/29(日) 23:08:38.31 ID:tlMOGjkY0
>>462

なにも悪いことはしてない…。ふーん、ずいぶんご立派な倫理観をお持ちで?

【いったい何が彼女をここまで歪ませてしまったのか、この魔女には知りようがない】
【それでもその発言で、恐らくは互いに理解できない存在である。そう確信した】

【ゴミクズか何かのように、足元に転がる不良】
【痛い痛いと呟くところを見ると、意識はある】
【星のかけらも持っているようなので、解放された今、取りあえずは放っておいても問題はないだろう】

……おばさん……。なかなか素直…いえ率直な子みたいね…。

【四捨五入して30歳となる身が若くはないのは知っている。でも改めて言われて平気なほど悟ってもいない】
【相手は子供だ。そう考え、冷静な態度をとろうと努める】
【そうしている間に、結界は赤に染まる】
【魔女の肌にも、赤】

今度はおばさんをあの子みたいにしようって訳?悪いけど……

【ステッキの先端のオブジェが、三日月型へと変化する。『月』属性だ】
【結界魔術に長けていることはわかったが、まだ十分に手の内が明かされたとは言えない】
【いつでも解呪魔術を撃てるようにするための、用心といったところか】

………大人、舐めないでもらえる?
マジカル・クレッシェント・カッター!

【呪文と共にステッキを一振りすれば、その軌道から複数の三日月型の光の刃が、少女めがけて飛んでいく】
【相手の力量を図るための、いわばジャブ。威力はそこまで高くない上、回避も難しくない程度の速度だ】


485 :パメラ [saga sage ]:2015/03/29(日) 23:21:11.05 ID:ugm6R9eBO

>>482

っと……無惨ですねぇ

【投げられた少女を、よろけながらも受け止める】
【かなりの大怪我】
【……反応があまり感じられないのは、意識を失っているからだろうか】
【しかし、確実に生きてはいる】
【ならば、大丈夫だろう、と考えて】

……あー…それは流石に予想外でしたぁ

【頭が見えた瞬間】
【反射的に威力も考えずにレーザーを放ったはいいが】
【完全に口の中に入り込まれて、遮断された】
【……見るからに、防御力もそれなりにあるのだろう】

……さて、どうしましょうかぁ
出来るなら、起きて自力で抜け出して頂きたいですがぁ
………苦手なんですよねぇ、こういうの

【相手の言葉を聞きながら】
【こちらはこちらで考えを巡らせる】
【……とりあえず、少女を自立浮遊するランスの上に乗せて、簡単な束縛魔法で縛り付けておく】
【多少アレだが、今は身軽さを考えるとこれしかないのだ】

……じゃあ、怪獣退治といきましょうかぁ

【そして、これからが始まりだというように】
【まずは、ヴィルゴ六機によるレーザー砲撃が、山羊の頭目掛けて放たれるだろう】
【威力としては、それぞれが例えるなら戦車の一撃にも迫るが……はたして?】

486 :望月星奈 [sage]:2015/03/29(日) 23:31:39.39 ID:s1VCWasF0
>>483
【手伝いの申し出も勝手なものだったが、ここまで感謝されればどこかむず痒い】
【適当にはいはいと返す、下を向くのはきっと星のかけらを探しているからだけではない】

「そ、魔法少女については大先輩って事だね」
「…まあ、一般的にはそうなのかもね」

【相手の僅かな羨望には気がつかない、そういものかと一人首を捻る】
【両親の教えはきっと自分のためではない。代々培ってきた技術を失いたくないだけなのだ】
【もちろん星奈自身もそれを当たり前だと思っていたが、そこに一抹の寂しさがなかったかと言われれば嘘になる】
【全てを受け継いで両親がいなくなり、その時の心境は今でも焼きついているほどに複雑なものだった】
【貼り付けていた笑みが崩れた星奈の顔は、暗闇に紛れて窺う事は難しい】
【ただその黒い瞳は過去の残照を捉え、知らず思いを馳せるを馳せていた】
【しかし互いに名乗りを終えれば、また常の微笑へと戻ったのだが】

「貢ね。それじゃあ、改めてよろしく」
「……なんか変な感じ、まあいいけど」

【ちゃん付けにはやや微妙なリアクション、結局否定の言葉はないのだが】
【見た目は好青年なのだ、名前呼びされれば大抵の女子はおそらく顔を赤らめるだろう】
【星奈がそうなる事はなかったが、やはり思うところはあるらしい】
【貢の大きな伸びによって途切れた集中と歩みを、頭を掻く事で誤魔化した】

「そうだねー、もう大分時間も遅いし。あたし、夜ご飯食べてないんだよね」
「じゃあここで打ち止めにしよっか。大通りまでは一緒に行こっ」

【片手のスーパーの袋を持ち上げて見せる。どうやらここに晩飯の食材が詰まっているようだ】
【放課後買い物を済ませ、そのままここに来たのだから当然といえば当然か】
【どうせだからと明るい場所までの同行を提案。なにかと夜は物騒だからと】
【夜な夜な徘徊している戦闘狂を危惧してのものだが、そこまでいちいち説明はしない】
487 :兵馬 一姫「」/フェデーレ『』 [sage]:2015/03/29(日) 23:38:24.48 ID:vsr5TGqeo
>>485
「う……うう……」

かすかに意識はある様子の一姫。しかし、動くことは一切出来ない。故にそのまま束縛される。それにしても、酷い有り様だ。

『無駄無駄ぁ!そんな火力じゃ、ジンギスカンも作れないよ?……あれ、ジンギスカンは羊だっけ?』

砲撃により、山羊の二本の角が折れ、皮膚を焼き切る。そこから、紫色の血を流す。だが、口内には届かない様子だ。

『今度はこっちからいくよ!』

そう言うと、口の中でフェデーレは短剣に魔翌力を注ぐ。そして、現れた魔法陣から召喚されしは、もう一本の腕。二本の腕は掌を広げ、そこに黒い炎を纏う。

『燃えちゃえー!!』

やがて、両掌の黒い炎は螺旋状になって放たれた。
488 :フォルリィア [saga]:2015/03/29(日) 23:44:38.60 ID:f+AAyWN80
>>484

「だからー、おばさんは壊すんじゃなくて殺すのっ!!」


 地団駄を踏みながら強い口調で少女はそう言った。少女の壊すと殺すは同じ意味に見えて全く異なるもの意味を持っている。
 しかし、今この場でそんな違いは繊細な問題でしか無く何方の意味に転んでも篠原が無事に住むという意味は含まれていなかった。
 人権なんて言葉は少女の前で意味は無く、命の尊さも唯一無二の存在も全てが満たされない欲求や退屈な時間を潰す為の玩具でしかない──。
 人がハエや蟻をはじめとした虫を殺すよりも更に簡単に少女は人を殺めることが出来るのだ。
 求められず必要とされていない終焉の時を己の気分で他人に与え死神の鎌を不規則に振りかざす歪んだ殺人鬼に少女は他ならない。

 篠原のステッキが変化するのを見て少女は不気味な笑みを浮かべた。
 決して可愛げのある笑みでは無く、まるで篠原を嘲笑うかの様な、命に縋り命を守る人間を馬鹿にする様なそんな笑みだった。


「じゃあよーいスタート!!」


 放たれた複数の月の刃──光の魔法。
 それが開戦の合図か、少女は刃に合わせそう言うと態勢を低くし篠原へと駆け出した。
 目線の先には篠原と複数の光の刃──、少女は体を器用に動かしながら向かってくる刃とすれ違う様に避ける。
 血の海は少女の足により、激しく水を撒き散らす──がその撒き散らされた血は再び落ちることは無くそのまま宙を浮き少女について行く。


「物真似見せてあげる!」

 ────刹那、少女の周りに浮き少女と共に移動をする血が不気味に動き出した。
 小さな球体だった血は其々別の浮かぶ血と混ざり合わさり、篠原が放った光の刃同様の形──三日月の形へと変化した。
 パチン────………走りながら少女は指を鳴らすと三日月の血は回転を始め、そのまま手裏剣の様に篠原へと向かった。
 数は三、少女は走るのを止め右へと飛び血の海に手を付けて様子を見ている。
489 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/29(日) 23:56:08.12 ID:KbjgH1FP0
>>486

「ふふ、これは敬わなきゃね。アタシも独学な分頑張らないと!」

大先輩、その響きはとてつもなく偉大な感じがした。イメージだけど。
何はともあれ彼女はぺーぺーの蔵間に比べたら、明らかに手練れの域を越えている筈だ。
手合わせするなんて事態にならなくてよかった、と内心ほっとしつつぐっと相手にガッツポーズを見せる。
その時だ。

「………?」

宵闇の中から僅かな光源に照らされ見えた気がした彼女の笑顔、そこに何か暗いものを感じた気がしたのだが…。
そんな雰囲気はすぐに消えてしまう。自分の思い違いだろうか、と少し怪訝に思いながら再び歩を進めてゆく。
名前を呼んでみた際の反応にも若干首を傾げることになるのだけれど。
もしかしていきなり友達みたいで馴れ馴れしかったかなーともやもや考えつつ。

「あ、そうね。アタシもコンビニのおにぎりしか食べてなかったからお腹が好いちゃったわぁ。
じゃあアタシは大通りで何か買い物をして行きましょうかね!」

ガサリと掲げられた袋を見て思わず「あ」と声を漏らす。
そういえば夕飯のことなんて全く考えていなかった。それなら、と大通りまで同伴してくれるという大先輩のお言葉に甘えつつ、何か買い物をして変えろうっと、そう決めて。
そういえば。何が物騒なのだろうか…暴漢なら逆に倒せそうなのだが。加えてイケメンだったら路地に連れ込むし。
あいかわらずピンと来ていないまま、蔵間は少女と共に夜の街を歩いてゆく。


/申し訳ありません!今日はもうそろそろ眠気がMAXなので〆か凍結にしていただけるとありがたいです!
490 :パメラ [sage saga ]:2015/03/29(日) 23:57:28.41 ID:ugm6R9eBO

>>487

……すいませんねぇ、少しの間、我慢して下さいねぇ

【微かに聞こえるうめき声】
【出来るなら治癒を施したい所だが】
【生憎と、パメラは回復系が苦手であった】
【どうしても、それをすると動きを止めなければならず】
【故に、今は縛り付けて、なるべく離れた位置へと飛ばす】

羊でも山羊でも、それのジンギスカンは遠慮したいですねぇ

【そして、こちらはこちらで余裕そうにしながらも】
【一つの情報も逃さないように、山羊を見る】
【――ダメージは通るようだが、まだ威力をあげる必要がある】
【そこまで考えて】

……っ…!

【両腕、そこから放たれる黒炎】
【それから逃れるために、迷わず地を足で踏み】
【空中へと、ヴィルゴのそばへと飛ぶ】
【同時、黒炎を多少なりとも散らそうと】
【黒炎に対して、二基がレーザー砲撃する】
【が、螺旋状に広がる炎】
【余波を受け、足に多少のダメージを負ってしまう】

……さて、どう攻略しましょうかぁ
 
【そして、空中】
【六基のヴィルゴを、まるで翼の様に背後に控えさせ】
【パメラは、山羊を見下ろすだろう】
491 :如月 千寄子 [sage saga]:2015/03/30(月) 00:01:54.47 ID:jA7MVWEE0
>>393>>394>>396>>480

矮小な灰色は、一発の閃光に淘汰された。無様なデラシネの断末魔なんて、最初から聞くつもりはない。だから、聞こえなかった。
姉様が灰色へと向けた最後の微笑みは慈悲に満ちた優しいものだったけれど、同じように真似た私の笑みは果たしてそんな代物ではなかったと思う。姉様から優しい笑顔を横取りしたのに、腹が立っていたのかもしれない。
そして時を同じくして、姉様の張った結界は力を失う。
姉様は私を認めて、しかも寵愛してくださる数少ない方だから、姉様の絶対性について論を待たないのは自明の理。
しかしそれでも、この生徒会長の明花様という方は、姉様に引けを取らないほど美しくて――恐ろしい。

「――っ、は、はいっ……も、申し訳、ございません……」

事実として、私があの粗暴な女に向けた視線も勘付かれていた。私を認めてくださるのは嬉しいのだけれど、優しく窘めてくださるようではあったけれど、それでも返事をする時は酷く吃ってしまう。背筋がびりりと熱くなって、同時にぞおっと寒くなる。
「君主は愛されるよりも恐れられよ」と誰かが言っていたが、考え物だ。だけれど優れた暴君は、得るべき者に与うるべき物を授ける。

「……はいっ。如月千寄子、ご、ご期待に背かぬものを……じ、尽力します」

書記長、か。妥当な所だろう。当然ながら、まず顧問にはなれない。そして「真人間」に戻れば、私はこんな風に吃音がひどいし、人と目は合わせられない。コミュニケーション能力に欠陥がある。だから「副会長」に私はなるべきではない。
適材適所、である。しかし単純な能力で言えば、今私に一瞥もくれないあの粗暴な女よりも優れている。これもまた、論を待たない。
そして、責務に見合うだけの報酬が授けられるのは、あらゆる経済活動の基本に違いないだろう。差し出されたそれ――星のかけらは、契約としての意味合いをも持つのだろうけど。
「……あっ、ありがとう、ございます。今後とも、よろしくお願い致します」相変わらず間抜けな口調だったけど、ともかく私はそう返事をして、透き通る掌に乗ったそれの一つに指先を重ねた。注射痕の残る青白い手は、微かに震えていた。理由は、分からない。
温もりが残るかけらを後生大事にポケットにしまえば、私は全身に満ちた寒気と熱に浮かされて、ぼおっとその場に突っ立っていた。

「……へ? は、はいっ、分かりました! す、すぐに呼んで来ますから、――」

そんな風にしていたら、コバ姉様――高辻先生から一喝が飛んでくる。成る程、見渡してみれば惨状だ。
硝子は割れ放題、散らかり放題。怪我をした一般生徒がそこらに倒れこんでいるし、事後処理は煩雑を極めるだろう。
それもこれも、結界をろくに張らなかった故の――単に暗黙の了解も把握できないような、劣等の人種がいる故である。
百害あって、一利なし。あれらに生きる価値はない。我ら優等種の糧となり、礎となる他に。
ならば私があれらを駆除することに、いったい何の不道徳があるのだろうか。ないに決まっている。
砕けた硝子を踏み付けて、私は急ぎ保健室へと向かう。くふ、と小さな笑い。暴君に認められた私には、暴君である権利があった。

//遅れましたが、私からもこれで締めさせていただきます……!
//長期間の絡み、ありがとうございました! 色々と上手に拾えなかったり、どうも自己満足になってしまって、申し訳ないです……。
492 :兵馬 一姫「」/フェデーレ『』 [sage]:2015/03/30(月) 00:13:08.88 ID:G32lfhYoo
>>490
「すま……ねぇ……恩に……着る……」

酷く辛そうに一姫が口を開く。そして、一姫はこの場から離れることとなった。

『そうだよねぇ、羊よりも山羊よりも、魔法少女だよねぇ。という訳で、お姉さんをジンギスカンにしてエインフェリャル様に捧げます!エインフェリャル様、喜んでくれるかなぁ……』

物騒な事を言いつつ、口内でうっとりとした表情を浮かべるフェデーレ。誰にも見えないが。

『上へ逃げたの?無駄だって言ったじゃん。』

そして上空へ向け、火球を放つ。大きさは前と同じ、サッカーボール大だが今度は両腕から二発。だが、距離がかなり離れているため、回避は難しくないだろう。
493 :望月星奈 [sage]:2015/03/30(月) 00:18:28.33 ID:rkeouqIA0
>>489
「よし、それじゃあさっさと帰ろ!」
「あーあ、すっかりお腹空いちゃったよ」

【同意を得て月の明かりと空に移る街の灯りを頼りに歩き、目指すは一番近い大通り】
【裏路地を突っ切って近道を目論んでもいいのだが、安全性と秤にかけた結果の選択だ】
【いくら二人でとはいえ、余計なリスクを背負うのを星奈はよしとしない】
【魔法少女にとって危険なのはそこいらの人間ではない、戦いを醍醐味とする同類なのだから】
【その旨を伝えないのは少し意地悪い気もするが、やはり言うほど世話を焼くつもりはなかった】
【そして歩き続ければ幸い何事もなく、人の多い大通りへと辿り着くだろう】
【街灯や店の照明が安全を、人の波が安心を齎してくれるような気がした】

「よっし、ここでお別れでいいかな?」
「じゃあまたね、健闘を祈るっ!」

【向き合って目と目を合わせる。瞳は裏路地よりも光を受けて煌めいた】
【ここまで来れば、ひとまずの手助けは終了という事になるだろう】
【心のどこかにこびりつく名残惜しさを小削ぎ取り、冗談めいた敬礼とともに別れの挨拶】
【そのまま背を向けて歩きだし、あっという間に人混みに紛れて消えてしまう】
【月が見守った魔法少女達の邂逅は、街明かりに見届けられて幕を閉じた】

//了解です、それではこれで〆にしますねー
//ありがとうございました、またよろしくお願いしますっ
494 :パメラ [saga sage ]:2015/03/30(月) 00:29:18.08 ID:tO0LzKPYO

>>492

【さて、状況はかなり不自由を敷かれていた】
【ヴィルゴは火力の高い支援ユニットではあるが】
【細かい攻防の要はやはりランス――スピカであり】
【その上、相手に対して装備を切り替えれる、という自身の最大の手札を使えない】

……まぁ、些細な事ですよねぇ

【しかし、それらを考えても】
【パメラは、些細な事と切り捨てる】

なら私は、それを剥製にして飾りましょうかぁ
……だから、簡単には壊れないで下さいねぇ

【相手の言葉に、そう返して】
【パメラは空を滑るように動き、火球を余裕をもって回避】
【ヴィルゴは、その動きに追随するようについて回る】

まぁ、ここはシンプルな手段をとりましょうかぁ

【そして次に】
【六基全てから、レーザーを放つ】
【細かい狙いは無く】
【ただ、単純に頭への集中砲撃である】
495 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/30(月) 00:38:40.63 ID:eIQQf1jN0
>>493
/こちらこそありがとうございました、とても楽しかったです!
/また絡めるときを楽しみにしています〜
496 :フェデーレ『』 [sage]:2015/03/30(月) 00:49:44.61 ID:G32lfhYoo
>>494
『だから、無駄なのっ!』

不自由なのは此方も一緒だった。距離が離れすぎているため、炎は届かず、二本の腕も射程範囲外だ。いや、不自由というより不利といった方が正しいだろう。
迫り来る六条のレーザーを、二本の悪魔の腕で防ごうと、上空に腕を向けるが、それはあっさりと貫通してしまう。

『……む、ちょっとマズいかな、これ……吐き出して、山羊さん!』

頭部の耐久も今までの攻撃で落ちている。これ以上口内にいるのは危険だ。そう考えたフェデーレは、悪魔に自身を吐き出させるように指示する。
やがて、レーザーは悪魔の頭部を粉砕する。無数の穴が空き、黒煙をあげ崩れ落ちる山羊の頭。だが、その寸前に、フェデーレを吐き出していた。フェデーレは地に立つと、上空を見上げる。

『ああ……山羊さん……エインフェリャル様から授かった魔法なのに……もう、許さないから……!』

そして、フェデーレはついに笑みを崩し、憎々しげな視線を上空のパメラへ贈る。その後、持っていた短剣に魔翌力を注ぐ、今までよりも多くの魔翌力だ。そして、程なくしてその更に上空に魔法陣が現れる。

『ぺちゃんこになっちゃえ!』

そこから現れしは、悪魔の足。それは、パメラを踏み潰さんと迫り寄る。
497 :パメラ [sage saga ]:2015/03/30(月) 01:11:25.54 ID:tO0LzKPYO

>>496

あー、これくらいで壊れましたかぁ

【連なる閃光】
【それは、どうやら山羊の体を、腕を、頭を貫いたらしく】
【眼下には、無惨な山羊の頭と】
【吐き出された、相手の姿】

……っ!

【そして、感じる魔力は、上】
【見上げた先には魔方陣であり】
【瞬間、パメラはその場を即座に動こうとする】
【――自分と相手に、共通するもの】
【それは、何かを召喚する、という事だ】
【奇しくも、魔方陣を介するという部分まで似ているのは、先刻見た通りで】
【故に、どのような攻撃が来るか、直ぐに判断できた】

……っぶない、ですねぇ…!

【直撃は、避けた】
【しかし、ヴィルゴ六基のうち、二基は巻き込まれ鈍く重い音と共に弾かれる】
【頑丈ゆえ、まだ壊れはしないだろうが、組んでいた陣形は崩れてしまう】
【が、同時にこちらからも、さらに二基があまり狙いを付けずにレーザーを放つ】
【回避するならば、落ち着いていれば難は無いだろうか】
498 :篠原 皐月 [sage saga]:2015/03/30(月) 01:18:45.77 ID:wvbT0Zcw0
>>487
【光の刃はかわされ、代わりに戻ってくるのは真っ赤な刃】
【先ほどこの魔女が飛ばしたのと同じ、三日月なのが嫌味だ】

物真似?じゃあ先生らしく、採点でもしてあげましょうか…!

【そう言うと同時に、ステッキをどこかへ放り投げる。今からやろうとすることには、少々邪魔だ】
【四肢にまとわりつく、光の魔力。先ほど刃を構成していたのと同じ、『月』属性】
【3つの刃へと、正面から突っ込んでいく】

ハァァァァ…セイ、ヤッ、ハァッ!

【右、左、もう一度右】
【解呪の力を纏った拳は、次々に三つの刃を血の海へと戻していった】
【血はビシャリと音を立て、ワンピースの裾を汚す】

残念、赤点…ってことで、追試決定っ!

【先ほど放り投げたステッキが、再び手元に収まる】

マジカル・クレッシェント・カッター!

【放つのは、先ほどと同じ魔術】
【ただ、先ほどより近くからの発射であり、おまけに速度を上げている】
【全弾先ほどのように、身動きだけで回避するのは困難だろう】


499 :フェデーレ『』 [sage]:2015/03/30(月) 01:32:52.80 ID:G32lfhYoo
>>497
『避けるなー!!』

フェデーレにとってエインフェリャルは至高にして、究極にして、最愛の存在。そんなエインフェリャルから授かった魔法が追い込まれている。そんな現実に、心身共に幼いフェデーレは怒りを感じずにいられなかった。

『くぅっ!?』

そして、その怒りが悪手を取らせてしまう。本来ならば、避けられたレーザー。だが、怒りにより落ち着きを失った今、それを避けることは出来なかった。咄嗟に眼前に魔法陣を展開し、悪魔の足でレーザーを防ぐも、この足も負傷。残るは、一本の足のみ。

『……エインフェリャル様、ごめんなさい。私、弱い子です。』

自身の敗北を悟ったようなセリフ。だが、その瞳には未だ殺意が渦巻いていた。

『復活したら、たくさん叱ってください。その為にも……』

一度先程攻撃に使った、地上の悪魔の足を消す。そして、再び短剣に魔翌力を注入。再び上空へ魔法陣が現れる。狙いは当然パメラ――ではなく、離れた位置で縛られ浮いていた一姫であった。

『あのお馬鹿なお姉さんだけでも殺しちゃおう!!』

魔法陣は一姫の真上へ展開し、そこから業火に燃え盛る悪魔の足が現れた。その足は、そのまま一姫に迫る。
500 :パメラ [saga sage ]:2015/03/30(月) 01:56:38.51 ID:tO0LzKPYO

>>499

っ、そうきますかぁ……!

【再び浮かぶ魔方陣】
【しかしそれは、自身ではなく、未だ動けぬ魔法少女へと】
【普通ならば、間に合わず】
【見捨てる、という選択肢を捨てるならば、とれる手段は】

……バインド、解除…!

【拘束を解き】
【特に、アクションを起こさないならば】

…スピカッ!

【ランスは、意思を持つが如く】
【独りでにしなり、彼女をその場から遠くに、足を避けれるように放り投げるだろう】
【次いで、ランスの下に浮かぶ別の魔方陣】
【そのまま、その中に消えようとするが】

……っ、間に合い、ませんかぁ

【投げ飛ばす分の、タイムラグ】
【それは、結果として、悪魔の足の直撃を受ける事になる】
【――収納は出来たが、少なく見積もっても使うには数日の修復が必要なレベルであり】
【同時、ヴィルゴも全て魔方陣へと消える】
【ヴィルゴは、スピカが無ければ扱えないからだ】

……アウェイクン、アルナイル!

【代わりに、呼び出すのは盾】
【魔方陣から引き抜きながらも、向かうは】

【上空から放り投げられっぱなし、どうなるか分からない一姫の方へ】
【何かを、呟くように口走りながら落下するであろう場所へと飛ぶ】

501 :フェデーレ『』/兵馬 一姫「」 [sage]:2015/03/30(月) 02:23:20.77 ID:G32lfhYoo
>>500
『もう!どうしてこれも当たらないの!?』

結果として一姫の殺害に失敗。かけらを奪うことも出来ていない。そして、先程の炎の足で魔翌力を殆ど使いきってしまった。もう、打つ手無しだ。
だが、パメラは一姫の方へ向かった。撤退するのならば、今しかない。

『……こ、今回は負けを認めてあげる。でもね、これは私が弱かっただけで、エインフェリャル様が授けてくれた魔法が、弱かった訳じゃないから。』
『それと、そのお馬鹿なお姉さんに伝えといて――今度は学校で会おうって』

最後にそれだけを言うと、結界を解除。振り向く頃には既に姿を消しているだろう。

一方一姫は、そのまま落下していく。受け止めるのは、難しくはないだろう。そして、落下の衝撃で一姫は胸ポケットから星のかけらを落とした。重症ではあるが、これを使えば回復できるだろう。

「…………」

そして、薄れ行く意識の中で一姫は思った。もっと強くならなくてはと。自身に成長を誓った。



その同時刻、どこか離れた場所で、フェデーレは今回何の戦果も挙げられなかったその悔しさに、涙を浮かべる。

『うう……はっ!いけないいけない。涙は封印したんだった。エインフェリャル様が復活するその日まで……』

エインフェリャルを失った日、フェデーレはずっと泣いていた。けれども、泣いていてもエインフェリャルが帰ってくる訳ではない。涙を拭いて行動しなければならない。その事を思い出したフェデーレは、袖で涙を拭く。

『エインフェリャル様。私、強い子になります。』

強くなろうとする者は、一姫だけではなかった。フェデーレもまた、自身に成長を誓った。

//ここらへんで〆ようと思います。遅くまで絡みありがとうございました!
502 :パメラ [sage saga ]:2015/03/30(月) 02:48:05.07 ID:tO0LzKPYO

>>501

…………ひとまずは、乗りきりましたかぁ
……はあぁ、あのまま続けられたら、ちょっと、厳しかったかもしれないですねぇ

【ふわり、と】
【自身の判断で投げられた一姫をキャッチ】
【同時に、落ちるは星のかけら】

……はぁ、これも縁、ですかぁ
……もしもし、今大丈夫でしょうかぁ?

【パメラは、それを使い、一姫を回復させると】
【電話で、知り合いの魔法少女を一人呼び出すだす】
【意識を失った彼女を、放っておく訳にもいかず】
【ひとまずは自身の店まで運ぶためにだ】
【恐らくだが、目を覚ました時には、とあるカフェの中で】
【なんらかの話をして、別れるだろう】

…エインフェリャル………うーん…確か…

【しかし、今は】
【エインフェリャル】
【何処かで、聞いたような聞かなかったような】
【曖昧な記憶は、あまり鮮明にならず】

……何だか、荒れてきましたねぇ…

【そして、ベテラン魔法少女が最後に呟いた一言には】
【これから起こるかもしれない、波乱について、なのだろうか…】



/こちらこそ、拙くてすみませんが絡みありがとうございました!
503 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/30(月) 13:55:18.80 ID:IhMLDZjY0
【晴天の昼下がり】
【雲一つない空の下をナイトロードは歩いていた】
【特に理由もなく辺りを歩いていたナイトロードはふと空を見上げる】

……街全体が騒がしいな…
十二戦姫…生徒会…他にも様々な連中が動き出している……

【様々な願望が渦巻くこの街】
【その街にナイトロードは何年も住んでいる】
【そういうことには敏感らしくナイトロードは小難しい顔をして考える】

そろそろ…私も動くか……
この街を荒らされるのは気分が悪い

【そういうとナイトロードは来た道の方を向く】
【その顔はいつもの不敵な笑みを浮かべた顔ではない】
【真剣な顔でいつの間にか手には力が込められ拳を強く握っていた】

バランスは保たねばならない
いや、それ以前にーーー

【ナイトロードは呟き歩を進める】
【その姿は静かながらも気迫に溢れていて】
【さらには僅かに魔翌力も溢れている】

自分の周りを荒らされるのは気分が悪い
エインフェリャルもあの生徒会長も私の周りをこれ以上荒らすならーーー容赦はしない

【知り合いの魔法少女もやられたという情報も入っている】
【それが気に入らないのかどうか分からないがナイトロードの内には少しだけ怒りが湧いていた】

今まで大事は起こさずにして来たんだ
今回ばかりは良いだろう
504 :上田美奈 :2015/03/30(月) 14:24:08.22 ID:s0TCROxkO
【夜の市立図書館】
【建物をまるごと包む結界】
【そして内部より時より漏れる魔翌翌翌力の煌き】

「一つ、2つ、3つ!」

【牙が生えて、噛み付いてくる書籍の群れ】
【迎え撃つのは、私服の上に地味なマントを羽織った魔法少女】
【本棚と本棚の間を飛びながら一冊一冊丁寧に誘導弾で撃墜しているようで】

「もう! 細かい飛行も、大火力も私にはないんだってば!!」

【結界の効果を考えれば建物ごと吹き飛ばすことも不可能ではない】
【だけど、それをできる魔法が自分にない】
【結果として、不利な戦場で抵抗を続ける形になったのが現状】

「このっ!!」

【バインドで縛り上げてそのまま捻り潰された不確定名“ガジガジブック”】
【とりあえず1波は凌いだ?】
【まだ本が羽撃く音はあちこちからしてくるけれど、周辺の相手はなんとか潰してちょっと一息】
505 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 14:36:03.84 ID:Z8Nf4H6k0
>>504
「なんでこんな所に結界が……」

【夜の市街地。何処からか漏れる魔翌力を辿って、辿り着いたのは瀬平戸市の市立図書館】
【意を決して入ってみれば、いきなり本棚の陰から本がすっ飛んできた】

「なっ……!?」

【反射的に身を反らせば、体の上を本が通過していく】
【しかし、どうやらそれで終わりじゃないようで】

「これ、クリーチャー!?」

【空中で方向転換して後ろから襲い掛かってきた】

「《神楽》!」

【手元に黒い棒を握ると、そこに刀が出現する】
【魔翌力を断ち切る「魔刀」神楽】
【糸神の主となる武器であり、最も使い慣れた刀だ】
【それで本を両断し、建物の中を見る】

「結界があるってことは居るのよね……」

【生徒会関連だったら嫌だなぁ、なんて思いながら、取り敢えず呼び掛けることにした】
【もしも生徒会だったら一般人ですと誤魔化せば良いだろう】

(いや、一般人は入れないんだったっけ)

【もうこの際どうだって良いだろう、という楽観的な思考で叫んだ】

「誰か居ますか?」

【バサバサという羽音(?)の中から、そんな声が聞こえるだろう】
【手に持った日本刀の所為で、「魔法少女」というよりかは「女剣士」とかそんなイメージだが】
506 :上田美奈 :2015/03/30(月) 14:49:28.26 ID:s0TCROxkO
>>505
【奥のほうから再び戦闘音】
【それだけでも答えとして十分なんだけど、返事も一応戻ってきます】

「はいってまーす!!」

【異様に高機動な振り子が伸びて、まとめて貫通】
【干し柿の紐みたいに数珠つなぎなカミツキブック】
【正直、どれだけ仕留めても本棚から湧いてくるので意味がなさそう】

「あーもう! もう! もうもう!!
 探す隙もないなんて!!!」

【声のするほうにいってみれば、本棚の上で迎撃戦の真っ最中なのを発見できます】
【コスチュームから所属校を断定するのは無理だけど、とりあえず中学生くらいにみえますね】
507 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 15:10:58.47 ID:Z8Nf4H6k0
>>506
【部屋に入ってみれば、本棚の上に一人の少女が居た】
【無論戦闘中な訳だが、手伝った方が良さそうである】
【一先ずコスチュームである黒袴と白胴着になり、先程差した日本刀を抜刀する】

「手伝うわよ」

【飛行魔法……というか、「跳躍」を魔法で強化して、すれ違い様に二、三冊の本を切り捨てる】
【そのまま同じく本棚の上に乗れば、襲い掛かってくる本を手を付いてバク転で回避し、切り捨てた】
【明らかに動きづらい服装なのに、やたらと動きが軽い】

「……なにこれ、クリーチャー?」

【その場で凡ゆる方向からやってくる本をバッサバッサと切り捨てながら、勿体無いなぁなどと考えていた】
【結界で修復されるのを完全に忘れているようだ】

「んー……埒が明かないわね……『魔翌力強化:残像刃』」

【刀に魔翌力を流すと、若干怪しいオーラが出て切った場所に残る】
【5秒というやたらと長い時間残るそれに、本が突っ込んできては微塵切りにされていく】

「……図書館ごと全部斬ってしまおうかしら」
508 :上田美奈 :2015/03/30(月) 15:17:27.88 ID:s0TCROxkO
>>507
「何かと訊かれると、噛み付いてくる本、としか」

【この手のヘンナモノの相手は、魔砲少女としてはよくあること】
【身内で殴り合いして争奪戦するよりはずっとマシということで
 ミナが狙う相手は多くの場合、こういうエリアタイプの異変なのである】

「図書館の中にかけらがあるのは確実なんですけど
 こう数が多いとゆっくり探す間に歯型だらけになってしまいそうだったんですよ」

【設置型の攻性防壁とか、とても便利そうなぁ、と】
【でも、その後の一言はちょっと焦った】

「瓦礫の中からかけら探しするよりは、ちまちまやるほうが楽かな、と思いまして」

【吹き飛ばしは確かにありだけども、肝心の探し物を埋めるのは怖い】
【巻き添えで壊しちゃうかもしれないし】
509 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 15:55:40.75 ID:Z8Nf4H6k0
>>508
「……確かに、それが一番表現としては的確な感じがするけど」

【星のかけら関連だとまぁいつも通りとも言えるし、取り敢えず納得だけしておこう】
【きっと本が飛ぶのは魔法の力だ】

「あー、確かに。この状況で探すのは面倒ね」

【そんあことを言いながら、何処を見ているか】
【実は、思いっきり余所見】
【彼女は美奈の方を見ているのだ】
【その間は何をしているかと言うと、残った刃が丁度千早の周囲を回るようにして守っていた】
【知能の低い(もしくは皆無)な本なので、バンバン引っかかって地面に斬り伏せられていく】

「まぁ、そうよね。……瓦礫も残らないかもしれないけど」

【多分、あの技を使うと瓦礫というより、砂になる】
【まぁ、そんな衝撃に星のかけらが耐えられるかは置いておくとして】

「私、対多数で手加減出来ないのよね……」

【多数を一発で仕留められる技は一つしかないが、その一発は通りが瓦礫の山にする程度の破壊力である】
【それ以上でも、それ以下でも無かった】

「……うーん……身体強化でどうにかなるかしら、これ」

【「神の隨」の効果時間は短いが、機動力は段違いになる】
【ただ、その効果時間の間に全て仕留められるかは別の問題だが】
510 :上田美奈 :2015/03/30(月) 16:07:39.11 ID:s0TCROxkO
>>509
「んー、たぶんこれ、全部倒そうとしたら本棚の本全部粉砕コースと思うんですよ。
 倒しても倒してもキリがない感じに」

【場所は図書館。所蔵されている書物全部がカミツキブックになるのでは
 建物ごと粉砕、というのは問題解決方法としてはとても正しい】
【かけらまでまとめて粉砕するのであれば、夜中に本に頭をかじられる守衛さんが減るのは
 街にとっては大いにプラスである】
【自分たちの疲労だけでそれが済むなら、きっと歓迎される結果であろう】

「そもそも広範囲を吹き飛ばすというのは、あまり得意じゃないのと
 かけらはそこまで必要でもないので、やっちゃうならお願いしてもいいかなーと思ったりしてます」

【身体強化でどうにかなるレベルならそれでもよし】
【手加減できないなら、それにのりましょう】

「一回外に出たほうがいいです?」
511 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 16:18:07.35 ID:Z8Nf4H6k0
>>510
「それは嫌ね……ここの蔵書数って幾らあるのかしら」

【しかも、まだ本棚に入ってないものも含む可能性がある】
【いっそ燃やしてしまいたいが、果たしてそれで仕留められるか】

「んー……ここで打つと通りが粉砕されて……あぁそっか、結界があるんだった」

【ここでやっと結界が修復機能を持つことを思い出す】
【そして思うのだ。「もうやっちゃっていいかな」と】

「……そうよねー。まぁ私も星のかけらが今すぐに欲しい訳じゃないし、もしも壊れなかったらまた取りに来ようかな」
(まぁ、他の人が来るなら自分は譲ってあげてもいいかな)

【取り敢えず、反動で体が痛くなるのはこの際仕方ない】
【もしくは気絶するか】

「えーっとねー……取り敢えず、建物から出て。んで、この魔法使うともうとんでも無いほど体が痛くなるのね? で、しかも1分ぐらい魔法使えない上に、動けないの。だから、私を見つけたら回復魔法掛けてくれると嬉しいかな」

【そこまで言って、「あー、またアレやるのかぁ」と愚痴る】
【本当は早々打ってはいけないのだが、まぁどうにかなるだろうという楽観的な思考で】
【奥の手を相手に見せびらかし、しかも動けない状態で裏切られる可能性も一切考慮しない】
【まぁ、裏切られても殺しはしないでしょ、などとも考えてはいるのだが】
512 :上田美奈 :2015/03/30(月) 16:22:48.77 ID:s0TCROxkO
>>511
「万単位は確実にありそうです」

【裏に閉架されているものも含めたらさらに倍率ドン】
【一冊ずつ[ピーーー]のは間違いなく悪手】
【それよりは最大技でさっくり粉砕してしまったほうがいいでしょう】

「それは幸いというか、なんというか、回復魔法は結構得意な方なので」

【じゃあ、方針はソレでオッケーですね】
【さくっと飛んで適当な窓割りつつ外にでましょう】
【愚痴については同情くらいしかできません】
【なお、防壁使って窓をぶちぬく女子中学生という絵柄にシュールさを感じてはいけません】
【魔法少女的にはお約束なんですから】
513 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 16:38:04.94 ID:Z8Nf4H6k0
>>512
「はぁ……まぁ、仕方ないかな」

【こんなのをチマチマと1万2万とやっていたら何時になることやら】
【仕方ないかと諦めて、窓をブチ破って行く美奈を見た】

「あーうん、窓から行くのね」

【まぁ、周りに本がいっぱい居るし、仕方ないかと思考を切り捨てる】

「さて……【神の隨】!」

【発動した瞬間、何やら禍々しいオーラが千早から溢れ出し、同時に大量の魔翌力が放出される】
【だが、それも一瞬。すぐに魔翌力が千早の体と魔刀神楽ーーいや、神剣「カグラ」に収束する】
【そして今度はそのカグラの方に千早の魔翌力が移り、圧縮】

「『烈火剣斬』!!」

【千早はソレを八相に構えると、一回転しながら薙ぎ払った】
【それにより、「空気が」薙ぎ払われ、衝撃波となって図書館全体に伝わる】
【今回は薙ぎ払った為か威力は控えめで、図書館全体に行き渡るに留まった】
【全ての魔翌力を解放した一撃は段違いな威力となっていて、刀というよりは巨大なレーザー光線か何かの様な物でも使ったのかという様な状態】
【当然図書館の耐久力は一瞬で奪われ、既に殆ど残っていない本ごと崩れ落ちた】
【千早は本棚から落下し、隙間へと落下する】
【ここまで計算しないと打てない辺り、本来屋内で使うべきで無いのは明らかである】
514 :上田美奈 :2015/03/30(月) 16:45:23.45 ID:s0TCROxkO
>>513
【窓をぶちぬいてから振り向くと、中から必殺の掛け声】
【続いて、圧縮から開放された魔翌力の流れ】
【最後に、崩壊する図書館】

「え? えええぇぇぇぇぇ!?
 出てきて外からじゃなく!!?」

【鉄筋コンクリートの建物が内側から斬撃で粉砕です】
【間違いなくとんでもない技なんだけど、技なんだけど!?】
【とりあえず念話で安否確認】

『えーと、生きておられますか?』

【魔法少女ならこのあと瓦礫をぶちぬいて飛び出してきても普通】
【出てくるまでちょっと待機してみましょう】
515 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 16:50:01.60 ID:05q0UrmkO
>>514
【残念、魔法が使えないのでそもそも念話も届かない】
【というのも、そもそも魔翌力を全部使い果たしているので全くどうしようもない】
【外から打つと一方向に威力が集中してしまうので、結界ぶち抜かない為に内部から打ったのだが】

【まぁそもそも結界が壊れるかという疑問は置いておくとしよう】
【先ほどまで結界の修復機能さえ忘れていた人間である】

【因みに、破壊の張本人は本棚の間でグッタリしてる】
【今は魔翌力の反応が無いが、少しすれば段々戻ってくるだろう】
516 :上田美奈 :2015/03/30(月) 16:58:16.85 ID:s0TCROxkO
>>515
【まさかのノーリアクション】
【一足先に外に出た側は顔色が真っ青になりました】
【結界の硬さにもそれなりに覚えがあることを伝えるべきだったでしょうか】

「ちょ!? え!? なんでえええ!?」

【瓦礫の山の上にフライトして、振り子展開】
【ダウジングであたりを付けて、振り子を延長して瓦礫の中を探索します】
【見つけ次第、魔翌力を有線で分けましょう。遺体じゃなければ……ですけども】

「なんでそんな自爆してるんですかぁぁぁぁ」

【涙声の絶叫のオマケつきです】
517 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 17:04:19.12 ID:05q0UrmkO
>>516
【時爆はデフォルトです、とは何時言った言葉だったか】
【意識があるかも怪しいが、彼女はそんなことどうでもいいようで】
【ギリギリ動けるようになって、少し魔翌力も回復した様子】

「あー、よし、セーフ」

【一番アウトなのはコイツの頭である】

「ん?……あ、振り子だ」

【そしてなんか垂れてきた振り子】
【見覚えがあるので、かるく掴んで見る】

【多分、さっきの少女の物だろう】
【しかも、何か叫び声も聞こえるし】
518 :上田美奈 :2015/03/30(月) 17:13:33.83 ID:s0TCROxkO
>>517
【掴んだところで強引に流し込まれる生魔翌力と治術魔法】
【さっきの地味子は体力回復だけでなくMP供与もできるらしいですね】
【発見速度といい、器用さ全振りスタイルなんでしょうか】

『あ、つながった!?』

【さらに念話で声掛け付き】
【どうやら自爆攻撃に相当びっくりした模様】
【とりあえず魔翌力回復させたら自力脱出できるでしょうか】

「びっくりした。すごくびっくりした」

【瓦礫の上でへなへなになってる魔法少女、一人】
519 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 17:28:49.95 ID:05q0UrmkO
>>518
「……おぉ」

【無駄に器用だなー、という思考は置いておくとして】
【本棚の間で倒れていたコイツは「他人の魔翌力譲渡してもらいながら打てば魔法使えないっていうデメリットが打ち消せるんじゃないかというトンデモ発想をしていた】

『うん、繋がった繋がった。いやー、ごめんね?』

【全く悪びれる様子もないが、取り敢えず脱出しよう】

【刀を手に取り、魔翌力を流して強化】
【そのまま脱出の為に刀で周囲のコンクリだの木だのを強化して削り取る】
【十分な空間が出来たら、再び魔翌力を刀に込めて】

「魔刀延長!」

【魔翌力の刃が天井(?)を切り裂き、貫く】
【一瞬だけ光が溢れ、そこに再び刃をねじ込み】

「脱出!」

【そのまま飛行魔法で地上へと脱出した】
520 :上田美奈 :2015/03/30(月) 17:39:33.39 ID:s0TCROxkO
>>519
【その発想はたぶん正解】
【有線とはいえ、範囲広いから安全圏で魔翌力タンクとかもきっとできる】

『あーはい、生きておられるようで何よりです』

【意外と無事そうでちょっともにょったけど、まぁ無事ならいいか】
【攻撃でぶちぬいてくる予感がしたので真上から撤退!】
【案の定、刀と飛行で強引に抜けてきた姿を見て一安心】

「とりあえずですね、無茶しすぎですよ!!」

【自分の中指にぶら下がった振り子をぶらんぶらん】
【お説教ついでに空からかけらを探知】
【……やっぱり、砕けちゃったかな、これは】
521 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 18:27:43.22 ID:f7ZTj0kiO
>>520
【えっ? と言った顔で少女を見て、あぁ、と納得する】

「いやだってこの建物ぶち壊すならそれしか無いじゃん?」

【……なんと言うか】
【若干天然入ってるんじゃないかと言う感じだ】
【だが、本人はあっけからんとしているが、やはり激痛は引いていないらしく】

「っ……」

【地面に膝をついた】

「……あっ、これ必要?」

【そして唐突に取り出す綺麗な石】
【みんなご存知星のかけらである】

「いやー、なんかさっきコンクリ削ってる時に出てきたんだよねー」

【そんなことを言っているが、偶然なのか狙ったのか】
【……案外後者かもしれない】
522 :上田美奈 :2015/03/30(月) 19:28:49.11 ID:s0TCROxkO
>>521
【引き続き治癒魔法の重ねがけです】
【痛みなんて残しませんのだ】

「一回外に出てから上から撃つとかあったでしょうに」

【痛みを取りつつふくれっ面】
【かけらを見せられてもため息一つ】

「ここで受け取ったら、私はどれだけがっつき系ですか。
 どう考えてもそちらで持っているべきものです」

【どう考えてもつりあいません】
【きっちり突っ返して、今日はもういいかな、という感じ】
【メジャーを巻きとるみたいに振り子格納。これにて一件落着】
【合わせて結界解除で、場面は瓦礫の山の上から図書館の屋上へ】

「もう少し、自分をいたわりましょう? ね?」
523 :フォルリィア [sage]:2015/03/30(月) 20:06:41.34 ID:SsjynZ5rO
>>498

「アハハハハハハハハ! おばさん凄い!凄いっ!」

 放った血の三日月をことごとく捌いてゆく篠原の姿を見て笑う少女。
 死神の無邪気な笑顔は邪悪でありながら純粋で其れが一層狂気を強めていた。
 血の海に落下し一部とか化した三日月が再び篠原を襲うことは無く、少女は篠原の言葉を聞いて僅かに微笑んだ。
 ──関心。少女は篠原にそんな感情を微かに抱いた。それは篠原を見誤っていたという一種の誤解を認める意味を持つと同時に歓喜という形の感動すら持ち合わせていた──が、それ以上に憤怒を抱いた。
小手調べとは言え攻撃をいとも容易くあしらった篠原の力量は少女にとって予想外であり期待以上ではあったがそれは苛立ちにも繋がっていた。

「あかてん? なにそれ?」

 まだ年齢的に小学低学年の少女は赤点の意味も追試の意味も知らないゆえ、篠原の言っている言葉を理解出来なかった。
 そんな年齢の少女が自身の満たされない退屈な精神の為に人を殺めている事実は何を意味するのか──。
 篠原が手元にステッキを戻すのを見ると少女は右手を前へと差し出した。
 そして篠原へと不敵な笑みを浮かべた刹那、差し出した手の下に位置する鮮血の大海が不気味に波を打ち始めた。
 徐々に激しくなる波はやがて形を形成し少女がその形を掴んだ瞬間、真っ赤な鎌となった。

「アハハハハハハハハハハハハハ!」

 器用に鎌を回しながら瞳を見開き歓喜と憤怒の混じり合った笑い声を上げ篠原の元へと走り出した。
 篠原の放った三日月を避けようとも、い
なそうともせず御構い無しの少女は三日月により肩や脇腹、頬や足、腕を切り刻まれ、赤い血を流していく。
 流血は血の海域と混ざり合う。少女はその痛みを噛みしめる様に破顔しながら、篠原へと鎌を振りかざす。
524 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 20:18:14.65 ID:Z8Nf4H6k0
>>522
【謎の執念、素晴らしいと思います】

「えー、だって結界壊れちゃう気がしたし」

【馬鹿野郎なのか何なのか、まぁ気にしてはいけない】
【学校だとキッチリしているのに、日が落ちたプライベートなんてこんなものである】

「いやー、実際星のかけらって私にとってあってもなくても変わらないんですよね。願い事は今と同じレベルの戦闘力ですし」

【それはそれで願い事としてどうかと思うだろうが】

「いやー、まぁ死ななければ良いかなって」

【酷い楽観主義もあったものである】
525 :上田美奈 :2015/03/30(月) 20:37:00.21 ID:s0TCROxkO
>>524
【ずずーん】
【あかん。これはあかんパターンの人!】

「自前の結界抜ける威力なんですか、あれ」

【結界壊れちゃう気がするって認識があるってことは、
 過去にぶちぬいたことがあるということではなかろうか】

「……いや、え? 今のって、何に使うんですか。
 大きな建物、まるごと瓦礫にできる戦闘力って、え? え??」

【何に使うんだろうとかいう疑問は全部無意味な気がしてきました】
【これはきっと脳筋とか言われる人種に違いないのです】

「そのうち絶対死んじゃいますよう」
526 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 20:45:50.65 ID:03roek+AO
>>525
「いやー、防御系でフルに使っても消滅しちゃう感じかな」

【ぶち抜いたというか、魔翌力が霧散しちゃったらしい】

「えーっと、取り敢えず……うちの生徒会とかを筆頭にムカつくのの面々倒したいなーって」

【トンデモ翌理論、ここにありき】
【もう気にしてはいけない。多分冗談だが】

「大丈夫、まだ生きてる」
527 :上田美奈 :2015/03/30(月) 20:51:02.43 ID:s0TCROxkO
>>526
「それ、かけら集めて、生徒会なくなるの願うのが早いんじゃ」

【なんかレジストされそうだけど、酷い提案もあったものである】
【直接殴り飛ばしたい場合はあんまり意味がないけれど】

「とりあえず心配しても無意味なことだけは理解しました」

【平行線に諦めた図】

「あ、忘れてました。
 江風の中学校のほうのミナといいます。上田美奈です」
528 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/30(月) 21:10:40.63 ID:Ma1QD3JIo
【此処、瀬平戸ショッピングモールは、瀬平戸市内の若者が最も集う場所と言っても語弊はないくらい活気に満ちた施設である】
【若者向けのファストファッションブランド店、豊富な品物が並べられた日用品売り場。ゲームセンター、ドラッグストア、雑貨屋など】
【幅広いニーズを満たすこのモールだが、最近その一角にややニッチな店が出来たらしい。その店がどういうモノを売っているのかというと――――】

「キャー! このワンピ可愛すぎだろこのヤロウ☆ ハベ子ちゃんえぶりでいがピンク主体だったけどこういう水色もいいかも知れないじぇ♪」
「こっちのヘッドドレスもらぶりぃだな☆ あー、ダメだヘッドドレスにこの値段はつらたん……」

【このワーキャー騒いでいる彼女の格好とモール内から明らかに浮いた雰囲気で分かると思うが、ロリータ系の服を売っている店である】
【ゴシックロリータやクラシックロリータ、姫ロリと呼ばれるものまでロリータ系ならさまざまなモノが集まるロリータ専門店】
【ズラリと並ぶファンシーな品物の数々に目を輝かせる先程の彼女は、白×ピンクを基調としたロリータドレスといった格好で店内に溶け込んでいた】

「あ、この傘いいゾ〜☆ なんか持ってるだけで魔法少女っぽい! 魔法少女感2割マシマシじゃね☆」
「個人的に日傘とか軟弱っぽくてあんまりハベ子ちゃん好きじゃないけどこれは買わないといけない気がするんだわ♪」

「コスチュームがどうみても魔法少女じゃねぇ分、変身前くらいはマジカルっぽさを出さねえとダメだろ☆ よっしゃハベ子ちゃんお買い上げぇ!」

【フリル付きにピンクの傘を手に取りながらやけに大きな独り言。その言葉から分かる通り彼女は魔法少女であり――――】
【金髪のロングツインテを揺らしながら振り返りレジへGOした時、魔法少女にしか分からない星のかけらの匂いが、魔翌力が振り撒かれた】
529 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 21:10:45.80 ID:Z8Nf4H6k0
>>527
「いやだって生徒会以外にも殺りたい相手居るんですもん。しょっちゅう絡んでくるジジイとか」

【お前は黒百合(お嬢様学校)の生徒じゃないのか、というレベルである。色々と】

「あー、江風高ねー、なるほど。私は黒百合学院の糸神 千早よ。みんなには内緒にしてね?」

【バレると色々とヤバイから、と念押しする】
530 :上田美奈 :2015/03/30(月) 21:17:38.27 ID:s0TCROxkO
>>529
【※高校ではありません】

「なんかいろいろとイメージがガラガラと崩れていくんですけどね?
 ……とりあえず堂々と殺人予告はいけないと思うんですよ」

【最近、自分が魔法少女の中では常識人な気がしてきました】

「いえ、言っても誰も信じてくれないと思います!」

【黒百合のこんな人にあったよーって言っても多分信じてもらえません】
【もっとこう、瀟洒な何かをイメージしているものです】
【このノリ、黒百合より江風なイメージが拭えません】

「とりあえず、今夜はもう帰ります。
 あんまり無茶しないでくださいよ? ね?」

【中学生は高校生を心配しながら帰途についたのでした】

//
おつかれさまでしたあ
531 :如月加美楽 [sage]:2015/03/30(月) 21:46:47.19 ID:ReoVqDSj0

 薄暗い夜の中、私立紫薔薇学園の制服を着た一人の少女が黒百合学院の校門前に立っていた。
 金髪の短な髪に着崩した制服姿からは何処となく不真面目な印象が伺える。
 冷たい夜風に吹かれ靡く髪を手で押さえながら、満月を隠す黒百合学院を少女は鋭い目付きで見つめていた──。
 彼女の知り合いにも黒百合学院へと通う生徒がいるがそんなことに興味は無く、自身が通う紫薔薇と肩を並べる学園に興味があったという理由とそれ以上に最近彼女にとって良い噂を聞くのでどんな場所か様子を見に来たのだ。

「なんだァ、大したことねェじゃねーか」

 口を開いて一言。少女はそう言った。
 夜ということもあり、学院から生徒の気配は無く、魔法少女の魔翌力も感じない。
 校門前にいれば中から生徒が来ても出会えるし、同じく此処に用がある魔法少女にも出会えると思っていたが──。
 どうやら少女の思惑は外れてしまったらしい、それとも少女が気付いていないだけで魔法少女が近くにいるのか──。
532 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/30(月) 21:51:09.15 ID:N5Nm267M0
>>528

モールの中心、広場の噴水前。
そこで落ち着かなげに、何故かコイントスのジェスチャーを繰り返す少女が独り。

「――ついに来た。 瀬平戸、ショッピングモール……」

少女とはいったが、その仕草だけでなく、見た目からもその娘、新野角武は不審者寄りである。
染めた茶髪を肩甲骨まで下ろし、一部をサイドテールに結う髪型。
それだけならまだしも、ブレザーにロングスカートは随所に改造が施され、なにより顔半分を覆う白マスクと、キツい三白眼。

「ストレス発散は、人間に許された習性……」

マスクの下で自分に言い聞かせるように、しかし心なしか楽しそうな少女。
お目当ては当然ゲームセンター。春休みを利用して存分に遊べるのは、学生の特権である。
尤も今回の場合は、別の理由で予定が無くなった暇潰しの意味合いが多いようだが。

厚みの足りない財布片手に、警戒する家族連れを挙動不審で追いぬいていく。
しかし、仲睦まじげな男女を追いぬいて、ブースの切れ間、曲がり角ではたと足を止めた。

「ふ、……」

右を見れば、お目当てのゲームコーナー。
そして左には、何やらきらきらのpinkyな空間。

「ふふ……。 あっちはリア中の巣窟(すくつ)……ウチには無縁の、世界」

今しがたのカップルが躊躇い無く入店するのを、忌々しげに舌打ちして見送る。
言葉通り、あの道は己とは縁のない異境。別にゴスロリなんて、興味なんて断じてない。ないったらない。




「――…………少しだけ、なら」

かけらの――――もとい、ふぁんしぃの匂いには抗えず。
悩んだ末、さささ、と目立たぬよう可及的速やかに、店に潜入するヤン娘が独りいた。


/まだ宜しいでしょうか?
533 :汐月 メアリ 知理 [sagesaga]:2015/03/30(月) 21:54:44.73 ID:7dP9zNwMo
【この街には、魔法少女という存在がいる。多くの者は只の噂だと鼻で笑うが、それでも実際に存在しているのだ】
【だからこの夜、昼間でも近寄りがたい雰囲気の路地裏で命のやりとりが行われていることを常人達は知る由もない】

「――――――……」

【路地裏の奥では、1つ大きな結界が張られていた。その魔力に惹かれ、此処へ足を踏み入れる者も居るだろう】
【その中には、2人の少女が居る。『魔法少女』。……もっとも、この結界内に立ち入れる者ならば自身も同じ存在であろうが】
【兎に角、そんな少女たちだが両者の状態は全く違っていた】

【1人は、ピンクのワンピース姿。いかにも魔法少女というような出で立ちだが、壁に背をつけてへたり込む彼女は酷く傷ついていた】
【何かに斬られたような傷と、火傷が多数。そのコスチュームもボロボロで出血もしている。何より、脚を怪我して動けないようだ】

【対して少女を見下ろす形で立っているのは、魔女のような帽子に髑髏があしらわれたローブ、そして所々が破れたドレス姿】
【不気味なオーラを放つ一冊の分厚い書物を片手に、憐れむような視線をへたり込む少女に送っていた】

「―――……死にたくなかったら、早く渡して。……いや、『渡せ』」

『……誰が、アンタなんかに……! 命がけで見つけた『かけら』を、渡すわけ無いでしょ……!!』

【ボロボロの少女が手に持つのは、魔法少女たちが追い求める『星のかけら』。ギュッと握りしめ、自分を見下ろす彼女を睨みつける】
【星のかけらがあれば、この窮地からも脱出することができる。しかしたった1個。何時見つかるかもわからないそれを、手放す気はないようだ】

【そんな姿を見れば、ローブの少女は小さく息を吐いて手に持った書物……魔導書をパラパラとめくり、とあるページで止めると】


「―――ならば、エインフェリャル様の糧になれ」


【酷く冷たい声でそう呟いて、何かを呟き始めた。魔導書を手に呟くのならば、それはきっと詠唱……へたり込んだ少女も、流石に顔が青ざめた】
【魔力量が増大する。何が起きるかは起こってみなければ分からない。しかし1つ言えるのは―――この後、良くないことが起きるということだけだ】

/初ロールですが、よろしくお願いします!
534 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/30(月) 21:58:48.01 ID:Ma1QD3JIo
>>532
/大丈夫です! しばしお待ちを!
535 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/03/30(月) 22:17:55.90 ID:G32lfhYoo
>>533
「またエインフェリャルかよ……」

結界内に第三の少女の声が響く。声の方を見れば、中華風の鎧に身を包んだ魔法少女、兵馬一姫が立っているだろう。

「いったい何が起ころうとしてるんだよ……分からねぇ……」

少女は聞き覚えがあった、エインフェリャルの名に。そうこの一姫は、つい先日も別の十二戦姫と戦い敗北したのだ。運良く他の魔法少女に助けられ、命は失わずにすんだものの、その実力差はかなりのものだった。

「分からねぇけど、これだけは分かる。お前らを野放しにしてはおけないってことはなっ!」

正直怖かった。前のようにまた執拗に痛め付けられるのではないか?今度こそ、殺されるのではないか?そんな疑問が頭を埋め尽くそうとする。
――だが、もう一人の少女を見捨てることなんて出来ない。一姫は、傷ついた魔法少女の前へ駆け出すと、そこで魔法陣を展開。

「出てこい、大盾!」

そして、発動するであろう魔法を防ごうと、そこから大きな盾を召喚した。

/自分でよければ、よろしくお願いします!
536 :九条院永麗奈 [sagesaga]:2015/03/30(月) 22:19:55.47 ID:QCY+8oC3o
>>531
//まだいらっしゃいますか?
537 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/30(月) 22:20:07.22 ID:Ma1QD3JIo
>>532

屋内にも関わらず買ったばかりの傘をばさりと開き、くるりと回ってお嬢様気分。そこからのウインクはキラキラとエフェクトが付いてもおかしくない仕草。
このウインク、可愛いからやっただけであって、特に誰かに向けたわけでは――――否、しいて言うなら彼女が魔法少女になって追いかけている王子様へ、だろうか。
……ともかくそのウインクの先には、偶々この女性とは対極に近い格好の少女が居たわけで。恐らく、視線がかち合う……はず?

「……ん? え、闇校(ヤミコー)出身? いやその制服は病葉工業高校で間違いナッシングですわ☆」
「あー、なっつ〜! 当時から制服変わってないのなー☆ ハベ子ちゃん当時は乙女になりきれてないはっちゃけハベ子期だったなぁ……」

視線が合うやいなや、一瞬だけ首を微妙に傾けて(この角度が一番かわいいと思っている)から幼い声を張り上げた。高い声は無駄に良く響き、よりエネルギッシュである。
――――にしても、である。フリフリのドレスにリボン、傘を装備した今ファンシー戦闘力は更に磨きがかかっている彼女が、「懐かしい」と言った。
ヤンキー高校として有名な私立病葉工業高校を。魔境とか地獄とかスラム街などと言われているあの闇校を。……そう、この女性――――所謂OG。

「もっと早く乙女ロードを歩んでいれば……と思っていたのよあの頃は☆ ……なーんて思うと後輩チャンは超ラッキーだよね♪」
「――――こういうの、興味あるんだよな☆ 不良服も悪くねーけど、やっぱり女のコならこういうのっしょ☆」

いきなり「あの頃は〜」なんて言われても「は?」と思うかもしれないが、彼女はそういう女性なのだ。いきなりフレンドリーが過ぎる様は大阪のおばちゃんが被る。
――――とにかく彼女が何を言いたいかというと、そして何を思っているかというと。……一言で言うと嬉しいのだ。自分と同じ高校出身の子が、こういう服が好きなのを。
……もしこういう服が好きでもなく、まして出身高校も違うのであれば一刻も早く訂正しないと、このハベ子ちゃんと自称する彼女の話は止まらなくなってしまうが……。
538 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/30(月) 22:23:03.87 ID:IhMLDZjY0
>>533
おい、貴様何をしている?

【如月と少女の間に一筋の一閃が飛ぶ】
【飛んできたのは氷の結晶】
【そして結界内に響き渡る一つの声】
【それはナイトロードのものだった】
【先ほどのエインフェリャルという名前】
【そこから予想するに目の前の彼女は十二戦姫】

よもやこんなところで見つけられるとはな
日頃の行いのおかげか?

【ナイトロードは一つ、また一つと如月との距離を詰めていく】
【すでに漆黒のマントは身につけており臨戦態勢に入っている】

そこの少女を殺そうとしているのか?
貴様らだよな?
最近星のかけらを集めてエインフェリャルの復活などと言っているのは

【ナイトロードが如月に向けるのは明らかな敵意】
【それはまるでナイフのように鋭く力強い】
【如月からすればあと一歩のところで星のかけらを奪えたというところで邪魔をされた】
【ナイトロードのことはすぐに敵だということが分かるだろう】
539 :如月加美楽 [sage]:2015/03/30(月) 22:31:59.79 ID:ReoVqDSj0
>>536
いますよー
540 :九条院永麗奈 [sagesaga]:2015/03/30(月) 22:41:40.88 ID:QCY+8oC3o
>>531

「お〜〜〜〜〜〜〜〜ほっほっほっほっほっほぉ!!!!」

突如黒百合学院の校門前に響き渡る、頭の悪そうな高笑い――同時に、学院の奥から現れる一つの影。
夜の闇を切り裂くような金色のストレートロングに、炎のように燃える赤い瞳。
黒百合学院の制服をきっちりと着こなしており、スタイルが良いせいかただの制服ですら画となっていた。
口元を右手で隠しながらも大声で笑う彼女は九条院永麗奈、制服から此の学校の生徒だとすぐに理解出来るだろう。

「校門の前に何者かが立っていると思えば――――確かその格好、紫薔薇学園のモノだったかしら?」

漲る魔力を隠そうともせず、傲岸不遜な表情を浮かべ纏う空気は他者を威圧し排斥する強者の其れ。
どうやら少女が探していたらしい此の学院の生徒のようだが――――――――中でも変わり種であろうことは明らかだった。
ごきげんようが挨拶として常用されているような超がつくほどのお嬢様学校、そしてそんなイメージを破壊する一人の生徒。
ある意味でお嬢様らしいといえばお嬢様らしい彼女だったが、少女に向けられた目付きは友好的なモノではなく――――――――。

「――――――――それで、紫薔薇の狗が、此の黒百合に一体何の用?」

相手が紫薔薇だから、ではない。彼女にとっては回りにいる総ては超えるべき対象であり、他者とは見下すために存在している。
良家に生まれ、支配者となるべく育てられた。その結果が此れである――――歪んていると言えば歪んでいるが、それすら正当であると彼女の態度は告げている。
突き刺さるような敵意、それでいて相手を見下し倒し敵ですら無いと笑うような余裕な笑み。
さて、紫薔薇の少女はどのような言葉を返すだろうか――――――――。

//ではよろしくお願いします!
541 :汐月 メアリ 知理 [sagesaga]:2015/03/30(月) 22:43:03.99 ID:7dP9zNwMo
>>535
【結界内に響いた2人の物ではない声に、両人が首を振る。ワンピースとも、ドレスとも違う、鎧を身に纏う新たな魔法少女】
【ワンピースの少女は救世主を見るかのような涙と笑顔が混ざった顔、大してローブの少女は、冷たいその表情を変えなかった】

「……。
 まぁ、良いけど。貴女も星のかけらを持ってるなら、渡してもらうだけ」

【詠唱を中断してローブの少女が呟くのは、そんな一言のみ。余り感情というものが感じられない、無機質なそれ】
【そしてすぐに詠唱を再開する。邪魔は入らず、魔法陣も大盾も問題なく展開されることだろう】
【……しかしそれは、このローブの少女が自身の魔法に絶対的な自身を持っているということの裏返しであった】

『ゲホッ! ……気を、つけて……アイツの、魔法は……』

「《―――……降臨せし水の精。絶えず流れる万物の母を以って、立ち塞がる者を殲滅せよ》」

『……召喚、魔法……!』

【詠唱が完了し、魔法陣が少女の眼前に展開される。―――しかし、そこから出てきたのは『攻撃ではなかった』】
【出現するのは、一人の女性だ。髪は長く、丈の長い衣服を着ている。これだけならまだ普通の女性だが、その姿は半透明であった】
【すなわち、人ならざる者。杖をくるくると回すその顔は微笑んでいるが、その下に多大な害意を孕んでいることに一姫は気付けるであろうか】

「さぁ、行って。ウンディーネ」

[はーい♪ じゃ、可愛い知理の為に今日も敵をやっつけますよ〜?]

【穏やかな口調で半透明の女性……ウンディーネが杖を揺らすと、何処からとも無く水が溢れだし、生き物ののようにウンディーネの周りを回り始めた】
【杖を一姫の方へと向けると、水は触手のごとく形を成し、さらに先端を刃物のごとく鋭く凍らせ、一姫へと襲いかかる。勿論、大盾は避けて、だ】 
542 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/30(月) 22:47:04.67 ID:N5Nm267M0
>>537

入店して僅か3秒。新野は棒立ちであった。目の前には、ばっちり決めた魔法少女(然)の女性。
一拍置いて、苦手な授業で名指しされたかのように、更にびくりと硬直する。
視線がかち合う事数秒。そこから怒涛の様なテンションで流し込まれる言葉の数々に、目を白黒させながらも
突如はっ、と気が付いて背筋を伸ばす。

「――――ッス、!」

珍しく、声のトーンは二段ほど上。知らずと気を付けの姿勢で、腰から90度角に折り曲げる。
例え面識がなくとも、先輩に対しては敬意を払う。今までの人生で染み付いた本能的な習性であった。

(……カワイイ)

小首を傾げるしぐさに一瞬見とれながら、矢継ぎ早に降り注ぐ言葉の意味を、懸命に拾い上げようとして。
視線が、相手のドレスと、傘と、それらを内包する店内へ向けられる。


「――な!?」

かあっ、とマスクの下の頬が紅潮。
ようやっと、自分のしでかした事に気が付いた。

「な、な、ナイヨー……ナイデスヨー」

さあ、いざ大後悔時代の幕開けである。顔の前でわたわたと手を振り振り。
ゲーセンがどうとか、しどろもどろで弁解しようとするが。何時も以上のテンパり具合ではそれも叶わぬ話であった。
543 :糸神 千早 [sage]:2015/03/30(月) 22:47:49.94 ID:Z8Nf4H6k0
>>530
【天然入ってます(校の誤変換)】

「まぁ、私に限って言えば両面性だし。そんなもんじゃない? 女って」

【どう考えても度が過ぎてるのはご愛嬌】
【寧ろこれでいつも通りである】

「そうよねー……ま、生徒会の面々にバレなきゃ良いんだけど」

【逃げるの面倒臭いし、とブツブツと呟く】
【普通は逃げられないから怯える物だが、「面倒臭いから」と言い切った彼女はどれだけ自信が有るのか】

「程々にするわね、うん」

【全くアテになりそうもない言葉で締めくくり、別れた】

//ありがとうございました!
544 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/03/30(月) 23:02:24.92 ID:G32lfhYoo
>>541
「召喚……だと……?」

そういえば、前回戦った別の戦姫も召喚魔法を使っていたか。あの時は、あの腕に酷い目に合わされた。一姫は思い出す。あの大腕を操る少女の姿を。
この少女も、似たようなものを召喚するのだろうか?それとも、もっと恐ろしい化け物を……?警戒する一姫だったが……

「な、なんだ?女?た、たいしたことねぇんじゃねぇか?」

現れたのは女性。身構えていたぶん、拍子抜けする。だが、そう思っていられるのも束の間。

「なっ!?盾を避けて……!?」

盾を避けて迫り来る水の触手。咄嗟に避けようと、身体を反らすが間に合わない。それは、一姫の脇腹を抉った。

「く……油断した……だけど、相手が水なら!」

体勢を建て直し、大盾を魔法陣へと戻す。そして、今度はそこから青龍刀を取り出す。

「雷で対処出来る筈だっ!!」

その青龍刀に雷の属性を付与し、そのまま現れたウンディーネ向けて、斬りかかった。
水は電気をよく通す。一姫が以前の戦いでも使用したことを、再び試みる。前回は一矢報いるための攻撃となったが、今回は果たして……
545 :パメラor結愛 [saga sage ]:2015/03/30(月) 23:02:43.66 ID:b5WZ1CfSO

【カフェ「とれみぃ」】
【アンティークな雰囲気とそれをぶち壊しかねない豪華なドリンクバーその他の数々】
【そして、相も変わらずすっからかんな店内には】

……それにしても、本当に帰って来ちゃったんですねぇ

「話を聞いた以上、知らぬ存ぜぬでは、通せませんので」

【一人は、伸ばしっぱなしにした様な長い銀髪に、紫のメイド服の少女】
【もう一人は、肌も髪も真っ白、服さえも純白のドレス風な服を纏った高校生くらいの少女】

【前者は、店主のパメラ・レジエルであり】
【後者は、彩華木 結愛と言った】

……で、やっぱりやるんですかぁ?

「えぇ…誘って、頂きました、よね?」

確かにそうですがぁ…まぁ良いですよぉ

【店主は、ため息を吐きながらカウンターの内側で頬杖を突き】
【『副店主』は、穏和な表情でカウンターの外に座っている】
【ついでにバイトの子が一人、少し離れた位置でチラチラ様子を伺っていて】

【……さて、もしこの店に入ったならば】
【気になるのは、店主か】
【それとも、新たな副店主か】
【どちらだろうか…?】

/絡みたいキャラ選択できますのでー
/一応、両方も可能です
546 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/30(月) 23:10:59.40 ID:Ma1QD3JIo
>>542

ぴしっとした90度の礼をする闇校の少女。その前には甘ロリに金髪ツインテの目が痛い程キラキラした女性。
――――道行く人が見たのなら一体何を思うだろうか。兎に角確実なのは、甘ロリ姿の女性が只者ではないと思われること。……ダメ、そんなの可愛くない! 

「ちょ〜いちょいちょいちょい……!! 礼儀正しいのは物凄く評価できるけど今のハベ子ちゃんはただのキラキラ魔法少女なんだゾ☆」
「周りが見たらハベ子ちゃん怖いじゃん? いいからいいから顔上げちくり♪」

ヤンキーに深く礼をされるのは可愛くない、ということで直ぐに少女の礼を取りやめさせようとする。それでも不快だったわけではなく、困るという感情。
――――というか、甘ロリの彼女が高校にいたときには、そんな礼儀正しい生徒などいなかったのだから、質が上がったなぁ……なんて思っていたことは乙女の秘密。

「んっふっふ……後輩チャン、乙女になると同じ乙女を見抜く能力が備わるんだゾ♪ つーまーり、ホントはこういうの着たいんだろ☆」
「んー、見た感じゴスロリが似合いそうだなオイ☆ ハベ子ちゃんも最初はゴスロリだったんだけど甘ロリにシフトしたから、お古だけど使わない服残ってるぜ♪」

「おう欲しーか☆ 欲しーだろ♪ ん? 要らないんなら捨てちゃおっかなー、Z○Z○タウンとかってゴスロリ買い取ってくれんのかなー」

表情、仕草、漏れた言葉。少女の中に秘められた可愛い乙女パワーを感知してハベ子ちゃんはにやりと微笑めば、攻める。
――――三白眼気味なのでゴスロリがピッタリはまるんじゃないか、などと乗り気にさせようとしながら少女の中の乙女を引き摺り出さんとした。

「――――……ん? くんくん、あー……店内のファンシーでフローラルな臭いで気が付かなかったわ☆」
「テメエ、魔法少女だろ☆ リアルで♪」

――――が、突然くんくんと鼻をぴくぴく動かして告げるは意味深な言葉。
先程から彼女は自分を魔法少女だと言っているような言葉があったが、「お前もそうなんだろ?」とニヤリと微笑んで傘をくるりと回した・
547 :詩音加美楽 [sage]:2015/03/30(月) 23:12:08.92 ID:ReoVqDSj0
>>540

「──アァ?」

 最早学院には誰も居ないと思い背を向けた刹那、闇夜の静寂を破壊する高笑いが詩音の鼓膜を振動さた。
 詩音は聴いていて一番不快で一番嫌いなタイプの気取った笑い声に思わず舌打ち混じりで反応してしまった。
 鋭い目付きで先を見れば、自身とは対照的な姿をした一人の女性が目に入った。

「そぉいうテメェは、黒百合学院のお嬢様だろォ? ハエの大好きな異臭がプンプン臭うぜ。 どんな香水付けたらそんな臭いになるんだオイ?」

 九条院の口調とは対照的で荒い言葉遣いをする詩音。
 詩音も九条院同様にお嬢様学校に通っているがその口調は気品や気高さを感じさせるようなものでは無かったがしかしそれは九条院も同じだった様で形は違えど異質さが感じられた。
 詩音はそれに思わず気を良くし軽い挑発をしたのだがそんなやり取りは不要かと思い一人鼻で笑うのだった。


「おたくらの学校から最近随分と"良い噂"を耳にするもんでなァ。少しばかりその噂の真相を確かめに来ただけだよ」

 そう言うと詩音は指を鳴らし、当たり前の様に結界を貼った。
 九条院の上からの物言いは詩音にとって気に入らないものではあったがそれ以前に、彼女の全てを見下す傲慢な態度が気に障り憎く思えた。
 彼女にとって自分も他の魔法少女も同等にある魔法少女の下位互換でしかない存在と思っているゆえ、九条院の態度は酷く気に入らなかったのだ。

「よぉ、黒百合のお嬢様よ、きっちりそのムカつく態度潰してやるから覚悟しろよ」

 詩音が邪悪な笑みを浮かた刹那──、彼女から爆発的に膨れ上がった魔翌力。
 最早目で感知することが出来るほど溢れ出した魔翌力は赤黒い色をしていて、その魔翌力が彼女を包み込んだと思えば、見事なまでに典型的な魔女の衣服へと変化した。

/よろしくお願いしますー
548 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/30(月) 23:13:11.93 ID:IhMLDZjY0
>>545
【カフェ「とれみぃ」の入り口前】
【そこに一つの人影が】

ここがカフェ「とれみぃ」か……
一応来てはみたが……

【ナイトロードはとれみぃの前でなにやらうろうろして時折中を窺うという謎の行動を取っている】
【実はナイトロード自身こういった店に入ったことが無いのだ】
【それ故にどうやら緊張をしているよう】
【店に入ろうとして直前で止めたり帰ろうとするも戻ってきたりなど他人から見ればとても不可思議な人間に見えるだろう】

わ、私としたことがらしくない……
こんなものただ店に入るだけだ……そ、そう……入るだけ……

【しかし扉に手を掛けかけるとやはり手を引っ込めてしまう】
【当然この様子は店内からも見えていてそれを見て店の者はどう思うだろうか】
549 :汐月 メアリ 知理 [sagesaga]:2015/03/30(月) 23:28:36.63 ID:7dP9zNwMo
>>544
【一姫の脇を抉る氷の刃に、ローブの少女……知理は薄く笑う】
【彼女が先日出会った知理と同じ志を持つ少女とは性格がまるで違うだろうが、仮にも同じ人物を復活させようとしている者同士】
【行動原理が同じな分、破壊衝動というものも似通っているものが有るのかもしれない】

[うふふ……♪ 水の精であるこのウンディーネに大したことないだなんて、言ってくれるわね〜?]

【四大元素の1つ、水。それを司る四精霊の一体、ウンディーネ】
【水の操作というシンプルな能力だが、シンプル故に強大な力であることは先程の初撃で理解できただろうか】
【一姫が反撃とばかりに青龍刀で斬りかかってこようとも、ウンディーネは慌てる素振りすら見せず、水の触手を引き戻す】
【そのまま凍らせた先端――魔術なのか、鋼並みに硬い――で受け止めようとする。鍔迫り合いには自信があった、が】

「―――……!!」

[……ッ!! く……ふふ……♪ 電気、ね……少しは、考える力があるよう、ね〜……?]

【青龍刀に触れた部分から、氷と水を伝ってウンディーネの身体へと電撃が走る。ビリビリと、痙攣する彼女の身体】
【半透明なその正体は、彼女自身が水なのだ。故に一姫のその考え通り水は電気を通し、ウンディーネの身体にもダメージが伝わっている】
【―――しかし、ウンディーネは水の精である。少なくとも、人間ではないのであって】

[……ふふ♪]

【身体を電撃で痺れさせながらも、ウンディーネは笑っている。そしてその側には、ガードに使った方とは違う、二股にしたもう一方の触手】
【人間ならば動けないだろうが、そこはやはり人智を超えた存在。その触手の先端を握りこぶしがごとく硬く凍らせて、一姫の腹へと容赦なく放つ】
【彼女を吹き飛ばして、一旦体勢を立て直そうとしているのだ】


「……ウンディーネ、戻って」

[え〜? まだ遊び足りないのに〜]

【だがいつの間にか後ろへと下がっていた知理は、その攻撃の成否にかかわらずウンディーネを戻すだろう。不服そうに口を膨らます水の精】
【そしてまた詠唱を始める。……召喚士は、この時間が一番の弱点となる。一姫にとっても、これはチャンスとなるだろう】
550 :パメラ [sage saga ]:2015/03/30(月) 23:29:48.17 ID:b5WZ1CfSO

>>548

【あのー、と】
【何かに気づいたらしいバイト魔法少女が示す先には】
【なんだか挙動不審な人影が一人】

……なぁんで、毎回みなさん入り口で止まるんでしょうかぁ

【それが、ついこの間見た姿であったのだが】
【その時感じた様子とは、少しかけ離れた感じで】

さて、と…
お仕事しますよぉ……とりあえず、結愛さんはあの子に基本的な事でも聞いておいて下さいねぇ

【えっ】
【なんて感じで固まるバイトに新人副店主をけしかける】
【当の本人は】
【「……なんだか、恥ずかしいですね」なんて言いながらトコトコとバイトの方へ】
【そのまま、カウンターの近くで色々話すのだろう】
【そしてパメラ自身は、入り口へ歩き】

こんにちはぁ、入らないんですかぁ?

【ガチャリと】
【こちらから扉を開いて話しかける】
【様子としては、少し気怠そうな感じでだ】
551 :九条院永麗奈 [sagesaga]:2015/03/30(月) 23:33:54.32 ID:QCY+8oC3o
>>547

あからさまに不機嫌な表情、確実に噛み合わないという予感を超えた予知にすら匹敵する感覚。
構わない。どうせ皆己以下、自分と匹敵する存在など此の世界に存在せず、同等の人間などいないのは既に分かっているのだから。
故に有象無象は視界に入れる意味すら無く、立ち塞がる壁等蹴り壊してそれで終わり――――さぁ、敵だというのなら精々足掻き楽しませておくれ。
それこそが彼女の願い――――誰よりも最強であること、あらゆる存在より優れていること、それこそが渇望であり、彼女にとっての存在証明なのだから。

「あら、汚らしい言葉遣いですこと……少し、口の聞き方をお教えしたほうが良さそうですわね」

まるで朝挨拶でもするかのように、当然の如く出現する結界――――ああ、そうでなくてはつまらない。
ただの不良等相手にならないのだ、魔法少女が相手でようやく少しは楽しめる。
永麗奈はゆっくりと上機嫌に口元を歪ませていき、そして既に暴発寸前にすら思えた魔力を身に纏い――――。

「ほら喜びなさい、やさしいやさしいわたくしが、貴方に教育的指導をして差し上げますわ」

灼熱に染まった真紅の魔力が流れ出し、永麗奈の身体を包み込む――それが弾けると同時、彼女の魔法少女として武装が解き放たれた。
白を基調に所々に赤色の装飾をあしらったミニドレス、その上から羽織った革ジャン。
白のロンググローブとニーソックス――ベルトやチェーンを巻き厳つさを増させたエンジニアブーツが極めて異質な空気を纏っていた。
お嬢様然とした姿に相反する性質を秘めたジャケットやチェーン、そしてベルト。
其れは黒百合に通いながらも異様な己を隠そうともせず捨てもしない、九条院永麗奈を象徴するかのような格好だった。

「先手は譲って差し上げましょう――――どこからでも、かかってきて構いませんわ」

魔力で編んだコスチュームは纏ったものの、未だ永麗奈は魔具を装備していなかった。
つまりは丸腰、完全に相手を馬鹿にしているとしか思えなかったが――彼女は此れが素であるため、一切の悪気はなかった。
強者の余裕とでも言うのだろうか、常にそういった姿勢を忘れない事こそが彼女の信条であり在り方でもある。
たとえ世界最強の敵がいたとしても、彼女は一切態度を捻じ曲げずに同じことをするだろう。
それが少女に一体どのように映るかは分からないが――――。
552 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/30(月) 23:40:13.83 ID:IhMLDZjY0
>>550

【ナイトロードがしどろもどろしている間に扉が開いた】
【扉に立っていたのはつい先日会ったパメラという女性】
【しかしその様子は意気揚々としてはいなくなんだか少しめんどくさそうにも見えた】
【いつもなら普通に話しかけるのだが今はそれどころではない】

あ、あぁいや!
今丁度入るところだったのだ!
ほ、ほんとだぞ!?

【ほんとはもう帰ろうとしていたことを隠すように慌てながら話す】
【緊張からかパメラに対してまでも少しぎこちない返事になっている】
【まるでこの前とは別人のようだ】
【そんな慌てているナイトロードの姿を見てパメラはどう思うだろうか】

わ、わざわざ出てきてもらってすまないな!
ではな、中に入ろうではないか!
553 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/30(月) 23:41:39.16 ID:N5Nm267M0
>>546

「は、はい」

新野からすれば、女子御用達の店で学校OGに頭を下げるという滅多にない機会に恵まれる最中である。
己で自分の行動に疑問を持ち始めたところで、相手からストップが掛かって我に返り。
先の羞恥から俯き気味ではあるが、一先ず姿勢を戻すに至った。

さて、頭を挙げたからこれで勘弁となるかと思えば、話はそんなに甘くはない。
流石先輩というべきか、相手は己の反応を逐一観察して的確に急所を抉ってくる。
新野はと言えば、元から口で語るタイプではなく。加えて店のふいんきとかもあり、たじたじである。
罠である事は分かっている。だが思考の鈍った頭では、嵌っても問題ないかもしれないと思える位に甘い誘惑であった。


「要ら……、い、らない…………――――ッス」

俯いて、言い切るのにおよそ5秒は掛かった。
でも捨てちゃダメ、と云いたそうな顔で。胸の前で×を作りながらも、指先に力はない。
が、次に言い当てられた単語には、くわと目を剥く事となった。

「、っ」

何故それを、と言いかけて、思わず口を押える。
吐息から魔力が漏れるとか、そんな匂いじみた事は無いはずなのだが。
或いは身に沁み込んだ残滓のそれであろう。

「は、憚りながら……、」

迷った末出たのは、素直な肯定の言葉。
考え過ぎかもしれないが、変に隠し立てすると後が怖いような、この先輩からはそんな気配を感じるのだ。

「先輩も、でスか……?」

そう思って見直せば、相手の見た目はまさしく其れそのものである。
まさか変身後!? と目を凝らしても魔法的なエネルギーは感じない。只々ふぁんしぃが目に毒なだけ。
自分も変身したものか、困った風に、三白眼が少し垂れた。
554 :パメラ [saga sage ]:2015/03/30(月) 23:52:48.80 ID:b5WZ1CfSO

>>552

あぁ、そうだったんですかぁ
それは、なんだかすみませんでしたぁ

【相手の慌てようは、はっきり目に見えていて】
【やはり、以前とは別人】
【……その姿から予想、カフェに慣れてない】

いえいえー、これもお仕事ですからぁ

【なんでも無いように示して】
【そうして、彼女が中に入ってきたならば】

…………いらっしゃいませ♪

【一転】
【先程の表情は何だったのかというレベルで】
【満面のスマイル、そして優雅に一礼】
【再び、顔を上げたなら】
【その表情は、なんだか面白そうであるだろう、か?】

【次いで、特に何も無ければ】
【閑古鳥が鳴く店内のカウンターへと誘導して】
【自身は、カウンターの内側に入るだろう】
555 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage]:2015/03/30(月) 23:55:39.32 ID:Ma1QD3JIo
>>553

「ほ〜ん、いらねぇんだな♪ ヤンキーに二言はねぇな☆ 因みに乙女にも二言はないんだゾ☆」
「ってことで残念ながらハベ子ちゃんのゴスロリは売る! 暇な時に売ってまたどこかの乙女が拾ってくれることを祈るか☆」

じゃあ売ろう、などと言うが実際その気はない。なんとなく売るのが惜しい気がしたのだ。
ホントはこの子、一度来てみたいのだろうが言い出せずにいる――――となれば、もし次回会ったとき恥ずかしさの殻を破くことが出来ても、
「服はもう売っちゃった」というのは哀しい。当分は段ボールの中に眠って貰おう、と思ったのだった。

――――話は変わり、乙女トークから『魔法少女』ということについて。

「……やっぱりな☆ もちハベ子ちゃんも魔法少女♪ 見た目だってそれっぽいだろーが☆」
「まあ変身前くらい魔法少女っぽくしたいんだよ☆ ……そんで、魔法少女になったってことは叶えたい願いがあるんだろ、ハベ子ちゃんと同じで!」

……この姿、どうやら変身前らしい。彼女の言葉を察するに、変身後の方が魔法少女らしさから遠のくようで。
兎に角お互い魔法少女。魔法少女はかけらを集めて願いを叶えることが可能であり、大半が願いの為に厳しい道を進む。
……ハベ子ちゃんもそうなのだが、眼前の少女はどうなのか――――と、独特の口調で質問を飛ばした。
556 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/03/31(火) 00:00:49.34 ID:a32dHOHuo
>>549
笑う知理を見て、背筋に悪寒を走らせる。確かに似通っている。先日戦った少女と同じように、その恐ろしさを感じとった。あとは、エインフェリャルへの思いも似通っているだろうか。まぁ、フェデーレ本人は「自分が十二戦姫で一番エインフェリャル様を愛してる」と言い張るだろうが……

(良し!効いてる!)

一姫の狙い通り、雷は良く効いている様子だ。だが、それでも油断は禁物だ。相手は人間ではない。現に……

「くっ!まだ動けるってのかよ!?」

急ぎ剣を引き、ガードをしようとするが、その触手は速く、やはり間に合わなかった。

「ぐほぉっ!?がはっ……げほっ……うぇ……」

吹き飛ばされ、塀へと激突する。殴られた腹が痛む。口からは、血と吐瀉物が混ざった物が流れ出てくる。

「くそ……」

強い。やはり実力差を感じずにはいられない。このままでは勝てない。かけらを消費して、逃げ出そうかと考えた。だが、その場合、傷ついた魔法少女を見捨てることになる。

(いや、どうせ見知らぬ奴だ……自分の命には代えられない……)

そんな考えが頭に過る。だが、本当にそれでいいのだろうか?先日の魔法少女パメラは、見ず知らずの一姫を助けてくれたというのに。それに、ここで少女一人助けられないような女が、難病の妹を救うことなんて出来るのだろうか?

「……出来ねぇよな。やっぱり。」

自問自答の末、出した結論。それは戦いを続けるといったものだった。

「勝ち目が無い訳じゃねぇんだ。行くぞ!あたし!」

そのチャンスは逃げるチャンスでもあった。だが、一姫は攻撃に使った。電撃を纏った青龍刀を構え、尖端を向け、突撃する。

「食らえええぇ!!」



557 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/31(火) 00:01:50.76 ID:mEQNgvN70
>>554

で、では失礼するぞ

【ナイトロードがカフェに入ると先ほどまでのパメラとは思えない満面の笑みを浮かべ出迎える】
【営業スマイルというものだろうか】
【その変わりようにナイトロードはしばらく目をパチクリさせ、やがて我に返りカウンターへと移動し椅子に座る】

こ、ここはお前一人で切り盛りしているのか?

【やがて空気に耐えられなくなったのかナイトロードは他愛ない雑談をすることにする】
【しかしやはり動きがぎこちなくどうやらまだ緊張しているよう】
【これではご自慢の皮肉なども言えそうに無い】
558 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/31(火) 00:16:13.47 ID:PUFNVcF40
>>555

「に、二言はないス……一家言はありまスけど」

言い切った手前曲げる事も出来ない。半ば自棄でこくこくと頷く。なげやりながらも今一つ上手く言えていない。
まず万が一にも絶対ありえないが。もし次此処に来る事があれば、誰にも見つからないようにせねばと、固く心に誓う。
ともかく頭を切り替えようと、そう思わせた当人の姿に、改めて頭から爪先まで幾度も視線を巡らせる。

「き、気合入ってまスね……」

「まあ、そんなとこ、っス」
「ここ二日くらいは待機、的な……。 最近、黒百合がキナ臭い……らしくて」

不良ならともかく、魔法少女としての戦闘力を見た場合、新野は決して高い部類とは言い難い。
加えて、この前耳にした、色んな意味で物凄い生徒会長の黒い噂にのせいで、表だった活動は自粛している。
先程までゲーセンを目指していたのも、それで空いてしまった予定を補うため。要は暇を持て余していたのだ。
559 :パメラ [sage saga ]:2015/03/31(火) 00:20:09.58 ID:tA02ZbBAO

>>557

そうですねぇ、一応は私の店、という事になってますがぁ
…あ、バイトは居ますよぉ?
あと、今日からの副店主もいますねぇ

【やっぱりなんだか固い様子のナイトロード】
【それを、察しつつ、バイトと副店主を示す】
【二人はカウンターの隅の方に居たのだが、こちらに気付くと頭を下げた】

【……実は、片方は色々騒ぎを起こした過去があるのだが】
【成長しているだろうし、見覚えを感じてもうっすら、だろう】

とりあえずは……あー、今日のサービスはこれですねぇ

【そして、ガサゴソと冷蔵庫を漁ると】
【出てきたのは、たっぷりボリュームのあるティラミス】
【価格にして、結構高い部類なのだが】
【それを、コトッとスプーンとフォークを添えてナイトロードの前に置く】

さてさて、食べながらで良いですのでご説明しますねぇ

……ドリンクバー300円、プレミアムドリンクバー500円、スイーツかっこわらい150円、それと気紛れで作った苺カレーが300円になりますよぉ

【最後が圧倒的におかしいが】
【これはパメラがふと見たニュースで取り上げられていた物を試しに作った物であり】
【味は…………甘いカレー、だろうか?】
【とにもかくにも説明を終えたなら】
【笑みを浮かべながら様子を伺うだろう】
560 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/31(火) 00:33:01.76 ID:mEQNgvN70
>>559

そ、そうなのか
バイトと副店主が居たか

【向こうが頭を下げたのでこちらもぺこりと頭を下げる】
【そこでようやく落ち着いてきたのかナイトロードの表情も柔らかいものとなる】

【するとパメラがティラミスを運んでくる】
【見た目からかなりのボリュームがあるが甘い物は好きなので喜んで貰う】

おぉ、中々美味しそうだな
ありがたく食べさせてもらう

【そうすると次にパメラはどうやらお店のメニューを教えてくれた】
【途中までは普通に聞けたが最後の苺カレーという言葉を聞きナイトロードの頭に?が浮かぶ】

い、苺カレー…?
一体どんなものなんだ…?

【やはり苺というからには甘いのだろうか】
【しかし甘いカレーなど美味しいのだろうか】
【考えれば考えるほど訳が分からなくなる】

…百聞は一見にしかず……
その苺カレーという物を頼む

【どうしても気になるらしくナイトロードは実際に食べてみることにする】
【ナイトロードは案外美味しいかもという期待を抱きながらティラミスを口へと運んだ】
561 :新野 角武 [sage saga]:2015/03/31(火) 00:34:31.21 ID:PUFNVcF40
>>555
/すみません、急ですが眠気が迫ってまいりました……
/凍結もしくは〆を選んでいただけるとありがたいです
562 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage saga]:2015/03/31(火) 00:36:18.44 ID:e29CnaI9o
>>558

「黒百合ィ? あんなん闇校とは正反対、一切関わることないお嬢様高校じゃねーの☆」
「ほーん、ハベ子ちゃん魔法少女なりたてであんまり他のヤツがどうなってるとか分かってなかったけどそういうことなのね、把握♪」

「後輩が苦労してんなら、いっちょ先輩が――――……とは、なんねぇよな☆ OGに頼るとかダッセーだろ☆」
「でも後輩とかんなもん関係なしに、そこに魔法少女がいるなら向かわねーとなんねぇのが魔法少女の宿命よ♪」
「ま、でも今日は闘うつもりはねーよ☆ 礼儀正しい後輩とやり合うのは性に合わないっつーか☆」

――――黒百合。魔法少女が結構いるとか、相当強いのが何人かいるとか。……そんなこと、24歳学生の彼女が知る由も無く。そう、初耳。
今まではクリーチャーをトラクターで轢き殺したり、犬型の敵相手にくっさいくっさい牛糞をぶち当てる鬼畜技を繰り出したりしていただけ故に、情報量も少ない。
――――つまり、まだ魔法少女同士の抗争というものを体験したことが無いのである。まぁ、高校時代はヤンキー同士の抗争は体験してきたのではあるが。

「黒百合ねぇ……お嬢様方なら全力でヤンチャ仕掛けられるぜ☆」

……だが、良い情報を入手した。黒百合学院に行けば、きっと魔法少女に会えるだろう。かけら集めのついでに、お高く止まった奴等を泣かしてやろう。
――――そんなことを思っていることは、イッヒッヒと文字で表せるだろう邪悪な笑みにダダ漏れだ。ちなみに彼女、高校時代は特攻隊長。
傘を閉じて肩に担ぐ姿が、一瞬金属バットもしくは竹刀を背負ったスケバンの姿に被った――――なんてことも、あるかもしれない。
563 :汐月 メアリ 知理 [sagesaga]:2015/03/31(火) 00:36:45.00 ID:gfkvt1Yzo
>>556

【一姫の葛藤を黙って見守る知理。暗い表情の下には、残虐な笑みが浮かんでいた】
【それは、長年力が全てだという思いと自らのひ弱さのギャップに苦しめられてきた過去からか、それとも本能か】
【自らが手に入れた力に酔いしれる知理は、ある意味全てが隙だと言えた】

「……! (間に合わない……!)」

【だからだろうか、相手が突撃してくるその時間も計算に入れ、詠唱の時間を稼ぐため後ろへと下がっていた知理だったが】
【どこかでその計算がズレ、詠唱が完了しないまま相手の青龍刀が迫る。自らの失態を悔やみながらも、知理はそれを受ける覚悟を決めた】

「《―――……来たれ地の精。万物を育む堅き殻、暴虐なるかの敵へと向け給え―――》……ッ!!」

【詠唱が完了しても、魔法の出現にはラグが有る。そのラグがまさに命取りとなり、知理はその刃を脇腹へと受けた】
【只の刀でもそのダメージは相当なものだ。ましてや電撃付き。そしてひ弱な知理が相手ともなれば一撃でも十分なダメージとなる】
【知理の顔が苦痛に歪む。しかもまだショートレンジ、圧倒的に一姫が有利な間合い……だったのだが】


【突如一姫と知理の間の地面が隆起し、二人の間が分断されるだろう。壁を切り崩すか、横から向こうを覗いたならば】
【其処にいるのは脇腹を抑えた知理と……土色のツナギを着、大きなハンマーを持って長い黄髪を首で纏めた女性の姿】
【彼女からも魔力が感じられるだろう。ならばこの女性も、先ほどのウンディーネと同じく―――】

「やっちゃって、ノーミーデス」

《……りょーかい》

【知理の言葉に短く反応した黄髪の女性、ノーミーデス。手に持ったハンマーで地面を思い切り叩けば、一姫の周囲の地面に変化が起こる】
【ちょっとした隆起、それに注意が向けられていれば、その後、その隆起から土を固めた鋭い棘が突出してくるのにも反応できるか】
【棘は前方の地面から十数本。体全体を狙っているが、鋭い割に脆いのも特徴だ】

/すいません、遅くなりました……
564 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage saga]:2015/03/31(火) 00:37:23.41 ID:e29CnaI9o
>>561
/ああ見落としていました! じゃあ>>562のあとそのまま笑いながらモールを離れたということでお願いします!
/お疲れさまでした!
565 :パメラ [saga sage ]:2015/03/31(火) 00:46:55.20 ID:tA02ZbBAO

>>556

……案外物好きですねぇ
ではちょっとお待ち下さいねぇ

【作った張本人が物好きな気がするが】
【それは棚にあげて、カウンターの奥の方へ進むと】
【かちゃっと、平で大きな皿を取り出して】
【明らかに市販の炊飯器からご飯を盛り】
【そして、その近くの鍋からカレーを盛る】

ちょっと、味付けに失敗して甘いんですがぁ
……まぁ、ジャムとか使ってる人も普通にいますし、不味くはないと思いますよぉ?

【そして差し出したのは】
【皿の半分に盛られた白米と】
【ごろっと『苺そのものが具材の様に』転がっているカレーだった】
【ベースはチキンカレーで辛みはそこそこだが】
【多分、本人も言った通り甘さも出る様で】
【美味しいかどうかは、その人次第だろう】
566 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/03/31(火) 00:54:50.75 ID:a32dHOHuo
>>563
ガギィン――音が響く。隆起した地面により、一姫の持っていた青龍刀が弾かれたのだ。青龍刀はガランと音を立て、地面へと落ちる。

「くそっ……武器を弾かれた!だけど、あたしにはまだこの拳がある!」

今の一撃で、なかなかのダメージが入っている。見たところ、相手の耐久力はそこまでないようだ。それに、この間合い。まだまだ一姫が有利だ。追撃を仕掛けるべく、一姫は壁の向こうを覗くが

「なっ!?また別の奴だと!?」

次は見たところ、地属性。これがポ○モンならば、氷でこうかはばつぐんがとれるが、現実ではそうもいかない。水と違い、有利に戦える属性は一姫にはない。そうこう考えてるうちに、地面に変化が

「くっ!?大盾!!再び現れろ!」

急ぎ魔法陣を展開し、再び大盾を召喚しようとするが――

「ぐああああああっ!!!」

間に合わなかった。一姫の身体に幾本もの棘が突き刺さった。その姿はまるで、針千本。いや、それどころでは済まなかった。やがて、周囲は流れ出した一姫の血で真っ赤に染まっていく。
567 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/31(火) 01:01:46.71 ID:mEQNgvN70
>>565

味付けに失敗したやつを商品として出すとは……

【パメラの言葉に若干呆れつつ運ばれてきた皿を見る】
【白米があることまでは普通】
【しかしルーの中には具材の代わりに苺が転がっている】
【はっきり言って見た目はそこまで美味しそうではない】

では……

【スプーンでカレーを掬い口元へと運ぶ】
【カレーからは僅かに苺の匂い】
【しかしその匂いは辛いカレーとは合わない】

い、頂きます……
はむっ……

【口の中に広がる辛さ】
【そして遅れて甘さがやってくる】
【しかし不思議と不味いわけではなく普通に食べられるものだった】

もぐもぐ……
うむ、普通にいけるぞこれ

【そのまままた口へとカレーを運ぶ】
【ナイトロードはとても美味しそうに食べていてとても嘘はついているようには思えない】
【どうやら本当に美味しいと思っているようだ】
568 :パメラ [sage saga ]:2015/03/31(火) 01:16:44.74 ID:tA02ZbBAO

>>567

試作品、試作品ですからぁ

【きっと、正直変わらないが】
【ひらひらと手を振って誤魔化す】

……本当ですかぁ?
なら良かったですよぉ…

【ナイトロードの言葉を聞いて、一安心】
【なら、もう少し考えて置こうかな、と考えて】
【パメラ自身は、コップを二つもって冷蔵庫へ】
【そこから、冷水とミルクティーをそれぞれ注いで】
【冷水の方を、ナイトロードの方に置く】

そういえばですがぁ、最近そちらは何かありましたかぁ?
……私の方は、なんか『エインフェリャル様』とか言いながら襲い掛かってくる危険人物と遭遇したのですがぁ

【そうして、話すのは最近の動向】
【パメラは、この間遭遇した人物の話をするが、ナイトロードの方はどうだろうか?】
569 :汐月 メアリ 知理 [sagesaga]:2015/03/31(火) 01:29:30.14 ID:gfkvt1Yzo
>>566

【入った―――彼女の身体に、次々と土の棘が刺し込まれていく。再び薄く笑む知理】
【紙一重だった。あと数秒自身の詠唱が遅ければ、追撃を受けてこのように立っていられなかったかもしれない】
【一撃でこのダメージ、二発目が入っていれば―――ズキズキと痛む脇腹を押さえながら、知理はそう思案する】

【兎に角、とどめを刺すまたとないチャンスだ。後は、ノーミーデスに指示を出せばハンマーで頭部を潰すなり何なりしてくれる】
【勝利を確信し、口角を上げて知理は声を出した】

「さぁ……ノーミーデス、あの子を殺して」

【ノーミーデスは、少しだけ考えてそのハンマーを振り上げた。ハンマーに地面を操作する力があるということは一姫も先程の攻撃で分かっているだろう】
【だから、また地面を操作して多彩な攻撃方法で一姫を殺すのだろう……そう知理でさえもそう考えていた】
【そして、ハンマーを振り下ろして地面を操作するまでは予想通りだった。だが、操作する地面は一姫の周囲ではなかった】

『――――――……ぐ、ぁぁ……ッ!!』

【土の棘が突出したのは、へたり込んでいた先ほどの少女の側だった。いや、細かく言えば『星のかけらを持った手の下から』】
【手を貫き、宙へと投げ出された星のかけらをその棘がキャッチし、また地中へと潜り込んでいった。……星のかけらが、奪われた】

「……! ノーミーデス、私は、あの子を殺せと……ッ!」

《ちさと、出血がひどい。殺すより、手当が先》

【元々ひ弱な知理が、刀の一撃を受けて大丈夫なはずがない。今こそ敵を殺せるというハイな状態に居るが、ソレがなくなれば―――】
【ノーミーデスは知理の言葉を一言でピシャリと抑え、一姫に背を向ける。手には、先ほど回収した星のかけらをいつの間にか握っていた】
【知理も、だんだん出血の痛みが再燃してきたのだろうか。先程以上に顔を歪めながら、一姫を睨みつける】

「……次は、殺す」

《またね、よろいの魔法少女さん……》

【ノーミーデスがハンマーで地面を小突けば、路地裏に砂嵐が吹き荒れ、視界が狭まる。それは数秒で収まるが、もう既に二人の姿は居ないだろう】
【逃げた、というのが一番正しいだろうか。ただ、星のかけらはまた1つ、エインフェリャルの元へと渡ってしまった】
【この街に蔓延る悪の因子。知理と一姫が再び相対するのも、そう遠くないのかもしれない―――】


/眠たくなってきたので、これでシメということでお願いします。お疲れ様でした
/眠気で文が進まず、レスが遅くなって申し訳ありませんでした……
570 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/31(火) 01:32:12.14 ID:mEQNgvN70
>>568

あぁ、これは美味しいぞ
最初はどうかと思っていたが……

【そんなことを話しているとパメラが冷水を持って来てくれる】
【ナイトロードは水を受け取ると少し口に含む】

エインフェリャル…か……
そいつなら知っている、噂程度だがな

【パメラが言うエインフェリャルという人物】
【会ったことは無いが聞いたことはある】
【終わりと始まりを司る魔法少女】

そのエインフェリャルというのはある魔法少女のことだ
だがそいつは最近になって封印されたと聞いているが……

【そう、エインフェリャルは封印されたのだ】
【それなのにその配下の者が動いているということはーーー】

封印を解くつもりのようだな……
多分そいつらはエインフェリャル配下の者だ

【エインフェリャルを様付けで呼ぶということは余程尊敬などをしているということだろう】
【そしてそんな連中は一つしか居ない】
【それは『魔法十二戦姫少女』】
【そう呼ばれている魔法少女達しか居ないだろう】
571 :パメラ [saga sage ]:2015/03/31(火) 01:52:32.11 ID:tA02ZbBAO

>>570

……そうだったんですかぁ
実は私も、どこかで聞いたと思っていたのですがぁ……

【封印された魔法少女】
【その復活を求める少女達】

……はぁ
右も左も危なくなってきましたねぇ
…いっそのこと、何か組織だった方がいいかもしれませんねぇ
……ちょうど、そういう事に慣れている方もいらっしゃいますしぃ

【ため息、一つ】
【そしてふと考えたのは、もっと明確に団結するという案であり】
【投げられた視線の先には、純白の少女が一人】
【苺カレーを、無表情に食べていた】

……まぁ、どちらにしろですがぁ
私はあまり、チームプレーが出来る方では無いんですよねぇ
……どうにも、巻き込んでしまうことが多いですからぁ

【最後に、貴女はどうですかぁ?なんて話しながら】
【その姿はどことなく、憂いを帯びていて】
【本当に、これからの事を思っているように見える、だろうか】

572 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/03/31(火) 01:54:45.45 ID:a32dHOHuo
>>569
(くそっ……あたしはもう終わりなのか……?)

諦めたくない。認めたくない。その一心で身体を動かそうとするが、棘により固定されており、まったく動かなかった。

(くそっ……くそっ……何か……何か、逆転の策は……)

一姫はこれまで窮地に追い込まれても、逆転の策を考え切り抜けてきた。時には騙し打ちを試みたり、時には上空へ気付かれぬよう魔法陣を設置したり、時には相手の攻撃を利用したり。だが、今回は何も思いつかなかった。死を覚悟など出来ない。しかし、その時はやって――来なかった。

(助かった……のか……?)

ノーミーデスと呼ばれた精霊は、一姫ではなく、もう一人の少女を攻撃した。そして、砂嵐が吹き荒れたと思うと既にその姿はなかった。

「……助かった……けどよ……」

解放された一姫は、とりあえず自身にかけらを使い、回復する。そして、もう一人の少女、先程ノーミーデスにかけらを奪われた魔法少女の元へと急ぐ。が、彼女の身体は既に冷たくなっていた。

「……助け……られなかった……くそっ!くそっ!くそおっ!!」

一姫はただただ自分の無力さを嘆いた。空からは、いつのまにか雨が降り注ぎ、一姫と変わり果てた姿となって転がっている、傷だらけの死体を濡らしていく。

「あたしに……あたしにもっと力があれば……」

先日、自分を助けてくれた魔法少女みたいにもっと力があれば……

「……もっと、強くなりたい。もっと強くならなきゃ駄目なんだ!その為にも……」

一姫は、自身を鍛えてくれる存在を探すことを決意する。もっと強くならなければ、なに一つ守れはしない。自分の命でさえ。一姫は、この戦いでまた一つ戦いの厳しさ、恐ろしさを知った。
そして、エインフェリャル。復活しようとしているその存在に、恐怖を隠せなかった。


//お疲れさまでしたー。
いえいえ、楽しかったですよ。絡みありがとうございました!

573 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/31(火) 04:47:10.87 ID:mEQNgvN70
>>570
チーム…か……

【群れるのは苦手だ】
【しかし今回ばかしはそんなことを言ってられない】
【実際チームを組んだ方が便利だし戦力にもなる】

私は別に構わんよ
その組織とやらに入ることになっても

【と肯定する】
【チームプレイが苦手なのはこっちも同じ】
【あくまでもナイトロードにとってはこれから起こることに対しての準備だ】
【エインフェリャルの復活を阻止しそしてあわよくば生徒会の連中も止めればという僅かな願望もある】
574 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/31(火) 16:31:39.71 ID:fDlgPV9K0

「じゃ、バイバーイ♪あ、高野君!今度は二人っきりでここに行きたいわぁ…どう?どう?」

日も傾き始めた夕暮れ時。蔵間 貢はカラオケ屋の前にいた。
そして自分と同じ江風高校の制服を着た数人のクラスメイトに手を振り、それから口説き文句を言いながら一人の男子生徒に投げキッスをする。
当然の如く、俊敏に首を横に振る高野君と蔵間の様子に周りの友人達の笑いがどっと沸き上がった。
そんなおふざけも程々に、長時間に渡るカラオケ大会を終えて全員帰路につくべくバラバラな方向へと歩いて行く。
中には複数で帰る面々もいるが、今日の参加者には蔵間と同じ方向が帰り道の人はいないようなので、今回は一人で帰ることに。

「あーんもう、調子に乗って歌いすぎちゃったわ〜。もう、声ガラッガラよ…やっぱりノリで裏声と低温を切り替えまくっちゃダメねぇ。」

若干掠れた声がちょっとふざけすぎた代償となっているが、大分楽しんでいた様子。
のど飴買いたいーとそんなことを考えたのか、お店を捜索するべくうろうろと辺りを散策してみる。
ここら辺はカラオケ大会のときしか来ることはまちまちだったしちょっとした探検みたい!
…と、思ったのが運の尽き。蔵間に探査スキルなど皆無に等しいのだ。あっという間に元着た道を見失う。所要時間数分で迷子の完成。

「あら?さっきの道ってどこを曲がるんだったかしら?こっちー…じゃない!やだ、迷っちゃったー!?」

またかよアタシ!と内心叫びつつ、困ったようにえっちらほっちらと辺りを歩く。
と、見慣れない路地を抜けた先にあったのは大きな建物―――学校だ。外観からして蔵間の通う江風高校ではない。
あの学校の名前が分かればどの地区に出ちゃったかくらいは分かるかも?と冴えているのかよく分からない考えに至り学校の標識を探す。が、何故か入り口付近にそれらしきものは見つからず。

「あっら〜?おかしいわねぇ。もしかして裏口なのかしら…うーんせめて学校名が分かれば!」

そんな独り言を漏らしながら蔵間は塀の向こうを覗けるかどうか何度かその場でジャンプをする。
多少ちらりと中の様子は伺えるが一瞬だけではどうしようもない。というか、このままだと明らかに不審者ですよ。
挙動不審(ともとれるよう)な行動をしている蔵間の近く。僅かな魔力の気配が周囲に広がっている気がした―――。
575 :上田美奈 :2015/03/31(火) 17:49:52.79 ID:rCDnzptsO
>>574
「あれ? おねえ先輩がなんでこんなところに?」

【ひょこっと顔出したのは大きなファイルを抱えた中学生でした】
【制服も江風中のものですね】
【呼び名については、下級生までしれてるのかよ、といったところ】

「学校名でしたら、白雲高ですけど」

【よくよく見ると手に抱えたファイルには、体験入学案内の文字】
【どうやら書類を取りに来た帰りのようです】
【江風から外部の体験入学に顔出すあたりは訳ありなのかもしれません】

「えーと、お困りです??」

【魔翌力については、お互い様ですの】
576 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/31(火) 18:06:21.61 ID:fDlgPV9K0
>>575

「おねえ先輩!?悪くないわね…ってあらやだ、江風の子じゃなーい!やだー中学の制服懐かしい!」

突如聞こえたその声…まあ言葉の反応したオネエ先輩こと蔵間。
てかそこまで広まってるの?いい意味でいいか分からないけど人気者だね!
そんな声の主の方向を見てみればそこには見慣れた、というか懐かしい制服が目に入る。
そこに立っていたのは江風中学の学生であるらしい少女だった。
まるで自分がさも着ていたかのような物言いと騒ぎようであるだが、彼が着ていたのは勿論男物なので、あしからず。

「え?アタシ?アタシはカラオケ帰りに道に迷っちゃったのよ〜。
 それでこの学校で位置情報を図ろうとしてたって訳!成る程、白雲校ね〜。」

ということは、ここが彼処であっちがそこらで云々。
まあどこにいるかくらいはわかった気がする。あくまでも気がするだけだが。
と、ふと相手の持っている資料に目が止まる。

「あれ?ここの学校の資料…ってことは、今年の春で3年生なのかしら?江風高には来ない感じぃ?」

なんかちらつく魔力が気になるな〜とか思いつつ、まあいっかと楽観的にスルー。
今は後輩とお話しすることが先決な気がした。
577 :上田美奈 :2015/03/31(火) 18:16:00.21 ID:rCDnzptsO
>>576
「割と有名ですよ?」

【というか、悪くないならこれでいこう、うん】
【いい意味でも悪い意味でもおねえ先輩枠で決定】

「……あの、先輩。ケータイ見ればよかったんでは?」

【魔道具ストラップ付きのスマホぽちぽち】
【あっさり地図画面。というかミナもこれを頼りにここまできたのでした】
【進路相談はまぁ、各自の都合といいますか】

「いえー、第一は江風ですよ? 一応ほかも見ておこうってくらいで。
 それよりもおねえ先輩。魔翌力使えるなら飛んで帰るのが早いと思うのですが」

【積極的に攻めこむスタイルのようです】
578 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/31(火) 19:16:42.34 ID:fDlgPV9K0
>>577

「あらやだ、意外と皆知っているもんなのね〜……なるほど、年下探しに乗り込んでも大丈夫そうだわ……ふふ」

まあ蔵間貢の人生最大の誇りである男子生徒への連続ナンパは中学在籍時代での強行だったし後輩達に知られていてもおかしくはない。
一番残念なことはあれだけやっても一人も釣れなかったということぐらいか。これは出来れば知られてて欲しくない。
それはともかく、下手したら自分が在学時にいた後輩が噂っぽく流してるのか…タイプを探しに訪れるついでに聞き回って見つけ出してやろうか。
オネエ先輩という呼び名はともかく噂の拡散は望まぬ謎の基準を持つ蔵間である。

「………あ。」

なんということでしょう。我々JC・JKには神から託されし便利グッズがあるではないか。
少し呆然とした声を出したのち電撃に撃たれたかのような衝撃。
直ぐ様、某夢の国のマスコットキャラがついた学生鞄を漁るとパステルピンクの長方形の物体を取り出した!
その名はスマートフォン…勿論地図のアプリとか入っちゃってます。因みにつけてるストラップ達は超ファンシー。

「マ、マジだわ!地図も出るなんて…すごいわスマホ!」

使い方を未だに熟知していない結果がこのザマだ。
それにしてもこれなら自分の方向音痴もカバー出来るのではないかと感動していると、なんとまあ予想外だけど可能性は十分にあるというか、意外といるもんだな切に思う。

「へえ、じゃあ来たときは仲良く…って会えないじゃない!まあ大学も同系列で行くつもりだろうけど……
 ……あ、あれ?そっちから振ってくれるの?アタシが魔法少女って言われてから気付く人多いのに…!」

やっぱり魔力が近くにあれば流石のポンコツ探査能力もしっかり仕事をしてくれる。
相手側から自分が魔法少女というような言い回しをされるのは稀なため少し驚く。


/お待たせしました…!
579 :上田美奈 :2015/03/31(火) 19:28:22.71 ID:rCDnzptsO
>>578
【この場合、自分には絶対に被害がこない安全圏から
 大変おもしろい捕物が見れそうということで、まったく止める気がありませんでした】
【むしろ噂に名高い追いかけっこが中学エリアでも楽しめるなら
 同姓からは感謝されることでしょう】
【ホ○が嫌いな女子なんていませんというのはけだし名言と思うのです】

「結構、地面歩くのと空から見るのじゃ違うんで航空写真モードが便利なんですよねぇ」

【苦手なりによく飛行する魔法少女のお言葉】
【なお、中身を調べられると「どうやってとったし」と言われるような写真が詰まってたりします】
【雲の上から見る初日の出なのに飛行機一切なし、とかね】

「いやまぁ、これだけ反応あって違うってこともないだろうし
 おねえ先輩が狩人やってたら絶対噂になるからそれもないかなぁ、と」

【ストラップ部分が勝手に動いておねえ先輩の方に向いてました】
【魔法少女同士で殴りあうタイプでないなら、普通に同業の知り合いになっておいたほうがお得でしょう?】
580 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/31(火) 19:47:32.75 ID:fDlgPV9K0
>>579

「へ〜…詳しい(?)のねぇ」

航なんたら写真モードが便利、と。
第二次ナンパ大作戦について相手が抱いている思惑には一切気付かずとりあえず鵜呑みにしておく。
ぶっちゃけ今までの行動を踏まえてかなりのバカである蔵間なのだが如何せんオネエという側面が強すぎてあまり浮き彫りにはならない。
ノンケだったら只のチャラ系DQNだったかもしれない。一体どちらの方が環境に優しいのやら。

「ふむ、成る程ねぇ…。
 アタシが仮に女の子で女の子大好きだったら狩人扱いされてかもだけど男にしか興味ないから心配しないでオーケーよ。
 それにしてもねぇ…他の子達からもちょこちょこ聞くけど、かなり怖い魔法少女って割といるもんなのかしら?」

ちょ、なにこのストラップ可愛いんだけど…そう言わんばかりの視線を送ってみる。くれるかな?いやいや先輩のくせに厚かましすぎる。
脳内で謎の審議をしつつ、ふと相手の言葉―――自分のことではなく、その物騒な一単語が耳に止まる。
別にその言葉だけを聞いている訳ではない。
魔法少女殺しの魔法少女だとか、危険人物だとか、漠然としか知らないけど多分危険な存在である彼女ら。
会ったことある?なんて冗談まじりに聞いてみる。
581 :上田美奈 :2015/03/31(火) 19:57:20.78 ID:rCDnzptsO
>>580
「もっと使いこなせればいいんですけどね。
 まだまだどうにもへたっぴで」

【下手くそゆえに使えるものはなんでも使います】
【下手くそゆえにこまめな練習は欠かしません】
【ホ○が好きな諸氏についてはノーコメントですね】

「今までに3回ほどでしょうか。命の危機を感じた回数はもっと多いですが……
 って、ここで話す話題ではないですね、これは」

【可愛いにゃー、な視線をの先にあったストラップは、ミナの右手の中指に場所を変えました】
【サイズも一回り大きく。紐の部分はさらに長く。緑柱石には魔翌力の輝き】
【あげないそうです。というか、あげれないそうです】

『歩きながら念話でどうでしょう?
 はたから聞いたら変な人になってしまいますから』
582 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/31(火) 20:15:14.01 ID:fDlgPV9K0
>>581

「いやいや、存在をはじめて知ったアタシに比べたら断然マシでしょ。」

謙遜のお言葉かな?とか思いつつ手を横に振ってフォローを入れる。実は結構本気ですごいと思ってる。いやマジで。
とりあえず自分は彼女が下手、という域までには使いこなせるように頑張らなければ。
今時の高校生がスマホの機能をまともに使えないとかなんとも言えない気分になる。

「……わお、ベテランさんねぇ。…ってそうね、ちょっと無神経だったかも」

やっばい。星のかけらを集めるのってそんな危険なことが伴うのか。
噂的には集めれば願いが叶うって感じのファンシーマジカル物語だったじゃない…と思うが、そういえば自分の使う魔法とやらは一般人に使ったら、危険な代物だったことを思い出す。
もしや戦闘前提で与えられたものだったのか?と思いつつ。
相手の言葉に概ね同意しているとふと頭のなかに声が。あれ、もしやあのストラップ魔法アイテムか?

「あ、えーと。アタシ、まだそれ出来ないんだけど…適当に頷くか怪しまれない程度に返事するわ、小声で!」

因みに既に小声である。いい加減覚えていないとぐう恥ずかしいね。
583 :上田美奈 :2015/03/31(火) 20:27:16.75 ID:rCDnzptsO
>>582
『割と力技ですよ、これ。
 届け〜 届け〜って思いながら内容考える感じ?
 そもそも誰かに教わったわけでもないですし、私』

【感心されるとちょっと照れる】
【魔法の使い方も、実はいくつかのラノベを継ぎ接ぎしたもの】
【教えてもらえないなら自前で勉強しようとか、そんなの】

『私はどちらかというと戦いになる前に掠め取る感じですけど
 結構、願いそのものより戦いが好きな人たちとか、
 自分たちが特別って方向に振り切れてる人たちとか
 根本的に頭おかしい人たちとかいますねぇ』

【毎回そういうのを回避するのは結構大変】
【とてとて歩きながら話す内容はとかく物騒】
【迷いなく1方向目指してるあたり、迷ってるわけではない感じ】

『でもどちらかというと、かけらでおかしくなってる動物とか植物とかのほうが
 インパクトあるのは多かったですねぇ』
584 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/31(火) 20:40:25.92 ID:fDlgPV9K0
>>583

「ふーん…力業ねぇ…………ぶはっ、駄目だったわぁ。今度から練習しときましょ」

力技、そんな風に言われたのでちょっと実践してみる、も残念ながら失敗。
強く念じるよりも息を止めてる方に力入れてるせいかもしれない。本人は気付いていないことなのだが。
まあこの不思議な感じを覚えていれば案外そのうち使えるようになるかもしれない。そう考えつつ話を聞く。

「く、黒い…!思っていたよりキツい子が多いのね…特に後者は思想的な面でインパクトが……」

まあ思想的な危険人物って言うのはオカマに言えることではないけどね。
とにもかくにも割と危険な少女たちもいるということか…今まで安全な範囲に当たってくれたこと、誠に感謝するしかない。
そんな風に結構真面目に聞きすぎているのか道について気にする素振りはない。
時折人にぶつかりそうにはなっているが。

「……え"、そんなのいるの…?」

少し顔がひきつった表情。ちょっと声のボリュームも小声とは言い難い感じに。
も、もしや虫とかは居ませんよね…?となぜか敬語で訪ねる蔵間。その様子から彼が虫の類いは苦手だということが分かるのではないだろうか。
585 :上田美奈 :2015/03/31(火) 20:50:48.01 ID:rCDnzptsO
>>584
「まぁ練習あるのみ、ということで」

【おねえ先輩と女子中学生の組み合わせ】
【しかもおねえ先輩が一方的に話してる感じ】
【これ、誰かに見られたら(主に江風高男子勢を中心に)話題になりそうです】

『特に黒百合組は危ないのが多いみたいです。
 純粋培養でこじらせたって、先輩は言ってましたけど。
 個人で会ったのだと魔法でストーカーしてる人がいました』

【悪用すれば大惨事連発できる異能です】
【警察も取り締まりは不可能なので、もう自衛するしかありません】

『最近会ったのだと、サーベルタイガーになった野良猫とか
 噛み付いてくる本とか、クジラサイズのワニになったトカゲとか
 あと頭がみっつもある真っ黒い犬が火吹いてきたりとか』

【指を折りながらカウントする内容は別方向でひどいものでした】
【その中からかけらを回収して生還してるんだから、頑張ってるといえば頑張ってるのかも】
586 :パメラ [sage saga ]:2015/03/31(火) 20:53:56.64 ID:CyCQLUvpO

>>573

そうですかぁ…んー……
やってみる価値は……ありますかぁ
……まぁ、今はまだ構想だけ、という感じでしょうかぁ
もう少し、賛同して頂ける方が集まって、ですかねぇ

【思案顔で、そう言うと】
【カウンター下からクッキーを取り出して一口】
【実際、どうにもワンマンプレーが目立つのが魔法少女】
【どれだけ、集まるか】

……本当に、昔はここまで物騒じゃ…………無かった、ような、気がぁ?

【そして、ふと一言】
【しかし、その一言は珍しく自信が無いのか、疑問系であった】


587 :篠原 皐月 [sage saga]:2015/03/31(火) 20:59:44.48 ID:xdjzHOkO0
>>523

褒めてくれてどうもありがとう…でも、何度も何度もおばさんってのは、言わないでもらえる!?

【若干の怒りをはらんだ口調】
【分かっていても言われれば堪えるのだ】

【三日月の刃を諸ともせず、少女はこちらへと駆ける】
【刻まれていく傷にもかかわらず、笑みと共に接近する姿は、狂気を嫌でも連想させる】

お構いなし、って訳…!

【接近してくるスピードからすると、新たな呪文の詠唱は間に合わない】
【ならば、とひときわ大きくステッキで弧を描けば、短剣ほどの三日月型の光刃が、ステッキの先から延びた】
【それを持って、鎌の刃を受け止め…】

なっ…ぐわっ!

【…きれなかった】
【光刃が鎌を一瞬受け止めたと思いきや、粉々に砕け散ってしまったのだ】
【攻撃力に劣る『月』では、単純に威力面で大きく劣っていたといったところか】
【辛うじて直撃は避けたものの、結果として切り裂かれたワンピースから覗くその胸には痛々しい傷が刻まれ、数m吹っ飛ぶ】

痛つつつつつ……他人に物騒な物振り回しちゃいけませんって、近頃の親は教えてないのかしら…?

【もしかして、目の前の少女は育児放棄か何かを受けたのかも…と、ついいらないことを考えてしまう】

……いけない、職業病ね。

【ステッキのオブジェが、太陽を模したものへと変化する】

太陽の煌きよ、わが身を包め!
マジカル・サン・プロミネンス・オーラ!

【その呪文により、プロミネンス…太陽から吹き上がるガスが形作る炎の帯が、魔女に纏われ、シュウシュウと帯にあたった血の雨が蒸発していく】
【これは、次に放つ大規模な魔術に備えての布石。『太陽』は防御に長けてはいないが、その威力である程度の攻撃は弾けるだろうという見込みだ】
【とはいえ、どのような技が飛んでくるかはわからない。間髪入れずに、次の呪文を唱え出す】

……灼熱の太陽よ、焼き尽くせ!
マジカル・サンライト・バーニング・フラッシュ!

【唱えた途端、雨が降り注ぎ続ける結界内に、似つかわしくない太陽が浮かぶ】
【つかの間の魔力充填が済めば、太陽は凄まじい熱気を発し、少女ごと血の海を蒸発させんとするだろう】
【現状、結界を支配する目の前の少女の持つアドバンテージは絶大だ】
【そのアドバンテージを打破しようという狙いで放った一撃。しかし、溜めの間の彼女を守るのは炎の帯数本】
【ある程度の威力の攻撃をもってすれば、妨害は難しくない】
588 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/31(火) 21:10:02.66 ID:fDlgPV9K0
>>585

「オッケー、頑張ってみるわ。」

グッと親指を立てながら頑張りますと意思表示。
今考えると通行人達にとっては非常に怪しい光景ということなのか。
ああやばいですね。学校で噂が立つのはいいとして(男子の油断を誘えるわ)通報されたらどうしましょうねぇ。

「ああ、あの学校ねぇ…お嬢様校だし女の心を持つ者としては憧れだったのに…、ストーカーじゃお嬢様もなにもないわね……」

やはり女子校はドロドロという話は本当なのだろうか。
ちょっぴりドン引きすると共に外観のきらびやかさだけに騙されてはいけないんだなぁと思う。切に。
その追跡魔法がどんなものかは知らないが要注意といったところだろう。
いくら見かけが男だからといって相手の後輩のようにさらっと看破してしまうかもしれないのだから。

「やだ、物騒ねぇ…怪我とかなかった?女の子はあんまり身体を傷付けちゃダメなんだからね!」

凶暴化した有象無象の話を聞くと少し相手がだ無事でいるのかという方面で心配になってくる。
その黒百合さんに言ったらあんまり効かなさそうな気遣いを。
尤も少し変わった雰囲気の子だから簡単にかわされてしまうかもしれないけれど。
589 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/31(火) 21:10:11.90 ID:mEQNgvN70
>>586

【パメラの口ぶりにナイトロードは違和感を感じる】
【何故か疑問系で自身が無いように見える】

……確かに昔は今のように殺伐とはしていなかったな…
一体いつから変わったのやら……

【しかし特に気にしていないのかナイトロードはそのまま続ける】

【ナイトロードはふと昔を思い出す】
【まだ自分が自由に動き回れていた頃】
【この街に縛られる前のこと】

まぁ時代は移り変わるものだ
そればかりは仕方が無いよ
しかし今の誤った流れは断ち切らねばならない
……それも自分勝手なことだとは思うがな……

【静かにナイトロードはそう言うと手元の冷水を一口飲んだ】
590 :上田美奈 :2015/03/31(火) 21:23:51.79 ID:rCDnzptsO
>>588
【たまにちゃんと声を出してリアクションしてるのは一種の心遣いなのです】
【仲が悪いって風には見えませんので大丈夫】
【高と中の差はあっても、どちらも江風だしそこまで不自然ではないかと思うのです】

「ストーカーで済めばいいんですけどね。というか、内輪で揉めてるほうが平和かもです
 私たちや他の学校の子までしかけてくるなら、不審者として本格的に通報ですね」

【女子校がドロドロというのは確実かもしれませんが、それだけで片せる内容でもなさそうです】
【一度しっかり話してみたいとも思うけども、危なすぎる場所に首を突っ込むのも……】
【普段から全力隠蔽は体力消費するのでかんべんして欲しいところですね】

『ケガは結構しますけど、治癒魔法ありますから。
 まぁ、世の中には建物ごと粉砕とかする人たちもしますし
 私たちが頑丈なのも、そういうのと張り合うためもあるでしょうから』
「まぁ、部活でケガはある程度しかたないですしね」

【大通りに戻ってもこのペアで歩いてるんだから気楽なもんです】
591 :パメラ [saga sage ]:2015/03/31(火) 21:24:40.95 ID:CyCQLUvpO

>>589

……、まぁ、本当にですよねぇ
……というか、やっぱり貴女も相当長いんですねぇ

【まだ少し歯切れが悪いが】
【置いておく事にして、話を続ける】

そうですねぇ…
…いえいえ、自分勝手でも良いと思いますよぉ?
人間……というか、魔法少女は勝手の塊みたいなものじゃないですかぁ

【聞く人が聞けばもの凄い偏見だろうが】
【実際、パメラら結構真面目にこう考えていたりする】
【自分含め、我が強い魔法少女も多いのは確かなのだ】
592 :詩音加美楽 [sage]:2015/03/31(火) 21:34:20.65 ID:z6Py6Djb0
>>551

「──ハッ!じゃあじっくりその教育的指導とやらを受けてやるとするか」

 闇に身を委ねる二人の魔法少女──。
 形は違えど両者共に戦いを好み嫌わないその性は魔法少女という可愛らしい類から逸れており、気品も高邁さなど皆無に等しかった。
 九条院の衣装を前にして何処か自身と通ずる何かがある様に思えた詩音は不敵に笑う。

「ならお言葉に甘えさせてもらうぜェェェェェェェッ!!」

 決して対等に接しようとしない九条院の傲慢な態度に詩音はやはり苛つきを感じた──が、しかしそれ以上にこの刹那から始まるであろう闘争を待ち望む気持ちが強かった。
 詩音は湧き上がる歓喜を吐き出す様に叫ぶと右手から真っ赤な一振りの剣を召喚しそれを己が身体へと突き刺した。
 初見気でも可笑しくしたかの様なその行動──だが、詩音は一切痛がる素振りを見せず不敵に笑いながら駆け出した。

「大人しくテメェの血をエインフェリャル様に捧げなァ!」

 九条院の元へと走りながら詩音は体から二枚の刃を生やす──。
 そして一気に天へと飛躍し、満月と詩音が重なった刹那、二枚の刃を九条院へと打ち出した。

593 :エヴァージェリン=ナイトロード [sage]:2015/03/31(火) 21:43:16.02 ID:mEQNgvN70
>>591

ふふっ、まぁ確かに言えてるな

【確かに自分勝手にしてはいけないなど決まっていない】
【自分のやりたいことをする】
【それでも良いではないか】
【なにも周りの空気を読まなければいけないというルールは無い】

……ありがとう
お前のお陰で色々吹っ切れた
精々自分勝手に生きるようにしてみることにしよう

【何やらすっきりしたような顔でナイトロードは言う】
【こんな風になれたのはいつ振りだろうか】

ここに来て良かったよ
なんだか自分のやるべきことが見えてきた
礼を言おう

【財布を取り出しお代分のお金をカウンターに置くとナイトロードは立ち上がる】
【そしてそのまま扉の前へと歩いていく】

また来るよ
次の気紛れメニューを楽しみにしているぞ

【最後にそう言い残しナイトロードは「とれみぃ」を後にした】

//これで〆させてもらいます
//昨日は寝落ちすいませんでした
594 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/31(火) 21:48:22.50 ID:fDlgPV9K0
>>590

「……ひええ、怖い…!」

思っていたよりおぞましい。というか禍々しい。黒百合の黒はブラックの黒だったの?
それに対するリアクションは極めて本能に忠実。
ぶるっと震え上がる動作は少女であれば可愛いだろうが、幼くもない男がやっても需要はないしなかなかにキツイものがある。
それにしても会話してるようにしてくださるのは有難い。やはりこの子天才か。

「そうねぇ、まあ確かにそうと言われればそうなんだけど…」

意外とけろっと話す相手の言葉に少し困ったように喋るのを少しの間止めてしまう。
建物を壊すというのは、多分あの人避けの出来るバリアーみたいなものの中でも話だろう。
ひょっとしたら、それを作らないで戦う人もいるのかもしれないが、そこはひとまず置いておいて。
いくら怪我を治せる力があるとはいえ、自分よりも年下で女の子がそんな状況で戦わなければいけないだんて―――、

「……やっぱり心配だわ。アナタを後輩として見てる先輩としては。」

やはり複雑な気分だ。
少し不安そうな顔で、悲しそうな顔でそんな風に相手に言ってみせるが、ハッと我に返って。

「ゴホン、…つ、ま、り!お姉さんを頼ってもいいってことよ!
これでもアタシ、攻め…?というかフォワードは得意だからね!」

そうどやっと仁王立ちしながら自信ありげな蔵間(しかし魔法少女歴では明らかに後輩)。あと地味に部活関連っぽく言い換えてみた。
こんな奴でも何か出来ることがあればいいのだけれど。
595 :上田美奈 :2015/03/31(火) 21:58:52.40 ID:rCDnzptsO
>>594
【これだけ話してるともう慣れてしまいました】
【男装女子の魔法少女がいるんだし、逆パターンがいてもおかしくないと思うんです】
【江風でもきちんと診断書付きで頼み込めば女子制服ワンチャンあるんじゃないかなぁ、と】
【最近話題になってるし、学校側も宣伝になるしなー とか考え中】

「まぁ、遠からず黒百合陣とはどこかでぶつかりますしその時はその時です。
 後輩としては先輩に心配かけて申し訳ないのですが」
『こんな奇跡っぽい何かにすがらなきゃいけない時点で
 結局どこか歪んでると思うんですよ。
 おねえ先輩も、その歪みを直したいから魔法少女なんでしょう?』

【自分は願いが叶ってしまった側だけど、努力でどうしようもないことを解決できる手段というのは
 人によってはどれだけお金を積んでも代えられない価値があると思います】
【おねえ先輩の願いはだいたい予想はつくけど、きっと本人にはとても切実なことと思います】

「ただ、先輩のほうが後輩である私を頼るべきです。
 引退、そんなに遠い未来じゃないと思うんですよ。素人見立てですけども」
596 :フォルリィア [sage]:2015/03/31(火) 22:03:17.21 ID:z6Py6Djb0
>>587

「アハハハハハハ!」

 吹き飛ぶ篠原の姿を見て興奮気味に笑う少女。
 篠原の言葉など御構い無しの様子を見せる少女は鎌の刃に付着した篠原の僅かな鮮血を濃艶的に舐める。
 まだ幼い精神構造を持つ少女にとって血は味も薫香も刺激が強く魅力的であり、舐めるという行為はやめられない薬物投与の様なものであった──。

 ──親。少女にも親の様な保護者は存在するが、その"人達"が普遍的な常識を持っているとは限らない。
 この世界には魔法少女や星のカケラといったものが存在するのだから、桁外れに常識外で息をする存在がいてもなんらおかしくはない筈だ。
 現に今篠原の前にいる少女も常識という牢獄から外れた位置に存在しているのだから。そして牢獄の外にいる存在は牢獄に身を置く者達にこう言われるのだ──狂気と。

「──────?」

 突発的に周囲の気温が高くなった。
 気の所為か、衣服に付着していた血も一気に乾き出している。
 少女はすぐ様、篠原の仕業と理解し何かが起こる前に潰そうと再び鎌を振り上げ篠原の元へと走り出した。


──────が、それは出来なかった。


「な、なにこれ!?煙!?湯気!?」

 少女が走り出そうとした瞬間、真っ赤な満月と相対する灼熱の真っ赤な太陽が出現し、瞬く間に血の大海を蒸発し出したのだ。
 少女は蒸発という現象を知らないゆえ、現状何が起きているのか理解出来ず、辺りを見渡しながら混乱するしか出来なかった。
 血の大海の蒸発により、結界内には生暖かく気持ちの悪い気温が漂い血の濃厚な薫香が流れ出した。
597 :パメラ [sage saga ]:2015/03/31(火) 22:12:14.20 ID:CyCQLUvpO

>>593

うふふ……いえ、私は思っている事を言ったまでですよぉ?

【笑みを浮かべながら、そう答える】
【それは、自分自身もそう、だからだろう】

それなら幸いですねぇ
…えぇ、またの来店をお待ちしておりますよぉ
……はい、次もまた何か考えておきますよぉ……うふふ

……ありがとうございましたぁ♪

【そして、何かを得た様子のナイトロードを】
【こちらも入り口まで見送る】
【最後にまた、深く一例して】

【そうして、また客が居なくなった店内】
【……この時、この会話が新たな流れを作る、だろうか?】

/わかりました!
/いえいえ、気にしてないのでー、お疲れ様でした!
598 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/31(火) 22:13:12.76 ID:fDlgPV9K0
>>595

「……それは、」

歪みを直す。
その言葉は重い。だって実際に蔵間は歪な自分を変えようとしていて魔法少女になることを決意したから。
現実の技術でも出来なくはない願い。だけど、今すぐにでも絶対に叶えたいと思っている願い。
それが誰かの願いを壊すことになっても、多分?叶えるのかも?
だからそこで言い詰まる。その意見に言い返すほど蔵間はえらい訳でもないし、綺麗事で生きていけるとは思ってない。

「……そっか。そうね、あー折角だからもう一個聞いてもいい?」

それはハズレてほしい見立てね、と困ったように笑う。いや、笑えないか。
ふと思い付いたように質問を投げかける。その問いは相手が是非を問う前に人差し指をぴっと向けられながら言ってしまう。
ここはあくまでも笑顔でね。死ぬわけでもあるまいし。

「申し遅れたけどアタシは蔵間 貢よん。さ、アナタの名っ前!よかったら教えてくんない?」
599 :上田美奈 :2015/03/31(火) 22:24:16.77 ID:rCDnzptsO
>>598
『私の場合、急ぎの願いではないのでご心配なく。
 というか、ある意味ではもう叶っていますので。
 安全率高めで活動してますから』

【身内の治療が願いだったのに、叶っちゃったタイプ】
【正直、いつ辞めてもいいと思っているが、願いを叶える権利の確保くらいはしておきたい】
【むしろ、願いを叶えてしまったぶん余力は世の中に還元するべきという考え方です】

「年齢の壁だけはどうにもこうにも。
 えーと、ミナといいます。上田美奈です」

【あっさり名乗りました。別に隠す意味もないです】
【古典的な魔法使い系なら警戒しますが、同じ系列学校だし調べればわかりますし】
600 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/31(火) 22:39:11.47 ID:fDlgPV9K0
>>599

「あら、そうなの?なら大丈夫かもしれないけど……」

相手の言葉、というよりは念話の内容に少し驚いた様子を見せる蔵間。
自分の願いも一刻も早くしないと間に合わないとかそういったものではないけど早めに叶えたいのは確か。
よく背景は分からないが願いが叶っているのならそれはそれで安心だ。
先程言っていた引退という言葉は幸せなゴールインであるといいのだけど。

「そう、ミナちゃんっていうのね。 今度好みの男子を探しにそっち(中学校)行くからアタシにオススメの子いたら教えてね!
 その時に何かお菓子かなにかをあげるからっ。」

ここにおいてなんとも場違いな変態スキル(同性限定)を発動。
いたいけな少女に級友を売れと申し遣わしている。
もちろん賄賂は忘れずに。てかそこだけ声が大きい。テンションも高くなってたのですれ違った人からの視線が痛い。
601 :上田美奈 :2015/03/31(火) 22:47:41.54 ID:rCDnzptsO
>>600
「さすがに売りませんよ」

【何人か脳内によぎったのはヒミツです】
【念話にちょっと混ざったかもしれませんが建前はヒミツなのです】
【さて、そろそろ歩いて帰るには十分にわかりやすいあたりまで来ました】

「それはそれとして、そうですねぇ。
 この近くに、私たちみたいのが集まるお店があるので、
 ちょこちょこっと教えておきますか」

【謎喫茶店とれみぃの場所だけメモ帳に書いてわたしておきましょう】

「では、先輩。お見送りありがとうございました」

【ちっさい敬礼のぽーず】
602 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/03/31(火) 23:02:39.74 ID:fDlgPV9K0
>>601

「成る程、ちらっとだけどタイプがいたわ。」

ニヤリ、と。蔵間はやや黒い笑みを浮かべる。
今まで出した表情よりも圧倒的に危機感を与える危険な笑顔だ―――ターゲットにされた人に、だが。
後々彼女が学舎で蔵間を見かけるときがあるのなら、その際にも同じ顔をしているかもしれない。
さあ御腐人共々、歓喜と背徳的なお時間になるコトでしょう。

「まあ、本当?ありがとう、ミナちゃん!甘いものがあるお店だったら大好きよ!」

相手から受け取ったメモをるんるんな状態で受けとる。
どんなお店かは分からないが悪い場所ではないということは分かる。ソースは蔵間の勘。
なんというかビビっときた感じといったところか。女の子の集会所なら多分スイーツはあるよねっていう。

「じゃ、こちらこそありがとうね〜!また会いましょ〜!」


相手に合わせて敬礼のポーズをとると大きく手を振ってようやく見慣れた道を歩いてゆく。
特に彼女が引き留めなければ、蔵間は帰路につくことだろう。
603 :九条院永麗奈 [sagesaga]:2015/03/31(火) 23:37:58.72 ID:QJYUjqfTo
>>592

詩音が剣を召喚すると同時、其れを自らの身体に突き刺す――――意表を突かれなかったと言われれば嘘になるが、其れを表に出さないよう努めて嗤う。
支配者とは常に余裕を持っていなければいけない、ちょっとした奇行を前にして動揺していては其の資格は与えられないだろう。
よって本心は驚いていても、其れを表情には出さない。耐えて、耐えて、そしてひたすらに嗤うのだ。

「――変わった戦い方をしますのねぇ」

永麗奈の柔らかな肌を斬り裂こうとする二つの刃、其のうちの一枚は永麗奈の左腕に浅くない傷を与えていた。
そしてもう一枚は首に向けられ放たれており、其の一枚は硬質な何かによって行く手を阻まれ弾かれていた。
詩音の刃を防いだのは、永麗奈の手にいつの間にか出現していた漆黒の大剣――――吸血姫、九条院永麗奈が持つ魔具の一つである。

「何処の誰とも知らない方に、 最 強 ≠フわたくしの血を上げるわけにはいきませんわねぇ」
「あぁ――――――――そういえば、わたくしとしたことが名乗りを上げるのを忘れていましたわ」

礼儀とはどのような状況であれ適用されるモノ、其れがたとえ超常の域で行われる魔法少女同士の殺し合いであっても例外はない。
黒塗りの大剣を地面に突き刺すと、相手をまっすぐ見据えた上で小さく頭を下げ、スカートの端を軽く摘んで持ち上げた。

「九条院永麗奈――――黒百合学院三年、 最 強 ≠ナ在り続ける事が目的ですわ」
「それで、あなたは? まさか戦士としての礼儀すら、持ち合わせていないだなんてことは無いのでしょう?」

彼女は変人である。敵の前で、既にダメージを負っているのにも関わらず、いきなり無防備を晒して名乗り上げ始めたのだ。
そして相手にも其れを強要しようとする――――勿論、乗るかどうかは詩音次第だが。
名前を言っている間の九条院永麗奈は完全に隙だらけであり、勝利に飢えているのならば格好の餌食にしか映らないだろう。
戦闘、負傷、勝利、其れ等総てを一旦置き、礼節を優先する――少女、詩音加美楽の選択は。

//すみません、非常に遅れました……!
604 :篠原 皐月 [sage saga]:2015/04/01(水) 02:54:33.89 ID:LgCu+lq50
>>596

【太陽の熱気により、血の海は一時的にしろ干上がり、結界内はさながら鉄臭いサウナと化した】
【とにかく、狙いは見事成功したと言える】
【血の蒸気が傷口に沁みるが、そんなことを気にしてはいられない】

そろそろ、授業終了ってことにしてもいいかしら…?

【これまでの攻撃から判断すると、この結界では血の海がなければ攻撃も防御も著しく困難であるであろうことは明白だ】
【今が勝負をつけるチャンス…ではあるが、新しく大魔術を用いようとすれば、恐らく呪文詠唱の間に少女は結界を再び変えてしまう】
【回避するには素早く打てる、大威力の一撃が必要だ】

ハァァァァァァァァ…………!たあっ!

【ステッキを再び放り投げ、両足に太陽の炎を纏い少女へと駆け、跳んだ】
【そして、先ほどの太陽に背を向け_____】

【__________それを余さず、呑み込んだ】

【元々、結界内に先ほど浮かべた太陽は、ステッキにより増幅し具現化した『太陽』の魔力の塊としての一面も持つ】
【先ほど、血の海を蒸発させただけの魔力を消費したとはいえ、残りを集中的に用いれば必殺の威力足りうる】

これで、遊びは御仕舞よ…!お勉強してから出直しなさいな!

【空中で勢いをつけるために、くるりと一回転。炎の輪が描かれる】

おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!

【腕からの炎が、ロケットの如き加速度を魔女に与える】
【まるで大気圏に突入する隕石の如き、炎を纏った両足蹴りを少女へ放つ】
【まともに食らったならば、炎だけで燃え尽きかねないほどの熱量と凄まじい衝撃を合わせ持つ一撃、はたして少女は…?】





605 :詩音加美楽 [sage]:2015/04/01(水) 12:54:04.87 ID:b1Qdr3ZgO
>>603
>>603

 放った刃は九条院の腕に傷を付けた──が、彼女は絶えず人の上に君臨する強者の如し余裕の表情を浮かべもう一枚の刃を突然に出現させた涅色の大剣で防いでいた。
 冷たい風を斬る様に現れた漆黒の大剣を見て思わずたじろいでしまう詩音は、それを掻き消す様に舌打ちをする。

「アァ?最強だァ? ハッ!笑わせてくれるじゃねぇか──あぁ、悪りぃ悪りぃ……確かに漂う臭いの臭さは最強だなァ。 あ?なんだちゃんと名乗る礼儀程度は知ってんじゃねぇかよ。私はてっきりテメェ等はコベリつくハエにしか挨拶しねぇと思ってしなかったんだがよォ……」

 九条院どころか黒百合全土を馬鹿にする詩音も一応私立紫薔薇学園に通うエリートゆえ、礼儀というものは弁えていた。
 しかし、紫薔薇学園の生徒としての礼儀作法はこの場に置いて不要と判断した彼女は魔法少女としての礼儀作法──戦士としての礼儀作法が最適と考えた。
 だがそれは相手を戦士と認めて初めてするものであるゆえ、九条院が名乗らなければ詩音も名乗る気などなかった。

「私立紫薔薇学園二年、詩音加美楽だけど……"この場に置いては"、魔法十二戦姫少女第十位カーミラだ。よろしくな九条院」

 九条院の名乗りを聞けば此方も礼儀としつ名乗りを上げた。
 自身の傷や武器など二の次で戦士としての礼儀を優先させた九条院を戦士と認めたゆえに、その礼儀に応えるのが詩音の礼儀でもあった。
 第三者からすれば敵の前で無謀を晒す九条院の考えなど把握出来ないだろうし、奇妙に思えるだろう──。
 それは詩音も同じだったが、先程までの彼女が見せてきた態度を考えればどういう意図があってそういった行動を起こしたのか僅かながらに理解することは出来た。
 ──がそれを追求するなど野暮であり、それ以前に興味すら無かった。

 吸血鬼。九条院が吸血鬼、もしくはそういった類に精通しているならば一度は聞いたことがあるだろう。
 カーミラ。女吸血鬼の代表的な名前だ。
 そしてその名を名乗るということは、間接的に自分が吸血鬼と言っているものだろう──現に最初に放った刃に付着した九条院の血液は吸い取られている。

「んじゃ、次はテメェに譲ってやるよ受け取れ先輩、年長者への気遣いだ。頭下げて感謝しろよナァ?」

 両手を広げ無防備な姿を見せる。
 初手を譲った九条院と対等な対立ち場になるゆえに行なった行為だが、果たして九条院はどうでるか────。

/此方こそ遅れてしまいました!すいません!

606 :九条院永麗奈 [sagesaga]:2015/04/01(水) 16:11:50.21 ID:ustKPS5Qo
>>605

傷が痛む。本来ならば治癒魔法で回復すべきだろう、汎用魔法すらろくに使えない魔法少女ならばともかく、永麗奈は汎用魔法程度ならばかなり高い領域での発動が出来る。
しかし永麗奈は、あえて治癒魔法を使わなかった。あらゆる攻撃を攻略した上で勝利する、其れこそが真の勝利だと信じて疑わないからである。
敵の必殺技を出させる前に倒す。先手必勝。成る程理知的だ、だが其れは相手を恐れ、相手の技に勝てないと屈しているという意味に他ならず。
彼女、九条院永麗奈に取っては其れこそが敗北だ――――故に攻撃は受け止めるし、治癒魔法も使わない。

「先程から匂いのことばかり…………もしかして、自分の匂いにコンプレックスでもあるのかしら?」
「あぁ、わたくしは心が広くて優しいから、あえては言及しないでおいて差し上げますわ」

緩やかに吹き抜ける夜風の如く挑発を受け流す――とはいかず、詩音の挑発に軽く反撃しながらも身に宿る魔力を高めていく。
永麗奈は学業から実生活にかけて、完璧超人と評されても可笑しくない程人目につく事は総てきっちりとこなしていたが。
精神面においては其処らの少女と大差ない。自らを最強と称し、他校の人間に喧嘩を売るような人間が精神的に成熟しているわけがないのだ。
だから挑発されればやり返す。子供っぽいかもしれないが、やられっぱなしは癪に障るから。

「魔法十二戦姫少女――――なるほど、紫薔薇の狗と言うよりかは、そちらの組織のほうがメインのようですわね」
「ええ、よろしくカーミラ。吸血鬼と戦うのは此れが初めてではないけれど…………」

ともかく、戦士としての礼儀は在るらしく詩音――いや、カーミラに対して永麗奈はそれなりに良い印象を持ったようだ。
戦うのは嫌いじゃないが、無粋な輩は好ましくない。戦闘中の挑発等は華だと思うし、其の程度で精神を揺さぶられるならば其れまでだ。
だが名乗った相手に対して名を秘すというのは頂けない、そして其の点に関してはカーミラは一切問題なく。
むしろ潔く名乗りを上げた事に永麗奈は気を良くし、痛みすら忘れて楽しげに笑い。

「ふぅん――――――――それでは、お覚悟はよろしくて?」

先手を譲られるというのは格下に見られているようで好きではないが、それでも受け取ったのは相手を認めたからか。
自分以外は皆格下、其の認識に変わりはないが、それでもカーミラを一定以上の実力だと認識したのは間違いなく。
永麗奈は言葉と同時に吸血姫の顕界を解き、彼女が持つ第二の魔具を魔力によって編み始める――――魔導ガトリング砲、《乙女の作法》。
個人携行するには明らかに不向きな、複数の銃身を束ねた暗黒の狂気。夜の中にあってなお怪しく輝く黒色は、自らが破壊の化身で在ることを現れた瞬間から主張し続けていた。
魔力を装填する。此の魔具は見た目通りの効果しか持たず、小難しい効果や特殊過ぎる異能等一切秘めていない――――単純に、相手を撃滅する火砲である。

「『地獄へ落ちな、クソビッチ』――――――――ですわ」

瞬間、ガトリングから魔力で形成した焔弾がカーミラへと向かって放たれ始める。
いや、カーミラへ向けてと言うのは語弊があるだろう。何故なら永麗奈は、一切狙いなど付けず無差別に焔の弾丸をばら撒き始めたのだから。
いちいち狙いなど付けずとも、周囲一体総てを破壊し尽くせば敵は倒せる――――そんな乱雑かつ一方的な考えで、彼女は自らの学院諸共破壊を開始した。
それにただのガトリングならまだしも、彼女の扱う其れは魔導<Kトリングである。
込められた弾丸は魔力で形成され、永麗奈の固有魔法によって其れは火の属性を強制的に帯びることとなる。
焔弾は着弾と同時に炸裂、爆発を巻き起こし文字通り結界内を更地へと返してしまうだろう。
無論此の攻撃とて無敵ではない。防御をすればシールドの上に弾丸が降り注ぎ、いずれ削り取られてしまうだろうが。
狙いを定めていないということは回避自体は十分に可能だということ、そして一発一発は高威力だが相殺出来ない程ではないということ。
つまり防御ではなく回避、或いは反撃に転じれば永麗奈のガトリングには十分対処出来る筈である。
とはいえ一瞬でも思考を停止させたり、動きを止めれば其の瞬間ガトリングの餌食になることもまた間違いではなく――――――――。

//お返しさせていただきます……!
607 :リースコル=ゼア=エーテルシア [sage]:2015/04/01(水) 16:47:47.61 ID:aWdBxvhS0
【路地裏】
【外の光とは隔離されたその場所に結界が張られていた】
【結界の中には二つの人影】
【そして片方の人影から泣き叫ぶような悲鳴が聞こえてくる】
【片方はボロボロで服も破けているがもう片方は変身も解き余裕そうに立っていた】

『も、もうやめ……』

はぁ?
誰がやめるかよ、てめぇがかけらを渡さねぇのがいけないんだろ?


【泣き叫んでいる方は地面に倒れ伏していてその頭をもう一つの人影ーーリースコルは踏みながら笑っていた】

かはっ、しかし馬鹿だよなぁ
早くかけらを渡せば楽に殺してやるっていうのによぉ……

【吐き捨てるように呟くとリースコルは足を頭から離す】
【そして何やら思いついた顔で口元が笑う】

あぁ…いいこと思いついた
おい、お前を見逃してやる

『えっ!?ほ、ほんと!?』

【リースコルの見逃すという言葉に少女は希望を掴んだような声で聞き返す】
【しかしそれを待っていたかのようにリースコルも笑う】

ただ条件がある
お前の知り合いの魔法少女からかけらを片っ端から集めろ
あぁもちろん殺してだ

【リースコルが言ったその言葉を聞き少女は凍りつく】
【その様子を見てリースコルは少女の耳元で呟く】

『そ、そんなこと出来な……』

別に良いじゃねーか
ただの他人だぜ?
血の繋がってるわけでもねぇ他人
そいつを殺したら自分が助かるんだぜ?
どうせお前も自分のことしか考えてねーんだろ?

『ち、違う…私は……』

【いつまでも承諾しない少女に腹が立ったのか顔を歪ませ再び頭を踏みつける】
【少女は苦悶に顔を歪めながらも尚かけらを渡そうとはしない】

あぁ!?
そうやって良い子ちゃん振るんじゃねーよ!
良いから言えよ!
「殺しますので私だけは助けてください」ってなぁ!

【リースコルの声が結界内へと響き渡る】
【もし今この結界内に入った者はこの状況をどう思うだろうか】
608 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/04/01(水) 17:03:39.47 ID:Q64LbVoY0
>>607

「な……」

その光景に蔵間は一瞬思考が止まってしまっていた。
ただ近くに結界が張られているのを感じ取り、そのまま星のかけらがないか探しに入ってみただけ。
そんな軽い思考でいたせいかその光景には驚く他なかった。
確かに危険な魔法少女がいるということ、は今まで会った人物達に耳が痛くなるほど言われてきたがまさか本当に会ってしまうとは。

「――っ…なにしてんのよ!アンタ!」

茫然とした表情から一転怒気を含んだ声をあげ、蔵間は相手の前へと現れた。
その服装は魔法少女としての格好だ。民族衣装を思わせる褪せた雰囲気の翠のロングワンピースに目元を隠している真っ白なヴェール。
その手には―――可愛らしい、だが明らかに巨大な弓が握られていた。
しかし肝心の矢はまだ手に持ってはいるものの構えられたまま放たれてはいない状態。
あくまでもそれは脅し。まだ当てる気は持ち合わせていなかった…出来れば、相手が話の通じる相手だと信じていたかったから。

「その子から離れなさい!」

ギリギリ、と弓を引く音が鈍く辺りに響く。
果たして突如現れた侵入者に相手はどのような反応を示すのか。

/お願いします
609 :リースコル=ゼア=エーテルシア [sage]:2015/04/01(水) 17:27:17.83 ID:aWdBxvhS0
>>608

あぁ?

【突如横から男の声が聞こえてくる】
【声がした方を見てみるとそこには弓を構え矢をこちらに向けて引いている蔵間の姿】
【いきなりの来訪者にリースコルは溜息をつきながらも蔵間へと向き直る】

なんだてめぇ
私の邪魔しようってかぁ?

【どうやら相手は魔法少女】
【それに気付くとリースコルは魔翌力を僅かに込める】
【するとリースコルの身体を鎖が這うように巻き付いていく】
【戦闘をすぐに行える状態にしリースコルは蔵間を睨む】

てめぇも魔法少女か?
てことはかけら、持ってるんだろ?

【その姿は不気味でリースコルの異常性を更に高める】
【腕のコートに巻きついている鎖は垂れその紅と金の瞳が路地裏の暗闇で不気味に光る】

『に、逃げて…こいつは魔翌力を封じ……』

うっせぇんだよ黙ってろッ!
負け犬はそこでくたばってればいいんだよぉッ!

【少女が何かを喋ろうとしたところを脇腹へと蹴りを入れることで黙らせる】
【少女は蹴られた部分を手で押さえ呻きを上げる】
【その様子だけでリースコルには話の通じないと分かるだろう】

えぇとで?何だ?
私とやり合うってのか?いいぜ?
すぐにこいつと同じようにしてやるからよぉ!

【呻いている少女を二回、三回とまた踏みつける】
【踏みつけている間もリースコルはにやにやと笑っていて】
【この様子を見て蔵間は怒りを抑えられるだろうか】
610 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/04/01(水) 17:40:49.24 ID:Q64LbVoY0
>>609

「……ッ、アンタ…!」

自然な言動、自然な動作。
それらをするように、いともたやすくその異常性は相手の少女の行動から滲み、広がり。
明らかに危険、逃げるべし、逃げろと蔵間の第六感が頭の中でガンガンと警鐘を鳴らし続けている。
だが、同じ魔法少女がこんな不条理に暴力を受け、傷付いているところを見ていながら逃亡するのだけは―――許されない。

「……ええ、そうよ。持っているわ。少ないけどよかったらあげる。」

意外にも出てきた声は平静を装う。言動も恐ろしく冷静だ。
だがしかし。そんな言葉を放つ表情は―――それらとは真逆だ。
怒り、恐怖、憐れみ――?そんな様々な感情が入り交じった表情で蔵間は相手を見据え、矢を一本放つ!

「アタシとの勝負に―――ッ、勝ったらだけど、ね!」

それはただの矢ではない。
放った瞬間、それは周囲の大気の動きを僅かに変化させ、やがて小さき疾風となって相手の腕へと向かい直線となる。
もし直撃すれば通常の矢の殺傷力に加え風の魔力により抉るような傷が出来るだろう。
611 :詩音加美楽 [sage]:2015/04/01(水) 17:41:01.38 ID:b1Qdr3ZgO
>>606

カーミラの挑発に乗る様子を見るに先程までの舐めた様な態度は感じられないゆえ最初のうちよりかは、此方の力量を認めたのだろう。
しかしそれは、裏を返せば九条院は絶対的な強者の余裕と僅かながらの傲慢さを未だ持ち合わせているということに他ならない────。
しかしそれでいい。形や過程などはこの場に置いて既にどうでも良く相手と少しでも対等な立場になることが大事なのだから。
少なくとも一定以上の実力を認めてくれたらのなら手を抜いて戦うということはしない筈だ。
カーミラは戦いに置いて手を抜かれることを極端に嫌うゆえ、対等な立場になれば相手は手を抜かないという独自の理論を持ち合わせていた。
──召喚された新たな魔具は複数の銃身を束ねたガトリング砲。
既に闇が支配する刻であるにも関わらず一層目立つ怪しげに黒光りする狂気と破壊の具現。
気品や気高さといった黒百合のお嬢様感皆無の暴力的魔具の出現が可笑しく感じカーミラは思わず鼻で笑ってしまう。

「オイオイ、物騒なこと言うじゃねぇかよ!」

荒々しく放たれた幾万の焔弾は鋭く夜の空間を駆ける。
魔弾は冷たい夜風を斬り裂き高音を辺り一面に響かせながら結界内ごとカーミラを破壊せんと爆炎を帯びて様々な位置へと向かって行く。
無差別に着弾する魔弾の数々、それにより巻き起こる爆発──爆風と爆炎により冷たい地表は一気に熱を帯び、やがて灼熱の業火を生み出し破壊される。
黒百合の校門も瞬く間に魔弾の餌食となり爆烈、構成されていたコンクリートは粉々になり一面に砕け散る。
紅蓮の炎を上げながら崩れ破壊されていく物質の数々。猛然たる音響と地獄の業火が結界内を支配し、それらの景色は宛ら天災が起きた様な地獄の光景へと変わり果てていた。
だが鼓膜を痛いほど振動させる爆発の音はカーミラにとって高ぶる気持ちを更に刺激させる要因でしか無く、耳通りの良い音色に他ならないのだが当の本人である九条院はどうだろうか──。

「アーハッハッハッハッ!なんだなんだァ、良いもん持ってんじゃねぇかよ!!そおだよそれだよォぅ……私は生温い魔法なんかじゃなくてこんな身を焦がす、平和をぶち壊す様な魔法が大……ッ……好きなんだよォォ!!」

地獄絵図を前に歓喜するカーミラ。自分を傷付け救済すらしてくれなかった平和を嫌い、大切な人を奪った平和に憎悪するカーミラにとって九条院の魔法は心を溶かす美々しい魔法にすら見えた。
濃艶な表現を浮かべながら自身へと向かってくる魔弾を己の体内から放った刃で相殺をする。
血を吸い肉を喰らう刃と血を流し肉を散らす魔弾の衝突──。勿論火力では勝てるとは思っていない、がカーミラはその魔弾の"着弾したら爆発"するという性質に着目したのだ。自身に危害が無い距離で刃と魔弾をぶつけることにより魔弾は刃に着弾、そうすればその場で爆発が巻き起こる。
カーミラはそれを狙い刃を迫り来る魔弾へと放っていたのだ。

「チッ……なんだよ裁くのでやっとかよ。だったらこれでどおだァァァァァァ!!」

しかしこれには一つの盲点が存在した。
それは刃と魔弾の接触により生まれる爆発の影響で九条院の姿と他の魔弾が確認出来ないというディスアドバンテージ。
姿の見えない九条院に対してはガトリング砲を打ち付けている故、おそらくその場から離れていないと予想するが魔弾は別だ。
まさに風を裂く様に駆ける魔弾の疾走はその姿が見えなければ避けることは困難。
更には姿が見えないことにより魔弾に合わせて刃を放つことは至難の技。
爆発が起こる前に迫り来る魔弾の数を把握しそれに合わせ刃を放ってはいるが、やはりそれには限界がある。
いなせなかった魔弾がカーミラに着弾するのは最早時間の問題。この魔弾の荒らしを封じるには九条院本人を攻撃するしかない、そう見解したカーミラは賭けで杭の様な刃を体から生やし自身が記憶していた九条院の立ち位置へと複数放つが其処に彼女がいる確信はなかった。

「────ッ!?」

──と同時に魔弾の一つが目の先に迫り来るのが見えた。
相殺をするには近過ぎ、回避するには時間が無い。正に意表を突かれたカーミラは今日初めて驚愕の表情を浮かべた。

「アァァァァアァァァァッッッッ!!────カッ……ゥ……ァ……」

魔弾はカーミラに着弾。肉どころか魂まで焼けるような痛みと自身の不甲斐なさにより悲痛の叫び声を上げ後方へと吹き飛ぶ。焼けた地面へと飛ばされても尚、勢いは止まらず転がり続ける。
そして手の平から刃を生やし地面に突き刺すことで無理やり体を押さえつけたカーミラは、口から大量の血を吐き体全体で息をしながら九条院がいた方角を見る。
612 :フォルリィア [sage]:2015/04/01(水) 17:54:20.81 ID:b1Qdr3ZgO
>>604

「──あ……は……アハはハはははハハはは!!」

 迫り来る炎を纏いし篠原の姿を見て、自身の終わりを悟ったのかまるで自我を失った様に笑いながら鎌を振り上げる。
 しかし数え切れないほどの魔法少女を殺してきた少女はこの刹那を待ち望んでいた。
 篠原には少女の笑う姿は自我が死んだ少女に見えるかもしれないが少女はいまこの刹那、初めて真の歓喜をしたのだ。
 星のカケラ争奪戦で様々な魔法少女と出会い一度信頼した魔法少女に殺されかけ、更には自身の魔法に己を支配された少女はこの醜い世界から解脱を求めていた。
 フォルリィアとしてでは無く、フォルリィアに支配される前の一人の少女としての願い。

「──────────」

 当てる気の無い鎌を振りかざすと共に、篠原の攻撃が炸裂した。
 少女ごとフォルリィアを焼く炎は、やがて少女を優しく包み込む。
 倒れた華奢な少女は包み込む炎と共にまだ微かに残る血の大海へと沈んでいった。
やがてこの結界は消えるだろうが其処に少女の姿は無く代わりにあるのは一つの小さな星のカケラだけだった────。

/以上で此方は〆ですかなっ!ありがとうございましたッッ
613 :上田美奈 :2015/04/01(水) 17:56:21.86 ID:Qr0tUtLJO
【郊外のトンネルにて】
【月が結構な高さに登る時間、田舎道のトンネルに一人の魔法少女の姿】
【きっかけは今朝の朝刊にあった行方不明事件である】
【このトンネルの前で地元民に挨拶したのを最後にある家族連れが消息を絶った】
【この類の事件には、たまに星のかけら絡みのものがある、ということで
 夜の空中散歩をいつもより遠くまで延伸してみたのである】

「ビンゴ、かな」

【手元の振り子は、間違いなくトンネルの中に反応していた】
【この中には魔法少女絡みの何かが間違いなく存在する】
【一応、結界を張り、中を確認】

「見た感じ、普通のトンネルなんだけど……」

【ん〜〜〜???】
614 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 18:09:07.22 ID:HfiyxNhnO
>>613
「……結界?そうか、先客がいるのか…」

同じ頃、ラウラもまたこの場所に来ていた。
人が消える、そんな事件があると聞いてその調査にやって来たのだ。
そこには、白百合同盟たるもの、人々の安全も守らなければならないという自負があった。

このトンネルには先客がいる、結界が張られているという事はまず間違いなく魔法少女だろう。
敵か味方か、何があるのか分からないが、結界の中に足を踏み入れる。
結界を張った張本人も、足音で誰かが入ってきた事がすぐ分かるだろう。
615 :リースコル=ゼア=エーテルシア [sage]:2015/04/01(水) 18:13:58.53 ID:aWdBxvhS0
>>610
【蔵間のかけらを持っているという言葉を聞きリースコルは踏みつけるのをやめる】
【そして今まで踏みつけていた少女を邪魔にならない場所へと蹴り飛ばす】
【蹴り飛ばされた少女は壁に叩きつけられそのまま動かなくなる】
【どうやら気絶してしまったようだ】

かはっ、今日はついてるなぁ
日頃の行いってやつか?

【ケラケラと笑いながらそんなことを言うとその後の蔵間の言葉に笑いは消える】

はっ、いいぜ?
上等じゃねぇかッ!

【リースコルの周りに魔翌力が溢れる】
【しかしその魔翌力は黒く負の感情で溢れていた】

そんなもんで私を仕留められると思ってんのかッ!

【リースコル目掛けて飛んでくる一本の矢】
【次の瞬間リースコルの袖口から左右合わせて十本程度鎖が現れる】
【そして鎖は蛇のようにくねりながら矢を払いのける】

じゃあ次はこっちから行くぜッ!

【すぐさま蔵間の元へとリースコルは走り出すと蔵間の右腕目掛けて鎖を伸ばす】
【伸ばした鎖はうねりながら空を切り蔵間の腕目掛けて伸びていく】
【もし鎖が辿り着けばたちまち縛りあげ刻印がその右腕へと刻まれるだろう】
616 :上田美奈 :2015/04/01(水) 18:18:37.40 ID:Qr0tUtLJO
>>614
【足音どころか、結界に入った時点で感知していたりするのです】
【魔法少女状態だと感覚がかなり鋭くなる感じ?】

「お客さん一人追加、と。
 入ってそく撃たれないってことは、たぶん大丈夫」

【そのうち寄ってくるだろー、とトンネルの中の確認作業】
【見た感じ、特に怪しいところはなさそう】
【ちょっとカーブしてるので反対側が見えないのが正しいハズ】

「見た感じは何もなさそうなんですが
 反応はあるんですよねえ」

【そろそろ近くに来てるであろう相手にも伝わるように】
617 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 18:33:50.93 ID:v6w4wQAsO
>>616
さて、入ったは良いが特に何もないようだが。
いや、正確には何かしらの魔力の反応があるのだが、見た限りは何もないのだ。

「君も調査に来たのかい?どうやら先を越されてしまったようだけど」

先客の少女に話しかける。見たところ同業者、でもなさそう。
少女の方もまだ探しものは見つかっていないようで、それならば折角なので協力した方が得策か。

「良かったら、僕も協力するよ」

まあ、断られたら断られたで、勝手に調査をするだけなのだけど。
618 :蔵間 貢 [sage saga]:2015/04/01(水) 18:45:21.94 ID:Q64LbVoY0
>>615

(こんなことして何が日頃の行いよっ…!本当に言ってるなら病気ね――!)

この子は根本的に狂ってしまっている。そう蔵間は直感する。
所謂戦闘狂という人種だろうか?ファンシーな世界をイメージしてた身としてはドギツイ存在なんだけど。
現に相手の放つ魔力は酷くドス黒くおぞましい。今まで出会い感じた魔力とは明らかに一線を越した存在。
一瞬怯むが一度構ったのだから逃げることはできない――そう覚悟を決めた。

「ッ!鎖!?」

しかし初陣としては些か実力不足だったか。
相手の腕を狙った矢は相手に妨害されあらぬ方向へ。そして相手の攻撃が眼前に迫り――、

「いっつ…!?なにすん、のよ この鎖ッ!」

避けようと試みたものの完全に防ぐことはできずそのまま複数の鎖が右腕に絡まる。
締め付けられる圧迫感と痛みに耐えつつ、慌てて風の魔法を発動。上から押し上げられるように吹いた風が鎖を直ぐ様絶ちきり、蔵間は後方へと一旦下がる。
右腕には謎の刻印が。

「全く……ッ!なんだってのよ―――!!」

ゴォッ!!と周囲に風が集まる。
それは次第に渦を巻きほんの小さな塵旋風――だかなかなかの威力のまま相手の方へと向かっていくだろう。
619 :上田美奈 :2015/04/01(水) 18:45:33.40 ID:Qr0tUtLJO
>>617
「ま、別に早い者勝ちというわけでもないですし」

【灰色のマントのようなコスチュームの推定中学生は
 まっすぐトンネルの奥に向けて歩き出します】

「協力といっても、あとこの中くらいしか探す場所ないんですよね」

【同行するかどうかは確認しません。ついてくるかはラウラさん任せらしいです】
【特になにごともなければそれで問題解決。この件は魔法少女絡みではありません、となるけれど
 探知が得意なミナの振り子には、何かの反応があるようで】

「あれ?」

【少し歩いたところでふと気がつくかもしれません】
【このトンネル、地図の上では少し奥のとこでカーブするはずなのに
 なんかまっすぐ部分が妙に長いような……?】
620 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 18:54:49.01 ID:LrnHw4jgO
>>619
「そう、じゃあ僕も一緒に調査させてもらうよ」

少なくとも、悪い魔法少女ではないらしい。一瞬だけ罠を警戒したが、そんな事はなく。
おせっかいかもしれないが、勝手に付いて行く事にした。というか、ここまで来て帰るのはさすがに癪である。

「……ん?」

少し歩いたところで、妙な事に気付く。美奈も同じ事に気がついたのだろう。
トンネルの道が妙に長いのだ。これは当たりか、この奥に進めば謎は解けるかもしれない。

「…よし、行ってみよう」

意を決して進む。この先には一体何が待っているのか。
621 :上田美奈 :2015/04/01(水) 18:59:21.01 ID:Qr0tUtLJO
>>620
【ナトリウムランプのオレンジ色の光の中、どこまでいってもトンネルがトンネルです】
【振り向いたら、後ろもカーブしてて入ってきたところが見えません】
【ミナ、一旦停止します】

「これは、やらかしたかもしれません……」

【せめて退路の確保くらいはしておくべきだったかも?】
【試しに、トンネル内の非常電話を取ってみますがつながりません】
【非常用ドアも、何かに固定されかのように動きません】

「……どうしましょうかね、これ。
 ずっと同じ方向にカーブしてるってことは、ループしてるのかな……?」

【下手に迷うより厄介なパターン突入したかも!?】
622 :リースコル=ゼア=エーテルシア [sage]:2015/04/01(水) 19:05:49.81 ID:aWdBxvhS0
>>618

【リースコルが放った鎖はしっかりと蔵間の右腕を縛り付けた】
【しかしそれはすぐに風で断ち切られる】
【しかしこの場合断ち切れたのが問題ではない】
【刻印を刻めたということに意味があるのだ】

簡単に刻めたなぁ?
これならウロボロスを使うまでもねぇッ!

ちッ、風か……
ちと面倒だな……相性が悪い……

【壁へと鎖を伸ばし壁に鎖を刺す】
【そして一気に鎖を引き寄せその勢いで壁まで移動し塵旋風を避けようとする】
【しかし数秒遅れ塵旋風が掠ってしまう】
【だが当たった場所は左脚】
【多少の出血をするが動けなくなるほどではない】
【そのまま壁際まで移動するとリースコルは再び接近をし鎖を伸ばそうとする】
【今度の狙いは左腕】
【どうやら両手を塞ぐ作戦らしい】
【そしてこの攻防の蔵間の右腕の刻印からは鎖のような紋様が伸び右腕を縛ろうと蠢いていた】
【蔵間はその異常に気付くことが出来るだろうか】
623 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 19:16:14.85 ID:VPZZkNrSO
>>621
「………あれ?ここってさっき来たような……」

進んでみたは良いものの、行けども行けども、先は見えてこない。
ずっと薄暗いトンネルの景色が続くばかりで、同じ場所をずっとループしているように感じる。
更に退く事もできないらしく、どうも厄介なパターンになったようだ。

「……ループしているなら、それを引き起こす何かがあるんだ。
例えば、今映っている景色は幻なのかもしれない。それとも、どこかに隠し通路でもあるか」

ループの謎は必ずどこかにあるはず。ここは慌てず、落ち着いて原因を探ろう。
魔力探知を行う、これで何か引っかかればそれがループを引き起こしているに違いないだろうから。
624 :上田美奈 :2015/04/01(水) 19:25:44.92 ID:Qr0tUtLJO
>>623
【探知を片側に絞った場合、引っかかる感じが一定周期で】
【自分を中心にやった場合は、ひっかかる感じの他に自分たちが探知結果にヒット】
【何かが空間のループに関与しているけれど、それが上手く隠されているような?】

「んー、境目みたいのはありますね、これ」

【同じように探知をしていた魔法少女はこんな感想】
【ただ、境目まで移動しても目につく異常はとくにありません】
【探知系スキルで異常があったと感じる場所は、ふたりともだいたい一緒なんですが……】

「ん〜〜〜……」

【さて、このタイミングでどこからともなく着メロが聞こえてきます】
【というか、音のでるとこはわかるんだけど、そこに何もないような?】
625 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 19:35:17.01 ID:xTyXoVc1O
>>624
「……どこだ、どこにある?」

やはりどこかに異常があるのは分かるのだが、正確な場所までは分からない。
正常な空間と、このループする空間を繋げている境目があるという事までは分かったが。
だが、ここのどこかに間違いなく謎があるはず。重点的に探知をしていこうとしたところ…

「ん?何の音だ?」

どこからともなく、携帯の着メロが流れている。だが、音の出ているところには何もない。
どう見ても怪しさ満点。しかし、もしかするとこれが――――?

「……試してみる価値はあるか。よし、ちょっと下がって」

そのまま、持っていた剣を、音の鳴っている場所に突き刺そうとする。
何かあれば反応を起こすかもしれない、何もなければそのまま地面に突き刺さるだけだ。
626 :上田美奈 :2015/04/01(水) 19:47:34.79 ID:Qr0tUtLJO
>>625
【ラウラさんの手元に、何か固いものを串刺しにした手応え】
【何もなかった場所を刺したはずなのに、いつの間にか携帯電話が剣に刺さっていました】

「あ、結構可愛いストラップ」

【絆創膏や継ぎ接ぎ模様の小さいクマのマスコット】
【巷で話題の“ボコられクマ”シリーズのものです】
【行方不明者の年齢を考えると、上の子が持ってそうな雰囲気ですね】
【よくよく見ると、剣でつけた以外の傷も本体にいくつか】
【こう、アスファルトの上で転んで携帯カラカラさせたときに付くような……】

「……場所は間違いなさそう、かな?」

【今度はミナのターン。携帯が出てきたあたりに振り子を楔のように打ち込みます】
【オーソドックスなディスペル・マジックの発動により、空間は元の形に】

「うわぁ……」

【大変。壁にワゴン車が刺さってるよう……】
【とりあえず、まだなんとか息がある人には、ミナが大急ぎで治癒魔法をかけます】
【……ケータイの持ち主っぽい小学生くらいの女の子がなんかトンネルの奥を指さしてるけども……】
627 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/01(水) 19:55:55.90 ID:8zIJjvFy0
>>562>>564


「彼処は、セートカイチョー……、が、一番強い……らしくて」
「で、一番ヤバい奴、でもある……らしいス」

ごもっともな疑問に、聞きかじったばかりの拙い知識で捕捉を加える。
トップが魔法少女なら、学校そのものが実質的な支配下にあるとみても不思議はない。
恐らく組織的な集団なのだろうが、未だ表立っての活動が無いのが、新野からすれば不気味でもあった。

「……どもでス」

今日は、という言葉にばつが悪げに頭を掻く。
魔法少女の掟以前に、二人の出自からして、遠くない先で拳を交える宿命にあるのだろうか。
黒い笑みを浮かべる相手の姿の上に、特攻服のシルエットを見たような気がして。ぎょっと瞼を擦る。


「お、お疲れでス。 オキヲツケテー……」

往年(?)の気配をふんだんに感じさせる先輩を見送り、独り店内に残される新野。
可愛らしい筈の背に言い知れぬ不安を覚えながら。当初の目的も忘れ、己もまたモールを後にするのだった。


/遅くなりましてすみません、絡みありがとうございました!
628 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 20:03:28.41 ID:xTyXoVc1O
>>626
「……!当たりだ!」

確かな手応え。何もなかったはずなのに、携帯電話が剣に突き刺さる。
どうやらこれが正解らしい。美奈がその座標に魔法を打ち込んだ事により、空間は元に戻った。

さて、元の空間に戻ってみると、そこには車が壁に突っ込んでいる事故が起こっていた。
これが行方不明者達のようだ、とにかく怪我をした人を救助していく。

「……この奥に何か、あるのか」

女の子が指さした方向を見ると、トンネルが奥に続いていた。
今度こそ先に進めるはず。救助が落ち着いたら、ラウラはその方向に足を進める。
629 :上田美奈 :2015/04/01(水) 20:14:04.44 ID:Qr0tUtLJO
>>628
【ミナのほうは、とりあえず救急車に連絡してから、
 家族連れを結界の外に放り出します】
【不自然さが残らない程度に治療したのでこっちは大丈夫そう】

「ま、一応記憶も混乱させておいたので大丈夫かと」

【時系列的な不自然は残るかもだけども、助かるんだからそこは勘弁】
【崖の下に落としておくくらいはするべきだったかもかな?】

「それよりも、こっちはこっちで嫌な空気びんびんなんですけど」

【ループ状態の時はついていたナトリウムランプが、こっちでは途中から消えてる】
【このさき真っ暗ってとこまで進んで振り子を発光させると】

「……人喰いトンネル……?」

【口をあけた蛇とかみたいな構造に途中から変異しておられました】
630 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 20:20:42.27 ID:xTyXoVc1O
>>629
「良かった、あとはこれの原因を解決すれば大丈夫だ」

ひとまず命を助けられて一安心。ここからは、自分達の領分だ。
何やら嫌な空気がする。邪悪というか、いかにもな雰囲気。
トンネルは、口を開けた蛇のような構造に変異していた。人喰いトンネル―――これを作り出したのは魔物の類か。
ならばこの先で待ち受けているのは、その主だろう。迷い込んだ人間を喰らおうとしているに違いない。

「……戦う準備をしておいた方が良さそうだ」

戦闘体勢は万全である。最深部目指して突き進む。
631 :上田美奈 :2015/04/01(水) 20:33:01.74 ID:Qr0tUtLJO
>>630
「え?」

【戦う準備を のあたりでミナの方から変な声】
【そっちを見たら、道路からお肉になってるあたりに、ペンデュラムをぶっさした所でした】
【……直接、攻撃しやがりましたわ、この子】
【そして、ぶっさして5秒後くらいに生トンネルがぶるった】

「おお?」

【例えていうなら、魚のほねが喉にささってげほげほってなった感じ】
【奥の方から、二人を吹き飛ばすのに十分な突風】
【風に巻き込まれるか、よじれる人喰いトンネルの中に残るかは割と任意】
【なお、ミナさんは外に飛ばされる方を選びます】
632 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/01(水) 20:37:16.48 ID:xfFFLfruo
夕日が沈み暗くなった頃の紫薔薇学園。生徒たちは下校を初め、校内には人気が少なくなっている。そんな中に、一人の挙動不審な少女が。場所は中等部の教室だ。

「やっぱりあのチビの身元は分からねぇか……」

教卓にある出席表を探るのは、兵馬一姫。高等部である彼女が、何故中等部の教室を探っているのかというと、ある中等部の少女について調べているからだ。

「確かにあいつ、変身前は紫薔薇の中等部の制服だったよな……」

その少女とは、魔法十二戦姫少女の一人フェデーレ。一姫は、以前彼女と戦い敗北したのだ。その彼女が、紫薔薇の制服を着用していたのを目撃していた一姫は、彼女の身元を探ろうと中等部の教室へ浸入したのだが……

「手がかりは無しか……いったい何者なんだよ、あいつら。そして、あいつらの言うエインフェリャルって奴は……」

手がかりはゼロ。渋々帰ろうと教卓から離れる。しかし、この時一姫は油断していたようで、自身の魔翌力が隠せていない。
633 :九条院永麗奈 [sagesaga]:2015/04/01(水) 20:41:01.36 ID:ustKPS5Qo
>>611

結界内を蹂躙する焔弾、しかし当然ながら此の圧倒的な攻撃にも欠点は存在する。
まず一つ、これだけ派手な攻撃を繰り出せばそれ相応の魔力量を持っていかれるということ――短時間ならばまだいいが、長時間続ければ当然ながら自滅する。
そして二つ目、あまりの威力に土煙、砂煙が上がるせいで、ほぼ全方位の視界が死ぬということ。
カーミラ同様、もはや永麗奈からカーミラは見えておらず、狙いはつけないのではなくつけれないと言ったほうが正しい。

(そろそろ倒せたかしら――――いや)

何かが来るという直感、魔弾掃射をやめた其の瞬間、複数の杭じみた刃が永麗奈を貫かんと襲いかかる。
防御魔法――――間に合わない。間に合わない上に、魔弾掃射によって魔力を消費しすぎたせいで、発動出来ない。
ガトリングで撃ち落とすなんて器用な真似が出来るワケもなく、彼女が取れる選択肢はたった一つだった。
回避、其れもたった一歩後ろに下がるだけという、あまりにお粗末かつ攻撃を総て受け止めるという彼女の流儀に反した行動しか許されない。
ならばいっそ防御なしだろうが総て喰らい尽くしてやる。首元から心臓にかけてをガトリングで覆い、急所だけを守って。
降り注ぐ刃を全身で受け止め、放置すれば間違いなく死ぬであろう血の量を流しながら――――。

「はっ――――やりますわねぇ。その根性としぶとさ、嫌いじゃないですわぁ」

魔弾が直撃し、荒い息を吐くカーミラの瞳には、普通では立っていられないであろうダメージを受けながらも、意地で立ち続ける永麗奈の姿が映るだろう。
膝をつくのは簡単だった。倒れ伏せるならばどれだけ楽だろう――――だが九条院永麗奈の挟持が、誇りが、絶対に其れを許さない。
屈するときは死ぬ時だ。だから彼女は鋼鉄の意志で立ち続け、泣きたいほど痛いにも関わらず無理矢理笑顔を作り上げ。
自分の勝ちだと言わんばかりに、カーミラを見下す――――ではなく、見つめる。

「とはいえその身体ではもう戦えないでしょう。戦えるかもしれないけれど、死ぬかもしれない」
「生憎、わたくしは人殺しになるつもりはありませんわ――――それに、面白い獲物を地獄に見逃すつもりも一切ありませんの」

相手がたとえ続けようとしても、永麗奈自身に此れ以上交戦を続けるつもりは無かった。
彼女はあくまで自分が最強であると証明することが戦いの目的であり、敵を殺すことが目的では無いのだ。
破滅的な戦い方はしているものの、彼女自身の性質が悪だという訳ではない――普通の女の子が、人死を望むはずもないだろう。
永麗奈は何処からか星のかけらを一つ取り出すと、其れをカーミラの方へと放り投げる。
永麗奈の願いは独力で達成してこそ意味がある。此のような物に頼るなどプライドが許さない。だから彼女にとって星のかけらなど、ただの使い捨ての回復アイテムでしかないのだ。

「それではごきげんよう――――わたくし、お腹が空いたから帰りますわ」
「此れに懲りなければ、またのご来校をお待ちしておりますの…………」
「お〜〜〜〜〜〜〜〜ほっほっほっほっほっほぉ!!!!」

持ち合わせの星のかけらは一つしか無かったらしく、傷を回復すること無く永麗奈はそのまま結界の外へと出て行ってしまうだろう。
声をかければ止まるかもしれないが、ばかみたいに大きな声で笑いながら去っていくため、余程大きな声で呼び止めなければ気づきもしないはずだ。
性格から戦い方まで、暴風のような女だが――――悪い人間では無いのだろう、最後の彼女の言葉に刺はなく、必要以上に見下したニュアンスも感じられなかった。
なお結界から出て変身を解いた直後、激痛で転げまわったのは言うまでもない。

//此方側からはこれで〆とさせて頂きます、時間が噛み合わずおまたせしてしまい本当に申し訳ございません……!
//とても楽しかったです、絡みありがとうございました!
634 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 20:42:12.22 ID:xTyXoVc1O
>>631
「………ん?」

ぐらぐらとトンネルが揺れる。美奈が刺したところは、地面ではなく肉。
それがどういう意味を持っているのか、つまり――――――

「……まさか、このトンネル自体が生きているっていうのか――――うわっ!」

続いて突風。まるでトンネルが意思を持っているかのように、内部に入って来た者を排除するかのようにそれは起こった。
人喰いトンネルとはまさしくその名の通り、人喰いトンネルという名の巨大な魔物だったという事だ。
そのまま風に巻き込まれ、美奈と一緒に吹き飛ばされていく。
635 :上田美奈 :2015/04/01(水) 20:50:36.35 ID:Qr0tUtLJO
>>634
【ぷぺっと吐き出された二人の魔法少女】
【ある意味、衝撃的すぎる体験だけど、その後の景色はもっとシュール】
【肉部分の侵食はとうとう入り口まで到達して、身をひねった“ソイツ”は
 山の中からズルズルと出てきました】
【RPGでサンドワームとか名前がついてそうな、ゴカイとかイソメとかの怪獣サイズ】
【とっさに空中に逃げたミナもこの大きさには唖然】
【魔法少女の敵でもここまでぐろいのは中々に珍しいかも】

『たしかに、トンネルの中がコレになってたら事故りますよね……』

【デカすぎて感覚麻痺ってるのか、魔法少女の念話もちょっと現実逃避混じり】
【100メートルはありそうなそのデカブツ相手に魔法少女二人で相手をしなければなりません】
【しかも、なんか口の奥が光ってるときたものです】
【頭を向けてるのはラウラの方】
【一拍遅れて、ミミズビィィィィムが飛んできますのでご注意ください】
636 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/01(水) 20:59:31.72 ID:b1Qdr3ZgO
>>632

 夕日が沈み暗くなったてきた夕焼け時、学園の生徒達は各々部活や委員会を終え帰宅する姿が伺える。
 そして中等部の生徒達もぞろぞろの帰宅をする中、ただ一人逆方向に足を進め帰宅の波に抗う女性がいた。
 黄金の瞳に輝かしい金色の長い髪、凛とした顔立ちの女性──私立紫薔薇学園の現生徒会長、四ノ宮亜久里だ。
 彼女の姿を見た中等部の生徒達は黄色い声をあげ歓喜の瞳で彼女を見ている。

「──────」

 当の亜久里は満更でも無いようで、若干のドヤ顔をしているが恥ずかしさもあるらしく少し顔が赤くなっている。
 不規則に揺れる髪すらも美々しく魅せる亜久里には学園内に熱狂的なファンクラブがあるほどてファン達からは様付け呼びや、学園名である紫薔薇様とも呼ばれている。

「ここかぁ────…………」

 亜久里が迷いの無い足を止めた場所は中等部のとある教室の前だった。
 亜久里は何時ものように生徒会活動を終え最後に行う日課の学園内の見回りをしていた際に中等部から魔翌力を感じたのだ。
 とりあえず誰がいるのか確認する為にドアのガラスから顔をヒョイと出し一姫の姿を確認する。

「んんーー?」(なにやってるんだあの子?)

 出席表を見る一姫の様子を見ながら何をしているのか模索する亜久里だが、ドアが邪魔で中々見えない。
 最終的にガラスに顔をくっ付けながら覗き出す始末。一姫がドアを確認すればアホ面した会長がいるだろう──。

/よろしくお願いしますー
637 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 21:02:19.61 ID:xTyXoVc1O
>>635
「うっ………」

そのまま吐き出された二人。自分達は魔物の体内にいたのだ。
そして、更に衝撃的な光景を目にする。トンネル"だった"ものが動いたのだ。その姿は、所謂ワームと呼ばれるものだった。
これから自分達はこのデカブツを相手にしなければならない。ちっぽけな二人で。

「魔物退治なんて、まるで本物の勇者みたいだな!」

口から発射されたビームを盾で防ぐ。衝撃で少し後方に下がるが、
それが終われば、疾走。ワームの胴体を斬りつけようとする。
しかし如何せん、相手が巨大すぎる。果たして効果はあるのかどうか―――
638 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 21:05:49.07 ID:xTyXoVc1O
/ご飯のため、次の返信は少々遅れます
639 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/01(水) 21:09:15.80 ID:ozlxav2bo

星のかけらの気配を追ってメリーが辿り着いたのは北瀬平戸商店街だった。
夕方には多くの主婦や学生で賑わうこの場所も、深夜となると人の気配は全く無い――はずだった。

「う、うそ……だよね?」

商店街の通りの真ん中に一人の少女が佇んでいた。
淡いブロンドの髪を腰元まで伸ばし、丈の長いゆったりとした青いワンピースを着ている。
そして、身長は僅か30cm程度しかない――小人だった。
まるで自分自身を鏡に映したかのような少女の存在をメリーは信じられなかった。

「あ……あ、あの! こ、こんばんわ……っ!」

この世界にメリー以外の小人はいない。
もしも彼女と同じサイズの人がいるとすれば、それはただの人形だ。

「……! そ、そっか、まずは自己紹介……ですよ、ね……!
 わたしはメリー・メルエット、です。あなたは……?」

勇気を出して必死に歩み寄るが少女は何も反応しない。
前髪に隠れた少女の目を覗き込んでみる。その青い瞳には何も映っていなかった。
――人形だった。
少女の正体なんて最初から分かり切っていたはずだった。だが、甘い期待を抱いてしまっていた。
もしかしたら自分と同じ状況に立たされた仲間がいるかもしれない、と。

メリーは人形の手に握られていた星のかけらを奪い取った。
探し続けていたかけらをやっと手に入れることが出来たというのに、メリーはとてつもない虚しさに襲われていた。
640 :上田美奈 :2015/04/01(水) 21:11:55.96 ID:Qr0tUtLJO
>>637
【ずばしゅ、と小気味よい音と共にどばっと体液(血液とは呼びたくない色)が!】
【一応痛みがあるのか、それとも生存本能なのか切り傷ができたワームがのたうち回り】
【……このサイズだと肉体自体が凶器としか思えませんね】
【質量の塊に巻き込まれないように要注意】

「勇者願望はないんですけどね。これを結界の外に出したら大騒ぎですよ、もう!」

【小型の誘導弾連発による援護射撃がミナから飛びます】
【上手いことラウラさんに誤射しないよう、きっちりコントロールができてる感じ】

「大技あるなら準備を! 時間は稼ぎますので!!」

【冷や汗たらたら。大ピンチではないけれども、防御ミスったら死にかねません、これ】
641 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/01(水) 21:18:38.67 ID:xfFFLfruo
>>636
「帰るか……」

小さく呟くと、ドアに近づき、それに手を掛ける。その時、ふと正面に目線を動かしてみれば、視界に入るのは亜久里の顔が。

「うおおっ!?だ、誰だ……?待てよ……どっかで見覚えが……」

それに驚き、しりもちをつくが、すぐに立ち上がり、その見覚えがある顔が誰だったかを考える。

「確か……生徒会長だったか?」

自信はあまり無いがこの学園の生徒会長だったと思う。一姫は自身のあまり良くない頭を使い、そう結論付ける。その後、一姫は考える。何故生徒会長が?もしや、何か悪事でも働いているとでも思われてしまったのだろうか?だとすれば大変だ。誤解を解かなくては。いや、一人の生徒の身元を探ろうとしているのは、理由があろうと悪事かも知れないが……

「え、えっとだな、これは……あれだ、別に誰かの個人情報を探ろうとしていた訳じゃなくて……」

一姫はドアを開け、言い訳を初めるが、嘘をつくのはあまり上手くは無い様子だ。挙動不審のままで、明らかに怪しい。
642 :結愛 [saga sage ]:2015/04/01(水) 21:25:10.76 ID:9gnOqQ/QO
>>639

【北瀬平戸の商店街】
【深夜の、人気の無い場所を進む、一人の姿】
【長い髪は白、服装もドレス風の白い洋服、そして肌まで色素の薄い白】
【表情は限りなく無表情で、白の中で眼だけは赤い少女】
【ある程度の知識がある人物ならば、きっとアルビノ体質だとわかるだろう】
【そんな少女が一人、道を歩く】

…………ここ?

【歩みに迷いは無く、辿り着いたのは通りの中心部】
【――星のかけらの放つ微弱な魔力、それを確かめるために、辿り着いた場所であった】
【そのまま、彼女は無言のまま辺りを見回す】
【既に閉まった店舗】
【生気を感じられない周囲】
【――静かだからこそ響く、微かな物音】

………だれ?

【そして、その物音の方を向けば】
【見えたのは、小さな影二つ】
【片方は、動いているようだが…】
【それにしてもサイズが……と、思いつつ】
【表情をほぼ変化させる事無く、声をかけた】
643 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/01(水) 21:40:50.36 ID:ozlxav2bo
>>642

伏せていた顔を上げると真っ赤な目がこちらを見つめていた。
その瞳の色が異様なほどに赤く感じるのは、少女の目以外の全てが白に染まっているからだろうか。
こんなにも白い人間は初めて見る。
あまりの珍しさにメリーはしばらくの間呆然としていたが、

「――え、あ、その……!?」

見知らぬ人間に声をかけられたという恐怖心が湧き上がってきた。
一歩二歩と後ずさりをし、白色の少女からぎこちない動きで距離を取っていく。

「わ、わたしは……怪しいものじゃない……です……!」

胸の前で指を絡ませて、声を裏返しながらも自分が怪しくないと主張した。
不安と恐怖で体を小刻みに震わせる小人など怪しいことこの上ないかもしれない。
644 :結愛 [sage saga ]:2015/04/01(水) 21:56:00.99 ID:9gnOqQ/QO

>>643

【小さい】
【凄い小さい】
【表情は相変わらず変わらないが、その内心は少しの興味で満たされていた】
【しかし、良く良く見れば、何故か怖がられてるような】

……大丈夫、怪しくない、うん
人間だったら怪しいけど君なら怪しくない、きっと、うん

【とりあえずはコミュニケーション】
【しかし、話す声までこちらはなんだか抑揚が無い感じであった】
【そしてここで近づく……という事はしない】
【下手に刺激するのは良くない、という事は分かるのだった】

ちなみに結愛も怪しくない、うん、普通

【代わりにこちらも自己主張】
【……きっと、第三者が見ていたら全力で否定するだろうが】
【そしてそのまま、何も無ければ小さな彼女を見つめてしまうだろう】
645 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/01(水) 22:12:16.12 ID:ozlxav2bo
>>644

「……!
 そ、そう! 怪しくない……怪しくないよ!」

首をぶんぶんと縦に振って全力で肯定する。
本当にこの場に第三者がいなくて良かった。
お互いに怪しくないと言い合う二人の姿は傍から見ればどのように映るだろうか。

「……っ」

無表情のまま見つめてくる結愛の視線に耐えられなかったのか、メリーは目を逸らした。
まじまじと見られていると何だか物凄く恥ずかしくなってくる。
心臓の音が嫌に大きく体の中で響いているのを感じる。
落ち着きを取り戻すことが出来ない。視線が何度も何度も宙を泳いだ。

「あ、の……もしかして、魔法少女……ですか?」

必死に相手の目を見ようと頑張りながら、メリーは問いかける。
最近、魔力を感知して魔法少女と一般人を見分けることが出来るようになってきていた。
結愛から僅かに感じられる魔力は間違いなく魔法少女のものだ。……多分。
彼女が敵か味方か分からない限り、安心することは出来なかった。
646 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/01(水) 22:17:08.55 ID:hLGvPl/u0
>>641

「ふぁのおほー」(注、あ、どうもー)

 ドア越しに目があった一姫に挨拶。
 もっとも何を言っているか分からないだろうが。

「────ぶぁはんふひふぇふぁ」(注、あパンツ見えた)

 尻餅をついた際にスカートの隙間から見えたパンツを見ながらおぉ、とよく分からない感動の声を上げる。

「まぁ、まぁ、皆まで言わさんな」

 何かを言おうとしている一姫を宥める様に且つ私は全て知っているぞ的な表情を浮かべながら開いたドアを通り一姫の前に立つ。

「ズバリ、貴女──魔法少女でしょ」

 自信満々に指をさしそう言う亜久里だが、一姫の言いたかったこととは全く別だろう。
647 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 22:18:03.47 ID:xTyXoVc1O
>>640
一応攻撃は効いている、らしい。
のたうち回るワームからうまく離れ、一旦後方に飛んで下がる。
美奈が援護射撃をして時間を稼いでくれている今がチャンス。
剣をかざすと、光輝き、オーラを纏い始める。

「――――デュランダル!!」

剣が強大な魔力を放っているのが美奈にも分かるだろう。
ラウラは大きく跳ぶ。人間では有り得ない高さ、それはワームの頭にまで達した。

「――――はぁッ!!」

大きく振りかぶり、振り下ろす。
それは、ワームを真っ二つに断とうとしていた。
648 :結愛 [saga sage ]:2015/04/01(水) 22:24:56.55 ID:9gnOqQ/QO

>>645

……うん、そう
この辺から何か感じたから、来た

【こちらは平静そのもの】
【というか、やはり表情に変化が乏しすぎるが】 
【対して相手はしばらく視線をそらしたり】
【なんかぷるぷる震えていた様子で】
【最終的に懸命に目を合わせて来た彼女に、簡潔に答える】

でも、もういい
回収されてるみたいだし、問題ない

【何が、とは言わないが】
【魔法少女同士なら、大抵は伝わるニュアンス】
【そしてまた、じっと見つめるが】

……そういえば、聞いたことがあった、うん
小人の噂、君がそれ?

【少し経つと、また口を開く】
【結愛は、知り合いから聞いた話―その知り合いも別の知り合いから聞いただけらしいが―を思い出したのだ】
【いわく、瀬平戸の小人の噂】
【確か、こんな感じだったような、と】
【かなり直球で、聞くのであった】
649 :上田美奈 :2015/04/01(水) 22:28:57.03 ID:Qr0tUtLJO
>>647
【大型の異形を叩き切れるだけの斬撃持ち!】
【火力に乏しいミナにとってはありがたい味方です】
【ならば、確実に当てれるようにするのがミナの役目】

「……合わせます」

【いつもは1個しか使わないペンデュラム】
【今回は大判振る舞い。魔翌力で構築した4つ。その全てを相手の拘束へ投入します】
【それでもこのサイズをバインドできるのはほんの数秒】
【だけど、この数秒で、この臨時の相方には十分すぎる時間稼ぎになる確信がありました】

「今!」

//
ダメージロール、お好きなだけぶちこんでください
650 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/01(水) 22:29:02.00 ID:xfFFLfruo
>>646
「え……な……ということはお前も……」

何とかして言い訳を考えようと、あたふたしていた一姫だったが、“魔法少女”その一言を聞くと様子が変わる。自身が魔法少女だとわかったということは、即ち相手も魔法少女である。そして、魔法少女と言えば一姫は、最近立て続けにボコられている。故に――

「……それで、なんだ?まさか……生徒会長とあろう者が、校内で戦おうなんて考えてねぇよな?」

警戒した様子で言う一姫。この態度の原因は勿論十二戦姫のことだが、以前の元生徒会長との一件もあるのだろう。もはや、一姫にとって学校は安心できる場所ではないのだから……
651 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 22:34:45.32 ID:xTyXoVc1O
>>649
「いっけぇ!!」

美奈がワームを拘束してくれたお陰で、安心して叩き込める。
ワームの頭のてっぺんから、真っ直ぐ、縦に剣を叩き込む。
そして、百メートル以上の高さから、ようやく地上に降りた時、ワームは真っ二つに別れる事だろう。
652 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/01(水) 22:42:51.63 ID:ozlxav2bo
>>648

「あ……ごめんなさい」

抱えもっている星のかけらに目を落とし、少し申し訳ない気持ちになる。
彼女もこのかけらを回収しにここに来たのだ。しかし、先にここに来たメリーが拾ってしまった。
魔法少女ならば力づくで奪い取ってもいいはずだが、それを結愛はしない。
つまり、彼女はメリーにとって敵ではないということだ。
ふぅ、と胸の中に詰まっていた息を大きく吐き出した。とりあえずは一安心してもいいだろう。

「え……う、噂……?」

自分のことが噂になっているなんて初めて知った。
だが噂されていても全くおかしくない。これまでに結構な人数に目撃されてしまっているのだから。

「えと、そうです……たぶん。
 ……わ、わたしの名前メリー・メルエット、です。結愛……さん?」

曖昧に肯定をするが、どう考えても自分のことだろうと確信する。
この世界に、この街に他に小人がいるとはやはり思えなかった。
まさか自分の名前まで噂になっているとは考えづらいため、遅くなったが自身の名を伝えた。
653 :上田美奈 :2015/04/01(水) 22:43:37.97 ID:Qr0tUtLJO
>>651
【両断されたワームの身体が地響きと共に崩れ落ち、そこからさらに虚空へ消えていきます】
【残されたのは星のかけらが2個。さすがにサイズ的に1個で維持は無理なラインでしたし、妥当な数でしょう】
【ちょうどいい具合に半分こできそうです】

「ふぅ、お疲れ様でした」

【ふわっと着地して、そのままぺたんと縁石に座り込み】
【一時的とはいえ、あれを拘束するのは消耗が大きかったようです】

「帰るのは、少し休憩してからですね」

【疲れた笑み。だけどやったぞーと誇らしげな笑み】
【片手をあげて、ハイタッチ待機】
654 :四ノ宮亜久里 [saga]:2015/04/01(水) 22:45:05.52 ID:hLGvPl/u0
>>650

「その通り!
 何を隠そう、この私立紫薔薇学園の生徒会長こと四ノ宮亜久里は魔法少女だったのだ──!」

 一姫のリアクションを見た刹那、黄金の玉座は自身の髪を手で払い鼻でフンスと息をしてまるで子供の様に高らかに明言した。そしていつ人が来ても可笑しくないこの中等部の教室。
 もしこの会話を聞かれたら後々面倒なことになると思った亜久里は一度指を鳴らした。すれば独りでにドアが閉められ鍵が掛かった。

「え?戦い?なんで?
 ────ハッ、まさか貴女悪いタイプの魔法少女!?」

 突然の言葉に驚く様子を見せた亜久里。
 どうやら戦う気は無い様だが、一姫が悪いタイプの魔法少女だった場合は問答無用で交戦するだろうが。
655 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 22:53:24.38 ID:xTyXoVc1O
>>653
「………ふぅ、終わったか」

さながら本物の勇者にでもなったかのよう。いや、しかし本当に自然に体が動いたのだ。
まるで以前、経験したかのように、当たり前のように動けたのだ。

(デジャヴというか、前世の記憶というか…まあ、良いけどね)


「あ、星のかけらだ…」

出てきたのは星のかけら二つ。ちょうど二人で分け合える数だ。図らずとも、これで願いに一歩近づいた事になる。

「ナイスサポートだったよ、ありがとう。君、名前は?」

笑顔を見せて、美奈とハイタッチ。
これにて、行方不明事件は解決し、ラウラの目的は果たされたのであった。
656 :上田美奈 :2015/04/01(水) 22:59:40.71 ID:Qr0tUtLJO
>>655
「ミナです。上田美奈。江風中の、今日から三年生ですね」

【ハイタッチから握手へ】
【ある程度回復したら、家までひとっ飛びです】
【ついでに結界のエリアをかなり絞りました】
【薄い壁の向こう側では救急車に運ばれてるさっきの家族】
【匿名の通報、ということになってるはずです】

「……あれを外に出さないためのループ結界でしたか。
 なかなかやりますね、あの子も」

【あれだけのケガで一晩を食われずにすごせたのも、
 家族がなんとか全員助かったのも、きっとあの子が魔法少女か、候補生だったから】
【どっちにしろ、たぶんもうなってしまったハズ】
657 :結愛 [sage saga ]:2015/04/01(水) 23:03:08.58 ID:9gnOqQ/QO

>>652

謝らないで、うん
結愛は、それほど必要ないから

【申し訳なさそうな様子に、一言】
【実際、結愛は落ちてれば拾う、程度の考えだった】
【他に必要な人物が居るなら、そちらに渡すのは当然の帰結である】

うん、噂……やっぱり、そうなんだ

【噂の小人と遭遇であった】
【表情にこそ出ないが、内心は少しだけ喜色を現す】
【……とある人物に自慢してやろうと、珍しく年相応な考えまで沸いてきたが、それはそれ】

……そう、君、メリーっていうんだ
結愛は、彩華木 結愛、宜しく

【そうして、相手が名乗ればこちらも名乗る】
【頭だけ、軽く下げる礼をするのだった】
【ちなみに、やはり表情に動きはなく】
【ついでに最初の位置から一歩も動いてなかった】
658 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/01(水) 23:06:50.22 ID:xfFFLfruo
>>654
(あ、こいつアホそ……じゃなかった、大丈夫そうな奴だ。)

亜久里の様子を見て、危険な奴では無さそうだと判断。若干失礼な事を思いつつも、悪い奴では無いと分かり、一安心。

「い、いやいや、あたしはそういうんじゃないって!!」

慌てて否定。誤解で戦いになるなんて回避したいところ。少なくとも、一姫は悪い魔法少女ではないのだから。自身でもそう思っている。

「しっかし、生徒会長まで魔法少女か……気を付けた方がいいかもな。この学校に、お前が言うような悪い魔法少女ってのも居るからさ。特にエインフェリャルがどうたらとか言ってる奴等には、気を付けた方がいい。あたしは二回もボコられたし……」

ギリと歯を食い縛り、悔しそうな表情で話す一姫。よほど、二回もの敗北が悔しかったのだろう。

「でさ、あたしが中等部の教室に来たのも、その中の一人の事を探るためなんだ。結局、無駄に終わったけどな……」

そして、包み隠さず全てを話す。もしかしたら、生徒会長が何か知っているかもしれない、そんな淡い希望を抱いて。
659 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/01(水) 23:18:08.58 ID:ozlxav2bo
>>657

「……魔法少女、なのに……?」

それほど必要がないという言葉にメリーは戸惑いの表情を見せた。
魔法少女は皆叶えたい願いのために血眼になってかけらを探していると思っていたが違うのだろうか。

「こ、こちらこそよろしくお願いします……!」

結愛の礼にメリーもぺこりとお辞儀を返した。
その瞬間、首の筋肉が嫌な音を立てた。

(く、首が痛い……っ!)

そろそろ後ろ首に溜まっていた痛みが限界に達しようとしていた。
それもそのはずだ。自分よりも何倍も大きな人間をずっと見上げ続けているのだから。

「ご、ごめんなさい結愛さん……。
 ちょっと飛んでもいい、ですか……?」

申し訳なさそうに言いながら、メリーは飛行魔法を発動させる。
地面から足が離れて体が宙に浮かび上がった。
ほどなくして結愛と目線が合う高さにまで上昇することが出来た。
真っ直ぐに彼女の目を見ると、やっぱりとても赤いと感じた。
660 :ラウラ=フォン=ベルク [saga]:2015/04/01(水) 23:19:57.05 ID:RUcmTFjiO
>>656
「ミナか。僕はラウラ=フォン=ベルク。ラウラと呼んでくれれば良いよ。黒百合学園の生徒だ」

ハイタッチからの握手。あとは、帰るだけだ。


「……そうか、あの子も魔法少女なんだ。きっと、大変だなこれから」

そして、あのループ空間を作っていたのはあの少女。
魔法少女となってしまった事が幸か不幸か、それは分からないが。


「あ、そうだ。一つだけ忠告しておくよ」

そうこうして、トンネルからひとっ飛びで町に帰ってくる。
さて、帰る前に、別れる前に最後に一つだけ忠告だ。
きっと、この子の未来にも関わる事かもしれない。本当に重要な事だ。

「―――黒百合の生徒会には気をつけろ。奴らは自分達以外の魔法少女を認めない、見境なく襲ってくる。
それだけだよ、それじゃあね」

まだ中学生、若い芽が摘まれないうちに警鐘を鳴らさねばならない。
きっと、黒百合は魔法少女達の脅威となり得るのだから。

それだけ伝えた後、ミナと別れる。星のかけらを手に入れた事は思わぬ収穫だった。

「――――未来は、我らが白百合の手に」

そうして、ラウラは夜道に消え行く。

/ではこれで〆で!
661 :結愛 [saga sage ]:2015/04/01(水) 23:33:29.21 ID:9gnOqQ/QO

>>659

…………魔法少女にも色々居るから、うん
特に最近は、ただただ襲いかかる事しか考えて無いのも居るみたいだから……うん、要注意

【戸惑う様子を見せたメリー】
【それに対しても、なかなか簡素に】
【しかし、とても大事な忠告をするのだった】
【本当に最近は、物騒というか殺伐極まりないのだからと、考えての言葉だ】

うん?……あぁ
大丈夫?

【メリーの様子の変化】
【何か痛そうな、というより首が気になるような仕草で思い当たった】
【そしてそのまま、彼女が自身の目線まで浮いてくれば】

……なに?

【何かついてるのだろうか】
【なんて少し検討違いな事を思いながらも】
【こちらはじーっと、視線を固定するのだった】
662 :上田美奈 :2015/04/01(水) 23:35:20.10 ID:Qr0tUtLJO
>>660
「すでに何度かやらかしましたけど。
 あぁ、反生徒会の方々でしたか」

【これはありがたや。ツテができました】
【ま、校外まで見境なく仕掛けてくるようなら、その時はドンパチしますよ】

「いや、そっちはそっちで危ない気が」

【って、もういないか】
【うん、もう少し休んだら帰ろう。そうしよう】

//
お疲れ様でしたっ
663 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/01(水) 23:36:17.70 ID:hLGvPl/u0
>>658

「あ、なんだ違うのかよかった〜」

 一姫の返答を聞いて胸に手を当てホッと安堵する。
 もし彼女が悪い類の魔法少女であったならばこの場で交戦し彼女を星のカケラの因果から救おうと考えていたがそうでなかった為、亜久里は安心したのか一姫に優しく微笑んだ。
 そして一歩二歩と足を運び一姫の横を通り過ぎるとそのまま近くにあった椅子へと腰を下ろし、一回大きく背伸びと欠伸をしながら涙によりボヤけた黄金の瞳で一姫を見つめた。

「え!?わた、私以外にも──じゃなくて………私と貴女以外にも学園(ウチ)に魔法少女いるの!?」

 瞳を大きく見開き勢い良く椅子から立ち上がり驚愕の表情を浮かべる。
 あまりに勢い良く立った所為で椅子は床へと倒れ、二人だけの教室に音を響かせた。
 バックの夕焼けが亜久里の姿を眩しく照らし黄金の髪と瞳のお陰か彼女からは紫薔薇の花言葉である気品さが醸し出されていたが同じく花言葉である玉座に座る者としての余裕は微塵も感じられ無いだろう。
 それは亜久里の性格や話し方の影響もあるがこの場に置いてはそれ以上にこの学園に他の魔法少女がいるという事実を知り動揺を隠せていない所為だろう──。

「えいん…ふぇりゃる……」

 初めて耳にした名前だった。
 転生者としての経験や先天的魔法少女でもある亜久里にとっても生まれて初めて聞いた魔法少女の名前だった。
 そしてその魔法少女に何かしら関係している魔法少女が潜んでいる──それどころか私立紫薔薇学園にも悪い魔法少女が在校している事実────。
 亜久里は先程までの雰囲気とは違い、悲しみや怒り、同情や偽善、様々な感情や考えを巡らせた険しい雰囲気を漂わせていた。その瞳は黄金の────。

「………その子の名前は?私は一応生徒会長だから名前さえ分かればその子がどのクラスにいるか分かる……はず。
 まだいるか分からないけど今から行けば教室にいるかもしれない!そしたらきっと話し合って……その子にも何か事情がある筈だから」

 亜久里は真面目な表情を浮かべながら一姫へと詰め寄った。
 その瞳は先を見据える様なモノでも無ければ、怒りに満ちた瞳でも悲しみに溢れた瞳でも無い──様々な感情が入り混じった真剣な瞳だった。


664 :一ノ宮 肇 [sage]:2015/04/01(水) 23:40:13.04 ID:5eSSfreQ0
夜の街、とうに暗き帳の降りた光と闇の中を疾走する白が一つ。
魔法少女だ。
追われるかのように背後を気にしながらも、しかし風が如し速度を以って景色を置き去りにし走る。

しばらく走り、川沿いまで来たところで自分の探査魔法に何もかからないことを確認した魔法少女は立ち止まる。
息を切らし近くの塀へと身を預け、空を仰いでは深いため息を吐いた。

「はぁ……っ、複数人での夜襲……
戦術としては見事ですけれど、生徒会のやることですの!?」

少女の正体は黒百合学院の生徒。
生徒会にも白百合にも属さぬ少女の姿は既に魔法少女としての変身を遂げており、軽鎧を纏う騎士のようであるがその口からは騎士とは思えぬ愚痴が漏れる。

「とにかく、少し休んでから自宅に向かいますわよ……
流石に自宅まで戻れば襲ってはこれないでしょうし……」

そう言うと熱を帯びた体を冷ますように塀にもたれかかったまま、静かに息を整え始めた。
665 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/01(水) 23:47:38.56 ID:ozlxav2bo
>>661

「う、うん! 大丈夫……っ」

こんなことで心配をかけさせてはいけないと、慌ただしく両手を横に振った。
自分の首のことなんかよりも結愛の忠告の方が重要だ。
やはりここまで襲われずに済んでいるのは運が良かっただけなのだろうか。
出会う魔法少女が皆優しい人だったから少し平和ボケしていたかもしれない。

「ええと……」

結愛の白い髪や紅い目について尋ねようとするも直前で口を閉じてしまった。
メリーはアルビノのことについて何も知らなかったが、その珍しさから何かの病気かもしれないと推測していた。
もしかしたら触れられたくないことかもしれない。初対面の相手には失礼な質問かもしれない。
そんな風に色々と駄目な方に考えてしまい、難しい表情で唸ってしまう。

「な……なんでもない、です」

散々悩んだ結果、訊ねないことに決めた。
えへへ、と誤魔化すように笑みを浮かべる。
666 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/02(木) 00:00:06.85 ID:nFkKy5kvo
>>663
「いや、いるって!て言うか、元生徒会長の奴も魔法少女なんだが、そいつのことも知らなかったのか?」

まさか魔法少女が、この学校に居ることすら知らなかったとは。と、驚く一姫。尤も、その一姫自身も最近まで学校内に魔法少女、それも悪い者が居るとは思っていなかった訳だが。

「え?いや、名前とかは分からねぇけど……確か、身長がこのくらいのチビで、最初は小学生かと思った。うちの妹と変わらないくらいだったし……で、髪の毛はグレーで後ろで縛ってたかな。これだけで、特定とかは……流石に無理か?」

フェデーレは自身の名を名乗ることはしなかったため、その名は分からない為、特徴を伝えることに。

「あとは……使う魔法は召喚系だったな。デカイ山羊だか羊だかを操ってた……と思う。」

使う魔法に関しては、微妙に自身が無さげに言う。それもその筈、一姫はすぐにやられてしまったため、腕しかまともな状態で見れていないのだ。

「……でもさ、話し合いで解決できるとは思えないな。あいつらは異常だよ。一つの目的しか見えてないって言うかさ。とにかく、普通じゃない。」

出会った戦姫少女。彼女は、恐ろしいまでに一つの目的――エインフェリャルの復活しか見えていなかった。そんな奴に話し合いなんて、通じるのだろうかと疑問に思う一姫。
667 :水無月 水月 :2015/04/02(木) 00:01:42.67 ID:khSj9Wvn0
>>664
たったった、たったった、と。学生の走りこみのようなリズムの足音が響く。
大して大きくもない音だが、現在は夜。さらに追われる身である一ノ宮の耳にはよく通るだろう。
その足音はだんだんと一ノ宮の元へ近づいていき

「だ、大丈夫ですか!
 何かに追われてるんですよね?」

一ノ宮の目の前に現れる、ジャージ姿の少女。
瞳はまん丸で幼げ、身体も小柄で小中学生ぐらいに見えるだろうか。
少女自身に魔翌力は感じられないが、肩からさげたスポーツバッグから魔翌力が見えるだろう。
少なくとも、魔法少女の存在を知る者であるのは確かだ。

きょろきょろと慌しく辺りを見渡し、

「敵は何ですか?魔獣ですか?
 私が来たからにはもう大丈夫ですよ!!」

なんて胸を張り、胸に手を当て自信満々に言い放つ。
……一応、助けになりたいということらしい。
668 :結愛 [sage saga ]:2015/04/02(木) 00:05:51.65 ID:c/mByGgNO

>>665

……そう?

【両手を振って大丈夫だと伝えてくるメリー】
【まぁ、本人が言うなら大丈夫か】
【と、考えて】

??
……なら、いいけど

【何やら悩んで考えて、唸っている様子】
【そのまま、やっぱり小さいなぁなんて考えつつじーっと眺めていたが】
【やがて、なんでもないと言われて、こちらが首を傾げる】

【彩華木 結愛、微妙に自身の存在感というか、珍しさとい物を把握できていなかった】
【ついでに、口数も少ないほうなので】
【話が一段落すると、またメリーをじーっと観察しはじめるのだが…どう思われるだろうか】
669 :一ノ宮 肇 [sage]:2015/04/02(木) 00:16:05.40 ID:WPssBb9Y0
>>667

普段であれば聞き逃しはしないであろう足音、
しかし完全に撒いたものと思い油断しきっていた肇は、空を仰いだままの体勢であり。
当然ながら少女の存在に気づかない。
そんな状態でいきなり、エクスクラメーションマークが付くほどの大きな声で話しかけられたならば──

「うひゃあああああっ!?
何事、何事ですの──!?」

条件反射、ほんのコンマ数秒で腰に下げたレイピアを構える肇。
だが、その切っ先にいる少女に敵意がないとわかるとそのレイピアを……納めなかった。



「私、厄介なことに魔法少女に追われる身ですの。
私に関わると痛い目を見ることになりますわよ?」

自分への親切心に対し、敵意を以って返す。
無論、心が痛まぬわけもないが仕方がない。
なにせ自分は追われる身。
自分に関わったせいで目の前の、小さな魔法少女……らしき人間が傷つくなどあってはならないのだ。
故に突き放す。

「あなたがどんな人間かは知りませんけれど、
無駄に敵を増やすのは望むところではないでしょう?」
670 :篠原 皐月 [sage saga]:2015/04/02(木) 00:18:12.52 ID:+BK3Y2I20
>>612

【太陽の一撃は、少女を血の海へと沈めた】
【着地とほぼ同時に、結界が消滅していく】
【残った星のかけらのみが、少女の死を物語っていた】

……………ハァ………。仕方ないけど、気分がいいものじゃないわね……。

【あの少女が、どのような経緯で狂気に囚われたのか、魔女には知る由もない】
【もし生まれ変わるのならば、今度はまともな道を歩んでほしい……】
【星のかけらを拾い上げ、しばしの間目を閉じ、そう祈った】

………帰ろ。

【そうして、変身を解いた魔女は結界があった場所へ背を向け、止めてあるはずの車へ…】

あ、あれ、車は?あたしの車は…まさか……!!

【背筋に走る、嫌な予感】
【それを肯定するかのように、ブオンと排気音】

『じゃあな、おばさん!この車ありがたくもらってくよー!』

【不良軍団を乗せた愛車は猛スピードで、幹線道路の方面へと走り去る】

【恩を仇で、返された】

……待てコラガキ共ぉぉぉ!!!

【再び変身し、絶叫と共に全力の飛行魔術でそのあとを追った】

【その後、一晩をかけどうにか取り戻したものの、「筋肉痛」とかなんとかで翌日の職場に彼女の姿はなかったとか…】

//数日のロールにお付き合いいただきありがとうございました。
//遅筆・駄文申し訳ありませんでした
671 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/02(木) 00:26:42.30 ID:RxjXRQTgo
>>668

「……ん……うぅ……」

再び自身に向けられ始めた視線に居心地が悪そうにする。
もう敵か味方で不安に思うことは無いのだが、こうもずっと見られ続けるとまた緊張してきてしまう。
元々メリーは人と接することが得意ではない。人からどう見られているか気になるため、注目されることも苦手である。

「あ……う……。
 ゆい、な……さん。その、あまり…………」

あまり見ないでほしい、と伝えることが出来なかった。
呼吸を荒げてしまって声を上手く発することが出来ない。
目はグルグルと渦を巻いて相手の顔がちゃんと見れない。
体の熱が頭に集中し、みるみるうちに耳まで赤く染まっていく。

「…………ご、ごめんなさい……っ!!」

ついに耐えきれなくなってメリーは裏返った声で叫んだ。
そして凄まじい速さで飛行し商店街の路地裏の方へと姿を消してしまった。
逃げた。もうこれ以上見つめられると頭がどうにかしてしまいそうだったのだ。
慌てて逃げたせいか、星のかけらが手から零れ落ちた。
かけらのことを考える余裕もなくなっていたようで、大事なかけらを取りに戻ることもしない。
結愛の前には物を言わぬ人形と、回収するはずのなかったかけらだけが転がっていた。

/すみませんそろそろ寝落ちしそうなので閉めさせてもらいます
/ロールありがとうございましたっ
672 :結愛 [saga sage ]:2015/04/02(木) 00:35:02.50 ID:c/mByGgNO

>>671

………………あ

【なんだかコミカル調に表情が変化したと思ったら】
【次の瞬間には、ピューンと鳴りそうな感じで飛んでいってしまった】
【しかも、せっかくの星のかけらまで落とした様子で】

…………導きがありますよう

【ぼそりと】
【そう、メリーが消えた方へと呟いた結愛は、落ちた星のかけらと】
【ついでに静かに佇む人形を拾うと】
【すーっと、自身も帰路に付くのであった】

/了解しました!
/こちらこそ楽しかったです!ありがとうございました!
673 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/02(木) 00:35:51.15 ID:m8BkU4o30
やはり夜の散歩は格別だな!
はーはっはっ!

【夜の公園】
【このような時間帯にはほとんどと言っていいほど来る人間はいない】
【そんな場所に少女の声が響き渡る】

最初はどうなるかと思ったがなんとか暮らせているな
もうここに永住しても良いんじゃないか?

【そんなことを言いながら少女ーーー血雨は歩いている】
【Tシャツには「世界征服」とでかでかと書かれていて見た者は血雨のセンスを疑うこと間違いなしだろう】
【そんなダサいTシャツを着て血雨は公園のベンチに腰掛ける】
【手には先ほど自動販売機で買ったリンゴジュースの缶が握られている】

お隣の田中さんには感謝しなくてはな
あの人のお陰で今の我があるようなものだ

【何故今お隣の住民に感謝するかは分からないがどうやら大分お世話になっているらしい】

【血雨はリンゴジュースのプルタブを開け一気に喉奥へと流し込む】
【口の中にはリンゴの風味が広がりあっという間に飲み終わってしまった】
【そのままゴミ箱へと空き缶を投げ見事に入れると血雨はベンチに寝っ転がってしまう】

空が綺麗だな……
星座探しでもするか

【そうしてしばらく空を眺めているうちに血雨は眠ってしまった】
【ベンチの上にダサいTシャツを着た幼女が寝っ転がり熟睡している】
【そんな様子を誰かが見たらどう思うだろうか】
674 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/02(木) 00:42:17.33 ID:dfHCo5v70
>>666

「はぁっ!?えっ、師匠も魔法少女なの!?──あ、口調が……オホン……えぇ!?元会長も魔法少女なのぉぉ!?」

 あまりの驚きに口調が変わった亜久里だが、実はこっちの口調が本物だったりする。
 そして何を隠そう前生徒会長東雲天子は亜久里の師匠である存在だったのだ。
 転生者の呪いを克服する為、私立紫薔薇学園の生徒会長だった天子に弟子入りをして心身共に鍛えられていた経験を持つが彼女が魔法少女だとは知らなかったようだ。

「あー………ん〜……髪の毛がグレーで小学生くらいの身長ねぇ……。確かそんな生徒いた気がするけど……流石にクラスまでは分からないわね」

 もう諦めたのか口調は直そうとしない。
 だが彼女の性格は嘘偽り無い正義感溢れる性格ゆえ口調が変わってもさして影響は無かったりする。
 倒れた椅子を起こして再び座ると、自分の眠る記憶の中から一姫の情報に該当する生徒を探し出す。
 これは師匠の教えらしく生徒会長たるもの学園の生徒の容姿程度は把握しなきゃいけないとのこと。
 ボンヤリとだが彼女のくれた情報に該当する生徒の存在を思い出したがやはり其れだけでは難しいか、なにか決定的な情報があれば展開するだろうが──。

「あー、魔法はパスパス。私今日初めて学園に他の魔法少女がいるって知ったのよ?魔法聞いて分かるわけ無いじゃない……でも羊とか召喚するなら案外動物好きだったりしてね」

 口調の所為でなんか適当さが浮き彫りになって来ているがそれも彼女の良いところなのだろう……か?
 しかし、一姫の魔法に関しての情報は亜久里にとってはあまり期待できるものでは無かった。使える魔法が分かってもクラスが分かるわけでは無いのだから。

「────私は別に話し合って解決しようなんて思ってないわよ。まぁ、確かに話して解決出来るならそれに越したことは無いけど……。私にとって話し合いはね、相手の意思を見極める為に必要な行動みたいなものなのよ。だってホラ、相手の意思が分からなきゃ救えるもんも救えないでしょ────ま、偽善とか自己満って言われたらそれまでなんだけどね。あ──ごめんごめん、なんの話しか分からないわよね。今のは忘れていいわ。とりあえず話し合って相手の意思を見極めるのは大切ってだけ」

 不意に何かを思い出すかの様な表情を浮かべる彼女からは何か悲しみに溢れた瞳が伺えるだろう。
 亜久里は道をそれた魔法少女も星のカケラに縛られる魔法少女も世間一般で悪と評される魔法少女も総じて救いたいと考えているゆえ、相手の意思を見極めることがなにより重要だと思っている。
 だから一姫の言った魔法少女とも話し合いが必要だと考えたのだ。

「ま、エインフェリアだかアインシュタインだか知らないけど私の平和な日常を壊そうとしたりする奴は総じて救済(物理)して更生(敗北)させるだけだけどね」

 しかし、亜久里はそんな魔法少女を救いたいと思う反面、自分の周りを脅かす存在は決して許さないという思考も持ち合わせている。しかし、そんな存在も救えばきっと平和になるとも思っている。
 ようは正義感が強いけど悪者は救いたいとか考えているタイプ。

675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/04/02(木) 00:44:03.70 ID:khSj9Wvn0
>>669
「わわわっ、その、ごめんなさい!
 うるさくすると不味かったですよね……」

慌ててぺこりと頭を下げるが、誤る声が既にうるさい。
どうも静かにする、と言う事が苦手なタイプの様だ。



「大丈夫です!
 僕は、その、魔法少女ですから!」

胸を張ったまま、自信満々に言い切った。答えになってないが。
突き刺さる視線がどれだけ鋭くとも、抜かれたままのレイピアが自分を向いていようと少女は態度を変えない。
ぐっと張られた平らな胸が、一ノ宮の向けた敵意を跳ね除けているようで。

「痛い目も、敵が増えるのも平気です!!
 そ、それであなたの力に慣れるなら!」

なんていっては見たが、臭い台詞だなと自分でも苦笑い。
随分な言い回しだが、本心からの言葉だと言うのはきっと伝わるはず。

初対面の相手にここまで言えるのかって、その答えは難しいことじゃない。
一つは自分は誰かのために戦う"魔法少女"だから。そして―――
――― 一ノ宮が少女を傷つけたくないのと同じぐらい、少女も一ノ宮の力になりたいと思っているのだ
676 :一ノ宮 肇 [sage]:2015/04/02(木) 01:00:29.49 ID:WPssBb9Y0
>>675

どうやら自分の狼狽具合が相手に気を使わせたらしく、
それが気に入らない肇は咳払いを一つ。

「こほん、それについては気にしていませんわ。
忘れるのがよろしくってよ?」

そう言いながらも切っ先は未だ少女を向いたままで。
魔法少女だと名乗った相手が自分に対して敵意を持っていないのは痛いほどわかっていた。
だがしかし、偶然通りがかっただけの相手を巻き込むことは肇の流儀に反していた。
とはいえこの相手は中々折れてはくれなさそうだとレイピアを鞘へと仕舞う。

「はぁ……あなたがとんでもないお人好しだというのはよーくわかりましたわ……
では正直に言わせていただきます」

そう言うとずかずかと詰め寄り、まるでレイピアの代わりだと言わんばかりに人差し指をぴんと立て、思いっきり振りかぶり少女へと向ければ

「私、自分の不始末を他人に押し付けるようなことしたくありませんの。
助けも必要ないですし、私としてもそちらのほうが動きやすいんですのよ?」

要は「その善意は迷惑だ」と突き放す、善意に対する最悪のカウンター。
笑顔のままそれを言ってのけた肇は、しかしその胸中に陰りを宿す。
相手の決意も相当なもの、だからこそこのくらいに強い言葉でなければ、傷つけなければ守れないのだと。
そう言い聞かせながら笑顔の仮面を纏い続ける。
677 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/02(木) 01:24:17.74 ID:nFkKy5kvo
>>674
「し、師匠!?お前の?……その、実を言うと、その元会長も良い……いや、なんでもない。」

実を言うと、良い魔法少女とは言い難い。そう言おうとしたが、話が反れそうなので、ひとまずは言わないでおくことにした。しかし、驚いた。あの元生徒会長の弟子だったとは。だが、その心の在り方は、師匠とは違うことに一安心する。

「やっぱり分かんねぇよな、それだけじゃ。あと、羊っつっても、でかくて可愛くなかったぞ。」

流石に情報が少なすぎたか。スマホで写真でも撮っておけばよかった、と後悔する一姫。そして、山羊に関しては思い違いが発生している模様。

「……成る程な、お前は救う為に戦ってるんだな。」

救える存在なら救いたい、と思う程度にはお人好しな一姫だが、それを戦いの目的に出来る程強くはなかった。

「いや、やらない善よりやる偽善だろ。て言うか、そこまでやるつもりだったら、それは偽善なんかじゃないと思うぞ。」

世の中には、崇高な考えを持つ奴もいるもんだなと、一姫は思う。この街には危険な奴等も居るが、それに対抗できる精神の持ち主もいる。
守る為に戦うと言った少女、自身の精神的成長のきっかけを作ってくれた少女、見ず知らずの自分を助けてくれた少女、そして目の前の救う為に戦う少女。この街には、これだけ揃っているのだ。

(ただ、あいつらが救われるってのは、どういう状態なんだろうな……)

それが気になった一姫は、密かに思う。魔法少女の力を失うことだろうか?魔法少女に関する記憶を消去することだろうか?それは本当の救いなのだろうか?

「エインフェリャルな」

とりあえず、それだけツッコミを入れた。
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/04/02(木) 01:27:22.70 ID:khSj9Wvn0
>>676
水無月 水月は鈍感な少女ではない。
痛い目を見ると警告してくれたのも、そこに巻き込みたくないという思いがあったからだと言う事をさっせる程度には。
きっと、自分が同じ立場だったとしたら自分もそういうだろう。自分のために誰かが傷つくなどあってはならない。
―――絶対に。

でも、そこまで理解できるからこそ力になりたい。放っておきたくない。
エゴだろうとか色々言われるかもしれない。だが譲る気はない。
守りたいなら強引さだって必要だ。

「そーですか。わかりました」

反っていた体が元に戻る。やっと諦めてくれた―――わけではない。
なぜか少女はにっこりと笑っていて

「じゃあ僕は、"勝手に"あなたの敵をやっつけます。
 それなら、文句はないですよね?」

一ノ宮の陰りを照らすような、やけに明るい笑顔。
笑顔とは通常、穏やかだとかそんなものを感じさせるのだろう。
しかし少女の笑顔からはどこか威圧感すらあり、"こいつはどうやっても揺れないんだろう"という雰囲気を纏っていた。

「という訳でですね、あなたの敵は私の敵になるかもですし……
 その敵の情報ぐらいは聞かせてもらえませんか?」
679 :四ノ宮亜久里 [saga]:2015/04/02(木) 01:41:35.91 ID:dfHCo5v70
>>677

「ベヨぜバブ的な?あ、アレはハエね。じゃあ、バフォメットみたいな?」

 JKが悪魔の名前を当たり前の様に知っている不思議!!
 とりあえず亜久里は最初普通の羊かと考えていたが一姫の言うデカくて可愛くないら点を考慮した結果その悪魔が浮かび上がった。

「ま、救うっていっても星のカケラに縛られてる魔法少女だけだけどねぇ。ほら、貴女が言うその魔法少女も悪い魔法少女じゃなくて星のカケラに囚われてるだけかもしれないし。そんな意味もこめて話し合って相手の意思を見極めるってことよ。まあ、それで私の平和を脅かすなら容赦しないけど」

 亜久里はそう言ってチラリと教室の時計を見た。
 二人が話し合ってからまだあまり時間は経っていない様子。つまり学園には恐らくまだ生徒達がいるだろう。
 ドアは閉めているがこの話が聞かれない保証が無いと思った亜久里は少しボリュームを下げて一姫の言葉にこう返した。

「ありがと。……まぁ、この話はお終い!」

 そして椅子から立ち上がり腰を曲げて、コリを和らげた。
 星のカケラに囚われてる魔法少女を救いたい反面それは自分の理念を押し付けてるだけかもしれないと時たま思う亜久里にとって一姫の言葉は大きな救いになっていた。

「エインフェリャルね、はいはい──そう言えば貴女時間平気なの?まだ大丈夫そうなら、私が力量見てあげようか?」

 冗談交じりの笑顔を浮かべながら自身の右肩に魔女の衣服を着た金色の猫を出現させる。
 其奴は亜久里が変身するに当たって必要なパートナー、通称「ウイッチちゃん」。
680 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/02(木) 02:08:34.20 ID:nFkKy5kvo
>>679
「バフォ……?なんだ、その融合して有翼幻獣になりそうなの?」

一姫は悪魔の名前などに詳しくは無いため、その名前にはピンとこない。なんか決闘者みたいなこと言ってるけど、心当たりはない。

「確かに、星のかけらには人の心を惑わす力があるもんな……」

俯き気味に返す一姫。一姫がこれまでに出合って来た魔法少女の中には、狂人と言っても差し支えがない者も居た。だが、彼女らがそうなったのはかけらのせいかもしれない。もしかしたら、先日の魔法十二戦姫少女達も……

「え?ああ、ちょうど力不足を感じていたんだ。是非頼みたい……ところなんだが。また今度にしてくれ。悪ぃな、ちょっと用事があってな、今日のところは帰らせて貰うよ。」

教室に掛けられていた時計を見て、そう言った。今日は久々に妹二那に会える日らしく、そろそろ帰らなくてはならないようだ。

「なんにせよ、学園のトップである生徒会長が良い奴でよかったよ。噂によれば黒百合の方の生徒会長は、ヤバい奴らしいし……それじゃあ、あたしは帰るよ。と、その前に――兵馬一姫だ。またなんかあったら、報告するよ。」

それだけを言い残すと、一姫は教室から出ていった。


/眠気がそろそろ限界ですので、〆でおねがいします
お疲れさま&遅くまで絡みありがとうございました!
681 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/02(木) 02:11:27.82 ID:mPYhJwH+0
>>673
【ばき、ボコ、すこ、どかっ!と寝ている少女の耳元で殴打音、不意に聞こえる】
【重い拳で人を殴る、そんな音だ。もしそれが少しでも気になって目を開くなら…】

「……………おらぁっ!」

【黒髪を揺らし女の後ろ姿】【街灯の明かりが焦点として照らす中での一コマ】
【ふくよかな男に馬乗りになり、今や止めの一撃と拳を気合と共に振り下ろす光景】

【が、少女の視界に飛び込むだろう】
682 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/02(木) 02:21:35.31 ID:m8BkU4o30
>>681
【隣から何やら音が聞こえる】
【誰かを殴っている音】
【音の先には男にマウントポジションを取り今にも止めを刺さんとしている女の姿】
【そんな音が聞こえる中血雨はーーー】

んんぅ……後五分……

【熟睡していた】
【しかも定番の寝言を言いながらだ】
【こんな中でも寝ていられるその図太い神経には最早感心すらしてしまう】

【がしかし狭いベンチの上】
【寝返りをうてば簡単に落ちてしまうだろう】

んんぅ……ふぎゃっ!?
……むにゃむにゃ……

【そして予想通り血雨は寝返りをうちベンチの上から地面へと落ちてしまう】
【がしかしやはり起きない】
【一体どれだけ熟睡しているのだろうか】

【落ちた時の音は賛花のところにも聞こえているだろう】
【もしその音がした方を賛花が見れば】
【そこにはベンチから落ちて尚も眠り続ける血雨の姿が映るだろう】
683 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/02(木) 02:39:01.36 ID:mPYhJwH+0
>>682
【――――止められなくてぼこりと、拳は振り下ろされる。男はびたりと動かなく】
【そして女は一仕事を終えたような爽やかな笑みで汗を拭う。ふぅと1人1人心地】

「…………あ、」

【ちらりと、女は落ちた少女へ視線を向けた】

「…げふん、おいちびっこ。風邪をひくぜ」

【音もなく近くにより、そっと少女の肩を揺らした女の声は優しくて、暖かい】
【起きれば目の前に飛び込むのはきつい目をした、頬とか拳と赤い血がついた女だ】
684 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/02(木) 02:51:17.93 ID:m8BkU4o30
>>683
んんぅ…?もう朝か…?

【賛花に肩を揺らされようやく目が醒める】
【どうやらまだ寝ぼけているらしく薄っすらと開いた瞳を手でこする】
【そして視界が良好になると目の前に居るのは返り血を浴びた賛花】

……え?
なんで貴様は血まみれなのだ?

【どうやら状況が理解出来ないらしく血雨は頭に?マークを浮かべる】
【まずは頭の整理】
【確かベンチに寝転がり星を眺めていた】
【そこから先が記憶が無い】
【どうやらこの辺りで寝てしまったようだ】

…えぇと……
貴様は…人間だよな?その血はどうしたのだ?

【まずはどうして血まみれなのかを賛花へと尋ねる】
【しかしもうその様子は冷静で眠気はもう無くなったようだ】
685 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/02(木) 02:59:52.43 ID:mPYhJwH+0
>>684

「あー………気にすんな、軽い運動」

【自分の頬をさらりと撫で、僅かに困った表情で】
【そして指をくの字に曲げれば、女は頬をぽりぽり掻いた】

「そう、軽い運動。別に変質者がハァハァ言ってたからぶん殴った訳じゃねぇさ」

【ちらりと、視線を奥へ。倒れた男、破壊されたカメラへ、そして再び少女へ】
【ふと、ニコリと笑顔を女は浮かべれば少女を立たせる様に促しながらこう、話す】

「ま、ここにいちゃ危ないぜ?はやく家に帰ってねるこったな」
686 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/02(木) 03:11:56.76 ID:m8BkU4o30
>>685

なるほど!
変質者退治をしていたということだな!
それはご苦労だった!

【奥に倒れている男とカメラを見て血雨は理解した】
【どうやらこの目の前の女が倒したらしい】
【そういえば先ほど人を殴るような音が聞こえたような気がする】

我の身の安全を心配せんで良い
我にはちゃんと自分を守る力があるからな

【そう言うと血雨は無い胸を張る】
【丁度胸のところに「世界征服」の文字があるのでなんだか見てるだけで面白い】

ん?
そういえば貴様はこんな夜中に何をしていたのだ?
よもや変質者を退治するためだけに出歩いていたわけではあるまい

【と本来ならば自分が聞かれてもおかしくない質問を賛花へとする】
【賛花の見た目はまだ若い】
【そんな人間がこんな時間帯に出歩くとは一体何をしているのか興味を持ったようだ】
687 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/02(木) 03:21:36.56 ID:mPYhJwH+0
>>686

「いやいや、まぁまぁ…で、出歩く理由……ねぇ?」

【月がとても綺麗だったから】

【そんな理由を話すのは女にしては少々恥ずかしく、さりとて変質者退治は嫌だ】
【むぅ、と僅かに眉を顰めれば女は少し言葉に詰まりて、……そして少し悪ふざけ】

【世界征服】【そんな文字が彼女の目に入っていた】

「世界征服……うん、そうだな」

「世界征服の土台ににちょっとここら辺の土地を支配するのに…こっそり見て回ってたのさ」
688 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/02(木) 03:34:53.27 ID:m8BkU4o30
>>687
なにっ!?
もしや同業者!?

【賛花の悪ふざけを真に受けたらしく血雨はかなり驚いている】
【まさか自分と同じ志を抱いている者が居るとは】
【なにやら仲間を見つけて嬉しいのか血雨はたちまち笑顔になる】

なるほど!
視察は確かに大事だな!

【尊敬の眼差しで賛花を見つめる】
【その目はとても爛々と輝いていてとても今の状況で違うとは言えないだろう】

我もここら辺はなかなか良い土地だと思っていたのだ!
やはり我の目は狂っていなかったということだな!

【この血雨の正体を知らなければただの子供の冗談か何かにしか聞こえない】
【しかし確かに血雨は征服する側の者なのだ】
689 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/02(木) 03:52:25.62 ID:mPYhJwH+0
>>688
【………女は微笑ましい、といった視線で少女を眺めて、もし大丈夫ならば】
【彼女の頭をポフりと撫でる事だろう、優しく、優しく、子猫をめでるように】

「あー、うん、いいぜ、ここはとてもいい土地だと思う」

「街は綺麗だしな。アホは多いが悪い奴は少ない。住みやすいいい街だ」

【あえて、少女の言葉に彼女は乗っていた。キラリと光るその期待の光】
【わざわざ曇らす事もあるまいて、…ただ
少々棒読み気味ではあるのだが】


「選んで正解だ、ちびっこ…しかし困ったな同業者が二人、つまり俺とかチビはライバルになるのか」
690 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/02(木) 04:08:25.53 ID:m8BkU4o30
>>689
た、確かに……
それは困った……

【どうやら多少の棒読みなど血雨は気にしない様子】
【それよりも賛花のライバルという言葉に悩んでいた】
【その様子は真剣そのもの】

それならどちらがたくさん征服できるか競争だ!
我と貴様!どちらがよりたくさん征服できるか楽しみだな!

【どうやら競争という話に血雨の中で纏まったらしい】
【あくまで争うという選択肢は無いようだ】
【そこらへんが血雨は侵略者には向いていないのだろう】

お互い頑張ろうでは……これは…?

【突如感じた魔翌力】
【この周りに魔翌力を扱う者が居るのだろうか】
【実を言うと血雨は魔法少女というものに会ったことは一度も無い】
【その存在自体は知っていたがどんなものかはまったく知らないのだ】
【しかしこの感じる魔翌力はどうやら魔法少女の物ではない】
【だとすれば答えはひとつーーー】

この世界の異形か…!

【血雨が異形と呼んだそれーークリーチャー】
【どうやら既に囲まれてしまっていたようだ】
【姿は見えず恐らく茂みや草むらに隠れているのだろう】
【いきなりのクリーチャーの襲来】
【血雨をただの子供だと思っている賛花はどうするーー】
691 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/02(木) 04:10:27.75 ID:mPYhJwH+0
>>690
/すいません、少し眠気が…!
凍結とか…大丈夫でしょうか?
692 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/02(木) 04:20:28.52 ID:m8BkU4o30
>>691
//了解です!
//ではおやすみなさい!
693 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/02(木) 19:14:55.25 ID:sMLyIUkwO
>>690
【同時に女もその気配を感じていた。刺さる様な視線に籠る殺意とじめりとした気配】
【同時に女は……少女のその声を聞く。関係者か?僅かに驚いた様に眉をピクリと動かし】

「囲まれてんのか……チッ、いつの間に」

「………まぁいい、とりあえず」

【考え込んだり時間は数秒程であった。相手が何者か。より優先するのは現状の打破】
【そう、指針を付けて女は静かに立ち上がる。立ち上がり、少女の耳元で囁くだろう】

「阿呆らしい事からはにげっぞ。担いでやるから慌てず、騒がず、暴れるなよ」

【ニカリと、明るく笑いながら】
【許可が降りれば少女を軽々と担ぎ、数秒後に公園の出口へ走り出すのだが…】

/凍結ありがとうございます!
/お返しさせていただきますね!
694 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/02(木) 20:10:08.49 ID:dfHCo5v70
>>680

「ん?あぁ、そう。まぁ……用事は大事だから仕方ないわね」

 一姫の言葉を聞いて残念そうに手を煽る。肩から現れた猫は再び消え、亜久里の長い髪をゆらりと揺らした。
 魔法少女としての力は時に日常に支障をきたす場合があるゆえ日常を大切にしたり優先することは難しかったりするが一姫はそうでないと分かって少し安心するのであった。

「ふぅん……黒百合ねぇ」

 帰り際に一姫の言った一言を聞いて此れから日常の周りが少し物騒になりそうだなと他人事みたいに思う亜久里であった。
 なお、後日天子に魔法少女だったのかと問いただしたところ否定されて混乱したのは別の話(注、天子は魔法少女としての力と記憶を失いました)

/ロールありがとうございました!
695 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/02(木) 20:36:27.75 ID:m8BkU4o30
>>693
むぅ……
確かに田中さんからもあまり危ないことはしないようにねと言われているしな……

【お隣のおばさんの言葉を思い出し考える】
【もし戦闘で傷などを負ったらとても心配されるだろう】
【あまりそういった迷惑は掛けたくない】

しかし逃げることぐらいは自分でできる
これでも魔王だからな!

【瞬間血雨の体に変化が現れる】
【頭からはアニメや漫画に出てくる悪魔の角が】
【背中には羽が生えてお尻からは尻尾まで生えている】
【さらに極めつけは肌の色】
【肌は青い肌色に変わり瞳の白眼の部分は黒く染まっている】
【その姿はまさにゲームなどに出てくる悪魔そのもの】

ほらどうだ!
驚いたか?これが我の真の姿だ!

【その場で高笑いをする血雨】
【本当に今の状況が分かっているのだろうか】
【背中の羽をパタパタとはためかせ、なぜかドヤ顔】
【どうやら性格はそのまんまのようである】
696 :パメラ [sage saga ]:2015/04/02(木) 22:18:05.73 ID:EZc9tLnKO

【夜、とある公園】
【通常、夜の公園と言えば人気が無いものだが】
【本日ばかりは、違っていた】

……はぁ…

【桜、咲く】
【公園いっぱいに咲いた桜は、そこだけ世界を塗り替えて】
【柔らかな桃色が、外灯に照らされて公園の空を覆っていた】

とりあえず人を集めなければ行けませんがぁ……勧誘って難しいんですよねぇ…

【そんな桜色の世界に、違う色が混ざる】
【長い銀の髪、紫のメイド服】
【特徴的な間延びした語尾は相変わらずだが】
【本日は、頭にかなりゴツい赤いヘッドホンを着けており】
【魔法少女、パメラ・レジエルは夜桜の花見に興じていた】
【――のだが】

さてさて、どうしましょうかぁ

【思うのは、自身が発案し、実行に移す事にした一つの構想】
【実現するためには、他の魔法少女との協力が不可欠であり】
【しかし、その「協力」に至るまでが曲者であった】

【パメラが考える、協力に至る道筋は二つ】
【メリットとデメリットを提示し、必要ならば報酬も提示する】
【とりあえず叩き合ってからの交渉(物理)】

【前者で行けば、楽】
【しかしパメラは、後者の選択もやぶさかではないと考える】
【基本、魔法少女というのは我が強いのが多く、ワンマンプレーヤーだ】
【そして、交渉というのは結局のところ、相手と自身が少なくとも対等だと思わせなければなかなか難しい】
【ならば、やることは一つで】
【単純に、実力で示せば良いのだ】
【その方が、お互いの力量を把握することも可能であり】
【何より、】

……そっちの方が慣れちゃってるんですよねぇ

【――夜空の下、桜咲く公園】
【もし、訪れる者が居るとすれば】
【それは、いったい、どのような人物だろうか……?】
697 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/02(木) 22:30:43.73 ID:dfHCo5v70

 休日の土曜日。 時を刻む時計の針は午後19時を指していた。 冬も終わり春到が到来した為この時間でも結構明るかったりする──といっても精々夕焼け程度だが。
 この時間になるとあらゆる家から美味しそうな良い香りが漂うのは定番。
 そんな香りが漂う家の中ではきっと家族団欒食卓を囲む平和な姿があるのだろう………

 ────がしかし!!
 そんな平和を打ち壊す恐ろしいヴァルハラがここに存在していた!!
 その名は………………………………



「スーパーヴァルハラ……」

 己が平和を手に掴むため他者を蹴落とし奈落へ追放し禁断の果実を手に入れる英雄達が集う聖地!!
 《家族の笑顔を見る為に他の人達より先にバーゲン品及び半額商品を手に入れる主婦達が集合するスーパー》

 「今日の目玉商品は……黒毛和牛のステーキ弁当490円……ホカホカのシュウマイ弁当210円……おにぎり一個50円……もやし15パック45円……その他諸々平均250円ですってぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 半額シールを貼らる前に配られたチラシを見ながらこそこそスタンバる生徒会値四ノ宮亜久里。
 その破格(おそらく)的な値段に驚きを隠せない様子。
 これは変身してでも買いたい、いやしちゃダメだけど。
 しかし、そうして迄この半額弁当や半額商品を手に入れたいのだ!!
 溢れる闘志により魔翌力は漏れているがいまは目先の商品ただそれだけよ!!

「でも、今日は凄い殺意を感じるわね……。 一体どんな猛者がいるのかしら? とりあえず私が勝つには仲間が必要ね……」

 半額シールが貼られる商品の周囲には殺気が嫌というほど漂っていた。
 魔法少女ではあるけど、この時ばかりは死を覚悟しましたね。(後日談)
698 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/02(木) 22:35:44.61 ID:nFkKy5kvo
>>696
そんな桜に目もくれず、一人何かをしている少女。

「せいっ!てやっ!」

紫薔薇学園の学校指定ジャージに身を包む、兵馬一姫は真剣な表情で木刀を振り回していた。

「次っ!ダッシュ50回!うおおおお!!」

(まだだ!こんなんじゃ、奴等には勝てねぇ!)

木刀を振るのを止めたかと思えば、次は走り出した。どうやら、彼女は修行中の様子だ。ここ最近、魔法十二戦姫少女に立て続けに敗北をし、己の力不足を感じていた一姫は、夜中に密かに特訓をし初めたのだ。

「はぁっ……はぁっ……少し……休むか……」

しかし、体力配分に問題があるのか疲れてしまう。少し休もうと街灯近くの自販機の元へ行き、ペットボトルの水を購入。

「ふぅ……ん?あれは……よう、先日ぶりだな。この前は助かったよ。」

水を口にし、一息つけば、この間助けてもらった少女の姿が視界に入った。この間の話の続きもしたいと思い、近づいていく。
699 :上田美奈 :2015/04/02(木) 22:45:37.33 ID:f/A1AvZ/O
>>697
【あまり裕福でなく週1とはいえ自炊がある身としては、半額戦争は逃れられない宿命である】
【が、いかんせん、肉弾戦になるととかく不向きなのがミナである】
【こうなると、魔法の無駄撃ちしてでも確保したい衝動に駆られるのだが】

「あー、これは同業者の気配」

【草色のエコバッグを下げた中学生としては踏み込むか踏み込まざるか】
【比較的狙いやすいもやし一本に絞る!】
【影の薄さをフルに利用して掠め取る姿を見た時、他の魔法少女は思うはずだ】
【あれ、魔法じゃね、と……】
700 :パメラ [saga sage ]:2015/04/02(木) 22:50:55.96 ID:EZc9tLnKO

>>698

……ん?

【ぶらり、ふらふら】
【桜を見ながら歩いていると、何やら人の気配】
【振り向けば、そこには見覚えのある少女が、一人】

……あ、こんばんはですねぇ

【そこでスッとヘッドホンを取れば】
【シャンシャンとポップな】
【しかしよくよく聞けば、若干電波気味な音楽が流れる】

えー……その後は大丈夫でしたかぁ?
……運動中、ですかぁ?

【スマホを取り出して、操作して曲を止めながら】
【聞くのはそんな事】
【……実は、かけられた声は半分も聞き取れてなかったが】
【何となく、ニュアンス的に掴もうとしながら返事を返す】
701 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/02(木) 22:53:10.26 ID:Yrb9Vd040

とある晴れの日。
県有数の広大な土地と、其れに相応しい荘厳な門構え。
名高い黒百合学院の前に、その場に相応しからぬ少女が独り居た。

「……遂に、きてしまった」

名を新野角武。何処に出しても恥ずかしい、一端のやんきぃである。
そんな不良がこの場に何用かと言えば、発端は数日前。出先で遭遇した先輩(のその後)を心配して、偵察に来たという理由。
記憶が確かなら、ファンシーな彼女はここの生徒会相手に喧嘩を売るような事を豪語していたのである。

しかし、ガラの悪さで有名な病葉高校、通称闇校の制服のまま、天下のお嬢様学校の周りを屯する訳にもいかない。
だが、新野には一つ苦肉の策があった。


「……、――――」

茶髪はヘアピンで留め、鞄は無地のスポーツバッグとテニスのラケットケース。
更に肝心の服装は、背中にkawakaze.jr.highと刺繍されたスポーツウェア。
やけに真新しく出来のいい一式は、どこからか強請り取ってきたのか。

「中学生用……着れてしま、うとは……」

袖丈もピッタリなジャージを着、ずーんと肩を落としぎみな茶髪の少女。
服装以外はあまり変わっていないが、それだけで強面のマスクも只の病弱少女アイテムに見えるようになった(気がする)。

「……まあ、これならバレない、よね」

意を決して、物陰から歩き始める。足取りは宛ら手持無沙汰な朝練帰りという体。
携帯で時刻を確認するふりをして、ちらりと横目で校門の中を窺う。
時刻はまだ午前。春休みという事で日中から行動できたが。幸いにして、例の先輩含め、見知った顔は無いようだった。
702 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/02(木) 22:56:29.14 ID:dfHCo5v70
>>699

「? あれ魔法じゃね?」

 正にそのまんまのリアクションを取る亜久里。
 黄金の瞳に映る自分より小さき少女は恐らく魔法少女であり半額商品を狙う二重同業者だろう。
 これは願ってもいないチャンスと踏んだ亜久里は美奈へとコンタクトを取るべく足を早め近付いた。

「ちょーと君いいかな? もしかして魔法少女だったりする? いやてかそうでしょ?」

 影の薄さを利用して身を潜めている美奈の背後に抜き足差し足忍び足で近付いたならばその華奢な体に掛けている可愛らしいエコバッグを掴みながら亜久里はそう言って干渉を試みた。

「私も魔法少女なんだけど、貴女半額商品狙ってるでしょ多分。私もだから良かったら組まない?」

 半額シールが貼られるまで時間は無い!
 刻一刻と迫り来るジハードに備えるべく仲間を増やし戦力増加を図る亜久里は、自身が魔法少女であると証明する為に、右肩から魔法少女にしか見えない魔女コスをした金色猫を召喚した。
703 :上田美奈 :2015/04/02(木) 23:06:18.58 ID:f/A1AvZ/O
>>702
【半分魔法。半分魔翌力を使わない個人技】
【見本にした作品のせいで、ミナちゃんの魔法は心象の反映度が高いのです】
【つまり、本人の影の薄さが無意識にブーストされてるという……】

「………あやや、漏れてましたか」

【時々これをやらかしてしまうのは困りもの】
【さて、それはそれとして、使い魔持ちは結構珍しいし、可愛いにゃあ】
【半額商品よりもすごく気になる、とても気になる】

「組むといいますか、本気でやるなら貼った直後に結界張ればいいのでは……
 アンフェアですけど」
704 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/02(木) 23:15:48.66 ID:nFkKy5kvo
>>700
「ああ、平気だ。星のかけらの回復効果は凄いからな。見ろよ、折れた歯まで再生してる。おまけに虫歯まで治ったし。」

そう言って、笑顔で自らの前歯を指差した。一姫の言う通り、先日までは酷い有り様だった前歯は、綺麗に再生している。虫歯一つない綺麗な歯だ。同じく折れた鼻の方も、傷一つ残っていない。

「ただ、その後また別の奴に負けちまってな……」

一転、笑顔から少し俯き気味の暗い顔となる。思い出すのは、二度めの敗北の記憶。

「そいつも、エインフェリャルがどうとか言ってた。なんて言うかよ、その時あたしはお前みたいに戦えなかったよ。」

命は助かったものの、十二戦姫を退けることは出来ず、襲われていた少女を助けることも叶わなかった。心底悔しかった。ここまで悔しかったのは、魔法少女になる前、病気の妹に対して何もしてやれなかった時以来だろう。

「実力不足だな、と思ったよ。だから、さっきまで運動っていうか、修行?してたんだけどさ……」

正直、手応えは感じなかった。こんなんで強くなれるのか?そんな疑問が消えなかった。

「やっぱりさ、誰か強い奴に鍛えて貰わなきゃ駄目だと思ったんだ。それで、その……」

今この場で会ったのも、何かの縁。そう思い、一姫は勢いにまかせ会話を進める。

「頼む!あたしの師匠になってくれ!!」

夜の公園に声が響く。一姫は頭を下げ頼み込んだ。
705 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/02(木) 23:23:48.02 ID:dfHCo5v70
>>703

「な、なに言っているの………」

 黄金の瞳に黄金の髪を持つ王座に君臨する生徒会会長四ノ宮亜久里。
 文武両道を熟し、魔法少女としとも成熟している彼女だが美奈の一言を聞いて酷く震えだした。
 それは宛ら母親に悪巧みがバレた子供の様で一歩、二歩と後退りさえした。
 更には肩の使い魔ウィッチちゃんもブルブルと震えている。

「い、いい? 見なさいあのおばさん。 彼女の名前は明久久住さん(47)って言ってね、最近この半額界隈を賑わす超大型ルーキーでね以前このヴァルハラで相対した時、知ったのだけど彼女魔法少女なのよ。 でも彼女は結界を使わない。 彼女はね、私達ハンガクラーは皆平等に半額商品を狙う権利がありそこに魔法少女の力を使うのはルールにそぐわないというスポーツマンシップの持ち主なの。そんな彼女を裏切るなんて……くっ!」

 亜久里が指差した場所にいるのは厚化粧で小太りなおっさん型おばあさんだった。
 そのおばさんが言うには正々堂々勝負しようぜってことらしいです。
 同じ魔法少女であり同じハンガクラーである彼女の意見は尊重すべきと考える亜久里。

因みにこのヴァルハラには一般人の猛者も沢山います。

「だから、私達が勝つには手を組むしかないわけ。貴女このヴァルハラは初めてでしょ?私みたいな経験者と手を組まないと……死ぬわよ」

 さぁ、どうする魔法少女美奈!?
 時間は刻一刻と迫り来るだけで止まりも待ってもくれない。そして遂に半額シールを手に持った店員が姿を現した。
 嵐の様に強く放たれた猛者達の殺気、威圧感は並みの魔法少女の魔翌力以上かもしれない!!
706 :上田美奈 :2015/04/02(木) 23:32:01.61 ID:f/A1AvZ/O
>>705
「んー、なるほど、強敵なのはわかりました。
 じゃあ、正面から挑むのはやめます」

【ひょいっと手にとったのは半額商品ではなく、250円の鶏もも肉でした】
【……早々に、戦線に立つのを諦めてしまったようです】
【普通に購入しても十分お得、という判断】
【この面白みのなさ……、無益な争いを避けるスタイルは日常まで徹底しているのでしょう】

「というか、あの40歳ボディの中でおしくらまんじゅうされてまで
 お弁当を半額にしなくてもいいかな、と思いました。
 病院代が上乗せされたら逆に高く付きそうです」

【死ぬわよなんて脅した結果がこれでした】

「唐翌揚げあげようと思いますけど、ご一緒します?」

【そして悪魔のトラップカウンター】
【半額弁当では決して実現できない『揚げたて』という提案であった】
707 :パメラ [sage saga ]:2015/04/02(木) 23:41:20.24 ID:EZc9tLnKO

>>704

あらぁ、それは良かったですよぉ

【最近の言葉に、笑みを返す】
【どうやら、しっかり立ち直っている様子】
【これなら、メンタル面での心配は無いだろう】
【しかし、続く言葉を聞き】

……もう一人、別の魔法少女、ですかぁ

【やはり、動きは活発化している】
【そして、彼女の顔を見る限り】
【本当に後悔しているのだろうと、ひしひしと伝わって来た】

……そうですねぇ

【更に続く言葉】
【それを聞き終えた時、パメラは目を閉じて、思案する】
【それは、時間にして五秒ほどだろうか】
【そのくらい、無言を通すが】

………私自身、色々な子を見てますから、それは構わないのですがぁ
一つだけ、確認させて下さいねぇ

貴女にとって、魔法少女とはどういう存在でしょうかぁ?
あ、難しく考えなくてもいいですからぁ

【再び口を開いた時、発した言葉は】
【簡潔で、大雑把ながら】
【兵馬一姫という、一人の魔法少女の在り方を問う様な一言であった】
708 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/02(木) 23:48:47.35 ID:dfHCo5v70
>>706

「えっ!?ちょっ!?」

 てっきり組んでくれると思っていた亜久里だが、美奈の消極的な態度を見て驚きを隠せない様子。
 特に半額商品でも無ければシールが貼られることも無い鳥モモ肉を掴む美奈の姿と商品に半額シールを貼り出す店員の姿を交互に見る。

「た、確かに……。よくよく考えたら今日は彼女以外にも初見殺しのバネッサや、アンニュイヴァーミリアン、ヴァルハラの使徒神楽、グレートザウルス・ポン・キタロー、その他名だたる英雄が集まっているしここで無謀をする必要は無いかもしれない……」

 美奈の判断を見て、自分も今回は見送ろうかと考え始める亜久里。
 因みにこのあげられた英雄達は皆んな一般人だ!
 まず、このヴァルハラのジハードに初めて参戦した無謀野郎を片っ端から蹴落とす武人、初見殺しのバネッサ!!
 そして、赤い髪はケチャップの色!いつも片手に長ネギを持つ夫人ヴァーミリアン!!
 さらにさらに、このヴァルハラのオーナーの元愛人、ヴァルハラの使徒神楽!!
 そして遂にはこの界隈の頂点に君臨する傍若無人の英霊、グレートザウルス・ポン・キタロー、通称ポンキッキ太郎!!
 こいつらは通称四神と言われる最強のハンガクラーなのだ!

「な!?から、から揚げですってぇぇッ!?」

 揺らぐ意思にトドメを刺す一言。
 稲妻が頭に落ちるような衝撃は、亜久里の思考回路をショートさせるには十分だった────。
 膝をつき美奈に敗北をした亜久里の姿は第三者から見れば馬鹿だろう。
709 :上田美奈 :2015/04/02(木) 23:55:56.09 ID:f/A1AvZ/O
>>708
【普通の材料ならともかく、半額弁当争奪戦をやる40代にはなりたくない byミナさん】
【ちょっと勝負してみたい気持ちがないわけではない】
【だが、この場合、勝負を挑む相手は彼らヴァルハラの英霊ではないのだ】

「さっきちらりと見えた唐翌揚げ弁当のお値段。あれに半額」

【すごく悪い顔になった】
【そう、彼女が挑むべき相手は英霊たちではない】
【このヴァルハラの館そのもの!】

「いいでしょう。揚げたて唐翌揚げでほぼ同価格帯を維持してみせましょう。
 あまつさえ、明日のお弁当も唐翌揚げでさらなるコストダウンを!」

【あ、ヘンナところに日がついたパターンですね、これ】
710 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/02(木) 23:58:26.72 ID:nFkKy5kvo
>>707
「……あたしにとっての魔法少女……?」

一姫はゆっくりと頭を上げる。そして、自身にとって魔法少女とはどんなものなのかを考える。その脳裏には、今まで出合って来た様々な魔法少女達の姿。

「魔法少女ってのは、素晴らしい力を持った奴等……かな。人を守り、人を救う。そんな力を持った奴等。」

人を守る為に戦う魔法少女。人を救う為に戦う魔法少女。思い出すのは、そんな崇高な考えを持った少女達。

「だけど……それだけじゃねぇ。人を守り、救うことが出来る反面、この力は人を傷つけ、殺めることも出来る……」

続いて思い出すのは、苦い記憶。人を傷つけ、殺した少女達。人が殺される瞬間など初めて見た一姫は、数日間眠れなくなってしまった程だ。そんな救う為、守る為に戦う少女達と、対極にあると思われる少女達。

「えっと……つまり、人を守り救う素晴らしい存在でありながら、人を傷つけ殺してしまう存在でもあって……って、しまった!これじゃ、答えになってないよな!?」

話が上手く纏まらず、一姫は頭を抱えて狼狽える。
711 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/03(金) 00:07:31.72 ID:ybh16ou60
>>709

「なっ──そんな無茶をしたら!?」

 顔を勢い良く上げる亜久里。その表情は物凄く大袈裟で、今にも魔法やら結界やら使って力強くで美奈を止めようとさえしそうだった。

「くっ……分かったわ。貴女の意気込みに免じて今回は貴女のジハードを見届ける。アドバイスよ、このヴァルハラを相手どるなら……ポンキッキ太郎には気を付けなさい」

 最早これは本当に聖戦なんでは無いかと思えるほど世界観が凄い。いや実際はただの半額商品争奪戦で、美奈がしようとしていることも結構セコい路線だったりする。

「それで、詳しい作戦とかあるの?てか、貴女何を考えているのか分かりやすく説明してほしいんだけど。このヴァルハラでチームワークは大切だから」

 あんな大袈裟していた割に美奈の真意を理解していない様子。既に半額商品周りでは猛者達が戦い出している。
 なお、ポンキッキ太郎以外の四神やおばさん魔法少女は早くも脱落した模様。
712 :上田美奈 :2015/04/03(金) 00:20:00.27 ID:Kjpj7XiQO
>>711
【そうと決まれば善は急げである】

「詳しい作戦もなにも、大量生産によるコストダウンですよ?
 単独では無理ですが、相方がいるなら可能になります。
 幸い、さっきゲットした鶏ももは、シール前でも並のスーパーより安いんですから!」

【他にいくつか必要なもの確保】
【亜久里ちゃん引っ張って、下宿へ帰宅ルートです】
【その後、彼女が見るのは、エプロンを付けて豹変したミナと
 明らかに5人分はあろうかという唐翌揚げの山と、ご飯とお味噌汁】
【上げる前に粉ではなくタレでもみ、一緒にネギもあげて油の香りを強化】
【残ったぶんはその場で折り詰めにして、唐翌揚げ弁当(下に敷くスパまで鶏肉換装済み)という暴挙】
【それでも食べきれなかった分は即時冷凍で、週の後半のお弁当用】
【お皿の上に唐翌揚げ山を作り上げた時の達成感あふれる顔は、後世に残せるものとなります】

「……むー、素の値段には勝てても、半額には届かなかったかぁ」

【食いながらレシート見てつぶやいたセリフがこれである】
【なお、唐翌揚げ弁当(半額に非ず)程度の現金を最後に要求されます】
【唐翌揚げ定食+唐翌揚げ弁当(翌日分)と見れば十分に安いけどね】

//
明日早いので、ちょっと強引にシメます
お疲れ様でした
713 :パメラ [saga sage ]:2015/04/03(金) 00:22:28.67 ID:jxIYrHJsO

>>710

うふふ……そうですかぁ

【考え、悩み、狼狽える様子だが】
【それでもまた、良いとパメラは思う】
【曖昧な答えでは無く、真剣に悩んでいるのだから】

今はまだ、ぼやけているようですがぁ……
ですが、貴女ならきっと、自身がなりたい魔法少女を見つけられると思いますよぉ?

【そして頭を抱える一姫に、優しく語りだす】
【彼女の狼狽を、解すように】
【少し前の、本当に後悔しているような様子】
【そして、多少勢いはあるだろうが、自分から進んでいく気持ち】
【今はこれだけあれば、充分】
【それから先は、これから探せばいいのだから】
【そう、パメラは考えて】

さてさて……それでは、これからお願いしますねぇ
……かなりスパルタって言われますがぁ

【そうして、片手を差し出せば】
【表情は、笑みを浮かべながらウィンク1つ】
【それは、パメラは申し出を受ける、という事であった】
714 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/03(金) 00:29:30.43 ID:ybh16ou60
>>712

「えっ──ちょ、えっ!?」

 美奈に引っ張られ流れる様に場面転換。
 最初のえ、で美奈に引っ張られ、次のちょ、で変貌した美奈の姿。最後のえっ、で目の前に広がる五人分の食事。
 状況が理解出来ない亜久里だが、目の前の食事から漂う良い香りと達成感溢れる表情を浮かべる美奈を見て、最早そんなことどうでも良いかと思うのであった。

「…………私より上手」

 明らかに年下の美奈に自身の味が負けたと思い勝手に敗北した亜久里。
 なお、この後請求されたお金はキチンと払ったがその表情は満足気だったりする。

余談だが半額商品争奪戦に勝ち残ったのは名前ま無いモブでしたとさ。

/ロールありがとうございました!
おやすみなさいっ
715 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/03(金) 00:34:17.00 ID:sCqzdY04o
>>713
「…………」

もしかしたら、断られるかもしれない。答えを上手く出せなかった一姫は、そう考えたが

「い、いいのか……じゃ、じゃあ、これからよろしくお願いします!えっと、し、師匠!」

返ってきた言葉は、一姫の望んでいたものだった。それに喜びを示し、再び頭を勢いよく下げた。

「う、スパルタ……い、いや、それくらいじゃないとあいつらには勝てない!ビシビシ鍛えてくれ師匠!」

スパルタと聞き、少し怖じ気づいた表情を見せる。だが、その表情もすぐに変わり、やる気の溢れんばかりのものとなった。一姫は、ちょっとやそっとのことで怖じ気づいてはいられないのだ。大切なものを守る為に力が必要なのだから。
716 :パメラ [sage saga ]:2015/04/03(金) 00:52:19.03 ID:jxIYrHJsO

>>715

師匠、師匠ですかぁ……あ、というか名前知りませんでしたねぇ
私はパメラ、パメラ・レジエルって言いますねぇ
魔法少女ですが、とれみぃっていうカフェの店主もしてますよぉ

【師匠という響きがなんだか新鮮だったが】
【ここに来て、そういえば前は本当に一言二言だけの会話だったので】
【まだ、相手の名前を知らない事に気付く】
【そうして、自己紹介もするのだが】
【出てきた名前のカフェは、前回パメラが彼女を運び込んだ場所であり、覚えているだろうか?】

うふふ……わかりましたぁ
……とりあえず、万が一に備えて星のかけらは1つは確保しておいて下さいねぇ
 
【さらりと言うが】
【つまりは、もしかすると星のかけらが必要になるレベルという事】 
【まぁ、本人としても『半分は』冗談である】

さて、それではですがぁ…
……早速始めてみますかぁ……なんて、うふふ…

【と、ここでそんな事を聞いてみる】
【まるで軽く遊びに誘うような感じで】
【特に断っても問題ないと思うレベルだ】
717 :兵馬 一姫 [sage]:2015/04/03(金) 01:08:46.81 ID:sCqzdY04o
>>716
「兵馬一姫だ。よろしく頼むよ、パメラ師匠。カフェ……ああ、あそこか。へぇ、あたしと変わらないくらいの年っぽいのに店主かぁ。」

自身が運ばれた場所。民家ではなく、何らかの店内だとは理解していたがカフェだとは知らなかった様子。だが、その場所などはしっかり覚えている。そして、店主と聞き、師匠は凄いなぁなんて思ったり

「かけらを……?あ、ああ、分かった。」

またもや若干怖じ気づく。つまりはかけらが必要になる事態に陥る可能性があるということ。しかし、その決心は揺るがない。そして、幸いにも今手元にはかけらが一つある。

「……善は急げって言うしな……よろしくお願いする。」

善は急げ。敵はいつ迫り来るか分からない。魔法十二戦姫少女の中には、一姫と同じ紫薔薇学園に通う者も確認されているのだから。
どんな厳しい修行になるのだろうか?少し不安に思いつつも、強い意思で返事をした。

718 :パメラ [saga sage ]:2015/04/03(金) 01:21:42.93 ID:jxIYrHJsO

>>717

ん、やる気ですねぇ……なら、しましょうかぁ
…………あ、すいませんが結界はお願いできますかぁ?
結界と治癒だけはどうにも苦手なんですよぉ……本当に何故か…

【うんうんと、頷きながら感心】
【続いて、早速という雰囲気だったが】
【ここで少し、目線をそらしながら1つ頼み事】
【誰にでも苦手がある、という事であった】

【そして、一姫が結界を展開したならば】
【パメラは、魔方陣を展開して】
【その内側から、自立浮遊するメカニカルなランス――スピカを取り出して】
【まずは、先にどうぞ、なんて言いながら先手を促すだろう】
719 :兵馬 一姫 [sage]:2015/04/03(金) 01:32:34.12 ID:sCqzdY04o
>>718
「OK、結界を張るよ。大きさは公園一帯でいいよな。」

そう言うと、公園一帯に結界を張る。少し広すぎたかなとは思うが、狭さを生かした策が何かある場合でもなければ、広くても問題ないのでそのまま展開。

「よっし!まずはあたしの実力を見てくれよ!師匠!」

結界を張り終えたら、次は変身だ。一姫の身体が光に包まれ、ジャージ姿から、中華風の鎧姿へと変化した。そして、足元に魔法陣を展開。その魔法陣から青龍刀を取り出した。

「うおおおお!」

そして、それを構え、一直線に走り出した。ちなみに、一応は峰打ちの構えだ。そう簡単に当たるとは思っていないが。
720 :パメラ [sage saga ]:2015/04/03(金) 01:47:43.16 ID:jxIYrHJsO


>>719

【展開される結界】
【そして始まる1つの試合】
【まずは1つ、相手の出方をみて】

では、始めましょうかぁ

【開幕と同時】
【一姫が青龍刀を取り出して突撃してくる】
【真っ先に近接戦に持ち込もうとするとなると、純粋な近接型だろうか?】
【等と考え】

遠慮は……要りませんよぉ…!
『シューティングスター』セット

【まずは迎え撃つ】
【魔法名と共に生み出すのは、三つの光弾】
【それを接近しきる前に放ち、様子を見る】
721 :兵馬 一姫 [sage]:2015/04/03(金) 02:04:30.03 ID:sCqzdY04o
>>720
「はあっ!」

迫り来る三つの光弾。そのうちの一つを持っていた青龍刀で弾く。残りの二つも弾いてやろうと、刀を振るおうとするが、大振りの青龍刀では間に合わず、直撃する。それにより、吹き飛び、再び距離が空いてしまう。

「くっ……!流石に簡単に接近できねぇよな。だけどな、師匠!あたしは接近戦だけじゃない!」

得意なのは接近戦。だが、一姫は遠距離攻撃も持ち合わせている。炎、氷、雷、三つの属性魔法。それぞれが強力というわけではないが、三つ使えるというところに強みがある。これにより、戦術の幅がグンと広がるのだ。
一姫が今回使うのは、雷。その属性を青龍刀に付与した。

「ホントに遠慮なしでいく!雷龍の怒り!」

師と弟子の真剣な手合わせ。そこに遠慮なんていらない。何より、師匠の実力を信じている一姫は、青龍刀の尖端をパメラに向けると、遠慮なしの必殺技雷龍の怒り――即ち電撃を放つ。
722 :パメラ [saga sage ]:2015/04/03(金) 02:26:31.66 ID:jxIYrHJsO

>>720

……来ますかぁ

【空けられた間】
【しかし、次に来るのは遠距離技】
【それも、感じる力から、かなりの一撃】
【受けるか、それとも――】

……『フォトンブレイザー』セット!

【選んだのは…………真っ向勝負】
【使うのは、こちらも高威力の魔法であり】
【掴んでいたランスは強く光り、魔力を放つ】
【そして、迫り来る雷撃に対し】

……ッ!

【一閃】
【叩きつけるように放たれた、太いレーザーの光刃と】
【必殺の威力を孕んだ雷撃は一瞬せめぎ合い】
【――爆発】

……なかなかの一撃、ですねぇ……
『ライトニングライト』セット!

【爆発の余波】
【その影響で、パメラの体をかすり、傷を付けるが】
【構わず、巻き上がった土煙の向こう側、一姫の方角に向かって細いレーザーを4つ放つ】
【威力はさほど高くなく、狙いはあまり定まっていないが、どうなるだろうか?】
723 :兵馬 一姫 [sage]:2015/04/03(金) 02:50:01.75 ID:sCqzdY04o
>>722
「ぐおっ!?」

爆風により仰け反るも、すぐに体勢を立て直す。そして、さらなる攻撃の準備をしようとするが

「くっ、これじゃあ、見えねぇな……」

土煙のせいで視界が悪く、相手の位置を大まかにしか把握できない。だが、それは師匠も同じ。そう考えた一姫には、次の攻撃の狙いが甘いことが予測できた。とは言え、避けられるかは別問題。四つのレーザーのうち、三つはなんとか回避するも、一つが肩をかすめる。

「ぐあっ……く……やっぱ強ぇな。」

さてどうするか、と一姫は考えを巡らす。接近は困難で、遠距離攻撃は相殺されてしまう。周囲を見渡し、作戦を考えようとするも、何も出てこない。

「うーん……どうやら、ここまでみたいだ。」

ここらでギブアップするべきだろう。そう判断し青龍刀を放り投げ、両手を上げた。

「他にも盾と手槍を召喚出来るんだけど、この場合ちょっと役立てられなさそうだしな。」

もうちょっといい線いけるかな、と思っていたらしく、少し悔しそうな表情で言った。
724 :パメラ [sage saga ]:2015/04/03(金) 03:14:42.13 ID:jxIYrHJsO

>>723

……今回はこのくらい、ですかねぇ
んー……

【煙が止んで】
【見えたのは、降参ポーズの一姫】
【とりあえずは、最初だからこちらも止めで同意する】

いえいえ、最後のは良い一撃でしたよぉ?

【悔しそうな一姫に、素直に思った事を告げる】
【あの威力を出せるなら、火力面はそれほど問題はなさそうだが】
【次いで、少し考えて】

そうですねぇ……現時点で言えるとするならぁ……
出来れば、小技も混ぜて攻撃を絶やさない事、でしょうかぁ
一姫さんは、近接戦が得意な様子ですからぁ
威力は低くても、連射できる魔法があるならそれを使いながら距離を詰めるのが良いかと思いますよぉ

【このアドバイスは、パメラ自身もよく使う方法】
【とにかく攻撃を繋げて、絶やさず、相手の行動を邪魔し続ける】
【それだけで、相手からすると対応する手間が増える】
【つまり、付け入る隙が増える、という事だった】

攻撃は最大の防御とも言いますからねぇ
あとは……盾が使えるなら、何か加速手段を併せて突進するのも手かと思いますよぉ
一姫さんの場合、きっと自分の得意な距離に持ち込めるまでが勝負かなと思いますねぇ

……まぁ、飽くまで私から見た印象ですので、参考までにですよぉ

【ちょっと偉そうな感じになってしまいましたぁ……】
【と、最後に少し謝りながらも、パメラは励ますように伝えたのだった】
725 :兵馬 一姫 [sage]:2015/04/03(金) 03:37:27.19 ID:sCqzdY04o
>>724
「成る程、小技かぁ。確かに、あたしは一撃の威力に頼ってばっかだったな。それで自分の得意な間合いに持ち込むってことか。」

結果を解除し、変身も解いた一姫は、いつの間にかペンと小型のノートを取り出し、言われたことをきちんとメモしていた。

「あー、その発想があったか!盾を突撃にねぇ……メモメモっと……加速手段は……」

(……炎魔法でブースターとか?)

思えば今まで無理に遠距離で戦うこともあった。一姫は、こちらもしっかりメモをとり、そのノートを大切に懐にしまった。

「謝るなよ。師匠のアドバイスは的確だと思うし。……と、もうこんな時間か、悪い師匠。そろそろ帰らないと家族が心配するから。それじゃ、今日はありがとな。また、頼むよ!」

公園に設置された時計を見て、少し慌てた様子で言う。そして、礼の言葉を告げると手を降り、早足に帰っていった。


/時間がそろそろヤバいので、ここで〆でお願いします。
遅くまで絡みありがとうございました!
726 :パメラ [saga sage ]:2015/04/03(金) 04:04:47.16 ID:jxIYrHJsO

>>725

そう、言って頂けると嬉しいですよぉ
……あー、確かに、もう時間もアレですねぇ
あ、なら時間が空いた時にでもまた店にいらしてくださいねぇ…他にも色々と、話したいこともありますからぁ

【一姫に釣られて時間をみれば、確かにもう遅い時間】
【最後に伝えるべき事を伝えて、一姫を見送れば】

…真っ直ぐな方ですねぇ……なんだか色々思い出しますよぉ…

……んー…それにしても、この短期間で二人も、ですかぁ
ちょっと、急いだ方が良いかもしれないですねぇ…

【思ったのは、一姫に対しての率直な感想】
【しかし、次には既に新たな情報について考えを巡らせる】
【この調子では、また何処かで何かが起きても不思議ではない】
【そうなる前に、なんとか流れだけでも作っておきたいと更に考えながら】
【パメラも一人、公園から出るだろう】

/わかりました、こちらこそ遅くまでありがとうございました!
727 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/03(金) 12:33:32.18 ID:xzM9jYwJ0
>>695

「………か、か、」

【肉体変化、人間の姿から表した正体。羽、尾、瞳、色それは人外の物であった】
【一言で述べるなら悪魔、だろうか。目の前の現実に女は今度こそ驚いた様に、声を】

【あげない、自分の口を塞ぎ、そして高笑いを浮かべる彼女の口も塞ぐ】

「かっこいいとは言ってやりたいが……今はちと黙れ、な?」

【彼女達を囲む魔物の気配がより濃くなって来るのを感じる】
【彼らの静かな唸り声が鼓膜を揺らす。女は僅かに緊張した様子で言った】


/すいません、昨夜は少し体調をくずしてしまい…-
728 :一ノ宮 肇 [sage]:2015/04/03(金) 13:25:20.70 ID:2kR6lCAn0
>>678

──相手は自分と同じもしくはそれ以上の頑固さを持つ人間だと肇は思い知らされた。
それでいて困っている人、今回の場合は肇を放っておけないとんだお人好しでもある。
そういったお人好しが肇は嫌いではない、というよりむしろ好ましいとすら思っている。
だからこそ、巻き込むわけにはいかないのだが……

「あー、そうでございますのね。
ならば勝手になさってくださいまし、私知りませんことよ」

わざとらしくそっぽを向き、そのまま反対方向へ歩き出そうと足を動かす、
だが急に何かを思い出したような、そんな演技を続けながら意地の悪い顔で肇は続ける。

「これは独り言なので貴方には関係のない話ですけれど、
私には追っている敵と追われている敵がいますの。
どっちも詳しいことはわかってないですけれど、魔法少女であることは確かですわ」

そう言って横に伸ばした腕の先、握った拳から人差し指だけを開放する。

「私が追っているのは「魔法十二戦姫少女」という組織。
なんでもエインフェリャルとかいう魔法少女の復活の為には手段を選ばないとか
私、そういう魔法を使った悪事が許せませんの」

もう一本、中指をピンと伸ばしながら

「私が追われているのら「黒百合学院生徒会」という組織。
生徒会長は自分の認める人間以外が魔法少女をやっているのが気に入らないらしいですわ。
まぁ別に学院の魔法少女同士でやっている分には構わないのですけれど、
私を巻き込むのはまっぴら御免だと言ったら先ほどの通り排除されかけまして」

ため息と共に呆れるように首を振ってみせる。
私情の大いに含まれた情報だし正確なものでもないが、しかしそれが知りうる全てだ。

/すみません遅くなりました!
729 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/03(金) 17:29:10.62 ID:iDFWEJrzO
>>727

これならこんな奴らなど…うぐっ!?

【意気込もうとしたところを賛花が口を塞いでしまう】
【そのせいで血雨はなにやら塞がれたままもごもごと言う】
【なんだかその姿は子供と親のようだ】

んんぅ〜…!んんん〜っ!

【その直後魔物の気配がより一層色濃くなる】
【魔物は唸り声を上げ此方の動向を伺っている】
【それを感じ取ったのか血雨も塞がれたままの口で何かまた喋ろうとしている】
【そんな中魔物の内一匹が此方へと向かってくる】
【魔物の姿は狼のような獣の姿をしていて牙を剥き二人へと襲いかかった】
【鋭い牙が街灯に照らせれ不気味に輝く】
【しかしその攻撃は単純】
【避けることや迎撃をすることは容易だろう】
730 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/03(金) 20:15:51.34 ID:4KBvPOLJ0
とある晴れの日。
県有数の広大な土地と、其れに相応しい荘厳な門構え。
名高い黒百合学院の前に、その場に相応しからぬ少女が独り居た。

「……遂に、きてしまった」

名を新野角武。何処に出しても恥ずかしい、一端のやんきぃである。
そんな不良がこの場に何用かと言えば、発端は数日前。出先で遭遇した先輩(のその後)を心配して、偵察に来たという理由。
記憶が確かなら、ファンシーな彼女はここの生徒会相手に喧嘩を売るような事を豪語していたのである。

しかし、ガラの悪さで有名な病葉高校、通称闇校の制服のまま、天下のお嬢様学校の周りを屯する訳にもいかない。
だが、新野には一つ苦肉の策があった。


「……、――――」

茶髪はヘアピンで留め、鞄は無地のスポーツバッグとテニスのラケットケース。
更に肝心の服装は、背中にkawakaze.jr.highと刺繍されたスポーツウェア。
やけに真新しく出来のいい一式は、どこからか強請り取ってきたのか。

「中学生用……着れてしま、うとは……」

袖丈もピッタリなジャージを着、ずーんと肩を落としぎみな茶髪の少女。
服装以外はあまり変わっていないが、それだけで強面のマスクも只の病弱少女アイテムに見えるようになった(気がする)。

「……まあ、これならバレない、よね」

意を決して、物陰から歩き始める。足取りは宛ら手持無沙汰な朝練帰りという体。
携帯で時刻を確認するふりをして、ちらりと横目で校門の中を窺う。
時刻はまだ午前。春休みという事で日中から行動できたが。幸いにして、例の先輩含め、見知った顔は無いようだった。


/使い回しですが……
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/04/03(金) 20:47:19.41 ID:r5NAiD/s0
>>728
「独り言ですか……あははっ」

と、小さく笑いが零れた。

話を聞いてる間に鞄からメモ帳を取り出し急いで書き込んだ。
魔法十二戦姫少女という、親玉を復活させるために手段を選ばない組織と、
黒百合学院生徒会という目の前の人を襲撃した組織。
敵はどちらも魔法少女であることに少し心が痛んだが、相手が人なら改心させることが出来ると前向きに考えることにした。

「わかりました、こいつらをやっつければいいんですね!
 ……あ、これ独り言ですけど」

ぐっ、と拳に力を込めて少女は高らかに言い放つ。それでも一応独り言、らしい。
そしてまた、何かを思い出したのか唐突に独り言を言う。

「……私の名前、水無月 水月って言うんです。
 言いそびれちゃったなー。あの人の名前何なんだろうなー」

なんて、わざとらしく。大きな声で。

//こちらこそ遅く成りました……
732 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/03(金) 20:49:33.26 ID:xzM9jYwJ0
>>729
【がぶりと、牙が柔らかい肌を突き破る音がする。女の堪えた様な悲鳴が鳴った】
【獣が彼女の腕に食いつき、なおその腕を噛みちぎらんと唸り、その目は、殺意だ】

「ぐぅ…ッ、てめぇっ!」

【油断した。と彼女は言葉を吐き捨てた】
【少女に意識を取られ、振り向いた時には既に、という形であった。血が滴る腕】
【魔術の展開が遅れ肉体のままのであった。女は噛みちぎらまいと腕に力を】
【噛まれたままがしりと魔物を側に寄せ、生身の拳を相手の鼻っ面へぶちかます!】
733 :一ノ宮 肇 :2015/04/03(金) 21:03:15.34 ID:2kR6lCAn0
>>731

「へえ、あの子の字は水無月と言うんですのね。
私、初耳でしたわ」

相手の自己紹介を聞き、肇は強がりながらも自らの不覚を深く悔いた。
私が名乗りもせずにこんなことをするなんて!
だが今更普通に自己紹介するのもそれはそれで敗北感がある……が、そもそもからしてこの状況自体が根負けした結果だ。

「私は一ノ宮 肇(いちのみや・はじめ)。
一ノ宮の一人娘、黒百合学院の一生徒ですわ」

だから結局は向き直り、普通に名乗ることにした。
こういった会話のやり方自体が普通ではないのだが、それは一旦置いておく。
734 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/03(金) 21:14:28.31 ID:5Hookjww0
>>732

【賛花が放った拳はしっかりと魔物の顔面へと直撃した】
【そのまま魔物は近くの街路樹へと叩きつけられる】

っ!?
だ、大丈夫か!?き、貴様手を…!

【賛花の腕の咬み傷を見て血雨は賛花の腕を見る】
【大分牙が食い込んでいたようだ】
【血が滴り落ちてかなり深いように見える】
【だが血雨にこのような傷を見る目は無いし愚か治癒魔法も使えない】

わっ…我のせいで……
すまぬ……貴様はしばしここで待っていてくれ……

【血雨はそういい先ほど吹き飛んだ魔物を睨む】
【先ほどの一撃はしっかりとヒットしたが所詮は生身の拳】
【それだけでは仕留めきれず尚魔物は立ち上がり再び牙を突き立てようと血雨へと走り出す】
【そして一匹目の魔物に次いで一匹、また一匹と血雨へと駆け出し始める】
【その数は全五匹】

貴様等纏めて消し炭にしてくれる…!

【血雨が放つのは怒り】
【つい先ほど知り合っただけの人間を傷付けられたことに対する怒りである】
【それは血雨の優しさ故】
【気付けば血雨の手には羊の頭骨が装飾してある杖が握られていた】
【その杖を横に一振りすれば周りに結界が張られ、そして血雨と魔物の間に炎の竜巻が立ち昇る】
【こんな魔法は今まで一回も使った事がない】
【賛花を傷付けられたことに対する怒りが血雨に力を与えたのか】
【その炎の竜巻は魔物達を飲み込もうと迫っていく】
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/04/03(金) 21:25:16.96 ID:r5NAiD/s0
>>733
ちらりと後ろを見てみれば、礼儀正しく向き直った一ノ宮の姿が。
流石にこのままで居るのは失礼だと自分も振り返り改めてぺこり。90度に礼をした。

「じゃあその、また!
 困ったときはいつでも……じゃなくて勝手に助けに行きますから!」

と手をぶんぶん振りながら別れの挨拶を。勝手に助けに行くなどどうやるのか、なんて突っ込まないで上げてほしい。
これで形式上は二人はバイバイした、ということになるのだろうが
また襲われないか心配だったのだろう。水月は一ノ宮が帰宅するまでこっそりと後をつけていくだろう。
勝手に。

//キリが良いので短いですが、ここで〆で
//お疲れ様でしたー
736 :一ノ宮 肇 [sage]:2015/04/03(金) 21:38:55.97 ID:2kR6lCAn0
>>735

「ええ、期待せずに待ってますわ」

こちらに向き直り、丁寧に礼をした水月を見て思わずクスッと笑みが漏れる。
この子はバカ正直で、正義感が強く、そして真っ直ぐだ。
一つ一つの仕草から滲み出てくるいい人オーラに少し心配になりながらも去りゆく背中を見送る。

……が、やはりと言うべきか真っ直ぐには帰らずにこちらが帰るまで見守るつもりらしい。

「あー、なんだか今日は心細いですわねー」

最後までわざとらしく演技を重ねながら、肇も帰路についた。
魔法少女同士の交流は戦い以外に知らなかった彼女にとって、これが初めての会話ということになる。
その結果得た初めての友人との関係は、非常に奇妙な形で始まることになった。

/こちらの都合で長期間凍結させて申し訳ありません、お疲れ様でした!
737 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/03(金) 23:01:22.68 ID:xzM9jYwJ0
>>734
【まさに焼きつく様な熱を持った暴風が女の頬を撫で、そして髪を少し焦がした】
【業火が、世界を埋め尽くしていた。数千を遥かに上回るの赤い火の蝶が謳歌する】
【獣達にまとわり付けば魔獣達の命は蜜を吸い取られるの様に、座れ焼き殺されん】

「おぉ……こいつは」

【その時だけ女は腕の痛みを忘れ、悍ましく恐ろしいが美しいその光景に見惚れた】
【零したのは感嘆の声だ。命が奪われていく光景とはこれ程に美しいものだったか】
【ぞわり、とその時湧き上がる感情。敵ではない、光景を生み出した魔王への感情】
【背筋が燃える、血がたぎる、魔物と同じ様な色の感情、……すぐさまそれを女は】

【抑えた。嫌悪感を感じながら】

【そのままその光景を、惨劇を、その指揮者を女は眺め続けた。】
738 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/03(金) 23:45:57.08 ID:5Hookjww0
>>737

【竜巻は周囲ごと魔物を焼き尽くしそのまま消えてしまう】
【後に残ったのは焦げ付いた公園と賛花達のみ】
【血雨はふと我に返りすぐさま賛花の元へと駆け寄る】
【そこにはもう先ほどまでの風格は残っておらず】
【ただただ賛花のことだけを心配していた】
【その目には少しだけ涙が】

大丈夫か!?
しっかりと意識はあるか!?
声は聞こえるか!?

【賛花と同じ目線まで飛び、肩を揺らしながら次々と言葉を並べる】
【その姿が先ほどとあまりにも違い過ぎて思わず別人なのでは無いかと思うほど】
【しかしその表情は真剣そのもの】
【どうやら自分のせいで傷付けたことを余程気に病んでいるらしい】
739 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/04(土) 00:08:23.25 ID:y7ksivX80
>>738
【座り込む女と、慌てて駆け寄る少女】

【女はニコリと無理に笑えばキズついた腕で、優しい魔王の頭をポンと軽く叩く】
【血がこびりついた汚れた手だが、すでにその出血は殆ど、何故か、止まっていた】

「なぁに、大丈夫…ほんのちょっと噛まれただけだよ」

【その様子に先ほどまでの余裕は無いが、死に至る程の影もなかった】
【言葉は軽く、口調も明るい。女はふと少女から視線を外し、惨劇の跡を見た】

「…………しかし」

「すげぇな。あれは……魔法か?」

「かっこよかったぜ。凄く…守ってくれてありがとうよ」
740 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/04(土) 00:32:44.33 ID:h5yflgbS0
>>739

良かった…本当に……!

【賛花の無事を確認しついに涙が抑えられなくなり泣き出してしまう】

うぅっ…我のせいで……!
痛かっただろう…本当に…すまない……

【血雨は子供のように賛花の胸へと抱きつく】
【もう賛花の出血がいつの間にか止まっていることにまで気が回らずひたすら泣いた】

さ…さっきのか…?
実は自分でも分からないのだ……
あの時は怒りに我を忘れて……

【もう泣き止んだのか賛花の胸から離れさっきのことを話す】
【どうやら血雨の話では自分でもあまり良く分かっていないらしい】
【怒りで魔翌力が増したのだろうか】
【結局その真相は分からずじまいだった】
【そして血雨はその後の賛花の感謝の言葉に顔を赤らめる】

も…元はと言えば我がいけないのだから貴様が謝ることではない
むしろ責めても良いぐらいなのだ

【口ではそう言っていながらもこう感謝させるのは正直嬉しい】
【だが自分のせいで危険な目に遭ったのは事実】
【なので心の中では嬉しさよりも申し訳ないという気持ちが勝っていた】
741 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/04(土) 01:03:12.67 ID:y7ksivX80
>>740
【ハイハイと、子供の様な、いや子供の彼女を女はあやす】
【傷は彼女の魔翌力かはたまた別の理由からか急激に修復されてゆき】

【既に痛みを彼女は感じていなかった。傷口は既に名残程度が残るのみ】
【女は泣き止むまであやしていた…すぎた時間はどれ位か…ただ】

【少し彼女にとってこの時間は幸せだった。まるで綺麗な花を眺めていた気分】
【人の為に泣ける存在がどれ程いるのか、少なくとも自分は無理で知り合いにも…】
【素直に少女は綺麗だと思った。普段なら殴るが制服が涙で濡れても気にしない】

「まぁ、私が油断したのが悪いのさ」

「それでも悪りぃと思うなら…そうだな、」

「名前でも教えてくれよ。同業者を助けちまった優しいおチビさん」

【泣き止んだら女は少女にこう言って笑いかけたのさ】
742 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/04(土) 01:22:29.62 ID:h5yflgbS0
>>741

名前…?
そんなことで良いのか…?

【血雨は少し戸惑いながらもすぐに顔には笑みを戻し】
【そしてこの地での偽名では無く、真名を名乗ることにする】

我の…我の名はリーリア=ブラッドレインだ
普段は血雨 璃理亞という偽名を使っている

【そういえば地上で真名を誰かに話すのは初めてだった】
【だがこの人間になら教えてもいい】
【なぜだか分からないがそう思えた】
【これは信頼なのだろうか、それとも友情なのか】
【その真意は最後まで自分にも分からなかった】
【しかし】
【血雨の中で賛花という人間はとても大切な人となった】
【それだけは血雨にも理解できた】
743 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/04(土) 02:23:38.66 ID:y7ksivX80
>>742
【奇妙な名前、偽名、その姿、何者かは分からないが、それは少女なりの理由があっての事】
【女は詳しく話を掘り深める事も無く、少女の名前を唇の動きだけで、確かめる様に覚える様に】
【普段名前を覚えることが無い女が人の名前を覚えようとしていた。一度二度、三度に四度を】

【リーリア=ブラッドレイン】【やっと覚えられたからだ、いい名前だなと呟いた】

「あー、私は風鈴賛花だな…ま、いらねぇ情報かもしらねぇけど」

【そして自分の名前で返事を返したのは礼儀という奴と、どうしたものかな。ふと思ったからだ】
【綺麗な物に自分の名前を覚えていて貰いたい。といつ消えてもおかしく無い事情がそうさせたか】
【僅かに照れた頬を誤魔化す様にそっぽを向いて、女はボソボソと自己紹介を、いうのだった】

【そんな二人を月が穏やかに見つめて…気がつけば静かで穏やかな夜が戻ってきていた】
744 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/04(土) 08:21:45.85 ID:h5yflgbS0
>>743

風鈴賛花……
要らないわけが無い!
その名前!絶対に我は忘れんぞ!

【何度も頭の中でその名前を復唱する】
【この目の前の人間の名を】
【どうしてだろうか】
【この目の前の人間を失いたくない】
【出会ったばかりの人間にこんな感情を抱く自分に血雨は少し戸惑っていた】
【しかしすぐにその戸惑いは消え、普段通りに戻った】

我は物覚えは良い方だからな!
忘れたりは絶対しないから安心するが良い!
は〜はっはっはっ!

【と高笑いを上げ言うのだった】
【どうやらもう完全にもと通りになったらしい】
【もう先ほどまでの姿は無く、いつもの少し頭のネジが緩い普段の血雨となっていた】

//遅れてすいません
745 :水無月 水月 :2015/04/04(土) 16:35:11.63 ID:tNkCdZeB0
魔法十二戦姫少女、黒百合学院生徒会、友から聞いた二つの悪。
やっつける、と決めたはいいものの一人で立ち向かうのは流石に無謀。漫画じゃないんだし。
とりあえず今やることは

「仲間集め、だよね!」



ということでやってきたのはショッピングモール。
人が多ければ魔法少女も多いだろうという安直な考えからだ。
ぴんと背筋を伸ばして、白のブラウスをはためかせながら歩き、たどり着いたのは小さな広場。
恐らくイベントやショウなどに使われる場所なのだろう。

「んー……ここが丁度いいかな」

ここならば人通りも多く、魔法少女を探すにはうってつけ。
少女は肩からさげた鞄から銃の弾倉のような"カートリッジ"を取り出し、カチリと何かのスイッチを押す。
すると内部に溜め込まれていた魔翌力が開放され、魔翌力の光が撒き散らされた。
勿論一般人にはこの光は見えない。魔翌力を感知することの出来る魔法少女のみがこの光を感じることが出来るのだ。
それなりに強い魔翌力、光だったため、魔法少女ならば多少遠くとも光を察知することは簡単だろう。
―――光に気づいて現れるのが、良い魔法少女とは限らないが
746 :詩音加美楽 [saga]:2015/04/04(土) 16:59:03.48 ID:BZDv9Rjr0
>>745

 昼過ぎのショッピングモールは家族連れや友達、恋人と買い物をする人々で溢れていた。店内に響くざわめきの声はそんなお客様の人数に比例し来店人数が増すほどその声も大きくなり賑やかになっていた。
 休日ということもあり、普段より盛り上がりを見せるショッピングモールからは星のカケラ争奪戦や黒百合生徒会、魔法十二戦姫少女どころか魔法少女という非日常を感じさせず、平和だった。
 しかし、そんな平和の中にも災いの因子が紛れ込んでいるのは日常の背中に隠れた非日常の定めである。

「────────」

 無言を貫く一人の女性。
 紫薔薇学園の制服を着ていることからその学園の生徒であるのは間違いないだろう。人々とすれ違いながらも何かを探す様な素振りを見せる彼女からは普通怪しさが感じられるだろうが紫薔薇というブランドの力かそんな様子ですら気品や高貴さが感じられた。

「────カハッ」

 丁度小さな広場に着いた彼女が感知したのは魔力を秘めた光だった。
 魔力が秘められているということは即ちそれは魔法ということ。周囲の人達が光に気付いていないのも魔法だからだろう。
 すると詩音加美楽は、魔法及び魔力の発信げを探るなどはしなく今いる広場に結界を張っただけでその場からは離れようとせず、ただ不敵に笑いながらベンチに腰を下ろした。



747 :水無月 水月 :2015/04/04(土) 17:21:16.07 ID:tNkCdZeB0
>>746
談笑する男女、はしゃぐ子供とその両親。それらが突然ふっと居なくなった。
怪奇現象、とか言うわけではなく

「……結界だ」

魔法少女の誰もが待つ結界魔法だ。
結界の内部には術者が許可した以外の一般人は入ることは出来ない。
人々が居なくなった、というよりは自分だけがここに呼び出されたというほうが正しいだろうか。

これが結界ならば、術者はそう遠くないはずだ。
きょろきょろと首を動かして辺りを確認する。

「……居た!」

術者らしき人影は案外すぐ傍のベンチにたたずんでいた。
まとう雰囲気は気高く少し話しかけづらかったが、話さないことには何も始まらない。

「あ、あなたも魔法少女ですよね?
 僕は水無月 水月といって、えと、その、悪い魔法少女と戦う仲間を探してるんです!」

少女の頭の中には目の前の魔法少女が、その悪い魔法少女という可能性はないらしい。
無防備に、無垢な眼で詩音を見つめている。
748 :詩音加美楽 [saga]:2015/04/04(土) 17:45:59.94 ID:BZDv9Rjr0
>>747

「あぁ、そォだよ私もテメェと同じ魔法少女だ」

 声が聞こえた方へと顔を上げる。
 水月の無垢な瞳に対して邪悪な瞳を持つ詩音。その瞳は水月にどう映るのか──。
 詩音は荒い口調で水月の問いにそう答えるとベンチから立ち上がり一歩、水月に近付いた。

「んで……悪い魔法少女がなんだって?」

 不敵な笑みから不気味な笑みへと──。
 その瞬間、詩音の衣服は漆黒の煙に覆われその煙が晴れれば魔法少女なら一眼で分かるだろう魔力を帯びたコスチューム、女の子にしか着ることを許されない戦闘服へと変わるだろう。

「悪い魔法少女ってのは──"私"みたいに誰かを助けたい奴か? それとも"お前ら"みたいな正義を貫く奴らか?」

 彼女が身に纏う魔法少女の衣服は、魔法少女とは言えない様な服──魔女を彷彿させる衣服だった。
 禍々しい雰囲気を纏わせ邪悪な魔力を帯びた詩音は膨れ上がる殺意を具現するかの様に体から複数の赤黒い刃を生やした。
749 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/04(土) 17:52:59.92 ID:tywtyvSI0

この瀬平戸市≠ノ来て、はや数週間。もうすぐ一ヶ月が過ぎようとしている事を不意に思い出し、彼女は複雑な表情を浮かべていた。
というのも、この町に来てから魔法少女≠ニいう存在には殆どお目にかかる事も無く、逆に魔獣といった敵対生物ばかりに出会ってしまう。
今しがた対峙した魔獣でそろそろ二桁を超えようとしていて、本当にこの町はどこか可笑しい≠フだという事を再認識する。
単純に運が悪い等と言った事では無く、恐らくは必然的に¢遇が多くなっていると。彼女は推測していた。

星の欠片=B彼女も魔獣との戦いにより一つを手に入れ、合計で二つの欠片を所持していることになる。
その一つを懐から取り出して眺めてみるが、別段これと言って怪しい輝きなどを放つわけでもなくて。其処に内包されている魔力が凄まじいのだという事だけしか理解する事が出来ない。
最も、彼女の力では内包された魔力の総量量がどれくらいか。また、どうすればそれを使えるのか≠ニいったことも不明であり、魔法少女としての知識であるならば、お恐らく誰よりも低い。そう自覚できるほど無知である。
突然手に入れた力に踊らされている。そう感じていながらも、降って沸いたような力を片手に此処まで来ているのは。彼女もまだ、現実に向き合う強さが無いからなのだろう。

公園のベンチに座り、時刻は夜。遊具などもあるにはあるが、時間帯の所為で人はおらず、絶対数も少ないのでどちらかと言えば空き地≠ノ近い。
星の欠片を月に翳して、僅かな反射に目を細める。路傍のガラス片で月を眺めた昔を思い出して…………苦笑。

腰まで届きそうな金髪を垂らし、無地のシャツの上からレザーコートを羽織っている。ズボンはダメージジーンズで、靴は茶色のブーツ。
瞳の色は鳶色であるが、見るからに日本人の容姿では無く。近年では外国人の観光客なども少なくはなっているが、一人で公園に居る姿は珍しく♂fるのかもしれない。
750 :上田美奈 :2015/04/04(土) 20:48:13.60 ID:F7NH12CMO
>>749
【見上げた月の中を何かがよぎりました】
【数回、星の煌きのあとに遅れて何かが弾ける音】
【魔法少女の視界なら、空中で何かと戦う同業者が視えるはず】
【さらに数回の輝きのあと、付近が結界に取り込まれます】
【そして、何かが風を切る音とともに、まっすぐレイラの元へ降ってきます】


【ドスン、と土煙と共に公園の真ん中に大穴】

「いたたた。あの鳥! 今度こそ死なす!」

【落ちてきたのは灰色のマントをまとった推定魔法少女でした】
【悪態と共に再び離陸】
【あの高さから一直線に落っこちて地面に激突したのに、すぐ立ち上がる余力があるようで】
【流星のように、ロケットのように、再び夜空に一直線】

【上空には、身体のあちこちに目玉のような模様がついた怪鳥が舞っておりました】
751 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/04(土) 21:08:41.18 ID:tywtyvSI0
>>750

「――――――?」

欠片に染まる月の中を、僅かに遮る黒い影。空をとる鳥か何かと見過ごそうとするが、その推測は明確な違和感と感じる魔力によって中断される。
星の欠片を仕舞い込んで月の方へと目を凝らせば、右腕に装着されたデバイス≠ェ彼女の行動を先読みし、視力強化の魔法を掛ける。
それによって上昇した動体視力が捉えたのは同業者≠フ姿で、同時に凄まじい速度で落下する物体。轟音をかき鳴らしながら地面に穴をあけるのは……魔法少女。
眼を見開く。初めて出会った魔法少女に声を掛けようと軽く手を伸ばすも、距離を考えれば遠すぎて、右腕は宙を掴んで行動を終える。
何故戦っているのかと理由を聞こうとも思ったが、彼女も初めは訳も分からず取敢えず襲われたから倒していたことを思い出し、右腕を
正確には右腕の手首に嵌めているブレスレットを。更に詳しく言えば、そのブレスレットの中心にあるエメラルド色をした宝石≠心臓の前に構え、一言唱える。

「…………変身。」

『――――――。』

苦笑と共に唱えられた祝詞を、機械的な音声が復唱する。合成音声によって復唱された言葉は連なり、それを起動言語≠ニして
変身≠フ概念に基づいて変身≠キる。

変化は一瞬だった。四肢を守る様に出現した最低限の装甲に、右腕に装着されていた腕輪とグローブの複製品が左腕に装着され
加えて、先ほど着用していたレザーコートを覆うようにして一枚の布≠ェ体に巻き付く。クローク型の形状をしたそれをはためかせ、刹那の時間で変身は終了。
ガシャリ。という右腕から何か排莢されるような音と共に彼女の右腕に魔法陣が構築され、すでに展開を終了させた魔法が発動≠オた。

「(――――手、貸したほうがいい?)」

発動させるのは念話=B他者との魔力的なパスを繋げ、それを介して自らの思考を言葉として対象に伝える事の可能な魔法
問うは単純な事柄で、軽い笑みを浮かべている表情から敵対心≠ヘ存在せず。多少の警戒こそあれ、魔獣を相手にしている魔法少女に「知った事か」と無視を決め込めるほど、彼女は利口な人間では無い。
752 :上田美奈 :2015/04/04(土) 21:15:22.63 ID:F7NH12CMO
>>751
【両手に下げたペンデュラムを延長し、鳥が飛ばしてくる光弾を片っ端から撃ち落とし】
【隙をみて魔翌力弾を叩き込むも、相手の防御を抜けた様子もなかったり】
【じゃあ、次の手を、というところで援軍の申し出がありました】

『あ、助かります。さすがにこれを放置するわけにはいかなくて』

【善意は素直に受け取るタイプのようで、念話の返信ちゃんと来ました】
【その間も、レイラさんの視界の中では空中戦が展開中】
【かなり細かい制動が効く怪鳥と、直線速度はともかく小回りに問題がある魔法少女のカードは
 どうやらこのままだと怪鳥の方に軍配が上がりそうな感じです】
753 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/04(土) 21:31:56.82 ID:tywtyvSI0
>>752

「はいはーい……っと」

素直に問うてみれば、意外とすんなり反応を返してくれるようで。彼女は僅かに拍子抜けしたような、少しだけ複雑な表情を浮かべる。
唐突に強大な力を持てば、弱い人間はそれを持て余す。彼女も十分理解し、身に染みた現実=Bその記憶の所為で、魔法少女という存在に対し何処かマイナスな感情を抱いていたのは事実だ。
だからこそ、即座に助けることはせず、念話による確認をとったのだが。それが以外にも巧く行ってしまったので嬉しいような、なんだか後が怖いような。
そんな感覚が、彼女の思考の一部を横切っていた。

「それじゃあ………」

『standby』というデバイスからの音声を聞き、空中に居る鳥類型の魔獣と、少女の姿を視認。あそこまで自在に飛べる足≠ヘ無いので、今回はデイバイスの提案した牽制と援護を選択。
敵を目前に相手取っているのは一時的にだが絶賛相方となった少女であり、彼女では無い。つまり、たっぷりと言う程ではないが、術式を構築する時間はあるだろう。
形式選択は弾丸を選択し、術式構築は簡易式をデバイスと同時に平行展開。魔力による非物質的な弾丸を形成し、それに質量≠与えてやることで宙に浮かぶ弾丸を生成。
弾数は一発で、順次リロード型の単発式。自らの指先を銃口に見立て、音声認識をトリガーに。右手で拳銃の形を作り、親指で始まりの撃鉄を引く。

「BANG!」

少女に当たらぬ様に、且つ鳥類型の魔獣の行動を制限する目的で放たれたそれは風の魔力を持った弾丸≠ナあり、一撃で対象を殺すほどの威力は無い。
しかし、当たっても無傷で済む程弱い弾丸でもなく。先ずは一発目。
754 :上田美奈 :2015/04/04(土) 21:45:04.26 ID:F7NH12CMO
>>753
【特別なのは自分ではなくこの土地、というのがミナの持論でした】
【借り物の力で自分を特別視できるのは、きっと自分が好きすぎる人です】
【そうでなければ、よく考えない人です】

「私が前をやる日がこようとは……」

【ちょっと遠い目。あまり火力に縁がないんだけどなぁ、と内心に愚痴】
【さて、地上からの援護射撃をもらえたわけだが、ここからどうしようとちょっと迷い
 そして出した結論が披露されます】

【――曰く、落下死狙い】

【ほ、とか、よとかの間抜けな声を出しつつ、援護を利用して一瞬だけ肉薄からのすれ違い】
【典型的な一撃翌離脱戦法だけども、使用したのは攻撃魔法ではなく振り子によるバインドスペルでした】
【怪鳥の首を強引に引っ張ると、そのまま地面に向かって加速かけながら急降下します】
【適当なところでリリースして自分が立て直せば……】


【――二度目の地響きと砂けむりが公園に発生するってもんです】
755 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/04(土) 21:57:48.67 ID:tywtyvSI0
>>754

適当に弾丸を数発撃ち込めば、それだけで多生の援護にはなる。戦闘においてもっとも危険なのは死角外からの攻撃であり、それを警戒≠オなければならないというプレッシャーが、自らで動きを鈍らせる。
其のおかげか、単に少女の機動力で追いつけたのかどうかは分からないが。取敢えずは魔獣をバインド魔法で捕縛した様子。
何故捕縛したのか? と疑問符が彼女の頭上に表示されるが、何かしらの作戦があるのだろうと思い。取敢えずは静観。
……すると、段々と彼女の姿が近くなっていることに気付いた。冷や汗が背中をゾクリと走り、いやな予感が脳内のアラートを鳴らす。

(――――ヤバい。このままだと、ぶつかる)

理解をすれば、後は行動。こちらに急降下してくる少女の範囲内から全速で抜け出し、出来うる限り落下時の衝撃の範囲内から逃れようと足を動かすだろう。
やがて、ドカン! と地響きのような音と共に、彼女の体が衝撃を吸収しきれずに一瞬だけ宙に浮く。ジェットコースターの落ちる前の様な浮遊感が体を支配して、次の瞬間には落下してしりもちをついた。

「いたたた……」

取敢えずお尻が割れていないかの確認を取り、どうやらまだ大丈夫だと安堵。その後、ばつが悪そうに立ち上がって、しりもちをついた際に付着した砂を払う。
不必要に体を覆うクロークが揺れるのは、恐らく照れ隠しのようなモノで。頭の後ろを軽く掻きながら、一言。

「あー……取敢えず、お疲れ様?」

結構すごい音がしたため、彼女は魔獣がすでに「くたばって」いると思っているらしい。


(ヤバい、フワっとした。フワって)
756 :恩納 風利 [sage]:2015/04/04(土) 22:00:32.22 ID:0i3eAgnbO
【時の頃は月が頂天を過ぎ、直に下り始めようかといった所】
【満月と半月の中間といった具合の月が雲の間から時折顔を覗かせる】
【所は瀬戸平市北部、山のほど近くに設けられた自然公園】
【繁華街からも住宅街からも距離のあるソコをわざわざ夜半に訪れる者もなく】
【公園は時折吹く風に揺れる木の葉のさざめきの他は静寂そのものであった】
【そう、たった数十分ほど前までは】

はぁっ、はぁっ、はぁっ……っ! こん、のぉっ!!
……〜〜〜っ、あぁもう! ちょこまかとすばしっこいったら!!

【それなりに広大な自然公園の中でも特に訪れる者の限られる樹木園】
【様々な種類の木が等間隔に植えられたその間を縫うようにして息を切らしつつ走る人影】
【背後から迫り来る物音を感じ取れば振り向きざまに傘を振りかぶり気配の方向へ振り下ろす】
【すると木々の葉を根こそぎ散らさんばかりの突風が轟々と吹き荒ぶも】
【気配の主は既になく、舞い上がった葉が月明かりの下で僅かな影を作るばかり】
【またしても姿を捉え損ねた追っ手を威嚇するように周囲の闇を睨みつける】
【もっとも、そんな事をしても返ってくるのはどこからか此方を伺っている】
【ある種の粘着質さを含んだ視線だけであるのだが】
757 :上田美奈 :2015/04/04(土) 22:05:28.87 ID:F7NH12CMO
>>755
【土煙が晴れると、そこには本日二回も落下した魔法少女と
 首が曲がっちゃいけない方向にまがった怪鳥だったものがいました】

「いやー、火力足りないもんでちょっと強引なことしちゃいました」

【巻き込むかもとかは考えてなかったそうです】
【落下の衝撃で撃破まではいかなくとも、地上で戦える形にすれば
 前衛後衛を交代できるかなー、とかそんな感じ】
【さて、砂煙が晴れたことで、魔法少女のディテールが見えてきました】
【中学生くらいの外見に、葉っぱの形のブローチで止めた灰色のマント】
【武装は、迎撃から拘束までこなしていた長さが自在なペンデュラム】
【うん、地味ですね】

「もう一発くらいは何かやらないといけないと思ってたんですが……」

【怪鳥の死体は光の塵になり、同じ場所にモズの死体とかけらが1個】
【……人間のはやにえができててもおかしくなかったな、これは】
758 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/04(土) 22:19:23.87 ID:tywtyvSI0
>>757

「他の子たちも、こうだったりするのかな……?」

呟く言葉は聞こえない様に。その後少女の言葉に合わせて「殺す気かっ!」と軽い冗談(本気七割)を入れつつ、首がエキサイトしてしまった魔獣と
その煙が晴れた後に露わになる少女の体躯に、思わず言葉を亡くしてしまった。
念話を聞いた(?)限りかなり幼いような感じはしたのだが、月明かりの所為でよく見えず、恐らく一個下あたりの年代だろうと辺りを付けていたのだが
その辺りは見事に外れ……一応、当たらず詩も遠からずといった程度の答えではあるが、彼女が考えていたよりも年下であったことは事実である。

「……見事に折れてるね、うん。」

塵になった魔獣と、其処から現れた星の欠片。彼女が戦ってきた魔獣は運悪く落とさなかったので、レアアイテムゲット。といった表現になるだろうか
彼女自身は別段叶えたい願いなども無かったし、今回彼女は援護をしただけで、実際の功労者は少女である。当然のことといった風に、星の欠片をとりに行こうとはしない。
モズの死体は……気にしない。ああ、見ないフリ
759 :上田美奈 :2015/04/04(土) 22:30:56.87 ID:F7NH12CMO
>>758
「大丈夫ですって。崩れるビルに巻き込まれても行きてましたから、私」

【どんな障壁かと突っ込むべきか、ビルを粉砕する規模の相手がいるんか、と突っ込むべきか】
【先にモズの遺体を回収して、公園の樹の下に移動】
【小さい魔翌力弾一発で地面に小穴をあけて、そこに埋葬】
【かけらはそれから回収です】

「どこぞの誰かさんたちみたいに、刃物で叩き斬ったり
 ごん太ビームで翼に大穴とかできませんからねぇ、私」

【異国風な相手に対してまったく気にした感じもない様子】
【かけらを手元で弄んでるのはたぶん、ミナも願いにあんまり興味がないから】

「まだまだ、戦闘はいろいろ身につけないとですねえ」
760 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/04(土) 22:36:04.66 ID:kq7ND4Di0
>>756

真夜中の道路を、するすると影が流れていく。
付近には闇を切り裂くライトの光と、其れより先にエンジン音が響くだろう。
やがて、原付に乗った一人の少女が、自然公園の中に姿を現す。
病葉高校の制服に、マスク姿。ヘルメットの下は茶髪の女である。

(探査魔法にバリバリ引っ掛かるから、何かと思えば……)

「流石に、騒ぎ過ぎッス、よ?」

エンジンを止めても、未だ強風が髪を揺らす。
その張本人に対し、ほんの僅かに非難の視線を込めようとして、止める。
ヤンな見た目に反し、そこまで魔力と反骨精神を溢れさせている訳ではないようだった。


/まだ宜しければ……
761 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/04(土) 22:43:48.48 ID:tywtyvSI0
>>759

魔獣を倒したときに現れる死体。彼女が出会ったのは二ケタにしか満たない数の魔獣だが、死体を残したのはその三分の一程度であり、後は塵になって消えてしまった。
先程の通り、予測すれば星の欠片が憑いていたもの≠ニいう表現が正しいのだろう。魔力による巨大化と暴走を防ぐためとはいえ、動物を斃す≠フは、あまり気乗りがしない。
とはまぁ口だけで、実際に戦闘になれば全力で魔獣へと向かっていくところを鑑みると。其処まで事態を深刻に見てはいないのだと思われる。
死体をきちんと率先して埋葬する分、眼前の少女の方が、彼女よりもよほど人間としてできている。

「万国ビックリショー……?」

埋葬をさり気なく見届けた後、少女から語られる他の魔法少女≠フ話し。大したことも無いように、変哲のない口調で語っているが、それぞれ皆力≠持っていることは明白。
驚愕と同時に、納得。彼女が即座に風の弾丸を形成できるほどの馬鹿げた未知のエネルギーを扱えるのだから、他にもそんな能力が使えない人間が居ない方が可笑しい。
魔法少女云々のルールがあるのかは知らないが、自らの無知を笑うばかりだ。

「この町は、少しこういうの≠ェ多い気がするんだけど」

「そもそも、この魔法=H っていうのも良く分かんないのよ」

少なくとも、彼女≠ェ故郷としている場所では、このような明確に存在する怪異≠ニいったものを目にしたのは少ない。
軽く両手を肩の高さまで上げて、日本流のお手上げ<|ーズ。この間、浮気現場を見られたらしい男性がしていたポーズを真似したものだ。
762 :上田美奈 :2015/04/04(土) 22:51:52.26 ID:F7NH12CMO
>>761
「万国だったらいいんですけどねぇ」

【遠い目で空を見上げました】
【この街以外の魔法少女事情というのをミナは知らないのです】
【恐らく、ここだけが特別ということはなく、他に国にも似たようなことはあると思うのですが
 不思議とそういった情報を聞いたことがありません】

「知ってることってあまり多くないんですよね。
 これを5個集めたら願いがかなうとか、これに関わると魔法少女になる子がいるとか
 世の中のことなら昔の新聞やWebで調べれるんですが、これは世の中の裏側っぽいですし」

【普通の方法じゃ調べるのは難しいみたいですね】
【ただでさえ中学生の調査能力なんてしれています】

「あーでも、そういうちょっとメカっぽいの使う子は他にも会ったことありますよ?
 元魔法少女な人によると、昔は全然いなかったタイプらしいですけど」
763 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/04(土) 23:03:20.72 ID:tywtyvSI0
>>762

「これを五個集めて……って、やっぱり噂は本当だったかー」

少女が返してくれた答えに、一人で納得する。彼女がこの町に来た切っ掛けというのも、星の欠片を集めると願いが叶う≠ニいうものであり
好奇心は猫をも殺すと言うが、やはり気になる者は気になるようで。結局、彼女もまた魔≠操る人間として、この町に集≠゚られている。
そう簡単に情報が手に入るとは思っていなかったけれど、やはり自らより年の若そうな少女が沢山の事情を知っているわけも無い。
噂が本当だったのと正確な個数。加えて、これが原因で魔法少女になる者もいるという情報。少なくはあるが、決して軽い情報でもない。
脳内のメモに忘れない様書き込みつつ、追加で言われた「メカ系」という言葉に反応した。

「其れってもしかしてこんなやつ?」

もう、変身しておく必要もないと考えて変身を解くと、四肢に付けられた装甲と左腕の摸倣品が消え去る。
残ったのは変身媒体である腕輪と、それに繋がる様にして存在する軍用の手袋に似た物。腕輪の中央(手の甲側の辺り)にはエメラルド色のコアがはめ込まれており
月の光を反射して、僅かに輝く。
メカ、という言葉から彼女自身の魔具を指したはいいが、少女が魔具の性能を即座に理解できるとは限らないし。そもそも、メカという括りで判断するにはいささか広すぎる範囲な気もする。
まぁ、ふと思いついた。そんな様子で
764 :恩納 風利 [sage]:2015/04/04(土) 23:13:12.93 ID:0i3eAgnbO
>>760

……えっ? わ、わわわっ!? なななんでココに人がっ!?

【ただでさえ人の行き来のない夜半の自然公園、その中で唐突にかけられた声に狼狽える】
【それというのも公園内に足を踏み入れた直後に魔獣と思われる影に襲撃された為に】
【本来ならば直ぐにでも張らなければならない結界を未だに張っていなかったのである】

〜〜〜っ! こっちに来ちゃダメです! 早く、ここから離れtっあぁ!?

【訪れた人影を騒ぎを聞きつけてやって来た一般人と思いこんでいる為に慌てて逃がそうとするも】
【意識が現れた人影に向いている隙をついたのだろう、背後に立つ木の影が揺らめくと】
【黒い影が形をとった様な何かが飛び出してきて風利を背後から強襲する】
【風利がその衝撃に前のめりに倒れこむ頃には黒い影はまた別の影へと飛び込むようにして消えてしまった】
【だが逃げ去った訳では無いのか、周囲で騒めく木の葉の音に混じって微かに唸るような音が辺りに響く】
765 :上田美奈 :2015/04/04(土) 23:18:06.04 ID:F7NH12CMO
>>763
「あーでも、叶い方は結構アバウトみたいですよ?
 ちょっと間違えて黄金が好きすぎた王様みたいになる人もいたりとか
 せっかく叶っても、その結果を信じられなくなっちゃったりとか……
 私にいろいろ教えてくれた人も、なんかずっと若いままでやばいって」

【昔々、黄金が大好きな王様は触れるもの全部黄金にする能力をもらったけれど
 ご飯もお水もお布団も全部黄金になってしまって大ピンチになったとか】
【願い方次第でろくな事になりません】
【そう考えると結構な危険物だね、これ】

「んーと、もっと直接的というかロケットパンチというか。」

【こう、某魔王な魔砲少女の一番弟子の装備みたいなの、と
 中の人は描写を読んで解釈しましたが、あってるかどうかは不明です】
【登録スレの>>38番のレス参照とのこと】

「同じ系統かどうかは、ちょっとわかりません……。ごめんなさい」
766 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/04(土) 23:33:45.18 ID:tywtyvSI0
>>765

「そう簡単に思い通りにはいかない≠チて、ことなのかな」
「ポンポン望み通りの事が叶うのは、それはそれで影響が大きそうだし」

極端に願いをかなえる。そう聞けば、安易に願いを祈ることの危険性が見えてくる。
少女の例にもでたように、願い≠ニいうのは曖昧になればなるほど認識と結果の違いが露骨に反映されてしまう。
兄弟でも時にはすれ違いが起こる様に、たった一つの行動でも、とる人間や見る人間にとってそれぞれ違う意味を持ち。
同時に、与えてくる影響も異なっていく。要約すると、「安易に願うのはやめよう」ってところか。

「ロケット……パンチ?」

「世の中には変わった魔法少女もいるんだね」というのが正直な感想。流石の彼女でも、腕を飛ばすことは出来ないし、ビーム的なアレをドカーンすることもできないわけで。
彼女の陳腐な想像力では、巨大ロボットが腕を投げつけている様子がリフレインされ。そのイメージに基づいた感想は恐らく、少女の見たものとはズレているだろう。
表情も少しだけ固まっており、動作も同様。うんうんと納得したように頷いてはいるが、内容の表面を辛うじて理解できたに過ぎない。
まさに万国ビックリショー=B無論彼女も魔法少女という属種であり、対外人の事は言えないが。

「ま、そりゃあ一目見ただけで分かるわけないか。こっちこそごめんね」

お互いが謝る事によって生まれる僅かな沈黙。それを遮る様に、「そういえば、名前を聞いていなかった」と口を開く

「私はレイラ。レイラ・ウィンブラスト。」
「一応いうけど、此処の国の人間じゃないです」

767 :水無月 水月 :2015/04/04(土) 23:34:13.23 ID:tNkCdZeB0
>>748
水無月 水月は根っからの性善説論者である。
全ての人間の根っこは良い人だと思っているし、改心できない悪人居ないと信じている。
故に少女は自らを見る視線が邪悪であれど、それを意に介さない。
一歩距離を詰められて、その威圧感に少し怯んだとしてもそれまで。恐怖や嫌悪は感じない。
詩音を見上げ、邪悪な瞳ににっこりと変わらない笑顔を返すだろう。

詩音が姿を変え、殺意の刃を展開すると少女の笑顔は曇り、眉がへの字になる。
悪だと断定できない相手との戦いは気が進まない。だが、殺意を感じたとなれば笑っている訳にも行かない。防御を取らねば死にかねないのだから。
少女は後方へ大きく飛び、鞄から変身ベルトを取り出し装着する。
腰に手を当て、これでいつでも変身できる状態。―――だが、変身はまだ行わない。

「誰かを助けたい人も、正義を貫く人も悪だとは思わない。
 ……それで、あなたがそのどちらかなら僕は戦いたくないです
 まずは教えてください、何故あなたが僕に殺意を向けるんですか!?」

綺麗事に聞こえるだろうか。けれども少女の顔は真剣に、本気で詩音との戦闘を憂いている。
悪が居るならやっつける。だが、理由もわからず戦うのなんて嫌なんだ。

//すいませんただいま帰宅しました!
768 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/04(土) 23:45:57.38 ID:kq7ND4Di0
>>764

予想を遥かに超えてすんなり入れてしまった。
どうやらそれは障害となる壁が文字通りの意味で全くなかったため。

「もっと駄目じゃないスか、結界無し、ってのは」

其処まで呟いて、今更ながら相手の存在に疑問を抱く。
押されてすっ転ぶ姿は、あまりにも荒事とはかけ離れているようで。
此れが迷子犬捕獲とかの顛末だったら相当恥ずかしい。

「……そうだったら、ド頭叩いて忘れさせるっス」


――――変身――――

制服の黒が白に、マスクの白が黒に。
口元に手を当てると邪まな魔力が一瞬周囲を蹂躙する。
同時に発生する、一軒家より大きい程度の、ごく狭い範囲の結界。
光が収まればそこには、長ランにフェイスガードの、まごう事なき不良魔法少女、略してヤン娘が立っているだろう。
769 :上田美奈 :2015/04/04(土) 23:50:11.14 ID:F7NH12CMO
>>766
「でもそれとは逆に、魔法少女になっただけで願い叶えれるタイプもいるので
 そこはまぁ、何を願うかっぽいと思います」

【入念に準備すれば、割と万能であるということでもあるのです】
【安定した生活とか、自分のお店を持ちたいとか……】
【その辺は結構安定してかなえられそう】

「いや、さすがに外れて飛んでったりはしないと思いますよ?
 見た目が、ですからね? ね??
 あーでも、拳型の魔翌力弾飛ばす人はいましたね……」

【やっぱりびっくりショーじゃないかっ!!】
【この街の人外魔境っぷりじゃ、もう外国人くらいじゃ驚かないのだ】
【海に面しているぶん、見る機会は内陸よりも多いしね】

「あ、ミナです。上田美奈。つい先日、異世界から来た小人さんにあったので
 もう外国とかどうでもいいかなーってなってますっ」
770 :恩納 風利 [sage]:2015/04/05(日) 00:02:55.34 ID:z/ZmEbvDO
>>768

ったたた……ぅえ? 結界って………そう言えば……アレ? でも、それじゃあ

【地面に手をつきながらゆっくり立ち上がると人影の呟きに結界を張っていなかった事を思い出す】
【同時に目の前の人影が魔法少女の結界について知っている、魔法少女の関係者であると思い至り】

……っ!? あ……え、と……

【目の前で魔翌力の放射と共に姿を変えるのを見て相手も魔法少女なのだと確信を得るが】
【その驚きとは別の理由ー端的に言ってその姿のあまりの柄の悪さ故ーによって口ごもる】
771 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/05(日) 00:05:28.86 ID:vszPttqNo
>>744
【少女の高笑いが公園の静かな空気を揺らして、女はそれに釣られる様に声を上げた】
【二人が楽しげに笑い合う、その光景は姉妹にも見えるかも知れない親子もありえる…か?】
【恐らく親子に間違えられた場合は女はしばらく立ち直れないだろう──閑話休題】

「笑った笑った──さって」

「もう結構いい時間だな、そろそろりーり、…げふん、リーリアも家に戻った方がいい」

「あれならバイクで送ってくけど…どする?」

【女は公園の時計を眺めながらそういった。既に二本の針は天辺を指している頃合だ】
【闇はより深く、月は寂しげに傾いていた…その中でまぁお前なら一人でもいけるか、と女の呟きが混じった】
772 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/05(日) 00:05:30.88 ID:JtET0vsO0
>>769

「其処までやったらもう腕飛ばす方が速いんじゃないかな」なんて言葉がのど元まで出かかったが、言っても仕方ないと無理矢理飲み込んだ。
まず、明らかにおかしいこの町の常識を、彼女の常識で測る方が可笑しいのだ。魚を釣るのに陸上動物用の装備で来ているような、物差しの種類がまず違う。
自分も結構な常識外れだと言われ、その自覚もあった筈なのだが。どうやらこの町では特に珍しくも無いらしい。
なんたって、小人が出るんだから―――――

「…………小人?」
「なんかもう、うん。世の中舐めてたわ……」

外国人や、他の魔法少女の話題であればいい。まだ、人間という範疇において考えれば理解もできる。
だが、この短期間で小人の存在まで持ち出されてしまうと流石に対応能力の限界がくる。魔獣なんてものがいるのだから、そりゃあいると言えば小人もいるのだろう。
この眼で見ない事には事実として認めたくはないが、魔法という道のエネルギーがある以上。先の魔獣然り、存在する可能性は否定できない。
数週間でこの町を探索し尽くしたような感覚に問わられ、ここ数日は退屈な時間を浪費していたが、それは只の奢り≠セったのだと実感する。

…………と、話していれば夜も更ける。彼女のような人間がこの夜の中一人で歩くのはまだ何とかなるとして、対する少女の方は外見が外見だ。
既に夜の帳が辺りを包んでいるために、月の光と星の光。そして街灯の光だけが彼女らを見下ろす光であり、時刻としては就寝≠フ時間に近いだろう。
始めて他の魔法少女に出会ったのはいいことだが、時間も時間であるし、そろそろ会話を終えようか。そう、僅かに思考をよぎる。
773 :上田美奈 :2015/04/05(日) 00:17:09.59 ID:SBnVgZkEO
>>772
「なんかかけらの力で召喚されたんで、帰るために自分用のかけら集めてましたよ。
 小人さん」

【なんかシュールだけども、これがこの街の現実なのです】
【常識的に考えて なんて単語は一週間で闇に葬りました】
【しかし、意外なところで役に立ったりもするんですけどね、常識】

「んーーーー。
 一応、情報収集するなら“とれみぃ”って喫茶店と、あと駅の掲示板なんかは
 結構おすすめできるかなーって思います。
 あとは市役所や警察のお姉さんたちにも、経験者が何人かいるらしいです」

【スマホ確認。あ、これは結構いい時間ですね】
【例のペンデュラムはスマホのストラップになりました】
【この状態でもいろいろ使える待機モードですねぇ】

「私の方は、もう少し探してから帰ろうと思ってます。
 それでは良い夜を」

【結界を解除してふわっと飛び立ちます】
【実は黙っていたことがありました】
【自己回復入れっぱなしで寝れば、だいたい3時間くらいですっきり目覚めることとか、ね】

//
日付変わりましたし、寝ましょうか
774 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/05(日) 00:17:12.34 ID:8ItWdXTh0
>>770

10人が10人する反応に、伏し目がちに肩を震わせる。
見た目幼い少女に引かれて、流石に落ち込んでいるのか――――否
直後、右手に魔力の集積が起こる。

「ク――――」

それは頼れる相棒の召還。それを握ると三白眼がギランと光る。

「ヒャッハァーッ!! 新入り(っぽい)チビと獣に制裁タイムだぁーーッ!!」

構えたのは鈍色に輝く金属バット。
左拳を突き上げ得物を突き付け、姿の見えない敵と相手にシャウトを響かせる。
前言撤回、反骨精神はなくとも荒ぶる魂は抑えきれなかったらしい。
或いは最近碌に戦って、もとい暴れていなかったからストレスが溜まっていたのかも。


「……あ、自分、スイッチ入るとこんななので。 ヨロシクー……」

理性と理解を置き去りにしつつ、ふと我に返って頭を下げる。
元々の凶相と牙っぽいフェイスガードであまり意味をなさないが。
775 :レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/05(日) 00:24:51.71 ID:JtET0vsO0
>>773

先程から僅かに引っかかる奇妙な違和感は、どうやら他者の張った結界にあるらしい。少女が何かしらの動作をすると同時に、その違和感がふっと消え。通常通りの感覚が目を覚ます。
飛び立っていく少女に片手を上げてあいさつとし、自身はまた思考の海へとその身をもぐらせて――――――

とれみぃ∞掲示板∞市役所∞警察<潤[ドが廻る。こういうのはもどかしいが…………嫌いじゃない。

//はい! ではお疲れ様でしたー!
776 :詩音加美楽 [sage]:2015/04/05(日) 00:26:06.75 ID:5oZXUKZj0
>>767

 後ろに下がり何時でも戦う心構えが出来ている水月の姿を見ながら加美楽はその質問を聞いて鼻で笑いながら反応を示す。

 ────くだらない質問だ。

 水月の問いを頭で反復させながら詩音はそう思った。
 此奴はどんな考えを持ってこんな質問をしたのか。何故殺意を前にして戦う心構えを持ちながら仕掛けてこないのか。

 ────甘い。

 唯の一言に過ぎなかった。
 詩音は水月の考えも行動も全てが恐らく甘いのだろうと、くだらない大義を掲げているのだろうと思いゆえに鼻で笑ったのだ。
 ──────馬鹿馬鹿しいと。

「テメェを殺したいから────だ」

 エインフェリャルの復活。
 それには星のカケラか魔法少女の生贄が必要となる。
 つまりエインフェリャル復活の為には魔法少女を[ピーーー]必要がある。
 殺せばその分復活が早まるゆえに殺したい。だから詩音はそう言ったのだ。
 それは嘘偽りの無い本音であり、主に忠実を誓う従者の一言だった。
 それは水月にどんな風に聞こえたのか──。





777 :恩納 風利 [sage]:2015/04/05(日) 00:37:07.27 ID:z/ZmEbvDO
>>774

……? ひぃっ!? ごっ、ごごごごごめんなさぁぁいっ!?

【渦巻く魔翌力がバットの形ー恐らくは魔具ーを取り、それを握りしめる様子をハラハラしながら見守っていると】
【魔獣と一緒くたに自分までヤる気満々と取れる叫びを上げる年上の少女にほぼ反射的に涙目で叫び返す】
【なお、頭を両手で覆いながら屈み込む姿勢になった風利の背中は服が爪で引き裂かれるような形で破れている】
【もっとも破けた服の下に見える地肌はツルリと滑らかなままで恐らくは服がダメージを肩代わりしたのだろう】

……へっ? あっ、はぁ……こちらこそヨロシ……! う、後ろっ!

【と、再び人が変わったかの様に平坦な口調と態度で頭を下げる姿に呆気に取られつつ】
【先程とは別の意味でこの人ひょっとしてちょっとヤバいのかなと失礼なことを考える風利だったが】
【目の前の少女の背後で影が僅かに揺らめいたのを目にして慌てて警告を発する】
【直後に背後の死角から新野の首筋を引き裂こうとするように黒い影が襲いかかって来るだろう】
778 :水無月 水月 :2015/04/05(日) 00:48:42.64 ID:mjAYGBKl0
>>776
「……戦わなければいけないのはわかりました」

ベルトから"カートリッジ"を引き抜く。

「でも、私を殺したいならそれにも理由があるはずです」

バックルにカートリッジを装填。『Ready』と電子音が鳴り、待機音が響く。

「それを聞くまで、僕は絶対に殺されてやらないから!
 ―――変身!!」

確かな意思と覚悟を込めて、叫びは結界内に轟いた。ベルトは音声を認識し、バックルから放たれた光が水月を包み込む!
既に着ていた服は魔翌力を纏い粒子に変換、青いボディスーツに再構築。そして脚部、腕部、胸部に装甲が展開された。
各部装甲に魔翌力が伝道され、変身完了覚悟も完了!
腿のホルスターから拳銃を二丁引き抜き、銃口を詩音に向けた。

何故と問い、返された答えに何故と問う。聞き分けの悪い子供のようだ。
これだけ子供っぽい少女は即ち諦めも悪い。何故と聞ける限界まで、少女は問いを続ける気だ。
779 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/05(日) 00:52:04.36 ID:8ItWdXTh0
>>777


呑気に頭を下げ合っている所に、不意をつく殺意の塊。
それに気付いたのは少女の死角を見ていた相手の方。つまり完全に不意をつかれた形となった――

「――――ク、」

が、仮にも戦地に立つ不良の一端である。
例え挨拶の最中だろうが威嚇の途中だろうが、警戒の一部は決して緩めず
危うく首を両断するかに思えた一撃は、振り向きざま、がっしと白袖の左肘により出鼻を押さえられていた。

「フヒャッハーッ! 態々敵に背を向けるなんてなァーーッ!!」

ノリノリで叫んでいるが背を向けたのは少女の方である。加えて言うなら敵でもない。

獣目掛け、右手のバットが上から縦一直線に唸りをあげる。魔力を込められたそれは単なる鈍器に留まらない。
真芯に当たれば、牙だろうと爪だろうとミサイルだろうと、問答無用で弾き飛ばす異質――ある種“概念”に近い力を帯びていた。
780 :血雨 璃理亞 /リーリア=ブラッドレイン [sage]:2015/04/05(日) 00:52:39.40 ID:YcwOTB5D0
>>771

あぁ、我なら大丈夫だ
…っと結界を解かなければな
それに人の姿にも戻らなければ

【血雨は周りの結界を解く】
【そして結界が解ければそれと同時に血雨の体も人のそれと同じようになる】
【そしてまたただの子供のような姿に戻ってしまう】

では!
また機会があれば会うとしようじゃないか!
その時には今よりももっと強くなっているからな!

【そう言って血雨は公園の出口へと歩いていく】
【歩いていく血雨の後ろ姿はなんだか嬉しそうで】
【傍目から見れば子供そのもの】
【とても純粋なその存在】
【それはこれからもずっと変わらないのだろうか】
【いつまでも純粋でいつまでも無邪気で】
【そんな彼女がずっとこのままで居られるのだろうかーーー】
781 :詩音加美楽 [sage]:2015/04/05(日) 01:13:35.41 ID:5oZXUKZj0
>>778

 叫び光に包まれる水月。
 正義を具現したかの様な光は詩音の嫌いな光に良く似ていた気がした。
 魔女の衣服を着た詩音は、己の体から生えている殺意を具現した刃が光に反応しているのを感じ小さく舌打ちをする。
 光はどうしてこうも眩しいのか──目の前にいる少女が正義を掲げているから余計そう見えたのか、詩音はそんなことを考えると同時にその光を消したいという衝動に駆られていた。
 結界内に吹く風は先ほど迄の平和や日常の空気を少しばかり運んで来た様な優しい風だった。
 そんな生温い風に露出した柔肌が刺激されると気持ち悪がる様に苦い表情を浮かべる詩音だが水月を包む光が晴れた刹那、口角を上げて破顔した。

「────カハッ、そおかよ。 ならテメェが死にそうになったら教えてやるよ。 どォだ、優しいだろ?」

 構えられた二丁拳銃に合わせるように二本の腕を突き出して同じく構える。
 直線的に伸びている二本の腕からは其々肘あたりに一枚の刃が真っ直ぐに生えており、更に詩音の膨れ上がる殺意を具現する様に構えた右手の平から丸太を彷彿させる優しいが一枚生えた。
 結界内を支配する二つの魔翌力、片方は邪悪で殺意を醸し出す魔翌力────。
 それは結界内に吹いた生温い風を侵食し、最終的には平和も日常も感じられないただひたすらに冷たい、まるで冷気の様な風へと変わり結界内を彷徨う。
782 :詩音加美楽 [sage]:2015/04/05(日) 01:15:11.57 ID:5oZXUKZj0
>>781
優しいでは無く刃です、すいませを
783 :恩納 風利 [sage]:2015/04/05(日) 01:26:09.76 ID:z/ZmEbvDO
>>779

「ギャウンッ!?」

【完全なる死角から急所を目掛けて振るわれた爪は、しかし届く事なく打ち払われる事となる】
【それも単なる打撃ではなく魔翌力の篭った、更に言うならば抗い難い何かの込められたその一撃によって】
【獣はその身を自らが振るった爪諸共に弾き飛ばされる事となりその身に纏った影から引き剥がされる事となる】
【叢雲の切れ目から差し込む月の光に照らされたその姿は闇に溶ける様な黒色のヒョウの様であり】
【影から引き剥がされて尚、その半身は霞に覆われた様に朧で爛々と燃える黄金の瞳だけがハッキリと実像を持っている】
【と、月の光を嫌うように全身をブルリと震わせるとすぐ近くの木陰に飛び込みあっという間に影と同化して姿を眩ませる】
【恐らくは影の中に入る事で気配の遮断と高速移動を可能とする能力なのだろう】
【周囲からは怒りと憎悪に満ちた唸り声が、遠雷のごとく響き始める】

影の中に……そっか、それで……それならっ

【姿を消した際の魔獣の様子から何かを思い付いたのだろう】
【さきほど振るっていた傘を両手で握り締めつつ何やら集中しながら小声で呟いている】
【何か考えがあっての行動のようだが側から見れば完全に隙だらけの無防備な姿であり】
【魔獣がそれを見逃そう筈もなく、今度は風利の斜め後方の木の陰が蠢き影から魔獣が風利目掛けて飛びかかる】
【新野が先程見せた反射神経を持たない風利では放っておけば魔獣の爪の格好の餌食となるだろう】
784 :水無月 水月 :2015/04/05(日) 01:37:49.75 ID:mjAYGBKl0
>>781
冷たい風が頬を撫でた。詩音の手に生えた刃のように、鋭い冷たさだった。
この冷たさが彼女の温度なのだろうか、そうふと思う。
―――だったら、僕が温めてあげないと。拳を握り決意を固める。
水月の決意の熱に反応したのか、装甲から蒸気が上がりほんの少しだけ冷気熱を与えて消えた。

「ははっ。どうかな。
 死にそうにならなきゃわからないから、なんともいえないな!
 僕が死にそうになるとは思わないけど!!」

軽口と共に打ち出すは二発の魔翌力弾。威力は高いとはいえないが、それでも並の券銃以上。
狙いは胸と頭にだけは当たらないように腕に向けたが、かなり大味である。
水月は唯の少女、別に訓練されていた訳でもなければ射撃部に属しているわけでもない。この狙いの甘さは仕方がないのだが。

「ほらほら、早く教えてくれないと!!」

拳銃がブローバックを終えればまた二発、今度は脚部へ向けて打ち出した。
放った弾丸は計4発だが、どれも狙いは大雑把。回避は難しくないだろう。
785 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/05(日) 01:44:55.79 ID:8ItWdXTh0
>>783

月明かりの下、弾き飛ばした敵の姿が両者の目に晒される。

「んだ、馬鹿でけえ猫かぁッ!?」

それも一瞬の事、きっと周囲を見渡すが、五感に届くのは怒りに満ちた唸り声のみ。
流石は狩りの名手というべきか、動き回る姿は一瞬たりとも目に留まらない。
変身のおかげで暗闇でも明るい視界の隅で、少女が何かを唱え始めたのが見えた。そして、それに飛びかかる影の姿も。

「ちぃっ!」

魔法少女の目と反射神経を持ってしても、気配を感じなければ、姿を視認してからの
即ち勘頼りの後手打ちになるほかない。つまり打撃を直撃させるには並み以上のセンスが求められる。
そしてそれを可能にできる程のコンビネーションは今の二人にはない。
無理からに腰を捻り、片手打ちで下からかち上げるようにバットを振るう。

「悪いが私は殴るしか出来ねぇ、あんまし時間は稼げねぇぞチビッ子ォ!」

咄嗟に攻撃では命中させられたかも怪しい、迎撃の成否を確認する前に地を蹴って少女の前に立つ。
耐久力なら恐らく二人のうち自分が上、正面からなら1、2発まともに受けても倒れない程度の剛性はあるはず。
だとしても言葉通り、長時間持たせるほどの自信はなかった。
786 :風鈴賛花 ◆CmqzxPj4w6 [sage]:2015/04/05(日) 01:46:16.85 ID:vszPttqNo
>>780
【女は去りゆく少女の背中に手を振って見送り……見送り──ガシリと、その場で膝をつく】
【額を抑えて、食縛る口元から零した呻き声。吐き気にも似たその衝動を少女の姿が消えるまで】

【ただ、押さえ込んだ】【破壊という感情を】

【魔王が己の魔翌力を開放してから彼女の身を疼かせる、流体性のその色は血液に混じりて思考を犯す】
【気が付けば拳が握られ。意識外で練られる魔翌力はユラリと全身に纏われ、女を凶器へ変化させた】

「……ア…ギ……グッ……がぁ!!!」

【冷や汗が額から滑り落ち地面に弾けて消えていく。彼女の理性も同じように、破壊色に混ざりて消えていく】
【そしてその光景を怯えながら眺めていた、取り残された魔獣を見つければ彼女は嗤い飛びかかるのだ】
【獣よりも獣らしく、尚且つ獣よりも凶悪に、理性の檻から逃げた存在は獲物を千切りながらふと思った】
【なんて自分は汚いのだろう──あの子はドレほど綺麗なのだろう、嗚呼、ちゃんとミればよかッた、ナ、と】

【そう”魔獣”は思ったのであった】

/途中から返すのが非常におくれ始めてしまって申し訳ございませんっ
/長い間の絡みありがとうございました!楽しかったです、あと魔王ちゃん可愛かったです!

787 :恩納 風利 [sage]:2015/04/05(日) 02:23:04.84 ID:z/ZmEbvDO
>>785

「……! ……グルルルァ……!」

【魔獣の爪が少女の首筋を捉えようとする直前、自らに向けて振るわれる金属質の輝きが閃く】
【黒影の魔獣は獲物の首を狩ることより魔具に触れるのを嫌がって影へと逃げ込む】
【どうやら先程の一撃で影から引き剥がされたことが魔獣の警戒を煽っているようだ】
【しかし新野が風利を庇おうとした事とソレによって先程よりも攻撃に鋭さが無くなっている事】
【その二点から風利を狙う事が魔獣の有利であると早くも気付いたのだろう】
【新野の死角側に回り込むように多方向から風利目掛けて繰り返し襲いかかろうと仕掛けてくる】
【それらの一撃は重さや鋭さこそ先の一撃に劣るものの、獲物を消耗させることを目的とした狩人の如きものであった、が】

『吹け、吹け、吹け、吹き荒び、逆巻き、吹き飛ばせ』
『其れは荒れ狂うモノ、其れは薙ぎ倒すモノ、其れは渦巻くモノ』
『汝、その名を持ってして暴威を権限せよ!』
……っ、伏せてて、くださいっ!! 『吹き荒れろ! テンペスト!!』

【恐らくは呪文の詠唱らしきものを目を瞑ったまま只管に呟き続けていた風利が目を見開く】
【同時に両手で持っていた傘を勢いよく天に翳して開け放つと折り畳み傘程だったソレがパラソル大へと変化】
【そして何を思ったのか柄の部分を持って傘をクルクルと勢い良く回し始める】
【雨の日の小学生がするような、この場面でなければ巫山戯ている様にしか見えない動作であるが】
【傘の回転速度が見る見る増していき、通常ではあり得ない回転速度に達したと同時】
【回転する傘から凄まじい勢いで風の魔法が放出され始め、ものの数瞬後にはあり得ない風速の嵐が吹き荒れる】
【風利のすぐ近く以外では見る見る内に吹き荒れる風によって木々が薙ぎ倒され、宙へと巻き上げられていく】
【そして数秒後には結界内で直立しているものは嵐の中心部の風利のみとなり、徐々に弱まりつつある風の中に】
【風に吹き飛ばされまいと地面に爪を立ててしがみ付く魔獣の姿が月明かりに照らされている】
788 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/05(日) 02:46:25.87 ID:8ItWdXTh0
>>787

「外したか……っ」
「こなくそ、ちょこまかと鬱陶しいぜ!」

得物に感じる手ごたえは空を切るだけ。
続けざまに飛んできた連撃も、やはり悉く自分ではなく背後の少女を狙ったもの。
それを分かっているから新野はバットを正眼に構えて盾代わりに
受ける、流すを繰り返すが――――しかし防御に回った以上、この武器に防具としての精度は低い。
それを示すが如く、頑丈なグローブの下の両手からは、受けきれなかった幾筋もの裂傷が奔っていた。

このままではジリ貧――――焦りから額を汗が伝った時。
背後で、ぐわりと魔力が膨張する。

「ッ、これ、は……!」

轟々と沸き起こる竜巻。
宛ら巨大選択槽に放り込まれたような感覚が五感を揺さぶる。
酩酊感に襲われながらも、忠告を忘れて片膝立ちで立ち尽くせば。風が吹き抜けた後には正体も露わな獣が一匹。


「ハっ、でかしたチビ! たしかに影(いえ)が無きゃあ縮こまるしかねえよなぁ!?」

立場は逆転した。影という武器を失った以上、狩人は得物に成り下がるほかない。
辛うじて地にしがみ付く姿は、まるでティーに乗っかったゴルフボールに見え、荒々しく新野が吠える。

「そのまま尻尾巻いてジャングルに、かえりやがれぇッッ!!」

膝立ちから、真っ直ぐ飛び込んで。0距離から今度こそ渾身の横薙ぎスイング。
言葉通り、海の向こうまで吹き飛ばさんとする全力の一振りであった。
789 :恩納 風利 [sage]:2015/04/05(日) 03:14:32.68 ID:z/ZmEbvDO
>>787

「ギャワッ!?」

【隠れ蓑たる影を失い、吹き荒れる風に四肢を大地に縫い付けられ、その身を月光の下に晒した魔獣に】
【新野が放つ渾身の一撃を躱す術は最早なく、金属質の軌跡は狙いを過たず魔獣の頭部を真芯に捉える】
【据え置かれたボールがバットで打ち上げられるが如く、魔獣の身が直線の軌道で打ち出される】
【勢いからして本当に空の彼方へ消えかねない程であったが、そこは魔法少女の結界内】
【結界の内側に叩きつけられる形となるが、その時には既に魔獣は事切れていたのだろう】
【月明かりに溶けるように微かな光を放ちつつ崩れさる魔獣の体躯、後には輝きを放つ星のかけらが2つ】
【魔獣化する前に死んでいたのか、腐乱しかけた小さな黒い猫の死骸が横たわっている】

…………ぷはぁぁっ……なん、とか……できたぁぁぁ……

【その段になって緊張が解けだろう、大きく息を吐きながらその場にへたれこむ】
【額に薄っすらと汗をかいているものの、疲労感よりも緊張と恐怖から解放された安堵のが上回っている】
790 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/05(日) 03:37:53.56 ID:8ItWdXTh0
>>789

「っしゃ!」

本日一番の当りを、心地よい痺れという形で手応えを感じる。会心の一撃!
打つ、結界に跳ね返る、地に落ちる、の3bangを経て、漸く魔獣は大人しくなった。

駆け寄ってみると、そこには既に獣は無く、異臭とそれに似つかわしくない淡い輝き。

「へへ、かけら二つ。 ら、らっきぃ……」

南無〜〜、と骸に片手を立て、いそいそと星のかけらを拾い上げる。
空に翳すと結界の向こうの月を通して、より一層輝きを増す。それだけで満ち足りた気分。

後は戦後処理である。バットを仕舞い、へたり込む相手を遠目にぼうと。
そして己の掌の中と見比べる。

かけらは二つ、魔法少女は二人。


「――――――――」

「――――」

「――」


「――――ヒャッハァーーッッ!!」

コンマ2秒で結界解除。瞬間、辺りの荒れ模様は嘘のように掻き消える。
現れたのは訪れる前と同じ、自然豊かな公園内部。
そんな事は委細気にせず、素早く原付を担ぎ上げ――そう、変身したまま片手で担いだのである――脱兎の如く逃亡を図るヤンキー。

戦闘の余韻などは些事も些事。罪もない少女(?)を助けられたし、自分も儲かってストレスも解消。これぞwin-win。
無論そんな説明は一切しない。むしろ勢いで誤魔化したまである。

背後は振り向かない。なぜなら新野角武は、腐っても不良なのだから。


/すみません、眠気が現界に達しそうなのでそろそろこの辺で……
/一応〆れなくはない感じにしましたが、あれでしたら凍結でも構いません
/〆の場合も、欠片おいてけや! という感じなら最後はご自由に補完してもらって大丈夫ですので!
/遅くまで絡みありがとうございました!
791 :詩音加美楽 [sage]:2015/04/05(日) 10:54:18.68 ID:5oZXUKZj0
>>784

「────カハッ、抜かせタコ」

 水月の軽口を鼻で笑う。
 別に軽口が可笑しく思った訳では無い。
 水月の強気な態度が気に入らない訳でも無かった。
 ただ彼女が今日死ぬと考えると哀れに思えただけだった──。
 加美楽は見えていた。水月の死の予兆が。水月を狩り殺そうとする死神と死神の鎌の姿が────。
 そしてそれに気付かない水月が余計哀れに見えた。ただそれだけだった。

 水月が放った二発の銃弾の影響か、冷寒な結界内が少し暖かくなった気がした。
 銃口から漂う火薬の薫香と半透明の煙が空へと向かうと同時に風を裂き詩音へと向かう魔翌力を帯びた二つの弾丸。
 魔法の力で放たれた弾丸ゆえ通常の弾丸よりも威力があるのは分かりきっていたことで、それを自身の刃で相殺しようとは思わなかった。
 ただの魔弾、されど魔弾。一見ただ魔翌力を帯びた弾丸に見えるがそれにどんな効果があるのかは分からない。
 以前戦った九条院という女性も炎を帯びた弾丸を放ってきたがそれは着弾すると爆発するという追加効果が存在していた。
 それを知らない詩音は刃で魔弾をいなした結果、爆発により深傷を負った。
 ゆえに──────

「駄目だな。 テメェじゃ私には勝てねぇ。」

 そう言うと詩音は構えた両手を無気力に下げ身を不気味に揺らした。
 そして弾丸が詩音の腕へと近付いた瞬間、自身から向かって右側へと一気に移動をして二発の弾丸を最も簡単に避けた。

「分からねぇか? 見えるんだよ。テメェの命を奪いに来た死神の姿がよォォォォッ!!」

 ────再び放たれた二発の弾丸。
 だが詩音はそれを回避しようとはしなかった。彼女がとった行動は先程はしなかった刃との相殺。
 足元を狙う弾丸に対して詩音は、己の足から刃を生やし放ったのだ。
 ──結果、刃と弾丸が衝突。
 何方が押し切ったのか、または相打ちかだったのかは、分からないが詩音は衝突を確認したと同時に基本魔法である身体能力上昇魔法を使い水月への接近を試みた。
 広場の地表を力強く踏み込み一気に前方へと飛躍。それにより踏み込んだ地面は詩音の足跡の様な地盤沈下が造られると共に、轟が結界内に響き渡った。

「ハァァァァァッッ────!」

 詩音は強化した身体能力を生かし左手で水月の腹部を殴らんと拳を突き出した。
 魔法少女という人を超えた力を上まる身体能力を上昇させた力による鉄拳は、空気を押し退け邪魔するものは悉く破壊する脅威に他ならない。



 
792 :恩納 風利 [sage]:2015/04/05(日) 12:42:12.73 ID:z/ZmEbvDO
>>790

どこの誰かは知らないけど、おかげで助かりました……ありがとうです、お姉さん

【快音と共に魔獣を見事撃退して見せた新野にへたり込んだまま感謝を告げる】
【星のかけらを探して訪れた公園で魔獣の強襲を受けた時には命の危機すら感じていた】
【そこに自分以外の、ひいては苦手な近接戦をカバーできる魔法少女が現れた幸運に助けられたのだ】
【多少は魔法の扱いに慣れてきていたつもりだったが、まだまだ一人では立ち行かないと独り言ちる】

……あっ! それってもしかして、星のかけらじゃあ……! しかも2つもっ!! 良かったぁ……かけらが2つなら

【2人で分け合うことができる、そう続けようとした刹那のタイミングで上がる絶叫と結界の破砕音】
【驚きにビクリと体を震わせる風利を余所にバイクを担ぎ上げて風の如く走り去る魔法少女】

……え……あ……ちょっ……うぇぇぇぇぇっ!!? まっ! なんっ!? ウソぉぉぉぉっ!!?

【呆気にとられるあまり呆然と走りさる後ろ姿を見送っていた風利であったが】
【少女の叫び声の余韻が消える頃になってようやく事態を認識、顔を青くしながら立ち上がるも】
【最早その姿はどこにも見えず誰もいない公園に残響する自らの叫び声を耳にしつつただ立ち尽くすのであった】

//返レスが昼になってしまいましたが、これで〆とさせていただきます
//朝方近くまでお付き合いありがとうございました
//またの機会にはよろしくお願いします
793 :パメラ [sage saga ]:2015/04/05(日) 16:38:22.00 ID:IebdhgfhO

【カフェ「とれみぃ」】
【本日も閑古鳥が】

<キャッキャウフフ

【鳴いていなかった】
【店内の片隅には、年は若干バラバラながら3〜4名程の少女達が集まり談話している様子で】
【テーブルの上を見れば、菓子やドリンクが入ったコップの他に何かのプリントや筆記用具】
【どうにも、春休みの厄介者を相手にするために集まっている様子だが】
【現状、そっちのけで会話に花が咲いている様子】

……元気ですねぇ…

【そんな集団を尻目に、カウンターの隅で突っ伏してる人物が一人】
【長い銀髪に紫のメイド服を着て、赤いヘッドホンを首に掛けた彼女は店主のパメラ・レジエルであった】
【……そのパメラの手元にも、一枚の紙】
【こちらは別に学生を苦しめるアレでは無く、何らかのリストの様で】
【何かを書き足しては消して、書き足しては消してを繰り返しているのが見てとれた】

…もう少し、もう少し人数が揃えば大丈夫そうですがぁ

……名前、どうしましょうかぁ…

【近くに置いてあるペンをつかみ、ペン回しよろしく弄くる】
【本日も平常運転ではあるが、来訪者は居るだろうか?】

794 :フェデーレ [sage]:2015/04/05(日) 20:43:20.54 ID:3pNbqcNto
夕暮れ時の紫薔薇学園保健室。多くの生徒が下校をし、人気が少なくなった頃。当然、ここ保健室にも人の姿は無かった。ベッドの上で眠っている一人を除いて。

「う……うう……」

そのベッドの上の小さな少女は、うなされているようであった。青ざめた顔をした彼女が見ている夢は――

(痛い……痛いよ……)

(どうして……どうして……)

(嫌だ……助けて……)

「エインフェリャル……様……」

その愛する者の名を寝言で口にした瞬間、少女は目を覚ました。

「はぁ……はぁ……夢……か……」

抗えない恐怖の記憶。フェデーレは時折それを思い出してしまうのだ。以前からこれに悩まされていたが、ここ最近は特に酷い。エインフェリャルが居なくなってから、その頻度が増したからだ。

「気持ち悪い……」

気分が優れない。口元を押さえながらそう呟く。このままでは、帰ることすら困難だ。そう思ったフェデーレは、自身に治癒魔法を使用した。
誰か近くに魔法少女が居たら感付かれてしまう。このような状態で、敵となる魔法少女と遭遇するのは好ましくない。そう思うも、今のままでは歩くことすら難しい。故にフェデーレは、自身に治癒魔法を使用し続けた。
795 :水無月 水月 :2015/04/05(日) 21:02:31.42 ID:mjAYGBKl0
>>791
地面が沈む轟音と同時、視界の詩音が消失する。
地形が崩れるほどの力で蹴り出し全身。その速度は人間が捉えられる速度ではない。

「がっ……ぐ……」

結果、詩音の拳は簡単に水月を捉えることになる。ただし拳を打ちつけた感触は軽く、"入った"と思うには物足りないか。
少女は拳が腹に触れる寸前、後方へ大きく飛んだでいた。拳を避けることは出来なくとも、衝撃を受け流すことは出来る。
その試みは成功した、のだが衝撃を受け流し、更にスーツの防御力があってもダメージは大きい。
贓物が潰れ、腹から血と胃液が込み上げて来る。遂に口まで上り詰めたそれを、少女はぺっ、と吐き出した。

「死神ね……
 だったらそいつごろやっつければ良い!!」

痛みには慣れている。魔法少女になってから、死ぬかもしれないと思うことも何度かあった。
痛くないわけじゃない。怖くないといえば嘘。でも、虚勢でもいい。
掲げた正義を追い続けるなら、無理やりでも前を向かなきゃやっていけないんだから。
少女は右手の拳銃を真上に放り投げ

「ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してね!」

また手元に戻ってくるまでの間に、ホルスターからもう一本の拳銃を引き抜いた
落ちてくる券銃とこれを重ね、"形態変化"  変形、合体し巨大化した銃を詩音に向け、引き金を引く。
放たれるは魔弾。ただし違うのは―――"数"  マシンガンやのように弾丸が絶え間なく吐き出されるのだ。
そして銃を横に一閃すれば、点の銃弾が線となりて詩音を捉えようと襲い掛かる。
796 :恩納 風利 [sage]:2015/04/05(日) 21:17:33.01 ID:z/ZmEbvDO
【時刻は正午きっかり、太陽は中天にて燦々と暖かな日差しを降り注ぐ麗らかな休日】
【山あいを吹き抜ける風が何処からか運んできたのか桜の花弁が一枚、二枚と空を舞う】
【場所は瀬戸平市北部月尾神社の境内、サワサワと風に揺れる木の葉の音が響くそこに】
【一陣の風を引き連れ傘を片手にフワリと空を舞う花弁の如き柔らかさで舞い降りる】

よっ、と……ふぅ 到着っと、やっぱり空からだとあっという間だなぁ

【開いていた傘を閉じながら一息つくと周囲を見回して人の目が無いかを確認】
【空から見た時には少なくとも一般の参拝客は居なかった筈だが念の為である】
【改めて人の目が無いと確認すると魔法少女のコスチュームのまま境内を歩く】
【歩きながらも周囲を見回し続けている辺り、何かを探している様にも見える】
797 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/05(日) 21:18:07.56 ID:McE4CJt6o
>>794

紫薔薇学園の廊下を白色の紙袋がひとりでに這っていた。
廊下の窓は全て閉まっているため風は吹いていない。にも拘らず、紙袋はカサカサと音を立てて前へと進んでいく。

「ばれてない、よね……?」

紙袋の中には小さな小さな人間が入っていた。
一見着せ替え人形と間違えそうな程に小さな女の子だった。
彼女の名前はメリー・メルエット。異世界から召喚された小人である。
メリーは紙袋を被って身を隠しながらこの学園に忍び込んでいた。
目的はこの学園にある星のかけらだ。探査魔法を使用し、用心深くかけらのある気配を辿っていく。

「あれ……? この、気配……」

不意に星のかけらが放つ魔力とは別の気配を感じた。
この感覚は魔法少女の扱う魔法だ。まだ残っている生徒の中に魔法少女がいるのだろうか。
メリーは方向転換し、気配のする保健室へと向かった。
せっかくここまで来たのだし、この学園の魔法少女がどんな人なのか一目見てみたくなったのだ。

(……あれが、魔法少女……?
 どうしたんだろう。しんどいのかな……)

やがて保健室へと辿り着き、扉の隙間から中に入ったメリーが目にしたのは、ベッドでうなされている少女だった。
治癒魔法をかけ続けているがどこか体の調子が悪いのだろうか?
姿を確認したらすぐに立ち去るつもりだったが、少女の様子がどうも気になる。
メリーは紙袋から抜け出して、ベッドの近くの机の陰に隠れながらじっと静かに少女を観察し始めた。
798 :フェデーレ [sage]:2015/04/05(日) 21:35:27.58 ID:3pNbqcNto
>>797
「だいぶ良くなった……かな……」

フェデーレは治癒魔法を止め、静かに起き上がった。だが、その顔色は未だあまり良くない。

「はぁ……エインフェリャル様……はやく会いたいよ……」

そう呟くと、枕元に置いてあった自身の鞄を持ち上げる。そして、どこかフラフラとした足取りで出入り口に向かおうとするが

「うっ……あっ……」

やはり本調子で無いらしく、頭から転んでしまう。

「あいたたた……鼻打ったぁ……ん?」

転んだ時に鼻を打ったようで、鼻を抑えながら起き上がる。その時、ちょうど視線が机の影へ。視界に入るのは、今までに見たこともない小人の姿。

「幻覚……かな?打ち所が悪かったとか?」

小人の存在など聞いたことがないフェデーレは、自身の頭を疑った。今までに幻聴などはあったんだし、幻覚が見えてもおかしくはないと





799 :詩音加美楽 [sage]:2015/04/05(日) 21:38:17.49 ID:5oZXUKZj0
>>795

 突き出した拳が水月を打ち付けた刹那、妙な違和感を感じて眉間に皺を寄せる。
 後方へと飛ぶ水月の姿を見て其れが自身の打撃による影響では無いと気付くと詩音は握り締めていた拳を緩め開くと先程の違和感を噛み締める様に再び強く拳を閉じた。

「────チッ、上手く避けやがったか。 だがまぁ、んなことしなくてもいいと思うんだがなァ。
 なんせテメェはどの道死ぬんだからよ」

 血と胃液の混じり合った吐瀉物を軽く吐く水月を見て無駄な抵抗だと言わんばかりに小馬鹿にする詩音。
 水月の様子から察するにどうやら拳は絶妙な入り方こそはしなかったが、彼女にダメージを負わせることは出来たのだろう。
 詩音は其れが分かりながらも、自身の拳を避けた水月の力量を見誤っていたとは認めなかった。否、それを認めるにはまだ早いと考えていた。

「そォかよ……んじゃ、やってみせろよ。 ジ……っ…クリと見てあげるからよ。な?」

 強気な水月だがそれは強がりなのだろうか。少なくとも詩音にはそれが弱者であり無謀者の強がりにしか見えなく水月の発言もただの虚言にしか聞こえなかった。
 詩音は其れに対して宥めるように優しい口調で言い返した。

「カハッ──なんだなんだァ、妙な真似すんじゃねーか。 一丁前に殺し合いのつもりかいエエ?」

 線となった魔弾は慢心している詩音を捉えることは容易かった様で、口では動じていない様なことを言いながらも避けられ無いことに気がつくと小さく舌打ちをして苦い表情を浮かべた。
 先程同様の魔弾は戦場を駆け巡る死神の鎌となり詩音を襲った。
 戦火の薫香を纏いし魔弾は詩音の衣服を斬り裂き穴を開け包まれた柔肌を破り、無抵抗の体内へと入っては止まること無く、背中から突き出し結果として詩音を貫通した。
 両腕や腹部などに穴を開けられた詩音は声を上げること無く代わりに口から血を吐くだけだった。

「────カハッァッ」

 気道を血が塞いでいたのか、大量の鮮血を吐いた瞬間、初めて詩音は苦痛の声を漏らした。
 冷たい大地に生暖かな鮮血が流れるのを見て詩音は憤怒の表情を露わにし水月を睨み付ける。

「成る程……そぉか、分かった分かった。どォやらテメェは死ぬことよりもっといい思いを味わいたいらしい………な」

800 :詩音加美楽 [sage]:2015/04/05(日) 21:40:58.69 ID:5oZXUKZj0
 詩音はそう不気味なことを水月に言うと立ち上がり体から新たに刃を生やし一枚放った。
 ──が、狙いは定まっていないようだ。
 これで詩音に生えている刃は両腕の肘と右手の平の合計三枚となる。
801 :上田美奈 :2015/04/05(日) 21:43:01.80 ID:sp/vdchcO
>>793
【ドアに付けられた鈴のなる音】
【春休み中だというのに江風中の制服なあたり、たぶん学校に用事があったのでしょう】

「む、オーナーが仕事っぽいことしてる」

【入って第一声がこんなんなあたり、大分染まってきた気がします】
【まっすぐカウンター席確保で一枚の紙を覗き見   の前に
 さっさとドリンクバーからココア確保してきます】
【この気楽さ。やはり図書館の上位互換としか思えません】

「お手伝い必要な感じです?」

【必要分の小銭を古臭いお財布から出しつつ確認】
【ま、多少は手伝えるだろう、と】
802 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/05(日) 21:50:45.60 ID:McE4CJt6o
>>798

「ひゃ……っ!?」

少女が転ぶと、体をぶつけた振動で床が僅かに揺れた。
小人のメリーはその揺れがとてつもなく大きなものに感じ、間抜けな悲鳴を上げてしまう。

「え……? あ……っ!」

少女と視線が合った。
まずい、どうしよう、バレずにここまで来れたのに――
冷や汗がだらだらと流れる。今すぐに全力で逃げ出した方がいいかもしれない、そう思った時だった。
少女がメリーのことを幻覚だと疑っていた。
彼女の顔色は悪い。目もどこかぼんやりとしている。あまり意識がはっきりしていないのかもしれない。

「そ……そう! 幻覚! 幻覚ですわたし……!」

自身の顔を指さしながら、首を縦に振って少女の言葉を肯定した。
幻覚が自分で幻覚なんて言うだろうか?
そう思いながらも、メリーは自分のことを少女の見ている幻覚ということにしようとする。
803 :パメラ [sage saga ]:2015/04/05(日) 21:59:20.97 ID:EZc1HmuZO

>>801

あらぁ?……いらっしゃいませー♪

【鳴り響く鈴に目を向ければ、見えたのはここ最近来るようになった少女】
【迷うこと無い動きは正しくとれみぃ常連のスタイルであった】

残念ながら仕事らしい仕事はしてないですねぇ…
あ、その申し出は有難いですが、大丈夫ですよぉ

【かけられた声に対する反応】
【そのまま視線をカウンター奥、厨房スペースへ目を向ければ】
【真っ白な服装にピンクなエプロンを来た少女――副店長が入った何か作業している様子】
【どうも、今はそちらに仕事を譲っている様子であった】

最近は、何かありましたかぁ?

【特に意味は無く、聞くのはそんな事】
【――手元の紙には『黒百合生徒会』や『エインフェリャル』と言った単語】
【そして、それとは別に幾つかの名前】
【最後の方には『組織』やら『バランス』、『魔法少女』等の単語が乱雑に書き連らなっているのが、見えるだろうか】

804 :上田美奈 :2015/04/05(日) 22:04:01.77 ID:sp/vdchcO
>>803
【適応力の高さは自慢のポイントです、えっへん】
【ヘンナことに慣れすぎて、相手キャラのびっくりぽいんとをスルーするときもあるのが
 技能上の欠点ではあるのですが】
【それはそれとして、メモの内容を覗き見て、軽く頭を抱える感じ】

「うぁー、お店の常連さんに被害でもでましたか、それ」

【乱雑な単語から予想した結果だけを口に出す地味系】
【対人戦の経験がうすいというか、極力避けてるので自分がヒットすることはないけれど
 全く知らない仲でもないわけで】

「まぁ、黒百合のレジスタンスっぽい子と共闘したくらいですか、めぼしいのは」

【さすがにご本家とはやりあってません】
805 :フェデーレ [sage]:2015/04/05(日) 22:05:34.14 ID:3pNbqcNto
>>802
「やっぱり幻覚かぁ。でもでも、どうせならエインフェリャル様の幻覚が見たかったなぁ……」

すんなりと騙されるフェデーレ。でもなんで、小人の少女の幻覚を見たのだろうか?と、疑問に思う。私の脳から産み出されたものならば、エインフェリャル様の姿をしている筈なのに。自身でそう思うくらいなのに、見えているのは小人の少女だ。

「エインフェリャル様の幻覚が見えたら嬉しいのになぁ。もしそんなものが見えたら……エインフェリャル様の幻覚と……あ、あんなことやこんなことを……うへへ……」

さっきまでの元気の無さはどこへやら。情けないにやけ顔で妄想の世界へ突入する。

「そ、それで……もっと……あ、鼻血……」

だが、その妄想もすぐに終わる。興奮し過ぎたのか、それとも先程鼻を打ったせいか、フェデーレの鼻から赤いものが垂れてきたせいだ。

「ええと、ティッシュティッシュ。幻覚さん持ってたりする?なーんて、持ってる訳ないよねー」

フェデーレが未だに幻覚だと思っている小人に近づきそう言う。が、すぐに離れ、持っていた自身の鞄を漁り始めた。
806 :水無月 水月 :2015/04/05(日) 22:18:34.97 ID:mjAYGBKl0
>>799
吐き出された鮮血、苦しそうな声。この痛々しい光景を作ったのが自分だと思うと胸が痛い。
相手がどうしても戦わなければ行けない悪なら、この痛みも耐えられる。
けれど、まだ戦う理由もわからないのにこんな事はしたくない。

水月は動かないまま、放り投げられた刃が肩を掠めた。
狙いが定まっていないのはわかっていた。何かを誘っているのだろうか。
詩音がこちらを見る瞳は真っ赤な怒りに染まり、今は話をしようとしても無駄だろう。
―――まだ、続けるしかないのか。この戦いを

身体に刃を生成し、身体能力を強化して殴る。遠距離には刃を投げて対応する。
現在予想できる相手の戦闘スタイルはこんなところだろうか。ならばこちらには銃があり、距離さえ取れれば利は自分にある。

「…………」

無言のまま引き金を引く。詩音を襲うは先と同じ"線"。
狙いは足元へ、移動速度を削ぐことが狙い。

怒りに燃える詩音に反して、水月の表情は銃を撃つたびに暗くなり
―――そして動きの一つ一つにも躊躇いが見えるようになる。たとえば今の行動も、先の銃撃より大きな隙があった。
付け入る隙が生まれている、ということは簡単にわかるだろう。
807 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/05(日) 22:19:55.96 ID:McE4CJt6o
>>805

「う、うん! ……うん」

顔を綻ばせて警戒する必要のない幻覚だということをアピールするも、心がズキズキと痛んだ。
自分の身を守るためとはいえ、初対面の……しかも弱り切っている少女を騙すのは後ろめたいものがあった。

(えいんふぇりゃる……? 誰だろう? お友達、かな)

聞き覚えの無い人名に小首を傾げる。
少女の友人の名前かと思ったが、友人を相手にこんなだらしない顔で妙なことを呟くだろうか。
憧れの人かな、学校の先輩とか? 妄想に浸る少女を見上げながら推測する。

「ごめんなさい、持ってない……。
 ……あ、でも、痛みを和らげることならできる、かも」

メリーの足が床から離れ、体が宙に浮かび上がった。
そして少女の顔に近づくと治癒魔法を発動させる。
先程痛めた鼻に魔法をかけて、破れた血管を治して鼻血を止めようとする。
嘘をついて騙したという罪悪感があるからだろうか。これくらいはしないと駄目な気がした。
808 :藤宮明花 [sage]:2015/04/05(日) 22:21:02.39 ID:uUntrg7po
瀬平戸市のほんの一部に。最近、『女学生の集い』なる、文字通りそのままの交流会の様なものが流行った。
主催はとある富豪の娘。表向きの目的としては、学校や学年に限らず、親交を深めよう、と言う物で、最初の参加者は数人程度であったが、今では数十人を数える程になる。

表向きは。

一人の少女。黒百合学院の生徒が戻ってこない、と言う事件があった。いや、それは正確には事件になどなっていない。
消えた少女の事は誰一人として覚えていない。誰も、本当に誰も。友人も、教師も、クラスメイトも、家族も、果ては市役所の書類すらも。覚えてなどいなかった。
ただほんの少しの人間が、その少女の事を覚えていた。その一人が―――――― 黒百合学院生徒会長、藤宮明花だった。

「随分と、御上手でしたけれど」

北地区のとある豪邸、その敷地全てを覆う様に、結界が張られていた。
内部へと歩みいれば、その中の一つ。寝室に、二人の少女がいた。
薄いネグルジェを身に纏って、恐らく洗い立てであろう髪は荒く振り乱されて。両手を後ろに縛られて。猿轡を噛まされて。
終いには、銃口を額に押し付けられて。一人の少女はカーペットの上に座らされていた。

ベッドの上で、脚を組み。右手に持った銃を、弄ぶように少女に突きつける少女は、黒百合学院の、ブレザーとスカートを身に着けていて。
左腕には―――――― 悪名高い、とでもいうべきか。"黒百合学院生徒会"を証明する腕章が、身に着けられていて。


「"私の生徒"に手を出したのが、運の尽き」


「―――――――――――― どんな風に、償って貰いましょう?」


ゆっくりと、戯れるかのように、人差し指が折られて、引き金にかけられる。
その度に、彼女からは言葉にならない――――――正確には、出来ないだが――――――悲鳴を、上げる。
魔法少女が此処を通りかかれば、まず間違いなくこの結界には気付くことだろう。それだけ、この結界は、膨大な魔翌力を以てして張られていた。
809 :パメラ [saga sage ]:2015/04/05(日) 22:21:23.37 ID:EZc1HmuZO

>>805

?……あぁいえ、そういう訳では無いんですよぉ
それ以前に、私自身が戦いましたからぁ
えーと、エインフェリャルの方は大きな山羊の方で……
黒百合の方は、会長様直々でしたぁ……

【美奈の言葉を聞いて訂正】
【むしろ自分自身が戦ったと、さらりと告げる】

レジスタンス……まあ、あっても不思議では無いですねぇ

【続けて聞いた話に、相槌をうつ】
【確かに、考えれば不思議ではない】
【反発とは、必ず起きる物であるから】

えーと、これはですねぇ
今すこーし、野良の魔法少女達を纏めようと考えてるんですよぉ
……まぁ、まだ構想段階ですがぁ

【そして、見ていた紙を示す】
【となると、書いてあるのは現段階での『相手』や、現在の参加者候補達の名前だと、気づくだろうか】
810 :上田美奈 :2015/04/05(日) 22:26:20.82 ID:sp/vdchcO
>>809
「大きなやぎに会長様ですか……
 とりあえず、もう少し詳しくお話聞きたいかもです。
 うっかり巻き込まれた時のためにも」

【相手が相手だし、まともに戦ったとしても別に驚きません】
【少なくとも、自分たちには逃走手段があるのですから】
【それよりも、野良を固める計画のほうに興味がわきました】
【自分の名前、あるかな?】

「参加者募ってるなら、私も加えてもらったほうがいいです?」

【このままフリーでいてもどこかで必ずぶつかるなら、
 少しでも安全策をとるべき、ですよね】
811 :フェデーレ [sage]:2015/04/05(日) 22:30:43.84 ID:3pNbqcNto
>>807
「ふぇ……?これ……」

幻覚だと思い込んでいる小人が顔に近づく。そして、鼻に感じる暖かな光。それにより、鼻血も止まり、痛みも引いた。間違いない。これは治癒魔法だ。しかし、自分は今は治癒魔法を使っていない。つまりこれは、目の前の小人が幻覚ではなく――

「……あなた、幻覚じゃないよね?」

フェデーレの顔から笑顔が無くなった。あるのは、ただの真顔。その顔で尋ねた。

「――魔法少女……なの?」

幻覚が魔法を使う訳がない。ならば、この小人は魔法少女だろう。取り出したティッシュで鼻血を拭き、真顔のまま更なる質問をした。
812 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/05(日) 22:40:54.86 ID:8ItWdXTh0
>>808

同じ頃、屋敷の外に独りの魔法少女の姿があった。

「……、」

茶髪に三白眼、白い長ランに黒のフェイスガード。
遠くには改造された原付。途中で乗り捨てて駆けてきたのだろう。
そして、荒くなった息を整えられる程度には、結界内の様子を窺う時間はあったようで。

「……絶対後悔する絶対後悔する絶対後悔する――――」

額には大粒の汗。右手には金属バット。左手には掌大の小石。
結界の境界のぎりぎりに立ち、半身で地に踏ん張る。
目と手足には魔力の渦。身体強化の魔法。

「……おぉ、りゃあッッ!!」

強化した視力で敷地内の異常を視認。強化した足が発した力が腰、腕に伝わる。
放り上げた小石を、全てを弾き飛ばす魔法のバットが捉え――――、一閃の弾丸となり、屋敷の寝室へと向かっていった。
813 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/05(日) 22:42:34.90 ID:McE4CJt6o
>>811

「あ……」

しまった、と後悔した時にはもう遅い。
こんな至近距離で魔法を使えば、自分が魔法少女だなんて誰だって気付く。
少女の射抜くような視線をまともに受けることが出来ずメリーは目を伏せた。

「ご……めんなさい、そう、です。
 うそついてました……。わたし、魔法少女、です」

喉から絞り出した声は震えていた。
どうして治癒魔法をかけたりしたんだろう。どうして自分を幻覚だと言ったのだろう。
どうして保健室に来てしまったんだろう。どうしてこの学園に忍び込んでしまったのだろう。
頭の中で時間が遡り、自身の行動を隅から隅まで悔やんだ。
はたして目の前の彼女は騙したことを許してくれるだろうか。
嘘をついて近づいてしまった時点でもう駄目な気もする……。
メリーはゆっくりと後ろに飛び、ぎこちない動きで少女から離れようとした。
814 :パメラ [sage saga ]:2015/04/05(日) 22:45:07.88 ID:EZc1HmuZO

>>810

そうですねぇ……山羊の方は、遠距離戦に持ち込めばなら比較的有利に
なるかも知れませんねぇ
ただ、召喚系ですから周りを常に気を付けた方がよさそうですよぉ

会長さんの方は……腕に自信があっても迷わず逃げた方が良いかもしれませんねぇ
武器としては猟銃を使いますが、はっきり言ってオールラウンダーです

……こんな感じでしょうかぁ

【聞かれれば答えるもの】
【テキパキと短く評し、伝える】

んー……入るなら、拒みませんよぉ
まぁ、まだ方向性とか色々は大まかにしか決まってませんけどねぇ…

【そう言いながら、ペンを取り】
【了承を得れば、書き込む気配である】

815 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/05(日) 22:50:06.68 ID:bRpd4Hb9o
肌を撫ぜる風はまだ冷たく、薄着で出歩くには少し早い――――そんな春宵。
沈みかけた陽は地平線の遥か彼方を赤く染め上げ、月明かりだけを頼りに小さな歩幅でせっせと進む。
少女――――柊崎陽菜子は今、白のジャージに身を包みランニングに勤しんでいた。

「はぁ…………はぁっ…………」

魔法少女になれば身体能力は上がる。其れが強化魔法に依るものなのか、それとも別の要因によって上がるのかは人それぞれだが。
何方にせよ基礎的な動き、体力がなければ其れを使いこなすことなど不可能だ。
特に陽菜子の場合、拳による肉弾戦が主体となるため、身体を動かせるようにするのは強くなるための必須条件である。
そんなわけで魔法少女として強くなるためにランニングを始めたのが今から四ヶ月ほど前、元々運動が苦手ということもあってか成果はあまり出ていないようだったが。
なんとか人並み程度には近づくことが出来ているようないないような――――肩で呼吸をしながら、足を止めずにひたすらに進む。

「はぁっ……はぁっ…………着いたぁ」

ゴールに定めていた公園に辿り着き、速度を緩めながら袖で額の汗を拭う。
身体はすっかり温まってしまっているらしく、頬や耳が赤くなっているであろうことが鏡を見ないでも分かった。
とはいえこれから魔法の鍛錬――――更に身体を動かすことになるのだから、どちらかと言うと都合はいいのだが。
まあ魔法の鍛錬は少し休憩してからにしよう、そう思いとりあえずベンチに腰掛けて。
ジャージの中に仕舞っていたネックレスを取り出す――――それは魔法少女が欲する物を加工したもので。
先日星のかけらを転んで落として怒られてしまったため、落とさないようにとこうしてネックレスにして持ち歩くことにしたのである。
今日は落としてないよね、そんな確認をするために星のかけらを取り出し、淡い輝きを見てほっと一息。
そんなわけで魔法少女、柊崎陽菜子は今日も一人強くなろうと小さな努力を重ねていた。
816 :詩音加美楽 [sage]:2015/04/05(日) 22:51:14.84 ID:5oZXUKZj0
>>806

 水月の肩を掠めた刃は回転により、宛らブーメランの如く詩音の元へと辿り着いた。
 微量に付着した鮮血を舐めると詩音はその刃を納めるように体へと差し込んだ。
 刃を避けなかったことから察するにどうやら水月は考えて行動をするタイプの様だ。
 詩音は別に其れが知りたくて刃を放った訳では無かったが結果として得られたその情報は水月がどんなタイプの魔法少女か予想出来る優秀な素材になっていた。

 水月はどうやら戦う理由が分からないと相手を[ピーーー]という手段が取れないらしいが、果たして詩音は如何だろうか──。
 いくら魔法少女といえど人を簡単に殺めることが出来る少女は少ないだろう。しかし、詩音は違った。彼女は正義こそ持ち合わせていないが心にある主への服従心は絶対で、それを果たす為には殺戮だろうが躊躇いなく出来る様な魔法少女だ。


「ツッリヤァァァァァァァァァァァァ!」

 再び放たれた線の銃弾。
 慣れた手付きとは裏腹に表情から戦意が消え行き変わりに迷いや戸惑いが伺える表情へと変化するのを見て詩音は、言い知れぬむず痒い気持ちを感じた。
 それは言わば苛立ちに他ならない。
 いま詩音は水月を殺そうとしているのだ。しかし、水月はまるで────。
 詩音はそんな気持ちを晴らす様に向かってくる弾丸を足から生やした刃で斬り裂いた。勿論全てが斬れた訳では無い、数発の弾丸は詩音を再び貫いていた。
 しかし、詩音が浮かべる表情は苦痛の表情なんかでは無く唯、憤怒の表情だった。

 詩音は水月の迷いが結果的に戦況を左右していると気付くと同時に其れを付け入って初めて魔法少女に見せる技を発動した──。

 ────詩音が力を抜いた様な態勢をとるとその刹那、殺意や憤怒が膨大にまるで嵐の様に強く膨れ上がった。

「ああ、我が主よ」

 ──血を流し
 ──肉を晒し

「一体いつ会えるのだろうか──」

 ──血を欲し
 ──肉を喰らい

「薔薇を授けよう」

 ──カーミラ。

「紫薔薇の女吸血鬼────」

 結界内が二重で構成された。
 先程までの広場とは違い、あたり一面は紫色の薔薇で咲き乱れ詩音の背後には巨大な紫薔薇が太陽の様に浮かんでいる。
 これが詩音の固有魔法。
 魔翌力も体力も吸い続け、斬り裂いた肉や血を喰らい続ける当に吸血鬼の体内。
 主、エインフェリャルへと捧げる血を用意する為の食卓。

817 :上田美奈 :2015/04/05(日) 22:55:15.92 ID:sp/vdchcO
>>814
【メモ帳にちょいちょいっと書き込み】
【ふむ。たしかに厄介といえば厄介】
【猟銃というのが特に気になるかな?】

「その大まかなのを聞かせてもらいつつ、ですね。
 正直、私は実はいつおりてもいいんですよ、この稼業。
 多少なりとも人の役に立てるなら、それは悪く無いと思うんです」

【理由はそれとは別にもう一つ】
【それほどまでに強大な魔法少女が何を考えているのか知りたいというのもありました】
【ただしこちらはまだ伏せておきます】
【若者特有の無謀さは、その組織にはきっと不要なものだから】
818 :藤宮明花 [sage]:2015/04/05(日) 22:55:27.80 ID:uUntrg7po
>>812

―――――― 彼女が動き出したのは、硝子の割れる音を聞く直前。

藤宮明花の身体強化魔法は得意の内に入る。例えばこんな風に。
硝子を粉々に砕きながら部屋へと侵入しようとする小石に向けて、猟銃の銃口を重ね合わせていた。
小石が窓へと叩きつけられた瞬間に、引き金を引く。撃ち出された銃弾は、こちらへと飛来する小石を―――――――――――― 真正面から撃ち砕き。
そしてそのままそれは窓の外へと飛来し、そして"物理法則に従う事を拒否して"、下方へとその軌道を折り曲げた。

それは明確な意思を伴って、彼女―――――――――――― この、歓迎されていない乱入者の足下へと、回避行動を取らなければ、叩きつけられることだろう。
ここは藤宮明花の結界だ。そして、彼女は身体強化全般を得意とする。


「―――――――――――― こんばんは、魔法少女さん?」


銃口が吐き出す硝煙。それに怯える少女から、視線を逸らした。
割れた窓の向こう側―――――― 彼女の姿を捉え、遥か彼方から、右手に握った猟銃の銃口を向けて。左手をひらひらと振って、微笑んだ
819 :フェデーレ [sage]:2015/04/05(日) 23:00:18.38 ID:3pNbqcNto
>>813
「ねぇ、どうして嘘をついたの?」

フェデーレは、光のない目を小人へと向ける。表情は未だ無。幼げな顔が逆に不気味に写るかもしれない。

「私を騙してどうしようとしたの?……私を傷つけようとしたの?……私をいじめるんだね?……あいつみたいに……」

離れていく小人に、一歩近づく。質問を繰り返し、その質問のたびに一歩、また一歩と近づいていく。
その脳裏には微かに父親の記憶が浮かんでいた。表面上は、優しい父親を装っていたあの男。裏では酷いことを沢山した。きっと、この小人も同じなんだ。だって、あいつら私達以外の魔法少女は綺麗事を言いつつもエインフェリャル様に酷いことをして、終いには封じたんだから……

「……許さない……」

ついにはフェデーレは、懐から短剣アゾットソードを取り出した。
820 :パメラ [sage saga ]:2015/04/05(日) 23:12:31.74 ID:EZc1HmuZO

>>817

……あぁ、そういえば、確かに貴女はそうでしたねぇ

【美奈の話を聞いて、思い出すのは以前の会話】
【確かに、彼女ならそういうスタンスでも違和感は無い】

なら、大丈夫ですかねぇ
……まだ、朧気ですが、目指すものは正義でも悪でもなく、天秤は様にバランスを取ること、ですからぁ
そもそも、自らの願いを叶える為に戦う魔法少女には、それは当てはまらない気がしてるんですよねぇ

【うんうんと頷きながら】
【話すのは、まだ宙ぶらりんな目的】
【それは、長い魔法少女としての戦いの中でパメラが考えた一つの答えでもあった】
821 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/05(日) 23:16:57.01 ID:McE4CJt6o
>>819

「え? ……え?」

逸らしていた視線を戻すと再び少女と目が合った。
しかし彼女の目は先程自分を幻覚だと疑っていた時とは全く違っていた。
一片の光も存在しない闇に満ちた目だ。その目を真っ直ぐに見たとき、メリーは背筋が寒くなるのを感じた。

「ち、違うよ! 傷つけたりなんかしない! いじめたりなんかしない……!」

少女の突き刺すような質問を必死に否定する。
ついさっきまでか弱い女の子としか思っていなかったのに、今はどんなものよりも恐ろしく感じていた。
ガタン、と音を立てて背中が何かにぶつかった。
いつのまにか保健室の扉にぶつかっていた。少女に詰め寄られてここまで後退してしまっていたのだ。

「……っ!」

少女の手に握りしめられた短剣を前にし、メリーは声を出すことが出来なかった。
これ以上何をどう言い訳しても、謝ったとしても無駄だと、恐怖と共に理解したために何も言えなかった。
822 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/05(日) 23:17:52.11 ID:8ItWdXTh0
>>818

意外というか、やはりというべきか。挑発と不意打ちの一撃は余裕を持ってあっさり撃ち落とされる。
だが弾丸(並の飛来物)を弾丸で打ち落とすなど、慮外の行動。
照準一つ合わせるにしても、とんでもない反応速度である。
遠目に“見た”限りでも信じがたく、藪睨みの眼を大きく見開く事となった。

「ど、わ、ッ!」

ただ、弾丸は迎撃に留まらず。一瞬の弛緩の隙を突いて、足元に着弾する。
咄嗟に両足で飛び跳ねれば、派手な着弾と共にブーツに土の汚れが飛び散って。
とっ、とっ、と二度跳ねて、漸く体勢を立て直した。

「どもでス、ヘッド――――生徒会長、さん」

黒百合、猟銃、生徒会の腕章。思いつく限り、最悪の敵に喧嘩を売ってしまった。
先んじて何度も言い聞かせた通り、後悔すること頻り。フェイスガードの下で呻きながら、皮肉げに左手を振り返す。

姿を見せたからには致し方なし。
とん、とん、とホッピングするように。一歩で10m近く、ジグザグに跳ねながら、遠く離れた彼我の距離を詰め始めようとする。
無論、その最中でも相手からは目を離さない。生徒会長と呼ばれる彼女の魔具の一撃を警戒してであった。
823 :上田美奈 :2015/04/05(日) 23:21:37.43 ID:sp/vdchcO
>>820
「あー、そもそも私たちは多かれ少なかれ 
 天秤をひっくり返そうとした人種ですからねぇ……」

【自分が、死へ傾く天秤を強引に生の方にひっくり返したように】
【何かの願いがあるからこそ、魔法の世界に脚を踏み込むのですから】
【でも、ソレが叶ったあとの力は? ある程度若い内しか使えないとはきいたけども
 かけらを使って願いを叶えても、魔翌力を残した人たちは確かにいるのです】
【では、この力を自分に納得させればどうすればいいのでしょう?】

「あくまでも、これは聞いた話と、そこから出た自分なりの解釈なのですが……
 昔は共闘が普通で、衝突することは少なかったそうです。
 テレビのヒーローも、私たち魔法少女も」

【仮面ライダーだろうがガンダムだろうが魔法少女だろうが
 昔は力を合わせるものだったそうです】
【いつのころからか両陣営が同じ存在になりました】
【フィクションの中も、私たち魔法少女も】

「一陣営くらい、昔ながらのあり方を目指すのもありなんじゃないでしょうか。
 まあそれはそれで、相手側に悪役を押し付けるってことにもなるんですけど」
824 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/05(日) 23:29:35.31 ID:JtET0vsO0
>>815

――――何の変哲も無い、公園。
変わり映えのしない遊具群にを見渡せば、時間帯が時間帯である所為か其処に人はおらず。紅に染まる大地が、屠殺場≠連想とさせる。
息を切らせながら公園内へと入り込む少女。まだ幼く、自らの脆弱性を理解していながらも、理解しているからこそ、其の体に喝を入れて育っている。
僅かに散る汗の飛沫は美しいもので、その幼い体躯と相まって儚い′カ想を滲ませる。壊れそうなガラスの様な、光を反射して目を焦す月の様な、幻想。
紅に染まる世界の中でも明瞭に輝く少女の姿は彼女≠フ瞳に渦巻く魔力≠泡立たせ、心臓の鼓動を速め、脳髄を魔力の培養液で溶かし出す。

小さな努力を続ける少女が異変に気付くのは、恐らく鍛錬の休憩を経て一呼吸程の余裕を得た後の時間。呼吸が自然体として可能となった頃合いに、違和感≠ノ体を反応させるかもしれない。
全身の鳥肌が怖気立つような、知らず知らずのうちに何かを忘れてしまっていた≠ゥのような。不安要素の集合体が列をなして歩いてくる感覚。
一度感じた事があるのであれば、それは魔法少女≠ェ創り出した結界≠フ中であることを理解できるだろう。少女程の魔力量であれば、才能で有れば、もしかすれば結界の存在を知らずとも気付く事が出来るかもしれない。

『結界』。それは対象を閉じ込めるための檻であり、基本的には魔獣との戦いにおいて使用される戦闘スペース≠フ役割を持つ小世界≠ノ分類される。
この世界の理より僅かに外れ、魔力によって空間を変質、変容させることによって発生する異次元空間。ごく小規模の空間湾曲、とも仮定されている。
外観は公園と全く変わらない。少女が結界を張られたことに一瞬でも気づかなかったのなら、それは恐らく周りの景色≠ェ一切として変容しなかったから。
結界の展開にもいくつかの種類があり、結界の内部を限定的にだが完全に変質させてしまう結界も存在する。しかし、今回はそうでは無く、むしろ逆の物。
一切として景色が変容せず、魔法を使用する際にどのような形であれ発生する魔力の揺れ幅≠キら殆ど無い。完全な無音展開≠ノよって発現したそれは少女に対して悪意を向けている=B
現実的に、実質的に少女が気付くように向けられているわけでは無い。ただ、一度気付いて≠オまえば、それは肌を舐める様にねとりと纏わりつく視線=B
少女に対する全く根拠のない罵倒=B理解する気も、理解する必要左存在しない呪詛=B形としては様々だが、どれをとっても少女に悪意を向けている∴齠_のみが共通していた。

魔力の発生源。つまりはこの結界を展開した魔≠ヘ、少女の後方に位置する場所に現れ=B少女が気付かなければそのまま、もし気付かれれば
気付かれたことにすら驚きを出さず=Aまるで値踏みするかのような目は、人に向ける目としては最悪≠ネものであると少女も理解する事が出来るだろう。

彼女≠ノ与えられた髪は、肩のあたりまで伸ばされた艶やかな黒=B一瞬前まで鳶色であった瞳の色は、自らの血が逆流したかのように紅≠「。
学生服を着てはいるが、この町に詳しい人間であればその制服を指定着用としている学校は存在しないという事が即座に理解できるはずだ。加えて、もう少し詳しければ同じような柄は存在する物の、心臓部に十字≠ェ描かれた制服≠ェこの近辺の学校には存在しないというのが分かる。
首元を隠す様に巻き付いているマフラーが唯一の市販品……の様にも視える≠ェ、よく見ればそれも魔力によって編まれた魔具≠フ一つで、純粋な市販品では無く。
唯一彼女が一般的、生物的であると言い切れるのは、人間≠ナあるという事。それのみであり、口元を噤んでいる現在。言葉が発せられていない今、それ以上を確認する術は恐らくない。



――――ここまで明確な敵意≠押し付けられて、気分のいい人間など居る筈も無い。
しかし、相対する少女に人間性によっては、説明を求めたり、怒ったり、泣き出したりなど。選択肢自体≠ヘ無数に存在する。
無論、彼女の噤んだ口を強制的に♀Jかせるような行動も…………やりようによっては、可能なのだ。
825 :藤宮明花 [sage]:2015/04/05(日) 23:34:36.11 ID:uUntrg7po
>>822
不良高校の魔法少女。―――――――― 随分有名になってしまったと、苦笑する。
脅えた瞳をより強く揺らす、拘束した少女へと目を向ける。これへの対応は―――――― 少し、後回しにするしかないな、と。
少女の頬へと手を伸ばし、人差し指の先で頬を撫でれば。その瞬間、少女は眠りに落ちた。対象に深い眠りを齎す汎用魔術……これで、逃げられない。

「行けないわ、こんな夜中に出歩くなんて―――――― 不良さん、ですね」

ベッドの加減は中々によかったけれど、流石に座ったままでは限界があるから、立ち上がる事にする。
猟銃の槓桿を引いて、一発の弾丸を装填し、もう一度槓桿を戻し、外へと銃口を向ける。相手の姿は、仮に目を摘むっていようと"見えている"。
着地点を予測―――――― 引き金を引けば、銃声が響き渡り、それと共に再度の攻撃を―――――― 今度は脅しじゃない、"当てる"つもり。

左右に飛び跳ね乍ら進む彼女。この勢いならば、進路上を塞いでしまえば―――――― 後退と言う判断は、頭が追い付いても身体が追い付かないと判断。
撃ち出された弾丸が、"三つに分かれる"。それから、彼女の着地点。ほんの一瞬だけ留まる隙に、彼女の左右へと同時に弾丸が着弾するだろう。
そしてその着弾に、一歩遅れて、彼女の前方に弾丸が降り落ちる。

「黒百合学院生徒会に逆らう魔法少女は、生徒会の手によって処理されます。その全決定権は、生徒会長に」

「私が直々に。貴女へと、正当なる手段を以って"処理"します」

先ず左右方向への退路を閉じ、行動を前方方向及び後方方向への直進に限定。直進を開始した直後を狙って、時間差を以てして前方に弾丸が堕ちる、と言う手筈。
その最中に思考する―――――― 確かに自分は目立つ行動をしているとは思うが、こんな事が起きたのは初めて。
―――――――――――― 誰かが、情報を流しているか。別に不利益を被る訳でもない、寧ろこんな風に"釣れる"のは好都合だけれど。
826 :パメラ [saga sage ]:2015/04/05(日) 23:38:31.33 ID:EZc1HmuZO

>>823

……うふふ、そうですねぇ
それもまた、良いですねぇ

【美奈の言葉に耳を傾け】
【思うのは、好感】
【そんな時代も、あったのだ、と】

……まぁ、そこは考えても仕方ありませんよ
代わりに、相手から見るとこちらが悪、なんて事になる事もありますからぁ
どちらにしろ、これはもう少し煮詰めてから纏めようかと思いますよぉ

【一息つくように、伸びて】

さぁて、とりあえず難しい話はここまで、でしょうかぁ
……ありがとうございます、なかなか良い話も聞けましたぁ

【ここで一区切り】
【目指すものに、また一つ輪郭が浮かんだ】
【それだけで、大きな収穫である】
【そしてぐぐっと、凝った肩を解すように動かすと】

お礼に新メニューの苺カレーをサービスしましょうかぁ?
この間、好評を頂いた一品なんですよぉ?
827 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/05(日) 23:39:20.95 ID:5oZXUKZj0
>>819
>>821

「…………………」

 小さな妖精ならぬ小さな魔法少女と短剣を構える魔法少女の二人が相対する日常からかけ離れた光景が自分の通う学園で繰り広げられていたことに亜久里は呆れていた。
 偶々今日、生徒の一人が保健室に運ばれたと聞いて一応生徒会長の身である亜久里はその子の様子を見に来たわけだが──。

「アンタ達……何してるの? っていうかこの感じ──……魔法…少女……?」

 しかし、そんな呆れた気持ちも束の間。
 最初こそは何かの劇かと思っていたが目の前にいる二人から微量ながらに醸し出されている魔翌力を探知した瞬間、この光景が自分の平和をひいては学園を脅かすものだと知り全身に緊張が走った。

「アンタ…大丈夫?」

 まだ状況を完璧に理解した訳では無い。
 しかし、小さな妖精の怯えている様子と短剣を構える少女の姿から察するに短剣が脅威なのだろうと考え、亜久里は身体を震わす妖精を守る様に、壁になるように前に立った。


828 :水無月 水月 :2015/04/05(日) 23:42:35.97 ID:mjAYGBKl0
>>816
迷ったままの心から打ち出した弾丸はあっさりと弾かれて、かろうじて貫いた弾丸も何の効果も与えられていない。
いや、向けられた殺意に殺意で返さず、迷いと戸惑いを見せたことで怒りに油を注いでしまったようだ。
自分が苦悩すれば苦悩するほどに、言葉の届く隙間はなくなっていく。怒りがこの場を染めていく。

詠唱が、始まった。
一つ一つ、紡がれる言の葉の凄みに身体は自然と動きを止めてしまう。
魔法少女は基本魔術一々呪文を唱えなくとも使用することが出来、魔法の行使に言葉は必要ない。
それでも詠唱を使うということは固有魔法の発動。切り札を切る瞬間だ。
銃のグリップを強く握り、動かない身体を無理やり動かして何とか身構えた。が―――

薔薇が咲き、乱れる。花弁が舞い、踊る。
ひらりひらりと揺れ落ちる花びらが水月に触れた、その刹那。
身体から何かが抜けていく。吸い取られていく。

「これが、あなたの……」

力を失った身体は、太陽の如く君臨する紫薔薇から降りかかる重圧に無意識の内に跪いてしまう。
なんとか反撃しようと銃を向けたは良いが、トリガーを引いてもむなしくカチリとなるだけで弾丸は出ない。
紫薔薇は魔翌力をも吸い取る。"カートリッジ"に込められた魔翌力すら空っぽになっていた。
自分に残された猶予はもう、ほとんどないらしい。魔翌力を"カートリッジ"に頼り切っている故、このままでは変身が解けるのも時間の問題だ。

「……ごめんなさい。
 僕は、甘いことを考えてた……」

俯いたまま、始まる懺悔。

「[ピーーー]事なんてしたくないって。
 でも――――――

 
 こんな状況になっても、この甘い考えは変わらないんだ!」


前を向いた顔には、その言葉のとおりに強い意志が込められていて。
殺さない、自分も死なない。そんな我侭な願い、それを本気で実行しようとしている顔だ。
正念場だ。少女は思い切り脚に力を込め、後方へ飛び上がった。
無論逃げるわけではない。ホルスターから残った一本も引き抜き、4本全てを合わせ"形態変化"
サイズは2メートルを超える、異様で巨大な"殲滅砲"に変貌したのだ。
ベルトから新しいカートリッジを取り出し、空になったカートリッジと交換し

「これが僕の全力っ!!いっけぇえええええええええ!!」

大口を開けた砲口から飛び出したのは"破壊光線"
神が落とす雷の如く、馬鹿げたサイズのそれは床を穿ち、罅をいれ―――
現在、詩音と水月が居るショッピングセンター第二階層を崩壊させた。
829 :上田美奈 :2015/04/05(日) 23:50:14.21 ID:sp/vdchcO
>>826
「多分ですけど、オーナーが決めなきゃいけないのは攻めるか、守りに徹するかのところです。
 後者からはじめて、メンバーの一人が危なくなったら他が助けるのを約束するだけでも
 最初は十分と思うのですよ」

【気に食わない、意にそぐわないものを実力で排除、という時点で実際は悪役です】
【法を守っているかどうかという点では正義を測れません】
【そもそも魔法少女がやらかす事象の大半は不可能犯罪というものです】
【ミナだって、建造物の不法侵入と航空法違反が山積みのはずです】
【で、いちごカレーですって!!??】

「…………あー、それはパスします。
 名前だけでも夜中にうなされそうですから……」

【とりあえず、当座の危機回避を優先します】
【喫茶店の新メニューで再起不能はなんとしても避けなければいけませんので】
【難しい話のあとは、おとなしく本でも読んでますよ】
【本のタイトルが『シリーズ:世界の駄作機 第4集』なとこだけスルーしてください】

//
月曜日の悪魔に対向するためにも、そろそろヤスミますね
830 :フェデーレ [sage]:2015/04/05(日) 23:55:11.64 ID:3pNbqcNto
>>821,>>827
「追い詰めたよ。小人さん。」

ゆっくりとゆっくりと短剣を近付けていく。もう少しでエインフェリャル様への生け贄が完了する。そう思っていた瞬間――

「……もう!いっつもいいところで邪魔が入るんだから。……誰なの?あなた。」

割って入ったのは、別の少女。当然、小人ではない。そのことに、フェデーレは不機嫌そうな表情を見せる。

「ま、誰でもいいけどね。だって、これからあなたも死ぬんだから。」

が、その不機嫌そうな表情もすぐに笑顔に変わった。そして、保健室の周囲に結界を展開する。
そして、次に変身。黒い闇にフェデーレの姿が包まれたかと思うと、その中から黒いローブを纏い、山羊の頭骨の面を側頭部につけた姿が表れた。

「さ、始めようよ。」

宙に魔法陣を展開。そこから不気味な獣の腕が現れる。
亜久里は気付いただろうか?灰色の髪、小学生と見間違うような体型、召喚魔法。これら全てが兵馬一姫の言っていた、エインフェリャルの復活を願う魔法少女の特徴と一致していることを
831 :樹心院 珠輝 ◆ITqPX258yc [saga]:2015/04/05(日) 23:55:14.00 ID:boTReqrKo
商店街の一角に店を構える老舗のソフトクリーム屋。
その軒下に設けられた古びたベンチに、ひとりの少女が腰掛けながら、こんもりと盛られたヴァニラ・ソフトにスプーンを容れていた。

無機質な美を帯びた白のダブルブレザーに刺繍された黒百合が、彼女の所属を沈黙のうちに物語る。
肩で切り揃えた髪質豊かなブロンドと翡翠色の瞳が、浮世離れした美貌を特徴づけていて、
小柄な身の丈いっぱいに清廉さを満たしたその佇まいなど、もはやこの世のものとは思えぬ程だった。

黒百合の学友やうわさ話に詳しい者であれば、もしかしたらその容貌と、導き出される名前に覚えがあるかも知れない。
―――― 樹心院 珠輝。黒百合に第一種特待生として迎えられ、全学費を免除された才媛。
県下最高の進学校に相応しい知性と完璧な令嬢の佇まいを両立した、花々の中の花。
そして社交界の延長である黒百合にあって、一族の家業や家庭の様子について一切語ろうとしないことも、彼女の神秘性を際立たせている――と。

そんな天上人のような言われようをしている樹心院が、なぜこんな寂れた(そして格安の)店に来ているのかは定かではない。
黒百合の一部には「庶民研究」という奇矯な習慣があるらしいので、もしかしたらそういう事なのだろうか。

――何にせよ彼女の隣には、あと一人くらいは誰かが座れるようなスペースが残っている。
顔見知りのよしみにしろ、野次馬根性にしろ、声をかけてみるのも面白いかもしれなかった。
832 :パメラ [sage saga ]:2015/04/06(月) 00:01:32.32 ID:M7N4CjCNO

>>819

うーん……そこは悩みどころなんですよねぇ
色々とさじ加減が難しいです……はぁ…

【美奈の助言を聞いて、返す言葉は曖昧で】
【しかし、きっと全体が纏まるまで、時間はかからないだろう】
【パメラは既に、自分自身の個人としての考えと、受け取った輪郭ががあるのだから】

えー……そうですかぁ
…やっぱりなかなか手を出す方がいませんねぇ

【残念】
【はっきり顔にだしたパメラは、その後は適当に居眠りを始めるだろう】
【……副店長が気づくまで、だったりするが】

/わかりました!お相手ありがとうございました!
833 :詩音加美楽 [sage]:2015/04/06(月) 00:02:12.31 ID:HaSzGXnS0
>>828

 結界内に咲き乱れる美々しい紫の薔薇。
 気品を感じさせる花達は美しく舞っては、儚く散り行く。それが花の定めであり、その刹那こそが最も優美な姿。
 背後に君臨する太陽を彷彿させる神々しい紫薔薇は、結界内にいる魔法少女にその刹那を強制的に味あわせる血肉の華。
 最も美しく最も儚くその命を全うする刹那こそが世の全ての美に王座するという詩音の考えを具現した結界魔法。

「──カハッ、ハハ……アハハ……ハハハハハハハーハッハッハハハハハハ! ハハハ……悪りぃ悪りぃ、随分と惨めな様子でついな……カハハハハハハ、これじゃ美々しいどころか儚くもねぇなオイ!」

 魔翌力を奪われ、自分の考えに苦しむ水月を見て遂にむず痒さも消えた詩音は声高らかに笑い出す。
 流れる鮮血など気にしないで笑う姿は略奪を好む吸血鬼そのもの。

(──ア?)

「ッ!? テッ、テメェェェェ!?」

 しかし、そんな詩音の絶頂は当に己と共に落下した。
 水月の揺るぎない信念の雄叫びと共に其れを表したかのような銃器は二人がいる二回層を破壊し足元は咲き乱れる紫薔薇ごと崩れ落ちた。
 落下する最中、詩音は水月を睨み付けながら逃げるのかと叫ぼうとするが同じく崩れ落ちる障害物により水月の姿が見えなくいた。果たして彼女の姿は────。
834 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/06(月) 00:04:34.58 ID:9BMUYgEeo
>>827 >>830

突然、保健室の扉が開け放たれた。
扉の前に立っていたのは少女。短剣を構える少女と同じ制服を着用しているということは、彼女もこの学園の生徒なのだろう。

「え……は、はい……」

庇うように前に立つ少女に気の抜けた声で返事をする。
――自分を守ってくれている?
そう理解した瞬間、不安な気持ちが解された。
だが、展開された結界を目の前にすると今もまだ自分が危険の中にいることを思い出させられた。

「ちょ、ちょっと待ってよ……!? は、はじめない! 始めないよ!
 あ、あ……あなたも早く逃げて……っ!」

魔方陣から這い出る巨大な獣の腕。これが今から自分に襲い来ると思うとゾッとした。
メリーは亜久里が魔法少女であることにまだ気付いていないようだった。
緊張で全身が硬くなり、心は落ち着くそぶりをみせない。すぐ傍から発している魔力を感じることが出来なかった。
亜久里の服の裾を引っ張り、ここから立ち去るように促す。
835 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/06(月) 00:06:39.74 ID:+GlrfXOeo
>>824

その違和感に彼女が気が付いたのは、荒れた呼吸を整えようとして肺いっぱいに空気を吸い込んだ時だった。
説明を求められても上手くは言葉に出来ない、何故自分が違和感を覚えたのかどうして自分の心がざわついているのかなんでこんなにも嫌な予感がするのか――分からない。
景色に異常はなく、視界に魔的な存在は映らない。それなのに呼吸は整わず、何かに縋るように胸元の星のかけらを右手でぎゅっと握りしめ、数秒間だけ瞳を閉じた。

「…………」

落ち着け、そう必死に言い聞かせ、ゆっくりと感覚を研ぎ澄ます――そう、此れは普通じゃない。明らかに何かが可笑しすぎる。
沈みかけた陽光が照らす公園、ただ悠然と佇む遊具達、此の時間帯に人がいないのはいつものことで、目の前に広がる光景は間違いなくいつも通り=B
だからこそ可笑しいのだ。こんなにも違和感を覚えているのに、何も可笑しくないこと自体が異常事態でしか無い――目を開き、そして現実を視る。
陽菜子は常道を歩む魔法少女ではなく、汎用魔法ですら完全に使用できない。こんな時に探知魔法が扱えれば楽なのだが、生憎と陽菜子にはそれすらも不可能で。
故に頼りになるのは魔法ではなく、己の感覚。視覚に始まり嗅覚聴覚触覚、其処から此の半年間地道に実践で培ってきた直感、第六感。
今までに出会ったことのない、そして間違いなく今までで一番まずい¥況に、陽菜子はゆっくりと拳を握り締め、そして気付いた。
此処は既に『結界』の中だと――巻き込まれた、それも一切気付かぬ内に。
此れを生み出した人間は恐らく普通じゃない。現実と一切乖離のない空間に、突如通りがかりの魔法少女を巻き込む人間が普通の感性を持ち合わせている訳がない。
基本的には平和主義者で楽観主義者な陽菜子が其のような思考に至ることはなく、ただ此れが魔法少女の仕業であり、近くに魔法少女がいること――そして違和感の原因が其処に在ることだけを理解した。

そして気付いた¥u間、違和感は理解不能――――いや、理解を拒否する領域での怖気≠ヨと変質した。
それは謂わば毒だった。視線、存在、ただ吹く風ですら呪いへと捻じ曲げるような、どうしようもない悪意。
未だかつて曝されたことのない其れは、泥のように体に纏わり付き呼吸一つですら否定されている気持ちに陥った。
ランニングで温まっていた身体は既に冷えきり、伝う汗が冷たくて気持ちが悪い。星のかけらの優しい温もりだけが、此の空間において唯一の彼女の味方だった。

――――――――そして出現した誰かに、陽菜子は気付く。
恐怖と不安、緊張に支配された身体は、隠し切れない震えを帯びながらも陽菜子の胸に宿る勇気の通りに従い。
顔を、身体を、そして視線を後ろへと向け、現れた誰かと対峙した。

「え、えと…………」

例えるならば、並べられた商品。肉でも魚でも野菜でも、服でも動物でも奴隷でもなんでもいい――――自らの価値を定められているかのような、凡そ人に向けるべきではない視線が向けられていた。
逃げ出したい――――まず最初に出て来た言葉は其れだった。どんな魔獣を前にしても諦めることを知らず、手に入れた力と経験、一人で積み上げた努力で立ち向かっていた少女が。
ただ一目見ただけで逃走の二文字を思い浮かべてしまったのだ――――屈辱、悔しさ、自分に言うべき言葉は幾つもあったけれど、今はそんな場合ではなく。
自分は魔法少女なのだ。母から受け継いだ力を正しく使い、人々の平和を密かに守る、魔法少女――――必死に言い聞かせ、そして頭のなかの余計なものを強引に振り払い。
舌がもつれそうになりながらもなんとか小さな声で言葉を捻り出し、そして怯えながらも視線を逸らす事無く真っ直ぐに相手を見つめて。

「あの…………どなたで、しょうか?」
「私に、なにか用ですか? えっと…………私と同じ魔法少女さん、ですよね…………?」

相手が自分と同じような思想の持ち主で、味方と成り得る人物――――そんな可能性は微塵も感じられない、基本善性で生きているような彼女がそう考えてしまった。
けれど相手が誰でどのような目的で此のようなことをしているかわからない以上、此方から先手を打って手出しをするなんて発想は陽菜子にはそもそも存在せず。
まずは問いかけ、なにが目的なのかを知る事。そんな当たり前のことを、此の異常な空間に於いて陽菜子は実行した。
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2015/04/06(月) 00:15:43.52 ID:ZT7DbJ8rO
>>825

「深夜徘徊は、お互いさま……」
ぼそりとした呟きは、恐らく聞こえていないだろう。
なぜなら、こちらに飛んでくる弾丸が1発。
身を硬直させた瞬間、それが異様な変化を見せた。

「、ッ!?」


考える間もないまま、左右の地面が深くえぐれられる。
フットワークを奪われた所に飛来する追撃の一撃。
新野はそれを見て――――ガードの下、不敵に笑った。

「……ク、」

正面から来る攻撃は寧ろありがたい。
まして、それが弾丸(たま)ともあれば、これはそういう事なのだろう。

「その油断が、命取りだぜえーーッ!!」

新野は普段から素振りを欠かさない。
学校をフケて、バッティングセンターに通う日もしばしば。
足を止められた。構わない。
両方の踵がめり込むほどに強く踏みしめ、ぎゅぎゅ、と腰を捻る。

「おらぁ、ッ!」

撃たれた弾丸を、渾身の力で横殴り。
飛んできた軌道そのままに、ピッチャー返しを打ち放つ。
弾丸は威力をそのままに、更に勢いを増して相手へ飛び帰るだろう。
何せ鉛玉だろうが魔弾だろうが、見えているなら打ち返せないものなどないのだから。
837 :水無月 水月 :2015/04/06(月) 00:22:38.59 ID:zudpuXR00
全力、と言ったとおり先の攻撃は大きく体力、魔翌力を消耗する。
しかもあの殲滅砲は本来設置して使用するものであったが、それを空中で無理やり使ったのだ。
光線の反動は身体を押し上げ、更に天井に穴を開け三階層まで上るほど。
元々紫薔薇に体力の殆を吸い取られていた身体だ。変身は解け、水月はもう戦える状態ではない。

開いた穴から詩音を覗き込む。よく見えないが、とにかく叫び声が聞こえ、直接的な被害はないようだ。
ほっと胸をなでおろせば、下に向けて変身が解けた姿を見せつけ

「僕の負け、だけど殺されてはあげないから!
 結局なんでっておしえてもらえてないもんね!」

と言い放てばベーと舌を出して見せた。

「まあ、次あったときに教えてくれたら考えてあげるけど!」

そして体力はつきても何とか逃げ足は残っているようで、それだけ言えばスタコラさっさと結界を後にしてしまった。

//キリがいいのでここで〆でー
//お疲れ様でしたー!!
838 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/06(月) 00:31:16.35 ID:HaSzGXnS0
>>830
>>834

「アンタ、紫薔薇通ってる癖に生徒会長の顔も覚えてないわけ? こっちは全学年の顔から髪色まで網羅してるってのに──」

 フェデーレの問いに亜久里は答えようとはせず変わりに強気な口調で愚痴を漏らした。
 別に此方の顔を見て嫌な表情を浮かべたことに苛ついた訳では無い。
 ただ此方は苦労して全学年の顔を覚えたのに目の前にいる少女は学園に通っていながら生徒会長の顔すら知らないということに理不尽な怒りを感じただけだった。

「はぁ……如何やら話し合いはアンタがもう一回保健室で御世話になる時の様ね。 なんならもう一回保健室のベッドで寝た時でもいいわよ?」

 フェデーレの笑顔に対して苦笑いを浮かべながら指を指し軽口を叩く。
 展開された結界を認識した亜久里は鼻で笑いながら魔法少女としての作法は知っているのかと内心小馬鹿にした。

「あ──…………、やっぱり前言撤回。アンタと話し合う時は今日この場で今直ぐよ!」

 魔装したフェデーレが一姫が言っていた魔法少女の姿と重なることに気が付いた亜久里は、溜め息を漏らした後屈伸をして気合いを入れると右肩から現れた金色の猫と共に踊る様な動作をしながら魔法少女へと変身をした。

「いや、始めるわよ。私は、私の周りの平和を大切にしたいからそれを脅かす奴は叩き潰す! それが私の正義。正義を諦めて、逃げれば私は平和を手放すことになる。何もしないで大切なものを手放すなんて、そんな弱虫でも小物でも臆病者でもしない様なことしてたまるかってんだ! ──あんたは逃げたいの? ビクビクした姿晒して逃げたいの? それを望むなら止めないし、逃げ切るまで私が守る。でも、もし目標や信念があるなら勇気も必要よ。体小さくても勇気が出かければもう怯えることも無いだろうしねェッ!!」

 怯えるメリーが引っ張る袖を優しく離すと亜久里は一歩前へと足を踏み込んだ。
 そして自分に言い聞かせる様にされどメリーへと向かって自身の正義と今この場から逃げない決意をいうと亜久里は右手から黄金の聖槍を召喚し、構えた。
 黄金の瞳に迷いは無く、揺れる黄金の髪は美々しく光り輝いていた。

839 :如月 千寄子 [sage]:2015/04/06(月) 00:35:23.56 ID:wxaR3NZgO
>>831

その日、私はお昼ご飯を結構早めに食べていた。
特に理由があったわけではない。朝を軽く済ませていたから、お腹がすくのが早かったのが第一だろうか。
もうとっくに放課後だから、いつもだったら生徒会の「雑務」をこなしたり、書記長として色々と仕事をやったりもする。
けれど今日に限っては、そういう面倒な仕事は早く終わっていたし、ついでに言えばお昼の早さから小腹が空いていた。
財布の紐は固い方だし、一応は「黒百合」の生徒であるから、中々こんな店に立ち寄ってお金を使ったりはしないのだけれど、今日に限って私は気まぐれを起こした。

「……え、えっと、この、チョコとバニラのミックスを……はっ、はい、千円で……お釣り、あっ、すみません……。
 小銭ですっ、あっ――ごめんなさい、今拾います、ちょっと待っててくださいっ……」

そうしたら、かなり手間取った。買い食いなんて慣れてないから、こればかりは仕方ない。お釣りを揃えるのも小銭を落とすのも、仕方ない。
レジの店員から訝しげな視線を浴びつつも、どうにか私は500円丁度のお釣りを貰って、チョコバニラミックスのアイスクリームを買うことができた。
そのまま、帰りながら食べてもよかった。人と関わるのは苦手だし、このアイスクリームを買うのでさえトラブルを起こすのだ。
だから私はそそくさと歩いてここから立ち去り、帰りの電車でちまちまと甘味を舐めることも考えていたけど――軒下のベンチに座っていた少女を見て、また私は二回目の気まぐれを起こした。

「……あ、っ、あ、あのっ」

座っていた少女が黒百合の生徒だったから、というのが、気まぐれの理由だと思う。それが校内でも有名な、あの超お嬢様特待生だというのなら、尚更。
成績のいい私もまた第一種の特待生だったけど、彼女は醸し出す雰囲気からして違う。
少なくとも私みたいな、赤縁眼鏡に脱脂綿の眼帯、枝毛だらけのロングヘアーに顔中そばかすだらけの地味女とは一線を画している。
おずおずと尋ねるこの姿は、黒百合の生徒としては品格がないように思えるかもしれない。
だけど彼女は、そう、何というかミステリアスだし、オシャレだし、何よりきっと人格者に思える。
そんな人と話せる機会なんて、中々ない――お話ができたら、お近付きになれたら。

「とっ、隣っ、いいですかっ……?」

何度も吃りながらようやく、私は彼女の了承を得るための第一歩を踏み出すことができた。
けれど、見てわかるとおり私はひどく地味な女で、人と話すのは苦手で、さっきのトラブルもやたら辺りに響くくらいうるさくて――
つまりは、どちらかと言えば「見下される」ような人間だった。喜び勇んで話しかけたはいいけれど、少なからず今の私は、後悔している。
840 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/06(月) 00:36:39.35 ID:LZvvj9el0
>>835

「――――っ」

少女が発した第一声までは予想通りだった。先ほどまでは彼女≠ェ予測した、あるいは許容の範囲内であると理解できる範囲内での行動だった。
自らの結界≠ノ対象を捉え、自らが持つ終わり≠フ属性を浴びせる。終焉とは即ち全ての終わりであり、破壊であり、消滅であり、消失であり、亡失である。
表現するにはやや難しいが、結局のところは絶望≠ニいう言葉が一番近いのかもしれない。創造という希望の後に続く破壊、再生を認めぬ破損。肯定をせぬ否定。
何物をも拒絶するまでも無く℃んでいく。彼女が体中に流している魔力(けつえき)は、そういう物であったはずだ。
しかし、今この瞬間発生している予想外≠ヘなんだ? そのまま壊れていく死≠予想していたのに、壊れない。それどころか、此方を認識≠オ且つ言葉≠作ろう施行まで残っている。
おかしい。おかしい。自らが発生させた結界の中で、彼女は僅かに狼狽していた。全くの揺れ幅が無かった表情にもその変化はありありと浮かべられていて
始めて彼女の存在に感情≠ェ灯る。いくら魔法を使えようと所詮は人間という魂でしか活動できず、彼女が其れこそ異端≠ナあるのなら
このような派手≠ネ行動はしなかっただろう。物事を派手に魅せたがる人間というのは、結局のところ此方を向いてほしい≠ニいう感情の作用によって動いているに過ぎないのだ。

「魔……法少女=B」「ああ……そうだった。」

「「お前は」「魔法」「少女なんだ」」

狼狽した表情から一転、歯を食い縛るような表情を表した。魔法少女という言葉の羅列を一つ一つ噛み締めて、噛み砕いて、飲み干さずにそのまま路傍へと吐き捨てる。
あるのは嘲笑≠ノもにた自嘲≠フ顔で、それは同時に困惑しながらも此方への対話を試みようとしている少女≠ノ矛先を向けた。

「魔法少女魔法少女。ああそうだ、魔法を振り翳すお前らだ」
「この町の至る所に居やがるクソみたいな奴らの身内だ。キラキラキラキラ鬱陶しいお前らだ」

言葉には、意味が込められていない。所詮は総て自らの欲望≠満たすだけの捌け口に過ぎず、困惑する少女になに一つの恨みも、私怨も無い。
只々「魔法少女」という現実と、輝いている≠ニ彼女が感じただけの嫉妬=B自らの感情すらロクに制御できていない彼女は、仮面を被ることで自らを保つ。
他者を貶めることでしか自分を表現できない。自らが生まれた場所はそれだけしか取り柄が無かった。だから、此処でもそれを使う。自らの証明はそれだけしかないのだから。
嗚呼ムカつく。苛々するんだ。なんでそうお前らはいつもいつも…………魔法「少女」とはよく言ったものだ。彼女が知る限り、まともな「少女」では無い奴だってたくさんいる。
何が魔法だ、何が少女だ。忌々しい。何だか無性に腹が立つ。このような考えに至る自分自身にすらその感情は芽生えるが、怒りとして発散される前に不快感≠ニして腹の中へと溜まっていく。

殺したい=B彼女には其れしかない。殺すことでしか自分を表現できない。殺す、殺す、殺す。終焉こそが、彼女が彼女としていられる真実の空間。
脳髄が解かされるような感覚が体を支配し、自らの体内にて生成された魔≠ェ溢れて零れる。結界内の密度が、また少しだけ上昇した。

「恨みはないがぶっ殺す=v


「私は」「オマエが」



                                     「―――――殺したいほど、嫌いなんだ。」

説明は無い、理由も無い。只々、暴力としてそれは存在する。理不尽が形を成して現れたように、まるでいう事を聞かぬ赤子の様に
しかし、赤子というにはその暴力は重すぎて。世界≠キら塗り替えんと魔法を終わらせる=B空間を切り裂いて発生する空間≠ヘ、慈悲も無く少女の首を刈り取らんと手を伸ばす。
所詮は魔力で形作られた鎌鼬。モーションを起こさず&つそれは強力ではあるが、最強では無い。既にこの違和感≠ノ気付いているのであれば
彼女の第六感を持って回避≠キることは容易な筈だ。
841 :藤宮明花 [sage]:2015/04/06(月) 00:41:13.57 ID:vdMi3Kt3o
>>836
首を微かに傾げる。

―――――――――――― つ、と一筋。頬に紅い線。

次弾装填。弾倉を開き、一発を籠める。これでいい。後は―――――― 『狩り』の時間だ。
反乱分子は"処理"しなければならない。正当な方法で。清純なる浄化を。全ての魔法少女は管理されなければならない、"黒百合学院生徒会"を以てして。
だから、これで敵対行動は確定した。行われるのは、完全且つ、適切な、"処理"。

猟銃を下せば、銃身下部が光り輝き、その光が刃を形成する。刃渡り30cmにも及ぶ長大な銃剣。
そしてそれを持ったまま、窓枠へと足を掛ける。それから戸惑い無く、跳んだ。

正確には、ほんの少しの躊躇はあった。このまま飛んでしまえば、スカートの中身が丸見えじゃないか、何て、戦いの場には余りにも似合わない、呑気な躊躇が。
だから、左手でスカートを抑えながら。然しそれでもスカートは捲れてしまうのは当然のことで。然してそれは、その"照準"に寸分の狂いも齎さない。
撃つ。それは真正面から、物理法則のままに、軌道の通りに―――――― 否。"ほんの僅かに"、数センチだけ、通常の弾丸が描く軌道から、からズレる。


「とっても、野球が好きなんですね」


―――――――――――― 疾走。一歩目で、其処から消え失せる程の、"魔法少女だけが許される領域"。

そしてその僅かに、装填。射撃準備完了。飛び出す薬莢を置き去りに、小細工は要らない―――――― 真正面から、『撃ち斬る』。
二言目の前に。銃剣を装着した猟銃を『斬る』。


「―――――――――――― 健康的で、良い趣味ね」





甲高い音共に、薬莢が地面を跳ねた。
842 :フェデーレ [sage]:2015/04/06(月) 00:57:11.08 ID:sHCe+Lc1o
>>834,>>838
「生徒会長さん?そんなこと言われても、私にはエインフェリャル様以外は見えてないしー」

盲信にして狂信。フェデーレの心には、エインフェリャルの姿しかなかった。エインフェリャルしか見えていなかった。

「かっこいいねぇ。うん、かっこいいこと言うよ。あなたは」

自らの正義を語る亜久里に対し、不気味な笑顔を崩さずに言う。

「けどさぁ、そっちの小人さんは大きなお荷物だよ。生徒会長さんも見たでしょー?小人さんの怯える姿。勇気を出そうとしても無駄だよ。」

フェデーレは、メリーを嘲笑する。臆病な人は強くはなれない。臆病なままだと。

「果たして、生徒会長さんは小人さんを守りながら戦えるでしょうか?答えは――NOだよっ!!」

魔法陣から出ている悪魔の腕が動き出す。それは、掌を開いたかと思うとそこから真っ黒な炎を放った。
843 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/06(月) 01:06:13.17 ID:+GlrfXOeo
>>840

目の前の相手が吐き出す言葉は、整理されておらずただただ胸中に蠢く其れをぶち撒けているだけのような印象を受けた。
つまり簡単に言ってしまえば、会話をする気がない。陽菜子にとっての言葉とは分かり合う為の道具であり、相手に自分の気持を伝え相手の気持ちを理解するためのもの。
だが相手は恐らく違う。相手にとっての言葉とは、思いつき羅列するためのもの――――一方的にぶつけ、傷付け自分が楽になるための刃であり薬。
所詮は予想、そう陽菜子が感じただけという話だが、何方にせよ相容れない性質であり此の儘ではヤバいというのだけは間違いなく正しいと言い切れる。
だが、其れでも分かることが一つだけあった――――相手も、人間だという事だ。
相手は明らかに外れている=Bけれど動揺していたし、憎悪を持っていて、それできっと嫉妬のようなものも抱いている。正直過ぎて、そして人間らしすぎる人間。
そして同じ人≠ナ在るならば分かり合えるはずだと、自分でも甘すぎると理解しながらも其の信念だけはどれだけの悪意に曝されてもなお捨てること無く。

「…………どうして殺されるのかは、知りませんけれど」
「ただ無抵抗で殺されるほど、私も馬鹿じゃありませんっ――――術式、開放っ!!!!」

柊崎陽菜子は平和主義者だ。出来れば争いなんてしたくないし、平和に一生を終えることが出来るならば其れが一番だと今でもそう思っている。
だけど其れは無抵抗に殺されるという訳ではない。平和主義者と言う事は平和を求めるということ――――ただ漫然と其れを望むだけではなく、そうするために行動を起こす意志が在るということだ。
彼女は普通の女の子だった。交通事故で父を失い、そして二年前に母を魔法少女に殺されて、けれど彼女は誰を恨む訳でもなく、復讐が出来るだけの力を手に入れてなお。
其の力を自らの復讐のためでも無く、自分に優しくない世界に憎しみを振り撒く訳でもなく、自分以外の人々が平和に生きていけることが出来る世界を作るために使うと決めた。

そう、彼女は普通の少女だった。けれど彼女は知っていたのだ――――世界は決して、優しくなんて無いんだ。

自分が聖人君子だとは思わないし、人並みに悪いこともしてきたと思う。けれどそれでも周りは奪われず、自分だけがたった一人残された。
悲しくない訳がなかったし、どうしようもない理不尽に憤り、恨み憎んでぶつけようのない衝動を胸に秘め、それでも真っ直ぐに逸れないように歩いてきた。
世界は優しくなんて無い。善人が死に悪人が生きる、そんな事が平然と起こり得るのが此の世界の必定――――だからせめて、彼女は普通の人が普通に生きていける事を願った。
もう誰も理不尽に奪われないように、超常と立ち向かい表に生きる人々を影から守る、そんな魔法少女になると決めたのだ。

//すいません続きます……
844 :樹心院 珠輝 ◆ITqPX258yc [saga]:2015/04/06(月) 01:06:24.25 ID:yivo0LIio
>>839

白い山を掻き取る手を止めて、樹心院はもたつきながら会計を済ませる少女の方をちらと見た。
同じ黒百合の制服。しかしながら、無闇矢鱈に自己を飾り立てるような虚栄心は伺えない、素朴な着こなし。
それを見て、何を思ったか樹心院は微笑み――――しかしすぐに、アイスクリームへと視線を戻す。
周辺の動静に対する高慢な無関心こそが貴人に求められる振る舞いの一つだと、樹心院はこの一年間で学んでいたからだ。

「……もちろん、大丈夫ですよ」

声をかけられれば、樹心院は改めて少女へと振り向く。
了承の旨を伝えると共に、彼女は隣に置いていた学校指定のバッグを足元に移した。
あなたは自分の持ち物を汚してでも側に居て良い方ですよ、と、この乙女は言外に示しているのだ。

「あなたのことはたまに校舎で拝見していましたけれど、こうしてお話をするのは初めてね。
 廊下で顔を合わせると、みんな『ごきげんよう』の一言でそそくさと去ってしまうんですもの」

品の良い笑みを浮かべながら話す樹心院の口ぶりはどこか冗談めいていて、巷説よりもずっと友好的と言えた。
黒百合の鑑≠セなんて言われてしまえば――――嫌でも、多くの人はお高く止まった高飛車な人物像を思い描いてしまう。
また家族ぐるみの政略に消極的な樹心院は、彼女に対して劣等感を抱く他生徒から「付き合いが悪い」との悪評を流布されたりもしていた。
本人としては、腹の底を探りあうような学友のコミュニケーション方法は非常に鬱陶しいと思っているのだけれど、
とある事情のせいで、それを外ではぴたりとやめるわけにもいかない。噂は光のように駆ける。

「きっとご存知でしょうけれど……私は樹心院 珠輝といいます。
 よろしければ、あなたのお名前も教えて頂けなくて?」

目の前の少女の警戒を買わないよう、眼帯へと向かう視線を朗らかな笑顔で誤魔化しながら、
樹心院は改めてその名を名乗り、同時に話し相手の姓名を質した。
845 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/06(月) 01:06:49.86 ID:+GlrfXOeo
>>843続き

其処に自らの救済は含まれていないけれど、其れでも構わない。何もかも失って、彼女に残ったのは母が残してくれた此の悲しみを打ち砕く力だけなのだから。
だから少女は抵抗する。ジャージはシンプルかつ華やかな黒のショートドレスに、其の上から白のミリタリージャケットを羽織り。
黒のハイソックスとブーツを身につけ、黒髪が星の色へと染まった――――そして両手を覆う漆黒の手甲は、夜の闇よりなお深く、光すらも飲み込んで離さない。
漆黒の騎士――――華奢で、小さくて、とても戦士には見えなかったけれど、其れでも此れこそが彼女の持ち得る魔法の力。
纏う魔力は夜空にすら染まり切らず、少女の善性とは相反するような黒=\―――――――手甲型魔導機インペリアルブリッツ≠ェ起動し、柊崎陽菜子は魔法少女へと変身した。

「……私が何か気に障ることをしたなら謝ります、けれどいきなりじゃ理由もわかりませんっ」
「だから教えてください――――どうして、ですか……?」

一切の予備動作もなく放たれる鎌鼬、咄嗟に反応するも完全回避とはいかず、左腕を深く切り裂かれ其処から血が噴き出していく。
右側に転がりながらもなんとか体制を立て直し、再び相手へと問いかけるが――――其れに果たして意味があるのかどうか、其れは問いかけた本人ですら分からなかった。
だが意味がなくとも、そうしなければならない。何故か、簡単だ。其れが柊崎陽菜子という人間だからだ。
誰であろうと、きっと分かり合える。そして言葉≠ェ駄目なら――――其の時は、拳=uで語るまで。
まだ言葉で分かり合えないと決まったワケじゃない。完全な決別、決定打がない以上、言葉による説得をやめるわけには行かなかった。
しかし彼女の身には既に魔力が満ち始めていて、魔法を発動するための魔弾はいつでも装填することが可能となっている。
戦う意志が無いわけではない、其れは相手から見ても明らかだろう――――彼女は平和主義者であっても、敗北主義者ではないのだ。
846 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/06(月) 01:07:20.94 ID:hfvLXSNU0
>>841


打つには、近すぎた。

こんな距離で投げられる弾(たま)を、自分は知らない。
それ以前に、一歩でここまで踏み込んでくる敵は、クリーチャー含め初めてだった。

焦点を屋内から外へ移した時には、目の前にはもう銃を構えた相手。
体幹を捻る。発砲音――――避けきれなかった。

「ぐぁ!」


それはわざとか偶然か、狙いは正中線をずらして左肩辺りに喰い込む。
強化魔法で覆った服と肌を、素振りで鍛えた筋肉を易々と破り、上腕骨近くまで到達する。

痛みで萎えそうな右手を辛うじて突き出す。がぎぃ! とバットに剣が噛み合う手応え。
撃たれた反動で、空いた左手は痺れている。20p近い体格差もあり、剣身が一気に頸筋近くまで押し切られた。

(初めも思ったけど、基礎体力も化けモンでスか……!)

並の魔法少女なら、片腕だろうと押し負けない自信はある。
なのにどうだ、バットのを通してびりびりと伝わる衝撃は、お嬢様学校のそれとは思えない膂力。
喰いしばった歯が、唇の隙間からがちがちと音を立てる。

「は、ハハ……――殴り合いは、もっと好きだぜェ!!」

この距離では得物を振れない。あとほんの少し、距離が必要だ。
仰け反った体勢のまま、厚いブーツの爪先で前蹴りを放つ。狙うは的の大きい腹部。
僅かでもバットを振る隙間さえ生まれれば、一瞬で月の彼方まで送ってやる。鍔迫り合いの奥の目は雄弁にそれを物語っていた。
847 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/06(月) 01:08:07.01 ID:9BMUYgEeo
>>838 >>842

「……っ!」

――メリーは逃げたかった。
どんなに無様な姿を晒そうが関係無い。勝てるかどうか分からない恐ろしいものに立ち向かうなんて無理だ。
自分は無事に両親のもとに帰らなければならない。傷付いていない、元気な姿を二人に見せたいのだ。
だからこれまで魔法少女や魔獣との戦闘を避けてきた。戦いなんてまっぴらごめんだった。
しかし。
亜久里の凛とした背を前に、彼女の信念の込められた言葉を受けて、心がぐらりと揺らされた。

今ここで逃げたら、父と母に胸を張って自分は帰ってきたと言えるだろうか?
恐怖や困難から逃げ帰ってきた自分の姿を想像すると、きっと言えないような気がした――

メリーの体を青い光が包み込んだ。
一瞬の煌めきの後、光の繭から解き放たれた彼女は水色のエプロンドレスを着用していた。
それはメリーの魔法少女としての衣装で、この服を着たということは逃亡ではなく立ち向かうことを選択したということだった。

「……ちがう。
 お荷物なんかじゃ……無い!」

両親のことを考えると勇気が湧いてくる。もう体もほとんど震えてなかった。
腰に差した小さな剣を鞘から引き抜き、右手で構え持つ。
玩具のようなそれは涙の剣という。その名が示す通り、刀身は水に濡れて剣先からは雫が垂れていた。
メリーが剣を振るうと、そこから大量の水が溢れ出した。
水流は亜久里を避けて彼女の目の前へと集められ、巨大な水の壁を作り出した。
獣の手から放たれた黒炎が水の壁に防がれる。炎と水は白い煙を上げて共に消滅した。
848 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/06(月) 01:28:00.03 ID:HaSzGXnS0
>>842
>>847

 亜久里は聖槍を構えたまま動かなかった。禍々しい魔翌力を帯びている恐ろし怪奇な腕から放たれた漆黒の炎が目の前まで迫ってきても唯ひたすらに黄金の瞳で、其れを見つめていた。

 そして炎が亜久里の零細な身体を飲み込もうとした刹那──勇気に満ちた揺るぎない信念を持ったメリーの雄叫びが亜久里の鼓膜を振動させた。
 其れに反応を示す様に亜久里は口角を上げると、一回深く瞳を閉じる。
 やがて数秒たった時に閉じた瞳を開けば、メリーの信念や勇気を具現した強い水が亜久里の前で壁を作り炎から身を守ってくれていた。
 強い精神を象徴した水の壁は、メリーの意思に比例しているかの様に破られることは無く見事炎を相殺している──。

「──ハッ!残念だけど私の知っている小さな女の子にお荷物なんていないわよレズ野郎。──ていうか、アンタこそ隣にいるどデカイ腕のお荷物なんじゃない?」

 槍を回しながら失笑。
 勇気や信念を持つ持たずとも、一度悩めばそれだけで人は強くなる。亜久里はそう思うゆえ、悩んだ瞬間からメリーはお荷物でも何でもない立派な魔法少女だと思っていた。
 亜久里は一度メリーを見て微笑むと、フェデーレに対して挑戦的な表情を浮かべた。

「じゃあちゃっちゃと倒しちゃいますかね!!」

 亜久里は基礎魔法である身体能力上昇魔法を使うと巨大な腕を無視して、一気にフェデーレへと接近を試みて槍の一閃をお見舞いしようとする。



849 :藤宮明花 [sage]:2015/04/06(月) 01:35:51.99 ID:vdMi3Kt3o
>>846
―――――――――――― いや、足りない。

銃弾が左肩に食い込み、その上で叩き付けた刃は、あと数センチが届かない。流石に、その見た目通りと言ったところか――――――。

バットと交差する、猟銃の向こう側より、彼女の顔を眺める。それから、その攻撃を受け止めた事に、敬意を籠めて、柔らかく笑って見せた。
それは随分と、本当に、敵意の欠片も無いような笑いで。然しその理由は、その本質は、"相手を敵意など抱く必要も無い劣等種"という、余りにも膨大な『見下し』から来るもの。
其処に悪意は無い。只々理由など必要なく、純粋に全てを"自分より劣っている"と思っていて―――――― それは、多少人の感情を感じる事が出来る能力に長けていれば。
そして、多少なりとも存在する"繕う"物が剥がれて堕ちる戦いの中では、顕著に。直感的に、然し知覚できるかもしれない。
鍔競り合いの状態のまま、彼女の体がゆっくりと変化していく。黒百合学院の制服から、文字通り、典型的な"狩人"の姿へ。
藤宮明花の魔法少女としての性質は、コスチュームに対して恩恵を受けないが―――――― それでも、制服を汚す事にならなくていいのだから、着替えた方が良いだろう、と。

「あら―――――― 私は、そんなに好きにはなれないですね」

彼女の前蹴りへと向けて、自分も前蹴りを合わせる。彼女の足裏へと、自分のブーツが、ぴったりと合わさる形で。
その衝撃を利用して、一度宙で回転した後、その間合いを空ける。
この距離の開き方は藤宮明花にとっては不本意な物だった。彼女は距離を開ければ、バットを振るうだろう。それならば、先の様に弾丸を弾き返される、という危険がある。
それならばそう言う軌道を描けばいいかもしれないが、問題はこんな風にバットを振らせる状況に陥らせた事だ。
弾丸を見切り、そっくりそのまま弾き返すと言う芸当は、非凡の域に達している。見下しこそすれ、侮る事は出来ない。

「だからこんな時間は、早く終わらせてしまいましょう?」



「傷付くのは―――――――――――― 嫌いですから」

一歩踏み出す。距離を詰める―――――――――――― そう見せかける。其処に"意識を向けさせる"。
二歩目を踏み出す。その瞬間に、引き金を引く。銃口は自分の右。間違いなく、まともな銃弾では決して届きはしない銃撃―――――― だが。

其処から、再加速。奇妙な音と共に、加速する。音すらも置き去りに仕掛ける様な、魔法少女の身体能力を以てして。
右手を戻し、左手で銃身下部を掴み。そして―――――― それを、彼女の胸へと突き刺そうと試みる。

そしてそれと同時。撃ち放たれた弾丸はそこから数度の直角を描き、彼女の背中を撃ち貫かんと飛来する。
丁度それは。彼女に突き出した刃と、"タイミング"を同じくして。
850 :如月 千寄子 [sage]:2015/04/06(月) 01:40:43.36 ID:wxaR3NZgO
>>844

声をかけてから返事を受けるまでの、ほんの僅かな沈黙でも、私は心の中で色々と仕方のないことを考えてばかりだった。
こんなに吃って話しかけて、嫌われたらどうしようとか。そのまま色々と悪評が広まり、ついには生徒会長や高辻先生の耳に入ったらどうしよう、とか。
そんな思索は全て例外なく、完全に妄想の域に入っていたのだけれど――思い込んでしまった以上は、自分の力で抜け出すことなんてできるわけがない。こればかりは天性なのだ。

「……は、はいっ。ありがとう、ございます」

だから、目前の彼女があっさりと了承してくれた時には物凄く安堵して、見るからに態度に出てしまっていたと思う。
更に、彼女は私の席を用意するために、自らのカバンをも下に降ろしてくれたのだ。これにはつい「す、すみませんっ」と言ってしまう。もうあからさまに落ち着かない様子で椅子に座り、申し訳ないから私もカバンを地面に降ろす。いつもなら、膝の上に置くのに。
感謝より謝罪が先に出るこの口は、果たしてどうすべきなのだろうか。やはり、天性だと思う。

「……わ、私も、あなたのこと、何度か見たことがあって……
 ……お、思い切って話していたら、よかったかもしれませんね」

彼女の姿を一目見たときは、如何にもお嬢様然とした格好と立ち居振る舞いだと思った。
書記長をやっていると嫌でも噂は聞くが、その特待生について回る話はどれもこれも悪評ばかりであったし、ならばきっと彼女は会長のように恐ろしい人なのだろうと結論付けて、私はさっきまで彼女を畏怖してのである。
けれど不思議なこともあるもので、彼女からは黒百合の学徒にありがちな選民意識というか、プレッシャーというか、そういう悪意ある感情を覚えないのだ。
もしかすれば巧妙にそういう感情を隠しているのかとも勘ぐったけれど、どうにもそうとも思えない。朗らかな微笑みからは、彼女の腹は見えてこない――それがかえって、私を安心させていた。
きっと彼女は、私を認めてくれる人なのだ。その淑やかな笑顔に応じて、私は幾分か上機嫌で喋ることにした。アイスクリームのことなんて忘れていた。

「えっ――と、私は、如月 千寄子って言いますっ。一応、生徒会書記長を担わせていただいています……。
 これからよろしくお願いします、珠輝さん」

にこり、と笑い返す――もしかすれば、にへらっ、みたいな感じになってたかもしれないけど。
地位も頭脳も性格も、私よりずっと優れた人と話し、認められ、私はすっかりご機嫌だった。
ああ、そういえばアイスクリームもあったっけな。ようやく思い出して、私は白と茶の螺旋を唇で挟む。冷たい感触。舌に残るバニラの甘みが、癖になるチョコレートの甘みと相関して、成る程これは老舗の味である。
ああ、来てよかった! すっかり上機嫌な私は、いつもなら絶対に人に見せないように気を遣っている、手首を僅かに晒してしまう――自傷の跡が、見えてしまうかもしれないのに。
851 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/06(月) 01:42:48.49 ID:LZvvj9el0
>>843>>845


術式解放。魔法少女は、変身≠ニいうプロセスをたどることで魔≠ニの融合をとる。そのこと自体は知っているし、彼女自身其のシステムを利用している故にそれは見慣れていた。
だがしかし、何故それがこんなにも輝いて≠「る? 言葉にする暇も無く、その輝きは所詮変身の間の一瞬だけであったが
確かに黒≠ェ星≠ヨと変貌するのをこの眼が見てしまう。見てしまった。脳内の中が、ピシリ、そう軋む。
相対する少女の様に、彼女が持つ過去は壮絶な物では無い。ただそうであれ≠ニ願われたものがそうである℃魔放棄した故の結果。

だが、願われたものにはそれ≠オかない。ただ一つだけ確かに存在が証明される選択を放棄して、結局のところそれしかない≠ニいうのを痛感する。
殺す事しか能がないのに、其の事自体に疑問を持った。考えることが嫌いだった。考えれば考えるほど、自らの存在意義が其れしかないと理解できるからだ。
其れなのに結局は殺し≠ノ逃げる。それしかないから、それしか出来ないから。だからこそ、そのような思考を抱かない、抱こうとしない少女の様な人種が羨ましい=B
自らに出来ない物を持っている人間を、他者は煩わしいと感じる。自分より優れたものは、自らの劣等感、コンプレックスとして強烈に残り続ける。
所詮は嫉妬=B考えれば考えるだけ虚しい理由。少女と戦う理由を無理矢理に取り繕って、それすら自らの思考回路を狭めるための道具として利用する。
自分勝手であり、身勝手過ぎるほどに自分本位。故に、それでも甘い¥ュ女の姿は眩しく映る。

「…………何べんも言わせんじゃねぇよ」

「私は」「お前みたいなやつらが」「キラキラした奴らが」「殺したいほど大嫌いなんだッッ!!!」
「今攻撃しただろ? 血が出ただろ? 痛いだろ? だったら攻撃して来いよ! 殺しに来いよッ!!」

「 あ  た し に 殺 す 理 由 を 寄 越 せ ェ ェ ェ ェ ェ ェ ェ ェ ェ ェ ェェ ェ ッ ッ ッ ! ! ! !! ! ! ! 」

眩しく映るからこそ、何時もの様な飄々とした仮面の自分≠保っていられない。傍若無人、暴虐暴王な自分を繕い続ける事が出来ない。
自らが進まなくてはならない道を進んでいる=B自らが進むことができない道を、どうあがいても埋めてしまえない絶望的な差を、彼女は認めたくなかった。
物心ついたときから、魔法を使って他者を殺す事だけを学んできた。気に入らない奴、好きな奴の区別も無く、教えられたとおりに式≠発動し、そして殺す。
ナイフや剣などで人を殺すよりも簡単で、そしてゲームのようにあっけない。殺しているという自覚すらないので、特に何も思う事無くそれを続けられた。

何時しかそれは日課になって、朝「おはよう」と挨拶するのと同じくらい、彼女の日常を侵食してしまう。最も、それが彼女の家の日常≠ナあるので、それが途切れることも無く
下手に普通の学校に通っていたから、他の人間と会わず。合わせる必要も無いので、合わせない。ムカついたなら殺してしまえばいい、そう思うようにもなった。
ただ、自分でもわかっているのだ。このような事はごく一般的に考えて可笑しいものであるという事くらい。けれど、それを実行に移すほどの常識≠ヘ無く。

終わり≠ゥら与えられたのは、彼女が理想とする敵=Bそいつを殺せばいい、そいつらを殺せば、彼女の存在意義が確定される。頃っすことでしか自分を図れないから
祖の秤をくれてやろう。そう言って、思考停止の楔≠くれた。彼女は歓喜する。考えれば考えるほどに自己嫌悪。ただそれだけで忙しい、ただそれだけで煩わしいものを、捨て去ることができるから。
そんな風にして彼女≠ヘ進んで魔法少女として為る=Bbot≠フように敵を殺し続けるのが、彼女にとっての救済≠ナあるから。

明確な理由がない、だからこそ予想外≠フ行動をされた時、自らに思考をする余地が生まれてしまう。そうすれば、感情が現れる。そうすれば、また℃v考が始まってしまう。
それは嫌だった。いやだ、いやだ。何も考えたくない。五月蠅い、死ね、死ね、死ね――――――――

思考を持ったbotは、自らの行動に困惑する。行動が絡まり、思考がほどけ、そしてそれを整理するためにシステムは停止してしまう。
牽制の如く放たれた鎌鼬は先ほどよりも魔力の構築式が弱く、脆い。同じような軌道で、同じような速度で。今回は腕を振るう動作に合わせて#んでいく―――――
852 :フェデーレ [sage]:2015/04/06(月) 01:46:47.64 ID:sHCe+Lc1o
>>847,>>848
「水……」

水の壁を見てその表情が少し曇る。何故なら、火を消す水属性はフェデーレにとって不利な属性であった。

「!?違う。違うよ。違う。私はお荷物なんかじゃない。違う……エインフェリャル様の役にたってみせるんだ!」

自身をお荷物だと言う言葉。それがフェデーレの心に火を付けた。他の戦姫が少しずつ戦果をあげるなか、フェデーレは未だにゼロ。それを気にしていた彼女に役たたず、お荷物、十二戦姫最弱といった言葉は禁句だろう。ちなみにレズは否定しない。

「くっ……」

槍を持っていた短剣で受けとめようとするも、リーチが短いため、それは叶わず。フェデーレは腹部から血を流す。追い込まれたかに見えるフェデーレ。だが、彼女は短剣を握り締め不敵な笑みを浮かべる。

「やるじゃない。流石生徒会長さん。だけどさ……いいの?私にばかり構ってて?……助けに行った方がいいんじゃない?」

フェデーレは握り締めた短剣に魔翌力を注いでいた。そして、魔法陣が展開される。場所はメリーの真上。その魔法陣から悪魔の大足が現れた。ただでさえ巨大な足。メリーにとっては、更に大きい。それがメリーを踏み潰さんと迫る。
853 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/06(月) 02:02:10.45 ID:9BMUYgEeo
>>848 >>852

「やった……!」

襲い来る炎をかき消し、亜久里を守れたことにはずんだ声を上げた。
一瞬こちらに向けられた亜久里の微笑みを見て、メリーは顔を綻ばせた。
――大丈夫、絶対に大丈夫。この人とならきっと勝てる。
初対面で見知らぬ魔法少女なのに、どうしてこんなに信頼出来るのだろうか。
理由は言葉では言い表せなかった。よく分からないのに、絶対的な安心感があった。

「……え?」

突如、自分の周囲に濃い影が作られた。
慌てて見上げると視界が全て黒に染まっていた。

「――うぐ、あ!?」

頭部に重い衝撃が走り、メリーは床に叩きつけられた。
その直後、勢いの止まらない大足がそのままメリーをたやすく踏みつぶした
――かに見えた。
常にいつも身体強化の魔法をかけていて良かった。
もしも体を強化していなければこの時点でメリーは即死していただろう。
メリーは床に膝をつけながらも、潰されないように大足の裏を両手で持ち上げていた。
しかし悪魔の足は重く、支え続けるのも長くは持たない様子だった。
全身に掛けられる重圧に表情を歪ませて必死に耐え続けている。
854 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/06(月) 02:02:28.97 ID:hfvLXSNU0
>>849

不意をついた筈のケンカキックは、優雅に、余裕を持って受け止められた。
お嬢様が格闘に長けるなんて聞いていない。或いはこれが彼女なのか。
得意の喧嘩でさえも、あらゆる方面で他者を上回る。これが生徒会長の特別性なのか。

「……アンタは、一方的に殴るのが好き、って顔してまスよ」

笑みに、ぞくりと肌が粟立つ。いつの間にか衣装は変化していた。これからが彼女の本気なのか。
だらりと下げた左手を隠して半身に。バットを肩に担いで、とんとんと爪先でフットワークを確認。
相手の足元と指先に意識を向ける。剣で来るなら足が、銃で来るなら指が先に動くはず。
他に魔法を使わなければ、その二つに集中すれば――――来た。

一歩目、自分も同様に左足を踏み込む。
二歩目、指先が動いた。踏み出した足で横っ飛びに避ける。傷はなし、弾丸は掠りもしない。
先程と同じく剣で来る。異なるのは、こちらも迎撃の準備が出来ている点だけ。

「ナメんじゃ、ねぇぇぇぇッッ!!」

吠えた。

あの視線、確かに感じた。嘲るとか見下すとか、そう言う次元より遥かに“下の”――――ゴミみたいな目。
あの笑顔を、宣言通り、月の向こうまで吹き飛ばしてやる。
銃剣の切っ先に合わせて、横一文字に振るう――――


「っ、……あ?」


衝撃。何かにどんと突かれる。だが、高まった動体視力の中では、相手はまだ己の身に触れてもいない。
たたっ、と二歩よろけて、その視界がぐらりと泳ぐ。

胸を貫いたのは背後からの銃弾。受けた理由は、偏に油断からくる。
他に魔法が無ければ――と言ったが、その武器が魔道具である可能性は頭から抜け落ちていて。
白い襟を赤く染めて、新野は前のめりに崩れ落ちた。
855 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/06(月) 02:12:36.36 ID:+GlrfXOeo
>>851

陽菜子は、魔法少女としては恐らく二流に分類される存在だろう――師もおらず、ただの独学で何とかするには限界がある。
其の限界が存在しない者達を天才と呼ぶのだろうが、残念ながら陽菜子は魔法の天才ではない。一般家庭に生まれた人間が、そんな才能を持ち合わせている訳がない。
だから汎用魔法も使えない。魔導機が無ければ殆どの魔法が発動すら出来ない、けれどそんな陽菜子にもたった一つだけ他の魔法少女より優れている所があった。
其れは単純な魔力量=\―――陽菜子の魔力量はあまりに膨大で、並の魔法少女とは比較にならないほどで、ただ其れだけが彼女にとっての武器だった。
母が魔法少女だった影響、と魔導機には伝えられたが、其れ以上の情報は得られず――――けれど、其れが有用かつ唯一の長所であることは間違いなく。
魔法技術も、戦闘技術もない。けれど膨大な魔力があり、其の力に身を任せて強引に押し切ることで勝利する。つまるところ陽菜子の戦闘は此れに尽きる。

だが其れが通用するのは、相手が少女より魔力量で劣っている場合のみ――――出力が桁違いに高いから、技術がなくともゴリ押しで戦うことが出来た。
そして今の状況、そして目の前にいる相手は、そんな陽菜子と比較してなお桁があまりに違い過ぎる。
普通の生まれ、普通の生活、普通に生きていたならば此のような生物は生まれない。魔法の素人である陽菜子がそう確信出来てしまうほど、相手はまっとうな道から外れていた。
比べることすら烏滸がましい単純な物量差――――覆し難い、勝利の一切見えない相手に、しかし陽菜子は退くという考えを完全に捨て切っていた。

「…………いいよ」

ポツリと呟いた一言は、少女の叫びに対してあまりに小さな声だった――――けれど其の言葉は、きっと彼女に届くだろう。
血を止めようと必死に治癒魔術を多重に仕掛け、あまりの痛みに冷や汗を伝わせながらも、陽菜子は相手の言葉を間違いなく、確実に、躊躇いなく肯定した。
殺す理由を寄越せ、ああならばくれてやろう。戦いを望み、殺し合いを望むというのならそうしてあげる――――それで分かり合えるなら、此の身に宿る痛みなど大したものじゃあない。

「私に攻撃して、それでスッキリするなら幾らでも攻撃すればいい――――全部全部、受け止めるから」
「それで他の人が傷つく可能性が低くなるなら、私が相手になる……だけど、それは私が考えるのをやめたからじゃなくて」
「私は今でも貴女と分かり合いたいと思ってるし、分かり合えると思ってる――――だから話してもらいます、全部」

彼女がどうやって生きてきたのか、どうして殺したがるのか、読心の魔法なんて使えない陽菜子にそんなことが解る訳が無いけれど。
其れでも相手は殺す理由≠求めた。理由なき殺人ではなく、あくまで殺すための理由を欲した――――それはただの無差別な殺人鬼ではない証拠なのではないか。
ならば話してくれると言うまで付き合おう、息絶える其の瞬間まで諦めるつもりなんて微塵もない。
魔法少女としての彼女の武器は魔力量だったが、人間としての彼女の武器はただひたすらに真っ直ぐな心≠ノ他ならず。
予備動作があり、尚且つ先ほどの攻撃より結合が何故か弱まっていた其れを、陽菜子は其の身から溢れ出す漆黒の魔力を纏わせた右手で強引に弾き飛ばし。
そして足元に落ちていた石ころを拾い上げると、其れを相手に向かって軽く投げ付けた――――あまりに巫山戯た行動だが、其れは明確に陽菜子が相手を攻撃した瞬間であり。
静寂で脆弱に過ぎるものの、其れこそを開戦の狼煙として、柊崎陽菜子は改めて拳を握り締めた。

「全力で行きます――――だから、あなたも」

相手に全力を出されたら、それこそ一瞬で捻り潰される。そんなことは百も承知だったが、其れでも陽菜子は相手に全力を出すように願った。
そもそもが先ほどの石ころが、相手に全力を出す為の理由――――陽菜子を殺すための理由付けに投げたのは今更言うまでもなく。
唯一の長所である魔力量ですら劣っており、勝てる見込みはゼロ。己の死を目前にしながらも、陽菜子は其の身に魔力を滾らせ。
一歩前に踏み出し、地を蹴った――――陽菜子の攻撃は基本肉弾戦主体のため、近づかなければ攻撃すら届かない。
そもそも近付くことすら難しく、無事に接近するのが不可能なのは明確だったが――――其れでも躊躇わず、陽菜子は駈け出した。
856 :樹心院 珠輝 ◆ITqPX258yc [saga]:2015/04/06(月) 02:18:30.10 ID:yivo0LIio
>>850

実のところ、樹心院珠輝という少女にとって黒百合女学院は牢獄でしかなかった。
女手一つで自分と妹を支えてくれる母に報いるため、自分で選んだエリートとしての道ではある。
言うなれば、そこでの生活は終わりのない仮面舞踏会。
心休まる瞬間など片時もなく、それ故に彼女は、欺瞞のヴェールなしに言葉を交わすことができる相手にずっと飢えていた。

「……いえ、気持ちは分かるわ。こう言うのも何だけれど、私の側にいると目立つでしょう?
 ましてや黒百合は、啼く雉から撃たれてしまうような所ですもの」

身勝手な好奇と憧憬、どす黒い嫉妬と憎悪を一身に集める謎めいた秀才。
樹心院は自らが置かれた――否、敢えて選んだ――立場を、完璧に把握していた。
だから余計な波風を立てないよう、彼女は他者への干渉を欠いた『高嶺の花』としての学校生活を選んでいるわけだが、
こうして行き逢い向き合っていると、罪悪感で胸が締め付けられてしまう。
今まで私は、あまりに保身のことだけを気にしすぎていたのではないか、と。

この子との縁は大切にしなければ。完璧な微笑みの裏側で、樹心院は半ば焦りのような感情が泡を立てるのに気づいていた。
それでもマイペースを装って、彼女は白い山肌に一つ、また一つと傷口を開けていたのだが――。

「……なるほど。生徒会の方でしたのね。日頃のお勤め、お疲れ様です。
 こちらこそよろしくお願い致します、千寄子さん――いえ、千寄子ちゃんと呼んだ方がいいかしら」

生徒会。黒百合女学院において、それは単に学生活動の運営を担う組織ではない。
この街の都市伝説である魔法少女≠フ巣窟にして、魔法少女たちを管理せんと企てる一種の陰謀団だ。
幸か不幸か、樹心院は常に平静を装うことに関しては達人の域に達している。だがその名を聞いた時、胸の内は大いにざわついた。
――彼女もまた、譲ることのできない願いのために夜を駆ける、魔法少女の一人なのだ。

折角見つけた友人になれそうな相手が、魔法少女としての敵?
この動揺を気取られる訳にはいかない。だから樹心院は話題をそらすことにした。
ああ、私達の小さな共通の話題――――アイスクリームから始めればいいのではないか?

「……あっ」

そんな考えの下で、千寄子の手元によこした視線。
それが無意識に自傷の跡に重なり、樹心院の唇から小さな吐息が零れる瞬間を、あなたはどう受け止めるだろうか。
857 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/06(月) 02:20:12.97 ID:HaSzGXnS0
>>852

横に振った聖槍はフェデーレに傷を負わせることに成功した様で先端には水に近い血が付着していた。
揺れるポニーテールの髪は煌びやかで、それを礼賛する生徒も存在するらしいが今この場では敵と戦う事に躊躇いを持たない正義の髪として道を示す。
目の前にいるフェデーレが戦姫の様に亜久里もメリーもまた同じ戦姫《ヴァルキュリア》である。
そしてヴァルキュリアの聖槍は正義を貫く黄金の槍。亜久里は例えフェデーレが傷付こうが決して心を痛めたりはしい。
自分の平和、学園や友人ひいては街といった自分の大切なもの達、そして其れ等と共に歩むことこそが亜久里の平和だった。
その平和を守ることこそが亜久里の掲げた正義であり一本の曲げられず折れもしない信念である。

「? ──────ッ!?」

フェデーレの言葉を聞いて最初はその意図が理解出来なかったが彼女の浮かべた不敵な笑みを見て悪寒が走ると同時に嫌な予感が頭を過ぎった。
亜久里はその悪い予感を認めたくないと思い、どうかそうでないでほしいと願い緊張と焦りの表情を浮かべメリーの方へと身を向けた。

「なっ──!待ってて!今助けるからッ!!」

やがてメリーの姿を見た瞬間、亜久里の表情は今までに見せなかった不安で支配されていた。
自分の力を過信したゆえに生じた過ちを痛切に感じたが、そんなことを考えるのはまだ早いと持ち直すとメリーを助けようと走り出した。
先程身体能力上昇魔法を唱えたお陰で時間を移さずにメリーの元へと辿り着いたが、この巨大な脚をどう退けようか思考した。
そして辿り着いた答えは────

「ウィッチ!賭けるわッ──私の右目をッ!!守ると決めた、なら守るだけよッッ!!」

黄金の聖槍を右腕へと突き刺すと同時に、使い魔と契約を交わす。
それは亜久里が扱う固有魔法の一つ。
"自分のものを賭けたら強くなる魔法"だ。
亜久里が賭けたのは自分の右目。ハンデはデカイがリスクが高いほど強くなる。
更に聖槍との同化────亜久里の右腕は赤い魔法陣が刻まれた光り輝く無機質めいた黄金の腕となった。

「ハァァァァァァァァァァァッッッッ!」

雄叫びと共に強力な右拳の鉄拳を制裁する。
殴る様に突き出された拳は轟と共に巨大な脚へと打ち込まれたが、果たして──。
858 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/06(月) 02:21:20.05 ID:HaSzGXnS0
>>857
安価ミスで追加>>853です
859 :藤宮明花 [sage]:2015/04/06(月) 02:30:10.11 ID:vdMi3Kt3o
>>854

―――――――――――― 狩った。

構えた銃口を、下げる。これでいい。一発でも当たれば、人は"動けなくなる"。そして何れ、"死ぬ"。
其処に反映される彼女の思考がどうであろうとも、藤宮明花の思想は唯一つで固定される。"当然の結果"だ、と。
前のめりに倒れる彼女の体を、一度彼女は片手で、支えようとするだろう。自分のコスチュームが、彼女の血を以って汚れるのも、気にすることも無く―――――― だが。
其処に、真っ当な理由などない。

「―――――――――――― ええ、そうですね」

「好きですよ」


「私、狩人ですもの。」


囁くように、そう呟いて。彼女の身体を手放す。片手で彼女を支える事が成されようと、成されなかろうと、結局のところ彼女は地面へと倒れこむ事は変わらない筈だ。
藤宮明花は、狩人を自称する。藤宮明花は、支配者を自称する。『狩人』は―――――― 戯れの『狩り』は、『支配者』だからこそ出来る事。
其処に絶対の力の差があるからこそ、嗜む事が許される。藤宮明花にとっては―――――― 自分以外のすべてが、『狩られる者』。
今、倒れる彼女に対しても。決して例外は適応されない。唯々、刈り取るまで。

「夜更かしの時間は終わりです、不良さん」
「大きな力に反発し、夢を見続ける事ももう終わり。正しい道へ、戻れなかった貴女は」

槓桿を上げて、引く。それを以って弾倉が開かれて、其処に一発の弾丸が籠められる。そしてそれを押して戻して、槓桿を下げる。
これで準備は完了。ギロチンよりも、電気椅子よりも、鋼鉄の処女よりも、余りにも簡単な死への道筋。
けれど人間は、たった一発で死ぬ。照準を合わせて、頭に狙いを定めて。そしてそれが脳髄を抉れば、人間はいとも簡単に死んでしまう。
―――――― 魔法少女も、同じだ。


「黒百合学院生徒会会長、藤宮明花が"処理"を担当させてもらいます」


引き金に指を掛ける。照準を合わせる。倒れこんだ少女の頭に狙いを定める、何て簡単な事だろうか。動かない的を狙う事の、幸せなようで。少し、物足りなくて。
けれど藤宮明花は、彼女を"終了"させる。其処に一切の情は含まれていない。其処に何らかの心の変化は含まれない。

従わないのならば、全て"管理下"には必要ない。

一切の慈悲もなければ、躊躇も無く。引き金を引けば――――――――――――  鉛の弾が、飛び出した。
860 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/06(月) 02:32:14.71 ID:LZvvj9el0
>>855
//良い所で申し訳ないのですが、眠気と頭痛で頭が働かなくなってきたので
//宜しければ凍結させて頂きたいのですが……
861 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/06(月) 02:33:31.67 ID:+GlrfXOeo
>>860
//凍結了解しました!一旦おつでしたー!
862 :フェデーレ [sage]:2015/04/06(月) 02:36:59.95 ID:sHCe+Lc1o
>>853,>>857
黄金の腕が悪魔の足に叩き込まれた。その部分から亀裂が入っていき、足全体に広がる。

「……足が……へぇ……」

――やがて、耐えきれなくなり、悪魔の足は砕け散った。それに少し驚くも、その笑みを崩さないフェデーレ。再び短剣に魔翌力を注ぐ。そう彼女の狙いは、メリーを倒すことではなく、亜久里に隙をつくることだ。

「やるじゃん。だけど、背を見せた時点で終わりなんだよ。」

足が砕け散ったその瞬間には、もう亜久里の側に新たな魔法陣が展開されていた。そこからは、もう一本の悪魔の腕が。最初に召喚したものと合わせて二本の腕が、側に展開する。

「――これで最後ね!」

その二本の腕は、炎を纏うと一気に殴りかかっていく。
863 :如月 千寄子 [sage]:2015/04/06(月) 02:47:45.82 ID:wxaR3NZgO
>>856

鳴く雉から、か。「はい、まったく――」全くもって、そうだ。黒百合学院に入学してから、私は正しいことをやってきたつもりだけど、その全てが正当に評価されてきたわけではない。
どうやら私の口ぶりというのは、誰かの苛立ちや嫉妬を誘うものらしいのだ。どこにいても、そうだった。才覚のために難儀することもある。
だから私は、必ずしも格式張った学徒になりたいと思っているわけではない。私は、私のことを高く評価してくれる人を求めているのだ。高い評価だけで構わない。私が真に尽力したのならば、その評価が劣悪であることはあり得ないのだから。

「あっ……ちゃん、で、お願いします。
 それなら――わ、私も。た、珠輝ちゃんって、呼んでいいですか?」

言ってから、生徒会と名乗ったのは失敗だったかとも思ったが、しかし彼女の平静は崩れる様子がない。
ああ、よかった。彼女は私たちに同調する魔法少女か、或いは魔法少女の存在をも知らない一女生徒に過ぎないのだろう。
信じがたい話だが、「白百合派」というのも存在するらしい。私たち生徒会に反旗を翻す、全く愚かで劣等な連中のことだ。彼女らも鳴かないのなら、生徒会長も彼女を撃ち抜くことなどないだろうに。
ああ、本当に私と彼女、いい友達になれそうだ――コバ姉様の薫陶を賜ってから、私はとても素晴らしく変われたように思える。
彼女が何か、思い出したような声を上げた。課題の提出期限が迫っていることにでも気付いたのだろうか?
そんな、他愛もないことを考えて――彼女の視線が、私の隠していたはずの手首を、捉えていた。

「……え、っ」

まずい。非常に、まずい。リストカットなんて、本来なら清純なる黒百合の女生徒に許された悪行ではないのに。
いや、彼女は黒百合に在籍することにおいて、そこまでのプライドを持ってはいないはずだ。
だからと言って、彼女が私を受け入れるとは限らない。こんな陰気女が自傷行為に走っているなんて、私からすればただただ気持ち悪いだけだ。
何か取り繕わなければならない、――しかし、表を拭われて白くなった脳髄では、気の利いたセリフなど言えるはずもない。

「……あ、あのっ……どうか、いたしましたか……?」

いや、しかし、ともすれば、まだ彼女は気付いていないのではないか。傷を見せてここまで無反応な人間は、中々見られたものではない。
そう思った私は、とりあえず――カマのようなものを、かけてみることにした。
864 :如月 千寄子 [sage]:2015/04/06(月) 02:51:36.86 ID:wxaR3NZgO
//っと、そろそろキツくなってきたので、凍結をお願いしますー……。
//明日は夜の八時くらいからお返しできそうです。ひとまず、お疲れ様でしたっ。
865 :樹心院 珠輝 ◆ITqPX258yc [saga]:2015/04/06(月) 02:55:28.78 ID:yivo0LIio
>>864
/わかりました。私もちょうど眠気を感じてきた頃なので、ちょうど良いです
/明日は自分も午後8時ぐらいから動くことが出来ますが、少し別件がありまして置きレス気味になってしまうかもしれません
866 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/06(月) 02:58:43.30 ID:hfvLXSNU0
>>859

柔らかく抱きとめられる。情けを変えられた――――否、そんな訳はない。
霞む視界の中で、出会った時の情景が瞼の裏を過ぎる。口から血を流し、相手の腕の中でもがいた。

「や、やめ、」

その力は最早バットを握れないほど弱々しい。碌な抵抗も出来ないまま、赤子の手を捻るより容易く仰向けに転がされる。
衝撃でまたも血を吐いた。呻いた眼前に、がちゃりと真っ暗な受講が突きつけられる。

「や、やめろ――」

がちがちと歯の根が鳴る。興奮ではなく、失血に因る悪寒でもなく、純然たる恐怖から。
狩人は、己が利益の為に得物を狩る。だが此奴は、この生徒会長は、何の感情も無く自分の命を刈り取ろうとしている。
宛ら庭先に生えた雑草を毟るように。足元の蟻を踏み潰すよりも無感動に、引き金を引こうとしている。

「あ、ああああ」

こんな人間がいるのか。こんな魔法少女が居るのか。
殺される恐怖と、殺そうとする相手への畏怖、新野は途方も無く震えた。
体液が蒸発するような恐怖。死にたくない。幾ら首を振っても、懇願してもその指は止まらない。
死ぬ、殺される――――――――涙を流し剰え足元までも濡らしながら、その瞬間が訪れるのを待つ。遠くなった視線の先、星が一つ煌めいた――――



――――――――



「…………、」

結果から言うと、何時まで待ってもその瞬間は来なかった。
恐る恐る目を開くと、そこは見覚えのない海岸。はっと懐を探ると、二個持っていた筈の星のかけらが一つなくなっている。
掌中のもう一つが淡く発光して消えると同時に、胸の痛みが嘘のように無くなって。
その意味に気付く前に、新野の意識は眠りに落ちるより速く沈んでいった――――――――

無意識の生存本能で、発動したかけらの力を借りて、通常自己の力のみではなしえない遠距離転移魔法と治癒魔法を成功させた新野。
恐らく生徒会長の前にはその姿は僅かにも残っていないだろう。そこに居た事を示すのは、夥しい量の血液と、その中に転がる金属バットだけであった。



/凄く強引ですが、一先ず逃亡という形でこちらは〆させてもらいます……バットの扱いはお好きになさってください
/遅くまで絡みありがとうございました! またお付き合い頂ければ幸いです!
867 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/06(月) 02:58:44.81 ID:9BMUYgEeo
>>857 >>862

「だ……め……もう……」

圧し掛かる足に逆らい続けるのは限界だった。
直前に頭部を強打したせいで意識が霞んでいた。視界がグラグラと揺れ、上手く力が入らない。
このままこの足に踏みつぶされて終わりなのか――諦めかけたその時だった。
亜久里の気合いの叫びが轟き悪魔の足が悲鳴を上げた。
大足は粉々に破壊され、メリーはやっと重圧から解放された。
良かった、助かった。何とか危機を救われて安堵したが、目の前に展開された魔方陣を目にし、更なる攻撃が待ち構えていることに気付いた。

「う……ぐ……っ! まだ……!!!」

――まだ、終わりじゃない。終わりになどさせてなるものか。
すぐ傍に落ちていた涙の剣を拾い上げ、体に残った力を足に集め、強く床を踏みしめて立ち上がる。
剣の先を魔方陣へと向け、柄を握りしめる手から全力で魔力を注ぎ込む。
メリーの力を受けた剣は青い煌めきを発し、刀身からは一気に超大量の水が放出された。
強力な水流と二本の腕がぶつかりあった。炎で水が蒸発するが、それでも剣から水を放つことをやめない。
こちらへと殴りかかろうとする腕を必死に防ぎとめながら、メリーは苦しそうに叫んだ。

「おねがい……っ! 早く、あの人を……!」

既に体力も魔力も尽き果てそうだった。もうこれ以上攻撃を仕掛けることはメリーには不可能だった。
フェデーレを倒すにはやはり亜久里の力を借りなければならない。
メリーは目で衝突する水と腕の隙間を縫って行くように示した。
868 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/06(月) 03:15:04.86 ID:HaSzGXnS0
>>862

「ツリャァァァァッッッッッ!」

雄叫びと共に打ち込んだ拳。
巨大な脚はやがてヒビが入り鈍い音と共に崩れ落ちた。破壊出来たのだ。
それは闇を光が打ち負かした刹那であり正義の鉄槌が下った瞬間だった。
亜久里の瞳に映るのは自分の手により崩れ落ちる悪の腕。
心に芽生えたのは確かな達成感。
そしてメリーを助けようとした時に拭いきれなかった不安や焦りが消えた実感だった。
紫薔薇の玉座の君臨する亜久里にしては気品も高貴も感じられない魔法だが其れでも、守ると決めたものを守れるという誇りだけは確かに存在していて、其れが彼女の魔法の強みになっていた。

突き出した拳を下げると安堵した表情を浮かべながらメリーの見つめる。
其れはメリーが無事だった安堵であり、自身の誇りを裏切らずに済んだ安堵でもあった。
そんな亜久里を狙う迫り来る二本の魔腕。
しかし、亜久里はまるで全てが収束したような、勝ちを確証した様な笑みを浮かべるだけでその腕を気にもしていない。
そして今日一番の笑顔を浮かべてると一言メリーに





「ありがとう──…………」






という言葉だけ残し自信に満ちた背中を見せるとメリーが必死の思いで導いてくれた勝利への活路を走り出した。
その一歩一歩には確かな怒りと確かな信念と確実なメリーへの感謝の念が込められており、足を踏み込むたびに黄金の右腕に力が湧いてくる感じがした。
メリーの揺るぎない一本の意思が重なり脈打つ気がした──。
亜久里はそれを噛み締め実感する様に強く拳を握ると目の前に見えたフェデーレを殴る為に、一発だけの鉄槌を下す為に大きく拳を引いて────




『   これで最後ね!   』




──一言。フェデーレが亜久里に先程言った幕引きの言葉を勢い良く振りかざした拳と共に送り返した。
亜久里の拳は強く握りしめられ、フェデーレの顔を狙っている。
黄金の瞳は鋭くフェデーレを捉えており、紫薔薇の玉座に君臨する支配者の貫禄を見せつけながら──────


869 :藤宮明花 [sage]:2015/04/06(月) 03:26:44.90 ID:vdMi3Kt3o
>>866

知っている。恐ろしい事は知っている。死にたくない事は知っている。けれど、それがどうしたと言うのだろう。
其処に何の問題がある。そんな感情があったところで、"殺さない理由にはならない"。処分しない理由にはならない。悪いのは―――――― 従わなかった、彼女だから。
全ては神聖なる管理の為に、全ては完全なる支配の為に、全ては偉大なる黒百合生徒会の為に、全ては―――――― 全能たる、私の為に。


引き金を引いた。火薬が弾けて、鉛玉がはじけ飛んだ。


「―――――― あら」


―――――― 硝煙を吐き出す銃口は、何を睨んでもいなかった。


瞬間移動に特化した魔法少女にはなれなかった。恐らく、星のかけらを利用した高度な時空移動。……逃げられて、しまったか。
そういう事があるから、魔法少女の"処理"は手間がかかる。つくづく星のかけらと言う存在が、"危険"だと感じる。
そもそも、星のかけらとは、何だ? 魔法少女達が何の疑問も無く使っているこの"星のかけら"とはいったい何だ、何で出来ている、誰がどういう目的で、何処から此処に?
何故集まれば願いが叶う? 何故一つ使えば長距離の緊急脱出すら成される? 魔法少女が何の疑問も無く、"希望"として扱うこの力は、一体何なんだ?

兎も角、かの魔法少女は星のかけらを用いて逃走した。だが―――――― いい。この、何の意味を果たすかもわからない小さな石は、"有限"だ。
その総量がもしも無限であろうとも、個人が持てる量には、発見できる量には、限りがある。"追い詰め続ければ、やがて処理は完了する"。


「……次に会った時は、必ず"処理"しましょう。何れ、限界が来るでしょうから」


「完全なる管理を。黒百合学院生徒会が―――――――――――― 成立、させてみせましょう」


一発だけ。藤宮明花は弾を籠めて、撃った。その弾丸は寝室へと向かうと、幾度か、その部屋の中を往復し――――――。
藤宮明花は、そうしてそこに残されたバットを拾い上げた。恐らく、魔具に相当する物だろう。その性質は、分からないが―――――― 魔弾の材料には、丁度いい。

結界を解除すれば。彼女の身体は黒百合学院の制服へと包まれていて、右手に猟銃が握られることも無く。またバット自体も、"何処か"へと消え去った。
ただ、頬に刻まれた傷だけが、その戦いの残滓であり―――――――――――― そしてこの傷も、すぐに消えてなくなるだろう。

/了解です!絡みありがとうございましたー!楽しかったです!!
870 :フェデーレ [sage]:2015/04/06(月) 03:42:52.03 ID:sHCe+Lc1o
>>867,>>868
「どうして!どうして通じないの!?」

必死に悪魔の腕を操るも、その攻撃は全てメリーに防がれてしまった。やはり、炎と水の相性の差は覆せなかったのだろうか?いや、それは違う。現にフェデーレの炎はメリーの水を蒸発させているではないか。

「それなのに!?どうして!?」

答えは亜久里とメリー、二人の間に信頼と協力があったからだ。だがその答えは、エインフェリャルしか信用できないフェデーレには分からなかった。

「ひっ……い、いや……やめて……」

防御の体勢をとろうとするも、もう遅い。フェデーレは、再び鼻から赤いものを出し、吹き飛んだ。そのまま壁に激突する。そして、殴られることの恐怖は過去をブラッシュバックさせるには充分すぎるものだった。

「痛い……痛いよ……どうして……どうして……嫌だ……助けて……
エインフェリャル……様……」

すっかり戦意を喪失したフェデーレは、無意識のうちに星のかけらを取り出していた。本来ならば、エインフェリャルに捧げるためのものだが、今のフェデーレにまともな考えはできない。頭にあるのは、逃げることのみ。メリーとは違い、恐怖に立ち向かう勇気なんて持てなかった。

「エインフェリャル様……エインフェリャル様……エインフェリャル様ああああぁ!!!」

狂ったようにその名を連呼し終わると、自身に星のかけらを使用、結界が消滅する。それと同時に、フェデーレ自身も姿を消した。
その後は、まるで戦闘なんて無かったかのような静かな保健室に戻るのみだった。

//これにて〆にしようと思います。
お二方ともこんな時間までお付きあいいただきありがとうございました!
871 :メリー・メルエット ◆YX3zWV1lP. [sage saga]:2015/04/06(月) 04:00:39.21 ID:9BMUYgEeo
>>868 >>870

ありがとう――
亜久里から伝えられた感謝の言葉が心の隅々まで響き、広がっていく。
絶対にあの腕を止めきるのだ。亜久里がこの道を走りきるまで、絶対に……!


――そして、最後の一撃が放たれた。
朦朧とする意識の中で、亜久里の拳が敵を討つ姿が見えた。
恐怖に負けて逃げなくて良かった。立ち向かうことを選んで良かった。諦めないで良かった。
いつも後悔ばかりし続けてきたメリーだったが、今この時は自分の選択を悔やむことは無かった。

「や……やった、ね……」

かけらを使用して姿を消したフェデーレの姿を見届けると、張りつめていた緊張の糸がプツリと切れるのが分かった。
亜久里へと弱々しく微笑みかけるメリーの、その身を包んでいたドレスが音も無く消滅する。
魔力を使い切り、衣装を維持することが出来なくなったのだ。
元の服装に戻った彼女の手から剣が零れ落ちた。カラン、という乾いた音と共に膝が床につく。
体を支える力を全て失い、そのままメリーはうつ伏せに倒れこんだ。
長いまつ毛を伏せて深い眠りへと落ちていくメリーの表情は、疲れ切ってはいるものの満ち足りたものだった。

/こちらこそありがとうございました! 本当にお疲れ様でしたっ
872 :樹心院 珠輝 ◆ITqPX258yc [saga]:2015/04/06(月) 04:12:12.17 ID:yivo0LIio
>>863

ほんのすこしの間、会話が途切れる。千寄子にしてみれば、それは永劫にも感じられる刹那だったろう。
高まる疑念。秘めたる疚しさ。そして、須臾の沈黙を破る樹心院の言葉は――――。

「……? あぁ、意外だったのよ。千寄子ちゃん、ご自分で料理をなさる方だったのね、って」

――――またも、欠けたるところの無い微笑から飛び出す、他愛もないものだった。

「私もよく包丁を握るのですけれど、油断しているとひどい怪我をするものだわ。
 もうずっと前の事だけれど、柄を取り落として足の甲をざっくりやってしまったこともあるのよ」

常識的に考えて、手首に傷があるからといって、それだけで自傷癖を読み取れるわけではない。
樹心院はただ、千寄子と自身との間に共通点≠見出して、喜ばしげに語るだけだ。
だが千寄子からしてみれば、その発言は『完璧な気遣い』に基づいたものに見えるかもしれない。
何せ、樹心院は今までずっと黒百合の規範≠演じてきた女なのだから。

「それにしても千寄子ちゃん、料理に失敗して傷がついたのがそんなに恥ずかしいかしら。
 ……まぁ、隠さなければ見えるところですものね。
 意地悪な子なら、何かとあげつらって好き勝手言ってくるのかも」

樹心院の微笑みが、幾ばくかの憂いを含んだものに変わる。
残念なことだが世の中には人の脚を搦めて転ばせるのを生き甲斐にしているようなのもいて、黒百合も例外ではない。
きっと樹心院は、千寄子もそんな輩に少なからず悩まされていると踏んだのだろう。

「でも私は逆よ。綺麗でまっさらな手はあまり好きではないの」

安心させるべく放った言葉は――もしかしたら、樹心院が意図しているのとは少し違った意味で解釈されてしまうかもしれない。
873 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/06(月) 11:08:43.95 ID:LZvvj9el0
>>855

「――――――は?」

先程叫んだ所為で血の味がする喉をもう一度震わせたのは、あまりにも拍子の抜けた声。
いや、彼女はそれを望んでいたはずだ。だが、しかし、その言葉を其処まであっけなく肯定≠ウれてしまうと、返す言葉すら浮かばなくなってしまう。
望んでいたことではあるが、そういう事では無い。けれども、自らの感情としてはそうである。思考回路がほどけているためか、それすらうまく理解できない。
何故そこまで正しく≠れるのか。何故そうまでして正しく≠ろうとするのか。態々彼女の様な人間に対してまで、優しく接しようとするのか。
甘い、あまりにも甘すぎる。なんでそうまでして向き合おう≠ニするんだ。殺されるんだぞ、死ぬんだぞ? 表情だってだんだんと青ざめている癖に―――――

飛ばされる小石を、条件反射的に展開された消滅≠フ防護壁で防ぐ。ありとあらゆるものを拒絶し、同時にあらゆるものを破壊≠キることによってそれを相殺≠キる絶対の防御壁。
単純な防御魔法の一つだが、彼女が扱う属性故にそれ単体で固有魔法≠ニ認定される程。それを条件反射とは言え惜しげも無く展開するという事は
彼女が目の前の少女を明らかに警戒≠オているという事に他ならない。ようやく殺す理由が出来たというのに、その表情は複雑な物。困惑と訳の分からない怒り。それと、良く分からないナニカ。
彼女が扱う魔法は文字通り終わり≠フ概念。終焉は破壊と消失、破損と絶望。対抗する余地のない絶対的な、偶然の介入する余地がない、理不尽な力=B

開戦の狼煙は上がっている。既に始まりは終わって≠「る。さぁ殺せ、今すぐ殺せ。殺して殺して殺して殺せ。
完膚なきまでに、希望の入る余地も無く、ひたすらに破壊≠ニ絶望≠撒き散らせ。それだけが彼女の生きる理由。それだけが彼女の存在意義。
他者に害をなす事だが、自身を自身であると肯定できる唯一の手段なんだ。アイツ≠ェ其れでいいって言ったんだ。お前にその秤をくれてやるって、敵と理由をくれたんだ。
だから、お前みたいなやつが憎い。そんな全部が全部を守ろうと≠キる奴なんて嫌いだ。死ね、死ね、死ね――――


「ああああ分かった殺してやるよォッ!」

                       「オマエの終わり≠始めてやるッッ!」


                             D e a t h   s t a l k e r 
                       「這  い  ず  り  嘶  け  ェ  ッ  !  !」


大地を蹴る少女を、此方に向かってくる少女を文字通り終わらせて≠竄うと。殺してやろうという明確な矛先の向いた殺意が、彼女の脳内で術式を構成し、魔法を展開する。
迎撃の魔法は這い摺る者=B自らの魔力によって構成されたこの世界に存在しない生物であり、やせ細ったネズミの様な体躯に八本足の節足を持つ異形=B
確かにそこに質量を持って存在するが、その実は物体では無く、形作られたその姿すら、事実としてその場所には存在しない=Bだが、現実としては目前に発生≠オている。
矛盾。この絶望的なまでの不可能を肯定するのが魔法≠ナあり、それこそが世界に対する最大の理不尽である。自らの足同士を擦り合わせ、キシキシと奇妙な音をたてながらそれは鳴く
このままでは、正面から向かう少女と正面衝突する形になるだろうか。
虫自体の強度は其処まででもなく、寧ろ魔法生物としては限りなく弱いものに近い。触れれば弾け飛ぶような強度であり、そのまま突っ切ったとしても虫との衝突によって少女がダメージを負うことはまず無いだろう。

ただし、あくまで衝突≠ノよるダメージが皆無なだけで、彼女の魔法がその程度の陳腐な結果で終わる筈も無い。最大の真価は破壊された直後=B若しくは回避された直後≠ノ存在する。
少女が正面衝突であれ、絶妙な回避行動による回避であれ、少女の目前を僅かに過ぎたあたり――――少女が何も無い≠ニもしかすれば判断してしまうギリギリの刹那で、それらは爆発≠キるだろう。
這い摺る者≠ニは、魔力で構成された動く時限爆弾≠ナあり、彼女の任意によって即座に起爆が可能な魔法≠ナある。爆発すれば、彼女の体中を巡る終わり≠フ魔力、言い換えれば破壊の魔力≠辺り一面に破片の様にばら撒いていく。
例えるのなら破片手榴弾=Bかさかさと自由に動く分厄介で、だがしかし動くからこそ≠サの異常性に気付ける可能性も生まれてくる。
874 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/06(月) 12:25:37.15 ID:+GlrfXOeo
>>873

戦闘において柊崎陽菜子が使用出来る有用な魔法は凡そ三つ、前方にのみ判定を持つ魔法陣型の防御*v@、圧倒的な魔力を込めて放つ打撃°ュ化、そして凝縮した魔力を撃ち出す短射程砲撃=B
詰まるところ小手先の技や剣聖のための小技等一切使用できず、前に突き進み打ち砕くことのみに特化した魔法少女――――其れが彼女だった。
よって今彼女が選ぶべき選択肢もたった一つ、『前に進め』。躊躇う暇があるのなら、考える隙があるのなら、迷う余裕が在るのならば、其の一瞬を前に進むことへと使うのだ。

「――――っ」

陽菜子は肉弾戦主体の魔法少女でありながら、身体能力強化の魔法が使えない。然しながら其の身に溢れる膨大な魔力の影響により、平均的な魔法少女程度の身体能力ぐらいまでは底上げされている。
あくまで魔力量の恩恵、それは魔力を使えば使うほど弱くなっていくという意味に他ならなかったが、現在の陽菜子はまだこの戦闘で大した魔力は使っておらず、身体能力も現状の限界値に近い。
それなのに相手と自分の距離は絶望的に離れているように感じられた――――全速力で駆け抜ければ、大した距離でも無い筈なのに。
そして陽菜子の前進を妨害するかのように放たれた、悍ましい異形=B視ることすら拒否したくなる容貌に、しかし歩みを止めることは出来ず。
八足が蠢く姿が、耳朶を震わせる鳴き声が、存在其の物が恐ろしく、陽菜子は恐怖を捩じ伏せ地面を強く踏みしめながら、這い摺る害意を倒すべく拳を構え。
左拳を振り降ろす事によって破壊しようとし――――拳が触れ、そして其れが砕かれた瞬間、陽菜子は目を見開いた。

「嘘――――――――」

膨れ上がる魔力、勘付いた時と爆発が起きたのはほぼ%ッ時だった。
全身を打つ衝撃、視界が爆発で覆われ呼吸すら不可能となる――――防御無しで直撃すれば、恐らくは一撃で沈められる。
幸運だったのは、陽菜子が爆発する直前に其れが罠であると気付いたこと――異形は召喚物としては脆弱に過ぎ、何かがあると倒した其の瞬間に理解した。
不運だったのは、気付いてから爆発までのインターバルがあまりに短すぎたこと。異常に気付けても、何かしらの行動を起こすには時間が明らかに足りなかった。
ならば柊崎陽菜子は少女の願い通り、此処で終わってしまうのか――――――――否。生憎だが、彼女は見た目以上にしぶとく、そして諦めの悪い馬鹿である。

//続きます
875 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/06(月) 12:26:00.83 ID:+GlrfXOeo
>>874

地面を穿つ爆発、舞い散る砂埃がうっすらと晴れてくると、少女は其の塵の中に倒れず立ち続ける一つの影が在ることを見取る事が出来るだろう。
砂塵の中で存在を主張する黒――たった一瞬の隙に、陽菜子は防御魔法の発動に成功していた。
無論ダメージは皆無ではない。カートリッジのロードから防御魔法の展開まで、本来ならば数秒を要するところを一秒にも見たない刹那に行ったのだ。
魔力の充填は十分には行かず、そもそも発動自体ワンテンポ遅れたため幾らかの衝撃は防御すら出来ず、本来の性能の数分の一しか引き出せていない防御は破壊の魔力に貫通され。
罅割れた陣の向こう、服は裂け、全身に受けた衝撃の所為かフラつき、口の端から一筋の赤い雫を流しながらも、陽菜子は其処に立っていた。

彼女の纏う服は魔力で編み込まれ、其れそのものが一つの防御魔法と形容すべき魔導装束である。
其れの形成に大きな魔力を使うわけにもいかないため、込められた魔力は微量ではあるが、それでも生身で受けるより遥かにマシな程度には魔力攻撃の防御が出来る代物だ。
だが相手は其のような薄い防御ではどうにもならない怪物≠ナあり、全身に走る痛みに思わず弱気になりそうになる――――だけど、まだ≠セ。
まだ終わりじゃない。終わらせたりなんかしない。空色の瞳は、ブレず鳶色の其れへと向けられ。
動く右腕で魔法陣を払い、崩れかけていた防御を自らの手で砕くと、震える足で一歩前に踏み出す。

「はぁ……はぁ……っ」

爆発が直撃した左腕は、もはや使い物にならなくなっていた。動いたとして数秒、此の戦闘においてはもはやただの飾りに過ぎない。
前に進む意志は消えずとも、華奢な体は言うことを聞いてくれない。本当は走りたいのに、一歩一歩緩慢な動作で直進するのが精一杯だった。
其れでも止まらない。止まれば彼女は彼女の存在意義を失うことになる――――他者の救済、何もかも失い取り残された彼女には、其れしか無かった。
だから自分を顧みない。既に彼女に救いなど無く、求めるべき救済等此の世界に存在しない。欲した所で、そんな物は手に入らない。
ならば攻め手空っぽな自分を埋めるために、幼い少女ならば誰しもが夢見る魔法少女で在り続けよう――――一歩、また一歩と、眠るような足取りで、しかし確実に前に。
屍同然の身体を引き摺り、其れでも進んでいく姿は滑稽に映るだろうか。初めて出会った相手のために、命を懸けてその身を削る姿は愚か者だと思われるだろうか。
自動発動する自己治癒魔法、だが受けたダメージが大きすぎるためか碌に機能せず、回復量は微々たるもので。
血の跡を残しながら、さながら幽鬼の如く陽菜子は距離を詰める――――其の姿は正義の味方には見えず、其の執念はもはや妄執じみていて。
吹けば倒れそうにも関わらず、殺し尽くさない限り絶対に倒れないという絶対的な意志が体現されていた。
876 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/06(月) 13:26:03.20 ID:LZvvj9el0
>>875

「…………ウソだろ?」

言葉は誰に伝えるわけで無く、しかし、確かにそれは驚愕の表情を伴って彼女の体に現れた。
確かに当たった=B自らの魔力が爆発するのを感じ取り、確かにこの眼でも少女が魔力の爆発に巻き込まれているのを確認した。
その虫の様な体躯からは想像もつかない程の爆発。規模こそ大したものではないが、問題なのは其処では無い。その体内で生成されていた爆発魔力の属性にある。
彼女が扱う属性は終わり¢Sての終わりであり、それはありとあらゆる存在にに対して作用する風化=B理不尽に、どうしようもなく、理解する隙を与えない。
ただ単純に破壊する。砂場の山を崩す様に、よろけて蟻を踏みつぶす様に。思考の挟む余地がない絶望=B触れた瞬間死に到る。

だが、少女はどうか? 先ほどの爆発を喰らって生きて≠「る。満身創痍の体ではあるが、少女は彼女の魔法を正面から受け止めたうえで生きて≠「るのだ。
触れてはならない物に触れ、あまつさえそれを防≠ャ、そして生きて≠「る。自らの法則が通用しない事に、通用しない程の心≠持つ人間に、彼女は狼狽していた。
心臓の動悸が早まり、制服の両袖に記された魔術刻印≠ェ脈動する。自らが魔法少女となるために存在する魔法的なデバイスが、危険信号を訴える。速く殺せと軋んで叫ぶ。

落ち着け、落ち着け落ち着け落ち着け! 胸の心臓に当たる場所を右手で思い切り掴み、荒く吐いたと息の熱は茹だる様な夏の様に熱っぽい。
頭の中で無数の術式が組んでは崩れ、組んでは崩れ、構築した先から魔法が展開される前に崩壊していく。考え刃考えるほどに術式は脳内から消え去って、それ自体に焦る℃魔ナまた魔法を一つ失う。
魔法とは精神面に大きく作用されるもの。少なくとも彼女の魔法はそうであり、精神が強固であればある程、精神が安定していればしているほどにその能力は強くなる。最初の結界が凄まじい精度で存在していたのは、あのじょが安定していたからだ。
心が揺れれば、魂が揺れる。魂が揺らげば、魔≠ェ揺れる。つまりは魔法式の崩壊を意味しているようで、彼女はそうなってはならない、そうなってしまえば存在意義としての自分が消えてしまうと。どうにかして自信を落ち着けようと歯を食い縛る。
ギシリ。歯ぎしりの様な、それでいて苛立ちを噛み潰しているかのような、鈍い音。土煙の中から現れた少女に向ける視線は此方もすでに恐怖≠フ片鱗を見せ始めていて、それは紛れも無く少女の輝き≠恐れたから。

「なんでさっさと死なないんだよッ! 私の方が強いんだろ? 速く死ねよ! 死ねよ! 死ねよ! 死ねよ!」
「何でそこまで立ち上がれる、死にたいのかよ! 痛いんだぞ? 辛いんだぞ? も っと 泣 い て 喚 い て 助 け を 請 え よ ォ ッ ! !」

「満身創痍の癖しやがって さっさと死ねよ 死ね死ね死ね! 死んじまえ!」
「殺してやるああ殺してやるともわかったお前を殺してやる! その眼が! 瞳が! 魂が! 心が! 」

「ムカつくんだよ憎らしいんだよ殺したいほど嫌いなんだよ!」



//続きます
877 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/06(月) 13:26:35.98 ID:LZvvj9el0


                                       E  c  k  e        s  a  c  h  s     
                             「  オ  マ  エ  の  全  て  を  否  定  し  て  や  る  ッ  ツ  !  !  !」



起動コードは『エッケザックス』。物語上において盾≠ノ対する最強の矛であると同時に、どのような戦場においても無傷≠ナあったという矛盾≠持つ剣。
其の名を冠するデバイス≠ナあり、彼女が持つ中で最凶最悪の絶対魔法=B首元に巻いてあるマフラーの、そのさらに奥にある首元の傷跡=Bその古傷が自ら開き、ぱっくりと空いた動脈から、彼女の体内を巡っている魔力(けつえき)がマフラーの中へと染み込んでいく。
彼女が持つ属性終わり≠限りなく100%に近い純度にまで落とし込んだ魔力を流され、其のマフラーの形をした魔具≠ヘ彼女の両袖から出現した二種類のデバイスと融合し。結合し、黒い棒≠ヨと変化する。
何の変哲も無い黒い靄の形をした棒きれで、長さもおよそ一メートルに満たない程度の、森に行けば落ちていそうな、貧相な物。しかし、内包される魔力を感じとれば分かるだろうが、其の内容量は絶大≠ニしか現わしきれないもので
恐らく、並の魔法少女であれば数百人いたところで到底辿り着け得ない程の密度と、何十年かけても無しえられない程の純度を持つ魔力の核≠ニでもいる存在。星の欠片にすら匹敵するその力の塊が、徹底的な殺意を持って、少女所へと向けられるだろう。

近接距離にすら近づいていない、有効射程内にすら入っていないと思われるそれを振るえば。即座に発生する衝撃波=B黒い斬撃状の形をしたそれは、文字通り空間を消滅≠ウせながら、自らに触れる概念全てに対して向けた破壊概念≠振るいながら、少女へと以下づいていく。
ただ振るうだけ≠ナ発生したそれは、徹底的な破壊概念=B魔力によって純化され、感情よってトリガーを引かれた拳銃≠フ発射装置であり、それ単体が世界≠キら崩壊に導きかねない特異点≠フ一つ。振るうだけで全てが死に、震うだけでみな殺す。
理不尽、無情、無常。まるで今まで掻き上げていた物語を飽きたからと破り捨てる様に、続けていたゲームの電源を落とす様に。無慈悲に、感情無く、只々現実≠押し付ける。魔力によって変質させた世界の法則を押し付け、実際に押し付けたものを破壊≠キる絶対攻撃。
正面からそれを防ぐ℃魔ネど絶対に不可能で、今満身創痍である以上、少女に逃れる術もありはしないだろう。斬撃波はゆっくりと――――彼女の至高速度が加速しているために生じる時間減速――――その斬撃は少女を破壊せんと迫っていく。

逃れる術は無く、防ぐ¥pも無い。だが、この世に絶対≠ネんてものは存在しないのを、世の中はそう個人に対して甘くない≠ニいう事を、少女は良く知っているだろう。
そう、彼女だって所詮は人間。そうであるように育てられてきただけの人間であり、たかが一個人でしかない人間が同じ人間に対して絶対破壊%凾ニ言う概念をぶつけられるだろうか? 借りにぶつけられたとしても、それは本当に絶対≠ネのだろうか?
幾ら魔力が強くとも、いくら質が良かろうとも、このような心の状態で放つ物が絶対≠ナある筈が無い。そもそも、彼女が放つデバイスは矛盾≠逸話に持つ武器の名であり、それが――――――今この瞬間、絶対≠覆すファクター≠ノなる。
878 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/06(月) 14:30:21.51 ID:+GlrfXOeo
>>876-877

状況は最悪の一言に尽きた。誰がどう見ても既に勝敗は決し、今にも倒れてしまいそうな小柄な少女とまだ一度もダメージを受けていない少女の行く末等考えずとも理解できる筈だ。
だが何故だろうか――――ダメージは明らかに陽菜子のほうが上のはずなのに、瞳に宿る焔は消えるどころか其の熱量は激しくなっていく一方で。
一方的に陽菜子に攻撃を与えている少女のほうが、精神的な焦りを感じているように視えるのは――――果たして気のせいなのか、それとも。

そして最悪だった状況は最悪を通り越して最低最悪へと墜ちていく。満身創痍の陽菜子を追い詰めるように出現する闇=B
其れは魔法少女として未熟な彼女でも一目見ただけで危険だと、今すぐ逃げなければ次の瞬間には死に絶え髪の毛一本残らないと、脳身体第六感全てが警告していた。
しかしそんな警告も聞く耳は持たず、高めたありったけの魔力で胸の内に秘めた内燃機関を猛り狂わせ、絶望すらも受け入れてなお希望を捨てない。
どんな敵を前にしても諦めない――――其れが魔法少女であり、正義の味方だと、彼女は信じて疑わなかったから。

「そう…………だったら、私は」
「あなたの全てを、肯定してあげる――――――――っ!!」

相手の実力と彼女の実力には、絶対に埋められない領域での差が生じている。其れは今更言うまでもないだろう。
魔力量、魔法技術、魔法の性質から固有魔法の汎用性まで、ありとあらゆる面において陽菜子は相手に劣っていた。
そして其れは魔法少女として見た戦力分析であり、今此の場において勝利を掴み取る道筋に成り得るのは魔法少女としての強さを度外視した場所に在る。
それは精神の強さ――――何度でも立ち上がる鋼鉄の精神に対して、果たして少女の精神はどうだろうか。
魔法の強さは精神に影響を受ける。魔法少女の多くが十代であり、年齢的に精神が安定していないのが普通――――そんな中でブレない芯を持っているのは、間違いなくアドバンテージに繋がる。
そして其処こそが、此の蹂躙とも言うべき戦いにおいて唯一陽菜子が相手に勝る点だった。
付け入る隙があるとすれば、其処だけだった。理由は分からないが陽菜子を圧倒してなお揺れ動く少女の心、其れこそがたった一つの勝利の鍵――――――――。

「インペリアルブリッツ――――カートリッジ、ロードっ!!」

彼女の扱う手甲型魔導機インペリアルブリッツは、彼女が母から受け継いだものであり、其の機能の大半を損壊してしまっている。
その内の損壊している機能の一つが、魔力供給機能の停止。デバイスに魔力を注ぎこむことによって魔法を発動する魔導機にも関わらず、彼女のデバイスは使い手から魔力の供給を受けることが出来ない。
そんなインペリアルブリッツに唯一魔力を補充する方法が『魔弾装填機構』――――彼女の固有魔術と合わせて扱うことが出来る、強化機構の存在だった。

膨大な魔力を圧縮し、弾丸の形に形成する。其れが柊崎陽菜子の固有魔法である。
此れを対応したデバイスに装填、デバイス内で炸裂、強制的に暴走状態へと追い込むことで一時的に魔法を爆発的に強化し、瞬間火力を途方もなく引き上げる技術。
しかし自発的に起こしているとはいえ其れは暴走≠ノ過ぎず、下手すれば自滅しかねない危険な技術だ――――だが陽菜子が魔法を扱うには、此の機構を利用するしかなく。
其の特性上陽菜子は持ち合わせたカートリッジの数しか魔法が発動できない。通常持ち合わせているカートリッジは十二発、うち一発は先程の防御魔法の展開で使用してしまった。
残るカートリッジは十一発。其の一発一発が莫大な魔力の塊であり、一発分ですら其処らの魔法少女を凌駕する魔力量を秘めている。

//続きます
879 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/06(月) 14:30:50.01 ID:+GlrfXOeo
>>878

陽菜子は自らの聖拳に呼びかけ、デバイスは主の声に従った――――装填したカートリッジの数は十一、持ち合わせている弾丸の総て=B
掛け値無しの全力、疑う余地のない全開、最初で最後の此の一撃に、陽菜子は己の総てを上乗せした。
デバイス内で炸裂した魔力は元々弾丸に込められていた魔力の数十倍、秒を追うごとに膨れ上がっていく其れに激しい熱を伴いながら、陽菜子は意識の中でデバイスと意思疎通を図り。
少女の絶対を打ち砕くべく、聖拳が咆哮し陽菜子は歯を食い縛った――――――――。

『直射型魔導砲撃《Dainsleif》展開準備』
『防御陣発動 遅延効果により発動を-秒後に設定』
『残存魔力を打撃強化へと回します――――』

一発を砲撃魔法に、三発を防御魔法に、そして残りの総てを打撃強化に――――排莢を終え、陣の展開準備を済ませ、攻撃の準備が整う。
扱える魔法全部を注ぎ込んだ正真正銘の全身全霊、此れで駄目ならもう打つ手はないと断言できる現状での陽菜子の最強魔法=B
死にかけている左腕を無理矢理持ち上げると、掌を背後に向け――――同時に、設定していた術式を発動する。

「たった一発でいい――――力を貸して、インペリアルブリッツ」
「体力的にも一撃が限界、だから――――――――全力で行きますッ!!」

背後に向けた掌、其処から展開される魔法陣は、彼女が扱える戦闘用魔法の一つ、砲撃*v@を撃つためのモノだった。
悉くの魔法を扱える少女ならば、其の陣を見ただけで効果を見抜くことが出来るだろう――――当然、背後に撃った砲撃が少女に向かうことは絶対に有り得ない。
ならば此の砲撃には一体どんな意味があるのか、効果はすぐに現れる――――一歩を踏み出し、地を蹴った瞬間、陽菜子は砲撃の反動を受け加速≠キる。
もはや陽菜子には駆け出す余力も残されていなかった。故に別の方法で駆けるしかなく、考えた結果砲撃を推進力に変えることで陽菜子は驚異的な加速を成し。

「くっ…………ぅあっ…………!!」

少女の放つ絶対破壊の概念に、本来ただの魔法少女にぶつけるにはあまりに強固過ぎる防御陣を正面からぶつける――――しかし絶対破壊の概念は伊達ではなく。
一秒すら持たず、防御が崩壊し始めた。だが構わない、其の一瞬の隙に少女は歯を食い縛り、拳を握り直す。
結界越しでも伝わってくる魔力の波と破壊の力、全身が悲鳴を上げるも其れを凶悪な精神力によって押し潰し。
防御魔法を崩壊させながらも破壊の中を強引に突き進み、そして破壊の中を陽菜子が突き抜けたならば――――黒の騎士は其の拳を、少女のへ叩き込もうとするだろう。

もしかしたら破壊の威力が桁違い過ぎて、辿り着くことすら出来ないかもしれない。辿り着き拳を放てたとして、防護壁に阻まれ彼女の攻撃は一切通らないかも知れない。
しかしそんな事を考えている余裕は陽菜子には無く、ただ近づけたのならば打撃強化によって極限まで強化された拳撃が、少女へと向かって撃ち出されるだろう。
そして其の拳には、打撃強化の他にもう一つだけ別の魔法が上乗せされていた――――それは汎用魔法の一つ、念話。
陽菜子は魔法少女としては三流で、汎用魔法すらろくに使いこなせない。そんな彼女が一応使える汎用魔法の一つが、相手と意識領域で会話を可能とする念話である。
しかし彼女の念話の射程はたった数メートル、もはや使い物にならないとしか言えない距離だったが。
拳が触れ合える距離ならば話は別だ――――陽菜子は拳に念話の術式をかけ、己の気持ちを言葉ではなく直接相手に激突させるつもりなのだ。
混じりっけのない善意は、或いは少女にとっては恐ろしい猛毒へとなるかもしれない。其れほどまでに彼女の精神は真っ直ぐで、余計な穢れもなく。
ただ純粋に少女と向き合いたいという意志が、暴風と化した魔力と共に少女に向けて放たれ――――――――。
880 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/06(月) 15:10:43.41 ID:LZvvj9el0
>>878-879

「―――――――るな」

目の前で起きている出来事に、彼女は本日何度目になるかもわからない困惑≠露わにする。自らが持つ絶対の破壊概念であるはずのエッケザックス≠ェ、押されている≠フだ。
砲撃による加速はまだ理解できる、防御魔法が一秒すら持たず破壊されてしまったのも当然で。本来であれば少女は欠片すら残さず、存在の記憶すら抹消した上で消滅するはずだった。
だが、現実は彼女の思うとおりに行く筈が無い。現実を見ていない物に、現実は振り向かない。クソがクソがクソが! どうして思い通りにならないんだ!

私が最強なんだ。お前の全てを終わらせてやる。殺してやる。思考の中から溢れた言葉が、エッケザックス≠強化する呪詛として展開され。黒の斬撃波さらにその色を黒へと染める
でも、それでも少女は止まらない。体中に破壊の魔法を受け続けるのはそう雑な痛みの筈だ、正面を切って突き抜ける事の成功率なんてほとんど零な筈だ。
首元から溢れ出す魔力の供給が鋭さを増し、ドクドクと垂れ流し続ける血液が制服を染め、肌を染め、魔具へとその魔力を注ぐ。心臓の鼓動が一際激しく鼓動を撃ち、早鐘の様になり続ける脈動は既にレッドの領域にまで喰い込んでいる。


「―――く―――――な」

「―――――来るな」「来るな来るな来るな来るな来るなァッ!!」




                          「   来    る     な     ァ     ッ     ッ     ッ    !     !    !     」


でも、それでも。止まらない、止まってくれない。彼女の放った死の宣告すら跳ね除けて、体中を蝕まれながらも進む少女≠ノ、彼女は初めて恐怖≠感じた。
アイツ≠ノ感じたものとは違う、自らが肯定≠ウれてしまう恐怖。常に否定でしか事故を確認できなかった自分が、認められてしまう。それが怖い。
大雑把な分類で表現するのであれば、彼女は殺すことでしか自分を表現できないと思い込んで≠「て、事実自信を変える努力をしてこなかった。
いや、努力自体は何度も行ったが、結局のところ変わる事が出来ず。いつしかそれしか出来ない≠ニ自分で自分に枷を取り付けることで、自身の存在を守ろうとしたのだ。

他者に自分が受け入れられるのが怖い、自分が一番でなければ、自分以外は塵芥でなければ、彼女が殺してきた人間はどうなる。それも彼女と同じ人間であると言われてしまえば、どうなる。
耐えられない。この世界の人間なんてみんなゴミだ、お前も、お前も、お前もお前も! 殺す事で自身を表現できないのだから、お前らが死んでもいいじゃないか。
私が私であるために、犠牲になって死んでしまえ。アイツに言われた通り敵を殺し続ければ楽だったんだ。ゲームの様に、淡々と殺し続けるのは、思考停止で淡々と殺し続けるのは気持ちが良かったんだ。

辞めろ。やめろ。来るな。来るな来るな来るな。その手をこっちに向けないでくれ、近づかないでくれ、来ないでくれ。
何で私の魔法が超えられる。私より弱いくせに、満身創痍な癖に、傷だらけの癖に、凡人の癖に、子供のくせに、魔法少女≠フ癖に。
なんでなんでなんでなんでなんで。頭の中はそれしか浮かばず、彼女が放った絶望≠超えて放たれた現実は=A防御魔法を展開しようとした彼女の頬に当たり、凄まじい音をたてながら、少女の拳に彼女は弾き飛ばされるだろう。

彼女の魔法エッケザックス=A彼女が扱う破壊魔法は彼女自身の性格ゆえに乱気流≠フ様な構造をとっている。
ミキサーにも似た構造で、内部に存在するありとあらゆる悉くを粉々に分解し、破壊し、消滅させるのが彼女の魔法。
だからこそ、正面突破の一点突破≠ノ弱い。常に乱れて統一性がない、純度が高いだけにかまけた魔力であるからこそ、少女の突破≠ヘ非常に有効だった。

殴られてから吹き飛ぶまでの一瞬で、多大な意志≠ぶつけられた彼女は。並外れた魔力量故に、条件反射で強化された肉体で、辛うじて頭蓋が吹き飛ばされる事無くすんだ彼女は。
―――――僅かに、思考を停止する。彼女が使っていた魔法が全て消え去り、エッケザックス≠ヘ勿論の事。展開されえ知多結界もほどけ、景色の変わらない現実≠フ公園がその瞳には映るだろう。
881 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/06(月) 15:52:53.74 ID:+GlrfXOeo
>>880

突き抜けた意志は絶対破壊の概念を打ち破り、そして漆黒の拳は少女へ到達し絶望を弾き飛ばす。
彼女が発動していた魔法が総て解け、強制的に現実へと還され、カートリッジを使い果たし体力の限界を迎えた陽菜子の変身も強制的に解除された。
急加速、そして殴った際の衝撃を踏み止まって殺そうとするも、ふらついた足取りでは其れすら叶わず。
少女が吹き飛んでいった方向へ、陽菜子も勢いをつけて思い切り飛んでいき、そして顔面から上手に着地に成功した。
たった一発の反撃、しかし其の一撃は何よりも重く、陽菜子を勝利へ導いたと見せかけたが――――。

「げほっ、げほっ……」

口から吐き出したのは、大量の血液。破壊の概念を突破したとはいえ、無傷で其れを乗り越えたという訳では無かったようだ。
精神的なダメージならばともかく、肉体的なダメージならば陽菜子の方が明らかに大きく、勝負自体は贔屓目に見て引き分けといったところだろうか。
実力差を考えれば其れでも大金星と言えたが、全身くまなく傷だらけの陽菜子に其のようなことを考える余裕もなく。
立ち上がろうとして、そして蹲り地面に血液をぶち撒けた――苦しい。苦しくて、辛い。けれど頑張って顔を上げて、少女へと視線を向け。

「やっ、と…………届い、た………………」

治癒魔法は今も発動しているけれど、ダメージ量が大き過ぎる上消費魔力が多すぎて回復が間に合わない。
星のかけらはたった一つだけ持ち合わせているが、此れは母の形見であり容易に使うという選択肢は選べず。
陽菜子は激痛に身を侵されながら、其れを必死に耐えて少女に笑いかけた。

「私が、あなたを…………肯定、するから…………」

嫉妬に溺れ、誰かから与えられた理由に逃げて、考えるのをやめて設定された敵を殺し続ける。
本来ならば悪と断じて裁かれるべきなのだろう、だけど其の在り方は陽菜子よりもずっと人間じみていて、だからこそ彼女は相手をただの悪い人だとは思えなかった。
ただの悪人だと思いたくないだけなのかもしれない、だがこうして全力をぶつけ合って、それでまだこの考えが変わらないということは――なんて、あまりに希望的観測過ぎるけれど。
陽菜子はそっと手を伸ばし、可能ならば少女の頬に手を添えようとするだろう――鮮血で濡れた、小さく柔らかな手を。

「だから、逃げないで…………思考停止しないで――――こっちを、向いて」

今にも死にそうだというのに、未だに彼女は他人のことを考えていた。
つい先程初めて会って、一方的に攻撃され続け、挙句の果てに半殺しにされているのにも関わらず――――其の在り方は、ある意味少女よりも異常と言えた。
目の前にいる困っている誰かがいたら放っておけない、其れが魔法少女になってしまったがために此のような事態を巻き起こしていたが。
鋼鉄の精神を持っていても、所詮はただの中学生だ――――痛みからか、それとも目尻に僅かに溜まった涙の所為か、声は酷く震えていて。
魔女に触れた手は、魔法少女から放たれた暖かな刃は、果たして本当の意味で少女に届くのだろうか――――分からない、ただひとつだけ解るのは。
世界は決して優しくなんて無い――――だけど、それでも、優しく包み込んでくれる誰かは、きっと何処かにいるという事だけだった。
882 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/06(月) 16:19:54.08 ID:LZvvj9el0
>>881

僅かな水音と、頬に添えられる生暖かい感触。首元から垂れ流し続けていた魔力の供給もエッケザックス≠突破された際に消失して、再度その首元はマフラーで覆われる。
少女の拳は確かに彼女へと届いたが、肉体的なダメージで言えば半分≠ニいったところだろう。条件反射で行われた身体強化魔法によって底上げされた体で受けた拳は
痛みこそあるものの、その一撃のみで完全にノックアウトとはいかなかったらしい。脳が揺れた事で朦朧としている意識の中、頬に添えられた暖かいナニカが少女の手だと分かるまでに、数秒の時間を要してしまう。
ブレていた視界が定まっていくと同時に、開いていく瞳の瞳孔。鳶色に色付けされた眼が驚愕と恐怖に彩られ、自らの死≠確信する。
少女が先程まで言っていた言葉を忘れ、殺そうとしたんだから殺されるに決まっている。そんなごく当たり前の法則を、自身の中で理解し、その絶望で目尻に涙が溢れそうになったとき――――

「………………え?」

―――――かけられたのは呪詛では無くて、寧ろ祝詞に近い言葉=B貴方を肯定する。こっちを向いて。頭の中でぐるぐる回る文字の羅列。
此方は殺そうとしたんだぞ? どうしてまだそんな言葉が吐ける? と訴えようかと口を開いた矢先に、その気持ちが、意志がどうしようもないほどに純粋な°C持ちで構成されていることを思い出す=B
先程、拳が彼女の頬を打った時。確かにその気持ちは彼女に届いていた=B極限的な状況下における思考の流出において、少女の過去の一部と、それでも≠ニ言い続ける少女の意味=B
理解したら、理解してしまったら、拒否する術は存在しない。一度自らの思考に刻まれてしまったそれを取り除く事は、彼女にはできなくて。
目の前で息絶えそうなほどもがく少女を、そのまま殺してまおうと手を伸ばし――――――――頭に触れて、治癒魔法≠発動させる。

「分かんねぇ……。分かんねぇよ。おまえ」

其処まで早いものではないものの、彼女が苦手とする魔法でもなく。比較的ゆっくりではあるが、確実に彼女が手ずから与えた傷を修復していくだろう。
883 :詩音加美楽 [sage]:2015/04/06(月) 17:24:19.78 ID:HaSzGXnS0
>>837

「──ク……クソガァァァァァァァアァァァァァァァァッッ!!」

視界を遮る障害物が消えて見えたのは、小馬鹿にする表情を浮かべる水月の姿だった。
詩音は離れて行く獲物に届くことの無い手を伸ばせば怒りに満ちた表情を浮かべ怒号を吠えながら落下して行く。
その怒りは"また"見逃されたという自身への情けなさと勝負から逃げた水月への苛立ちが混ざり合った憤怒に他ならない。

「魔法十二戦姫のカーミラだァァァァ!覚えておけェェェェェェエェェェェェェ!!」

姿の見えない水月へと聞こえるのか分からないが詩音は叫んだ。
覚えておけと──。
其れがお前を[ピーーー]死神の名と知れと──。

/ロールありがとうございました!
884 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/06(月) 19:21:31.25 ID:HaSzGXnS0
>>870

亜久里を前にして先程迄の強気を失うフェデーレだが其れでも拳は止まらなかった。
やめてと──嫌と拒絶の意思を見せようが、反発の言葉を幾ら言おうが亜久里はそれを聞かない。
殴られるのが怖いのは分かる。痛いのが嫌いなのも分かる。目の前で怯えるフェデーレも亜久里も同じ魔法少女であり所詮十数年生きた少女に過ぎないのだから──。
しかしそれでも容赦はしなかった。
もし拳を収めれば、それは目の前の脅威を逃すことになる。同情で脅威を見逃すほど亜久里は優しくない。
例え、根っからの悪だろうが仲の良い友人や家族だろうが自分の平和を破壊する脅威となった者は公平に容赦無く叩き潰す。それが亜久里の正義であり固定化された信念だった。


「──────ッ!」


歯を強く噛み締めフェデーレを殴ったことを実感する。
勢い良く打ち込んだ拳の反動でポニーテールが不規則に揺れた。
振り切った黄金の腕──血を流し吹き飛ぶと壁に激突するフェデーレ。
亜久里は思った。
この刹那は何回体験しても心地の良いものではないと。
幾ら理由があろうが人を傷付けることに好意的な考えを持ったことは無いし、所詮唯の自分勝手なことも分かっている。
しかし、また大切な物を奪われ失うのはもう沢山だと強く思うからこそ絶対に譲れないこともある────。

目の前では完全に戦意喪失したフェデーレが怯えながら主である者の名を呼び助けを冀望している。
──エインフェリャル。
確か以前一姫が言っていたフェデーレ達の首領の名だったか──。
幾ら呼ぼうが封印をされていては助けどころか姿すら見せることは出来ないだろうし、そんな単純なことは考え無くても分かるだろうに。どうやら、彼女は冷静な判断も思考も今は出来ないようだ。


「…………………」


何かに怯え恐怖する様に。
そしてその恐怖から逃げたいが為に主を礼賛し求めるフェデーレはやがて狂乱したかの様に主の名を連呼し出した。
消えゆくフェデーレを追おうともせず、亜久里はただそれを見届けた。

「……………………この子どうしよ」

日常を取り戻した保健室の中、笑顔を綻ばせるメリーを見て同じく笑顔を返す。
そして力が抜けたのか倒れるメリーを見て亜久里は慌てて近寄るが微かな優しい呼吸を聞いて安堵した後、優しく抱えどうしたものかと小一時間悩むのだった。
メリーが目を覚ました時は恐らく大きなベッドの上で隣には寝息を立てる亜久里の姿が見えるだろう────。

/ロールありがとうございましたっ
885 :如月 千寄子 [sage]:2015/04/06(月) 20:29:08.10 ID:u2cnooiy0
>>872

沈黙、思案する彼女。まずい、これは、まずい。折角できそうだった友達を、私は自ら突っぱねたのかもしれない。
あむ、と一口アイスクリームを舐めるが、もう味はしない。その代わりに焦燥と恐怖が背筋を駆け、寒気となって私を襲う。
口はからからに渇いたように思える。先程食べたアイスクリームの味と、水気が飛んできた唾液の濃い不快感が混ざって、殊更に私を追い立ててきた。けれど。

「…………ぇ、…………?」

――思わずして喉奥から出てきた驚きの声を、辛うじて口の中で留めた。
包丁? 料理? 何を言っている、彼女は。
別に私はそんなことをしたわけじゃない。ただ単純な苛立ちに耐えかねて、手首にカッターナイフの刃を当てて、すっと引いてやると、赤い雫がじんわりと滲んできて、のぼせ上がっていた頭が冷えて気持ちいいだけだ。
だが彼女はどうも、私の行為を勘違いしているらしい――二度目、私は安堵した。
「え、ええ。そう、なんです。こっ、この間、家で、その、チャーハンを作ったときに――」口から出まかせに適当な言い訳をして、上手く誤魔化してみる。「――ほ、本当ですよ。いちいち私のする事なす事に文句を付けて、まるで小姑みたい」上手く乗り切れた、か?

「……、? ……そう言ってくれると、嬉しい、です」

――いや、これは、何だ。綺麗でまっさらな手は、嫌いではない。それは、彼女の本心かもしれない。
だが、しかし、あまりにもこれは、上手く出来すぎていやしないか。そうだ。そもそも彼女のフォローだって、おかしいじゃないか。
料理で、しかも包丁で、手首に傷なんて中々作るものじゃない。そんな推測、おかしいことはすぐ分かるはずだ。包丁以外ならまだ理解できるが、彼女は私が「包丁でついた傷」だと言っても、それを怪しんだりしなかった。
もしや彼女は、私の全てを理解した上で、私を受け入れ、器用な擁護をしてみせたのではないか。もしそうならば、本当に嬉しい。彼女は真に、黒百合の名に相応しい淑女だ――だが。
それすらも、彼女の演ずる内だとしたら。先程私が無条件に受け入れた、彼女が私達と敵対する人間でないという根拠は、あるのだろうか。

「……た、珠輝さんは……どんな料理が、得意なんですか?」

声の調子は、なるべく変えない。話の内容に大した意味はない。まずは彼女が、魔法少女であるかどうかを探る。
ポケットにさりげなく手を差し入れ、私の魔道具――注射器を象った、紅色――を握り締め、彼女に何も悟られないように集中する。
彼女が魔法少女なら、隠しきれない魔翌力の残り香や、星のかけらの気配をも感じられるかもしれない――果たして、どうだろう。

//遅れてしまいましたが、お返ししますっ。時間の方、了解しました。
886 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/06(月) 21:23:13.04 ID:hfvLXSNU0

ここは瀬平戸中央総合病院。
平日の昼間でも子供やお年寄りでがやがやと賑わう其処から、覚束無い足取りで一人の少女が出てくる。

「……」

病葉高校の制服を着崩した格好に、マスクと三白眼。周囲に近寄り難いオーラを纏いながらふらふらと病院を後にする。
通って来たのは外科の診療室。と言っても、その体躯にこれと云った外傷はない。
強いて言うならその両手には薄く包帯が巻かれているがそれも軽傷。

しかし服の下には未だ生々しい痕が残っている。そして、それと同じくらい精神的な傷も重篤であった。
黒百合の生徒会長との一騎打ちに惨敗してから一夜。あれから治癒魔法は使っていない。肉体的には殆ど健康そのもの。
魔力が足りない訳でもないのに、それを消費する事も出来ない程憔悴しきっているという事だった。


「っ、」

歩き出して数歩、ふと突かれたように立ち止まって制服の襟元を押さえる。
電柱に凭れて、マスクの下冷や汗を流す姿を、気に掛ける者はいない。
病葉高校の悪名が知れ渡っているのを実感する瞬間である。だとしても、少しの慰めもになりはしなかったが。
887 :パメラ [saga sage ]:2015/04/06(月) 21:54:25.01 ID:Xa/TyqcwO

>>886

【昼の瀬平戸】
【道行く人々は、様々であり】
【例え、裏の世界がどれだけ混迷を極めていても】
【この表の世界は、変わること無く動き続ける】

……ふぅ、足下見られましたねぇ…なんとか飲み込ませましたがぁ

【そして、そんな表世界の真っ昼間から歩く紫メイド服が一人】
【長い銀髪と紅い眼、そして赤いヘッドホンを着けた姿は、パメラ・レジエルその人】
【ただいま、店に出す品の仕入れ交渉をしてきたばかりである】

【多少の奇異の視線は何のその】
【道行く姿は自然体である】

……んー?
あれは……

【そのままテクテクと遊び歩き】
【気づいた時には病院の近くまで来ていた】
【と、同時にある人影に気づく】
【何だか以前、見たような雰囲気で】

……大丈夫ですかぁ?

【制服は、瀬平戸でも悪評が目立つ病葉高校のもの】
【しかし、何か気になったパメラは、その人物に話しかけるのであった】

/絡み宜しいでしょうか?
888 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/06(月) 22:05:42.43 ID:hfvLXSNU0
>>887

がやがやと、街往く人々の好奇のざわめき。それを気に掛ける余裕は今の新野に無い。
気のせいか自分に向く目が多少分散したように思う。と、他人より視線に敏感な勘が、静かに脳裏でそう告げる。
これ幸いと、電柱から無理からに身体を剥がし1歩、2歩。普段なら気にも留めないような些事が今は肌に纏わりつくように鬱陶しい。

「……!」

――――と不意をつく、近くで起こる声。
はっと面を上げれば、かなり特徴的な覚えのある顔。


「どもでス、あー……メイドさん」

名前を思い出すのも億劫という風に目が泳ぐ。一拍置いて口にしたのは、見たままの呼称。
普段より1割増し刺刺しい態度――主に幻痛からくる倦怠感だが――で僅かに頭を下げた。


/だいじょぶです、よろしくお願いします!
889 :MG-01 [sage saga]:2015/04/06(月) 22:08:49.21 ID:lgEdVJzu0
【深夜、路地裏】
【人気はなく、電話ボックスとまばらな街灯のみが光をもたらしている】

転送地点、確認完了…転送、開始。

【電話ボックスのスピーカーから聞こえてくる少女の声とともに、突如闇の静寂が破られる】
【電話ボックスから、緑色の光の奔流】
【光は、徐々に一人の少女を形作っていく】

【そして、奔流はやみ、後には一人の白髪の少女】
【緑色の瞳と全身に刻まれた電子回路のような模様が、暗闇に浮かび上がる】

転送完了、各部機関問題なし…対象物「星のかけら」の捜索、開始。

【そう呟くと同時に、全身のジェットへと火が付き、少女の体は舞った】

【音を抑えるような構造ではあるが、それでもジェットエンジン】
【その音は、近くにいれば否応なしに聞こえるだろう】
【また、この少女は星のかけらがこの近くにあることを探知して現れた】
【それを探しに来た魔法少女か、はたまたその星のかけらを持つ魔法少女と出くわすかもしれない…】
890 :パメラ [sage saga ]:2015/04/06(月) 22:18:37.41 ID:Xa/TyqcwO

>>888

【何処と無く、様子がおかしい】
【というより、余裕が無くなっている、と言うべきだろうか?】
【以前の1度しか会って居ないが、その辺りの違和感に気づけたのは接客業をこなしている故だろうか】

えぇ、お久しぶりですねぇ

【返された言葉に、無難に返しながら】
【注意深く観察するが】
【やはり、以前とは様子が違うように感じる】
【見た目とは違い、かなり礼儀正しい部分を感じていたのだが】

……ここで会ったのも、何かの縁ですねぇ
すぐ近くに、私のお店がありますから来ませんかぁ?
……人が居ませんし、少なくともここよりは落ち着けるかとは思いますよぉ?

【少し考えて、提案してみる】
【現状、野次馬の視線がひどい】
【ここから何か話すにせよ、まずは離れるべきだろうと考えての提案だが、どうだろうか?】

891 :パメラ [saga sage ]:2015/04/06(月) 22:19:54.69 ID:Xa/TyqcwO
>>888

/よかった……それでは、こちらこそよろしくお願いします!
892 :愛染 濁 [sage]:2015/04/06(月) 22:21:03.97 ID:ke7GNLOw0
>>889

【ここは路地裏の街灯に照らされた一角】
【そこには私立病葉工業高校の制服を着込んだ藍色の眼鏡をかけた少女が星のかけらを手で弄びながら小説に目を走らせていた】

「・・・・・・・魔翌力の気配」
「それのいきなり現れた・・転移系統の魔法でしょうか?」
「どっちにせよ、此処で罠を張って置いて正解だったらようですね・・・」

【腰かけていたスクバから腰を上げ、小説を閉じる】
【と、同時に彼女の鼻から血が垂れている事に気付くだろう】
【高速で近づいてくる魔翌力の気配を感じながらも彼女は顔を高翌揚させて呟いた】

「やっぱり、おねショタは至高//////ぐへへ/////」

893 :樹心院 珠輝 ◆ITqPX258yc [saga]:2015/04/06(月) 22:25:13.73 ID:yivo0LIio
>>885

「あら、またさん&tけになっていますわよ、千寄子ちゃん」

誂うようなわざとらしいお嬢様口調で、樹心院はすかさず返す。

こうしている樹心院自身、もはや演技と本音の境目が曖昧になりつつあるのを感じている。
一年の間に仮面は顔へと張り付き、特に意識していなくても、波風を立てない優雅な振る舞いを出来るようになった。
千寄子の手首に隠された『意味』に思い至ったのも――間髪入れずにフォローの言葉が口をついて出た、その後。まさにこの瞬間だった。

……本当の友人ならば、きっとそこに踏み込んでいくのだろう。
だけれど樹心院はその渇望とは裏腹に、誰かと密着した関係を結ぶことを心のどこかで恐れていた。
多くを得ようとしたがために、全てを失ってしまうことを。

「鶏肉で味を出した澄まし汁だとか、鯖の味噌煮だとか――。
 どちらかと言えば和食が得意、かしら。お腹に優しいものが好きよ」

付かず離れず、嘘ではないけれど実のない会話を続ける。
そんな彼女が持つ隠された顔は、何もその出自や、そつのない――悪く言えば小狡い性格だけではない。
樹心院の身体には、ほんの僅かな、しかし確かな魔力の気配が纏い付いていた。
894 :創堕 終離 [saga]:2015/04/06(月) 22:26:23.94 ID:y/DYhw6N0
【夜の帳の落(堕)ちた刻】
【閑古鳥の泣く公園に、漂うスパイスは褪せた血の色】

【――――――そこに転がるは猫の死体、犬の死体、猫、猫、猫、犬犬犬犬犬――――】
【血の跡が綴りし道をたどれば、その赤は新鮮な紅になっていく】
【それと同時に漂うは、辛く苦い痛みの匂い】
【その中心にいるのは女。何処かの学校の制服を着ている、女】
【服には血がついていない為、余程器用にさばいたと見える】
【皆が皆腸を指され引き摺られ、その光景は異様だったが】
【――――魔法の片鱗があるとはいえ、そこには誰一人近寄る様子がない】
【暗闇に成れた瞳なら、その作業を淡々と、真顔のまま処理しているのが見える筈だ】
【こんな事なんでもない、普通の事】
【表情一つでそれを物語っているのが分かる】

【――――そして今、手に持ったナイフでもう一つ、小動物の命が尽きようとしていた】
895 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/06(月) 22:32:15.12 ID:hfvLXSNU0
>>890

マスクの下、小さくため息をつく。正直な話、知人に出会えたという喜びはなし。寧ろ、捕まってしまったという気持ちが大きい。
穏やかな性質ではあるが、元々気が長い方ではない。短気は不良の代名詞みたいなものだが、体調不良がそれを助長していて。
だが、理由も無くキレるほど、子どもでもいられなかった。

「……すみ、ません。お言葉に甘えまス」

ふー、と深く息を吐く。深呼吸を二回するうちに、胸の痞えは少し楽になった。
頭を掻くと、周囲に屯する人の波が目に見えて増えている。ここより空気がマシな場所であれば、何処でもよかった。
提案を断る理由はない。連れて行かれるがまま、重い足を引き摺って行くだろう。
896 :パメラ [saga sage ]:2015/04/06(月) 22:49:11.60 ID:Xa/TyqcwO

>>895

それなら、案内しますねぇ

【とりあえずは、話に乗ってきた】
【となれば、会話を続けるのも難しくは無いだろう】
【そこまで考えて、パメラは歩調を若干落としながら歩く】
【病院の見える範囲から出て、大通り】
【その通りから小道にそれると、そこには一件の古風そうなカフェ】
【歩くこと、だいたい20分近くで、カフェ『とれみぃ』へとたどり着いたのであった】
【――もし、道中で何かが起きなければの話であるが】
【そして、ちなみにだがパメラはこの間、話しかけられない限りは口を開かないだろう】

……いらっしゃいませー♪

とりあえずは、こちらをどうぞぉ

【そうして、案内して店内へと入ったならば】
【まずは一転、軽く礼をしたあと、カウンター席へと誘うだろう】
【アンティーク風の店内には人影は無く、中央には複数のドリンクバーその他が連なっていて、明らかなミスマッチを誘っていたりする】
【そして最後に、パメラは冷蔵庫からジャスミンティーをコップに注ぐと、コトンと新野が座った場所へと置くだろう】

897 :MG-01 [sage saga]:2015/04/06(月) 22:55:07.88 ID:lgEdVJzu0
>>892

「星のかけら」反応、南西200m地点…間もなく到着します…

【間もなく、眼鏡の少女のいる一角へと緑の閃光が降り立った】
【そして、視界に何やら呟く少女を捉える】

……お・ね・ショ・タ……理解不能、データベースに存在しません。

【かなり興奮している様子というのは顔面の紅潮から理解できるが、その原因までは理解できない】
【いくら星のかけらの奇跡によって心を得たとしても、所詮は機械。データにない事は理解できないのだ】

「おねショタ」についてのデータ収集を開始……ネットワーク接z『01、やめろ。そんなデータは必要ない』

【未知のデータはどのような物でも収集に値する。そう考えた矢先の、製作者からの通信だった】
【製作者からの命令はどのような状況でも絶対服従。そのプログラムに従い、「おねショタ」のデータをメモリから消し去った】

失礼しました、マスター。探知した星のかけらは、既に他の魔法少女の所有物となっているようです。どう致しますか?

【口調ひとつ乱さず、マイク越しの製作者へと指示を仰ぐ】

『構わない、奪え』

【躊躇いのない、絶対服従のゴーサイン】
【それに伴い、両手の指が変形していく】

了解しました。戦闘モードへ移行…
……フィンガーマグナム、発射。

                   ユ ビ
【真っ直ぐに眼鏡少女へ向けられた10本の銃口が、火を噴いた】
898 :如月 千寄子 [saga]:2015/04/06(月) 22:56:15.10 ID:u2cnooiy0
>>893

く、やってしまった。彼女の魔力を探ることに集中が過ぎた。でっち上げの会話にボロが出たのだ――しかし、手に入れるべきものは手に入れた。
彼女の身体から、感じる。私と同じだ。魔法少女としての、特有のにおい。同族でなければ、決して分からない魔力の残滓。
魔法少女としての私の本分は、身体能力の強化にある。それは単純な筋肉の強化や、思考の高速化などでもあるが、もちろん嗅覚や――さらに言えば、形容し難い「第六感」をも、研ぎ澄ますことができる。
ほんの僅かな香りだったが、私が嗅ぎ違える筈はないのだ。彼女は間違いない。ならば彼女は、「正すべき」対象なのか。

「あはは、私ってば……なるほど。和食かぁ――こ、今度、私も作ってみようかな」

適当な笑いを作り、どうだっていいやり取りの隙間に、生まれた違和感を押し込めてやり過ごす。
更なる返答に窮するような、至極受動的な受け答えをした。こうすれば、また会話に沈黙が生まれる。
さあ、ここからが本番だ。彼女が私たちに与するべきか、見抜く時がやってきた。彼女が新たな話題を切り出す前に、私はこう口を開く。

「――ぜ、全然、話は変わってくるんですけれど」

吃るのも、計算の内。彼女の警戒をできる限り解こうとしての行為。
他意など込められる筈もないような、よりステレオタイプに陰気な娘を演じ始める。

「珠輝ちゃんは、今の、生徒会長――藤宮さんの『やり方』、どう思います?」

踏み出す。もう一度カマをかける。
もし私が案じた通りに、彼女がとても計算高い敵だとするならば――果たしてこんなやり方が通じるかは、分からないが。

「『その界隈』だと、結構、有名ですよね。会長の、手厳しいやり口。
 わ、私は正直、やり過ぎかなぁ、とも、思うんですけど……」

途中で幾度もつっかえて、言葉にするのを畏れているような、しかしそれでも勇気を振り絞って、自分の本心を伝える――ように、演じる。
よし、完璧。どこからどう見ても、裏を仕込む余裕がある娘には見えないだろう。どれだけ彼女が冴えた頭脳を持っていても、油断は正しい判断を不可能にさせる筈だから。
不安げな表情を満面に浮かべて、私は彼女の返答を待つ――
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/04/06(月) 23:07:15.50 ID:hfvLXSNU0
>>896

同意してから数分。歩き始めて思うのは――――

(……く、空気が、重い)

両者の間に流れる静寂。元々喋る元気も無かったが、ここまで無言だととてもじゃないがやりきれない。
ここで踵を返して家に帰るべきだという選択肢が、だんだん脳内を占拠し始める。
それを追いやり、一片の義理のみの、惰性で足を動かす。それにしても遠い。
時間が掛かるのは、主に自身の足取りが重い所為だったのだが。

案内されてやってきたのは予想通りに真っ当な建物。古風な趣に場違いという言葉が重くのしかかる。無論それは自身を指してのもの。
“あの”先輩に服借りればよかった、等と見当違いな自嘲を密かに浮かべてみたり。促されて、カウンターに座って肘を掛ける。

(ビール、……は、ない。 でスよね)

荒んだ気分を紛らわすには手っ取り早かったのだが。まだ昼間だとか、年齢制限だとかは考慮の外。
上品そうな琥珀色が注がれた器を見て、気まずさから身じろぎする。

「あの。あんまし、お金ないんで……」

良いモノを出されても分からないし、と遠慮がちに片手を挙げる。
900 :愛染 濁 [sage]:2015/04/06(月) 23:10:50.44 ID:ke7GNLOw0
>>897

【突如として現れ、何者かと交信をし出した少女】

「これが・・・・噂に聞く電波ちゃんですか・・」
「・・・・・・・・・・・・・こいつ『萌え』を理解していないですね」

【眼前の少女を観察しながらこんどの同人誌のネタに使えるか考えていると自分からご丁寧に容易にどんな技か想像出来る技名を言ってから向けられる指先】

「しかしそういう王道を行くネーミングと技、私は結構好きですよっと」

【少女は素早く横に避けて結界を張り、世界とこの場を隔絶する】

「まぁ、餌にかかった魚を逃がす程私は甘くはないのですけどね」
「とうっ」

【と、やたらやる気の無い声と共にスクバを開けて少女の頭上にぶん投げで中にビッシリと敷き詰められた官能小説を目くらましに放ち、その隙に鼻血を袖で拭い、クルリとターンしてその姿をシニョンと紫の虎が描かれたバトルコシュチュームへと変える】

「はぁ・・私立病葉工業高校の愛染 濁と申します、戦って敗れて死んでかけらを渡していただけると助かります」
901 :樹心院 珠輝 ◆ITqPX258yc [saga]:2015/04/06(月) 23:23:25.52 ID:yivo0LIio
>>898

――――やはりか、と、樹心院は内心嘆息する。
藤宮以外の生徒会役員が魔法少女である確証は今まで無かったが、こうなるとほぼ確定のようなものだろう。
そしてこの出会いは、今まで樹心院が留保していた選択を強いるものごんzふ。

意を決したように千寄子が切り出した内容を、樹心院は肯定とも否定とも取れない曖昧な相槌を交えて聞いて見せた。
一通り聞き終えると、樹心院はさくり、とスプーンをもう底が見えてきた山へと突き刺す。
然らば、会話の合間に紅茶を啜るように、それを口元へと運んだ。

柔らかな甘味と鋭い冷たさが、樹心院にこの状況について深く思案する余地を与えた。
生徒会の魔法少女は、すべて藤宮会長の思想に恭順する者たちだということはわかりきっている。
だが、だからと言って――千寄子を『邪悪』と断じ、罰することは、樹心院には難しい。
向こうが外堀を埋めるつもりなら、導き出される落とし所はどこにあるのか。

決断の時が迫っている。黒百合で魔法少女を続ける以上は、誰も『中道』では居られない。

「そうは言えど、あなたは藤宮会長のやり方が正しい≠ニ思っています。
 だからこそ生徒会において書記長の立場に就き、またそれを会長に認められているのではなくて?」

「……私は藤宮会長が全てにおいて間違っているとは思っていません。だけれど、正しいとも思っていません。
 だって私、あの方とまだ一度も言葉を交わしたことが無いのですもの」

だけれど――ほんの少しばかり時間を稼ぐやり方は、まだ残っているはずだ。
決定的な不利を被ること無く、藤宮の『誠意』を試し、千寄子の彼女への心酔ぶりを図る道が。

「そうね――ふたりきりで面談でもすれば、すっかり納得することができるんじゃないかしら。
 私自身、すべての魔法少女を野放図に暴れさせておくのは危険なことだと考えているの。
 お互いのスタンスを威圧なしで確かめることができれば、それはきっといい出会いになるわ」

ふたりきり。樹心院が強調したのは、そこだった。
902 :樹心院 珠輝 ◆ITqPX258yc [saga]:2015/04/06(月) 23:24:58.69 ID:yivo0LIio
/そしてこの出会いは、今まで樹心院が留保していた選択を強いるものごんzふ。
/→そしてこの出会いは、今まで樹心院が留保していた選択を強いるものとなる
/どうやったらこんなミスタイポするんだ……ごめんなさい
903 :パメラ [saga sage ]:2015/04/06(月) 23:26:59.14 ID:Xa/TyqcwO

>>899

あ、別に構わないですよぉ、サービスですし
それに、商品はドリンクバー300円に、プレミアムドリンクバーが500円、スイーツかっこわらいが150円で苺カレーが450円ですから比較的にお財布にもやさしいと思いますよぉ?

あ、こちらもサービスですが……甘いものは大丈夫でしょうかぁ?

【やっぱり、気まずいのか慣れてないのか】
【先程とはまた少し違った様子を見せる新野にそう説明する】
【誰がどう聞いてもおかしい価格だが、それもとれみぃの名物】
【次いで、スプーンと一緒に差し出したのはたっぷりクリームのモンブラン】
【そこらのコンビニ品では敵わない代物なのは目に見えて明らかなボリュームである】

さて……まぁ、何か有った様ですが……私から根掘り葉掘り聞くつもりはありませんからぁ、話したいと思ったらでいいですよぉ
とりあえずは、ゆっくりして下さいねぇ

【そして、先にそうやさしく伝える】
【無理に聞くつもりは無く、判断は任せるが】
【どちらにせよ、休んでいくように、と】
【そして、自身は冷蔵庫からいつものミルクティーとクッキーをとりだすと、新野の前に座り口に運び始めるのだった】
904 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/06(月) 23:47:34.59 ID:hfvLXSNU0
>>903

大盛りの洋菓子。普段なら小躍りして喜ぶ所だろう。しかし今の自分の口が受け付けるとはとても思えなかった。
二つの器が並んだ様子をぼんやりと目の端に映す。リーズナブルな料金設定も、殆ど頭に入ってこないようだった。

そして再び、互いの間を静寂が支配する。
深くは訊かないと諭されたが、この場に於いて沈黙は必ずしも金ではない。
――まあ、結果報告みたいなものだ。やけっぱちな気持ちで、三白眼を挑戦的に持ち上げる。

「あ、はい。 昨日例の、ヘッド……生徒会長に、会いました」

例の、とは以前話題に上がった黒百合のボスである。正確には先に発見して自分から突撃したのだが。
おそらくその部分は訊かれても口を噤むだろう。

そこまで言った途端、不意に胸の痞えが再び蘇る。
否、これは痛みではなく圧迫だ。心が、これ以上傷付かないように無意識で防波堤を張っているのだ。
ごくりと唾を飲み込んで。乾いた唇をマスクの上から手で押さえる。


「で、その――――負け、ました」

なるべく無感情になろうと努める。マスクがなければ、唇の震えを隠すのも一苦労だっただろう。
言い切って、腕を組んでふいと顔を背ける。きっと今の面は見るに堪えない色をしているだろうから。
905 :如月 千寄子 [sage]:2015/04/07(火) 00:06:42.41 ID:Jh/jbSiMO
>>901

「……まぁ、そうなん、ですけどね。けれど、その……あそこまで冷酷には、なりたくない、って」

っ。返す言葉に窮する。投げかけた問いも、全てのらりくらりと受け流されてしまった。私が甘かった――ここから、どう立て直すか。
とは言えども、彼女が私の思う通りの動きはしてくれなかったから、私は次の謀略を練るのに殆ど白紙から始める必要があった。
結果私は思い悩み、ろくに味のしないアイスクリームをちまちまと舐めながら、会話の主導権を彼女へと明け渡すことになる。
「……そうなんです、か。それなら、じゃあ」話をさせて、やるのがいいか。
最悪、彼女を生徒会に引き込むにせよ排斥するにせよ、多少なりとも力づくで飼い慣らしてしまえばいい。
これ以上の策略は、致命的なボロが出てきかねない――そう思っていた矢先に、また彼女から言葉が返り、私はひどく面喰らった。

「ふたりきり、ですか――なるほど、それなら会長もきっと、納得して下さいます。
 近い内にかけあってみますね。そうしたら、またお伝えしますから」

っっ。演者としての営業スマイルが、ぎこちない笑顔になっていないか不安になる。
彼女は既に、そこまで読み切っていたらしい。力づくの服従も、彼女は封じてきた。
はっきりと確信する――私の手に負える相手ではない。
生徒会の害になるか利になるかは分からず、もしかしたら彼女は言葉通りに中庸であるかもしれないのだが、しかし言葉遊びで私が敵うような力量ではないのは明白だった。
大分残っていた溶けかけのアイスクリームを、一気に食べてしまおうとする。これは報告しなければならない。早く、私以外の生徒会の人間に。
906 :パメラ [sage saga ]:2015/04/07(火) 00:08:00.84 ID:hl6QaADVO

>>904

………………………………

【新野が話す内容を、パメラは黙って聞いていた】
【ミルクティーを一口、クッキーを一口、またミルクティーを一口】
【そうしながら、思いを馳せる】
【会った】
【そして負けた】
【――最後の、その一言には、様々な感情が詰まっているように聞こえ】
【ならば、今の状態にも、説明がつく】

……そうでしたかぁ

【ぽつりと一言呟く】
【恐らくではあるが、新野はその時――深く、傷をつけられたのだろう】
【それ自体は、珍しい物ではない】
【魔法少女とはいえ、元を正せば普通の人間】
【それこそ、危険を感じて――特に、死を感じてしまえば】
【心が折れてしまうことも、あり得るのだから】

…今は、休んでください
生きている事、これさえ守れていれば十分なんですからぁ

【だから、多くは聞かない】
【掛ける言葉は、最低限ではあるが】
【今は、その方が良いだろう、と】

907 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/07(火) 00:15:52.21 ID:QDa6giaPO
蒼然たる私立紫薔薇学園の帰宅路。
魔装である白色で彩られた私立紫薔薇学園の制服に黒色のブレザーを羽織る少女が民家の屋根から屋根へと身軽に飛びながら帰宅していた。
そんな少女の名前は四ノ宮亜久里。
私立紫薔薇学園の現生徒会会長であり魔法少女である人物だ。
彼女はよく学園から帰宅する際は楽だからという理由で一々変身しては空を飛びながら帰宅したり、今日の様に民家と民家を飛び越えて我が家へと帰還するのだ。
勿論、亜久里は変身しているので魔翌力を隠すなんてことは不可能なのだが特にこれのせいで面倒事が起きたといったことは無いし、同じく面倒事に巻き込まれたことも無いので無用心ながらに平気だろうと安易な考えをしていた。


「ふんふふ〜ん……相変わらず変身して帰るのは楽だわ〜」


鼻歌交じりにご機嫌な笑顔を浮かべる亜久里は、まるでスキップでもしているかの様に民家を渡る。
若干に冷たい夜風が肌を心地良く冷やし、穏やかでありながら力強い向い風は彼女の自慢である黄金の長い髪を不規則に乱す。
白い魔装は波を打ち、羽織っているブレザーは靡き、ブレザーの背中に書かれた誇りという文字が荒れている。
足が弾むと同時に心が弾む気もしたし、疲れた体を静かな空気が癒してくれる気さえした。
そんな幸福の絶頂を感じている亜久里を蹴落とす魔法少女はこんな夜にいるのだろうか────?
908 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/07(火) 00:22:45.65 ID:Mgxa6l8X0
>>906

彼女の優しい言葉に、ゆるゆると首を横に振る。

「死に、ました」
「あの、ちっちゃい子から盗った、かけらが無かったら」

助かったのは単なる偶然の幸運でしかない。それは己が一番深く理解している。
自分で売った喧嘩に負けて、藤宮明花という一人の少女を恐れて、涙まで流した事が。
新野のちっぽけなプライドを、完膚なきまでに叩きのめしていた。

「休む……。」

休んで――――それからどうすればいいのだろう。
彼女の言う事は恐らく正しい。暫くすれば、精神的な傷も幾らかましになるだろう。
だが、顔は割れた。学校も知られた。なにより傷が治っても、自分が以前の自分でない事は変わらない。
このまま居て、どうすればいいのだろう。

自分が、魔法少女になる前よりも弱くなった気がして。そんな筈もないのに、不安からぎゅっと己が手で己を抱きかかえた。
909 :MG-01 [sage saga]:2015/04/07(火) 00:24:00.58 ID:Ruvar92y0
>>900

…命中弾、0。

【弾丸はあっさりとかわされる。まあ、この程度でへばる魔法少女の方が少数派だろう】
【そして、散らばる官能小説と共に、魔法少女と化した眼鏡少女の突きつけてきた要求…】

申し訳ありませんが、貴女の要求は承諾できません。
貴女こそ、こちらに対象物「星のかけら」を譲渡していただきたく存じます。

【慇懃無礼な言葉の応酬】

レーザーブレード、起動…ブースター、再点火。

【先ほどの飛行に使ったブースターに再び火が灯る】
【それと同時に、腕からは光の刃】

……突撃。

【その瞬間、ブースターにより、十数mはあったであろう距離を一気に詰める】
【そして光の刃を、丁度剣道の銅のように横に振るう】
【まともに食らえば真っ二つは避けられないが、動きは直線的。それさえ見切ればかわすことも可能だろう】

910 :千羽 鶴次郎 [sage saga]:2015/04/07(火) 00:32:31.88 ID:cuuVpfNXO
>>907
【何者かが密やかに鶴次郎の名を囁く!】
【それはそう、鶴次郎の精神に巣食う邪悪魔法少女の呼声だ!】
【彼女は鋭敏に、他者の魔力を察知し鶴次郎に伝えるHFレーダーめいた役割を担っていた!】

「あぁ、分かった」

【鶴次郎は独り言の様に短く返答、そして駆ける! 跳ぶ! また駆ける!】
【闇夜に溶ける漆黒のスーツ! 染み出る魔法力は吐き気を催す様な邪悪!】
【標的と定めた魔法少女の姿を目視! だがそれは同時に相手からも発見される可能性を示唆している!】
【少女は上空! 鶴次郎は地べた!】
【両者の間に発生した先手アドバンテージは比べるまでもない!】
【この場の先手を相手に委ねる形となった鶴次郎!】
【もし少女がこの場よりの離脱を選択すれば、追うスピードは多分無い!】

//よければお願いします//
911 :愛染 濁 [sage]:2015/04/07(火) 00:40:09.10 ID:GnHlhUpT0
>>909

「まーそーでしょーね」

【だるそうにため息をついてから頭をかく】

「ええ、良いでしょう」
「もしも私に勝てたなら・・・」

【両手に魔法陣が現れ、それに腕を突っ込むと同時にある物を装着する】
【それは紫のクリスタルの大きな鉤爪に紫の虎の革を張ったような代物】

「この紫虎帝(しこうてい)オーバーキルドクローと共に差し上げますよ、もっとも・・・」

【垂直に大きく飛びはねて肉薄してきた少女の刃をかわして叫ぶ】

「そんなことは絶対にありえませんけどね!」

【そしてそのまま両足を揃えて落下、そのまま光輝く剣をもった少女の頭を踏みつけようとする】
912 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/07(火) 00:45:16.76 ID:5GVj0xeS0
>>910

何者かが亜久里の名を呟いた。
それは、彼女の使い魔であり相棒である存在のネコ。
ネコは繊細な魔翌力であろうが探知すれば亜久里に教え固有魔法を使う際には契約を交わすという役割を持っていた。

「なんだってこんな時に………」

溜息をつくと億劫な瞳で周囲を見回す。
憂鬱な気持ちを持ちながらもネコが教えてくれた微量であり邪悪な魔翌力の発信源を探し出した。
辺り一面は闇一色。
今日は生憎月も雲により隠れている為、いつにも増して薄暗くなっている。
然し、そんな暗闇の中を駆ける一人の男性を見つけた。
亜久里は彼から魔翌力を確かに感じたが腑に落ちないことが一つあった。
それは────

「男?」

性別だった。
魔法少女に通ずる魔翌力を帯びていながらも少女で無い彼に対して亜久里は疑惑を抱きだした。
そして拭いきれない疑惑を持ちながらも亜久里は鶴次郎の前へと降り立った。
913 :パメラ [sage saga ]:2015/04/07(火) 00:45:57.61 ID:hl6QaADVO

>>908

……いいえ
貴女は負けましたが、生きています
…それだけは変わらない事実ですよぉ
どんな形でも、今こうして生きている事が大事なんですからぁ

【ゆっくり、ゆっくり】
【聞かせるように、話す】

そうです
休んで、そして……決めなければ、いけないんですよぉ
これから、どうするのか…
『止める』のか『進む』のかを、ですねぇ
そして、その結果を咎める人は……誰も、いませんからぁ

【その言葉は、つまり】
【魔法少女としての、進退であり】
【大多数の魔法少女が、いつかは選ばなければならない選択】 

……もし、貴女が『進む』のであれば
私は、手助けをしようと思います

…………私は今、ある事を考えているんです
崩れてしまったバランスを保つために、何処かで歪んでしまった者を正すために……チームを作ろうと思っているんです

知ってましたか?
昔の魔法少女達は、敵対よりも共闘を取ることが多かったんですよ?
だから……あー、そのですね

……私は、そんな組織を作ってみたいと、思ってます

【その言葉は、常の口調ではなく】
【語る表情は、真剣そのもの】
【最後には、少しまごついてしまったが】
【伝わっただろうか?】

……それに、私にも責任はありますからぁ
……必ず、決着はつけないといけませんねぇ

【本当に最後に、呟いた一言は】
【あの日、あの時の邂逅】
【痛み分けと言えるかどうかもわからない結果であったが】
【その時の『約束』は果たすと、決めていた】
914 :樹心院 珠輝 ◆ITqPX258yc [saga]:2015/04/07(火) 00:51:49.96 ID:Xba6XgBNo
>>905

「ええ、お願いします。千寄子ちゃんには申し訳ないけれど……。
 私があなたと同じ気持ちになるために、まだ少し準備が必要なの」

同じ気持ち=\―樹心院はその言葉に、鋭く苦々しい含みを持たせて語った。
樹心院は千寄子が生徒会の走狗であることに薄々気付き始めている。しかしその一方で、さっきまでろ同じ親愛の情も抱き続けている。
助け出すなんて傲慢な言い方は、どうしても憚られるけれど、もしも本当に生徒会が彼女のあり方を傷つけているのだとしたら、
その時は――――危険を冒してでも、その内側に手を伸ばさなければなるまい。
今まで、自分と家族の立場を保つために押しつぶしてきた絆に報いるためにも。

「……私には、千寄子ちゃんの前でしらを切る選択肢もあった。
 そうしなかった意味をよく考えて下されば、本当に嬉しいわ」

欺瞞に欺瞞を重ねた対話の中で、ただひとつ、真実と言える――尤も、信じてもらえるかは定かではないが――決意を口にして。
千寄子の食べる早さに合わせるように、樹心院もカップの底を総ざらいにしようとするだろう。
915 :創堕 終離 [saga]:2015/04/07(火) 00:54:00.70 ID:uYrTnii50
大丈夫になったようなので、再度>>894で募集しますね!
916 :千羽 鶴次郎 [sage saga]:2015/04/07(火) 00:56:04.50 ID:cuuVpfNXO
>>912
【男!】
【そう男なのだ千羽鶴次郎は生粋の日本男子!】
【付け加えるとすればパワー系ヤクザめいた出で立ちに体格を持った、凡そ魔法少女とは程遠い存在!】

「…こんばんは、お嬢ちゃん」

【ズザァッ!】
【革靴の底でコンクリートに焼け跡を残しながらの急停止!】
【燻る煙が立ち昇り、硝煙めいて漂うそれはまるで具現化した剣呑アトモスフィア!】

「魔法少女だな、違いない」

【確認!】
【確認は大事である!】
【鶴次郎の立場、大人の立場からすると一般人を万一相手に暴力沙汰を起こしてしまった場合のリスクは非常に高い!】
【何だかんだで大半が少年法に守られている少女達よりヤバいのだ! コワイ!】

「変身…!!!」

【紙巻きタバコ「PEACE」をシガーケースから1本取り出し、着火!】
【鶴次郎はこの仮初めの平和が燃え盛る合間のみ、巣食う邪悪魔法少女の力を借りて全力で振るえるのだ!】

【「太陽にほえろ!」メインテーマが流れる!】
【胸を開き顎を引いた鶴次郎が浮かび上がる!】
【その背後には水平線、鮮血色の夕陽のビジョン!】
【上質な仕立てのスーツが魔術分解された!】
【一糸纏わぬ鶴次郎!圧倒的肉体美!】
【煙草の煙が体を包み込む!】

【そして、おぉ…おぉ!見よ!】

【岩と見間違う三角筋!】
【丸太の様な上腕二頭筋!】
【縄程の血管浮く大腿直筋!】
【万里の長壁がごとき僧帽筋!】
【その裸体は火炎色のコルセットドレスに包まれて行くではないか!】

「…お嬢ちゃんに恨みは…
 いや、恨みしかねぇな」

【はち切れんばかりのピチピチの魔法少女ドレスを纏った鶴次郎!】
【ボキボキ指を鳴らしサングラスに隠された三白眼で鋭く睨む!】

「消えて貰うぞ、魔法少女」
917 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/07(火) 01:11:53.33 ID:Mgxa6l8X0
>>913

「進むか、止まる……」

噛んで含めるように言い聞かされ、存外素直に耳を傾ける新野。何時もなら話半分で聞き流す様な話題も、今日はやけにするりと頭に入ってきて。熱く語る相手の姿に、眩しそうに目を細める。

まるで夢のような、理想の物語。

「チーム……」

ただ最後の言葉が、ちくりと胸に刺さった。

新野角武は不良である。それは今更論を俟たない事実だが――――肝心なのは、彼女が不適合者である点。
つまり、不良と言う文字通り、社会の歯車になり得ない異物。その燻った反骨心が、そして生来の中庸性が、組織という言葉にアレルギー反応を引き起こす。

「――――――――」
「――、」

「――――……今更、戻れないス」

口から、硬い声が零れる。

今は折れ曲がったままだが。それでも弱かった頃の自分と向き合うのはもう御免だ。
留まっている事も出来ない。逼迫しているのは精神面だけではないのだから。

「御馳走様でし、た」

呻くようにして、一口も手を付けなかったティーカップと菓子から目を離す。
くしゃくしゃのままポケットに突っ込んでいた1000円札を一枚カウンターにぽとり。会釈しながら立ち上がる。

「ぇ、と。」

チーム作り、頑張ってください。その一言が言えないまま――来た時と同じ、襟元を押さえて。今度は独りで店の扉を押し開く。
外に踏み出した瞬間、ふと思い出したように帰ってくる痛み。



「――――――――私。 生きてる」

呟いて歩き出す。空っぽの身体の中に、一つの実感だけが転がっていた。



/そろそろ眠気がやってきそうなのでこの辺りで……
/絡みありがとうございましたー!
918 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/07(火) 01:12:10.77 ID:5GVj0xeS0
>>916

なんなんだコイツァ!
初見イタリアンマフィアかと思えば純日本人──がしかしッ、宛らヤクザの如き形相を持ち岩石を彷彿させる肉体を兼ね備えたこの男は、正に"鬼"!!

「──……こんばんわ」

思わず圧倒されそうになる亜久里!
だが仕方ない!
目の前に立つ日本男児の平均身長を優に超ている男からは魔法少女にしか分からない反吐が出るほどの"邪悪"な魔翌力と言い知れぬ"凄み"を感じたのだから!
無意識に一歩後退りをしてしまった亜久里だが其れでも黄金の瞳は強く男を捉える!

「こ、こいつは凄いッッッ!!あの肉体はまるで修羅場をくぐり抜けた挙句創り上げられた鋼ッ!な、なんて奴なの!?これが……これが魔法"少女"ッッ!」

ハードボイルド。おお、ハードボイルド。
晒された鬼神の肉体美!
予想外の威圧感に思わず興奮してしまう亜久里!
これが恐怖からの興奮かは分からないが。
だがッ亜久里は次の瞬間、その熱せられた気持ちは一気に冷めたのだった!
何故なら鬼の肉体を包み込んだファンシーな魔装ドレス!
其れが目に毒!いや、少女にとっては毒物以上だったのだ!!

「………………分かった」

関わらない方が世間的にも心身的にも安全と判断した亜久里は鶴次郎の言葉を聞いて早々に立ち去ろうとしたッ!
919 :如月 千寄子 [saga]:2015/04/07(火) 01:14:21.36 ID:LTl8ityb0
>>914

もう、返す言葉もない。こればかりは私の完敗だった。こんなことなら隙なんて見せないで、最初から他愛もない世間話に花を咲かせていた方がマシだった。
酷く皮肉られていることなんて、わざわざ語気を強めて言われなくても分かっている。それが殊更に私を惨めな気分にさせて、アイスクリームは既に味が分からない。
とっとと食べ終えて席を立ち、一刻も早くこの危険因子を会長と姉様に報告しなければ――だけど、どうしてか、溶けたアイスを啜り込む度に、心のどこかに刺さるものを感じる。
彼女は生徒会に与しないとはいえ、彼女は私を認めてくれた。それが嬉しいのだろうか。馬鹿馬鹿しい――根拠を探すのも論証するのも面倒だから、私はそれだけで片付けて、それ以上は考えないようにする。
ようやくアイスを食べ終えた私は、とっととベンチから立ち上がり、カバンを粗雑に引き上げて、足早にその場を立ち去ろうとして――後ろからかけられた、最後の一言を、私は無視することもできたけど、できなかった。振り向いて、息を吸う。吃ることの、ないように。
                                              
「私には、分かりかねます。
 そんな不合理なことをしていると、今に目を付けられてしまいますよ――珠輝、さん」

今度ばかりは、間違えていない。これが結局、彼女と私の距離関係となった。店のゴミ箱に紙くずとスプーンを放り入れれば、もう私は真っ直ぐに帰路へと向かう。
ああ、500円と酷い時間の無駄だった――今日もまた、私は腕に傷を作る。妙な言い訳ができないように、何本も。

//っと、このあたりで〆させていただきますっ。
//二日間の絡み、ありがとうございました! とても楽しめました、お疲れ様です。
920 :MG-01 [sage saga]:2015/04/07(火) 01:15:04.33 ID:Ruvar92y0
>>911

………!

【突撃もまた、ひらりとかわされる】
【視界から外れたために、索敵のための一瞬の隙が生まれる。機械であるが故に、融通が利かない】

レーダー作動…上空にかけら反応っ゛!

【その結果、モロに蹴りを入れられる形となってしまった】
【ありえない角度に首は大きく曲がり、そのまま起き上がることは…】

……頸椎パーツ、損傷24%。CPU、問題なし。戦闘続行します。

【…起き上がった】
【機械であるが故、人間でなら致命傷に至るはずの一撃も、致命傷たり得ないのだ】
【首の動作を確かめるように、左右へと回転させ、さらには360度ぐるりと回転させる…】

『第一次戦闘パターン、分析完了だ。今からアップデートファイルを送る』

【その声とともに、開発者が作成したプログラムがインストールされていく】
【内容は、これまでの攻防から分析したデータと、その対処法といったところか】
【まだ十分とは言い難いが、戦闘が進むごとにデータはアップデートされ、より回避しにくい動きを身に着けていくだろう】

アップデート、完了。攻撃に移ります。

【レーザーブレードが再び光り、少女に下から上へと切りつける】

脚部ブースター点火、続いて上空からの掃射に移ります。

【当たろうが外れようが、切りつけの勢いそのままに、数メートル上空へと飛び上がる】
【指が再び、銃口へと姿を変える】

弾丸装填完了…フィンガーマグナム、発射。

【10本の指が、再び火を噴く】
【少女そのものでなく、少女周辺の範囲を狙うことで、回避行動を難しくする狙いだ】
921 :樹心院 珠輝 ◆ITqPX258yc [saga]:2015/04/07(火) 01:20:37.58 ID:Xba6XgBNo
>>919
/お疲れ様でした! なれない探りあいロールで時間がかかってしまってごめんなさい。
/でも楽しかったです。二日間ありがとうございました!
922 :千羽 鶴次郎 [sage saga]:2015/04/07(火) 01:21:10.45 ID:cuuVpfNXO
>>918
「待て。 そう言う消えるじゃねぇ、言葉遊びをしているんじゃあねぇんだ」

【変身した鶴次郎を見て少女は回れ右! そりゃそうだ!】
【しかし気を取り直した鶴次郎! 出で立ちに嘲笑を受けるのはもう慣れっこ!】
【以前はその精神的アンブッシュに落ち込んだけど、鶴次郎は元気です!】
【立ち去ろうとする少女の背後より迫るは冷たい無数の青白き細手!】
【そしてそれぞれが摘み上げる結界の帳!】
【呑み込まれれば鶴次郎との戦闘は不可避!】
【だが逆説! 結界を展開する間鶴次郎は不動を保たなければならない!】
【青白い手の速度は速い、だが魔法少女達の全力には程遠いのだ!】
【ポーカーフェイスに定評がある鶴次郎、だが内心結構焦っているぞ!】

(結界の展開もう少し速く出来ねぇもんかね…?)

【無茶言うなとは鶴次郎の精神に巣食う邪悪魔法少女!】
【彼女も精一杯なのだ、仕方ないね!】
923 :愛染 濁 [sage]:2015/04/07(火) 01:27:51.37 ID:GnHlhUpT0
>>920

「・・・・・ナニコレ?」

【明らかに可笑しな方向に曲がった頭を見てポカンと口を開けてしまう】

「なるほど、それならそのアップデートという言葉、説明がつきます」
「しかしまぁ、人をいたぶるのが好きな私にまさか金属のお人形を寄越すとは・・」
「痛みとか感じるんでしょうか、この子?」

【そして下から襲いかかる刃、これを先程と同じくジャンプで避けると同時に放たれる弾丸】

「なーる・・ほどっ!」

【それを空中で氷を作り出して六発はそらすが残りは体をかする】
【そしてその氷を蹴って地面に加速すると肺いっぱいに息を吸い込む】

「ならこちらのパターンを読みきられる前に動きを封じさせてもらいましょうか!」

【口から吐き出されるのは粘性のかなり強い毒液を霧状にしたもの】
【無生物の彼女に効果は薄いかも知れないが今のうちにたたみかける為にも動きを鈍らせようとする物である】
924 :パメラ [saga sage ]:2015/04/07(火) 01:29:45.11 ID:hl6QaADVO

>>917

……私は、貴女も待っていますからねぇ
入る、入らないかは別として、一人のお客様としても、ですからぁ

【店外へと出ていく姿にポツリと一言】
【パメラは、重い足取りを新野を見送る】
【ここから先は、彼女自身が決めることだ】

【そして】

…………あ、もしもし、結愛さんですかぁ?
すいませんが少しの間、店を空けますのでお願いしますねぇ
……そうですねぇ、数日はかかるかと思いますよぉ
…あー、まぁ

ちょっと、無理矢理にでも全て直そうかと思ったんですよぉ

【この日から数日】
【パメラ・レジエルはとれみぃから姿を消すのだった】

//了解しました!
/拙い絡みで申し訳ないですが、こちらこそありがとうございました!
925 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/07(火) 01:32:09.05 ID:5GVj0xeS0
>>922

「あ──……ハイハイ。分かってるわよ。冗談冗談」

静止の声をかけ聞くと亜久里は両手を上げながら面倒くさそうな表情を浮かべゆっくりと振り返った!
亜久里は白い目線を鶴次郎に送りながら内心目の前に立つ男が本当に魔法少女なのかと思考していた。
彼女が出会ってきた魔翌力を持つものは例に漏れず皆総じて性別は女性だった。
故に男性の魔法少女と会うのは初めてでありやはり戸惑った。

貼られだす結界────。
亜久里はそれが構築されるまでジックリと待った。
もはや逃げることを諦めたのか。否、自分の目の前に立つ男性に興味を持ったのだ。
彼からは邪悪な魔翌力を感じてはいるがその魔翌力が鶴次郎という存在に合っていない気がしたのだ。

「──で、私をこんな結界に閉じ込めて何の用があるの?」

亜久里は一歩鶴次郎へと詰め寄った。
既に彼と相対する前に変身はしていたので戦闘になっても出遅れはしないだろう。
が、一応念には念を入れ左手から聖槍を召喚すると其れを右手へと突き刺し同化させた。
926 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/07(火) 01:38:03.06 ID:esXdoavlo
>>882

疑問の声、それからゆっくりと和らぎだす激痛――ああ、やっぱり。なんて、後出しじみた確信に少し狡さを感じながら。
其れでも自分は間違っていなかった、信じて突き進んでよかった、そしてあの時諦めなくて良かったと安堵で胸を満たし。
相手に触れた手から確かな体温を――――生きているという実感を得ながら、陽菜子は呼吸を整え、ゆっくりと口を開く。

「分かんなくなんて、無いですよ。とっても簡単です」
「優しい人が助けてって目の前で言ってたから、ちょっとだけ頑張った――――本当に、それだけです」

陽菜子に襲撃をしかけた時、悪意と害意に満ちた罵倒嘲笑遍く恐怖を植え付けられた時、陽菜子は少女を悪人だと認め対峙した。
けれど同時に分かり合いたい、分かり合えるとも信じ、根拠の無い確信を胸に前へと進み――――自分が間違っていなかったことを、証明出来た。
最初、確かに少女は悪人だったかもしれない。だけど今こうして傷を治療してくれている少女を悪だと、誰が断じることが出来るだろう。
嬉しさのあまり人当たりのよい笑みを浮かべながら、そういえばと思いだしたかのように陽菜子は口火を切る。

「まだ、名前聞いてませんでしたね……私、柊崎陽菜子って言います」
「私立江風中学校の二年生で、魔法少女になって半年の新人魔法少女ですっ」

まだ自己紹介をしていなかった。いや、とてもではないがそんな事をしている暇は一秒たりとも存在していなかったが。
ともかく今の落ち着いた状況ならば、ゆっくりと自己紹介が出来る。思い立ったが吉日、まずは自分の名前と所属、その他の事項を述べ。
少女の治癒魔法に心地よさを覚えながらも、相手が名乗ってくれるのを待つだろう――――。

//大変遅れました……
927 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/07(火) 01:52:25.92 ID:shUtDGmF0
>>926
//昨日の今日で申し訳ないですが、また凍結よろしいでしょうか……
928 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/07(火) 01:54:20.46 ID:esXdoavlo
>>927
//了解です!返すの遅くなってしまい本当に申し訳ないです……!
929 :千羽 鶴次郎 [sage saga]:2015/04/07(火) 01:59:20.08 ID:cuuVpfNXO
>>925
「そいつぁ助かる、ここんところ日照り続きでね」

【母親が新婦にヴェールを掛けるが如し!】
【無数の青白い手は周囲に結界空間を広めていった!】
【光景に変化は少ない! ただ関取めいて異常膨張した満月だけが鶴次郎の心の激情めいて真紅に染まった結界内!】

【相対、両者魔法少女!】

【少女が槍を腕にエンハンス!】
【初めて見るユニーク・マジックに鶴次郎に憑依した邪悪魔法少女は興味津々である!】

「用事は言ったはずだ、消えて貰う」

【刹那! 鶴次郎消失!】
【否! リニアめいたダッシュでの急接近だ! 実際速い!】
【目測は少女の左サイド、槍の同化せし腕の逆位置! 警戒心!】
【直後急停止! 推力全てを左拳に託しての正拳ジェット・ツキ一閃!】

【その拳は、魔法を破壊する!】
930 :MG-01 [sage saga]:2015/04/07(火) 02:17:35.34 ID:Ruvar92y0
>>923

…命中弾数発、依然対象に大きな影響なし。
『…足りないな』

【現状のMG-01の装備では、明らかに相手をとらえるだけのパワーも性能も足りない】
【アップデートを重ねていくことで当てられるようにはなるだろうが、果たして相手がそれを許すか】
【一応「切札」と呼ぶべきものはまだ出してはいないが、最大限に発揮するにはこの場所(路地裏)では役不足だ】
【どうにかして、「切札」を最大限に発揮できる場所へと移らなければ、勝算は低い】

【その策を練ろうとしたところへ、毒霧が体に纏わりつこうと漂う】
【毒そのものによるダメージはない、が…】

関節部に障害発生、パフォーマンス大幅に低下…!
『毒霧…!?つくづく魔法少女というのは、なんでもありだね』

【ブースターこそ稼働しているものの、非常に動きづらい】
【結果として、今のMG-01は空中に漂うマネキンも等しい状況、隙だらけだ】
931 :愛染 濁 [sage]:2015/04/07(火) 02:34:53.12 ID:GnHlhUpT0
>>930

「ふふふ、私が扱うエレメントは氷と毒」
「本来なら空中で使う技ではありませんけど使ってあげましょう!」

【そういうと空中に氷でスケートリンクの様にツルツルの道を作ってその上に乗り、加速をつける】

「食らえ!」
「腐食性の劇毒と超低温、機械だろうが凍りつく絶対零度の吹雪に散って下さい!」

【そう叫ぶとまずはかなりの魔翌力が両腕に集中し、体勢を低く構える】
【氷の上を滑って加速し、音速に達することを示すソニックブームと共に右腕の鉤爪を少女に突き刺そうとする】
【勝ちを急いだこの行為、果たして吉と出るか凶と出るか・・・】

「ヴェノムブリザードクラッシャーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
932 :MG-01 [sage saga]:2015/04/07(火) 03:29:12.46 ID:Ruvar92y0
>>931

回避不能、回避不能、回避不能…

【猛毒と吹雪の大技が迫る】
【MG-01のCPUは、既に回避不能との結論を出している…】
【鉄くずとなる時を待つのみであった】

【そして、その時は来た】
【全身が氷結し、爪がふれた場所から溶けていく…】

『くっ…動け…動け!』

『まだ動いてもらわなきゃ困る!』

【…しかし、開発者こと山本はそれでも必死に復旧操作を行っていた】
【彼女にとってMG-01は自らが叶えられなかった、魔法少女としての夢の結晶(元は権力欲であり、褒められたものではないのだが)】
【今、こんなところでスクラップにされるわけにはいかないのだ】

『頼むから…動けぇぇぇ!!』

【半分泣きながら、渾身の力でキーを叩きつづけていた、その時だった】

…正体不明のプログラムがインストールされました…ブースター、フルブースト…!フルブースト…!フルブースト…!
『……えっ?』

【突如、全身のブースターから、猛烈な炎が吹き上がり始めた】
【それは山本が想定した出力を、遥かに超えている炎】
【凍りついた体を溶かし、毒を分解していく】

『…01!01!そこの近くに携帯電話の基地局があるから、すぐ戻りなさい!』
………りょう…かい…!

【かすかな声で答えれば、たちまち体が出現した時と同じ、緑色の光…データへ変化していく】
【そして、瞬く間にMG-01の実体は消えた…】

【確かにその場にいた証として残されたのは、元はMG-01の中に埋め込まれていた、使用され消滅寸前の星のかけらのみ】
【MG-01は人造魔法少女であったが故に、星のかけらによる奇跡が異なる方法で現れた…と後に山本は分析している】

//この辺りで〆でいかがでしょうか?
//駄文、遅筆にお付き合いいただき感謝いたします。
933 :愛染 濁 [sage]:2015/04/07(火) 03:32:24.67 ID:GnHlhUpT0
>>932
//はーい、お疲れ様でしたー
934 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/07(火) 16:29:51.90 ID:shUtDGmF0
>>926

「私にはそれが――――いや、そうだな。」
「分かんないけど、良く分かった」

掌に伝わるのは、ドクン、ドクンという血液の音。実際に聞こえているわけではないけれど、なんと無くだけどそう聞こえてくるようで。
その心地よさに、其の眩しさ≠ノ憧れ≠ス。嫉妬の感情を通り過ぎた、先ほどの念話魔法によって入り込んできた少女の思考回路を見てしまったが故に、彼女は少女に純粋な嫉妬を向ける事が出来ない。
それは少女≠フ方が壮絶な人生である、というのが分かったから。自らは存在理由を確立するためだけに、自分の為だけにその魔法を誇示し続けたのに対し

少女は例え傷だらけになろうとも、例え幾ら悪意をぶつけられようとも、其処に善意≠ナ向っていく。補完の人間から見れば少女も十二分に異常だ。
しかし、その異常は彼女にとって輝き≠ニして映る。どれだけの痛みを受けても、他者を認められる$S。
結局は―――――認められたから、嬉しいのかも。

「だか…………蛇蝎(だかつ) 夏凛(かりん)」
「最初に言っておくが、苗字呼びは嫌いだ」

935 :千羽 鶴次郎 [sage]:2015/04/07(火) 17:02:38.98 ID:6VYJrDZ4O
>>925
//>>929をこちらに変更します

「そいつぁ助かる、ここんところ日照り続きでね」

【母親が新婦にヴェールを掛けるが如し!】
【無数の青白い手は周囲に結界空間を広めていった!】
【光景に変化は少ない! ただ関取めいて異常膨張した満月だけが鶴次郎の心の激情めいて真紅に染まった結界内!】

【相対、両者魔法少女!】

【少女が槍を腕にエンハンス!】
【初めて見るユニーク・マジックに鶴次郎に憑依した邪悪魔法少女は興味津々である!】

「用事は言ったはずだ、消えて貰…
 何ッ?」

【何かに気が付く鶴次郎、厚い胸板の懐から取り出したのはスマートフォン!】
【自営するハンバーガーショップの原材料取引先から着信アリ!】
【これは困った、無視してこれが急用であれば明日の営業に響く可能性すらあるぞ!】

「…クソ、運のいいお嬢ちゃんだ」

【刹那、結界消失!】
【鶴次郎の姿も遥か遠く!】
【何とも儘ならぬ逃走である!】

「はい、こんばんは千羽です
 いえいえお疲れ様です、えぇ…はい…」

【魔法少女狩りと昼間の仕事、二足の草鞋は実際辛い!】
【精神に巣食う邪悪魔法少女もこれには溜息である!】

//無理矢理ではありますが〆でお願いします//
//また今度機会があったらお願いします//
936 :上田美奈 :2015/04/07(火) 19:09:45.62 ID:xMUCGvxFO
【上空。曇り空の雲の上。背景に月と天の川】
【魔法少女になって一つよかったことは、地上の天気が悪くても星が見られること】
【運が良ければ大気光。フィールド防御を全開にすれば、空が蒼から玄に変わる領域まで上がれないこともありません】
【今宵は、そこまで高くない。富士山のてっぺんよりは低いくらい】
【ただ、この高さにいてもミナは自分は飛行が得意とは思っていません】
【むしろ不得手だからこそ練習するのです】

「やっぱり、小回りが効かない」

【空の星を数えながら、以前映画で見た赤い豚さんを追いかける同輩たちの姿を想像してみます】
【あの映画の空中戦みたいに飛べれば、どれだけ楽しいでしょう】
【宙返りするつもりで直線から徐々に上昇。お腹が上になったあたりで、一気に急降下】
【小回りが効かないのは仕方ありません。最高速と瞬間の加速ならまだ多少マシな部類です】
【守りに徹すれば早々防壁を抜かれることもありません】
【瀬平戸市上空3000メートル付近で空中ソロダンスは、ここから更に変化を見せます】
【空を泳ぐ魔法少女の周りに、魔翌力の球体が4つうかび、ここからはフォーメーションフライトです】

「できることとできないことを切り分けて、できることで出来ないことの穴を埋めて……」

【自分の移動に足りないのが小回りなら、自分が得意な誘導弾でそれを補えないか】
【これはそういう実験なのでした】
937 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/07(火) 20:50:43.93 ID:Mgxa6l8X0

此処は公園――――になる筈だった空き地。
三方をビルに囲まれた薄暗い其処は、治安の悪さから人通りはごく少ない。
その狭い中心に、僅かに魔力を漏らす者――魔法少女が一人居た。

服装は白の長ランに黒いフェイスガード、禍々しい其れは既に変身後の出で立ちである。
ふと親指で襟元をとんと突けば、一瞬周囲が赤黒く輝き――空き地の中は結界により世界と隔絶される。
外の騒音から解放された無音の中、新野は不意にすっ、と右手を突き出した。

「、んん…………、」

息を止めれば、見る見るうちその掌に赤黒い魔力が渦巻いていく。
汎用魔法を用いるには十分事足りる量。だが彼女はそれにあき足らず、左手で手首を握り更に力と魔力を込める。
指先が震え、革グローブの輪郭がぼんやりと歪み始めたところで――――しゅう、とそれまでの密度が嘘のように霧散した。

薄らと額に汗する新野。我知らず瞑っていた両目をそうっと開く。
その手に掴むのは――――文字通り空(くう)。

「やっぱり、か……ちくしょう」

フェイスガードの下で低い呻き。
額の汗を拭いて結界を解除すれば、人気のない空き地に一人立つ不良の姿が戻ってくる。
春先の風が思い出したように残った汗をさらっていくが、それにも心動かぬ渋い顔。

認めたくなかったが――今の自分は魔具を呼び出せない。
気付いてしまったその目は、結界を作る前にも増して暗く沈んでいた。
938 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/07(火) 20:54:22.01 ID:esXdoavlo
>>934

「蛇蝎夏凛……カッコいい名前ですね」
「それじゃあ夏凛さんって呼ばせてもらいます!」

最初は苗字で呼ぶのが普通だし苗字呼びかな、とも考えたが其の考えを真っ先に否定されたため、流れるように名前呼びへ移行する。
最初から名前で呼ぶというのも少し気恥ずかしい気がするけど、一方でちょっと距離が縮まったように感じられて。
そしてどうやら彼女、蛇蝎の意味は知らないらしい。中学生だし仕方がないが、意味を知っていたらきっと最初から名前で呼んでいただろう。

「…………そういえば、夏凛さんはどこに住んでいらっしゃるんですか?」
「その制服……、瀬平戸にある学校の制服、じゃないですよね……?」

其処まで奇特なデザインではないものの、よく見ればそれが此処瀬平戸市の学校の制服ではないことが解る。
もしかして他の地域から遠征にでもやって来たのだろうか、遠征って聞くとなんだか部活っぽいけれど。
陽菜子の通う学校は瀬平戸でもかなり普通な部類に位置する私立中学であり、両親を失っている彼女は特別制度で学費を免除してもらってなんとか通っていた。
街を歩けば彼女と同じ制服を着た人間に幾らでも遭遇できるだろう、それだけ瀬平戸では普通≠フ存在なのだ。
939 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/07(火) 21:29:33.03 ID:shUtDGmF0
>>938

「柊崎 陽菜子」
「柊崎……ってのは言い難いから、陽菜子で」

少女の反応を見て、別段苗字呼びを指せても良かったかな。なんて思ってしまうのは、恐らく少女の表情に一切の陰りが無かったからだろう。
普通、蛇蝎≠ニ聞けば「忌み嫌われる者」といった意味を持ち、理解できる者なら偽名だと怒るか、若しくはその意味を知って影で笑うかのどちらか二択。
何も思わない人間もいるにはいるだろうが、やはりそんな人間は少数で、人よりも珍しい苗字をしていれば、当然それは格好の的になる。
直にこそ言われはしないが、そのような罵倒があった事も、彼女は忘れていない。何より、彼女自身がこの苗字を嫌っている≠フが、苗字呼びを指せない理由だ。
苗字なんかで呼ばれるのなら、名前呼びや呼び捨ての方が好ましい。こちらも名前呼びなのは、言葉の通り。

「ああ…………。」
「制服自体は違うな。でも、学校自体は此処瀬平戸=v「魔法少女が集まる場所っていうので此処に越してきたんだ。」
「態々征服変えるのも面倒だから、前の学校の物を今でも使ってる」

遠征なのかと聞かれれば、答えは「ノー」。簡潔に言えば、自らの目的のためにたこうから転校してきた。そう表現できる。
あいつ≠ノ定められた敵をただ殺すために、この町に来た。お金の面では家柄上≠ワったくもって苦労はしないのだが、着なれた制服を手放すのは惜しく
幸い転校した場所は丁寧にお願いすれば″。の制服での投稿も認められたので、住所は此処だが、制服は他校の物。という違和感が生まれている。

魔力によって修復される箇所は術者の実力にもよるが、大まかに分けて数時間前の状態≠ニいう時間逆行と、再生力を強めて強制的に回復させる≠フ二種類がある。
何方もデメリットはあるが、今彼女が使っているのは時間逆行≠ノ近い魔法であり、少女に傷が無い≠ニいう概念を被せ、その傷を強制的に無かったこと≠ノする魔法。
後者の様に見た目も悪くなく、完全な状態に戻す事が出来る反面使用魔力が高いのがデメリットであるが。彼女の魔力量≠考えれば大したことでは無い。
先程使用した量も大規模なものだが、その魔法を発動させる程度には残って≠「る。彼女が彼女たるゆえんであり、終わり≠授かった魔女の性能≠セ。

もうそろそろ、完治する時間か。まだ幼い少女にはあまり変わらない事かもしれないが、若干肌のつやも前より良くなっている。だろう
940 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/07(火) 21:54:12.86 ID:esXdoavlo
>>939

「はいっ! 私だけ名前で呼ぶのも変ですから!」
「へぇ……瀬平戸って、魔法少女が集まる場所だったんだ…………」

どうやら彼女、瀬平戸が何故か魔法少女が集まりやすい土地だとは知らなかったらしい。
まあ生まれも育ちも瀬平戸の瀬平戸っ子で、その上半年前まで魔的な存在とは一切の関わりを持っていなかったため仕方ないと言えたが。
その半年で遭遇した魔法少女もあまりいないため、本気で驚いているらしい。
彼女が他の魔法少女と出会わなかったのは運が良かったのか、それとも――――恐らく彼女としては運が悪かった、なんて思っているのだろう。
なにせ殺しにかかってきた相手にすらこの態度である、大抵の存在が近づいてきても同じような行動を取るに違いない。
ならば彼女にとって魔法少女と出会わなかったのは運が悪かった――――ああ、でも彼女の言葉が本当ならば。
きっとこれから更に沢山の魔法少女と遭遇することが出来るだろう、其れが吉となるか凶となるかは別として。

「……治療、ありがとうございます。治癒は一応使えるんですけど、私のは我流なので治りが遅くて」

彼女がデバイス無しで使用出来る魔法は本当に限られており、そのうちの一つが自己の治癒≠ナある。
それも己が自覚して発動しているのではなく、何故か魔力があるかぎり自動発動するという比較的珍しいタイプのもの。
無自覚のため他者に発動できないのが不満で仕方がないが、自己防衛で無意識の内に発動しているためその点は仕方がないのだが。
その上治りも遅いとあって、正直実用性はあまり高いとは言えず――――。
だからこそ、彼女の扱う高等な治癒魔法は陽菜子からすればもはや尊敬の域で、舌を巻き驚くしかない。
実は肌ツヤも良くなっているようだが、陽菜子は見た目小学生でありそして肌ツヤのレベルも未だ衰えを知らない悲しい存在のため。
恐らくは気付くことはないだろう、気遣いに気付け無いのは悲しいことではあるが。

「…………あの、わがままな事だとは分かっているんですけど」
「一つ、おねがいしてもいいですか――――?」

申し訳無さと、真剣さ。その二つを込めた空色で、じっと少女を見つめる。
そして了承の意――――聞くだけなら聞いてやる、程度でも許可がもらえたならば。
陽菜子は夏凛に、端的かつ不躾な願い事を相手に伝えるだろう――――――――。


「私の――――魔法の師匠になってくれませんか?」


――――――――と。
941 :山本 有香 [sage saga]:2015/04/07(火) 22:28:26.29 ID:Ruvar92y0
>>937

……ハァ……どうしたものか……

【その頃、空き地の近くで呟く白衣の女】
【先日の一戦で彼女の手足たるMG-01が大破し、手持ちの星のかけらもない】
【体はパーツを取り換え修理はしたものの、かけらがなければMG-01は動かない】
【仮に動かせたとしても、現状の性能では野望達成には程遠い…】
【彼女もまた、表情を曇らせていた】

結界……こんなところで何を?

【漏れ出す魔力の大きさから、大きな戦闘は起こっていないと判断】
【一応変身(ただし恰好は変わらない)し、結界へと突入する】
【目に入ったのは、沈んだ表情の魔法少女】

こんなところで魔法少女に出くわすとは奇遇だね……えらく顔色が悪いが、君も何か悩み事でもあるのかい?

【口調は軽いものの、山本の顔色も十分悪い…】

//まだいらっしゃいますか?

942 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/07(火) 22:44:09.65 ID:Mgxa6l8X0
>>941

侵入者の魔力を敏感に感じ、はっと目を上げる。
やがて現れたのはやはり同属。奇しくも自分と同じ白の魔法少女を上から下まで眺める。
先手を打つようなフランクな喋りに眉を顰めた。

「はぁ。 いえ、特に……」

まさかスランプに陥っていますなどと愚痴を溢せるわけもない。茶色い髪を梳いて、ばつが悪そうに口を濁す。
第一声は穏やかだが、この相手がいきなり襲いかかってこないとも限らないのだ。人気のない場所を選択したのは失敗だったかもしれない。
向こうの格好や足運びなどをそれとなく観察している内に、ふとその表情に目が留まる。

「そっちも、随分な顔してまスけど……」

ただの散歩で訪れた雰囲気ではなさそう。まさか自分のように魔法少女生命の危機に瀕しているまではあるまいが。
魔法少女であれば色々とその境遇に波風が起こる事がある。それは最近身に染みて感じる事であった。


/大丈夫です、よろしくお願いします
943 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/07(火) 22:50:20.85 ID:shUtDGmF0
>>940

「現に私がいる℃魔ェ、証明。」
「陽菜子が持ってるソレ≠欲しがる奴が多いのも、理由の一つだけどね」

そう、事実なんてものは無くてもいい。ただ魔法少女が集まる場所≠ニいう噂があって、実際に彼女の様に集まってくる≠フであれば、それが真実となる。
始まりはどうかわからないが、今はそれが現実≠ナあり事実。制服を見る限り少女の方がこの町の情勢に詳しそうだとも思ったのだが、少し違うようだ。
表面化していないのか、それとも単に少女が出会っていないだけなのか。彼女自身は幾人かと既に出会い、終わらせて≠「るため、恐らく彼女の方が知識としては上なのだろうか。

「…………だろうな、見てれば分かる」

伊達に生まれた時から魔≠ニ共に生きているわけでは無く、少女が先程使用した魔術の術式解読は大体完了していた。見切り≠ニ言えば格好は付くが
その実は単純に今まで彼女が見て来た、使用した術式の中から似たものを探す≠ニいうデータベース≠フ魔法をデバイスによって発動させただけ。
即断で術式を見極めることも可能ではあるが、やはり他者の固有魔法≠ニいうと無駄が多かったり意味不明な術式だったりと解読に時間がかかる場合が多い。
今回の治癒魔法は所詮汎用に分類される魔法だったから初見で理解できたものの、先ほど見せた弾丸≠フ完璧な構造までは掴み切れていなかった。

自動発動は燃費が悪いし性能も悪い。彼女ほど規格外≠フ量ではないものの、少女が異常≠ニ呼べるほどの魔力量をしているからこそ、実用性は無いが、使えるレベルになっている。
布津の魔法少女ではまず無理だろう。そう考えれば考えるほど、少女の特異性が目立つ。魔法の使い方からして元からそういう風に∴轤トられたわけでもなさそうだし
かと思えば弾丸≠フ様な複雑な術式を行使したり、体内に眠る送料はすさまじいものであったりと、色々噛みあっていない≠ニいう感想を覚える。
もし仮に、彼女と少女が同じ力で衝突しているとすれば、恐らく死んでいたのは彼女≠フほうであったかも知れない。彼女の力と、少女の力が拮抗していない状態でも負けたのだ。可能性はある
未来性=B若い人間にしか与えられないそれを眩しく♀エじるのは、恐らく彼女が一つの生き方しか選んでこなかった故。羨ましくはあるが、だからと言ってあそこまで愚直に≠ネろうとは……流石に思えないが。


「―――――――――」
「―――――――――」
「―――――――――」


               「―――――――――は?」

先程魔法による治癒が完了したためあたまからは手を離したが、頬を触れ、そして頭を触れていたこの距離間は地味に近いもので。
そんな距離から少女にじっと見つめられれば――既に思考の一部を見ているわけで、その感情も混ざってるわけで――僅かに照れつつ、了承をしてしまう。
聞くだけならまぁいいだろう。出来ない事であれば出来ないと切って捨てればいいや。そう思って少女の言葉を待ったのだが…………完全に、不意を突かれた。

「…………いや、いってる意味わかってるか?」
「さっきまで自分を殺そうとしてた相手に師匠になってくれっていうか? フツー?」

今日何度目かもわからない驚愕と困惑の入り混じった声が漏れ。其の後、少女は最初から思考が良く分からなかったな。と、頭の隅で思い出した。
何故、甲も自分は少女に振り回されてしまうのだろうか。初めて教えてくれ≠ニ言われたので、反応もしにくいし、元々殺す¢ホ象であったのに
それを無視してしまうのもどうかと思うし。とどのつまり、どうしよう。なんて、頭の中が揺れている。其処でバッサリと切らないのが、既に情が移っている¥リ拠だというのに――――


//遅れました
944 :山本 有香 [sage saga]:2015/04/07(火) 23:07:34.09 ID:Ruvar92y0
>>942

ははは、ちょっとばかし、直接私がやられたではないけどこっぴどくやられてね……ちょっと、今後のことを考えていた、ってところだよ。

【その笑いは乾いている】
【MG-01は、秘密裏に作られた存在。万一彼女が所属する組織でもあるリーンベルに知られれば、非常に厄介なことになりかねない】
【目の前の少女がリーンベルにつながっているとは考えにくいが、噂はどこから広まるか分からない。そう思い肝心なところは伏せておく】

…警戒しているようだが、別に戦いに来たわけじゃない、ただ通りすがっただけだ。星のかけらひとつ手元にないのに、そんな大それたことはしない。安心したまえ。

【観察するような視線に、そう答える】
【彼女は攻撃魔法も防御魔法も使えない。01も出せない以上、戦闘に持ち込む選択肢はない】

「特に」って、嘘は良くないな。そんな顔を何の理由もなくするのは役者ぐらいのものだよ?
…無理にとは言わないが、何に悩んでるのか言ってみたまえ。私は一応、君の人生の先輩だ。何かアドバイスできるかもしれないしね。

【言葉の裏には、目の前の少女の魔法で何か打開策が見つかるかもしれない、といったしたたかな目的もある…】
【だがしかし、自分より4、5歳若いであろう少女の悩みを見すごせなかった、というのもある】

945 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/07(火) 23:11:39.61 ID:esXdoavlo
>>939

「…………実感はないけれど、言われてみれば」

自分は当然として、学校から帰る途中買い物帰りの際に出会ったり、ランニングしている時に出会ったり、魔獣と戦っている時に出会ったり。
果てはよく考えたら自分の母だって魔法少女だったのだ――――今まで殆ど遭遇しなかったのが、奇跡といえば奇跡なのだろう。
そして今日も、ランニングしていたらこうして襲われて今に至るわけだし、とここまで考えて気がつく。
もしやランニングこそが魔法少女と遭遇する鍵なのでは――――当然、そんなことは有り得ないのだが。
自ら探さずとも何度も出会っている辺り、夏凛の言葉は本当なのだろう。最初から疑ってもいないのだけれど。

「え、と……」

自分の申し出に、最初の時には考えられなかったような間抜けな声が――――そして飛び出す、正論。
まあ確かに、言われてみれば自分は彼女に殺されそうになっていたし、実際死にかけた。治療してくれなかったら多分死んでいただろう。
そんな相手に魔法を習おうとするなど、そんな発想が普通ならば出てこない筈だ。
けれど彼女は真剣なようで、そもそも下らない嘘をつくタイプでもない。それは此処までのやりとりで十分に察することは出来る。

「……それはもちろん、分かってるつもり、です」
「だけどこうして本気で戦ったからこそ、夏凛さんは強いってちゃんと知ることが出来ました」
「今回なんとか引き分けにまで持ち込んだのも偶然で、十回戦ったら九回は負けるってことも、分かってます」

勝ったからといって慢心はせず、今回死ななかったのがあくまで偶然の産物であり次やれば確実に負けると彼女は分かっていた。
それほどまでに陽菜子と夏凛の実力差は離れているのだ――――ああ、そしてだからこそ陽菜子は夏凛にお願いしたのである。

「もしかしたらバレてるかもしれないですけど、私の魔法は自分でなんとなく使えてるものと、デバイスに最初から設定されているモノしか使えないんです」
「半年間ここまで何とか頑張っては来たんですけど…………それでも、一人だと限界があるみたいで」
「私、強くなりたいんです。自分の弱さが原因で、何かを失いたくないんです。それに――――」

ここまでやってこれたのは、膨大な魔力に依るゴリ押しが出来たから。
それも今回では通用せず、精神的な面で偶々打ち勝ったというだけにすぎない――――もし、次にこのような展開が訪れた場合。
恐らく陽菜子は、確実に負ける。魔法は素人、戦闘技術も即興のモノ、魔力の量だけが強みではこの先やっていけないだろう。
そして最後に陽菜子は一瞬言い淀んだ後、少し伏し目がちに夏凛を見て。

「このまま夏凛さんと終わり≠ネのも、嫌だなって…………」

要はもっと仲良くなりたいから、何かしらの関係を築いておきたかったというだけの話らしい。
というか師匠云々も本気なのだろうけれど、彼女の性格から考えて此方がメインな気がしないでもない。
何方が本音なのかは、夏凛の推測に任せるとするが。
946 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/07(火) 23:22:40.96 ID:Mgxa6l8X0
>>944

意外な回答に、戸惑ったように眉を持ち上げる。先日メイドさんの魔法少女が漏らしていた、所謂組織だった魔法少女の一員だろうか。
自分ではないが、という言葉の意味をそのまま捉えるなら、当たらずとも遠からじだろう。野良の自分には今一つ掴めない感覚。
ただ、今後の事を考える――という言葉には心動かされるものがあった。

(かけら無し――……ちぇ)

「じゃあ、一つ質問、を……」

目を細めるが、嘘をついている色は窺えない。
持っていたなら暴力に訴えようと思っていた事を(若干)恥じる。不良としては条件反射的な思考回路なのかもしれないが。
緊張を和らげ、漸く警戒を解す。首を傾げて、慎重に言葉を選択していく。


「えと。――大事にしていたものが無くなった時、どうやって探しまス、か?」


弱みを見せまいとしたら、どうにも曖昧な表現にならざるを得ない。
特に期待していないが、召喚成功の一端でも掴めれば。藁にもすがる思いは、いつもより弱々しい声音に薄ら表れていた。
947 :結愛 [saga sage ]:2015/04/07(火) 23:35:37.23 ID:VWyRLe4XO

【夜のビル街】
【瀬平戸南地区には良くある町並み、その人気の無い裏道を歩く純白が一人】
【白く長い髪に白い肌に白いドレスの様な服】
【眼だけは赤く特徴的だが、それは他全てが白だからか】

…………この辺り、久しぶり
 
【無表情に呟くその声は、何処と無く抑揚が無く】
【辺りにはコツコツと歩く音だけが響いていた】

………変わらない

【枝分かれする道を、迷う様子も無く歩いていく】
【――端から見れば、ただ歩いているだけだが】
【しかし、ある種の人間が近くにいれば、ハッキリとわかるだろう】

……………結愛も、動きましょうか

【定期的に放たれる魔力】
【それは、何かを探知するソナーの様に】
【白の少女から、一定の感覚で放たれていた】

【――これに気づくような人物が居るならば】
【彼女の前に、姿を表すだろうか?】

/先約アリです
948 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/07(火) 23:36:36.17 ID:shUtDGmF0
>>945

――――――――――――――――天秤にかける。
自らの存在意義と、その放棄。自らが魔法少女になった目的と、アイツ≠ニの約束=B
私は元から只の殺人鬼なんだ。人殺しなんだ。そんなものが他人に、未来のある少女に何かを教えられるわけがない。

そんな資格も無ければ、それが許されるはずも無い。そもそも、今先程であっただけのような関係で、殺し合った本来なら絶望的な違いになる関係の筈なのに
何故、そうも輝く≠フか。分からない、分からない分からない―――――いや、それは逃げているだけだ。
目を背け、何も聞こえないふりをするのは楽だった。だからこんな事になった。私は、私は、私が――――――――

少女の言い分は確かに正しい。少女と彼女を比べ、今回は絶対的な弱点≠ェあった彼女が負けたが、それが少女の方が彼女よりも強い℃魔ノ直結するかと言えば違う。
魔力量とその純度、術式を展開する速度、術式を構築する知識、術式をまとめる@ヘ。そのどれもが今現在、彼女の方が高い。

将来性の辺りを鑑みれば、最終的な成長度合いまでは分からない。けれども今彼女が少女に何かを齎す≠アとで、少女の何かしらが劇的に変化することは間違いないだろう。
デバイスに設定された術式はまだいいが、自動的に発動している治癒魔術を任意に出来る様になるだけでも効率は大幅に変わるし
先程の砲撃≠竍弾丸%凾焉A少女自身の術式行使能力が高まればさらに強いものへと変化していくのが視える=Bだれよりもそうである#゙女だからこそ、断言出来た。

何かを失いたくない=Bなんてありふれた言葉に揺り動かされるのは、多分先程感じた思考の所為だ。あの時に少女の感情さえ伝わってこなければ、こういう風な会話なんて絶対にしていない。
何故、そこまで。何故、どうして――――――――――――――




                                            「わか………っ…た」


これまで、与えられた通りに殺してきたんだ。どんな人間も、魔法少女だって殺してきた。でも、でも…………今回だけ≠ヘ さ

初めてなんだ、初めてなんだよ。

誰かに必要とされる≠チて。
949 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage saga]:2015/04/07(火) 23:39:39.48 ID:Vy5oohYSo
【北瀬平戸商店街】

【――――黒百合学院。詳しいことは知らないが、そこにはわんさか魔法少女がいるらしい。しかも統括されているとかいないとか】
【言ってみれば魔法少女が集って構築された組織か。そう考えると、まだ新米で味方どころか会った魔法少女すらも少ない彼女からすればかなり脅威】
【――――それでも、欠片を集めることを考えれば避けられぬ壁。虎穴に入らずんば虎子を得ずというのは、こういう時に使うのか――――なんて、思ったり】

「……兎に角北に来てみたけど、なんも匂いがしねぇじゃねーか☆ まあ匂いがしたはしたで一気に来られたらマジで詰むんだけどな♪」
「黒百合のお高く止まったガキンチョ共を小突いてやろうなんて気合入れて来たは良いものの、ハベ子ちゃん普通に買い物してるっていう☆」
「あ、もやし安いなオイ! 乙女は黙って大量購入だコラ☆」

【少しばかりの緊張を持って、黒百合学院がある北区――――の商店街に来たのだが、欠片の匂いに出会うことも無く、いつの間にかただの買い物タイム】
【白×ピンクを基調としたロリータドレスといった格好で買い物カゴにもやしをぶち込んでいる彼女の姿は浮いているとしか言いようが無く】
【何時の間にか魔法少女を探すために張っていたアンテナも薄れ、代わりにこちらの気配――――魔法少女特有の其れがダダ漏れになっていたのである】

【……まぁ、金のツインテに甘ロリドレスという格好がある意味「ワタシ魔法少女だよ☆ きゃっぴぴぴーん☆」みたいなアピールではあるのだが】
【兎に角、見た目は勿論のこと――――彼女と同じ魔法少女がその浮いた姿を見たのなら、同業者だと分かる筈だ。彼女を敵と見るか否かは、置いておいて】

/後日持越し前提ですが!
950 :山本 有香 [sage saga]:2015/04/07(火) 23:43:02.51 ID:Ruvar92y0
>>946

探し物、ねぇ……

【いまいち肝心な点は伏せられている気がするが、それはお互い様だ】

……うーむ、私はあまりものをなくした経験はないんだけど、あえて答えるとしたら……諦めて新しく作る、って答えになるね。
ほら、私は見ての通り研究者だからね。いちいち探すより、新しく作り直すほうが大体の場合効率的なんだよ。探知魔法は不得意でね…

【取りあえず、一旦の答えを返す。最後の一文は少しばかり小声】
【肝心な点を知るには、もう少し話を続ける必要がありそうだ、が…】

……ところで聞いてみるんだが、君は何をなくしたんだ?そんなに悩むほど思い入れのあるものなのか?

【直球。あまりにもド直球だ】
951 :望月星奈 [sage]:2015/04/07(火) 23:57:06.15 ID:/G6u/UabO
>>947
【夜の帳は既に下り、スモッグの向こうで星々が我こそはと煌めく頃合】
【宵の路地に響くのは、一般人には感じ取る事の叶わない魔翌力の波動】
【それはさながら真夏の夜の篝火、徘徊する者達は否応がなしにその存在を感知する】
【明らかに誘うような煌々とした輝きの源を求め、闇夜より降り立つ人影が一つ】
【結愛の眼前で音もなく着地したそれは、屈託のない笑顔を向けて問いかけた】

「こんばんは、誘ってくれたのはあなた?」

【現れたのは上下を黒のジャージで統一した少女、とりあえずは敵意がない事を示そうと軽く両手を上げる】
【まるで世間話のような軽い口調、しかし漆黒の瞳には密かに警戒が潜む】
【この反応は当然ともいえるだろう、自身の場所をこうまでして知らせているのだ】
【罠か挑発か、ともかくいい方向に転ぶ可能性は限りなく低い】
【それでもこうして誘いに乗ったのは、彼女にとって膠着した事態の流転を求めたからに他ならない】
【つまりはある種の気まぐれ、星奈からどうこうしようというつもりはない】
【相手の出方を見定めんと目を細め、腕を組んで首を傾げた】

「で、用件はなに?」
952 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/07(火) 23:57:14.09 ID:esXdoavlo
>>948

陽菜子は知らない。夏凛が所謂悪側の組織に所属していて、尚且つ幹部の立ち位置にいることなど。
魔法十二戦姫少女。陽菜子はまだ存在すら知らず、そしてまさか相手が其のような組織に所属しているなんて思ってもいなくて。
そんな相手に師匠を頼めばどのようなことになるのか、なんて――――そんな未来のこと、解るワケもなくて。
ただ一言、わかったとだけ言われた瞬間、陽菜子は花が開くように笑顔を咲かせて。

「ほっ、ほんとうですか!? ありがとうございますっ!!」

自分で頼んでおきながら、受けてくれるかは五分五分……実際の所もっと低い確率だと思っていたため、驚きと嬉しさで胸の中が大変なことになっていた。
まさか相手が自分の過去にまで触れていて、其れ等を含めて鑑みた結果だとは思ってもいないだろう。
感情を念話に乗せてぶつける、なんて即興の思いつきが成功するとすら考えていなかったし。
陽菜子にとっての過去は奪われ続け、そして独りになっていく過程――本来ならば触れるべきではない、心の傷だ。
だがあの時彼女はとにかく全力で、そして必死だった。或いは陽菜子の過去の文字通り総て≠、夏凛は見ている可能性もあって。

「ど、どうしよ……ほんとうに嬉しくてニヤけるの止まらない……」
「ちょ、ちょっと待って下さいね……」

自分でほっぺたをグニグニといじって、なんとか顔を普通の表情にまで戻せるように努力をし。
俯いて数秒、深呼吸を繰り返して数秒、なんとか落ち着いたらしい陽菜子は顔を上げて。

「えとえとっ……その、それじゃあよろしくお願いします!」
「でもどうしよう、なにかお礼しないとですよね…………」

提案しておいてなんだが、後先の事を何にも考えていなかった。
無償で教えてもらうわけにもいかないし、かといって金銭面でそれほど余裕がある訳でもない。
少し唸りつつ思考をめぐらし、そして叩きだした結論は――。

「そうだっ! ご飯をごちそうする、とかどうでしょうっ」
「私、実は料理結構得意なんです!」

小学生のような見た目に対して、家庭事情により全ての家事を自分の手でこなす必要がある彼女は、必然的に其れ等のスキルが見た目以上に高かった。
今は思いつくのが其れぐらいしか無かったため、思いついた瞬間に名案だとばかりに提案する。
彼女が料理を得意とする理由、若しくは事情は夏凛も知ってのことだろう。
953 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/07(火) 23:59:14.74 ID:Mgxa6l8X0
>>950

「あきら、める。」

一見消極的な、しかし文字通り創作に富んだ回答。
成程考え方としては勉強になる。尤も、必ずしも満足のいく答えではない。
腕っぷし一本で生きてきた新野にとっては、クリエイティブな分野はまるで縁がない存在であった。

「バット……こう、金色で、“ICHI”ってロゴのある……」

身振り手振りで形状の話を始めたところで、はっと我に返って、フェイスガードの上から口を押さえる。
相手にしても、そういう詳細を求めていたつもりも無かろうに。どうもいつもの調子が出ない。

(それとプライドも、どっか落っことしたみたいでス)

ぺらぺらと口を滑らす不用心さに我ながら呆れる。否、これは自棄になっているのだろうか。
気まずさからすっと目を逸らして。しかし、その不自然さに気付いて今度は足元に目を落とす。

「――――お金じゃ、かけらじゃ、戻らないんス」

宝物も、誇りも。一度失ったものは簡単に戻らない。
だからと言って焦る気持ちに歯止めはかけられない。その結果が、今の不自然さを生んでいるのであった。
954 :結愛 [saga sage ]:2015/04/08(水) 00:20:17.71 ID:dhDWYtqiO

>>951

………釣れた?

【目の前に現れた一人の、黒い少女】
【この状況でそんな事を言うのは、同業者だろう】
【そんな考えで決めつけ、ぽつりと一言】

………………うん、君でいいか

情報をね、持ってる人を探してる
最近の、いろんな情報

【次いで、相も変わらず無表情で観察した後に】
【話し出すのはそんな事】
【わざわざ目の前に現れたのだから、少なくとも会話する余地はあるんだろうと、これまた決定付ける】

………うん、只でとは言わない
それなりの情報なら、それなりの報酬があるから

………うん、けど、それで嫌なら

【ちらっと、星のかけらを見せて】
【相手の様子を見ながら繋げる言葉は】

………賭けでも、する?
………………受け売りだけど

【もしかしたら、感じるかも知れないデジャヴ】
【小首を傾げて、相手に問う】

955 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/08(水) 00:21:00.60 ID:i3JIUK0X0
>>952

「どうせ特に用事があるわけでもないしな」
「構築式の展開の仕方とか、魔力の巡らせ方≠ニかなら教えられる」

学校に通ってはいるものの、部活動には通っておらず。両親は既に死んだ℃魔ノなっているので、一人暮らし。
結果として別段やる事も無く家で時間を潰していたりすることが多く、その時間をあてれば問題ないだろう。
あいつ≠ニの約束だって、彼女が必ずしもやらなければならない事では無い。復活は星の欠片を集める事でも可能だ。
少しくらい休んでも、文句は言われない。周り≠ノだけは感付かれない様にしないとな…………

ああやって頬をさする動作を間近で見れば、幼い少女の笑顔にしか見えない。先ほど覗いてしまった過去≠フ片鱗すら見せなくて
逆にそのような経緯へと至るまでどのような♀挙。があったのは想像できるほど簡単な物ではないだろう。明らかに異常=B
明らかに彼女よりも精神的な意味では達観し、成熟している。しかし、実際は只の少女なのだ。嬉しいことをうれしいといい、願い事を口にする。
只只管純粋なだけで、その純粋さのみで突っ走る。その姿は強く美しく、そして今にも消えてしまうそうな程に儚い=B
其れに触れられるなら、其の痛みを少しでも和らげられるのなら。そう思ってしまうのは、やはり…………

「…………あ、ああ」

僅かに反応が遅れ、焦ったように頷く。話を思い出せば、代わりにご飯をご馳走してくれるのだと言う。
別段彼女は何かを受け取る気も、何かを求める気もさらさらなかったのだが少女の事だ。何かしら理由を付けて礼をしようとしてくるだろう
其処までの予想が働くのも先程≠フ事が原因で、其処まで少女を理解しようとしている℃ゥ分に違和感。ただ、他人と接するのに慣れてないのだとは分からない。
956 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/08(水) 00:36:19.69 ID:4RJghvRpo
>>955

陽菜子は確かに純粋で、前に進む分にはきっと何があろうともたった一人で何とかしてしまうだろう。
だが其れ故の危なさが彼女にはある。王道を進むからこそ変則的な邪道に弱く、予測不能な存在に対して対抗出来ない。
前から激突してくる敵ならばいい、だが左右や後ろからの奇襲に対して非常に弱いのだ。
それは戦闘的な意味でも、其れ以外の意味でも――――何方にせよ、危ういことに変わりはない。

「やった! じゃあ、今日は師匠になってくれた記念ということでごちそうしますね!」
「えーと、まずは買い物に行って……それからそれから」
「…………とりあえず、歩きながら考えましょうか」

陽菜子は立ち上がると、夏凛に手を差し伸べる。嬉しさで考えがまとまらないから、とりあえずは歩き出すことにしたらしい。
もし立ち上がれば、陽菜子はまず最寄りのスーパーに向かおうとするだろう。
歩きながら「あ、好き嫌いとかありますか?」なんて、何処にでもありふれた普通の会話をしながら。
日の落ちかけた瀬平戸市を、軽やかな足取りで進んでいく――――二人並ぶ姿は、さながら姉妹のようで。
その日の陽菜子は、此処一年で一番明るく楽しそうに笑うことが出来ていた。
957 :山本 有香 [sage saga]:2015/04/08(水) 00:36:57.97 ID:ucDam9DD0
>>953

(バット…とすると彼女は野球に青春をかけてた…訳ではないか)

【改造学ランのような魔法少女のコスチュームから判断すれば、カチコミか何かに使っていた道具と判断するのが妥当だろう】
【魔法少女にまでなって探しているあたり、よほど思い入れのあるものか、はたまた……】

……魔具、か。

【一人納得のいったように呟く】
【それならば、金やかけらで取り戻せないのも分かる】
【彼女にとって、いやほとんどの魔法少女にとって魔具はあくまで「かけらを稼ぐための」道具。それをかけらを使って取り戻そうというのはナンセンスというもの】
【彼女の誇りを知らない山本は、理屈のみで考え、そう納得した】

癇に障るかもしれないが……ないものにいつまでも執着してても、仕方ないんじゃないか?私なら、新しくそれに代わるものを手に入れようと考えるよ。

【山本の、魔法少女としての力はすこぶる低い。失う以前に、そもそも無いものも同然だった】
【しかし、それを補うためにMG-01を開発し、更には「魔法少女を超える」べく、魔装をも開発しようとしている】
【そんな経験からくる、言葉】




958 :望月星奈 [sage]:2015/04/08(水) 00:40:08.85 ID:sEzoKa+DO
>>954
「ふぅん……?」

【最後まで聞き終えれば、顎に手を当ててわざとらしく悩む仕草】
【こうした交渉事の際、いつも自身の思考を表情や動作で表に映してしまう】
【ただそこには稀に、虚実が入り混じっている場合もあるのだが】
【戦闘の意思はないと判断したのか、そこにあからさまな警戒心はない】
【星空までもを仰ぎ見るあたり、今回は本気で悩んでいるのだろう】
【しばし唸りながら思考の海に沈んでいたが、不意に視線を少女へと戻す】

「おっけー分かった、ここは平和的に行こうか」

【小さく手を鳴らす。ぱん、と乾いた音が反響して消えていく】
【結論が出たのだ。情報と報酬、賭事のリスクとリターンを秤にかけた】
【結果選んだのは前者、無用の危険を背負いこむ必要はないと判断したが故だ】
【賭けで思い出したいつぞやの邂逅が頭を過ったのも、大きな要因となったのだろうが】

「ああでも、あたしが出せるのは“情報を持っている人の紹介”だけ」
「あたしが持ってるのは全部その人からもらった情報だし、あいつはもっと詳しいはず」
959 :蛇蝎 夏凛 ◆XKrTwtU.LE [sage saga]:2015/04/08(水) 00:51:28.39 ID:i3JIUK0X0
>>956

「…………本当に嬉しそうに、笑うんだな」

少女に手を差し出された際、僅かに俯いてそんな言葉を呟く。直ぐにその手を取って立ち上がったが、その表情には変化が無くて
あの一瞬だけは俯かなければ@れてしまったであろう微笑を、すんでのところで押し留める。私が笑ってはいけない、そんな資格は無い。
楽しいなんて思わないから、この刹那を、これから日常に少しだけ増える刹那を、どうか赦してほしい。最後には違う≠ニいうのも分かっている。
相容れない存在。既にこの手は血で汚れてしまっていて、其の手で触れてしまった少女も、もしかすれば彼女の所為で汚れてしまったかもしれない。
差し伸ばされた手を取るには、あまりにも手が汚れ過ぎていた。彼女は、自らの感情と折り合いをつけるために、出来る限り冷静で荒れる様に
一度だけ、立ち上がる際に掴んでしまった手を強く握る。暖かい手。血液が流れ脈打っている、小さな手。それを壊してしまわない様に――――歩く。

買い物途中のスーパーで、「レタスが食べたい」なんてことを言ってみたり。はしゃぎながら歩く少女の姿は本当に楽しそうで
制服の左右の袖にある刻印が、嬉しそうに騒ぎ出す。彼女の脳内にだけ響くその声を、煩わしいなと恨みながら




―――――――――――蛇蝎夏凛は、少女と歩く。


//こんな感じで〆ですかね?
//三日に渡るロールお疲れ様でした! そして有難うございました!!
960 :柊崎陽菜子 [sagesaga]:2015/04/08(水) 00:53:02.26 ID:4RJghvRpo
>>959
//そうですね……絡み乙でした!所々遅くなってしまい申し訳ありません……!
//楽しかったです!
961 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/08(水) 00:55:36.86 ID:JlZQlPOX0
>>957

正鵠を射た推理にぴくんと肩が揺れる。
まさしく話の核心は魔具の事であり、それを手に出来ない不安が新野の視界を暗くさせていた。
そこへ掛けられる諦めを促す言葉に、きっと鋭い目で向き直る。だがそれも、少しすれば自信無げに垂れ下がり。

「そう言われても……ぴんと来ないス」

ムキになって言い返すような棘は今だけはない。
単に言い返す気力が湧かなかったとも取れるが、素直性が持てたというのは、心に傷を負った弊害が多い中で唯一の小さな利点であった。

無論、聞き入れたからと言ってそれをすぐさま理解できたりはしない。元々頭を使う事は苦手であり、加えてワルの性質柄気も長い方ではなく。
かといって諦めたらそこで道は途絶えてしまう。どうすればと、途方に暮れた顔で頭を掻いた。

「アンタは、失敗するたびに、そうやって……」

諦めないという姿勢では、相手の言い分はある種理想形なのだろう。
だが、精神の支えとして一本気を重んじてきた新野にとっては、それはどこか受け入れ難いものがあって。
態々言葉にするのも憚られ、途中で口を噤む。嫌な沈黙が空き地に流れた。
962 :結愛 [sage saga ]:2015/04/08(水) 00:56:05.71 ID:dhDWYtqiO

>>958

………うん、それがいい

【しばしの後】
【相手が選んだ選択は、平和的解決】
【その選択に、肯定を返す顔は、変化がなく】

………?
……………………まぁ、いい

……言っておくと、欲しい情報は三つ
『黒百合生徒会』と『エインフェリャル』、そして『このどちらかと戦った事がある魔法少女』についてだから、うん

【次に、相手の話にまた小首を傾げる】
【情報屋の仲間でも居るのだろうか?と、考えてみる】
【……もう1つ、考えるのは誘い込み】
【確実性を狙う者達ならば、そういう展開もあり得る】

……それなら、報酬は会ってから次第、うん
…………それでも?

【最後に取るのは、確認】
【当たり前と言えば当たり前の話なのだが】
【ここで渡すほど、お人好しではなかったりする】

963 :望月星奈 [sage]:2015/04/08(水) 01:17:47.15 ID:sEzoKa+DO
>>962
「んじゃ、そういう事で」

【先程から仮面よろしく表情を変えない少女を相手に、気まずさを感じる事はまずない】
【おそらくは自分もそうなるのだ、対人という状況から外れれば】
【作り物の顔である分、こちらの方がある意味たちが悪いのだろうと内心で自嘲】
【無論そんな胸の内を表面に出す事はなく、交渉がほぼまとまった事に安堵の笑みを浮かべて見せた】

「あー…最近危ないっていうのは聞いた事があるかも」
「まああいつは顔も広いし、あたしよりは期待できると思うよ」

【相手の需要、そのどちらの名も星奈の記憶には新しい。ただそれは聞いた話だけなのだが】
【人伝いの話ならば、より情報源に近い方が真実との相違も小さい】
【より確実な情報を欲するのならば、大元に近づこうとするのもまた当然の思考】
【それを理解しているからこそ、こうして自身の知人であり情報提供者を紹介しようとしているのだ】

「ああ、それは構わないよ。まだあたしを信用できないでしょ?」
「でもその前に、報酬の内容を聞きたいんだけど」

【そしてそこに潜む罠の可能性を考慮する事も忘れない。実際逆の立場であれば、星奈自身同じ事を言うだろう】
【だからこそ拒みはしない。今更謀るつもりなど星奈には毛頭ないのだから】
【それを伝えるための同意であり、また今度はこちらが確実を求める番】
【取り決めは極力実行の前、家業において星奈が心がけている事の一つだ】
【利益がはっきりしていなければ、それこそ生活がかかっているのだから】
964 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/04/08(水) 01:19:31.26 ID:W+WcAj2GO
最近、街でとある事が起こっている。それを事件と呼ぶのはどこかおかしいような、もはやある種の事象と言っても差し支えない事。
それは、少女が"消える"という事――――――――――文字通り、"消える"のだ。存在も、生きていた証も。
人々の記憶は都合の良いように改変され、そもそも"存在しなかった事になる"のだから、誰も怪しがらないし、気がつかない。」
だから、この少女消失は決して事件とは呼べないのだ。警察が動かなければ、事件としては成り立たない。

(さて、まずはどう動くかだ…劣等種共にも中には私らに付くという賢い奴はいるからな。まずは私達の奴隷と、それ未満のゴミの屠殺対象とを選別しなけりゃならねえ)

その同時期に、黒百合学園生徒会発足。

(大体なんなんだウチの面子は、顧問はクソレズで、書記は何考えてるか分からねーし、会長は高校生にもなってとても恥ずかしい厨二病だし。まともなの私しかいねーじゃん)

これらの事は決して無関係ではない。いや、むしろ根幹に根付いていると言った方が正しい。
その実態は、魔法少女の管理、支配を目的とした集団だ。意に介さない魔法少女を狩り、徹底的に弾圧する。
彼女達によって狩られた魔法少女は数えきれない。幾多もの命が消え、存在がなかった事にされている。
副会長ヘレネ―――――お淑やかなポーズを剥がしてしまえば、そこにあるのは徹底した残虐性と快楽主義、利己的主義、そして気性の荒さ。

(エインなんとかっていうのも最近目に付いてきたし…あぁ、ウザったいウザったい。)

そんな彼女は、昼間の喫茶店にて一人。何やら唸りながら、考え事をしている様子だ。
喫茶店は混み合っていて、空きがあるのは彼女の席のすぐ向かいくらいである。相席でもしないと、座れなさそうだ。
965 :結愛 [saga sage ]:2015/04/08(水) 01:38:36.09 ID:dhDWYtqiO

>>963

【お互いに、顔色を変えない状況】
【つまるところ、相手への探り合いは止まらず】
【そのまま、話は進む】

……そう
…………君も、気を付けた方が良い
程度はあるけど……どちらも一方的になるくらい強い、うん

【一応は、忠告】
【聞く話、聞く話、耳に届くのは強さ】
【目の前の少女なら、無謀な事をすることはないだろうが】
【それでも、口に出す必要はある】

……お互い様、うん
………最高は、かけら、うん
最低は……………………数字五桁が一枚
……どう?

【今度はあちらの番】
【まぁ、ここまでしっかりしてるなら当然か、と考えて】
【少し悩みながらも、提示するのは上記の案】
【最後の一言は、交渉の余地を残している、という事だが、どうなるだろうか?】
966 :山本 有香 [sage saga]:2015/04/08(水) 01:38:55.16 ID:ucDam9DD0
>>961

ピンと来ないのも無理はないさ、世の中私のような人間の方が少数派のようだしね…。

【どこかあきらめにも似た口調】
【彼女の知る同期の魔法少女の大半は、途中で夢を諦め、魔法少女を辞めていった】
【その大半が(彼女からすれば)くだらない夢ではあるものの、なぜ諦めてしまうのかと、「少数派」である山本は理解に苦しんだものだった…】
【そんなことを、ふと思い出す】

……一つ聞いてみるんだが、君には魔法少女として、諦めたくないものはあるのかい?

【束の間の沈黙の後、口を開く】
【それは、覚悟を問うもの】

内容までは言わなくていい、もしあるんだったら……そのバットが見つかるまでの代わりを、私が作ってあげよう。
……まあ無論、タダで、というわけじゃないけどね…。

【取引の誘い】
【無論その申し出は打算に基づくものではある。しかし、「今確かにあるものを諦めるようなことをしてほしくない」という思いも確かなもの】
【少女の答えは…?】


967 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/08(水) 02:02:53.70 ID:JlZQlPOX0
>>966

魔法少女として――――奇しくもその言葉が自身の特異性を新野に突き付ける。
決して良い意味では無く、倫理観や正義、道徳などの人間的な理性を削ぎ落とした後に残る、原始的な欲望。
その生々しい現実を間近で嗅いで、のけぞるように一歩後ずさる。

大袈裟だろうか。しかし、腕っぷしだけで生きてきた人間にとっては。勝利こそが人生と学んできた人間にとっては、たった一度の敗北がその後を大きく狂わす事もあるのだ。

「今はまだ、マイナスだから……ゼロに戻らないと」

「私が私でなくなったままは、もう嫌なんス」

魔法少女に戻らねば、弱かった昔と変わらない。そして、これからは今まで以上の魔法少女にならねばならない。
それは、必ずしも精神論だけではない。格上の存在に自ら喧嘩を売ってしまった以上、肉体的にも、ひいては社会的にも自己を守るには力が必要なのだ。
だからこそ、その申し出に対しては真剣に考え悩んだ。


「凄く――ありがたいですけど」
「別に、払えるものとかないんで……」

はいと答えたかった。だが、弱いままの心と、それを嫌う反骨心が、なけなしの素直性を蹴り崩す。
出た答えは消極的な拒否。ぺこりと頭を下げると、空き地の外へ歩き出そうとする。
顔は暗いままだが、足取りは来た時より確かなもの。放っておけばそのまま何処かへ立ち去っていくだろう。


/すみません、そろそろ眠気が現界なのでこの辺で……
/一応〆れそうな形にしましたが、あれでしたら凍結でも構いません
/一先ず絡みお疲れ様でした&ありがとうございました!
968 :望月星奈 [sage]:2015/04/08(水) 02:04:51.47 ID:sEzoKa+DO
>>965
「そう、忠告はありがたく受け取っておくよ」
「こっちとしても下手な戦闘は避けたいからねー」

【形式めいたやり取り、しかしあるとなしでは大違いだ】
【こうして言葉にする事で、初めて浮かび上がる自意識というものも存在するのだから】
【やはりどこか軽い声色だが、軽んじているわけでは決してない】
【自身の危機管理ができない程星奈は鈍感でも悠長でもないのだ】

「あー…やっぱ金かぁ…」
「分かった、なら細かくは会わせてから決めていいよ」

【それでいいでしょと確認。下限と上限を確かめられただけでも十分だ】
【こちらが与える情報がどの程度向こうの利益になるか、今の時点ではまだ分からない】
【だからこそこうして濁す。例えどう転ぼうと、まず星奈が不利益を被る事はほぼないのだから】
【ちなみに金に難色を示した事に、別段深い意味があるわけではない】
【ただ自分で稼いでいる星奈にとって、あまり魅力的なものに映らなかっただけなのだ】

「それじゃあ早速…って言いたいんだけど、多分あいつもう寝てると思うんだよね」
「とりあえずあたしの連絡先を渡しておくから、都合のいい時に連絡ちょうだい」

【昼間ならだいたい大丈夫だから、と言いながらポケットからメモ帳を取り出してさらさらと書きつける】
【破って押しつける、見れば電話番号と名前だけが簡潔に記されているはずだ】
【確かに最早夜も深い、人によっては既に夢の世界でもおかしくない時間帯】
【だからといってそこまで把握しているあたり、二人の関係の深さもある程度は把握できるかもしれないが】
【さて、と腕を伸ばす。ひとまずの話はまとまったといってもいいだろう】

「それじゃ、あたしはこれで」
「一応言っておくけど、あんたも気をつけなよ」

【長居する必要も同行する理由もない。ならばこれからの道は一本だけだ】
【ひらひらと片手を振って背を向ける。そのまま歩いて闇に溶けていく】
【そこから彼女の気配がさっと消え失せるのに、そう時間はかからなかった】

//すみません、そろそろ時間なのでこれで〆でっ
//ありがとうございましたー
969 :結愛 [saga sage ]:2015/04/08(水) 02:21:41.93 ID:dhDWYtqiO

>>968

【一連のやりとりの後、少女を見送る結愛】
【手元に残ったのは、受け取ったメモのみ】

……………うん、情報は大事

【どれだけ力があっても】
【世の中の全てを知ることなど、大抵不可能だ】
【情報は、それ自体が武器となる】
【結愛は、過去の経験からそれを知っていた】
【だからこそ、こうやって自ら出歩いている】

……収穫は、あった
…………帰ろう、うん……補充、しないと

【ぽつり、ぽつり呟きながら】
【向かう先は、今のところの住所兼職場】
【黒い少女と出会った白い少女は】
【静かに、帰路についた】

//わかりましたー!
/こちらこそ、ありがとうございました!

970 :山本 有香 [sage saga]:2015/04/08(水) 02:58:45.82 ID:ucDam9DD0
>>967

……そうか、残念だ。気が変わったら、『掲示板』あたりで連絡したまえ。

【去る者は追わず】
【少女は去り、結界が解除される】

0に戻る、か…私も、どうにかしないとな…

【01が動かせない以上、彼女の現状もまた、マイナス】
【打開策を見つけなければ、野望は潰えるのみ…】
【山本もまた、空き地を去った】

//すみません悩んでました…
//絡みありがとうございました&お休みなさいませ。
971 :四ノ宮亜久里 [sage]:2015/04/08(水) 15:00:46.13 ID:ox5mM3N+O
>>964

丁度昼時だろうか────。
空に浮かぶ太陽の光は瀬平戸市を照らし伸びた影はコンクリートの路地に映し出され、何処からともなく聞こえる烏の鳴き声は街に住む人達の鼓膜を振動させ何時もの日常を知らせた。
街には昼の買い出しをする主婦の姿や、休暇を取って家族サービスする夫の姿などで溢れており、其処には"魔法少女"という存在、ましてや少女が消滅する事件が存在するなど感じられなかった。
そんな平和な街をごく普通に歩く少女が一人。
名を四ノ宮亜久里。
瀬平戸市に静かに存在する魔法少女の一人であり、エリート学校として名高い私立紫薔薇学園に通う生徒だ。
腰まで伸びた黄金の髪を揺らしながら凛とした表情を浮かべる亜久里。
普段は魔法少女に変身して楽しながら帰宅という無用心な行動をしていたのだが──つい先日、男性なのに魔法少女という例外な存在と出会った事により帰宅する際は変身しないと決めばかりで徒歩による明確な道順は定まっていなかった。
ゆえに今日亜久里は何時もと違う帰宅路を歩いている。

「うっわ〜………なに!? 雨!?」

突然、小さな雫が空から幾万も降り注ぎ始めた。
────雨だ。
最初の数粒が頬に当たったのを合図に亜久里を容赦無く濡らし始める雨。
それは止むどころか勢いを増すばかりで自慢の髪はびしょ濡れとなってしまった。
水浸しの道路を強く踏みながら走り出す亜久里は辺りを見回しながら、何処か雨宿りが出来る場所は無いかと探す。

さっきまでなんとも無かった気持ちが一転、空気を読まない雨のせいで憂鬱になってくる。
雨というものを好む人が存在するなど信じられないくらいに雨を忌み嫌う亜久里は人一倍憂鬱な気持ちになっただろう────。

「────と喫茶店発見!」

急ぐ足を急ブレーキ。
水を弾きながら勢いよく止まる。
ずぶ濡れの制服を絞りながら喫茶店へと入り席の案内をされる。
相席────。
一瞬この相席を辞めようかと思う。
何故なら相手は分からないにしろ、此方はずぶ濡れ。相席したとして相手に良い思いをさせるとは思え無かった。
────が、言われた相席の相手は同じく名門として知られる黒百合の生徒だった。
気品溢れる姿からは流石お嬢様学校と感じざるを得無かったが、此方も同じく名門且つ金持ち学園の生徒、しかも生徒会長。
きっと笑って許してくれると思い、若干の申し訳なさと店員と共にヘレネが座る席へと案内される。


──────が彼女の骨盤にはある印が刻まれている。
それはヘレネと亜久里の"魔法少女"や"生徒会"とは全く別の共通点でもある。
因果に弄ばれた悲痛者の印。星の刻印。


972 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage saga]:2015/04/08(水) 20:17:00.00 ID:SvtUBnGEo
【北瀬平戸商店街】

【――――黒百合学院。詳しいことは知らないが、そこにはわんさか魔法少女がいるらしい。しかも統括されているとかいないとか】
【言ってみれば魔法少女が集って構築された組織か。そう考えると、まだ新米で味方どころか会った魔法少女すらも少ない彼女からすればかなり脅威】
【――――それでも、欠片を集めることを考えれば避けられぬ壁。虎穴に入らずんば虎子を得ずというのは、こういう時に使うのか――――なんて、思ったり】

「……兎に角北に来てみたはいいケドよ、なんも匂いがしねぇじゃねーか☆ まあ匂いがしたはしたで一気に来られたらマジで詰むんだけどな♪」
「黒百合のお高く止まったガキンチョ共を小突いてやろうなんて気合入れて来たは良いものの、ハベ子ちゃん普通に買い物してるっていう☆」
「あ、もやし安いなオイ! 乙女は黙って大量購入だコラ☆」

【少しばかりの緊張を持って黒百合学院がある北区……の商店街に来たのだが、欠片の匂いに出会うことも無く、いつの間にかただの買い物タイム】
【白×ピンクを基調としたロリータドレスといった格好で買い物カゴにもやしをぶち込んでいる彼女の姿は浮いているとしか言いようが無く】
【何時の間にか魔法少女を探すために張っていたアンテナも薄れ、代わりにこちらの気配――――魔法少女特有の其れがダダ漏れになっていたのである】

【……まぁ、金のツインテに甘ロリドレスという格好がある意味「ワタシ魔法少女だよ☆ きゃっぴぴぴーん☆」みたいなアピールではあるのだが】
【兎に角見た目は勿論のこと、魔法少女が彼女を見れば、気配と見た目のダブルパンチ、いや明らかな発言からトリプルパンチで直ぐ分かるだろう】
【善悪年齢組織関係なく恐らく誰もが「あ、この変なの……私と同じじゃん」なんて思うかもしれない程の、無意識の魔法少女アピールなのだから】

/22時くらいまで待ちますー
973 :ダリア [saga]:2015/04/08(水) 20:23:35.48 ID:Daen8oGWo
夜だった。場所は路地裏だ。
ビルとビルに挟まれた、僅かな隙間。その隙間に都会の喧騒が入り込むには、些かスペースが足りないと言えた。
そして、喧騒の代わりにそこを満たすのは、人間ひとり分の笑い、人間ひとり分の怒号。
暫く続いたそれは、今しがた止んだ所だった。排水口に流れ込む液体の色は、夜の闇によってその色を識別させない。

「悲しいな。ボクを覚えてくれる人が、また一人減っちゃった」

空を仰ぎ見る影。ちかりと点滅する電灯が、シルエットのみだったそれの全貌を曝け出す。
そこに居たのは、小柄な何かだった。四肢があり、人の姿をしている。恐らく、それは人間なのだろう。
ただ、ぐっしょりと濡れた細身のパンツスーツは、雨の黴臭い匂いとは違う、鉄の匂いを感じさせていたし、顔を覆うガスマスクは異質さをこれでもかと主張するものだ。
足元に散乱しているのは、いくつかの肉塊。否、幾つもの肉塊。血と肉と脳漿とフリルは、地面だけでなく、ビルの壁にもべっとりと張り付いていた。

肉塊に手を伸ばす少女。まだ新鮮で、断面に角の立ったそれは、心臓だった。
ほんの数秒前まで命をつないでいたそれは、既に断ち切られていて。握りしめる五指によって、更にそれは千々に千切れて四散した。
開かれる手の中には、電灯の無機質な光ではなく、いのちのかがやき=B慈しむように少女はそれを胸元に抱え、その輝きは静かに消えていった。

「君の事を、ボクは忘れないから。だから、安心して。――ボクの中で、君は生き続けるんだ」

ガスマスクに覆われた顔面が、どのような表情を形作っているのかは、透視の魔法でもなければきっと見えない。
だがきっと、そこの奥の顔はとても穏やかで、やさしい笑みを形作っていたのだろう。
2人分の狭い空間に、今居るのはたった1人。たった1人は、寂しそうに、星すら見えない天蓋を見上げ、佇んでいた。

//24時過ぎると凍結します、あと凍結の場合は再開は土曜日となります
974 :水無月 水月 :2015/04/08(水) 20:41:20.51 ID:s8a4Mlsr0
>>973
パトロールも兼ねたいつものランニングコースは、なるべく人通りが少ない道を通るようにしている。
人だらけの大通りで何か事件が起きることはないし、何かが起きるとすればそれは大抵こういう路地裏だ。

怒号が聞こえて、喧嘩か何かだろうと思って立ち止まった少女、水無月 水月は絶句する。
鼻を犯す鉄臭い匂いと、視界染める赤い肉の色。普通の少女で居たならば、まず眼にすることのない惨劇。
胸から何かが込み上げて来る。同時に胃からも何かが上ってきて、漏れる。
口から零れた胃液は手で押さえても隙間から這い出てきて、赤いジャージが汚れた。

ダリアは暗い路地裏の奥、しかもガスマスクまでつけている。
慈しむようなダリアの仕草は確認できなかったし、どこか寂しげな表情も見えない。
水月の眼には唯殺人鬼としてダリアの影が映っていた。

ここから逃げ出したいという感情と同時に、沸いてくるのは使命感。
自分は"魔法少女" 誰かを守るための力を持っているんだ。今ここで、逃げ出してはいけないのだと。
怯えた脚が一歩、踏み出される。するとそれは置かれていた金属性のダストボックスに衝突して
音のない路地裏に、金属音が高く響いた。
975 :ダリア [saga]:2015/04/08(水) 20:52:38.91 ID:Daen8oGWo
>>974
罪無き少女が、此処に踏み込むのと同時。金属音が響き渡る直前。
既にガスマスクの少女は、水月の方へと向き直っていた。ガスマスクの奥の双眸は、恐らくじっと水月を見ていた。
右腕を地面に振りぬく。風を切る音が響き、刀の血を払うかのように、袖にぐっしょりと染み込んだ血は地面へと払い落とされた。

「やあ。今日は月が全然見えない、ちょっと良くない日だね」

ひょこ、と手を上げて、ガスマスクの少女は水月に声を掛ける。朗らかなそれは、親しい友人に対するような気楽なものだ。
これで普通の格好でもして、普通に街かどこかで合っていれば、単なる人懐っこい少女で終わったことだろう。
だが、状況がそれを許さない。ダリアの全身は血にまみれているし、肉塊は路地のそこら中に飛び散っているのだから。

「――君は、ボクを殺したいの? それとも傷つけたいの?
ボクは……君と仲良くしたいと、思ってるんだけど」

小首を傾げる少女。相手が抱いている感情が、親愛か怯えか恐怖か怒りか殺意か敵意か好意かに関わらず。
この殺人鬼であろう少女は、一身の好意を、親しみを――水月に向けていた。
敵意でも殺意でも狂気でも無く、どこまでも朗らかな、日常の延長線としての親愛の情。
それは、余りにもこの空間に、この少女の出で立ちに、この状況に関して不釣り合い。
それが、単なる殺人鬼とは似ても似つかない不吉さを、この空間に満たす要因となったのだろう。
佇む少女は無手でそして、無防備な姿。付け入る隙は探せば見つかるレベル。闘うにしろ、会話するにしろ、他にしろ。少女は水月にむやみにアクションを起こすつもりはなさそうだ。
976 :水無月 水月 [sage]:2015/04/08(水) 21:07:48.35 ID:s8a4Mlsro
>>975
想像とかけ離れた、やけに気楽な声。手を挙げたのは挨拶のつもりだろうか。
その友人にでも接するような態度が、水月にとっては不気味としか感じられなかった。
恐怖が脚を掴んで、踏み出していた足が硬直した。ジャージの裾を握り締めて、それに必死で抗ってみるも中々身体は動いてくれない。

「……?」

続くダリアの問いの意味も、向けられた行為の意図も、やはり水月は理解できない。
ただ一つ、理解できたとするならば、ダリアは自分に対してむやみなアクションを起こす気はなさそうだということぐらい。

「こ、この、この人は―――どうしたの?」

数秒の沈黙の後に、散乱する肉を指差して水月はやっと口を開いた。

「僕が君と仲良くできるかは……その、それによって、変わるかな。」

どうすればいいかわからない。戦えばいいのか、それすらも。
訳のわからないまま、口からあははと乾いた笑いが出た。一応ダリアの行為に返す愛想笑いだ。
水月もまた動かない。否、動けない。
目の前の少女のことが全くわからないのだから。
977 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/08(水) 21:08:50.46 ID:JlZQlPOX0

夕方、日が暮れる前の某有名公園。その内部を横切るようにして、病葉高校の制服を着た少女が独り歩いている。
改造制服に、白のマスク。地元では有名な不良校とあって、訪れた親子連れなどは警戒の眼差しを向けているが。勘の鋭い人が見れば、その瞳は不機嫌ではなく不安の色を帯びているのが分かるだろう。
理由は様々だが、今この場に居る訳としては、昨夜の経験から歩くにしても閉塞感のある場所はなるべく避けているため。

(現状、武器無しで出歩いているのって、危険過ぎ、スかね……)

足を止めずに考える。しかし、家に引き篭もっていても星のかけらが降ってきたりはしない。
危険を孕んでいるとしても、外界に赴かねば手に入るものも入らないのだった。
もし敵対する魔法少女に出会ってしまっても、隙を見て逃げるか。あの研究者然とした――白衣さんと呼ぼうか――魔法少女のように、いざとなったら素寒貧であると素直に宣告すればいい。

「、うーん……」

その結論に至って、ふと白衣さんの事を振り返る。
昨日はにべも無く突っぱねてしまったが、もしかしたら自分は大変なチャンスを逃したのかもしれない。
一夜明けて冷静になってみると、ふと事の重大さに気づく。よくある話だが――――

(何でもいいから、頼めば良かった――――)

繰り返しになるが、現状は崖っぷちも良いところ。危険を冒してでも打破する可能性に縋るべきではなかったか。マスクの下で一際大きいため息を漏らす。
人間、あまりに失敗が続くと思考が悲観的になるものである。まして今まで失敗と無縁だった人間ほどそれは顕著。

(……うじうじしても、仕方ないか)

このままではいけない、と気持ちを切り替える。最後の親子連れが居なくなったのを合図に、探査魔法を展開。同時にその姿も、魔法少女のフォルムへと変貌を遂げる。
白の長ランに黒のフェイスガード。身体に赤黒い魔力を纏って、付近のクリーチャー並びに星のかけらの気配を探り始めた。 
978 :ダリア [saga]:2015/04/08(水) 21:18:42.73 ID:Daen8oGWo
>>976
水月の問いかけ。それに対して、小首を傾げる動作を返す。
恐らくガスマスクの奥の顔は、ころころと表情を変えていただろう事を察させる程に、動きで感情が見て取れる。
足元の少し大きい肉塊に視線を落とし、そしてゆっくりと顔を上げて、ガスマスク越しのくぐもった声を響かせた。

「あ、この子? そうだね、殺そうとしてきたから殺したんだけど。
ボク、結構恨まれてるみたいでさ。結構こういうの有るんだよね……」

殺されそうだったから殺した。ある意味、目には目を、歯には歯を。正当防衛とも言える理由。
相手が先だったならば、この結果も合理主義者ならば仕方がないと言えるだろう。
と言っても、もう少女の証言が事実かどうかを知るものは、この少女自身を置いて他には居ないのだが。
ふわりと柔らかい動きで足元の肉塊を一つ、拾い上げる。そして、街灯の不健康な明かりに鮮烈な肉の赤みを照らしだす。

「でも。殺したくなるほど、ボクのことを思ってくれるっていうのは。ちょっとうれしいかも、ね」

ふふ。と照れるように笑う。大事そうにその肉塊を、元あった場所に置き直す。
水音が、少女の立ち位置から一歩分水月に近い場所で鳴る。それは、即ち少女が一歩足を踏み出したということ。

「ボクはダリア。――魔法少女って言うのをやっているんだけど。
良かったら、君の名前を教えてほしいな。君がボクを忘れないように、ボクは君のことをきっと忘れないから」

ゆっくりと、敵意を欠片も見せず、相変わらずの純粋な好意のみを相手に向けて。
水月に手が触れる様な距離まで歩みを進めたならば、名乗った少女は右手を相手に差し出すだろう。
何のことは無い。握手を求めているのだろう。差し出された手に対して、どうするかは水月の自由。ここまでも問答で感じたものが、右手に返されるのだろう。
979 :上田美奈 :2015/04/08(水) 21:21:00.09 ID:sqFrcsxqO
>>977
【不良さんの探知範囲に反応あり】
【ごくごく狭い範囲だけれども公園内に結界を作っている存在が最低でも一人】
【木が茂って視界が通らない場所にいるようで】
【近くによれば、境界の向こう側に灰色のマントのようなコスチュームを纏った魔法少女】
【緑柱石をあしらった振り子を下げた右手を前につきだし、目をつぶって魔法陣の立っている】
【――否、よくよく見れば表情はこわばり、時々汗も滴っていた】
【探知か、それとも他の魔法か、少なくとも“彼女”は何かを行使しているのだ】


【結界自体はオーソドックスなもので入るのは簡単そうだとすぐわかる】
【入った瞬間に、ほぼ直上から魔法少女の目線でも高速な、
 バレーボールほどの魔翌力弾が3つばかり突っ込んでくるけれども】
【ちなみに、回避したとしても、地面にささったそれは小規模なクレーターくらいは作る威力である】
980 :兵馬 一姫「」 [sage]:2015/04/08(水) 21:22:01.84 ID:9O61ZMY6o
夜間、静まり返った瀬平戸市中央総合病院。その庭先に一人の少女の姿があった。

「……ふぁぁ、眠ぃ。」

欠伸をもらしたその少女、兵馬一姫は眠い目を擦り呟く。そもそも、何故一姫がこんな時間にこんな場所に居るのかと言うと、この病院に入院している妹の二那との日中にした会話が発端となっていた。

――――――
日中、病室の027号室。

『お姉ちゃん……この病院、出るんだよ。』

「はぁ?出るって何が?」

一姫の妹、二那が語るのは、この病院の噂話。病院で出ると言えば幽霊なのだが、一姫には伝わらず。

『何って、これだよ、これ。』

そんな姉に対し、二那は手を前に垂らし、うらめしやーのポーズを見せつける。

「ああ、そういうことか。でも、そんなん居ないと思うぞ。」

『でもでも、何人もの看護婦さんが見たって』

笑って幽霊の存在を否定する一姫。だが、二那は看護婦の目撃証言があるのだと続ける。

『なんでも、毎晩、第二手術室近くの廊下の二階の窓から羽の生えた人影が……わっー!!』

「うおわっ!?」

急に大きな声を出した二那に驚き、情けない声を出す一姫。それを見た二那は、ニヤニヤとした笑みで話を続ける。

『って感じで現れるんだってさ。それにしても、お姉ちゃんナイスリアクションだったね!』

「不意に大声出されちゃ誰だって驚くわ!つーか、それって幽霊って言うより――」

星のかけらの影響で生まれたクリーチャーではないか?と一姫は思う。だが、二那がクリーチャーの存在など知っている筈も無いし、それより先は言わなかった。

『あ!お姉ちゃんも感付いた?そうだよね、幽霊って言うよりも――モスマンって感じだよね。』

一姫は二那の言葉にまさかクリーチャーを知っているのか!?と、思い驚くも、続いた言葉は予想外なものだった。モスマン――アメリカウェストバージニア州で目撃された未確認生物だ。

「モス……?なんだ?ハンバーガー屋か?」

『違うよ!モスマン!UMAだよ!きっと日本まで飛んで来たんだよ。そうだお姉ちゃん、今度カメラ持ってきてよ。写真が取れたらお姉ちゃんにも見せてあげるからさ。』

「あ、あぁ、まぁそんなの居ねぇと思うけどな。」

――――――

と、こんな話を聞いたのだ。だが、一姫は幽霊もモスマンも信じていない。そして、この幽霊の正体はクリーチャーだと考えていた。クリーチャーならば、討伐するのみ。そう思い、夜間の病院へやって来たのだったが

「……何もでねぇし、帰るか」

庭先から第二手術室がある付近の窓を見上げるも、病院は静かなままで、何も出ない。諦めて、一姫が帰ろうと歩き出したその瞬間――

「――魔翌力の気配!これは……後ろだ!?」

魔翌力を感じ取り、振り向こうとするが、背後のそれは素早く接近し、一姫の身体を持ち上げた。

「うわっ!?離せっ!このっ」

そのまま上空を飛ぶクリーチャー。その姿は羽の生えた黒い人影。二那の言っていた通りの姿だ。
このままでは、騒ぎになる。そう思い、一姫は病院の庭先に結界を展開する。だが、それ以上の行動が出来ない。クリーチャーの力は強く、振りほどくことが出来ないのだ。ピンチに陥った一姫、彼女を助けるものは果たして……?
981 :九条院永麗奈 [sagesaga]:2015/04/08(水) 21:38:06.24 ID:4RJghvRpo
>>972

北瀬平戸商店街――――最近出来た南のモールに客を奪われがちだが、昔から利用している主婦や学校帰りの学生で未だ賑わう瀬平戸の人が集まるスポットの一つである。
其処に流れる光景は日常そのもの、魔法少女などと呼ばれる非現実が介入すべき余地など存在せず。
今日もまた、平凡な時間が流れていく――――――――――――――――筈だった。

「お〜〜〜〜〜〜〜〜ほっほっほっほっほっほぉ!!」

店内に響き渡る、如何にも頭の悪そうな笑い声。もやしを買い物かごにぶち込みまくる女性の背後から、その声は聞こえていた。
振り向けば其処には、黒百合学院の制服をきっちりと着こなした、お嬢様然とした少女が立っているだろう。
艶やかな金色のストレートロングに、焔のように燃える赤い瞳。見た目だけならば十人中八人は振り向く、整った顔立ち。
溢れ出る傲慢さを隠そうともせず、纏う空気は己こそが最強であると断言しているようにも見えた。
女性同様魔法少女特有の空気、その身に秘めた魔力を隠すつもりは一切無いらしく――――買い物かごに特売品である卵をそっと買い物かごに入れながら、少女は女性を見た。

「卵が特売と聞いて赴いてみれば……黒百合のガキンチョをお探しですの?」

女性ほど変ではないが、明らかに変な黒百合が釣れたらしい。ある意味女性の思惑通りだろうか。
彼女は確かに変なやつではあったが、明らかに黒百合の生徒だった。制服の着こなし具合から躾の行き届いているらしい立ち振舞。
喋り方と笑い方はどう考えても馬鹿丸出しだったが、それでも残念ながら彼女は黒百合の生徒だった。
相手の魔法少女だと察した永麗奈は、不敵な笑みを浮かべがらももやしを一袋買い物カゴへと入れる――――。
982 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/08(水) 21:40:30.41 ID:JlZQlPOX0
>>979

「――――ッ!」

探知に反応有。ばっと振り向いて、魔力を感知した方を睨む。
魔力という事は十中八九同類。腰を落として様子を探ってみるが、向こうは其処から動く様子はない。
不思議に思った新野がそうっと足を伸ばして探りを入れてみれば、その先では一つの結界陣が張られていた。

(待ち伏せ……?)

真っ先に思い浮かんだのはその単語。目を凝らしても中の様子は定かではない。
引き返すか――――しかし、無収穫で帰路に就く虚しさを思い出せば、後退の文字は無く。
半ばやけっぱちで意を決して一歩、足音を殺して侵入したした刹那――首筋にぞくりと嫌な気配が流れた。

「なんっ、――だぁ!?」

反射的に横へ飛び退き初弾は回避――――思考を纏めようと足を止めたところへ、間髪入れず二発目、三発目が次々命中する。
落下してくる性質上衝撃を受け流す事も出来ず、虫のように地へ叩きつけられる始末。
頭部だけは辛うじて両腕で守ったが、丸めた背中への被弾と地面との衝突で受けた痛みが腹部を蝕む。まるでプレス機に掛けられた気分。
痛みに呻き、己の形に地面を窪ませながら、数秒相手の目下に無防備な背を晒す事となるだろう。
983 :上田美奈 :2015/04/08(水) 21:53:52.34 ID:sqFrcsxqO
>>982
「ふえ!!?」

【誘導制御と自動追尾の切り替えをいろいろ試していたら、うっかり侵入者に誤射】
【しかも、自分が意図したよりも正確かつ強力に着弾】
【…………これほどまでにピンポイントで当たるとは思わなかった】

「だ、大丈夫です!?」

【思わず駆け寄ってヒーリングを施そうとして、はたと停止です】
【気配を殺して結界に入ってくるような人種を無防備にヒールしてよいものか】
【なので、ある程度間合いをとって、伸ばした振り子でつんつんしてみます】
【無事ですか? 生きてますか? 敵意とかありませんか?】

「えーと、えーと、回復魔法、必要です?」

【魔法少女を[ピーーー]ほどの威力にはなってない、と思います】
【たぶん、、、、、、】
984 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage saga]:2015/04/08(水) 22:01:12.93 ID:SvtUBnGEo
>>981

「お? テメーも魔法少女かコラ☆ つか黒百合だろーがその制服☆」
「ハベ子ちゃんあんまし知らねーけど、黒百合って魔法少女のバーゲンセールなんだろ?」

「……ってことで黒百合の魔法少女とタイマン張るついでに、ハベ子ちゃんの可愛い可愛い後輩たちを後押ししようかなーなんてな♪」

ハベ子ちゃんと語る甘ロリ姿の女性は、お待ちかねの黒百合学院の生徒を見るや否やニヤリと微笑みを返す。
芯の強い奴は嫌いじゃない。馬鹿だけど突き抜けてる奴も嫌いじゃない。コイツは良い。ハベ子ちゃんの初戦に相応しい。
負けじと挑発的な笑みを浮かべたまま、ハベ子ちゃんは卵をもやしだらけのカゴの中に入れてから振り返り、レジをさっさと済ませる。

「あ、マイバッグあるんでいいっす」
「……じゃ、買い物済むまでウラで待ってるじぇ☆黒百合なめられてもいいんならそのまま帰んな☆」

――――乙女は背中で語る。お嬢様に向けた背中が言うは「テメーも乙女ならタイマン張ろうや☆」なんて言葉だろう。多分。
ラメとフリルに浸食されたマイバッグにぱんぱんに商品を詰めると、彼女は路地裏へと向かう。行く行かないの選択肢を、お嬢様に与えたのだ。
もし路地裏に来たとしても「闘う気が無い」と言われれば闘わない。乙女の鉄則その52――――タイマンはお互い了承して成立する。
985 :水無月 水月 :2015/04/08(水) 22:03:36.13 ID:s8a4Mlsr0
>>978
嘘をついているわけではないのだろうということは解る。ダリアが恨まれているのも正直納得がいってしまうし。

「そう、なの」

きっと、悪意というものは存在しないのだろう。ガスマスク越しに伝わる表情はやけに子供っぽくて、純粋に見える。
思ってくれているのがうれしい、と本気で思っているのだろう。血塗れの少女が肉を置く、その凄惨な筈の光景は不思議とやさしくすら見えた。
しかしそうだとすれば、価値観が違うのだとすれば、尚更どう接していいかわからなくなる。
どうやって人を殺さないでくれと言えばいいだろう。人を[ピーーー]ことはダメだと、どうやって伝えればいいだろう。
悪い奴をやっつける、皆を守る。それぐらいしか考えることができていなくて。
こういう子にどう接すれば、なんてことは知らない。

差し出された手に向けて、自分も恐る恐る手を出して握る。怯えが抜けない握手。

「―――じゃあ、名前の代わりに一つだけ
 出来れば誰も殺さないでほしいって……ダメ?」

なんとか口から出した、けど、無茶だと自分でも思う。
初対面の自分の言うことを聞いてくれる道理なんてないんだし

「僕は水無月 水月。……僕も魔法少女だよ」

握ったダリアの手は血にぬれて生暖かった。
怖いし、恐いのに、その手からは血液からだけじゃない温もりを感じてしまう。
その身体と心、そして所持する力が酷くアンバランスだ
986 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/08(水) 22:09:32.58 ID:JlZQlPOX0
>>983

「痛ぅ…、――っ」

自分でも忘れていたが、これでも新野は重症患者である。こうして元気に跳ね回っていてもつい数日前に銃で撃たれたばかり。
治癒魔法で外傷含め大方の傷は殆ど快癒していたが、内臓系はそうもいかない。
俯せで相手には見えないだろうが、土埃の中けほっ、と履いた籍の中には赤い色も混じっていて。
其処に掛けられる無事を問いかけるような声。

「――目ェ、腐ってんのか……?」

伏せたままぼそりと、額に青筋が走る。

無言で首をこきりと鳴らす。脳内では鐘が鳴るみたいにがんがん騒がしいが、幸い立ち上がれない程のダメージはない。
直撃した背中と両腕が痺れているが、骨までは異常なし。強化魔法を込めて伸された状態から右肘で上体を起こす。
それは緩慢な動作に見えたが――――同時に伸ばした左手は意外にも素早く。顔を上げた瞬間、目の前にあった謎の物体――振り子の先端を掴もうとする。
成功したなら、すかさず全力でそれを手繰り寄せるだろう。
987 :九条院永麗奈 [sagesaga]:2015/04/08(水) 22:16:37.25 ID:4RJghvRpo
>>984

「へぇ、そうなんですの? 申し訳ないけれど、わたくしその他の 有 象 無 象 には興味がありませんの」

黒百合学院にどれだけの魔法少女が存在しているのか、どうやら彼女は其れを隠しているつもりはなく本当に知らないらしい。
何故知らないのか、理由は簡単である。なんだか知らないが黒百合学院生徒会は自分たち以外の魔法少女の存在が気に入らないらしく。
黒百合学院の魔法少女たちを弾圧しているのだ。だからこうして堂々と魔法少女であることを隠していない人間は少なく。
目立つような魔法少女は大抵黒百合の手によって魔法少女をやめてしまっていた。
だから彼女は本当に黒百合にどれだけの魔法少女が所属しているのか、全く知らなかった。

「あ、ポイントカード忘れましたわ……ええ、お気になさらず」
「はっ、一体誰に口を利いているのかしら――――わたくしをあまり舐めていると、痛い目を見ますわよ?」

タイマン上等、その気概此の九条院永麗奈が買うに相応しい――お会計を済ませながら、彼女は再び不敵に笑った。
さて不敵に笑ってばかりの彼女であったが、実際の所何かを企んでいる訳でもなくなんとなく笑っているだけで。
買い物袋に丁寧に購入した商品を詰め込むと、女性の宣言通り裏へと堂々と歩いてきた。
目に溢れる闘気、纏う戦意、言葉で語らずとも分かるだろう――――逃げるつもりなど、微塵もなく。
己を最強だと信じているのならば、どのような敵が相手でも逃走などという思考が生まれる余地は欠片足りとも存在しない。
さあ、いつでも始められる――――とおもいきやスーパーの裏に立てかけるように、そっと袋を地面に置く。
まあ卵が入っていたし仕方がない。帰って卵割れてたら萎えるのは確実なのだ。
988 :ダリア [saga]:2015/04/08(水) 22:16:41.80 ID:Daen8oGWo
>>985
恐る恐ると伸ばされる手、水月の手がダリアの手を握りしめる前に、ダリアがその手を握りしめた。
血に塗れた、罪に塗れているだろうその小さな手は、今は屠ること、傷つけること、断ち切る事ではなく、繋ぐために使われていた。
ガスマスクの目の部分を守るガラスの奥の、銀の瞳。澄み切った双眸は、この距離まで近づいてしまえば見えないということはないだろう。
とても強い、優しい輝きを宿す瞳が、まっすぐに水月を見ていた。その顔を、その姿を決して忘れることの無いように。

「えへ。暖かいね」

防弾ガラス越しの瞳が細められる。ぐにぐにと握った相手の手に力を入れたり離したり。
そして、相手から投げかけられたお願いのような言葉。それに少女は目をまんまるにして驚いた様子、そして目を細めて困ったように頭を振る。

「えっとね。駄目だね。うん、だって殺そうとしてくるんだから、殺す気じゃないとボクも殺されちゃうし。
でもね、ボクは殺そうとしてくる人以外は殺さないんだ。確かに色んな人に怪我させたり怪我させられたりしたけど。
ボクは、ボクから人を殺したことだけはないんだ。ホントだよ?」

たしかにこの少女は人を殺す、そして人を襲う。
だが、この少女は相手が己を殺そうとしない限りは、相手を殺さない。何故か。

「だって。殺しちゃったら、ボクの事忘れられちゃうからさ」

単純に、己を知るものがこの世から一人減るから。己が居たという証拠が人間ひとり分消えてしまうから。
人殺しが悪いことだとか、殺さない覚悟とかそういう一般的な事情からかけ離れた理由を根幹とした、消極的不殺。
それでも。少なくとも、この少女が無差別な殺人鬼ではないということは、これまでの会話を通じて水月にも理解できたかもしれない。

「水月。うん、水月ね。覚えたよ。えっと。漢字勉強中なんだけど、どうやって書くの?
あ、ボクの名前はね。なんて書くのか分かんないんだよね。ただダリアって呼ばれてるだけだから。」

相手の名前を聞いて、相手の顔を見ながら、下の名を二度反復した。
嬉しそうに、少し強く相手の手を握り、どうやら語学の勉強をしているらしい少女は、水月の名をどう書くかに関心を向けるのだった。
この異常な事態の中で、しかし少女の纏う雰囲気だけは、どこまでも普通な、歳相応の少女らしいそれだったろう。
989 :上田美奈 :2015/04/08(水) 22:17:42.09 ID:sqFrcsxqO
>>986
「一切目視しないで打ち込んじゃいましたから……」

【このピントのずれっぷりは間違いなく魔法少女である】
【その中でもかけら回復だけではなく、魔法による自己回復も高いタイプのソレ】
【ダメージにたいして無頓着というか、死ななければ治せばいいか的な……】

「あ……」

【意外なほどあっさりと振り子を掴み、しかも手繰り寄せも可能でした】
【ただ、手繰り寄せた直後に、魔翌力で編まれた糸がふわっと消えてしまいます】
【手元に残った先端部分は、映画館とかに売ってそうなただのキーホルダー】
【そして、取られたとわかった瞬間に、ミナの逆手にもう一つ、全く同じペンデュラム】
【複製品の紐が一気に伸びてくるくるっと螺旋を作り、拘束魔法が発動します】
【この魔具、どうやらいろいろな特性がある様子】
990 :ヘレネ=ザルヴァートル=ノイスシュタイン [saga]:2015/04/08(水) 22:29:02.57 ID:f7d/d/A5O
>>971
考え事をしているうちに、雲が空を分厚く覆い始めた。
曇天の空は、たちまち雫を降らす。たちまちのうちに、驟雨が降り始めた。

「雨――――――――チッ、傘なんて持ってきてねーよ。なんなの?私という存在がありながら雨を降らすとかふざけんじゃねぇよぉー…あー、ムカつく…」

自分という存在がありながら―――――抗えない自然の摂理にまで文句を付けるヘレネ。
生憎と傘なんて持ってきていない。このままではずぶ濡れになってしまう、もう少し長居する必要がありそうだ。
嗚呼、イライラする――――――――苛立ちが更に増してきた。その気になれば、この喫茶店ごと吹き飛ばしてしまいたいくらいに。

と、そこに来訪者。それもずぶ濡れの。

(は?舐めてんの?私がイライラしてるところに更に燃料投下するようなもんだよ?いくらお淑やかな黒百合学園生だからってやって良い事と悪い事あるよ?)

一瞬、むっと顔を曇らせる。しかし、ヘレネは少女のあるところに気付いた。
彼女の骨盤に刻まれた印―――――それは見覚えのある、いや、もう既に気付いている。
自分と同じものだった。その印は。幸か不幸か、どちらにせよ因果に弄ばれた呪い子の証そのもの―――――

「どうぞ遠慮せずに、お座りください。ずぶ濡れですが、大丈夫ですか?」

なんでそう思ったかはよく分からない。だが、こいつは使えると、ヘレネは直感的に思った。
いつもの仮面を、柔らかな笑みと声をつけて、少女に座るよう勧める。
991 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/08(水) 22:32:30.38 ID:JlZQlPOX0
>>989

相手ごと手前に引き寄せようとさらに力を込めた途端、不意に指先から手応えが消える。

「おわぁっ!?」

何せ腕を振り切った姿勢だったから堪らない。勢い余って後ろへ崩れる体勢。
泳ぐ視界の隅をするすると伸びる細い何か。それが今まで掴んでいた筈の糸だと気付くより早く。
長く伸びた魔力の捕縄が、腕を、脚を、身体を次々絡め取っていく。
そうして気を付けの姿勢で再びどうと倒れ込む新野。喧嘩っ早い割に、文字通り搦め手には弱かった。

「テメ……なにしやがる!」

唯一自由な首だけ動かして、なけなしの抗議。一発ぶん殴ってやろうと思ったのに、それどころか更に追い込まれる始末。
三白眼は怒りに燃えているが、其処には同量の不安の色も。自業自得とはいえ、魔具も無い状況としてはかなりの窮地なのである。
992 :北条 豊穣(ハーベスト) [sage saga]:2015/04/08(水) 22:34:45.10 ID:SvtUBnGEo
>>987

「ほーん☆ ハベ子ちゃんそういうの嫌いじゃねーぞオイ♪ 我が道を往く――――っての? いい考えしてんねぇ☆」
「……で? そう言っちゃうってことは張るんだろ☆ お互いの願いの元……欠片を賭けて」

「正直黒百合舐めてた♪ でも改めるわ☆ タイマンを気前よく買ってくれる乙女もいるんだって分かったら、舐めちゃいけねぇよなぁ☆」
「――――ってことで、結界張るゾ〜☆ そんで……マジカルラブリーチェェェェェンジ!!!!!!!!!!」

もやしの壁に守られた卵はそう簡単には割れないが、彼女も隅の方にマイバッグを置いて、そこから5m程離れてから言葉を飛ばす。
自分の想いを正直に。黒百合を舐めてたことも、眼前のお嬢様を見てその考えを改めたことも。そして相手にとって不足無しということも。
ひらひらキラキラの格好に似合わぬパワフルボイスで叫ぶと、彼女の身体が光り――――辺りが結界で包まれた。

元々魔法少女らしいラブリー&キュートな格好だ。変身すれば余計に磨きがかかる――――なんて思うのが、普通。
だがハベ子ちゃんは普通じゃない。まず普通のヤツがそんな格好しない。魔法少女としてのコスチュームは、普通から更に逸脱した――――
ピンク色の長袖ブルゾンとカーゴパンツの、所謂農作業服。背中には赤い刺繍で「愛」の文字。魔法少女とはかけ離れた、イモ臭い姿。
それでも、そんな格好でどっしりと腕組をして構える姿はどこか男らしく、堂々としていた。
993 :上田美奈 :2015/04/08(水) 22:40:11.81 ID:sqFrcsxqO
>>991
「いやほら、こっちから誤射したとはいえ、さすがに怖いですし!?」

【外見だけなら人畜無害系な自分に対して、不良イメージな長ランに怖いマスクです】
【じょしちゅーがくせーから見たら、それはもうビビりますよ】
【対抗手段があれば思わず使ってしまうくらいには、怖いです】

「とりあえず治しますので少々お待ちを」

【拘束そのままというか、効果範囲は拘束範囲】
【有線で使う回復魔法ということらしいです】
【ぐるぐる巻き状態でほわーっと光るので見た目はかなりシュールだけど効果は折り紙つき】
【ところでただのキーホルダーが武器って、不良さん的にはどうなんでしょう】
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/04/08(水) 22:44:46.52 ID:s8a4Mlsr0
>>988
銀の双眸はガラス玉みたく透き通っているようにすらみえて、ぐにぐにと差し出してを弄ぶ様は子供そのままだ。

「―――うん。」

温かいと感じたのは自分も同じだった。うなずくその声からは恐怖が幾分か薄れていて。
ただ、それでもやはりすんなりとお願いは通ることはなく

「あー……うー……でも[ピーーー]のは……」

次に困り顔を見せたのは水月。癖の付いたショートヘアをわしゃわしゃとかき乱しながら、言葉に詰まっている。
殺しに来てる相手に対して、手を抜いて撃退しろと、自分の言ってることはこういう事。
そんなことをしていれば殺されてしまうだろうし、でもやっぱり[ピーーー]のはダメだし
ダリアが無差別殺人者じゃなのはわかった。悪意がない少女なのもわかった。
けど、でも、正当防衛だとしても、[ピーーー]という行為はどうしても受け入れられない。

「……じゃ、じゃあ!
 ダリアが誰かに襲われたら、僕も手伝うからさ。2人でなら襲われても何とかなると思うし……」

と、口から出たのは無茶苦茶な案、だが、[ピーーー]のを見過ごしてしまうよりはいいか。
実現できるかはひとまず置いておいて、ダリアだって[ピーーー]という道はなるべく避けたいはず。
悪くない提案、ではあるはず。実現できるかは置いておいて

「あ、うん。お水の水に、その次が―――」

と言って自分の名前の説明を始めた。怯えも恐怖もそこにはもうなく
血塗れの少女と、血塗れの路地裏で血塗れの授業。
鉄の匂いにも、この光景にも若干慣れてしまった自分が少し恐い。
ダリアのことがわかったとしても、こんな風に慣れてしまう自分もまた割りとおかしいほうなのかもしれない、と水月は一人苦笑した。
995 :水無月 水月 [saga]:2015/04/08(水) 22:48:05.21 ID:s8a4Mlsr0
銀の双眸はガラス玉みたく透き通っているようにすらみえて、ぐにぐにと差し出してを弄ぶ様は子供そのままだ。

「―――うん。」

温かいと感じたのは自分も同じだった。うなずくその声からは恐怖が幾分か薄れていて。
ただ、それでもやはりすんなりとお願いは通ることはなく

「あー……うー……でも殺すのは……」

次に困り顔を見せたのは水月。癖の付いたショートヘアをわしゃわしゃとかき乱しながら、言葉に詰まっている。
殺しに来てる相手に対して、手を抜いて撃退しろと、自分の言ってることはこういう事。
そんなことをしていれば殺されてしまうだろうし、でもやっぱり殺すのはダメだし
ダリアが無差別殺人者じゃなのはわかった。悪意がない少女なのもわかった。
けど、でも、正当防衛だとしても、殺すという行為はどうしても受け入れられない。

「……じゃ、じゃあ!
 ダリアが誰かに襲われたら、僕も手伝うからさ。2人でなら襲われても何とかなると思うし……」

と、口から出たのは無茶苦茶な案、だが、殺すのを見過ごしてしまうよりはいいか。
実現できるかはひとまず置いておいて、ダリアだって殺すという道はなるべく避けたいはず。
悪くない提案、ではあるはず。実現できるかは置いておいて

「あ、うん。お水の水に、その次が―――」

と言って自分の名前の説明を始めた。怯えも恐怖もそこにはもうなく
血塗れの少女と、血塗れの路地裏で血塗れの授業。
鉄の匂いにも、この光景にも若干慣れてしまった自分が少し恐い。
ダリアのことがわかったとしても、こんな風に慣れてしまう自分もまた割りとおかしいほうなのかもしれない、と水月は一人苦笑した。

//saga忘れ修正です!
996 :九条院永麗奈 [sagesaga]:2015/04/08(水) 22:50:54.72 ID:4RJghvRpo
>>992

「構いませんわ――――元より、こんな石ころにかけられるような安っぽい願い、持ち合わせてないですもの」

星のかけら――己が願いを叶えるために魔法少女達が欲する、奇跡の結晶。
永麗奈は躊躇いなく賭け、同時に其のような物に価値はないとまで断言した――彼女が求めるのは、其のような物ではなく。
ただ己が最強であると証明すること、そして己が誰よりも優れていると確信すること。其れ等を星のかけらの力によって叶えるのはナンセンスだと言わざるをえない。

「ふふっ、そう思って頂けたのなら何よりですわ――――相手にとって不足なし、といった所かしら」
「ならばわたくしも遠慮などせず、全力で行かせてもらいますわ――――――――ッ!!」

結界が張られ相手が変身すると同時、永麗奈もまた其の身に満ちた魔力で自らのコスチュームを編み、魔法少女へと存在を書き換える。
白を基調に所々に赤色の装飾をあしらったミニドレス、その上から羽織った革ジャン。
白のロンググローブとニーソックス――ベルトやチェーンを巻き厳つさを増させたエンジニアブーツが極めて異質な空気を纏っていた。
お嬢様然とした姿に相反する性質を秘めたジャケットやチェーン、そしてベルト。
其れは黒百合に通いながらも異様な己を隠そうともせず捨てもしない、九条院永麗奈を象徴するかのような格好だった。

「ふぅん……中々やりそうですわね。嫌いじゃないですわ」

相手の格好を見て一言、彼女はそう漏らした。冗談などではなく、割りと真面目な顔での一言である。
それなりに多くの魔法少女を見てきたが、其の中でも彼女は明らかに周りとは一線を画していると言わざるをえないだろう。
ふりふりとしてきらきらとしたコスチューム、魔法少女の多くがそんな衣服を身に纏い戦場を駆け抜ける。
だが彼女はどうだ。農作業服、まず普通の女子はそんな物は着ない――――だからこそ、堂々とした其の佇まいがより強調される。
其処らにいる量産型≠ネどよりよっぽど好ましいではないか。ああ、やはり特売日は素晴らしい。

「黒百合学院三年、九条院永麗奈――――ですわ。星のかけらに賭ける願い事はありません」
「わたくしの願いは 最 強 ≠ナ在り続けること――――――――ほら、せっかくのタイマンですもの」
「格好良く名乗りを上げてくださるかしら。それとも其の程度すら理解できない無粋な輩では無いのでしょう?」

戦って勝つ、其れは勿論大切なことだが、其れはあくまで自分の定めた規則に則って勝った場合のみ。
そして彼女が彼女自身に定めた規則の一つが、名前を名乗ること。此れは魔法少女として、そして此の地で戦う一人の戦士としての礼儀であり。
其の程度すら守れない人間に出す本気など無いと彼女は考えていた――――さて、乗ってくるだろうか。
997 :四ノ宮亜久里 [saga]:2015/04/08(水) 22:51:29.83 ID:ox5mM3N+O
>>990

「あ、すいません。 いやぁ、いきなり降ってきたもんで……」

ニコニコと笑顔を浮かべながら申し訳なさそうにヘレネの前の席へと腰を下ろす。
勿論申し訳なさは建前で亜久里の心情は時間を潰せる席を確保してラッキーという都合のいいものだが────。
椅子に座るとまだ少し濡れているスカートが妙に生暖かったことに若干気持ち悪さを覚えながらも柔らかな物言いと笑顔を浮かべるヘレネへと視線を向ける。
目の前に座り始めて気付いたことだが、ヘレネからは何か違和感を感じた。
元々生徒会長という立場の人である亜久里は、数多くの在校生と触れ合いその都度表情を見てきた。
ゆえに、今対話している人間の表情からその人の内面と外面が違っていると若干の不信感に近い違和感を感じたりするのだが、ヘレネからは微かに其れを探知したのだ。
だが、所詮は"勘"の様なものなのであまりあてにはしない亜久里は特に気にすることも無くメニューから適当に珈琲を頼むだけだった。

「ところで──……その制服はもしかして黒百合の方……だったりします?」

以前一姫という魔法少女から街を脅かす魔法少女の存在を聞いた。
その魔法少女達は組織の様なものを結成し、魔法少女を狩るらしいが。
────黒百合。
その内の一つにその名があると一姫は警告してくれた。
目の前にいる彼女が魔法少女とはまだ分からないにしろ黒百合と何か接点があれば後々そういった場面で役立つと思い、ヘレネが黒百合と分かりきった上でそう質問した。
998 :新野 角武 [sage saga]:2015/04/08(水) 22:53:10.68 ID:JlZQlPOX0
>>993

向こうから正論が飛んでくるが、今の状況を改善する架け橋にはなりはしない。
寧ろ新野にとっては益々不快の種でしかなく。自分より年下に凹まされ、捕えられ、治療される。至極惨めな気分だ。
見下ろすと身体がぼうっと光っている。なんだかホタルになったみたいで余計にかっこ悪い。

「……いや、もういいし」
「早く放せよ、そうしたら――――」

拳固一発で済ませてやらんでもない、という後半部分は呑み込んでおく。
施される治癒魔法の温かみ、元々の頑強さと相まって細かな傷はすぐさま消え失せる。手足の痺れもすぐに収まった。
冷静さが戻ってくると、ばつが悪い顔になる。掌中に残った緑柱石でなんとか切れないかと足掻いてみたが、そう上手くいく筈も無かった。
999 :エヴァージェリン=ナイトロード :2015/04/08(水) 22:59:00.70 ID:QeWlRxTq0
【夜の帳が下りた瀬平戸市】
【しかしそれでも街のどこかでは未だ喧騒に包まれていて】
【誰かが戦闘をしていたりするのだろう】
【そんな夜に黒百合学園の制服を纏った彼女ーーエヴァージェリン=ナイトロードは戦っていた】

ちッ…折角の桜が台無しだ……

【場所は公園】
【夜桜でも見ようと手頃な公園に行ってみればそこには桜の魔翌力に魅せられたのか数匹の虫型クリーチャーという先客が居た】
【数は三匹と少なくその内二匹は既に倒していた】
【周囲には結界が張られており、結界内は少しばかり冷気に包まれていた】

しつこい奴だ……
しつこい男は女に嫌われるぞ…!

【相手が雄か雌かは分からないがそんなことを口走りながらなお攻防は続く】
【しかしやはりナイトロードの方が現状は優勢】
【何かが起こらない限りじきに勝負はつくだろう】
【そう、何かがーー】
1000 :ダリア [saga]:2015/04/08(水) 22:59:59.26 ID:Daen8oGWo
>>994,995
「うん、と。ボクが殺されそうになった時に、水月が居てくれたなら。
その時だけは殺さないでみる。でも、それでも駄目なら殺しちゃうけど。それは仕方ないもんね」

水月のむちゃくちゃな案。だが、ダリアはダリアなりに、相手のその思いを酌む返答を口にする。
一人の以外なら、水月が居る時だけなら、それでも駄目な時以外なら。彼女はきっと、人を殺さないだろう。
ダリアは素直な少女だ。確かに人を殺すが、人を殺すのは好きではない。だから、妥協できる範囲であれば、人を殺さない選択肢を選ぶのは当然の帰結といえた。

「お水が無くてー、それで月で。また、お水の月なんだね。
なんか、頭痛が痛い、みたいな感じ? 水月、面白いね」

ふんふんと、小刻みに顔を縦に振りながら、少女は楽しそうに相手の名前の文字がどういう意味を持つかを理解していく。
そして、出した結論は頭痛が痛いと同じというもの。
綺麗な、雅な名前だというのに、海外育ちで侘び寂びやらわさびよりハンバーガーが好きな少女にとっては、そんなことは知ったこっちゃなかったようだ。

「あ、ボクそういえばダリアはダリアなんだけど。リングネームだと切断ダリアって呼ばれてるんだよね。
良く路地で試合やってるから、良かったら今度見に来てよ、水月。ボク話ししておくから、観戦でも参戦でもどっちでも良いよ!
これ、魔力通すと試合の場所とか時間教えてくれるからさ!」

ふと思い出したように、少女は己のスーツの懐から一枚の名刺のような紙片を取り出した。
何も書かれていない真っ黒な紙。しかし、それは魔力を通すことで、あぶり出しのように赤黒い光で文字を浮かび上がらせる。
魔法少女と、それに関わる者達が作り上げた、現代のコロッセオ。普通の格闘技では満足できなくなった異常者達、各々の目的の為に星のかけらを集める少女達。
彼らの利害が生み出したのは、スポットライトの元の華々しい戦いではなく、血で血を洗い、下へ下へと潜っていく蠱毒の様相。
そして、そこに所属する少女は、根っからの親愛の情を向けて、そこへと一人の少女を誘い込まんと、手を親しげに差し出すのである。
1001 :1001 :Over 1000 Thread

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