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【霜を履みて】能力者スレ【堅氷至る】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/09/10(木) 21:21:33.31 ID:nBl/T5RT0
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。


無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。


【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】 


【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。
・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・新規の方から「誰が誰だかわからない」等の要望があったため、議論の結果コテハンは「推奨」となりました。強制ではありませんが、一考をお願いします
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。
・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

 勝手に世界を氷河期などにはしないように。
・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1437579842/
wiki  【http://www53.atwiki.jp/nrks/
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/09/12(土) 01:36:15.48 ID:Olns9+SK0
>>1乙!

>>前1000

――――悪事に、『信念』などと言う言葉を使うかぁッ!!
(そんなもの……諸共叩き潰してやる!!)

【力の入らなくなった右腕の激痛に歯を食いしばりながら、青年は魔力をただ叩きつける】
【その中で聞こえてきた少年の言葉に、否定の怒号を飛ばしながら、光に飲み込んだ顛末を見届ける】
【――――「悪を、絶対に許さず、必ず殲滅する」。『信念』を言うならば、青年にもそうした信念があった】
【それ故の、己の身を顧みないこの戦い方だったのである】

ぅ、あ……っ、っう……!
……信念を失い、薄汚れた大人であっても……っ、それが……罪なく生きてる限りは…………殺す事を、許したりは……しないぞ……!
幾ら、萎れた生き方をしていても……それを、意味なく潰す事は…………俺が、許さん……!

――――っぐ…………覚えておけ、ミシェル!!
……トライデント=コーザー=ヴァーミリオン…………いずれ、俺が……お前らの様な連中を、根こそぎ殺し尽くしてやるとなぁッ!!

【肩の銃創、そしてズタズタになった腕に思わず呻きながらも、青年――――トライデントは、少年――――ミシェルに、思いの丈をぶつける】
【悪は、絶対に許さない。苦悶の内に、激しい殺意を秘めた瞳を覗かせながら、彼は叫ぶ】
【己の身を襲う激烈な苦痛をも、諸共かなぐり捨てて叩きつけるように、彼は叫ぶ】
【――――自分は、生半に止まる事は絶対にないのだ、と――――】

【喧騒が途絶え、静寂に包まれる路地裏】
【トライデントは、壁に身体を預けてしばし傷に呻いていたが、やがてある程度呼吸が落ち着くと、フラフラと身体を起こす】
【そして、傍らの死体を一瞥すると、自らもまた、闇の中に身を溶かし、その場から立ち去った――――】

/乙でしたー!
3 :黄春燕 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/12(土) 15:44:35.56 ID:fHeZUwfC0
>>994

【鈴音は子供達の事をこんなに考えている。ただ料理を作って食べさせるだけじゃなくて】
【子供たちに立場に立って、今はどうすればいいか、なにが必要かを緻密に考えている。】
【人間の気持ちは、同じ経験をしなければ分からないことが多い。きっと鈴音には分かっているのだろう】
【路地裏の子供たちがどんな気持ちなのか、何を欲しがっているのか……彼女だからこそ分かるのだろう】
【抱いた想いを少し恥ずかしそうに笑って語る鈴音の横顔が、なんだかとても温かいようなものに思えた】

【……腹の虫はばっちり鈴音にも聞こえたらしい。余計に恥ずかしくて頬を赤く染めるけれど】
【そのあとに続く鈴音の言葉には、驚いたように声を上げる】

えっ、……いいノ?急に家に上がったりして迷惑じゃなイ?……なら、お言葉に甘えまス!
えっと……私は鈴音の作るお料理が食べたいナ。きっと、レストランの料理よりも美味しいと思うカラ。
ペット?うん、そんなのぜんぜん問題ないヨ。家で飼えるなら、そんなに危ないものでもないだろうシ……

【誘われたのは、鈴音の家。一緒にご飯を―なんて、もしくは近くのレストランでも良いと告げられて】

【美味しいお店も魅力的だった。きっと評判のいいレストランで食べる味は美味しいのだろう……けれど】
【子供たちの飢えた心を満たす鈴音の温かい味が、レストランの料理よりももっと魅力的に感じたから】
【勿論、鈴音の家に遊びに行けるのなら断る理由はない。鈴音のお誘いに嬉しそうにはにかみながら頷く】
【ペットに関しても問題なかった。そもそも春燕は生き物が嫌いじゃないし、ペットなら怖い生き物でもないだろう】
【せいぜい変わった爬虫類とかその辺りかと想定していた。まさかドラゴンがいるなんて事は夢にも思わず……】

【それからは、鈴音に従うだろう。手を握れというなら握るし、何か必要なことがあればその通りにする】
【転移魔術なんてものは初めての経験で、急に場所が変わるってどんな気分なのかなーなんて思いながら―――】


//お返ししておきます!
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/09/12(土) 20:13:13.49 ID:F80jQY4to
>>1


【とある図書館――既に閉館時間を過ぎたはずのその入口の門を飛び越え出てきたのは一つの影】

「さァて……こォーんなとォころか」

【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

「禁止図書を通ォーり越し封ゥ印さァれてるのは勿体無ェ」
「まァー、使うか使わねェかは後で決ィめる……、仮に後者だァとしィても裏に流せば良ォい話だ」

【男が抱えているのは何冊かの本。といっても、どれも見たこともないような表紙なので……まあ、市販されてないかされててもマイナーだったか】
【そのうえ、雰囲気が――なんというか、ワケありに感じるというか。……いや、それはデザインの問題ではない】

【この辺りは図書館が閉まると一気に閑散とする場所故に、誰も見ていない――そう、盗人は思っていた】
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/12(土) 20:52:03.95 ID:4oEYZX+S0
>>1乙ですのー

>>3

【そのうち――そうそのうち。いつかは、家族や家までも用意してあげられたら、きっといいのに。そう思うのだ】
【だけどそれはきっと難しいことで、バイト先の施設と名前と信用を借りてやるよりもずっと難しそう。だから、今出来るのは、これ】
【幸いにも料理は得意だったものだから。――もともとの動機が「おいしいものたべたい」だったとしても、料理は料理だし】

……うん、いいの。へびさまが居ると思うけど――、気にしないで、悪いひとじゃないから。
ペットも……――うん、まだ子供だから大丈夫だと思うの。ちゃんとしつけしてあるし、噛んだりしないと思う。
でも何かあったらすぐに言ってね、……ええと、じゃあ。

【彼女にしてみればペットだから、たいして危険だという認識はないけど、それが、他人の基準に当てはめた時にどうなるのかと言えば、きっと、少し違う】
【竜だけじゃなかったりした。だから言わなかったのは彼女の落ち度だろう。大丈夫だと言われれば安心したように笑ってみせて、「かわいいんだよ」と呟き】
【そもそも"へびさま"とやらが何者だという感じもするのだが。そっちについても彼女は問題ないと思っているらしい。最後にひと口、ペットボトルのお茶を飲み】

すぐ終わるから――。

【よいしょ、と、立ち上がって。燕にも立ち上がるように促し、言う通りにしてくれれば、そのままぎゅっと手をつなぎ】
【はらりと落剝するような魔力片が二人のまわりに舞う、それらが、ぼうと光を放って――刹那、びっしりと書き込まれた魔術式が浮かび上がり】
【しかしだからと言って読むなんて悠長なことは許されない。次の瞬間には景色も匂いも温度さえ変わり、まるで別の場所なのだと理解させる】

……えっと、ここがわたしのお家なの。

【そうして目の前に広がるのは大きな洋館の光景。とはいえ貴族めいたものではなく】
【それでも庭はある程度広くていろんな植物が植えられている。――と、その庭、ぽつんと置かれたささやかな洋風の東屋の】
【その椅子のところに、鳥が一羽止まっていて。鮮やかな紫の羽色の鳥――それも既存のどの種にも当てはまらない、鷹か鷲のように大きなもの】

【だけど彼女はそれを気にもしないから、よく遊びに来る鳥なのかもしれない。「とりあえず上がって」と誘って、燕を家の中へ誘うのだろう――】
【そのまま踏み込めば、中は見た目の洋館らしさの通り、調度品もアンティークものでまとめられていて。ただところどころにぬいぐるみが置いてあったのが、】
【ちょっとした特徴だった。そして彼女はそのぬいぐるみ「ただいま」とか言っているから、――まあ、彼女の趣味だともすぐに知れて】
6 :黄春燕 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/12(土) 21:20:11.86 ID:fHeZUwfC0
>>5

【彼女曰く、家には鈴音のほかにもう一人誰かが住んでいるらしい。へびさまって名前の人なのかな】
【へびなのかひとなのか、言葉だけ聞けばどっちか分からなくって少し混乱してしまうけれど……】
【ペットの他に同居人もいるなら、賑やかな家なのだろう。自分の家はいつも一人だから少し羨ましくもあり】
【同時に、鈴音がどんな人と一緒に住んでいるのか興味もあったり。怖い人じゃなきゃいいのだけれど】

【ともかく、転移するとなれば春燕も立ち上がる。そのまま差し出された手をぎゅっと握って】
【そこからは、鈴音の魔術をただ眺めるだけ。綺麗な光がはらりと舞う魔方陣が、何とも美しく】
【……かといって、見とれる間も無く。気が付けば其処は、もうすっかり別世界だった】

わぁ、……ここが鈴音の家――――すごく大きイ……

【目の前にどーんと立つ大きな洋館は、自分の家である簡素なワンルームのアパートとは大違い】
【その大きさに呆気にとられて、驚いたような表情で家を見上げる春燕。「こんなに大きいなんテ……」と呟いて】
【庭に目を向けると、其処には日の昇らない夜の国にもかかわらず植物も多く育っている】
【きっと中には珍しい品種もあるのだろう。ガーデニングも彼女の趣味なのだろうか?】

【促されるままに「おじゃましまス」と一声掛けて中に上がると、お洒落な家具の数々の中に】
【たくさん置かれているぬいぐるみは、きっと鈴音の趣味だろう。可愛らしい雰囲気が、洋館のアクセントになっている】

【春燕は鈴音の案内通りに付いて行くだろう。なにせ広い洋館だから、一人で歩いたら迷いそうだもの……】
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/12(土) 21:24:06.15 ID:drHYU0cno
>>1乙ですー

【潮風が香る閑散とした海辺にて】
【一人の水兵が訓練をしていた】
【とは言え、練習相手などいないのであるが】

ふっ・・・、と!!

【息を吐きだすと同時にその手から3つ、微光を放つ刃が放たれる】
【その刃は一直線上に飛び、やがて地面に当たり消滅した】

はぁ、まだ飛距離が全然足りないなぁ・・・。
腕の振りを変えたらいいのかな?

【そして水兵は再び練習に耽るのであるが】
【誰かこの砂浜にくるものがいれば練習をやめて振り向くかもしれない】
【話しかけられれば尚更のことだが】

//予約です
8 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/12(土) 21:38:46.86 ID:KKVIHYM/0
>>7

【火の国へ行く途中の浜辺。小さな影が歩いている】
【長い金髪のツーサイドアップに、丈長の外套とキュロットスカート。目は藍色であるが、この遠さで視認するのは恐らく難しいであろう】
【背中に背負う鞄が足踏みに合わせて揺れ、鞄が何故か被っている帽子も暇そうに揺れる】

あれ……?
こんな、ところ、に……人?

【その影もやや遠い。歩く影が砂浜の人影に近づく。それで漸くお互いの姿がはっきり映る】
【鞄を背負う影は小柄な少女。砂浜の人影は服装が水兵のものだと判明する】
【水兵は、刀を所持しており……時折魔力の燐光が踊る】

お、おーい……

【少女は水兵に声をかける。魔力を扱う人間、もしかすると何かの手掛かりになるかと淡い期待を寄せる】
【ただし、返事をされると少女は硬直するかもしれない。気づかないのを前提にした挨拶の先には『何もない』】

【リードするチャンスとも言うかもしれない】

/改めて、よろしくお願いします
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/12(土) 21:46:50.13 ID:drHYU0cno
>>8

【練習の最中、水兵はかすかな言葉を聞き取った】
【砂浜が静かだったこともあろうか】

あれ?
夜にこんなところに来る人って珍しいんだけどな・・・?

【人影を視認すると、水兵はその人影の元へと歩み寄っていく】
【だんだんとその距離は狭まっていき】
【そして人影が少女と認識できた段階で】

私のこと、呼んだかな?

【水兵はにこやかな顔をして応じるが】
【相手の少女からしたらどう思われるか、なんてものは考えてすらいない】
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/12(土) 21:53:42.74 ID:4oEYZX+S0
>>6

友達が使わないからって貸してくれたの。お金払うって言ってるんだけど、受け取ってくれなくって……。

【呟く燕を横目で見ながら、彼女はそんな風に説明する。その目は不思議と東屋で止まる紫の鳥になぜか向いていたけれど――】
【ふうと小さくため息を吐いて鳥から視線を逸らした。それで、古びた木の扉を開けて。鍵もひどく古くって、なんとも味があり】
【「ちょっと立て付けが悪いんだけど――」なんて居って、押し開ける。開ければ、先に燕を招いてやって。入れば、自分も遅れて入り】

【洋館だのに、彼女はぺいと靴を脱いで。い草で編んだスリッパに履き替える。それから燕の分もスリッパを出して】

使ってない部屋もたくさんあるの、ぬいぐるみだけの部屋とか、そういうのもあるけど……。
だから夜の国に来たときは遊びに来て、いつでも大丈夫だから――あ、でも、お仕事の時には居ないけど。
そしたらへびさまと二人きりになっちゃうね、あのひと、あんまり、わたし以外のひととはおはなししないから……。

【ぺたぺたと歩きながらそんな風に話す。やがて案内するのはひとつの部屋で。電気をつければぼんやりと明るく照らし出すのは】
【大きな机がある部屋。それから暖炉があって、椅子にはぬいぐるみが座っていて――、壁にはスターチスのドライフラワーが飾られていたりして】

すぐにご飯作ってくるね、ここで待っててもらって……、あ、でも、なんにもなくて退屈だったら、リビングでも大丈夫だよ。
……そっちで食べようか? ここ、なんにもないもんね。普段はここ使ってるんだけど、テレビ見たいときとかは、そっちで食べることもあるし――。

【数歩入ってそんなことを言うのだが、すぐに自分の言葉を撤回する。せっかくのお客様だから、にぎやかな部屋のほうがいいだろう、と思い直して】
【こっちこっちと手招きしながら部屋を出る、それで、今度はリビングに案内するのだろう――、そこは、さっきの部屋よりもいくらも生活感があり】
【こちらにも暖炉があって。他にはソファやテーブル、またぬいぐるみ、ソファには黒い身体の竜のぬいぐるみも横たわっていて――、】

ここで待ってて。本とかは読んでも大丈夫、ぬいぐるみも、いじって平気――、あ、寝てるけど、炎(えん)ちゃんも遊んで大丈夫だよ。
檻の中の子は……、えっと、兎は外に出しても大丈夫。下の檻の子は、ちょっと出さないでほしいな――、

【「危ないから」】
【告げたことで問題なければ、彼女は部屋から出て行くのだろう。つまり部屋の中の物は自由にしてもいいが、檻に入れられたペットの、下段の子にはかまうなと言って】
【とりあえず室内の隅っこに檻が見えた。覗きこんでみれば、そこには言葉通りに兎が干し草を食んでいたのだが――なんだかその兎には角があり】
【下段を覗きこめば、今度は鶏――? なんて思えば、にょろりと尾がある。というか、お尻から、蛇が生えていて。二つの頭が燕を見つめることになる】
【そして「炎ちゃん」と言うのは、ベッドに転がっていてた竜のぬいぐるみ――じゃなくてリアルな仔竜。だけどあんまりに熟睡しているから、ぬいぐるみと見間違えそうで】
【もしかしたら急に動いて驚かせるかもしれない。――ペットの面子が濃いのを除けば、よく手入れされた綺麗な部屋だ。こちらは本物のぬいぐるみがたくさんあったけれども】

【待つ間くらいは退屈しないで過ごせそうだ。そして、何か手伝いするなんて言い出しても、「お客さんだから、ここで待ってて」と言われてしまうのだろう】

/申し訳ないです、ちょっと所用で遅れました……!
11 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/12(土) 21:58:07.80 ID:KKVIHYM/0
>>9

ひうっ……!

【少女は水兵の声を聞いて硬直する。側から見て失礼極まり無い対応であった】
【何も考えずに声をかけたなんて、今更言えない。まずすべきは……】

はい……こんにち、は
えと、片桐……木花(このか)、です

【挨拶をする。先の失礼を帳消しにする訳でなく、ようやく追いついた思考能力が初対面の人とどうしたら良いかの回答を少女に届ける】
【自己紹介はほぼ無意識に飛び出たものであった】

【その人の身なり、先程の行動を注意深く思い出そうとする。その過程で木花は水兵をじっと見る】
【何分誠実な対応をしてくれた人だ、このままなんでもないですと引き下がる訳にはいかない】
【対人恐怖を堪えて、ふと……先の燐光を思い出す。それを手掛かりにきっかけを作ろうとする】

えと、水兵……さん、は
魔術……使え、るん……で、す……か?
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/12(土) 22:07:29.57 ID:drHYU0cno
>>11

あら、そんなに怖がらなくてもいいよ?

【少女の小さな悲鳴を聞いて自分を怖がっているのかなと思ったのだが】

片桐木花さんっていうんだね。
私は荒波ナギ!水兵やってます、よろしくね。

【少女の自己紹介に応えるように水兵も自己紹介をする】
【その後、顔をじっと見られているのに気付き、何かあるのかなと思ったが】

あ、さっきのはね、魔術というより、能力って言った方が早いかな?
私はそんなに魔術は扱えないしね。

【そう言うと水兵は空中に刃を生成した】
【これをつかみ砂浜へと投げた】

私ができるのは「水造形」を作り出すこと。
それだけ、だったかな?

【少女の期待とは違った方向であったが】
【反応はいかになるのか】
13 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/12(土) 22:22:20.23 ID:KKVIHYM/0
>>12

ほわぁ……すご、い

【目の前で為された奇跡に素直な感想を漏らす。自分も同じような事を起こせるが、水ではない】
【氷や鉄の様に成形したまんまの形が維持されるのと、水成形は根本から違う】

ナギ……さん
よろしく、お願い……します

【何をではない。英語でいうNice to meet you.と同じ使われ方となった言葉。つまり挨拶を重ねる】
【続けて出る言葉は、お返し……すなわち、自分も能力者である事を告げる】

えと、能力……なら、わたし、もある……よ

……けど、水を……成形……だなんて、変わって……る、ね

【斬撃数:3→2】
【言いつつ、両手の間から真っ黒な薙刀形を呼び出す。鋒が光ると周囲に細い光る糸の様な物を巡らす】
【時折、互いにぶつかっては火花と小さくて甲高い音を鳴らす。一番短い鉄琴の叩く所のような音響】
【金属生成系の能力と気づくかどうかは、ナギの観察次第である】
14 :黄春燕 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/12(土) 22:26:05.91 ID:fHeZUwfC0
>>10

【い草のスリッパなんて、洋館に似合わずこんな所は和風だ。そういえば鈴音は櫻の国の出だったっけ】
【ぱたぱたと足音を響かせながら、鈴音の後ろにくっついて歩く。やっぱり中は広くって、迷いそう】

こんなに広くて使ってない部屋もあるなら、かくれんぼしたら楽しそうだネ……ほんと、広い家だネ。
そのへびさまって人が迷惑じゃないなら、また遊びに上がらせてもらおっかナ。

――ああ、そんなに気を使わなくても大丈夫なのニ。私からすれば、この部屋も十分なんだけド……。

【いつでも来てという鈴音の言葉に、嬉しそうに笑いながら応じて。やがて一つの部屋に案内される】
【調度品やら暖炉やら椅子やら……それにぬいぐるみや花飾りまであって、なかなかに可愛らしい部屋】
【けれど、部屋を入ってすぐに「ここは何もないからリビングに行こう」と提案されて】

【必要最低限の家具しかない春燕の部屋に比べれば、この部屋でも十分過ぎるくらいに賑やかなのだけれど……】
【でも、鈴音の好意を無碍にするのはなんだか申し訳なくて。結局春燕はリビングにまで付いて行くのだった】


ここ?―――わぁ、本物の竜ダ……!まさかペットって、この子……?
でも、まだ小っちゃくてかわいいネ。この子もいつかおっきくなるのかナ……

【リビングは、鈴音の言う通り先程よりも賑やかだった。生き物の存在感がそうさせているのだろうか】
【中でもソファに体を横たえている竜は目を引く。竜と言ってもまだ可愛らしい子供で、その上ぐっすり眠っていて】
【ぬいぐるみじゃない生きた竜だと、時折呼吸に合わせてゆっくり上下する背中が教えてくれる】
【頭を撫でるくらいは大丈夫だろうか。心地よさそうに眠っている仔に、そっと手を触れて】
【よしよしと、それこそ寝付いた子供にするような手つきで撫でてやったりして、時間を過ごすのだった】

//いえいえ、大丈夫ですよー!
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/12(土) 22:28:10.75 ID:f2ORdYuL0
【街中】
【所謂オープンカフェと呼べばいいだろうか、大分開放的な喫茶店】
【カフェと喫茶店の違いとは何なのだろうかなどという疑問も浮かぶがさておき】

【客足もまばらだが、少し異彩を放つ客が一人】

……暑さ寒さも、なんとやらとは言いますけど

【濃灰色のローブを身に纏った、子供のように(子供だが)小さく華奢な姿】
【フードを目深に被っており、その表情は容易には窺えず】
【座ってる椅子には所持品だろうか、黒塗りの飾り気のない鞘に差した刀をたてかけた】

【そんな、なんとも場違いとも言えそうなそんな存在が】


何でこんな暑いんですかっ! ――ぁぁぁ

【思わず一声。そして、テーブルにへばる】
【……一瞬店中の客や店員の視線を集めた、はた迷惑な客である】
【一応、テーブルの上にアイスコーヒーが乗ってる辺り、注文するものは注文しているようだ】
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/12(土) 22:41:25.99 ID:drHYU0cno
>>13

ふふ、こちらこそ、よろしくね。

【少し微笑んだ後、挨拶を返す】

あなたも能力者なのね。
あなたの能力って・・・、召喚系かしら?

【両手の間に出現した黒い薙刀】
【そして鋒が光った際に出現した光る糸のようなもの】
【以上の点から判断したが、思い違いをしているようだ】

ふふ、そうかしら?
私はこの能力、すごく便利と思っているわよ。

【いかにも自身がありそうな表情をしながら言う】

【それから、ナギは木花に切り出した】

互いに能力者だったわけだし・・・。
模擬戦なんてどうかしら?

【断ってもいい、といった雰囲気で木花に提案する】
【判断は木花に委ねられるが、返答はいかに】

//次レス、少し遅れるかもしれません・・・
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/12(土) 22:54:20.16 ID:4oEYZX+S0
>>14

【そうやって撫でられる竜は、最初はおとなしく静かにしていたのだけれど、それは、ただ単に眠っていただけとも言えて】
【そのうち覚醒してきたのか、ぐうぐうと唸りだす。声は存外に低いがおとなしく柔らかく、それなら、まだ、眠たいようとぐずっているようにも見え】
【それからしばらく経ってから真っ赤な宝石のような眼を薄らとあけ、撫でる手を確認する――と、そこで、初めてそれが知らない人間だと気付いたようだ】
【ぐうっ、ぐうっ、と。鼻息荒く繰り返し鳴く。それですっかり眼をぱっちりと開けてきらきらとさせ、尾っぽをふりふり燕の匂いを嗅ごうとするだろうか?】
【放っておけばそのまま人懐っこく身体を登ろうとまでしてくるのだ。よっぽど人懐こい子なのだろう。そのまま抱いてやれば、耳元でぐううーーと嬉し気に鳴き】
【ついでにふんー、ふんー、と荒い鼻息も聞かされることになる。一方檻の中の二匹はなんともおとなしいもので、兎は時折干し草を引き抜く音だけをさせ】
【下の鶏とも蛇ともつかない――というかバジリスクの幼い個体だと思う――いきものは座り込んで静かに息をしている。仔竜だけが一人で騒がしく】

【――と、そんなとき、がちゃりと扉が開いた。けれど料理を作り終わったにしてはずっと早い、というか、早すぎる。ならば何かと思ってでも振り向けば、】
【そこには真っ白い髪を腰さえ通り越して尻辺りまで伸ばした、ひょろりと背高にもほどがあるような男――そう、男だ。そんな彼は、】
【部屋の中をろくに確認する前に「帰ったのか」なんて低く落ち着いた声で尋ねてきて――、数秒のあと、燕の姿を見て、見事に固まってしまうのだろう】

「……邪魔した」

【なんて彼は言い残して、落ち着いた仕草かつそれなりな速度で扉を閉めて、即退散。着物を着た彼が多分"へびさま"なのだろう。――とか推測出来ても】
【すごい速度で逃げて行ったのを見るに、あんまり人間慣れしていないのだろうか。だとか思っているうちに、きっと、時間は緩やかでもどんどんと過ぎて行って――】

……ごめんね、急だから、あんまり材料がなくって――。
もうちょっと何かあると思ったんだけど、……。

【――そのうち、また扉が空いて。聞こえてくる声は鈴の音の声、だから彼女だとすぐに分かる。よいしょ、と、行儀悪く足で扉を閉める手には、盆を持っていて】

そろそろ夏野菜も終わりだね、もう高くなってきちゃってるの。夜の国だと高いから、他の国でお買い物してるんだけど――。

【なんて呟きながら、燕の前にと出す。クルトンを乗せたシーザーサラダと、トマトソースを絡めたパスタの皿】
【夏野菜も――という言葉通り、パスタには茄子やズッキーニが使われているようで、あとはトマトと、ベーコンだろうか。具はたっぷりと使われていて】
【それからコンソメスープ。具は玉ねぎと分厚く角切りにしたベーコンだから、きっと彼女はベーコンを塊で買っているのだろう、とは、余談だけれど――】

【――配膳を終えれば、彼女は燕のそばでぐるぐるぐんぐんはしゃいでいる炎をきっとひょいと抱き上げて】
【「ごめんね、遊んでもらっちゃって。この子、ひと、だいすきだから――」なんて言って、燕の向かいに座るはずだった】
18 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/12(土) 22:54:34.17 ID:HEwseJcrO

>>15

 ……暑い……暑すぎる……っ。

【そこは、テラスを設えたお洒落なカフェ】
【客もそこまで多くは無く、あまりの気温に疲弊していた銀髪の少女は、滴る汗を拭うことすらせず、吸い込まれるようにそこに飛び込んだ】

 これで少しはまし……じゃないじゃないのぉ……なんでこんな暑い中、冷房無しでしかもテラス開放しちゃってるのよ!?

【しかし、そこはテラスオープンスタイルのカフェであった】
【日陰なだけ、多少ましではあるが、暑さに滅法弱い少女にはさほど変化に感じず】
【寧ろ、その若干の気温差が招く空気の流動が、肌に気持ち悪く感じた】

 大体、暦では秋のはずじゃない……あぁあ……。

【普段来ている純白のコートは椅子の背もたれにかなぐり捨てられ、取り敢えず珈琲を頼めば、その磨かれた刃物の光の様な顔に似合わず、ワイシャツの胸元で扇いだ】
【やがて、運ばれてきた珈琲を、当然冷たいと思って口に運べばーー】

 ーーなんで熱いのよぉおおおおッ!?

【さも当然のように店主は首をすくめ、少女は叫ぶ】
【周りの客の奇異な目線が痛い】

 『何でこんな暑いんですかっ! ――ぁぁぁ 』

【だがしかし、それと同時に耳に入ってきた叫びが、視線などどうでも良くさせた】
【同胞だ、同胞が居るーー!?】
【彼女は、コートを引っつかみ、ワイシャツの胸元をだらしなく開いたまま、湯気を放つ珈琲を手に立ち上がり】
【そうして、その叫源の元へと歩み寄る】
【尚、武器らしきものは携帯しておらず、代わりに脇にはノートブックが一冊挟み込まれているだけのようだ】

 ーー奇遇ね、貴方もそう思うでしょう?

【そうして彼女、時雨藍璃は、何の脈絡も無く声の発信源、小柄なシルエットのローブ姿へ声を掛けた】

/宜しくお願いします!

19 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/12(土) 22:59:01.68 ID:KKVIHYM/0
>>16

うん……いい、よ
能力、見せ合っちゃ……た、から

【なんとなく、そうなると思った……と後に続きそうな返事をする】
【よく考えれば、ナギはさっきまで刀を振り回していたではないか。状況を考えるに鍛錬中であったのだろう】
【ならば、当然の摂理。木花がいくら初対面に慣れなくても、このぐらいの想像と覚悟程度はついている】

それとね……便利、とか……じゃ、なく……て……水は、形が、無い……もの、なんだ、て

だか、ら……造形、て、言葉……が気に、な……た、の

【ある意味自明の理。聡い者か厨二病末期の患者ならば、その言動が太古の法則に由来するものだと気づくかもしれない】
【スートに聖杯を据える四大元素の水。それは、器が無い限り決まった形を持たないという性質】
【木花は自分の先の言い回しと能力の説明を省略して、ルールを尋ねる】

勝利、条件……どうしよ……か?

【木花は薙刀形を構え、何時でもバトルできる様に準備をする。鞄も地べたに置かれる】
【勝利条件の内容はナギに委ねられたのであった】

/了解です。
/無理なく、そちらのペースでお願いいたします。
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/12(土) 23:10:55.44 ID:f2ORdYuL0
>>18

【『ーーなんで熱いのよぉおおおおッ!?』 と、「暑い」と「熱い」 を取り違えて耳に届いたが】
【ともかく、ほぼ同時に聞こえた叫び声に思わず顔を少しだけ上げた】
【何か、言ってみればそう、シンパシーのような そんな何かを感じたといわんばかりに】
【フードを脱いだその顔は、少しだけ輝いていたように見えたとか何とか】


……えー、全くですよ。これでいて数日前は木枯らしでも吹いてるんじゃないかってくらい寒かったんですから……
本当どうなってるんでしょうかねまったく……

【流石に人に声をかけられてへばったままはアレだと思ったか、少しだけ体を起こして声に答える】
【その際に足元から頭の先までざっと視線でなぞってみる。特に警戒とかそういうわけではないのだが】
【ちなみに近づいてみるとよく分かるが、着ている灰色のローブには塩が浮いている……汗由来だこれ】

【ともかく、不条理な気温にぶつくさ文句を垂れた後】


で、何でホットコーヒーを持ってるのかはあえて突っ込みませんけど……
よかったら座ったらどうです?

【熱いと暑いが逆に聞こえた為に、その湯気の出てる器に多少の疑問を浮かべたものの】
【それよりも着席を促してみる。もう少し言えば、促してるのは同席か】
21 :黄春燕 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/12(土) 23:22:15.70 ID:fHeZUwfC0
>>17

【人懐っこい性格の子なのだろう。知らない人に触れられているというのに、怯えることもなく】
【それどころか好奇心旺盛に匂いを嗅いだりじゃれついてきたりと、むしろ親しみすら持っているようだ】
【ミニチュアみたいな小さな体も相まって、人懐っこく好奇心旺盛な姿が子供らしくて可愛らしい】
【ひょいと抱いてみれば、もう一度よしよしと撫でてやる。「いい子だネ」なんて、微笑みながら】
【そうやって、元気な仔竜と遊んでいると―――不意に、扉が開く。】

―――あ、お邪魔してまス。

【中から現れたのは知らない人。口ぶりから察するに、同居している人……へびさま、だっけ。その人だろう】
【自分を見るなり固まってしまった彼に、ぺこりと会釈をして。彼との邂逅は、今日はこれだけだった】
【姿を見たのはほんの数秒だけれど、綺麗な黒髪の色から黒の印象を受ける鈴音とは正反対の、白い印象の人だった】

【彼が去った後は、引き続き竜と一緒にじゃれあったりして遊んでいたけれど】
【やがて、鈴音が出来立ての料理を手に戻ってくる。ドアが開かれた途端に、ふわりと美味しそうな香りが漂って】

わぁ―――これ全部、鈴音が作ったノ?美味しそウ……!

【目の前に出された料理の数々は、見るからに美味しそうだった。パスタと、スープと、サラダ。完璧だ】
【流石に厨房を任されているだけの事はある。あんまり材料はないと言いつつ、有り合わせでこれだけ作れるなんて】
【数々の手作りの料理を前に、待ちきれないと言わんばかりに春燕の目は輝いていた―――】

【鈴音が座れば、「頂きまス!」と揃って食べ始めようとするだろう。可愛い竜の子にも少し分けてあげようとする】
【(勿論小麦は食べられないとかそういう事があるなら、やることはないが……)】

【それから、一口食べる。―――その味の感想は、幸せそうにほころぶ春燕の顔が雄弁に物語っていた】
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/12(土) 23:22:37.54 ID:drHYU0cno
>>19

そうこなくっちゃね。

【背伸びをしながら応戦の言葉に応じる】

ふふ、確かに水には形は存在しないね。
でも、私は「水を支配」できる。
ありえない話かもしれないけれど、ね。
それで、水を変形させることができるの。

【「水の主」とも言えるであろうその能力は】
【水を支配して従える、ただそれだけだ】
【だが、ナギはその器を作り出すことができるのである】

勝利条件、ね・・・。
それじゃ、どちらかがギブアップを宣言するまでにする?
木花ちゃんがそれでいいなら早速始めようか。

【木花に同意を得てから始めるつもりらしいが】
【勝利条件を変えても大丈夫という感じだ】

//お待たせいたしました!
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/09/12(土) 23:27:00.76 ID:F80jQY4to
>>4
/日付変わる前後くらいまでテキトーに待機してます
24 :時雨藍璃 [sage]:2015/09/12(土) 23:27:55.50 ID:HEwseJcrO
>>20

 そう、そう!
 朝あんまり寒いものだから、思わずコート引っ張り出したのに……気が付けばこの炎天下……っ!

【相手の文句に、思うことは同じと知ったのか、吐き出すような文句】
【別段饒舌な訳ではないのだが、この熱さ……否、暑さで少々、おかしなテンションになっているようだ】

 そのローブ……貴方もその口かしら?

【相手を知らない藍璃は、ローブを防寒着であると考え、そして表面に浮かぶ塩分を見て苦笑を浮かべた】
【これだけの暑さだ、仕方がない】

 暑いものね……取り敢えず、貴方も脱いだらどうかしら?
 多少はマシになると思うけれども。

【相手の全身を軽く観察し、その姿に暑苦しさを感じたからーーとは言えず、というよりホットコーヒーを持っている彼女にそれを言う権利は無い】

 ああ、これは珈琲を頼んだらホットで出てきてしまって……言葉は省略しちゃあ駄目ね。
 では、お言葉に甘えて座らせて頂きます……相席、よろしいかしら?

【相手が着席を勧めてくれた為、そのテーブルにノートを置いて、しかし念の為相席の許可を取る】
【どうやら、少々慎重な性格であるらしい】

 おっと、自己紹介もせずに失礼しました……。
 ーー私は時雨藍璃。旅する、ただのしがない吟遊詩人です。

【ーー慎重な性格であるらしい】
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/12(土) 23:38:13.36 ID:4oEYZX+S0
>>21

【体長は三十センチをいくらか通り越した程度――五十センチくらいはあるだろうか。ペットとしては、中型犬よりか少し小さいくらいで】
【爪は鋭いはずなのだがしっかりと切りそろえられていて痛くない。牙はきちんと生えているのだが、よしんば噛むとしても甘噛み程度でしかなく】
【きちんと噛んじゃ駄目だとでも言われているのだろう。甘えるというのも、基本はごんごんと頭突きみたいな形で――少し痛いかもしれないが、悪気はない】

うん、だけど、スープはコンソメだし……、来るって分かってたら、ちゃんと作れたんだけど。
オニオンスープとかね、好きなの。時間かかるから、あんまりやらないけど――、

【空いた盆を空いた机の上に置いて、膝に仔竜を抱きかかえて。ぐうぐう鳴いてやはり上機嫌な仔竜は、ちょいちょいと鈴音に手を出しては止められている】
【いただきますの声に「どうぞ」と返して――燕が炎にパスタをおすそ分けしようとするなら、わずかにぱちくりと目をさせたものの】
【炎が食べたがって身体を前のめりにしてはぐんはぐんと口を開けたり閉じたりするため、与えてもいいことにしたらしい。食べやすいよう、身体を出してやり】
【あぐあぐと不器用にパスタの麺を食べ終えた炎の口元を拭ってやる――もっと欲しがって暴れる炎をぎゅうと抱きしめたなら、】

……あとは燕が食べちゃって。この子、いっぱい食べるの。欲しいだけあげてたら、きっと、燕の分がなくなっちゃうから――。

【なんて言うのだ。確かにこの様子だとすべて食べつくしてしまいそう、それくらいの勢いがあって――】

――おいしい、かな?

【顔をほころばせた様子を見て、彼女もまた、安堵したように口元をほころばせる。頷いてやれば、きっと今度こそ嬉しそうに笑うのだろう】
【手元ではわんぱくに身体を動かす仔竜を押さえながらのことなので、何とも顔と身体にギャップがあるのだけど――喜んでいるのは、きっと本当そうだ】

【――味はきっと悪くない。塩味もしょっぱくならないぎりぎりを上手く扱うのが料理人だと言うけれど、そういう意味では、味付けもちょうどよく】
【パスタの茹で加減も絶妙で、そのほかも――悪くないはずだ。特別に美味しい、例えばシェフを呼ぶような、そんな素晴らしい料理ではないけれど】
【お家の美味しいご飯。きっと、彼女の料理を評価するならそんな感じ。お家で食べる、とっても美味しいご飯――そういう意味では家庭の味のような、】
【母親が作ってくれたような、そんな風景が浮かぶような食事。子供がいるわけでもないけれど、それが自然に出せているのだった】

/そして申し訳ないです、日付変更もまだですが、なんだかすっごく眠くって……
/明日に引き継ぎしていただけますでしょうか? ただあさってが早いので、明日はあんまり遅くまで出来ないのですが……
/明日は今日より気持ち早めに待機出来るかなと思います。なんとも予定が不明瞭で申し訳ないのですが……っ
26 :黄春燕 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/12(土) 23:41:45.31 ID:fHeZUwfC0
>>25
//了解です!では8時頃を目途に待機しておりますのでー
//それでは一旦お疲れ様でした!
27 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/12(土) 23:42:22.63 ID:KKVIHYM/0
>>22

うん、それで……良いと、思う

【ギブアップという設定は、木花からして相性は非常に良くて、同時に非常に分が悪い】
【後者は、木花が都市(温室)育ちである事に由来する。水兵ともやしでは格が違い過ぎる】
【前者は、木花の能力がそういった精神にダメージを与え易い力である事に由来する。弱いけど、当たれば痛い】

それ、とわたしの、能力……半分、正解
杖、は召喚、だけど、能力は……斬撃を、持った、金属……の生成

空飛ぶ、カッター……ナイフ、も……溶かして、鋳造、し直、せ……ば……徹甲……砲弾、に……なる

【それが、木花の能力の概要であった。ナギが水の器を作ると答えた事に対する応答も兼ねる】
【木花は、半身になってまるで両手でギターケースを持つように薙刀形を構える。まるでそれは今からガトリングでも撃ちそうな構える】
【挨拶を終わらせると、ナギの出方を伺う前に、早速針の様に細くて弱いガトリングを見舞うつもりであった
【左右に避ける余地があるのかもしれない】

それじゃ……よろしく、お願い……しま、す

【その挨拶が、模擬戦開始の合図となった】
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/12(土) 23:46:21.57 ID:f2ORdYuL0
>>24

本当、この時期の天気読めませんからねまったく……
……ん? ああ、これは別にそういうものじゃないので……それに、まあ

【自分の格好が見てるだけで暑苦しい、何てことには想像がいってないようだが】
【少しだけ困った表情で、少しだけローブの袖をまくってみせる】
【そこに刻まれていたのは、新旧入り混じった大量の傷跡】
【まくって見せたのは少しだけの間で、流石に見苦しいだろう、とすぐに袖を元に戻す】
【……多分、脱がすのは至難の業だろう】

わざわざアイスって付けないと冷たいの出してくれませんからねーここ。美味しいんですけど

【先に頼んでいたアイスコーヒーを少しだけ飲んで。最初に入っていただろう氷は大分溶けている】
【許可を求められ、「どうぞ」と言わんばかりににっこり微笑んで頷く】


あ、これはどうもご丁寧に……えーと
呼ぶ必要があれば「リライズ」と、そう呼ぶように言ってます

【何か思ったかこれが常か、妙に引っかかる名乗り方で】

しかし吟遊詩人、ですか……こう、話には聞くんですけど
実際見たのは初めてかもしれませんね。楽器とかは無いんでしょうか……?

【まるで童話か何かの登場人物を前にしたかの物言いだが 多分他意はない】
【純粋な興味の表情だ。若干汗が浮いてるが】
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/12(土) 23:49:36.46 ID:4oEYZX+S0
>>26
/申し訳ないです、ひとまずお疲れ様でした!
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/12(土) 23:53:50.50 ID:drHYU0cno
>>27

斬撃を持った金属の生成・・・。
つまり、「当たれば痛い」ってことだね。

【だが当たらなければいい、というわけでもなさそうで】
【どのような攻撃を木花が行うのか、現時点では予測もつかない】

こちらこそ・・・ッ!!

【薙刀から針のような物体が襲い掛かってくる】
【砂を蹴り、すれすれで回避に成功した】

手始めは、これでっ!

【右手の指の間に水の刃を生成させて】
【手首をスナイプさせ勢い良く木花に向けて刃を放つ】
【だが、微光を放っているがゆえ、攻撃の向き、そして速さは分析できるであろうが】
31 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/13(日) 00:08:31.53 ID:wgwe7uNe0
>>30

避け、られ……た!

【斬撃数:2→1 装弾数:100→66】
【木花は小さく悲鳴を挙げる。ショックを受けている暇はなく、鋒(銃口)をナギの避けた方向にサーチしようとする】
【しかし、ナギの魔力の燐光が再び現れる。能力攻撃の合図だと察知する】
【木花は針を撃ち終わっておらず、ある意味では最悪のタイミング。薙ぎが封じられている】

【耐久値:100→96】
【木花がガトリングのマーチを一時停止させ、横っ飛びに回避する】
【水の刃は木花の外套を擦過する。寧ろ受け身が必要なぐらいに勢い良く避けてしまい、そのダメージを食らう】

【木花はのろのろと起き上がると、再び針の機銃掃射を開始するつもりである】
【しかし、起き上がりに時間が掛かっており、出の早い攻撃があるならこの機銃掃射と同時に仕掛ける事も可能である】
【木花は杖を振るう事が出来ないのである……】
32 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/13(日) 00:13:48.50 ID:NQaG3DynO
>>28

 こんなに暑いのだもの……貴方、相当耐え凌いでいるのね。

【我慢強いのね、であるとか、減量かしら? だとかではなく、選んだのは"耐え凌ぐ"という言葉】
【吟遊詩人である彼女は、人より観察眼が優れているようで、刹那に見えた多重の傷跡をしっかりと確認していた】
【吟遊詩人としては、掘り下げて聞きたいところではあるがーー隠すということは、好んで話すとは考え難い】
【故に、"耐え凌ぐ"ーー彼女なりの、労いの言葉であった】

 この気温で察してほしいものよ……まぁ、確かに香りは良いけれども。
 ありがとう、相席させてもらうわ。
 それと、これ。ハンカチをどうぞ?

【文句を言いながらも、湯気のたつ珈琲を口に運び】
【渇いた口内を潤すと、相手の隣へ腰を下ろした】
【そうして、浮かぶ汗を見るや、胸ポケットからハンカチを取り出して差し出した】

 ーーリライズ、さんね。何か意味がありそうな言い方ね?

【相手ーーリライズの名乗りに、こちらは掘り下げても良いだろうと考え】
【しかし、相手の次句にそれは流されてしまう】
【どうやらリライズは、吟遊詩人への興味を持っているようで、藍璃は快く答えた】

 ……そんなに多い職ではないものね。
 そうね、一般的には弦楽器の類を持って、弾き語る方が多いのかしら?
 私も、ハープとピアノとを使うこともあるし……でも、私の"吟遊詩人"というのは、ただの職業の名前、という訳ではないから。
 
【相手の興味と疑問は、藍璃にとって心地が良い。どのような歌い手、語り手でも、自分を少しでも知って欲しいという欲求はあるものだからだ】
【故に"少しくらいならいいか"と安直な考えで、藍璃は"謳って"みせた】

 ーーその旋律は届けしもの……想いを運びしもの……清廉なる歴史紡ぐ音よ、来たりて我が声を運びなさい。
 
【かなり抑えたつもりだったが、どうしてもその透き通る声は響きが良すぎるようで】
【藍璃へ複数の視線が向いた直後、藍璃とリライズの間の空間が歪曲し、かと思うとそこから現れるのは木製のハープ】

 ……どう?
 少しは吟遊詩人らしいかしら?

【そして、ハープを構えると、悪戯げに笑って見せた】
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/13(日) 00:23:59.45 ID:34xNttHoo
>>31

【とりあえず一発食らわせることには成功したものの】
【木花の攻撃がどのようなものか理解できていない以上、油断できない】

今なら行けるっ!

【つららのような針状の水造形を3つ作り出し】
【木花の方へと放つ】

【が、タイミングが遅く、水造形は機銃掃射に巻き込まれ、地上へと落ちる】
【再び針の機銃、範囲が意外と広く】

いっ・・・。

【砂を蹴るものの、地を蹴るよりも横飛びの距離は小さく】
【二の腕を直撃し、斬撃によって水兵服の袖は一部が赤く染まっていた】

このままじゃ、埒が明かないね・・・。

【小さなダメージを与えることはできるが】
【より長い距離に攻撃でき、攻撃翌力の高い木花のほうが優位であると判断】

【そこで木花に近づき、少し大きな水造形で攻撃することを図り】
【横っ飛びをした地点から走り出し、木花との距離をすこし詰めようとしているが】
【その地点を予測して機銃を撃つのもありだろう】
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/13(日) 00:30:28.04 ID:wChLpADF0
>>32

――昔の話です。まあ、今も割と無茶はしてますがね

【ぱっと見年端も行かぬ少女が昔と言うのも少し妙ではあるが】
【少なからず、労わる心持ちが伝わってきて、少しだけ表情がほころぶ】

【差し出されたハンカチを見て、「どうも」と受け取り】
【ひとしきり、受け取ったハンカチで顔の汗をぬぐう。ふー、と、少しだけ心地よさげな息を漏らして】
【ちなみに今更だが、黒髪黒目である】


まあ、イメージ的には……リュートとか、そういう楽器を持ってる人が多そう、というか
中にはグランドピアノを持ち歩く剛の者もいるらしいですけど……

【少々イメージが偏ってる気がするがさておき。ピアノを使うと聞いて思わず本気で少しキョロキョロと見回してみたり】
【ただ、その後の言葉にはっきりと疑問の表情を浮かべて、続く旋律に耳を傾ける】
【中々こんな声は聞かないな、と、少しだけうっとりしたような表情を見せるがつかの間】
【何処からともかく現れたハープの存在に、驚いたのか目を丸くする。表情のコロコロ変わる少女だ】


――……吟遊詩人というより、もはや魔術師か何かですね

【そこは話の流れ的に肯定するところではないのだろうか……】
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/13(日) 00:35:37.68 ID:9KxdsU2y0
【櫻の国。最早誰も訪れる事が無くなる程に朽ちた神社】
【普段ならば一つの気配も無い筈なのだけれど――――今宵は、其処から妖気を感じ取る事が出来て】

【石畳の階段を上ったならば、見えるのは風化した鳥居と小さな社であろうか】
【――――社の前に立つのは、巫女装束を纏い翡翠の首飾りを下げた一匹の妖狐】
【目を瞑り、手を合わせている所からして参りでもしているのだろう。然れど、廃れた場所に神も残るのかは疑問だが】


「…………」

【其れも終えれば、神社から去ろうとして――――新たにこの場に訪れた者と出会うとすれば、そのタイミング】
【耳と尾を立てて居る事から余程驚いている事も知れるだろうか。抱くのは敵意だとかでは無く、怯えた様な――と表すのが適切で】
【元より害意を抱いた者がこの場に訪れたのだとすれば少女にとっての不幸】
【或いは、漂って居た妖気に疑問に思って訪れた者だとすれば――――話はどの様に転がるか】










【――――とある街の小さなカフェ】
【時間も時間故に人は疎らであるけれど、その中でもこの場に似付かわしくないであろう人物が一人】
【修道着を纏った女であり、腰に提げられているのは2丁の銃か】


「久しぶりの休みだけど……やっぱりこうしてのんびりしてみるのも悪くは無いね
最近は面倒事が多すぎてボクの疲労もそろそろ限界を迎える所だったよ……」

【独り愚痴を零せば温くなった紅茶を啜って】
【――――女の座るカウンター前に積み上げられているのは小難しい魔道書だとか】
【或いは最近の事件を纏めた物だとか。大凡、一介の修道女としては相応しくも無い物】
【そしてカフェ自体が大きなガラス張りなのだから外からでもそんな姿はよく見えて】

【興味を持ってか、それともただ休憩がてらにか。何であれカフェの扉を開いたならば「カランカラン」と来客を告げる音が響く事となり】
【女が其れに気付けば、「やっ」なんて軽く手を挙げて挨拶を交わすのだけれど】
36 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/13(日) 00:44:27.65 ID:wgwe7uNe0
>>33

【装弾数:66→12】
【機銃掃射が形を持った水を執拗に刺し、その飛翔を地に墜とす】
【落下地点の砂は水気を含んで明度を下げ、保持した水気が鋒の燐光を淡い青光として乱反射する】

うん、だから……こうす、る……っ!

 -- Hotchkiss' Rods

【装弾数:12→0 斬撃数:1→1】
【木花が杖からの機銃掃射を停止する。その直後、湿った砂が燐光を帯び……そこから機銃掃射が始まる】
【発射間隔は秒10発と速くなっており、このままだと1秒強しか続かない】
【走り出しの方向をサーチするが、狙いは凄まじく甘い……その後、当初の予定通りに杖を縦に一回振るうだろう】

【空振りとなる縦薙ぎの硬直時間を狙えるかもしれない】
37 : ◆mZU.GztUV. [sage]:2015/09/13(日) 00:46:26.55 ID:wgwe7uNe0
>>36
/訂正
/○斬撃数1→2
38 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/13(日) 00:52:07.37 ID:NQaG3DynO
>>34

 あら、汗を拭けば綺麗な顔してるじゃない……その顔に、傷がつかないことを祈っているわ。
 それと、無茶しなくて済むようにも。

【その、あどけなさが若干残る顔を見て、藍璃は微笑んだ】
【天然であろう黒髪は、生まれつき色素の薄い藍璃には届かないもので、少々羨ましく思う】

 リュートはあまり得意ではないの……。
 あら、ピアノも見たいかしら?

【リライズのイメージは、ザ・吟遊詩人と言った感じであり】
【忙しなく辺りを見渡す少女に、自然に表情も和らぐ】
【そして、謳い終えたのち、当然に投げかけられた疑問に、苦笑を漏らす】

 まぁ、ほら、あれよ。
 こっちでは割と普通な、異能力者って奴。
 その名称が、"吟遊詩人"なのよ。

【謳うことで、相手が見せた弛緩に喜びつつも、自らが異能力者であることを躊躇いなく明かす】

 私も全てを把握してはいないのだけれど……簡単に言えば、"観測した事象を再現・改編"する能力みたい。でも、それの枠に留まらないこともたまに出来るから、良くわからないわ。

【リライズに対して、なにも警戒を抱いていないからか、その口から滑るように話される能力の概要】
【その滑らかさとは反対に、藍璃の表情は自嘲しているかのようだった】

 ーーまぁ、こんなことはどうでもいいわね。
 それより、貴女のことを聞かせて欲しいわ。リライズって名前、珍しいけれど意味とかあるのかしら?
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/13(日) 00:59:05.29 ID:34xNttHoo
>>36

【木花との間を詰める最中、地面から燐光が伺えたかと思うと】
【なんと、そこから針の機銃が発射されてきた】

なっ!?地面からもくるの!?
しかも、レートが早い!

【が、狙いが甘かったのが幸いしたか、被弾はなかった】
【そして、ナギが予定していた位置につき、木花の行動を伺う】

【すると、木花が杖を縦薙ぎに振るった】
【攻撃でないかと警戒していたがどうやら空振りだったようで】
【その硬直を狙って攻撃を放つ、今だ】

はぁっ!

【手に握られているのは水造形の槍】
【それを木花に向かい、思いっきり投げつける】
【かなりの速度が出ているはずだが、やはり軌道は直線的だ】
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/13(日) 01:14:27.56 ID:wChLpADF0
>>38

……! か、可愛いって……そんなわけあるわけ無いじゃないですか……

【思わず顔を背ける。単純に、褒められ慣れてないのだろう】
【半分照れ隠しか、汗をぬぐったハンカチをそっと差し出して】

【自分の顔をすこしぺちぺち叩いて平静を取り戻す】


あ、いえ……そのまま持ち歩いてはいないんだなあ、って思っただけです
まあ、あんな重そうなものをそのまま持つ人はいませんか流石に

【まあ多分言えば見せてくれるだろうとは思っているのだが、出したら片付けるのが面倒そうだと思って】

ああ……やっぱり、そういう能力ですか
名前から察するに、詩が所謂詠唱の役目になるんでしょうけど
……吟遊詩人は語り部と聞きます。かつて起きた事を語るのなら、まさに、という感じですね

【異能持ちである、そう言われてもそこまで驚いた様子は無く】
【そういう意味ではある種常識離れした事象そのものには慣れてるのか】
【ただ少しだけ、流暢に語られる言葉と表情が、一致しないように見えて 首をかしげて】


――え? あ、私のこと、ですか……
……えー、と、そうですねえ……「日本」って国、知ってますか?

【しかしそこから自分のことを問われるとは思ってなかったのか、少し拍子抜けた様子で】
【とりあえず問うてみるは、第三世界の島国の名前を知っているかどうか】
41 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/13(日) 01:16:57.18 ID:wgwe7uNe0
>>39

【水の槍が放たれる。木花は縦薙ぎの硬直の中でその姿を視認する。それは木花に回避の猶予を与えない速さで殺到する】
【まだ、耐久値(杖の壊れてなさ)は十全。ならば、ここは相殺をしようかと木花は考える】
【一か八かで『形の無い水』に還す】

 -- Umbrella

【斬撃数:2→3→0 耐久値:94→44】
【薙刀形の鋒を掬い上げるように突きを行う。その先で水の槍と激突する】
【その瞬間、鋒から縦に、まるで傘が開く様に弧状の斬撃が開く。それが水の槍を切り開く】
【結果は、水の槍は二つに引き裂かれるが、接触した薙刀形にヒビを入れる】

【斬撃数:0→1】
【振り払うとように杖を振るい、斬撃数を貯める。同時に視界が開かれ……木花が斬り上げを行おうとしている】

 -- Aero Slash

【斬撃数:1→2→1】
【それは斬撃の軌跡から幽体離脱した三日月のようでもあった】
【斬り上げから斬撃を持った弧状の金属が、なだらかな谷形を描いて飛翔する】
【ナギの目前で掬い上げるように飛ぶ金属は、前以外の回避と迎撃を行える余地があると言える】
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/13(日) 01:27:01.46 ID:34xNttHoo
>>41

【先ほど放った水の槍は確実に木花にダメージを与えているはず】
【だが、木花はダメージを食らっていないようだ】
【それが不思議でならなかった】

【三日月状の金属がこちらへ谷を描いて飛翔する】
【足を狙うと思っていたのか、左右へ避ける用意はできていた】
【だがそれは掬い上げるような軌道を描いてくる】
【想像と異なっていたのが焦りを呼んだのか】

やばっ、当たるっ!

【とっさに後方へと回避するも】
【砂に足を取られ躓いてしまった】

いたた・・・。

【起き上がるまでの数秒のディレイが生じた】
【攻撃をするなら、今がチャンスだ】
43 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/13(日) 01:29:27.17 ID:NQaG3DynO
>>40

 照れなくてもいいじゃない。
 きちんとめかせば、きっと衆目は放っておかないと思うけど?

【リライズの少し赤く染まった顔を見て、可愛いなと思いつつ】
【返されたハンカチは、受け取ると虚空へと収納した】

 あんなもの持ち歩けるのは、タイタンだとかギガントだとか、そんな人達位よ……押すのも大変なんだから。

【遠くかつての苦労を思い出したのか、軽く嘆息を漏らす】

 魔法的に言えば、そうね。
 言葉に意味を持たせて事象とするということでいえば、寧ろ魔法の方が近いのかもしれない。
 そう、吟遊詩人は語り伝えるもの。だけど、それが常に真実だったとは限らないーーこの能力は、きっとそういうことなのでしょうね。

【自嘲の表情は直ぐに消え、方を竦めて微笑んでみせる】
【次いで、問いへの問いに疑問を覚えつつも、そこに思いもよらない単語を聞いて、驚きに目を見開いた】

 ーーええ、知ってるわ。とても、ね。
 私の名前から、わかるでしょう?
 時雨藍璃ーー漢字も書いた方がいいかしら?

【一瞬の驚愕から、しかし郷の名を聞いたことが嬉しく、名前ーー即ち時雨藍璃という和名を、日本名を再び名乗った】
44 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/13(日) 01:39:02.61 ID:wgwe7uNe0
>>42

……っ!

【ナギが躓いて転ぶ。足場が悪いのだろう……木花は砂地である事を戒める】
【起き上がる前に、できるだけ薙刀形の間合いまで詰める。その為にダッシュを行う】

【恐らく間合いに入れば、何故か横薙ぎを仕掛けてくるのだろう】
【そして、それまで傷一つなかった薙刀形の刃の部分に真新しいヒビと、砂で擦ったようなキズの群れが見えるかもしれない】
【それは、水の槍……それよりも前に無茶な受け身を取ったときに付いた『擦り傷』に見えるかもしれない】

【それが、再生怪人のように平然とする少女のトリックであった】
【ゆえに縦に……砂地に当たるような振り方がそうそうできたもんじゃない、と】

【斬撃数:1→2】
【能力の無い横薙ぎ故に、下手に起き上がらなければそうそう当たらない】
【しゃがみ攻撃やしゃがみ回避をできる余地、また攻撃後の硬直をまた狙えるだろう……】
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/13(日) 01:46:04.30 ID:wChLpADF0
>>43

そ、そういうことを言ってるんじゃなくてですね、その……
はい、この話はおしまい! おしまいです!

【ハンカチを返したはいいが、もう一回顔をぺちぺちと叩くことに】
【ちょっと頬が赤いのは照れか叩きすぎかはてさて】
【ふー、と少し長い息を吐いて】

【「挑戦してはみたんだ」とか思ったらしい】

魔法にも色々あるらしいですからねー。何も唱えない魔法を使う人もちらほら見ましたし
……まあ、多分、すべてひっくるめてそういうことなんでしょうね。清濁併せ呑む……あれ、何か違いますねこれだと

【思った言葉が浮かばずに、とりあえず少し笑ってごまかして】
【真実か虚実か、どちらでも「事実」となるなら、それでいいじゃないかと言いたかった様だが】
【果たして伝わるかどうか……】


【「あ、出来れば漢字も願いします」などと、相手の提案を受け、ローブの内側から手帳を取り出す】
【ご丁寧にペンごとだ。差し出したページは開かれてるが、真っ白。まあ、何か書いてあってもそれはそれで困るだろうが】

知ってるなら話は早いです。いや、日本の人みたいな名前でも実際はそうじゃない人って割といたので……
まあ、以前に少しだけそこにいた経験があるんですが、その時に別の国の言葉も少し知りまして
「Realize」。日本の言葉にして「実現」でしたかね? もう少し「具現」の方の語呂がよければそっちにしたんですが

【どんな経路でその言葉を知ったかはさておき】
【実現と言う名をもう一度告げる。本当は具現の方が良かった等と言ってるがさておき】
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/13(日) 01:50:56.12 ID:34xNttHoo
>>44

まずっ、詰められたっ!

【だが、攻撃と言っても横薙ぎのみ】
【起き上がるのをワンテンポ遅らせ、回避する】

【そして、攻撃後の硬直を狙える状況となり】
【手中に水造形の刃を7つ作り出し】

これで、どうだっ!?

【放たれた刃は硬直している木花に向かい一直線に飛んでいく】
【狙いは胸部、ただ、少し幅が広い程度か】
【しゃがんだ状態からの攻撃で、斜め上に向けて放ったため】
【木花もしゃがむか、左右に避ける、もしくは先ほどのように相殺というてもありだろう】
47 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/13(日) 02:05:39.42 ID:wgwe7uNe0
>>46

!?

【水の刃……しかも7つ。木花からして贅沢すぎる弾幕が斜め下から強襲する】
【既に踏み込んだ木花はしゃがみが不可能である。故に次善の選択、左右回避を行う】
【さらに一歩前に踏み込み、その足の方向に両足の力を込める。斜め後に飛ぶ形となった】

【耐久値:44→14】
【避けきれずに肩を水の刃が擦過する。そのダメージを薙刀形が引き受けると、薙刀にまた3筋の切り込みが入る】
【木花も悟る、そろそろヤバイと。間合いを取れたのに何一つ安心できない圧倒的不利に脂汗をかく】

 -- Barbed Fog

【斬撃数:2→3→0】
【鋒の燐光が破裂し、両者の周囲一帯をダイアモンドダストのようなチャフがばら撒かれる】
【高速移動を持つ能力者ならば、生傷まみれになる棘の霧が広く範囲を収める】
【高速移動をしない限り、両者共に無害なものではある】

【しかし、それは最後の反撃の布石であった……】
48 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/13(日) 02:08:08.79 ID:NQaG3DynO
>>45

 ふふ……可愛い。

【反応を存分に堪能して満足し】

 能力がない頃にね、奏者をやっていたものだから……仕事道具だから、運ばなきゃいけないのだけれども、四人がかりでやっと何とか運べる感じなのよ、あれ。

【今じゃ出し入れ自由だけどね、と付け足すと、微笑する】

 私は出会ったことがないけれど、無詠唱でも、この世界の現理を騙せさえすればいいのでしょうね……まぁ、そんな相手と戦いたくはないけれど。
 結局、魔法であれ異能であれ、認識を捻じ曲げて事実とするのは何も変わらないわ。
 ーーえと、時雨藍璃……っと。

【差し出された手帳に、同じく差し出されたペンで名前を書き込む。念の為、ふり仮名付きだ】

 これでいいかしら?
 知っている、というより私の故郷なのよ。同名の別世界でなければ。

【自らを異郷の民と明かし、ペンと手帳を返す】

 "realize"ーー現実への顕現だとか、実現だとか具現だとか……そんな感じの言葉だったかしら。
 具現、ね……もしかして、そういう能力とかを使えたり?
 ……流石に憶測が過ぎるわね。

【能力者であるならば、先程の傷跡も納得がいく。傷の数からして、余程の手練であろうとは思っていたが、それも能力者であるなら納得だ】

 でも、良い名前だと思うわ。シンプルで覚えやすいのもグッド、ね。
 でも、具現と言っても色々あるわね……?

【直接的に聞くことはしないが、藍璃の瞳は好奇心が満ちていて】
【更なる理由を求めている様だった】
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/13(日) 02:20:30.03 ID:34xNttHoo
>>47

【ダメージを与えると杖に傷が入る】
【すなわち杖を壊せば勝ち】

【ようやく理解できたのである】
【その杖を壊すには木花を攻撃すれば良い】
【よって、追撃を仕掛けようと、とっさに立ち上がったその時】

ぐッ!?
嘘でしょ!?

【鋒の燐光が破裂したかと思えば】
【針の霧が一瞬にして辺りを覆い尽くしてしまった】
【高速移動の手段を持ち合わせていないナギに生傷が増えていく】

だけど、まだ、まだ・・・!

【針の霧の中にいたため、木花の位置は把握していない】
【だが、直前にいた場所にめがけ、再び7つの刃で弾幕を撃ちこむ】
【まあ、直感を信じた投げのため狙いはとても甘いものだが】
【そんなことをする間にも、水兵服は破れ裂け、穴が空き、ナギには生傷が増えている】
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/13(日) 02:25:15.40 ID:wChLpADF0
>>48

まあ、流石に一人で持ち歩くのは色々無茶がありますよね。
しかし、出し入れ自由って言うのは少し羨ましいです

【紛れも無く、視線には羨望の色】

事実として起こってしまえば、魔法としては実際成功ですからね
っと、確かに受け取りました。
……同じ名前で違う世界……は、もしかしたら? まあ、お互いそこまですれ違った認識はしてないと思いますが

【返された手帳とペンを受け取り、再びローブの内側に仕舞う】
【ところで読みは「しぐれあいり」でいいんでしょうか】


……その憶測なんですがまあ、概ね当たってますよ。そこまで便利ではないですけどね
お察しの通り、私も所謂能力者……ですよ。それも具現系の

【実際のところ、新しい傷はともかく古い傷はまた違った要因なのだが】
【そこまで語るつもりは流石に無いのだろう】
【(半分存在を忘れてた)アイスコーヒーを一口】

まあ、見てもらった方が早いですか。……あまり物騒なのは出すと騒ぎになるでしょうし、そうなると……
んー……これですかね。「Ρ(ロー)」

【期待されてる視線。こういうところはなんだか自分に似てるなあと思いつつ】
【能力を見せられたのだから、こちらも見せないと、とまで思ったかはさておき】
【少しの勘案後、呟いた一文字。それと同時に右手を卓上に】
【その直後、少女は旗を握っていた。布部分は白い、非常にシンプルな、旗】
【ちなみに感知する術があるならだが、この旗、魔力が形を持ったような代物である】
51 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/13(日) 02:39:30.75 ID:wgwe7uNe0
>>49

【ナギは運悪く、破裂の際に広まった棘の霧のダマに当たったらしく、傷が増えている】
【水の刃を放った後も、身を守っているが……その状況に木花は首を傾げる】
【狙いの甘い水の刃を体重移動で軽く避け、思ったことを口にする】

この、霧……チーター、みたい、に速く……走ったら、傷だらけ……に、なる……から……もう、大丈夫……だよ

だから……

 -- Invisible One

【斬撃数:0→1→0→1→0→1】
【木花は横薙ぎの力を使って流し、続いて縦に一閃。踏み込んで突きを放つ三連撃を放つ】
【しかし、間合い外で当たらない……突如虚空から発生した2つの『突き』の形をした金属以外は】
【ナギの左右を甘く狙い、ナギの後方で交わる2つの金属。左右に動かなければ当たらない。前方には広いのだ】
【視界は思ったより良好で木花は三連撃で硬直している。寧ろ木花に近づくチャンスであった】

【だが、問題は突きの後の異変である】
【霧全体が……正確には漂う棘が不規則に青く明滅し始める。木花も最後の賭けに出るつもりであった】

/Barbed Fogは高速移動する人が傷だらけになります
/紛らわしい説明ですみませんでした
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/13(日) 03:00:37.67 ID:34xNttHoo
>>51

【木花が放った三連撃は直撃することはなかった】
【だが、不意に現れた2つの金属に驚き】

うわぁっ!?

【左右に避けることはなかったものの、しゃがみこんでしまった】
【が、前方はがら空きだ】

【そこで、だ】
【ナギは一か八かの賭けに出ることにした】

これで、、、決めるッ!!

【すっくと立ち上がり、水の槍を生成し、手にすると】
【前方で硬直している木花との間を詰め、槍を全身全霊の力を込めて放った】
【霧が青く明滅している、気づいてはいたが、今は攻撃することしか頭になかったのである】
53 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/13(日) 03:13:54.90 ID:wgwe7uNe0
>>52

 Hotchkiss' Rods

【斬撃数:1→0 装弾数:100→29】
【あの細い針のガトリング。だが、今回はその姿を豹変する……空間飽和射撃として】
【細い針が霧中からメチャクチャな方向に発射される。それは蜂の群れか鉄の暴風の中か】
【幸いにも針の攻撃力は蜂に刺された程度……傷を付けないが痛苦を与えられる、それもナギの前方全方位から】
【どれだけ当たったかは、木花は知ることはできない、何故なら……】

【装弾数:29→0】
【ナギから水の槍が放たれると、金属の寿命である数秒を終え、霧が晴れ蜂の群れが光に霧散される】
【だが、間髪を入れず次は杖の鋒から針のガトリングが発射される】
【それらの迎撃は水の抵抗に遮られる程度に弱体化しており、投槍の足を止めるに能わず……結果として】

【耐久値:14→0(-36)】
【槍の接触と同時に杖が砕ける。次に木花は全身から力を失った様に砂地に倒れ込む】
【気絶しただけに過ぎず、駆け寄って介抱すれば直ぐに目を覚ますだろう】
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/13(日) 03:23:05.25 ID:34xNttHoo
>>53

ああっ、青い、光は、これだったのね・・・。

【針はナギの全身に刺さる】
【すでに槍を投げ終えた後だ、反動ですぐに起き上がることはできない】
【刺さるたびに悲鳴をあげ、早く終わらないかと祈るばかりであった】

はぁ・・・、はぁ・・・っ!?
間髪入れずにもう一発あるの・・・。

【もうどうにでもなれ、ナギはそう思った】
【すでに針の斬撃により体中に生傷があり、そして服はズタズタになってしまっていた】

【結果、ナギも木花と同じく地面に崩れるように倒れこんでしまった】
【気絶、とまでは行かないが、息が絶え絶えしくなっている】
【ナギはもう動けないが、気絶している木花は動けるだろうか】
55 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/13(日) 03:34:29.00 ID:wgwe7uNe0
>>54

【木花が立ち上がったのは小一時間ほど経った後であった】
【木花の能力は、杖を壊されると戦術的に致命傷となる時間の間気絶し、目が覚めてもその日の間中能力が使用できなくなる】
【木花は思う……紛れも無い、完全敗北だと】

【もしも、ナギが小一時間も暇がある場合は木花が目を覚まし、自分の負けだとあのたどたどしい口調で言うのかもしれない】
【待たない場合は、のっそりと起き出して今日は宿に帰るだろう。その次の日はナギを探して回るだろう】

【もしかすると、うわごとの様に気絶しながら言うかもしれない】
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/13(日) 03:46:04.28 ID:34xNttHoo
>>55

【ナギも同じく結構な間立てなかったが】
【立ち上がったのは木花とほぼ同時ぐらいだったか】

見事だったよ。
私なんか、まだ足元にも及ばないくらい、テクニカルで多彩な攻撃だった・・・。

【木花の攻撃の手法はとんでもないほどに技巧的で多彩であった】
【その攻撃にで幾度となくピンチに陥った、自分が気絶してもおかしくないほどだ】

【それから、木花に握手を求めた】

きょうはありがとね。
ふふ、私も、ここまでズタズタにやられるとは思ってなかったなぁ。

【残った生傷と水兵服の裂け、破れた跡をみながら微笑んだ】

また、どこかで出会えることを願ってるよ。
それじゃあ、私はこれでお暇させて頂いていいかな。
服の裂けたところから夜風が入り込んで寒いんだ。

【これで木花の同意が得られれば帰るつもりだが】
【返答はいかに】
57 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/13(日) 04:02:13.41 ID:wgwe7uNe0
>>56

【木花が目を覚め、お互いの健闘を称える意味で木花も握手をする】
【木花はナギの表情は明るいように見えるが、全身の傷を見て素直に喜ぶことはできなかった】
【ナギは無理をしているようにも見える、傷の手当てぐらいはしたいが、夜の潮風は傷に悪い】
【対して木花は服の破れは目立ち、疲れの表情を時折のぞかせるも、傷はあまり見当たらなかった】

うん
またね、ナギ……さん

ナギ、さん……も、槍、の、一撃……がすご、く……重かった、よ。すごく、強か……た

今日、は……あり、がと……ござい、まし……た

【戦いを申し込んだ事でなく、貴重な経験になった事を感謝する】
【木花もナギと同じく、潮風にこれ以上当たるつもりはなく、そのまま宿に戻るつもりであった】
【鞄を重たそうに背負い、別れ際にもう一度、残りの力を振り絞って手を振る】

また、会え……たら、うれ……しい……な!

【火の国への道はまだ遠い、今日は宿で休んで明日の長旅に備えるのであった】

/こちらは、これで〆になります
/こんな遅い時間までロールありがとうございました!

/お疲れ様でしたー
58 :黄春燕 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/13(日) 10:58:41.80 ID:+fasYXfQ0
>>25

【一口食べただけだけれど、春燕はもう鈴音の作った味が大好きになった。だって、とっても美味しいのだから】
【美味しいといても、レストランで食べるような計算された美味しさではない。なんだか、とってもあったかい味】
【もちろん鈴音の調理自体も良くって、味だけ見ても十分過ぎるほどに美味しいのだけれど。でも、それだけじゃなくって】
【心が安らぐような温かさがある。春燕が今まで感じたことのなかった、優しい味―――】

うん―――すごく、おいしいヨ。とっても、あったかい味。……お母さんが作ってくれる味って、こんな味なのかナ。
……おかしいナ、胡椒が目に入ったかナ?―――……おいしいヨ……鈴音……、―――ほんとうニ……―――

【お腹だけじゃなくて、心も満たされるような料理。それはきっと、母が作るような料理なのだろう】
【美味しそうに鈴音の作った料理を食べ続けていた春燕だが……―――なぜかその表情に寂しさが混じっていて】
【悲しいわけじゃないのに、突然涙がこぼれる。慌てて誤魔化そうとするけれど、あとからあとから涙が溢れて】
【……そのうち、誤魔化すのをやめる。美味しいのに、悲しいわけないのに、涙が止まらない】

……私、お母さんを知らないノ。顔も、声も……なんにも知らなイ。存在していたかどうかも分からなイ……
だからネ、お母さんの味も知らなくテ……でも……でも、きっと、お母さんがいたらこんな気持ちになってたのかナ。

……鈴音には教えてなかったよネ。私ね、ここの世界じゃない……別の世界で生まれたらしいノ。
でも、物心ついた時には既にこっちにいて、お母さんもお父さんもこの世界にはいなくて……
……それから、ずっと一人だったノ。だから、顔も知らないし生きてるかどうかも分からなくテ……
ねえ、鈴音。……お母さんの温かさって、こんな感じなのかナ。

―――鈴音。もっと食べて、いいかナ……

【いつしか春燕の表情は、今まで見せたことのない母親に甘える子供のようなものになっていた】
【親の愛を知らない春燕には、鈴音の作った味の温かさがとても愛おしく感じて】
【―――今だけは、欲しくても絶対に手に入ることが無かった母親の温かさに甘えたかった】

//お返ししておきます!
59 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/13(日) 12:37:19.46 ID:NQaG3DynO
>>50

 私は魔翌力なんてものを持ってはいないから、あまりわからないのだけどね。
 ……一見便利に思えるでしょう?
 いや、実際便利ではあるのだけれど……基本的に、謳わなければ出せないから、初めは恥ずかしくて恥ずかしくてね……。

【羨望の視線に肩を竦め】

 まぁ、並行世界だとかももしかしたらあるのかも知れないけれど、恐らくは認識違いは無い……と思うわ。
 
【ローブの内側にペンと手帳が仕舞われたのを見て、便利だなとか考える】
【しぐれあいり……読みにくいような、そうでもないような】

 これは……旗、かしら。

【リライズは、アイスコーヒーを口に含むと、『P(ロー)』と唱えた。やはり、能力者であったようだ】
【すると、白い旗が彼女の右手の中に出現する】

 旗……?
 何かこう、不思議な感じ。波動のような何かを感じるのだけれど。

【その旗を見て、何かを感じ取る藍璃。しかし、基本的には普通の人間であるから、彼女に魔翌力の感知能力は無い】
【だが、"吟遊詩人"は具現能力でもあるーー故に、不自然な空間の揺らぎを無意識に感じたらしい】
【だが、その正体まではわからないようだ】

 白旗? ……降参……な訳ないか。
 不思議ね、普通の旗では無いのはわかるのだけれども、それだけ。予測は得意なのだけど、全くわからないわ。

【どうやら、本気でリライズの能力を気になり始めた様子で、どこかそわそわしている藍璃】
【今なら、何か変わったことをするだけで大袈裟に感動しそうである】

/重ねて、寝落ち本当に申し訳ありません……一応、返しておきます。
/続けて頂けるのなら、お暇(ひま)な時にでもどうぞ宜しくお願いします……。
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/09/13(日) 18:00:34.16 ID:Z9xR/w6Fo
【水の国から近いところにある草原】
【最近は魔物が出るとかなんとか、そんな噂が立っているため昔ほど訪れるものはいなくなったこの場所】
【そこにある者がいた、何冊かの本の隣に腹を下に寝転がり、読んでいるようだ】

「ふゥーん、こォれも魔ァ術書か……しィかも入ゥ門編とか……禁止する必要あァるかァ?」
「一般の図ォ書館がなァーんで保ォ管しィてんだか、普ゥ通に魔ァ法書専門の所に引ィき渡しときゃア良ォいのに」

【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

【本に関しては、おそらくはどれも一般には流通していないもの】
【……そう言えば、昨日の夜にとある図書館で保管していた本が数冊消えたとかなんとか】

「本自体が力を持ォってねェーなら、魔ァ法や魔ァ術は要ィらねェーんだよなァ、燃費悪ィし」
「もォーっとよォ、どォこそこに封ゥ印された凄い何かとかの情ォ報を書ァけってんだ、人間共」

【そう言いつつ、しかし本は軽くだが全部のページに目を通しており】
【そうしてしっかり読み終えたものを、傷などがつかないように丁寧に既読の本のグループに置く】

【――そう言えば、指名手配書にこんな顔の奴がいたような、いないような。名前は邪禍だったような、おそらく。】

/明日朝早いので、22時前後には落ちます
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/13(日) 20:26:34.68 ID:jYTuF7LR0
>>58

【母親――そのひとの記憶はずいぶんと前にある。もう色あせてしまって、思い出せないところもあるけれど、】
【だからって記憶がなくなるわけじゃない。怖い夢を見て布団に潜り込んだ暖かさは今でもよく思い出せて、時折無性に懐かしくなる】
【彼女の母親は八つになった日に死んでしまったけれど――居るだけ、思い出があるだけ、他のひとより不幸でも、燕よりは、暖かさを知っていて】

【――もしかしたら、居ないからこそ、余計に大事な思い出として残っているのかもしれない。母親が作ってくれた料理の味も、暖かさも、全部】
【どうしようも欲しくって、もう一度欲しくって、泣き叫んでまで欲したもの――もう手には入らないけれど、誰かにあげることは、きっと出来るから】

……わたしね、お母さんのお料理、とっても好きだったの。とっても美味しかったから――っていうのも、あったけど。
わたしのお母さん、わたしが子供の頃に死んじゃって。だからね、ずっと、もう一度食べたかったの。お母さんのごはん、また、食べたくて――。

……だけど、お金ないから、お家もないから、出来なくって。だからね、出来るようになって、練習して、美味しいもの、作れるようになって、嬉しくって……。

【今まで料理を作ってきて、彼女が求めてきたのは、ずっと母親の味だった。母親の作ってくれたような食事を作りたい、それは、】
【子供みたいな甘えたい気持ちがちょっぴり残った、あどけない理由も多分に含まれていたけれど――そして、それは、今の料理の味を作り出して】
【料理を本格的にやるようになったのは六年くらい前だ。そこからいっぱい練習して、今となっては、それを仕事にするくらいにまで、なって】

――、だけど。燕がね、この世界に居てくれたから、わたし、燕と会えたの。
この世界には燕のお父さんもお母さんも居ないかもしれないけど――わたしには燕のお母さんになってあげることは、出来ないけど。
わたしの料理でよければ――わたしなんかでよければ。いくらでも作ってあげる、食べさせてあげる。

【聞いた話は少し寂しくって、自分には、そんな経験はないから。少し目を伏せてから言うのは、そんなことだ。会えてよかったと、少し寂しげに笑って】
【お母さんになることは出来ない、だけど、この料理でよければ、いくらでも作るから、なんて言う。店でも、家でも、いつでも来て、なんて言う】

もっと食べる? それなら、何か、作ってくるね――。

【むぎゅーと鳴く炎は虚空をある意味ぬいぐるみのように太くてもちもちした手で掻いて、彼女は軽く腰を浮かせ】
【作って欲しいと言えば何か作ってくるのだろう。どうしよっか、なんて、訪ねて。緩く、首を傾げた】

/遅れましたっ、これからならお返しできますのでお願いしますー
62 :黄春燕 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/13(日) 21:20:46.19 ID:+fasYXfQ0
>>61

【物心ついたころには、もう両親はいなかった。それどころか、存在した痕跡すら見つからない】
【お墓もない、生きているか死んでいるかもわからない、会いに行きたくても絶対に会えない―――】
【そんな春燕だから、親の思い出も無い。子供のころの記憶は、ただただ寂しかった事ばかりで】
【親のいる周りの子供たちが羨ましくて、独りで泣いたことも何度もあって……大きくなった今も】
【その寂しさが埋まることは無くて、たまに泣いてしまうことがあって……】
【―――だからなのだろう。鈴音の作った「母の味」は、小さなころからずっと埋まることのない】
【空きっぱなしの心の穴を、少しだけ、温かく満たしていた。この温かさが、春燕の欲しかったものなのだろう】

【そして、さらに春燕をはっとさせるような言葉を掛けられる。―――この世界に居たから、出会えたのだと】
【そうだ。鈴音も、大切な皆も、この世界に居なければ絶対に会えなかったんだ―――】
【春燕は涙を拭いて笑顔を見せた。まだ涙に濡れて腫れぼったい瞼だったけれど、それでもいつもみたいに明るく】

―――そっか、……私が、こっちに来てなければ……みんなとも、……鈴音とも、会えてなかったんだネ。
……ありがと、鈴音。―――こっちの世界でみんなに会えたことも、きっと幸せなんだネ。
また、食べさせてほしいナ。鈴音の料理は、あったかい不思議な味がするノ……きっと、それがお母さんの味なんだよネ。

【そう言ってお皿を差し出す春燕は、なんだか母親におかわりをせがむ娘みたいで】
【そのあとに出された料理も、春燕は美味しそうに食べきるのだった。勿論、もう泣いたりはしない】

【―――さて。そうやって春燕のさびしがりで泣き虫な一面も見せながら、やがて食事は終わるだろう】
【手を合わせて「ごちそうさまでした!」と鈴音に告げて……片付けくらいは手伝おうとするけれど、鈴音が止めるなら無理は言わない】
【どちらにせよ、食事が終わればそろそろ帰ろうかということになるが……】

//すみません、少し気付くのが遅れてしまいました……!
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/13(日) 21:31:12.81 ID:jYTuF7LR0
>>62

【燕の言葉に、彼女も、また、両親のことを思い出していた。お母さんとお父さん、だいすきなひとたち、――だけどもう居ないひとたち】
【昔はどうしようもないくらいに寂しくってよく泣いたものだ。どうして死んでしまったの、一緒についていきたかったのに、と、泣いたけど】
【今はもうそんなことは思わない。こうやって生きていてよかったとおもう、――たとえ、もう、普通に死ねない身体になってしまったのだとしても】

……うん。いつでも来てほしいな。最近は、家に居るより、UTに居ることの方が多いけど――、
だから、何かあったら最初にお店に来てくれたら、きっと居ると思う。ご飯を食べるのでも、そうじゃなくても……いつでも来てね。

【――それから、また部屋から一度抜けて。作ってきたのは、いくつか、ちょっとしたおつまみのようなもので】
【フィセルパンで作ったガーリックトーストやチーズトースト、ブルスケッタなど。簡単に摘めるものは、彼女もひとつふたつ横から貰ったりして】
【そうやって二人できっと楽しい話をしながら食べる。食べ終えれば、片付けは、やっぱり自分でやると――燕はお客さんなんだから、と、そう言い張って】

【その片付けもひと段落すれば、食後にあたたかなほうじ茶でも出すのだろう。それも飲み終えれば、そろそろ、時計の針もだいぶん進んだ時刻となっていて】

燕、時間はだいじょうぶ? 帰るなら送っていくね、……さっきの公園で大丈夫?
行きたい場所があるなら、出来るだけ、そこに近い場所に行けるように頑張るけど――。

【自分のカップをからっぽにして、そう尋ねる。もちろんまだ居たいといえばそれでもいいし、帰るならば、送って行くから、と告げ】
【場所の希望も多少なら出来るらしい。とはいえ、知らない場所は無理だけど……と小さく呟くから、あんまりに難しい注文は出来ないだろうけど――】
64 :黄春燕 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/13(日) 22:00:12.35 ID:+fasYXfQ0
>>63

【ひとしきり泣いて、甘えて……それで、寂しい話はもうおしまい。折角こうして遊びに来たんだから】
【鈴音の前で、いつまでもめそめそしているのは良くない。難しい顔も、難しい話も、今は置いておいて楽しく笑おう】
【鈴音の作ってくれたおつまみと共に、他愛もないけれど楽しい時間は過ぎていく。―――きっと、これも幸せ】
【誰かと一緒に笑顔でお話出来るのも、かけがえのない幸せ。両親以外にも、こんなに優しくて親しい人がいるのだから】
【そうして、食事もひと段落付く。食後のお茶なんて、細やかなところまで気が付くのが鈴音らしい】

【さて。楽しい時間はあっという間に過ぎていくもので、時計を見れば時間はかなり経っていた】

そうだネ。そろそろ、帰ろうカ!うん、さっきのとこで大丈夫だヨ。
夕飯付くてくれた上に、送ってくれるなんて……ごめんね、手間かけちゃっテ。

【そろそろお暇としよう。急な訪問だったし、あんまり長居するのも失礼だろうから……それに】
【会いたくなれば、鈴音の店に行けば何時でも会えるから。―――また、あの温かい味を食べられるから】

―――今日はありがとうネ。本当に美味しかったヨ!
……鈴音もいつかお母さんになるのかナ。エヘヘ、子供が出来てもあの味ならばっちりだヨ!
それじゃあ、またネ。お仕事もがんばってネ!

【別れ際には、すっかり明るい笑顔も戻って。元気に手を振れば、春燕は一先ずの別れを告げて】
【鈴音にもらった温かな元気を胸に、また明日からの自分の仕事を頑張るのだろう―――】
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/13(日) 22:08:09.62 ID:jYTuF7LR0
>>64

【お茶はなんだかいろいろ取り揃えてあるみたいで、「いろいろあるんだけど……」なんて言っていたのだけど、】
【一番のお気に入りが、ほうじ茶とか、そういう。なんというか素朴で櫻的なものだったらしい。だからと一番好きなのを出して、一息ついて】
【よく遊びに来る子が紅茶を好いているらしい。だからいろいろあるの、紅茶ならなんでもいいって言うんだけど――なんていうのは、雑談の一部分】

ううん、いいの。わたしも、燕と話せて楽しかったし――またいつでも遊びに来てね。……今日はへびさま、部屋で眠ってるのかなぁ。

【「静かだね」と呟いて。どうやら彼女は"へびさま"と燕が鉢合わせして、彼のほうから逃げ出して行ったのを知らないよう】
【挨拶くらいしてくれたらいいのになんてちょっと拗ねたように呟くけれど、怒っているわけではない。ふうと小さくため息を吐いて、】

え、……そう、かな? でも、まだ――わたし、おしごと、したいから。へびさまとはずっと一緒だし――、えっと……。

【それから、燕の言葉に少しだけ狼狽える。子供だとか、ちょっと、照れくさいような――不思議な気持ち。頬に手を当てて、視線をきょろきょろと動かし】
【だけど今はまだお仕事をしたいから、なんて、呟いて。――それから、少しごまかすように小さく首を振ると、】

うん、じゃあ、……あ、靴持ってきてもらわなくっちゃ。じゃあ、外出てからでいいかな……、

【なんて言って、外行こう、と促すのだろう。送るだけなら子でも出来るけれど、それだと、靴を置き去りにしてしまうし】
【それから二人で外に出れば、風はひんやりと冷たい――というか寒い。夜の国は極北の国だから、仕方ないのかもしれないけれど――結構寒くって】
【「あと少ししたら雪降るかな……」なんて呟いて、彼女も身体を少し小さくする。「他の国はまだあったかい時もあるから、困るの」なんて、苦笑し】

じゃあ、

【そう呟いて、また手をつなごうとするのだろう。再びつなげば、また、魔法か手品のように景色も何もかもが変わって――さっきまでの、公園だ】
66 :黄春燕 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/13(日) 22:21:34.08 ID:+fasYXfQ0
>>65

あはは、鈴音にはまだ早いかナ。……私なんて、好きな男の人すらいないんだけどネ。
お母さんを知らない私も、いつかこの世界でお母さんになる日が来るのかナ……なんテ。
そうだネ、外に出ようカ。―――うわっ、さむッ!?

【外に出ると寒くって、異国の地にいるのだなと分かる。春燕は寒いのも嫌いじゃないけれど】
【流石に薄着だと少し堪える。「はやく元の場所に帰してもらわなくっちャ……」なんて呟いて】
【そっと、鈴音の手を握る。―――寒いからか、鈴音の手はほんのりとあったかく感じた】

【―――そして、気が付けば元の場所。こちらはまだ夏の気配が残る空気で、やっぱり夜の国とは違う】
【もう一度またネと挨拶すれば、バイバイと春燕は手を振って……やがて、夜の闇の中に消えていくだろう】

//ここで〆ということで、お疲れ様でしたー!
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/13(日) 22:45:18.34 ID:jYTuF7LR0
>>66

【確かに自分にはまだ早いかもしれない。だけど心の中にある母親を思い返して、だいすきなひとのことを、思い返す】
【少し照れくさいような、嬉しいような。きゅうと胸が少し痛むような――不思議な気持ち。母親へのあこがれと、ごちゃまぜになって、】
【だけど不快ではない。嫌ではない。――小さくくすりと笑って、そうと、左手の薬指にある指輪を眺める】

【――そして、燕を元の公園へと送っていく。またね、と、手を振って、その背中を見送り】
【今日はもうすることもないし、と、夜の国へ戻っていく。――そうすると、庭にある洋風東屋に、今度は人影があり】

……もう、へびさま、こんなところに逃げてたの?
あの子はね、友達なの、怖い子じゃないよ――、……、へびさま、寒かったでしょ。
さっき沸かしたお湯、まだあるから。一緒にお茶、飲もう? ……ほら、*ちゃんも。

【真っ白な髪の男。どこかぶすっとした顔で座っていた彼へとそう声を掛けた彼女は、】
【そのついでのように、まだまだ居座っていた紫の鳥にまで声を掛けて――、それから、室内に戻っていくのだった】

/おつかれさまでしたー!
68 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/15(火) 21:12:47.73 ID:sTIYQ3Nqo
【夕暮れもとうに過ぎて、宵闇が満ちる色を露わにする】
【淡い光がちろちろと、人気の少ないあぜ道を彩って】
【そんな小さな夜の公園に鎮座する影が一つ】


……ぐぅ……くぅ……


【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女がベンチに座っている】

【どうやら眠っているようで、その小さな頬が少動物のように揺れる度に】
【風鈴の音のような寝息が、薄氷を踏むがごとくうっすらと零れる】
【それはさながら、朝焼け混じりに漏れた白い吐息みたいに】

【ベンチの隙間をうめるようにたてかけられているには、大人用のバイオリンケースで】
【如何にも高級そうなソレが、無防備に置かれている】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/15(火) 21:34:20.70 ID:3+696+cf0
>>68
【パルルルルルというプロペラの音。次いで、小型の戦闘機のようなものがその場に着地する。小型、というよりは人のサイズ……】
【否、それは人であった。背中から、出た二枚の戦闘機のような羽、そしてそこにプロペラ。着地した後、それはガシャーガシャーと消えるが……】
【茶髪の、活発そうな青年である。服装はといえば、緑を基調とした戦闘機のパイロットのようなもの。】

……人間か。当然だけど……。お嬢さん、寝る場所は選びなさい。

【こつこつと革のブーツの足音立ててベンチに眠る少女へ近づけば、青年はその光景を不思議とも思わず少女の方を揺らす。】
【その注意の内容も、どこか……不自然。】
70 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/15(火) 21:46:47.84 ID:sTIYQ3Nqo
>>69

【曰く――――――銃弾にも似た、プロペラの音、鈴虫の音色でも聞こえそうな夜の公園に】
【似つかわしくないその音は、さざめきと轡を並べて木々を轟々と揺らすのだろう】
【それでも彼女の眠りは遮られず、眠り姫は王子様のキスを待って】


……っ!?――――――ка(な)……какой(な、に)……ぃ?


【目覚めはそれほどロマンチックなものでもなく、お腹いっぱいだなんて寝言でいいそうなぐらい】
【揺られて、あわわなんて声が漏れたら、翡翠のように不思議な音律が漏れる】
【目を摘むって聞けば、子どものお祈りにもにた、子猫の泣き声が聞けるだろう】

【大きなマリンブルーが貴方を見上げる、プラチナブロンドの前髪がさらりと額をなでて】
【長いまつげがふわりと目元を就職して、タレ目がちな心を示唆する】
【乳白色の口元が震えたら、ソプラノが曖昧な笑みを浮かべて】


……お空から、来たの……?


【まだねぼすけな表情を浮かべて、紡ぐ言葉は夢見心地】
【羽毛の布団にくるまったままの、冬休み気分の抜けない子どものように】
【小首を傾げたなら首元のリボンが囁くように揺れてみせた】
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/15(火) 22:04:23.40 ID:3+696+cf0
>>70

突然起こしてすまないね。
……空?――ああ、私は森から空を渡って来た。ここでは……森の国とでも呼ぶのだろうか。といってもあそこに法などないしな……。

【自分にはわからない言語とわかる言語を織り交ぜられて思わずこんがらがってしまうが、とりあえずは質問の意図を把握し答える。】

こんなところで堂々と眠っていられる君に質問なんだが、その……人間の社会では、どんな理由で争うんだ?
――多分、ここは平和そうだから、よくわからないかも知れないが……。いろんな人に訪ねても全員に変な顔されて無視されるか逃げられるかだし……。
君のように、私と似た怪しそうな人間なら、逆に逃げずに聞いてもらえると思ってね。

【こちらからも――人間のなりしているくせに、人間とはなんぞやといったような、哲学的なことを、真面目な顔して訪ね。】
【いちいち饒舌に言葉を付け加えて、中には、ちょっと失礼な内容も含み。】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/15(火) 22:09:14.64 ID:E64PMmwx0
>>59

【肩を竦めたのを見て、成る程今の自分のような視線が集まるのを考えると】
【恥ずかしくなるの分かる気がすると、頷いて】

【ちなみにローブの内側にポケットを付けてみたり、割と改造してるらしい】


……んー、不思議、と言われても、実は私もそこまで自分の能力を知ってるわけじゃないので……
ただ、何かを感じるならそうなのかもしれませんね、私が分からないだけで
……魔法ではあるらしいんですけどねえ

【実際のところ、少女自身にも能力の深いところは分かっておらず】
【そういった根元を知る機会が無かった、の方が正しいかもしれないが】
【「武器」としてしか使っていなかったから、「武器」としての性質を知っていればいいと】
【そう思っていた時期が長かったらしく】

あ、深読みしなくても大丈夫ですよ。実際降参の意で使ってましたから、これ
最近になって、出してからこういうことも出来るようになったんですが

【まさかの本当に降参の白旗だったわけだがさておき】
【ひょいと軽く旗を振ると、ひらりとはためいた白かった布地が、一瞬で赤く】
【それからも尚も振り続けると、振る度に色が変わってゆく】
【青へ、緑へ、黄色へ、くるくるくると色は変わる】

……まあ、私が出せるものの大半は所謂「武器」なので
こういうところで出せるって言うとこれ(旗)くらいしかないんですよね
ちなみに手放すとこうなります。

【粗方振って見せた後旗を手放す。旗は手から離れた途端に、霧散し崩れて消え去った】
【最初から、少女は何も持っていなかったかのように】
【ちらり、と相手の顔を見やる。「どうでしたか?」と言わんばかりに】


/と、いうわけで解凍させていただきます
/今日もよろしくお願いします
73 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/15(火) 22:15:10.84 ID:sTIYQ3Nqo
>>71

【一つ頭の上に大きなはてなマークを浮かべてその言葉の意を探る】
【寝起きで働かない頭、霧のように視界にかかる靄を、ごしごしと手の甲で擦ってクリアにする】
【空からきたのって聞こうとするけども、その前にあなたの言葉が響いて】


……争う……の……?


【ベンチに腰掛けたまま、スカートの裾から零れる両足がぱたぱたと揺れて】
【両手を両足の間に落として、ぼぉと視線だけは見上げたままで】
【小さな口元で咀嚼するように、何度もあなたの言葉を飲み込む】


ぅんと……ソニアね、あんまり……分かんないけど、多分、護るため、だと思うの
大切なモノをね、護るためにね、争う、と思うの……

……それにね、ソニアはね、怪しくないの、悪い子じゃ、ないもん


【凄く漠然とした答えだろう、幼子相手に将来の夢を聞くようなものだ】
【でもそれには、真っ直ぐな思いが込められていることに気づけるだろうか】
【言い方はすごく曖昧で、柔らかそうに見えても、そこには棘があるんです】

【ぷくぅ、と頬が膨れた、じとーと見る目には非難の意思が込められて】


おにーさんね……人間の社会、知らない、の?


【そんな感情も泡沫の夢が如く、掌の上で滲む細雪のように溶けて】
【不思議そうに首を傾げて、その音律をのせる】
74 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/15(火) 22:27:29.22 ID:XmiyIMP+O

>>72

 便利な衣類は羨ましいわね……。
 
【便利な能力を持つ少女が呟く】
【ちなみに、何かを感じると言っても、藍璃は魔翌力がどんなものであるかもわかっていない】
【その為、結局違和感を感じた程度に留まる様だった】

 ……ん、私もよくわからないわ。魔法だなんて、あるとすら信じていなかったもの、昔は。
 今はほら、自分のこともあるし理解してはいるんだけどね……どうしても、実感はわかないわ。

【藍璃においても、ただ必要な部分しか理解していないという点では同じであった】
【観測し、それを伝えることのみ出来ればいい、その結果が現在である】

 あら、そうなの?
 でも、意思疎通には単純明快で便利そう。私なんか、一々大袈裟にしなきゃ発動出来ないんだもの、嫌になっちゃうわね。

【ある程度以上は、謳う手間がかかることを考えて溜息をつき、次いで次々と色を変える旗を見ると】

 ……どういう仕掛け……いや、能力に突っ込んでも仕方が無いか。にしても、ユニーク……客寄せとかに使えないかしら……

【考察、しかし直ぐに生業への転換を考えてしまっていた】

 武器位、ね……でも、私はその旗、面白いと思うわ。是非とも再現したいけれど、原理がさっぱりだから諦めるわ。

【冗談気に笑うが、手放した旗が霧散したのを見るや】

 接触性の具現能力か……?
 となると……ああ、いやごめんなさい。
 何かわからないことがあると、直ぐに考察してしまうのが癖みたいで。

【結局、色を変える旗は藍璃にとって地味に魅力的であったようである】
【どうやら、面白そうなものに惹かれるようだ】

//解凍有難うございます。
//今宵も宜しくお願いしますね。
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/15(火) 22:43:54.47 ID:3+696+cf0
>>73

護る、か……。なるほど。理解した……。ありがとう。――否。ここの設備はどうも、寝るために作られていないように見える。街灯もつけっぱなしだし……。
そんな場所で眠る君は、どうみても怪しい。だが悪い人でないのは理解した。

【彼女の質問の答えは、青年にとって満足いくものかは、表情から判断できない。ちょっと堅苦しい。】
【そして彼女の非難も、意に介してない様子だ。状況を改めて説明して、尚も怪しいと説く。】

知らないのは、いや、知りたいのは、というべきか……。ともかく、知らないのは争う理由だ。私の住む森では、なぜか争いが増えた。
我々の世界では、争いは生きるためだった。その種族で自給ができなくなったとき、仕方なく他の部族から奪う。そうでなければ、至って平和なはずなんだ。

それなのに最近は、あちらこちらで争いが増えている。奇妙なほどに……。

76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/15(火) 22:52:49.48 ID:E64PMmwx0
>>74

一体何度指を刺したことか……
まあ、その結果ちゃんと出来たからいいんですけどね

【手 縫 い】
【ただ縫ってる最中に何度も指を刺してる辺り、器用なのか不器用なのか悩むところである】


【「まあ、きっと何かあるんですよ」と、分からないなりに】
【もしかしたらお互い、ふとした時に自分の力を更に理解するのかもしれない】


いっそ手旗信号でも覚えてみますかね? あ、でも相手も知らないとだめか……

【確かに意思疎通だがそれは脱線してやいないだろうか……】
【本人は割と真剣な表情ではある】


うーん……少なくとも、触ってないと維持できないんですよね。
後は、壊れたり歪んだりしてもダメみたいです。

分からないといえば、貴女の詩って、具体的に何が出来たりするんでしょうか?
再現するとは聞きましたけど……

【実に断片的な情報だが、実際使ってる本人が分かるのがこれだけな辺り、実用重視だったのがうかがえる】
【旗の布地が翻ったりするのは歪むに当たらないらしい】

【そして今度はこちらから問うてみる】
【分からなければ知りたくなるのは、どうやらこっちも同じようだ】
【もっとも、考察を伴うかどうか、という違いは、あるのだが】
77 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/15(火) 22:53:03.35 ID:sTIYQ3Nqo
>>75

【少し不満気でも、悪い人ではに、と言われ満足したのか、表情が戻って】
【眠たげな瞳がその色合いを鮮やかにしたまま、呼吸をするように貴方を見つめる】
【気になったのはその格好だろ、奇妙な服装が心に興味を乗せて】


……ん……ソニア、あんまり賢くないから、なんでかはね、分からないの
でもね……争いが増えてるって言うのはね、分かるよ


【返すのは真っ直ぐな言葉、しゅん、と萎んだ表情を見せて】
【ガラス越しに映った雨空みたいに、澄んだ頬の色が曇ったら】
【ふと気づいたように顔を上げて、大きな瞳をぱちくりと羽ばたかせた】


……おにーさん、森に住んでるの?
ソニアもね、ずーっとずっと、小さいころ、森に住んでたよ


【可憐な瞳に興味が宿ったら、もうそこに憂いは消えて】
【無垢な彩りがある種に残酷さを潜ませているのだろうか】
【過去の逡巡、少しだけいたんだ胸の声は間違いじゃなくて】

【――――――今でも小さいのは言わなくても良いだろうか】
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/15(火) 23:03:23.28 ID:3+696+cf0
>>77

ふむ……。――ああ。森に住んでいる。君も森の住民なのか……?臭いが人間のようだから気付かなかった。
纏う空気が、私とは違うような……。まあそれもそうか……。

【青年は実は異世界と呼ばれる存在を認識していない。だからだろうか。全ての森という言葉を、自身がすんでいる森と解釈する。】
【無論、小さな頃という表現、それに反応するつもりはない。幼い頃の話を幼子がしているというような見方。】
79 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/15(火) 23:10:57.47 ID:sTIYQ3Nqo
>>78

【貴方の返答に首を傾げる、何かおかしいな、とでも言いたげに】
【それはさながらお伽噺の中と外、絵本に憧れる夢見にも似て】
【何でかなぁと思いつつも言葉は決まらず】


……住んでるって言っても、ずっとむかしの事、なの
でもね、人間も森に住むよ?


【青年の納得に違和感を抱いて、一つ言の葉を吹かす】
【秋風に揺れる一葉が、夜月に照らされて彩りを深めて】
【ソプラノの残照に負けないぐらい強く光るのだろう】


……おにーさん、ひょっとして、人間じゃ、ないの?


【疑問を口にする、なるほど見た目ほど頭は悪く無いみたいで】
【それなりに考えた後の結論なのだろう、瞳の中には好奇心が強い】
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/15(火) 23:15:20.31 ID:3+696+cf0
>>79

……。ほう……。私たちの会話には食い違いがある気がする……。

【無論それは森という言葉の解釈なのだが……。彼にとっては、森に住むものは人間ではない。その前提で話していて。】
【かつて森の住民だったと述べる少女は、まるで人間が当たり前といった様子で……。】
【孕んだ違和感を払拭することもなく、こんがらがった思考をそのままにして洗い流し、】

ああ、私は人間ではない。

【ただ少女の問に答えるのみであった。】
81 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/15(火) 23:20:38.80 ID:XmiyIMP+O
>>76

 て、手縫いなのね……まぁ、裁縫は女性の嗜みでもあるし……。
 
【手縫いであることを知り、何故か語尾に行くにつれてその声は弱まっていき】
【自分がその手のことを全く出来ない故に、感心となんだか物悲しくなったらしい】

 何故、男性の怪我は勲章で、案外怪我する女性は……なんて考えちゃう。
 でも、綺麗な方がいいというのは同意してしまう複雑な……ああ、脱線してしまったかしら。

【リライズをしきりに可愛いと言ったり、男性目線にたったりと変な気がありそうである】
【しかし、能力の謎よりも、その存在自体が謎であるからに、理解するなど無理なことなのかもしれない】

 モールスの応用だとか、色を母音子音に置き換えれば……複雑過ぎるわね。
 もう、青は悲しい、赤は怒りとかでいいんじゃないかしらとか。

【脱線した話題に釣られて、真剣に考えているよう】

 魔法だとするのなら、具現の中でも創造能力より何じゃないかしら?
 手は、魔翌力を集めやすい場所みたいだし、それの性質変換で物質化するだとか……推測でしかないし、知ってることをあてがっただけだからあまり気にしないで欲しいのだけれどもね。

【あくまで考えを押し付けたくはないらしく、保険のようにそう付け加えて】

 私の詩?
 ……ん、説明しにくいけれど、わかっているのは"観測事象を周囲の物質を使って擬似再現や改竄"出来ることと、"無機物の可能性の固定"、それとこれが一番理解出来ていないのだけれど、"ある程度の知名度と信仰を持つ存在の召喚"は出来るみたい。

【みたい、という辺り、理解せず利用しているのだろう】
【息を整えると、再び口を開く】

 まぁ恐らく、"吟遊詩人"という存在の解釈を詰め込んだ様な能力なのかしら。
 ただ、どれも時間制限があるし、実は死亡以外において損傷したものは、能力終了時に元に戻るっていう制約があるから、手練と戦うのは厳しかったりもするわ。逃げ回られても、駄目ね。

【それと、と付け足し】
【自分について語るのはやはり流暢であるようで】

 後、いくら観測してても、その事象のある程度の真理を知らなければ再現できないわ。当たり前だけど、弾の込め方がわからなければ、銃は使えないでしょう?

【すると、両手で銃の形を作り】
【リライズへ向けて構えた振りをすると、顔を出して微笑んだ】
82 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/15(火) 23:24:55.47 ID:sTIYQ3Nqo
>>80

【少しの間彼女の脳裏にフラッシュバックしたのは過去の憧憬】
【ずっとむかし、此処じゃない世界に居た時の自分の事】
【懐かしいなぁ、なんて小さく心の何処かで考えていた】


ふふ……ソニアの、だいせーかい、なの
でもね、おにーさん、どこから見てもね、おにーさんにしか見えないの


【興味をそこに溶かしたなら、水面に広がる漣のように広がって】
【涼しげな風が心地よく頬を撫でる、プラチナブロンドの髪が柔肌の上で踊る】
【微笑む目尻の色が、氷菓に混ぜたシロップのように甘く満ちる】


……だからね、気になるの、人間さんじゃなかったら、何なのかなぁって思うの
お空から来たの、かな?なんて……


【見上げたままパタパタと足を振る、細い両足は今にも崩れてしまいそうな硝子細工みたい】
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/15(火) 23:25:02.27 ID:xuhsXqIY0
【とある病院。其処には日々数多くの患者が運び込まれ、常に病室に空きが無く】
【24時間体制で診療しているのだから昼夜問わずに人の出入りも激しい】
【――――そんな病院の中庭。普段ならばこの時間、患者も居ない筈なのだが……どう言う訳か、今宵は一人の子供の姿】


「そっか……もう外はそんなになってるんだね
僕も自分の足で外を歩いてみたいな……」

【ベンチに座り、指に止まらせた小鳥に語りかけ。歳は恐らく15歳前後であろうか】
【肌も透き通るように白く、髪も色素が抜け落ちたかのような純白。それなのに、瞳だけは血の様に紅く】
【――――アルビノ、と呼ばれる存在。実際、小鳥に言葉が通じている様な節も所々に見え】


「……うん。何時か一緒に色々見ようね
僕も、沢山友達を作って――…………」

【元より虚弱体質なのだろう。咳き込んでしまえば中々に止まらず、其れを見る小鳥は心配そうに小さな鳴き声を上げ】
【――――夜も遅い、と言う事もあり咳の音とて中々に響く。更にはこの病院、数多くのクスリも販売しているのだから旅の者達が愛用していたり、なんて事もある】
【少女の姿も闇に反して白なのだから、見つけやすいかもしれないけれど】










【路地裏。日々諍いが絶えることは無く、常に新しい血が古い血痕を上塗りしていると言い表しても良い其処】
【今宵も又罵声が飛び交って居るのだが――――奇しくも、その内の一つに女の声が混じって居るのが聞き取れるだろうか】
【もし覗いてみたならば、其処には修道女が一人居る事が知れる筈だ。攻撃的な赤色の髪――――その表情は、見るからに不機嫌である事を表していて】


「はァ?あんまり巫山戯た事ばかり言ってるとアンタの頭かち割るわよ
大体にしてね、アンタ等が束になって掛かってきたところでアタシには傷の一つも付けられない事位分からないの?

アタシがこうして優しく言っている間にさっさと――――チッ」

【大柄な男数人に対して、女が一人。多勢に無勢、所では無いのだが……女は勝ち気な態度を崩さず】
【それが癪に触れたのだろう。男の一人が殴りかかろうとするのだが――――展開はあっという間】
【殴りかかったはずの男が気付けば地面に顔を強く打ち付けていて、さらけ出した後頭部を思いっきり踏みつけられる、なんて状況】
【其れを見た残りの者達は恐れを成したか、慌てる様にしてその場から逃げ去ってしまい】


「ちょ、待ちなさ――――アアアアア!!もう!!アンタのせいで他の奴等全員逃がしちゃったじゃないの馬鹿!!」

【他の者達を取り逃がした苛立ちを気絶した男に全てぶつけることとなる】
【――――端から見たら異様な光景だ。何しろ、修道女が男を踏み続けているのだから】
【声を掛ければ鋭い視線が向けられるし、関わりたくないからと静かに通り抜けようとすれば肩を掴まれる】
【――――この場面に遭遇してしまったのが不幸。逃れる術は無く】

84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/15(火) 23:39:20.32 ID:3+696+cf0
>>82

……別に隠すことでもないな。私は……機械型亜人と呼ぶべきか……。森の中では、とんぼ族と呼ばれてる。
他にもとんぼの仲間はいるが、私のようなタイプは私しかいない。ただその程度の話だ。

【そこまで説明すると、彼は額にかけたゴーグルを装着する。そして、背中からは戦闘機のような、とんぼの羽が。パルルルとプロペラが回り始める】

いろいろと教えてくれてありがとう。久々に誰かと話せてたのしかったよ。私はそろそろいくとする。

【砂埃を撒き散らし、夜空へと飛び立つのだった。】

/絡んでくれてありがとうございました。また機会があればよろしくお願いします。
85 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/15(火) 23:43:58.36 ID:sTIYQ3Nqo
>>84

【きかいがたあじん≠サの言葉が脳内で変換されるには少しだけ時間がかかって】
【なんとなくそれらしい言葉になったかなと思ったら、相手はもう〜その形を変えて】
【わぁ、と声が漏れた、その変形が、あまりにも見事であったから】


わわ……とんぼさん、なの……びっくりしたの
うん、ソニアもねお話出来て、楽しかった、よ……


【夜空へ消えていく貴方の姿、宵月の明かりが貴方を包んで】
【過ぎていく影はやがて見えないくらいに遠くへ、空で光る星よりも遠く】
【それでも消えていく姿を、いつまでも見送っていた】

/お疲れ様でしたー!
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/15(火) 23:52:50.39 ID:E64PMmwx0
>>81

あ、一言断っておきますけど手縫いしたのは内側だけですよ。ポケットを付けるとか
元々、形見なのでちょっと躊躇しましたが……

【紛らわしいことこの上ない】
【気遣いと訂正半々といった感じで告げる。さらっと形見だとか言った気がしたが】

【目の前で一人で盛り上がる少女に困惑の表情を浮かべる】
【どちらかと言うと、「理解できない」ではなく「何でこじらせたんだろう」的な感情ではあるが】
【まあ、察するのは難しいだろう。一応理解できる辺り前にもそういうケのある人と交流があったということではあるが】
【この少女がノーマルかそうでないかはまた別のお話】

うーん、「そうぞう」ですか……案外そうかもしれません
魔法は想像から始まるなんて、何かで読みましたし

【旗の意思疎通を思いっきりスルーして、そして「そうぞう」を取り違える】
【尤も、想像も創造も通ずる部分はあるか】


――……? え、えーと……つまり……

【一度に告げられたからか、規模が大きいからか、いまいち理解が追いついてないのが目に見える】
【少しわたわたしてたが、それでも少し冷静に一呼吸】

……んー、つまり、
「何が起こったか理解できて」「どういう原理か理解できれば」創造できる感じ、ですかね?
知名度と信仰は分かりませんが……多分無意識に理解してるか、もしくは……何なんでしょうかね
ただそうなると今度は可能性の固定、の部分が……いや、原理が分かればそうなるように仕組むことも……うーん?

【前言撤回。どうやらこの少女もノった時は深く考える節があるらしく】
【しかし専門外なことは半端にしか分からず、考えると言うより悩むに近い】
【とりあえずド壷にはまる前に思考を一旦切って】

……ただ何というかこう、分からないと考える癖が付く、っていうの、分かる気がします

【向けられた指の銃にちら、と視線を向けた後、同じく微笑み返し】
【多分撃った振りをしたら撃たれる振りくらいはするだろう たぶん】
87 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/16(水) 00:17:34.63 ID:5eHAoE8WO
>>86

 そ、そう……でも、凄いと思うわ。世の中には、ピアノが弾けるのに何故か裁縫は出来ない人間も……。

【女性らしさにおいて、藍璃は欠けているらしい様子】
【軽くネガティブになっているせいか、形見という言葉を聞き逃したようで】

 ま、考えて便利になるわけでもないし。

【そんな風に打ち切ると】

 ああ、ごめんなさい……簡潔に話すのは苦手みたいで。

【つい、説明口調になっていたことを恥じる】

 そう、大体はそう思ってくれて構わないわ。
 例えば、神話だとか童話の登場人物や現象……そういうのは、吟遊詩人が語種にして、それが伝わって残されたりもしたらしいわ。
 故に、伝える為に再現可能……なのかしらね。ある程度の信仰というのは、恐らくは制約ね。これがないと、適当に考えた現象を具現出来たりしてしまうから。
 その代わり、有名なものになればなるほど、再現した時に強力になるわ。
 可能性の固定とは言ったけれど、微小な現象を強制的に引き起こすと思えばいいかしら。
 風で砂が舞ったり、そういうレベルね。細かく制御すれば、砂嵐も起こせるけれど……結局は、有機に干渉出来ないだけの再現能力よ。

【語り始めればなかなか止まらず、ましてや相手もそうなりかけているとあれば余計に】
【だが、リライズが打ち切ったのに合わせて、嘆息と共に思考を辞めた】

 ……くだらないことでも、突き詰めれば案外面白いし、何かが見つかるものだから。
 
【そうして、手で形作られた銃を構え直し】

 ばーんっ……なんてね?

【茶目っ気含めて、打つ真似をするのだった】
【しかし、意図せず能力に抵触――】

 ――あっ。

【刹那、指先から微弱な空気の弾が発生】
【殺傷力などあるわけもないが、その先は丁度、リライズが座っている椅子の端。着弾すれば、衣服がめくれてしまう位はあるかもしれないが】
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/16(水) 00:41:25.02 ID:IPY+qFO/0
>>87

……ま、まあ、やれば慣れるって言いますし……ね?

【フォローになってない】


早い話が、それこそ好き勝手に歌われないようにする制約、って感じですかね……
一種の魔法と見るならやはり何かしら、そういう縛りを有効にする何か、があるんでしょうけど
もしかしたら、無機物だからこそ使える のかも……? ……うん、やっぱりよく分かりませんね

【分からないものは分からない、とさっくりきっぱり切り上げて】
【「突き詰めれば面白いし、何かが見つかる」の言葉に、賛同の意で大きく頷いて】

【そして、撃つ振りをされるやいなや「きゃー」なんて撃たれた振りをしてみた が】

――えっ?

【おどけて見せた視界に入った弾。再現、銃、弾と一瞬で思考が線で繋がり】
【そんな威力は無いと思わずに「やばい」と思ったか、思いっきり椅子を引いて避けようとして】

【どんがらがっしゃんと 盛大に後ろにひっくり返った】
【大きな音に店中の視線が再び集まる。この二人がここに着て視線が集まったのももう何度目だろう……】

89 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/16(水) 00:57:44.29 ID:5eHAoE8WO
>>88

 ……うぅ、料理しようとしては焦がし、裁縫に手を出せば糸すら通せずの女なんて駄目よね、やっぱり……

【一応、やって慣れようとはしたらしい】

 そうね、際限なく再現できてしまえば、それは人ではなく神の境地だし、我流創作を具現出来てしまったりなんかすれば、それこそ欲に飲まれて闇に落ちるから……。
 無機物固定の能力であればわかり易かったのだけれど、一応架空のものとはいえ、修羅神仏の類も召喚出来るからどうなのかしら……結局は、如何に派手に語れるか、みたいなのを突き詰めた能力?

【本人すら、曖昧に終わらせて】
【リライズが頷いたのに満足を示した】
【次いで『きゃー』なんて言葉とともに、手銃にアクションをとってくれるのだがしかし、予想外の空気砲に椅子ごと後ろに倒れてしまうリライズ】

 あ、え、ああっ!
 ごごごごめんなさい!?

【椅子と床とがぶつかる音に、慌てた2人の声。店中の『またお前らか』という視線が酷く痛い】
【自らも、空気砲の反動で軽く後ろに仰け反るが、直ぐに立て直し】
【慌てながら、何故か息を吸い込んだ】

 ――其方の役割を忘れるべからず、揺らぐことなく全うせよ……あるべき姿へっ!

【それは意図した詩であり、明確な意味を顕現させる】
【リライズが慌てて飛び退いたり、とにかく椅子から動かなければ、ゆっくりと椅子は起き上がり元の状態に戻るだろう】
【しかし、咄嗟に助け起こさず謳ってしまう辺り、混乱が垣間見得る】
【そして、元に戻ったのであれば、藍璃は焦りながらもこう言うだろう】

 ……こういう、能力なのよ。
 正直ごめんなさい、反省してます……。

【慣れない茶目っ気を出したばかりに、こうである】
【藍璃は顔を赤く染め、俯くだろう】
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/16(水) 01:10:27.23 ID:IPY+qFO/0
>>89

【ちなみにひっくり返った時にローブの裾が少しまくれたが】
【なんてことはない、腕にあったのと同じような傷跡がやはり大量にあるのが分かるくらいである】

【幸か不幸か、ひっくり返った時に頭をぶつけて痛がってじっとしていた、いやじっとしていたとは少し違うが】
【ともかく、椅子の上で動かなかった為にすんなりと元通りに】

痛たたたたたた……って、あれ? 明らかに倒れましたよね私……

【ぶつけた後頭部を左手でさすりつつ、何が起こったのかと言わんばかりにキョロキョロとして】
【痛がってたときに聞こえた詩の調べに思い当たる。つまり、元通りの椅子が再現されたのだと思い当たり】
【ついでに、視線を集めてることに気づいてちょっと顔が赤くなる】


あー……まあ、大事には至ってないので大丈夫ですよ。流石にちょっとびっくりしましたけど……
というか暴発は流石に予想外でした……

【まだちょっと痛そうだが、気にしなくていいと。元々許しやすい気質ではあるのだが】
【気遣い半分と言ったところか】
91 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/16(水) 01:22:09.85 ID:5eHAoE8WO
>>90

【やはりというか、傷跡は全身にあるようで、捲れたローブから一瞬垣間見得る】
【能力終了後、あるべき姿に戻るという藍璃の能力のデメリットを逆手にとれば、傷跡なら治すことも出来るが……それは、失礼な行為で要らぬお節介というものだろう】

 えと、そうね……倒れた、わ……。

【倒れた時に後頭部を打ったのか、リライズは痛そうに頭をさする】
【その姿に、罪悪感が押し寄せた】
【それが視線を集めていることの恥を増幅させ、俯いてしまう】

 私の能力は、条件を狙って発動するもの……逆に言えば、条件さえ満たせば勝手に発動もしてしまうわ。
 だから、出来るだけ曖昧な会話はしないようにはしてるのだけど……ごめんなさい。

【しきりに謝り、その顔はどんどん俯いていき】
【『何があったんだ』という周囲のざわめきにただ、耳を赤くした】
【しかし、リライズの気遣いに気が付いたのか、少しだけ顔をあげる】

 ……難しいものよね、能力も魔法も。

【そう言って、少しだけ複雑に微笑んだ】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/16(水) 01:35:39.64 ID:IPY+qFO/0
>>91

【流石にもう痛みがひいてきたか或いは慣れたか、さする手を止めて】

あーもう、謝らないで下さい。私はいいって言ってるんですから……
それにまあ、次からまた気を付ければいいだけですし……

【周囲のどよめきが大きくなるにつれ、逆に今度はこちらが罪悪感のようなものを感じてくる】
【謝られ続けると逆にこっちが悪者に感じる錯覚、みたいなものだ】
【まあ、もういいと言っているのは決してその罪悪感の為ではなく。本当に単純に気にしてないのだと】


……だからこそ、もっと知らなくちゃいけないのかもしれませんね、お互い

【どんな表情で返していいか、微妙に悩んで迷って】
【結局、色々と含んだ、同じような微笑を返して】
93 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/16(水) 01:47:26.02 ID:5eHAoE8WO
>>92

 ……ごめんなさ……じゃなくてっ。
 一度謝ると、止まらないことってあるわよね……。
 気をつけないと。

【謝罪が帰って迷惑になっていることに気が付き、顔を上げて】
【気にしていないというのを信じて、取り敢えず周囲を睨んでざわめきを抑える】
【整った顔立ちであるがため、眼光は異様に鋭く、こちらへ向く視線は減っていった】

 知る。そう、知らなければ。
 無知は罪とは、よく言ったものね。

【曖昧な微笑みは真剣な表情へと代わり】
【久方ぶりにカップを手に取って、口へ運ぶ】

 ――ぬるっ!?
 何これ、ぬるいんだけど!?

【当然の如くそれは冷めていて、中途半端な温度はあまり美味しいとは言えなかった】
【真剣な空気も霧散し、カップを置けばリライズの方を見やり、ころころと微笑んだ】
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/16(水) 01:57:00.45 ID:IPY+qFO/0
>>93

まあ、知るにしても知るにはきっかけが必要、ではあるんですけどね
こういうのは一人で考えても、埒が明きませんし

【対照的にこちらは柔和な表情に。相手が落ち着いて安心したせいもあるのか】
【そしてつられてか、自分もコーヒーのグラスを一口】

そりゃまあ、ぬるくもなって……げほっげほっ!
……うう、こっちもぬるくなってます

【む せ た】
【どれだけ時間が経ってるかはともかく既に氷は溶けきって久しい】
【そして合わせてこの暑さだ。既に気温と同じくらいになりかかって……端的に言えば美味しくない】

……まあ、飲みきらないとあれですし、ね

【まだちょっとけほけほいってるが、微笑みに合わせて微笑む】
【たぶん、どちらかが飲みきるまでは二人して居座るのだろう】
【ぬるくなったコーヒーを飲みきるのは時間がかかりそうだが】


/こんなところで〆ですかね?
95 :時雨藍璃 ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/16(水) 02:22:14.28 ID:5eHAoE8WO
>>94

 人と出会い、触れ合うからこそ考えさせられることも、わかることもあるってことね。

【藍璃と同じく、珈琲を口に含むリライズ】
【しかし、そのグラスの中の氷は既に溶けきっており――当然温く、むせた】

 ふふ、しかも薄いでしょう?
 ゆっくりと嗜むことが多いのだけど、時間を置きすぎては駄目ね。

【温い珈琲を、残すことは出来まいと少しずつ口に含みながら、静かに時は流れる】
【互いに、特異な力を持った者同士であるからか、会話が無くても居心地が良い】
【時折、リライズの方を見やる。もし、視線が合ったのならば、その度に優しく微笑むのだろう】

 ……さて、私はそろそろ、行こうかしら。

【ことん、とカップを置く。飲みきったようで、軽い音だった】
【そうして、コートを軽く羽織りながら立ち上がり、ノートは虚空へ収納した】
【気が付けば、気温も緩やかに過ごしやすくなり、外は黄昏であった】

 ――では、リライズさん。此度は、有難う御座いました。有意義で、貴女に会えたことで、この暑さにも意味があったと思えたわ。
 
【軽く微笑み、背中を見せて】
【既に会計は済ませているのか、引き止めなければそのまま立ち去るのだろう】
【そうして去り際、その透き通った声でこう言うのだ】

 また何処かで、必ずお逢いするでしょう。だから、別れの言葉は言わないわ。
――鉄板でしょう?

【茶目っ気を見せながら】

//こちらの〆になるのかな?
//合計二日間、有難う御座いました!
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/16(水) 02:24:18.67 ID:IPY+qFO/0
>>95

//二日間お疲れ様でしたー!
97 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/16(水) 17:27:57.07 ID:a2riv4Gzo
【路地裏】

【銃声が響く。珍しい事じゃないだろう。この場所なら。この街なら。この世界なら。】
【オレは泥のような臭いのする此処に逃げ込んだ。理由は色々ある。追手から逃げるためには】
【入り組んだ薄暗がりが有効だとか此処で何があっても全部闇の中に葬られちまうからだとかだ。】

【灯りはパブの窓明りと点滅の激しい街灯だけで心もとない。ヒビ割れたビル壁に伸びるオレの走る影。】
【行き来を妨げるフェンスを無理やり乗り越えた時、着ているスーツが引っかかって少し破れた、最悪だ。】
【立ち止まる訳にはいかない。直ぐに追ってもフェンスにしがみついていた。オレは走った。】

…Damn it(チクショウ)

【走って走っていくつも曲がり角を曲がったら目の前には分厚いコンクリート。ビル壁が行き先を塞ぐ。畜生。】
【戻って別の道を探す余裕はない、もう奴らは迫ってる。右手に握っていたアタッシェケースを地面に置いた。】
【これのせいで追われている。渡すわけにいかないこともないが、それで命が助かるか?答えはNOに決まってる。】
【ベルトに挟んだリボルバー拳銃を取り出す。気味の悪いエングレービングのついた大口径のロングバレル。】
【そいつの撃鉄を起こして、後は神にでも祈る。影が近づいてくる。行き止まりの壁を背に、銃口を向ける――】
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2015/09/16(水) 22:10:57.90 ID:efpkhVDFo
>>97
/まだいらっしゃいますか?
99 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/16(水) 22:20:27.31 ID:a2riv4Gzo
>>98
ちょうど居ました!
100 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/16(水) 22:34:52.96 ID:efpkhVDFo
>>99
/でしたら遠慮なく!

【足音が一つ、緩やかな音色をたてて】
【宵月ガセに、あわやかないろを飾り立てたら逆光の中にシルエットを浮かべて】
【輪郭をなぞるように夜闇をそぎ落としたら、小さな影が色を強める】


……そんな物騒なの、人に向けたらね、ダメなの


【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女が姿を見せて】

【両手で握ったバイオリンケースをゆらゆらと揺らしながら、近づいてくるだろう】
【向けられた銃口に物怖じもせず、細くしなやかな眉を不機嫌に傾けて】
101 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/16(水) 23:13:49.47 ID:a2riv4Gzo
>>100

【息苦しさを感じてやっと無意識に息を止めていた事に気がついた。ふうううううと息を吐きだした】
【こういう状況はいつになっても慣れない。クールを気取るにはこの三つ揃えのブラックスーツや】
【ダークブルーのシャツや、細いネクタイや、10ホールのモッズ気取りのブーツやサングラスだけじゃ足りないらしい】

【アイツらの追ってなら都市型のブルーとグレーの迷彩服、雇われた人間ならそれこそスーツを着ているはずだ】
【少なくともこんなプラチナブロンドのゴシックドールを殺し屋に雇う様なセンスは無いはずだ。影から出てきたのはそんな】
【前者ではなく後者であったことがオレがまだマシな星の下で生きてるってことがわかる。サンクス・ゴット・アイ・ラヴ・ユー】

……オレも同感さ

【だからといって全てが片付いたわけじゃない。銃を下ろすが、奴らはまだこの辺りをウロウロしているはずだ。直ぐに逃げたい】
【またアタッシェケースを拾い上げる。少し戻って、薄暗がりを見回してみた。サングラスを外そう。その方が目が効く】
【オレの目は特別で呪(のろ)われてるんだか、呪(まじな)われてるのかはわからないが、白目が絵の具でも垂らしたように真っ赤で】
【そのせいか夜でも昼みたいに明るく見える。逆に昼は野球場のライトを見た時みたいに全部が眩んじまう。まあ、目のことはいい】
【兎に角、それでこんな暗がりでも追手を探すのには優位に立てる。ああ、で、このお嬢は何なんだ。兎に角、巻き込むわけにも】

…ただ現状、この辺りまとめて物騒なんだ。オレに銃を向ける奴が少なくとも3人はいる。さっさと離れたほうがいいよ

【ジャケットのポケットからタバコを取り出す。あと五本。見なくても覚えている。ライターの付きが悪い。相変わらず、美味くもない】
102 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/16(水) 23:25:55.20 ID:efpkhVDFo
>>101

【吐き出される息が彼女に触れる、大人の男の人の香り】
【それはさながら燻る残り火にも似た、淡く心地よい香りで】
【思わず頬が緩んだ、目尻がとろんと垂れて清楚な優しさを浮かべる】


……おにーさん、すごい焦ってるの、ソニアね、そう見えるの
大変なことにね、巻き込まれてる、の?


【夜目が効く貴方と違って、彼女にはそんなスキルがないから】
【貴方の赤目≠ノは気が付かないのだろう、一歩踏み込むと】
【ひらりと揺れる残照が一つ、プラチナブロンドの残り香を撫でた】

【暗がりの中でもはっきり見えるであろう少女は】
【何も出来無さそうなお人形のような表情をしながら】
【何でもしでかしそうな意思をそこに浮かべていて】


だったらね、助けてあげるの、おにーさんのこと、ソニアが


【バイオリンケースがからん、と揺れたら、絹糸のような肌が月光に塗れて】
【マリンブルーの瞳が見つめる、虚像の中に貴方の姿を浮かべて】
【口角が歪む、浮かべたほほ笑みが少しだけ背伸びした色気を微かにふりかける】
103 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/16(水) 23:52:33.70 ID:a2riv4Gzo
>>102

【煙で冷静さを取り戻そうとした。別にコレにある作用についてにわかに信じちゃいないが】
【こういった非日常のイレギュラの中に極当たり前な日常を覚で取り込むことで落ち着くんだと思ってる】
【火をつけて一口で完結するのだから値上がりしている昨今、短くて半額ぐらいのやつがあってもいいと思う】

【どうするか考えようとしていたところに彼女のどこか楽しそうな感じのする声。つい、その声の方に顔を向けてしまう】
【目があったかどうだか。マリンブルーに眩まされる前に目をそらして煙草の煙を吐き出す。冗談じゃない】
【お転婆のお嬢巻き込んで、パパのセキュリティにも追われることになるのは真っ平御免だ……だが、まてよ】
【オレだってそこそこ色々な経験をつんでる。こういう奴は今まで、単なるお転婆じゃなかった】

ああ、そうだね。此処に逃げ込んだのはいいが、そっから先を考えてなかった。どうにか追手を巻いてここから出なきゃらない

【一手先は読める。そっから先は知らないのがいつものことだ。世界は常に変化し続けているのに考えるのは馬鹿らしいだろ?】

だったら助けてもらおうか。いまのところ、オレの中には策は神に祈って突っ走るしか無いからね
104 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/17(木) 00:05:00.98 ID:cV4/f2zvo
>>103

【くすり、と笑みが零れた、水面に落ちる雫のような一音】
【それはさながらずっと昔に読んだお話の主人公のような】
【そんな貴方の言葉に、溺れそうになったから】


うん、わかったの、助けてあげる、の
だってね、ソニアはね――――――


【居ぽお踏み込むと、貴方との距離が狭まる、貴方の胸のあたりまでしか無い小さな身体で】
【くるりと翻ると、貴方に背中を向けて貴方の胸元に背中を預けようとするだろう】
【まるできっと、年の離れた兄に甘える妹のように】

【長い髪が貴方の視界で揺れる、枝毛一つ無いなめらかな髪】
【絹糸のように揺れて夜風の煌めきを強める】


正義の味方、だから


【バイオリンケースが手から落ちて、小気味の良い音を立てると】
【少女の小さな掌に一葉ずつ、合計二挺の拳銃が握られていた】
【スチェッキンと呼ばれるそれを、両手に握って軽くお腹の上で交差させる】

【見上げる横顔、眠たげなマリンブルーがまるで】
【二人は私が相手するから、もう一人はよろしくねなんて】
【――――――そう言いたげで】
105 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/17(木) 00:32:06.41 ID:Vg3ag4K0o
>>104

【短くなった煙草を掴んで、投げ捨てる。まるで火花が散ったように火が爆ぜて転がる】
【ポイ捨てはしないスタンスだがそのルールは簡単に破られがちだ。とくにこういう時は】

【アタッシェケースをまた地面においた。上げたり下げたり馬鹿らしいが、世界は常に変化し続けているのに】
【さっきのことを気にするなんてナンセンスだろ?それにオレだって、全部このお嬢さんに預けるわけにもいかない】

【オレはもう1丁、ベルトに挟んだリボルバーを取り出す。あっちはデカイロングバレルの黒。悪魔の皮膚みたいな色だ】
【こっちは同じロングバレルだが口径は小さい。エングレービングに曇りのないシルバーで洗礼でも浴びてるような輝き】
【オレの代名詞は“赤目”だけじゃないんだぜ。誰に言うわけでもないけど。撃鉄を起こして、奴らを待つ。最深部はここだ】
【しつこく追ってきていたなら、必ずたどり着く筈だ――】

なら、この場に正義は君だけだ

【影が、迫る。話し声も聞こえる。複数揺らめいていた。ゆらゆら、眼と眼の間の一点に、心を集めて狙いを定める】

【不用意に1人がフッと現れるとハッとして言う『居たぞっ!』、反応して2人飛び込んできて、各々銃を構える――――】
106 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/17(木) 00:41:26.91 ID:cV4/f2zvo
>>105

【横目でちらりと貴方のもつ銃を見た、わぁなんて、小さな声が漏れるぐらい】
【派手な色合いのソレは、どこか奇妙な魅力を携えて、出来合い品の自分のものが少し照れくさいぐらい】
【ふわふわと浮かぶ心が、言葉に引かれて引き寄せられる頃には】


――――――Спасибо(ありがとう)


【銃声が爆ぜる、同時にかき鳴らされた弦と弦が一つのコードに落とされるような】
【寸分の狂いなく、一対の拳銃から同時に銃弾が発射される】
【狙いは飛び込んできた二人、それぞれが手に持つ銃に向けた銃弾だ】

【肩幅に開いた両足が地面から離れる、織物のように華奢な脚が】
【貴方の胸元に彼女の身体がより一層深く寄り添うだろう】
【それはまるで、掌の中の雪のように、今にも消えてしまいそうなぐらいに軽くて】


……そっちはね、任せるの


【小さく声が響いたら、両手をもう一度お腹の前で交差させて待つ】
107 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/17(木) 01:07:29.18 ID:Vg3ag4K0o
>>106

【研ぎ澄まされた射撃は追手の手から銃を弾き飛ばす。拳銃だから簡単に吹っ飛んだ】
【その2人は呆気にとられて、状況を理解できちゃいないだろう。だってそんなのイカれてるぜ】
【能力者を見たことなけりゃそうなるだろうなと少し同情してやる。オレもそう思う】

【オレの銃弾はもうちょっと荒っぽいというか雑で、撃った弾丸は神か悪魔の“見えざる手”で軌道が修正されて】
【もう一人の手を撃ちぬいた。オレ自身の射撃のセンスはゼロだ。それでも望むところに当たるんだ】
【どっちも同時の出来事だがお互い、仕掛けは違えど同じ行動をしているのだから、偶々路地裏で会ったバディにしちゃ】
【上出来だろう。勿論オレは正義だからじゃない。話せば長くなるから大雑把に言うと、覚悟がないだけだ】

【お嬢さんを受け止めつつ、奴らが衝撃で倒れて、ビビって一瞬で戦意を喪失して逃げ帰っているのが見えた】
【ここでも幸運だ。アイツらはプロじゃなくて単なる警備係だったようだ。オレの襲った企業の。】
【追手の声、耳に残る銃声、掻き消えそうな彼女の声、硝煙の臭い、プラチナブロンドの香水か何か…色々交差してしまう】

……呆気無いもんだ。

【正直な感想。オレも呆気にとられて出てきた言葉はそれぐらいだ。空からバトルアックス抱えた大男が降ってきても】
【今ならなんとかなる気がする。いや、でも、それは困るな。それにもっと居たら普通に困る】

さっさと逃げよう。いつまで幸運が続くかわからないから
108 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/17(木) 01:19:27.20 ID:cV4/f2zvo
>>107

【ふぅ、と一息つく、そよ風が夜を濡らしたら、その先に呼吸音が在って】
【安堵の息は緊張の汗を拭う、結果は呆気無くとも、過程はそうではない】
【両手の拳銃を落としたなら、足元の硝子の中に吸い込まれるように消えていった】


賛成なの、わぁって、沢山で来られたらね、大変だもん、ね


【足元のバイオリンケースを拾ったら、両手で握って】
【ぐらりと体が揺れて、また再び貴方に体重を預けることになる】
【バツの悪そうな苦笑が一葉待ったら、そこには狙撃手の表情はない】

【それでも、虫も殺さないような声色で紡ぐのは、意図とは違う言葉かもしれない】
【過信か、確信かは分からないけども】
【その言葉ぶりには強かな強さが在るようにも見えるだろうか】


でもね、おにーさんの銃もね、すごいの
こうね、撃った玉がね、ぐいん、て曲がったの


【それはさながら睦言にも似た、恋人の囁く恋歌の如く甘い言葉】
【頬に僅かな紅潮を滲ませたら、淡い言葉で味付けして】
【少女の横顔に少しの色染めを感じるかもしれない】
109 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/17(木) 01:43:20.81 ID:Vg3ag4K0o
>>108

【拳銃をさっさとしまって、また煙草を取り出す。また平静を求めている。落ち着かないのだ】
【軽いトリッキーなアクションを決めたからもあるが別の意味で、このお嬢がイレギュラーすぎる】

【アタッシェケースを拾い上げて、片手で拳銃を1丁だけ用意しておく。くわえタバコは目に染みて困る】
【サングラスをかければ大丈夫だ。どうせ、見える。オレには。コレぐらいのほうがいい。見え過ぎないほうがいい】

【倒れ掛かられても、心配するような声をかけることはない。けど、そっと立ち止まり、受け止めて、その悪魔の皮膚のような】
【リボルバーを握った手で軽く抱きとめて、スッと先を歩く。ユニオンジャックにかぶれた紳士的作法というやつだ】

運命は平等さ。いつまでコインの表が出るとは限らない。少なくともオレは今、2回表が出ている

【先を歩く。目が効くし、行き先がある。表に車を止めていた。そこまで出ればあとは熱いシャワーを浴びてオレの夜は終わりだ】

…何故だろうね。オレはそれを知らない。知っていたのかもしれないけど、忘れちゃったよ
でも、神の御業だろうと悪魔の悪戯だろうと、便利なものは結構。おかげでいつまでたっても射撃のセンスはゼロ。

【気がついても極力口に出さないのがオレの思うマナーだ。映画の寄せ集めのマナーだが、気に入っている】
【それが似合うのは銀幕のスターだけだと言われたらそれまでだが。先を歩く。極力お嬢さんに合わせて、大股で一歩ずつ】
110 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/17(木) 01:53:26.09 ID:cV4/f2zvo
>>109

【先を歩く貴方の後ろを一歩一歩ついてくのだろう】
【見た目に沿うような小さな足取り、時たま揺れるのはケースの重さがゆえか】
【おぼつかない足取りは呼吸の方法を知らない赤子のようなものだ】


……そういえばね、おにーさんの名前、まだ聞いてなかったの
それにね、一杯聞きたいこと在るの、その荷物のこととか、銃のこととか、ね


【歩きながら声を紡ぐ、錦糸を解すような柔らかな音律で】
【百日紅にも似た淡やかな色合いが頬に走ると、冷めやらぬ興奮の色を映す】
【父親の背が大きく映るように、少女にはいっぱいの不思議が在って】


それとね、おにーさんのね、言葉ね、時々、難しいの
もうちょっとね、簡単に、喋ってほしいの


【いつだって子どもはまっすぐで、時たま残酷すぎるぐらいに】
111 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/17(木) 02:17:39.77 ID:Vg3ag4K0o
>>110

オレはロッソ。チンザノ・ロッソ。わかりやすいぐらいに偽名。だけど気に入ってる
シゴトは銀行強盗。担当は計画と運転手。でも今は元かな。コネを使って私立探偵の真似事をしてる

…そんで、テロリストに武器を輸出してた軍事企業から盗みだした一部がこのカバン
中身はオレも知らない…すごく重いよ。鍵がかかってるから友達に壊してもらう予定
好きなモノはビールと映画、嫌いなものは読書と水泳、可愛い彼女が1人。あと記憶喪失が少々
だから銃のことはほんとに知らないよ。目のことも。だから探偵の真似事をしてるんだ…こんなもん?

【矢継ぎ早に自己紹介。ありのまま嘘をつかず事実を並べる。多少ごまかしてもいいところもあるはずだが】
【助けてもらった手前、嘘のプロフィールをでっち上げるのはマナーに背く。別に構わないだろうオレがなんだろうと】

オレもねえ…わかんないんだよね。なんかこう…イメージは浮かぶんだけどなんかこう簡単にね…
わざと難しくしてるわけじゃないんだよ…こう…その…ね

【感覚で物を喋るから伝わらないことは多々ある。こっちも曲がりくねったようで真っ直ぐ育った結果なのだ】
【まあ、基本、大したことは言っていない。妄言の1種だ大事な話な程平易になるから問題無いだろう。】

それで?お嬢さんは何なの?いまのところ名前と、ポリシーはわかってるけど


112 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/17(木) 02:30:33.95 ID:cV4/f2zvo
>>111

【前を歩きながら語るあなたの言葉を、噛みしめるように聞く彼女】
【きっと振り向いたなら、小さな頭から煙でも出そうなくらい】
【少しずつ理解しながらゆっくりと、あなたの言葉を聞き分けていく】


んぅ……えっとね、探偵さん?ってことはね、分かったの
あと、恋人さんがいるのもね、分かったの


【視線を向けてみれば、えへへ、と笑う少女が居て】
【その理由はきっと、その点に集約されるのだろう】
【まだみぬ貴方の彼女に対して、浮かべる想像と】

【――――――そんな幸せを護ったのだという、背伸びをするような自負と】


ソニアはね、ソニアなの、ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ
好きなことはね、お昼寝するにが好きなの、ぽかぽかするようになってね、嬉しいの
ソニアね、暑いの苦手だから、助かるの


【夏が終わって秋空に主が混じり始める、移ろう季節の節目】
【晩夏の後の音色は少し寂しげな旋律と共に、そこに甘える少女の姿を写して】
【微笑んで見せる頬の色が涼しげに揺れて見せて】


……もう真っ暗だね、そろそろさよなら、するの
ロッソもね、気をつけて、帰ってね、彼女さんが、心配するの


【踏み出したら後ろ髪が揺れて、貴方の前へと飛び出して】
【くるりと振り向いたら、初雪のような頬に、くしゃりと笑顔が溶ける】
【さよならの言葉とともに、街へと歩き出すだろう】

【夜明け前には露へと消える、儚い浮雲の別れにも似て】

/お疲れ様でした!
113 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/17(木) 12:00:34.02 ID:Vg3ag4K0o
>>112

【別にわからなくても構わない。話なんて多くは無意味なもんだから】
【勝手に取捨してくれればいい。彼女が拾ったのはそのうちその2つだってことそれだけだ】
【コミュニケーションってのは難しいからね。コレぐらい溢れている方が話も続く】

【街は寂れているような気がした。まああんな路地裏があるわけだから立派な場所じゃない】
【それでもあんな薄暗がりよりはマシだった。表の灯りを浴びる前に拳銃を隠す。煙草を捨てる】

じゃあ、ソニア。今度は甘いモノでも食おう。今日は助けられたから

【さっきから自分で名乗っていたのは気がついちゃいないんだな。とは言わなかった】
【久しぶりに仕事を変わったことが起きる。少し生き方を変えるだけで一気に変わっちまうようだ】
【また何か起き始めている気がする。そんな気がするだけ。なぜか今日は。だけど今日は…】

/ギリギリで寝てしまいました…すみません。お疲れ様でした!
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/17(木) 20:17:17.22 ID:qwI31L0m0
【街中――オープンテラスのカフェ】
【ざわざわと賑やかな人並みの気配、間を抜けてくる風は冷たく冷えて、秋というよりも冬のよう】
【空気はどこか湿っぽくて遠くで雨が降っているような気がするような――そんな、気候】

……、……。

【するりと冷めてきたホットココアを啜る、上に乗っていた生クリームを堅焼きのビスケットにつけて、かりりと齧り】
【視線はちらりと机の向かいを時々見つめる。それから椅子に緩く寄りかかり、そのついでのように足をふうらりと揺らして】
【髪の黒い少女だ。向かいに座っているのも少女だけれど歳の差は四つほどに見え、ただ、姉妹には見えないはずだ。髪の色が、違いすぎて】

【長い髪は腰ほどまである。黒髪はハープアップにされていて、バレッタは偽物の赤い宝石をあしらってきらきらときらめき】
【瞳は左右で色が違っていて、左が黒で右が赤い一対。右の耳には宝玉の欠片をあしらったピアスをつけていて、】
【深い赤色のワンピースと羽織った黒いケープ。足元は薄めのタイツとすでに冬のような恰好、手が冷たいように両手をココアのカップに添えていて】

【「じゃあ、ボク帰るね」】
【――なんて紡ぐのは、少女の前に座っていた少女だ。鮮やかな紫色の髪はそれでも長い黒髪少女のものよりも長く、踝の辺りまで届き】
【飲んでいた紅茶のカップを置くと立ち上がってもその身長は低くって。小学生くらい――というよりも、顔もあどけないから、本当にその年齢かもしれない】

え、あ、うん――、

【「これお土産」】
【と、紫色が呟いて。少し曖昧な言葉でうなずく黒色の手元に何かを置くと、そのまま、ふうらりと人混みの中に紛れ込んで――気付けば、もうどこにも見えない】
【取り残されたのは黒髪の少女だけ。そっと横目で追いかけていた両眼をそのうちに前に戻して、またココアを飲んでいる。それから、】
【置いて行かれたもの、箱に入ったものを開けてみれば、ちゃらりと――時計、なのだけど、少し違って】
【パンジャなんて呼ばれるアクセサリを時計風にアレンジしたもの。だけれど少女はそれが何かよく分からないようで、しきりに首をかしげていて】

【だけど月明かりにそっと翳してみた時に飾られた石がきらりときらめくのは気に入ったようで。道添の席、機嫌よさげに笑う少女は少し目立ち】
【それでも空席――というか椅子が余っている席がだいぶん少ないカフェだから、座ろうと思えば、この少女のいる席、というのも十分ありえて】
115 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/17(木) 22:00:47.16 ID:Gp4So2wwO
【遠く町外れ、人の気配の無い静かな森の中】
【道こそあれど、森林浴しようという人間位しか立ち入らない深き森林】

 ……ふぅ。

【木々に囲まれ、倒木に腰を下ろしている小柄な少女の姿】
【その髪は肩ほど、白銀の髪は先端で青へと移り変わり、曲面で構成され、所々紫色の装飾が施されて白のワンピースを着ている】

 聴こえる、聞こえない。
 香る、香らない。
 触れて、感じない。
 酸っぱくて、無味。
 見えて……見えない。

【呟くのは、不思議な言葉】
【聞いた者が居るなら、疑問符しか浮かばず、理解は及ばないだろう】

 ……ああ、やっぱり衰えてる。
 リハビリ、しないとなぁ。

【自嘲気味に呟き、立ち上がろうとするがしかし、力みすぎたのか後ろに倒れ、再び倒木へ】
【その姿は、生まれたての小鹿を彷彿とさせる】

 ……ほんと、不便。

【少女は呟き、そのまま腰を下ろしてしまう】
【気が抜けているようで、今なら適当に近づいても、声をかけるまで気が付かないだろう】

/こんな感じでどうでしょう……?
/本日はよろしくお願いします!
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/17(木) 22:07:00.05 ID:U9jlq1AKo
>>115

【普段は港町に住んでいる水兵】
【だが、たまには趣向を変えて森林浴でもと思いたち】
【久々に山登りをしたのであるが、そこで聞いたのはかすかな少女の声】

うーん・・・。
何か不思議なことをつぶやいている感じがするなあ?

【矛盾しているというか、なんというか・・・】
【不思議な感じのするつぶやきが聞こえる】

【が、その直後に聞こえた「リハビリ」という言葉】
【多分、能力のリハビリなんだろうな、と直感的に気付き】
【少女の方に静かに歩み寄って】

能力のリハビリでもしてるのかな?
何か私にできることって・・・、ある?

【などと少女に問いかけるのであった】

//よろしくおねがいいたします!
117 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/17(木) 22:20:04.83 ID:Gp4So2wwO
>>116

 ……ひゃぅっ!?

【弛緩していた心は、突然声をかけられたことで変な方向へ誤解する】
【彼女の職業故の、臨戦態勢……をとろうとしたのだが、なんと驚きで飛び退いた時にまさかの足首をくじく音】

 ……いったぁぁぁっ!?

【そのまま後ろに倒れれば、そこにあるのは樹木であり】

 はぅぁっ! ……ぁぁぁ……。

【なんとも痛そうな鈍い音が響き、鳥達が木の葉を揺らして飛び立っていった】
【足首をくじいた上、後頭部を打った少女は、そのまま樹木を背に滑り落ち】

 ……ぅう、痛覚ってこんなに過酷なものだったっけ……。

【頭と足首、どちらをさすったらいいのかすら迷い、結局は後頭部を抑えた後、自分を驚かせた存在のことを思い出して顔を上げた】

 っ……あなた、誰……!

【居たのは自分とそうは変わらないと思われる少女であるが、驚きのあまり問われた事は忘却の彼方へ】
【ただ、異様な程に警戒して睨みつけるのだった】

/こちらこそ、今宵はよろしくお願いします!

 
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/17(木) 22:28:00.15 ID:U9jlq1AKo
>>117

あっ・・・

【突然声をかけられたことに驚いたのか】
【少女は後ろに倒れ、後頭部が樹木に激突する】
【痛そうな鈍い音も聞こえたのであるが】

ちょっ、大丈夫!?

【いかにも痛そうにしている】
【以前にもあった経験だったか、この水兵はフランクすぎるのである】
【話し相手に対して警戒することなどしたことすらなかったが】

え?わ、私?
私は荒波ナギ、水兵だけど・・・。
大丈夫?いま明らかに頭打ってたんだけど・・・。

【いかにも申し訳無さそうに少女に話しかける】
【問いにはきちんと返答したのであるが】
【なぜ睨まれているのかは未だにわかっていないようだ】
【この水兵、鶏頭である】
119 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/17(木) 22:38:31.87 ID:Gp4So2wwO
>>118

 これが大丈夫に見える……?
 ぅぅ、久しぶりに痛かったぁ……。

【その姿とフランクな声に、警戒心は僅かに衰えたようで】

 そ、そう、私はシア=メア、アサシン……ってそういうことじゃなぁぁいっ!

【相手に釣られて、明らかに異質な職業をさらっと名乗りつつも、問いの意図と違うことに気が付き】

 こんな森に、どうしてあなたのような少女が居るのっ!
 というか、何用なのっ!?

【再び問い直すも、しかしそれは盛大なブーメランであることには気付かず】
【樹木に寄りかかりながらなんとか立ち上がるのだった】
【尚、腰にはポーチを付けており、両腕には包帯を巻いている。倒れた時に、めくれたワンピースから足元をのぞいていたなら、足首にも同じようなものが見えただろう】
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/17(木) 22:46:38.52 ID:U9jlq1AKo
>>119

ううん、大丈夫に見えなかったから・・・。
ごめんね?

【ペコリ、と軽く頭を下げて謝る】
【一応、謝るつもりは有るようだが】

へぇ、シア=メアさん、ねぇ。
アサシンなんだぁぁっ!?

【不意な叫び声に驚きつくしてでついついこちらも叫んでしまった】
【どうやら問いの意図が違っていたようだ】

いやー、私水兵でしょ?
いっつも海ばっか見てるから、たまには森に行くのもいいかなー?って。

そういえば、あなたもなんでこんなところにいるの?

【水兵がここまでいたった経緯をしっかりと説明する】
【ところで、どうやらブーメランはしっかりと返されたようで】

あの、さ。
腕と足の包帯、どうしたの?

【どうやらめくれたワンピースのなかから覗かれた包帯】
【そして腕に付いている包帯】
【どう見ても怪我をした時につけるものだが】
【一体少女は怪我をしているのだろうか?という些細な疑問からでた質問のようだ】
121 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/17(木) 23:01:16.52 ID:Gp4So2wwO
>>120

 ああ、いや、自業自得だし……。

【無邪気に謝られれば、こちらがたじろいでしまい】

 謝ることなんか、ない……。

【警戒心など何処かへ行ってしまうのであった】

 アサシンよぉぉぉ!?

【お前のように叫ぶアサシンが居てたまるかと、突っ込まれそうだが】
【しかし、この少女の生業はそれであるのだから致し方もなく】

 でしょって、そうなの。
 ……確かに、森林浴には良さそう……かも。

【言われてから気がついたように辺りを見渡して】
【森林といっても、迷う程では無いと気がつく】
【そしてブーメランはしっかりと戻ってくる訳であり】

 ……リハビリ。私、体が上手く使えないのよ。

【アサシンを名乗る割に、不可思議な理由である】
【だが、嘘はついていなかった】
【よろけながら、何とか二本足で立てば、異様に慎重に歩いて、倒木へ脱力するように腰掛ける】

 包帯は怪我をしたところ、固定したいところに巻くもの。そういうこと。

【質問には、なんとも曖昧な返しをするのであった】
【言葉はぶっきらぼうではあるが、ちょこちょこと振られる指先は、隣に座ることを促しているようだ】
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/17(木) 23:43:51.32 ID:eRYOYCf30
【櫻の国。最早誰も訪れる事が無くなる程に朽ちた神社】
【普段ならば一つの気配も無い筈なのだけれど――――今宵は、其処から妖気を感じ取る事が出来て】

【石畳の階段を上ったならば、見えるのは風化した鳥居と小さな社であろうか】
【――――社の前に立つのは、巫女装束を纏い翡翠の首飾りを下げた一匹の妖狐】
【目を瞑り、手を合わせている所からして参りでもしているのだろう。然れど、廃れた場所に神も残るのかは疑問だが】


「…………」

【其れも終えれば、神社から去ろうとして――――新たにこの場に訪れた者と出会うとすれば、そのタイミング】
【耳と尾を立てて居る事から余程驚いている事も知れるだろうか。抱くのは敵意だとかでは無く、怯えた様な――と表すのが適切で】
【元より害意を抱いた者がこの場に訪れたのだとすれば少女にとっての不幸】
【或いは、漂って居た妖気に疑問に思って訪れた者だとすれば――――話はどの様に転がるか】








【淀みの無い湖、其れを照らし出すのは銀色の月。――――静寂も合わさればどことなく神聖な雰囲気さえ感じ取れそうな其処】
【然れど、漂うのは全く正反対の性質だ。有り体に表すならば“瘴気”であろうか】
【…………その類に耐性が無い者ならば意識がゆっくりと侵される程には濃い、と記せば何と無く濃度も知り得よう】


「正しい心、って言うのは何なのかしらね。不思議ね不思議
貴方達の正しさなんて、誰が決めてくれるのかしら。その正しい行いは、本当に正しい事なのかしら
――――ふふ、もう聞こえてないわよね。何も聞こえて無いわよね」

【所謂悪魔だとか、魔族だとか。人によって呼び方は変わるのかも知れないけれど、全てに通じている事として決して好ましい存在では無い事】
【災厄を撒く様な、不幸を連鎖させる様な。人の負の感情を己の喜びとするような、そんな存在】
【――――故に。少女の姿は、似付かわしくなく】


「また一つ、また二つ。此処で貴方達の命が消えてしまっても、世界は何時も通りに動いてしまうの
――――残念ね。貴方達の正義なんてこの世界、そしてみんなから見ればその程度なのよ?残念ね残念
全てを賭けても、見向きもして貰えないのだもの。居た事すら知られず、ひっそり舞台から消えてしまうの」

【月光に照らし出される金色の髪は眩く其れを反射させ、虚空を見つめる紅色の双眸は楽しそうに歪められていた】
【幾分遠くに居ようとも、瘴気と言う“イレギュラー”を感じ取るのは容易な事だろう。だからこそ、この場に辿り着くのもまた容易な筈】
【この場に訪れたのが善で在ろうと悪で在ろうと、或いは不幸な迷い人であろうと。その者はクスリと小さく笑めば、微笑みを向けるのだけれど】

【――――そして。この場に訪れた者が目にするであろう物がもう一つ】
【それは男女の遺体だ。どちらも腹を割かれ、臓物が溢れ出ている】
【恐らくは割かれた後も意識があったのだろう。血の跡は、少し前の位置から大量に続いていて】
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/17(木) 23:52:07.96 ID:U9jlq1AKo
>>121

そうよね。
森林浴には最適って、漁師さん言ってたしね。
ただ、鬱蒼としすぎなんだよねぇ・・・。

【辺りを見渡せば、木、木、木】
【二人を除けば木しか見当たらないような鬱蒼とした森だ】

リハビリ・・・?
体痛めたりしたの?

【包帯は怪我したところに巻くというのはしっていたが】
【固定に用いることは水兵は始めて知ったようだ】

あぁ、それじゃあ隣へ失敬っ!?

【座りどころが悪かったか、滑って背中から地面へと直撃する】
【どうやら痛いようで】

いててて・・・。

あ、ところで、そのポーチの中身、なんなの?
もしかして・・・、こんな感じのものが入っているのかな?

【突如として水の魔翌力が水兵から放たれ】
【水兵の手には小太刀が握られていた】
【微光を放つこれを少女にみせて確認をするつもりらしいが・・・】

//申し訳ありません!!
//所用で遅れました・・・
124 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/18(金) 00:09:09.62 ID:N/59Q4RLO

>>123

 確かに、ただ道はちゃんとあるから。
 涼しくていい……。

【道はあっても、その先に見えるのも深すぎて樹木である】

 痛めたというか、仕方が無いというか代償というか……。

【どう説明していいか困ったようである】
【無論、包帯の下には打撲の青痣やら、切り擦り傷が隠れてはいるのだが、その理由も普通ではないわけで】

 ……私の真似なの?

【座ろうとして失敗したのか、滑り落ちるナギ。それを利用し、淡く微笑みながら問い、話題を変えようとするがしかし】
【肌を掠める魔翌力と、刹那に煌めいた金属光に、シアのアサシンとしての本能が、今度こそ反射的に発揮されてしまった】
【そも、アサシンに対して不意打ち的に得物を取り出すというのは、明らかに交戦意思と取られても致し方あるまい】

 刃物……ッ!

【ポーチの帯部分、丁度メアの背中側へ両手を伸ばす】
【ナギからは見えないであろう、死角から瞬時に取り出したのは、二本のナイフ】
【それ自体はただのナイフであるようだが、シアが纏ったのは、常に命を天秤に載せている人間特有の"殺気"……!】
【しかし、様子見の為か、至近距離で交差するように構えただけである】
【誤解であれば解ければよし、しかしそれを助長させてしまえば、戦闘することに躊躇いはないだろう】

/いえいえ、構いませんよ!
/おかえりです!
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/18(金) 00:16:56.51 ID:V2ySKZz2o
>>124

へぇ、仕方がない、かぁ・・・。
そこら辺は深く掘り下げないでおこうか。

【まぁ、人間話したくないことなんていくらでもあるようなものだ】
【察すればわかるだろう】

あはは、真似するってわけじゃないんだけどね・・・。

【ドジっぽさが出てしまったのであるが】

【さて、水で作られた小太刀】
【魔翌力と微光を放つそれをアサシンの前に出したのは圧倒的に水兵が阿呆だったからで】

ちょ、ちょっとまった!
私はただポーチの中身を確かめたかっただけで!
そんなつもりは・・・。

【悪いことに、この言葉を発すると同時、小太刀が”投げられて”しまった】
【少女のいる方向とは全く別の方向であるが】
【なお、水兵には交戦意思はまったくない】
【が、アサシンとしての本能を呼び出してしまったのであれば】
【間違いなく戦闘を選ぶだろう】
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/18(金) 00:26:19.01 ID:V2ySKZz2o
>>124
//返答が遅れるかもしれません・・・
//すいません・・・
127 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/18(金) 00:30:09.66 ID:N/59Q4RLO

>>125

 職業故、と思ってくれれば。

【生傷が絶えない職業、更にとある理由も重なってなのであるが】
【話したくないというより、それが何とも説明し難い為であった。そも、シアは会話が得意ではない】

 案外痛いから……。

【と、実感が篭った声であるが】
【直後出現した小太刀に、臨戦態勢】
【しかし、その小太刀は宙へ投げられてしまい、シアの殺気が霧散した】

 気を付けて、私以外の同業者なら……。

【右手で、自らの首を横に切る動作してみせる】
【そもそも、不意打ちなのが悪いのであって、事前に言われれば臨戦態勢などとらなかったのであるが】

 ところで、あなたは能力者なの?
 魔翌力の波動を感じたけど……。

【虚空からノータイムで小太刀が現れたことから、殆ど確定ではあるが、問い】

 ……なら、ちょっとリハビリに付き合ってくれてもいいのよ?

【この場合のリハビリとは、即ち模擬戦であり】
【素直では無い言い回しは、性格の現れか……何にせよ、戦闘の申し込みをしたことには変わりはない】
【しかし、このリハビリの意味を汲み取れるかは別である】
128 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/18(金) 00:31:27.19 ID:N/59Q4RLO
>>126

了解です!
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/18(金) 01:04:59.00 ID:V2ySKZz2o
>>127

ごめんなさいっ!!
私が不意にあんなことしなければ・・・。

【完全に平謝りだ】
【この少女だから自分は生き延びることができたのであろう】
【相変わらず、水兵は自分のバカ加減に嫌気が差す】

あー、私は能力者だよ?
「水を変形させる」能力でね。
たとえば、さっきみたいに小太刀を作ることもできるってわけ。

【再び水の魔翌力が放たれ】
【水兵の手中にはつららのようなものが現れる】
【まあ、これも武器なわけだが】

リハビリですか!いいですね!
何をしましょうか?

【相変わらずこの水兵は勘の冴えない鳥頭だ】
【直接言ってくれればわかるのであろうが】

//ただいま戻りました!
130 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/18(金) 01:17:52.48 ID:N/59Q4RLO

>>129

 いえ、私も異常だから。こちらこそ、ごめんなさい。
 だけど、突然人前で得物を出すのは……アサシンじゃなくても、ね?

【しれっと言い切り、謝る】
【だが、良心から釘を刺すことは忘れない】

 成程、さっきの小太刀もそういうことなのね。
 私のとちがって、便利。

【ナギの手の中で構成されたつららを見て、そんなふうに呟き】
【その言葉は、シアも能力者であることを示唆していた】

 そうね、ルールは非殺、過剰攻撃禁止。
 フィールドはこの森……でどうかしら?

【相手がこちらの意を汲み取っていないのも知らず】
【しかし、ルールから何をするかはわかりやすいだろうが、それを受けるかどうかは自由である】

/おかえりなさいませ!
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/18(金) 01:25:17.77 ID:V2ySKZz2o
>>130

うっ・・・。
すいません・・・。

【釘を刺されてしゅんとしているようだ】
【だが、それは反省している証であって】

あ、リハビリって模擬戦のことなのね。
いいよ、それでやろう。

【先ほどまで手中にあったつららを水に返し】
【水の魔翌力を開放していく】

そちらからどうぞ!

【先手はどうやら少女に譲るようだが・・・】
【手中にはスパイクが4本ある、魔翌力を感じ取れるとするならば】
【自然とその存在も把握できるだろう】
132 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/18(金) 01:36:42.74 ID:N/59Q4RLO
>>131

 目の前で刃物を出されたら流石に、ね。

【苦笑しながらも、ナギの能力発動に合わせて、自らもナイフを構え直す。しかし、左手のナイフを右手に持ち替え、右手に二本爪の様にしていた】
【魔翌力の波動……水で出来たスパイクが4本、ナギの手の中には造形される】

 水に限定しての、造形能力……制限はわからないけれど。

【数歩後ろに下がり、距離を取り】

 《compatible five senses》……単一感制御、嗅覚…… 《air spice》

【機械的に紡げば、空いた左手をナギに向けた】
【何かの能力のようだが、その正体はわからない……左手を向けた意味を考えるべきだろう】
【その場にいては何かが発動する可能性も考えられる】
【尚、シアとの距離は5m程である】
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/18(金) 01:43:44.83 ID:V2ySKZz2o
>>132

多分あれは能力発動の動作だね・・・!
避けるに越したことはないね。

【横に数歩、シアの行動を伺うようにゆっくりと歩みを進める】
【まあゆっくりのため、早く発動する能力であれば被害を被るだろうが】

まあ、まずは手始めにっ!

【スパイク4本を右手の指の間に嵌めこむようにして】
【シアに向かって投げた】
【それらは直線を描き、結構な速度でシアに迫っていく】
134 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/18(金) 01:57:46.22 ID:N/59Q4RLO
>>133

【避けるかと思いきや、予想に反しての歩み寄り】
【小手調べの能力だったが……ならば発動してしまおう】

 《air spice》……"激辛"。

【それは手から直線上の空気に任意の味を持たせる能力】
【"激辛"とはつまり……?】
【しかし、発動と同時に投げられた4本のスパイクがシアに迫る】
【回避では間に合わない!】

 《compatible five senses》、二感制御、触覚……《electric deceive》っ!

【咄嗟に紡がれたのは先程とは違う能力】
【しかし、何かが発動する兆しはなく、スパイク4本がシアに直撃する】

 面白い能力……けど。

【直撃したのにも関わらず、"何も感じていない"かのように微動打にしない】
【しかし、スパイクの威力に応じて怪我はしているようなのだが……?】
【続いて、シアはナイフを背後に構える。何をするかはわからないが……】
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/18(金) 02:08:14.14 ID:V2ySKZz2o
>>134

【シアの口から何らかの言葉が紡がれた】
【その瞬間であった】

げはっ・・・っ・・・っ!?

【声にならない悲鳴、そしてナギの目から涙が溢れる】
【そう、シアが発動した<<air spice>>の能力を直に食らったのである】
【シアの行動を警戒したがゆえ、逆手を取られたというべきか】

げほっ、げほっ・・・。

【なんとかしてこの鼻に激痛が走る空気から抜けだそうとして】
【地面を這いずるかのようにして抜け出す】

【抜けだすと同時、清涼な空気をなんとか吸うことができ】
【ようやく落ち着いて能力が発動できる段階となった】

はぁっ、はぁっ・・・。
やってくれるね。

【そういうと、再び水の魔翌力を発し】
【手中には帽子のつばのような形をした、周りが鋭い刃になっている造形を作り】

これならどうかな・・・?

【とシアの足元狙って投げる】
【が、この刃、現在地点でのシアの眼前で急上昇するようになっている】
【怯むことがあれば次の段階へとつなげることも考えられるが】
【避けるのは至って容易、動けばいいだけの話だ】

【シアのナイフには気づいていたものの】
【何をするのかわからない、警戒を張り巡らさせている】
136 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/18(金) 02:18:52.48 ID:N/59Q4RLO

>>135

【鼻をつく辛さは、例え戦場でも無視するのは困難だ】
【《air spice》は、殺傷力こそなかれ、妨害手段としては優秀であった】
【目論見は成功、その辛さは舌さえ痛いだろう……ナギがもがくようにして脱出する】
【しかし、シアの方も無事ではないはずなのだが、どういうことだか苦痛の素振りすら見せないのである】

 二度は喰らわない、常識……ふッ!

【造形された氷の刃が迫る】
【対してシアは、姿勢を地面すれすれまで低くし……弾丸のごとく地面を蹴る!】
【体の負担など気にしない、全力の接近……刃がどのような軌道をとっても、避けることすらしないだろう】
【もし、接近に成功したなら、次に振るわれるのは二爪のナイフ……狙いは手の甲、浅く切りつけることで動きを鈍らせることが狙いである】
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/18(金) 02:30:32.33 ID:V2ySKZz2o
>>136

うっそ!?
刃にあたっても痛みを感じないの!?

【先ほどのスパイクが刺さった時もそうだったが】
【シアは痛みどころか先ほどの匂いも感じていない】

近づかれたらまずい、あのナイフで斬られるッ!

【そう叫ぶと共に手中に小太刀を現示させ】
【シアのナイフに合わせようとする】
【かち合わせるだけでいい、そう思ったが】

ったぁ・・・っ!

【扱いに慣れてなかったか、シアの一撃は確実にナギの手の甲をとらえた】
【さらに、だ】

手の甲を切られたおかげで水造形が投げられないッ!?

【至近距離までに迫ったシア】
【捉えるなら今という絶好のチャンス】
【だが、投げようとすると傷口が開き、痛みを訴えあげる】
【よって水造形を投げることができないが】

私だって負けるわけにはいかないんでね・・・、っと!

【不意に、次元の扉が開くのを意識できるだろうか】
【まあ、ナギにはもうひとつ能力があるわけだが】

疾錨「アキヅキ」よ、我の元へと来たれよっ!!

【すると、いままでナギが発していた水の魔翌力は消え去り】
【次元の扉からは船の錨が出てきた】

さて、もう一勝負といきましょうか!

【おそらく、シアは接近ののち、ナギの手の甲を切ったことにより】
【反動ですぐには方向転換できないはずとかんがえ】
【シアの元へと駆け、この錨をぶん回す!】

【目的はあくまで吹き飛ばすこと】
【そこまで本気で回すわけではないが・・・?】
138 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/18(金) 02:49:54.38 ID:N/59Q4RLO
>>137

 全てが……遅いッ!

【こちらの能力のデメリットを利用しての特攻、そのギミックに気がついた様子のナギ】
【しかし、それは遅い……刃に切り傷を負い、包帯がちぎれるものの、ナイフは振るわれる】
【ピッ――ナギの右手の甲に、二爪が掠める!】

 二撃……!

【ナギがナイフを造形して迎え撃とうとするが、扱いに慣れてない故に失敗】
【次の一撃を放たんが為に構えるが、しかし魔翌力の波動を感じて一瞬動きが鈍る】

 錨の召喚……二重能力者っ!

【シアが呼び出したのは、船の錨……召喚の勢いに任せて、周囲を吹き飛ばさんと薙ぎ払う!】

 仕方ない……《compatible five senses》……四感制御、視覚 《Transmission》聴覚 《silence》……"危機(デメリット)こそ勝機(メリット)なり"ッ!

【しかし、瞬時に紡がれる二つの能力……シアの体が、一瞬ふらつく】
【それと共に、突然としてシアの姿と音が消え失せた】
【シアは、"視えず聞こえない"状態で、全力で斜め上……即ちナギの顔があった場所へと跳躍する。しかし、その動きは見えないはずだ】

 ……!

【錨を振り回すであろう、ナギの耳元に不自然な風が当たる】
【それは人間の吐息のようにも思えるが……】
【更に、視界の端に二つの銀色の煌めきが映るだろう】
【銀色で二つの煌めきといえば、何かは想像に難くないはずだが……?】
 
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/18(金) 02:57:32.12 ID:V2ySKZz2o
>>138

このまま、吹き飛ばして・・・ッ!?
い、いない!?なんで!?

【驚くことしかない】
【というか、驚くことしかできない】
【突如シアの姿が消えたのである】

まさか、これも能力!?
どこ、どこだろう・・・?

【前方をキョロキョロしていた、まさにその時であった】

んっ、なんか耳元がこしょぐったい・・・?

【何か生暖かい風が耳元へと吹かれる】
【それはなにか人間の息のような・・・】

まさか、シア!?

【そして目の隅に銀光を放つ物体・・・】
【考えれば簡単にわかる】
【シアのナイフだ】

まったく、人の耳元に息を吹きかけるなんて。
でも、この状況、私は降参せざるをえないわよね・・・?

【目に映るナイフ】
【もう降伏せざるを得ないかな、と両手をあげかけているが】
140 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/18(金) 03:08:39.76 ID:N/59Q4RLO
>>139

【突然と相手の姿が消えれば、誰でも驚くだろう】
【それは殆ど当然のことであり、ナギも辺りを見渡しては居るものの、驚いた様子だ】

 (私は此処にいる……って言っても聞こえないのよね)

【能力の効果により、発する一切の音は無となる。いくらつぶやいても、それが届くことはない】
【何も見えないが、状況としては殆ど勝ちか――そう確信するシアだが】

 ……!

【なんと、見えない故にナイフは頬を掠めただけに留まる!】
【更に、五感の内四つが封印されている状況故……自分の体の状態が、正確に把握出来ていない】
【つまり……飛びかかった勢いのまま、背後の樹木に激突した】

 ……。

【何も感じないが、衝突したのは何となくわかる。動きも止まっている】

 (五感制御……嗅覚、《search》)

【何も把握出来ないため、密かに全ての能力を発揮しようとするシア】
【しかし、透明になるのは自分だけ……獲物のナイフは普通に見えてしまっているし、足元の影もそのままだ】
【一応、樹木を背に構えた状態ではいるが……?】
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/18(金) 03:15:56.88 ID:V2ySKZz2o
>>140

っと、あっぶな・・・。

【シアのナイフは頬をかすめる程度で】
【そんなに深く傷を負うことはなかった】

ふふ、姿が見えないからって油断したね?
まだ終わらせないよ!!

【ナギはシアの位置を影、そしてナイフで確認できた】
【いくら透明とはいえ、影はどうしても映ってしまう】

【今は見えないが、ナギはシアの足元めがけ、掬い上げるように錨をぶつける】
【脚部へのダメージ、そして転倒を狙っているようだが・・・?】

【相変わらず、ナギは透明化したシアを警戒し、地面の影をじっと見ている】
【正面からの攻撃なら奇襲となりうるが・・・?】
142 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/18(金) 03:31:07.71 ID:N/59Q4RLO

>>141

【わからないが、当たっていないのは確かだろう】
【発動した能力《search》の効果により、嗅覚と引き換えにナギの位置情報を捉えるが、依然として平常】
【その動きから、何か攻撃したものと考えるが、それが何かまでは理解出来ていない】

 (恐らくは錨……だけど、見えない)
 (なら、やるしかないか……)

【するとシアはナイフを宙に放り投げ、飛んだ勘違いさせようとする。しかし、それはただの前座、成功しなくても構わない】
【全てを感じないこの状態において、シアは全てを感じようとせんがために意識を集中して、口を開く】

「感覚より直感へ、人類臨界点……《six sense》……!」

【その言葉だけは、ナギにも聞こえた筈だ】
【直後、透明な体は半透明に変わった】
【目視出来るようにはなったが、しかし次動きは見えただろうか】
【全ての感覚を封じた故に出来る、"火事場の馬鹿力"――人間の臨界点すれすれの威力の蹴りは、妨害がなければ砂埃を舞わせながらシアの体を宙へと運ぶだろう】
【狙いは投げたナイフのようだが……この瞬間、《search》はナイフに作用させており、ナギの位置を特定できてはいない】
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/18(金) 03:42:06.26 ID:V2ySKZz2o
>>142

手応えがない・・・、嘘でしょ・・・。

【影の位置は確かだ】
【ナイフも見たはずだ】
【なのに、攻撃は当たらない】
【ナギは見られていることを知らないので致し方ないところもあろうが】

おっと、ナイフが飛んできたね。

【ヒョイ、と重心を動かすようにしてナイフを避ける】

人類臨界点・・・?

【言葉の意味はさっぱり】
【だが、何か恐ろしいことがナギを襲う予感はしていた・・・】
【そして】

ちょっ、何、今の動き!?

【半透明になり、シアの位置はようやく補足できるようになった】
【だが、今の動き、全くナギは見きることはできずにおり】
【ただ、口を開けているしかなかったが】

なんて面倒くさい能力なんだよー!
木花ちゃんのときもこんな感じに翻弄されっぱなしだったけどさ!

【手を使わない方法が存在した】
【錨が虚空へと消え去った時、再びナギが水の魔翌力を支配し】
【水のやりを創りだしたのだ】

これなら空中にも届く・・・、筈ッ!!

【肩を用いて振り切り、やりはシアの方へと一直線にかけてゆく】
【シアの位置をだいたい予測した投擲だったが、当たるか、当たらないか・・・】

//すいません、眠気がMAXでして・・・
//明日の夜まで凍結して頂いてよろしいですかね?
144 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/18(金) 03:43:57.46 ID:N/59Q4RLO
>>134

了解です、こんな時間までお疲れ様でした!
明日は……恐らく12時頃になってしまいますがよろしいでしょうか?
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/18(金) 18:12:59.38 ID:zkpSgOPi0
【路地裏】


楽しいなあ。戦いってのは。俺の能力なんて、非常に地味なわけだけど……。それでも、おれは強いと実感できる。
――大丈夫、腹切られたくらいじゃあ人は死なないから安心してくれ。まあでも今すぐにでも病院行かないとまずいけどな。、お前から手出してきたんだし、おれは手貸さないからな?


【黒く短い頭髪、整った顔つきではあるものの肌は血――おそらく返り血だろう――で汚れていて、それでいて表情は実に楽しげである。】
【黒く大きなマントは、不思議と裾だけ血で濡れている。――そして、足元には、この青年が倒したと思われる、ちんぴらのような風貌の男。腹から血を流して蠢いている。】
【青年は、やはり楽しそうにその男に話しかけるものの、男は青年の言葉に返す余裕もなさそうで……、青年もそんな男への興味も失せて、無意味に空を見上げた。】


――大物と戦ってみてーなー……。

146 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/18(金) 21:30:54.57 ID:lyikRqGho
【水の国、街中の広場にて】
【宵闇にため息混じりの明かりを一つ落としたらなるような夜】
【週末は慌ただしく、去りゆく人の雰囲気にも似て】
【残るかすかな残照を、静やかな夜に感じるのだろうかなんて】


……ダメなの、お家にはね、持って帰れないの
だからね、ばらばらーって、なってほしいの


【噴水が大きな存在感を放つ、広場、少し離れたベンチにて】
【座り込んだ人影が困った声を漏らして】
【見てみれば、二桁はいそうなほど多くの子猫が、ベンチに座った彼女に擦り寄っていた】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女で】

【そのうち一匹を抱きかかえながらも、困ったように眉をひそめて】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/18(金) 21:47:04.28 ID:aHc9PqlC0
>>146

【ぴゃーと甲高い子猫の声がして、振り返らないで居られるタイプだったなら、きっと、彼女は振り向かなかったのだろう。だけれど振り向いた瞳は、】
【つまり動物が好きだと――とりあえず猫は確定で好きなのだろうというのを示して、というか子猫のぴゃんぴゃん鳴く声に目を煌めかせたのを見たならば】
【どうしようもなく動物好きだとすぐに分かる。口元になんとなく機嫌よさげな笑みを浮かべて視線をきょろきょろとさせる、そのうちに、子猫に囲まれる少女を見つければ】

――わあ、いっぱい居るー。

【なんて何とも軽く呟いて近づこうとするのだろう。こちらもまた少女だった、丸い目をきらきらときらめかせ、猫だ猫だと、上機嫌なような態度をして】
【最初はパーフェクトに子猫たちを見ていたのだけど、そのうちに少女へと視線を向けて、「こんばんは」とにこやかに挨拶でも投げるだろうか、緩く首を傾げ】

何か持ってるの? いい匂いがするのかな――この子たちきょうだいなのかな、多いね、お母さん大変だったね――。

【なんて紡いでいく声は鈴の音とよく似た金属質。少女と子猫さえ許せばベンチのすぐそばまで近づくであろう彼女は、これまた許されるなら、ベンチの前にしゃがみこみ】
【ちいちい小さく舌を鳴らして子猫の気でも惹こうとするのだろう。そしてこれはきっと悪気があるわけではないのだろうけれど、この少女、相手の少女のことをろくに見ずに】
【認識こそしているのだろうが、今はほとんどの気を猫に取られてしまっているようなのだった。子猫相手に優しげに笑うのを見れば、悪いやつではなさそう、だけれど】

【――黒い髪の少女だ。黒髪は腰の辺りまでするりと伸びたストレートヘアで、きらきらと赤い偽宝石の髪飾りを留めていて】
【瞳は左右で色の違う一対で黒と赤。右の耳には片方だけのピアスがきらめくのだけど、あしらわれているのは、宝玉の欠片なんてもので】
【赤いワンピースは前面と背面で裾の長さが違うアシンメトリースカート。ふわりと柔らかに広がって、たっぷりあしらわれた生成りのレースは細かな柄が縫い取られ】
【少し肌寒いのか羽織ったケープは少し毛色の違う赤色。細い脚には長い丈の靴下とガーターベルトの金具がきらめいて、足元にはヒールの高い靴を履いて】
【十六かそこらに見えた。どこか清い水の香りを纏った彼女は、それでも精一杯に猫に気を取られたままで――まだ、少し、意識がどこかに飛んでいるようだった】

/よろしくですー
148 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/18(金) 21:48:23.45 ID:r5CHFlLAO
>>146
【その日はとても静かに過ごせる夜だった】
【黄昏が過ぎ去り、夜の帳が落ちた街中には人気等ほとんど残っておらず、後に残るは微かな生活の跡のみ】
【ほとんどの痕跡を自らの住処へと引きずり去った後には人々の轍が刻まれている】
【そんな静かで鋭く、繊細な風の吹く街に残る人影は鬼か蛇か】

はぁ……少しは売れ行きが良くならない物かな……
いっその事、傭兵にでも転職するか……?

【そんなあまり聞きなれない愚痴をこぼす青年が一人、広場に向って歩いていた】
【愚痴の内容と言えば商売が上手くいかないと言うごくありふれた物なのだが、次に続く言葉は並の人間は出来ないような内容】
【その理由は諸々あるが、一つは彼の、彼自身の身体にあるのだが】
【すれ違うか、この言葉が聞こえでもしたら、一般市民は奴は一体何なのかと不審がるだろうか】
【そんな淡い黒のシャツと、アッシュグレイのパンツを履いた青年は一つの何やら奇怪な場所を見止める】

【そこは一言で言うと異様だった】
【猫だらけ、そうとしか言えない。もう少し具体的に言うと獣群がるセルフ動物園(猫限定)まぁどちらにしろ変わりは無いのだが】
【その中心に居る人物を見つけ、彼は何かを思い立ち、声をかける】

もしかして……ソニアちゃん?
暫くぶりか、いやそれ程でもないか

【その少女は彼が以前あのオープンカフェで出会ったあの少女だった】
【輝くブロンド、マリンブルー、それは寸分の違え無くあの時出会った少女で、彼は猫達を踏まないように近づきながら彼女に声をかけた】

で、この状況は……
マタタビパーティー?何が起こったの?ステキ?
149 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/18(金) 22:02:32.45 ID:lyikRqGho
>>147

【泡沫の夜に満ちた、可憐な花束、そこにわずかな逡巡をのせてみれば】
【視界の先には、こつこつと、ヒールの音をなぞる影の縫う跡】
【視線が思わずむかうぐらいに、華奢な貴女の姿が気になって】

【ベンチの直ぐ側まで近づいたなら、子猫が一匹貴女の元へと向かう】
【生まれたてとでも言いたげなぐらい、小さな彼女≠ヘ、貴女にも負けず劣らず可憐な喉を鳴らして】
【みぃみぃと泣きながら、貴女の元へと向かうのだろう】


……ねこさんね、好きなの……?


【初雪が櫻の上に舞い降りて、雪下の淡色を浮かび上がらせる】
【降り積もる声の先、マリンブルーの瞳が、目尻を溶かして、頬をほころばせる】
【長い黒髪の少女へ向ける羨望にも似た視線は、きっとその艶やかな黒髪に向けて】

【ややもすると、子猫が一匹、貴女の右耳のピアスに興味を向けて、前足おのばしてじゃれてくる】

>>148

【しばらくずっと、素敵な黒髪の来訪者に気が向いていたのか、貴方の接近に気づかなくて】
【ステキ、と声をかけられてから少しして、わ、と声が漏れるだろう】
【白銀髪がなびいた、夜風に少しの愛笑を交えて】


……えっとね「にゃー」……話すと「にゃー」ね……
なが「にゃー」少し、静かにする、の……!


【言葉に合いの手を入れるがごとく、拙いソプラノを邪魔する猫なで声】
【足元の数匹に向けて、視線を向けて、注意するような口ぶり】
【それでも中々静かになってくれなくて、困ったように眉を潜めた】


んぅ……助けてね、ほしいの……


【マリンブルーが貴方を見上げて、声をなぞった】
150 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/18(金) 22:15:40.09 ID:r5CHFlLAO
>>147
【ふと気づくのは、少女の先に更にもう一人少女がしゃがんでいると言う事】
【彼女もソニアちゃんと同じ程の年齢だろうか、長い黒髪は何処か今と同じ宵闇を思わせる】

えぇ……ソニアちゃんの友達……で良いのか
どうも、初めまして

【そんな風に一言二言の挨拶をするとやはり周囲の猫達に目を向ける】
【彼女らが構っている猫共は可愛げもあるのだがその量は異常であり、可愛げと言う物を一瞬だけ吹き飛ばす程だ】
【このままではどうにも動けないのではないのだろうか、そんな風にも思える】

えぇっとそんでこの猫は……
>>149
【ソニアの答えでまぁ少々の事態は把握する】
【つまりは猫が群がってどうにもならない、そんな事なのだろう】
【彼女自身がマタタビなのだろうか、白銀の少女がマタタビなんて言うのはどうにも思いづらい】

はぁ、助けてって言われてもさ……
とりあえずは立てば良いんじゃない?

【素っ気ないかもしれないがそうとしか言えない】
【今ここで自分が実力行使したとしてこんな広場に小動物の血と臓物が撒かれているとなれば大騒ぎ】
【彼女達がそれを望むとも思い難い、やはりこれは猫を自分からどけるしかないのではないだろうか】

猫が何で寄って来てるかにもよるけど……危ねぇ……

【彼は器用にベンチの方に猫を避けて歩み寄りながら話していく】
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/18(金) 22:18:43.83 ID:aHc9PqlC0
>>148

【少女は彼に背中を向けていた。ふうわりと尾っぽのように長いスカートを石畳に若干投げ出してまで、彼女は子猫のほうに夢中になっていて】
【華奢な体躯と鈴の音の声のあどけなさ、それだけで彼女もまた大した歳でない少女だというのは察するのは容易だろう。ついでに言えば動物好きであることも】
【小さく喉を鳴らして猫の気を引いている限りは後ろの彼に気付くことはなさそうだった――と思えば、彼女はふっと後ろを振り返り】

こんばんはー。

【なんて、至極ご機嫌で機嫌がよくって、というような感じに笑って声を掛けるのだろう。だからといって今の気持ちは彼<猫、それ以上の言葉は少なかったが】
【近づいてくる子猫をやさしく抱き上げて、鼻の上というか眉間の間というか、そのあたりを爪でやさしく掻いてやりながら、「目、綺麗だね」なんて、誰にともなく言い】
【「ねこ、好きなの?」なんて、彼に尋ねるのだろう――その視線は猫のほうに向いていたが。確かにその瞬間は彼を気にかけていて、】
【それでも抱いた子猫がにいにいぴいぴい鳴けば、にゃあにゃあなんて鳴き真似で返してやったりするものだから、なんとも――生返事のような感じはしたのだけど】

ほら、にゃー。……子猫はね、またたびってあんまり好きじゃないんだよ。興味ないみたいなの、だから……、

……おさかな?

【――とか、首をかしげて。ちらりと動いた視線が少女を捉えたのは、つまり、魚でも食べたのかな、なんて、軽く冗談めいた色合いで】

>>149

……うん、好きなの。動物ならね、だいたい好きだよ――、虫、は、……苦手なのも居るけど……でもだいたいは平気なの。
この子たち野良なのかな、だったら、お母さん、どこに居るんだろ――、こんなちっちゃい子たちなのに、傍に居ないの、変だと思うけど……。

【好きなのかと問われれば好きなのだと返す。それもさも当然のように、いちたすいちがにであるかのように、何の疑いもない言葉が返る】
【動物ならなんだって好きらしい。というかもしかしたら生き物が好きなのかもしれなかった。動物でも虫でもよっぽどでなければ、大丈夫だと笑い】
【こんなにたくさんの子猫がうろついているなんて親はどうしたんだろうと呟いて、それから視線を辺りにめぐらす、けれども、親猫を見つけ出すことはできずに】

ううん――あんまり触らないほうがいいのかなあ。お母さん、どこかで見てるのかな? ……、どうなんだろ。

【なんて呟いて手を引っ込める、けれども子猫が目の前でぽてぽてと歩いていたらば目はどうしようもなくきらきらして、うずうずとして】
【ピアスにじゃれつく手からピアスを守るようにするが当然本気ではない、「もう、だめなの」なんて、くすくす笑い混じりに返す声は高く鈴を転がすようで】
【「へびさまの石なんだから――」とか、「大事なものなんだよ」なんて言うけれどそこに本気さはなかった。あんまりにじゃれるなら、その子猫も抱き上げるのだろう】
152 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/18(金) 22:30:55.12 ID:lyikRqGho
>>150

【貴方の言葉に釣られるかのように、そっと立ち上がって見るだろう】
【すかさず数匹の子猫が、彼女の短いスカートに飛びつく】
【数匹の子猫がスカートにぶら下がる様子、それはさながら、そう】

【――――――年末とかにやってるSA○UKEのそれにそっくりで】


わわ……もう、困るの……


【猫の重みのためか、スカートの裾が捲れそうになる】
【丈の短いチェック、慌てて、両手で抑えて座り込む横顔】
【白桃のように、頬に紅潮のシロップを混ぜて】

【プラチナブロンドの透かす横顔があたふたと惑う】
【以前あった、神秘的な数型はど声やら、そこにいるのは】
【等身大の小さな少女のソレであった】


えっとね……もらってくださいって、あってね……
可哀想だったからね、餌あげたの、ね、そしたらね……


【拙く紡ぐ子守唄の、断片からも伝わる危うさ】
【なんてことはない、だいたいこの子が悪い】
【ソレがわかってるのか、バツの悪そうな表情が浅雪を乱す】

>>151

【持ち上げられる悪戯っ子、悪びれた様子なくにゃーにゃー鳴いて】
【貴女の華奢な指先の感覚が、まるで羽毛のようだと言いたげに】
【ふにふにとやわらかな肉球を貴女の頬に押し当てようとするだろう】


あう……野良じゃなくてね、たぶんね、捨ててあったの……
ちっちゃい子ばっかりね、いっぱい……


【長いまつげが蒼海を歪ませる、朧月にかかる雲は僅かでも色合いを黒くし】
【少しだけしゅん、と元気を無くした白百合が夜露に滲む時を待って】
【細雪の音色に憂いが混じったら、そう年の変わらない貴女には何となく分かるかもしれない】

【――――――何回か、捨て猫拾ってきたに違いない、と】


ねぇね……飼えない、かな……?


【だからきっと、この申し出も予想ついたに違いない】
【貴女に向けながらもちらりとカガリの方も向く、抜け目なく】
153 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/18(金) 22:42:56.00 ID:r5CHFlLAO
>>151
【猫を撫でる少女はどうやらとても猫を気に入ってるようで】
【一心不乱に撫でているのだろうか、まぁ年端もいかない少女にはよくある趣向と言うか、可愛い物好きと言う子は多いだろうか】
【恐らくは彼女もご多分に漏れず好きなのだろう、まぁあの格好を見れば一目瞭然と言うか】
【やっとこちら側に気付いてくれたのか、それに彼も猫と猫の隙間に足を置き、歩きながら言葉を返す】

あぁ、こんばんは……尻尾邪魔だ、尻尾……
はぁ、なんでこう面の皮が厚いのか……猫だからか

【彼はグチグチと小声で猫に対して毒を吐く、別段嫌いと言う訳では無いのだがこうまで多いと少しは嫌になって来る】
【猫を愛でる者が自分より多い立場上、ここで嫌な顔をするのも何となく悪いと言うのも人の情】
【彼はなるべく表情に何か苛立ちのような物を出さないようにしながら】

いや、好きと言うよりかは……まぁ嫌いではないよ

【あまり当り障りの無いように言ったが、それがかえって変な言葉になってしまった】
【人によっては何かを勘ぐるような気持にもなってしまうだろうか、それは彼のような捻くれた人間の考えか】
>>152
【彼女が立ち上がると同時に目ざとく飛びついた猫共はやはりそのどこから出るんだと言う力を見せつけている】
【無粋な猫も居たものだなと思いながらも、彼女の話を聞いてみると、まぁそれらしい答えで】
【途中の猫の行為への反射的な行動は年相応の少女を思わせるか、だがあの時の少女の言葉には謎も多かった】
【そんな事を考えても今聞く事は無いが、とにかくはその餌につられた猫をどうにかするしかないか】

成程……典型的なおせっかいの例だな。別にそんなのは無視しておけば良いのに
今みたいに面倒な事になるだろ?

【だが、彼女の反応からすると自分の行為に思うところはあってもそれをやめられないのだろうか】
【そうして彼女の突飛な要求には、少しの間をおいてこちらに一瞬向けられた瞳には申し訳ないが】

すまん、俺はそいつらは飼えない
まぁ諸事情あるが住所不定準無職なんでな、さすがにペットを飼う余裕は無いんだ
住んでるところも、やってる事も動物に適さない物ばかりだしな

【そうきっぱりと言い切った】
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/18(金) 22:51:08.51 ID:aHc9PqlC0
>>152>>153

【どうやらこの猫たちはもらってくださいなんてお人よしの振りで捨てられた仔たちのよう、みいみい、ぴいぴい、繰り返す声はどうしても気を惹き】
【高い声は耳につきやすいというけれど、それ以上に気にかかるのは少女が猫好きだからだろうか。簡単に指でじゃらすだけで塊のようになって跳びかかるのは、子猫特有で】
【それにすっかり破顔しながら遊んでいる時点でだいぶこの少女も駄目だ。なんにもしてない子猫に対してまで「いいこだね」なんて撫でてやって――】

嫌いじゃないならいいの、嫌いでも、別に、わたし怒らないけど……。
一番だいすきなのは蛇なの、だけど、みんな、怖いとか嫌いだって言うから――、なんだろ、ちょっと寂しいけどね。

【頬をまだまだ柔らかい、だけど少し突っ張った感じのする――ある意味どうしようなく初々しい肉球に押されて、真っ白な柔肌はわずかにゆがむ】
【わずかに出てしまった爪が頬を薄く裂いて、だけれど気にしないのだからやはり動物好きだ。この分だと噛まれても怒らないだろうし、というか、】
【猫、ましてや子猫相手に怒るなんていう考えすらなさそうだった。ただ少し困ったように「もー」なんて声を上げるけれど、それに責める色は一切となく】
【ゆるーく破顔したままで彼へと言葉を紡ぐ、一番のお気に入りは蛇らしい。そういわれれば彼女は瞳はどこか蛇に似ている気もしたけれど、とは、余談】

そっかあ……、……。

【捨て猫だとあらためて自分に向けられた言葉で聞けば、少女はわずかに眼を伏せる。黒と赤、どこか蛇の目に似た瞳は、ただ、人間めいた温度を確かに持ち】
【この子たちが捨て猫で、放っておいたら、誰かに拾われることがなければ、そのまま――烏やなんやらのおやつになるのは分かりきっている、そんな色を微かに浮かべ】
【つい、と、相手が視線を彼に移したのを横目で追いかけるようにして数秒黙る仕草は考え事のもの、それからわずかに眉間にしわを寄せ、ううん、と、小さく唸り】

――えっと、全部の子は無理だけど、……。

【なんて、言葉をつづけるのだ。飼うのは構わないと、この子たちを連れて帰っていくのは構わないと、それは、比較的あっさりと言えるのだけど】

だけど、何匹にしよっかな……。

【悩むのはそこらしいのだった。多分、さっき考えていたのも、ここだ。貰っていくのはほぼ確定、それから何匹にするのか、自分で決めるしかないことで】
【だけれどそれでいて決定しているようなものでもあった。抱き上げてしまった二匹にはすでに情が移りまくっていて、少なくとも、】
【その子たちを置いていけるような気は全くしない。さらに言えば、ベンチに戻したその二匹とじゃれるようにして団子みたいになっているもう一匹も見てしまえば、】
【ああああなんて脳内で悲鳴を上げるしかない。――目をぐるぐるにして黙り込んでしまった少女の頭から、ぷしゅうと白煙が立ち上る幻視すら見えるようだった】

……お兄さん、飼えないの? じゃあ、わたしのお家と、えっと、音々ちゃん家はだめかなあ……、……それと、
セリーナに頼んでお店で飼い主さん探してもらえたら見つかるかも、――放っておいたら、烏に食べられちゃうし……、

【彼へ向けた視線がわずかに非難めいていたのは気のせいだと思った方がきっといい。悪気はないのだけど、ついつい出てしまった様子、子供っぽさが滲み】
【ベンチの前でちんまりしゃがんだままで指折り数える、猫を貰ってくれそうなところ。自分の家は自分がOKだからいいとして、幼馴染の家はどうかとか、】
【最悪職場で預かって飼い主を捜すのはどうかとか――、そうやって考えているのだけど。それなら、少女のほうには、引っ掛かるところがあるかもしれない】
【ううんとあまりにも当然に唸っているから、もしかしたら“彼女”の知り合いなのだろうか。それとも何らかの関係者なのか、それはまだ分からないけれど、】

【もし少女が酒場をやっているような時間に店に顔を出したりするなら。この黒髪の少女、ここ一年かそこらで雇われた、新人の給仕である、と知っているのかもしれない】
155 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/18(金) 22:56:40.45 ID:lyikRqGho
>>153

【雪夜に見た幻が如く、亡国の神話にも似て】
【兎角彼女には、実態のない儚さが溢れて――――――】
【それでもそこにいるのは、ただの年頃の少女のそれで】


やなの、子どもがね、捨てられるなんて、絶対に、ダメなの


【強い否定、あなたを見つめるマリンブルーが、その水面に貴方を映す】
【漣をすり減らして、そこにあるのはぽちゃんとかき鳴らす波紋】
【ただのお節介にはなにか理由があるのだろうけど】

【少しして、強く言い過ぎたのかなんて思ったのか】
【ごめねんえ、って謝るけど】


……カガリってね、ひょっとしたらね、ダメ人間だったり、するの?


【小さい子にとっては、住所不定準無職=ダメ人間らしい】
【それはレトリックとか、かばん語とかそういう訳ではなく】
【ただただ純粋な、感想のようで】


>>154

【蛇と聞いて、目をぱちくり、瞼の呼吸が意外だなぁなんて言いたげで】
【そういえば昔良く食べたよなんて、思い出してみたけど、言えなくて】
【それよりも気になる名前が聞こえて――――――】


ふぇ……セリーナ?……ねね、セリーナのこと、知ってるの?


【そういえば、とほぼ同じタイミングで思い出す】
【もう一人の彼、カガリもまた、以前さり際に彼女の名前を出したことに】
【プラチナブロンドが頬をなぞって、くもりガラスに愛を混ぜた】

【此処最近はほとんど酒場には顔を出しておらず、長い間どこかにいっては、たまにしか帰ってこない】
【そんな状態だったので、貴女のことも初対面であったろう】


156 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/18(金) 23:11:55.57 ID:r5CHFlLAO
>>154-155
【蛇とは中々に珍しい趣味を持ってるじゃないか、率直な感想は口には出さず喉元で霧散させていく】
【別段、彼女が蛇が好きと言った所で驚きはしない。そもそも自分も少し前は蛇らしきものと少し面白い生活をしていたものだ】
【そんな事を思い出して、今は使えないあれの事を考えながら彼女に対して何も言っていない事に気付き、口を開く】
【何を言えば良いのか、増して自分の蛇の事を事細かに言うはずも無く】

へぇ、蛇ね。俺もちょっと前は蛇と関係あったからまぁ嫌いじゃない

【子猫と戯れる少女にそれが届くかどうかはわからないがとりあえず嘘は言っていない】
【この後その蛇についてどうか聞かれたら少々困ってしまうかもしれないがそれは彼の自業自得】
【彼は足元の猫を少しだけ手を使って避けるとほんの少し間の空いた場所に立つ】

【銀髪の少女はどうやら相当清い心の持ち主のようで、自分とは大違いである】
【そんな事を彼女の断固とした博愛主義に対して思いながら彼女の言葉を聞く。小さな謝罪には別にと返すが】

いいや、決してダメ人間とかそう言う物じゃ無い
俺は少なくともそこら辺の一個大隊なら相手に出来るし(多分)、まぁかなりの大仕事を請け負ってはいるし、それにそこそこ手持ちの金もある
そんじょそこらのニートと同一視してもらっては困るな。俺は出来る準ニートだ

【彼はそう言い切る。声のトーンは何処か悲しげだが、半ば本当なのだから仕方が無い】
【それは経歴の方も同じことで、少し誇らしい事なのだが彼の人間性からするとあまり関係は無さそう】
【そう言ってから黒髪の少女の言葉に疑問を飛ばす】

セリーナ?セリーナって言ったのか……?
へぇ、面白い事もあるもんだ、俺も一応面識はあるんだな、それが
もしかして双方ともに関係者?お仲間さん?

(だったら嫌だな……)

【もしや彼女達はセリーナの仲間なのか、そんな少し不安な問いかけに彼女らは答えてくれるのだろうか】
【彼にとっては複雑な気持ち極まりない事なのだが……】
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/18(金) 23:18:35.48 ID:aHc9PqlC0
>>155

【多分それを本当に言っていたなら、少女のあどけない子供っぽさを多分に残した顔は、変な感じになっていたことだろう】
【非難がましいようなそれを否定することは出来ないのを分かっているような、何とも言えない顔を――だけど言わなかったなら、その顔を見ることはなく】

え――あれ、……うん、知ってるの。わたし、UTでお仕事してるんだよ――えっと、戦ったりは、しないんだけど、
……酒場のほうでご飯作ってるの。あと、最近始めた……お金とかお家のない子のために、ご飯、無料で作ってるの。……えっと、

【「UTのひと?」】
【と少女は尋ねて首をかしげるだろう。会ったことは――なかった、気がする。それともどこかですれ違ったかもしれないけれど、】
【話したことはなかったはずだ。だから名前もよく知らないで。きっとそちらも知らないのだろう、もしかしたら知っているかもしれないけど――】
【鈴音、と。その鈴の音の声によく似合った、金属質の名前。左手の薬指に指輪があるから、この見た目できっと既婚者なのだ、とは余談だけど】

>>156

え……そうなの? 関係ってなあに? 飼ってたの?
飼える蛇ってどんな子なんだろう、わたしね、山楝蛇が好き。あ――それとも違うのかな、なんだろ、
蛇と関係――? 

【ぱっと少女は振り返る、もしかしたら藪蛇だった、と思うかもしれない。だって、その少女の眼はきらきらと輝いていて】
【それでも猫は腕に抱いたままだけれど蛇の話題に思い切り食いついたのだった。飼ってたのか、それならどんな蛇なのかと、矢継ぎ早に】
【「ペットの蛇はあんまり詳しくないの」と少し残念そうに呟いてから、自分の好きな種族の話。だけれどそこで、ペットではないのかもしれないと気付き】
【なんだろう――と首をかしげる。だけれどその顔に浮かべる笑顔は、猫に対する破顔とは少し違って。わあ、と、なんとも嬉しそうで】

>>155>>156

……うん、わたし、UTでお仕事してるよ。戦うひとじゃないけど、――ごはん、作ってるの。
わたしね、りんね。白神鈴音……、えっと、他のひとに比べたらぜんぜん、まだ来たばっかりだけど――。

【それから、少女は猫を抱きしめたままで、そう名乗る。名は体をなんて言うけれどまさにそんな名前を告げて、にこり、と、人懐こく笑う】
【彼の複雑な気持ちには残念ながら気付けなかったようだ。どこか誇るように、彼女はそう名乗って、わずかにどや顔というか、そんな、あどけない顔をした】
158 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/18(金) 23:28:47.17 ID:lyikRqGho
>>156

【貴方の言葉を聞いて、小動物のように顔を上げる】
【小首がなめらかな頬をなでて、夜の感覚を狭める】
【ソプラノがか細い喉を揺らして、音を紡ぐ】


ソニアもね、ヘビさん好きだよ、焼くとね、すっごくね、美味しいの


【にへらーと笑う様子は、見るもの全てに目を輝かせる少女の眼で】


……でもね、ソニア昔ゆわれたよ、ちゃんとした仕事じゃない人は、ダメな人だって


【幼子にキャベツとレタスの違いが分からないのと一緒である】
【ご高説が痛み入るのは、現実に汚れた大人だけなのだから】
【セリーナの名前が出たので言葉を返す、小さな手がくしゃくしゃと揺れて】


うん、知ってるの、セリーナはね、すっごく強くて、優しい人なの


【屈託のない、という言葉では足りない、初雪の新雪よりもまだ尊く】
【澄んだ結晶の上澄みの、穢れ無き一滴】
【笑みに夜が濡れたなら、あどけなさだけが深々と積もっていく】

>>157

【ばっと立ち上がる、子猫を両手で抱いて、貴女のそばに寄って】
【スカートにしがみつく子猫が四匹、彼女の足取りに合わせてひらひら揺れたら】
【一匹落ちて受け身をとって悔しげに見上げた】


えへへ、お仲間さんなの!ソニアもね、そこでね、はたらいてるの!
ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ、職業は狙撃手


【鈴音の直ぐ側によると身を寄せてくるだろう】
【ペコリと頭を下げてよろしくね、をすると綻ぶ頬が笑みを浮かべて】
【年の近い友達、彼女の認識はきっと、そんな感じ】


ソニアはね、戦う人、なの、鈴音を護るんだよ


【――――――長い髪を擽らせたら、貴女の黒髪と対比されるだろうか】
【プラチナブロンドに色はなく、それはまるで流星の通った軌跡にも似て】


159 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/18(金) 23:47:04.99 ID:r5CHFlLAO
>>157
【やはり聞かれてしまったか。そんな事を思いながらも考えた末に話を切り出した自分が言える事では無い】
【蛇との関係、どう言った物か。まさか背中に埋め込んでいたなんて事を真っ向から言えるはずも無い】
【彼は少々どころじゃない程目を泳がせてからどうにか少女へと言葉を返す。その声色にどうにも欺瞞の気が漂う】

使役……かな?一応そう言う事になるな
まぁあちらからコンタクトを取る事は一切無かったし、一方的な使役だな
ま、言えるのはそれくらい。それ以上はちょっとあれだな

【彼はある程度余裕を持たせた言葉で彼女に答える。使役と言う言葉で間違ってはいないのだがその先の真実は彼女の創造に任せよう】

>>158
【彼女に紛れも無い正論を突き付けられ、どうにも言葉が出ない】
【実際自分のやってる事は凄まじい事でもあるし、同時に誇れることでも無い、正義の為に何かをするだのと言う事は一切無いのだから】
【だが、自分にも一応仕事をしていると言う矜持はある。そこまで言われてしまうと言い返さない訳にはいかない】
【子供相手に大人げないと言うなかれ、自分は圧倒的幼女にも場合によっては効率優先で当たる人間だ】

そうか、そうだな、確かにこの世界の基本的な事でもある
だがな、この世界には俺みたいに人に言えない、それでも誇りを持った仕事をする輩が居るって事を忘れない方が良い
そうでもしないと、いすれ現実を考えすぎる事になっちまうぞ

【そんな風にどの口が言うかと言った意見を述べる彼の顔は根拠の無い自身に満ちていた】
【そうして彼女達の答えに、彼は顔を少し歪める】

>>157-158
【UTでの仕事、それもソニアは狙撃手だと言うのではないか】
【これは由々しき事態である。そんな人間に自分の芸名を明かすことになっていたとは、セリーナ・ザ・キッド一人ならまだしも複数人に顔を知られるとなると】
【だが、最早仕方の無い事】
【それに逆に好都合と考える自分も居た】

へぇ、あのUTで凄いなぁ本当その年齢で……
俺とは正反対だ

【彼は俯き気味にやや含ませながらそう言うとそのまま黙りこくってしまった】
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/18(金) 23:55:47.09 ID:aHc9PqlC0
>>158

【ぴくり、と、少女の顔がこわばったように見えただろう。それは別に誰が悪い、というわけでも、ないのだけど】
【へび、だいすき、ここまではいい。――おいしい、? おいしいと言ったのか、この子は、蛇が、おいしいと、つまり、?】
【おいしい=食べたことがある、たぶんそういうことだ。蛇を食べる、そのことに、少女の少し子供っぽさを残した頭はぐるぐるとまわり】
【え、あ、そんな声が口から小さく漏れていく。だけど非難することもできず、ただ少しだけ視線に非難を乗せて、じっと少しだけ拗ねるような視線を向け】

【だけどあまりにも真っ直ぐな顔を向けるものだから。きっと年下相手に何も言えなくなってしまう、きゅ、と、唇を微かに噛み】

で、でも、わたし、戦うひとじゃないの。セリーナに、戦い方とか、教えてもらってるけど、まだまだだし……。
刀も、魔術も、上手じゃないの。それに、銃は、――ごめんね、わたし、苦手なの……。……えっと。

【少し慌てたような声で返す、お仲間さんだなんて、自分は戦うわけじゃないのに、と、少しだけの引け目。彼らは同じ場所で命を懸けているのだから】
【だからといって自分の仕事を卑下するわけではない、ただ、少し、申し訳ないような気持ちも少しあって――なんて、複雑な気持ち】
【力はあっても戦うための力は弱い。最後のほうはしゅんと眉を下げてしまって、わずかに俯くと。腕の中の子猫がぴゃー!と一匹で元気いっぱいに鳴いて】
【少し顔をほころばせてしまうから、「むかし、撃たれたことがあって」と言えたのは、子猫のおかげだったかもしれない。――怖いのだろう、きっと】
【だけれどあんな銃ばかり飾っている場所から逃げ出さないのは。戦うための人員ではないにしろ、なにか、きっと、やりたいことがあるのに相違ないはずで】

――……いいな、わたしも、そんなこと言えたらいいのに。

【なんて、呟く声は、きっと心の底から羨ましそうなもの。――わずかに目を細めて眼前の少女を見やる。ちなみに彼女の身長は百六十ほどあって】
【そこに高い靴を足すものだから、百七十近くある。それでも態度はどこかあどけなく子供ぽいため、あんまり、威圧感とかはないのだけど――】

……でも蛇は食べちゃ駄目なの。

【――というか、こうも拗ねた顔と声をするのを思えば、間違えても二十二歳だとは思えないくらいに、子供っぽいのだった】

>>159

使役? そっかあ……、わたしもね、蛇、たくさん喚べるよ。お水の蛇だけど……、
普通の蛇とはね、おしゃべり出来ないの。だけど、仲良くなれるようにって、アクセサリーを作ってもらって――今日は持ってないけど。
だからね、それがあったら、蛇と仲良くできるの。……でもこれからはみんな冬眠しちゃうから、寂しいな……わたしも冬眠しちゃいたいの。

【なんて笑って、彼女は猫を器用に抱いたままで彼に見せるように手をかざす。そうすれば手のひらできらりと桜色に紫色の混じったような魔力がきらめいて、】
【ぴょこりと手のひらから生え出るようにして顔を出すのは、薄桜色の液体で身体を構成する水……だろう、きっと。水の蛇が、にょろりと生えてきて】
【頭の中には銀色の鈴がぷかりと浮いている。それだけでなく時々ちりんと鳴る音がするから、これは、ただの蛇ではないのだけど――蛇のかたちではあって】

そうじゃなかったらね、知り合いに蛇が居るよ。ふふ、知り合いじゃなくって、本当は、――、

……もう、わたし、二十二歳なの。みんな間違えるから、別にいいけど……、

【なんて発言は、けれど、途中で途切れた。心なしか左手を見せようとしたようにも見え、それなら、そこにあるのは薬指の指輪くらいなのだけど】
【曖昧な位置で手を留めて、少女は少しむくれるような顔をしてそう言いだすのだった。おしまいでは少し拗ねるような声でそっぽを向く、けれど、視線はちらりと彼を見】

>>158>>159

……――あなたはなんてお名前なの? えっと、あなたは、……ソニアかな?
わたしだけ名乗るなんてずるいの、……なんて、そうじゃないけど、せっかくだし知りたいな。

【それから、そのまま、彼に名前を尋ねるのだ。もうひとりの少女のほうは、しきりに繰り返していたから、それが名前だろうと推測しながらも】
【正反対なんて言う彼に尋ねるのだけど、そこに変な意味はない。普通に、知り合った二人として知りたがっている。――そんな気持ちは、きっと、顔に浮かんでいて】
161 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/19(土) 00:04:19.50 ID:74zXP+gjo
>>160

【彼女はさながら、足元いっぱいに広がる子猫と一緒のよう】
【初雪に塗れるシュプレヒコールのよう、何も知らない純粋さだけ】
【含み笑いの言葉も知らない色は咲く時を探して】


……えっとね、誰にもね、得意と下手はね、あるの
ソニアもね、夜一人で寝れないの、それに、起きれないの


【うまく言葉に出来ない、励ます方法なんてあんまり知らないから】
【つぎはぎの言葉が意味を持つのなら、ガラクタ細工の歌だって心を持つ】
【銃が苦手な理由を聞いて、色が曇る、どうしようって考えて】


わわ……ぇっと……分かった、の


【すねた顔、怒られたというよりかはじゃれあいにも似て】

>>159

【配慮が足りないところがあるにしろ、彼女は根本的に善人で】
【黙りこくる貴女の様子を見て、少しそれが気になったみたいで】
【てくてくと歩いて近づくと、貴方の直ぐ側に近寄ろうとするだろう】


……んぅ……えっとね、ソニアもね、言い過ぎたかもしれないの
カガリもね、ちゃんとがんばってね、仕事してるの、だからね、えっとね……


【言葉が見つからない、降り積もる沙雪に手を伸ばしても、掌で溶けて消える】
【か細さは拙さを取り違え、言葉にならない吐息をなぞって】
【詰まる言葉、拙い口調が、今にも消えてしまいそうで】

【とくん、とはねる胸の鼓動が聞こえる、微かでも確かに響く音色で】
【唇が夜風を飲んだ、喉元いっぱいに冷たさが滲んで】
【心の奥底に一葉こぼれ落ちた】


――――――ごめんなさい、なの……


【頭を下げる、小さな身体が余計に小さくなって】
【足元の子猫がみゃぁと鳴く、許してあげなよと言いたげに】


162 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/19(土) 00:15:52.97 ID:X6JqBJLzO
>>160
【水の蛇を呼べる。名前からしても彼女は櫻の国の生まれなのだろうか。蛟呼びなんてそうそう聞いた事が無い】
【彼女も自分では戦えない等と言っているが相当の能力は持っているのではないだろうか。そんな思いを巡らせながらも彼は彼女の技を見る】

へぇ、面白いな。魔法かそれとも、何にしても面白そうな能力じゃないか

【彼は内心、彼女はわりと召喚師《サモナー》としての才があるのでは無いかとも思えてくる】
【そうなれば何れ彼女とも……そんな事を考えるのはよしておこう】

は?本当に二十二?俺より年上じゃないか……
いや、でもまさか……まぁ本人がいるなら……

【彼は彼女のそのあまりの見た目との錯誤に少々戸惑いながらもどうにか自分を納得させる、顎に手を当て少し俯きながらも】
【少しだけ首を動かして無理矢理納得したような表情を見せながらも、彼は彼女達に向き直った】

>>161
【彼女のどうにもぎこちないフォローに少し気まずくなりながらも彼はどうにか口を開く】

いいや、別に気にしなくていい、結局は俺はただの流浪人だ
だからって何にも出来ないって訳じゃ無いけどな、いつかは俺ともまた会うかもしれない……

【そんな風に含み笑いを見せながら彼は言う。それはまたこうやって日常として出会うのか、それとも……】
【その内容自体は口には出さず、彼は謝罪にも静かに「いいよ」と返した】
【ここで話をしているといつかその日がやって来るとして申し訳なさがありそうだからだ。その日にはもうそんな気持ちも消え去っているかもしれないが】

>>160-161
あぁそう言えば言ってなかったな、俺はカガリ。正親町カガリ
よろしく

【彼はそれだけ言うと、すぐに目線を逸らす、それ自体に大した意味は無いが反射的にやってしまったのだ】
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/19(土) 00:26:26.57 ID:oBUrQrl50
【満月の夜――――人々からその存在を忘れ去られ、ただ朽ち行くだけの遺跡】
【嘗ては祈りを捧げるのであっただろうその場所も今となっては誰一人として訪れる事は無くなった……が】
【今宵は、無礼にも其処に座る女が居た。金色の髪に、同じ色の双眸。何よりも特筆すべきは背に生やした純白の翼】

【在りし日の其処を思い、思慮に耽っている訳でも無い様。ただ単純に単純に月光浴を楽しんでいるのか】



「――――今日は星も月も良く見える良い夜だ。風も心地良いし…………ボクだって偶にはこんな夜も、ね」

【漏らした言葉は誰に向けた物でも無い。ただ、何と無く慈しむ様に己の座る台座を掌で撫で】
【バサリ、と一度羽ばたかせた翼。純白の羽が月光を浴び銀色となって風に舞い】

【辺りに人気は無い。だからこそ、この女の存在も相対的に目立つというもの】
【もし、女の存在に気付いて近寄ったならば――――「ボクに何かご用かな」なんて言葉と共に、緩んだ笑みを向けるのだけれど】








【櫻の国――――封魔城、と呼ばれる其処。古来より悪しき妖怪達を封印し、滅する為に作られたその城は妖怪と対峙する要の場所とも言えるか】
【普段ならば厳粛に閉ざされた門も、今宵ばかりは開かれており】
【所謂、他の者達と交流を図る日なのだろう。人間妖怪問わず、訪れる者を拒む事は無い】
【無論厳重な警備が為されているのだから物々しい雰囲気ではあるが…………其れでも庭にはちらほらと訪れてきた者達も姿も見える事だろう】

【さて、その一角。大きな池に架けられた石橋の上に立つのは一人の少女の姿だ】
【成人前なのに、ハッキリとした威厳を感じ取れる程。それでいて凛とした雰囲気を放っているのだから他の者達も近づけないのであろうか】
【――――何より一番の理由は、武装した家臣達が側に立っている事であろうが】


「……ようこそいらっしゃいましたね。決して楽しいと言える様な場所ではありませんが――――折角訪れて下さったのです
せめて足の疲れを癒やしていくのは如何ですか」

【もしも臆する事無く近づけたならば。或いは、気付かない間に側を通ったならば。きっとそんな言葉が投げられる事だろう】
【決して傲慢では無い物腰。僅かに笑みを見せたならば、必要以上に警戒させる事が無い様家臣達を少しばかり離れさせて】


【どう答えようが、其れは訪れた者の自由だ。ただ何と無しに寄ってみたでも良し】
【どんな理由であろうと、嫌な顔一つせずに受け入れる事だけは確かだ】
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/19(土) 00:30:03.54 ID:ZhXAVEdN0
>>161

……わたしもね、一人で寝るの、苦手なの。苦手なものばっかりだよ、なんでだろ――もう大人なのに、なぁ。

【なんて小さく自嘲めく、寂しがりやだし、怖がりだし。そうやって自分の頭の中で呟いて、どこか、しゅんとしたような顔をする】
【自分よりも年下で立派なひとはたくさん居るのに自分はこうだ、自分の始めたことをすごいと言ってくれるひとは居るけれど、自信がたっぷりあるわけでもない】
【朝起きるのは何より彼女も苦手だ。それでもお仕事のために頑張って起きているような状況、休みの日は夕方近くまで眠ってしまうのは、仕方ないと言い訳】

…………できれば食べないでほしいの。ううん、食べてもいいの、いいんだけど、なんだろ、わたしは、その、あんまり、嫌かなって……。
でも蛇が好きなら仕方ないって思うけど、あの、わたしは絶対食べたくないっていうか、……ええと……

【――まあ、単純に、蛇が好きなのだ。蛇が好きだから、目の前で食べたとか美味しいとかそういう話を、あんまりしてほしくないよう】
【だからといって露骨に責めるわけでもなく、目はわずかにじっとりじとりしていたけれどそれ以上の意味はなく、軽い抗議程度に思っておけばちょうどいい】
【数秒ほど黙ってしまったと思えば、「……おいしいの?」となんとも複雑な顔で聞くのだから、蛇も大好きなのだろう。好きすぎて、味まで気になるらしい】
【だけど食べたいわけではない、なんて、複雑な気持ちだ。むうと唸る少女の横顔、よく見れば、右耳だけのピアスは蛇の意匠、ウロボロスの蛇を模したものだった】

>>162

――昔はね、出来なかったの。最近のことなんだよ、こんなに出来るようになったの……、いろいろあったけど、これは気に入ってるの。
水を作れるの。それで、その水を、蛇の形にして――、“おねがい”すると、言う通りにしてくれる。

【蛇を呼び出す力。だけれどそれは能力と魔力をふんだんに使った結果のもので、これそのものが能力だというわけではない、のだろう】
【本来は水を作り出す能力なのか。どちらにせよ魔力操作に優れているようだった。お願いとは少し不思議だが、少女が「ねっ」と笑いかけると】
【手のひらからにょろりと頭を出す水蛇は答えるようにこくこくこくこくと頭をしきりにうなずかせるから、言葉はある程度通じるのか――それとも、腹話術なのか】

ほんとだよ。でも、どっちでもいいかな……、――カガリね。

【ぱちくりとまあるい釣り目がまばたいて。少しだけいたずらっぽく口元が笑む、それから、少女は、カガリが目線を逸らした先にまわりこんで】
【叶うなら、視線を合わせてみようとするはずだった。もちろん腕の中には子猫が居て、手のひらには水蛇がいて、と、なんとも妙な様子なのだけど】
【向ける瞳は真っ黒と真っ赤、全く違う色彩で艶めいて、子供めいた気配がありながらも、どこか、新月の夜空を見上げたような冥さもあって、不思議な瞳のはずだった】
165 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/19(土) 00:37:50.10 ID:74zXP+gjo
>>162

【あなたの言葉を聞いても、彼女の表情は晴れず】
【ごめんなさい、ともう一つ言葉を返して、顔を上げるだろう】
【彼女は知らない貴方の考えの意味も、その先も】

【ただ無垢に世界には良い人ばかりが居て、それだけが自分の周りにいるって】
【盲目的に信じているだけ】


……そうなの、じゃあね、今度カガリと会うときね
ごめんなさいの代わりにね、ソニア、お菓子作るの


【良いアイデアと言いたげに笑顔が弾けた、夜桜色が頬に赤みを指す】
【今度会うときに常に持っているとは限らない、刹那的な喜びでも】
【それにすがって生きていく、十分な理由にしてしまいそう、で】

>>164

【うん、おいしかったの、なんて満面の笑みで伝えるだろう】
【それでも貴方の抗議は伝わったらしく、うんうん、とうなずいて納得した様子】
【右耳のピアスを見て、ヘビさんだなんて言いたげで】


えっとね、鈴音もね、UTの人だったらね、ネコさん持って帰っても良いと思うの
多分ね、セリーナね、ソニア一人だったら怒るけど、鈴音が一緒だったら、大丈夫なの


【少しだけさっきから気になっていたこと、夜も更けて寒くもなってきた】
【暑いよりはずっとずっと平気、それでも、子猫たちはそうではない】
【寒くなってきたのか各々の足元に擦り寄ってくるだろう】

【鈴音に向ける微笑み、年上だけど、そんなに離れてないように感じるおねーちゃん】
【そんなおねーちゃんと一緒なら】


それにね、鈴音も一緒に、怒られてくれるの


【勝手に怒られた場合巻き込むことを刷り込む、悪いやつである】
166 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/19(土) 00:51:08.09 ID:X6JqBJLzO
>>164
【昔は出来なかった。ならば後発的な能力、つまり自分と同じ物かと彼は心の中で頷く】
【自分の物は能力と言うよりかは身体改造と能力の合わせ技のような、成れの果てのような物だが……】
【そんな事は今の話には関係の無い事なのだが、やはりいつかは彼女達も見る事になるのだろうか、自分の真実を、異様さを、狂気を】
【そんな事を考えると自然にため息が出てしまう、そんな時回り込まれた少女の瞳が視界を貫く】

中々機敏に動くじゃない。やるな
それに俺と似たような面白い瞳をしてるんだな、オッドアイか

【彼は自らの臙脂色の瞳を指さしながらそう言う、何か含めた事等は無しにこれだけは真実の言葉で】
【眼はその人の真実を映すとも言う。彼女も何か面白い真実を持っていたりするのだろうか】
【いずれはUTも面白そうだなと思いつつ、彼は瞳から指を離した】

>>165
【彼女のお菓子を作ると言う言葉、それは果たして本当なのだろうか】
【別に年下の女の子に作ってもらえる事を嬉しがると言う事では無いのだが、そんなに関係が深くなって自分は迷わないだろうか】
【だが、そんな不安も一瞬で姿を消す。自分はこの一時を楽しんでいれば良い。今は幻、夢泡沫に消える空虚な幻】
【そう思っていれば良いのだ。そう思っていれば】

へぇ、そいつは嬉しいな。楽しみにしてる

【そんな風に素っ気なく返しながらも楽しみにしていると言うところは先程とは違い、正直に声のトーンをいつもの低い声に戻して発した】
【そうしてふと気づいたのが段々と風が冷たくなってきたと言う事、そうしてつまり子猫は寒がっていると言う事】
【彼は少々考えながらも、やがて溜息をついてから】
>>164-165
やるか……ここまで自己紹介してもらえたんだしな

【彼は徐に腕を伸ばすと袖から何かを伸ばし始める。それは服の裏、背中辺りまで伸びているようでその辺りの服が盛り上がっている】
【それは次第に細く鋭い二層の盾と剣のようになり、紅い光と緑白色の光片を発し始める】
【本来なら更に大仰な物なのだが、それの出力を抑えたパターン、それぞれの猫の近くに光片を一つ、それはさながら瞬く蛍のように】
【その光は少しの熱を持っており、これでまぁ風は凌げるのではないだろうか】

折角だからな、まぁもっと凄い事も出来るには出来るけど……

【彼はそんな事を言うとそのレイピアとシールドの中間のような物を消し去った】
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/19(土) 01:04:27.64 ID:ZhXAVEdN0
>>165

【あんまりに満面だから少女は言葉を失ってしまう。そっか、おいしかったか……みたいな、ある種の悟ってしまったような目をして】
【蛇=美味しいというイメージを手に入れたのだろう、だけどあんまし嬉しくない。これから“あのひと”をどんな目で見ればいいのだろう、なんて余談の思考】

【気付けば足元に子猫たちが集まっていて。靴にじゃれつかれると困ってしまう、間違えてもそのちっちゃな頭を踏み抜いてはいけない、と、】
【思えば足を少しでも動かすのも恐ろしいことのように思えて。ええと、なんて、困った顔だ。――とりあえず、さっき目をつけた二匹は家に連れ帰るとして】
【そうださっきこの子らと遊んでいた子はどうしようとか思い出してしまう泥沼。ええと……と今度こそ彼女は声に出して唸り、だけど、】

え? ……やなの、怒られるの、苦手だもん。

【きっと、考え事をしていたから。すごく素直な言葉が出てしまったのだろう、きょとん、と、どうしてわたしまで怒られるの?なんて言いたげな目】

そ、れ、に、……セリーナにお願いするときはもっといい方法があるの。そしたらきっとセリーナもいいよって言うよ、……ううん、言わせるの。

【だけれどそれは素直でもあったけど、秘策があったからだ。いたずらっぽく笑んだ口元に人差し指を添えて、「ないしょ」のゼスチャーを見せてから】
【許されるなら、そっと、ソニアの耳元に口を寄せて。囁くのだろう、小さな声がささめく、そうすればなんとも不思議な声色になって――鈴の音の声が、不思議な色を帯び】

……セリーナの好きなお酒買って行くの。わたし、おつまみ作るから。そしたらきっとご機嫌よくなって、いいよって、言ってくれるの。

【だけど内容は結構ひどいものだったし力技だった。つまり酔わせて既成事実を作るのだ、くすりと笑った顔は妙案の顔だったが、突っ込みどころは多いはずで――】

>>166

【だけれどこれは喜ばしいものではない。少し前に流行ったものがあった、カノッサ機関の兵器――哲学者の卵。彼女の後天的な力は、それに由来する】
【だから、きっと、彼女も彼と似たようなものを内包するのだ。今はなんてことない顔をしても、いつか歪んだなら、きっと、もう、治らないし、治れない】

これもね、途中からだよ。ある朝起きたらこうなってたの。いつだったか、覚えてないけど……。

【――なんて、ひどく変なことを言うのだ。後天的な異能力、後天的なオッドアイ。彼女はなんだか変な存在、あとから現れることはめったにないことばかり、起こしている】
【にこりと笑って、それから、少女は、ふわりと。最初にソニアが座っていたベンチに座り込む。それで、羽織っていたケープをそっとはずし】
【膝の上でにいにい震える子猫たちにかぶせてやるのだ。最初はもこもことケープの下で動いていた子猫たちも、やがて、おとなしくなって】

>>165>>166

――わ、あ? それがカガリの能力なの? 

【目を丸くしてその光景を眺めた。ひとの異能を見る機会はきっとあんまりないもの、だから、物珍しいように――興味深いように、じっと、見つめていた】
168 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/19(土) 01:13:59.58 ID:74zXP+gjo
>>166

【実験動物に智慧はいらず、消えゆく火と変わらぬ意思をくべる】
【貴方の逡巡も気がつけず、ただその日をひたすらに待って】
【来ない幻想に浮かれてるみたいにも見える】


わぁ……!カガリ、すごいの!あったかいの、でてきたの!
これが、カガリの、能力なの?


【初めて見た外の世界に心躍らせるような】
【そんな泡やかな感想が静々と溢れているようで】
【キラキラと輝く目の証左にも似て】

【小首を傾げたなら、その先にある貴方の視線を探して】
【其処に確かな賛辞を述べた】


>>167

【耳元の産毛を貴女の声が舐めあげる、静かな響きが心を震わせて】
【艶めかしい鈴の音、言動はともかく、大人の色香を其処に感じて】


わっ!すっごく良い考えなの、鈴音、すっごく頭が良いの
だったらね、ソニア、お酒買って、先に向かってるの!

猫ちゃん、待ってるの――――――


【両手で抱きかかえる子猫、スカートにひっついている分も合わせて大体五匹】
【その場に居た半分ほどを連れて、その場を立ち去っていくだろう】
【多分家に帰れば、沢山のお酒を買った彼女が迎え入れるのだろう】

【夜闇に交わらない白さを残して、朝焼け混じりの空を遠く】
【望む日々の証左に、してみせた】

/やや強引で申し訳ないですがお先に失礼させてもらいます!ありがとうでした!
169 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/19(土) 01:25:03.57 ID:X6JqBJLzO
>>167-168
【彼女の能力がどう言う物であれ、きっと彼女はそれをUTに背く形で使う事は無いのではないだろうか、そんな思いが更に彼に考えを巡らせる】
【まさか自分よりも歳の低い、そして低そうな人ですら今自分にとっては真逆に位置する、対立する人間だと言うのだ】
【そんな事は思ってもみなかった。能力の一部を使い終わった後彼の顔は少々険しい物となっていた】

ある朝起きたらね。まるでどっかの絵本みたいだ、面白い始まりじゃないか

【彼はそんな風に冗談を飛ばしながらもあながちそれが本音なのではと思い始める。能力に対してであり、それが彼女に対してと言う訳では無いが】
【そう思っていても仕方が無いとすぐに気づく。現にもう何やら猫についての話も進んでいるようで】
【これが自分の能力かどうかと聞かれるとどうにも答えにくい物があるのだが、仕方なく彼は淡々と答えて行く】

ん、あぁそうだよ、まぁこれ自体が能力と言うよりかは副産物なんだけど……

【彼はそこで言葉を切る、これ以上言って良い物なのか。自分にとっては最重要秘匿であるはずなのでは無かったのか】
【だが、あえて話すことにした。逆にその情報を流すことで不信感を煽らないようにしようと考えたためであった】
【彼はもう一度少女達に向き直ると】

これ自体はただの副産物なんだ。本当はもっと良いのを持ってる
こう、両肩の後ろ辺りから翼が出て二層のシールドブレードとバスターソードが主翼になって……

【そんな風に淡々と語りだすと、いつ止まるのかわからない銃弾の嵐のような言葉を浴びせる】
【まぁそれはもうただの癖と言った方が確かなのだが、彼の声はその時だけ少し楽しそうでもある】
【そうして猫を連れて帰るとソニアが行動に移したならば】

了解、それじゃまたいつか
なるべく、安全な所で……

【彼は二人が居なくなった所でふっと光と共に姿を消した】

/自分も失礼させていただきます。お疲れ様でしたー!

170 :シア=メア ◆gjsrwSHe/k [sage]:2015/09/19(土) 01:30:23.62 ID:Lub06UB+O
>>143

 (躱せたか……?)

【体はまだ自由に動く、つまりは回避出来たのだろう】
【シアの能力は、一見強力であるが……いざ使ってみると、デメリットが大きすぎる】
【五感と引き換えに能力を発動する能力……そろそろ気が付かれているだろうか】

 (流石に空間把握が出来ないのは辛い……だから!)

【投げたナイフを飛んで取るという異常を見せつけ、その姿勢のままナイフを二本とも地面に向かって投げる】
【更に腰から取り出した二本を追加で投げ――それらは丁度十時を結ぶように地面に突き刺さるだろう】
【どうやら、微弱ながら磁気を持っているようだが……?】
【しかし、空中のシアを襲うのは水の槍。それは回避を許さない速度で左肩に突き刺さり、霧散した】

 (しまった、左腕が……ッ!?)

【幾ら痛みを感じなくても、動かせないものを動かすのは不可能である。そのことから、左腕の損傷を悟る】
【しかし、それくらいでは止まらない】

 (《six sense》……念動力ッ!)

【第六感の解放、発動するのは念動力】
【投げたナイフの磁気場から《electric deceive》――電気信号の把握、欺瞞能力――によって簡易的にシアの位置を特定、《search》により腰に残されたナイフ二本を把握し、念動力場を発生させて浮翌遊させる!】
【ナイフは二つとも、全ての法則を無視して浮翌遊する。その切っ先はナギに向けられていて】
【気を抜けば法則無視の動きでナギに迫るだろう】
【尚、シアは発生させている念動力場の影響により、2m程浮翌遊した状態にあるが、思うより自由に飛ぶことは出来ないようだ】

/一応、返しておきます。見てくださいましたら、連絡や雑談で時間のある日などを教えて下されば……!
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/19(土) 01:36:02.65 ID:ZhXAVEdN0
>>168

【ふふーと得意げに笑う様子はとても二十二歳には見えなかった。だからと言って子供ぽすぎるのかと言えばそれとも少しだけ違っていて】
【なんといえばいいのやら、彼女は大人っぽくて子供っぽい。どちらの要素をも持っているようなら、本当の意味で少女のようでもあり】
【いくらセリーナだからってお酒とおつまみで懐柔されるとも限らないのだけど。でもこれで上手く行くんじゃないかとも思っている、ある種の信頼】

あ――、あの子、お酒、買えるのかなぁ……。

【だけれど駈けだしてしまったソニアを止めることは出来なくて、行ってしまった背中を見て、ぽつりとつぶやくのは、ひどく現実的なこと】
【けどどうにかなるかなーなんてぼんやり考えて、とりあえず、場に取り残された子猫たちを自分の周りにかき集めてみる。それで、ケープでくるり包んでやり】
【よいしょと膝の温みを伝えるようにやさしく撫でてやる、それから――ふと携帯電話を取り出すと、時間の確認だろう。一瞬だけ開いて、閉じて、】

>>169

……面白くないの。楽しいことじゃないよ。絵本みたいだったらよかったのに、そしたらきっと、王子様が助けに来てくれたの。
――……来てくれなかったなあ、王子様。ふふ、やっぱりしょうがないのかな、絵本って、子供のものだし……、ううん、まあ、いっか。

副産物なの? 副産物って……、ええと、使役してた蛇さんの? かな?

【だけどそれは絵本のような夢物語ではないらしい。それどころか、もっと、辛くて、悲しくて、寂しいような物語なのか。彼女はそっと瞳を伏せ】
【王子様だなんていうけれどつまりは救いみたいなもの、それがなかったなんて自嘲めいて笑えるくらいには今は平和ということなのだろうけれど、】
【最終的には「いいや」なんて自分の過去を放り投げて、――副産物という言葉には、さっき聞いた蛇が関係するのだろうか、と、首を傾げ】

【彼が弾丸みたいに語るなら、彼女はそれをおとなしく聞いているのだろう。時々ふんふんとうなずいたりするから興味があるらしい、よく分かってはいなさそうだったけど】
【そのうちに語り終えれば、なんだかわかったような顔でうなずいている。それで、もう一度時計を確認すると、】

あ……えっと、わたしもそろそろ行くね。この子たち、一回家に連れて行って……えっと、それで……どうしよ?
三匹くらいなら飼えるかな――えっと、音々子ちゃんにも聞かなくっちゃ……。

【なんて言いながら立ち上がる。ケープ包みの子猫たちを抱き上げて、よいしょ、と、抱き直し】

ばいばい、またね。

【と、手を振ろうとして――振れなくって、代わりにぺこりと頭を下げる。すると、その姿が、きらりと魔力に包まれて消え】
【転移の魔術式――後に残したのはひらりと桜の花を模した魔力片が落ちて。それ以外は、何も、残さなかった】

【――そのさらに少しあと。彼女の姿はUTにあって、ターゲットを酔い潰すかターゲットに怒られるか、ある種の戦いが、始まるのだった】

/おふたがた、おつかれさまでしたー!
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(島根県) [sage]:2015/09/19(土) 19:02:13.81 ID:asAtrYAxo
>>170

うわっ、飛んでるナイフを空中でキャッチするなんて・・・。
木下大サーカスもびっくりな荒業だね・・・。

【シアの行動はナギから見るともう曲芸である】
【予想をはるかに超えた行動にナギは混乱していたが】

【敵の姿が見えない中飛来するナイフ】
【ナイフはナギの近くの地面に突き刺さったのだが】

ちょっ、なんで私の体が持って行かれるの!?

【発生している微弱な磁気、これにナギのベルトのバックルが引っ張られる】
【磁力の抵抗を受けつつも、なんとか磁場から脱出した】

あたった・・・、かな?

【霧散する水の槍】
【だが、あたったかどうかなどわかるはずもない】
【敵の姿を眼で補足することができないからである】

よっし、もう一発!

【今度はやりではなく、円盤のようなものを作り出し】
【先ほどやりが霧散したところの近くへと投げ込む】
【円盤の縁は刃になっており、当たれば普通に切れるのだが】

【空中で投げられたナイフ】
【相変わらずナイフしか見えなかったが】
【普通に直線的に来るだろう、と甘い、甘すぎる想像をしていたのだ】

んなっ!?
ナイフが曲がるって聞いてなっ・・・!

【物理の法則を無視して迫るナイフに対応しきれず】
【1本は右下腹部、もう1本は左大腿部に突き刺さり】
【突き刺さったところからは血が噴き出す】

っぐぅ・・・、いった・・・ぁ・・・。

【ナギがうずくまっている姿は視覚を遮断しているシアには見えないだろうが】
【ナギから発せられる、弱々しいが、うめき声が聞こえるだろうか】

【放っておくと不味そうな勢いで血が出ている】
【ナギからはだんだん血の気が引いているようだが】
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/09/19(土) 20:05:18.96 ID:cn/qF+iy0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 廃工場】

――――対象の無力化に成功しました。確認をお願いします――――
――――やり過ぎと言われましても――――指示に「生死を問わず無力化」とあったので、その通りにしただけです
これ以上ない無力化です。それに、万一取り逃がせば、被害はさらに広がりますよ。それでも良いのなら、そうしましたが――――

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のまるで死人の様な冷たいオッドアイを持ち、体表に紋様の様な、仄かな光を放つ金色のラインが走っている】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】
【極めて事務的・機械的な口調で、通信端末を用いて誰かとの連絡を取り合っている】

【その身からは、尋常ならざる量の魔力が感じ取れるかもしれない】

――――確実な仕事をするようにしただけです。それに、周囲を巻き込む様な事にはなっていません。後の事は、其方にお任せして良いんですよね
はい、飛び散った対象の『洗浄』をお願いします。詳しい事は、戻ってからの報告と言う事で――――それでは――――

【――――その足元には、爆発した様に砕け散っている、かろうじて人間であった事が分かる死体が転がっていた】
【派手にぶちまけられた血が、その細部を確認する事を困難にしている。パッと見では、装飾品などの特徴ぐらいしかわからないだろう】
【それを無表情に見下ろしながら、少女は通信を終了する。操作されるその端末には『ワンド』の装飾が施されていた】



【――――所変わって、水の国 路地裏】

……「怖いもの知らず」って言うのも、考えものだよな。運に見放されれば、それまでだって言うのに、そこら辺、この連中は考えもしていないんだろう……?
「まさか、数の優位だけで我々に絡んでくるとは……やはり、ツイてますね……」

【くたびれた薄いスーツを右肩にひっかけ、Yシャツにスラックスとテンガロンハットにその身を包んでいる】
【やや無精髭の目立つ顎に、やや長めでだらしなく乱れ気味の金髪とは裏腹に、活力に満ちた瞳を光らせている】
【腰に、鞘に収まったごつい2本のナイフ、何本ものハードダーツ、そして一丁のリボルバーハンドガンをぶら下げている、身長170cm前後の男性が】
【微かに呼吸を乱しながら、足元にくず折れる5人の武装した若者を見下ろして、肩をすくめている】
【――――そのハットには、逆五芒星を象り、その下に≪No.21≫とあしらわれたバッジが留められていた】

「……では、生きている2人は我々がが引き受けます。研究の足しになるはずです……助かりました」
あぁ、良い土産をカテドラルの旦那につけてやる事が出来たな。結果オーライって奴だ。俺も、死んだ3人の魂を食わせてもらうよ……じゃあ、後から追いかけるからな
「はい……!」

【そばに控えていた2人の男が、それぞれに1人づつ男女を抱え上げて、早足で闇の中へと去っていく】
【テンガロンハットの男性はそれを見送りながら、呆れた様子でもう一度肩をすくめてみせた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
174 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/19(土) 21:26:13.06 ID:xp9Os4wjo
【酒場】

【とある街の旧市街地。その五差路の三角地に建てられた三角のパブは】
【地元の人間ぐらいしか来ない古い建物の寂れて店だが今日は何でも連休前だかで】
【新市街からあぶれた人がちょこちょこやってくるのが見えるそれでもまだ大入には届かない】
【旧市街の入り組んだ細い道は今日も渋滞していてクラクションが聞こえてくる】

【カウンターの常連客と窓際の2人でふらっときたカップルらに紛れて店の隅のテーブル席につくそいつは】
【既に何杯目かのビールを飲んでいた。左耳にピアス開け、チェンジポケットのついた三つボタンのスーツを着た】
【サングラスの男は勿論その様相から単なるビジネスマンに見えることもなく事実そうではないのだ】

【テーブルの上には銀色のアタッシェケースがあり、その中身は厳重にロックされていたが鍵は既に解錠してあった】
【中身はまた厳重に梱包された謎の機械でそれはコーラの缶ぐらいありそうな馬鹿でかい真空管のようなものが載った】
【今にもレーザーの刃が出てきそうな雰囲気の懐中電灯みたいな機械だった】

動力端子部に水をつけて作動ボタンを押しながら数秒待つ…

【マニュアルらしき同封されていた二、三枚の紙にはそう書いてあってその通りに真空管から出た端子にをグラスの水につけてみた】
【ジジジ…と青白く発光し始めたかと思うとそれが弾けたような、良く振ったコーラを開けた時のような小気味良い音とともに】
【そこに居た男は消えた。客の何人かはそれに気がついたが気味が悪いのでかかわらないことに決めた。店主も見ていたが】
【そこは前払い制だったので見ていたベースボールの中継にまた顔を戻した。2,30秒してまた小気味良い音と発光がしたかと思うと】
【さっきの男が全身何故か雪にまみれて戻ってきた。すごく寒そうでそしてうろたえていた。想定外のことが起きたかのように】
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/19(土) 22:50:17.53 ID:ZhXAVEdN0
>>173

【ころりと小さな足音がした。きっと彼女なら感じることもできるだろう、ふわりと微かに漂って来るのは、濃い魔力――なのだけど、それ以上に】
【自分と同じ――同種の気配が混じる。となれば彼女には誰なのかという推測がある程度つくかもしれない、ということでもあって。――聞こえる足音は、小さく軽い】

こんばんはー、なの! えっとね、あのね、誰か居るよねって、私、思うな!
えーと……こっちかな……そっちかな? あれ? ここって、さっき通ったかなー。

【やがて聞こえてくる声はあどけなく高い、そしてやはり聞き覚えがあるはずだ。クリーム色の幼子の声。ころころと足音を転がして、きっと探しているのは】
【姉妹である彼女のことに違いなく。どこなのーと高い声で問いかける声が少しずつ近づいてくる、だけど、あるところで】
【「あれ」とか「えー」とか言う声も混じるようになった。「血の匂いかなあ……」なんて躊躇うような声がするなら、まだ見えない幼子の顔も推測できそうな】

【やがてひょこり、と、物陰から姿を現す人影があった。身長は小さくてやっぱりまだ子供の見た目、不安そうに眉を下げきって】
【クリーム色の髪はポニーテール、くしゅっと癖毛はふわふわと揺れて。瞳はまあるい垂れ目、右目の下には毒々しい紫でもってタトゥが刻まれ】
【ぷわりと膨らんだスカートのワンピース、白い靴下と丸いつま先のおでこ靴、腰元には猫の顔をデザインしたポシェットを提げていて】

あ……、やっぱりカエデなのっ、きっと居るって思ってたわ、わた、し――、

【彼女はそのうちに相手の姿を見出すと顔をぱああっと明るくさせる、そして、物陰からぱたぱたと駆けてきて、カエデに近づこうとするのだけど】
【やがて思い出すし気付くのだ。自分が感じた血の匂い、そして、辺りの赤さに。――元気よく駆けていた足が少しずつ止まる、それにつられ、言葉も止まり】
【少し離れた場所で立ち止まってしまうのだろう。あどけない顔をひきつらせて、それから、困ったように笑っている、どんな顔が正解なのか、分からないみたいに】

……か、カエデよね? え、えっと、……。

【――分かり切ったことまで尋ねて、幼子は、ポシェットの紐を、ぎゅうと握りしめるのだろう】

/まだいらっしゃいましたらー
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/09/19(土) 23:10:18.61 ID:cn/qF+iy0
>>175

――――――――

【ふぅっ、と小さくため息をついて、オッドアイの少女――――ラベンダァイスは、砕け散った死体に背を向ける】
【もはや、その死には何の興味もない。そう言った風情で、出口へと足を向けようとして】

――――っ

【そこに届いてくる、小さな足音と、渦巻く魔力――――そして『同族』の気配】
【その冷たい両の瞳が、クルッと前方の闇を注視して。訪れたその姿を視界に捉えた】

――――――――――――――――ファラエナちゃん
――――無事で良かった。あの化け物連中も、本当の事は言ってたんだね――――

【目元のタトゥ、そしてそのクリーム色の髪。現われた人物――――ファラエナを前にして、ラベンダァイスは歩を止めて、静かに頷いて見せた】
【だが、すぐにファラエナは気付くだろう。その雰囲気は、以前のラベンダァイスのそれとは大きく異なっている事に】

【『主』をを失って以来、どこか虚ろな輝きとなっていたそのオッドアイは、もはや死人の様にハッキリと、虚しい闇を湛えていて】
【その言葉も、すっかりと冷え切っている。心ここに非ず、と言った言葉の良く似合う、酷く端的なもので】
【そして、その素肌を走る金色の光のライン――――心なしか、溢れ出る魔力が以前より一層、強くなった様に思われるかもしれない】

【そして、そばに転がっているのは、強烈な力で粉砕された様な死体――――これは恐らく、そこまで異常とは言い難いものかもしれないが】
【ラベンダァイスが、こんな殺しをするだろうか――――状況は、多くの尋常ならざるものを含んでいた】

――――これは武装警察の仕事の手伝い。相当な凶悪犯だったらしいよ
まぁ、死んでしまえば何も出来なくなるんだけどね――――

【状況に説明が必要だと判断したのか、ラベンダァイスは背後に転がっている死体に目を移して、簡単に説明する】
【とりあえずラベンダァイスの言葉を信用するに、意味の無い殺しと言った様子ではないのだが――――】
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/19(土) 23:22:09.04 ID:ZhXAVEdN0
>>176

【幼子の姿は暗闇の中でもよくとらえられたはずだ。なぜなら、その体はぼうと薄ら光を纏っていて】
【それこそ彼女の異能でもあるのだが。同族の気配を感じたからと言ってむやみに暗がりを照らしながら歩いてきたならば、少し無防備とも言えたか】
【きっとカエデよりも低いところにある頭の高さ、年頃で言えば就学前か後かを悩むように見える頃、背丈はちいさく、だけれど、魔力はひどく濃く強く】

ば、ばけもの? えっとね、あのね、私ね、化け物って分かんないなって……。

【だけれどそれは眼前の相手も同じこと。世界に数体存在するはずの生物兵器が二人、久方ぶりに再会して、だけども、纏うものは今までと違って】
【狼狽えておろおろと視線を動かす幼子ばっかりは何も変わっていないように見えたが。だけど彼女が狼狽えているのは飛び散る血や肉の欠片というより】
【よく知った相手が――まして姉妹ともいえる存在の、その変貌ぶりに対してのようにも見えた。まあるい瞳をきょろきょろとさせて、ううと小さく呻いて伏せ】

ええっと……警察のお仕事なの? じゃあ、えっと、カエデは警察のヒトになるのなの?
わ、私はね、あのね、お姉ちゃんと会ってきたの! お姉ちゃんね、お店でご飯作ってるの、だからね、あのね、会いに行ってきたのよ、なの……。

【凶悪犯。今更そういわれたって分からない、だってどう見たってそこらへんにあるのは肉屋にもないようなクズでしかなくって、】
【路地裏をよく出歩くことのある幼子だってあんまり見たことのないものだ。それでも彼女はカエデの言葉を聞くのに集中して、頑張って、】
【現状を理解しようとする。ついでに教えるのは自分がさっきまで何をしてきたのか、ということ。だれかれお姉ちゃんお兄ちゃんと呼ぶ彼女のことだから】
【それが誰なのかはよく分からなかったけれど――、ただ「ご飯食べられないヒトのためにご飯作ってるの!」と“お姉ちゃん”についてどこか自慢げに告げ】

カエデ、お怪我はないの? 私ね、久しぶりだからね、お話したいな! その……、カエデ、どうしたの?

【だけどそんな得意げなドヤ顔も長続きはしない。すぐにまた眉をしゅんと下げ、今度こそ距離を詰めようとする。手はポシェットに伸び】
【なんにもなければ黒猫が刺繍されたピンクのハンカチを取り出して、差し出すのだろう――それで、どうしたのか、と。彼女にしては真面目な顔で、問うた】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/09/19(土) 23:44:39.50 ID:cn/qF+iy0
>>177

――――――――

【――――同族の気配と言うのは、なんとなくで分かってしまうものだ。ラベンダァイスから見ても、この暗がりでもファラエナの事はよく分かる】
【それは光量と言う意味ではなく――――やはり『同族の気配』と表現するより他は無いものの為なのだろう】

――――顔中をピアスだらけにした男――――襲われたんでしょう?
――――私も会ったよ。そして戦った――――その時に、奴が言ってたから――――

【言葉を飲みこめていないらしいファラエナに、ラベンダァイスは自分の経てきた経緯を語る】
【やはり端的に、特徴だけを口にして情報源を明かす。要するに、過去にファラエナを襲った人物と遭遇して、心配していたと言う事なのだろう】
【――――心配していたと言う割に、その態度は酷く機械的なのだが――――】

――――警察じゃないよ。「手伝い」って言ったでしょ――――?
――――『UNITED TRIGGER』――――私はそこの一員。取り押さえるのに助力が欲しいって話が来て、私が出てきた――――

【所属は違うのだと示す為に、ラベンダァイスは仕舞いこんだ端末を再度取り出して、ファラエナに見せる】
【『ワンド』のシンボルがあしらわれた通信端末。それだけでは良く分からないかもしれないが、それを身分証とするという事は、ともあれ警察ではない事は分かるだろう】
【人道をも見据えた一種の傭兵団である『UNITED TRIGGER』――――ラベンダァイスは、そこで一端の構成員として過ごしていたのだ】

そう――――じゃあ、ここに入ってきたのは、私がここにいるって、気付いたからなんだね――――
ただの偶然――――少し、安心したよ――――、――――――――――――――――?

【ファラエナの用事は、あくまでこことは関係ないもので、ここに足を踏み入れたのは、全く不意の事だった】
【特に何がある訳でもないが、ある種の『紛れ』に近い行動だったと聞いて、ラベンダァイスはどこか安心する】
【何かあったのかと、無意識に心のどこかで構えた所があったのかもしれない】
【――――食事を振る舞うお姉ちゃんと言うファラエナの言葉に、何か記憶の奥に引っ掛かるものを感じた様に首をひねったのだが】

――――――――
――――――――私は大丈夫。強いから――――
――――――――私、強くなるって決めた。そして、強くなった――――――――思いだしたんだ、私は『何』なのかって事を――――――――

【ハンカチと共に差し出された問い。ラベンダァイスは数瞬、答えを整理する様に沈黙し、やがてそっと目礼と共にハンカチを受け取ると、静かに言葉を紡ぎ始めた】
【そっと、微かな返り血を拭い、真っすぐにファラエナへと向かう――――「強くなる」と言う言葉と共に】
【――――自分が『何』なのか。形而上学的であり、非常に高度な倫理学的な言葉である。その真意を計るのは難しいだろう――――常人ならば】
【自分たちを『何』と問うた時「ただの人間」で終わらないのがラベンダァイスである。重い状況に飲まれた中で、ファラエナはその意味に気付けるかどうか――――】
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/20(日) 00:01:27.75 ID:OEVF19A80
>>178

あ……う、ん、知ってるヒトなの。だけどね、あのね、あのヒトね、そんなに悪いヒトじゃないんだよってね、私思うの!

【その特徴は知っていた。だからあのヒトかと思い当たれど、だけど、化け物とまで呼称されるほどにひどいヒトだとは、思っていなかった】
【ふるふるっと首を揺らしてカエデの言葉を否定する。それでも善人だとは言い切れずに言葉を曖昧に濁し、「たぶんだけど……」と、言葉はちぎれ】

あっ、そっか、じゃあ、カエデ、警察のヒトのお手伝い、してたのね――あ!
私ね、私もね、今そこから帰ってきたところなの! 私のお姉ちゃんね、そこで働いてるんだよ!
じゃあきっとカエデも知ってるの、私のお姉ちゃん――。

【それから自分の勘違いを指摘されて、ぴくっと体を震わせた。そして続く言葉に、その場所知ってると、むしろその場所から来たのだと、顔を喜色に染め】
【ふふふっとちょっとだけいたずらっぽく笑うから、その姉のことが好きなのはよく分かるのだが。だけれど今宵の本筋はそこではないはずで、】
【ちょっと自慢げにしていたのだが、カエデの言葉を聞けば、】

うん、あのね、飛んでたらね、なんかね、知ってるなーって思ったの!
だからね、誰か居るのかなって……えっとね、ケツァル・コアトルの子がね、居るのかなって、思ったの。

【と、少し顔に真面目さを戻して。帰途か何かの途中にカエデの持つ強い魔力を察知したのだという、だけれど、どの個体だかは分からずに】
【ふらふらと馬鹿正直に訪れた、と、そういうこだ。実際その予感は間違えておらず、確かにここにはカエデが居て。久しぶりの邂逅は、ただ、血みどろの匂いがする】

だけどね、カエデね、なんだか――えっとね、カエデっぽくないなってね、思うの、私だけかも、しれないけど……。
私たちね、同じだよ。私ね、カエデのこと、サラのこと、ルーチカのこと、みんな姉妹だって思ってるの! みんなが思ってなくってもね、私ね、思ってるよ!
だから、えっと……何かあったならね、お話してほしいな。私じゃ頼りないかもしれないけど、それでも、私、カエデの姉妹なの……。

【死んでしまったような目。どこかで見た人形なんかよりもずっと生きた感じのしない瞳は、生きているように偽装された自分たちにしてみれば、変で】
【明らかに様子がおかしいのは分かるけれど、それ以上のことが分からない。だからこそ不安で心配で、どうにかしたい、と思ってしまうのはおせっかいかもしれないけれど】
【自分が何なのかとカエデが言えば同じものだと返す、――だけれどその言葉には一瞬戸惑いのようなものが見えて、ただ、それは、カエデやみんなへの否定ではなく】
【何か、その辺りのことについて、ずっと考えていたような気配。それでもそう返して、――お話してほしい、なんて、お願いするのだ。少し泣きそうな顔までして】
【そしてそこに嘘はない。どこまでも本気で、どこまでも真剣に、カエデのことを心配している。――それが上手に言えないのが、少し、じれったくて】
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/09/20(日) 00:24:57.08 ID:S2E8vBoa0
>>179

――――私たち3人が、7人がかりで襲われたよ――――悪い人じゃないなら、そんな事をするはずがないでしょう――――?

【――――あの醜悪な人間性と、『悪』に精神的な拠り所を求めていた言葉とを思い出しながら、ラベンダァイスは微かに顔を顰めて首を振る】
【尤も、その辺の事をファラエナに話したとしても、恐らくは理解し切れないだろうから、より分かりやすい言葉に置き換えて】
【ただ、端的な事実を――――死闘と言って差し支えない、猛烈な殺し合いになったのだと言う事だけを告げる】
【「悪くない人」が、そんな事をするはずがないだろうと、そう言外に滲ませて】

――――そっか――――そう言えば、聞いた事があったんだ――――そういう、炊き出しをやるんだって――――
じゃあ、その炊き出しをやってる人が、『お姉ちゃん』って事だったんだ――――

【一応、『UT』の活動の一環として、その事は頭の中には入っていた】
【だが、明らかに自分自身の活動とは直接関係しない事。そう割り切って、頭の中でその情報を隅に追いやっていたのだろう】
【今改めて思い出し、ラベンダァイスは納得する。なら、丁度入れ違いの様な形になって、ニアミスしていたのだ】

――――――――――――――――

【――――ただし。その先にラベンダァイスの反応は続かなかった】
【こうして接点が見つかったのならば、ある程度は喜色を見せても良いだろうはずなのに、ラベンダァイスはそこに意識が向いていない】
【納得して、そこで終わりだ。それでラベンダァイスは一区切りつけてしまっている様だった】

――――そっか。私は気付かなかった――――仕事中だったから、仕方ないのかもしれないけど――――
――――普通に歩いていた時だったら、気付けたかな――――――――?

【ちょうどその頃、ラベンダァイスは制圧した死体を前にして、気を張っていたのだ】
【自分が気配を辿れなかったのは、あまり良い事じゃないなと、ラベンダァイスは顔を顰めている】
【もし、平常時ならば自分は気付けたんだろうかと、ふと仮定に考え込みそうになりながら、それを今考えても仕方がないと、頭を振って】

――――うん、そうだね――――変わったよ。私は変わった――――自分でも、ハッキリと分かる――――
――――――――私ね、守らなきゃいけない人を、守れなかったんだ。死んだりした訳じゃないけど、大事な時に、何も出来なかった――――――――
――――なんだか、自分が馬鹿みたいに思えたよ。私たちは『兵器』のはずなのに、何も出来てないじゃないかって、ね――――
――――――――だから、絶対に許さないって決めたんだ。私たちは『兵器』なんだから、本当の自分を思い出すんだって、ね――――――――
『人間ごっこ』を止めて、まるで私は生まれ変わったみたいに思えたよ。そして、私は『本当の私』になって、ずっと強くなった――――
『本当の姿』を、『本当の魔力』を、私は手に入れた――――『バカみたいな私』を捨てて、『本当の私』が手に入った――――

――――――――もう、痛くない――――もう、弱くない――――もう、許さない――――そんな私に、私はなれたんだ――――――――

【――――ファラエナの「上手く言葉にできない」葛藤とは対照的に、ラベンダァイスはしっかりと言葉を紡いでいく】
【――――人間性の欠落した様なその言葉や振る舞い。『人間ごっこ』と切って捨てて見せた、かつての自分。かつてと様相の異なる魔力の流れ――――】
【――――『ケツァル・コアトル』として、『兵器』としての自分に立ち返ったからこそ、今の自分はこうなったんだ、と】
【そしてそれは、戦う上で自分に絶対に必要なものだったのだ、と――――虚ろなはずのその瞳に、静かな力が湛えられて】
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/20(日) 00:34:09.09 ID:SqBQE3Og0
【――――櫻の国。封魔城と呼ばれる其処の近辺。城からそう遠く離れていない雑木林】
【封魔城自体がが古来より悪しき妖怪を封ずる場所として活用されていたが故に近寄る妖も少ないのだけれど……】
【今宵は其処に一人の姿。巫女装束を纏った妖狐、か】
【首に下げた翡翠の首飾りから漂うのは“聖”。其れはこの妖怪が悪しき存在では無いと知る判断材料にもなるのだけれど】

【ぼう、と見上げるのは木々から覗くことが出来る月】
【……何をしている訳でも無い。否、だからこそどことなく“違和感”を覚えさせるだろうか】


【妖狐を中心に広がり行くのは強い妖気】
【やがて雑木林の全てを包んだならばゆっくりと濃度を増して行き――――】
【その気配、例え遠くで在っても感じ取る事が出来よう。果たしてその原因を見つけた者が悪と決めるか否かまでは分からないが】










【静まりかえった夜の街。この時間に出歩く者と言えば精々旅人だとかその程度】
【――――さて。そんな街の公園に備えられたベンチに一人の姿。緑色のローブを纏った女が座っていて】


「良し……これで下調べも終わったし、今できる事はこれで全部かな……?」

【隣には積み上げられた学術書。見る者が見れば其れは遺跡や遺物に関する事が記されているのだと分かるだろうし】
【そうで無い者が見たとしても少なからず専門的な物であると理解出来る筈で】
【「ん――――」なんて声と共に背伸びをすれば時計を見遣る。時刻は夜更けと言っても差し支えない時間】
【憂鬱げに溜息を吐いたならば積んでいた書物を膝の上に移動させて】


「思ったよりも遅くなっちゃったな……どうせならこのまま直接行っちゃっても良いんだろうけど……
ううん――――まだ宿が空いてるとも限らないし……」

【果たしてこの時間、宿に空きの部屋などあるのだろうか】
【無ければ無いで今からでも己の目的を果たしに行くか、でなければまた別な街へ行って宿を探すか】
【瞬く星々を眺めながらぼうっと考える様は正しく悩める人】
【加えて、ベンチは灯りの下に備えられているのだからその姿もよく目立つのだけれど】
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/20(日) 00:46:31.33 ID:OEVF19A80
>>180

【その言葉に、幼子はきゅうと唇を噛むようにする。でも、と、小さな声で紡いでも、それ以上の言葉は出てこない】
【本当は悪いヒトだろうと分かっているのだろう。だけれどそれを否定したくって、無理やりに言葉を紡いだのが、きっとさっきで】
【悪いだけのヒトなんて居ないと信じている、性善説に則って生きている。そんな彼女だから、そんなことない……と小さく呟いて】

【姉のことについても今度は得意げにしなかった。本当は得意げにしたり自慢げにしたりしたかったのだろうけど、そんな雰囲気ではなくなってしまって】

きっとね、気付いたの。だってね、私たち、姉妹なんだよ、だからね、きっと分かるわ!
……でもね、だからね、たまに寂しいの。だってね、傍に誰も居ないなってね、思ったりするの。

【そうしてまた姉妹だからと繰り返して頷いて見せる、きっと気付いてくれるって信じてる、精一杯に信じてる、そんな目をカエデに向け】
【そんな風に自分は分かるからこそ寂しい時もあるのだなんて言葉は、だから、つまり、今宵は会えてうれしいというよな意味であるとも取れ】
【同じ魔力を感じた時、きっと嬉しかったのだ。だから、こうして、わざわざ見に来た――そして目撃した現場は、楽しく話せる場ではなかったとしても】

……――でも、あのね、私ね、思うの。私は、私たちを作ったヒトを、知らないし、全然ね、聞いたこともないの。……カエデはある? 私はね、ないよ。
そんなね、聞いたこともないヒトがね、私たちを兵器だって思って作っててもね、そんなの知らないよ! って私は思うの。だってね、そのヒトのこと、知らないんだよ?
カエデはそう思ったかもしれないけどね、私は、そう思わなくって……えっと……。ねえ、カエデ、今のカエデね、変だよ、とってもね、変なの。

私のご主人様(お母さん)は、……今も居るの。だからね、きっと、カエデの気持ち、分からないことばっかりだと思うの。
カエデは、私の知らないこと、たくさん知ってるんだって思うの、私の思いつかないこと、たくさん思いつくんだと思うの! でも、……。

【本当なら楽しく話したかったのだろう、だけれどそんな些細な希望は砕けてしまって、寂しいのか悲しいのか顔は歪む、少し俯けば、ポニーテールがふわりと揺れて】
【ポシェットの紐をぎゅっと握りしめる、言いたいことはたくさんあって、カエデの様子が違うのがどうしようもなく心配で、だけど、本人はそれを良しとしている】
【それがつらくってかなしくなる、いつかのカエデを知っているからこそ、世界にたった数人の姉妹だからこそ、笑って欲しくって、】

…………あのね、私ね、ずっと考えてたの。なんで私って兵器なんだろうってね、すごくね、考えたの。
そんなのね、お母さんにも、お姉ちゃんにも言えないでしょ。だからね、私ね、一人で考えたんだよ! ――それでね、思ったの。

私ね、生物兵器とか、そんなの、やめたいの。そんなのじゃなくって、私ね、この力で誰かを殺したりするんじゃなくって、
私、この力でね、誰かをあっためてあげたり、安心させてあげたいって思うの。だって、お日様ってポカポカなの、だから、すっごく落ち着くって思うの!

だから、カエデも、カエデのことも、――。

【――きっと、この子の考え方はカエデとはずっとずっと違うのだ。兵器であることを嫌がった、そうじゃなくって、もっと、誰かを助けるような存在になりたくて】
【一生懸命に言う手を差し出せばその手はぼうとお日様のように暖かい光を放ち、廃工場の中をぼうと照らし出す。うららかな春の午後の暖かさを、秋の夜に満たして】
【兵器としての力を誰かのために使うと決めた。それはカエデとも似ているのかもしれないけれど、方向性はきっと違っていて。誰も殺さない、殺したくない、そんな色】

【それどころか彼女は人間ごっこを望む。兵器をやめて、その力を誰かを助けるために使う。人間ごっこをして、みんなと仲良くしていたい】
【「あのね、そんな顔しないでほしいの」と小さく笑う、だけどその顔は少し泣きそうで、伸ばした手は、少しだけ震えていて】
【ふわりと光を纏う両手はまだまだ小さくって、それでも精一杯にカエデに向くのだろう――】
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/09/20(日) 01:19:17.39 ID:S2E8vBoa0
>>182

――――世の中には、そうやって生きてる人もいる――――そう言う事だよ――――

【言葉に詰まるファラエナに対して、畳みかける様に。ラベンダァイスはダメ押しの一言を加えた】
【何を否定したかったのか、それは分からない。だが、この言葉は、文面だけでも十分に反証として機能するはずだ】
【現実、彼らはそういう「悪人」なのだ、と】

私たち――――同じ『仲間』だもんね――――?
サラさんとも、ルーチカちゃんとも、デイドリィムちゃんとも、もう長い事会ってないけど――――それでも、私たちがそうなのは、変わらない――――

【自分たちは、同じルーツを共有する存在なのだ。その理解は、ラベンダァイスの中にもある】
【そして、その存在を知っていて、今はもう会ってない仲間たちの顔を、思い浮かべていた】
【自分たちは、生きている限り、同じ存在としての境遇が分かち合えるのだろう、と】
【――――ただ、ラベンダァイスには、寂しさに心悲しむ様な情緒は、ファラエナ程に持ち合わせてはいない様だったのだが】

――――ファラエナちゃん。私も、会った事は無いよ――――と言うよりも、もう会う事なんて出来ないよ――――
話した事、なかったかな――――白い子、『colorless』が――――もう1人の弟か、妹が――――皆殺しにしたんだって、自慢していたから――――
結局、1度しか会う事は無かったけど――――もう、私たちの製作者は、少なくともこの世にはいない――――

【その存在は、生き残ったケツァル・コアトルの中に、どれだけ行き渡っているのか、ラベンダァイスは『colorless』の存在を口にする】
【他のケツァル・コアトルを摂取する為に動き回っていたと言う、最後のケツァル・コアトル――――その存在が、一切を闇に葬ってしまった】
【だからこそ、自分たちの存在の真意は、ファラエナの語る様に、もう誰にも分からない】

――――――――ファラエナちゃん――――こう言う事を、好き好んで言いたい訳じゃない。だけど――――
――――あなたも『主』を無くしてみれば、きっと私の言葉が、もっと良く分かる様になると思うよ――――
嫌でも、変わらざるを得なくなる――――

【ケツァル・コアトルにとって、致命的なストレスとなるだろう、その仮定――――それをラベンダァイスは、現実に体験してしまっている】
【その理解を阻む溝は、想像できない程に大きいのだと、ラベンダァイスはファラエナに対して諭すように口にする】
【それを口にする事は、恐ろしい事だと分かった上で。己の内に溜まりに溜まったエラーの意味を、垣間見せる様に】

――――残念だけど、止めるって事は出来ないんだよ。ファラエナちゃん――――
それは、みんなが人間を止めるなんて事が出来ないのと一緒――――犬が犬を止められないのと一緒――――蝶が蝶を止められないのと一緒――――
同じだから――――私たちも『同じ』だから、分かる――――私たちは、そう言う『命』なんだから――――

【――――暖かな光を注がれたラベンダァイスは、それを飲みこんで――――そして、何も返して来なかった】
【その身に走る金色のラインは、魔力の回路――――恐らくは、兵器としての機能が、活性化していることの証】
【ラベンダァイスの胸によぎったのは『宿命』と言う言葉だった。即ち「『命』に『宿る』もの」――――自分たちは、存在する限り『兵器』なのだ、と】
【ファラエナの言葉に、肯定的な言葉を返す事が出来ない。己が宿命を自覚してしまったが故に、ラベンダァイスにはそういう態度を取るしかなかったのだ】

こうでもしなければ――――何も始まらないし、何も終わらせられない――――私は、ケツァル・コアトル以外の、何者でもないから――――ね

【――――知ってしまった以上、過去には戻れないのだ――――と】

/すみません、そろそろ限界です……
/明日の夜は来られないので、置きレス移行でよろしいでしょうか……?
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/20(日) 01:22:40.50 ID:OEVF19A80
>>183
/了解です!それじゃあ次のレスはこの後置きのほうに返しておきますねー
/ひとまずお疲れ様でしたっ
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/09/20(日) 01:26:15.14 ID:S2E8vBoa0
>>184
/はい、お願いします。それではまたよろしくお願いしますー!
186 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/20(日) 20:09:45.48 ID:Fm0FYF6bo
>>174で再投下です
187 : ◆zO7JlnSovk :2015/09/20(日) 20:41:24.38 ID:FCNQDz1eo
>>186
/まだいらっしゃいますか?
188 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/20(日) 21:05:02.52 ID:Fm0FYF6bo
>>187
風呂に入ってましたが今なら居ます!
189 : ◆zO7JlnSovk :2015/09/20(日) 21:11:58.17 ID:FCNQDz1eo
>>188>>174
/でしたら!よろしくお願いします

【雪瀬を浴びながら凍える貴方の後ろから、からん、と心地の良い音がなって】
【霞色の夜風とともに、吹き込む宵風が一陣、柔らかな夜を告げて】
【視線を向けたなら、秋空に舞い込む徒花が一つ】


大丈夫ですか……?すごく、寒そう、ですが……
雪、ですよね、これ……?


【声色、心配げな花の色を瞳に移して、そよぐ声は子葉の様に幼い】
【瑠璃色の長い髪を腰のあたりまで伸ばして、百合の小さな花を添える】
【紫陽花色の質素な浴衣のような着物一枚を身にまとうだけで】
【リボンのように結ばれる紅い帯が彼女の腰回りの細さを伝えて】

【花弁のように小柄で華奢で蕾のように悲しそうな表情をしている】
【髪の毛と同じ瑠璃色の瞳が今にも消えてしまいそうなぐらいか細い少女】
【丸みを帯びた小さな足は靴を履いてない裸足で】

【少女は小さな手を伸ばして貴方の雪を払おうとするだろう】
【伸ばされた右の手は肌を隠すように包帯がぐるぐる巻きにされていて】
【それに気づいたのか右手を引っ込め、左手を差し出すだろう】

190 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/20(日) 22:00:21.01 ID:Fm0FYF6bo
>>189

【男は仰天と驚愕と驚きと…まあサプライズあたりの言葉を全て用いるぐらい驚いて】
【手に持っていた謎の機械をテーブルの上に放おって、襟の内側にも入り込んだ雪をかき出すために】
【跳びはねるように立ち上がってはバサバサあちこち動きまわった。何やってるんだって誰もが思うだろう】

いや…待って…。大丈夫…いや、大丈夫じゃないな……いや、大丈夫なんだけど
あの…その…大丈夫じゃない。…いや…クソッ、こういうことに耐性が無いんだよ
つまりその…………大丈夫。取り敢えずは、大丈夫…だと思う

【自分の中で一転二転三転して、頭を抱えたり色々忙しい男はどっと疲れたように肩で息をして、どっかり椅子に座る】
【すっかり少女の事は置いてきぼりだがそれぐらいビックリエクスペリエンスだったのだ】

ちょっと待って…ちょっと待ってね……

【タバコに手を伸ばし火をつける。謎の機械は今はおとなしい。その下敷きになっている紙には“空間転移装置”とあった】

まず…まずコレは置いておこう。手に負えない。ヤバい…
……で、その…アンタは………なんで裸足なの?

【テーブルに肘をつき頭を抱え、煙草の煙を漂わせながら爆発しかけた頭をどうにか維持しようとする】
【理解の域をぶっ飛んだ事態の理解は放棄した。大人の対応である。柔軟な好奇心はティーンエージャーの頃に使い果たした】
【取り敢えず、解決できそうな問題から手を付ける。ここでまたぶっ飛んじまったらもう帰ってこれない】


/すみません次遅れます
もしかするとちょっと外出しなくてはならなくなるのでその際は連絡します
191 : ◆zO7JlnSovk :2015/09/20(日) 22:20:36.25 ID:FCNQDz1eo
>>190

【香りに惹かれ蜂は蜜を採る、極彩色が過ぎた後には無残な徒花が一つ】
【独奏を紡ぐ貴方を、彼女は立ち尽くしたまま、見つめているのだろう】
【時折手を伸ばしては引っ込める、着物の袖口から白粉が零れて】

【瑠璃色の瞳が貴方をじぃ、と見つめるだろう、サングラスの下の表情を探すみたいに】
【夕霧に塗れ枯れた朝顔の、朝焼けに咲いた名残を惜しむ】
【弾けて消える綿毛のような、そんな儚さだけが嫋やかに彼女を形作っていた】


……えっと、はい、ちょっと待ちました
それで、大丈夫です……か?……その、凄く寒そうですし

……雪に塗れたままでは、風邪、ひきますよ


【綺麗に剪定された言の葉には、僅かな枝葉もなくて】
【紡ぐ言葉の一葉一葉が押し花のように可憐な形で切り揃えられて】
【形の良い眉が心配そうに傾いたら、左の手で貴方の頬に触れようとするだろう】

【髪飾りにされた白百合の花弁にも似た指先は羽毛のように柔らかくて】
【それでいて生花のような繊細さをそこに宿しているのだろう】
【もし彼女が触れることができたなら、雪による冷たさや悪寒がすぅと消えていくだろう】


あ……その……あまり生活に余裕が無いもの、でして……
本当なら、このような場所、入るべきではなかったのでしょうが――――――


【続く日照りの苛酷さに耐えられなくて頭を垂らす穂先のように】
【瑠璃色の髪がなびいて、うつむき加減の彼女を修飾する】
【紫陽花色の着物から零れた両手をお腹の前で揃えて】

【チラリ、と瑠璃色の瞳が泳いだ、視線の先は周囲の客だろう】
【好奇の目と侮蔑の目、それはさながら相応でない者に対する否定にも似て】
【それでも尚、身につけた衣類や彼女自身は不自然なくらいに綺麗な状態だろう】


/了解です!
192 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/09/20(日) 22:28:31.71 ID:Fm0FYF6bo
/すみません、緊急に外出しなくてはならなくなってしまいました
/今日中に戻れないと思いますので、凍結置きレスやっぱなしなど判断はお任せします
/せっかくのロールなんですが本当にすみません、よろしくお願いします
193 : ◆zO7JlnSovk :2015/09/20(日) 22:46:40.81 ID:FCNQDz1eo
/了解です!でしたら置きレス信仰でお願いします!
/向こうの方にレスいただければお返ししますので!
194 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/21(月) 19:31:19.09 ID:fXPH+9Jc0

【昼の国・ゼン=カイマ】
【時間としては夜に当たる時間とはいえ、日の落ちることのない昼の国だから「夜」は存在せず】
【日が昇っているのに町が寝静まっている光景は、他の国から訪れた人には奇妙に映るだろうか】
【そんな静かなゼン=カイマ街の外れの小さな公園のベンチに、一人の女性が座っていた―――】

(―――こうして一人でいる時だけ、全ての事を忘れられる気がします。)

【さて、そんな女性の姿形はどんなものかと言うと……】
【上質の絹糸のようなブロンドの長髪を時折吹く風にさらりと靡かせ、頭には白いキャスケットを被り】
【澄んだマリンブルーの瞳には凛とした心が映る。右の目元には泣きぼくろがあって】
【纏うのは薄手の白いシャツ。季節に合わせ袖は短く、そこから白魚のような腕がすらっと伸びる】
【脚にフィットした黒いロングズボンは細身のラインを浮かび上がらせる。靴はトレッキング用のブーツ】
【首には十字架のネックレス、左手の薬指にはプラチナリングとダイヤモンドの指輪が煌めく】

(貴方の居ない独りの部屋は、寂しいので御座いますよ。―――早く帰ってきて下さいな、貴方)

【―――己の左手に嵌った指輪を見つめるようにして、女性は少し寂しそうに目を細めて】
【小さく溜め息をつけば、また誰も居ない空間で何をするでもなく独りの時間を過ごす…けれど】
【公園に新たな人の気配を感じると、其方を見て声を掛ける。こんな時間に此処に来るのは誰だ、と】

――――……どなた、ですか?

【訪問者は、一人でいる彼女を不思議がった者か。それともまた別の理由か……】
195 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/21(月) 19:54:08.85 ID:8+b7zjfE0
>>194
こちら初参加の新参者です
『シャリエール基金』や『カランコエ』辺りを使って絡んでみたいと思っているのですが
どの程度の知名度を持っている設定でしょうか
196 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/21(月) 20:00:21.28 ID:fXPH+9Jc0
>>195
//いろいろと報道されたりした立場なので、それなりに知名度はあると思います!
197 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/21(月) 20:02:12.53 ID:8+b7zjfE0
>>196
/回答ありがとうございます
/少し調べればわかる程度という認識でよろしいでしょうか
198 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/21(月) 20:03:33.88 ID:fXPH+9Jc0
>>197
//そうですねー、特に基金に関しては広く宣伝して募集している感じですので!
199 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/21(月) 20:18:44.57 ID:8+b7zjfE0
>>198
//容貌も知られていておかしくないでしょうか
200 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/21(月) 20:23:36.50 ID:fXPH+9Jc0
>>199
//うーん……自キャラの知名度なんて意識したことも無かったので難しいですね(汗)
//恐らく昼の国で調べれば画像が出てくる程度かと思います!
201 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/21(月) 20:33:04.22 ID:8+b7zjfE0
>>200
//ありがとうございます、早速書き始めたいと思っていますが、このスレは戦闘なしでも大丈夫でしょうか、そちらのキャラ設定から考えて多分大丈夫だとは思いますが
202 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/21(月) 20:34:34.70 ID:fXPH+9Jc0
>>201
//勿論です!此方も戦闘より日常ロールの方が好きですし……
203 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/21(月) 21:02:53.48 ID:8+b7zjfE0
貴女はシャリエール基金の経営者マリア・シャリエール、で合っていますか? もしそうであれば少しお話を伺いたいのですが

【若葉色の髪と病人服を靡かせた顔色の良いとはいえない少女が、その碧色の瞳で見つめながら問いかけた】
【安めだがある程度の強度を持つ紐により、強い魔翌力を感じられる大剣形の装飾を首にかけている】

違うのでしたら、マリアさんがどちらにいらっしゃるのかご存知であればお教え下さい

【得物を持っている訳ではなく、魔翌力を高めている訳でもない】
【戦いの火蓋を切ろうとする雰囲気こそないものの、そういった気配に敏感な者ならば戦いの中で殺したものとは違う死の気配を感じる事ができるであろう】
【つまりそれは一方的な殺しを行った者が持つ気配、しかし今の彼女が持つ雰囲気は優しい少女そのものだった】
【嘘でも演技でもないそれは彼女が持つ死の気配との齟齬を感じさせる ……この状態に近いものを挙げるならば「元殺戮者」が持つ雰囲気だろうか】
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/21(月) 21:14:43.06 ID:h0u9JUW6o
>>145でまちます
205 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/21(月) 21:28:56.55 ID:fXPH+9Jc0
>>203

【ふと感じた人の気配に振り替えれば、其処には少女が一人。纏っているのは病衣……だろうか】
【顔色も悪い。病人なのだろうか……?口ぶりから察するに、自分のことを尋ねて来たらしいが……】


【こんな遅い時間に、年端もいかない少女が、病気と思しき状態でわざわざこんな所を訪れるなんて】
【―――何か自分にしかできない話がある、と考えるのが妥当だろう。とにかく、話を訊かなくては……】

【マリアは寂しい表情を消して、柔らかい微笑みを見せる。なるべく少女の心を和らげるように、優しく】
【マリンブルーの瞳に穏やかな心を湛えて、少女の問いかけに応じる。―――自分がマリアだ、と】

ええ、私がマリアで御座いますよ。
……私にお話、で御座いますか?私でよければ、何でもお話して下さいな。

ところで……貴女はどなたですか?見たところ、お体も優れないようですが……大丈夫ですか?
どうか、お名前を教えて下さいな。私は貴女の事を何も知りませんもの。

【話を訊こうにも、マリアはこの少女のことを何も知らない。名前さえも知らなくては、お話なんてできないから】
【まずお話をする前に、少女の事を訊く。貴女はいったい誰ですか、と……】
【今はそれ以上の事は訊かない。彼女の持つ雰囲気など、気になる点は幾つかあったけれど】
【それよりも、彼女の体調の方が心配を心配していた。病気だとすれば、無理をしているのではないかと……】
206 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/21(月) 21:44:48.36 ID:vq8Ija7So
>>145

【――――――風切り音が響く、轟音にも近い音で】
【宵月が雲に隠れる、暗雲が風雷を告げたなら、そこに僅かな逡巡を加えて】
【貴方の背後に気配がする、それはさながら奇術のように】


あららぁ、イイ感じに爛れてるねーいやむしろ、汚れてるって感じぃ?
それにしてもお兄さんは、運が良いね!
今にも死にそうなゴミ虫じょーたいだけど、良かったじゃん♪


【声色がした、柔らかな少女の声はさながら出来の悪いキャンディが如く】
【脳も蕩かしてしまいそうなほどの甘ったるい猫なで声で】
【視線を向けたなら、倒れている男のそばに立つ人影が一つ】

【小柄ながら豊満な身体を大きく露出したホルターネックのビスチェ調の黒いビキニ】
【同色のローライズのショーツ意外は白く肉感的な素肌を晒している少女】
【セミロングの藍色の髪の毛にはアホ毛が一本だけ揺れて真紅の瞳を濡らす】

【背中には巨大な悪魔羽根が揺れて彼女が人間でないことを伝えるのだろう】
【ピッタリとお尻に張り付くショーツから飛び出した悪魔の尻尾がキュートに揺れたなら】
【長い睫毛がこれでもかと言うぐらいに愛らしい雰囲気を創りだす】



だってボクみたいな可愛くてキュートでえっちな!悪魔にやられるんだからさっ♪
――――――Killer Likes Candy


【少女が手をかざしたなら、その手に黒い風が収束していき】
【風が晴れて、黒いナイフがその手には握られているだろう】
【止めなければ、彼女はそのナイフを突き刺す、一片ばかりの躊躇もなく】

【そうして貴方と相対するだろう、真紅の瞳をとろん、と溶かして】

207 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/21(月) 21:49:47.65 ID:hbvEE8GyO
>>204-145
【深く、深く、目視出来ない重苦しい宵闇が落ちた路地裏に彼は赴こうとしていた】
【何て事は無い、ただの気まぐれ、最近ずっと陽の当たる世界で寛いで来たからだろうか。光を見つめ続ければそこにあるはずの影を見ておきたくなる】
【そんな些細な理由で黒髪の青年、彼は街中の喧騒からたった一人外れて常人を拒む街と街の隙間へと入り込んだ】

はぁ……暇だな、退屈だな、何処かに暇つぶしでも転がってないかね……
疲れが溜まるだけだ……

【そんな風に剣呑な雰囲気を望まず、同じレールを走り続ける世間に愚痴を垂れ乍ら彼は路地裏をフラリと歩き続ける】
【一つの角を曲がった先に、また同じような光景が待っている。そんな路地裏でも常にそうとは限らない】
【可能性と言う悪魔がその先の光景を暗転させる事もこの世界には往々にして存在した】
【眼前に映るのは二人の人影、一方は蹲り、一方はその反対、一方は空を見上げ、一方はその反対】
【明らかに路地裏特有の光景と言える物がそこにはあった】

あぁー……お前らさ、それいつまで続けるつもりなの?
邪魔なんだが……止めを刺さないならさっさとさせよ、お前がやったんだろ、それ

【そんな風に空を見上げる男へと話しかける】
【それは蹲る男にとっては余りにも無慈悲な言葉、それは最早常人の沙汰では無く、経験者であることを物語っているか】
【それだけを呟いて彼は路地裏の奥に佇み続ける、それはそこをどくか、さもなくばと言う意味だろうか】

どうしたよ、空を見過ぎて気でも失ったか

【彼は尚も男へと話し続ける】

/まだおられましたら
208 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/21(月) 21:50:42.75 ID:hbvEE8GyO
>>204-206
/おっとリロードされていなかったようで、申し訳ないです
209 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/21(月) 21:54:20.07 ID:8+b7zjfE0
>>205

あ、私から名乗るのを忘れていました、これは申し訳有りません。
私の名前はフウァルといいます、お見知りおきを。

【顔色の悪さを感じさせない程に整った姿勢でお辞儀をするフウァル、顔色程に元気が無いという訳ではないらしい】

私はもうこの状態が通常というか、ずっと病気だったからもう慣れてしまったといいますか ……心配をかけてしまい申し訳ありません。
病状も安定していて、お医者様からも外に出て大丈夫との太鼓判を押してもらっていますので、あまり心配し過ぎないで頂けると幸いです。

【話をする前に心配をかけてしまった事が心苦しいらしく、病気とは別の意味で顔色を悪くするフウァルと名乗った少女】
【大丈夫との言葉に嘘は無いらしく、マリアの隣に腰掛けるまでの足取りはしっかりしていた】
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/21(月) 22:07:11.11 ID:h0u9JUW60
>>206
【突如現れた、容姿は可愛らしいが狂気を孕んだその少女に対し、青年は警戒した様子で一歩退いた。】
【青年は目の前で殺される男に一瞥もくれることなく、ただ少女に視線を送っている。】
【その視線は、どうも、恐怖とかそういった感情ではなくて……言うなれば、興味、好奇心。】
【が、はっと気づいた様子で青年はその色を他の感情で覆い隠すように、声色を荒げた。】


――お、お前!……今にも死にそうなやつを殺しやがって!絶対許せない!


【非常にあやふやな論調。それもそのはずである。青年は動機付けが欲しかった。目の前の面白そうな存在と闘う……。】
【だが、相手は少女であり、彼にも「男が女に手をあげるなんてそんな無粋なこと」なんて考えを持っているわけで、】
【不自然な怒りを露にしながら、びしりと相手を指差して再び「覚悟しろ!」などと述べるのだった。】

【とはいえ少女でも、青年の瞳の奥底に光る似非の&ョ怒の炎とは違う光に気づくことができるかもしれない。】
211 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/21(月) 22:13:36.94 ID:fXPH+9Jc0
>>209

フウァルさん、ですね?……はい、覚えました!

改めて、私はマリア・シャリエールと申します……って、貴方は私の事を知っていたのでしたね。ふふっ……
此方こそ宜しくお願い致しますね、フウァルさん。

【少女の様子を見る限り、礼儀正しい少女のようだ。受け答えもしっかりとしているし、利発な印象を受ける】
【……ずっと病気、というのは少し気がかりではあるが。治療の難しい持病でも抱えているのだろうか】
【ともかく、名前を知れたのは良かった。マリアはにっこりと笑って彼女の名前を口にすると】

【早速、本題に入る。彼女がわざわざマリアを探して尋ねた、その理由を訊かなければなるまい】

―――貴女は、私に話があるという事で私を尋ねたのでしたね。
……良かったら、訊かせて下さいな。私なんかでよければ、いくらでもお話に乗りますから。

【尚も彼女の表情は穏やかで、子供の話を訊く母親のような雰囲気。きっと、話し辛いことは無いだろう】
【この少女が一体どんな話を抱えているのかは分からないが……聞いてあげるくらいなら、きっと出来る筈だから】
212 : ◆zO7JlnSovk :2015/09/21(月) 22:18:24.21 ID:vq8Ija7So
>>210

【はにゃ?なんて腑抜けた声を出して彼女は応対するだろう】
【抜かれた毒気の理由付けを探すように、んーと指先で唇をなぞる】
【甘えん坊な表情を見せて上目遣い、柔肌が月に照らされて】


あれれぇ、ボクの知ってるニンゲンだったらね
こういう時もっともーっと、喜んで向かってくると思ったんだけど
――――――まーいいや、不必要な悩みはお肌の大敵だもん


【唇の端が釣り上がる、幼い容姿と反するように肉感的な艶めきで】
【月光に粘液を浸すような、そんな気怠げな怖いろくぉ撫でたら】
【互いの距離を測るように微かに目を細める】

【薄い布地が豊満な肉体を濡らして、官能的なラインを紡ぐ】


ボクはIL!L=Nightwish、お察しの通り悪魔でーす♪
さあできるだけ足掻いて見せてよニンゲン!骨の髄まで虜にしてしゃぶったげる!
――――――Killer Likes Candy=I!


【頬がぷくぅと膨らんで、吐息が零れた、夜風に不穏が交える】
【左手を目の前にかざしたなら彼女の目の前に三本黒い槍が出現する】
【えい!との掛け声とともに貴方の両足めがけ三本が乱れ打たれるだろう】

【中々の速度だが互いの距離、およそ5mほどのため、回避は容易い】
【貴方程の強者なら分かるだろう、単純な牽制だが、そのやりが孕む危険な予感に】
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/21(月) 22:38:19.46 ID:h0u9JUW6o
>>212
喜ぶわけないだろ!目の前でッ!人が殺されてッ!――こらしめてやる……!


【青年がマントの内側から取り出したのは真っ白なハンカチ――だが、それは青年が手に取った途端、四角く広がったまま奇妙に固定される。】
【――出現した槍が、単純な代物ではないということは判断に容易い。――青年も後退しそれを回避しながら、】
【取り出した、変に固定されたハンカチを手裏剣のように相手へと放つ――】
【狭い路地裏の幅を利用した攻撃、前方へ跳ぶように避ければそこを狙われる可能性がある。(あるいは、この槍はそれだけが狙いなのかもしれない。)】
【ハンカチによる牽制を交えながら、その槍の効能、及び相手の出方を伺う。】
【――怒っているように見えるが、いたって冷静。】
214 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/21(月) 22:38:23.91 ID:8+b7zjfE0
>>205

ありがとうございますマリアさん、お言葉に甘えましてこちらの本題に入りたいのですが……

【残念ながら、フウァルの用事は聞いてもらえなければ受け入れて貰えなければ意味が無い内容である】
【だが、彼女の人柄と基金の目的が話に聞いた通りならば、受け入れられない理由が無い筈のもの】
【断られかけたとしてもこちらには相手が欲しがる手札がある ……相手にそれをきちんと認識させられれば、だが】

【……なんて内容を小難しく考えている訳ではなく、仲良くできるかもしれないという程度の直感から彼女の主治医に相談し、こうすればいいと言われて行動を起こしているだけだ】
【もし彼女に強かさを感じたならば、その理由の殆どは彼女の主治医であるフィールの入れ知恵であろう】

ただちょっとマリアさんと仲良くなってフィール先生の研究費とか出してもらいたいなとか
困ったことがあったら助け合ったりしたたいなと思っているだけで ……ぶっちゃけた話コネ作りです、まだこちらに来て日が浅いものでして

【端的に言ってしまえば“友達になりたい”といった趣旨の話である】
【ただし、新世界に来てから日が浅いという言葉を零して頼れる人が居ない状況を察せさせ、断りにくくしていたりもしているのだが】
215 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/21(月) 22:39:55.58 ID:8+b7zjfE0
//>>214 の返信レス番を間違えた……
216 :IL ◆zO7JlnSovk :2015/09/21(月) 22:51:14.36 ID:vq8Ija7So
>>213

【槍は回避されるだろう、貴方に回避された後周囲の壁にぶつかり霧散する】
【さながら、地面に落ちて砕ける硝子細工のように、キラキラと黒が弾けて】
【――――――貴方はほんの僅かに気だるさを感じるかもしれない】

【目覚まし時計に叩き起こされる朝のように、覚醒してない意識の微睡みに似た】
【そんな気だるさを、霧散した空気を深く吸ったなら感じるだろう】
【通常の呼吸では気づかないだろう、それほどに微々とした変化】


あは♪いいね、そおそお、そーゆうのだってば!
変に達観したニンゲンなんて、嬲っても面白く無いんだから!


【手裏剣のように放たれたハンカチを見て思い切り身体を下げる】
【低くなる体勢、背中の悪魔羽が羽ばたいて、風を巻き起こす】
【やや踏ん張らなければならない程の風、ハンカチがただのハンカチならば吹き飛ばせるだろう】

【そうでなければ彼女の羽を切り裂き、横顔に苦悶の色が混じる】


さあて、イイ感じに火照ってきたよねぇ、前戯は程々にして
そろそろ暑いの、ぶち込んで見るぅ?ふふ!

Killer Likes Candy=\―――――!!


【右手を振りぬくと、バレーボール代の球体が出現、貴方に向かって放たれる】
【球体は貴方に触れる直前で霧散するだろう、黒の球体の爆発にダメージはない】
【しかし、その場で呼吸をしてしまえば霧散した黒を吸ってしまうだろう】

【もし吸ってしまったなら、一瞬深いめまいと吐き気に襲われるだろう】
【効果は長く続かないけれども、戦闘の最中のそれは、決して軽いものではない】
217 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/21(月) 23:07:37.66 ID:fXPH+9Jc0
>>214

【それまで穏やかな表情をしていたマリアだが、お金の話になると少し真剣な表情になって】
【優しさは失わないまま、澄んだ眼差しでフウァルのことをじっと見つめる】

貴女と仲良くなるのは構いませんよ。しかし……お金の事になると、また別のお話です。

私個人には研究を支援できるような財産はありませんし、基金は全て子供たちの為にしか使いません。
あの基金は、あくまで「恵まれない子供たちを救う」という理念に賛同してくださった方のお金なのですから。
それ以外の目的でお金を使えば、皆さんの信頼を失うことになるでしょう?

ですので……フィール先生という方がどんな方なのかも、どんな研究をしているかも分からない状態では、
申し訳ありませんが資金の援助という話は受けられません。

【まだフィール先生の事をなにも知らない状態では、金銭的な支援は出来ない。マリアはそうきっぱりと断る】
【優しくはあるが決して優柔不断なわけではない。彼女は穏やかだけれど芯の通った人物であるということが分かる筈だ】

【……けれど、仲良くなることを拒否した訳ではない。もう一度マリアは穏やかな微笑みを浮かべると、フウァルにこう語りかける】

―――もし援助出来るとしても、もっともっとあなたやフィール先生という方の事を知ってからで御座いますね。
……まずは、仲良くなってから。そうしましょう?ふふっ……困ったときに手を差し伸べる事は、私も決して拒みませんよ。

もっと、貴女の事を教えてくださいな。何も知らないんじゃ、仲良くなんてなれませんもの!

【そう、まずはお互いの事をもっと知ってから。お金なんて、そのあとのお話―――】
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/21(月) 23:12:42.05 ID:h0u9JUW6o
>>216
【放たれたハンカチ――それはまさしく手裏剣のように、少女の羽に傷をつける。】

【霧散した槍の効能、青年からすれば、当然のように消失したそれに呆気にとられる。】
【やはりただの牽制なのだろう。息を吸い込んだ際訪れたほんの少しの違和感が、思考の単純化をもたらしている様だ。】
【だが、表面上怒ってはいても内心楽しんでいる青年からすれば、その楽しむという感情こそが違和感すらも覆い隠していることに違いなく……。】
【――火照ってきた――その通りだ。いい感じに楽しくなってきた――青年の思考は、現状宜しくない。】


ふふ、あっ…。


【漏れた笑い声が偽りの怒りを簡単に崩し――だが、放たれた黒い球体には反射的に反応する。】
【威力も効能もわからない、その黒を受けるのは得策ではなく――青年は斜め前に踏み込むように――】


――!!


【避けると同時隣でそれが破裂した。爆弾?否、爆風はない。勿論痛みも――】


――はっ、あ…? ……かは ッ…て めッ…えッ!!


【――気づいた。この女は、毒、のようなものを操る。黒い空気を吸い込み、込み上げてくる吐き気、めまい、青年は自分の膝を拳で殴り、倒れるのを拒んだ。】
【――非常に厄介、かつ、青年にとっては非常に相性の悪い、凶悪な能力。】
【思考をシンプルにする――すべきことは、体力が朽ちる前に撃破せよ=z

【青年は力を振り絞り少女へと駆ける。この行為すら、少女に好条件を与えてしまうだろう。】
【「この状態で立ち向かってくるこの男の得意な戦場は近距離、かつ、毒におかされている状況ですらそれにこだわるのは、その場以外に攻撃できる方法はない」と。】
219 :IL ◆zO7JlnSovk :2015/09/21(月) 23:28:47.89 ID:vq8Ija7So
>>218

【足元がぐらついた、羽が傷つけられ、苦悶の声が漏れた】
【舌から零れる吐息、くぐもった声は首を絞める嬌声に似た耽美なもので】
【羽や尻尾さらけ出されている悪魔の特徴は文字通り弱点≠ネのだろう】

【ゾクリと背筋を開館がなぞる、剥き出しの背中に愛撫が濡れたかのように】
【向かれる素肌の艶めかしい感触、柔肌の下の神経を啜られるかのように】
【痛みすらも開館に、脳内でぷちぷちと理性がほどけていくのを感じる】


あは……はは……あはは!!いいね!いいね!いいよ!その表情!
どう、ボクが丁寧に愛情込めって作った病気≠フ具合は
効能は吐き気とめまい、シンプルだけど効くでしょ?

頭の中が鉛になったみたいで
それでいて脳みそをぐしゃぐしゃにかき混ぜられたみたいな感触で

それでも戦わなきゃいけないの、ああ♪もう、なんて悲劇的でステキなんだろうね!


【自分の体を両手で抱きしめる、剥き出しの方が震えてるのが分かるだろう】
【柔肌に産毛一本一本がまるで敏感になったみたいに、夜風に弄ばれる】
【華奢な両足を内股にじらして、肌をなぞる感触に耐える】

【見た目通り、存分に悪魔らしい肢体を悩殺的な色に染めていく】


――――――おいでニンゲン、抱きしめたげる
ステキな愛で、いっぱいね!


【体の前で交差させる両腕、硝子細工のような両手に黒い霧が宿る】
【両手を覆うように一回り大きな鉤爪が出現するだろう、さながら龍の爪野如き鉤爪が】
【漆黒のそれを纏いながら貴方を迎え撃とうと彼女自身も突っ込む】

【体制を低く仕掛ける、それだけの動作だが彼女の運動神経がl低くないことに気づけるだろう】
【しかし、それはあくまで、華奢な少女にしては、である】
【病で弱っていたとしても、近接距離において舞う貴方が負けるような捌きではないと気づけるだろう】


220 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/21(月) 23:46:40.49 ID:8+b7zjfE0
>>217

【マリアの受け答えはフィールにとってもフウァルにとっても想定通りのものだった】
【フィールならば小難しい事を色々と考えていたかもしれない】
【だが直に会ってその空気を感じたフウァルの方は、マリアのその言葉が嘘偽りない本心である事を感じ取っていた】

すみません、仲良くしたいと言って来たのにいきなり無粋な話をしてしまって……

【お金の話をする事の重大さをよく知らずにしてしまったフウァルが、怯えたように身を竦ませる】
【マリアの表情に関係なく ……否、むしろ“彼女に対する優しさを含んでいたからこそ”心理的外傷を刺激しているようだった】
【「どうせなら研究費の事もして来い」と言われあんな話をしてしまったが、彼女自身は本当に仲良くなりたいだけだった ――故に、顔色を曇らせた】

そうですよね、お互いの事を知って、それからじゃないと仲良くなれません

【マリアの表情を見て怯えてしまった理由が自分にもわからず、自己嫌悪に陥ったのを隠しながら相手の意見に同意する】

今日はお金の事なんて置いておいて、お互いの事をいっぱい話し合いましょう
……とは言っても、私は記憶喪失であまり昔のことは覚えていないので、マリアさんよりお話できる事は少ないと思います

【フィール先生は秘密主義であまり自分の事を話してくれなかったりするし、本当に話すことが少なすぎて申し訳なく思う】
【マリアさんがどれだけ仲良くなろうとしてくれても、自分はフィール先生の事どころか自分の事すらろくに話せないと考えた時には、涙すら浮かんでいた】
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/21(月) 23:47:52.75 ID:h0u9JUW6o
>>219
【走っている最中――】
【「外的な傷害は覚悟の上だ。ある程度までなら享受する。それを含めて戦いなのだから。」】
【青年の覚悟はここまでだった。少女のような、内部から破壊する狡猾な能力を駆使する敵は初めてであり――】
【戦いを楽しむという感情が困惑に変わる。そして、楽しむという考えが、油断であることにも気づく。】


かは ッ――、はッ…お前も、油断してンな あ ……ッ!


【そして、彼女も――仕掛けが決まれば、相手は弱るという考えのもと動いているのだろう。その考えは概ね正しい。】
【立ち向かう青年に、少女がした応じるという選択は、青年にとってはある意味、好都合――】
【毒に苛まれた今、手足の感覚すら怪しい、そのため青年は少女へとタックルを決めようとする――だが、その時に限って表現するなら、青年は鎧をまとっていた=z

【正確にいえば青年の能力。布を鋼鉄に変える力≠ノよって、瞬間的にマントを鋼鉄に変えたのだ。】
【――鉄のマントなら、ある程度鉤爪も防げるだろう。さらにいえば、先ほどまで布だったマントが鉄に変わっている≠ニ考えが及んでいれば話は別だが、そうでなければ心の虚すら突ける。】
【そうなれば、効果は思いの外大きいはずだ。】
222 :IL ◆zO7JlnSovk :2015/09/22(火) 00:02:11.23 ID:mOyBQxM3o
>>221

【彼女の毒――――――病≠ヘ通常の病気とは違い長時間は持たない】
【数十秒後には先程の爆発で受けた不調は回復しているだろう】
【だからこそ彼女は攻撃の手を休めない、より深くより酷く、病を広めるために】


っ……!予想外に早っ……!!
でもね!!ボクも、こう見えても悪魔だから!運動でもまけないよ!
押し倒してくれるのはカンゲーだけど!ちょっとロマンチックさが足りないね!


【貴方の動き、予想外の速度に動揺が見える】
【頬を伝う汗、濡れた肌が夜露のように月光に照らされて】
【それでも上気した頬を止めるには至らない】

【右の手の爪を叩きつけるように振り下ろす、タックルをする貴方を背中から抉るように】
【此度の病≠ヘ激痛、瞬間的に触れるだけで痛みが走るようにする病で】
【直撃したならタックルできない、そう彼女は信じていたが――――――】


なっ……!!うそ!硬くなって――――――!!


【弾かれる右の鉤爪、水晶が割れるように病が空中に霧散する】
【今度は空気に溶ける形ではなかったのだろう、病は消え去り】
【攻撃が弾かれ無防備な状態、そんな彼女にタックルが直撃する】


――――――っ――――――かは!!


【感触は軽い、それほどまでに軽い身体であったから】
【壁にたたきつけられる、丸みを帯びた身体が歪む、鈍い音がして壁から少し粉が落ちる】
【両足を投げ出して、無防備な姿を露わにしながら、座り込むだろう】
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/22(火) 00:18:07.20 ID:PYzgW+Rio
>>222
【――軽い。少女なのだから当然だろう。渾身のタックル後、その場に踏みとどまればマントの変化を解く。】
【――ゆっくりと少女へ近づけば、その顔を見下ろし……】


――ダメだ、ちゃんと勝った気がしねェ。俺の覚悟の甘さを痛感した。ここで仕留めるのは簡単だけど、俺は次、ちゃんと決着を着けてェ。


【最早自分が偽りの怒りを抱いていたことすら忘れて、自分の都合のみをペラペラと垂れる。】
【おそらく少女にとっては「なにいってだこいつ」状態だろうが、青年がそんなこと気にする様子は微塵もない。】


――んで、お前の名前は?


【――まだちょっと警戒しているのだろう、距離を少し離している。】
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/22(火) 00:21:43.68 ID:8LW+NorN0
【――――人里から大きく離れた湖】
【其れは密林にも似た森の中に存在して居て、とても人間が入り込むとも思えない場所】
【然れど、今宵は其処に少しばかりイレギュラーが起きていた】

【大凡人の持つ魔力とは比べられないほどの其れ。更には、其れは“風”という魔力のみで満たされていた】
【まるで風の魔力のみが集ったかの如く。だからと言って、吹き荒れている訳でも無く】


【森を進み、湖に辿り着いたならば。先ず、一人の青年が視界に入るであろうか】
【まるで法衣にも似た物を纏った緑の髪の男。手にしているのは酒か、湖面に映る月を眺めながらチビチビと口に運び】


「現物を眺めているよりも、別なレンズを通して見る物の方が綺麗に見える事も多いなんて不思議な話だねぇ
あ、コレ美女にも美少女にも言える事ね。ほら、何だか撮った後でパソコン使ってカタカタってしたりするんでしょ?本に載せるとき
……実際に見て綺麗な人なら、良い酒の肴にもなるんだけど」

【この男が、件の魔力の正体であろう。まるで、魔力その物が人の形を成しているかの様】
【此処を訪れた者の気配を感じ取ったのか、投げかけた言葉は何とも気が抜けるようで】
【同時に、何と無くこの男の性も知れる事だろう。実直とはほど遠い軟派者】


「所で――――こんな辺鄙な場所に何か用かい、旅人さん
生憎見たとおり此処は人が滅多に来る事も無くてね……僕が出来る持て成しはこのお酒を分けてあげる事くらいだけど」

【徳利を揺らし、ちゃぷんちゃぷんと音を立てて聞かせ】
【――少なからず危険な存在で無い事は理解出来るか。振り向く事も無く、視線は湖面に向けられて居るのみ】
【注意を向けさせるのも、或いは側まで歩み寄ってみるのも。将又踵を返して歩き出すのも。全て、訪れた者の自由であって】









【――――とある街の小さなカフェ】
【時間も時間故に人は疎らであるけれど、その中でもこの場に似付かわしくないであろう人物が一人】
【修道着を纏った女であり、腰に提げられているのは2丁の銃か】


「久しぶりの休みだけど……やっぱりこうしてのんびりしてみるのも悪くは無いね
最近は面倒事が多すぎてボクの疲労もそろそろ限界を迎える所だったよ……」

【独り愚痴を零せば温くなった紅茶を啜って】
【――――女の座るカウンター前に積み上げられているのは小難しい魔道書だとか】
【或いは最近の事件を纏めた物だとか。大凡、一介の修道女としては相応しくも無い物】
【そしてカフェ自体が大きなガラス張りなのだから外からでもそんな姿はよく見えて】

【興味を持ってか、それともただ休憩がてらにか。何であれカフェの扉を開いたならば「カランカラン」と来客を告げる音が響く事となり】
【女が其れに気付けば、「やっ」なんて軽く手を挙げて挨拶を交わすのだけれど】
225 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/22(火) 00:23:02.71 ID:LOLIWHNP0
>>220

【お金の話は難しい。他人から集めたお金だからこそ、その用途についても神経質になってしまう】
【神経質になるからこそ、真剣な表情で話をした訳だが……決して怯えさせようと思った訳ではない】
【少女の曇った表情を見た時は「少し言い過ぎてしまったか」と思ってしまうくらい、本当は穏やかな性格なのだから】

【互いの話をしようにも、少女は記憶喪失という事。病気を抱えた上に記憶も失っているとは……】
【ある程度は元気にふるまってはいても、どうやら予想以上に少女の立場は孤独で酷な物のようだ】
【「記憶」は個人のアイデンティティを作る。その記憶が消え失せたのならば、自分が何者かも分からない筈だ】
【親は?親しい者は?自分さえも見失った少女に、寄り添う者はいるのだろうか……―――】

【涙を見せる少女に、なおも優しく微笑みかける。―――別に記憶がなくたって、貴女の事を知ることは出来るよ、って】

―――泣かないで下さいな。過去を失っていても、訊ける事は沢山ありますよ。
……私は貴女の昔の事は訊きません。その代わり、「今の貴女」の事をいっぱい訊きましょう!

例えば……貴女には今、好きな人はいますか?
いないなら、どんな人がタイプですか?―――ほら、こんな質問なら答えられるでしょう?
年頃の女の子だもの、恋愛とか興味あるかなーって……ふふっ、貴女はどんな人が好きなのでしょう?

さ、私に貴女の色んな事を教えてくださいな。ちなみに、私には好きな人がおりますよー♪

【孤独な寂しさや悲しさなんて吹き飛ばすように、マリアは明るい声で話しかける。仲良くなるのに涙なんて似合わない】
【少女がもっと笑顔になれるように、楽しいお話を―――】
226 :IL ◆zO7JlnSovk :2015/09/22(火) 00:28:35.45 ID:mOyBQxM3o
>>223

【ビキニとショーツだけの彼女は多く素肌を晒していて】
【だからこそ、剥き出しの柔肌に着いた傷の量からはっきりとダメージが分かる】
【大きく肩が上下する、苦悶の呼吸が、何度か零れて】


……ハァ……ハァ……!!さっきも、いったでしょ……!
ボクはIL、IL=Nightwish(イル=ナイトウィッシュ)だって

ああ、もう、負けちゃうなんて、情けないなぁ


【頬をぷぅと膨らませて、脚を投げ出したまま、肩を抱き寄せる】
【右肩を左手で抱き込むようにして、小さな身を吸い寄せる】
【顕になった両肩、仄かに肉感的な色を携えて】

【扇情的な目で貴方をなぞる、真紅の瞳が甘えるように見つめて】


ねぇね、ボクのこと、どうするの?
このまま殺しちゃうの?それとも鬱憤を晴らすため、イタい事するの?


【見上げる視線、上目に傾く赤目がじんわりと濡れるように】
【表情に見えるのは怯えだろう、悪魔と言えども、見た目は幼い少女で】
【中にいっぱいの柔らかさを詰め込んだ身体が身悶えするように揺れた】
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(高知県) [sage]:2015/09/22(火) 00:34:37.79 ID:onu2qQRuo
>>224

「はぁ、ご主人様の晩御飯は遅いですからね・・・。
私がゆっくりできる時間など、これっぽっちもありません。」

【ため息混じりに自分の主人への愚痴をこぼしながら】
【街灯が照らす路地をコツコツと心地よい音を刻みながら歩いていた】

【すると】
【目に入るのは小さなカフェ】
【特段行きつけ、というわけでもないが・・・】

「少し、この辺でゆっくりしていきますか。
私も、今日は忙しかったですしね。」

【疲れを癒やす、という名目のために】
【その小さなカフェの扉を開ける】
【カランカランと音がひびき、メイドが姿を表す】

【背には二丁の軽機関銃を背負った妙な格好のメイドだ】
【そういう印象を店員に植えつけてしまった上で】

「こんばんは。
まだ開いてますか?」

【こう店員に問うのである】
【まあ、もちろん開いている、という返事が返されるのであるが】

//まだいらっしゃいますか?
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/22(火) 00:37:00.88 ID:PYzgW+Rio
>>226
興奮しててちゃんと聞いてなかった。――ILね、把握した。


【彼女の名乗った名前を復唱する。】

【肉感的な体――それに興味がないわけではない、むしろある。だが――青年はすでに、】
【この少女を好敵手≠ニ認識している様子で、そういう目では見れないようだ。】
【甘えるように見つめる、弱々しい少女という一面が今浮き出ているに過ぎない。】


――いや、なにもしない。せめて助かれ。そんでまた戦ってくれ。次はちゃんと勝ちたいからな――じゃあ、またな。


【青年は踵を返す――名乗ることも忘れて立ち去る。】
【人の名前を聞いてなかったり、名乗らせといて自分は名乗らなかったり――案外天然なのかもしれない。】


/結構いい感じなので、お疲れさまでした!また絡んでください!
229 :IL ◆zO7JlnSovk :2015/09/22(火) 00:42:12.92 ID:mOyBQxM3o
>>228

【蠱惑的に立ち振る舞うのは、彼女が悪魔だからなのか】
【それともそれを武器として、振る舞うことに手馴れているのか】
【答えになるような言葉はなくさりゆく貴方の背中を見て】


……ふん、何が次はちゃんと勝ちたいだよ
完膚なきまでにボクの負けだったじゃない

――――――ああ、もう、ムカつく、ただのニンゲンの癖に


【膝を抱きかかえ顔を下ろす、ぷうぅと膨れて膝の上に顎を置いて】
【ジト目で夜闇を見つめながら、しばらくうじうじと文句を言ってるのだろう】


/お疲れ様でした!
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/22(火) 00:58:38.29 ID:8LW+NorN0
>>227
【従業員の方からしてみればそう関わりたくも無い、のか】
【チラチラと機関銃へ視線が向けられていることは其れを背負う当の本人がよく理解出来る】
【小さく頷いたならば、その場から逃げるようにそそくさと立ち去って】

【――――厨房の出入り口から顔半分を覗かせるようにして様子を伺う様は隠し切る事が出来ては居ない】
【……まあ、所謂変人の部類に該当するのだろう】


「――――……や。随分と重たそうな物を担いでるね
まるでどっかの紛争地帯にでも行きそうな装いだけど……」

【そして、自ら声を掛けた修道女もまた変人であろうか】
【新たな客の存在に気付いたならば、「おおう」なんて声を小さく漏らして】
【然れど危険は無いと判断したのだろう。緩んだ笑みを向けたままの挨拶は、何ともその職らしくは無く】


「ま、そんなのを背負って其処に立ってても疲れるでしょ?
良かったら座りなよ。別に何か悪戯してる訳でも無いからさ」

【カウンターに広げて居た書物等を適当に重ねて片付けたならば、少しの場を作り】
【椅子を引き、此処にでも座ったらどうだ――――と小首を傾げて問う事だろう】

【――修道女もまた、同じ様に銃器の得物を二つ提げている事も此処で知れる】
【だけれど、其れ等は機関銃だとかの物では無く。拳銃――詰まる所、ハンドガンと呼ばれる物】
【金と銀。故に目立ち、“修道女”と呼ばれる職にも似付かわしくは無く】

/居りますよー
231 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/22(火) 01:00:10.74 ID:zmg9hfwp0
>>225

【過去がなくとも今を語り合えばいいと、そう言ってくれた彼女の言葉にハッと顔を上げ涙を拭った】
【フィール先生は色々な事を教えてくれたし、こっちに来てから出来た友人も居る】
【例え昔話が出来なくとも語り合える事は多いのだと気付き、月下美人の花の様に微笑んだ】

ありがとうございます ……それにしても、好きな人ですか?
私、恋愛モノの本を読んでも友達の好きな人の話を聞いてても、どうにもピンと来ないんです
誰かに恋するってどんな感じなのでしょう ――マリアさんが好きな人って、どんな人ですか?

【自分が恋愛する事はよくわからないと語りつつも、興味津々といった感情を体全体で表現していた】
【他人の色恋に対するその様子は、恋に恋する乙女なのか、それとももっと別のものなのか、それは彼女ではなく周囲の人間が下す評価となるだろう】

そういえばその指輪、左手の薬指に付いてるってことは ……って、こっちにもその風習があるとは限らないですよね、あはは

【新世界に来る時に「こことは違う世界である」という事を聞かされていたフウァルは、自分の世界の風習で見てしまった事を恥じ、乾いた笑いを零した】
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(高知県) [sage]:2015/09/22(火) 01:07:12.69 ID:onu2qQRuo
>>230

「どうも、こんばんは。
いえいえ、私はご主人様の護衛が任務でして・・・。
というか、主に雑務全般をやっているんですけれども。」

【修道女の挨拶にはきっちり返す】
【まあ、紛争地帯へ行くということはきっぱりと否定しておいたのだが】

「ご丁寧にありがとうございます。
それでは、失礼させていただいて・・・。」

【修道女へペコリをお辞儀をし、椅子に腰掛ける】
【腰掛けても銃は離さないようだが】

ところで、貴方様は修道女なのですか?
そのお召し物から判断いたしたのですが・・・。
間違っていたら申し訳ありません。

【服装は修道女、されど装備はガンナーといったところか】
【修道女といえば、魔法を使って味方を回復するのが役目、と教わった気がするがー】

【少なくとも、メイドの目線は修道女が腰に提げている拳銃に向けられており】
【この説明を求められている、という結論に至るのは簡単か】
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/22(火) 01:25:14.23 ID:8LW+NorN0
>>232
「ご主人様の護衛、ねぇ……最近のメイドさん稼業は何でも屋に近い物があるね
どっかの無愛想なメイドさんもお金だけ貰えれば何だか色々としてたみたいだし

――――と言うか、護るにしてもさ……其れ、目立ちすぎないかな」

【一人零したのはその職務内容についてであろう】
【家事手伝いのみならずその命まで守らなければいけないとは何とも面倒な職だ、と】
【加えたのは、その得物について】

【護る、と言うよりもその逆。攻める事に特化している様にも思える銃器】
【弾幕を張っている内にと考えれば或いは――――とも思ったけれど】


「……ん?
まあ……一応、ね。別にボク自身が神サマを信じてるとかじゃ無いけど、色々訳ありって事でさ
ほら、女性は多少ミステリアスの方が良い、なんて事も言うし…………ボクついては、秘密が多いって事で一つね」

【その視線の先を追って気付いたのだろう】
【飾り、では無く自己防衛用にしては“使い込まれている”】
【即ち、聖職者でありながらその銃器を操っているのは確かだが――――深くは話さず、「しー」何て人差し指を唇に当ててはぐらかして】


「そう言えば、キミのご主人サマとやらは何処に居るのかな
見たところ一人で来たみたいだし……休憩時間ってヤツ?」

【其処で気付いたのだろう。雇われのメイドならば、その主人とやらは何処に居るのだろうかと】
【話によれば、命を守る任も受けている。ならば、果たしてその対象は何処に居るのか――なんて】
234 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/22(火) 01:33:49.45 ID:LOLIWHNP0
>>231

【恋なんて、自分でもよく分からない。フワフワしていて、「恋愛とはこういうものだ!」なんて言うことは出来ない】
【けれど、自分なりに感じたことを言葉にしてみる。自分が夫の事を好きになったとき、どんな気持ちだったか】
【少なくとも、恋をしたことが無い少女よりかは幾分か具体的なイメージにはなっているだろうから……】

私の好きな人?そうですね……
――――不器用で口下手で、誤解されることもあるけれど……本当は優しくて、誰よりも私の事を理解してくれる人です。

……好きになるっていうのは、私も上手くは言えないけれど―――……自分と同じくらい、誰かの事が大切になるんです。
「こうすれば、あの人が喜ぶかな」とか「今、あの人のために何が出来るのかな」とか……そう思っちゃうくらい。
さっき貴女に会う直前も、そんなことを考えていたんです。
ふふっ……貴女も此方の世界で好きな人が出来れば、寂しい気分が変わるかもしれませんよ?

えーっと、貴女の世界の風習は知りませんが……この指輪は結婚指輪ですよ。ふふっ、貴女の推測通りです!
その人は今、私の主人なので御座いますよ。まだ結婚して1年程しか経っていませんけどね。


【少しは、恋に対するイメージが立っただろうか。一応これがマリアの恋愛に対する実体験に基づく話なのだけれど……】
【フウァルの予想通り、彼女の薬指に嵌っているのは結婚指輪だった。つまり彼女は結婚しているという事でもあり】
【―――気のせいだろうか。彼女が夫の話をしている時、少し寂しそうな表情をしていたような―――】




235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(高知県) [sage]:2015/09/22(火) 01:39:47.82 ID:onu2qQRuo
>>233

「そう・・・、ですね。
半ば何でもや、といったところです。
まあ、私は住み込みなので、ご主人様にしか従わないのですが・・・。」

【とここで一旦話を切る】
【どうやら、「護衛」に関しての整理をしなければならないようだが】

「はい、一応、ですが私はご主人様の護衛をさせていただいております。
ただ、ただですよ。
ごくまれに、ですが、誰かを暗殺しろ、といったたぐいの依頼がご主人様から入るんです。」

【主人から命じられたことは絶対と先ほどメイドは言ったが】
【これを忠実に実行している、ということの表れでもあるか】
【ともかく、このメイドは一度でも手を血に染めたことがあるようで】

「まあ、わけありというのはよくあることです。
ところで、その銃、だいぶ使い込まれていらっしゃいますね。
私のも結構使っているんですけれども・・・。」

【わけあり、といえばそこまでだが】
【気になったのは、銃の使い込まれよう】
【銃をうまく使い何人も殺してきたか、それともハッピートリガーか】

「私のご主人様の居場所、ですか・・・?
大変申し訳ないのですが、それに関しては黙秘させていただきたく・・・。
私のご主人様は、命を狙われている身ですので。」

【すなわち暗殺者が館にでも来たということだろう】
【まあ、いつもこのメイドが血祭りの蜂の巣にしてしまうわけだが】

「はい、休憩時間、といいますか・・・、休暇、ですかね。
ここのところ働き詰めでしたので、ご主人様が休みをくれたんです。」

【まあ、休暇が始まったのはいまさっきからだが】
【それまで働き詰め、いろいろとこのメイドは忙しいのである】

「ところで、ですが。質問をよろしいでしょうか?
この書物、何について書かれているのですか?
私、読書は好んでおりますが、このような専門書には詳しくなく・・・。」

【どうやらこのメイド、修道女が読んでいた書物が気になっているようだ】
【別に内容を教えても、教えなくてもいい】
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/22(火) 02:01:05.58 ID:8LW+NorN0
>>235
「はいはーい、あんまり気軽に初めて会った人にそんな事言っちゃいけないよ?
別にボクは其れをダシにしたりとか捕まえたりとかはしないけど、自警団やらに聞かれたら面倒な事になっちゃうからさ
ボクがどうこう言う様な話じゃ無いけどさ……」

【暗殺――――その言葉が口から出たときだろうか。慌てて遮るようにして止めさせれば、代わりに紡ぐのだろう】
【其れは相手の為を思ってか、或いは自身が面倒事に巻き込まれたくないからかは分からないけれど】
【自分はその話を聞いて何かを起こす気は無い。だけれど、この場では誰が聞いているかも分からないから――――そんな言葉で終え】


「ふうん、命を狙われている……確かに、あんまり余計な詮索はしない方が良さそうだね
ボクまで其れで穴だらけにされたら大変だ」

【恐らくは冗談では無いのだろう。ならば、深く知って後戻り出来なくなるよりも知らずに終えてしまった方が良い】
【くすり、と小さく笑って見せれば肩を竦めて】


「――――昔の魔導書だよ。流石に古代、とまでは行かないけどね……
幾つかの魔術を複合させて新しい魔術を作ってた所さ。まぁ……其れにも疲れてノンビリしてた所だけど」

【内容を問われれば、簡潔に返す】
【古い魔道書。其れ等に書かれて居る事を学び、其処から新しい魔術を作り出していた所だ――と】
【確かに知識が無ければ小難しい内容であろう、が。決して理解出来ない程でも無く】
【パラパラと適当に頁を捲ったならば、その内の一冊を差し出す事となろうか】


「良かったらあげようか?
別にボクのお金で買った物じゃなく教会からの貰い物だから気にしなくても大丈夫だよ

――――ふふ。楽しいお話、とは無縁のつまんない文章がだらだらと続いてるだけの本だけどね
魔術も多少は多く身に付けておいた方がキミのご主人サマとやらも守りやすくなるんじゃないかな」

【後に続けられた言葉は、この本をプレゼントしようかなんて】
【先の通り、内容こそアレではあるが決して理解出来ない物でも無く。又、希少価値としては高い部類でもある】
【――――尤も、其れを知るか否かまでは分からないけれど】
237 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/22(火) 02:07:35.61 ID:zmg9hfwp0
>>234

結婚して1年ですか、新婚さんなんですね♪ ……なのに貴女はこんな時間に一人でこんな所に
何か事情があったりするのでしょうか

【彼女からどこか寂しそうな雰囲気を感じ取り、そう問いかける】
【一瞬、話題を逸らす為に自分の事を話そうかとも考えたが、それは取りやめた】
【フウァルはマリアと仲良くなりたいのだ、ここで距離を置いてしまったらダメだろう】

マリアさんのことを何も知らないのに、仲良くなったなんて言えませんから ……だから、教えてください

【記憶が無い、とフウァルが告げた時にそうしてくれたように、今度はこちらから一歩み寄る】
【私はこの人の友人なのだと、胸を張って言いたいから】
238 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/22(火) 02:13:19.64 ID:LOLIWHNP0
>>237
//すみません、良い所ではあるのですがそろそろ眠気が……!
//宜しければ持ち越しをお願いしてもよろしいでしょうかっ!また明日(今日?)も21時頃以降なら来れると思いますので!
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(高知県) [sage]:2015/09/22(火) 02:13:54.89 ID:onu2qQRuo
>>236

「あ、そうですね。
すっかり失念しておりました・・・。」

【初対面の人物にこんなことを話すような失態はいままで犯したことはなかったが】
【きょうは何故か話してしまった、メイドとしてこれはどうなのか、と自信に問いかけるのだが】
【暗殺という言葉にギロリ、とこちらを従業員が睨んできたのだが、修道女が遮ってくれたおかげで助かった】

「ええ、以前実際にありましたからね・・・。
あまり探りすぎると、私があなたを撃たなければいけなくなる気もしますので・・・。
この話は、これで終わりにしましょう。」

【このメイドは主人の就寝中は寝室付きとなるのだが】
【まあ一回、アサシンが入り込んで大騒ぎになった】
【結局、穴だらけになってしまったのだが】

「昔の魔導書・・・、ですか?
私は魔導書というものを読んだことがなくてですね。
その上、私は無能力者でありますゆえ・・・。
ぜひとも貴方様が大事に保管してくだされば、それで結構です。」

【という謙虚な答えを返すのだが】
【ということはメイドの機関銃は能力に関係ないということになる】
【まあ、どうでもいいようなものだが】

「まあ、私も一度魔術をしようとしたことがありまして。
他のメイドが治癒魔法を使えると言ってきたものですから、私もしてみたんです。
そうしたら、アンデットを呼び出してしまいまして・・・。」

【終盤の方は赤面し、顔を手で覆いつつ話す】
【生者を癒やす魔法のはずが、死者を蘇らせてしまったのだから】
【これほど恥ずかしいということはなかろう】
240 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/22(火) 02:16:12.39 ID:zmg9hfwp0
>>238
//楽しんでいただけたなら幸いです、持ち越し承りました
//わかりました、21時頃お待ちしております
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/22(火) 02:28:46.57 ID:8LW+NorN0
>>239
「…………いやまあ、それも一種の才能だと思えるかも知れないけど」

【最後の話を聞けば、何とも微妙な表情】
【精一杯のフォローでも“コレ”なのだ。ならば下手に話を続けるよりも一度切ってしまうのが得策かと考え】
【温くなった飲み物を一口。ふと時計を見遣れば、夜更けも良い頃で】


「そう言うことなら無理には勧めないさ
巡り巡ってボクの責任になっても大変だからね

――――さて。そろそろボクは教会の方に戻るよ
あんまり長い間空けてると他の人達にも叱られちゃうからさ」

【代金分をカウンターに置いたならば席を立ち】
【挨拶代わりに後ろ手を振って間も無く店から出て行く事だろう】
【カランカラン――――そんな音も、やがては止まって】

/この辺りで失礼しますね。お疲れ様でしたっ
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/22(火) 17:45:20.40 ID:PYzgW+Ri0
【とある公園のベンチにて、青年は新聞を開いた。】
【載っている記事は、毎日と言っていいほど横行する、機関の悪事。事件。中には凄惨たる内容のものもある。】
【――ぐしゃりと新聞紙を丸める。そうして立ち上がり握りこぶしを作った青年の目は、自警団スカーレットの紋章のよりも赤く燃え上がった。】

俺もそろそろ、機関員に立ち向かうときが来たのかも知れないな……!

【――黒い頭髪に、整った顔立ち。身に纏う黒いマントは洗濯したばかりのようで、まだ水に濡れている。】
【尚且つ、そのベンチは――正面からは見えにくいが、後ろにはペンキ塗りたてという張り紙があって……。】
【青年の黒いマントの一部を白く染めていた。】
243 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/22(火) 21:11:31.65 ID:LOLIWHNP0
>>237

【訊かれたのは、夫に関した事情。―――現在マリアが直面している、最も大きな問題】
【この危険な戦いに、何も知らぬ病弱な少女を巻き込んでよいものか―――少し逡巡してしまうけれど】
【……話すくらいなら大丈夫だろう。自分のことを知ろうとしてくれているこの少女に、少しでも応えたいから】
【静かに、語り始める。寂しさを感じる、そのワケを―――】

主人は今、大きな悪と戦っているのです。……貴方はアーグという名をご存知ですか?

―――アーグは、自らの禁術で復活したゼン=カイマの過去の大司教で御座います。
過去と言っても十年や二十年どころの話ではない……百年も前の、大司教なのです。
アーグは自分の信じる神以外を許さず、異教徒は全て死ぬべきという過激な思想を持っています。
実際、教会や街を次々と襲い……自分と考えが違うという、ただそれだけの理由で多くの命を奪っています。
……現在の大司教である主人は、アーグを止めようとしています。
ただ、一時は体を乗っ取られたりして……長い間、安否が分からない状態だった時もありました。

―――現在は、私とは離れた所で戦う準備をしています。
手紙を貰っていますし、今は無事であることは分かっているのですが……それでも、不安になってしまいます。
何か月も離れたままだと、一人でいるのが寂しくなってしまって……

【―――夫が、何か月も離れたままで幾度も危険な目にあっている。それは、妻としてはとても不安になる事で】
【どうしても表情が曇りがちになる。少しばかり、顔も俯いているような気がする―――】
244 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/22(火) 21:34:59.39 ID:cRTQlS0TO
【深く深く、深すぎる程に宵闇に包まれた其処で彼は数人の物言わぬ抜け殻と化した破落戸の前に立っていた】
【路地裏ではよくある事、それは十分すぎる程に彼もわかっていたはずなのだが、やはり面倒な事に変わりは無い】
【彼は右腕の肘辺りから腕の変化した機械的な大剣、刀身は鋭く、豪快で破落戸の血か元の色か紅く輝く水晶のような諸刃の剣】
【彼の身長より少し短いほどのそれを彼は難なく扱ったのだろうか、そこに居る破落戸共は全員が全員、身体を両断する程の傷を負い、息絶えていた】

面倒くさ、お前らが悪いんだよ。馬鹿な事をするからだ、お前らがあの教誨師だったら良かったのに……
おっと……幾つか財布持ってるのか……これは稼ぎだな……

【そんな事を言いながら彼は破落戸共の死体から片手で財布を漁りだす】
【暗闇の中に光る臙脂の瞳と紅い剣、正反対に暗闇に紛れ込む淡く黒いシャツと、アッシュグレイのパンツ】
【どこにでも居そうな人間が、どこにでもありそうで無い事を行うこの世界、そこは小さきながらも巨大な邪念を孕んだ魔窟だろうか】

はっ……ご丁寧に防弾チョッキなんて着てたのか、馬鹿な奴らだ
まともに機能するか知れない物を着込んだって何の意味も無いのに……

【周囲の目線など気にする事も無く、彼は破落戸の死体を斬り、漁り、物を盗っている】
【そんな異常な光景に姿を現すのは聖者か愚者か】

/遅くなって申し訳ないです
245 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/22(火) 21:49:01.00 ID:zmg9hfwp0
>>243

【――絶句した】
【出張に行っているとか、そうでなくとも戦場に赴いている程度の話だと思っていたから】
【もしそうなら『貴女の夫なのだから心配要りません』と言うつもりだった】
【まさかそんな無茶苦茶な存在と戦おうとしているなんて ……軽い気持ちで聞いてしまった事を恥じた】

自分と違う考えの奴など居なくなってしまえ、ですか ……ひどいですね、その人

【『あなたも似たようなものですよね?』と、フウァルの思い出せない記憶が囁く】
【思い出せない、しかし確かに自分がやった実感の伴う罪が彼女の心を蝕み、顔が歪んだ】
【それはある意味、彼女がその身に患った不治の病をも超える呪いとも言えるだろう】

そんな話を聞いたら私、黙っていられません ――何か出来る事はありませんか?

【いい人だと先生から聞いていた、実際に会って本当にいい人なのだと実感した】
【フウァルとマリアは今回が初対面である、しかしフウァルにとってのマリアはもう他人ではなくなっていた】
【この人の力になりたいと、この人の不安を放ってはおけないと、フウァルの心が叫んでいた】

微力なわが身ですが、どうか私をその力に御添え下さい……

【――『何もしないつもりですか?』と彼女の中の何かが突き動かしていた】
246 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/22(火) 21:53:14.80 ID:NJ95QI+l0
>>244

【恐らくここは路地裏。常人なら見向きもしない異界、或いは身近な地獄の具現】
【地元民も近寄らぬ、旅人もそんな地元民の陰気臭さにあてられたくなくて避けて通る】
【そこに人が居るとすれば、恐らくそうなのか、或いはそれに準ずる無神経。入り込む少女は後者の方である】

近道、かな……でも、通れ、た……ら

【外套とキュロットスカート、小柄な影は金のツーサイドテールと藍色の瞳。背負う鞄には日除けの帽子が被さっている】
【おどおどしながらも、その先に目的地があると信じて進む。漸く羽休めができる街なのである】
【最新の注意を払って進む少女の目の前に……地獄の使者が居た】

!?

【口を抑える。惨たらしい光景に反応する訳で無く、ただ己のバレないように】
【使者は、人であった何かから物を弄っている。物盗りの類かと結論を出す】
【後退る少女の足に踏み抜かれたアルミのゴミが悲鳴を上げる】

【少女は、ゴミの悲鳴に共鳴して短く悲鳴を上げる。残念ながら少女に逃げ場は無さそうである】
【この騒音を聞いた使者がどういう反応をするかは決まっていない】
【少女の中で最悪の想定が巡っても、それが示現するかどうかは保障されていない。】

【ただ、在るべき反応を受け止めるだけだという事である】

/いえ、こちらこそ遅れてすみません
/それでは、宜しくお願いします!
247 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/22(火) 22:08:32.94 ID:cRTQlS0TO
>>246
【ふと、後方から聞こえた何かが踏みつぶされる音、買い物袋か、それとも銀紙か何かだろうか】
【そしてそれに重なるように恐らくは小さな少女の声、その二つが和音となり、路地裏に一瞬だけ響き、消える】
【彼はその音にゆっくりと後ろを振り向く、闇夜に臙脂の瞳だけが煌めきを増す】
【そしてそこに立つ暗闇は、徐に口を開く】

あぁ、君こいつらのお仲間さんとか?だったら御免、もう死んでるよ
まぁ別に関係ないんだったら通って良いよ。こいつ等も別に何も言わないでしょ

【そんな風に彼は淡々と話す、それは道端でばったり出会った知り合いか、少しだけ好印象を持った人と世間話をするような口調で】
【それは、この場においては異常とも取れる行動、強盗か、物盗りか、それともどこかの指名手配犯か】
【そんな風な行動をしている人間が平然と口を回らせる】

どうした?何に驚いてるんだよ、別に何でもないだろ

【顔に返り血のついた人間に言われても説得力の欠片も無いが、彼の頭の中では別に何でもない事象のようで】
【つま先に乗った破落戸の腕を蹴り、死体をどけて手に入れた稼ぎをポケットに入れる】
【一連の行動に対して少女が何を思うかは彼に予想できることでは無いが、何が起こっても文句は言えないだろうか】
248 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/22(火) 22:17:03.30 ID:LOLIWHNP0
>>245

っ、……―――アーグは……強大な相手です。それに、敵は一人じゃない……
……現在あちこちに白い服を着た教誨師が出没して、その地域に猟奇殺人や悪魔崇拝が頻発しているのはご存知ですか?
彼らも、アーグの配下です。それも、利害の一致で行動しているのではなくアーグを心から信仰≠オています。
他にも強力な手下がいたり、魔術で死人を操ったり、強力な魔術を使ったり……―――非常に危険な敵なので御座いますよ。

―――もし貴女がアーグと敵対していると分かれば、容赦なく攻撃してくるでしょう。
力になりたいという貴女のお気持ちは嬉しいです。しかし、教会に関係の無い貴女までこんな危険な事に巻き込む訳には……

【マリアは迷っていた。―――彼女の力になりたいという気持ちは感じている。けれど、巻き込んでいいものかと】
【先も話した通り、アーグは己と考えが異なるものは全て排除しようとしている。女も子供も例外なく、だ】
【当然、敵対する意思を見せれば攻撃の対象になってしまう。こんな危険な事件の当事者≠ノなってしまうのだ】
【彼女は病弱だ。それに、この件とは何の関係もない。―――果たして、巻き込んでしまっても良いのだろうか】
【少女に向けられた複雑な表情が、マリアの心の葛藤を物語る―――】
249 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/22(火) 22:24:16.36 ID:NJ95QI+l0
>>247

【少女は首を横に振る。『何もない訳がない』という意味を込めて、少し親切そうな青年の言葉を言葉無く否定する】

血が……ある、から

【文末か細く消えそうな返答をする。これにはどうしようもない理屈が少女の体を抑えつける】
【そのまま去っても、証拠隠滅に少女を葬る。或いは、良心に沿って指摘したところで少女の手には負えない事態だという事実】
【財多くして流れる。身が衰弱する命に財(施し)は身(手)に負えぬ】

わたし、その、人、知らな……い
でも、見過ごす、のも……うぅ

【先に紡げぬ。逃げる算段を腹の中で見積もる気質にしては妙である】
【面倒事で命は落としたくないが、目の前の青年の人となりに興味がある……といった気持ちであった】
【好奇心猫を殺す。殺される理由とは恐らく『直接』求めるが故。そんな邪推も知らず、地に着いているはずの問い掛けが口を突く】

その……人、達……だれ……なの?

【返答を待つ少女は、間接的な何かしらの繋がりが青年とあるのかもしれない。その地雷原の如き好奇心が展開された】
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/22(火) 22:36:15.25 ID:8LW+NorN0
【路地裏。日々諍いが絶えることは無く、常に新しい血が古い血痕を上塗りしていると言い表しても良い其処】
【今宵も又罵声が飛び交って居るのだが――――奇しくも、その内の一つに女の声が混じって居るのが聞き取れるだろうか】
【もし覗いてみたならば、其処には修道女が一人居る事が知れる筈だ。攻撃的な赤色の髪――――その表情は、見るからに不機嫌である事を表していて】


「はァ?あんまり巫山戯た事ばかり言ってるとアンタの頭かち割るわよ
大体にしてね、アンタ等が束になって掛かってきたところでアタシには傷の一つも付けられない事位分からないの?

アタシがこうして優しく言っている間にさっさと――――チッ」

【大柄な男数人に対して、女が一人。多勢に無勢、所では無いのだが……女は勝ち気な態度を崩さず】
【それが癪に触れたのだろう。男の一人が殴りかかろうとするのだが――――展開はあっという間】
【殴りかかったはずの男が気付けば地面に顔を強く打ち付けていて、さらけ出した後頭部を思いっきり踏みつけられる、なんて状況】
【其れを見た残りの者達は恐れを成したか、慌てる様にしてその場から逃げ去ってしまい】


「ちょ、待ちなさ――――アアアアア!!もう!!アンタのせいで他の奴等全員逃がしちゃったじゃないの馬鹿!!」

【他の者達を取り逃がした苛立ちを気絶した男に全てぶつけることとなる】
【――――端から見たら異様な光景だ。何しろ、修道女が男を踏み続けているのだから】
【声を掛ければ鋭い視線が向けられるし、関わりたくないからと静かに通り抜けようとすれば肩を掴まれる】
【――――この場面に遭遇してしまったのが不幸。逃れる術は無く】







【何時もならば、静寂が支配しているであろう森の一角――――】
【太陽も月光も刺さない其処。ゆらゆらと揺らめくのは人魂の様な炎で、ピンと立てた指先に其れを宿して森の中を歩くのは、少女と女性の丁度中間の年頃の女】
【黒いローブと、とんがり帽子。所謂、典型的な魔女の姿で】


「ほんっっと、何処に行ったんだろ
幾ら僕の主だからといって、好き勝手されたらたまったモンじゃないさ
隙があったらあの頭をポカッと一発…………」

【愚痴グチぐち――――】
【件の“主”が居ない事を良い事に、連ねる言葉は不満の数々】
【……けれども、その主に勝てないのは理解して居るのだろう。だからこそ漏れる溜息】
【無理だよなぁ――何て呟けば、夜空へと顔を上げて】

【――――視界を遮るのは、一羽のフクロウ。まるで女に問うかの様に、クイッと首を傾げれば】


「お前、僕の主が何処に行ったか知らないか?
――――……そうか。知らないなら、いい。…………役立たず
……にゃっ?!こ、コラ!小便を引っ掛けようとするなァ!!」

【女の言葉を解したのか、ホー。と一声返す程度だったけれど】
【ボソリと呟かれた言葉は、流石に癪に障ったのだろう。バサバサと飛び立てば、まるで蝉のようにみみっちい攻撃】

【――一方の女。まさかの不意打ちに驚けば、帽子の隙間からピンと猫の耳を立たせて】
【焦げ茶色で、癖のあるロングヘア。其れに掛からないようにと、慌てて帽子を深く被るけど】
【静かな森――――騒がしい声は、よく通った事だろう】
251 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/22(火) 22:37:34.75 ID:cRTQlS0TO
>>249
【少女の言葉はどうにも要領を得ず、彼は少し頭に謎の塊を浮かべた】
【そして、か細いながらも今眼下に広がる血の海の源となる肉塊が一体誰なのか、いや、誰だったのかと言う問いに彼は快く口を開いた】

あぁ、こいつら?ちょっと近道しようと思って路地裏に入ったら絡んで来たから面倒だし‘さっ‘と
まぁただの物盗りかチンピラだろうな、良かったじゃない俺が先に来てて
もしかしたら君が絡まれてる可能性もあったかも……

【そんな風に冗談めいた事を口走りながら彼は淡々と説明を続ける】
【ただの物盗りかチンピラ、そんな事を言うお前自身がチンピラだろうと思うような光景でも頑として自分は何でも無いと言う姿勢を崩さない】
【それは最早一瞬たりとも動じない戦士の才とでも言うべきか、それとも単なるサイコパス、精神異常か】
【少女にはそれを判断する能力はあるのだろうか、眼前の者を危険かどうか判断する能力は……】

さって、と
君はまだ目的地遠いの?街の中心部への近道ならこの奥を右に曲がって、それから道なりに行けば良いよ

【そんな風に親切心からか、はたまた下心からか、道先を案内するように言葉を続ける】
【彼は剣の先で道の奥を指しながら、破落戸の死体を軽く蹴って道の奥へと片づけていく】
【他人に見られにくくするためか、警察に見つかりにくくするためか、まぁ当の死体は最早人かどうか判断するのも難しい程だが】
【そんな死体を軽く作り上げられる彼を少女はどう見るだろう】
252 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/22(火) 22:51:08.57 ID:mOyBQxM3o
>>250

【もし可能ならば、修道女の後頭部をぽかり、叩こうとするだろう】
【衝撃は殆ど無い、ダメージとも言えないほどの軽さだろう】
【けれどもその攻撃の気配は、強者たる貴方からしても捉えにくいもので】

【目の前の男に気が行っていれば、回避するのは難しいかもしれない】


め……なの、それ以上いじめるの、ダメなの


【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女がそこにはいて】

【足元には大きなバイオリンケースを置いて、それを大にして貴方の頭を叩こうとしたのだろう】
【貴方の視線が此方に向けば、バイオリンケースから降りて、両手で握る】
【白雪の頬が膨らんで、非難の目を向けているだろう、じとーっと】

【見た目は華奢で弱々しい少女であったが、攻撃の際の気配の消しかたは】
【ただものでない、と思わせるのに十分かもしれない】
253 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/22(火) 22:53:14.59 ID:NJ95QI+l0
>>251

さっ……と?

【その男が無下に扱う肉塊。命の気配は無い、さっと処した……という事である】
【理屈は分からないでもない、力ある者同士の戦いが無血で済むはずが無い事は少女も既知である】
【問題はその術。少女が制圧ならば男は殲滅。それでも普通の人の皮を被る彼は……何かしら異常な印象を受ける】

【男はその異常性を孕ませたまま、道案内を買って出る。少女が思う事は数瞬前と何も変わらない】
【軟派者ではなく、正気を捨てた『何か』と接触するような危うさで】
【返事の代わりに、質問を重ねようとする】

腕、切り落と、す……だけ、じゃ……不満、なの?

【少女も先の理屈からイデオロギーの異なる男へ質問をする。この少女もあまり正気とは言えない言動である】
【それは、男を人と見做さないが故の探り入れ。共感する言葉を捨てて男の立場を模倣する問い掛け】
【それが、この二人を分ける溝である。信用はドブから湧いて出る事は無い】

【死体から飛び散る筈の血飛沫の軌跡を見やり、青年の言葉を待っていた。返答次第では青年の気遣いに従うかもしれない】
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/22(火) 23:08:20.41 ID:8LW+NorN0
>>252
「――――ッ!!」

【その拳は狙い通り頭部を叩く事に成功する事とだろう】
【途端に既に伸びていた男への攻撃が止まり――――代わりとして、烈火を秘めたかのような双眸が向けられる事となる】
【隠しきる事の無い怒り。大凡の修道女が持ち合わせて居るであろう清楚の2文字などこの女には存在すらせず】

【批難の言葉に対しても「ふん」とだけ短く返して】
【又、少しの距離があるならば其れすらも詰める事となろうか】
【相手が少女であろうと関係は無い。自身の邪魔をする者は全て不機嫌にさせる対象なのだから】


「アンタねえ。どっかのお嬢さまだか何処ぞの箱娘だか知らないけど、見た者全てに手出ししてると痛い目見るわよ
こんな世の中じゃ殺されても可笑しくは無いし手足の腱を切られてソッチが趣味の富豪が集まる場所に売られたって文句は言えないの分かってんの?」

【清楚なんて文字は無いのだから、無論言葉にも品が無い】
【ずい、と更に詰め寄ったならば言い聞かせる様に――――では無く。寧ろ批難を返すかの様に】
【「こんな奴等に連れ込まれる事だってあるしね」なんて言葉を加えれば爪先で伏した男の頭を突っつき】


「――――大体にしてね、因果応報ってヤツよ
悪魔崇拝者。それも、どっかの宗教みたく他の宗教の神サマを悪魔に仕立て上げたんじゃ無くて本物のね
追ってたのが漸く捕まえられそうだったのに全部パア。……で、其処にアンタが弱い者虐めはダメとか良い子ちゃん振りをして来た訳

弱い者虐め?冗談じゃ無いわよ
これまで散々子供を攫って生け贄だ何だと使って嬲り殺してきた奴等に情けを掛けろとでも言うのかしら?
悪いけど、アタシはそんな心が広く無いわよ」

【其れはただ弱者に対して暴力を働いている訳でも無い、と】
【理由は言葉の通りなのだろう。何か文句でもある、とでも言いたげに眉を逆さハの字にすればそれこそまるで睨み付けるかの様に】
255 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/22(火) 23:08:58.88 ID:zmg9hfwp0
>>248

(迷っているみたいですが、私を引き入れる以外に選択肢はありません ……遅かれ早かれ、ね)

【マリアの表情が語る葛藤と疑問をほぼ完璧に読み取ったフウァル】
【彼女はそこに自分の性質を加味した時に起きるであろう、当然の帰結を描き出した】

はいそうですね、と引き下がれるなら楽なんでしょうね、きっと
ですが考えてみてください、私が“そういった輩”に遭遇したとすればどうなるのかを
もし貴女に会わずにそれを知らなくても敵対して、孤軍奮闘 ……なんて事は火を見るより明らかです
その時の私ってどうなっているんでしょうね、敵を全く知らずに戦って――

【どんな状況であっても助けられる人を見殺しにはできないと、どんなに不利であっても戦うだろうと】
【その結果訪れる結末も理解していた】

それに、敵対していないからといって私が無事とは限りませんよ
私とはまた別の意味で、フィール先生も放置しないでしょうし?

【自分の性質の他に、自分の知る限りのフィール先生から考えても同じだろう】
【先生が考えている事はわからない、だけど、似たような事なら前の世界であった覚えがある】
【「あいつら目障りだから潰してくれないか」そう言われ、魔剣を手に乗り込んで盗賊を叩き潰した】
【今回とは比べ物にならない位に小さな規模であろうが ――フィールには規模の大小なんて関係ないだろう】

【そして何よりも】

「あなたは病弱で何も出来ない女の子」なんて、そんな目で見るのはやめてくれませんか
それはいくらなんでも ――私を嘗め過ぎです

【儚げな、今にも散りそうな花のような少女の雰囲気が一転し、戦いに身を置いて来た者のそれに変わった】
【彼女が高めた魔翌力に呼応して吹き上がった旋風に、彼女が首にかけていた装飾が巻き込まれて吹き上がる】

何なら試してみましょうか、私が戦えるのかどうか
256 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/22(火) 23:11:02.50 ID:cRTQlS0TO
>>253
【少女の口から飛び出た言葉、それはまぁ少し意外と言える物だった】
【腕を斬り落とす、それが一般人の少女から出る言葉だろうか、ムービー等ではこういう場面では泣き叫ぶのが年頃の少女と決まってしまっている】
【怖いから助けを求める、そう言った人間的思考から外れた行動はその少女も少々異常性を持った何かかと思いつつ】
【彼は少女の言う対応の仕方について返答した】

不満とか、不満じゃないとか、そう言うのは別にどうでも良いんじゃない?
わざわざ向かってくる奴の腕だけを集中して綺麗に狙ってやる義理なんて無いし、適当に斬ったからあぁなっただけだろ
まぁ面倒くさくて棒立ちで相手したってのもあるんだろうけど

【そう淡泊に返す、それは自分がしでかした事だと言うのに何処か他人事のようで】
【どうにももう破落戸共には興味が無いようにも見えるか】
【面倒くさいと言っている割には未だに肘先から掌ほどの長さの機部とそこから先の刀身は健在なのだが】
【それは警戒心を怠らないよう身に沁みついた習性とも言うべきものだろうか、信用するには何よりも難しい習性】

で、結局どうするの?君もここに入って来てるって事は何か理由があるんだろ?
別にその理由を優先してもらって構わないし、強者を求めるとかそう言う類だったら面倒だけど対応くらいは出来る
まぁそんなに強くは無いが……

【少女の目的を問いながら彼は淡々と自分がどう動けるかを述べていく】
【先程の道案内と言い、彼は頭のネジが何処か飛んでいるのだろうか。それとも破落戸と少女は別に関係ないと言う割りきり故か】
【彼は腕の継ぎ目の少ない機械部を弄ると、悠々自適に少女の返答を待った】
257 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/22(火) 23:20:24.18 ID:mOyBQxM3o
>>254

【予想外の言葉に目を丸くするだろう、マリンブルーが静々と凪いで】
【言葉に詰まった、バイオリンケースを握る手が強くなった】
【悪魔崇拝者∞嬲り殺し=\―――――聞きたくもない言葉が一杯響いて】


……そうなの、それ以上やったら、死んでしまう、の
ソニアにはね、そこのおじさんが、どんな事してたかなんて、分からないの
でもね、悪い事したらね、ダメって言って、反省して、それでいいと、思うの


【ゆっくりと言葉が溢れる、聖女のように甘ったるい言葉を】
【糖衣に包んで、シロップをまぶして、それでも足りないほど甘い言葉】
【温室どころか玉に包まれて育ったんじゃないかってぐらいに、真っ白な言葉】

【プラチナブロンドの髪がなびく、柔肌が夜風に染められて】
【大きな瞳を真っ直ぐ向ける、そこには一つの迷いもなくて】
【白雪に髪の色を添えて、純粋を具現化したかのように】


それにね、修道士さんはもっとね、優しい言葉使ったほうがね、良いと思うの
ソニアの知ってるシスターさんは、すっごく優しい人ばかりなの


【物怖じせずに言葉を紡げる、ブラウスの姫袖がひらひらと揺れて】
【重たそうにバイオリンケースがふらふらするのを何とか支えた】
258 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/22(火) 23:30:42.33 ID:NJ95QI+l0
>>256

(こくこく)

【青年の殺す理屈に相槌を打つように黙って聞く。そうして青年に対する脅威判定を塗り替える】
【道理には叶うのである。適当に狙えば人は大雑把に死ぬ。それすらも了承しかねん虚脱感】
【仕事か、或いは習慣。暴れ回る敵を他人から守る為に制圧する少女とは対人への感情量が違う】

そう、なん……だ

【ただ一言で複雑すぎる思考に歯止めをかける】
【感情量の違いを意識したのだから、少女は忘れていた『何か』をする事に思い至る】
【それは、青年へ返答も兼ねて一連の流れに纏められる】

わたし、木花(このか)……片桐木花

近道、案内……とても、ありがたい……の……よろしく、お願い、しま、す

でも、後ろ、から……ばっさり……は嫌だから……

【青年の腕で駆動する刀に一瞥して木花も鞄の横から何かを取り出す】
【恐らく、どこぞの海上監獄で使われた対能力者手錠。余った片手には真っ黒な霧が凝縮し、薙刀形に像を結ぶ】
【臨戦態勢……先手ではなく相手の攻撃を狙う迎撃防御。その理屈を先の言葉に続けて】

わたし、も……警戒……するの

【青年の誘いに乗る事にした。能力と対能力手錠を用いた威嚇も兼ねて】
【青年に近づき、見上げる。小柄な木花からすればそうでもなければ顔も見えない】
【戦う気は無いが、相手から何かあれば応戦する気があるようだ。会話も途切れてしまったが、きっかけがあればまた会話を始める余地もあるかもしれない】
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/22(火) 23:41:07.40 ID:8LW+NorN0
>>257
「反省?そんな事が実際に出来るなら今の世の中こんな悪い事で溢れかえってる筈が無いじゃない
何でカノッサが居るのか。何で毎日毎日両手でも足りない数の人間が殺されてるのか
それが出来るならアンタがダメ、って言って世界を平和にしてあげれば良いんじゃないの」

【その言葉に対して、真逆の考え】
【無駄な行為であり、意味の無い事だと――――ただハッキリと言い放った】
【考え方の違いか生き方の違いか。その言葉の一つにも首を縦に振ることは無く】


「甘い考えは加害者を増長させるだけ。それで害を被るのはまっったく無関係な人
アンタの甘い考えで死ななくても良い奴等が何人死ぬんでしょうね

それで、当の本人はただダメの一言で終わり?
そんな世界なら、私は喜んで其処等辺の酒でも何でも奪っては怒られてまた奪っての繰り返しね」

【正義感が強い、とはまた別なのだろう】
【然れど現実主義者である事は先ず間違い無い。罪人は裁かれるべき。其れも、相応に辛い罰で】
【――――ただ。少女のそれ以上暴行すれば死んでしまう、の言葉には漸く冷静さを取り戻したようで】
【最後に一度だけ鳩尾を蹴って呻きとも悲鳴とも取れる其れを上げさせたならばそれっきり一瞥もせず】


「それはアンタの知っている世界の中だけでしょ。それをアタシにも当てはめないでよ
警察がみんな良い人で無いのと同じ。シスターの中にも腹が真っ黒なヤツも居るし一端の自警団よりも遙かに強いヤツも居る
アタシ自身がイレギュラーでも何でも良いけど、アンタが知らなかったならこれから知っておくべきね。こんなヤツも居るって

――――で。アンタは何で態々こんな所に居る訳?
ただ迷ったならこの馬鹿を牢屋に放り込むついでに表まで連れてっても良いしどっかの令嬢の反抗期で家出してんなら適当な宿にでも放り込んであげるわよ
嗚呼、そうそう。もし自警団ごっこでこんな場所をフラフラしてたんなら大概にしておかないと痛い目を見るとも付け加えておくわ」

【自分は自分。変えるつもりは無い――――それが、返答】
【細身ながらも軽々と男を担ぎ上げたならば少女へと視線を落とし】
【問うたのは、此処に居た訳。まさか路地裏を散歩……と言うわけでもあるまい、なんて浮かべて】
260 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/22(火) 23:45:55.81 ID:LOLIWHNP0
>>255

―――っ……、……しかし……

【事の大きさは十分すぎるほどに理解している。だからこそ、無関係な人物まで巻き込んで良いものかと】
【躊躇う気持ちも小さくない。掛け値なしに強いと言える夫ですら、危険な目に遭っているというのだから……】
【実力も未知数なうえに病すら患っているこの少女に、危険な道へと足を踏み入れさせるような事をさせてよいものか】
【彼女の立場上、出会えば対立せざるを得ない。その主張も分からなくはないが……】

……生半可な力では、アーグに太刀打ちはできません。
貴女が病弱で何もできないとは思っていません。ですが……―――己の力を見誤れば、死が待つのみですよ。

【マリアは、何よりこの少女の身を案じていたのだ。無力だとは思っていないが、如何せん相手が強大過ぎる】
【生半可な力で戦いに臨めば、命を落とす可能性すらある。そんな化け物を、果たして相手に出来るのか】
【―――彼女の力を、試すしかあるまい。アーグの相手をするに足る力があるのかどうか……】

【マリアはおもむろに立ち上がると、手に膨大な光の魔力を凝集させて剣を生み出した】
【太陽のようにまばゆい輝きを放つ光の剣―――その剣を構えながら、少女にこう声を掛ける】

―――私に、一撃浴びせてみなさい。……貴女の力を計らせてもらいましょう。

【―――構えには隙はない。何処から仕掛けられても即座に対応できそうな、凛とした気迫を保って】
【少女がどんな力をふるうのか、見定めようとしている―――】
261 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/22(火) 23:50:49.07 ID:cRTQlS0TO
>>258
【少女は納得したのか、していないのかよくわからないが恐らくは此方に向ける意識を固める事は出来たのだろうか】
【彼女は一瞬だけ頷き、そして、意外にも自己紹介をここで。自分が目的を聞いたのもあるのだろうがやはり少し変な少女なのだろうか、この男が言えた事では無いが】
【そこで聞いた近道案内と言う言葉、確かに今自分が道順を案内はしたが、何かを勘違いしているのだろうか】

何言ってるんだ?俺は口頭で伝えるだけでわざわざ歩いて案内なんかしないぞ
甘ったれるなよ、片桐ちゃん。ちなみに後ろからばっさりなんてする気は無い

【そんな時目に入った手錠、それはあの海上監獄で戦った時、報酬として貰えるものだったあの手錠だろうか】
【と言う事は彼女もあの海上監獄に居たと言う事か。それを持っていると言う事はつまりあの監獄で防衛側として戦っていたのか】
【だが、油断してはならない。もしかしたら、万に一つ、彼女が脱獄した側でその手錠は奪い取って来たものだとしたらそれは自分にとっては殲滅の対象】
【それを確認しない限りは彼女との会話をやめる訳にはいかない】

前言撤回、君はその手錠をどこで手に入れた
あの監獄か、君はあそこで戦っていたのか、それとも……あの教誨師の仲間か……

【彼は一瞬で口調を変え、少女に問いただす、薙刀も近づいてきたものも一切気にすることなく二の次で】
【彼にはその方が優先するべき事なのだ。もし奴らの仲間にここで会えたとしたらそれ以上の事は無いだろう】
【彼は瞳の鋭さを一瞬にして変え、少女を見つめた】
262 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/22(火) 23:56:08.29 ID:mOyBQxM3o
>>259

【胸に突き刺さる言葉だと思った、ただただ真っ直ぐな正論で】
【相容れない考えの持ち主なのかもしれない、彼女の言葉は虚空をなでて】
【朝焼けに溶けてしまう、細雪の残照に相違ないのだろうか】


違うの、ホントにね、やめてほしいって思ってる言葉は、きっと届くの
……それにね、ソニアは世界をね、平和にしようって、思ってるの
それってね、すっごく難しいこと、なの、ただ安全なとこからね、言葉をかけるだけじゃ、ないの

おねーさんみたいにね、ただ暴力するよりも、難しいことだと、思うの


【新雪の下にはまだ剥き出しの心が残っていて】
【貴方の激しい弁舌に、僅かばかり掘り起こされるのだろう】
【ゆっくりとゆっくりと辿る言葉には、少しの迷いもなくて】

【――――――ソプラノが滲ます反抗、おとなしそうな見た目に反した棘のある言葉】
【彼女はただ平和ぼけしたお嬢様とはまた違って、真剣に考えてるんだと言いたげに】
【染める言葉の温度に気づいたら、残暑が照りつける夏の夜風のように】


……おねーさんみたいな人でもなれるって、覚えておくの


【本質は其処まで言葉は達者ではないのだろう】
【論破されたみたいで、小さな頬をぷくぅと膨らませて小さく紡ぐ】
【見た目相応の幼い言葉、根本的な部分はだいぶ子どもなのだろう】


あんなに大きな声してたらね、嫌でも気になるの
ソニアはね、正義の味方だから、何かあったら、助けないとって、思ったの


【歯の浮くような言葉を紡ぐ、まるでお伽噺に焦がれる乙女のよう】
【紡ぐ言葉に躊躇いはない、心の底からそうであると信じてるみたいに】
【真正面から見上げる視線、睫毛が一回大きく呼吸をした】
263 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/23(水) 00:06:54.17 ID:fgbbcvg00
>>261

【青年が素気無くオーバーワークを拒否する。木花が少しむくれた気がする】
【確かに、彼が言う通り甘えていた。青年を只の水先案内人ではなく、盾として】
【それでも気分が良く無いのは、子供扱い……正確には子供として『侮った』ところであった】

【最後まで近づけず、青年が警戒を増す。先の口約束を破る勢いに見えて】
【それは手錠の事である。今迄に出さなかった理由も兼ねて、経緯を話す】

ナイン……て、囚人、に……逃げられ、て、気が……つい、たら……お金、と一緒、に置かれ、て……た

ここ、危な、そう……だから……

【さらに続ける。今度は疑問……木花が囚人と戦った状況を示す一言を言う】

教誨師……て、誰?

【青年の求める答えを悉く外す返答。無下に見える一連の流れの中に気の休まる要素は見当たら無い】
【離れて立ち止まる。木花の手に握られる手錠が、今は所在なさげに、歩く慣性につられてふらふらと揺れる】
【木花は、青年が暗に去れという態度を無視しながら返事を待つ。自分から興味が外れるまで……】
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/23(水) 00:16:29.04 ID:EGwGFwNi0
>>262
「――――なら、一生そうしてれば良いわ
殴られている時も四肢を切り落とされている時も、目の前で友達が殺されているときも
アンタはただ心から止めて下さいって言って居れば良い。…………気付いた頃には何も無いから
ただ呼吸できる肺があって、喋れる口が在って。だけど、空っぽ
アンタをアンタとして形成してた物は全て奪われてる。――――……それでも、アンタはただ止めて下さいって言葉を紡いでいれば良い」

【人は腹に入っている時から性格が作られている、なんて言うけれど】
【一番は、生きている中での経験であろう。幸せに生きていれば人を疑う事を知らず】
【逆に生きていれば相応の人格となる。何より、幸せであった人生が途中で崩“された”ならば――――】

【紡ぐ言葉は、今までの質とは異なり】
【例えるならば、其れは体験談を語る者に近いだろうか。激情の中の言葉とは異なり】
【既に知っているからこそ。既に体験しているからこそ、ただ淡々と語る事が出来る事実】


「……ふん。正義の味方が訳の分かんない加護を受けてるのなんか漫画やゲームの中だけよ
現実ではどっからか飛んできた鉛の弾で気付かない内に死んでるか、ナイフが腹に刺さっただけで死んでるわ
それはアンタも同じ」

【或いは別の修道女ならばその言葉に頷いてやり、優しい言葉でも掛けてやるのだろう】
【だけれどこの女は――――……ただ鼻で笑って聞き流すのみ】

【横を通り過ぎる最中、少女の後ろ襟首を掴もうとでもするだろうか】
【もし其れに成功したならば、ズルズルと引き摺る筈だ。まるで、親猫が子猫を何処かへと運ぶときの様に】
【そして、その時に反抗しようとすれば気付くであろう。膂力が並の成人男性よりも数段強い、と】


「――――悪魔狩りも出来そうに無いし、この馬鹿な男を尋問して終わりね

別に放って帰って次の日の死亡欄でアンタを探す暇潰しをしても良いけど、今日は乗り気じゃないから特別表まで連れてってあげるわ
反抗したらぶったたくわよ」

【良い人間、とは言い難いが悪人では無いのだろう】
【このまま放って置けば少女は更に路地裏の探検を続けるとでも思ったのか、適当な理由を付けて表へ連れ帰る――――その考えが、先の行動の表れか】
265 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/23(水) 00:26:35.97 ID:QLzU/rsMO
>>263
【少女の語る監獄での記憶、それは嘘か真かはわからないがひとまずはそれらしい理由にはなっている】
【危なそうだからその手錠を出すと言ってもそれを使う対象はほとんど自分なのではないだろうか】
【そんな事を考えていると彼女の疑問は又も此方へと飛んでくる】

何だ知らないのか、もう世界中で有名だぞあれは
あの監獄での一件からアーグの野郎が世界中に蝗のように撒き散らした連中だ、見つけたらどうにかした方が良い

【そんな物騒な事を言いながら、彼はひとまずは納得したようで剣を納め、腕を軽く捻った】
【彼の顔にあるのは期待外れの色、そして彼の興味は既に少女から消えていた】
【彼は少しだけ彼女に情報を明け渡してやろうと思ったのか、それとも単なる気まぐれか】
【彼は離れていく少女に向かって低い声で呟く】

あの監獄を襲ったのはアーグだ。そのアーグは今世界中で悪事を働いている
そんでそれに対抗しようって訳だ。まぁ個人的な興味だからなんだが、お前も気を付けた方が良いと思うぞ
その内何かが起こるんだろうし……

【それだけを言うと彼は少女の方向に一枚の小さな紙を投げ、路地裏の向こうへと歩いて行った】
【紙を投げた際に一言「俺の名刺、連絡すれば武器くらい作れる」と言って】
【彼は宵闇の中へと一人去って行った】

/日付も超えたのでここらへんで〆でよろしいでしょうか
/お疲れ様でしたー、絡みありがとうございました
266 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/23(水) 00:33:43.91 ID:y8leexp7o
>>264

【何となく分かった気がした、貴方の言葉が厳しいながらも真っ直ぐに聞こえる理由が】
【納得はできない、その部分では彼女と貴方の意見は違うのだから】
【けれども貴方がただの暴力を振るう悪い人には、どうしても思えなくて】


――――――……ごめんなさい、なの、ソニアね、言いすぎた、の


【零れ落ちる細雪の結晶の模様まで見えてしまったら】
【それはもう他人事には思えなくて、言葉が自然と口から零れた】
【淡々と語る言葉にこそ、よりいっそう深い意味があるように感じ取れて】

【しゅん、としぼむ表情、親に怒られた少女の姿そのままで】
【気づいたら襟首を掴まれるだろう、ズルズルとブーツが地面を擦った】
【わわ、と言葉が漏れて反抗するも、全然抵抗できなくて】

【小柄な体躯とはいえバイオリンケースをも持っている状態で引きずられる】
【尋常ではない力だと、彼女でも察することが出来た】


わわ……ぅ……ソニアね、ネコさんじゃないの……むぅ
反抗したくてもね、ソニアの力じゃ、無理なの

それに、おねーさんの力で叩かれたらね、ソニアひとたまりもないの


【さながら運ばれやすいように小さく肩をすくめる、硝子細工のように細くて】
【少しでも力に配分を間違ったら砕けてしまいそう、こんな身でよく正義の味方だと言えたものだ】
【背中越しに紡ぐ言葉、貴方の手に触れる長い髪は絹糸のような柔らかさで】

【冗談交じりの言葉、視線を向けてみれば、見上げる少女の頬に僅かな綻びが見えて】
【思わず緩む頬の柔らかさをそのまま表現したみたいで】
【視線があったならば慌ててソッポを向くだろう、まだ怒ってるのって言いたげに】
267 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/09/23(水) 00:40:55.72 ID:fgbbcvg00
>>265

よく、分から……ない、けど……ありが……とう!

【紙が渡される前にありがとうと言う。アーグという単語、行く先々で聞き覚えがあるみたいである】
【恐らく木花が最後に見た囚人の異変とも対応する単語。間違いなく手に余る】
【……元の世界に帰る前に死に至るレベルの案件であった】
【その言葉に対する警戒感を再確認して、それに対する謝辞を漏らした】

【投げ渡された紙を見て確信する。やはり彼は『仕事』をしていたのであった】
【彼の視線が外れて安堵し、腰が抜けて座り込む。木花も慣れない相手との接触で緊張していたのであろう】
【本質では疲れて座り込む形をとる。何れは一人で立って教えられた通りに歩いてやがて路地裏から脱出できるだろう】

【その時には手錠も薙刀形も握られていない。周りに埋没しながら、目的を果たす為に、一旦宿へ向かうのみ】
【ただそれだけの自分に向けた仕事を果たすのであった】

/了解しました
/こちらこそありがとうございました!
/お疲れ様でした
268 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/23(水) 00:48:09.22 ID:w6qlz4lT0
>>260

【フウァルとマリアの距離は5歩から6歩といった所だろうか、フウァルにとってはコンマ数秒もあれば詰められる距離だが】
【状況を把握しつつ袖口から刃を収納した二の腕程度の長さの棒を取り出し、遠心力で刃を出す】

(マリアさんの構えは防御重視でしょうか、持久戦は私が一番苦手とする所ですが ……って一撃を見るんでしたよね)

【仕込み刀に風の魔翌力を纏わせながら、どう攻めようかと頭の中で考える】
【マリアはフウァルを計り、フウァルは力になれる事を示そうとするが、マリアの隙の無い構えに攻めあぐねている】
【……などという状況と考えるなら、甘い】

(首掛けの装飾の魔翌力と、それが今“上空に吹き上がった”事に何も感じる所が無いのなら、鈍過ぎますけど――)

【流石にそれはない、“大きさと重さが自由に変化する魔剣”だなんてわからずとも、警戒はされている筈だとフウァルは断定する】
【万が一にも建築現場の鉄骨が落ちるようなそれが直撃してしまったら、マリアの鮮血による華が咲く事になるだろう】
【一応、直撃コースを避けるようにはしてあるが……】

(後方や左右に避けられたら風魔法を使って手元に戻す、避けるついでに距離を詰められるなら逃げつつ剣を取り寄せる ……といった所でしょうか)

【奇襲じみた手だけで勝てる程甘いとは思ってはいない、こんなものは避けて当然】
【避けられた場合の手札の10や20は用意しておくべきだ】

(近づかれないように風魔法で牽制して、近づかれたら“私自身を吹き飛ばして”距離をとりましょう)

【剣が無い状態で近接戦は無理だ、だからとにかく距離をとる、相手を吹き飛ばすなんて不確実な手段は使わない】
【フウァル自身の単純な速度は速度特化の能力者でもない限り追いつけない程度には速い、車両と並走する程度なら楽々できる位だ】

(奇襲そのものの成功率を上げる仕込みも色々とやってるんですけどね)

【例えば、仕込み刀に魔翌力を纏わせて“これが近接武器なのか”と思わせようとしたり ――実際に使えるレベルの魔法増幅機能や強度を持たせて、実際にこれを使う訓練も重ねている】
【他には、攻撃を行える程の風魔法をいくつか待機させたり ――牽制に使うつもりであるが、かなり殺傷力が高いものも混ぜてある】
【影とかから察知されないように立ち位置を調整していたり、均衡を演じたり ――魔剣の落下位置まで含めて、身体に刻み込むように練習を積み重ねておいたり】

(ここまでやって認めてもらえないなら ……どうしましょうか)
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/23(水) 00:51:27.76 ID:EGwGFwNi0
>>266
「だったら叩かれないようにこのまま大人しくしている事ね
別に大人しくしている分には叩く気もしないから」

【男一人に少女一人。加えて、バイオリンのケース。其れ等を一気に運んでいるのが第三者から見た女の姿】
【そこら辺の男よりもよっぽど猛々しいと言うよりも、そんな言葉を振り切って近づきたくも無い】
【現に、疎らに擦れ違う者達は視線こそ送るも一言も語りかけて来ようとはしない】
【――――顔の形が崩れた男と、返り血を浴びた修道女なんて構図が最も大きな理由かもしれないけれど】


「……何笑ってんのよ。このまま行き掛けにアンタを病院にぶち込んだ方が手っ取り早いかしら」

【視線を後ろに見せればその通りの表情】
【はてさてこの女はと言う笑顔を知っているのか、刺々しい言葉を投げれば勇ましく路地裏を進む事となる】
【素直で無い、と言えばそうなのだろう。でなければ何だかんだと理由を付けて路地裏から連れ出そうともしないはずで】


「それで……正義の味方だとか何とか言ってたけどアンタはどっかに所属でもしてるのかしら
まさかフリーの正義の味方だなんて言わないわよね。そんなんだったら失笑所か抱腹絶倒モノだけど」

【そのまま靴の音だけが響く事数分。元より、沈黙の空間であっても全く苦痛にならない人種なのだろう】
【ただ、思い出した様に紡いだ言葉。其れは、少女が所属している場所についてだ】
【夢見る少女か、其れとも本当に何処かに所属しているのか】
【――――何れにせよ、『甘いヤツ』なんて認識が覆る事は無さそうだけれど】
270 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/23(水) 01:05:10.72 ID:y8leexp7o
>>269

【ずりずりとすられながら、彼女は貴方のことに思考を傾ける】
【手段の差異はある、なんて暴力的で攻撃的なんだろうとも思った】
【けれどもその根本は、悪を憎む気持ちなのだろう】


……笑ってないの、こんなふうにね、扱われてね、笑う訳ないの
おねーさんもね、素直じゃないの


【零す言葉が依る風を溶かす、白いブラウスが揺れて細身が靡く】
【舌っ足らずの言葉はひなたぼっこする子猫にも似た、落ち着いた声で】
【小春日和の時に微か残る、細雪の名残にも見えて】

【小さく付け足す言葉の続き、ソプラノが届いたかはわからないけど】
【引きずられながら見上げる星はすごく綺麗で】
【ぼーっと見上げてたら、いつの間にか、うとうととしてて】


……すー……すー……っ……んぅ……


【紡いだ言葉に対する返答、見てみれば瞬きを溶かした少女が一人】
【呑気と言おうか、間抜けと言おうか、首根っこ掴まれて引きずられているのに】
【どうやらぐーすか、と眠ってしまったようで】

【肖像画にも似た端正な寝顔は、怒る気力も失せてしまいそうな表情で】
【親猫の胸で眠る子猫のような、安心感を其処に映していて】
【それでも両手のバイオリンケースは手放さない辺り器用である】
271 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/23(水) 01:24:04.62 ID:rzHxO2ZK0
>>268

【力になりたいという申し出は嬉しかった。けれど、生半可な力では要らぬ犠牲が増えるだけだから】
【せめて、自分の身を自分で護るだけの力はあるのかどうかくらいは知っておきたかったのだ】
【誰かが傷つき苦しむ姿を見るのは極力避けたい……なんて理由もあったけれど】

【ともかく、少女の攻撃をしっかりと見据える。彼女の持つ力がどんなものかを確かめる為に】

【因みに、マリアの方から攻撃を仕掛けるつもりはないらしい。】
【これは戦闘ではなく、あくまでフウァルの力を見る為に一撃を受けてみる……それだけの事】
【来たるべき本当の戦いに備えて、むやみに力を消費せずに温存しておきたいのだ】
【故に、マリアがフウァルに近づこうとしたりはせずにその場で攻撃を捌こうとするだろう】

―――落下する刃での攻撃、で御座いますか。……アイデアは悪くありません。

【冷静に落下する刃の軌道を読んで、数歩後ろにずれることによって回避する。基本の動作だ】

【「正面切っての攻撃ではなく、工夫を凝らすことによって効果的な一撃を食らわせようとする……」】
【尋常ではなく強力な相手にとって、その考え方はきっと有効だろう。けれど】
【これくらいなら避けられる。―――さて、次はどう攻撃を仕掛けるのだろうか】

【……見たところ、魔法も使えて戦闘も慣れているようだ。少なくとも全くの力不足という訳ではなさそうで】
【あとは、攻撃の重さだ。これが十分ならば、全く手も足も出ずに殺されるということはないだろう】
【「さあ来なさい」と言わんばかりに、なおもマリアは剣を構えて立っている―――】
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/23(水) 01:26:45.96 ID:EGwGFwNi0
>>270
「ちょっとアンタ聞いてん――――……ホント馬鹿なヤツ」

【間を作ったところで返答が無い】
【秘密裏の組織にでも所属しているのか、それともただ拗ねて応えたくないだけか】
【最終的には怒りの含んだ言葉を向けようとしたのだが――――それも、途中で止められる事だろう】


「言葉で全部解決する様な時代が来ればアタシだって嬉しいわよ
だけど、人間はそんな素直じゃ無いわ。…………そんな事、アタシが一番分かってるんだから
精々アンタの正義を貫いていれば良いわよ。アタシみたいにならないように大嫌いな神サマにお願いしててあげるから

……なんて。断罪人のアタシらしく無い言葉ね」

【小さな溜息を吐けば、諦めた様にそのまま歩き続け】
【やがてはその姿とて人混みの中へと失せるのだろう】

【さて、少女が目を覚ましてみれば先ず違和感を覚えるであろう】
【見上げれば夜空では無く染みのある天井だし、何よりも布団に寝かせられていて】
【ドアを開けた所で、此処が何処かの宿であると気付く事になるか】

【――――支払いをしようとするならば、此処に運んできた修道女が済ませたから必要無いと断られ】
【逆に、ある程度の金が入った小さな布袋を渡されるのである】
【理由を聞けば件の女が飯代として渡しておけ、とだけ言い残して去ってしまったのだとか】
【何であれ、教会の数も多ければ宗派も多くその女が結局は何者であったか知る術も無い。ただ一つ、布袋に刻まれた教会の名を除けば、だが】

/キリも良いので辺りでしょうか!お疲れ様でありましたー!
273 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/23(水) 01:43:00.91 ID:y8leexp7o
>>272

【目が覚めたら、お決まりの行動パターンを取るのだろう】
【そうして貴方の優しさに気づいて、ちいさくこえをもらしたら】
【布袋だけを頼りに、また歩き出すのだろう】


/お疲れ様でしたー!
274 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/23(水) 02:22:55.59 ID:w6qlz4lT0
>>271

【この魔剣の本当の力は重くなる事ではなく、むしろ軽くなる事だ】
【風魔法によってマリアの眼前に鋭角の軌道を描いた大剣を見て何を思うだろうか】

会話から奇襲という形なのでこういう感じにしましたけど、こういう使い方はあんまりしないんですよね
私のようなひ弱な筋力でも扱える重量武器 ……なんて矛盾した要素を兼ね備えてくれている、私にとってはとってもありがたい剣といった感じでして

【そう言って身の丈を二周りは超える大剣を下段に構えた】
【ちなみに、大剣のような重量武器を構える場合、正眼かそれでなくとも上段に近い構えを取るのが普通である】
【そう構えたほうが振り下ろす場合でもなぎ払う場合でも、位置エネルギーを使える分有利だからだ】
【しかしフウァルの構えは下段 ――これはこの魔剣だからこそできる構えだと言えるだろう】

あくまで私の力を計るだけ、ですか

【「さあ来なさい」とでも言うように剣を構えたマリアを見てフウァルは苦笑する】
【魔剣の特性を見た上でこの先がわかっていないのなら、少々頭が緩い】
【しかし、もしも“凌ぎきれる”と考えているのなら ――ちょっと自信を無くしてしまう】
【念の為に風の塊で刃を潰しておくが、マリアが後者である事を祈ろう】


行きますよ……っ!

【距離を空ける為に溜めておいた風の塊を使って距離を詰める、そこから繰り出される大剣の一撃はトラックの衝突を受けるようなもの】
【落下剣を避けた時のように後方に避けて防御しないなら≪ここから更に3倍程度に伸びた≫大剣に吹き飛ばされて仕舞いだろう】
【例によって、今の長さで一番威力の高い部分を叩き込むタイミングでそれをするつもりなのだから、落下剣の時に予想していない限り想像出来ない筈】
【腰の辺りの高さへのなぎ払いだから、避けるつもりなら飛ぶかスライディングか、スライディングならともかく宙へ身を投げたなら最悪だ】
【幼子がチャンバラごっこで振るう紙の剣の如く、容易に軌道を変える魔剣の返す一振りを叩き込んで終わりとなるだろう】
【防御しても同様の連撃に遭う、牽制程度の気安さで重い一撃がポンポン飛んで来るのだ、凌ぐ選択は容易ではない】

(懐に踏み込まれた場合の仕込みもありますし ――さて、どう対処するつもりなのでしょうか)
275 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/23(水) 02:35:59.99 ID:rzHxO2ZK0
//すみません、昨日と同じくらいの時間ですがそろそろ中断をお願いしてもいいでしょうか……!
//昨日とは違い今日は20時には来れると思いますので!
276 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/23(水) 02:59:03.72 ID:w6qlz4lT0
>>275
//もちのロンです
//しかし明日は私が早めに切り上げることになると思いますので、ご了承ください
277 : ◆iBPkBgx72E [sage]:2015/09/23(水) 07:58:04.45 ID:N6uBVq7ho
【深夜】

【多くの人々に忘れ去られた、深い森の奥に存在する墓場】
【そこに幾つかの影があった。亡者のように単調な動きで墓を掘り返す人夫達と】
【それを監督しているのだろう若者の姿。しかし、彼の肌もまた】
【死者そのもののように青ざめ、灰に近い色合いを持っていた】

【彼の衣服はいわゆる道士服。髪は傷んだ亜麻色で、肌には幾重にも縫い跡が見え】
【両手の十指には指輪が、そしてそこからは細い鎖が腕の方へと伸びていて】

まだ出てこないのか。早く戻らなければならないというのに…ッ!
この様な場所にレイナ様をいつまでもお留めするわけには……。

【――彼の背後。古ぼけた教会と、それから元は墓守の小屋だったのだろう】
【くちかけた小屋の窓からは明かりも漏れていた。暗い森のなかにおいて】
【それはぼんやりと、しかし唯一のまばゆい目印でもあった】
278 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/23(水) 12:41:17.99 ID:cn7V8Pg6O
>>277
【彼はその日、何を思ったか光すら届かない暗闇と陰気が支配する森の奥へと来ていた】
【目的は彼が今売ろうとしている、と言うよりかは宣伝しようとしている武器の試験運用。その最終調整のためだったのだが】
【彼はどうにも自分が来た場所を見渡し、そして一本の木の影に隠れるように腰を下しながら溜息をついた】
【まるで亡者の群れ、リビングデッド、もしかすれば本当にそれそのものなのかもしれない】
【そんな群れを森の中で見つけてしまったからには溜息をつくだけでもマシだと思いたい】

(まさか人気を避けてこんな場所を選んだら人ならざる者とご対面とはな)
(もうちょっと落ち着いた場所は無いのかね……)

【現状に文句を、社会に望みを、彼は幾分か落ち着き払った心境で次に行う事を考えていた】
【そんな時に聞こえてきたのは恐らくは奴らの指導者らしき者の声、その中に混じる「レイナ」と言う言葉】
【信じたくは無いが、今目の前にある建物の中にあの半不死の口から出たレイナと言う者が、邪禍から教えられた魂を操る能力者が居ると言うのなら】
【これは願ってもみない幸運なのではないだろうか。今この場で探りを入れれば何かと此方に有利になる】

さて、と……そうと決まればちょっと移動だな……

【そう小さく呟いてから彼は危険を承知で木の影から走り出た】
【時間にして約四秒ほど、彼は横にある少し大きな木の影に入り込んだ】
【古ぼけた浅黒い外套に身を包み、淡く黒いシャツとアッシュグレイのパンツを着た青年はこの暗闇の中では視認しにくさもあるだるか】
【だが、この静かな森で移動する者があるとすれば確立は五分と五分】

【指導者らしき青年か、はたまた動き続ける空虚な者共か】
【彼を見つけたとすればどう出るだろう。今はそればかり考えていた】
279 : ◆iBPkBgx72E [sage]:2015/09/23(水) 17:47:03.76 ID:N6uBVq7ho
>>278

【亡者たち――人夫だが。彼らについては、小さなうめき声こそ上げるものの】
【異変、或いは獣の立てたような音に対しての反応は薄かった】
【あくまでも穴を掘り続ける。墓を暴くことに全てを注いでいるらしく】
【自意識や戦闘力は低いように思える。だが、その一方で――】

……誰だ? 獣、にしては影が大きかったが…――ッ!

【ジャラッ≠ニいう音と共に、青年の手元から細いチェーンが伸びてゆく】
【向かう先は無論、人影の動いた木。鎖の先には先の尖った四角錐が付属しており】

【飛ばされた、或いは自在に動くらしいそれは真っ直ぐに気の反対側の空間を貫こうとし】
【仮に空を切ったなら――そのまま鎖は大木にぐるりと絡みつき】
【続いてミシッ!≠ニいう音を立てる。何か、問われれば】
【それは無論、木を引っ張る音だった。獣ならは影から飛び出して逃げるだろうし】

【――そうでなければ? 鎖を使役する青年の力は、そう強くないと見えたが】
【不可思議な動きをする鎖はまた別だ。千切れる様子もなく、ギリギリと鎖は張り詰めることだろう】

/気付くのが遅れて申し訳ない!ちょうど外出しておりまして……。
/連絡の方も了解です。当方も夜は空いておりますので
/そちらの手が空き次第、改めて再開できれば、と。
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/23(水) 18:58:10.30 ID:sNu0aNHu0
>>242で待ちたいと思います
281 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/23(水) 19:03:42.23 ID:rzHxO2ZK0
>>274

【見た目は大男でもないと扱えないような重量がある大きな剣なのに、少女でも扱える―――それが彼女の剣の特性だという】
【構えを見れば、下段……本来なら、機敏に動くという面では五行の中でも劣るとされている構えである】
【剣先を下に構えるため、打突の際は剣を大きく動かさねばいけない。大きく重い剣ではそれは難しいといっても過言ではない】
【しかし、彼女はそれを可能にしている。―――重さなど、まるで感じさせないような動きで】

(―――速い……っ!)

【あっという間に距離を詰められる。彼女の動きは重さとは無縁だ……目にも留まらぬ程に、速い!】
【見た目からは予想もつかない瞬発力。侮っていた訳ではないが、予想外の速度に思わず目を見張る】
【が―――マリアとて其れでやられてしまうほど軟弱ではない。伊達に騎士として戦っていた訳ではないのだ】

<<Transitus magicis――Virgo Celestia>>!!

【剣戟が叩き込まれようとするその瞬間、マリアは短い呪文を詠唱する。―――すると、次の瞬間】
【刃を生み出していなかった左手に 七色に輝く大きな盾が召喚され……重い斬撃を受け止める】

【―――この時、フウァルは不思議な体験をする筈だ】
【重い斬撃を繰り出したにも関わらず―――全く、盾に当たった時に衝撃が生まれないのだ】
【続く牽制の連撃に関しても同様。いくら攻撃しても、盾で防がれる限りはまるで手応えがないだろう】
【攻撃を凌ぎ切ったところで、マリアは少しだけ自慢げににやりと笑う。「私もなかなかやるでしょう?」と言わんばかりに】

ふふっ―――手ごたえがなくて驚いたでしょう?
この盾は、魔力を込めることで物理的なエネルギーか魔力のどちらかを完全に打ち消してしまうものなのですよ。
その剣が貴方の切り札なら……私の切り札は、この盾です。

―――ですが、貴女の一撃はしっかり見させてもらいましたよ。
あんなに早く力強い一撃を繰り出せるとは……正直に言うと、思っておりませんでした。
……貴女の実力を、認めましょう。ちゃんと自分の身を護れるだけの力を持ち合わせているようですから―――

【実力は十分に感じた。盾で物理的なエネルギーを打ち消しはしたものの、斬撃の速さや重さは特筆すべきもので】
【これならば十分に戦えるという確信は得た。―――ならば、もう無用な戦闘はする必要もなかろう】
【マリアは魔力で作った剣や召喚した盾をその手から消しながら、小さく頷いてフウァルにもう十分だと声を掛け】
【その上で、一つだけ念を押すように語り掛ける。戦ううえで、最も注意して欲しい事を―――】

お力添えして戴けるのなら嬉しいです。ですが……くれぐれも、あなた自身の無事を優先されますよう。
敵は大げさではなく化け物じみた強さを持っています。どうか、己の身を護ることを第一にしてくださいな。

【実力は知ったが、それでも尚少女の身を案じる。マリアという女性は、きっと単純に人が傷つくのが嫌いなだけなのだ】
【夫の身を案じたり、フウァルになるべく傷つかないようにと願ったり……それが彼女の性格なのだろう】

//お返ししておきます!
282 :マリオン・リヴァーズ ◆Oo..Ykgy2o [sage saga]:2015/09/23(水) 19:51:50.26 ID:vijNzN5po
【路地裏】

【――じとりとした蒸し暑さの中。冷たい銃声が、今まさに夜空に轟かんとした断末魔をかき消した】
【暗い闇の中を蠢いて、数人の人影が現れる。ずる、ずる――という重たいものを引きずるような音がしばらくの間続き】
【やがてそれらが聞こえなくなったころ、「仕事は終わりだ、先に帰ってろ」という投げやりで退屈そうな男の声が路地に響くだろう】


………はー、にしても最近は小物ばっかでつまんねェぜ。
オマエがこんなに必死に呻いてるのに助けも来ねェし、かっわいそうに。
ひひッ、正義の味方の皆様方も残暑にやられて疲れてんのかもしれねーなぁ?


【続いたのはくだらない愚痴と皮肉だった。なんとも気だるそうな声色ながら、どこか凶暴で危険な臭いのする口調――】
【発言者は若い男だ。目を痛めそうに鮮やかな橙色の髪、長い前髪の隙間からは泥のように濁った青色の瞳を覗かせた、いかにも気性の荒そうな雰囲気で】
【ライダースジャケットにダメージジーンズ、シルバーアクセサリーをいくつも身につけた、いかにも粗暴そうな服装に身を包んでいる】


さーてと……そんじゃあマジでどうしたもんか。
オマエは別にターゲットには指定されてねェが――まあ、使いようによっちゃあ退屈しのぎにはなるだろ。
んじゃ、せいぜいいい声で鳴けよ? オレを楽しませてる間はまあ、たぶん生きていられると思うからよォ……。


【――その男の足下。鉄の臭いを発する赤い二本の線が路地の奥の方へと続いている。すでに誰かが、闇に食われたかのように】
【そして反対側の壁には、両手足を縛られ猿ぐつわをされた女性がもたれかかっていた。そちらはまだ生きている、少なくとも今は】
【ちゃりん、と。男の耳元で"金十字"を象ったピアスが小さく音を発した。金色の狂信を称えた死神の鎌が、静かに首をもたげた】

【心底下卑た笑顔と共に、女性へと男が近寄っていく。その一歩ごとに、女性の相貌に浮かぶ絶望の深度も増していって――】
283 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/23(水) 20:01:45.70 ID:mo3fjOAhO
>>279
【突然に此方へと飛び込んで来た鎖のような、恐らくはあの青年の武器なのだろうか】
【彼は視界に飛び込んだそれを回避するべく、その場から上空に突発的に飛び上った、何度か木を駆けるように勢いをつけながら】
【そのまま十数m程の木の中腹に背部から伸びた細く鋭い腕程の長さの機械的な翼が木に食い込んで彼の身体を支える】

(何だよあれは……邪禍はあんな奴が居るなんて一言も言ってなかったぞ……)

【心の中で小さく愚痴を零しながら彼は少しずつ悲鳴をあげる木に更に背部からのそれを食い込ませ、周囲を伺う】
【幸いにもここは森、周囲には飛び移れそうな木は無数にあるが】
【ここで飛び移ったとしてあの青年に見つかってしまう確率が高まるだけだろうか、それならばと】

【彼は今着ている外套を左手に持ち、前方、青年達から視認できる程の場所にそれを投げ捨てる】
【もし青年が其方に気を取られたならば更に別の場所に隠れに動くか、それを瞬時に処理されたとすればここからは動かないか】
【どちらにしても、此方が動きにくい事に変わりは無かった】

(さて、どうくる……用心するに越したことは無いからな)

【彼は片足と翼で身体を支えたまま右腕の剣を開放する、それは肘から掌までを手甲のように機部が包み】
【その先から彼の身長よりも少し短い程の紅い諸刃の剣が伸びる】
【その際に少々の光が生じるが、それに最大限気づかれないように木と自分の身体で挟み込んだ】

/今戻ってきました。それでは再開させていただきます
284 : ◆iBPkBgx72E [sage]:2015/09/23(水) 20:28:28.68 ID:N6uBVq7ho
>>283

……服…、……。……そうか、"ヒト"だな?

【放り投げられた外套は、視界に入るやいなや別な鎖に貫かれた】
【これで二本目。細い鎖ではあるが、非常に長く伸びていて】
【何よりその動き、変幻自在。貫いた服を興味なさげに地面へと放り捨てた】

【服を捕らえるまでは早い――木の陰から飛び出し逃げるだけの余裕はないだろう】
【実際、青年の視線は大木をただ睨んでいた。鎖は木を傾けるが】
【倒すほどのパワーは無いらしい。二本目の鎖を揺らしながら、木の向こうを透かし見るように睨み】

……誰かは知らないが、隠れていないで出てきたらどうだ。
そのまま素性を明かさず沈黙するようなら
私の鎖が貴様の身体に10の穴を空けるだろう。

服を着るだけの知能があるなら……言っている意味は分かるはずだな?

【ジャララッ≠ニいう音が連続した。金属同士の擦れ合う音だった】
【青年が両手を大きく開く。指輪から伸びる細い鎖が、計十本】

【その全ての先端には先の物と同じような鋭い重りが接続されており】
【かつ、そのいずれもが生きた蛇のように動いていた。射程も全て長いらしく】
【つまりは――脅しだ。出てくるか、強引に炙りだされるのがいいか】

【――鎖の威力はどれほどだろう。全力で放てば、或いは大木の幹すら貫くかもしれない】
【かつ、その反応速度の凄まじさは服を捉えた際で証明済みだ】
【飛び出して逃げるのを試みてもいいだろうが――結果がどうなるかは、分かるはずだった】

/はいなっ!改めてよろしくお願いしますね〜
285 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/23(水) 20:48:47.37 ID:mo3fjOAhO
>>284
【やはりか、と少々残念がりながらも彼は外套からボロ布へと変わった物を一瞬だけ見やり】
【彼は身体を支える足と翼に力を入れ後方へと飛び退いた、直後大木を貫いた鎖を彼は翼を最大量まで開放し弾く】
【両肩甲骨付近から腕程の翼骨が伸び、その先には中型のシールドソードと平切っ先のバスターソードのような翼が現れ、彼の身体を支えながら墓場の方向へと向きを変えた】
【そのまま墓場の端に降り立った彼は、放り棄てられた外套を足元から蹴り避けると、青年へと向かって口を開いた】

どうやら10の穴を開けるのは失敗したみたいだな……
それで、このままどうするつもりかな?俺はただ単に通りすがっただけなんだけど……

【シラを切るのが下手糞か、と言われればそういう訳では無い。元よりシラを切る気は無い】
【このままレイナと言う名前を出して突っ込んでやるのも思い切りが良いかもしれない、だがそんな事をしてはこの青年がどんな反応をするか】
【ここは眼前の青年とやり合った方が正解だと踏んだのか、にやつき笑いと共に青年に叫んだ】

ここら辺で何処か泊れる所は無いかな?道に迷ってしまってさ
丁度良く建物が見つかった物だから……ねぇ?

【些か無理があるが、それでも彼は青年へのにやつき顔を崩さない】
【そのまま少しずつ少しずつ青年へと歩み寄って行く。右腕の剣は健在で、すぐにでも振るえるように半身の状態】
【青年がこのまま鎖を振るってくると言うのならばすぐにでも行動に移るが果たして】
【それとも動き出すのは青年だけでは無いのだろうか……】
286 : ◆iBPkBgx72E [sage]:2015/09/23(水) 21:06:21.89 ID:N6uBVq7ho
>>285

【姿を見せた相手に対しても警戒は解かない。10の鎖は青年の周囲に浮かび上がり】
【何時でも相手を狙えると言うように鋭い錘を向けたまま】
【薄灰色の瞳で相手を睨み、どういった武装で、出で立ちか。それを見極め】

……通りすがっただけなら帰るが良い。
私もそこの者たちも、この周囲の事など知りはしないのだからな

加えて言えばそこの教会も廃墟……野宿でもすることだ。
それと一つ言っておく。止まれ=c――聞こえたな?
忠告を聞くなら見逃そう。だが進むのなら、次は間違いなく"貫く"―。

【にやついた顔とは対照的に、真剣そのものの表情でそう告げた】
【こちらへ来るな、寄らば[ピーーー]。濃い灰の顔色や縫い跡がその凄みを増していて】

【事実――もし相手が足を留めなければ、容赦なく鎖は打ち出されるだろう】
【その速度は先程のそれよりも圧倒的に早い。注視しなければ目で追うのも難しいほどだ】
【最初は右太腿、次は左太腿。両脇腹、横隔膜付近。心臓、肺、喉。そして両目】
【全身の急所を狙った十連続の刺突攻撃が繰り出されるのだ。――従わなければ、だが】
287 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/23(水) 21:18:21.25 ID:w6qlz4lT0
>>281

(防ぎきられた、か、防御ごと吹き飛ばすつもりだったのになぁ)

【今まではそうやってきた、フウァルが今まで倒してきた相手の殆どは彼女の思惑通りに吹き飛ばされている】
【マリアがそうならなかった理由はあの盾が原因だろうとフウァルは考え、それは正解だった】
【物理、魔法、その内片方のエネルギーを吸収する、元の世界には無かったタイプの防御

あはは、何ですかその反則じみた盾 ……私の魔剣も大概といった所ではありますが

【そう言いながら魔剣を装飾大に戻し、襟元から取り出した紐で括り首飾りにする】

魔剣は切り札というよりも“戦いにさせない為”の開幕ぶっぱなんですけどね

【『切り札なんて一枚も切ってない』とまあつまりは負け惜しみである、あわよくばまともに一撃を叩き込んでしまう算段だったのだから】
【だが嘘は言っていない、開幕ぶっぱを切り札としないのなら ……彼女の切り札の内二枚は今回、使ってすらいない】

自分の身を守る事には異存ありません、火が消えるまで降りかかる火の粉を払い続けるより、大本の火を消してしまった方が早いというだけの話ですし

【今のフウァルが戦う理由の殆どはそれである、守りたいものや失いたくないものはあるが、自分が守る必要がある程弱くない】
【今回ムキになって軽く剣を交えた理由もそこにあるのかもしれない、本当の戦いにはいつも置いていかれていたから ……だから今回はとムキになった】
【フウァルはそれを理解し歯噛みする、あぁ、自分はなんて――】

認めていただけたのは幸いですが、何か悔しいですね
これ以上やってしまったら本格的に戦う事になってしまいますし、戦闘狂扱いを受けたりするのもなんですし

【模擬戦ですらなかったが、力及ばなかった、認めてもらえたとしてもそれは変わらない】
【彼女の盾に関しても一応の攻略法は見つけたが、今の自分に実行できる内容ではない】
【しかしそれでも一つわかった事がある ……これで少し驚かせられるだろうか】

それより先程作っていた光の剣、あれ結構自由に形が変わるんじゃありません?
288 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/23(水) 21:25:02.46 ID:mo3fjOAhO
>>286
【青年の忠告を一応は聞き入れる事にしたのか、彼は更に数歩歩いてからその場に止まった】
【だが、それだけで引き下がる気も無い。ここはまだ少し粘っておくかと彼は青年に返答する】

ここで何か働いている癖してここの事を知らないのか?奇妙な連中だな
それに……どうやら墓を荒らしているようだけど?おたくら全員まともには見えないな……

【そう挑発するような顔で青年い問うと、わざとらしく周囲を見渡す仕草をする】
【最低限の注意は鎖と青年の方へと向けて、彼は向こうの教会と小屋へと視線を移す】
【少しだけ右足を引く、気づくか気づかれないかギリギリの所で彼は今すぐにでも戦えるように準備を始めた】

それに少しだけ聞こえてしまったんですけど、知り合いの名前が聞こえましてね
どうやらあの小屋に人がいらっしゃるようですけど?
レイナ様……そう仰ってましたよね……?

【彼は鎌をかけるようにそう低く呟く、それは自分が持っている鍵の中でも最上級に匹敵するもの】
【命を失いかけて手に入れただけの事はある。何らかの効果はあると期待したい】
【もし此方に攻撃を仕掛けてくるならば、と彼は翼の出力も上げ始め、少しずつ緑白色の光子が舞い始めた】
289 : ◆iBPkBgx72E [sage]:2015/09/23(水) 21:41:33.79 ID:N6uBVq7ho
>>288

まともじゃない……だとしたら、何だ?
このような時間に、この様な場所を彷徨く男が言う台詞でも無いだろう
『まともじゃない奴』を相手にしておきながらその顔…―。

……マトモじゃないのはどちらか、知れたものではないな

【冷酷に相手の一挙一動を注視し続けながら、挑発に挑発を返す】
【しかし――表立った冷静さは一挙に崩れ去る。その理由はただ一つ】
【レイナ≠ニいう名前を、彼が知り合い≠ニして出したことだった】

【――彼が呟くように放った言葉の直後、10の鎖は先に狙っていた通り】
【足を止めた相手の、全身の急所を狙って撃ち放たれる。】
【そこに躊躇や遠慮は存在しない。フェイントですら無い、本気で相手を[ピーーー]ための一撃だった】

……あの方に『知り合い』などは存在しない。
貴様が何処でその名を知ったのかは分からないが…――。

私は……常にそのお側に居た。そして貴様は一度も出会ったことが無い
だから『知り合いなどという者はありえない』…――。
……詮索は身を滅ぼすということ、まさしく身を持って知るべきだ

【相手が攻撃を受けても、避けても。冷たい怒りに満ちた青年の声はそう返す】
【しかし怒りはあったも油断がない。恐るべくは、その身を律する冷静という心根だった】
290 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/23(水) 21:49:57.32 ID:rzHxO2ZK0
>>287

良かったです、それならもう私が心配することはありませんね。
……宜しくお願いしますね。これ以上、罪のない人々が傷つけられないよう……力を貸してください。

【「自分の身の安全を最優先にする」。この事に同意を得ると、マリアはホッとしたような笑顔を見せて】
【改めて小さく頷いてから手を差し伸べると、握手をしようとする。澄んだ瞳で、彼女を真っ直ぐ見据えて】
【手を握られれば、約束は交わされる。打倒すべき悪の為に、今なお遠く離れた夫の為に、共に戦って欲しいと】
【強大な敵を前に、戦う力は一つでも多いほうがいい。きっと、来たるべき戦いの際には頼りにするだろう―――】

【そういうことで、一先ず彼女との力試しもおしまい。力が分かった以上これ以上戦う必要なんてないだろう】


ふふっ……私の力が護る事に特化していただけの事で御座いますよ。
私は、主人と結婚するまでは守護騎士をしておりましたから……護る事だけは得意でして。
決して貴女の力が劣っていた訳ではないと、私はそう思うので御座います。

【敵わなかったと悔しそうにする彼女に、マリアは「自分はただ防御が得意なだけ」と謙遜したような笑顔で応じる】
【守護騎士として、ずっと子供たちや街の人を護っていた―――それなら、この防御能力も頷けるか】
【そんな会話をしていたマリアだったが、唐突に剣の事を言い当てられて少し驚いたように目を見開く】

―――そうですね、ただ魔力を集めて形にしただけですから……形は自由に変えられますよ。
でもどうしてそれを?私は一度も形を変えておりませんが……
291 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/23(水) 21:59:20.40 ID:mo3fjOAhO
>>289
【「まぁそうだろうな」そんな風に思いながら彼は両の翼を自身の前面に展開する】
【元より縦横共に巨大な二層の翼、大剣としても大盾としても利用は可能、地上ではの話だが……】
【その翼によって彼は鎖を受け止める。そのまま後方へと飛び退いた】

何だ、割と直情型だな。もうちょっと冷静な人間だと思ったんだが
いや、もしかしたら人間ですら無いのかもな……なぁそこの所どうなんだよ?

【彼はそう言い放つと、反撃とばかりに無数の鎖に向けて右腕の剣を振るう】
【紅い刀身に緑の光子、それらが折り重なった極小の刃の群れ、星雲にも似た其れは薄い斬撃となって飛び立つ】
【狙いは一つ、青年の本体を斜めに両断する事、避けるか防ぐか、どちらにしろ何もせず受ける事は危険だろうが……】

ただまぁお前が常に傍にいるって事は良い情報だったな!
つまりは今ここに……そのレイナ様が居るって事だ!

【彼は青年の言葉からそう結論付ける、可能性は百では無いがそう考える分には良いだろうか】
【墓の影に入りながら彼は走り始める。目的は一つ、小屋への接近】
【このまま青年が彼を近づけるとは思い難いが、実際どうだろうか……】
292 : ◆iBPkBgx72E [sage]:2015/09/23(水) 22:12:21.64 ID:N6uBVq7ho
>>291

【防がれた鎖は即座に引き、青年の周囲を漂うように構え直される】
【先端の錘は潰れも欠けもしていない。どうやら硬度は相当らしく】

【反撃に打ち出された無数の斬撃。鎖を壁のように絡めながら展開すると】
【鋼鉄よりもなお固い重鎖の鉄壁が完成し、金属の擦れる音を発しながら】
【斬撃の全てを見事に防ぎきってみせた。――決して見た目だけの相手、ではないらしく】

私の事など知った事か。貴様は敵だ、武器を抜いた貴様はな……ッ!
何処のネズミだ?あの女……マリア・シャリエール、か……
……それとも、あのリリーとか言う冒険者かッ!

【即座に解かれた鎖の壁。五本のチェーンは再び大きく宙に展開し】
【直上、右上、左上、右下、左下。星形に枝分かれして相手を貫こうと迫る】

【――が、これはブラフ。無論避けなければ相手の身体を貫き得るが】
【よくよく青年の足下を見れば、残った五本の鎖が地中に沈んで居るのが分かるはずで】
【ちょうど上空から迫るチェーンと時を同じくして、相手の足元から】
【土を掘り進んだ五本の鎖が、槍衾の如く相手を貫こうとするだろう】

【そして青年の立ち位置だが、これは変わらない。背後には小屋だ】
【決して退く気はないらしく、回避の動作を取る素振りすらしていなかった】
293 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/23(水) 22:28:26.28 ID:mo3fjOAhO
>>292
【迫る無数の鎖、だがそれは上空に飛び上る事で回避した】
【だが、上空を飛んでいる状態では此方も攻撃の幅は狭められる、とすればやはり地上戦と空中戦を織り交ぜるしか無いか】

はっ、地中と空中の同時攻撃か、俺よりも器用な事をするじゃないか
よくやるよ、だが……

【彼は即座に地上に降りると再び青年に向けて、だが狙いは青年では無い】
【幾つかの斬撃を青年の後方の小屋へと向けて撃ち放った。それは青年への挑発も含めるか】

武器を抜いた?先に攻撃してきたのはどちらだったかな!?
他人を鼠呼ばわりか、よく出来た飼い猫もあった物だな!だが、俺が名前を聞いたのはそのどちらとも違う……
半不死の女性とだけ言えば良いかな?それだけだよ……

【恐らくはあのアーグとも関係深いあの半不死との戦闘、そこで得た情報はいつどんな時でも意味を成すか】
【彼はそれを叫ぶと三度墓石に隠れる、そのまま墓石越しに青年に向けて斬撃を放つ】
【同じ方向に向かっているとは言え、少しだけタイミングをずらした斬撃、対処しきれるだろうか】
【退く気が無いのは向こうも此方も同じようで、彼の瞳は臙脂の光に満ちていた】

294 : ◆iBPkBgx72E [sage]:2015/09/23(水) 22:43:23.80 ID:N6uBVq7ho
>>293

【最初に上空から相手に迫った鎖を大きく引いて】
【そのまま再び大きく絡め、小屋への斬撃を防ぐ盾を作り出す】
【規模は先の半分ほどだが心なしかより堅固で緻密な重鎖であるように思え】

半不死の女、だと……ッ!奴か……面倒な真似を…ッ、く……!

【小屋への攻撃は全て防ぎきる。鎖の動きすら機敏に思えた】
【しかし――青年自身への攻撃の対処は、いささかお粗末とも言えた】

【意識の割き方の違いだろう。致命傷などは無論、交わしていたが】
【地中に潜らせた鎖を引き戻して防いだにしては傷も多い】
【もっともパックリと裂けた頬の肉からは血が滴らず】

ネズミだろう……? コソコソと嗅ぎまわり、そして逃げて、隠れる。
薄汚さで言えばドブネズミと良い勝負だ、が…――。
…――いつまでも逃げていられると思うな、クズめ…――ッ!

【相手の斬撃が止んだ隙を付くようにして鎖を大きく動かしてゆく】
【動くのは五本、青年の防御に使われたもの。それが手近な墓石に巻き付くと】
【重たげに、しかし力強く空中へと引っ張りあげて――投擲】

【相手の隠れる墓石へと、同じようなサイズの墓石を投げつけるのである】
【単純な話だ。隠れる場所を消してやろう、そのまま潰してやろう】
【そういった魂胆に違いない。幸い、というか――この墓所に、そう墓石は多くなく】
【逃避行を続けるにも限界があった。加えて、亡者たちもにわかに動き出し】
【土を掻き出す動作を止めて、各々がシャベルを手にし、相手の退路を塞がんと迫っていった】
295 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/23(水) 22:50:51.65 ID:w6qlz4lT0
>>290

簡単な話です、力や不定形のものを集めて作ったものは容易に形を変える、私の友人がやっていたし、私にも出来る事

【そう言って風の剣を形作る、魔剣を振るう方が手っ取り早く威力もあり、戦法を絞ってしまう為使うことは少ないが、不可視であるこれはかなり厄介な代物だろう】

友人なら水で同じ事をやります、その経験からですかね ……後は勘と『もしそうなら戦い辛いなぁ』とか『私ならそういう武器を持っておくかな』と考えた結果です

【身体が弱い彼女にとって一番厄介なのは“避けにくい攻撃”だ、それに対する勘や思考は常に巡らせている】
【相手の意表をつく事を常とする彼女は意表を突かれる事への耐性も高い、蛇の道は蛇という訳でもないが、つまりそういう事】

【などと考えた所でハッと思い直す ……話をしに来ただけなのに脱線させ過ぎてしまったと】


//すみません、難産でこんなに時間をかけてもこの程度しか書けませんでした

296 : ◆MF.nwBIujs [sage]:2015/09/23(水) 23:01:46.57 ID:mo3fjOAhO
>>294
おや?やはり彼奴の事を知っていたか。此方にとっては面倒では無い情報をくれたりしたんでな、感謝してるよ
(そこに至るまでは中々にハードだったが……)

【そう最後に小さく呟くと彼は墓石を切り倒し、次の行動に移る】
【墓石から即座に飛び出ようとした刹那、周囲には先程まで作業を行っていた者共が迫っていた】

【彼はそいつらに気付くのが少々遅れた故か、墓石への対処が少々遅れて行く】
【此方に迫らんとする虚な者共には右腕の剣を一閃、一つの斬撃を撃ち放つ】
【後方から迫る墓石は振り向きざまに腕でガードする、だが左腕には少々の打撲と砕け散った破片が腕や顔に幾つかの切り傷を作る】
【流れた血は異様にどす黒い赤、もし見えるのならば此奴も一部は人間と違う事に気付くだろうか】

チィッ……中々便利じゃないかそれ……欲しいな、一本幾らだ?!
いつまでも逃げる?逃げてるように見えるなら、少しは目を良くした方が良いと思うぞ……――

【彼は半ば苦し紛れのはったりのようにも聞こえる事を叫ぶと、更に走り出す】
【青年から見れば自らの横を小屋へと駆け抜けるように見えるだろうか、彼は執拗に小屋へと迫るよう戦っていた】
【数度、青年に向けて斬撃を放つ、次は少々粒子の濃度を濃くした一振りの重い斬撃】

それに、お前らがしている事も世間一般から見れば毒蛇と良い勝負だぜ!?
世界中に毒を撒き散らして好き放題搾取し続ける、毒蛇が獲物を狩る時と何が違う?

【そんな挑発は青年には逆効果だろうか、だがそれでも言うに越したことは無い】
【挑発をすればする程、会話の回数が増えて行く、その分何かを得られるかもしれない、狙いはそれだった】
297 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/23(水) 23:06:04.65 ID:w6qlz4lT0
//すみません、こちらに時間が来てしまいました
298 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/23(水) 23:18:29.71 ID:rzHxO2ZK0
>>295

なるほど……―――経験則ということですね。
……貴女は相当に戦い慣れているようです。その力、頼りにさせて戴きますよ。

【自身の経験と勘と主観的な思考による、相手の戦闘スタイルの予想。その鋭さに感心させられる】
【これは戦闘に対してある程度慣れていないと出来ないこと。やはりこの少女、只者ではない……!】
【これなら、きっと大きな力になってくれるだろう。一人でも多く仲間が欲しい今、頼もしい限りだ】

【……さて。会話をしたり刃を交えたりしているうちに、結構時間が過ぎてしまったようで】
【ふと腕時計を見遣ると、本来なら夜も更けようかという時間。……そろそろ帰らなくては】
【家では幼い子供たちが待っている。あまり家を空けすぎて心配させるのも良くなかろう】

―――フウァルさん。申し訳ないのですが、そろそろ帰らねばなりません。
いつまでも子供たちを放って寂しい思いをさせてはいけませんから……

……今日貴女に会えたのは、幸運で御座いました。
いずれ、戦いの日が来るでしょう。その時は――――どうか、宜しくお願いします。

次は、貴女の先生にもお会いできれば嬉しいです!……あ、そうでした。貴女の先生ってどんな方ですか?
その先生が、私の事もご存じだったということですが……

【別れ際、そんな事を尋ねてみたり。話に往々にして出てくる「先生」を、マリアは気になっていたらしい】

//いえいえ、大丈夫ですよー
299 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/23(水) 23:20:23.72 ID:rzHxO2ZK0
>>297
//了解です!〆に持っていけるような形にしておきましたのでー!
300 : ◆iBPkBgx72E [sage]:2015/09/23(水) 23:27:15.83 ID:N6uBVq7ho
>>296

【訝しむように目を細める。どす黒い赤の血液など、人のそれではない】
【元より戦い方も豪放――非能力者らしからぬ、と形容すれば良いのか】
【亡者たちは一刀のもとに切り伏せられ、声すら上げずに地面に転がる】

【しかし青年は流石に違う。重い一撃となれば、逆に防ぎやすいとばかりに】
【重鎖をより濃く重いものとし、確実にそれを防いでゆく】
【だがその分、攻め手は減る。攻防一体であるが故の欠点とも言え】

……下手な例えだ。毒蛇は生きるため、それを当然として毒を使う。
弱小な獲物が自身にない力を見て「それは卑怯だ」と喚くのに似ているな?

元来、人間もまた動物。弱肉強食の世界に生きるならば
"毒蛇"こそ弱者の上に立つ存在。……むしろ褒め言葉ではないか?
ドブネズミは素直に毒を受けて[ピーーー]。もっとも……食らうのは拒否するが。

【打開策は一転攻勢の一手しかない。防御から一気に攻撃へと体勢を変える】
【五本の鎖を一挙に動かすと、空中すらも這いまわる蛇のように素早く相手を追わせる】
【猛追。足を狙って避けられ土を捉えようが、泥の汚れも払わずに再び相手を付け狙う】
【隠れようとする墓石は砕き、反撃が出れば長く伸びた細い鎖が斬撃を強引に受け止める】

【鎖は異様な硬さを誇る。操作者もしくは小屋に届きさえしなければ】
【空中でチェーンによって受けきることも可能なのだ。最も、周囲に衝撃が飛ぶため】
【本来は壁のカタチを取るわけだが――青年の策は、とにかくその攻め一手であった】

【相手が死ぬまで追いかけつづける。射程は、少なくとも墓場中には届き】
【威力も速度も申し分ない。止まれば、死ぬ。かといって、小屋への守りも厳重で】
【青年は相手の動きに合わせ、小屋と敵の間に入り続けるようにジリジリと動いていた】

/申し訳ないのですがちょっと眠気が来てまして、一度凍結をお願いしたいです
/明日なら夜はおりますし、週末でも。都合の良い日などがあればそこでお願いしたく。
301 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/09/23(水) 23:52:07.68 ID:N6uBVq7ho
/すみません、ちょっと余裕ないのでお先に失礼しますね。
/お返事は明日朝確認させて頂きますので……すみません
/それでは失礼します、今日はお疲れ様でしたっ。
302 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/23(水) 23:53:29.32 ID:IbQvCMw9O
>>300
【まるで鎖を無数の使い魔の如く使いこなし、此方の斬撃は防がれた】
【当たれば良い、そんな挑発かある程度の足止めのような物だったが上手くいかないとなると攻め方を変える他無いか】
【彼は背中の安定翼ブースターを展開すると両翼と双方に二枚ずつ取りついた補助翼、計七つの翼で一気呵成に加速する】

下手な例えでも良いのさ……それが少々の皮肉になってさえいればな
――其れにドブネズミを舐めない方が良い……鼠にだって皮膚を噛み千切り骨に食い込むくらいの歯はあるんだよっ!
弱肉強食から抜け出すのが人間だ……常に元々あるサイクルに従うだけじゃ……面白くない

【空中で自らを追い立てる鎖から逃れ乍ら幾つもの小さな斬撃を鎖と青年に向けて乱発する】
【狙いは元からつけて居ない。そも、狙わなくとも自分の攻勢を立て直すために撃つ攻撃でしかないのだから】
【一本の鎖に右足の太もも辺りを掠り斬られながらも彼は回転しながら闇夜を駆けた】

【それでも尚追ってくると言うのなら、彼は自らの能力を遂に使用する事とした】
【時間にして一秒程だろうか、上空で彼の姿が緑白色の光子に変わり、それが青年の左後方へと急接近する】
【この暗闇の中、そんな光が動くのならばいくら光速とは言っても戦士ならば反応できるだろうか】

こっちにも……奥の手って物があるんでね……
脚の仕返しって所だ……食らいな!

【彼は両翼と右腕の剣を青年へと突きつける形で顕現すると、そのまま収束した光の刃を弾丸の如く撃ちだした】
【此方も奥の手を発動しての大技、連続して使用する事の出来ない能力を使うのは中々に勇気がいる】
【掘削機のような弾丸は青年から5m程離れた場所から放たれる、果たして……】

/了解しました。此方は明日の夜も今日と同じ時間から行えます、週末も夜は時間があるので今週はいつでも大丈夫です
/それでは凍結了解しました
303 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/23(水) 23:54:14.89 ID:IbQvCMw9O
/では本日はお疲れ様でした。又よろしくお願いします
304 : ◆YQBzKyX2hw9R :2015/09/24(木) 00:21:52.15 ID:Co07GMlT0
>>299

【マリアに問われ、フィール先生のことを思い出してみるフウァル、彼女が主治医について思い出せる事といえば……】
【「まさか私が魔法を使ってすら治せない病があるとはな、世界は広いものだ」「こいつら目障りだな ……フウァル、ちょっと行って潰して来い」】
【「あぁこれか? 意気のいい連中が居たのでつい、な」「これも完成か、あっけなかったな」「フウァルの病は正に宝庫、この私ですら持て余す程の――」】

……ラスボス、もしくは隠しボスでしょうか? マリアさんの事をどうやって知ったのかも謎ですし

【人格的には褒められたようなものでなく、医者をやっているのも殆ど道楽の様な感じで怪しげな実験を繰り返している】
【他にも何かフウァルも知らないことを色々とやってたりするし、本当になんというかこの言葉しか出てこない】

(人助けとかはあんまりやらなそうだなぁ、今の所は私の病を治す事にしか興味が無いみたいだし)

【だから自分の生み出した超技術とかにも無関心で、何かの設計図とかを焼き捨てていたり、簡単に他者へ売り渡したりする】
【<想眞灯>や<死の贈答>なんて作った本人すらどうしてこうなったか謎だったりする】
305 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/09/24(木) 00:38:42.14 ID:1R7Afge30
>>304

そ、そうですか……何とも掴み所のない……
……まあ、謎めいた人もそれはそれで魅力的なのかもしれませんね。

では、またお会いしましょう。どうかお元気で!
今度会うのは、戦いの場かもしれませんが。―――戦いが終われば、また一緒にお話でもしましょう!

【……本当に、何とも掴み所のない説明だった。話を聞いてなお謎のベールに包まれたままのような……】
【まあ、いつか逢う日が来るかもしれない。どんな人か判明するのは、その日までのお楽しみ?】

【―――きょうはここでお別れ。まだ話したい事もあるけれど、それは今度会った時のお楽しみということで】
【マリアは深くお辞儀をすると、ゼン=カイマのどこかにある自宅へと帰っていくのだった】
【次に会う場所は、戦場だろうか。……また会えるその日まで、マリアは無事を祈っている】

//ここで〆ということで、お疲れさまでした!
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/24(木) 16:52:42.79 ID:S8l1pyOK0
>>242で待ちたいと思います。
307 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/09/24(木) 20:28:29.12 ID:zzEVyIaso
>>302

(な、に……―――ッ!?)

【光子化しての移動。鎖で相手を捉えたと思った、まさにその瞬間だった】
【あまりにもあっさりとした、空を捕らえるという手応え】
【数瞬遅れて視野から脳が理解する。相手が何らかの――恐らくは能力で】
【その肉体を変化させて移動したのだ、と。そしてその移動先に気付くには】
【意識を鎖の操作に割きすぎていた。故に反応はいささか遅れたものとなり――】


『――先程から何事だ。騒がしいぞ、レオンシオ……?』


【そのような声が聞こえたのは、攻撃が青年へ"直撃"したすぐ後だった】
【声の主は静かに開いた小屋の向こう。車椅子に座る形でそこに居り】

【髪は暗銀に緑の斑。茨のヘッドドレスが似合いの暗色のドレスを身にまとい】
【そのスカートは長く足首までを覆い隠す。豪奢だが華美ではない、コンパクトな衣服であった】
【歳は12,3というところか。透き通るような白い肌と整った面立ちは】
【どこか浮世離れしたものすら感じさせる。声もよく通る、澄んだ少女のモノに相違なく】


【――その彼女を守るように、青年は尚も立っていた。"攻撃は確かに直撃した"のに、だ】
【周囲に大きく展開していた鎖が音もなく引き戻される。土煙がゆるやかに晴れ】

【そうして見えたのは、全身を鎖で覆った青年――レオンシオ、の姿であった】
【いや、正確には鎖を纏っているのではない。その鎖は人の形を持って、彼の隣に浮遊していた】
【能力――"マインド"と、そう呼ばれるものだ。鎖そのものが能力を構成する物質、ということか】

【その鎖で、緊急回避的に攻撃を受けた。とはいえダメージが皆無である筈もなく】
【あれだけ堅固であった鎖には目に見えて傷が増え、一部はそれらしく錆び付いているのも見えるはずだった】
308 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/24(木) 20:48:23.33 ID:Q0JNhVFLO
>>307
【獲った……そう確信した瞬間、自らが目指していた小屋の方向から聞き慣れない声がした】
【今目の前に居た青年の物でも無く、増してや周囲のリビングデッド共でも無い、それは明らかな少女の声】
【翼越しに其方へと視線を向ける、彼はそこに居た者の正体を知っている、いや】
【正確にはその者らしき名を知っていた】

(――まさか……魂操作の能力者……?!)

【彼にとっては最悪のタイミングでの邂逅、未だ青年との勝負に決着が着いていない中での加勢を許す状況】
【それは自らにとっての究極の修羅場を意味する。そして彼は青年が居た、居たであろう方向を更に凝視した】

へぇ、鎖を伸ばすだけが能力って訳じゃ無いのか……
それが鎖の能力なら、喉から手が出る程欲しいんだけど……なっ!

【恐らくは青年の能力なのだろうか、彼は自らが青年に止めを刺せていない事を理解し、翼に力を入れ飛び出した】
【自身の横方向、10m程までの移動、それはすぐさまの反撃を回避するためのもの】
【そのまま彼は青年らに右腕の剣を突き付けるように構えるとその口を開いた】

ははぁ……お早いお出ましで、「レイナお嬢様」……
そっちの鎖のは其方の飼い犬なのですかね……だとしたら、躾をしっかりと行った方が良いのでは?
――噛みついてきて仕方ない

【そう皮肉った挑発を言い終えると、彼は剣と共に両の翼も自身の正面で構えるように展開する】
【最大限どんな攻撃が来ても対応できるようにした警戒体勢、だがそれもこの状況では確実性には乏しい】
【果たして、次の瞬間に自らが相対する者達が何を仕掛けてくるか、願うならば同じ皮肉を返してくれると嬉しいのだが】
【戦いの最中、望みを乞う等滑稽極まる事、押し黙ったまま彼は青年らを見据えた】
309 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/09/24(木) 21:03:25.29 ID:zzEVyIaso
>>308

【少女は車椅子に腰掛けたまま相手を睨めつけ、次いでレオンシオを見る】
【先からの喧騒、双方の負傷。何があり、どういった関係かはすぐに察したらしく】
【静かな面持ちのまま剣を持つ相手に向き直って】


『……レオンシオは優秀な番犬でな。躾は行き届いていると自負している
 むしろ、その優秀な番犬を前にして"噛み付いて仕方がない"と言うのは
 野盗か族か、どちらにせよ卑しい事を自覚する者でしか有り得ないと思うが。

 それで……我が名を知るものが、一体何用で剣を振るっているのか?
 レオンシオは無闇に"通りすがり"を斬り付けるような俗物ではない。
 何か、訳あってこのような状況になったのだろうが。……それも言えないか?』

 
【少女が口を開く間、先程までの威勢がウソのようにレオンシオは沈黙していた】
【むしろ彼女の直ぐ側で跪きすらして、一方でマインドは警戒を怠らず】

【チャリ、チャリ――と鎖で出来たヒトガタを動かし、何時でも攻撃に移れるよう】
【用意だけは着実に進めていた。ここからどうなるかは対峙する相手次第だ】
【未だ底知れぬ従者と、魂を操るというその主を相手取るか――或いは?】
310 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/24(木) 21:20:40.40 ID:Q0JNhVFLO
>>309
おや?必要以上に噛みつく番犬は猛犬として煙たがられますよ?

【そう言った後、彼は少々狼狽したかのような仕草さを見せ、青年へと視線を向ける】
【未だに警戒を怠らない者への注意は十分に向け乍ら彼は剣だけを下方に降ろし、左腕で二の腕辺りを掴む】
【何かが起こったとすればすぐに対応できるように、そしてある程度敵意が無いように「見せる」為に】
【彼はそのまま少しだけ息を吸うと、少女の問いへと答え始めた】

まぁ此方にも非があるとは言え、少々考え物ですが……
この森でちょっとした実験をしようと思っていたのですがね、その時ここを見つけまして
そうしたら貴女の名前をそこの番犬殿が口にするのが聞こえたので、近づいたのですが……
ちょっとした諍いがあってこのような事に
それにしても貴女、中々有名ですよ、彼の大悪魔や白い鎧の女騎士から……貴女の名前を聞く事が出来まして

【そう淡々とこれまでの経緯を語り始め、彼は茶化すような顔から少しずつ真剣な表情へと変わっていく】
【一瞬だけ青年に向けてにやつくような顔を見せたかにも見えたが、それは瞬きの間に消え去り】
【彼は静かに無とも呼べる表情で睨むように彼らへと語り続ける】

中々面白いですよ……魂を操る事が出来るのだとか?
それにそんな年齢でそのような地位に就くだなんて、本当に何かあるとしか思えない程出来過ぎている
やはり、ここに来れて正解でしたよ、レイナお嬢様

【彼は低く呪うような声色でそう言い切ると、少しだけ顎を引き、押し黙った】
【このまま青年がどんな反応をするのか、それを念頭に次の行動への対応を考え始める】
【にわかに彼の翼が震えるように見えた】
311 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/09/24(木) 21:36:41.92 ID:zzEVyIaso
>>310

『ふん。番犬とは己の与えられた領域を徹底的に守るもの。
 我らの区分に踏み入った異物に噛み付いたのだ、褒める以外の気は起きん。

 しかし……大悪魔、白い鎧の女騎士…だと……?
 ……、……――有名、等と言われて驕る身でも無い。
 そもそも、自らの名も言えぬ下男に知られても、な。』


【整った面立ちの上に被った鉄仮面は厚いらしい。この主にして】
【その番犬あり、と思わせる健啖家だった。しかし、分も弁えていると見え】
【無為な言い合いに乗じて熱くなるほど幼稚でもないらしかった】

【また一方で『大悪魔、白い鎧の女騎士』という言葉が出れば】
【事情を確かめるようにレオンシオに目を向けたが――すぐに相手を見直す】
【無言だったが、そこにはやり取りが存在した事が分かるはずで】


『魂を操ることが出来る……だとしたら、それが何だというのだ。
 この世界には鎖を扱うものも居れば、次元を渡る者も居ると云うではないか

 能力者などそう珍しくもない。……貴様は、何だ?
 私の地位や存在が、貴様のような得体のしれない男に何の関係がある。
 実験ならば森の隅でするが良い。ただ邪魔をしに来ただけであれば
 その行為の愚かしさを深い土中で永久に悔いる事になるが…――二度は、警告しないぞ。』


【明朗な答え、というものが欲しいらしかった。強気、というよりは】
【主として、或いは死者の王国の姫としてあるべき姿を誇示するように】
【毅然として相手の出方を待つ。レオンシオはただそれに追従するのみだ】
【先程まで矛を交えた敵を睨みこそすれ――暴走するような素振りは、一切見受けられなかった】
312 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/24(木) 21:57:10.97 ID:Q0JNhVFLO
>>311
(成程ね、そう言う質のお嬢様って訳か。これは力とも相まって面倒以外の何でも無いな)

【鎖の家来に鉄の女王、アイアンメイデンと称しても良いだろうか】
【だが、此方が出したピースにも反応しているようで、それはあちら側に奴らと関係のある者が存在すると言う事】
【ならば話は早い。今ここに燦然たる彼のアーグのワイルドカードが居ると言うのなら今ここで仕留める方向へと動いても良い】
【だが、自身は魔術の類に弱い身、それをわかった上で彼はここで耐え忍ぶ事にした】

確かに此方から名乗っていませんでしたね。悪い癖だ
自分は正親町カガリ、まぁこれは一種仕事上の字でしかないのですが、今はこの名で通しています
以後お見知りおきを……

(まぁ以後永らく存在すればだが……)

【彼はそう一通りの挨拶を済ませると、翼を背後に回し、剣を腕へと戻してほぼ丸腰の状態で話し始める】
【瞬間的な反応をするための一種の自身への賭けだろうか、彼の瞳は少女の方向をしっかりと見据え】

単刀直入にお聞きします
魂を操る事が出来る、それは実際あのアーグ殿が求めている物なのでは?でなければ何故貴女がそんな地位なのか
それにも納得がいくのです

それにそうだとしたら自分も無関係では居られなくなる、自分もアーグ殿に少し興味を持っていまして、それでここに
あぁ、その前に言い忘れていました……
――あの監獄で囚人共を引き連れて行った先であんな屍や白服の馬鹿共を作り上げたとするのならば貴女は相当な無能ですね

【にやりと笑いながら、そうきっぱりと告げる。挑発を狙って会話を繋げるための物だが】
【彼は青年へと注意を逸らしながら、相手の反応を待つ。それは最も短く最も長い地獄のような時間だった】

【その時、彼の掌の中には銀白色の十字架が煌めいていた、それは何やら異質な模様がついており】
【遠目でも見えたとすれば、彼が何かを掌の中に構えていると言う事に気付くだろうか】
313 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/09/24(木) 22:16:59.71 ID:zzEVyIaso
>>312

『"正親町カガリ"……いいだろう、覚えておく。
 いい機会だから教えておくが、お前が番犬と呼ぶ男の名は
 レオンシオ・ソレイル…――私の名は知っている、そうだな?』

【名乗った相手が武装を背後に回したのを見て、やや空気が緩んだように思えた】
【レオンシオはマインドを下げることすらしなかったが】
【あくまでも立場を考えれば、『相手が下手に出るのが当然』という考えなのだろう】
【完全な武装解除ではないにしろ、話し合いのフィールドはこれで完成した】

【続けて語られる青年の言。しかしこれは、けして良い結果を生まない】
【挑発にレイナという少女が乗るから、ではない。曖昧な言葉の幾つかが】
【真実と不真実の入り混じったものであったから、であり――】


『貴様に情報を与えた者は……内部の者、ではないな
 少なくとも私のことなど何も知らない……。
 ……知っているものなど、レオンシオ程度なものだが。

 一つだけ……先に言っておく。私は玩具や飾り物ではない
 道具でも無ければ、担がれて良い気になるような小娘でもない。
 ……アーグは、私の父上だ。それに協力して、何が可笑しい。

 第二に言えば……囚人たちを連れてきたのも、その選択を迫ったのも
 全ては父上の選択。私は……その力添えをしたにすぎない。

 ……断片的な情報でモノを言うのも、大概にしておけ。
 そのにやけ面も不快だ。……レオンシオが噛みつくのも理解できる
 それに、私は…――? ……なんだ、その手の物は。……見せろ、それを。』


【『含むものがないのなら今すぐに』――そう続けて急かすのだった】
【手に何かを握っている。レイナはそれに気付いたが、手の内に何があるかは分からない】
【故に咎めた。そしてそれに呼応するように、レオンシオはおもむろに立ち上がるのだった】
314 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/24(木) 22:36:36.36 ID:Q0JNhVFLO
>>313
【それは曲がりなりにも高貴な者ゆえの自身と尊厳、〈ノブレス・オブリージュ〉か】
【だが、その言葉の中にも彼は付け入ろうとしていく、すっと顔を無に戻すと彼は低く、視線は逸らさずに少女と青年の一点を見つめ】
【一瞬だけ笑いが零れたようにも見え、そして話し始めた】

はぁ、こいつが見えますか。中々目が良いようで……
ですが、その前に幾つか此方からも……何故貴女はそうも言葉に強気を含める?
貴女は、こんな事を言うのは不躾かと思われますが、そこまで長く生きているようには見えない、それに

【彼は少しだけ俯き、何かを考えるようにしてから】
【深く息を吸い込んで、少女の方向を先程よりも濃く紅くなった臙脂の瞳を向ける】

――貴女は何故父親に従うのでしょうか?ただ単に父親だからと言う理由だけで?そんな馬鹿な事は無い
何一つ考えずただそこに居る父親と言う概念の存在に従うだけなら、貴方はもっと幼く見える
貴女には矛盾が見える。貴女の真意はどこにあるのでしょうか?そして貴女の思考はどうなっているのでしょうか?

【そのまま、静かに掌の中の物、黒い線の模様が入った十字架を取り出すと、それを握りしめ】
【何か片手でロックのような物を外す仕草をし、自身の右手の方へと放り投げた】
【そこに現れるのは彼の身の丈を超える程の巨大な十字架の中に何やら複雑な機構が仕込まれた兵器】
【彼の持つ、そして彼が実験を行うために持ってきた商売道具は思わぬ形で姿を見せる事となった】

ま、これを護身用に持ってましてね、さすがにお渡しは出来ませんよ?まだ試験段階ですから
まぁ何と言うか、とある人物の目的と自身の興味と利害が一致したが故に作ってみた、と言うような物ですかね
包み隠しても其方が作れるものでも無いでしょうし……これで満足でしょうか?

【彼はそう言うと空いた右腕でその巨大な十字架を支えると静かに、その兵器のトリガーに手をつけた】
【このまま仕舞い込む事も、はたまた向こうが何かを仕掛けてくるとして、それに対応出来るようにするための保険】
【その両方を構えたまま、彼は真剣な表情で静かに少女と青年を見つめていた】
315 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/09/24(木) 22:58:26.22 ID:zzEVyIaso
>>314

『な、ッ……―!』

【答え――られない。何故語気を強めるのか、それを理論的に言うことは出来ない】
【何故なら、それは見栄だから。与えられた立場以外に、自分には何もない】
【だからこそその立場を確固たるものにするために、幼稚なりに努力する】

【そんなことを言えるはずがないのだ。何故父親に従うのか】
【これもまた口には出来ない。悪霊たる大司教の娘、なのだ】
【反旗を翻す程の人脈も無い。使えるのはただ能力だけ】
【しかし、それを認めてしまえば――何かを失ってしまうのは、また明白で】

【――その内面を吐き出せるほど器用な人物、でも無い。歳だって、まだ浅い】
【故に返事はなかった。細い指を握り締め、目元をひくりとさせる事しかしない】
【その反応だけで十分だろう。様子が変わったのは、相手が十字架を取り出してからだった】


『十字架…、……護身用にしては随分と大きいようだが。
 ……それを用意して、一体どのような目的に使うのだ。
 寄越せなどと言うつもりはない、だが……。』


【ふらり、と動いたのはレオンシオだった。もし何かがあってからでは遅い】
【主人と、その話し相手の間に立ち、鎖で出来たマインドを自らに融合させ】
【何時でも重鎖の壁を作れるように十本の鎖を開放すると、鋭い瞳で】
【それこそ餓狼のような鋭さで、眼前に立つ男を警戒するのだった】
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(島根県) [sage]:2015/09/24(木) 23:14:47.05 ID:ThahunC8o
【日々殺人や強盗云々が起こる路地裏】
【表とは大きくかけ離れたような雰囲気を放つそこに】
【男たちに前方からたかられているメイドが一人いた】

『おう、あんたいいところのメイドなんだって?』
『そうなら金もいっぱい持ってるだろ?』
『おう、ちょっとジャンプしてみろ!』

【メイドにたかっている男は5名・・・、だろうか】
【一方から見たらよくわからないが】

【どうやらたかって金を要求しているようだ】
【メイドは嫌がっているのだが】

『さっさと出せ!』
『出さないならどうなっても知らんぞ!』

「すいません・・・、今は持ち合わせが少ないものでして・・・。
どうか、どうかご勘弁を・・・。」

【後方から来たらわかるか】
【このメイドは軽機関銃を背負っていることを】

【まあ、この場に居合わせることになったのなら】
【メイドは居合わせた人物に助けを乞うだろう】
317 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/24(木) 23:20:45.85 ID:Q0JNhVFLO
>>315
【儚さがある。形容すると言えばそうだろうか】
【彼女の言葉の中には自らの従者への絶対的信頼も、自身の地位を理解した上での態度もある】
【だが、一瞬だが、彼女の言葉には自身の考えが無いとも感じたのだ。現に今の行動で答えにはなったと言うべきか】

【上っ面だけの言葉は聞こえが良いが、それ以上に違和感を感じさせてしまう】
【それを何となく察した上での無言、彼は何も言わずにただ目を伏せるだけだった、何かを考えるように】

……あぁ、まだこれについて言わなければなりませんか
まぁ包み隠す意味も無いと言いましたしね。これは正直に話すべきでしょう
貴女の反応も何となくだけどわかったところですしね……

【そう言うと、彼は十字架を傾け、丁度直角に交わった二つの柱が地面に接するように置いた】
【そうして、右腕をそれに添えたまま徐に口を開く】

これはですね、先程も言ったように自身の興味のために壊れた銃を修理して作ったんですよ
まぁ苦労しまして、それに古龍の炎を核に使ったりもしましてね、それもこれも……
貴女のお父様の、ひいてはお父様の野望を討ち破るためですよ……

【そう言うと彼は十字架のトリガーを手にかけ、何かボタンを押した】
【瞬く間に先程の十字架へと戻っていく巨大な兵器、だがそれを懐に仕舞う事は無く彼はそのまま左手で鎖を握る】
【憮然とした態度でそこからも言葉を続ける。彼の声は先程よりかは少々傲慢を含んだ荒い声音】

さてどういたしましょう?其方が何かを仕掛けると言うのなら自分は無論対応しますし
何もしないと言うのなら、自分もこのまま何もせずにいますが……
お父様の事をそれ程までに「敬愛」してらっしゃるのでしょう?ならばどうなんでしょう?

【それは彼が全力で捻りだした煽り文句だった。彼の額に脂汗が浮かぶ】
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/24(木) 23:29:59.81 ID:YcSTBg+D0
【場所は路地裏。其処を、無防備にも何処かの高等部の制服を纏った女が歩いていて】
【まるで襲って下さいと言わんばかりの状況――――だが。女の放つ淫靡な気配を感じ取る事が出来れば人間とは異なるのだと知れよう】
【同時に、“瘴気”の存在にも気付けたならば。其れは所謂魔族であると理解できる筈で】


「ん〜……ここ最近は食べ物は食べても人を食べて居ないからお腹が空きましたねぇ
アリス様も付き合ってくれませんしー……」

【自ら路地裏を歩くことで獲物をおびき寄せる。言ってしまえば、罠なのだろう】
【相手が自身について知っていても知らずとも良い。男でも女でも良い】
【更には、人間で無くとも良い。ただただ路地裏を散歩をするかの様に歩き回り――――】
【やがて、何者かが近寄って来たならば】


「あはっ……♪
こーんばーんは。良かったら少しだけ、私とお話して行きませんかー……♪」

【向けるのは笑み。見た目こそ学級委員やらをやっていそうな形で所謂清楚】
【小首を傾げながら語りかけるのだが――――その視線は、相手を品定めするかのよう】










【住人の殆どが寝静まった小さな街】
【美術館だとかそんな物が有るわけでも無い此処は特に悪人達の標的となる事も無く】
【強いて言うならば身を隠したい者、或いは旅の際に宿を見つける者が通る程度】

【さて、そんな場所に今宵は珍しい姿が一つ】
【街灯の下に置かれたベンチに座り、サンドイッチを摘んでいるのは――――一人の修道女か】
【腰に提げている二丁の双銃が何とも物騒ではあるのだけれど、特に殺気などを漂わせている風でも無く】


「――――ん〜……流石に徹夜での尾行は疲れたけど……まあ、何とかなったし別に良いかな……」

【辺りに出歩いている者も居ないのだから、必然的にその修道女の姿も目立って】
【手にしているのは数枚の書類。行方不明だとか何だとか物騒な文字が並べられ】

【何故こんな所に修道女が、と疑念を抱き話し掛けるのもただ何と無く近づくのも良いのだろう】
【――――兎にも角にも、気配を感じ取れば其方へと視線を向け】
319 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/09/24(木) 23:39:23.62 ID:zzEVyIaso
>>317

【目の前で展開される巨大十字架。それがどういった力を持つかは】
【相手の言葉の真偽も関係するが――おおよそ、察せられる】
【古龍の炎。何よりその形状。巨大な敵を倒すためだけに作られた、のだとしたら】


『……、…………――。……好きに、すれば良いではないか。
 父上は……その程度の小細工に負けるほど、弱くはない…。』


【絞るように出した声だった。"負けるはずがない"という言葉は】
【父親が、アーグが強大だから心配など不要、という傲りではなく】
【どちらかと言えばそうであって欲しい――或いは。そんな気持ちが滲んで思え】


『……私は、帰る。既に用は済んだ……そうだな、レオンシオ?』

はい。この男が来た辺りで、ちょうど……。
運搬は私一人でも出来ますから……お任せください、レイナお嬢様。


【打ち出したのは、帰還。明言は避けたい。言葉には出来ない】
【故に元よりの都合を優先させた。レオンシオの鎖が】
【先ほど亡者たちが掘り返していた墓地に潜り込むと、一気に棺桶を引きずり出し】
【それを幾重にも絡めた状態で傷ついた背に担ぐようにし】

【――酷く静かに。憔悴しきった、というほど目に見えた変化があるわけではないが】
【親しい相手であれば挨拶でもするのだろうがそれもなく、レイナの車椅子をレオンシオが押し】
【そのまま、墓場を後にしようとするだろう。得たものは、棺桶一つだ】

【おそらく中には何者かの死体があるに違いなかったが――】
【最早それを持ち去るのは留められまい。とすれば、かけられるのは奇襲か】
【或いは言葉だ。最後に一言告げるくらいは、張り詰めた空気でも許されそうに思えた】

/っと、すみませんそろそろ眠気が来ちゃいまして……
/キリもよさ気なので、次のそちらのレスあたりで締めちゃって頂けるとっ。
320 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/24(木) 23:56:18.80 ID:Q0JNhVFLO
>>319
【どうにか彼がそこで立った状態で話を聞き終わり、最後に彼が頷けば】
【彼は背部の剣盾翼も左掌に握りしめた十字架も全て片づけ、溜息を一つついた】
【彼女の自信は果たして本心からの物なのか、それとも永らく刷り込まれた偽りの物なのか】
【後者は自身のたかが知れた妄想でしかないのだが、それでも彼は思案を止める事は無かった】

そうですか……ならば結構、自分も既に負傷していますし最早此方から何かを言う事はありません

【彼はそれだけを言うと身を翻し、壊れた幾つもの墓石を気にする事も無く踏み歩きその場を後にしようとする】
【その時暗がりに消えようとするその少女に、彼は一言だけ声を浴びせた】
【彼自身考えが纏まらない中での言葉ではあったが、その声音は確りと宵闇を貫くよう大きく、嘯いた】

何かに囚われる事も無いのでは?!
自分も何にも囚われずに生きたいと思った故にここに居るのですから!

【言いたい事が結局全て言い切れたとは思えない。聞き出したい事は山程あったがそれを全てなんて出来るはずも無い】
【だが、確かにこの森での彼ら、彼女らとの邂逅は彼の思考にしこりを残した】
【あの少女は本当にアーグのような巨大な目的があって加担しているのだろうか】
【ゼン=カイマで出会ったあの娼婦が言っていたようなアーグの理想と言う物は本当に彼女にあるのだろうか】
【そんな事を考えながら彼は暗がりに消える棺桶を抱いた闇の住人を背に、静かにその場を後にした】

(丁寧な言葉を使うのは久しぶりなんだが……何も間違ってなかったかな……?)

/了解しました。二日間の絡みありがとうございました!
/此方が絡む際に何か一言入れるべきだったのを欠いてしまって申し訳ないです。それではお疲れ様でした
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(島根県) [sage]:2015/09/25(金) 00:14:54.45 ID:tpnXwi7ko
// >>316は取り消しでお願いします
322 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/09/25(金) 00:17:00.39 ID:KrpUgSnoo
>>320

【彼の最後の声に対しての返事、というものは明確にはない】
【レイナとカガリの間にはレオンシオという大きな壁が在ったし】
【おそらくそのレオンシオが居らずとも、返事をするような性格ではなかろうが】

【ただ一つだけ。暗銀に緑が混じった斑な髪が、揺れるのが見えるはずだった】
【振り返ったのか、ただ首を振ったのかは分からないが】
【反応、というのは在ったのだ。YESか、NOか、どちらでもないのか】
【だが応じる素振りをしたということは――彼女自身は亡者などではない、ということだった】

/こちらこそ、長らく付き合って頂きありがとうございました!
/仔細はまた舞台裏で。ひとまず、お疲れ様でした〜!
323 :フェイト ◆A3Dw.QYNcc [saga]:2015/09/25(金) 11:41:47.43 ID:VEiewM2DO
【公園】

【昼間。普段は人が多い公園も、雨の時には静けさが訪れる】
【電球の切れかけた街灯が明滅していた。聞こえるものといえば、地面を叩く雨粒の音くらいだった】

【そんな公園内の一画──設置された水飲み場の傍に、ローブを着た女児が座り込んでいた】
【歳は11か、12くらいだろうか。くしゃくしゃの黒髪は長く伸ばされており、前髪も目を覆い隠すほど】
【よく見れば頭部からは狼のような耳が生えていた。獣人と呼ばれる種族なのだろう】
【傘はさしていなかった。ローブも濡れており、髪からは水滴が滴っている】
【しかしそんなことにはお構い無く、女児はその場に座り続けていた】


────うふふ、かわいそう……かわいそう、ね……
だぁれもこない……ふふ、……ふふ、ふ……だぁれ、も……


【女児の前には、水の入った小さなバケツがあった。くつくつと、彼女は小さな笑い声をあげる】
【バケツの中では、羽をもがれたハエが溺れかけていた。脚をいくら動かしても、バケツの壁面には届かない】
【万が一ハエがバケツの壁面にたどり着いても、水はバケツの半分を満たすほど】
【ハエがバケツを這い上がろうとしても、女児が少しバケツを揺らせばハエはまた水に落ちるのだ】

【──逃げ出すことは出来ない。逃げ出せても、飛ぶことは出来ない】
【そんなハエのもがき、死にゆく様を女児は面白そうに眺めていた】
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/26(土) 01:15:50.48 ID:Qmf3daBt0
【――――人里から大きく離れた湖】
【其れは密林にも似た森の中に存在して居て、とても人間が入り込むとも思えない場所】
【然れど、今宵は其処に少しばかりイレギュラーが起きていた】

【大凡人の持つ魔力とは比べられないほどの其れ。更には、其れは“風”という魔力のみで満たされていた】
【まるで風の魔力のみが集ったかの如く。だからと言って、吹き荒れている訳でも無く】


【森を進み、湖に辿り着いたならば。先ず、一人の青年が視界に入るであろうか】
【まるで法衣にも似た物を纏った緑の髪の男。手にしているのは酒か、湖面に映る月を眺めながらチビチビと口に運び】


「現物を眺めているよりも、別なレンズを通して見る物の方が綺麗に見える事も多いなんて不思議な話だねぇ
あ、コレ美女にも美少女にも言える事ね。ほら、何だか撮った後でパソコン使ってカタカタってしたりするんでしょ?本に載せるとき
……実際に見て綺麗な人なら、良い酒の肴にもなるんだけど」

【この男が、件の魔力の正体であろう。まるで、魔力その物が人の形を成しているかの様】
【此処を訪れた者の気配を感じ取ったのか、投げかけた言葉は何とも気が抜けるようで】
【同時に、何と無くこの男の性も知れる事だろう。実直とはほど遠い軟派者】


「所で――――こんな辺鄙な場所に何か用かい、旅人さん
生憎見たとおり此処は人が滅多に来る事も無くてね……僕が出来る持て成しはこのお酒を分けてあげる事くらいだけど」

【徳利を揺らし、ちゃぷんちゃぷんと音を立てて聞かせ】
【――少なからず危険な存在で無い事は理解出来るか。振り向く事も無く、視線は湖面に向けられて居るのみ】
【注意を向けさせるのも、或いは側まで歩み寄ってみるのも。将又踵を返して歩き出すのも。全て、訪れた者の自由であって】











【満月の夜――――人々からその存在を忘れ去られ、ただ朽ち行くだけの遺跡】
【嘗ては祈りを捧げるのであっただろうその場所も今となっては誰一人として訪れる事は無くなった……が】
【今宵は、無礼にも其処に座る女が居た。金色の髪に、同じ色の双眸。何よりも特筆すべきは背に生やした純白の翼】

【在りし日の其処を思い、思慮に耽っている訳でも無い様。ただ単純に単純に月光浴を楽しんでいるのか】



「――――今日は星も月も良く見える良い夜だ。風も心地良いし…………ボクだって偶にはこんな夜も、ね」

【漏らした言葉は誰に向けた物でも無い。ただ、何と無く慈しむ様に己の座る台座を掌で撫で】
【バサリ、と一度羽ばたかせた翼。純白の羽が月光を浴び銀色となって風に舞い】

【辺りに人気は無い。だからこそ、この女の存在も相対的に目立つというもの】
【もし、女の存在に気付いて近寄ったならば――――「ボクに何かご用かな」なんて言葉と共に、緩んだ笑みを向けるのだけれど】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/09/26(土) 21:29:03.90 ID:i9L+7i7R0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 山地】

――――――――……………………

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【星空の綺麗な断崖から、眼下を覗き込む様に、崖っぷちギリギリのところに座り込んでいる】
【崖の下方には、廃村と化した様な、古い集落の跡地が広がっていた】

――――――――……………………

【心地良い風が駆け抜けて、そばの草木をざわめかせる。だが、この季節の夜の風ともなれば、流石に相応肌寒いものとなり】
【それでも居丈夫は、巌の様に泰然としたまま、微動だにしない――――どうやら座禅に似た精神集中の最中にある様だった】



【――――所変わって、水の国 路地裏】

――――あー、ダメか……今日は止めだ止め!
「ふふ……ツイてなかったですな、旦那?」

【くたびれた薄いスーツを右肩にひっかけ、Yシャツにスラックスとテンガロンハットにその身を包んでいる】
【やや無精髭の目立つ顎に、やや長めでだらしなく乱れ気味の金髪とは裏腹に、活力に満ちた瞳を光らせている】
【腰に、鞘に収まったごつい2本のナイフ、何本ものハードダーツ、そして一丁のリボルバーハンドガンをぶら下げている、身長170cm前後の男性が】
【むしゃくしゃした様子で髪を掻き毟り、その場に屯していた一団から離れる】
【――――どうやら、人目につかない一角で、博打事が繰り広げられている様だった】

……幾らだよ、俺の負け?
「ざっと400000程ですな……旦那ともあろうお方が珍しい……」
まぁな……今日は余所で100000勝ってきたからよ。余勢に乗って、と行きたかったんだが……まぁ、そう上手くはいかないか
「……『勝っても喰うのは尻尾だけ』、ですかな……?」
ハッ、そんな殊勝な事は言わないよ。結果的にそうなっただけだ……んじゃ、今日はお暇させてもらうぜ……

【場を仕切るスタッフらしき男の1人と、何気ない会話を交わしながら、男性は今も賭けに興じる一団を眺めていたが】
【やがて潮時を感じたのか、男性はそのままその場から歩み去ろうとする――――その背中は、わずかにしょぼくれている様だった】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/09/26(土) 23:13:25.68 ID:i9L+7i7R0
/>>325取り消しでー
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/26(土) 23:35:06.21 ID:Qmf3daBt0
【人里遠く離れた山中。其処に存在して居るのは地中より湧き出る湯――――謂わば、秘湯であり】
【普段ならば誰も通りかからないような場所に、今日は一人の姿】
【修道着を纏って居る所からして、その職の者であろう。然れど、腰には似付かわしくなく2丁の銃が提げられて居て】


「へぇ……火事かな何て思って来てみたけど、まさかこんな所に温泉があるなんてねぇ……」

【その場に屈み込めば湯を掌で掬ってみたりと一通り行い】
【やがては辺りをキョロキョロと見渡したならば、そっと脚を浸すのだろう】
【戯れに湯を掻いたり、手を潜らせてみたり。少し経てば、溜息を吐いて】


「まあ……少し位休んでたって罰は当たらない……よね?
ボクも最近働き詰めだったし……」

【一人呟くのは自身への言い訳であろう。特に後ろめたい事は無いのだから多少此処に居たところで問題は無いだろう――なんて】
【さて、普段ならば誰も居ない此処。其処から音がすれば必然として目立つ事であろう】
【或いは、元よりこの場に先客が居たか――――何であれ、何者かの気配を感じ取ったならば其方へと視線を向けるのだが】










【――――櫻の国。月光差し込む森の奧地】
【普段ならば野鳥、或いは獣程度しか存在しない其処だが今宵は一つの“妖気”が感じ取れて】
【見遣れば居るのは巫女装束を纏った妖狐が一人。首に提げる翡翠の首飾りからは神聖な気配が漂うも、ソレに焼かれている風でも無いのだから悪しき存在では無いと知れるか】


「この位集まれば……お城の皆さんにもちゃんと、お分け出来るでしょうか……?」

【手に持つ籠には沢山の野草。見る者が見れば、其れ等は全て食える物である事も分かる】
【山菜採り、と表すのが最も適切であろうか。まだ二十歳にも満たない子供が一人、なのだから不用心にも思えるけれど】
【現に近場では獣の声も聞こえるし、若しかすれば夜盗だとかと鉢合わせする可能性も否めまい】

【――――一通り集め終われば短く吐息を漏らし。誰かが訪れるとすれば、丁度その頃か】
【物音を聞き取れば、不安げな表情と共に其方を向くのだけれど】


328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/27(日) 21:21:32.84 ID:HG6tbBpEo
【中秋の名月に照らされる今日】
【その月明かりが照る、一面の平野に】
【ただポツンと一人、背に二丁の軽機関銃を負ったメイドがひとり居た】

「今日はいい月が出てますね・・・。
さすが、中秋の名月、といったところですね。」

【身体の後ろに手を付くように月を眺める】
【こんなにいい月は久しぶりのような気がして】

「ふふ、久しぶりに飲みましょうか。
何ヶ月ぶりになりますかね・・・?」

【なんて言いつつ、右方に放ってあったレジ袋に手を伸ばし】
【その中からビール缶を一本】
【そしてプシッ、と音をたてつつプルタブを開ける】

「ぷは・・・っ。
いいですね、この感じ。」

【どうやら一人を満喫している様子だが】
【誰もいない平野だ、足音さえすればそちらに振り向く】
【なんせよい月夜だ、月を見にここを訪れる者も少なからず居るはずでー】

//予約です
//よろしくお願いします
329 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/27(日) 21:42:45.86 ID:v24+PUtLO
>>328
【広々とした平原、照らす月明り、詩人が詠うそれと同じ風流な光景】
【そこにただ一人でフラリと歩く少女が居た。彼女はただ何処かに行くあても無く、独りで暗闇に閉ざされかけた空間を彷徨っている】
【ブロンドの長髪に頭には蝙蝠のような羽根、瞳は鮮やかな紅色、コルセットスカートにブラウスを着た華奢な少女】
【何一つ見えやしない大地の上で、彼女は自らを見止める者が現れる事を望んでいた】

もう……一体何処よ此処……何にも無いじゃない……
誰か出て来てよ……

【独り零す愚痴、それもそのはずこんな人気の無い寂れた場所に来る者など余程の物好きか彼女のような迷い人】
【それとも、又違う何かか……彼女はそんな中で月の光の下にポツリと人影を見つけ】
【喜びと懐疑心に顔を綻ばせながら、其方へと駆けよっていく】

ねぇねぇ?貴方、ここで何してるの?ジュース飲んでるの?
何でこんな所に居るの?

【そんな風に質問攻めをかけ始める、それは突然に現れた者の発言としては些か不躾な物だろうか】
【だが、彼女は久方ぶりに出会う他人に目を輝かせながら、相手の返答を待っている】
【頭の羽根はピクピクと動いて、それはまるでその羽根も彼女自身かのように】
【そうして、彼女を見ればこの光の下ならば気付くだろうか、彼女の後方に獣のような三本の尻尾が生えている事に】

/よろしくお願いしますー
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/27(日) 22:12:17.91 ID:HG6tbBpEo
>>329

【周囲から足音が聞こえる】
【キョロキョロと辺りを見渡して居ると、一人の少女が駆け寄ってくるようで】

【だが、その少女、やけにこのメイドを質問攻めにしている】
【メイドはこほん、と咳払いしてから】

私は中秋の名月を見に来ようと出てきたのです。
あと、飲んでいるものはビールですよ。

【にこりとその少女には返すものの】
【気になるのは少女の容姿】
【頭部の蟷螂の羽根のようなもの、そして生えている三本のしっぽ】
【一体どんな種族なのか、と考えつつ】

質問させて頂いてよろしいですか?

あなた様はどちらからいらっしゃったのですか?
そして何をされるご予定で・・・?

【一応質問の前に許可を得るようにし】
【少女がメイドにした質問と似た内容を返す】

【背に負った二機の軽機関銃には少女は気づいているのだろうか】
【まあ、気づかれたとしても大丈夫、とは思うが】
331 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/27(日) 22:27:12.65 ID:v24+PUtLO
>>330
【此方が質問の答えを心待ちにしていると、彼方も既に此方に気付いてくれていたのか、すぐに返答は貰え】
【彼女は「ふんふん」と相槌を打ちながら相手方の話を聞き終える、すると】
【相手方からの返す質問に彼女は少しだけ戸惑いながら、俯き頬に指を当て考え込んだ】
【そうして暫くすると彼女は顔を上げ、詰まりながらも答え始める】

何処からかは……わかんないの、何にも覚えてないの
それに何をするかは……わかんない、何かが出来たらいいな、って

【彼女はあまり要領の得ない答えを返すとまた頬に手を当て考え始める】
【何も覚えていない、と言う言葉に何か意味があるようにも話しているが、果たして其処に何かを問いかけてくるだろうか】
【そして彼女は更に続けて口を開き】

「中秋の名月」ってなぁに?美味しいの?それとも‘呼べる‘の?
ビール……美味しいの?飲んだ事無い……

【彼女はそこまで言い切ると自らの眼前の女性が背負う得物に目が行く】
【それは恐らくは文明の利器とも呼べる兵器の部類、だが少女はそれを感覚的に知ってはいるが何かはわからないようで】
【女性に近づき背中側に上半身を回り込むようにしながらそれを眺める】

ねぇねぇ?これなぁに?お姉さんの物なの?
……ビール?

【少女はそう先程にも増して目を輝かせながら女性に問いかける】
【自らが知らない飲み物、そして自らが知らない何か、それは少女の中で何故だかこの瞬間に結びついたようで】
【それがビールかどうか、と一種頓珍漢な問いを放った】
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/27(日) 22:39:33.74 ID:HG6tbBpEo
>>331

【「何も覚えていない」という少女の回答】
【それはメイドにとっては意外なもので】

何も覚えていらっしゃらないのですか・・・。
記憶喪失、ですかね。

ところで、ずいぶんと意味ありげな話し方をされるようですが・・・。
本当に何も覚えていらっしゃらないのですか?

【話し方が気になる、ただそれだけだったが】
【全く初対面の人物、最小限の警戒は怠らないようにする】
【いかなる回答を得られてもよいのだろうが】

中秋の名月というのはですね・・・。
秋に訪れる、一年の間で最も月が美しい日のことですよ。

【中秋の名月と言っても】
【ちょっとばっかし雲が陰っているようだが】
【まあ月が見えなくなるほどの雲量ではない】

ビールは麦で作ったお酒でして・・・。
まあ、苦い飲み物と言ったところですかね。

【麦酒、というほどだから麦で作るといったほうが簡素であろうか】
【正確にはホップやらいろんなものをまぜくるようだが】

【少女がメイドの背後の軽機関銃に興味を示したようで】
【これを「ビール」と言ったことに対して丁寧に教えてあげようとし】

ふふ、これは私のものですよ。
これは「銃」といって、弾を撃ちだす武器です。
まあ、色んな種類があるのですが、私のは「軽機関銃」という種類ですね。

【頓珍漢な問いに対しても至って丁寧に説明をする】
【だが、銃を初めて見るような相手に対して「軽機関銃」とは早すぎたか】
333 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/27(日) 22:56:40.72 ID:v24+PUtLO
>>332
【懇切丁寧に教えてくれる遭遇者に彼女は真剣に話を聞きながら】
【初めて聞いた単語の意味を一つ一つ噛みしめるように聞いているとどうやらまた向こうからも質問があるようで】
【彼女は慌てて今聞いた言葉を何処からかメモ帳とペンを取り出し、そこに書き留める】
【それがまた何処かへ消え去ると彼女はそれを終えるとすぐに口を開いた】

本当に……覚えてる事もあるよ、でもそれが何かはわからないの
何となくはわかるんだけどそれがどんな名前だとか、どんな物だとか、わからない物の方が多いの
あ、でもちゃんと名前は覚えてるんだよ?偉いでしょ……

【彼女は何か誇らしげにそれを言うと、少しだけ胸を張って見せた。張る胸なんて無いのだが】
【彼女はそのまま上空を眺めると、女性が中秋の名月と評した月を見据える】

【真紅の瞳で金色に輝く月を眺めていると、何か言葉には表せないものを感じたようで】
【「うん、綺麗」と呟くと、女性の語る軽機関銃なる物に目を移した】

ふぅん……銃、かぁ……
ねぇねぇ、それってどんな風にその……弾を撃ちだす?の
剣は皆刃がついてるんだよ?でもそれ剣に勝てるの?

【剣を引き合いに出した問いかけ、それはこの年頃の、しかも記憶が無いと言う少女が語るには些か妙な物か】
【だが、少女は自らの言葉には何の疑問を持たず、それを純粋な問いかけとして認識しているようで】
【それが彼女のわからないの理由なのだろうか。彼女はそれでも紅色の瞳で迷いなく女性を見つめている】
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/27(日) 23:17:25.07 ID:HG6tbBpE0
>>333

【覚えている事もある、という妙なニュアンス】
【もしかしたら、この少女は自分の興味があることは深く覚えられるのではないのかと思い】

覚えていることはあるのですか・・・。
もしかしたら、完全な記憶喪失、といった訳ではないのかもしれませんね。

【この少女にはとても謎が多い、といった気がする】
【というのも、記憶を無くしているのかいないのかとても曖昧なもので】

剣は敵が近くに居ないと斬ることは出来ないでしょう?
でも、銃は離れた場所からでも敵を撃つことが出来るのです。

これを撃ちますから、よく見ておいてください。
弾は、このトリガーを引いたら出ます。

【不意に立ち上がり、少女から前に三歩ほど離れた所に行き】
【軽機関銃を実際に手に構える】
【およそ3kgの重さが両肩にかかる、久し振りの感覚だ】

【それから少女の方へと向き直りトリガーを指差して示し】
【もう一度正面を向く】

【そしてトリガーに指をかけ】
【バンッと耳をつんざくような轟音を響かせ地平線の彼方へと銃弾が消えていく】
【と同時に銃身の先端からは火を噴くような火炎が延びる】
【これを少女はどう感じたか】

//ID変わってるかもしれないです。。。
335 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/27(日) 23:33:04.52 ID:v24+PUtLO
>>334
【完全な記憶喪失では無い、その言葉は彼女にとっては何か少し謎を残すものだったが】
【自分が何なのか、何をすべきなのか、それがわからない彼女にはその言葉への答えが見つからなかった】
【そうこうしている内に女性は快く此方の願い出を了承してくれたようで】
【彼女は女性が放つその軽機関銃とやらをまじまじと眺めていた】

【突如として鳴り響いた轟音に彼女は驚愕し、同時に尻尾で即座に耳を撫でながら】
【少しだけ目を回して、数秒の後声を発した】

すごいね!炎が出たよ、出たよ!
凄いねぇ、でもねー、私も出来るよー

【少女はそう言うと女性が銃を撃ち放った方向へとくるりと方向転換し、掌を翳す】
【すると少女の掌に黒紫色の瘴気のような物が立ち込め始め、次第にそれは大きく、暗くなっていく】
【掌大まで肥大化したそれは次の瞬間紫黒の炎のように形を変え、彼女が指を鳴らすと同時に銃弾程の速度では無いが放たれていく】
【そうして少し離れた平野でそれが霧散するのを見ると】

どう?凄いでしょー、私も出来るんだー
でもその「けーきかんじゅう」みたいに音が出ないんだ……どうしてそんなに音が出るの?

【彼女は軽機関銃から炎を出た事を半ば魔法か何かと勘違いしているようで】
【自分の物との違いをまた訪ねて行った】
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/09/27(日) 23:51:19.18 ID:HG6tbBpE0
>>335

【少女が作り出していく黒紫色の物質】
【それは肥大しつつ暗くなっていき、そして燃え上がった】
【更に少女が指を鳴らすとその燃え上がった物質が放たれた】

使役系能力、といったところでしょうか。
その黒紫色の物質、他のものにも出来るのですか?

【とこんな質問を少女にするのだ】
【つまり炎以外も作れるのか、ということで】

これは、中に入ったものが爆発して音が鳴るんです。
魔法とは性質が異なる、物理的なものでして・・・。

【と説明するが、これで理解してもらえただろうか】
【難しい言葉も多く使ったが】

//すいません、眠気が限界でして・・・
//持ち越しか置きレス、〆をお願いしてよろしいでしょうか・・・?
337 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/09/28(月) 00:11:48.53 ID:d2nIwHQqO
>>336
うん!出来るよ、えっとね、こんなのも!

【そう喜んで彼女は又も掌に瘴気を集め始める、それは次第に細長い形を作っていき】
【十字の鍔に黒い柄、同じく黒紫に煌めく鋭い細剣、それは彼女が言った剣そのものであり】
【彼女が何故剣を引き合いに出したのかはこれで女性にも理解できるだろうか、彼女はそれを数度振ると更に宙に浮かせ】
【数度回転させた後、指をパチンと鳴らして消滅させた】

凄いね〜、それ。爆発するならきっと強いんだね!
私も真似してみようかな〜……

【そんな事を言いながら彼女は目を輝かせ、虚空を見つめて嬉しそうにしている】
【余程それを気に入ったのか、「何処で貰えるの?」とまで聞き出しそうな勢いだったが】
【不意に自分が既に眠気に襲われている事に気付き始め、次第にウトウトと目を瞬かせ】
【彼女は語尾が少し不安定な言葉で女性に別れを告げ始める】

ごめんなさい……もう眠くなってきちゃったの……街に行かないといけないね……
またね、銃の事教えてくれてありがと……後「ちゅうしゅーの名月」も

【そう言うと彼女は何処からか無数の蝙蝠を呼び出すとそれらに服を掴み、或は無数の蝙蝠の背中に足を乗せ】
【月光が照らす闇夜へと消えて行った】
【後に残った静けさが彼女の居たと言う証拠を物語る。名月の夜の邂逅はこうして終幕を迎えた】

/了解しましたー。ではここら辺で私も
/それではお疲れ様でした!ロールありがとうございましたー
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/09/28(月) 06:49:15.42 ID:YE5K9E9Mo
私の予想では李の人が此方にいらっしゃると考えておりますが、もしいるのであれば此方にご連絡ください。。お話したいことがあります。

pick-co-jp@excite.co.jp
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/09/28(月) 06:49:32.56 ID:YE5K9E9Mo
私の予想では李の人が此方にいらっしゃると考えておりますが、もしいるのであれば此方にご連絡ください。。お話したいことがあります。

pick-co-jp@excite.co.jp
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/09/28(月) 06:50:47.14 ID:YE5K9E9Mo
私の予想では李の人が此方にいらっしゃると考えておりますが、もしいるのであれば此方にご連絡ください。。お話したいことがあります。

pick-co-jp@excite.co.jp
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/09/28(月) 07:00:58.47 ID:YE5K9E9Mo
私の予想では李の人が此方にいらっしゃると考えておりますが、もしいるのであれば此方にご連絡ください。。お話したいことがあります。

pick-co-jp@excite.co.jp
342 :明野薄荷 ◆NilMOV/Pm6 [sage saga]:2015/09/28(月) 19:11:54.95 ID:+XApbnYt0

【日も暮れ次第に街頭の光に包まれつつある街の中】
【一際人通りの多い大路地にて、まるで川の流れに逆らう石のように、その場で立ち尽くす少女がいた】
【肩で切り揃えた黒髪とそれとは正反対な白磁を思わせる色素の薄い肌、難しそうに眉と共に顰められた瞳は燐葉石を思わせるミントグリーン】
【萌黄色の着物は草木を象った生成り色の模様が一面に散らされ、その上に着ている白い羽織も細やかなレース刺繍によって可愛さと共に上品さも醸し出していた】
【その他、頭の竜胆を模した金色の簪、レース刺繍のある足袋に鼻緒だけ着物と揃いの漆塗りの下駄に至るまで、特注品…もしくは高価なものだと見る人が見れば分かるだろう】
【有体に言えば、少女は“お嬢様”っぽい格好だった】

「えっと、これがあそこで、ここはそれでということは、あれはあっち…ですかね?」

【そしてそんな少女が道の真ん中で何をしているのかと思えば、その手には小さな手描きの地図が握られている】
【それを薄荷色の目で凝視しつつ、時折確認するよう周囲を見回したり、くるりと地図そのものを一回転させたり、という一連の行動を続けていた】
【時間にして小一時間、正直に言えば歩いている人達には迷惑が掛かりまくっている】
【だがそんなことは地図読みに夢中のせいか少女は意に介さず、とりあえずふらっとした足取りで歩き出そうとしたのだが―――――】
【そこでぶちり、と何かが切れる音が、】

「とりあえずあっちに行ってみ――――って、えっ?あれ、わわわっっ!?」

【不意に足元から何かがすっぽ抜けた感覚、もちろんそれは気のせいなんかではなく】
【丁度前に出した右足の下駄、その鼻緒が運悪く切れてしまったようで】
【そのまま素っ頓狂な叫び声をあげながら少女は前方へ大きく態勢を崩してしまう】
【こんな人通りの多い場所で派手に転びそうになっているのだ、もしかしたら通行人の誰かにぶつかってしまうかもしれない】
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/28(月) 20:41:37.22 ID:RA7Mu00p0
>>342

【今宵は月に何かがあるらしい。スーパーブラッドムーンだなんてゲームの必殺技みたいな単語をニュースで聞いてから、それから数十分】
【いつもの通りに仕事にと外へ出てそこから十数分で軽い後悔に襲われて、帰ろうか、なんて、思い始めたのが、さっきの辺り】

……――あら、どうしましたの、? ……ああ、靴が。

【ごっなんて音がしそうなくらいに少女が転ぶ現場に出くわしたのがたった今。それを少女の前方から見つめたのは女で、彼女は、】
【少女が転んでしまったのを見るとどこか気持ちおぼつかないような足取りで近づいて、そっと膝を折って、取り出したハンカチを差し出しがてら、手を伸ばすのだろう】
【ハンカチは隅に猫の刺繍が施されたもので、甘い匂いがついている。だけれど清潔そうで、傷口でもあれば傷を押さえるには問題ないだろう】
【綺麗な着物を汚してしまうよりかはいい――だろうか。そこは少女によるものだけど、とかく、女はなんとも害のなさげな笑みを浮かべ、緩く首をかしげてみせ】

【少し癖毛の女だ。髪は黒猫のような黒色をしていて。つんと釣った猫目のまなこは青りんごの色。或いは宝石のように艶めいて、どこか不思議にも見え】
【肌はひどく白い。元から白いのがさらに少し蒼褪めたような色をしていて、だけれど顔には化粧が施されているせいか、あんまり気になるほどではなく】
【服は柔らかい布地のワンピース。柄は目立つものでなくって、裾が少し短いくらいしか特徴がなく。靴は鋭くとがったハイヒールで】

こんなところに転がっていたら踏まれてしまいますのよ、さあさ、お立ちになれますかしら?

【声は甘ったるい猫撫で声。にこりと愛想のいいように笑ってみせて、ハンカチを受け取るなら改めて手を差し伸べるし、】
【そうでなければ少し困ったように眉を下げてから、「さあ」ともう一度促してみるのだろう。――それなら、世話焼きの通りすがりのよう】
【そろそろ寒くなってきた時期だというのに服が少し寒そうだったけれど。どこか具合悪そうに思えた彼女は、ただ、目の前で見事に転んだ相手のほうが、気になるようだった】

/まだいらっしゃったらーっ
344 :明野薄荷 ◆NilMOV/Pm6 [sage saga]:2015/09/28(月) 21:05:57.09 ID:+XApbnYt0
>>343

「いったた…、って、は、はい!え?あ、ありがとうございます!」

【幸いなことに人を巻き込んで大転倒、ということはなかったようだ】
【ただしおでこの痛みとうつぶせの体勢からでも分かる、周囲からの憐れみというか不憫に見られているだろう視線は嫌でも感じ取れて】
【慌てて立ち上がろうとした時、ふと聞こえた声に其方を向けば、ハンカチを差し出している若干薄着?な女性の姿があった】
【思いがけないことに暫し女性とハンカチの交互を見て惚けていた、が、はっと我に返れば忙しない様子で相手に頭を下げつつハンカチを受け取る】
【とりあえずハンカチはおでこがあかくなっているのを隠すために使わせてもらう】
【その後身嗜みをさっさと整えようとするものの袖を卸したり裾がめくれていないか確認したりと素肌を見せることを気にしているよう】

「あ、えっと…すみません、わざわざ心配してくださって。……ど、どこから見てました?」

【相手の手を借り立ち上がる間際、下駄を拾い上げて見てみればその状態にあちゃーと眉を下げる】
【これは使い物にならない、よくても歩くのには支障が出てしまいそうだった】
【まあこれは自業自得だからしょうがない、と両手にハンカチと鼻緒の切れた下駄を持ち一旦軽く片足をあげたままで相手に向けて会釈をする】
【丁寧な口調に恥ずかしさのため若干小さくなっているもののはっきりとした声色だ】
【最後の一言はやはり先程迷子な挙句盛大に転んだことに対して気になるところだったのか、とりあえず】

/よろしくお願いしますー!
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/28(月) 21:25:13.28 ID:RA7Mu00p0
>>344

【差し出したハンカチは受け取られて、額を隠すのに用いられる。礼には「お気になさらず」なんて、微笑みかけ】
【周りからは何があったのかと向けられる視線を感じるけれど彼女は全く気にしていないようで、それより、相手のことを気にしているよう】
【「お怪我は?」なんて尋ねるのだろう。必要なようならちょっとした消毒薬と絆創膏くらいは持っているから、必要ならば言ってみればいいだろうけれど】

絆創膏くらいなら持っていますのよ、入用でしたら言ってくださいな。
……いえ、どこからでしたかしら。今宵は少し気が逸れるものでして――。

【黙っていては分からないだろうと伝える、絆創膏はあるから必要だったら言ってと。それより、怪我がないのが一番なのは当然として、】
【どこから見ていたかと問われれば、ほんの一瞬ふつとだまりこむ。それから、――本当によく分からない、というような様子で、彼女は言葉を返し】
【ただそれが優しさなのかもしれなかった。どちらなのかは、まだ曖昧で、はっきりしないけれど――】
【「分かりませんわ」と笑ってみせる。笑うと言ってもどこか営業スマイルというか、そういった無感情な慣れた様子があって。なんだか少し温度が足りないよう】

【貸した手は少しだけ冷たい温度。よいしょと立ち上がるのを手伝ってやって。彼女自身はたいして身長が高いわけではないのだけど、靴が高いためか、いくらも高く見え】

それじゃあ歩けませんわね……、――ええと。

【口元に軽く手を当てて、ふむと小さく唸るのは、相手の下駄の壊れてしまった様子に、だろう。それではごまかして履くことさえも難しそうで】

裁縫道具ならあるのですけれど……違いますよねえ。

【なんて言葉から、きっと彼女は和装に不慣れなのだと分かる。「あの子なら分かるかしら」と小さく呟いた声は、ただ、なんら意味もない】
【どうしましょうかしら、と、呟きかけたところの肩を、通りすがりのおじさんがぶつかって行って。小さくよろけた体を建て直せば】

……ひとまず作戦会議でもいかがですの?

【――そう提案して首をかしげる。指を指す先は道ぞいのカフェで、良かったらお茶でもなんてお誘いはナンパのようでもあるのだけど、――そういう意味では、きっとなく】
346 :明野薄荷 ◆NilMOV/Pm6 [sage saga]:2015/09/28(月) 21:44:20.72 ID:+XApbnYt0
>>345

「そうですか…覚えてないならそれでいいです。
あ、 いえいえお気遣いなく!ちょっとぶつけただけで血とかは全然出てませんから。」

【相手の曖昧な問いに若干安堵した様子、一応平静を装っているつもりだが端から見れば少女が動揺しているのは一目瞭然だろう】
【絆創膏が必要か否かと問われれば、一旦ハンカチを外してぺたりと触ってみる】
【うん普通に痛い、そう漠然とした答えが頭の中から帰ってくるがもちろん口には出さない】
【ハンカチの表面を見ても血はついでいないので恐らくぶつけただけ、後日たんこぶはできそうだが絆創膏は多分必要なさそうだった】

「あはは、裁縫セットは確かに少し違う気がしますね、
 あ、でも、紐とかで直せるって聞いた事あります。えっと…どういう風だったかな……。」

【ひんやりとした手の感覚に寒くないのかなぁ、なんて呑気なことを考えつつ】
【和服を着ている張本人の少女ですらも対処法については曖昧だ】
【なにせ身の回りのことはほとんど周りの大人達がやってくれるようなご身分だったのだから…まあ応急処置ぐらいは覚えていて損はなかった筈なのだけれど】
【どうしても直す方法が思いつかずうんうん言っていると、相手の肩と通行人が接触する】
【慌てて今度はこちらが相手を支えようとして、そういえばここにいったら邪魔になるということに今更気づいた】

「そ、うですねー、ここにいたらそろそろ怒られちゃいそうですし。
なんかほんとうにわたしってばもう申し訳なくって…」

【とりあえずここに居たら周りに迷惑がかかるかもしれない】
【自分の下駄のこともそうだけど、先程触れた女性の体温だとか薄着な格好も含めて、一旦屋内に入った方がいいと判断する】
【相手が案内するのなら少女はたどたどしいながらもそれについていくだろう】

347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/28(月) 21:57:12.43 ID:RA7Mu00p0
>>346
/すいません、文章消えちゃったのでちょっと遅れます……!
348 :明野薄荷 ◆NilMOV/Pm6 [sage saga]:2015/09/28(月) 22:01:30.61 ID:+XApbnYt0
>>347
/了解しました!
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/28(月) 22:12:02.33 ID:RA7Mu00p0
>>346

【本当によく見ていなかった少女の挙動、転んで初めて気が付いて、それから気を向けて、今になる】
【ハンカチをどかしたところをちらりと眺め、流血がないのをこちらからも確認すると。「よかった」と笑ってみせる】
【「だけど冷やしたほうがいいかもしれませんわね」と呟く。――だけどさすがに氷は持ち歩いていなくって、なんて、言っているうちに】

……知り合いになら和服をたまに着る子が居るのですけれど。この時間ですと、きっともうお仕事の時間ですわ、出ないでしょうし……。
そうですわね、ひとまずあちらで休みましょう。そうしたならいい案が浮かぶかもしれません、そちらで氷でも貰いましょう。
頭の怪我は怖いと言いますもの――ね。

【そこの店に入ることになっていって、そこで氷でも貰おう、と呟く。曰くの和服知り合いとやらはどうやら仕事中、頼れそうにはなさげで】
【頭の怪我は怖いですから――なんて言いながら、そっと、相手の少女のそばに立つ。店の方向とは違う、それどころか少し離れた場所に立って、】

さあさ、わたくしの肩でよければお使いくださいませな。それとも手のほうがよろしいかしら?

【肩か手かに掴まりやすいようにするのだろう。冗談めかしてウィンクしてみせて、「お姫様」だなんて紡いでみる。まさか少女がそれにどこか近しいとも知らず】
【それで掴まってくれるようなら、ゆっくりと店まで歩くのだろう。片方の靴がない少女が歩きづらくないように、気を使ったような、そんな仕草】

【――店はなんてことなくよく見かけるようなカフェ。扉を開ければ古びたベルが「からん」と鳴って、静かなジャズが微かに聞こえ】
【少女の希望がなければ一番入口に近い席へ座るだろう。あんまり歩かせないようにとのつもり、もちろん少女に希望があればそこへ座って】

――それにしても災難でしたわね。あんな人混みで転ぶだなんて……。本当にお怪我は大丈夫ですの?

【――なんて、訪ねるのだろう。言いながらメニューはついと少女のほうへ向けてから指で机を軽く滑らせるように押し出して、自分は出された水に口をつけ】
【とはいえ彼女自身少し顔色が悪いように見えるから、少し説得力がないように見えるのだけど。それから、飲んだ跡を指で軽く拭うのだった】

/お待たせしましたっ
350 :明野薄荷 ◆NilMOV/Pm6 [sage saga]:2015/09/28(月) 22:38:07.33 ID:+XApbnYt0
>>349

「ああ…そういえば、」

【ついさっき呟いていた言葉はそういうことか、とぽんと手を打ち納得する】
【和服を着る人なら多分簡単に直せたんだろうな、と思うと少し名残惜しいところもあるが、これは自らが撒いた種…贅沢は言ってはならない】

「着物着る方ってやっぱりこちらにもいるんですね…良かったぁ。皆さん洋服ばっかりで…っとわわ、ありがとうございます!」

【どうやら少女は着物を着るのが日常的らしい】
【見慣れない光景に戸惑っていたせいか思わず関係ないことをぽろりと呟いてしまうものの】
【相手に手を出されれば慌てた様子で手を差し出す】
【肩か手かで一瞬迷ったけれど女性が言うほど頭へのダメージは大丈夫そうな気がするし、なんだかんだで肩を貸してもらうのはますます重症に見えて目立ちそうなので、手の方を選択】

「おっ…!?姫様ですか!びっくりしましたー!からかうのはよしてくださいよ、そう言われるとドキドキしちゃうんで…あはは、」

【お姫様、そんなたわいもないはずの言葉にあからかさまにぎくりとした表情を浮かべる少女を女性は見ただろうか】
【相手のリードによって辿り着いた喫茶店…故郷でいう茶屋?だろうか】
【物珍しそうに周囲の音楽や内装を見つつ、勝手が分からないのでとりあえず手近な席へと】

「怪我は本当のほんとうに大丈夫です!それに転んだのも地図見ながら歩いていたせいでして…全部余所見と不注意のせい、でして。
いつもこうなんです、真面目にやろうと思っても何故かドジしちゃうというか…毎回小さな不幸が転がってくるというか…?」

【差し出されたメニューを覗き込み、とりあえずアイスティーなるものを選ぶことに】【安い部類だし何よりお茶だ、選ばないわけがない】
【災難、という言葉には困った笑みを零しつつ、日常茶飯事ですと答えて】
【少女の言う日常的な不幸というのは薄幸という儚げなものではなくトラブル吸引体質のようなものらしい、ということがわかるだろう】

351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/28(月) 22:51:59.98 ID:RA7Mu00p0
>>350

【「わたくしは和服を着ないものですから……」】
【と、ごちる声は微かに自嘲気味でもある、「櫻の血は引いているはずなんですけれど」と、真っ白の頬をわずかに掻くように触れて】

そういえば……最近こちらに来たばかりなんですの? それでしたら大変でしょう、いろいろと。
わたくしは生まれた時からこのあたりですから、たいして困ったことはないのですけど……。

【喫茶店の席。世間話のように尋ねるのは、さっきの会話から。まだこちらに馴れていないのかと思って、そんな風に尋ねる】
【それが聞かれたくないことならば少しでも顔に出すなりすれば話題は引っ込める。そうでなければ、「水の国生まれでして」なんて言葉を続け】

どちらかにご用事で? それでしたら、案内出来るかと思うのですけど……、……ああ、靴が駄目なのでした。
どうしましょうかしら、家のを呼びつけて……――。

【地図という言葉にそんな連想をする。このあたりならばある程度詳しいはずだからと口にしかけるのだけれど、少女の下駄のことを思い出し】
【ふと視線を逸らした先で一瞬だけ眉をひそめたような気がした。「靴でも買いに行かせましょうか」と呟くのは冗談のような、それでいて本音のような】

それは本当に災難ですのね――。

【ふわと吐息混じりの声。少し驚いたような微かに同情するような声音、相手がメニューを選んだのに気付けば、メニューを自分のほうに向け】
【お互いメニューを決めたなら店員を呼んで注文する、ついでに、氷水を一杯もらえないか、とも頼んで。注文したものよりもそちらが先に届けば、】
【鞄の中に持ち合わせのちっちゃなビニール袋……ロール式になった袋から一枚引きずり出して、じゃらと移してしまって、】

よろしかったらお使いになってくださいな。頭の傷は怖いですから。

【簡易式の氷枕のような。たぷたぷごろごろした袋を作りだせば、良かったら傷口に、と、差し出すのだろう】
352 :明野薄荷 ◆NilMOV/Pm6 [sage saga]:2015/09/28(月) 23:20:49.77 ID:+XApbnYt0
>>351

「あれ、お姉さん櫻の国の人に親戚がいるんですか?えっと、私は櫻の国から今日ここに着いたばかりでして…
親戚や友達とは違うんですけれど家族ぐるみで付き合ってた…古い知り合いに、会いに行こうとしてて……えっとー?」

【前半は本当のこと、だが後半から次第に嘘も混じりつつある】
【まず古い知り合いというところはかなりギリギリな誤魔かし方だ、確かにこちらにそういう付き合いだった人はいるにいるのだが、正直会ったこともないし会いにいくほどの間柄ではない】
【要するに住所を聞かれたときの一時のブラフであり】
【先程まで自分が探していたのは実はビジネスホテルですよなんて一言も言えるはずがなかった】

「ご、ご心配なく!それにわたし携帯持ってないし…一応地図さえあれば辿り着けるので!
えーと、下駄は…どうしましょうかねぇ?……あ!た、たしか五円玉?五円玉をこう通してなんたらみたいな……」

【故に家、と言われれば焦る焦る】【まるで家には帰りたくありませんと言いたげな様子だ】
【そして全力で話題を逸らそうと努力してみる、もっとも違和感しかないのだが】
【だが幸か不幸か、するりと口を出た提案は昔使用人か誰かに聞いた応急処置法をギリギリかすめている】

「ああ、恥ずかしいです…、大勢の人の前で転んだり、見ず知らずのお姉さんにここまで助けてもらったり…」

【氷水が入れられた袋を受け取れば前髪をあげて、患部を冷やすようにぺたりとあてる】
【店員さんの一人がそんな様子に気付いたようでなんとも言えない気持ちになる】
【自分の不甲斐なさが情けない、と本日数度目の「ありがとうございます」を女性に言うと、ほろりと嘆いてみせるのだった】


/すみません、今日はそろそろ落ちねばならないのです…!;;凍結ということで明日に持ち越す形でも大丈夫でしょうか?
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/28(月) 23:23:23.37 ID:J7GNvXe60
【――――人里から大きく離れた湖】
【其れは密林にも似た森の中に存在して居て、とても人間が入り込むとも思えない場所】
【然れど、今宵は其処に少しばかりイレギュラーが起きていた】

【大凡人の持つ魔力とは比べられないほどの其れ。更には、其れは“風”という魔力のみで満たされていた】
【まるで風の魔力のみが集ったかの如く。だからと言って、吹き荒れている訳でも無く】


【森を進み、湖に辿り着いたならば。先ず、一人の青年が視界に入るであろうか】
【まるで法衣にも似た物を纏った緑の髪の男。手にしているのは酒か、湖面に映る月を眺めながらチビチビと口に運び】


「現物を眺めているよりも、別なレンズを通して見る物の方が綺麗に見える事も多いなんて不思議な話だねぇ
あ、コレ美女にも美少女にも言える事ね。ほら、何だか撮った後でパソコン使ってカタカタってしたりするんでしょ?本に載せるとき
……実際に見て綺麗な人なら、良い酒の肴にもなるんだけど」

【この男が、件の魔力の正体であろう。まるで、魔力その物が人の形を成しているかの様】
【此処を訪れた者の気配を感じ取ったのか、投げかけた言葉は何とも気が抜けるようで】
【同時に、何と無くこの男の性も知れる事だろう。実直とはほど遠い軟派者】


「所で――――こんな辺鄙な場所に何か用かい、旅人さん
生憎見たとおり此処は人が滅多に来る事も無くてね……僕が出来る持て成しはこのお酒を分けてあげる事くらいだけど」

【徳利を揺らし、ちゃぷんちゃぷんと音を立てて聞かせ】
【――少なからず危険な存在で無い事は理解出来るか。振り向く事も無く、視線は湖面に向けられて居るのみ】
【注意を向けさせるのも、或いは側まで歩み寄ってみるのも。将又踵を返して歩き出すのも。全て、訪れた者の自由であって】










【満月の夜――――人々からその存在を忘れ去られ、ただ朽ち行くだけの遺跡】
【嘗ては祈りを捧げるのであっただろうその場所も今となっては誰一人として訪れる事は無くなった……が】
【今宵は、無礼にも其処に座る女が居た。金色の髪に、同じ色の双眸。何よりも特筆すべきは背に生やした純白の翼】

【在りし日の其処を思い、思慮に耽っている訳でも無い様。ただ単純に単純に月光浴を楽しんでいるのか】



「――――今日は星も月も良く見える良い夜だ。風も心地良いし…………ボクだって偶にはこんな夜も、ね」

【漏らした言葉は誰に向けた物でも無い。ただ、何と無く慈しむ様に己の座る台座を掌で撫で】
【バサリ、と一度羽ばたかせた翼。純白の羽が月光を浴び銀色となって風に舞い】

【辺りに人気は無い。だからこそ、この女の存在も相対的に目立つというもの】
【もし、女の存在に気付いて近寄ったならば――――「ボクに何かご用かな」なんて言葉と共に、緩んだ笑みを向けるのだけれど】
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/28(月) 23:25:20.60 ID:RA7Mu00p0
>>325
/凍結了解です、レスお返ししておきますので、お先にお休みになられて大丈夫ですよ!
/また明日よろしくお願いします。ひとまずお疲れ様でした!
355 :明野薄荷 ◆NilMOV/Pm6 [sage saga]:2015/09/28(月) 23:28:35.06 ID:+XApbnYt0
>>354
/では今日はありがとうございました!また明日もよろしくお願いしますー
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/09/29(火) 00:26:29.07 ID:4EdKoHjT0
>>352

ええ、親戚は何人か。けれど顔も名前も覚えていませんわ、子供の頃に会ったきりですし……。
彼らもわたくしのことなんてきっと忘れていますの、……そう、このあたりの方なんですの?
でしたらやっぱり案内出来ると思いますけれど、――まあ、無理にとは言いませんけれど。

【親戚ならば居る。だけれど関わりはほとんどないに等しく、名前も、顔も、なんなら苗字でさえも分からない】
【いきなり行ったら多分塩を撒かれるレベルで他人事だ、と、ぼんやり考えて。お互い用事もない。用事なんてない。半ば勘当されたに等しいのだし】
【ちろりと瞳をわずかに伏せるようにしながら少女のことを見つめる、その様子を少しだけ眺めてから、そうと話題を転がし】
【この辺りがあまり触れない方が良い話題か、と、当たりをつける。それならあっさりと自分の言葉を撤回して、】

いえ、家(うち)の同居人ですの。どうせ暇してますから、使いっぱにするにはいいかしらと思って――。
――硬貨でどうにかなるんですの? わたくし、和服については詳しくないものですから……、ああいえ、疑っているわけではなくって。

【少し勘違いさせてしまったようだ、と、彼女は表情を移ろわせて訂正する、家のとはつまり彼女の同居人の話で、少女には無関係の人物】
【その訂正だけして、硬貨がどうこうと言い出した少女に対しては、少し不思議そうな顔をする――本当に知らないのだろう、どこか興味深げで】

気にしないでくださいな、わたくしはこういうのが好きですから。
ようく言われますの、世話焼きですって。ひどい人なんです、悪口みたいに言うんですもの。

【幹部を冷やす様子を見ながら僅か、唇を湿らす程度に水を飲む。それでまた飲み口を指で拭って、さっきから水面の高さはほぼ全く変わっていない】
【そのうちに頼んだ飲み物も届くだろう。アイスティーとカフェラテ。くるりとカップを回して取っ手を右にやる間に紡ぐのは、ほんの世間話のようなそれ】
【そういった機微に敏感なら、前述の家の同居人とその“ひどい人”が同一人物であると気付けるかもしれない。どうにも好感度の高いような様子がわずかに窺え】

――そういえば、あなた様のお名前。お伺いしてもよろしいですかしら?
わたくしは二谷音々子ですの。お好きに呼んでくださいませな。

【だけれどそんなこの場に居ない誰かのことを話していても仕方ない。今頃くしゃみでもしているかと薄く考えながら、訪ねるのは相手の名前】
【自分の名前も簡単に告げる。ふたやねねこ。やはり櫻のほうの響きがある名前だ。瞳は青りんご色、ぺかぺか光る宝石のようだけど、確かに血は引いているようだった】

/というわけでお返ししておきます。お手すきになった頃合いにレス返していただけたらと思いますっ
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/09/29(火) 12:19:17.96 ID:dmwBi+k10

【水の国・首都フルーソ・水の国聖協会――昼】
【教会堂の並んだ椅子に1人、その場所に不似合いな格好をした青年が眠りこけていた。】
【青褐色の頭髪、前髪で目の片方は隠れていて、元はそれなりに高価だったのだろう茶色い呉服も薄汚れていて――掛け布団代わりにしている羽織ですら、裾はぼろぼろだ。】
【肩にかけられている黒く無銘の刀も、何日も手入れされていないようで、ところどころ汚れていた。他に人は見当たらないが……。】
358 : ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/09/29(火) 20:50:43.68 ID:RQtM2SK7o
【某国・路地裏にて】

【日も暮れていっそう人通りも少なくなった街の裏側を慌ただしく駆けまわる集団がいる】
【逆五芒星が刻印されたヘルメットに防弾ベスト、腰には複数の予備弾薬を備えた6人ほどの―――妙に統制のとれた動きをする集団だ】
【だが顔を見ればゴーグル越しにも焦燥が浮かび上がっているのが見て取れる、奥からさらに2人の男たちが合流すると声を荒げながら伝達を行う】


「―――奴はいたか!?」

「いない!……なんて逃げ足の速い野郎だ!おまけに手癖も悪いと来てる!いつの間にか拳銃を一丁スリ取られた!」

「今回の一件、本当に正義組織の人間の仕業か……?単独犯のようだし手口がずいぶんと汚いしよ……!」


【探索を続けろ!というリーダー格の一喝とともに再びチームを二手に分けてこの場を離れていく集団】
【その様子を見届けた後―――そろり、と小柄な人影が暗がりから這い出て来るだろう】
【ずっと物陰から集団が過ぎ去るのを待っていたらしい『犯人』は、彼らが向かった方向に頭をかきながらぼそりと不満そうに呟くことだろう】


――……っんとにしつこい連中だなぁ相変わらず……!いいじゃないのちょっとくらいちょろまかしたって
どうせ力の弱い人々から汚い手で奪い取った汚い金で得た物なんだしさあ……天下の悪の大組織様が小さい事で大人げなく怒るなよな!
まったく……面倒だからさっさと撒いてこの場を抜けだそうか、『伝言』も早く届けなきゃいけないしね


【その人物はややくしゃくしゃと癖のある黒い髪の毛をしたどこかあどけない顔つきの年若い身なりをしていた】
【額に日の丸の描かれたバンダナを巻き、襟元に猫のプリントが施された灰色のシャツ、その上に緑の迷彩模様のジャケットを羽織っている】
【下には紺色のデニムジーンズを履き、右腰には先ほど奪った銃をベルトに挟み、左手で黒い中型スーツケースの持ち手を掴んでいる】

【どうも誰かに追われているようではあるが、何をしたのか―――?】
【とりあえず彼の注意は過ぎ去った集団の方に向いている、ほんのちょっと不意を突く事も可能かもしれない】
359 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/30(水) 21:45:21.26 ID:2IFS8j3mo
【淡雪の溶けた後のよう、涼しさが身肌にしみる秋空の頃】
【夜の雰囲気が周囲に満ちて、雑踏の音色を薄める】
【消えた人気を探すように、薄暗がりの遊歩道を歩く影が一つ】


うんしょ……しょ……すっかり、遅くなっちゃった、の


【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女がいて】

【両手で握る大きなバイオリンケース、ふわふわと尻尾のように大きく揺れたら】
【人気の少ない夜道を歩く、あまりにも華奢な身体が見えて】
【おせっかいな人の、気を引くかもしれないけど】
360 :ジンジャー・ユースロット ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/09/30(水) 22:07:56.69 ID:cc1WOm2yo
>>359

【街灯の明かりとともに足元に伸びる影、少女の影のすぐ横に倍近く大きな影がいつの間にか伸びていた】
【すぐ斜め後ろに其方に近づいて来る者がいる。少女よりもずっと歩幅は広く、三歩も歩けばすぐに彼女を抜かしてしまうだろう】
【だが抜かした直後にその人物は突如振り返り、少女に手を差し伸べながら声をかけて来る】


……やあ、そこ行く可憐なお嬢さん。こんな夜更けに重たい荷物を持ってお出かけかね?
人気の少ない夜道を一人で歩くのは今のご時世とても危ない。よろしければ私が荷物を持って『酒場』までお送りしようかな?


【声をかけてきたのは、黒い短髪を若干しゃれた状態に整髪料で整えた、自身満々の顔つきとは裏腹に若干年若い印象を与える顔立ち】
【新品同様の真っ白な白衣に身をまとい、その下にはストライプのブラウスに真っ黒なスラックスをはいており】
【その首には髑髏模様が際立つ奇妙なデザインのネクタイを首に絞めている、極めて大柄な男性だった】

【凛々しく、力強い微笑みを少女に投げかける男は―――やがて背丈の低い少女の目線に近づくように少し膝を曲げて近づくと】
【えらく気取った様子で夜道を先導する、などと紳士的な提案を投げかけてきた。一体何者なのだろうか?】
361 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/30(水) 22:17:33.63 ID:2IFS8j3mo
>>360

【瞳の水面を睫毛が泳ぐ、広がる波紋が漣を告げて】
【水滴が目尻を濡らしたら、湖面に映すのは貴方の虚像】
【ぱちくり、大きな瞳が呼吸をしたら、ソプラノが細い声を響かせる】


……ソニア、知らない人についてかないの、ついていったらダメって、セリーナに言われたの
だからね、断るの、ソニアのね、荷物はね、とっても大事なもの、なの


【舌っ足らずなイントネーション、潤う言葉の響きは異国の歌に似て】
【旋律のあわさだけがケルティックな風情に彩られたら】
【膝を曲げた貴方に対して、少し背伸びをして視線を合わせる、ブーツが軽く地面を叩いて】

【小さな頬に静かな表情を浮かべる、絹糸のようなきめ細かい肌が揺れる】
【プラチナブロンドが風に吹かれ、細い毛先にも遺る色を返して】
【拒絶の言葉を返したなら、ふと、頬をほころばせて】


でもね、ソニアも同意見なの、夜道を一人で歩くのは、危ないの
だからね、守るの、おにーさんが襲われないようにね、ソニアが護ってあげるの


【髪がなびく、小さな影を伸ばして長い髪が揺らめく】
【貴方を正面から見返しながら微笑んで、小首を傾げる表情を見せる】
【人形のように整った笑みは、戦いから程遠い調度品のようで】
362 :ジンジャー・ユースロット ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/09/30(水) 22:37:23.74 ID:cc1WOm2yo
>>361

【帰って来るのは意外な答え、男性は思わず頭をかきながら小さく舌を出すだろう】
【しかしすぐに表情を直し、再び背筋を伸ばし姿勢を正しながら彼女の言葉に答える事だろう】


それはそれは手厳しいな。まあ、君の事を心配するセリーナ君の気持ちも大変よくわかる
……ならばせっかくなので君の提案に乗っからせていただこうではないかね。考えてもみればまたとないチャンスだ
君のようにキュートで凛々しいお嬢さんに身の回りをガッチリガードしてもらえるなんてそうそうあることではない

では頼んだよ、『ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ』君。
君の事はよく知っている。以前から直接会話してみたかったのだよ……自己紹介が遅れたね
私はジンジャー・ユースロット。世界で1,2を争うほどの紳士的ナイスガイな冒険家、でもって科学者だ


【今度は膝をつくと、くしゃり、とソニアの右のこめかみ辺りを、プラチナブロンドの細く柔らかい髪ごと優しく撫ぜ、親愛の情を示してくる】
【ずいぶんと親しく接してくる男だ、妙にスキンシップも多い。そのうえ―――ソニアのフルネームをしっかりと口にしてきた】
【彼はソニアの事を妙によく知っているようだ。しかも聞いてみれば彼の行き先もUTの酒場と来ている。どうも他人ではなさそうだ】
363 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/30(水) 22:47:17.03 ID:2IFS8j3mo
>>362

【頭の上に大きな疑問符が浮かぶ、天華細工の宵月の明かりが差し込まれて】
【纐纈模様のプラチナブロンドが靡くその残照だけを感じていた】


ふぇ……え、ソニアのこと、知ってる、の?
それに、セリーナのこと、も……?


【髪を撫でられて擽ったそうに目を細める、子猫のように首筋を伸ばして】
【指先の温度で溶けてしまいそうなぐらい、霜雪よりも華奢な体温】
【ビロードよりも細くしなやかな髪はいつまでも触れていたくなるぐらいに】

【貴方の正体に対する疑問が強いが、悪い気はしないのだろう】
【長いまつげが頬に溶けて、瑞雪の重さを感じさせて】
【整った顔たちのナイスガイが相手というのもりゆうにはあって】


……むぅ、ソニアね、あんまり勉強得意じゃないから、科学者さんの知り合い、しらないの
そんな科学者さんがね、どうしてソニア、知ってるの?


【見上げる横顔が色めき立つ、艶やかな目元に彩りが増して】
【呼吸音の重なる距離、沫雪すらもまだ遠く、雪銀の飛沫に沸き立つぐらい】
【染める声色の疑問視に、確かな色がにじむ】
364 :ジンジャー・ユースロット ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/09/30(水) 23:14:37.48 ID:cc1WOm2yo
>>363

【帰って来る素直な反応に大変満足したらしい彼は、にっこりとほほ笑む】
【―――こうしてみると本当にまだ幼い子供だ、戦場に立つことに違和感を覚えるほどに】

【す、と右手でソニアの手を取り、左手を己の胸に当てながら恭しく彼はソニアに答えてくれることだろう】


知っているとも。自分の技術を売り込みに行っている『味方』の事くらい……事前に調べるくらいの事はするさ
君の知人に話を聞いたり過去の戦闘データを確認したりとね……情報は荒野を切り拓く武器だ、知っておいて損はない

それになによりも、君の事を知っていれば……君をデートに誘ったり、口説いたりしたいなと思った時に便利だろう?
君のような素敵なレディとお近づきになりたいと思う事、何が不自然だと言うのだね?


【いやに気障ったらしい言い回しで、ややうやむやにするようにジンジャーはあまり答えになってない答えを投げかける事だろう】
【ほんの少々会話するだけでも伝わってくる、彼の女性好きな特徴……それを隠そうともせず積極的に表に出し】
【あまつさえ今初めて会ったソニアをためらいなく口説こうとするあたり節操なしな男だ―――今にもキィィィン、と耳鳴りが聞こえてきそうな空気だ】
365 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/09/30(水) 23:23:18.17 ID:2IFS8j3mo
>>364

【芝居がかった口ぶりと振る舞い、あまりそういう経験は内容で表情に戸惑いがあって】
【?白に紅が混じる、残雪に指す朝焼けのような紅潮の色で】
【耳まで真っ赤にしたなら、はふ、っと小さく声が漏れて】


……わぅ……えっと、ジンジャーはね、ソニアの、味方、なの?
うんと、ってことはね、UTのね、メンバーなの?


【元々言葉にはなれて無くて、一葉一葉指折るように数えて】
【小さく声を漏らして首を傾げる、足元においたバイオリンケースが静かに佇む】
【瞳に嬉しさがます、マリンブルーの煌めきだけは、無くさないように】

【彼女は余り、このように積極的な男性を相手にしたことはなかったから】
【ジンジャーのアプローチに対して、素直に嬉しさを持って迎え入れている】
【――――――機械音が加速度を増してきそうなぐらい】
366 :ジンジャー・ユースロット ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/09/30(水) 23:56:51.73 ID:cc1WOm2yo
>>365

【その言葉を聞いてジンジャーが浮かべる表情は、きょとん、と盲点に気付かされたようなどこか驚いた表情だ】


……ん?ああー、そういえば私正式にUTのメンバーとして届け出を出したことなかったな……
ずっと前からあそこの一室を借りて、仕事もあの部屋から指示を出して、たまーにお気にの仮面を付けながらバーテンやって……
そこまで馴染んでいたのにまだ正式メンバーになってなかったよ、とっくに仲間だと思ってたから


【ソニアに言われて、初めて正式な届け出を出していなかった事を思い出したジンジャー】
【いちいち形式に乗っ取るのがおっくうだったのか、それとも根が結構いい加減なのか?とっくに仲間だと思ってたからいちいち必要もないと思っていたのだろうか】
【しばらくすると、くすり、とおかしそうに笑いながらジンジャーは右手でソニアを引き寄せ、つ、と左の手指でソニアの頬をなぞりながら】


まあ、正式にメンバー登録する手順は後回しにするとして……もう私はとっくに君たちUTの味方のつもりだ
そして君の味方だ、……そう、覚えておきなさいソニア君、このジンジャー・ユースロット、長年女性の味方をやっている

だから君も夜更けに人肌恋しくなった時、いつでも私を呼びなさい……!
そして「お願い寂しいの、ソニアを抱きしめて」と言ってくれれば一晩と言わず毎晩でも温もりを、切ない痛みを分かち合いに枕元に馳せ参じ―――



「……ガッデ――――――――――――――――――――――ェェェェムッ!!!!!!」

ブルァァァァァァァァァ――――――――――――――!!!!!


【突如、ソニアの目と鼻の先で人体に100キロ越えの鉄の塊がジェット噴射で勢いよく激突したような音が響き渡る!】
【どうもつい数秒前まで目の前にいたジンジャーに何者かが彼らの真横の路地から、ジェットの勢い任せにブチカマシを叩き込んだらしい】
【憐れにも側面に衝突を受け跳ね飛ばされたジンジャーは壁に激突し、大柄な男のシルエットを象ったコミカルな穴を壁に作りその奥まで貫通してしまったようだ】

【―――その正面衝突した「なにか」なのだが……なんだか見覚えがある気がする】
【白と黒のカラーリングといい、目の前でたなびいたフリルのデザインと言い、まさか飛び込んできたのは……】
367 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/10/01(木) 00:08:45.52 ID:5ZNU9TXio
>>363

【濡れ雪の高貴さを、白塗で染めるように、紡ぐ言葉の彩りを加えて】
【百合花のような頬にあなたがふれる、花片をめくったならまだ無垢な蕾が見えて】
【桃色の拙さを明け透けて見せる、耽美さを其処に残して】


ふぁ……ん……ぇ……くすぐったい、の……
そ、それにね、そんな言葉、恥ずかしい――――――の……


【冬の長ゾラを見つめる、深窓に傅く令嬢のような表情を見せて】
【頬に満ちた紅潮の音色、とくん、と胸がより一層確かになって】
【言葉に詰まった、続く言の葉の欠片に気づかなくて】

【貴方の右手にかかる体重、細雪を思わせる小柄さで】
【姫君のようなやわらかな格好が、礼装に似た、貞淑さを見せる】
【ロマンちっくな言葉に一葉一葉耳を傾けて】

【めくるめく官能の栞に覗いてみれば】


――――――!!わ、わわ……!!ふぇ、ぇ……一体、何が、起きた、の……
え、あ……うん、と、その格好は――――――

ジャンク、ちゃん……?


【シルエットが目に入る、深雪に映る影はその輪郭すらも切に伝え】
【切り抜きの細工した余りに見えるくらいに、続く言葉を感じさせて】
【見覚えのある姿、口から溢れる言葉に、少しの意味合いを乗せて】


/すいません、明日朝早いのでこの辺りで置きレス移行よろしいでしょうか?
368 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/10/01(木) 00:09:18.43 ID:5ZNU9TXio
/わー安価ミスです!
/>>363ではなく>>366です!
369 : ◆LF1Ar7hXZw [sage]:2015/10/01(木) 00:11:10.35 ID:h6TcLyb2o
>>367
/はい、大丈夫ですよ
/遅くまでありがとうございましたー、一応今夜中にこちらの返事は載せておきます
/ではおやすみなさいです
370 :ジンジャー・ユースロット ◆LF1Ar7hXZw [saga]:2015/10/01(木) 00:55:30.23 ID:h6TcLyb2o
>>367

【壁にできた人型の穴の奥からぼそぼそと声が響く、彼女に聞こえないように極限まで声を殺して交わされる言葉があった】


「ハカセ。いつの間にかワタシがこうして体を張って貴方の粗相を止めるのも
業務の一つとして設定されてからしばらく経ちました、貴方が何度やらかそうと何度でも受けて立つのが従者の役目だと考えておりましたので
しかしそれも超えてはならない限度と言うものもあります、いいデスヨー?ハカセ、難しい事ではありませんから一度でご理解ください―――次彼女になんかやったらその場で殺す」

ちょっとちょっとジャンクちゃん彼女に対してだけ明らかに待遇が違いやしないか……ああウソウソごめんなさい反省するから拳は収めよう!ね?


【ヒソヒソ声でそんな会話が交わされた後にひょこり、と壁の穴の奥から飛び越えて来る人影があった】

【それは白と黒、ロングスカートの侍女服を着たいやに小柄な少女だった】
【銀色のカフスボタンが袖に付いた黒を基調とした丈がくるぶし部分まであるロングドレスの最もオーソドックスなデザイン】
【そして長い黒髪を黄金でできた三日月の髪飾りでポニーテールに束ねて、耳部分にはアンテナヘッドホンのようなセンサーがついている】

【過去に何度か顔を合わせていた侍女服の少女、彼女はソニアに向き直るなりその長いスカートを摘み礼儀正しくお辞儀しながら挨拶を交わすだろう】
【しかし……なんだか違和感がある、過去に幾度か彼女と顔を合わせた事はあったはずだが……その時とは違いジャンクちゃんの"瞳"が赤色に染まっているのだ】
【この奇妙な変化はなんなのだろう?新たに設計された機能か、それとも―――】


「御機嫌よう、ソニアさん。お帰りが遅いようでしたのでお迎えに上がりましたデスヨー、貴女と……ワタシの主を
すでにご紹介されましたかもしれませんが、こちらがワタシの主、ジンジャー・ユースロット……またの名を"WILD"と言います
歴代正義組織への技術支援を行ってきた技術者で、W-Phoneも……ワタシのボディも、この方によって設計・開発が行われました

……しかし見ての通り問題行動も多い方でございますので、それをいさめるのもワタシの業務の一つなのデスヨー」

いっちちち……紹介された通り、ジャンクちゃんの主のジンジャーだよ
君の事を大変よく話してくれたのは……何を隠そうこのジャンクちゃんなのだ、頻繁に君の事を話題にして話してくれる物だから
興味がわいてね、一度直接お話してみたかったので来てしまったのだよ……会えて光栄だ、可愛い正義の味方さん


【恭しく会釈を交わしながら自分の身分を明かして来るジンジャー……"WILD"、"W-Phone"を開発した名うての技術者】
【UTのバックにはこの"WILD"が付き、設立初期から長い事支援を行ってきた者がいたという情報はUTにも存在したが―――彼こそがその張本人であるらしい】

/では本日のお返事を最後に置いておきます
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/01(木) 23:53:14.33 ID:HxoCqgb/0
【路地裏。日々諍いが絶えることは無く、常に新しい血が古い血痕を上塗りしていると言い表しても良い其処】
【今宵もまた怒号やらが響き渡っていたのだが――――事の中心人物は、何ともこの場には似合わない者であった】
【修道着を纏った赤髪の女。それだけならばただ女が襲われて居るのだと判断も出来ようが】
【奇しくもその逆。女が一方的に複数の人物を叩きのめしている、なんて展開だ】


「――――笑えるわね。たった一人の女を殺す為に複数人で襲ってきた挙げ句何も出来ずに返り討ちだなんて
……さて、答えて貰おうかしら。アンタ達が連れてった子供達についてだけど」

【傍目から見ればどちらが悪者かなんて分かったものでは無い】
【血塗れの男達に、返り血のみの女。更にはその髪を掴んで持ち上げている、なんて状況なのだから】

【先程の怒号もこの時間なれば遠くまで響く事だろうし、或いは戦闘の音を聞いた者も居るであろう】
【何であろうと、この場を訪れたのならば。女の鋭い視線が其方へと向けられる事になるはずで】








【場所は路地裏。其処を、無防備にも何処かの高等部の制服を纏った女が歩いていて】
【まるで襲って下さいと言わんばかりの状況――――だが。女の放つ淫靡な気配を感じ取る事が出来れば人間とは異なるのだと知れよう】
【同時に、“瘴気”の存在にも気付けたならば。其れは所謂魔族であると理解できる筈で】


「ん〜……ここ最近は食べ物は食べても人を食べて居ないからお腹が空きましたねぇ
アリス様も付き合ってくれませんしー……」

【自ら路地裏を歩くことで獲物をおびき寄せる。言ってしまえば、罠なのだろう】
【相手が自身について知っていても知らずとも良い。男でも女でも良い】
【更には、人間で無くとも良い。ただただ路地裏を散歩をするかの様に歩き回り――――】
【やがて、何者かが近寄って来たならば】


「あはっ……♪
こーんばーんは。良かったら少しだけ、私とお話して行きませんかー……♪」

【向けるのは笑み。見た目こそ学級委員やらをやっていそうな形で所謂清楚】
【小首を傾げながら語りかけるのだが――――その視線は、相手を品定めするかのよう】
372 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/02(金) 00:23:52.20 ID:c0k1rw8l0

……っ!?

【勢いよく振り向く。金切り声は口を噛み締めて防ぐ。瞠目した藍色の瞳はさっと恐怖の色に濁る】
【少々のフリーズの後に、藍色の瞳の少女は眉が曲がるぐらいに一度瞬きをすると、今度は注意深い視線に変える】
【依然、両手の位置は平らな胸ね中心でぎゅっと握られ、姿勢もいつでも逃げれるように片足を少し後ろに構える】

えと……
話、いいけど……何か、と、条件……で

【そもそも、この少女がこんな場所に出没すること自体がおかしいのである】
【声をかけられる前に周りの様子をキョロキョロと伺っていた事から、ある程度までは「必要としている事」を絞ることができるかもしれない】
【話を聞く体制として振り返り「悪魔のように綺麗な人」と向き合う姿勢になったのはいいが、視線はせわしない】
【道の奥、正確にはここから一番近そうな路地裏の境界方向を中心にチラチラと見ている】

【少女の姿は、長い金のサイドテールに帽子が被さった竹刀袋のようなものを背負う。袖余りの外套を着込み、キュロットスカートを履く】
【靴は革製の長靴であり、乾いた泥や傷がよく目立つ。恐らくは旅人の類】

【少女は話を聞くことにしたのだが、あまりその次を考えておらず、恐らくは自分から話したりはしないだろう】
【だが、危害を加えないならば踵を返さず聞き役に徹するのであろう】

【互いに様子見、伺い。少女に限って言えば単なる警戒。それは悪魔の如き清楚の声と姿だけでなく、もしかすると空の月を汚す毒気にも……】
373 : ◆mZU.GztUV. :2015/10/02(金) 00:24:12.53 ID:c0k1rw8l0
/まだいらっしゃいましたら……
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/02(金) 00:51:08.61 ID:ga5DWXtT0
>>372
【その反応を見て、返すのは言葉では無く笑みだ】
【条件――――其れ等にも反応する事は無く。そして、不意に姿が消える事だろう】
【気付いた頃には背後。……とは言っても、無論吐息の掛かるような距離では無い】
【少女の歩幅で恐らく7歩分。その距離の先に、女は居た】

【まるで逃げ道を封じるかの様】
【否、踵を返すこと無くそのまま突き進めば良いかも知れないが――当然、其れをすれば路地裏の奧地へと入り込む事となり】


「んー……条件、ですか?困りましたねぇ……」

【困った。口ではそう言いながらも、まるで困った素振りを見せず】
【寧ろまるで獲物を見るかのようなその視線。つい、と一歩進めば残り6歩分の距離】


「…………良いですよ?私からお話をして貰うためのじょーけんを提示するのも変な話ですから……
なぁんでも言って下さい。例えばお金が欲しいとか、とっても嫌いな人が居るからどうにかして欲しいとか……私の事を好き勝手にしたい、とか

――――あはは♪そ・れ・と・も。貴女が言いたい“条件”はもっと別な意味で、でしたか?」

【急に攻撃を仕掛ける事も、罠を張り巡らしている事も無い】
【然れど、確かに危険な人物……種族である事は、少女ならば理解出来よう】
【一歩。小首を傾げながら、無垢を装った笑み】
【一歩。更に、少女への問い掛けを重ねて】

【残り、四歩。逃げ出すも逃げ出さぬも自由。確かに今は攻撃の予兆は無いけれど――――】

/遅れて申し訳ないです、居りますよ―!
/ただ、3時辺りには落ちるかと……
375 : ◆mZU.GztUV. [sage]:2015/10/02(金) 01:20:07.03 ID:c0k1rw8l0
>>374

どっち、でも……ないの……

【残り数メートルの距離を牽制するように要件を切り出す】
【どうやら話は通じたが、何かと障害のありそうな相手の言い分。少女はそれを察して先制を加える】
【この場に似つかわしくない形の笑みを浮かべる相手に対して、外套の下に着る服の皺を深くして】

出口、教えて……くれる、か
「ここ」を、探して

どちらか、で……いいの

【少女は譲歩のような付け加えを言いながらしゃがみ込み、地図を広げる。伸ばした手の先にガラクタを拾って風に飛ばないようにする】
【地図を読む程度の知能があれば、それはこの路地裏を含んだ町の地図であることが分かるかもしれない】
【罰印が付けられた場所はここから少し奥の路地裏の小径の途中。後者を選ぶならば何か事情が聞けるかもしれない】

どのみち、迷っちゃ……た、から

【伏し目がちになる少女。月の光からほんの少し背けるような顔を暗い影が蔓延る】
【疲れているか、はたまた何か悲しい事があったのか。その判断を迷わせるような影の入りである】
【前者を選ぶならば、一頻り話を聞いた後に適当に方向を指し示すだけで感謝して何事も無く去るのであろう】

【逃げ道を絶たれても気丈に意識しようとする。注意深くみる視線も少しずつ止んでいく。警戒はやや薄れたのであろう】

/了解いたしました
/無理のなさらぬよう、よろしくお願いします
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/02(金) 01:36:04.33 ID:ga5DWXtT0
>>375
「へぇ……こんな所で迷って仕舞うなんて、大変ですねぇ
もしかした悪い人達に捕まってどっかに売り飛ばされてしまうかもしれませんよ?
着てる物も全部脱がされて、そして…………ふふ。その先はきっと一生忘れる事が出来ない、とっても楽しい体験ですね」

【気紛れ。手助けをする事もあればしない事もある。創作の話に出る悪魔とその性は変わらないのだろう】
【「教えてあげてもいいですけど」なんて勿体ぶった言い方。まるで品定めの如く少女を見遣ればクスリと嗤い】
【やがては、その視線も地図へと落とされる事となろうか】


「どっちも教えてあげても良いですよ?
ここから出る道と、貴女の探している道と――……あ、でも
まさか何にもお礼をしないで、何て事は考えてませんよね

私もお腹がペコペコですし……それに、そこのバッテンに何があるのかも気になりますし
まさか、古典的な宝の地図だー。なんて、言いませんよね?」

【今日は“する事もある”方。詰まりは、少女の願いを叶えてやる、といった所】
【目的地であろうその罰印の場所と、更には此処から抜け出す事の出来る最短ルート】
【とは言え、だ。当然見返りを求め――――一つは、その目的地について教える事。これはまだ良いだろう】
【もう一つ。腹を満たす手伝いをする事。コレに関しては……或いは、不穏な気配も感じ取れるか】
377 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/02(金) 02:00:00.05 ID:c0k1rw8l0
>>376

うん、血塗れに……なる、のは……嫌

【相手の語る体験について、呟くように話す。意味深な言い方をしているが、恐らく両方を含むような暗い声】
【嬉々として語る目の前の悪魔を正視しながらも、握る手が解かれることは無く】
【お礼という言葉を聞いて、背負う鞄が少女の緊張を伝って一度揺れる】

【話を聞く事が見返りと思っていた彼女の甘い予想を打ち砕く。それを察されないように努めて平板に】

ごはん、は……出来る、限り、まで……なら、手伝う、よ

【それは思っても見なかったチャンスを離さないとする希望と、対価がマトモであるようにという希望を混ぜ込む】
【心なしか声に必死さが滲む。平板に努めようとする仮面が意味を為さず、綻ぶように少し】
【そうして、概要だけを話す】

これ、は……もしかした、ら……だけど
わたし、に……必要、なもの、かも……しれ、ない……もの、なの

【序でに「確実じゃないから、条件無視してもいいよ」と今更のように付け加える】
【握っていた手を使って、ガラクタを隅に追いやり、地図を片付ける。しゃがんでの作業を終えると】
【両手で筒のように丸めた地図を持って罰印の正体を口にする】

これ、は

『神隠し』の、入り口、かも……しれない、場所
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/02(金) 02:20:55.55 ID:ga5DWXtT0
>>377
「そう、それなら……♪」

【続いた言葉は「いただきます」であろうか。伸ばされた手は、まるで少女の口を覆うようで】
【勿論、避ける事も出来る。が】
【もし避けなかった、或いは避ける事が出来なかったならば。最初に覚える“違和感”は妙な脱力感であろう】
【膝が崩れる程でも無いにしても、ただ立つという姿勢のみでも疲労を覚える程には】

【それから更に数秒。手を離せば、先の違和感もある程度までは軽減する筈で】


「本当は口付けでしちゃうのが一番効率が良いんですけど……そんな事をしたら、歩けなくなってしまいますもんね?
えっと、それで……ああ、そうそう。神隠しでしたか
んー……中々魅力的な場所ではありますけどぉ……」

【魔族。中でも、どちらかと言えば淫魔寄り。故に、食事とは精気であり】
【先の脱力感等々は其れ等が奪われた事によるもの。――――ただ、今は大きな争いを起こすつもりも無いのだろう】
【つまみ食いのレベルで終えれば話の続きを思い出して】

【不意に少女と同じ様にしゃがみ込んだ、かと思えば】
【地面を一度撫で、まるで其れに呼応するかの如く路地裏を走るのは二本の薄い光の線】
【一方は更に奧地へ、一方は真逆の方向へ進んでいて】


「生憎、神隠しは沢山経験しちゃってるんですよね。……私の場合はさせてる、と言った方が良いかもしれませんけれど
でも、きっと貴女の言っている“神隠し”はもっと別な事ですよね?
でしたら……コッチの光を辿っていけば、バッテンの所に。コッチの光を辿っていけば、此処から抜け出せますよ

嗚呼、そうそう……早くしないと大変かもしれませんね?
だって、こーんな暗い夜なんですから、薄くて小さな光なんて直ぐ消えてしまいますから……」

【自身が連れて行くことは無い。ただ、その光を辿れば確かに着く筈だ、と】
【然れどここからが曲者。実質選べるのはどちらか一方の道のみであり、其れすらも迷っていればどちらも消えてしまうなんて状況】
【ゆっくりと問うだけの猶予も無い。それ以前に、この女の言葉を信用するかに掛かっているのだが――――恐らくは、それ自体に問題は無い】
【どちらを辿るにしても、少女は目的を果たせる事だけは確かであろう】
379 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/02(金) 02:53:05.68 ID:c0k1rw8l0
>>378

【悪魔の『いただきます』という声を聞いてさっと顔が青褪める。その声色は蠱惑的、恐らく男性を惑わせる魔性の気配と】
【急激に襲いかかる脱力感に逃げようとする足を絡めとられる。呪術のような圧を避けきれずに受け止め】
【崩れ落ちると同時に左手から黒い薙刀形を喚ぶ。薙刀形は地面に突き刺さり、ザクという地面への刺突音と微かな罅入りの音を重ねる】
【薙刀形を支えに立ち上がる。悪魔の吸精は成功したが、少女の酸素ボンベのような対症療法も実を結ぶ】

そう、なん……だ
口付け、で疲れ、させ、る、のは

魔性、の者、て……お話、で……聞かせて、もらった、ことが、ある

【その口ぶりは、本物なんていたんだ……という驚きを込めている。悪魔と言えば種類を問わず破格の霊的存在】
【短いため息には、それだけで済んだという運の良さに安堵して】
【首を振る動作には、後の言葉である付き添いは要らないという予告を込めて】

大丈夫、わたし……子供、じゃ……ない
で、も……疲れ、ちゃ……た、から……今日、は、帰る……ね

【己の姿を否認するような言い訳を口にし、薙刀形を杖のようにして支える】
【やや態とらしい仕草には、相手の正体に対する過大評価。平気なフリをすれば次は殺されるという予感に答えて】
【努めて、疲れたフリを演技する。これを見抜けなかったとしても単身路地裏に挑む理由にはなっていない矛盾から違和感に気付くかもしれない】

【出口を指し示す光の線に目を向け、もう一度半身だけ振り返って片手で手を振る】

今日、は……あり、がと
名前、は……教え、られない、けど……何か、困った、ら……いつで、も、いい……よ

【そうして、見た目を騙すという『最もらしい』悪魔との会合を挨拶で締めくくろうとする】
【見逃せば、薙刀形を杖にしながら疲れたフリをしながら出口まで歩いていくだろう。無論、路地裏の出口で演技は止まる】
【そうでなければ、それもまた何らかの手段で対応するだろう】
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/02(金) 03:13:31.63 ID:ga5DWXtT0
>>379
【背後から聞こえる足音も無く――――気配も無い】
【ならば、別れ際の「ええ、また何時か」の言葉は偽りで無かったのだと知れるか】

【光を辿った先。程なくして、人通りの多い道へと出る事が出来たはずだ】
【そして振り返った頃にはもう導も消えていて。其れが件の悪魔が狙った行為であるか否かは、もう分からないけれど】


「…………ふふ。前菜を食べた後は、ちゃんとご飯を食べなきゃもっとお腹が空いてしまいますよね?

そんなに怯えなくても大丈夫ですよ?ずっとキモチイイままで、気が付けば天国まで行っていますから……」

【少女が立ち去ってから数分。其の路地裏にて行われた甘美な吸命について知る者は誰も居ない事だろう】
【ただ一人其れを行った本人を除いて、だが】

/そろそろ時間が危ういのでこの辺りで……
/お疲れ様でありましたっ!お休みなさいませですよー
381 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/02(金) 03:16:27.25 ID:c0k1rw8l0
>>380

/お疲れ様でしたー!
/こちらこそ、遅くまでありがとうございました!

/おやすみなさいですー
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/03(土) 00:06:28.56 ID:7/RyIi7z0
【櫻の国――――封魔城、と呼ばれる其処。古来より悪しき妖怪達を封印し、滅する為に作られたその城は妖怪と対峙する要の場所とも言えるか】
【普段ならば厳粛に閉ざされた門も、今宵ばかりは開かれており】
【所謂、他の者達と交流を図る日なのだろう。人間妖怪問わず、訪れる者を拒む事は無い】
【無論厳重な警備が為されているのだから物々しい雰囲気ではあるが…………其れでも庭にはちらほらと訪れてきた者達も姿も見える事だろう】

【さて、その一角。大きな池に架けられた石橋の上に立つのは一人の少女の姿だ】
【成人前なのに、ハッキリとした威厳を感じ取れる程。それでいて凛とした雰囲気を放っているのだから他の者達も近づけないのであろうか】
【――――何より一番の理由は、武装した家臣達が側に立っている事であろうが】


「……ようこそいらっしゃいましたね。決して楽しいと言える様な場所ではありませんが――――折角訪れて下さったのです
せめて足の疲れを癒やしていくのは如何ですか」

【もしも臆する事無く近づけたならば。或いは、気付かない間に側を通ったならば。きっとそんな言葉が投げられる事だろう】
【決して傲慢では無い物腰。僅かに笑みを見せたならば、必要以上に警戒させる事が無い様家臣達を少しばかり離れさせて】


【どう答えようが、其れは訪れた者の自由だ。ただ何と無しに寄ってみたでも良し】
【どんな理由であろうと、嫌な顔一つせずに受け入れる事だけは確かだ】










【月光に照らされる森の中。其処に響くのは魔物達の咆哮】
【見遣れば其れは人と同じ形をしていて――――知識、或いは戦闘経験があるならば其れは曾て“人間”で在った存在だと知れるか】
【今となっては思考するだけの力も無く、満たされる事の無い空腹を満たそうと延々生物を殺めるのみ】
【そんな中、乾いた音が数回。どれもが見事に心臓、又は頭部を破壊して居り】


「死んだ後も良い様にコキ使われる何て大変だよねぇ……
――――ま、安心してよ。原因は突き止めてるしキミ達の遺体も手篤く埋葬するように指示してあるからさ」

【遅れて空から舞い降りたのは純白の翼を生やした一人の修道女】
【両手に持つ双銃がその職らしからぬ印象を与えるが――――……】
【無駄な弾痕を残す事無く一発で葬ったのは彼女の優しさか、一人その場で月を見上げ】

【――――場所が場所だ。そして今宵は月が明るい事もあり、見つける事は難しくも無く】
【“音”だって存外遠くまで響いたのだから場所を特定するのも難しくは無い】
【仮にその場を訪れて見れば、翼を生やしたその通りの女が一人月を見上げている姿が視界に入るのだけれど】
383 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 19:00:20.50 ID:ili95Xmto
【常夜の闇が照りつける、宵と明の狭間の世界で】
【月の灯すらも遠ざかるような鬱蒼とした木々、その隙間を縫うように歩くこと数時間】
【雑踏の音色も遥か遠く、吹雪く風のざわめきだけが、耳へと流れこむ】


「……つきました、ここです、ここが依頼の屋敷です」


【微かな声が響いた、彼女は手に持ったランタンを掲げ、屋敷の全貌を照らしだすだろう】
【灯火に照らされる外観、レンガ造りは所々に蔦が結びつき、その赤茶色をくぐもらせる】
【窓は割れたままの状態で、長い間人の手が入っていない事を告げるのだろう】

【鉄板を縫い付けたような入り口は、地獄の門のように厳かに佇み】
【木々の鳴る音色がより一層、深く沈む夜の明かりを告げる】
【ランタンが揺れる、彼女は顔の直ぐ側に移動させ、貴方達に向き直るだろう】


「改めて依頼の程を、申し上げます、私の兄、ジャック=ホワイトがこの屋敷に赴き、そのまま行方不明となっています
兄は能力を持つ探偵です、その兄が戻ってこれないとなると、能力者絡みのトラブルがあったのだと、思います
……この辺りは自警団の手も及ばず、頼れる相手がほとんどいない状態で……大したお礼もできませんが……」


【依頼主、メグ=ホワイトの横顔がランタンの明かりに照らされる、色白なほっそりとした美人である】
【しかし艶やかな目元には隈が目立ち、満足に休息をとれていないのか肌荒れが見える】
【目を伏せるようにして下ろした視線、長い金色の髪が頬を濡らす】

【陰鬱な森の風景、呼吸すら飲み込まれてしまいそうな夜闇】
【探索者同士の顔が何とか見えそうな距離で、夜の冷たさだけが身を湿らせる】
【交わす言葉があれば、今交わすべきであろうか】

【メグは自分の役割が終わった事に安堵してか、少し落ち着いた様子で佇んでいる】
【何か質問があれば、彼女にできるだろう】
【なければ意を決し、門を開き屋敷の中へと入る事をおすすめする】

/ではイベント《スナーク狩り》の開始です!皆様よろしくお願いします!
384 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/03(土) 19:20:52.96 ID:sUKETnfs0
>>383
【冷たい風がうなじを抜け】
【視界の悪い森を抜けてたどり着いた目的地】
【何処か迫ってくるような威圧感と不気味さを漂わせる館が眼前に現れた】

「昔僕がいた場所みたい…」

【かつて、一人昏い路地裏でゴミを貪り、殺人と略奪で生きてきた少年はポツリと呟く】

「えへへ♪」
「任せてよメグおねぇちゃん!」

【この暗い雰囲気の中で少年は明るく笑顔を振り撒く】

「家族は大事だもんっ!」
「任せといて!がんばるからっ!」

【家族…少年にも今は家族がいる】
【一人の姉と一羽のペット…そしてたまに会う姉の妹】

【やや肌寒い季節と場所だが、少年は…もっとも、初めて会った者は少女だと間違えるかもしれないが】
【半袖のセーラー服…勿論水兵が着るものとポニーテールにした長い紫の髪】
【幼く少女のような顔立ちに紅いルビーのような瞳とソプラノボイス】
【更に背中には黒い戟と呼ばれる槍のような武器を背負っている】

「だから…」

【そしてメグの顔色を見て心配してか…】

「安心してメグおねぇちゃんはゆっくり休んでてねっ!」

【そう言ってニパァと笑うと門へと足を進めた】

/はい!皆様今宵はよろしくお願いします!!
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/03(土) 19:22:06.76 ID:C8m3xJElO
>>383

【探求とは魔導の常であり源流である】
【その希求の先にあるものが何であれ魔術師はそれを求めずにはいられない】

ただの廃屋……って訳にはいかないんでしょうね……
まあ、そっちの方が面白いからいいんだけど─────
さてさて、このハントで何が出るのかしらね……

【陰鬱とその屋敷は構えている、今宵の舞台は整ったということか】
【赤熱の魔女は赤い髪を躍らせ、同じく赤の瞳で見つめている】
【仄かに明るいのは彼女の放つ魔翌力が為に、夜の中でも暖かくされどそれは鮮烈に】

求めてるのは面白さだしね、別に報酬なんて気にしてないわ
そもそも魔女だし……俗世的な、金銭的なものは好まない方がそれっぽいかなーなんて……

【疲労の伺えるメグの姿は消えた家族を想ったから、その想いを分からない魔女ではない】
【分かるからこそ同情をするには早過ぎるし何よりも出逢ったばかりの者に気を遣われたとて何があるというのか】
【己の事は所詮己の中でしか解決も出来ないし納得も出来ない、なにより自分がそうだから】

まあ……御託はともかくとして行くべき場所が決まっているなら早く行きましょう
結局は蓋を開けなければ分からないことなんだから─────

【白のローブを翻し先陣を切るように屋敷へと進む、その歩みが蛮勇のそれかどうかは恐らく屋敷に在るものが知るのだろう】

/カズネであります、よろしくお願いします
386 :ベネディクタ◇カスガイ :2015/10/03(土) 19:27:28.29 ID:wBG1Mhos0
>>383
【メグ=ホワイトを照らしているランタンの明かりは、近くにいる女性――ベネディクタの姿もぼんやりと映し出している】
【彼女の右腕の肘から先にある義手が、明かりに照らされ微かな光沢を示す】

「ひゃー……随分不気味な屋敷っすね。夜だからっすかね? 幽霊でも出てきそうっす」

【屋敷の風貌に少し気圧されながらも、彼女はメグ=ホワイトに顔を向ける】
【依頼人である彼女にこれ以上の不安を抱かせないよう精いっぱいの笑顔をする】

「まぁ、あたし達に任せてくださいっすよ! 行方不明になったお兄さんならすぐに見つかるっす!」

【彼女は左手を握り、自身の胸を任せてくれと言わんばかりに叩く】
【その時体を少し反らした影響か、彼女が被っているヘルメットの後頭部から出ているポニーテールが揺れた】
【また、胸を叩いたせいか彼女が腰の辺りに背負っている筒の位置がずれ、彼女はよろける】

「おわわ……っとと。ふぅ。じゃ、行ってくるっす」

【姿勢を正すと、彼女は手を振りながら屋敷の中に入っていった。】

/よろしくお願いしますー! ちなみに、参加者の三人は既に知り合っているんですか?
387 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 19:30:03.09 ID:ili95Xmto
>>384>>385>>386

【エスパスの言葉に、メグは気丈な笑みを見せるだろう】
【自分よりも幼い少年が、勇気をふるって笑みを見せる、自分では踏み入れることのできない場所へ】
【それは凄く羨ましい一方で、自分への不甲斐なさを感じさせる】

【それでも、僅かばかりの憂いを振り払って、エスパスへと気をつけてと言葉を向けるだろう】
【カズネへはお願いします、との言葉、それはエスパスの事をか、はたまた、彼女の兄の事か】
【ベネディクタの心強い言葉に胸をなでおろして、また頭を下げるだろう】

【答えはわからずとも、思う気持ちは相違ない、下げる髪の靡く形が優しさを形作った】 


【1F玄関】

【扉を開けた途端、むせ返るような臭気が探索者達を襲うだろう】
【鼻腔を汚濁し、嫌悪感に満ちた酸味を孕んだ腐臭と、埃の舞う感触】
【しかし何よりも、片手では足りない数の人間の血の臭いが室内に充満している】

【室内は完全な暗闇で、一歩踏み出すごとにガラスや木くずを踏む音が響くだろう】
【目がなれたなら足元と少し先を見ることができる、足の踏み場もないほど散乱した室内である】
【倒れた靴箱が視界に入る、年代物の大きな木でできたそれは、乗り越えなければ大広間への扉には進めない】

【また、よく見れば、大量の靴が散らばっている事に気づくだろう】
【元々靴箱の中に入っていたのだろう、大小様々であるが、革靴や子供靴などの断片がちらほらとある】
【恐らく最初にこの屋敷に住んでいた住人が残していったものだろうか】

【察しの良い人間ならば、その違和感に気づけるだろう】
【最初に住んでいた住人がいなくなってから、何人もの人間がこの屋敷に住み着いた】
【けれども靴箱の中の靴が残っているのである、それはつまり】


【住み着いた人間それぞれが、靴箱の中の靴を捨て変える暇なくトラブルに巻き込まれた事を指す】


【周囲はひどく静かだ、呼吸音すらもはっきりと形を持って聞こえるぐらいに】
【しばらく探索者各位が足元の木くずを踏み砕く音だけが響くだろう】
【それはさながら、夜の森に迷い込んだ獲物を、息を殺して見守る狩人のように】

【室内はそれほど寒いわけではないが、妙な悪寒に近い肌寒さを感じるかもしれない】

【探索者各位は好きに選択できるだろう、玄関を探索するか、或いは玄関を超えて大広間に入るか】
【ただし大広間に続く扉の前には木でできた靴箱が倒れている、乗り越えなければ大広間へは入れないだろう】
388 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 19:31:30.91 ID:ili95Xmto
>>386
/いえ、初対面です!
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/03(土) 19:43:00.15 ID:C8m3xJElO
>>387

─────臭い

【歩みの旅に赤色の軌跡を残す魔女は一言零し立ち止まる】
【血の香、腐臭……そしてそれらは死臭に違わぬ、過去を視る力などはないが瞼を閉じれば幾らかの夢想は浮かぶ】
【何が起きたのかを察するには余りある】

(吹き飛ばすのは愚行だけど、ここまで濃厚だと気をやってしまいそう……
我ながらつくづく探索とかには向いてない性分だわ─────)

【自分の周りを巡る魔翌力を僅かに強め熱を上げる、悪寒など寒気など来るならば来いという宣戦布告だ】
【自分は異物足り得ると、この屋敷に静かに叩きつける】

じゃ、取り敢えず大広間にでも向かおうかしら?
団体様で行動した方がいいならそっちに合わせてあげる、そも勝手知ったる我が家ではないからね─────

【掌に魔翌力を収束、導くのは幼き焔】
【暗さに狭いこの視界を広げ照らす星の欠片を胸元で輝かせる】
【さて、と……探りは始まったのだから手を伸ばさなければ得られない、邪魔な靴箱を踏み付け踏み越え立ち止まり】
【他の人はどうするの?とでも魔女は問い……】
390 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU :2015/10/03(土) 19:45:10.02 ID:sUKETnfs0
>>387
【メグの見送りを背に受けて扉を開いた瞬間にとてつもない異臭が漂う】

「ゴミの匂い…それと…血…」

【かつて路地裏で生きてきた少年にとっては懐かしい匂いでもあった】
【瞬く間に臨戦状態になり戟に手をかけながら腰をおとして荒れ果てた床を歩く】

>>ALL

「靴…いっぱいあるね…」

【そう言っていると目の前に大きな靴箱が現れ道を塞ぐ】

「どうするの?」
「退かすだけでも良いけども…」
「中に何か居るかも知れないし」
「ゴキブリとか…」

【そして小声で】

「もっと厄介なのとか…」

【暗に外敵が居るかも知れないと言う可能性を提示すると】

「粉々に砕いちゃう?」

【と聞きながら戟を構える】
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/03(土) 19:48:22.49 ID:wBG1Mhos0
>>383 >>386

/面識の件、了解です!

【屋敷の中の異臭に顔をしかめながら、ベネディクタは屋敷の中に入る】
【その時点で、彼女ははたと思い出したかのように手をポンと叩き、他の二人を交互に見る】

「そういえば、自己紹介がまだだったすね。あたしはベネディクタっす」
「放浪の旅をしてたら困ってる人がいたから、手助けしようと思った、ってところっすかね」

【彼女ははにかみながら、義手の右手で頭を掻く】

「協力するときは互いを知っておくのが大事っすから。同じ依頼を受けているなら、仲良くしようっす」
「……っていうか、二人とも慣れてるっていうか……すごいっすね。あたしこういう雰囲気苦手っす……」

【悪寒がするせいか彼女は幾分か心細くなっているようだ】
【とりあえず二人についていれば安心だろうと、彼女は強く思った】
392 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 19:54:15.50 ID:ili95Xmto
>>389

【靴箱を踏みつけたカズネの目に入る《違和感》】
【老朽化していた靴箱はカズネに踏みつけられると砕け、その部分がぽっかり穴になるだろう】
【苦もなく足を抜いたなら、靴箱の下敷きになっていた靴が眼に入るはずだ】

【本来なら目を凝らさなければ見えないもの、けれども焔を輝かせるカズネになら見えるはずだ】
【靴箱の下敷きになっていた靴、学生が履くような真新しいローファー】
【そこには間違いなく《ジャック=ホワイト》と書かれている事に】

>>390

【靴箱自体はカズネに踏み抜かれ、通るのに支障はなくなっているだろう】
【戟を構えたエスパスにとっては拍子抜けかもしれない、それ自体に害はなかったのだから】
【だが、外敵が居るかもしれないと感じ取ったエスパスの直感は概ね正しいだろう】

【それは戟を構えたエスパスのみが感じる事のできるであろう、悪寒】
【武器を身構えた事に対し、屋敷全体が敵意を向けたかのような感触】
【間違いなく、何かが居る、その直感は決して間違いではない】

>>391

【心細く感じているベネディクタならば他の探索者よりもより一層鋭敏に屋敷の雰囲気に気づけるだろう】
【まず間違いなく何かが居る、そして人死は起きている、死臭が告げるその事を雄弁に】
【だからこそ、他の二人と交流を取ろうとしたベネディクタの判断は正しい】

>>ALL

【カズネが靴箱を踏抜き安全を確かめたため、この場にはもう怪異はないだろう】

【そのまま大広間へと踏み入れると、より一層強くなる臭気が探索者達を襲う】
【吐瀉物を発酵させかき混ぜたかのような、呼吸を躊躇うほどの腐臭】
【言葉を出すことに嫌悪を覚える程に、酷い死臭があたり一面に漂っている】

【耳の良い者ならば、彼らが踏み入れた瞬間、たたた、とかけるような足音が2Fからする事に気づけるだろう】
【成人男性一人分程の足音である、引きずっているようではなく、何かから逃げるような足音だ】
【ただし、ひどく小さい音には変わりないので、耳の良い者でも聞き逃すかもしれない】

【周囲を見渡すと、竜巻でも起きたかのような荒れ具合だと感じるだろうか】
【木製の机や椅子が粉砕されアチラコチラに散らばっている、大きな机が四つ、残骸となって残っている】
【戸棚が倒れ食器の破片が散らばっている、かつての白さは欠片もなく、埃の積もった食器である】

【その場で探索するならば、散乱した本の山等がちょうど良いだろう】
【ハードカバーの本の山が貴方達から見て左側に積もっている】
【一番上の本の題名は此処からでも見れる、一般の書籍であり、魔術書のたぐいではない】
【相当な数が散らばっているが、時間をかければ整理することも可能だ】

【まっすぐ進むには倒れた戸棚や本棚、机を乗り越えなければならずやや大変であるが】
【大広間へ入ってすぐ前方に廊下があるのに気づけるだろう、厨房と地下室へと続く廊下だ】
【入って右手へと視線を向けてみれば、階段へと続く扉が開けっ放しになっているのが見えるだろう】

【奥の廊下へと進む道と比べて、階段の扉への道はかき分けたように食器の破片や木くずがない】
【どのような道を選ぶか、或いはこの場で探索するか、選択肢がいくつも生じるだろう】
393 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/03(土) 20:15:35.09 ID:sUKETnfs0
>>391
【ベネディクタの自己紹介に周囲への警戒を一旦解いて応じる】

「えへ♪」
「よろしくね!えと、べ、ベネ、ディクタおねぇちゃん!」

【少し言いにくい名前にちょっと噛みそうになる】

「僕はワザワイ・エスパスっていうのっ!」
「リーベおねぇちゃんの弟なのー!」
「使う能力は『血塗れかき氷』(ブラッティアイスエイジ)!」

【コロコロと笑いながらこちらも自分のお気に入りの自己紹介を返す】

「うんっ!仲良し仲良し!」
「そぉなの?」
「いっつもこんなかんじだったからよくわかんないやっ♪」

【この環境に対するストレスは薄いようで】

「あー、髪型おそろだねー!」

【なんて事を言っている】

>>392
【刹那】
【武器を構えたその瞬間に少年は目を見開いてバッと周りを確認した】
【額に油汗を滲ませて先程自分を襲った気配に首を捻りながら戟を下ろす】

【そして大広間に出た時に何者かの気配を感じて周囲を見渡す】

>>ALL
「確かに…何かいるね…此処」

【それこそお化けかもねなどと言いながら目配せする】

【目の前には本の山】
【更に幾つかの通路が見える】

「どうする?」
「此処で三手ち別れる?」
「それとも皆でかたまって動く?」
「それとも此処を少し調べとく?」

【うすぐらいなかと言うこともあり、お互いの状態を確認するためにも会話を交わす】
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/03(土) 20:16:53.55 ID:C8m3xJElO
>>392

─────ちょっと吃驚だけど……でも、手掛かりになるのかしらコレ……

【踏み潰した先にある靴、名にはジャック=ホワイトと……】
【何やらこの都合の良さには警戒してしまうが少なからず彼女の縁者のものに間違いはないか】
【拾い上げ埃を吹き払いぶっきらぼうにメグへと投げ渡す、好きにしなさいと言葉を残し魔女は先に進む】

【至り大広間へと─────】

荒れ放題、なのは仕方ないか……慣れたものよね実際

【光景を見渡して一息零す、景色に囚われていた魔女は二階からの物音には気づかぬまま】
【余談ではあるが魔女は整頓の出来ない人種である】

さてさて、私は二階にでも行こうかしらね……示したように邪魔な物もないし下手に屋敷を壊す訳にはいかないし……
隠れた人間でも吹き飛ばしちゃったら大事だわ


>>391

【広間に入って直ぐの時、問われた言葉にしかし魔女は振り向くことせずに軽くと応える】

私は魔女だからね、怪異とかそういうのは寧ろ起こす側というか……まあそっちの趣味はないからやらないけど……
あとは……そうねえ、遺跡とかにも潜ったりしてるから慣れているといえば慣れてるかしら?

【空間に意識を伸ばし探る、その片手間の応え】
【慣れているからこそ出来る芸当、とまではいかないが経験者とそうでない者の境界であるのは変わるまい】
【心配をするでもない様子なのはベネディクタのように善意からこの依頼を受けたのではないから、所詮自分の好奇心から受けたに過ぎないのだから】
【他者に入れ込むことは偽善のように思えて】
395 :ベネディクタ◇カスガイ :2015/10/03(土) 20:25:10.55 ID:wBG1Mhos0
>>393

「弟、っすか……」

【目の前の人物を女性だと思い込んでいたベネディクタは、驚きを隠せない】

「能力っすか。あたしはなんていうか……物と物をくっつける、ビミョーな能力っす」
「あ、そうっすね、確かに髪型が同じっす。共通点があるっていいっすねー」

【ただ、彼の明るさに触れてベネディクタにもいくらか安堵の心が広がった】

「呼びにくいならベネって呼んでくれていいっすよ。よろしくっす、エスパス……君?」

【未だに彼の性別を判断しかねている彼女は、最後に疑問符を付けながらも、エスパスに挨拶をした】

>>394

「魔女っすかー。あたしは能力は使えるけど、魔法とかそういう系じゃないっすから、うらやましいっす」

【彼女はどうやら魔法にいくらかの憧れを抱いているらしく、腕組みをして頷く】

「ま、あたしには魔法自体向いてないっすから、いいんすけど。頼りにしてるっすよ、魔女さん」

【心の底から魔女を信用しきった様子で、彼女は魔女――カズネに挨拶をした】

>>ALL

「うーん、どこにいってもひどい臭いっすね」

【鼻は慣れてきたものの、悪臭にはどうしても嫌悪感を覚えずにはいられないベネディクタ】
【こんな場所に本当にジャック=ホワイトがいるのだろうか? 少なくとも、こんな悪臭のする部屋にはいない気がする】
【とりあえず屋敷のどこかに彼がいる以上、ここに彼は訪れているはずだ】
【そう思ったベネディクタはジャック=ホワイトの手掛かりを探す為にはどうするべきか考える】

「そうだ、ここにジャックさんの手掛かりがあるんじゃないっすかね?」

【彼女はジャック=ホワイトの能力を思い出し、二人に話す】
【大広間ほどの巨大な部屋ならば、どこかに手掛かりとなる彼の《痕跡》があるはずだ】
【そう考えた彼女は二人にここを探索してみようと提案した】
396 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 20:28:07.73 ID:ili95Xmto
>>393

【大広間を見渡すエスパスの目に映る景色】
【周囲に物が散乱している以上、無闇矢鱈と長い得物を振り回すのは良策ではない】
【ある種この場で戦闘になった場合、行動を制限されるかもしれない】

>>394

【メグは投げ渡された靴に目を丸くし、ぱちくりと何度か目をごしごしとする】
【あ、ありがとうございます、と感謝を告げる言葉の様子は、どこか気張ったものではなくて】
【どこにでもいるそんな女性の横顔にも似て】

【それを受け取ったならメグは屋敷の外に退去するのだろう、これ以上はもたない、と言いたげに】
【言葉に導かれるように大広間へと向かう姿、その背中が少しでも安全に過ごせますようにと】
【叶わない願いを祈り続ける、咲かない仇花に注ぐ愛情が如く】

【二階に行こうと、意識を階段へと向かう扉に向けたなら】
【その道中埃の積りがその部分だけ浅い、また埃の上に革靴の足跡が見える筈だ】
【察しの良いカズネならば、先にこの屋敷へと来た誰かのものであると気づくのに、そこまで時間は必要ないだろう】

【また、革靴の足跡の上にこの場にそぐわない物があることに気づくだろう】
【《シール》である、ジャックの能力《Close to the Edge》によって生成されたものだ】
【もし捲ったならば、ジャックの残した《痕跡》を再生することができる】

>>395

【協力を提案したベネディクト、通常ならぬ非常の場に於いても冷静に判断できているのだろう】
【大広間全体を見渡したならば、カズネが興味を示している階段への道の他】
【倒れた戸棚や本棚に険しい道を作られている奥の廊下への道があるだろう】

【そして散乱した本の山、その他は朽ちた机や戸棚の下などを漁って見るだろうか】
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/03(土) 20:40:19.30 ID:C8m3xJElO
>>396

─────これか……

【礼は要らずならば想いも受け取る権利などはない】
【されど他人の純然な想いを否定する権利もやはりありはしないのだから、それはそれという話】

【登る階段、人の軌跡はやはり名残を残すものか】
【嫌に埃の少ない靴の後、探ればそこにあるシールの姿に目を細める】

異能というならばその証しを立てて見せなければね
鬼のひとつでも出てくれたなら、私に燻るほむらも吐き出せるのだけど……そうもいかないのでしょう、ねッ

【痕跡を辿り導けと魔女は異能よりの依代へ指を掛けそして引き剥がす】
【ふと、先の見えぬ海に浮かぶ導をたどるようだなどと零して……】
398 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/03(土) 20:47:02.02 ID:sUKETnfs0
>>395
「えと、それじゃあねぇ」
「ベネねーちゃん!」
「僕も名字じゃなくってワザワイって名前で呼んでいいよっ!」

「そーだよ!」
「リーベおねぇちゃんの弟なのっ!」

【照れ臭そうに、誇らしそうに笑う】

「………………接着剤?」

【小首をかしげながら、悪気はないがそういってしまう】

「えっと、手とかがとれちゃった時に便利そうだねっ!」

【義手か、はたまた生身の方かは知らないが結構シュールなフォローだ】

「ポニテは簡単だしいいよねー」

「うーんとねっ!」
「多分この臭いはぁ…」

【以前この臭いに近い物を嗅いだことのある少年にとっては珍しくはないのだが】

「動かなくなっちゃった人の腐ったお腹の中みたいな臭いだよねっ!」

【結構ブラックな喩えだった、唯でさえ不気味だと言うのに…】

>>369
「うーん」
「それじゃあ僕もベネねーちゃんと一緒に此処を探そっかなー」

【再び戟を背負い直してから本の山へと向かおうとする】

「それじゃあ気を付けてね魔女さん!」
「んと、『ごぶうん』をっ!」

【と、】
399 :ベネディクタ◇カスガイ :2015/10/03(土) 21:02:27.81 ID:wBG1Mhos0
>>398

「そうっすか? じゃ、ワザワイ君って呼ばせてもらうっす」
「はは、あたしの能力は大体そんなもんっすよ」

【ベネディクタは自身の能力を接着剤みたいだと知っているので、いつものように返した】

「手も取れるっすよ、ほら」

【彼女の意志で接着をコントロールできるため、自身の意志で接着している義手は簡単に外れる】
【実際手が取れた時に便利だというワザワイのフォローは間違っていないのかもしれない】

「く、腐った……ゾンビじゃないっすよね?」

【臭いに関しては既に鼻が慣れてしまったため嫌悪する程ではなくなっていたが、腐ったという単語に反応する】
【雰囲気に呑まれているわけではないが、あまりオカルトじみたものは得意ではないようだ】

>>ALL

「まずは整理整頓からっすよね。こんな汚い部屋じゃまともに探索できないっす」

【ベネディクタはそう言うと、自身の能力《ペガメント》を発動した。】
【能力の特性として、接着した物質はベネディクタが触れている限り、変形しない程度に自由に動かすことができる】
【その特性により、義手の手に接着させた家具は回転や移動をスムーズに行えるようになる】
【それを利用して、散乱した机や戸棚などを次々と整理していく】
【壊れた足は近くに落ちている本などを使って高さを調整し倒れたりしないようにしていく】
【少し時間はかかるが、この大広間を綺麗に整頓できそうだ】
【ベネディクタは部屋の整理整頓を開始した】
400 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 21:08:54.83 ID:ili95Xmto
>>397

【ジャックの残した《痕跡》探索の本懐である私立探偵の残した遺物】
【カズネがシールを引き剥がしたなら、シールから淡い光が零れて】
【少しして言葉が聞こえてくるだろう、生命が希薄な館の中で探索者以外で唯一命ある声が】


「この内容を聞いているということは、私は恐らく生還することができていないということだろう
危険を省みずこの屋敷を探索する者へ、わずかながらのメッセージを残したい
今から私は2Fへと向かう、2Fに上がってすぐの客室……客室1に倉庫の鍵が残っているのだ

……いや、それは理由じゃないな、私はこの屋敷に入ってすぐ、2Fで足音が聞こえたのだ
それも1人のものではない、恐らく3.4人はいた、つまりこの屋敷にはまだ生存者がいるのだ
それならば助けなければならない、私の……私の、命に変えても」


【静かな屋敷内に響く言葉、落ち着いた声色の低い音色はとても聴きやすく明瞭なものだろう】
【しかし、所々詰まるように言葉を濁す事に気づける、さながら言う事を考え、あるいはためらっているかのように】
【言葉を最後まで述べた後、シールは掻き消え、その場には静寂が戻る】

【声の内容はよく通り、カズネのみならず他の二人も同様の内容が聞けるだろう】
【残された痕跡を辿るならば、2Fの客室1に向かったのだとジャックの行動が伺える】
【先に配布された見取り図を見れば分かるだろう、この奥の階段を登って突き当りを右に行った部屋だ】
【客室は1と2と3が横並びに用意されており、それぞれ扉がついている】

【そして、ジャックの話に依ると、客室には《倉庫の鍵》があるのだと言う】
【倉庫は二階にある、鍵の掛かった部屋の事である、なるほど、何かしらの予感はあるだろう】
【残された痕跡、それを頼りに探索をするのは、それこそ奇妙ながら探偵の本懐といっても過言ではない】

【もしカズネが注意してジャックの言葉を聞いていたなら、ある奇妙さを感じるかもしれない】
【形にはっきりと出ることはない、けれども、どこか腑に落ちないような】
【喉元に残る異物のような奇妙さ、気にしなければそれまでだけど】

【兎も角階段へと向かうのならばあまり障害物はない、すんなりと向かえる】

【扉を抜けると少し狭い廊下に出る、向かって左側には階段があり、それを登れば上の階に上がれるだろう】
【しっかりとした作りの階段であり、螺旋状に上に向かっている、人二人分程の幅しかないため、全員が一気には登れない】
【右側には洗面場がある、扉が閉まっており中の様子は伺えないが、比較的物品は散乱しておらず向かいやすいだろう】
401 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 21:09:13.37 ID:ili95Xmto
>>398

【大広間の探索を選んだ二人にも、先ほどのジャックの痕跡は聞こえる筈だ】
【それを聞いて行動を変えるのも可能だろう、2Fに手がかりがあるのだと示すような言の葉】
【それを聞いて尚、ほんの山に向かうのも一つの選択肢である、一つ可能性を除くとすれば】

【ぞわりと蠢く、不意に視線を感じて振り向いてみても、ベネディクタ以外には誰も居ないのに】
【屋敷全体がさながら化物の胃袋の中で、自分たちはその中で少しずつ消化されるのを待つかのように】
【真綿で首を絞められるような、そんな息苦しい気持ち悪さが周囲に《蠢く》】

【灯りが少なく、手元を見るので精一杯だろう、必然、視界は狭まる】
【見える景色以外は無明の闇である、瞼の裏側に似た、人工物的な黒】
【振り払っても消えはしない、さながら手探りで歩く迷宮の中のように】
【もしくはきっと、その闇の中に悪鬼が狭苦しそうに押し込められて、今か今かと舌なめずりしてるかのように】

【湿っぽいカビの臭いだけがやけに鮮明に、腐臭の中で感じられるのだろうか】

【ハードカバーの本の山がエスパス達から見て左側に積もっている】
【一番上の本の題名は此処からでも見れる、一般の書籍であり、魔術書のたぐいではない】
【相当な数が散らばっているが、適切に取捨選択していけば整理は可能だろう】

【一般の書物ばかりである、日記や手帳等もなく本当に市販の本ばかりである】
【強いて言えばミステリー小説や冒険小説が多めか、真面目な本も少なく娯楽本ばかりか】
【しかし書物自体は古い、朽ちるほどの古さではないが10年、20年ほどは経っているだろう】

【勘の良い者なら、適当な本の最新版の日付を確認し、大体の目星をつけれるだろう】
【おおよそ20年前の本だと、そうしたならば窺い知れる】

>>399

【部屋の整理をするにつれて、大広間の内装が大体分かるようになるだろう】
【産卵していた戸棚や机、椅子などは全て一つのコンセプトの元に揃えられている】
【つまりはここもそうだ、最初の住人の残していった家具が散乱しただけなのである】

【20年もの間、他の住人達はまともに生活すら出来ていないという事である】
【そして整理整頓するにつれてわかっていくだろう、部屋全体にはすさまじいばかりの死臭がするのに対し】
【大広間には一滴足りとも血がこぼれていない事に】

>>398>>399

【そして、見つけることができるだろう】
【ベネディクタが部屋の整理整頓をし、エスパスが本の山を整理したおかげで】
【本の山の底に隠すように置かれていた本を】

【恐らくエスパスはそれを手に取ることができる、本自体は取り立てて注意するものではない】
【肝心なのはその裏表紙、ハードカバーのその書物の裏表紙には】
【ジャックの能力である《Close to the Edge》のシールが貼っていたのであった】
402 :ベネディクタ◇カスガイ :2015/10/03(土) 21:25:42.75 ID:wBG1Mhos0
>>401

「おお、いいものが見つかったっすね」

【ワザワイが見つけたシールを見て、ベネディクタは最後の家具を適当な位置に置く】

「ただ、この屋敷……この大広間、妙な感じっす。これだけの死臭がするのに、血痕の一つもない」
「別の場所から死臭がするのか……それとも出血しない死に方をしたのか……」
「……考えても分からねっす」

【妙な感覚を覚えるが深く考えることは彼女の性に合わず、早々に考えを放棄する】

「とりあえず二階を探したらここに戻ってくることになるだろうし、行ってみるっすか? 二階」
「その《痕跡》も、魔女さんにも聞いてもらったほうがいいんじゃないかなって思うっす」

【彼の痕跡を辿るのが彼の捜索に一番適切だと考えた彼女は、ワザワイに着いていく意思を伝えた後に、二階に行こうと提案した】
403 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/03(土) 21:33:29.82 ID:sUKETnfs0
「今のが…僕も早くさがさなくっちゃ!」

>>399
「うんっ!」
「えへへ♪」

【ちょっとはにかむ】

「ゾンビ…あー、昔それっぽいのと戦ったことあるよー」
「白くって、人っぽくって、ぶよぶよにふやけてて」
「こう、いっぱい…わらわら〜って来てねー、建物くらいのおっきいのもいたよっ!」

「おおーっ♪」

【取れた義手やら断面やらを見てやたらと目をキラキラさせる】

「ベネねーちゃん!」
「その手ってロケットが付いてて飛んでったりしない?」

【この年頃の子供らしい事を言っていいながら一緒に整理を開始した】

>>401
「……また…」

【それは玄関で味わった物に似た気配】
【強いて言うのなら蛇に呑まれる蛙のような感覚】
【一直線に向けられた殺気や憎悪なら方向がわかるはずなのだか、これはまるで屋敷そのものに睨み付けられているようである】

【首をかしげなから本を手にとっては軽く観察して綺麗に積んでいく】
【一番後ろの出版された時期を確認するがそこまで古い物でもまた、本自体が特異な物でもない、が】

「あれ、これって…」

【一冊の本を手にとって違和感を感じてひっくり返す】

「…!」
「…ビンゴッ♪ベネねーちゃん!」

【即座にベネディクタの元へ持っていきシールを剥がそうとする】
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/03(土) 21:35:05.12 ID:C8m3xJElO
>>400

命に代えてもなんて易々口にして……家族を残す理由になるのかしらね、お馬鹿さん

【魔女の呟く声は誰にも届くまい、残す者は残された者の気持ちなど分からぬように】
【自分のこの想いも、そしてメグの想いも届かない─────一縷の奇跡に賭ける情緒は生憎と持ち合わせてはいない】

違和感が誘蛾だとしても進まない理由にならないの、来るなら来なさいと……私はもう告げたのだから
先に進む足に躊躇いを残していては過去の私に顔向けできない、そうでしょう?

【足が動くのならば進めるだろう、鼓動が脈打つならば続くものもある筈だ】

【ローブはそろそろ埃に塗れる、ふと洗面場を見ても別段異常は無くならば向かうは二階へと】
【残された言葉に従い進むのは客室1、件の倉庫のカギがあるかも分からない怪異に繋がるのならば探る理由足り得る】
405 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 21:43:20.62 ID:ili95Xmto
>>402>>403

【エスパスがベネディクトの元へ向かい、シールを剥がす】
【再び淡い光がシールに包み込まれ、声が聴こえる】
【先ほどと同じ、明瞭な発音、心地よい言葉が耳に流れ込むだろう】


「この内容を聞いているということは、私は恐らく生還することができていないということだろう
危険を省みずこの屋敷を探索する者へ、わずかながらのメッセージを残したい
この屋敷の事なら私は人一倍詳しい、何よりも怪しいのは地下室である」


【察しが良ければ気がつくだろう、先ほどの痕跡と入りの言葉が一緒なのである】
【どのような状況においても通じるように、同じ文言を残したのか、それとも】
【焦燥が胸を焼いたなら、鼓動は違和感を伝え、焦る次の言葉を捲る】


「だが、地下室には鍵がかかっている、その鍵だがかつては倉庫に保存されていた
そして倉庫にも鍵がかかっているが、この鍵は書室の本棚のある本の中に挟んである
その本のタイトルだが……今でもはっきりと、覚えている

─────The Hunting of the Snark《スナーク狩り》だ」


【刹那、物音がするだろう、先ほどカズネが登っていった階段の方向から】
【物が倒れるような激しい音、向かってみたならば階段とは逆の方向にある1Fの洗面場】
【廊下を挟んでちょうど向かい側にある洗面場、カズネが先ほど来た時には閉まっていた扉が】

【僅かばかり開いて、静かに闇に佇んでいるだろう】

【エスパスとベネディクトはまた選択を求められる、新たな《痕跡》は、先ほどの《痕跡》と矛盾している】
【それならば、先ほどの《痕跡》に従ったカズネはもしかしたら危険な目に合うかもしれない】
【一手のすれ違いで分断されることになっている、洗面場か、2Fか、はたまた、それ以外か】

【選ぶ道は何処へ向かうのであろうか】

406 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 21:45:01.48 ID:ili95Xmto
>>404

【階段を登ったならば2Fの廊下に出るだろう、浴室を始めとし、部屋が横に4つ並んでいる】
【どの部屋も扉が閉まっており、廊下には割れたガラスが散らばっている以外は障害物はない】
【再び静寂が周囲を包む、音が盗まれてしまったかのような、静寂】

【臭気はけれども、緩むことはない、むしろ一層増しているように感じるだろう】
【下の階も凄い腐臭であった、しかし、それよりもより深く凄惨な臭いが充満している】
【換気する術がないため、循環しているのだろうか、それでも濃縮されているかのように】

【大広間に比べれば見晴らしが良いため、目的の部屋まではまっすぐ進めるだろう】


【客室1の扉を開けた瞬間、わずかばかりの光が目に入るだろう、天井に吊り下がったランタンが足元を照らす】
【刹那、物音がするだろう、視線を向けてみれば、備え付けのベッドにうずくまる人影がある】
【よく観察すれば、3人の人間がベッドの上で肩を寄せあって震えている】

【ほぼ同時に天井から吊れ下がったランタンが震える、ちかちかと点滅するだろう】
【中の電池が尽きかけているのである、今にも消えそうな灯火で】
【3人が同時に息を呑んだ、絶望的な表情を見せて】


「……来る……やつが……来る……」
『寒い……寒いよ……かあちゃん……』
[ああ……駄目だ……駄目だ……光を、たかなければ……]


【その内の一人が意を決したように手を伸ばした、身を乗り出して、ランタンへと手を伸ばす】
【瞬間、ミシリと音がしてベッドが傾いた、老朽化したベッドの足がべきっという音を立てて砕ける】
【手を伸ばした男がバランスを崩して、床に足をつける】

【刹那、ついた地面の足に伸びる手が一本】


[うわ、うわああ!!うわあああ!!!!バンカアアアアアアア!!]


【男が引きずり込まれる、ベッドの下の細いスペースへと】
【メキリゴキリと耳をそむけたくなるような音がして、やがて静寂が満ちる】
【そうしたなら、のっそりとベッドの下から這いずりでてくる影が一つ】

【全身をウロコで覆われた長身の化物が姿を表すだろう】
【両腕ははちきれんばかりに筋肉が発達し、ゆっくりとベッドの下から這い出し、周囲をうろつく】
【爬虫類のような顔でくんくん、と鼻をひくつかせているのが分かるだろう、どうやら目が見えないようだ】

【ベッドの上の残り二人が、息を止め、必死に震えを抑えている】

【何が起きたのか、怪異の正体か、現れた化物が、ベッドの下に男を引きずり込んだ】
【数瞬遅れて、血がベッドの下からこぼれ落ちる、新鮮な鮮血が】
【化物は鼻をひくつかせて周囲を見渡している、まるで獲物を探すように】
407 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/03(土) 22:03:29.85 ID:sUKETnfs0
>>402
「結婚?…あっ、血の跡ねっ!」

【腕を組んでフムフムと考える】

「うーん、そうかもしれないしぃ」
「血をポンプかなにかで吸い出したとか?」
「そっちの方が軽くなるし!」

>>405
【部屋に先程聞いたのと同じ声が響く】

「これが…でもそれじゃあさっきのは…」

「ざ・はんてぃんぐ・おぶ・ざ・すなーく?」
「……もしも仮に…さっきゾンビって話がでたけどネクロマンサーとか」
「そうじゃなくと何らかの方法で脅したりして『残させた』のを技と置いといたとしたら?」

【激しい音が響き、顔色が芳しく無くなる】

「もしも誰かが…」

________意図的にミスリードとなる痕跡を遺していたら?

「だとすれば、こっちの方が本物なら二階に向かった魔女さんは外れだね!」

【少年はもう用はないとばかりにすぐさまベネディクトに向かって】

「それじゃあさっき音がした洗面所にいってみる?」

【と、聞く】

「魔女さんのところには罠があるかもしれないけどね」
「自分ていった魔女さんの責任だし!」
「僕たちまで罠かもしれないところに行かなくてもいいよ…それに…」

【その顔に不安などはなく寧ろ少し楽しそうに】

「罠ていど、遺跡に良く潜るっていってた魔女さんには寧ろ得意分野でしょ!」
408 :ベネディクタ◇カスガイ :2015/10/03(土) 22:16:53.94 ID:wBG1Mhos0
>>403

「ロケットパンチっすかー。火薬を使えばなんとか……?」
【ベネディクタはロケットパンチについて考えてみる。使いきりになるため、実用的ではなさそうだ】
【ただ、何かしらの芸には使えるかもしれない。今度作ってみようかと彼女は思った】

>>405 >>406 >>407

「! 今の声……」

【二階から聞こえてきた悲鳴のような叫び声に反応する】
【しかし、ワザワイの言う通り、カズネは強い】
【そう信じている彼女は、二階で起きている出来事をカズネに任せ、ワザワイの方を向いて頷いた】

「……大丈夫っすよね、魔女さん」

【しかし二階で何が起きているか知る術を持たない彼女は、かすかな不安を抱かずにはいられない】
【だが、彼女ならきっとなんとかしてくれる、そう信じてベネディクタはワザワイと洗面所に向かうことにした】

/カズネさんにもし助けが必要なら向かえる限り向かう予定です。必要ないならこのまま行きます。
409 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 22:22:45.95 ID:ili95Xmto
>>407>>408

【エスパスの鋭い読み、状況から考えると然りと言うべきか】
【同時に成立し得ない2つの情報があったとして、その両者共が正しいとして立ち行かないのであれば】
【そのどちらかに否があるとして結論付けるのが妥当であろう】

【だがその言葉は正しくない、二階に向かった魔女はハズレと言ったが】
【ふたつ目の《痕跡》によって示された、倉庫も書室も二階にあるのだから】
【思案の形はいずれにせよ、辿る道筋は誤っているとは言いがたく】

【二人して洗面所へ向かうだろう、洗面所の反対側にカズネの向かった階段がある】
【いざとなれば直ぐにでも助けに向かえるだろう】

【洗面所の室内は大広間と同様、辺り一面に物が散らばり足の踏み場もないほど】
【カミソリやハサミが散乱しており、気をつけて進まなければ踏みつけてしまうだろう】

【水場というものはそれだけで霊的なものを感じさせるのだろうか】
【湿っぽさが一転不気味さへと変わり、直接的な干渉は無いにしろ、陰鬱さをさらけ出して】
【水道はまだ使えるのか、蛇口を捻れば水が出てくるだろう】

【そして洗面台の鏡は粉々に砕かれており、真新しい血が付いている】

【そこに不自然さを感じるかもしれない、所々に血の痕はあったが、そのどれもが古いものであり、乾いていた】
【けれども粉々に砕かれた鏡についた血は、ついさっき付着したかのような新鮮さで】
【洗面台の前に立てば、より詳しく調べる事ができるだろう】

410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/03(土) 22:36:53.72 ID:+XzccI3g0
【街はずれ――森の中にかろうじて作られた道添い】
【みかんの房のような形の月が夜道をこっそりと照らしこむ、木々の影はストライプ模様で道を飾り】
【どこかで梟の声がして――この道をずっと街から離れるようにたどっていくと、金持ちの屋敷にたどり着くという道、だけど】

……さて、今夜はもう家でゆっくりしましょう。

【古びた煉瓦敷きをかこりと鋭い踵で蹴飛ばす、短い髪をくしゅりを掻き上げて、それから時計に目を落とすのは、どうやら一人の女だ】
【どこかの屋敷に向かう道とはいえこの森を突っ切るにはここが安全、だから人気があったっておかしなことではないのだけれど、】
【少し寒いのかワンピースコートのボタンを留めて行く指先には色のないマニキュアが塗りつけられていて――、すべて留めてしまえば、また髪に触れる】

【黒猫と同じ色味の毛は肩にわずかに届かない程度の長さ。短いがよく手入れされているよう。瞳はぺかりと月明かりにきらめく、獣のようで】
【青りんご色の瞳はそうした艶めきのせいもあるけれど形もどこか猫のようにぱっちりとしたアーモンド形で。顔には、薄く化粧が施されている】
【どうやらコートの下はタートルネックとスカートのようだったけれどボタンを留めてしまった今は見えず、靴は、踵の高く鋭いハイヒール】
【スタイルがなんともよくって胸元はやわらかげに膨らむくせに腰が細い、のが、服の上からでも見てとれた。そんな女は、ふうと微かに息を吐き】

冬なんて嫌いなのですけど……、……まだこたつを出すには早いですかしら。

【まだ息は白くないけれど寒さがしんと迫る、整えられた眉をわずかに潜めて呟く声は、ねこなでごえというか、なんとも甘たるいもので】
【「暖かいスープが飲みたいですの」と小さく呟く、「インスタントがあったはず」と続けて、女はようやく煉瓦敷きを歩くのを再開して】
【ぼうぼうと梟の声がする。それに幾重にも虫の声が重なって、けれど静かな森の中に、かつこつと硬い人工的な靴の音が響いて行った】

【――屋敷の方から歩いてくる女は、けれど隣の街から歩いてきたとは思えない恰好。なにより隣まではそれなりの距離があり】
【だからといって金持ちの子女にも見えず。なんとも曖昧な存在のまま、夜更かしのお散歩のよう。――誰かが通れば、それなりに目に付くだろうか】
411 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/03(土) 22:37:23.14 ID:sUKETnfs0
>>408
「ロマンだよねー!」
「でもって敵に当たったらドッカァーンってなっさりとかっ!」
「それにドリルとかがついててもかっこいいよね!」

【等とこの辺は普通に子供である】

>>409
【そして二人は程なくして洗面所にたどり着く】

「とととっ、あぶないから気を付けてねぇ」

【散らばる刃物に注意をしながら器用にヒョコヒョコと鏡の前に近づく】

「うん…血、だね」
「それも結構新しい…」

【それは不自然は程に新しい血であり、その臭いと湿気と汗でまとわりつく髪を鬱陶しそうに手で整える】

「誰が何のつもりでやったかはわからないけど…」
「ここまで新しいとまだ近くにいるかもしれないね…」

【周りを見回しながら他に何か無いかと周りを探す】
412 :ベネディクタ◇カスガイ :2015/10/03(土) 22:41:24.34 ID:wBG1Mhos0
>>409 >>411

「なんていうか、不衛生っすね……どこもかしこも散らかってばかりで」

【そんな不満を漏らしながら、ベネディクタは地面に散乱しているカミソリやハサミを接着しつつ拾っていく】

「気遣ってくれて、ありがとっす」

【さりげない気遣いをしてくれたワザワイに感謝しながら、何か目につくものはないかと探してみる】
【勿論真新しい血の付いている鏡も目に入るが、真新しい血がついているということは、最近ここで何かが起こったことを示している】
【もしかしたら血を付けた本人が近くにいるかもしれない、そう思うと安易に鏡に近づく気にはなれなかった】

「……そーっと、そーっと」

【周囲に気を配りながら、鏡に近づいていく】
【拾ったハサミとカミソリは彼女が着ているジャージのポケットにしまっていた】
【使い道がないとも限らないからである。特に金属製の品は丈夫で色々と便利だ】
【とにかく、彼女は周囲を警戒しながら洗面台を調べてみることにした】
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/03(土) 22:44:26.90 ID:C8m3xJElO
>>406

──────────

【魔女は眼前の光景を見て思う、果たしてこれは現の事か……と】
【或いはこの屋敷そのものが過去を投影する舞台であるならば、今広がる光景は既に去った物であり……なんのことはない干渉する意味さえないという話】
【3人の絶望、異形の与える絶望─────どちらも過ぎたことならば…………】

【されど拭えぬ臭気はただただ不快で、これが例え罠だとしてもこの己の害意或いは悪意だけは逃せない】

どちらが獲物か、ページを捲るまでもなく思い知らせるしか……ないじゃない?

【収束する魔翌力を眼前に、速度と圧縮によりそれは熱を帯びる─────即ち焔なき炎熱】
【熱波の類にも等しい魔弾は寸分の違いなく異形の身体へと一直線に、さながら魔女の直情さを示すが如く迫る】
【魔女の制御より離れた魔弾は一度触れれば空気を貪り焔を生み出す、兼ねてより魔に属する者を滅ぼすは焔と相場が決まり】
【ならばその熱はより強く響く筈だ】
414 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 22:47:17.87 ID:ili95Xmto
>>411>>412

【周囲を探索したエスパスとベネディクタは気づくだろう、新鮮な血は、ここで流されたものではない、と】
【間取図で言えば、この洗面場の上は浴室である、そして視線を上に向ければ】
【洗面所の天井一杯に染みこむ血の痕が眼に入るだろう】

【堪らずこぼれ落ちる鮮血が、洗面所の鏡についていたのである】

【そして、洗面台を調べるベネディクタの背後、何もない空間から】
【人影が一つ、現れ、呼吸の音を響かせた】
【手には大型のナイフ、割れた鏡に映るだろう、背後に音もなく出現した男がベネディクタの首筋に斬りかかる】

【動きは鋭いものの、鏡をしっかりと見ていれば回避は可能だ】
【洗面所の入り口と逆の方向に陣取る形で男はその場に立つ】
【暗い室内、あまり広いとはいえない洗面所内で対峙する男】

【目の下には深い隈、返り血がべったりと顔に付着して】
【深く巻いたバンダナは、元は白だったのだろう、その痕跡もない程に赤く染まっている】
【小柄な体躯を猫背気味に曲げながら、気味の悪い笑みを零す小男であった】

【右手に大きなナイフを握ったまま、二人を正面から見据えるだろう】
415 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 22:52:45.78 ID:ili95Xmto
>>413

【化物の身に纏う雰囲気、それはさながら、直ぐ目の前を通り過ぎる稲妻にも似て】
【一歩踏み出したのなら、もう蹂躙されるだけの、それほどまでの雰囲気を携えて】
【非日常に生きる存在の、自我にもにた雰囲気を感じるかもしれない】

【音が耳に染み付く、男一人を強引に、狭いベッドの隙間に押しこむ時の音】
【骨が砕け、肉が千切れ、命が蹂躙される音、それこそローラーで平らにしたかのような旋律】
【常人ならば耐えられる筈がない、ベッドの上の残り二人の正気が、失われていく】

【ちらりと観察すれば分かるだろう、この男たちは企業の社員であるということに】
【恐らくジャックが屋敷へと調査に向かう前に、先に行方不明になっていた者達である】
【とすれば疑問が生じる、ジャックが屋敷に向かったのは一週間前で、彼らがこの屋敷に赴いたのは更に前である】

【一体どうして、この場で生きているのであろうか】

【ガチガチとベッドの上の残りの二人が、軋ませる歯の音が響きそうなほどに】
【目の前の化物はのっそりと地面を歩く、一歩一歩静かに】
【武器はない、けれども、すさまじいまでの勢いでベッドの下に引きずり込んだ】

【筋力は生半可なものではないだろう】

【目が慣れてき、その姿をしっかりと捉えることができたなら】
【全身は緑色である、水生物の特徴である鱗が、びっしりと体中に生えている】
【しかしそれは湿っている訳ではなく、むしろ乾燥しているように感じるかもしれない】

【さながら帷子のように全身に纏う鱗、強度は不明だが、直接触れてみるのは難しいだろう】
【目のない顔、爬虫類のようなそれは鼻と耳で獲物を探すのだろう】
【ひたひたと歩きながら、そこまで広くない室内を蠢く】

【室内は備え付けのベッド以外は広々としている、元々物自体が少なかったのか】
【ベッドの下の真新しい鮮血が、絨毯を濡らし、染みこんでいく】
【死臭が鼻につく、鼻腔から脳内へと染みこむように、鉄錆の香りを広がらせる】


シャアアアアアアア!!!


【焔熱の魔弾が異形の右肩を撃ち貫く、不快な金切り音が響く】
【異形に思考などないのだろう、直ぐ様カズネの居場所を把握しそちらの方向へ向く】
【爬虫類然とした顔、そこに表情は無く、ただの不快さしかなく】

【一直線にカズネへと拳を振るう、両手を叩きつけるように振り下ろす、ただそれだけ】
【異様なのはその速さ、僅かでも気を抜いていれば回避が難しいほどの速度で振り下ろされる】
【そして振り下ろす際に両腕が巨大化する、それこそカズネのウエスト以上に両腕が太くなるだろう】

【ギリギリの回避を狙っていれば、よけきれなくなるほどに】

【直撃せずともしなくとも、怪物は攻撃を終えたなら消える】
【否、再びベッドの下に戻ったのであろう、その呼吸音は消えていない】
【裏を返せば、また再びカズネを見失ったということを示す】
416 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/03(土) 22:56:31.50 ID:WSGNVVtPO
>>410
【宵闇に包まれた森、森に住まう者達も寝静まった閑静な小道】
【そこを一人歩く影があった、月明りに照らされて金色の髪が星の如く瞬き、その中で光る紅い瞳は夜空に光る凶星か】
【それはこんな時間に一人で森の中を歩く程の年齢には見えない、言うなれば既に森に住まう者達と同じ】
【暖かな家の中で既に深い眠りにつき、夢の世界へと消える程幼い見た目の少女】
【彼女は寒さに少しだけ声を震わせながら静寂の中に声音の雫を落とす】

寒い……誰かおぶって……

【そんな戯言、勿論おぶってくれるような忠実な人間型の下僕等居ないのだが】
【彼女は目を伏せ、少し泣き出しそうになりながらも、口元を煤色の何かで覆い、また歩き出す】
【ふと、その時道の先、目視できるギリギリの距離、そこに一人の人影を見止める】
【彼女は暗闇の中で見つけた遭遇者に少しの希望を抱きながら早々と其方に歩みを進める】

【そうして向こう側からも視認できるであろう距離、と言うかほとんど目の前だろうか】
【そこまで歩いて行くと彼女はすれ違いかける手前で女性に向かって声をかける】

ねぇ、貴女何でこんな所にいるの?もしかして……暇?

【そんな風に突拍子も無い言葉を浴びせる】
【彼女の言葉と同時に首に巻かれた煤色の何かと、頭に生えた……小さな蝙蝠の羽根、それらがまるで本物の如くピクピクと動き】
【彼女の紅色の瞳は月夜に照らされていると言う他にも何か期待のような物で輝いていた】


417 :ベネディクタ◇カスガイ :2015/10/03(土) 22:58:50.42 ID:wBG1Mhos0
>>414

【周囲を警戒していたため、ベネディクタは男の挙動をなんとか見ることが出来た】
【首筋を狙ってきたのと鏡写しであったことにより義手でナイフを受け止め接着し、武器を奪うことは不可能であった】
【しかし、即座にしゃがむことで攻撃を回避することができた】
【動きに追従するように動いたポニーテールの先端が、ナイフに掠って少し切れる】

「いきなり斬りかかってくるなんて……失礼っすね」

【彼女はそのままくるりと回転し、男の方を向く】
【こんどは実際に自分の目で見ている。次に同じような挙動をすれば、彼のナイフを奪い取ることが出来るだろう】
【彼女は拳を強く握りしめ構えると、男を睨みつけた】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/03(土) 23:04:31.17 ID:+XzccI3g0
>>416

【――子供がいる、と、思った。そう認識した、遠目で見た際の感想はそれで、だけど、近づいたところで違うとも認識した】
【人外だろうかと思案する、だけれど対して驚くわけでもないのはやはりこんな世界の住人だからか、そもそも――なんて思考は、それでも余談でしかなく】

あら、なんですかしら。……お仕事の帰りですのよ、あなたさまは?
あちらがおうちですの? そうでなければ、隣街までは遠いですの、おうちに帰ったほうがよろしくてよ――。

【近づかれても女はたいして顔色を変えはしなかった。というよりもよく見れば不健康なほどに白い肌は変えるべき顔色も薄く、】
【化粧がなければ彼女こそ人間じゃないんじゃないかなんて思われそうなほど。それでも化粧はすごくって、チークやリップで、見栄えする程度に彩られ】
【わずかに膝を折って視線を合わせるようにしてやる、艶やかな瞳はある種の宝石のように艶めいて夜の光に映し出される、期待にきらめく瞳を、拒まれないならじっと見詰め】
【にこりと笑って見せるのだろう。それなら子供は好きなよう――なら期待できるかもしれないなんて希望を抱かせるかもしれなくって】

迷子でしたら街まで送って差し上げますわ。どうせあちらの方に帰るものですから。

【軽く握った手を自らの顎のあたりにそっと添えて小さく首をかしげる。彼女が迷子なら家まで送る、そんな提案を投げかけ】
【人間ではないのかもしれない、そう思いながらも、森の中に住まう種族にも見えなくて。ただ、さっきまで自分が居た金持ちの家の子という確証もなく】
【適当なところで迷子だと判断しかけている、「どうしましょう?」なんて風に目線で尋ねる、そうして、相手の反応を待つのだろう】
419 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/03(土) 23:07:09.68 ID:sUKETnfs0
>>413
「ふへ♪誉められた♪」
【はにかみながらゴチャゴチャした床を調べたり鏡に付いた血を見ていたりする】

>>414
【そうして鏡を眺めていて気がつく】
【これは割れていた鏡に上から血が垂れてきたのだと、そして】

「…ついにおでまし、か」

【背後に突然現れた殺気にポツリと呟き、一瞬にして空気を塗り替える】

【ベネディクタの体とナイフの間に制するようにして戟の先端を挟もうとする】

「荒れ狂うよ!止めれるものならとめてみろっ!」

【最近見た特撮のキメゼリフをアレンジした台詞を吐き、ヒュゴォと冷たいダイヤモンドダストが少年の紫の髪をたなびかせる】

「任せて…戦闘(これ)は得意だから…」

【酷く落ち着いた、冷たい声色】
【光に満ちていた瞳は凍った湖のように静かに小柄な襲撃者を見据えた】
420 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 23:12:03.73 ID:ili95Xmto
>>417>>419

【戟に阻まれる形でナイフが弾かれる、少し距離を置いて刃こぼれを確かめる】
【つーっと指で伝うと、切ってしまったのか、血だまりが指先にできて】
【それをペロリ、と口の中に含んで、くちゃくちゃ咀嚼する】

【猫背気味に体を曲げる、バンダナの下の目は曇った灰色の目で】
【じぃ、と見据えるだろう、目の前に居る二人の姿を】
【嫌悪感を与える目である、じっとりと舐るように見て】


お、お、お……女、し、し、し、しかも……ふ、ふたりも……
あ、あ、あ、ああ……う、嬉しいな……ふひ……ふひひ
こ、ここに来てから、ず、ずっと男、男、男、で

や、やっと、女を、切り刻める……ふ、ふふ……


【どもりながら紡ぐ言葉、ふらふら、と揺れながらまっすぐに見据える】
【思わずこぼれ落ちるよだれを拭う、その目は正気の沙汰には見えず】
【ただ夜に塗れる、狂人、月夜の殺戮者のそれであった】


お、お、俺は……ビリヤード・マーカー……こ、ここに来てから、ずっと、掃除係……
ち、ち、血で汚れた部屋、綺麗にすんのも、死体処理すんのも、大変なん……だぜ……
す、す、スナークも人使い、荒いよな、で、で、でも、こうするしか、できないんだ……

《Into You》


【ぴちゃん、とマーカーの姿が消える、彼の居た場所には、天井から滴り落ちる血液の血だまりがあった】
【刹那、ベネディクタの頭上から出現した彼は、落ちてくる勢いを利用し斬りかかるだろう】
【狙いは左肩巧みなナイフ捌きは、一流の暗殺者のそれである】

【成功してもしなくとも、再び彼は周囲に広がる血だまりに潜り込むようにして姿を消そうとするだろう】
【血だまりを踏んだ瞬間姿が消える、普通の対処では間に合わないが】
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/03(土) 23:15:14.10 ID:C8m3xJElO
>>415

─────ッ!?

【異形の反撃、その予想外の動作にさしもの魔女も驚きを隠せずに】
【攻撃に対して避ける動作は巨大化する腕に万全を成さない、右手は切り裂かれ燻る血潮が宙を舞う】

【されど、魔女は苦悶の声ひとつと挙げず】

【異形が魔女の血肉を裂いたならば不意にその血液は焔を帯びる、まるで最初からその形であるのが正しいように万象燃やせと酸素を食んで燃え盛る】
【魔女とは即ちその生命そのものの在り方、凡そ人と同じとは言えず─────ならばその心の在り方とて、外れているのが正しいのだろう】

…………対価は払わないと、帳尻が合わなくなるじゃない

【鮮血よ舞えと魔女は自らに流れる血を腕を伝せ部屋へと走らせる、紅色の絨毯により鮮烈な紅が馴染めば】
【やはりその血は着火剤、燃えよ燃えよと燻り踊り部屋の中へと蔓延し始める】
【そして焔は相手を選ばない異形と人との区別なく、我を害するのであれば等しく燃やし灰へと還す】

元人間として多少の感情はあるのよ?
でも別に……今回は貴方達を助けるのは使命に含まれてもいないし
それなら、まあ……別にいいかな……なんて

【魔女の瞳は焔に似合わず冷たく見つめる、見慣れた光景だと言わんばかりに想いもなく】
422 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 23:22:24.25 ID:ili95Xmto
>>421

【それを人の行いと呼ぶには、あまりにも凄惨で残酷な行いであろう】
【だからこそ、魔を含んだ女として、魔女として呼ばれるのだろう】
【室内に燃え広がる灼熱、広がる無秩序はシャツの上に落としたシミのように】

【室内に火が燃え広がるだろう、ベッドの上の男たちもまた、その火に抱かれていく】
【しかし、男たちは逃げる事もしようとせず、ただベッドの上で佇んでいる】
【まるでそれが使命のように、ずっと、ずっと】

【やがてベッドが燃え尽きて灰になるまで、彼らも一緒に燃え続けた】


シアアアアアアアア……!!


【やがて這い出るように、灰の中から異形が出現する】
【熱によるダメージはあまりないようで、緑色の鱗に損傷はない】
【けれどもその様子に余裕はない、きょろきょろと周囲を見渡す】

【カズネを探している訳ではない、むしろ別の、逃げ場を探しているかのように】
【そうして、その場で両手を振り回し始めた、まるで駄々をこねる赤子のように】


シャアアアアアア!!


【再び両腕を巨大化させ、室内を両腕を振り回し暴れまわる】
【あちらこちらに拳が振るわれる、さながら暴風雨だ、ひょっとすると大広間の惨状もコイツの仕業かもしれない】
【だが、見えていない行動に変わりはない、攻撃に支障はないだろう】
423 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/03(土) 23:22:51.34 ID:WSGNVVtPO
>>418
【彼女は声をかけた女性の姿を見て一瞬だけ疑問を持ち、少しだけ考える】
【何故彼女の顔はここまで煌びやかなのだろうか、普通に街とすれ違った女性とは何か違う物がある】
【体形もそこいらで見た女性達とは違い、何か妖艶な雰囲気を醸し出す】
【理由は終ぞ解明できないが何か一種異様な雰囲気を彼女は眼前の女性に感じ取り、瞳の色を変えつつも口を開いた】

お仕事……?じゃあ、お仕事のせいでそんな顔にしてるの?
ううん、私のおうちはもっと……どこだっけ……?

【少女らしい甲高く緩やかな声で最後に少しだけ首を傾げながら答える】
【彼女の住まいはここには無いし、彼女自身にはわかっていないようで、その時点でほとんど迷子同然か】
【此方を見つめるその瞳に彼女は臆すること無く、純粋な、悪く言えば何も考えていなさそうな瞳で見つめ返す】
【此方に笑ったことには何故だろうかと首をまた傾げ】

迷子……?ヴァンプは迷子なの?
それじゃぁ……おぶって!おぶって街まで送って!……ダメ?

【突然、瞳を煌めかせ着ているブラウスのリボン辺りで両手を握りしめ答える】
【その声音には期待と喜びとも呼べるような物が含まれており、先程よりもより甲高く聞こえるか】

【彼女の顔も同様に幼い期待に満ち溢れており、煤色の何かが蠢いている】
【視線を合わせていればわかるだろうか、それはよく見ると彼女の後方へと伸びており】
【コルセットスカートの後ろ側が少しだけ捲れている、無論その奥が見える程なんて訳は無いが】
【その奥へと恐らくは尻尾らしきもののように伸びておる】
424 :ベネディクタ◇カスガイ :2015/10/03(土) 23:28:15.42 ID:wBG1Mhos0
>>419

「上から!?」

【突然の奇襲にベネディクタは驚き、飛び込むように前転して攻撃を回避しようとした。しかし完全に回避はできず、微かな切り傷が残る】

「とりあえず血だまりは危険……って言っても、血だまりだらけじゃないっすか」

【ベネディクタは溜め息を吐く。血だまりに意識を向けていれば攻撃の回避は出来そうだが受け止めることは出来そうもない】
【ふと周囲に意識を向けると、ワザワイの雰囲気が先程までの無邪気な少年のそれではないことに気が付いた】

「この感じ……よし! あたしはサポートに回るっす!」

【ワザワイの持つ強者としての雰囲気を感じ取り、ベネディクタはそういった。】
【実際彼の能力はベネディクタとは相性が悪い。彼女の能力では液体は接着できないからだ】

「あの血をなんとかできればいいんすが……」

【彼女は何か策が無いか考える。血に潜り込む……しかし、古い血痕には潜り込めているのだろうか?】
【もし、液体の血にしか潜り込めないのであれば、血を凍らせる、血を蒸発させるなどの手段で無力化できるのではないだろうか……?】
【とりあえず彼女は後ろに背負っている筒に義手を突っ込み、別の義手――三枚の鉄の板を重ねたようなものに変えた】
425 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/03(土) 23:31:52.33 ID:sUKETnfs0
>>420
【普通なら】
【普通なら嫌悪に顔をしかめるような猟奇的なシーン】
【しかし、相手が相手なら此方も此方だった】

「へえー、それは大変だったね♪」
「でも…もういいよ…」
「マーカーおにぃちゃん…おつかれさま!」

【ビリヤード・マーカーを名乗った怪人が血溜まりに姿を消す】

「ふぅん、血の中を繋いで移動する能力って感じかなぁ」

【そう呟くと少年は三日月のような笑みを浮かべる】

「そんなビックリ箱くらいの意外性しかない能力で隙をつこうっていうのがどだい無理なんだよっ!」

【沢山の氷柱がベネディクタを除いた全ての方向へと無差別に発射される】
【ビリヤードを迎え撃つため?半分正解】

「確かに凄い能力だけど…その血痕が既に乾いてたり…凍ってたりしたらどぉなのかなぁぁぁぁ」

【そう、少年の真の狙いはその能力によって鮮血を全て凍らせること】
【迎撃はあくまでついでに過ぎないのだ】
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/03(土) 23:34:20.34 ID:C8m3xJElO
>>422

セット─────

【言葉はそれだけだ、それだけでこの身体はそして魂は覚えている】
【掌から広がる魔術式は圧縮と放射の2段階、文字通り魔女に流れる魔翌力を押し固め放つというだけ】
【光なき屋敷に無理矢理に産み出されるは魔翌力は収束を受け光芒のように集い満ちる】

【きっとこの輝きは異形には伺えまい、知る必要もさして感じない】
【ただ在るだけのことならば先のことも必然と立ち並ぶだけなのだから】

隠れる場所なんか、ある訳ないじゃない……
なんせ私のような外れものに見つかったのだから、そうなったら終焉よ……

【あとはもう心の中で銃爪を引くだけ、躊躇い?そんなものがある筈がない】
【流星が惹かれて地に墜ちる事象に感情が付随されやしないのと同じく、光芒は異形の全てを飲まんと放たれる】
【先の魔弾とは比較にならない何より魔女がそうしたのだ、謂わば熱戦に等しい魔の鉄槌に果たして館の異形は骨子を残せるのか】
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/03(土) 23:36:22.10 ID:+XzccI3g0
>>423

【それでも派手すぎるという化粧ではない。夜の暗がりの中で映える程度には華やかだが、くどい、とか、そんな風に思われそうなほどではなく】
【指先にはトップコートが塗られていて、爪の形も綺麗に整えてある。何かそういうことを気にするタイプなのだろう、爪の中も綺麗に白く手入れされて】

ええ。ですけど、そうでなくっとも、大人になったらお化粧をしないといけませんのよ。たしなみですの、面倒くさい時もありますけれど……。
……おうちが分かりませんの? 困りましたわね、それでしたら、あなたさまのお名前は何かしら? おまわりさんに伝えて、探してもらわなくっちゃいけませんわ。

【自分は仕事のためだ。このほうがウケがいいから、というより、それで化粧をしなくてウケるのは、もっと若い女の子くらいで】
【もっと若い――とはある種十代前半とかになるのだから自分には無理だなんて心の中で小さくため息を吐く。だけれどそれはどうでもよくって】
【相手がお家が分からないなんて言い出せば少し眉を下げる。お名前は何かしらと尋ねて、続くのは、おまわりさんに行かなくちゃなんて言葉たち】
【それが相手にどんな印象を与えるのかは分からないけれど。至極一般的な意見としての言葉、なのだろう】

負ぶう……。

【ぱあと元気に華やぐ姿を見て、女は一瞬、なんともいえぬ顔をした。露骨に嫌がっているわけではないのだろうけれど、唐突な提案に面喰ったように】

わたくしは構いませんけれど――、それより、猫はお好きですかしら?
それでしたなら、わたくしが負ぶうよりもきっと楽しいことをして差し上げますの――。

【吐息を残すような提案。もっと楽しいことをしてあげるだなんてイケナイコトを教えてあげるように囁いて、だけれど、強制するものではない】
【猫が嫌いだなんて言えばしょうがないながらに背負ってくれるはずだ。だけど、猫が好きだと頷けば、悪いようにはならない――と、思う】
【首元の煤色がうごめくのを見て、彼女はほんのわずかに目を細めた。だけれど何かを覚られるほどの感情は見せず、ただ、次の瞬間には笑んでいて】

【どう?と尋ねる声は少しいたずらっぽい。秘密を共有するように潜められた声、そっと顔を嫌がられぬ程度に相手に寄せて、可能な限りの耳元で囁くのだった】
428 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 23:41:06.87 ID:ili95Xmto
>>424>>425

【足元の血だまりからすくっと浮かび上がってくる】
【それはさながら悪鬼のように、気味の悪い笑みを浮かべながら這いずり回るように】
【ナイフについたベネディクタの血を嬉しそうに舐る】


は、は、は、はあ、はあ……う、う、ふ、ふ、や、やっぱり、お、女の血は、美味しいな……
い、いくらでも、飲めるし、お、お、美味しいし、さ、最高、なんだな……


【心の奥底の殺意や、それによって得られる快楽や、そういった混沌とした悦楽】
【それが顔にでたような、そんな、そんな醜悪な笑みを浮かべて】
【紡ぐ言葉が意味のない矯正にも似た上ずった音色で響いて】

【氷柱の回避のため再び彼は姿を血液中に隠すだろう、しかし、少しして、同じ場所から出てくる】
【エスパスの能力により、移動先の鮮血がどんどん凍らされている、それも現在進行形で】
【予想していなかった出来事だ、何らかの能力者だと思ったが、ここまで自身と相性が悪いとは】

【……だが】


ふ、ふひ……ふひひ……あはは、そ、そ、それで、全部凍らせれば良いって、お、おもってるんだ、ろ?
ざ、ざ、ざ、残念、こ、この屋敷に、いったい、どれだけ、血がある、と思うの?


【彼が天井へとナイフを投げた、天井に穴が空き、そこから雨のように血液が降り注ぐ】
【さながらスプリンクラーだ、あっという間に周囲を血液浸しにし、なおも継続的に降り注ぐだろう】
【穴を塞いだとしても、床の血までは回らないだろう、そのような読みの上の考え方】


き、きみ一人が、が、頑張っても、ど、ど、どうしようもないんだよ……!!


【その場で強く地面を蹴り、突撃、勢いをつけたままエスパスに蹴りかかるだろう】
【身体能力は高いのか速度の乗った蹴りだ、ただし直撃させようとは思っていない】
【蹴りを入れそして返す動きでベネディクタにナイフを放る】

【狙いは義手で無い方の腕、ナイフはいずれにせよ血液に落ち、沈み込むだろう】
【彼もまたヒットアンドアウェイで血液の中に潜り込む、エスパス一人では血液を凍らせきれないと読んで】
【一撃で大きく削られることもない、だが、エスパス一人では消耗戦といっても過言ではない】

【打開策は、あるのだろうか】
429 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/03(土) 23:45:46.42 ID:ili95Xmto
>>426

【異形が光に溶ける、浄化されるという表現が正しいのだろう】
【光ある場所で生きる事を許されない生物が光の裁きを受け消えていく】
【道理であろう、それは決して抗えることのない道理で】

【嵐が去った後の凪にも似て、その場にはもう異形の姿は残っていないだろう】

【そして、異形の居た後に残る遺物に、カズネは気づくだろう】
【本であった、魔導書や禁書の類ではなく、ただの娯楽本】
【表題はThe Hunting of the Snark《スナーク狩り》】

【スナークという言葉、出発前に聞いていただろう、ジャックが一言残したメッセージを】
430 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/03(土) 23:55:17.68 ID:WSGNVVtPO
>>427
たしなみ?ふぅん……そうなの……
私?えっとね……ヴァンプ・ヴァエマハル・リ・ヴィリコルシア・ラダ・キュリオスロコス……
長いからヴァンプちゃんでいいよ!

【彼女は自らの名を名乗ると、笑顔でそう言った】
【そうして女性の顔に少し疑問を持ち、女性の返答を聞くと彼女は表情を少しだけ曇らせた】
【おぶってくれない、そんな風にでも思ってしまったのだろうか、だが彼女は続く猫と言う言葉に少しだけ惑わされ】
【少々考えこんでから答えを述べる】

嫌いじゃないよ、でもね犬も好き!可愛ければ何でも好き!
でもおぶってくれないの……?そうなの……

【そうわざとらしく落ち込んだ仕草をすると彼女は少しの後女性へと顔を向ける】
【その瞳はやはり少しの疑念と期待を込めた目……今風に言うなればジト目】

それで……何をしてくれるの?楽しいなら……遊んでくれるの?
猫さんと遊ぶなら……いいよ!

【可愛い物と遊ぶならOK、至極少女らしい意見だろうか】
【彼女は何か悪だくみをするよな微笑みと共にそう返した】
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/03(土) 23:59:20.85 ID:C8m3xJElO
>>429

スナークハント……異形の怪物……意味するものは果たして何か─────
紐解くのが一番早いのかしら、書物に浸るのも久し振りだし悪くはないかしらね……

【失った血液に少しばかり立ちくらみを覚えるが痛みが意識を飛ばす事を阻害する、それを幸いと呼べる程度には外れている】
【遺された書物に手を伸ばす、スナーク狩りという単語─────関係がないなどと言える筈もなく】
【消え去った異形は去り際を知ってか、静かな部屋に魔女はその物語を紐解き始める】

432 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/04(日) 00:02:00.35 ID:Mmime19+o
>>431

【その本は詩集であった、スナークという生物を狩猟しに来た探索者を描いた抒情詩】
【いくつものナンセンスや不条理を含みながらも、一つの物語を体系として描いている】
【内容自体はそんな物語である、けれどもページを捲り、読み進めていく内に頭の中にあるイメージが浮かぶ】

【それは在りし日のこの館の姿、優しそうな夫婦と、理知的な青年と、まだ幼い少女と】
【笑い合いながら暮らす一家の姿、やがて暗転し、めまぐるしく場面は変わっていく】

【街を歩く幼い少女と、青年の姿、少女は妹なのであろうか、兄の手をしっかりと握り着いて行く】
【おそらくは兄妹以外に親戚はいないのだろう、差別や侮蔑様々な困難に彼らは巡りあう】
【それでも二人で寄り添い生きていく、イメージの中の少女は少しずつ大人になっていく】

【やがて、自分たちの目の前に現れたメグ=ホワイトの表情そのものになるだろう】

【カズネならきっと分かるはずだ、この本こそがジャック=ホワイトの《痕跡》なのだと】
【シールに於ける捲る動作、それを本に移し替えたならば、彼自身の思いや記憶の《痕跡》になるのだから】
【《痕跡》は今と変わらぬ年齢のメグが、美しく微笑みかけたところで消えるだろう】

【そして、再び男性の声が響く】


「……そうか、君が拾ってくれたんだね……
そう、この屋敷は、ずっと昔、私とメグと、両親とが暮らしていた屋敷なんだ
スナークだ、悪いのは皆、奴が来てから、メグは不幸な目にあってばかりだ」

「だからこそ、私はそのために、屋敷へと乗り込んだんだ、結果は……見ての通りだが
スナークを倒してくれとは言わない、この本を、メグへと届けてほしい
私が居た、最期の《痕跡》だから、安心して、彼女が幸せになれるよう」

「それと、ありがとう、誰が見てくれるかは分からないが、きっと、優しい人だろうから」


【蓄音機に落としたレコードの針が止まるように、声はやがて掠れて聞こえなくなっていく】
【それは間違いなくジャックの残した言葉、先に逝った兄が、妹に残す最期の言葉】
【メグの依頼はただそれだけだった、兄の安否の確認、この本を渡せば終了するだろう】

【先ほどの怪物を見ても分かるように、この屋敷には怪異が染み付いている、無理をして挑む必要はない】

【けれどもその怪異に蹂躙され、幸せを失った兄妹が居るのも事実で】
【本の中から鍵が落ちるだろう、地下室、と書かれた鍵が】
【選択は自由だ、どのような道を選んでも、きっと、後悔はしないのだから】
433 :ベネディクタ◇カスガイ :2015/10/04(日) 00:03:47.06 ID:NxExg8BC0
>>428

【徐々に凍らされていく血、その原因であるワザワイの放った氷……おそらく超低温なのだろう】
【その氷を用いれば、ベネディクタでも血を凍らせることが可能だ】

「氷は、『個体』……っすね」

【見えているところからの回避など造作もない。ワザワイが攻撃の筋を制限してくれているというのもあるが】
【彼女は変えた義手で細い氷柱を殴り、折る。先端の尖った氷柱を、自身の義手と接着する】

「名付けて……《氷槍》っす!」

【彼女は槍を上に掲げる。上から降り注ぐ血の雨を氷槍が凍らせ、より氷槍を大きくしていく】

「これなら、壊れてもすぐに直るっすよ! サポートなら任せるっすー!」

【彼女は氷槍を振り回し、ワザワイのように血液を凍らせようとする】
【一人なら凍らせきれない血液だが、二人がかりならどうだろうか?】
434 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/04(日) 00:04:14.79 ID:O2cnMdMn0
>>424>>428
「たしかにこれはマズイね…うん」

【それから一言】

「ベネねぇちゃんも頑張って『泳いで』ね!」

【「義手だから大変かもしれないけど」と言いながら懐からあるものを取り出す】
【青紫の宝玉のような綺麗な球体、だがソレは少し柔らかいようにつかんでいる指の部分がややめり込んでいる】

「ここは洗面所だけあって綺麗に流れそうだね!」

【よく見るとそれは生き物の眼球、神獣の亀の片目『巌亀の涙眼』というマジックアイテムであり、その効果は】

「本当は水道代わりだったんだけどねっ!」

【大量の水を蓄え、放出する物である】

【たちまち噴き出す清らかな水流に床のゴチャゴチャしたものや鮮血が次々と押し流されていく】

「てりゃあぁぁぁぁ!」

【それと同時に腕からジャラジャラと先端に楔のついた有棘鉄線を何本も精製してビリヤードを拘束しようとする】
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/04(日) 00:09:18.43 ID:P/cwTA9j0
>>430

/すいませんレス消えたので遅れます……
436 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/04(日) 00:11:00.04 ID:VCsPYoiVO
>>435
/了解ですー、気長に待っておりますので其方のペースでどうぞどうぞっ
437 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/04(日) 00:12:37.70 ID:Mmime19+o
>>433>>434

【彼の誤算はただ一つ、エスパスもベネディクタも、両者共に自身に対する策を持っていたということ】
【単体ならば負ける気はしなかった、この屋敷という利点が彼に最大限味方するのだから】
【けれども、足元の血液が全て流され、天井の血液はベネディクタに凍らされる】


(やべえ……!!息が……!!)


【血液の中では呼吸が出来ない、まるで丘に打ち上げられた魚のように血溜まりから飛び出す】
【洗い呼吸で周囲を見渡す、血液を探す、しかしどこにもない】
【天井に見つけた血液も、見つけた側からベネディクタに凍らされる】

【呆けてしまった、丘に上がった一瞬の隙を付かれて、有刺鉄線に巻かれるだろう】
【バランスを崩し倒れこむ、有刺鉄線に拘束され、地面に這いつくばる】
【ちくしょう、の言葉が小さく響くだろう】


あ、ああ……あああ……ううう……
ゆ、許してくれ……!!ゆ、許して、ほ、ほ、ほんとに俺は、ぼ、僕は、命令されてただけで
た、た、た、確かに、いっぱい人を切ったし、殺した、けど、ぼ、僕よりスナークの方が、一杯殺してるし
ぼ、ぼくはね、ただ、死体を綺麗にして、ただ、掃除した、だけだよ

た、た、ただちょっとだけ、悲鳴がききたかったから、なるべく死なないように、ゆっくりと遊んだり、したけど


【ふひ、ふひと声が漏れる、思い出しては悦楽に歪む】
【救いようのない悪党だと、暗に告げる、言葉はまっすぐで】
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/04(日) 00:16:33.56 ID:P/cwTA9j0
>>430

【思ったより長い名前に女は一瞬だけ目を丸くする。だけどそれ以上に驚いたような感情は見せず、変わらずにこりと笑って見せて】

……ヴァンプ・ヴァエマハル・リ・ヴィリコルシア・ラダ・キュリオスロコス――ヴァンプちゃん、ですのね。

【なんて綺麗に復唱して見せる。それで、猫は好きなんて言葉に少し機嫌よくしたようにする。だけれど続く相手のじとりとした目には】
【少したくらんだように笑んで右目を閉じるウィンク、少しだけ悪戯げに笑むと――くるりと魔力が渦巻く気配と、魔力の匂いがした】

【現れて踊りだすのは彼女の瞳と同じ、青りんご色の魔力。それはきらきらと光ってくるくる回って、やがて彼女の横で形を成していく】
【猫だった。それも、二メートルはあるかというような大きな猫。瞳はぺかりと宝石のような青りんご色で、大きい体ながら威圧感があるわけでもないのは、実在しないからか】
【能力か魔術かで現れた猫。それは女がそっと手をかざしてやると、大きなもふっとした手をその手に重ねて、女は握手するように手を緩く揺らして】

この子。人を乗せるのが大好きなんですの。特に小さな女の子を乗せるのが大好きなんですのよ?
……あなたさまがよろしければ乗ってあげてくださいな。そしたらきっと、この子も喜びますの。

――だめですかしら?

【なんて、簡単な嘘。別にこの能力にそんな自我はないし、すべてが自分の木偶人形だけれど】
【それならかえって嘘を吐く申し訳なさも感じない。彼女はにこにこと人懐こく笑いながらそんなことを言うのだろう】
【猫は当然ながら息をすることもなくそこに佇む、それがある種の不気味さにつながるのかもしれないけれど、悪いモノではないだろう】

【――本当のところは、仕事上がりの疲れた体を少しでもサボらせたいのだろう。それが本音のところ、だけれど、顔には出さずに】
【或いは初対面でしかない幼子を警戒しているのかもしれない。こんな時間に一人で出歩いている子――知らないではないが、どちらにせよ異常だ】
【この猫に乗せていれば少なくとも初撃で無防備な背中や首を曝すこともないだろう、なんて、思考。大黒猫は静かにしゃんと座って、いい子にしていた】

/お待たせしました!
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/04(日) 00:24:58.45 ID:hcNaXfUNO
>>432

(別に地下なら─────全部焼き尽くしてしまっても、例え怪異の根源がいたとしても関係ないかな)

【捲る、その動作が鍵なれば光景はありありと浮かぶ】
【これは遺言の類であり、それならば託す相手は決まっている……それを渡すのが使命であるならばこれは果たすべきこと】

【でもそれだけでは昂りを知ってしまった魔女は止まらないと言っている】

鉄槌をと魂が囁くなら委ねることに躊躇いはないのよ、まして家族が為ならば……まあ……何かしら
ああだこうだ言いながらも私って結局は甘ちゃんなのかもね─────

【家族を引き裂いた者がいるならば、その者にこそ正しき制裁を纏う焔で払わせる】
【鍵を拾うということは即ちその意志の表れなれば魔女の向かう先は決まっている、踵を返し足を進める】

【今や魔女の足跡一つ一つは床を焦がし、その姿は陽炎に揺れている】
【降りた先に居るのは同胞2人と一つの怪異か、こちらの姿を見たならば果たして彼らは何を想うのかしらなどと……クスリと笑い魔女は階段を下るのだった】
440 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/04(日) 00:33:49.18 ID:O2cnMdMn0
>>433
「合体技っ!」
「かっ、かっこいぃ〜〜〜〜〜♪」

【こんな状況でもピョンピョン跳ねて喜んでいる】

>>437
「さ・て・と」

【有棘鉄線で巣巻きにされたビリヤードに足をのせてグリグリと踏む】
【そのたびに棘が体に深く突き刺さるだろう】

「んー、じゃーねー」
「そのスナークさんって人のことっ」

【『痕跡』にあった言葉、それが何を意味するかわからないがとりあえず聞き出した方がいいだろうと判断し拷問にかける】

「ねー、早く早くー」

【時々戟の切っ先が体をプスプスさしてる…エグい】
441 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/04(日) 00:35:11.47 ID:VCsPYoiVO
>>438
【突如として眼前に現れた黒猫、それは彼女の予想を遥かに超えたもので】
【本来なら自分もこのような者を呼ぶことは出来るのだが、いずれにせよ自分は猫は呼べない】
【故に彼女の眼はこれまで以上の驚きと喜びで輝いていた。それは瞳のみに収まらず最早顔に出る程】

本当に!?本当にこの子に乗っていいの?!

【彼女は猫に乗って良いのか、それを何度も何度も質問する、答えずとも言われた通り乗る気満々なのだが】
【それ程までに彼女にとっては喜ばしい出来事なのだろう、彼女は暫し黒猫の背中を見つめ】
【首に巻いた煤色の尾が解け、後方で三本の尾が揺れている】

うんっ……うんっ!
えーいっ!

【彼女はそう叫ぶと黒猫の背中に飛び乗る。そうして手足を使ってしがみ付くとそのまま顔を埋めた】
【満面の笑みで猫の背中に縋り付くと彼女の尾は猫の上で第二、第三の尾のように揺れる】
【暫くの間そうした後、彼女はしがみ付いたまま顔を上げ】

お姉ちゃん、ありがとう!この子すっごく可愛い!欲しいくらい!
んふふ……

【そう笑顔で感謝の句を述べると又背中に顔を埋め、声にならない笑い声を発している】
【このまま街まで送ってくれるのならば彼女は変わらぬ満面の笑みで快く答えるだろうか】
442 :ベネディクタ ◆Oamxnad08k :2015/10/04(日) 00:37:14.99 ID:NxExg8BC0
>>434

「ぷはっ! 危なかったっす……」

【ベネディクタは右腕を水に触れないようにするため頑張っていたため、あまり上手く泳げず、少し水を飲んでいた】

>>440

「正直、これが無かったら終わってたかもしれないっす……」

【改めてワザワイの能力がベネディクタ自身と相性がいいことに安堵した】

>>437

「数の問題じゃないっすよ……はぁ」

【往生際の悪さに溜め息すら出るほど呆れるベネディクタ】
【この人に怒りを抱くこと自体が馬鹿げているみたいだ】

「とりあえず、捕まったんだからそれなりの処罰は覚悟するっすよ」

【ベネディクタ自身は誰かを裁ける立場にないが、そういった人に彼の身柄を引き渡せば大丈夫だろう】
【この道中なら、逃げられることもないだろうし】

「とりあえず、ワザワイ君の言うとおり、その辺りを教えてくれるっすか? どうやら何か知ってるみたいっすから」
443 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/04(日) 00:38:22.42 ID:Mmime19+o
>>439>>440>>442
/ちょっと時間があれなんで少しだけ巻きで行きますね!

【エスパスがマーカーを拷問するも、少しして返事が無いことに気づくだろう】
【顔を見れば、白目を向いて気絶している、さながら、生気を抜かれたかのように】
【何度かちょっかいをかけても返事がないだろう、そうこうしている内にカズネが降りてくる】

【三人が合流したなら、そのまま地下へと向かう事が出来るだろう】
【散乱していた大広間の内部はベネディクタが整理したお陰で楽に進むことができ】
【カズネが手に入れた地下室の鍵を使うことで、扉を開けることができる】

444 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/04(日) 00:38:34.51 ID:Mmime19+o
>>ALL

【地下室への扉を開けると、先程まで空気中に漂っていた臭気は嘘のように消えて】
【綺麗に整理整頓された本棚に迎え入れられる形で地下への階段があるだろう】
【絨毯に敷かれた階段を降りると、地下には大きなフロアが広がっている】

【広い地下室を囲むように蝋燭がたっており、それは柔らかい灯りを周囲に広げている】
【視線を周囲へと回したならば、地面だけでなく天井にも蝋燭が付いているのが分かる】
【吊り下がっているのではなく、天井に付着しているのである、それはさながら、そこに縫い付けられたかのように】

【赤い絨毯の上を歩いたならば、その先に安楽椅子があり、そこにかけている人物へと目が行くだろう】
【長い黒髪に黒いローブを纏う青年、まるで傀儡のように白い肌がやけに目立つ】


They sought it with thimbles, they sought it with care;
They pursued it with forks and hope;
They threatened its life with a railway-share;
They charmed it with smiles and soap.

みんなは指貫で探し、配慮とともに探した。
みんなはフォークと希望で追い立てた。
みんなは鉄道株で命を奪うと脅かした。
みんなは微笑とお世辞で夢中にさせた。

ではそこにスナークはいたのだろうか、ね
ようこそ諸君、いや、ようやくと言うべきか

改めまして屋敷の主スナークだ、まあ言われずとも知っているような顔だね
そうとも、そのために駒を使ってお善だてしたのだから、そうでなければつまらない

私の能力は《固執》の能力、誰も彼もが私の《Mors Principium Est》の前にはするべきことに妄執する
そうだろ?ジャック


【くつくつと安楽椅子にかけたまま含み笑いを零すと、奥の闇から一人の男が歩み出る】
【白いスーツとハットに身を包んだガタイの良い男性、彼こそがジャック=ホワイトで】
【その表情は、まるで死人のように暗いものだった】


褒美をやろう、種明かしだ、私の能力は他者に《固執》させる能力だ
ジャックは死して尚、私に従う事に《固執》し、その能力を持って、君達の排除を手伝った
その方法は万別だからね、そういうものさ、どうなったかもどうやったかも知らないが


【ジャックは彼の前へと歩み出る、まるでスナークを守るかのように】
【スーツの内ポケットから自動拳銃を取り出す、狙いを探索者達に向けて】
【それを見ていたスナークはゆっくりと、立ち上がるとジャックの側に立つ】

【ジャックの《痕跡》に従った結果客室には敵が居た、カズネにとっては鮮明な記憶だろう】


では終幕を飾るとしよう、何、君達にとっては序幕にもならない
言葉通り死は始まりにすぎず、そこからまた第二の人生が始まるのだから
さあ行くよ《Mors Principium Est》


【ジャックが銃弾を放つと同時に、スナークがナイフを投擲する】
【ジャックの銃弾は正確な狙いだ、三人に一発ずつ、頭を狙って放たれる】
【スナークの能力は細かい動きまでは強制できないのだろう、実にシンプルな命令を下しているのだろう】

【スナークはと言えば、ナイフを一本、手元へ出現させ同時に投擲する】
【お世辞にも良い狙いだとは言えない、だが、弾かれても尚一定の方向へ進む】
【狙いはベネディクタである、ただ回避するだけでは執拗に追ってくるだろうが……?】
445 :ベネディクタ ◆Oamxnad08k :2015/10/04(日) 00:53:24.95 ID:NxExg8BC0
>>443
/巻き了解ですー

「て、敵はあたしに怨みでもあるんすかー!?」

【ことごとくナイフの標的になるベネディクタは、そのことを少し嘆いていた】
【ベネディクタはそう言いながら、まずは頭部を狙ってくる弾丸を義手で弾く】
【その時既に三枚板の義手は彼女の肘から離れており、彼女の肘は腰の辺りにあった】

「追ってくるならただ単純に受け止めるだけっす!」

【彼女は漆黒の義手に変え、ナイフを義手に接着して受け止める】
【ナイフが持つ速度のため少し後ずさりする】

「じゃあ、今度はお返しっす!」

【次に彼女はナイフを振りかぶり、スナークめがけて投擲しようとした】
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/04(日) 00:55:50.33 ID:P/cwTA9j0
>>441

【悪魔……なんて単語が浮かんだ。ほどけた三つ尾、だからといって何を言うわけでもない、もちろん化け物だなんて言い出すこともなく】
【少しだけ丸くした目で、ただ一瞬だけ何かを考えて――なにもいわなかった。嬉しそうにする様子に、彼女もまた嬉しそうに目を細め】

【ヴァンプが背中に乗るとなれば大黒猫はそっと伏せるようにして乗りやすいようにするのだろう。それで、乗れば、すっくと立ちあがる】
【全長でいえば二メートルほどはあろうかという大きさだけれど、高さではそれほどでもない。高いのは高いが、驚くほどに高いということもなく】
【ただ、背中に乗っても暖かさは感じないだろう。この猫体温がない――それどころでなく、息もしていない。当然と言えば、そうなのだけど】

ふふ、あげることはできませんけれど……、じゃ、街のほうへ戻りましょう?
おうちがすぐに見つかるといいのですが。――、どんなところにおうちがあった、とか、分かりますの?
近くに何があるだとか……。

【それにしても。家の場所が分からないなんて、まるで、迷子というよりは誘拐されてきた子供のよう】
【自分の足で歩いてきたなら、少しくらいは分かりそうなものなのだけど。本当に分からないのだろうかと彼女は相手をちらと見やり】
【困ったように小さく息を吐く。尋ねながらもどこか期待薄、人差し指でそっと顎に触れて、相手のことを軽く見上げ】

【何も問題がなければ女の歩み出した足に合わせて猫も歩き出す。ゆっさゆっさと体はわずかに揺れるが、背中の上に乗せた彼女のことを思ってか、あまり揺らさず】
【乗り心地はそんなに悪くないだろう。魔力で出来たにしては柔らかいし、冷たいけれど、毛はたっぷり生えていて、そういう意味では暖かい】
【――なんて、数歩歩いたところで。女がふと小さな声を漏らす。そうして、また相手のほうを見上げれば】

そう。わたくしの名前、伝えてませんでした。
わたくし、二谷音々子ですの。お好きに呼んでくださいませな。

【告げるのは自分の名前だ。ふたやねねこ、櫻のほうの響きを持つ名前。その割に瞳は鮮やかすぎる緑色だけれど、まあ、特別気にすることでもないだろう】

/すいません一瞬離席してて遅れました……
447 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/04(日) 01:00:54.18 ID:O2cnMdMn0
>>442
「僕もだよぉ♪」
「ありがとぉベネねぇちゃん」

【等とハイタッチなんかしていたら捕縛していたビリヤードが気を失っていてピクリとも動かない】
【更に上からはカズネも降りてきて三人で地下室へと向かった】

「ふぅん、貴方がスナークさん?」
「で、そっちがジャックさん?」
「へぇ…そういうカラクリで…ふんふん…」

【瞬間、とてつもない殺気がワザワイから噴き出す】

「わかったよ………だから…もう…黙ろうか…」

【凍てつくような視線が二人を睨む】

「あーあ、こんな予想が当たってたって嬉しくなんかないよ…」

>>ALL

【つきつけられる銃口とナイフ、それを見るや否やワザワイは床を踏みしめると共に氷の防壁を精製して全員分防御し、逆に牽制どころか本気の殺意でドリル状の氷柱を乱射した】
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/04(日) 01:03:49.47 ID:hcNaXfUNO
>>444

【鍵を開ける、そうするだけで舞台は整う】

【耳障りな詩が聞こえる、これは私にとっては必要でないものだと分かる】
【邪魔なので除けてしまいたいので赤絨毯の先を見る、安楽椅子に揺れる者がいる─────ああ、あれが主なのだろう】

生命の理を粗末に扱う愚か者には断罪を…………
なんでこうも柵めいた敵ばかりが増えるのかしらね、使命もあるけどやっぱり私の性分も関わっているとしか思えないわ
─────まあ、それでもやることはやらないと気分も良くないし……私の気持ちの為だけに私は貴方に牙を向け焔を掲げるわ

【気に入らないから焼き尽くす、この固執は自分だけのものだと真実言えるが故にスナークという男に怯える必要は無い】
【むしろ我に怯えよと、魔女の纏う魔翌力はその総量を増しそして揺らぐ】

魔翌力を制御する為の杖も持ってないの、だから最悪この屋敷そのものが焼け落ちてしまうかもしれないけど
謝るようならそもそも最初からやらないし
そうした方があなたにとっては良いのかもしれないし……手加減出来そうにないわ

【時折響く爆ぜる音は魔翌力の渦が擬似暴走をしているが為、過熱暴走とまではいかないが少なからずこの魔翌力炉は加減を知らないし我が身を顧みる様子はない】

だから鮮烈な終幕で応えてあげる、それが望みなら妥当なところでしょうしね─────

【陽炎の軌跡の先には魔女の微笑みが一つだけ、笑うとはそもそもが残酷な行為と知って】

ベネディクタは頑張って避けなさい、安心なさいこっちは攻撃一辺倒でやらせて貰うから

【執拗に狙うナイフ、或いは物体にも固執を付与させているのだろうか……厄介である、であるが故に相対する】
【左の五指に火を灯し、手首で振り抜けば宙を舞いやがて止まり火線を放つ、狙うはスナーク……狩る相手は決まっている─────】
449 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/04(日) 01:13:42.32 ID:Mmime19+o
>>445>>447>>448

【黒髪が揺れる、頬に張り付いた柔な笑みは、同時に彼の持つ残虐さをアピールする】
【何故この屋敷で殺戮を行うのか、何故今もまだ続けるのか】
【20年前に此処に降り立ったとしたら随分と若く見える、怪物に常識を強請るのが間違いかもしれないが】

【正当性が無いからこその残酷さ、そこにあるのは一片足りとも理解できない事実だろうから】
【この屋敷で戦った敵も、そこに居た人間達も、彼によってこの屋敷に《固執》させられているのだとしたら】
【それはまさしく本物の駒なのだろう、盤面の上でただ惑うだけで、きっとそこに智慧はいらないから】


知ってるかい?《スナーク狩り》のラストを
スナークを見つけたベイカーは喜び勇んだ、笑いと歓声が周囲に響く
そして沈黙なんだ、最期に残るのは、その後ベイカーは跡形も無く消えてしまう

スナークはタブーなんだよ、触れちゃいけないんだ、君達なんかが


【ナイフを受け止められ、ほう、と言葉を漏らす、この中で一番常識的な人間と判断したから】
【ならばその常識を崩すことで、もろく崩れ去ると呼んだが】
【一体全体、なかなかどうして骨のある人間じゃないか、心の奥底で微笑む】

【ベネディクタが投擲したナイフは、まっすぐスナークへと向かう】
【刹那、スナークを守るように、幽鬼のような表情をしたジャックが現れ、ナイフを体で受け止めるだろう】
【右腕にささり血が溢れる、低く蠢く声、痕跡で聞いたのとは比べ物にならない、苦しげな声】


あっはっは!酷いじゃないか、君達の任務は僕を狩る事じゃなくて、彼を助ける事だろう?
僕なんかよりよっぽど、彼の方がスナークじゃないか、無味乾燥で中身がないところまでそっくりさ

傷物にして返したら、メグちゃん、泣いちゃうよ?


【右手で顔を抑えて高笑いする、できの悪いジョークだとでも言いたげに】
【スナークは気取る、演目を出来る限り遂行しようと、さながら与えられた役目を果たすように】
【狂言回しは地に落ちてそこにあるのが、狂者だけならば、それはすでに幕引きなのだから】

【語る声がピタリと止んだ、表情から笑みが消え、言葉を噛んだ】


ジャック、右の一つと左の二つ、そこだけ迎撃すれば十分だ
かわいい顔して本気で殺しにかかるとは、僕じゃなかったら死んでたじゃないか
まあでも、氷で僕を殺しに来るのはいただけないな

そういう児戯が通じるのは、マーカーだけだよ、スナークはユーモアを介さないんだ


【銃弾が三発爆ぜた、スナークの支持する氷柱を破壊する事で、スナークへのダメージを無くす】
【だがジャックへのダメージは減らない、左腕、右足、氷柱が貫いた傷口から血が零れた】
【視線を向けてみれば、火線が放たれる、自身に向けまっすぐ向けられる攻撃】


へぇ、火を使うんだ、良いじゃないアイロニが聞いてて
火を起こすのは僕の専売特許だよ、スナークは火を起こすのに重宝するんだから


【天井の蝋燭の一本に風が集中していく、一本の蝋燭にたちまち大量の風が含まれ】
【風に巻かれるようにして焔が巨大な奔流となり、火線を飲み込み、そのままカズネへと向かう】
【かなり太い奔流だ、カズネの読み通りこの奔流も執拗に狙う、生半可な迎撃では飲み込まれるだけだ】

【スナークが指を鳴らすと、もう一本ずつ、ベネディクタとエスパスに焔の奔流が向かう】
【攻撃自体は大したことない、ただ問題は、彼の攻撃はどれもこれもが執拗だということだ】
【そして、密閉された空間で奔流を作るには大量の酸素を必要とする】

【微かな息苦しさを、覚えるかもしれない】
450 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/04(日) 01:21:32.48 ID:VCsPYoiVO
>>446
【顔を埋める内に一つ気付いた事があった、この猫からは生命反応が感じられない】
【さっぱり言えば体温が無い訳で、だが彼女はそんな事はもうどうでも良いとばかりに猫に顔をうずめ揺られている】

どんな所って言っても……わかんないの、覚えてないの
ディエゴとシェリダンと、アルベルトが居た事しか……覚えてないの

【彼女の口から出る覚えてないと言う言葉、それは単衣に記憶喪失と言う事に気付くだろうか】
【そうして誰かしらの名前、それは彼女が覚えているようで何か近縁の者だったのか、実際は違うのだが……】
【彼女は少し表情を曇らせ、悲しげな顔を見せてから猫の背に埋めて誤魔化す】
【少しだけ顔を隠してから又彼女は女性の方を向く、その眼には少しだけ涙の跡があった】

ふたや……二谷音々子……ねこ、ちゃん?
ねこちゃん!今日から貴女はねこちゃんね!ねこちゃん、この子とっても可愛いよ!

【そう半涙目ながらも笑顔で答えると彼女は何だかうとうととし始める】
【猫の背に埋まりながら彼女は少しずつ目の開き具合が不明瞭になって来る】

ねこ、ちゃん……私眠くなってきちゃった……
ありがと……ね……すぅ……

【そう最後に短く言うと彼女は深い深い眠りへと落ちて行った】
【後に残るのは柔らかな笑顔で眠る彼女と彼女の小さな寝息のみ、そうして街まで着いたならば】
【探していたかのように少し大きめ、猫と同じくらいの鷲が彼女の元に降り立ち】
【少女を連れて、女性らに一礼してから飛び立つだろうか】

/いい感じですし時間もあれなのでここら辺で〆でよろしいでしょうか?
/それではロールありがとうございました!おつかれさまでしたー
451 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/04(日) 01:29:29.21 ID:O2cnMdMn0
>>449
【吹雪に紫の髪が揺らめく】

「違うよ…沈黙するはお前だけだっ!」

「そうだね…それなら傷物になる前に冷凍保存しちゃおっか…」

【全身に傷を負って呻き声をあげるジャック】
【先ずはその動きを封じるべく、既に体温の無い彼をさらに凍てつかせるようにつき出した両手から吹雪がおそいかかる】

【そして降りかかる焔の奔流、これを全身に冷気を纏わせることで必要最低限のダメージで切り抜けるとジャックに直進する】
【このまま戟で銃弾を弾いて直接抱き締めて凍らせるつもりだ】
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/04(日) 01:32:56.04 ID:P/cwTA9j0
>>450

それは……家族のお名前かしら? お父様や、お兄様ですの?

【ふむと小さく唸って尋ねる、だけれどそれ以外の名前や場所のことが出てこないというので、やがてたどり着くのは、記憶のこと】
【それならば自分ではどうしようもないとわずかに空を見上げる。困ったなあと言う風に視線をちらりと相手へ動かし、けれど自らの猫で見えず】

【そのうちに向けられる顔に涙の残滓が微かに窺える。それを見れば彼女はコートのポケットから、何やらを取り出し】
【「これ、差し上げますわ」と、笑って差し出すのだろう。――ちいさなキャンディ、個包装されたもので、フルーツの味ののど飴】
【のど飴というので喜ばれないかもしれないけれど、持ち合わせがないので仕方がない。受け取らないなら元通りポケットに戻すだろうし、その程度だ】

……――、ええ、構いませんの。
そうですかしら? わたくし、その子とずっと一緒ですから……よく分かりませんけれど。

【ねこちゃんという呼ばれかた。よく似た風にいつも呼ばれている、幼馴染なんて言うには、複雑すぎるけれど――なんて、今は関係ない】
【にこりと笑って、そうかしらなんて相槌。彼女自身はこの猫のこと、大した風に思っていないだろうことが軽くうかがえ】
【それどころか嫌いですらあるかもしれない。だけどもそんな感情はたいして見せず、確信を持てるほど強くはなく】

【やがて眠ってしまうというなら、それを邪魔することはないだろう。猫は変わらず歩く以外の生き物らしさを持たないまま、緩やかに歩き】
【街にたどり着いた後に鷲が迎えに来れば、最初こそ訝しげにしたものの、最終的には受け渡す。それで、ただ、猫と二人きりに残されて】
【今度歩き出した彼女に猫はついてこなかった。そのまま糸がほつれるように猫は消えて――「帰りませんと」と呟く声と、手で口を隠した欠伸】
【その口の中に人にしては尖った牙のようなものが見えたのは、けれど、誰もそんなこと気付かずに】

/おつかれさまでした!
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/04(日) 01:36:29.87 ID:hcNaXfUNO
>>449

専売特許……?ふん、鼻で笑わせるわ─────この程度
炎熱の魔女が飲み干せないと思ってかしら?

【見慣れた光景だ、迫る焔は抱擁と変わりはなく浄罪の焔には未だ足りないと魂が囁く】
【掌を向けて、集えと唱えれば熱は我に従うのだ……そういうように我々は創られ、世代を重ね使命を果たして来た】
【定めが永劫変わらぬならば今宵も変わらぬまま、転輪し続けよう】

【魔女の全ては赤から赤光へと性質を変える、即ちより力を生み出しやすい形へと昇華する】
【意志を持つ生体魔翌力炉、魔女を現すならばその言葉をだけで事足りる】

ただ私ひとりが火焔の終わり、終端に立つ者としてそこに在る
それで、果たして貴方は終端に立ち並ぶだけの意味があるのかしら?……まあ意味を問うのもナンセンスなんでしょうけど─────

【自らに迫る火柱、他の者を飲み込む火柱その全てを掌握せんと火線が巡る】
【言うなればこれは空間の奪い合いに等しき戦い、どちらが担い手としてより相応しいかの鬩ぎ合い】
454 :ベネディクタ ◆Oamxnad08k :2015/10/04(日) 01:47:30.74 ID:NxExg8BC0
>>449

「液体の次は気体っすか……面倒っすね」

【ベネディクタはこちらに向かってくる炎の奔流を見ながら、ぽそっと呟いた】

「――こういう時は、これっすね!」

【彼女は洗面所で拾っておいた大量のカミソリとハサミを螺旋状に接着させ、簡易的な盾を作る】

「さすがにダメージが0とまではいかないっすけど……軽い火傷程度には抑えられるっすよ!」

【カバーしきれない下半身で彼女のズボンが少し溶けているが、重症はさけられているようだ】
【二人が攻撃しているのを見て、彼女はジャックの救出を考える】

「仕方ないっすね、これは本来脱出用に使うものっすが……」

【攻撃を防いだ後、彼女は義手を付け替える。複雑そうな機構を持つ義手だ】

「ワイヤーアンカー射出! ジャックさんをこっちに引っ張ってくるっす!」

【自身の足を地面に接着させ、ワイヤーアンカーを射出しようとする
【ワイヤーをジャックに巻き付け接着した後にワイヤーを巻き取ることで彼をこちらに引っ張ってくる算段だ】
455 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/04(日) 01:50:24.21 ID:Mmime19+o
>>451>>453>>454

【空気が薄くなってもスナーク自身が苦しそうな顔を見せる事はない】
【自分自身に酸素を固執でもさせていると言うのだろうか、そうであるならばまさに何でもありだ】
【攻撃は自分のホームグラウンドで、守りはジャックに任せる、よく出来たシステムであろうか】

【息苦しさは運動能力に影響する、この程度なら殆ど影響はないが、これ以上減ると能力自体が大きく低下する】
【ただでさえ淀んだ空気がいっぱいの屋敷である、新鮮な空気など、殆ど無くて】
【室内に漂う臭素と共に、悪鬼が高らかに笑う】


スナークを追い詰めるのにベイカー達は《希望》を持ってきたんだ
それだけが唯一の、スナークを狩る為に必要な手段だったから

じゃあ逆に聞くけど《希望》って何だったのかな、壊され蹂躙されるのが《希望》なら
それ自体に何を希み望むと言うのだろうね


【爛れ切った狂言を回す、曲馬が回る盤面の上で】
【両手を開き高らかに唄う、かばん語より無残な音律で】
【さながら不協和音のように、ディミニッシュでは割り切れない音価を載せて】

【ジャックに向けられる吹雪の攻撃、スナークはそれを見て鼻で笑う】


凄く乙女チックな行動だよね、それ、虫唾が走る程に感動的だよ
愛しい妹のキスによって目覚めるだなんてしたら、最高に感動できる三流小説の出来上がりだよ
駄目だよそんなんじゃ、第一ジャックはもう死んでるんだから、さ


【言葉に乱れはない、身体能力に依存するのだろう、私立探偵であった彼の身体能力は高い】
【通常ならばエスパスの攻撃も回避することができただろう、けれども】
【氷柱やナイフによるダメージ、そして酸素量の低下により、動きは明らかに鈍い】

【そしてベネディクタがワイヤーを射出する、ジャックの足に巻き付いたそれは、彼の動きを止める】

【吹雪が直撃する、動きが一瞬止まった、その隙を見逃さずエスパスが直接抱きしめる】
【時が進む、凍っていく、さながら芸術的な彫像を作るかのように、ジャックの体が凍る】
【やがてそこには一つの氷像が出現し、完全に動きを止めるのだろう】

【そしてベネディクタによって巻き取られ、手元へと引き寄せられるだろう】


……使えない奴だよ、そのまま昼近くどころか、一生眠ってろ
知った口でこちゃこちゃと……!!ただの火かき娘じゃ、スナークを捕まえられないんだよ
指貫と配慮とフォークと希望、そこに篝火なんか求められてないんっ……!!くぅ……!!


【ジャックの動きを止められ、防御に意識を向けなければならない、火柱に意識を集中させる】
【スナークの焔はひどく物理的だ、完全に操っているのではなく、固執という命令を与えている】
【本職に比べると二段階ほども劣る、それでも持ちこたえられているのはその能力が故か】

【だが押される、僅かであるが押され始める、火線にどんどんと飲み込まれていく】
【風が足りない、限界のギリギリを超えるぐらいの風を供給しても、まだ足りない】
【炎熱の魔女の持つ生きる灼熱が、彼の偽りの炎を飲み込んでいく】

【だが、そこはスナークの面目躍如といったところか、ギリギリで持ちこたえ、せめぎあいまで持ち込むだろう】
【彼の全力を尽くしての応戦、それに精一杯で、他に注意を向ける余裕が無い】
456 :ベネディクタ ◆Oamxnad08k :2015/10/04(日) 02:07:24.41 ID:NxExg8BC0
>>455

「今っす!」

【隙を見つけたベネディクタは、ワイヤーの義手を外し、漆黒の義手に変える】
【注意が他に向いているならば、今駆け寄ってもこちらに意識を向けることはできないだろう】
【意識をこちらに向けた瞬間、彼は炎に飲み込まれてしまうのだから】

「現実ってのは詩や小説みたいに一本筋のストーリーじゃないんすよ!」
「スナークがどうのこうのって話も、今ここでは関係ない! あたしがやることは一つっす!」
「あんたは許しがたい悪だ、だから、殴る!」

【彼女は義手の右手をぎゅっと強く握り、スナークに駆け寄り渾身の鋼の一撃を喰らわせようとした】
457 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/04(日) 02:10:40.73 ID:O2cnMdMn0
>>455
「ふんっだ!」
「だったら僕は希望(そんなもの)になんかにすがらないよ!」

【ジャックを回収した後に空中へと大きく飛び上がる】

「僕が望むのは!」
「ただただ純粋に強い、全てを壊せる力!」
「力だけが誰かを守れて!」
「力だけが誰かを助けられるんだ!」

【拮抗する灼熱その二人よりも高く上へ、天井に楔のついた鎖を突き刺して飛び上がる】

「でりゃあああああああああ」

【そして体を振り子のように大きく揺すると氷で鋭い四本の槍を作り】
【それをさら二人が戦っている間に組み合わせて巨大な四つ又の槍を作製】
【勢いに乗ったままスナークを突き刺そうとする】
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/04(日) 02:14:22.35 ID:hcNaXfUNO
>>455

─────虚言の類いから生まれ出づる者にしては……
私と張り合う度量はあるかしら、それならそれで完全に貴方も私も壊れてしまえば先なんか分からないわよね
それこそこの場にいる私以外が灰燼に帰しても、人生なんて貴方からすれば虚言の域を出ないなら……

別に地獄に堕ちたとしても構わないのだけど?

【魔女の倫理観は破綻していたしそれも自覚している】
【尚のことたちが悪いのはそれで良しとしている所だろうと我がことながら思う、そう……思うだけでしかない】
【思いはするがそれがストッパーにはならない、魔に浸る女とは即ちそういう生き物を云うのだろう】

篝火の温もりを知らず嘲笑い、その篝火の本来の姿を知らずに果ててしまえば……ああ、それも酷な話ね
だってここは夜の国……あの星が昇らないなら、それも思い出せやしないでしょう─────

【虚言には虚言を羅列には羅列を、並べて揃えて晒す】
【言葉と想いは裏腹に、そう全てがあべこべに巡り廻り廻り巡る……これが打倒なのだろう、我ながら節操のない】

【鬩ぎ合いを鬩ぎ合いのレベルのままに保持をする、血流が逆さに廻る感覚に酩酊に似たもの味わうが構わない】
【スナークはこちらの焔に囚われているのだ、だからそれで良い】
【此方には二つの刃がある、自分1人が敵を抑えられたならその二つが返す刃となり穿つだろう】
【だから、魔女こそが嘲笑い─────】
459 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/04(日) 02:18:09.88 ID:Mmime19+o
>>456>>457>>458

【焔に意識を集中したスナークは、近づくベネディクタに対応しきれない】
【慌ててジャックを呼ぶ、だが、氷漬けにされた彼の返事はない】
【懇親の鋼の一撃が腹部を捉える、ぐしゃり、筋肉が砕け骨が軋む音がした】

【彼が今まで与えてきた痛みを、自分自身で享受する事となった】


ぐはっ……!!あっ……!!き、きさま……!!


【直ぐ様向き直りベネディクタに反撃を試みる、だが次の瞬間エスパスが槍を生成、彼に向け振り下ろす】
【彼の能力は確かに強力だ、しかしそれは、攻勢に回った時だけで】
【エスパスとベネディクタによって、ジャックを剥ぎ取られた時点で、この勝負は決まっていたのだろう】

【右腕が槍に貫かれ、ダメージを受ける、力が抜け片膝をつく】
【焔のバランスが崩れる、カズネの描いたシナリオ通りだろう、天秤が片方へと深く傾く】
【終わりが近づく、焔が加速度的に勢いを増す、それはさながら今まで奪ってきた命を乗せるように】


ぐお……!!おおお!!おおおおお!!!!!
くそ、くそくそ……!!なんだこれは……!!一体……!!


【踏ん張る、残された足が限界を告げる、けれどもそれももう無理で】
【飲み込まれる焔が、断罪の時を告げるようにスナークの体を焼きつくす】

【さながらそれは裁きが如く、貫く赤は夕焼けよりも紅く】
【灯火さえも足りないぐらい、強く深い赤に飲み込まれていく】

/続きます!
460 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/04(日) 02:19:13.85 ID:Mmime19+o
>>456-458

【やがて焔が晴れ、その場に立ち尽くす影が一つ】
【荒い息で立ち尽くすスナーク、直撃しても尚、その姿を携えている事に賞賛すべきか】
【声が漏れる、どこか勝ち誇ったように声を紡ぐ】


In the midst of the word he was trying to say
In the midst of his laughter and glee
He had softly and suddenly vanished away
For the snark was a boojum, you see.

その言葉を言おうとしたまさにその最中に、
その笑いと喜びのまさにその最中に、
彼は突然静かに消えうせた――
そう、そのスナークはブージャムだった。


【カズネなら気づけるだろう『スナーク狩り』の最後の一節である】
【同時に電話口でジャックが残した伝言の一句】
【口元が歪む、笑う横顔が自嘲気味な笑みを浮かべて】

【足元が溶けていく、それは朝焼けに溶ける雪のように】
【役目を果たした霧が晴れて、その奥の真実を告げるように】


……ふふ……はは……
スナークを捕まえるのは申し分なく結構なことである、しかし用心せねばならない
もし捕まえたスナークがブージャムであったならば、その時

「お前は突然静かに消えうせて、二度と現れることはない」

……くそったれ、そういう事かよ……


【スナークの体が消えていく、足元から順に下半身が消え、上半身だけになる】
【それでもニヤケた面は変わらない、どこか楽しげに笑いながら】


つまり俺はブージャムってことさ、スナークだと思い込まされてた、ブージャムって事だよ
大方、そういう風に本物のスナークに《固執》させられてたって事か、はは、いいさ、もう、どうだって

一杯殺したし、一杯潰した、後はもうどうだっていいや
あばよ、Boo――――――


【そこで音が途切れた、スナークの姿が消えてなくなり、後には静寂だけが残る】
【氷漬けにされたジャックの姿も、消えてなくなり、後にはまさしく無音だけが響いて】
【そこで何があったか、ここで何があったかさえも、ひょっとすれば消えてなくなってしまったかのように】

【けれどもカズネの手元にある《スナーク狩り》の書物だけが、此処であった出来事を明白に伝えるのだろう】
【物語は終わり、終幕を告げる、一つの兄妹は悲劇に翻弄され、別れを得る】
【それでも残された者は必死に、生きていかなかればならない】

【狩りの終わり、一つの物語の後にはまた次の幕が開くのだから】

/ごめんなさい!もうちょっとだけ!

461 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/04(日) 02:21:50.73 ID:Mmime19+o
>>456-458




【少女は待つ、羽織るショールに窮屈そうに身を包みながら、探索者達の帰りを待つ】
【白い吐息が夜闇に紛れる、この時期だというのにこの国はひどく凍える】
【お願いだけして、ただ安全な場所で待ち続ける、自分に対して嫌悪感を抱いてしまう】


……本当に、これで良かったのでしょうか……
兄は、自分の責任で、屋敷に向かい、そして……
それを私が、引きずり、誰かを傷つけるのならば……


【誰にともなく向けた言葉、紡ぐ意味合いを誰彼が知るのであろうか】
【ソプラノの声が優美に揺れたなら、常夜の国に光り差すこと無く】
【金色の髪を待ちながら、貴方達の帰りを待つ】
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/04(日) 02:46:30.44 ID:hcNaXfUNO
>>461

─────……代演、かしら……腹立つわねなんか
こう……まんまと乗せられた感じ?掌の上って…………癪に障るわ

【ブージャム、固執とはその概念の意味するところとは】
【哀れな犠牲者などとは決して言わないが、形なきスナークはやはり捉えられないまま今宵は閉じる】
【残り火だけがその名残、僅かな熱を収めれば何も残りやしない】

【腹立たしいがスナークに少しでも迫ったならば次に繋がる、それだけ得られたのだと魔女は己に語る】
【「戻りましょう」と静かに告げる姿は戦火の時とは打って変わる、続く熱とは静かに輝くものならばそれとて魔女の一面ということか】


【一区切りが付き、しかしメグにとってはその一区切りが付けられるのか】
【明確になってしまった肉親の死別、フタを開けるまで分からないならいっそ開けなければいい─────】
【いや、それは目の前のメグ自身が選び決めることだろう……魔女は口を閉じることにする】

この本は貴女に宛てられたものなら、貴女が好きに判断していい……その権利とそして義務がある
ただ一言だけ言わせてくれるなら、貴女はそのままスナークを狩りに出ずにいた方が……きっと幸せよ

【彼の遺した本を彼女に手渡す、悲しみが思い出になるまでどれだけかかるかは考えない】
【悲嘆に明け暮れたとてそれは彼女の選ぶ道なら彼女以外に歩める者はきっといないのだから】

【「じゃあね」とただ簡素に返し、そして願うのは彼女の想いを支えられる人が現れますようにと】
【柄でもない、そんな陳腐なことだった】
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/04(日) 02:50:24.69 ID:O2cnMdMn0
>>459-461
「はぁ…はぁ…」

【三人による連携攻撃を放った後、少年は歩くのやっとな程であった】
【不気味な詩を謡った悪は夢幻のように消滅した】

【ワザワイがこの依頼を受けたのはその血の繋がった兄妹の姿を考えたからである】
【自分も血の繋がりはなくとも愛しいと思える姉がいる】
【だからその気持ちを、まもりたかったのかもしれない…】

【この光の射すことのない世界で、唯一それだけが光ってみえた】
【たとえ二度と帰って会えなくても】
【その気持ちだけは決して消えることはない、そう考えている】
【そして少年は更にいっぽ足をふみだした】
464 :ベネディクタ ◆Oamxnad08k :2015/10/04(日) 02:50:39.99 ID:NxExg8BC0
>>461
【メグの待つ場所に、ギィと扉の開く音がする】
【そこにいたのは、彼女が依頼した三人の人物――うち一人は少なくとも屋敷に入る前と大分様子が違っていた】

「ぜぇ……ぜぇ……ちょっと無茶しすぎたっす……」

【その辺にあった棒切れを杖替わりにして彼女はやって来た】
【ジャージの下は膝から下が溶け、見るも無残な姿になっている】
【顔にすすなどもついており、ヘルメットや義手などが無ければ別人と間違われたかもしれない】
【火傷や軽い酸欠状態、またその他の軽傷が重なって、疲弊しているのである】
【命に別状はないが、少し休養が必要だ】

【ジャックについては、魔女のカズネが何か知っているようだ】
【それならば彼女に任せた方がいいだろうと判断したベネディクタは、ジャックについては触れないでおくことにした】

「……あ、メグさん、自分のことを責める必要なんてないっすよ」

【彼女はメグが自分たちに何かしらの後悔を抱いていることに気付き、声をかける】

「そもそもあたしがメグさんを助けようとしたのもそういう性分だった、って話っすから。あたしがこの屋敷に来たのは、自分の意志っす」

【そう言って彼女は笑顔を見せる。見てくれは大分変わったが、その笑顔は屋敷に入る前に見せた笑顔と同じものであった】
465 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2015/10/04(日) 02:53:02.90 ID:Mmime19+o
>>462-464

【金属の軋む音がした、さながら恋人の帰りを待つ乙女のように】
【出てきた探索者達の姿を見て息を呑むだろう、誰も彼もがそれぞれに怪我をして】
【どれほどの激戦があったのか、それを察して言葉を探した】


皆さん……本当に、本当にご無事で……何よりです……
もう、依頼などどうでも良くて……無事で帰ってきて、欲しかった……


【ポツリと言葉が漏れた、言の葉に雫が落ちたなら、夜露と呼ぶには透明すぎて】
【溢れ出る思いの奔流が、ただひたすらに淡い言葉の架け橋になって】
【そのまま少しだけ、言葉に詰まって、嗚咽を漏らすのだろう】

【ベネディクタの言葉にも納得がいってないのだろう、自分が悪いと言いたげで】
【そうこうしてると本を受け取る《スナーク狩り》と銘打たれたそれを】

【これは何でしょうか、と思いながらページを捲った】
【刹那、言葉を失った、流れ込んでくる《痕跡》彼女の一人だけの、大切な兄の《痕跡》】
【ページを捲る手が震える、生まれてから今までの、沢山の思い出がフラッシュバックしてくる】

【辛いことも苦しいことも、嫌なことも沢山沢山あって、でも、それ以上に楽しいことも、嬉しいこともあった】
【そのどれもどれもが大切で、かけがえのないもので、そして、もう手に入らないもので】
【捲る手が止まった、おもむろに本を閉じて、両手で抱きかかえた】


……ずっと……ずっと、兄が心配で……何度も、何度も、辞めて……って、言って……
その度に、これが最後って……それで、それで……!!

でも……だから……心の何処かで、信じてたんです、きっとまた、いつもみたいに、帰ってくるって……


……でも、もう帰って来ないんですね…………これで、最後だって……


【溢れ出てくる止めどない思い、堰を切った思いは言葉を超えて、やがて形になって】
【涙が止まらなかった、でも、それを袖で拭った】
【抱きかかえた本に涙がかかっても、それで溺れることは、したくないから】

【両親も兄も居ない、だからこそ、彼女一人で生きていく】
【その強さを、歩くための術を、貴方達に貰ったのだから】


……ありがとうございました、皆様のお陰で、心の支えがとれました
報酬の方はまた後日、改めてお送りさせていただきます
兄はもう居ませんが、それでも……兄の居た証が、あることで、十分、生きていけます

……だから……少しだけ、今は、立ち止まらせて……ください……


【言葉が響く、兄を失った少女の涙は宵闇を染めて】
【一つの物語の終幕に、涙はいらないけれども、これはある一つの物語の序文なのだから】
【だからせめて、無粋な言葉は抜きにして】

【ありがとうの涙だけが、夜に染み渡っていくのだろう】


/皆様夜遅くまでお付き合いありがとうございました!
/これにてイベントスナーク狩り終了です!お疲れ様でした!
466 :ベネディクタ ◆Oamxnad08k :2015/10/04(日) 02:57:58.46 ID:NxExg8BC0
>>465
【メグにしっかりと強い意志が宿ったことを確認すると、ベネディクタは自身の体を休める宿を探しに町に出た】
【彼女ならきっと兄の死を乗り越えられる、そんな予感がする】
【またいつか、彼女に会ったとき、彼女がどんなふうになっているのか、今からも楽しみだ】

/お疲れ様でしたー! 非常に楽しいイベントでした! ありがとうございます!
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/04(日) 09:02:27.56 ID:BUGvyVKEO
>>465

【自ら選んで立ち止まったならばきっとまた歩き出せる】
【スナークは終幕と言ったがしかしこれは次に繋がる終幕だ、1人の人間が新しく踏み出す事を求める道】
【多くの者が苛酷だと言うだろう、ならば言わせておけば良い彼女の歩みの価値はこの世の誰にも分かりはしない、彼女だけの尊いもの】

─────まあ、無茶はしないようにね……

【去り際にふと振り返る、自分の境遇とメグの身の上が重なる】
【遺された物に違いはあれどそこに在る想いが似たものであるならば分かり合うことも出来るだろう】
【だが、それをするには早過ぎる……時として思い出に浸る暇が必要なのは家族との別離こそ魔女の知ったることだから】

【今宵凍えて眠ろうといつか夜を越えて明日に羽撃く為に今日があり、今日を形作るのはやはり過去の累積】
【前を向いたならば、向けたのならばきっとその先に幸せもあるのだろう……と】

/お疲れ様でした!
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/04(日) 12:24:56.22 ID:P/cwTA9j0
【街中――公園のベンチ】
【秋の風が涼しく抜けていく、暖かな太陽の光であたたまった身体を少し冷やして、なんとも心地よく感じられ】
【青空はどこまでも高く、ふわふわと鰯雲が浮いていた。――ひどく秋の空、横切るように烏が飛んで行って】

ふわ……、眠たく、なっちゃった……、ううん、お日様こんなに浴びるの、久しぶりかなあ――、
あったかい――、くう…………、――はっ、だめなの、寝ちゃ、だめ……。

【特別に日当たりのいいベンチには人影がひとつ、おっきな欠伸をひとつして、ものすごく眠たげに呟くのは、黒髪の少女で】
【おひさま……なんて無意味に呟いた頭がずりずりと下がっていく、最終的にがくりと頭が落ちて、その衝撃でびくりと跳ね上がり目を開けるのだけど】
【またすぐに丸い眼は目蓋に隠されそうになって、華奢な身体がぐらぁと揺れる。――ベンチの背もたれに身体が支えられて、曖昧な姿勢で身体は止まり】

【真っ黒い髪は腰ほどまで伸ばされていた。少し長めの前髪をヘアピンで留めていて】
【瞳は左右で色が違って黒赤の一対。右の耳にはそちら側にだけピアスをつけていて、宝玉の欠片が宝石のようきらめき】
【チョコレート色のブラウスにこげ茶色のスカート。ワインレッドのカーディガンを羽織っていて、スカートはぷわと柔らかそうに膨らみ】
【足元は丈の長い黒い靴下に、深い赤のパンプス、踵は分厚く高くて。肌が真っ白なのが良く目立った。透き通るような色味と頬にはわずかな赤みが乗り】

くぅ――……、――。

【そのうち頑張って起きていることも放棄したらしい。俯いた頭と健やかな吐息、――だけれど、眠りが浅いのか、時々意識の舞い戻る瞬間があって】
【「ねむたい……」と呟いたのが寝言だったのか、最後の抵抗の声だったのか。それが良く分からないまま、鈴の音のような声色が、秋の風に彩られた】
469 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/04(日) 20:49:03.95 ID:N1PTqzjE0
【水の国・とある公園】

【夏は終わりを告げ、秋が顔を覗かせる。昼間も随分と涼しくなって、過ごしやすい気候になった】
【日が落ちる頃になるともう肌寒いくらい。初秋の心地よい夜風が、ふわりと通り過ぎる】
【昼間は幼い子供達やその母親、午後は放課後の小学生たちの歓声で賑わう此処も、日が落ちると静かな物で】
【誰にも使われていない遊具は、少し寂寥感がある。人の乗っていないブランコは風に揺れるだけ】
【そんな季節の公園を、一人の少女が通り過ぎる―――】

―――すっかり遅くなっちゃった……
……痛いなぁ……ちょっと無理しすぎちゃったかな。

【黒く流れる長髪はまるで上質の糸のような艶とさらりとした風合いを持ち、風が吹けばふわりと靡いて】
【くりっとした大きなブラウンの瞳、あどけない可愛らしさを持つ顔。白い肌に、ほんのり赤みがさす頬】
【成長期とはいえ、体つきはまだまだ華奢で幼さが残る。まだまだ大人と言うにはほど遠くて、年相応に小さい】
【纏う服はブレザー。彼女の通う学校の制服なのだろう、着崩すことも無くきちんと着ている】
【首には緑色のネクタイ。ネクタイを結ぶのも慣れたもので、よれていたりする事も無い】
【チェック柄のプリーツスカートから覗く足は――――足首が包帯とサポーターで固定されている。】
【右手には学生鞄。側面にはI.Kamiya≠ニ筆記体の刺繍が入っている。左手には松葉杖】

――――ッ!!

【尚も足を引き摺りながら公園の中を進む少女。―――と、路傍の石に松葉杖が引っかかり】
【体重を杖に預けていたせいでバランスを崩した彼女は、ドサリと大きな音を立てて転倒してしまう。】
【顔を顰める少女。起き上がろうにも片足が痛むせいで起き上がれないようで―――】
470 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/04(日) 21:18:59.89 ID:pR7ZjqWxO
>>469
【中秋の名月も過ぎ去り、秋深し冬は尚も遠くと言った風の中】
【彼女はそんな事は気にする事も無く、その風に金色の髪を揺らしながら歩いていた】
【人影は少なく、すれ違う者の顔はその日一日の疲れ諸々を滲み出させた者ばかり】
【彼女はそんな中一つの公園に辿り着いていた】

ふぅん……楽しそうだなぁ……誰も居ないなぁ……

【白いブラウスとコルセットスカート、首元に瞳と同じ紅いリボンを結び】
【白いソックスに黒いパンプスを履いた十〜十二歳程の少女、彼女は公園を一通り眺め】
【その閑散さに溜息をつくと又、公園の中に向かって歩き始めた】
【行き交うブランコや、滑り台、シーソー、そのどれもが彼女にとっては未知の存在、オーパーツのように思え】
【それらを目の端に捉えながら、彼女はこの公園の中で初めての生ある者を目にした】

ふぁ?……大丈夫かな、あの子……

【眼前で転んだ少女、その格好は何処かの学生だろうか、この時間ならば帰宅途中なのか】
【だが、彼女の頭の中にはそんな少女の身辺事情を勘繰る事等欠片も無く】
【眼前に転んだ少女に向けて、いつの間にか手を差し伸べていた】

ねぇ、あなた、大丈夫?立てる?
はい、取って、手

【少女に向けて差し伸べられた手は彼女本来の物では無く、彼女の背中辺りから延び、黒紫色に輝いている】
【細く、半液体のような腕、そして彼女の後方には三本の煤色の毛が生えた尻尾が伸びており】
【360度、前後左右、何処からどう見ても普通の人間では無いのだが、果たして差し伸べられた手を少女はどうするだろうか】
471 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/04(日) 21:52:02.50 ID:N1PTqzjE0
>>470

【派手に転んで、地面にうつ伏せる少女。ただでさえ足を痛めていた上に腰まで強打して】
【まさに踏んだり蹴ったり。立ち上がることも出来ないから、このままだと歩いて帰る事も出来ず】
【ジンジンと響くような足首の痛みに耐えながら、どうしたものかと途方に暮れていた……が】
【ふと目の前に誰かの気配と声がして、顔を上げてみたら―――】

誰?―――わぁ、……

【そこに居たのは……人のような姿をした、けれど間違いなく人ではない少女。】
【人には在る筈のない尻尾や、人の物ではない腕。それが彼女を人ならざる存在であると主張していて】

【転んだ少女は少し驚いたように声を上げる。けれど、慌てたり怯えたりするような素振りは無い】
【……実のところこの少女、もう異形の存在に慣れているのだ。妖怪とも友達になるくらいに】
【だから、奇怪な姿を見て驚きはしたものの拒絶することはない。それに―――】

【――転んだ人に手を差し伸べられるやさしい子が、悪い化け物なんかであるはずがないもの】

えっと、ありがと。よいしょ、―――っと。
えへへ……カッコ悪いところ見せちゃったね。足、怪我しちゃってて……っ……
……ところで、あなたはどこから来たの?こんな遅くに公園にいても、寂しいよ?

【はにかみながら手を取ると、ゆっくりと立ち上がる。痛む足を庇いながらだと、立つのも一苦労で】
【ようやく立てた彼女は、少女がなぜこんな時間にこんな所に居たのか尋ねてみる―――】

//すみません、気付くのが遅れました……!
472 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/04(日) 22:08:57.46 ID:pR7ZjqWxO
>>471
【少女が此方の手を取り、立ち上がるまでの一部始終を見てから彼女は少女の問いに答える】
【どうやら大事には至っていなかったようで、彼女は内心安心しながら口を開いた】

カッコ悪い?転ぶのは……カッコ悪いの?……足があるのに?
私?私はね、街から来たの……ここも街だけどね、えへへ

【そう、少し頓珍漢な事を言いながら彼女は笑顔でそう返した】
【何処からに詳しく返さず、街からとだけ返したのは何か理由があるからか、少なくとも不明瞭な言い方ではあって】
【彼女は指で巻き、弄りながら考え】
【少女に差し伸べた腕をいつの間にか消え失せさせてから言葉を発する】

―――寂しいかぁ、うん。寂しいよ!
でもね、寂しいって思っても、結局何もある筈ないから、思わないようにしたんだ
たまに泣いちゃうんだけどねー

【寂しい、そんな事は彼女にとってはもうどうでも良いらしく】
【彼女は誤魔化すように「えへへ」と笑って見せた。そうして彼女の頭の蝙蝠のような羽根が揺れると】
【一匹の蝙蝠が彼女の背後から現れる、瞳は紅く、牙は磨かれたナイフのように輝いている】

この子とか、皆居るから寂しくないよ?

【そう言うと、彼女の掌に乗った蝙蝠が彼女達の頭上を飛び回り始める】
【彼女の使役する物なのか、何処からともなく現れた蝙蝠はキィキィと鳴いていた】
473 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/04(日) 22:34:20.67 ID:N1PTqzjE0
>>472

【そりゃあ人が見ている前で派手に転ぶなんて格好悪いだろう。なぜそんなことを言うのだろうか】
【どこか妙な返答に内心で首をかしげたけれど、些細な疑問はすぐに「まあいいか」という言葉とともに消え去って】

へぇ、町から来たの。隣町かな?私はね、この町に住んでるんだ。家もすぐ近くなんだよー。

【この少女は、どこか違う街から来たらしい。遠い所なのかな?道理で見かけない顔だと思った……】
【……違う街から来て、こんな夕暮れに公園で一人。家出だろうか。そもそもこの子には帰る家はあるのだろうか】
【とりあえずこの異形の少女については分からないことだらけ。全部訊ねていたら、きっとキリがないだろう……】

【でも、一人でいることだけは気になる。彼女自身が寂しがり屋であるだけに、一人でいる少女を放っておけなくて】
【寂しくないと言う少女は、どこか自分の気持ちを誤魔化しているような気がした―――】
【この蝙蝠たちは、少女の友達なのだろうか。本当に、この子達だけで寂しくないのだろうか……】

そう……なのかな。この子たちはお友達なの?
私はね、友達やお母さんがいないと寂しいかな。もう大きくなって寂しがりなんて、カッコ悪いけど……
……やっぱり、隣に大好きな人達がいたら安心しちゃう。―――あなたは、そばにいると安心する人って、いる?
474 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/04(日) 22:52:24.60 ID:pR7ZjqWxO
>>473
【蝙蝠に対してやはり少女から問いを投げかけられる】
【彼女は一瞬だけ「何故そんな事を?」と言うように鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして】
【頭を小さく振るってから、少女へと嬉しそうに話し始める】

うん、この子はね、お友達なの
いつも一緒に居てくれて、私の事を守ってくれて、お世話してくれて、料理を作ってくれる子もいるの
皆消えちゃうんだけどね……

【そう言った時に頭上の蝙蝠は消え失せ、キィ……と言う鳴き声だけが木霊した】
【彼女はそれを虚しさか、将又悔しさを含めたような顔で一瞥すると少女に向かって少し笑って見せる】
【そうすると彼女は、彼女の思う安心する人を語り始めた】

うん、私も居るよ、そう言う人。でもね、私はお父さんだとか、お母さんだとか
そう言う人達はね……居ないの。ディエゴとシェリダンとアルベルトが居るの
三人ともね、強くて優しいんだよ……でもずっと一緒には居られないの……

【そう言うと彼女は両掌を皿のように合わせ、そこに先程の腕と同じような物で何かを作り始めた】
【それらは筋骨隆々とした二本角の狼、巨大な視神経付きの目玉、そして竜のような生物】
【掌サイズのそれらの形をとると、彼女の掌にすとん、と乗った】

この子たちなの、こんな風に見た目だけは作れるんだけどね……
たまにしか一緒に居られないんだ―――

【そう言うと彼女は何処か悲しそうに笑って見せた】
475 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/04(日) 23:16:27.49 ID:N1PTqzjE0
>>474

【彼女には父親も母親もいない。そんな言葉を聞いたとき、少女の表情は少し曇ってしまう】
【……自分も父親が居ない。父親が居ないだけでも寂しいと思ったことは何度もある。なのに】
【この少女には両方ともいないなんて……きっと、寂しいに決まってる。】

【彼女の手にあるのは、何かの生き物……だろうか。形だけを作って見せてくれたけれど】
【やっぱりその三匹もずっと一緒に入られないらしい……。やっぱり、その表情はどこか寂しげで】
【その寂しげな表情が、少女にとってはどうしても放っておけなくて―――】

そっか……じゃあ、ずっと一緒に居られる人はいないんだね。

―――じゃあ、私があなたのお友達になれないかな?
あなたは優しいから……きっと仲良くなれると思うの。困った人に手を差し伸べられるって、すごい事だよ?

だいじょうぶ。私は消えないし、居ようと思えばずっとそばに居られるよ!

【この少女は優しい。転んだ誰かに手を差し伸べられるんだもの、きっと心は優しい筈だから】
【もしかしたら人間じゃないかもしれないけれど……心を通わせられることはきっと出来る筈】
【誰も傍に居られないなら、自分がこの子と仲良くなれないだろうか。そんな事を思うのだった】
【「どう、かな?」なんて、顔を覗き込みながら尋ねてみる―――】
476 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/04(日) 23:32:09.88 ID:pR7ZjqWxO
>>475
【少女の突然の提案に彼女は此度二度目の鳩が豆鉄砲を食らったような表情を見せる】
【彼女は掌をそのままに少しだけ俯き思考を巡らせていた】

【突然友達になろうと言われても、自分には人間の友達がどう言う物かはわからない】
【それでも自分の事を凄いと言ってくれた事も、優しいと言ってくれた事も真実に変わりは無い】
【自身の思考を解き放ち、眼前の真言に従うよう、彼女は口を開いた】

本当……?本当に、お友達になってくれるの?
……この子達を見ても、ビックリしない……?

【そう言って指さすのは自らの右掌に乗った三人の何者か達の模造品】
【それは少なくとも人間と呼べる姿では無かった、彼女はそれを一つの懸念材料としているようで】
【彼女の表情は期待と戸惑いで、少しだけ紅潮していた】

本当に消えない……?
私ね、お友達一人も居ないからその、人のお友達とどんな風に接したら良いかわかんないの
それでも良いならお友達になってほしいな、えぇっと何ちゃん……?私はねヴァンプ・ヴァエマハル・リ・ヴィリコルシア・ラダ・キュリオスロコス
ヴァンプ、で良いよっ

【最後にそう付け加えると彼女は赤らめた顔で少女の答えを待った】
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/04(日) 23:35:49.06 ID:GiKVGAxg0
【満月の夜――――人々からその存在を忘れ去られ、ただ朽ち行くだけの遺跡】
【嘗ては祈りを捧げるのであっただろうその場所も今となっては誰一人として訪れる事は無くなった……が】
【今宵は、無礼にも其処に座る女が居た。金色の髪に、同じ色の双眸。何よりも特筆すべきは背に生やした純白の翼】

【在りし日の其処を思い、思慮に耽っている訳でも無い様。ただ単純に単純に月光浴を楽しんでいるのか】



「――――今日は星も月も良く見える良い夜だ。風も心地良いし…………ボクだって偶にはこんな夜も、ね」

【漏らした言葉は誰に向けた物でも無い。ただ、何と無く慈しむ様に己の座る台座を掌で撫で】
【バサリ、と一度羽ばたかせた翼。純白の羽が月光を浴び銀色となって風に舞い】

【辺りに人気は無い。だからこそ、この女の存在も相対的に目立つというもの】
【もし、女の存在に気付いて近寄ったならば――――「ボクに何かご用かな」なんて言葉と共に、緩んだ笑みを向けるのだけれど】







【場所は数十年前に朽ちた街――――所謂ゴーストタウンと呼ばれる其処】
【夜の国に存在する其処は今宵も厚い雲に覆われ、一筋の光が差し込む事も無く。正しく闇夜と呼ぶに相応しい一夜】
【…………其処に濃い瘴気が漂えば、異界の入口にも思えるか】

【街の中に踏み入れば一人の少女が路上に居る事が分かるだろう】
【金色の髪に、朱色の双眸。纏うのは紅いドレスだけれど――――その少女こそ、瘴気を発している張本人であり】
【悪魔だとか、魔族だとか。様々な呼ばれ方をするが決して“善”の存在で無い事だけは確かで】


「――――……あら、こんな所に誰か来るなんて珍しいわね?

引っ越して来た人かしら。それなら歓迎するわよ?迷い人かしら。それなら闇に誘われない様に気を付けなさい?
それとも悪魔払いかしら。それなら――――――」

【くすり、と悪戯気に見せた笑みは精々十代のそこら。然れどその気配は確かに本物だ】
【「――――それなら、直ぐに回れ右をした方が良いわよ」なんて言葉。どうにも芝居がかった言葉だけれど】
【何であれ、急に害を為してくる様な存在でも無いらしく。ならばその先は出会った者の反応によって話も変わるのだろうけれど――――】
478 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/05(月) 00:06:04.69 ID:EfHXLTJ60
>>476

あはは、だいじょうぶだよ。私ね、もっと怖い化け物に襲われたこともあったんだけど……
でも、優しいあなたのお友達なら、きっと大丈夫。むやみに誰かを襲ったりなんてしない。そうでしょ?
それにね、私は妖怪ともお友達なの。人間以外のお友達でも、私はちっとも驚かないよ!

【そりゃ確かに見た目はちょっぴり怖いかもしれない。けれど】
【見た目が恐ろしい化け物なら、以前もっと怖いものと出会った。アレに比べれば大したことはない】
【それに―――優しい彼女の友達なら、襲って食べたりすることもないだろう。大丈夫、心配なんてない】
【にかっと人懐っこい笑顔を見せて、少女の懸念を明るく笑い飛ばす。問題なんて何もないよ、って】

(な、長いなまえ……!)
えっと……ヴァンプ・ヴァエマ……うぅ……もうお言葉に甘えてヴァンプちゃんでいいや!

私は神谷衣織っていうの。えへへ……よろしくね!
友達はね、ありのままで接したらいいの。難しく考えなくてもね、ぜんぜん平気なの!

【やたらと長い名前を聞くと目を丸くして、覚えられるかなぁなんて心配したりするけれど】
【短く略した名前だけなら、たぶん覚えられる。友達の名前を覚えられないなんてことが無くて良かった、なんて】
【そうして、今度は自分の名前を教える。覚えてくれたら嬉しいな、なんて思いながら―――】

【それから暫く、衣織は他愛もない話をしながら新しい友達とのひと時を過ごすだろう】
【「わたしはお洋服を作るのが得意なんだ」とか、「ヴァンプちゃんは何か得意なことはある?」なんて】
479 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/05(月) 00:29:59.04 ID:aADpKluFO
>>478
【少女、神谷衣織の答えに紅潮していた彼女の顔は霧が晴れたかのように明るくなり】
【彼女は自分の事をしっかりと見つめてくれた、ただそれだけの事実が彼女の心を和ませた】
【何でこんなにも衣織が眩く見えるのだろう、自分の事を対等に見てくれるから】
【何も覚えてなくて、それでいて人では無い自分を知ってくれているからだろうか】
【彼女は得も言われぬ高揚感を胸に口を開く】

うん、うん……ありがとう!衣織……ちゃん!
私もね、ディエゴ達に言っておくよ、衣織ちゃんがとっても良い人だって!

【そうして彼女は晴れ晴れしい笑顔で新たなる門出、初めての友人との会話を楽しむ】
【彼女の口調は軽く、そして穏やかで年相応の少女のよう】

衣織ちゃん、お洋服作れるんだ〜凄いなぁ……
私?私はね……魔法が使えるんだ〜、だからそれが得意な事、お料理とかもしてみたいな
さっきのもね、魔法なの。蝙蝠ちゃんは「召喚」って言うんだけど……

【自分の得意な事と言えばそれはこの世界で覚えている数少ない事、自身の能力であり】
【それこそが自らをヴァンプ個人たらしめている理由であった】

それで、衣織ちゃんはこの後どうするの?もう遅いからその足じゃ危なくないかな……?

【彼女の心配、それは神谷衣織自身の足についてであり、独りで変えるのは危険ではと言う物】
【彼女は胸の前で心細そうに手を握り、少女を見つめていた】
480 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/05(月) 00:54:44.45 ID:EfHXLTJ60
>>479

【やっぱり彼女には、寂しそうな悲しい表情よりも明るい楽しそうな表情の方が似合ってる。】
【一人でいるより、誰かといた方が楽しい。彼女にとってのその誰か≠ェ、自分であるなら嬉しい】

【彼女のことはまだ何も知らない。何が好きで、何が嫌いかとか……そんなことは知らない】
【けれど、話しているだけで分かる。この子はとっても素直で優しい子なんだ、って】
【友達になる理由なんて、それだけで十分。優しい心の持ち主であることは、何にも代えがたいことだもの】

魔法かぁ……私は魔法なんて使えないけど、使えれば便利なのかな……
色んな事が出来るんでしょ?種類とかも色々あって……いいなぁ。私は薙刀しか呼び出せないのに……

【魔法。能力がそう珍しくない存在である世界において、魔法も割と普通に受け入れられている力ではあるが】
【当然使える人間と使えない人間は存在する。衣織は、魔術に関しては使えない人間ということで】
【能力として薙刀を召喚する以外のことは出来ない。だから、万能な魔法が少し羨ましくもあり……】

だいじょうぶ、家も近いし歩いて帰れるよ……ッ!!

【で、この後どうするかという話。ただでさえ痛めていた足は、転倒したことでさらに酷くなって】
【杖をつきながら歩くことは出来るけれど……時折走る痛みにしかめっ面をしている】
【衣織は心配を掛けないように「大丈夫」と言っているけれど、どう見ても大丈夫ではなさそうで……】
481 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/05(月) 01:08:01.09 ID:aADpKluFO
>>480
【少女の薙刀と言う言葉、少し引っかかるものがあったがそれもすぐに彼女の何かしらの能力と理解し】
【彼女は神谷衣織の調子を見て、訝しげに顔を覗いた】

ねぇ……本当に大丈夫?でも、痛そうだよ……?
私が着いて行ってあげようか……?近くまでだけでも……

【提案するのはそんな事、彼女は少女の足の痛みはとても深い物ではと思っていた】
【ここで出会ったばかりだけど、少しでも助ける事は出来る。そんな気持ちで提案したのだった】
【彼女は尚も心配そうに少女へと顔を近づける】

私は大丈夫だよ、衣織ちゃんが痛かったら私も絶対助けるから……
一緒にお話ししてれば痛くないよ……ねっ……?

【そう言うと彼女はそのまま押し黙ってしまった】
【それでも断られてしまったら彼女は「じゃぁ、この子を」と言って一匹の黒犬を呼び出すか】
【それは少女が家まで着くと自動的に何も言わず消えて行く物】
【少女が了承するならば、ちょっとした話だけをして彼女の家の近くまで着いて行くか】
【何れにしろ、彼女には少女の容体が気になり、気が気では無かった】
482 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/05(月) 01:38:44.23 ID:EfHXLTJ60
>>481

あはは……やっぱり、思った通りだ。ヴァンプちゃんは、とっても優しいね……
……ありがと。友達をこんなに心配させて、無理なんてできないよね。

うん、一緒に帰ろっか。―――きっと、あなたとお話ししていれば痛みも飛んでいっちゃうね。

【―――やっぱり、思った通りだった。この子は困っている人を放っておけない、そんな性格なんだ】
【心配そうに訊ねる彼女の表情を見て、最初に優しい子だろうと感じたのは間違っていなかったと確信した】
【こうやって困ったときに心配してくれる友達は、何物にも代えがたい―――】

【こんなに心配してくれる友達の前で、無理をして我慢する必要なんてない。そう思った衣織は】
【その優しさに甘えて、一緒に帰ることにした。途中辛くなった時には肩を借りたりもして】
【一人では帰れなかったかもしれない道のりを、何とか歩き通せば―――すぐそこに、衣織の家が見えた】

―――ああ、やっと帰ってこれた……
……ありがとね。本当に助かったよ……一緒にお話すれば、痛みも紛れちゃったもん。

……ねえ、ヴァンプちゃんはこれからどうするの?帰るところはある?
483 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/05(月) 01:48:22.52 ID:aADpKluFO
>>482
【少女の家が目前に見え、彼女はそこでもうこれで安心だと胸を撫で下ろす】
【これならきっと彼女も安心して家に入れるだろう、そう思い彼女は身を翻してその場を去ろうとした】

私は……これからね、ホテルって所に泊ってるから、そこに帰るんだ
衣織ちゃん、お友達になってくれてありがとうね。またいつか一緒に遊ぼう!
それじゃぁ、そろそろお別れだね……

【彼女の背後には無数の鴉が群がり始める。その中には少し大きめの鷹のような者も居て】
【彼女を包む真なる暗闇となり、それは顕現する。やがて彼女を包んだそれは】
【彼女が玉座に就くことを待つかのように常闇の躰の座となった】

それじゃぁね!衣織ちゃん、お大事ね!
バイバーイ!

【そう笑顔で叫ぶと、彼女を乗せた無数の鳥たちは天高く飛翔しその姿を暗闇へと消していった】
【後に残ったのは静寂と黒い幾つかの羽毛、それも恐らくは彼女がホテルに着いたであろう時に消滅し】
【暗闇に溶けて行った彼女の声が木霊していた】

/キリも良さそうなので此方からはこれで〆とさせていただきます
/それではお疲れ様でした。遅くまでロールありがとうございました!
484 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/05(月) 02:03:36.63 ID:EfHXLTJ60
>>483

うん、またいつでも遊びに来てね!―――それじゃ、またいつか!

【笑顔には、笑顔で応える。今日はここでお別れだけれど、またいつか会える日が来るだろうから】

【これも魔術だろうか。彼女は別れを告げると上空多角へと舞い上がっていき】
【暫くの間見送れば、やがて衣織も自宅の扉の奥へと消えていくのだった―――】

//其方こそお疲れさまでしたー!ありがとうございました!
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/10/06(火) 18:14:31.90 ID:VqT3PM9C0

【水の国・首都フルーソ・水の国聖協会――昼】
【教会堂の並んだ椅子に1人、その場所に不似合いな格好をした青年が眠りこけていた。】
【青褐色の頭髪、前髪で目の片方は隠れていて、元はそれなりに高価だったのだろう茶色い呉服も薄汚れていて――掛け布団代わりにしている羽織ですら、裾はぼろぼろだ。】
【肩にかけられている黒く無銘の刀も、何日も手入れされていないようで、ところどころ汚れていた。他に人は見当たらないが……。】
486 :マリオン・リヴァーズ ◆Oo..Ykgy2o [sage saga]:2015/10/06(火) 20:37:38.65 ID:aJoSRoMVo

【路地裏】

【――じとりとした蒸し暑さの中。冷たい銃声が、今まさに夜空に轟かんとした断末魔をかき消した】
【暗い闇の中を蠢いて、数人の人影が現れる。ずる、ずる――という重たいものを引きずるような音がしばらくの間続き】
【やがてそれらが聞こえなくなったころ、「仕事は終わりだ、先に帰ってろ」という投げやりで退屈そうな男の声が路地に響くだろう】


………はー、にしても最近は小物ばっかでつまんねェぜ。
オマエがこんなに呻いてんのに助けも来ねェみたいだし、かっわいそうになァ?


【続いたのはくだらない愚痴と皮肉だった。なんとも気だるそうな声色ながら、どこか凶暴で危険な臭いのする口調――】
【発言者は若い男だ。目を痛めそうに鮮やかな橙色の髪、長い前髪の隙間からは泥のように濁った青色の瞳を覗かせた、いかにも気性の荒そうな雰囲気で】
【ライダースジャケットにダメージジーンズ、シルバーアクセサリーをいくつも身につけた、いかにも粗暴そうな服装に身を包んでいる】


さーてと……そんじゃあマジでどうしたもんか。
オマエは別にターゲットには指定されてねェんだが――まあ、使いようによっちゃあ退屈しのぎにはなるか。
おら、せいぜいいい声で鳴けよ? オレを楽しませてる間はまあ、たぶん生きていられると思うからよォ……。


【――その男の足下。鉄の臭いを発する赤い二本の線が路地の奥の方へと続いている。すでに誰かが、闇に食われたかのように】
【そして反対側の壁には、両手足を縛られ猿ぐつわをされた女性がもたれかかっていた。そちらはまだ生きている、少なくとも今は】
【ちゃりん、と。男の耳元で"金十字"を象ったピアスが小さく音を発する。金色の狂信を称えた死神の鎌が、静かに首をもたげた】

【心底下卑た笑顔と共に、女性へと男が近寄っていく。その一歩ごとに、女性を取り巻く絶望の濃度は深まっていって――】
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/10/06(火) 21:06:09.12 ID:k/9zzNem0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 公園】

……いつまでも、保留にしている訳にもいかない……少し、アイツの事を考えてやらないとな……

【傍目にもまともに手入れをしていない事が分かるぼさぼさの赤髪が、険があるものの端正な顔立ちを小汚く彩り】
【デニム生地のベストと枯れ草色のミリタリーパンツ、安全靴と思しき重厚な靴で全身を固めている】
【まるで何かに苛立ちを感じている様な攻撃的な眼をしている、身長170cm前後の青年が】
【街灯に照らされたベンチに腰掛け、どこかの洋菓子店の紙袋を提げたまま、うなだれた様に考え込んでいる】
【既に秋の足音も近づき、すっかりと日も暮れたこの時間帯、公園にいるのはこの青年1人だけだった】

アイツに、どんな形で迎えさせてやれば良いのか……俺の手に、余る事かもしれないが、他にどうしようもないんだもんな……
ただ、側にいてやる……本当にそれでいいのか……?

【人気がないと言う事で、本人も気後れする事がないのだろう。胸中の思いを、自然と独り言として零す】
【陰のある、くたびれた印象のその姿は、不思議と浮浪者の様な雰囲気を醸し出している様で――――】



【――――所変わって、昼の国 郊外】

「――――くそ、久しぶりに銃を使わされてしまったよ……そっちはどうだ!?」
――――えぇ、こっちも片付いたわよ。……お疲れ様、流石に怪我なんかはないみたいね

【くたびれた薄いスーツを右肩にひっかけ、Yシャツにスラックスとテンガロンハットにその身を包んでいる】
【やや無精髭の目立つ顎に、やや長めでだらしなく乱れ気味の金髪とは裏腹に、活力に満ちた瞳を光らせている】
【腰に、鞘に収まったごつい2本のナイフ、何本ものハードダーツ、そして一丁のリボルバーハンドガンをぶら下げている、身長170cm前後の男性と】

【右袖に瑠璃溝隠(ロベリア)、左袖に池を伴った雪景色、そして背中に満月をそれぞれあしらった、派手な赤地の櫻の衣装を優雅に身に纏い】
【艶やかな光を纏った黒い長髪を、金の簪と共に複雑に頭上に編み上げて、丸みを残しながらも目鼻立ちのすっきりした顔に、紅の口紅が色を添える】
【首から、紐に通され、額に特殊な印の様なものを刻み込まれている、4つの頭蓋骨をぶら下げている、身長160cm前後の女性が】

【6体の死体に囲まれ、達成感を感じさせる薄い笑顔を浮かべながら、息を弾ませている】

【男性のテンガロンハットには、逆五芒星を象り、その下に≪No.21≫とあしらわれたバッジが留められていた】

「で、どうだ……なんか面白そうなのは、見つけたかい? 結構な連中だったが……」
――――この子とこの子、中々良い感じだったわ……後は興味は無いわね
「そうか。じゃあ、獲らせてもらうとしますかね……死んで残った色々を……っと」

【倒れている死体は、各々がそれぞれに武装している。ここで戦端が開かれ、男女のペアが6人を圧倒したと言うのがおおよその経過なのだろう】
【女性は、死体の内2つの首を興味深げにその手に取り上げ、唇の端を満足げに釣り上げていた】
【――――夜の無いその土地の一角には、凄惨な死が満ち満ちていた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
488 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/06(火) 21:20:46.30 ID:1t9+NGadO
>>486
【暗闇の幌、コンクリの筵、反射するネオン、夜の闇も相まって目障りにしか思えない】
【いつも通りリーマン共が群がって、昼頃には大学生とやらが群がって、夕方過ぎに又リーマン共が群がって】
【落ち着いたと思ったら宵の口を過ぎたら破落戸が群がる】
【いつも通りな街中で、いつも通りな路地裏が形成される、その日もごく普通にそうなるはずだった】

(疲れた……腹減った……金をくれ……)

【ふらふらと路地裏を歩く青年が一人、其処には居た】
【灰色の髪、白い肌、血液のような臙脂の瞳、どこぞの勘違いミュージシャンか、馬鹿ななんちゃって芸術家のよう】
【淡黒のシャツの上に暑くは無いのかと思う黒いファーとフード付コート、下はアッシュグレイのパンツを履いていて】
【一見するとただの浮浪人の軟派者にしか見えなかった】

はぁ……どうしようもなく腹減った……何か良い金ヅル無いのか……
それかいっそヒモにでも……

【その時響いた銃声が彼の短絡的且つ馬鹿な発想、序に気怠さを吹き飛ばした】
【何処からか響いた銃声は彼の頭の中に即座に一つの考えを産み出して】
【彼はそれに従うままに路地裏を歩き始める、それは段々と早足になって行き、彼は一つの路地裏を抜け】
【次なる路地裏へと入り込む、其処で彼が見た物は】

あぁ〜そう言うあれね……・強姦?

【そんな呑気な事を呟いて彼は男の方向へと近づいて行く】
【それはあまりにも堂々としていて、且つとち狂ったように迷いが無い、そうして彼は静かに口を開く】

なぁ、おっさん、こんなとこで面白い事してるじゃない。何かある訳?

【振り向いたときに彼の姿を見れば気付くだろうか、彼の青年の右腕が仄かに紅く光っている事に】
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/10/06(火) 21:34:40.07 ID:VqT3PM9C0
>>485でもうちょい待ってみます。
490 :マリオン・リヴァーズ ◆Oo..Ykgy2o [sage saga]:2015/10/06(火) 21:46:12.70 ID:aJoSRoMVo
>>488

【怪しく燃え盛るような狂気を身に纏い、男は悠然と歩を進める。女も必死にもがくけれど、両者の差は歴然であった】
【――徐に、男の懐から取り出されたのは注射器。白く濁った何らかの溶液が入っている。正体は不明だが良くないものであるのは確かで、】


………あぁ? ククッ、「何かあるか」と聞きてえのはこっちだぜ、お兄さんよォ?


【だがそれが使用されるより先に、男は歩を止めて振り向かざるを得なかった。睥睨するような不躾な視線がそちらに降り注いだだろうか】
【振り返ったこの男の人相は"おっさん"と称するには若い、10代後半から20代ぐらいか。その若さが却って、尖ったナイフのような危険な空気を漂わせていて】
【そして発した言葉自体は不愉快そうだったが、表情の方は妙に愉しげだ。――歓迎するぜ、とでも言わんばかり】


お察しの通り、オレはこれからオタノシミってとこだったんだよ。
んでオマエがその寸前、いきなりご登場して空気も読まず話しかけてきたってワケだ。

……今の自分の立場、わかってる筈だよなァ?
ひひっ、そんでオレが今オマエに聞きたいことも、理解できるよな?


【もはや女のことなど眼中にない様子で完全にそちらへ向き直ると、男は神経を逆なでするような嫌らしい笑顔を向けるだろう】
【演劇のようにもったい付けた挙措で軽く両手を広げると、汚濁し腐敗した青色を称える双眸が、青年の右腕に宿る紅色を睨んだ】
【――この男の意志は伝わるだろうか。邪魔をしに来たのか、便乗しに来たのか、はたまた見物に来たのか。青年の目的を、男は聞きたがっている】
491 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/06(火) 21:57:06.70 ID:sBt0NpDzo
【夜間・自然公園】

【街灯の明かりがなければ些か寂しい、そんな通りに面した一角に】
【一人の男性が画材を広げて、小さな椅子に座っていた】
【パレットや絵筆は足下に置かれていて、やや絵の具が乾きかけており】

スーパームーン≠セって……僕が居ない間に。
次に見れるのは僕が大分老けてから、だって言うし……

……女性に焦らされる気分っていうのは、こういうものかな。
一番魅力的な姿を、一番君を好きな人間が見れない時に見せるなんてさ
悲しいね、流石に…――おや、もうこんな時間か……。

【彼の手には幾日か前の新聞があった。月が最も大きく見える日、そんなニュースの日だ】
【どうも彼は月が好きらしい。キャンバスには夜空の満月が描かれており】
【これがまた、中々上手い。肉眼で見える分は、ひどく緻密に描かれている】
【色合いは黄色、よりは銀に近いか。どことなく妖しい雰囲気の一枚であった】

【――そして、それを描き上げたのはふわりとした金髪の男性だった】
【ジーンズ、白い長袖のシャツ、似合わないが上等な黒のコート】
【体の線は細く、見たところ20代半ばの酔狂な芸術家――そんな身なりだ】

【ところで、彼のコートの袖には小さな刺繍があった】
【逆五芒星。珍しいが、とある界隈ではむしろ――有名なマーク、といえるものだった】
492 : ◆dscgmRUQjU [sage]:2015/10/06(火) 21:59:31.88 ID:oPlOnhMB0
>>485

【不意に眠る男性に向けて少女の声で言葉が投げかけられる】
【もしその声で目覚めたのならば、開け放たれた教会の扉の前でぽつんと立つ人影も確認できるだろう】

「……そこで何をしている」

【櫻の国の者を連想させる和装に燻んだ白い髪、それらを覆い隠すような黒の外套】
【小柄な身長と先程の声音からしてまだ年若い人物であるということが分かる】
【和装に至っては極端に装飾もなく色調の落ち着いたものであるせいか、顔がフードに隠されていることも相俟って少年にも見えるかもしれない】

「―――治安は良くとも夜は怖い。こんな所でくたびれていると邪な奴らにつけこまれるぞ。」

【公共の場で眠りこけている様子に呆れていたのか】
【フード越しに覗く少女の瞳は明らかに冷めた様子であった】
【……まあそれは少女の体質によるのも含まれているが見ず知らずの青年がそれを知るはずもない】
【とりあえず少なからず青年の身を案じているということは分かるだろうか】

/まだいらっしゃればお願いしますー
493 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/06(火) 22:06:15.16 ID:1t9+NGadO
>>490
【成程やっぱり、彼は心の中でそう言うように頷いた】
【男の顔は自分が言ったよりかは若く、視界に入ってそれがやっとわかる】
【既にとりあえずおっさんと煽る技が発動してしまった後なのだが、それは何となく申し訳なかった。済まぬ】

へぇ、そうオタノシミね。あぁわかるよわかるわかる
でも、空気が読めないってのは余計だなぁ、あれだ、呼べば来るんだよヒーローって

【こんな浮浪人ヒーローみたいな物が間違ってもあって欲しいとは思わないが】
【彼はそれが理由とでも言うかのようにニヤリ、と笑い、男に返した】
【温りとした視線を男へと向けて、尚も笑う青年は少しだけ息を吐き、口を開くと】

まぁ、御託はこれまでだ。俺さ、金欲しいんだよ金
そろそろ腹が減り過ぎて本能のままに行動するウォーキングデッド化するかもしれないからさ
もしかしたらこの場でその人を助ければ謝礼を貰えて序に揺すれるかな、と希望を持った訳だ

【彼は本来の理由を言い切ると、やれやれと手を振るジェスチャーをし、男を見つめる】
【臙脂色の瞳は既に紅みを増しており、それは暗闇に光る殺戮者の証のようにも見えるか】
【頭の裏を少しだけ掻いてから、彼は口を開く】

それで……説明は良いのかな?もう
つまりはそう言う事だから、で、それを知って其方様はどうする訳だろう

【彼の腕は先程の光は少し収まっているが、掌の色が何やら赤黒くなってきており】
【気付くことが出来れば何かを仕掛ける準備をしている、と理解できるだろうか】
494 : ◆dscgmRUQjU [sage]:2015/10/06(火) 22:09:16.57 ID:oPlOnhMB0
>>492
/すみません読み違えてました!「治安は良くとも夜は怖い」の部分は無視してください!
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/10/06(火) 22:23:23.98 ID:k/9zzNem0
/>>487取り消しでー
496 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/06(火) 22:28:06.31 ID:QAHMqHmU0
>>491

【その日、天蓋を彩る星達が数百年に一度の珍しい配置で静かに輝く。スーパームーンの月食となった夜】
【キャンバスを立てる男性の視界の外にして離れた場所、そこに小さな影が通り過ぎる】
【影は公園の静けさと調和しないであろう独り言を耳にする】

こんな、時間……に、珍、しい
誰……だろ、う

【公園内の秩序を乱すもう一つの影は、こんな時間に似つかわしくない少女であった】
【金のツーサイドアップに藍色の瞳、普段着の上から羽織る外套にキュロットスカートと革の長靴。それらは夜闇に蔵される。】
【背負っている竹刀袋には帽子が被せられ、土を踏みしめる湿った音に、幾つかのモノが小さくぶつかる音が輪唱する】

【それらの音が止み少女の影は首を傾げ、暫く男の独り言を了承も無く聞く】
【少女の影は暫くの間、男の独り言が一区切りつくまで盗み聞きのような真似をしながら、人となりを探る】
【興味はあった、キャンバスがまだ見えぬ位置からの探り入れ。まるで惚気話のような独り言から、相手が誰なのか気になった】

遠距離、恋愛……かな?

【好奇心のままに近寄る。元来人見知りな少女の影は、周りの様子を目だけで注意しながら】
【近づくたびに、男はキャンバスに腰掛けている事、何かの紋章が見えた事、次々と明らかになる】
【無論、一旦止んだ足音が少しずつ大きくなりながらまた鳴り始めた事も男が聾啞でなければ分かるかもしれない】

【恋愛の相手と、キャンバスの中身に興味を抱き、片手を胸に当てて握りしめながら、近く……】
497 :マリオン・リヴァーズ ◆Oo..Ykgy2o [sage saga]:2015/10/06(火) 22:31:54.22 ID:aJoSRoMVo
>>493

【――青年の言葉を聞く度に、男の顔に喜色が増していくように思われた。それと同時に、狂ったような白熱も】
【そんな二者の背後で女の呻き声が低く木霊する。……言葉は作れずとも分かるだろう。助けて、と、彼女は青年へそう叫んでいた】


……クハッ、いいねェ! ようやくヒーロー様のご登場ときた! 
あぁ、確かにこの女は金持ちだぜ? 所帯主もついさっき消えちまったことだし、金をせびるにゃあいい相手だ。
しっかし金目当てとは、不純なヒーローも居たもんだなァおい?


【ガラスを爪で引っかいた時のような不愉快な音波を含んだ哄笑が響き渡った。男は不気味に目を剥いて青年を見据える】
【口を衝いて出る下らない冗談の群れは彼の昂揚の表れであった。――ともすれば後ろの女性以上に、この男はヒーローの登場を喜んでいるのだ】
【もし青年に荒事の心得があるなら、その理由を全身で感じるか。狂気と破壊衝動を秩序なく綯い交ぜにした、肌の粟立つような雰囲気――】


くクッ、おうよ、くだらねェ説明させて悪かった。
この後どうするかなんて今更聞くなよ。こうして"悪者"とヒーローが出会ったんだ、やる事なんてひとつだろ?

ひゃーーーーーーッははははははははははははははははァァァ!!!
さぁさぁ踊れ! 愉しい愉しい殺し合いを始めるとしようぜェェ!!! 


【――長らく餌にありつけなかった猛獣のよう。この男は、果てしなく血と闘争に飢えていた】
【狂った嗤い声は同時に、ヒトとして大事な何かが引き千切れる音だ。腰に手を回し、右手で拳銃を引き抜いたなら、】

【男は青年の右肩に照準を定め、躊躇いなく引き金を引くだろう。音速の弾丸が問答無用で開戦の狼煙をあげた――】
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/10/06(火) 22:34:03.74 ID:VqT3PM9C0
>>492


【かけられた声に反応して目を覚ます。声がした方向へ顔を向ける。】
【――性別よりも、彼が気にしたのはその外見。和装――櫻の国からの来訪を感じさせる風貌に、彼はすぐさま反応して刀を掴み、立ち上がった。】
【神聖な場にも関わらず、敵愾心を露にして――刀を掴む左手を左の腰に当て、左足のつま先を少女へ向けて右足を前に。右足の外側側面を相手に向けるという奇妙な姿勢をとって。】


お前は「帆足塾」の者か?


【――櫻の国、西部地方にて多少名の知れた剣術道場の名を口にする。といっても、当社比というべきか……、少なくとも、この少年の瞳はその名に対して警戒に溢れている。】
【そこから紡がれる、予測できる彼の現状は……、逃亡中?】
499 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/06(火) 22:36:34.72 ID:sBt0NpDzo
>>496

【男はしばらく――それこそ、少女の足音が再度聞こえ始めるまで】
【左腕のいささか上等な時計を眺め、新聞紙に視線を移し】
【その新聞も足下に放ると、空を見上げて深い溜息をこぼすのだった】

【空には月が輝いている。雲もあるが、今夜は空気も澄んでよく見える】

さて……ん、おや? ……君は、この辺の子なのかな
公園とはいっても、夜に女の子が一人で歩くのは危ないと思うけどね。

……それとも、そういう心配は要らないタイプの子なのかな?

【男が少女に気付くのは、大分距離も詰まってからだ】
【具体的に言うなら少女が背にした竹刀袋を触れば届く距離】
【どうやらよほど深く月に思いを馳せていたらしい。ふと振り返った姿勢からなら】
【少女には空のそれと同等に思える出来の、月の絵もよく見えるはずで】

【それで、男がふと尋ねるのはどうということもない――少女への気遣いだった】
【が。その背に見える竹刀袋を見ると、彼女をただの子供、とは見ず】
【もしかすると武芸者だろうか。そんなニュアンスを含めて、声を掛けた】

【言葉は穏やかで、薄っすらと笑った顔といい】
【なんとも――夜の似合う男だった。そんな人物なら、驚かすような事もないだろうか】
500 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/06(火) 22:50:46.02 ID:1t9+NGadO
>>497
まぁヒーローとかただの詭弁だけどな……
え――マジかよ!?金持ち!?やった!

【彼はそんな風に喜々として叫びながら、金に対しての貪欲さを露わにしていた】
【その瞬間に襲い来る狂気、やはりいつも通りだ。いつも通り皆殺し合って、いつも通り何となく終わる】
【彼はそんな中でも一貫していい感じに助けて金せびって、更にせびってバイナラ。そんな事を考えていた】

よっ……っと!

【ガキィン、そんな軽快で歪な金属音が響くと其処には彼の右腕だったものが剣へと変化していた】
【正確には彼の右腕の肘から先にガントレットのような機部と彼の身長より少し短い程か】
【紅く、仄かに緑白色の光子を放つ諸刃の剣が伸びていた】
【それは男が放った銃弾を弾き、更に彼の戦意の現れとなっていた】

いいなぁ……やるなぁ、銃。二丁拳銃とかいつかやってみたいよ
さぁて……来い来い、鬼さん此方

【彼はそんな事を口ずさみながらひらひらと空いた左腕を揺らしている】
【兎にも角にも彼の長剣が常に振り切れるように構えられている事は留意すべき事か……】
501 : ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/06(火) 22:53:16.30 ID:QAHMqHmU0
>>499

大丈夫……
旅、には……少し、だけ、慣れて、いる、の

【二つの質問に答える。普段ならびっくりして1テンポ遅れる会話もそつなく流れる】
【少女はそんな新鮮さに反応する経験が無く、首を傾げてきょとんとする】
【首を自然な姿勢に戻すと、キャンバスに刻まれた情感深い月の絵が視界に映る】

【綺麗、そう思うのは良いがもう一つの疑問の回答にはなっていない】
【月に似た静かな金色の髪の男に視線を戻して、思い切って聞いてみる】
【一陣の風が新聞紙をバタバタと騒ぎ立てた後に、おずおずと口を開き……】

えと、待ち人……です、か?

【主語を省いた準備不足の聞き方をする。その後は話す内容が尽きたように黙るだろう】
【見方を変えれば、好奇心で男の話を聞こうとしている。綺麗な月の絵を描いた男の……】

【少女はもう一度、月の絵を見る。その間も握る手は解かれず……恐らく、月と男の話の共通点に気づくまでに時間は掛かる】
502 : ◆dscgmRUQjU [sage]:2015/10/06(火) 22:54:13.09 ID:oPlOnhMB0
>>498

「……なんだ、邪な気を持つのはお前の方か?私は無防備だぞ。」

【相手の行動に少女が微かに息を呑む音が辺りに響く】
【剣を向けられるような事態は想定していなかったのか一瞬間がおかれたが直ぐさま相手へと言葉を返す】
【流石に殺されるのは勘弁願いたいので両手を挙げて降伏の姿勢をとりつつ】

「帆足塾?……聞いたことはあるが詳しくはない、生憎故郷にいた時期はあまりないのでな。
ひとまず剣を収めてくれないか。そうしてくれればこちらからは何もしない」

【聞いたことのある名だが自分には関係のないこと、そう切り捨てる】
【だがこの状況は非常に好ましくない】
【若干相手を急かすように敵意を鎮めることを懇願する】
【敵意を向けられるのは嫌いなのだ】
503 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/06(火) 23:01:24.36 ID:sBt0NpDzo
>>501

……なるほどね。いや、そういうことなら良いんだ
最近は物騒だからさ。自分で身を守れるっていうのは素晴らしいよね……うん?

【ハッキリとした少女の答えに、ニコリと笑って何度か頷く】
【そして彼女がキャンバスを眺めるなら、それを邪魔することはなく】
【隠すものでもないと、絵の具の乾きだした一枚絵を披露する】

【寒風に応じてコートを着直し、ふと少女が口を開けば】
【その言葉を聞いてから、少しばかり考える風にして】

いや……待ち人、ではないね。何より、人ではないから。
それに待ってると言っても、相手には気持ちが伝わっていなくてさ
待ちぼうけだし、僕の片思いなんだ。見るのは自由なのにね?

あぁ、そうだ……僕の名前はアンドレイ。まあ、画家かな。
君は? 慣れてるって言っていたけど、旅人さんでいいのかな?

【好きな相手には片思い。見るのは自由で、気持ちは伝わらない】
【よほど鈍感で無ければ、或いは偏狭な恋愛観念を持っていなければ】

【目の前の男が些か変人であることが分かるだろう。彼は月が好きなのだ、と】
【そして簡明に名を名乗り、身分を告げた。同様にして、彼女にもそれを尋ねる】
【あくまで"年下の少女"ではなく――同等の相手としての対応だった】
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/10/06(火) 23:09:03.73 ID:VqT3PM9C0
>>502

――ごめんなさい。

【ひとまずは、彼女が少年のいう「帆足塾」と無関係ということで安堵の表情――表情はさほど変わっていないが敵愾心は消えている――を浮かべ、】
【ようやく構えを解いては礼儀正しく謝って……。少し拍子抜けするかもしれない。】

ここなら安心できると思いましたが、ここは寝泊り禁止ですか?外で寝るのは危ないし……、お金もないんですよ……。

【小さく欠伸をして、少女へ近づく。反射的に彼女の足の位置を確認しては、少し気まずそうに表情をしかめた。少年には少年の事情があるのだろう。】
【起こされたという事実に、少年は少女をこの教会の管理者か何かだと思い込んでいる様子だが……。】
505 :マリオン・リヴァーズ ◆Oo..Ykgy2o [sage saga]:2015/10/06(火) 23:10:34.46 ID:aJoSRoMVo
>>500


ッハ! オマエ能力者か、期待通り過ぎて笑いが止まらねえなァ!!


【やにわに放った銃弾は、元よりいなされることを見越した一撃だ。もしあの程度を凌げない相手ならば酷く失望していたところだが】
【突如長剣へと変じた青年の右腕を面白そうに嗤うと、男の双眸に宿る濁った熱も更に強まる。その異能、決して油断はできない筈で――】


鬼ごっこかァ?
いいぜ乗ってやるよ、やるからにゃあせいぜい愉快に逃げ惑ってくれよォッ!!


【――だが、次に男が選んだ動作は突進であった。右手に構えた拳銃をひたすら乱射しながら、長剣を携える青年へ敢えて接近していく!】
【間合いも何もあったものではない。一見勢い任せの無謀な進撃のように思われるが、銃撃の腕自体は相当のもの】
【走りながら滅茶苦茶に撃ちまくっているようでいて、その照準は一発もブレず青年の上半身に集中している。棒立ちでいれば間違いなく蜂の巣だ】

【しかし、乱射と言ってもしょせん拳銃。放たれるのはせいぜい十発強、しかもある程度接近に成功するのと同時、】
【男の拳銃は、あっさりと弾切れに陥る。一気に攻勢に転じることもできるだろう、空いた左手を腰に回しているのが気がかりだが――】
506 : ◆dscgmRUQjU [sage]:2015/10/06(火) 23:21:25.42 ID:oPlOnhMB0
>>504

「……はぁ、分かってくれたならそれでいい。」

【安堵のためか深い溜息を吐く少女】
【一時はどうなることやらと思ったが相手がちゃんと話を聞いてくれる人物で助かった――――と】
【青年の言葉に妙な引っ掛かりを感じて】【それに一瞬怪訝な表情を浮かべるが、ああ、と納得したように呟くと】

「ん?ああ……質問してくれたところ悪いが私はこの建物とは特に関係ないぞ?
教会で寝泊まりというのは聞いたことはないが……見つからなければ問題ないだろう。私も金利に困ったら密入国はたまにするぞ。」

【と、いたって平常心のままさらりととんでもないことを口にし出す】
【喋り口調は年齢にしては大人びてはいるものの倫理観は少しだけ緩めなのか】
【管理者でもないのにあっさりとここにいてもいいと言ってのけるのだった】

「……それにしても、こんなところで寝るのか……そこまで金に困っているのか?服装的に旅人だと見受けるが。」

【まあ放浪者にも見えなくもない、と言おうとしたが流石に失礼なので割愛しておいて】
【明らかに困った様子の青年を見て多少同情したのか視線を泳がせるとそんなことを尋ねる】
507 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/06(火) 23:23:02.06 ID:QAHMqHmU0
>>503

【先ほどちらりと見た月の絵が紹介される。話を統合するならば、男の待ち人とは月の事なのだろう】
【その符号への気づきは次なる新鮮さに上書きされてしまう】
【背丈、性別の異なる両者が対等になるように男が気遣っている。少女の生まれた都会では当たり前になりつつある歪んだ『常識』】

【息をするように少女の不安を払いのける男、アンドレイの雰囲気に流されるように……】

えと、わたし……は、片桐、木花(このか)
こんばんは、アンドレイ、さん

【挨拶を返し、旅人かどうかの質問に少し考えるように……又は先の気付かない程の対等な違和感に首を傾げ】
【そんな全休符を経て、経緯のみ簡潔に……できるだけ簡潔に……】

うん、旅人
いま、は、旅からの、帰り
あの山、から……越えて、今日は、宿で……お休み。明日は、列車、なの

【少女が指さした先には都市の光は無く、月の光が仄かに輪郭を浮かび上がらせる山々】
【指差しに上げた腕を下ろし、つられて半身となった体と頭をアンドレイに向き合って】

えと、お月さま、が……好きな、の?

【英語の定フレーズのように返す。都会の空気に汚染されたような恋愛脳モドキが未だに男の真意を見誤る】
【竹刀袋のもたれかけが居座り悪いように木花の肩に訴える。木花はそんな無言の訴えを鞄を揺らす事で跳ね除ける】
508 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/06(火) 23:24:35.36 ID:1t9+NGadO
>>505
笑いが止まらないのは此方もだよ……生憎今日は腹が減ったのと金が無いのとで機嫌が悪い
そして最近失いつつある心の余裕、ユーモアを思い出すべく頭がちょっと面白い事になってるからな!

【そう言うと彼はニヤついた顔のまま避ける素振り等見せずそのまま剣を前方に振りぬく】
【刹那、剣から放たれるのは無数の緑白色の粒子、それは一つ一つが極小の刃になっており】
【致命傷を与える程の威力など無い物の、銃弾を弾く障壁としての役割はそつなくこなしていた】
【一つの弾丸が頬を掠め、もう一つが足を少し掠めたがまだ気にする事は無く】

チッ……あぁ、本当面倒臭いけど金が欲しい!
お前、首だけ置いてけよ、本当!銃弾で飯は食えるけど俺は食えん!

【最早何を言っているのか支離滅裂な事を言いだしてはいるが、それでも彼は即座に剣を引き】
【次なる行動へと移っている。彼は剣を半身で後方へと構えると、何やら腕の機部を動かす】
【接近する男への攻撃、彼は後方へと地面を蹴って仰け反り、剣を前方に抜き出す】

Executioner、殺れっ!

【其処に現れるのは剣が展開し、幾千もの紅水晶の欠片を携えたような怪物の口】
【人一人を飲み込める程か、このまま突っ込む事を望みたいが、果たして】

509 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/06(火) 23:34:38.31 ID:sBt0NpDzo
>>507

木花ちゃん、か……良い名前だね。櫻の国の出身かな
僕の知り合いにも何人か似たような名前の人が居てさ
まあ、それは置いといて。これも何かの縁だ、よろしくね?

……それにしても、また随分と遠くから旅してきたんだね
僕ならあそこにたどり着くだけで大分掛かりそうだ
運動は苦手でね。……列車というと、また何処か遠くに?

【ぱたん、と椅子を折りたたむ。小さな持ち運び用のそれは】
【どうやらちょっとした物入れにもなる、便利な物らしい】
【パレットの絵の具を新聞で拭いながら、おもむろに荷物をまとめ始めて】

【向かう視線の先に連なる山々。それを超えたとなれば】
【体力は見かけよりよほどあるのだろう、そんな目算を内心で付け】

ん……あぁ、好きだよ。大好きさ、子供の時から惚れてるんだ
もうかれこれ20年は絵を書いたり、彫刻にしたりね。

男性が女性に恋するのと同じさ。……言っておくけれど
月に恋をすることが一般的に妙なのは知ってるよ?
それでもこの思いは本物なんだ。いつか伝えてやりと、そう思うんだけどね

……君は、誰か好きな人だとか、物だとか。
そういうのはないのかな。旅人なら、出会いも多いんじゃない?

【奇特な人、というのが率直な感想だろう。悪人でないのは確かだ】
【趣味人。そういう分類の男は、ふと楽しげに笑うと】
【少女に同じような質問を返す。成人した男の恋の話よりも】
【よほど楽しげじゃないか。そんな、ちょっとした悪戯な気持ちが見え隠れしていた】
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/10/06(火) 23:45:39.07 ID:VqT3PM9C0
>>506

…、お金にも困っているし、それよりも、どうやって生きていこうか……、何をすべきか、が全くわからない。
旅人……、とは違う、気がする。ただ嫌になって逃げてきただけ、だから……

【建物となんら関係のない人――露骨に敬語がなくなった。伏せ目がちになり、両手のひらを広げ見つめる。】
【何か事情がありそうだが、彼の現状を表現するなら、無一文で上京してきて途方にくれている若者、といったところか。……、ふと、思い出したように顔を上げた。】

学び舎というところに行きたい。

【ひどく突拍子もないことを言い出す。】
511 :マリオン・リヴァーズ ◆Oo..Ykgy2o [sage saga]:2015/10/06(火) 23:52:05.64 ID:aJoSRoMVo
>>508

【無数の銃撃の雨を阻んだ、奇怪な刃の障壁――微かに男が目を見開いたのが見えるだろうか】
【相変わらず言動は粗暴で荒れているが、瞳に凝る汚泥の奥で冷徹なものが蠢く。それは少なくとも動揺ではなかった】


なかなか面白い能力持ってんじゃねぇかオマエ、ひひははははッ!!!
ちゃーんと愉しませてくれたら金を恵んでやっていいぜ? 万でも億でも積んでやるよ、オマエの墓前にだったらなァァ!!


【男も男で滅茶苦茶な叫び声を上げると、弾切れにも構わず腰に回していた左腕を振り上げ、殴り掛かるかのように更に一歩踏み込まんとした】
【――だが次の瞬間、その身体は乱暴ながらも俊敏な動きで真横へ跳躍しているだろうか。剣の変じた怪物の顎は男の右脇を掠めて、脇腹に痣を作る程度に留まる】
【やることは狂気じみているが戦士としての経験は確からしい。青年の能力を警戒してある程度予期していたからこその回避だ】

【とはいえ、急突進からここまで派手に急転換した代償はある。右脇の痛みもあって、男の身体能力でもやや限界を越えていたか】
【怪物の口を避けた後、男はうまく受け身を取れず体勢を崩す。両手を大きく振ってバランスを取ろうとする姿は、一見すると隙だらけだが】


つれねェこと言ってねぇで、オマエももうちょっと愉しんだらどうだ?
――クハッ、退屈はさせねぇからよォ!!


【その、体勢を崩すという動作がそのまま男の攻撃動作であることに――果たして青年は気付けるか】
【前兆があるとすれば、ほんのわずかな風切音だろうか。バランスを取るために"大きく両手を振った"その瞬間、】
【目には見えない『透明なナイフ』が、青年の右太股へ向けて勢いよく投擲された……!】
512 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/07(水) 00:00:29.51 ID:bkouxH8J0
>>509

【椅子の折り畳みの音に、木花は小さくおおー……という感心の声が漏れ出る】
【話の合間の言葉にならない掛け合いが終了し、次に訪れるであろう沈黙は自分の話の番であることを木花はぼんやり思う】
【その前に、男の常識から外れた惚気話に相槌を打ち続ける。それが止むと1度だけ目を瞑り……】

うん、大切な人……いるの
その人、の……世界、に戻る、までに、色々な、人に……出会った、の

【世間話に紛れる『世界』という一塊の言葉(違和感)を飲み込んで、木花は追憶の話を始める】
【路地裏にいた悪魔、人殺しを躊躇しない青年、水兵との模擬戦、雷の力に目覚めた少女、仔竜の少女、森の中にいた本読み】
【最後に、ガニメデにいた囚人の話で追憶が終了する】

いっぱい、会った
元の、世界に、戻る、為だけの……旅、なのに、おかしい、かも

【胸で握る手を解きながら微笑む。ジョークのつもりでもあったが、話しぶりからもしかすると誇っているようにも見える】
【緊張を解いた後、木花がこくこくと流した男の月への愛に感想を口にする】

おとぎ、話……に、あった、けど
月、に……魅せられ、過ぎちゃ……たら、カリギュラ、に、なっちゃ、う……かも

ちゃんと、戻れ、る……の?

【何かと勘違いしたようなおとぎ話を披露する。遠い世界の、遠い昔にあったローマの狂人】
【木花の心配は天に届かず、見下ろす月が叢雲を躱し、変らぬ光を両者に注ぐ】
【恐らく、時間差で柔く笑いあった両者の雰囲気を反映するように……妖しく】
513 : ◆dscgmRUQjU [sage]:2015/10/07(水) 00:00:38.79 ID:2XYg5CtW0
>>510

「学び舎、か。」

【そう一言呟くと、少女は右手を口許にあて何かを思案するような仕草をとる】
【どうやら相手は思っていたより複雑な状況下にあるらしい】
【少女自身も少し似たような境遇でもあるのだが…】
【数秒の間無言でいた少女が遠慮がちに口を開く】

「……私は教養はないから把握しきれないが、要するに寺子屋のようなものだろう?ならばこの国にならあるはずだ。」

【それはこの国に訪れた時小耳に挟んだその学校の話】
【彼の言う学び舎と同義であるかは分からないが知っておくだけなら困ることもないだろうと】

「確か名は、レイリスフォードだったか。
どうしても学び舎へと行きたいのなら一度赴いてみては?」

【と若干不明瞭ではあるものの助言をしてみる】
【もちろんそれに乗るか乗らないかは彼次第なのだが】
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/10/07(水) 00:09:18.43 ID:btGrP4KB0
>>513

……名前だけ知っていれば誰でもたどり着ける場所ですか?違うのであれば、案内してほしいです。

【敬語に戻った。現金なやつである。学び舎という言葉を発したあたりから、彼の瞳には生気のようなものがある。】
【れいりすふぉーど、と不完全ながら復唱しては、「お願いします」と頭を下げた。】
515 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/07(水) 00:12:01.23 ID:X2CI4W3HO
>>511
(くそっ……噛み千切れなかったか……)

【酷く粗暴な言動、と彼は人の事を言えないような感想を持つ】
【だがその一種出待ちとも言える攻撃は躱され、彼も即座に剣を元に戻し後方に引く】
【だが、次の瞬間彼は右太腿に奔った鈍い痛みに気付く、それは何かで刺されたかのような痛み】

!?―――あぁ、成程……そう言うタイプの人?
いや、本当……ポンポン撃つだけのマッチロックガナーだと思ってたわ一瞬……
それじゃぁ俺もなるだけ出せる物は出さないとな〜……

【彼がそう呟いた瞬間、彼の着たコートとそのフードがはためき、翻り、服を破かずに何処からか】
【紅く、狂おしく、仄かに熱く、それは巨大なバスターソードと中型のシールドソードが重なった紅い翼】
【歪に紅く、機械的な内部の露出した翼骨がそれを支え、大本の背には鋭く煌めくブースター】

【まるで兵器と人間を掛け合わせた人造の妖鬼、それは瞬く間に第二、第三の腕となり】
【背の翼は男へと降りかかる、交錯する刃をまともに受ける事は即ち……】

頸動脈でもなで斬りにされたらどうだ?
明日の朝刊を「路地裏で四肢爆散したバラバラ死体発見」が彩るぜ?

【彼は男との間合いを詰めるため、両翼での攻撃を仕掛けながら、前傾姿勢でするりと駆け出す】
【正面からの文字通りの突撃に、男はどう対処するか】

516 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/07(水) 00:25:45.17 ID:+c+BwLRjo
>>512

【最初は茶化すだけのつもりだった、というのは真実】
【しかしいざ話を聞くと、少女の言葉は男の興味を強く引くものだった】
【特に興味を示した――静かに聞き入ったのは、『世界』と『ガニメデ』の話か】

【男の表情は月に付いて語る時と同じように、静かな喜びに満ちて見え】

なるほどね、旅人とは言っても……元の世界に戻る旅、か。

……良いと思うよ、とても。素敵な旅をしているようでね。
楽しい話を聞くと、僕もそんな旅に出たくなるくらいさ
もっとも……僕の場合は"元の世界に帰るつもりはない"けれど。

それにしても、カリギュラ……懐かしい名前だね。

【少女が飲み込んだ違和感と、男が醸し出すそれは同一のものだろうか】
【答えは無い。何故なら、飄々としたこの人物は月以外には移り気で】
【気付けば荷物は全てまとめ、小脇に出来上がったキャンバスを抱えており】

戻れるかどうか、でいえば……さあ、もう手遅れかもしれないね。
月は魔性の存在なんだ。それに魅入られた以上は
僕自身にも、他人にも……正気かどうかなんて、そうは分からないさ

……そうだ。君は元の世界に帰りたいんだったね
"剛田剛太郎"……その名前の青年を探してみるのも良いかもしれない
彼は『ニホンの出身』と言っていたから。……生憎、僕は行った事はないんだけれどね

【月光に映しだされた笑顔は穏やかだが、薄かった】
【色白な肌の奥にどんな色合いが隠れているのか。それとも、希薄な面持ちが】
【そのまま、彼という人物なのか。なんだか、霞のような応答だった】

/っと、申し訳ないのですが少々眠気が強くなってきておりまして
/出来れば凍結をお願いしたいのです。その場合は明日20時には来れますし
/なんでしたらさくっと切り上げて頂いても大丈夫ですので。
517 : ◆dscgmRUQjU [sage]:2015/10/07(水) 00:29:35.29 ID:2XYg5CtW0
>>514

「行き方までは知らん。だがなかなか有名らしいから辿り着けないというわけでもないだろう
……あと敬語かそうでないのかはっきりしろ、どっちつかずでなんとも言えない。」

【希望を与えておいて重要なところは割とガバガバである】
【至極真面目な表情で知らんと一蹴する姿は一周回って清々しく感じるかもしれない】
【それから先程から敬語になったりタメ口になったりする少年の口調が気になっていたらしく】
【少し論点が外れるが追求しておく】

「……ああ、そうだ。使いたければこれを使え。私はじきにこの国を発つからどちらにせよ必要ない」

【ふと思い出したように声をあげれば懐から四つ折りにされた紙を取り出す】
【それは水の国の地図……といっても観光地にチェックが入った簡易的なものであるがそれを差し出す】
【詳細まで把握できていない少女からすればせめてもの手助けといったところだ】
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/10/07(水) 00:37:25.24 ID:btGrP4KB0
>>517

そうか、知らないのか……。ごめんなさい。

【再びタメ口に戻る。表情はげんなりした様子だが、目標はできたのでよしとしよう、そんな感じだろうか。指摘されたことについては、素直に謝る。】
【――そして改めて手渡された用紙――地図を広げては、再び表情が輝く……。】

――! ありがとうございます! 早速目指してみようと思います。――僕の名前は帆足 リノ。またあったらよろしくお願いします。

【自分にとって都合の良い人間に対しては敬語になるようだ。あげたりさげたりしてくる少女に対しては、安定しなくなる。】
【さて――といった様子で、少年は刀をかつぐ。そして、自分だけ名乗ってその場を後にするのだった……。】

/いい感じのところなのでこの辺で!お疲れ様でした!またいずれお願いします!
519 :マリオン・リヴァーズ ◆Oo..Ykgy2o [sage saga]:2015/10/07(水) 00:45:07.93 ID:8d2fXCMxo
>>515

【青年の右太股に痛みが走った直後、傷口で「バチッ」という火花が弾けるような音が聞こえるだろうか】
【次の瞬間にはそこに投擲用の短いナイフが具現しているはずである。普通に触れもするし引き抜くこともできる、ナイフ自体には何の変哲もないようだが――】


……ッハ、それがオマエの本当の姿ってことか?
ヒーローっつうにはちと禍々しいがな。いやまったく、派手で羨ましいぜ。


【不可解な騙し討ちを決めた後、男は今度こそ本当に体勢を立て直した。青年の傷の程度をちらりと確認しつつも、】
【必然、目が行くのは異形じみた両翼を広げた青年の姿だ。ひゅう、とはやし立てるように口笛が舞った】
【青年の本気の片鱗を見せつけられ、男の方は――別段変化はない。人造の鬼と対するには心許ない生身のままで、にまりと笑みを濃くして】


なかなか過激な事言うじゃねえか、そこはヒーローらしく「命までは取らん」とかカッコイイ台詞吐いてもいいんだぜ?
ひひッ――まぁ、このぐらいの方がオレもやりやすいがね。オマエもそこそこ歪んでるようだなァ……!


【言いつつ素早く両腕を腰に回し、引き抜いたのはサバイバルナイフだ。今度は透明などではない、ごく普通のもの】
【しかし、その太刀筋は非凡だ――降り注ぐ両翼の斬撃を次々と捌いていく。決して正面からは受けず受け流し、最低限の立ち回りで防御し続ける】
【だが流石に、手数もパワーも機械仕掛けの両翼が上だ。致命傷は避けるが無傷とは行かず、少しずつ身体に裂傷が増えていくのが見て取れるだろう】
【男は明らかにそちらに掛かりきりだ。青年の接近を阻む術などない――ように、思われたが】

【――男がサバイバルナイフを抜いた時、ほんの微かだが、地面に"何かが落ちた音"を聞き取れただろうか】
【両翼の攻撃を凌ぐため体勢を変えた、それと同時。男はさりげなく、地面に落とした『透明な破片手榴弾』を爪先で青年へ蹴り出す……!】
【爆破までの時間も計算して、既にピンは抜かれている。このまま正面から突撃すれば直撃は免れないだろう】
520 : ◆dscgmRUQjU [sage]:2015/10/07(水) 00:50:35.03 ID:2XYg5CtW0
>>518

「ああ、いや。こちらこそあまり役に立てずすまない。……リノか、ああ、また会うことがあればな。」

【それだけ告げると少女は相手を見送る】
【いざ一人になると水の神聖さが身に沁みて分かる】【少女にとって綺麗すぎる水は天敵なのだ】
【水を冠するこの国では今までも碌なことがなかったと、考えつつ、さっさと旅支度を済ませてしまおうと思った矢先ふと思い出す】
   ・・
「……帆足?」

【少年が名乗った姓】【あれは先程彼が警戒してた道場の名ではなかったか、と】
【思わず少年が去った方を向くがすでに彼の姿は見えなくなっていた】
【少女はその方向を暫く眺め、そして何かを考えなおしながら、少女もまた苦手な空気が立ち込める教会を去るのだった】
【――――あの少年のことについて心のもやつきというかを違和感を感じながら】

/こちらこそお疲れさまでした!楽しかったです!
521 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/07(水) 00:51:20.55 ID:bkouxH8J0
>>516

【木花は真剣な顔に変わり、静かに頷く。魔性に取り憑かれるという事実に対する正しい言葉が無く、礼だけでも伝わるように】

剛田……さん、ね
あり、がと……すごく、参考、に……なった、よ

【今度の礼は言葉にして表す。末尾の言葉が草花の騒めきに隠れながら】
【目に掛かろうと力強く跳ねる横髪を手で静かに払い、落ち着いてから……】

大丈夫、だよ
今日の、月は、牡羊座……の、皆既、月食

始まり、と……転換、の月、だから
その気に、なれば、戻って、来られる、よ

わたし、も……その、手掛かり、掴め、ちゃ……たから

【今度は読み聞かせのように曖昧で無く、確信を持った言い方。自身の経験と、まだ甘い占星術の素養を暗に語る】
【甘いとするのは占術に必要な『傾聴』の不足。戻る気の無い飄々とした男の話を一部聞けていない甘さを指して】

宿、は……まだ、大丈夫
野宿、も……できる、かも……

【呟くように、男に向き合わないまま呟く。男の返答あれば俯いて服をぱたぱたと叩いて整える仕草を止めて向き合うだろう】
【話を続ける事も吝かではなく、また別れの挨拶をしても拘泥なく応じるつもりである】

/了解いたしました
/どちらでも大丈夫なようにしてみました。返しが必要になりますが、続けるのもこの場で切るのもOKです
/続きは次の都合の良い機会にどうぞ

/挨拶もなしに始めちゃいましたが、遅くまでありがとうございました
/ゆっくりお休み下さいませ
522 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/07(水) 01:05:15.26 ID:X2CI4W3HO
>>519
命までは取らん?……何馬鹿な事言ってるんだ?
絶賛首斬り大賛成、年齢性別関係なくなで斬りオンザデスだこの野郎

【最早ヒーローでも何でも無くただの鬼畜外道である。そして男に捌かれ続けて尚斬撃を浴びせに行くが】
【その瞬間、足元に何かが落ちた事に気付く、まぁ予想通りと言うか、当たり前と言うか】
【相も変わらずそこで起こるのは戦争映画でゴリゴリサングラス軍人がプレゼントと称するアレ的な物の爆発】

【刹那、彼は両翼を自らの前方に戻し防御に回すが時既に遅し】
【それを通り抜けた、と言うより先に来ていた爆発と爆風は彼の身体を吹き飛ばす】
【熱い……と言う感覚は最早無くなっているのだが、痛覚、ダメージは当たり前のようにそこにある】
【彼は上空に吹き飛ばされたまま、バスターソード的翼の切っ先を壁に突き刺す、そして壁に貼りつくように防御態勢を取った】

うわぁ……マジかよ、危うく戦闘不能じゃないか
服も気に入ってるんだが……まぁスペアは幾らでもあるけど……

【そうして彼は翼を突き刺したままそれを支えとし、壁に垂直に立つ】
【彼の身体のそこらには爆散した破片やらが刺さっていたり、火傷があったり、常人なら凄惨たる有様なのだが】
【生憎此方も何度かの戦場を切り抜けてきているので最早戦闘はキツそうだがやせ我慢くらいは出来る】
【彼は全身の痛みを無理矢理意識して気にしないようにしながら話し出す】

なぁ、お前さ、ここいらで休戦協定でも結ばないか?
双方ともにまぁまぁなダメージは受けてるし、俺もそろそろギリギリだ
本気でここら辺の建物を一掃するかも

【そんな冗談をかましながら彼は男に向かってニヤリと笑う】
【彼は思いだしたかのように「あぁ、そこのねーちゃん。後で金な、有るだけ全部」等と言いながら】
【それでも尚彼は右腕の剣は納めておらず、警戒の念は緩めていないようだった】

/良い所なのですが時間もあれなのでここら辺で凍結、又は〆で良いでしょうか?
/一応最後をどちらでもいけるように書きましたので何卒……それではお先に失礼します。夜分遅くまでお疲れ様でしたー
523 :マリオン・リヴァーズ ◆Oo..Ykgy2o [sage saga]:2015/10/07(水) 01:47:51.49 ID:8d2fXCMxo
>>522

【手榴弾を防ぐべく青年が両翼を引いた時点で、男の方も自爆を防ぐために後方へ飛んでいた。眼前で爆裂と鋭い破片が乱舞し――】
【視界の端で敵の姿を追えば、男は「蜘蛛かよオマエは」などと軽口を叩くだろう。必然、彼我の距離は空いた形となって】


ククッ、お互いいい姿になってきたじゃねえか?
ジャケットをオシャカにされたのはこっちも同じだ。ま、血染めってのも悪くはねェがなァ。


【当然のように壁に直立する青年の姿を見上げ、少しばかり妬ましげな色を含んだ視線と共にくぐもった嗤いが放たれる】
【男の戦法はこれで大体分かっただろう。高い身体能力を生かしつつ不意打ちと騙し討ちを織り交ぜる、卑劣とも言える戦略】
【お互いに手の内を少しばかり晒し、今は小康状態といったところか。だが――男も相当に傷を負っているものの、殺気は途切れるどころか増すばかりで】


あァ……? 休戦協定だ?
ここまで来て冷めること言ってんじゃねえよ。建物を一掃? 上等じゃねえかやってみろ。
それはそれでタノシイことになりそうだ――久々に殺し甲斐のありそうな得物だっつうのに、逃がすワケねェだろ!

ひひッ、ムダ話はそれだけか? んじゃあ、第二ラウンドと――――、


【……戦法と同じく、そろそろ男の性格の方も理解できるか。それを鑑みれば、この血の臭いに酔った狂人が今更止まるわけもない】
【やや不愉快そうに眉を顰めると、とびきりの殺意と狂気を青年へ向ける。そして口が裂けんばかりに吼え、問答無用で仕掛けようとする……】



…………、ああああああああッッ、クソがァッッ!!
良いところだってのにドイツもコイツも――! あの無能ども、帰ったら代わりにオモチャになってもらうしかねェな……!!

あー、最悪だ。クソッタレ!
仕事なんざ無視してもいいが興が削がれちまった。わーったよ、ここらで今日は終いにしてやる!


【男が単なる狂人であれば、そのまま戦いは続いた筈。――だが男の耳にある"金十字"は、とある組織の一員であることを示していて】
【突如鳴り響いた通信機のコール音はそれと無関係ではないのだろう。無線越しに一言二言交わした後、男は乱暴にそれを地面に叩きつけて何度も踏み潰す】
【やがて通信機が原形を留めなくなった頃、陰鬱な雰囲気を漂わせながら大きく溜息を吐くと、投げやりに吐き捨てて自分から背を向けた】


だが覚えとけ、似非ヒーロー。――"今日は"だ。
その顔は覚えた……ひひッ、テメェもオレの顔をよーく覚えとくこった。
次に会ったときは、たっぷりとこの埋め合わせをしてもらうぜ……。


【最後にどこか負け惜しみじみた捨て台詞を吐き捨てると、男はその場から去っていく。次の仕事場へ向かった、といったところか……】
【――完全に女のことは忘れているようだ。先程の手榴弾に巻き込まれて多少破片で怪我をしているが命に別状はない。謝礼をむしり取るぐらい訳はない筈である】

【ともあれ、ここで一旦戦いは終わった。ちなみにその気があれば、男の所属する組織や男の正体などは比較的簡単に調べが付くだろうけれど】
【何にしても。次にどこかの戦場で見えればこの男が黙っている筈はない。今宵の血生臭い演目の続きも、いずれまた幕を開けることになるか――】


/了解しました、いい感じにキリも付けて頂いたことですし今回はこの辺りで……!
/お疲れさまでしたー!
524 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/07(水) 11:49:49.17 ID:+c+BwLRjo
>>521

【『始まりと転換の月』――その言葉を聞くと、怪訝そうにするが】
【ふとして占星術というワードが頭に浮かぶと】
【微笑して、小さく頷いた。その気になれば戻れる】
【果たして実際にその気があるのか、というのは分からないままだが】

……君は今夜、宿を取るって言っていたけど
まだ何処かに決めたりはしていないんだろう?

良ければ、だけど。僕の家にでも泊まるっていうのはどうかな
女性に野宿させるのは、行きずりとはいえ気も引けるし
その"転換の月"って云う話……聞いてもみたいからさ。

家は、星や月のよく見える丘の上にあってね?
場所は夜の国だけれど……そう遠くまで歩く必要も無い。……どうかな

【荷物をまとめつつ、先程までキャンバスが置かれていた場所に手をかざすと】
【まるで魔法のように木の扉が出現する。ノブをひねれば】
【開いた先には同じく木製の床と壁。ログハウス、らしかった】

/昨夜はありがとうございます。でしたらもうちょっとだけ続ける感じでお願いしたく。
/付いて行くor行かないはお任せしちゃいますが
/一応、こちらは今夜20時には始められますので
/ひとまず返事だけさせて頂きますね。では、また後程よろしくお願いしますー
525 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/07(水) 20:03:11.65 ID:bkouxH8J0
>>524

【目を見開いて、感心の声を上げる。その先に空間的にあり得ない連続体……室内が展開される】
【誘われて頭を上げたのは良いが、感心の後に訪れた放心で服を整える手が止まる】
【どう答えるか考える時間も込めてやや長い静寂を経て木花が口を開く】

あり、がと……アンドレイ、さん
おじゃま、させて……いただき、ます

【慣れている丁寧語と、慣れない尊敬語を交えてたどたどしく答える。さらに一礼を添えて】
【言葉はそれだけに留まらず、木花が男に説明すべきだと予想する事をおさらいして】

転換の月も、簡単、な……話、だよ
月、にも……その日の、気分、と……会う約束、をした、星が、ある……だけ、だから

【返事の終わり、礼の姿勢を戻した後、話の最中に木花は男に近づく。男の手の長さが届くか届かないかの距離まで近づくであろう】
【それは礼儀と木花の警戒感の折衝。人見知りである木花の譲れない距離感でもある】

【ログハウスの扉の前まで通されたならば長靴を脱ぎ始めるのだろう】
【所謂『日本』ならではの仕草が垣間見えるのかもしれない】

/了解いたしました
/では、もうちょっと続けさせていただきます

/今日もよろしくお願いします
526 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/07(水) 20:26:10.31 ID:+c+BwLRjo
>>525

月にもその日の気分と会う約束をした星が、か……。
フフ。……戻ることも出来ると話したばかりだけれど、その星に嫉妬しそうだね。

……それで、君はその月や星の動きから何かを見ることが出来る、のかな?
生憎と天文学や占星術には疎くてね。
何処で学んだのかも気にはなるけれど……吉凶を占う、とか?

【礼は軽く受け止めて、話は強く興味を抱いた対象へ向かう】
【すなわち占星術とはどういうものなのか。月が好きなら、知っても損はない】
【興味の切欠はそういう小さなものだが――知識欲は旺盛らしい】

……あぁ、靴は脱がなくても大丈夫だよ。
というよりも、脱ぐと色々と大変だろうから……そのままどうぞ?

【『我ながら呆れるくらい、片付けっていうのが苦手でね』】
【そう続けながらログハウスへと案内する。扉の先は、木の床だ】


【――まず、広間に出る。中央には八角形の大きなテーブルがあり】
【その形を巨大化したように、この建物自体も八角形をしていた】

【即ち、壁は八面。それぞれに扉があり、いくつかは開け放されていて】
【あまり使っている様子の見えないキッチンであるとか】
【木くず、石塊。恐らくは美術用途だろう廃材の転がった部屋だとか】
【あるいは薄暗いが、大きめのベッドが見える――彼の私室であろう、とか】

【そんな、雑然と物が置かれた家だった。床には上等な絨毯が敷かれてはいたが】
【絵の具などを零した後だとか、靴の汚れであるとかで】
【確かに素足で歩くのは躊躇われる状況だった。つまり、『家』というよりは】
【それこそ別宅、アートギャラリーとしての別邸。そういった面持ちで】

……さあ、客人用の部屋はこっちだ。大丈夫、そっちは綺麗だからさ
なんといっても使わないし……でも、掃除だけはしてあるから。友達がね、たまにさ。

【案内するのは閉じられた扉の部屋。其処を開ければ、やや広めの空間があり】
【奥にはかなり大きめのガラス戸。開けば広いテラスに出られるようで】
【他には本棚であったり、テレビやラジオ、ソファも置いてあった】

【ただ――そのためらしい空間はあるのだが、ベッドは見当たらなかった。】

/こちらこそ、今夜もよろしくおねがいしますね〜
527 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/07(水) 20:52:48.83 ID:bkouxH8J0
>>526

【ふぇっ……という素っ頓狂な声を上げて靴紐を解く作業が止まる。急いで戻し、やや急に顔を上げる】
【なにかやらかしたのかという恥ずかしさで少しだけ顔が赤い】
【顔の朱が止み、通されるままに周りを見渡すとお世辞にも綺麗と言えない空間。魔術師が魔道を込める空間にありがちな空気】
【或いは錬金術士や画家が己を磨きあげる『アトリエ』という空間であった】

【顔を顰めることも無く、特に反応も無く八角の部屋や調度品を観察する。まるで八卦のような……】
【部屋に通されるまで無言の観察は止まず、その間も顎に手を当てて考えたりもする】
【通された部屋は木花の予想と反して清潔な居間であった。寝室に通さない配慮には気づかず、ただ、居間に通された理由を反芻するように】

ここなら、落ち着い……て、話せる、かも
ありが、とう

【男の言葉の区切り、一呼吸の休符を打った後に言葉だけの礼を行う】
【恐らく席に通される前に、一言必要なのだろうかという木花の余計な気遣いであった】

趣味、で……やって、いる、だけ……だから、運勢は、難しい、けど、基本的な、事、なら、大丈夫、かも

【最後に目を瞑り、こくと一回だけ頷く仕草をして言葉を切る】

【木花は、どこに座ったらいいかな、と弱々しく聞いてみる】
【不作為にも客を立ちっぱなしにさせる無作法を気にしてか気にしてないか】
【男の通されるままに座るのだろう、或いは座らない指示も聞くのだろう】

【窓の奥の夜闇が光を通さずに窓を鏡に変じさせる。そこに、両者の姿が何かの魔術のように映し出される】
528 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/07(水) 21:06:37.77 ID:+c+BwLRjo
>>527

【どこか大人びた雰囲気を持って話していた少女が顔を赤らめると】
【アンドレイは楽しげに笑った。もっとも、嘲笑などではなく】
【あくまでその様子を愛でるようなもの。咎めもせず案内をし】

どういたしまして。ここは今宵一晩、君の部屋だよ
といっても、ここは夜の国だからいつまでも晩なわけだけど……

……あぁ、ごめんよ。そういえばベッドを置いてなかったね
この間、別の友だちが来て使ったんだけどさ。
彼、重いから。古いベッドだったのもあって、壊れちゃってね

【部屋に入ると窓を開けに行く。がらっ、と開ければ寒風がふき込むが】
【丘の上というだけあって空気は清く、肌寒くも心地よい換気が成される】
【そうして室内が澄んだなら、所在なさ気な少女に気づき】
【――彼女が座る場所がない、と思うのをベッドがない、と勘違いしたわけだが――】


【徐ろに、男はパチリと指を鳴らした。さながらマジックのパフォーマンス】
【しかし直後に空いた空間を見ると、瞬きの内に天蓋付きの】
【それこそ大人が三人は横に慣れそうな、柔らかそうなベッドが出現する】
【転移や出現の魔術、というよりは――まさにその場で創られたような、そんな一幕で】

ソファも本棚も、もちろんベッドもお好きにどうぞ、お嬢さん。
もし必要ならコーヒーや他の飲み物、食べ物もキッチンにある。

……それで続きだけれど、占星術で分かる基本的な事、っていうと?
良ければ簡単に教えてほしいかな。
例えばだけれど……今夜辺り、月はどの星と出会う約束があるのか、とか。

【広義ではあるが好きに座るように促しつつ、自分は立ったまま】
【恐らくは話を聞いた後に荷物を整理でもするのだろう】
【コートを脱いで、シャツの首元のボタンを外し、袖を捲りながら尋ねかけた】
529 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/07(水) 21:31:11.87 ID:bkouxH8J0
>>528

!?

【木花は突然『現れた』ベッドに驚く。能力とはいえ空間転移系統の能力は心臓に悪いものとも言える】
【または、木花のいた世界でのそういった能力は例外無く破格の扱いを受けるもの】
【ふぅ……と息をついて落ち着かせる。一瞬だけ浮いた冷や汗が夜風に吹かれて木花の気持ちを落ち着かせる】

それじゃあ、ソファ、で……お願い、します

【青年の返事を聞かず、ソファのドア側の端っこにちょこんと座る】
【ソファの隣に鞄を立てかける、そうしてきちんと座ろうと居住まいを正しくする】
【慣れないソファの低反発にそわそわする。興奮を一息で冷まして】

今日は、月と太陽と、ドラゴンとリリスが、会う、約束を……する日、なの

【慣れない言葉が連発する。それぞれの象意を掻い摘んで説明を始める】

ドラゴンは、月の道と、太陽の、道の、交わる、点……が星、に、なった、もの、なの……この点は二つ、ある、の

この星、とかぶる、新月、や……満月、は……日食、月食、になる、の

意味は、前世の、福分、や……課題

リリスは、月の軌道、で、一番遠い、場所が、星、になった、もの、なの……別名、は、ダークムーン

この星、と、月が、さそり座と、オリオン座、のような、関係に、なると……スーパームーン、に、なるの

意味は、ユング、って人、が言った、シャドウ、そのもの

【少し長く、占星術に馴染みのない単語から説明を始める。月の説明はこの次となるかもしれない】
【木花は男の様子を伺い、ここまでは大丈夫って言ってみる】

/ソファは三人用の長いものと想定しましたが、大丈夫だったでしょうか?
530 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/07(水) 21:56:27.79 ID:+c+BwLRjo
>>529

【ソファは、これもやはりお高いものだろうか。座るとふわりと身体を受け止め】
【どれだけ体重が軽くても、底なしに柔らかくクッションは沈んでゆき】

ドラゴンと、リリス……。 ……その説明からすると
"星"といっても、物質的な惑星というわけじゃないのかな。
月や太陽の軌道から、特定の位置を"星"として定めている……そんな解釈で?

【良いのか、と尋ねながらも先の言葉について考えを巡らせる】
【思っていたよりも難しかった。しかし、新しいことに触れるのは楽しい】
【そんな反応がありありと表情に浮かんでいた。どこかうずうずと楽しげで】

さそり座とオリオン座というと、同時には登らない対局の星座だね
深い関係もある、一対の存在……シャドウも、そんなものだったかな
自身の認めたくない部分、けれど確かに自分の一部であるモノ……

……いや、趣味と言うにしては凄いじゃないか。
正直驚いたよ、木花。また一体、どこでそんな事を覚えたのかな

【と、尋ねはするが――続けて『ひとまずは大丈夫』とも付け加える】
【話の筋を考えるなら、先に月の件を話すのが正解であろうが】
【もちろん、何処で学んだかを答えても、そうしなくても良かった】

/大丈夫ですよー、テーブルを囲むようなアレをイメージしていただければ!
531 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/07(水) 22:18:16.57 ID:bkouxH8J0
>>530

【男の解釈にこくこくと頷く。大方は正解なのである】
【また、ドラゴンについてある地域では羅睺(ラーフ)と計都(ケトゥ)というアスラ神の名前が付けられていると付け加える】
【男の質問と月の説明の2つ。並び立てる為に前者を小休止も兼ねて答える】

好きで、本、を……読んで、覚え、たの
アルマゲストや、テトラビブロス、程、由緒、正しい、もの、じゃない、けど

【続いて本命の月の話が始まる。窓の魔鏡とテレビの魔鏡がお互いを映さず、魔性が沈黙する緩やかな空間で】

月は、人の心、の礎、になる……感覚、の体験、の、運命、を浮き彫り、に、するの。お母さん、という、意味、も、ある……よ

今日の、月の気分、は……牡羊座
産声の星座、なの……お母さん、を、意味、する、月の、本来、の気分、じゃない、よ

月、は……蟹座、が本来、の、気分、なの

だから、今日の、月は、無邪気、な、赤ちゃん、の……ように、色々な、気持ち、を抱く、運命(モノ)が、浮かび、上がる、の

【木花は出来るだけ分かりやすいように話す。その中にも読み聞かせで聞いた中途半端な知識が混じる】
【区切り、もう一度様子を伺う。その間に感想を言う時間が空けられるだろう】
【次の説明で、始まりと転換の月の説明が終わる。感想の後に、避けられぬ重要かつ難しい事の予告を添える】

それで、月は、牡羊座
太陽と、リリス、とドラゴン、は天秤座……

牡羊座と、天秤座も……さそりと、オリオンの、よう、な位置、関係に、あ、るの

/ありがとうございます
/では、そのようなソファでいかせてもらいます
532 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/07(水) 22:37:33.88 ID:+c+BwLRjo
>>531

ただ月と言っても、その位置する場所や日によって
星座の……それぞれの意味を含んだ性格がある、のかな。
そして、その性格に応じてその日の物事に傾向が生じる、と……。

……蟹座と牡羊座は、なんとなく分かったよ。
となると、さそりとオリオンのような関係にあたる……
産声の星座の対局にある、天秤座……これはどんな性格なんだい?

【難しい話ではある。元来、男の専門は美術関係であったし】
【月は好きでも、そこに焦点が向きすぎていて】
【星空などは単に"綺麗なモノ"としか捉えていなかった節があるから、尚更だ】

【故に、形式としては話を自身の中で噛み砕き、口にして】
【それこそ少女に師事する生徒のような立場で話を聞いていた】

【或いは間違っていたとして、それを指摘されようとも】
【この優男は文句ひとつ言わずにそれを受け止め、訂正するだろうし】
【合っていると言われればにやりと笑って喜ぶだけだった】

【――内心。複雑に思える占星術という学問を、独学で学んだ彼女に】
【底知れない物を感じてもいた。学問的な会話など、まず無いことだ】
【ふと魔鏡――ガラス戸の外を見る。満点の星空には、無論月も浮かんでいて】
【星々と共に輝く姿を見る瞳の色も、いささか変わって見えた】
533 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/07(水) 22:59:21.84 ID:bkouxH8J0
>>532

天秤座は、ね……語り、合う……恋人
配偶者(妻)、とも、言うの

この気分、の三人組、と……月は、向かい合った、形……話し合い、や、戦い、を始め、ようと、する関係

その末、に、月は、三人組、の、子、を宿す……けど、お腹、の中に、子供、が……強過ぎ、て、みんな、生まれ、る……前に、死んじゃう、の

【青年の疑問に答えるように説明を続ける。最後の言葉に合わせてゆっくりと瞳を閉じる】
【月の境遇に同情したか、或いは眠気が満ちたかは判別がつかず】
【瞼を開けて、夜空のような男の目を一度だけ見て話を続ける】

だから、今日、の、スーパームーン、は……嬰児、って意味、も含む、の

死産、の、子が、他の、死産の、子の霊、を呼び寄せ、る、ように、月の、光が、嬰児の、霊、を顕現、する、の

牡羊座、の月、から『始まりの月』

この世に、存在、しない、嬰児、に、出会い……

存在……しない、言葉、を聞いて、それまで、の摂理、が一部、壊れる、から『転換の月』なの

【そうして、説明が終了する。少し紅潮した気分を覚ますように夜気を吸い込み、小さく吐き出す】
【およそ正道の説明とは言えないが、象意のポイントを押さえた説明だと誇るようにも見えなくもない】
【しかし、嬰児の言葉の意味に不自由しており、その部分で少し詰まっている】

【一息をついた木花は、男の言葉を意識せず待っている状態でもあった。質問に答える事も話題転換も男の自由にするつもりなのであろう】
【鏡の魔力が散逸し、元の星空を映す。自然現象というのは即ちそのような移り気の気質を含むのであろう事を暗に示して……】
534 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/07(水) 23:11:14.33 ID:+c+BwLRjo
>>533

【押し黙って説明を聞き入れる。その表情はこれまでと同じく楽しげだが】
【同時に真剣味もひどく強かった。特に月にまつわる話であり】

綺麗で月がよく見える、世間では概ね好印象のスーパームーン……

……別の見方をすると、そんな意味合いがあるんだね。
嬰児、か…。 『転換』って言うから、てっきり最初は
もっとポジティブな、明るい理由かと思ってたよ。

この世ならざる存在の言葉で、元々の理が変わる……
フフッ……面白い解釈だね。僕もその手の本、探してみようかな。

【少女の思う意図が全て男に伝わったか、というのはともかく】
【説明を聞いて、少なからず感じ入り、納得はしたらしい】
【穏やかな少女が口数を多く、しっかりと語ってくれたこともあってか】
【月光が髪色を銀と金に染めながら、その面立ちを木花に向け】

……ありがとう、とても面白かったよ。君を招いた甲斐が在った
良ければ、また話を聞かせて欲しいかな。
僕の知らないことを君は知っている、そんな素晴らしい関係も無いと思うからさ

……疲れたかな。何か飲み物か、それとも今日はもう?

【休むかどうか、と尋ねかける。時間としては、日を跨ぐ少し前】
【この国では常に夜だ。しかし時間を示す時計は機能している】
【テレビの上に掛けられたそれが、カチカチと。静かな部屋に心地よい音をもたらしていた】
535 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/07(水) 23:31:21.40 ID:bkouxH8J0
>>533

うん、また、会ったら……いつでも、話す、よ

えと、お水……もらい、たい、かも
そろそろ、眠い、かも

【男と約束を交わす間にも、繋がらないてにをは言葉が紛れ込む】
【水を飲んだ後は眠気が限界に来るのかもしれない】
【今は、目を擦った後に……話を静かに聞いてくれた男に対してありがとう、と一礼する】

おねえ、ちゃん、に……聞いた話、だけど、死人に口なし、なのに、語りかけ、て……くるんだよ、ね

だから、そんな、程度……の……転……換…………

【規則正しく、人の耳を優しく撫でる時計の刻む音が子守唄となる】
【ギアに隠された小さい振り子の奏でる音。その振動3回のリズムに合わせて木花は船を漕ぎ始める】
【肩を叩く等の小さな衝撃があれば、再び目覚めて水を飲むぐらいはできるだろうが、その後の意識までは保障しない】

【それは睡眠薬を仕込むまでも無い自然の摂理。少なくとも人は半日弱の休息を要する】
【窓の月が静かに照らす。今宵は少し大きく、少し妖しく、少し儚く】
【木花も眠気の合間に気持ち良さそうな寝言を一、二個口にするだろう】
536 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/07(水) 23:52:22.14 ID:+c+BwLRjo
>>535

それじゃあ、またその時はよろしくね、先生?
……フフッ。水だね、いま持ってくるよ

【茶化したような呼び方をしてから、一度部屋を出て】
【すぐに水を満たしたグラスを持って戻り、それを差し出す】
【ソファの前にはテーブルもある。口にしたグラスはそこに置けて】

【――当然。そこには睡眠薬も何もない、ただの冷水なのだが】
【船を漕ぎ始めるのを見て、年齢相応な様子に再び微笑みが零れ】

……お姉ちゃん、か。素敵な姉妹が居るんだね、君は。
良ければその辺りの事も今度……さ、たまには力仕事もしてみようか

【うとうとと眠りにおちる少女。毛布でも掛けてやろうかと思ったが】
【いくらソファとはいえ、寝心地が良いとはなかなか言えないだろう】

【彼女を起こさないようにそっと。少女の体重なら大丈夫、と】
【細身で非力な身体に言い聞かせて、静かに彼女をベッドまで運ぶと】
【しっかりと温かな毛布を掛け、自身は伸びをしてから音を立てずに部屋を出るのだった】


【――翌朝、木花が起きた頃には既に家のなかにアンドレイの姿は無く】
【ただ、中央の大部屋のテーブルにはパンが三つと、スクランブルエッグ】
【それからポテトサラダが朝食として用意されていて】

【『用があるので出かけるけれど、家も部屋も好きにしてくれて構わない』】
【『代わりに、またあった時は色々と聞かせて貰えるかな』】

【と、そういった書き置きもあった。その後は、家に逗留してもいいだろうし】
【帰りを待たずに家を出るのも問題はないだろう。なにせ、アンドレイはしばらく戻らない】
【日にして3日。それだけ家にいるのなら、また顔を合わせることにもあるだろうが――】

/と、この辺で締めということで如何でしょうかっ
537 :片桐木花 ◆mZU.GztUV. [sage saga]:2015/10/08(木) 00:23:24.14 ID:lA92XI800
>>536

【恐らく、木花が眠っている間に竹刀袋を見る余裕があれば、旅行カバンにありがちなタグを見つけるかもしれない】
【横線二本、上行に"Ef.(1C86A)-20"、下行には"Cathedral Retros"と印字され】
【裏にも横線二本、上行にはNifl(ニブル)、下行にAnagram(アナグラム)とビニールの上から印字されたソレを】

【男にあった逆五芒星同様、今日の話らいの中で関係無いと察したかの如く視界の実数域から外れた存在しないモノ同士】
【その真意は両者、特に木花側(逆五芒星の意味)には察しがつかないのであった】

【木花は朝早く起きると、書き置きを読み、用意された朝食を美味しそうに平らげる】
【ごちそうさま、と元気よく……人の気配がしない故に今まで課した自制を外して大きな声で】
【そうして木花も書き置きを残す】

『アンドレイさんへ

朝食ありがとうございました
おいしかったです!

私も、夜の国に用事があるのでまた旅に出ま
す。今度こそ、帰るつもりです

今塒にしている宿屋にも、元の世界にも

お礼代わりに、私の能力を込めた石刃を置い
ておきます。銃を撃つようなイメージをする
と対人攻撃程度の銃撃が出来ます

装弾数は7発です。護身用にどうぞ。

最後に、昨日の夜は楽しかったです
ありがとうございました!』

【木花もアトリエから出て、極夜が続く国の土を踏みしめる。いつか会った友達が口にした綺麗な空の国】
【その空気を一杯に吸い込み、初めの一歩から跳ねるように旅を再開するのであった】
【前途は暗く、注意を払いながら、夜の国ならではの『常識外れ』に心を弾ませて】
【手元に持っていない時計の代わりに足音に追随してカタカタと揺れる竹刀袋が時を刻むように……】

/私も、ここで終了致します
/2日間お疲れ様でした!

/余談ですがリリス(スーパームーン)だけでは嬰児という解釈にはなりません
/ドラゴンがあってこその解釈になります
/ドラゴンの別名であります羅睺(ラーフ)の神話をwikipediaで調べると少し納得できるかもしれません

/少し、こちらが喋り過ぎたのかもしれませんが、楽しくロールが出来て良かったです
/ありがとうございました!
538 : ◆iBPkBgx72E [sage]:2015/10/08(木) 00:29:48.47 ID:/m3EWQq9o
>>537
/こちらこそ、二日間お付き合い頂きありがとうございました!
/今まで触れたことの無いジャンルのお話でしたので
/喋りすぎなど、とんでもないです。楽しく聞かせて頂きましたよ
/折角なのでwikipedia も覗いてみようかと。

/ともかく、色々とお話しできて本当に楽しかったです。お疲れさまでした〜!
539 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/08(木) 18:28:00.96 ID:EtNvCXpU0

【深夜―――】
【その地域はそもそも元から治安が悪く、盗みや暴力沙汰も多発しているとして有名な場所で】
【そんな場所の裏路地の一角。地面に倒れ臥す小さな人影と一人だけその場に立っている人物がいた】
【周囲には激しい戦闘の跡と無数の血痕、倒れ呻き声をあげているのは粗末な服を纏った子供だ。そしてそれを見下ろすのもまた小柄な背中の持ち主で。】

【苛立たしげな舌打ちが周囲に響く】

――ったく、うざってぇな!
そっちから襲いかかってきておいて負けたらだんまりかよ?あ?

【片方のレンズにヒビの入った軍用ゴーグルで蒼い前髪を掻きあげた10代半ばの少年だ】
【黒のライダースジャケットに身を包んだ姿はある意味目立ち。髪と揃いの色の吊り目気味な瞳にはやり場のない激情が渦巻いている】
【口汚い言葉を吐き捨てると手近にあった金網のフェンスを力任せに蹴りつけた。一見彼が子供を一方的にリンチしているかのような光景。だが実際はそうでもないらしく。】
【地面には子供とナイフやらガラスの破片などが散らばり、ライダースジャケットの少年の頬には刃物によって真新しい傷が一線引かれている】

【先程の言葉さえ聞いていれば先に奇襲を受けたのは少年だということが容易に分かるが…絵面的に見ると少年に非があるようにしか見えない。まあ過剰防衛に違いはないのだけれど。】
【そうしているうちにまた我慢の限界が来たのか。恐怖で押し黙ったままの様子に再び舌打ちをすると今度は乱暴な所作で子供の胸ぐらを掴んだ】
【もしこのまま蒼い少年を放っておいたのならば彼は収まることを知らない怒りのままに。その拳をその子供の顔面へ振り下ろそうとするだろう】

//新規です!
//今日は日付が変わる前後くらいまでしかロールできませんがよろしくお願いします!
540 : ◆zO7JlnSovk :2015/10/08(木) 20:43:41.81 ID:HWVFhTLfo
>>539
/まだいらっしゃいますかー?
541 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/08(木) 21:11:51.16 ID:EtNvCXpU0
>>540
//あわわ気付くの遅れてすみません!いますよー!
542 :ソニア ◆zO7JlnSovk [saga]:2015/10/08(木) 21:22:05.13 ID:HWVFhTLfo
>>541
/わぁい!では絡ませていただきますね!

【今まさに、少年に向けて拳を振り下ろそうとした瞬間】
【風を切って放たれる礫≠ミゅぅ、と口笛のような音色を響かせながら貴方の拳を狙う】
【直撃したならけっこー痛い、少なくとも、攻撃は中断されるぐらい】

【その礫の正体はコルクである、そのあたりに落ちているような、コルクで】
【少しして、声が重なる、ソプラノが夜風に色を滲ませる】


――――――め、なの、弱い者いじめしたらね、ダメなの
いくらね、相手がね、泣き虫で、弱くてもね、いじめちゃいけないの


【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女が裏路地の奥から歩いてくる】

【大きなバイオリンケースを両手でよいしょと握りながら貴方を見つめているだろう】
【宵月に照らされる頬の白さ、霜雪の淡さにも似たその色と】
【神秘的な色の瞳が印象的で、どこか貴方と似た眼の色を濡らして】


分かったらね、返事して欲しいの


【年の頃は貴方と同じくらい、それでもどこか拙い喋り方で】
【よく見たら、バイオリンケース以外にも右手になにか握っている】
【パチンコ≠ナある、それも木の枝で出来た即席の】
543 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/08(木) 21:43:40.01 ID:EtNvCXpU0
>>542

【子供の幼い肌に痣が刻まれる―――その直前、少年の手に衝撃が走る】
【ばしんと手を弾かれたことに動揺したのかそのまま子供の胸ぐらを掴んでいた手も緩み。子供はその場で尻餅をつくだろう】
【手に受けた衝撃は数秒遅れて痛みを伴う。それがどういう意味か気付いたとき少年は眉を吊り上げ、自分を妨げたものが飛んできた方向――少女の方を見た】

――――!?ってぇ!なんだよ!

【当然のことだが彼は非常に頭に血が昇っている状態だ。彼的には正当防衛の真っ最中だったのだから】
【よってそれを邪魔した見知らぬ少女は少年にとっては敵と認識される】
【感情任せに怒号を浴びせ、少年はエレミア石を思わせる透明感のある蒼い瞳を怒りに細めた】

……っ、弱いものいじめ、だって?は、笑わせんなよ!つっかかってきたのはコイツだ。
『敵』に襲われたから反撃して屈服させた。……それの何がいけねぇんだよ、なあ?

【少年はなかなか我の強い人物だ。少女の言うことを簡単に聞くほど素直でもない】
【何より、報復の妨害を受けたことも勿論のことだが。その少女の立ち振る舞いや喋り口調。傷付いている人間を見過ごせない聖人めいたその精神が――――癪に障った】
【腰のベルトに差していた二つの鞘から一本、蒼い刃が特徴的な剣を引き抜けば、相手に向けて切っ先を向ける】

 女がしゃしゃりでてくんな、ぶっ殺すぞ。

【ドスをきかせたその言葉は簡潔ながらも少年の意思を如実に表していて】
【少女に敵意を向けているのは確実だった】

//こちらこそよろしくお願いします1
544 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/10/08(木) 21:52:46.99 ID:HWVFhTLfo
>>543

【向けられた切っ先を前にしても一歩も退く様子はない】
【一見すると可憐なようではあるが、戦闘経験は無い訳ではないようだ】
【じぃ、と見つめるマリンブルー、長い睫毛が一度泳ぐように呼吸をした】


屈服させたなら、それで十分だと思うの、ソニアはね、そう思うの
でもね、今のはね、屈服させた相手をね、痛めつけてるだけ、なの

……それを肯定しちゃ、いけないの


【拙い言葉は一葉一葉確かめるように紡がれるみたいに】
【沫雪を思わせる白い頬、服から零れリ華奢な手足は塗りつぶしたように白く】
【清らかな透明さと、それでいて透けるような白さとを、残していて】

【貴方が強くタタイたなら、それだけで砕けてしまいそうに】
【硝子細工の指先が泡沫を急いで、泳ぎ疲れて止まらないように】


だから止めるの、それがソニアの、しなきゃいけない事なの
頭がかっかしてるならね、ーつめたーく、するの


【――――――まっすぐに貴方を見据えるだろう、吸い込まれそうなぐらいに青い瞳を置いて】
545 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/08(木) 22:07:28.19 ID:EtNvCXpU0
>>544

【自分を見据える少女の瞳。そして自分もまた少女から視線を外さない】
【武器を向けられているにも関わらず少女の対応は世間一般の輩とは違うようで。】
【面倒臭い相手に当たったな、と舌打ちをする】

……あー、そうだな。

【確かに言われてみればその通りだ。無抵抗な相手に害なすのは痛めつけているといえるかもしれない】
【ぽつりと呟かれた肯定の言葉は思いの外ドライな響きだ。一見すれば冷静なようにも思える】
【だが依然剣を降ろすということはしない。そのまま次の台詞を吐き出した】

――――そう思うなら、そうしてみせろよ。……オレを力で屈服させて、なぁっ!!

【そう叫ぶや否や、少年は動き出す】
【くるりと武器を逆手に持てば、そのまま低い姿勢で少女へと距離を詰めようとするだろう】
【その動作は並大抵の人間と比べたら、圧倒的に早い。戦い慣れている者の動きだと分かるだろうか】

【そしてその接近を少女が許したのならば】
【少年の瞳と同じ色の歪んだ剣光は少しの手加減もなく振るわれるだろう。その脆く壊れてしまいそうな、真白の首元を狙って】

546 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/10/08(木) 22:21:23.51 ID:HWVFhTLfo
>>545

【振るわれる剣速、躊躇なく狙われる剣筋が彼女の首元を狙う】
【かなりの手練なのだろう、無駄のない動きは少しの逡巡も許さずに】
【容易く彼女は接近を赦す、首元を切っ先が捉える】


――――――RaumKrankheit


【鈍い音が響くはずだ、横で振るわれた貴方の剣閃に対し、垂直に阻むよう】
【黒い銃身が、彼女の首の前に現れた、貴方の攻撃を阻むには十分な強度だろう】
【武器に詳しければ分かるはずだ、狙撃銃、それも彼女の身長ほどもあろうかという細長い代物で】

【左手で銃身を支え、右足の爪先で銃底を抑える、丁度、一本の棒を縦に構えるように】
【右手は下部を支え、重心自体は低めに、左足を軽く曲げてクッションにし、体勢自体は後ろに傾く】
【衝撃を吸収、口元から苦悶の声が漏れる、かなりギリギリであったのだろう】


……言ってもわからないならね、こてんぱんに、やっつけて、あげるの―――!


【右足で強く地面を蹴って数歩分光法に下がると、立てていた銃身を下ろす】
【左手で銃身を、右手は引き金に指をかける、左足を伸ばし、右足を後方に曲げ支えにする】
【無駄のない流れるような動き、小さな体で大きな銃を扱うため、全身を使う】

【瞬間、爆音が爆ぜる銃弾が貴方の剣を持つ指先を狙って放たれる】
【銃口はまっすぐ手を向いている、長い銃身もあり、そもそもの距離が近いだろう】
【だが特殊な弾丸なのか、貫通力は高いものの、破壊力は殆ど無い、直撃しても致命傷にはならない】
547 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/08(木) 22:45:32.09 ID:EtNvCXpU0
>>546

――――っ!?な……、

【予想していなかったことに少年も僅かに息を呑む】
【攻撃を防がれたことに驚いた訳ではない。そもそも少年は少女がある程度は戦えると値踏みした結果攻撃したのだから】
【だが想定外なのはその武器だ。何度か同じようなものは見たことのある。だが、今まで見たものよりはかなり差異があるそれは。】
【戦闘の最中に限って『至近距離』で見ていいものではなかった】

くそっ、銃か!

【相手の動作から全てを察した少年もまた距離をとろうとして後方へと下がろうとする】
【思わずもう一つ腰に携えた刃、それの柄に手をかけようとしたその瞬間。銃声と共にカァン!と何かを弾くような音が周囲に響き渡るだろう】
【ぐらりとよろめく少年の体、既に抜き身だった方の剣が音を立てて地面に落ちたことから、被弾したことは明らかだ】

【だがしかし――少年の指からは出血が少ないようだった。直撃したにもかかわらずだ】
【それに少女が気付いたのならば彼の指の異常にも気付くかもしれない】
【少年の黒いライダースジャケットと揃いのグローブ。現在は破けているそこから見える細い指は到底人間の肌色ではなく。血の赤に混じりつつも金属のような鈍い光沢を放っていた】
【地面に落つるのは血ではなく、砕けた皮膚の破片だった】

ッチ―――、この野郎!

【それが露わになったことは嫌なのだろうか】
【いつも微妙に遅れてやってくる鈍痛よりも、ソレを見られたことの方に表情をあからかさまに歪ませて。】
【だがそれでも敵意を向けることだけはやめず、無事な方の手は抜刀していない剣の柄に手をおいたまま】
【かといって下手に動くと追い詰められかねないので少女の動向を待つ】
548 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/10/08(木) 22:56:09.68 ID:HWVFhTLfo
>>547

【カコン、と音がなって空になった薬莢が排出される、地面を転がる音色が乾く】
【少年の見立ては概ね正しい、少女といえど能力さえアレば容易に戦闘者となりうる】
【誤算があったとすれば、少女の武器それだけであった】


……その指ね、人のものじゃ、ないの……?


【表情から険しさが和らいだ、長い眉が緩むと同時に全身に纏う強さが弱まる】
【丸みを帯びた大きな瞳は、ぽわぽわといった音がしそうで】
【狙撃銃はそのままで、声だけは可憐に響かせる】

【黒い銃身にかかる細雪のような指先、身長ほどの大きさの銃を操る彼女】
【銃口を上げる、身に立てかけるようにそっと引き寄せたなら】
【銃身に右腕を絡みつかせるようにぎゅっと抱きしめる】

【本来戦いはすきじゃないのだろう、隙と言えば隙であるが】
549 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/08(木) 23:13:47.15 ID:EtNvCXpU0
>>548

……ッ!うっるせーな、指だけじゃねぇよ!

【気付かれた。指摘された。それはただえさえ沸騰しやすい少年を冷静でなくさせるには十分で。】
【思わず別に言わなくてもいいことまで口走りながら少女の方を睨みつける】
【そのまま戦闘を開始してしまえばいい。そしてこんな状況を終わらせる。そう息捲いていたのだが―――】

【そう、一応相手の動向を探ろうとしていたのだが、何故か少女はふんわりとした雰囲気のままだ】
【暫しの間だけ臨戦態勢であった少年でも、途中からその様子に気付いたのか。苛立っているというよりは怪訝そうな表情を浮かべて。】
【片や剣を持ち殺気を放ち、片や銃を抱えてふわふわりん。そんなシュールな光景になんとなく少年は耐えかねたのか】

…………オイ。
オイ、んだよ、動かねぇとかアホなのかテメェ。

【ツッコミをいれた。ついにツッコミを入れた】
【まるで奇妙なものを前にしたように少女を見る少年の目は一応戦闘中だぞ何してるんだお前と語っている】
【まあ簡単に言うのならば】【戦闘意欲を大幅に削がれたというか、肩透かしをくらった。そんな気分だ】

550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/08(木) 23:15:35.16 ID:dip2/Mm50
【大通りから少し離れた路地裏にて】
【腰を抜かした男性と、それを尋問するメイド】
【ー特にメイドは二基の軽機関銃を構えて立っていた】

「あなた、何かご存知なのでしょう?
 マテリアルの提供段階で、談合をしたという話について、ですが・・・。
 ともかく、言うか言わないか、はっきりしていただかないと、私も帰ることが出来ません故。
 出来るだけ迅速な回答をお願いします・・・。」

『ま、待ってくれ!
 それだけは、それだけは本当に勘弁してくれ!
 頼む、俺はそれを言っちまったら死ぬしかねえんだ!』

【どうやら、仕事の話のようだが】
【状況からして二者は敵同士、としか考えられず】
【このメイドは今にも男性を殺しかねない勢いだがー】

「・・・。
 それでは、あなたに選択の余地をあげます。
 今すぐ談合について全て話すか、其れともここで私に撃たれて死ぬか・・・。
 どちらがよろしいですか?」

【このメイド、とんでもないことを言い出す】
【これを聞いて駆けつける正義の人物もいるだろうし、偶然通りかかっただけ、という人物もいるだろう】
【どちらにせよ、この状況、男性を助けない人物など、あまりいないはずだが・・・】

【なお、ここは人通りの少ない路地裏だ、声もよくとおる】
【それ故、この会話は近くにいるようなら鮮明に聞き取れるはずだ】
551 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/10/08(木) 23:37:51.02 ID:HWVFhTLfo
>>549

【ムッと怒ったような表情、ソレはどちらかと言うとアホなのかの言葉への怒り】
【ふくらんだ頬にフラストレーションが貯まったなら、ゆるふわと処理していく、みたいな】


アホじゃないの、ソニア知ってるの、アホって言う方がアホなの!
ソニアは、戦うの、嫌いなの、戦わないなら、それが一番良いの


【戦いの雰囲気が緩むのを感じたのか、狙撃銃を下ろして】
【まるでお人形さんで遊ぶかのように、細かく分解してしまうだろう】
【近くにおいたバイオリンケースにしまい込む、ある種シュールな光景だろう】

【その動きから、銃器の扱いに非常に慣れていることに気づくだろう】

【アホって言われたからか、むすっと、頬をふくらませながらも、まんまるの瞳を向けて】
【新雪に似た吐息の色、寒くなってきた夜の訪れを告げる】


……指だけじゃないってことはね、どういうことなの?


【首を傾げたら長い髪が靡く、プラチナブロンドの残照がくすぐったそうにあくびを一つ】
552 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/09(金) 00:01:48.16 ID:flRNunYD0
>>551

【はあ、と呆れたような溜息を一つ】
【どうやらそれは、こっちがアホだなんだの言ってくる少女に対する返答らしく。少し小馬鹿にしていると思えなくもない】

……どうなってんだよ、それ。

【戦い慣れしている少年ですらいまいち理解できないほどにバラバラにされた銃の部品】
【何故そこまでバラすのかと思いつつ。その手際には少し感嘆しているともとれるし、分解している様に割と引いているようにもとれる】
【先ほど突如現れたと思った銃はこういうメカニズムで出来上がったのかと思うと尚更】
【その分野については化け物じみているな、と少年は考える】

どういうことにもなにも、そのままだっての。外側だけ機械。ロボット。サイボーグ……そんなもん。

【鬱陶しげに表情を曇らせる少年】
【先程指に気付かれたときから分かる通り、少年はこのことについては良くない感情を持っている模様】
【だが曖昧に誤魔化しても少女には効かなさそうだと考えたのか、損傷した方の指のグローブをおもむろに外せば地面に投げつけ】

【その手を無遠慮に相手へと向けた時点で、指先だけではなく手のひら全体が金属の装甲で包まれていると分かる】
【それは義手にも似た形で装飾品などは一切ない、身体の一部。そしてそれは手だけではなく服の袖の奥からも鈍い光が見えるだろう】


//すみません!そろそろ予定通り落ちなければならないので凍結か〆をお願いできますでしょうか?
553 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/10/09(金) 00:14:56.74 ID:iwwf4VZlo
>>552

【じぃ、と少女は見つめる、サイボーグ名前は聞いたことは在っても目にするのは初めてだ】
【いいや違う、親しい仲にロボットは居る、あちらは寧ろ貴方より愛らしさを重視されたものであるが】
【彼女は近づいて、じぃ、とその手を見るだろう、本当に興味深そうに】


……わぁすごいの、ねね、分解して、いいの?


【ぱっと顔を上げた、大きなマリンブルーの中に夜空が煌めいた】
【水面に映る星夜の輝き、万華鏡のように綺羅びやかな色を重ねて】
【キラキラと目を輝かせて貴方に伝える、脳裏に先ほどの狙撃銃の様子が浮かぶかもしれない】

【そこでふと思い出したかのように後ろを向くだろう、長い髪がふわりと揺れる】
【絹糸のようなやわらかい髪、宵月を浴びて、白銀と白金の曖昧さを映し出す】
【向けた背中は、強く握れば砕けてしまいそうな、そんな危うさだけ】


むぅ、そろそろ、帰らなきゃなの、遅くまで起きてるとね、朝早く起きれないの


【振り向いて貴方に伝えるだろう、当たり前である】


ソニアはね、ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ、って、ゆうの
またどこかで、会おうね――――――


【バイオリンケースを握り、路地へと消えていくゆっくりと歩く速さで】
【新雪の上を踏みしめる少女のように、鼻歌の一つでも歌いそうなほど】
【伸びる夜影の澄んだ香りが、いつまでも続くみたいに】

/ではここできらせてもらいますね!お疲れ様でしたー!
554 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/09(金) 15:58:30.54 ID:flRNunYD0
>>553

【少女がその手を確認している間も少年は終始仏頂面のままだ】
【この少女といると調子が狂う。というか相手のペースに乗せられてしまうから警戒せざるを得ない】
【それに相手の容姿は所謂美人に入る部類。少年は女性には疎いもののなんとなく見られ続けるのは微妙な心持ちになる】

はぁ?分解していい訳ねぇだろうが!オレはオモチャじゃねーんだよ!

【相手の要望は勿論却下。再び眉を顰めると怒気を含んだ声をあげる】
【チッと何回目かの舌打ちをすると地面に落としたグローブを拾い上げて再び金属の手を覆い隠す】
【ついでに先程少女に弾かれた刃も拾い、そこで剣を持ったまま少しの間が空いた…がやがて溜息を吐いて鞘にしまう】
【どうやら少年の方も戦う気は完全に失せたようだった】

あー…そうかよ、もういいからとっとと行け。

【少女に呑まれまいと思っていたがもう既にあしらい方は掴めてきた模様】
【言葉で下手に突っかかるとややこしくなりそうなので、しっしとあっちいけと言いたげなジェスチャー−を送り。】

……『また』なんて、ある訳ねぇだろ。

【少年は自分の名を名乗ることはなく、そんな言葉を呟いて少年もまた路地裏へと消えてゆく】
【それが少し名残惜しさの滲んだ声であったのは単なる気のせいか、それとも。】
【ソニア、と別れ際に名乗られたその名前をすぐ忘れるだろうと思いながら、或いはそうだと思い込ませるように。振り返ることなく前を向き続けながら】

//はい!お疲れさまです!絡んでくださってありがとうございましたー!
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/09(金) 22:14:49.07 ID:/q1vzJHw0
【路地裏。日々諍いが絶えることは無く、常に新しい血が古い血痕を上塗りしていると言い表しても良い其処】
【今宵もまた怒号やらが響き渡っていたのだが――――事の中心人物は、何ともこの場には似合わない者であった】
【修道着を纏った赤髪の女。それだけならばただ女が襲われて居るのだと判断も出来ようが】
【奇しくもその逆。女が一方的に複数の人物を叩きのめしている、なんて展開だ】


「――――笑えるわね。たった一人の女を殺す為に複数人で襲ってきた挙げ句何も出来ずに返り討ちだなんて
……さて、答えて貰おうかしら。アンタ達が連れてった子供達についてだけど」

【傍目から見ればどちらが悪者かなんて分かったものでは無い】
【血塗れの男達に、返り血のみの女。更にはその髪を掴んで持ち上げている、なんて状況なのだから】

【先程の怒号もこの時間なれば遠くまで響く事だろうし、或いは戦闘の音を聞いた者も居るであろう】
【何であろうと、この場を訪れたのならば。女の鋭い視線が其方へと向けられる事になるはずで】








【――――櫻の国。月光差し込む森の奧地】
【普段ならば野鳥、或いは獣程度しか存在しない其処だが今宵は一つの“妖気”が感じ取れて】
【見遣れば居るのは巫女装束を纏った妖狐が一人。首に提げる翡翠の首飾りからは神聖な気配が漂うも、ソレに焼かれている風でも無いのだから悪しき存在では無いと知れるか】


「この位集まれば……お城の皆さんにもちゃんと、お分け出来るでしょうか……?」

【手に持つ籠には沢山の野草。見る者が見れば、其れ等は全て食える物である事も分かる】
【山菜採り、と表すのが最も適切であろうか。まだ二十歳にも満たない子供が一人、なのだから不用心にも思えるけれど】
【現に近場では獣の声も聞こえるし、若しかすれば夜盗だとかと鉢合わせする可能性も否めまい】

【――――一通り集め終われば短く吐息を漏らし。誰かが訪れるとすれば、丁度その頃か】
【物音を聞き取れば、不安げな表情と共に其方を向くのだけれど】
556 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/09(金) 22:20:21.76 ID:iJ01u43aO
あぁ〜……阿修羅薙だな、これは

【とある街のとあるオープンカフェ、口元にライ麦パンに生ハムを挟んだ軽食を運びながら呟く青年が一人】
【正午と言っても季節は秋、空は高く、冷涼とした風が大通りを吹き抜ける】
【並木道には仄かに紅葉した黄色の葉が金色の絨毯を形成している】
【珈琲を一口飲みながら彼はメモ帳を開き、再び口を開く。其処には「私有武装名称の推敲」と書かれている】

やっぱり悩むな……零式で行くかな……

【金縁に黒のペンを取り出すと彼は椅子の背もたれに身体を預け、メモ帳に記し始める】
【背もたれにはフードにファーの付いた黒いコートがかかっており】
【彼の服も淡黒のシャツにアッシュグレイのパンツと暗めの物で】
【灰色の髪と相まって地味の権化と言ったオーラを放っていた】

【閑話休題。ここで一つ問題なのだが昼時と言う事もありカフェは軽い昼食を取りに来た会社員やカップル】
【その他諸々、目的も様々な人々で溢れており】
【彼が座るカフェの端辺り、又は彼の向かいの席ほどしか空いていなかった】
【道と店を区切る柵に寄りかかり立ち飲みと言う術もあるだろうが】
【果たして現れる者はどうするだろうか】

あ、珈琲もう一杯

【そんな事を言いながら彼は又店員を呼び止めた】

/遅れて申し訳ない。予約ですー



557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/10/09(金) 22:34:08.58 ID:BneazLfV0
>>556
【凩が乾いた音を立てて落ち葉をなぜる】

「あのっ」

【地味の権化と表現されてしまうような灰色の髪の青年に向かってそんな声をかける者がいた】

「席が空いてないから…相席してもいいですか?」

【幼さを感じさせるソプラノは少し緊張しているようで】
【長く艶やかな紫の髪を腰位まで伸ばした子供】
【色白で中性的かつ整った顔たちにルビーのように紅く大きな瞳に青年を写していた】
【スニーカーにジーンズ、それに少しサイズの緩そうな水色のパーカー】
【そんな人物の背中には戟と言う長物の獲物】
【そして手に持ったトレイにはアップルパイと紅茶が湯気を立てていた】

/それでは今宵はよろしくお願いします!
558 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/09(金) 22:47:38.60 ID:iJ01u43aO
>>557
【珈琲をまた一口飲み、それをテーブルに置いた瞬間、静寂を斬って何者かの声がする】

え……あ、あぁ
(何だ子供かよ……)

【突然にかけられた声、その声音は幼くリーマンでも無ければカップルでも無いだろう】
【彼が顔を上げ、臙脂色の瞳で眼前の子供を見据えると、彼はメモ帳をパタリと閉じると】
【コーヒーカップを自らの方向に少しだけずらすと、向かいの椅子を指さした】

別に良いけど、邪魔はすんなよ?

【そんな事を言って彼は又メモ帳へと目を向ける】
【刹那、自身の視界に何が映ったかを一つ一つ思い浮かべる】
【―――いやいやおかしいだろ、背後の物、何だよそれ、ランスかハルバードか】
【彼はもう一度少年の方を向くと、静かに口を開く】

あのさ、一つ聞きたいんだけど、何それ?悪人でも絶対殺す的意識の現れ?ステキ?

【妙に馴れ馴れしく話しかける、それは眼前の子供のその得物についてで】
【彼の眼にはそれがどうにも面白く、普通では無い物に見えているようで】
【臙脂色の瞳は少しだけ紅色の輝きを湛えて、相対する者の方向へと向けられていた】

中々面白い物背負ってるじゃないか。子供なのに
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/09(金) 23:03:28.72 ID:BneazLfV0
>>558
「えへへぇ♪ありがとぉおにぃちゃん!」

【ニパッと笑うとトレイを置いてから自分も座る】

「は〜い!」

【元気よく返事をするとアップルパイに取りかかる少年、中身のトロリとしたリンゴとパイが切り分けられて口に入れられる】

「ん?」

【青年の言葉にハテナマークを浮かべながらサクサクと口の中の物を噛み砕いてから角砂糖を5つも入れた紅茶で流す】

「これ?」

【どうやら自分の獲物の事を言っていたと言うことに気づいて指差す】

「意識の現れ?」

【特にそういうものでは無いらしく首をかしげるがにっこりと笑う、笑って殺傷力のある武器を背中から下ろす】

「うんっ!素敵だよー!」

【ちょっとズレてる感が否めないが馴れ馴れしい青年の態度に警戒や不快感を抱いている様子はない】

「僕は『子供』じゃないよっ『ワザワイ』だよっ!」

【そんなことを言いながらも持っている武器は漆黒に染まっており、材質も金属や鉱物、木材などでは無さそうである。】
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/09(金) 23:14:30.07 ID:S3gIc2Udo
>>555

――――――――……

【風に乗り届くのは熱、この時期にしては外れている】
【そして加わるのは焦げた臭い、空気そのものが煤けて爛れるような嫌悪を伴うもの】
【災いに近しい者の足音は明確な意志を以ってその妖気へと近づく】

……気配と思えば人でなし、やっぱり制御棒もなしじゃあ探知も何もあったもんじゃないわね

【それの風貌は紅色、流れる髪とその瞳は夜においてなお禍々しく赤く輝く】
【その全ては魔翌力による末路であり発露、収束と圧縮により導き出せる熱の担い手】
【狐の少女の姿を赤熱の瞳で見つけたのならば小首でも傾げ似合わない微笑みを浮かべる】

怯えるのは仕方ないけど……

【「そこまで露骨にされると色々間違えそう」と下の句を言う事は閉ざす】
【魔女、そんな身分の者が少女を相手に言っては忍びなくそして情けない、不遜であると自覚はしているが分別はある筈と】
【ひらりひらりと掌を振って努めて柔和に、それでも眉間の皺は解けないままに「こんばんは」と告げて……】
561 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/09(金) 23:20:04.12 ID:iJ01u43aO
>>559
【ステキをそのままの意味で受け取ってしまわれたようだがそれはそれで問題では無い】
【兎にも角にもその得物が何かが気になり、彼は更に口を開こうとするが】
【ワザワイと言う少し要領を得ない言い方も気になり、彼は其方へと思考をシフトして話を続ける】」

災い……天変地異の化身か何か?それはそれで災いの域を超えてるが……

【一挙一動から男らしさを感じられない眼前の者に対して欺瞞と疑惑とその他の感情を込めた眼で見つめ】
【彼は合間を開けるように珈琲を一度口に運ぶと、ゆるりと視線を武器へと運ぶ】
【やはりそう言った類の武器、もとい者なのだろうか、だとしたらどうするか】
【彼はそんな事を考えながら少年に向かって口を開く】

なぁ、そんで本題なんだが、そいつは何なんだ?
と言うより何で出来てるんだ?それに何で持っているのか―――
俺からしたら謎だらけなんだが……

【疑問に疑問を続かせ、立て続けに嗾ける。別段悪意がある訳では無いのだが】
【何かが気になるとそれを知ろうとする。それが少々過剰なようで】
【煌めく紅い眼を少年に向けながら、ペンを顎に当て考えを巡らせている】

あぁ、そう言えば。カガリ、正親町カガリだ、さっきの名前なんだろ?
多分

【彼は先程の言葉を名前と解釈し、自身の名を告げ、そのまま相手の返答を待った】
【その間も瞳は相手の方向を向いて微動だにせず、一種獲物を狩る鷲のような物であった】
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/09(金) 23:32:19.81 ID:/q1vzJHw0
>>560
【元より人見知りだ。例え年下の相手であろうと、初対面であればとてつもなくぎこちないのがこの狐】
【こくん、と生唾を飲み込んだのはその緊張の表れであろう】
【――――況してや相手が人で無い、と察知するには容易い条件も揃っているのだから尚の事】


「あ、あの…………」

【更に言えば世間知らず。微笑みを確認出来たならば、それだけで逆立っていた尾の毛もゆっくりと静まるのだろう】
【疑う事を知らない、とまでは行かずとも警戒心か高く同時に直ぐに薄れるのも確か】
【何を言えば良いのか。道に迷ったならば案内も可能であり、野草を分けてくれというのならば多少分けても構わない】
【おろおろとした、といった表現が最もよく当てはまる状況】
【重ねて言葉を続けられる事も無ければ、漸く「こんばんは」口を開いて】


「すいません……悪い方では無い、と分かるのですが……でも、その…………人とお話しするのが、苦手で……
えっ……と……お気を、悪くしていなければ嬉しい……です……」

【其れは少女のの口から言われずとも理解出来よう】
【その仕草等々、まるで街の中を歩かせれば不審者に見られる事はまず間違い無く】
【――――巫女装束。それからして、恐らくは何処かの社に住まうか或いはまた別な理由か】
【どうかなさいましたか、と小さく付け加えれば返す様にして小首を傾げるのだろう】

/申し訳無いです、ちょいと早朝に出掛けなければ行けなくなってしまったため12時30分辺りに持ち越し置き移動切り上げをお願い致したく……!
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/09(金) 23:35:46.57 ID:BneazLfV0
>>561
「そーじゃなくってぇー、むぅー」

【ややむくれてほっぺたを膨らませる】

「これ?これはねぇー」
「戟って言って…うーん、ハルバードとか槍の仲間かな?」
「刃の一部が横につき出てて、これで引っ掻けて相手の体制を崩したりとかー、物を掠めとったりとかー、うごかなくなっちゃった人を盾にしたりとかできるよっ!」

【特に悪びれた様子もなくいっそ自慢するように話す】

「えへへー、作ったの!」
「いーっぱいのクリーチャーの爪とか牙とかを集めてトンテンカンって形を作ってね!」
「魔人の入った樹の樹液でコーティングしたのー!」
「振り回すのにも重すぎたり軽すぎたりしないしー、それに堅さとか頑丈さも凄いよー!」
「思いっきり叩けばその辺の岩とか鉄だって壊せるんだからね!」

【アップルパイを更に一口頬張って】

「正解(ピンポン)だよっ!」
「僕はワザワイ!ワザワイ・エスパス!リーベおねぇちゃんの弟なのー」

【判明した少年の名前………と性別】

「えへへ、カガリおにぃちゃんっ!」

【カガリの目線にも鈍感なのか肝が座っているのかにこやかに自己紹介をする】
564 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/09(金) 23:53:23.97 ID:iJ01u43aO
>>563
【聞いて納得、そうか戟かと彼は内心自身の耄碌さを心配する】
【少年が言う使い方も自分もよくやるやり方を語ってくれたので更に納得が行く】
【元より鍛冶の家系、それを知れただけでもまぁまぁ良い収穫とばかりに思っていると】

ほう……?
そうかぁ、クリーチャーかぁ……

【瞬間、彼の瞳が鋭く変わる。少年が語るその作り方は紛れも無く通常の武器のそれとは違い】
【自らと同じ物なのだと言う事を嫌と言うほど理解させてくれる】
【どの言葉にも真実を隠さず言い切る気配をまじまじと感じ、彼は眼を細める】

へぇ……そう、そいつは凄いな。ただそれをここで意気揚々と言うのはまずいと思うぞ
色んな奴が聞いてるかもしれないしな……

【他人事のように言うと彼はメモ帳を開き、そこに何かをメモする】
【ほんの少しだけ指を動かすと又すぐメモ帳を閉じ、少年へと向き直るが】
【その眼には先程のような鋭さは無く、ただ虚空を見つめるように穏やかで】
【抑揚の無い凍えて、淡々とした声音で、少年へと言葉を発する】

それと、俺はお兄ちゃんじゃない、少なくとも此処で会った他人だ
それも気を付けた方が良いよ

【そう何処か不躾、不愛想に言い放つと、彼は押し黙ってしまう】
【珈琲を口に運ぶと、カップから黒い液体が無くなった】
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/09(金) 23:56:27.18 ID:S3gIc2Udo
>>562

残念、私は悪者よ?じゃなきゃ魔女だなんて名乗らないもの

【されど全てを魔に落とすかと云えばそれは別の話に違い無く】
【飄々と告げる様は熱風を纏いながらもどこか涼しくさえあり、ならば尚の事良き者とは思えず】
【要は牙はあれどそれを向ける相手を知る、ただそれだけの事】

一々気にしなくていいわよアナタ、私って大抵機嫌が悪いんだから
その機嫌の悪さも……そりゃアナタが原因でないのなら胸を張っていればいいだけだし

【巫女は社に住まいされど魔女は路傍を巡る】
【魔か聖か、野にあるか否か……人格として程度が悪いのは間違いなくこちらだろう】
【同じ白を纏ったところで煤けた白にとって狐の少女の姿は眩しい】

ええと……人探しなのだけど……
精霊、と言ってもその単語をアナタが理解しているかどうか……
教会の伝で櫻に居ると伺ってね、その子に用事……というか何なのかしらね、ぶっちゃけ何となく?

【動機は自分でも理解はしているがいい加減なのはどうあがいても抜けないのか】
【或いは別れた姉妹でも探しているくらいの純粋な動機ならば懸命さも生まれるのかもしれないが】
【生憎と情熱は全て熱量と姿を変えているのだから、どうしようもないと言ってしまったならばそれまでで】

/了解であります、当方は明日もおりますので持ち越しでお願いしたく!
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/10(土) 00:11:29.09 ID:X14wbCn70
>>564
【目付きの鋭くなった青年に対し何か不味い事を言ったかと首をかしげつつも残りのアップルパイを口に放りこんでザクザクと音を立てる】

「あはは、そぉだねぇー」
「失敗失敗♪」

【そんなことをいいながら戟を背中に背負い直す】
【此方の声は抑揚に大きく差があって明るい筈なのに何処か…空気や常識とはズレた物がある】

「うーん、そうだねっ!」

【やや首を捻りつつもそう答える】

「でも『おじさん』っていうのもなんか違うし…うーん?」

【こちらも少し冷めてしまった紅茶を一気に飲み干す、底に随分と砂糖が残っていた】

「よくコーヒー飲めるよねー、僕は苦くって嫌いなのに…」

【そんな子供舌だからとは言っても砂糖の量が明らかに可笑しい】

「それじゃっ!」
「また今度とか!」

【と、言うとトレイをもって少年はワザワイ・エスパスはカフェの店内へ会計を済ませる為に消えていった】

//そろそろ日付もかわりますのでここで〆にさせて頂きます。
//ロールありがとうございました、とても楽しかったです、またご縁が御座いましたら是非ともロールいたしましょう!
//それではお疲れ様でした、お休みなさいませ。
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/10(土) 00:20:38.22 ID:MGqURHfc0
>>565
「魔女……さん、ですか……?
でも、その……悪い方には、見えません……よ……?
…………人とお話しするのは、苦手ですが……ちゃんと、悪い方か善い方は調べる事が出来る眼はあります……
……本当ですよ?」

【何しろ、真に悪に染まった者ならば宣言をする前に襲いかかって来るから。それは少女の持論だが】
【少しばかり微笑みを浮かべたならば、機嫌良さそうに耳を動かすのだろう】
【まるで、人を見る目には自身がありますと言わんばかりの仕草。然れどぬるま湯しか知らぬ娘が言うのだから滑稽でもあるが】

【胸を張れば良い、と言われたならばコクリと頷くけれども仕草態度は相変わらず】
【其れでも、魔女が悪人では無いと判断したからなのだろう。強ばっていた体も、今は元に戻って】


「――――……」

【精霊。その言葉を聞けば、僅かに反応を示した事を覗えよう】
【思案する其れでは無く、寧ろ心辺りがあるといった反応。直ぐに口を開くことが無いのは、ただ話すのが苦手なのか――或いは、信頼して話しても良い人物かと考えて居るからか】


「精霊さんについてなら……少しだけ……
朱璃ちゃんなら――火の精霊の子なら、私が住まわせて貰っているお城に……一緒に住んでいます……
あの……ん、と……でも、今は近くの湖に遊びに行っていて…………
…………もし、何かご用があるなら……」

【そして、教会の伝手、との言葉から教えても良い相手だと判断したのだろう。確かに火の精霊は居る。しかも、自分と同じ場所に住んでいる、と】
【だが今は生憎城から出ている所。もし良ければ、其処まで連れて行くことは出来ないが其処に至までの道は教える事が出来ると続けて】
【或いは何か話があるのならば城の方でも待つ事が出来ると付け加えるけれど――――精霊が自然体で居るであろう場。自ずと好んで行く場所に興味があるならば先ず前者か】

/把握しました!恐らく次のお返しは今日午後22時30分辺りになってしまうかと……!
/急な話ですみませんでした、お休みなさいませっ!
568 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/10(土) 00:22:14.96 ID:F51ly0rMO
>>566
【何処と無く常人とはかけ離れた何か、それは自分とも同じ雰囲気】
【それを確りと感じた彼は最後、一言だけ】

おじさんでも無い、別に正親町で良いよ

【ただ、それだけを言い残すと去って行く少年の後姿を横目に自身もコートを手に取り】
【袖を通すと、会計へと向かった。後に残るのは異次元シュガーな紅茶と珈琲杯】
【店員が片づけるのを待たず彼は店内から出て行き、紅葉の並木道を歩いて行った】

(阿修羅薙で決まりだな……後今度戟でも作るか……)

【そんな事を考えながらファーが秋風に揺れ、人混みの中へと消えて行った】

/了解しましたー、ロールお疲れ様でした!
/お付き合いありがとうございました。それではまたいつか
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/10(土) 00:32:06.65 ID:cx3HxwKs0
// >>550 で待ちます
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/10(土) 01:15:01.08 ID:Kfxlm7iZo
>>567

あらら……もしかして大当たり?やっぱり普段の行いがいいからかな

【疑われるのは然りだろう、初対面そして魔女というならば尚の事】
【しかしながら教会というネームバリューは遠く櫻にも伝わっているらしい、幸運とは縁がないとは思っていたが今回ばかりは違うか】
【されど喜色満面といかない程度にはどうやら自分の表情は固いらしい】

ん、いいわその湖とやらに直接向かうことにする
そもそも城ってアレでしょう、退魔の城……アタシみたいな魔女がいったら居心地が悪いったらないわ
それに類は友を呼ぶとも言うし、アナタだって好き好んで住処を燻らせたくはないでしょう?

【自分の足跡には灰が舞っている】
【それは全てが過ぎ去っただけの何も無い道、そんな希望もない道程を誰が慕うというのだろうか】
【別段気にしてもいない、ただ自分は自分というだけでならば憐憫の類は不要と捨てる】

【ともかく少女が湖の場所を教えてくれるならばその道を辿り魔女は至るだろう】
【生来の魔女と生来の精霊、互いに属するは熱という概念なれば果たして何が見いだされるのか】
【探求とは即ち暗闇に道を記す事なれば不意に知れぬ獣が現れる可能性も、やはり内包して……】

/了解であります!
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/10/10(土) 21:13:36.69 ID:0Oy56GbM0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 公園】

――――はッ、おらっ! あらよっ……と!!

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【全身を使って、激しく手にした棍を振り回し、目の前を空気を豪快に切り裂いている】
【重心を巧みに移動させながら振るわれるその棍は、ブォンブォンと言う重々しい風切り音と共に、力強い残影を描く】
【もしもその棍に振るわれれば、人はたまらずなぎ倒されるであろう――――そんな説得力を持った光景だった】

っ、てぁ、っ!
…………っ、ふうぅぅぅ……ようやく馴染んできやがった。身体の方は、もうほとんど大丈夫だな……

【一連の動作が止まり、居丈夫は姿勢を楽にして熱く吐息を零す】
【一筋の汗を流し、筋肉質で押しの強そうな彼の顔には、満足げな表情と、それでもまだ不満を残す様な、微妙な表情が表われていた】



【――――同じ公園の、少し離れた場所にて】

……私、ダメだったんですね……。あの子の心を、結局閉ざさせてしまって……
……お世話になっていたのに、頼まれた事が上手くいかなくて……なんて言って謝ったら良いんでしょう……?
「……あんたが気に病んだってしょうがないさね。外からの影響が、ちょっとばかし強過ぎた……ありゃああんたの力だけじゃ、どうしようもなかった事さ
 ……まぁ、あたしみたいにそんな風に割り切れるって訳でも無いってのは、分からないじゃないけどさ……」

【銀色のウェーブがかったロングヘアーに、目元をサングラスで隠し、毒々しい赤い口紅が塗られた唇をしている】
【全身は、飾り気のない黒のライダースーツで固められており、スマートな印象を与える】
【両手足が、どこか不釣り合いな細さの、鋼鉄製のものに接ぎ変えられている、身長160cm前後の女性と】

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】

【共にベンチに腰掛け、小さな明かりの下で静かに座っている】
【銀髪の女性の方は、それでも背もたれに身を預け、まだ余裕を見せる様な仕草だったが、オレンジ色の髪の少女の方は、完全に身を縮めてしまっていた】

「ま、今のあの子に無駄な干渉は禁物だと思うよ? 時間が経って落ち着くか、また別に変わるかを待つしかない
 それがダメだったら……今度こそダメさね。アレがあの子の決着だって事、納得するしかないさ……」
……分かってます。でも、でも…………っっ………………

【鋼鉄の腕を、そっと少女の肩に回す女性。うなだれたまま、少女の肩はわずかに震え始めていた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
572 : ◆zO7JlnSovk :2015/10/10(土) 21:46:57.13 ID:C9aNKQ6fo
>>571

【刹那、貴方の背中に重量がかかるだろう】
【あまり重いものではない、むしろ鍛えぬかれた貴方にとっては軽いもの】
【それでも気を抜いたなら体勢を崩してしまうかもしれない、ぐらい】


れーぐーるーすーっ!!!


【ソプラノが唄う、あわやかな声で、静かに降る雪の重さを伝えて】
【泡沫に溶ける声色の残り、夜風に靡く石楠花の指先に似る】
【その声の意味を貴方はきっと理解できると思うから】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフが、いきなり背後から抱きついてきた、みたいな】
573 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/10(土) 21:48:41.17 ID:7cPTRfZJ0
>>571

―――ふふっ、精が出ますね。

【そんな鍛錬を積む彼の背後から、夜風と共に聞き覚えのあるであろう柔らかい声が届く】
【振り返ればそこに、見覚えのある女性の姿があるはずで―――】

【上質の絹糸のようなブロンドの長髪を時折吹く風にさらりと靡かせ、頭には白いキャスケットを被り】
【澄んだマリンブルーの瞳には凛とした心が映る。右の目元には泣きぼくろがあって】
【纏うのはベージュのコート。少し肌寒くなってきた季節に合わせるようにシックなもので】
【脚にフィットした黒いロングズボンは細身のラインを浮かび上がらせる。靴はブラウンのブーツ】
【首には十字架のネックレス、左手の薬指にはプラチナリングとダイヤモンドの指輪が煌めく】
【手にはペットボトルの水。公園のすぐ傍にあった自販機で買ってきたものだろうか】

もう体の方は大丈夫なようですね?……本当に、治ってよかったです。
―――あれから、ずっとこうして鍛えていたのでしょう?貴方は本当に努力家なのですね。

【依然と幾分か嵩も増えた彼の体を眺めながら、「はい、どうぞ」とペットボトルを差し出して】
【リハビリを労って微笑む顔は、以前と変わらぬ優しさを湛えていたが……しかし】
【変わらぬ穏やかな表情の中に、ほんの僅かに疲れと寂しさも含んでいるようで―――】
574 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/10(土) 21:50:02.30 ID:7cPTRfZJ0
//わわっ、被ってしまいました……!すみません、私は退きます……
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/10/10(土) 22:07:46.05 ID:0Oy56GbM0
/>>572-574
/舞台裏にも書きましたが、持ち越し前提で良ければ複数いけますが、どうしましょう?
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/10/10(土) 22:29:17.97 ID:0Oy56GbM0
>>572

っ、はぁぁぁ…………ま、身体の方は治っても、だな――――――――ぅわッ!?

【つっと流れた一筋の汗をぐい、と拭い、居丈夫――――レグルスはホッと一息をついていた】
【そんな佇まいで気を抜いていた所に、背後からの抱擁。それはレグルスからしてみれば、全くの不意打ちで、思わずビクッと身体が震えた】
【――――こうしたコンタクトの仕方、あの『相棒』にはまずあり得ない形だ。それを認識してすぐに、聞こえてきた声でそれは確信に変わる】

お、おいおいおいソニア!
おっ、脅かさないでくれよいきなり! て、てか何時の間に!?
お……っ、おい、今俺汗かいてんだぞ!? だからよ、っあの……ちょっとだけ、な……!?

【久しぶりに聞いた声。久しぶりに会いたかった人。共に戦い、手を取り合った仲間――――ソニアだ】
【――――かつての誓いを、寸での所で破りそうになった事。その事をいつか謝ろうと思っていたのだが】
【そんな感慨よりも何よりも、今は不意打ちの驚きと、抱きつかれている事を認識しての身体の火照りが、レグルスにとっての直下の問題だった】
【――――何故だか、猛烈な恥ずかしさを感じる。元より運動直後で軽く赤らんでいたレグルスの顔は、一層赤くなって】
【とにかく離れろと言葉での説得に掛かろうとするが、抱きつかれているその感触が、とても心地よくて、その言葉も勢いを欠く】
【――――レグルスも、こうなってしまっては完全にウドの大木である】

>>573

あっ……あ、っ、ま、マリアさん!?
あーその…………ど、どうもこんばんは…………

【そうしてワタワタしていた中で、何の巡り合わせか、更にもう1人の知人――――否、恩人が姿を表して】
【レグルスは、咄嗟にどう言葉を返すべきか惑い、結局彼女――――マリアに、何とも調子はずれな挨拶の言葉を向けていた】
【――――この大男、この状況に完全にテンパっている】

あぁっ、す、すす……すいやせん!
いや、助かります……身体動かした直後の水ってのは、値千金ってもんでさ……!

【後ろから抱きつかれているこの状況、どうするべきか。それを考える余裕も、今のレグルスには無い】
【ただ、それを何とか思索出来る様に思考を落ち着けなければならない、という判断はとりあえず働いていた】
【その為に、差し出されたペットボトルの水を、何とか礼を言って受け取る。とにかくまずは落ち着く事だ】
【――――結局、目の前のマリアの様子がどこか疲れている事を見て取れていない事で、未だ動揺が収まっていない事が丸分かりなのだが】

うっ、んぐ…………っ、はぁ……っ!
――――――――っ、…………?

【受け取ったペットボトルを、ほぼ一息に、8割ほどまで飲み下してしまうレグルス】
【普段でさえそれは難しくない上に、本人も口にした通り、運動後の身体なら尚更その水は、美味しく素直に入って行く】
【ただ、流石に全部飲むのは『引かれる』だろうと、申し訳程度に残してホッと一息つく】
【――――それで、流石に身体の方も多少は落ち着いてきたのか、初めてレグルスはマリアの、どこか疲れた様子に違和感を感じたようだった】
577 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/10/10(土) 22:42:53.80 ID:C9aNKQ6fo
>>576

【この様子を例えるなら、遊びに見た親戚にじゃれる姪っ子のよう】
【そこにあるのがお小遣いか、純粋な愛情なのかが大きな違いで】
【大きな背中、体重を預けられるぐらいのソレがとても心地よかった】


会いたかったの!すっごくなの!だからね、会えてすごく嬉しいの!
元気にしてたの、ソニアが居ない間にね、何か悪い事してないの?


【怒涛の言葉をかける、首だけでも後ろに向けたなら彼女の顔が直ぐ側にあって】
【抱きついた状態で顔をチョコンと肩に置く、プラチナブロンドが頬をくすぐる】
【洗いたてのシャンプーの香り、汚れのない清潔な石鹸の香り】

【もしかしたら、お風呂あがりなのかもしれないなんて】
【白結の頬が滲む感触、子猫のように擽ったそうに目を細めて】
【一息ついたならくんかくんかと小さな鼻を揺らす】

【耳元にすんすん、と彼女の呼吸音が引っかかるだろうか】


大丈夫なの、レグルス、汗臭くなんかね、ないの
だから安心して、ソニア、甘えるの


【聞かん坊、熱を持った白雪は溶けるのも忘れてはしゃぎ回って】
【ふと気づくだろう、自分以外にもう一人、別の人がいることに】

>>573

【じとーっとマリンブルーが貴方を見つめる、大きな瞳は子どものままな無垢な色】
【長い睫毛が水面を揺らす、長い髪筋がふわり、目の前で揺れて】 
【そうしたならふと、言葉が漏れるだろう】


……泥棒猫さん、なの、レグルスはね、ソニアと遊ぶの
だからね、譲ってあげないの


【頬が膨れた、ぷくうと膨らんだならより一層ぎゅっとレグルスに抱きついて】
【嫌悪感を抱いているとかそういうのじゃなくて、ただ純粋に】
【純粋に、あほなだけだと、思います】
578 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/10(土) 23:04:58.11 ID:7cPTRfZJ0
>>572

あらあら、ふふっ……とっても仲良しなのですね?
どうぞ、飲んで下さいな。私からの差し入れです!

【視界の端からぴょんと出てきて、彼に抱きつく少女。雪を思わせるような、淡い色合いの子】
【見るからに親しそうな様子は、こっちまで表情が緩んでしまいそうなくらいに微笑ましくて】
【ついでに、あたふたと慌てる彼の姿も可笑しくって。マリアはくすっと小さく笑ってみせた】

【この少女は彼女か何かだろうか?……いや、男女の関係にしてはこの少女はとっても純粋で】
【けれど、少女のレグルスへの親しみは傍から見ているだけでも感じられるくらいに強くて】
【―――きっと、自分の知らない別の場面で親しくなった子なのだろう。……ならば】
【あの時彼を治した事は、彼女のこの純粋な親しい想いも護ったという事でもあるのだなと感じて】
【改めて、あの時多少のリスクを冒してでも治療を施したのは間違いではなかったと感じるのだった】

【そうして二人の様子を見るころには、先ほど少しだけ見せた寂しそうな表情は消えていて】
【きっと微笑ましい二人の様子に癒されたのだろう。気にしないなら、それでも大丈夫】

【それから、マリアは体のことを尋ねる。「その後お変わりはありませんか?」なんて】


>>577

【自分の瞳と似たような色で見つめられる。その瞳は、吸い込まれそうなほどに澄んでいて】
【一瞬息を呑んでしまうが……その後に発せられる言葉に思わずあっけにとられてしまう】

……ど、泥棒猫……
むぅ……貴女からレグルスさんを盗らなくたって、私には夫がいますもん!

【泥棒猫。……昼ドラで姑が言ってるのしか聞いたことない言葉。】
【よっぽどレグルスと親しいのだろうか。水を差し入れただけでレグルスを取られたと勘違い?したようで】
【マリアもまたふくれっ面になって言い返す。……いい年した大人が、何をムキになっているんだか】
【兎に角、少女からレグルスを奪うようなことはないという事だけは伝わるだろうか】
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/10/10(土) 23:20:51.38 ID:0Oy56GbM0
>>577

(ぅ、お、落ち着け! その、あれだ……! 俺がワタワタしてたらみっともねぇ! 今はともかく、落ち着いて……ゆっくりと……!)

【思いきり動揺を晒してしまった事の反動なのだろうか。レグルスは、何とか自分のペースを取り戻し、自然体に戻ろうと自分に言い聞かせていた】
【……なんとなく、ソニアの前ではお兄さんとして、頼れる年上として振る舞いたかったのだ。逸りそうになる心を何とか押しとどめて、レグルスは首だけで後ろを振り返って窺う】

っ、はは……ああそりゃ、俺だって会いたかったよ、ソニア
そっちは相変わらず、元気そうじゃないか……! ――――っ、悪い事、か……っ、っっっ!?

【大丈夫だ、多少顔は熱いが、そんなにおかしくは無いだろう――――そんな事を胸中で繰り返しながら、レグルスはソニアに返事と笑顔を返す】
【自然体で良い。自然なままで、そんなにおかしくは無いはずだ――――いつもの様に、ただ口から流れるままの、素の言葉で答えようとしていたレグルスだが】
【真っ先に、心苦しい事を思い出し、思わず言葉が淀む。そう、その事について自分は、まず真っ先にソニアに話さなければならないのだ】
【わずかに心に差した影に、レグルスの舞い上がった心もようやく定位を見た様に、その顔にも力が戻った】
【――――が。そんなチャチな「まとも」を吹き飛ばしてしまう、破壊力抜群な感覚が、レグルスを翻弄していた】
【――――シャンプーと石鹸の清楚な匂い。耳元すぐに感じられるソニアの呼気。これでは平常心は、あえなく閉じられてしまう】
【より直接的で本能的な感覚なのだ。酒で泥酔してしまった時の様に、理性の働きは薄皮を剥ぐように衰えていく】

(お、おいおい、止せよ、止してくれよ……!
 こ、こいつ……自分が女で俺が男だって事、忘れてるんじゃないだろうな!? た、頼むよ、マジで……女を感じさせ過ぎなんだよソニア!)
――――そ、それでもよ。背中越しでいる事もねぇだろ? せめて、せめてよぉ、真っすぐに顔を見せてくれよ……久しぶりに

【ごくりと、生唾が喉を鳴らしてしまう。今まで戦いと、克己の鍛錬と、酒の興奮と快楽しか知らない様な世界で生きていたのだ】
【女性に対する免疫は、ほぼゼロと言って差し支えない。なんとかそれらしい言葉を掛けるも、その言葉も見事に上擦っている】
【ただ。そっと自分の身体を抱きしめるソニアの身体に、自分の左手を重ねる。この手を解いても、自分は逃げはしないぞ、と】

>>578

あーまぁ、えぇ……友達でもあり、仲間でもあり、なんて言うか……アルクの奴とは違う意味で、大切な相棒って言うか、ですね……

【仲良し。それに間違いは無いのだ。とりあえず、マリアのその言葉に含みや深い意味は無さそうで、レグルスも胸中で安堵する】
【何か、勘違いされかねない様な光景だと言う事を、レグルスも自覚していたのだろう】
【ただし。レグルスも結局は「若い男」である。その照れや言葉の跳ね方に、若干の下心が覗きかけているのが、もしかすると分かるかもしれない】

……いやホント、助かりましたよ……色んな意味で
(……さっき、確かにマリアさんの中に、影が見えた。この聡明な方が? ……何か、あるんだろうよ……間違いなく)

【運動後の水分補給に留まらず、急激な興奮を鎮める作用も果たしてくれた。レグルスは本心からマリアに水の礼を言う】
【コレがなかったら、より一層レグルスは平常心を失い、ひょっとしたら情けない醜態をさらしていたかもしれないのだ】
【――――落ち着いた心は、先ほどのマリアの表情について、思索を巡らせるだけの余裕を確保できていた】
【今は話が流せそうもないが、どこかで聞くべきタイミングかもしれないと、静かに決心する。レグルスの方でも、話さなければならない事はあるのだ】

えぇ……あれ以後、身体は健康そのものでさぁ。見ての通り、大分元通りに復調しましてねぇ。もうそろそろ、一発誰かと殴り合いでも出来そうな状態ですよ!

【レグルスの身体は、その体躯も含めて健康そのものだ。先ほどの動きも、既に実戦にでも出られそうな、パワフルな物だった】
【――――そうした物騒な言葉を使う事は、マリアには良くないだろうと、分かってはいる。だが、今はそれだけの気構えを見せなければならない。それだけの効果があったのだと言う事を】

>>577-578

え、ぇぁ……ッ?

【――――そんな中、微妙に牽制し合っている2人の様子に気付いて、レグルスは思わず掛ける言葉を見失う】
【当然、こんな状況に、しかも当事者として巻き込まれる事は初めてだ。今後はレグルス、完全に動けなくなっていた】
580 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/10/10(土) 23:29:02.95 ID:C9aNKQ6fo
>>578

【沫雪の淡さに似た肌の色、絵画に出てくる作り物のお姫様みたい】
【繊細さでできたその形、少しでも強く触れれば崩れてしまいそう】
【沙雪の切なさのような、少女は微かな声色を紡いで】


……夫って、ことはね、旦那さんがね、いるの?


【興味の色が強く出た、レグルスの肩越しにぐーって顔を出して貴方を覗く】
【その瞳に映る表情、高貴に目を輝かせる子供の顔】
【それよりもきっと、羨望の眼差しが近いのだろう】

【綺麗な人、と思わず心の声が漏れてしまいそうなぐらいに】
【白磁のように透き通る頬、紡ぐ声はさえずりのように柔らかで】
【大人の魅力と知性にあふれた姿はそれこそ、聖母のように思えたから】


ソニアはね、ソニアっていうの、ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ
お姉さんの名前ね、なんていうの?


【一枚一枚辿るように紡ぐ言葉、辿々しい音律が貴方に響いて】
【小首を傾げた、長い髪が揺れて、宵月に照らされる】
【柔肌が頬をかすめて、すりすりと心地よさそうにあくびを一つ】


>>579

【体越しに貴方のぬくもりを感じる、不思議と安心感が彼女を包んで】
【天然なのか小悪魔なのか、貴方の焦りには気づけ無いけど】
【それでも確かに伝わる感情は、貴方と過ごした長き日を想起させる】


うん、それもそうなの、ソニアもね、レグルスのお顔、もっとみたいの


【ちょこん、と軽やかに貴方の背中から降りて、前に躍り出る】
【両手を後ろで纏めて、長い髪がふわりと貴方の視界を一瞬覆うぐらい】
【そうしたなら身を翻して、目を細める微笑みが表情を揺らす】

【以前と変わらぬ小柄な少女の姿、どこまでも真っ直ぐな青い瞳】
【マリアとレグルスの間に丁度挟まれる形で二人の顔を見合う】
【額をくすぐる前髪をくしゃくしゃとかきあげながら】


?レグルス、熱でもあるの、顔すっごく紅いの


【翻弄された貴方の様子に気づいたのか、目尻をとろんと濡らして】
【一歩近づいたなら、両手を伸ばすだろう、貴方の頬に触れようとして】
【雪細工のように冷たい両手、ひんやりと溶けていくみたいに】
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/10(土) 23:44:25.72 ID:MGqURHfc0
>>570
「ですが…………」

【最近は寒くもなってきた。宿があるならば話は別だがもしも無いのであれば――――】
【其処まで言う事は無く、言葉を終え。何か言いたげにするも、結局は其処で終えるのだろう】
【確かに魔を封じる所ならば、彼女とて居心地が悪いはずだからと納得した事もあるのだが】

【やがて道を示したならば、その場を後にするであろう魔女の姿を見送る事となる】
【本当にコレで良かったのだろうか、と自問自答するも答えは分からず】
【やがてその姿が完全に闇に消えた事を確認したならば、何かを決めたかのように城への帰路を辿り】


【さて、示された場所はこれまた別な森。そして、感じ取れる魔力は“2つ”だ】
【一つは言わずもがな、純粋な“炎”。まるでその魔力の塊が森の中心に潜むかのようで】
【もう一つは“風”だ。双方共に混じりの無い純粋な魔力だからこそ、容易に分かる事】
【更に歩を森の奥へと進めたならば、やがては湖に辿り着く事だろう。月が湖面に映る様は幻想的と表すに相応しく】
【――――湖を挟んで向こう側。幼子が一人、水辺で遊んでいるのが見えよう。修道女曰く火の精霊は子供。ならば、その幼子で間違いはあるまい――が】


「こんな所に朱璃ちゃん以外の客人なんて珍しいねぇ。キミ達若者が好きそうなげーむせんたぁーだとか美味しい物を出してくれる店とかも無いんだけど良いのかい?
まー俺としても退屈していた所だからキミみたいな美人さんが迷って此処に来たなら正しく僥倖だけど
そうそう、後は不自然に風が吹いてブァーっと服を捲り上げてくれたなら言う事無し。美人さんのパンツの一枚二枚見れたらもう昇天しても後悔は無いね……っと」

【不意に抜き抜けるであろう風。気付けば背後に感じる気配】
【――――魔女たる彼女ならば、其れが此処に存在する“風の魔力”を持つ者であると察知するのは簡単であろう】
【だがしかし、声は腰よりも更に下の位置から聞こえる。振り返ってみてみたならば……明るい緑色の髪の青年が一人しゃがみ込み、魔女のローブを下からこっそり捲り上げようとしている所】
【所謂、覗き。その浮かべる笑みの意味は言わずもがな。加えれば、しゃがみ込んでいる事から丁度蹴り抜き易い位置に顔が存在しており】
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/10(土) 23:59:30.63 ID:Kfxlm7iZo
>>581

私が気にしなくていいと言ったならその通りになるから大丈夫よ
だから気にせずにね、そしてこれから色々あるだろうけどお元気でね狐の子

【互いの名を知らぬまま、人生は長くならばそういう間柄が生まれるのも当然】
【だが魔女はどこか逃げるようにその場を去る、或いは少女の人柄が魔女にとっては眩しく】
【それでいてこんな自分にはそれが甘い毒のように思えてしまったから……】


【さて、場面は変わりまた別の森へと】
【湖畔を称えるその森はどうやら目当ての精霊とはまた別の何かもいるらしい】

(――――――――……ん、何かしら……)

【自分の性質と似たような感覚とは別のもの、視界の先にいる幼子とはまた違うモノ】
【或いは精霊を狙う者だとしたらなば、まあ森の一つや二つくらいは世界の利益の為に潰すのは厭うまい】
【今更燃やした物の数が増えても知ったことでもない】

【そんな密やかな決断に誘われるように風が吹く】
【流れる髪が鬱陶しい、そんな考えに水を差すように気配と言葉が溢れている】
【煩わしい、そう思ったならばまた眉間の皺が主張を始める】

――――――は……?ああ、死にたいのそうなのね……

【宿す力が熱なれどこの時ばかりは冷たい視線で風を纏う何者かを見下ろす】
【何をするものぞ、言うまでもないが自分の沸点は異様に低いし直情的で感情が昂ったならばそれだけ魔翌力の質と量も上昇する】
【そんな場合はやってしまうべき時だと考えている、そう丁度今のようなタイミング】

ご愁傷様ァ!!

【着火、魔翌力もとい焔を纏う右脚に躊躇いは無いというか要らない】
【個人的にではあるがこの類のイキモノに遠慮していてはこちらにとっては不利益でしかないと思っている】
【その子憎たらしい笑みを浮かべる頬に向けて過剰ともいえる炎熱の蹴り抜きが襲い掛かる】

【綺麗に決まったなら魔女はそれはそれは嬉しそうに清々しそうに笑みを浮かべるとかなんとか】
583 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/10(土) 23:59:47.98 ID:7cPTRfZJ0
>>579

【なんだかんだ言っても、レグルスだってまだ若い男性。少女に抱きつかれた状態で女性と会話するなんて、照れないわけがない】
【本人は「大切な相棒」と言っているけれど……なんだか、それ以外の感情も若干混じっているような気がして】
【まあ……こんなに可愛らしい女の子がこんなに親しげに抱きついてくれば、そりゃあ下心の一つも覗くだろう】
【少女――ソニアの方は、もうこれでもかというくらいにレグルスを慕っているみたいだもの】

【……そうこうしているうちに、ソニアは微笑みとともにレグルスの頬に手を伸ばす】
【きっとレグルスは赤らんでいた顔をさらに真っ赤にして照れるであろう。そんな光景が容易に目に浮かべられる】
【……もしかして、勘違いでもなんでもなくレグルスはソニアのことを意識しているのだろうか……?】

【ともかく、その様子ならきっと大丈夫だろう。治療に携わった者としても一安心だ】

ええ、そのようですね。それだけ元気があれば、もう大丈夫です!
……そうでした、一つ聞かねばならないことがありました。
―――その後、進む道は決まりましたか?ずっと、その事が気がかりになっていたもので……

【体の方は大丈夫。そうなると、次に気になるのは彼の進む道】
【仕方が無いとはいえ自分の治療の影響で元いた場所を破門となった彼を、マリアはずっと気にしていた】

>>580

【少女の儚さとは対照的に、この女性にはどこか凛とした強さを秘めていて】
【それでいて、表情には安らかな優しさも含まれていた。そんな二面性のある彼女は】
【さざ波のような、穏やかな声で問いに答える。】

ええ、そうですよ。―――ほら、ね?

【興味を持って覗き込んできたソニアに、左手の薬指に嵌った指輪を見せてあげる】
【左手の薬指に嵌った指輪。その意味は、彼女が結婚しているという事であり】
【それから名前を問われると、微笑みとともに自分の名前を教える】

ソニアさん、ですね?私は、マリア・シャリエールと申します。
ふふっ―――貴女にも、旦那様にしたい人はいるのですか?

【結婚という言葉への羨望の眼差し。それなら、ソニアにも結婚したい人がいるのかな、なんて】
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/10/11(日) 00:21:04.60 ID:Gl3G6klj0
>>580

――――やっぱりだ。元気そうで良かったよソニア。相変わらず、良い笑顔じゃないか!
(……そうだ。可愛いよな、ソニア……それだけじゃねぇ、とっても、綺麗、なんだよな……きっと大人になったら、目の覚める様な姿になってる……
 本当、生きて、幸せを掴んで欲しいもんだよ。こんな子ならよ――――っ、まだ正気じゃ無ぇのか俺は……ッ!)

【ソニアと視線を合わせる為に、わずかに姿勢を低くしながら、レグルスも笑顔を覗かせる】
【――――こうして再び会えたのも、共に生き抜いて来られたおかげだ。それを思うと、尚、自分が今生きている事を良かったと実感できる】
【刹那、思わずレグルスもポーっとソニアの顔に見とれる。可憐さと美しさを同時に備えている様な、そんな風に映っていたのだ】
【今までだって、それは十全に理解していた。ただ、今は先ほどの一事があってか、より「意識してしまう」様なのである】
【それで、まだ自分は落ち着いていないと言う事に気付いて、レグルスはいい加減、自分の胸中に喝を入れる】
【――――なんだかこのままでは、本当にソニアに惹かれてしまうのではないかと、そんな予感がしていたのだ】

ぇ、っ……そ、そうか……ッ? ぅ、ぁぅ……それは、だな…………お前が可愛いからだよ、このッ!

【そうしてレグルスは己自身との、人知れず、情けなく、ある意味では強大な戦いを繰り広げていたのだが】
【ソニアの言葉はそんな事情をお構いなしに心の中に染み込んでくる。「凄く紅い」と言う事は、まだ誤魔化し切れていないのだと言う事】
【何とか誤魔化そうと思っていたら――――火照った身体に心地良い、ソニアの手が触れてくる】
【心は、既に引き締まっている。頬が、不必要に引き締まりそうになる。だがそれは、自分の緊張を今度こそさらけ出す様なものだ】
【何とかしなければ――――レグルスは、逆に攻勢に出る事にした。ソニアの頭をサスサスと、子犬に対してそうする様に、髪の流れに沿って撫でる】
【髪を乱さない様に――――それを、女性は嫌うものだと、どこかで聞いていたから――――注意しながら、自然の中に不自然を隠そうとする】
【注意しながら、しかし力強さを伝える様に。敢えて冗談めかして本心をそこに溶かしこんでしまおうと、レグルスはソニアの頭を撫で続けた】

>>583

【――――マリアは知っているだろうか。男と言うのは、こういう形で興奮を煽られると、割合簡単に流されてしまうと言う事を】
【男心の悪戯な恋と言うのは、そうした性質から出てくるものだ。それは、軽はずみだろうと本心だろうと、大きな違いはない】
【ただ、レグルスが自制心を発揮しようとしている。まだレグルスには、軽はずみな気持ちが少ない、真っすぐにソニアと向き合おうとしているのが分かるだろう】
【それが、兄の様な感情なのか、それとも恋心の類なのかは――――恐らくレグルス自身にも、分かっていないはずだ】

ぁ……そうだ。その事を、次にお会いした時から、話そうと思ってたんでさぁ……

【マリアから、自分が話そうと思っていた話題を振られて。レグルスはようやく、いつもの――――それでいて、マリアが初めて見る様な、研ぎ澄まされた表情を見せる】
【真っすぐにマリアに向かい、片膝をついて頭を下げる――――誓いや、忠心を示す類の所作である】

俺には今、進むべき道がありやせん。身体を鍛えながら、その事から半ば、目を逸らしてた様な気さえします……
けど、いつまでも留まってはいられません。――――マリアさん、この俺に、あなたの元で学ばせては、くれませんか……?
――――字を読むのがやっとの、無学の体力馬鹿で、それは今もさほど変わりませんが……新しい道に、自分を進めてみたいんです……
ただ、1つ気になるのは……マリアさん。なんだか疲れてるんじゃないですか? ……何か、あったんでしょうか?

【自分を支える柱の1つを失って、レグルスはその事から目を逸らす事もあって、身体の鍛錬に集中していたと、己の弱さを告白する】
【そしてその上で。かつてマリアの進めてくれた『教会魔術』の道を学びたいと、マリアに対して頭を垂れた】
【――――明らかな肉体派で。確かにインテリジェンスな世界とは縁の遠そうなレグルスだが。その決意は、少なくとも本物の様だ】
【そして。これも1つの機と見て、レグルスは先ほどマリアに感じた違和感を口にする】
【何か、マリアの胸中に影となって差している事がある様な気がした。それが、自分に話せる事なら、話して欲しいと――――恩人として、恩に報いたいと】
585 :ソニア ◆zO7JlnSovk :2015/10/11(日) 00:28:59.39 ID:vZaf3HcIo
>>583

【宵月が頬明かりに満ちて、墨染色の空を紡ぐ】
【転巡りの世界の合間、呼吸する際の終の音に似た】
【陽だまりと陽だまりの間の時間、心地良い木漏れ日を浴びて】

【のびをする小さな愛玩動物にも似て】


わぁ、すごいの!結婚指輪、なの
マリアって、いうの、よろしくなの、マリアお姉さん


【向き直る少女の表情、左手の指輪を見て感嘆の声を漏らす】
【きっとあまりそういう人に出会ったことはないのだろう、だからこんなにも興味津々で】
【愛す人の導にも似た、指差す先の形を辿る】

【マリンブルーの水面に波が起きる、好奇心は少女の鼓動を早める】
【やがて凪が来る前の、激しい嵐みたいに、溢れんばかりの興味を見せて】
【そうしてようやくはやる気持ちを貴女へと伝えたくて】


……うんとね、ソニアまだ、子どもだからね、分からないの
今は、レグルスみたいなね、仲間や友達で、十分なの

――――――でもね、ソニアがね、大きくなったら
すっごく素敵な人とね、結婚したいの


【質問に対して、少し悩むような表情を見せる】
【だってずっと、そんなこと考えたことも無かったから】
【それでも、えっとね、と冠詞をつけて辿々しく言葉をなぞる】

【ゆっくりと心の中を吐露する、深く積もる雪のように】
【ちょっと恥ずかしげにテラたように笑う、口にだすのは凄く照れくさいけど】
【ほっぺたを赤くして、紡ぐ言葉は、どこか落ち着いた響きのままで】


>>584

【レグルスの大きな手が彼女の髪を撫でる、ふわふわと羽毛のような髪の感触】
【心地良さそうに首を伸ばす、縁側で眠る子猫のように】
【長いプラチナブロンドの髪、此処じゃない世界で生まれた彼女の特権みたいに】


ぁ、ありがとうなの、レグルスに言われると、凄く嬉しいの
……でもね、恥ずかしいからね、あんまり大きな声でね、そのね……


【可愛いと言われて嬉しくないはずがない、でも】
【頬に赤みがます、新雪に零れる朝焼けにも似た赤みが】
【それが彼女を包んだなら、耳まで真っ赤になって】

【あたふたと視線が泳ぐ、どうしようなんて言い出したげで】
【それでもまぶたを閉じて、撫でられる手の感触に身を委ねて】
【気持ちよさそうに目を閉じる、なでしこのような耳が揺れる】


レグルス、お勉強、するの?


【マリアへの言葉を聞いて、きょとんと首を傾げる】
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/11(日) 00:31:14.94 ID:UN+F4M540
>>582
「多少人生長く生きていれば少しの楽しみくらい無いと生きている意味が分からなくなってきてねぇ……
久しぶりのお嬢さんだし少し位目の保養をした所で悪い事じゃn――――――ンゲラァッッッッッッ!!!!」

【見事に蹴りは当たり、奇妙な断末魔と共に轟沈】
【顔が歪んだかと思った刹那、まるで柔らかい地面にめり込むかのように倒れ伏し】
【ピクリピクリと痙攣している事から考えて悲しいかなまだ命は残って居る様。まあ、この類の者はしぶとい……なんて事は多く】


「お、お嬢ちゃん……初対面な人に対していきなり遠慮の無い蹴りを浴びせるのはちょーっと酷いんじゃないかい……
そして人を蹴り殺しそうになりながら笑うなんて……嗚呼、でもそう言う子も良いねぇ……
別に下着の一つや二つ減る物じゃ無いし良いじゃ無いか。もし減るならほら、代わりの物あげるしキミが恥ずかしくても俺は気にしないし」

【そして、この手の者は回復も早い。晴れ上がった頬を撫でながら立ち上がれば、苦笑にも似た笑みを浮かべて】
【其れ等の台詞から、青年の性分も直ぐに理解出来よう。同時に、同情できる様な人物でも無い事も】
【欲しいならお好きにどうぞ、とこれまた殴られそうな台詞を放ちつつも纏う緑のローブから取り出したるは数々の肌着】
【ぽいぽいと魔女に放る様は正に変質者。その言葉が最も合う様な人物であるが――――】


「…………所で、だ。さっきも言った様に此処はキミ達が訪れる様な場所じゃ無い
見ての通り水と木々があるだけさ。魔物が徘徊する事もあるからお世辞にも旅の寝床に向いているとも言い難い

――――……いや。そういう訳でも無さそう、か
キミは少し“似ている”。彼処で気儘に遊んでいる子とね
まさか自分の魔力の質を理解して居ない訳でも無さそうだし、あの子の魔力を感じ取らずに此処を訪れた訳でも無さそうだね
偶に在るんだ。何を考えたか、大凡“友好的”では無い格好をした輩達があの子に近づこうとする事がね
その都度、俺はこう言っている。「止めておけ」――――って。キミにもその忠告をして置いた方が良さそうかい?」

【細くなる視線。元より、魔女の抱く魔力に勘付いていたか】
【警戒の表れでは無い。ただ、言葉の節から良からぬ事を考えて居るならば立ち去れと警告している事も分かる】
【青年と水辺で遊ぶ幼子との異なりは、魔力の性質だけだ。ならば、この青年も又――――】

【不意にざわつき始める森。まるで、風が青年を中心として集い始めるかのよう】
【その先は魔女の答え次第となるのだろう。如何にも軽い男。然れど、その下には何を抱いて居るのか分からず】
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/11(日) 00:44:33.35 ID:IA3cXcKVo
>>586

ちっ、抜かった……まだ生きてるか……

【青年の存命を確認した時、それは心底惜しそうな表情だったという】
【まあ一先ずこちらの溜飲も下がったしこれくらいで終えておいてやろう―――――――】

いや、もうアンタ燃え尽きちゃいなさいよ……人類と世界の為にそうした方が合理的だわ……

【惜しい、一撃で仕留められなかったのが実に惜しい】
【有象無象と投げられる肌着を一切の区別なく灰に変えて、ついでコレも燃やしたいが】
【ふと、彼の視線が変われば魔女は察したように昂ぶりを御し】

風と焔……どっちが優れているかをここで決たいとは思っちゃいないわ
そっちがそのつもりなら私は構わないのだけど、それに無償の奉仕って良い言葉じゃないかしら?
今日日火葬の費用を取らない葬儀屋なんて珍しいと思うわよ――――――――

【止めておけなどと、ならば私の邪魔をするのを止めておけ】
【内包する熱量はただ突かれるだけで喜んでその楔を解けとのたうち回る】
【悪意には悪意を以って返すのが自分の礼儀なればこそ、……悲しいかな今回は出番はないか】

アンタが保護者かどうかは知らないけれどね……
元々襲うとか奪うつもりなら最初からそういう腹積もりでここまで来ているわよ
態々森を燃やさないでここまで来たという行為から判断して欲しいものね……

まあ……目的らしい目的も、具体的なものはないんだけどね
ただ類は友を呼ぶという言葉の通り、それに従ってここまで来た……で満足していただける?

【集う風、それが肌を切りさそうとも構いやしない】
【そもそも人生その物が痛いものであるのだから、傷が増え痛みが増しても微々たるものだろう】
【ならばこの青年はその痛みだらけの人生で、果たして何を見出してあの幼子を護るのか……甚だ疑問ではあった】
588 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/11(日) 01:06:11.97 ID:21CfQaCw0
>>584

どうか、頭を上げてくださいな。―――分かりました。貴方の覚悟、しかと受け取りましたよ。
前にも申し上げた通りでございますよ。貴方が道を進むと決めたなら、私はそれを支えましょう。
……貴女は努力が出来る。積み重なった努力が、いつかとんでもなく大きな花を咲かせるのではないかと……そんな予感がします。

【前に進もうとする彼を、マリアは拒みはしなかった。―――努力し前に進み続けられる彼なら、きっと】
【幾つかあるであろう壁も、乗り切って……その先に大きな何かをつかみそうな、そんな予感がするから】

【―――一方で、彼女の憂いもレグルスには悟られていたようで。師として仰がれたばかりなのに少し情けなくて】
【苦笑いしながら答える。彼女の心に残る、不安の訳を―――】

―――弟子を心配させるなんて、師として失格で御座いますね。
……夫と長い間離れたままなのですよ。もう何か月も……

主人は今、大きな悪と戦っているのです。―――貴方はアーグという名をご存知ですか?
―――アーグは、自らの禁術で復活したゼン=カイマの過去の大司教で御座います。
過去と言っても十年や二十年どころの話ではない……百年も前の、大司教なのです。
アーグは自分の信じる神以外を許さず、異教徒は全て死ぬべきという過激な思想を持っています。
実際、教会や街を次々と襲い……自分と考えが違うという、ただそれだけの理由で多くの命を奪いました。
……現在の大司教である主人は、アーグを止めようとしています。
ただ、一時は体を乗っ取られたりして……長い間、安否が分からない状態だった時もありました。
―――不安になってしまうのです。大切な人が、こんなにも長い間傍にないと……

【彼女の心に差す影。その原因は、ひとえに彼女の夫が危険な境地に居たまま何か月も会えないでいることだった】
【安否さえ分からず、待つことしかできない。偶に、胸が張り裂けそうになるほどに辛くなる時もある―――】

>>585

【女性ならきっと殆どが一度は想いを巡らせる、結婚という出来事】
【世界で一番好きな人と一生傍にいるという、何よりも特別な出来事】
【きっと、その出来事はソニアの心も惹きつけたのだろう。少女の瞳がきらきら輝いて】

―――そっか、大きくなったら……ですか。
ふふっ……大丈夫ですよ。きっと、素敵な人が見つかります。お姉さんが保証します!
だって、あなたはとても魅力的な女の子ですもの。男の子は、こんな素敵な女の子を放っておきませんよ!

【まだ幼いけれど―――いつかきっと、この少女にもその時が来るのだろう】
【きっと、大きくなれば透き通るような瞳はそのままに見目麗しい魅力的な女性になっているはずだ】
【その証拠に、ほら―――今の時点で彼女の魅力の虜にされてかけている男が目の前に一人】
【不思議なくらいに惹き込まれるような彼女の瞳は、きっと素敵な人を見出すはずだ】
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/11(日) 01:12:12.16 ID:UN+F4M540
>>587
【答えに対しての応えは無い。ただ木々がざわめき、まるで嵐の訪れを予告するかの如く】
【ザワ――――一度突風が吹き抜けたかと思えば、集っていた風も失せ魔力も弱まる】
【其れが応えなのだろう。そうか、とだけ一度呟いたなら視線を交わし】


「…………とか何とか言ってみたかったんだよねぇ。なんか漫画で出てくる強者っぽくて格好いいじゃん?
不敵な笑みと共に『ならば試させて貰おう!』とか何とか言いながら襲う展開とかさぁ
又お嬢ちゃんに蹴られるのは勘弁だからやめておくけど」

【これまた軽薄な表情が戻って来る事となる】
【まるで安定しない。それこそ、風の様に素顔を覗かせる事も少なく】
【ケラケラと笑って見せたならば、幼子の方向へと指を指し】


「強気なお嬢ちゃんは怖いねぇ……燃やされたら火傷じゃ済まなそうだから怖い怖い
ほら、行くなら行きなよ。気が変わって俺とデートしたいってなら全然構わないしエスコートしてあげるけど?
予め何か聞いておきたいって言うなら……ま、教えない事も無い

キミとあの子が合うのかどうかは分からないけど……火は火を焦がす事は出来ないのが世の常だからねぇ
少なくとも、互いに焼こうなんて事は起こらないって」

【行くなら行けば良い。その前に幼子について何か知りたいならば、聞けば良い】
【肩を竦めてそんな言葉を吐けば、地面にでも座るのだろう】
【――――どちらを選ぶも魔女次第】

【ただ、幼子の方へと近寄るならば……ある程度距離を縮めた時、其方を見て小首を傾げる姿が確認出来るか】
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/11(日) 01:27:55.66 ID:IA3cXcKVo
>>589

一言だけ言っておくけど、私って軽薄な男は余り好きじゃないから……
まあ……アンタも私も内包する属性に似たように振る舞ってしまってるだけかもしれないけど

【その自分の細部を晒す事になんら意味を感じはしない】
【趣味というのは数あれど露悪趣味は文字通り最悪だ、好ましく思わないのは喩え青年とて同じだろう】
【集っていた風が散ったならばそれと同じようにするだけだ】

ああ、それに私より弱い男はもっと嫌ね。デートもエスコートも全て私を倒して殺せるくらいなら考えてもいいけれど
――――――――……ほらね、冗談に付き合うのも存外体力を使うんだから。

さて……本当の事を喋る前提で問うけれど、彼女はどういう存在なのかしら?

【溜息は仕切り直しとして、ならば問うは精霊と呼ばれる彼女について】
【その来歴はその力は果たして何故に在り、そしてそれはこれから先に何処へ向かうのか】
【恐らく青年とてその全ては答えられないだろう、魔女でさえ自分の全ては答えられないのだから仕方のないこと】

アンタの事は……次の機会があった時にでもしょうが無いから聞いてあげるわ、じゃあね

【返答があれば聞き入り、終わったならば小さく頷いて後ろ髪を引かれる様子さえも無しに歩き始める】


【くたびれたローブと煤けた背中にはただ陽炎だけが付き纏う、視界の先には少女が居る】
【無垢な焔、比べれば魔女の焔は些か穢れている―――――今更気にするでもないか】

こんばんは……こんな所で何をしているのかしらお嬢さん?

【微笑む事は難しい、いつから難しいと感じるようになったのか紐解くのも煩わしいが】
【せめて少女の前くらいではそれなりの笑みを浮かべられたのならなんて、小さな願いもどこか虚しく】
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/10/11(日) 01:34:16.59 ID:Gl3G6klj0
>>585

…………

【実際に、犬や猫を撫でていると、ついそれが癖になるものだ。レグルスも、心地良さげなソニアの様子を見ながら、知らぬうちに無心にそれを繰り返す】
【なんだか微笑ましいと、親愛の情が覗いてきた。本当に、兄にでもなった様な気分なのかもしれない】

へへっ、どういたしまして! ……ん? ……ぁ…………――――気にするな、誰も聞き耳なんて立ててないから、忘れろ忘れろ!

【どこか誇らしげに答えるレグルスだったが、ソニアが思った以上に自分の言葉に照れてしまい、また自分の声も照れ隠しで大きくなってた事に気付く】
【2人して照れているこの状況が、非常に気不味い。そして、不思議に気持ちが同調してしまっているこの状況が、何よりアブない】
【ソニアはともかく、自分はこんな状況では、無意識の勘違いが増長しそうだ――――こんな時は、半ば台無しにしてでも、状況を洗い流す事だ】
【――――髪を撫でていた手を、ソニアの首へと回すと、首筋をこちょこちょとくすぐりだす。単なる稚気を持った戯れと言う事にして、今度こそ誤魔化してしまおうとしたのだ】
【無理やりソニアを破顔させてしまえば、良くも悪くも台無しになってくれるだろうと、レグルスは踏んでいた】
【――――そんな風にしてソニアに触れようとしている事自体が、悪戯な心の表れだと言う事に、幸か不幸かレグルスは気付かず……】

……………………

【一方で、マリアの問いに答えるソニアの言葉に、レグルスは何とも言えない表情を見せる】
【それは、ソニアの「仲間」と言う言葉に込められた思いを、既に知っているからで。また、素敵な人と巡り合いたいと言うその言葉には、先ほどの感慨も重なる】
【そう言う巡り合わせがあれば、きっとソニアは幸せになれるだろう。そうなれば、自分も嬉しいのだ――――と】
【やはりその感情は、親愛の情に近いものがあった――――その一方で、レグルスはどこか安堵の表情も見せた】
【何か、特定の名前が上がらない事に、ホッと安堵したのだろう。だが、自分の名前が呼ばれたりした日にはどうなっていただろうか?】
【――――安堵9割、落胆1割と言ったところだろうか。その程度には、男の本性は期待を混ぜてしまう。情けない性(さが)である】

――――あ、あぁ……俺が魔術師なのは知ってるだろ?
それでな……新しく、マリアさんの元で、今までとは別な魔術について、学ぼうと思ってるんだよ
俺だって、新しい事に挑戦していかないと……って訳だ
マリアさんはな、実は凄腕の魔術師なんだよ。俺の学んでた魔術とは別の魔術でな……それで、俺もそこで学ばないかって、誘ってくれたんだ
結構悩んだんだけどよ……俺も、そうするって決めたんだ

【そうした、異性に免疫のない男の、哀しくも可笑しい奮闘とは別に。レグルスはソニアの問いに答える】
【ソニアは、マリアとは今回が初対面の様だ。なので、レグルスはそこから説明を始める】
【レグルスとソニアは、1度戦場で背中を預け合った仲で、既にレグルスの魔術も知っているだろう】
【マリアは、そんなレグルスが師事したいと頭を下げるほどの、高位の魔術師であるらしい】

/続きます
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/10/11(日) 01:34:29.44 ID:Gl3G6klj0
>>588

――――ありがとうございます。……よろしくお願いします――――『師匠』

【真っすぐに、仰ぎ見る様にマリアの顔を見据え、そして『師匠』と呼んだ。何か暑苦しい様な感じがするかもしれないが、レグルスにはこれが自然だった】
【――――かつて、棒術を学んだ時、アルベルト流魔術を学んだ時、いつだって師匠は師匠と仰いできた】
【恩人としての尊敬と畏怖の対象だったマリアは、そのまま師匠としても、尊敬と畏怖の対象となったのだ。これがレグルスにとっての、取るべき礼儀だった】

……旦那さんと、離れたまま……?
――――っ、そんな事が……――――くそ、知りませんでしたよ。己の事ばかりに、かまけ過ぎましたね……!

【マリアの心情の吐露を聞いて。レグルスは驚きと、自分自身に対する歯がゆさを表情に滲ませる】
【鍛錬ばかりにかまけていて、世の中にその様な脅威が迫っていると言う事など、まるで把握していなかったのだ】
【禁術を操る、死から蘇った男。既に多くの人を戮していたと言われると、それも道理だろうと頷ける】
【そうした力を振るわれれば、大変な事になるのは容易に想像できる。そしてそれは、実際に起こっている事なのだ】
【――――レグルスはそれを、何も知らなかった。そして、正にその危機的状況に、マリアの親しい人――――否、大事な人が巻き込まれている事を、知らなかったのだ】
【――――何が恩返しだと、レグルスは己の不甲斐無さを呪う】

――――アルクから聞きました。あなたは孤児たちを世話して、その上に旦那さんも支えていたんでしょう?
……となると、そんな弱音は、どこにも漏らせなかったはずだ……それを隠して過ごしてきて、そりゃ、疲れますよ……

――――俺で良ければ、微力ながら、力になります……!
酒は……ダメか。じゃなくても、そういう弱音なら、俺が受け止めます……旦那さんの事、誰に話せなくても、俺なら良いでしょう?
旦那さんの為に、戦いの形で力を貸してくれって言うなら、喜んで行きますよ……!
既にあなたには、死にかけた命を救われたんだ。……旦那さんの事、心の底から悩んでるはずです。最悪の事になれば……耐え難い苦痛となるでしょう……
そこに力を貸すのは、俺にとっては当たり前で、大事な事だ……!
――――何でも良い! どんな形でも良いから……頼ってください、この俺を

【――――レグルスの言葉は、淀みなく流れた。「酒飲んで不安を吐きだして〜」と言おうとして、以前深酒をマリアに――――ソニアにも――――咎められた事を思い出したりもしたが】
【恩人が、そんな苦境を抱え込んでいたとなれば、レグルスにとっては到底放っておけない話だったのだ】
【戦力として力になる事も出来る。心を支える形で力になる事も出来る。例え難題を言われても、そこに努力する事は吝かじゃない】
【――――レグルスはハッキリと、この一事においてマリアに恩を返さなければならないと、自覚したのだ】

【――――もう、返し切れないほどの恩を受けているのかもしれない。なら、どんな形であれ、マリアの力になるのは、自分の為でもあるのだ】
【見たままの、力強さをその言葉にも湛えて。レグルスはマリアに、自分の決意の程を述べた】

/すみません、そろそろ限界です……置きレス移行、お願いできますか?
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/11(日) 02:04:13.51 ID:UN+F4M540
>>590
「いやあ、手厳しいね。俺は子供と美人さん相手には手を出せないからさぁ
でも逃げるのも得意だし?キミが疲れ切った時にデコピンの一回でもお見舞いできれば俺の勝ちって事なら何とか……」

【真面目な表情でそれを呟くのだから可笑しな話だが】
【結局は、その言葉とて偽りの可能性が大きいのだろう。本当に手を出せないならば、先ず攻撃の予兆を見せる事も無いのだから】
【そして彼女とは何か、と問われれば特に思案する事も無く】


「キミは大体の事を理解しているからこそ、此処に来たんだろうから。俺が補足するのは、少しだけ
あの子は炎の化身。精霊の一人だ。尤も、精霊なんてのは唯一の存在じゃ無い――――探してみれば、案外変な所に居るものさ

そして、あの子の性格は火の原始に近い。害を為すこともあれば恩恵を与える事もある
人間の良い友であって、大敵でもある。火の恐ろしさについてはキミ自身の方が俺よりも理解して居そうだ
命を宿し、命を奪う。あの子が子供の姿なのは色々な要因もあるけど――――……一つに、天真爛漫と言う意味合いを持っている
火は在るだけさ。何にも捕らわれず、自分の好きなように燃えさかっているだけ。完全に制御するなんて事は出来やしないからね」

【答えは単純。彼女は焔だ、と】
【全てを焼き尽くす事もあれば多くを救う事もある熱。気紛れで、実体を持たない】
【炎と同じく制御の出来ない存在。それが彼女だ――――と】


「えー、俺については特に話す事が無いなぁ……
と言う訳で、次に会うことがあればキミについて根掘り葉掘り聞かせて貰おうか
趣味とか好みのタイプとか色々?こうして会えたんだから何かの縁だと思って親睦を深めるのもそう悪い事じゃ無いっていうか」

【最後まで、軽薄な調子は変わることが無かった】
【何処までが本気で何処までが偽りか。適当に手をヒラヒラと振って見送り】
【もし、少し経ってから一瞥したとしたならば。青年の姿も、魔力も失せていて】



『ん、と……。こんばんはっ!』

【ぱちくり、と瞬きを数回。まるで人の形を成しただけの焔が其処には在るようで】
【少し遅れてから挨拶を返したならば、笑みを向けるのだろう】
【――――纏うのはボロ布に近い物。然れど、本人は其れを気にした様子も無く】


『魚取り!ここね、一杯住んでるから沢山取れるんだよ!
お城のみんなにあげて、褒めて貰うの!
後ね、さっきまでわたしのお友達が居て…………』

【確かに、其処等には無造作に置かれた魚。全部で十数匹であろうか】
【道具も無く素手で全て取ったというのだから野生児顔負けであるけれど】
【――――その内の一匹を手に取れば、魔女へと近寄るのだろう】
【『これ、あげる』その言葉と共に差し出されたのは一匹の魚】

【取るも良し、取らぬも良し。何れにせよ、魔女を見遣る視線は不思議そうで】
【確か先程の青年は余り此処に人は来ない、と言っていた。だからこそ、少女に取っても人間が此処に居る事が珍しい事なので在ろう】
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/11(日) 02:16:04.82 ID:IA3cXcKVo
>>593

(天真爛漫、か……)

【焔に意志は無くただ燃え盛るのみ】
【知っているし理解している、だからこそその精霊と呼ばれる少女を尋ねた】
【その身に燻る焔に焼きつくされてやしないかと】

全部1人で獲ったの、凄いわねアナタ……

【そんな一方的な心配は無用だった、ここに居るのはただの少女】
【他人から褒められてそれが嬉しくてもっと役に立ちたいと努力する無垢な者】
【いつか自分にもこんな時代はあったのだろう、今や遠い記憶であり……】

ん、ありがと……―――――――
私は魔女、名前はカズネというのだけど……アナタのお名前は?

【魔女の身分であるからには少女には関わらない方が良いのだろう】
【青年が自分を引き止めたのも今は頷ける、何よりも先程の狐の子もこの少女も些か眩し過ぎる】

【無垢な施しを努めてにこやかに受け取り、礼とは言わないがそうっと頭を撫でる】
【少女が精霊というならば肌を介して魔女の魔翌力の性質も感じ取れるか、その人の業たる焔を】
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/11(日) 02:33:06.86 ID:UN+F4M540
>>594
【頭を撫でられれば嬉しそうに眼を細くするのだろう】
【修道女が言った子供は好きか、との台詞。それは少女の性を示す言葉であったか】
【炎と子供と。或いは似通った所もあるのだろう。礼を述べられれば、こくりと頷いて】


『朱璃。あのね、いっさが付けてくれた名前なの
それまでは名前も無くて、色々呼ばれてたんだよ?
せーれーとか、厄とか、何か変な名前ばっかりだった!』

【そして、恐らくは自身が精霊と呼ばれる種族で在る事にも気付いては居ない】
【生まれて間も無い、か。それとも青年が話していない何かがあるのか】
【そうして頭を撫でられる心地よさを堪能している内に、一つの事に気付いたのだろう】
【この魔女もまた、自分に似ていると。すんすん、と鼻を鳴らして魔女の匂いを確かめたならば何処か嬉しそうにして】


『ねえねえ、カズネ。カズネも火が好きなの?
あのね、カズネから私と同じ匂いがする。暖かい匂い
それとも、カズネもわたしと同じせーれーって呼ばれてるの?』

【嫌がる事が無いならば小さな手を伸ばして頭を撫でる手に触れたり、無遠慮に顔をペタペタと触れるのだろう】
【魔女の持つ熱を確かめるかのようで、じゃれるかのようで】
【人よりも幾分暖かな体温。この時期ならば、それも心地よい温かさとなろう】
【――――魔女の抱く焔が何にせよ、少女からすれば同類。だからこそ、嬉しそうな表情を覗かせて】
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/11(日) 02:55:11.00 ID:IA3cXcKVo
>>595

朱璃か、よろしくね……?

【小首を傾げ少女の表情を伺いながらその言葉に耳を傾ける】
【「厄」……或いは人にとっては精霊という存在は厄とも取れるのだろう、勝手な話だ】
【自分に利益があれば崇め奉り、不利益となれば汎ゆる罵声を浴びせ貶す】

【だが、幸いにも今に至っては少女は幸せの中にいるのだろう】
【その無垢さに陰りは見てとれず、ほっと胸を撫で下ろすのは昔の自分の姿を重ねてしまったから】


さあ、どうかしらね……焔はただそこに在るだけなのだし気にするべきでもないかもね
風だって水だって、人間が利用し始めるずっとずうっと前はただ好きなようにそこにあっただけだもの
朱璃、あなたは焔が好きなのかしら?疎ましく思ったりは……ああ、嫌だなーって思った時はないかしら?

【現象は現象でしかない、そこに意識は介在しない筈だ】
【それに意味合いが与えられたのは知恵を持った霊長が現れたから、神でもなしに物を利用する愚か者共】
【伝う少女の温もりが出来れば何者にも触れ得ない物であるようにと想うのは罪深い事だろうか】

ううん……私は精霊ではなくて魔女、簡単な言い方をしたなら……そうね
偉い人に作られた人の手による精霊……なんて言えなくもないかしら?

【旧きから継ぐ焔、原初の在り方がなんだったのかなど知る由もないが近からず遠からずといったところだろう】
【ぺたぺたと躊躇いも無く伸ばされる掌を取って自分の掌でそうっと包む、激しき焔を宿す者として】
【その温もりは恋しくも遠く、そして得難く……魔翌力によって稼働する心臓/炉心が小さく鳴く】
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/11(日) 03:20:09.39 ID:UN+F4M540
>>596
【人とは違う。差別も無く、軽蔑も無く。ただ在るだけなのだ】
【聖人であろうと罪人であろうと焔が与える温もりは皆同じ。其処に差異など存在する由も無い】
【焔は焔で在り、それ以外の何にもなることは無い。例え人の形をしていても、其れは同じ事】


『んー……無いよ?
だって暖かくて気持ちいいんだもん。寒いときだって、火があれば大丈夫だよ
みんなは怖いものだって言う人も居るけど……でもね、わたしは違うの

暖かいのは優しいことだって、桔梗も言ってた!
だから、わたしは火が好き!カズネも暖かいから、優しい人だって分かるもん』

【暖かいこととは、温もりを与えられる事は優しい事だと聞かされたから】
【だから、こうして暖かな魔女も優しい人物なのだと恥ずかしげも無く言えるのは幼さ故なのだろう】
【隠す事無く告げる言葉は無垢。ただ真っ直ぐであって、純粋であって】


『まじょ……?ん……じゃあ、カズネもわたしと一緒なんだねっ!
わたしね、一緒の人が少ないからカズネがわたしと似てて良かった!
友達は、少しだけ居るけど……でもね、みんな少しだけ違ってて…………

カズネは、わたしとお友達になってくれる?
えっとね……お話とか、遊んだりとか…………』

【包まれた手。暖かい、と零したのは自身とはまた違う熱源に触れたからだろう】
【先程の人物が風の精霊ならば。そして、幼子の言う数少ない友達の一人ならば】
【また別な精霊達とも僅かに交流はあるのだろう。そして、異質な存在故に友達と呼べる者も少ない】
【人とは生まれが違うのだから、家族と呼べる者も居ない。今は孤独では無いにしても、其れが未来では分からない事】

【城の中という少ない交流範囲。とは言え、その者達に魚を持っていこうとするのだから良くはして貰っているのだろう】
【魔女を見る視線には、珍しくも若干不安の色が混じり】
【稀に見る自分と同じ様な性質を持つ者。まるで真似をするかのように魔女の手を精一杯包んだならば、肌を焦がすことの無い焔が温めるか】
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/11(日) 03:55:25.53 ID:IA3cXcKVo
>>597

そう、そうね……

【暖かさとは温もりとは、優しさだとこの少女が言ったならば頷けてしまう】
【そうだろう、少女の身体には熱が流れているのだそれを温もりと言わずして何を温もりというのか】
【そして同じ熱により導き出された者であるならば喩え自分だってそれが宿っているならば、これほど嬉しいことはない】

【ただ、ただ頷くしか出来なく歯痒いがそれでもほんの少しだけは……】

ええ、私でよければ喜んで一緒にいさせて貰うわ
似た者同士で仲良くして、一杯遊んだりしましょう……?

【お互いがいれば自分の熱に焦がされる事なくこうして温め合う事が出来る】
【幾ら求めても届かないもの、魔女は或いは初めから人間として生まれてさえいなかったのならば】
【少女のような存在にもっと早くに出会えていたのかもしれない……そんな得にもならない空想】

【囚われる程に、自分は弱くないと鼓動を高く鳴らし】

599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/11(日) 04:24:51.87 ID:UN+F4M540
>>598
【良い、と言われれば不安げであった視線など一瞬で消えるのだからやはり子供】
【尊大な態度は無く、ただ明るく『ありがとう』とだけ告げて】
【死神と呼ばれる女が見ていれば魔女に対して「らしくない」とでも笑ってからかっていたか】


『カズネ、あのね…………』

【何かを告げようとして、やはり何でも無いと頭を振り】
【以前白髪の青年に行った“くらべっこ”。其れも少女からすれば遊びの延長】
【――――であったが。魔力に抵抗力を持たない者からすれば致命ともなる行為。況してや、精霊の魔力となれば】
【誰かに言われた事を思いだしたが故、その言葉を閉ざし】


『――――……うん。カズネと沢山遊びたい
何時か街とか行ってみたいの!わたし、お城以外に人が多い所は余り行っちゃダメって言われてるから……
でも、本には人が沢山居る場所には面白いのも沢山在るって書いてあったよ?
一人で行っちゃダメでも、カズネと一緒ならたぶん……
後ね、沢山本を買いたい!』

【人が多ければ、それだけ危険が伴う。少女自身にも、街に居る者達にも】
【全てが善良では無いのだから当然と言えば当然の事。それでも、魔女が連れて行ってくれるならば或いは――――と話して居た所】



「客人さまーっ!!」

【少し離れた場所から聞こえるのは子供の声】
【見遣れば水色の狩衣を纏い、犬の耳を生やした少年が駆け寄ってくるのが分かるか】
【客人、とは。辺りに誰も居ない所から考えて魔女を指しているに間違いは無いが……】


「客人さま、客人さまっ!お宿の準備が整いましたっ!
桔梗様から面倒を見て欲しい方が居るとのお知らせを頂き直ぐに準備しましたよ!
あ、申し遅れました……ぼく、封魔城に住ませて貰っている狛と言いますっ

客人さま客人さま、今晩は泊まっていきませんか?
朱璃さまの分のお布団等々もぼくが責任を持って準備致しますので!
何しろ、姫さまから客人さまが宿泊中は主だと思って接待しろとご命令を受けています!」

【桔梗――――恐らくは、先程の狐の事だろう】
【詰まりは、狐が宿泊場所を手配させたという訳か】
【パタパタと揺れる尾はお節介好きの証。精々初等部の高学年辺りの歳であろうが、性格はその通り】
【まだ幼いながらも、客人の世話を一任される程度には腕も立つのだろう】

【精霊はと言えば、魔女を見上げて】
【何を言う訳でも無いけれど、僅かに握った掌は魔女に付いていきたいと言う意思表示】
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/11(日) 04:39:26.27 ID:IA3cXcKVo
>>599

ん……?大丈夫よ、私からしてみれば大抵の事は問題無くなるから
余計な心配なんかどっかに捨てちゃいなさい、お願いが余程間違ってない限りは……だけどね!

【旧く魔女と呼ばれた者は果たして何を守護していたのか】
【人類種としての安寧か、或いは惑星としての安寧か……いや、今はどうでも良いだろう】
【ただ1人の少女の願いを聞き届ける事に比べたならばそんなものは些細な事でしかない】

【喩え少女を狙う者がいたとて傍らに魔女がいたならば関係はない】
【原初の焔を前にして畏怖を覚えぬ生物など存在しないように、やはり魔女にとっては容易いこと】


――――――――……ん?……っ

【響く声、何事かと顔を向ければ……それが宜しくなかった】
【駆け寄る少年の姿を見て「ふぐぅ」なんて呻き声を出した理由は、魔女は一切口を閉ざし語らない】
【ただ時折魔女の少年に対する視線があったという事だけが事実としてある、あるのだ】

え、あっ……うん勿論二つ返事でオーケーよ断る理由無いじゃない?
――――――――…ねえ?朱璃、当たり前だけどアナタも一緒によ?ね、握った手は簡単には離してあげないから

【ふるふると頭を振って煩悩を払う、朱璃の掌をもう一度と握り返し】
【それを応えとして、寝床に案内してくれるならばされるがままにその場所へと向かう】
【狐の少女に言った台詞が脳裏を横切るが、まあ情けないのも人生の一つだろうと1人苦笑いを浮かべ】

/すいません!眠気がそろそろ参りましたので明日に持ち越させていただいてもよろしいでしょうか?
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/11(日) 04:43:49.67 ID:UN+F4M540
>>600
/自分もそろそろ危うかったので助かります……!
/持ち越しの方把握致しました!それでは一旦お疲れ様でありました―!
602 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/11(日) 21:42:54.44 ID:loRTMlCFo
【夜の国・山中】

【浅い傾斜のある森の中。人里からはやや距離のある位置に、深い闇が在った】
【それは人ではなく、かといって巨大な狼だとかの化物でも無く】
【あえて言うならばまさに"澱み"であり、ドロドロとした動く沼のような存在で】

【そしてソレ≠ヘ、一頭の尾の長い銀狼を追いかけていた】
【狼は器用に木々の間を駆け抜けて山を下るが、"澱み"はその木々すらも】
【宛ら津波が全てを飲み込むように、斜面を更地に変えながら猛追を続け】

(――様は継続して侵入者を追跡中。人里まではおよそ8km……)
(……まだ追跡? ……了解、しばらく様子を見る。)

【――更に、その後方100mの地点。つまり銀狼を追う"澱み"の後をつける形で】
【小柄な人影が在った。その者は暗がりに隠れる形で、姿はハッキリと見えないが】
【確かにこの、静かな異空間に存在する人物の一つ――でもあった】
603 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/11(日) 22:25:38.70 ID:IMAR4p08O
>>602
【背筋を撫で回すような悪寒が身体を襲い、それが何なのかを理解するよりも早く消え去る】
【常闇に閉ざされた国でそんな経験をする事は別段珍しくも無いだろうか。だがそれはこんな場所では尚更現実味を増し】
【彼は静かに此方を見つめる巨人の如き木々を見回しながら息を吐いた】

何だよ……何か、いる……?

【濃い灰色の髪に臙脂色の瞳、ファーとフードの付いた黒いコートにアッシュグレイのパンツ】
【一見すればただの旅行客のような青年が何故こんな山奥に居るのかと言うと長くなるのだが】
【一つは好奇心、もう一つは調査と言った所か。だが彼はこの土地に特別土地勘があると言う訳でも無く】
【暗い山中をどうにか踏み分け、進んでいた】

何だよ……気のせいか……?あれは……
狼か……?

【視線の先に見えたのは恐らくは狼、無論こんな森の中でそうも克明に判別できたのは彼の眼のおかげなのだが】
【兎も角、彼は此方側へと駆けてくる狼を少しだけ膝を曲げ身構えながら見据える】

追われてるのか……何が……

【暗闇の中で彼の注意は狼へと向かっており】
【幾ら眼が良いと言っても狼を追う何かを視認できてはいないらしく、そこに腰を屈めたまま待機している】
【距離的には約100m程か、もしすれ違う事があるなら……その先は果たして】
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/11(日) 22:29:57.90 ID:UN+F4M540
>>600
「あのぅ……客人さま?
ぼく、何か付いていましたか?
もしも体調が優れないようでしたら、ぼくがお運びしますが……
大丈夫です、こう見えてもぼくって力持ちなんですよ!」

【見られていると分かれば不思議そうな眼差し。何か自分に変な所でもあっただろうかと】
【狩衣を確かめてみたり耳に触れてみたりとするも結局は原因は分からないまま】
【最終的には首を傾げ、魔女の体調を問うに留まり。もし体調が良くないならば、と安心させる様な笑みで続けて】
【やはり妖怪か、細身に似合わず女性一人を担いで行動するのは容易な事だと】


『――――うんっ!』

【握り返された掌。言葉を聞けば、嬉しそうに頷いて見せて】
【それは子供が信用する大人に見せる表情にも似るのだろう】
【自分に似た友達。なれば、その答えを貰えた事が嬉しくない筈が無く】


『カズネ、おんぶして?
遊んで疲れたから…………ダメ?』

【背負って欲しい。疲れたから、と言うのは嘘であろう】
【ただ単に子供と同じく甘えたいだけ。背負って遣ったならば、その背中に人とはまた違った熱を感じる事となる】
【そのまま好きにさせてやるならば、背に頭を預けてリラックスした姿勢へと移行するのだろう】
【火の妖精は温かさや温もりを好む。ならば、魔女の抱く焔の暖かさもまた】


「さ、お話も纏まった所で早速参りましょう!朱璃さまの捕ったお魚の方は、式神の方に届けさせますからご安心下さいっ!

――――えっと、それで客人さま。何か食べたいお料理等はありますか?
客人さまが滞在している間はぼくが身の回りのお世話を任されているので、何なりとお申し付け下さいねっ
喜んでご奉仕させて頂きますから!」

【道中、向かう宿についての小話が語られる事だろう】
【櫻の源泉掛け流しである温泉が良いだとか、所謂“気”が集う場所であり心身共にリラックス出来るだとか】
【話して居る間も嬉しそうに耳が揺れ尾が振られるのだから人懐っこい性格なのだろう】
【又、世話全般を任されているので遠慮無く何でも言って欲しいと告げ】

【適当に話を聞きながら歩みを進めていればやがて着いたのは城――――では無く、城が見える位置に作られた小さな宿】
【或いは狐の配慮であったのだろう。魔女たる彼女が魔を封印する場所を訪れれば体調を崩してしまうのでは無いかなんて】

【入口を開ければ貸し切り状態。客は勿論女将も誰も居ないのだから……“お世話を任されている”といった意味が理解出来る】
【そして、何か食べたい料理は無いかと問うた意味も。部屋を訪れれば広い訳では無いものの趣のある】
【此処に至るまで精霊を負ぶって居たとすれば――――眼を醒ますのは部屋に着いて丁度の頃か】
605 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/11(日) 22:43:06.04 ID:loRTMlCFo
>>603

【追われる、狼。本来は狩人であるはずの存在が逃げるというのは異様だろう】
【毛並みは白銀の雄々しいものとなれば、その違和感は尚更のはずであり】

【さて、距離は100m。それが詰まるのは僅かに数秒のことである】
【まず狼が青年の"横"を通るだろう。森を駆け抜ける中で出来たのか】
【細かな傷が毛並みを赤く汚しており、気のせいでなければ】
【鋭い牙が並んだ口は動いたように見えた。青年を横目に見ながら】
【"ニゲロ"というように。そして、その直後――青年には"澱み"が迫る】

【――遺跡の、古典的な仕掛けに巨大な岩石が転がってくるというのがあるが】
【大雑把に言えば、ソレに感覚は近い。巨木をなぎ倒し、斜面を滑るように下り】

【何より強烈に「嫌な予感」をさせる。もし、青年が避けなければ】
【その動く沼ともいうべき黒いドロドロは、草木ごと彼の肉体を飲み込んで】
【焼き、溶かして食らうだろう。それこそ、?まれば一溜りも無い――死ぬ。】

【そう、直感させるのに十分過ぎる気配がこの森には漂っていた】

【"澱み"の横幅はおよそ10m。飛びのいてなんとかなるなら良いが】
【そうでないのなら――咄嗟に、銀狼に飛びつくのもアリだろう】

【その尾は長く、毛もふわりと掴みやすい。体格もかなり良いようで】
【大体、動物園だとかで見るようなライオン――あのサイズはある】
【おまけに意思の疎通も出来そうだった。どうするかは青年次第、だが】


【"澱み"の――その中央付近。人骨に近い形をした、明確な形状が見て取れるはずだった】
【著しく奇形みを帯びた真っ黒な骸骨。ボロ布のような闇を纏い】
【ちょうど下半身を沼のような澱みに沈める形。――操縦者、のようにも思えた】
606 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/11(日) 23:01:14.36 ID:IMAR4p08O
>>605
【視界一杯に広がる「其れ」彼が眼前で起こる出来事を理解するや否や彼は全力で地面を蹴り】
【猫のように後方へと身体を捻って駆け出す、それは生存本能とも呼べる反射で】
【狼が忌避し、逃げ惑う存在。それに対しての疑念と敵意を確かに生みながら、彼は走り出した】

ッ……何だよあれッ……!

【彼の右腕には紅い細刀がいつの間にか握られており、彼が既に臨戦態勢である事を現している】
【だが、人よりかは高い身体能力を有していると言っても数秒でここまで迫って来る程の速さから逃げ延びるのは難しい】
【彼が選んだ選択、勿論このまま「はい、そうですか、わかりました」と死を受け入れる訳は無い】
【眼前にあるのは、先程の狼、彼はそこへと一挙に飛び乗った】

はい、どうも、コンニチハ。逃亡中ですが一つ良いですかね……?
あれは一体?倒せるのですか、ウルフリーダー?

【そんな風に呑気とも呼べる口ぶりで狼へと話しかけ始める】
【とんだ酔狂者だろうか。だが、もし彼の瞳が見えるのならばそれは真剣そのものとも呼べるもので】
【ただの馬鹿者では無い事が理解できるだろうか】

もし何か方法があるなら手伝いますけど……まぁ成り行きで?
―――どうします?

【コートが風に靡き、剣が閃く、もしあの何かを倒す方法があるのなら彼は手助けするようだった】
607 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/11(日) 23:18:57.90 ID:loRTMlCFo
>>606

【青年が反射的に飛び乗ると、狼は驚いたように目を見開くものの】
【流石に巨躯なだけはあって、しっかりとした足取りで逃亡を続ける】
【そして話しかけられれば荒い息遣いの中で、確かに人語を発するのだが――】

『ハッ――! …――し、知りませんよっ、あんなのっ!
 "大祖母様"にも、他の人にも聞いたことないですしッ!
 
 僕は偶然通りかかっただけで追いかけられる理由だってないですし!
 あ、ええと……ッ。 ……た、倒せるように見えます……?
 しいて言えば、あの中心に居るのは妖しいですけど……ッ!』

【――少年、だろうか。見た目はかなり大きいが、言葉遣いといい】
【その語色といい、明らかに青年よりも年下らしく】

【そして返事もまた絶望的に思えた。相手が何者かなんて知らない】
【倒せるかもわからない。でも、中心の――そう、あの黒い骸骨は怪しい、と】
【そう返した。つまりこの銀狼は、単に厄介事に巻き込まれただけらしく】

『……あのっ! 僕、"虎千代"って言います!
 あなたのことは知らないですけどこれもご縁ですから、あの……どうしますか…っ!?
 この先っ……しばらく行くと、人里があって……!』

【質問に質問で返すのはよろしくないのだが――まあ、焦るなという方が酷だろう】
【狼――だが虎千代というらしい。彼は、狼は『どうするか』と言葉を返した】

【この先には人里。妖しくも危険な骸骨と、その下肢と言っても過言ではない"死の澱み"】
【速度では狼がまさるが、あまりにも不確定要素が多く】
【『逃げるだけ』なら――他の被害を無視するのなら、それが最初に取れる一手ではあった】
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2015/10/11(日) 23:19:44.72 ID:WU2vIX6iO
>>604

【毒である、少年の言動や立ち振る舞いそれら全ては毒である】
【基本的にあらゆるものに対して不遜である筈の魔女が挙動不審者になるくらいの劇毒である】
【「いいえ、大丈夫よ」と一言だけ返すのが精一杯な程に、残念に取り繕えていないくらいに】

はぁ……はぁ……ふう、ん?おんぶくらいならお安い御用よ
でも危ないから確り捕まってないと落っこちゃうんだから気をつけてね?

【少女の要求を断る理由が果たしてある筈もない】
【良いと認めた相手には二つ返事で、おいでと声を掛けしゃがんで背に乗るようにと促す】
【まさか自分のような身分が子供を背負うことになろうとは思わなかったが、背中に伝う温もりは悪くは無く】

んー……この辺りで採れるものを知らないからそっちに任せようかしら
あ、でも欲張りを言うならこの子の採った魚でも出してくれるなら私はそれで満足だわ
後の采配は……出来るからこそ任されたんでしょうしね?

【取り敢えず誘われた場所に向かう事に意識を割いて挙動不審なところを弾く、徹していれば大丈夫……の筈】
【さて、と歩みを始めて見れば先導する少年の姿はやっぱり目の毒だがそこは一先ず背中の温かさを意識して】
【森の中をただ徒然と進む、たどり着く先はある分まだ心には余裕がある】

(退魔の城……訪れるのは藪蛇な気がしてならないわ……
この子を保護してるってんだから城主がどんなのか見てみたくもあるけれど……)

【近い寝息、宿から見られる城を静かに見つめ物思いに耽る】
【魔女であるならば退魔は触れ得ぬ代物、ここに自分がいる事態余りよろしくないのだろうが】
【与えられた施しを下手に断ってしまえば角が立つか……と独り言ち】

――――――――……と、背負うのって思ったよりも気を張るものなのね

【部屋に着き、一息入れようかとする前に背中に居る子はどうしたものかと】
【考える間もなく丁度良く少女は目覚め「ご機嫌は如何かしらお姫様」と表情を崩し微笑んで】
609 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/11(日) 23:40:14.50 ID:IMAR4p08O
>>607
【自身が飛び乗った事で体勢が崩れる……なんて事は無いようで】
【彼は安心しながら刀を逆手に構える。そうして狼の言葉へと耳を傾けるもその言葉は】
【何と言うか、あれだ。闇雲に流暢、そしてスマート。森の賢者やそう言った雰囲気よりかは修行中と言う方なのか】
【少しだけ呆気に取られながらも振り落とされぬように片膝を折って左手を背に添え、口を開く】

あぁ……そうだなぁ、倒せるかどうかと聞かれれば……
まぁ十中八九無理だよな、ハハハッ

【そう言いながら何故だか清々しい笑いを零す青年。一見しても一見しなくても馬鹿だ此奴は】
【だが、その眼は確かに後方の何かを見つめており、何か策を練っているようにも見える】
【有象無象の分け隔て無く、全てを飲み込む何某をどうこう出来ると言うならば】
【それは最早神業それそのものなのだが、果たして】

ふむ、了解。虎千代か、俺はカガリ、正親町カガリ
早速だけど……本当に?人里あるの?街あるの?ゴーストタウンでしたとか言うオチじゃなくて?
それなら……そこに行くのが最善策だろうなぁ……

【彼は顎に手を当て、少々考え込むような仕草を見せる】
【そうして彼は何かを思いついたようにニヤつくと、後方へと振り返りながら狼へと策を告げる】

まぁこのまま人里に降り立ってあれが人家もろともデストロイする可能性はなきしもあらず、って訳なんだが……
とりあえずは、君の言う通りそっちに向かってみるのが良いんじゃないか?
それなら俺は……足止めしてみるからさ……

【そう言うと彼の右腕の刀が紅く、仄かに緑白色に煌めきを増す】
【細く、長く、静かに鋭く、それは彼が普段持つ剣よりかは威力は落ちるもののそれと同義の物であり】
【彼がそれを投げると、刀はより勢いを増し、化け物としか形容できない其れの上方、人形へと投げられた】
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/11(日) 23:50:51.41 ID:UN+F4M540
>>608
「お魚料理、ですか……成る程、承知致しました!
でしたらこの辺りで採れる山菜も用いて、客人さま好みの物をお作り致しますっ

この辺りは城の影響もあってか悪しき妖怪達が訪れる事も滅多にありませんのでご安心下さいね
客人さまはただ楽しむ事だけに徹して頂ければ、ぼくとしてもとっても嬉しい限りですから」

【本来ならば複数人で運営する筈の宿。例え宿泊客が二人であったとしても子供一人で持て成すには荷が重すぎる筈だけれど】
【子供一人に任された、という事にはそれなりの理由があるのだろう。或いは変に何人も使って持て成すよりも優秀な人材一人に行わせた方が良いとの判断】
【この子のとった魚、と聞けば顎に手を添えるようにして思案する表情を浮かべるが――――案が浮かんだならばにこりと笑んで】
【努力しましょう、なんて言葉を紡ぐ事も無い。詰まりは、相応に自信がある証左か】


「それでは少々お待ち下さいね、客人さまっ
お料理やお風呂の調整を全て済ませてしまいますので!
些細な事でも何かありましたら、ご遠慮なくどうぞっ!」

【部屋まで案内が終われば、後は全ての準備を終えてくる――と】
【この少年に城について問えば恐らく偽りない答えが返って来る事だろう。或いは、他の事についても】
【ごはん、ごはん。そんな気の抜けるような歌を歌いながら尾を振る子供の姿もやがては廊下の奥へと消えて】


『ん――……』

【未だ寝惚け眼。心地良い温かさを感じつつ寝た故か、布団に入った時の微睡みに近いのだろう】
【魔女の肩にごしごしと顔を擦り付ければ、そのままズルリと背中から降りて】
【その後は、自分の手の甲で眼を擦るのだろう。返答も無く自由に振る舞う姿は、やはり火の性を示す様でもあり】


『…………カズネもお城に入って見たいの?
たくさん色んな人が居てね、沢山いろんな物もあって楽しいよ?
……あっ!わたしが琴音に言えば、入れて貰う事だって出来るよ!』

【隣に座れば、先程までの視線を辿るようにして】
【紡ぐ言葉は城についてだ。外部の者がそう気軽に訪れがたい其処だけれど、関係無しとばかりに】
【小首を傾げつつ鼻歌を歌いながら魔女の様子を伺い、また視線は城へと戻して】
611 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/12(月) 00:00:57.32 ID:k6a0nlGto
>>609

【自身の背から聞こえる、軽くも現実を見つめた言葉】
【狼はそのどこか手慣れた様子に安堵したのか、荒い息に深いものを交えながら】
【おもむろに速度を上げてつつも、揺れないように四脚を動かし】

『カガリさん……ですね。……はい、この先、走って10分も掛からないような場所です!
 人口何千っていう、あんまり大きな街じゃないですけど……
 ……でも、此処で迎え撃つよりは……ぁ、でもあいつが来たら……ぇ…?

 ……あのっ、それ本気で……ッ、しっかり掴まってて下さいね…っ!』

【人里の存在、そしてそこに"澱み"が突っ込むという非常事態の想定】
【そしてその存在を、青年が止めるという言葉】

【銀狼からすれば他に出来ることもない。青年が振り返ると】
【しっかり自分の胴を足で挟んで、落ちないようにと言葉を掛け】
【茂みを飛び越えるようにして加速しながら、幼くも猛々しい狼は走りに集中し――】


【――その一方で、刀を投げつけられた"澱み"の上部、骸骨は】
【明確に意志を持って腕を振るい、漆黒の長棒を以って刃を叩き落とし】

ふン…――阿呆が。 狼の小僧に加えて人間の命知らずとはな
 死にに来たか? それとも…――いや、我が身に刃を振るったのだ

 ……他に選択肢などは与えん。疾く死ね、下郎めが…―ッ!

【喋った。巨躯の黒骸骨は深淵から轟くような声で、明確に言葉を発しながら】
【手にした長棒――恐らくはマジックロッドだろう。それを振るい】

【発生させたのは黒い球体。淡い光を発して頭蓋骨を照らし出しながら】
【手の一振りで青年へ向かう。狼、ではなく背の青年だけを狙う黒い光球は】
【触れればその箇所を消失≠ウせる。物理的に存在をかき消す、というよりは】

【さながら"ブラックホール"か。避けるには――狼に声を掛けるか】
【あるいは青年がなんとかして跳ね返すか。それにしても、敵の術は異常なほどに高度だった】

/始まったばかりで申し訳ないのですが、ここらで凍結をお願いしたく……
/明日は20時ぐらいからなら来れますので、よければそこらで再開をお願いしたいです
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/12(月) 00:23:53.74 ID:AprM18aGO
>>610

(やっべ……可愛い…………)

【遠くなる少年の背中を見て魔女が何を感じたかは、多分今後一切語られない】
【語るべきでない物語も、駄目な意味で在るのだ】

─────ほらほら、女の子が寝起きのままでいるのは良くないわよ……
良く寝てたみたいなのは私としても良かったけど……

【しゃがみ込み視線の高さを合わせ、ローブの端で少女の目元を拭う】
【自分は母ではないが或いは子供でも出来たのならばこんな感じなのだろうか】
【微笑ましくもあり、そして恐れ多くもあり……されどそれを悟らせない為の笑顔はなんとか取り繕える】

んー……お城はねえ…………正直恐いと言えば恐いのよね……
触らぬ神に祟りなし、っと言っても分からないかもしれないけれど……下手に突っついて怒られたら不味いでしょうし……

【城にとって自分は間違いなく部外者であり、若しかしたならば敵と判断されるかもしれない】
【たとえそうでなくとも焚き付けられたのならば抑えが利くだろうか?制御の為の杖も無しに、自分とて白が燃え落ちる光景は見たくもない】
【加えてこの少女の住処というならば尚のことだ】

【物事は天秤に掛けて計るべきだ、少女の利益と自分の利益─────】
【比べたならばどちらを優先するべきかというのは考える必要さえない】

アナタを住まわせてる者がどんな人かは興味あるけどね、でも偉い人には偉いなりの立場があるの
こういう場所なら尚更、魔女が退魔の城を出歩いたなんて話が広がったらその人にも悪いし
…………そうなったらアナタも不利益を被りそうだからね、そこは大人の配慮をしなきゃ……でしょう?

だから今は、アナタの周りに居る人が善い人であることを祈るだけにしておくわ─────

【魔女が祈るなどと笑わせる、それは贅沢というものだと分かりながらも】
【しかし少女の為ならば似合わぬ事をするぐらいは傷みの内には入らない、どうやら自分は少女に随分と入れ込んでいるらしい】
【同じ焔に誘われたから、というだけではないと思いたい……覗く城は近くされど遠い】
613 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/12(月) 00:24:01.86 ID:rVH/xFPvO
>>611
【狼の疾走は軽やかに、且つ繊細に此方に走っている事を感じさせない程で】
【照準も付けやすかったはずなのだが期待外れな結果に終わってしまった】
【彼は弾かれた刀を腕から伸ばした紅い糸で即座に回収すると、其れを腕にめり込ませる】
【瞬時に刀は右腕の中へと消えて行くと、彼は頭を掻きながら狼へと口を開いた】

へぇ!そう、そいつは中々良いじゃない。俺が迷ってたのは一体何だったんだろうな
おっと、危ねぇ……んで、結局何で追われてる訳だ?それがわかれば対応も出来るはずなんだが……

【刹那、視界の端に捉えたのは自らが狙いを定めた敵の明確な反撃】
【どうやら、ただの髑髏では無いようで頭の中身は有しているのか、此方へと迫る其れを見据えると】

【彼は右腕から先程よりは長大な剣を発生させる、それは紅く輝く五尺程の諸刃の剣】
【彼の腕を肘から真っ直ぐ包むように籠手のような機部が基盤を成し、その先に剣の付いた長剣】
【それを真っ直ぐと骸骨らの方へと向けると、彼は剣先に先程の緑白色の粒子を集め始める】

おい、虎千代氏!俺はしっかり捕まってるから問題ないから聞いてくれ
あの野郎こっちに何か撃って来やがった。大方あの何かわからん黒いのと同じなんじゃないだろうか
とりあえず俺があれに向かって仕掛けてみるから、お前も回避行動に移ってくれないか?
自慢の尻尾が無残に消滅なんて嫌だろ?

【そう言うと彼は剣の先に集めた細かい粒子を球状の砲弾のような物に変化させると】
【其れを一気に髑髏の撃ちだした攻撃へと弾きだした。それは無数の粒子片が渦巻き、刃を成す閃弾】
【辺りの木々を削りながら進むそれを持ってしても弾き切れるかは定かでは無い】
【果たして、命運は狼男の彼にも委ねられる……】

/了解しましたー、此方も20時ごろには来れるようにしますのでよろしくお願いします
/それでは夜分遅くまでお疲れ様でした
614 : ◆iBPkBgx72E [sage saga]:2015/10/12(月) 00:25:42.61 ID:k6a0nlGto
>>613
/ありです! ではまた明日、よろしくおねがいしますね
/今夜は失礼しますー、お疲れ様でしたっ!
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/12(月) 00:51:15.41 ID:H7lYuQ3d0
>>612
【拭われる事に対しても特に抵抗をする事も無く為されるがまま】
【好きな時に寝て好きな時に食べて好きな時に遊ぶ。縛られる事の無い生き様】
【ただ、怖いとの言葉が聞こえたならば。頭上に疑問符を浮かべて】


『大丈夫だよ?琴音もみんなも優しいし、面白い人が多いから!
怒らないし、みんな色々お話聞かせてくれるんだよっ!
後ね、たくさん妖怪も居るの!みんな仲良しで暮らしてるから、カズネもだいじょうぶ!』

【少女の言葉が正しければその城は妖怪と人間とが共存する場所】
【だが、幼いながらも魔女の言いたい事を理解したのだろう。無理強いはせず】
【節々から聞き取れる事からして、精霊である少女を特別扱いしていない事も覗える。無論、それは悪い意味では無く】
【魔女へと寄りかかる様にしながら城を見れば、何があった何が起きただとかの些細な話を交えて】


『…………でもね、ずっとお城に居ると外も見たくなるの
もっと色んな場所を見て、沢山知りたい

あのね、エアリアルが言ってたんだ。外は凄くあぶない所で、だけど凄い楽しい所だって
でもね、わたしは一人じゃ行っちゃいけないから……』

【エアリアル――――何かの戯曲に出てきた大気の精霊の名だったか。或いは、先程“風”を扱っていた青年】
【箱入り娘、という訳では無い。悪意を知らない精霊が外に出れば、大凡の結末は予測できよう】
【見たいけれど、見れないジレンマ。言いつけなど無視すれば良いのだろうが、其れが出来れば今頃此処には居るまい】
【じ、と紅い双眸が魔女へと向けられ】


『カズネ、一緒に色々見ちゃダメ?
此処以外にも、沢山の国があるんでしょう?
本でしか読んだ事ないけど……もっともっと別な所が沢山あるんだって』

【其れは今までとは大きく異なるお願いだ】
【一緒に連れて行ってくれ、とも聞き取れる言葉。――――然れど】
【これまでとは異なり、気安く頷ける事ではあるまい。外にはカノッサ等の悪も多く存在する】
【願いを叶えてやることは危険に晒すこと。街へ連れて行く、とも訳が違い】
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2015/10/12(月) 01:21:48.32 ID:BSw7h54BO
>>615

そう、アナタがそこまで言うなら今度の機会にでも行ってみるかな……
その時はアナタが先導してくれると嬉しいわ、幾ら私でも1人だと寂しいからね

【力を持つ者は利用される定めにある】
【だが少女の言葉を聞く限りでは少なくとも善意を以って接しているか】
【しかし個人の思惑という物は悟られぬように深く潜り隠されている物だ……】

【指導者が狡猾であれば狡猾である程それは隙間を縫うように入り込みこちらを捕らえる】
【……いや、それも考え過ぎだろうどうにも疑う癖が出てきてしまう】

――――――ええ、外は危ないところよ……でもね
でも、だからってずうっと箱庭の中に留めているというのも危ないと私は思う
だってその箱庭が壊れないとは言い切れないもの、この世に絶対っていうのは無いってアナタもわかっているでしょ?

【狭い世界で蝶よ花よと育てられ、その世界が壊れいざ外に広がるのは荒涼の土地だとしたら】
【きっと蝶は羽ばたけもしないまま地に落ちてやがて風に飲まれるだけ、あの風を纏う彼ならばその意味も分かるだろうか】

どんなに目隠ししようとも目の前の事実が消える訳ではないのだから、だから戦うしかない
もしも、もしも……今ある全てを投げ出しても構わなくって、そしてその進んだ先に一切得られる物が無いかもしれなくても
……そんなどうしようもない状況になったとしても決して諦めないと誓えるなら――――――――

【その先を言うべきでないのは分かっている、だがどうしても過去の自分と重なる】
【自分の周りにある物が永遠で消えることはないと疑わなかった、だけどそれは聞こえの良い妄想の類だった】
【両親を失い打ち拉がれた、怯え嘆きただ震えていた……苦悶の果てに導き出した答えは戦う事】

【それを強いる事はしたくはない、けれど……今の自分が居るならば少女のこれからを助ける事は出来る筈だ】
【酷い独り善がりなのかもしれない、多くの人が責めるかもしれない……だけどあのどうしようもない暗闇に行かせたくはない】

どれだけ膝を折ろうとも何度でも立ち上がる覚悟が出来るなら
汎ゆる後悔を受け入れる事を受け入れるのであれば……その時には魔女を呼びなさい

【呪われても構わない恨まれても構わない、この決断に後悔はあれどそれを無かった事にはしたくない】
【寄り添う少女をそうっと抱き入れて、そう告げる魔女の口調はどこか震えているようでもあって……】
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/12(月) 01:48:38.34 ID:H7lYuQ3d0
>>616
【自分自身の事も未だ良く分からない。精霊、とは何なのか】
【唯一知っているであろう風の者が少女に説かなかったのにも大きな理由が有るのだろう】
【で無ければ、ただ見守るような事もしなかったはずなのだから】

【――――自身を知ることが出来れば何かが変わるだろうか】
【否、自身を教えてくれる親兄弟という存在が居ない。ならば、自身を知った処から本当の自分が始まるのだろうか】
【自分は何者で、何をすべきなのか。周りの者達は良く接してくれても、結局は教える術を持たず】


『…………カズネ?』

【魔女である彼女の言う事は、まだ少女には難しい事】
【然れど、其れは自分の為に語ってくれている言葉だと分かる。だから、決めたのだ】
【“外の世界を見る”と。踏み出した一歩先で死ぬかも知れないし、それよりも苦しい事を味わう事だってある】
【――――だが其れで良い。今までは一つの世界に留まっていた、ならばこれからは危険を承知で歩く時】
【城に暮らす前は森を歩き山を寝床としていた。だが、これからは違う。全ての事に目的が在り】

【不意に抱き入れられればその体温を肌で感じ取っていたけれど。その声質の変化に気付いたのだろう】
【見上げれば、その頭に手を伸ばして。まるで抱きかかえる様にするのだろう】
【為すがままにされるならば、少女の鼓動が聞こえるか。一定で刻まれる生命の音】


『わたしね、きっと出て良かったって思えると思う
だって、今日だってお外に出てたからカズネに会えたんだもん
もしかしたら、嫌な事もたくさんあるかもしれないけど……でも、今日みたいなことだって沢山あるはずだもん

だからね。ありがとう、カズネ。琴音に後で話してくる
外の世界を冒険してくるって』

【魔女の心配とは裏腹に、微笑んで見せるのだろう】
【失った悲しみなど知らない。もしかしたら、失った事すらも分からないままに過ごしているのかも知れない】
【行く先は闇か光かなどまだ分からぬ話。ただ、少女が決断したのは確かだ】
【――――それには、魔女である彼女の言葉が大きく関わっていて】
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2015/10/12(月) 02:17:41.48 ID:BSw7h54BO
>>617

そう、そう決めたのなら私から何かを言う事は無いわ
これから起こる全ての事に貴方は貴方なりの責任を背負い払いなさい、それだけよ

【随分と厳しい事を言った、だけど少女は進む事を選んだのだから与えられるべきは祝福だ】
【その前途に多難有れと苦境有れと、そしてその全てが彼女の糧であれと―――――鼓動よ強く脈打てと】

まあ……そうは言ったけれど1人じゃどうしようもない場面になったのなら
私を呼びなさい、同じ熱に魅入られた者同士で肩を寄せ合うのも……悪くはないでしょうし
私も私なりの責任を背負わなきゃ貴方に申し訳ないものねっ

【自らの行いによる責任は自分にしか払えない、それは魔女の知る理】
【なればこそ誘った者として少女の多難に共に立ち向かう覚悟はとうの昔に済んでいる】

【ひとつの焔が立ち昇ったのだ、それを称えずして何が魔女だろうか】

さて……心情の話はここで止めて於いて、実際の話だけど
貴方にとっていざという時が私に分からなければ役に立ちたくても立てないわ……少し離れて

【一度頬に触れて温もりを覚えて、少女の身体に手を添えて離す】
【伝う熱が明日に向かう標ならばここに一つと置いてゆこう、向けた掌に魔翌力は集う】
【最早その根源も知れない熱を導き出す力、意志を以って収束させたのならばそれは血管のように宙に踊り固まる形は小さな珠】

保護者ではないのだけど、相応の立ち回りくらいはしたいからね
大丈夫よ……貴方が私と似ているならば痛みもなければ快楽もない、ただあるべき所にストンと落ちるだけだから

【魔女の情報をトレースした塊は少女へと向けられ、それを受け入れたならばある種のパスとなる】
【熱に浮かされた者の意志、思念の類を魔女が受信する為のサテライトは少女の心の乱れがあったのならば―――――】
【いち早く脈打ち知らせる徴となるだろう】
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/12(月) 02:45:48.03 ID:H7lYuQ3d0
>>618
【少し離れて、と言われれば素直にそうする】
【その内に珠が作り上げられたならば、視線は其れを追うのだろう】
【恐る恐る触れ、彼女の言葉通り其れが害のある物だと無いと知ったのならば】


『――――これがあれば、またカズネに会えるの?
今日みたいにお話したり遊んだり、出来る……?』

【それはやがて少女の内側へと溶けて行くのだろう】
【暫くすれば、少女のバイタルサインにも似た事が把握出来るか。若しくは、“感覚”として位置も掴めよう】
【焔は幾つかが合わさる事があっても互いに焦がし合う事は無い。だからこそ親和性も良かったのか】
【大切なプレゼントを貰ったかの様な喜び。感謝の気持ち、と言うよりも喜びを体で表すかのように魔女の腕に抱き付いて】

【必要な時があれば、魔女の与えた其れは十分な効力を発揮しよう】
【――――或いは、緊急性が無い時にも其れは効果を示すか】


「客人さまーっ!お食事の準備とお風呂の準備が整いましたよっ
さあさあ、是非召し上がってください!ぼくも久しぶりに客人さまのお持てなしが出来るので、張り切ってみました!」

【其れから間も無くして、件の少年が全ての準備が整った事を告げに来るか】
【食事の間に移動してみれば、これまた一人で作ったとは考えられない位には豪勢】
【精霊に関しては、自分で捕った魚である事も関係してはしゃぎっぷりも良く】

【温泉に向かえば借り切りと言うには広すぎる大きさ。整備も全て行き届いて居り、部屋に帰った頃には布団が敷かれている】
【他にも至れり尽くせりと、少年一人だけを着かせた理由も頷け様か。他にも飲み物が欲しいだとか肩が凝っただとか言えば相応の対応をして】
【就寝に関しては――――布団が2つあったのだが、何やかんやと精霊が魔女の所に潜り込んできたかと思えば丸まって睡り】


【翌日。又は言葉に甘えて数日滞在したならば其の後】
【魔女がまた別な場所へ行き、精霊は一先ず城の主へと話をするその日】
【詰まる所、別れの日の朝が訪れて】
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2015/10/12(月) 03:23:56.56 ID:BSw7h54BO
>>619

望む限りのことは叶えるつもりよ、勿論おんぶに抱っこはしてなんかあげないけど
試練や苦難は自分で乗り越えてこそ得られる物があるのだから――――――――
まあ……なんて言うのかしら備えあれば憂いなしってトコロかな

【少女の大仰な反応は喜ばしく思える】
【その実諸手を上げて喜べるような物でないにしても、受け取った側の感情までは介入出来まい】
【それはそれとして、腕に抱き着く少女の想いだけはせめてと受け取りたく……】

【後のことは、至れり尽くせりという言葉で大凡が説明出来るだろう】
【普段の野にあるような生活とかけ離れていて少しの目眩を覚えたがこんなことはそう有るものでなし】
【時として楽を享受する日も有りなのだろう、と今日は魔女でなく客人として心と身体を休める】

【十分過ぎる程のもてなしにこれ以上の多くを望むことは恐れ多く、尽くしてくれた少年には挙動不審になりながらも】
【目線を合わせないまま、少年からすればぶっきらぼうに「ありがとうね」とだけ言葉を残し】

じゃ、寝ましょうか――――――――…

【夜が過ぎるならば温もりは一つの布団に】
【子守唄替わりに自分の今までの冒険や戦いの話をお伽話調に語って】
【寝息が響きだしたのなら寝顔を覗き見て、漸く安心して魔女も深いまどろみへと落ちてゆく】


【翌日、日が昇るならば旅立つ日は巡る】
【朝食を済ませてしまえば時は流れ、その時が近づけばどういう訳か魔女は落ち着かない様子を見せる】
【身支度らしい身支度も無いがそれでも身体のケアを終えたのならば、ふと切り出す】

ねえ……1人でちゃんと出来るかしら?不安なら付いて行くけれど……

【夜に言った事は何処へやら、今更になってこちらが不安になってしまっては始末に負えない】
【親心ではないのだろうけど、誘った手前で完全に放任を決めるのも何処と無く不義理に思えてしまう】
【真紅の瞳を向けながら少女の顔を覗き込む魔女の表情は、いつかの在りし日に旅立った在る少女の面影を残して……】
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/12(月) 04:00:50.73 ID:H7lYuQ3d0
>>620
【――――朝。何時もとは違った見慣れない部屋】
【大きな欠伸をしたならば目尻を擦って涙を拭い】
【正に親の心子知らずとでも言い表すべきだろうか、マイペースにそのまま支度を始め】


『大丈夫っ!お話だってちゃんと出来るし、悪い事だってしないもん!
それにね、いまは凄く楽しみなの。カズネが昨日お話してくれた事も、たくさん見てみたいって!』

【結局は、子供と同じなのだ。恐怖等々よりも楽しみが勝る】
【世の中を知らない者が、世界を渡る。だからこそ、様々な発見もあるのだろう】
【昨日の事で魔女と永劫の別れをするわけでも無いと知ったのだ。今抱える悩みなど、何も無い】
【――――向けた無垢な笑みが、其れを物語る。そのままやがて宿から出て別れる事となった時】
【暫くの間温もりを感じる事が出来ないならば、次に会える時までの繋ぎとばかりに魔女に抱き付いて】


『あのね、これ……よかったら、カズネに持ってて欲しいの』

【暫くその体温を堪能した後に差し出されるのは、小さな石だ】
【だが、其れはただの石で無い事は直ぐに理解出来よう。所謂魔石――騎士の呪いを解く際に用いた物と同等か、或いはそれ以上】
【まるで焔を固めて作りだしたかの様な魔石は炎を制する力を秘め】
【――――人の身であるならば大火を制する事は出来まい。だが、自身に流れる魔力ならば或いは】


『えへへ……カズネ、また今度会おうね。絶対、ぜーったいだよ!』

【立てた小指。同じく小指同士で結んでやれば指切りげんまん、そんなお馴染みの文句を楽しそうに歌い】
【名残惜しそうな様子を見せるも自分に言い聞かせ、背中に生やすは炎の翼】
【一気に空へと舞い上がれば上空で大きく手を振って。間も無くしない内に、城の方へと飛び去ってしまうのだろう】
【この世に絶対は無い。でも、また今度絶対に会いたい。少女が抱く、些細な矛盾】

【――――その後を追うようにしてあの時の青年が歩いて行く後ろ姿を確認出来たならば……まあ、少しは安心出来るだろうか】
【流れの分からぬ世の中。気付かぬ内に闇に飲まれて消えるか――――……それは、何時の日か分かる事だ】

/時間も良い感じですしこの辺りでしょうか……!
/連日お相手頂き、有り難う御座いましたですよっ!また機会がありましたら是非にっ!
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/12(月) 23:07:26.49 ID:7nNl0ZTO0
【街中――大通り、裏路地へと続いていく道の入り口】
【新月にほど近い月が浮かぶ空は常よりもいくらも暗い、それでも明るく見えるのは、ここが街の中心に近いからでしかなく】
【現に覗きこんだ路地裏は暗がりが満ちて何もろくに見えやしない、ただ音だけが届いて――そこにぽつり佇む影が、目立っていた】

……――。

【少女、だった。背中から見る背丈はまだ小さく子供のようで、ただ、顔を見ればそれよりいくらか歳を数えているのが分かる】
【それでもあどけなさをわずかに残す顔は大人ではないことを示して。じっと覗きこむ先には、相変わらず物騒げな闇が満ちている】
【だけれど少女を気にしてか、それとも通りすがってかするなら、聞きつけるかもしれない。闇の中から聞こえる声、まだ若いだろう猫のような】
【ぴゃあぴゃあと何かが鳴いている声。少女はそれを聞きつけて気にしているらしい。だけれど踏み込む勇気はないようで――】

【くるりと毛先が巻く癖毛は肩を少し通りこす長さ。少しくすんだような金髪は毛先がピンクに染まる不思議な色味で】
【あどけなさをいくらか残す顔はただ目つきばかりがぎらぎらといやに鋭い。勿忘草の瞳ばっかりが、何か拗ねたような気に食わないような表情で固まって】
【茶色みを基調にした服装、生成りのカーディガンを羽織ったワンピースは裾が長くって肌と言えば顔と指先くらいしか見えないのだけど】
【ひどく華奢であるのが服の上からでも分かった。背丈は百四十二センチと、何も考えずに見れば不良の子供のようにも見え】

……何か、居るのだろうけれど……。

【街中の喧騒の中にぽっかりと口を開ける闇、その入り口に華奢な指先をかけて、今までよりも少しだけ積極的に覗きこむ】
【呟く声はどこか古書をまくった時のようにわずか掠れて、少し目を細めてみたけれど――やはり、その鳴き声の主を見つけ出すことはできない】
【かれこれ十数分はこうしているのだった。その様子を誰かが見ていたとしても、おかしすぎるということも、きっとなくって】
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/14(水) 17:30:18.82 ID:2whWff370
【風の国――傾きだした太陽の光景と、照らされるUNITED TRIGGERの店舗前】
【さくさくと乾いた音がする、ぺらぺらと踊るのは赤らんでかさついた広葉樹の葉】
【店の前に吹き溜まった落ち葉を掃く様子。箒を持つ影は長く長く伸びて――ふと、手が止まった】

……よいしょ、っと。もう、朝も掃いたのに……。
こんなに集まったら焚き火とか出来そうなの、どこかで燃やしちゃ駄目かな? ……駄目かぁ。

【緑色のちりとりに集めた葉っぱを詰め込んでから、身体をわずかに反らすように伸ばす。それから、少しだけ眩しそうに太陽のほうへ視線をやり】
【「もうあんなに傾いてる」と、どこか寂しいような懐かしいような声音、わずかに目を細めたところを風が吹き抜けて、“彼女”の長い髪をざあと揺らし】

ううん――休憩して、そしたら夜のお仕事して、……。

【ぐうう、と、もう一度身体を伸ばしてから。ちりとりと箒を回収すれば、集めた落ち葉はごみの袋へ、箒とちりとりとそれからごみ袋は、元の場所へ戻して】
【それから一瞬、太陽の暖かさと風の冷たさが入り混じる秋特有の温度にひたる――ずっと浴びていたいように目を細めるなら、どこか爬虫類の日向ぼっこのよう】
【長い黒髪は腰ほどまで伸ばされて、服に合わせたヘッドドレスで飾る。服装は長い裾の和装メイドとでも呼ぶようなもので】
【左右で色の違う、赤黒の瞳はまあるくて少しだけつった形、真っ白に透き通るような頬を両手で軽くぺちん、と、打ったなら】

――よっし、今日も頑張らなくっちゃ。

【なんて呟き一つ、店内へと戻って行こうとするのだろう――だけれど夜の酒場を始めるには少し早い、この時間】
【ここ最近始めた孤児や浮浪者を対象にした無料食事提供の時間も終えて、一番ゆっくりできる時間――とは余談なのだけど】
【休憩するとも呟いていた。それなら、もしも誰かが訪れたとしても、忙しさを理由に断られてしまうことは、きっとないはずで】
【――やがて少女が店内へ姿を消して、ぱたんと扉が閉まる。けれど、誰も拒むような冷たさがないように思えるのは、きっと、この店の持つ暖かさで】
624 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/14(水) 18:00:09.29 ID:Gwmd76BP0
>>623

【9月も終わりを告げ、すっかり夏の気配は遠ざかった。高い空を見れば赤とんぼが仲良く飛んでいたりして】
【日中の気温も下がってきて、夜にもなれば肌寒くなるくらい。そんな秋の日の、時刻は夕方ごろ―――】

よい、しょっと……―――お邪魔しまーす。

【鈴音が閉めてからちょっと間を置いて、扉がそっと開く。涼風がふわりと店内を撫でて、現れたのは】
【鳶色の長髪は上質の絹糸のよう。深いブラウンの瞳は綺麗に澄み、深刻な表情を優しげな微笑みに変えて】
【秋らしいベージュのカーディガンに、すらりとした足にフィットした黒いロングパンツといった出で立ち】
【腰には黒色のポーチ。足には履き慣らされたスニーカーを履いている……そんな姿恰好の女性】
【整った顔やすらりとした体躯からは若い印象を受ける。一方で、若い女性には似合わない落ち着いた雰囲気も纏っていて】

【そんな彼女は、店内でゆっくりのんびりしているであろう鈴音の姿を見つければ少し嬉しそうにして】
【少女のような明るさと母親のような落ち着きの混ざった、ちょっぴり不思議な感じの微笑みを見せる筈だ】
【鈴音なら、彼女が誰か分かるだろう。いつか一緒にお店の名前を考えた女性―――皐月だ】

あ、いたいた。こんばんは、鈴音ちゃん。
さっきちらっとお掃除してるのが見えたから、いるのかなーって思って来ちゃいました。
ふふっ、お元気そうで何よりです!……夜のお店が開くまで時間があるけど、お邪魔して大丈夫でしたか?

【なんて、いつもの調子で明るく声をかけて。それから、鈴音の案内があればその通りに席に座って】
【「よかったら、お茶でも飲んでお話しませんか?」なんて事を尋ねたりするのだった】

//というわけで、すみません!始まって早々で申し訳ありませんが、舞台裏でもお伝えしていた通り1時間ほど席を空けます……!
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/14(水) 18:13:16.47 ID:2whWff370
>>624

【水を入れたやかんを火にかける、少し遅れてしゅんしゅんと聞こえてくる音を聞くでなく聞きながら、よいしょと手を棚に、】
【――伸ばしたところで、扉が開けられる音がして。少し遅れてから投げる声はどこか慌てた様子の「いらっしゃいませ」】
【やがてひょこりと厨房から顔を出して、すぐに相手が誰なのかに気付く。ぱぁとあどけなさを多分に残す顔を、余計にあどけなく笑わせて】

――いらっしゃいませ、まだお店やってないけど……えっと、大丈夫なら、良かったら。
今お茶を淹れようと思ってたの、ティーバッグだけど、皐月も飲む? それならね、そこのケーキ屋さんのフロランタンが……、

【ぱたぱたと軽い足音で入口のほうまで駆けるように歩んで行って、にこにこと笑って出迎える、もしかしたら、その顔にわずかな差異を皐月は見出すのかも】
【薄らだけれど化粧をしているようだった。普段はしている印象がないものだから、お仕事用なのだろうか。それでもこの前はしていなかったはずだから――気まぐれかも】
【それでもあどけないのだからそこはもう造形的な問題なのだろう。本気を出していない、というのもあるのだろうけれど――頬を少し赤くしたくらいなのだから】

あ、珈琲もあるよ。紅茶でも、珈琲でも、好きなの選んで――ココアとかミルクもあるの。
あとお菓子がフロランタン以外に……えっと、マドレーヌ? あったと思う、どこだっけ……、

【椅子を引いてそこへ皐月をいざなう、ハロウィーンを前にしてか、机にはちっちゃなかぼちゃの小物入れが置かれていて】
【中には飴玉がいつか入っている。普通の飴、棒付き飴、色とりどりが詰め込まれて――、「食べていいよ」とも鈴の音が付け足して】
【なんだかもう歓迎ムードだった。休憩の時間なんてひどく気の抜ける時に、知り合いが訪れたのだから。テンションも上がっているのだろう、ころころ笑っては】
【珈琲とか紅茶とかココアとかミルクとか何を飲みたいのか尋ねてくる、何か告げればその通りのものが出てくるだろう。それ以外でも、】
【お店で出すような飲み物であれば出せるはずだ。お菓子もいくらかストックがあるらしい、棚のほうへ探しに行った、ふわふわスカートのお尻が揺れて】

【しゅわしゅわ、と、お湯の沸く音がし始める。窓から差し込む斜めの夕方光と程よく疲れた感じ、なんだか眠たくなってしまいそうな、午後の温度】
【昼間の休憩と夜の腹ごなしを兼ねた時間、あんまり長くはないのだろうけれど――二人で話すなら、きっと、ちょうどいいくらいの時間はたっぷりあるはずだった】

/了解です!ごゆっくりどうぞー
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/14(水) 19:31:11.43 ID:2whWff370
/食事行って来るので次のレス遅れるかもですっ
627 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/14(水) 19:38:25.07 ID:Gwmd76BP0
>>625

【店の奥から、鈴音の可愛らしい笑顔がお出迎え。そのあどけない表情はいつもと変わらないのだけれど】
【少しだけ、顔の雰囲気が違う。―――ああ、ちょっぴりおめかしをしているんだ。頬がちょっぴり赤らんでる】
【幼さの残る顔に、頬のチークはよく似あっている。なんだか、表情も心なしかいつもより明るく見えて】
【素のままの表情も可愛らしいのだけれど、お化粧をした顔もよく似合っているなぁって。皐月はそんな事を思っていた】

それじゃあ、紅茶とお菓子を頂こうかしら……紅茶は砂糖を一さじお願いね。お菓子は鈴音ちゃんにお任せします。

鈴音ちゃん、お化粧してるんですね!何だかいつもとちょっぴり違うなーって思ったんです。
よく似合ってて可愛いですよー!元が可愛いからかしら?ふふっ……
そういえば、ちょっと前に娘の衣織も「お母さんの真似!」とか言ってお化粧してたことがあったっけ……
衣織もいつか、こうやってお洒落に興味を持ったりするのかな?鈴音ちゃんみたいに、よく似合えばいいんだけど。

【そんな風に、楽しそうな笑顔で鈴音の化粧のことに言及したり、衣織の思い出を添えてみたりしながら】
【楽しそうに、鈴音を待つのだった。甘いものが大好きな皐月には、お菓子でティータイムなんて大好きで】
【ハロウィーン仕様なのかお菓子がいっぱいのお店の中は、子供じゃないのに楽しくて仕方がないのだった】
【もうトリックオアトリートなんて言ってもお菓子は貰えない年齢けれど……お言葉に甘えて飴を舐めたりして】
【やがて鈴音が来れば、楽しいお茶の時間が始まるだろう。洋菓子を前に目をキラキラ輝かせながら……】

【ちなみに、今日は衣織の姿は見当たらない。鈴音が皐月と会う時は大体一緒だったから、少し新鮮かもしれない】

//お待たせしました!
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/14(水) 20:21:36.08 ID:2whWff370
>>627

【あんまりに派手なものではない、ただ、ほんのりと頬を色染めて、睫毛もくるりと巻きつけたのだろう】
【元から長い睫毛がふわっと上を向いていて、丸くぱちりとした眼を縁取って。――ふと、いたずらげにその眼を細めたと思うと】

ふふ、今日はね、特別なお砂糖があるの。だからそっちで入れるね、――。

――これね、お友達に教えてもらったの。その子ね、お化粧とっても上手だから……。
どんな風にしたらいいのかってたまに聞くの。でもそれだけだよ、時間があったらね、ちょっとやってみるくらいで――。

衣織ちゃんも? ……そっかぁ。

【なんて笑って、しゅうしゅうと沸いたお湯を一度ティーカップに入れてから捨てて、それから、改めて注ぎ淹れ】
【ティーバッグを入れてから、盆で持っていくだろう。それをことりと皐月の前と、自分が座る席にも置いて】
【それからもう一度厨房に戻って、自分用のミルクと、お菓子と、それから小さな小箱を持ってきて――、それもまた机の上に置いて、今度こそ自分も座り】
【衣織のちょっとした色気づいたような様子には微笑ましいようにくすくす笑う、そっかぁなんて笑って繰り返して、自分の分のティーバッグを揺らし】

【――どうぞ、と、小箱を差し出すのだろう。可愛らしい箱だった、レースやリボンの模様をあしらった箱で】
【促される通りに蓋を開ければ、――中に入っているのは、おそらく砂糖だ。どうして断言できないのか、というと】
【レース編みのような形だったから。手編みのレースを模した形に作られた角砂糖、――紅茶に入れてみれば確かに甘くなるから、砂糖だ】

衣織ちゃんは、今日、学校?
……いいなあ、わたしね、学校って行ったことないの、……。

【二人一緒でないことについて、そんな風に思ったのだろう。ティーバッグを緩く引っ張りながら揺らす、紅茶はどんどんと濃くなっていって】
【そのうち満足いく濃さになったのかティーバッグを取り出すとスプーンで簡単にしぼって、それから、ミルクをつうと垂らし】
【最後にレース編みの角砂糖をぽちゃぽちゃと二つ落として、ひと口飲んで、もう一つ落として。――おいしい、と、満足げに目を細めた】

/お待たせしました!
629 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/14(水) 20:55:33.00 ID:Gwmd76BP0
>>628

【あの時の衣織の化粧は、単なる母親の真似事。ファンデーションで真っ白になった顔が可笑しかったっけ】
【勿論鈴音の化粧はお遊びの真似事じゃないし、ちゃんと出来ている。女の子らしく、可愛らしい感じに】

【紅茶とお菓子、二人分を持って鈴音が机までやってくれば、皐月は待っていましたとばかりに身を乗り出して】
【――――小箱の中を見れば、驚きの表情で目を輝かせる。中に入っていたのは一見砂糖とは思えないような角砂糖で】
【こんな遊び心のあるものが、皐月は堪らなく大好き。よっぽど楽しそうな表情を見せるのだから】
【きっと、鈴音にも喜んでいる事が伝わるはずだ。 そして、角砂糖を一つまみ紅茶に入れれば】
【まるで魔法みたいにレースがふわりと溶けて消えて……一口飲んだ紅茶は、いつもと違った楽しい味わい】

特別なお砂糖?どんなものなのかしら……―――わぁ。
お砂糖がこんな形になるなんて……一見したら、お砂糖じゃないと思ってしまいそうです!
……ん、確かに甘いです……ふふっ、こんな楽しいお砂糖だと紅茶もいつもと違う味に感じちゃいますね。


ええ、衣織は学校ですよ。つい最近中学生になったばかりだと思っていたのに、気が付けばもう二年生も半分終わっちゃって……。

―――そう言えば、言ってましたね。鈴音ちゃん、親も居なくて一人だった時期があったって……
……でも、鈴音ちゃんはちゃんと読み書きが出来るし、お店のお会計をやれるくらい計算も出来ますよね。
誰かが教えてくれたのですか?……きっと、優しい人なのでしょう。一人だった鈴音ちゃんにそうやって教えてくれた人は……

【鈴音の生い立ちについては、以前レストランを開く折に聞いたことがある。―――学校に行けなかったのも、それが理由か】
【……けれど、今の鈴音は人並みに読み書き計算ができる。それなら、きっと誰かが教えてくれたはずで】
【誰が一人の鈴音に手を差し伸べたのか。そんな事を、鈴音に尋ねてみるのだった】
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/14(水) 21:06:22.15 ID:2whWff370
/申し訳ないです、レスちょっと消し飛んじゃったので次遅れます……!
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/14(水) 21:18:26.03 ID:2whWff370
>>629

紅茶のお店で売ってたの。本当は家用だったんだけど、持って来たらみんな使ってくれるかなって思って――、
友達にね。とっても紅茶が好きな子が居るの。だから、たまに、お茶屋さんに行くんだ――この前ね、普段行かないところに行ったの。

【それで見つけたのだろう。レースの砂糖。「他にも、薔薇の花のやつとかがあって……」と思い出すように呟き】
【皐月が喜んでくれてよかったと笑うだろう。紅茶に口をつけて、「美味しい」と笑う。ちょうどいい甘さに出来たことも、幸せの一つで】

……いいなあ。昔はね、すごく行ってみたかったの。学校とか、そういうところ――。
今は……ううん、今もね、ちょっと行ってみたいな。だけど、わたしが行ったら変だもん、子供に混じってなんて、恥ずかしいし……。

【学校。昔々、そこに行ってみたかった。そこに行けるようになりたかった、そこに通うような、普通のひとになりたかった】
【今も行ってみたいと思う気持ちがある。だけどまさかこの年齢で小学からやり直すわけにもいかないし――何より、恥ずかしく思えて】
【少し照れくさいように困ったように笑って見せる、「いいな、きっと楽しいね」と呟く。衣織の中学生活がきっと楽しいものであること、祈るように】

――……うん、わたしのお父さんもお母さんも、死んじゃってるから。
八つの時に死んじゃったの、それからは……えっと、ほとんど何もしなかったの。だから、お勉強ね、すごく下手だよ。
お勉強をするようになったの、最近なの。友達がたまに教えてくれて――、でもあんまり時間ないから。ほんとにたまにだよ。

【読み書きは八つの時までに覚えたものがほとんどだ。漢字の類は辛うじて読むことは出来るのだけど、書くとなれば話は別で】
【彼女に文字を書かせるとひらがなばかりのものが出来上がる、とは余談。計算も単純な足し算引き算が出来る程度で、あとは電卓頼り】
【学力という点では優れているわけではない。それどころか劣っていると言ってもいいだろう、ただ、それでも苦労しない程度には出来るようで】

【――あと、へびさまも少し教えてくれたかな】
【なんて思い返す、視線をちろりと動かしたが、ただ、その考えは口には出さないまま】
【いきなりへびさまだなんて言われてもきっと皐月を混乱させてしまうだろうから。また紅茶を飲んで――】
【それから、ケーキ屋の紙袋から個包装のフロランタンや他の焼き菓子も取りだすと、「どうぞ」と差し出すのだろう】

/遅れました……!
632 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/14(水) 21:58:01.74 ID:Gwmd76BP0
>>631

【ほんのり甘い紅茶は、体がぽかぽかと温かくなる優しい味わい。優しい鈴音が淹れたからだろうか?】
【そんな紅茶と一緒にしっとりとした甘いマドレーヌを食べれば、ふわりと口の中で甘みが広がって】
【ただでさえ甘いものと紅茶で幸せなのに、一緒にお話する相手もいて。それならもう、言うことはない】
【きっと帰って衣織にこの事を話せば「一人だけずるい」と言われそうな、至福のひと時―――】

【―――鈴音の言葉に、どう返せばいいのか言葉に詰まる。……彼女は、学校に行きたくても行けなかったのだ】
【小さい頃は、学校に行くなんて当たり前だと思っていた。行くのが面倒だとさえ思ったこともある】
【けれど、本当はとても有難いことだったのだ。何不自由なく学べて、友達ができて、成長できるというのは】
【そんなことを、改めて鈴音の境遇によって思い知らされる―――】

……行きたくても、行けなかったのですか―――私は、恵まれていたのですね。
当たり前のように学校に行って、勉強して……でも、それはとっても有難いことだったのですね。
衣織は、その学校に行ける幸せをちゃんと感じているのでしょうか……


……でも、学校には行けなくても勉強はいつからだって始めることができます。
たまにでも、最近始めたばかりでも……勉強したいという意欲がある限り、きっと色んな事を学べる筈です!
鈴音ちゃんは、温かくて美味しい料理を作りたくて、頑張って料理のお勉強をしたでしょう?
それと同じです。読み書きも、計算も……きっと、鈴音ちゃんなら出来ると思います。
鈴音ちゃんは今、何か知りたいことや学びたいことはありますか?

【そんなことを話しながら、差し出されたお菓子を頂く。……これもまた、美味しい】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/14(水) 22:09:11.96 ID:2whWff370
>>632

【いつも、物陰から見ていた。毎朝、楽しそうにはしゃぎながら学校へと走っていく、同じ年頃の子たち】
【綺麗な服を着て、きっとお腹もすいていなくって、楽しそうで。だのに自分には、そのどれもが足りなくって、存在しなくって】
【羨ましいと思う心を踏みつぶして、また、路地裏の闇に紛れていく。ごみ箱をひっくり返して、食べ物を探す】
【そんな日々。いつかのこと。――ちらりと思い返して、ただ、それ以上の悲しい思い出にはならない。涙が出るほどに、辛い思い出には、足りなくて】

……ううん、ありがたくなんてないの。それがね、本当に当たり前になったら、いいなって、わたし、思うの。
みんながね、どんな子でも。当たり前に学校に行けるの。ありがたいとか思わないくらいに、みんな、当たり前に。

【自分は行けなかった。憧れていた、羨ましかった。普通の暮らしにあこがれたのは、そういうところも原因としてあったのかもしれない】
【家があって、家族が居て、学校に行って、帰ったらご飯を食べて、暖かい布団で眠って――起きる。そんな生活、だけど、自分にはかなわなかったもの】
【だけどそこを怨んではいない、と思う。……自分より後に生きる子たちが、みんな、そんな当たり前を甘受出来るようになればいいのに、なんて小さく呟いて】

…………いま、勉強したいこと?
えっと……なんだろ。いろいろあるの……このお店のことだけでも。――もっと、作れるようになりたいお料理だって、あるし。
お酒のことも覚えなくっちゃ。それだけじゃなくって、戦い方とかも覚えなくっちゃいけないし、それに……えっと、お庭の植物のことも、覚えたいし。
他にも――なんだろ……。

【勉強したいこと。言われて考えてみたら、いろんな言葉が浮かんでくる。料理のことをもっと学びたい。お酒のことを、たくさん知りたい】
【殺すのではなく戦う方法、家の庭に植えてある植物の育て方、ペットの育て方、ドラゴンはどうやって育てたいいのか、――もろもろたくさん】
【頬に手を当てて一瞬考え込む。けれどざっくり言い終えるに適切なジャンルは見いだせなくって、というか、所謂勉学的なものが思い浮かばない】
【「あ、魔術のこともお勉強したい……」「紅茶のこととか……」】
【呟いて呟いて、最終的には、「いろいろあるの」と笑ってごまかすのだろう。香ばしいフロランタンをひと口、齧りとって咀嚼して】

……本当は算数とか漢字とか、苦手なの。なんだろ、難しいから――かな……。

【少し困ったように笑うのだろう。ごまかすうに、紅茶をひと口】
634 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/14(水) 22:43:40.81 ID:Gwmd76BP0
>>633

――――!

……そう、ですか。―――そう願える貴女を、私は本当に凄いと思います。
その願いが叶えばいいと、子供を持つ者として心から願います。

【自分が叶わなかったことが、いつか当たり前になればいい―――そう願う鈴音に、皐月は目を見張った】
【苦しく悲しかった自分の境遇に恨みもせず、ただ子供たちの幸せを願う……その優しい心に、驚いた】
【こんな鈴音だからこそ、あのレストランを開こうと思ったのだろう。当たり前の幸せを、分け与える為に】

【それから勉強の話。鈴音の口から、勉強したいことがたくさん出てきて……】

あら、本当に色々あるんですね―――でも、それが普通なんじゃないかなって思います。

私のお母さんが言ってたんです。人生死ぬまで勉強だ、って……
ふふっ……今になって、その言葉がよく分かります。40歳になっても、まだまだ学ぶことばかりですもん。
鈴音ちゃんの倍近く生きていても、まだ学ぶことだらけなんですから……きっと、色々学ぶことがあって当たり前なんです。

そうやっていろいろ勉強して、人間は成長していくんじゃないかなって思います。
鈴音ちゃんも、衣織も、勿論私も……まだまだ勉強しないといけないことでいっぱいです!

ちなみに、衣織もつい最近戦い方を勉強し始めたんですよ。
少し前に化け物に襲われて大怪我をして……それ以来、衣織に能力が生まれて。
「大切な人を護る為に力を使えるようになりたい」なんて言って……戦い方を学んでいるんです。
……鈴音ちゃんは、どうして戦い方を学ぼうと思ったのですか?

【衣織の近況も話せば、紅茶を一口。それから、鈴音が戦う理由を問いかける】
【衣織は「護る為」と言っていた。鈴音は……何のために、戦いに身を投じることにしたのか】


【今はこの場にいない衣織もまた、色々と学んでいるようだった。―――それにしても、「襲われた」とは一体……】
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/14(水) 23:08:26.78 ID:2whWff370
>>634

……みんながそうなったらいいのに。でもまだだね、まだ、そうならないかな……。
きっと難しいのは、分かってるの。だから、夢かな――、わたしの、夢なの。

みんなが、普通に生きられるように。……――わたしは、そうやって、普通にしたかったから。

【それが当たり前になれば、羨んで涙するようなことじゃなくなれば。家のない子も、きっと誰かの家で暮らせて】
【親を亡くした子も、きっと誰かが親になってあげて。そういうのがもっと普通になっていけばいいのに、そうしたら、きっと、何かが良くなるのにと】
【どちらの気持ちも分かる。家族が家が普通が欲しいと泣いた過去の自分も、まだ、きっと、この心の中のどこかに居て。分かるから、少し、心が痛いような気持ち】

覚えたいことだらけだよ、知りたいこと、いろいろあるの。
前までは家もなかったから、そんなの、してる場合じゃなかったけど――今なら、出来るの。だから、いっぱいしたいな。
……でもお仕事、朝くらいまでかかるの。ちょっとだけ寝て、たんぽぽやって、……お勉強する時間ないから……、寝る時間もないのに――、ふわぁ。

【覚えたいことも知りたいこともたくさんある。それだけじゃなくって、教えたいこともたくさんある。自分と似たような子たちに、教えてあげたいこと】
【全部やろうと思っても時間が足りない。何より仕事をおろそかにするわけにもいかないなら、必然的に勉強する時間はだんだんと減って行って――あくびがひとつ】
【そういう意味では疲れているのかもしれない。顔にはあんまり出ていないのだけれど――「だけど、とっても楽しいよ」と笑うなら、まだ大丈夫なはず】

――……、化け物? ……え、――そう、なん、だ、……。

【化け物。その言葉にぴくりと表情が変わる、だけれど皐月の様子を見るに、あんまりに重大なことではない――のだろうか、とも、予想づけて】
【それでも「大丈夫なの?」と尋ねる声は神妙なもの。化け物に襲われて無事なのだろうか、化け物――なんて大雑把だけれど、襲われたなら、人類の味方ではないだろう】

……わたし、は、

【どうして戦い方を覚えようと思ったのか。護るため、それもあるだろう。そもそも戦い方を学ぶようになった最初も、あのたんぽぽを始めるにあたって】
【何があるか分からないから、戦い方を覚えること――そんな条件を出されたからだった。だけれど、今は、もう少し違う気持ちで練習しているようにも思えて】
【戦い方、身体や力の扱い方。いつかのことを思い出せば、わずかに目は細められて。一瞬だけ間を作るように、ミルクティーを一口。口の中を暖めたなら】

……――もう間違えないように、かな。
わたしね、いっぱいいっぱい間違えたの。だからもう間違えないように、ちゃんと、やりかたを知らなきゃいけないの。

【“もう殺さないように”とは、言えなかった。少しの臆病、或いは甘え、知られたくないという、そんな我儘】
【身体や力の扱い方を知っていなければいけない。それだけじゃなくって、使いこなさなければいけない。それが責任、間違えた自分が思う、償いの一つ】

……それが、きっと、誰かを護るためにもなるって。……信じてるの。

【そうして正しく自分を扱えれば、それはきっと誰かを護るためにもなる。人間よりも丈夫で融通が利く自分だからこそ、】
【なんて言えないけれど――、彼女が求めるのは、自分という存在を扱いこなすことだった。護るよりも先に、自分を制御する。それが、理由】
【その先に何かを求めるなら、誰かを護りたいと思う。奪い取った分だけ、誰かを――たすけたい、そんな、夢】
636 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/14(水) 23:45:55.45 ID:Gwmd76BP0
>>635

【あまり重大なことではないという鈴音の予想は、実は外れていた。何せ、背中を大きく裂かれ腕を折られ】
【一時意識不明の瀕死状態に陥ったのだから……本当の事を言えば、大丈夫とはとても言えないものだった】

【とはいえ衣織はもう元気に回復している。あまり鈴音を心配させないように「もう大丈夫ですよ」と笑って】
【それから。鈴音の戦う理由を問えば、返ってきた答えは「もう間違えないように」という言葉で】

―――そう……いっぱい間違えたのですね。
でも……その間違えから目に背けずにちゃんと正そうとしていれば、きっともう間違うことはありません

【皐月はその間違えが何だったのかは知らないけれど。でも、今は正しくあろうとしていることは分かって】
【それなら、その想いを失わなければ、きっと大丈夫。―――きっと、自分の持つ力を正しい方向に導ける】
【そして―――】

―――やっぱり、最後は誰かを護ることに行きつくのですね。
鈴音ちゃんなら、きっと出来ると思います。だって―――こんなに、優しいんですもの。

【―――その夢の先へ、きっと辿り着くことが出来る。皐月はそう信じて已まない】
【くっとカップの紅茶を飲み干す。淹れたての時は熱かった紅茶は、気が付けば温くなっていて】
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/15(木) 00:00:58.40 ID:M6i0/qat0
>>636

【だけれど――それは、分かれなかった。教えてもらえたなら、きっと、顔に浮かべるものを精一杯に変えただろうけれど】
【大丈夫だと言われれば、安堵したように笑ってしまう。「よかった」なんて言葉、なんにも知らない穏やかな声音が告げて】

……うん、間違えたの。だから、もう――間違えたくない、……間違えないって、決めたの。
だからね、わたし、すごく感謝してるの。この場所と――みんなにご飯を作りたいって言ったときに、いいよって言ってくれた、セリーナに。

ずっとね、やりたいことなんてなかったの。普通に生きたかっただけだったの。
帰る家があって、そこに誰かがいて、ご飯が食べられて、お布団で眠れたらそれでいいって思ってた。……だけど、今は違うの。

やりたいこと、見つけたんだ。皐月と衣織のおかげでもあるの。素敵な名前、一緒に考えてくれたのは、二人だもの。

【――きっと、この手は、違う方法で見れば真っ赤に染まっているだろう。よく分からないけれど、警察のひとが使う薬でも使えばいいかもしれない】
【それは多分もう消えない。だけどもしかしたら薄くはなるかもしれなくって、それなら、これから、少しずつでも薄くしていきたいと思う。消せない罪でも】
【忘れるんじゃなくて逃げるんじゃなくてごまかすんじゃなくて、そのひとたちにはもう謝れなくっても、他の誰かを助けることで、少しでも、償いたい】
【そう思えるようになった。実際にやろうとも思った。だから、やる。自分がやりたいと思ったことだから、やる。絶対にやりたい、だれにも邪魔されたくない、と、】
【そうなってしまえば急に頑なになる性質だった。やりたいことはやる。邪魔されるのは嫌い。――だから、精一杯やる。みんなのために食事を作る、そう決めたから】

【皐月へ向ける瞳は真っ直ぐで、強い。どこか悔いるようだけど、それに囚われているわけでもなく、真っ直ぐに、先に行こうとしている瞳】

……――もう、わたしなんかより優しいひと、たくさん居るの。
わたしにお勉強を教えてくれてる子、ね。*ちゃんっていうんだけど、すごく優しい子なの。……わたしもあれくらいやさしくなれたら、いいなあ。

【皐月の言葉に少しだけ恥ずかしそうにする。自分なんてまだまだだと笑って、唇を噛むように小さく笑って――だけど、些細な違和感】
【確かに誰かの名前を呼んだのだろう瞬間、その声がぐちゃぐちゃのノイズのようになるのだ。千々乱れて聴き取れなくなる、まるで世界が拒絶するように】
【「お勉強も、魔術も、教えてもらってるの」と笑うなら、彼女自身はその違和感に気付いていないよう。「他にも、*ちゃんにはいろいろしてもらってて――」と、】
【遠慮がちなような言葉が続くのだろう。それでも、その“誰か”の名前が明瞭に紡がれることはないままで】
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/10/15(木) 00:16:35.10 ID:Inex8pfJO
>>621

そうね、外を歩けば色々な事に出逢うでしょう……
苦難も多く……だけどそれでも受け止めて前に進めるなら、きっと貴方なら大丈夫よ魔女の私が保証してあげるんだから

【お伽話は何もその全てがハッピーエンドではない、現実という結末はやはり当たり前のように目の前に横たわるものだ】
【それ故に痛みに苛まれることもあるだろう、何よりそれは魔女が経験してきた事だからこそ。今後の少女の苦難の多さも分かってしまう】
【己の身が末路だから同じように成れとは言わない、ありのままでいて欲しい。そう願う位は今だけでも許して欲しいと要らぬ神に願う】

─────……ああ、これは……私にとっても懐かしい、ありがとうね大事にさせて貰うから

【珠に渦巻く力には覚えがあり自分はあの時に助けて貰ったのだと思い出す、自分は決して与えるばかりではなく】
【様々な物が巡り支えられた末の物なのだと、ならばこれは少女の無垢なるされど熱き想いの塊だとすれば】
【「また、ね……」と、これ程暖かい物はないと、結ぶ指に力が篭る】

…………約束か、またしがらみが増えちゃったじゃないの─────

【昼と夜を二分するように暁に紅が飛翔する】
【眩しいが見つめられない訳ではないと、そうあれは太陽のように多くを照らすものだ】
【それの意味するところとは不滅、巡り墜ちようとも再び昇る絶対の星】

【焔が昇り魔女はそれを祝福しよう、そしていつの日かに会うことを願い─────】

/遅くなってしまい申し訳ありませんでした!お疲れ様でした!
639 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/15(木) 00:27:04.76 ID:Mj8jk0G10
>>637

そうですか……それなら、一緒に名前を考えた甲斐もありました。
やりたいことを見つけて、それに精一杯取り組む……簡単なようで、とても難しい事です。
それが出来るのは―――きっと、鈴音ちゃんが強いからなんじゃないかなって思います。
私、応援してますよ。鈴音ちゃんが頑張る限り、ずっと!

【その瞳を見れば、意志の強さが伺える。―――やりたいと思った事、今やっている事への、とっても強い意志】
【違う色の瞳は、同じ方向を向いていた。幼さの残るあどけない顔は、今は随分と大人びて見えて】
【大人びて見えるのは、きっと彼女が成長しているから。目標を見つけて、そこに向かって進んでいるから】
【重く苦しい過去に囚われず、けれどもしっかりと直視して、前に進んでいるからなのだろう】

【そんな鈴音のことを、皐月は応援したかった。少しでも、力になりたかった】
【一人で子を養っている皐月に出来る事はあまり多くないかもしれないが……それでも、「頑張れ」くらいは言えるから】


―――え?
……ごめんなさい、何て名前か聞き取れなかったんだけど……その子が、色々教えてくれるのですね。

【優しいと褒めたことに対して恥ずかしそうにする。それは別段変わった事ではないけれど……それとは別に】
【奇妙なことが一つ。鈴音の挙げた名前が、聞き取れなかった……ほかの言葉は何の問題もなく聞き取れたのに】
【彼女の言う誰かの名前だけが、一度ならず二度も聞き取れなくて……思わず皐月は首を捻ってしまう】
【特に問い詰めるようなことではないのだけれど……気にならないといえば、ウソになるのだった】
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/15(木) 00:48:45.01 ID:M6i0/qat0
>>639

……わたしね、強くないよ。弱虫なの、怖がりだし……、だけど、それでも、出来ること、きっと見つけられたの。
本当に強いのは他のひとたちなの。いいよってその日のうちに言ってくれたセリーナだったり、みんなから貰ったお金を分けてくれたマリアだったりする……と思うの。
わたしはね、強いひとの後ろにくっついてるだけ。だからね、まだ弱虫なの。……だけど、いつか、そんなひとたちと――同じ景色を、見たいの。

背中に隠れるんじゃなくって、ね。一緒に立って、おんなじ景色――見たいって、思ってる。

【自分なんてまだまだだと思っている。てんで弱虫で怖がりで泣き虫で、何かがあるとすぐに泣いてしまって】
【だけど、だから、いろんなものに怯えているかもしれない子たちの気持ちが分かるかもしれない。同じ場所に居たから、同じ景色を知っているかもしれない】
【それならきっと案内してあげられる、こっちだよって手を引いてあげられる。――信じてもらえるかどうかは別で、信じてもらうため、強くなりたいのだけど】
【それで、いつか。自分が強いと思うひとたちと同じ景色を見たいとも思っていた。物理的なものではなくって、もっと、何か――精神的なもの、心理的なもの】

【そういったひとたちが目標のひとつ、なのだろう。或いは夢のひとつ】

――え、あれ? *ちゃんだよ、****……、

【首をひねる皐月の仕草。それにつられたように首を傾げた彼女は、なんてことないように同じノイズを繰り返す。けれどそれはやっぱり言語のようには聞えなくて】
【もう少し長く紡がれるならフルネームまで口にしたのだろうけれど、それも、同じだ。それでいて彼女自身には普通に発音しているような気持ちがあるらしく、】
【はてなと首をかしげている。――、ええと、と、困ったように眉を下げて】

……とにかく、その子がね。いろいろしてくれたの。本当にいろいろ、してもらってて――、
その子が居なかったら、わたし、たんぽぽも始めようって、きっと思わなかった。その子が居たから……、
――その子とへびさまが居たから、わたし、きっと、こんなに、なれたの。

【そのうちに諦める。――衣食住があってこそ他者に手を伸ばそうなんて思える、なんて、そんな話をするなら】
【ノイズで呼ばれた“誰か”がいなければ、きっと彼女は動かなかっただろう。だって、家も、何もかも、用意してくれた人物なのだから】
【ひとりぼっちの自分を見かねてか家族になってくれた“へびさま”と、その“誰か”と。――ただ、皐月からすれば、ノイズでしかない“そのひと”は】
【どうにも胡散臭く見えたって仕方がない。それにへびさまというのも急に出てきた名前(?)で怪しくて。あだ名だろうか、誰かの?】
【嬉しそうに笑って彼女の視線は左手の薬指に移る。嵌められているのは銀の指輪、桜の花模様を彫り込んだ華やかなもの――そこも、また、違和感になりえて】

/申し訳ないです、明日早いので、一度凍結お願いできますでしょうか……っ!
/明日はきっと何もないと思うので、食事が終わる8時頃には待機していられるかなあと思うのですが……
641 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/15(木) 00:53:10.73 ID:Mj8jk0G10
>>640
//了解です!此方もそのくらいの時間には来れると思いますのでー
//それでは一旦お疲れさまでした!
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/15(木) 00:54:14.42 ID:M6i0/qat0
>>641
/ありがとうございますっ、それではひとまずお疲れ様でしたー!
643 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/15(木) 20:15:32.56 ID:rYY7GSOQ0
>>640

【三度、四度と名前は繰り返される。それでも名前は聞き取れない。まるで名前の部分だけラジオの電波が悪くなったみたいに】
【最初は自分が聞き逃してしまっただけだと思ったのだが……何度聞いても、名前の部分だけ聞き取ることが出来ないなんて】
【鈴音自身は至極普通に名前を言っているつもりらしく、困惑している様子。けれども皐月だって聞き取れなくて困惑していて】
【結局二人とも困ったまま、話は進む。皐月は何度もおかしいなぁというように首をかしげていた】

【まあ、無理をしてでも聞き出すような事ではない。奇妙なわだかまりは残っているものの、しつこく聞き質すのも悪いので】
【それ以上名前を聞き返すことは無く、話を聞き続ける。鈴音の口から綴られるのは、その子への感謝の気持ちで】
【恩人であるということは理解できる。正体は分からないけれど、そんなに色々してくれたのならきっと優しい人には違いない】

【以前出会った時は気にも留めなかったが……その時に見た鈴音の指輪は、あんなデザインだっただろうか】
【前に指輪を見たのは一年以上も前だから、もしかしたら自分の思い違いかもしれないが……何か、違和感を覚えるのだ】
【奇妙な違和感は、皐月の頭の中でますます存在感を増す。遠い記憶だけに、今の所は自分の思い違いであるだけかもしれないが……】
【それに……「へびさま」とはいったい誰なのだろう。鈴音と会ってもう長い事経つけれど、初めて聞く名前だ】
【鈴音が蛇の神様の末裔であるということは、以前彼女の口から聞いたことがあるが……そのことに関係する人物だろうか】

そうでしたか―――……なら、きっとその子は鈴音ちゃんにとっての大切な人なのですね。
私が独りぼっちになった時に衣織が生まれてきてくれて、変わることが出来たみたいに……

えっと……ところで、その「へびさま」っていうのはどなたですか?
鈴音ちゃん、前に自分は蛇の子孫だって言ってましたけど……その人も、関係してるのですか?

【彼女の人生を変えた二人の存在。それはきっと、皐月にとっての愛娘と同じように特別で大切な存在に違いないのだけれど】
【どうにも、彼らがいったい誰なのか見えてこない。腑に落ちない皐月は、鈴音に問いかけるのだった】

//お待たせしました、お返しします!
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/15(木) 20:41:41.03 ID:M6i0/qat0
>>643

【ううん、と小さく唸る。どうしてそういうことになるんだろうと首をかしげる。自分としては、なんら問題がないつもりなのに】
【皐月が覚えた指輪への違和感も、彼女は認識していないらしい。それとも最初からこうだったとでも言うように、何かリアクションをすることもない】
【そう。見間違えるというほど近しいデザインではない、明確に違っていた。確かあの頃は蛇をかたどっていたはずだ、銀の蛇――どこへ消えたのか】

……――うん、そうなの。わたしのこと、助けてくれた子……。
だけど。よく分からないこともいっぱいあるの、教えてくれないから――だけどね、悪い子じゃない、……と、思うの。

【よく分からない子。だけどいい子。そして悪い子ではない子。それが彼女からの認識で、そして、皐月の認識にもなるのだろう】
【うーんと小さく唸って考えて見てもよく分からないという認識になる。よく分からない子。もう一度小さく呟いて、うん、と、小さく頷き】

え――と。へびさま? へびさまね、わたしの……えっと、旦那さんなの。
そのひとだよ――わたしのご先祖さま。へびさまね、わたしがひとりぼっちだったから、ずっと一緒に居る、って、言ってくれたの。

【――おかしなことだった。一瞬目を細めて恥ずかし気に笑ってから、そんな風に返す。へびさまとは自分の旦那、なのだと】
【そもそも先祖と結婚するというのもおかしな話なんだけれど。それ以上におかしな何かがあって、ただ、彼女にわざと皐月をからかっている様子はなく】
【心底昔からそうであったと認識しているように喋っている。ちびちびと飲んでいたミルクティーは、ミルクのせいですでに冷めきっていて】
【さっきよりも甘く感じる味わいにおいしそうに笑う、それで、ぱちりとひとつ瞬きをしてから、】

……皐月には言ってなかったっけ。わたし、ご先祖さまと結婚してるの。……えっと、すごい前のひとで……、八百年くらい、前なの。
だから、その、――わたしは会うの初めてだし、ぜんぜん、知らないひと……みたいな感じ、なんだけど――。

【先祖と言っても数代前なんて話じゃない。もっとずっと昔の話、百を八つ重ねてもまだ足りない、もっと言えば、そこに二十七を足さないといけない】
【そんな昔頃に生まれた蛇であり神なのだからもう血筋としては遥彼方、血縁としては先祖子孫の関係でも、二人の中ではそう関係のないことらしい】
【だからあんまり変じゃない……よね?と確認するような目がちらりと窺う、変だと言われたなら、ちょっぴりしょんぼりしてしまいそうな、そんな様子】
【フロランタンの浮き上がったアーモンドを一片ぺらりと剥がして食む、「だいすきなの、とっても優しくて――」と付け足して、フォローしようとしているらしい】

/気付くのが少し遅れました、これからなら普通に返せます! よろしくおねがいしますー
645 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/15(木) 21:19:42.56 ID:rYY7GSOQ0
>>644

【皐月にとってよく分からない子は、鈴音にとってもまた同じくよく分からない子のようで】
【話をしている両人がよく分かっていないのだから、必然的に人物像はぼやけてしまう……】
【具体的な話がないから、どんな人であるかなど分かるはずもなくて……話は次に進む】

【「へびさま」――――話に出てきたその名前の人物の正体が、鈴音の口から語られる】
【自分の旦那なのだ、と。恥ずかしそうに、幸せそうに、笑顔で語ってみせるもだった】

【―――そうだったっけ。彼女の旦那は、そんな名前だったっけ。また、奇妙な違和感だ】
【まるで幻術にでもかけられているような気分だった。全部、自分の勘違いなのだろうか】
【違和感を覚えて仕方がないけれど、その違和感が正しいと示す証拠も無い以上勘違いかもしれない】
【何より、鈴音という少女が嘘をついたり騙したりするような子ではないのを、皐月はよく知っている】
【……きっと、自分の思い違いだろう。違和感は拭えないが、皐月はそう思うことにした】

そう―――ですか。その人が、鈴音ちゃんの旦那さん……

―――羨ましいなぁ……ずっと一緒に居てくれる人がいて。
私の旦那さんなんて、衣織が生まれる前に死んじゃったんですもの……そばに旦那さんがいるのが、少し羨ましいです。

今の私には衣織が居ますけど……きっと、いつか誰かのお嫁さんになって私から離れていくんでしょうね。
そうなれば、私は独りぼっちかも。……ちょっぴり寂しいです。

旦那さん、大事にしてあげてくださいね!ずっと一緒に居てくれる人がいるって、とっても幸せなことですから。
そして……いつでもいいから、「ありがとう」って言ってあげて下さい。―――死に別れてしまえば、もう二度と気持ちを伝えることもできませんもの。

【皐月は、その関係が変だとかおかしいとは言わなかった。ただ一言、「羨ましい」と】
【鈴音の旦那の話を聞いて、少し遠い目をしながら寂しそうに言葉を紡ぐ。浮かべた微笑みは、どこか切なそうで】
【もう自分には叶わない、手の届かない幸せ。大好きな人が傍にいるという幸せを思い描く―――】

646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/15(木) 21:37:42.02 ID:M6i0/qat0
>>645

【結局、この会話では答えは見えないし、皐月の違和感も、消えないのだろう。きっとそうだ、だって、彼女自身が認識していない】
【****という少女はよく分からない存在だし、****(へびさま)は、ただそこにそういった存在として、彼女の中に組み込まれているのだから】

ずっとね、一緒だったんだよ。生まれた時から一緒――だけど、へびさま、好きなひとが居たの。
だからね、わたしは、ずっと……違ったんだけど。……わたしのために、わたしを選んでくれたの。へびさまは――、

【生まれたときから一緒に居た。元から大切な存在ではあったけれど、それ以上になったのは、本当に最近のことだ】
【死んでしまったという話、細めた瞳は悲痛なようにわずか揺れて、何を言えばいいのか。一瞬悩むように、唇が微かに動いて】

……へびさま。へびさまは、一回、死んじゃったの。ううん、ちがくて、消えちゃったの……――、えっと。
だけど、へびさまは、……少しだけだけど。本当にちょっぴりだけど。神様だったから、戻ってこられたの。
へびさまのことを覚えてたわたしを手掛かりにして、戻ってきてくれたの。……。だから、ね、少しなら――皐月の気持ち、きっと、分かる……かな。

……すごく、悲しかったの。もう、ずっと独りなんだって思って。……いっぱい泣いたの、
でも――よかった。衣織が居てくれたこと、きっと、わたしなら、良かったって思うだろうから――。

【大切なひととの死別。不完全ながらも体験したことがある、あの時、“へびさま”は戻ってきてくれたけれど】
【神様という不安定ながらも常識から少し外れた存在だから、戻ってこられた。心の中にくすぶる埋火のような信仰を依代に、身体を取り戻せた】
【その代償として神様としての力を喪ってしまったけれど――だから今の彼は何とも定義できないような、謎の、存在】

【本当に死に別れてしまう苦しみは分からない。彼女に分かるのはその途中まで、だから、すべて分かるだなんて言えないけれど】
【だけど、きっと、自分なら。大切なひとが消えてしまったその場所で、大切なひととよく似た命を抱きしめられるなら、――それが、大きな救いになると思うから】

…………ねえ、衣織って、わたしより頭がいいんだよね? わたしよりお勉強、出来るんだよね?
なんだろ、なんか――悔しいな、衣織のほうが、ずっと年下なのに……。

【――だけど、真面目な顔はあんまり長続きしなかった。その子供の話になったからか、意識は簡単な連想ゲームをして】
【少しだけ嫉妬するような羨ましいような声でそんなことを言う。むう、と、小さく唸って――】
647 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/15(木) 22:18:58.72 ID:rYY7GSOQ0
>>646

ふふっ……私も、おんなじです。もう二度と大好きな人と会えないって……いっぱい泣きました。
―――でも、鈴音ちゃんの言う通り。あの子が生まれてくれたことは……きっと、私の傷を何よりも癒してくれたと思います。
自分のお腹から生まれてきた子を、ぎゅっと抱いたら……それだけで、一人じゃないって思えました。
……鈴音ちゃんも、いつか分かる日が来るのかな。大切な人と自分の血が混ざった子が生まれる喜びを……

【鈴音の言う通り、ずっと独りだと思った。自分が愛した、自分を愛してくれた、あの人はもうこの世にいないと】
【そう思っていた。けれど……それは少し、違っていた。自分は一人なんかではなかったと、お腹の中にいた子が教えてくれた】
【大好きな人と自分の血が通う小さな命を、そっと抱き締めた時……間違いなく自分はどうしようもない淋しさから救われていた】
【今も、完全に心の傷が癒えたわけではない。それでも笑っていられるのは……きっと、大切な我が子のお陰なのだろう】

【そんな我が子も、今や中学二年生。心も体も随分と大きくなったと思うのは、自分が親バカだからだろうか】
【鈴音が羨んでいるけれど、確かに勉強もよく出来る。自分の中学生の頃よりもよく出来て、本当に自分の娘なのかと思えるくらい】
【とはいえ、鈴音に面と向かって「はい、貴女より頭が良いです」なんて言うのはなんだか感じが悪いし】
【何より鈴音は勉強が出来なくたって、もっと大事なものをちゃんと理解している。その事を、親目線で鈴音に教えてみる】

うーん……確かに、勉強はよく出来ますけど……
でも、心は鈴音ちゃんのほうがずっと大人ですよ。あの子はまだ子供で、よく甘えたがりますし……

それに、お勉強だけが人間の価値ではないと思うんです。勉強よりも、もっと大事なことだってありますもの。
―――人の心や人の痛みが分かること。人の為になる人間になること。それが、私が子供に望む何より大切なことです。
最近は、頭ばっかり良くても人の心が分からずに平気で傷つけるような人が多いです。でも……
鈴音ちゃんは、誰よりも他人の苦しみが分かる。そうでしょう?―――それって、勉強よりもずっと大切なことですよ。

【ちょっぴり妬いたようなふくれっ面をする鈴音に、そんな事を穏やかな声で言う。】
【母親として、子供に望むこと。それは、頭の良さなんかじゃなくて……誰かの痛みを知り、誰かの為になろうとする心】
【鈴音はそんな心を持っている。それは、皐月にとっては勉強よりももっともっと価値のある事だと言うのだった】
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/15(木) 22:32:39.55 ID:M6i0/qat0
>>647

ううん……でも今はね、お店とかを頑張りたいなって思うの。たんぽぽだって、やっと、安定してきたし……。
もうちょっと、今のままで頑張りたいな。そういうのがいろいろ終わったら、考えるかもしれないけど――、……今は、まだまだかなって思うの。

【子供。いいなあと憧れる気持ちはある、元来子供は好きな性質だし、赤ちゃんなんてろくに触ったことがないから、触ってみたいと思う気持ちもある】
【だけど。じゃあ近いうちに?なんて話になれば、きっと彼女は首を振る。まだ早いと思っていた、何より、やりたいことはまだまだ山積みで】
【これを片付けてからじゃないと――と思う。それがいつになるのかは分からないけれど、――それでもいつか、なんて、思って目を細めて】

【国語、よく分からない。難しい漢字は「はてな」って感じだし、読める字でも、書けないもののほうが多い】
【算数、これもまた謎めいている。簡単な足し算、引き算、掛け算は出来るけれど――割り算、となると、少しはてなが増えてきて】
【社会、一般常識しか知らない。歴史? なんだっけそれみたいな感じ】
【理科、お花は好き。以上】

【――なんて、こんな感じ。お勉強していると言っても、時間はあんまり取れないし。小学の一年生のあたりからゆっくりやっているから、まだまだ追いつくわけもなく】
【だから彼女に学校的な問題を出したなら、たぶん分からないだろう。あんまりに常識なものなら分かるだろうけれど、それ以上になると、はてなにまみれて見えなくなる】

いいなあ――わたし、馬鹿だから。食べられる草とか分かっても、意味ないもんね……。
……そんなことないよ、わたし、怖がりだし、寂しがりだし、甘えていいなら、甘えたいもん、――その、へびさま、とか?

だけど、やっぱり羨ましいの。お勉強できるって、羨ましいな。わたしも、そのうち出来るようになるのかな……。
――それにわたしはやりたいこと、やってるだけだよ。やっと見つけたから、頑張ってるだけなの。……だからね、大したことないよ。
だってわたしがしてるのはお料理作ってるだけだもん、皐月だってお料理、作るでしょう? それと、おんなじだよ。

【成績がいいなら羨ましい、食べられる草とかそういうのは詳しいけれど(いっとき死活問題だったのだし)、それは算数には関係なくって】
【そもそも衣織は中学生なら数学をやっているんじゃないかとか言ってもきっと意味がないだろう。数学の問題なんか見せたら、きっとフリーズする】
【甘えたいのは自分だってそうだと少し恥ずかしいように、声を潜めて言う。――続けたのは、ひとの心とか、痛みとか、そんなのまず置いてしまって】
【自分がやっているのは、自分がやりたいことをやっているだけなのだと。或いは我儘みたいなものだというように、ふらりと小さく足を揺らし】

【自分がやっているのはなんてことない料理でしかないと。それをみんなのためにと昇華させているのは、許諾してくれたセリーナや、お金を出してくれたマリアのおかげ】
【だから自分はなんてことなくって、すごいのはそんな二人や応援してくれるみんなで、――なんて、にこりと笑ってみせ】
649 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/15(木) 23:03:11.91 ID:rYY7GSOQ0
>>648

そりゃ、私も料理は作りますけど……それは、あくまで自分や娘が食べるためです。
鈴音ちゃんは、誰かの為に料理を作ってるんですから……私の作る料理とは、きっと違いますよ。

それと……勉強も料理とおんなじです。
自分のやりたいことや覚えたいことを見つけて、頑張って学ぶ……それが、勉強です。
ふふっ……そう考えると、簡単なことに思えるでしょう?単純です、学びたいことを学ぶだけなんですから。
心配しなくても、頑張ろうって気持ちさえあれば、勉強なんてすぐに出来るようになりますよ!

【勉強。それだって、言ってしまえば自分のやりたいことを頑張って学ぶだけのこと。それなら鈴音の料理と大して変わらない】
【自分は、たまたま大学の先生なんて職業に就いてはいるけれど……決して頭が良いとかそういうのじゃなくて】
【ただ好きな生き物の事を頑張っていろいろ調べてたら、いつの間にかそうなっていただけ。鈴音となにも変わらない】
【だからきっと鈴音にも出来る筈だと、皐月は微笑む。勉強なんて、難しい事ではないよ、って】

【誰かの為に動くことを自分の喜びと考えて、決して傲慢になることはなく謙虚に力を貸してくれる皆に感謝して】
【自分のやりたい事を進めるだけだと、鈴音自身は大したことはないと言うけれど……その心構えは、立派なもの】
【これ以上褒めればきっと鈴音はまた謙遜するから、言わないけれど……やっぱり彼女は、よく出来ている】


【―――さて。すっかり冷めてしまった紅茶の最後の一口を飲み干せば、そろそろ酒場が開店する頃合で】
【もうすぐこの場はお茶会ではなく酒盛りの場になる。鈴音はお店番として、準備もしなければいけない事もあるだろうか】
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/15(木) 23:25:51.07 ID:M6i0/qat0
>>649

……わたしも同じだよ、自分で食べるためだったり、へびさまに作るのと、同じ気持ち。
お客さんにお料理を作るのも、その子たちに作るのも――同じつもりなの。だから、きっと、同じ。違わなくって――、
美味しいものを食べたいし、美味しいものを食べてもらいたい。せっかく食べるんだもん、暖かくて、美味しいものがいいのは、誰だって同じはずだから。

【自分や娘が食べるため、そんな風に言うけれど。他の誰かにふるまうことに、それ以上の気持ちなんて要らないと、ぼんやり思う】
【美味しいものを作りたいと思うのは相手が自分でも、大切な家族でも、他人でも一緒。自分なら美味しくて嬉しい、大切な家族も、喜んでくれる、他人だって、きっと】
【誰かが自分のために作ったもの。きちんとあたたかくて/つめたい食べ物。気持ちを込めて作るのなら、その場所に、きっと差異なんてないはずだと、言いたくて】

【勉強について。そう言われれば簡単なことのように思える。ふわあと柔く吐息を漏らして、そっか――なんて呟き】
【それからぱあと顔を明るくして、「頑張ってみる!」と笑うのだろう。ひどく単純な様子、だけど、それだけ皐月のことを信用しているとも等しく】
【何のことをお勉強しようか、なんて、考えれば。瞳がきらきらとしてくる、顔はなんともわくわくしたようなものになっていき】
【これじゃあ学校的な勉強なんて後回しになりそうだったけど。勉強にほぼ全く触れてこなかった彼女なのだから、これくらいでちょうどいいのかもしれない】
【無理に押し付けて苦手意識を持たせるくらいなら。――きっと先生役を請け負った紫色の少女だって、仕方ないなあと呟いて、許してくれる】

【――かちり、と、乾いた音がして。壁に掛けられた時計が、過ぎた時間を教えるように、数度鳴る】
【その音を聞けば彼女は慌てたように――思わず、という風に、最後の一口を飲んでいた紅茶のカップを机にたたきつけんばかりに置いてしまって】
【底を割り砕いたかと慌てたように確認してから、がたりと立ち上がるのだろう。右手でざっと髪を掻き上げながら、確認するかのように時計を見て――】

――――わあ、ごめんなさい。もうこんな時間になっちゃったの? ごめんね、そろそろお店の準備、もうちょっとしたいことがあるから――、
また来てほしいな。これくらいの時間なら、ちょっとだけ暇なこと、よくあるから――気が向いたら遊びに来て、今度は……うん、衣織も一緒に。

【わたわたと慌てたように言葉を紡いで、食べ残しのフロランタンを一口に頬張る。もごもごと口を動かしながら少し行儀悪く言葉を紡いでいって――】
【最後の笑みと言葉に合わせるように、ぐっと飲みこんで。なんて言いながらも手はフロランタンを包んでいたビニルを空っぽになった紙袋に突っ込んだり】
【簡単に片づけをしながら――だけれど皐月のほうにまだ食べ物や飲み物が残っているようならそれには手を付けず。ひとまずは自分の分だけ、盆にのせ】

……あ、でも、わたし、お料理の準備しちゃうけど……それでもよかったら、まだ居て大丈夫なの。
慌てないで大丈夫だよ、それじゃあ、また――、――ふふ、お酒飲んで行ってくれても、いいよ?

【ぱたたたたと厨房のほうに向かいながら。入り込む直前に振り返って、そんな風な言葉を紡ぐ】
【忙しいのは自分だけだから、皐月はまだ休んでいてもいいよ、なんて、くすりと笑って。急に帰れ、なんて言われてもどたばたしてしまうだろうから】
【今までみたいにゆっくり話すことは出来なくても、まだ居るというなら簡単な会話くらいならやるだろうとは余談。――それから、いたずらっぽくにまりと笑い】
【“お客さん”になってくれてもいいんだよ、なんて、――言って、厨房に入って行ってしまうのだった】

【――皐月の分のカップは置いておけばそのうちに片付けられるだろう。そうでなければ、厨房まで持ってきてくれるなら、ありがとうと笑うだろうし】
【言葉通りもう少し休んで行っても問題はない。なんならそのままお酒の一杯二杯飲んで行っても――もちろん、誰も無理強いはしないけれど】
【ほんの短い間の語らい。だけれど何か実時間よりも長く感じて――それだけ、いろんなことを聞けたという、証明なのだろう】

/おつかれさまでした!
651 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/15(木) 23:49:03.56 ID:rYY7GSOQ0
>>650
//お疲れさまでしたー!
//〆を書いている途中だったのですが、落ちないといけなくなってしまったのでまた明日ということでお願いします……!
652 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/16(金) 19:26:06.55 ID:TeofTui90

【霧雨が降り注ぐ夜の街並み、に紛れたとある路地裏】
【色とりどりの傘が鉛色の世界を彩るなか、そこだけは常と変わらずどんよりと薄暗いままで。】
【そんな道行く人々の他愛のない会話や笑い声を避けるように陰気臭い小路地。そこのある壁に凭れかかっている人物がいた】

――――……、

【片方のレンズにヒビの入った軍用ゴーグルで前髪を乱雑に掻きあげた10代半ばの少年だ】
【髪の色は透き通ったブルー。黒のライダースーツにグローブという全身黒尽くしの服装も相俟っその蒼色は暗闇の中であっても自然と目立つ】
【そしてそれよりも目を引くのは―――少年の今現在の様子だろうか】
【この少年、先程から壁に背を預けた状態からぴくりとも動いておらず。投げ出された形である両足のうち右足の太腿は半ば断裂寸前な状態で。】

【雨の日の裏路地。動かない人間。よくよく見るとそこら辺の地面や壁に残った戦闘痕。決して軽くはなさそうな傷――等々】
【パッと見だけでいくとまあ。ビジュアル的に色々とやばい奴だよね、と、嫌でも察せられるような現場となっていた】
【ちなみによくよく観察すれば少年の目蓋は閉じられてはいるものの時折震えていることが分かる】
【誰かしらに呼びかけられたり揺すられたり。なんなら一発二発頭を引っ叩いたりすれば確実に何かしらの反応は示すだろう】
653 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/16(金) 21:17:52.86 ID:9GlYbjG/0
>>652
【闇夜を霧雨がしっとりと濡らす】
【場所はきらびやかな通りから少し奥に入った路地裏】
【そこは有りとあらゆる混沌のるつぼであり無法地帯】
【下手に入ればすぐさま身ぐるみを剥がされても良いような場所に、しかしこの場所にはそぐわないような人物が歩いていた】

「〜♪〜♪」

【鼻唄を歌いながらスキップでこの路地裏を歩く人物】
【雨ガッパを着て長靴を履いて、背中には戟と呼ばれる長物、髪は鮮やかな紫で瞳は紅い】
【その幼い少女のような顔立ちの彼は…やがて力尽きた様な青色の髪の少年を発見する】

「えーっとぉ……お元気ですかっ!」

【等と見れば解るだろと言われそうな台詞をはきながら少年の身なりや傷を観察する】

「また派手にやったねぇー、凄い凄い!」
「でもこの足…あんまり血が出すぎると大変だよ?」

【この状況、流血、その全てに一切臆することもなく少年は少年に話しかける】
654 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/16(金) 21:34:44.80 ID:TeofTui90
>>653

【五月蝿い。最初に思ったのはそれだけに尽きる】
【やけに溌剌とした声に叩き起こされ、力無く項垂れていた少年は目蓋を開き、声の主へと視線を向けた】
【その瞳の色は髪と同じく蒼。エレミア石を彷彿とさせる色が自分より若干歳下であろう少年の姿を捉える】

……元気なワケ、ねぇだろ。見て分かれや。

【満身創痍そうな見た目に反して、その声には不機嫌さというかふてぶてしさがにじみ出ていて】
【苛立たしげにそう言い放つと相手の少年を睨みつけた。また厄介そうなのに会ってしまったと後悔しつつ。】
【足について言及されるとおもむろに眉を吊り上げて】

っ……何楽しんでんだよ、見世もんじゃねえぞ!ガキが……血なんて大したことねーよ。

【精一杯の怒号。だがいまいち迫力はなく。】
【それからこういった事象に相手が慣れているのなら蒼髪が言う通りあまり足から血は流れていない】
【まあ腹部やらそこらからの傷の血だから重症には変わりないけど。一番重症であるはずの足の出血が少ないというのは些かおかしく感じるかもしれない】
【そして足をよく観察すれば分かるだろう。そこにあるべき肉が見えるはずの断面図、それが殆ど機械やコードに差し代わっていることに】
655 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/16(金) 21:37:53.39 ID:TeofTui90
//【それからこういった事象に相手が慣れているのなら蒼髪が言う通りあまり足から血は流れていない】
→【それからこういった事象に相手が慣れているのなら蒼髪が言う通りあまり足から血は流れていないということに気付くかもしれない】
です。脱字すみません!
656 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/16(金) 21:48:24.28 ID:9GlYbjG/0
>>654
「あはは、そりゃそーか!」

【鋭い刃物のような視線も笑顔で受け流す、と、言うよりも対応になれているように見受けられた】

「もうっ、ガキじゃないもんっ!」

【ぷくー、とむくれて頬っぺたを膨らませる】

「ふーん、足がどぉかしてるのかな?」

【そういいながら足の、厳密にはそと傷口を覗き込む】

「おぉー…………………もしかしておにぃちゃんって悪の秘密結社にでも捕まったりしたの?」
657 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/16(金) 21:58:36.35 ID:HIDL175d0
>>650

【自分の言葉で鈴音が勉強に興味を持ってくれたのなら、先生冥利に尽きるというもの。勉強は、本来楽しいものなのだ】
【楽しいと思って、やりたいと思って、興味を持って勉強すれば……きっと、みるみるうちに上達するだろうから】
【勿論やりたい事ばかりするんじゃなくて、やりたくなくても覚えなきゃいけない勉強だってあるのだけれど……でも】
【今まで勉強しようと思っても出来なかった鈴音には、まずはやりたいことに触れて楽しく感じる方がいい】
【瞳を輝かせながら明るく笑う鈴音に向かって、皐月は「ええ、頑張って下さい!」って微笑むのだった】

【不意に時計の鐘が鳴る。それを聞けば、急に鈴音が慌てたようにあたふたしだすものだから】
【何事かと思えば……そろそろ酒場を開ける時間のようだ。鈴音は机の上をぱぱっと片付けて厨房に向かう】
【手際よく片付けをしたり、お店の準備をしたり。仕事モードの鈴音の姿は、いつものあどけなさとは違って見えて】
【心なしか表情もきりっとしてるような気がして、なんだかプロっぽくてちょっとかっこいい】

あら……もうお店が始まっちゃう時間でしたか。いえいえ、お気になさらず!
ふふっ―――それじゃあ、もう少しゆっくりさせて頂きましょうか!

【ちょっぴりいたずらっぽく笑う鈴音。その言葉に甘えて、少しだけUTの売り上げに貢献することにして】
【あまり酔い過ぎてしまわない程度にビールとおつまみをお願いして、楽しい時間を過ごすのだった】
【そうするうちに、辺りは暮れなずむ。―――さて、あまり帰りが遅くなって大切な娘を待たせる訳にもいかない】

では……あんまり遅くなると衣織も心配しちゃいますから、今日はこれで。
急にお邪魔したのに、こんなに良くして頂いてありがとうございました。今度は衣織と一緒に来ますね!
それじゃあ、また何処かで!お仕事、頑張ってくださいね!

【お代を支払えば、引き続き仕事を頑張る鈴音に向かって今日のお礼とエールを送って】
【最後に軽く手を振ると鳶色の長髪を風に靡かせて、皐月は足早に駆ける様にして家路についた―――】

//大変お待たせしました!お疲れ様でしたー!
658 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/16(金) 22:02:10.59 ID:TeofTui90
>>656

【苛立ちが募る。結構な手負いにも関わらずその表情は強気で剣呑で、実に好戦的だ】
【勿論戦える身体ではないということは己も相手も分かりきっていることだから無意味なのだけれど】
【その子供特有の無邪気さのある笑い声が癪に障った。子供は、嫌いだ】

は、ガキはガキだっつーの。文句があんならあと5年経った後に出直してこい。

【子供と揶揄され憤慨する相手を鼻で笑い。】
【その夢見がちというか、いまいち危機感のない問いかけに、またしても表情を曇らせる】
【ッチ、と舌打ちをしたのは相手の態度に苛立ったという理由だけではなかった】
【悪の秘密結社、だなんて陳腐な組織ではないにせよ。恐らく『捕らえられた』という点だけはある意味的を射ていたからだ】
【ガリと手がアスファルトを引っ掻く】

……知るかよ、気が付いたらこうなってただけだ。
悪の組織にされたからかは知らねぇし、月並みに正義になる気もねぇ。

【それだけ吐き捨てるとするりとズボンのポケットから白い布束を取り出す】
【大分素材はつやつやと光沢があるが形状からして包帯のようなものであることはあきらかで。】
【それを患部に巻こうとするだろう。少し意識を失ってから体力は多少回復していたのだろうか。手先は若干おぼつかないけど】
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/16(金) 22:15:29.12 ID:MkFmB+QA0
【路地裏。日々諍いが絶えることは無く、常に新しい血が古い血痕を上塗りしていると言い表しても良い其処】
【今宵もまた怒号やらが響き渡っていたのだが――――事の中心人物は、何ともこの場には似合わない者であった】
【修道着を纏った赤髪の女。それだけならばただ女が襲われて居るのだと判断も出来ようが】
【奇しくもその逆。女が一方的に複数の人物を叩きのめしている、なんて展開だ】


「――――笑えるわね。たった一人の女を殺す為に複数人で襲ってきた挙げ句何も出来ずに返り討ちだなんて
……さて、答えて貰おうかしら。アンタ達が連れてった子供達についてだけど」

【傍目から見ればどちらが悪者かなんて分かったものでは無い】
【血塗れの男達に、返り血のみの女。更にはその髪を掴んで持ち上げている、なんて状況なのだから】

【先程の怒号もこの時間なれば遠くまで響く事だろうし、或いは戦闘の音を聞いた者も居るであろう】
【何であろうと、この場を訪れたのならば。女の鋭い視線が其方へと向けられる事になるはずで】









【場所は数十年前に朽ちた街――――所謂ゴーストタウンと呼ばれる其処】
【夜の国に存在する其処は今宵も厚い雲に覆われ、一筋の光が差し込む事も無く。正しく闇夜と呼ぶに相応しい一夜】
【…………其処に濃い瘴気が漂えば、異界の入口にも思えるか】

【街の中に踏み入れば一人の少女が路上に居る事が分かるだろう】
【金色の髪に、朱色の双眸。纏うのは紅いドレスだけれど――――その少女こそ、瘴気を発している張本人であり】
【悪魔だとか、魔族だとか。様々な呼ばれ方をするが決して“善”の存在で無い事だけは確かで】


「――――……あら、こんな所に誰か来るなんて珍しいわね?

引っ越して来た人かしら。それなら歓迎するわよ?迷い人かしら。それなら闇に誘われない様に気を付けなさい?
それとも悪魔払いかしら。それなら――――――」

【くすり、と悪戯気に見せた笑みは精々十代のそこら。然れどその気配は確かに本物だ】
【「――――それなら、直ぐに回れ右をした方が良いわよ」なんて言葉。どうにも芝居がかった言葉だけれど】
【何であれ、急に害を為してくる様な存在でも無いらしく。ならばその先は出会った者の反応によって話も変わるのだろうけれど――――】
660 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/16(金) 22:18:54.33 ID:9GlYbjG/0
>>658
【苛立つ少年】
【しかしもう一人の少年の方は他人の感情に鈍感なのか、それともわかっててやっているのか知らないがどこふく風である】

「むぅ、それだとおにぃちゃんも五歳分老けてるからかわんないじゃかぁー」

【少年の話をうんうんと相槌を打ちながら聞く少年】

「うー、まぁ、あのバッタ人間も最初の目的は復讐だしね」

「もぉ、僕にかしてごらん?」
「結構細かいのは得意だよぉ!」

【おぼつかない手で包帯らしきもので患部を覆おうとしているのを見て手を貸そうとする】

661 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/16(金) 22:28:37.97 ID:TeofTui90
>>660

……ごもっともで。

【5年後には自分も老けているから変わらない。……言われてみれば確かにそうだ、違いない】
【そんなことを返されるのは少し予想外だったのか剣呑な目付きから若干虚をつかれたように。少しだけ目を瞬かせて。】
【はあ、と溜息を吐けばそんな風に返答する。最初と比べれば態度は若干柔くなっている…かもしれない】

だからオレをどこぞの特撮と一緒にするんじゃねぇって……

……本当に大丈夫かよ。
言っとくけど妙な線触ったら感電で死ぬからな?死んでもオレはなんも保証しねぇぞ。

【手助けをしてくれると言ってくれているにも関わらず、相手を見る視線はなんとなく訝しげ】
【一応この少年は機械である。機械が壊れコードが剥き出しになり。その上降り注ぐ霧雨でめっちゃ濡れてる状態】
【中に手を突っ込んだら有無を言わさず人生終了だが、と嫌味半分に言うのだが、先に言っておくあたり良心的というべきか?】
662 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/16(金) 22:40:49.04 ID:9GlYbjG/0
>>661
「えへへぇ♪」

【ちょっと鼻を空かせたのが嬉しいようで得意そうにドヤ顔を晒す】

「だねー、『現実は特撮より奇なり』って言うかもしれないしっ!」

【少年の脅しともとれる言葉にも動じることはない、と言うよりも自分の命がかかる状況に慣れすぎてるのである】

「それより失敗したらごめんねっ!」

【サムズアップで先に謝りながら意外にも丁寧に包帯らしき物を巻いていく】

「怪我とか良くするからねー」
「こーゆーのって得意なんだよぉ!」
「もっともちっちゃい傷とかは凍らせて止血しちゃうんだけどねー」
663 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/16(金) 22:54:42.13 ID:TeofTui90
>>662

……調子のんな、チビ。あとそんな諺はねぇから。

【前言撤回。やはり態度は辛辣なままであった。ただガキからチビへ呼びかたが変更されたが】
【なんだかこの子供といると無性に腹が立つ。普段抱く周囲への殺意とは違う、調子を狂わされる複雑な感情が渦巻く】
【まあ簡潔に言うのならば。少年は調子を狂わされるのが嫌いな癖に割と真面目というか素直なのであった】

失敗されてもオレは困らねーよ……って、おー、……その調子でいっとけ。

【内心雰囲気的に開始数秒で死にそうだなぁと思っていたのだがどうやら杞憂に終わったようで】
【くるくるととどこおりなく巻かれてゆくそれに少し感心したのか、ぽろりと掛け声を呟いてしまったり。】
【もう感電の心配も何もないだろう、というところで相手の言葉になんとなく反応して。】

……あ?凍らせるって能力者か?お前。

【血を見慣れているあたり、ただの子供ではなさそうだと思っていたが、と付け足して】
【その質問に答えるも答えまいも相手の子供しだいだ】
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/16(金) 22:56:03.09 ID:x8+PaIes0
>>659

【――永遠に明けない夜の中、ざあと吹き抜ける風は鳥が飛ぶよりも軽やかに、重たく澱む瘴気の中を躍り】
【やがてくるりと翻り鮮やかな紫色を揺らす、深く闇と瘴気の中でも穢されないほどに鮮やかな色味は、その人影の足元まで伸びていて】

残念でした、ボク、引っ越してきたわけでも迷い人でもなければ、エクソシストでもなくって――、くふ、そう、お仕事の帰りなのだけど……。
変わった気配がするから来てみたの、それだけなんだけども……ああうん、君は魔族か何かかな。

【やがて瘴気の向こうから表す姿も、また、少女のものだった。身長といえば百五十にも満たない程度と小さく、それどころか顔までも子供のようにあどけなく】
【丸く艶めく瞳は髪より少しだけ落ち着いた色味だけれどそれも鮮やか、愉快がるようにと細め、――お仕事なんて単語は、この少女の見た目ではひどく似合わない】
【「魔族はあんまり好まないんだけど」と言いながらも顔は変わらずに笑っていた、といっても嘘めいたものではなく、純粋に、ある程度の水準で楽しんでいるようなもの】
【来てみたなんて平然と言い切るならば――否、その前に気付くだろう。この少女はひどく濃い/強い風の魔力を持っていて、何か人でない気配がする】

【鮮やかな色味の髪は膝よりも下まで伸びて踝の辺りまである、その足元までを隠すのはドレスのような服、しゃらりと魔具で飾ったドレスと】
【魔力を篭めた糸で縫い上げたマント、そのどちらもが紫色の範疇に収まる色合いをしていて、それなら、髪と瞳、服装、靴までも――全部が紫帯びた色味】
【なんてことない普通の小学生のような。素体だけならばそう見えてもおかしくないのだけれど、纏う魔力や、服装の様子が、そうじゃないと言外に主張していて】

悪魔祓いじゃないからもう少しここに居てもいいかな。ここは君の街? ボク、お仕事場が同じ夜の国だから、気になって――。
――ほら、雇い主や護衛対象に何か危害があっても。ねえ、大変だもの。君の邪魔をするつもりはないんだ、君がここから動かないならば?

【長い髪をつうと指で梳く、長い長い長さはただ突っ立っているだけで絡みそうなものだが、そんな様子はちいとも見いだせず】
【腕を曲げて届く程度までの髪を梳いて、あとは投げ出すように放る。さあと舞い踊った髪がやがてひらりと毛束たちに混じって行って、分からなくなり】

あっちに行ってもらっちゃあ、困るんだよね。

【くすりと笑って、紫色はついと指を指すのだろう。あっちと言ってもあっちのあっちのあっちのほう、つまり、結構先までの“あっち”を示して】
【大雑把だけれどそっちには行くなとも言っているよう。それだけが叶うなら、「ボクとお話しない?」なんて安っぽいナンパのよう、少女は笑って尋ねるのだった】
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/16(金) 23:01:28.51 ID:s1kHjQmwo
【大通りから少し離れた路地裏にて】
【腰を抜かした男性と、それを尋問するメイド】
【ー特にメイドは二基の軽機関銃を構えて立っていた】

「あなた、何かご存知なのでしょう?
 マテリアルの競売段階で、談合をしたという話について、ですが・・・。
 ともかく、言うか言わないか、はっきりしていただかないと、私も帰ることが出来ません故。
 出来るだけ迅速な回答をお願いします・・・。」

『ま、待ってくれ!
 それだけは、それだけは本当に勘弁してくれ!
 頼む、俺はそれを言っちまったら死ぬしかねえんだ!』

【どうやら、仕事の話のようだが】
【状況からして二者は敵同士、としか考えられず】
【このメイドは今にも男性を殺しかねない勢いなのだがー】

「・・・。
 それでは、あなたに選択の余地をあげます。
 今すぐ談合について全て話すか、其れともここで私に撃たれて死ぬか・・・。
 どちらがよろしいですか?」

【このメイド、とんでもないことを言い出す】
【これを聞いて駆けつける正義の人物もいるだろうし、偶然通りかかっただけ、という人物もいるだろう】
【どちらにせよ、この状況、男性を助けない人物など、あまりいないはずだが・・・】

【なお、ここは人通りの少ない路地裏だ、声もよくとおる】
【それ故、この会話は近くにいるようなら鮮明に聞き取れるはずだ】

//よろしくおねがいしますー
666 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/16(金) 23:09:11.06 ID:9GlYbjG/0
>>663
「も、もぉっ、チビじゃないもんっ!」
「僕だって148cmあるもんっ!」

【実はかなり気にしてたらしい】

「うー、でも諺って大体が意味不明だからいいんじゃない?」
「それこそ適当に言ってもなんかかっこよく聞こえるしぃ」

【そして無事滞りなく綺麗に包帯が巻かれる】

「えへへぇ、それでよしっと!」

「ん?あぁ、そぉだよぉ…」
「誰が読んだか『血塗れかき氷(ブラッティアイスエイジ)』っていうんだけどねー」

【フフンと自分の愛しの姉の真似をして胸を張り】

「特撮っぽく言うならっ!」
「ワザワイ・エスパスは能力者であるっ!」
「自由とか正義とかよりもリーベおねぇちゃんのために戦うのだっ!」

【ご丁寧にポーズまでつけているが残念な事に初代じゃなくて何故かΧみたいなののポーズだ】
667 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/16(金) 23:16:24.32 ID:1rDMAG03O
>>665
【どうしたって拭えない違和感と言う物が存在して、それがこんな場所で感じられればより一層違和感は増す】
【静寂と暗闇、一つ角を曲がれば人知の及ばぬ人外魔境かもしれない。そんな不安と一抹の好奇心】
【それらが混ざり、合わさり、練り固まって、出来上がったのが此処へと入り込む勇気】

【特にこれと言った理由は無いのに、何が居るかもわからない世界へと足を踏み入れる】
【若さ故の過ち、そんな風に形容する事もあるだろうか。ブロンドの長髪の少女は恐る恐る足を進めていて】
【そんな時に聞こえた声は何処か、懐かしい気もするし最近聞いたような気もする】

あれ?けーきかんじゅうとビールの人?こんなところで何してるの?

【幼さの残る声でそう眼前の人物に語り掛けると彼女はその状況を見て顔を訝しめる】
【優しく物事を教えてくれた張本人が今度は人を殺しかけてる、理解しようにも理解しがたい現実は嫌でもそれを認識させて来て】
【すぐに悲哀の表情へと変えると、彼女は震える口で声を発する】

ねぇ……お姉さん?何で、そんな事してるの?
おじさん……怖がってるよ……?

【偶然通りがかっただけでも、ここまで最悪のシナリオは自分には予想しがたい】
【もしこれが戯曲にでもあったならもれなく人気は出るだろう、別の意味で】
【胸の前で手を握り合わせる少女、ブラウスの紅いリボンがビル風に揺れ、一層彼女の不安を駆り立てる】
【彼女の、その凡そ人間とは思えない後方の尻尾はいつにも増して揺れ続けていて】
【彼女の心理を顕著に現していると気付くだろうか】

【こんな状況でどんな判断が出来るか、それもまた一興】
668 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/16(金) 23:27:55.43 ID:TeofTui90
>>666

あっそー……ま、オレの方が高いけどな。当然だけど。

【嫌がらせのごとくそんな言葉を返す少年。にやりと小馬鹿にした笑いを浮かべているが少年と相手の身長差は13cm。正直に言うと自慢できるほどの差ではない】
【まあそこは敢えて触れず。こちらが座っていることもあって慎重については誤魔化せているのだし】
【諺をアクセサリ程度にしか思っていないらしい事に関してはへーそうだなー程度で流しておく。断じて少し納得した訳ではない、断じて】

【とりあえず相手による治療?は完了する】
【まあ漏電を防ぐための措置と応急手当てを一気に行ったようなものであり。】
【全快とはいかないがこれにて一安心といったところだろうか】

へえ、名前的には氷とかそこらか。
……いや、テメェの姉ちゃんのことは知らねぇって。お前を見る限りまともな奴ではなさそうだけどよ。

【ブラッド、というやけにアレなワードがあった気もするがそれは置いておいて。先程の凍らすという発言も踏まえて恐らく氷結系の能力だと予測する】
【若干心理的に余裕ができたのかそんなことを尋ねた。】
【突然飛び出てきたリーベおねえちゃんという単語については渋い表情で首を傾げる。あとそのポーズ…と思わず言いかけて言い淀む】
【言及するとややこしくなる上に割とその手の知識に詳しいってバレそうだし】
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/16(金) 23:28:04.56 ID:MkFmB+QA0
>>664
「貴女が例え悪魔払いでも、咎める事はしないわよ。ええ、私は貴女を咎めないわ
だって、人が何処を歩いても其れはその人の勝手なのだもの。何処かで気付かない内に、誰にも知られない内に死んでしまってもその人の勝手なのだもの」

【クツリ、と一人笑んで見せた。恐らくは魔族――――悪魔と呼ばれる存在】
【自由気まま、といった表現が良く当てはまるか。人通り所か住まう者も居ない街で一人散歩】
【珍しく誰かと会ったと思えば、ただの迷い人では無い気配。故に、漏れた笑み】


「此処は人間が作って、人間が忘れた場所よ?不思議よね、不思議
沢山の時間を掛けて、沢山の人間が作り上げたのに忘れてしまうのだもの。今は覚えて居る人なんて本当に少しだけ

貴女も自分が気付かない内に忘れている事が沢山あるのかしら。いいえ、其れを知っていたら忘れた事にならないわね」

【そして、例え何者かが目の前に現れようと見せぬ敵意。それも今は、だけれど】
【少女の言葉を聞いたならば指さされる方向へと視線を向けて】
【答えを返すまで暫しの時間を要する事となるか。まるで焦らすかのようで、或いは反応を窺うかのようで】


「そうね――――“今は”貴女が指している所に行く必要も無いの。私はただお散歩をしに来ただけだもの
だけれど……“貴女のお話次第”では用事が浮かんでしまうかも知れないわ
だって、もしも楽しそうなお話なら見てみたくなるもの。もし、貴女の護る人が楽しいお話を持っているなら、だけど」

【今は特に行く必要も無いが、話を聞いていればもしかすれば。そんな巫山戯た答え】
【歩くにしては随分と遠い距離であろうか。それでも平然と行くと言うのだから、冗談――――とも、取れぬか】
【何にせよ、話さないかとの提案には頷いた事となる。それが良い方向悪い方向どちらに転ぶかは別として、だ】


「――――それに、貴女は純粋な人間でも無さそうだもの
だけれど、私達悪魔とも違うのだから…………お話してみるのも、面白そうよね」

【小首を傾げ最後に紡いだ言葉。「貴女は何かしら」なんて言葉】
【それは職を問うている様にも聞こえるし、種族を問うている様にも聞こえるであろうか】
670 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/16(金) 23:40:44.13 ID:9GlYbjG/0
>>668
「ぼ、僕だってその内背丈が伸びて追い越しちゃうんだからねっ!絶対だかんねっ!」

【例え団栗の背比べであったとしてもかなりムキになって青い髪をポスポスとグーにした両手で叩く】

「えへへぇ、とりあえずはこれで大丈夫かな?」

【包帯を上からペシペシ叩く】
【親とか保険の先生にやられる時は軽くブチギレるのに自分がやる側だとなぜかやりたくて仕方なくなるから不思議である。】

「なっ、なんでわかるのぉーー!?」

【ネーミングで丸わかりなのに気付いていなかった模様】
【今まで幾度となく名のって来たが意味なんて「なんかっこいー」くらいしか考えてなかったのである】

「リーベおねぇちゃんのわるくちいわないでっっ!」

【今度は凄い剣幕で壁ドン…すると同時に後ろの雨に濡れた壁がバキバキと音をたてて凍り付く】

「リーベおねぇちゃんは綺麗で凄いのっ!」
「髪とか目とかが夜色でやさしくってやわっこくってあったかいのっ!」

【ムスーっとしながら手を壁から離す】
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/16(金) 23:48:46.94 ID:x8+PaIes0
>>669

【魔族、もっと言えば悪魔。そんな存在を前にしても、紫色の少女の顔は変わらなかった。面白そうにわずかに首をかしげてみせて、くすりと笑い】
【悪魔相手にも笑う程度に自分の力に自信があるというのか。それとも単なる考えなしの馬鹿なのか、長い前髪を耳に掛けるようにかきあげれば】
【ちゃらりと服の飾りが鳴いて――微かに細められた目が、刹那に相手をじっと見据え】

うん、まあ――ボクには無いかな。もちろん、あったとしても、それは気付けないのだろうけど……。
無いということにしてもらっていい? 無いと思うんだ、ボクの記憶が正しければね。

だけど……ボクがもしもそうするなら、すべての記憶を奪い取って書き換えるくらい、するからね。気付くことも出来ないよ。

【忘れたものなどないという。そんなの嘘みたいな話、だけど、忘れたことも忘れてしまうなら、何も怖くはない】
【まあとりあえずなんて軽い感じで言葉を返し、だけど、“もしも誰かの記憶をいじるなら”――少し話がずれたようにも思えるけれど】
【もしも記憶の自然な忘却までもが誰かの手によるものならば。或いは誰かが意図的にこの記憶をいじったことがあるとするなら】
【気付けないのが王道でしょうと笑って返した。数秒と開く間にも、あまり変わらぬ表情で応じる。その先に何かがあるのは確かなはずでも】
【それがどうにかなることに必要以上の怯えや恐れを抱いていないような様子。自分のもう一方の腕をもう一方の腕で抱えるようにして、少し待ち】

じゃ、そのままの君で居て欲しいな。ボク、今の君だーいすき。今の君って素敵だもの、ほうらその笑顔とかね。
……まあほら。彼方にもお姫様を護る騎士くらいは居るからさ。なんならボクもこのまま蜻蛉返りしてもいい気持ちだし……暇だしね。

【なんてひどいどうでもよさげだ。ある程度困りはするのだろうけれどそれ以上ではない、流すままに流れろとでも言うように、ただ軽い言葉を並べ】
【まあここでボクと話そうよなんて言う風に首をかしげてみせた。それからくすすと小さく笑って――】

ボク? ――君はボクをなんだと思う?

【人間ではない何かがそっと笑って尋ねる。ひとのかたちをしていてもそれは明確に人とは違う。なんなら、人より魔族の少女とも似通うかもしれない】
【だからといって悪ではない。纏う風はやわらかで温かく優しげなもの――或いは神聖さすら感じさせる。だけど、その身には確かに闇の香りもして――不明瞭】
【「ボクってなんだろう」と呟いて、相手の言葉をどこか楽しそうに待つ。自分が魔族からはどう見えるのか、その答えが、どこか待ち遠しく】
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/16(金) 23:54:00.65 ID:s1kHjQmw0
>>667

【黙り続ける男と、回答を催促するメイド】
【メイドはついに痺れを切らし、軽機関銃を男の額につけ】

「そうですか・・・。
 答えられないのであれば、私は其処まで無理強いは致しません故・・・。
 他にも証人はいらっしゃいますし、貴方には消えて頂いて。
 それでは・・・!?」

【トリガーに指をかけ、引く寸前】
【その瞬間だった、人の気配がして】
【一機は男の額につけ、そしてもう一機は気配のした方に向けて】
【そしてメイド自身もそちらへと振り向いたがー】

【以前会話した覚えのある少女が、其処にはいた】
【少女は如何にも哀しそうな目をし、そして尾は興奮したように揺れていたのだ】

「っ・・・
 貴方は、以前お会いした・・・。
 そんな哀しい目をなさらないで下さい・・・。
 これは私にとっては重大な任務、決して失敗は許されないものでして・・・。
 手を血で染めてでも為さねばならないのです・・・。」

【少女に向け、こう説明するのだが】
【以前、このメイドの違う側面を見たからか、いささかこの光景は信じがたいものだろう】
【だが、これは任務であり、私にとっては失敗が許されない重大な事であるー】
【そう伝えたかったのだろう、少女がどう受け止めるかは分からぬが・・・】

【そして男の方へと向き直ったときだ】
【男は走って逃げ去ろうとしている、が、軽機関銃の射程圏内であった】
【「失敗は許されない」任務だからか、相当の重責に自我を忘れ】

【男の足に向け、】
【耳をつんざくような銃声を伴いながら、鋼色の弾丸は疾風りー】
【直撃、瞬間、男の足は紅いザクロが咲いたように血を噴き出した】

【これを少女がどう思うか、そんなことを考える暇はない】
【男の方へとメイドは歩みを進めていく】
【少女はメイドを引き留めるか、それともー?】
673 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/17(土) 00:04:52.72 ID:XqNkKwm90
>>670

……いっっ!テメェ、怪我人だっっってんだろうが!

【グーでポカられ、ついでにペシペシと叩かれて。機械の癖に痛がるのかと突っ込みが入りそうだが彼はサイボーグであり純粋な機械ではない】
【内部は生身だから傷を付けられたらそれなりのダメージはいくし、ほぼ機械に変えられた四肢であっても、神経まで傷が到達していれば当然だが痛覚は反応する】
【ちなみに脚を叩かれ苦痛の声を漏らしたということは、傷が深いということに加えてメチャクチャ痛かったということであり。】
【思わず怒鳴る。尤も相手の少年がそれぐらいで反省するとはあまり思えないが。】

そりゃ直球だからに決まってんだろ。アイスは氷だっての。

【わからないで言っていたのか、と心底呆れた様子だ】
【とりあえずそのくらいは覚えていた方がいいだろうと簡単な知識を伝聞でさらりと教えてやる】
【そこまでは次第に打ち解けた様子だったのだ、が。】

……っ!オイ!いきなり何し――――、

【突然狭まる視界、そして相反して近くなった相手の表情――そして、彼の能力の片鱗に思わず得物の鞘に手を掛ける】
【一瞬怪我のことも踏まえて、この至近距離で攻撃受けたら死にそうだとも思ったが、実際は戦いに発展するでもないらしく。】
【ただの癇癪で力を使う相手にはあ、と呆れた溜息を吐いた。肝が冷えたのもまた事実、降参と言わんばかりに手を挙げつつ先程の言葉を訂正するとしよう】

あ”ー……ったく、へいへい、悪かったよ。テメェの大切な姉ちゃんを馬鹿にしてな。

【姉について語る言葉はやはり拙く此方には外見の特徴しか伝わってこない】
【わかりにくいとも思ったがまあ察せられる。その姉とやらはこの子供に愛されていて、そして子供も姉に愛されているのだと】
【蒼の双眸が不意に子供から逸らされる。どことなく申し訳なさそうだという印象は受けるかもしれない。】
【愛し愛される。それは大層素晴らしいことだろう。……己には無縁なことだが】

674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/17(土) 00:13:23.89 ID:MQJx+mTs0
>>671
「あら、お姫様と騎士だけじゃお話は成り立たないわよ?
其処には大臣や王様や悪い人達が居て、漸く楽しいお話が出来上がるのだもの
その内の一つでも欠けてしまえばきっとそれは魅力の無いお話。例えばそう、貴女が日向に出てこれない人だったとしても」

【所詮は少女の事情など分からない。何か訳ありか仕方なしに護っているのかすら】
【そして其処を突く事も無いのだから、知る事も無い。全てを知るよりは、知らない部分を想像で補う事の方が楽しい事も多いからなんて事】

【例え脇役であろうとそれが欠ければ物語は完結しない】
【少女の与えられた役は知らないが、何で有ろうと同じ事。或いは姫にも騎士にも気付かれぬ存在だったとしても】
【結局個は全てに繋がるなんて話だ。何を為すにしても、誰かの影響が話を作り替えて行く】


「そう、ねぇ…………」

【何だと思う。その言葉を聞けば、じいと双眸を見遣って考える素振りを見せ】
【感じる魔力は大凡人間では無いようにも思える。かといって他の種族かと問われれば――――】
【そんな考える“素振り”。問いを投げかけられていた時から、答えは出ていたのだからただ表面上だけの思案】
【誰であろうと、それはその人物。少女が何であろうと、少女である事に変わりは無かろう】
【故に、嗤って見せたならば答えを紡いで】



「貴女は貴女ね?もしかしたらシルフや使い魔、異能者や別世界人。色々な答えがあるのかもしれないけれど
それでも、貴女は貴女なのだもの。何にも変わる事の無い、遠くに居る悪い悪魔から人知れず護っている人
――――違ったかしら?」

【答えをはぐらかした訳でも無い。正真正銘、これが悪魔の出した答え】
【己の事を悪い悪魔と表し、ならば少女は誰にも知られない影の騎士だと】
【――――まるでからかうかの様な口調。其れは答え合わせにも似るか】
675 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/17(土) 00:18:31.67 ID:wGT2t3KBO
>>672
【眼前で血飛沫が瞬く、視界は良好されど現状は不明瞭】
【瞬間、彼女の中で何かが切れた気がした。あれだけ楽しい事を教えてくれた人がそんな事をするはずが無いと】
【それでも認めたくない気持ちと、心の何処かで認めなければいけないと思う心理】
【もう、考える暇も無い、彼女の感情は際限無く高まり、煮え立ち、終いには解き放たれる】

ねぇ、怖がってるって言ってるよね

【彼女の声は冷たく、先程とは比べ物にならない程重苦しく響いた】
【彼女の腕には一本の黒紫色のレイピアが握られている。同時にメイドと自分の上方へと同じ物が投げ放たれ】
【上空で金切り声を上げ霧散し、消えて行く、それは一種の号砲のような物か】

ねぇ、ダメだよ、そんな事。オジサン怖がってるじゃない
ビールのお姉さんは優しかったよ?だから今も優しいよね、優しいよね?
だからそんな風にけーきかんじゅうを使っちゃダメだって、それは私が教えてもらった物だから
ね?ね?もうそんな事しないでしょ?だから、優しいお姉さんで居られるよね?
ヴァンプちゃんに色んなもの教えてくれた人で居られるよね?

【立て続けに声音を重く、低めたまま、そう言い続ける。視線は眼前の女性ただ一点を見つめ続け】
【紅い瞳は既に年相応の少女の物では無くなっており、ハイライトは消え、心ここに在らずと言った物】
【豹変とも呼べるその態度は彼女が心のバランスを保つために編み出したある種の護身術か】
【右手にレイピアを持ち、瞬きの無い半笑いの顔で少女は近づいて行く】

ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ?
そんな事しちゃダメだよ?

【これを正気の沙汰と思える人間はそう多くは無いだろうか】
【それ程までに狂気に満ちた彼女を止める事は言葉で出来るか否か……だが、可能性は無きにしもあらず】
【しかし、武力行使と言う手も無い事は無い。全ては眼前のガンスリンガーメイドに委ねられる】
676 :ワザワイ・エスパス ◆0OEYGVrXeU [sage]:2015/10/17(土) 00:31:04.62 ID:aWJVZ0KN0
>>673
「いーのっ、そんだけおっきぃ声だせるんだからっ!」

【これも良く言われる台詞】
【そして割りと重症の時に励ましとして言われたりもするがかなり洒落にならない】

「なんっ………だと………!」
「ずっとアイスと言えばソーダ味の名前の割には固くない奴を指すこゆーめーしだと思ってたのにっ!」

【一時期のコンポタ味が今は昔のあれがお好きな模様】

「ふんすっ、わかればよろしー」

【良くできましたとばかりにその掌で頭を撫でていれば少年の表情の変化にも気付く】
【そして初めて真面目な口調で語り始めた】

「考えてることは解るよ……ううん、やっぱり解んないかな…人の考えてることなんて」
「リーベおねぇちゃんは僕の考えてることすぐにわかっちゃうけどね!」
「でもね…」
「僕とリーベおねぇちゃんね……」
「ホントの…姉弟じゃないの……」
「僕も物心つく頃にはこんな感じの路地裏に居て…リーベおねぇちゃんに拾ってもらって……」
「だからおにぃちゃんも諦めないでねっ!」
「いつかきっと良いことがあるからっ!」
「人は変われるってリーベおねぇちゃんが言ってたもんっ!」

【実際、彼の半生は悲劇的の言葉すら生ぬるい地獄であった】
【飢えと狂気に憑かれ、殺人と強盗を生業とし】
【凡そ教養と人間らしい心を持ち合わせていなかったこの紫色の少年は、一人の優しい夜色にいよって救われたのだ】
【0どころかマイナスからのスタートではあったが、それでも今彼はここにいる】

「おにぃちゃんも絶対に変われるんだからねっ!」
「僕が…「犬神・ディザスター・禍」から「ワザワイ・エスパス」になれた見たいにっ!」

【そういうが早いか青色の少年の手に自分のおやつであったラムレーズンの入った小袋を渡してから立ち上がる】

「えっと…御大事にっ!また今度会ったら…その時はおにぃちゃんの名前を聞かせてねっ!」

【次の瞬間一陣の風が吹き、周囲がダイヤモンド・ダストによって一瞬ホワイトアウトする】

【照れ隠しか、はたまた別れ際の演出か】
【紫色の少年は既にそこには影も形もなかった】

//眠気が凄く限界なので多少無理矢理ですがここで〆させていただきます。
//また御縁がありましたらその時はまた!それではお休みなさいませ!
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/17(土) 00:31:48.45 ID:pAAmC7cV0
>>674

あっはは、お妃さまも王様も死んでしまったよ。だからボクが居るの。呼ばれたからね。
悪いやつは……どうだろうね? 居るかもしれないし、居ないかもしれない。

【呼ばれたからここに居る。もっと言えばこの場所には呼ばれても居ないのだけれど――まあ、好奇心ということにしておけばいい】
【呼ばれたというからには少なくとも二人は居るだろう誰かには気付かれているはずだ。それでもよほど入れ込んだようには見えず、それでも、】
【よほどドライというようにも見えない。悪いやつはどうだろうとくすくす笑って手をひらりとさせる、それはやがて指を揃えて相手を指して】

それとも君が?

【なんて、問うのだ。護るにしては軽く、それでもボクはいいんだけどねだなんて言い出しそうな顔をして、目を瞬かせ】

――そうだね、ボクはボクだよ。君が君であるなら、それでないと不公平……だからさ?

【違わない。そうやって少女は簡単にその答えに丸を付けてやる、欲しがるならいっそ花丸をつけてやってもいい、良い子だけに赦された、特権マーク】
【相手が相手であることを認めるなら、自分が自分であることも認めなければ不公平だ。相手に対してか、自分に対してか、そしてきっとそれは相手に対しての話】
【こつりと小さく足音を鳴らして相手へと一歩近づいてみる。背丈は小さいけれど相手よりも小さいのだろうか、それなら、子供のような顔をして、顔を見上げてなんてして】

花丸のいい子にご褒美をあげなくっちゃあ。ボクのことをひとつ話してあげようね――ボクの好きな物は紅茶だよ。
何か君のお勧めの茶葉があったら教えてくれる? ボク、紅茶なら何でも好きだからさ、ティーバッグでもなんでもいいよ。
ボクのところのお姫様はティーバッグが一番楽で美味しいなんて言うんだ、文句はないけどね。

ボクはあんまりお腹が空かないんだけど。ケーキなんかも作ってくれるんだよ。そんな時は食べるようにしていてね。

【それで何の感慨もなく、今度は自分のことをひとつ教えるのだ。なんてことない嗜好の話、紅茶が好きだなんて、そう伝えて】
【相手の好きな茶葉を知りたいだなんてからかうように我儘する、教えてほしいなあなんて、声にまで出して催促してみせ――けども、無理強いするほどではなく】
【結局常飲しているのはティーバッグというところだろう。だけどそれでも文句はないなんて、気取った紅茶通なんかとは、きっと少し違って】
【おまけにもう一つ。食事はあんまり要らないタイプらしい。――背中にそっと回した手、髪の毛の中にくしゅっと手が埋まって、さらさらと腕の表面を、紫色が撫でていった】
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/17(土) 00:43:47.33 ID:Ee4xEzYX0
>>675

【男の方へと歩みを進めていた、その最中】
【メイドの背後で、少女の声でない、冷たく、重苦しい声が響き】

【それでもなお、歩みは止めなかった、が】
【突如頭上で鳴り響く金切り声】
【これはメイドにとって相当の不意討ちであり】
【目眩でも起こしたか、よろよろとしながらも少女の方へと向き】

「一体何を・・・!?
 待って下さい、私はただ・・・。」

【其処までは話した、だがその後の言葉は続かず】
【話しても無駄である、と悟ったのか】

「そのレイピアを離してください。
 離さなければ・・・、撃ちますよ・・・?」

【取り敢えず少女の方へと軽機関銃の銃口を向け】
【そしてレイピアを離すよう要求するのだ、ただ、メイドには実際に撃つ気はなく】
【だが、「優しいお姉さん」という少女の中に存在する概念】
【それは銃口を向けられたことにより崩れるかもしれないが】
【まあ、全ては少女の感情が決めることだ】
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/17(土) 00:50:41.01 ID:MQJx+mTs0
>>677
「善い悪魔なんて居ないわ。貴女の目の前居るのも、悪い悪魔
そうで無ければ、悪魔なんて呼ばれないのだもの。天使に会いたいのならば、そうね……似たような人擬きに会える教会なら教えてあげるわよ?

――ええ、そう。私は私
一人だけで、他には居ないのだもの。同じ人間が居ても、同じ悪魔が居ても、同じ名前があっても其れは私では無いのだから」

【悪いから悪魔。善い悪魔なんて矛盾は存在する筈も無いのだと】
【そして至るのは自己の肯定。自分が消えれば、もうそれで終わり】
【代役など居る筈も無い。現実は現実、物語とは異なるのだからなんて続け】


「紅茶は私も好きよ?だけれど、私の好きな紅茶には名前が無いの
紅茶は紅茶。それ以外の名前は人が勝手に付けただけ――――なら、それに振り回されるのも可哀想だもの

そうだ。一つ悪魔が誘惑してあげましょうか?
普通に暮らして居れば手に入らない紅茶をご馳走してあげるわよ?
だけれどコレは悪魔の誘惑。林檎を食べるように唆した蛇と同じ
とっても美味しいけれど、もしかしたら楽園に戻る事が出来なくなるかも知れないの」

【紅茶は好む、と答えた後に付け加えたのは試飲してみるかといった旨】
【然れど当然、素直に飲ませる事は無い。ただの言葉遊びか、それとも其れは警告か――――】
【どうしましょうか、王子様。くすりくすりと小さく嗤いながらも応えの催促】

【相手は悪魔。ならば素直に誘いに乗るのは危険かも知れないけれど】
【今までの事からただの気紛れ屋である事も理解出来よう。ならばこの言葉だって、もしかすれば】
680 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/17(土) 01:00:56.62 ID:wGT2t3KBO
>>678
嘘だよ

【そうきっぱりと言い切り、少女は不敵に笑う】
【眼前の女性に忠告されても尚、右手のレイピアを離すことは無く、その表情は最早、「無」】
【一切合切の感情を殺して、目の前の現実に立ち向かう。それが彼女の攻撃手段、唯一無二の自閉戦法】

【だが、眼前に居るのが、此方へと殺意を向けているのが以前出会った。この世界で出会った数少ない人】
【その一人と考えると更に心は締め付けられていく、だが余りある物を縛りに縛った鎖は何れ自らへの負荷に耐えきれず】
【ガチリと歪な断末魔を挙げ、儚く散っていく、眼前の女性が敵だと認識すればする程】
【膨れ上がった心は深く深く沈められていく】

嘘だよ、お姉さんが私にそんなもの向けないもの、私が一番知ってるよ
だからね、そんな嘘のお姉さんを助けてあげるの。そうすればずっと、ずーーっと優しいお姉さんのまま
いつまでも同じで居られるなんてとっても幸せでしょう?レディなら尚更
だから、私がずっとそのままで居させてあげるよ

【狂っている。人間には二面性があると言うがこれは最早その領域を超えている】
【陰の差す半笑いのままレイピアを握りしめ、両腕を横に広げる。それはまるで撃って来いと言わんばかり】
【だが、自ら死を選んだ訳では無い。待っているのだ、その行動を起こすのを、眼前の真実が意味を持って動くのを】
【その瞬間に少女は真実を塗り替えにかかるだろう。果たして】

ねぇ?どうしたの?嘘だよね、ほぅら嘘、皆嘘
今すぐ撃っちゃったら嘘だって一番の証拠になるよ、ねぇねぇほらどうしたの
やっぱり嘘だった。お姉さんはお姉さんのままだ

【理論として成り立っていない。破綻した言葉を並べながら彼女は少しずつ少しずつ歩み続ける】
【彼女の周囲に黒紫色の瘴気が漂っているのがわかるだろうか、それは彼女の持つレイピアを構成する物と同じで】
【既に臨戦態勢、と言う事が理解できるならば、彼女の判断は如何に……】


681 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/17(土) 01:12:43.45 ID:XqNkKwm90
>>676

いい訳あるか!ったく、このクソチビ……さっきは遠慮なく叩きやがって……!

【ありがちな台詞だがやられる側としては非常に遺憾である】
【言葉だけなら兎も角痛みだって伴うのだ、と不機嫌そうに相手を睨んで半ば自棄気味に叫んだ】
【その後は相手の言葉に次々と文句を並べていくばかりであろう。それもアイスはアイスだけど違うだとか、勝手に撫でてくるんじゃないとか。否定的な言葉の羅列ばかり。】
【だがその後小言を溢しているのは(少なからず)相手と話す意欲はあるようで。ただ単に怒鳴るだけの相手でなくなっていることは確かであろう。】

【そんな一瞬の心の隙を。そこに揺らめいた暗い感情を。己より歳下の子供に汲み取られてしまったのはそれが原因かもしれなかった】

【不意に語り出した子供の身の上話は思いの外、壮絶だ。それでいて最終的には救われる、美談だ】
【少年はただ無言でその話を聞いているだろう。ただ。そんな話を聞いたってどうすればいいかなんて分からない】
【少年だって目の前の儚げな容貌の相手とそう変わりはしない子供なのだから】
【だからこそ最後に言われた言葉にだけは反応せざるを得なかった。変われる、なんて。そんな言葉に】

はあ?それは、どういう――――、

【握らされた袋に一瞬だけ視線を落とし、訝しげな声で相手にその言葉の意味を聞こうとした刹那。】
【突如吹いた風―――否、周囲の景色を撹乱させるほどの細氷に言葉を最後まで紡ぐことを阻まれてしまい。】
【こわごわと細めた瞳を開いたときには紫の少年の姿はどこにもいない、今のは彼の能力によるものか】
【ぽつねんとその場に取り残される】

……クソが。また、今度の話かよ。

【どれだけ再会を望むんだよと苦々しく呟く。思い出すのは先程まで一緒にいた少年か或いはこの間出会った雪のような少女のことか】
【人知れず大きな溜息を吐いて。今日はもうここで眠ることにした。どうせ夜が明ける頃になれば多少動けるようになっている筈だろうから】
【こうして奇妙な少年との邂逅を終え。サイボーグの時間も世界も、また明日へと止まることなく進んで行く】

//こちらこそ遅くまで付き合っていただきありがとうございました!
//また二人が出会う時がその時はよろしくお願いします!それでは絡みありがとうございました&おやすみなさいですー

682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/17(土) 01:14:42.95 ID:pAAmC7cV0
>>679

そう? でもボク、天使にも用事はないかな。君には天使の知り合いが居るの? だとしたら変わってるね。
ボクにもいろんな知り合いが居るけど……天使は居たかなあ。ボクの住んでるところって宗教が違うからさ。いろいろとね。

【君は悪魔なのにねなんて小さく肩をすくめてみせる、だけども退治なり、それこそ祓われていないのを見れば、やはり眼前の悪魔は上位なのか】
【宗教が違えば天使なんて存在の知名度も変わる。それでも天使は天使だろうけど、――珍しいねなんて呟くなら、彼女の住む場所では珍しいものなのか】
【代役なんて居ない存在であるのは誰もがそうだろう。だけど自分以外で自分が務まると信じている人間も多く居る、自分に価値がないと信じ込んでいるような、】
【――「そうだね、ボクもボクだからさ」なんて返すのは少し適当にも聞こえる。けれど、自分以外の自分など居ないと分かりきった声音で】

【むしろそんな自分を見つけてしまったら病院に駆け込まなくっちゃ。呟き、くふふと小さく笑う喉をつうと伝うように触れて、鎖骨の辺りで指を彷徨わせ】
【少し尖った爪。やがて自分の骨を撫でるのにも飽きたら指先をどこかに動かして、なんなら服の飾りをしゃらしゃらと揺らしでもするだろう】

それは残念だね、名前がないなら呼べないのだもの、ボクらがその素敵な紅茶について語り合うのも難しくなるし……。
……そうかな、だけども君がここでそのお茶に名前を付けてあげたならば、ボクたちはそれについて会話をすることが出来るようになる。
それとも、“それ”とか“あれ”なんて呼んで話そうか。まあ、ボクは、その紅茶を飲んだことはないのだけども――。

もしかしたらその子は名前がなくって自分を定義出来ずに泣いているかもしれないよ?

【なんら意味のない言葉遊び、かわいそうなのはどっちかな、なんて、訪ねてみて。それから続く誘惑には、目を細めて――いかにも考えるような顔をしてから、】

ボクを招いてくれるの? 勿体ない、招かなければ踏み込めないのにね。それとも屋外かな、ボク、外でも全然構わないけど――、
――あ、そうだ。ボクが護っているのはね、林檎を食べさせたからこそ楽園から追い出された生真面目な蛇と、その末裔だよ。ふふ、偶然。
だから楽園に入れなくなっても困らなくってね――、それとも悪魔だから対価が欲しい? 体は捧げたくないなあ。いろいろとイレギュラーだからね。

【なんて、その実まったく考えもせずに興味を示すのだ。よほど紅茶が好きなのか、それとも、そんな面白そうな場面が好きなのか。或いはそのどちらもか】
【見上げて笑ってから、ふと、本当にふと、どうでもいい余談を思い出したかのように、そんな言葉を付け足す。まあどうでもいいんだけど、と、さらに付け足し】
【対価という話になれば体のパーツは嫌だとか言いだすのだった。その理由というのも妙だったりして、ただ、何かを含ませたようにふふりと笑って】
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/17(土) 01:21:26.42 ID:pAAmC7cV0
>>679
/ごめんなさいちょっと訂正お願いしますっ

/〜林檎を食べさせたからこそ楽園から追い出された生真面目な蛇と、その末裔だよ
/〜林檎を食べさせたからこそ楽園から追い出された生真面目な蛇と、その林檎を食べちゃった女の子だよ

/……でお願いします、すいませんでした!
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/17(土) 01:27:03.77 ID:Ee4xEzYX0
>>680

【歪んでいると言うべきか、狂っていると言うべきか】
【この前出会った純真な少女とは思えないような】
【そして同一人物であるとも思えないような歪みぶりは狂気を発して】

【少女はレイピアを握ったまま両手を広げた】
【撃て、とでも言いたげな素振りであったのだが】

「・・・。
 私には・・・、貴方は撃てません・・・。
 貴方は以前あの平野でお会いした、その思いが私にはあります・・・。
 私は主人に仕える者ですが、人情は損なっておりませぬ故・・・。」

【こう言うと、メイドは軽機関銃を肩に掛け】

「もし、貴方が私を襲い、[ピーーー]ようであれば容赦なく撃ちます。
 ただ、貴方が私を襲うことはない、と信じていますが。」

【既に臨戦態勢を取っている相手にこう言うのである】
【が、逆に言えば襲ってきたら撃つ、こう言うわけであるが】
【少女はどうするだろうか】
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/17(土) 01:37:00.36 ID:MQJx+mTs0
>>682
「――――例えば、花も人間が付けた名前よ。今となっては当たり前の様にそれぞれの名前で呼ばれているけれど、本当はただ其処に在っただけなの
名前も無く、ただ其処に在って……ただ、存在して居ただけ
其処に人間が勝手に名前を付けて、個々の役割を担ったの
そして私は“紅茶”を楽しみたいの。ダージリンやアールグレイでは無くて、本当の紅茶を」

【「だから私は名前を付けないの」――――そんな言葉で締めくくられるのだろう】
【悪魔が飲みたいのは紅茶の品種では無く、本当に紅茶そのもの】
【名を付けてしまえば、それは紅茶では無くなるから……ある意味では、屁理屈】
【だけれど、突き詰めた故にその答えを導き出したのだろう。名とは呪い、ならばその呪いを与える事無く純粋な紅茶を創り出そうと】


「その通り、本当だったら対価を所よ
眼や耳、心や魂。だけれど今日は何も要らないわ
カノッサの人ともお茶会をしたときは何も貰っていないもの
ダリアもお肉屋さんもお友達だから、何も要らないの

貴女の場合は……そうね、お話して喉が渇いたでしょう?
だから、施してあげるわ。悪魔が与える施しを受けてみるのも面白いお話でしょう?」

【――――虚空から現れたのは一冊の古びた本】
【其れが独りでに開かれ、頁が捲られたかと思えば不意に現れる幾多の魔方陣】
【……気付いた頃には、ティーカップやら小さなテーブルやらとそれこそお茶会のセットの様な物が現れていて】


「さあどうぞ、不思議な迷い人さん?
夢か現かも分からないこの場所で飲む紅茶は不思議な味がして美味しいわよ
目が覚めた頃には味も忘れ居るけれど、美味しかったことだけは覚えてる。そんな不思議な紅茶をどうぞ?」

【まるで淹れたてかの様に湯気が上り、更にはほんのりと暖かなクッキーが盛られ】
【促されるがままに紅茶を啜れば、今出回っている其れ等とは比べものにならない事が分かるか】
【味は勿論、香りその他含めて言い表しがたく。完成――――と言った表現をしても可笑しくは無い、だからこそ今の世に出回っていない品でもあり】
686 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/17(土) 01:41:41.80 ID:wGT2t3KBO
>>684
私はね?怒りっぽいんだ、これでもね
だからさ、もう今ここで私を裏切らないで?私の期待に応えて
何だったらそのオジサン、今ここで殺しちゃっても良いよ?そうすれば私の期待には応えてくれるでしょ?

【矛盾、先程まで男が怖がっていると言っていたのに今度は自らの手で葬り去ると言う提案】
【彼女の感情は最早どす黒く蠢く毒蟲の筵のように変貌しており、彼女自身も自分が何か理解していないよう】

【尚も、彼女の周囲の瘴気は勢いを増し、少しずつ武器のような物を形成していく】
【それらは全て彼女が持っているレイピアと同じ物、だが標的は女性では無く】
【更にその向こうの男を狙っているようで、彼女の表情は次第に半笑いよりも邪悪な満面の笑みへと変わっていった】

ほらね、これで串刺しにすればすぐだよ?
どうしよっか?お姉さん、お姉さんがオジサンを撃ったら私はお姉さんを串刺しにしちゃうかも
でもね、私が串刺しにすれば何も問題ないでしょ?

【先程よりは筋が通っている提案、だがしかしそれは女性の責務を放棄し、彼女が肩代わりする訳で】
【主人に仕える身として彼女は一体どうするのだろうか】
【彼女の足取りはいつの間にか止まっており、広げていた腕も下げ、ただ棒立ちで笑い続けるだけ】
【そんな彼女の提案をすんなりと飲むだろうか……】

/と、ここら辺で申し訳ないですが凍結よろしいでしょうか?
/明日は午後九時頃からならば再開できると思いますので、それではお疲れ様でしたー
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/17(土) 02:02:29.86 ID:pAAmC7cV0
>>685

【「そう」と紫色の少女は呟いた。簡単なように聞こえるだろう、けれど、顔を見てみたなら】
【鮮やかな紫色の瞳は愉快よりも愉悦なんて言葉が似合いそうな色味で細められ、あどけない少女の顔は緩やかに堕ちる】
【元来人の言葉や考えを聞くのが好きなタイプだから仕方ない――というのはほんの言い訳、だけどからかうように、わざと言うように、】

ボク、ダージリンもアールグレイも、なんならアップルもストロベリーも好きだけどね。

【なんて言うのだ。口元に手を当てて小さく笑って、「あ、でもね、」と言葉が続き】
【何を使ってるんだかも定かじゃない名無しの紅茶なら飲んだことがあるけど。――そんな風に、紡がれるのだろう】

うん、でもボク、人には言えない事情があるから……あげてもいいんだけどね。君が受け取れなくっちゃ、眼球を抉りだす意味もない。
対価を取らないでおいてもらえるなら助かるな。それとも金品で支払おうか? なんて――、君には必要なさそうだけど。

ボクさあ、最近お金遣いが荒くって。お金だとかは持ち歩くようにしているの。

【対価として差し出すことに拒否反応はないようだった。けれど何かがあって差し出せない、差し出したくない、そんな風に断れば】
【にこりとあどけなく笑って見せてタダであるのを喜んで見せる。けれど何か嘘っぽく見えてしまうのは視覚のあどけなさと、今までの釣り合わなさから】
【欲しいなら金品でもあげようかと誘って見せてそうと手を持ち上げる。――そうすればしゃらりとその手に絡むように鎖が落ちて、すぐにネックレスだと分かるだろうか】
【「欲しいならあげるよ」と差し出してみる。透き通ったクリスタルのネックレス。クリスタルの中には魔力が閉じ込められていて、それがぼうと光っていた】
【綺麗な品ではある。売ればちょっとしたお金にはなりそうなもの。けれどそれだけでしかなく、まして悪魔の少女が要らないそぶりを見せるなら、あっさりと消してしまう】
【魔術だろう。ただ詠唱の類も、何かを媒介にしたような素振りもない。それこそ魔法のように現れ消え、強いて言えば微かに残る魔力の揺らぎと視覚だけが、現実だったと告げ】

そうだね、珍しいかもしれない。じゃあいただこうかな、――悪魔と二人きりでお茶を飲むなんて初めてかもね。ボク覚えてないや。

【自身も魔術師だから、だろう。そうして現れるもろもろには驚いた様子もなく、なんら問題なく平然と、促されるなら座る程度の順応ぶりを見せ】
【今までの様子と比べれば気持ちテンションが数ミリくらい上昇したような顔で出されたままの紅茶をもらうのだろう。――だけれど、何か問題があったとすれば】
【彼女がどれだけ不味い紅茶でも美味い紅茶でも「おいしい」と評価することだった。ただ紅茶というジャンルであれば何でもいい、ある種の偏食のよう】
【その結果、悪魔が用意してくれた素晴らしい紅茶も、同じ感想を呟くのだろう。――刹那置いてから、「うん、とっても美味しいね」ともう少し言葉を付け足して、言い直すのだけど】
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/17(土) 02:23:41.55 ID:MQJx+mTs0
>>687
/申し訳無いです、ちょっと緊急に呼び出されたのでこの後少しお喋りして別れたといった風にしていただければ……!
/急にですみません、失礼致します……お相手頂き、有り難う御座いましたっ
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/17(土) 02:24:47.12 ID:pAAmC7cV0
>>688
/了解ですー、おつかれさまでしたっ
690 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/17(土) 16:00:19.96 ID:70+YmjaU0
【水の国、昼下がりの公園】
【休日だということと時間帯も踏まえて遊具の置かれたスペースではしゃぐ子供達をはじめ家族連れが多い】
【そんな公共施設の一角。ベンチに腰掛けて暇を持て余している真っ最中の人物が一人】

【年齢は恐らく十代半ば、真っ黒なライダースーツと頭に掲げた軍用ゴーグルを身につけているのが特徴的な少年だ】
【使い古しているのか服の所々は擦り切れたような状態でゴーグルに至っては片方のレンズに大きくヒビが入っている】
【右脚には真新しい包帯のようなものが巻かれている他、唯一露出されている顔にも生傷が目立っていて。】
【真っ先に抱かれる印象があるとすれば、不良。少なくとも素行の良いようには見えない】

変われる、なぁ。……本気で言ってんだか。

【ベンチには彼の他に開封された袋が徐に置かれ。銀紙の中からは少し燻んだ紫色がちらりと見え隠れする】
【貰い物であるラムレーズンを一粒口に放り込む。あんまり単体では食べない気もするが、いざ食してみればまあそこそこ美味しい】
【そうして咀嚼している傍ら、神妙な面持ちで呟くのは何やら意味深なこと。語尾は少し鼻で笑っている風だったが少し空元気も混じっているような。】
【普段ならば敵意と苛立ちを宿してばかりの碧眼も今は少しだけナイーブな様子】

【手持ち無沙汰な指がしばし宙を彷徨い、やがて諦めたように溜息を吐けば、再びレーズンの入った袋へと手を伸ばす】
【鮮やかな空色の髪が風に揺れ、木漏れ日に目を細めた。なんてことない、休日の一風景。特に意味なんてない時間が淡々と過ぎようとしていた】
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/17(土) 21:05:12.80 ID:Ee4xEzYXo
>>686

【先ほどの少女の言葉とは明らかに矛盾した言葉】
【少女の感情はどす黒い何かに変貌してしまったかのようで】

【そして、少女を覆うように噴き出ている瘴気はなおも肥大を続け】
【それは徐々に物体を構成し、そして一本のレイピアが男に差し向けられる】
【どうやら、もう男が怖がっている云々は少女にはすでに関係が無いようで】
【少女は先ほどまでの半笑いとは違い、邪悪な満面の笑みに変わっていた】

「あの男はどうしても口を割らないようですし・・・。
刺殺されても私は構いませんが・・・。
どうされますか?」

【先ほど撃ったのはおそらく逃走防止、と言ったところか】
【まあここで死なれてもこのメイドの主人にとっては面倒くさい存在が一人消えるだけであって】
【べつに競売の談合に関して口を割らないようであれば、殺してしまってもいいということだろうが】

【男は未だに助けてくれ、助けてくれと呻いている】
【少女はどのように行動をとるのか】
692 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/17(土) 21:24:07.75 ID:um5lLl8TO
>>691
【彼女はにこり、と今の今まで作っていた邪な笑みを消し、至って普通の少女の笑顔を作ると】
【次の瞬間、彼女が作り出した無数のレイピアが男を貫くだろう、物言わぬ死体を超え】
【原型も留めぬ程の赤黒い肉塊になるまで一心不乱に鋭利な切っ先で穿ち続けていた】
【やがて、と言ってもほんの一、二分なのだが、液体を含んだ物体がかき混ぜられる音が止んだ時】
【少女の顔は既に先程のような無表情へと変わっていた】

はい、これで終わったよ。お姉さん
これで嘘だったね、お姉さんはやっぱり優しい。優しいからオジサンを殺さない
ねっ?

【およそ少女とは思えない行動の後、そんな狂人じみた言葉】
【ただそれだけの事だが、それだけ故に違和感と言う物は膨れ上がる物で】
【後に残った生ゴミ同然の肉塊がそれの象徴であるかに見えた】

それで、お姉さんはどうするの?
何処かでお茶でもする?私は別にいいけど……
お姉さんも用事あるかな?

【まるで何も無かったかのように眼前の女性を誘うと】
【少女は朗らかに一笑して見せた。それはもう男など気にも留めないと言った様子で】
【果たして女性はどうするのだろうか、こんな人間に対して】
【実際人間でも無いかもしれないが……】
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/17(土) 21:49:16.83 ID:Ee4xEzYXo
>>692

【少女はただひたすらに創りだしたレイピアを男の身体に刺し続け】
【ついには男の身体は形がなくなっていた】

【なんというか、違和感というか狂気というか】
【ねじ曲がった何かをこのメイドは見てしまった気がする】

「そうですね・・・。
お茶でもしましょうか。
それでは大通りへ出ましょう・・・。」

【特にこれといった用事はなく、命じられたのは捕縛か処分だけだったので】
【誘われたら断る理由などなかったが】
694 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/17(土) 22:07:45.87 ID:um5lLl8TO
>>693
【何だろうか、特にその誘い自体に不自然と言う物は無いはずなのだが】
【時と場合によってここまで場に合わない言葉があるとは思いもよらない物だった】
【だが、少女はメイドの応答にまたにこりと笑うと、そのまま大通りの方向へと歩き始める、途中女性へと振り返り】

わかった、お姉さん。それじゃぁ適当なお店に行こっか
えぇと……それで何してたんだっけ?まぁ、どうでも良いよね

【そんなおかしな言動、だがそれはようやく自らを閉じ込める事から解放された事を意味するか】
【傍から見ればそれはただの痴呆か、思考欠如でしかないのだが】
【それでも彼女の表情が先程までの残酷さを持っていない事から理解できるだろうか】

色んなお話しようね、お姉さん

【そう言うと彼女は再び足を進める。そうして何処かの喫茶店まで辿り着いたならば】
【他愛も無い話でもするのだろうか、人を殺した少女とは思えない口ぶりで】
【それでも少女が普通なのだと思えるならばそれはとても良い人だろう】

【少女にとってはそれでも良かったのだが】

/キリも良いのでここら辺で〆でよろしいでしょうか
/それでは二日間お疲れ様でした、ありがとうございましたー
695 :櫛灘自斎 :2015/10/18(日) 15:25:09.20 ID:clihvXVI0
【路地裏】



ふゥ――



【ボサボサに伸びた黒髪と無精ひげ、黒い呉服で巨躯を包んだ1人の男がいる。】
【しっとりと湿った壁に背を預けて、昨日の雨が乾ききっていない地面に腰を下ろしては、妖しくも光る無銘の刀に手ぬぐいを滑らす。】
【髪も、服も、ヒゲも整えていないのに、やけに丁寧に刀を磨いていて――。】
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/21(水) 21:51:45.66 ID:xCuZ/MV50
【街中――ひと通りの少ない道】
【きっぱり半分の上弦の月がきらめいて照らす夜、秋も深まってきたころなら、空気はひんやりと冷えて】
【どこかの草むらから鈴虫の声がする。――そんな中に、どこかその虫の音と似るような、鈴の音――に、さらによく似た声が混ざって】

……おいで、おいでよう。わたし、なんにも持ってないけど――頭なでなでしちゃ、だめ?

【見れば道の端っこのほうにしゃがみ込んでいるひとかげがあって。しゃがみ込んでいる、というよりか、地面に膝をついていたのだけど】
【手を伸ばして何かを呼んでいた。――と思えば、その少女は「にゃんこー」と呼びかけ。それならば、その先に猫でも居るらしい】
【ちょっと悪戯っぽく誘惑するような声で猫をいざなっていた、「首の後ろうりうりしてあげるから」とか「顎のところわしわししてあげるから」とか】
【そんな風に言っていても暗がりの中に隠れてよく見えない猫らしき影はつんとお澄ましでだんまりしている。ちいちいと小さな音を立てて誘っても、音沙汰なしで】

【――黒い髪の少女だった。黒色の髪は長くって腰ほどまであって、よく手入れされているように艶と光の輪を抱き】
【瞳は左右で色が違う一対で黒と赤。形は丸いが少し釣っていて、だけれど人懐こいような色があり。右の耳には片方だけのピアスをつけていて】
【黒いブラウスに深い赤色のカーディガン。チョコレート色の襟はフェイクのファーでふわふわと首元をうずめて。腰元にはリボンが編みこまれていて】
【ミニのフリルスカートは黒布、淵に赤いレースをあしらって、足元は長い丈の靴下と、つま先の丸いストラップシューズで】
【肩にきちんとかけている鞄はまるっこく膨らんでいた。少女は少し小さく唸ってから鞄を漁ってみるのだけれど、猫にあげられるようなものは出てこなかったのか】
【うーん……とまた唸って鞄を肩にかけ直す。それで、また、手を伸ばして、おいでおいでと猫をいざないはじめ】

――……だめかなぁ。ううん、うちの子のにおいがするのかな……、まだ子猫だよ、怖くないのに。……、

【それでもやっぱり駄目そうだと見れば、残念そうにしながらもそうっと立ち上がる――それで、「ばいばーい」と猫に声を掛け、ぱたぱたと手を振り】
【よいしょと鞄をかけ直しながら、ずいぶんと久しぶりに辺りに意識を向ける――例えば誰かがこの光景を見ていたとして、この瞬間まで、彼女は気づかないだろう】
【さすがに声を掛けられたりすれば話は違うのだけど――、とりあえず、人気が少ない道とはいえ、誰も通らない、という保証があるわけでも、なくって】
697 :リロード・ザ・マジシャン ◆60/reloads [sage]:2015/10/23(金) 22:46:14.37 ID:6wqJSYaxo

【路地裏】

【この通りは表通りからは死角になっていて人目を憚る行為をするのに適していた】
【また、知る人ぞ知る近道でもあり、横着者が闇の住人の取引に出くわしてトラブルに巻き込まれるなんて事もよくある事であった】

【だが、どういう事か今日。ここを通り抜ける者は一人も居なかった。偶然、利用する者が居なかった訳では無い】
【通ろうとした者が渋い顔で引き返す光景が何度か表通りから目撃されており、覗き込んでみればその理由が分かる事だろう】


【一人の男が、そこに居た。黒い髪に瞳にシルクハットにスーツ。そして星柄のマントを背負ったその姿は夜の奇術師】
【やわらかな“ソファー”に身を委ね、リラックスした様子で足を組みながら器用に白い革手袋の片手でブックカバーの付いた本を読んでいた】
【もう片方の手とはというと目の前の“机”に置かれたフライドポテトとコップに注がれた緑色をした茶を啜るのであった】

【ソファーの横にある“本棚”には全てカバーが付いているが沢山の本で埋まっており……。──チンと言う音がした】
【なんて事は無い。そのすぐ近くに設置された“システムキッチン”に内蔵されたオーブンレンジに入れていたポップコーンが焼き終わった事を知らせる音である】

【忘れてしまっているかもしれないので、もう一度書いておこう。ここは一応、人通りのある──“路地裏”である】
【だが、その光景は、優雅な生活の一部を切り取った様なもの……というか、ドラマのセットというかコントのセットの様な光景であった】
【よくもまあ、ここまでのものを持ち込んだものだ。その気になれば跨いで通ることも出来るかもしれないが……今のところ、そんな勇気のある人間は居なかった様である】


────足りないな。

【その上、パタンと本を閉じ。こんな事を言い出すのであった。これ以上、何を持ち込む気なのだろうか。何を求めようと言うのだろうか────】
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/24(土) 01:06:49.69 ID:THGSHgFR0
【人間は疎か魔物も近づく事の少ない遺跡】
【普段なれば風の吹き込む音のみが聞こえる其処だけれど、今日は二人分の話し声が聞こえて】
【――――或いは、魔力に敏感な者ならば“火”の魔力の塊めいたものも感じ取れるであろうか】


『アルカっ!もう今日は終わり?
あのね、わたし今日のごはんはお肉がいい!』

「お肉、かぁ……うーん……じゃあ先ずはギルドに報告を終わらせてからにしよう、ね?」

【見てみれば、緑色のローブを纏った女が一人とボロ布の様な物を纏った少女が一人】
【恐らくは遺跡の探索が丁度終わった辺り。普段は人が居ないが故に、今宵は目立ち】
【更にはその魔力も聡い者ならば離れた位置から探知出来るのだから見つけるのは容易】
【尤も、ある程度まで近寄れば二人分の視線を受ける事になるのだけれど】









【人里遠く離れた山中。其処に存在して居るのは地中より湧き出る湯――――謂わば、秘湯であり】
【普段ならば誰も通りかからないような場所に、今日は一人の姿】
【修道着を纏って居る所からして、その職の者であろう。然れど、腰には似付かわしくなく2丁の銃が提げられて居て】


「へぇ……火事かな何て思って来てみたけど、まさかこんな所に温泉があるなんてねぇ……」

【その場に屈み込めば湯を掌で掬ってみたりと一通り行い】
【やがては辺りをキョロキョロと見渡したならば、そっと脚を浸すのだろう】
【戯れに湯を掻いたり、手を潜らせてみたり。少し経てば、溜息を吐いて】


「まあ……少し位休んでたって罰は当たらない……よね?
ボクも最近働き詰めだったし……」

【一人呟くのは自身への言い訳であろう。特に後ろめたい事は無いのだから多少此処に居たところで問題は無いだろう――なんて】
【さて、普段ならば誰も居ない此処。其処から音がすれば必然として目立つ事であろう】
【或いは、元よりこの場に先客が居たか――――何であれ、何者かの気配を感じ取ったならば其方へと視線を向けるのだが】
699 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/24(土) 14:32:40.30 ID:2CvNLDhG0

【水の国、昼下がりの公園】
【休日だということと時間帯も踏まえて遊具の置かれたスペースではしゃぐ子供達をはじめ家族連れが多い】
【そんな公共施設の一角。ベンチに腰掛けて暇を持て余している真っ最中の人物が一人】

【年齢は恐らく十代半ば、真っ黒なライダースーツと頭に掲げた軍用ゴーグルを身につけているのが特徴的な少年だ】
【使い古しているのか服の所々は擦り切れたような状態でゴーグルに至っては片方のレンズに大きくヒビが入っている】
【右脚には真新しい包帯のようなものが巻かれている他、唯一露出されている顔にも生傷が目立っていて、】
【真っ先に抱かれる印象があるとすれば、不良。少なくとも素行の良いようには見えない】

変われる、なぁ。……本気で言ってんだか。

【ベンチには彼の他に開封された袋が徐に置かれ。銀紙の中からは少し燻んだ紫色がちらりと見え隠れする】
【貰い物であるラムレーズンを一粒口に放り込む。あんまり単体では食べない気もするが、いざ食してみればそこそこ美味しい】
【そうして咀嚼している傍らそんなことを呟く。語尾は鼻で笑っている風だったが空元気も少し、混じっているような。】
【普段ならば敵意と苛立ちを宿してばかりの碧眼も今は少しだけナイーブな様子】

【手持ち無沙汰な指がしばし宙を彷徨い、やがて諦めたように溜息を吐けば、再びレーズンの入った袋へと手を伸ばす】
【鮮やかな空色の髪が風に揺れ、木漏れ日に目を細めた。なんてことない、休日の一風景。特に意味なんてない時間が淡々と過ぎようとしていた】

700 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/24(土) 21:32:56.70 ID:Q8RFh88m0
【―――水の国のとある街、人通りの多い商店街の大通り】
【仕事も終わる時間という事もあってか道行く人々の足取りは心なしか軽い。或る人の顔は楽しげに綻び、或る人は千鳥足で顔を赤らめ】
【十人十色の表情が行き交う中で、ふわりと夜風が大通りを吹き抜ける。秋も深まり、夜の風は肌寒く感じるくらいに冷たい】
【空を見上げれば、紺碧の夜空が広がる。すっかり日が落ちるのが早くなった秋の夜空は高く澄み渡り、星たちがキラキラと瞬く】
【その一角、とある有名な洋菓子店の前。美味しそうな菓子の数々が並ぶショーウィンドウの前で、目を輝かせる少女がいた―――】

あー……これ美味しそう……ね、ね!おかあさん、これ買って!

「だめです、もうすぐ晩御飯でしょう?食べ過ぎるとお腹壊しますよ!」

うー……

【目を輝かす少女の後ろ―――母親らしき人物はブロンドの長髪にマリンブルーの瞳、右目元には泣きぼくろ。優しげな柔らかい微笑みが印象的な女性で】
【ベージュのトレンチコートと黒いズボン、頭に白いキャスケットを被る。首には十字架のネックレスを掛けて、優しい笑顔を湛えつつねだる子を諭している】
【一方の娘らしき少女は母とは違った鮮やかな赤髪を持つ。幼さを残しつつも活発そうな印象を受ける10歳くらいの女の子で】
【白いシャツと黒いスカートを着て、その上に桜色のカーディガンを羽織る。少女らしい可愛らしさを備えた顔は、今は不満そうに膨れている……】

【優しそうな笑顔を見せつつ、ねだる子供を諭す母親。駄々をこねつつ渋々母親についていく子。まあ、どこにでもあるような微笑ましい親子の光景だが】
【一つだけ気になる点を挙げるとすれば、母親と子供の年齢が不自然なくらいに近いと言う事か。子供は10歳程にもかかわらず、母親の見た目はまだ20代前半のようだ……】

むぅ……お菓子くれなきゃイタズラするぞー!イタズラしちゃうぞー!!

「ハロウィンは来週でしょう!まったく……仕方ない、1個だけですよ」

―――――!!本当!?やったー!!

【……とうとう母親の方が折れたらしく、一個だけ買ってあげるという事になったらしい】
【先程までの仏頂面も何処へやら、娘は目を輝かせて洋菓子店の方へとピョンピョンと跳ねるように駆け出す。ろくに前も見ずに……】
【……さて、これだけ賑やかな繁華街だ。前も見ずに子供が走れば、誰かにぶつかってしまうのは時間の問題か―――】
701 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/24(土) 21:58:59.42 ID:2CvNLDhG0
>>700

【来なければよかった。人混みの中を歩き続けて思ったことはそれだけに尽きる】
【眩しいネオンの光、馬鹿みたいに多い人間、そして耳に障る道行き人々の楽しそうな笑い声】
【何もかもが煩わしくてとにかく邪魔で仕方ないったらありゃしない――――そう言いたげに苛立たしげに舌打ちをして街を歩く】

ッチ、うざったりぃ……。

【年齢は恐らく十代半ば、真っ黒なライダースーツと頭に掲げた軍用ゴーグルを身につけているのが特徴的な少年だ】
【使い古しているのか服の所々は擦り切れたような状態でゴーグルに至っては片方のレンズに大きくヒビが入っている】
【唯一露出されている顔にも生傷が目立っているほか、左脚に巻かれた包帯には若干血が滲み、歩く際もそれを引きずっているため通行人の中でもやや目立つ】

【ガリガリと頭を掻きつつさっさとこの通りを抜けてしまおうと少しだけ歩幅を広げた少年】
【しかしそれは突如前方から現れた小さな人影によって阻まれてしまう】
【ドン、とぶつかる衝撃。怪我をしているため一瞬態勢を崩しそうになるが寸でで押し止まる、が】

………っ!?ッオイ!テメェ、よそ見してんじゃねぇよ!

【予測していない障害物にただでさえ沸点の低い少年の語気が荒ぐのは必然】
【透明感のある碧眼がぶつかってきたであろう少女を捉えて、一切の遠慮もなく怒りをぶつけた】
702 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/24(土) 22:00:55.10 ID:7fQAXlRPO
>>700
【誰もかれも少々浮かれ過ぎではないだろうか。それ程までに世間はその愉快な祭を楽しむ雰囲気で満ち満ちていた】
【ハロウィン、収穫祭。昔は先祖の霊が帰って来るだのと言う風習もあったそうだが今では人々が楽しむための口実のような物となっている】
【そんな雰囲気に余り乗る気は無いと言った風な青年が一人、大通りを歩いていた】
【灰色の髪に色白の顔、臙脂の瞳は薄ら寒そうに周囲を見ていて、一見すれば冴えない学生】
【淡黒のシャツとファーとフードの付いた黒いコートを着込み、アッシュグレイのパンツは正にフェスティバル等無縁と言った格好】

はぁ、本当。どいつもこいつも馬鹿か、まだ当日にすらなってない癖に……
どうしてこうも楽観的に居られるのかね
疲れるな……

【周囲に嫉妬のようにも思える言葉を呟きながら大通りを歩いていると、彼は一つの店の展示を目を留め】
【まじまじとそれを眺める。何て事は無いただの冬服なのだが、それでも暇な彼の興味を引きつけ】
【今ここで買わないにしても、冬に備えての準備を考えさせる。そうしてまた少し歩いた後に辿り着いたのは】
【これまた何て事は無い、ただの洋菓子店なのだが】
【頭に糖分が足りていないとでも思ったのか、彼は気分転換に小さな菓子でも買ってやろうと思い立ち】
【その店に入ってやろうと歩き始めたのだが、店の売り物の紹介に目が行きすぎていたのが原因か】
【此方へと走ってくる少女に反応が遅れ、ぶつかってしまった】

おっと、ごめん。大丈夫だったか?
前を見てなくて、本当にごめん

【そんな風に言いながら彼は少女へと謝罪の句を述べる。なるべく大事にならないように済ませたいのか】
【彼の口調は先程よりは柔和であり、彼が思う普通の青年の話し方であった】
【体格差もあるが、少女の容体は如何に、彼の胸中には瞬く間にそれが浮かんでいた】


703 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/24(土) 22:08:21.34 ID:Q8RFh88m0
//えっと、どうしましょうか……!
704 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/24(土) 22:11:09.82 ID:7fQAXlRPO
/私は遅れてしまったわけですし、其方様のご自由にどうぞー
705 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/24(土) 22:14:09.91 ID:ZKMa6TiT0
//わわ被ってしまいましたか…!
//ああでも自分、今日は日付変わるくらいまでしかいられないのでよろしければ今回はお二人で絡んでくださいませ!
706 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/24(土) 22:21:15.33 ID:Q8RFh88m0
>>705
//了解です!今回はややこしい事になってしまい申し訳ありませんでしたが、また機会があればお願いしますね!


//では、>>702に返事をお書きしますので、暫くお待ちを……
707 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/24(土) 22:24:35.70 ID:ZKMa6TiT0
>>706
//混乱させてしまって申し訳ありません…!ではではまたの機会に!
708 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/24(土) 22:28:07.28 ID:7fQAXlRPO
>>707
/譲ってもらう事となり本当に申し訳ありません……また機会があれば絡めると良いです
>>706
/了解しました。混乱する事態にしてしまい重ね重ね申し訳ないです
709 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/24(土) 22:44:08.14 ID:2CvNLDhG0
>>708
//こちらこそいきなり無茶振りしてしまってすみませんでした…!
//そちら様とも絡める機会があったらその時はよろしくお願いします
710 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/24(土) 22:52:14.18 ID:Q8RFh88m0
>>701

「―――あ、こらティア!走っちゃ危ないですよ!」

【大好きなお菓子を買ってもらえる……その事で浮かれてしまったのだろう】
【少女は、元気が有り余るが故に向こう見ずに走り出してしまった。人ごみの中は危ないのに……】
【……結局、誰かにぶつかってしまうのは自明の理だった。小さな体が、誰かにドンと衝突してしまって】
【体重が軽いだけに、ぶつかった衝撃は大したことは無いけれど……少女は勢い余って転倒してしまう】

―――うぅ……、ぐすっ……。

【前のめりにうつぶせるような形で転んだ少女。幸いにも骨折みたいな大きな怪我は無さそうだけれど】
【つぶらな瞳に涙を浮かべて泣きじゃくっている。……見れば、膝を擦りむいたらしい。白い肌が赤く染まっている】
【無鉄砲に走った少女自身が悪いとはいえ、彼女はまだ小さな子供。痛いと泣いてしまうのは仕方ないのかもしれない……】

【慌てて母親らしき女性が二人のもとに駆け寄る。まず青年に深く頭を下げると、少女を少し窘めて】
【尚も泣きじゃくる少女に、絆創膏で手当てをしながら宥めている……小さな子を持つ母親は、大変そうだ】

「うちの子がすみません……!お怪我をされていなければ良いのですが……
 ティア、だから危ないって言ったでしょう!あーあー、膝を擦りむいちゃったんですね……
 ほら、泣かないで。痛いの痛いの、飛んでいけー!……―――――」


【―――暫くして漸く泣き止むと、母親は少女に謝るよう促す。母親自身も少女と一緒に頭を下げて】
【お詫びにケーキでも一緒にいかが?なんて提案をする。当然、お代は此方が支払うということで】

「ほらティア、お兄さんに謝りなさい。……本当に、うちの娘がご迷惑をお掛けしました。
 お詫びと言っては何ですが……ご一緒にケーキでも食べませんか?
 何か好きなお菓子を選んで下さいな。私がお支払いしますので!」

……えっと、ぶつかってしまってごめんなさい。

【さて、少なくともこの親子の様子を見る限り揉め事に発展する心配は無さそうだ】
【このお誘いに乗るかどうかは貴方次第。さて、どうする?】
711 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/24(土) 23:11:56.95 ID:7fQAXlRPO
>>710
いえいえ、本当すいません。此方も不手際がありまして……
大丈夫だったかな?

【とりあえずはまだマシな結果になったか、そんな邪な事を考えながら彼はへこへこと頭を下げる】
【そうして彼女の母親だろうか、やけに若い気もするがただ単に若作りなだけなのだろうか】
【少女の外見を考慮すれば最低でも三十路……には見えない。考え過ぎだろうか、それでも中々若い】
【少女の容体を眺めていると、どうやら幾許かマシになったようで此方も顔を上げ、向こう側の行動を待つ……と思った時】

え?あ、あぁ良いんですか?此方にも非が無い訳では無いですし、流石に代金まで頂くのは……
まぁ、其方が言うのならばご一緒させていただきますが、それでも自分の代金は自分で払いますよ

【そう精一杯の笑顔で返す。形容するならペテン師、だが初めて会う相手、それも此方が傷つけてしまったならば】
【これくらいの反応が受けは良いかと思ったのか。彼の笑顔は少々の間固まった後、静かに解け】
【今度は少女へと口を開く、静かにゆっくりと】

まぁ、俺も余所見をしていた訳だし、気にする事は無いよ
さてと、まぁ立ち話もなんですし、そろそろ入りますか?此処

【そう言いながら彼は左手の親指で店の方向を指さす。あまりよろしい仕草と言う訳では無いが】
【それでも青年には普段通りの仕草であるようで、彼は静かに腕を下すと親子の反応を待った】
【その時にふと何かを思い出したかのように親子へ向かって口を開いた】

あぁ、そう言えば。自分は正親町カガリと言います。こんな事になりましたし一応自己紹介は済ませておきますね
それでは、行きますか?
712 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/24(土) 23:40:27.49 ID:Q8RFh88m0
>>711

【元々娘の体重が軽かったことも幸いして、青年に怪我は無いようだ。まずはその事に一安心して】
【次に、娘にも膝を擦りむいた以外は大した怪我が無かったことにも一安心。大事には至らなくて良かった】

【―――実際、母親らしき女性はかなり若かった。どう見ても20代、まだ子供を持つような歳には見えない】
【さらに言えば、親子にしては母と娘の顔があまり似ていない。髪の色も全然違う……】
【その事を気に留めるかどうかは貴方次第。どちらにせよ、二人が親子のような関係であることは間違いないようだが……】



【お茶のお誘いに青年が応じてくれたなら、女性は嬉しそうににこりと笑う。その笑顔は柔らかく優しげで】、
【歳は若くとも彼女が母親≠ナあることを裏付けるような、母親らしい温かみと包容力を持つ笑顔だった】
【少女の方も一緒にお菓子を食べられるということが分かれば、ぱあっとあどけない顔を綻ばせて】
【満面の笑顔は、本当に嬉しそう。なんとも感情豊かな、子供らしい一面を覗かせるのだった】

「はい、そうしましょう!私はマリア・シャリエールと申します。どうか宜しくお願いしますね!」

えっと、ティアって言います。よろしくおねがいします。

【そして、自己紹介。女性は何の気なしに自分の名前を口にするが】
【――――「シャリエール」。聞き覚えはあるだろうか。彼女は、確かにかのゼン=カイマの長と同じ名前を言ったのだ】

【親子はそのまま店内へと入っていく。気に留めないならば、そのままお茶の時間となるだろうが……】
713 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/25(日) 00:01:57.97 ID:nyErQeS6O
>>712
あぁマリアさん、ティアちゃん、よろしく

【あぁ、そう言う事。と彼は心の中で心底残念そうに、同時に歓喜の声を挙げた】
【シャリエール、その名はきっと世間の裏事情を好きな人間なら思い浮かべるか、そうフレデリック・シャリエール】
【そしてあの海上監獄で邂逅したよくわからん悪魔的人物。アーグ、それは彼の好奇心を奮い立たせた張本人でもある】
【それと同じ姓、恐らくは血縁者か。彼の頭にはもう少し別の所で出会いたかったと思っていた】

それじゃ、とりあえずは選びますか、俺は……小物でいいかな

【そんな風に言いながら促されるまま店内へと入っていく、一面に広がるのは自身とはほぼ無縁の世界】
【こう何と言うか、キラキラし過ぎている。やはり気分転換には合わなかっただろうか】
【だが、それを思い立ったが故にここで思わぬ御仁と出会った訳であって、世の中捨てた物じゃ無い】

【周りを見回して行く、それでも少々目が滑っていくが周囲に悪い印象を与えてはいけない】
【彼はそのまま親子の後方で品を選ぶが、その時にも思考は止まる所を知らず】
【ここからどう話すかと言う小賢しい考えを巡らせていた】

俺はこれが良いですかね、店員さん、お願いします

【彼が示したのは小さなカボチャのケーキ、その形はジャック・オー・ランタンを模しており】
【この時期では無難な物だろうか。そうして彼店員には同時に「後、珈琲あるかな、ブラックで」と言うと】
【そのまま注文を終える。もしまだ親子の注文が終わっていないなら彼は親子を待つか】

714 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/25(日) 00:25:07.43 ID:ulAbMysS0
>>713

【もう一つ、目につくものがある。左手の薬指に嵌った指輪……それは、恐らく結婚を意味する物だろう】
【ならばこの女性は……血縁者どころか、最も親密な関係である人物なのかもしれない】

――――――

おかあさん、これおいしそう!
「うーん……私はこっちの方が……」

【さて、ケーキを選ぶ段。二人は店の中に入ると、並ぶケーキの数々を楽しそうに見まわして】
【親子で仲良く置いてあったメニューを見て、あれがいいとかこれが食べたいとか相談している】
【こうして見れば、本当にただの仲良しな親子にしか見えない。まるでアーグを巡る騒動とは無縁のよう】

【結局マリアは大きな栗の乗っかったモンブランと紅茶、ティアはいちごのショートケーキとオレンジジュース】
【それぞれ食べたいものを注文して、店内のテーブルにつく。やがてケーキが運ばれて来れば】
【親子二人、子供みたいに目を輝かせてケーキを眺めていた。どうやら親子揃って甘い物には目がないらしい―――】

「ではでは、頂きます!」
いただきます!カガリさんもどうぞめしあがってください!

【我慢できないといった風に、早速二人はケーキを食べ始める。甘い物を頬張る二人は、なんだか幸せそうで―――】
715 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/10/25(日) 00:37:47.89 ID:I9vTjp99o
【街中】

【今夜の月はどんなもんだったか。今日は丸1日この街は分厚い雲におおわれて】
【荒れ狂うような寒い北風が吹いていた。夜になったらそれはもっと冷たくなっている】

【旧市街は石畳とレンガのビルが今でも残るが只々歴史があるだけで住んでいるのは老人と貧民】
【錆びたフェンス、売家、落書き…この時間は人通りも少なくまあなんとも悲しい風が吹きすさぶのみ】

【1台の車が通りで今にも止まりそうに減速して路肩にとめる。ヘッドライト、点滅するランプ…不完全燃焼の臭い】
【喘息持ちの牛のような途切れ途切れの排気の音はエンジンか何かの不調でボンネットの隙間からも煙を上げる】
【車はまあ69年式なんちゃらのかんちゃらのGT仕様の…とか言うやつでグリーンの車体に白いラインが入っている】
【見た目はいいのだがそれ以外はご老体で、エコの真逆を行くほどの燃費と壊れやすさと値段の高さが特徴である】

【ドライバーが降りてくる。背の高い男だ、ぼさぼさな髪、顎だけ髭を少し生やした、年季の入った革のジャケットと】
【細身のジーンズにブーツの男。薄明かりの街灯しかない真っ暗な夜だけどそいつはサングラスをかけたままだった】

【ボンネット開けて、ボワッと煙が溢れだして、諦めたようにそれをまた閉めた。携帯電話を取り出して、ヘルプを求める】

…あ、もしもし。オレだけど。…カーソン通りの角で、車がポシャってさ。…そう、取り敢えず。迎えに来てよ
レッカー?それは後で頼むよ。…いいから、寒くて仕方ないんだよ、今日は……

【電話を切って、マルボロを取り出す。煙草なんて吸わなくても吐く息は白くなる。凍えそうな夜】
716 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/25(日) 00:45:37.61 ID:nyErQeS6O
>>714
【流石にどちらもはしゃぎすぎではないだろうか。これが世の女性の常と言う物なのか】
【そんな事を考えながらもコートを脱ぎ、椅子の背にかければ彼も運ばれてきた自身の品物に手を付け始める】
【少しだけケーキを頬張ると彼は珈琲を静かに飲み始めて、それは二人のはしゃぎようとは正反対の物か】
【彼は珈琲杯をソーサーに置くと、徐に口を開いた】

そう言えばマリアさんは有名な方ですよね、ほら、あのシャリエール基金ですっけ
それとあれだ……剣ヶ団子、少し前にゼン=カイマに寄った時に目にしまして
凄いですねぇ、あんな風に行動に起こせるなんて、尊敬しますよ

【彼はそんな風に当り障りの無いように話し始める。実際自分もアーグには反する者な訳であって隠す必要は無いが】
【ここには一般市民も、それに眼前の女性の子供も居る訳で、そんな話を始めるのはナンセンスだろう】
【ゼン=カイマの事を思い出した時、あの図書館で出会った少女と同時にあの時借りた本をまだ返していない事に気付く】
【まぁ大した本でも無かったが、次に寄った時は必ず返そう、そうしよう】

それにしても、中々美味しいですね、これ
珈琲も良い味で、中々いける

【そんな風に簡単な世辞を吐くと、彼の眼にはマリアと名乗った女性の左手が映る】
【その薬指には―――恐らくは結婚指輪、エンゲージリングだろうか、それが嵌められており】
【もしやフレデリック・シャリエールとマリア・シャリエールは夫妻?マジかよ、知らなかった。と彼の頭に思考を呼び起こす】
【そうこうしていると彼の頭の中には様々な疑問と話ネタが湧いて出て来て、流石にそれら全てを聞くのは】
【これもナンセンスだろう。理性にそれを憚られると、再度彼は一口ケーキを口にし、珈琲を口に含んだ】

それにしても、ケーキお好きなんですね、とても嬉しそうなので

【そんな素朴な疑問を相手にぶつける。彼にとってそれが一番聞きたい事と言う訳では無いが】
【街中で出会った人に聞く質問はそんな他愛ない物だろう】
717 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/25(日) 01:17:47.59 ID:ulAbMysS0
>>716


有名だなんて……私なんて大した人物では御座いませんよ。
基金だって、皆さんの善意で成り立っているだけで……私は、ただお金を募っているだけなのですから。
お団子も、生活の足しにするための内職みたいなものです。生活をするのにも、お金は必要で御座いますから……

【立場が立場なだけに、自分の名前が思ったより知られているということは知っている。けれど】
【自分が有名だとか、そんなことは思ったことは無くて。自分なんて大した事ないと謙遜する】
【尊敬されるほど自分は偉くなんかない。本当に敬意を払うべきは、善意を持って募金してくれた人々だ】
【控えめに微笑むマリアは、そんな事を言うのだった―――】


あはは……すみません、年甲斐もなくはしゃいじゃって。
甘い物が大好きなのですよ。ケーキも、クッキーも、色々……甘いお菓子は、みんな好きなのです。
最近では櫻の国の和菓子なるものも食べています。控えめな甘さが、また絶妙なのですよ。
甘いお菓子と紅茶さえあれば、私の午後は幸せで満たされます。ふふっ……うん、このモンブランも美味しいです!
貴方は、甘い物は好きではないのですか?男性の方は、甘い物が苦手という方もいると聞きますが……

【世の中の女性は大抵甘い物には目がない……かどうかは知らないが、少なくとも二人はそうらしく】
【カロリーを気にしつつ、あまり太らないようにと思いつつ、でもついつい食べてしまう甘い誘惑】
【好きか嫌いかと問われれば、大好き。紅茶とケーキさえあれば、それだけで幸せな気分になれる】
【―――そう言って、また一口ケーキを頬張る。ふわりと甘い味が口の中に広がれば、マリアは再び幸せそうに笑うのだった】
718 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/25(日) 01:38:00.29 ID:nyErQeS6O
>>717
【謙遜、だろうか。だが、それは尤もらしくあり、尚且つ真意を包み隠さず話していると言う気配もある】
【それこそがこの女性の真意なのだろうかと考えると自身が小物に思えて来て仕方が無いが】
【とりあえずは自虐の念を捨て去り、珈琲を又もや口に含む、その間に次の言葉を考え】

まぁ世の男は甘い物が嫌いな連中が多いような印象ですけどね
俺は別にどちらでも無いですよ。食べられる物で、それが上質な物なら好きなんです

【彼女の口から出た櫻の国の和菓子と言う言葉には自分も共感を得る事が出来る】
【自分の出身国の菓子、それも屋敷内でやたら暇な時に食べていた物は中々美味しかった記憶がある】
【何だっただろうか、あれは、等と考えていると話のネタとして口に出せそうかと思い】
【徐に、自身の身の上と同時に語り始める】

良いですねぇ、和菓子
自分も櫻の国の出身なので子供の頃から幾度となく見てきましたけど、あれは最早食物の域を超えていますよ
芸術品と言う人もいるそうで、それもこれも職人の業なのですかね

【自身の国の名物を称賛する事は別に自画自賛では無いだろう。実際彼も一種の職人であり】
【そこそこな家系で育った謂わばボンボンなのだが、この際それは自慢すべきところでは無いか】
【彼は皿の上のケーキをフォークで切り、口に運ぶ。その大きさは最初からもう四分の一程になっている】
【少しだけペースを落としながら、彼はまた親子へと口を開く】

そう言えばお二人は何故この国に?
最近物騒ですし、遠出するのって結構大変でしょうに

【そんな風にさらっと最近の世界情勢の悪化を言葉に混ぜる、それもこれも自分が知っているからなのだが】
【大した話が出来なくとも、少しだけ零すなら許してくれるか】
【少しだけ突っ込んだ質問に答えるか否かは問題では無いが、果たして】
719 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/25(日) 01:44:13.18 ID:ulAbMysS0
>>718
//すみません、そろそろ眠気が限界です……!
//明日は21時から日付が変わるまで、明後日はいつでも大丈夫ですので持ち越しお願いしても宜しいでしょうか……
720 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/25(日) 01:45:53.82 ID:nyErQeS6O
>>719
/了解しましたー、此方も明日の夜は空いていますので問題ないです
/それでは夜分遅くまでありがとうございましたー
721 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/25(日) 21:09:07.83 ID:ulAbMysS0
>>718

「そうでしたか、櫻の国ご出身でしたか!友人にも桜の国出身の人がいるのですよー。
 何度か行ったことがあるのですが、本当に繊細で美しい国だったのが印象的で御座いました!
 和菓子もそういう細やかな心が映し出されているのでしょうね。味はもちろん、見た目も美しく可愛らしいものばかりでした。
 金箔や色鮮やかな飾りの数々、砂糖や調味料に頼らない柔らかく優しい味わい……初めて食べた時のかんどうは、今でも覚えております。
 他にも着物や刀、漆器もありましたね……どれも、その美しさに目を見張るばかりでした。」

【櫻の国の細やかさは、驚くべき物だった。初めて訪れた時にあまりの美しさに感銘を受けた事が記憶に鮮烈に残っている】
【和菓子の、お菓子という概念を超えた食べ物とは思えないような繊細かつ緻密な見た目と、口に含んだ時の優しい味わい】
【着物のまるで絵画のような鮮やかさ。刀の研ぎ澄まされた切っ先。漆器の上品な光沢……どれも、本当に印象的なものばかりだった】
【そのような繊細さは、櫻の国の人々の感性を映し出したものなのだろうか―――そんな事を思っていると、また別の事を問われる】

【どうしてこの国にいるのか。確かに、昼の国に住んでいる筈の自分達がこの国に来るのは割と遠出だと思われるかもしれない】
【けれど……実は軽いお出かけ感覚で此処に来ている。その種明かしをしながら、ここに来た訳にも答える】

「ああ、遠出と言っても……私の場合は転移魔術で、すぐ水の国に来れるのですよ。自宅からここまで、ものの3分くらいです!
 ―――息抜きに来たのですよ。ここの所、気を張り詰めてばかりでしたので……
 大変だからこそ、こうしてたまには息抜きをしないとやっていけませんもの。」

【彼女は、何が辛いかとは具体的には言わなかった。けれど……彼女の辛さの原因は、間違いなくゼン=カイマを取り巻く戦いによるものだろう】
【少し遠い目をしながら、ケーキを一口含む。平気な風に微笑んではいるが……心なしか疲れた顔をしているのは、気のせいではないだろう】
722 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/25(日) 21:30:45.93 ID:5ltN2rBhO
>>721
【悉く語られる自らの故郷の思い出、それは彼女が本当にあの国を好いている事を意味するのだろう】
【静かに珈琲を飲みながらそれを聞いていると、何処か自分自身が誇らしく思えてくるが】
【自身があの国を離れた理由はとても家族に顔向けできる物では無く、深くその気持ちを沈めた】
【そうして彼女の口から語られたその足の秘密は少々意外な物で、彼は一瞬眼を不敵に輝かせた後】
【静かに珈琲杯を置いて口を開いた】

へぇ、凄いですねそれは!転移魔術なんて便利な物があるとは知りませんでしたよ
三分あればインスタント……いえ、何でも無いです
確かに最近世界中で色んな事が起こってますからね、自分も人一倍忙しくて

【自身も転移と言う面ではほぼ同じ物を有しているにも関わらずこの口ぶり】
【確かにこんな場所で話すべき内容で無い事なのだが、それでも少々狡猾な面があるか】
【だが、彼女が転移等と言う便利且つ高位な魔法を使える等と言う事は予想外であり】
【それが転じてか、彼は少々俯き加減で思案するような表情を取り、固まっていた】

【気を取り直すように彼は皿に残った最後の一切れを口に運ぶと、あまり味わう事無く噛み、飲み込む】
【何か思いついたかのようにそこで口を開く、その口調は自然に青年が与太話をするような】
【倦怠感とリラックスが混じったかのような口調】

本当、信じられますか?ここ数カ月で世界の隅から隅まで働きに回って
挙句の果てによくわからない仕事にまで巻き込まれるんですから、本当、大変すぎて苦笑物ですよ
まぁ自営業の成れの果てと言った方が良いかもしれないんですが

【その仕事も全て自身が興味をそそられたあのアーグの比喩なのだが】
【何を思ったかそれを口に出し、少し溜息をついて見せる。もしこれで何かに関わっていると気付くのなら】
【それは彼が思う最高の流れなのだが、そう上手くいかないのが現実】
【果たして、眼前の女性の感性はどう働くか】
723 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/25(日) 22:01:03.96 ID:ulAbMysS0
>>722

ふふっ……時間に追われる主婦にとっては、なかなか便利なもので御座いますよ。
本当に、いろんなことが起こっておりますよね。……ちょっぴり、疲れてしまいます。
疲れてしまうからこそ、こうして息抜きに甘い物でも食べて元気を補充してるんですけどね。

【転移魔術は、子供たちの面倒を見るせいであまり遠出の時間をとれない自分にとっては非常に重宝するものだ】
【遠い場所にも手軽にすぐに行けるのだから、移動する時間をかけずに目的地での時間をたっぷり取ることが出来る】
【もちろんどこかしこにでも行けるわけではなく、知っている場所でないと行けないのだけれど……】
【そんなわけで、こんな遠い場所にもお手軽に散歩したり買い物したりできるのだ。戦いには不向きだけれど、なかなか便利な魔術だ】

【色々なことは、マリアの周りにも起こっている。どれをとっても厄介で、心に重く圧し掛かるものばかりだけれど】
【ため息をついてばかりはいられない。ケーキでも食べて気分転換して、前を向かなければ……】


はあ……それは大変で御座いますね。大変なのは私だけじゃないって事でしょうか……
……お互い色々と大変でしょうが、たまにはこうやって甘い物でも食べてリフレッシュして、前を向いて頑張りましょう!

【何に巻き込まれたのか言わなければ、伝わるはずがあるまい。結局何が大変なのかはわからないけれど】
【ともかく大変ということだけは伝わったようで。マリアは困ったように笑いながら相槌を打つ】
【自分だって、大変なことに巻き込まれている。……でも大変だ大変だと嘆いていても何も変わらないから】
【とにかく前を向こう、と自分にも言い聞かせるようにして微笑む―――】
724 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/25(日) 22:20:03.63 ID:5ltN2rBhO
>>723
えぇ、そうですね。リフレッシュは大切な物ですね
自分はリフレッシュと言えば物を作ったりすることが一番好きなんですが、こういう物も中々……
でも、マリアさんが大変になさっているならきっとティアちゃんは幸せでしょうね
親が苦労すれば苦労するほど、その努力は子に注がれていく物ですから

【そんな風に珈琲杯を持ちながら口にするのは逆接的理論、だがそれは確かな物で】
【世界が狂っても、悪鬼が蔓延っても人々が生を謳歌し、彼女の娘のような子供が笑っていられるのは】
【常に何処かで笑顔を零さずに唯一無二の自身の力を振り絞る者が居るからだ】
【それは自身も重々承知の上、それでも尚自分は自分を優先する。それはそれで悪いとは思わないが】
【圧倒的な挫折を前にして、尚も歩みを止めない者を見て、疚しい感覚を抱く程腐ってはいない】
【数度頷きながら、彼は更に珈琲を飲む】

そう言えば自分の仕事には色んな仕事仲間がいる事を忘れてましたよ
たった一人で挑んでいる訳では無いのに俺一人が疲れた疲れたとほざくのはお門違いと言った所ですかね
芸術家がメインでやってる仕事なんでデスクワークよりかは疲れないかもしれませんけどね

【そんな風に少しだけ笑いを零しながら言って見せる。彼の言葉に潜む裏を出すような出さないような】
【ふぅ、と溜息を一つつくとポケットの中に片手を突っ込む、其処にあるはずの物を確認してから】
【彼はそろそろ自分の前には何も無くなった事を鑑みながら、口を開く】

それで、どうしましょうか?自分はまだ時間がありますが

【別段、不思議の無い問題。中々の長話になっているのもあって、どうだろうか】
725 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/25(日) 22:46:10.60 ID:ulAbMysS0
>>724

―――そうですね。この子達が笑顔でいてくれれば、私の努力は全て報われますもの……

【子供たちを護る為に戦うのは大変だし、辛いこともある。戦いに巻き込まれて帰らぬ夫の身を心配することもある】
【それでも家族の笑顔の為なら、苦労も厭わず笑顔でいる。それが母であり妻である彼女のすべてだから―――】
【マリアは、ケーキを頬張るティアの頭を撫でながら、優しく微笑む。その顔は、間違いなく子を想う母の顔だった】
【願わくば、子供たちがいつまでも笑っていられるように。母親は、きっとまた子供の知らない場所で奮闘するのだろう―――】

【彼もまた、色々大変なようだ。仲間がいて、大人数で成す仕事……一体、何なのだろう】


お仲間がいらっしゃるのですか。……誰かと繋がっているというのは、本当に心強い事で御座いますよね。
一人じゃ出来ない事だって、誰かと一緒なら出来るかもしれない。そう思える仲間は、貴重です。
どんなお仕事をされているのですか?お話を聞いていると、とても大変そうでございますが……

―――あ、もうこんな時間なので御座いますね。
ケーキを食べたばかりですが、そろそろ家で待つ他の子供達にもご飯を作ってあげなくちゃ……

【―――子供も、今しがたケーキを食べ終えたようだ。満足そうな笑顔を見せて、なんだか嬉しそう】
【二人とも食べ終えたのだから、そろそろ帰らなければいけない。あんまり帰りが遅いと、ティアの妹たちも心配するだろうから……】
726 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/25(日) 23:03:03.35 ID:5ltN2rBhO
>>725
【やはりか、この女性はどこまでもこの「娘」達の事を想っている。それは強さでもあり同時に弱さにも成り得る】
【だが、何か守る物があると言う事は、それだけで人の力を高める物だ。それは自分も昔から知っている】
【自分が守るべき物は道楽と喧騒なのだが、それも事実守るべき物である】
【彼は残った珈琲を飲み干すと、すっと口を整え、静かに話し始めた】

えぇ、とても心強いですよ。相手が強大ならば尚更
そうですね……まぁちょっと途轍もない事をしてまして、中々にやりがいがある物ですよ

【確かにそれは彼の本心の言葉、良い意味では無くともやりがいがある事は本当なのだ】
【彼女が帰路につくような言動を見せてから、彼は狙い澄ましたかのように言葉を発する】
【それは彼のペテン師としての才能か、少なくとも信用に足る程の人間で無い事は確かなのだが】
【自身に利益がある内は裏切らないのが彼の心情、彼は今ここで話しておくべきかと判断したのか】
【流れるように、そして少し不自然に話を始めた】

そうですか、それは残念です
ですが、ティアちゃんに怪我をさせてしまったのは事実ですし、代金は自分が支払いますよ
何なら送っていきましょう―――物理的に送られるのは自分かもしれませんけど……
それに少し話したい事がありますし……

【そんな風に軽く冗談を混ぜながら提案する。現に自身が話したい事があるのは真実で】
【チラッと少女の方向を見ながら、その提案の是非を仰いだ】

どうかな?ティアちゃん?何なら一つくらいケーキでも買おうよ
727 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/25(日) 23:29:57.16 ID:ulAbMysS0
>>726

【相手が強大?……そんな言葉が出てくるということは、何かと戦う仕事なのだろうか】
【現在、世間では様々な事件が起きている。強大な敵との戦いが増えるのも、不思議ではないが……】
【……ともかく、やりがいがあるのなら良い事だ。仕事に気概を持てるのは重要なことだから】

【二人ともが食べ終わり、そろそろ帰ろうかという頃。―――急に、彼は話したいことがあると言って来た】
【何なら支払いもして家まで送ろうかと言っていたけれど、さすがにそれは社会人として失礼だから断って】
【……でも、話があるという事については気に留める。あまり長話はできないけれど、少しくらいなら話を聞く時間もある】

いえいえ!元はと言えばうちの子がぶつかったのですし、私たちの分まであなたにお支払い頂くなんて……
自分たちのお代くらい私が支払いますし、帰り道もすぐなのでどうかお気遣いなく!

話したい事?なんでしょう、少しくらいならお話する時間も御座いますが……

「えっと、ケーキはもういっぱい食べたからだいじょうぶです。どうぞ、おきづかいなく!」

【少女は思ったより大人だったらしく、ぺこりと頭を下げてケーキを断る。……母親のまねをしているだけかもしれないが】
【むやみに他人にねだったりしないあたり、育ちの良さが伺える。母親の教育のお陰だろうか―――】

【ともかく、話はその場で聞くつもりらしい。空になったカップを置くと、じっと彼の言葉を待つのだった】

//っと、昨日も申し上げました通り日付が変わるころには落ちなければなりません!
//次のレスは恐らく明日21時ごろになると思いますが……大丈夫でしょうか。



728 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/25(日) 23:47:36.99 ID:5ltN2rBhO
>>727
あぁ、そうですか。えぇわかりました、ティアちゃんもよく出来てるじゃないか
ならば、少しだけお話しさせていただくとして

【まぁ中々に良く出来た親子、娘の方は何となく幼さが残ってる気がするが】
【そう言うのなら引き下がる事にしよう。やたらめったらと提案するのも不躾だ】
【だが、話は此方もさせてもらいたい、と言うより自身の境遇では今しておかなければ後悔する】
【そう思い、少しだけ声のトーンを落として】

少し重要な話でして、良いですか?
っとその前に、ティアちゃんには少しだけ聞かないで貰えるかな、もし聞きたいならそれでも良いけど

―――あの悪魔、亡霊の件です

【そう自身の本当の目的と仕事を淡々と話し始める】
【その眼は先程とは違い、臙脂色がこびりついた血飛沫のような雰囲気を醸し出し】
【明らかに彼が本気で物を言っているのだと思わせるだろうか、あの悪魔、亡霊と】
【そうして彼の口から出るのは真実に重なる真実、それはこの女性にどんな感覚を持たせるだろうか】

自分は奴を、アーグを叩き潰したいと思っています。勿論自分一人では不可能ですが
自分が微力ながらも助けとなるように研鑽を重ねています。その上で、自分の存在を知ってもらう事と
貴方に渡したいと思っている物があります。幾つかの情報と、そして物品
貴方は聞く覚悟がおありですか?

【そうもう一度問う、自分があの暗い森で体験したことは何よりも記憶に新しい】
【それに自身がこの情報を出すのははっきり言って捨て身でもある。一歩間違えれば自身が悪人と言う情報も出し兼ねない】
【この問いに、さて勇猛果敢なヴァルキリーはどう答えるだろうか】
729 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/25(日) 23:48:16.03 ID:5ltN2rBhO
>>727
/了解いたしました、それでは今日はここまでとさせていただきます
730 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/25(日) 23:55:22.72 ID:ulAbMysS0
>>729
//ありがとうございます!それでは一旦お疲れさまでした!
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/26(月) 00:13:28.79 ID:DWwYNZqo0
【――――月光と星々の明かりのみに照らし出された森の中】
【普段ならば平穏で在ろうこの場所も、今宵ばかりは魔獣達の唸りに静寂も打ち破られ】
【その方向を見遣れば一人の少女が魔術を用いて魔獣達を葬っている事が知れるか】


「人々を無意味に殺めるのならば我々教会が処罰します
血には血を以ての償い。血でしか止める事が出来ないならば、其れはイリニ達の役目です」

【純白のローブに白銀の髪。同じ色の双眸は感情を浮かべる事も無くただ魔獣達を敵として認識しているだけの様】
【色々と記すべき事はあるのだが――――何より特筆すべきはその手に装備された“手甲”の様な物だろうか】
【其れは大きな魔力を漂わせており、たった一薙ぎでも獣達にとっては致命的な一撃】

【程なくして、その森に舞い戻ったのは静寂。無数に転がる骸の中、ぼうっと立っているのはその少女のみ】
【辺り一面が朱に汚れる中、その少女だけは汚れる事無く純白を保ったままで】


「任務の完遂を確認。取り逃した存在は零だとイリニは確信しました
――――少し休んでから帰還します、とだけ告げてイリニの報告は終了します」

【徐に取り出したのは水晶だ。恐らくは通信機代わりなのだろうが――――其れに報告をすれば、再びその場でぼうっと立って月を見上げる事となる】
【魔獣達の咆哮だとか魔力だとかを辿れば此処に辿り着くのはそう難しい事でも無い】
【そして、この場を訪れた者が見ることになるのは上記の通り。血にまみれた中、少女が一人月を見上げているなんて状況】
【声を掛けるにせよ、何にせよ。白の少女は感情を浮かべる事も無く其方を見遣ればじっと視線が送られて】






【満月の夜――――人々からその存在を忘れ去られ、ただ朽ち行くだけの遺跡】
【嘗ては祈りを捧げるのであっただろうその場所も今となっては誰一人として訪れる事は無くなった……が】
【今宵は、無礼にも其処に座る女が居た。金色の髪に、同じ色の双眸。何よりも特筆すべきは背に生やした純白の翼】

【在りし日の其処を思い、思慮に耽っている訳でも無い様。ただ単純に単純に月光浴を楽しんでいるのか】



「――――今日は星も月も良く見える良い夜だ。風も心地良いし…………ボクだって偶にはこんな夜も、ね」

【漏らした言葉は誰に向けた物でも無い。ただ、何と無く慈しむ様に己の座る台座を掌で撫で】
【バサリ、と一度羽ばたかせた翼。純白の羽が月光を浴び銀色となって風に舞い】

【辺りに人気は無い。だからこそ、この女の存在も相対的に目立つというもの】
【もし、女の存在に気付いて近寄ったならば――――「ボクに何かご用かな」なんて言葉と共に、緩んだ笑みを向けるのだけれど】
732 :??? ◆/Pbzx9FKd2 :2015/10/26(月) 01:51:07.84 ID:+EQwPehe0
>>731

【光を受けた天使が遺跡にたたずむその神秘的な空気を無粋に破るいくつかの足音】
【砂ぼこりを巻き上げながら、黒のスーツとサングラスを身に付けた二人の大男が現れた】
【女が気づいて声を掛けても、二人は両手を後ろに組んだまま仁王立ちの体勢で微動だにしない】
【そうしているうちに男たちの後ろから一人の少女が歩いてきた。カツカツとハイヒールの音を響かせながら】

ごきげんよう。天使様?

【淡い緑色の長髪に純白のドレス。同じく白のハイヒールを履いた、女と同じくらいの年頃であろう少女であった】
【その顔には薄く笑顔をたたえていたが、どことなく作りものめいた雰囲気を感じるだろうか】

貴方のそのお姿に少し興味を覚えましたの。それで少しお話してみたく思い、こうして声を掛けたというわけですわ。

【そう言って、笑みをほんの少し強めながら少女は名乗った】

わたくしカノッサ機関に所属しております、ホーフ。クローブン・ホーフというものでございます。
ナンバーなどという大層なものは持ち合わせておりませんが、カノッサ機関科学研究局Cブロック統括という役職を頂いております。
以降、お見知りおきを…。

【言いながらドレスの両端を摘み上げ、深々と頭を下げた】
【物騒な黒服の男と、その外見に似合わない組織の名を口にした怪しげな少女。得体の知れない会合が、今始まろうとしていた】

/下側への投下です。まだいらっしゃいましたらば
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2015/10/26(月) 07:19:33.60 ID:VGjuWpJ6o
(´・ω・`)
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/10/26(月) 13:24:29.84 ID:6se74/J0o
(´・ω:;.:...
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2015/10/26(月) 17:00:43.30 ID:dku9DN0TO
>>732
申し訳無いのです……また機会がありましたら是非!
736 : ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/26(月) 17:56:52.77 ID:+EQwPehe0
>>735
/了解です
737 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/26(月) 19:56:42.11 ID:b3RRI5uS0

【夜の公園。日中は家族連れで賑わうそこも日が暮れてしまえば訪れる者もなく。】
【今現在、公園の敷地内にいるのは蒼い髪と頭に引っ掛けた古びたゴーグルが特徴的な少年一人だけとなっていた】
【太腿辺りに包帯の巻かれた左脚を拳で軽くトントンと叩きつつ。軽く準備運動のようなことをしている模様】
【そんな真っ黒なライダースーツ姿の少年の手には左右共に二対の剣が握られていて】

……さすがにこの時間になりゃ、人来ねぇよな?

【透き通った色合いの碧眼で周囲を見渡し。ざっと見で人影がないことを確認すれば、ヒュン、と風を切るような音が周囲に響く】
【無論、それは少年が剣を振るった音。どうやら少年はここで剣術の自主練、というか特訓をしようとしているようだった】
【人気がなく閑散とした状況であってもここは公共の場なのだが、少年はそんなこと気にも留めずに肩慣らしといった風に剣を振るい始め】

【夜の静寂が少年の振るう蒼い剣尖によって少しだけ乱される】
【その様子を剣技、或いは身体術に精通している者が見たのなら、剣筋の動きからして少なくとも素人ではないということが分かるだろう】
【そして更に目敏い人であったら。時折一定の規則で振るわれる一閃にたまに僅かなブレが混じるというか、踏み込みが甘い時があるということにも気付くかもしれない】
【まあ通りすがりの人からすれば刃物を振り回してる色々と危ない人にしか見えないが】
738 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/26(月) 20:52:34.28 ID:fnSr+IL80
>>728

【彼に褒められれば、ティアは嬉しそうに笑う。ぱあっと明るい笑顔はまだまだ子供らしさを多分に残していて】
【利発で大人びた一面もあれば、年相応の子供らしさもある。心身ともに成長中の子供は、きっとこんな感じなのだろう】
【ティアはまだ育ち盛りの10歳。これからどんどん成長して、大きくなっていくのだろう―――】


【さて、帰る前に持ち掛けられた話。一体何事だろうかと、彼の話に耳を傾けると】
【―――それは、マリア自身も目下直面している最も大きな問題だった。アーグ―――夫を脅かした、かの大司教の事】

―――!

【穏やかな表情だったマリアもその一言を聞いた瞬間驚いたように目を見開き、、次に険しい表情に変わる】
【深刻な表情は、彼女の背負う事態の重さを窺わせるだろう。なにせアーグとは正反対の立場の、最大の敵対者なのだから】
【恐らく、事の重大さはマリアが最も理解しているだろう。覚悟は、随分前からとうに出来ている―――】

―――子供を護る為、主人を救う為……アーグを倒す為なら、私は何でもすると決めました。
主人が消息を消した日からずっと、とっくに覚悟はできておりますよ。
今は、どんな些細な情報だって欲しいくらいです。―――どうか、お話し下さいな。

【そう。アーグを倒すためなら、今はどんな情報でも欲しい。誰だって構わないから一人でも多くの仲間が欲しい。】
【一人では、到底太刀打ち出来ないのだ。情報も、仲間も、一つでも多い方が良いに決まっている―――】
739 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/26(月) 21:21:34.76 ID:uO6K4Jk+O
>>738
【彼女の覚悟はしかとこの耳で聞いた。それならば、と彼は淡々と話を続ける】
【その声音は先程よりも明らかに低く、重みを増した物になっており彼の真剣さを物語るか】
【その瞳は臙脂の輝きがあたかもこの場に居る全ての生物を屠り滅してやろうかと言うような物】
【自身の情報が些細な物である事は己も承知の上、それ故に自身の為にもこの場で話す】

えぇ、わかりました。それでは自分が持っている物を……
まず直近の情報を一つ、以前とある武器の起動実験を行おうとした時に深い森の墓場でレイナと言う少女に出会いました
ご存知かもしれませんが魂を操る能力を持った少女です。そしてその側近のレオンシオと言う鎖使いの青年にも
恐らくは魂を抜き取ったのであろう者共を使い、何かはわかりませんが棺のような物を掘り出しその場を後にしました
向こう側にとって重要な物かは定かではありませんが、真剣さから見るにただの棺では無いかと思われます

【数度言葉を区切りながらそう言い切ると、彼は一度咳ばらいをし、様々な事象を整理するように瞬きをする】
【既に彼女も知っているのだろうか、あの少女の能力の事を。自身が手に入れた出所はあまり正規とは言えないが】
【これは自身の体験からも限りなく確かな情報であり、彼の最大の情報でもあった】
【「続きます」そう小さく言うと更に息を吸い込み、一挙に語りを始めた】

更に自分が様々な機密情報を手に入れた出所の一つなのですが……
ロゼッタと言う女性が何やらアーグと親密な関係のようです。彼女がアーグの妻……かどうかはわかりませんが
彼女が語るアーグは世間一般の認識とは乖離した物でした

更にもう一つ、少し前の話なのですが、自分はアーグの配下の半不死なる者と交戦しました
ほぼ相討ちと言う形になりましたが、自分はこうして生きているのでマシです。ですが、相手の生死は不明です……
周囲の水を大仰に操る能力を使っていましたが、それ以外にも何かがあるかもしれません

【もう一度咳払い、周囲の目を気にしてか、先程から声を押し殺して話している。喉が疲れるのも必至か】
【そうして最後にこれは朗報と呼ぶべき物なのだろうか。だが、少なくとも悪い報では無いだろう】

そこで最後に恐らくはあの六罪王ダグラス・マックスウッド氏の使者からのメッセージが
貴方の所のシスターと言っていたようですけど……これで最後です
何か既に知っている情報もあるかもしれませんが、そこはご容赦を

【そう言い切ると彼は小さく溜息をついた】
740 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/26(月) 21:57:03.07 ID:fnSr+IL80
>>739

【―――まず語られたのは以前アーグ側に捕まった時に話をした少女、レイナの事】
【彼女はアーグの子として生まれたが、その時のアーグが夫の体を乗っ取っていたせいで夫と血が繋がっていて】
【そのせいか、性格や言葉遣いから顔立ちまで夫とよく似ていたことを覚えている。―――本当に、そっくりだった】

【監禁されていた地下牢を脱走した後、彼女の情報を得る機会は無かった。どうしているか気になっていたけれど】
【そんな事をしていたのか。棺を持ち出して、一体何をするつもりなのか……】

そうですか、あの子がそんなことを……

―――彼女はアーグの、そして私の主人の娘です。アーグが私の主人の体を乗っ取って作った子供なのですよ。
あの子や付き人の能力については、よく知っています。何せ、ドラクレア島の戦いの時に目の前で見せられましたから……
棺を何に使うのかは分かりませんが……警戒するに越したことはありませんね。

……ロゼッタ……――――その人がアーグと親密だとすれば……もしかして、レイナやフェイトは彼女が母親なのでしょうか。
―――ずっと、気になっていたのです。あの子たちは、一体誰から生まれたのか……
重要な情報、ありがとうございます。―――少し、真実に近づけたかもしれません。
……水を操る能力を使う、アーグ配下の人物。成程、まだ仲間がいるのですか……

【―――漸く、話が一区切りつく。情報が多くて、少し戸惑ってしまう所もあったけれど】
【とにかく、この三つの情報は非常に大きい。今まで知り得なかった新しい話が多く、どれも貴重な情報だ】
【そして、まだもう一つ最後にメッセージがあるという。マリアは「何ですか?」と、尋ね返す―――】


741 : ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/26(月) 22:00:07.10 ID:+EQwPehe0
>>737

【剣を振るう少年の視界からやや遠くの路上、公園の入り口前で、大きな黒塗りの高級車が一台止まった】
【扉が開き、中から数人の黒スーツとサングラスの男たちが現れる。まるでマフィアのような恰好である】
【そのうちの一人が後部座席の扉を開けると、現れたのはドレス姿の少女であった】
【淡い緑色の髪に白い肌。値の張りそうな服装に身を包み、その挙動は格好に恥じない気品を感じさせる】
【カツカツとハイヒールの音を響かせながら少女は少年のもとへ歩み寄ってくる。年齢は少年より少し上だろうか】
【少年の剣舞がひと段落ついたならば、少女は微笑みを浮かべて話しかけるだろう】

ごきげんよう。

【お嬢様然とした挨拶をし、深々と少年へ頭を下げる。上げた表情は穏やかに笑っている】
【少年に用だろうか、謎の少女は両手を前で組んだままの姿勢を崩さずにいた】


742 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/26(月) 22:13:09.13 ID:uO6K4Jk+O
>>740
【フェイト、それは一体誰なのだろうか。それよりもフレデリックの身体を使ったのならば】
【それはつまりあのレイナとやらは彼女の親族、いや血は繋がっていないのだから姻族か、中々ややこしくなる関係だが】
【それでも彼女が奴らを討つと言うのならそれは中々の覚悟であるのだろう】
【それならば自分も協力するだけの事はある、十二分に―――面白いじゃないか】

そうですか、それは……
いえ、大したメッセージではないのですが……「グラーフ・ツェッペリンの乗り心地は如何だったかな」だそうで
語尾に、でありますなんて付ける其方のシスター様だったらしいのですが何かお知りではないですか?
まぁ自分が思うに……生きてるんですかね、あの六罪王殿は
もしかしたら貴方が知ってそうですけど

【そんな事を言いながら軽く笑って見せる。冗談として言ったがどうなのだろうか】
【先程の自分の情報で彼女の疑問の一つに区切りを付けられたのなら何より、まだまだ自分が知らない事も五万とあるだろうが】
【それでもここで自分と言う存在を伝えられたのならば、それはとても良い事だろう】

あぁ、それとそのフェイトでしたっけ?運命か……
それは一体何方で?あのレイナにまさか兄弟姉妹でも?

【そんな事があったらどれだけ恐ろしい事か、その子供とやらも魂を操れるのだろうか】
【聞きたい事は山程あるが、今はそれだけにしておこう。自身の足で調べると言う事も時には重要である】
743 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/26(月) 22:15:26.73 ID:b3RRI5uS0
>>741

あ?……なんだテメェ。

【負傷した脚のリハビリがてら剣を振るい、そろそろ終わろうと刃を鞘に収めようとした頃】
【不意にかけられた声に一瞬その手が止まり。怪訝そうな声をあげると声の方向へと視線を向ける】
【見知らぬ、それどころか自分とは真逆の人生を歩んでいそうな少女の来訪に暫し無言を貫くもののやがて反応を示すだろう】

どこの誰かは知らねぇけど、こっちは見せもんじゃねーんだよ……冷やかしなら帰れ。邪魔くせぇ。

【それは優雅な所作の相手に反発するように慇懃無礼で粗暴な態度だ】
【分かりやすい拒絶の意。少女は愚か背後に構えているであろう男性達にさえ怖気つく素振りさえみせない】
【髪と揃いの蒼い双眸が訝しげに細められる。双剣は未だに抜き身のまま。少年に少なからず敵意、警戒心があるのは確実だ】


744 : ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/26(月) 22:40:23.67 ID:+EQwPehe0
>>743

【およそ友好的でない少年の対応を受けても少女の表情は特に変わらない。視線は少年へと向けられたままである】
【返答に対しほんの少し驚きというか、失敗した、というような反応を見せ、少女は続ける】

申し遅れました、わたくし名をクローブン・ホーフというものでございます。
先程は名も要件も明かさずに突然の無礼を働いたことをお許しください。
わたくし仕事の帰りだったのですが、車内から剣を振るう貴方様の様子が目に入り、気になってこうして声を掛けたのですわ。
そうそう、要件を告げなければいけませんわね。

【そう言ってから少女は一呼吸置き、あくまでたおやかな笑みを崩さずにこう告げた】

ぶしつけなお願いですが、わたくしどもに拉致されてはいただけませんか?
貴方を拷問にかけ、泣き叫ぶ顔を見たいのです。

【薄く開いたその眼は、悪魔のような毒気をはらんでいた】
745 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/26(月) 22:56:59.49 ID:b3RRI5uS0
>>744

【『剣を振るっていたところを見て気になった』】
【その言葉を聞けば心底迷惑そうに舌打ちをし、やっぱりそんなもんかと内心では思う】
【どこのお嬢様かは知らないが興味本位で関わられるのは面倒臭いし苛立つ。適当に生返事をしたら帰ろうとしていた、のだが】

……なんだって?

【次に吐かれた言葉には流石に少年も反応せざるを得なかった。今この女はなんて言った?】
【その顔が一瞬面食らったような表情をする。だがそれも束の間のことだ。すぐさま少女から距離を取ると、その瞳に警戒心と敵意を宿せば剣を構える】
【包帯が巻かれた左脚は少しだけ、ほんのすこしだけだが反応が鈍い。少年は手負いのまま戦うつもりのようだ】

……はっ、馬鹿かよ!
んなこと言われて『はいそうですか』の二つ返事な訳ねぇだろ――――誰が従うかよ、クソアマ。

【相手の要望を呆れたように鼻で笑い一蹴する】
【要するに交渉決裂だ。そもそも自分がそれに同意する意味も利益も何もないのだから当然といえば当然なのだが】
【だが。これだけ堂々と人攫いすると言い放った輩がこれだけで諦めるとは思えない】
【一先ずは、相手の応答を待つが―――?】
746 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/26(月) 23:06:39.40 ID:fnSr+IL80
>>742
……あの子は……レイナは、何も知りません。アーグに与えられた情報のみで育てられた子ですから。
何も教えられず、ただ死者の国の女王として人形のように偽りの玉座に座らされているのです。

でも―――あの子は真実を知ろうとしていました。何が正しいのか、自分で見極めようとしていました。
あの子はとても賢い子です。もしかしたら……何が本当に正しいのかを知れば、変わるかもしれません。
事実、私がアーグの本当の事を話せば戸惑いながらも受け入れていました。決して、否定して拒絶することなく……
―――私は、その可能性に賭けてみようと思います。あの子が、偽りの女王ではなく一人の人間として生きようとする可能性に……

【―――マリアはレイナを討つつもりはないらしい。】
【アーグはどうしようもない程に心の闇が深く、もはや倒す以外に方法は無い。けれど……レイナは違う気がするのだ】
【彼女は何も知らないだけ。もし真実を知れば変わるかもしれない―――その可能性に賭けてみたいのだ、と話す】

ああ、それは……恐らく、飛行船の事です。ダグラスさんの。島に移動するときに乗ったものですね。
……ダグラスさんは主人の友人で、今回のアーグとの戦いでは色々と手を貸してくださっているのですよ。
そのシスターも、本当はダグラスさんの配下なのです、……この事は、他言無用で御座いますよ。

フェイトについては……能力や詳しいことは分かりません。
でも、フェイトは私の事を「もう一人のママ」と呼びました。―――パパの体の奥さんだからもう一人のママだ、って。
……ですので、もしかしたら彼女もアーグの子供なのかもしれません。


―――お話はこれくらいでしょうか?
貴重な情報を有難う御座いました。私一人では知ることが出来なかった事も、教えて頂いて……
……一人でも仲間が多いと私も心強いです。どうか、また力を貸してください。

では、そろそろ帰りましょうか。今日は、色々と有難う御座いました!

【―――あの時娘がはしゃいでぶつかった事が、まさかこんな話にまで発展するとは。些細な偶然が、意外な出会いを齎してくれた】
【これで、また一人力を貸してくれる人が増えた。アーグを倒す為に、沢山の人が動いてくれている……】

【「ティア、帰りますよ!」と、娘に声をかけて。―――この場は、そろそろもうお開きだろうか】
747 :クローブン・ホーフ ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/26(月) 23:19:48.37 ID:+EQwPehe0
>>745

【少女クローブンの要望を少年が聞き入れるはずも無く、距離をとった少年に対してなおもクローブンは続けた】

わたくしの趣味は拷問ですわ。人の苦しむ顔を見るのが好き。人が恐怖に怯える顔を見るのが好き。生まれついてのそういう性分なのです。
ですからこうして時おり町に出向いては、目に留まった人間をさらって殺して回っているのですわ。
そのためにはやはり相手は後腐れの無い者が良い。特に夜中に一人凶器を振るう不審な人物ならなおさら。そうは思いませんこと?

【パチン、と少女が指を鳴らす。いつの間にか、少女の前には二人の黒服の男が立っていた】
【少年から見て右側の男の胸には「245」、左側の男には「354」のナンバープレートが付けられている】

この者たちはわたくしが高度な技術によって洗脳を施した実験体ですわ。わたくしの意のままに動いてくれますの。
先に言っておきますが、二人とも「能力者」ですわ。貴方のその左足で、どこまで戦えますかしら…。
もともとわたくしの姿を目にした時点で、貴方には選択肢など用意されておりませんの。
あまり抵抗しない方が、のちのちの貴方の生活を考えるとよろしいかと思いましてよ、くすくすくす…。

【おかしそうに笑う少女はいつの間にか高級そうな椅子に腰かけている】
【「245、354、戦闘開始。」、少女がそう命令し、二人の男は少年へ向けて突進していった】
748 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/10/26(月) 23:33:37.74 ID:uO6K4Jk+O
>>746
【彼女の言葉からは覚悟とそれ以上の優しさが感じられた。全く持って酔狂な事だ】
【禍根はそれが何であろうと等しく葬り去らなければならない。そうしなければ二度も同じ事をされた所で面白味は無い】
【累々と積み重なる死を越え、亡き者の怨嗟の声に耳を澄まし、眼前に聳える膿と癌の肉壁を屠る】
【果てに待つのは鏖、寸分の狂い無き鏖殺の饗宴。だが】

そうですか……なら、それも良いのではないでしょうか
貴方は人に優しい、それ故にあの少女に何かを見出せるのでは?だから、それをご大事に
あの少女がもしや彼の亡霊を看破する切り札になるやもしれませんから

【逆に、あの少女を泳がしておく事で更に別なベクトルの事象が起こるかもしれない】
【その可能性は無きにしもあらず、ならば摘み取るべきな芽だけを摘み取り、刈り取るべき根だけを刈り取ろう】
【災厄の種から生まれいづるのは希望の灯か、それとも奇奇怪怪な創意性か】
【今は彼女や六罪王に協力していってみるのが一番良さそうだ、と彼は腹を括り】
【猜疑心も好奇心も一挙に喉から腸へと押し戻して、その場を離れようとする親子に声をかけた】

此方も中々良い話が出来ました。それとフェイトと言う子供の事、自分も把握しておきます
それでは今日はありがとうございました、またいつかお会いしましょう
次は戦場かもしれませんけど

【そんな笑えない冗談を吐いて、彼は自分の代金だけを支払い、店を出て行くだろうか】
【人混みに紛れ、見えなくなっていく彼の胸中には様々な念が渦巻いていた】
【最も強い念と言えば、まぁ「面白くなってきた」唯一つだったのだが……】

/それではこの辺りで〆になりますでしょうか、三日間お疲れ様でした!
/長い間お付き合いいただけた事感謝です。それではありがとうございました!
749 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/26(月) 23:45:51.97 ID:b3RRI5uS0
>>747

ッチ、悪趣味女が。ますますテメェの命令は聞きたくなくなったし、―――後腐れがなくって悪かったな!

【本当に薄気味悪い女、と少年は相手の少女を罵る】
【言動にこそ軽薄さも残っていたかもしれないが、その心中はというと怒りに呑まれて可笑しくなりそうなくらいだ】
【少女が人間を殺しているという点ではない。それに自分が選ばれ、その動機に反吐が出るほど腹が立つ】
【結局はこれも少年自身のエゴなのだが。ここで何も抵抗できずに死ぬならないよりはマシだ】

能力者だろうが知ったことかよ!そいつらを殺してその次はテメェだ!
それで全部解決だろうがッ!ああ!?

【左脚の負傷などハンデにすらならないと言わんばかりに左手に持った剣の切っ先を『敵対対象』へと向ける】
【怒りに震えたその声は決して虚勢を張っているのではない。己の力にある程度自身は持っているのだ。それが何よりも忌み嫌うものだとしても。】

【男二人が前に出たと同時に少年も地を蹴る】
【負傷してはいるもののその間合いの詰め方は常人と比べれば明らかに素早いもので】
【突進してくる男の一人―――右側から攻めてくる男・245に対してまず左手に持った刃で攻撃を仕掛ける】
【狙うは相手の胴体部分。それに成功したならば、ちょうど下から上への切り上げといった剣線を描くだろう】
【左の男に関しては今はとりあえず何もしない。一応気配に気をつけているようだから完全にノーマークという訳ではないようだが……】
750 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/26(月) 23:55:42.41 ID:fnSr+IL80
>>748
//はい、お疲れ様でしたー!こちらこそ三日間有難うございました!
751 :クローブン・ホーフ ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/27(火) 00:09:17.19 ID:d9hkX7Es0
>>749

悪趣味?わたくしはそうは思いませんわ。誰しも小さいころ、虫けらをいたぶり殺したことがある、それを楽しんだことがある。
大してそれと変わりは無いと思いましてよ?

【どこまで本当かわからない口調で、自分は異端ではないと語る。クローブンはあくまでも戦闘に参加する気はない様子で、離れた場所から指示を出している】
【がっしりとした体格の245が少年の剣撃を受けるその寸前に、彼の腕に足元の砂が吸い寄せられる】
【ガキンと音がしたかと思えば、245の両腕には岩製の腕甲ができていた。少年の斬撃を真っ向から受けるあたり、硬度はそれなりにあるだろう】
【一方、やや痩せ気味の体型をした354は少年の左側、少し離れたところで地面に両手を付く。すると地中から大きな植物のツルが生え出てきた】
【その先端はするどく尖り、少年のもとへ素早く伸びていく。途中、障害物となっていた小石をツルはあっさり貫通した】
【どうやら体格の良い245は岩石の能力、細身の354は植物の能力を使うらしい。ここまでを少年が見抜けるかどうかは、少年のこれまでの戦闘経験によるだろう】

ああ、一応断っておきますわ。その者たちは実験番号を呼び名としていますが、カノッサ機関のナンバーズとは別物ですわ。
特に関係ありませんので、誤解の無いようにしてくださいませ。

【少女はなぜか出現していた紅茶を飲みながらそう告げた。脇には紅茶を置くテーブルもある。どうやら戦闘とは関係ないが、もう一人少女の世話をする係の者がいるらしかった】
【そうするうちに354の丸太のように太いツルが少年に迫る。常人ならばひとたまりも無く腹部を貫かれるはずだ】


752 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/27(火) 00:48:21.39 ID:gvSoTnoO0
>>751

だからってオレが虫ケラと同じになるのはお門違いだっての……!

【そう言い返しつつも少年は相手との会話はこれ以上は必要ないと思った】
【だってこの少女は既に少年が理解しきれないところまで狂ってしまっているから。先程の話を聞くにそれは元からなのかもしれないが、説得といったことが出来ないのは確実のようだ】

……ッ!硬―――――っ……クソ、面倒なモン持ちやが、っ

【足元で粉末状のものが蠢いた感覚を確かめる暇もなく、防がれた斬撃と突如245の腕に現れた装甲に思わず声を漏らす】
【恐らくその装甲は能力で砂を固めて作られたもの。どこまで硬度があるかは分からないが取り敢えず壊すしかない、と354に視線を走らせた。刹那】
【巨大なツルがこちらへと、迫っ、て】
【咄嗟に前方へと差し出した右腕にツルの先端が深々と突き刺さる】
【ばきりと何かが硬いものが砕ける音がした。音がしたということは何か手応えがあったということだが―――】

【少年の表情に目立った苦痛の色はない。痛みにわずかに眉を顰めはしているが叫び声すらあげておらず】
【何より石すら貫通させたツルの切っ先は少年の腕を貫通すらしていなかった】
【ツルを操る354にどこまで知性があるのかは知らないが自分で考えるだけの脳がまだあるならツルの進行が途中で止まっているのだと分かるはずだ】

こんなツルでオレの腕一本とれると思ってんのかよ。ま、結構いてぇトコまで来てるけど――――!

【次の瞬間、ジャカッという金属音が鳴り響く】
【音の発生源であるその右腕は文字通り真っ二つに割れていた。ツルを阻んでいたのはソレ。明らかに生身ではない金属で出来た腕によるもの】
【そして少年の言葉通り。露出した金属部分より小振りではあるものの鋭い切っ先を持った刃が五本、354の頭部及び四肢を狙い高速で射出された】
【お返しとばかりに放たれた刃。避けずにいれば5本とも直撃するだろう】


//すみません!今日は眠気の限界なので凍結お願いできますか…?
//自分は明日も夜は来れますがそちら様の予定が合わなければ〆って感じでも構いませんので…!
753 : ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/27(火) 00:51:08.74 ID:d9hkX7Es0
>>752
/了解です、予定に関しては全然大丈夫ですので凍結ということでよろしくお願いします。
754 :クローブン・ホーフ ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/27(火) 01:58:54.22 ID:d9hkX7Es0
>>752

【少年の言い分はもっともなものである、しかし彼女クローブン・ホーフの趣味嗜好はそういった「まとも」からはかけ離れたところにあるのだ】
【少女は紅茶を飲みつつ自らの考えを語る】

いいえ、別に貴方を虫と思っているのでは無くってよ。わたくしももう子供ではありませんわ。
そこに人間がいるのにわざわざ虫を拷問にかける人間などいないでしょう?相手が何を考えているかわかる人間だからこそ、猟奇趣味は愉快なものになるのですわ。

【語る少女をよそに攻防は続く。少年が放った仕込み刃に対し、354の操るツルの反応速度は劣っていた。意表を突かれる形で、354の四肢に刃が深く突き刺さった】
【身をよじりなんとか関節に刺さることは避けられたものの、腕や足からドクドクと出血している】
【そして頭部へ向けられたブレードは間一髪、眉間の横をすり抜けていったが、その動きで354のかけていたサングラスが地面に落ちた】
【あらわになった354の顔面には両眼が無かった。正確に言うならば、眼球がくりぬかれその代わりにカメラのレンズが埋め込まれていたのだ】

…あら?義手ですわ。いいえ、というよりもこれは…サイボーグと呼んだ方が正しいのかしら?
どうりでただの子供にしては俊敏な動きができた、というわけなのですね。
ふむ、これはわたくしの、ではなくAブロックの方の専門分野…いえ、それは今はどうでもいいことですわ。
それよりも、ふふ、面白くなってきましたわ。わたくし今までの人生、サイボーグをいたぶるというのは初めての経験ですの。
一風変わった楽しみ方ができますわね、くすくすくす…。

【354の視界を通じてクローブンは戦況を把握できているようで、その体の仕組みの特別さから少年に対しての興味が増したようだ】
【ダメージによってわずか354の動きがにぶる。それを受け、245は少年の刃を腕甲で受け止める体勢から、腕を大きく振り少年の体を後方へ突き飛ばそうとした】


755 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/27(火) 19:10:50.07 ID:gvSoTnoO0
>>754

(つくづく狂ってやがる――――、)

【男達の後方から聴こえてくる言葉に少年は僅かに表情を歪ませる】
【少年自身、世間一般からはやや離れた立ち位置にはいるが、少女ほど倫理観が狂っているという訳ではない】
【少女の語る価値観は少年にとっては受け入れがたい異物そのもの。一層嫌悪感は増していくし捕まるなんて尚更御免だ】

な……!?その目―――ッ……そいつらは同族ってことかよ……!
どいつもこいつも趣味の悪りぃモンばっか作りやがって、
さっきからゴチャゴチャうるせぇんだよ!こっちにはテメェみたいなトチ狂った奴を楽しませる趣味はねぇっつってんだろ!!

【そして不意に現れた354の素顔には流石に平静でいられる筈はなく少年の碧眼が大きく見開く】
【その本来あるべき瞳の代わりにそのレンズがどうして付いているのか、そしてどうやって付けられたかは考えるまでもなく】
【人間だった者の成れの果て。自分と似たような存在である『それ』を作ったであろう少女を睨みつけるとそのまま感情に任せて怒りをぶつける】
【勿論言葉だけではどうしようもない―――そう分かっているから。まずは目の前の二人を、片付けてしまわなければ。】

ッッ!

【だが少年が動く前に245の行動の方が早かったらしい】
【咄嗟に相手に振り払われぬように剣を振るうが、その剣線は明らかに浅く。相手に攻撃が当たったかも判別できないまま後方へと弾かれる】
【一応受け身はとったが左脚に加え、右腕も多少負傷している。少し息は乱れていた。】

//お返ししておきます!
756 :クローブン・ホーフ ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/27(火) 20:18:10.18 ID:d9hkX7Es0
>>755

【少女のとっている言動に対し少年が怒りを覚えるのは当然のことではあったが、それを受ける当の本人がそれに納得するはずは無い】
【彼女にとっては見当違いな罵声に聞こえる少年の返事を受け、彼女は少し眉をひそめた】

威勢がいいのはよろしいこと。しかしわたくし、実はそれほど気の長い方ではありませんの。
見るからに年下の少年風情に良い様に言われて黙っているタチでは無いのですわ。

【同時、少年が離れ様に放った一撃を245は軽くいなしてみせる。苦し紛れの攻撃が通じる相手では無いのである】
【少年の視界左側では、354が刺さったブレードを出血もいとわず強引に引き抜き終えたところだ。少年が弾かれたことにより、彼らの位置関係は戦闘開始時と同様になった】
【怒気をはらんだ口調で少女は言う】

ここで感情に任せて貴方を殺してしまってもまあ構わないのですが、こういった場所で死体の処理を行うのは面倒ですわ。
わたくし、あまり長くこのような人目につくところにとどまっている訳にはいきませんの。
子供ならば子供らしく、さっさと捕まってくださらない?

【そして小さく黒服達に命令すると、二人が同時に地面に両手をついた。地響きが鳴り、木々のざわめく音が強くなる】
【すると少年の背後に退路を塞ぐがごとく、大きな岩の壁が出現した。地面が隆起して出来上がったものである】
【更には公園の木々の葉が一瞬で枯れ落ちたかと思えば、それらの葉がまるで刃のような鋭さをもって少年のもとへ弾幕のように降り注いでいく】

まだるっこしい戦闘は嫌いですわ。捕まる覚悟はできまして?

【様子見はここまでといったように、容赦無く大技を繰り出してくる黒服達。少年に打開策はあるだろうか】


757 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/27(火) 20:47:48.39 ID:gvSoTnoO0
>>756

ッチ……!浅っせぇ!

【ジャリ、と靴底が砂の地面を踏む。傷のない245を見てやはり浅かったか、と舌打ちをした】
【未だに明確な勝算は掴めないままであることに、沸点の低い少年であれどいい状況でないということは分かる】
【また一からやり直しという態勢にまで戻されたことにも、焦燥は少しずつ募ってゆく】
【このまま削りあいでお互い消耗戦でいくか、或いは】

……だから二つ返事で捕まらねぇってさっきから言ってんだろ。
さっきから命令ばっかで動かない女になら、尚更――――な!

【突如現れた石の壁に退路を塞がれ、周囲から降り注ごうとしているのは数え切れないほどの刃の雨】
【それをやけに冷めた目線で見れば少年はやはり少女の問いには最後まで否定的な態度をとった】
【自分では何もできない口だけの女。そう。少女が本当にそういう人間だったのならばこちらにも多少これを切り抜ける方法はある】
【まあ成功するかは分からないが―――そう心の中で呟きつつ、少年は地を蹴る。退路をふさがれたなら進むしかない、真っ向勝負だ】

【出来うる限り葉の刃を弾き、金属で構成された腕を盾にして、持ち前の脚力で刃の中を駆け抜ける】
【勿論完全に避けられる量ではない。暇さえあれば決して浅くはない傷が一つまた一つと身体中に増えていき―――そしてバキンと一際大きな音が鳴った】
【それは先ほどツルの刺突を受けた右腕が肘あたりから切断された音。一瞬腕が地面に落ちると同時、少年の体がバランスを崩すが、刃をくいしばり】
【もう動くのもやっとという体で少女目掛けて跳躍する】

―――――ッッテメェが寝てろ!

【そのまま少女へと踵降ろしの要領で蹴りを放つ】
【少年の踵からは先程右腕から出した刃と同じものが露出さrている】
【恐らくこれが少年にできる最後の攻撃だろうが―――少女は如何なる反応をとるだろうか】

758 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/10/27(火) 20:59:32.34 ID:TW/1b+vko
【路地裏】

【冷たく強い風が吹き、粗悪な街灯が揺れてチカチカと点滅する】
【誰も居ないはずの路地裏。近寄りがたい闇への入り口。全てはここから生まれる】

【キィンと澄んだ金属の音色。指で弾いて高く放り投げてを繰り返す。歩きながらの手遊びの一つ】
【遠くからでもわかる背の高い男で、この薄暗がりでも濃いレンズのサングラスをかけていた】
【適当に伸ばして放置している黒髪に汚くはない程度の適度な無精髭。まともな職についたら許される格好じゃない】
【服も細いジーンズとか古ぼけた革のジャケットとかで路地裏の安アパートに住んでるようなやつかと思えば】
【つけている腕時計は軽自動車なら数台買えるような代物。ブーツのかかとをすり減らしながら、奥へと歩いて行く】

【男が金貨を弾いた時、強い風が狭い路地裏を駆け抜ける。それは金貨の落下地点の軌道をほんの少しだけ変えるに】
【至るには十分なほどだった。手元を狂わせて、金貨はまた弾けるような美しい音色で路地裏を転がっていった】

っと……待てよ

【誰もいなくとも、つい声が出てしまう。彼のすこし前のめりになった歩くスピードよりも早く、器用にも金貨は転がって行き…】
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/27(火) 21:19:00.05 ID:arV9c6FU0
【街はずれ――廃屋だらけのエリア】
【雲だらけの空はいつもより明るくって黒よりも灰色に近い色、まん丸にぺっかり浮かぶ月は、灰色の雲の薄衣を纏って霞み】
【涼しいけれど冷たくはない風が吹き抜ければ、廃屋の庭で揺れるのは、いつかは植えられたのだろうバラやラベンダーなどで】

……別に誕生日だと言っても、誰が祝ってくれるわけでなし、関係ないのだけど。

【その廃屋の一つ、長屋のように低く細長い建物の屋根の上、ぴょこりと飛び出し延びる影は煙突なわけもなく、それならどうやら人のよう】
【きっと長いスカートをはためかせているから性別はなんとなしに察しがつく。呟き声がもしも届くなら、低く掠れた声がけれど少女のものとも分かるはずで】
【どうやってそんな場所まで登ったのかと見れば、廃屋の屋根まで雑多ながらくたが積み上げられているのも分かるだろう。自転車、木箱、バケツ、――】
【下の方はともかく、比較的上の方に突き刺さった自転車など、少女の華奢な細腕では難しそうなものだけれど】

【肩を少し通り越す長さの金髪は毛先のほうでくるりと巻いて、特にその毛先のほうは淡くピンク色に染まる、不思議な色味で】
【あどけなさを多少残す顔は、だけどもどこか拗ねた子供のよう。いっとう鋭い瞳は勿忘草の花の色と、肌の色は不健康なくらいに白く】
【生成りのワンピースは裾が足首まで届くもの。指先までは深い赤のドレスグローブで包んでいて、頭にはかぎ針で編んだレースのバブーシュカをかぶり】
【つま先は踵が少しだけあるようなブーツ、崩れかけの屋根を上手に踏んで立って違和感のないくらいには、その背丈は小さくて、痩せていて】

【右の指先にはひっかけるように白いビニール袋を持っていた。コンビニの名前が書かれていて、――少女はしばし月を見ていたのだけど、そのうちに】
【屋根の上にちんまりと座り込んで、袋をがさがさと言わせる――、取り出したのは、三角に切られて個包装されたチーズケーキと紙パックの紅茶と】

今日で十八だなんて言われたところで、別に実感もないのだけど。――十八だったかな。十七だったかしらん、
去年が……いくつだったかしら。

【チーズケーキをもう一つ取り出して自分のそばに置く、それから、指折り数えてみるのは、自分の年齢――なのだろうけれど】
【たいして嬉しそうでないのと同じくらいにたいして興味なさそうに数えていた。そのうちにどうでもよくなった、あるいは考えても分からないように】
【そのまま怠惰そうに屋根に寝転ぶと、そっと空に手を伸ばして――その指先で、小さく勿忘草色の魔力がきらめいた】
760 :クローブン・ホーフ ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/27(火) 21:19:25.30 ID:d9hkX7Es0
>>757

【斬撃の弾幕に対して真っ向から少年が突っ込んできたことにクローブンはほんの少し感心した。】

(いかにもな直情タイプの阿呆かと思いましたが…、確かに向かっていった方が弾幕にさらされる時間は短く済む、か)

【そう考える彼女の頭上から少年の一撃が振り下ろされる。彼女自体は生身のただの人間である、喰らえばひとたまりもないのは彼女だってわかっている。】
【しかし彼女はその瞼(まぶた)をそっと閉じ、手に持った紅茶に口をつけようとするだけだった。】

…悪手ですわね

【少女の足元の地面から伸びる砂に包まれた少年の刃が、次第に減速していき彼女の鼻先で停止した。】

わたくし、これまでずっとこうやって戦ってきたのですわ。わたくしへの直接攻撃など、通させるはずもありませんわ。

【クローブンからすれば、部下を操る戦闘方法において自身が狙われることは真っ先に対策すべきことである。】
【ゆえに彼女との戦闘においては、何をおいても彼女の配下を打ち倒し無力化する以外に無いのである。少年の捨て身の攻撃は失敗に終わった。】
【少年がすぐさま追撃を起こさないのであれば、245は捕らえた彼の足を包んだまま、彼女からある程度離れた位置に投げやるだろう。】
761 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/27(火) 21:36:27.10 ID:gvSoTnoO0
>>760

【ぼたりとぼたりと無数の傷口から―――主に四肢を除いた部分から血が溢れ出る】
【服の切れ端から覗く肌は鉛色で生身のものではない。薄い金属にすげ替えられた皮膚故にあの刃の雨の中をここまで切り抜けてきた、が】
【いずれにせよ負ったダメージは甚大だ。普通の人間であったならあの先程の攻撃で切り裂かれ死んでいたかもしれない】

……ッ!く、そが……ッ!

【ギリギリで届かなかった攻撃に思わず悔し紛れの声を出す】
【足を掴まれ投げ出される寸前にせめてもの抵抗といったところか。左手に持っていた刃を少女に投げつけた。多分無駄だろうけど、と己の足掻きに内心苦笑して】
【次の瞬間、視界がぐるりと反転した】

――――――ッッッ!!

【少年の身体が宙に投げ出され、そして地面に叩きつけられる】
【少年の身体はサイボーグのそれではあるが、完全に機械であるということも、感覚を失っているという訳でもない】
【打ち付けられた瞬間、全身を駆け巡る激痛に声にならない叫びが漏れる】
【戦力をほぼ出し切った少年がこれからどうするかというとこれといった打開策などは既になく。どこからどう見ても男達……少女の勝利であることは明らかだった】

762 :クローブン・ホーフ ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/27(火) 22:04:42.54 ID:d9hkX7Es0
>>761

【彼が最後に放った抵抗も空しく、足を掴んでいた砂の一部分が伸びて作られた防御壁にカッと音を立て突き刺さるに終わった】
【どうやら連れている能力者達を倒さない限り、彼女自身は絶対の防御策によって守られているのだろう】
【地面に打ち据えられた少年は苦悶の声をあげた。本来それは眼前の悪魔を喜ばせるもののはずであったろうに、少女は笑いもせず眼下の少年を見ていた】
【そして何を思ったか、少女は唐突に語り始める】

よくお聞きなさい。わたくしクローブン・ホーフは犯罪者ですわ。過去に犯した殺人事件によって、貴族の名と地位を剥奪されましたの。
逮捕され自由と未来を奪われたくなかったからカノッサ機関に逃げ込みましたわ。ですが、こんな裏社会の影で人生を全うするつもりはさらさらありません。

わたくしは国を創ります。そして国王として君臨し、大手を振って人生の自由を謳歌するのですわ。

【語られる内容の突飛さに少年は何を感じるだろうか。幼さか自信か、彼女の胸中を知るすべは無いけれど】

答えなさい、名も知らぬ少年。わたくしの創り上げる王国を、ともに見てみる気はありまして?

【溢れんばかりの怒りを振りまく少年の姿に何を思ったか。狂気の姫君は、彼を自らの野望へと勧誘した】


763 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/27(火) 22:29:56.75 ID:gvSoTnoO0
>>762

【身体の内部から湧き上がってくるような痛み。普段感じ慣れていないそれに耐えつつどうにか半身だけ起こす】
【無論それは相手からの追撃に備えるため。只でさえいきなり襲い掛かってきた女だと、警戒をしていたのだが想像していた追撃はやって来ない】
【訝しげな表情を浮かべ何か言おうとするがその前に少女が語り出す。てっきり甚振りの一つや二つは覚悟していたため少し面食らった様子だ】

……カノッサ……。

【カノッサ機関。学のない少年ですら知っている有名な組織の名だ。尤も、それは悪い意味でだが】
【話を聞く限り少女はその機関に所属しているのだろう。どうりで常識はずれな訳だとあまりしたくはない納得をしつつ】

―――ばーか。無理に決まってんだろ。

お前の、夢になんか、興味ねぇし……そもそも、叶う訳がない。夢見がちも、いいトコロだっての。

【語られた少女の野望に対する反応は辛辣。というよりは至極現実的なものだ】
【そんなことはただの夢物語。一度墜ちた人間はあとは墜ちるところまで落ちるだけだと息も絶え絶えに言う】
【呆れたように相手を見据え、ただなんとなく。もう一度その言葉を確かめるように口を開いた】

……本気か?

【その問いが何を意味するかは分からない】
【ただ一応は相手の言い分は聞こうという意欲はほんの少しだけ、あるようで】
764 :クローブン・ホーフ ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/27(火) 22:55:09.27 ID:d9hkX7Es0
>>763

【彼が否定するのも無理はない。これまでのいきさつを忘れて見るならば、眼の前にいるのはただの細身の少女でしかないのだから】
【しかしその目はどこまでも真剣で、たたずむその姿はある種の風格すら漂わせていた】

本気に決まっていますわ。わたくしの頭脳をもってして統治できぬ世界などありませんことよ。
カノッサ機関の理念は「世界に混沌をもたらすこと」。はっきりいってクソくらえでございますわ。
あれだけ優秀な人材を抱えておきながら、混沌すなわち無秩序に向かって力を行使するだけ。なぜその力を「支配」へと向けないのでしょうか、理解に苦しみますわ。

【自らの所属する組織へ向かい悪態を吐きながら彼女は続ける。先程の口振りからしても、機関には嫌々従っているにすぎないのだろう】

しかしわたくしならば為せます。カノッサ機関科学研究局Cブロック統括、クローブン・ホーフの力をもってすれば。
カノッサにすら乱されることの無い、絶対の秩序が支配する国を創るのですわ。

【少女は説明を付け加える。カノッサ機関科学研究局というのは戦闘能力をもたない機関員が、頭脳労働によって貢献する裏方の存在であること】
【そしてCブロックとは Capability(能力)、つまりこの世界に存在する異能に関しての研究を主とする部門であること、彼女がその部門の研究主任であることを】
【素性を明かし終え、もう一度彼女は少年に問いかける】

それに夢を見てこそ、人間というものでしょう?
さあ、二度言うのは嫌いですわ。わたくしと共に覇道を歩む気はありまして?
765 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/27(火) 23:26:57.24 ID:gvSoTnoO0
>>764

【少女の話を粗方聞いたあと少年は徐に溜息をついた】
【それは少女の話に単に飽きれているだけのようにも見えてあまり良い印象は与えない】
【そのままさらりと拒否の言葉を吐いてしまいそうな雰囲気のなか、少年が口を開く】

………さあな。

【放たれたのはその一言だけ。肯定でも否定でもなく。なんともあやふやな返答で】
【ただその表情はとてつもなく神妙そう、というか険しい顔をしている模様。恐らく彼なりに考えて出した答えがそれなのだろう】
【まあこれだけで少女が納得するなんて楽観的な思考もない訳で。少し思考を巡らせたあと言葉を付け足す】

はっきり言うなら、いやだね。
意味が分からねぇし、そもそもなんで一緒にテメェの夢を叶えなきゃなんねーんだよ。
秩序も国も知るか。自分でやってろ……ただ、

【不機嫌そうに並べられる言葉は思いついたことを次々と言っているらしく少し要領を得ない。しかも大半が文句である】
【明らかに同意する気配はないし正直断った方が楽だと思っている。ただそれを成すためには一つだけ問題点があった】

ここで断ったら死ぬんじゃねぇの?オレ。

【拒否権がないと少女が言っていたのは会った頃だったか】
【あの時は相手を打ち倒そうとしていたが負けた今では此方からは何もできない状態】
【そんな状態でこの女に逆らったら果たして自分はどうなるのか】

……死ぬならやる。見逃すならやらねぇ。それだけだ。

【それは単純な人間的な思考の表れであり、命が惜しい者の模範解答であり】
【王国を掲げる少女の崇高な目的に加担するには些か不純すぎる動機ではあったが少年はそういう結論に至ったらしい】
766 :クローブン・ホーフ ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/10/28(水) 00:02:40.19 ID:TgB7irMb0
>>765

煮え切らない発言ですのね。わたくし、中途半端な返答は望んでいませんの。
わたくしに従うならば、心からの忠誠を誓ったうえで、ですわ。

【大胆不敵、傲岸不遜、そんな言葉が相応しく、少女の態度はひどく上からのものであった。「共に」というより「下に着く」と言った方が本来は正しいのだろう】

わたくしが欲しいのは貴方の精神なのですわ。正直に申しまして現在の貴方の戦闘能力は一山いくらのレベル、わたくしの洗脳兵にも劣っていてよ。
わたくしは貴方の内に潜む爆発力を買っているのですわ。自我を奪ったところでそれでは意味が無いというのはわかるでしょう?

【彼女が彼の中に見出したものは、彼の自由な精神があってこそのもの。嫌々従われても役に立たないのだと少女は続ける】
【やや諦観の混じった少年の発言を受け、クローブンは不服そうな様子だ】
【その時である。突如彼らの耳に届くのはけたたましいサイレンの音。目をやれば、遠くから警察車両が近づいてくるのがわかるだろう】
【地響きを立てながら地形が変わる規模での戦闘を行っていたのだ、近隣住民が自警組織に通報したであろうことは容易に想像がつく】
【少女もそれに気づいたようで、あからさまに舌打ちをしてから、やや焦り気味に少年に向き直った】

チッ、まだ話の途中だというのに…。
いいですこと?名も知らぬ少年。わたくしの同志に半端な戦力は要りませんの。わたくしの忠実なるしもべとなる覚悟がお有りならば、「建国」に協力しなさい。
近く、わたくし達は大きく動きますわ。その時が来たならばまたお会いしましょう、名も知らぬ少年。

【そう言うと少女の姿を覆い隠すように幾重にも木の葉が舞い初め、風に散ったかと思えば少女も黒服たちも、乗ってきた車さえも煙のように消えている】
【しかしこの出会いが幻でなかったことを、戦いの痕跡に湧く街の喧騒が示していた】



/こちらはこれで〆となります、2日間ありがとうございました!
767 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/10/28(水) 00:30:26.66 ID:GwxOzfSR0
>>766

……あぁ?じゃあ結局どうすりゃいいんだよ。

【怪我で疲弊していた精神もこっぴどく言われ続ければ次第に覚醒してくる】
【先程までの諦めたような雰囲気から一変。彼の本調子である苛立ったような口調へと戻っていった】
【相手の言葉の途中で別に下に就かなくても平気そうだと察したらしい。それならば従うような素振りは不要と言わんばかりの変わりようである】

【尤も、ここまで完膚無きまでにやられているのは確かなので、弱いと指摘された時には何にも言えず終いだったのだが】

だから従う気はねぇって――――、……あ?

【警察かそれとも救急車のものか。けたたましく響いてきたサイレンに左耳を抑えつつ勧誘の言葉は一蹴する。…正確には言い終わる前に少女達は消えてしまったのだが】
【なんか最近割りを食うことばかりだと思いつつ少年はその場に倒れこむ。サイボーグの身体であっても流石に手練の能力者二人相手での戦闘は厳しいものがあった】
【公共機関の世話になることも今回ばかりは致し方ない。事情聴取やらからどうやって逃れるかなどのは追々考えておくとして。】
【なんか最近割りを食う出来事しかねぇな―――と、蒼髪の少年は思ったのだった】

//はい!お疲れ様でしたー!
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/28(水) 23:28:36.73 ID:rJTSfXDM0
【――――月の光に照らされる森】
【其処は多くの薬草だとかが取れる、なんて話もあるのだけれど】
【如何せん、魔物が出没する地ともされる故に訪れる者も少なく】

【さて、今宵はそんな場所に一つの影。身形からして修道女である事は間違い無かろう】
【銀色の髪が月明かりを鋭く返すのだから、遠目からでも存在は直ぐに確認出来る筈で】


「――これ程集めれば十分でしょうか。気付けばこの時間ですし、早めに帰りたいですが…………」

【手にした籠には文字通り山盛りの薬草】
【改めて採取した種類を確認した後に、その場を去ろうとするのだが――――】
【仮にこの場に誰かが訪れた場合、その気配を感じ取ってか立ち止まるのだろう】
【恐る恐る、と表すのが最も適切。この場を訪れるであろう者に対して視線を向けるのだが】







【住人の殆どが寝静まった小さな街】
【美術館だとかそんな物が有るわけでも無い此処は特に悪人達の標的となる事も無く】
【強いて言うならば身を隠したい者、或いは旅の際に宿を見つける者が通る程度】

【さて、そんな場所に今宵は珍しい姿が一つ】
【街灯の下に置かれたベンチに座り、サンドイッチを摘んでいるのは――――一人の修道女か】
【腰に提げている二丁の双銃が何とも物騒ではあるのだけれど、特に殺気などを漂わせている風でも無く】


「――――ん〜……流石に徹夜での尾行は疲れたけど……まあ、何とかなったし別に良いかな……」

【辺りに出歩いている者も居ないのだから、必然的にその修道女の姿も目立って】
【手にしているのは数枚の書類。行方不明だとか何だとか物騒な文字が並べられ】

【何故こんな所に修道女が、と疑念を抱き話し掛けるのもただ何と無く近づくのも良いのだろう】
【――――兎にも角にも、気配を感じ取れば其方へと視線を向け】
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/31(土) 21:35:36.68 ID:HbI5uDVh0
【街中――噴水のある中央広場】
【空にはみかんの房のような形の月が浮かぶ、けれど明るい照明の光に遮られて、その姿は良く見えず】
【流行りの音楽が流れていた、それから、たくさんのヒトが溢れていて――そのほとんどの人間が妙な恰好をしているのだから、妙な場】

……おねーちゃん、おねーちゃん、トリックオアトリートなの!
――――わー、ありがとうなの! 私ね、チョコね、大好きよ!

【ハロウィーンのイベント、今行われているのはそれで、広場の淵には食べ物の出店なんてものも出ていて】
【微かに食べ物のいい香りと血のりの香りがまじりあった匂い、それから、お酒の匂いがどこかからか微かに届いて】
【ぴょこりとツインテールを揺らすのは小さな女の子、通りすがったゾンビのようなメイクをしたお姉さんから、個包装のチョコレートをひとつ貰って】
【にぱーと嬉しそうに笑っていた、ぺこりと頭を下げて、その女の子は、今度は違うヒトへとトリックオアトリートを唱えて、またお菓子をもらい】

【クリーム色の髪はくしゅりとした猫毛、高い位置でツインテールに結わえて、その小さな頭にはちょんと角のようなものが生えていて】
【瞳はまあるい垂れ目、真夏の青空のような透き通る青で、その右目の下には毒々しい紫色で蝶の刺青が刻み込まれ】
【黒いワンピースは裾が破かれたようなぎざぎざ加工されたもので、足に履いている黒いタイツも、びりりと破かれたように素肌が覗き】
【背中には悪魔の羽のレプリカ、お尻からはぴょこりと悪魔の尻尾のニセモノが垂れ下がって、もふっとしたスカートに埋まりかけているのは棺桶デザインのポシェット】

むふふ、お菓子いっぱい、いーっぱい、貰っちゃったわ!
これくらいあればね、3時のおやつが充実しちゃうんだからっ。うふふー、……、でもね、私ね、もっと上を目指すわ!
目指せお菓子の女王さまなの! お菓子をもっと集めて集めて、お城にするんだから!

【手にしているのはカボチャを模した入れ物、中にはたくさんのお菓子が詰め込まれていて、それなりに容量もきちきちなのだけど】
【物足りない、むしろもっと上を目指すなんてぐっと握りこぶしを作って、それから彼女は――そう、まだ五つか六つほどの小さな女の子――カボチャの入れ物から】
【たった今貰ったチョコレートの個包装をぺらりと剥がしてもぐりと頬張る。おいしそうに目元をとろけさせて――うふふ、と、笑って】

あ……トリックオアトリートなの! お菓子くれなきゃね、いたずらしちゃうわよ!

【――なんて、また、通りすがった誰かへと、魔法の言葉を向けるのだった】
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/10/31(土) 21:51:37.12 ID:vstyFe+e0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 レストラン街】

流石に、連続して2つの仕事は疲れるな――――
明日は――――まだオーダー入ってないけど、いつ来てもおかしくは無い、か――――

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のまるで死人の様な冷たいオッドアイを持ち、体表に紋様の様な、仄かな光を放つ金色のラインが走っている】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】
【遅めの夕食を求める人々で、この日最後の賑わいを見せている、外食店が軒を連ねる通りを、通信端末を覗き込みながら歩いている】

【その身からは、尋常ならざる量の魔力が感じ取れるかもしれない】

――――何もなければ、このまま帰って、早く寝てしまうのが一番だね――――
疲れが残る様な事にだけは、ならないようにしないと――――

【周囲の店の看板を軽く見渡す少女だったが、そのまま歩調を早めてただ静かに道を歩いていく】
【手に握り締められた端末には、『ワンド』の装飾が施されていた】



【――――所変わって、水の国 バー】

「……何故、君と酒を飲む事になっているんだ……?」
ここのところツイててな、金が余って困ってるんだよ……。ま、俺が奢るから、ちょっくら付き合ってくれよ

【くたびれた薄いスーツを右肩にひっかけ、Yシャツにスラックスとテンガロンハットにその身を包んでいる】
【やや無精髭の目立つ顎に、やや長めでだらしなく乱れ気味の金髪とは裏腹に、活力に満ちた瞳を光らせている】
【腰に、鞘に収まったごつい2本のナイフ、何本ものハードダーツ、そして一丁のリボルバーハンドガンをぶら下げている、身長170cm前後の男性と】

【一目見て研究員である事が分かる白衣を身に纏い、胸ポケットに4本の4色ボールペンとメジャーを押し込んでいる】
【やや白髪交じりの為に、全体的にグレーに見える髪をきっちりとバックに整え、神経質そうな印象のメガネを掛けている】
【やつれ気味の頬と、眉間に寄っている皺が特徴的な、身長160cm前後の男性が】

【カウンター席の隅に陣取り、グラス片手にぎこちない会話を交わしている】
【殊に白衣の男性は居心地が悪いらしく、しきりにキョロキョロと視線を動かしていた】

「……そもそも、大丈夫なのかね。この恰好で店に居ると言うのは……」
あぁ、気にしなくても大丈夫さ。ここは一応、俺たちの『息』の掛かってる店さ。客の方でわざわざ声でも掛けてこない限り、大丈夫だよ

【――――金髪の男性のハットには、逆五芒星を象り、その下に≪No.21≫とあしらわれたバッジが留められており、白衣の男性の襟の部分には、≪No.84≫と言う刺繍が施されている】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
771 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/31(土) 21:52:56.94 ID:YO1Qa/s70
>>769

【少女のいる場所の、少し向こう側】
【夕飯時も過ぎた休日の街も、今日ばかりは少し賑やか。今日は何の日?そう、ハロウィンの日】
【町の一角にある公園にも、今日は思い思いに仮装した小さな子供たちが集まっていた】
【そんな公園の一か所に、何人かの子供たちが集まっている場所があって】
【その小さな人だかりの中心にいるのは、一人の若い女性だった―――】

『トリックオアトリート!』

ほらほら、押さないで下さいな。お菓子はまだ沢山ありますよー!

【さて、そんな女性の姿形はどんなものかと言うと……】
【上質の絹糸のようなブロンドの長髪を時折吹く風にさらりと靡かせ、頭には白いキャスケットを被り】
【澄んだマリンブルーの瞳には凛とした心が映る。右の目元には泣きぼくろがあって】
【纏うのは厚手で暖かそうなベージュのカーディガン。そこから白魚のような手首がすらっと伸びる】
【脚をすっぽりと隠すモスグリーンのロングスカート、その下からちらりと覗くブラウンのブーツ】
【首には十字架のネックレス、左手の薬指にはプラチナリングとダイヤモンドの指輪が煌めく】
【手には大きなカゴ。中には動物の形をしたおいしそうなクッキーがいっぱい――――】

はい、どうぞ。お姉さんの手作りですから、しっかり味わってくださいな!

【優しげな微笑みを絶やさず、子供たちの頭を撫でながらクッキーを配り続けている】
【喜ぶ子供たちを見る彼女は心なしか嬉しそう。子供たちに囲まれながら、楽しい時間を過ごしているようで】
【きっと新たな訪問者が来れば、その子にも穏やかな笑顔と共に「どうぞ!」ってクッキーを差し出すだろう―――】
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/31(土) 22:11:21.48 ID:HbI5uDVh0
>>771

【そうして小さな女の子はまたお菓子をもらう。今度はカボチャを模したキャンディー、嬉しそうにぴょこぴょこ跳ねて、くれたお兄さんへとお礼を告げて】
【チョコレートをもぐもぐしながら貰ったキャンディーをカボチャのバケツに突っ込んで、それから、中身を嬉しそうに楽しそうに覗きこむ】
【そうやって1個2個と数えて――だけども面倒になったのか「たくさんある」という認識で丸投げしたのかは分からないけれど、途中で数えるのをやめると】
【自分と同じくらいの子どもたちの声だろうか、ぴくりと聞きつけて――視線を向ければ、小さな子供ばかりのヒトだかりと、それから、それから、】

――あ! あのね、あのね、マリアお姉ちゃんよねっ、こんばんはなの!

【ぱぁーっと表情を輝かせて、それからぱたぱたと走ってそちらへ向かうのだろう。そして、ある程度近づけばぺこりっと頭を下げ】
【にぱっと笑う、だけれどそんな彼女は子供たちの輪から少し離れた場所、声は届くだろうけれど、近いと言い切るにはちょっと遠いけど】
【そのうちむりむりっと体を押し込んで、最前列まで来ると、――】

私よ、私なのっ。……わあ、クッキー! わあい、ありがとうなのー!

【それでも五つくらいにしか見えない彼女は背が小さいから。アピールするためにぴょこぴょこと跳ねれば、そのたびにツインテールが揺れ】
【ひとしきりアピールしていたらクッキーを差し出される、そうしたら嬉しそうになって受け取る辺りやはり子供なのだろう、ありがとー、と、にんまり笑い】
【――それから立ち去ろうとしかけるのだけど。すぐに思い出す、それで、ぴたっと足を止めて、振り返り、】

そうなの、こんばんはってね、言いにきたの!

【ぴしりと手を挙げて、それから、「こんばんは!」なんて、改めてあらためて、元気に挨拶するのだろう】
773 :リロード・ザ・マジシャン ◆60/reloads [sage]:2015/10/31(土) 22:13:50.52 ID:1mxnvBVco

【水の国-路地裏】

【今宵はハロウィン。表通りでは派手などんちゃん騒ぎが繰り広げている中】
【独り路地裏を歩いている者が居た。星柄のマントを背負った黒いシルクハットの奇術師風の男である】

【彼の向かう先から2名の若者が歩いてきた。狼男と吸血鬼の仮装をしたハロウィンの参加者であった】
【彼らは奇術師風の男を見ると、彼もまた仮装をしているのだと思い、笑いながら話しかけてきた】


「お兄さん仮装気合はいってんじゃーん。トリックオアトリートうぇーいwwwwwwwwwwwwwwww」

【馴れ馴れしく肩を組んできてハイタッチを要求してくる若者に奇術師風の男は……】
【にっこーー!と不気味な程にこやかな笑顔を作り、ハイテンションにうぇーい!とハイタッチを交わして肩を組んで小躍りを始めた】
【やんややんやと一通り騒いだ所で、男は真顔となって。一言。】


……これ、私服って言ったらどうします?

【時が──止まった。先ほどまでノリノリだった彼らから笑顔が消え。肩を組んでいた腕がするりと奇術師風の音から抜き取られた】
【本能的な恐怖が、若者二人を支配していた。私服、私服である。“仕事服”なら、分かる。それは唯の奇術師である】
【だが、奇術師の服装が“私服”の男は明らかに、ヤバイ。酒が入り赤みがかった顔が一瞬で青くなるのを見て男はニコりと微笑み】


トリックオアトリート?

【その言葉を聞いた瞬間。自分たちが居る場所がどこか若者たちはようやく思い出す】
【考えるよりも先に体が動いた。気づけば彼らは気合の入った仮装が壊れることも厭わず脱兎の如く逃げ出していくのであった】


そんなに騒がしいのが好きなら爆破テロでもぶっ放してやろうかしらん。

【彼らの背中を追うこともず、その必死な後姿を眺めながらイライラした様子で男は唾を吐き捨てるのであった】
【火薬の匂いを漂わせるクローバーのトランプカードを手に取りながら呟いたその言葉は冗談の様には見えなかった】

774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/31(土) 22:27:15.74 ID:HbI5uDVh0
>>771>>772
/すいません、PCの自動更新カウントダウン来ちゃったので、次遅れるかと思います……!
775 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/31(土) 22:40:54.84 ID:YO1Qa/s70
>>772

【また一人、お菓子を貰いにやってきた少女。何気なく其方をちらりと見れば―――その子は以前会ったことのある子だった】
【その元気な姿は、前にあった時と変わらない。見てるだけでこっちまで元気を貰っちゃいそうな、そんな明るさで】
【小さな子供たちの人だかりの中で、ぴょんこぴょんこと一際がんばってアピールする姿が何とも可愛らしくて】
【マリアの顔にも、思わず微笑みが零れるのだった。もちろん、彼女にもちゃんとクッキーを手渡してあげて】

あらあら……ふふっ、可愛らしい小悪魔ちゃんがやって来ましたね。こんばんは、ファラエナちゃん!
ちゃんとお礼やご挨拶もできて、えらいですね!

【お菓子を貰うだけじゃなくて、ちゃんとお礼と挨拶が出来たファラエナ。まだ小さいのによく出来た子だ】
【えらいねですって、小さな頭を撫でてあげて。「ちゃんとお礼が言えたご褒美です!」と、もう一個クッキーを手渡す】
【同じくらいの子供を持つ身としては、ついつい母親目線で子供を見てしまうけれど……この子は本当に礼儀正しくて】
【無邪気で子供らしいのだけれど、ちゃんと正すべきところは正している。きっとこの子の親は、手がかからないだろうなぁ……】

お菓子、いっぱい貰えました?あら、かごの中はお菓子でいっぱいですね!ふふ、ちゃんと食べきれるかな?
クッキー、食べてみて下さいな。―――どうですか?お姉さんに感想を聞かせてください!

【ファラエナが手にしたくまさん型で茶色のクッキーは、茶色いつぶつぶが入っている。その粒の正体はチョコレートで】
【さくさくクッキー生地とチョコレートで別々の食感が楽しい、チョコチップクッキー。手作りの温かみも加わっていて】
【おまけであげたウサギ型のクッキーは、しっとりとしたバニラ味。これもまた、シンプルだけれど美味しく仕上がっているだろう】
【ファラエナに感想を訊くマリア。気に入ってくれれば嬉しいのだけれど―――】
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/31(土) 22:56:02.55 ID:HbI5uDVh0
>>775

【ぴょこりと跳ねれば長い髪と偽物の羽が羽ばたくように揺れる、もちろんそれで飛んで行ってしまうようなことはないけれど】
【にんまーと笑った顔はひどく楽しそうだ、もっと都会の街では大人たちが同じように仮装して集結して大騒ぎになっているらしいけれど】
【この街はそんなにひどいというほどでもなく。実際、子供がこうしてイベントに混ざっていても問題のないくらいには、静か――というか、おとなしく】

あのね、私ね、みんなとお友達になるのよ! だからね、そのためにはね、ちゃんとご挨拶するの!
――わあ、ありがとうなの! えっとねえっとね、……マリアお姉ちゃんにも、お菓子ね、あげるわ……あっ。

お姉ちゃんね、ちゃんと言えたらね、お菓子ね、あげる!

【うふふとにんまり笑う、いたずらげというか、どこか、自慢げというか。まあるい瞳を煌めかせて、手を後ろ手にくんで、うふふふと笑ってみせ】
【それから貰ったお礼にとマリアにもお菓子をあげようとするのだけど――気付いて、それから、「言うことあるよねー」なんて顔で、マリアを見上げるのだろう】
【もちろんそれでちゃんと彼女の想定している呪文を言えれば、嬉しそうに笑いながら、棺桶型の鞄から出した個包装のこんぺいとうなんて、くれるのだけど】

えっとね、とってもとっても、美味しいよ!
マリアお姉ちゃん、お料理上手なのねっ! あのね、あのね、私のお姉ちゃんもね、お料理とっても上手なんだよ――たまにね、食べさしてもらうの!

【それから食べてと催促されれば、さっそく袋をがさがささせてクッキーを取り出して、さくさくっとチョコチップのほうを一枚、バニラのほうも一枚、と食べ】
【おいしい!と瞳を煌めかせて笑う。それから残った分はもう一度きっちりと袋をたたんで戻して、籠にぎゅーっと詰め込んで】

私もね、あのね、クッキーとかね、作りたかったんだけど……お母さんがね、火使っちゃダメって!
それでね、お姉ちゃんのおうちのキッチンをね、借りたんだけどね、そしたらね、美味しくなかったの……。
でもね、だけどね、お姉ちゃんにお願いするのヤだったからね、あのね、私ね、来年までにきっときっとクッキーとかね、作れるようになるんだっ!

【それからそんなことを言うのだ。本当は既製品じゃなくて、自分で手作りしたものを渡したかったのだけど】
【家では作っちゃダメ、キッチンを借りてみたら上手にできなくて。かといって、その料理が上手な姉に頼るのは悔しく】
【来年までに頑張るわ!なんて少し悔し気に宣言する。むーっとほっぺたを膨らませて、だけど、すぐに、ふわりと笑って】

マリアお姉ちゃんに教わったなら、上手にできるようになるかなっ。

【なんて、思いついたことを口にしてみるのだった】

/お待たせしましたですっ
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/10/31(土) 23:00:08.73 ID:vstyFe+e0
/>>770取り消しでー
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/10/31(土) 23:16:50.83 ID:jti6gNQko
【始まりは単純なことだった】
【無辜の民によるとある組織の批判の声、それは日常であればただそのままに流されて終わるものだったのだろう】
【しかしその民は運が悪かったその言葉を侮蔑を中傷を嫌悪を聞いてしまった者が居て、そしてその者こそがある機関員の懐刀だった】

【始末に終えないのはその懐刀が加減を知らずそして差別を知らない生き物だったということだ】

存外障害は無いのかも知れないぞ……主よ……

【首都より離れたある街は今宵戦火に灼かれていた、活気とは程遠くなってしまった場所にあるのは死臭の類に他ならない】
【今まで培ってきたであろう文明はただ1人の気紛れにより瓦解する、さした理由もなく人々が「今の生活は当たり前のように続く」という考えが妄想でしか無いと告げるが如く】
【石畳の広場の中央、日常に於いては高く佇んでいたのであろう見晴らし台を突き崩す一振りがある】

面白く無し……自警団と抜かす者もいたが、ただやはりそれだけということか、態々大義も与えてやったというのに─────

【巨人が扱うべき巨大な一振りは天より墜ちて地中に刺さる、その柄に腰を降ろし下界を俯瞰する者こそがこの災禍の主に他ならない】
【瞳、長く伸びた髪は無垢の白銀。伸びる四肢はしなやかにそして鋭く剣のように。剣呑とした表情、その顔は傷に塗れた武人のもの】
【軽装鎧に棚引く白銀のマントには逆さ五芒の印があれば、それはかの悪を名乗る機関の者と知れよう】

差別無く住む者全て屠ると言うて、義憤に駆られながらも届かぬ力……我が身可愛さがあったかどうかは知らぬ事だが
民を守るに叶わないならば力を名乗る事さえも不義であろうよ─────いや、最早言うも遅いか……

【剣の袂にはなますに斬られた人のパーツが無惨に転がり血が流れる、焦げた匂いと血の香りに戦場の昂りを覚えながらも騎士のそれの瞳はどこか憂いてさえいて】
【未だに災禍の中心に居るのはこの戦さ場の香りに惹かれる者が現れないかと、そんな一縷の期待を込めてのことだが】
【街にいた人々と同じように望みというものは大抵は叶うものでない、零す溜息を数えるのも億劫になったならば区切りよく去ってしまおう】

【災厄という者に意思は無い、ただ自然と其処に在るだけのものならば善悪の彼岸を問うは愚か】
【されど人であるならば己の欲の為に災厄にさえ立ちはだかり、そういった存在を無辜の民は守護者と呼び或いは英雄と呼ぶのだろう─────】
779 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/10/31(土) 23:32:33.10 ID:YO1Qa/s70
>>776

【だいた、本来ハロウィンは仮装して大騒ぎする行事じゃない。トリックオアトリートでお菓子が貰えるのは子供まで】
【大人が仮装して大騒ぎするのは、なんか違うような気がする。……とか思いつつも、ほんとは自分も混ざりたかったりするけれど】
【子供たちの親という立場になった今は、お菓子をあげる側。こうして喜ぶ子供たちの表情を眺めるのも、なかなか楽しいもの】
【マリアにとっては、こうやって静かにつつましく楽しむほうが性に合っている。あんなに騒がなくたって、十分に楽しい】

そうですか!ふふっ……ちゃんとありがとうってご挨拶できれば、相手も嬉しい気分になれますよね。えらいです!
―――あら、私に?ふふっ、それじゃあ―――

【意味ありげにいたずらっぽく笑うファラエナ。マリアがその笑顔の真意を汲み取るのには、そう時間は掛からず】
【先ほどまでのお姉さんじみた穏やかな笑みとは一転、こちらも楽しげないたずらっぽい笑顔に変わると、指をパチンと鳴らせば―――】

トリック・オア・トリート!―――うふふ、びっくりしたでしょ?私も正真正銘本物の魔法使いなんですよー!

【きっとファラエナが待っているであろう呪文と共に、一瞬にしてマリアの着ていた服が魔法みたいに変わったのだった】
【暗い紫色の大きなハットは、魔女の被っているアレそのもの。服だって妖艶な紫色のドレスに変わって】
【手には大きな箒。これで飛べるかどうかは分からないけれど……ともかく、その姿は魔女そのものに変わった】
【……魔女にしては浮かべる表情がとっても優しげなのが、ちょっぴりミスマッチだけれど……これで、仮装もばっちり】
【そうしてファラエナがくれたお菓子を食べれば、「美味しいです!」って楽しげな笑顔を浮かべるのだった】

【そんな笑顔は、ファラエナが自分の作ったクッキーを美味しいと言ってくれたからもっともっと嬉しそうにはじけて】
【……その後、ファラエナもクッキーを作ろうとしたなんて話を聞く。こんなに幼い子が一人で作ろうとしたのか……】
【結局失敗したという話だったが……五つくらいの子が、一人でチャレンジしようとしただけでも十分に凄いこと】
【何でも一人で達成したい意地っ張りがそうさせたのだろうか?】

あらあら、お姉さんには頼りたくないのに私は頼っても良いのですか?
ふふっ……私で良ければ、いっぱい美味しいクッキーの作り方を教えてあげましょう!

ファラエナちゃんは、誰にお菓子を作ってあげたいですか?お母さん?お姉さん?
……そうだ、ファラエナちゃんのお姉さんやお母さんってどんな人ですか?

【実姉よりも頼られるなら、それだけ自分のことを信頼してくれているような気がして、悪い気はしない】
【お菓子作りが得意な優しい魔女は、にこりと笑って作り方を教えてあげるって約束して】
【それから、きっとファラエナが作ってあげる対象であろう家族のことを訊いてみるのだった】
【ファラエナと会う時は、いつも彼女一人だけ。そういえば、家族の姿を見たことがなかったっけ……】
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/31(土) 23:48:50.25 ID:HbI5uDVh0
>>779

【待っていたとっておきの呪文、一年中で一日だけ、ほんの今日だけ使うことが許される、魔法の呪文】
【それを唱えればお菓子がもらえる素敵な呪文。もらえなかったら――まあ悪戯すればいいのだろうか。何しようかなあなんて、それもまた楽しみで】

――えっ、わあ、……わあ、すごいの!
マリアお姉ちゃん、魔法使いさんだったの!? すごいの、すごいのっ!

【最初は驚きの余りにぽかんとする、それから目をぱちくりとして、数秒後。状況を理解すれば、顔には喜色が爆発して溢れて、すごいすごいとくりかえす】
【目をまん丸にしてきらきらとさせてぴょこぴょこ跳ねる、すごいすごいと笑って、楽しそうで、――その体から、ほんの微かに、光のように見える魔力片がこぼれる】
【テンションが上がったが故のちょっとした漏れ。別段大したものではないが、子供にしてはおかしなくらいに魔力を持つ彼女がそうなると、どこか不安でもあり】

あっ、お菓子なの! どうぞ! こんぺいとうってね、知ってた? あのね、おーっきなおなべで、ぐるぐる〜ってしてね、作るんだよ!

【それから思い出したようにお菓子を渡す。その頃には魔力片もどこかへ引っ込んで、消えて、元通り。にんまりと笑って、興奮に頬をわずかに赤くして】

あのね、お姉ちゃんにはね、内緒なの! それにね、お姉ちゃんね、お仕事だから……忙しいからねっ、あんまりね、時間がないの!
だからね、私ね、ちょっと寂しいな――前はね、いっつも遊んでくれたの! でもね、今はもうね、そんなに遊んでくれないから……。

わあ、やったあ! あのね、あのね、私ね、ジャムの乗ってるやつがいい! 苺のジャムのやつね、好きよ!

【内緒。キッチンを借りたときは、さすがに一人じゃ不安だからと、その“姉”は隣に居たのだけど。頑なに手を出さないでと言いまくったから、見てただけ】
【それでも手で謎の動きをしながら「ああ……」とか「そこは……」とか言っていたのだけど。無視していたので、失敗した。そういうわけである】
【だからそんな忙しい姉にはあまり頼れないし。すがすがしいくらいに失敗するところを見せたわけだから、つまり、どこかで練習して】
【おいし〜クッキーを作れるようになれば、きっと感動してくれるはずなのである!という思考回路だ。だから、姉の知らない場所で練習しなければいけない】
【美味しいクッキーのことを考えたらむふふと笑みがこぼれる、それから、そんなことを聞かれたら――】

私ね、お母さんにも、お姉ちゃんにも、つくったげたいな!
それでね、お友達にも作ってあげたい! いっぱいいっぱいのクッキーを作って、クッキーパーティをするの!

……えっとね。お姉ちゃんはね、とってもね、やさしいの! だけどね、たまに怒るけど……。あのね、でもね、私が悪いの!
だってね、お荷物持ってるから、ドアね、開けられなかったし……しょうがないの! 私ね、悪くないなってね、思ったんだけど、私のせいだから……。
お母さんはね、えっとね、あのね、いつもご本を読んでるよ。それでね、いい子にしてたら、遊んでくれるのっ。
でもね、お姉ちゃんのほうが遊んでくれるよ! お仕事なかったらだけど――えとね、UTってところでお仕事してるの!

だからね、お姉ちゃんね、お店でご飯作ってるのなの。それでね、みんなにね、ご飯作ってるんだよ!
「エナちゃんもお腹空いてたら来てもいいんだよ」ってね、言ってた! ……でもね、私ね、食べに行くより、お手伝いしたいな!

【姉と母のこと。嬉しそうに話すのだろう、それなら、とっても大好きなのだということがすぐに分かるくらいで】
【ただ姉のほうが親密という感じがする。母親のことも好きなのだろうけれど、具体的に、例えばよく遊んでもらうとか――おしゃべりするとか――そういうのが薄く】
【“いい子にしていたら遊んでくれる”というのも少し引っ掛かるかもしれない。だけれど彼女はそんなの気にしていないというように、そこが自慢というように笑って】
【「だから私ね、いい子にしてるよ!」と胸を反らすのだ。――それから、姉のことを捕捉する。どうやらUTという場所で働いて――、あれ?】

【――続く言葉も聞けば、それが誰なのかはもう答え合わせみたいなものだろう。「でもね、ダメって言うの」と、少ししゅんとしたような声が続き】
781 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/11/01(日) 00:25:11.08 ID:aZG+v51y0
>>780

えへへ……そんなに凄いでしょうか……!
―――って、えっ?わわ……っ―――!?

【魔法を使った早着替え手品は、ちょっぴり驚かせるだけのつもりだったのだけれど……なんだかいっぱい驚いてくれて】
【凄く喜んでくれたのなら、それはもう仕掛け人冥利に尽きるのだけれど。―――ちらりと見せる魔力の片鱗に、マリアまで驚いて】
【二人が二人して互いに驚くなんて、へんてこりんな状況になって……でも、お菓子を差し出されたら、どっちも落ち着いた】


ジャムね?ふふっ、分かりました!美味しいですもんね。私も好きです!

【―――それで、クッキーの作り方を教えてあげる約束をするのだけれど。会話の中に出てくる彼女のお姉さんは】
【お仕事で忙しくて、最近ファラエナに構ってあげられていないという。……ああ、それで彼女はクッキーを作ろうと思ったのか】
【手作りのクッキーをプレゼントすれば、きっとお姉さんも振り向いてくれる。そんな想いで作っていたのだろう】
【自分も昔、妹たちで手が一杯になって構ってくれなかった母親に色々作ってアピールしてたっけ。その時と、きっとおんなじ気もち】
【懐かしい共感と共に、マリアはファラエナの秘密のクッキー作りに協力してあげようと思うのだった―――】

【で、その姉の事。仕事で忙しいという事はさっき聞いたのだけれど……ここにきてまた新たな情報が話される】
【優しくて、UTで働いていて、お店で……ご飯……?――――あれ?なんだかそんな人物に覚えのあるような……】
【間違いない、そんな人は一人しかいない。というかそのお店は彼女の姉というのは……】

―――って、えええええええ!?鈴音さんって、妹さんがいたのですか!?

【―――ビックリした。今まで何度も話したことのある親しい少女に、まさか妹がいたなんて……】
【そんな素振り、一度も見せたことなかったのに。でも、どう見てもこの子は嘘を言っているような雰囲気はない】
【というかそもそも、嘘をつきそうな子じゃない。じゃあ、ホントの事なのだろうか。こんな可愛らしい妹がいたなんて、思いもよらなかった】

【で、ファラエナの姉が鈴音だと分かれば、マリアはまたまた悪戯っぽく笑っていた。なぜ?―――マリアもまた、鈴音を驚かせたかったのだ】
【大切で大好きな少女を、サプライズで喜ばせたい!なんて……もう、考えていることがファラエナと全く一緒。】

私ね、鈴音さんのお友達なんです。よく知ってますよ、とっても優しいことも!
今度言っておこうかな?たまには妹さんにレストランを手伝わせてあげてー、って。

ふふっ……そうですか、鈴音さんがお姉さんでしたか。俄然やる気が出てきましたよー!
一緒に美味しいクッキーを作って鈴音おねえちゃんをびっくりさせましょう!

【すっかりその気になったマリア。そこにあったのはいつもの母親の顔ではなく、子供っぽい輝きに満ちた顔だった】
【マリアが姉と知り合いであるという事を知ったファラエナは、どんな反応を見せるのだろうか―――】
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/01(日) 00:44:08.11 ID:rVSdnfHQ0
>>781

……あ、マリアお姉ちゃん、鈴音お姉ちゃんのこと、知ってたのね!
でもね、あのね、私ね、お姉ちゃんのことお姉ちゃんって言ってるけどね、ホントはね、違くって……、
――――えーっとね! あのね、あのね、私ね、お姉ちゃんってね、ホントのお姉ちゃんみたいに思ってるけど!
あのね、だからね、全然違ってて……。

【マリアの驚くさまに幼子も驚く、あくまでそれはイメージの話だけれど、ツインテールがアニメチックにギザギザに跳ね上がったようにも見えた(気がした)】
【だけれどすぐにマリアの言葉に手をわたわたと動かしながら「ちがくて」とか言い出すのだから、何か、少し違うらしいのだ。慌てたようだが、言葉が浮かばないような】
【そんな様子でいろいろと塗り重ねていく言葉の色、つまり、あの黒蛇のことを姉と慕っているだけの、赤の他人。そこに血縁はないのだろう、というか、】
【あちらは黒髪に黒目(?)でこちらは金髪に青目。血縁があるようには到底見えないのだ、それが、たとえば、養子だったりしたなら、話しは違って来るのだろうけど】
【そういうわけでもないらしい。――ただ、マリアのこともお姉ちゃんと呼んでいる彼女のことだ。あの少女をお姉ちゃんと呼ぶのも、そんなノリの延長線なのかもしれず】
【ただとっても仲良さげであるのは分かる、だろうか。お願いすればキッチンを貸してくれたりもするらしいし、あちらからも、きっと、好かれているはずで】

そっかあ……じゃあマリアお姉ちゃん、鈴音お姉ちゃんのお友達だったのね!
――あのね、あのね、お姉ちゃんってばね、あのね、自分でやるって言ってね、聞かないの!
私がね、お手伝いしたいーって言ってもね、ダメだよってね、いつも言うのっ。絶対ね、そうなんだから!

【「わたしがやるって決めたことだから、ね。自分でやりたいの。……本当に忙しくなったら、その時は、お願いしようかな」】
【しゃがんで合わせてくれた色違いの瞳を思い出す。だけどそれは少し幼子の頬を膨らませる記憶、頑張るのになんでダメなのかな!なんて、ちょっぴり怒って】
【お姉ちゃんってば、我儘なの!なんてちょっとだけ不満を漏らす。だけれどそれが我儘とかこの幼子を信用していないとかではなく、マリアになら】
【もしかしたら分かるかもしれない。――あの少女は、ああ見えて、案外我が強いのだ。自分がやると決めたことなら、絶対に、自分でやり遂げたいのだ】
【そしてそれが妨害されるようならすごく苛立つし或いは怒る。もしかしたら子供っぽいとも言える性格、だけど、だからこその彼女らしさでもあり】
【自分に自信がないとか怖がりだとか関係ない。そことは関係なく、その面を見せながらも、ただ、絶対に、絶対に、やりたいという気持ちも、確実に見せる、そんな性質】
【だから手伝いをお願いしないのも、自分でやりたいからに違いない。実際、彼女は、“たんぽぽ”の仕事を実務面ではほとんど一人で回しているようだったし――】

私ね、だからね、お姉ちゃんのこと、ビックリさせるの!
上手にクッキー焼けたらね、きっとね、私だってお姉ちゃんのお手伝いちゃんと出来るってね、分かってくれるんだから!
……それにね、お姉ちゃんね、「お仕事だからハロウィーン出来ない」ってね、言ってたの! だからね、ほんとはね、きっとやりたいんだわ!

【そんなちょっとした不満を、ただ、攻撃的なものにしないのは、この幼子の性質だろう。だから頑張って成果を出してアピールする、するんだからと宣言して】
【ぐっと握りしめた拳は小さくっても硬い、それから、「だからね!」といっそう声を強くして、マリアに一歩踏み込み、じっと見上げ】

クッキーだけじゃなくってね、いろんなお菓子とかね、お料理とかね、作れるようになりたいわ!
お母さんはね、危ないから火は使っちゃダメっていうけどね、私だってね、出来るんだから!
だから、教えてほしいの!

【なんて。真っ直ぐな瞳でお願いするのだ。――ハロウィーンのお菓子を手作りで渡したかったというところが始まりだったはずなのだけど、】
【喋っているうちになんだか心の中で組み替えられていったのだろう。だけどその気持ちも言葉も本物で、嘘じゃないのは、きっとすぐに伝わるはずなのだった】
783 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/11/01(日) 01:30:22.64 ID:SAatdQVv0
>>782

あらら、そうでしたか……でも、仲良しなんですね。
私も、本当の親子じゃないけど「お母さん」って呼ばれてるんです。きっとそれと一緒です!
血が繋がってなくてもね、大好きって気持ちは繋がってるから平気です!

【とっても親しげにお姉さんのことを話していたから、本当に繋がりのある姉妹なのかと思ったけれど】
【それはちょっぴり事実とは異なっていたみたい。本当は、血の繋がりはないんだ、ってたどたどしく説明するファラエナ】
【……よく考えれば目の色も髪の色も違うし、名前もかたや「鈴音」かたや「ファラエナ」で言語的に違うし】
【本当の姉妹じゃないと言われれば、その通りだと頷くしかない。でもまあ、仲はほんとの姉妹みたいに親密そう】
【自分だって血が繋がらなくても母親になってるんだから、鈴音だってお姉さんになってもいいだろう、なんて】

【―――鈴音のいじっぱりなところは良く知っている。自分で決めたことは最後まで自分でしたがる、って】
【ちょっとくらいなら手伝わせてあげてもいいような気もするけれど……そこは、鈴音にだってプライドがあるのだろう】
【決めたことを最後までやるという心は立派だけれど……苦しくなっても無理して一人でやろうとしないか、少し心配でもあり】
【だからこそ、さりげなく鈴音の気に障らない程度に支えてあげたいと思っているのだが】
【自分自身の事件が大変な今では金銭的な援助が精一杯という状況で、すこしもどかしくもあった】

―――そう、分からせてあげましょう!あんまり一人で背負いすぎないでね、一緒に頑張りたいと思ってる人が傍にいるんですよーって!
一人で頑張るのも大切だけど……たまには誰かの手を借りるのも、大切なんだよって。

頑張って、お料理作りましょう。お姉さんの知ってることなら、何でも教えてあげます!
でも……火を扱うには、すごく気を配らないといけません。ちょっと間違うだけで、もしかしたら大怪我するかもしれませんからね。
絶対に、一人で火を扱わないこと。もし何か火でお料理したいときは、鈴音さんか私がいる場所ですること……お願いしますね。
料理も、魔法みたいですよね。美味しく作るだけで誰かを笑顔にさせちゃう魔法です!

【あんな真っすぐな瞳でお願いされたら、断る訳にはいかない。―――それに、鈴音にも「一人で背負い過ぎないで」って料理で伝えたくて】
【ファラエナに料理を教える約束をするのだった。もちろん、火を使うのは絶対に大人がいる場所のみだという条件を付け加えてだけれど】

【とはいえ、今すぐ料理教室ってわけにもいかない。今日はもう日が暮れていて、今から料理の練習なんてしていたら夜が更けてしまう】
【ならば、明日以降という事になるか。ファラエナに「この魔方陣を使えば、いつでも私の家に来れますから!」と模様の描かれた布きれを渡す】
【魔力を込めるだけでマリアの家の前に転移できるという物だ。―――そうして、翌日以降お料理講座が開かれるのだろう】
【主婦なだけあって、基本的な料理なら何でも作れるマリア。その知識を、ファラエナに惜しみなく教えることだろう―――】

【―――さて。お料理教室の約束もしたところで、ハロウィンを楽しもうか。用意したクッキーも捌けたのなら「一緒に街を回りますか?」と】
【ファラエナが頷いてくれたなら、イベントが終わるまで一緒に遊んだ筈で―――そろそろお祭りも終わる頃合いか】
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/01(日) 01:52:27.48 ID:rVSdnfHQ0
>>783

そうなの! あのね、とってもね、仲良しだよってね、私ね、思うな!
……お姉ちゃんね、昔ね、居なくなっちゃったことがあったの。そしたらね、私ね、すっごく悲しくって……。
帰ってきてくれたときね、嬉しかったの! だからね、決めてるのよ、なの。あのね、今度ね、そんなね、居なくなっちゃいたいことがあった時――、

私がね、お話聞いてあげるって!

【――まだまだ小さな体と決意。だけれど精一杯に宣言してみる、その相手を、少し間違えている気がしないでもないけれど――】

……でもね、あのね、マリアお姉ちゃんも! なんかね、私だけじゃきっと足りないからね。お姉ちゃんとね、仲良くしてね!

【この女性なら平気だと思うのだ。大人のヒトにならきっと頼れると思う、こんな子供の自分より、姉だって頼りやすいはずだと、思う】
【にんまりと頬っぺたまで笑ませてくすくすと笑う、ちょっと悪戯っぽく、或いは照れくさいように。それで、うふふとわざとらしく言葉にして】

【(この幼子の体は、まだ、五つか六つほど。だけれど昔ねなんて言うのは、少し、おかしいような気がした)】
【(去年だとかそんな頃合いも昔ではあれど、その言い振りでは4、5年くらい前のことを話しているかのようだ。そう見えた)】

【自分でやると決めたこと。決めたのだから最後まで自分でやりたい、その代償は、余談だけど――】
【たんぽぽをやる日程である月の第二と第三の週はオフの場だと死んでいるとかなんとか。買い出し帰りらしい街のベンチでガチに熟睡しているところを目撃されたりだとか】
【そんな話があったり、なかったり、――まあ、噂のようなものだ。なんか変なCMに出てたUTのウェイトレスがベンチで寝てた、ウケるー、みたいな、そんな程度】

そうなの! 私もね、居るよってね、言ってるんだからね、聞いてほしいな!
……あのね、分かってるよ! ちゃんとね、あのね、誰か居るところでやるの!

【それはちょっとした自分をアピールしたい気持ち、頼って欲しい気持ち。そんな不満は、だけど、本人に言うには我儘だという認識もあって】
【だからこうして本人の居ない場所で宣言する、そして、自分で鍛錬を積もうとする。頼れるように、頼られるように、なりたいと――そっと願って】
【火についてはちゃんと分かっているらしい。こくこくと頷けば】

だからね、鈴音お姉ちゃんね、魔法使いなんだよ。

【自分のことでもないのに自分のことのように自慢げな顔を、きっとするのだ。にまーっと笑って、誇るように笑って】

【それから不思議な布をもらえば。目をまん丸にして空に翳してみたりする、そうして、光に透かすようにして】
【それじゃあ足りなかったのか、今度は左手の手のひらに魔力を集めて――その明るさで、薄らと透かす。それで今度は満足したらしく】
【わかった!とうなずくのだろう。――余談だけれど、彼女の魔力は、どうにも光めいていて。春の午後のお日様のよう、明るくて、柔らかくて、気持ちいい】
【光がきっと形を持っていたりしたなら、こんな風になるだろう。そんな魔力だった】
【――「ありがとうなの!」とひときわの笑顔で笑う。それで、布は大事に鞄に仕舞い込んで――それから、二人で、イベントを回るのだろうか】


【さすがにイベントの日とは言え、時間が経てばたつほど、子供たちの姿は減ってくる。或いは親が迎えに来て、或いは自分から帰り】
【だけど幼子には迎えは来なかった。そのうちに籠と鞄いっぱいにお菓子を詰め込めば、それでやっと満足したように、ふふんと得意げに笑い】
【「じゃあね、私ね、今日は帰るわっ!」と高らかに宣言する。それから、「またね」とか「今度お料理教わりに行くわ!」とか言って】
【もしかしたら連絡先でも置いていくだろうか。受け取ってくれれば、それでもって、お料理教室のお願いなんかをするかもしれないし――幼子にも連絡がつくようになるだろう】

【そして料理を教えてもらう日になれば。ひどく真っ直ぐに張り切る彼女の姿が見られるはずだ】
【だけどまだ子供らしい不器用さというか練度の低い感じがあって、失敗の方が多い。それでも卵の割れ方で一喜一憂する様は初々しくもあり】
【真面目なのは確かだから、きっと教え甲斐もあるはずで――マリアさえよければ、たまに、料理を教わるようになるのだろう】

/すいません眠気が酷いので少し詰め込みですがこれでっ……おつかれさまでした!
785 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/11/01(日) 02:05:54.89 ID:SAatdQVv0
>>784
//こちらも眠気が限界なので〆は明日という事で……おつかれさまでしたー!
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/01(日) 19:18:55.13 ID:38xiuhz9o
【人気のない公園】

「ぐゥぬぬ……間ァに合わなかったか」

【ベンチに腰掛けるは、やけにテンションの低いそれ――身長2mほどありそうな存在だった】

【かぼちゃの被り物にジェイソンのマスク、こめかみに刺さったボルト、後頭部に意味もなく刺さってるナタ】
【首には後部に向けて伸びる紫色の毛、背からは悪魔の翼を生やし、コアの見えるゴーレム的な胴体】
【手は狼のようであり、右は銀で左が茶色、更に腕には包帯も巻かれている】
【そして下半身は半透明で白色の蛇のような、いわゆる幽霊の下半身だ】

「余ォ裕が無ェのに仮ァ装に凝ォり過ぎたな」

【"混ぜ過ぎ注意"としか言いようのないそのキメラみたいな存在、当然ながら非常に目立つ】
【いくら人気のない公園と言えども、全く人の通らないような場所ではないし】
【その人気のない理由だって、遊具が腐りかけてるだとか、不審者が出るだとか、そんな程度だ】

「少し遊んだら戻らねェと……急いで人間共に混沌を……」

【しかし……よく出来た仮装だ、まるで本物の素材を活かしているかのように、リアルで……】
787 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/11/01(日) 20:36:44.47 ID:SAatdQVv0
>>784

ええ、勿論です!私なんかで良ければ、いつでも鈴音さんの力になりますよ。

【昔って、この子くらいの歳なら昔なんてまだ物心もついてないんじゃないかと少しだけ首を捻るけど】
【―――でも、鈴音と仲良くしてねというお願いには大きく頷く。大切なともだちだもの、ずっと仲良くしたい】
【困っているときには、傍に居て支えられるような人でいたい。頼って貰えるような人でいたい、って】
【そんなファラエナの願いは、マリアの願いでもあった。照れたような笑顔には、そんな想いも映っていた】

【鈴音の力になりたい、頼られるような人になりたい―――そんなファラエナの想いはマリアにちゃんと伝わって】
【火の事もちゃんと分ってるって頷くファラエナを、「えらいです!」って、微笑みと共に撫でて】

―――そうですね。みんなを笑顔にしちゃう鈴音さんは、立派な魔法使いです!

【―――特別なことは何もしてない。ただ、いくつかの食材と、調味料と、真心と……それだけで、人を幸せにする】
【きっと、この世で一番温かい魔法。みんなを幸せにする鈴音は、きっと妹が自慢するくらいに素敵な魔法使いだ】
【自分の事でもないのに自慢げにするファラエナに、鈴音との仲の良さが垣間見えて。マリアもにこっと笑えば】
【素敵なお姉さんだねって、心からファラエナの言葉を肯定するのだった―――】


【―――時間はあっという間に過ぎる。小さな悪魔と一緒に廻ったイベントも、終わりの時を迎えて】
【連絡先を受け取れば、「さようなら、また会いましょう!」って手を振る。勿論、お料理教室の事も大歓迎で】
【お料理教室の日になれば、どれだけ失敗しても決して怒ることなくニコニコと「もう一度、やってみましょう!」って挑戦させるだろう】
【それで、成功すればいっぱい褒める。日増しに上手くなっていくであろうファラエナを、そうやって暖かく見守る筈だ】


//改めて、お疲れさまでしたー!
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/01(日) 20:46:02.23 ID:MLU8OSOio
>>786

【公園のある通り】
【この前不審者が出たとやらで人が全然いないが】

あぁ〜、昨日仕事でハロウィン出来なかったし・・・。
今日休みだから、一日遅れのハロウィンをしてもいいよね?

【なんて一人で話しながら】
【どうせ一人だけしかいないだろう、なんて思い込み】

トリック・オア・トリート!!
お菓子をくれなきゃ・・・

【一人だと思い込んでいたからか】
【完全に調子に乗ってトリックオアトリートとか言ってみて】
【お菓子をくれきゃいたずらするぞ、とまで言いたかった】

【言いたかったのだが】

【そこに現れたのはいろいろとおかしい仮装をした男性】
【なんか混ぜすぎですごい不気味さ、なんかおかしすぎて】
【この女性、言葉をつまらせてしまう】

あ、あの・・・、かなり間違ってません?
その仮装・・・。

【なんて普通なツッコミを男性に向けてしてしまうわけだが】

【ちなみに、この女性は水の魔女的な感じの仮装で】
【帽子とかマントとか蒼く輝る、とともに水の魔翌力も溢れでており】

//まだいらっしゃいますか・・・?
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/01(日) 21:03:57.40 ID:38xiuhz9o
>>788

「おォ菓子をくれなきゃア……なァんだ?」

【顔をゆっくりと上げ、そしてそちらにそれを向けるソレ】
【仮面の下に隠れた表情は分からないが、何となく眼が光っているような……いや、光っていた】

「間ァ違っちゃアいィねェだろ、――人間共をしィっかり参考に、」
「南瓜野郎、殺人鬼、狼男、……色々と混ァぜただァけだ!」

「こォれが間ァ違っているなァら、人間共が間ァ違っているってこォとだ!」
「ヒャハハハハ!」

【……違う、参考にしたのなら何故混ぜたのか、突っ込みどころはそこなのだろうが】
【この者、自分は間違っていないと胸を張って(かたそう)、堂々と言い張るのだった】

「よォーし……じゃア、さァっきテメェーが言ィえなかった言葉、言ィわせてもらうぞ」

【ゆらり、立ち上がる】 【――待って欲しい、明らかに浮いていないだろうか】
【いや、翼で羽ばたいているのか……それも"普通の人間であれば"おかしな話だが】
    .   .  .
「――Trick or Treat.」
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/01(日) 21:14:54.85 ID:MLU8OSOio
>>789

【南瓜のかぶりものの中から鋭い眼光げ伺え】
【まるで強者、という雰囲気を醸し出し】
【当の女性も警戒するのだが】

【自分のツッコミと完全に的はずれな答えが帰ってきて】

「あ、あの・・・。
人間を参考にされたなら、なぜ混ぜたのかを・・・。」

【なんて聞いているうちに】

【男性が立ち上がった後、浮き上がった】
【確実に、人間ではない・・・】
【魔族か、それとも?という疑念が女性に膨れ上がる中】

【男性がトリックオアトリートと言い】
【お菓子をあげなくては何されるかわからない】
【そこで女性は・・・】

「あの、パインあめです!
どうぞ!」

【なんて言いながら、浮き上がる男性に見えるように】
【手にパインあめを3つのせて見せる】
【そして渡そうとするのだが】
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/01(日) 21:28:26.94 ID:38xiuhz9o
>>790

「そォりゃア、せェっかくなら全部やァってみィたいじゃアねェーか」
「だァが、一個一個やァる時ィ間もなァくてな、"仕ィ事"でよォ」

「じゃア混ァぜりゃア良ォいじゃアねェーかッ!」 「って話だ」

【……この者に、どれか一種に絞るという発想はなかったのだろうか、】
【いや……それは間違いなく無かっただろうと言える、確かな口調であった】

「まァー、結局間ァに合わなかったかァら、意味はなァーかったんだがな」

【どことなくしょんぼりとした口調と雰囲気で、そう言う。表情は見えないが、わかりやすい奴だ】

「ククウ、どォーも」

【それは、差し出されたパインアメを強盗のごとくかっさらうように持っていくだろう】 【そして……】

「よォーし、次はいィィたずらだァな!」

【両手を振り上げ、下半身をうねうねさせながら、そちらを強い目線で見るのだった】
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/01(日) 22:11:37.61 ID:MLU8OSOio
>>791

【まあ、なんというか自信満々な言いっぷりだ】
【コンセプトを決めない、大胆な仮装もありかな、と思いかけたが】

「いや、やっぱりコンセプトは決めるべきですよ!
殺人鬼ならチェーンソー持つとか!」

【ハロウィンに対する持論を述べ】
【コンセプトを持つべきとは言ったが、たぶん無駄だ】

「あ、穴は開いてますけど、吹いても音は出ませんからね。」

【なんて、パインアメをかっさるように奪った相手に言うのである】
【皮肉といえば皮肉だが】

「あ、お菓子をあげたらイタズラはしないって・・・」

【そこまで言ったが】
【この男性はイタズラがしたいのだろう】
【と感じ取り、やはり方向転換して】

「どうぞ、いたずらしてください!」

【なんて言ってしまうのである】
【まるでマゾヒストのようだが】
【が、こういうことに付き合ってあげるのも、情といったところか?】

//遅れました・・・
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/01(日) 22:27:13.86 ID:38xiuhz9o
>>792

「そォーか?」 「俺様はこォの混沌な感じで良ォいと思ったんだァが……」
「ふゥむ、そォーだな……コォォンセプトか……、ちょオーっと待ちな、早着替え術を見ィせてやる」

【その者の回りに邪悪で混沌とした魔翌力が纏われてゆく……――】

「ククク、Trick or Treatとは言った……だァが、もォ片方をしィないとは言ィィーーってないッ!」
「よォし、諦めたな、……クククク」 「くゥらえッ!」

【orとは一体……】 【――その者の掛け声とともに、背後から何かが現れる気配がするだろう】
【振り返ればわかるが、それは真っ黒な闇の塊……目の前のこの者の魔翌力と同じそれで出来ている人型だ】
【邪悪に赤く輝く2つの眼、ソレ以外は本当に黒一色……いや、黒一色"だった"】

【その塊の体が左右に割れ、眼のような輝きを持った巨大な口部の様な断面で相手を喰らおうとしてくるではないか】
【(もし喰らわれたとしても問題はない。亡者の呻きのような声が無数に響くくらいであり、ダメージはほぼ皆無だ)】

【このいたずらの結果にかかわらず、その者の姿は変貌している】 【何故かジェイソンマスクだけはそのままだが……】

【それは黒い外套を羽織っていて、頭部から二本の赤い角を生やした、エルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長2m超えの筋肉質な細身で、ボサボサとしている長い黒髪、首には紫色の毛のマフラーを巻いていて、黒い褌一丁の服装だ】
【また、鋭く赤い爪を持ち、いかにも悪魔だと思わせる黒い翼や同じく尻尾を持っている】
【その翼の先端には赤い爪があり翼膜は紫色、尻尾の先の方は紫色で先端には赤い棘があった】
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/01(日) 23:21:25.91 ID:MLU8OSOi0
>>793

【男の辺り一面に怪しい魔翌力が漂い】
【ただ者ではないなと意識した其のときだった】

【背後に何かの気配を感じとると振り向き】
【そこには緋色の双眼をもつ真っ黒い人形がいた】

「何、戦闘でもする気なの?
受けて立つよ?」

【なんて言いつつ、両手に水の短剣を装備し、襲来に備えた】

【が、突然人形が大きな口を開き此方へと襲い掛かる・・・!】

「うわっ!?
ちょっと、これは聞いてなっ!」

【其処までしか口に出せず、甲高い悲鳴とともに口へと吸い込まれる】

「うぅ〜・・・。
気持ち悪いよぉ〜・・・。」

【亡者のうめき声はこの女性、苦手なようで】
【イタズラは大成功、といったところか】

【怒りを抑えられぬまま先程の男のもとへと向かうが】
【姿が全然違う】

「あれ、仮装はどこに・・・、じゃなくて!
こんばイタズラ、度が過ぎるでしょ!
本当にびっくりしたじゃない!」

【この女も仮装は無くなっており】
【全部水へと還ってしまったのか、女の服はベシャベシャに濡れている】

【というか、手元の短剣で刺しかねん感じだ】
【男は女の怒りを抑えるのか、それとも】
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/01(日) 23:43:00.03 ID:38xiuhz9o
>>794

「ヒャアァーーーハッハッハァーーッ!!」

【悲鳴を上げる相手、いたずらが思った通りに成功して気分が良くなったのか】
【悪役じみた笑い声を一つ。】 【……まあ、元々評判の悪い公園だ、悲鳴や高笑いの1つ2つ、問題……あるのか?】

【なお、闇の塊は役目を終えればこの者の元へ吸い込まれるように移動、消滅……いや、吸収された】

「良ォい気ィ味だ、ククク……度ォが過ゥぎてた方が楽しいだろォ?」

【短剣で突き刺さんばかりの怒りを受けてもなお、ヘラヘラと笑っていられる図太い奴のようである】

「どォこにって言ィわれりゃア、着ィ替えたってとォころだ」 「ちゃアんとコンセプト絞って、"悪魔の仮ァ装"にしィてやったぞ?」
「とォころで、テメェーの格好もさァっきと変ァわってねェーか?」

【白々しい表情(マスクで隠れていてもわかる程)だ、そもそも仕掛けた側には余裕があるので】
【例え曖昧にしか見えてなかったとしても、何が原因で仮装が解けたのかは容易に推測できる】

「服乾かすなら携ェ帯乾燥機貸ァすぞ?」 「ククク」

【……信用度は限りなく0に近いだろう、間違いなく何かが仕込まれていそうだし、実際に仕込むつもり満々なのだから】
【まあ、反省の色もないこの態度じゃあ刺されても文句は言えないか――】

/すみません、今日は明日に備えて落ちなければならず……ここから続けるか否か等はお任せします
/ひとまずお疲れ様でした、ちなみに明日は17時以降なら居ると思います
796 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/11/02(月) 20:24:43.06 ID:S1EvoC6d0

【とある総合病院―――その裏手】
【既に患者の外出時間は過ぎていそうなこの時間帯。当然、本来ならば人気も何もないはずなのだが……】

ったく、やってられるかっての!

【そんなことを口にしつつ金網のフェンスをよじ登る少年の姿があった】
【暗闇の中でも目立つエレミア石を連想させるような蒼髪と目付きの悪い瞳。左肩には体操袋のようなもの、首にはボロいゴーグルをかけていて】
【入院着とサンダルという格好からして患者なのだろう。その身体には至るところに包帯やガーゼがべたべたと貼られており】
【しかも右腕の肘から先は存在しておらず裾がひらひらと風に揺れている状態。数日前のハロウィンにも包帯男として出ても違和感がなさそうな有様だ】
【どこからどう見ても重傷なのだが、左腕と両脚を使いつつ滞りなく登れているようで。やがてフェンスの上まで辿りつく】

【この少年が脱走しようとしているということは火を見るよりも明らかだろう】
【現に、この塀は病院の敷地内と歩道を区切っているものであり、そこを飛び越えさえすれば晴れて自由の身であるのだから】

犯人の特徴とか能力の詳細とか、身分証明、家族はどこだの、めんっどくせーことばっかり聞いてきやがって……!
うざいったるいったらありゃしねーんだよ!それもこれも全部……あのサド女、絶対許さ、ねえッッ!!

【ちなみにそうしている間にも少年はぶつくさと一人で文句を言っている模様】
【不意にある人物のことに触れたかと思えば、垂らしっぱなしの長い前髪の隙間、そこから覗く碧眼が不機嫌そうに細められる】
【そしてあまりにもムシャクシャしていたのか、左腕に持っていた袋を引っ掴んだかと思えば、思い切りフェンスの向こうへと叩きつけるように投げ落とした】

【ガッシャン!と大きく音を立てて袋の中から色々と飛び出す】
【工具箱、鞘に収まった二振りの剣は完全に放り出され、僅かに袋口から露出しているのは……人体において右腕にあたる部分】
【偶々袋の落下地点が街灯に照らされていることもあり、仮に通行人がいたのならばその中身ははっきりと見えてしまうのだが――――?】
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/02(月) 21:02:06.88 ID:zPO3guE5o
>>795

「むーっ、あなたは楽しいかもしれないけどさ!
わたしにとっては最悪なの!!」

【怒りを露わにし、短剣を握る力を強める】
【眉間には皺が少し寄っており、どうやら完全にキレているようだが】

「あなたが驚かすから、びっくりして魔翌力が崩れちゃったのよ!」

【ビシャビシャになった服を一目見て怒りを男に向ける】
【どうやらお気に入りの服だったようで】

【男への怒りも収まらぬだろう、と思われた時だ】

【携帯乾燥機、という言葉にぴくりと反応する】
【どうやらこの女、イタズラは一回限りだと思っていたようで】

「あのさ、その「携帯乾燥機」、貸してくれない?」

【なんて言ってしまうのである】
【あー、全くこの女は鳥頭だ】
【男の言葉を信用してしまっている】

//本日もよろしくお願いいたします
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/02(月) 21:55:50.40 ID:iCyf7czGo
>>797

「ヒャハハハ、そォれが良ォいんじゃアねェーか!」
「ほォう、そォれは気づかなかった……てっきり俺様は素ゥ早く水浴びしィに行ったのかと」

【もっと怒れと言わんばかりの、挑発的で小馬鹿にしたかのような声。】
【第一、この状況で水浴びするにはマッハ幾つで動けば良いのか――無理なことはわかっていて言っている】
【……火の粉がこちらにかかっていないからと完全に油断している様子だ】

「お、良ォいぞ――ちょオーっと待ァて」

【マフラー的な首毛に手を突っ込み、ガサゴソと漁る……ふり。】
【実際は、先程、いたずらや早着替え(変身)する時等に見せた魔翌力で何かしている様子】

【少しの時間で言っていた"携帯乾燥機"……ワイヤレスドライヤーらしきそれが出てきて】 【(勿論、首毛に入るサイズでない)】

「ほォれ」

【それの胴体を持ち、いわゆる持ち手の部分を相手に持たせる形で渡そうとする】
【……静電気なんてベタな仕込みはされていないが、それに油断してこれのスイッチを入れると、ドライヤーが出す乾燥した熱風と共に】
【大量の子蜘蛛……大きさ1m程で無毒なそれが出てくる。蜘蛛が大丈夫なら糸まみれになる程度で問題無いだろうが――】

/気づくの遅れました、すみません
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/02(月) 22:16:46.02 ID:zPO3guE5o
>>798

「ぐぬぬぬ・・・、そんなに私を小馬鹿にするのね!!」

【本当に怒っている】
【魔翌力がこの水兵中心に渦巻いているようで】
【だんだんと濃くなりつつある】

【が、男がドライヤーを取り出した途端怒りは収まり】

「ありがと、イタズラもするけどいいやつじゃない。」

【とか言って、ドライヤーの電源を入れた】

【そのときだった】

「蜘蛛!?なんで蜘蛛が出てくるのよっ!?」

【なんとドライヤーの中から蜘蛛が出てきたのだ】
【しかも濡れた服の上を這って気持ち悪い上】

「ちょ、ちょっと!!
私に糸を噴くのはやめっ!!」

【どうやら蜘蛛に糸玉にされそうなようで】
【中でごもごもともがいているようだ】

【濡れた服に白い糸、なんというか】
【水兵の怒りが満ち足りるのには十分すぎる条件が揃ってしまったが】

【男ははたして水兵を助けるのか、火に油を注ぐのか】
800 : ◆60/reloads [sage]:2015/11/02(月) 22:28:12.86 ID:FBOq0VRto
【路地裏】

【僅かな月明かりが差し込むこの場所で、2つの影が重なっていた】
【それは影だけを見て連想できるロマンチックなものなんじゃなく、もっと残忍な光景だった】

【両の腕を粘性の液体で固められ壁に磔となった一人の青年に寄り添う一人の少女】
【外見年齢で言えば16,7だろうか。白いレースのゴスロリ服に身を包んだウェーブがかった藍色の髪彼女は】
【一見あどけない顔立ちだが、その赤い瞳の奥から覗かせる蠱惑的な猟奇性を隠し切れていない。いや、隠してもいないのだろう】


……怖いのね?分かるのよ、私には。

【ペロり、ペロりと彼女は青年の首筋を舐めていた。その扇情的な光景とは裏腹に固まっている表情の青年が恐怖に染まっていく様が手に取るように分かった】
【“麻酔効果”を持った唾液により青年の体の感覚は失われつつあった。だが、意識は逆にはっきりしていて気絶する事もできず恐怖から逃れる術をも失っていた】


体の感覚が、足の先から少しずつ無くなって。声を上げる事も。自ら命を絶つことも出来ない。
だけど意識ははっきりとしている。それがどんなに恐ろしいか、私には伝わってくるの。──貴方、とっても美味しいわ。

【それを見ながら少女は右目の下に3つ並んだ逆三角形の模様を疼かせるようになぞり、クスクスと笑うのであった】
【その口から覗かせるのは鋭い牙。長い耳。そして折りたたまれたコウモリのような翼。──“人外”は悪趣味な食事を楽しんでいた】

【夜はまだ長い。希望なきこの場所に、救いの手は差し伸べられるのであろうか────】
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/02(月) 22:32:22.70 ID:iCyf7czGo
>>799

「すゥるぜェ、俺様は超強ェから人間共を小ォ馬鹿にしィても良ォいんだよッ!」

【ジェイソンマスクが無ければきっと、身長差を活かした盛大な見下し目線が降り注いでいたのだろう】
【そう思わせるのには十分なほどの、傲慢で自己中心的な態度である】

「ククク……」

【いたずらだと気づかずスイッチを入れるのを今か今かと待ち……】

「おォっとすゥまんすまん、蜘ゥ蛛の子が入り込んでいた様だな」

【――いや、入り込んでいたのではない、入り込むの量では間違いなくない、明らかに"生成"されている】
【つまりは前述通り――わかっていてやった、ただのいたずらである】

「とォりあえず、こォいつは俺様の物だァから返して貰うぜ」

【その言葉を言い終えると同時に、ドライヤーは闇と化し――この者の左掌に吸い込まれていった】

「ちィなみにそォいつは、糸を通常の何十倍の量吐ける種類ゥの蜘ゥ蛛だ、質も良ォいぞ!」

【……蜘蛛はそのままなのだが。】 【さて、この者……相手の近くにしゃがみこんだかと思えば】
【"うーん、良い絵だ"、――なんて感じのことを呟くのだ】 【助ける気はまずないとみて良いだろう……】
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/02(月) 22:41:35.78 ID:JuGhAFBSo
>>800

・・・不愉快だな。

【人外の少女に背後から苛立たしげな声がかけられる】




/ずいぶん昔に参加していたのですがまだ続いていたようなので参加させていただきます。
 
803 : ◆60/reloads [sage]:2015/11/02(月) 22:48:51.69 ID:FBOq0VRto
>>802

だぁ──れ?

【かけられた声に少女は首を方向ける、】
【名を問いているのではない。楽しい食事を邪魔するお前は何者だ。という敵意の瞳】
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/02(月) 22:59:55.20 ID:JuGhAFBSo
【視線の先にはロングコート纏った銀髪の美丈夫】
【左手には手には鞘に納められた長刀が携えられ、無防備のようで隙がない】
【その身は人のようでありながらも魔性の気配を併せ持ったアンバランスなの存在感を放っている】

―――貴様らのような存在を狩るものだ。

【敵意の瞳を凍えるような冷たさを持つ蒼眼で受け止めてそう返した。】

805 : ◆60/reloads [sage]:2015/11/02(月) 23:11:00.42 ID:FBOq0VRto
>>804

──ふぅん。そう。……“不味そう”ね。貴方。

【“その目”は彼女が望むものではなかった。“恐怖”“絶望”。彼女らが人々に望むのは只それだけ】
【つまらなそうな──いや。嫌いな夕御飯を目の前にした子供の様な表情を一瞬見せたと思えばにこりと笑い、彼へ向き変える】


でも、安心して?料理は上手なの。……美味しくしてあげるワ。

【掌を上に向け、軽く突き出すとその上に力の流れが発生する。その源は磔にされた青年】
【──血液。──魔翌力。──“人々の負の感情(バッドパワー)”。それらを源とし、吸血能力を持った下僕を召喚する異能】
【──《サモン・ブラッディ・イーター》。掌に集まった力は弾け。魔法陣が出現すると無数のコウモリが現れて男に襲いかかった】

【無論、唯のコウモリではない。頑丈な体と血を吸うことでさらに力を増幅させる異能を持った吸血鬼コウモリである。】
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/02(月) 23:21:53.49 ID:JuGhAFBSo
>>805

・・・賢しいな。

【向かい来る蝙蝠の群れを一瞥し――――――抜刀】

          ・・・・・・・・・・・・・・・
【高速の一閃が蝙蝠たちの進路上に斬撃を生み出した】
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/02(月) 23:28:54.11 ID:v/p/WLbKo
【夜は深くならば街灯に曇る影は尚深い】
【街のその人工の灯りが鮮烈になればなる程に残る黒はより濃く沈むようだ】
【道を急ぐ人の、果たしてどれだけがその物言わぬ陰鬱さに気が付くというのか】
【或いは悠久と気付かれないのであれば、やはりそれはただ潜るだけなのだろう】

「――――――――……音が無いならば苦も無く、誰一人とてそれを悟らず」

【街の路地裏に響く靴音は静かに、纏わり付く声色はやはり昏い】
【何時の時代と云えど日の当たる場所があれば陰りの満ちる場所がある】
【物事の本質は表裏一体と誰が語ったか、されど陰りの中に生きられる者が果たしてどれ程いるのか】

【尽きぬ事を考えながらさしたる理由も無しに歩く、どうということはない街行く人々と同じというだけ】
【共感は無いが大多数と同じという安心は在る、それが毒かどうかなど知らないし考えない】

「……平和であるに越した事はないですけどね、夜警するだけで済むのならその方が良い
数時間歩いてあったのは迷い人くらいのもの……こういう時こそ気が抜けないのは確かですが、まあ……あと6時間くらいは」

【視界の端に映る、両腕の影は大きく意識すればその重みが骨子に伝わる】
【金色で縁取られ青の十字の刻まれた手甲はこうして見ると重々しくそして仰々しい】
【その本質は盾なのだが一般の者からしてみれば悲鳴の一つは仕方のないことなのだろう】

【その度に、強大な盾を有する騎士……この優男は優れない笑顔で弁明を繰り返す】
【近傍に住むもの達は漸くと慣れた頃だが少なくとも旅に訪れた余所者にとっては不意に現れた異形と等しく】
【優男の本分たる夜警という役目に反して通報される事数回、その度に訪れる物悲しさも慣れたもの】

「鍛錬という意味合いもありますしどうせ傷むのは身体だけならば大したこともなしですっ!」

【今日の目標を語りながら胸の辺りで拳を握れば重量級の手甲も鳴く】
【幸い夜も長く、優男に疲労の色が見えないのであればこの夜警は相応に長くなるやもしれず】
【愚鈍な音は今宵も有り得るかも知れない本物の異形を探るように、しかしその実出会わぬようにと進むだろう】
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/02(月) 23:29:24.79 ID:zPO3guE5o
>>801

「私を人間だからって見下して・・・!!
覚えてなさいよ、魔族!」

【煽られまくりのこの水兵】
【煽り耐性など無に等しいのか】

「これっ、入りこんでいたってレベルじゃないわよ!
ちょ、お願いだから身体を這うのはやめてっ!!」

【男への怒りを露わにしつつ、蜘蛛を振りほどく】
【が、でかい、でかすぎる】

「っく、まずい、このままじゃ・・・。」

【水兵の身体は蜘蛛の糸でくるまれ人形のようになってしまった】
【身体の自由は完全に効かず、助けを求める他ないか・・・?】

【いい絵だなど言われてたてつきたい水兵だが】
【このままじゃ絵どころか糸人形になってしまいそうだ】
809 : ◆60/reloads [sage]:2015/11/02(月) 23:32:55.01 ID:FBOq0VRto
>>806

【両断され、血液と臓物が地面にぶち撒けられる。】
【コウモリには個々に意志がある様で、仲間が死んでいく様を見て生き残ったコウモリは尻込みする】


へぇ。──強いんだ。

【パチクリと瞬きする。数で押せば一匹くらい届くかと思えばこの有様】
【無数のコウモリたちを斬り捨てたその一撃に、“唯のコウモリ”をぶつけるのは無意味だと悟る】
【手でコウモリたちを先導するとその行き先は磔の青年たちへと変わるのだった。おそらく、青年から血液を補充し、力を得る事が目的】

【少女は、それを妨害されないように、さらに攻撃を重ねる。彼女の掌に青年から流れ出す“負の感情(バッドパワー)”が再び貯まると】
【それを薙ぐように放つと。漆黒の斬撃となって青年を襲う。】

810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/02(月) 23:48:15.10 ID:JuGhAFBSo
>>809

足止めのつもりか。

【青年に向かった蝙蝠たちと自らに向かってくる刃に対し僅かに眉を顰める】
【そして】

・・・させん!

【長刀を垂直に斬りおろす。】
【刀の刃渡り越えた長大な斬撃が生みだされ、このままだと漆黒の斬撃を越え人外の少女に届くだろう】
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/03(火) 00:00:38.84 ID:HJ32CYYz0
>>807

【――かつり、と、冥い闇夜に足音がいつしか紛れ込んでいた。その音色は軽く微かだがそのうちにだんだんと強まるように思え】
【それなら単純な話距離が近くなってきているのだろう。――そんな音が示す通り、そのままに彼も歩めば、やがて人影を見つけ出すはずだ】
【特別に細く暗い道からひょこりと顔を出して辺りを窺ってから、ようやく身体をよいしょと滑らす人影。――そう、あどけなさを残す少女だ】

……もう、こんなに細くなるなんて聞いてない――お洋服汚れちゃったかなあ。まだ買ってもらったばかりなのに……、
ううん、誰も居ないし、寒いし、今日は帰ろうかな……、でも、まだチラシ残ってるし……、――うーん、もうちょっとだけ……。

【独り言ちる声はどこか櫻の鈴の音に似る、金属質なもの。それゆえ夜の中ではよく目立ち、多少の距離ならば届いてしまうよな声質で】
【しばらく狭い中をもぐってきたからか疲れたように身体をぐうと伸ばして深呼吸をする。吐き出した息は白く広がり、それから彼女は身体を軽く抱きしめ】
【――だけど手に大事そうに持っている紙束へ視線を下ろすと、「よっし」なんて小さな声で自分を鼓舞して、また、歩き出そうとする――ところで】

…………あ。

【出くわすのは優男――というか、まさに夜警のさなかであった彼だ。少女はぱちくりと丸い瞳を瞬かせると、にこりと笑って見せ】
【「こんばんは」と声を投げかけるのだろう。そこには敵意などない、それなら殺意もない、ついでに言えば害意もない。ただ、あどけなくひとなつこく】
【だけども自分がたった今どうしようもなく細い道からなんとか出てきたばかりなのを思えば、怪しまれるやもと、一瞬、視線を自分が出た道というか隙間に向け】

【――黒髪の少女だった。その髪は腰ほどまで伸びていて、肌は、寒さにかわずかに頬が赤くなっているものの、まるで透き通るような白で】
【瞳は左右で色が違う、左が黒で右が赤く、右の耳には宝玉の欠片なんてものをあしらったピアスをしていて、それがわずかな光にもきらりときらめき】
【深い赤いワンピースは裾がふんわりと膨らんで。お尻のところがもふっと膨らんだバッスルスカート、細い腰には飾りのようなコルセットを絞め】
【お尻くらいまで丈のあるポンチョは黒色、フェイクファーをあしらったフードがついていて。足元と言えば底の分厚い編み上げのブーツと】

えっと……あの、チラシを配ってたの。

【――なんて、何か聞かれる前に、そんな言い訳なんてしてみるのだった】

/まだいらっしゃいましたら……
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/03(火) 00:04:18.69 ID:TnRvY4+co
>>808

「ヒャハハハ、安心しィろ……忘れといてやァる」

【相手がこの者の煽りに応じれば応じるほど、愉しそうに嘲笑う。】

「いィやァ、ドライヤーって古くなると色々入ってなァー、大丈夫だ、毒はほォぼねェし大人しい」
「――まァー、あえて言うなら肉食だってとォころくゥらいだな!」

【そう、このまま放って置かれると非常にまずい展開になりかねない、牙を刺し体液を吸い尽くされるおそれがある】
【この者に良心があれば糸を解いてもらえたのだろうが……そもそも、それがあったらこんな自体にはなっていない。】

「さァ、嬲られ嬲られ、おォいしく頂かれるが……あァーッ、なァにをすゥるだァーッ!」

【助ける相手もいなく絶体絶命……だが、このままR-18G方面に向かうのは色々まずい為、かなり露骨な辻助けが入った】
【どうやらこの辺りで食い逃げしたらしい天に向けて逆立つ緑髪の175cmマッチョ男、】
【逃避路としてこの公園を突っ切ることにしたらしく、運良く水兵の近くを駆け抜けていった】 【凄い風圧と砂埃である】

【その際、このマッチョの腕に纏われていた棘(障害物排除のために生やしてた)が糸に大きな断裂を与え】
【ついでに蜘蛛を引っ掛けてふっ飛ばし、……何故かキャッチして抱えて持ち去ってしまった】

【これなら、軽い力でも糸の拘束を解けそうだ……どうやらこの者の知り合い(?)だったらしく、意識も逸れている……】


/凄く今更ですが、1mm×無数のつもりで書いてたところが1mになってましたごめんなさい!
/とりあえず、ここから修正するのもなんですので、このまま1mが一匹ということにしておいてください(いなくなったけど)
813 : ◆60/reloads [sage]:2015/11/03(火) 00:08:39.19 ID:QyoTy+Cio
>>810

【男の放つ斬撃は少女の放った斬撃を打ち破り、さらに威力を残しながら少女に届こうとしていた】
【だが、様子が可笑しい。──避けようともしていないのだ。……ボトリ。】


……ッ。

【それは、斬撃により切り落とされた少女の腕が落ちた音だった。紫がかった奇妙な血液を噴き出しながら少女は笑った】
【避けなかった。というよりは、腕自体を突き出していた。単純な理由である────】


『キ、キキィ……ッ!ギ……ギギギギギ……!』

【己が命じた事を下僕が成し遂げるため、自ら盾となったのだ。その斬撃はコウモリに届く事無く、その牙は青年に突き立てられる事となり──】
【血を吸った一匹の『吸血鬼コウモリ』に力が流れ込んでいくのを感じるだろうか。先ほど切り捨てられた同胞の肉片。地に落ちた少女の血液】
【それらが、全て、集約していき────────────────────────】


痛かったわ。……ちょっとね。でも我慢するわ。だって、これくらいやらないと貴方、怖がってくれ無さそうだし──────。
フェルノ・ズ=バッドは“怪人”だから。絶望が、恐怖が、とっても欲しいのよ。特に、貴方みたいな人を食べられたら、もう、もう……ね?

『ギィgィgィアlジャオワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアaaAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA──z___ッッ!!』

【まるでバグった様な回音波を放つ、その異形は小さなコウモリだった面影は既になく。そう、いうなれば──小型の“竜”を思わせる姿】
【コウモリの姿を素体に悪魔の様な巻角に、凄まじく鋭い鉤爪と牙をむき出しした人よりも一回りも大きなサイズの──怪物がそこにいた】


あっはははぁ。やッちゃえっ♪

【フェルノと名乗る少女が命じれば。その怪物は翼を羽ばたかせながら、その鋭い鉤爪をものすごい速度で迫りながら突き立ててくる──】
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/03(火) 00:15:46.82 ID:3NbPplRS0
【満月の夜――――人々からその存在を忘れ去られ、ただ朽ち行くだけの遺跡】
【嘗ては祈りを捧げるのであっただろうその場所も今となっては誰一人として訪れる事は無くなった……が】
【今宵は、無礼にも其処に座る女が居た。金色の髪に、同じ色の双眸。何よりも特筆すべきは背に生やした純白の翼】

【在りし日の其処を思い、思慮に耽っている訳でも無い様。ただ単純に単純に月光浴を楽しんでいるのか】



「――――今日は星も月も良く見える良い夜だ。風も心地良いし…………ボクだって偶にはこんな夜も、ね」

【漏らした言葉は誰に向けた物でも無い。ただ、何と無く慈しむ様に己の座る台座を掌で撫で】
【バサリ、と一度羽ばたかせた翼。純白の羽が月光を浴び銀色となって風に舞い】

【辺りに人気は無い。だからこそ、この女の存在も相対的に目立つというもの】
【もし、女の存在に気付いて近寄ったならば――――「ボクに何かご用かな」なんて言葉と共に、緩んだ笑みを向けるのだけれど】







【淀みの無い湖、其れを照らし出すのは銀色の月。――――静寂も合わさればどことなく神聖な雰囲気さえ感じ取れそうな其処】
【然れど、漂うのは全く正反対の性質だ。有り体に表すならば“瘴気”であろうか】
【…………その類に耐性が無い者ならば意識がゆっくりと侵される程には濃い、と記せば何と無く濃度も知り得よう】


「正しい心、って言うのは何なのかしらね。不思議ね不思議
貴方達の正しさなんて、誰が決めてくれるのかしら。その正しい行いは、本当に正しい事なのかしら
――――ふふ、もう聞こえてないわよね。何も聞こえて無いわよね」

【所謂悪魔だとか、魔族だとか。人によって呼び方は変わるのかも知れないけれど、全てに通じている事として決して好ましい存在では無い事】
【災厄を撒く様な、不幸を連鎖させる様な。人の負の感情を己の喜びとするような、そんな存在】
【――――故に。少女の姿は、似付かわしくなく】


「また一つ、また二つ。此処で貴方達の命が消えてしまっても、世界は何時も通りに動いてしまうの
――――残念ね。貴方達の正義なんてこの世界、そしてみんなから見ればその程度なのよ?残念ね残念
全てを賭けても、見向きもして貰えないのだもの。居た事すら知られず、ひっそり舞台から消えてしまうの」

【月光に照らし出される金色の髪は眩く其れを反射させ、虚空を見つめる紅色の双眸は楽しそうに歪められていた】
【幾分遠くに居ようとも、瘴気と言う“イレギュラー”を感じ取るのは容易な事だろう。だからこそ、この場に辿り着くのもまた容易な筈】
【この場に訪れたのが善で在ろうと悪で在ろうと、或いは不幸な迷い人であろうと。その者はクスリと小さく笑めば、微笑みを向けるのだけれど】

【――――そして。この場に訪れた者が目にするであろう物がもう一つ】
【それは男女の遺体だ。どちらも腹を割かれ、臓物が溢れ出ている】
【恐らくは割かれた後も意識があったのだろう。血の跡は、少し前の位置から大量に続いていて】
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/03(火) 00:22:56.63 ID:gqrwpZBio
>>811

「――――――――……!!」

【少なからず戦場を経験したことがあるのだ人の気配というものに敏感である自覚はある】
【ただそれも過ぎれば毒という事なのだろう、気配に向け手甲を構えるのは視線が合うのと同時】
【数瞬或いは数秒か沈黙を破るのは少女の一言】

「……申し訳ありません、癖というか職業病でして怯えさせてしまったでしょうか?
私は決して不審者なのではなく、教会所属の者でして夜警をしていた次第でありまして――――――――……」

【一先ず自己弁護の言葉を、そうすれば通報される危険は減るのである】
【それがこの時代に生きて得た知恵のひとつだというのが優男の優男たる所以であるが、ふと】
【見れば少女は別段驚く様子もなく浮かべるのは笑顔でさえあり】

「……チラシ、ですか?……こんな時間に配るのは関心しませんねお嬢さん
君子危うきに近寄らずとも言います、もう帰るのでしたら不肖ながら私がお送りしますがいかがですか?」

【果たして少女の持つ紙の束が夜に歩く危険を冒す程に大事な物なのか、察しかねるがこちらにはこちらの立場もある】
【いつ何時少女に牙を向く輩が現れないとも限らないのであれば、暗い所から無理矢理にでも連れ出す事も必要だ】
【人の身体を隠すに足る大きさの手甲、その影に隠れたグローブに包まれた掌をそうっと差し出して……】
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/03(火) 00:26:45.44 ID:XJd4bRSC0
>>812

「・・・!?」

【肉食!?と言いたいが口に出せない】
【これはマズイかも、と思っていた】

【其のとき】

【いきなり凄まじい勢いで糸が断裂され】
【水兵は糸を破り外へと出てくる】

「ったく、よくもさっきまでさんざんやってくれたわね・・・!
仕返しの時間よ!!」

【魔翌力が一点に集い、生成されるのは水球】
【ボウリングの玉と同じくらいの大きさか、これが七個】
【意識が逸れている男の頭上へと現れ】

「貴方も私と同じ目にあいなさい!!」

【と言い、指をならした、其の刹那】
【水球は形を失い、男の身体へと水となって襲い掛かる・・・!】

【バケツをひっくり返したかのような豪水だ】
【もろに被ればビシャビシャになってしまうであろうが】
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/03(火) 00:27:29.06 ID:Y9CHvbCEo
>>813

何・・・!?

【刃に自ら身をさらすという少女の自傷とも言える行為に、一瞬思考が停滞する。】
【その停止した思考の瞬間に変異した蝙蝠の咆哮と強襲を受けた。】

―――チィッ!

【しかし戦闘者としての経験が即座に思考を立て直す。】
【瞬時にそれぞれ片手に持った鞘と長刀を交差させ、鉤爪を受け止めた。】

グゥッ!

【鉤爪そのものは防いだものの勢いを抑えきれず弾き飛ばされる。】

/すみません中途半端ですがそろそろ時間がまずいので落ちます。
 よろしければまた明日(もう今日ですが)の夜に続けませんか?
 もちろん、ここで切っていただいても構いません。
818 : ◆60/reloads [sage]:2015/11/03(火) 00:31:49.01 ID:QyoTy+Cio
>>817
/了解です。
/明日はおそらく9-12時くらいの時間帯なら居ると思いますので。
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/03(火) 00:33:30.67 ID:Y9CHvbCEo
>>818
/了解です。またよろしくお願いします
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/03(火) 00:37:15.94 ID:HJ32CYYz0
>>815

【吐く息が白い。それはつまり少女に体温があることを示して、それなら、幽霊やそういった類でないことは分かり、ただ、場所が場所だから】
【なんだか不吉なものにも見えてくる気がする。――そしてこれは気のせいではなく、この少女は、山の中で沸き流れる清き川のような、清水のような香を纏い】
【巧妙に偽装されてこそ居るものの人外の気配をわずかに宿す。――もちろん気付けるかどうかは相手次第だが、無理なことではない。一般的な常人にはまず無理、だが】

あ……えっと、大丈夫なの。お兄さんが悪いひとじゃなければ、だけど――、……教会って、日曜日にみんなで集まって歌うんだよね? ……あ、えっと。
ごめんなさい、そっちの方はあんまり詳しくないんだけど――、教会の、ひと? だのに夜警なんてするの? ……そっかあ。

【自己弁護も彼女には無意味そうだとすぐに知れるだろうか。その手は変わらず紙束を抱きとめていて、例えば携帯電話を取り出す素振りもなければ】
【その金属質な鈴の音の声を張り上げて助けてと叫びだすこともない。ただころりころりと人懐こいように笑って見せて、ただ、その目だけ】
【悪いひとじゃなければ――そう冗談めかすときの瞳だけ、ひどく冷たく冴えていた。見透かそうとするように、ほんとうを、見つけようとするように。ただ、】
【そうでないらしいなあとすぐに気付きつつあれば言葉の温度までは変わらない。ただ教会には詳しくないことを詫びながら、少し不思議そうに首を傾げ】

うん、こんな時間でこんな寒い日のほうが、きっと、いいの。……えっとね、お兄さん、UTって知ってるかな……、UNITED TRIGGER。風の国の。
わたしね、そこでお仕事してるの。それで、あと、こんなことしてて――、

【関心しないだなんて言われればちょっと痛いところをつかれたように視線を逸らす、けれど、こんな時間こそいいのだ、なんて、言い訳めいた言葉を重ね】
【黒い瞳を閉じる少しぎこちないウィンクで彼へ視線を戻せば自らの所在を明かすのは彼の礼儀に倣ったような、そうではないような、微妙な色】
【けれど名乗ったものは一般的に悪ではないはずの立場で、チラシをぺらりと一枚紙束から引き抜くと、彼女は、それを彼へと差し出すのだろう】
【差し出された掌にそのまま掴ませようとする流れ。もちろん拒絶すれば無理には渡さないし、要らないと言われれば、おとなしく引っ込めるのだけど】

【受け取ってくれるなら。そこに書かれているのは「たんぽぽ」と花の名前。それは何らかの店名か何かだと読み進めればすぐに分かり】
【書いてあることを簡単にまとめてしまえば、孤児や浮浪者などの金や家を持たないひとたちへの、無償食事提供サービス】

こんな寒い夜にお腹空かせて震えてたら、……きっとね、すごく悲しいの。

【なんて赤くなった頬を笑ませて「それが理由なの」と告げれば――それでも駄目と言われてしまうだろうか、と、少し不安そうに彼を見るのだった】
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/03(火) 00:40:38.05 ID:TnRvY4+co
>>816

「糞ッ、あァの棘野郎……わァざわざ糸切る位置走るなッ」

【楽しい時間に終わりを告げられ、軽い憤りを感じているらしいその者】
【その憤りが隙だった、意識が逸れている間に相手は脱出しており……糸を貼り直す者もいない】
【※蜘蛛は辻マッチョがおいしくいただきました】

「しィまッ……脱出されて……!」

【油断大敵。】 【幾つかの水球が頭上に現れたのに気づいた時には既に、襲いかかってきていた】
【衝撃で思わず尻もちをついてしまうその者、ついでにジェイソンマスクも外れて……】
【コワモテで奥二重、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩、鋭く赤い牙がその下から現れる】
"
【――"指名手配犯"情報をある程度得ているのならば、この者が"多種多様な軽〜重犯罪"を起こした悪魔、"邪禍"であることがわかるだろうし】
【もし知らないとしても、"人ならざる存在"であったことに確信を持たせてくれるはずだ】

「テメェー……やァりやがったな……!」

【自分の行いを棚に上げ、あからさまな怒りを見せる悪魔。】
【ひとまず立ち上がり、砂を幾らか払った後に犬みたいに体を震わせ水を振り払う】
822 :フェルノ・ズ=バッド&吸血鬼コウモリF ◆60/reloads :2015/11/03(火) 00:52:59.62 ID:QyoTy+Cio
>>821

あっはっはッはぁ!びっくりしてたぁ?吹っ飛んだぁ♪ねぇねぇ、どんな今、どんなキモ───ぁ

【吹き飛ばされる男に狂気狂乱するフェルノだが、くらっと意識が一瞬遠のき崩れ落ち自分で作った血だまりに頭をばしゃんと落とすのであった】
【腕一本切り落とされる事自体は痛いで済んだとしても、それによる体力の損失はまた別のようで、怪物コウモリに力を注いだ事もあり確実に消耗はしている様だった】

【一転してダウナーな様子で血だまりをペロペロと舐めながら「あぁ〜がんばれ〜」と怪物コウモリを応援するのであった】

【だらしなく倒れる少女は隙だらけで今なら容易く首を落とす事が可能──“かもしれない”】
【それも一つの手段だが。それを行うならば凄まじい力を得た怪物コウモリの猛攻を命を掛けて掻い潜る必要があるだろう】


『────z__ッ!√~\__√ヽ───ッz_ッ!!!』

【男をふっ飛ばした怪物蝙蝠は、深追いする事もなく、まるで高らかに勝利の雄叫びを上げるように翼を広げてを見せる】
【だが、特に鳴き声は発さず男に向けて口をパクパクとしているだけに、見えるだろう────“常人”には】
【怪物蝙蝠は追撃を放っているッ!風も無いのに血だまりが波打つのが光景が見えるだろうか!】

【常人にはまず聞こえない周波数の"超音波"により、体内を揺らし気づかぬ内に、男の感覚を狂わせようとしているのだ!】

823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/03(火) 00:54:56.46 ID:gqrwpZBio
>>820

「……ええと、そういった教会の実務的なことはむしろ私は知らないのです
見ての通り腕っ節専門なので、それに見合う仕事といえばやはり荒事でその中で比較的静かなほうという訳で夜警を……」

【感覚的な話になるが、目の前の少女は何処と無く捉えづらい】
【生命としての熱があれば表情もありならば少女は確かにそこに存在はしているのだが、しかし】
【生憎と換えるべき言葉も見つからず疑問は疑問のままでふうわりと何処か頭の片隅へ消えてゆく】

「目覚め、時の変遷の全てを理解するには足りませんがUTについては一般人程度の知識は備えておりますよ
――――――――……ほう、つまりは炊き出しを広く伝える為に……」

【全き善意なのだろう、その手の感情に幾らか覚えがあるからこそどうにも放っておくことは出来ないしきっとしてはいけないと想う】
【大仰な盾はその少女のチラシに篭った想いを受け取るには物騒過ぎるが、これを突き返しては己の理想とはかけ離れる】
【何処ぞの死神に始終を伝えたならば誂われそうではあるがこういった場面こそが己の立ち位置を定かにするのだと思う】

「寒さの中、夜が深まればそれはより鋭く響くのでしょう……
私のご機嫌を伺う必要などありませんよお嬢さん、貴方の行いは善行であるならば咎める言葉を持ちません
ただ……苦言を呈して良いのであれば1人での行動は余りよろしくはないかと思いますが、どうでしょう?」

【手にしたチラシはやはり巨大な腕には似合わない、悲しくもあるがそれでもこの拳は壊すための物でないと実感出来る】
【大丈夫、と伝え伝えながらもその行いの危うさについて考えて欲しく、諭すような笑顔を浮かべ】
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/03(火) 01:05:12.44 ID:XJd4bRSC0
>>821

「あははっ、さっきまで私にイタズラしてたくせに、惨めな姿ね。
えーっと、指名手配犯の、えーと、、、まあいいや!」

【水を被りビシャビシャに濡れつくした男の姿を見て小馬鹿にするように笑い】
【そして指名手配犯の名前を言ってセリフを締めたかったが思い出せなかった】
【まあ顔だけはおぼえていたのだが】

「まだまだ私のイタズラは終わってないから!」

【先程のやられっぷりとは正反対に攻めていく水兵】
【今度は石のような形の水造形を作り出し】

「これでもどうぞ!」

【と言って男に向かって投げる】

【が、石は地面すれすれを飛び、男の上半身に向かう様子もない】
【コントロールが相当悪いのかと思いきや】

【石が男の足元まで到達したとき、不意に男の顔目掛けて上昇する】
【避けなければ顎らへんにぶっ刺さるであろう、そのため倒れることを想定しているのだが】

【倒れたときの男の頭の位置あたりにまた水球が現れ】
【倒れたらまた頭だけ水浸しになるが】
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/03(火) 01:05:53.74 ID:HJ32CYYz0
>>823
/申し訳ないです、レス消し飛んじゃったので次遅れるかもです……
/急ぎますがお時間厳しいようでしたら言っていただけたら……!
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/03(火) 01:08:00.02 ID:gqrwpZBio
>>825
/3時くらいまでは大丈夫ですのでご安心を!
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/03(火) 01:18:06.20 ID:TnRvY4+co
>>824

「俺様は"邪禍"様だ、邪ァァァ禍様! 覚えておきな、得するぜェ?」

【自分は覚える気がないと言っておきながら、人に覚えろとは言う悪魔――この自信は一体どこから?】

「ほォう、見ィせてみろ……そォんな低ェ空飛行程度、こォーすれば問題ねェッ!」

【元々、するのは好きだがされるのは嫌いのようで……だが、この安直な跳躍はマイナスだった】
【足許に到達した時上昇するその石型の水――上に向けて跳躍したその悪魔の顎に綺麗に当たった】
【跳躍していなければ最悪ぶっ倒れる程度で済んだのだろうが、……――】

【バランスを空中で崩し、頭部から落下。丁度近くにあった砂場に頭部がぶっ刺さり】
【……どう見ても犬○家です本当にありがとうございました】

【なお、褌一丁+外套の為、視界によろしくないとだけは補足しておく。】

「くッ……こォのガキ……足かせつゥけて海に沈めてやァろうか」

【別に頚椎は損傷しなかったようで、普通に顔を砂場から引っこ抜く悪魔】
【砂場に水びたしで突っ込めば、当然砂が大量にひっつく。中々いい気味だ】

【さて、こちらもこちらで今にも本気で襲いかかってきそうだが――】
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/03(火) 01:20:53.30 ID:HJ32CYYz0
>>823

【それが実務というならば実務でない面もあるということで、それならこういった夜警がそういうものなのかと数秒のちに合点がいく】
【腕っぷしといいながらも彼を改めて見てみる目はどちらかと言えば装備品を見ていて、ただ、その頑なそうな見た目にそちらも納得がいったようで】
【確かに夜警は静かなのかもしれないれど場合によっては静かではなく、それなら、これで静かなんてことなら教会怖い――なんて思いそうだけど、押しとどめ】

【百六十センチの身長。靴を足しても百七十程度か、満たない程度か。きっと自分より背の高い彼を見つめる視線はなんとも警戒心がなく、】
【それならこんな場にひどく似つかわしくない獲物のようだが。さっき刹那に見せた瞳の褪めた色味を見た後なら、どちらが嘘なのだろうと疑われてもおかしくはない】

えっと……炊き出し。そう、炊き出しなの。そっかあ、そんな言葉、あったね――、
……チラシはね、いろいろなところに貼らせてもらったりしたんだけど。これね、ちょっと古いの。だから、見てくれるひとに言いたいことがあって。

【そんな言葉があったかとふわり笑えば吐息が白く渦巻く、チラシは確かにそれなりの数を配っていて、なんなら、店屋に貼らせてもらうこともある】
【それならこうも手作業で配り歩く必要も薄れる気がするのだけど、――チラシを見れば、こうとも書いてある。その炊き出しが行われるのは、】
【第二第三週の平日だけだと。もしも許されるなら彼女は彼に数歩近づいて、該当箇所をついと指さしで示そうとする。だめなら、おとなしく諦め】

今はね、毎日……ううん、いつでもやってるの。本当はそんな話じゃないんだけど、お腹は毎日減るもの。
だから、今これを貰ってくれて、「食べたい」っていうなら。わたし、お店に戻ってご飯作るよ――今日はお休みなんだけど。

【「――内緒だよ」】
【と、二人きりの場で少女は声を小さく潜める。元々そんな話ではなかったのならば大っぴらに言えることでもないのだろう、内緒の内緒、とってもひみつ】
【もっと言えばその時間外は自腹で自分のお財布からお金が出てたりするのだけど、まあそれはどうでもいい話だろう。彼女も、そんなのどうでもいいと切り捨て】

そう、だけど、今日――寒いね。わたしの家、夜の国なの。そっちのほうだと、もう雪とか降るから……こっちはましなんだろうけど――、
――……でも、お兄さんは平気なの? わたし、もう少しこの辺りとか、こういうところ、うろうろするよ。夜警のルールってよく知らないけど……。
道とか決まってるなら、わたし、あんまりそういうの関係なく歩くから。……でも、ついてきてくれるなら、嬉しいな。

【大丈夫だと言われれば少しほっとしたように笑う。それから小さく困ったように笑う、それなら寒いのはあんまり得意ではないのだろう、身体を小さくし】
【それからじと見上げて彼の反応を窺う、自分は適当に歩くし、さっきみたいに変な道を通るかもしれないなら、それなら、夜警の邪魔をしてしまうかもしれない】
【彼の言葉をそんな風に受け取った彼女は相手の予定を気にしつつも、ただ、それでもその言葉が受け取ったままの形であったなら、嬉しそうにはするのだろう】

わたし、戦ったりするのって、苦手なの。

【なんて、にこりと笑う――、こんな場に、こんな時間に、丸腰に見えるような恰好で踏み入った少女の言葉にしては、少しおかしなように聞こえるようだった】

>>826
/お待たせしてしまってすいませんですっ……!
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/03(火) 01:32:56.56 ID:XJd4bRSC0
>>827

「あっはははっ!!まるで犬神○のようね!!」

【この水兵、そうとうこの男に恨みがあるのか】
【憂さ晴らしのように大笑いする】

「おっと、やる気なの?
それなら私もいいけど?」

【なんて男を挑発してみせるが】

//大変申し訳無いです...
//眠気が限界でして、凍結させて頂きたいのですが
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/03(火) 01:39:03.31 ID:gqrwpZBio
>>828

「――――――――……毎日、ですか?……それでは……」

【「帳尻が合わない」とは口には出来なかった】
【少女は善意を成す、されどそれに対する報酬は期待をしていないそれどころか身を削る事と同じ】
【差し出される指を見る、きっと今の自分の表情はきちんとした笑顔を作れていないに違いない……それを弱さと捨てて良いのだろうか】

【少女の行いは素晴らしいものだろう、しかしそれを何処か歪んでいると思ってしまう】
【ふと考え気が付くのは自分の姿、騎士を名乗っていた遙か昔の自分の姿はこうではなかったか】
【否、無残さで言ったならば少女と比較する事さえ愚かである程に酷い物だったに違いない――――――言葉にするならそれは盲信の類なのだから】

【遙か昔の自分の姿が浮かんだのならば今を生きる少女にどれだけの言葉を伝えられるのか】
【自覚したが最期、ただ黙るしか優男は術を知らない】

「え、……ええ、しかし今日はそれほど空腹ではないのでもし次の機会があったのならばお願いします
それまでは貴方の優しさは他の人々にあげてくれたのならば私としてもそれは幸いですから」

【内臓を何かがチクチクと突き刺す、無垢の善意とはこうも自分を苛むのか】
【なんとも情けないなんとも救いのない、嘲笑うだけの余裕がないのが一番始末に負えない】

「夜警も慣れたものですからね、この辺りの道はもう完全に掌握していますので
喩え貴方が縦横無尽に動いたとて十分に付いて行けるでしょう、剣を持つ力が無いのならば尚の事
この身を盾としたのですから少なくとも1人くらいは護り通すと誓いましょうか……ね?」

【戦いが苦手と自称するならば自分は戦いが得意なのだろうか】
【慣れるべき事柄でないというなら、恐らく少女のように生きたほうがきっと正常に違いない】
【歩みを同じくとしながら、考えても答えなど出ない事柄に思いを巡らす今宵は冷たく】
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/03(火) 01:41:53.61 ID:TnRvY4+co
>>829

「だァーれが○神家だッ!」

【グルルル……と、猛獣が唸るかのような、雰囲気。お返しを喰らっただけでこれである】

「あァ……やァってやァろうじゃアねェーか」

【ゴゴゴゴゴゴゴゴ……】
【――さて、気づいているか否か、早着替えやらいたずらやらでだいぶ力を消耗していた事に】
【息はほとんど変化ないが、最初の頃に比べるとエネルギッシュさがやや劣っているのだ】

「でェてこォォーーい、シューダ!」

【悪魔の目の前に現れる魔法陣、そこからいずる闇は形を成して行き、そして……】
【……ターコイズブルーの蛇……ではなく、ターコイズブルーの石が出てきた。】
【とってつけたかのような蛇の尻尾はあるものの、ほぼ市販のトルコ石のようなもの】

「…………くッ、運が良ォかったな……今日は調子が悪ィようだ、俺様が」

【さて、これでは戦えそうにもない、更に挑発するか、それとも――だが、注意は必要だろう】
【そう、蛇(?)の召喚に失敗したからと言って、戦闘能力がないとも言えないのだ】

/了解です、明日は眼が覚めたら居ると思います
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/03(火) 02:08:05.42 ID:HJ32CYYz0
>>830

【歪んでいる、のかもしれない。自分の損を勘定に入れない、そもそも秤にもかけていないのだろう、きっと、そこは彼女の中でどうでもよくて】
【ただ自分のルールを破る我儘でやらせてくれた店へ迷惑をかけるくらいならと自分で損をするのを選んだだけ、それで、何の疑問もきっと抱かない】

【誰かのために。そこにあるのはいくらかの自己犠牲でもそこに興味は持てないなら、それなら、今、泥の水たまりを啜らないと死んでしまうひとへと手を伸ばしたい】
【なんて、それは、或いは妄信であるのかもしれなかった。それとも猛進か、いずれにせよ、並大抵の人間ならばいつか折れてしまうのが決まっているような道筋】
【祈り信仰する神は違えど何かに捧げるのはきっと同じ、澄んでまあるくわずかな月明かりに艶めく瞳は、どこか、蛇の目が温度を持ったらこうなるだろう、という色味で】

……ふふ、じゃあ、お腹空かせてるひとが居たら、教えてあげてね。

【冗談めかして喉を鳴らすように笑う、渡した一枚はそれが彼のノルマのようでもあって、受け取らないなら、誰かに渡してほしいとお願いする】
【もちろん持って帰って裏に絵でも描くのも一つの手だろう、渡したものの使い方なんて指定できない、紙飛行機でも、チラシの裏でも、なんでもよくって】
【あどけなさを多分に残した顔が笑えばやはりこの路地裏には不釣合いで。こうもこぎれいな恰好で歩けば、標的になる確率は上がるはずだのに、】
【それでもやっぱり平然とここに居るのならば常習犯なのだろう、例えば不安にびくびくと震える様子もないのだから――さて、】

じゃあ――、うん、それなら。ちょっとだけ、お願いしてもいい?
……あ、それなら。わたしの名前、教えておくね。……白神鈴音。鈴の音って書いて、りんねだよ。

【やっぱり少し考えるような素振りを見せてから、ただ、数秒も経たずに少女は頷いて、そう願うのだろう。誰か居れば心強い、と、笑って】
【自分よりは強そうだと認識している。あくまで自分が得意なのは殺すことだから――と、刹那だけ思考して、わずかに瞳を細める。嘘を吐いたことへの、わずかな反省】
【こんな場で生き残る程度の力はあった。だけれどそれはルールに則った戦いの類ではなく、それなら、もう少し黙っていたほうが、きっといいだろう】

……――あなたは、ずっと、寝てたの? さっきそんな風に言ってたよね、わたしも、一度寝たらなかなか起きないんだけど――。

【名前を教えれば相手の名前も求める、だけどやはり無理強いするほどの強さもないそれは、名乗ってもらえればうれしそうに笑ってなぞるだろうし】
【そうでなければ少し残念そうにしつつも、どちらにせよ、そんな問いを投げかける。続けた余談はそんな程度ではない、きっと、もっと長い時間だろうと推測しつつも】
【ちらりと彼の様子を窺いながら――その話題で問題がないかどうか確かめるようにしながら、問題がなければ、大した目的地もないまま、ふらりと足を出すのだろう】
【強いていえば浮浪者なり孤児なりが居る場所が目的地。不確定なので歩き回るしかないもの、だけれどそれゆえ、彼に行きたい場所があるなら、口に出せばそちらへ歩くはずだ】
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/03(火) 02:33:06.84 ID:gqrwpZBio
>>832

「ええ、分かりました……もしいたならば渡すよう努めましょう
或いは……そうですね教会の仲間達にでも見せる機会があったのならば見せてみますよ」

【その行いで救われる者がいるならば善いのかもしれない】
【幸福と不幸は単純な差引では成り立たないし天秤に掛ける事事態がおかしいのかもしれない】
【ただそれでも思うのは、身を削る少女こそに善き事が起これば……なんて神を信奉などしてない身で】

「白神さんですね、覚えておきましょう……そうすればまたお会いした時に名前で呼べますから
私の名前はアレサ・アリストテレスです、アレサと呼んでいただければ幸いです、フルネームで呼ばれるのは不慣れでして……」

【騎士は知らない、少女の住む世界の冷たさを】
【少女は知らない、騎士の住んでいた世界の恐慌を】
【人に歴史があるならばその全てを他者が紐解く事など不可能だ、それこそ無貌の者でなければ埒外の行い】

【少なくともこの場に於いて埒外の存在は無く】

「――――――……聡い、というより痛い所を突いてきますね……
ええ、私はどうやら過去よりの人間らしいです……呪い呪われ身体を失い微睡みに墜ちて魂を囚われ、紆余曲折の果てに……
この十字の、教会と呼ばれる場所に今は生きています」

【聞いても面白くない話だろうから、苦笑いしか出来なかった】
【ただただ無残だった己の人生、その事に気が付けたのが幸いだとしても過去はズシリと重く】
【それでも語ってしまったのはそうすることで楽になりたいという己の浅はかさか、この身未だ弱く】

【ともすればふらりと足を進める少女、その背中さえも遠く遠く……】

/すいませんそろそろ眠気が……!
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/03(火) 02:34:35.31 ID:HJ32CYYz0
>>833
/了解ですっ、こちらは明日なら予定で夕方頃から待機してられるかと思うのですが……
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/11/03(火) 02:43:55.97 ID:qqGh5j4sO
>>834
/夕方ですと待機は難しくなりますのでご迷惑でなければ置きスレにてお付き合いしていただければ幸いです!
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/03(火) 03:01:32.71 ID:HJ32CYYz0
>>835
/置きで一向に問題ありませんっ、それでしたら次のレスから置きのほうに投げておきますね!
/ひとまずおつかれさまでしたー
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/03(火) 21:19:41.01 ID:Y9CHvbCEo
>>822

フッ…!

【弾き飛ばされた男は空中で体勢を立て直し地面に長刀を突き立てる】

ギャリリリリリリィイイイン!!

【刀身が甲高いを音を上げ火花を撒き散らしながら徐々に減速】
【ある程度速度が落ちたところで受け身を取って着地する】

今度はこちらから行―――ッ!?

【着地後すぐに地面を蹴り、蝙蝠に接近しようとするが】
【音波攻撃により平衡感覚が僅かに乱れ、速度が鈍る】

【そして、それでも前へと駆け続け】

耳障りだ・・・!!

【常人には聞き取れたいはずの音をそう言い捨てながら水平の斬撃を放った】

/昨日の続きです。
 いらっしゃいましたらよろしくお願いします。



838 :フェルノ・ズ=バッド&吸血鬼コウモリF ◆60/reloads :2015/11/03(火) 21:50:25.73 ID:QyoTy+Cio
>>837

【この狭い路地裏では避けようもない。怪物コウモリは斬撃に対して両手(翼)を交差させてガードする】
【翼が裂けて毛皮と皮膚を貫通し肉を抉られ紫色の鮮血が地に滴る。おそらく飛行は不可能となっただろう】
【勢い良く翼を広げると同時に迫る男に対して頭部の角を突き出して突進する】


『──√──√───ッ!』

【再び吠える怪物コウモリ。だが、狙いは先ほどのものとは違う。見えるだろうか。超振動する怪物のコウモリの歪な角が】
【振動波によって振動させ、威力を増した角による一撃により、男の胴体を引き裂くつもりだ】

//気づくのに遅れました。よろしくおねがいします。
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/03(火) 22:03:27.75 ID:Y9CHvbCEo
>>838

【猛烈な勢いの突進に臆する事無く疾走する】

耳障りだと――――

【そしていつの間にか納められた長刀に手を添え】
【迫り来る蝙蝠の角へとぶつけるように】

―――――――言ったはずだ!

【神速の居合を抜き放った。】
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/03(火) 22:10:34.06 ID:XJd4bRSCo
>>831

【ちょっとばかし煽りすぎたか】
【どうやら相手を怒らせてしまったようで】

【まあ、臨戦体制をとり】
【水兵の両手には短剣が現れる】

「そんなに怒らなくても・・・、ね?」

【自分が煽られて激怒していたことなどとうに忘れて】

【が、その時だった】
【魔族の目の前に現れたのは魔法陣】
【そして魔翌力が魔法陣へと集ってゆく・・・】

「ちょ、ちょっと!!
私は本気でやるつもりはないっての!!」

【ちょっとやばいかな、という感じの雰囲気になり】
【そして闇の魔翌力は形を造って・・・】

【石が出てきた】

【石かよ、という挑発よりは石でよかったという安堵】
【少なからずとも魔族は力を消耗しているとみて】

【だが水兵は動かない、臨戦態勢のまま魔族の行動を待っている】
【さて、どうなる・・・?】

//よろしくお願いいたします
841 :フェルノ・ズ=バッド&吸血鬼コウモリF ◆60/reloads :2015/11/03(火) 22:11:11.55 ID:QyoTy+Cio
>>839

『キィァアアア────ッ!』

【今度は超音波などではない。誰にでも聞こえる“叫び声”】
【男の放った一撃が怪物コウモリの角を片方切り裂いたのだ】

【痛みにより涙を溜めた瞳で男を睨みつけると残ったもう一つの角で男を切り裂こうと首を降った】


【フェルノはその光景を眺めながらよろりと立ち上がった。ただの召喚生物ではない。自らの力を与えた怪物である】
【その怪物に対して、“能力”と呼べる様な異能を行使したようにも見えず、力のみで拮抗──いや、ねじ伏せている】


貴方──なぁに?

【その言葉は、先ほどとはニュアンスが違っていた。──名を問いているのだ。お前は何者だと】

842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/03(火) 22:23:01.05 ID:TnRvY4+co
>>840

「ククク……俺様を怒らせた事、後ォォオオー悔すゥるがよォい!」

【――さて、"いかにも"なオーラと定番のセリフから攻撃が始まるのかと思えば】
【召喚できた存在は前述のとおり、石っころ。ここで引き下がるのも格好がつかないと考え】
【その石を左手に握りしめ、数歩下がりつつおおきく振りかぶって、そして】

「えェーと、シューダじゃアねェから……よォし、"シュトンスライダー"!」

【即席技名と共に、急に横に軌道を変える……いわゆる横スライダーで石が投擲された】
【大きさ数センチとは言え、当たればそれなりに痛いだろう】

「俺様はいィつだって本気だッ、――まァー、嘘だけどよォォオオーーッ!」

【また、この石は火傷しない程度に熱い。素手などで触ると少し驚くかもしれない】
【それともう一つ性質があり、この石に対して何かしらのダメージを与えると――フィードバックする】
【石が受けたダメージの数%程度だが、この悪魔もそれを受けるのだ】 【ほとんどかすり傷みたいなものだが……】

【ともかく、(自分のせいで)出鼻をくじかれたためか、本気で[ピーーー]つもりはなさそうだ】
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/03(火) 22:23:54.45 ID:Y9CHvbCEo
>>841

【自らを切り裂こうとする一方の角を躱そうとするものの】
【全力の抜刀術を放った後であり、その動きは僅かに身を逸らすに留まる】

…グァ!

【結果左肩を大きく抉られ】
【鞘を持った左腕がだらりと力なく下がった】

【そして少女の問いかけに対して】

ヴォルグ・・・貴様を冥府に送る者だ。

【答えを返した。】
844 :フェルノ・ズ=バッド&吸血鬼コウモリF ◆60/reloads :2015/11/03(火) 22:33:48.65 ID:QyoTy+Cio
>>843

【一撃を与えた怪物コウモリは体のバネを活かし、一旦後方へ飛ぶと。少女を守るようにその前に立ちはだかる】


ヴォルグ──君、ね。
私はねぇ、ご飯を食べにきたんだよね。私はフェルノは怪人だから、
ご飯は人間の絶望、恐怖といった負の感情。──だけど、ヴォルグ君くらい強い人だと私くらいの怪人相手じゃあ怖がってくれないかな?

──それとも、怖いのに頑張って戦う頑張り屋さんかな?

【君付けとな?少女の外見からは想像できない様な猟奇的な視線がヴォルグに向けられた】
【これは彼女の“捕食行動”である。ヴォルグが“恐怖”を感じていれば視線を通して恐怖が力となってフェルノに流れこむはずだ】

【さあて、ヴォルグは今、何を感じているか──?力を得るといよりは彼の心境を確認することで戦いを有利に持っていくための作戦】


845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/03(火) 22:39:06.42 ID:XJd4bRSCo
>>842

【後悔させてやる、と魔族はいうが】
【武器は石のみ、さてどう動くかと見ていると】

【なんとそれをこちらへと投げてきたのである】
【しかも軌道が急にかわり】
【水兵の右肩にボグッとあたった】

「痛っ!!
急に軌道を変えるなんてせこいわよ!」

【水兵もそうしただろ、と突っ込みたくなる発言だが】
【それなりには痛かった模様】

「熱っ!?
この石熱いじゃない!」

【やけどまでしなかったが、相当熱かった模様】
【石に水をぶっかけて冷ます】

「それじゃ、こんどはこっちの番ね!」

【水兵の手にはシャーペンくらいの大きさの水の針】
【それを3つずつ両手ににぎり、ダーツでもするように、一本ずつ悪魔へと投げていく】
【この水兵、自慢ではないがダーツはうまいほうで・・・?】
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/03(火) 22:51:10.20 ID:Y9CHvbCEo
>>844

最初に言った筈だ。

【男の放つ魔性の気配が強まる】
【それに伴い肉体が変化していく。】

【傷を負った肩がゆっくりとではあるが治癒し始め】
【全身から銀の体毛が生え、顔がイヌ科の動物のように変化する。】

【その姿はまさしく――】
【――人狼であった】

不愉快だと…!

【男が感じている嫌悪感と不快感】
【ただし、それが向けられているのは少女だけではない】
【自分自身すらも対象であった】
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/03(火) 22:54:37.94 ID:TnRvY4+co
>>845

「良ォいか、戦いって言ィうのはよォ〜〜……勝ァてば良ォいんだ、勝ァァてば!」
「過程や結果なァーんて、……まァー、そォれはそれで大事だが、――」
「とォにかく!」 「せェこいくゥらいで騒いでいィたら、こォの先生きのこれねェーぞ?」

【どこぞのラスボスのように言い切るのかと思えば、少し悩んだ後に曖昧な事を言って】
【そしてまだまだ煽る、といっても、最初の頃に比べると若干威圧感が足りないが】

「ククク……シウコアトルは炎属性!」 「そォれの要素を入ィれた石ころなァんだ、熱くて当ォォ然だァろう」

【石に水をかけられれば、この者の毛等が若干湿り気を帯びたかのように感じるはずだ】
【些細な変化故に、また見逃しても無意味な変化故に、……地味なのだが。】

「こォの程度ッ、部ゥ下なァしで十ゥ分ッ!」
「魂変技(ディルムモネオレスプ)、――かァらの魂吸技(ディルムレーディスプ)ッ!」

【悪魔の身体から生成される闇……"生命と変化の、混沌の魔翌力"で出来たそれは腕の形を成し】
【水の針を一本一本丁寧に捕らえてへし折り、……そして、何もなければそこに含まれる魔翌力を喰らうだろう】

「あッ」 「――目ェがァ……目ェがァァァアアアーーーッ!!」

【……だが、この時無意味に"かっこいいなぞのポーズ"をとっていたため、針の一本が眼に命中、近所迷惑な声を上げた】
848 :フェルノ・ズ=バッド&吸血鬼コウモリF ◆60/reloads :2015/11/03(火) 23:02:39.99 ID:QyoTy+Cio
>>846

【人と獣の混ざり合ったその姿。──想像するのは“狼男”だろうか】
【吸血鬼とは古くからの因縁を持ち、“吸血鬼”コウモリたる、怪物コウモリはその姿を見て威嚇の雄叫びを放った──が】


わぁ、可愛いワンちゃん。

【その主の反応が、これである。──それもそのはず。召喚されたコウモリは“吸血鬼”だが、彼女は吸血鬼型の“怪人”】
【狼男という種に対しての因縁も、その姿に対して思う事も無く。その瞳に映るものは素敵なデザインな異形──“怪人”である】

【さて、どうするか。彼からは力を得られそうにない。──故に生かしておく必要もない。そう、彼は──“餌”ではない。敵である】

【だが、その体は面白いサンプルにもなりそうで……と、どうするか一瞬考えるが、】
【フェルノが指示を出す前にその姿に興奮した怪物コウモリが飛び出した。振動波によって振動させた片角と、両手の鉤爪による3連攻撃!】

849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/03(火) 23:14:06.36 ID:Y9CHvbCEo
>>848

それはもう見たぞ・・・!

【両の鉤爪を強靭な獣の膂力を持ってそれぞれ刀と鞘で捌く】
【そして自らを貫こうとする角の下に潜り込み】

グルァアアアアアア!!

【新たな武器、牙を用いて蝙蝠の喉笛を喰いちぎろうとする】
850 :フェルノ・ズ=バッド&吸血鬼コウモリF ◆60/reloads [sage saga]:2015/11/03(火) 23:29:04.46 ID:QyoTy+Cio
>>849


────ば、か。

【頭を抑えてため息を吐く。元の姿ですら押されていたというのに策も無く突っ込む怪物コウモリに対してである】

【鉤爪の連続波状攻撃!それを防ごうと、最後は角による一突きでブスリ!決まった!?決まっていない!というか居ない?】
【目標を見失った怪物コウモリが一瞬困惑した次の瞬間には、その喉笛が喰いちぎられており──怪物コウモリは】
【突進した勢いのまま、男の遥か後方に吹き飛ぶように倒れこむと何やら言葉にならない叫び声を放った後に】


『キィィイイアアアアアアアアアアアッ!キアィキ──アッ!!』

【─────爆散ッッ!!】

【さて、要である怪物コウモリを失った少女。見ての通り、彼女には強靭なツメも無ければ、その牙は男に食い付くには物足りない】
【コホンと咳払いし、ギュッと目を瞑ってわざとらしく涙を貯める。そして呟く。「お……」。────お?】


覚えてらっしゃぁ──いっ!

【なんて、お約束。だろうか?キャラに似合わないその捨て台詞は“怪人”としてインプットされた行動だろうか。翼を羽ばたかせ逃げ去っていく】

【磔にされた青年は……血は吸われたものの一応、生きては居るようだが……。命広いしたのだろうか。】
【だが、コウモリとは言え、吸血鬼に血を吸われているという事は──。その後の処理をどうするかは彼次第だ】


851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/03(火) 23:39:28.17 ID:Y9CHvbCEo
>>850

・・・チッ、逃がしたか。

【流石に飛ばれては追うことなどできない】
【いかに強靭な肉体を持つ人狼であろうと空は縄張りではないのだ】

【男は自らの変異した姿を人に戻し、刀に付いた蝙蝠の血を払って鞘に納める】

もう人としては生きられんだろう。
お前はどうしたい?

【磔られた青年に近付くとそう問いかけた】
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/03(火) 23:45:40.70 ID:XJd4bRSCo
>>847

「確かに戦いって結果だけが求められるわ。
でも、私は過程だって大事と思うわよ?」

【いかにうまく敵と戦えるか、というのは生き残るためには最も重要と水兵は考えているようで】
【ただそれは自信のなさの現れというか、自らの火力のなさというか】

「へぇ、いろんな属性の魔法が使えるのね。
あなたのこと、少し見なおしたわ。」

【ただの性根が悪い魔族と思っていたが、実力はこちらよりはるかにあるようで】
【見なおさざるを得なかったような部分もないことにはなかったが】

「えっ!?嘘、魔翌力吸収もできるの!?
あなた、相当のやり手のようね・・・。」

【魔翌力吸収なんて素人どころか玄人でもろくに扱えないとか】
【そんなことを聞いた覚えがあったからか、魔族の行動は水兵を感心させるのには十分だった】

【この魔族、かなりすごいやつだな、と思っていたその矢先】
【かっこつけたポーズをとっていた魔族の目にー】
【針が刺さった。】

「え、ちょ、ちょっと!!大丈夫なの!?」

【なんて心配をしながら魔族の方へと駆け寄る】
【もとから戦闘なんてする気はなかったからか、もう戦う気はないらしい】
853 :フェルノ・ズ=バッド&吸血鬼コウモリF ◆60/reloads [sage saga]:2015/11/03(火) 23:46:24.24 ID:QyoTy+Cio
>>851


【まともに動くことも出来ない青年、だがその体は刻々と魔性に近づきつつあるのが分かるだろうか】
【感覚が戻りつつあるのは麻酔の効果が切れたのではない。“人間”に効果のある麻酔だったのである】


「わ、分かるよ!俺の体。もう人間じゃないってのがさ、でもよ。悪い事はするつもりはねぇさ。見逃してくれよ」

【だが、男の中には邪心が芽生えていたこんな理不尽な世界】
【あんな“怪物”の力が少しでも手に入ったならば“奪う側”に回る事だって】

【にぃ、と愛想笑いを浮かべる青年。体はまだ、動かない】
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/03(火) 23:56:16.47 ID:Y9CHvbCEo
>>853

…そうか。

【男は僅かに瞑目する】

【人狼としての嗅覚か、人外を狩るものとしての経験か】
【青年に芽生えた邪心を感じ取っていた】

恨んでも構わん。
せめて悪意を振りまく前に逝け。

【納められた筈の刀から鍔鳴りだけが聞こえた】
【常人の目にも映らぬ斬撃を青年の首へと放たれたのだ】
855 :吸血鬼化した青年 ◆60/reloads [sage saga]:2015/11/04(水) 00:01:07.77 ID:jzJefLj5o
>>854

「ま゛────」

【唯の人間だったのなら、楽に首を跳ねられただろうに】
【首を切られる感触を一瞬感じ取りながら、彼の首は胴体との別れを告げるのであった──】

【その場に残ったのは、首を跳ねられた“吸血鬼”と。爆散した焼け跡。吸血鬼“怪人”少女の血痕】
【人ならざる者。“怪人”。あえてその名を名乗る、彼女らは何だったのだろうか──?】

//二日間ありがとうございました!
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/04(水) 00:01:29.15 ID:yZOSx5gvo
>>852

「ククク、いィろんなってもォンじゃアねェー、部ゥ下の数だァけの属性や技等が使える」
「そォして俺様の部ゥ下は超ォ沢山!」 「つゥまり、超やァべェって事だ、ヒャハハハ!」

【挑発すれば怒り、おだてれば調子に乗る。】
【傲慢な指名手配犯だが、良くも悪くも扱いやすそうな性格……なのかもしれない】

「そォうだ、召ォ喚術にエネルギー操ォ作が合ァわさり最強に見ィえるだァろう?」

【ただ、こんな性格だが指名手配される程度の実力はしっかりある様子】

「うゥごごごごご……こォーんなの蚊ァほども効ィかん! 効ィかん効かん、治る治る」

【顔をそちらに向けながら、強い口調でそういう悪魔】 【……血涙を流しながら言うセリフなのだろうか?】
【なお、先程生成した魔翌力の腕はいつの間にか消滅している……正確には、本体に吸収されたのだが】
【また、召喚した石も闇となり魔法陣に吸い込まれている】

「とォもかく、俺様が超ォ強ェこォとがわァかったな?」
「そォれさえ憶えておォけば、今後俺様の部ゥ下になァる時に役立つだァろう」

【なんともしまらないが、一つだけ言えるのは……色的に血涙が結構似合う事だろうか】
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/04(水) 00:05:36.87 ID:YUCbW/Uso
>>855

・・・。

【男は何も言わずコートを翻してその場を去った】
【その貌は僅かに遣る瀬無さが広がっていた】

/こちらこそありがとうございました!!

858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/04(水) 00:22:14.06 ID:3JmswoUGo
>>856

【部下の数だけ能力が使える、ってのは相当脅威的ともとれるか】
【まあ、とうの魔族が扱いやすいだけに、すこしがっかり、と言った感じだが】

「そうね、召喚術にエネルギー操作が合わされば・・・。」

【まあ、そういう強者の言葉というのは自分の能力の価値を高めるためにも重要で】
【自らの「水を操る」という能力に応用できないものかと思考してみる】

「蚊ほども効かないって言ってる割にはすごい血涙でてるわよ・・・。
似合ってるけど。」

【なんて皮肉を込めた言葉を魔族には返してやるが】
【ツンデレというものか、「ほら、拭きなさいよ」とハンカチを差し出してやる】
【その目で見えるだろうか、柄はピンクの下地に何かの可愛いキャラクタが刺繍してあり】
【性格とはまるで真反対だ】

「さて、私はそろそろ帰ろうと思うんだけど・・・。
あなたはどうするの?まだハロウィンするわけ?」

【とまあ男に問いかけるわけだ】
【なお、水兵のお気に入りの服は水でビシャ濡れのうえに蜘蛛の糸が巻き付いてしまっており】
【なんだかこう変な雰囲気を醸し出しているようだ】
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/04(水) 00:43:19.47 ID:yZOSx5gvo
>>858

「ククク……血ィには魂があァる、もォしそォれで拭ゥいたら――」
「夜、独りでに動き出す恐ォのハンカチの完成だ、どォだ楽しそうだァろう」

【明らかに差し出されたそれを受け取った後に言うべき言葉なのだが、受け取る前にこれを言ったのだ】
【ものすごーく遠回しに、"拭かなくて大丈夫だ"と言っているかのようにも聞こえるが……】

【この言葉を受けてもなお差し出すのを止めなかった場合、遠慮無く血を拭き取るだろう】
【そして、もしそうなった場合、……とりあえず、恐怖のハンカチは生まれないが、……】
【"悪霊の破片"がついてしまい、それによってお祓いした方が良いいわくつきの物になってしまう。要注意】

「いィや、俺様も無ゥ駄に力を使っちまったかァらな、"まァだまだ大丈夫"だァが」
「一旦家に帰って、仕ィ事の続きをすゥる」 「つゥいでに眼も修復すゥるぜ」

【一般人なら永久に失明してそうなこの状況でもそんなにうろたえてない(喰らった時はともかく)】
【ということは、本当に修復可能なのだろう】

「聖人関連な悪霊退散の行ォ事に参加すゥる聖嫌いの邪悪魔、ククク……退治しィそこねたな?」

【何もなければ、先程から存在していた魔法陣にそれは闇となり吸い込まれていき、そして魔法陣も消えるだろう】
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/04(水) 00:54:25.61 ID:3JmswoUGo
>>859

「えっ、ちょっと!!それじゃ返してもらうわよ!」

【ひとりでに歩き出すとは、それ自体こわいことであるが】
【そのハンカチもなお大切なものであったらしく、大事にポケットへとしまう】

「はぁ、私もよ。誰かさんのおかげで服は濡れまくりの糸まみれ。
家に帰ったら洗濯だわ。」

【なんて魔族に皮肉を言うわけであるが】
【そもそもこの魔族は失明しないのかよ、と心の中で突っ込んでしまったわけだが】

「そうねー、さっさとこんなイタズラをする魔族なんか両目に針でも刺してやりゃよかったんだわ。」

【こんなイタズラ野郎なんかさっさと退治しちまえばよかった、などといま悔いても遅い】
【まあ、終わったことだ】

「それじゃ、ね。魔族さん。
またどこかで出会うかしらね?」

【なんて言い、公園を後にした】

//これで〆でよろしいですかね?
//お疲れ様でしたー!
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/04(水) 01:00:22.74 ID:yZOSx5gvo
>>860

【その後、この公園の悪評は更に大きくなり】
【"特に女性は一人で入るべからず"なんてものがそこへ追加されたとか――】

/お疲れ様でした!
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/11/05(木) 18:41:34.86 ID:YDhk6ItC0

……。

【1人の男性が歩いている。】
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/11/05(木) 18:41:53.69 ID:YDhk6ItC0
ごめんなさい、失敗しました。書き直します。
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/11/05(木) 18:43:48.71 ID:YDhk6ItC0
【路地裏】

安心して[ピーーー]。お前の屍は平和の礎となるからな。

【金髪、そして童顔。東洋風の顔立ちをしている。漆黒のライダースジャケットに革のグローブ、といった格好の青年がいる。その手には拳銃。】
【右腕袖のところに機関の紋章、そして足元には人であったものが横たわっている。】
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/07(土) 23:29:17.83 ID:nx5vLUFPo
【路地裏】

「ヘケケケ、というかどこだここ」 『あなたのせいで迷いましたね』

【そこを歩くそれはガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

「なァー、アウ、出口探してくれよォ〜」 『そうですね、その前に……』

【もう1人は、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

『何か良い物持ってないかあさりましょうか、あと治療も――ヘケメト』 「ヘケケッ」

【2人の近くに転がる幾つかの物体、それは……人間だ、チンピラとかヤクザとか機関員とか、"そっちの世界"の。】
【意識は無いが息はまだ有るようだ……能力なしにはありえないようなズタズタな傷、刺突痕、――状況からしてこの2人が関わっているに間違いない】

【とはいえ、相手が相手である。この者達が"どちら側"の人間なのかはこれだけではわからない】

【さて、直前まで騒がしかったこの場所に訪れるものは、――はたして、居るのだろうか。】
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/08(日) 01:46:14.85 ID:YiBbPqRV0
【人間は疎か魔物も近づく事の少ない遺跡】
【普段なれば風の吹き込む音のみが聞こえる其処だけれど、今日は二人分の話し声が聞こえて】
【――――或いは、魔力に敏感な者ならば“火”の魔力の塊めいたものも感じ取れるであろうか】


『アルカっ!もう今日は終わり?
あのね、わたし今日のごはんはお肉がいい!』

「お肉、かぁ……うーん……じゃあ先ずはギルドに報告を終わらせてからにしよう、ね?」

【見てみれば、緑色のローブを纏った女が一人とボロ布の様な物を纏った少女が一人】
【恐らくは遺跡の探索が丁度終わった辺り。普段は人が居ないが故に、今宵は目立ち】
【更にはその魔力も聡い者ならば離れた位置から探知出来るのだから見つけるのは容易】
【尤も、ある程度まで近寄れば二人分の視線を受ける事になるのだけれど】











【――――月の光に照らされる森】
【其処は多くの薬草だとかが取れる、なんて話もあるのだけれど】
【如何せん、魔物が出没する地ともされる故に訪れる者も少なく】

【さて、今宵はそんな場所に一つの影。身形からして修道女である事は間違い無かろう】
【銀色の髪が月明かりを鋭く返すのだから、遠目からでも存在は直ぐに確認出来る筈で】


「――これ程集めれば十分でしょうか。気付けばこの時間ですし、早めに帰りたいですが…………」

【手にした籠には文字通り山盛りの薬草】
【改めて採取した種類を確認した後に、その場を去ろうとするのだが――――】
【仮にこの場に誰かが訪れた場合、その気配を感じ取ってか立ち止まるのだろう】
【恐る恐る、と表すのが最も適切。この場を訪れるであろう者に対して視線を向けるのだが】

867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/08(日) 02:22:46.52 ID:nBRDMYCMo
>>866

【夜を行く者が在る、淡い月明かりのみを導にして進む者が居る】
【その歩みに淀みは無い、それには知らぬ道だろうと関係はないと……そう瞳が嘯く】

――――――――……んだよ、オイ……

【人影は白亜には遠い】
【造り物めいた白い髪は己が行動に合わせて後ろ髪だけは結われている】
【それの瞳は不揃いで、紫白と紅の色違いそのどちらもが異質であり昏き中での先導者】
【果断無く鍛えられた四肢肢体は靭やかに、森を踏破したのは何も装備が為でないのが分かろう】

この辺あぶねーんだぞアンタ、魔物だか何だかの餌になりたいなら止めねーけど

【不躾な声と呆れた表情を月明かりに浮かべて】
【白でもない灰色姿は一歩と近づく、その手に握る血の付着したナイフを隠すことさえない】
【殺意を秘することを得意とする殺人鬼ならば得物を悟られるような真似をするまい】
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2015/11/08(日) 02:28:49.83 ID:hbCtQ0Jho
【路地裏】


んァ〜……腹減ったな

【気の抜けた気怠そうな声が路地裏に響く】
【声の元を辿れはそこには伸びをした一人の男が立ち尽くしていた】

【金髪ソフトモヒカン、黒のスカジャンに】
【両手の十指のうちいくつかに人間の臓器や器官を模った趣味の悪いシルバーリング】

【男の容姿はここ路地裏によく見られるチンピラの様で】


飯、探しに行くか……ヒャヒャッ

【男はそう言うと耳障りな笑い声をあげふらふらと歩きだした】
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/08(日) 02:45:16.74 ID:YiBbPqRV0
>>867
【元より戦う事は得意では無い身。魔物は疎か野犬の相手も務まるか怪しい程に戦闘力は無い】
【――――故に、刃物を持った相手が目前に現れたとなれば瞳は何処か不安げでもあり】


「幸いにして、この辺りには魔物も少ない様ですし……獣も今は寝ている様ですので」

【ならば悪意を抱く人間が彷徨っていないか、となれば話も別】
【現にこの様にして人間と会っているのだから】
【たかが薬草の為に其処まで危険を冒すのも、なんて人は笑うのかもししれないが女からすればそのリスクを負うだけの価値があるのか】


「それに、この様にして無事に摘み終える事が出来たのですから良いではありませんか
それで、ええと……?何かお困りでしたら、お手伝い致しますよ。」

【変にプラス思考とでも言い表すか、怪我をしなかったのだから良いと締めくくり】

【一歩近づいてきたならば自然と視線が血の付着した刃へと無垢のも無理はあるまい】
【何故此処に居るのか、何故血が着いているのか。問いたい事は多々在るのだろうが、それらを全て抑えて何か困って居るならば手伝うが、と】
【微笑んで見せれば小首を傾げるのだけれど】
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/08(日) 03:10:32.15 ID:nBRDMYCMo
>>869

ふん……野草摘みか、そんなん昼間にでもやりゃーいいのに
よくもまあ危険を冒してまで夜の森に来る気になるなアンタ……

【特異な瞳が彼女の持つ籠を見れば青年は呆れたように肩を竦める】
【この女はリスクとリターンの管理も出来ないのだろうか、セメントな意見を口調は一切隠すことはない】

ああ……なんだこの人、ちょっとハッピー入ってる人種かよ……

【「良いではありませんか」と彼女は言い、いやまてそれはおかしい】
【それは偶々そうであっただけであり今後もそうなる保障にはならないし、この後もそうだとは限らない】
【自分は臆病ではない程度に慎重な人間だという自覚はある、差し当たって目の前の人間はどうか】

困る、というか今正に危機感の無い人種と出会ってすげー参ってる
手伝ってくれるっていうならとっとと自分の住処でもどこでも帰ってくれると助かるわ……あ?

【少なくとも刃物を持っている人間の困り事を気にするくらいに善人らしい、そう刃物……】
【マズった、と顔を顰めしかしもう遅いかと額に手を当て天を仰ぎながら溜息を零す】
【血塗れの刃物を携えてなど余りにも配慮の無い姿、それこそ叫ばれなかったのが幸運だ】

あー……そういうのじゃないから、人殺しとかそういうアレじゃなくてだな……
こう道すがら魔物とかを倒して進んで、血はその名残って感じで……

【殺意敵意の類は向けていないにしても今更感のある説明】
【口下手というのは実に不自由だと、危害を加えぬ証明とばかりに血を振り散らし腰元の鞘に収め】
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/08(日) 03:31:45.29 ID:YiBbPqRV0
>>870
「そ、それはそうですが……ですが夜でなければ花を咲かせない種類も幾つかあってですね……」

【青年の言う事は至極まとも。だからこそ、子供が言い訳をするかのようにゴニョゴニョと小さく弁解して】
【ならば護衛の一人でも雇えば良いのだろうが――それが出来ない理由もあるのだろう】
【或いは、他者に手間を掛けさせてまでなんて思考】


「――――はい。其れについては、何と無く理解はしていましたよ
そうでなければ、この様に注意もして頂けませんから」

【薄々感じ取っては居たが、目前の青年が明確に敵で無いと知れば胸を撫で下ろし】
【……尤も、見知らぬ者が自分は危険じゃ無いと言っている事に対してそれを疑う事無く受け入れるも問題か】
【然れど其れはこの女の性。人を疑わない、若しくは疑う事を知らないのだろう】


「もしも其れが無意味な殺生であるとすれば、私から言いたい事も色々とありますが……
あ、良い事を思いつきました。コレも何かの縁ですから……もし良ければ、私の教会に寄っていきませんか?
十分なお持てなしは出来ないかと思いますが……一息入れる事位ならば出来ると思いますよ?」

【更には、そんな相手に対して自分の教会に寄って休憩していかないかと提案するのである】
【お人好し、と言えばその通り。当然女からは悪意の類も感じられず】
【この発言もまた呆れさせる要因の一つと成り得るのだろうけれど】
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/08(日) 03:47:23.23 ID:nBRDMYCMo
>>871

やってる事は若干アレだけど幾らか聡いようで助かる、何もお花畑ってだけじゃねーんだな

【何を問うでもないし何を言うでもない、信用し過ぎであるなどと下手にややこしくしても得ではない】
【そも気をつけろ危ないからもうやるな、と言って聞く人種だろうか……多分違う気がする】
【何よりも自分が他人の忠告に耳を貸さないからこそのある種の納得】

【ともあれ余計な勘違いがなければこれ幸い、要件が終わったならば帰宅を促す】
【という流れの筈だったのだが果たしてこの、目の前の人物は一体全体何を考えているのか】

あのさあ、別段危害を加えるつもりはねーけどもう少し警戒というか……もうちょいなんかあるだろうに……
つーかアンタの周りの人間はその行動を止めたり……ああ、もういいや乗りかかった船だ好きにしろよ

【善意の塊、この手の毒の無い人間はむしろ自分にとっては毒である】
【断じて自分は世話好きではないが危なっかしい者はなんであれ見てられない】
【ならば見捨てれば良いのだが視界に入ってしまった以上は何らかの意味があり責任の一つでもあると思う】

【一先ずは「警護ついでだ」と言い訳をして苦い表情を浮かべたままで付いて行くだろう】
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/08(日) 04:07:39.68 ID:YiBbPqRV0
>>872
「そんな言い方をされてしまうと、まるで私が何も考えて居ない様ではありませんか
実際に、何度か馴染みのシスターからは似たような事は言われていますが……」

【唇を尖らせて拗ねるように言ってはみるけれど、事実他の者達にも似た注意は受けているのだから言い返せず】
【それでも直す事が無いのは自身がそれで良いと考えているからだろう】
【結局自分を変えるのは自分。良かれと思って行っているのだから、それで良い】


「……?危害を加える気が無いのならば安心出来る方だと思っていましたが……」

【――――否。お花畑は強ち間違いでも無かったか】
【青年の伝えたい事が伝わっていないのはその反応からして分かる事】
【何というか、人の悪意だとかを感じ取る事が出来ない人種であろうか】
【首を傾げて見せれば自分は何か可笑しな事を言っていただろうかと言葉を思い返すのだが……それ自体が先ず可笑しいのだ】


「はい、ではお好きにさせて頂きますね
場所もそう遠くはありませんから、直ぐに着きますよ」

【さて、そのまま後を着いていけば何事も無く教会に着く。着く、のだが……その外観はどちらかと言えば悪魔でも住み着いていそうなもの】
【蔦が匍っていたり、所々が欠けていたり。先ず、入口の扉からして相当年期があるのだ】
【中に入れば綺麗に手入れはされているのだがやはり年季は隠せず……有り体に言えば貧乏くさい。おんぼろ】

【適当な長椅子に座るように促せば奥へと消えて、少し経ってから持ってきたのは水の入ったコップ】


「…………その。十分なお持てなしは出来ませんが……」

【謙遜でもなんでも無く、真に十分な持て成しが出来ない】
【それでも、今の時期の冷たい風を凌げる場所――――と考えれば幾分マシか】

/申し訳無いのですがそろそろ眠気が危うく……持ち越しの方等々は大丈夫でしょうかっ
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/11/08(日) 04:27:54.76 ID:nBRDMYCMo
>>873

(厄い……厄い人間に会っちまった……)

【危機感が無くそして他人も無闇矢鱈に信用する】
【余程平和な世界なら別段問題はない、しかし現実的にこの世界は厳しい】
【そんな世界に生まれたならば普通の危機感くらいは持ちあわせていそうなものだが……】

【追う背中にはその類のものは含まれてはいなさそうだ】
【仕方ない、仕方ないのである、せめて出会ってしまった義務くらいは】
【無傷で家に帰す、いや送り返すくらいはしなければ……という誰にも知られない決意を胸に】

【していたが――――――――】

おおう……幾らか予想はしてたが流石にこれは……
悪魔城……?つーかもう見た目が人の住むとこじゃねえ……、どうなってんのコレは……

【もしや自分は拠点に誘い出されてそこで始末でもされるのでは、という疑念が浮かぶ有様だった】
【それは青年の価値観からは人の住む場所にはカテゴライズされなかった、野営の類は経験済みだそれにしてもこれは何だ】
【十分なもてなしは期待してない、それにしてもただの水だ】

(酷い――――――生活力……!)

【戦場以外で戦慄を覚えるのは初めてである】
【驚愕も繰り返せば戦慄になるのだ、今日はその事を学べただけでも大収穫か】
【それを差し引いてもマイナスの方が大きい、目の前の女性はそう思わせるだけの代物を抱えていて】

【そして気がつけば自分自身頭を抱えていて……】

/大丈夫ですが明日は十九時以降は厳しくなります……
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/08(日) 04:32:35.02 ID:YiBbPqRV0
/把握しました!恐らくはこちらの帰宅が22時を過ぎてしまうかと思うので、後程〆の方を返させて頂きますっ!
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2015/11/08(日) 05:40:33.33 ID:nBRDMYCM0
>>875
/アレでしたら置きスレでも大丈夫ですよ!
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/09(月) 23:56:46.48 ID:faVQ2TQb0
>>874
「た、確かにそう見えてしまうかもしれませんが……
ですが、口に出しても良い事と悪い事があります。況してや悪魔なんて……余りにも酷いようですと天罰を受けてしまいますよ?」

【否定はしない。と言うよりも、否定を出来ないのだろう】
【事実祈りの社としても住まう処としても向かないのだ。其れを承知の上で此処に住まうとなれば――変人か訳ありか】
【こほん、と一度咳払いをしたならばまるで説教をするかのような語り口調で咎めて】


「……?急に頭を抱え込んでどうかしましたか?
――――そういえば、丁度頭痛に効く薬草の煎じ方を教わったのです
良ければどうでしょうか。遠慮は要りませんよ、苦痛に悩む方を助ける事が私の役目ですから」

【頭を抱える青年を目の当たりにすれば突発性の頭痛だとでも勘違いしたのだろう】
【薬草を煎じてくる、とだけ言い残し。無論、止めようと思っても遠慮するなの言葉で返してまた奥へと姿を消して】
【――――更に暫くしてから戻って来た頃には、手に新たなカップを握っていた事だろう】
【湯気が立っている所から其れは暖かく、何とも青臭いことから非常に健康に良い事も分かるか】

【手渡せば、さあとばかりに勧めて】
【飲めばとてつもなく苦い。良薬口に苦しとは言ったものだが、それにしてもコーヒーを豆で喰らうのと同等の苦さ】
【実際、頭痛に対しての効能は抜群なのだが……健康体な者に対してはただただ苦い茶だ】


【そんなこんなで他愛の無い話をすれば時間も過ぎ、丁度良い頃合いとなろう】
【帰る、と言えば止められようとも扉の外まで見送りに来る筈で】
【最後に名を交わすとなったとすれば“カログリア”と自身の名を告げ――――】
【恐らくは、それで終わり。暫く歩いた後も律儀に見送っているのだからクソが付く真面目である事は……言わずとも分かるか】

/一日遅れてしまって申し訳ないです!
/ちょいと今週は忙しくなりそうなので、〆の方向で……!お相手頂き有り難うございましたですよー!
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/11(水) 17:53:32.32 ID:C4aLmLcW0
【街はずれ――ぽつんと取り残された廃ビルの屋上】
【遠くの空は暗がりの色で重なった夕焼けのグラデーション、ぽつぽつと浮かぶ雲で隠された隙間からすみれ色が覗いて】
【月明かりも雲の向こうで街灯も遠いならばどうにも暗く沈む景色、解体されたきり片付けられていないビルの残骸を見下ろせる場所】

……――、

【ぎしりと古びた金属がきしむ音、さび付いて穴ぼこがいくつも空いたような柵に身体を預けて、遠くの夕焼けと街明かりを見ているのはひとりの少女で】
【足元に置かれた荷物からはみ出した紙束が風にぱたぱたとした音を立てていた、それ以外は――なんら静かで、どこかで野犬の鳴く声が聞こえたくらいか】

【艶やかな黒髪は長く伸びて腰の高さで揺れる、赤色のふうわりしたリボンの髪飾りをつけていて、その飾りである細いチェーンがかちゃりとした音を立て】
【色白な肌と左右で色の違う瞳、黒と赤色の眼はどこか蛇の目に似るよう。右の耳にだけつけたピアスには宝玉の欠片があしらわれ】
【コルセットを絞めた赤いワンピース、ふわっふわに膨らむ裾にはレース編みのようにあしらわれた細い細いチェーンと、星や月のチャームが揺れて】
【丈の長い靴下と編み上げのブーツ、それから丈の短い黒くて分厚い布地のマント、柵をきゅうと掴む左手の薬指には桜の花を刻んだ指輪が嵌めこまれ】

…………だあれも居ない、この辺りにも誰か居るかなって思ったんだけど……。
街のほうに戻ろうかな、疲れちゃったし――おなか、空いちゃったし――、……むう。

【ふっと視線を眼窩の荒れ果てた残骸の山に移して、まだ十六くらいでしかないような少女はため息を吐く、はぁーと身体の中の空気を全部吐き出すようにして】
【くるりと身体を返して今度は柵に背中を預ける、ぎしり、びしり、そんな音が柵から聞こえるのだけど――彼女はあんまり気にしていない、ようだった】
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/11/13(金) 00:32:22.29 ID:/mO2l1CmO
>>877

矜持がある分なんというか……性質が悪い……
あ、いやこっちの話な……ああ天罰は辛いなあ流石に神様を敵に回すのは分が悪いもの

【シスターの立ち振る舞いはシスター然としている、それに社が見合っていればまた幾らか言葉にも箔がつくのだろうけど、はてさてどうしたものだろうか】
【差し当たって必要なのは建物の修繕になるのか、木材石材に季節柄寒くなるので断熱材も必要になりそうだ】
【いやまて何も自分がそこまで関わる必要はあるまい、そいうい慈善事業は正義の味方とかそういう部類に任せればいいのだ】

【余計な荷物は背負うまい、男の人生は着の身着のまま身体1つで歩きたいのだ……ならば直ぐさまここを出てしまおうと─────したのだけれど】
【シスターはそれが故にシスターなのだ、彼女が何やら呟いて何処かに消えてそして戻り気が付けば手の内には薬物感満載の何か】

──────────…………

【どうしたものかと考えた、多分彼女は全き善意でこれを渡したのだろう】
【それを無碍にして突き返すのは人として如何なものか、仕方なし……と心が頷いたならば躊躇いもない】
【苦さも今は意識の外に置いて一気に飲み干す、何というか今年一番苦い味であったとだけ思い出せる】

…………修行か、うん鍛錬の内と考えよう……いやいや、こっちの話だから気にするな
ありがとな中々独創的な味だったけど良薬は大体こんな感じだもんな効能と天秤にかければお釣りがくるくらいだろうさ

【口に残る苦味を小言と一緒に空に溶かし空の器を返し渡す、無償の奉仕は時として残酷であったりするがそれが善意からのものならば受け入れるべきだ】
【甘い、そう咎められるとしても選んだのは自分だし外野の喧しい他人共にぎゃあぎゃあと騒がれる謂れはない】

【悪人には容赦は無いが、善き人にはこちらも善きように相対していたい……それくらいは許されるだろう】
【そんな小さな欲へ幸いにもまだ天罰は下ってはいない】

【夜は長いが帰る時間はいつか来る、区切りが良ければ切り出して立ち上がり彼女の居城を後にする】
【エルフェスと名を返し、カログリアというシスターの些か古びた社を一度見回し「んじゃ、帰るわ」と短い言葉を残し帰途に着く】
【幾らか離れて教会の全景を一度見ようと振り返れば未だ彼女は見送っていて、何処まで真面目なのかと言いそうになる思いを抑え軽く手を振り今度こそ歩みを進める】


【真面目な人間は嫌いではない特に自分のような人間にも真面目に対応する人間には、こっちも誠実であろうと思わせる】

【後日、シスターの不在の間に社のテーブルの上にでも毛布が幾枚か置き去られる、誠実には誠実を以って応えるというだけ】
【置き手紙も何も無いから自分からとは分かるまい、あの善人のことだ自分にしたようなことを他の人間にもしているだろうから特定はされまい】
【由来が知られなければそれはそれで愉快だ、捨てるか使うかなど先の事はカログリアが選べば良いだけのこと】

【似合わない事も偶にやれば普段の生活と釣り合いも取れそうだ、去り際に呟いた声と悪戯な表情は誰にも聞こえないだろうし見られまい】

/申し訳ありません!風邪で倒れておりました、お付き合いいただきありがとうございました!
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/11/14(土) 21:20:01.18 ID:sROjOAvX0
【雷の国 広場】

――――そう言えば、僕の頼んだ物、どうなったかな?
<今、魔海のドワーフに依頼して、作成してもらっている所だ……もう少し待っていて欲しい>
「――――ふぅ、暖まるー! みんなももう少し飲まないの? かがり火に当たってるだけじゃ寒いよ?」
{……僕は、別に寒さなんて何でも無いけどね……それに、僕の方は、先に完成したみたいだしねぇ……今は、嬉しさの方が大きいさ……}

【燃えるような赤い短髪に黄金色の瞳を持ち、首には緑色のスカーフを巻いた】
【長旅用の生地の厚い服の上から、胸部を覆うブレストアーマーとショルダーパッド、焦げ茶のマントを羽織り】
【腰に歩兵用の両手剣を佩いた、身長170cm前後の青年と】

【白いストレートの長髪に赤く緩やかな光を纏った瞳をしている】
【白いタンクトップの上から白いジャケットを羽織り、白いハンドグローブに白いスカートを履いた】
【肌の色白さも相まって、眩いほどに白さが際立っている、身長160cm前後の少女と】

【分厚い筋肉質の肉体を暗緑色の皮膚で覆い、赤茶けた髪をもっさりと生やしている】
【何かの獣の皮革を材料としたらしいと思しき頑丈な半ズボンに、両腰に巨大な短斧(柄の短い斧)をぶら下げた】
【素肌を晒している上半身の、その胸元に焼きごてらしきもので魔方陣の様なものを焼きいれている、身長220cm程の巨人と】

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年が】

【何かの縁日の企画でも実施されているのだろう、屋台が並び賑わっている広場の一角で、固まって会話を交わしている】
【そばにあるかがり火は激しく燃え盛り、秋も後半に入った夜の沁みる空気を、熱く照らし出していた】

……確かに、寒い夜中に、こうやって生姜の効いた葛湯を飲むのも、乙なものだよね
「キャラメルミルク、もう一杯買っちゃおうかなぁ……いや、ここはホットバターココアを……!」
<……まぁ、肩肘張ってる事もないか……こう言う賑わいも、悪くは無い>
{とりあえず、対価は支払ったからね……ま、後は適当に楽しんでいればいいかな……}
<あぁ、そうしておくと良い。この雰囲気は、今でしか楽しめぬぞ……>

【祭りの中に紛れている一団ではあるが、その外見はそれなりに目立つものがあるだろう。かがり火のそばに居る分、それは尚更で】
【しかし、当人たちはそれを気にした様子もなく、思い思いの軽食や飲料を手にしながら、人の賑わいを楽しんでいた】
881 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/11/14(土) 22:07:11.37 ID:+/AgOEK1O
>>880

【収穫祭も過ぎ去り、秋の気配も遠のき始めた季節】
【風に肌を裂く冷たさを感じるようになった季節に行われる祭とは如何様な物だろうか】
【寒い事に変わりは無い、だがそれ以上にそこを盛り上がらせる賑わいは激しく、熱を帯びて大気を揺らす】
【そんな人々の行き交う中で一際目立つ格好をしている、黒灰色の髪の青年が一人】

鎧は新調したとして……次は武器か……
何か特別な素材でも手に入れば良いんだがな……

【そんな一般人の独り言とはどうにも思えない言葉を発した青年】
【その姿はやはり通常の仕事をしている人間には見えず、薄いクロスアーマーの上に白いシャツ、高硬度の鉄黒色をした中世的ベストを着込み】
【左肩には大袖、右肩には鋭い肩当てを付け、左腕にのみ鈍く光る黒いガントレット】
【腰からは裾が破れ少し煤けた白布の長い腰巻が交差するベルトに止められ下がる】
【簡素なパンツの上にブーツのような黒い脚鎧により両脚をカバーしたさながら西洋と東洋の融合とも呼べる軽装鎧を着込んだ】
【まるで何処ぞの守護者とも呼べるような格好、青年はその姿に恥ずかしげも無く歩みを進める】

【ふとした時に出会いと言う物は起こったりする。今宵のそれもまた出会いと呼べるものか】
【寒さを紛らわせようと篝火の近くへと寄っていった時、そこに居る人々に目を細める】
【どうにも普通の人間には見えず、中には傭兵のような姿にも見える】
【その集団に近づいて行くと、彼はあまり高くは無い声で冷たい空気を斬り裂くように話しかける】

なぁ、お楽しみの所申し訳ないが、俺も篝火の傍に寄っていいかな?
寒くて頭が回らないんでな

【そんな不躾な問いかけを投げる。円満とした場に突然飛びいるとなれば少々気が引けるが】
【この寒さに変える事は出来ない、果たしてそこにいる集団の答えは如何に】
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/11/14(土) 22:27:06.57 ID:sROjOAvX0
>>881

……うん、やっぱり暖まる……この葛湯だけでちょっとした御馳走だね
「あ……やっぱりホットバターココア買ってくる!」
<あぁ、ここで待ってるぞ――――――――?>

【どうやら、互いに相応に親しい様子の一団は、気兼ねなく場を預かったり、手荷物を預かったりしていたのだが】
【黒い鎧の青年が近づいてくるのを認めると、何事かと視線を向けた】

え、あぁ……勿論、どうぞ?
<……流石に、そろそろ冬の足音も聞こえてくる時分だ。確かに寒くも感じるだろう……人間の体格ではな>
{……意外と、慣れでもあるけどね……}

【黒い鎧の青年の問いに、赤い髪の青年はそっと場を譲る様にして身を引いて篝火のそばを空ける】
【側にいる暗緑色の体躯の巨人と、この季節にYシャツ一枚を貫いている青年は、然程寒さを苦にしていないようで】
【篝火のそばのポジションに固執する様子もなく、同じく空間を譲った】

……寒いなら、何か温かい飲み物でも買ってきたらいいと思いますよ?
結構色々なものがあるみたいで……連れが、あれこれとさっきから飲んでますし

【手にした葛湯を軽く啜りながら、赤い髪の青年は何気なく話題を振る】
【連れと言うのは、一団の中に居た、白い少女の事だが――――楽しそうに列に並んで、再び何かの飲み物を買い求めようとしている】
【黒い鎧の青年が寒さに堪えているのも、そうすれば多少は紛れてくれるのではないかと、さり気なく提案を織り交ぜて】
883 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/11/14(土) 22:40:45.03 ID:+/AgOEK1O
>>882
えぇ、それならお言葉に甘えて……
いえ、自分はあまりこう言う時は飲まないので

【そう言いながら彼は集団の背格好や服を見て行く、あるべく相手に気付かれずにそっと】
【まぁどう見ても自分同様合わないと言うか、流石に寒くないのだろうか?そして人間の体格と言う言葉】
【まぁ曰く付きの人間なんて珍しい事でも無いが、もう一つの可能性としては……】

それにしても凄いですね、この寒さの中でそんな格好で居られるだなんて
何か秘密でも?自分はそう言った人間を大量に見てきた物で
それか、人間ですら無いとか……

【何気なく会話をするようにそんな事を聞いて来る。初対面と言う事を抜きにしても異様に見えるだろうか】
【まるで何もおかしい事を言ってないと言うかのような表情で、巨人と青年の方向を向いている彼は】
【何かを考えるかのように少しだけ手を顎に当てながら、もう一度口を開いた】

やはり特殊な能力だとかそう言う物もお持ちなんですか?
世界中にあらゆる能力者が居ますけど、人外も結構居るらしいので

【自身の経験からか、そう言った存在への対処はもう慣れて来ている】
【それは厚かましいが単刀直入で気の抜けた質問、答えても答えなくとも彼が嫌な顔をする事は無さそうだが】
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/11/14(土) 22:56:27.38 ID:sROjOAvX0
>>883

あ、あぁ、そうですか……

【何かの思惑、もしくは矜持の様なものがあるのだろう。黒い鎧の青年が首を振るのに、赤い髪の青年はそれ以上は追及しない】
【ただ、仄かに湯気立つその葛湯の、生姜の効いた味と暖かさを静かに身体に染み込ませていく】

<ん? ……あぁ、まぁ俺は、確かに……見てくれで分かるとは思うが、人間ではない……
 魔海のオーガだ。こっちには、商売の為に出て来ているのでな……>

【その問いかけは、流石に不自然な物を感じたのか、若干の空白を挟みながら、緑色の巨人は答える】
【魔海のデミヒューマン。確かに彼は人間ではない。だからこその2mを優に超す、その筋肉質な体格なのだろう】
【寒さに対して、ほとんど何の支障もきたしていないのも、そうした所が関係しているのだろう】

{……別に僕は、さっき言った通りさ。ただ「慣れただけ」だよ?
 まぁ、言うところの能力って奴を、僕も持ってるけど……それは別に、この恰好で居る事とは関係無いさ……
 ……まぁ、こう言う事をやって、やれない事は無いけどね……}

【一方、Yシャツ姿の青年は、ただ「慣れ」の一言で、その薄着の理由を片付けてしまう】
【どこか浮浪者然としたその姿は、あるいは本当に、その格好に慣れるだけの生活をしている事を思わせるかもしれないが】
【一方で青年は、自分が能力者である事を否定しなかった】

【そしてその実践として、青年は眼前の虚空をにらみつける――――そこに、黒い靄の様なものが集積していく。これが青年の異能なのだろう】
【そしておもむろに、その靄へと腕を突っ込んだ。腕の長さを考えれば、そのまま突き抜けてしまいそうな物だったが、腕は靄の中に飲み込まれて】
【その直後――――黒い鎧の青年のそばから、虚空を押しのけ腕が伸び、篝火に暖を取る様に翳された】
【――――腕を、空間を超越して伸ばしている。その光景は、そうした結論を導き出せるものと映るはずだ】

「はぁー、暖かい…………ん?」

【白い少女が、大きめの紙コップを手に、ゆるんだ笑顔で戻ってきたのはそのタイミングだった】
【一行の様子を、少し不思議そうに見つめ、首をかしげている】
885 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/11/14(土) 23:12:57.96 ID:+/AgOEK1O
>>884
へぇ、商売で。それは大変ですね、自分も商売と旅目的で世界中回ってるのですが結構難しい物ですよね
まぁ最近は商売半分で営業に気を回してるんですが……

【そんな戯言を言いながら彼は大男を眺め、納得するように頷く、そうしてもう一人の青年へと目を向けると】
【やはり未だに納得できないような表情で彼を眺める。流石に慣れのみで寒さが耐えられる物なのだろうか】
【もしそんな技があるなら是非とも教えて頂きたい所だ。それが流行ってしまったら世の洋服メーカーは大打撃だろうが】
【一通り眺めた後、どうにか納得したのか口を開く】

慣れですかー、そうですか。自分には流石に出来ませんねそう言うのは……

―――へぇ…そう言う事が出来るんですね

【靄から現れたその腕を眺め、彼は目を細める。魔術の類かそれとも純粋な能力か】
【どちらにしても便利な能力には変わりない、寝転がったまま遠くの漫画を取る事も、その気になれば一か所から動かずに生活する事も出来そうだ】
【それに使い方を変えれば暗殺に持って来いでは無いか。死角から動脈を斬れば一発だ】
【大男の方はそれでも死ななそうな雰囲気をしているが】

こいつは便利ですねぇ、幾らでも応用が効きそう
ん?あぁ、こんばんは、お嬢ちゃん。ちょっとお邪魔してます

【そう戻ってきた少女に声をかけると、彼は篝火の方に右手を伸ばした】
【緋と秘を宿した腕を灯にて養う、悴んだ指先は少しずつ溶けだしていく】
【そのまま彼は集団の返答を待った、それも一瞬の事かもしれないが】
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/11/14(土) 23:31:37.13 ID:sROjOAvX0
>>885

<……ふむ。ならば……これを持って行ってみるか?
 一種の亢進剤の様なものだ。心拍を促進させ、身体がヒートアップしていく……まぁ、身体を動かす事に使う物だが、寒さ対策に使えない事もない……
 「酔わないアルコール」とでも思えば良い。扱っている商品の1つだがな……これから、冬は深まる。役には立つと思うが……>

【黒い鎧の青年の言葉を受けて。巨人は微かに考え込む仕草を見せると、背中に背負ったリュックを下ろし、そこから1つの瓶を取り出す】
【まるでトマトジュースの様な、赤く、微かに粘性を感じる液体が、その中で揺れていた】
【彼にとっては、正に商売――――需要を見つけ、そこに供給を宛がってみようと思い立ったのだろう】

{……まぁ、色々とあったのさ。色々とね……}

【青年は、その一言で答えを打ち切ってしまう。そう答える彼の表情は、どこか遠い目をしていて】
【恐らくは、軽々に答えたくない過去があるのだろう。じっと、篝火の揺らめきに視線を注いでいた】

{あぁ、確かに、色々と応用は効くよ。一番ありがたいのが、わざわざ階段を使ったりしないで済む事かな……?
 あと、そんなに長距離でもないのなら、むしろ車なんかに頼らない方が良いくらいさ……
 ……流石に、疲れないって訳じゃないけどねぇ……}

【闇を介して伸ばした腕を、篝火に翳して温めながら、青年は答える】
【先ほど打ち切った言葉を誤魔化す為か、その口ぶりは先ほどよりも饒舌で】
【どうやら、移動にも役立つ能力であるらしい事を、その言葉は暗示していた】

(…………服装から、なんとなくそんな気はしていたけど……この人、ある程度『実戦慣れ』している人みたいだ……)

【そんな中、会話から外れ気味の赤い髪の青年は、じっとそのやり取りを見つめながら、1人物思いに耽り始めていた】

「あぁ、どうも……やっぱり火のそばって良いよね!
 こういう寒い夜には、暖かいってだけで幸せだよー……っはぁ……コクもあっておいし」

【白い少女はコップを手に、どこかぎこちない挨拶を交わす】
【が、それも初めのうちだけで、すぐにその温かさに馴染んだ様子で、こくんとココアを飲み、嬉しそうに緩んだ笑顔を見せる】
【雰囲気と出店を一番楽しんでいるのは、この少女の方なのかもしれない】
887 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/11/14(土) 23:46:41.62 ID:+/AgOEK1O
>>886
成程ね……階段を使わないってのは良い事だな、滑り落ちて怪我をする可能性が限りなく0になる
平地で滑る可能性もあるけど

【そんな冗談を言いながら彼は青年へと返していく、そして大男から話されたそれを眺めると】
【訝しげに、そして丁寧に商品を見定めるように眺めはじめる。顎に手を当て、それはまるで何処かの鑑定士のよう】
【一通り観察すると、彼は思いもよらない言葉を発する】

なぁおっさん、これって爆発とかはしないのか?アルコールと言う位だし
中々面白そうな物なんだが今実は武器関係の物を探そうと思っていてだな、まぁ色々と事情があるんだが
それと鉱石とかそう言う関連の物は無いかな?俺は鍛冶仕事をしていてさ
勿論代金は払うよ

【そんな風に交渉を始める。それは商売人その物であり、淡々と要求を述べる】
【代金も一応少し前に臨時収入として手に入れた百万位があったりする。これでギリギリ間に合うだろうか】
【そう言うと、彼は視界の端に捉えた赤髪の青年の腰を見る。そこには明らかに兵の持つ剣が提げられており】
【おや、自分と同じ剣術使いか、と彼は内心思い始める。そうして会話に入ってこない彼に少しだけ声をかける】

なぁ君は剣士なのか?腰のそれ、気になったんだ
もし素材が見つかったら俺が剣を作れない訳でも無いよ、これでも腕には自身があるからな
さて、そんでおっさん、俺も自分の武器を作らねばならなくてさ、何か良い品は無いだろうか?

【もう一度念を押すようにそれを口に出す。どうやら彼にとっての商売道具はれっきとした武器それだけのようで】
【代金については問題ないと言っているが果たして】
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/11/15(日) 00:17:49.39 ID:D3EoVkIH0
>>887

{あぁ……僕の事情に限って言えば、物を置くスペースって言うのも、結構節約出来たりもするからね……
 まぁ、使い方は発想次第……それは、こう言う異能全般に言える事かな?}

【ある種の空間操作、と言うべきその能力の使い方は、青年としてもそれなりに模索をしていたのだろう】
【あるいは、本人は関係無いとは言っていたが、その能力は意外と寒暖から身を守る事にも役に立っているのかもしれない】

<……爆発? いや……これはそういう心配は無いものだが……?>

【黒い鎧の青年から向けられた質問に、巨人は意外そうに答える。そうした問いが飛んでくるとは思わなかったのだろう】
【――――だが、その問いに対して答えたと思ったら、更に問いの言葉は重ねられて】

<ぬ……?
 う、むぅ……なるほど、そうしたものが要り用か。だが、今は折が悪い…………確か、鉱石と言った類は…………
 ――――あ、いや……コレがあったか……>

【巨人としては、ここで具体的な『商談』が始まるとは思っていなかったのだろう】
【やや押され気味に荷物を点検し始めるが、彼はそうした持ち合わせがない――――と言った様子の事を口にする】
【が、やがて荷物の中から、一握の塊を引っ張り上げた。おおよそ4kg程だろうか。灰色の岩が細い鎖に巻き上げられている】

<今、魔海産で用意できる鉱石と言えば、これくらいの物だ……
 『ゴルゴン鉱』と言う。周りの物を徐々に石化させていく……そういう性質の魔力を秘めた石だ……
 今は、こうやって抗魔石の鎖でその魔力を減退させているが……確かに、普通とは違う武器の材料にはなろうが、扱いも中々に危険なものだ……
 ……これで良ければ、都合はつくが……?>

【その鉱石――――『ゴルゴン鉱』の説明を口にしながら、巨人は躊躇いがちに掲げる】
【魔術的に意味の大きい品――――正に魔海を根拠地とするオーガの得意とする商品分野だが】
【同時にそうした商品は、扱う側にも魔術的な知識を要求してくる。増して、それが『素材』となると――――】
【そうした所の懸念が、彼にはあるのだろう。あとは、黒い鎧の青年がどう応えるか、だが――――】

あ……ごめんなさい。折が悪かったね……実は、正に新しい剣を彼に……正確には、彼の伝手に依頼している所だったんだ……
もっとも、僕は本業の剣士なんかじゃないから、宝の持ち腐れになる可能性もあるんだけど、ね……
「…………」

【腰の剣を手で軽く押さえながら、赤い髪の青年は申し訳なさそうに視線を落とす】
【商人であると言うこのオーガの伝手で、既に新たな剣の入手を画策している所なのだと言う】
【恐らく、今回この面々が集まっていたのも、そうした「身内の商談」に近いものがあったのだろう】
【白い少女は、ちょいちょいとココアを啜りながら、そうしたやり取りを静かに見守っている――――】

/すみません、そろそろ限界が近いです……
/明日は夜には来れなさそうなので、置きレス移行でよろしいですか?
889 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/11/15(日) 00:19:02.41 ID:8BRr3X1cO
>>888
/了解ですー、では置きレスの方に返させていただきます
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/11/15(日) 00:23:30.72 ID:D3EoVkIH0
>>889
/では、今日は一端お疲れ様ですー!
891 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/11/15(日) 00:43:53.05 ID:8BRr3X1cO
>>890
/置きに返させていただきましたー、ではお疲れ様でした
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2015/11/15(日) 15:04:52.97 ID:lX8c6KrRo
【路地裏】

「ヘケケケ、というかどこだここ」 『あなたのせいで迷いましたね』

【そこを歩くそれはガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

「なァー、アウ、出口探してくれよォ〜」 『そうですね、その前に……』

【もう1人は、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

『何か良い物持ってないかあさりましょうか、あと治療も――ヘケメト』 「ヘケケッ」

【2人の近くに転がる幾つかの物体、それは……人間だ、チンピラとかヤクザとか機関員とか、"そっちの世界"の。】
【意識は無いが息はまだ有るようだ……能力なしにはありえないようなズタズタな傷、刺突痕、――状況からしてこの2人が関わっているに間違いない】

【とはいえ、相手が相手である。この者達が"どちら側"の人間なのかはこれだけではわからない】

【さて、直前まで騒がしかったこの場所に訪れるものは、――はたして、居るのだろうか。】
893 : ◆evk1H.FJSE [sage saga]:2015/11/18(水) 19:45:25.26 ID:RbQnZNRv0
【とある総合病院―――その裏手】
【既に患者の外出時間は過ぎていそうなこの時間帯。当然、本来ならば人気も何もないはずなのだが、】

ったく、やってられるかっての!

【そんなことを口にしつつ金網のフェンスをよじ登る少年の姿があった】
【暗闇の中でも目立つエレミア石を連想させるような蒼髪と目付きの悪い瞳。左肩には体操袋のようなもの、首にはボロいゴーグルをかけていた】
【入院着とサンダルという格好からして患者なのだろう。その身体には至るところに包帯やガーゼがべたべたと貼られており】
【しかも右腕の肘から先は存在しておらず裾がひらひらと風に揺れている】
【どこからどう見ても重傷なのだが、左腕と両脚を使いつつ滞りなく登れているようで。やがてフェンスの上まで辿りつく】

【この少年が脱走しようとしているということは火を見るよりも明らかだろう】
【現に、この塀は病院の敷地内と歩道を区切っているものであり、そこを飛び越えさえすれば晴れて自由の身であるのだから】

犯人の特徴とか能力の詳細とか、身分証明、家族はどこだの、めんっどくせーことばっかり聞いてきやがって……!
うざいったるいったらありゃしねーんだよ!それもこれも全部……あのサド女、絶対許さ、ねえッッ!!

【ちなみにそうしている間にも少年はぶつくさと一人で文句を言っている模様】
【不意にある人物のことに触れたかと思えば、垂らしっぱなしの長い前髪の隙間、そこから覗く碧眼が不機嫌そうに細められる】
【そしてあまりにもムシャクシャしていたのか、左腕に持っていた袋を引っ掴んだかと思えば、思い切りフェンスの向こうへと叩きつけるように投げ落とした】

【ガッシャン!と大きく音を立てて袋の中から色々と飛び出す】
【工具箱、鞘に収まった二振りの剣は完全に放り出され、半ば袋口から露出しているのは……なんと人体において右腕にあたる部分である】
【たまたま袋の落下地点が街灯に照らされていることもあり、仮に通行人がいたのならばその人体の一部がはっきりと見えてしまうのだが―――】
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/19(木) 22:19:56.81 ID:w32YNvKb0
【風の国――UNITED TRIGGER、酒場として営業している店舗】
【結露の水滴が垂れる窓にはクリスマスモチーフのジェルジェムが張り付けられる、中からは明るく光が差し】
【もしも誰かがそうと覗き込めば――明るい店内は珍しく客が少ないようで、そうにぎわっている、騒がしい様子はなく】

……――ふぁ。

【給仕の少女が椅子に腰かけて眠たそうな欠伸をしているところ、なんて見えたかもしれなかった。手元には雑誌と、それから、マグカップと】
【時々ぺらりとページをめくって、時々マグカップの中身を吹いて飲んで、それから本当に時々客に言われたことをやって――なんて、ひどい緩い有様】
【そもそも未成年にしか見えない少女が酒場の給仕をやっているらしい時点で妙と言えば、妙だったのだけど】

【腰まで届く黒色の髪は艶めくほどに手入れされていて、今は、ひとつに括られていた。服と揃いのヘッドドレス、そのリボンがひらと揺れて】
【瞳は左右で色が違っていて、黒と赤色。肌は透き通るように白いが暖かさにか頬はわずかに赤く、右の耳には片方だけのピアスがきらめき】
【丈の長いスカートの制服、和装メイドなんて呼ぶような服。足元はブーツで飾って、ボリュームのあるスカートは一見酒場の仕事には邪魔そうなのだけど、】
【本人といえば慣れているのか動けば上手にやっているようだった。――暇な夜だからか、だいたいは空き席で雑誌なんて読んでいるものの】

ううん、寒いからかなあ……お家のほうなんて雪だもん、雪だるま一個作ったら、雪なんてもういいのに……。

【ぴゅうと空風の冷たい夜、窓の外を見れば、ちょうどいいように枯れっぱが一枚、この国特有の乾いた強い風に流されて行って】
【お客さん来ないなあ、なんて、退屈げに頬杖なんてついて呟くのだった。客も客で咎めるでもなく、のんびりと酒なんて飲む――そんな、緩い時間の流れ】
【それでも誰かが扉を開けるなら、ふんわりと暖かい風と明るさと、少し遅れて、鈴の音とよく似た声が、「いらっしゃいませ」と投げかけられるのだろう――】
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/21(土) 01:02:37.98 ID:nnc3hIJ10
【住人の殆どが寝静まった小さな街】
【美術館だとかそんな物が有るわけでも無い此処は特に悪人達の標的となる事も無く】
【強いて言うならば身を隠したい者、或いは旅の際に宿を見つける者が通る程度】

【さて、そんな場所に今宵は珍しい姿が一つ】
【街灯の下に置かれたベンチに座り、サンドイッチを摘んでいるのは――――一人の修道女か】
【腰に提げている二丁の双銃が何とも物騒ではあるのだけれど、特に殺気などを漂わせている風でも無く】


「――――ん〜……流石に徹夜での尾行は疲れたけど……まあ、何とかなったし別に良いかな……」

【辺りに出歩いている者も居ないのだから、必然的にその修道女の姿も目立って】
【手にしているのは数枚の書類。行方不明だとか何だとか物騒な文字が並べられ】

【何故こんな所に修道女が、と疑念を抱き話し掛けるのもただ何と無く近づくのも良いのだろう】
【――――兎にも角にも、気配を感じ取れば其方へと視線を向け】









【――――人里から大きく離れた湖】
【其れは密林にも似た森の中に存在して居て、とても人間が入り込むとも思えない場所】
【然れど、今宵は其処に少しばかりイレギュラーが起きていた】

【大凡人の持つ魔力とは比べられないほどの其れ。更には、其れは“風”という魔力のみで満たされていた】
【まるで風の魔力のみが集ったかの如く。だからと言って、吹き荒れている訳でも無く】


【森を進み、湖に辿り着いたならば。先ず、一人の青年が視界に入るであろうか】
【まるで法衣にも似た物を纏った緑の髪の男。手にしているのは酒か、湖面に映る月を眺めながらチビチビと口に運び】


「現物を眺めているよりも、別なレンズを通して見る物の方が綺麗に見える事も多いなんて不思議な話だねぇ
あ、コレ美女にも美少女にも言える事ね。ほら、何だか撮った後でパソコン使ってカタカタってしたりするんでしょ?本に載せるとき
……実際に見て綺麗な人なら、良い酒の肴にもなるんだけど」

【この男が、件の魔力の正体であろう。まるで、魔力その物が人の形を成しているかの様】
【此処を訪れた者の気配を感じ取ったのか、投げかけた言葉は何とも気が抜けるようで】
【同時に、何と無くこの男の性も知れる事だろう。実直とはほど遠い軟派者】


「所で――――こんな辺鄙な場所に何か用かい、旅人さん
生憎見たとおり此処は人が滅多に来る事も無くてね……僕が出来る持て成しはこのお酒を分けてあげる事くらいだけど」

【徳利を揺らし、ちゃぷんちゃぷんと音を立てて聞かせ】
【――少なからず危険な存在で無い事は理解出来るか。振り向く事も無く、視線は湖面に向けられて居るのみ】
【注意を向けさせるのも、或いは側まで歩み寄ってみるのも。将又踵を返して歩き出すのも。全て、訪れた者の自由であって】
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/24(火) 21:40:52.90 ID:f5JG0tlz0
【夜の国――ちらりちらりと雪の舞い落ちる広場】
【街の中心にある広場はすでにクリスマス模様だった、一番目立つ場所には、いっとう大きなツリーが飾られ】
【きらきらぴかぴかと無数の電飾のカラフルがきらめく色が降り積もる雪の白に反射して、ぼう、と、夢の中の光景かのように広がり】

……よい、しょ、――っ、

【――大きな大きなクリスマスツリーのそば。そこには、小さな――とはいえ、家に飾るには大きいくらいの大きさ――ツリーがいくつも並び】
【そして設置された台にはてんこ盛りになるくらいにたくさんのオーナメントが用意されていた。曰く、訪れたひとたちがそれを飾り付けていくことで、】
【この小さなツリーたちは完成していくのだという。その様子は大々的というほどでもないけれどテレビや新聞で宣伝されたこともあり】
【そのためかこの広場には案外たくさんのひとが訪れていて――もともとひとの集まる場所だったのだけど、これから、特に賑やかになっていきそうな予感がする】

【真っ黒の髪、腰まで届く長さをふわり翻してせいのびするのは一人の少女。毛糸の、というよりはドレスグローブのような手袋の指先を一生懸命に伸ばして】
【身長よりいくらか高い場所にやっとオーナメントをひとつ、ものすごく頑張った結果に結びつけることに成功した、ようだった】

【艶めく黒髪が電飾の色でわずかに照る、真っ白な肌、特に頬は寒さにあてられてか赤く帯び、括り付けたオーナメントを見上げて、嬉しげに笑む】
【瞳は色が左右で違って黒色と赤色、右の耳には片方だけ、月白色の宝玉の欠片を嵌めこんだピアスをつけていて、それが薄らと水の魔力を辺りへ混ぜ込む】
【丈の長いケープはマントのようなぎりぎり、ワインレッドのケープの首元は偽物の毛皮でふわふわと暖かそうに見えて】
【中に詰め込んだパニエをわざと覗かせるようなデザインのワンピースはこげ茶色に生成りのフリルの色、丈の長い靴下と、編み上げのロングブーツと】
【それから寒そうにドレスグローブの指先をすり合わせて吐息をひとつこぼせば、】

…………やっぱり冬用のやつ買わなくっちゃ。冷たいや――、

【なんて呟いて。けれど楽しそうに、もう一度、おおきなおおきなクリスマスツリーを見上げるのだろう】
【彼女の周りにはどこか清い水の気配が漂う。それが雪の降る夜に余計に寒く感じるようで、もしかしたら、誰かの気を惹くかもしれなかった】
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/25(水) 18:15:43.14 ID:XIsMGNlT0
>>896
/のんびりと再掲してます、なんて……
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/25(水) 20:41:25.86 ID:8AxCIUPXo
>>896
/まだいらっしゃいましたらおねがいします。



【細い路地の陰から一人の青年が広場に出る。】
【190p近い長身一見細身に見えるが良く絞り込まれた筋肉質な体躯】
【身に纏う黒のロングコートはややデザインが古く使い込まれており、いくつか細かな傷がある】
【左手には僅かに弧を描いた細長い布袋が携えられている】

【無造作にかき上げてオールバックにした燻を掛けたような銀髪は電飾の光を受け僅かに煌き、】
【その身は人のようでありながらも魔性の気配を併せ持ったアンバランスなの存在感を放っている】

【色とりどりに飾り付けられた樅の木たちとそれを飾りたてている少女を目にし】

・・・聖誕祭か。

【そう呟く青年の深い蒼の双眸には羨望と郷愁が浮かぶ。】
【何かを思い出しているのであろうか】

【しかしすぐ瞳を閉じてかぶりを振って】

今更、だな。

【諦観と自嘲の笑みを浮かべた。】
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/25(水) 20:51:31.06 ID:XIsMGNlT0
>>898

【ぶらさげたのはまあるい赤いオーナメント。けれど光の角度によって黄色のようにも緑のようにもなり、ましてや電飾の色にきらめき】
【なんとも言えない綺麗な色、言葉としては難しいけれど――とにかく、オパールのような加工が施された、虹ともいえぬ不思議な色味がそこにあり】

【はぁとあたたかな吐息を掛けてやっても手はすぐに冷える、指先をぎゅっと握って緩く揉んでも、それでも冷たさは残り】
【雪の降る夜はそれなり以上に冷たさが目立つ、頬を刺すような、服の隙間から忍び込むような、そんな冷たさが辺りに満ちて、少しずつ積もっていく】
【――だけども綺麗だからいいか、なんて、薄ら思考。もう一度見上げてみて、ほんの気まぐれで、少し遠くから見て見たくなる】

――、

【だけれど少女は少しだけ軽率で、どうやら周りのことが意識から抜け落ちたというか――すこし、意識の外に漏れてしまっているようで】
【後ろの腰のあたりで緩く手を絡ませて、ぱた、ぱた、と、数歩。後ろを見ない後ろ歩き、林立するツリー群から視線を話そうとした矢先、】

【――本当に何もなければ、彼からすれば、見ず知らずの少女が背中からぶつかってくる、なんて、そんな図が出来上がることだろう】
【少女は後ろを見ていないから彼との位置関係に気付けない、それなら、彼が教えてやるか、それとも避けてしまうか、それとも――そのまま、?】

【そんな状況に気付くことのない少女は、寒さに赤らんだ頬にいっぱい喜色を湛えて、色違いの瞳はきらきらと煌めくクリスマスツリーを見つめている】
【――――もしもぶつかったとしても。少女はひどく華奢だから、彼との体格差を考えれば、彼に被害はほとんどない、……だろうけれど】

/いました!よろしくですー
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/25(水) 21:10:43.21 ID:8AxCIUPXo
>>899

【瞳を閉じて自らを嗤った青年が再び目を開けると】
【既に数歩手前まで後ろ歩きで近づいている少女。】

――何・・・!?

【揺り動かされた感情に注意力が散漫になっていたのだろう】
【普段は眠っていても察知していたであろう少女の接近に一瞬思考が止まり】

【再び頭が動き出したときには既に躱せる距離ではなくなっていた】


901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/25(水) 21:17:59.02 ID:XIsMGNlT0
>>900

【とすん、というよりはもう少し強い。だけれど、どすん!とかそういう擬音になるほどは強くなく、強いて言えばもすん、とか、そんな擬音で】
【少女は彼にぶつかってしまう、驚いた少女はもとより高い鈴の音の声を驚いたように跳ね上げて、とっさに誰かにぶつかったことは理解したらしい】
【ひゃああ、とか、そんな感じの声をあげて、彼とぶつかった方角ではないほうに飛びずさる――、その間ほんの一秒にも満たないくらいの、神速】

あ、わわ――、え、えっと、その、あの、……、

【飛びずさった勢いで振り返った彼女の顔は混乱に満ちていた、誰かにぶつかってしまったことを認識こそしていても、理解にはまだ遠く】
【胸の辺りで両手をぎゅっと繋いで相手のことを見ている、それで、ぐるぐると混乱しきった思考を何とか落ち着かせようとしているのは見て分かるよう】

あ……えっと、その、ごめんなさいっ、わたし、後ろ見てなくって……――、

【ええと、なんて小さく呟く。ひとしきり慌てたら少し落ち着いたらしい。一度小さく息を吐いてから、】

――怪我とか、ない? 大丈夫……?

【飛びずさって離れた距離を小さく一歩だけうずめて、相手に何か被害がないか、確認しようとする――のだろう】
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/25(水) 21:28:19.71 ID:8AxCIUPXo
>>901

【少女の慌てぶりを見て逆に冷静になったのだろうか】
【平静を取り戻して、落ち着いた声色で返答した。】

…いや、大丈夫だ。
こちらこそこんなところで立ち止まっていてすまない。

【真摯に自身の双眸を少女の瞳と合わた後、頭を下げた】
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/25(水) 21:37:11.54 ID:XIsMGNlT0
>>902

ううん、わたしが悪いの、見てなかったの、わたしだし――、……えっと。

……クリスマスツリー、見に来たの? なんかね、今年が初めてなんだって、こういうの――。
みんなで飾るんだって書いてあったの、だから、わたしも、一個つけて……、

【彼が頭を下げる、そうすれば彼女も慌てたように頭を下げて、そのあとは、手をぱたぱたと動かして】
【謝らないでという風な仕草を繰り返す。……それで、少ししてから、こほんと小さく咳払いをして、話を】
【そっと変えるのだ。曰くクリスマスツリーを見に来たのかと――どうやらこの広場でこのような行事は今年が初めてらしく、】

わたしね、そんなに近くはないんだけど、家が近いの。だから、ちょっと見に来たんだ。今日はお仕事お休みだから――。

【この辺りではもう落ち着きをほぼ完全に取り戻している。あどけなさの目立つ顔を笑わせて、そっと首を傾げ】
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/25(水) 21:52:10.64 ID:8AxCIUPXo
>>903

【やや強引に話を変えた少女に対して若干の苦笑しながら】

見に来た…と言うわけではないな。
偶然、通りがかりに見かけてから覗こうと思ったんだ。

【少し肩を竦めながらここにいる理由を話した。】


【少女のここにいる動機に対して】

家が近い、か。いいことだな。

【家と言う単語にまた感情が揺さぶられ若干の寂寥感とともに薄く笑み浮かべて答えた。】
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/25(水) 22:01:39.63 ID:XIsMGNlT0
>>904

そっか――、目立つもん、きっと遠くからでも見えると思うの……、……そっかあ、遠くから見たら、綺麗かもね。
どこからなら見えるかな……、……あ、ううん、なんでもないの。

【通りがかりに見かけたというその言葉から。少女が連想したのは、遠くから、それこそ夜景の一部として見たら綺麗ではないかと】
【気付いたように呟いて、一瞬考えそうになって、だけれど、やめる。少し恥ずかしいように笑って頬に手を当て、】
【自らを戒めるようにごく弱い力でふにと摘まむ。別にそれで仕置きになっているなんてこともないのだけど】

……あなたのお家は遠いの?

【そんなことをしていたら。ふと彼の様子に気付くのだ、それくらいの注意力ならば足りているらしい、なんて言っても】
【後ろを見るだけの注意力は足りないようなのだけど――とは余談。じと丸い瞳が彼を見上げて瞬く、緩く首をかしげてみせて】
【だけれど一瞬の間を置いてから、「あ」と小さなつぶやきがひとつ】

そっか。……この辺、結構辺境だもんね、わたし、住んでるから、忘れちゃうけど……。
水の国からとかだと遠いでしょ、船とか飛行機使わなきゃって聞いたよ、使ったこと、――ないけど。

【少女はそれを物理的な距離のことだと思ったらしい。或いは、慎重にすべきことに触れてしまったかも、と気付いたかのように】
【きっと違いそうなところで納得した様子を見せて頷く。彼が触れたくないなら触れなくていいだろう】
【――「魔術なの」とちょっと恥ずかしいような少しだけ自慢げな様子で笑って。瞳は、きっと、不快ではない程度で彼に向いていて】
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/25(水) 22:23:12.25 ID:8AxCIUPXo
>>905

【彼女の反応から自分の感情が表に出ていたこと気付いた青年は】
【少々不覚と感じながらも、あまり行うことのなかった平凡な会話に心地よさを感じ】

ああ、かなり遠くてな、長いこと帰っていないんだ。

【少女の勘違いを幸いと】
【ある意味真実で、半ばごまかすような返答した】

【少女の自信ありといった笑顔につられて】

フッ・・・魔術か。
便利そうで羨ましい。

【青年にしては珍しいやわらかな微笑みを浮かべた】
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/25(水) 22:42:48.65 ID:XIsMGNlT0
>>806

そっか、……寂しいよね、わたしもね、たまにね、帰りたいなーって思うの……。
だけど、帰れないから。思うだけだよ、眠るときとかにね、ふって思うだけ。
夢に見られたらいいなーって思うんだけど、それもないや――。

【遠い、遠い、家。実家と呼べるような場所は少女になかった、両親が待っているような家は、彼女には、なくて】
【記憶の深く深く、一番遠いところにぽつんと。夜空に遠く見えた一等星の明るさのよう、ぽつりと見えて、微かに揺らいで、そのうちに見えなくなる】
【そんな場所で、微かな記憶として残るだけだ。暖かさ、優しさ、忘れてしまったけれど――確かに覚えているのだから、不思議なもの】

【帰りたいなあと呟いてみる。だけど帰れないのは分かり切っている。だから少しだけ冗談めかして、】

ふふ、だけどね、友達に書いてもらったやつなの。わたしのじゃないよ、わたしは、まだ、そんなこと出来ないから――。

【「練習中なの」】
【くすりと笑って。立てた人差し指を頬に添えてみる、それから宙をふらりと這わせ――わずかに、桜色の魔力片を散らす】
【まだというからには練習でもしているのだろうか。この光になんら意味はないけれど、溢れた小さな欠片は、ゆっくりと夜に融けていく、イルミネーションの残滓のよう】
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/25(水) 23:06:48.62 ID:8AxCIUPXo
>>907

                       …  ……
【少女の言葉から青年と同じく彼女も”家が遠い”のだろう】

・・・。

【少女の事情を知らない青年には何も言うことが出来ない】
【そして、勝手な思い込みで何かを言うべきではないとも思っている】

【ただ、夜空に舞い溶けるやわらかな光の破片をただ見つめる】
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/25(水) 23:11:53.99 ID:XIsMGNlT0
>>908

……――ねえ、お兄さんは、ツリーの飾り、やらないの?
そこに置いてあるやつ、好きに吊るしていいんだって。いろいろあったよ、天使のやつとか……、ほら、?

【言葉が途切れる。ひるりと冷たい風が吹いて、ぱちりと瞬きがひとつ、少しだけ話題を探して動いた視線は、その向こうに】
【ついさっき自分がオーナメントを選んだ場所を見出す。そうして指させば、確かにそこには色とりどりのたくさんの飾りが置いてあり】
【今も子供がカップルが楽しそうに選んだりしている。それをあれなのと示して、あなたはやらないのか、と、少女はじっと彼を見上げ尋ね】

わたしね、丸いやつにしたの。えっとね、赤い丸いやつ――光にあてるとね、いろんな色にぺかぺかするから、綺麗だなって。

【なんてどうでもいいことを教えてみる、――せっかく来たのだから、彼も、やれば楽しいんじゃないのか、なんて、思っている目】
【もちろんやりたくないなら無理強いはしないけれど。ごく緩い提案、良かったらどうかなぁなんてそんな様子で――少女は、それでも少し楽しそうに見えた】
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/25(水) 23:22:39.48 ID:8AxCIUPXo
>>909

・・・いや、俺は――、

【少女の提案に青年は逡巡する】
【自分はこのようなことを楽しんでいいような人間ではない】

【いや、そもそも自身の躰は最早"人間"ですらない】

【先ほどまでの少女との会話で束の間忘れていた自らの存在に対しての嫌悪感が】
【聖人の誕生を祝ってよい訳がないと二の足を踏ませるのだ】
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/25(水) 23:36:50.00 ID:XIsMGNlT0
>>910

【にこりと笑って見上げる瞳。それがわずかにヒトのものと違っていること、彼は気付けるだろうか】
【巧妙に偽装されている。だけれど、どこか、ほんのわずかだけ――ひとの目と違う何かを、彼女の瞳は宿していて】
【もしもそれに気付けるならば。彼女も、また、人間ではないこと。気付けるかもしれない――微かだ。偽装もされている。だが、確かにひとから外れた気配がする】

綺麗なのにもったいないよ、みんなやってるんだから、一個くらい、大丈夫だよ――。

【ちらりと視線がツリーのほうへと移ろう。そして一瞬だけ見つめて、また、彼に戻る】
【少女は彼の事情を知らない。彼はこちらの事情に気付くかもしれないけれど、きっと、言われなければそのことにも気づかない】
【それならその言葉は或いは自分に向けた意味合いも少しくらいあるのかもしれない。ひとではない自分が、ひとに紛れて、こうして遊ぶこと】
【こんなにたくさんのひとがいるなら、きっと、ばれないから――、――大丈夫だって。いつか、必死に、繰り返した言葉】

【――だけどどこか麻薬か何か誘う売人みたいな言葉でもあった。そんなつもり、きっとないのだろうけど】

……ううん、でも、嫌なら。仕方ないけど……。

【それでも渋るなら。やはり彼女は無理強いしない。仕方ないよねなんて言葉で、きっと、諦めるのだ――だけど、】
【ちょっとでもやりたいような素振りを見せてしまえば、きっと、彼女は見逃さないのだった。まあるくて少しだけ釣った大きな眼は、じっと彼を見ているから】
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/26(木) 00:01:32.62 ID:S2aAvsG3o
>>911

【微かな人外の気配を青年は感じとる】
【しかしまさしく無邪気そのものでじっと見つめてくる少女の瞳に根負けしたのか】
【青年はまだ少し逡巡しながらもツリーの飾りに向かう】

・・・これに、するか。

【選んだのは柊】
【それを手近なツリーへと括り付けた】

913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/26(木) 00:08:41.08 ID:uyXY0XR30
>>912

【彼がそのうち諦めてかツリーの方に向かえば、少女は嬉しそうにそのあとをついていき】
【彼が選ぶ横でちゃっかりともう一つ選んでいる……はずだ。一個くらい大丈夫とかいう言葉など、忘れてしまったよう】
【そして彼が選んだのと同じ頃合いに、ひとつ、天使を模したものを選び――】

……わたしね、昔、なんでクリスマスはひいらぎなのかって。調べてみたの、なんでだろって思って……、
――――ふふ、忘れちゃった。なんでだっけ? ……、……あ。

【彼の選んだものをちらりと見てからそんな風の言葉を紡ぐ、なんだっけと思考をすっぽかして、彼がツリーへひいらぎを括る間、】
【これまた彼の横でぐーっと頑張って背伸びしてなるべく高いところに括りつけようとしている――のだけど、その理由、というのは見れば分かるよう】
【彼女の背でちょうどいい辺りには、他のオーナメントがすでにぎっしりとぶら下がっているのだ。だから、なるべく、高くまで背伸びするか】
【諦めてうずもれるしかない――らしい。彼女としてはせっかくだから、自分のつけたものをそうだと分かって見たいという我儘なのだけど】

……むう、ぐ――、んー……!

【一生懸命に背伸びする、それでも頭の位置は彼のそれよりもずっとずっと低くて】
【時々指先はまだ何も掛かっていない枝先に触れるのだけど、捕まえようとしても、するりと指を抜けていってしまう】
【それが悔しいのか少女はまた手を伸ばす、そんな繰り返し。――彼からすれば、ほんとう、簡単に手の届く世界での話だった】

/申し訳ないですっ、明日早いので、この辺りで一度凍結していただけますでしょうか?
/難しいようでしたら置きでも、そうでなければ良い感じに切り上げてもらえれば、あとで追いかけますので……!
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/26(木) 00:23:12.43 ID:S2aAvsG3o
>>913

【柊を飾り終え、隣に目を向ける】
【そこ天使の飾りを自分の背を超える高さに結ぼうと苦闘している少女】

これでどうだ?

【少女が飾りを括り付けようとしている枝を掴み、】
【折れないように下へと曲げた】

/了解です。ではここでまた続けましょう。
/長時間ありがとうございました。
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/26(木) 00:24:16.13 ID:uyXY0XR30
>>914
/ありがとうございます、ひとまずお疲れ様ですっ
/明日は何もなければ8時〜9時ごろには来られるようになるかなぁ、と思います
/また明日よろしくお願いします、おやすみなさいですー
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/26(木) 18:17:51.62 ID:uyXY0XR30
>>914

【背一杯に伸ばした指先が震える、頑張って背伸びする指先は、手も、足も、そろそろ限界を迎えようとしていて】
【たとえ高いヒールの靴だって背伸びしてしまえば意味はない、それなら素の身長の問題――百六十センチは、たいして大きくもない】
【髪を揺らす程度の小さな跳躍、他の枝に干渉しないように小さく跳ねて、――その指先が、枝に、触れた。というよりも、掴んだ】

――!

【まだ彼のおかげだと気付かない瞬間の彼女はぱぁと顔を一気に明るくあどけない笑みに染める、まるで枝が自分のため】
【頭を垂れて跪いたかのような錯覚――、だけれど一瞬遅れて彼の言葉と、その腕に気付いたならば】
【その手に気付けなかったはずかしさと助けてくれたうれしさ、変なところを見られたという恥ずかしさ――溢れてしまって】
【かーっと顔を赤くしてしまうのだ。それでも照れたように枝先に天使を結びつけると、】

……え、へへ、ありがと――。きょう、わたし、変なところいっぱい見られちゃうね……。

【彼から一歩離れて、右耳の辺りの髪を指先でくしゅりと乱す。頬は少し赤く、視線はうつむきがちで、はにかんで】
【自分のことを叱るように小さく「もう」と言葉をこぼす、――少し浮かれているのかも、なんて、少しだけ考えてみるけど】
【――怒っていたりはしないかと、そこで彼女はちらりと微かに視線を持ち上げて、彼を確認しようとするのだろう――】

/時間が平気になりましたのでお返ししておきます!
/ただ少し離席したりはするかもです……よろしくおねがいしますっ
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/26(木) 20:32:16.68 ID:S2aAvsG3o
>>916

【くるくると変わる少女の表情】
【その愛くるしい百面相に青年の心は温かさで満ちる】
【長らく感じていなかったこの心情に】

ハハハッ!!

【声を上げて破顔した】
【それはまるで少年の様で――】

いや、そんなことはないさ。
君との話は楽しい。

【自分は心底楽しんでいると彼女へ告げるのだ】

/遅くなってすみません
/今日もよろしくお願いします!
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/26(木) 20:58:15.93 ID:uyXY0XR30
>>917

【彼の破顔に彼女は一瞬ぱちくりと目を丸くする、だけれど、すぐに、にこりと笑って】
【彼の事情はよく知らないけれど、笑ってくれたことがなんだか嬉しかったのだ。だから、理由も分からないけど】
【そうしてくれたことが嬉しくて――楽しいと思えて。服の胸元、ケープの合わせを緩く握る手元も、どこか嬉しげだ】

そうかな。……ふふ、わたし、鈴音って言うの。鈴の音って書いて、りんねだよ。
白神、鈴音――、……よかったら、あなたの名前も、教えてほしいな。

……駄目なら、無理にとは言わないけどね。

【手を後ろで緩く組んで、ふわりと身体を揺らす。少しだけ悪戯っぽく、自分の名前を告げるのだ】
【それで、彼の名前も知りたがる――、だめ?なんて尋ねるように、彼女はわずかに首をかしげてみせ】

【――やっぱり丸い目が彼を見つめていた。にこにこと、あどけなく楽しそうに――いや、きっと、楽しんでいるのだろう】

/こちらこそ遅れました、よろしくです!
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/26(木) 21:18:09.55 ID:S2aAvsG3o
>>918

【自らの名を語る少女の言葉】
【そういえばお互いに名前を知らなかったと】
【居心地の良さにすっかり忘れてた】
【そのことに苦笑しながらも】

ヴォルグ――、ただのヴォルグだ。

【見上げてくる少女の瞳に視線を合わせ】
【そう名乗り返した】
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/26(木) 21:26:37.50 ID:uyXY0XR30
>>919

【背の高いひとが好きな性質だった、なんというのか、なんだか、ひとのことを見上げているのが好きなのだ】
【それに背の高いひとはなんだか頭を撫でてくれたりする印象がある、勝手な思い込みだけど――まあ、いろいろあって、背の高いひとが好き】
【だから彼のことも、最初からそれなりに好きだった。恋人的な好きではなく、なんとなく、いいなあと思う程度の――】

ヴォルグ? ……うん、覚えたの。

【顎の辺りに指先を合わせた両手を添える、にこり、と笑って、彼のその名前を繰り返して呟き】

……この間まで桜が咲いてたのに変なの、もうクリスマスだなんて、まだ、全然そんなつもりないのに……。
きっともうすぐにクリスマスになって来年になっちゃうね、……。

【ふわあと真白な吐息をこぼして笑う、まだ何にもしてないのになぁ、なんて、少し悔やむようだけど、焦るようではない】

ヴォルグはお酒飲む? 飲むんだったら、わたしが働いてるお店、今度来てほしいな。
風の国にあるの、UNITED TRIGGERってところ。……ふふ、暇だったら見に来て?

【――それから、そんな、ちょっとした宣伝だ。これも、また、無理にとは言わない程度の強さで、だけれど、またおはなししたいと誘うようでもあり――】
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/26(木) 21:45:05.04 ID:S2aAvsG3o
>>920

【恐らく酒場であろうと思われる店への招待】
【その少女の誘いに対して青年は】

――酒、か。
実はまだ飲んだことがない。

【そうこの男、実はまだ未成年である】
【やや古いデザインの服装と仏頂面をしていることからまるでそうは見えないが】

君の店で試してみるのも悪くないかもな。

922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/26(木) 21:51:52.39 ID:uyXY0XR30
>>921

……そうなの? そうなんだあ、――じゃあ、無理に飲まなくっても、いいよ?
やっぱり、身体に特別いいってものでもないし……飲み過ぎたら、よくないし……。

【――彼が未成年だとは気付いていないようなのだった。彼女も彼女で未成年みたいな、というか未成年にしか見えない顔つきをしていて】
【それで酒場で働いているとなると少し不思議な感じ、だって――十八や十九に見えるならまだしも、彼女は、十六、或いはその前後にしか見えなくて】
【あどけない表情を見れば十五にも見えかねないくらいだ。だから、そう、少しおかしくて――】

わたしもね、あんまりお酒っぽいお酒は飲めないの。梅酒とか、甘いやつじゃないと、駄目かな――……。

【さらに続けて、もっとおかしなことを口走るのだった。――この見た目で、まさか、成人ということもあるまいし】
【それなら未成年飲酒の常習犯なのかと。そう思ったとしても彼女にはあまりに罪悪感のようなものが見えなくて、さも当然のよう】
【実際のところ、彼女はこの見た目で二十二歳であるというだけなのだけど。……少し性質が悪い冗談のよう、にしか見えなくってもおかしくなく】

あ、でも、お酒以外のものもあるよ。ふふ、わたしがお料理作ってるの。

【だけど――よく考えれば酒を飲めなくても店には来られるのだし。それに気付けば、そんなことも、付け足すのだった】
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/26(木) 22:03:40.14 ID:S2aAvsG3o
>>922

物は試しだ。
一度ぐらい飲んでも構わんだろう。

【少女の忠告に対してそう返した】
【青年の事情からなかなか触れる機会がなかったがこう誘われると興味がわいたのだ】

それに君こそ飲んで大丈夫なのか?
君は俺よりも年下だろう?

【彼女の人外の気配を敏感に察した青年も】
【流石に少女の実年齢までは図れなかったようだ】
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/26(木) 22:11:20.09 ID:uyXY0XR30
>>923

……そう? でもあんまり飲みすぎちゃ駄目だよ、初めてなら、どれくらい飲めるのかって分からないし――ゆっくり、ね。

【――彼がこちらの年齢を分かりかねているように、こちらも、彼の年齢をよく分かっていないというか――大人だと思い込んでいるよう】
【これで未成年だと知っていたら、止めたのだけど。……残念なのだろうか、彼が言いださない間は、彼女も、それを尋ねようとも思わない】
【だって成人だと信じてしまっているのだから、――思い込みだけど。自然な思い込みだったからこそ、疑うということもなくて】

あ――ううん、だいじょうぶ。わたし、今年で二十二になったの。……ほんとうだよ?
でもこんなだから、信じてもらえないのは仕方ないの。……ね、子供っぽいの、分かってるんだけど――。

【一瞬だけきょとんとした瞳がすぐに納得したようにうなずく、慣れているのだろう。ショックを受ける様子もなく、ただ普通のことのように返事をする】
【自分の子供っぽさについて分かっているのだけど。どうしようもないみたい、或いはこれが性格なのだろう、どうしようもなく素――というか】
【ふわーっとため息をついて自分の頬をうにうにとしてみる。「お化粧って苦手なの、教えてもらってるけど」なんて、口の端っこを持ち上げるようにして、笑った顔にして】
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/26(木) 22:23:29.77 ID:S2aAvsG3o
>>924

【二十二、そう答えた少女(?)に一瞬驚愕の表情を浮かべる】
【かなり年下だと思っていた相手だ。青年には仕方のないことだろう】
【だが続く少女の言葉にすぐに礼を失することであると思い】

すまない。

【すぐさま頭を下げて謝罪した。】

だがまさか5つも年が上だとは思わなかった。
てっきり年下だと勘違いしていた。

【彼はまだ17の若造であるのだ】
【ややばつが悪そうな表情を浮かべている】
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/26(木) 22:29:30.25 ID:uyXY0XR30
>>925

あっ――ううん、いいの、気にしないで?
わたしね、いつも間違えられちゃうから……えっと、慣れてるの、だいじょうぶだよ。

【ぱたぱたと手を揺らす、大丈夫だから気にしないでと表情で、仕草で、態度で精一杯に表して】
【困ったように笑う、けれどどうにかしようという気概は特にうかがえない。だって顔つきは仕様がないし、性格も――まあ、ゆっくりと、いこう】

……あれ、ヴォルグって、……ええと、――十七歳?
じゃあ――えっと、ごめんね、お酒駄目なの……、……セリーナならいいって言うかもしれないけど、えっと――、

――美味しいもの作るから。ご飯食べにきて、ね?

【なんて考えていたら彼の言葉が聞こえて、そこから、彼女は少し遅れながらも彼の年齢を導き出す】
【勉強は得意じゃないのかもしれない。それでも指を使うことはなく、一瞬間が空きはしたけど――答えも間違えてないし】
【――それならやっぱりお酒は駄目だなんて言うのだ。申し訳なさそうに眉を下げて、しゅんとして……だけど、案外きっぱりと】
【美味しい食事を作るから。お酒なしでお店に来てね、と、そう誘う。「風の国だから、ここからはすっごい遠いけど……機会があったら」なんて、付け足して】
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/26(木) 22:39:26.06 ID:S2aAvsG3o
>>926

【少女の気にしていないという言葉を聞き】

そういってもらえると助かる。

【だが、酒がダメだという言葉にやや残念そうな表情を浮かべるが】

――そう、か。少し興味があったんだが。
まあいいさ。きみの料理に期待するとしよう。

【明確に言葉にしたわけではないが】
【それはまさに少女の店に行こうという意思表示だった】
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/26(木) 22:48:32.78 ID:uyXY0XR30
>>927

うん、大人になったら、飲んでみて? 美味しいお酒はとっても美味しいの、好みじゃないのは……えっと、あんまり、だけど……。
そしたらまたお店に来て、それでね、飲んでほしいな。あと三年なんてあっという間なの、もうね、すぐだから――。

【――なんて、少しだけ遠い目をする。きっと、自分の三年を思い返しているのだ。そして、あっという間だ、と、認識した】
【目を伏せて、むっとわずかに口をつぐむ。――だけれどすぐにほころばせて、また、もとのような顔に戻し】

ふふ、わたし、お料理なら得意なの。うん、自信あるんだよ? だから――たのしみにしててほしいな。

【にこり、と、また笑う。――と、そんな、彼女がなんにもなかったはずなのに、ぱちくりと目を瞬かせ】
【少し慌てた様子で「ごめんね」と断ったあとに、ポケットから携帯電話を出して、どこかの誰かと通話を繋ぐ】
【それで、一分か二分ほど会話して――くるり、と、振り返ると】

……ごめんね、わたし、帰らなくっちゃ。
わたし、お休みの日じゃなかったら、夜はいつもお店に居ると思うの。お昼も、居る時はいるけど――、居ない時もあるから。

【ポケットに携帯電話を戻しながら眉を下げてそんなことを言う、そろそろ、帰る時間が来たらしい】
【それから、そんな感じだからお店に来るのはいつでもいいよと――そんな風なことを告げると、】

じゃあ、ヴォルグ、またね? 今度はお店かな……、ふふ、お酒は出せないけどね?

【いたずらっぽく笑って、少しつたないウィンクをする。――それで、彼に何もなければ、彼女はそこで帰ることになるのだろう】
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/26(木) 22:59:34.17 ID:S2aAvsG3o
>>928

【少女との別れに少々の名残惜しさを感じながらも】
【仕方がないと自分に言い聞かせ】

ああ、近いうちに寄らせてもらう。
久々に楽しい時間を過ごさせてもらった―――本当に。

【そして告げるのは感謝と再会の約束】

ありがとう。また会おう。
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/11/26(木) 23:07:23.01 ID:uyXY0XR30
>>929

うん、またね。

【ひらりと手を振る、そうして改めて言葉にして再会を願えば、彼女は長い髪を翻す】
【続いてケープの分厚い布地がもそりと揺れて、さらに、スカートのやわらかい布地がふうわりと揺らめき】
【こつりとブーツの底が硬い地面を叩く音、そこには、気付けばもううっすらと白い雪が積もっていて】

気をつけて帰ってね!

【なんて、最後の最後で少しだけお姉さんぶる。最後に彼女はまた笑った顔を見せて、】
【そのまま――駅の方へと、歩いていくのだろう。あとに残すのは少女が纏っていた水の香り、気配、魔力の残滓――】
【冬の水なんて冷たそうな印象しかないけれど、どうやら、彼女の水はそう冷たくないらしい。そんなことは余談でしかないけれど】

【その姿はやがて人混みの中に消えて行って――そのうちに、見えなくなった】

/お疲れ様でした!
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/11/26(木) 23:21:18.94 ID:S2aAvsG3o
>>930

【久方ぶりの人との交流に温かくなった青年の心】
【それは去っていく少女を見送ったすぐ後に寂寥感にとってかわられる】

【それこそが自身の常であると心中で強がりながら】
【宵闇の中へと消えていくのだった】

/お疲れ様でした
932 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/11/29(日) 00:19:07.33 ID:aLrEplDHo
【路地裏】

【今更何をかけというのだろう。この街の路地裏もよそと大して変わらずにいい場所じゃない】
【ハイソなブティックのならんだ高級な住宅街や、官庁のあるビジネス街ならどうか知らないが】
【二三駅下って、駅から10分も歩けばこんなもんだ。もっといけば田舎だから、まあ、平和だろうけど―――】

……ッッ!!クソッタレっ!!急に撃つ奴があるかッ!!

【俺は慌てて身を隠したビルの影から思わず叫んでいた。俺が追っていた奴はカバンにSMGを隠していたらしく】
【そしてオレが付けていたのを気がついていたらしく、ここにやってきたのもオレを巻くためだったらしい】
【オレも慌てて銃を腰から引き抜く。チンケなチーフスペシャルだが、銃の種類や威力は問題じゃない】

【奴の足音が聞こえて、オレも追いかける。曲がり角で銃弾が飛んでくるので身を隠し、再度追いかける…】
【そんなことを2,3度繰り返していたうちに完全に見失ってしまった。オレは息が完全にあがっている】
【原因は30をとうに過ぎたからか、煙草か、酒か…畜生。拳銃は大事にしまって、代わりに煙草を取り出す】

追っかけるのはなぁ……逃げてるほうがいいよ全く。

【このあいだ新調したトレンチコートがもうヨレヨレだ。かけていたサングラスを外して遠くを見てみたがやはり】
【奴は見えなかった。代わりに見えたのは白い煙だけだ。その赤い目に映るのは。ああ、もう冬だ。いつの間にか…】
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/11/29(日) 00:20:16.97 ID:o6mXmxhp0
【人間は疎か魔物も近づく事の少ない遺跡】
【普段なれば風の吹き込む音のみが聞こえる其処だけれど、今日は二人分の話し声が聞こえて】
【――――或いは、魔翌力に敏感な者ならば“火”の魔翌力の塊めいたものも感じ取れるであろうか】


『アルカっ!もう今日は終わり?
あのね、わたし今日のごはんはお肉がいい!』

「お肉、かぁ……うーん……じゃあ先ずはギルドに報告を終わらせてからにしよう、ね?」

【見てみれば、緑色のローブを纏った女が一人とボロ布の様な物を纏った少女が一人】
【恐らくは遺跡の探索が丁度終わった辺り。普段は人が居ないが故に、今宵は目立ち】
【更にはその魔翌力も聡い者ならば離れた位置から探知出来るのだから見つけるのは容易】
【尤も、ある程度まで近寄れば二人分の視線を受ける事になるのだけれど】








【人里遠く離れた山中。其処に存在して居るのは地中より湧き出る湯――――謂わば、秘湯であり】
【普段ならば誰も通りかからないような場所に、今日は一人の姿】
【修道着を纏って居る所からして、その職の者であろう。然れど、腰には似付かわしくなく2丁の銃が提げられて居て】


「へぇ……火事かな何て思って来てみたけど、まさかこんな所に温泉があるなんてねぇ……」

【その場に屈み込めば湯を掌で掬ってみたりと一通り行い】
【やがては辺りをキョロキョロと見渡したならば、そっと脚を浸すのだろう】
【戯れに湯を掻いたり、手を潜らせてみたり。少し経てば、溜息を吐いて】


「まあ……少し位休んでたって罰は当たらない……よね?
ボクも最近働き詰めだったし……」

【一人呟くのは自身への言い訳であろう。特に後ろめたい事は無いのだから多少此処に居たところで問題は無いだろう――なんて】
【さて、普段ならば誰も居ない此処。其処から音がすれば必然として目立つ事であろう】
【或いは、元よりこの場に先客が居たか――――何であれ、何者かの気配を感じ取ったならば其方へと視線を向けるのだが】
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/12/01(火) 22:01:55.38 ID:iuJ6MBe20
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 洋菓子店前】

……もう泣くな。ほら……同じの用意してもらったから、それを持って今日は帰れ……
帰り道は気をつけろよ……うっかり転んだりするんじゃないぞ……?

【傍目にもまともに手入れをしていない事が分かるぼさぼさの赤髪が、険があるものの端正な顔立ちを小汚く彩り】
【デニム生地のベストと枯れ草色のミリタリーパンツ、安全靴と思しき重厚な靴で全身を固めている】
【まるで何かに苛立ちを感じている様な攻撃的な眼をしている、身長170cm前後の青年が】
【洋菓子店の前で、泣きじゃくる女の子を宥め賺しながら、ケーキの入っていると思しき包みを手渡していた】
【にこりともせずに無表情に諭す青年だが、一応女の子は泣きやんで、包みを手にとぼとぼと歩き始めた】

――――さて。このガキ……『それ』はケチな悪戯の代償、そして『これ』は……俺があの子の代替品を用立てた、金の落とし前だ……!
一生、ひったくりなんて出来ない様に、その腕壊してやる……!

【無表情だったその目を怒らせて、青年は振り返り足元を見下ろす】
【そこには、右腕に余計な関節が増えた様に複雑骨折し、それを抑えながら倒れ伏す少年の姿があった】
【年の頃は、10代前半くらいだろうか。そうした幼さの残る年齢の割には、パンクでゾロっとした服装で固めている】
【そんな少年の指を青年は踏みつける。ブチッと音が響き、少年の人差し指と中指が逆方向に折れ曲がる。店の中から窺っていた面々が、息を飲む――――】



【――――所変わって、風の国 路地裏】

さて、お前達……これから俺のギャンブルに付き合ってもらうぞ……?

【くたびれた薄いスーツを右肩にひっかけ、Yシャツにスラックスとテンガロンハットにその身を包んでいる】
【やや無精髭の目立つ顎に、やや長めでだらしなく乱れ気味の金髪とは裏腹に、活力に満ちた瞳を光らせている】
【腰に、鞘に収まったごつい2本のナイフ、何本ものハードダーツ、そして一丁のリボルバーハンドガンをぶら下げている、身長170cm前後の男性が】
【足元に座り込んでいる、6人の男女を見下ろしながら、その内の1人に向けて、ダイスを軽く放って手渡した】
【彼らは一様に、身体の一部に、軽傷とはいかないが、命に関わる様な怪我でもなさそうな、逃げ出すには余裕の無い程度の傷を負って流血しており】
【男性のテンガロンハットには、逆五芒星を象り、その下に≪No.21≫とあしらわれたバッジが留められていた】

ここにいる人数は6人、ダイスの目も6つ、そして……この拳銃の弾も6発だ
……さあ、ダイスを振りな? 出た目の数だけ撃つ、そして残りは見逃してやる……運試しさ
……あぁ、お嬢さんは特別さ。6が出ない限り見逃してやるよ……ただし、1分以内にダイスを振らなきゃ、お前だけ殺して、残りを逃がす……
……見せてもらうぞ。お前達がどう生きてどう死ぬのか……その運命の顛末って奴をな

【腰のリボルバーを抜き放ちながら、恐怖に震える足元の怪我人達に、男性は超然とした冷徹な目で見据える】
【震えながらダイスに手を伸ばしつつも、それを中々放ろうとしない女性を見つめながら、リボルバーのトリガーに指を掛けた――――】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/12/01(火) 23:03:08.68 ID:iuJ6MBe20
/>>934取り消しで
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/05(土) 00:27:15.79 ID:zHbzZlL10
【繁華街。例え深夜であろうとも人気が絶える事が無い其処は、今宵もまた賑わっていて】
【実に様々な客層が行き来しているのだが――――ある肉屋の前。余りにも場違いな人物が一人居て】
【小柄な体格に纏うのはボロ布。髪は燃えるような朱色。或いは、魔力に敏感な者ならばその少女が人間とは異なる事も知れるか】


『困るなァおちびちゃん。この店も慈善活動で開いてるんじゃないんだからね
肉が食いたきゃ相応に金を持ってくるってのが筋じゃないかい』

「うーん……だって、お金まだ貰えないんだもん!」

【店の前で子供が駄々を捏ねる。そんな良くある光景と言えばよくある光景】
【然れど、時間が時間であり子供で在りながら保護者らしき人物も辺りに見えないのが問題であり】
【――――ただ不審に思ってか、それとも異質な魔力を知覚してか。何にせよ近寄れば、店主らしき男と少女とが同時に視線を送るのだが】








【――――とある都市。治安は非常に悪く、昼夜問わずに大小様々な犯罪が起こる其処】
【今宵も当然の様に暴漢達が一人の男を獲物と定め襲いかかった、のだが。結末は何時もと異なり】


「機関の活動が活発になりつつある事に加え――――また別な方々が動くので教会としても人手が足りなくなる、とイリニは嘆きます」

【地に叩き伏せられたのは暴漢達。骨か折れたり肉が斬られたり、なんて目立った傷こそは無いものの指一本も動かせ無い程に痛めつけられているのは確か】
【其れを行ったのが、純白のローブに身を包んだ少女一人なのたからまた奇妙な話だけれど】
【何はともあれ、助けられた男も頻りに頭を下げながら場から走り去り】


「とは言え、自警団の面々も努力している事はグリース様から聞いているのでイリニも理解して居ます
…………結局は少しずつ摘んで行くしか無い、とイリニは結論づけます」

【其れを見送れば、呻く男達を一瞥。特に追撃を加える事も無くその場を去ろうとするのだが】
【――――仮に、誰かがこの場を訪れたのだとしたか足を止める事だろう】
【同時に、白の双眸が其方へと向けられるのだけれど】
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/07(月) 17:00:56.58 ID:NKVvxIkg0
【街中――麗らかな午後の広場】
【時計の時刻は一時頃を示す、真上にある太陽は暖かさを降らせて、子供たちの遊ぶ声が辺りにはいくつも連なり】
【アイスクリームのチェーンが車でアイスを売っている、その車のそばのベンチでは、子供を遊ばせる母親が、アイスを食べながら談笑していて】

……、……、――、すぅ、

【――その中にひとつだけ、ゆらゆらと揺れる頭が混じっていた。見れば瞳は閉ざされて、時折ほんのわずかだけ開かれるのだけど、すぐにまた、閉じられてしまうほど】
【眠たい様子でうつらうつらとしている少女――その手にはワッフルコーンに載せたアイスクリームが握られていて、その端っこはほんの少し溶けていて】
【たまに覚醒しては食べなきゃと口に運ぶのだけど、ちらりと舐めて終わるのが何度も繰り返されている。――そのうちに、】
【ベンチの背もたれに身体を預けて。俯くようなかたちで、すやぁと快い寝息を繰り返すようになってしまって――】

【――黒い髪は長くのばされて腰のほどまであって。紅茶染めのレースで編んだバブーシュカと落ち着いた紅色の造花飾り、長く伸びるリボンも、またレースのもので】
【開けば黒色と赤色で色違いの瞳も今では白い目蓋と長い睫毛に隠されて。右の耳には宝玉の欠片をあしらったウロボロスの蛇を模したピアス、左には見当たらない】
【チョコレート色のケープは長くて腰ほどまである、中にはくすんだ赤色のカーディガンと生成りのブラウス、ひらりと広がった姫袖はぎゅっと赤い糸で編み上げられて】
【膝よりも少し短い丈のミニスカートも深い赤色、たくさん重ねたパニエとペチコートも生成り色で、そこから長い靴下、編み上げのブーツ、と続いて】

【完璧にすやすやと寝息を立てる少女。アイスはゆるゆると溶けつつあって、そのうちにスカートを汚してしまう――と、そのとき、】
【少女の服の袖、ふうわりと広がる姫袖からにゅるりと顔を出すものがあって……蛇、だろうか。薄桜色の液体で身体を構成する、水の蛇】
【頭の中には銀色の鈴がぺかりと浮かんでいて、時々ちりりと音がする。――そんな蛇が少女の代わりにとアイスをぱくぱくと食べだすのだから、少し不思議な光景】
【袖の中にある何かが動く感じに少女が時々眉をひそめて唸れば水蛇はぴゃっと袖の中に隠れてしまうから、きっと、水蛇にとっては後ろめたいのだろう】
【――それでも少女は起きることなく、少女のアイスクリームは、どんどんと減っていくのだった】
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/12/08(火) 22:55:44.90 ID:uO8bauwOo
【とある寂れた街】
【夜になり、月明かりが街を照らす頃】

【酒場ではメイドが酒を呑んでいた】

「はぁ、年末ともなると忙しいですね。」
「ご主人様ったら、外出するたびに護衛を付けたがるんですもの・・・。」

【どうやら主人のことを愚痴っているようで】
【ただ話し相手はいない】

【それもそうだ、このがらん堂の酒場】
【来るとすれば移動のついで、とかもありえるのかもしれない】

【さてこのメイド、服はもちろんメイド服であるのだが】
【目を引くのは背に掛けられた二機の重機関銃であろう】

【こんな重装備をするメイドなんているもんか】
【なんて、興味があれば近づくものも居るかも・・・?】

【ともかく、このメイドは話し相手を求めているようだが】
939 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/12/08(火) 23:46:07.06 ID:bAcr5S5do
>>938

【くたびれたような街角でこんな時間でもまだやっている店を見つけた】
【残業が既に6時間以上過ぎて、同じく私もくたびれている】

【乗っていたバイクを店先に停めて、フルフェイスを脱ぎ捨ててキーだけ抜いておく】
【こんな街じゃどんな堅牢なチェーンだって切られてしまうだろうが、まあ、私のバイクを盗んでいくような】
【よほどの間抜けは居ないだろう。取り付けられた最新の警報装置よりもGPSよりも警察章が効果的だ】

【ドアを開け、中に入る。バイクブーツが重い音を立てる。踵に打った金属製の板がガラガラの店にはうるさく感じる】

【ショートカットの女だ。正確には片側だけ少し長くアシンメトリである。はっきりした眉と、目の周りの濃いシャドウが】
【はっきりとした性格を物語る。赤いレザージャケット。腰にはホルスターがあり、拳銃らしきものを携える】

夜更けに失礼するよ。マスター。閉店後のくつろぎの時間じゃないならね

【適度な笑みと気さくな口調。仕事柄身につけた技だ。目についた、メイドの横の席へ腰を掛けることにする】
【マシンガンってのは気になった。個々の従業員かどうかしらないが、強盗相手にはオーバーキルだろう】
【こういう風変わりなのを見つけると、つい話しかけたくなる。……どういう意味?談笑か尋問かはその後に決まること】

おや、お嬢さん。そんなの背負って重たくはないのかな?

…あ、マスター。取り敢えず……あー……コーヒーがあるなら。それで

【公務中にサボるのはいいとしても、公職が飲酒運転はまずい。テーブルを指先で2回たたいて、喉までかかったビールを切り替えた】
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2015/12/08(火) 23:56:33.54 ID:uO8bauwOo
>>939

【客が誰も居ない酒場】
【そこに扉が開く音が響き】

「あ、マスター。お客さんですよ。」

【なんて寝ている酒場のマスターを起こし】
【ジャケットの女にコーヒーを出させる】

「取り敢えず、こんばんは。今日も良い月空ですね、寒いと星が美しいですから。

「ああ、此れですか?もう仕事柄慣れてしまったものでしてね…」

【ジャケットの女は腰に拳銃を提げている】
【気さくだが、気に留めておくべきかなんて悩みつつ】

「マスター、私はスコッチを。」

【なんて度の強い酒を頼む】
【このメイドは何酒かは分からぬが】
【もしかしたら警察官にとっては美味しい情報が手に入るかも知れない】
941 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/12/09(水) 00:19:00.40 ID:wTSuo+59o
>>940

【眠気覚ましに自分のアパートや夜中の職場のデスクで飲むインスタントは単なる】
【焦げた豆を溶いたお湯でしか無いのに、何でこうも、雰囲気もあるのか、美味いのだろう】
【全く同じカテゴリに属すものと思えない。クリップで止めただけの雑な紙幣をカウンタに置いて】
【代わりにコーヒーを啜る。デスクに戻って余計な物事を片付けて家に帰るまでの気力を回復できそうだ】

私の故郷は星が見えないんだ。だから、何処の夜空も綺麗に見えるよ
産業開発で大気が汚れてしまって…まあ、そういう場所もあるってハナシ

そんな銃を使う仕事ってのは気になるね。怪獣か恐竜でも捕まえるのかな?
…毎日悪党を追っかけてる私だって、こんなのしか支給されないのにね

【腰のホルスターから取り出したのはリボルバーのような、それにしては無駄にごつい拳銃で】
【無骨、荒削りでさも強そうな見た目であったのだが、それはショックブラスターなる試作品で】

…だれも殺せないのはいいことだけど命中率がまともに撃っても60%というのはいただけないね
実際の現場じゃ3人で6発ずつ撃って2発しか当たらなかったって報告さ

【結局多くの警官はもう1丁自前の拳銃を持って歩いているのだがそれを使用して怪我でもさせてしまえば】
【どんな大手柄でも後で報告書の提出が待っている。その為にまともに使えないのである】
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2015/12/09(水) 00:30:38.75 ID:i1Yu6ryZo
>>940

【このメイドは生まれも育ちもこの地なので大気汚染で星が見えないというのは考えられず】
【少し驚いた表情を見せたが】

「いや、ただご主人様の護衛というだけです。それ以外には、何も。」

【後ろめたいことは何もしていないようだが】
【護衛にしては過武装のようだが…】

【女の拳銃をマジマジと見つめると】
【なんとなく無骨であるが、銃としては強そうに見えた】
【が、殺せないのは良いという言葉にぴくっときたのか】

「人を殺められない銃は、最早ただのおもちゃに過ぎませんよ…。」

【なんて、まるで殺人をしたことがあるかのように話す】
【スコッチの酒が回ってきたか】
【とりあえず追求は出来そうだ】
943 : ◆8R7odKA9zA [sage]:2015/12/09(水) 01:05:21.37 ID:wTSuo+59o
>>942

【彼女は静かにコーヒーを啜り、軽く笑いかけながら話し】

そう…メイドってのは中々に御苦労な仕事のようだ。下世話なクラブで売人シバイてる方が
私はよっぽどいい。この仕事で良かったよ

【この世界、武器の所持ぐらいならほとんど何も言われない。ギルドクラブも傭兵家業もまだまだ現役だ】
【ただ重量やニーズの問題で重機関銃をハーフトラックの荷台でなく人が背負ってるのは珍しいというだけ】

世の中に銃は二種類ある。…殺せる銃と殺せない銃だよ
何も[ピーーー]ことが銃のアイデンティティじゃない。殺せない銃というカテゴリあるなら…これはまさしく、本物だ

【相手の言葉に呼応して、何の意味もない無価値なジョークを生産した。少しだけしたり顔で】

生憎、この国じゃ殺人は現行犯か重要な証拠がないといけないらしい。それに被害者と加害者の素性も加味されて
特例措置になることも度々。狂ってると思うけど、それを許容しないとやっていけないほど世の中はもっと狂ってるらしい
……例えばの話。ちょっとした愚痴…他意はないよ。……ホントさ

【残りのコーヒーを一気に飲み干しで、刑事の女は立ち上がる。おもちゃの拳銃はやはり力強く見えた】

それじゃあ…まだ、仕事があるんで。お嬢さんも、何かあったら署に来てね
…痴漢ぐらいじゃ、おもちゃで十分でしょ?

【指でピストル。わざとらしく弾いてからドアに向き直り、外へ出る。寒い北風。ヘルメットが冷たくて、少し萎える】
【本物が求められる世の中なんて。と、アクセルを吹かす。デスクワークが待っているので、急ぐとしよう】


/ちょっと短いかと思いますが眠気がすんごい来ましたので失礼させていただきます!
944 :ルナ ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/12/09(水) 03:13:38.03 ID:hL03VrnS0

【時刻は深夜である。ときどき通る車の音くらいしか聞こえない静かな夜の町の中、一人の若い女がある公園脇の歩道で立ち止まっていた】
【黒いストレートの長髪に、同じく黒のロングコート。顔立ちは少し幼く見えるが、その暗く冷たく、憂いを帯びた瞳が彼女の年頃をわかりにくくさせていた】
【女は公園に立ち並ぶ葉の無い木々を眺めている。木の枯れた公園、それ自体はごく平凡な光景だったが、問題なのは葉のついた木が一本たりとも無いということだった】
【そのうちで一際大きい枯れ木に彼女は目をやった。幹(みき)や、地面に残った葉を見比べて何かを思案している】

(クスノキ…。この植物が落葉するのは春、新芽が出る前。今の時期じゃない…)
(それに他の種類の木を見ても常緑樹が幾つかある…。もともと知っていて来たけれど、やはり能力者の戦闘のあと、か…)

【彼女が語る通り、この公園は最近複数の能力者が争った場所であった。地形が変化する程の規模の戦いであったらしく、修繕中は野次馬が絶えなかったらしい】
【彼女は事件のほとぼりが冷めた今ごろになって遅れてきた見物客というわけでは無論なく、仕事の終わりにたまたま噂の公園に出くわした、というのが真相であるようだ】
【立ち止まったまま彼女はざっと公園全体を見渡してみる。中々広い。木々は公園の外周に沿う形で植えられており、一周数百メートルはありそうだった】

(…これだけの範囲に植えられている木々を一斉に操ることのできる能力、とするならかなりの使い手ね…)
(…能力。私の能力は一体どうすれば成長できる?より強い力を得ることができる…?)
(性質上、能力の成長度を確認するのは難しい…。愚痴を言っても始まらない、とりあえずは機関内外での情報の収集に努めるべき…)

【瞳に帯びた憂鬱の感情がやや色濃くなって、彼女は歩き出す。黒衣の女は、ほんの少し焦っていた】
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/09(水) 23:51:50.41 ID:+9UHuEIG0
【路地裏。日々諍いが絶えることは無く、常に新しい血が古い血痕を上塗りしていると言い表しても良い其処】
【今宵もまた怒号やらが響き渡っていたのだが――――事の中心人物は、何ともこの場には似合わない者であった】
【修道着を纏った赤髪の女。それだけならばただ女が襲われて居るのだと判断も出来ようが】
【奇しくもその逆。女が一方的に複数の人物を叩きのめしている、なんて展開だ】


「――――笑えるわね。たった一人の女を殺す為に複数人で襲ってきた挙げ句何も出来ずに返り討ちだなんて
……さて、答えて貰おうかしら。アンタ達が連れてった子供達についてだけど」

【傍目から見ればどちらが悪者かなんて分かったものでは無い】
【血塗れの男達に、返り血のみの女。更にはその髪を掴んで持ち上げている、なんて状況なのだから】

【先程の怒号もこの時間なれば遠くまで響く事だろうし、或いは戦闘の音を聞いた者も居るであろう】
【何であろうと、この場を訪れたのならば。女の鋭い視線が其方へと向けられる事になるはずで】








【淀みの無い湖、其れを照らし出すのは銀色の月。――――静寂も合わさればどことなく神聖な雰囲気さえ感じ取れそうな其処】
【然れど、漂うのは全く正反対の性質だ。有り体に表すならば“瘴気”であろうか】
【…………その類に耐性が無い者ならば意識がゆっくりと侵される程には濃い、と記せば何と無く濃度も知り得よう】


「正しい心、って言うのは何なのかしらね。不思議ね不思議
貴方達の正しさなんて、誰が決めてくれるのかしら。その正しい行いは、本当に正しい事なのかしら
――――ふふ、もう聞こえてないわよね。何も聞こえて無いわよね」

【所謂悪魔だとか、魔族だとか。人によって呼び方は変わるのかも知れないけれど、全てに通じている事として決して好ましい存在では無い事】
【災厄を撒く様な、不幸を連鎖させる様な。人の負の感情を己の喜びとするような、そんな存在】
【――――故に。少女の姿は、似付かわしくなく】


「また一つ、また二つ。此処で貴方達の命が消えてしまっても、世界は何時も通りに動いてしまうの
――――残念ね。貴方達の正義なんてこの世界、そしてみんなから見ればその程度なのよ?残念ね残念
全てを賭けても、見向きもして貰えないのだもの。居た事すら知られず、ひっそり舞台から消えてしまうの」

【月光に照らし出される金色の髪は眩く其れを反射させ、虚空を見つめる紅色の双眸は楽しそうに歪められていた】
【幾分遠くに居ようとも、瘴気と言う“イレギュラー”を感じ取るのは容易な事だろう。だからこそ、この場に辿り着くのもまた容易な筈】
【この場に訪れたのが善で在ろうと悪で在ろうと、或いは不幸な迷い人であろうと。その者はクスリと小さく笑めば、微笑みを向けるのだけれど】

【――――そして。この場に訪れた者が目にするであろう物がもう一つ】
【それは男女の遺体だ。どちらも腹を割かれ、臓物が溢れ出ている】
【恐らくは割かれた後も意識があったのだろう。血の跡は、少し前の位置から大量に続いていて】

946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/12/12(土) 21:56:01.93 ID:u6Kk2kpM0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 森林】

――――やっぱり、この力は凄い――――これが、私の中に眠っていた力――――
――――今に殉じる、それだけで、こんな力が引き出せたなんて――――やっぱり、私はこうするべきだったんだ――――

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のまるで死人の様な冷たいオッドアイを持ち、体表に紋様の様な、仄かな光を放つ金色のラインが走っている】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】
【わずかに息を弾ませながら、じっと自分の右手に視線を落とし、それを見つめている】

これなら、誰とでも戦える――――もう、不覚は取らない。倒すべき相手は、絶対に倒すんだ――――
こんな力まで持って、敵に勝てないなんて――――そんなのは、嘘だから――――

【――――周囲は、まるで嵐か竜巻の跡かの如く、四方の木々がなぎ倒され、引き裂かれて折れ果てていた】
【下手くそな伐採の後の様な光景を、作り出したのだろう人物は、ただこの少女1人だけだった――――】



【――――所変わって、水の国 広場】

ハァ、ハァ…………っ、鈍ってる……?
少し、息が上がるのが、早いかな……
「(寒いってのも、あるんじゃないのか?)」
それもそうだけど…………やっぱり、心肺が少し、弱くなってる……トレーニングどころじゃなかったけど、それでも、かな……

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【荒い呼吸を繰り返しながら、噴水の縁石に身体を預け、ぐっと額の汗を拭う】
【既に吐息は白く霞み、肌寒さを禁じえない夜がそこにあっても、少女は熱いと言わんばかりに襟を寛げる】

<(……やっぱり、身体を動かした方が、気晴らしにはなるのかしらぁ?)>
……少しは、ね…………正直、それでも全然って感じだけど……しないよりは、マシだから……

【時折、誰かに語りかける様な独り言を零しながら、身体を支えていた手を離して、身体を持ちあげる】
【縁石が冷たかったのだろう。軽く両掌をこすり合わせながら、少女は冷えた外気で大きく深呼吸をする】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
947 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/12/12(土) 22:27:45.21 ID:d7QDPiX0O
>>946
【久しぶりにこの国を訪れた。と言うより訪れた事は会っただろうか】
【そんな少々自らの記憶力を疑いたくなるデジャヴ的感覚を覚えながら深き静寂の満ちた森を進んで行く】
【青年はその森の様子を見て少しずつ不信感を覚えながらも歩みを止めず、期待に身を任せて行く】

―――どう言う事だ……生き物の気配がほとんど無い……
巨木の枝は強力な素材になるかと思ったが……これは見当違いか……?

【黒寄りの灰髪、臙脂色の瞳をした青年】
【白い七分丈のシャツ、高硬度の鉄黒色をした中世的ベストを着込み】
【左腕にのみ鈍く光る黒いガントレット、腰からは少し煤けた白布の長い腰巻が交差するベルトに止められ下がる】
【簡素なパンツの上に黒く頑丈な素材でできたブーツで両脚をカバーしたさながら中世西洋風の軽装を着込んだ青年】
【森の奥を進んで行く内に視界が開けて行く。樹々が薙ぎ倒され、さながらツングースカの閃光の如き光景】

……これは……
―――!?

【凄惨たる光景を眺めていると、それを引き起こした張本人なのだろうか。少女の姿が視界に入る】
【普通ならば少女がこんな事を引き起こしたとは思いもしないだろ。だがここに居るのは彼女と自分のみ】
【勿論自分はやっていない。となればやったのはこの少女、もしくはそれに伴う何かである事は明白】

【彼は薙がれた樹々を踏みしだきながら、少女の方向へと進んで行く】

全く……どんな事をすればこうなるんだよ……
なぁ、これは君がやったのか?俺が環境保護団体だったら真っ先に金切り声を挙げてる所だ
それともここに居た何かがやった訳かな?

【もしそうならばそいつの素材はさぞ強靭な物だろう。もしかすれば強化するべき物に値するかもしれない】
【最悪、それが眼前の少女だとしても……行動を厭う事は無いだろう】
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/12/12(土) 22:49:17.47 ID:u6Kk2kpM0
>>947

――――――――

【グッと、視線を注いでいた手を握り締める。何かを逡巡する様に、小さく少女は頷いて】
【踏み込んできた人物に気が付いたのはその時だった。足跡を察知して、少女はその方へと振り向く】

――――何ですか、あなたは――――?

【単なる行き過ぎの人には見えない。と言うよりも、ただの通行人がこんな所に足を踏み入れるはずがないだろう】
【行き当たったこの光景に、何か思う所があるのは間違いない様だが、少女はそこを斟酌する必要を感じていなかった】
【故に、行き当たり、そして近づいてくる青年に対して、少女は酷く端的な言葉を向ける】

――――自分の力を試していただけです。別に他意はありません
力試しをしていたのは、私にはそれが必要だからです。私は――――『UNITED TRIGGER』の所属です
自分の力量を知る為には、的があった方が良かったので、そうしただけです

【何か、探りを入れる様な意図が垣間見えたのだろう。少女は端的に、さっぱりと、自分の目的を淀みなく話す】
【コートの中から、『ワンド』のモチーフがあしらわれた通信端末を取り出し、己が『UNITED TRIGGER』の一員である事をアピールし】
【人に後ろ指を差されるような、危険な破壊行為ではないと言う事を、ハッキリと伝えた】

――――別に、あなたは危険人物の様には見えません。あなた相手にこんな力を振るうつもりはありませんから、心配しなくても良いですよ――――

【言うべき事は、最後まで言い切った方がいいかもしれない。本来、言外に伝わるだろうその点まで、少女は敢えて付け足した】
【青年も、普通の一般人ではないのだろう。なら、無用な危険を呼び込む事は無い】
【むしろ、青年が何かに興味を持っている様な言葉が気に掛かった、そこで少女は、青年がどう出てくるのか、この言葉で探りを入れたのだ】
949 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/12/12(土) 23:06:56.91 ID:d7QDPiX0O
>>948
【これは又一匹狼感漂う少女だ事で。だが、彼女の口から出た「UNITED TRIGGER」の名前】
【つまりはそう言う事なのだろう。彼女はあの組織に参画する程力を持っており、それでいてこんな所で一人でパーティー】
【連携を取って行動するタイプでは無い、と言う事だろうか。ならば、ここで戦闘に持ち込んで早めに潰しておくのも後後楽だろうが】

へぇ、そう。それでこんな事を……
巨木の頂点の枝は日差しを一身に浴びて強固になって行く。って言う噂を聞いたものだから来たんだが……
まぁ目当ての者は跡形も無く木端微塵か。樹だけに

【そんな事を言いながら小さな枝やらを持ち上げては放り投げる】
【鉱物資源も余り望めそうに無いこの場所ではやはり大した物は見つからないか。となるとやはり―――】

なら、少し気になるんだけどこれどうやったの?
もし何かの兵器を使ってやったんなら、それの素材を教えてほしいな、なんて

【とんだ虚け者。突然現れ、突然情報の開示を要求するとは図々しいにも程がある訳で】
【だが、そんな事を気にする間もなく彼は立て続けに言葉を続ける】

まぁちょっとした小話なんだけど。俺は今そこら中で使えそうな素材を探していてさ
もし君が何かを使ってこれをやったとしたら……気になるだろ?

【そう言いながら少しずつ少女に近づいて行く、不遜な態度で飄々とする彼がどう映るだろうか】
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/12/12(土) 23:31:16.14 ID:u6Kk2kpM0
>>949

――――――――

【青年の言葉にも、少女はさしたる反応は見せない】
【巨木の枝など、集めてどうしようと言うのか――――とりあえず、そうした疑問が胸中に湧いたのは事実だが】
【それをわざわざ口に出しても仕方があるまいと、少女は口を噤んだのだ】

――――――――っ?

【だが、続く青年の言葉には、先ほどから冷徹な雰囲気を漂わせていた少女も、訝しげに表情を歪める】
【――――探りを入れる様な印象があった、と言う自分の感覚は、やはり間違ってはいなかった様だ】
【どこか、油断ならない所がある。少女の表情に、微かな緊張が走った】

――――――――詳しくは、話す気はありませんが
――――私は身一つです。武器の類などを持ってないのは、見ての通りです――――
――――必要もないのに、みだりに能力を見せびらかしたりするつもりはありません。そこは分かってもらえると思いますが?

【呆れかそれとも苛立ちか。少女の目がすっと細く絞られて、青年の言葉にやはり事務的な言葉を返す】
【――――この青年、どういう人物なのかは知らないが、どこか信用ならない所がある】
【先ほどからの、探りを入れる様な言葉に、徐々に詰め寄って来るような仕草――――礼節を重んじる人間ならば、まずはあり得ないだろう】
【単に距離感がない人間、と言う線もない。それは、こうした『探り』の態度の理由にはならないからだ】
【得体の知れない人物――――そう結論付けざるを得ない】

【ともあれ、言葉の中身自体は、青年の問いに対して一部答える内容にはなっている】
【この状況を作り出したのは、少女の能力故であり、他の要因は介在していない】
【また、少女はそれを詳らかにするつもりもないと――――立場を考えれば、納得性も高い理由を添えて、明示を拒否する】
【――――少女の方も、会話の上でも物理的な意味でも、距離感を計り始めていた】
【これで引かないようならば、危険な人物であると考えても、おかしくは無いのだと――――】
951 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/12/12(土) 23:49:12.36 ID:d7QDPiX0O
>>950
成程ね、つまり「強大な能力」は持っている訳だ

【そんな風に少女の言葉の裏を突くような言葉。それなりの巨木の残骸の上に立ち静止すると】
【少しだけ考え込むような表情をして、少女を訝しげに見る。傍から見れば幼気な少女を睨むTHE・変質者だが】
【彼は少女の能力について考え込んでいた。やはり何かを得るには少々危険を冒す必要があるだろうか】
【あまり一大組織等に喧嘩を売りたくは無いが、此処は致し方無しと言う所だろう】
【折角好都合な相手に会えたのだ。機関やその他の場所に土産として突き付けても良いだろうか】

【ひとしきり考え切ると彼は少女に向けて一際明るく、さも当然の事のように話しかけた】

妄りに能力を見せびらかさない。うん、それはよく理解できる
けどさ、―――もし俺がどちらかと言うと機関に微力ながら加担してやろうと思っていて
―――それでいて強大な兵器を作り上げようとしているとしたら……どうする?

【笑顔で言い放つ青年、その心境は如何な物か。揺らがない水面のように、風にそよぐ葦のように】
【安寧そのものな筈は無いだろう。ここまで一撃で、そうでは無いかもしれないが、樹々を薙ぎ倒す力】
【自分でも捌き切れるかはわからない。それでも利益を求めるなら危険を伴うのは仕方のない事か】

正義の組織様なら放っておかないでしょ?
例えばここでぶち殺すだとか?

【良いさ、良いだろう。どうせ何時かは対立するかもしれなかったのだ】
【今ここで狩りやすいであろう者を狙っておくのが無駄と言う事は無いだろう、狩りやすいと言う認識が間違っていなければだが】

【ふと、彼の右腕を見れば仄紅く輝いており、何かを備えていると言う事が理解できるだろうか】
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/12/13(日) 00:11:58.61 ID:zSan/C4x0
>>951

――――――――

【あくまで此方の意図を受け取らない、そんな風に思える青年の言葉に、少女は尚目を細める】
【あまり好ましい相手ではないと言うのは間違いないだろう。腹に一物ある人間である事を疑う理由も、もう無い】
【その表情は、徐々に『睨む』それになっていた】

――――――――っ、――――――――『サキュバス・フォース』

【木の上から見下ろす青年の言葉に、一瞬だけ驚きの表情を見せたが、次の瞬間には冷徹な表情を取り戻し、何事かを口中で呟く】
【一瞬、強力な閃光がその身から放たれ、その光が引いた後には、少女の姿は変貌を遂げていた】

【背中にラベンダー色の翼膜をした、悪魔の様な翼が生えた事を除けば、素体そのままの姿だが】
【身に纏う魔力は質量を増大させており】
【翼からは、光の粒の様なものが燦々とこぼれている】

【妖精、もしくは悪魔――――そんな風に形容できる姿で、少女はその目に確かな敵意を添えて、青年を睨みつけていた】

――――撃ちます

【もはや問答は無用――――そう言わんばかりに、少女は酷く端的な宣戦布告の言葉を口にすると、サッと左手を青年に向ける】
【淡いピンク色の光が収束し、そこから2条の魔力ビームが放たれる】
【コレそのものには、周囲の木々の様に、それをなぎ倒す様な力はない。だが、決して軽視出来る様な火力でも無い】
【死のうが生きようが、とにかく無力化する――――全く無感情に、ただ敵を倒す事だけを実行に移したのだ――――】
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/13(日) 00:16:45.74 ID:iC/tyO3s0
【――――櫻の国。封魔城と呼ばれる其処の近辺。城からそう遠く離れていない雑木林】
【封魔城自体がが古来より悪しき妖怪を封ずる場所として活用されていたが故に近寄る妖も少ないのだけれど……】
【今宵は其処に一人の姿。巫女装束を纏った妖狐、か】
【首に下げた翡翠の首飾りから漂うのは“聖”。其れはこの妖怪が悪しき存在では無いと知る判断材料にもなるのだけれど】

【ぼう、と見上げるのは木々から覗くことが出来る月】
【……何をしている訳でも無い。否、だからこそどことなく“違和感”を覚えさせるだろうか】


【妖狐を中心に広がり行くのは強い妖気】
【やがて雑木林の全てを包んだならばゆっくりと濃度を増して行き――――】
【その気配、例え遠くで在っても感じ取る事が出来よう。果たしてその原因を見つけた者が悪と決めるか否かまでは分からないが】







【人間は疎か魔物も近づく事の少ない遺跡】
【普段なれば風の吹き込む音のみが聞こえる其処だけれど、今日は二人分の話し声が聞こえて】
【――――或いは、魔力に敏感な者ならば“火”の魔力の塊めいたものも感じ取れるであろうか】


『アルカっ!もう今日は終わり?
あのね、わたし今日のごはんはお肉がいい!』

「お肉、かぁ……うーん……じゃあ先ずはギルドに報告を終わらせてからにしよう、ね?」

【見てみれば、緑色のローブを纏った女が一人とボロ布の様な物を纏った少女が一人】
【恐らくは遺跡の探索が丁度終わった辺り。普段は人が居ないが故に、今宵は目立ち】
【更にはその魔力も聡い者ならば離れた位置から探知出来るのだから見つけるのは容易】
【尤も、ある程度まで近寄れば二人分の視線を受ける事になるのだけれど】
954 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/12/13(日) 00:35:25.29 ID:JprbYspmO
>>952
(あらー、これは又大仰な)

【そんな呑気な事を考え、思考を纏めながら精神を落ち着かせていく】
【眼前の少女の変化、まぁ自分の変化を考えればまだいける範囲だ。これで「何てこった!FUCK!」なんて叫ぶ気は無い】
【さて、ここで問題が生じる。やはり容赦なく攻撃を仕掛けてきた訳だがこれをどう避けるべきだろうか】
【このまま地上に居てはひたすらに的にされるのが関の山だ。かと言って相手に接近できるように努力するのも現実的では無い】
【ならば、どうするか。答えはそう……】

さてと、釣れたか

【上である。そう上空。彼の身体は瞬く間に宙に浮いており】
【背には剣のような鋭利な加速装置、両の肩甲骨から異形の翼骨が伸び、その先には巨大な翼を携える】
【幾層にも重ねられた紅黒き豪奢な翼、焔を背負ったようにも見える其れは怨敵を薙ぐ篝火か、其の身を焦がす地獄の業火か】
【彼はそのまま二つのビームを回避すると上空から強襲を仕掛ける】

さて、と早速仕掛けてくるとは―――
攻撃一辺倒な正義の味方も居たもんだな!まぁ少し前に空中戦艦で出会った「セリーナ」さんも
それなりにぶっ飛んだ面白い人だったけど……な!

【彼の右腕は既に先程までの所謂人間の腕からはかけ離れており】
【肘から先を包むように籠手ともガントレットとも似つかない機部が顕現し、その先から五尺程の紅い諸刃の刀身が伸びる】
【剣は紅く、仄かに緑白色の煌めきを湛え、彼自身の生命が其処に濃縮されたかのような一振りが其処には在った】

【少女の右肩から左脇腹へと抜ける攻撃、当たれば少しの怪我では済まないか】
【果たして、反撃か回避か少女の行動は如何に】

/と、ここで凍結よろしいでしょうか?此方は明日の八時ごろから居ると思います
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/12/13(日) 00:39:05.05 ID:zSan/C4x0
>>954
/分かりました。ただ、こちらは明日の夜は塞がっているので、以降は置きスレで、と言う事で……
956 : ◆MF.nwBIujs [sage saga]:2015/12/13(日) 00:40:45.72 ID:JprbYspmO
>>955
/了解しました。それではお疲れ様でしたー
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/20(日) 00:56:37.15 ID:+wRs74Cu0
【月光に照らされる森の中。其処に響くのは魔物達の咆哮】
【見遣れば其れは人と同じ形をしていて――――知識、或いは戦闘経験があるならば其れは曾て“人間”で在った存在だと知れるか】
【今となっては思考するだけの力も無く、満たされる事の無い空腹を満たそうと延々生物を殺めるのみ】
【そんな中、乾いた音が数回。どれもが見事に心臓、又は頭部を破壊して居り】


「死んだ後も良い様にコキ使われる何て大変だよねぇ……
――――ま、安心してよ。原因は突き止めてるしキミ達の遺体も手篤く埋葬するように指示してあるからさ」

【遅れて空から舞い降りたのは純白の翼を生やした一人の修道女】
【両手に持つ双銃がその職らしからぬ印象を与えるが――――……】
【無駄な弾痕を残す事無く一発で葬ったのは彼女の優しさか、一人その場で月を見上げ】

【――――場所が場所だ。そして今宵は月が明るい事もあり、見つける事は難しくも無く】
【“音”だって存外遠くまで響いたのだから場所を特定するのも難しくは無い】
【仮にその場を訪れて見れば、翼を生やしたその通りの女が一人月を見上げている姿が視界に入るのだけれど】









【場所は数十年前に朽ちた街――――所謂ゴーストタウンと呼ばれる其処】
【夜の国に存在する其処は今宵も厚い雲に覆われ、一筋の光が差し込む事も無く。正しく闇夜と呼ぶに相応しい一夜】
【…………其処に濃い瘴気が漂えば、異界の入口にも思えるか】

【街の中に踏み入れば一人の少女が路上に居る事が分かるだろう】
【金色の髪に、朱色の双眸。纏うのは紅いドレスだけれど――――その少女こそ、瘴気を発している張本人であり】
【悪魔だとか、魔族だとか。様々な呼ばれ方をするが決して“善”の存在で無い事だけは確かで】


「――――……あら、こんな所に誰か来るなんて珍しいわね?

引っ越して来た人かしら。それなら歓迎するわよ?迷い人かしら。それなら闇に誘われない様に気を付けなさい?
それとも悪魔払いかしら。それなら――――――」

【くすり、と悪戯気に見せた笑みは精々十代のそこら。然れどその気配は確かに本物だ】
【「――――それなら、直ぐに回れ右をした方が良いわよ」なんて言葉。どうにも芝居がかった言葉だけれど】
【何であれ、急に害を為してくる様な存在でも無いらしく。ならばその先は出会った者の反応によって話も変わるのだろうけれど――――】
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/12/20(日) 01:35:21.54 ID:cFIwpxr4o
>>957

――――――――っ、ふう……

【夜に月明かりは無いならば導も無く】
【されど歩みを止めてはならない、こと戦いの尽きぬこの世界では】
【止まる事は即ち直接的な死を意味するのだから】

(瘴気……肌に合っちゃうのがなんともねえー……)

【その影は首に巻いた赤いマフラーを揺らし現れる】
【滲む瘴気に惹かれて或いは誘われて、己の内はどこか喜びに震えている】
【如何に人を模した理性と云えど根源的な本能には打ち克てないものなのだろう】

【それを弱さだと、しかしそれは捉えない】
【獣は好きに生きそして死ぬだけであろう、善悪の彼岸も関係なければ強い弱いはまた別】
【生き残る事こそが至上の命題だとするならば弱さとて利用するのが道理、裂かれた頬から流れる血は赤く】
【そして痛みは瘴気という安堵に疼きを増す】

(適当に休んで傷が癒えてからまた狩りに向かおうかなあ……
どこかに糧があればいいけど、この瘴気だと探すのも一苦労だ――――――――……)

【一息と肩を落とし纏わり付く埃を落とす、被った獣の血肉が掌に付くが別段気にもならない】
【血色の良い舌で舐め取り咀嚼する、足しにはならないが無いよりはマシだろう……と】
【平静の内、現状慣れ感覚も慣れてふとそれに気が付き動きを止める】

(……瘴気の先、いいや根源……これ……――――――――)

【紅の瞳が「それ」を見出した瞬間に総毛立つ】
【本能が語るのは「それ」が危険な存在だということ、氷柱を背骨に突っ込まれるような悪寒】
【外敵に対し赤い髪は自ら輝く紅の色、脈打つ血の色へと姿を変えそして爪は獣の如き鋭さを得る】

……お姉さん、なに……?

【構える、果たしてその爪がどれだけ食い込むものか知れぬ】
【そも階梯が違う、こちらは瘴気を好むだけであちらは瘴気そのものを生み出す】
【単純な話、喩えて言うならばこちらは奴隷階級であちらは支配階級ということだろう】

【幾多数多の獣を屠ってきた爪が今宵だけはどうも頼りない】
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/20(日) 01:58:48.64 ID:+wRs74Cu0
>>958
【問いに対してはクツリと笑って見せたのみ】
【それは歳相応のモノであり――――否。本当にそうであろうか】
【表面上こそ無邪気を取り繕った子供。悪魔、の呼び名に相応しいだけの欺き】
【理性のみで動く相手にはそんな誤魔化しも効くので在ろうが、本能を廃れさせる事無く磨き続けた者ならば秘めた悪意にも容易に気付けよう】


「私?私はワタシであって他の何でも無いわよ?ワタシは私、それだけ
…………だけれど、貴方が聞きたいのはもっと別な事よね?

小さな子が初めて見るモノを指さしてアレは何、と聞くのと同じ
調べても分からないから、人に聞くのと同じ。そうでしょう?」

【得物を持たない構え方と、その動きからして魔術等では無く身体能力を持ち味として戦闘に持ち込むと粗方予想はしたのか】
【然れど、対して何かを仕掛ける訳でも無く強いて言うなれば一歩近づくのみ】
【ただ、それで十分。確かに仕掛ける事こそは無いが、自然と瘴気の濃さも僅かに上がるのだから】


「そうね、ずっと昔から“人間”の敵――――悪魔、何て呼ばれ方をしている。なんて言ってしまった方が分かり易いかしら
人間の敵、何て言ってしまったけれど私自身は別に嫌いでは無いのよ?
だって、面白いもの。だって、楽しいもの。人間が作るお話は
――アリス。そう、お話に出てくる不思議の国のアリスと同じお名前。それが私のお名前

さあ、迷い人さん?貴方は何故此処を訪れてしまったのかしら
お願いがあるなら、お伽噺の様に悪魔が叶えてくれるかもしれないわよ
だけれど悪魔は気紛れなの。楽しい人じゃ無ければ、悪戯してしまうかもしれないわ」

【高圧的な態度でも無く、他の存在を見たからとて襲いかかって来る訳でも無く】
【かと言って友好的でも無い。冗談めかした笑いの後には「これからは全て貴方次第」と付け加えるのだろう】
【逃げ出してしまっても、不意を突いてみても。或いは言葉に応じてみるのも手段の一つか】
【何で有れ、“今は”仕掛ける様子も見せず】
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/12/20(日) 02:14:24.45 ID:cFIwpxr4o
>>959

………………………

【とらえどころの無い、否とらえてはいけない代物なのだろう】
【相対するモノ、その一挙手一投足さえも見逃せないのであれば言葉を考える余裕もない】
【人間ではないモノ、人間などより遥かに上位の階梯に位置するモノ】

【食い縛る歯はギチリと軋む音を響かせて】
【或いは完全に理性の無い獣であったならば、ただ凶暴のままに爪を立て滅びる事も出来たのだろうに】

……ボクはただ傷を癒やしに来ただけだよ、狩りの傷を――――――――
今更悔いても仕方ないけど瘴気は肌に合っちゃうんだ、元々善い生き物じゃないからね
ただ一番合理的な判断をした、つもりなんだけど……

【望むもの、そんなものは別になかった】
【ただ自分は今を生きるだけ、ただそれけのことくらいしか願ったことがない】
【それ以上の欲望は、時折訪れる空腹くらいなもの】

【となれば虚偽の欲でも語れれば良いのだが、濃くなる瘴気はやはり正常な判断を鈍らせる】
【獣と人の境はこの夜に於いてはどうしようもなく曖昧だからだろう】
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/20(日) 02:39:00.19 ID:+wRs74Cu0
>>960
「そう、それならば良かったわ
変に悪魔にお願いしてしまうと歪に捉えられて叶えられてしまう――なんて事も珍しく無いもの」

【暗に言い表すのは、仮に願っていたとすれば――――……そんな結末か】
【悪魔からすれば世の中の善悪などどうでも良いのだろう】
【ただ楽しくなれば良い。尤も、その楽しさとやらが人間にとっては害の他ならないのだが】


「狩り。狩りをしているのね
フフフ――――……私がよく見る純粋な人間とは違っていたと思っていたけれど、貴方はホントウに人間とは違っていそうね
人にも瘴気を根本から嫌わない人も居るわ。だけれど、貴方はまた違った理由みたいだもの

――――そうね。ならば、その傷を治しててあげましょうか?
狩りをしているなら、狩られる事も覚悟をしているのでしょう
でも、ハンターさんは何時も何処から来るのか分からないのだもの
それなのに、ずっと傷を負ったままでは簡単に殺されてしまうかも知れないわよ?

さあさあ、悪魔を信じるのも信じないのも貴方の自由。今なら私の気紛れ、代償も要らないわよ?」

【文字通りの気紛れでも起こしたのか。話を聞けばその傷を治してやるとの提案】
【無論、相手は悪魔。その言葉を信用しても良いのか否かの二択で迫れば大体の者は後者と答える筈】
【小首を傾げて返答を待つ姿は人間の子供と変わらず。然れど、内に秘めた邪気は比べものにならず】
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/12/20(日) 03:09:47.40 ID:cFIwpxr4o
>>961

…………………

【まるで蜘蛛の巣だ、虎視眈々とそれはこちらの破滅を狙っている】
【となれば自分は愚かな蝶か何かだろうか、そこまで軟な生き物ではないとは思っているが】
【比べたならばこちらが矮小であるのはわかりきっている】

どうだろうね、悪魔ならボクの中身くらいは簡単に分かるんじゃないのかな
少なくとも……人間みたいにきちんとした手順では生まれてはいないけど―――――――

【赤い少年を構成する体組織は基本的に人間と変わらない】
【しかしより概念的な話をするならば、その身体は有象無象の命により成り立つ】
【生物の種類は無数だがその大多数は獣によるもの、獣の因子を宿しながら人としての形を保つモノ】

いい、要らないよそんなものは――――――――
この程度の傷なんか放っておいても治るんだ、ただ瘴気が肌に心地いいからここに来たってだけで
大怪我でもすれば話は違うんだろうけど残念だったね悪魔さん、君の思い通りにはならないみたいだよ?

【さて、自分はどれだけの虚勢を張れているだろうか】
【獣はその本能に従い生きている、自分の爪で裂ける相手には全力で刈り取り】
【或いは自分より強大なモノに対しては尻尾を巻いて逃げる……そういう合理的な生き方は、少年にも根付いている】
【震えを如何に抑え込もうとも心までは騙せない、果たして気まぐれを簡単に起こす相手にどこまで立ち回れるのか】
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/20(日) 03:38:28.87 ID:+wRs74Cu0
>>962
「それは“本当”かしら
もしかしたら自分に嘘を吐いている事を、自分でも分かっていないのかもしれないわよ
全部の悪魔が悪いとは限らないの
何故そう言いきれるの、と貴方が言うとすれば――――私は、今日初めて一匹の悪魔に会った貴方が何故言い切れるのかと返そうかしら。…………あら」

【禅問答とも異なる。先に先にと言葉を潰してゆく】
【――――その頃だろうか。不意に響くのはもう一つ分の足跡。それは丁度少年の背後から聞こえて来る事か】
【振り向いたならば、トンガリ帽子に黒のローブと“如何にも”な姿をした少女がこちらへと歩み寄っていて】


『ほら、アリス。キミが欲しがってた物だけど……またいきなりアレが欲しいコレが欲しいとか言うのは止めてよね
僕だって万能じゃないんだから一日で国越えていくのも大変なんだし……』

【焦げ茶色の髪に同じ色の双眸。恐らくは眷族か其れに近い存在なのだろう】
【何やら小さな布袋を悪魔へと渡したならば溜息を吐き、次には視線は少年へと向けられて居て】
【――――少女からは僅かに猫の気配、或いは匂いを感じ取れる。同時に大きな魔力も理解出来るだろうか】


『おい、お前。何でこんな所に居るのか知らないけど、アリスの機嫌が良い内にさっさと消えた方が良いぞ
直ぐに殺して貰えればまだマシな方だ。下手すれば蛆に脳味噌食い尽くされるまで生き長らえさせられる事だってあるんだからな』

【刺々しい態度に仕草。三白眼で睨んだならば忠告染みた言葉】
【手を出したら只じゃおかないぞ――――在り来たりな言葉では無く、寧ろ命がある内に逃げた方が得だ。そんな旨】
【ふん、と鼻を鳴らせば帽子のつばを少し下げて】
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/12/20(日) 04:26:35.61 ID:cFIwpxr4o
>>963

偏見は良くないのはわかってるけど、そもそも善くないモノには関係ないんじゃないかな
そもそも……そんな曖昧な物言いをするのは大抵騙そうとする側でしょう?

【悪魔と会話をしてはならない、それはこちらを惑わし酩酊させ正常な判断を奪う】
【積み上げた理性を融かすとでも云うべきか、獣を宿す身としてならば末恐ろしいものを感じる】
【人の皮膚、その薄皮一枚を削いだならば醜き獣性だけがそこに在るのだから】

悪魔の次は魔女かあ……今日は運が悪い日なのかな
夜の中で良い悪いを語るのも中々馬鹿らしいけど、今回ばかりは呪うよ神様……

【スン、と鼻に香る匂いは猫のもの……普通の魔女という訳でもないか】
【まあ元々悪魔の居るような場所に普通の者が現れる理由もない】

なんだい弱い獣の匂いをさせて偉そうに悪魔の手先なんてボクは頼まれても嫌だね
というか消えろというけどそうして欲しいのはこっちなんだけどなあ、さっきから怖気ばかりなんだよもう……
こんなのホント当たり事故みたいなものじゃないか……埒外のオンパレードは流石に堪えるよ

【さて、これらを相手にしてこちらの命はどれ程保つのだろう】
【悪魔は例外にしてもこの魔女、幾多の獣を宿す身として猫程度にはと煽ったが】
【その魔翌力の膨大さは目を見張るものがある……こちらのやり辛さは増すばかりだ】
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/20(日) 04:52:38.21 ID:+wRs74Cu0
>>964
『――――……お前、僕を馬鹿にしてるのか?』

【実に分かり易い反応であった。魔力が右手に収束するのも僅かな時間】
【詠唱が必要の無い事の利点。そして、詠唱を省いているが故に威力を落としている……筈、なのだが】
【消費されるであろう魔力は一介の魔術師が長い時間を掛けて詠唱した其れに等しい】
【当然、燃費が悪い等の理由では無く――――】


『馬鹿は死ななきゃ治らないと言うけど、お前みたいな馬鹿は死んでも馬鹿のままだと僕は思うね
この僕が折角忠告してやったのに、感謝する所か挑発するような馬鹿は何回死んでも利口にはなれない

……さっさと死ね。お前の骨の一つも残さないように消してやる』

【一つ一つの魔術が強力なのであろう】
【轟音。少年に向かって放たれたのは熱波。然れど只の熱波ならず鉄すらも液状にしてしまうほどの高熱】
【――――この場合は光線に等しい、とでも表す方が適切だろうか。遮る物すらも共に破壊してしまう様な豪快さ】
【幸いな点と言えば、横の幅にはそう広くは無い事か】

【それと同時に悪魔も仕掛ける。……なんて事は無く】
【ただ止める事も無いのだから好きな様にさせてやるのだろう】
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2015/12/20(日) 05:36:25.64 ID:cFIwpxr4o
>>965

うわー……ちょっと突いただけで爆発かあ……

【ぞくり、その力の発露を怖気は明確に語る】
【であれば動かなければ死ぬのだろう、本能とは精密ではないが正確だ】
【そして四肢に異常がないのなら迫る極光、それに相対することさえも……】

【「可能だ」と己の中の獣は語る】

――――――――……ッ……

【感覚器による動作の察知、それを直接的に伝える神経と機敏に動く筋繊維】
【その全てを人の理性で御する時に赤き少年は音も無く闇に消える】
【魔術でも奇跡でも無しにその瞬間の移動はしかし生き物の持つ力によるもの】


ねえ、悪魔さん……配下の躾くらいはちゃんとしておかないと駄目なんじゃないかなあ
野良のボクでさえある程度の良識で行動しているのにこれじゃあ……

【――――――深い夜に影はなくしかし紅色だけがサーチライトのように踊る】
【それに合わせて瓦礫が崩れる音も響くのは様々な場所を足場にして三次元的に空間に跳ねているから】
【些か態とらしいのは、分かり易い相手に対して少年も興が乗ってきたのだろう】

駄犬ならぬ駄猫かなあ、ねえ……?

【その台詞の後、一際大きな音が響き瓦礫が崩れる】
【紅の軌跡は魔女の後方から、風を切る音と共にその鋭い腕を奮う】
【狙うは片腕、一度握れば大型の獣の握力で乱暴に引っ張られそして空いた脇に向けて切り上げられるは爪】
【鋭く靭やかに伸びたそれは根本からして獲物を切り裂く為のものであるならば肉を裂くに適していよう】

967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/20(日) 05:46:33.67 ID:+wRs74Cu0
>>966
/申し訳無いです、睡魔がそろそろ危ういので置きレス移動でも宜しいでしょうか……!
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/12/20(日) 19:07:20.32 ID:kBH2byJpO
>>967
/申し訳ありません寝落ちしてしまいました!
大丈夫です!置きスレでお願いします!
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2015/12/21(月) 00:09:37.21 ID:y2pVFpV80
/次スレです
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1450624134/
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/12/21(月) 20:43:04.50 ID:n2uC42HZO
630 名前: ◆MF.nwBIujs [sage] :2015/12/21(月) 19:09:37.34 ID:iNHWDLsa
結局うやむやのまま終わったんだな、何となく虚しい

637 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! [sage] :2015/12/21(月) 20:36:54.46 ID:QzJH7JlN
>>630
カガリ?

639 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! [sage] :2015/12/21(月) 20:38:35.71 ID:PgHGJg5t
え、本当だ、俺酉出ちゃってるじゃん、まぁおーぷんでやってるし問題ないわ
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/12/21(月) 21:23:10.76 ID:7H/xE8mWo
642 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー![sage] 投稿日:2015/12/21(月) 20:47:44.66 ID:PgHGJg5t [3/16]
別に良いよ、もう結構前からおーぷんで毎日楽しくやってるし、毎日絡む相手もチャンスも豊富にあるから向こうのが良いわ

645 名前: ◆MF.nwBIujs [sage] 投稿日:2015/12/21(月) 20:52:53.86 ID:PgHGJg5t [4/16]
いや本当本当、別にこれから幾らでも酉付けても良いよ
某所もなぁ人がいないわ投下ばっかりだわでうんざり、おーぷんのがずっと良いよ

658 名前: ◆MF.nwBIujs [sage] 投稿日:2015/12/21(月) 21:01:28.53 ID:PgHGJg5t [9/16]
震えてwwwwwwおーぷんでやってるんだからもう某所に未練も何も無ぇよ
まぁ普通に向こうのゴミ溜めはなりきりに邪魔なスレには凸るし、純粋にウォッチして批評する奴らもいる
削除依頼なんてのもあるから速攻潰されるだろ

667 名前: ◆MF.nwBIujs [sage] 投稿日:2015/12/21(月) 21:10:58.41 ID:PgHGJg5t [12/16]
世話になったも何も某所に来る以前からおーぷんにいるしさ、恩義なんて感じてないよ。ただの茶化し
それにここ数ヶ月絡む奴がほとんど俺だけだった実状見ても言えるかな?
どうせ古参固定ロールが開幕するんだろうが、それも良いんじゃないの。衰退し切った某所眺めるのも面白いじゃん

672 名前: ◆MF.nwBIujs [sage] 投稿日:2015/12/21(月) 21:15:32.39 ID:PgHGJg5t [13/16]
なら誰が絡むんだって話なんだな、試しに暫く出ないで見てもほとんど居ないし
ラギ?シェン?マリア?それともそれ以外?その辺りかな、それ以外は覚えてないや

675 名前: ◆MF.nwBIujs [sage] 投稿日:2015/12/21(月) 21:17:27.36 ID:PgHGJg5t [15/16]
それ結局最後には絡む人間固定化して過疎るって理解できるかな?
これだから某所民は、自分で自分の首絞めてるのわからないんだな
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2015/12/21(月) 21:45:19.38 ID:7H/xE8mW0
696 名前: ◆MF.nwBIujs [sage] 投稿日:2015/12/21(月) 21:34:22.53 ID:PgHGJg5t [23/29]
そうだなぁじゃあ今まで感じた不満言っていこうか
佳乃の奴は普通に回避どうすんだよって攻撃してくんじゃねぇよ、しかも俺TUEEEEEEだし、ロリ忍者で六罪王勝利(笑)空気読めねぇな
そんで誰だっけ、あれだ鈴音。キモイ、単純にキモイ、後横に長すぎるし無駄な文多すぎて読みにくいわ、長文で合わせてやろうと思っても大して反応する部分無いし
それ以外はあれだ、長い、読みにくい
後ヒライは現実の物とか出しまくるのやめろ、世界観崩すな、銃撃戦の中に割って入って絡む奴が居ると思うか、ロードローラー持って突っ込むぞ
犬山は消えろ、消えたか
猫は知らん、絡みにくい、と言うかなんでいきなり海から出て来て貝焼くの?バカなの?しかも光る海岸とか書いてあったはずなのに何で夜になるんだよ場面変えるなや
適当にあげればこんな所、スッキリした
973 :??? ◆60/reloads [sage saga]:2015/12/22(火) 22:48:10.47 ID:kQzdY1MZo
【水の国:広場:夜】

【クリスマスを目前にイルミネーションに彩られたこの広場は多くの人で賑わっていた】
【人々の目的は中央にそびえ立つ巨大なクリスマスツリーであり、本番前であっても】
【ひと目見ようと集まっているのである。その多くはカップルや複数人数のグループであり】
【そういった事もあって独り身には厳しいこの場所で、独り口元を歪ませるこの男はいろんな意味で目立っていた】


ゲッヘッッヘ……。

【その容姿はまるで絵画から飛び出してきた様な美丈夫。だが、けして良い印象は周りから持たれなかった】
【透き通る様な美しい金髪を棚引かせるその姿は、あまり完璧すぎて“作り物”のようで“異形”の気配すら漂わせていた】
【そして、その容姿にそぐわない下卑た笑い声の凄まじいギャップは不気味さを醸しだしており───その様子を一言で表すのならば】

【 金髪ロンゲのイケメンでニヤニヤしている!▼ 】
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/22(火) 23:09:25.97 ID:GHTZorIr0
>>973

【カップルが溢れる広場なら、少しくらいのおひとりさまは埋もれてしまう――自分が気にしなければ――それくらいに、カップルたちは狭い世界に没頭する】
【夜の中をきらきら輝かす色味を楽しむ、ほんの少しの時間。どうせ当日は忙しいのだから、と、少しだけフライングのクリスマスの気持ち、が、――"それ"を見出し】

…………わぁ。

【白い吐息をふわりと揺らして、"彼"を少し離れたところから見る少女は、どうやらこんな場所には珍しいおひとりさま】
【丸くってつった目を瞬かせて、それからきょろきょろとあたりを見渡してから――、彼には誰か居ないのだろうかと、ほんの数秒探してみる】
【だけど――それらしきを見つけ出せなければ、少女はやがてふわりと"彼"の――、なんだか妙で怪しくてなんなら人間ですらなさそうな彼の前に、姿を見せ、】

――こんばんは、何をしているの? ……えっと、イルミネーション、見に来たの?

【――なんて、きっと、鈴の音のような声質で言葉を掛けるのだろう。……その顔は笑っていたけれど、目は、少しだけ褪めた色で、じっと彼を見るようにしている】
【それでも少し不安げに少女は洋服の布地をきゅっと握りしめて。きっと、相手の言葉を、待ってみるはずで】

【――真っ黒い髪の少女だ。髪は腰の辺りまで長く伸びていて――瞳は黒と赤で左右の色が違う。その目には、ほんの微かに、ひととは違った気配を宿し】
【ミニ丈のダッフルコートは深い赤色、ふうわりと膨らんだ膝丈のスカートは焦げ茶色で、よほど寒いのかコートの上に羽織るケープは腰の辺りで揺れていて】
【編み上げのロングブーツは踵が高くって、あどけなさを残す少女なのだけど、身長だけで言えば百七十にも近いほど。――右の耳には、宝玉の欠片のピアスを煌めかせ】

【敵意はなさそうだった。
975 :グッドホッパーV3 ◆60/reloads [sage saga]:2015/12/22(火) 23:40:33.30 ID:kQzdY1MZo
>>974


【こんな訳の分からない存在。好んで関わろうとする者なんていやしない。だが今日は居たようで】
【珍しい声の主に対し。体はそのままに。ギリリ、と人間である事を“表現”する事を忘れている様な不気味な動きで首だけ向けて】


────ほぅ。お前“も”独りか……?ギギギギ……。

【少女に向けたその瞳を覗きこめば。異形である事はすぐに分かるだろう。】
【一見、よく出来たそれは人間の様に見えるがそうではない。その瞳は昆虫のソレである“複眼”】


……ギギギ……。イルミネーション……?そんなものに興味はない。

───この俺様は……“救済”に来たのだッッ!──変身ッッ!!

【キャー!絹を割くような叫び声があがった】
【男は掛け声と共に虹色に包み込まれ、次の瞬間には──人間サイズの“二足歩行をする飛蝗”の姿を変えていたのだ!】


ゲッヘッヘ……!俺様はクリスマスの3日前に現れし、あわてんぼうのサンタクロース!善良怪人グッド・ホッパーV3ッッ!

俺様の目的はただ一つッッ!

【ギザギザとしたその指を少女に突きつけると高らかに叫ぶ】


イルミネーションに群がるムシケラ共(リア充)を蹴散らし、絶望を与える事によって
三日後に迫る厄災の時!今日の出来事を貴様の様な独り寂しく過ごすであろう、恵まれない男女の慰めにするためにやってきたのだッ!

【勝手に独り身って事で断定された!】
【本番はぶち壊さないのも善良ポイント、グッドホッパーV3(イヴイヴイヴ)!】
【蜘蛛の子を散らすかの如く逃げゆく人々の中、その異形の指先をつきつけられし少女は何を思うか】
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/23(水) 00:00:16.86 ID:zxraTZQ+0
>>975

【変なひとがいる――それが最初の理由だった。なんだろう、不思議よりも変で、変というより怪しくて、……だから、訝しんで】
【掛けた声、一瞬返事を待って――数秒後で軽く後悔したのは、どちらかと言えば少女がびびりだからという以上に、】
【ヒトだと思っていたものがヒトらしからぬ動きをしたら、たぶん、誰だってびびるだろう。多分、たぶん】

え? ……え、え、うん、今日は一人だけど……。

【結果、少女はその珍妙な動きに肩をびくり跳ね上げて、思わず足をわずかに引きながら、だけど、彼へと言葉を返す】
【その時に彼の瞳が虫とおんなじ、複眼なのだと気付けば、一瞬じっとその目を見つめてしまって――、救済。その言葉の意味を思い出すよりも先、目を虹色に焼かれる】
【きゃあと小さな声で彼女は咄嗟に手で目を隠す。びっくりしたように、目を隠す以上に――簡単ではあるけれど、頭を護るような仕草にも見え】

……ば、った、? ……わあ、飛蝗だ、飛蝗……、……喋る飛蝗……。

【やがてこわごわ、と、指の隙間から相手を見やる。その先にはさっきまでのヒト型とは明らかに違うもの、かさかさしそうな身体、大きな――大きな、飛蝗、】
【けれど少女は虫に怯え逃げ惑う性質ではなかったのだろう。むしろ喋るでっかい飛蝗という事象に「わぁー」と、なんとも言えない声を出して、一歩距離を置こうとする】

あ、

【――いっしゅん、彼女の表情が変わった。彼の言葉に、具体的には、独り寂しく――というそのあたりを聞いて、】
【次の刹那には呟いたことを失態だったかのように口を押えている。目をぱちくりとさせてから、ついと逸らす――気付けば、周りには誰も居ない】

…………えっと、ごめんね、わたし、クリスマスの日はお仕事だから、独りじゃないんだけど――。

【それなら誰かに肩代わりさせることも出来ないし、だからと言って、嘘を吐いてしまうのも――なにか、違うような気がしたから】
【やがて素直に言葉にするのは、別に独りではないのだけど、と、そんな言葉。……とはいえ、仕事、という時点では。恋人と過ごすわけではないようなら】
【彼の言ういわゆるムシケラとは違う――のだろう、か。そこを判断するのはきっと飛蝗たる彼なのだけど、】

もう誰も居ないから、終わりじゃ駄目――かな、?

【そう提案する彼女は――怯えもしなければろくに驚きもしない、言ってしまえば、きっと、つまらない子のようで】
【だけれど、びびりであることは察せるかもしれない。だって――最初の人外めいたギチギチとした動きには、びっくりと怯えたような目をしたのだから】
977 :グッドホッパーV3 ◆60/reloads [sage saga]:2015/12/23(水) 00:21:07.99 ID:kGw30YqQo
>>976

………………。

【「終わりじゃ駄目──かな?」そんな少女の問いかけにグッドホッパーV3はすぐに応えなかった──】
【というか、フリーズしていた。理由は単純。格好を付けて少女に指を突き付けていたら気づけば人は居なくて】

【しかも、目の前は、自身が“救済”すべき“喪女”という程でもないけど叩きのめして“恵まれない人々”の慰みにできるレベルの“リア充”という訳でもなく】


………………。ギッ……ギッ。

【登場して数秒。一瞬にしてやる事が無くなったわけだが、かといって久々に登場(メタ)というのに何もせずに帰るというのはどうだろうか】
【バッド・ホッパーならともかく、グッド・ホッパーを名乗るからには意味もなく悪事を働くわけにもいかないわけで】


ギギギ……。……ッ!

【ああっ。なんか、頭から煙が……ッッ!早い、爆発するのは早いッ!何もかもが早々に終わってしまう……ッ!】
【考えろ……考えるのだ。グッド・ホッパー=正義。グッド・ホッパーの敵=悪(リア充)。……ッッ!だが、悪(リア充)は居ない……ッ】
【ならば、状況を見よう。正義であるグッド・ホッパーを追い詰める者が居るのならば、正義の敵=悪の図式が成り立つのではないだろうか?ならば──目の前の少女は】


なるほどな……!!

【何が?】


喪女のふりをして俺様に近づき……虫けらどもの……ええと。……そう、掃討を邪魔をする……貴様こそが……その、所謂。あれだ。そう、真の悪だったということか!!

【今「ええと」って言ったぞコイツ】


ならば、貴様は真の正義たる俺様にとっての敵ッッ!
良いだろう。相手にとって不足なしッ!さあ、かかってこい!

【こじつける癖に一方的に襲いかからない善良怪人の鏡】

978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/23(水) 00:37:18.33 ID:zxraTZQ+0
>>977

【――あ、まちがえた。何かを間違えた感じがした。彼がフリーズする様子に、少女も、また、ぱちくりと瞬いてフリーズする】
【どうしようと困惑した顔で視線を逸らす、と――なんとなしに頬に触れる左手。その薬指に、きらめくもの――それが、きらりと、見え】
【銀色だ。銀色のわっか。少女の細い指にぴったりと嵌められていて、桜の花の模様が彫り込まれていて、指輪とか呼ばれるもので、場所が場所なら、つまり、?】

【だけど少女には自分が"そう"であるという自覚がないらしい。あどけなさを残す顔を困ったように笑わせて、ええと、ええと。なんて、次の言葉を探して】

え……うん、なるほどなの。……何が?

【だから、思わず返してしまうのだけど。すぐに何がと尋ね返す程度には意識がきちんとしている証明、だから何だと言うのだけど】

……もう、そんなことないの。わたし、悪いことしてないよ、本当に……、ええと、今日だって、お仕事お休みだからお散歩に……、……え?
かかって……かかるの? えっと、……わ、わたし、なにもされてないし。……――、あ、でも、みんなを追い払ったのは駄目だけど……。

【丸い瞳が困ったようにきょろきょろと動く。眉はすっかりと下がっていて。それでも自分は悪いことをしていないとだけアピールしてみせ、】
【もうと胸に手を当ててため息を吐いてみせる、その手はまたしても偶然めいた左手で――きらり、きらり、イルミネーションの鮮やかなカラフルを映し出し】
【かかってこいと言われればこちらには理由がないからと渋るのだろう。少女の認識する彼の悪事というのはそれだけなのだろう、虫は――怖くないし】

……も、もう、あなたがどうしてそんなことするのか、わたし、よく分からないけどっ――、……えっと。
わたし、あなたと戦う気はないの。だから、かからないし、……あなたが何かわたしにしようとする、なら、それは別だけど……! ……するの?

【今度はこちらが彼へと指を指し返す。戦う気はない、かかる気もない、正当防衛なら致し方なし、けれど本当はそんなのしないんじゃないかと、どこかで思ってる】
【真剣みが足りない様子で彼女は最後に気の抜けるような声音で尋ねるのだった。だけど、――だけど、その左手の薬指にはやはりキラリキラリ銀がきらめく、それだけは確かで】
979 :グッドホッパーV3 ◆60/reloads [sage saga]:2015/12/23(水) 01:02:33.76 ID:kGw30YqQo
>>978

……ギギギ……。

【“ギ”としか言っていない(というか鳴いて居ない)が。その声色は「えーと、そのー」見たいな感じで】
【表情がない昆虫顔だが、それでも分かるぐらいものすごく自身の無さそう表情。実際こじつけてるだけだし、言い返されると何も言い返せないんだなこれが】

【そんな状態で、「やんのかオラア!(意訳)」なんて言われてしまえば萎縮してしまうのも必然】
【 グッド・ホッパーV3はまごまごしている▼ 】

【その複眼はごまかすように全て、明後日の方向を向いていて気付かなかった訳だが、イルミネーションの光が彼女の指先をキラリと照らした一瞬『うおっ、眩しっ!』】
【その“光”にようやく気づくのであった。その指先に輝くッ!その所謂!アレでありッ!そこにアレをアレするって事は所謂悪(リア充)の最上位を意味するアレであり】


ギギギ……!?……き、貴様……ッ。そ、その薬指の……アレ……ッ!

【口にするのも憚られる、所謂アレとは“エンゲージリング”という奴ではないのか!?】
【確かに言ったはずだ!奴は自分を悪(リア充)ではないと!!!!(言ってない)】


貴様ぁ〜……!この俺を騙すとは……!許さんッッ!正義の名のもとに成敗してくれるわぁぁああッッ!!

【叫ぶと同時に閉じていたその背中の跳ねが展開され、激しく震わされる】


活目するが良いッ!必殺──グッド・ジャンプッッ!

【その飛蝗足による驚異的なジャンプ!その跳躍力は広場のクリスマスツリーを飛び越えるレベルである!】
【そして、跳躍からのキックが、少女に襲いかかる。巷ではかの「バッド・キック」と同威力と噂される必殺の蹴り技ッ】


『グッド・キック』ッッ!

【一気に飛び上がったと思えば、次の瞬間には流星のごとく蹴り技が放たれている。コイツはヤバイぜ!】
【そういえば、恵まれない男女がどうのこうの言ってたのはどうなったのかは不明だが、飛蝗怪人は完全に襲い掛かってきてる(現在進行形)感じである】

980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/23(水) 01:15:51.77 ID:zxraTZQ+0
>>979

【てん、てん、てん、そんな感じで時間が過ぎる。それはどうしようもなく気まずい瞬間でもあって、少女は、困ったように身体を縮こめて】
【えーとどうしようなんて風に少女も委縮しきっている。……かえっていいのかな、と、一瞬、遠い目を仕掛けた瞬間】

……え? ――あ、えっと、これ? 

【――場面がやっと移ろった。きょとんと眼を丸くして口元がひきつったように笑う、これ?と尋ね返して、確認するかのように少女は指輪を彼に見せ】

だ――ま、騙してない、よ? えっと、だって、なんか……えっと。ええと――、

【だましていたつもりはなかった。ひとまず言えることとして、少女はムシケラ、喪女、そんな言葉を理解していなかったようで】
【なんだろなーと思ってぼんやりしていたようなところがあったのだ。急に彼が元気を取り戻したように見えるのに、彼女は困惑の中であわあわと狼狽えて】
【だましていないというのを言いたいのだけど――それより先、彼は大きく翅を広げ、激しく激しく震わせて、】

【ばっ、と、飛びあがった高さはツリーよりも高い。どこか怯えたようなびっくりとしたような目が見上げて、けれど、その最中にも、目の感情が変わっていく】
【狼狽えは冷たく褪めて、少女の瞬きを合図にしたように、少女の周りにはきらりと、桜色の魔力片があふれ出して――、ぱきり、と、編み上げられるように、硬化する】

……もうっ、! なんなの――っ、あなた、なあに? 飛蝗の妖精さん――っ!?

【とっさに編み上げたにしては硬い、即席の壁。けれどそれは蹴りの衝撃をすべて受け止めることはできず、それでも、蹴破るころには、少女はひらりと身体を翻して】
【蹴りの届かない場所へと逃げている。動きに合わせてひらりと舞った髪が舞い降りるよりも早く、少しだけ怒ったような声が、彼に誰何を打つ】
【それもそれで飛蝗の妖精なんて今更言っているのだから、やっぱり彼女は現状をよく分かっていないのかもしれないけれど――差し向けた右手、きらりときらめく、魔力光】
【一瞬の間を置いて吹き出すのは、まるで桜の花弁のような魔力片。――攻撃、というよりは目くらましの面が大きい行動。それ自体にダメージは、ないと言っていいだろう】
981 :グッドホッパーV3 ◆60/reloads [sage saga]:2015/12/23(水) 01:36:13.23 ID:kGw30YqQo
>>980

【必殺の蹴り技。攻撃に特化したその一撃は柔らかな人体ならばともかく、壁にぶつかったのならば反動はでかい】
【壁を蹴破ると同時に、その体は跳ね返り、彼女自身も離れた事もあり距離を置く形となった。】
【ならば。とグッド・ホッパーV3はそのギザギザとした両の手はチェーンソーの様に回転させる】


……ぬぅッ!

【目眩ましの花弁は彼の視線を遮る。チェーンソーの様な両手によって切り裂き振り払おうとする】
【振り払い切れない花弁を振り切ろうとその場から少女に回りこむように移動しながら問いかける】


ほう、騙していない?ぬけぬけと……ならば、その薬指のソレは何だというのだッ!

【こじつけと一方的に襲いかかってきながらも弁明のチャンスをくれる善良怪人の鏡】


何度も言わせるな……!俺様は善良怪人グッド・ホッパーV3ッ!この恵まれない男女の救済のため生まれてきた男だッ!

【だが、攻撃の手は辞める事はなく、花弁の隙間を縫うように放たれるのは、】
【飛蝗の手(足)の“ギザギザ”である。鋭利なギザギザを放つ遠距離攻撃!これぞ、『グッド・カッター』である!】

982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/23(水) 02:06:35.21 ID:zxraTZQ+0
>>981

【砕け散った壁の破片がからんからんと飛び散っていく、二人の距離は再び空いて、じっと、少女は彼を見据える】
【と、その時に。彼の両手――前脚?がぎゅんと回転を始めて、一瞬、面喰ったような顔をする。驚きというか――予想外の動きをされると、動揺するのか】

【花びらはなんてことはなく、ただの魔力を固めただけの、花びらだ。振り払えばひたひたと落ち、そうでなくとも、自重と重力で落ちていく】
【少女の目は彼から離れないまま、問いかけの言葉には――、】

指輪なの、へびさまにもらった……! ――ずっと一緒に居るって、約束なの。
ご先祖様だから、結婚は出来ないけど――っ、へびさまの、指輪なんだから!

【あまりにもあっさりと答えるものだから、少女の性格も少し知れるよう。ずっと一緒に居るための指輪。即ち、誓いの指輪ということで】
【だけど続く言葉はなんというかおかしなものだ。"ご先祖様"なんて、日常会話ではまず使わないような単語だし。ご先祖様と結婚――なんて言葉も、】
【おかしいけれど、彼女はあまりにも普通のことのように、或いは真面目に、すっぱりと言い切って】

――もうっ!

【散る花びらは相手の視界を遮るなら、こちらの視界も不明瞭になる。いっとう初めより見えるにしても、それでも】
【隙間を縫うように飛んでくるぎざぎざのひとつひとつをすべて見切るまでは上手くいかず、気付いたときには、いくつもが迫ってくる】
【飛び跳ねるみたいに回避しようとする、実際にいくつかはそれで避けられるものの――すべてを避けきるというのは叶わず、いくつかは、彼女の身体を】
【とっさに顔を庇った右手を深く、厚い布地の服ごと左の脇腹を薄く、裂いていく。熱ささえ感じるような痛みに、少女は小さく鋭い吐息を漏らし】

【――やがて彼に向ける視線は、さっきよりも鋭く、睨むようになっている。唇を痛みかにわずかに震わせて、白い吐息を、ふわぁと吐き出した】
983 :グッドホッパーV3 ◆60/reloads [sage saga]:2015/12/23(水) 02:26:39.49 ID:kGw30YqQo
>>982

ギギギ……は?へび、蛇?

【彼女は、嘘は付いていないのかもしれない。本当の事を言い切っただけかもしれない】
【だが、断片的にさえ思えるその回答は。自分が超常的な存在の癖に妙に現実的な考え方をする脳みそで処理しきれなかった】
【へびさま?先祖?蛇なの君。先祖と結婚……?ん?結婚指輪ではない……?結婚はしてないけど結婚指輪ではある?ええと、ええと………】


……………。うぉおおおおおおおおおおおおおおッッ!

【“なんか叫んで 誤 魔 化 し た” 。なんか、うぉおお!って感じのノリで良くわからない処理しきれない情報から目を逸らした!】


征くぞッ!名も無き少女よ!我が正義を掛けた一撃!今一度受けるが良いッッ!!

【考えを捨てた男の行動は疾いッ!再び大跳躍ッ!『グッド・ジャンプ』からの─────】


『グッド・キィイイイイイイイイイック!』

【必殺の飛び蹴り技『グッド・キック』ッ!そのスピード、威力。人はそれをやけくそと言うが先ほどとは違い、】
【迷いが無い分、威力・スピードはさらに向上しているッッ!だが、──良いのだろうか……?】

【性能が上がっていようと、見てくれが同じ技を二度も繰り返すという奴は所謂、その、死亡なんちゃらという奴では──】

984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/23(水) 02:47:38.72 ID:zxraTZQ+0
>>983

そう、へびさま!

【やはり彼女にとってそれは普通のこと。あまりにも普通のこと。犬がワンと鳴いて猫がニャーで、蛇が決してギャオーと鳴かないくらい、普通なこと】
【どこか子供っぽささえ見せて得意げにする。すごいでしょとでも言うようだが、なんだか、もう、すごすぎて意味の分からない領域にまで達しているような】
【ここまで来たら妄言や狂言の類ですらあるのかもしれない。自分は蛇だと思い込む少女。自分は蛇の子孫だと思い込む少女。――クリスマス前なのに悲惨なこと】

【――なんてことも本当はなく。実際のところ、実際に本当に"そう"なのだけど――あまりにも素直に言い切るというのも、少し、考え物か】

【彼の上げる大きな声が夜を震わせる、なんだかひるんだ?ようなノリのままでどうにかなるかなぁと少し思わなかったでもないけど、どうやら、駄目らしい】
【今一度――という言葉、そして、続く、再びの大跳躍。やはり軌跡は高くツリーさえ超えて、ひとの身では到底届かぬ高さまで、彼はきっと優に超えてしまう】
【見上げて、桜色の魔力がふわりと煌めいて、――瞬きひとつも要らない時間で、彼女は、かん!と甲高く硬い音で、右の踵を石畳へとたたきつける】

【ごわ、と、溢れ出すのは魔力の奔流。それはあっという間に魔力というよりも水のように流れ、やがて透き通り、そのうちに本当の水のようになり】
【ただの水――そう、ただの水。強いて言えば生暖かいようななんとも言い難い温度の水が、水の気もなかった広場に、溢れだして!】
【――もぞりと石畳の隙間から頭をもたげたのは、水の蛇だ。……たぶん、蛇だ。水ゆえに大雑把なシルエットしかなく、よく分からないにょろりとしたものだが、】
【頭の中にちいちゃな銀の鈴を一個だけ浮かべた――それが、ちょうど、彼が突っ込んでくる軌道。まさにその線上に、ゆらりと現れるのだ】
【答えを言ってしまえば、本当の水だ。なんてことない、少し生ぬるい、だけどこの冬の中だとすぐに冷えてしまう、ただの水。そこに殺意は微塵もないまま】
【翅を上手く使えば避けることも出来るだろう。蛇は木偶のように動かず、例え突っ込んでも生ぬるく、もがけばすぐに水蛇は形を喪う。ほんの嫌がらせのような、攻撃】

……名前、あるの! わたし、鈴音って言うんだから――!

【後ろに飛びずさる、それが少女そのものの動きだった。髪をぶわりと夜風に揺らして、問題はそこなのだろうか、自分にも名前はあるのだと】
【鈴の音によく似た、とても通る声がそう宣言する。自分の名前、それから――、あっかんべ、小さく、真っ赤な舌を見せて】
【気付けば脱兎のよう、背中を向けているのだろう。一応は名乗り返してから、逃げるつもりのよう。それでも、彼の跳躍力ならば、追いつくのは容易いのだろうけど――】
985 :グッドホッパーV3 ◆60/reloads [sage saga]:2015/12/23(水) 03:10:40.62 ID:kGw30YqQo
>>984

ギギギギ……ッ!うぉおおおおッッ!!

【力と力のぶつかり合い!水の蛇と正義の飛蝗!その奥義がいま雌雄を──なんてノリだと思っていたのはコイツだけで】
【結果として生ぬるい水の中に飛蝗怪人が勢い良く突っ込んで、ガボガボと溺れながら、最後はバシャンと尻尾の方から出てきたという結末だ】


ギギ……ゲホ、ゲホッ!

【水を浴びてしんなりとしてしまった羽を震わせながら、周りを見れば彼女は既に先頭領域からは離脱していた】


──鈴音。良いだろう。その名、刻んでやろう、我が魂にッ!
この俺様に名を名乗ったからには相応の“覚悟”があると受け取っておくぞ!

鈴音──貴様は何れ俺が倒す!……正義の名の元にッ!

【逃げゆく彼女の背中に指を突き付け、善良怪人はその背中を追いかける事は無かった】

【終わり良ければ、それで良い(のだろうか)。とりあえずいかにもなセリフで締めくくれた訳だから善良怪人という面目は保たれる訳だ】
【逃げゆく彼女を追いかける事は──できなくも、無いかもしれない。だが、既に彼女の姿は見えなくなってしまっていて、ホットひと息付いてしまった】
【これ以上突っ込んでしまったら、ドツボにはまってしまう気がして、──だが、逃げられてほっとしている時点である意味負けを認めている様なものなのであった】

【WINNER:鈴音(?)】

【なお、戦闘態勢を解除し、人の姿に戻った彼がクシャミをして嫌がらせは見事に成功していたというのはどうでもいい話だろうか】

//お疲れ様でした!
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/23(水) 03:18:39.78 ID:zxraTZQ+0
>>985

【こつこつこつこつと夜の街に硬い足音が続いていく、見れば、周りは人影もまばらになっていて】
【なんでも金髪のイケメンの背中がめぎょりと裏返って化け物が出てきたとか、その化け物がひとを食べていたとか、そういう話が聞こえてくるのだ――噂とはこうして広がるものか】
【ある程度ひととすれ違うようになってから振り返ってみれば、もうそこには人外めいた姿は見えない。となれば、巻いた――ということ、なのだろうけど、】

【クリスマスは仕事だし、気分だけでも、と、そんなつもりのお散歩――だった、はずなのだけど】
【思っていたのと違うようになってしまったことに小さくため息を吐く。……というよりは、走ったから、息が乱れていたような一息だ】
【暑くなったコートの襟首を引っ張って熱を逃がす、最後に一つ大きな吐息をしてから、今度はゆっくりと歩き出す、その時に、もう一度だけ「もう」と呟いて】
【少し拗ねるような、不満なような、そんな声は、すぐにほどけて――、クリスマスに浮かれた街中を、独りでぼうと歩くのだった】

/お疲れ様でした!
987 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/12/23(水) 17:08:17.60 ID:tl4tjqKL0

【水の国、クリスマスムード一色に染まる町中の広場。設置されたベンチに一人座り、新聞を読んでいる人物がいた】
【ボーイッシュな灰色のショートカットで、やや癖毛が強く所々が外ハネになった髪型をしており、質素な眼鏡をかけた20代半ば程の女性である】
【ずり落ちてきた眼鏡の位置を指で直しながら、何気ない表情で新聞の三面記事を眺めている】

(なになに…『水の国某広場で謎の怪人出現』。二足歩行する蝗の姿をした怪人を自称する人物が現れ、現場付近はは一時騒然とした空気に…)
(けが人はおらず市内に特別な被害も無し、か…。うーん、なんか…ひと昔前の特撮モノって感じするなー、ノリが…)

【開いていた紙面はちょうどその記事で終わっていた。それを区切りにするように彼女は新聞をたたんで脇に置き、うぅんと伸びあがってからベンチに寄り掛かった】

さーて、そろそろ訓練場に戻ろうかな…?ゆっくりしてても良いって言われたけど…仕事以外にすることも無いしなー。
……することも無いしなー…… ……クリスマスなのになー……。

【恋人と楽しくクリスマスを過ごすと聞いた職場の同僚たちの笑顔を思い出し、彼女はごく小さな声で「ちくしょう」とつぶやいた】
【両手を頭の後ろで組み、空を見上げながら考えを仕事の方へ戻す。思い出すのは先程の記事についてである。何の変哲もない記事ではあるが、彼女の中である一つの言葉が引っかかっていた】

(怪人… なんか割と最近どこかで聞いたような気がするんだよなー。何だったっけ?確かそっちは結構見逃せない情報だったような…)
(…帰りに資料室でも寄ってみようか?てゆーか訓練場の仲間に聞いた方が早いかな?…なんとなくだけど、不穏な空気を感じる…)

【考えすぎかな、そんなふうに結論を出して立ち上がろうとする彼女の目に雨模様を増す空が映る】
【それが自身の心中に浮かんだ疑念を肯定しているようで、冬の寒空のもと、彼女はひとつ身震いをした】

988 :神谷皐月 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/12/23(水) 22:50:34.63 ID:ojJ4O9Zl0
>>987

―――やっ!ふふっ、驚きました?
こんばんは。貴女が浮かない顔をしているのを見かけたので、つい声をかけちゃいました!

【そんな風に空を見上げる貴女の視界に、突如覆いかぶさるように誰かさんの茶目っ気たっぷりの笑顔が現れる。】
【ちょうど、ベンチの背後から覗き込むような形。貴女が驚いてくれたなら、彼女は嬉しそうに悪戯っぽい笑みを浮かべて】
【それから、改めて親しげに貴女に挨拶をする。もう、こんな事をする彼女が誰なのか貴女には分かっているだろう】

【鳶色の長髪は上質の絹糸のよう。深いブラウンの瞳は綺麗に澄み、深刻な表情を優しげな微笑みに変えて】
【冬らしいベージュのトレンチコートに、すらりとした足にフィットした黒いロングパンツといった出で立ち】
【腰には黒色のポーチ。足には履き慣らされたスニーカーを履いている……そんな姿恰好】
【整った顔やすらりとした体躯からは若い印象を受ける。一方で、若い女性には似合わない落ち着いた雰囲気も纏っていて】

ふっふっふっ……あなたの呟き、聞こえちゃいましたよ。クリスマスなのに、何もすることがない……って。
貴女はまだ若いし可愛いんだから、いい男の一人や二人居そうなんだけどなぁ……
誰か好きな男の子とか、いないの?貴女くらい可愛い子がアタックすれば、すぐに落ちちゃいますよっ!

【先ほどの寂しい呟きが聞こえていたのだろう。敢えて彼女はその話に触れて、少しばかり貴女を茶化したりして】
【逆に、じゃあそっちにはクリスマスの予定があるのかと聞かれれば……まあ、好きな人と過ごすなんて事はないのだが。】
【ま、まあ、子供と過ごすし!可愛い娘と一緒にクリスマスを過ごすからセーフだし!……なんて思っていたり】
989 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/12/23(水) 23:41:57.30 ID:tl4tjqKL0
>>988

【先の不吉な予感のせいもあるが、何しろこの寒気の中でTシャツ一枚の上にコートを羽織っているだけでは震えるのも当然である】
【何にしても考えすぎるのは自分の性に合わない。即断即決、即行動。そう結論に達した彼女が立ち上がろうとしたまさにその時、フッと顔に影が落ちた】
【ふおっ!と気の抜けた悲鳴を上げながら、思い切り体を前方へ起こして立ち上がる。機敏な動きで反転し、眼鏡の位置を直しながら彼女は眼前の相手をようやくまともにとらえた】

ななな、なにやつ!……って、師匠ぉ!? ご、ご無沙汰しております!!お久しぶりです!
そして、……そして、できればあんまり驚かせない感じで声をかけてもらえればありがたいです!

【仕事モードでないときの頭の回転力が常人を遥かに下回る彼女のクセは未だに直っていないらしく、しばらくしどろもどろになったのち、ようやく等比は平静を取り戻した】
【何にせよ、予期せぬ友人との出会いは嬉しいものである。しばらくその表情に喜色を浮かべたのち、皐月の問いかけに合わせて彼女は少しばつが悪そうに語り始めた】

えぇえ、私、可愛いですかぁ!?そんなふうに評価されたのはたぶん生まれて初めてかもしれないです!
仕事してる時に格好いい、とか言われることはありますけど……。うぅ、同僚や後輩たちが素敵な恋愛をしている中で、なぜ私だけ…

【若干泣きそうになりながら顔を赤らめる彼女の外見をもう一度確認してみることにしよう】
【中学生が体育の時間に履いていそうな運動靴。何の色気もないブルージーンズ。良く言えばスレンダー、悪く言えば起伏の無い体型】
【暖かそうではあるがところどころのほつれが貧乏っぽさをかもしだす毛糸のコートに、極めつけはその下に着ているシャツだった】
【白地のシャツに大きく印字された「I Love シャケ」の文字と、一緒に添えられている鮭の切り身のイラスト】

なぜ私だけがモテないのでしょう、なぜ… 

【どうも彼女には女性として、あるいは若者として必要である「何か」が決定的に不足しているようだった】

くぅっ…!師匠と私とで、女性としてなぜこうも違いがあるのでしょうか…!? 後輩達と私は、一体何が違うのでしょうか…!?

【自問するようにつぶやいたその言葉は等比本人に自覚こそないものの、彼女の後輩・同僚たちや皐月にとっては失礼極まりないものだろう】
990 :神谷皐月 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/12/24(木) 00:13:00.88 ID:ZW967KoI0
>>989

【ぴょんと飛びのくさまは、まるで猫みたい。流石普段から体を使う仕事をしているだけあって、機敏さは目を見張るものがある】
【「おー……流石です。」なんて、感心したような声を上げる彼女は、なんだか全力で反応してくれたことが嬉しそう】
【出来れば止めて欲しいと言われるけれど、辞められる訳がない。だって、貴女はいつも美味しい反応を見せてくれるのだから】
【何度でも悪戯しちゃいたいくらい、いい反応をしてくれる……そんな貴女の姿を見るのが、彼女は大好きなのだ】

【……で、クリスマスひとりぼっちの件について聞いてみると、残念な答えが返ってきて……】

うふふ、貴女は自分が思っているよりずっと素材は良いんですよ!……その、味付けが絶望的に合ってないだけで……
……しかし、シャケかぁ……なんというか、その……独特ですね。どうしてこんなシャツを買おうと思ったのかしら……

【……うん、服装に関しては、その……非常に独創的で個性的なセンスをしている。それが良い方向かどうかは、あえて言わないでおく】
【でも、体型に関してはきっと好みの問題。少なくとも醜悪なまでに太ってたりするわけじゃないんだから、気にすることはないと思うし】
【スレンダーな女の子が好きな人だって一定数いるのだから、大丈夫。起伏の有無は、恋愛においてそんなに問題ではない】
【……なんて、同じスレンダーな体なのに出るとこは出てる彼女が言うと、嫌味に聞こえるかもしれないが。】
【それに、顔を見てみると整った顔立ちをしている。化粧っ気は無いけれど、活発で明るい笑顔は間違いなく素敵なもの。】
【服装さえ何とかなれば、間違いなく異性からの評価はがらりと変わるハズ。―――となれば、することは一つ】

―――ズバリ、貴女に足りてないのはお洒落です!どうすれば自分が素敵に見えるかなぁって……そう思う心が足りないのです!
もう一度言いますけど、貴女は素敵な人です。私が保証します。でも……その、外見への気遣いが足りてないというか……
そうだ、貴女にいい服を見立ててあげましょう!今から、時間空いてますか?貴女を素敵な女性に変えてあげます!

【そう言って、貴女を買い物へ誘う。すぐ近くにあるアパレルショップで、野暮ったい彼女を大改造しよう!という魂胆】
【さてさて、一緒に来てくれるか……】
991 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/12/24(木) 00:53:45.05 ID:ww9h58Cm0
>>990 

【熊出等比は友人知人を疑うたぐいの人間ではない。驚かすのはやめてくださいという彼女の願望は叶ったものであると確信している】
【それゆえに、神出鬼没に現れる恩師と毎度仰天させられる弟子という光景は、今後も当分続きそうであった】
【さて、皐月のファッションチェックを受けた等比はもう一度自身の全身を見ながら言った】

えぇッ、私、お洒落足りてませんか!?こ、これでも日ごろの服装には結構気を使っているのにっ!

【絶望的な返答である。それを受けてなおも彼女の前にファッションセンスを目覚めさせようという勇者が存在したことは、まさに奇跡と言えよう】
【流石の等比と言えども目の前の女子力MAX・モデル体型な先輩に説得されれば、自分のセンスに対し疑いを持たざるを得なかったようだ】
【熊といえば鮭で合わせるのがコーディネートの王道だと思ったんですけどねー、などと世迷言を言いつつ、彼女は皐月へ同行することを決めた】

くっ… 師匠にそう言われてはぐぅの音も出ません!完敗です!
今日は一応非番の日ですし、上官からの呼び出しも無い……はず……です!
改めて、お願いしますっ!私も師匠っぽい感じに、フローラルでスタイリッシュでグレートな感じになりたいです!

【かくして、たまの休日はレンタルビデオ屋で旧作DVDを借りて過ごす24歳、熊出等比改造計画が始動した】
【二人は他愛ない世間話に花を咲かせながら町を歩く。ときどき楽しそうにすれ違うカップルを視界に入れては、等比が急に無口になったりはするものの】
【途中、等比はある店の前で立ち止まった。隣を歩く皐月を呼び止め、看板を指さして示す】

あ、ここです。私が普段行きつけにしているお店で、なかなかセンスの良いものを安く取り扱ってるんですよ!
その名も「ファッションセンターまむしら」!やっぱり師匠が探してたお店ってここですよねっ!

【蝮(マムシ)の毒々しいイラストが目立つ看板である。あくまで彼女は本心から言っているのが笑えないところだ】
992 :神谷皐月 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/12/24(木) 01:29:31.29 ID:ZW967KoI0
>>991

【ああ、なるほど。熊だから鮭なのか。その発想は無かった。……あまりにも斜め上すぎる発想で、到底思いつかなかった。】
【じゃあ、彼女にとっては自分は「I am GOD」とか書かれてるシャツを着るのが王道なのだろうか。神谷だし……】
【……と、とにかくまずは彼女の意識を変革させなくては。このままだと彼女はいつまでたってもいい人が見つからないのでは……】

ふふっ、良かった。ごめんなさいね、クリスマスだというのにオバサンと買い物なんて……
さあ、それでは行きましょうか!……フローラルかは分かりませんが……

【という訳で、彼女をアパレルショップに連れていく。「彼女を変えなくては」という妙な使命感に駆られながら―――】

【道中、近況なんかを話したりしながら歩く。残念ながら二人はカップルではないけれど、聖夜にこうしてお話するのは楽しくもあり】
【……やっぱり、今日は道行くカップルをよく見かける。自分が大好きだった人はもうこの世には居ないけれど―――でも】
【こうやって、親しい人と話もできる。家に帰れば、大好きな愛娘もいる。これもまて、幸せの一つなのかもしれない】
【そんな感慨に耽っていると、急に彼女は立ち止まる。まだ行こうと思った店は先なのだけれど、と思ったら……なんだ、この店は】

ええっと、その……うん、今回はここじゃなくって……あはは……

【苦笑いしつつ、とりあえず彼女の手を引く……うん、アパレルショップの名前に蝮を持ってくるってどういうセンスなんだろう】

―――はい、ここです!どうです、なかなか素敵な所でしょう?
とりあえず、中に入りましょうか。

【そして、着いた先は町の一角にあるお店。使われなくなった赤レンガの倉庫を改造したという落ち着いたお洒落な店構えで】
【中に入ると、冬物の服がシックなコートからパーカーまで多く取り揃えてある。倉庫だったこともあり、取り揃えられた品物も多い】
【「とりあえず、色々と見て回りましょう!どんなのがいいですか?」と、まずは彼女の希望を聞きつつ店中を回っていくつもり】
993 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/12/24(木) 02:19:42.82 ID:ww9h58Cm0
>>992

【到着したのは中世を思わせる情緒ある店であった。ライトで照らされた美しい外観に等比は見入っている】
【綺麗ですね、そう言って彼女は皐月に向けて微笑む。束の間とはいえ、戦いに明け暮れる一人の兵卒にとって、それはとても貴重な安らぎの時間だった】

よーし、いっちょ行きますかー!

【入店に際し、妙に気合の入った雰囲気で彼女はずんずんと歩んでいく。ここまでのやり取りを見ていた者で、その背中に不安を覚えない人間はいないだろう】
【まずは本人の希望に合わせ、という皐月の提案を受けて等比はがぜんやる気を出したようだ。大々的に飾られたいかにも流行中、といった服には目もくれず、ひたすら店の奥へと進んでいく】

ふっふっふ、師匠、私だって馬鹿じゃあありません。ここに来るまでの間、ちゃあんと案は練っていたのです。
私のセンスが一般に受けないのは、つまり異端である、奇抜すぎる、ということです!そこがこれまでの私の敗因にして盲点であったわけですね、これが。
ゆえに私がここで目指すのは、ずばり原点回帰!大衆受け、ということです!奇しくも私も師匠も同じく櫻の国を出身とするわけですが、そのあたりのノスタルジーな感覚にスポットを当てようという考えです!
我ら櫻の源流である魂(ソウル)…、そこに訴えかければ男どもなんざぁイチコロってもんですよ!というわけで…!ここです!

【何を言おうと彼女のセンスへの信頼は回復のしようが無いと思われるのだが、それでも彼女は力説を止めない。着いたのはおよそ店の雰囲気に似つかわしくない、和風の服を取り扱う区画であった】
【しかしここまで彼女が自身をもって断言しているのだ。ひょっとすれば万が一、いや億が一くらいには見事なコーディネートを決めてみせるのだろうか?】

まぁまぁ師匠、長口上もこれまで、論より証拠ってやつです。そういうわけですのでしばしお待ちをっ!

【言って彼女は数点の服を抱えて試着室へ入っていった。今皐月にできることと言えば、神に祈ることだけだろう】
【お待たせしました、そう言って試着室のカーテンが勢いよく開けられる!】

どうです師匠っ!これぞTHE・和風!ナデシコスピリッツの体現ですっ!

【紺色のもんぺに、白のサラシで上半身をぐるぐる巻きにしたスタイル。頭に纏うは謎のハチマキと戦時中の様な防災頭巾!】
【そしてサラシの上から羽織っているのは青を基調としたはっぴ、背中の一文字は「祭」ではなく…「鮭」!!】
【…どうやら、彼女なりの頑張りに付き合うのはひたすら不毛な行為であるようだった。ここは大人しく皐月のチョイスに合わせておいた方が良いという事実に、じきに等比も気づくだろう】


994 :神谷皐月 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/12/24(木) 02:22:39.98 ID:ZW967KoI0
>993
/すみません、そろそろ眠気が……!
/持ち越しお願いできますでしょうか!明日は20時には来れると思いますので……!
995 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/12/24(木) 02:26:42.74 ID:ww9h58Cm0
>>994
/了解です、こちらはいつからでもOKです!
996 :神谷皐月 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/12/24(木) 02:28:21.56 ID:ZW967KoI0
>>996
/ありがとうございます!それではまた明日……
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/12/24(木) 20:00:41.23 ID:iLcghHm70
【風の国――UNITED TRIGGERの店舗兼酒場】
【冷たい風にほんの微かに雪が混じる、通りには色鮮やかなイルミネーションと、手を繋いで歩くカップルと】
【――窓からぼうと明るい光を漏らす店、中が暖かいのか結露した水滴で曇る窓の中には、楽しそうに酒を交わす客の姿が見え】

……うう、やっぱりこれ、短すぎるの……、――セリーナが着ればいいの、セリーナの方が、……スタイル、いいんだから……。

【扉を開ければからりとベルの音、ふうわりと暖かさが出迎えて、――ついでに聞こえてくるのは、いいタイミングで呟かれた、給仕の独り言だろうか】
【真っ赤な服、襟元や裾に白くふわふわのファーをあしらったミニ丈のサンタ服を着た少女――、ぶつぶつと小さく愚痴りながらも、その頭には丁寧に帽子まで乗せ】
【腰まで届く長い黒髪はハーフアップにまとめられる、髪留めには偽物のヒイラギの葉と、金色のベルの飾りがついていて。時々、陳腐な鈴の音を鳴らし】

でも、テレビの時よりは……うん、大丈夫なの、見るの、お客さんだけだし!
そうだよ、あのときより大丈夫――、元気、元気なの。

【低く下がったうろうろとテンション低めな眼は左右で色が違っていて、黒と赤色。右耳にはウロボロスを模した宝玉のピアスをつけていて】
【だけどある段階で急に元気になったような――というか無理に元気を出したような、視線を上げて、むなもとで、ぎゅっと握りこぶしを作り】
【それから、客の注文したビールや、チキンや、そんな注文に対応していく――】

【――酒場の給仕にしては若すぎるくらいなのだが、どうやら、彼女がそうらしい。もしも誰かが新たに入店するなら――少し遅れながらも、いらっしゃいませ、と、声がかかるはずだ】
998 :神谷皐月 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/12/24(木) 20:12:28.47 ID:ZW967KoI0
>>993

ふふっ……えーっと、なんだか嫌な予感しかしないのですが……

【とりあえずは彼女の意向を汲んでみようかと思ったのだが……和に目をつけるという一言で、不安がぶわっと増す。等比ちゃん、それはかなり玄人好みだよ……!】
【張り切って色々言っている彼女だが……大丈夫だろうか。少なくとも「大衆受け」という目的と「和を取り入れる」という過程は、まるで正反対なのだが】
【……まあ、待つしかあるまい。どんな服を着てくるのか分からないが、とりあえずは彼女の好きなように選ばせてあげよう……】
【―――暫くすると、彼女は出てくる。予想の遥か斜め上を行く、超個性的なファッションで……】

………ええ……(困惑)

【一体彼女は何を目指しているのか。祭りでも行くつもりなのだろうか。このまま御神輿でも担いでクリスマスイヴの夜道を練り歩くつもりなのだろうか。】
【彼女は異端で奇抜であることを避けて、大衆受けを目指していたはずだが……これは、誰がどう見ても間違いなく奇抜に違いない。】
【普段着としてサラシと法被をチョイスする人物を、皐月は初めて目の当たりにした。しかも、よりによって鮭である。なぜそんな物がこの店で売ってたのだろうか……】
【「……というか、よく見つけましたね。普通売ってませんよ、そんな法被……」なんて、皐月は驚きを通り越して感心してしまうくらいだった。】

【もちろん、これではダメ。皐月はとりあえず彼女と一緒に更衣室に入って、今着た服を着替えて貰うついでに彼女の体を軽く採寸するのだが】
【その時に目を引いたのは、すらりと長い脚。元々身長が高くスレンダーなのに加え、日々鍛えているためにキュッと引き締まって美しい脚線美を描いていた】

―――わあ、とっても綺麗な脚……!こんなのを隠してるなんて、勿体無いですよ!
きっと、男の子目線でもとっても魅力的だと思いますよ。この脚を、もっとアピールしなきゃ!
ちょっと待ってて下さいな。私がいい服を選んできてあげます!

【驚いたように声を上げて、彼女の脚を褒める。だって、胸が大きくないとか起伏に乏しいとか、そんなこと気にする必要ないくらい綺麗だったのだから】
【確かに彼女は、あまり胸が大きいとは言えない。けれど……このすらりとした脚や引き締まった体は、間違いなく大きな魅力であるに違いない】
【おそらく、本人は自分の脚が綺麗だと気づいていないだろう。まずは彼女脚は大きな武器になりえるということを、教えてあげなくちゃ】
【ならば、それをもっとアピールできるチョイスを!皐月は試着室に彼女を残して、思い当たった服を選んでくる。その間暫く待つことになるだろうか―――】
999 :熊出 等比 ◆/Pbzx9FKd2 [sage]:2015/12/24(木) 21:52:43.52 ID:ww9h58Cm0
>>998

【皐月の賢明な判断により、悪夢のファッションショーは無事中止される手はずとなった。】
【再三のダメ出しによりいい加減彼女は自分と世間のずれに気づいたようで、落ち込みつつも素直に皐月の助言を聞いている。】
【脚が魅力的だとの言葉に、彼女は試着室の鏡に映った自分の脚を見る。】

はー、足ですか!ううん、気にしたことなかったですねー。男性的にはそういうのが良いものなんでしょうか?
そう言えば高校の時、男子がしょっちゅう私の足あたりを見ながら小声で「やばいやばい」とか「モロじゃん」とか言ってたような…
何か関係あるんですかねぇ、そのあたり。

【若い女性として彼女に欠けているのはどうやら美的センスだけではないようである。もっとも、そちらの方についてはそれを喜ぶ人間が大いにいたようであるが。】
【ともかく皐月の言う通り大人しくしていることを決めた彼女は、よろしくお願いします!と大げさに頭を下げ、試着室で皐月の帰りを待つこととなった。】
【待つ間、再度彼女は鏡に映った自身を見る。特にサラシが巻かれた胸のあたりを。そして彼女は対比するように皐月の姿を思い起こすと、壁に手を付き静かにその頭を垂れた。】




1000 :神谷皐月 ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2015/12/24(木) 22:27:04.84 ID:ZW967KoI0
>>999

ふふふっ、そうかもしれませんね?私は男の子じゃないから分かりませんけど……
……さてさて、どうしましょうか……

【脚が綺麗ってことが分かったからには、その脚を生かすような服を。ひとまず皐月は彼女と一緒にいた更衣室を離れて】
【どうやってコーディネートしようかと、楽しそうに服を選ぶのだった。誰かに似合う服を考えるのって、結構楽しいもの】
【もちろん、彼女が自分とのスタイルの差に凹んでいるのは知る由もなく―――やがて、皐月は数点の服を選んで】
【彼女の待つ更衣室へ戻ってきて……自分の知らない理由でへこたれている彼女の姿に、キョトンとするのだった】

……どうしたんですか、等比さん?そんな暗い表情で……まあいいや、選んできちゃいましたよ!

貴女の脚を生かそうと思って、パンツはラインの出るスキニージーンズを選びました。これがきっと貴女に一番合うと思います!
アウターは、活発な貴女らしくボーイッシュなスタジアムジャンパー。冬でもあったかくて、実用性もなかなか良いんですよっ!
で、中にはシャツを。ジャンパーとパンツが青系統だから、コントラストがついて良いかなと思いますよ!
靴は、ブーツとか似合うと思います。細い脚だから、カジュアルに決まるんじゃないかなーって……さ、着てみて下さい!

【文章にすると説明が難しいので、こんな感じ。(http://i.imgur.com/6CI0nrZ.jpg)】
【脚の美しさを魅せること、彼女の活発さを前に出したボーイッシュなコーデにすること。この二つを最優先事項にしたのだ】
【ファッションは、いかに自分の長所を魅せるかがカギ。彼女はとても活発で脚が綺麗。だから、そういう服を……という事】
【さてさて、どうだろう。似合うかな?気に入ってくれるかな?って、皐月は楽しそうに彼女の着替える姿を眺めている―――】
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
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モバP「大相撲初場所で」悠貴「お話しましょうっ!」 @ 2015/12/24(木) 22:24:37.00 ID:f4pWqgkRO
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【安価】モバP「クリスマスプレゼントをくばるぞー!!!!」【モバマス】 @ 2015/12/24(木) 22:10:59.69 ID:ocYxmOb20
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ヒストリア「…」エレン「…」【71、5話】 @ 2015/12/24(木) 21:56:19.32 ID:r/ngIj9AO
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総士「さあ、飲もうか!」一騎「はあ……」 @ 2015/12/24(木) 21:55:56.50 ID:a3+bdIiko
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葉山隼人に制裁を加えるss @ 2015/12/24(木) 21:46:24.28 ID:a1MDHsFj0
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まほ「みほを返してもらうか」あんこうチーム「!?」 @ 2015/12/24(木) 21:36:36.60 ID:PGEG/V0XO
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