このスレッドはパー速VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

【異世界】ここだけ世界の境界線★13【絶望よ来れ】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、2016年まであと3689秒。。。 [sage]:2015/12/31(木) 22:58:32.24 ID:dYbkqHQ+o
【新世界へようこそ!】
ここは様々な世界が融合して出来た世界。ここの住人は親しみを込めてこの世界を『新世界』と呼んでいます。
この世界にはオーバーテクノロジーから魔術まで何でも存在します。超能力や宇宙艦隊もあれば大魔王の領地も、
獣人の集落や神の軍勢すら勢揃いの『なんでもあり』の世界。それが新世界なのです。
あなたはこの世界の新たな住人となり、先駆者や新入り、そして異世界の住人達と関わってゆくことになります。

【ゲートについて】
この世界には『ゲート』と呼ばれている様々な世界同士を繋げる空間があります。
時にそれは魔界へ、時にそれは天界へ、時にそれはダンジョンへ、繋がっている先は様々です。
稀にそこから『厄災』なるものが流れ着き、それがこちら側の世界を荒らす事もしばしば……
その度に貴方達『能力者』はその能力を最大限に行使して『厄災』を元の場所へと送り返したり倒したり……
この世界の様々な事がこの『ゲート』を切っ掛けにして起こります。

【来訪者について】
この『新世界』はその性質上、別世界からの『来訪者』がやってくることもあります。
彼らの来る世界は様々な世界。時には人間や獣人。時には悪魔や妖怪。そして時には異星人すら『来訪者』として現れることすらあるのです。
『来訪者』はこの世界に来る過程で新たな『能力』を得る事も、そして自分が持っていた能力を引き続き使うことも出来ます。
しかしあまりにも強大な『能力』は『ゲート』の力によりその効力を失ってしまうこととなるでしょう。
次の『来訪者』はあなたかもしれません……

◇ここは自分だけの『能力』を手に入れ、様々な能力者と戦闘、交流するスレです。
◇オリキャラは勿論、様々ななりきりスレのキャラも参加する事が可能なスレです。
◇まずはしたらばで能力登録。ここに設定を纏めておくことでロールをスムーズに行えます。
◇戦闘、交流、基本は何でもありですが、相手が不快になるロール、確定ロールは避けましょう。
◇チート能力や人外級の身体能力など、相手に勝利の余地を与えない設定は避けましょう。最強設定は御法度です。
◇荒らしはスルー。絶対に関わらないようしましょう。

☆次スレッドは>>980、立てられない場合は>>990が立てること
☆次スレッドを立てるまで>>980からは減速推奨(重複を回避するため)

★避難所★
http://jbbs.shitaraba.net/internet/20393/

★wiki★
http://www60.atwiki.jp/kyoukaisen/

※前スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1444140570/
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このパー速VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/31(木) 23:31:00.88 ID:dYbkqHQ+o
>>999
「科学や魔法で説明できぬもの。か」

そう言われてパッと思いつくのが自身の呪われた…いや、呪詛を受け入れた血であろうか
復讐の火と評され事実燃え盛る、多くの怒号を孕んだそれが真っ先に思いつくが

「……我は人の願いによって在りし者」
「人の心、強き意思こそ奇跡の産物だと我は思うが」

それこそ見捨てる事が出来ない程に
本心からの言葉でありそこに偽りはないのだが……


「……まぁ、そう言う言葉を求めているのではなかろうな」

まぁそこも分かってはいる様で
ちょっとした冗談でも言ったつもりなのだろう。微かに口元に笑みを浮かべていて

「持って居るとも。この血、この力こそ正に化学からも、魔法からも外れたモノ故な」
3 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [sage]:2015/12/31(木) 23:35:01.39 ID:EYqzxAlFo
>>994
「料理か?呑気だがいいなぁ……」

この時はまだ、お誘いを受けるなんて思ってもいなかった
おいしそうな料理の臭いをかいで自分はありつけんだろうなと思い溜息
>>995
「可愛い顔して慈悲はないのな……」

幼げな顔のランナーなど見慣れてはいるのだがいざそんな顔の少女に武器を向けられると溜息は出る
だが、言われるまでもなく余計なことはせずにゆっくり降りる
死ぬならもっとマシな世界で死にたいのだ
>>997>>1000
「まぁ、それが常人の反応だよな…いや、骸骨なんざ侍らせてるあんたには言われたくないが!」

ドローンを見て突っ込みながらゆっくり降下
この職はつらいこと多いな…と嘆いているがどうしようもないのだ。
こんな邪悪な職が天職でありこれくらいしかできないのだから

ともあれ地面に降り立つと先ほどよりも雰囲気が暖かだと感じた
この世界が放つ死臭のようなものは薄い

「……ああ、酷い。すまないがそれは………」

はぁ、と大きなため息。年末になんでこんなに溜息を吐かねばならないのか
だが、流石に擁護しきれない。顔に相応しい服を選ぶことは大切だ。間違えると酷く周囲の精神状態を悪くする。

「食べれるのか…!ありがたい。だが俺から話せることなんかあんまりないぞ?専門以外はまるで分らないからな」

一瞬、彼女が女神に見えた。

「分かった。髭抜きは作ってあるぞ一応
正式装備だなんだと言ってるが所属を間違えたとしか俺には思えん…」

憤慨する男を見ながらその時が来たら全面協力をしようと強く決意した
それはさておき、すごくいい香りだ。これはごま油であろうか?揚げ物?

「おおー…こんなところでよくやるもんだな…」

素直に感心しながら海老天と野菜天を取る
遠慮してるのかやや小さめのものを取っている。捕虜としての心がけなんかではない。絶対にだ。
だが、温かいかけそばはまだ食べない。捕虜の分際で先に食べ始めるなど万死に値しそうだと思ったからだろう。
捕虜としての心がけではない。生き延びるための知恵だ。
4 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/31(木) 23:37:31.36 ID:5X2X7FVHo
>>2

「ふむ、悪魔とは人が作り出した存在か」

「ああ、なるほど。人の願いや思念で、か。ふーむ、興味深いがそれは置いておこう」

数ある小道具の中からセレクトしたのは注射器と試験管。
何やら血が不思議の産物とのことなので、調査対象です。

「どうだろう。少し採血させてはくれないだろうか」

「協力してくれると助かるんだがなぁ」

どうだ、とラースを見上げる。
5 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/31(木) 23:44:22.20 ID:vDxryxPY0
>>997>>1000>>3
「……まあ、私もあまり殺したくはないのですがね」

そう言って、手に付けていたガントレットを外してホルダーへと仕舞った。
元々彼が敵ではないと、彼女は見抜いていたということもあって。

「そうですね。腹が減っては戦が出来ぬ、なのです」
「あっ、私は海老天がいいのです。久々のオーガニックですし、やっぱり豪華なものですね」

あまり表情を変えずにそう言っているが、内心は嬉しいもの。
ずっとガスマスクをつけていた故にまともな食事をしていなかったし、凝縮固形食はクソ不味いし。


「……あっ、これ使うですか?」

そう言ってイムカ向けて取り出したものは、正真正銘の剃刀。
何故彼女はそんなものを持っているのか、何処からそれを取り出しているのか。さながら、某狸型ロボットのポケット。
6 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/31(木) 23:54:16.25 ID:dYbkqHQ+o
>>4

採血と言われると露骨に嫌そうな…珍しく感情がアリアリと浮かんだ顔をした
そのすぐ後に左手を顎辺りに置いてううんと唸ると

「それは出来ん、それなりの事情もあるが」
「我が血は呪いの産物。それを預けて良いと思える程汝れを信用はしておらん」

明確な拒否の意
他人の悲劇で彩られた血、多くの悲劇を内包した誰かの血
ともすれば数多の悲劇を他人に見せる事も可能だろう
しかし…自分が終わりを与えた誰かの悲しみを、そう易々と他人に見せようとは彼も思えないのだ

「人よ、何故に奇跡の産物を求める?」
「ただの知識欲か、或いは汝れには明確に求めるものが有るのか」

今度はこちらが質問する
その目に微かに浮かんでいるのは懐疑心
突然自分の秘密を教えろと言われれば警戒するのは当然か
7 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/31(木) 23:57:03.77 ID:kPZwQAeyo
【全員対象】

「うむ」

 深く頷くイムカ。周囲の共感(主に割烹着の対する無慈悲な評価)も得られたようで満足である。
 なお、素のソバを食べ始めるイムカ。テンプラも齧る。
 が、やっぱり、ただ腹を満たしている以上の反応は無し。食べさせがいは皆無。

【そしてロイのトレードマークに対しての髭抜きに剃刀の装備提供。装備はバッチリだ】

「寝静まった頃に行動に移すか」

 淡々と語るイムカ。ナムサン!これでロイの眠れぬ夜は約束された。

「砂漠の夜は冷える。暖かい糧食を摂取するのは正しい判断だ」

 評価が味ではなく、温度であるところもまたアレである。アレ。
 なお、香ばしいとか味わいとかは良くわからない。馬鹿舌なのだ。味に関心なし。

【閑話休題】

「つまり、不死原朔夜なる、偽名くさいネーミングの君は死体加工屋と呼ぶべき立場で、
 どこぞのクライアントから、この戦艦に残された死体の回収を依頼された。と。
 なんとも物好きな者がいるものだな」

 情報交換中。無用の争いとは互いの不理解によるものが大半である。
 なお、理解した上での争いは無用ではなく必然の争いである。

「私はロストテクノロジーの調査にここに赴いている。欲しいのはカネよりもデータだ。
 護衛として、この伍長(ロイ)と、ランナー(ニゲル)を雇っていたというところだ」
≪000111010101≫

 イムカの側で浮遊髑髏が電子音を発している。
 なおこれは、死霊術ではなくテクノロジーであり、死後も皇帝陛下に奉仕できるのは名誉あることなのでセーフ。

「まあ、いい。敵対する理由も特にないとわかったし、邪魔しない限りは君の自由は保障しよう」

 と、まあ、このように尋問は平和裏におわりそうなのであった。

//では新年もそろそろなので今日はコノヘンデ〆にしやしょう
8 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/31(木) 23:58:57.62 ID:5X2X7FVHo
>>6

「言ったろう。仕事だ。仕事」

「不思議なものを調査、解明、保護する仕事をしている」

ラースの示したどちらでもない。
とても事務的で、淡白とした理由だった。

「それで、活動方針として、その不思議の源が知的生命体である場合、無茶をするなという方針だ」

「そこはほら、いやお前さんが生命体かどうかは知らないがね。エージェントが危険な目にあってまでやる必要はないということよ」

あっさりと諦めて、小道具をしまいこむ。
そうしてからタバコを一本取り出して着火。
結構、愛煙家らしい。
9 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/01(金) 00:03:39.43 ID:xrTVKZHW0
>>3>>5
かくして不死原はエビと野菜天 ニゲルは大振りなエビ二匹というゴージャス
そしてイムカもテンプラを投入

最後にこの男はコロッケを投入 中の人はコロッケ蕎麦を愛しております

だが皆こちらの髭を狙っていると知るや 七味の入った小さな瓢箪を構え

「やめろぉ!! 髭を狙うならこちらはお前らの蕎麦にしこたま七味をぶっこんでやる!!」
軽く涙目である こうなったら意地でも起きていようと心に決めた瞬間である

―――閑話休題なう
「俺もハイテクはよくわからないけd祖 取り合えずここに目当ての何かがあるってんでついてきたんよ
 まぁどうでもいいや 俺は何かあったとき用の人間だから ・・・あ 蕎麦湯飲む?」

湯呑みに薫り高い蕎麦湯を淹れて振舞おうとする

「まぁ知り合いにネクロマンサーもいたし 別段気にしてないよ こちらに敵意を向けない限りはね」
10 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/01(金) 00:10:50.59 ID:+AmYEV4ko
>>8
「…我の力など、解き明かした所で百害有って一利も無い」
「ただの『怒り』。ただの『死』 そう思えば良い」

自分はただの事象…災害の様なものだとそう言って聞かせ

「……事実、汝れらからすればただの燃えるだけの血だとも」
「血だと解明されるのが先か、燃え尽きるのが先かは分からぬがな」

とは言え何も得られず帰すのも悪いと思ったのか、概要だけは教える事に
肌に付いていた血を左手で払って見せると、地面に落ちた血は事実燃え上がり、消えた
11 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [saga]:2016/01/01(金) 00:11:12.90 ID:ZIzJtdMZo
>>7
「了解、寝たらだな」

自分も蕎麦を啜り、天ぷらを齧りながらロイの髭抜き作戦に同意した
ご愁傷さま、くらいの感想はあるので安心されたし

「旨いな…こんな砂漠の真ん中で作ったとは思えん」

蕎麦を食べる手はあまり休まらない。それほどまでに美味しい、ということだ

――――

「要するにそういうことだ…ところどころ微妙に情報が加工されてるが」

なぜ死体か、それは朔夜が死霊魔術師だからだ
ともあれ情報交換は正しく行われていた

「データか…競合はしないな、俺は死体以外にはここには何も求めない」

状況は把握し、争う必要はないと判断する
自分が求めるものとイムカが求めるものは競合せず、争う必要は皆無だ

「了解、それじゃあお互い干渉せずでいくかー…」

尋問は終わったと思い伸び一つ
平和に、争わずに、美味しいものを食べて終われてよかった
朔夜はしみじみと感じていた

//では私もこの辺で―あけおめことよろお疲れ様!!
12 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/01(金) 00:14:32.53 ID:emq53HCfo
>>10

「そう言うな。知識というものは事前にないと役に立てられないものでな」

「人はねじ回しがあって初めてねじで固定されたモノを理解できる。そうでなくば溶接されているのと区別がつかん」

「……という、わかるんだかわからんだかというたとえ話もあることだ」

ふぅぅ、と煙を吐き出して。
仕事熱心なタイプ、というわけではないらしい。

「燃える血か。血が燃える。その『結果』だけ見れば前例がないわけではないが――」

「この場合重要なのはその『過程』だな。うむ。確かに私の目から見ても特異に見える」

ふーむ、とメモを取る。
本当ならやはりサンプルがほしいところではあるが。
13 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/01(金) 00:33:58.18 ID:+AmYEV4ko
>>12
「知らずとも良い事も有るだろう?」
「好奇心も過ぎれば悲劇しか生むまい」

如何に言おうとこの悪魔は現段階でスレートに血を与えるつもりは無い様で

「然らばその前例とやらで納得しておけば良かろう」
「我が権能、偉業等…つまらんものだと吐き捨てられる程度が丁度良い」
「いや…そうでなくてはならぬ」
14 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/01(金) 00:39:44.58 ID:emq53HCfo
>>13

「そういうもんでもないのだ」

「似て異なる不思議があるなら調べて比べてみんといかんのだ」

「……まぁ、いいさ。報告だけしておこう」

メモを懐にしまいこむ。
勤務態度良好ではないのだ。ラースとケンカしてまで血なんかいりません。

「……さて。何やら年が明けたとのことらしい」

「ここいらで失礼しよう……ああ、私の名前は『ナチグロイシ』だ。コードネームですまんな。なっちゃんと呼んでくれ」

フレンドリーにすぎる愛称をわざわざラースに紹介して――。

「それではさらば、さらばだ怒りの悪魔よ。次会うときには甘いものを恵んでくれるとありがたい――!」

お菓子をねだりながら、去っていくのだった。
15 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/01(金) 00:42:48.96 ID:+AmYEV4ko
>>14
「……ああ、去らばだナチグロイシよ」
「今年が、汝れにとって良きものである様願っている」

そう言って去りゆくスレートの背中を見送って



―――ゆるり
振り返る

「ああ、どうか。」

「どうか彼等の分の幸福も―――――」

炎の風の中、燃え逝く彼等を想って―――――
16 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/01(金) 21:27:50.95 ID:emq53HCfo

――前回までのあらすじ。

『トローヤー』中央地域の学園都市『トートズラント』が誇る偉大なる魔術師(アーク・メイジ)の依頼というのは……。
彼を慕うとある越境者の少女の頼みごとを解決してもらうというものだった。
それというのも、彼女は訳あって己の故郷である世界に帰れなくなっているが、そこにいる男性のことが気がかりらしい。
ロランというその男性はその世界の英雄であり、彼女は彼に『ハーミットに帰ってきてほしいか?』とたずねることを頼んだ。
もしも頷けば殴って欲しいし、幸せそうならそれでいいから何もせずにいいという。
この依頼にその件のアークメイジであるベルゲマン氏は宝石という破格の報酬をかけた。
……彼の身の潔白を証明するには、必要経費であるらしい。

――そして、現在。

ロイのフェイントをかけたソレに、青年は咄嗟に、という風に応じた。
即ち、顔面に迫る拳を手で受け止め、本命の左足への踏み付けを、足を浮かせて空振りさせようとしたのだ。
だが、そうする寸前、彼はロイの顔を見て、それから、にやりと笑う。

「――あ、痛っあああああ!!!」

浮かせかけた足を戻し、ロイに素直に踏まれて、そう絶叫したのだ。

「痛ぅぅぅぅ! こんな戦士を派遣するかい、普通!?」

あいたたたた、と青年は足を押さえてぴょんぴょんと跳ね回る。
それを見ていた周囲の人々の反応はまちまちだが、笑っているものが多い。
彼の認識は、好色がすぎてしっぺ返しを受けている最中の、憎めない青年ということなのだろうか。
17 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/01(金) 21:40:54.98 ID:DcX12fVhO
>>16
「……」

はてさてどうしたものか
それが鼠人の思考を占めていた
取り敢えず殴るかと意気込んではいたもののその必要はなさそうに見えるし、ロイの行動に対する彼の奇妙な行動も疑問だ

「……被虐趣味でも?」

眠たそうに細めた瞳、仄かに灯る死に掛けの心臓の鼓動の様な真紅の光
声変わり前の少年、或いは少女のソプラノを押し殺したような静かな声
魔翌力にも対応出来る、強い警戒体勢と言える
18 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/01(金) 21:44:16.35 ID:xrTVKZHW0
>>16
「・・・・・・」
ナルホド 伊達に英雄を名乗っているわけじゃないらしい

自ら泥をかぶり 相手を立て 気持ちよく帰ってもらおう そういう腹積もりか?

「おぅ ハーミットってヤツからのお使いさ・・・ツラ貸しな」
そう言ってロランを人目の付きにくい裏路地へと連れて行こうとするだろう
19 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/01(金) 21:51:54.90 ID:emq53HCfo
>>17-18

「嫌だああああ殺されるうううう誰かたーすーけーてーえー」

ロイに無理やりに連れて行かれる、という風を装って言われたとおり路地裏に。
ちなみに、こんな風に声をあげても周りの人が彼を助けようとかとめようとかいうことはしなかった。
それどころか『浮気の清算はしろよー』とか『自業自得だぞ馬鹿めがー』とか言われているのである。

「被虐趣味なんかないけどね、鼠さん」

「……ハーミットと言ったね、それにしても」

それまでおちゃらけた青年の雰囲気が、途端に冷たいものとなる。
氷のように冷たい殺気。それを身に纏うようである。

「本当に使者ならそれで良し。この無礼を詫びよう。だが――」

「――狂言なら、許しはしない」

その両手に、魔翌力が収束していく。
これをムガなら、とてもじゃないが穏やかじゃないものとして、はっきり感じ取れるだろうか。
20 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/01(金) 21:58:56.27 ID:xrTVKZHW0
>>19
「さぁ? どっちだろうね?」
そこであえて挑発するような物言いをしてみるテスト

なおこの男は魔法の才能は皆無なれど 魔法の存在する世界の住人であるために 収束する魔力に気付くことは出来た

「次は泣いても許してやんねぇぞ」
ズラリと鋼鉄製のサーベルを抜き それをポイと捨てる そして同じく鋼鉄製の鞘を構えて見せた
21 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/01(金) 22:01:07.11 ID:DcX12fVhO
>>19-20
「……」

波濤の様に押し寄せる凍てつく気配
それは鼠人に、警戒から抗戦へとその意識をシフトさせるに充分な凶兆を孕んでいた

「それを、猿……」
「お前が、確かめる術はない訳だ?」

ぐ、と身を低く忍者刀を抜き放ち構える
正直な所、ムガは交渉人として極めて不向きである
それは人の言葉への知識不足と、何より常識や文化への不理解が大きい
すぅ、と大きく息を吸って止める
赤い瞳は鋭く目の前の男性を睥睨していた
22 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/01(金) 22:04:33.27 ID:emq53HCfo
>>20-21

「……睨んでも怯まないか」

「というより、そこは嘘じゃないって真でも虚でも言うところだろうに」

構えをといて、先ほどまでのおちゃらけた雰囲気に戻る。
両手に収束していた魔翌力はそのまま、カードに変換された。
……タロットカードらしく、それらは空中に展開する。

「占いでも嘘じゃないと出ている――隠者からの使者に対し、無礼を働いたことを許して欲しい」

「彼女からの使いだというなら、用件を伺おう」

態度をまたも一転させ、改まると――。
恭しく、頭を垂れた。
23 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/01(金) 22:13:17.40 ID:DcX12fVhO
>>22
「……生憎、」
「苦手だ、お喋りするの」

首を横に振って納刀
きん、と澄んだ音色、金鳴
どうにも胡散臭い気配の印象を拭い切れず、警戒を解く事はしていない

「あー、武器だらけ」
「……頼む」

で、結局交渉というか要件の細かい部分なんかはロイへ任せっきりの有様である

24 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/01(金) 22:15:39.68 ID:xrTVKZHW0
>>21-22
せっかくやる気が出てきたのに またも態度を改めるロラン

「なぁーそこは戦うところじゃない? なぁどう思うよジェリ○マウスよぉ」
http://rr.img.naver.jp/mig?src=http%3A%2F%2Fimgcc.naver.jp%2Fkaze%2Fmission%2FUSER%2F20141103%2F53%2F5385983%2F6%2F551x700x48064dd6c7b31978244765fb.jpg%2F300%2F600&twidth=300&theight=600&qlt=80&res_format=jpg&op=r

ヤレヤレといった様子でムガに近づき ムガの肩に肘を置いて寄りかかろうとする

「あぁ? 俺はただお前をひっぱたいてこいって言われただけだ あとのことは聞いてないんだよ」
内容は一部違うし 事情も聴いている なのにこの言いぐさである 先ほどのタロットといい 嘘を通せるわけもないのに
25 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/01(金) 22:21:34.34 ID:emq53HCfo
>>23-24

「おおーい。そりゃないよ、というより、全部を話してくれないかなぁ」

「あと鼠さんに睨むのやめるよう話してくれない?」

空中に展開したタロットを見ていれば、ロイが全てを話していないのも見抜く。
ただ、なぜ全てを話さないのか、まではわからない。
であるため、目の前の調子の良さそうな青年は言葉を重ねる。

「ハーミットももう少し適任者ってのを選んでくれればいいのに……」

「彼女は大切な仲間だ。……みんな心配もしている。なぁ頼む。名前も知らない戦士よ。何を知っているんだ。話してくれないか」

ぎゅ、と拳を作り、しばし瞑目。
26 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/01(金) 22:26:11.72 ID:DcX12fVhO
>>24-25
「どんだけ種類があるんだ……」
「って、お、おい!」

夢の国の王様に電気鼠、そして今度は仲良く喧嘩と来たのだから
そして強引に肩を組まれれば振り解こうとするもそもそも筋力が少ない
成されるがままになりよろけ、倒れる事だけは防いだ

「……話すったって」
「……」

微かに困った風に目を細め、ロイへ向ける
ぶっちゃけ多分、忘れている……というより説明を聞いていなかったのだろう
ただ殴ればいいとだけ思っていたため、少々困り気味
27 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/01(金) 22:37:45.25 ID:xrTVKZHW0
>>25-26
「次はポ○リ辺りで攻めてみようと思うんだ」
ワイワーイニコニコップン!!

まだまだ引き出しはあるようです よかったね

「ハーミットちゃんは別世界で旦那捕まえて毎日幸せに暮らしてるから忘れてくれってさ
 それでも連れて帰ってこいと言われたら殴れって言われたんだ 今度はホントの話さ」

視線をロランに向けて依頼内容を告げる 今度は嘘偽りなく

「んで? どうする? 殴り合いする?」
28 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/01(金) 22:45:01.74 ID:emq53HCfo
>>26-27

「……うん? うん!? いやまて、まとう! 戦士よ!」

「ちょっと違うとタロットが言っているんだがどういうことかね!?」

しかしロイは臨戦態勢。
こりゃ一度殴りあったほうが面倒無くていいかもしれないとすら思い始めてきた。

「い、いや、……ハーミットが望んで帰ってこないなら……止める権利はない、けどもね」

「彼女は何か、そう、何か勘違いしているような気がするんだが……あー、君たちにいっても理解はできないか」

「ああ、いや、まてよ。そうだな。うん。帰ってきてもらおうか。殴られてやるが、伝えてもらおう。帰ってこい、とね!」

――殴り合おう。腕っ節で世界の危機を救ったような男が、そんな単純な解決方法を前にいつまで躊躇していられるわけもなかった。
彼からしてみれば、以前よりも興奮する戦いなんてものはなかったことでもある。

「そこの鼠君も一緒にどうかね。君もストレングスやチャリオッツと同じで、考え事がいやなタイプだろう?」

魔翌力が収束した拳をぶつけて、準備も万端――。
29 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2016/01/01(金) 22:52:12.94 ID:DcX12fVhO
>>27-28
「……いい加減にしてくれ……」

疲れ切った反応
かつてであれば無言で斬り掛かっていたような扱いであるが、それをしないのはムガの精神面の成長と何よりロイとの付き合いの長さに起因する
一族の仇であるヒトに対する複雑な心境を抱いてはいるが、個人への印象はまた別なのである

「ん?」
「……あぁ、やるってんなら」

やや、毒気を抜かれ掛けてはいたが
しかしそれでも臨戦の構えを取る迄に、一呼吸の間も要する事はない
ぢ、と短い鳴き声を発すれば脚に真紅の魔力を纏う

30 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/01(金) 23:00:45.09 ID:xrTVKZHW0
>>29
「だが断る」
どっこいしょとムガから離れた

>>28
「あらそう? どこで間違えたかな?」
肩を竦めて見せる たぶん幸せの当りだろうと推測するが 相手がやる気なので黙っておこう

「おーけい やろう 今やろうすぐやろうとっととやろう」
くるくると鞘をもてあそびながら間合いを測る その体からは闘志の炎がにじみ出て辺りをゆがめている

動きだけは余裕を装い 隙を消し 臨戦態勢を取る
31 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/01(金) 23:05:39.62 ID:emq53HCfo
>>29-30

「やー、路地裏で悪漢二人に襲われてしまったぞーたいへんだー」

などと棒読みで軽口を叩く。
安い挑発だが、余裕がなさそうなムガには効くかもしれない。
……という淡い期待が、まるきりないわけでもない。

「鞘を鈍器に、ねぇ」

「素手じゃないなら、こっちも抜かせてもらおうか、なっと……『フール』!」

空中に展開していたタロット達が消え失せ、一枚のカードだけが彼の手元に納まる。
見えるのは愚者のカード――カードは、杖にへと姿を変えて。

「……」

杖を槍のように構え、油断無くロイとムガを見据え、構える。
32 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/01(金) 23:17:55.42 ID:DcX12fVhO
>>30-31
「ん」
「……じゃ、殴ろうか」

挑発に乗る事はない
ただ、淡々とした敵意を向けるだけである
それは忍びの技であるし、ムガ独自の性格の成せる芸当でもあった

「……!!」

疾駆
姿が消えたとまごうばかりの圧倒的初速
低く身を沈めた、蛇の如き疾走

「……武器だらけっ!!」

殴り掛かる直前、思い切り横へと跳ぶ
その際に尾の先の刃の風車で横薙ぎにせんと唸らせるが、当たるモノと踏んではいない
むしろ後続のロイへと繋ぐ、フェイントの要素が主眼である
33 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/01(金) 23:22:29.25 ID:xrTVKZHW0
>>31-32
「応ッ!!」
ムガの突進にあわせ こちらも駆ける
そしてムガが横っ飛びに退けてくれたその隙を狙う

「ッ!!」
上体を伸ばし 手首のスナップを効かせ ロランの頭頂部を狙った縦の斬撃
鞘なので切り捨てることはないが 当たればそこそこ痛いはずの一撃を放った
34 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/01(金) 23:28:02.70 ID:emq53HCfo
>>32-33

「鼠君の方も手強い――『マジシャン』!」

彼の胸から一枚のカードが飛び出す。
それは魔術師のカード。カードは不思議な力場を生み出し、ムガの尾と、それに続くロイの一撃を防ぐ。

「そら、呆けている場合はないぞ!」

ロイの一撃を弾くと同時に力場は失われ、青年はロイに杖を突き出す。
稲妻の如く一閃である――これで、ロイの胸を強打する狙いで。
そして――ムガにも、一撃を狙う。

「『タワー』天を衝け!」

ムガの足元から、石英の結晶が飛び出してくるではないか。
魔翌力の流れと、地鳴りがすることから地の下より何かがくることはギリギリで察することはできる。
避けられるかは、ムガの力次第だ。
35 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2016/01/01(金) 23:37:19.90 ID:DcX12fVhO
>>33-34
「……チッ」

展開された魔力障壁に舌打ち
強力な魔導師だ、無いはずはないと思ってはいたがここまでの出力のモノを素早く発動させる敵の手腕を認めるべき所

「……!!」
「うわっ……、とっとっ……!」

ムガの、鼠人ヤソの衆の忍びの戦闘術の長所はその機動性にある
即ち、一所に停滞する場面は極めて少ない
それでも石英の発生速度は影を捉え、だが直撃させるには至らず
駆け寄る事と回避が同時に並行して処理され、体を掠めて卵色の美しい体毛が微かに散った

「……せェッ!!」

すれ違う軌跡での抜刀、斬撃
対魔力障壁効果の高い忍者刀、ミダレヤマアラシでの一閃である
低い位置を狙ったそれはつまり、意識を惹く事に重点を置いている
36 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/01(金) 23:45:50.02 ID:xrTVKZHW0
>>34
放った一撃が―――おそらく障壁―――目に見えぬ何かを叩く
その瞬間 両手で握った鞘を何のためらいもなく手放した

衝撃で明後日の方向にすっ飛んでいく鞘を気にも留めず フリーになった両手でロランの突き出す杖を掴む
目的は阻害 疾駆するムガの援護両足で踏ん張り ロランが咄嗟に動けないよう仕向けた
37 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/01(金) 23:54:32.04 ID:emq53HCfo
>>35-26

「絡め手が――上手、だね!」

必殺のつもりの杖の一閃が掴まれて止まる。
身体の姿勢も治らぬままムガの一撃が迫り――。
状況的に、先ほどのように咄嗟に発動できるカードもない。

「ち、ぃ――!」

杖を離して対処しようとする、が。
どうしても一手遅い。神速のムガの一撃を、足にまともに受ける。

「いや、全く。うーん。殺し合いならどうとでもなる、けど」

「これは一本だよねぇ。どう考えても」

ムガの刃は、彼のズボンの内で止まり、肉を切るに至らない。
が、それでも有効打は確かで、彼は参った、と諸手を挙げる。
38 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/01(金) 23:58:45.52 ID:xrTVKZHW0
敵がもろ手を挙げる 絶好の隙だ

即座に右手を杖から放し こぶしを握ってロランの顔面へシュゥゥゥゥゥ!!!!

本ミッションの目的はロランを殴ることです 目的はちゃんと達成しましょう
なおロイの右腕には鎧のパーツがしっかり装着されており もちろん拳はガントレットで覆われている
39 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/02(土) 00:01:46.68 ID:OEkLfdGsO
>>36-37
「……」
「……ふん」

搦め手が、と言われれば不機嫌そうに鼻を鳴らし、素早く身を引いて納刀
言葉は少ないが表情が語っている
即ち、『それはこちらの台詞だ』
尚、続く言葉に対しても同様の鼻息を漏らし表を変える事はしなかった

「……さて、で、なんだったか」

ちらり、ロイへ視線を向けた

「武器だらけ。 一回だけ、えい、とだったっけ?」
「……2人で一回だけって訳じゃ、ないよなぁ?」

ぐ、と拳を握り締め、3歩の距離を一度の踏み込みで刹那に詰めて渾身のアッパーカットで顎先を狙う
40 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/02(土) 00:10:04.30 ID:iEeWdZVyo
>>38

「げ」

失策だった、と理解した青年の声である。
強かに顔面が打ちつけられる! 丹精な青年の顔がひどいことに!

「う、うぉぉぉぉ!?」

さらに第二打! アッパーカットだ!
青年の身体が空に浮いたぞ!

「や、やりすぎじゃないかね!?」

――それでも喋れるのは、やはり英雄だからか。
そもそもタフネスもかなり高い、ようではある。
41 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2016/01/02(土) 00:21:47.04 ID:OEkLfdGsO
>>40
「よし、完了」

ふんすと口元を隠す覆面の下、少し満足そうに矢張り鼻を鳴らした
案外とぴんぴんしているのがやや癪ではあるが仕方ない、己の腕力不足が招いた結果だ

「さて、帰ろ」

踵を返し帰宅ムード
ムガがした事と言えば依頼を馬耳東風で聞き流し、英雄に喧嘩ふっかけて殴っただけである、色々酷い
42 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/02(土) 00:22:22.04 ID:mmZG2pdC0
>>39-40
完璧に決まった もうこの世界に用は無い
急いで捨てたサーベルと 飛んで行った鞘を回収し

「よしムガ ミッション完了だ せっかくだから英雄殿に華を持たせつつ撤収するぞ フン!!」
ニヤリと禄でもないことを考えていそうな笑みをムガに向けると 拳を握って 自分の口の端を殴る 腫れ上がる唇 片方の鼻穴から血もタラリ

そして素早く踵を返すと

「う…うわ〜!! k・・・勘弁してくれ〜!!」
顔を恐怖に歪め バタバタと路地へと駆け出すと

「こ〜ろ〜さ〜れ〜る〜!!!!」
無様に通りを 帰還ポイントまで駆け抜ける

Qなんでこんな小芝居を打ったの?
A☆な★ん☆と★な☆く★
43 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/02(土) 00:26:33.21 ID:OEkLfdGsO
>>42
「え?」
「あ、お、おいっ!」

慌ててロイの後を追う鼠人
結果として路地から命辛々逃げ出した風に見える事になるのだが、本人(鼠)はそれに気が付いてすらいない
44 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/02(土) 00:28:40.14 ID:iEeWdZVyo
>>41-42

「……ふふふ、ハーミット」

「あれほど……友達は選びなさいと、言ったのに……」

倒れた青年はそのまま暗い路地裏で気を失った。
危なくはないか? なあに、大したことはないのでご安心である。
そろそろ彼の『本命』が血相を抱えて飛んでくることであるし。

――

ロイとムガが逃げ帰ったように見えた街の人間は、少し驚いた様子だった。
彼はこれまで刺客を追い払っても、ロイのような怪我をさせたことはそうはなかったからだ。
ムガは無傷に見えるが、そこまで気にかけてはいられない。
つまり、英雄がそこまでムキにならねばならぬほど手強かったのだろうと、民衆は納得したのである。
世界は広いなぁ、と思ったかどうかは定かではないが、世界の外からとは思いもよらぬことであることは確かだ。


「……何で怪我してるんだ?」

さて、帰還ポイントまでたどり着いた二人を待っていたのは、来たときにもいた金髪の少女だ。
名前を『ストレングス』といったか。彼女は不思議そうにそう尋ねた。
45 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/02(土) 00:36:40.82 ID:mmZG2pdC0
>>43-44
「そ〜れ〜が〜聞いてくれよあのロランってぇ野郎飛んだDVだぜ有無を言わさず殴られたんだぜぇやりかえしてやったけど」
鼻血を拭いながら例の少女に訴えかける なぜ嘘をつくのかって? なんとなく

そしてロランの時のようにムガの肩に肘を乗っけて

「なぁ 大変だったよなぁハムタロサァン」
ヘケッ
46 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/02(土) 00:39:49.40 ID:OEkLfdGsO
>>44-45
「こっちが聞きたい」

尋ねられた問いに対しては素直な返答である
尚ロイの虚言についてはノータッチ

「……んなっ、だ、だからっ!」

離れろ鬱陶しい、と叫びつつぐいぃと押し戻そうとするも虚しく非力
コントめいた遣り取りを繰り広げる事になるのであった
47 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/02(土) 00:44:07.69 ID:OEkLfdGsO
//すみませぬ、ちとこの辺りでお先に落ちまするっ
//ありがとうでした、また宜しくお願いしますーですよっ
48 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/02(土) 00:49:16.70 ID:iEeWdZVyo
>>45-46

「……変な嘘はせんでいい」

少女は呆れて肩をすくめる。
彼と面識があるようであったし、さもありなんといったところか。

「まぁ、用事が終わったんなら帰るんだな」

「いつまでも開いているもんでもないし」

――そういうわけで、二人は来た道を戻ることになる。
戻って来てみれば、依頼者と少女は気が気でない、という様子だった。

「イリスちゃんの目が待っている間ずーっと、ずーっと怖くてね?」

「私も何だか針の筵で……それで、彼はどうだったんです、か? 幸せそうにしていました、か?」

「……あと何で怪我してるんですか?」

さて。少女にどう報告をするか?
49 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/02(土) 01:00:50.43 ID:mmZG2pdC0
>>48
「はいはいごめんごめん とりあえずミッションコンプリートだ 俺らはさっさと帰るよ お疲れさん」
少女に短い別れを告げてまたSAN値が削れそうな門をくぐる

そして元の世界に帰ってきた 様子を聞かれたので

「そ〜れ〜が〜(ry
先ほど通じなかった冗談を言いかけて

「まぁいいや ロラン君はとても元気で幸せそうだったよ 殴っといたけど
 お前さんの身を案じてたけど 帰ってこいとは言われなかったよ 殴っといたけど」

まぁ実際あの時の帰ってきてほしいは本位じゃなかったことぐらいは分かっていますし 嘘にはならないだろう

そして目が怖かったなどと宣う輩の肩にポンと手を置き

「なに怖かったの? それじゃ意趣返しにベッドの上でやっつけてやらにゃぁな」
やっぱり下世話なアドバイスを送るのであった
50 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/02(土) 01:14:04.62 ID:iEeWdZVyo
>>49

「そ、そうですか……元気そうならよかった。幸せに、なってくれたんですね」

「よかった……私が帰ったほうが、向こうは大変ですから」

いい聞かせるように、少女は何度も頷いてその報告を聞いた。
殴っておいた、にはクスクスと笑っていたが。

「もう、本当に殴らなくても……あの人なら、平気だろうけど」

「……うん、それじゃあこれからどうしよ『帰りなさい』イリスさあああん……」

奥方の反応は辛らつだった。
帰れ帰れのシュプレヒコールだ。彼女は嫉妬心が強い。

「イリスちゃん、オートマータだからその手の知識薄いんですよ……勘弁してください」

青年は頭を抱える。
そう、彼の奥さんはお人形であった。それも精巧な。
完全に自我をもって動いている。外見も、触った感覚も人そのものだ。
人形やオートマータというよりは、人造人間という表現が正しい。

「大体心残りがあるのに一人で納得しているのは大変不健全」

「どうなろうが私の感知することでありませんが、この状況は私に不利益なので、行って来なさい」

「どうしてもダメなら彼の前から消えることを条件に便宜を図ってあげますから」

ぐいぐい。黒髪の少女は嫉妬深い奥さんに無理やりさっきのゲートに押し込められている。
少女はあうあう言いながら中に入っていってしまった。

「……最初から、こうすればよかった」
「イリスちゃん……」

ロイはこのトンチキな夫婦に突っ込みをいれてもいいし、やってられるかと帰ってもいい。
一応報酬はすでに用意されていることであるし。
51 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/02(土) 01:28:49.52 ID:mmZG2pdC0
>>50
「知らん お前が悪い さっさと押し倒して来い」
相手がオートマタであろうと容赦なし こんな下世話が服を着て歩いているような傭兵を雇ったのが悪いのだ

「さて それじゃ俺はお暇するぜ お邪魔虫は消えるから あとは存分にイチャラブストロベリって頂戴な・・・じゃあなフォルカー・ベルゲマン」
ポンと雇主の男の肩を叩いて退室する


・・・・・なお 後日フォルカー宛に春画詰め合わせなるものが送られてきたという

//そろそろ〆かな?
52 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/02(土) 01:33:39.81 ID:iEeWdZVyo
>>51

「……う、うん。あ、ありが、とう?」

手をふりふり、彼は苦笑しながら見送ったとか。
……さて、実は一人足りない。
行きのときにはいて、帰ってきたときにはいなかったもの!

もちろん、幽霊である。

「そーれーでー、どんなおとこのひとだったのかしら」

「あとあと、はしたないこと言い過ぎじゃないかしら。わたし、何度も赤面しちゃったわ」

……勿論、ロイの後をおっかけていくのである。ちゃんちゃん。

//はい! 〆で、長々とありがとうございました!
53 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2016/01/02(土) 21:24:53.06 ID:Vv/rYWqTo
【とあるファンタジーの世界】

 ――エンドタイムズ――

「………」

 ガスマスク付のヘルメットを被っている少女は空を見た。
 空はどうしようもなく赤い。太陽はまるで呪われたかのように血色に染まっている。
 雲は硫黄の如き黄色。空気は常に血と臓物の臭いが混じる。

「………」

 次に少女は地面を見た。土は腐臭を放ち、生命力を失っている。
 粘性のアメーバめいたモノがベトつき、恐るべき病原菌を生み出そうとすらしている始末だ。

「………」

 最後に少女は目の前を見た。
 大量の死骸。オークのものだ。最後の最後まで戦っていた。あるいは戦っているのだろう。
 オークの生命サイクルならば最悪の状態でも確かにもっとも長持ちする≠フかもしれない。
 横手に倒れている人骨は頭の昔に死しているというのに。

「…スキャニング終了。人類種の生存確率0%。ドラゴン、エルフ、ドワーフ、ハーフリングもそれに準拠。
 グリーンスキンの存在は確認するも、オーク生命サイクルの崩壊も間際。
 この世界軸をエンドタイムズと認定するには十分であると――」

 記録装置に言葉を発する。レポートだ。持ち帰るための。
54 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/02(土) 21:30:44.66 ID:mmZG2pdC0
>>53
「つまり・・・どういうことだ?」
今日もカノッサでお仕事ということで いつものようにふざけたガスマスクにつれられてやってきましたとんでもない世界

「人が居なくても自然は成り立つ 人の手の入ってない場所に動物がいるようにな
 しかしこれはどういうこった? 土ってな腐るもんなんか?」

事前に渡されたガスマスク(こちらは口のみを覆うタイプ)により くぐもったような声でアルファに問いかけた
55 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2016/01/02(土) 21:41:50.75 ID:Vv/rYWqTo
>>54

「境界線の撓みにより越境者なる存在が出現シテカラそれなりに経過していマス」

 ロイの質問にすぐには返事をせずにナイフを取り出し、
 倒れ伏すオークの肉片を採取するα-12。結構グロい光景ではあるが。

【死したオークの肉を切るときも、血液以外の粘性の何かがへばりついた】
【オークの死骸は黄痰や膿まみれでそれは酷いものだ】

「ロクでもないものが跳梁していたトシテも不思議ではありまセンよネ」

 ケースに収めたそれをロイに向かって投げる。
 その肉は僅かにソーサリー的要素。魔力めいた何かが帯びている。
 良く見れば、土も、空気も、そして遠方で昇る黒煙にも。

【不気味の一言である。黒煙が自然と鉤爪とも髑髏とも視える像を描いている】

「計測した魔力濃度が異常デス。…ええと、アナタの脳に対して噛み砕いて解釈する手段をα-12は探りマス」

 なんだかすっごくシツレイな事を自然と口走りながら、うーんと考えてから、

「ファンタジーめいたアレ風に言えば魔界に呑まれるって奴デショウか?
 現実と非現実の帳が破壊されて、歪み(ワープ)よりあふれ出した悪魔(ディーモン)が跳梁跋扈してマス。
 アナタには覚えがありませんか?そんな現象?」
56 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/02(土) 21:53:50.16 ID:mmZG2pdC0
>>55
「禄でも無いものねぇ…」
放り投げられたケースをキャッチし中身を覗く

「うわエンガチョ とか言ってる場合じゃねぇなこれ 不味いってレベルじゃねぇ」

この男 魔法の才は無いが 魔法の存在する世界の住人故 ある程度の魔法判別は可能なのだ
明らかにヤバい魔力が渦巻いている ケースから目を離し 辺りを見れば 黒煙が意思をもって固まっているようにも見える

そして最後にアルファの口から出てきた言葉 その言葉には 越境して以来 忘れかけていた いや 忘れようとしていたフレーズが掘り起こされる

「願望機・・・そして“門より来たる者” ・・・あれが・・・ここにも・・・!」
怯えの混じった眼で アルファを見やる
57 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2016/01/02(土) 22:10:55.30 ID:Vv/rYWqTo
>>56

「アレだか何だかまではα-12にもヨクわかりませンが」

 魔力を感知するセンスがあるならば、あるいはα-12以上に感じ取れるかもしれない。
 最早、魔力という世界を循環する流れは歪み(ワープ)に充ち、
 底知れぬ邪悪な意志が、あまねく全てに偏在しきっている。

「この世界がその事象の結末なのでショウ。終焉の刻(エンドタイムズ)デス。
 しかも、それをばら撒いている連中がいる可能性が高まっていマス」

 カノッサ機関の調べではエンドタイムズに達した世界が増加しているとのこと。
 そして、そのような世界に対して、機関が行える選択肢は必ずしも多くない。

「百害あって一理なしデス。資源も人材も能力も、何も求められません。
 汚染が広げる前にこの世界に通じるあらゆるゲートを破壊し、隔離シマス。
 放棄(ペルディータ)宣言には十分な証拠がそろいましタ。ミッション終了デス」

 一陣の風が吹く。砂煙がα-12とロイに纏わりつくが、
 それすらが、一瞬、幽鬼めいたビジョンを象り、二人を嘲笑うかのようであった。

「ゲートが不安定期に入る前に離脱しまショウ。もう我々に出来ることは何もありまセン」

 遠方よりオークの高らかな吠え声が木霊する。
 グリーンスキンが勝利すればこの世界は滅亡より救われるのだろうか?酷いファルスかもしれないが。

「………」

 地面に転がっている少女向けの小さな人形を拾うα-12。だがそれも首が圧し折れ地面に落ちた。
 そして、終焉が訪れる。

//では短時間ですがオソマツ!
58 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/03(日) 22:14:24.64 ID:wXXAm7D70
【ゴールドラッシュに沸くアメリカ とある荒野の町】
舗装されてない道を乾いた風が通り抜ける

その風を受けて転がるタンブル・ウィード 立ち並ぶ建物は木造で その中を馬車が行き交い 街行く人々は 

男はスーツか カウボーイシャツを小粋に纏ったガンマン
女は丈の長いドレスに身を包んでいるのがこの世界の常識らしい

ここはまるで映画の中に飛び込んだかのような そんな西部のとある町の酒場

「いや〜この世界の貨幣を持っててよかったよ」
陽気なピアノが鳴り響く店内のテーブルを一つ占領し ポークビーンズと硬いパンを ウィスキーと共に頂いているのは自称アーティストのスペイン人

―――ギィ!!
そしてサソリのベティ

「さて とりあえず今日の飯はどうにかなれど 明日のパンの心配をしなきゃならねぇ 何か特異なことは?」
食い扶持稼ぎを何にするか 一行に問いかけた
59 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/01/03(日) 22:24:39.63 ID:LE1HxNR40
>>58
「……得意、アキレスとほとんど同じかな」
「先ずはこの格好をなんとかしたい……」

不貞腐れて唇を尖らせているのは七八である
そしてそれは無論、今現状の彼女の出で立ちにあった
薄紫色の裾の長いドレス、即ちこの荒野の町での標準的な女性の服装なのだ
本来彼女はこのように、場所で着替えるようなたちではない
それでもそうしているのは、いつもの装束が余りにも目立ち過ぎる上に少々汚れが目立つ頃になってきてしまっているが故だ
一先ずサイズの合う安い服をと買い求めたのがこれなのである

「……スースーするし……やっぱ男物にしとけばよかった」

頬杖ついたまま硬いパンを囓り、深い溜息
60 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/01/03(日) 22:29:11.43 ID:oY8zlX/Q0
>>58
[いつもの薄汚いコートの上からボロボロのポンチョとウエスタンハットを纏い、煙草をくわえる男]
[帽子の鍔の下から周囲を見渡し、パンに手を伸ばす]
しかしよく金なんて持ってたな。荒野のど真ん中で牛の糞を燃やして寝ることになるかと思ったぜ
[パンをウィスキーで流し込み、煙草の灰をこっそり床に捨てるソーマ]
[多少は周囲に合わせようとゴミ捨て場から引っ張り出してきた衣装は、却って悪目立ちしている]

得意なことね…動物の解体ならは少し自信あるな
あと銃も使える。映画みたいな早撃ちなんかは無理だがね
[決闘吹っ掛けて有り金巻き上げるなんてどうよ?と紫煙を吐きながら気だるげに]
61 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/03(日) 22:36:07.15 ID:kyHGSleno
>>58>>59

「大道芸は身に着けておらんなァ」
「……喰わねば飢える…不便よな人間とは」

1人水すら飲まず、銃社会の中で不釣り合いな得物を3つ下げた男性体の悪魔が答えた
衣服すらボロの様な袴みたいなものを履いているだけで上半身は裸で、嫌でも目立つのだが本人は気にしておらず

「当たり屋まがいの事でもしてみるか?」
「…悪魔すら出歩けるのだ。お天道様とて1度の軽い過ちは見逃してくれるだろう」

たまには悪魔らしく、人を悪い方へと導くような事を冗談めかして言ってみる
62 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/03(日) 22:49:00.26 ID:wXXAm7D70
>>59
なお 明記していなかったが 女性の服装には やたら鍔の広い帽子を被っているものなのだ
そしてその帽子もまた 四五六の頭に乗っかっていることだろう

「いやぁ・・・・似合ってるよ四五六タン」
頭の先から足の先までをまじまじと見やり にこやかに言ってのける

安心してください からかってるだけですから

―――ギィ!!
ベティは相変わらずハサミを振り上げている きっと似合ってるって言ってくれてるのだろう

>>60
「境界渡りの際に持ってた貨幣って 結構溜まってかない? 金貨とかだとそれ自体が価値を持ってて 他の世界で使えたりするし」
そう言って見せたのは この時代のアメリカで使われていた金貨

「まぁさすがにもう心許ないんだけどね」

なお ボロボロの衣服のソーマタージであるが 目立つといっても 小汚い流れ者が来た ぐらいにしか思われてない
悪目立ちと言っても 決して常識外の目立ち方ではなかった

>>61
むしろ目立っているのはこの男の方だ その奇抜過ぎる恰好から越境者だろうと当たりをつけて離しかけたが やっぱり越境者だった

「なんかさぁ・・・もうちょっと周りに合わせた格好した方がいいと思うよ・・・?」
やんわりと言ってあげるが まぁ聞き入れてくれないでしょう

>>全員対象
そんな凸凹グループが酒場でくつろいでいると 通りがやかましい 何かたくさんの馬が駆ける音と 銃声らしき発砲音 そして遠くはっきりとは聞こえないが 怒号のような声

「なんだ?」
心配そうに通りの方を見ていると 住人の一人であろう 男がスイングドア

住人「t・・・たいへんだ!! ギャングの襲撃だ!! 先週処刑されたギャングの頭の仇を取りに来た!!」
言うや否やなだれ込んできたギャングの連中は 街の方々へ 無差別に銃撃を開始する

窓ガラスを破り 酒場の店内にも 鉛玉が複数飛んできた!!
63 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/03(日) 22:58:17.50 ID:kyHGSleno
>>62
「一々周りの目など気にするから目立つのだ」
「堂々としていれば他者も一度見れば満足して目を離す」

現代社会だと写メって晒されるまでがセットだがこの世界ではその心配は無さそうである
言い切るが速いか、外から慌ただしい声が聞こえだし

「…どうやら、飯の種の心配は無くなりそうだぞ」

鉄火場へ跳び込み続けた『慣れ』か、硝煙と死の臭いを感じ取る『嗅覚』か
ラースは笑みを浮かべながらテーブルを窓へ向けて蹴り倒そうとする 銃弾を避ける為の壁にする事が狙いだろう
64 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/01/03(日) 23:02:28.72 ID:LE1HxNR40
>>60-63
「ランナーと、動物の解体に、当たり屋……」
「……多芸だねこりゃ」

苦笑、そしてアキレスの心ない褒め言葉にじっとりとした目線で応じる
白いつば広の帽子は流石に建物内では遠慮しているようだ、今は帽子掛けに吊り下げられていた
よしよしとベティの甲羅を撫でながらポークビーンズをパンで包み差し出してみる

「アキレスと違って素直だねぇ……ん?」
「……マジ? ……鉄砲相手にすんの……?」

と、ギャング襲来の一方に顔を顰める
だがしかし遁走の選択肢が最初から無いのは、彼女の長所でもあり短所でもある
ラースの蹴り上げたテーブルの影に身を潜め、やや覗き込むようにして乗り出せば素早く腕を振り払う
どこから取り出したのか苦無数本が割れた窓へ向けて殺到、銃弾の主の元へと飛翔駆け抜けて行く
65 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/01/03(日) 23:05:55.25 ID:oY8zlX/Q0
>>62
宵越しの金は基本持たない主義なんだ
俺も幾つか持っとこうかな。こうさ、コートの内側にズラーッて…
…騒がしいな、怒れるラテン系の襲撃か?
[両手を広げてコートをはだけさせる仕草をした直後、外からの怒号などに訝しがって眉を潜める]
[その瞬間店内に飛んでくる銃弾。その内の一つはソーマの額を横一文字にかすっていった]

[ガギン、という鈍い音を立てて椅子から転げ落ちるソーマ]
[額の傷口をよく見れば、数mmほど抉られた、防弾バイオ繊維で強化された頭蓋が見えるだろう]
ふざけやがって!どこのクソだ!
[負けじと怒声を張り上げ、落ちたウエスタンハットを被り直すと遮蔽物に隠れて外の様子を伺う]
こっちに銃とかはないのか!?ないなら仕方ないが
66 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/03(日) 23:17:51.48 ID:wXXAm7D70
>>63
「おぉっとと!!」
素早くテーブルを蹴倒すラース アキレスもその同伴にあずかる
弾が飛んでくる方向がほぼ一方からだったのも幸いしたのだろう 2発ほどテーブルに弾が突き刺さるが 頑丈な木の板が貫通を抑えてくれた

>>64
ジト目に暗黒微笑で応戦するアキレスと

―――ギィ♪
そんな事には全く興味がなく 味付きパンをおいしく咀嚼しているベティ

ギャング「ギャァァ!!」
クナイの一撃はギャングの1人に突き刺さり その拍子に落馬したのち 他のギャングが操る馬に轢かれて事切れた
だが集団の中の1人 まだ四五六の存在はまだ気づかれていない

>>65
「んで銃弾を食らった後 向くりと立ち上がって 『胸ポケットにコインを入れていたから助かった』とでも言うのか?」
アキレスはその言葉を聞いて軽口を叩いた

そして襲撃である 軽く鉛玉を食らったらしいが 大事には至らなかったらしい
そんなソーマタージのすぐ近くに 最初の銃撃で死亡したカウボーイが倒れていた その腰にガンベルトが巻かれており 銃弾と 拳銃が二丁収まっていた

【拳銃:シングルアクションのリボルバー 中折れ式で この時代としてはかなり最先端な拳銃である】

クナイの一撃は
>>全員対象
店内は阿鼻叫喚の地獄絵図であった いくつもの弾丸が人々を食い破り 店内を血で染め上げる

店主「お前ー!!」
カウンターに隠れることで難を逃れた店主が 頭を食い破られ即死したウェイトレスに駆け寄る

店主「クソ・・・クソッ・・・!! なんで・・・なんでこんなことに・・・!!」

悲鳴が木霊する中に 嗚咽が混じる・・・

周囲もまた 激しい銃撃戦が繰り広げられているが ギャングの怒りは収まるところを見せない
すでに虫の息である酒場を確実に葬らんとしたのだろう 3名ほど 口をスカーフで覆ったギャングが押し入ってきて 負傷した客や従業員たちを 拳銃にてとどめを刺していく
ギャングはまだこちらには気づいて無いらしい 先制攻撃が可能なようだ
67 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/03(日) 23:28:08.30 ID:kyHGSleno
>>66>>全員対象

ギャングが店内に入ってきたのを確認し、静かに剣を抜く
本気で街ごと潰すつもりなら一撃翌離脱を日をかけて繰り返す事がならず者の戦略としては正しいものだろう
が…それをしなかったのは頭を潰されたせい、、、いや、おかげか

「……左へ行く」
「後の2人は任せた」

3人へそう語りかけると机から跳び出し、言った通りに一番「遠い」奴を狙って駆けて行く
剣を立て、正中線こそ守っているが後は剥き出しのまま
相手連中の耳目を此方へ向ける事も狙い、他の人物がいるテーブルから目を離させようとする

無論ではあるが

「――――シッ!」

言った通りの相手を間合いに納めると、短い呼気と共にその首へと剣を奔らせるだろう
68 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/01/03(日) 23:29:09.03 ID:LE1HxNR40
>>65-66
「……最ッッ低……!」
「外道……」

殺戮の庭園と化した店内
響く銃声と悲鳴、怒号、慟哭
即座にテーブルの影から身を翻し脱出、ドレスの裾から脚に帯びた刀を引き抜き構え駆ける
間近に見えるギャングの1人に向けてそのまま、勢い良く刺突を繰り出さんと突き出した
それが成功したとすればそのギャングの身を盾にせんと立ち位置を変え、逆手で苦無を投擲するだろう
失敗ならば再度、袈裟斬りの一閃を振るい離脱を図るはずだ
69 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/01/03(日) 23:36:33.56 ID:oY8zlX/Q0
>>66>>67>>68
ああ、最後はクソッタレの胸をコインごとブチ抜いてフィニッシュよ!
[軽口を返しながら血を拭っていると目に入る二丁のリボルバー]

[拳銃の一つは腰のベルトに突っ込み、弾はポケットに詰める]
[右手に戦場刀、左手に弾丸を込めたリボルバーを握ると、ギャングが隙を晒すのを待つ]
一人一体でいいな?抜け駆けすんなよ
[他の三人に小声で提案すると、息を潜める]

お返しだ!クズめ!
[二人がギャングを始末するのを見届けると、最後の一人に向けて銃弾を放ちながら刀を振るう]
[銃弾はギャングの胴を狙って放たれ、刀は首を狙っていた]
[ギャングが倒れたならば、率先して外の様子を伺いに行くだろう]
70 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/03(日) 23:46:49.51 ID:wXXAm7D70
>>全員対象
「・・・・ッ」
アキレスはベティを背中に登らせ ホルスターからリボルバーを取り出し 撃鉄を起こす

>>67
まずはラースがテーブルから飛び出す 剣の間合いまであと三歩

ギャングがラースを見て その容姿に戸惑いながらも銃口を向ける あと二歩

トリガーが引き絞らr―――パァン・・・パァン…!!

「この・・・!!」
その瞬間 テーブルからアキレスが身を乗り出し ギャングに発砲
弾丸は床を抉るにとどまったが 注意がそれる あと一歩

そして三人のギャングのど真ん中をくぐり 最後尾のギャングの首が刎ねられた

>>68-69
ギャングの注意がアキレスからラースに移った その瞬間 音もなく四五六が駆けた
ターゲットは四五六に気付いていない なおも駆ける

そして最後のギャングが 仲間が狙われていると教えようと四五六を指さそうとして

ソーマタージの銃弾が胴体に突き刺さり倒れようとしている
それに驚いたターゲットは瞬間的に仲間を助けようとして 次の瞬間 背後から生える刀に目を奪われる それがこの世で見た最後の映像だった

最後の1人は接近してくるソーマタージに抵抗することもできず 首を撥ねられてジ・エンド

>>全員対象
そして外の様子をうかがうソーマタージ
あちこちの建物から火の手が上がり ギャングは仲間以外の動く者を片っ端から銃撃していく

街の保安官らも総出でギャングに対処しているが とにかく手が足りていない

店主「あんた等・・・腕利きなのか・・・?」
先ほど嗚咽を漏らしていた店主が一行に話しかける

店主「頼む・・・あいつらを・・・殺してくれ…!! 金なら払えるだけやる・・・だから・・・頼む…!!」

一行の目の前の雑貨屋に踏み込むギャングが見える
やや遠くで保安官と銃撃戦を繰り広げているギャングが見える
遠く離れた場所で 今まさにガトリング銃(手回し回転の連発銃)を持ってこようとしているギャングがいる

どれを狙うかは一行の判断にゆだねられた
71 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/01/03(日) 23:56:05.24 ID:oY8zlX/Q0
>>70
ザマアねえぜ、ってな
[壁に体を隠しながら外を伺う]
オイオイオイ、略奪放火やり放題じゃねえか。俺も混ぜてもらえないかな
[刀の血油を拭い、わざとギャングの死体を踏みつけると、ウエスタンハットの鍔で埃を払いながら三人に近づく]
外はダメだな。保安官も手一杯だろうよ。棺桶が山ほど必要だ
どうする?あいつらと仲良くするか?
[ギャングの死体から銃弾と煙草を探しながら]

[そこに話しかけてくる店主。目を細めると、帽子を捨ててポンチョの下のフードを目深に被る]
…どうする?奴等をヨロシクしてやるか?ただの短銃パンパンしてバンザイしてる馬鹿共じゃないぜ?
72 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/01/03(日) 23:56:45.67 ID:LE1HxNR40
>>67
>>69-71
ぶん、と振るう刀から飛び散る真紅
歯を食い縛り、前髪に目元は隠され見えず

「……」

金はいらない、と言おうとして留まる
もし受け取ってしまえばそれは、殺しを商ぐ下賤に踏み入れてしまうのと同義だからだ
だがしかしそこで踏み止まったのは、本質的に理解しているからだろう
純粋に殺めるという事はなんら変わりないのだから

「……ん」

短い返答、梟の羽撃きの如く駆け出し雑貨屋へ急行
七八本人としてはただ近いから、という以上に理由は持ち得なかったはずだが、非武装の民間人への虐殺を嫌ったのが無意識下では大きい
駆けながらにカードナイフを取り出し、数枚を一度に鋭く投げる
73 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/04(月) 00:04:36.04 ID:bQfjHHvEo
>>70
「……まず1つ」

首を切り落とした事を横目で確認し、残る2人の敵を見ぬまま一度剣を振って血を落とす
それとほぼ同時に後の2人も倒れた様で

「復讐が復讐を呼ぶ。良くある事だ・・・・が」
「その螺旋。断ち切るが我が役目なれば」

言われずとも、彼はその剣を振るいに行こう
悲劇に幕を降ろす。自分はその為の存在なのだから

>>全員対象

「……我は我の成すべき事を成そう」

劣勢を覆すだけの士気が欲しい
ならばまず目に見える戦果が必要か
遠目に見えるガトリングに視線をやると

「怖気づいたなら隠れて居ろ、童」

敢えて挑発する様な言い方をソーマタージにすると、屋根の上へと跳躍
人手が足りないのは百も承知している…だからこそ、ソーマタージが負けん気を奮い立たせる賭けてその様な物言いをしたのだ

「さ、て…往くかァ」

そう呟くとガトリングを運ぶギャング達へ向けて屋根伝いに駆け出した
74 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/04(月) 00:18:13.15 ID:5lYMkDcd0

「・・・ッ!!」
店主の言葉にアキレスは 消費した銃弾を装填し シリンダーを回す

そして青い霧を足に纏い 建物に登ると 保安官を釘づけにしているギャングへ奇襲をかけ始めた

>>72
雑貨屋に急行する四五六 中から響く女性の悲鳴 ギャングが四五六に気付いたのは はたして幸運か 不運か

ギャングは店内に突撃することでカードの投擲を回避する そして四五六が雑貨屋の入り口にたどり着けば

ギャング「おぉっと残念だったな 下手なそぶりを見せればこのアマの頭をふっ飛ばしてやる!!」
カウンター内に乗り込み 女性のこめかみに拳銃を突き付けているギャング

ギャング「いい子にしてろよ・・・真っ赤な花が咲いちまうぞ・・・?」
恐怖に動けないでいる女性を盾にジリジリと裏口から外に脱出しようとしているが 
時折 場所をを確認する様に 視線を裏口に向けながらの移動である

四五六はその隙を狙った一撃が繰り出せるか?

>>71>>73
そしてソーマタージを挑発して外に出るラース するとアキレスが一緒になって屋根の上へ登り 途中で別れて保安官の援護に向かった

ガトリング銃は3人の護衛によって馬車で運ばれていた 屋根伝いに接近するラースはそれなりに目立つらしい
護衛のギャングがラースに向けて拳銃を ライフルを向け 発砲してくる

その様をソーマタージは見ることになるだろう

ラースを援護するか それとも別を責めるかは ソーマに任せるものとする
75 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/01/04(月) 00:28:57.84 ID:fDzroZlK0
>>71
>>73-74
「……ちっ……!」

結果として単身、雑貨屋へ向かう事になった七八
そしてそれは今一つうまくない現実を早速彼女へと突き付けていた
人質を取るギャングの作戦は成功だ
現にこうして動かずにいる事しか出来ないのだから

「……ふー……」
「すー……、……ッッ!!」

長い呼吸の後、ほぼ直立から己の肉体の限界の加速を生み出し低く低く跳ぶ様に駆ける
それは全身の筋肉の脈動であり、振るう腕から放たれた苦無にも伝わり弾丸めいた飛翔
ギャングが微かに視線を動かした刹那に全てが執り行われ、瞬き程の間に肉薄し銃を持つ手をカチ上げ同時に刺突を繰り出さんと

76 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/01/04(月) 00:32:49.07 ID:nl8MThCh0
>>73>>74
またナメられちまった。用意できるだけ揃えときやがれ!いいな!
[フードの奥で酸素供給機が装着される]
[店主を一瞥すると、ラースを追って外へ飛び出す]

[目に入るのは屋根を駆けるラース、雑貨屋に急ぐ四五六、保安官の元へ向かうアキレス]
派手なモノ持ってるじゃねえか。手前らには過ぎたオモチャだ
[小さく呟き、ガトリング銃の方へ走るソーマ]
[一歩踏み出すごとに脚の周りをスパークが走る。速度が爆発的に増していく!]
[ギャングの注意を逸らすため、左手の銃を闇雲に何度か撃って放り捨てると両手に刀を構えた!]
イイイヤアアアァァァーッ!!
[銃弾も気にせず駆け続け、護衛ギャング達へ突っ込む様に跳んだ!]
[ギャング達の胴へ向け、空中で横凪ぎに刀を振るう]
77 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/04(月) 00:39:31.38 ID:bQfjHHvEo
>>74
屋根の向こう側を低く走る事で銃弾の多くから避ける事は出来る
とは言えガトリングを見失わない様にたまにはその姿を見せる必要もある…と言うか

「…追いつけるか怪しい、か
 仕方あるまい」

幾らガトリングが重いとは言え3頭の馬に追いつく等、通常の人間なら不可能だろう
ならば、人外の力に頼る他無い
屋根から跳び下りるとまた剣で正中線を庇いながら馬車を追う
幾つもの弾丸が肌を掠め、抉れた肌から溢れた鮮血が炎と化して後ろへ流れていく


「汝れらに災い来らん」

ギャングが撃てば撃つ程、悪魔が傷つけば傷つく程に、足は鈍るどころか速くなっていく
銃弾を受ける度にブレていた剣も今はそれを受け止めてもビクともしなくなった

「―――さあ、反撃と参ろうか」

炎を纏う様に呪いの血を流しながら
雷光の如く駆けたソーマタージと共にギャングの懐へ駆け込もうとするだろう
78 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/04(月) 00:54:56.07 ID:5lYMkDcd0
>>75
ギャングは少なからず安堵したこのまま裏口まで逃げたら とっ捕まえた女を撃ち殺して逃げよう と画策する

だが安全は安心を呼び 安心は慢心へと移り変わるのを このギャングは気付けなかった
今一度裏口を確認して 視線をクソッタレ女に向けたとき すでにクソッタレ女は目の前まで来ていたのだ

四五六の視界一杯にギャングの驚いた顔が映るだろう 拳銃を持つギャングの手をカチ上げた次の瞬間 引き金が引かれ銃弾が明後日の方向に飛んでいく
そして刀が ギャングの首に突き刺さった

崩れ落ちるギャング 捕まっていた女は腰が抜けたのか その場に腰を下ろし 裏口からギャングが入ってこれないように 裏口のカギを締めるのであった

>>76-77
護衛のギャングは戦慄した 屋根からやってくる男は銃撃を浴びせるほどに炎を纏い 人とは思えぬ速さで追いかけて来るのだ
更に地上からも 雷を伴い 人とは思えぬ速さで駆け抜ける人影もある

そしてソーマタージが護衛の1人を両断する中 ラースがもう2人のど真ん中に突っ込んだ
刀を振るい 残りのギャングを屠る直前 口を覆うスカーフが燃え あらわになった口で デーモン・・・とつぶやくギャングの声が はたして聞こえただろうか?

>>全員対象
死の商人から大枚はたいて購入したガトリングは 敵の手に落ちた アキレスの援護で銃撃戦を制した保安官が息を吹き返した
4人の活躍でギャングのほとんどは殺害され 捕縛されたギャングもすぐに絞首台へと送られた


そして一行は 保安官と 酒場の主人から報酬をたんまりと頂き 街を離れたという
このことは新聞記事にされ 全米を駆け巡った

『神が4人の流れ者を遣わし ギャングから街を救った』
一面にはそんな見出しが刻まれ この話は語り草として長く人々の耳に残ったという


余談だが 時は流れ この時代が西部開拓時代と呼ばれるようになったころ
この記事を題材にした映画が作られたらしいが それはまた別のお話・・・・・

//これにて〆 おつかれー
79 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/01/04(月) 00:57:02.85 ID:nl8MThCh0
>>78
//遅くまでありがとうございました 乙です!
80 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/01/04(月) 01:01:54.02 ID:fDzroZlK0
>>78
「……大丈夫?」
「じゃ、ないよね」
「……私もだよ、やだなぁ……」

ままならないモノだ、と後頭部を掻いた
血が髪に付着するがそれも今はさしたる意識を七八から奪う事をしなかった
ただ、助けた人質の女性の安全と無事を確認し安堵
外に目を向ければ、相変わらず奪われている命の群れ
諸行無常である、致し方ない
そう完全に割り切る事はなかなか難しいと、七八は自嘲気味に小さく乾笑った
今はただ、仲間の無事と明日の食事の確保を喜ぶのに尽力すべきなのだ

//お疲れ様でした、ありがとうでしたー
81 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/04(月) 21:09:23.52 ID:mE+1F0nJo
【魔法世界トローヤー】

 嘆かわしい事にある種の滅びの予言というものはどの世界にもあるものだ。
 それはこのトローヤーと呼ばれる比較的多くの境界線世界とゲートが繋がっている世界も例外ではない。

「無貌の者が滅びを運び、腐れた風が吹き荒ぶだろう。か。ロクでもないな」

 イムカは街頭で熱っぽく演説する終末論者達の言葉を思い返しながら、
 常の無表情のまま、僅かに溜め息をつく。
 既に連中は治安を脅かす存在として、官警に連れていかれた。

【この都市の法は厳格かつ無慈悲だ。おそらく生きて釈放されることはあるまい】

(嫌な空気だ。どの世界にも渾沌教団(ケイオス・カルティスト)が見え隠れする)

 しかして、いつまでも見え隠れする何か≠ノ気をとられてばかりもいけない。
 イムカには銀河帝国の密使としてやらねばならぬ聖務(ミッション)がある。
 世界に散逸する様々なテクノロジーや聖遺物を収集せねばならないのだ。

「…クエストの準備を進めるか」

 そう呟いて、終末論者がばら撒いていた羊皮紙を破り捨てる。やるべきことは多い。

【越境者という人種はある程度の装備品は異世界よりこちらに持ち込める。
 が、それだけでは当然不足だ。装備とは劣化するものだし、現地調達せねばならぬ物資も多い】
82 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/04(月) 21:25:15.74 ID:UrG8OV40O
>>81
「ん、っと。 ふむぅ……?」
「何ともな、声高に終末を叫ぶなんて奇怪だと思うよ」

跳び上がり、羊皮紙の破片を肉球で挟みキャッチ
後脚だけで着地すればその見出しを読んで首を傾げた
無神論者であり、また天然自然に畏敬を抱く動禅の魔導士としては混沌の教団達の唱える滅亡はリアルに欠ける
かと言ってその音もなく忍び寄るカビの様な微かな凶兆に耳をひくつかせてもいたが

「……あと、ゴミはゴミ箱へ、だったかな」

現実に程近い世界で覚えた言葉をそのまま
羊皮紙の破片を拾って背負う荷物の中に一先ず仕舞った

「先ずはなんだ、食事なり、宿の確保?」

足元を歩く黒猫、二又の尻尾がゆらりゆらり
83 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/01/04(月) 21:35:30.07 ID:zyxbxFOL0
>>81>>82
「科学的に考えたら世界が終わるなんて有り得ないのです。まさか、隕石でも衝突するのですか?」

黒い短髪に黒い外套、腰に差された黒い籠手に黒いブーツ。正しく、全身黒づくめの容貌。
いささか目深に被られた外套のフードからは、色白な顔立ちが覗き黄緑の双眸が光る。

2人と共に話をする少女――ニゲル・アールヴェントがそこにはいた。
世界の終わりだなんだに関して何処か的外れな発言をしているが、あまり気にしてはならない。


「そうですね、私も調合素材など仕入れないと駄目ですし……」
「それで、まずはどこに行くのです?」

彼女にとっては食糧、武器、その他諸々の調達が必要不可欠。
何も持たずに手ぶらで出発だなんて馬鹿なことは、流石にするまい。

手持ちの金などを確かめれば、それをパーカーのポケットへと押し込む。多分、十分な金額がそこにはあった。
84 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/04(月) 21:42:30.33 ID:mE+1F0nJo
>>82

「自分達が何に肩入れしているのか、それを理解せぬまま叫ぶ馬鹿者共さ」

 無表情なままにイムカが発する辛辣な言葉。
 感情のこもっていない声音だが、そこには隠し得ぬ嫌悪が含まれている。

【イリーが拾った羊皮紙の破片。刻まれている滅びの予言。腐れた風――】

 照らし合わせたかのように吹く風。緑の匂い。太陽の匂い。生活の匂いを運んでいる。
 そこには予言のような風など僅かにも――ほんの僅か、微小であるが斑模様の腐れた魔力が風に混じっていた。

「先ずは装備品の修繕だな。特に私の持ち物は世界修正力の影響で劣化が激しい」

 黒猫に目配せをしながら告げるイムカ。
 彼女の装備は遠未来の超テクノロジーの産物が殆どである。ゆえにそれを排斥しようとする力は強い。

【宝石屋で粒子短銃のレンズとなりえる宝石を。爆薬の信管代替物を。
 エネルギー循環回路の代わりとなりえる魔針などを手早く購入していくイムカ】

「後進惑星での戦役を想定した訓練で仕込まれたからな。粒子短銃(ブラスター)なら有りモノで組める」

 平然とトンデモな事を言うイムカ。彼女的にはエリートである。で全て説明出来るらしい。

【イリーは何か装備品関連で必要なモノはあるのだろうか?】

>>83

「終焉を呼び込む愚か者はどこにでもいる。
 ニゲル、私が言うのも変な話だが科学的とやらで全てが説明できるなら、
 世界というものはもう少しシンプルに出来ているはずだ」

 理路整然と美しい公式で説明できる世界。
 実際に考えてみればそちらのほうがよっぽど不自然なのかもしれないが。

「カネならまあ、ある程度は稼いだし、不自由はないだろう」

 この世界に来てからさっそく財布を落としたイムカは2日ほど酒場でピアノ演奏をした。
 鉄の女という言葉がピッタリなイムカがピアノの音曲と共に憂いタップリの表情で悲恋の歌を吟じた時には、
 ニゲルがどんな反応をしたのかは知らないが。なお、イムカの歌唱スキルはかなり高い。

「薬品と、宝石(ブラスターのレンズに使う)、からだな。
 私は異世界のポーションなる薬品は使いたくないから、主に調合爆薬用だが」

【ニゲルは何か装備品関連で必要なモノはあるのだろうか?】
85 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/04(月) 21:56:21.52 ID:UrG8OV40O
>>83-84
「……科学、ねぇ……」

ニゲルの反応に小首を傾げる
科学サイドに対してどうにも苦手意識が拭えない黒猫故であった
最もこの3人でいえばイムカとニゲル、両方がそちら側であり少数派であるのは否めないのだが

「肩入れする対象を理解してないって……」

刻まれた不吉を示す言葉を見た、苦笑である
オカルトの方が科学よりも得意分野ではあるが、流石にこれに理解が及ぶかと言われれば微妙だ
混沌色の墨汁の混じる緑風にふと、顔を空に向けた

「装備」
「なるほど、私もそうしたい」
「……凄いな、それ」

刀や、錫杖の痛みが目立ち始めている
一応それらの手入れ程度なら自分で出来るが、光線銃(ブラスター)なんかはそれと話が違うようにも思えた

「あとは保存食なんかを少し確保しておきたいかな」
86 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/01/04(月) 22:02:11.79 ID:zyxbxFOL0
>>84
「まぁ、そうですよね……魔法というものはよく分からんものなのです」
「科学では説明できないこと、としか私には分からないのです……」

実際、ニゲルは魔法に物凄く疎い。加速以外には魔法も異能もさっぱり。
超常的なものよりは、まだ理にかなったモノで通す――いわば、彼女は脳筋なのだ。

「私は……火薬とかその辺りがあれば嬉しいですね」
「あとは薬品とか、細かいものです。多分ボムぐらいなら作れる……ですかね?」

しかし、手先の器用さは彼女の能力の1つ。この世界の物品であれど、特性さえ知れば何ぞは作り上げる事が可能。
基本的に、何を買うかは品揃えを見てからにする模様。
87 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/04(月) 22:21:25.75 ID:mE+1F0nJo
>>85

 空は青く、しかし僅かに撓んでいる。
 何かがおかしくなり始めている前兆のように。しかし、まだ、気付ける者は多くない。
 それが手遅れとなる前にどうにかできるのはこの世界の者か。それとも――?

「珍しい事ではない。自分の立ち位置を理解出来ずに流されて消耗される。
 ごまんと見てきたよ。本当にうんざりする程にな。…やめよう。辛気臭くなりすぎた」

 イムカにしては珍しく、何かを誤魔化すように話を中断した。
 政治将校として、今の己が不適切に思えたからである。

「装備の修繕ならば腕のいい魔法道具屋の伝手を仕入れたからそこに頼むといい。
 下手な鍛冶屋に任せて、劣化されても叶わないだろう。装備の出来によっては、高くつくこともあるらしいがな」

 魔法道具屋ならば復元≠フ魔術である程度のランクの装備までなら整備が可能だ。
 もっとも、希少な物質を使用していたり、カラクリが複雑だと料金が跳ね上がったり不可能だったりもするが。

【このケースの場合、イムカの装備はテクノロジーに拠り過ぎて殆どダメでだったりするが】

「食料に関しては、出すカネ次第でいくらでも、ってところだな」

【行動食…ナッツ、ドライフルーツ、塩漬け肉、ビスケットなどのセット】
【バター…パンなどには勿論、蝶番に差す油の代わりや袋やポーチに防水加工を施すのに用いたりもする】
【チーズ…粗悪なものは乾燥してゴムのようになっているか、カビだらけで食べると死ぬ】


>>86

「私とて、魔法などという物には、必要でない限りは触れたくはないさ」

 世界についての不思議は理解しているものの、理解と許容はまた別問題といったところか。
 本質的にはイムカもニゲルと意見を等しくしたいところである。状況がそれを許さぬことがあまりに多いが。

「火薬は火薬店に行けば前時代風の銃器と共に黒色火薬が手に入る。
 しかし、より性能の高いモノを求めるならば自分で合成した方がいい」

【この辺は爆薬精製スキルと相談といったところか。世界観の物質の違いはある程度は修正力がどうにかしてくれる】

 鉄砲店では黒色火薬と、喇叭(ラッパ)銃、先込め式のピストルなどが手に入る。
 薬品店では様々なポーション。これはどう爆弾にでっち上げられるかはスキルとの相談である。

【他、陶器の入れ物や、クスリ瓶、ベルト、新品の肩掛けかばん、縄、コブレット、ロープ、ポケタン、松明など必要品は様々】
88 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/04(月) 22:34:44.96 ID:UrG8OV40O
>>86-87
「はは……」

魔法世界の住民として、なかなか肩身の狭いイムカとニゲルの会話である
誤魔化す様に苦く笑って流さなければならない程度には

「……そう、な」

ふ、と目線をイムカ達に戻す
空色の予兆を完全に察するには黒猫は鈍感であるし、波立つ飛沫の一雫を目撃しただけで全てを知る全能もない
だけど区切られた話題に対して、それ以上追求を続けるような真似をしないくらいの分別はあった

「修繕魔法か、いいな」

是非世話になろうと頷く
黒猫の装備品は、愛着以上の高性能も神話性も帯びてはいない
道具に対する回復魔法があるのならば、それは余計なモノを付け足して傷を癒すよりずっと良く思えるのだ

「干し肉と、あとは乾物」
「日持ちはしないけど、果物もあるといいかな」
「……出来ればコーヒー豆も欲しいけど、どうかな」

嗜好品としてのコーヒーを欲する黒猫
とはいえ国や地域、文化によってはとんでもなく貴重品である場合も珍しくない
そしてこの世界のこの街も、それに含まれている可能性も充分にあるのだ

89 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/01/04(月) 22:44:30.54 ID:zyxbxFOL0
>>87>>88
「……深く考えるのはやめにするのです。ちょっと頭が痛くなってきたです」

簡単に言えば、分からない数学の問題の解き方をいつまでも考え続けるようなもの。
考えても考えるだけ無駄な話だし、苦痛にしかなりかねない。

「黒色火薬ですか……まぁ、ないよりはマシですね」
「成分を分解したりしたら別のモノも作れるですし、ここにはポーションも揃ってるですしね……」

そんなことを考えつつ、ニゲルは購入すべきものをある程度絞る。
行き当たりばったりよりは、見当ぐらいはつけておくべきと考えて。

「あとは食料も必要ですね。出来るだけ日持ちするモノを……」
「栄養は……これがあるから平気ですね。あなた達も後々要るですか?」

ふと、懐からスプロール特産(?)の固形栄養食を覗かせた。
彼女は然程問題ないが、この味に慣れていない者ならば嘔吐必至のゲロマズさ。
90 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/04(月) 23:00:10.39 ID:mE+1F0nJo
>>88

【魔法道具屋】

 蝋燭の土台となっている髑髏や恭しく飾られた染み一つ無い水晶玉など、
 雰囲気満点の店内の主は、露出度の極めて高い服装の女性である。若くも見えるし、年経ても見える。

【イリーの刀や、錫杖に魔力と共に鉱石や宝石の粉やカケラ、あるいは薬品などのエッセンス】
【それらを用いることで、淡い光と共に装備に息吹が与えられ、修繕を為す】

 また、装備品への愛着について褒められたりもした。

【コーヒー豆!】

「…まさか下手な武器や宝石より遥かに高価とはな」

 ナムアミダブツ!この世界において、コーヒーの産地が何か、
 オークの大進撃の憂き目に会って崩壊。超貴重品になっていたのだ!!

「代替品の混ぜ物は出回っているが…いるか?」

 成分を分析したところ、耐性が無いと数日間下痢を楽しむハメになる他、
 常用すると1年以内に内蔵に重篤な障害を負うというアレだが味はコーヒーに近い。

>>89

「ポーションの中でも爆発性の不安定物質は狙いどころだな。
 幾つかの種類の土と混ぜると安定するぞ。ダイナマイトみたいなものだ」

 ニゲルとイムカは流石に科学サイドゆえか、いくつかの爆薬レシピの情報交換に恵まれるだろう。
 手製の爆弾、散弾、焼夷弾など、スキル次第でファンタジーの世界でも調合できる装備を取得できるはずだ。

【見当をつけた結果、幾つかの爆薬の調合レシピが取得できます】

「ん、それを持ち込めたか。助かる」

 なお、舌が絶望的にアレなイムカに味の意など皆無。
 ゆえにニゲルのゲロマズ固形物をありがたく受け取ることになるのだ。

「あとは計時用の蝋燭と、導火線くらいかな。楽器は何かいるか?
 堅笛やオカリナとかな。野営ならそれくらいの楽しみがあっても悪くは無い」

 超お堅いイメージのイムカであるが、時折こんな変な提案をしてくるのである。
 なお、何か、マンドリンを既に買っていたりする。

【ニゲルの楽器スギル如何といったところか】
91 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/04(月) 23:07:27.98 ID:UrG8OV40O
>>89
「あっ、それはいらない」

スプロール名物のアレを見れば即座に首を横に振る
以前口にした事があり、つまりそれは散々な目にあった事があるのと同義であった

「……食糧はきちんと整えよう」

>>90
【獣人に変身してお店へ、装備を持ち込む】

どうにもその雰囲気に萎縮し、やや挙動不審ながらにしていた
だがまぁ愛用の装備が綺麗になったのを見れば安堵の吐息
越境で持ち込めた価値のある石や宝石、貝殻なんかを対価として差し出し店を後にした

「……タンポポを摘んでいこう」

タンポポコーヒーで代用との事
あとは僅かではあるが他世界から持ち込めた生豆もある
イムカの提案を丁重にお断り、店先に並べられた0の数の多い値札の豆達をもう一度見て溜息
92 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/01/04(月) 23:21:41.64 ID:zyxbxFOL0
>>90>>91
「助言ありがとうなのです。早速ですし、見ていくのです」

時には店主を質問漬けにしながら、ニゲルは様々なブツを買い占めていった。
イムカの言う通り爆発性の高いポーション、燃料の油や増粘剤など(混ぜ合わせてナパーム弾のように利用)など。
所によっては武具の端材である金属片(手榴弾の散弾に利用)を無償で提供してくれる所もあった。

「前に買い溜めしてたから、3人でも1ヶ月は持つですね。栄養に関しては安心し……」
「……そうですか。まぁ、いざとなったらいつでもあげるですよ。いずれ味にも慣れるですし」

イリーにきっぱり断られた事に対して、フードの中で少し猫の耳をしょぼんとさせた。
なお、見た目はキャラメルのような感じである。味はジンギスカンキャラメルの比ではないが。


「楽器は……ある程度は出来るですね。ちょっと前に触ったことならあるです」

なお、楽器に関しては決して達人という訳ではないが、器用さや飲み込みの早さも相俟ってそれなりという。
93 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/04(月) 23:26:31.31 ID:mE+1F0nJo
>>91

「飲めないことも無いが、栄養価がダメだな」

 なお、コーヒー豆もどきに対するイムカの評価であった。
 遺伝種子により、食用に適さぬモノも摂取可能とはいえ、
 それを好き好んで摂取するかというのとはまた別問題なのだ。

「…たんぽぽを焙煎か。まあそのほうがいいだろうな」

 嗜好品に対するイリーの意気込みになんか頷くイムカでありました。

>>92

 魔法世界であっても、爆薬に対する知識と代替物質の選定眼さえあれば、
 そこそこのレベルのモノはつくれるようであった。

「私達のような者は魔法とやらで手軽に高火力とはいかないからな。
 時に爆薬の類が生命線になりえる」

 ゆえに、爆弾の調達は中々に重要度の高い案件といえるだろう。
 そして、何故か楽器の話になった時は存外に反応がよかったので、オカリナやハーモニカを買ったとか何とか。

【こうして、クエストの準備は入念に行われたそうな】


//では夜も遅いしこれにてオソマツ!
94 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2016/01/04(月) 23:37:44.81 ID:UrG8OV40O
>>92
「1人なら3ヶ月持つ計算になるな、うん」

したり顔で頷いて腕を組む
とはいえイムカは問題ないとの事なので、正しくはまたも仲間外れのイリーなのではあるが

「……慣れたらダメな気がする」

と、苦笑

>>93
「というかあれ、何が入ってるんだ、何が」

そもそも栄養価重点で飲む物ではないが、それでも矢張り毒と分かっているモノを好き好んで飲みはしない
しかしまぁそんなモノを店で売ってるなんて、酷い話だと短く唸る

「根っ子を煎じて、ドリップするんだ」
「眠くなくなる作用には期待出来ないが、味はいい」

結構な中毒者らしく、代用品の知識も揃えている様子
ちなみに結果として飲む事になるであろうタンポポコーヒー
意外としっかりコーヒー味が感じられるが、漢方薬的な雰囲気が拭えない代物でもあった

//お疲れ様でした、ありがとうでしたっ
95 :『名も無き正義の使者は』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/05(火) 21:34:12.41 ID:Zu3m96p9O
――とある世界 越境者たちの集まる喫茶店にて。

レトロな雰囲気のその喫茶の外見は、近代以降と思われるものだった。
LEDなどともどかしい灯りは存在しない。外にある看板はクラシカルなネオンサインだ。
室内の照明は勿論電球である。くたびれた色合いの木製のシェードがかぶさっている。

「……あちゃー」

そこに、一人の越境者が盛大に溜息をついている。
外見としては、『現代的』な日本風の婦人警官のものだ。
彼女は幽霊の集合体であり――その密度故に実体化した存在でもある。
彼女の名を柚木夏子といい、彼女は正義を成す現象の領域に片足を突っ込んでいる。
そんな彼女が、ここまで明確に悩んでいる姿は、珍しいと言えば珍しい。

「そう思い悩むようなことでもあるまいよお嬢ちゃん」

「まぁ、変な気分になることは理解できるがね。俺もこんな経験をするのは赤ん坊の時以来さ」

――そして、その原因は。
彼女の正面に座る、壮年の男性によるものらしい。
よれたグレーのスーツを着た男で、人種としては白人のように見える。

さて、何かまたぞろ面倒事を抱えた元婦人警官にちょっかいを出す人はいるだろうか?
96 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/05(火) 22:07:59.64 ID:egh2RLdqo
>>95

「新曲だ。使いたければ使え」

 尊大な態度を全く隠しもせずに、喫茶店のマスターヘ、
 平面の大きな厚紙を寄越すのは、金髪、紫眼の麗人である。
 男装かと言われても違和感の無い格好であったが、バストは豊満であった。

【マスターは無言でそれを受け取り、ジャケットより黒い円形の板を取り出す】
【レコード盤と呼ばれる前時代的メディアだ】

 しばらく時間を置くと、雰囲気にあったピアノの音曲が店内に流れ始めた。
 先程の会話から、どうやら彼女…イムカ・グリムナー自身が弾いた演奏のようである。

「婦警。随分と妙な雰囲気だが厄介事か?」

 ふと、見知った顔を見て、イムカはそれが自分の部下であると認識。
 (※一応、社員証を与えているとはいえ、既に部下とカテゴライズしてやがるが、イムカは終始こういう人だ)

【柚木が横目で見れば、威風堂々、自信満々、唯我独尊がまんか具現化したようなのがいるだろう】
97 :『名も無き正義の使者は』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/05(火) 22:11:38.93 ID:Zu3m96p9O
>>96

「え、あ、イムカさん! そうなんです、厄介事なんです!」

イムカに話しかけられた柚木は、まるで虐められていた子犬が助けを見つけた時のようなものであった。
普段から正義の味方を自称してパワフルに面倒事に首をつっこんではドンパチする性格の娘の姿はそこにない。
その発言に、正面の男性は愉快そうに笑い、彼もイムカに話しかける。

「そう、厄介事だ。家庭裁判所に申し立てなきゃならんのさ。なんせ、俺を認知してくれなくてね。ママって呼んだほうがよかったかい?」

「未婚のまま死んだ婦警になんって事を! っていうか認知とか生々しいこと言わないでください!」

うううう、と柚木は頭を抱えながら机に突っ伏す。
その様子を見て男性はまた愉快そうに笑う。
98 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/05(火) 22:18:47.80 ID:egh2RLdqo
>>97

「認知か。随分と外見上の人種および年齢のバランスがアレな親子もいたものだが。
 まあ、息子が尋ねてきたのだ。そう邪険にするものじゃあない」

 少し顎に手を当てて、無表情のまま頷くイムカ。
 どうやら、未婚のまま、つまりはそういうことらしいと認識した。

「男遊びも節度を弁えねば時にこういう事は起こりえる。
 書類を揃えてくれれば、色々と厚生面で色をつけてもやれるが?」

 イムカ・グリムナーは彼女にしてはそれなりに親身に状況をまとめようとしています。
 何から根本的に間違っている気がするな気のせいということにしましょう。

「…婦警、欲求不満なのか?」

 だめおし!
99 :『名も無き正義の使者は』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/05(火) 22:29:10.38 ID:Zu3m96p9O
>>98

「だからぁ、未婚のまま死んだって言ってるじゃないですかああああ……!」

「高校でも大学でも彼氏の一ついなかった超純粋な乙女に向かってなんてことを言うんですか、なんてことを!」

柚木は殆ど涙目であった。
そう、幽霊でも涙が出るのだ。……なお、イムカに正しく説明してくれそうな、彼女の中の幽霊さんたちはだんまりを決めている。
……間違いなく、その方が面白いと判断したからだろう。

「よっきゅーふまんって、なんですかああ! 乙女虐めて嬉しいんですか!?」

「そこの美女の顔を見ろ。答えが書いてあるぞ、お嬢ちゃん」

男性は、イムカと柚木のやりとりにちゃちゃをいれつつ楽しんでいる。
『いい性格』をしている人物だと言えた。

「まぁ、お嬢ちゃんがこんな調子なんで、正解をあんたには教えた方がよさそうだ」

「俺が彼女から生まれたことは間違いない。ああ、何せ、彼女の中にいる幽霊の一人だからな。仕事でポカやらかして、俺が出てきちまった」

つまり、柚木夏子という人物に溶けていた幽霊の一人が、弾みで出てきてしまったのだという。
しかし、この説明は不十分だ。なぜなら、彼は明らかに肉体をもっているからである。
イムカの観察眼ならば、彼のその肉体というのは、歯車と魔術が複雑に噛みあった人形であると見抜くことが出来るだろう。

「『魂吸の人形事件』。迷宮入り寸前の謎に首を突っ込んだ結果が、俺という息子の誕生ってわけだ。お嬢ちゃんには向いてない案件だったなぁ」

その事件名は、恐らくイムカも見たことがあるだろう。
……多分、年末特番の未解決事件シリーズとかで。
100 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/05(火) 22:44:03.36 ID:egh2RLdqo
>>99

「超純粋…ああ、なるほどな。解った。これ以上は君の名誉に関わるから何も言わんよ」

 手をパッと広げて、シニカルに目を閉じるイムカ。
 無表情だし、声音は変わっていないのだが、虐めて楽しいかどうかの返答めいて見えるなら、
 それは見ている人間の度量の問題であろう。うん。

「中身共、ペルソナに据えるには中々にいい人選だ」

 片目だけを明けて意味深な事を柚木に接げながら、
 冗談はこの辺にと、外人男性の本題に入ることにした。
 最初から解ってやっていた?とか、考えてはいけない。
 イムカ・グリムナーはユーモアを介さない堅物な女なのだ。

【というわけで説明を聞いてみる】

「つまり、超常現象な存在でありながら、オカルトに大した備えも無く首を突っ込み、
 その挙句に、集合意識の欠片を人形に剥ぎ取られてこの始末、と言う事か。
 ホムンクルスと言えばいいのか。随分と人形師の腕はよかったようだが」

 男性をマジマジと見つめてから、再度、ユヅキに目線を移すイムカ。

「晴れて一児の親だな。おめでとう。おまわりさんも大変だな」
101 :『名も無き正義の使者は』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/05(火) 22:54:14.74 ID:Zu3m96p9O
>>100

「ぐ、ぐうの音も出ない……」

そう、幽霊でありながら、このイノシシ型婦警は別段対策をとらなかった。
魂を吸うも何も、いっぱいありますしとばかりに突っ込んでいったのである。
確かに、事件は解決した。不気味な人形はもう二度と魂を吸う事はないのだ。
……その代償として、『彼』が生まれたわけだが。

「いやあああ! おじさんと同い年ぐらいの息子なんていやだああああ!」

首ぶんぶん。それぐらいショックな出来事だ。
彼女の中には男女問わず多くの魂が溶けてまざっているが、まぁ濃い男が選ばれてしまったものである。
尚、彼はその夏子の様子を愉快気に見ている。

「まぁ、茶化す意味じゃなく正しく母体なんでね。身体を経たから今すぐ自由ってわけにもいかない」

「しばらくはこのお嬢ちゃんにくっついて回るしかないが、それにしたって身分ってもんが必要だ」

「いくらでも偽装してみせるお嬢ちゃんと違って、俺にその手の技能はないからな」

「費用がどれだけかかるかはわからんが、お嬢ちゃんのなけなしのお金から払ってもらいたい。――俺の身分のために、ね」

男性の言葉にも反論できないらしく、柚子は力なく頷く。
そう、イムカには彼女の悩みの一つが解決できるのだ。
すなわち、この男性の身分がはっきりすれば、多少は動きやすくなるというわけだ。
102 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/05(火) 23:08:53.47 ID:egh2RLdqo
>>101

「………」

 腕を組んでしばらくはユヅキの醜態を観察(酷)しながらも、
 黙って話を聞いていたイムカ。状況の把握は大切である。

【なお、何時の間にか彼女の周囲にはこの店で一番高い紅茶があったりする】

「身分か。私は論ずるまでも無いとは思うが、君自身はそれで構わないわけか。
 何せ霊的存在だ。身分…名と立ち位置を得ることは少なからず存在を固定させることに繋がるぞ?」

 霊的存在にとって、そういった要素の重要さはオカルトにイマイチなイムカとて知るところだ。
 いや、むしろ――

「私にとってはそのもの≠ナありながら大ポカをやらかす方に呆れを禁じえないが」

 やれやれと首を振りながら、ジト目で婦警に言葉を投げるのである。無慈悲である。
 まあ、身分は大切だ。幾つかの世界で通用する羊皮紙なりIDなりSIMセンスなり。

「事情は解った。婦警には晴れておまわりさんでありながら借金生活に突入してもらうとして、
 君自身の希望に沿った名と身分なら用意してみよう。それにしても――」

 悶絶する婦警を一瞥し、

「…親子関係はどうする?赤裸々で渡る世間は何とやらでもこれはこれで面白いが」

 ヒドイ!
103 :ラース・フューリー [sage saga]:2016/01/05(火) 23:08:58.46 ID:NG2Y4g7Ho
あるファンタジー世界の廃墟
神や魔王を名乗る者達の戦いによって文字通り塵の如く吹き飛ばされたその場所

人の姿は無い…が、熱い
街に『人』は居ない
在るのは数多の火球、じっくりと眺めれば薄らと人の輪郭を形作る不思議な火の玉だ
耳を澄ませばその生活音すら聞こえるだろう
彼等は未だ自分達が死んだ事すら気付いて居ない様で…こちらにそれを伝える術も無い
そして、もう一つ。街の中央にあるモノが居た

「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」
「主よ、何故彼等を見捨てたか……か」

復讐の焔の魔人、ラース・フューリー
広場となったその場所に剣を突き立て、身を預ける様にして空を見上げて

「……奪われた事を1つずつ伝えるのも、苦行であるな」

そう呟くと1度剣を地面から離し、音を出す様に地面に突き立てる
それと同時に火球の1つがフッと消え去っていった―――
104 :『名も無き正義の使者は』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/05(火) 23:17:04.73 ID:Zu3m96p9O
>>102

「名無しのまま私のオプションパーツになられたら私の偽装の能力の有効性がブレるんですよおお……」

苦渋の決断、という表情。
好き勝手潜り込むのが彼女のお得意なところで、『彼』の存在はどうしても異物だ。
そういうことなら、存在を確定させ、活動範囲を多少広げると同時に、両者は表向き無関係を装うこともできるようになる。

「身体を得てから俺も多少頭脳明晰になってな。生前の名前を思い出せる。ロドニー・アッシュベリー。警官だったんだ」

「私立探偵やってた時期もあったっけなぁ。いやぁ懐かしいもんだ……まぁ、上手い具合に頼もうじゃないか」

彼女の中に溶けていると、大体の魂は生前の記憶を少しずつ手放していくことになる。
自分が何者であったのか、何のために動いているのかだけを残して、個人は希薄になっていくのだ。
なので、彼は以前、自分が近代ぐらいの警官で、正義を成していたという自覚以外は思い出せていなかったが、改めて個になれば少しずつ思い出すというものだ。

「ぅぅぅ、親子ってわけにはいかないので、親戚にしてください。私が姪っ子ですからね」

「じゃあ俺はおじさんってわけだ。ははぁ、まぁ、悪くない」

親子関係、だけは認められない様子。
そこは、乙女ですから。
105 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/01/05(火) 23:19:03.38 ID:FbHavDudO
>>103
「あっついってんですねぇ……」
「しかもなんか……うー……」

唸り周囲をキョロキョロと、鶏の様に顔を動かして確認
どうにも辛気臭い、亡霊ばかりの街にやってきてしまったようだ
嫌悪感と恐怖、同時に何処か憐憫に似た畏怖の様なモノも芽生えているのだがニアに彼等をどうとする術はない

「……んっ?」
「あ、ふつーの人っぽいってんですねっ、おーいっ!」

やや離れた場所からラースに声を掛けて駆け寄るのは、藍色のアオザイジャケットを着た褐色の肌の少女、ニアである
ここまでなら問題はないのだが、彼女は現在周囲の光景に警戒し、ほぼ無意識に臨戦態勢を取っているのだ
つまり即ち、タコのモノともイカのモノともつかぬ奇妙なタイドメイカーの触腕を脊髄から1本生やし、尻尾の様に揺らめかせているという事
106 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/05(火) 23:27:39.04 ID:egh2RLdqo
>>104

「集合意識であるが故だな。ペルソナ以外はどうしたって自我が希薄になっていく。
 当然といえば当然か。多量の人格をそのまま持ち続けるなど、
 遠からず押し潰されて自我崩壊が関の山だ」

 ある意味で個性が希薄になるというのは、自己防衛に基づく機能なのかもしれないと思えた。
 不必要なモノを抱え続ける必要などない。少し悲しい理屈でもあったが。

「警官で私立探偵か。中々に小説のキャラクターになれそうな遍歴だな」

 中空に現れたホロ・ディスプレイを白い指で操作しながら、
 身分偽造屋のコネクションとのアクセスを始めているイムカ。速度こそ肝要というのがポリシーだ。

「親子関係は不満か。ええと、叔母と甥っ子だな了解だ。かわいい親戚じゃないか」

 重ねて言おう。イムカ・グリムナーは堅物でユーモアを介さない女だ。
 きっと、これは聞き間違いとか、イムカ自身が外見年齢に疎いとかそういう(ry
107 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/05(火) 23:34:37.60 ID:NG2Y4g7Ho
>>105
区切りとして1つ大きく剣を鳴らすと視線をそちらへ向ける
と…何とも言えない、どんな表情を浮かべれば良いのか迷った様に表情が痙攣した
何故なら奇しくも同じ様な肌の色。同じ様な髪の色。同じ様な瞳の色の少女が触手を生やしながら走って来たからだ
驚きの声を喉元で押しとどめたのは長く生きてきた故の意地でも有ろう

「……惜しむべくは衣服までは同じでは無い事かァ」

よろしくない事を恐らく聞こえない様に呟く半裸の魔人
そちらに気付いた事を示す様に体ごと其方へ向くと

「如何した人間よ」
「死ばかりの街へ迷い込んだかァ」

熱気の原因と言うに相応しい位の熱
それごと吐き出す様な重い声でニアへ尋ねかけ
108 :『名も無き正義の使者は』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/05(火) 23:39:39.12 ID:Zu3m96p9O
>>106

「ああいうのに憧れてたのさ――。ああ、だが、ありゃいけねぇ」

「コロンボはいただけねぇなぁ。俺はあんな風にすっとぼけるのが苦手なんだ」

警官一筋じゃなく、一度退職した。
そして、それでも正義を成そうと探偵を始めた。その経緯はさてはてなんだったか。
その内思い出すこともあるだろう。彼はニヤリと口元を歪めた。

とまぁ、渋さを演出する男と違い、乙女の方は余裕がない。
イムカのユーモアなのか天然なのか判断つきかねる言葉には、ぶんぶんと両腕を振って抗議する。

「ちーがーいーまーすー! 逆ですよ、逆! そんな複雑面倒そうな血縁でっち上げる方がめんどくさいです!」

「俺は構わんけどな。お嬢ちゃんの姉がいてだな、高翌齢の男と結婚しちまう。連れ子が俺だ。ほら、甥だろ?」

「いーやーでーすー!」

……ありえない、ありえないと首を振る。
109 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/01/05(火) 23:43:22.66 ID:FbHavDudO
>>107
「どうやら、そうみたいだってんですっ」
「……んっ? お前も、ちょっと違うってんですかっ?」

こくりと頷き肯定の意
見てくれの問題には差したる疑問を抱く事はない
なんならクローンがカノッサに大量生産されているのだ、少しくらい被った所で気にしない気にしない

続く言葉は即ち、ラースの語りから何処か非人間的なニュアンスが汲み取れた為だ
返す口調と声は軽く、間延びした特有のモノ
垂れ下がった触腕がしゅるりと、蛇めいてニアの足元を這う
110 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/05(火) 23:50:21.04 ID:egh2RLdqo
>>108

「青い憧れのまま現実を見てしまったか?警官から探偵、見る角度が変われば景色もいわんずもかな」

 金糸の髪を揺らしてながら少しだけ首を傾げるイムカ。
 紅茶を口にした唇が少し湿っている。どうやら少しだけ思うところがあったらしい。

【琥珀色の紅茶の水面に己の紫の瞳が映っている】

「婦警、身分をでっちあげるのは私だ。面倒など心配するな。かわいい部下のためだ」

 片目を開いて、己の苦労について言及。
 話のピントが見事にずれているのか、ずらしているのかは謎とさせていただく。

「まあ、国際結婚とか色々と遍歴がめんどくさくなるのはさして変わらん。
 ロドニー・アッシュベリー・ユヅキで登録しておけばいいか?
 身分は、元・暗黒非合法探偵でいいか。ほら、出来たぞ」

 シュッと、SIMセンスと免許証とパスポート数種類が、
 中空のサーボスカルの口からボトボトと毀れてテーブルに落ち始める。
 何か、趣味の悪いプリントアウトであるが気にしたら負けである。

「ホロクローク(凍結ホログラム)製だ。強い衝撃を与えると砕けるから扱いは慎重にな」
111 :『名も無き正義の使者は』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/05(火) 23:58:10.11 ID:Zu3m96p9O
>>110

「そうかもしれないが、違うかもしれん」

「上司の汚職挙げてみたら居づらくなったのかもしれんし、もっとハードボイルドな経歴かもしれねぇなぁ」

「何せ、深くは思い出せないんでね。ただ、まぁ――気取るのが好きな青二才のままおっ死んじまって、今なお継続中ってのは確からしいがね?」

自嘲するように、彼は肩を竦める。
銀幕の向こうに映るロマンスグレーの探偵に憧れて、そうなってみようとある日思った。
もしくは、そうならざるを得なかった。どっちなのか。彼にはまだわからない。

「ううう、イムカさんが虐める……」

ぐりぐりと机に頭を柚木が押しつけている一方、彼は吐き出される身分証類を受け取る。
中身を確認する度に、何やら含み笑いをしていたが。

「いいねぇ。壊れ物ってのが気に入った。ありがとうよ。――そんで、お嬢ちゃんは借金返済、気張るんだな」

「……ルーブルなら溜まってるんですが『ペソもあったなぁ』マルクもありましたねぇ……」

濁った眼で、コストに関して現実逃避する柚木。
しばらくは、正義のためだけでなく、お金の心配もする必要があるのであった。

//では時間も近いのでこんな感じで〆でお願いします!

112 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/05(火) 23:59:26.13 ID:NG2Y4g7Ho
>>109
「然様か、街まで案内してやりたいところだが」
「見ての通り―――――少し忙しい所でな」

言葉の区切り処で1つ。剣を鳴らせばすぐ近くに漂ってきていた火球が掻き消えて

「人であるかと聞かれれば否であろう」
「マトモな生物かと聞かれても答えは変わらぬ」
「我はただの悪魔。魔人であるとも……見ての通り、人を死に導くなァ」

抜身の得物を持って居るのは此方も同じ
ニアの触手を視界に納めつつも見た感じは警戒している様子は無い
…と言うよりも、相手が何かしようとすれば此方がやる事は既に腹に決めているだけなのだが

「それで…こちらは悪魔と名乗ったのだ」
「そちらの事も当然教えてくれるであろう?」

そんな事を言う様は会話を楽しんでいる様で
113 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/01/06(水) 00:06:07.18 ID:XH4c6xL/O
>>112
「なるほどっ」
「……ん? ということは……」

もしかして、と続き半歩身を引いて最警戒
この街の惨状を巻き起こしたのは誰か
そう考えると目の前の彼の存在は疑わしくもあった
だがしかし

「いやっ……なぁんか、違うってんですかねぇっ……?」

訝しみに眉を顰めるのは、どうにもそういった状況に見えないからだ
どちらかといえば鎮魂を行っているような、そんな気配

「あ、ニアってんですっ」
「ニア・シューペリオリティ……」

ご覧の通り旅人です、と頭を下げた
越境者であるのを告げぬのは、この世界に於いてそれが周知されているかが不明な上、迫害対象になっていても不思議ではない故
とはいえ仕舞い忘れている揺らめく触腕が、その存在が普通ではないのを告げてはいるが
114 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/06(水) 00:27:12.83 ID:JgQNenMdo
>>113
「我が殺したのならば、もっと『上手く』できるとも」

その言葉を告げれば、この惨状の発端は彼ではないと分かって貰えるだろうか
血が滲む程に握り締めた剣を、強く地に突き刺す姿からその怒りが伝わるだろうか

「善にせよ、悪にせよ。神々が斯様な惨状を起こしたならば復讐せねばならん」
「理不尽に奪い、壊したのならば『復讐』されるべきだ」

同意を求める様にも、確認する様にも聞こえる様な声には熱が籠っていて
それがこの者の本来の気性の荒さを現している

「…『復讐』の悪魔」
「名をラース・フューリー。異世界よりまかり越した」

敢えて越境者・…と言うより異界の悪魔である事を自ら告げて

「悪魔に自ら名を告げるとは、愚かよな人間よォ」

若干の笑みを口元に浮かべて
別に何が出来るって訳でもないがとりあえず言ってみたかった事を最後に言ってみる
実際言ったら相手がどんな反応をするかなーと、暫く前から気になっていたのだ
115 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/01/06(水) 00:39:57.61 ID:XH4c6xL/O
>>114
「……ん、納得ってんですっ」

悪魔魔人が殺しを損じる事など、確かになかろう
少し無礼な物言いであったかと、琴線に触れてしまったかと微かに萎縮
とはいえそれを露骨に示す程弱腰ではないが

「神様っ?」
「うーんっ、神様がこれをぉ……」

改めて周囲の阿鼻叫喚の平穏を見た
肉体の死に気が付けない憐れな魂達は揺れる

「……むっ」
「ま、まぁっ、確かにっ……」

でも、と区切り笑って見せる

「お前はっ、悪い人っ……じゃなかったっ、悪魔に見えないってんですからねっ」

少なくとも今は、という冠詞を面と向かって付ける程の勇気がないのもまた事実ではある
越境者であると知れた今、同士へのシンパシーとも言えるだろう

「……悪い奴じゃないついでっ、ニアの今夜の寝床の確保をお手伝いしてくれると嬉しいってんですっ」
「実はさっき、越境してきたばかりでしてっ……」

右も左もさっぱりなのだと苦笑い
そんなこんな、やや強引気味に、ラースの鎮魂に付き合ってその後は夜を明かす場所探しへと連れ出そうとの算段であった
浮かばれぬ霊達の彷徨える街、遥か山脈の向こうへと血の色の夕陽が沈む

//こんな感じでお先にすみませんっ
//お付き合いありがとうでした、お疲れ様でするっ
116 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/06(水) 21:23:59.69 ID:7fCw0YcLo
【魔法世界トローヤー:ユグド大陸にて――】

 それはある意味で壮観とも言える光景であった。
 青空を駆ける麗しい乙女達。腰部より青、白、紫の見事な翼を生やした彼女達は、
 鋭い槍を掲げ、勇壮な掛け声と共に突撃をかける。

 片やそれに対抗するは蝶々を思わせるこちらも美しい羽根を生やした妖精の群れ。
 弩(いしゆみ)を掲げ、乙女達の突撃に対して弾き打ちを繰り返し、
 接近戦を強いられぬようまるで鵺のごとく陣形を変えている。

【ここは戦乱の地。戦乙女(ワルキューレ)と妖精(フェアリー)が互いの血を血で洗う災厄の地】

(我ながらともすれば度し難い感性であるが、やはり戦場の空気はいいな。故郷を懐かしむような心地にさせられる)

 黄金の髪をなびかせながら、イムカはやや羨むようにその戦いを見やっていた。
 出身世界において、政治的理由から第一線を退かざるを得ない立場に追いやられた身としては、
 たとえ戦場の陰惨さも悲惨さも十二分に承知していたとしても、やはり憧憬に等しいモノを禁じえないのだ。
117 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/06(水) 21:38:46.96 ID:JgQNenMdo
>>116
「あれに見えるは汝れの部下であろうか?」

尋ねる様な声がイムカの後方からする
直後に、周辺の温度が微かに上がったのに気付くだろうか

「差し障り無いと言うのなら、我もここから眺めたいのだが」

振り返れば陽炎から浮かび上がる様に褐色の肌の半裸の男性らしきものが現れ
イムカの方へと歩もうと足を運ぼうとする
その微かな動きだけでも、腰に有る3つの刃物がぶつかって音を立てた
118 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/06(水) 21:48:28.30 ID:7fCw0YcLo
>>117

「………」

 一見して旅人風の格好であったイムカの片腕が一瞬だけ輝き、
 ホロクローク(凍結ホログラム)の欠片を散らしながら、
 柔らかい革のグローブが、粒子短銃を持つ鈍色のガントレットに変ずる。

「この文化レベルの戦場とは、兵士のほかに野盗と骨拾い、あるいは化生どもの巣窟だ」

 淡々とした声音で呟くイムカ。こうしている間にも若草色の外套も、
 軽装のチュニックも光の粒子に分解してゆき、カラパスアーマーと黒いトレンチコートが顕わになってゆく。
 視線を動かしながら地面の石ころの一つを蹴った。

「敵も多い身の上なのでな。これくらいの態度は容赦願いたい」

 紫色の瞳で突如現出した異形を睨み、銃口を真っ直ぐに向ける。
 外套のように金糸の髪を揺らめかせる。また、アーマー越しにも解るそのバストは豊満である。

「何より、一応は女だ。半裸の男が刃物を持って突然出現など、怯えても無理からぬものとは思わないか?」

【銃口を向けた…だけではない。石ころを蹴るアクションと共にワイヤートラップを一つ抜け目なく張った】
119 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/06(水) 22:07:05.59 ID:JgQNenMdo
>>118
「ふむ…」
「それは失礼した、将よ」

イムカの言葉を自分ならもっと整った軍を作れるのだと受け取ったのだろう
不必要に誇りを傷付けるつもりは無かったと、その程度の謝罪をまずしてから

「か弱い女だと自称するなら、態度もそれらしく振舞えれば良かったであろうにな」
「尤も、そう言った真似は苦手と見えるが…如何か?」

イムカが銃をこちらに向けようとする中で足を止め、同時に後ろ腰に有る剣の鍔元に肘を置いた
一見すれば楽な姿勢をとったと言うだけ。イムカに銃口を向けられても特に反応はしない
一切の警戒が無いと言えば嘘になるだろう…が、態々怯えを相手に見せる理由も無い
折角だから会話の1つでも楽しもうかという気概の方が勝ったのは内緒で有るが

「…そも汝れが我の事を知らぬ様に」
「我もまた汝れの事も汝れの敵の事も知らぬ身で有るがな」

とりあえずは敵じゃない事は明言しておこう
拗れたり勘違いされても面倒なのだから
120 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/06(水) 22:23:25.99 ID:7fCw0YcLo
>>119

「苦手なのではなく忘れただけだ。こう見えてそれなりに老体なのでな」

 か弱い女とは看做されなくとも当たり前かとワザとらしく肩をすくめるイムカ。
 しばらくは銃口を向けていたが、無益と悟りそれを降ろす。

【キュン、とワイヤーが巻き戻されてコートの奥に消えた】

 警戒の色は全く変わっていないが、少なくとも即座に戦闘状態ということはない。
 構えぬ相手に銃口を向けたままでは器量を損なうというもの。ゆえに銃は手に持ったままだ。

「戦乙女は戦神と謳われる王のために、妖精は木と森を護るために戦っている。ということになっている。
 まあ、建前をひっぺがえして至極簡潔に言うならば、領土と宝を奪い合っている、だ。シンプルだな」

 不意に、翼折れ、血塗れとなったワルキューレが一人、こちらに落下してきた。偶然であろう。
 夥しい血が瞬く間に地面に流れ、この顔は苦痛に歪んで――

「………」

 ラースの目の前の女は無言のまま先程、彼にやったのと同じように銃口を瀕死のワルキューレに向けて、

【BLAM、独特のノイズ交じりの銃声】
【この行為をどう解釈し、どう行動するかは彼次第であろう】
121 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/06(水) 22:42:30.85 ID:JgQNenMdo
>>120
「ほう、見る事が出来ず残念だったと言うべきか?」
「やると言うなら我もまた悪魔の名に恥じぬ様努力はするがなァ」

そこまで上等な演技は出来んぞと、冗談交じりに言って
イムカが銃を降ろすと、それに合わせてラースは剣に乗せていた肘を降ろす
見て分かる様な構えとは違ったが、彼もまた臨戦態勢では有った様だ
尤も、過ぎた事であるが

彼女に戦場の成り立ちを聞きながら、幾度か頷いていると――
落ちてくる戦乙女。その命の灯の輝きを視て
ボロ雑巾の様に転がる者を前に、『復讐の悪魔』は何も言わない
ただ静かに、腰の剣へ手をかけて―――
それより先に、今まで話していた彼女が動いたから

彼女の行動を止めようと思ったら止めれたかも知れない
彼女の行いに憤る事こそ正しいのかも知れない



「優しい事だな。人間」

その苦痛を終わらせる事を選択したイムカに対して、素直に賞賛の言葉を送った
イムカが動かなければ自分がそうしたであろうから
剣から手を離すと、2度。小さく拍手して

「……か弱い女と言うなら、男の見せ場を奪うのも止めた方が良いのでは?」

一応はそれは自分の役目だったと、遠回しに抗議しておく
122 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/06(水) 22:42:47.41 ID:JgQNenMdo
//↑名前ぬーけた!
123 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/06(水) 23:03:23.53 ID:7fCw0YcLo
>>121

「悪魔と言っても色々だ。君が歪み(ワープ)由来の事象でなければ、 
 少なくとも即座に我が敵とは認定するものではない」

 先の言葉に返答をしながら、イムカは虚ろとなったワルキューレの瞳を手で閉じる。
 戦士に相応しい死に様だ。同情なと全くない。

「…男の見せ場など知ったことか。――ところで、だ」

 大地に血が降り注いでいる。天空が戦場になっているのだ。当たり前だ。
 そして、流れる夥しい血液は時に世界を循環する魔力と反応を起こし、下卑た現象を引き起こす。

「こちらは′Nのお仲間ということになるのかな?戦の死臭に連られて余計なのが出てくるようだ」

 森の気温が突然に一気に下がる。冷気めいたモノが周囲を多い、暖かい生気を求め始めている。
 勇壮に戦い死ぬ者共とは無関係に、ただ血と死を糧に現出しようとしているモノがいる。

ネファレム∞腐屍の皇の下僕∞尽きぬ生、暖かい生∞ネファレム∞ネファレム

【冷気がカタチを帯びていく。幾つかの意味不明の言語。どうやらラースの眼前の女の業も幽鬼に混ざったようである】

 解釈次第では一応は、身勝手極まりないが生者に対する復讐ともいえなくもない存在ではあるが?
124 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/06(水) 23:24:01.19 ID:JgQNenMdo
>>123
「越境者とは呼ばれているがさて…なァ」
「我は我の望まれた場所に往くだけの事。それがたまたま異界で有ろうと、何も変わらん」

そう言って剣の柄へ手をかける
イムカへの敵意からでは無い、新たな来客を持て成す為だ
冷気が覆う森の中、彼は尚熱いまま――

「…死とは終わりで無ければならん」
「我は復讐者。復讐の螺旋の最期に立つ者として」
「彼等…嘆く者に終わりを与えるのが使命である」

黄泉路に迷う者が居るならば、それは自分の客である
それだけ言うと、幽鬼が現れる中でゆるりと剣を抜いた
業物と言う訳でも古代のアーティファクトと言う訳でも無いただの剣
しかし人も、化物も斬ってきたと言うだけの代物だ

「こうして、な」

素足の為か足音は静かに
一息に冷気の下へ駆け込み大上段から幽鬼へ向けて剣を振り下ろそうとする
125 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/06(水) 23:34:18.83 ID:7fCw0YcLo
>>124

「―――」

 バキン!と音を立てて幽鬼の一体が霧散する。
 が、即座にもう一体、もう一体と次々と幽鬼が地面より滲み出し、這い出てくる。

ネファレム∞ネファレム∞ネファレム∞ネファレム

【ラースの背後での複数の銃声。ふと、互いに背中越しに立つ陣形となる】

 空からは赤い雨が降り注ぎ、地面の森は青白い冷気の死霊の棲家と化す。
 地獄絵図とは正にこのことであろう。

「戦見物など決め込んだ罰かな?どうやら君を巻き込んだ。
 どうしたものかな。一匹一匹潰したところで埒が明かんぞ」

 携行食のエネルギーグリスを一口齧って、振り向かずに言葉だけを投げるイムカ。
 彼女の遺伝種子の機能ならば一昼夜集中力を失わずに継戦も可能ではあるが、効率的とは言えない。

「一応、聞くが、神父(クレリック)のような、悪霊昇天(ターンアンデット)の類の持ち合わせはあるかな?」

 湧き出す幽鬼は、生者への憑依を試みて殺到してきている。
 大量の霊魂にとりつかれれば、最悪、自我が砕け散り幽鬼の仲間入りだ。

【敵としてはさほど脅威ではない。が、数がやたら多く、押しこまれればゲームオーバーである】
126 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/06(水) 23:58:43.47 ID:JgQNenMdo
>>125
例えこの場が地獄絵図に変わった所で
業火たる魔の行いは変わらない
ただ悲劇に終わりを。 1人で在ればこの地獄が幾ら続いても構わず終わらせ続けたであろう
しかし、今はそうではない

「『こう』なると分かっていたか」

少し呆れた様な声をすぐ後ろに立つ人物へかける
背中越しに聞こえた銃声に振り返りはせず
心配する素振りすら無い。それどころか――――

「生憎と、我は剣以外の特技となるとからっきしでな」
「しかし、だ」
「斯様な地獄には慣れておらんか、『小娘』」

敢えて挑発する様なもの言いをする
埒が明かない、敗北が見える
だからどうしたと言うのだ―――

「一昼夜」
「夜が明けるまで、この地獄が一先ず終わるまで」

「倒し続け、腕を競ってみるのも一興であろう?」

期限は日の出まで
悪魔から貴女へ遊びのお誘いをしてみるのだ
127 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/07(木) 00:07:23.12 ID:osjrAARJo
>>126

「………」

 ふと、場違いなほどのキョトンとした無表情になった後、僅かに口角を上げて、

「ハッ、小娘か。百何年ぶりだ?そのように呼ばれるのは?」

 背中越しに返事をしながら、もう一丁の粒子短銃を抜き放ち、
 デュアルハンドで構えを取る。

「地獄には慣れている。それに私は守勢のほうが得意でな」

 ガントレットの表面に紫電が走った。エネルギーは十二分だ。

「興が乗った。精々競うとしよう」

//ではこれにてオソマツ!
128 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/07(木) 22:22:20.29 ID:49q5B/YY0
???「報告を」

???「ハッ 先日突如現れた敵は 戦場を徐々に侵略しつつあります こちらの攻撃をものともせず突撃する様に 軍内部でも動揺が広がっています」

???「名も知らぬ 第三の敵・・・か 全軍に通達 接敵時はむやみな行動を慎み 距離を取って出方を見ろ これ以上の損害を出すわけにはいかん・・・にゃ」


さて物々しい雰囲気を醸し出しているが ここがどこかというと



“フォールンニャンパイア 夜のはらっぱ”
猫達の楽園 はらっぱでもお昼寝権を賭けた 黒猫軍と 茶虎・白猫連合軍の戦いの場 空には子供の落書きの如き月が登り 今は戦闘の真っただ中・・・のはずなのだが

「これは一体どういうことかね?」
にゃあにゃあと猫達の威嚇の中に混じる キャンキャンという甲高いこえ そして猫達を蹂躙しているのは

「・・・・・?」
子犬である 生後2〜3か月といったぐらいの 様々な子犬が 猫達を追いかけ回していた
前足を開き 伏せをするように上体を下げ ちぎれんばかりに尻尾を振るさまは たぶん遊んでほしいのだろうけど 猫達はどうにもご迷惑な様子

「さぁて これはどうするかね?」
いつになく混乱を極めているはらっぱ この場に誰か知り合いがいたら どんな感想を抱くやら?
129 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2016/01/07(木) 22:29:43.46 ID:osjrAARJo
>>128

「わうわう!(重畳重畳、我等は等しく征服者よ。猫などという惰弱な生物は早々に平らげるが良い)」

 肉球がプリントされた扇子を器用に動かして(器用すぎる)、
 指揮官めいた柴犬(なお、指揮権もなければ、指揮しているわけでもない)は、
 ご満悦が風情で敵の猫たちを睨みつける。

「わうわうわう!(止めて欲しければありったけの燻製鮭とはらっぱの割譲、風が気持ちいい寝床を差し出すがいい)」

 なんたる横暴なる要求をつきつける侵略者か!
 フォールンニャンパイアにもついにマッポーの時代ががおとずれたのだ!

【あほ犬あらわる】

 一応、メタ的な設定情報であるが、この柴犬、数百年の時を生きる守護生物(トーテム)である。
 とっても偉大なのだ。いや、ほんと。たぶん。
130 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/07(木) 22:38:25.97 ID:49q5B/YY0
>>129
とりあえず近場の子犬を一匹 モフモフして制圧していると どこからともなく聞こえてくる例のあほ犬の鳴き声
トーテム? 知らん

「でたよ・・・」
妙に漫画チックなことをやっているアホ犬をどうしてくれようかと考え

「・・・よし」
早速準備に取り掛かる

〜それからどうした〜

ウルリックの鼻に香しいにおいが襲来
見れば御所望のスモークサーモンが 妙にわざとらしく 一列に並んで置いてあるではないか!!

その燻製鮭の列は最後に 鉄の檻の中で途切れていた きっと中に入れば閉じ込められてしまうタイプだろう
さぁこの古典的手法がウルリックの前に用意された これをどう展開するかは 中の人の手腕に託された(チラッ
131 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/07(木) 22:40:56.26 ID:obKf1GXI0
>>129-130
「ん、これは可愛い珍客だ」

黒猫陣営でのんびりしていた双尾の黒猫
何やら賑やかなはらっぱに来てみれば阿鼻叫喚の大騒ぎ
何処から迷い込んだのかわんこがきゃんきゃんと駆け回っているではないか

「……えーと、越境犬、って所になるのかな……?」

まぁそういえば自身は越境猫なのだ、不思議はあるまい
スモークサーモンの罠をちらり、よだれが落ち掛けるのを理性で防ぎ騒動の只中へと歩み寄る

「やぁ、賑やかだな」

132 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/07(木) 22:49:22.45 ID:osjrAARJo
>>130

「わうん♪(美味そうな匂い!)」

 実に美味そうなサーモンが並んでいるではないか。
 早速近場のモノからペロリと平らげるのである。当然である。

「わうんわうん♪(美味なり。美味なり)」

 美味である。ゼイタクを言うならばスシに乗っけたかったほどである。
 が、ここで偉大なる戦士でもあるウルリック。ちゃーんと罠はお見通しなのである。
 ゆえにこんなお馬鹿かつ安直にすぎる罠などにかかるはずが――

【ガシャンと閉まる鉄の檻。中に閉じ込められたのは偉大なる守護生物。なんたる神をもおそれぬ所業か!!】

「わうわうわう(だが!拙者とて備えは万全よ)」

 キラーンと目を輝かせてグルリとそっちの方を見る。すなわち、アキレスが連れている大さそりをだ。

「わうわうわう(ベティ、罪無く卑劣な罠にかかった拙者をすぐに救援するのだ)」

 これぞ、どーぶつキャラ的ねごしえーしょんなり。
 欺瞞に満ちている?知らん。

「わうわうわう(そこなネコマタよ。所謂コウボウ・エラーズよ。拙者を捕らえるために、
 このような完全なる罠が張られた。不覚をとったものよ)」

 何故か無意味に偉そうで、尊大である。
 何か、とっかで見たような態度に思えるならデジャブってます。アナタ。
133 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2016/01/07(木) 22:50:08.25 ID:osjrAARJo
>>132
//名前まちがい&>>131へのレスも兼ねてまするううう
134 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/07(木) 22:58:02.30 ID:49q5B/YY0
>>131
「あぁ 全く困ったもんだ」
ベティがいつも使っている赤いゴムボールをぽいっちょと投げれば 辺りの子犬が喜び勇んで突進していく

そしてイリーの前に立ちふさがる存在あり

―――キャンキャン!!
遊んでほしそうにおしりを振る子犬 尻尾のないコーギーである

そして無謀にも イリーに突進を仕掛けた

>>132
お約束通りに檻の中にINしてしまうウルリック だが対策はばっちりなようだ
早速ベティに救援要請をかける・・・が

―――ギィギィ♪
当のベティは 秋田な子犬と 仁義なき取っ組み合いに忙しいらしく 救援が聞こえてない

「はっはっは!! こうなったらアホ犬もどうしようもあるまい」
高らかに勝利宣言をするアキレス 檻にどっかり腰を掛け

「積年の恨みだこのこの」
と体を揺すって 檻をがたがた揺らしている
135 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/07(木) 23:05:45.53 ID:Fvk+oQ9RO
>>132-134
「わー、大変そうだなー……」

卑劣なる罠に掛かり身動きの取れぬウルリック
そして仔犬は台風の目の様に轟いているではないか
最早苦笑い以外何が出来ようこの状況

「……ん?」
「……んにゃっ!?」

コーギーの突進に少し跳ね飛ばされる
案外気を抜いている場面への質量攻撃というのは効果的なのだ
まぁすぐ様起き上がる事は無論叶うが

「な、なんだなんだ、私は美味しくないぞ?」

猫の身からすると充分大きなその体
ちょっと尻込みしつつも尻尾をチラチラ振って構ってみてはいる様子
136 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2016/01/07(木) 23:16:08.45 ID:osjrAARJo
>>134

「わう!?」

 なんということか!保険が既に無力化されていたのだ。
 取っ組み合いに忙しいというか明らかに遊んでいます遊兵です。
 既に戦況がコントロールを外れていたとは何たる悲劇か!

【そして始まるは陰湿かつ卑劣な拷問!】

「わうわうわう!(よりにもよって檻に腰掛けて揺らすとは!おのれ!このような侮辱は許しがたいぞ)」

 檻の天井をベチベチと肉球で叩いて猛抗議のウルリックである。
 積年の恨み?いったい何の事か全く記憶にございません。

「わうーん!(拙者は怒った!怒ったぞ!!)」

 肉球がバチバチと放電を始める。油断しきった卑劣なラクガキ屋め。
 裁きを受けるがいい!

【バチーッ!っと鉄の檻が放電!!暢気に座っていた奴?お尻が真っ二つになるくらいのアレになったんでね?
 悪ければ、重篤なぢ、ですよ、ぢ!】

>>135

「わうわう(何と愚かな)」

 ああ、イリーの行動にウルリックは呆れを禁じえない。
 なぜならば、犬もそうだが周囲の猫もどうだ?

【ネコマタ特有の二本の尻尾は正にねこじゃらしの如し!】
【あの、魅惑のゆれにより、一体どれほどの質量攻撃が生まれるか。あな、おそろしや!】
137 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/07(木) 23:29:36.89 ID:49q5B/YY0
>>135
尻尾ふりふり攻撃は効果てきめんだったようだ
コーギーはその蠢く尻尾に夢中である

まだ噛む力が弱いし 動きもおぼつかないので 尻尾を捉えること事態が少ないうえ 噛まれても痛くないといった様子である

だがそんなおもちゃを見逃すお子様犬たちではない!!

マスチフが!!ゴールデンレトリバーが!! ラブラドールが!! マラミュートが!! ジャーマンシェパードが!!
よりにもよって大型犬の子犬が!! パワー漲る子犬様が 大挙して尻尾を狙ってくるではないか!!

頑張って生き残ってね(白目

>>136
「うははははw 駄犬が何か喚いておるわ!!」
大いに笑いながらガッタガタ揺らしていたが やっぱり詰めが甘いというかなんというか 鉄に電気を阻害するものがある筈もなく
アキレスに電気ショーック!!

「アバー!!」
漫画チックに全身の骨が透けてる状態に発展リーチ そして最後には黒焦げアフロが完成である

―――ギィ?
とここでようやく保険が機能し始める 何か呼ばれた気がしたので檻の入り口に
この檻は外からなら簡単に開けられるようになっているので

―――ギィ!!
ベティが入って来ようとすれば 感嘆に隙間ができるのだ

【ウルリックに判定:入り口にすきまができた これを足掛かりにすれば簡単に脱出できるだろう だが対応が遅ければ ベティが完全に檻の中に入ってしまい 2匹そろって出れなくなる可能性がある】
138 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/07(木) 23:35:02.57 ID:Fvk+oQ9RO
>>136-137
「ふふ、なんだ、可愛いなぁ」
「……ん? 愚かって、何が?」

コーギーの反応は上々だ、わっふわっふとじゃれ付いて来るその様は何とも愛らしい
そのぬいぐるみの様な容姿に顔を綻ばせていればウルリックの愚か発言である
一体何の事やらと眉間にシワを作り視線を動かせば影
正しくは大型犬の仔犬のワイルドなじゃれつきなのだが、それを察するのはもう少し後である

「……にゃきゃぁぁっ!?」

メガネを掛けた虐められっこがオレンジ色の服のガキ大将に殴られる時の様な、灰色の煙の球体が出来上がる
時折黒猫や仔犬の手脚が飛び出ては収まり飛び出ては収まり
仔犬達が満足すれば目をぐるぐるに回して伸びている黒猫の姿がっ
139 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2016/01/07(木) 23:47:23.32 ID:osjrAARJo
>>137

「わうー(おーい、生きているか?)」

 えらいこっちゃな状態と成り果てたイリーに、
 あっちゃーという風に首を振りながら言葉を投げるウルリック。
 やっぱりこうなった。あの尻尾、魅惑的すぎたのだ。だって揺れるんだぞ?そりゃ追っかけたくなるというもの。

「わうわう(ついでだ。拙者たちを助けろ)」

 拙者達=Hもみくちゃにされている間に何が起こったかは↓をかつもくせよ!

>>137

 イリーが完全敗北を喫した数分前に遡る。

「わうわうわう(お馬鹿者め!ざまを見よ!)」

 正義の裁きは降され、黒こげアフロと相成ったまぬけ者が約一名。
 すっげえいい笑顔で下をぺろーんと出すウルリック。何度も言うが本当は威厳たっぷりな大狼なのだ。
 これも全てはサイキック能力の偽装の見事さゆえの醜態…もとい振る舞いである!

「わうわう!(おお、ベティ。拙者の勝利を祝いに来たか。ほれほれ)」

 得意満面、うぬぼれ全開。拾ってきたスモークサーモンを振り舞いながら、
 自分が如何に卑劣なる罠を突破し天誅を与えたかを叙事詩の如く語るウルリック。
 なお、つい先程のことなのに盛大な尾ひれがつきまくっているとか何とか。んでもって、

「わうわう(そういえば脱出の手助けに来たのだったな。では出よう。おや?どうやって出るのだ?…ウカツ!)」

 ナムサン!自慢話に華を咲かせるあまり、絶好の脱出好機をものの見事にフイにしてしまったのだ!
 これも全てはあそこで倒れている黒こげアフロの姦計だとでもいうのか!!(ボー)
140 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/07(木) 23:56:16.27 ID:49q5B/YY0
>>138
黒猫「おーい こっちに負傷者にゃ」
猫人「えいさ ほいさ」

そんなイリーを見つけた黒猫は 猫人を呼ぶ 猫人は担架でイリーを運ぼうとしていた


>>139
―――ギィギィ♪
ウルリックに呼ばれて飛び出てベティちゃん スモークサーモンに舌鼓

脱出? 一体何のことでしょうか?

そして仲良く檻の中の2匹 内側からは開かない設計の入り口はしっかりと閉まっていた
この状態はきっと イリーが助けに来るか 転がっているアフロが起き上がるまで続くのだろう・・・・・

そして例の子犬たちは 朝日が昇るころにはすっかり元の世界に戻っていってしまった
きっと彼らは不思議な場所で目いっぱい遊んでもらった ぐらいにしか思わなかっただろう

尤も この世界の猫達には 本当に迷惑な話だったらしいが

//ではお先にノシ
141 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/07(木) 23:59:10.24 ID:Fvk+oQ9RO
>>139-140
「きゅぅぅぅ……」

ウルリックの呼び掛けにもただぐるぐるお目目で答えるのみである
担架でえっちらおっちら運ばれて、そのままフェードアウトなのであった
とはいえ至福のもふもふを味わったのもまた事実
その顔つきはちょっとだけにやけていましたのであったとさ

//ありがとうでした、お疲れ様ですっ
142 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2016/01/09(土) 22:51:15.83 ID:GTnJ8n+mo
【とある世界にて――】

 荒涼とした風が吹きすさぶとある廃ビル群の区画。
 サツバツとした沈黙に突如として異物なる音が響き始めた。

【最初は静電気のようにパリパリと。それが明確な放電現象と化すにはさほど時がかからなかった】

 これは越境…そのゲートが開いたことを示す。
 まるで世界そのものが傷を負ったかのような亀裂が走り、
 そして、その稲妻のような光の中で、肉体情報の構成が始まる。

【そのものの本質が世界の修正を受けながら再構成されてゆく】
【この異世界間移動には今だ謎が多く、この現象への適応者…越境者は完全な理解を得ていない】

 丸く赤いレンズが輝き、黒一色のその姿は近未来的は兵士を思わせる。
 実際に彼女は高度なサイバー世界で精製されたクローン兵であり、それは間違っていない。

「…――が行方不明となった世界線座標の近似値に到着。実際に合致するかは不明。
 なお、α-12は現在休暇中であり、これはあくまで私的なレポートとシマス」

 このクローントルーパーには探し物があった。ぽんこつめいていて、不器用で、ブリキでかしこくつよい()何かだ。
 他のカノッサ支部との戦闘、C.T.S.Sとしての任務をこなしながら、僅かな合間を見つけてはそうしている。
 理由は当人にもよくは解っていない。衝動的なモノ以上にはあえて考えないようにしている。
143 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2016/01/09(土) 23:07:25.52 ID:w+dkZuGf0
>>142
「独り言が多いなぁ、お前ー……」

草臥れた深い色合いのワイシャツにジーンズ、そしてお気に入りの赤いマフラー
ヘッドセット型の通信機を装着しており、それが今の彼女の恩人から借り受けた『試作型越境間通信及び越境安定化装置』である事を見抜ける人物は少ない
最もこれは奇怪な通信電波を常時垂れ流しており、更に言えばそれは消散するのではなく途切れる様に消えている事から明らかに不審ではあるが

「……あー、アユル、聞こえるかー?」
「……ポイントにいねーぞ、回収されたんじゃないか?」

マイクを摘み声高に語る
多分通信状況が悪いのだろう、相手からの返信を何度か不機嫌そうに尋ね直したりもしていた

「ん、わかった……探してみる」

で、と区切り赤い瞳を目の前の少女へ

「……カノッサのワンコがお休み中に、何してんだ?」
144 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2016/01/09(土) 23:25:08.66 ID:GTnJ8n+mo
>>143

「…この展開は予想できまセンでしたネ。イレギュラー」

 α-12自身はフルフェイスヘルメット型のガスマスクを装着しているが、
 その中の顔はおそらく眼前の闖入者と全く同じであろう。

「照合…合致、駆逐優先度C+イレギュラーであると認定しまス」

 本当に思わぬ邂逅である。が、出会ってしまったならば、
 ならば…ならばどうする?という考えが過ぎってしまった。本来疑問の余地など無いというのに。

「カノッサのワンコではありません。α-12はアラズァヘッド系譜の最新ユニットです。
 クローントルーパー:αシリーズ。先行量産型とは、一線を隔する精度で運用されてイマス」

 かの科学者の遺産。越境能力の再現に成功したクローンユニットは、
 カノッサ機関の次世代尖兵として、数多くの派生型が生まれていると思われる。
 それは使い捨ての駒としてであったり、または強力な特務兵としてであったり、
 安価に大量生産されていたり、最新の技術をつぎ込まれて極めて効率的に精製されていたり、
 支部によって、様々な在り様を持たされているのであろうが。

「………」

 やや、覇気や殺意…さらには機械的な無機質さまでもを置き去りにして、サブマシンガンをアラズに構えるα-12。
 とりあえず身体が優先させた戦闘態勢、といったところだが、中身がまだ追いついていない風でもあった。

「アナタに破壊された多くのアラズァヘッドユニットの…違いまス。ぶっちゃけそんな情ハないデス。
 任務のため…いや、それなら、タイマンなんて戦術的に大間違い…」

 棒読みで色々と呟きながら、首を傾げるα-12。
145 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2016/01/09(土) 23:43:34.22 ID:w+dkZuGf0
>>144
「あ、そう?」
「優先度Cだかって、それ案外低いんじゃねぇの?」

戯けて見せて、両手をひらり宙に泳がせた
顔に浮かぶは苦い笑み、鏡写しのふたりの再会

「あーあー、ワンコじゃねぇのね、悪かった悪かった」
「……多分、まぁ、なんだっ、」
「同じくモノ追ってるっぽいし、いつかこうなってたさ」
「早いか、遅いか、ってやつじゃねぇ?」

そのまま数歩後退り、両の手は相変わらず顔の横
そしてα-12の見せる何処か空虚めいた臨戦態勢、必殺の構えをじっと見据える

「取り敢えず、降ろせ、仕舞えよ、その物騒なのを」
「そのままでブツブツ言われるのは心臓にわりぃ」

どーどー、なんて宥める素振り
冷汗を見抜かれないようにしているつもりではあったが、成功したかは微妙だ
耳元では通信相手が事の次第の説明を求めてノイズ混じりに呼び掛けている

「停戦って事でさ、一先ず……な?」

さりげない所作で視線だけをチラリ、退路の確認
ディープメイカーの発動準備を完了させているが、実行に移さずに済む方がこの場合はずっと良い
146 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2016/01/09(土) 23:54:58.17 ID:GTnJ8n+mo
>>145

「イレギュラーへの破壊動機はイレギュラーだから以上ではありまセンし、
 α-12の所属する支部では、あまり危険視をシテいまセンしネ。
 アナタは執拗に追いかけている連中がいるとしたラ、C.T.S.S.とは別系統でショウ」

 存在が認められないから、ゆえに全力を以って消去する。
 そんな、ある意味で病的な潔癖症に陥っている連中というのは実際それなりにいるからこまりものだ。
 なお、α-12自身はそのような不毛には全く興味が無い。

「同じものを追っている…追っている、デスカ」

 α-12はその言葉を聞いて、サブマシンガンを引っ込めて、
 代わりにステイシス圧縮フィールド動作器のスイッチを入れる。

【物質解凍現象のノイズと共に巨大に過ぎるGEヴィンディゲーターミニガンが現れる。
 ディープメイカー全ての触腕をその重火器と生体融合させて、改めてアラズに向けて構える】

「…物騒なのは降ろしましたシ、仕舞いました。これでイレギュラーの心臓はオールグリーンデス」

 ひょっとして、クローンユニットの最先端とは、相互理解困難なアレなのでは?と思ってはいけない。
 αシリーズの中でも、α-12のコミュニケーション判定は実際優秀(改竄疑惑あり)

「停戦に同意シマス。ネギトロめいた死体になりたくなけれバ、イレギュラーの持つ情報を速やかにゲロする事を推奨シマス」
147 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2016/01/10(日) 00:07:57.56 ID:tKQqj6Fu0
>>146
「……」
「なるほどね」

とはいえ、アラズ自体越境という現象自体が随分と久しく感じていたし、そしてそれは事実でもあった
多分この越境安定化装置によるサポートが無ければ起こらなかったであろう再会なのである
つまり彼女自身、今尚追われる身であるかどうかの判断に今一つ悩む所なのだ
α-12にほぼ不用心に話し掛けたのも、剥離し掛けた警戒心の現れである

「……あー、いい子だいい子だ、最悪的にいい子だなお前……」

それが間違いであったかもしれないと思うのに、そう時間は掛からずにもいたが

「情報って、なぁ……」
「アユル? ……おっけー、サンキュー、ネギトロは勘弁だしな」

こほん、と一息
気を取り直した様に口を開いた

「奴は、多分今は死んでいる」
「私は……まぁ、奴の故郷の世界に今いて……そこで奴の関係者に世話になってる」

んで、と適当な手摺に腰掛ける

「そいつの依頼で、奴の思考ユニットとか……まぁ、無事な部分のパーツだな」
「それを回収しに来たって訳よ」

それ以外は殆ど知らね、と続けた
148 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2016/01/10(日) 00:20:51.54 ID:iyDkoaDlo
>>147

「却下デス。姉様…ごほん。ポンコツ=サンの所有権はカノッサテクノロジー社にありマス。
 勝手に回収されては困りマス。法的根拠もバッチリ。ぐっとびず」

 次にα-12は、アラズとその背後にいる何かに向けて、
 偽造防止電磁証明付きのホロ・ディスプレイを投影させる。そこに示されているのは――

【借用書…ナムサン!そこに記されているのはさがしもの≠ェ背負った多額の借金である。
 アラズの生活レベルによっては、誠に目玉がびよーんするレベルの】

「…手が足りないのは事実デス。この状況はイレギュラーと同道した方が合理的カモ知れません。
 目的終了後、後ろからブッスリグッサリの成敗を画策するとして、ここは銃を引っ込めます。友好的停戦デス」

 GEヴィンディゲーターミニガンを圧縮フィールドに仕舞って、ようやく戦闘状態を解除させる。
 そうして、もう一度、首をかしげて、

「…証明よりも、今は失わない方が優先のようデス。α-12も大概度し難いデス」
149 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2016/01/10(日) 00:33:15.86 ID:tKQqj6Fu0
>>148
「ねえさまぁ?」
「……くっ、くくくっ、そういうの、いいねぇっ……!」

押し殺した笑い声、とは言えそれも短いモノだ
続けて表示されたホロディスプレイ借用書を見れば表情は凍てつく

「……」
「あー、まぁ、なんだ……」
「……お前、つまり借金取り……?」

微妙に勘違いな様な、そうとも言い切れない様な
ともあれ目玉が飛ぶ程の額ではあった様だ、ドン引きしている

「……けっ、そりゃこっちの台詞だよ」
「終わったらお互い、背中に気を付けねぇとだな」

矢張り威圧的な銃口が無くなるというのは精神的に落ち着くらしい
というよりそれを向けられている方が落ち着かない、という方が正しいか
やや表情と口調から角が取れた風

「……?」

最後の呟きに疑問符を浮かべるも、それに対して言葉を挟む事はなかった
ただ赤眼を向けるだけに終わる
150 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2016/01/10(日) 00:43:44.21 ID:iyDkoaDlo
>>149

「安心信頼のトイチです。永久に面白おかしくコキ使いマス。我が社のマスコットです」

 ガスマスクの上からサングラスをカシャっと構えて、
 片手でちゃりーんとお金マークを作るα-12.。遠未来の取り立てとはかくも苛烈なのだ。

【なお、実際はCEO個人に対する無利子負債である。ごあんしんください】

「手がかかることこの上ないポンコツです。見つけたら今度こそ永久ブリキボディでス」

 ぶつくさと言いながら、捜索を再開することにするα-12。
 言外に無事を前提にした台詞を口にしていることを本人も自覚しているのか否か。

(思考ユニット…個性の証明が生きているナラ、望みはあるハズです)

 ようやく掴めた手がかりにα-12は密かにギュっと拳を握り締めるのであった。


//ではソロソロこのヘンデーノシ
151 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン [sage]:2016/01/10(日) 00:49:59.17 ID:tKQqj6Fu0
>>150
「鬼かお前」

頭を抱えてため息ばかり
全く何をしているのやら、あの不出来なオリジナルは
ともあれ本体を数体売った所で返却の目処が立たない様な借金を残して完全に逝く程甲斐性無しまでは思ってもいない

「おー、そうしてやれそうしてやれ」

面白おかしく笑いながら横に着く
足は自然、カノッサの支配するビル群へと向いている
ふ、と風が弱まり、仄かな西風が頬を撫でた

//ありがとうこざいました、お疲れ様でしたっ
152 :『戦火は近く汽車は遥かを行く』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/10(日) 20:49:50.71 ID:bRc2ml4jo
――とある世界

その雪国においても、世界を覆う狂気の大戦争から免れることはできなかった。
西へと進む汽車は兵員と装備を満載し、戦場を目指して走る。
白い息を漏らしながら故郷を目に焼き付けるように車窓から外を見る青年の涙は、誰も知ることはなく。

――そして、唯一、東へと向かう汽車があった。
この街もまた戦場になる恐れがあるため、人々が東へと逃げ出すためだ。
駅は逃げだす人々でぎゅうぎゅうになり、警官達が必死の思いで整理をしている。
そう、彼らは逃げることはできない。人々を送り出した後に彼らは軍服を着て、小銃を握ることになるのだ。
それでも――人を[ピーーー]事になる前に、愛する人を助けることができるなら。
彼らはそれだけを希望に、必死に群集の整理を行っていた。

「押さないで走らないでー。はいはい焦らない焦らない。まだ発車しないからねー」

「列を乱さないでとまらないで歩く歩く歩く!」

……その中に一人、毛色の違う存在があった。
群衆整理を行っている警官の一人で――珍しく婦警だが――彼女だけが、その貌に悲壮感がないのだ。
その傍らには壮年の男性がいる。彼も避難する人々に混ざることなく、呆れた表情で婦警を遠い目で見るだけだった。

さて、この毛色の違う二人組に違和感を抱いた人物はいるだろうか。
153 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/10(日) 21:10:12.34 ID:LSofUdEao
>>152

かちゃんと軽く金属同士がぶつかる音
一定のリズムを刻み、段々と2人へ近づくそれは誰かが接近している合図だろう
足音は雪に掻き消され聞こえないが、確かに分かる筈

「1人賑やかだな、汝れよ」

足を止め、婦警へと声をかける
見ればこの雪国に似つかわしくない上半身裸の男が刀剣3本を腰に差して立っている
靴どころか靴下すら履いていない足を止めると、金属同士のぶつかる音も絶えた

「汝れも列車に乗る側か?」
「惧れも、憂いも無さそうに見えるが」

そう尋ねてから一度、ふぅと大きく息を吐く
すると男の周辺の気温が微かに上がり、男の肌に雪は積もらずそのまま溶けていき

多くの『死』そのものを視て来たと言っても良い
その眼力を以て2人が何たるかを知ろうとし
154 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/10(日) 21:13:11.90 ID:iyDkoaDlo

≪0001111010101≫

 ふわりと中空と漂うドローンが群集の様子と遠方の様子。
 その他、様々な軍事無線通信を傍受しながら、それを解析。主人(マスター)に伝えていく。

【遠未来のドローンであろうと無線解析能力の多くは世界の修正を受けて封じられている。
 それでも、断片的な通信や、混乱期にはありがちな暗号の綻びにより得られるのもは多い】

「報復と憤怒に彩られている有様か。なるほどな」

 毛皮帽とコートを纏った、一見して軍人風の女がいる。
 実際にはこの国の正規の軍人ではないが、立ち居振る舞いがそれそのものであるため、
 モーゼの逸話の如く、女が歩くと一般人の群れは忽ち割れていく。

【群集整理を行っている婦警からははた迷惑な存在であろう。整理が無茶苦茶になるのである】

 威風堂々、唯我独尊といった風情で、平然と婦警とお供に近づいていく軍人もどき。

「で、貴様等は一体何をしている。アルバイトか?借金返済の一環か?」

 感情を感じさせない無機質な声音で言ったものだ。
155 :『戦火は近く汽車は遥かを行く』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/10(日) 21:17:00.07 ID:bRc2ml4jo
>>153

「おおっと、気取り屋がおいでなさった。何者か、なんてのは聞くまでもないんだろう」

言葉に答えたのは、壮年の男性だ。
ベージュのトレンチコートにグレーのハットを目深に被り、煙草なんかを咥えている。
眼光は鋭いが、口元には微笑みが浮かんでいる。

「ええ、そうです。私たちは『死』です。笑って死んだ大馬鹿者達です」

一息遅れて、婦警が返事をする。
ラースの目ならば、婦警は幽霊の集合体で、壮年の男性は人形であるとわかるだろう。
そう、婦警はその能力でもって、この国の警官に混ざっているだけなのだ。

『――婦警。トラブルか?』
「いいえー、問題ありませんー。整理は順調、です!」
『そうか。……すまないな、苦労をかける』

婦警は無線にも明るく答え、周囲を覆う悲壮感をものともしない。
156 :『戦火は近く汽車は遥かを行く』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/10(日) 21:20:17.21 ID:bRc2ml4jo
>>154

「おお、イムカさん。でも登場の仕方はもうちょっと神経尖らせてください」

乱れた群集を整理しなおす。
4列だ4列。4列でゲートを順次通過しなさい。笛を吹き吹き警棒振り振り。

「いやぁー、この状態じゃお給金出ませんしねぇ」

「出てもまたルーブルですよ? それでいいならまぁいいんですけど」

「とにかく、私はいつも通りに正義を行うだけです! 戦火を免れる人たちに秩序を!」

以前と打って変わり、婦警の元気はいつも通りだ。
傍らにいる男性はそこにいるだけではあるが、彼は警官の服が手に入れられないので仕方が無い。
157 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/10(日) 21:27:48.85 ID:iyDkoaDlo
>>156

「神経?」

 顎に軽く手をやって考えるイムカ。どうやら自分の威がこの場においては
 酷くはた迷惑な方向に働いていることに気付いていないらしい。

【本人にしてみれば通常通りの振る舞いをしているに過ぎないのだから自覚はゼロだった】

「まあ、この状況はアルバイトにはよろしくないな」

 婦警の邪魔にならない程度に傍らで腕を組むイムカ。
 実際、今度は軍人的な威が統制として働くため、不埒な連中の動きが止まる好材料に転じる。

【明るく己の職務をこなす婦警の邪魔にならぬように傍らの彼女の自称親類に目を向ける】

「実際どの程度いけそうだ?言っておくが間に合わなかった連中を待つのは地獄だぞ?」
158 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/10(日) 21:33:05.84 ID:LSofUdEao
>>155

「答えた所で互いに何も得られまい」
「恐らくは。であるがなァ」

初対面で人を小馬鹿にした様な言葉を放つ男に悪魔はあまり良い印象を持たなかった
それだけの事でそれ以上の言及は無く
一先ずは2人を普通とは違う視界で眺めて

「……我以外にも斯様な者が居るとは驚きだな」
「『汝』は如何にして自我を保っている」

婦警の方をもう一度見て尋ねた
多くの死、多くの人格を内包し受け答えは確りとしている様で
他の人格に流されたり、飲み込まれたりはしないのかと不思議そう


「もし汝れらが迷うて居るなら我が黄泉へと送るが―――如何か?」

悲劇に終わりを、死を以て終焉を
コレが自身の在り方である
であるならば死に迷うている者が居るならば、魔の焔を以て黄泉路へ送るのも自分の使命であろう
故に一応といった感じで尋ねてみた
159 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/10(日) 21:37:53.06 ID:iyDkoaDlo
>>158

「おや、珍客かな」

 ふと見れば、いつぞやの世界で互いの武勇を競い合った…そう言えば互いに名乗らぬ内に別れていた。
 奇縁と言えば奇縁だが、越境者は引かれ合う。そういうものなのだろう。

「戦乱あるところに顕れるタイプなのか。いや、その逆かな。
 何をしに顕れた。人類同士の戦役に君の出番がどれほどあるものなのかは知らないが」
160 :『戦火は近く汽車は遥かを行く』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/10(日) 21:40:17.10 ID:bRc2ml4jo
>>157

「今ここに並べている連中はどうにか全員輸送できる」

「女子供と老人ぐらいになっているのが皮肉なことに幸いした形になってるのさ。男は西に行くからな」

壮年の男――アッシュベリーは肩をすくめてそう答える。
煙草を咥え、紫煙を吐き出して――ハットを目深に被りなおした。

「この輸送が終わったら、私はトラックで汽車をおっかける段取りです」

「私は女なので従軍資格まではなくてですねえ。で、私の能力でもう一台都合できるので」

「2台でつめこめるだけつめて、って形ですね。見回って逃げ遅れが確認せねばなりませんし」

精一杯やります、と元気良く彼女は答えた。
少しでも救えれば――可能な限り、死んだ身であるのだから無理もきくと――そういうことらしい。

>>158

「そんなに珍しいことなんでしょうかねー」

不思議そうに婦警は言う。
自我を保つ。己を保つことが、なんでそんなに難しいのか?
魔術も、飛びぬけた科学ももたなかった彼女には、その手の知識はあまりにも疎い。
それが、とんでもないことなのだと自覚はないのだ。

「正義です! 死してなお、救えることができる、価値ある命があるなら」

「それを成すのが私たちです。無名の守護者の集合体こそが私です。この人は一部でした」

ぐい、と傍らの壮年男性の袖を引っ張る。
そう、彼も彼女の中に溶けていた人格の一つであったのだ。彼女のポカで出てきてしまったが。

「みんな、みんな、やるだけやって、死んだ馬鹿者です。死んでなお仕事したがる、ワーカーホリックな馬鹿達なんです」

なぜか得意げに、笑みを浮かべて、彼女は言い切った。
なので、黄泉に行くなどは願い下げだ、と。
161 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/10(日) 21:51:44.85 ID:iyDkoaDlo
>>160

「それなら結構だ。北西の大都市の市街戦が集結間際だが、
 捕虜は皆殺し、女は慰みもの、子供は自分の掘った穴に投げいれられて土を被された。
 軍規も条約もあったものではないな。報復と報復の衝突。正しい戦争の姿だよ」

 どちらが良い悪いなどという二元的な単純な理屈ではない。
 ふと、風に舞った新聞では、頭痛がするようなプロパガンタが刻まれており、
 若者を戦場に駆り立てる文言に彩られている。(なお、このような情勢で拒否は許されない。

「男は西か。ああ、そうだな。こういう世界では惰弱であることは罪だからな」

 イムカの口にする言葉は同情も憐憫も何も存在しない。
 彼女自身、惰弱など決して許されない永年の戦争を繰り広げる世界の出身者ゆえ。

「…人を救うのも大概だが、食料品や医療品、燃料も忘れるなよ。
 餓死者も凍死者も出る。その前提で物資を選定するようにな」

 そして、イムカ・グリムナーは解り難いお人よしでもある。
162 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/10(日) 21:57:17.56 ID:LSofUdEao
>>159
「久しい…とも言い難いな」
「また会ったな……汝れよ」

死神にでも好かれているのか?
そんな事を思いながらイムカへと軽く手を上げて
名前を呼ぼうと思ったがまず互いに名乗って無い事を思いだした

「我は本来刃にすぎん」
「既にその手に剣を、矛を、銃を持つ者には不要であろう」

「が……世界には刃すら持たず、奪われるだけの人間が居る」
「彼等が望むなら、彼らが復讐を望むなら我が刃となろう」
「焼け、柄すら無い。一度振るえば己すら焼き尽くす刃と―――な」

よく言えば力無き者の為の使者
悪く言えば死しか残さぬ悪魔
それが彼、それが復讐者

「…名乗っていなかったな。我が名はラース
 ラース・フューリー。唯の復讐者也」

>>160

「然様か…少しばかし羨ましい、な」

先程彼は自分以外にも…と言った
つまり彼の中にも多くの誰かが宿っていると言う事だろう
そして、どうにかして自我を保っているらしい

「………」

正義。
その言葉を堂々と言い切る婦警に少し気圧された様に一歩下がった
同時に少し、渋い顔となる

「世界を渡ってから、希望や夢を吐くのは幽霊ばかりな気がするな」

自身の最近の経験を思い出して少し息を吐く
眉根に寄った皺を揉みほぐしてから

「であるならば 我の様な悪魔の出る幕が無い事を祈ろう」
「死はせめて、覚悟を決めた者だけに訪れる様になァ」

理不尽に奪われた者の為の炎
死を以て終わらせ、死を以て悲劇に幕を降ろす復讐者
それが悪魔ラースの在り様である

「――-辛くなったら言うがいい」
「楽に死なせてやる」

163 :『戦火は近く汽車は遥かを行く』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/10(日) 22:05:37.00 ID:bRc2ml4jo
>>161

「それを防ぐのが、男の仕事なんだろう」

「こっちに来てから少し調べたが、この国は守ってる間は恐ろしく人道的らしい。身内意識が凄まじく高いんだな」

「まぁ、その反対については多くは語らんがね。言うだけ野暮ってもんさ。都合が悪い真実は煙と共に、ってね」

紫煙を吐き出しながら、彼は皮肉げに笑みを浮かべて言う。
自分たちの頭上を、大きな航空機の編隊が西へと向かって飛んでいく――。
地も空も、そしてきっと海も、西へと向かうものは、すべてが戦場を目指しているのだ。

「ええ、そのあたりもしっかり工面します」

「満足とはいえませんけどね。……でも、どうにかなります」

何かアテがあるのだろう。
言葉にするのは憚られるような情報が。

>>162

「あははー。死んでみたらわかるんですよ。変な話ですけどね」

「死んでしまったけど、できることがある。同じ想いの人たちがいる。なら――」

「生きている人の、輝いた希望も夢を守るのが、正義の味方を夢見た私たちの願いですから」

彼女の中に溶けているのは、殆どが何かを守る人々だった。
彼女のような警官がいて、憲兵がいて、衛兵がいる。
生きるためだけではなくて――愛する人を守るために、戦うことを選んだ人々だ。

「辛くなんかありませんよ。やりたいことを、やっているんですから」

笑みを浮かべて、ラースの言葉を勢い良く否定して。
164 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/10(日) 22:09:45.77 ID:iyDkoaDlo
>>162

「不毛な事だな」

 おそらくは当人が一番わかっているであろうことをイムカはあえて口にした。
 ケチな盗賊や野盗化した軍人崩れの蛮行ならばむしろ解り易いが――

「戦乱となれば奪われるだけの人間など無数だ。それこそキリが無い。
 そして、復讐の対象は国家という集団無意識のシステム。あるいは時代そのものだ」

 武勇が成り立つ以前にどう戦うか?という次元に突入しかねない。
 だから、ラースの在り方は戦場のレイヤーが上位にいけばいくほど歪になっていくようにも思えるのだ。
 個の復讐を遂げ続けたとしても、待ち受けるのはさらに多く積み重なった屍の山。

「まあ、私は基本的に復讐を是とする方だがな。
 イムカ・グリムナーだ。ここでは…傭兵みたいなものさ」
165 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/10(日) 22:18:30.79 ID:iyDkoaDlo
>>163

「あるマフィアの知人が言っていた言葉がある。
 守りたい存在(モノ)を全力で慈しみ、それ以外の存在(モノ)には限りなく冷酷になれれば一人前の男だ。とな、
 もっとも、ソイツは結局、守りたいモノを全部失うことになってしまったが」

 空を見上げる。灰色の空を行く航空機の編隊。
 制空権の確保か、あるいは降下部隊による援軍か。
 どのみち、地獄へ一直線であることには変わりあるまい。

「言っておくが、残る男達を無碍にするような調達方法は論外だとは言っておく。
 君もことだから、そちらはあまり心配はしていないが…」

 時にある種の偽善によって行われた行為が巡り巡ってさらなる死と悲劇を生み出したケースは、
 歴史上数多い。善意を好意が状況を必ず好転させうるならば世界はもっとシンプルであろうが。
166 :『戦火は近く汽車は遥かを行く』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/10(日) 22:29:17.58 ID:bRc2ml4jo
>>165

「……滅私じゃ、人はそいつを人として認識出きねぇって聞いたことがあってなァ」

「俺が言えた話じゃねぇか。気にするな、美人さんよ」

煙草をアスファルトの上に落として踏みつける。
その一連のなんでもない動作には、心中を隠すようにも見えたかもしれない。
警官で、その後探偵になったという彼は、あれから過去をどれだけ思い出したのだろうか。

「し、信用ないですね私!? しませんよそんなこと」

「……というより、ここの人たちは本当に立派で、死んでほしくなんか、ないんですけどね」

婦警は少し寂しそうに、苦く笑って遠くを見た。
もう少しで、並んでいる全員が列車に乗れそうだ。
167 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/10(日) 22:30:37.12 ID:LSofUdEao
>>163
「―――-」

本当に、本当に眩かった
それに負けない怒りの焔が自身の中で渦巻く
自分だけでは無い、自分の中の、誰かと、誰かと、誰かと、誰かと誰かと誰かと誰か誰か誰か誰か誰誰誰誰――――

ギジリと音を立てて歯を噛んだ
数多の自我の奔流の中、自分が自分で在れる理由は文字通り炎の如く熱い血の『痛み』だけである

間に合わなかった
力及ばなかった
守る術すら持たなかった
誰も彼も見捨てていった
ラースの中に在る復讐の記憶はそういうものばかりである

「……ああ」
「敵方にも理由は有ろう、しかし―――人死には少ない方が良いものだ」

「夢は、希望は守られるべきなのだからな」

婦警とは違った
しかし同じ様に救いが有る事を望む
自分が、自分達が『救われなかった』からと言って、他人の不幸を望むのは間違っているのだから
彼女と言う存在に出会えた人が、どれだけ羨ましくても―――――

>>164
「人の視界はそこまで高くは無いとも」
「目の前で奪った者そして――――神を怨めば事足りる」

何故自分がこんな目に
多くの呪詛はそう言った
奪った他人を呪い、その様な運命を寄越した神を呪い、悪魔に縋った

「復讐とは螺旋。人が続ければ無限に続こう」
「子々孫々、果てなき悲しみが有ろう」
「故に――――『螺旋の最期に立つ者が必要だった』」

その刃は復讐の螺旋を断った
その悪魔は昨今から続く復讐の鎖を手繰り寄せた
哀しみを1つでも終わらせる為、悲劇の1つに幕を降ろす為
全ては人の為に、邪神の如く彼は呪いを振り撒いた

屍の山の果て、多くの呪いと全ての殺意をその身に受ける為に存在した

「イムカ・グリムナー。覚えておこう」
「……『ここでは』と言う部分も含めてな」

>>両者

「この様子では我は必要あるまいな」

そう言うと踵を返して

「汝ら3人の行く末に、幸多からん事を」
「…神が悪魔の願いを聞いてくれるかは知らんがな」

そう言うと歩きだし
陽炎が立ち上ると彼の姿はそれに掻き消えていった


//この辺で失礼します!
//ロール有難う御座いました!
168 :『戦火は近く汽車は遥かを行く』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/10(日) 22:40:45.96 ID:bRc2ml4jo
>>167

「……私としては」

遠くへ消える悪魔を見送り、婦警は言葉を零した。
彼には届かない。きっと、願っても意味がないことで。
自分と、自分たちではすでに不可能なことではあったけれど。

「あなたと、あなた達こそ――いつか、救われて欲しいと、思うんですけどね」

ただ――。
あそこまで想いが強ければ、彼らは彼らである限り、救いに価値など見出さないのだろう。

「まぁ、なんだ――。死んだっていうのに、次だ次って言える馬鹿は少ねぇって意味だろうなぁ」
「おじさんもその同類のくせに」
「否定はできねぇな」
169 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/10(日) 22:43:12.31 ID:iyDkoaDlo
>>166

「さあて、な。どうやら君たちの仕事はそろそろ終わりそうだ。ゆえにここからは――」

 言いながらイムカは片手に持っていた『この時代の小銃』を肩にかける。
 彼女は悪魔に言った。ここでは『傭兵』であると。つまりはそういうことだ。

【この時代のこの世界に流れ着いた彼女の世界の聖遺物。
 それを回収する必要から、これからの戦いに介入することになった】

「ここからは私の仕事だ。無駄死にはさせんようにするさ。効率的の消費する。
 なるべく多くが生き残るように祈れ。それが手向けになろうさ」

 婦警のような在り様の存在は必要に思える。そして自分はそっちではない。それだけのことだ。
 無論、イムカとて、戦死者ゼロなど不可能である。だから効率的…という表現となるのだ。

【もっともイムカが効率的に消費するということは逆説的に何を意味するかは言うまでもないが】

「食い止めてはみるさ。…この戦乱は残り1〜2ヶ月の試算だ。
 何処まで肩入れするかは知らんが、せいぜい全うすることだな」
170 :『戦火は近く汽車は遥かを行く』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/10(日) 22:51:16.49 ID:bRc2ml4jo
>>169

「あんまり私と彼が付き添ってたら、どうにかできない程有名になっちゃうかもしれませんねぇ」

「東の町はとりあえず安全ですから……歴史上、ここから東に攻め込まれたことはないみたいですし」

現地の警察や軍の協力を確認して――。
――色んなことに顔を出して、手伝って。
気がつけば、この二人はどこにもおらず、人々の記憶からも消えるのだ。
それが、名前のない正義の味方のありようだった。

「イムカさんは西に行くんですね」

「心配はねえだろうが、気をつけてくれよ。借金を踏み倒すなんて悪行をさせねぇでほしいもんだ」

「向こうの連中の戦車は、噂じゃぁ神経質な作りだが手強いらしい。まるで象だとよ」

彼は元警官で、軍事の知識は疎い。
なので、この世界に来てからの噂ということでしかいえないが、そんな風に忠告した。
171 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/10(日) 23:03:31.00 ID:iyDkoaDlo
>>170

「負け戦にも、対機甲戦にも慣れているよ。精々やってみるさ」

 イムカ・グリムナ−は歴戦ではあるが常勝の将ではない。
 寧ろ、負け戦が確定した戦場に放り込まれる事が多かった。
 ゆえに『敗戦処理係』などというやや名誉に欠けた別称もある。

「ではな。互いに最善を尽くすとしよう。そちらは任せたぞ」

 イムカは知っている。戦場に在る者と同様に、後方の者も過酷な戦いを強いられるということを。
 飢えとの戦い。絶望と焦燥との戦い。そして、時代との戦いだ。
 底抜けに楽天的な正義の味方の役割はそこでは決して小さくはないはず。

【こうしてイムカは西に向かう。軍統制が崩壊し、ゲリラ戦術に以降した直後、彼女の真価が発揮されることになる】

//ではコノヘンデー!ノシ
172 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/11(月) 21:50:37.28 ID:yEIfhubyo
【前回までのあらすじ!!】

 戦争状態にある、とある雪国の世界にて。
 報復と報復の激突と成り果てた戦争は秩序と統制を失い、
 血で血を洗う凄惨なジゴクと成り果てた。

 避難民の誘導に当たっていた婦警達と別れ、
 イムカ・グリムナーは己が聖務のために主戦場である西へと向かう。
 人を人たらしめる陽の決意の舞台は彼女のいるべき場所ではない。
 人を人たらしめる闘争こそが彼女の舞台なのだ――

 −−−−−−−−−−−

 息も凍りつく極寒の街。本来であれば、暖かな暖炉や焚き火の火が
 人の身体と心を癒していたのであろう。が、今やここは多くが瓦礫と化し、
 建物もほぼ半壊し、無傷のものなどありはしない。

【ふと気付いたら隣人が凍死体と化していた、など珍しくも何ともなくなった】

 空に轟音が木霊する。巨大な飛行船が横断。その間に腹に抱えた多数の爆弾を街に降らせる。
 振動、爆音、散発的な悲鳴。コンクリートの建物は頑丈であり、直撃せねばそうそう崩れはしないが、
 この攻撃は肉体以上に精神に打撃を与える効果を狙ってのものであろう。

「毎度、毎度、ご苦労な事だな。こちらは戦力などさほど残っていないというのに。
 敵軍の心配性のここに極まれり、だな」

 倒壊しかかった家屋の窓よりそれを見やりながら呟くイムカ。
 傭兵として参戦し、彼女はいまだ、生存していた。

【この街は――敵味方ともに陥落に1週間という試算を弾いていた。全滅・玉砕という形で終結すると】
【そして、現在、この市街戦が始まってより――20日が経過していた】
173 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/11(月) 22:03:48.84 ID:Gl8xqm8M0
>>172
「Zzz・・・Zzz・・・んあ? 爆弾終わった?」
その隣で 丸くなって寝息を立てていたあごひげ男がもぞもぞと動き出す
故郷が北部に位置するために防寒装備は万端で よほどのことがない限りは凍死体になることも少ないだろう

爆音と振動と悲鳴が轟く中でも 寝れるときに寝れるのが兵士のマストスキルです
むしろ爆撃中は敵が突っ込んでこないことが多いので貴重な休息TIMEともいえるだろう

「敵さんも何が気に入らないんだろうね いい加減こっち攻めてくればいいのに アレか? 子飼いの兵隊を減らしたくないってか?」
バキリ ボキリと固まった関節を動かしながら上空の飛行船を見上げた
174 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/11(月) 22:19:41.93 ID:yEIfhubyo
>>173

「さて、何なのだろうな」

 シレっと口にするイムカであるが、敵軍のこの執拗な爆撃の元凶が彼女である。
 敵の進撃を阻止線で受け止めつつ、縦深陣に誘う一方で古兵(ベテラン)を集中運用して、
 攻撃発起点を見破り、その脇腹を突き、進撃そのものを頓挫せしめる。
 2世紀以上の戦争経験で鍛え抜かれた『機動防御』戦術と呼ばれるイムカが最も得意とする戦法だ。

【常よりの守勢の方が得意、という言葉の実行。これにより敵に多大な出血を与えていた】
【なお、この古兵(ベテラン)の集中運用。ロイはどれほどの役割を担ったであろうか?】

「しかし、君はシェルショックとは縁がなさそうだな。
 砲弾を撃ち込まれながら耐えるというのに存外なれているのか?」

 ネズミ捕りで捕まえた鼠の肉を生で齧りながらそのような話のイムカ。
 物資の窮乏は悲惨なもので戦術で誤魔化せる範囲も超過しつつある。実際情勢は厳しいのだ。
 なお、暢気にお料理などは出来ない。炊煙を目印に爆撃を受けましたは死に方としては優美に欠ける。
175 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/11(月) 22:33:20.84 ID:Gl8xqm8M0
>>174
「まぁどうでもいいか どうせ爆撃とやらが終わったら偵察してからの強襲だろ? 全く辛いもんだよ」
金属カップ2つに雪を詰めて その上に覆いかぶさる そして自身の体を使って闘志の炎を隠し カップを温める 偵察のちに突撃とは中々に酷使無双されている様子

しばらく経ち 起き上がればそこには湯のカップが2つ完成 それに以前買っておいた固形スープの素を入れて溶かし 一つをイムカに手渡す
放出した闘志で自信を焼かないだけの技術があればこそ そして固形スープの元というある程度の科学を許容した結果である

「あぁ よくあることさ と言っても人間相手じゃなく グリーンスキン相手だけど
 たまたま火薬を使う連中とカチ合ってね 奴ら交代制で砲撃してくるんだもん いい加減慣れたさ」

ズズ・・・とスープを啜りながら 固い黒パンを齧る

「飯食ったら動き出すか? 次の予想ポイントどこよ?」
176 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/11(月) 22:49:09.58 ID:yEIfhubyo
>>175

「ああ、ありがとう」

 スープを受け取りながら、なおも空を見続けるイムカ。飛空挺は過ぎ去った。
 敵はこちらの戦力を過大評価している。ここまでは狙い通り。だが。

「グリーンスキンか。本当に何処にでもいるのだな。
 連中は大抵は阿呆の極みだが、時折妙に賢しいのが出てくるからな。
 そこに黒いのが混じれば、私も頭が痛くなること間々ありさ」

 ある意味、歴戦同士の会話と言えるだろう。
 このような雑談めいた言葉を死地の真っ只中で交わせるというのは。

「悪いが、機動防御は弾切れだ。対戦車槍も爆薬も数が足りん。
 自軍の攻撃終末点だ。ここからは只ひたすら耐えるだけだよ」

 このイムカの言葉を理解するにはある種の俯瞰的視点が必要となる。
 何せ、これまで防御側でありながら、押せ押せの状態であったのだ。
 実はかなり無理をしていた、と、突然言われてもピンと来ないかもしれない。

【スキル判定:下士官(ジュニアオフィサー)…いち兵士ではなく、分隊長/小隊長クラスの視野を有してるか否か?】

「あるいは君に全力を出してもらえば、あと1、2回はやれるかもしれないが、やる気はないぞ?理由はわかるな」

 この戦いにおいて、ロイの闘志の使用をイムカは禁じている。
 確かに使用すれば強力な火力となりえるのだが、そこには士気に関わる理由があるのだ。

【只一人の兵士が異能力で無双したとしよう。それは味方にとって僥倖であり英雄と映るか?士気は上がるか?本当にそうか?】
【なお、イムカも同じ理由からか、手に持つ銃は粒子短銃(ブラスター)ではなく、この世界の一般的なライフル銃だ】
177 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/11(月) 23:06:22.30 ID:Gl8xqm8M0
>>176
「そうそう あいつ等にゃどれだけ辛酸なめさせられたか」
いやだいやだと肩を竦めてかぶりを振る

そして弾切れの言葉にアレ?と疑問符を浮かべ 頭で整理して

「あぁ そういえばそうだったな んじゃま これからはかったい陣地組んで消耗してもらう形になるのか」
この男は白兵戦特化故に武器庫にはあまり立ち寄らないが そういえばもうカンバンだと誰かが言っていたのを思い出す

他にも医療に回す消毒液以外の蒸留酒もなかったはず もうモロトフカクテルも使えない

【なんだかんだで物資の備蓄量を確認したりして ある程度のアタリをつけていた様子】

次に闘志の事になれば

「わーかってるって この場の御用聞きになって使い潰されるのは勘弁だぜ」
英雄と言われれば聞こえはいい だが英雄なんだからどうにかしろと ありとあらゆることを押し付けられるのが関の山
こういう場合 縋れるものには全力で縋るのが人間という者なのだろう

「だが どうしようもならなくなったら 俺は闘志を戦場で使うぞ? イムカもブラスターはいつでも抜けるようにしないとな」
どっこいせと立ち上がり その手はつるはしを握る

「そんじゃ 新しい塹壕でも掘ろうかね?」
と提案してみた
178 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/11(月) 23:22:53.91 ID:yEIfhubyo
>>177

「まあ、イザとなれば開帳も構わん。その時にはおそらく戦線の崩壊を引き換えだがな」

 突然の異能の出現のリスクはあまりにも多い。依存、変調、懐疑、不信、そして崩壊。
 戦争としては敗北が確定したも同然。浮かれた高揚が齎す戦気など一過性にすぎないのだ。
 兵も陣地も蹂躙されつくして、無敵の兵士がどこかでポツンと一人で立つ。滑稽極まり何の意味も無い。

【ただでさえ、イムカが玉砕を命じた惰弱な現地指揮官を略式処刑して、なし崩し的も指揮権を奪った経緯がある】
【士気を実に危ういバランスでどうにか成り立たせているのが現状である】
 【→元兵士のロイとしてはこの指揮権の強奪というある種のとんでもない行為はどう映ったろうか】

「いや、どうやら――」

 パンパン!と散発的な銃声が静寂となった街にあちこちで聞こえ始めた。
 同時にこちらにキュラキュラと音を立てて迫ってくる何かの存在も――

「それどころではなくなったな」

 窓の影に身を寄せて外を見るイムカ。
 すぐ側の街道でキャタピラを動かしながら迫るそれは――金属の巨像…戦車である。
 戦車随伴歩兵(スカウト)を数名引き連れてのお出ましだ。

【戦車…この兵器が戦争に与えた影響は図り知れない。世界/時代を越えた概念を有する兵器である】

 イムカは自前の火器を確認。ライフル一丁。手榴弾が2つ。
 あとは――壁に立てかけてある対戦車槍が一本である。
179 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/11(月) 23:35:23.25 ID:Gl8xqm8M0
>>178
「だろうね 崩壊したらすたこらさっさといこうかね こんな義理もなんもない場所で死ぬのはまっぴら御免さ」

嘗て 上官が絶対であった軍属時代のままであれば きっとイムカを罵倒し こんな仲にはならなかっただろう
だが世界線をまたぐ前に傭兵であった経験は 彼に心の棚の作り方を教えてくれた

イムカの指揮能力は知っていたし この場にいた上官の評価も知った だからこそ この男はイムカの行動に是を唱えた

「あ〜ぁ始まっちゃったよ やろうかね」

聞こえてくる戦いの音 立てかけてあったハルバートと 担げるほどの大きさの丸太を手に取る
別に丸太でシバキ倒そうというのではない タンクの無限軌道にぶっ刺して機動力を奪おうという魂胆であり 今まで何度かタンクを走行不能にした実績がある

尤も 銃弾の雨を掻い潜る度胸とスキルがあるのは自分ぐらいなものであるが

「それでは指揮官殿 号令を」
180 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/11(月) 23:43:29.94 ID:yEIfhubyo
>>179

「オーダーだ。敵の目を引きつけろ。囮だ。
 正面装甲はコイツ(対戦車槍)でも貫徹できん。背後を狙う」

 重い対戦車槍を肩に担いで命じる。重火力としては残り少ない貴重な一本である。
 指揮官が戦いながら、各所にオーダーを飛ばさなければならない状況であるが、
 そんなどん詰まりこそ、イムカが本領を発揮する戦場でもある。

【決して常勝の将ではなかった。が、とにかくしぶといのだ】

「では――」

 ここで戦車の主砲がこちらに向く。偶然か、それとも勘の良い戦車長に出くわしたか。

「行動開始」

 瞬間、イムカ自身は即座に階段を飛び降りるようにジャンプ。
 次の瞬間、戦車の主砲が炸裂し、運動エネルギーに基づいた破壊が齎され、
 コンクリート製の家屋の二階は粉微塵に吹き飛んだ!!
181 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/11(月) 23:56:55.02 ID:Gl8xqm8M0
>>180
「了解」
返答は短く 敬礼も略し イムカと同時に階段を飛び降りる
次の瞬間榴弾が家屋に突き刺さり 爆発

「首級(クビ)おいてけぇぇぇぇぇぇぇ!!」
しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く
――――瞬間的な其の動作

地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

どこぞのSATSUMA人のような叫びと共に 加速を無視した最高速 戦車に取り付き 手に持った丸太を 無限軌道に突っ込んで走行不能に仕立て上げようとする
182 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/12(火) 00:05:01.94 ID:28NGZhOOo
>>181

「出たな悪魔め!撃て撃て!!」

 度重なる機動防御戦術によりロイも今やちょっとした有名人になっている。
 もちろん、いい意味ではない。一週間で終わる戦いを20日に引き延ばしているのだ。当たり前だ。

【戦車随伴歩兵は端から狙い打つ事は諦めて、弾幕を形勢した牽制射をロイに向かって撃つ】
【流石に敵も狼狽ではなく、対応という形で学習してくるというものだ】

 しかして機関銃兵がこの場に居なかったのは僥倖であろう。
 ライフル銃ではなく圧倒的な弾幕を形勢されていたら流石に拙かったはずだろうから。

【ガツン!と鈍い音。回避行動に移ろうとした矢先、キャタピラに丸太が突き立てられたのだ!】

「撃て撃て撃て!!」

 振り返って、ライフル銃と軽機関銃を持った随伴歩兵達が振り返り、
 攻撃のために一旦停止状態となったロイに向かって一斉に発砲!!
183 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/12(火) 00:16:29.88 ID:L1kMTH0Z0
>>182
突進の際にライフルが2〜3発掠っていくが そんなものにはお構いなし 無事にキャタピラに異物混入完了
続いてこちらへと一斉射撃を始める相手に対し またも膝抜きで素早く位置転換し 弾幕から抜け出そうとする

ばら撒いてない 方向性の決まった銃撃ならば 多少の素早さがあればそこまで躱すのは難しくない(ファンタジー並感)

(俺は囮・・・ならば アキレスのマネでもしてみるか・・・!!)

「うわだっせぇ!! 歩兵が雁首揃えて戦車一つ守れねぇでヤンの!! ねぇねぇどんな気持ち? またでっかいおもちゃ壊されてどんな気持ち? どんな気持ち!? ねぇねぇ!!」
通常の走りと膝抜きを織り交ぜ 敵に的を絞らせないように 時には接近し ハルバートでけん制を行いながら敵の注目を集める

全てはイムカの攻撃を援護するために
184 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/12(火) 00:25:21.19 ID:28NGZhOOo
>>183

「――!!」

 焦燥も怒りも顕わだが、ロイの軽口には応じずに射撃を続ける兵士達。
 彼等とて、ただ蹂躙するために戦っているのでもなければ、
 殺すためだけに戦っているわけでもない。敵を戦いながら時代とも戦っている兵士だ。

【敵の注目を集めることには成功している。が…】

≪ザ…伍長、ポジションについた。上手くやっているな。が、典雅に欠ける≫

 ボシュウと戦車の背後へ飛来する対戦車槍の槍先。この時点で勝敗は決した。
 が、囮をするロイの避難を全く考慮せずに放たれたそれは着弾と同時に…

 カブーム!!戦車の弾薬庫に直撃したそれは周囲に爆炎を撒き散らしながら、
 味方と敵に虎の子の戦車の消滅を知らせた。

≪ザ…南、A地点戦車クリア。兵士諸君、我々は十分に戦える。いいな。策定通りに進行しろ。オーヴァー≫

 通信を終えて、残骸と化した戦車と吹き飛んだ兵士達の欠片。
 ついでに多分生きているだろう下士官を見やりながら、

「まあ、キツいものだな。敵も味方も」

 対戦車槍の柄を放り捨てて、次のポジションに向かうイムカであった。

//ではコノヘンデー
185 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/12(火) 00:31:39.35 ID:L1kMTH0Z0
>>184
≪俺が優雅にやったら失笑モンだろうg≫
その反論は最後まで言えませんでした 割と近場で撃破された戦車の余波は 自分を吹き飛ばすのに十分な威力を持っていた

地面と激突 コロコロ転がり

「げほっ・・・」
一つせき込んで立ち上がった

「・・・あぁ まったくだ」
服の汚れを叩き イムカに同意 同行 今日も忙しくなりそうだった

//ノシ
186 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/12(火) 23:11:23.43 ID:28NGZhOOo
【雪の降る街――】

 そこには無数の死が在った。
 爆光と共に粉々に砕け散った死。ブービートラップで全身をズタズタにされた死。
 戦車砲により家屋ごと押し潰された死。上空を我が物顔で横切る飛行船よりの爆撃で焼き尽くされた死。

【しかし、それももう多くは過ぎ去り、多量の瓦礫と遺体のみとなった街は静謐そのもの】
【凄惨な有様でありながら、ある種の侘しさと静謐さを同居させたかのような――】

 寒気と白い雪を浴びながら、かろうじて倒壊を免れている家屋。
 複数人の軍服の兵士達が銃を肩にかけ、壁に身を預け、
 寄り添うようにそこに在った。ここもまた静謐であった。

【室内には氷柱が生えてきて、この室内の温度の低さを物語っている】
【人数と心音の数が明らかに会っていない。飢えを疲労から大半が凍死している】

「………」

 この墓標の如き廃屋の中に長い金糸の髪を持つ、政治将校も混じっていた。
187 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/12(火) 23:27:14.56 ID:K/S00Vgro
>>186

「ここに居る多くが、生きる事を諦めた…か」

そんな言葉が降りてくる様にイムカに聞こえるだろう
直後に火種が燻る音。それと共にイムカの前方の空間が陽炎で滲み…

「汝れももう諦めるか?イムカ・グリムナー」

雪景色に似つかわしくない熱量。復讐の焔の権化たる悪魔がその滲んだ景色から現れる
その言葉に特に感情らしいものは滲んでいない、確認と言った風である
必要とあらば介錯位はするかも知れないが……
188 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/12(火) 23:37:12.09 ID:28NGZhOOo
>>187

「馬鹿を抜かせ。体力の温存をしているだけだ」

 目を瞑ったまま、懐から木の根≠取り出して齧るイムカ。
 マトモな食料も尽きて久しいといったところだ。

「彼等も生きるのを諦めたわけではない。全うしたのだよ。
 だから、哀れむな。私の兵士達≠ヘ貴様の世話になる余地などない」

 ようやく紫色の瞳を開いて隣の兵士をふと見やるイムカ。
 しばらく、その様子を確認し、そして、ドッグタグを引きちぎった。凍死していたからだ。

「で、何用だ?未練も無念も充満しているが、敵も味方も無力なままに奪われた奴などいないぞ?」
189 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/12(火) 23:53:06.74 ID:K/S00Vgro
>>188

「……そうか。いや、そうだな。失礼した兵よ」

彼等の…イムカの兵士達の覚悟を軽んじていた事を素直に謝罪する
また、この様子なら自分の出る幕も無いなと思う
理不尽に奪われるだけの存在など…多分此処には居ない

そして、ここに来た理由だが

「人の武器の進化を視ようと思うてな」
「結果としてはまあ……倒せぬ訳では無さそうだった。その位か」
「もののついでに汝れの顔を見に来たと言う訳だ」

寧ろ運用に多くの人が乗ると言うなら自分にとって良い的となるだろう
肘を後ろ腰に着けた剣の柄の上に乗せて楽な姿勢を取りつつそう言って

「あとは…そうだな」
「汝れの『おっぱい』がもう見れぬかも知れぬと思うたらそれはそれで惜しい…かァ」

いつも通り、大真面目に、至って普通にそんな事も言い加えてみた
190 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/13(水) 00:08:12.10 ID:e0eVsrYWo
>>189

「武器の進化?ああ、此処のは大したことはないよ。
 どうやら、貴様はまだテクノロジーワールドには踏み入れたことはないらしい」

 宇宙を巨大な戦艦が駆け、防衛衛星群が惑星を守護する。
 巨大な弾等一発が全ての生命を無慈悲に浄化する。といった世界もあるのだ。
 が、突然にわけわからんことをいい始めたぞ、このあくま。

【………侘しい風が吹いた】

「イヤーッ!!」

 シャウト一閃!アンダースローで投擲されたクナイ・ダートは、
 正確かつ無慈悲にラースの喉笛を食いやぶらんと疾駆する!!

「…あまり妙な冗談口は言うな。これでも疲れているんだ」

 シレっというが、今、明らかに殺しにかかっていただろ?とか考えてはいけない。
 なお、豊満で、釣鐘型で、かつ下品なサイズではなく、ようするにバストの均整もエリートであった。
191 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/13(水) 00:26:55.38 ID:V53+Dxpso
>>190

「剣と魔法、銃の世界から来たばかりでな」
「異世界ならば…我の夢も叶えられそうだが、はてさて」

まだ見ぬ景色が、モノがある
長らく生きて文明の盛衰すら観てきた悪魔とてそれは少し楽しみでならない
わくわく、と言えば良いのか。柄にもなく人間らしい感情に浸っていた―――が


「グワーッ!!」
飛来する苦無を避け損ねた様に仰け反り――――停止
余りに突然の攻撃に手で払うと言う事すら出来なかったが奇跡的に歯で受け止めた
後少し噛合力が弱ければ間違いなく刺さっていただろう。健康な歯と顎に感謝である

「――何を言うか、我は嘘など吐いてはおらんぞ」

歯の間で止まっていた苦無をそこらにペッてしながら体を起こす
咄嗟に口で刃物を受け止めた為に残る違和感に、口元に手をやって

「それにだ、我は見せて欲しい時はキチンと真っ向から頼む―――頼むのだ」
「その『おっぱい』を、(服越しに)見せて下さいとなァ―――――!!」

その言葉はラース『個人』のもの
復讐者とかそんな肩書きを捨てた1人の男の言葉である
血に流れる数多の怒りの人格の中、唯一と言っていい『彼』の人間らしい部分である

「尤も、少しは自重しろと言われた事も有るのでなァ」
「人の迷惑にならぬ範囲で納めている―――つもりだ」


「だから、見せてくれぬか。汝れよ」

何がだからか、多分彼も分からない
が…話題にしたら見たくなった。そう言う事なのだろう
192 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/13(水) 00:35:19.82 ID:e0eVsrYWo
>>191

「―――!!」

 ダメ人間そのもののアプローチに、
 イムカは顔を僅かに紅潮させ、ラースを…眼前のあほたれを睨みながら、

【この戦場において士気の維持から抜くのを禁じていた粒子短銃を躊躇う事無く構える】

≪ブラスターモード:エリミネーター/ピアシングレイ≫

 粒子短銃の各部が展開し、深紅に発光する内部構造と放熱板が顕わになる。
 終焉の遠未来の汎用標準火器。その最大出力形態であった!

「ジゴクに叩き返してくれる!HENTAIがっ!!」

 BLAMBLAMBLAM!!!
 直線状のコンクリートなど一瞬で蒸発させる火力が、羞恥の叫びと共に放たれるのであった。

//ちゃんちゃん
193 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/13(水) 01:06:04.36 ID:Hnl0fWCv0
>>192
凍死した兵士のその隣で眠っていた男がその一部始終を見ていたが
コートの襟を起こし 毛皮の帽子を深くかぶり直して 再度微睡の中に落ちていった

堅物女傑の将校殿にも可愛い所があるじゃないか・・・と声に出さず 独り言ちりながら
194 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/13(水) 21:16:18.95 ID:V53+Dxpso
多くの越境者が集まる宇宙船と呼ばれる喫茶店

「ガ、アアアァァァァァァァァ!!!」

その一角で1つの叫び声が上がった
その声音は悲鳴と呼ぶよりも怒号と言うに相応しかった
昂ぶる感情を抑えきれず思わず出たと言う感じであった

叫び声を上げた悪魔…ラースにとっては耐えきれぬ思い
それは―――――


「『おっぱい』を見足りぬウウゥゥゥゥゥゥゥ!!」

ここ最近息抜きし切れてない感
自分にとっての唯一の癒しを最近得られて無い感
それが思わず声になって、気温すら上昇させる熱として放出されたのだ

そんな阿呆な事を言う悪魔に声をかける奇特な人物は居るだろうか
或いは…この悪魔の餌食となる憐れな羊は居るだろうか
195 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/13(水) 21:26:34.46 ID:JCurWPl00
>>194
「……!?」
「な、なんだぁ……?」

ビクッと全身の毛が逆立ち、小さな黒猫の体はちょっとだけ跳ねる
目の前の皿に注がれたミルクがちゃぽん、波打って顔に飛んだ
思わず碧い、海色の隻眼をしぱしぱと瞬き顔を声の主へと向ければ口を開く

「……まぁ、その、なんだ……」
「余りこういう、公の場で叫ぶ様な事じゃないんじゃないか……?」

ドン引きしつつも一応、苦言めいて
双尾は揺れて、後方に重心を掛けている
196 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/13(水) 21:35:24.11 ID:4pXYHnEsO
>>194

「 お い 」

その悪魔の後ろから声をかける人物がいた。
褐色の長身で、燃えるような赤い髪が特徴的な女である。
女性としてのスタイルは、多少筋肉がつきすぎている感こそあるが、良いスタイルという範疇であるだろう――。
だが――彼女の場合――その目つきがよろしくない。右眼から口の端にまでかけ、鼻を通った切り傷の痕まである。
この女は、とても恐ろしい強面の持ち主なのである。

「何を騒いでいる――それとも、賽子を振るか?」

ぎりぎりと睨み付ける。
相手が悪魔だということを、知っているのか知らないのかまではわからない。
197 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/13(水) 21:39:41.24 ID:V53+Dxpso
>>195
「ぬゥ…猫又の類かァ」

拳を血が出る程に握り締めつつ、文字通り熱の籠った声を溢しながらイリーの姿を認める
今にも剣を抜きそうな雰囲気。それはその想いの強さを窺えさせるだろう

「もしかしたら見ても良いと言ってくれる娘が居るやも知れん」
「その希望を我は信じよう」
「何よりも!昂ぶる我が想いを抑える事等出来よう筈が無いのでなァ…」

実際に見ても良いよと言ってくれる人は居らず、代わりに来たのは一匹の猫
……守備範囲は人に準ずる姿のみ。なのだが

「一応聞こう。汝れは雄か、雌か」

今の自分なら長い年月で凝り固まった守備範囲が広がりそうな予感がする
と言う訳で一応尋ねてみた。
198 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/13(水) 21:45:50.00 ID:JCurWPl00
>>197
「あぁ、そう……な、来るといいな」

うん、なんて付け加えて完全に流し聞きモード
耳の向きがそちらから外れているので何なら看破する事も可能であろう

「め、……いや、一応女だこれでも……」
「元々は人間なもんでな」

視線から逃れる様にしてちょっと後退
ミルクは惜しいがそれより大切なモノがあるのである

>>196-197
「……はは、どーも……」

睥睨するようにラースを睨む騎士の身姿に苦笑い
何かしら騒動があっても不思議ではないと察して身を低く構えて逃走体勢
199 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/13(水) 21:46:04.10 ID:V53+Dxpso
>>196
ぐるりと、女性の声に反応して振り返る
その真紅の目は血走り、白い箇所が窺い辛い程である

「何を?と、聞いたな。汝れ」
「ならば今一度言わせて貰おうか」
「いや……言い直すと言った方が正しいのだろう」

手を目の前に持ってきて、それをグッと握り締めて


「汝れよ、『おっぱい』を見せて貰いたい」

真向からお願いするのだ
無遠慮に、勝手に見るのは悪魔のプライドが許さない
服越しだろうと満足しよう。が、見れないと言うのは唯々辛いのだ
200 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/13(水) 21:51:39.29 ID:V53+Dxpso
>>198
「ぬゥ…それは失礼した」
「我が見識の甘さを許して貰いたい」

イリーを完全に猫として見て居た事
それはイリーの人としての誇りを傷付けたかと一応謝罪し

「―――-それはそれとして、人の姿はとれるのか?」

が、おっぱいへの欲望・渇望は忘れちゃいない
イリーが離れた距離よりも大きな一歩で距離を詰める
見るなら、見れるなら人のおっぱいのが良いのだ。幸せなのだ。
201 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/13(水) 21:52:24.75 ID:4pXYHnEsO
>>198-199

「…………………」

長い沈黙。そして天を仰ぐ。
それから、大きくため息をついた。

「忌み数に限りなく近いな。夫の喪に服している身だ。私以外をあたってもらおう」

ぐるり、視線をと喋る黒猫――イリーに移して。

「ここまで大真面目にアホなことを言える人種はな、居直れば逆に安全だ」

「気にせんでいい。何か事が起これば賽子の騎士の名にかけてあれをホンワカパッパすることを約束しよう」

と、一応イリーにフォローをいれる。
そう、彼女はあのおっかない鎧で身を固めない限りは暴走系騎士じゃないのである。ごあんしんだ。
202 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/13(水) 22:01:42.90 ID:JCurWPl00
>>200
「いや、まぁこんななりだ、見抜く方が難しいだろう」

なんせどう見ても猫ですから

「……あぁ、出来る」
「……いや、しないけどな?」

更に一歩、猫の歩みは小さいがそれでも一歩
確かに下がり、照明の関係上自身に被さる形となるラースの影から逃れる
圧迫感と焦燥感がさせた所作であった

>>201
「はは……それはなんとも心強い」

はてほんわかなんちゃらとは何の呪文かと思わなくもないが、言葉と態度から何と無く察しはついた
言われれば確かに彼は強引な手段に出る様子もないし、ある意味で安全なのだろう

「……あー、まぁ、でも、」

見せはしないのな、との言葉は呑み込み苦笑
お互い確固たる意思でそれを守り通すべきだと、無言の内に共有出来た気がする
203 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/13(水) 22:07:04.39 ID:V53+Dxpso
>>201

「……無念」

明らかに落胆した声
しかし食い下がる様な真似をしない辺り無駄な潔さも窺える
因みに六文銭は三途の川の渡し賃。それすら持たぬのは地獄へすら行けないと言う自覚からだろう

「賽子の騎士…聞いたことが無いな」
「いや、越境者で有れば当然かァ――――」

欲望を達成できずとも言葉にした事である程度の冷静さは戻ってきたのだろう                諦めたとは言っていないが
一応まともに話す事が出来る位にはなった様で

>>202
「――――-今なら分からんぞ?」

まだ冷静な部分も有るけど割と限界が近そうだった
近い内に何かやらかしそうだが、それはまた別の問題であろう

「試す価値は十二分にあると思うが…それで」

「結局、見せてくれるのかどうか。  その答えが我には重要だァ」

言えば素直に引き下がろう
しかし変に言葉を濁すならグイグイ往こう
誰がなんと言おうと、諦め切れぬのだから
204 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/13(水) 22:14:53.98 ID:4pXYHnEsO
>>202

「というか、だな」

小さくため息をもう一つ零す。
まっすぐに駆け抜けてきて、はたと気が付いたかのように。

「あんな馬鹿は非常に珍しいんだ」

「私だって数えるほどしか出会ったことがない」

自分が普通に生きていた頃も。
賽子の騎士として生きると決めたときだって。
ここまで自分の欲求に素直だったやつなんて、決して多くはなかった――!

>>203

「というより夜鷹を見つければいい話だろうが」

呆れたような眼差しを向けつつ言う。
何でこんなところでそんな叫び声をあげるのか。

「……む。賽子の騎士を聞いたことがないか」

「まだまだ、私が斬るべき悪は多いということだな……」

彼女は口上を叫びながら突撃するのがお決まりだ。
なので、賽子の騎士の知名度はちっくりちっくり上がる。こともある。
205 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/13(水) 22:20:02.59 ID:JCurWPl00
>>203
「……まぁ、そう、な……」

何となくではあるが納得してしまう
つまりそれだけの説得力を持ってして、彼の言葉は響いているのだ
問題はそれが、その力を得たとしても何ら格好の付かない事例であると言う事くらいか

「あのな」
「……流石にいきなり見せろだのなんだの言われて……ん……?」

溜息と共にかぶりを振った
途中で言い切れずにいたのは、何かしらに気が付いた為だ
つまりは彼の限界が許容を超え、万が一にでも暴走を起こしてしまった場合どうなるかだ
ゴム毬の様に抑え付けた抑圧は解放された時に大きな弾みとなり返る
要するに今ここで欲求を果たした方が、後々もしかしたら起こる被害を防ぐ事が出来るかもしれないなんて考えているのだ

>>204
「まぁ……そりゃあ……」

というか、と苦笑いは続く

「出会ったのな、数える程には……」

あの手の御仁が他にもいるとなれば、矢張り世界は広いと改めて実感
旅人として見聞を拡げていたつもりではあるが、まだまだ修練に終わりはないのだなぁとしみじみ思うのであった

「……ところで、」
「……何かしら大事になるより前に、それで満足してくれるならそうした方がいいかとも思うんだが……」

どうだろう、とはつまり提案した身の癖に、そうなった場合何方が見せるかを相談したいのだろう
なかなか奥手な、吹っ切れられないタイプなのだ
206 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/13(水) 22:29:33.20 ID:4pXYHnEsO
>>205

「夫が近かった。ベクトルは無論違うがね。あんな下品な言葉を叫ぶヒトではなかった」

「が、多分同類だ。好きなものが違うだけで、根っこは同じだ」

ふ、と自嘲する表情。
愛していた自覚はあったが、何で惚れたのかと聞かれたら返事に詰まりそうだ。
いやいや、彼は死んだが愛は曇らない。曇らないのだ。

「ふ、ん――」

「その時は覚悟を決めろ。黒猫。お前も私と一緒に賽子を振れ」

意訳:その時は、ラースをしばく。困難だろうと死のうとシバく。尊厳のために。
207 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/13(水) 22:34:07.27 ID:V53+Dxpso
>>204
「そう言うのも嫌いではないがな」
「我は1つ1つの(おっぱいとの)出会いも大切にしたいのだ」
「一期一会…その『おっぱい』との出会いも今後ないだろうと思うと悲しきものよ」

大きいのも小さいのも張りが有るのも無いのも好き
そう人の持つ『おっぱい』こそラースの求めるもの
であればところ構わず見せて欲しいと言うのは当然の帰結――――なんじゃね?

「……悪魔なら此処に居るがな」
「素直に斬られようとは思わぬが」

「賽子の騎士…か、汝れは何に仕えているのだ?」

純粋な好奇心からだろう
まさか賽子そのものに仕えていると言う訳でもないだろうし、尋ねてみた

>>205
「見せてくれる者も居る」

喰い気味に言葉を放ってみた
悪魔の長い生き様の中でも数えるほどの経験だが確かに居た
(服越しに)『おっぱい』を見せてくれる優しい人物は居たのだ
言葉に嘘は無い―――それはこの魔の自信溢れすぎた言葉で分かるだろう

「無論我儘で有るとも。されど我はこの想いを捨て去れるほど強くは無いのだ」
「故に求めるしかないのだ―――救いの如く『おっぱい』を求めるのだ」

「改めて聞こう汝れよ      答えは如何に?」
208 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/13(水) 22:41:22.76 ID:4pXYHnEsO
>>207

「やめろ。気色の悪い。この胸は我が子のためのものであった」

「……くれてやることは叶わなかったが。なおさらだな」

自分の胸に手を当てて。何だかそんなことを思い返してしまう。
自分の原動力ではあるが。こんな場面で回想するようなものでもなかったような。

「悪魔というだけで斬る理由にはなるまい。おかしなもんだが」

「まぁ、斬るにたる理由があるなら斬るがね。私は女神に仕えている身だ。ろくでもない女神だが、悲劇を嫌う女神だ。故に信奉している」

そして、その女神の聖印こそが『三つ並びのの賽子』なのだ。
故に『賽子の騎士』なのである。
209 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/13(水) 22:42:13.28 ID:JCurWPl00
>>206
「夫」
「……夫」

納得した風に小さく頷いて言葉を反芻して飲み込んだ
やや間があってからもう一度、今度は彼女に見開いた隻眼を振り向けながら

「ま、ま、ま、ぁ……その、なんだ……」
「そういう……もの、なんだな……?」

恋愛とは、とあからさまに動揺しつつギクシャクと

「あー……」
「要するに、一蓮托生?」

つまり自分が出した答えに乗ってくれるという事か、と実に自分本位な答えに至る
無論、若干わざとも入ってはいるがあれだ、言葉を濁す方があれなのだ

>>207
「脅してるんじゃ、ないよな……?」

改めて目の前の男の風貌を見やれば何と無くそんな気もしてしまう

「いや……だから、そうやすやすと……」

ハッキリと、ノーとはなかなか言えぬ性分と性格なのだ
そして万が一の場合を想定してしまった以上尚更である

「……あー、それはなんだ、」
「……直接?」

我ながらアホな質問をしているなとの自覚は当然ながらある
210 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/13(水) 23:04:06.08 ID:V53+Dxpso
>>208
「夜鷹ではならぬと、それを理解したのなら言わまいよ」
「そもそも―――金は無いと先程言った筈であろう」

そもお金とか持ち歩ける風貌ではないのは見ての通り
紙幣なんて持てば一瞬で燃やしてしまうから困りものだ
尤も、それで困った事は………あんまり無いのだが


「悲劇が嫌い…か。奇遇だな、我も嫌いだよ」

と、悪魔にしては頓珍漢な事を言う
しかし冗談とでも言う感じでは無く、至って普通にそう言った


>>209
「ハイか、イイエか」
「その答えだけを求めている」

黒猫と違って白黒ハッキリさせたがる性分なのだろう
だから煮え切らない黒猫を急かす様に答えを求める

そして――――


「見せてくれると言うのか!!!」

響く程に、踏み込む様な強烈な震脚と大気を震わす声
声音は言うまでも無く喜色に富み。また期待に満ちている
しかし脳裏では冷静に直接と言えば贅沢だろうか、服越しと言えばまだ見せて貰える可能性が高いのか―――とかそんな事を考え…て


「直接頼む」

漢ラース、勝負に出る
211 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/13(水) 23:10:43.62 ID:4pXYHnEsO
>>209

「どのように言葉を尽くそうが、男女の関係というのは魂での響きによるものだ」

「なので、あんなのでも最愛の夫であったのさ。馬鹿ではあったが。ああ。大馬鹿だったが。そうだな。底抜けの馬鹿だったが」

自分の亡き夫に対してひどい言いようである。
彼女の出身の文明レベルは古代期ぐらいであったので、強いが美しいの価値観だったのかもしれない。
となると、おつむの方はお察しだったのかも。

「あー、それも吝かではなかったが」

ちら、とラースを見る。
なんだかとんでもないことになってしまった。

「……今のは黒猫。お前の言葉選びが悪い。大失敗(ファンブル)だ。忌み数だ」

それはとても無慈悲な宣告であった。

>>210

「ああわかった。お前がとんでもないってことだけは」

ぱたぱたと手を振る。
なんでそんなにムネになんぞ固執するのだろうか。
男のロマンを理解できぬ女としてはそういう認識にならざるを得なかった。

「悪魔も悲劇は嫌う、か。面白いものだな」

「私は女神の嫌う悲劇を破壊するために騎士となっている。私のような女を増やさんためにはそれが一番だ」

「ところで、多分黒猫は見せてくれる気はないと思うぞ」

……一応、イリーのフォローはしておく。
212 :イリー 黒猫 動禅魔導 [sage]:2016/01/13(水) 23:15:53.89 ID:NVeKGpPWO
>>210
「あ、あのな、だからその……」

ややたじろぎつつ、押しに弱い性分が出ている様だ
曖昧に言葉を濁しつつなんとか押し留めているが、果たしていつまで持つのやら

「……いや、そうは言ってないよな私!?」

負けじと黒猫の声は非常に大きい
これは動禅の魔導士として、詠唱となる呼吸法を学ぶ過程で肺を鍛えているが為だ
圧倒的肺活量から来るシャウトはなかなかのモノである

「嫌」

と、まぁここでようやく完膚無きまでに完全なる拒否を取れた格好となる

>>211
「た、魂、ね……うん、そう、な……ははは……」

目の前の、一見すれば年の頃同じ位か下程度の女性の何たる大人めいた余裕か
対してなんとも情けない、目を合わせる事も出来ずに乾いた笑いを浮かべるのが精一杯の黒猫3X歳
最も付け加えるとすれば精神年齢の成長はとある事情により20前後で停止しているのではあるが

「……そう、みたいだ……はぁ」
「まぁなんだ、いざとなったらほんわか……なんだっけ? 頼むよ……」

ありがとな、と疲れきった反応で苦笑
213 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/13(水) 23:25:26.81 ID:V53+Dxpso
>>211
「我は悲劇を終わらせるために存在する」
「復讐を望む者、望まれた者全てを[ピーーー]―――が」

「さて、汝れの正道を往く人よ」
「我は汝れと、汝れの神にとっての悪か?」

肘を後ろ腰の剣の鍔の傍に置き、問うてみた
皆殺しの悪魔。それがこの者
素直に話したのは―――そちらを不快にした謝罪ついでか


「あと『おっぱい』については明確な拒否が有るまで諦めきれるものか!」

あと其処は矢張り譲れないとの事で


>>214
「ならば答えを!」
「ハイと頷くだけで終わるのだ!」

その目は数多の怒りを宿す者にしては珍しく
1人の男としての欲望・渇望・期待が混ざっていた
ここまで引っ張り、期待させたのだ。きっと黒猫はその期待を裏切らぬと思っていただけに――――


「ガッデェムッッッッ!!!」

明確な拒否が為された時思わず床を両の拳でぶっ叩く様に膝を突いた
やっぱりこの世に神なんて居ないんだろう、そんな想いすら込み上げてしまう
214 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/13(水) 23:35:50.85 ID:4pXYHnEsO
>>212

「なんとかなったみたいだな」

ほっと一息。
白黒ははっきりさせないといけないと学んだことだろう。
……望むものかどうかはわからないが。

「私が全力で突っ込んでも一人では勝算があるかないか……ふーむ」

「賽子の振り甲斐だけはありそうだがな。言葉より簡単ではないのは確かだ」

肩を竦める。
なんでこんな上等な悪魔がおっぱいおっぱいうるさいのかと言いたげだった。

>>213

「さてね。もう少し詳しく聞かんと判断つきかねる」

鎧も斧も出さずに、そのまま答える。
少なくとも、悪党なんぞはこんな問答をしてこない。
判断つきかねるというのは本心のことだった。

「ああ、だが――ふむ。復讐を望むなら、己自身で行うべきというのには――同意せんこともない」

「貴様のような悪魔を生み出すのは復讐ですら他力本願の弱者の存在故だろう。立って前を向いて死ぬるなら、もう少しまっとうな化生が生まれように」

「だが、そうだな――結局のところ、似ているようで決定的に相違しているのだろう。貴様とは。殺しあうこともあるだろうが、今は――そんな気分にはなれん。さっきの今だしな」

もう少しシリアスな場所だったら、何かが違ったかもしれない。
ただ、散々おっぱい騒動したあとで闘争の空気になっても滑稽だ。女神様も大爆笑してしまう。
215 :イリー 黒猫→黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2016/01/13(水) 23:40:39.83 ID:JCurWPl00
>>213
「い、いや……無理だって普通」

余りに凄惨に崩れ落ちる様から、あたかも自身が悪行を成したのではないかと疑ってしまう

「あー……まぁ……」

と、物影へ歩いて行けばそこから漏れる眩い閃光
少しの後、黒髪の流れる猫の獣人の姿で戻ってやって来た
衣服はご都合主義でしっかり着用、前止め式の紺の功夫着風のシャツにパンツ
女性にしては高めの背、スタイルは引き締まって細めであり、ラースの求める部位は平凡である
最もそれも、ゆったりとした衣服の為に今一つ目立つ事はないが

「直接は無理だけど、な……」

苦笑ながらに両手を肩の程度まで上げた

>>214
「まぁ……うん」
「……なんというか、自分の甘さというか、そういうのを再認識したよ……」

目の前で余りに悲劇的に為すラースの所作に、結果として負けた風となる
獣人の姿に変幻し、先程より増えた表情筋で苦々しく笑い頬を掻いていた
無論服越しであり、彼がそれ以上を求めるのならばメラニーの考えも杞憂に終わる事はないのではあるが

216 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/14(木) 00:01:31.36 ID:ofV8H1iXo
>>214
「…然り、されど我が役目はそれだけとも言えぬ」
「だが語るにしてもいずれまた……今は我の心が折れそうだ」

勝手に期待してそれがダメだったのが余程ショックだったのだろう
両手を床についたまま、顔を伏せて微かに震えて

「頼み方と言うものを変えてみるべきか」
「難しきものだ、異世界とは」

暫くしてようやく立ち直ったのか立ち上がり

>>215
「ならば、すぐに嫌だと言えば良かろうに」
「下手に期待させる様な真似は人を傷付けると知るがいい…!」

尤も我は悪魔だがな
そう言い加えて、若干涙が出そうな目元をギューッと手で抑え
それから物陰へ行って帰ってきたイリーに視線をやって

「―――――-許可を得た。そう判断しよう」

服越しでも何の問題が有ろうか
嘗て、元の世界で復讐の魔神ともおっぱい魔人とも呼ばれた悪魔にはそれで『十分』すぎた
時間にすれば5秒以内、しかしそれはおっぱい心眼とも呼ぶべきおっぱい魔人の眼力によって正確に記憶される
いや、嘗てならばその胸の成長性から肌年齢に至るまで全てを網羅していたであろう。それが出来ないのは越境者である所以か


かはぁ、と熱の籠った息を吐いて

「大変満足した。感謝するぞ、汝れ」

ひと言礼を言うと満足気に拳を握ってガッツポーズ


>>両者

「大した礼は今は出来ぬ」
「されどいつか、必ずこの恩は返そう…嘗ておっぱい魔人とまで呼ばれたラースの名に懸けて」

「それまでは、さらば也」

喜色を隠そうともしない声
不自然に立ち上りだした陽炎の中に姿を歪ませながら悪魔は別れの言葉を言い

「できればまた見せて貰いたい―――――」

最後の最後まで締まらないまま、両の拳を突き上げながら消えて行った

//では私はこの辺で!ありがとうございました!
217 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 [sage]:2016/01/14(木) 00:10:02.23 ID:fDUCDrZo0
>>216
「あぁ、すまない」
「期待させたつもりはなかったんだ」

ましてや見せるつもりなど皆目

「……ぅ……」

流石に数秒の事とは言え羞恥は確かに存在している
何とも居心地悪そうに苦い表情を湛えたまま堪え、長過ぎる僅かな時間は終わりを告げる
福音めいた鐘が聞こえんばかりの解放の瞬間、思わずほぅと安堵の息を漏らすのを禁じ得ない

「」

そして彼が立ち去る間際までそれについて触れて、というよりそれが主眼であった事に最早絶句
まぁこれで見知らぬ誰かの被害を防げたと思えばまだ救われる
テーブルの上の皿を手に取り、くいっと煽る
温かかったミルクはすっかり冷めていた
ぺろりと舌で唇に付いたそれを舐め取り、世の中の広さを再確認する猫人であった
宇宙船の賑やかな日常は、過ぎる

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
218 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/14(木) 22:26:27.57 ID:ofV8H1iXo
人が剣と魔法を用い、未だ魔獣の闊歩するファンタジー世界
――――の、草原
俯瞰すれば焼け焦げた箇所や土の抉れた様な箇所が多々見受けられるだろう
無事だった草花も何か、誰かの血に濡れて

その一角、土がむき出しになった場所に貴方達は居る

まず火が有った。薪すら無いのに煌々と燃える其れは冬だと言うのに周囲に暑さすら感じさせるだろう
そして火から立ち込める匂い―――肉が焼ける匂いだと直感的に理解出来る筈だ
無造作に斬られ、突き刺された肉が炎の奥に見える

「皆、用意は良いなァ…?」

褐色の肌の、悪魔を名乗った者が問う
真新しい傷が多く、体についた血は己の者か他者のものかすら分からない
手にはグラス。中には透明性の高い液体が並々と注がれていて
確認の後、1つ息を吐いて。吸ってから


「然らば、ドラゴンを無事討伐した事を祝ってェ――――乾杯!!!」

たった今、命辛々とは言え無事に強大な龍を倒した事を喜び合おうとする
炎に突っ込まれたのは新鮮その物のドラゴンステーキ。手には秘蔵のお酒さん
飲めよ喰えよ吐いて歌えよの宴会が今、始まった
219 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/14(木) 22:39:07.85 ID:fDUCDrZo0
>>218
「……」

草原の向こう、木々の茂った合間から軽やかな小川のせせらぎが聞こえていた
それは少し下流で血と脂に淀み、だが独り佇む鼠人の目の前では清らかだ
全身を振るって水気を飛ばした、草原の背の低い草がそれを一身に浴びる
長い体毛に付着した穢れを行水で落とし、宴の騒乱を背に苔生した小岩に腰掛ける

「ー……♪、〜……♪」

誰もこちらに気をやっていない
そう感じた鼠人、囃子歌を小さく口ずさむ
それはもう存在しない故郷の、祭事の時の祭歌
220 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/14(木) 22:55:49.97 ID:ofV8H1iXo
>>219

「…物静かな汝れも、狩りの成功の後は気が良くなるかァ?」

喧騒から抜け出して、その囃子歌をちゃっかり聞いていた様で
太い鉄串に刺さった大振りの肉を片手にムガの後方から声をかける

「久しきかな……電気鼠?と、呼ばれて居た者よ」

「騒がしいのは苦手であるかァ…?」

それでも一口も飲まないのは勿体ないだろうと、酒の注がれたちょっと小ぶりの杯をそちらに差し出す
221 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/14(木) 23:04:51.19 ID:fDUCDrZo0
>>220
「〜♪」
「……っ!?!?」

ムガは、郷に伝わる風の妖が自身の魂を奪いに来た時よりも尚素早い反応で飛び退き、腰掛けていた岩の影に身を隠し忍者刀を引き抜いていた
だがその声の主が先程狩を共にしていた者だとしれば溜息と共に納める
澄んだ音色、金属の触れる音

「得意じゃ、ないな……」

目をナナメ下に逸らしたまま
多分気を緩めて歌っていたのが気恥ずかしいのだろう

「その呼び方はヤメろ。 ムガ」

サカズキを受け取れば再び小岩に腰掛けた
そしてようやくあって名乗り、更にしばしして口元を覆っていた黒覆面をズラす
くい、と軽く煽り、喉を鳴らして熱いアルコールの滑り落ちる余韻を味わった

「……ん、あぁ……悪くないな」
222 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/01/14(木) 23:12:16.97 ID:rBl7pGWO0
【現代世界の】

ここは様々な商品を扱った店舗が店を構える大型複合施設。
時刻は正午過ぎ、人の入りが最も多く店内が賑わう時間帯である。
家族を連れたものや友人や恋人を連れたもの、ひとりで買い物を楽しむものなどで溢れかえる店内。
皆が皆それなりにポジティブな目的で訪れる場所故にその表情は概ね明るく、店内の雰囲気も良好である。ただ一部を除いては。

「……チッ」

椅子やテーブルが複数準備され軽食や歓談が行えるように配慮されたスペース、休憩所。
その一角に腰掛けテーブルに頬杖をついているアグラーヤは明らかに不機嫌であった。
明るいはずの店内、彼女がいる一角だけドス黒く空気が歪んでいるように感じられる程にそれはもう見るからにイライラしている。
普段から穏やかな性格では無い。機嫌が悪い事も少なくないが、どうやらこの日は複数の事が重なり彼女の機嫌の悪さを限界突破させているようだ。

まず朝、起きた時に見た景色と寝る時に見た景色が違う。どうやら就寝中に越境していたらしく目覚めたのは駅のホーム、隣では朝帰りのサラリーマンが酒臭い説教を垂れ流していた。
そしてとりあえずふらり散策、止まり木同盟の宿でも見つけておきたいところでやたら大きな犬がアグラーヤを見るなり猛ダッシュ。
反射的に走って逃げるもあっという間に追い付かれ、じゃれ付かれ、ドレススカートの裾を引きちぎられ、駆け付けた飼い主に引き剝がされるまで犬のおもちゃである。
そして裾の破れた格好では流石にみっともないと、服を仕立てるなり修繕するなりを求め訪れたショッピングモール。いざ会計というところで財布が無いことに気付く。
犬にじゃれつかれてる間に落としたのだろう。結局服の修繕も仕立ても出来ず、誰にぶつけられるでもない感情をどうにか内に閉じ込めながら休憩中というわけであった。
223 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/14(木) 23:16:59.44 ID:ofV8H1iXo
>>221

「ふむ……なら隠れているとしようかァ」
「で、もう歌わんのか?」

賑やかなのも嫌いではないが、たまには自分も静かに過ごしたい事も有るのだと
それはそれとして歌は嫌いではないらしい

「ロイの奴めがそう呼んでいたのでな」
「少し真似させて貰っただけだ」

少し悪戯げに口元に笑みを浮かべて
串に刺さっていた肉をガブリと齧る。納まり切らない肉汁が拭う暇すら無く顎を伝って落ちている
ラース本人は気にした様子も無く新鮮なドラゴンステーキを咀嚼しているが、半裸で肉を齧る彼の姿は正に蛮族チックであろう

「ムガ、か」
「先程の戦いと言い衣服と言い、忍びの者か…?」

単なる好奇心から、そんな質問をしてみる
224 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/14(木) 23:27:04.19 ID:fDUCDrZo0
>>223
「う、歌わないっ!」

珍しく、非常に珍しく声を荒げる
ムガの歌はひとりでひっそりと楽しむものらしい
ぐいと一気に酒を飲み干して、サカズキをぶつけるようにして小岩に置いた

「……ろ、……あぁ、武器だらけね」
「勘弁してくれ……」

鼠人からすると、人の顔や名前というのは非常に区別が付き辛い
ムガもその例に漏れず、そしてあまり意識して覚えようともしていない為尚更な様子

「あぁ……まぁ」
「……ここに似た世界のな、ヤソって……まぁ、忍の衆の出……」

ムガが、自身が酒に強くないと自覚するのはこういう時である
即ち余程饒舌になるのだ、普段隠している事すら話してしまう
上質なシルクの酒も、すっかり帳の降りた宴煙の立ち昇る夜も
それらは無口の大敵だと、そう考える
225 :ジョシュア・アーリントンとNYX【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/01/14(木) 23:34:56.71 ID:4J2ZPsawo
>>222
「………何やってんだ…お前…」
『やってんだー?』

現代世界、いわゆるモールの中でジョシュアは立ち尽くしていた。
某Mバーガーの袋を片手に抱えたまま、もう片方の手を漆黒の肌と純白の髪を持つ背の低い少女とつないだジョシュア。
フードコートにて見覚えのある人影を認め、近づいてみればそれはアグラーヤであったのだ。それもボロボロの。
ジョシュアが若干引き気味にアグラーヤに声をかけると、少女はジョシュアに追従するように少し遅れて声を掛けた。
普段は特務機関の兵士という身分ながらオフの生活感溢れる風貌はいかにも年の離れた兄妹か、それか親子のようだった。

「ボコボコじゃねーか…一体誰にやられたんだ?あ?」

あまりにもみすぼらしいアグラーヤの出で立ちにジョシュアは困惑。
他の世界に比べてあまり争いに巻き込まれることもない、文明の発達したこの世界でアグラーヤ程の強者がこのような目に遭わされているのだ。
いったいどんな化物が彼女を襲ったのだろうか、などと冷や汗を浮かべながらアグラーヤに何があったのかを問いかけた。
先ほどからジョシュアの傍にぴったりな黒い少女は、ジョシュアの脚にしがみ付いたままアグラーヤの様子を伺っている。

ちなみにジョシュアはHEXAの中での待遇は悪い方ではない。タェンティースにクレジットカードを限度額まで使い切られても未だ破産していない程度には懐事情には余裕があるのだ。
一文無しのアグラーヤの前にこの男が現れる。この巡り合わせが発生したということは、つまりそういうことだろう。
226 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/14(木) 23:36:54.04 ID:ofV8H1iXo
>>224
「カハハ…もう少し聴いてから声をかけるべきだったか」

ドラゴンステーキをペロリと平らげ満足気に息を吐く
今後も機会が有ればこっそり聞いてやろうと心に決めて

「武器だらけ…間違いでは無いな」
「……だが汝れも人の名を覚えぬなら何と呼ばれても仕方ないのではないかァ?」

「ついでと言っては何だが我も名乗っておこうか」
「我が名はラース。ラース・フューリー。 嘗て復讐の悪鬼とも、おっぱい魔人とも呼ばれた悪魔なり」

その中から好きに呼ぶがいいと言い加える
碌でもないのが混じっているが本人は気にしていない…と言うか事実故に受け入れている様で

「ヤソ…ふむ、聞き覚えが無いな」
「嘗て我やロイの居た世界の櫻の国に似ているのだろうか」
「一度尋ねてみたいものだ・・・」
227 :?イ・ゴ?ルドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/14(木) 23:44:28.12 ID:bFmO3kW90
>>224

―――そんなこという名よハムタロサァン・・・

何か聞こえた気がした

//出番これだけ故失礼
228 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/14(木) 23:50:52.81 ID:fDUCDrZo0
>>226
「……、」
「そしたら耳、削いでやる……」

覆面を直し、じっとりと責める様な眼差しを向ける
先程より微かにくぐもった、だがそれでも、変声期前の少年或いは少女のそれを押し殺した風な低い声

「ヒトは……規則性がなさ過ぎる」
「……覚え辛い」
「ん? あぁ……悪魔ね」

結局一番短いのを選択した模様
一瞬間があったのはまぁ、そういう事だろう

「……そりゃ、もう無いし」
「国も、何処が天下だの何だの、戦ばかりだ」

ロクでもない、と空を仰ぐ
星座の異なる、だがしかし同じ色の空
鼠人はその世界に於いて、戦奴に等しい扱いを受けていた
そしてムガのヤソの衆は、時の権力者の策謀により戦の乱流の中に消えたのだ
余りポジティブに語る事がないのも、そういった事情を醸し出している

「……お前は? 悪魔」

229 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/01/14(木) 23:59:24.89 ID:rBl7pGWO0
>>225
「……最悪ね」

声を掛けられれば当然そちらへと向ける視線。そこに居たのはジョシュアであった。しかも何か見たことがない子供を連れている。
そして直ぐにぷいと逸らした視線。出来れば会いたくなかった。別にジョシュアに、というわけでは無い。こんな所を顔見知りに見られるのはアグラーヤの性格上屈辱以外の何物でもなかったのだ。
当然機嫌もさらに悪くなる。顔は背けていても見るからに膨れ面をしているのがわかるだろう。ぼそり小さく呟けば、ジョシュアの脚にしがみ付く少女を一瞥。

「……私が負けるわけないじゃなぁい。犬よ犬ぅ……大っきな犬にじゃれつかれただけよぉ。
ていうかそんな事よりソレ、なぁに? ニアとの子供かしらぁ?
そうじゃなければ何処かから攫ってきたのぉ? ロリコンだったとは恐れ入ったわぁ」

負けるわけがないと言いつつ犬にじゃれつかれた位でこれ程までにボロボロになっている事に矛盾を感じずにはいられないが、多少空気が読める人間であればさらにアグラーヤの怒りの炎に油を注ぐ事は避けるだろう。
じろり、と見知らぬ少女を睨み付けるような真紅の隻眼。とても子供に向けるような視線では無い。だが何度も言うがアグラーヤはとても機嫌が悪いのだ。
ジョシュアと子供のセット、目に映るその光景にアグラーヤの脳が出した推論はニアとの子供であった。まぁ何となくそうで無いことはわかっているのだが、あれこれ質問するのは今は面倒なのである。
取り敢えず少しでも憂さ晴らししてやろうと適当な棘をちくり。この状況で現れたジョシュアはアグラーヤの八つ当たりの対象になりつつあるのであった。
230 :ラース・フューリー [sage saga]:2016/01/15(金) 00:04:42.97 ID:TCSfJPsDo
>>228
「忍び相手にかくれんぼか、楽しみにしておこう」

対して悪魔は聞く気満々である
からかう様に言っている為、そこまで本気で無いのは分かるだろうが…それでも油断はし辛いだろう

「無難なのを選んだな、汝れよ」
「我もロイに倣って汝れをハム太郎と呼ぶべきかァ…」

「……太郎?そう言えば汝れは男か、女か」

む?と首を傾げてどうなんだ、とそちらを見て

「然様か…それは失礼した」
「世界も時代も変わろうと、何処も戦ばかり…か」

そこで一度ムガが飲み干した杯を視た
…自分が飲む分も持ってくるんだったと少し後悔する。血が熱過ぎてアルコールが即効で揮発する為酔えない体質なのだが

「然り。悪魔だとも」
「沢山恨み、沢山恨まれ。沢山殺すだけの存在だとも」
「……羨ましいだろう?」

そう言って少し笑って見せた
それが自分なのだと。ハッキリ言えるのだから
231 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/15(金) 00:17:36.05 ID:arP4dV7S0
>>227
>>230
「……それは、こっちの台詞だ」

ふん、と鼻を鳴らして
しかし内心気を抜けないなと実感しているのもまた事実であった

「……!!」

そこで思い切り振り向いて件の声の方面へ野球ボール大の、つまりは当たればオダブツサイズの石を投擲
だが実に残念、外したらしく盛大に舌打ち

「一番短い」
「……ん? あ、あー……まぁ……」
「……、どっちでも、いいだろ別に……」

理由としては単純なものだ、覚え易いから
しかして次はやや言い淀む
騙したり誤魔化したりが少なくはない鼠人たが、そんなムガが返答にここまで明確に『困る』事は稀有だ
それは呪術に依って性別が消滅している事に起因するのだが、どうにもそれを面と向かって話すのは憚られる
かつん、指先でサカズキを弾く音が響いた

「……羨ましい?」
「……いや、別に」

なんなら日がな一日縁側で茶でも啜っていたいムガとしてはその返答となる
だがしかし、生き様を、その在り方を全力で自身で肯定出来る点には微かな羨望に似た感情が芽生えている
232 :ジョシュア・アーリントンとNYX【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/01/15(金) 00:21:16.72 ID:VfwtQQMko
>>229
「………」
「…具体的に…何メートルくらいの犬だったんだ…?」

ジョシュアの知る限り、アグラーヤはじゃれついてきた犬を消し炭にすること位ならば難なくやってのける性格の筈だ。
タェンティースやラヴレス達との邂逅を経て、アグラーヤがそれほど丸くなっているとも知らず…
アグラーヤの答えを聞いて暫し戦慄したのちに一体どれほどの化物に襲われたのだろう、思考はループする。

『…ソレじゃない、ニュクスだよー…』

”ソレ”呼ばわりされた少女はジョシュアの影から顔を半分だけ覗かせながらアグラーヤに反論する。
髪はニアのように短いが、ニュクスと名乗った少女の顔つきは凛々しく、ニアやジョシュアとは似ても似つかぬ顔立ちであった。
それにニアの肌色は浅黒い程度だが、ニュクスのそれはアグラーヤの稲妻のように黒い。
それはまるでジョシュアの体内に巣食う魔物、暴食のベルゼブブのようにだ。

『ままぁ、ニアってだれ?』
「ママじゃねェ、ジョシュアだ」
『あ……そうだったー…』

アグラーヤがニアの事について話せば、ニアの事を知らないニュクスは首を傾げてジョシュアに問う。
ジョシュアはそれをなぁなぁにしつつ、このややこしい存在についてアグラーヤに説明を始める。

「俺がワールシュタットの営巣にブチ込まれてる時、お前がコミ…イムカと戦った化物がいたろ?」
「……これがそうだ。今はHEXAの保護下にある」
『……』

つまりは失敗続きであったイムカの肉片から採取された”皇帝の遺伝種子”の培養実験。
最終的に残ったサンプルをUSSヴァルキリーに付着したベルゼブブのサンプルに摂取させ続けた所、見事に安定し融合を果たしたのだ。
それをジョシュアとイムカで破壊する予定だったのだが、ニュクスが自分と同じ遺伝子を持つイムカを親のように慕い、
かつ銃を突きつけるジョシュアとイムカに対し”生きたい”と懇願した為に両者が折れ、殺害の中断を余儀なくされた。
ジョシュアはニュクスを殺害しようとしていたが、イムカの意思もあってニュクスの世話係を率先して請け負っていると――

イムカに似て感情の起伏が少ない子だが、化物呼ばわりされるとあきらかにむっとした顔つきでジョシュアを睨んだ。
233 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/15(金) 00:26:56.78 ID:TCSfJPsDo
>>231
「…嘗ての我で有れば汝れの『おっぱい』を視るだけで判別できたであろう」
「このおっぱい心眼も越境に際して鈍ったと言う訳か」

本当に無念そうにそんな事を言う
性別について触れられたくないのは理解した
その為わざと莫迦な事を言って話題を逸らす
…尤も、嘗て本当にスキルとしておっぱい心眼を持って居たのは別の話

「そこはおだてて置くのだ。さすれば我とて喜んで酒の御代わりの1つも持って来ように」

人の扱い…と言うかゴマを擦るのはそんなに得意じゃないなと
試す様な感じになったのは未だ距離を測りそこねているのと
どんな話題に食いついてくれるかとの確認も兼ねて居て

「では逆に聞こうか」
「汝れは何の為に生き、何の為に力を振るうか。」
234 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/15(金) 00:42:37.17 ID:arP4dV7S0
>>233
「……はぁ? あ、あぁ……」

そう、と頬を掻いて苦笑を漏らす
その配慮に気が付かない程にまで鈍くはないようだ
事実が例えばどうであれ、である

「あー……」
「……ウラヤマシイナー」

なるほどと目を少し見開いて小さく頷いた
そしてサカズキをぐぃと突き出して棒読みのセリフ

「……ん?」
「何、突然……」
「……まぁ、そう……」
「好きに生きて……好きに死ぬ為」

それが今はムガと名乗る鼠人、タマヤソのこころの底からの真の言葉であった
生も死も等しく、あまねくを受け入れる為に、進む
愈々宴も酣、オブシダン色の夜は尚も尚も耽る

//すみませんがこの辺りでっ
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
235 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/01/15(金) 01:03:25.16 ID:ffJWZHTm0
>>232
「はぁ……? そんな大きな犬いる訳ないじゃなぁい……。
頭の中まで筋肉でぎっしりなのかしらぁ? お馬鹿さぁん。
このくらいよぉ、このくらい。消してやろうかと思ったんだけどぉ、近くに飼い主が居たらそうもいかないでしょぉ?
全く……あのグズの飼い主のせいでこのザマよぉ。あぁイライラする……!」

このくらい、と両腕を目一杯に広げてその大きさを伝えようとしている。具体的にはセントバーナード犬くらいのわんこであった。
ひらひらと摘んだスカートの裾をゆらせば上等な生地のドレスは最早ただのボロ布の様で、お気に入りを汚されたことにやり場のない怒りを溜め込んでいる様子。
ジョシュアの思う通り、確かにかつてのアグラーヤであれば犬どころかその飼い主まで消し炭にしているところであるが、人の変遷とはかくもである。
アグラーヤ自身、多少変わったという意識はあるがそこまで丸くなっているとは思っておらず、自分の行動に何ら違和感を覚えていない様子だ。

「ん、いらないわぁ自己紹介なんて。ソレで十分でしょお?
会話をしている相手の前に堂々と姿を見せられない様な子の名前なんて、私覚える気ないものぉ」

良くも悪くもアグラーヤである。相手が子供であろうと、それがどこかの銀河の神なる皇帝陛下であろうと彼女がブレることはないのだ。
アグラーヤ自身、過酷な幼少時代を生き抜いてきているが故に子供だから、などといった甘えた思考は一切持ち合わせていない。
大人気ない、と言われればそれまでなのだがアグラーヤは長命なエルフ族の中ではまだまだ子供なのであった。

「ふぅん、そういうこと。あの時のアレがソレねぇ。
まぁ良かったわぁ、あの胸糞悪い研究の結果がアレで終わりじゃなくて。
……それにしても、相も変わらずお人好しねぇジョシュア?
お人好しついでにひとつ頼まれて欲しいのだけどぉ、私お金落としちゃって一文無しなのよねぇ。
そろそろお腹も空いたしぃ、この服もこのままっていうわけにもいかないじゃなぁい? ねぇ、ジョシュア?」

ニュクスの背景にはそれ程興味が無い様子。アグラーヤにとっては終わったことであったし、何より今目の前の少女は確かに生きて存在しているのだ。この先交える可能性があるのは未来であって過ぎ去った過去では無いのだから。
冷たく素っ気無い態度と思われるだろうが、これがアグラーヤの哲学であるし、内心ではあの結果からこうして生まれたニュクスに悪い気はしていない。そしてそれを受け入れるジョシュアに対しても、だ。
しかしそれはそれ、これはこれだ。現状頼れるのはジョシュアのみ。とても人にものを頼む態度では無いが、自身の置かれた状況を説明すれば助けてくれとお願いするのであった。
236 :ジョシュア・アーリントンとNYX【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/01/15(金) 01:29:10.64 ID:VfwtQQMko
>>235
『…ソレじゃない……』

アグラーヤもジョシュアも、自分の扱いがどうも酷いというか、モノ扱いのままというか。
そんな抗議の視線を向けながらも、ニュクスはジョシュアの脚にしがみ付いたままであった。

「あー…お前らってヤツは…ホント」
「いいよいいよ好きなだけ食ってけ、どうせそのヒョロっちい胃袋じゃ俺の懐に大したダメージは与えられなさそうだからな?」

ふと、不意にアグラーヤがジョシュアに対して投げかけた願い。
かつてタェンティースにクレジットカードを限度額いっぱいまで使い切られたトラウマが蘇ったが、ジョシュアはそれを受け入れた。

ジョシュアは軍人として冷酷であり、任務に忠実でなければならない。しかし自分が人間としての感情をイマイチ捨て切れていないこと、
つまり自分が大のお人よしであるということは重々承知であった。それは今、アグラーヤの頼みを無下にしないことで証明されている。

アグラーヤの頼みを聞き入れた理由。空腹で服もボロボロというアグラーヤの状態に対する哀れみ、という感情も多少はあるが、
ジョシュアの感情の大半は”喜び”で満たされていた。つまり”あの”アグラーヤがジョシュアを頼りにしているということだ。
そしてジョシュアはそれに答える事が可能だということ。他人から頼りにされる、すなわち自己の証明である。

「…服は…まぁそんなコスプレドレスじゃ娼婦に間違われんのがオチだしな」
「一番安いのを買ってやらねー事もねーが…ぶっ壊すんじゃねーぞ?」
『ジョシュア、ニュクスも……』

アグラーヤの頼みを了承すれば、ニュクスも便乗してジョシュアに服をねだる。
その時に初めてニュクスはアグラーヤの前に全身を見せる。やはり黒い肌の、外見は普通の少女である。
ジョシュアは渋々といった様子であったが、アグラーヤと買い物に出る手前ニュクスにも何か買ってやることにしたようだ。

そしてさりげなくアグラーヤの逆鱗に触れたジョシュア。
これは故意ではないのだが、アグラーヤからすれば故意の有無は関係のないことだ。
ちなみにジョシュアの現在のクレジットカードの月の限度額は10,000USDである。ギリギリまでたっぷり使おう!
237 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/01/15(金) 02:05:29.21 ID:ffJWZHTm0
>>236
「ソレよぉ、ソレ。ソレソレソレソレ」

なんとまぁ意地の悪いことか。忠告したにも関わらずジョシュアの脚から離れようとしないニュクスにいらついたのだろう、椅子、テーブル、観葉植物を順番に指差しソレと連呼しながら最後にニュクスを指差した。
完全にモノ扱い。私からしたらアナタはこれらと一緒、ということである。きちんと自己主張出来ない子、アグラーヤは嫌いなのだ。
逆に自己主張が強すぎた場合アグラーヤの口からトゲトゲしい毒が大量に吐かれることになるのだが、子供にとってはそちらよりかは今の方が幾分かマシであろう。

「し、娼婦……? コスプレですってぇ……!?
……まぁ、いいわ。ひとまず今のクズみたいな言葉は水に流そうじゃないのぉ。
頼み聞いてくれるっていうんだから、今回だけ特別に聞かなかったことにしてあげる。
でも、貴方の言葉はしっかり聞いたんだからぁ。男に二言は無いわよねぇ?
言っておくけど、一番安物なんて私いらないからぁ。そんな甲斐性無しには見えなくてよ、ジョシュア?」

偉そうに自身の腰に手を当てながらもう片腕をジョシュアの口元へと伸ばし、ぴんと立てた人差し指をその唇に押し当てた。
ジョシュアの顔を見上げるアグラーヤの表情は悪戯っぽい、意地の悪い笑みに綻んでいる。もう文句なんか聞かない、それをありたりと物語るその笑顔はジョシュアの発言を水に流していないことが明らかである。
因みに貧乏性のアグラーヤ、必要の無いものを大量に買い込むことはしない。ジョシュアに強請ったのはただ一着のドレス。
一体なんの生地を使って誰が仕立てたモノなのかはわからないが、控え目な値札にはカードの限度額を上回る数字が書かれていたんだとか。
それをジョシュアがどうしたのかは果たして謎だが、時刻は正午を過ぎて久しい。外へ出れば西に傾き始めた太陽が拝めるのだろう。
一方沈みきっていたショッピングモール内の太陽は漸く登り始めたのでした。
238 :『幽霊と行く聖都レンディア観光』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/17(日) 21:56:48.30 ID:UElCTQyzO
――魔法世界『トローヤー』大陸南部『聖都レンディア』

この大陸南部に無数にある都市国家の一つ、レンディア市は、南部の都市の代表としても知られている。
軍事力が周辺諸国より一歩抜きんでているというだけでなく、この世界における宗教の代表でもあるからだ。
神々が加護をもたらさず、奇跡の残照のみが残る神代の末期ではあるが――。
それでも、ここレンディアは歴史的に、宗教的に、軍事的に大きな影響力を持つ国なのである。

「はーい ここがおすすめスポット、レンディヘルンの大聖堂。中は残念ながら非公開です。私は関係ないけれど、下手は打てないわ」

「何がおすすめって、前のこの銅像よ。亜人差別撤廃の切欠を作ったとされる、聖女レナエルの像

――で、なんでそんなところで、おとぼけ幽霊がツアーガイド気取りでいるのかはわからない。
恐らく、気の弱い(?)越境者を巻き込んでいることだろう。
彼女は、雄々しくメイスを振り上げる、小柄な女性の銅像の前にいる。

「何がおすすめって、このヒトの恋の物語がとっても甘くて切なくて蕩けてしまいそうになるからなの」

「……でも何でかしらね? このヒトを紹介するどんな書籍も、あんまり詳しく書かないのよ。あんな大恋愛だったのに。何度か除霊されそうになっちゃったけれど。素敵だったのよ」

……勿論、動機はこいつなのでお察しである。
故人相手でも容赦なしだ。そもそも自分が故人であるからかもしれないが。

239 :アキレスベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/17(日) 22:09:15.11 ID:k9RU2yjn0
>>238
「ふーん」
なんでか知らないが幽霊に連れられて観光なんぞやることになってしまった放浪アーティスト 生返事と共に屋台で買ったジュースをズズーっと啜っている

―――ギィ!!
そしてベティはいつものように透けてる彼女に触ろうと アキレスの頭によじ登ってハサミを伸ばしているが 残念届かない

「たぶん幽霊に唆されてってのがいかにも胡散臭すぎて書籍化できなかったんじゃね?
 というか元々の原因アンタかよ まぁ頑張るねぇ」

若干のあきれのこもった声で推理を述べる

「んで? 中身どうなってるのさ? ちょっと覗いてきてくれない?」
240 :『幽霊と行く聖都レンディア観光』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/17(日) 22:18:31.99 ID:UElCTQyzO
>>239

「あら。あのヒトはガードが堅くて、幽霊の出る幕なんかどこにもなかったのよ」

「晩年まで穏やかで、最後まで強いヒトだったわ。だからこそ死後聖女になりこうして称えられる存在になったのだけれど」

メイスを振り上げる姿からもわかる通り、その人物は大変力強い女傑だったとされる。
小柄な身体でどこまでも困難に正面からぶつかってきたのだ。
後に結ばれる騎士様とのエピソードは、幽霊曰く『ダダ甘』であるが、伝承では薄味である。

「中って、お寺のかしら」

「あんまり愉快なものじゃないと思うのだけれど。いえ、私建築がどのこうのって知識はもってないのよー」

聖堂をお寺呼ばわりだ。
この幽霊、恋愛に興味をもっていきすぎて、芸術に関しては人一倍疎いというか無神経だ。
全体的に石組で出来たそれは、何本もの太く特徴的な、神経質とも称される彫り物がされた円柱が見どころの一つとされる。
厚い扉の向こうがわ、即ち内部では高僧が集まって何事かしているらしいのだが。
241 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/17(日) 22:32:53.81 ID:k9RU2yjn0
>>240
「あらそう? てっきりどこぞんも祝いたがりがちょっかい出して云々だと思ったよ」
とりあえず有名どころだということなので 某リンゴ社製スマホを取り出してカシャカシャと写真撮影

「ハーイ笑って―」
と 銅像と一緒に幽霊も一緒に撮ろうとするが はたして写るでしょうか?

「そのレナエル? とかいう人の知られざるエピソードとかないの? なんかネタにできそうなやつ」
興味が湧けばグラフィティのネタにでもしたいなぁと メモ帳取り出しつつ質問する
242 :『幽霊と行く聖都レンディア観光』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/17(日) 22:38:37.09 ID:UElCTQyzO
>>241

「あ、あら……私、写真っていうのは……ね?」

両手を合わせ、指先を絡めながら恥ずかしそうに俯く。
以前、彼女がおっぱいの悪魔に耐えきれず顔を真っ赤にして逃げ出したことがあったが――。
――その時、何者かが写真を撮ったのだ。そして、そこに映ったのは、世にも恐ろしい悪霊である。
そう、彼女は写真写りが悪い。とても悪い。世界を恐怖に陥れる死者の王と言われても信じることができそうなヴィジュアルになってしまうのだ。

「あら、そうねぇ」

過去を懐かしむように銅像を見上げる。
真っ直ぐで元気が良くて、人々の希望であり、亜人や獣人などの被差別民の盾でもあった。
彼女の働きが大陸南部と中央において、差別の撤廃の流れを生んだのだ。

「……どういうネタを聞きたいのかしら、ね。結構知ってるわー」

付き合いは、結構長かったような気はする。
女神様好みの女の子だからと、最後まで付きまとってしまったことだし。
243 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/17(日) 22:49:10.14 ID:k9RU2yjn0
>>242
「あっ…」

そういえばこの間の動画もなんかすごいことになっていたことを忘れていた
まぁどこぞのテレビ局にでも売っておけば そのうち心霊写真スペシャルで使われるでしょう とりあえず保存

「どういう系・・・うーん 改めていられるとな・・・」
と 暫し上を見上げて思案顔

―――ギィ!!ギィ!!

その結果ベティが頭からずり落ちそうになってジタバタしているが気にしないでください

「とりあえずあまり知られてなければそれでいいや 笑い話でも 感動モノでも 悲しい話でもさ」
244 :『幽霊と行く聖都レンディア観光』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/17(日) 23:02:39.20 ID:UElCTQyzO
>>243

「そうねぇ、じゃあ歩きながら話しましょうか」

ふよふよと移動を開始。
何せ観光なのだ。観光と言えばとにかく寺を巡るものだ。……彼女の認識はその程度である。

「はいここがベンティヌス霊廟。基本的にお坊さんのお墓ねぇ」

「さきほどの聖女レナエルもここに葬られたわ」

白く大きな建物の前までやってきた。
化粧石がふんだんに使われており、特徴的なのはやはり大きなドーム部分だろう。
聖歌なんかも聞こえてくるあたり、荘厳さと威厳に満ちている。
今二人のいる、公開されている庭も手入れが十分に行き届いており、池は陽光を明るく反射しながら揺らめいている。

「あの子の知られざるお話し、ね」

「辛い物がとっても大好きだったのよ。特に、『悪神の毛髪』って名前のついている赤い実が好きで」

「これとひき肉を合わせて炒めたものが大好きだったのだけれど、なかなか食べられなくて。……気味悪がって誰も作ってくれなかったのね」

「一人でこっそり厨房に忍び込んで作ろうとしたら、その匂いだけで騎士様が血相抱えて飛んできて、しこたま怒られたことがあったのよ」

楽しそうにそんなことを話す。
恐らく、その場に居合わせたのだろう。

「私はやめておいたら、って言ったのだけれどねー。幽霊はひっこんでなさいって言われたものよ」
245 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/17(日) 23:16:45.13 ID:k9RU2yjn0
>>244
「そうね ベティ そろそろ降りてくんない?」
―――ギィ!!

ぶら下がるベティを地面に下して歩き出す

「ふーん・・・また綺麗な場所ね 俺には似合いそうにないや」
純白のドーム 流れる讃美歌 煌めく水面

裏路地でグラフィティに囲まれたこの男には 随分場違いな場所に来てしまったと感じるのも無理はない話なわけで

「赤くて 辛くて 悪魔の毛髪・・・細長いのかな? ・・・それ唐辛子じゃね?」
ひき肉の唐辛子炒めとか絶対美味いに決まってますやん

「ここの宗教は肉とかOKなんだ 確かブッティスト(仏教徒)は肉を食うのはダメらしいけどね」
と 少しひらめいたように

「なんかブッティストの間じゃ生前好物だったものをお供えとかってやるらしいじゃん? それここでやったらおこられるかなぁ?」
と言ってリュックから取り出したのは レトルト食品のマーボー豆腐

「もしかしたら喜んでくれるかもよ?」
246 :『幽霊と行く聖都レンディア観光』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/17(日) 23:25:42.40 ID:UElCTQyzO
>>245

「あら、いい線いってるわ。似てるのよねー、唐辛子と」

でも断定はできない、とのこと。
あくまでも似ている何か、だそうな。

「食べ物のタブーは少ないほうね、この世界は」

「まぁ、エルフなんかの長命種はギリギリ、神様と身近に接していたこともあるはずだから……」

「そのとうの神様が特別何も言わなかったから、なのでしょうねぇ」

ゆるゆる首を振る。
神話に関しても興味がないので、知識は薄かったり。

「あら、お供え……気持ちが死後の世界に届くかどうかわからないけれど」

「そうねぇ……。ただ、そのー……。れとるとぱうち? かしら。……は、ここのお坊さんを困らせちゃうと思うわよ」

珍しく常識的な発言。
素の育ちがいいのがこういうところで現れるのであった。
247 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/17(日) 23:37:39.36 ID:k9RU2yjn0
>>246
「・・・なんかお前が常識発言してると違和感がマッハなんだが」
嗚呼素晴らしき日頃の行い

だがお坊さんが困るとのことですが

「大丈夫だ (設置している方を見られなければ)問題ない
 それに花を手向けるのとなにが違うのかね? いいじゃんおいしいんだし」

問題ありすぎな発言をしてさっそく行動開始

こっそりお墓に近づき お坊さんたちに見られないタイミングを見計らい レトルトパウチなマーボーをお墓に備えて即離脱
なお 近未来の技術で月単位の保存が可能らしい

「こちらのお客様からです・・・ってか? さぁて離脱離脱」
スタコラと逃げ出しましょう
248 :『幽霊と行く聖都レンディア観光』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/17(日) 23:46:00.60 ID:UElCTQyzO
>>247

「あらあら……もう少し認識を変えてほしいところね」

肩を竦める。
自由すぎるのも考え物という事か。反省はしないのがこいつらしいが。

「これでむこうしばらくは一悶着ありそうねぇ」

「なかなか愉快そうになりそうだし、顛末を見ておかなきゃ」

クスクスと忍び笑い。
後で発見したお坊さんたちの驚く顔が目に浮かぶようである。
こんなことでもすったもんだになりそうだが。そこは文明レベルの圧倒的な違い故だ。

「それじゃあ、あなた好みのごちゃついたところに行こうかしら?」

「アレスディアヌス市場は大きくてごちゃごちゃしてて、楽しいところよー」

……とまぁ、こんな調子でしばらく観光は続いたようである。
何でこいつが終始ツアーガイドごっこをしたがったのか、その真意は迷宮入りであった。
249 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/17(日) 23:48:34.49 ID:k9RU2yjn0
>>248
さて パウチされたマーボーははたして あの世の聖女様に届いただろうか?
まぁどうでもいい話だ

「おっけー そこで飯にでもすんべ」
―――ギィ!!

こうしてツアーは続いていく・・・・・


//〆かな? お疲れー
250 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/18(月) 21:55:56.28 ID:7sKFNDYvo
【近代文明の世界】

「「「「ワアアアアアアッ!!」」」」

 街中で歓声があがっている。その熱気たるや冬の寒さすら忘れてしまいそうなほどだ。
 紙吹雪や、新聞があちこちで舞い、男と女が抱き合っている。
 そこには膝を崩して泣いている老婆も居れば、状況がわからないまま楽しそうな童も居る。

【宙を舞う新聞紙の一面を見ればそれも納得がいくだろう。ソコには――】

「戦争終結…まあ、そりゃ目出度いのだろうがな。
 ゆえに私はこの世界において住所不定、無職の仲間入りというわけだ」

 酒場の一室を貸し切って(カネモチムーヴ)暖かい紅茶を飲みながら、
 外の喧騒を冷淡ではないが、無表情に眺めているイムカ・グリムナー。
 なお、新聞の一面にも何故かバッチリ顔が載っていたりする。

「私の聖務もこれにて完了というわけだ。まあ、及第点といったところかな」

 その言葉を向けているのは誰であろうか。それともテーブルに大量に置かれたドッグタグの山に対してであろうか。

【ここはギデオンズ・ネットワーク経営の酒場。
 越境者と呼ばれる世界移動者の互助組織のひとつ。
 この拠点を発見できるかどうかで、その世界での立ち回りはだいぶ変わるという】
251 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/18(月) 22:03:02.87 ID:Sowh10SJo
>>250

「平和とは始まり」
「今は悲劇の終わりと彼等の新たな門出を祝えば良かろう」

椅子に座る事無くテーブル越しに窓を眺める1つの悪魔が居る
薄い窓1枚しか隔てて居ないのに、とても遠くを見る様に目を細めていて

「それで、汝れはまた戦場を探すのかァ…?」

ドタバタと追いかけっこをした後も何となくイムカの戦争を眺めていた悪魔
戦争そのものでついた傷こそ無いが……まぁ色々有って若干怪我はしている。自業自得だったが
252 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/18(月) 22:13:56.09 ID:7sKFNDYvo
>>251

「少し意外だな。動乱の終結に対してそういう言葉が出るタイプとは思わなかったが」

 上等な茶葉を使った一等品の紅茶(間断なきカネモチムーヴ)に口をつけながら、
 神出鬼没の生きた見本のような男を睨むイムカ。

【なお、この男に対しては引き金が羽のように軽いであろうと付け加えておく】

「敗北寸前の状態からどうにか絞り出せた和平だそうだからな。
 少なくとも女子供が無残に殺されるのは回避されたわけだ。
 君の目的を奪ってしまったクチになるが文句はあるまい?」

 新聞に記されているイムカの無表情な顔。
 傭兵隊長として絶望的な都市防衛戦を完遂したとちょっとした有名人になってしまった。
 1週間持たない試算を覆して一ヶ月の防衛に成功。
 その間に相手国の主戦派の発言力が衰微。和平交渉にこぎつける談となったわけだ。

【なお、捨て駒かつ無能な正規軍上官殿を射殺した暴挙は働きにより不問に伏されたそうな】
253 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/18(月) 22:16:19.43 ID:lyxPUbVhO
>>250

「うっかり私もここにしれっと混ざったりしちゃったりしてー」

当然のようにいる女がいる。
童顔の東洋人で、元警官とい経歴はいかにも嘘くさいが自称正義の味方である。
能力で無理にこの国に混ざらなくてもよろしい、という意味で今回は警官の恰好はしていない。

「……となると、俺もいるってわけだ。やれやれ、身体をもつのはいいことばかりじゃないらしい。おかしなもんだ」

なお、トレンチコート姿の元探偵もいる。事情的に仕方ないが。
254 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/18(月) 22:22:49.37 ID:7sKFNDYvo
>>253

「そちらも大変だったそうだな。こちらは何とかなったよ」

 汽車への避難民の誘導の件で分かれてから久しぶりの合流と相成った。
 戦争とは戦場のみの事象であろうはずがなく、互いが互いの役割を果たした格好であろう。

「…生きて帰ってきたぞ?満足か」

 悲壮な決意を胸に西へ向かった民兵と共にイクサに加わったイムカである。
 当人が出立前に言った言葉通りに帰還できたわけではあるが――

【テーブル上の焼け焦げたり、血がこびりついていたりするドッグタグの山】
【これは戦場が決して英雄叙事詩のように煌びやかなモノではなく、ひたすらに過酷なジゴクであった事を示している】

 新聞でも伝わっている。参戦兵数1,500名ウチ帰還兵:16名。
255 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/18(月) 22:29:47.33 ID:lyxPUbVhO
>>254

「私たちもばっちり怪談になっときました!」

終戦の一報の影に隠れて、避難民の輸送を行った警官はどこにもいないことが地味に明らかになる。
しかし、この国の全ての警官がどこで何をしていたかわかる書類は焼けたり欠落したりしてしまっている。
戦争のせいで、余計に怪談っぽくなっているのだ。後々の創作物のネタにされまくることだろう。

「ああ、こうして帰ってきたならあんたの巡った地獄も価値あるものだろうさ」

「帰りながら噂聞いてたんですけど、イムカさんの影に隠れてますけどとんでもない英雄発生してません? 残った16名のー……特に一番小柄な人。古いライフルの」

生き残ったというだけで相当な兵だが……。
ときとして、絶望的な戦場にはどういう経緯だか、とんでもない英雄が生まれてしまったりもする。今回もそのケースなのだろう。
256 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/18(月) 22:30:25.48 ID:Sowh10SJo
>>252

「ハッピーエンドと言うものは嫌いでは無い」
「が…救いが無い故に、我は悲しみを終わらせる事に力を注いでいるだけだ」

力無き者の悲劇に幕を降ろすのが彼である…今回は、『死』以外のものが残った
文句の1つも出る訳が無い
そう言って足の位置を微かに変える決してイムカが怖いとかでなくその引き金が軽い事を知っているからだ

決して怖いとかではない。


「不幸な『流れ弾』も有ったが、彼奴も平和の礎となったのだ。誰も文句は言うまい」
「一時的に汝れの敵となってしまった者は知らんがなァ」

戦場だもの、彼の言う不幸な流れ弾は多い筈だ
そしてそれに一々目くじらを立てても仕方ない。 生きて居てはならんものも居ると言う事だ

「……汝れももう少し愛想笑いと言うものが出来れば良かったのになァ」

テーブルに手を置いて身を乗り出す様にして新聞を覗き込んで一言
勿体ない奴だ、とくつくつ笑い声を漏らす
257 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/18(月) 22:50:04.76 ID:7sKFNDYvo
>>255

「怪談になってどうする」

 ビシっと無表情のまま突っ込みを入れるイムカ。
 もっとも、越境者と呼ばれる人種そのものが一種の怪談めいているので、
 今更といえば今更ではあったが。

「ん?ああ、戦争は英雄を生むからな。良かれ悪しかれ。
 特に劣勢の極みにあっては、尚更というものだ」

 戦争が人間を成長させる…というのはイムカ自身あまり好むところではない。
 銃後の権力者が、安全な位置から愛国心を強制し、戦争を叫ぶ時に、
 恥知らずにも語る論法に通じるところがあるためだ。

「いい腕だった。いっそスカウトしたいところだよ」

 しかして、イムカ自身の目的は既に果たされているのだ。
 下手にこの世界のパワーゲームに深入りする前に、早々に発つべきであろうなとも思っていた。

「ところで…結局、君達はどうやって物資の調達をしていたんだ?そろそろタネ明かししてくれてもいいのでは」

 ここで別れ際にちょっと疑問に思っていたことを改めて問うてみる。

>>256

「本当に胡乱な存在だ。君みたいなのはさっさと用済みになればそれに越したことはないのだがな」

 貶しているのか、それとも願っているのか、相反する意が同居するような言葉を投げるイムカ。
 無表情で抑揚の無い声音から人形のようだとも形容されるイムカであるが、
 実際は人間性をまだどうにか維持てきている。

「生命は平等ではないからな。早々に退場願わねばならん場合も多々だ。
 知っているか?真に幸福な時代とは無能が罪に問われん時代だそうだ」

 終焉の遠未来における政治将校らしく、生命の取捨選択は非常にクレーバーである。
 切り捨てられた生命は文句の数百はあるだろうが、それはジゴクに落ちたときに幾らでも聞いてやるつもりである。・

【と、ここで愛想笑いについて問われて――】

「…鉄面皮で悪かったな。そういうのは苦手だ」

 ここで少しだけ未熟さを垣間見せるイムカ。
 戦争と義務と忠誠と名誉で彩られた人生である。
 2世紀近く生きているわりに、どうにも色々と成長機会を逃してしまったモノが多々ある。

【大抵は人間性の磨耗と共にただ戦うだけの存在と成り果てるのであろうが】
【彼女はそうなるには、色々と割り切れなかったために、この有様だった。本来これは致命的な資質である】
258 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/18(月) 22:56:55.87 ID:lyxPUbVhO
「悪魔のお兄さんもなんだかんだこの世界彷徨ったんですねぇ……」

「というか、悪魔って本当にいるんですねぇ。幽霊の私が言うのも変ですけど」

今更なことを言う(元)婦警
彼女の故郷では神秘は薄かった。悪魔なんて本の中の存在だったのである。

「妙な話、似た者同士ってところではあるだろうがね。もつれた縄をさっぱりと切ってやるのは残酷なようだが合理的だ。外科手術と投薬治療のどっちがいいかみたいなもんだろう」

ちなみに、トレンチコートの男の故郷にも悪魔はいなかった。
もっとも、彼の故郷はなんだかサスペンスドラマみたいな風で、あれはあれで実は妙なところだったかもしれないが。

>>257

「いえいえ、それが私のありようですから。あの時一緒にいたアイツは誰だ!? ってな感じです」

「いないはずの三人目。とかなんとか、そういうもんなんですよ」

悪びれる様子もない。
名もない正義の味方である故に、どんな快挙をしようとしても人々の記憶から消え去っていく。
完全には消えず、怪談になってしまうのは故意なのかそうでないのかはわからない。

「ああ、あの町の署長さんが警察署にへそくりしてましてね?」

「あの世まではもってけないから、何でもかんでも持って行けってひそかーな命令を受けてたのでした」

答えは配給品をへそくりする悪徳警察の助けでした。
259 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/18(月) 23:03:32.47 ID:Sowh10SJo
>>257

「……然り。そうなれば、良いのだがなぁ」

答えに間が空いた時、思わず驚いた様な顔をした
イムカの言った用済みになる事。それこそがラースの望む事だからだ
いつか、誰かが、自分に復讐を果たす事で先に進めるなら―――

「さりとて、真に有能な者だけが台頭する時代も我は知らんがなァ」
「どこかしら腐っており、そこから崩れるものだろう…時代も、国もな」

遠い過去から生きて、人の営みを眺めてきた
幾ら斬り取っても切り取っても蛆の様な人も、組織も有るもので・・・


表情についての反応を視ると、小さく頷く様に息を溢し

「さりとて感情が無い訳では有るまい」
「我が『おっぱ――――――前に汝れをからかった時は面白い位反応していたしな」

そう言ってチラリと窓を視る
…脱出経路の確認であるが其処は口にはしない

「そも、我自身が汝れの事を良く知らぬ訳だが」
「ふむ…好きだ。と言い切れるものは何か有るのか?」
260 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/18(月) 23:09:25.40 ID:Sowh10SJo
>>258
「魔とは人の心に潜むもの」
「それが表立つかどうかは時代によるものなのだろうかな」

自身の生まれる過程はぶっちゃけ良く分からない
しかし、生まれてきた理由は分かる…なら、それで十分だと思おう

「斬り取るだけではならんのだろう」
「全能では無い故に心に空いた穴を塞ぐ術を我は持たぬ。全知では無い故に心が悲鳴を上げるまで気付いてやれぬ」
「故に―――神を我は望んで居る」

人々よ救われ給え
悪魔が唯一神に願う事である。聞こえているかも分からないがずっと、ずっと―――


「……そう言えば我も幽霊らしい幽霊を視るのはこちらの世界に来てからが初めてかァ」

そして今更思い出したように言ってみた
261 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/18(月) 23:16:23.89 ID:lyxPUbVhO
>>260

「それ、そこです!」

びし、と指さす。
どうせ幽霊なんだ。自分一人の魂ではないが、この中の誰もが思っている。
今更悪魔なんかこわいものでもなんでもない。

「いっそアフターフォローまでしてみません?」

「早い話が、あなたも正義の味方、やってみませんか? いるかいないか、いたところで働くかどうかもわからない神様に投げるのは怠慢です」

「弱者の盾に。まずは目の届く範囲から。人が集まればまたみんなで庇いあえばいいんです。恐怖や絶望でなく、希望を伝導する悪魔になりません?」

「と、幽霊らしい幽霊が言ってみるのです!」

えへん、胸を張る。
傍らの壮年の男は静かに肩を竦めるのみだ。
262 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/18(月) 23:17:26.31 ID:7sKFNDYvo
>>259

「イヤーッ!!」

 脳天直撃コースで無慈悲にクナイと投擲しながら、

【一回の動作で二本を投擲!一本目の影にもう一本目を隠して放つ殺し技!】
【賽印流忍術…陰走り】

「能力のある者だけが生き残ればいい。とは思うのだがな。
 最近はそれでは世界をあまりに狭量に見ていたのでは?とも考えるようになった」

 イムカとてエリートであり、選民思想もあり、その傾向はある。
 が、後天的な教育の結果である比重が大きいのと、本人の気質とは合致していないのが悲劇でもあった。
 無慈悲な世界で生きるには、無用なこだわりが多すぎたのだ。

「好きだ?…パッと思い浮かぶのは無いな。無趣味で面白みもない女だ」

 なお、イムカの部屋には忍法帳シリーズなどのニンジャモノが大量あったりする。
 まさに欺瞞!!
263 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/18(月) 23:18:49.96 ID:7sKFNDYvo
>>258

「それは罪に問われれば縛り首モノではないか?」

 悪徳署長さんの赤裸々な犯罪暴露にイムカは何とも呆れた風である。
 実際、戦時中の犯罪ではありがちであるかもしれないが。

「カラクリは解ったが、そんな人間とどうやってコネクションをつくった。
 婦警の擬態能力はある種のコネクションまで構築できる類でもなかろうに」

 そんな悪徳警官に委ねられる≠ニいうのは異能とはまた別の話では?と思えたのだ。
 もちろん、イムカが知らないだけでチャーム(魅了)めいた何かが――

「……ないな」

 ユヅキを上から下まで観察して呟くイムカであった。スゴクシツレイ!
264 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/18(月) 23:25:27.36 ID:lyxPUbVhO
>>263

「ふふふ、もう証拠はどこにもありません」

何故か得意げである。

「そりゃあ、署長さんは何だかんだ善性の人だったからですよ」

「一本しか出ない東行きの列車――。乗れない人たちを、少し頑張れば助けることができる」

「そこに迷いなんてない、素敵な人でしたよ」

チャームでもなんでもない。
……ないのだ。彼女の身体は凹凸に欠けていた。東洋人だからってあんまりなスタイルだがしかたない。
265 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/18(月) 23:33:37.14 ID:Sowh10SJo
>>261
「………」

瞬間、空気が変わった
何故。何故それをこの悪魔に言ったのか
悪魔から漏れるのは肌を焼くような熱気と氷柱を抱くような冷たい殺気
それがほんの一瞬だけ有った

「…問おう。人の身を捨てた人よ」

剣には一切触れて居ない
確かに感じた筈の熱気も、冷たさも一切無い
ただ淡々と言葉が出てくる

「汝れの言う『救い』とは」
「悲劇を無かった事にする劇薬とは、何か?」

ロイは言っていた。自分にそっくりな幽霊が居ると
しかし―――しかし。前会ったあの子も、目の前の女性も全然違う

「起こった悲劇を!」
「『今』有る悲しみを!!奪われた『幸福』を!!何故否定する事が出来ようかあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

今、悲しんでいる人が居るのだ
見えない希望を求めるだけの力すら無い人が居るのだ
膝は折れ、立ち上がる理由すら失った人が居るのだ

「我はラース/怒り」
「決して…決して『彼等』が必要とした『誰か』ではないのだ」

自分では、『彼等』の必要とした『誰か』にはなれなかった
しかし、悲しいままの人を放って置く事すらできなかった
故に―――故に―――故に―――

「悲しいまま、永劫の様な苦痛が有るならば!」
「我がその悲劇を断ち切ろう!!」

悪魔の名は復讐者。起こった悲劇を否定せず
せめて最期に心を軽くする…それだけの、無力の存在


焼けつくような言葉の後、悪魔は大きく息を吐いて

「……すまない。取り乱した」

そう言って、小さく頭を下げた
266 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/18(月) 23:39:33.49 ID:Sowh10SJo
>>262

――――見切った!

そう思って最小限の動きで投げられたクナイを避け
すぐに元の位置へ頭を戻す事ですり抜けた様に見えるだろう
――――尚第二射の事は想定して居なかった

「……ふむ。まだまだ甘いな『小娘』ェ」

頭にガッツリ刺さったクナイが痛々しい
が、それでも強がるのは男の子の意地か、何なのか
ともあれ丁度頭に血が上っていたところである。丁度良いタイミングだった

「いや、汝れ絶対変な趣味が有るだろう」
「でなければこんな物持って居る訳が無いしなァ」

頭にクナイをぶっ刺したまま腕を組んで首を傾げる
いい具合に(物理的にも)頭から血が抜けていく感覚が若干癖になりそうだ

「我は楽しいがな、汝れと話すのは」
「……からかい甲斐が有る」
267 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/18(月) 23:42:53.63 ID:lyxPUbVhO
>>265

「あわわわ……『ぎゃあ地雷だこれ』『誰だ会話案にぶっこんだやつ』『言ってる場合か』」

ラースの気迫に、思わず彼女の内面の幽霊達がぎゃあぎゃあ騒ぎ出す。
そう、内面の存在は見えているし聞こえているし、喋れもするのだ。……基本、うるさいだけだが。

「そりゃあ無かったことにはならないでしょう、けど」

「うー……難しいです。何でそんなに怒るんでしょう? 目の前の存在を抱きしめてあげようって話がそんなに気に入りません?」

「言っていることはよくわかんないんですが、その末期に心を軽くするのと、人助けをするの、矛盾しませんよねぇ」

「ガンの末期に安楽死を選択肢にいれるのは優しさかもしれませんが、初期や中期なら手術でどうにかなると思うんですけど、それじゃだめなんですか?」

ラースの剣幕にも、物怖じはしない。
ただ不思議そうに尋ねるのみだ。内面の幽霊はやめろやめろと騒いでいる。

「……まぁ、人にも悪魔にも触れちゃいけないもんってのがあるってだけの話だろう。相互理解は難しいさ」

壮年の男の方はそこまでの余裕はない。
表情や態度にこそ影響はないが――それでも、驚くものは驚く。懐のホルスターに手をかけそうには、なったのだから。
268 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/18(月) 23:51:02.24 ID:7sKFNDYvo
>>266

「小娘扱いされるいわれなど無い」

 ジト目でラースに応ずるイムカ。いつか脳天に風穴あけちゃる。である。
 あと、ニンジャフリークは変な趣味ではございません。

「これ(クナイ)は趣味ってわけではないぞ。
 ニンジャの師匠(マスター)が居てな。色々とカラテを教わったのだ」

 注)イムカのこの発言は事実から色々と捻じ曲がっています。

「からかいがい…」

 むーん、とホルスターに手が伸びるイムカである。無慈悲である。

>>264

「全く…」

 呆れながらも、イムカもこれについてとやかく言うつもりはなかった。
 正義と法の人というワケでもない。それなりに柔軟な考えを持ってはいるのだ。

【婦警の婦警らしい論法はイムカの好むところではあった。が】

「善性か。なるほど、託すに足る能天気者の見分けもついたわけだ」

 チャームではなかったか。なるほど。と密かに思うところであったそうな。

//では遅いですしコノヘンデーノシ
269 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/19(火) 00:06:24.45 ID:sTdpE6/mo
>>267
「――-終わりにしようとした話をまだ蒸し返すか?」

頭を下げたのはそう言う意味合いも有ったのだろう
会って間も無いのに人の心へ土足で踏み入ろうとする幽霊に問いかけながら
今度こそ剣の鞘…鍔の傍に肘を置いた

「それで、殺された彼等が還って来るならば。認めよう」
「それで、今まで自分が培ってきた全てが元通りになるなら我は必要あるまい」

「……『救い』を示せ」
「悲劇を無かった事にできる。悲劇すら覆す明確な『救い』が無ければ」

「結局、誰かは悲しいままではないか」

彼は『救い』を求める
抱きしめた所でどうしようもない悲劇ばかり見てきたから
彼が察知できるのはどうしようもない悲劇だけだから

そもそもどうして―――

「我は悲劇無き世界を望み、我の居らぬ世界を望む」
「天下万民が幸福であるならば…それで良いのだ」

―――貴女は彼が、目の前で起ころうとする理不尽に抗おうとしないと思ったのだろうか
270 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/01/19(火) 21:39:01.76 ID:J8BFGEL0o
2033年アメリカ、ボストン近郊のジョシュアのセーフハウス――

アグラーヤとの決着から数日後のお話。
ジョシュアはようやくセーフハウスへと戻り、数日ぶりに心から脱力していた。
彼女との戦いを終え、HEXA本部へ戻り、ニュクスを何日も本部へ戻さなかった始末書を書かされ、ようやく解放されたのだ。

つまり、このセーフハウスに立ち寄るのもアグラーヤとの戦いを終えてから初めてとなる。
ボロボロの身体を引きずり、シャワーを浴びて、コーヒーを一杯入れて一口、
ふらふらの足取りでソファに腰掛けた、それから先の記憶がない。
気が付けば午前2時、ジョシュアが帰って来てからゆうに12時間以上が経過していた。

「――……っ…」
「…おっ…と……寝ちまったか」

寝惚け眼を擦り、むくりと起き上がる。酷い髪形だ。と苦笑しながら
服もしわくちゃのシャツのまま、硝子で周囲を遮断された暖炉には火を入れっぱなしだ。
ちろちろと燃えるエタノール暖炉は、もう燃料が切れかかっていた――
271 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/19(火) 21:48:23.15 ID:v2urUkG0o
【さてさて?】

 ジョシュア・アーリントンはソファに腰かけてから12時間以上の間、
 記憶が全く無いということである。

「スー…スー…」

 しわくちゃのシャツのままのジョシュア。
 そして、何かすっごくキューティクルな金糸の髪が枕元より伸びている。

【隣でイムカが寝ていた。ぶかぶかシャツに下着というすっごいアレな格好で】

 大切な事なのでもう一度。ジョシュアのニューロンには何も残っていない。

「000111010101」

 ジョシュアの目覚めと共にスリープモードから起動したサーボスカルが、
 早速ホロディスプレイを投影してニュース記事を流す。

≪てめえの記憶が何か信じられなくなったらリコール社にお任せ。
  ニューロンからアナタの記憶を呼び起こします。死傷率はオドロキの10%以下で安心≫
272 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/01/19(火) 21:56:05.27 ID:XuEETBPg0
>>270-271
「……んー、疲れたぁ」
「あ、起き……っとぉ……」

セーフハウスのリビングの客室側の扉が静かに開く
モンペ風の菖蒲色の装束に身を包んだ七八が、何やら行っていた作業を終えてやって来たのである
スプロールに囚われている兄の身柄に関する情報の総括であり、彼女の持つデバイスは充分な量のそれを整理する事が出来たのであった
さてコーヒーでも一杯、との事であったがソファに腰掛けている2人と浮翌遊骸骨の姿を見れば即座に静音化、気配を[ピーーー]
その歩みや呼吸は狩をする猫のそれよりも尚凪いでいる、忍びの成せる技だ

「……」

懐から携帯端末を取り出し静音カメラを起動
このスクープ映像を記録として残しておくかと、2人と骸骨へレンズを向けた
273 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/01/19(火) 22:07:23.63 ID:J8BFGEL0o
>>271 >>272

起き上がり、ふと膝に手を遣った際にさらりと、自分の身体に何かが掛かっていることに気が付いた。
手触りのいいソレを持ち上げてみる。まるで絹のような艶を持つ糸…髪?
右手でその端を持って、左手で下から支えてさらさらと掌を這わせる、そして行き着いたのは無防備な寝顔。

「…………」

”リコール社にお任せ”とか”ウィーアーアトラス”とか”ソウルに電話しよう!”とか
サーボスカルから様々な宣伝が流れる中。ジョシュアの思考は目の前のイムカにのみ注がれていた。
そして何が起きたのかしばらく考えた後、どうやら理解することを諦めたようだ。

サーボスカルへ視線を遣ると、人差し指を立ててミュートモード。
シャワーを浴びる前から来ていたHEXAのシャツから部屋着のシャツに着替えようと――

「……俺のシャツじゃねぇか…」

深い、深い溜息をひとつ。足元に落ちていたブランケットをイムカに掛けると、しわくちゃのシャツを脱いでランドリーへと投げ捨てる。
イムカを起こさぬよう立ち上がり、ウォークインクローゼットへ歩いてゆくと、十数秒でタンクトップを持って出てきた。
セーフハウスの中は暖かい。真夏の浜辺でしか通用しないような寒々しい格好であっても、最新の温度センサーのお蔭でカイテキに暮らせるのだ。

「……七八、俺のガバメントを取って来てくれ」

と、カメラを手に取った七八に背を向けたまま落ち着いた口調で声を掛けるジョシュア。
たとえ寝起きであろうとも12時間のリフレッシュ後、感覚は研ぎ澄まされている。
どうしてセーフハウスの中に二人も客人が居るのかは知らないが、とりあえずまずはやらねばならぬ事がある。

「どうやらここは現実世界じゃないらしい、一度頭をブチ抜いて…」

ただちに拳銃で己が頭蓋をブチ抜き、オールユーニードイズなんとか。
274 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/19(火) 22:30:44.37 ID:v2urUkG0o
>>272-273

 実際のところイムカは滅多に寝ないのだが眠っている時の特徴としては、
 普段が嘘のように表情柔らかで、見事に無防備そうに視えるということである。
 なお、枕元には銃があるので、本当に無防備かは疑念が残る。

≪0001111010101≫

 ニュースを消音状態にされたサーボスカルはふわーりと浮遊すると、
 その場でグルングルンと回って、偶然にもカメラを向けた七八と目(眼窩?)が合う。STOP。

≪000111010101≫

 じーっと、七八を見つめるサーボスカル。
 ホロディスプレイが起動し、中空でこう表示されている。

【無許可撮影は報告重点…ロボット三原則を無視した高圧的意思表明!!】

「ス…んっ?」

 ここでイムカの寝息が突如止んで、半眼のままゆっくりと身を起こす。
 着崩したシャツから見える白磁の肌と身体のラインが妙に扇情的であった。
 実際、スタイルの均整もまたエリートであるため当然である。

「……シャワー借りる。と、朝から脳漿を撒き散らすのを試みるのはよくない」

 ぼーっとしたまま、勝手知ったるなんとやらか。
 シャワールームによたよたとした足取りで向かってしまった。

【数秒後、水の流れる音が聞こえ始める】

≪00001111010101≫

 そしてサーボスカルはまたもリコール社の電話番号を拡大表示で示す。テンドン!

【てめえの記憶をほじくりかえして真実をげっつ!リコール社】
【→そのう…もし、万一、男女的なアレであった場合、モッタイナイ精神的にアレがナニで(ry】
275 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/01/19(火) 22:37:18.87 ID:XuEETBPg0
>>274
「……許可は、あなたに問えばいいのかな?」
「えーと……じゃあ、これでひとつ……」

と、差し出すのはデータ整理時に余った余剰の小型ディスクメモリである
スプロール製のそれは割とハチャメチャな容量を持ち、数枚用意したのが結局使用したのは1枚だけで済んでしまったのだ
袖の下から取り出したメモリを骸骨へ手渡し(?)にせんとしている賄賂現場

>>273
「、服着てよちゃんと……」

存在を看破されれば一瞬ビクリと肩を弾ませた
そしてタンクトップ姿のジョシュアを前に思わず目を逸らす
カメラのシャッターを切るより前に何やら物騒なご注文

「これ?」
「って、あのさぁ……」

夢じゃないから、と苦笑
手に取った拳銃を渡す直前で思い留まり、それは正解であろう

276 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/01/19(火) 22:43:51.73 ID:J8BFGEL0o
>>274

ジョシュアは半裸のまま棒立ち、起き上がってシャワーへと向かうイムカをただ見送る。
鋭い狙撃主の眼光が首筋やら何やらを無意識化で追っていたのは言うまでもない。
そしてシャワーへの扉がぱたんと閉まると、サーボスカルが視界を覆うように割り込んできた。

「…自分がナニをしでかしたかこの眼で見ろ…と」
「……いいぜ、見てやるよ…かかって来やがれ…過去の俺…ッ…!」

せっかくの再会がなんたるザマだ。とサーボスカルが投影したホロディスプレイを操作。
面倒臭いので自分の端末ではなくサーボスカルを勝手に使ってリコールに連絡。

「あー…アーリントンだ。…記憶復元処理を頼む…ああ、12時間分」
「……1200ドル?…………分かった」

1時間100ドルの大出費。しかしまぁこれくらいなら安いものだとタカを括るジョシュア。
この後アグラーヤにバカ高いドレスを購入させられる羽目になるとは夢にも思っていないのである。
というよりもまぁ、自分のこれからがこの1200ドルを支払うか否かで大きく変わってくるのだ。
まさしく生か死かを分けるのはこの12時間の記憶である。
277 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/01/19(火) 22:52:01.15 ID:J8BFGEL0o
>>275
「……あぁ、悪い…どうも色々…混乱してたみたいで…」

タンクトップを手に取ったまま狼狽え、七八に謝るジョシュア。
まずこの男、上半身は裸で服すら着ていない。指摘され黒いタンクトップをようやく着る。
筋肉質な、しかしg膨れ上がってはいない引き締まった兵士の身体、胸に深く残る銃創三つが布地に隠された。

「…というか…一体何でここにいる!?」
「お前は…見たのか?俺がナニをしちまったのかを…!」

正面玄関のドアに装備してある、GENSEC社製の電子キーはごく完璧に作動していた。
ならばジョシュアが招き入れたのか、それとも勝手に入ってきたのか、真相は定かではない。

ジョシュアとしてはソファに座って珈琲を一口、そのままうとうととして眠ってしまったものだと認識していたのだが。
しかしこの状況を鑑みるにどうやら想像を超えるとんでもない状況を引き起こしてしまったらしい。
真相次第では本当に頭を失うことになる、と。
278 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/19(火) 22:54:25.33 ID:v2urUkG0o
>>275

 忍び働きというのはこういった賄賂などでの調略も含まれている。
 実際に情報収集を円滑に行う一環だ。これは忍者の技である。なおニンジャではない。
 連中の場合は、往々にして力づくでのインタビューとなるからだ。

≪00011101010101≫

 忠実なるサーボスカルは当然ながら、このようなありきたりは賄賂工作に従うものではなく、
 ただなんとなく、マニュピレイターを伸ばしてそれを受け取ると、
 ふいにジョシュアの方に向かった。リコール社の宣伝が大事だからだ。決して故意に目を離したのではない。

【そうしている間に寝ぼけ眼のイムカはシャワーに向かってしまった】
【本気で意識が覚醒していないのか、口調から常の高圧というか上官的アレが抜けている様子】

 レアである。なお、スプロールでこの画像売ったらそれなりにいい寝で売れたり情報屋との折衝に役立つ。
 何しろ、イムカはデッカー24時という娯楽番組で有名でもあるからだ!

【なお、賽印流が極めて歪んで広まったのも上記のスカム番組が原因】
279 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/19(火) 23:02:25.66 ID:v2urUkG0o
>>276

≪0001111010101≫

 予約が完了したところでサーボスカルはディスプレイを消す。
 なお、リコール社はジョシュアの予約20分前に火星めいたどっかで大トラブルをやらかすので、
 この記憶復元が果たされる見込みは薄いと付け加えておく。

【ジョシュアの真相追究の皮を被った現実逃避行為もひと段落したところで、
 サーボスカルはコック帽を被って勝手にキッチンの方に向かってしまう】
【トースターにパンを3人分差し入れて、タマゴを取り出してサニーサイドアップを調理中】

「………」

 スッキリした顔でイムカが出てきた。
 髪もしっかり乾いているし、どこに持っていたのか服も縦縞セーターの私服に着替えている。
 なお、豊満なバストと縦縞セーターの相性は言うまでも無い。

「おはよう、ジョシュア。朝から妙なテンションだな。それに何で七八まで?」

 化粧っ気が無くとも、全く問題ないズルイ容姿である。
 首をかしげながら、当然かつこの場においては的外れなアイサツ。

【いつもながら、この政治将校はどっかピントがずれています】
280 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/01/19(火) 23:04:33.26 ID:XuEETBPg0
>>277
「えぇっ?」

酷くない? と唇を尖らせ拳を腰の左右に当てた

「あなたがパスコードとこれ貸してくれたんじゃない」

数日前この世界に流れ着いた時、サブキーと来客用パスをジョシュアより受け取り客間にお邪魔していたのだと言う
時間軸的に見ればつまり、アグラーヤとの決戦の数日前の事となるだろう
七八からすれば其の間しばし引き籠り、兄に関するデータを整理していた所にジョシュアとイムカが連れ立って(?)いたという格好になる

「……生憎だけど、そういう趣味はないんだ私」

片頬を吊り上げて笑って見せた
つまり七八は2人の逢瀬に何があったのかに対して未知である

>>278
「サンキュ、いい子だね」
「シャッター☆チャンス」

最新型の携帯端末のカメラアプリの調子は上々だ
この暖炉に照らされる薄暗がりのリビングルームの被写体をまるで風景から切り取ったように保存する事が出来る

「……フォトグラファーにでもなろうかな?」

少なくとも冗談めいて、七八にそう言わせる程の写真の撮影に成功した様子
281 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/01/19(火) 23:16:04.05 ID:J8BFGEL0o
>>279
「……」

スッキリした表情のイムカとは極めて対照的な表情を浮かべるジョシュア。
下唇を軽く噛み、眉を顰めて冷や汗を浮かべイムカの顔を見つめていた。
分からない。まったくもって訳が分からないこの状況を彼女はどう捉えているのだろう。
そもそも何故添い寝などという行動を行ったのか、ジョシュアはその真相を知る必要があった。
ゆえに

「……コミッサー……」
「…………一体どうして俺と寝てたんです…?」

冷や汗を浮かべながら真面目なトーンでイムカに問い詰めるジョシュア。
このストレートな質問が、捉え方によってはもっとマズい方向へと物事を持っていくことになるということを彼は知らない。
メタ的な意味で言えば英語と日本語の言語差ゆえであr
282 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/01/19(火) 23:22:37.78 ID:J8BFGEL0o
>>280
「……あー…」

七八に言われてみればそういえばそんなことをしたような…?とジョシュアは記憶を探ってみる。
幸い記憶はリコール社の世話にならずとも引き出すことができた。


『これが俺のIDだ。他の皆にも渡してある』
『……いや…俺にはもう必要なくなるかもしれねェからな…』


「…そんな事もあったな…」
「だが俺が生きて帰ってきてしまった事により…だ」

人差し指を立て、七八に詰め寄る。

「そいつはヒジョーにまずい事になるワケだ…」

悪いが没収だ、とジョシュアは七八の手からキーカードをぱっと掠め取ってしまった。
恐らくアキレスやミスカなど、顔見知りの越境者にも渡ってしまっているのだろう。
しばらくセーフハウスは”セーフ”な場所ではなくなりそうだとジョシュアは肩を落とした。
283 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/19(火) 23:29:18.93 ID:v2urUkG0o
>>280

「一体、何をしているんだ君は?」

 七八の様子をいぶかしげにじーっと見ているイムカ。
 天然な面はあるが、基本的には鋭い方なのでご用心である。

【軍服でも旅人服でもなくスーツ姿でもない、白の縦縞セーター着用にイムカである】
【豪奢かつキューティクルな金糸の髪とのコーディネイトはかなりよろしいと付け加えておく】

「スカルがおべんとパンを作っているようだが、食べていくか?」

 まるで自宅のような気安さであるが、ここはジョシュアのおうちである。
 勝手に自分のテリトリーめいて行動している唯我独尊であった。

【おべんとパン=パンに目玉焼きを乗せた天空の城なアニメに出てくる奴である】
【なお、イムカのいつもながらのピンボケ具合により、話題の主旨にまったく近づかない】

>>281

「…どうして君と寝ていた?それはまあ、アレだ。越境したらこの世界だった。
 そして、私は酷く冷えていた。温もりというのが必要だろう?」

 実は最近、極寒の世界で大層なイクサを終えたイムカなのだ。
 多少の時系列のズレは境界線ゆえということにさせていただく。

【なお、イムカもイムカで日本語の美しさゆえに捉え方によっては実にアレな台詞になっています】

「君は快く応じてくれたぞ?で、そのまま二人で寝た」

 アナヤ!日本語の美しさよ!そしてジョシュアは何一つ覚えていないのだ!
 これは端的に過ぎるイムカの言葉選びにも多分に問題がある!

≪011101010101≫

 そしてサーボスカルは黄身が崩れて白身と混じったへったくそな目玉焼きを乗せた
 おべんとパンと極めて適当に注いだ紅茶をテーブルに並べ始めている。
 
284 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/01/19(火) 23:34:08.57 ID:XuEETBPg0
>>282
「あっ」
「ちぇー、ケチー」

抵抗の気配もなく取り上げられた事から、大凡ジョシュアの身に起こった大きな事情の顛末をぼんやりと察してはいるのだろう
彼の何処か吹っ切れた風にも見える様子からも、恐らくは祝福すべき方向へ

>>282
>>279
「私は何日か前からお邪魔してんの、客室借りてね」

おはよ、とさっぱりと目覚めた風のイムカに告げて
尚写真の件には触れずにいる、刑に処されたくはないのだから

「……あー、私もシャワー借りようかな」
「骸骨さん、ご飯置いといてねー」

この場から逃れるようにしてシャワールームへと小走りに
リフレッシュしたいのも無論だが、先程イムカを撮影した事が隠し通されている自信が、今一つなかった為でもある
じっくりと体を温めドライヤーで長髪を乾かし、戻って来るのはトーストが冷めた頃になりそうだ

//すみませんがこの辺でっ
//ありがとうでした、お疲れ様でしたっ
285 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/01/19(火) 23:54:27.82 ID:J8BFGEL0o
>>283
「…な、なるほど………」

イムカの答えを聞き、ジョシュアは押し黙る。
本来二人の扱う言語は異なるものなのだが、境界線の作用によってそれらは相互に変換され意思の疎通が可能となる。
それが所謂情報の共通化であり、ジョシュアの言うところの"共通語"である。意味は通っても、言語特有のニュアンスまではカバーしきれるものではない。
ゆえにイムカからの返答はジョシュアにとってそのようなものであると認識されてしまったようだ。

「………分かりました…」

ジョシュアはどこか悟ったような顔つきとなる。冷や汗はピタリと止まり、すっと引いていった。
しばし考え込んだ後、ジョシュアはイムカの方へ向き直る。
歩み寄り、距離を詰めるとジョシュアは少しの間を置いて、口を開いた。

「あの…正直許されるとは思っていません、ですが…」

「…こうなってしまったからには…いえ、俺に責任を取らせてくれ…」
「…………イムカ…!」

盛大な勘違いを果たし、ジョシュアの表情は覚悟を決めた男の顔付きへと変わる。
アグラーヤへの復讐の際は仕方ないとはいえ、どうもこの男早とちりの悪癖があるのかもしれない…
ジョシュアはイムカの手を取って心から誠意を込め、初めて面と向かって、イムカを見つめながら彼女の名を呼んだ。

ちなみにこの後防犯カメラ映像をチェックした際に真相が明らかとなり、ジョシュアはさらに頭を抱えることになったという。
この日はここ数年の中で最も肝を冷やした日としてジョシュアに生涯記憶されることとなる。
286 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/20(水) 00:06:40.16 ID:phigZ+2Qo
>>285

【それからどうした?】

「早とちりというか、助平そのものというか、阿呆の極みというか」

 壮絶なる勘違いをかましたジョシュアに無表情で崩拳を一発叩き込み(ヒドイ!)
 即座に監視カメラの確認を促したイムカは横になりながら腕を組んで文句の連呼である。

「偶に頼ってみればすぐにコレだ。君には再教育が必要だと改めて実感せざるをえないな。
 煩悩の塊すぎて、ニュクスにも悪影響に違いない」

 上にあるジョシュアの顔を見ながら、文句を言いながらも少し楽しそうなイムカである。
 冷徹かつ無慈悲に対応されなかったたけまだマシであろうが、説教がぶっちゃけかなり長い。

【イムカ曰く、しばらくは刑罰めいて、膝に頭を乗せさせろということでこうなった】

「…それでも、多少はマシな顔にはなったか。決着…ひと段落は着いたようだな」

 そうして、知己を二人一片に失わずに済んだ安堵を密かにもらすイムカであった。
 戦いが終わり、疲労した状態で、真っ直ぐにセーフハウスに向かったのは、
 果たして、疲れているから、だけであったかは秘密とさせていただく。

//ではコノヘンデー!ノシ
 
287 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/20(水) 22:21:11.79 ID:kXnprmqy0
現実に、そして現在に程近い世界

鼠人はその場においてこの上なく浮き、しかしこの上なく受け入れられていた
ただムガに取ってそれは不幸なのだ、人集りの中心に追いやられ握手やサインを求められていて迷惑この上ない

「……くそ、なんだここ……」

その答えとして用意出来るのは、某ネズミのキャラクターの世界観をテーマにした巨大テーマパーク、という事だ
つまりそういう事であり、鼠人というより獣人などの存在がファンタジーにしかない世界からすればムガの姿は異様であり、ただここでは大人気なのだ
物陰に隠れて溜息、どうしたものかと覆面越しに頬を掻いた
288 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/20(水) 22:29:17.98 ID:60/o3asi0
>>287
「ここは夢の国だよ ハハッ(甲高い声)」
ニュッと背後から延びる某 その先端には某リンゴ社製スマホ

「ハイチーズ」
―――ギィ!!

ピピッカシャッと自撮り帽で写真に納まる2人と一匹 いい絵が取れました

「よし 次はこれをつけてみようか」
そう言って取り出したのは 某黒い耳が着いた頭飾りである
289 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/20(水) 22:38:17.14 ID:kXnprmqy0
>>288
「うわぁっ!?」

完全に警戒のセンサーがやられていた
ほぼ無防備な状態で突然声が掛けられて何やら伸びる棒、パシャリとレンズが反射し光る
アキレス達の方を慌てて振り返る、ちょっと間の抜けた瞬間をスマホのカメラは切り取って保存していた

「……やめろ、いらない!」

ぺしーんと勢い良く耳飾りを地面にシュート
すぐ傍を流れる人工河川を滑るゴンドラ船の運転手ゴンドリエーレがベネチア式の挨拶を投げ掛けてきた

「……悪夢だここ、何処か逃げ場所ないかな……」

よりにも依って今は身を隠す外套がない
つまり完全に鼠人の姿を隠せぬまま行動しないといけないのだ
避難場所を探す赤い瞳、この辺りにはどうやら様々なアトラクションやショップが並んでいる様子
290 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/20(水) 22:50:23.44 ID:60/o3asi0
>>289
「ん〜★ いい絵が撮れた ・・・ニアタンに送信っと」

某無料通信アプリでニアにムガとの写真を送る
越境者ご用達 世界線を越えて送信可能なご都合主義

「あぁん!! ひどいなぁもう」
叩き落された耳飾りはパントマイムな動きをする清掃員に持っていかれてしまいました

「う〜ん・・・それじゃ・・・」
辺りを注意深く確認していると

「あれ? ここ従業員用の入り口じゃん」
すぐ後ろの壁が夢の国の裏側へ入れる場所でした ですが監視カメラが起動している

「とここで取り出したるはこのスマホ ガワこそリンゴ社製だが中身はスプロールのハイエンド
 こいつをちょちょいと弄れば」

ピピッと監視カメラをお手軽ハッキング 自分たちの姿を認識できなくしてしまいました

「んじゃまぁこん中にでも隠れますか?」
がちゃりとドアを開けた
291 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/20(水) 22:58:10.53 ID:kXnprmqy0
>>290
スプロールにて

……ニャイン♪

『んっ? アキレスからっ……?』
『なになにっ……? ブフゥッ!』

思い掛けない組み合わせのこれまた思い掛けない背景の写真に思わず噴き出すニアであった

さてそして

「……そうする」

言うが否や素早く身を忍び込ませてほっと一息
夢の国の裏側に侵入! である
どうやらここは『壁』の向こう側の模様
少し向こうにスタッフ用の事務所や待機室を兼ねているのであろう建物が見えた
尚横を見れば直ぐそこに、パレードなどで使うフロート(山車)が出番を待つように鎮座している
カメラからは逃れているとはいえ、裏側を行き来するスタッフ達は案外と多い
今も建物方面からひとりの男性スタッフが、表へ行く途中なのだろう歩いて来るのが見えた
292 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/20(水) 23:10:45.98 ID:60/o3asi0
>>291
「いやぁこの見ちゃいけないモノを見ているっていう緊張感たまんないね★」
嬉しそうに辺りを写真に収めている男 こういうのがスキー場でコースはずれて救助を呼ぶのだろう

だが拙いことに誰かが来るらしい

「やっべぇ ムガ とりあえずこの中に隠れよう」
そういってフロートの中なり影なりに隠れてやり過ごそうと提案する

なお もうすぐパレードの時間なのは 運命のいたずらなのだろうか?
293 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/20(水) 23:19:54.93 ID:kXnprmqy0
>>292
「表は煌びやかなもんなのに、」

裏は質素だ、と言うのがムガの感想である
なるほど確かに夢の国の裏側とは随分と寂しい
そこら辺の大きめな会社の敷地内と言われても不思議はなさそうなモノである

「……? ぁ、あぁ……」

丁度隠れるに手頃なフロートのドアを開いて身を隠す
そしてすぐ側を従業員が通り過ぎる気配、一安心
だがそれも束の間、大地が揺れる
否、正しくはフロートが稼働しているのだ、軽快なBGMが鳴り響いている

「な、何……!? お、おい、何が起きて……!?」

露骨に動揺する鼠人、それもそうだろうこの未知のロクでもない世界で起こる事は基本的に厄介な事ばかりなのだから
294 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/20(水) 23:31:20.81 ID:60/o3asi0
>>293
「あ」
やはり始まってしまいました 通りを煌びやかに進むフロート
しかも2人が隠れたフロートは変形するようで このままでは見つかってしまうだろう

「仕方ない・・・ムガ」
いつになく真剣な面持ちでムガの方を向く

「お互い この場はキャストになりきってやり過ごそう ・・・お互い生きて帰ろうぜ★」
顔は真剣そのもの だが彼と交流があるのならわかるだろう この状況を楽しんでやがる


そんなこんなでパレードをどうにか切り抜けようと 見様見真似でキャストを演じる2人
どうにか誤魔化せたようだが 某巨大掲示板には なんか妙なヤツが某テーマパークのパレードに混ざっていたと
その道のマニアに指摘されていたという・・・・・


//そろそろ〆の予感
295 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/20(水) 23:41:03.22 ID:kXnprmqy0
>>294
「え? ……はぁっ!?」
「んな事いきなり……あ、お、おい!」

覚悟を決めるより早く変形を始めるフロート
ただのカラフルなトラックだったモノが開いて中から大人気ヒーローキャラクターの巨大ロボットが出現! これにはちびっ子達も大喜びである
だがそんな騒ぎの差中、ただ慌てて狼狽しているのは鼠人
取り敢えずアキレスの真似をして、だが明らかに恥ずかしそうに控え目に小さく踊る
そんな2人の越境者に、今この瞬間だけは肖像権はない

//ありがとうでした、お疲れ様でしたっ
296 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/21(木) 21:41:16.14 ID:u0+b6c38o
【サイバーパンク世界:スプロール】

 スプロールの空は暗い。重金属酸性雨を湛えた黒雲はあからさまに有害であり、
 それが四六時中、太陽の光をさえぎるため、都市に自然の光が降り注ぐことは滅多に無いのだ。

 BATATATATATATATATA!!

 耐酸性コーティング済み+クローキング展開中の高高度飛行ジェットヘリが空を駆ける。
 煌びやかかつ欺瞞に満ちたネオンの光が降り注ぐシティは遥かに下だ。

【ファンファンと、赤いランプが回転し、ハッチが開いていく】
【気圧差により、一気に風が機内に流れ込んだ。高高度により氷点下50度。
 適切な装備をしていなければ、あっという間に血が凍ってしまうだろう】

≪降下準備、ランナー。働きを期待する≫
「………」

 白髪の老人は咥えていた葉巻を携帯灰皿に入れてマスクを被る。
 酸素供給システムが音となり、肺を満たす。

【高鳴る心音。これは仕方のないことだ。高高度からの落下で平常心なままというのは無理がある】
【兵とはいえ、戦いにおいても平常のまま。というのはもはや歴戦とも呼べない。それはただ壊れているだけだ】

「…ミッションを開始する」

 しかし、抑えきれぬ緊張とは裏腹に淡々と言葉を継げると、
 男は一切の躊躇もなく、その身をハッチの外。重金属酸性雨と雷雲が踊る空へと投じた。

【高高度よりの降下ミッション。メガコーポがここまでお膳立てするかなり重要度の高いミッションである】
 
297 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/21(木) 21:57:18.87 ID:1G0+m20WO

「降下開始だ。賽子を振ろう」

音を立てて、ヘリからもう一人が飛び出した。
大仰な白いパワーアーマーにも見えるそれは――機能的には近似とはいえ――それは鎧兜であった。
バイザーが赤く光り、尾を引きながら落下する。
予定高度に到達すれば、背負ったバックアップからパラシュートが展開する仕組みだ。
携行する火器は、骨董品レベルの分隊支援火器で、時代遅れな銃身長の機関銃である。

「作動動作は確認済だが、使い捨てなのだよなあ、これ」

なお、これは彼女が今回のために買ったもので、多分壊すつもりである。
298 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/21(木) 22:04:14.45 ID:SyMGcg6wo
>>296
ヘリの中、小うるさいローター音に顔を顰める1人の悪魔の姿が在った
着慣れぬ服を着て、着け慣れないマスクをして

「さっさと降りて脱ぐぞこの様なモノォ」

ぼやき、目の前の老人が降りたのを見てから自分も少しでも早くと言った具合に空を落ちていく
祭りなんてものは会場につくまでもワクワクするものだが、今は唯衣服が煩わしいばかりだった

「あー、あー、聞こえて…いるのか?慣れんなコレは」
「着地後の予定を聞きたい」

マスク内のマイクを通じて老人へと声をかけ――

「と言うよりも、いつ脱げるのだコレはァ…!」

声に苛立ちが籠っているのは気のせいでは無いだろう。きっと
299 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/21(木) 22:12:43.04 ID:u0+b6c38o
>>298

「空中でシャーベットになるのを希望なら何時でも脱げるぞ?」

 ただでさえの氷点下。さらにここに落下時の風が加わればどうなるかいうまでも無い。
 氷漬けになったまま、地面に激突。超質量の直撃に等しい一撃を浴びれば、おそらく原型など留めまい。

「さっさと降りるぞ。いっておくが、派手な魔法は無しだ。感知されればそれでミッション失敗だからな」

 なお、クルトは最悪、この新入りが失敗することも計算に入れている。

>>297-298

 強烈な寒さと気圧の変化。如何に訓練を重ね、適切な装備を着用していたとしても、
 身体にかかる負担は相当なものである。

【雷撃が舞い踊る空を落下する我が身のなんと心細く頼りないことか!】

「――雑な仕事だ。ポイントから少しずれている。…ついてこれるか?」

 老兵より、短距離無線が入る。降下計算のズレである。
 なお、これは企業を責めるべきものではなく、ランナー自身が臨機応変に対処せねばならぬ事案だ。
 そして、今はパラシュートは開けない。今回のミッションではギリギリまで開くことは許されない。
 ならばどうやって、そのズレを正すのか。

【クルトは空中で縦に一回転。手足を広げて全身に強風を受けて、落下をコントロール!】
【→この工程はかなりの肉体的な疲労を伴う+装備や適正によっては独自の解決法が必要かもしれない】

 しかし、これはあくまで高度な訓練を積んできた老兵が取った選択肢の一つにすぎない。
 各々にはもちろんこの問題に対する別の解法も存在するであろう。

【なお、目立ったり、魔力の痕跡などを残しすぎる方法の選択は却下である】
300 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/21(木) 22:21:39.63 ID:1G0+m20WO
>>299

『おい……くっそ使いづらい……』

彼女のアーマーは彼女の能力によるものだ。
であるため、無線はヘルメット内部でむりくり止めている。おそまつ!

さて、彼女はテクノロジー世界の出身ではない。普通、高所から落下中に身を制御できる術などはない。だが、彼女は賽子の騎士だ。いつだって博打をしている。であるため――

【この書き込み時間の秒数が……】
【0~4:見よう見真似でうまくいく】
【5~8:修正できない。ポイントから外れていく】
【9:完ぺきにノウハウも獲得】
301 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/21(木) 22:28:55.07 ID:SyMGcg6wo
>>299

(この世は地獄にでも落ちたかァ…?)

暗く、ヘリ内で説明されたこの雲の危険性
後に彼は自然豊かな世界に生まれて良かったと語る事になったとかなんとか?

「…しまったな」

生憎とそんな技能は持ち合わせていないし説明書も読んでいない
と成ればどうするか

「成る様に成る…かァ」

マイク越しに両者に聞こえるであろう若干諦め染みた声
当たり前の様に落下速度が速くなっていくもどうしようもない―――が


「カハハ―――」

楽しげに笑う声が、微かにマイクに拾われた
302 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/21(木) 22:48:04.12 ID:u0+b6c38o
>>301

 実際にこの世界は地獄そのものに近しいマッポーの極みである。
 理不尽な死は、ある意味で自然豊かな世界よりもありふれており、
 さらには搾取された続けた魂は濁り、その死ですら吸い上げられる。

【ある意味ラースの存在意義である契約に近しい事案は無数に存在していたかもしれないが、、
 同時にあまりにも頻発しすぎているため、もはやどうにもならないところまできている】
【薬物中毒者が人を撃ちたいというだけで人を殺し、兵器実験に買われた生命の大量消費が行われ、
 無謀にも企業にストライキを起こせば生きたままコンクリートブロックに投げ込まれる】

 理不尽は飽和し、無常が日常となり、生命の価値は限りなく大暴落した。
 世界はもはや増えすぎた人類に対して、干渉する気力すら失っており、無法が法となった。
 同時に弱者同士以外では復讐の連鎖はほぼ起こらない。起こりようはずがない。
 カチグミとマケグミで力の差がありすぎるからだ。諦念がルールを書き換えた。死を超える憎しみよりも諦念が先んじる。

【ある意味、ラースに世界が求めた復讐の連鎖が途切れた世界≠フ一側面であろうか】
 【→もっとも、彼の中の幾多の無念がこのような結末を求めていたかは知れないが】

>>300-301

「…見えた」

 ネオンの光が視界を覆う。煌びやかなシティの光が。欺瞞に満ちた毒々しい光の群れ。
 同時に、レールを走る武装弾丸列車が見えるだろう。今回の降下ポイント。
 なんと、この疾駆する長大な列車に着地するのが今回のミッションの要諦である。

【高高度降下低高度開傘にしても難易度は極上である】

「―――!!」

 クルトが見本とばかりに最初に着地を行う。
 ギリギリのところでパラシュートを展開。一気に身体が引っ張られる。

「ッツ――!!」

 そして、十分なブレーキがかかったところでパラシュートを切り放す。
 この際、列車と速度の同調を果たしておかねばならない。
 そのまま、列車に着地、前転しながら勢いを殺すと同時に、フックを突き刺して、
 己の身体を固定、そのまま、慣性に押されて、後方に身体を追いやられながら、
 ロープがピンと張ったところで、ようやく姿勢を安定させた。

【無茶苦茶な着地である】【もちろん、別の解法により、着地を果たしても良い】
303 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/21(木) 22:56:56.79 ID:KIHfPMKWO
『着地さえしてしまえば、いいんだな。よしわかった』

途中までは見本通りに行う。
しかし、この工程は彼女が考える以上に精神を細かに使うものだ。
パラシュートを切り離し、どうにか着地した時点で彼女の『細かく考える』点というのはある程度消費してしまったと見ていい。
何しろ、お手本でフックを突き刺した工程で、面倒だとばかりに愛用の大斧を出現。それを突き刺してアンカー代わりにしたのだから。
そもそも、着地した時点で、彼女のアーマーの重さを考えれば、すごく響く。装甲が凹んだ可能性もある。
なので、それ以上目立っても、致死量を過ぎた毒に大して意味がないのと同じであった。

『さぁぁぁぁぁぁぁて。どうするんだこっから……』

傍目から見れば、彼女の姿というのは片手に機関銃、片手に大斧を手にしたPA姿の兵士が
バイザーから赤い光を煌々として光らせているという、コミックじみた姿である。
だが、これは現実にあるのだ。賽子の騎士の参上である。
304 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/21(木) 23:00:31.99 ID:SyMGcg6wo
>>302
「ふん…下らん」

無数に脳裏に響く理不尽を嘆く声
しかし復讐の念にも諦めの色が濃い事がアリアリと分かる
命を賭してでも復讐は成らぬと諦めている

「……実に下らん世界だ」

吐き捨てる様な言葉は隠すつもりも無く
パラシュートを幾分か遅めにパラシュートを開いて
かなりの速度で列車に落ちるも両足で確りと着地した

「して……目標は?」

マスク、衣服が燃え上がり、その下からボロを履いただけの様な悪魔が姿を現す
腰には3つの刀剣。それだけが彼の仕事道具

余計なもの・・・この世界の嘆きを視たせいか、あからさまにイラついていて
何時もと歩幅こそ違えど、何の道具も無くそこに普通に立っているのは人間離れした身体能力のおかげか
305 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/21(木) 23:13:21.96 ID:u0+b6c38o
>>303

「着地した段階でバレている。まあ、対空砲のヘッジホッグを喰らわなかっただけマシだな」

 落下とは別の正面から襲い掛かる強風の中、クルトは酸素供給システムを投棄し、
 その白髪と皺が刻まれた面を露出させる。

【背にぶら下げた全環境処理対応済みのショットガンをコッキングし、サイバーアイの視覚モードを変更する】

>>304

「お前さんの言いたい事は解らなくもないが」

 クルトはラースの様子と呟きから大体を察したようであった。
 もともと、彼を現象と捉えて接した男である。理解が早い。

「それでも、死と引き換えにするような憎悪の連鎖とやらは断ち切れている。
 復讐は死ではなくカネと権力が代価となった。最悪で熱量も摩滅しているが解の一つには違いあるまい」

 −−−−−−−−−

>>303-304

「目標は列車強盗だ。古式ゆかしいものだな。列車を襲って宝をいただく。いっそ解りやすいな」

 老兵の声と共にドローンが数機、列車より射出される。
 企業の防衛部隊が放ったものだ。無論、銃を備えており危険な相手だ。

【そして、天井のハッチが開き、プロテクターで武装した企業兵が銃を構えて次々に這い出してくる】

「突破する。企業同士の利権争いの延長だが、この宝、看過すれば大勢が死ぬ」

 ドン!とショットガンの音。企業兵士の一人の頭部が爆ぜた。

「ドローンは次の手で吹き飛ばす。ここは乗り切れ!」

【同時にコレが会戦の合図。包囲するドローンからは小銃弾の嵐があらゆる包囲から襲い掛かり】
【正面は企業兵がアサルトライフルを構えて、一斉射撃を開始】
【障害物がほぼ存在しない状況。立ち回りを考えねばなるまい→現在は数・火力・状況ともに敵に優位である】
306 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/21(木) 23:22:57.84 ID:KIHfPMKWO
>>305

「よしきた」

「さぁ賽子を振れ、金をその魂の神と成した愚か者共よ!」

「貴様らの魂を、我が女神のもとへ連れて行こう! 叫べ、叫べ叫べ! 賽子の騎士の名を!」

おなじみの口上を述べ、手にした機関銃で弾幕を形成する。
旧型で連射速度はかなり遅いが、威力は見劣りしない。というより、威力が高すぎて射速が伸びないのだ!
そんなものを、片手で振り回し、複数の企業兵士、ドローンに向けてホースで水を撒くように攻撃する。

「さぁ、叫べ叫べ叫べ! 賽子を振れ、その命の有る限り振るがいい!」

「私は振るぞ、私は振るぞ! 賽子の騎士の名にかけて、聖数が現れるまで振りつづけよう!」

小銃弾では、彼女のアーマーを傷つけることも叶わない。
それ故に、彼女は殆どバーサーク状態で、恐ろしい固定機銃の役割を果たし、他二名の支援をする形になる。
斧を手に突っ込むときは、それは弾が切れたか銃が壊れたかしたときだ。
307 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/21(木) 23:25:51.75 ID:SyMGcg6wo
>>305

「人は救われ、報われてこそ……」

「……ふん、往こうか。ここで喧嘩しても仕方あるまい」

ここで話しても詮無き事であろう
故に早々に切り上げて任務へ戻る事にする
苛立ちは『敵』へとぶつける事にした


「人は我が往こう」
「後ろから当ててくれるなよ・・・?」

腰から剣を引き抜きつつ言うと迷わず企業兵士の下へ駆けだした
剣を立てて最低限正中線を護るだけ。他は剥き出しだが彼は気にせず

「ふれんどりいふぁいあ…だったか?」

敵兵の武器に同士討ちの防止機構が有るかの確認も兼ねてまずは兵士達の中心へと駆けこもうとし
それで迷わず引き金を引いてくるようなら……なら?

「まあ、関係ないか」

引かれようが引けまいが彼は剣を振るうだけ
企業兵のそっ首をまず1つ、落とそうと剣を振るって
308 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/21(木) 23:41:08.32 ID:u0+b6c38o
>>306

 メラニーの重鎧はこの世界における戦闘舞踏服に等しく、
 小銃程度の火力ではまったく問題にならない。

【さらに機関銃での弾幕形勢】
【狙いの甘いそれはドローンは容易に回避し、小銃を全方位で浴びせ続ける】

 が、人間はそうもいかず、触れただけで企業兵は弾きとばされ、列車から落下。
 地面に落ちれば引きちぎれて原型すら留めない、。

>>307

「努力はするがな」

 メラニ−の機関銃にヒットしないかは運次第であろう。
 もちろん、接近するということは、敵の銃弾の高密度に身をさらけだすことになる。

【判定→正中線はガード可能にしても他の部位に銃弾が直撃する可能性jは極めて高い】
【なお、生身に対する銃弾の威力というのは恐るべきものだ。安っぽいフィクションとは一線を隔す衝撃と威力である】

「………」

 企業兵はフレンドリーファイアなど全く意に介さずにラースへの射撃を続行。
 隣の兵が首を吹っ飛ばされても、全く意に介していない。魂の震えがない。

【雑多な戦闘薬剤による感情の制御、恐怖の制御。魂の制御。死に対してすらさして現実味はあるまい】
【近未来…魔法や神秘とは別分野でも大いに拡大した人の可能性はついに、恐怖と憤怒を克服(あるいは逃避)したのだ】

>>307-308

「これでやれるか」

 メラニーとラースが稼いだ万金に値する間隙に、クルトはチャフグレネードのセットを完了。
 それが炸裂すると同時に、一行を完全包囲していたドローンの群れをただのガラクタと変えて墜落させていく。
 近未来の電子戦装備である。この役割ばかりはテクノロジーに拠った老兵でなければならない。

「企業の雇われだけなら相手にもならんだろう。先を急ごう」

 ドローンを失ってほぼ直線状の布陣をなった相手を睨むクルト。
 企業兵は所詮はサラリマンの延長に過ぎない。死線を幾度も越えた兵(つわもの)の相手にはなるまい。

【大量かつ雑多な企業兵の群れをどうなぎ倒すか?という話となる】
【→一応はアサルトライフルを持った敵の群れだ。あまり考え無しの突入では時に不覚を取る可能性もあることを留意】
309 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/21(木) 23:41:39.37 ID:u0+b6c38o
//一番下のレスを>>306-307に訂正
310 :メラニー ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/21(木) 23:48:39.42 ID:KIHfPMKWO
>>308

「……つまらん。もっと叫べ、叫べよう。賽子の騎士の名を叫べ。この三つ並びの賽子が目に入らんのか」

ドローンに包囲されて好き勝手されている間は少しばかり肝を冷やしたが――。
クルトの電子攻撃により無力化。残った生身の兵士があるばかり。となると問題にならない。

「さて……続けよう。好きにやれ、悪魔よ。なぎ倒せ、なぎ倒せ。後ろから私も、撃つ!」

再び機関銃のトリガーを引く。
すでに銃身は赤熱してそろそろひん曲がって裂けそうだし、弾だってそろそろなくなる。
しかし、使いまわす気はないので、手心をくわえるということもない。
相変わらずの弾幕が企業兵を襲う!
311 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/21(木) 23:56:40.26 ID:SyMGcg6wo
>>308
銃弾が肌を擦る、何処かを抜けていく
火薬・銃弾・銃そのものの進化のおかげか自分が知る銃と言うものとは別物に思えた
が――――

「別に子細無。胸据わって進む也」

傷付き、血が尾を引く様に後ろへ流れた
流れる端から閃光の様に燃え上がっては消えるそれは光の緒の様にも見えるか
そして何より…極めて短い距離のせいで判別は難しいだろうが、ラースが傷つく度に足取りは萎える処か力強く。速くなっていき

「1人……終わりか」

彼と敵対し傷つく…それも致命傷を負うと言うのは即ち死に直結する
流れた血の量、痛みによる呻きすら比喩抜きに彼の力となる

「温く、遅い―――!」

左手で刀を抜き放ちつつ右手の剣で一番早く銃を向けて来ようとした者を斬り捨て
周囲の者を斬り捨ててから返り血すら拭わずに


「……列車内を進め」

剣を担ぎながら二人へ言う
敵の目がこちらに来ているなら好都合と言うものだろう

「敵が『多ければ』我は負けぬ」

要は今列車の屋根の上に居る敵は任せて行けと言っているらしい
流れる血が多ければ多ければ多い程、彼は強くなるのだから
312 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/22(金) 00:10:56.21 ID:M0ldcXqYo
>>310

(騎士というよりは狂戦士だな)

 口上をぶち上げながら機関銃を乱射する姿は、
 威風堂々とも呼べるし、狂人そのものとも呼べた。
 どちらはか判別つきかねるし、両方かもしれぬと老兵は考えた。

【濃密な弾幕が敵を薙ぎ払ってゆく。感情制御されているとはいえ、技量までが底上げされているわけではない】
【教科書通り以上でも以下でもない戦術など、メラニーの鎧に小雨のように降り注ぐ銃弾同様、通ずるはずもないのだ】

>>311

 実際に雑兵の群れである。ならば、流れる血と共に強くなるであろうラースの敵ではあるまい。
 が、懸念材料の無くは無い。

【何せ、戦闘薬物塗れの…神秘性からは最も遠ざかった文字通り穢れた血だ。
 神秘そのもののラースにとって、この穢れたテクノロジーがどの程度効果があり、どのような影響を与えるかは未知数であった】

 前に出る敵兵はラースに集中し、その間にも、メラニーとクルトの銃弾が確実にその数を減らす。
 フォーメーションは成立した。恐怖の排除と引き換えにギリギリの判断力を喪失した企業兵達には、
 この完成した状況を覆す力量などあろうハズが無く、掃討は時間の問題となったのだ。

 −−−−−−−−
>>310-311

【「宝」との対面】

 敵を突破し、「宝」が格納された特別車両へと到達した一行。
 クライアントより事前に用意された偽造パスコードを差し込むと、重厚な扉が音を立てて開いた。
 そこにあったのは―――

「…これが、依頼主(ミスター・ジョンソン)が言っていた大量破壊兵器だ。
 人間の脳を焦がすサイキックの発生装置。相手企業の技術レベルから考えても暴走事故の危険性が高い、な」

 そこにあったのは、奇妙な液体の中に浮かぶ脳髄であった。
 小さなビーカーには眼球が、その隣のビーカーには舌が、その隣には心臓が、神経が、肺が、腸が、

「奪取が目的のはずだが…これは些か聞いていない展開だな。
 見たところ、超能力者(サイカー)を腑分けして実験するつもり…といったところだろう。
 精神干渉系の増幅、随分と胸糞が悪くなる話だ」

 ビーカーに刻まれた名前と年齢を詳しく確認するのは控えたほうが良いだろう。
 もっと、胸糞が悪くなるに違いないからだ。最悪なのはこの状態になっても、この子≠ェ生きていることである。
 もちろん、この状態を生きていると定義してしまってよいものやら謎であるが。
313 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/22(金) 00:22:40.70 ID:tMWLEPdwo
>>312

「…気色の悪い血だ」

薬物濡れの血が、彼の髪すら赤く染めたが特に気にした様子はなく
刀の方だけ血振りして鞘へと納めて、クルト達と共に列車内へ入り込み

剣の刀身、鍔の傍辺りを手で持って腑分けされた臓器を…いや、脳髄を眺める
生きている事は良く分かる。悔しいと言う感情は、怒りの感情は自分が知る事が出来る事柄であるからだ


「……介錯は必要か、童」

悲劇に終わりを。
それがラースの在るべき理由
剣を右手に持ち替えてから納め、刀へ手をかける
声など出せる筈がない。表情すら分かるまい…しかし、それでも『死』しか残せない悪魔として浮かぶ脳髄へ問いかけた
314 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/22(金) 00:36:04.78 ID:M0ldcXqYo
>>313

「クライアントからの依頼は奪取だが…」

 臓腑からの念はラースの質問を是とするモノである。
 半ば砕け散った精神の中で絞り出された返答。そこに背後のクルトが声をかけた。

「…構わん。依頼料にペナルティがつくくらいだ。おおよそ問題はあるまい」

 クルトとて、ここでビジネスに徹しきれるほど人間性を失ってはいない。
 もっとも、クライアントとしては凄腕を雇う上でこのリスクも承知の上であった可能性も否定できないが。

「ここで始末をつけなければどう転んでも悲劇が悲劇のままだ。お前さんの口上を借りればな」

 葉巻に火をつけて、背後を向いた。
 見たくないから、というのではない。見て記憶し伝えるべきことがあるようにその逆もあるからであった。

 −−−−−−−−−−

 こうして、このミッションは終わりを告げた。
 前金の50%、達成には20%、残りはペナルティとなった。

【欲望が開放された近未来。このような暗闘は日常として管理され、統制され、続いている】

//ではコノヘンデーノシ
315 :ラース・フューリー [sage]:2016/01/22(金) 00:45:31.47 ID:tMWLEPdwo
>>314

「……」

微かな音を立てて刀の鯉口を切った
微かに覗く刃に指を当て、血で濡らしてから


「……往くぞ」

音すら…苦痛なく脳髄を切り裂いた一閃
醜く晒された遺骸すら隠す様に切り裂いた軌跡から焔が上がり始める

我が無力を許せと…その言葉は小さかった

//アリガトウゴザイマシター!
316 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/22(金) 22:24:16.35 ID:M0ldcXqYo
【ウェイストランド――】

 ギィイイ…ガシャン!!

 経年劣化ゆえか錆び付いたシェルターの重厚な出入り口が、
 多数の軋みと歪みを思わせる音を立てながら開く。

【本日もウェイストランドの朝は快晴。硫黄の混じった黄色い雲があちこちに、
 空は地上の有様を嘲笑うかのように青く、赤すぎる太陽が昇っている】

「んっ…」

 久しぶりに数時間の睡眠をとったイムカ・グリムナーは背を伸ばすと、
 耐放射線コーティング済みの外套を纏う。
 普通、キャンプでは十分な睡眠など夢もまた夢。廃棄シェルターを確保できたのは僥倖である。
 
【焚き火を準備し、手に持った巨大なトカゲの変異体:ゲッコーをその中に放り込むと朝食の準備を始めた】
【→見てのとおり、イムカに任せると朝食は非常にワイルド…言い換えれば雑なシロモノと成り果てる】

「―――」

 なお、廃棄シェルターの中にはレイダーの死体が散乱したままである。ここの元住人という奴だ。
 ここを根城に各集落を襲っていた悪名高い連中であり慈悲は無い。
 また、外に放置すればミュータントをおびき寄せる可能性が高かったため、このように多量の死体と一夜を共にするハメとなった。

【つまるところ、ぐっすり寝るには胆力と慣れが必要だし、寝覚めは最悪かもしれないといったところだ】
317 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/22(金) 22:41:07.43 ID:VPitxPI+0
>>316
「……もう少しマトモなもんを……」
「ま、贅沢は言えないけど」

イムカのワイルドクッキングをちらり、溜息を漏らすもムガ自身が調理に加わるつもりはない
身に纏うは黒傘に、揃えの色の道中合羽
本来この程度では対放射線には心許ないが、その辺は越境の作用がいい感じに働いてセーフな模様

「……くそ、湯浴みがしたい……」

すんすんと覆面の下の鼻を鳴らして自身の匂いを嗅いだ
死臭がへばり付いて離れない、それは鼠人の優れた嗅覚には……いや、普通の人並みのそれでも辛いかも分からないが……少々堪える
最もこの世界での入浴事情を知らない訳ではなく、その欲求も虚しく消えるのであった
318 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/01/22(金) 22:43:33.33 ID:zMjxIvxk0
>>316
クソ爽やかな朝だな。食べるか?消し炭みたいなトカゲよりかはいいと思うぞ
[日光を遮る為に目深に被ったフードの下から濁った目を向け、片手に持った肉片を掲げる]
[拾ったナイフや自分の触手弾に肉片を刺して焚き火に近づけると、体積の軽くなった幾つかの死体をシェルターの奥深くへ捨てに行った]

こうも眩しいと灰になりそうだ、屋根の着いた乗り物がその辺に転がってりゃいいんだが
[やや不機嫌な様子で目を擦り、肉片をかじって遠くを見つめるソーマ]
[死体に囲まれて寝るのは気にならなかったが、死臭のせいでよくは眠れなかったのだ]
319 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/22(金) 23:01:15.59 ID:M0ldcXqYo
>>317

「湯浴みか。ああ、私もしたいよ。だが、この世界ではな」

 真っ黒こげになったゲッコーをサーボスカルにブツ切りにさせて、
 鉄串をさせばハイ完成。ワオ、ワイルド。

【油したたる肉はそこそこジューシーであるが、
 抗放射線剤と一緒に食べないと鼻血を噴くハメになるので要注意。
 また、塩味も無ければ、血抜きもしていないので生臭さは結構酷い】

「しかし君の格好…例の衣だな。拾った相手なら見当がついているが返還交渉は必要か?」

 ムガの様子を見てなんとなーくな提案をゲッコーステーキを差し出しながら問うてみた。

>>318

「その出自がよくなさげなの肉片も、あまりいいものとは思えないが」

 なんとなく、無表情ながらも訝しげな様子のイムカ。
 なお、ワイルドクッキングは真っ黒になった革を除けばそこそこいい感じになっていた。
 もっとも上記の通り、いい感じなのはあくまで見た目だけであったが。

「乗り物ならあるにはあるじゃないか?食料にしようかどうしようか迷ったが」

>>317-318

【ソーマタージとの会話でもあったとおり、実は偶然にも乗り物を確保できていた】

「ヒヒーン。ぶるる」

 それはシェルターの外に繋がれている3頭の馬である。
 放射線を耐え抜けるよう進化して、さらにいくつかの薬物に力を借りているのか、
 かなり頑健な印象も馬である。

「馬を用いれば、今からのミッション…手紙の郵送について役に立つが…さて?」

 イムカの腰のポーチには大量の手紙が突っ込まれている。
 これは、とある集落で依頼を受けたモノだ。
 電波通信もままならない世界。こういった手紙による伝達の重要性は非常に高い。

【息子夫婦の子宝や、心ばかり仕送りなど。ささやかであるがレイダーの抹殺よりよっぽど人間らしい依頼のはずである】

「各々、馬術の心得はあるか?無理ならバラして血を飲み、肉に換えるべきだが」

 なお、遠未来出身のはずのイムカは馬術の心得はあったりする。
 エリート階級によって、伝統として伝わっており、帝国教務局の学習要綱にも存在していたためである。
320 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/22(金) 23:13:49.97 ID:VPitxPI+0
>>318-319
「……湯浴みひとつも贅沢品か……」
「……こっち貰う」

イムカとソーマタージの料理を見比べて、結果としてはトカゲ肉のバーベキューに判定が下った
鼠人とはいえ、流石に人肉を食す趣味はないのだ

「あぁ……いや、」
「ケリは付ける」

そして衣の、火鼠の皮衣の話題が振られれば決断的にかぶりを振った
あの時の戦いの結末はあやふやなままだ
こうまで拘る理由を自分でも明確に答えられぬままに、しこりとしてそれは喉の奥に残る

「……乗れる」

ムガは忍である
そしてその術のひとつに馬術があるのは語るべくもない
とはいえここまでの大型馬を前に役に立つかはわからないが、基本は出来ている

321 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/01/22(金) 23:16:52.81 ID:zMjxIvxk0
>>319
安心しろ、瞼とか肝臓とかその辺だから多少は味もマシだ…それともあの中に嫌いな人種でもいたか?
[訝しげな様子も気にせず謎の肉を頬張る]
[肉を刺すのに使った触手弾を放り、ゲッコーの肉に手を伸ばす]
…言っちゃなんだが、不味いな。中年の喉笛みたいな味がする
[言い終え、鼻から下を覆う様に押さえたかと思うと、白い鼻血と共に口の中の肉を吐き捨てるソーマ]
[若干フラつきながら立ち上がると、改めて胃の中のものを全て吐き出した]

[繋がれた馬を撫で、口許を手で隠して考える]
馬か…一回か二回乗ったことはあるな…俺はなんとかなると思う
馬もバイクもそう変わらんだろ。ゲームでなら何度もレースに買ってるし
[いざとなったら自分で走るさ、と青ざめた顔で]
322 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/22(金) 23:23:54.60 ID:M0ldcXqYo
>>320-321

「乗れるならいい、行こうか」

 シェルターの奥から粗末な鞍と手綱を引っ張り出して、
 それぞれの馬に手際よく装着する。

「ブルル」
「ブルル」
「ぶひぶひ♪」

 頑健を通り越して不気味な程に筋肉質な2頭の馬と、
 何かそれらよりはちっちゃく、まん丸で毛皮が全く無い馬?にだ。

【これって馬ではなくブt…NO!憶測でモノを言ってはいけない】

「よし、出発するぞ。他にレイダーがいないとも限らん。警戒は怠らないようにな」

 ちゃっかり自分は頑健な馬に乗って出発を促すイムカ。

【さて、残った馬と豚みたいな馬(?)。どっちがどっちに乗る?】
323 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/01/22(金) 23:34:17.93 ID:zMjxIvxk0
>>322
元の世界で覇者になったらこんな馬に乗って俺をコケにした連中に然るべき報いを受けさせるつもりだった……ん?
[懐かしげに、楽しそうに馬を眺めながら呟くが、流石におかしいのが混ざっていることに気がつく]

…おいこれ、どう見ても豚…家畜だよな?飯にした方がいいよな?おい
[おかしいことをイムカに訴えかけるが既に相手は馬に乗った後]
[残されたもう一匹の頑健な馬、豚っぽい馬とムガをチラリと見ると、無言で頑健な馬の方へと走っていった]
324 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/22(金) 23:37:34.83 ID:VPitxPI+0
>>321
「人種で食う食わないを決める……?」

全くもって理解不能な領域の話である
そして食当たりでも起こしたのか酷い様子の彼に少し眉を顰めたのであった

>>322
「……」
「なぁ、やっぱこれって……あぅっ!?」

馬を入手したとイムカが3頭を連れて来た段階から芽生えていた疑問がようやく口を滑り出す
だがしかし豚っぽい何かに突進されて最後まで紡がれる事はなかった

>>322-323
「あ、おい……! 走るの、これ……?」

イムカとソーマタージが素早く馬に乗り込んでしまい、残ったのはぶひぶひとやたら懐いて来る豚……いや馬のみである
仕方なく跨り、馬でそうするように走るよう促してみる
325 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/22(金) 23:48:44.66 ID:M0ldcXqYo
>>323-324

 2頭と1匹…訂正しよう。3頭の馬はその強化された脚力を存分に生かし、
 時速にして120キロの猛スピードで荒野を駆ける。

【太陽を背に駆ける姿はいっそマカロニウェスタンを思わせる雰囲気を漂わせる】
【力強く踏みしめられる蹄。走るたびにぶるるんとゆれる脂肪。たなびく鬣。ふるふる動くまんまるしっぽ】

(…何故か緊張感がない。精神攻撃でも受けている気分だ)

 大切なことなので2度記述する。3頭は時速130キロで併走しているのだ。
 なお、歩幅が小さい馬(?)ほど、多くの脚を使うわけで揺れるわけで乗り心地がアレなわけでまあいいか。

「ヒャッハーッ!」

 むろん、道中、襲撃を目的としてビークルに乗ったレイダー集団がこちらに接近してきたりもした。
 当然に、一行は迎撃態勢を整えねばならないわけだが、

「…ヒャッハー?」

 爆走する馬3頭に何か狂気めいた光景を見たのかUターンしてしまう。
 疾走するブt…馬を見て己の正気に自信が持てなくなったのだろう。
 ともあれ、無駄な戦闘は回避されたのだ!

「…やはり、馬はいいな。余計な戦闘も避けられた」

 腕を組んでドヤ顔のイムカは走りながら二人の同意を求めた。
326 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/22(金) 23:59:21.83 ID:VPitxPI+0
>>325
「……、…、…」

さてさてこの馬(?)、走る事に関してはムガの心配は杞憂に終わったと言っていい
なんせかつていた世界で騎乗したどの馬よりも速いのだから
とはいえ乗り心地は最悪である、喋れば即座に舌を噛み切りそうだ

「なぁ、」
「……やっぱりこれって、ぶ……」
「え、あ……? あ、あぁ……」

ようやく慣れた頃に再度の疑問を、とその時であった
レイダー達の襲撃だ、武器を構えんと懐手にするも彼等はくるりとUターン
拍子と毒気を抜かれ、イムカの問いになんとなく頷く事しか出来ない
327 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/01/22(金) 23:59:26.57 ID:zMjxIvxk0
>>325
[シェルターで拾った汚れたゴーグルで目を、スカーフで口許を砂塵から守るソーマ]
[何度か落ちそうになったが、その都度なんとか持ちこたえてきた]
…緊張感が無くなるな、俺の好きな音楽でもかけていいか?
[真ん丸の馬に揺られるムガを無感動に一瞥し、冗談混じりに周りに問う]

[ふと遠くの方に見えるビークルに乗ったレイダー集団]
[馬を走らせながら指先を変化させ、戦闘に備えたがそれすらも杞憂に終わった]
馬と言うか…そいつと、そいつに乗ってくれたあんたに感謝だな
[揺れるムガを先程とは違う、なんとも言えない目で見ながら]
328 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/23(土) 00:05:30.26 ID:Xaoe/0hFo
>>326-327

「よし、音楽も許可しよう。私の精神的…もとい、皆の士気のためにな」

 イムカも理由も無く(?)自信を襲うSANチェックを回避するために
 ソーマタージの提案を受け入れながら爆走。

【こうして一行は何らのトラブルもなく、集落への郵送を完遂するのであった】

 後日、爆走する豚に乗った鼠のフェアリーがこの一帯に出現するという、
 スカム極まりない眉唾めいた噂があちこちで囁かれるようになったが、
 多くの者は、その話を聞くたびに発言者の正気を疑ったという。

//0時なのでここまででー!!
329 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/01/23(土) 00:09:05.89 ID:0hRIPWEk0
>>327-328
「……」

集落へ辿り着くまでの間
特に意味もなく2人の乗る馬の前をふらふらしてみたりめっちゃ近くを並走してみたり
すっかり馴染んだ乗り心地を堪能するムガであったとさ

//ありがとうでした、お疲れ様でしたっ
330 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/01/23(土) 00:09:25.54 ID:WQTpALO90
>>328
//乙ですー
331 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/24(日) 21:34:19.80 ID:5TUy4mLoO
――文明崩壊の起こった世界

所謂、大破壊後の世界――法秩序は崩壊し、武力を所有するグループが集落を形成する、人類の再建期間。
やがてその武力が税との引き換えの安全保障の形を取り、ゆくゆくは専制政治に発展する。
その間に、力強い自然は、その形を変えてでも、かつてを取り戻そうとするだろう。
即ち、気の長い話だとしても、今この世界は、再建の最中なのだ。
そして、そんな世界に行くように依頼をかけた人がいた。

「……私はカノッサ機関、ミクラガルズ賢人会のエージェント『ナチグロイシ』だ」

「君に頼みたいのは……あー……ある自動人形の調査だ。連れて帰るかどうかは君の判断に任せる」

ナチグロイシと名乗ったその人物は、ステレオタイプな見た目の魔女の姿をした小柄な女だった。
紙巻の煙草を咥え、眠そうな眼でどこか遠くを見つめている。

「……越境した先にある軍事施設の中にあるはずだ。詳しい事はわからないが」

「テクノロジーには疎くてな……暴徒鎮圧用……高機能女性型アンドロイド……何を言っているんだか……」

「……何か質問はあるか?」

こんな仕事を受けても果たして大丈夫だろうか。
332 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/24(日) 21:43:06.46 ID:BMjqeYVWo
>>331

「自動人形(オートマトン)の調査なんだろうが、このままじゃあ情報精度が悪すぎる。
 その辺の調査も依頼料に入れてもらえるものか、それともお前さん自身が何か資料を持たされているか。
 そこのところをハッキリさせて欲しいものだな」

 口髭を生やした白髪の男はそうナチグロイシとやらに告げた。
 老兵然とした容貌であるが、コンバットスーツに包まれた肉体は頑健であり、
 顔の印象ほど、まだ年経ては居ないと察せられると思われる。

「質問はそれからだな。お嬢ちゃん」

 何とも依頼人相手に不躾な態度の傭兵であるが、
 無礼にまでは至っていないのが独特の距離感の図り方であった。

【クルト・カントール。越境者でありランナー(傭兵)。様々な世界で目撃。特殊な異能の持ち合わせは無いが能力は折り紙つき】
333 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/24(日) 21:51:26.51 ID:5TUy4mLoO
>>332

「極端にわかっていることが少なくてな……」

紫煙を吐きだし、眉間にしわを寄せる。
しかし、自分の説明があんまりだという自覚はあったらしく、彼女はしばらく言葉を探すような素振りを見せた。

「このロボットがひょっとしたら『自我』を獲得しているかもしれんという話でな」

「ウチの下級エージェントの調査で判明したことだが……我々はテクノロジーによるセキュリティは破れんので調査ができなくなってな」

「あと、私のようにハイテクアレルギーじみた連中も多くてな……君のような人を頼りにするんだが……関係はないな……えーと」

ぐいぐいと眉根を揉み、煙草をぐりぐりと灰皿に押し付ける。

「より理路整然と、無味乾燥に、非感情なハイテクの世界で人形が自由意思を獲得するというのは不思議なのでな」

「何がどーしてそんなことになったのか、を我々としては知りたいわけだ。なので、君はその人形に接触し、交流し、宥めたりすかしたりしながらあらゆることを調べてほしいのだ」

「ベストなのは連れて帰ることだな。だが、危険は大きいかもしれない。なので無理は言わない。君に任せる。もし連れて帰れたら報酬は倍だ」

こんなところか、と彼女は小さく息を吐いた。
334 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/24(日) 22:00:06.71 ID:BMjqeYVWo
>>333

(人形が自我か。サイズと機能によっては連れ帰るのはリスクも高そうだが…最悪は破壊も考えるか)

 オートマトンの自我調査とはカノッサにしては偉くメルヘンな思案だと思いながら、
 表面上は全くおくびにも出さないクルトである。

「実際は生体脳ユニットが詰まれていたという線もありえるが、まあ了解した。
 前金の振込みが確認され次第、動くとしよう」

 丁寧に炙った葉巻を口に咥え、クルトはこの奇妙な依頼を了承した。
 スニーキングミッションの赴きが強いがそういうのはクルトの十八番。依頼料も悪くない。
 やや情報精度に難があるが、受けない手はなかった。
335 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/24(日) 22:12:39.83 ID:5TUy4mLoO
>>334

「前金……こっちとそっちで技術レベルがひどすぎるんだが……」

「振込なのか……そうか……まぁやっておこう」

振込なんて出来るのは窓口だけだと思っているからなのか、何とも嫌そうな反応だった。
それが機械で簡単に出来るとか、あまつさえ手元の機械でできるなんて考えるのも嫌らしい。

「せいたいのう……まぁ……それならそれで構わん。連れて帰った場合、単純にハイテクに強くて便利な人材の追加だ。喉から手が出るほどほしい」

――

さて、クルトがその問題の世界にへと旅立つと、大破壊後らしい乾いた世界であることがわかるだろう。
遠くから聞こえる銃声に悲鳴、ひっきりなしにどこかで鳴るエンジンの音……。
そして、視界に映るのは荒野と廃墟、それらを貫くようにして通るボロボロのアスファルトの道路だ。
話通り、そこに崩れかけた軍事施設はあった。……コンクリートのビルの外観に、目立つ星のマークのエンブレム。
普通の感覚で言うなら恐らく警察署の部類なのだろうが、これを報告したエージェントは何か混同していたことが伺える。
336 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/24(日) 22:24:54.47 ID:BMjqeYVWo
>>335

「例によってアポカリプス後の世界か。カノッサがゲートを用意してくれたおかげでここまで楽に来れたが」

 越境者といえど自主的な世界移動は極めて限定的だ。
 そういう場合には往々にして施設と世界座標を確保している組織の力が不可欠となる。
 もちろん、越境者でなければゲートを利用できないなど制約も極めて多い。

「まったく、畑違いに連絡役をさせるほどカノッサは人材不足だったか?…いや、支部なり部署なりの違いか」

 カノッサ機関という途方もないスケールの組織が実のところ一枚岩ではなく、
 さらに境界線接続により、渾沌とした状況に至っているというのは、今や周知の事実。
 そして、それゆえにそこかしこで野望が芽吹いていることも。

「さて…」

 まずは潜入ルートの観察。サイバーアイをズームモードにして、
 脅威となる存在が在るか否か、レイダーなり何なりの類に占拠されていないか。
 さらにその場合には哨戒のタイミングや交代時間、ルーチンを観察するのは基本だ。

【周囲環境を観察し、一通りの情報を得られれば夜間に潜入を開始する予定】
337 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/24(日) 22:34:41.36 ID:5TUy4mLoO
>>336

ビル付近に人影やクリーチャーの姿はないが――。
かつて何者かが根城にしていたらしき痕跡はある。即ち、縄張りを示すように串刺しにされた死体が並んでいたりするなどである。
であるため、外にはいないだけで、中にはいるという可能性は勿論ある。

正面の入り口は崩れているらしく入れない。
裏手の、かつては民間業者が使っていたであろう小さな入り口から入る必要がありそうだ。
出入りの手間を考えてか、出入口付近にトラップも発見できない。

→夜間になっても、外に出ていたレイダーなどが戻ってくると言う気配はなかった。
 →加えて、それまでの間に誰かが出てきたという様子もない。
  →つまり、奇妙な程そのビルは静寂を保っていたことになる。
338 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/24(日) 22:44:14.55 ID:BMjqeYVWo
>>337

「レイダーの根城だった…というのは間違いなさそうだが、
 放棄されたかあるには、どちらにせよ、行かなければ話にならん」

 クルトは夜間を待ち、忍び寄り(スニーキング)を開始した。
 昼間の内に策定したルートを足音も無く進んでいく。

【防熱/防赤外線処理(サーモプロテクト)されたコンバットスーツによるカモフラージュ】
【そして、周囲にセンスを一致させたクルトは淀みなく裏手に出入り口に向かう】

(警戒してここまで来たが、さて…)

 扉付近に爆発物などのトラップが無いことを確認すると、
 目を閉じて、内部に気配や物音、呼吸音などが存在しないか耳を立てる。
339 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/24(日) 22:48:47.99 ID:5TUy4mLoO
>>338

内部には何やら規則正しい動きをしている何がしかの物体があることがわかる。
足音のようでもあるが、何かの機械の動作音も同時に生じている。
この音にかき消されているためか、そもそも存在しないのかは不明だが、呼吸音などは聞こえてこない。

「清掃業者の到着に220年三か月十二時間の遅れが発生しています……」

「ネットワークはオフライン……」

……などといった、機械的な音声案内も同時に聞こえてくる。
この案内を受け取る対象がいるかどうかまではわからない。
340 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/24(日) 22:54:49.33 ID:BMjqeYVWo
>>339

「…レイダーの拠点だったなら連中は部品取りにバラしたりしなかったのか?」

 何とも奇妙な話であるが、動作するロボットなりドローンなりの類が存在する事はわかった。
 だとするならば、さほど高度な探査装置を積んでいるわけではあるまいとも。

「………」

 ロボットの動作音が遠く、そして直感によりこちらに視線が来ていないという想定タイミングで、
 素早く、クルトは室内に身体を放り込み、隙間より確認できた障害物へと滑り込む。

【そして、サイバーアイを用いて改めて室内の状況を確認。同時に目標物の暫定位置も再確認】
341 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/24(日) 23:00:27.55 ID:5TUy4mLoO
>>340

中に入れば、まず目を引くのがレイダー集団らしき人物らの死体である。
死因はどれも例外なく、熱線により重要臓器を撃ちぬかれてのものだ。

そして、円筒形のケース……人間の子供程の大きさのものが見える。
ロボットの待機/充電用の設備だと思われる。恐らく、ここを徘徊しているロボット用のものだろう。
傍らにはコンソールがあり、そこでロボットの動作をコントロールできるらしい。
 →これをつけてみれば、この端末で出来るのはロボットのオン/オフ切り替えだけということがわかる。
 →一人のレイダーの死体が、このコンソールを抱えるようにしていたことから、オフにし損なった結果だということがわかるだろう。

そして、肝心の目標物だが、ざっと見て回れる範囲にはない。
フロアが違う可能性がある。
342 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/24(日) 23:11:57.57 ID:BMjqeYVWo
>>341

(推定だが、拠点だったというより拠点にしようとしていた、というところか?
 どうやら、藪を突いて蛇どころか鬼に出くわしたようだが)

 不用意にロボットを起動させてしまい、さらには所有者判定は出来なかった。
 そして、電源オフ(どいうより一度起こしてケースから出してしまった以上意味があったかは疑問だが)もしそこね、
 死体と成り果てたいったところだろうか。

「これは…行ったのが目標と仮定する場合、交流より破壊を優先すべきか?」

 何にせよ、光学兵器を振り回して殺戮を行うような手合いだ。
 用心するに越した事はない。クルトは左手の深紅の義手を二三度確かめるように動かすと、
 レバーアクションショットガンを構えて、目標物の捜索を続行する。

【カノッサが越えられなかったというセキュリティとは、あのケースより起こす動作か、
 それとも、奥に何かがあるのか。クライアントが疎いと公言していることもあって判然としないが】
343 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/24(日) 23:18:18.33 ID:5TUy4mLoO
>>342

捜索を実行して、程なく足音と機械の動作音の持ち主を発見するだろう。
→しかし、すぐに対象でないと解る。どこをどう見ても女性型のアンドロイドなどではなく、球体に手足が生えて警官の帽子を被ったようなデザインのものだったからだ。
→無機質な案内音声をひたすら呟いているのもこの個体だとわかる。あのケースはこのロボットのためのもののようだ。

この巡回するロボットをかわすなり破壊するなりして捜索をさらに続ければ――とある崩れかけた一室に『ソレ』があることがわかる。
半透明のチューブに入った少女と、それを制御するコンソールの存在だ。
コンソールの周囲には書類がばらまかれており、さらに複数の足跡がある。
そして、この部屋の壁には赤い字で落書きがしてある。

『俺は機械の専門家と言いはしたが、こういうことじゃない!』

……クルトの知識にもよるが、これは古い民族の古い言語で書かれたものだ。
→知識にひっかからなかった場合、ひたすら不気味な文字列に見えるだろう。
344 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/24(日) 23:30:48.86 ID:BMjqeYVWo
>>343

「220年の無駄な案内か……」

 警備ロボットに対して、背後より拳銃を引き抜いて構える。
 こういう無駄なセンチメントを持ってしまうのも人間ゆえであろうか。

「清掃業者だ。道が混んでいて遅れてしまった。お勤めご苦労様」

 チャフグレネードを片手より放し、ハンマーが外れたそれは程なく電子阻害物質をばら撒く。
 そして、クルトはアーマーピアシング弾を装填したピストルで警備ロボットの電子コアを射抜いた。
 打算と、同情が共振したがゆえの行動であった。

【破壊を選択→捜索を続ける】

 さらに進むと半透明のチューブに入ったアンドロイドらしき姿を書置きを確認。
 奇妙な言語を読み取ることは出来たが、壁に残すなど狂人めいた行動にも思える。

【とりあえず、先ずは室内のセキュリティの確認と、散乱する書類の確認である】
【→当然ながら、この時点ではコンソールは後回しだ。何が起こるか知れたものではない】
345 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/24(日) 23:37:16.51 ID:5TUy4mLoO
>>344

室内のセキュリティは特にない。
壁の隅に監視カメラが壊れて落ちているのが見える。それだけだ。
デスクがいくつかある他、棚には工具類が並んでいる。
恐らくはこのアンドロイドの調整のための部屋であったことを伺わせる。

書類の内容は、新しい秩序維持用アンドロイドの異常行動が目立つという報告書と……
再調整を行うたびに不具合が増加するという報告書であった。
戦争が目前である今、民衆が暴徒化するのに備えて何としても仕上げなければ……という走り書きも確認できる。

改めてアンドロイドの姿を確認すれば、見た目は麗しい少女のように見える。
服もないので目に毒――というわけはなく、マネキンのような無感情な作りである。お役所仕事なので当然だ。
耳にあたる部分には幅広の、ブレード状のパーツが確認できる。用途は不明だ。
346 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/01/24(日) 23:52:54.56 ID:BMjqeYVWo
>>345

「この起動の度に増加する不具合(バグ)というのが恐らくはカノッサの言う自我なのだろうが」

 この散乱する資料は映像データ化したのち回収。
 さて、後はコミュニケーションを取って反応を確認しろというのがクライアントの要望であるが…

【コンソールを確認。一度、溜め息をつくとオン、オフ、スイッチの位置を再度確認】

 予備のチャフグレネードを側に置いて、いつでも遠隔起動できるようにセット。
 ショットガンとピストルには対機甲兵器用のパルス弾を装填。
 さらには粘性爆薬によるブービートラップを仕掛ける。時間はたっぷりある。準備は怠らない。

【障害物を準備し、あらゆる想定を終えたところで、スイッチオン】
【臆病に思えるかもしれないが、勇敢という名のウカツで身を滅ぼすよりよほどいい。また、そうでなければこの年齢まで生き残れていない】
347 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/01/25(月) 00:00:02.06 ID:HuwFpHnIO
コンソールから問題のアンドロイドを起動させる――。
半透明のチューブが音を立てて開かれ、少女に見えるソレが外気に晒される。
目蓋を閉じていた少女が目を見開き――チューブ内に収納されていた衣服を身に着ける。
……状況の確認よりなにより真っ先に行うのがそれである。ぽんこつの香りがする。

「……暴徒鎮圧用武装アンドロイド。通称『ホワイト』機動いたしました」

「前回の機動より220年以上が経過しています……エラー。署内ネットワークにアクセスできません」

少女の声でそんな風に、誰にむけるものなのかもわからないガイドを喋る。
それからようやくクルトの存在を確認して、しばし硬直。

「……ぴ。あなたは誰ですか」

すごく、すごく今更なことを言うのだった……!
――これからどうなる。待て次回。

//申し訳ないですが0時になるのでこの辺りで中断をば……!
348 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/25(月) 22:08:37.19 ID:p8i7iVejo
【魔法世界トローヤーにて】

 ドラゴン狂乱す!!

 この情報が入った時、国家も冒険者ギルドも戦慄を禁じえなかったという。
 ドラゴン…上位種であれば神のあらゆる試練をも乗り越えるとも言われる最強種の一角である。

「永年、峰に棲んでいらした賢竜様じゃった…だが、今はもう…」

 2の国を焼き、数多の人を喰らったそれは、所々に触手と眼球を生やしたそれは見るに耐えない姿だったという。
 もちろん、元よりそのような醜い姿だったわけではない。

【宮廷魔術師曰く、近年、世界に混じる斑模様の魔力に汚染されてしまったのだという】
【それは人間にも影響を及ぼし、新生児がミュータント化するという痛ましい事例も報告されている】

 −−−−−−−−−−−−

「というわけで雇われて、色々準備したわけだが…」

 ある城塞都市。大砲や大弓、魔術師など多数が配備され、
 ここでドラゴンを食い止めると意気軒昂…であったのだが、

【イムカ・グリムナーも指揮官待遇で雇われてこの数日、鉄壁の布陣を構築していたのだが――】

「件のドラゴンがやってこない。スカだ。準備させておいて何だこれは?」

 微妙に不機嫌なイムカである。イクサに逸る気持ちが無かったといえば嘘にある。
 将官とはどう取り繕っても、救い難い人種であるという証左かもしれない。

「まさかとは思うが、捨て石…ごほん。
 勇敢にも討伐に出た勇気に満ちて思慮の浅い勇者様志望の連中で本気でやった≠フがいたのか?」

 と、呟くイムカ。ドラゴン退治となると時折、そういう連中が出てくる。
 空を駆けるドラゴンが自由行動できない閉所で戦う。勝てば英雄で一生の名誉と金銀財宝が約束される。
 ゆえに、危険な賭けに出るのだ。そして大抵はただの消し炭となるか、ドラゴンの胃袋に収まると相場が決まっている。

「…何時までも待機状態というわけにもいかん。と、言うわけで調査を頼む」

 しれっとのたまうイムカ。つまり生死定かならぬドラゴンの棲家まで行って来いである。

「確認後、どう行動するかは君に一任する。もちろん、ドラゴンに居たら…倒してしまっても構わんぞ?」

 微妙に有名な死亡フラグを押し付けている気がしたならそれは気のせいであろう。
349 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/25(月) 22:21:10.15 ID:Vy1hM5C40
>>348
「来ないねぇ」
身に着けた装備は一度ボロウズのスクラップヤードまで運んでフルメンテし
身を晒していた部分は新しく防具を纏い

ついでに耐ブレスのアミュレットを身に着け 出来うる限りの準備をしてこれである

「そういうな 実際お前さんの言う『勇者様』ってのはそう少なくないんだ 成功率も含めてな」
余分な防具を下し 代わりに巨大なバックパックを背負う すでに行く気満々である

「んじゃ言ってくるわ 吉報を待っていてくれ」
そして何やらフラグを立てようとしているので

「あぁ 特上のステーキを焼いて待っていてくれ 付け合わせはパインサラダがいいな」
サムズアップ一つ 全力で乗っかる
350 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2016/01/25(月) 22:30:16.02 ID:p8i7iVejo
>>349

「わうわう(と、言うわけでお嬢の頼みもあり同行してやるのだが)」

 山脈を歩く道中、水が入った皮袋と干し肉を請け負った柴犬が、
 ロイの隣をテクテクと歩いているわけだ。

【ドラゴンの棲家は魔力に満ちている。ゆえにこの山脈も魔力濃度がかなり高い】
【→濃度が高すぎる魔力は酸素と同様に人体に有害である。お守りなどが必要だろう(オカルト)】

「わうわう(どう考えてもドラゴンは死んでおらぬな。拙者の耳には荒ぶる吠え声も聞こえてくる)」

 舌をペローンと出しながら、山道を苦ともせずに歩き、洞窟の手前まで到着するウルリック。
 耳をひくひくと動かしながら、

「わう!(しかも…どうやら戦闘中のようだ。苛立ちと…苦戦の匂いだ。勇敢無謀の連中に本気で骨のある奴がいたのか?)」

 どうにも、解せぬといった様子のウルリックである。なお。こうなると本気で加勢という選択肢も出てくるかもしれない。
351 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/25(月) 22:41:20.95 ID:Vy1hM5C40
>>350
「こりゃ俺にはもったいないぐらいの援軍だな」
高濃度魔力の中を アミュレットを首から下げながら進む

こちらも山の民 山道なんぞなんのそのと さしたる苦も無く進んでいく

「あぁ そのようだ 下手にエンカウントしないように 慎重に行くk」
と 聴覚にすぐれたウルリックの言葉に前言撤回

「急ぐぞワン公 もしかしたら俺らの力が必要になっているかもしれねぇ お前も何時でも変身できるように身構えておけ
 あとな 勇気と無謀は紙一重とはよく言うだろ? 本来悪い意味なんだろうけど いい意味だってあるんだぜ!?」

ハルバートを構え 洞窟の中へと駆けていく
352 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2016/01/25(月) 22:52:16.63 ID:p8i7iVejo
>>351

「わう!(お嬢も拙者も無謀で突破するには些か歳を取りすぎているからな。コレばかりはどうにもならん)」

 若気の至りとも言い換えられるが、若さとは突破力である。
 そして、それは経験や思慮、判断力と等価で失われてゆくものかもしれなかった。

【洞窟を駆けていくと奇妙な点がそこかしこに出てくる】

「わう(これは――)」

 ドラゴンが棲むだけあり洞窟は狭い枝道を省けばかなり大型だ。
 そして、そこかしこに炭化した死体に喰い残しとなった死体が散乱している。夢破れた冒険者連中の跡であろう。

「わうわう(小僧…遺体の痕跡からするとコレは拮抗した戦いの跡ではない)」 

 顔がかろうじて判別できる死体はどれも恐怖に満ち、無謀に対する後悔に彩られている。
 どれもこれも、とても英雄的な戦いで敗北したものとは思えない。
 遺体の位置や様子からもぼうぼうの体で逃げようとして喰われた≠ニしか見えない。

「わう…(骨のある奴は一部のパーティに過ぎなかったということか…来るぞ、吹き散らせ)」
≪GISHAAAAAAAAAAAAAA!!≫

 ウルリックの警告と共にドラゴンが吐き出した毒のブレスの影響であろう。
 紫色のガスブレスの余波がこちらにも広がって、ロイとウルリックを飲みこまんと迫る。
353 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/25(月) 23:02:05.61 ID:Vy1hM5C40
>>352
「一部もいりゃ十分さ 骨は拾ってやらにゃな!!」
そんな死体の山には見向きもせず ただ前へ

そして現れた賢龍の成れの果て

「おうよ!!」
リュックをパージ 所持品が漏れなくお陀仏になってしまうだろうが致し方なし

しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く
――――瞬間的な其の動作

地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

加速を無視した最高速 真横に発動させたその術で毒ブレスを回避しようとする

「ウルリック!! 竜殿の損耗具合はどうだ!? 撤退するか!? 立ち向かうか!?」
自らも龍の手傷具合を見計らいながらウルリックに叫ぶ
354 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2016/01/25(月) 23:12:56.99 ID:p8i7iVejo
>>353

「わうわう!(ドラゴンの血の匂い…すでに深手を負っているようだ。これはやれるかもしれんぞ!)」

【疾駆するロイに追従して、己が周囲の雷撃の膜を張ってガスを散らす柴犬】

 ガスの余波満ちる洞窟内を駆け、やがて一際大きな場に出る事になるだろう。
 そこにはドラゴンの習性であろうが、金銀財宝の山(ただし、狂った魔力の余波か全て呪われている)と、
 身体中から触手と眼球を生やしたおぞましき二ツ首のドラゴン。そして――

「グウァ!!」

 咆哮と共に疾走し、ガスの直撃を巧みにかわしながら戦うローブを纏った大型の影。
 身長を2メートルは優に超えるそれは、何と単独であった。

【影は懐からスティックボムを取り出すと投擲。ドラゴンにダメージを与えつつ、ブレスを散らす!】
【ドラゴンは元は三つ首であったのだろう。大きな首が一つ切断されて地面に斃れている】

 戦いの様子を見ると、大型の影は何度もドラゴンへの接近を図るが、
 しかし、広範囲のブレスによってそれが叶わない。
 そして、ドラゴンの方も首を落とした何らかの手段を警戒し、直接攻撃しかねているという状況。

【→様子を見るに互い決め手を欠けた千日手の状況に陥っている様子であった】

 通常であれば、ロイもウルリックもその状況から、天秤の傾きを変えんと即座に支援に乗り出しただろう。が、

「わう(どうする、小僧)」

 安易に決断しかねる状況がこの時できてしまっていた。
 結論から言えば、人間の冒険者グループは予想通り、全滅していた。
 そう、人間の。そして、この広間に散乱している死体は人間のモノではなく、

【汚らわしいあばたと寄生虫まみれの緑色の肌を持つ遺体の群れ…グリーンスキンのモノだ】
【そして、そのローブを纏った大きな影。そこから覗く地面に届く寸前まで長い腕から察するに…それもまた――】

 判断の難しいところである。ドラゴンを放置すれば、なまじ傷ついているだけに後先考えぬ暴走に到る可能性が高い。
 かといって、こちらの大きな影に加勢したとて、下手をするとドラゴンの代わりに大進撃(グァーグ)が起こりかねない。
 ドラゴン殺しなど、大族長の顕現条件としても十二分に過ぎる。

【ならば共倒れか漁夫の利を狙うか?それはそれで打算の代わりに魂の何かを失う予感もある】
355 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/25(月) 23:24:18.78 ID:Vy1hM5C40
>>354
「ナルホド ならばいっちょドラゴン殺しでもやってみるか!?」
そう叫び なおも前へ

そして 到達 そこにいたのは呪われし竜と グリーンスキン
ウルリックはこちらに合わせるらしい ならば自分が出す答えは

「偉大なる女傑に言われただろ? ドラゴンの命(タマ)ぁ取ってこいってな!! そういうことだ!!」
イムカはそんな事は言ってないと抗議するだろうが アレだ 押すなよ? 絶対に押すなよの精神というやつだ

「Let's 吶喊!! イィィィィィヤッホゥ!!」
竜の注意がグリーンスキンに向いていると判断し 突撃を慣行する
356 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2016/01/25(月) 23:34:00.99 ID:p8i7iVejo
>>355

 本人がその場に居たならばヤクザ映画の姉御みたいな事を言った覚えはないと
 抗議必須の事をのたまいながら、ロイ・ゴールドマンは特攻する。

≪GISHAAAAAAAAAAAA!!≫
≪GGUUHAAAAAAAAAA!!≫

 歪んだドラゴンの幾つもの眼球がロイを捉える。
 血膿を流しながら、皮膚中を這いずるその異様さは、精神の弱いモノであれば発狂すらありえるだろう。

「グウウアアアアアッ!!小僧!呪い(カーズ)が幾つかある!用心しろ!」

 既に雷狼の姿を取って逆方向にかけ始めたウルリックがロイに警告する!

【歪んだ視線(恐怖誘発、精神破壊、肉体腐食など幾つかの致命的な呪いが付与された魔眼だ)】
【眼球の視線が重なれば重なるほど、その侵食率が増大しているタイプであろう】

「グゥオ…ッ!!インゲン…だァ?」

 オーク特有の訛った声を発しながら、ローブの大影はその真っ黒な腕≠ナスティックボムをさらに放り投げる。
 これは地面で爆発し、ロイへの視線もいくつか遮断することになるだろう。
 同盟というよりは、この場限りの消極的連携というものであったが、とにもかくにも共闘状態が成立している。

≪GGHHHHAAAAAA≫

 そして、ドラゴンはかつて賢竜と呼ばれたその名残を欠片ほども残さぬ、
 狂気と狂乱に満ちた咆哮と共に、ロイに酸の涎を吐き散らす幾つもの触手を伸ばした!
357 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/25(月) 23:46:25.64 ID:Vy1hM5C40
>>356
だがこの場にいないのでセーフということで

「あいよ!!」
その忠告に短く答える 幸いなことにオークの援護で幾分視線は和らいでいる
しかしだ

(腕が黒い・・・ブラックオークのなりかけか・・・最悪 余すところなく真っ黒か こりゃヤバイ)
下手したら大総長になりかねないそのオーク だが今頃作戦変更とはいけないだろう ならば行けるところまで行くのみ

もしもクァーグが起きてしまったら? その時はその時だ

「―――――――ッ!!」
伸びる触手 男の触手PLAYなんて誰得と言わざるを得ない

それを全力で回避すべく 全身から紅き闘志を噴出

「月閃歩行!!」 
更に小さな跳躍大きな飛翔 その姿を紅蓮の鳳と化し 放つ一撃は己が最強

「天!! 破!! 絶ぇぇぇぇぇええええええええッッッ槍おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオ!!!!」
渾身のチャージが繰り出された
358 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2016/01/26(火) 00:01:36.60 ID:Ry4vN1sko
>>357

「ッ――!!」

 結論から言えば、ロイの仕掛けは早すぎた。
 大影が責めあぐねていたのは正に接近が困難であったからだ。
 たしかに、ロイの速度は地面を駆けるそれとは比較にならぬほどの超速ではあったが――

≪GUUUAAAAAAAAAAAAAAAA≫
≪GIGIIIIIIIAAAAAAAAAAAAAA≫

 二つの首が危険を察知し、ロイの方を向く。即座に吐き出される超高密度のポイズンブレス!!
 余波だけでも危なかったのに、それがマトモに直撃すればどうなるか。推して知るべし!

「ガアアアアアアアアアアッ!!」

 ウルリックは咆哮をあげると共に身体中から放った雷撃を収斂。
 ロイの危険な状況を察するや、ひとまとめにしてブレスに向けて放った。

【ロイの焔は上位種たるドラゴンが放つブレスにより突破の最中に腐り落ち(焔が腐るという異様な概念魔力が含まれてる)】
【その肉体を朽ちさせんと、襲い掛かったところで、横手より入った雷撃が大きくその勢いを衰微させる】

 一直線に向かえば、超濃密の毒ガスの餌食である。ゆえに機動を大きく変えながらの一撃となったであろう。
 それはドラゴンの首の付け根に突き立てられ、竜鱗を割り、肉を抉り…そこで止まった!

【焔と勢いが衰微した切り札は、その真価を発揮できなかったのだ!!】

≪GUUAAAAAAAA!!≫

 長い首をよじらせ、狂った竜はその呪いと穢れに満ちた目線をロイに集中させる!!

【呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪!!腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐!!】

「グァーッッグ!!」

 その最中、グリーンスキンは好機と捉え、腕を振りかぶって重い足音と共に突撃。
 両手に剣の柄らしきモノを持ち、それがプラズマを圧縮し刀剣の形に精錬したかのような光を放っていた。

【ローブが解れ、全身が暗黒めいて黒一色、瞳の虹彩が真っ赤という異様な出で立ちのオークが現れる】

「インゲン野郎!…抉れッ!!!!」

 口に咥えていたピンを抜いていないスティックボムを首の力だけでロイに向かって投擲!
359 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/26(火) 00:12:29.50 ID:yGMDg2XA0
>>358
「グゥゥ・・・ッ!!」
さすがに仕掛けが早すぎたか 自身知らずのうちに焦りが出てしまったらしい

だが全身黒濡れのオークが爆弾を薙げてきた そして抉れとは?

「ッ!!」
ありったけの力で穂先を引っこ抜き ボムをキャッチ すぐさまピンを抜くと

「あーらよっとぉ!!」
今しがたできた大きな傷の中にボムを深く突っ込み 自身は竜の体を蹴って離脱 
後は爆弾の力を信じるのみ
360 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2016/01/26(火) 00:28:04.62 ID:Ry4vN1sko
>>359

「ガウッ!!」

 緊急離脱して落ちていたロイをその身体で受け止めるウルリック。
 バチバチと静電気のような放電をロイに与え、肉体に喰いこんだ呪いを焼き焦がす。

「荒療治だが我慢しろ。神経を貫く。多少は痛いぞ」

【瞬間、ドン!と炸裂音がし、ドラゴンの首の付け根より半分がもがれた!!】
【もともと、肉体奥深くに爆弾を差し込めるほどにはハルバートの刃が届いていたのだ。
 実質、爆弾が第二の刃となり、敵に致命を与えた。千切れかけた頭部など最早役には立つまい】

 そして、明らかに拮抗は崩れた。そこに踊る黒い影。

「クゥアアアアアッグ!!」

 それは壮観というべきか、惨劇と呼ぶべきか。襲い掛かる触手を鎧袖一触で寸刻みに切断し、
 ブレスを放たんとした、残り一つの首が光刃に触れるや、剣風によって一瞬で幾つもの肉片としてバラ撒かれ、
 大影はそのまま剣を真っ直ぐにつきたてると、歪んだドラゴンの皮膚を切り刻みながら体内奥深くに入っていった。

「…小僧、ドラゴンはコレで終わりだ」

 ドグン!とドラゴンの心臓が一際大きく鳴動し、そして何も聞こえなくなる。

「だが――」

 そして、ドラゴンの身体の一部が膨れ上がり、夥しい鮮血と共に、
 切り刻まれた巨大な心臓を片手に血塗れに赤く染まったオークが勝利の雄たけびをあげる。

「グゥウウウアアアアアアアアアアッグ!!」
「これで危機は去ったのだろうかな?」

 クルリックは緊張に満ちた眼差しでその光景を焼き付ける。
 荒々しく、野卑で、かつ荘厳な、伝説の誕生の如きその光景を。

「グルルウウウウッ!」

 ギラリ、と、オークがロイとウルリックを睨みつける。
361 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/26(火) 00:36:53.85 ID:yGMDg2XA0
>>360
「んぎぎぎぎぎぎぎ・・・・」

身を焼く電撃に苦悶の表情を浮かべる
だが致し方あるまい それが必要なのだ

そして戦いは終わった 雄たけびを上げるオーク
ウルリックの背から降りると

「ロイ先生の人間語教室だ 『一難去ってまた一難』 意味? 今のようなことだ」
自分たちにあれをどうにかする余力はないし 物資は軒並み毒ブレスにやられてしまったし

「ついでにもう一つ 『三十六計逃げるに如かず』 意味? 今のようなことだ!! 逃げるぞ!!」
あとはスタコラサッサと逃げるのみ
362 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2016/01/26(火) 00:44:07.09 ID:Ry4vN1sko
>>361

「拙者は勇敢な戦士である。そして――!!」

 目を剥くと、ロイの首根っ子をひょいと摘んで放り投げ、自分の背中に乗せてやる。
 真っ黒なオークは?無論、こちらを獲物としか思っておらず光刃を向けて迫ってくる!!

「老獪は戦士とは戦うべき刻を選ぶものよ!!」

 即座に風のように駆ける!ロイ先生の人間語講座の同調し、
 ウルリックは風の如く駆けて、その場を緊急離脱した。

「…グウウウアアアアアアアアアアアアッグ!!」

 その背に響き渡る咆哮を余韻として――

 −−−−−−−−−−−−

【数日後――】

「で…、君の言ったとおり大進撃を警戒して準備したわけだが」

 本日もお日様が燦々、草原は涼やかな風を運び、
 農民達は牧歌的な農作業に従事している。平和そのものである!

「来ないのだが?」

 やっぱり、出発のときと同じく不機嫌そうなイムカと、
 我関せずという風情で骨っこを齧っている柴犬。そして正座を強いられるロイが残ったとか残らなかったとか。
363 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/26(火) 00:48:58.29 ID:yGMDg2XA0
>>362
「来ない方が万倍マシだ」
正座しながらウルリックの頭をなでるロイ・ゴールドマンでしたとさ

//そろそろ眠気的な意味でノシさせていただきます
364 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/30(土) 22:07:34.09 ID:HZWWZgvwo

【終焉の遠未来――】

 宇宙暦066608024.M41――

 農業惑星(アグリ・ワールド)がノーブルプライムからの音信の途絶。
 そして、監視衛星より齎された報告により宙域統合司令部(セグメントゥム・コマンド)は、
 戦慄を禁じえなかったという。

【かつての緑豊かな惑星だったはずのそれが、短期間にして、宙域を侘しく浮かぶ岩石の欠片と成り果てていたのだ】

 音信が断絶する寸前に感応高等研究院(スコラスティカ・サイカナ)より観測された事象から、
 異星種(ゼノ)の侵入・汚染の疑いが濃厚であるという判断が下される。

【状況は不確かであり、ここで兵の派遣。特に騎士団(オーダー)の出撃は厳に慎まれる】

 そこで白羽の矢が立ったのは第一線より既に退いている過去の英雄(帝国宗務局はあわよくば戦死を期待している)、
 そして、出生定かならぬ、越境者と呼ばれる異星種と本質な何ら変わらぬ異物共に対する調査命令であった。

 −−−−−−−−−−−−

【打撃巡洋艦:クドゥヴァの栄光にて――】

「と、まあ、君たちはくだらんパワーゲ−ムに巻きこまれたというのが実情であるが」

 ブリッジで腕を組みながら、表面上は悪びれた様子もなく、
 イムカ・グリムナーは三次元的に展開されるホロ・ディスプレイを示しながら言葉する。

「そうは言っても、ここに到ってはは愚痴を言っても始まらん。
 実にならぬ謝罪を口にするつもりもない。この際は互いに任務を果たさねば生きては帰れん」

 言いながら、ディスプレイに表示される教務局よりの支援艦≠Q隻を投影させる。
 これは自軍であると同時に監視役であり、ともすれば暗殺役にもなるという、
 誠にありがたい援軍である。なお、手伝う気は皆無であろう。

「私の世界においては、越境者は一定の身分保障がされるのは説明したな。
 ただし、宗教的価値基準により、それはあくまでも君達が神なる皇帝陛下≠ェ使わした使徒であるからだ。
 戦役への参戦に拒否した瞬間、全ての権利は剥奪され、よくて死刑。悪ければ生贄だ」

【正直なところ、果てしなく狂った世界であり、戦争しか残っていない詰む寸前の世界でもある】
【イムカの立場は、かなり酷い。体制に殺される英雄の一歩手前という状態である】
365 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/30(土) 22:15:47.55 ID:/ifIBFsa0
>>364
「うわーい なんて素敵な処遇なんだー」
―――ギィ!!

そんな無慈悲な宣告にぐったりしているアキレスと いつものようにハサミを振り上げるベティ

「んで? 素敵な素敵な使徒はこれから一体どこへ連れていかれるんですかねぇ?」
巻き込まれてしまったのはもう仕方がない あとは生き残るために頑張るだけである
366 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/30(土) 22:24:08.52 ID:/ifIBFsa0
またやっちゃったよ・・・
367 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/30(土) 22:30:24.92 ID:HZWWZgvwo
>>365

「脱走防止用具を装着されるよりはまだマシだろう?」

 ここで言う用具≠ニは悪名高き爆弾首輪である。
 逃げようとした場合には勿論、時折、動作チェックのためにスイッチが押されるという
 懲罰部隊に主に使用される装備である。越境者に対してもそれは時折使用される。

「農業惑星ノーブルプライムは既に住人ごと滅んだ。
 その前後に感応波の応答に対する大きな乱れを残してな」

 ディスプレイに投影されるのは、件のノーブルプライムである。
 20年前は緑豊かな惑星である。水も酸素もたっぷりあり、食料供給惑星としては申し分なかった。

「で、これが現在だ」

 宇宙に浮かぶ岩石でしかなくなっている。水分も、大地の生命力も、何もかもがなくなってしまった。
 住人も全て消失。何一つ残っていない。

「侵略か、兵器か、疫病か、痕跡を見つけねばならない。
 ゆえにここに降下することになる。酸素供給システム付の全環境戦闘服の着用が許可されている。
 慣熟訓練はもう十分だな。もちろん、危険は予測されるし、寧ろそれを期待されている有様だ」

 そして、映像を護衛艦2隻に戻す。

「なお、危険度が高いと判定された場合には我々ごと惑星を熱核兵器で焼き払うつもりのようだ。
 …もしかすると、危険が無くとも@獅ニすかもな。まあ、死地と呼ぶには値せん。質問の答えはこれでいいか?」

 イムカは常の表情のままに首を傾げて返答を待った。
368 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/30(土) 22:37:16.64 ID:/ifIBFsa0
>>367
「あと ベティはここに置いといていいよね?」
―――ギィ!?

「さすがにスーツの中に一緒に入れられないよ・・・」

一応確認を取る ベティが悲痛な叫びをあげるが致し方なし

―――ギィ・・・
「質問はこんなところかな? それじゃさっそく行きますかい?」
もちろん気は進まない だが行かなければ死ぬだけなのだ
369 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/30(土) 22:47:21.11 ID:HZWWZgvwo
>>368

「よし、では君の任務だが…」

 早速惑星への降下ポッドの準備…ではなく、
 ディスプレイに投影されたのは件の護衛艦≠ヨの侵入プランである。

「私が私の兵達と惑星探索をする間に、あのありがたい護衛艦のネットワークコードを取ってきて欲しい、
 これがデコーダーで、これは解析装置。こっちは特製のウィルスだ。接続先のシステムは――」

 と、何だか任務とは全く違う方向に話が動き始める。
 そう、イムカ・グリムナーが唯々諾々と理不尽な死に一直線なはずはないのだ。

「背中から撃たれるのが確定している聖務など御免だ。
 頼むぞ運び屋。15分後、君を宇宙空間に放り出す。うまくやれよ」

 理不尽!!!

 −−−−−−−−−−

【そして現在…】

 アキレスは人生発の宇宙遊泳を体験していることであろう。
 凶悪な宇宙線の影響を最小限にする♂F宙服に包まれながら、
 無重力空間を浮かび、数多の星空と圧倒的スケールの空間をその身で感得するのだ。

【視界の端では打撃巡洋艦より、降下艇が次々に吐き出されている】
【アキレスがしくじれば、ともすればその全てが核の焔で焼き払われることになるのだ】
370 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/30(土) 22:56:55.45 ID:/ifIBFsa0
>>369
「えっ? え? あ?」
チッチッチ・・・ピコーン

「(ニッコリ」
意図を察し とてもいい笑顔を向ける

「おーけーおーけー ちゃんとやってほしくば今晩ベッd」

〜それからどうした〜
「イェェェェエエエェェェェイ!!!」
―――ギィ!!

予定より10分ほど早く宇宙空間に放り出される阿呆 ベティは一緒のスーツの中 無理やりついてきました
デブリに隠れて降下艇をやり過ごし 圧縮空気の噴射で熱源探知を誤魔化し スプロール製スマホのジャミングも駆使して慎重に護衛艦へ取り付く

「さって・・・イムカタンの話じゃこの辺にメンテナンス用のハッチがあるらしいけど…?」
侵入開始 まずは中に入り込みましょう
371 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/30(土) 23:11:14.46 ID:HZWWZgvwo
>>370

「………」

 予定より早くポイ捨てされた理由は言うまでもない。

 −−−−−−−−−−

≪000111101010101≫

 アキレスの周囲をサーボスカルが浮遊している。
 なお、アキレスの宇宙服のシールド周波数を制御しているのはこの髑髏だ。

【周波数が合っていない場合、護衛艦のシールドに接触した瞬間にアキレスは一瞬で蒸発するハメになる】
【なお、イムカのサーボスカルはバグっているのは周知の事実だ】

 メンテナンス用のハッチからの潜入。すると、正規のルートでは、哨戒ドロイドが一応の警戒に入っているが見えるだろう。
 同時に、教務局の人間そのものは最小限の人員。高度にオートメーション化されているのだ。

【通常の人間であれば、システム端末にたどり着くのは至難の業だ】
【梯子もない、大きな縦断経路やら、何やら人が通ることを想定してないない場所を動けるような】
【それこそ、ジェットパックなどのような感知されやすい熱量≠持たずに三次元的な動きが出来るものでもなければ】

≪00001111101010101≫

 そう、通常の人間の挙動であれば、潜入路は非常に限定される。
 それを行おうとした場合は高度な浸透/隠密能力が必要となる。
 言い換えれば、通常の人間の動き以上を想定していないのだ。
372 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/30(土) 23:24:52.02 ID:/ifIBFsa0
>>371
きっと生身で放り出されないだけ温情だったのでしょうきっと

「あったあった・・・お邪魔しまーす・・・」
哨戒ドロイドを横目におっかなびっくり進んでいくと 中々にアスレチックスな場面に遭遇 だが

「いいじゃない 俺向きで大変結構・・・デモンレッグ!!」
その壁にわずかでも突起があるのなら ロッククライミングの要領で登り それすらもないのなら 熱を放出しない 青い霧を用いた大ジャンプ

そして狭い場所はデモンアームを用いて 腕を伸ばし どこぞを掴んでからの伸縮でわが身を引きずり出しと

異能とパルクールを用いた合わせ技で道なき道を踏破しようとする
373 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/30(土) 23:40:53.00 ID:HZWWZgvwo
>>372

 そうして、あっけないほど簡単に(※そう思えるのは三次元的潜入のため)
 システム端末に辿りついたアキレス。ここでデコーダーを接続し、
 ついでにウィルスを流し込めば終わり…のはずであったが、
 幾つか仕込まねばならぬ選択肢が生まれている。

【選択肢1:熱核兵器起爆シークエンスの扱い】

 1:特に触らない
 2:発射されるタイミングで起爆するようセット
 3:時間式で仕込んで○○分後に起爆するようセット

≪0001111010101≫

 サーボスカルがベティに伝えるところによると(※髑髏が蠍と会話ナンデ?マスコット同士のコミュニケーション!)
 熱核兵器はどう転んでも、こちらを殺す武器か相手を殺す武器にしかならず、
 任務に対しては何らの益にもならないとのこと。

【選択肢2:発射システムの変更】

 1:特に触らない
 2:熱核兵器射出信号を停止させる。
 3:全兵器の発射を一時的に阻害する(※やる事が派手なため一定時間で修復される

≪0000111010101≫

 ベティに伝えるところによると、上記の仕込みと微妙に絡んでいる。
 選択によっては起爆シークエンスそのものが無意味化する。とのこと。

【選択肢3:ドロイド停止信号】

 1:特に触らない
 2:艦内のドロイドを停止させる

≪000111110101≫

 これは常識的に考えるべし、とのこと。これが潜入であることを忘れてはならない。

【なお、全部の助言はサーボスカルがベティに伝えていることであり、】
【アキレスには当然ながら、サーボスカルの電子言語が解読できるわきゃない。世界修正力のサポート対象外だ!】
374 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/01/31(日) 00:02:18.53 ID:znjBvyco0
>>373
「こちらスネ○ク 目的地に到着した ・・・なんてね」
特に通信を開いてないが 雰囲気重点でそんなことを言ってみるテスト

「さてさて・・・?」
早速ウィルスを流し・・・こもうとして 何やら決定しなければならないことがあるらしい

―――ギィ!!
と 何やらベティがスカルと話をしているらしい

「ベティ? このカルシウムなんて言ってるんだ?」
―――ギィ!!ギィ!!

早速ベティが翻訳・・・なのだが もちろんギィとしか言っていない

「・・・おっけ なんとなくわかったぞ」
だが長年のやり取りでなんとなくでも分かったんだって すごいよね

「シーケンスを発射されるタイミング起爆・発射システムを弄らないと この船がドカン
 タイマーにしてもボカン だからやりたくないなぁ」

まだアキレスは一般人・・・というには中々に修羅場を潜り抜けているが 人を簡単に殺せるほど達観していない

「ならばシーケンスのタイマーを思い切り長時間にすれば きっと爆弾は射出されても イムカタンたちが脱出する地kんが稼げる
 シーケンスを特に触らないか 発射タイミングにして 射出信号停止にしても同じか・・・よし」

この男が選んだのは シーケンスのタイマーを最大まで伸ばし 発射システムを弄らないことにし イムカたちの脱出の時間を稼がせることにしたのだ

「・・・これでいいかな よし脱出するぞベティ」
―――ギィ!!

そして脱出を開始する なおドロイドについては完全に無視 弄らなかった
375 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/01/31(日) 00:19:17.04 ID:r2WG7Ky/o
>>374

【ドロイドについては完全に無視。弄らなかった】

 アキレスの潜入は実にスムーズに行われ、痕跡は最小限しか残さなかった。
 そのため、今回の行動がイムカに対する政治的不利になることは早々に起こりえない。

【アキレスの定めた工作ルーチンはウィルスの波に乗って別艦にも運ばれた】

 地上においては、生物の出現を察して冬眠状態から目を覚ました
 フォーリナーの醜い生物共と、イムカの古兵分隊(ベテラン・スガット)との戦闘状態に突入。
 教務局の回し者達は喜々として、これを深刻な緊急事態と認定。熱核兵器の即時発射を決断した。

【地上に降り注ぐ幾本ものミサイル。しかし、これがどういうわけか全く起爆しない】

「支援ご苦労。我々が離脱後には爆発するな。浄化はいい選択だ。これより脱出に入る」

 イムカの皮肉に満ちた賛辞に、熱狂的な司祭達は怒りを禁じえなかったという。
 しかし、これ以上の直接的手段の行使は流石に慎まれることとなった。
 ※戦闘詳報に時限式熱核兵器の使用が記述されてしまったため。

 −−−−−−−−−−−

「で、資源を喰らい尽くす第一級の危険異性種の仕業だったと突き止められたわけだが」

 カーボン冷凍処理された不気味な異性種の標本を封印しながらのイムカ。
 調査としては上々の首尾である。これで宙域統合司令部の聖務は達成だ。

「そちらもご苦労だったな。確か報酬はベッドを希望だったか。ほら、用意したぞ?」

 カーボン冷凍装置を指差す。炭素の塊になれるステキなベッドだ。

「敵にだけ相対できたら、いっそ楽なのだがな。なんにせよ、ご苦労だった。
 閨は論外だが、何かしら報いる方法は考えておくよ」

 ベティにおむすびを放り投げながら、感謝の意を示すイムカであった。

//そいではこれにてーノシ
376 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/01(月) 22:02:05.76 ID:a+kRvwYa0
〜狭間のスクラップヤード〜
そこは鍛冶屋ボロウズがいつも居付いている廃工場
だが越境ポイントであり 越境者以外の者が認識できない 広範囲の場所であることが幸いし

今では最大級の止まり木同盟の宿がおかれたりして 越境者でにぎわう場所となっている

そして今ここは止まり木の宿の一階にあるフロアぶち抜きのリビングルーム 時間は真夜中になる数時間前 夕食が終わり 就寝前のひと時
誰が持ち込んだかは不明だが 巨大プロジェクターには人だかりができている 何が起きているかというと

ロイ「あ!! おい!! やめt」

吹き飛ばされたキャラクターが必死の思いでステージに戻ろうとしている そこに別のキャラクターが一発攻撃 哀れ落下していく

アキレス「あ〜っはっはぁ〜!! どうだ参ったか(腕っぷし的な意味で)日頃の恨み〜!!」
悔しがるロイと 高笑いを上げるアキレス

某大乱闘ゲーム大会 inスクラップヤード杯
などと掲げられた垂れ幕の下 越境者がゲームの腕を競っていた

さぁ 諸君らは熱狂渦巻くゲーム大会に参戦するか? それとも遠巻きに観戦してゆったりと時を過ごすか?
377 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/02/01(月) 22:11:36.30 ID:+aQV1e6v0
>>376
「あ、このっ……!」
「ちょっと、少しは手加減しなよぉ!」

参加者側の1人の七八、菖蒲色のスエット姿に下ろし髪で随分と寛ぎモードである
彼女の使うピンクのまん丸は吹き飛ばされてキラリと光る星になる

「……もう、初心者なんだよこっちはぁ……」

むすっとして膨れてみせるがまぁその程度だ
基本楽しむモノとして楽しめている証でもある

「……お……!」

と、復帰したピンクは目の前のアイテムを掻っ攫いリベンジに向かった
黄金バットを持ちてアキレスの動かすキャラクターに向かうが、無論そこは素人だ
目の前でバットを振りかぶり、隙を晒しまくるのである
378 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/01(月) 22:21:34.51 ID:a+kRvwYa0
>>377
なおルールは残機制らしい

「ふはははは!!!! 誰も俺を止められんぜ!!」
現代っ子アキレス 初心者相手に無双状態である

そしてこの戦いは四五六とアキレスの一騎打ち 残機はアキレスの方が多い そして目の前のピンク悪魔は隙を晒している

キランとアキレスの目が光り 持ちキャラのネクタイゴリラがピンク玉を担ぎ上げると

「これぞ最強の!! Let's無理心中〜!!」
そのままステージから飛び降りた!!
379 :四五六 七八【賽印流忍術】 :2016/02/01(月) 22:32:12.62 ID:+aQV1e6v0
>>378
七八も現代基準の世界にはある程度順応してはいるが、やはりこの手の娯楽に手を出す余裕がある程ではない
そもそも基本的に外を飛び回っている事の多い性格なのだ、たまにゲームセンターを見ても喧しい場所としか印象にない

「あっ……!」
「ち、ちょっと! それズルいってぇ!」
「死ぬっ! 死ぬっ!」

慌ててレバガチャ、破裂直前で脱出を果たす
ふよふよと愛らしい仕草で羽ばたき復帰を目指すピンク玉
対して操縦者である七八は結構必死だ
380 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/01(月) 22:39:08.46 ID:a+kRvwYa0
>>379
そんな四五六を他所に1ミスするネクタイゴリラ 

アキレス(ニッコリ
そして残機を使い すぐさまステージ上に復帰するネクタイゴリラ
颯爽とステージを飛び降り 必死に復帰を目指すピンク玉に対して空中↓スマッシュで画面外に叩き付けようとしている

ロイ「頑張れ四五六!! お前だけが頼りだ!!」
そんな中 ロイは仇を取ってくれと言わんばかりに四五六を応援している

―――ギィ!!ギィ!!
ベティはよく分からないけど楽しげだ
381 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/02/01(月) 22:45:17.59 ID:+aQV1e6v0
>>380
「絶対、絶対無理だって!」

ゴリラの圧倒的圧力がかわいいピンクのほわほわまるいのに襲い掛かる!
ひしゃげた野球ボールめいて叩き落とされるだけの運命だったピンク玉は咄嗟に金属バットを宙に投げた!
そしてガチャプレイの末に放つは、そのまま仕返しだといわんばかりの上スマッシュ!
カッターを手に飛び上がり、そして急降下斬撃を繰り出す技である!
問題としてはここが空中であり、急降下先は奈落一直線というだけだ
382 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/01(月) 22:57:25.47 ID:a+kRvwYa0
>>381
アキレス「あっやべ」
ロイ「いいぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!ヤれぇぇぇぇぇええええええええ!!!!」

アキレスの言葉を聞き ロイの応援に熱が入る
ピンク玉の上必殺技 急上昇の後 急降下斬撃を仕掛るもの

その急降下斬撃に当たれば 万物を叩き落す必殺のカウンターとなる技
しかし欠点がある

それは上昇時にも攻撃判定があり その上昇攻撃がぶつかると 直後の叩き落しが無効になってしまうのだ!!

ゲシッとネクタイゴリラがわずかに上昇し ピンク玉は奈落へ急落下

ロイ「だぁぁぁぁぁぁあああああっっっくそがぁぁぁぁああああああ!!!!」
本気で悔しがるロイを他所にゲームセット

ネクタイゴリラの勝ちである

アキレス「ドヤァ・・・」
そしてアキレス渾身のドヤ顔が入りました
383 :四五六 七八【賽印流忍術】 :2016/02/01(月) 23:03:48.33 ID:+aQV1e6v0
>>382
ばしゅう! と光の柱が上がり同時にピンク玉の悲痛な叫び声
アワレ七八の分身たる彼(?)は自身の技で自爆したのだった

「あー……くそっ……!」
「ムカつくなその顔ぉ……!」

結構マジに悔しがる様子の七八、基本的に勝負事には勝ちたがりなのだ
ぎりぎりと拳を握り締めて見せるが負け犬の何とやらである

「……ら、来週!」
「来週リベンジするからっ!」

覚えとけよ、と指差しリターンマッチ宣言
384 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/01(月) 23:12:57.34 ID:a+kRvwYa0
>>383
アキレス「あっはっは〜嫉妬の波動が心地いいぜ★ミ」
実に楽しそうなアキレス

ロイ「四五六こっちゃ来い 負け犬は隅っこで茶でも啜ってようぜ」
と四五六を手招き 誰がもってきたか知らないが 今川焼きがいくつかテーブルに鎮座している

そして他の挑戦者を迎え撃つアキレスを他所に 四五六の足をつつく存在あり

―――ギィ!!
ベティが差し出したのは 折り畳み式携帯ゲーム機 ソフトはもちろん乱闘ゲーの携帯バージョン(アキレスの私物)

―――ギィ★
アキレスには内緒だよ と言わんばかりにハサミを振り上げる
これで練習して一泡吹かせてやろうぜ ということだろう
385 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/02/01(月) 23:23:27.98 ID:+aQV1e6v0
>>384
「くそー……」

これは要特訓であると自覚、幸いにも指先の器用さには自信がない訳ではない
しかし成る程、地元じゃ一番と言わんばかりに得意気にして襲い掛かる現代基準世界出身の他の越境者を打ち倒すアキレスは実際なかなかの手練れの様だ

「……ん?」
「……ナイス、ベティ……!」

そして手渡された(?)携帯版を受け取れば小さくガッツポーズ
御褒美とばかりに秘蔵の羊羹を差し出し物々交換完了、ウィンウィンの関係である
そしてこの日から、七八の猛特訓が始まるのである
386 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/01(月) 23:28:22.37 ID:a+kRvwYa0
>>385
―――ギィ♪
ベティは甘い甘い羊羹を嬉々として受け取り 四五六へと携帯ゲーム機を手渡した

さて 猛特訓の果て 四五六はアキレスを打ち倒すことができるのか?
それはまた別のお話

アキレス「あれ? ベティ 俺の3○S知らない?」
―――ギィ?

こういsてスクラップヤードの夜は更けていった

//少し早いですがノシします
387 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/02(火) 21:32:28.56 ID:c0PyF4dgO
――某世界、越境者の集まる酒場にて

ふらりとやってきては、嬉しそうに英雄たちの物語を歌う、幽霊の令嬢。
その存在は、今や珍しいものでもなくなり、ある種の名物となっていた。
彼女は今日もどこからともなく現れては、遠い世界の英雄達について詠うのである。

「――彼の叫びに答えしは、奈落の獣を破る機械の巨神」

「腹の内にある咢でもって彼を飲みこめば、巨神はたちまち彼の意のままに動きだし――」

「――守護の誓いを今こそ果たさんと、巨神の力でもって獣を突き破る」

……どうやら、人が搭乗する兵器の存在する、非常に高度な文明の世界に渡った経験があるようだ。
彼女の理解が追い付いていないため、その描写は神話のソレに近くなっていく。
倒壊した石の塔の瓦礫にて、一人の青年が女の子を救ったところで、その英雄譚は幕を閉じる。
388 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/02(火) 21:44:47.59 ID:haOhIvEe0
>>387
ここは酒場である 酒場とは酒を飲む場所である
静かに歌う幽霊は静かに酒を飲む者の肴となることを望んでいたのかもしれないが

ロイ「ングッ・・・ングッ・・・ングッ・・・ぶっは〜!! おらぁどうしたその程度か!?」
タイミング悪く エルダの歌の直後に始まった 野蛮なる飲み比べ 度数の高い蒸留酒を腹の中に流し込み ふらつく視界を気合いで制御 相手を呷る

そのたびに踏み鳴らされる床板 テーブルに叩き付けられるゴブレット 喧しい喧噪 喝采 非難 怒号
エルダの歌を掻き消さん勢いであった
389 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/02(火) 21:49:31.09 ID:c0PyF4dgO
>>388

「……あらあら」

しばらくは無視して続けていた。
だが、騒ぎが大きくなるうちに、彼女の細い声では対抗できなくなっていく。
最終的には、オチも言わぬままに口を覆って呆れ顔を浮かべるしかなかったというわけだ。

「続きが気になる人は、また次回ねー」

「私はすこぅし、ちょっかいかけてくるわ〜」

そう言って聴衆のもとを離れ、ふよふよとロイの背後に忍び寄る。
飲み比べしている相手は驚くだろうか、チャンスだと思うだろうか。

「……勝者には、何が与えられるのかしら?」

ふと気になって、そのあたりを野次馬に尋ねてみる。
390 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/02(火) 22:02:39.26 ID:haOhIvEe0
>>389
「うはははははは!!! 敬愛せしプラチナムの輝きは その程度で穢れはせぬぞ!!」
また一人 顔を真っ赤にしてダウンする だが間髪入れず 次の挑戦者がジョッキ片手に乱入してきた

野次馬A「何を言ってるんだ? この戦いの勝者には アンタのキッスが進呈されるって さっき誰かが言ってたぜ」
野次馬B「マジか!? うぉぉぉぉぉおおおお!!!! 俺も参戦するぜ!!」
野次馬C「歌姫殿のキッスとか俺得!!」

なんか知らぬ間に景品となっていますが 気にしないでください
そして酒に酔っているロイはエルダには気付いてない様子
391 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/02(火) 22:07:10.79 ID:c0PyF4dgO
>>390

「あら。吝かでないわね。英雄様へ口づけを捧げるのでしょう?」

まぁ、と手を組んで眼を輝かせる。
そう、見た目よりはお子ちゃまであるコイツだが、ギリギリキッスまでは平気だ!
社交界デビューの経験上、手の甲とかになら経験はあることだし。
そして、英雄たちを見てきたのだから、口付けであっても知っているし見慣れている。平気なのだ。

「なら皆さん、私の唇が欲しければ、そこの英雄様を頑張って打倒してくださいまし?」

クスクスと笑って、けしかける有様だった。
392 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/02(火) 22:17:09.30 ID:haOhIvEe0
>>391
野次馬D「もちろん口とでな」

さて エルダがけしかける先の英雄様はというと

「チッ 次から次へとキリがないぜ・・・オイ!! ドワーフ酒を回してくれ!!」
ここで更に強力な火酒を投入 何も知らずに口に含んだ野次馬E

野次馬E「ブォッファ〜〜〜〜!!!!」
偶然か エルダに向けて火酒を噴きだす

さて 酒は清めや祓いなどの効果があると古来より謳われているが はたして清めの効果はエルダに通用するのでしょうか?
393 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/02(火) 22:26:10.40 ID:c0PyF4dgO
>>392

「ええ、もちろん」

クスクスと、楽しげに笑みを返す。
そうとも、何も恐ろしいことはない。死んだ身で、英雄に唇を捧げられるのは、僥倖なのだ。

「あら、汚い……」

火酒は彼女を通りすぎてしまう。
彼女ほどの上位個体ともなれば、酒精が強いだけではお清めにもならないのだ。

「ほらほら、あとは何人かしら?」

クスクスと、さらに場を煽る。
394 :ラース・フューリー [sage]:2016/02/02(火) 22:34:40.35 ID:2NE0BTqho
>>392-393
ひたり
素足の為、足音は無く
代わりにその者の存在感が熱気となって渦巻き、喧噪へと近づいて、渦中へと
火勢を助長する鞴の如く息を吸ってから

「『おっぱい』はキスの内に入るのかァァァァァァァ!!?」

下手すれば参加希望者…いや、参加希望悪魔が声を上げた
尚燃え盛る炎血によって酔っ払う事が無いと言うアレな魔人である為(今は未だ)本気で参加するつもりは無い
が、景品に彼の人生そのものが懸かっているなら話は別だと言う事だ
395 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/02(火) 22:38:28.92 ID:haOhIvEe0
>>393-394
さて 原質は取ったと意気込む野次馬D GJするほかの野次馬共
そしてやってまいりました色ボケ悪魔のラース とんでもない一言を叫ぶラースに対し

野次馬E「おっぱいは 入りまぁす!!」
どこぞの理系女の如き叫びをもって無茶ブリとする野次馬E もちろん許可は取ってない

ロイ「あんらぁ!? やるっれのかラースよぉ・・・」
火酒が回ってきて 少々呂律が回らなくなってきたロイが ジョッキを片手に挑発する
396 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/02(火) 22:41:21.42 ID:c0PyF4dgO
>>394

「ぴぃ!?」

ラースの姿を見た途端、変な悲鳴をあげる。
入らない、と言おうとしたところで、野次馬の声にさらに叫ぶ。
あわあわとしたところで、彼女が縋るのはもはや一人しかいなかった。

「おねがい、おねがい、どうしても勝ってくださる? 『私の』英雄様!」

「いやよ! あんな破廉恥な悪魔に私の操はあげられないわ、たとえその一部であったとしても!」

「だから、おねがい……!」

……そう、当事者である。
傍から見ててあまりに必死なお願いをロイにするのだ。
397 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/02(火) 22:41:55.69 ID:c0PyF4dgO
//安価ミス。>>394-395宛てである!
398 :ラース・フューリー [sage]:2016/02/02(火) 22:49:43.75 ID:2NE0BTqho
>>395-396

「なるほど…つまり勝負そのものは認めると言うのだなァ」

流れとは言え勝てば『おっぱい』もキスの内に入ると幽霊っ子も認めたのなら悪魔に最早躊躇いは無い
テーブルへと進み、ロイの対面の椅子へと腰かけた

「丁度良い。彼の世界で本気で闘う事も無かった間柄」
「此処で1つの決着を着けると言うのも乙なものであろう」

火酒が並々と注がれたジョッキが両者の目の前に置かれると
基本的に酔わない自負も有ってか悠々とそれを手に取った

「往くぞロイ・ゴールドマン!」

その言葉と共に火酒を一気に煽る
399 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/02(火) 22:57:31.66 ID:haOhIvEe0
>>396-398
「ほほぅ・・・?」
酒に濁った眼をギラリと輝かせる
確かにあの世界で自分とラースは 模擬戦こそやれど 本気の戦いはしたことがなかった

「いいらろうラース・・・勝負ら!!」
まぁ呂律が回ってないので色々と台無しであるが

ラースに続いて火酒を呷る 別にエルダがラースの餌食になっても 何ら困ることは無いのだが
そこには勝負に負けたくないという 男の意地があった

〜それからどうした〜
これがジョッキ五杯目の火酒 もう自分が何をやっているのかすら曖昧な状態
回る世界 耳に届く音もどこか遠く ジョッキを持とうとする手すらまともに見えない

そしてどうにか指がジョッキにかかり 力を込めて持ち上げようとして

「・・・きゅう」
目を回してテーブルに突っ伏した ロイ・ゴールドマン ダウンである
さて ラースはどうなっただろうか? エルダの操はどうなっただろうか?
400 :ラース・フューリー [sage]:2016/02/02(火) 23:07:18.81 ID:2NE0BTqho
>>399
さて、ここでラースと言う悪魔について語っておこう
基本的に彼は食事を必要としない。と言っても気が向けば摘まんだりはするし雰囲気を楽しむ為に酔いはせずとも飲む事も有ろう
が、今回の様に莫迦みたいに暴飲する事はまずない。今回はしてしまった。その結果――――


「くくく、我の勝ちdゴb゙    【 自 主 規 制 】      」

突然の刺激物に胃が驚く
そらもう盛大に驚く
顔面全体にモザイクがかかるレベルで勢いよく逆流しちゃう

誰がどう見てもこの勝負、引き分けであろう
誰か顔を洗う水を下さい
401 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/02(火) 23:10:19.30 ID:c0PyF4dgO
>>399

「英雄様ァ!?」

悲痛な悲鳴をあげて、信じられないという風にロイを見た。
あんまりだ。認められるはずもない。しかし事実なのだ。

「……」

中空に浮かぶのも忘れ、力なく床に座り込む。
座る幽霊というのも変な話だが、ぺたんと、その場に落ちるように座り込んでしまったのだ。

「そう、そう、ね。……女神様、は、私のような死人の事は、気にもかけない、わ」

「……それ、に。実体も曖昧な幽霊が、気にするような事でも、無い、の、ね」

さめざめと泣きながら、自らの着衣の肩紐に手をかける。
ショックすぎて自分が何かとんでもないことをしようとしていることを理解しきれていない。

が、しかし。

>>400

「……あ、あ、あら?」

これが彼女の言う女神様の加護なのかどうかはわからない。
しかし、これは彼女が眼に光を取り戻すのには十分なことであった。
いや勿論、その光景は地獄だったが。

「相打ちなら、景品はおあずけよね。ああ、よかった。女神様、感謝いたします。私ですら見ているのですね!」

正気を取戻し、ついでに調子を取戻し、中空に浮かんで嬉しそうにくるくる回る。
402 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/02(火) 23:21:08.69 ID:haOhIvEe0
>>400-401
野次馬A「おわぁぁぁぁぁぁ!!?」
野次馬B「メディック!! メディーック!!」
野次馬C「阿呆!! それより洗面器に水入れてもってこい!! あと雑巾もだ!!」

一気に地獄絵図と化す酒場 まぁ幽霊には関係のないことだろう

ロイ「Zzz・・・Zzz・・・Zzz・・・」
まぁ 気持ちよく寝入ってるロイには関係のないことであるが

もう少ししたらラースに顔を洗う水が進呈されますので しばらくお待ちください
403 :ラース・フューリー [sage]:2016/02/02(火) 23:29:05.98 ID:2NE0BTqho
>>401-402
―――また神を怨む理由が出来た
くっそ下らない理由で彼は彼の怒りを募らせる
貴重な『おっぱい』を見逃した事は彼の心に深い傷を残したのだ…多分


「…そう言えば、汝れは飲めぬのか?」

落ち着きを取り戻した頃、水と『雑巾で』顔を拭きながらエルダへ問いかける
顔拭きに雑巾を渡される辺り悪魔の評価が窺えよう

「さァて…ロイの奴目は――――」


「脱がすか?…剃刀位は借りれるだろうがァ」

どうする?と一応エルダに確認してみる
彼の宿とか知らないし、勝てなかったのも悔しいものだ
404 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/02(火) 23:33:42.89 ID:c0PyF4dgO
>>402-403

「ふふ、私はこれ以上関わり合いに……なりたく、ないのよ」

どんより。
もう少しで操を喪うかもしれなかったと考えると楽しい気分にはならない。

「飲食はそもそもできないし……英雄様の裸を見ても私は面白くない、わ」

だから、と身体の透明度を上げて。

「……今日のところは、失礼するわ。お願いだから、悪魔さん、理性的にお話ししたいものね」

スカートの裾を広げて一礼すると、そのまま酒場から消えていったそうな。
405 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/02(火) 23:34:36.78 ID:haOhIvEe0
>>403
サービスが行き届いている現代日本ならともかく どの時代かもしれぬ世界である 雑巾が出れば御の字だろうきっとメイビー

そして何やらロイの与り知らぬところで大ピンチの予感
廻りの野次馬も我関せず さぁ好きにやっちゃってください

タダ言い訳をさせていただくのなら おっぱいの一件 こいつはけしかけたりしていません みんな野次馬が悪いのです

だからきっと寛大な処置で済ませてくれますよね(チラッチラッ
406 :ラース・フューリー [sage]:2016/02/02(火) 23:44:07.46 ID:2NE0BTqho
>>404
「知らんのか?悪魔とは人に嫌われてこそなのだ」

そんな反応されるとまたからかいたくなる。とか何とか?
余った火酒を、胃が驚かない様にチビっと口に含む様に飲んで

「……相容れぬと分かるだろうに。」

火酒の熱さを吐き出す様に呟くと、彼も席を立つ
理性的に話しても、きっと互いに傷つくだろうと…


>>405

「往くぞロイ」
「此度は健闘を称えて……手を湯に漬けるだけで済ませてやる」

無造作と言う言葉がピッタリな風にロイを担ぎ上げると、適当な宿のベッドへ運んで放り込んでやるだろう
因みに寝てる人の手をお湯に入れるとお漏らしするとか何とか――――

最後のは言うだけ言うが実際にはやるまい。きっと。だって誰も得しないからな!

//では私もこれにて!おっかれさまでしたぃ
407 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/02/03(水) 21:58:14.04 ID:G+xX2eZTo
>>347

(誰…か。暴徒鎮圧用…つまり官警に組み込まれた倫理形態を有すると仮定して)

 この場合、冗談でも殺し屋だのテロリストだのと言うのはご法度であろう。
 なによりも、微妙にポンコツの香りがする。この手合いには実はそれなりに慣れている。

「大破壊以前の技術に対する脅威査定(スレット・アサスメント)のために雇われたオペレーターだ。
 自立行動型ユニットの調査…行動の結果と影響について調査をしている。
 お前さんが観測している通り、220年程眠りこけている間に文明は崩壊した。お前さんが科せられた意義と一緒にな」

 本当の言葉の中に真実を薄いヴェールで隠しながら言葉するクルト。
 嘘を言っているわけではないので、例えば発汗や視線のゆれ、あるいは心拍数などでそれを見破る類の機能を不正確にできるし
 さらには――

(さて、これで自我崩壊から暴走になったりしないか?)

 脆いAIならこの時点で自己確立を失い、暴走する可能性も少なくは無い。
 ゆえに、言葉を発しながらもクルトはいつでも戦闘に移行する準備は整っている。
408 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/03(水) 22:06:42.92 ID:BVw1SnRNO
>>407

「……状況観測。あなたは精神疾患の可能性があります」

「加えて、非合法に凶悪な火器で武装しています。見過ごせません。武装解除しましょう」

ぴ、とクルトを指さした。
やはりというべきか、クルトの発言をこのアンドロイドは信じない。
偉大なる祖国が滅んだなどと他人の口から言われても、信じることができないのだ……が。

「ぴぴ。署内のネットワークは回復しませんでしたが、衛星アレイX-10-44との接続が回復しました。よって、衛星X-10と接続可能です」

「衛星X-10を経由して国防総省にアクセス……。……」

クルトの反応を待たず、勝手に生きているネットワークにアクセス。
その後、彼女は目に見えて動揺した様子を見せた。

「大変です。どうやら戦争が起きてしまいました。核戦争です。熱核兵器による被害が全土で起きています。これが起きたのは220年前です」

「……はて。ではなぜあなたはここにいられますか? どういう理屈に拠るものでしょう?」

指さしたまま、そう尋ねた。
いよいよこの娘、寝ている間に何か壊れてしまったのではないかと心配になる程である。
409 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/02/03(水) 22:20:04.35 ID:G+xX2eZTo
>>408

『思考柔軟性については標準AIと同等レベルの反応。
 目的意識の明瞭さは問題なし。少なくとも許容範囲を判断する』

 アンドロイドの武装解除通告については完全に無視して、
 黙々と己の任務であるところのコミュニケーションの際のデータ記録を続けるクルト。
 彼はプロフェッショナルなのだ。仕事に手を抜くことは無い。

「暴徒鎮圧用AIが衛星アレイとアクセスか。外部情報の自己接続・閲覧権限を持つ。
 中々どうして、結構高いクリアランスが付与されているんだなお前さん」

 正直なところこのアンドロイドの反応と動きはクルトからすれば機械人形の挙動としては問題はない。
 そもそも、越境で出会う機械生命体の多くが柔軟性がありすぎるくらいなのだ。 
 それを基準にしてしまうと、却って物差しがおかしくなるというものだ。

「理屈は単純だ。核戦争で文明が崩壊した程度≠ナ、人類はそう簡単に絶滅はしないということだ。
 生き意地汚く生き延びて、だから俺のようなオペレーターでも食っていける」

 数多の世界を巡ってきたクルトには実際それは実感だ。
 ポストアポカリプスを経て、人口の大多数を失ったとしても、そうそう簡単に人類種は絶滅には至らないのだ。

「現状を把握できたのなら、少なくとも俺が精神疾患でも誇大妄想狂でもないのは認めて欲しいところだがな。
 お前さんに命令を下す連中は、身体をとことん弄っていないならば、皆、もうこの世には存在しない」
410 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/03(水) 22:29:04.77 ID:BVw1SnRNO
>>409

「それは勿論、私は『ホワイト』である故に。特別なアクセス制限がない限り、接続する権限を有します」

何故か得意げに胸を張る。
彼女がその名前を持つことは、彼女の誇りになっているらしい。

「なるほど……しかし、困りました。あなたの言い分は、理解しました」

「武装解除を行ってくれないのは残念ですが、あらゆる公的機関へのアクセスをした結果、なるほどこの国は滅びてしまいました」

「……ほとんどの機関とのアクセスが不通になっていますが。つまりそれは大破壊に因るものと推測します。あなたを拘束する法はないようです」

困った、と目じりを下げて手を顎に当てる。
人間らしい仕草だが、これはプログラムされたものなのか、芽生えた自我によるものなのかはわからない。

「私の活動意義の消滅を、同時に意味しています。……困りました」

国がなくなり、警察組織も同時に存在しなくなったのなら。
自分自身は一体何なのだろう。そういう問題だ。
411 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/02/03(水) 22:42:31.48 ID:G+xX2eZTo
>>410

「そりゃそうだ。法が無くなって永続的な無秩序状態に突入している。
 そんな状態で武装解除は速やかな自殺以外の何物でもない。そういう情勢だ」

 拘束する法が無いという言葉に対して返答と共に、この世界の端的な状況の密かに開示しておく。
 さて、大体の反応は出揃ったところだが――

「困ったのならどうするか?だな。考えてもしょうがないからまた眠りこけてしまうもよし。
 法と秩序という存在意義の残骸をかき集めて、ここら一帯にそれを敷くのもよしだ。
 しかし、ネットワークアクセス権限があるなら、この世界でもお前さんの利用価値は相当に高い。
 多分、遅かれ早かれ、トラブルに巻き込まれることになるだろうがな」

 そして、それは眠りこけていても同じであろう。
 最悪は眠っている間にAIレイヤーをしこたま弄られるという最悪のケースも十分に考えられる。

(そこそこ癖の強い思考回路だが、大体はデータは揃っているな。こんなところか?)

 少なくとも交戦となることはなさそうだ。こうなればさっさとカプセルで再スリープさせて、
 後は運命なりカノッサなりに委ねたほうが早いか?と思い始めているクルトである。
412 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/03(水) 22:50:31.63 ID:BVw1SnRNO
>>411

「……当個体は非常に厳しい状況に置かれていることがわかりました」

悩むような素振りを見せ、小さく唸る。
どうすればいいのか、彼女の内部構造が音を立ててはじき出す。

「この国家が存在しなくなった以上、私の存在意義は失われました」

「同時に、私を縛るものもなくなりました」

なので、と手を打つ。

「あなたは法秩序が失われ、無法地帯となったこの国で比較的理性による取引を重んじるように見受けられます」

「私の性能は非常に高いですので、あなたに協力することも吝かでありません。マスターになるつもりはありませんか?」

……なんとも珍妙なお誘いをする、という結論に至ったのだ。
413 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/02/03(水) 23:10:30.94 ID:G+xX2eZTo
>>412

「………」

 しかして、このアンドロイドが告げた結論は、
 クルトをして、思わず顔を覆いたくなるようなエキセントリックなシロモノであった。

(AIが存在意義から自由になりました宣言っていいのか?
 どうにも相当にちゃらんぽらんな思考マップになっていたようだ)

 設計者がアレだったのか、想定外にアレになったのか判別つきかねるところである。
 しかも、こちらが相手を観察しているのと同様、相手もこちらを観察していたらしい。

「生憎だが、その提案は断る。俺は奴隷制には反対な方なんだ。
 マスターなどと呼ばれてもムズかゆいだけだ。せめて別の呼称を要求する。それに――」

 それに自分はこの世界の人間ではなく、越境者と呼ばれる世界移動者…などと言えば、
 完全に脳の病気と思われかねないだろうなあ、とも思う。

「お前さんは俺に契約を重んじるように見えると言ったが、正にそれでな。
 危険ではないと判断が出来た場合、この脅威査定の依頼主からお前さんを…
 連れて戻るというのも依頼の内に入っている」

 ここであえて持ち帰る≠ニいう単語を使わなかったのは機会であろうと自我と人格には
 一定の敬意を示すべきという考えからである。

「後は依頼人と会ってどうするか、はお前さん次第だ。
 少なくとも、そこまで同道することには協力してもらえると助かるがな」

 言いながら、葉巻の先端をナイフで切断し、火であぶり始める。
414 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/03(水) 23:18:37.25 ID:BVw1SnRNO
>>413

「何と。私を求めている個人あるいは団体がいると?」

「hmmm……アカでなければ協力するに吝かでありません。報酬は電力と整備とあとかわいい服を要求します。あなたに言っても仕方ないかもしれませんが」

この改造コンバットドレスはかわいくない、とぶつくさ文句を言う。
恐らく機動隊員のアーマーを改造して作られたものなのだろうが、まさか機械が制服に文句をつけようとは。

「では会わせてください。あなたが協力する個人あるいは団体なら概ね善性のソレであると推測します。意義ある交渉ができると期待します」

問題は、その接触したがっている団体はハイテクアレルギー持ち気味という点であるのだが。
415 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/02/03(水) 23:28:56.89 ID:G+xX2eZTo
>>414

「ああ、プロレタリアートがどうとか言っていた連中だが仲良くしてやってくれ」

 何か酷い布石を吹き込んだ気がするが気のせいであろう。
 あの機械オンチどもも少しは苦労すればいいのだ。

【かわいい服がどうとかげんなりすることばかり聞かされているのだ。
 依頼の範囲内でこのような遊興を差し入れるのも是としてもらいたいところだ】

(善性とは限らんし、どちらかと言えば悪性の方が多い連中だが、まあいいだろう)

 カノッサというだいたい巨悪に属するあの機械オンチ連中をどう判断するかはこのアンドロイド次第だ。
 そして、そこまではクルトの任務範囲外となる。後は野となれ山となれ、とも言う。

「よし、それなら多少は日数も必要となる。自己診断はキチンと行っておけ」

 部屋に接地していた罠の回収やらなにやら準備をして出発することなるだろう。
 明らかに自分を破壊する準備万端だったことをこのアンドロイドがどう見るかはアレだが。

【こうして、依頼人への面会のため、同道することになるのだ】

//シーン的にここで一旦〆でお願いしますです>風呂たいむ
416 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/03(水) 23:34:23.90 ID:BVw1SnRNO
>>415

「……注意レベルを2から3に引き上げ、火器の安全装置は解除しておきます」

武装の点検もばっちり。弾薬も十分だ。
あの小さな魔女もとびきり慌てることだろう。

「ところで、この致死性のトラップは」

「……いえ、質問を棄却します」

部屋の罠の数々に関しては、見て見ぬふりをした。
何となく察することができたようだ。察するというのもなかなか高度な芸当である。

「……はて。遠いのでしょうか。基本インフラが破壊されている可能性が高い以上は考えられます」

まさか、世界を移動するとは思いもよらず。
ゲートを潜った途端に暴走しなかったのは、不幸中の幸いといえただろうか。

――さて、向こうにつくまで。
クルトはこのポンコツさんと交流を続けなければならないが、どうなることやら。

//了解ですー、が、本日これ以上の続行は厳しいので……さらに次回に引き伸ばし願いますー。おつありでした……!
417 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/07(日) 21:40:41.35 ID:bw+XuMWa0
【狭間のスクラップヤード】
そこは鍛冶屋ボロウズがいつも居付いている廃工場
だが越境ポイントであり 越境者以外の者が認識できない 比較的広範囲の場所であることが幸いし

今では最大級の止まり木同盟の宿がおかれたりして 越境者でにぎわう場所となっている

そんなスクラップヤードの一角にできた広場にいたのは 流浪の落書き屋と装備過多のあごひげ男

アキレス「とぅあ!!」
ロイ「違うそうじゃない!!」

特殊警棒でロイに殴り掛かるアキレス だがその一撃はロイの持つ鞘で軽くいなされてしまう
今アキレスは ロイに戦い方を学んでいる最中である そんな中 現れる知人は現れるだろうか?
418 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/07(日) 21:48:19.48 ID:Mx84p4UNo
>>417

「伍長はここでドージョーでも開くつもりなのか?職工」

 そんな様子を横目に拾ってきたスクラップとレンズを加工して、
 予備の粒子短銃をくみ上げているイムカ。遠未来の工学的知識についても造詣は深い。

【元々、補給も文明も不確かな様々な惑星を舞台に戦闘を行ってきたのだ】
【→間に合わせでブラスターを組むという技能は越境においても役に立っている】

「これで出来上がりだ。君の磨いてくれたレンズの精度は良好だ」

 言いながら無味で栄養満点のエネルギーグリスを支払い代金とす。
419 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/07(日) 21:58:04.26 ID:bw+XuMWa0
>>418
ボロウズ「・・・・・?」
研磨したレンズを持ってきたボロウズは イムカの問に首をかしげるのみであった
そしてイムカの組み上げる粒子短銃を興味深そうに見ていたが 代金を頂くとペコリと頭を下げた

アキレス「こなくそぁ!!」
ロイ「自棄を起こすなバカヤロウ」

アキレスのアマレス式タックル だがロイにべシャッと潰される

ボロウズ「そういえば・・・以前使っていた・・・ローテク装備は・・・また使わないので…?」
以前使っていたトンファーやクロスボウ 失くして久しいと記憶していたが 新たに購入予定はあるのやら?
420 :ラース・フューリー [sage]:2016/02/07(日) 22:01:08.56 ID:vxecf1z6o
>>417

「一矢報いてやるのだな若いのよ」

少し離れた場所でその2人を眺める越境者に混じるひとつの魔
地面に座り込み、先日の失敗からか食事と言うものに慣れる為にチビチビと酒を煽っている
手元には小さなタライが有り、そこには雑多な硬貨やら紙幣やらが突っ込まれている

「賭けの内容は若いのが一矢報いるかどうか」
「さて……ロイ・ゴールドマンが油断するとは思えぬが」

少額とは言え一応彼もロイに賭けている
が、観客としちゃ順当なのは面白くないらしい
……ちょっとイタズラでもしてみるべきか?そんな考えが脳裏を過った
421 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/07(日) 22:11:48.76 ID:Mx84p4UNo
>>419

「ああ、越境の理解度も進んで現地の素材で賄う術も出来てきたからな。
 私はエリートだからな。それくらいは造作もない」

 これは偉ぶっているというよりは、本人にとっての事実の確認に過ぎないのであろう。
 唯我独尊、傲慢な物言いではあるが、それを裏付ける自信があるということだ。

「また必要になったら頼むさ」

 言いながら、ヒラヒラとボロウズに手を振ると、ロイとアキレスの訓練の方に歩を進める。

「実際、筋はどうだ?最低限の身体の動かし方自体は出来ていると思うが」

 ベティにオニギリとボロウズに作らせたミニ応援旗を放り投げながら言葉を差し挟むイムカ。
 なんでボロウズにそんなモノを作らせた?イムカの奇行は今に始まったことではない。

>>420

≪000011101010101≫

 サーボスカルはふわーりとラースの側まで移動して、
 タライの中にキャンディやらガムやらを入れている。
 奇妙な行動そのものであるが、この人間の頭蓋骨に機器を取り付けたドローンは
 プログラムが狂気に陥っているためいまさらである。
422 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/07(日) 22:22:07.44 ID:bw+XuMWa0
>>420
アキレス「ングッ・・・!!」
立ち上がったアキレスが咄嗟に警棒の柄頭を向け

ロイ「おいおい事前にそれは無しって決めてただろうが」
アキレス「・・・ッ!!」

ロイに咎められる そしてアキレスの刺突が放たれるも またもや受け流されてしまった

ロイに油断は無く アキレスの攻撃に対し 丁寧な防御を心がけており アキレスの顔には焦りも見える
さて 事前の打ち合わせには 横やりに対しては何も明言されていないため やるのならどうぞ容赦なく(チラッ

>>421
ボロウズ「・・・・・」
手を振るイムカに 自分の役目は終わったことを悟り 仕事場に戻っていくボロウズであった

ロイ「それを今見極め中さ 動かし方って言っても 飛んだり跳ねたりするのと 戦うのでは全く違う
   追いかけっこなら俺の出る幕じゃないが あいにく戦闘じゃ素人そのものだ」

実際 戦闘でのアキレスは 囮となって仲間の援護をすることが全体の九割に登っている
最近では短銃や散弾銃による銃撃も行うようになり 正式な訓練を受けてないわりに そこそこ様になっているようではあるが

あいにく白兵戦では目立った戦果を挙げられていない ほとんどの場合 ストロボガンからの逃走ぐらいである

―――ギィ!!ギィ!!
アキレス「ハァ・・・ハァ・・・このッ!!」

ベティがもらった応援旗をふりふりする中 アキレスが放った 低い姿勢からの膝を狙いは ロイの鞘に迎撃され 空いた左手の拳骨が頭に突き刺さる結果となった

ロイ「まぁスタミナはあるし 精神的タフネスもある 磨けば光るかな? 本人に戦士となる意思があればだが」
423 :ラース・フューリー [sage]:2016/02/07(日) 22:24:50.74 ID:vxecf1z6o
>>421
「む・・・ふむ」

タライにゴミでも入れられたか?と思ったが一応は食べれる…要は価値が有るものだと認識し、唸る
と言うのもサーボスカル君がどちらに賭けたいのか分からないのだ
更に言えばその分け前をどう分配するか、少し悩んでから

「……これはお返ししよう汝れよ」

タライに何かを放り込まれる度にそれを拾って、返す
そんな光景が出来上がる筈だ
多分無駄にシュール
424 :ラース・フューリー [sage]:2016/02/07(日) 22:39:01.86 ID:vxecf1z6o
>>422
「……これは覆せんな」

アキレスの焦りが顔に出た頃、小さく呟いた

若いのが頭を冷やすのも兼ねて、一度仕切り直す必要も有るだろう
やる気満々のアキレスからも、律儀なロイからも止めようとは言いにくい筈だ
―――――じゃあ悪戯して止めてやるべきだな

そんな無意味な脳内会議が有ったのはほんの1秒以内
悪戯の必要性は彼がやりたいと言う一心しか無い。が、彼にはそれで十分すぎた

「未来の世界とは便利なものが有るのだな…」

そう呟いて新たにもう1つタライを取りだす
中には透明な液体…寒空の下で湯気を上げる事から暖かいのだと分かるだろう
その中に一度手を入れて、かき混ぜて、ちょっと手を上げる…見るからに粘性の高い液体が、彼の手に纏わりついている


「………よし、往け!」

そしてそのタライの中身をアキレスやロイ達の方へと流していく
その液体の正体? バラエティ番組でお馴染みのお湯で溶かしたローションだよ!
425 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/07(日) 22:40:16.47 ID:Mx84p4UNo
>>422

 なお、鍛冶場に戻ったボロウズには大量のクナイダートの研磨と加工という仕事が待っているのである。
 重心バランスの調整まで含むとかなり精度が求められる。何しろイムカ自身凝り性であるし、
 さらにはニンジャフリークなのでやたらと拘りが強いときた。

 −−−−−−−−−−−−

「磨けば光るのだろうが、磨いてもいいかは私には解らんよ。
 私の世界でならば問答無用で軍人精神を叩き込んだものだが」

 腕を組みながら様子を観察するイムカはおよそ彼女らしくない言葉を口にしている。
 自覚はあるのであるが、どうにも自分の言葉の違和感にむず痒さも覚えていた。

「私や君みたいにしてしまっていいものか…最近、私には解らなくなったよ。
 もちろん、鍛えるコト自体は是であるのだがな」

 我が事ながら酷い堕落ぶりだと髪を指で流しながらのイムカ。
 自身の価値観からすれば惰弱と断ぜられる気質はそのままでもいいのではなどと。

>>423

≪0001111010101≫

 一応、伝えようとはしているのだろうが、何しろ電子言語である。
 さっぱり解読は出来ないだろう。

【キャンディを返却されてその場でグルングルンと回っているサーボスカル。そして――】

≪0001110101010101≫

 タライに次は旧式の光学ディスクをポイっと放り込んだ。
 どうやら、品物が悪かったのかと勘違いしたのかもしれない。

【ディスクのタイトル…越境者ちちくらべ 観測ドローンとしての機能を遺憾なく無駄に発揮したシロモノである】
【ナムアミダブツ!しかし先も解っている通り、サーボスカルがどちらに賭けているのか解らないのだ】
426 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/07(日) 22:55:03.19 ID:bw+XuMWa0
>>424-425
ボロウズ「・・・・・」
仕事場に戻ってきたボロウズ 両手で自らの頬をスパーンと張る
それだけ気合いを入れなければならない仕事であったのだ・・・

――――――――――

ロイ「そこは本人の意思だな 望むなら一端の戦士に仕立て上げるし 嫌でも護身術ぐらいできるようにはするつもり」
そして指で髪を流すイムカ それに関してはニヤリと笑みを浮かべ

ロイ「軍人としちゃ悩むことはよろしくないんだがよ 越境者としてならば 悩むことはいいことなんじゃないか?
   時間はある 十分悩んで答えを出したらいいや」

さて そんな会話をしつつも アキレスの攻撃は絶えず行われ ロイはそれを悉く弾き返していた
だが外野の行う非道なローション攻撃には アキレスはもとより ロイも ベティですら気付かなかったのである

アキレス「この・・・まだまdっ!?」
一歩踏み出し 一撃を放とうとしたアキレスは その踏み出した足が見事に滑り ステーンとひっくり返る

ロイ「おい大丈b(ツルッ グキッ)―――ッ!?」
足を滑らせるアキレスを心配し 歩み寄ろうとしたロイは その一歩目がツルーンと滑り 大開脚の末 股関節から嫌な音が響く
そして股間を抑えて蹲ってしまった

―――ギィ!?
この異常事態 どうしようとハサミを振り上げるベティですら 足元がおぼつかず 腹を地面に打ち付ける始末
ラースのいたずらは中々に大惨事になってしまっているぞ!!

ついでにこの暖かローションは イムカにも効果を及ぼすであろうか!?
427 :ラース・フューリー [sage]:2016/02/07(日) 23:00:45.71 ID:vxecf1z6o
>>425
「からくりよ、ここはリントの言葉で喋れ」

何言ってるのか分からない
その事を一応伝えてみる。 人生の今まで言語の事で不便をした事は無い
その為どうしたものかと小さく唸り――――

その『お宝』は、見逃さなかった
タライに入る前にその手が掴み、引き寄せる
近場の鉄砲と呼ばれる剣士の抜刀にも似た早業である

「……汝れよ」

が、問題は1つ
ラースはその『お宝』が如何なものかは知っている
それが映像記憶媒体だと言うのは何となく理解している
だがしかし

「汝れよ、これは一体どうやって観るのだ!!」

再生方法、媒体までは知らないのだ
思わず立ち上がり、光学ディスクを持って居ない方の手でサーボスカルを掴もうとする
言葉が通じない事すら忘れて思わず問いかける辺りどの位必死なのか分かるだろう
428 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/07(日) 23:10:53.98 ID:Mx84p4UNo
>>426

「フン、貴様に諭されるとは私もいよいよヤキが回ったか?」

 口調は辛辣であるが、声音と雰囲気はそうでもなかった。
 中々に自己を顧みられなくなるのは200歳も年経た悪い癖である。

【んが、ここでなんかヌルっとしたのが地面にぶちまけられたぞ?】

「ん?なんだコレは…!?」

 と、イムカも脚を滑らせてツルーンと尻餅をついてしまう!
 が、悲劇は此処からである!!イムカは無駄に重装備なのだ!!

【装備がボロボロと毀れて、ローションで滑ってツルーンと疾駆する】
【起動していない各種手榴弾がそのまま股間を押さえて蹲っているロイの股間に殺到】
【→手で覆っていても隙間とかに当たったり、衝撃が伝わったらアレなワケで…ナムサン!!】

>>427

≪000011111010101≫

 掴まれてブルンブルンされるサーボスカル。
 再生機器と言われてもそれを伝える術はないのだ、が、

≪000111010101≫

 ふと、ローションをぶちまけた大惨事のほうをマニュピレイターで指差すと、
 ラースから無慈悲にもその光学ディスクを取り返す浮遊髑髏。
 なんか、このドローンの中ではこの有様は勝ったことになるらしい。

【オボーンの中のオカネを一部、いそいそを仕舞いはじめる】
【→このままでは、お宝は深遠の闇に葬り去られるであろう!】
429 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/07(日) 23:24:43.83 ID:bw+XuMWa0
>>428
アキレス「いててて・・・おっさん大丈夫?」
ロイ「―――――(首を振っている)」

なおも蹲っているロイにさらなる無慈悲 グレネードが大いなる意思をもってロイの股間に殺到

弾とタマがごっつんこ♪でこれぞまさにブレイクショットって喧しいわ
ゴンギンガンとぶつかったグレネードによりロイは完全にKOしてしまいましたとさ

アキレス「うわぁ…」
そんな縮み上がる光景に アキレスまで股間を抑えてドン引きなう

―――ギィ!!ギィ!!
そして立ち上がれないベティは誰か助けてくれと叫んでいた

これもう(どう収拾つけるか)わかんねぇな
430 :ラース・フューリー [sage]:2016/02/07(日) 23:25:20.87 ID:vxecf1z6o
>>427-428
「む……?」

サーボスカル君の指に導かれる儘、何だか(ローションのせいで)騒がしくなった方を見て、その大惨事を確認する
サーボスカル君をガタガタしていた手も止まろうと言うものだ
流石の悪魔とてこの状況はヤッベェと思ったのか思わず真顔となって…その隙に『お宝』も奪われてしまう

「……よし」

決心した様に呟いて、大惨事の真っ只中へと歩いて行って

「想像以上に大成功であるな」

まさかの自ら罪を自白して殴られに往くスタイル
素直にゴメンナサイとか言うよりもいっそ最後まで恨まれてやろうじゃないかと言う悪魔根性をここで発揮する
431 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/07(日) 23:37:03.13 ID:Mx84p4UNo
>>429

「………」

 イムカは目の前で起こった悲劇にやや顔を引きつらせ(珍しい!)、
 そして、少し考え込んでから、

「アキレス、中々にやるな。見事なフーリンカザンだった。
 伍長も鍛え方が足りんな。(どうやって鍛えるのかは知らんが)」

 なんと、全てを勝負中のアキレスのファインプレイとした!
 色々と押し付けたともいう。いい性格である。

≪000111010101≫

 しったばたしているベティをサーボスカルがひょいっと起こして、
 その頭にヌタっと着地。この髑髏の奇行は今に始まった話ではない。

「…もっとシリアスな男と思っていたが、存外胡乱な側だったか」

 と、何か頷きながらマトメに入っている(誤魔化そうとしているともいう)イムカであった。

【棲家でこんな惨状やらかされたボロウズはどう考えるか?知らん】

>>430

「全くだ。おかげで伍長に重篤なダメージが加わってしまった」

 折角なのでラースに色々と全部背負ってもらうことにしたイムカである。

「まあ、賭けは大穴だな。それなりに君も狡猾な男だ」

 などと、変な褒め方をするのでありましたとさ。

//ではコノヘンデー!ノシ
432 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/07(日) 23:41:00.89 ID:bw+XuMWa0
>>431
―――ギィ!!
ひょいと助けてくれたスカルにありがとうと言わんばかりにハサミを振り上げるベティ

ロイ「――――――」
アキレス「あ・・・アハハハハハハハハ・・・どうも・・・」

白目をむくロイと 苦笑いのアキレスでしたとさ

>>430
そして自ら殴られに来たラースであったが

ロイは白目をむいており話ができる状態ではなく
アキレスもお疲れのようで覇気がない

結局お仕置きのできない2人であったとさ チャンチャン

//自分もノシ
433 :イゾウ>>486 [sage]:2016/02/08(月) 16:12:40.65 ID:SH8Dayfp0
【現代世界】

「しかし慣れないものだな」

午後のティータイム、街角のカフェのテラスでコーヒーをすする奇妙な出で立ちの男。
ピークタイムを過ぎているとはいえそれなりの人気店なのだろうか、ほぼ満席に近い状態である。
一仕事終えた人々の腰が重いのもあるのだろう。実際この男もそうである。
まぁこの男の場合一般的な仕事では無く、人間の暗殺という邪なものを終えたばかりなのだが。

「茶の無い茶屋……かふぇと言ったか。それはよいとしてもこの泥水のような味と見栄えは全く慣れん。この開放的な雰囲気は悪くないのだがなぁ」

どうやら茶屋を探してカフェを紹介された模様。
仕方無く注文したコーヒーにブツブツ。苦い顔をしながらも金を払うのだからとチビチビ啜っている。
コーヒーの芳醇な薫りに混じるはむせ返るような死臭。同業者ならば気付けるのだろうが果たして。
434 :ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 [sage saga]:2016/02/08(月) 16:35:20.59 ID:kU1TpZQro
>>433

「……お茶なら、ありますよっ?」

イゾウの顔を覗き込むようにしながら、視界の端からひょっこりと顔を現すのは、歳不相応に小さな魔女、ミスカ・リ・エリッタ。
自ら望まずこの現代世界に漂流した為に、やはりその出で立ちはイゾウと同じように周囲から少し浮くようなものだった。
白いワンピースのようなドレスの上から紺色のローブを纏い、あちこちには花を模した魔法銀のチャームが、細いチェーンからぶら下がっている。
トレイの上にはドーナツと、小さな紙のカップになみなみ注がれた暖かな紅茶。ミスカがイゾウを覗き込んだ拍子に、ちゃぷんと波が音を立てた。

暗い色のローブのフードから垂らした、ブライトオレンジの髪が鮮やかなその少女は、フードを取るとイゾウの対面の席をちらちらと見て、イゾウの様子を伺っている。
周囲の席はほぼ満席、残るはこの小さなテーブルの二人掛けの席、つまりイゾウの対面にしか空席が残っていなかったのだろう。
申し訳なさそうにえへへと微笑むと、「相席、いいですか?」と照れくさそうな声で頼むのであった。

それから暫くして――

「コーヒー、苦手なんですか?」

イゾウと向かい合って座る少女、その身体のシルエットを隠していた紺色のローブを脱いで椅子に掛ければ、まぁなんとも華奢なものであった。
まるで未だ穢れを知らぬ少女といった風貌で、その見た目通りにミスカはイゾウから漂う死臭にも、イゾウの正体にも感付くことはなさそうである。
先ほどから何分もかけて不味そうにコーヒーを啜るイゾウを見つめながら、ミスカは首を傾げながら疑問符を浮かべる。
わざわざ頼んでおいて、口に合わなさそうな表情をする人もいるのだなぁと不思議がっていたが、やがて先ほどの言葉の意味をようやく理解した。
茶のない茶屋、つもり男は茶を欲していたのだと。ミスカは手元のカップ、その中の湯気をもうもうと立ち昇らせる紅茶と、
イゾウの苦虫を噛み潰したような表情を数度見比べると、苦笑と共にイゾウに声を掛けた。

「私のお茶と”それ”、よかったら交換しませんか?」

品種は違えど、もとはと言えば同じ茶の葉だ。まったく減る気配のないコーヒーと比べれば、口に合うだろう。
435 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/08(月) 21:48:17.41 ID:BxSqy1O5o
【ドラゴンの影がチラついたら一目散に逃げろ】

 スプロールで生きる上でこの言葉は正に金言そのものである。
 黒社会(ハイセーウー)…元々は立場の弱い亜人種の同郷会や一族会が
 自分達を守るために築かれた互助組織であり、自警団みたいなものが縄張りの中で変化したものである。

「そういう意味では、ヤクザクランと似通ってはいるが…」

 しかして連中のやり口はヤクザの比ではない。
 アンダーグラウンドの多数の商店、暴力組織に根を張り、
 その権力たるや、暗黒メガコーポにも匹敵すると言われる。

「メガロシティを牛耳る黒社会は各氏族の長達…所謂、大班(ダーイバーン)の合議制で運営されており、
 その全てを取り仕切るのが王大班(ウォンダーイバーン)…ドラゴン氏族の長だ」

 その恐ろしさと影響力は上記の金言からも察せられるであろう。
 調子に乗ったランナーが王大班に接近し、結果塩漬けの干からびた死体となって晒されたなど珍しくも無い。

「で、だ。この黒社会の連中と、メガコーポが殺りあっている。絶賛、死体生産中だ。
 まあ、それ自体は問題ではない。問題は私のデッカー権限委託管轄地域でもそれを行っていることだ」

 腕を組んで無表情なイムカであるが、その実、かなり不機嫌そうに見えるかもしれない。

【ホロ・ディスプレイには爆発の煙を多数のランナーの死体と巻き込まれた市民の死体でごった返している】

「ちなみに私と私の会社と私の関係者の口座に大量のマネーが先刻振り込まれている。
 黒社会のダミー企業からだ。余所のデッカー権限委託企業も同じだろう」
436 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/08(月) 21:58:27.45 ID:ywtEDFO60
>>435
「ヤクザランの部分でこっち見るのやめてくれませんかね?」
ジト目を返すあごひげ男 なおヤクザではない

「よく分からんが木っ端の二次団体三次団体が調子ぶっこいてるからカチコミして バカ共の魂(タマ)ぁ取って来いってんだろ?」
なおヤクザではない(震え声)

「シノギ入ったってことは黒社会とやらがケツ持ってくれるって認めたようなもんだ 大手を振ってヤキ入れられるってこった」
なおヤクザではない(白目)

「それで? さっそく行くのかい?」
437 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/08(月) 22:02:10.22 ID:kU1TpZQro
>>435
「……この問題を解決すれば」

また貴女の死を望む連中が増える訳だ。と、兵士は頭を掻きながらぼやいた。
看過するには大きすぎる問題であり、しかし介入したとしてこちら側も無事では済まなさそうな相手である。
ジョシュアとしては、双方ともあまりお近づきにはなりたくない相手であった。

その大きな原因のうちの一つには、ジョシュアが今述べた脅威の増加にある。
イムカが謀殺されかけたというニュースも聞き慣れたものだ。これ以上の面倒を増やしたくはない。それが彼の本心だった。

「それと、うちのボスはこの問題へのインターベンションにはあまり乗り気ではありません」
「この問題のどちら側に着くか次第では、またバロウズの機嫌を損ねることになりそうですからね」

ジョシュアらの組織はカノッサ系列、当然メガコーポの中にはジョシュア達と提携する勢力、もしくは元締めたる勢力が混在する。
現にHEXAも一種のメガコーポであり、ジョシュアがどちら側に着くかによって今後の立ち回りを決めなければならないといった所だ。
つまり、知らぬ存ぜぬは以降通用しなくなるということ。
438 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/08(月) 22:13:01.43 ID:BxSqy1O5o
>>437

「…今に始まったことではない。今更さ」

 ジョシュアが止めた言葉の続きをイムカが引き継いだ形。当人曰く、気にするな。である。
 なお、そこでそういう訳にもいかないだろうという反応を理解しえないのは彼女の欠点でもある。


>>436

「ヤクザにヤクザと言って何が悪い」

 ロイの欺瞞に満ちた言動に惑わされるイムカではない。
 何か根本的に間違っている気がするが気にしてはいけないのだ。

「それがコトはもう少しややこしくてな…」


 −−−−−−−−−
>>436-437

 イムカが説明するには――

 この黒社会と抗争中のメガコーポであるが、純血を謳い、亜人種は人類に対する汚染と呼んで憚らぬグループである。
 そして、近年、自社領域における大規模なメタヘイト運動を展開。 メガロシティ内に混乱と流血を拡大させている有様だ。

「魔女狩りも同然だな。今や街灯にエルフの首やら腕やらがぶら下げられるのも珍しくも無い」

 そして各メガコーポの介入は微妙なラインである。
 何処からか知らぬが多量の賄賂から、硬軟折りまぜた工作、時に適切な恫喝などが加わり、
 容易に介入しきれぬ情勢をかなりの速度で構築されてしまった。

「で、だ。件のメガコーポの重役のパーティの警護に我が社が指定された。
 おそらくはひと悶着ある。そこで、君達にも警護に参加してもらいたい。私の管轄内だ。道理は通る。
 短期間で妙に力を持ちすぎている。よおく観察してきてくれるとありがたいな=v
439 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/08(月) 22:23:53.47 ID:ywtEDFO60
>>437
「ならあのいけ好かねぇ不思議生物に言ってやれ 動かしたきゃもっとシノギを回せってな」
などと無茶なことを言ってみるテスト

>>438
「ヘイヘイ 姐御にゃ適いませんよっと」
ならば道連れ と言わんばかりにイムカを姉御呼ばわりしてみるテスト

「・・・了解 誰かをぶん殴ってハイおしまいってなシンプルな話 どっかに転がってないかねぇ」
面倒くさそうにケツを掻くのであった

とりあえず準備らしい準備は必要ない この後移動するのなら すぐについていくだろう
440 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/08(月) 22:24:57.29 ID:kU1TpZQro
>>438
「………」

ふぅ、と唸り、溜息が出そうになるのを飲み込み、深く鼻から息を吐いてどうにか堪えた。
ジョシュア自身、精神が高揚していない時は冷静で臆病で、向こう見ずではない思考ができるものだ。

「……了解。で、武装は…」
「ガッツリ持って行ってもいいんですよね……?」

にっと微笑み、着替えてきますと一声。背を向けると手を振りながらオフィスの角へと消えていった。
ゼファー社襲撃の一軒から目に見えてやつれてはいるが、任務に支障をきたさない程度のものだと信じたい。

こうして筋骨隆々の、黒いスーツにサングラス姿。ジェルで頭をカッチリとキメた模範的SPが出来上がった。

問題視するべくはその異常なまでの武装だろうか?爆薬や各種グレネードはもちろん、
ジョシュアの愛銃ヴィッカーズ・ヘビーピストルにナイフ数本、アタッシュケースに偽装したサブマシンガンまで用意してある。
警護、というよりは暗殺や破壊工作用の装備に近い。
441 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/08(月) 22:29:20.19 ID:kU1TpZQro
>>439
「なぁロイ、頼むよ…アンタだって頭が上がんないんだぜ…」

勘弁してくれ、といった風な感じで肩を竦めるジョシュア。勿論イムカには聞こえないように。

「殺されちまう…俺なんかがクチを挟んだらな」
「ま、ああ見えて結構私生活では隙だらけ。仕事でもあれくらい融通が利きゃ…」

男同士でしか言えない物事、というのは誰にでもあるものだ。あるいは女同士で。
イムカからは絶対に聞こえる事のない距離、角度。情報漏洩対策は万全である。
が、万全とはすなわち完璧ではない。彼女の従僕たるサーボスカルがこの事を聞きつければ…
442 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/08(月) 22:30:45.90 ID:ywtEDFO60
>>440
「あぁそうか それなりのかっこうしなきゃいけないのか ちょっと待って」
とこの男も続いていき

「お待たせ」
ガチムチ体系に真っ黒スーツを纏い 伊達メガネをかけ テッカテカのワックスで髪をオールバックにした これまた模範的SP二号参上
まぁサーベルなりハルバート持ってる時点で ジョシュアとは少々趣が違うが
443 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/08(月) 22:33:13.07 ID:ywtEDFO60
>>441
「なぁに お前さんだって一度は離脱できたんだろ? もう一度ぐらいわけないって そんときゃ俺も手伝ってやるからよ」
ニヤリと笑って見せる

「あぁ アキレスが目の毒って常々言ってるぜ あいにく写真とやらは一切残ってないがな」
444 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/08(月) 22:33:45.78 ID:BxSqy1O5o
>>439-440

【→メガコーポ;主催パーティーへ】

 130階建ての高層ビル。その上層で行われるパーティーである。
 お題目に関してはさして意味を成さぬので割愛するが、当然ながらもカチグミが集うパーティーである。
 そのような場所を警護するに当たっては、格好も鎧だの装甲服だのは許されないであろう。

【→各人の装備は携帯可能なモノ(偽装はOK)+服装も場に相応しい身なりが求められる。
  ※サイバー世界らしくアーマークロージング(防御力を持った衣服)は可である】

 蕩けるようなオーガニックスシ、天然のマッチャ、ニョタイモリなど、
 カチグミらしい贅の限りを尽くしたパーティーであった。

「ぶふぉっふぉふぉ」

 そして、ロイとジョシュアの警護対象である重役は総金歯でだらしない皮膚。
 趣味の悪い紫のスーツなど如何にもという格好である。

【経歴も親族のコネにより高い権力を得た典型的なカチグミ…といったところだ】

 が、その男、妙な魅力がある。弁舌はさわやかで巧みに心をくすぐり、
 最初は侮っていたカチグミたちも何時の間にかその偏った思想に徐々に引き込まれる。
 時間がたつと、メタヘイト運動への協力を約束するカチグミまで出始める始末だ。

【ロイやジョシュアにも時間がたつにつれ、この不愉快な男を何としても守らねばという考えが湧いているだろう】
【判定)心の動きの不自然さに気付けるか???→上記のは、己の心中から洩れ出た考えでも意志でもないのだ!!】

「ぶっふぉっふぉっふぉっふぉ」

【そして、もう一点、正に絶好調と呼ぶしかないこの醜悪な男の瞳は常に何かに怯えているようであった】
【終始、目が泳いでおり、どこか信じられないものを見ているような、混乱しているような、そんな目である】
445 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/08(月) 22:48:46.12 ID:kU1TpZQro
>>442 >>443
「かぁ…死なば諸共ってか…」

傷だらけの身体にぶら下がるドッグタグ。やがてそれらを隠すようにシャツとスーツを羽織り、きゅっとネクタイを絞る。

「……オッサン、武器見えてんぞ」

やがて着替え終わってオフィスの隅から出てきた二人。大柄な体格と歴戦の風貌が相まって中々サマにはなっている。
片方は爆薬やらで重武装。もう片方は数世紀も前の武器で全身を固めている。
ふとジョシュア。何か引っかかっていたのかロイとは視線を合わせず、口元だけ動かして呟くように。

「アイツのことだ。きっと何処かに隠し持ってる。次に訓練してやる時に、吐くまでシメ上げといてくれ」
「………報酬は、弾むぜ?」

くい、と杯を飲み干すしぐさと共にウインク、さて出発だ。リムジンの後部席に二人と共に乗り込んだ。

>>444
(くっせぇな…)

第一の感想はそれであった。この場所は雑多すぎる。ジョシュアの求めている者とは対極にある。
こんな気疲れの多い場所はゴメンだ。ジョシュアはあからさまに舌打ちする。
ただし横柄なのも護衛対象の傍に向かうまで。仕事が始まれば、そこから先はプロとしての器量が求められるからだ。

(このジジイ、中々のカリスマ…だがダグラスやコミッサー程では…)

目論み通りこの男の言葉はジョシュアの心に作用し、ジョシュアの心を掌握しつつある。
ジョシュアもその心情の違和感に気付くこともなく、男の言葉は徐々にジョシュアの精神へと浸透してゆく。
しかしジョシュアには既に心酔に近い敬意や親近感を覚えている上官が二人も存在していた。
思い出補正もありそれらの前には霞んで見えたようだ。完全に掌握するには、まだ拙いものである。

「……何かご所望ですか?(なんだジジイ。耄碌したか?まさか漏らしてんじゃねーだろーな?)」

括弧の中がひっくり返れば即処刑もいいところである猛烈な本音と建前を持ちつつも、
余りにも挙動不審な護衛対象。不審に思ったジョシュアは、耳元に微かに口を近づけて囁いた。
普段であれば絶対に近づくことなどしないのだろうが、これも男の言葉の持つチカラなのであろうか。
446 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/08(月) 22:51:02.37 ID:ywtEDFO60
>>444
>442の通り頭をワックスでテッカテカのオールバックにし 黒のスーツを一部の隙もなく着込み 腰にはサーベル 手にはハルバートと
SPと衛兵がごっちゃになったような恰好 うーんファンタジー

そのオーガニックなメシに多少の興味は示すも 与えられた任務を淡々とこなそうとする それがたとえ趣味の悪いジジイ相手でもだ
しかし場はなにやら不穏な空気が漂い始め なぜだかその仕事に疑問を持ち始めるではないか

コツンと顎のあたりを拳で軽くたたき
「我ら敬愛せしプラチナムの名において その輝きに泥を塗るなかれ」

おのれを律する言葉を呟き 今一度気合いを入れる

だがまたその決意が揺らぎ・・・

(いくらなんでもおかしい・・・これはなんだ!?)
ここで気付く この気持ちが本心から湧いたものでないことに

「・・・・・」
より一層険しい表情で この原因を探ろうとする そして 紫スーツの男に目が向いた

「失礼 具合が悪いように見えますが?」
自ら歩み寄り 何かあったらすぐに飛び退けるよう注意しつつ 声をかけた
447 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/08(月) 23:08:38.93 ID:BxSqy1O5o
>>445-446

「ん?ぶ、ぶふぉっふぉっふぉ、問題は無い。
 いや、君達のような警護がいて実際心強く思うよ」

 恐らくは半分程も本気ではないであろう台詞をロイとジョシュアに返す重役。
 しかして、見るものが見れば、その感情の動きを察せられるかもしれない。

【その怯え方を言葉にするならば、自分でも理解できないような成功をしている最中の困惑】
【同時にそれは、自分の実力では決してありえないと半ば察しているがゆえの恐怖ともいえる】

 会場に妙な仕掛けらしきものは無いか?

【判定(嗅覚−薬物):会場には薄く甘い香りが漂っている。薬物に対する知識があれば多少の幻惑作用がある植物の者だと察せられる】
【判定(メガデモ)…会場の光源配置と断続的に繰り返される光量の変化は実際のところ軽い視覚ドラッグと同じ効能であろうか?】

 が、実際の上記二点は程度の差もあれ良く使われる演出に過ぎなくもある。が、

【判定(メガデモ)…使われているメガデモパターンは実はデタラメ。メガデモであると偽装しているカモフラージュに過ぎない】
【判定(魔力感知)…薄く引き伸ばされた香りは実は魔力が混じっている。幻惑/魅惑魔力に対する警戒反応を突破する新種のモノだ】
【判定(危険察知)…
 キモとなるのはむしろ敷かれたカーペットである。実は少しずつ模様が変化している。
 最初はただの模様の羅列だったのが、何時の間にか謎めいた冒涜的魔法陣に形状が変化しているのだ】

「ザッケンナコラー!!」

 ここにきてヤクザスラングが突然に会場に響き渡り、入り口のドアがバン!と開かれた!
448 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/08(月) 23:25:48.96 ID:ywtEDFO60
>>447
「・・・・・そうですか 何かあればすぐにお呼びください」
怪しい とてつもなく怪しい が何に怯えているのか それが微妙に分からぬ故 それ以上の詮索はしなかった

そして今度は辺りに気を配り そして気づく

【能力(レンジャー知識)発動】

【判定(メガデモ);失敗】
【判定(嗅覚・薬物):成功】
【判定(魔力感知):失敗】
【判定(危険察知):成功】

ロイは魔法の才能が無いため 感覚ではなく知識で判別する それが新種である場合 知識がないので判別が困難なのだ
そしてハイテク方面の技術であるメガデモに関しても同様に困難

だがローテク方面である薬物に関しては 知識 経験共に豊富で その匂いの効能をすぐに悟る

「ジョシュア!! 空気にガスが混じってる!! 気を確かに持て!! それと足元に魔法陣だ!!効果は不明だが用心しろ!!」
ジョシュアに叫び 情報を共有 そしてドアが開かれ そこにはヤクザの方々

「テメェどこの組のモンや!! 言わんかい!!」
ドスの利いた声で叫び 紫スーツのジジイを背後に隠す 辺りの幻惑に動じず 護衛の任務を果たそうとする
449 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/08(月) 23:34:35.72 ID:kU1TpZQro
>>447 >>448
(……いくらなんでもクサすぎる。まさかこのジジイ――)
「ッ!!」

あまりにもVIPの様子がおかしいことはジョシュアでも察知できた。しかしそれ以上は期待できない。
何故ならジョシュアには魔法分野の知識が皆無に等しいからである。
魔法に入り浸ったのはエリュシオンでの遠征時程度であり、それ以外はいつも科学の力に頼り切って生きてきた。

だが幸いにもベルゼブブの”食覚”が何かジョシュアの身体に異変を起こしている物質の飛散を教えてくれていた。
しかしジョシュアがそれを理解する暇を与えられることはなかった。ロイに一足遅れて違和感を察知した瞬間、”ご来賓の皆様”が訪れたからだ。
それゆえにトリックの一切に気付くことができず、しかしその代わりに襲撃への対応は最も早い。

「ハッハァ!おいでなすった!」

ヤクザの出現と同時にアタッシュケースを180度開く。まるでオイルライターの蓋でも開けるようにだ。
そこから飛び出てきたのはトリガーとグリップだ。
二分割されたアタッシュケースの一方には機関部がぎっしりと詰まり、蓋の役割をするもう片方はストックとして機能する。
もはやSPらしくもない本性を隠しもせず、ドアが開いたと同時に、ジョシュアはマグを一つ空にした。

「ジジイッ!隠れてろッ!」

そしてジョシュアはすぐさまテーブルを蹴倒し、それをバリケード替わりに男を其処へと引きずり込もうとする。
バレットプルーフにおいては心許ないが、シルエットを隠すという意味では被弾率を下げる意味合いにもなる。
さらにジョシュアは男の行動に関わらず、テーブルを飛び越え、その前方で文字通りの肉壁として展開すべく着地する。

そして着地のために受け身を取った瞬間だった。ジョシュアの動きが、ぴたりと止まる。
眼にしたのだ。カーペットの模様が、すなわち魔法陣が展開されつつある変遷を。

「………?」

怪訝そうな顔を浮かべつつも、床に座り込んで机に背中を付け、小型重機ばりの膂力でそれを壁際へと押し始める。
”ここはヤバい”とジョシュアの勘が告げている。危険信号の導きに従い、ジョシュアはVIPを机ごとカーペットの外へと追いやろうとするだろう。
VIPがジョシュアの指示に従わなかった場合は、ジョシュア自身がイザというときに備えるために。

「おう了解!こっちも気付いた!」
「あぁそうだ…カーペットに気を付けろ!何やら魔法由来のシロモンらしい…!」
「パーティのシメは…んぐ…ぷはッ…激しく行こうじゃねーか…!」

ロイからの警告に、ジョシュアも負けじと大声で返答。ついでにこちらの情報も付け加えておく。
隣のテーブルからグラスに注がれたシャンパンを拝借。煽ってグラスを地面に叩きつけ。
そしてロイの怒号に呆れながら、やれやれと首を振るうのであった。

「……やっぱりヤクザじゃねーか…」
450 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/08(月) 23:45:24.64 ID:BxSqy1O5o
>>448-449

 入り口よりアサルトライフルを手に殺到したのは、角刈りにサングラスのリザードマン武装集団である!
 彼らは黒社会の末端!追い詰められ続ける昨今、この警備のゆるい会場を狙ってきたのだ。半ば暴発的に!

「「「スッゾ!!」」」

 BATATATATATATATATATA!!

「アバーッ!!」

 問答無用で弾丸が大量にばら撒かれ、無警戒に立ち尽くしていた幾人かのカチグミが即死!!
 パーティー会場内は一気に混乱の渦に叩き込まれる!!

【バチャバチャと飛び散る血液がカーペットに染みこみ、魔法陣がドグンと一回鳴動した】

「ヒィイイ!!ヒィイイイイイ!!」

 重役は怯えきって、ロイの背後で身体を丸くして失禁。
 このような男に先程まで、妙なカリスマ性を感じていたとすればやはり不自然である。

【程なく、ジョシュアにテーブルの影まで引きずり込まれることとなった】
【しかし、カーペットについては無理だ。このワンフロア全体に敷き詰められており、死角がない】

「ドグサレッガー!!コーポの犬」

 リザードマン達はターゲットに狙いを定め、テーブルなどお構いなしとばかりに一斉射を敢行!!
 濃密なライフル弾の弾幕が形勢され、ロイとジョシュアにも襲い掛かる!!「

【リザードマン達は荒事に慣れている以上ではない<eッポダマ戦闘力係数の集団である】
【数を頼みにした銃乱射であり、それしか芸が無い。もっとも数が揃っており閉所では十二分に危険な相手である】

 他のカチグミたちは逃げようとするが、全てのドアが閉まっており逃げられない状態である!!
 当然かつ無責任な混乱と狂騒がフロアを覆う!ゆえに超条の囁きを耳にできたのは一握りだけだ。

捧げよ…言葉せよ…捧げる…と。そうすればあらゆる願いを叶える

【ドグン!ともう一度カーペットが鼓動した。魔方陣染みた模倣が赤黒く染まり始め、魔力以外の…瘴気が洩れ始めた】
451 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/09(火) 00:01:17.36 ID:Wt8h0n0C0
>>499
「ヤクザじゃねーって言ってんだろ!!」
そう ヤクザではないのだ

「ヤれるもんならヤってみんかい!!」
繰り返す ヤクザではないのだ(反らし目

>>450
「いてまうぞワレェー!!」

しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く

――――瞬間的な其の動作
地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

爆発的速度をもって弾幕の中を突き進み 少しの銃創を作りながらも剣の間合いへと入り込もうとする
そしてその後 ヤクザ共を切り刻もうとするだろう

そしてカーペットの鼓動には闘志の炎を滾らせ

「烈破掌!!」
その瘴気を陽の気功 闘志にて焼こうとするだろう
452 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/09(火) 00:07:53.12 ID:+r7cqQMbo
>>450
「やべェ…やべェやべェやべェ!」

ジョシュアの射撃に対し帰ってきたのはその数倍もの量の銃弾だ。いくらか被弾し、しかし致命には至らずすぐに傷は修復される。
しかしいくら”残機持ち”のジョシュアでも無敵ではない。焦りながらカバーへと隠れ、その際にサブマシンガンを撃ち落とされてしまった。
すぐさまピストルに切り替え、カバー越しにロールックで反撃。その時ジョシュアの耳に、やけに明瞭に囁きが届いた。

「はッ……”ささげ”…――!……だァ……?笑わせやがる…」

肩を竦めて嘲笑うジョシュア。思わずつられて繰り返しそうになり、慌てて口元を左手で塞いだ。
しかし辺りを見回してみれば、立ち昇る瘴気染みたモノに、ただ事ではないとさすがに動揺を覚え始めた。

「……おっさん気ィ付けろ!なんかヤバいのが来るぞッ!」

急いでロイへと注意を呼びかけ、しかし彼ならばもう気付いているだろう。余計なお世話だ。
物陰からヘビーピストルによる牽制と、初めに打ち尽くした者から順に、リロードの隙を突いて胸を狙った本命の一撃。
ボディアーマー越しに肋骨を破壊するマンストッピングパワーを誇る強装弾をマグ一つ分使い切れば、カバーの中へと再び隠れた。


「こうなったらまずァ、お前からブチ喰らッてやんよォッ!!」

逃げられないのなら、魔法陣を破壊するまでとジョシュアはスーツの右腕を捲った。
狙うはベルゼブブの捕食作用による防御無視攻撃。まずは魔法陣を乱し、この場を凌ぐことが先決だ。
同じくベルゼブブの持つコピー作用によって、捕食した対象の効果次第ではジョシュアが危険に晒される可能性もある。
しかしジョシュアは臆することなどせず、右腕をカーペットへと押し付けた!
453 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/09(火) 00:27:03.54 ID:tDSKGK6mo
>>451-452

「ズッゾコラー!!」「グワーッ!!」

 強力なストッピングパワーを誇るジョシュアの銃弾が敵の銃撃の嵐に間隙を生む!

【それはロイが敵の奥深くまで切り込む牽制射の役割を果たす!!】

 膝抜きの速度にまるで対応が出来ず、リザードマン達は容易に間合いへの切り込みを許す形となる!!
 サーベルが振るわれ、紫色の血が舞い散る!!間合いさえ詰められれば仔細問題はなし。
 歴戦の兵(つわもの)であるロイとジョシュアに対し鉄砲玉程度では地力に差がありすぎるくらいなのだ。

【サーベルが奔り、拳銃弾が貫く!こちらは最早消化試合だ!!警護任務は凡そ達成!!】

「ヒィイイイ、助けて!助けて!」「コワイ!助けてくれーッ!!」

 銃弾と斬撃のバックミュージックとなるのは、哀れなカチグミ達の悲鳴である。
 当然である。このような鉄火場。助けを求める事に罪はない。が、

【願った。カチグミ達は己の安全を何かに願ったのだ】

「―――」「―――」

 時を経ずして、カチグミ達の悲鳴は消えていく。流れ弾で死んだ?否、そういうわけでもなさそうだ。
 彼等は戦闘が経過することに、素晴らしい早さで冷静さを取り戻し、整然を直立、身だしなみを整え始めた。

【判定:霊感あるいは強力な直感) この瞬間、カチグミ達の魂が弾けて喰われた断末魔を知覚できたかもしれない】

 このタイミングで烈破掌が撃たれる。その焔はカーペットに接触と同時に…歪み、
 ロイの顔の側に吹き荒れて、闘志だった焔が不気味な笑みを彼に見せると消えた。魔方陣は健在だった。

【カチグミ達の願いを歪めて叶える器物/事象を歪めて叶える器物/願望を叶える器物】

 ズン!と此処でジョシュアの腕がカーペットに突き刺さる。
 魔方陣の一角がそれに喰われて、ただの魔力の還元となって散っていった。

【効果ごと喰った…?というよりは、既に目的を果たして消えたに近い。
 寧ろ、必要以上に喰われることによる何らかの露見を恐れた???/ジョシュアは「魔力痕跡」を入手】

「へ・・・へう?」

 涙を流しがながら震えていた重役は鉄火場が去ったと気付き、身体を起こす。
 そして、ロイ、ジョシュアを含めて突然の拍手に包まれたのだ!!

【パチパチパチと大音量の拍手が戦闘後の皆を出迎える!!】

「素晴らしい活躍でした。デッカー=サン」
「警護助かりました。災難でしたね。しかし、このような暴挙は許しがたい」
「私は亜人種の追放に援助を惜しみませんよ!」

 仮面のように張り付いた笑みの群れ。
 カチグミ達の肌は混乱前とは一変して艶かしく、声は放漫の虚勢から真の自信に満ち溢れ、
 その目は猫科生物のように妖しい魅惑を放っている。

「え…ああ…」

 重役は困惑しながら賛辞と握手を受け続ける。
 本来ならば、この混乱の責任をとってセプクせねばならぬ惨事でありながらだ。

【何もかもが異様な雰囲気である。カーペットは無地。何の模様もない一色である】
【そして、ロイとジョシュアにこの場で出来ることはもう存在しない。吟味し、成果報告せねば…作戦成功である】
454 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/09(火) 00:38:18.50 ID:Wt8h0n0C0
>>453
精神だけで勝てるなら苦労は無い
鉄砲玉はあっけなく死んでゆく

だが問題はこいつらじゃない

醜く泣き叫んでいた連中が異様なほど冷静に 何事もなかったかのように立ち上がったのだ
権力を持っただけの素人 それが鉄火場の直後にこれだ

「・・・・・。」
【判定(直観):成功】

だが覚えている 奴らの悲鳴以外の 命が失われていくような断末魔を覚えている
それは紛れもない このカチグミ共の声だ

「チッ・・・」
嫌な予感を覚える まるで故郷の世界で受けた とある出来事を彷彿とさせる何かが

「御無事で何よりです それでは失礼いたします」
険しい表情のまま衣服を正し 恭しく一礼して退室する

「ジョシュア 詳しくはイムカと一緒の時に話すが とてつもなく拙いことになった・・・かもしれない」
イムカの元に戻る際 そうつぶやいた

//そろそろ眠気が・・・サヨナラ!!
455 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/09(火) 00:42:39.67 ID:+r7cqQMbo
>>453
「……後味悪りィな……」

万雷の拍手喝采の中で、ジョシュアは一人舌打つ。その表情はこの会場に入ってきた時と全く同じである。
すん、と鼻をヒクつかせ、しかしあの香りも今は不気味なほどに、痕跡も残らない。
早くこの場を出よう、と。コントラクトが完遂した今、もはやジョシュアは一刻も早くこの場から逃れたかった。

彼等の魂が発した断末魔を、ジョシュアは克明に知覚していたからだ。
それは彼が他ならない、命そのものを喰らい、命を力とする存在であるから。
魂が散り際に残した恐怖や絶望を、ジョシュアは目の当たりにしたのだ。

「コミッサー…任務は…一応成功。後で話したいことがある…」

イヤホン型のヘッドセットに指を当てれば、イムカとの通信が繋がる。
任務は成功。しかし今回の契約、妙な点が多すぎる。このままでは収まりがつかない。ジョシュアはそう考えた。
何者かの掌の上で確実に踊らされている、と。

「………ボスは…これ、いるかなァ…いらねェだろなァ…」

ナイフを抜いて、それからそれを床へと突き立て、100ドル紙幣程の大きさに二つ切り取ってからまじまじと見つめ、
「証拠物件(evidence)として押収だ」とつまらなさそうに呟き、ポケットへと突っ込んだ。
ジョシュア自身、あまりこの手の謀略染みたものへの関与はまどろっこしくてあまり好みではないのだ。
考えるのはブレインたるイムカの仕事。自分は彼女の判断を信じ、ただ従って手を下す。敵たるものすべてを撃滅するだけだ。

//そいでは私もコノヘンデー!
456 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/09(火) 21:50:49.97 ID:YgRVuxOeO
――某世界 カノッサ機関一派、『ミクラガルズ賢人会』拠点 道中にて

めでたく、と形容していいかどうかわからないが、『ミクラガルズ賢人会』のエージェント、『ナチグロイシ』から
ポストアポカリプスのアンドロイドと交流し、調査することを依頼されたクルトはアンドロイドそのものずばりを連れ出すことに成功した。
ゲートを通り、用意された馬車でエージェントの待つポイントまで護送しなければならないが……。
……世界を越える、という事に動揺しているポンコツ気味のアンドロイドの相手を誰がしなければならないか、それは無論クルトだったのだ。

「た、大変です」

「あらゆるネットワークに接続されていません。GPSが動作しません。大気環境が直前のデータより遥かに改善された傾向にあります」

「航空機の姿がありません。車両がありません……何が起きているのか、私はあなたに回答を期待します」

自称、優秀なアンドロイドは、目を白黒させている……。
457 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/02/09(火) 22:08:16.35 ID:tDSKGK6mo
>>456

(ゲートに弾かれる可能性も考えたがアッサリと通ってしまったな。
 下手をすると、アラズァヘッドみたいに量産戦力ユニットになるかもしれんな)

 越境可能なのは適正らしきものがあるのだが、
 そこを考えると、このアンドロイドにはどうやらそれが付与されていたようである。
 中々どうして、世の中というのは複雑怪奇だ。

「ん、ああ、諸機能が色々オシャカになったんだろう。
 という冗談は置いておいて、まあアレだ。タイムワープの親戚みたいなものだ」

 クルトの説明は非常にざっくばらんに過ぎた。
 説明がめんどくさいのではなく、自分が今懇切丁寧に説明しなくても
 後でいくらでも機会はあるだろうからという…やっぱり面倒くさかったのでは?という疑惑は残る。
458 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/09(火) 22:13:12.71 ID:YgRVuxOeO
>>457

「時を逆行するのは不可能です。もっと何か違うものだと推測いたします」

きょろきょろと見回す。
馬車でのんびりとした森を通過している最中なのだが、光景としては長閑にすぎる。

「ところで、この乗り物はなんでしょう」

「カートゥーンにしか出てこないはずのものと私は推測しますが」

無論、このアンドロイドの場合は走った方が早い。
このカノッサ機関の一派がハイテクアレルギー気味なのが悪いのだが、彼らの最速の移動手段が馬車なのだ。
無論、頑張れば車は用意できる。……産業革命期ぐらいのものが。
459 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/02/09(火) 22:23:48.79 ID:tDSKGK6mo
>>458

「生憎ここはカートゥーンの中じゃあないがな。
 馬車、人類文明の黎明期に開発された移動手段だ。
 馬は人類に速度を与え、歴史にも大きな影響を齎した」

 実は未来世界でも馬は時に使用されたりもする。
 薬物で強化されていたり、あるいはサイバネティクスを施されたり、
 というカタチになりがちではあるが。

「お前さんの調査を依頼した連中の趣味…でもあるかな。
 何というか、テクノロジーが苦手な連中というか、何を見てもファミコンっていう世代というか、
 まあ、そんな連中だ。ローテク愛好同好会なんてな」

 クルト自身はこの牧歌的な風景を楽しみながら葉巻を燻らせている。
 彼自身は別段ローテクに対する蔑視はない。
460 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/09(火) 22:28:35.52 ID:YgRVuxOeO
>>459

「なるほど、と私はこの異常な空間における知識を吸収します」

「しかし……GPSもネットワークも完全に使えないとなると……」

むむむ、と小さく唸る。
彼女の口じゃないところから電子音が生じたりもして。

「心理環境に著しい負荷がかかるのを感じます。これは奇妙な感覚です」

はてな、と首をかしげる。
それを人は恐らく不安と表現するのだろうが、この娘にはいまいち理解できないらしい。

――そろそろ、目的の会合場所が見えてきた。
あの小さな魔女のエージェントが、煙草を吹かしながら待っているのだろう。
461 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/02/09(火) 22:34:40.31 ID:tDSKGK6mo
>>460

「慣れておけ。ネットワークは便利な道具だが、依存しすぎると断たれた時にどうにもならなくなりかねん」

 知識や手段の外部入力/出力化は実際、生き方や考え方を一変させるパラダイムではあるが、
 それ無しでは生きていけないという状態に陥りかねない危険を孕むのは言うまでもない。

「お前さんは優秀なのだろう。この経験もログに保存して損は無いぞ」

 と、ここでちょっとこのポンコツロボのプライドを突きながら、
 かのエージェントの会合場所が見えてきた。一応、仕事は完璧にこなせたはず。
 特A級ランナーの面目躍如というものだ。
462 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/09(火) 22:40:16.93 ID:YgRVuxOeO
>>461

会合場所にやってきて、待っていた小さな魔女はアンドロイドの姿を認めると、小さく感嘆の声をあげた。
まさか本当に連れてこれるとは思ってもいなかったのだ。
自分達の理解の及ばぬハイテクの塊は、上手く扱えば自分たちの弱点を補うためのに活用できるはずだ。

「まさか本当に連れてこれるとはね……。約束だ、ボーナスは弾もう」

煙草を吹かしながらそう魔女が言えば、クルトの傍らにいるアンドロイドはざわめきだった。

「大変です。子供です、子供がコスプレしている上に煙草を吸っています!」

「この場所の法秩序はどうなっているのですか。私はあなたに詳しい説明を期待します」

ぐ、と拳を作ってアンドロイドはクルトを見る。
まじまじと、曇りなきレンズでもって見つめるのだ。ロマンスはゼロであった。

「……初対面で罵倒されているのか私は。というかあんどろいどってのはそんな、なのか……?」

魔女はといえば、何やら期待していたのとは違ったのか、少し肩を落としているように見える。
463 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/02/09(火) 22:50:15.83 ID:tDSKGK6mo
>>462

「ああ、ボーナスか。いい響きだ」

 任務は仔細問題なし。完全達成。
 いい仕事をした後というのは気分がいいものである。
 が、なにやらトンチキな気配が漂ってきたのでフォローせねばなるまい。

「ああ、アンドロイドは概ねこんな感じだ。コミュニケーションを取るにはちょいとコツがいる」

 言いながら、円満なコミュニケーションのコツが書かれたアンチョコを渡しておく。
 Пролетарии всех стран, соединяйтесь
 少なくともコレを唱えれば何らかの進展は起こるだろう。良かれ悪しかれであるが。

【端から機械オンチ共とアンドロイドに真っ当な接触など期待していない。賭けに出るべきなのだ】

「子供がタバコを吸っているというが、文化によってはタバコの年齢制限なんぞあって無きが如しだ。
 郷に入れば郷に従えとも言うだろう?少なくともこの地はお前さんの管轄じゃあない。
 驚くのはいいが、咎めるのはよくないな。ああ、格好は特殊な趣味とか趣向とか色々あるんだろ」

 完璧なフォローを入れておくクルトである。なお、子供扱いを否定していないのはワザとかどうかは想像に任せる。
464 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/09(火) 22:56:34.91 ID:YgRVuxOeO
>>463

「なんだ、このアンドロイドはアカなのか? 私の故郷も似たようなもんだったが流行しなかったぞ?」

「“全ての労働者よ、団結せよ!”って、おいおい……」

魔女が肩を竦めた時、アンドロイドの様子がぴたりと止まる。
様子の変化に魔女が眼を見開き――肝心のアンドロイドは――。

「火器使用制限を解除します、アカは排除されるべきです」

眼光鋭く、バックに書き文字でも現れそうな様子である。
武装の類がどこに収納されているのかわからないが、なるほど戦闘態勢に入れば威圧感だけはある。

「おい、おい、おいコラ。特定のキーワードに強く反応するっておい。こいつは本当にハイテクなのか。既視感すら感じる挙動なんだが」

どうにかしろ、と魔女はクルトに目をやる。
465 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/02/09(火) 23:05:48.33 ID:tDSKGK6mo
>>464

「ああ、解っている」

 これでコミュニケーションの取っ掛かりはつかめたなと、 
 確かな感触を覚えて、ボーナス分のアフターケアをもう少ししてやろうかという気になった。

「あー…お嬢ちゃん落ち着け。今、事情を説明する」

 火器制限を解除して今にもレッドパージしそうなホワイトにクルトは誠実な応対を心がけることにする。
 葉巻を携帯灰皿に放り込みながら、少し小さい声で、

「あの子供はだ。要するにアレだ。格好からも解るとおり、思春期にありがちな病にかかっている系でな。
 お前さんのデータベースにも無いか?若いころは、なんというかアカ思想とか何とかに憧れたりするような。
 まあ、ハシカみたいなモノだが、言ってしまえばあの子も犠牲者だ。武力制圧だけではなく、
 思想矯正…もとい、正しい道に導いてやるのも治安維持ってものだろう?」

 何か、中二病とヒッピー思想と学生運動をミックスしたような悲惨な風評被害が発生しているが、
 カノッサ機関という大組織ならばその程度の試練は跳ね除けてくれるだろう。きっと。

【良し悪しは兎も角、これで機械嫌いな連中とアンドロイドがひとまずはコミュニケーションせざるを得ない状況は構築できたか?】
466 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/09(火) 23:11:44.24 ID:YgRVuxOeO
>>465

「なんと、そういうことでしたか。安全装置作動させました」

暴走を止めるのと引き換えに、エージェントの名誉が損なわれていく。
魔女はあんぐりと口を開き、小刻みに震えながら抗議する。

「あのなぁ……人をそんな愉快な存在にしないでくれるか」

「……まぁ、まぁ、まぁーいい。悩むのはお偉方の仕事だ。私はエージェント、即ち代理人だからな」

とにかく、アンドロイドを確保できただけ彼女の仕事は終わり。
ボーナスがあるのは何もクルトだけではない。彼女も無事に済ませればお手当てがもらえるのである。

「スパイごっこはいいですけどね」
「誰がスパイだ」
「大人の人はいないのですか」
「ドやかましい! 私もお前と同じような機械だよ! ハイテクかローテクかだけの差だがお前はポンコツだなオイ!」
「なんと」

……コミュニケーションというより、漫才が始まっている。
多分放っておいても何とかまとまりそうだが、さてどうする?
467 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2016/02/09(火) 23:16:15.48 ID:tDSKGK6mo
>>466

(こうでもしないと、お前さんたち、ロクに会話も成立しないだろうが)

 接触時のおっかなびっくりな様子から荒療治に転じたのだ。
 つまりコレは誠意であり、決して愉悦でもなければ名誉毀損でもない。

「さて、これで纏まりそうだな。それじゃあ後は好きにしてくれ」

 深紅の篭手をヒラヒラさせながら、この場を後にするクルト・カントール。
 特A級ランナーとして彼は完璧な仕事をやり遂げてクールに去るのであった。

//お風呂タイムなのでコノヘンデー!!ノシ
468 :『機械人形は同族を探す』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/09(火) 23:20:02.72 ID:YgRVuxOeO
>>467

「貴様、逃げたな!……ちぃ!」
「……ああ、マスター(仮)候補が……去っていってしまいます……」

去られてしまえば、目で追う他に方法はなく。
取り残された二人は、漫才をしながら話をつめていく。

――後日、ハイテクにも対応しはじめた『ミクラガルズ賢人会』がカノッサでの影響力を広げることになるが
それはまた、別の話であるだろう。
469 :『別解はあらゆる地平に存在し得る』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/11(木) 20:49:01.05 ID:jY4x/oE8O
――とある世界、越境者の集まる拠点にて

この日、珍しくお騒がせ幽霊のエルダは消沈した様子を見せていた。
どうやって調達したのか、色んな世界の色んな現金を雑多に袋にもってきている。
この幽霊が現金を使う必要がある場面が存在しうるとすれば、それは、本人の問題のための依頼があるということだろう。
他者の問題に顔を突っ込むためなら、本人の痛いところをつんつくしてやらせるように仕向けるからだ。

「はぁー……もしものたらればの世界なんかに責任なんてないとは思うのだけれど」

「それでも気になってしまうのが、知ってしまった者の性ということなのかしら……誰か、勇者様はいらっしゃる?」

きょろきょろと、この厄介事を引き受けてくれそうな人物を探して辺りを見回す。
470 :アルベルト・ベイグランス ◆WnLqqfp7n. [sage]:2016/02/11(木) 21:06:50.93 ID:Yuwhkz4do
>>469
「うん……?」

そんな幽霊とふと目が合う
全身茶のコーディネートの少々ガタイの良いオッサン。手には『やさしい じゅうどう にゅうもん』なる本を持っていた
本を閉じると、席を立つ
目が合った幽霊の方を見たまま、そちらに近づいて

「あー、と。 何か困りごとかい?」

話し易い程度には近づいてから、真っ向から尋ねた
興味本位というよりは彼の御人好しな部分が態々声をかけさせたと言える

「旅の恥はかき揚げ?だったっけ?まあ俺みたいなのでも愚痴位は聞けるかも知れないよ?」
471 :『別解はあらゆる地平に存在し得る』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/11(木) 21:15:57.00 ID:jY4x/oE8O
>>470

「あら……」

声をかけてきた人物に目をやれば、彼女はたちまち目を輝かせた。
こいつの好きなものは恋ともう一つ、それは英雄である。
快刀乱麻を断ちきる時にはいつも英雄がいるわけで――。

「ええ、そう、そうなの。困りごとよ」

「あなたのような英雄でなければ対処のできない、そういう厄介話。あなたの英雄譚の一つに付け加えてくれると、光栄なのだけれど」

いつもの調子を取戻し、けれん味のある受け答えをしながら、スカートの裾を摘まんで広げて一礼。
彼女の外見は、透けてはいるもののいいところのお嬢様といった風だ。生前は貴族の令嬢だとか、そういう出自であることを伺わせる。

「私の名前はエルダ・デ・ベッツィ・ダ・タラントと、申しますわ。どうか、お見知りおきを」

彼女はとても嬉しそうに微笑んでいる。
問題解決が期待できそうな人物というだけでなく、好みの男性であるからという意味合いもあった。
472 :アルベルト・ベイグランス ◆WnLqqfp7n. [sage]:2016/02/11(木) 21:31:11.98 ID:Yuwhkz4do
>>471
「英雄、かぁ」

アルベルトと言う人物。元の世界…の『過去』で名を遺した英雄であった
ただし頭に『悲劇の』が付く。何の因果か、自分自身の名と自分の居た国の名だけが残ったちょっと先の時代に転移してしまった
そんな訳で英雄と言う言葉には割と縁が有るのだが……
少々複雑な思いを抱えつつ、本の角で頬を掻いて

「ご丁寧にどうも。 貴女の様な淑女の一助になれるならこれ以上の誉れは御座いません」
「アルベルト・ベイグランス。 ……ケンプファーとでも言っておきましょう」

本をテーブルへ置き、帽子を手にとって胸に置いてから一礼
本来格式ばった事は嫌いだが、この様にお遊びの様にやるのは嫌いじゃない
一礼を終え、頭を上げて帽子を被り直すと

「それで、困り事と言うのは?」
「力になれるかは分からないけど…ま、気軽に教えてくれると嬉しいかな」

大丈夫大丈夫と、大人らしくない少しやんわりした笑みを浮かべて
473 :『別解はあらゆる地平に存在し得る』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/11(木) 21:37:20.08 ID:jY4x/oE8O
>>472

「期待がもてそうね。何かあったみたいだけれど、英雄様には苦悩がつきもの」

「一ファンに過ぎない私からすれば、その後ろに掬われた人々がいるのなら、すでに掛け値なしの英雄様なのだけれどね」

誰も彼も、英雄と呼んで褒め称えると困ったように笑う。
嫌悪感さえ抱く人がいる。素直に受け取ってくれる人はごくごく少数だ。
それでも、彼女は英雄が好きだ。舞台の主人公を務めるような華々しい力を持つ人を英雄と見て、何が間違っているのかという風ですらある。

「ええ、そう、困っているのは……」

「“別解”の私が暴れているから、どうにかしてくれないかなぁ、というものよ。幽霊退治ね」

あっさり、そんな自分殺しの依頼をする。
自分でなく、鏡像が暴れているに過ぎないというのが本人の認識なのだろうが。
474 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/11(木) 21:52:33.16 ID:Fw4wqgnVo
【クローントルーパー:αシリーズ】

 カノッサ・テクノロジー社の現地改修型戦闘ユニットであり、
 工業製品としての安定性と汎用性を重視したモデルだ。
 それは瞬間出力こそ、他のシリーズに劣るモノの様々な戦術オプションに対応し、
 かつ、マインドワイプにより、クローン継承記憶に起因する特異エラーとも無縁となった。

【その自我は希薄であり。正に戦闘個体として安定した性能を誇る精鋭クローンユニットである】

 −−−−−−−−−

「ぶっちゃけα-12に重火器は無理デシタ」

 カノッサ・テクノロジー社が用意した最新型ミニガンをぽいっちょしながらなα-12。
 重い、音がでかい、可愛くないと、三重苦を背負った武装など似合わなかったのだと力説!!

【ロボット開発部の主任が何か投げたミニガンに潰されているが、不幸な事故。コラテラル・ダメージである】

 −−−−−−−−

「α-12に必要なのはもっとカワイイな装備であり、戦術デス。
 そう、ボクと契約して魔法少女なもビックリな」

 ガスマスク型フルフェイスマスクの如何にも特殊部隊員ですな格好のが、
 このようなトンチキな事を捲くし立てまくっているのだ。違和感は酷いことになっている。

「で、トカゲ=サンのトコにレッツゴーデス。後、実験体な生贄?がいると申し分ナシ」

【上記にも記されている通り、αシリーズは自我が希薄…のはずである。かしこ】
475 :アルベルト・ベイグランス ◆WnLqqfp7n. [sage]:2016/02/11(木) 21:53:24.59 ID:Yuwhkz4do
>>473
「少し面映いだけさ」
「手からすり抜けたモノの重さに、一度膝を屈した人間でありますから」

オッサンになろうと照れるもんは照れる
そんな表情を見られない為、一度帽子を深く被って気持ちを切り替えて

「ベツ、カイ……?」
「……悪い自分が居るから、倒してくれと?」

分からない言葉を自分なりに解釈して合っているかと尋ねてから

「それが倒れる事、或いは消滅する事で起こりえる事態は?」
「ま…出来るできないは別にして。受けはするだろうけどね」

一応安全面などの確認に移る
とは言え答えは決まっているのだが
476 :『別解はあらゆる地平に存在し得る』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/11(木) 21:59:13.45 ID:jY4x/oE8O
>>475

「そう、別解。私の知らない何かを知った私。私の知る何かを知らない私」

「あの時“もし”“こうだったら”“ああしていれば”……という可能性を踏んで出来た私」

物悲しそうに顔を伏せて、両手を組む。
彼女はその性質故に、アンデットとして非常に高位の存在であるのに脅威にはなりえない。
しかし、その性質がどこかで変わっていれば、彼女はたちまち恐ろしい“死者の王”になり得るのだ。

「中位から下位の霊で兵団を成し、悲劇の幕を閉じようとしているのよ」

「私に悪影響はないわ。あの私は文字通り別世界にいるわけなのだから」
477 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/11(木) 22:09:18.67 ID:wKztkeMg0
>>474
〜狭間のスクラップヤード〜
そこは鍛冶屋ボロウズがいつも居付いている廃工場
だが越境ポイントであり 越境者以外の者が認識できない 広範囲の場所であることが幸いし

今では最大級の止まり木同盟の宿がおかれたりして 越境者でにぎわう場所となっている

今日はこの場所のメイン伴っている廃工場の中

「・・・・・・・・・・・いらっしゃいませ・・・・・・・・」
妙に緩慢な動きで来客に対応するトカゲのボロウズ
素顔を隠したいのか 何やらマスクを被っている女性がやってきました

「よぉ カノッサは従業員に装備を支給しないのか?」
そして暇を持て余していたあごひげ男も居たりします 生贄? なんのことやら
478 :アルベルト・ベイグランス ◆WnLqqfp7n. [sage]:2016/02/11(木) 22:14:37.24 ID:Yuwhkz4do
>>476
「……よし、了解。やってみよう」

気持ちを切り替える様に短い呼気と共に返事をする
自分であり、自分で無い存在に祈る様に手を合わせるイルダの頭を微かに魔翌力の籠った手で小突こうとし

「生憎と剣は今は持ち合わせちゃいないが。この手に…硬き手の騎士の名にかけて」
「君であって君じゃない子を助けると誓おう」

依頼内容はオバケをどうにかしてくれ
しかし、その子もまた悲しんでいると言うなら…見捨てる理由にはなるまい

「大丈夫大丈夫、オジサンなんて単純なもんでね」
「可愛い子に頑張れと言われたらいつもの万倍は力が出るってもんさ」
「あ、今の嫁さんには内緒ね・・・?」

最後に冗談めかした様に言いながら、自分の口元に人差し指を当てて『しー…』と

「それで、その子の下へどう行けばいいのかな?」
479 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/11(木) 22:16:48.12 ID:Fw4wqgnVo
>>477

「ぶっちゃけ、ちょっと冒険したくなりマシタ。
 α-12は本来、機能を果たすだけの工業製品。ユーモアとは突飛な言動とは無縁デス。
 つまり、ちょっと思春期危ナイ行為にドキドキ?」

 すっさまじく胡乱な事ばかりほざくα-12である。
 なお、ロイは今までの付き合いでコイツが自我が希薄な生体ロボットと評価できてるだろうか。

【んで、ボロウズに改めてレッドアイズを向ける】

「ブレードが欲しいです。が、α-12はお箸より重いものは持てまセン。
 軽いのがいいデス。刀身は厚さ数ミリ以下な」

 この要望に応えるとカッターナイフみたいな薄っぺらな刃が想像されてしまう。
 お箸云々はたわごとにしても重量イラネということらしい。
 正直に言うと刀剣としては甚だ欠陥品を拵えろと言っている。

【これまた難易度が極めて高いオーダーをかましてきやがった】
480 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/11(木) 22:22:04.51 ID:YiqIAdTdo
>>474
「男は黙ってピストルだ。小柄なフレームに収められた大口径のパワー…」
「……最高だな、うん」

どうも浪漫主義のジョシュアは、α-12と思考回路が噛み合わない。
実用性とロマンの両立とは、かくも難しいものである。
このまま二人を放っておけばああでもないこうでもないと平行線のディスカッションが始まるだろう。

「なんだそりゃ…」

クローンらしからぬトンチキなセリフに顔を顰める。
同じカノッサの犬同士という事で悪評はつくづく耳にしていたが、なるほどこいつはひどいとジョシュアは心の中で苦笑。
あのニアからよくもこんなものを作れたものだと、いやむしろ素体ありきの結果なのかもしれないと勝手に自己解決。

「なぁ、ボロウズ…ってのは”あの”ボロウズだよな?」
「俺も着いてくぜ、まだ一度もお目にかかったことねぇんだ」

蜥蜴のボロウズといえば境界線界隈ではそこそこ噂の出回るほどの鍛冶職人である。
前々から彼に出会う機会を伺っていたジョシュア。これ儲けたとばかりにα-12にくっついてゆくのだった。
481 :『別解はあらゆる地平に存在し得る』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/11(木) 22:25:36.49 ID:jY4x/oE8O
>>478

「ありがとう、英雄様。ええ、悪戯は控えておきますわ」

「ですから、頑張ってくださいね……。どうか、どうか、悲劇を演じる“私”を、解放してあげて……」

「……どうあっても、その私は消滅しか残されていないとは思うけれど」

瞑目して――彼女は小さくため息をするような仕草をする。
それが刃を交えるものであれ、説得によるものであれ――。
霊であるならば、どう転んでも消滅しか残っていない、と。

「移ろい門を、偽装して隠してあります、わ」

「そこから、その件の世界にはいけるかと。あれさえ見つけなければ、私はもう一つの私がいるだなんて気がつくこともなかったのだけれど」

場所を地図に印し、アルベルトを送り出す。
何度も、生還を優先するように呼びかけながら――。

――

移動した先の世界は、薄暗い曇天で、死の魔翌力が恐ろしいほど濃く漂っていた。
よくよく見渡せば、辛うじて空の向こうは青空らしいのだが、これは要するに、世界そのものを異常な存在が覆っているという意味だ。
“死者の王”規模の死霊が一体存在したとしても、それだけが理由にはならない。
それは即ち、より状況を加速させてしまうような何かが、その者の手に渡ったということを意味していた。
絶望から成る死や闇の魔翌力――それらを増幅させる、あるいは加速させるような魔具の類は、あらゆる世界に常に一定数存在するものでもある。

「――悲劇の幕を、私が閉じよう」

「私には訪れなかった救いを、光を、私が供給できぬというのであれば――」

「緩慢なる死を迎えるよりは、私一人が、私一人が巨悪として君臨し、あらゆる悲劇を私の演じる悲劇でもって覆い、一切合財の幕を閉じよう」

そして、その大地には、黒いドレス姿の――エルダと名乗った少女――が中空に浮いていた。
彼女の足もとには、夥しい数の死霊、屍鬼の兵団がひしめいている。
482 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/11(木) 22:29:21.68 ID:Fw4wqgnVo
>>480

「???大口径のパワーが欲しいならライフルにすべきでは?
 ぶっちゃけ、ピストルに無理矢理パワーを持たせるのは反動がアブナイデス」

 ちなみに案の定、ディスカッションが発生していた模様である。
 そして、連れて行くに当たりなんか、条件も提示したりしていた。

「イレギュラー(アラズ)の性格、生活サイクル、癖など何でもいいので提示しやがってクダサイ。
 アレを確実にぶっころころなターミネートするには様々な情報が必要デス」

 何か、アラズに敵対意識というかぶっ殺的な意識を持っているようだが、
 どうにも、言動がこの有様なので何処まで本気が解りにくい部分がある。

「まあ、同じカノッサ、デス。親睦を深めて都合よく利用デキルように仲良くシマショウ。ユウジョウ!」

 ビシッとサムズアップを決めるα-12。
 大切な事なのでもう一度。αシリーズのクローントルーパーは本来、自我が希薄である。

【ジョシュアの立ち位置なら時折他のαとも出会っているはずである】
【それらは、決して自我がゼロという訳ではないが、基本命令に忠実で言葉少なくなタイプであった】
483 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/11(木) 22:37:53.46 ID:wKztkeMg0
>>479
ロイ「ハハッ」

ロイはαの実にトンチキな物言いに笑い飛ばす以外の選択肢を持っていなかった
この男の認識では αは実にユーモラスなトンチキ娘 という真逆の評価をしているのだから

ボロウズ「・・・・・・・・・・・」
そしてボロウズは額に手を当てて考え込んだ
数ミリ以下の 箸より軽いブレードを作れというのだ(お箸云々を真に受けている)

1o方眼紙にシャープペンシルでガリガリと何かを描いてはくしゃくしゃに丸めてポイすること数回

ボロウズ「以前・・・とある世界で覚えた・・・超硬質スチールを元にすれば・・・恐らく可能かと」

ボロウズ「それか・・・アルミニウム酸化物を使った・・・超硬質ガラスを使う案・・・」

ボロウズ「最後に・・・竜の骨を薬品加工する案・・・」

ボロウズ「この3つなら・・・お眼鏡にかなう・・・品ができるかと・・・」
なんとこの蜥蜴 その無理難題に3つの提案をぶち込んできた

>>480
ロイ「やあジョシュア 何か入用かな?」

αにつれられやってきたのは スクラップに溢れた廃工場であった
敷地内には三階建ての仮設住宅が建てられ 止まり木同盟の紋章が飾られている

そして廃工場の中に彼はいた エメラルド色の鱗を纏ったリザードマンの鍛冶師ボロウズ(ついでに知り合いのロイ)
今はαの接客をしていた為 ロイが代わりに話しかけた
484 :アルベルト・ベイグランス ◆WnLqqfp7n. [sage]:2016/02/11(木) 22:43:36.82 ID:Yuwhkz4do
>>481
「生憎と、諦めが悪くてね。其処は性分って事で許してくれない?」
「ま、結果はどうあれ帰ってくるよ…きっとね」

そう言って、彼は1人転移門へと歩いて行き――――

―――――

「うっへえ。オッサン1人には荷が勝ちすぎたか?」

死の世界に一歩、踏み込んでから思わず出た言葉
濃密な死の気配…数多の戦場を駆けた英雄すら思わず眉根を顰めた
双肩をグルリと回して気持ちを切り替え、黒いドレスの少女を見上げ………視線をスケルトンの居る大地へ戻す

「おーい、お嬢さーん」

視線は動かさないまま、手を振って黒いエルダへと大きく声をかけながら手を振る
1つどうしても言わねばならない事が有るのだ

「下着見えそうでハラハラするから降りてきてくれないかなー?」

何にせよ戦うにしろ説得するにしろ手が届き、声が届く範囲に居てくれないとならないのだ
決して大真面目に下着の心配をしている訳では無い……見上げた時見えかけたとかそんな事はきっと無いだろう。
485 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/11(木) 22:45:28.54 ID:YiqIAdTdo
>>482
「…面倒くさがり、クサ好き、世話焼き」
「そしてヤツを殺すには気を付けなきゃならねぇ三つの点がある」

「1、ヤツはアラズァヘッドの中でも群を抜いて戦闘能力が高い」
「2、ヤツの奥の手ディープリーズンはクソを漏らす程怖えェ」
「3、ヤツを殺そうとした時には、どこからともなく邪魔者が現れる。そいつはジョシュアって名前だ」

α-12の頼みを、アラズの仲間とは思えぬほど協力的に受け入れるジョシュア、
つらつらとアラズの情報、生活習慣、そしてアラズを殺すためのコツを伝授してゆく。
しかし最後には、アラズを殺す過程において絶対に障害として立ちはだかる人物が存在することを付け加えた。

「…あぁ、宜しくな、ジャッカス(Jackass)」

カノッサの変わり者。噂に違わぬ人材だとジョシュアは呆れたように首を振りながら微笑む。
サムズアップしたその手にこつんと拳をぶつけてフィストバンプ。
手を放すと同時に、「BOOM」と小声で囁いた。

>>483
「ようロイ、元気か?」

出迎えたロイに、ジョシュアはさも当然のように手を翳して答える。
止まり木の紋章があるからには、誰か仲間が居てもおかしくないとはつくづく思っていたのだろう。
ロイの近くまで寄ると、カノッサの変わり者と商談中のボロウズを顎で差し、

「あそこのダンナに調べてほしいモノがあってな…俺の、ホラ…」

それから革製の鞘に入ったままのエクソダスを取り出して見せた。
486 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/11(木) 22:45:35.05 ID:Fw4wqgnVo
>>483

「ぶっちゃけると、使い捨てでイイです。竜の骨?論外デス。
 希少品を使った刀身なんて、無くしたら一大事な代物こっちからのーせんきゅー」

 この辺は流石に近未来の戦闘ユニットの面目躍如といった感じで割り切っているらしく、
 伝説に半分、足を踏み込んだような武器は要らないらしい。補給がクソになる。

「特注品ではありますが芸術品は求めていまセン。一度ノウハウが出来ればある程度、数を揃えられるようになる。
 アナタに依頼したのは切れ味に特化したエッジングとしなやかさを持った硬度。
 その両立は職人の手を借りた方がいいと踏んだのもありマス」

 そして、α-12はこちらはカノッサ・テクノロジー社で製造された柄を見せる。
 ボロウズ風に言えば幾つかのカラクリがあり、起動させると刀身に高周波を起こさせるのだ。

「パワーは無いですからネ。α-12は。無いモノねだりは出来ない以上、他に重点を置くのみデス」
487 :『別解はあらゆる地平に存在し得る』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/11(木) 22:53:13.32 ID:jY4x/oE8O
>>484

「……!」

ば、ば、とスカートの裾を抑えながら、ススス……と地表に降りたつ。
人の基本的な部分というのは変わらんもので、エルダという少女が少しえっちな事に疎いというか奥手というか。
それこそ下着レベルでも指摘されると赤面してしまうような年頃であれば、こんなになっても変わらぬのである。

「……この悲劇を、喜劇へ変えようとする不届きものを」

「潰しなさい。あれは希望になり得る毒物。世界は救えないのに、人は救える、中途半端な機械の神。世界の僅かな延命を許し、多くの人々の悲劇は見えることもない――!」

そして、そんな事実を隠すように彼女は自らの兵団に命じる。
武装した下位のスケルトンが、険しい顔を浮かべる中位のグールが、それぞれの武器を手に、じりじりとアルベルトを囲むように動く。
集団である利点は、包囲して潰すことができるという点にある。
488 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/11(木) 22:54:45.70 ID:Fw4wqgnVo
>>485

「了解しましタ。アナタが居ない時を狙うとシマス」

 ぜーんぜん懲りていない台詞をぶち上げながら、ユウジョウ成立である。
 が、ジャッカス?何ぞそれ、な感じで首をかしげた。

「α-12はα-12という個体名デス。どうやら言語回路がいささかアレなようデスネ」

 こいつだけには絶対言われたくない系のツッコミがポンポンである。
 ふと、レッドアイズでじーっとジョシュアを見て、

 −−−−−−−
【越境してたどり着いての間も時折、アラズについての話が出た】
【そこで、アラズがイレギュラーとして認識されたいたこと。そして、ギャラエという科学者の死の原因となったことも話題に出た】

「ギャラエ=サン…ええと、大本の製作者っぽい人なのですが、どう考えてもロクでもない死に方をスルだろう人でしタ。
 α-12もはちょっと会話しただけの仲でシタ。 でも、イレギュラーに対しては指をポンの方じゃないケジメが必要デス。
 だから、出来れば邪魔はしてほしくナイデス」
489 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/11(木) 22:59:37.95 ID:wKztkeMg0
>>486
ボロウズ「ならば・・・超硬質スチールを・・・使いましょう・・・若干のレアメタルを使いますが・・・基本は鉄デス・・・」
なお 竜の骨と言えば高級感が漂うが メタ的に言うと 竜骨【小】というやつである

とりあえず原案は固まった 消耗品で大量生産が可能な剣ということでペンを走らせ

ボロウズ「これで・・・どうでしょう・・・?」
方眼紙に描かれた一枚の絵

ttp://www41.atwiki.jp/bukipedia/pages/135.html
ボロウズ「ドゥサックと呼ばれる・・・軍刀の一種です・・・大量生産に向いた・・・簡素なつくりになっています・・・」
ロイ「これなら俺でも作れるな さっそくサンプルを作るかい?」

ボロウズがジョシュアの接客に回り ロイがαに提案する

>>485
ロイ「あぁ…ちょっと待ってな」
そう言ってボロウズと後退し ロイはαの接客に回る

ボロウズ「お待たせしました・・・ラウス鍛冶屋・・・越境支店・・・店長のボロウズです・・・」
掠れた聞き取り辛い声でゆっくりとしゃべる蜥蜴

ボロウズ「ロイから・・・聞きましたが・・・ミスリル武具を・・・お持ちのようで…?」
と首を傾げた
490 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/11(木) 23:09:19.37 ID:YiqIAdTdo
>>488
「お前用のあだ名だ。光栄に思え」
「いいか?タェンティース型の個体の中で群を抜くほど優秀な個体は皆、誰かしらからニックネームを貰ってんだ」
「自分をナンバーで呼ぶんじゃねぇ、ジャッカスは俺から送る、お前のあだ名ってワケだ」

「…ちなみに”ジャッカス”の意味は…”ヌケサク”だ。」

ぽんぽんと頭を叩き、まるでα-12を鼓舞するかのようなジョシュア。
しかし今度はニヤニヤと意地の悪い、悪戯めいた笑みを浮かべながらあだ名の由来をα-12へ暴露する。
一瞬でもジョシュアのおだてに共感してしまったら負けだ。

「……本当はな、憎しみに囚われてギャラエを喰い殺しちまったことを後悔してた」
「アイツを殺しちまったばかりに、俺は罪のない何千万もの人々を殺しちまったんだからな…」

「だが…あいつはまだ俺の身体の中に居る…笑ってるんだ…」

話題がギャラエへと移れば、ジョシュアは急に表情を暗くした。
少なくともギャラエやマウズィム絡みで、ジョシュアになにか良いことが起きたためしがないのだ。
ニアを半殺しにされ、ギャラエと無数のアラズァヘッドに追われ、エクソダスとエグザイルを失い、そして極め付けには”あの世界”での出来事である。

「…なぁ、ジャッカス……アラズを殺したいか?」
491 :アルベルト・ベイグランス ◆WnLqqfp7n. [sage]:2016/02/11(木) 23:13:08.52 ID:Yuwhkz4do
>>487
「あ、降りてくれた」

これにはアルベルトも一安心だ
そう言ったものを目に毒と思う位には自分も苦手なのだが、敢えて言葉にする事は無いだろう

「俺の…硬き手の騎士の物語は、隣人も、友も、尊敬する王も、故国すら砂に飲まれたあの時代に終わった」
「悲劇は悲劇のまま終わったんだ」

護るべきものを護れなかった。英雄と言うには余りに粗末な終わりであろう
自慢の硬き手の隙間から、全てのものはすり抜けて、落ちて、消えたのだ
それでも―――

「それでも、手を握ろうと。助けようと心に決めた事までは嘘じゃない」

偽善、独善。そう言われても
彼は彼である為に歩みを…助ける事を、手を繋ぐ事を続けよう
英雄、アルベルト・ベイグランス…嘗て栄光の中で向けられた、あの瞳を嘘にしない為にも
彼は誰かの為に在り続けよう。何よりその生き方が性分に合っているのだから


「……それで。」
「俺が今更君を救いたいと言ったら笑うかい。お嬢さん」

包囲されながらも構えはしない
自然と出た疑問を、死者の葬列の奥に居る少女へ送る
492 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/11(木) 23:19:47.12 ID:YiqIAdTdo
>>489
「アンタがボロウズだな」

ラ○デンチックな挨拶と共に右手を差し出すジョシュア。
ウロコに覆われた手と握手すれば、その辺に腰掛ける。

「合えて光栄だ。早速で悪いが、ビジネスの話しといこう」
「結論から言えば、この武器の解析をお願いしたいんだが…」

ジョシュアは脇に抱えていた刃渡り30p程の短剣を取り出すと、それをボロウズへと渡す。
EXODUSとエリュシオン記号で銘打たれた短剣は、元は二本で振るわれることを前提とした作りだ。
形状はさしずめ無限を象った造形に拘って造られた短剣と言えばいいだろうか、
ミスリルを液体のように自在に操れる妙技を持ったミスリルメイカーの最後の生き残りである、ニキという少女によって作られたものだ。

「HEXAのリサーチじゃ、魂ってのはある一定の量子バイナリ情報で表しちまえるらしい」
「ま、アンタにゃ言っても分からねぇだろ。俺だって分からねぇんだからな」

「肉体の設計図がDNAなら、魂の設計図はQIP(量子識別パターン)…」
「んでこのエクソダスは、そのQIPってヤツをバラバラに破壊しちまうらしいのよ」
「んだからな?何か特別なルーンの類でもあるんじゃねーのかってうちのボスは踏んでるんだ」
「そのルーンが絶対に壊れないように、非破壊属性を持つミスリルで構成してな…」

ぺらぺらと概要を解説するジョシュアであるが、科学世界の出身であることが災いしてなかなかどうして専門用語まみれである。
一応ボロウズが研究者ほど科学に詳しくはない前提で話しているのだが、それでもまだ説明不足感が否めない。

「エリュシオン・ミレニアム時代のアーティファクト…」
「その謎を解けるかもしれないのが、今んとこ思い当たる限りではアンタのみってワケよ」

一応要約すると、この剣に秘められた魂を解き放つ神秘の力を、可能なら解明してほしいといった所である。
493 :『別解はあらゆる地平に存在し得る』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/11(木) 23:20:38.89 ID:jY4x/oE8O
>>491

「救われない、救われない、救われない――!」

エルダは、狂ったように叫ぶ。
目の前に、こがれた英雄のようにふるまう人物の登場に、明らかに動揺している。
同時に、強い憤りを、悲しみを見てとれるだろう。

「私は爆弾で吹き飛んだ! まだ何もしたことがなかったのに、“恋をしてみたかった”のに!」

「だから、だから、見える範囲を、届く範囲を、光で、夢で、希望で、満たそうとした。なのに、なのに!」

「悲劇の脚本は変わらない! 男女は引き裂かれ、困難の前に英雄は押しつぶされていく!」

「世界はそもそもが最悪の結末に走ろうと、個人に降りかかる災厄を糧に進んでいく、救いのない舞台よ!」

身の内を吐露するように叫び――アルベルトを指さす。
そうして、地の底から湧き出るような恐ろしい声と魔翌力で以て、もう一度兵団に命じる。

「――その歯車を引き裂きなさい!」

――包囲を完了した兵団は、四方からアルベルトに襲い掛かる!
494 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/11(木) 23:21:39.39 ID:Fw4wqgnVo
>>489

「柄はこちらデ用意しているので、刀身の交換が容易なカタチでお願いデス」

 一応、ボロウズに手の形をとらせてグリップの改良・調整は頼んだ。
 4本はディープメイカーで保持するにしても、フリーとなる両手は生身だからだ。

「デハ、ひとまず演習用のサンプルを頼みます。原始人=サン。
 ついでに早速試し胴でアナタをずんばらりんです。α-12の栄達の犠牲になって欲しいデス」

 両手を合わせて、神妙にお願いモード。ただし台詞は最悪であった。

>>490

「α-12は工業製品デス。ナンバー認識は重要でアイデンティティデス。
 呼ぶなと言われて、ハイそうですかは論外デス」

 存外に反骨精神も豊富な模様。ほんっとーに教育を間違えまくっている個体である。

「ただでさえ、ワン・オブ・サウザントとか変な認定受けて激おこぷんぷん丸なのデス。
 これ以上、製品価値を妙ちくりんにするネームはいただけまセン」

 どうやら、α-12は同シリーズの姉妹達と別モノ扱いされるのを好んでいないらしい。
 しかし、現実は彼女自身の珍妙な言動を鑑みてもとても厳しくできているようだ。

「それにヌケサクってα-12の何処にそんな要素が…って、ああ、アナタが主犯でしたカ。
 ぶっちゃけ、あの人が笑っているかどうかは興味ゼロデス。世界は生者のモノですカラ」

 食われた。まあ、予想を上回るが、案の定ロクでもない死に方だったらしい。
 そうして、もう一度質問されたことの返答は――

「忘れているようですが、カノッサとしては一応、破壊対象(優先順位が高くない)デスヨ?
 そりゃ、殺る気はまんまんデス。 あの人が見られなかった風景をα-12は見マス。αが優れているという証明デス」

 任務のため?優位性の証明のため?あるいは最後に交わした言葉の続きを求める寂しさのため?
 動機は複雑に絡んでいるらしく、おそらく本人にも言葉で表現することは困難なのであろう。
495 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/11(木) 23:41:23.50 ID:wKztkeMg0
>>492
ボロウズ「・・・・・・・・・」
ジョシュアの説明を一言一句逃さず耳に入れる
途中聞き慣れない専門用語が頻発するが 言葉の前後との兼ね合いを経て なんとなくで理解していく

ボロウズ「・・・・・・・・・」
そして短剣を まるで赤子を抱くように 慈しみながら受け取る
まずは表面を軽く見てみる

素晴らしい技術だ これを成しえた鍛屋は歴史に名を刻むレベルの名工か よほどミスリルとの相性が良かったのだろう

ボロウズ「スチールの方を・・・任せる・・・容易い・・・仕事ではない・・・」
ロイ「あぁ 任せな」

ボロウズはロイに仕事を任せ 別室に向かう

ボロウズ「立ち合いになるのならご一緒に・・・ただ・・・すぐ終わる作業では・・・ありません」
そして別室にてジョシュアには見慣れぬ だが科学の息吹を感じぬローテクな道具を並べ 丹念に調べ始める

このミスリルの硬き表皮を優しくほぐし その中に宿る魂を覗き込む
それはどこか人の開腹手術にも似た作業

//データの提示等はジョシュアさんに一任します

>>494
ロイ「そんじゃ作ってみるよ」
そう言って 手直しが済んだ設計図を片手に工房の奥へ向かう

電熱炉を温め コンプレッサーを回し エアーハンマーに空気を送り込み プレス裁断機のオイルポンプを回す

・・・・・・・・・数時間後

グラインダーでブレード部分を形成していた音が止み 煤で真っ黒になったロイが工房から出てくる
ロイ「出来たぞ」

そこには真新しい 出来立てホヤホヤ(まだ若干の熱を持っている)のブレードができていた

ロイ「んで試し切りだっけ ほれやれるもんならやってみな」
といって持ってきたのは 顔の部分に渾身のドヤ顔を描いた紙を張り付けたサンドバッグ

頭には旧型のカセットラジオが乗っかっており

ロイの声「あっはっはっはっはぁ・・・・あ〜っはっはっはっはっはっはっはっはぁ」
妙に腹の立つ声がエンドレスで流れていた
496 :アルベルト・ベイグランス ◆WnLqqfp7n. [sage]:2016/02/11(木) 23:45:34.35 ID:Yuwhkz4do
>>493
その場にしゃがみ、横薙ぎの攻撃を避け
そのまま頭上からの攻撃を右拳で受け止める。硬質な音…初見では手袋に何かを仕込んでいると思うだろうか?

「………ダイイング・サン」

拳の内側に魔翌力を放出。異常握力で圧縮後、手を開く事で開放
現れるのは極小さな太陽とも言うべき光と炎。聖炎たるそれは正にアンデッド達にダメージを与えれると踏んでだ

「優しい子だ」

それがエルダの悲痛な叫びを聞いたアルベルトの素直な感想だ
孤独の中で戦い、抗い、そして打ちのめされて…
その果てに、絶望したのだから

「……それでも、明けない夜は無い」
「大丈夫だ」

言い切り、立ち上がった
彼も絶望に膝を屈した1人であった
しかし、しかしそれでもまた…立ち上がれた。
取り落としたモノは多くても、守れなかった人は多かったけど
残ったものは確かに心の中に有った

「立ち上がる勇気が無くても、歩き出す力が無くても」
「俺が…この硬き手が引き上げ、連れ出してやろう」

「君を。光ある場所へ、きっと」

その証明を、これから始める
自身とエルダの間に居る邪魔なアンデッド達へと踏込、殴り付けようとする
硬すぎると言っていいその一撃は最早鈍器によるものと変わりないだろう
497 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/11(木) 23:50:31.20 ID:Fw4wqgnVo
>>495

「………」

 しばらくは、そのムカツクなダミーをじーっと見ていたが、
 ジャキンと四本のブレードをそれぞれのディープメイカーに生体融合。
 そして――

「テスト開始デス」

 両手のサブマシンガンで先ずはイライラ度満点のダミーをヘッドショット殺!!
 そして、すぐさま、もう一つのダミーっぽい本物の方に向けて駆ける!!

【試し切りはどーした!!??>今からシマス!】

 ロイに向かって先ずは刃がほとんど立っていないであろうブレードで袈裟切り。
 が、こちらはフェイントで、本命は左下から大きく振るう逆袈裟!!
 両手そのものはサブマシンガンを保持したまま十字構えで待機。

【実戦では両手もフリーとなるのであろう。なるほど演習である】
【単純に手数が異常に多く、さらに精密動作性は随一。シャープな剣筋を示している】
【なお、この奇襲に関して全く悪びれていない!】



498 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/12(金) 00:05:18.03 ID:OAeYuSDQo
>>494
「お前がそこまであいつに入れ込む理由は分からんが…ま、そこは俺には関係のないこった」
「俺がとやかく言える義理でもねぇ。とにかく俺は…相手が誰であろうとニアとアラズを守る。死ぬまでな」

彼女の心情や思想にまで無理矢理干渉するほどジョシュアは無粋ではないし、他人に関わる性格でもなかった。
頑なに個性を否定するα-12に、それ以上手を出すこともせず、というより既に個が完成されてしまっているのも一因ではあるが。
しかしジョシュアの意思は依然として変わらず、ニアも、アラズも、そしてα-12をも傷つけたくはないというのが答えであった。

アラズァヘッドを何体も殺して、ようやく分かったことがあった。ジョシュアは情けを捨てる事ができない。
自分は兵士に向いていないのだ。中身は昔から変わらない、人生で初めて復讐を誓った、11歳の少年のままなのであると。
その矛盾を孕んだ戦いは、彼が全てから解放されるまで永遠に彼を蝕み続けるのだ。

「…なぁ、トンチキヘッド」
「うちのボスは…境界線中のアーティファクトにご執心だ」
「……何か良くない予感がする…バロウズによろしく伝えておいてくれ」

口を開けば、また新たなあだ名がα-12へと授与される。やたらとニックネームを付けたがるのが、ジョシュアというかアメリカの文化でもあり、
しかし一転して内容は疑念に満ちたものである。ジョシュアの口ぶりからは、自分の上官がどうも信用ならないといった様子で。
ジョシュアのエクソダスの解析も、またエリュシオン・アーティファクトの秘密を探るためにオメガの課した任務なのだろう。
それだけ言い残すと、ジョシュアは背中越しに手のみをひらひらと振り、ボロウズに着いて工房の中へと入っていった。

>>495
「商談成立。俺はビジネスでここに来たが、個人的にもアンタの事は尊敬してる」
「これで銃に詳しけりゃな…最高なんだが」

優れた軍隊を作るのは優れた装備である。そして優れた装備を造るのは、優れた整備工である。
ジョシュアの持論において、どれだけ信頼できるメカニックと組むかが戦場での生存率に繋がるというものがあった。
ゆえにジョシュアは現役時代もメカニックには頭が上がらず、自然と優れた鍛冶の腕を持つボロウズにも敬意を持って接するのだ。

「…こいつは凄い…」
「アーティファクトの抽出も、思ったよりも時間は掛かりそうにないな…」

現代にもロストテクノロジーというものがある。最新技術をもってしても、再現不可能な高度な技術の事だ。
そしてそれらの殆どは、職人の手によって培われていたという。
緻密な手先によって生み出されるマニファクチュアは、技術が進歩し発達したマス・プロダクションの製品に勝るとはこの事だろう。
ジョシュアの予想よりも数倍速いペースで解析されゆくエクソダスを見下ろしながら、ジョシュアはどこか夫の帰りを待つ妻のような心地で居た。

//それでは今日はこの辺で、お疲れさまでしたん
499 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/12(金) 00:15:22.54 ID:QMkxERc70
>>497
ロイ「あ!! 俺の自信作!!」
哀れドヤ顔は蜂の巣になってしまいました

そしてこちらに奇襲をかけるトンチキヘッド

ロイ「んなろ!!」
咄嗟に工具掛けの中からハンマーを手にし 相手の動作を 半ば直観で読み取り
袈裟切りを無視して逆袈裟にハンマーヘッドを合わせ 受け止める

ブレードはハンマーヘッドを半分まで切り進み そこで止まった

ロイ「て・・・てめぇ・・・!!」
荒い息を突きながらトンチキヘッドを睨む 中々いい仕事だと肌で感じてしまうところだった

なお カセットテープは地面に落っこちたときにどこか壊れたらしく

カセット「あは・・・あは・・・あは・・・あは・・・あは・・・」
もっと腹の立つ声にランクアップしていた

>>498
ボロウズ「・・・マスケット辺りなら何とか」

ちょっと残念そうなジョシュアに 苦し紛れに行ってみるテスト
科学な兵器は今勉強中なので勘弁してもらいたい

そんなこんなで 解析作業は進んでいくのであった・・・・・

//自分もそろそろ ノシ
500 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/12(金) 22:43:44.08 ID:QMkxERc70
〜ダンジョン前のバザー〜
その世界は 悪戯好きな神の加護により 世界中のありとあらゆる場所にダンジョンが自然発生する世界だった
例えば洞窟 例えば深き森 例えば廃村 例えば古城 例えば使われなくなった街道 時には民家の押し入れなど その場所に数年間人の立ち入りがない場所は 須くダンジョンの発生条件に当てはまった

そしてダンジョンには決まってお宝が配置され それを目当てに冒険者はダンジョンに潜り 彼らをアテにした商売人がダンジョンの前で商売をする
ダンジョンアタックが ビジネスとして形成されている世界だった

「いや〜壮観だねぇ」
一行が立ち寄ったのは この辺一帯で一番でかいヤマと判断されたダンジョン その入り口前には様々な馬車が並び テントが張り巡らされ 商売人と冒険者が行き交う様は まるで一つの街のよう
規模もそうだが おそらく手に入る品は町のそれを上回るだろう しかも時刻は黄昏時となれば 今日一日の働きを清算しに来た冒険者であふれかえっていた

「さて どこに行こうか? いっそ隅々まで短剣でもしてみるか?」
ロイは一向に提案してみる
501 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/12(金) 22:52:38.76 ID:ylS1XYIX0
>>500
まったく壮観だ。こいつらほとんどがお宝目当てで来てるんだろう?
いいなコレ、いいなコレ。他人を出し抜くのは嫌いじゃねえ
[その辺の商人から買った煙草をふかし、ニヤリと笑う]
[近くを通る冒険者をマジマジと見る目は、爛々と輝いている]

子供のころは世界中を飛び回る犯罪王かトレジャーハンターになりたかったんだ
しらみつぶしに行こうぜ。時間と手間はかかりそうだが…
[火のついたままの煙草を捨てると、さっさと行こうぜ。と促す]
[好奇心旺盛ととらえるか、意地汚いととらえるかは人によるだろうか]
502 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/12(金) 23:10:39.59 ID:QMkxERc70
>>501
「んじゃまぁ バザーを隅々までご案内だな こういう場合外から内に向かっていくのが定石よ」
といって中心を離れ 外周を目指す

「こういう行商人はギルドが一括して管理していてな お役所が頑張って仕事しているからモグリはまず出回らない
 さて 行商人は その規模や売り上げに応じて ギルドが設定したレベル分けがされる 1〜5までに分かれていて たいていの行商人はレベル1からスタートだ」

そう言って立ち寄った場所は 中央の華やかさから離れ 地面にゴザを敷き こまごまとした雑貨を並べる雑貨屋 砥石や最小限の工具を手に客を待つ鍛冶屋 大鍋1つを使い シチューを温める料理人 個人が所有するものより ちょっとだけ質のいい寝袋を用意する宿屋などが見える
そしてぎこちない手つきで弦楽器を奏でる者もいた

「レベル1は素人に毛が生えたような連中が身一つで金を稼ぐ場だ ある意味登竜門みたいなもんか 相手にするのはこれまた新人の冒険者 そして特色は 高レベルの行商人たちの姿が見えるようになっていることだ」

指さした先には 華やかで豪華な高レベルの店の数々 高級食材が使われている料理の数々を見ながら 数段見劣りするシチューを啜る冒険者の目は 
野望と向上心に燃えていた いつか自分たちも一流となって 美味珍味を好きなだけ食えるようになりたいと 固く心に誓うように
503 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/12(金) 23:19:53.87 ID:ylS1XYIX0
>>502
俺みたいなやつにはさぞ災難だろうな。この世界に生まれなくて良かったぜ
[ゴザの上で各々の商品を扱う商人とそれを買う冒険者]
[憐みと若干の嘲り、感心の混ざった眼で一瞥しつつ、そのそばを通る]

高レベルの連中が見える?オイオイ、平気なのか?…平気そうだな
[野望を燃やす冒険者の目を図々しく覗き込むように見ると、納得したようにうなずく]
[なんとなく悪そうな気がしたが、どうやら杞憂で済んだようだ]

たしかにこりゃのし上がろうとするわな。あんなの目の前で食われちゃ
[大鍋の中のシチューと、離れた所の高レベルの店の料理を交互に見比べると、苦笑交じりに呟く]
504 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/12(金) 23:30:33.55 ID:69OTGYHko
【レベル1の露店!すなわち、素人に毛が生えたような連中が(ry】

「…もぐ…もぐ」
「むしゃ…むしゃ…」

 その一角にこれまた粗末な屋台が飯煙をあげており、
 周囲には冒険者連中が無表情かつ虚ろな目で食事をとっている。

【うどんや いむか】

 屋台の店主はぶたさんがプリントされたエプロンをつけて、
 これまた無表情にうどんを捏ね、あるいは出汁にぶち込んでいる。

【一杯、2p(真鍮銭)…破格の安さである。ゆえに低ランク冒険者達は群がった。そして後悔した】

 味はいいのだ。栄養価も考慮されている。
 ただ、無機質であり、食の喜びが皆無となる。栄養補給以上でも以下でもないという思想に支配される。
 冒険前の士気はどうなる?言うまでもない。腹ごしらえを終えた連中はロボットのような顔つきでダンジョンアタックは始める。

【他人のフリをすべきか否か】
505 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/12(金) 23:36:35.10 ID:QMkxERc70
>>503
「大店になれば専門の護衛も雇うもんだろ? そういう護衛も引退した高レベルの冒険者さ 上にのし上がれば美酒も珍味も雇用も思いのまま だからこそ身分の低い者ほど冒険者となる そしてだんじょんに挑みたくさん死んでいくんだ
 もちろん犯罪やらかしても・・・って考える輩が居ないわけじゃないがね」

高レベル行商人の集う場所にいる人を何人か指さす 観察していればその鋭い眼光が店の商品ではなく 辺りの人物に向いていることに気付くだろう
ソーマが低レベル冒険者の目を覗き込むと 見世物じゃないと喧嘩腰になる冒険者だが ロイがさっさと仲裁してしまった

「そして懐に余裕ができると たいてい設備を充実させ始める 荷馬を買ったり 他人を雇ったりしたりな そうなるとレベルアップだ
 もともと町て店を開いていた商人が行商人にジョブチェンジする場合の大抵レベル2か3で始まる」

こうして向かった少しだけ中心に向かった先 そこには低レベルの連中より もう少しこざっぱりした格好の冒険者が 馬車に陳列された商品を品定めしたり
戦利品を鑑定してもらったりしている

「レベル2〜3の連中は大抵 手広く商売する 人の多さを武器にして雑貨 修繕 料理などを一手に受け持つ 菓子類を見かけるのもたいていはこの辺だな」
そう言って 焼き菓子を2つ買い 食うか?と一つソーマに差し出す

「だが逆に言ってしまえば 手広くやって登れる階段はレベル3までともいえる こっから先は青天井 その道を極めた連中が雲の上の戦いを繰り広げているわけよ」
そして一行はバザーの中心街へと踏み入れようとしている
506 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/12(金) 23:39:25.12 ID:QMkxERc70
>>504
「よぅ」
中レベルエリアに向かう途中 見かけたその店にいる知り合いの姿

「またファンタジー世界でおなじみの金欠か? 酒奢ってあるから中心街来ねぇか?」
と誘ってみるテスト
507 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/12(金) 23:54:59.39 ID:ylS1XYIX0
>>504
おっ、安い飯だぜ。何入ってんだ?原価いくらだ?
[なんとかその程度の持ち合わせはある。せっかくだし腹ごしらえでもしていくかと向かった先には見知った顔]
[考えは何であれニコニコしていた顔は一瞬で固まり、不気味なほどに場違いなものを見る目へと変わる]

…なんでいるんだ?そんなに生活苦しいのか?
[やっとの思いでひり出した疑問とともに、『拾い物』の薄汚れた貨幣を差し出す]
[今更他人のふりをするには近すぎた。さっさと買って、離れたいという思いが強くなる]

>>505
なるほど…へたにケチな犯罪やるよりかは儲かるか。それに淘汰も兼ねてる
[辺りに鋭い視線を向ける者をチラリと見やり、新しい煙草を出す]
いくら儲かっても死んだら意味はないってか。確かにその通りだわな
傭兵とか募集してないかな?なるべく頭悪そうな金持ちが依頼人だといい

[仲裁されたことに少々不満げな表情を見せるも、大人しくこらえる]
[考えてみればここで騒動を起こしたら他の人間──行商人の周りの連中なんか──にまで狙われるかもしれない]
[納得こそしないがロイに大人しくしたがって冒険者から距離を置いた]

…つまり、何でも屋的な感じか?ちょうどいい、投げナイフなんかが欲しかったんだ
[差し出された菓子を礼を言って一口で口に納める]
今時青天井とはな、おお怖い怖い。…ちなみにトップ、もしいるんならだが…どんな感じなヤツなんだ?
508 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205 [saga]:2016/02/13(土) 00:00:03.36 ID:Cd4IJ9Jbo
>>507

「釣った魚で出汁をとった。麺は――」

 律儀に返答をしながら振り向くと見知った顔。
 なんとなーく、アレな空気が流れる。

【通常、指揮官とかやってたりしているのがうらびれた屋台のてんちょなのだ。シュールに過ぎる】

「最後の一杯だ。こころして食え」

 使い捨ての陶器製の器に麺と出汁だけのシンプルなうどんが足される。
 なお、味はいいが、食べている最中、無感情になるという副作用がある。
 解り易くいえば、仕事をしながら片手でハンバーガーを食べているような心地になる。味などどうでもいい的な。


>>506

「…財布に穴が開いていた」

 感情を感じさせぬ声で一言だけ呟いた。イムカ・グリムナーである。
 なお、屋台の周囲の空気はうどんを啜る音以外は何一つ存在しない。
 普段、己を奮い立たせたり気分を変えたりしようとおしゃべりになりがちな新米冒険者達が、である。

「自分の食い扶持は稼いだ。奢りは要らない」

【ロイの言葉にエプロンを畳んで店じまい。丁度、完売したところだったのだ】
【→とても安いのと、実際、店主のおねーさんがナンデ屋台してんのな容姿であったのが理由。食の喜びを犠牲にするが】
509 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/13(土) 00:13:11.21 ID:SlxhlIjf0
>>507-508
「この世界じゃどれだけダンジョンに深く潜れるかがステイタスの一種になっている
 傭兵の斡旋もあるだろうが それよりもダンジョンの方がわかりやすいから そっちで有名にならないと 高レベルの警備は回ってこないさ」

そしてトップはどんな感じかと言われて

「それを今から見に行くのさ ようこそ一握りの特権階級よ!! ここがバザーの中心 高レベル行商人がしのぎを削る戦場だ!!」
 一行は足を踏み入れる そこは屋外であることを忘れるような繁華街

露店なのにフルオーダーのプレートアーマーすら製造できる高炉を備えた鍛冶屋
並ぶ馬車はすべてが個室 そんじょそこらの建物が霞むレベルの宿屋

箱型馬車の側面が開いたかと思えば 数多の酒を背に輝くグラスを磨くタキシードのバーテン

オーケストラもかくやな音楽が流れるキャッスルテント(サーカスで見られるようなテント)
客の出入りの隙に伺った内部では 着飾った美女がラインダンスを踊っていた

腕に覚えのある料理人が幾多のコンロを構え 立ち上る湯気すら馳走となりえる

尤も 金額もまた恐ろしいことになっているが

「これが最大級のバザーの花形よ この辺になると 王国の首都レベルじゃないと太刀打ちできないからな 遠路はるばるここまで遊びに来る上流階級も珍しくない」
指さす先には 冒険者と呼ぶには少々小奇麗すぎる装いの者が お付きの執事と護衛を連れて通りを歩く様子が見て取れる

「ここにいればなんでも手に入る 街から離れている場合 裏で流通するものでもな」
ニヤリと笑って見せる 先ほど通り過ぎた店には 何かの葉っぱが陳列されていたりするが・・・?

「それでイムカは酒だけが目当てか? それとも腹に何か入れながらとか 音楽や踊りを見ながらの酒がいいか?」
510 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/13(土) 00:29:47.97 ID:KuInFcgp0
>>508
(気まずい…いつもエラそうになんか言ってんじゃねえかよ、なんで屋台やってんだよ…)
[この空気をどうしようか。いっそそこらの冒険者に喧嘩でも売って誤魔化そうか。そう考えると注文した麺が来た]

……
[気まずさのためかこのうどんの性質なのか。おしゃべりなほどの口は食べる以外にはろくに使われず。さながら通夜のよう]
…俺がいた街を思いだすぜ。もちろん悪い意味でな
[食べ終え、容器を投げ捨てて煙草をくわえると、ようやく口を開く]
本当に魚の出汁か?変なキノコとか混ざってねえのか?

>>509
ダンジョンに潜らないとチャンスも掴めないってか?成り上がるのも楽じゃねえな

[繁華街に目を細め、光を嫌うかのようにフードを目深に被る]
バザーってのはもっとこう…薄汚いものじゃなかったのか?なんでこんなとこにいんだ、首都行け首都
[酒を運ぶバーテンを見てはあんなの生まれてこの方見たことねえとぼやき、護衛や執事を連れる冒険者をマジマジと見送る]
ずいぶんと儲かるんだな…ここで騒いでるような奴は大体ダンジョンとやらに潜って儲けたんだろ?
[何を発掘したらこうなるんだ…と誰に言うでもなく呟く]

だんだん俺の扱い方が分かってきたな?やっぱり完全に潔癖とはいかないのか
[フフンと鼻で笑い、葉っぱが並べられていた店を思いだす]
ただまあ、今はいい。酒でも飲むんだろ?先にそっちにしようぜ
511 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/13(土) 00:36:48.52 ID:Cd4IJ9Jbo
>>510

「………」

 なお、しばらくは沈黙が続いたという。
 金がないにしろ何でよりにもよって屋台をしている。イムカは時折ド天然を炸裂させるゆえである。

「君のいた街?そうか、やはり食は機能性が第一だと理解してくれるところもあるか。
 どうも多くの場所ではどういうわけか――」

 勘違いしたイムカの台詞をバックミュージックに素うどんは食べ終わったらしい。
 と、ここで、とてもシツレイな事を言われたので、

「変なキノコなど加えん。これでも栄養価以外の要素は廃した真っ当なモノだ」

 ようすうrにこういう機能性追求だけ≠フ姿勢が料理に乗り移っているのだと理解してもらいたい。

>>509

「そうだな」

 金糸の髪を揺らめかせながら堂々と歩くイムカ。
 先程までうどん屋の店主をやっていたなど誰も気付くまい。
 エリート階級たる貴族然とした存在感に、上客であろうと、様々な店が目を光らせる。

【もちろん、実は上客どころか金欠病であることなど誰も察しない】

「酒を飲みながら適当にもぐりこめるところを探してみる。
 一旦、楽器に触る機会を得られればこっちのモノさ」

 こう見えて実は大道芸(歌唱/舞踏)にも結構スキルを振っていたりするイムカである。
 エリートと嘯くだけあり、無節操なまでに多才である。

「私なら出来るし、失敗はありえん。これは自信というより事実の確認にすぎないがな」

 そして多才に比例して傲慢な物言いであった。まあ、これもいつものことである。

【つまるところあわよくば見る側ではなく演る側になるつもりのようだ】
【そして、その場合、その容姿と雰囲気は実際かなりプラスに働いたりする】

//ではお風呂タイムなので一足お先にオチーノシ
512 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/13(土) 00:47:27.03 ID:SlxhlIjf0
>>510
「俺はヤクを嫌った覚えはないぜ ハッパなんぞたしなみの1つだろ?」
やや芝居がかった動きで肩を竦めて見せる

「まぁダンジョンに潜らず栄光を掴んだ連中もいるだろうが ダンジョンに潜った方が手っ取り早いってことさ
 それと 今お前さんが視線を送ってる執事付きは冒険者じゃない 辺境伯・・・簡単に言えば 貴族様ってヤツだ」

ソーマタージの視線に嫌悪感のまなざしを向ける貴族

「ダンジョンの奥にはいろんな宝が眠ってる 未知の技術を記した本 強力な武器防具 それだけじゃななく 斃したモンスターの素材だっていい値段で取引されるわけよ」
そして酒を所望の2人に ロイが何かを思いついたようだ

「そうだ 一つ問題を出そう 答えられたら一杯おごってやる」
そしてイムカが芸を披露できそうな場所をと言っているので 先ほどのキャッスルテントに向かった
ロイが見せ金を護衛に向けると 一行をテントの内部に誘った


「先ほど言ったように 行商人はギルドが一括で管理し 規模や売り上げによってレベル1〜5に分かれている
 だが全行商人の中でほんの一分いるかいないか そんな超低確率で存在する レベル0と呼ばれる行商人がいるんだ」

テーブルに座り 酒とツマミを注文する そして美女のダンスを眺めながら

「一体どんな連中がレベル0と呼ばれるか? わかるかな? ヒントとしては ギルドの制度には存在しない 一種の名誉職と言える人のことを指すんだ」
513 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/13(土) 00:57:37.75 ID:KuInFcgp0
>>512
わかってくれててうれしいよ。後で見に行くけどお前もやるか?

なんでまたこんなとこに…貴族ってのは悪趣味な部屋で怒ったり町娘を襲うのが仕事じゃないのか
[貴族の視線にも気づかないふりをし、離れた辺りで中指を立てる]
[正直子供っぽい]

知れば知るほど得体が知れないな。そのダンジョンってのは
[武器防具に道の本。さらにモンスターの素材]
[その分無駄足を踏むことも多いのだろうが、それでも随分と魅力的に思えた]

レベル0?…さっき言ってた、ダンジョンの奥に眠ってる本とか、武具なんかでも扱ってるってとこか?
[無感動にダンスを眺め、突然の問いにしばし考えて答える]
[当たったと思ったか、酒に手を伸ばしながら自信ありげに]
514 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/13(土) 01:14:28.80 ID:SlxhlIjf0
>>513
「そうだな・・・普段はタバコ択一だがアッパー系をキめながら一杯やるのも悪くない」
ニヤリと笑みを浮かべる そして中指立てるソーマタージを軽く小突いた やめんかと一言いいながら

「まぁ1/3当たりぐらいかな?」
そう言ってソーマタージよりも先に酒瓶を受け取り 1フィンガー(グラスの底を覆うぐらいの少量)をグラスにそそいでやった 

「正解はレベル5で頂上決戦をやってる連中が店を他人や弟子に譲渡して 自分はランク1に再登録したり
 十分に高レベルでやっていける手腕があるのに 好きで低レベルにとどまっている連中のことだ」

自分のグラスに酒を並々と注いでぐいと呷る

「そういうやつらは趣味で行商やっているような数寄者・・・いや異常者と言っても過言じゃない
 だが低レベル冒険者の連中は安い金で最高級の腕を体験できるボーナスゲーム
 低レベル行商人は レベル0を発掘しようとする高レベル冒険者の落とす金を拾い上げるチャンス
 割と方々でwin-winなもんだから ギルドもレベル0を推奨してるんだけど 誰が築き上げた栄光を手放すかってんだよな だから絶滅危惧種のレベル0ってな」

「とまぁバザーツアーはこんなところか? それじゃ酒を楽しんだら 宿で休もうぜ」
といって 酒盛りが始まった

//ではいい時間ですし そろそろ〆で
515 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/13(土) 01:18:54.38 ID:KuInFcgp0
>>514
//乙でした!
516 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/13(土) 23:07:17.97 ID:3eaxdI3A0
<サイバー世界スプロール>

「……ダメだ、ハズレか。」

白衣の青年がため息をつく。ここは廃ビルが立ち並ぶ人通りの少ない一角だ。
サイバー世界の都市を彩るネオンの明かりも少し遠い。
都市に流れるアナウンスも、空気へと溶けていく。

青年がここに訪れたのは反応≠ェあったからだ。
しかし、その反応を期待して訪れたものの、それは破られた。

彼が期待したのは越境現象の発生≠セ。
それを示す強大なエネルギー反応が確認されたのである。
しかし、それは彼の開発した端末であるモノクルによって、観測されたものだ。
越境現象そのもののデータが少ないらしく、そもそもの精度が低いのである。

そして、モノクルが捉えたエネルギー反応の正体であるが、それは廃棄された機械生命体から流失する燃料だ。
恐らく、製作者の身勝手でスクラップにされ、放置されてしまったのだろう。

端的に言えば、爆発や発火の危険性がある

「……困ったな、どうしようか。」

しかし、彼はそれを防ぐ術はない。
正確に言えば、防ぐためには研究所に戻らなくてはならないのである。

彼は出歩く際は最小限のものしか身に付けないからだ。
517 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/13(土) 23:13:48.40 ID:VeyiysqC0
>>516
「何を持って当たりとするのかは不明ではありますが」

ビルの壁壁に反響する声は響く
高い凛然としたそれもまたしかり、まるで音源を隠すようにして作用する
とはいえコツコツと床を硬質な踵で叩く音が続けばその正体は直ぐに現れる事になった
腰に剣を帯びた女である、短い銀髪に空色の瞳
Tシャツにジーンズという極めて平凡な出で立ちがむしろこの世界ではやや異端めいてはいるが

「この場からの速やかな脱出をオススメします」
「なんでしたら僭越ながら」

手をお貸しさせて頂きますがと差し出す左手
これを掴めば女は彼を抱き抱えるようにしてローラーダッシュを起動させ、素早くこの場から離れるであろう
もしそれが拒まれれば……まぁ、それはその時である
518 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/13(土) 23:21:53.00 ID:3eaxdI3A0
>>517
「ん。」

その声に少しばかりの反応をして、声のほうへと向く。
この世界における異端めいた出で立ちに白衣の男性は少し嬉しそうな様子を見せた。

「……あぁ、そういえばそうだね。
君が脱出をさせてくれ――――ははは、これは、参ったね。」

虚を突かれたような反応を示した後、思い出したかのように手を取った。
どのように脱出させてくれるのか興味があったが、手を取った瞬間にソレが解消され
思わず、苦笑いをする。抱き抱えられるなんて、子供のとき以来だろうか。
519 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/13(土) 23:32:27.92 ID:VeyiysqC0
>>518
「……被害の範囲がどの程度かが分かりませんからね」
「少々飛ばします」

逆の立場であれば成る程自然ではあるお姫様抱っこ状態
まぁこの場でジェンダーの差を論ずる事に意味はないしつもりもない
現実として彼より小さく恐らく細身であろう半人は軽々と彼を持ち上げ謎の脚甲で持ってして走行しているのだ
しかもなんだかんだ結構早い

「……と、この辺りで平気ですかね」

充分に離れた所、不思議とどう見ても不健康そうな公園に落ち着けば腕に男性を抱えたまま一息
少しして、遠くから爆発音が聞こえてくるに充分な時間が経過していた
520 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/13(土) 23:42:05.48 ID:3eaxdI3A0
>>519
「……みたいだね、ありがとう。
君がいなかったら、脱出のことは考え付かなかったかもしれないよ。

…………あー、下ろしてもらえるかな。もう、大丈夫だから。」

異端の出で立ちであり、自分よりも小柄の少女に抱えられ何だかんだ脱出する。
運ばれている途中に色々と思うところはあっただろうが、それはとりあえず置いておく。

どうやら、困っていたのは逃げる手段が無かったからではなく、処理する手段が無かったからのようだ。
つまり、離れるより燃料をどうにかして無力化することで思考が一杯だったらしい。

その微妙に一般の感覚からズレた考え方は彼の職業に起因するかもしれない。
彼はその白衣から察するに研究者で相違ないであろう。
それも、かなり入れ込んでいるのか彼は痩せており、目の下にはくまが染み付いている。

そして、流石にずっと抱き抱えられたままでは気恥ずかしいのか、そんなことを口に挟む。
521 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/13(土) 23:51:06.44 ID:VeyiysqC0
>>520
「あ、」
「……失礼しました」

少し目を見開いてそれもそうだと、ゆっくりと彼のその体を下ろす
静かに直立を促すような格好でそうすれば、2歩下がり頭を垂れた

「脱出の事は、と言う事であれば」
「……もしかしたらお邪魔でしたでしょうか」

爆発物の解体や無力化を目的としたアタックであったのかと宿る思考
とはいえそれにしては目の前の男性はやや軽装すぎる風にも思える

「だとすれば、重ね重ね……」

お腹に手を当て、恭しくしかし嫌味っぽさを与えぬ所作での一礼
腰に帯びる剣がかちゃり、金鳴りを響かせた
522 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/13(土) 23:58:20.03 ID:3eaxdI3A0
>>521
「いや、当てが外れただけだよ。
僕は越境現象の研究をしていてね……それを観測するつもりだったのさ。」

下ろされて、少々雑な手つきで身なりを正す。
礼をされて、申し訳なくなったのか自分がそこに居た理由について言及する。

つまり、先程のアレはイレギュラーだ。
軽装なのは……彼が無用心なだけなのかもしれない。
先程の発言といい、その不健康そうな見た目といい、自身の身を軽んじているような節がある。

「でも、流石にデータが少ない。予測の精度は塵みたいなものだ。
……ところで、君は珍しい格好をしているけど、もしかしてこの世界≠フ生き物ではないのかい?」

越境現象の研究をしているため、彼は世界がひとつだけではないことを知っている。
523 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/14(日) 00:05:17.46 ID:Kd1GjaTl0
>>522
「……」

ぴくり、ととある単語を耳にすれば纏う空気を一変させる
元より怜悧な顔付きではあるが鋭さを増し、何より警戒の糸が電流を帯びた鋼鉄線めいて周囲にぴりぴりと巡らされ出したのだ
存知の研究者で、越境の、世界の理を暴こうとしている敵がいる
半人の反応は過剰ではあるが、自然とも言えた

「……えぇ、まぁ」
「……貴方は……何ですか?」

頷き、返すのは余りに曖昧な質問だ
赤刃の柄に手を当てている、ゆっくりとそれを握る

524 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/14(日) 00:14:09.26 ID:ezwmIyoo0
>>523
「うーん?……また、曖昧な質問だね。
何か、と言われれば越境現象を研究する人間、だよ。

……でも、君は今の答えじゃ納得してくれなさそうだね。」

分かりやすいほどに空気が変わり、警戒されていることに気付いているらしい。
この状態では、先ほどの様に、抱き抱えて脱出はしてくれないだろう。

気付いているため、納得してくれそうな言葉を探す。

「うーん、そうだね。

越境現象を解明することで世界の境界を失くすこと
そして越境現象という災害≠ゥら人々を守るために研究している。

――――と、言えば少しは分かって貰えるかな?」

彼が言うには越境現象は災害に等しいものらしい。
言葉は足りないだろうが、彼としては越境現象を悪用することは考えていないようだ。
525 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/14(日) 00:27:00.33 ID:Kd1GjaTl0
>>524
「……」

抜き掛けた刃
そのまましばし瞳を閉じて逡巡、手を離して直立に戻る
再度の金鳴り、鞘に刃が収まった澄音

「……知る中に、」
「同様の研究をしていた……その、まぁ……」
「余り、良からぬ輩がいるもので……」
「大変に、申し訳ありませんでした」

言い訳地味た言葉から始まる謝罪
恐らくは彼の、言葉選びが実に幸いした
半人の知る越境研究者、即ち曰く『良からぬ輩』達の目的はつまり多次元世界の修正力を無視した自由な越境の制御であり、
災害とまで言い切る彼がそれに関与しているとは思えなかったのだ

「……お察しの通り、私は越境をしてここに……」
「あぁ、『タェンティース』、と申します」

名乗り、またも恭しくしかし以下略の仕草での一礼である
526 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/14(日) 00:38:12.25 ID:ezwmIyoo0
>>525
「世界の境界を越える力は確かに強大だね。
そちらに傾倒してしまうのも分からなくはない。研究者としてね。

でも、越境現象は統制不能な力と言う意味でも、災害に等しい。
ある日、突然自分のいる世界が変わる、そして戻る術はない……こんな恐ろしいことはないだろう?

だから、僕は越境現象を解明して、世界の行き来を可能にして誰もがあるべき世界に戻れるように……。
そして、発生を予測することで越境そのものを回避できるようなシステムを作りたい。

また――――あぁ、ごめんね。余分に喋りすぎた。ともかくそれが研究の目的さ。
僕はロバート=ダイダロスと言う。昔はロブなんて呼ぶ仲間も居たなぁ。」

少し、熱くなってしまった自分を制しつつ、自己紹介を述べた。
何にしても、彼は越境現象を脅威と見なすものらしい。

要するに台風だとか地震だとか、あの手の自然災害と同列の扱いだ。
527 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/14(日) 00:49:30.90 ID:Kd1GjaTl0
>>526
「ふむ……」

なるほど、と曲げた指を唇に当てて唸る
思い当たる節は幾つもあった
親友と離れ離れになり、しかもその後の再会は半人にしてみれば数週間後の事であったのだが主観時間の差異が生じ親友にしてみれば数十年振りだったのだという
無論それは悲劇である
そして災害に悲劇が付き物だとするのならば、越境が災害であるとする彼の言葉には同意せざるを得ないのだ

「それが可能ならば、恐らくは素晴らしい技術になるのでしょう」
「……微力ながら応援させて下さい、ダイダロス様」

そしてそれを解明するという彼にこう答えるのは当然だ
スプロールの、分厚い光化学スモッグ雲群の下
研究者と越境者は出逢うのであった

//こんな感じですみませんが時間的に落ちまするっ
//ありがとうでした、また宜しくお願いしますっ
528 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/14(日) 01:02:36.35 ID:ezwmIyoo0
>>527
「でしょう=c…ではなくなる≠諱B僕がやり遂げる。
幸いにも、それが実現できるだけの材料は持っているつもりだ。

けれど、データ……もっと言えば越境現象の目撃そのものが少ない。
何せ、当事者は別世界に行ってしまうからね。

……もし、応援をしてくれるのなら、時間のあるときでいい。
君の越境の体験や越境現象について知っていることを教えてくれないだろうか?」

そして、応援と言う言葉に遠慮なく甘えるつもりらしく
そんな感じで協力を頼んでいたとか。

//こちらこそ、遅くまでありがとうございました。
529 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/14(日) 21:20:51.94 ID:pkRYUl5Yo
【サイバー世界:スプロール】

 国家よりメガコーポの利益が優先される商業主義のマッポーたるこの世界にあって、
 バレンタインという一種の風習めいたビジネスチャンスも無論無関係ではありえない。

【ハートキャッチ、バイオカカオ、サスマタなどのピンク電子ネオンが街中で輝き】
【闇チョコレート、チョコ暗殺、ホレ洗脳クスリなどの犯罪が急増する】

 バレンタイン、まさしく欲望と犯罪が交錯する魔の刻である!

 −−−−−−−−−−−−−

【インペリアル・エンジニアリンク社】

 主に改造ビークルの販売を行っているこのコーポは、
 一帯の治安維持に権限と責任を持つデッカー権限委託企業であり、
 その裏の顔は、終焉の遠未来の出向機関、そして越境者へのお仕事斡旋所である。

【越境者は市民パスを持たず、このマッポーの世界では拘禁は当たり前。最悪、野垂れ死にかコーポの実験生物として解体である】
【上手くランナーになれても、次に待つのはコネの無さとウェットワーク。やっぱりよく死ぬ】
【ゆえに、警察組織的なこの企業は認識でいきる範囲で越境者を保護、生活基盤の確立も行っていた】

「まあ、勿論、思惑もあれば、裏もたっぷりある。一応は私の個人的感傷も含んではいるがな」

 と、誰にかは謎であるが説明。無表情で抑揚のない声。人形めいた印象を与える容姿。
 イムカ・グリムナー、このインペリアル・エンジニアリンク社の責任者。実は軍人。

【ちなみに本日は担当エリアの犯罪係数はウナギ・ライジングである!さすがバレンタイン】
【参考ニュースアイドルコンサートでアイドルが観客席に投げた義理チョコの争奪戦で銃弾飛び交う殺し合いに発展=z
530 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/14(日) 21:25:04.99 ID:VGNqwLYlO
「イエス、チョコレート!」

わっほい、とコインチョコがぎっしり詰まった袋を複数所持する妙なテンションの婦警が一人。
普段傍らにいる渋いおじさまは現在別行動中。遠いところにはいませんけどね。

「いやぁー、こんな未来っぽい見た目の世界でもバレンタイン、あるんですねぇ」

「私も生前はよくやってましたよ。何故かもらってましたが。何ででしょうあれ」

まぐまぐと、コインチョコをほうばっている。
幽霊が飲み食いなんぞしてていいのかという疑問はあるが、お供え物的なサムシングだと思いねぇ。
531 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/02/14(日) 21:29:43.42 ID:DuVoSEr3O
>>530
典型的な魔女ルックの赤髪の少女が近づいてくる。
「ねぇ、そこの貴女」
夏子に声をかける魔女。
「そのチョコレート、誰かに上げないの?」
女の子が、自分でチョコを食べているのが不思議だったようだ。
532 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/14(日) 21:36:03.77 ID:VGNqwLYlO
>>531

「あれ? ハロウィン?」

「まいったなぁ。どうやってここまできたのかな?」

自分のようにある程度セキュリティを誤魔化せるような存在もあるとはいえ。
ここはイムカの企業であって――簡単に入れるものだろうか。

「イムカさん、この子どうします?」

とりあえずは上司に尋ねつつ――。

「……あ、食べる?」

チョコレートでもわけてあげましょう。
コインチョコを無造作にひっつかみ、手渡そうとしてみたり。
533 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/14(日) 21:36:29.25 ID:pkRYUl5Yo
>>530

「知るか。私の世界にはこのような風習は無かった」

 デスクに偉そうにふんぞり返って(イムカが偉そうなのはいつもの事だ)、
 右手にバレンタインとは?≠ニいう本を読みながら応対。

【なお、マルチタスクとかいう多層思考なんてアレな真似が出来るためサボリではない】
【左手はホロ・キーボードを叩いているし、意識の一部は強化現実(VR)に置いている】

「ふむ、チョコを配らねばならないのか。胡乱な風習だな」

 本をパタンと閉じて溜め息を一つつくと、婦警の方に視線をくるり。
 スタスタと彼女の前まで歩くと※威圧感たっぷりなのは仕方ないと思ってもらいたい。

「チョコだ。それにしても君は貰う側か。本には女性でもともちょこ?を貰うパターンがあると聞いた」

【婦警のデスクにコロンと転がったのは…カロリーメイト(チョコ味)…ナムアミダブツ!!本質は何ら理解していない】
534 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/14(日) 21:41:05.09 ID:pkRYUl5Yo
>>531

「ハロウィンは別の日付だ。というか、何処から入った」

 明らかにアレな格好をした女性に首を傾げるイムカ。
 仮想パーティなんてシーズンではないし、もしかして…

「仮装マイコサービスなど呼んでいないぞ?」

 ヒッドイ勘違いを始めたイムカ。こう見えてちょっと思考が天然入るときがあるのだ!
 何せ此処は、インペリアル・エンジニアリンク社の施設内。突然の登場には色々と理由なり経緯が必要となる!(メタ
535 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/14(日) 21:43:28.48 ID:VGNqwLYlO
>>533

「いやぁ、高校んときは女子高だったので……あはは……なまじっか体育会系だっただけに、ねぇ」

当時は男役で人気者でした。
男性免疫ないまま大学に進み、気が付いたら警察官に。
無茶しまくって最終的にこの様だったので、浮かれたバレンタインは経験したことがない。

「……え? あ、ありがとうございま……?」

「……。イムカさんも喪女ですかー!? 死んでる私はともかくイムカさんは頑張らないとダメですよ?」

ブロックを受け取りつつ、しばし呆れ顔――そして、何事か曲解して。
拳まで作って、そんなことを力説。
536 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/02/14(日) 21:45:57.35 ID:DuVoSEr3O
>>532
「ハロウィン?なにそれ」

ハロウィンを知らないらしく、困った表情を浮かべて。

「どうやってって……適当な転移魔法使って出たのがここだったの」
魔女はあっさりと答えると、チョコを受けとる。

「まぁ、貰えるものはもらうけどー……レズ?私にそっちの気はないんだけどなー」

冷静に呟く。

>>534
「ハロウィンってだから何よ」

またため息をする魔女、見た目は16歳程度の小娘。

「うーん、せつめーめんどくさいなー、転移魔法使ってみたら、ここについたってだけ」

簡単な説明をします。

「転移魔法って言っても私の使えるのって、何処に出るか分からないバクチみたいなもんなのよね。ここについたのはたまたまよたまたま、決して怪しいものではありません。」

冷静に、淡々と両手をひらひらさせながら宣う。
537 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/14(日) 21:52:05.91 ID:pkRYUl5Yo
>>535

「ようするに男と縁がないまま色々と過ぎ去ったわけだ」

 悪気は無いのだろうが、聞き様によっては大変シツレイな事を
 割と平然とぶち上げるイムカである。悪気はないのだ。配慮は足りないが。

【そしてさらに胡乱な事を抜かし始めた婦警に対して】

「君の借用書を暗黒金融企業に渡すことを検討したくなってきたぞ」

 なお、イッポンカと称して債務者をさらなるジゴクに叩き落すビジネスは旧時代とさして変化はない。


>>536

「なるほど、ランダム転移の不測性が防衛機構を突破したか。そして――」

 無表情なままジャキン!と粒子短銃を魔女に向ける。

「不法侵入、魔術使用による法律違反、よりにもよって治安機構に対してこうもあからさまに挑戦するとはな。
 メガコーポが定める規定によれば、即時射殺も許可されているが?」

 ナムサン!転移したしたごめんちゃいで済むのは法整備がされていない世界だけだ。
 当然ながら、このような事をはいそうですかと看過すれば、世界は暗殺・潜入の大パレードになるのである!
538 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/14(日) 21:58:55.20 ID:VGNqwLYlO
>>536

「え? いやそんな恰好しているからお菓子欲しいのかなーって」

何か違った? と頬をぽりぽり。
ハロウィンも知らないらしいので、素なのか、と行き着くのに少し時間を要して。

「それにしてもバレンタイン知っててもハロウィン知らないって変な知識だね」

「まぁ深い意味はないから、ただのチョコだし」

自分でも積極的に食べてるし。
うまい。うまい。チョコはうまいのだ。

>>537

「その通りですよー――ってなんですかそれ!?」

「銃は下げるのと私の身売りはしないでくださいー!」

あわあわと手をぱたぱた。
同族だと思っただけなのにこの扱い!

「ヒトの事言う割に自分のことになるとセメントなんだからなーイムカさん……」

「まぁそれはおいといて……若い子にそんないきなりピストルつきつけなくてもいいじゃないですかー。ここは補導でいきましょう」

まぁまぁ、と宥める。効果があるかどうかは不明。
539 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/02/14(日) 22:04:14.92 ID:DuVoSEr3O
>>537
「えーーーー!!?」
少女は驚き、手を上げます。
「別に悪気があった訳じゃないしいいじゃん、けち」
ぼそり、小さな声で呟く。

「つーか、短気だと老けるの早くなるよ?」

そんな余計な一言を付け加えます。

>>538

「そう、深い意味がないなら貰っとくよ、ありがとー」

にっこり笑顔で言って、チョコは受けとります。
が、銃を突きつけられている現状で。

「はぁ、厄介な事になったなー、めんどくさい……」

気だるそうな態度でそんな事を言って。

「若いって言ってもはた……」
ここまで言って止まり、思考する。
(そっか……見た目通り16歳って事にしときゃ未成年だし罪も軽くなるか……)

「そうそう、私まだ未成年だから分からなかったの、ごめんなさい。」

イムカに対して、悪びれもなく年齢詐称……一応、身体年齢は16で止まってるから嘘とは言えないのか?
540 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/14(日) 22:12:39.07 ID:pkRYUl5Yo
>>538

「冗談だ。…ウケなかったか?やはり私はユーモアは苦手のようだ」

 借用書を暗黒金融に売り飛ばす事がユーモアと言えるのはどうかはともかく、
 とりあえずは、婦警が婦警マイコになる事態は避けられたのだ!

「しかし、もしハッキングまでされていたら、私の意志に関係なく射殺せねばならなくなるのだが…うーむ」

 悩みどころである。実際に法に照らし合わせればかなりヤッバい。
 しかし、イムカとてカタいだけの人間ではない。

 −−−−−−−−−

>>539

「悪気の有無で罪悪の勘定が変わるわけでもあるまい」

 悪びれない奴だ、と、レイラの呟きと態度に半分呆れて、半分感心といったところだ。
 しかして、余計な事を呟きやがったので、

「こう見えても年齢の割には若く見られるほうでな。実年齢より200歳はサバを読める。心配は無用だ。
 なお、成人か子供かを分ける非効率な法律はとっくに廃止ずみだ。快く射殺可能だぞ?」

 言葉と共にイムカの手の粒子短銃が僅かに発光する。

≪ブラスターモード/エリミネーター:バースト≫

「月並みだが問おう。投稿して、尋問でカツ丼でも食べるか、ここで死か。好きなほうを選べ」
541 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/14(日) 22:21:25.05 ID:VGNqwLYlO
>>539

「いやぁーイムカさんセメントォ……!」

目の前の少女に対する評価が変わらない。
ここは正義の味方志望としてはひと肌脱ぐべきか。

「ま、まぁ……」

「……大人しく、捕まってもらったほうがあとあと楽デスヨ?」

とりあえずは、少女に抵抗しないよう諭してみるか。
自分も能力で忍び込んで尋問された挙句に今の立場がある。
借金も抱えている。幽霊なのに。

「今ならお父さん役もついてくる!」

はたしてそれは説得材料なのか。かなり微妙なところで少女への説得を続けてみたり。

>>540

「笑えませんよぉ! そんなことになったら全面戦争不可避ですから!」

闇金さん相手に戦争をしかけることになる。
流石にそれはちょっと笑い話にはならなかった。

「あーあー……あばば……ど、どうか穏便に……」

「この子をどうにかしようとしても私としてはそっちの味方せざるを得なくなってしまうゆえー……」

お願いします、と何度も頭を下げる。
542 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/02/14(日) 22:25:21.41 ID:DuVoSEr3O
>>540
「死ぬのは嫌……するなら尋問にして……」
諦めたのか、ため息混じりに尋問を選択して首を振る少女

「あ、カツ丼より海鮮丼の方がいいかな」
どうでもいいような注文、左手の人差し指を立てて言う。

>>541
「うん……とりあえず尋問されとく……死にたくないし……」
少女は観念してるようで。

「余計な争いとかしたくないし……めんどくさいだけじゃない……」

そして、少女は怠け者であった。

「一応名前だけは言っとく、レイラ・スプリングフィールド、大魔法使いよ。」

自分の事を大魔法使いとか言います。
この服装でこんなことを言ってる少女、世界が世界ならただの痛い子だ。
543 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/14(日) 22:36:45.13 ID:pkRYUl5Yo
>>541-542

「……投降を受理した」

 と、イムカも嘆息をついて銃口を上げる。
 そして、レイラに手錠…ではなく、逃走防止用のタヌキの着ぐるみを準備して、
 尋問、レッツゴー!!

「それにしても婦警。おまわりさんは本来、法の番人だろう。君の基準は興味あるな」

 婦警のある種の命令違反については何も言わないイムカである。
 むしろ、助かったくらいなのだ。自分とは別の対応が出来る人物にいたということに。

「さて、レイラだったか。先ずは海鮮丼はダメだ。こういうのはカツ丼以外に選択肢は存在せん」

 言いながら、直系7cm、厚さ3cmの円柱形の物体を持ってくる。
 それをグイっと両手で引っ張ると、高さが20cmほどに伸びた。

【フタを開ければアツアツのカツ丼が中に入っているという寸法。サイバー世界の未来食である】

「大魔法使い…婦警、今すぐ彼女の血液検査を。アルコールか薬物の疑いがある!」

 ナムサン!やっぱり肩書きで受ける扱いはコレであった!予想まっちり。

「まて…確か、思春期にありがちな病があると聞く。ハシカめいたものらしいが」

 そして、思考はまたも良く解らん方向に流れつつある。軌道修正と政権交代が必要だ!
544 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/14(日) 22:43:55.34 ID:VGNqwLYlO
>>542

「ははぁ、大魔法使いですか」

神妙に頷く。
何も信じていないわけじゃない。どういうスケールのものなのかぱっとしないだけなのだ。
魔法世界出身の幽霊さんも衛兵であったことはあっても大魔法使いだったキャリアもちはいないし。

「どれだけすごいんですかね?」

>>543

「いや放蕩二代目国王が政治してる時みたいなガバガバザル法がデフォみたいなディストピアで法の番人と言われましても……」

実はこの世界はあんまり好きじゃない婦警である。
弱者を助けるための受け皿があまりに少ないし、皆無とみられてもおかしくないほどで。
正義の味方志望としては、なんじゃこりゃと悪態のひとつもつきたくなるわけだ。

「あ、あー、イムカさん。魔法使いは実在しますよ?」

「多分嘘は言ってないんじゃないですかねぇ?」

どうどう、と再びイムカを宥める。
軌道修正になればいいのだが、政権交代にはなりえない。
545 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/02/14(日) 22:49:34.00 ID:DuVoSEr3O
>>543
「海鮮丼だめなの……残念……どんなルールなのよ……」

ガッカリした様子で、カツ丼を目の前にしてとりあえず食べる。

「て、私の事痛い子かなんかと思ってない?ほんとに魔法使いなんだから……ほら!」

そう言うと、左人差し指を立てて、その人差し指から火が出る。

「これだけじゃライターとか思われそうだし」

更にその火が消えると今度は小さな電気がバチバチと出現する。

>>544
「どんだけ凄いって言われても……」

電気を消すと腕を組んで考えて。

「とりあえず、火と風と土と雷と光と闇操れるよ」

どや顔でそんなことを言います。

「水も昔は使えたんだけどねー、今は訳あって使えないの」
546 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/14(日) 22:58:59.82 ID:pkRYUl5Yo
>>544

「悪法も法なりという言葉もあるだろう?君の言い分もわからなくはないがな」

 弱者を助けるどころか食いものにする受け皿なら無数にあるが、
 婦警のなんじゃこりゃは実際正しかったりする。
 生命の価値も極端に低下しているし、実際、モラルハザードもいいところなのだ。

「…すまん、サイカーがごろごろいるという感覚には今だ慣れなくてな」

 どうどう落ち着けな対応を受けて思いの外すんなりと応じるイムカ。
 何しろ、サイカーは生贄か兵器となるという運命しかない世界の出身者。価値観は大きく異なるのだ。

>>545

「…ふむ、多重属性使いか。大はどうかはさておき、確かに魔法使いだな。魔法区から来たのか?」

 一応、この世界は覚醒事変により、魔法という概念が復活≠オているサイバー世界だ。
 だから、一応、実証さえしてもらえれば、トリックだ何だというような邪推をする気は無い。

【先程から部屋には中空にホロ・ディスプレイが多数投影されて、様々なデータを流している】

「システム登録番号(市民ID)はあるか?無い場合は身分保障がされていないとして、様々な制限がつくが。
 後は、危険物の所持があれば提出を。魔法使いはそのものが危険物と解釈できなくもないから、
 あまり意味はないが、こういう手続きは踏まねばならぬものらしいからな」
547 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/14(日) 23:10:09.40 ID:VGNqwLYlO
>>545

「いろいろ手数があるのはわかりましたけど……」

哀しきかな、現代日本(風)出身。
それでも何がどうすごいのかはいまいちわからない。
中身の幽霊さんが教えてくれる情報は薄味だし。

「ええと、まぁ、あんまり騒ぎを起こさないでくださいヨ?」

「この世界はとーっても面倒ゆえ」

中には元気に力技で暴れ回っている人もいるが。
“賽子の騎士”などという都市伝説にもみられるように、ぷっつんした越境者が手の付けられないことになることも、ないわけじゃない。

>>546

「革命軍出身者もいますヨ?」

基本的に、踏みつけられている人たちの味方であって、法の味方ではない。
法が弱者を救済できる側面をもつもので、運用する人たちが概ね善性なら法の守護者にもなりますが。
そうでなければ革命ばっちこい、である。

「『革命とは団結! 前進! 勝利!』『レッドコミュニストは?』『抹[ピーーー]る!』『イデオロギー対立を幽霊がするなんて不毛じゃね?』」

中身の幽霊さんが若干騒ぎ始めましたが、気にしないでください。

「あれ、魔法使いのことをサイカーっていうんですか?」

「はぁ、なら私みたいなのの扱いはなんなんです?」

アンデット種にそもそも区分ができるのかどうかは疑問であったが。
548 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/02/14(日) 23:17:23.53 ID:DuVoSEr3O
>>546
「えーと、ここ、私の産まれた世界じゃないよ」
と、異世界から来たのだ。といった事を伝えて。

「だからそのIDってのは私持ってないかなぁ」
「あと、危険物って言っても私の持ち物はこの菷だけ」

そう言うと、ピンク色のりぼん巻かれた菷を見せる。

「まあ、飛べるだけで危険物って言われると違うと思う」

菷についての説明は終わり。

>>547
「ほんと、面倒ね〜……なーんでこんなとこについたんだろう……」

ため息しか出て来ない。

「あ、もう素性は洗いざらい話すわよ。えっとエリュシオン出身の20歳のレイラよ」

年齢と出身世界をとりあえず暴露して。

「不老の呪いを解く方法見つける為に、つーかその、不老の原因の能力消す方法見つける為に旅してる最中なの」

素性も全て暴露。
549 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/14(日) 23:30:06.08 ID:pkRYUl5Yo
>>547

「君の中身もやっかましい議論をおっぱじめたようだが」

 相変わらず騒がしい連中だと、頭を抱えるところである。
 なお、何人内包していようが、お給料は一人分である。無慈悲である。

「私は私の権利と聖務を脅かさん限りは、法を遵守するほうだ」

 一見、法の番人めいたことを言うイムカであるが、
 その実、自分の都合次第で破りますと堂々と宣言していたりもする。
 神なる皇帝陛下より賜りし、聖務は何よりも優先するのだ。

【と、ここで話題がサイカーについて移ったので】

「ん?ああ、歪み(ワープ)より力を表現する精神変異者の事をサイカーと呼ぶな。私の世界では。
 なお、君はゴースト。帝国聖教会からは討伐対象。そして私にとってはよき友人でよき部下で債務者だ」

>>548

「…越境者が。人騒がせな登場をしたものだ」

 この時点で大体色々と察したらしい。ふう、と溜め息をつくと、

「住むところが無いなら、コンテナハウスの宿泊を許可する。
 あと、私の仕事を手伝うなら衣食住を確保できるよう手配もしよう」

 どうにも会話が成立しないのも概ねこれでクリアらしい。
 あと、箒についてだけは、

「空中は重金属酸性雨の濃度が高い。あまり無用の空中浮遊はオススメしないぞ」

 と、危険物というより、不要な危険を招く事の無いように諸注意。

 −−−−−−−−−−

>>547-548

【ピーガガー!!】

 ここで突然の出動を知らせる音声!
 イムカの側に人間の頭蓋骨に様々な観測機器を貼り付けたドローン…サーボスカルが降り立つ。

≪第23区、バイオチョコレート生産工場でテロ事件が発生。
 バレンタイン死ねを掲げる集団が多数の工員を殺害。メガロ黒魔術の生贄に捧げています≫

 緊急通信と共に大写しのホロ・ディスプレイが表示!
 全身白塗りのサイコ集団が、チョコレート工場員及び、その辺のアベックを捕まえて、
 ドロドロに溶けたチョコレートの大釜に投げ込んで殺害という壮絶な犯罪行為を敢行!!

「七罪嫉妬≠掲げる危険な集団だ。婦警、出動だ。装備は市街戦Aクラスを許可する」

 慌しくなった社内でふと、尋問中も魔女にも顔を向けて、

「…手伝うか?臨時給与なら出すが?」
550 :柚木夏子 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2016/02/14(日) 23:39:39.86 ID:VGNqwLYlO
>>548

「ははぁ、そんな呪いが……」

不老の存在ともなれば、なるほど魔術の研鑽の時間は問題になるまい。
その外見で大魔術師になれていてもおかしくないことはわかる。

「ただ、まぁ……本当に、出てくる場所が悪かったですね?」

「そこだけは同情しますよ……」

なまじ組織の対応力が高いと、越境者といえどもこうして捕まったりする。
未来っぽい世界にワープするのはできるだけ避けたいところである。

>>549

「いつものことなので、おきになさらず……」

あははー、と苦く笑ってごまかす。
実際、何かの拍子に中身の人たちがわぁわぁ騒ぐのは珍しいことでもない。

「おお、討伐対象……幽霊ってだけなのにひどい話ですねえ」

「神聖耐性も獲得してるんですから聖霊扱いしてくれてもいーんですけどねぇ」

とかなんとか、腕を組んでぶつくさ文句。
実際、お日様も念仏も平気ではある。

「うわぁ、関わりたくない大事件」

「……ともいってられないか。了解しました、出撃します!」

ちょっくら整備を取りにひとっぱしり。
中身が眠気の限界なのでこれで落ちてしまいますのでその他大勢に早変わり!
551 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/02/14(日) 23:44:17.53 ID:DuVoSEr3O
>>549
「……こう言うとこなら情報が来る可能性高いか」

ふと思考にふける。

「それじゃあ私も、暫く厄介になろうかな、ここの、衣食住付きなら美味しいし」

思いっきり物に吊られて話に乗る!
そして鳴る警報

「……わかった、手伝うわ、大魔法使い様の実力見せたげる」

菷を持って、自信満々に。

>>550
「ほんとによー……、こんなめんどーな事、初めて……」

またため息をして呟く。

「てことで、これからよろしくね」

どうやらここで厄介になることを選んだらしい魔女。

//お疲れ様でした!
552 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/14(日) 23:52:27.25 ID:pkRYUl5Yo
>>550-551

「よし、スプロールは境界線でも比較的ゲートの集中したハブ世界に属する。
 ここで生活基盤を持っておくことは賢明な選択肢だ」

 ここでレイラも察するかもしれないが、この世界のアレな法に遵守しようという固さはあるが、
 基本的には必要そうな情報をあえて口にしていたり、
 越境者が路頭に迷わぬよう受け入れ態勢を構築していたり、

【セメント対応はあるが、存外にお人よしな部分が見え隠れである】

「よし、そうと決まれば出動だ」

 そうして、バレンタインに相応しいデッカーの仕事(ビズ)が始まるのであった。

//では明日は月曜日=サンでもありますしコノヘンデー!!ノシ
553 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/02/14(日) 23:57:19.18 ID:8JvxEOWpO
>>552
「ほー、じゃあ、これからよろしくね」

ウィンクして、イムカにそう言う。

「出動、よーするに今悪さしてる連中とっちめたらいいんでしょ?任せなさい」

自信満々に言う魔女、菷を持って準備は万全

//お疲れ様でした!ノシ
554 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/15(月) 22:37:10.44 ID:ZLwv35QC0
<サイバー世界スプロール>

スプロールのとある一角……人気の少ない郊外。
煌びやかな都市とは異なる寂れた場所、スプロールの影めいた場所。

夜ともなれば、殊更に人の気配はなくなり無人にすら見える。
もちろん、周囲は闇が支配する。遠くに見える都市の明かりが眩しいほどに。

そんな場所のはずだったが、急にバチバチと紫電が走る。正しく文明の気配。
それと同時に来るは神秘の気配。それは不安定な様子で人気の無いこの場所を満たしていく。

ざっくりと言うならば、高いエネルギー反応だ。
555 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/15(月) 22:59:56.12 ID:mOiAnc3vo
>>554

 シュビッっと。妖しい反応があれば即参上。
 カノッサ・テクノロジー社クローントルーパーα-12である。
 スプロールの怪異に対しての即応戦力といったところか。

「呼ばれて居ないけれど、来て見れば訳わからん怪現象デス。
 怖いので速攻対処デス」

 手榴弾のピンを抜いてエネルギー現象にむけてコロコロコロ。
 ナムサン!なんたる脳筋解決法か!!

【シリアスモードなら酷いし、ギャグモードならアフロの一つもできるかもしれん】
556 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/15(月) 23:09:50.02 ID:ZLwv35QC0
>>555
そして、その異なる二つの力が光となって渦を巻く。力が絡み合い、大きく膨らむ。
やがて、それらは風船が破裂するようにして、消滅してしまった。

光が膨らみ、破裂する瞬間、周囲が一際明るく照らし出される。
それと同時に何かが光の中から現れ、自由落下を始める。
一瞬見えたシルエットは、小さなものであり少なくとも生物では無さそうだ。

一方で、瞬間的に周囲を満たした光はあっという間に夜闇に溶けた。
取ろうと思えば、取れたかもしれないが時既に遅し。

α-12によって投げられた手榴弾によって、それは地面に激突する前にバラバラに四散した。
足元に転がってきた破片はどうやら陶器のようだ。…………コーヒーカップ、だろうか・
557 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/15(月) 23:20:44.79 ID:mOiAnc3vo
>>556

「…ナンデショウ、コレ?」

 コーヒーカップの欠片を拾って首を傾げるα-12。
 一応、観測機器を用いて放電現象の記録を取ってみる。
 こういうデータ取りもα-12の大事なお仕事である。

「カップ?何でこんなところにあるのデショウか?
 魔法区なりエセ科学者のイタズラか何か?」
558 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/15(月) 23:30:17.32 ID:ZLwv35QC0
>>557
拾い上げてみれば本当にコーヒーカップのようだ。
別に偽装した爆弾といった物騒なものでもない。

一方、観測機器に示したこの現象の記録は奇妙なものとなった。
電気的な反応といわゆる魔法的な神秘が混在した反応だ。
実に独特であるが、これは越境現象の反応に僅かだが似ている。

「……ん、ここに出たんだね……おや、先客が居るみたいだね。」

そんなお仕事の最中、特に警戒心もなく近づいてくる影がひとつ。
白衣を着た如何にも研究者然とした青年である。いまどき、珍しいモノクルをかけている。

そして、セリフ的にこの不思議な現象を知っているような口振りである。
559 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/15(月) 23:37:11.44 ID:mOiAnc3vo
>>558

「ハッ!?不審者発見!これは間違いなく罠デス!」

 ガスマスク型フルフェイスマスクを被ったすっごくアヤシイ何かは
 自分の事を完璧に棚上げして、アヤシイ青年を確認してビックリポーズ。

「哀れなα-12はパニックを起こして決断的にインタビューを決行しマス」

 そう言うなり両手にサブマシンガン、さらに後ろ腰から触腕を4つ出現させて、
 それぞれの触腕も同じようにサブマシンガンを構える。

【瞬時に合計6つのサブマシンガンの銃口が青年に向けられるわけだSHIT!】

「パニックで平静を失っているα-12は不審者に問いマス。
 アナタ誰?と。素直に話したらカイシャクデス。抵抗したら惨たらしくカイシャクデス」
560 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/15(月) 23:44:42.95 ID:ZLwv35QC0
>>559
「……よく、分からないけど投降すればいいのかな。」

大人しく諸手を上げる。抵抗とかは微塵も感じられない。
それよりも気になることがあるのか、何かを探すように視線を動かす。

「ええと、僕はロバート=ダイダロス……越境現象について研究していて――――。」

あっさりと自分の素性についてべらべらと喋り始める。
一応、とある研究所に籍を置いている研究者らしい。尤も、今は村八分状態らしいが。

自身のことをあっさりとしゃべる青年の姿はα-12にとってみれば実に肩透かしだろう。


「……次は僕が聞いても良いかな?
その、君は色々と目撃したと思うけど、コーヒーカップを見なかったかい?」

ある程度、喋ったところで今度は彼からの質問だ。
先程から視線を動かしていたのはコーヒーカップを探していたらしい。
つまり、先程、無残に爆散したカップは彼の持ち物と言うことになる。
561 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/15(月) 23:52:19.68 ID:mOiAnc3vo
>>560

「…ゆーもあ精神が足りないことは解りました」

 あからさまにションボリモードのα-12。
 ディープメイカーもへにゃっと崩れて銃口を下げる。

【一応、コムリンクで名前と顔をデータベース照合中】

「コーヒーカップでしたカ?ここに残骸を回収していマス」

 そこにはアワレな元コーヒーカップの残骸が。
 これに視線を落としながら、

「先程、放電現象がココで起きましテ。そこにこの欠片が無残な姿デ発見されまシタ」

 おおっと、何か色々と端折ったぞ!だが嘘はついていないので無罪だ!!
562 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/16(火) 00:02:36.74 ID:n/TSG/qi0
>>561
「……が、がっかりさせるつもりは無かったんだけどね。」

いまいち、色々と分かっていないらしくしどろもどろに。
照合する限り、嘘はついていないようだ。
だが、データベースに登録されている情報を見る限り、研究者としての性質は少々危険である。
要するには一心不乱にのめりこむタイプの研究者であり、時には自分を犠牲にして研究を行うようだ。
そのお陰で現在は専用の研究施設に在籍している。要するには隔離だ。

「なるほど、壊れちゃったんだね。あ、それは構わないよ。
ところで壊れているということは、もしかして、コーヒーカップは空中から¥oてきた?」

どうやら、コーヒーカップが壊れているかはどうでも良いらしく
どうして壊れてしまったかが重要らしい。

実際、コーヒーカップは空中から現れた。
破損の直接の原因は手榴弾だが、何もしなくても結果的には壊れていただろう。
563 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/16(火) 00:11:48.79 ID:M73572ooo
>>562

「記録を確認したところ、地中からにょっきり生えてきたらしいデス」

 質問にきっちりと答えながら、α-12はじーっとダグラスを見やる。
 どうにも妙な立場にいる科学者であることは把握。
 隔離はされているが、かといって追い出されているわけでもない。

【マッポーの極みたるスプロールにおいてカチグミ以外にはそのような生き方は許されない】

「おっと、名乗られたからにはアイサツは絶対デス。
 ドーモ、C.T.S.S.クローントルーパーα-12デス」

 両手をパンと合わせての決断的アイサツ。
 C.T.S.S.と言えば暗黒メガコーポ:カノッサ・テクノロジー社の企業警察組織の名称である。
 もちろん、この場合は企業付の特殊戦闘部隊というのが正しい表現だ。
564 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/16(火) 00:23:52.86 ID:n/TSG/qi0

「……そうか、ありがとう。」

その報告に少し残念そうに。
何事かは窺い知れないが、彼の目論みは失敗したらしい。
そんな目の前の青年を見る限りでは、隔離されるような人物には見えない。

「あー……どおりで察知が早いわけだ。」

素性を知って、実に納得したらしい。が、同時に困ったような微妙な表情を浮かべた。
言葉にはしないものの厄介な者に目を付けられた≠ニでも思っているのだろう。

彼の研究は越境現象についてのもの……つまり、目を付けられやすい内容だ。

「……聞くけど、たまたま通りがかっただけだよね?」

自分が狙われているのではないかと邪推する。だが、その張本人に聞くのは明らかに迂闊である。
研究面では優秀なのかもしれないが、それ以外の部分は余り得意ではないのかもしれない。
565 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/16(火) 00:32:11.26 ID:M73572ooo
>>564

「ハイ、変な反応がシティ内で起こったのを察知して、たまたま通りかかって調査中デス」

 微妙に説明台詞の前後が噛み合っていないα-12である。
 なお、カノッサ・テクノロジー社は越境現象の研究を独占しているというウワサ有。
 実際、不完全とは言え、ゲート生成/世界線座標軸マッピングなどを行っているのだ。

【そして、独占による権益を守る手っ取り早い方法はライバルを消すことである】

「一応、データは取りましたので、ココに用はありまセン。
 あとは、社に戻ってアナタの経歴、家族構成、財産、赤裸々なアレなど根掘り葉掘り調査デス」

 たしかにすっごく厄介なのに目を付けられた様子。組織な意味でも個人な意味でも。
 しかして、これ本当に特殊部隊?なガスマスクのトルーパーはサムズアップをロバートにビシっと決める。

「デハ、オサラバデス。後日、菓子折りか特殊暗殺部隊が改めてご挨拶に伺いマス」

 ペコリと丁寧にアイサツを決めて、α-12はサイバーパンクらしく夜の闇を駆けるのであった。
 果たして、ロバート君の明日はどっちだ!!
566 :ロバート=ダイダロス【モノクル】>>491 [sage saga]:2016/02/16(火) 00:58:44.55 ID:n/TSG/qi0
>>565
「……ははは、これは困ったね。お手柔らかに頼むよ。」

先ほどの様に困った笑みを浮かべながら、答える。
実際のところ、研究が頓挫させられる可能性があるため、心中は穏やかではない。

とはいうものの、今いる研究所を易々と抜けるわけにはいかない。
そもそも、研究所……自分の研究施設に居たほうがまだ安全だ。

「…………困った。急がないといけないかもね。」

α-12が去った後、かみ締めるようにしてポツリと呟くとその場を去った。


ちなみに彼には家族が居たが彼を除いた全員が行方不明となっている。
財産もそれなりにあるが、全て研究費につぎ込んでいる模様。

経歴としては先の様に、研究者としては非常に優秀であるもののその姿勢に問題があるため隔離されている。
研究内容は越境現象のメカニズムを解明することである。それによって世界のボーダーをフリーにすること
そして、越境現象の予測及び対処をすることが彼の最終的な目標のようだ。

彼は越境現象を災害と位置づけているのが特徴的である。

……とまぁ、穏やかそうに見えるが叩けば埃が出てくる青年であったとか。
567 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/16(火) 21:26:13.61 ID:PlW8jOkP0
【現代風世界 スラム 路地裏】
どんなに平和な世界で 人々が希望に満ち溢れていたとしても
光あるところに影はあり続けるのだ

一行が降り立ったのはどこの国か? 少なくても英語圏の お世辞にも治安がいいとは言えない場所
通りは落書きがひしめき 治安維持に努める者の姿は無く ひっきりなしに聞こえてくる銃声 怒号 悲鳴


そんな場所にあるハンバーガーショップ 客と従業員が触れ合えないよう 徹底的に防犯が行き届いたその店で チーズバーガーを頬張るアキレスと オニオンリングに舌鼓を打つベティ
そんな心休まる筈の店内にすら緊張感が漂う中 一行に問いかけた

「なんかすごい所だね」
―――ギィ♪
568 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/16(火) 21:43:08.36 ID:MTu5vFzO0
>>567
たしかに凄い…凄い居心地悪くない
[怒号と銃声に耳を澄ませ、自分の分のハンバーガーにかじりつく]
ああ、勿論俺がこういう緊張感が好きなパープリンって訳じゃ……
…ないとも言い切れないが、俺が住んでたところに似てるんだよ。雰囲気が
[ストローで音を鳴らしながらコーラを喉に流し込み、取り繕うソーマタージ]
[誰かブルって死ぬんじゃねえのか。と無理矢理話を逸らす]

しかしマトモな仕事は望めそうにないなこりゃ…
良くて鉄砲玉か運び屋だ。お前金持ってるよな?
[確かめる様にアキレスを見つめながら]
[片手にメニュー表を持っている辺り、図々しく追加で何か頼むつもりのようだ]
569 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/16(火) 21:50:43.67 ID:PlW8jOkP0
>>568
「残念だけどこの飯ですっからかん」
くしゃくしゃと包み紙を丸めてテーブルにポイ

「さぁてどうしようかね?」
―――ギィ!!

ポテトを制圧したベティがハサミを振り上げる中 ソーマタージに聞いてみる

すると同じ店内にいた三人組の いかにもガラの悪い男が

男1「なにお前ら 金に困ってんの?」
男2「割のいい仕事知ってんだけど 乗らね?」
男3「取り分7:3だ どうする?」

アキレス「・・・・・」
ソーマタージをちらりとみる この男共 明らかにカタギではない だが金が入用なのも確かである
570 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/16(火) 22:00:35.07 ID:MTu5vFzO0
>>569
じゃあやめとくか。これも不景気ってヤツか
[メニュー表を放り捨て、蛇の様な声を挙げながらポテトを取ろうとベティを威嚇]
テキトーに頭悪そうなやつを数発殴るか…コンビニ強盗か
大体ああいう店は保険に入ってるから……?

[話しかけてくる男たちに訝しむように眉をひそめ、煙草をくわえる]
…また話そう。どんなお仕事だ?内容にもよるな
[あくまで対等なつもりで、尊大に振る舞う]
[ナメられていいことはあまりない。仕事を受けるかどうかは別だが]
571 :アキレスベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/16(火) 22:10:21.78 ID:PlW8jOkP0
>>570
―――ギィ!!ギィ!!
ポテトはやらんぞ!! とソーマタージと威嚇合戦を繰り広げる
が 男共が現れたのでノーコンテストとなりました

男の1人がもっていたダッフルバッグをドサリとテーブルに乗せる

男1「こいつを指定の場所までもっていってほしい おぉっと中身はみるなよ? 目的地に俺たちの仲間が待っている 代金はそいつからもらってくれ 連絡はこいつでとろう」

続いてプリペイド式携帯電話を乗せる 地図アプリが入っており このスラムを流れる大きな川のほど近くを指していた

アキレス「・・・・・」
アキレスがベティに視線を送る中 決定権をソーマタージに譲渡 果たしてやるか やらないか
572 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/16(火) 22:15:49.54 ID:MTu5vFzO0
>>571
[バッグにちらりと目をやりしばし考え込む]
クスリか?それとも銃か?まあどうでもいい…

[携帯を手に取り、ポケットに突っ込む]
いいだろう。ちゃんと3割寄越せよ。俺を怒らせたらやべーぞ
[早く行こうぜとアキレスを促し、バッグを肩に掛けて店から出る]
[ちなみにハンバーガーの代金を出す素振りは見せない。男たちか、アキレスに払わせる気マンマンだ]
573 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/16(火) 22:27:09.72 ID:PlW8jOkP0
>>572
男3「あぁ ちゃんと仕事を済ませればな」
卑下た笑みを浮かべ 噛みタバコでべったりと黒い鍔を地面に吐き出す
そして男共は外に出ようとするが

―――ギィ!!
ちょうどベティがじゃま二なってしまっていた 男共は構わずベティを蹴り飛ばして外に出る

アキレス「あぁもうベティ邪魔しちゃダメでしょ」
―――ギィ!!ギィ!!

アキレスがベティを助け起こすのを気にも留めずに男共は車に乗ってどこぞへ向かっていった

―――――――――それから数十分後

アキレス「で 案の定こうなるわけだ」
ビルの陰から通りを伺う

そこには黒塗りの全面スモークな車が数台 降りてきたこれまたギャングまるだしの連中が拳銃片手にこちらへ発砲してくる図

アキレス「さぁて ブツが何でどこが出処か知らないけど ちょっとばれるのが早すぎませんかねぇ?」
何やらきな臭いことになってまいりました
574 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/16(火) 22:38:00.97 ID:MTu5vFzO0
>>573
ああいうギャングスタなんて俺初めて見たぜ。どっかに銃でも落ちてねえかな
[指先から触手弾を飛ばし、抵抗する]
[その多くは見当違いの方へ刺さるか、飛距離が足りず地面へ落ちていく]

[目の前の壁に弾痕が出来る。慌てて頭を引っ込め、胸に抱えたバッグを忌々しげに睨む]
このクソのせいで追われてるんだ!何か役に立つモノは入ってねえのか?
[中身を見ずに、腕を突っ込んでバッグの中を漁る]
[いくら体の大半が機械とはいえ、大人数に囲まれて撃たれれば動きも止まるし、死ぬのだ]
[最悪ドラッグでも入っていれば痛覚も鈍り、多少の無茶も効くだろう]
575 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/16(火) 22:53:53.19 ID:PlW8jOkP0
>>574
アキレスも拳銃を撃つも多勢に無勢 唯一の救いは包囲されていないということか
ソーマタージがバッグに手を突っ込む 中身はビニールに包まれた何かが複数入っている それを引っ張り出すと

http://blog-imgs-60.fc2.com/r/i/b/ribbon080cake/20130609124815b80.jpg

アキレス「ヤロウ・・・やってくれたな・・・」
その中身に愕然とする

アキレス「あいつら最初から俺らを囮にしてどこぞに高跳びするつもりだ どうする? この場を切り抜けて俺らも逃げるか それとも俺らをハメてくれた連中へ『お礼』をするかだ」

ソーマタージのポケットから 連中のからもらった携帯電話を取り出す 通話を試してみるが やはりつながらない
だがこちらを追尾するアプリが巧妙に隠されていた

自らのスマホを取り出し データの吸出しと解析をしながら ソーマタージに問いかける
576 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/16(火) 23:03:44.60 ID:MTu5vFzO0
>>575
[建物の壁に寄りかかったまま、呆然とした様子でビニールを引っ張り出すソーマタージ]
[その顔は徐々に憤怒の表情に変わっていく]
クソ野郎め!!
[ビニールを地面に叩きつけ、中身を粉砕すると荒々しくフードを被った]

おいタフガイ、そのまま続けろ!両方やるに決まってるだろうよ!
[酸素供給機を装着し、くぐもった声で怒鳴ると、両手に力を込める]
とりあえずはあのアホ共を殺すか逃げるかしてこの場を抜ける!イヤーッ!
[シャウトと共に壁に放たれる突き]
[よく見れば、指先にまで
何重にも触手が集まり、保護しているのが分かるだろう]

俺が戻るまでにやつらの居場所突き止めとけよ!
[両手を壁に突き刺し、器用によじ登っていく]
[ギャング達の頭上を越え、背後から刀で急襲するつもりだ]
577 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/16(火) 23:20:25.42 ID:PlW8jOkP0
>>576
「分かった 手早くな!!」
アキレスが時折銃撃して囮を務める中 ソーマタージがビルを登って強襲を仕掛けようとしている

ギャングの目は完全にアキレスに向いており 強襲は難なく成功 背後から切りかかるソーマタージに泡を喰うギャング
殆どは成すすべなく切られる運命にあるし 工具で持って殴り掛かるものもいたが その動きは酷く緩慢だ

【自動成功 確定で確殺おk】

そして駆けつけたアキレスが ギャングの持っていたスマホを踏まえてデータの吸出し 解析 改造を施し・・・

「よし!! あのクソ共の居場所の逆探知と こっちの通信アプリを偽装して 明後日の方向に向かっているように仕向けたぞ!!」
データ無双な気もしなくはないが アキレスのスマホの中身はSF世界スプロールのハイエンドなもので 現代の科学力では逆立ちしたって太刀打ちできない代物である

「乗れ!! 早速急行するぞ!!」
死亡したギャングの拳銃を奪い 車に乗り込もうとするアキレス ソーマタージが乗ればアクセル全開で男共の元に向かうだろう
578 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/16(火) 23:28:15.84 ID:MTu5vFzO0
>>577
[首を狩り、心臓を殴り潰して暴れまわる]
[コートは血で赤く染まり、さながら鬼のよう]

よくわからんが、あの連中がビビる顔を見れると思うと喜びで震えるぜ!
[一通り始末し、頃合いを見計らってアキレスの車に飛び込むように乗るソーマ]
[その最中に拳銃を数挺拾うのも忘れない]

思いもよらない方法で殺してやる……酒、持ってないか?オイルでもいい
[フードを脱ぎ、急かすようにアキレスに尋ねる]
[瞳は爛々と輝き、正常な人間のそれとはかけ離れている]
連中の電話番号を聞き忘れて損したな。予告するのは嫌いじゃないんだ
579 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/16(火) 23:40:32.45 ID:PlW8jOkP0
>>578
「酒? 俺は持ってない 後部座席にないか?」
運転しながらソーマタージに言う

後部座席には紙袋が鎮座しており 度数の強い蒸留酒と 明らかにやばい雰囲気の白い粉と注射針が少量入っていた

「電話番号? あぁちゃんとデータを吸い出しておいたよ」
先ほどのプリペイド携帯をソーマに放り投げる すでに通信中であり ソーマタージが受け取ったタイミングでつながるだろう

男1「・・・誰だ?」
ソーマの耳に届く 緊張した声の男1 あの三人組のリーダーっぽい男だ

―――――――――それから数分後

男1「おい!! 急げ!!」
男2「大丈夫だ!! 監視アプリを見る限りじゃ あいつら別方向に逃げてる!!」
男3「どうせ襲ってきた連中から逃げながらの恨み節だろ? 焦ることはねぇさ」

アキレス「おやおや集合地点ってのはここだったっけ?」
その言葉に耳を疑う男共 現れるニヤケ顔のアキレス

ソーマタージはどのように表れるか?
580 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/16(火) 23:53:29.85 ID:MTu5vFzO0
>>579
お、あったあった。こっちは俺への迷惑料としとこう
[蒸留酒に満足気に頷き、怪しい粉を持てるだけポケットに仕舞う]

分かってるな。今度何か奢ってやるよ
[電話を受け取り、緊張した声にニヤリと笑う]
アローアロー、ビッグニュースだ。お前らが差し向けてくれた連中な、全員じゃないが死んだぜ
[ヘラヘラした口調から一転、地獄の住人の如く激怒し、携帯を握り締める]
次は手前らの番だぜ。お祈りしとけ!三人分の墓石を用意しとけ!俺が来たあとには何も残らねえと思え!!
[一方的に捲し立てると窓を割り、叩きつけるように携帯を外に捨てる]
[そこでようやく落ち着いたように深く息を吐いた]

そりゃないんじゃないか?一時間にも満たないとはいえ仕事仲間だっただろ?ん?
どういう了見だクズどもめ!
[アキレスの後ろからひょっとりと、どこかで拾ってきたのか鉄パイプを引きずって現れる]
[口調は先程以上に安定しておらず、スイッチを切り替える様に感情がコロコロと変わる]
[明らかに異常だ]
お前ら、お前らだ。俺は言ったはずだぜ?俺を怒らせたらヤバイってな!
[怒鳴って一歩踏み出し、パイプを放る]
[回転しながら飛んでいったパイプは男たちの一人に向けて真っ直ぐ向かっていく]
無礼なクズ共め!
581 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/17(水) 00:10:19.35 ID:2XkU9z9Q0
>>580
男1「ま ま ま まぁ待てよっへへへ・・・だまして悪かったって ほら ここにある金はマフィアの取引を潰して手に入れた金でなぁ・・・」
複数あるトランクの1つを開けると そこにはナンバー不揃いの札束がぎっしり

男2「こいつをもって高跳びするつもりだったんだよ・・・あの時7:3って言ってたの あれお前らが7だったんだよ・・・」
男3「ほら これ持って一緒に高跳びしようぜ だ だかr」

男共はこちらを懐柔しようと 引き攣った笑みをうかべ あの手この手を使って助けを乞う
だが激怒するソーマ ブン投げた鉄パイプは男2の顔面を捉え 歯が折れて血が噴き出す

アキレス「痛めつけてもいいが殺すなよ? マフィアにお仕置きしてもらった方が都合がよさそうだ」
男共が逃走に使おうとしていたボートにトランクを詰め込みながらソーマタージに言う

【判定:この男共は許されざることをした ここで命を奪うべきだ】
【判定:我々にも慈悲の心はある 取引を潰したことへの謝罪をするチャンスを マフィアに恵んでやろう】

【なお 戦闘に関しては自動成功とする】
582 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/17(水) 00:26:57.37 ID:hfKE3yr/0
>>581
何が7だ!10に決まってるだろうが!
[猿のようにとびかかり、サイボーグ特有の筋力で何度も顔面を蹴りつけ、殴る]
[怒号とシャウトがしばらく続き、やがてそれも止んだ]

断る!一回やってみたいこともあるんだ
[ある程度痛めつけ、血で濡れた手でアキレスと男たちを交互に指す]
[一人の顔中に先程の蒸留酒を流し込むと、煙草の火を付ける]
[一人の腹を蹴ると、両手に握った拳銃の弾丸を全て下腹部に撃ち込む]
[そして最後の一人を仰向けにすると、先程の鉄パイプを拾い、急所を外して地面に串刺しにする]
[辺り一面に嫌な臭いが立ち込めるが、気にする様子もなく最後の一人に顔を近づける]
お前はこれを語り継ぐんだ。ラッキーだったな
俺が恐れられるように語れよ。嬉しいだろ?ほら、笑え。スマイルだ
[囁くように告げると服の汚れを払い、ボートへ向かう]

[その途中で脚を止め、駆け足で男に近づくと右手を踏みつけた]
やっぱり腹は立ったから痛みは味わってもらう!
[潰すほどの勢いで踏みつけると、今度こそボートに乗り込んだ]
583 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/17(水) 00:31:56.63 ID:2XkU9z9Q0
>>582
アキレス「うぇ・・・」
嫌な音が響き渡る中 顔を背けて両耳を塞いで暴力の嵐が過ぎ去るのをただ待つ

アキレス「あ・・・おわった? それじゃ行こうか」
乗り込んだボートは車とあまり大差ないのが幸いした キーを回し エンジンを吹かして川を下って行く

アキレス「後は適当なところで乗り捨てて逃げようか」
ソーマタージに提案するのであった

//では〆で お疲れ様でした
584 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/17(水) 22:19:33.50 ID:2XkU9z9Q0
【とあるファンタジーの世界】
人間と戦争は切っても切れない腐れ縁 やれ何が憎いだ やれ何が欲しいだ 難癖つけて争い合う
この世界も 御大層な口上並べ どこぞの国へと攻め込むバカ共が後を絶たない

だがこの世界には そんなバカ共を懲らしめる 隠れた武装組織があったのだ・・・

一行はそんな武装組織に雇われることとなった 仕事は一つ 彼らの『武器』を所定の場所に仕掛けてくるということ

「そして俺らはこれから城の小間使いになってそれを仕掛けてくるんだが・・・」
武器を持たず 【武器】をもって城を移動するロイであるが
手渡された『武器』は 何やら頑丈そうな木箱なのだ

「しかもこれから仕掛けてくる場所って 食糧庫だぞ? これまさか【毒】じゃねぇだろうな?」
どこか嫌な予感を覚える

「まぁ 仕事というからにゃやるしかねぇ 気を付けろ 回りに同調して 気取られないように慎重に・・・」
585 :タェンティース・イルム [sage]:2016/02/17(水) 22:27:46.48 ID:9tUyx8nH0
>>584
「……」

半人はやや神妙な、忌避すべき物事に接するような面持ちでロイの後を影の様に歩き従っていた
赤刃も装甲靴も、信頼出来る然るべき所に置いてある
武器がない状態というのは不安ではあるが、だが半人を、何処かそう不機嫌そうにさせている理由は他にある
それはそう、その『武器』である
ロイの推察が正しかったと仮定して、毒物の類を半人は好まない
正しくは、食事という不可欠かつ大抵の生命に取って娯楽たり得る生きる為の儀式に土足で踏み入り荒らす真似を嫌う

「……ま、仕事なら……」

仕方ないと割り切るにも敢えて口に出す必要すらあった
慣れない小間使いの服装に手間取りながらも、周囲に馴染む努力を惜しまず
586 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/17(水) 22:39:48.02 ID:2XkU9z9Q0
>>585
「仕方あるまい これで戦争を止められるのであれば多少の犠牲 甘んじて受け入れよう」
タェンティースの言葉にちらりと視線を送り  厨房に向かう

厨房は宴に出される料理の補充で蜂の巣を突いたような忙しさであった
食糧庫へ荷物を置きに来たというロイとタェンティースに 額の汗を拭うシェフが目を付けた

シェフ「あぁちょうどいい お前ら それを置いたらそっちの生牡蠣をもっていってくれ 急いでくれよ」

その言葉に焦る 当初の予定では荷物を置いたのち 武装組織の用意した小部屋に移動
ゲストの衣装に着替えて脱出というプランになっていた

だがここで断れば怪しまれる プランに若干の変更を加える必要がある

とりあえず厨房のほど近くの食糧庫に向かい 木箱を開ける だが中から出てきたのは

「・・・・・また箱だよ」
木箱の中に 一回り小さな箱が入っているのだ それも開けてみるが やっぱり出てきたのは箱

「一体どうなってるんだ? マトリョーシカじゃねぇんだぞ」
その箱も開けたが やっぱり箱 いい加減にしろと憤りを覚え始めたころ 出てきたのは

「・・・・だから何なんだよこの緑の箱は? これが【武器】だっていうのか?」
指令によれば これを設置しろというので 近場のジャガイモの入った木箱の裏に張り付け

「とりあえずミッションコンプリートだ 給仕の真似事を始めるぞ」
タェンティースに言って厨房に戻るのであった

緑の紙の正体? 設定投下スレの>164を見れば幸せになれるよ!!
587 :タェンティース・イルム [sage]:2016/02/17(水) 22:50:34.45 ID:gjfhrwWUO
>>586
「まぁ……そうですね」

ロイに言われて苦笑まじりに答える事が出来たのは成長故か
この場を看過すれば更に多くの血が流れるのだとようやく気が付く事が出来た
それもその場合犠牲になるのは戦士兵士だけではない、力無き者たちも巻き込まれてしまうのだから

「……、」

そんなこんなで厨房へ
正に渦中と言った様相、思わず気負けしてたじろぎ固まる事一瞬
ここもまた戦場なのだと解し、やっと行動開始

「え、あ……は、はい」
「……箱に、箱?」
「厳重ですね……ん?」
「貼り付けるだけ? え? いいんですかあれだけで?」

後ろ髪を引かれる様に気にしながらロイに従って給仕を始める
力仕事なら任せろな半人である、大量の皿を曲芸めいて持ち運ぶだろう
588 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/02/17(水) 23:06:35.27 ID:4ZD+fwJs0
>>586
――――黒づくめの少女――ニゲル・アールヴェントも、その仕事≠フメンバーの一員であった。

武器は持つなと言われたので、得物である籠手は仕方なく置いてきた。
そして、いつも着込んでいる黒い服も流石に脱いできて、今は間に合わせの帽子に服というニゲルに似つかわしくない出で立ちである。
黒服が見るからに怪しげな外見なこともあるが、そのポケットの中身があまりにもゴチャゴチャとしている故に、それをいちいち取り出してられないのだ。

しかし、耳は被っている帽子の中に、尻尾は服の中に隠していて、ぱっと見でまずそれらがついていることは分からない。
いつも着ているそれらに比べて違和感を感じているものの、仕方なく、彼女は2人についているのであった。

――――そんなこんなで、任務完了。
どうやらオフダめいた何かであるようで、ぺたりと貼り付けるだけで効果があるという奇妙なもの。

「分かったです。えーと、これ……ですよね?」

それが終われば、何事もないように、ニゲルは数ある箱の中のうちの1つを手に取って。
その箱を、呼ばれた通りに運んでいくのである。幸い、運搬の仕事は慣れている。
589 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/17(水) 23:08:58.23 ID:2XkU9z9Q0
>>587-288
「し〜らね 失敗されたくなきゃちゃんとした説明書寄越すだろ」
どこか投げやりに応え タェンティースと共に大皿を持ち 会場を目指す

〜場面転換〜
そこは宴の場 絢爛豪華な装いの紳士淑女の皆さま 荘厳なるオーケストラの調べ 並ぶ馳走は美味ばかり
ビュッフェスタイルで並ぶテーブルには人だかり この国の至高を味わおうとしており 補充の給仕がひっきりなしに往復していた

一行がそんな宴の場に現れたとき ちょうど主賓であるこの国の王が ゲストたちに自らの大義名分を聞かせ 参道を得ようとしている
演説は中々に好評のようだ 来客からは惜しみない拍手と喝采が飛ぶ

〜その頃食糧庫では〜
ジャガイモの入った木箱の裏に仕掛けた緑色の紙 山葵符が何かの力ではじけ飛ぶ そしてその効力が食糧庫に 厨房に そして宴の場に広がっていくのを認識できた人は 皆無だった・・・

国王「それでは皆に盃を」
そう言ってゲストに盃が配られる そして給仕たちも手を止め 皆が盃を持った 仲には上等な赤ワイン もちろんその中に一行の姿もある

国王「どうぞ 私に賛同するものは 盃を干してください」
そう言うとまず自分が杯を干す

そしてゲストも次々と灰を干していく
んでもって給仕たちにも 早く飲めと無言の圧力が向けられた!!

【危険 山葵符:飲んだら最後 五感のすべてが強烈なワサビに支配される!! これは五感のない 機械の体や 情報そのものにも作用してしまうので悪しからず★ミ】
590 :タェンティース・イルム [sage]:2016/02/17(水) 23:20:24.85 ID:9tUyx8nH0
>>588-589
「……まぁ、それもそうですね」

ロイの言葉に頷き返し、2人と共に大皿運び
バランス感覚もお手の物、両手両肩更に頭に乗せて軽々である
主賓の演説は一応聞いてはいるがどうにも戦好きのそれは好きになれない

「ん……?」
「……え、の、飲むんです……よね、この流れ……」

ふ、と何処かで微細な奇妙な感覚を察する
新造された魔翌力炉が探知したソーサリーパワーなのだが、それをそうだと判断するには場数が少な過ぎる
そして下戸な半人、ロイとニゲルに助け舟を求める様に小声で問い掛けるが覚悟を決めた
くいっとグラスを傾け、口に含む

「あれ、思ったより苦くな……」
「……!?!? 〜〜〜!!!」

想定した味と異なり何だか爽やかな味覚
続き鼻を貫き目を掻き回す様な痛烈な感覚
思わずその場に屈み込み、吐き出す事だけはなんとか堪えた
だがしかし声にならぬ声で悶える事を禁じ得ない!
591 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/02/17(水) 23:32:23.99 ID:4ZD+fwJs0
>>589
「――むぅ。まだお酒は飲める年じゃないのですが……」

その小柄な見た目通り、ニゲルは未だ13歳なのであった。
まだまだそんな歳でないことは自覚の上であるが、どうも周囲の空気からして飲まないわけにはいかず。

「……まぁ、仕方ないですかね。お酒は初めてです……」

――ごく、と盃に盛られたワインを一口。
……何だろう、思ったよりもまずくない。葡萄の芳醇な香りが、寧ろ美味しいと思い始めた――――が、その時。

「むっ、むぐ……ぅ…………!?」

――――ニゲルは、震え始めた。五感の全てが、謎のツーンとした感覚に支配される。
悲しくもないのに、黄緑色の瞳に、じわりと涙が浮かぶ。ぎゅっと双眸を閉じれば、涙が頬を伝う。
辛い、とにかく辛い。――「つらい」ではなく「からい」である。

「何、なの……で――――」

……謎の感覚に襲われて暫く。この凄まじくツーンとするそれに、彼女は既知感を感じ始めた。
アレである。スプロールやニホンなどでよく食されている、スシに付けてたべるワサビ≠ニやらである。
何と無くであるが、その感覚は徐々に強くなっていってる気がして――――

「――――〜〜〜〜〜〜っっっ!!?!?ーーーっっ!!」

――――やがて耐えられなくなったニゲルは、最早声ですらない悲鳴を上げて悶絶!!
自ずとその場に小さくうずまって、ぷるぷると震えていた。
スカートの隙間から覗く尻尾の毛並みは、まるでタヌキのそれめいて、酷く逆立っている。
592 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/17(水) 23:37:51.03 ID:2XkU9z9Q0
>>590-591
「まぁいいじゃないワインの一杯ぐらい」
と こともなげにワインを飲み干し

「ぐぉぼへぇぇぇええええええええ!!!!」
こちらは盛大に吐き出した

目から涙
鼻から鼻水
口からヨダレをまき散らし 嗚咽と共に暴れ回る

そして耳に響く阿鼻叫喚 涙で霞む目で見渡せば 国王以下 ゲストも兵士も 杯を干したすべての人が悶え苦しんでいる
どうやら支持率は100%だったらしいぞ やったね国王!!

この惨劇から逃れようと水を求めるゲスト だがその水すらも山葵味 料理も山葵 嗚呼山葵

「に”・・・に”け”よ”う”・・・・」
地獄から響いてくるような声で2人に提案するロイ 長居は無用だ というか長居したくない

さて・・・山葵の洗礼を受けたことのあるニアがこれを知ったら 一体どんあリアクションをするでしょうか・・・?
593 :タェンティース・イルム [sage]:2016/02/17(水) 23:42:57.22 ID:9tUyx8nH0
>>591-592
「ろ、ロイざま、ニゲルざま……」

ご無事ですかと続くはずの言葉は出てこない
変わりにげほげほと咳き込むだけで、涙と鼻水が止めど無く溢れるのだ

「……、ど、毒よりひどい……!」

ある意味そうだ、破壊力抜群のそれを身を持って体験して命辛々地味てなんとか離脱を測るだろう
因みに武器の預け先にはニアが見張りとして待機している
山葵地獄の先輩として、彼女は盛大に笑ってくれるであろう
594 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/02/17(水) 23:50:52.46 ID:4ZD+fwJs0
>>592
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!?!?!?!?――――――――っっっ!!!!」

ワサビの存在自体は知っていたが、ニゲルにはサビ入りのスシを食べられないという弱点が存在するのである!
まだ幼い頃、一度それが大量に使われた涙巻をうっかり食して、えらいことになった故に!

「ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛、あ゛ぅ゛ぅ゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅっっっ!!!!!??」

阿鼻叫喚と化している宴の会場だが、ニゲルもニゲルで阿鼻叫喚であった。
うつ伏せに悶えていたのが気、付けば仰向けにゴロンと180度。まるで釣り上げられた魚めいてバタバタと苦しむ。
あまりにむずかゆい眼をゴシゴシと擦るが、その度にむずかゆさが増していく。

――――真っ赤な顔で軽く錯乱状態に陥っている彼女は、手が空いているならば、一先ずどうにかするべきであろう。
595 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/18(木) 00:04:49.92 ID:NMd409Uc0
>>583-584
「!!!!!!!!!」
吸う息すらも辛い 半ば過呼吸になりながら仰向けになるニゲルをゲシッと蹴り転がしてうつぶせにし ベルトを掴んで引っ張り上げる

かなり堂々とした逃走劇であったがそれを咎める者はいない だってみんな苦しんでいるのだから
そんなこんなでどうにか脱出するのであった

なお この阿鼻叫喚に乗じて虐殺なりやらかせば その武装組織は完全な畜生となっていただろう
だが組織は山葵符がまだ仕掛けられていることを公開し 戦争に踏み切ればその国はもとより 他国の符も発動すると脅迫

他国の懇願もあり 戦争はお流れになりました
しかもどこかが不穏な空気を醸し出せば 山葵の餌食になるという抑止力が生まれ 互いをけん制し合い小競り合いすらも起きなくなる

こうして世界は山葵の元平和になった 嗚呼山葵に祝福あれ

〜その世界にある止まり木の宿〜
「あ〜ぁ やってらんねぇ・・・」

もっとも その犠牲となった彼らには災難であったが・・・・・

//んではそろそろ〆で おつかれー
「」
596 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/02/18(木) 00:09:59.03 ID:Ll+PBPhQ0
>>594-595
「聞きましたってんですよぉ」
「大変だったみたいってんですねっ……ぷくくっ」

神妙な口振りで切り出すもしかし堪え切れず噴き出すニア
ワイ2ラジオが流す情報でそれを知ったのだろう、今回の『武器』の正体を

「まぁまぁっ、あれだってんですっ」
「今度お寿司でも食べましょうってんですっ、ふふふっ」

//お疲れ様でした、ありがとうございましたっ
597 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/19(金) 21:21:37.67 ID:6UGJ5+wV0
設定は前スレ>878や現スレ>500と同じ

ダンジョンが自動生成し 宝があふれ 冒険者は地下に潜り それをアテにした行商人が行き交う
ダンジョンアタックがビジネスとして成り立っている世界 そこには 他の世界にはない特殊な職業も存在する

〜さる王国の城下町の とある一軒家〜
「それじゃ頼んだよスイーパー(掃除屋)さん」

恰幅のいい婦人が一行の背中をバシッと遠慮なくたたく
一行は仕事の為 この家にやってきたのだ 掃除屋と言われたが 決して彼らはハウスクリーニングに来たわけじゃない

――――発端は数時間前にさかのぼる
「さて仕事だ 今回はスイープをやってもらう」
食堂に集った一行に 紙の依頼書を置いて話し始めるのは同じファンタジー世界出身のあごひげ男

「前に話したか・・・は分からんが この世界にはダンジョンが自動生成される 基本的に人通りの全くない場所にできる者なんだが
 極稀に町中にできることがあるんだ そういう場所にできると 色々と危険だから 早期にコンプリートする必要があるんだ
 そういう町中のダンジョンを攻略することをスイープ(掃除)と言い それを生業にする連中をスイーパと呼ぶんだ」

――――再生終了
「そういうわけで これからこの家の地下室を攻略する 何か質問があれば受け付けるぞ」
と一行に問いかける
598 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/19(金) 21:28:24.23 ID:scn8lZ3y0
>>597
「」

背を叩かれそして民家の地下の洞窟を前に絶句である
半人がこの世界に訪れて洞窟探索がこれなのだ、無理もないだろう
今迄破天荒な世界にも幾つも出会って来たが、ここはその中でも相当アレな部類に入る

「で、えぇと……」
「その、コンプリート? 探索を完了させれば、この洞窟は消えるのですよね?」

スイーパーとしては極めて初歩的な質問を、小さく挙手してから尋ねる
599 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/19(金) 21:33:26.36 ID:kzle9jEN0
>>597
その地下室、どれだけ広いんだ?
[手を挙げ、気だるげに尋ねる]
分かってる範囲でいいんだ。狭いなら狭いでコレ置いてくからよ
[吸い殻を携帯灰皿に捨て、腰に吊られた刀に手を乗せる]
[通常の刀よりもやや大きい戦場刀は、狭いところでの戦場には向かないのだ]

それと報酬。確認だけどちゃんと出るよな?
渋られたらキレるぜ俺は
600 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/19(金) 21:47:08.35 ID:6UGJ5+wV0
>>598
外はきれいな石畳 ファンタジーな装いの中に モダンの色が見える素敵な街並み
なのにこの地下は場違いなほどに天然洞窟 なんか苔は生えてるし 鍾乳石は垂れ下がってるし

「スイープは基本的に三工程を踏まえて行われる」

1偵察(内部がどうなっているか? 敵の規模はどうか? 罠の有無は? 等を調べる)
2制圧(最奥のボスを斃し そのダンジョン最大の宝を手に入れる)
3掃討(残りの宝やモンスターを残らず駆逐)

「このすべてが終わったとき ダンジョンは姿を消し 元の形に戻るんだ そして俺らの仕事は2の制圧だ」

>>599
「事前の偵察の結果は・・・」
1を受け持った冒険者からもたらされた地図を広げる

「ちょっとした館程度の大きさ 階数2 モンスターはゴブリン ボスはホブゴブリン(通常より大型のゴブリン)だな まぁ戦場刀も使えるだろう」


>>全員対象
「それじゃ行こう」
といってその洞窟に踏み込んだ

―――――ダンジョン【小鬼蠢く洞窟】
入ってみると そこかしこに松明が掲げられ 見通しは悪くない 
だがカバーしきれない闇に蠢く気配を感じることができるだろう

そしてその暗がりから 粗末な矢が 一行に降り注ごうとしている
601 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/19(金) 21:56:39.81 ID:scn8lZ3y0
>>599-600
「なるほど……」

簡単な情報のおさらいと、それと大凡の広さが示される
地図を覗き込んで確認、ふむふむと唸った
ゴブリン、幾つかの世界で出会った事があるが、それぞれや生息地により関係が変わりやすい種族だと認識している

「今回は敵ですか、まぁ……」

オーガやオーク等の厄介な敵でない事にやや安堵
とはいえ気を抜ける相手でもない事も確か
悪知恵がよく働くモノが多い

「……はい、宜しくお願い致します」

立ち入って直ぐに感じる、人間の領域にない空気
赤刃を手に、センサーや、それだけではない感覚を研ぎ澄ませてゆっくりと進む
位置はなるべく先頭を取ろうとするであろう

「……!!」

赤刃を宙に向けて振り払い、飛散するモノが何かも分からぬウチに切り払いを狙った
602 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/19(金) 22:01:58.28 ID:kzle9jEN0
>>600
そりゃ良かった。飯の時間までには帰れそうだ

[フードを目深に被ると、酸素供給機を装着して内部を見渡す]
[真っ暗ではないが、それでもまだ闇は残っている]
ああいう所が気になるんだよな。なんか変なの住み着いてそうでさ…分かる?
[何かの気配を感じる闇を指差し、周囲に軽口を叩いた途端、降り注がれる矢]
[咄嗟に幾つかを刀で弾き、残りは身体を逸らして避ける]

ああクソッ…あっちか!?
[舌打ちと共に刀を背負うようにし、左手を差し伸ばした構えで駆ける]
[さながら狂犬のように目星を付けたところへ突っ込み、敵を殺す。それだけだ]
[急所に攻撃がいかない限り、矢を全身に受けてもその脚は止まらないだろう]
603 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/19(金) 22:15:51.84 ID:6UGJ5+wV0
>>601-602
先頭を行くタェンティース その眼が何かを捉えた 闇の中に動態反応をセンサーが感知 
打ち払ったそれが二つに折れるのを見て 黒曜石の矢じりを持った矢であることを悟るだろう

矢が打ち払われた隙を突いてソーマタージが突撃を仕掛ける
闇の中で第二射を急いでいた複数のゴブリンの内一体が 戦場刀の一撃に両断される

だがほかのゴブリンが 雑多な武器を手にソーマタージへと攻撃しようとしてくるだろう

ロイ「タェンティース!! 先にいけ!! 制圧組はボスを斃せば脱出できる!!」
ソーマタージを援護すべく駆け出したロイがタェンティースに叫ぶ

そして下り階段を見つけたタェンティース
降りた先に 複数のゴブリンへ叫ぶ ひときわ大きなゴブリンが見えるだろう
604 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/19(金) 22:24:41.60 ID:scn8lZ3y0
>>603
「これはまた……」

粗末な武器だと判断、だがしかしそれでも当たりどころ次第では危険な事には変わりない
弓は原始的かつ強力な武器であるというのは不変なのだから

「……オーバー、分かりました!」
「ロイ様も、ソーマタージ様もご無事で!」

ロイの指示に従って階段を駆け降りる
大ゴブリンを発見すればボスであると即座に判断、断定と言っていい

「……はぁっ!!」

気合一閃、短く叫び低い姿勢でゴブリン達へと迫る
そのまま赤刃を振るい、先ずは周りのゴブリン達を掃討せんと狙うだろう
605 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/19(金) 22:29:16.77 ID:kzle9jEN0
>>603
来いやクズめ!イエー!イエー!
[瞳を赤く光らせ、返す刀で纏めて武器を防ぐ]
[それでも複数で襲われたならば、全ては防げず、攻撃を食らうだろう]

こっちに連れてくるなよ!面倒は嫌いなんだ!
[ロイに便乗するようにタェンティースに指を指して叫ぶと、ゴブリンへ再び集中する]
[今自分から攻めても、せいぜい一、二体を斬ったところで周囲の他のゴブリンに殺されるのがオチだろう]
[まずは自分の周りのゴブリンの注意が逸れるのを出来るだけ待つ]

離れたとこにいたらそっち狙ってくれ!周りのは俺が殺る
[向かってくるロイに声をかける]
[恐らく離れた所にもまだまだいるはずだ。逆に自分がそいつらに集中を乱されては堪らない]
606 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/19(金) 22:47:20.31 ID:6UGJ5+wV0
>>604
気合いと共に一体のゴブリンを両断するタェンティース
それを取り囲もうとするゴブリン達であったが

一つ叫び声を上げ ホブゴブリンが廻りのゴブリンを押し退け 巨大な石斧を手に接近してくる
俺がこいつをヤる そう言いたいのだろうか?

その腕は大きく肥大し 一撃を繰り出すパワーを持っていることを主張する

そして突撃 タェンティースの頭をカチ割らんと 存外に素早い動きで接近してくる

>>605
「分かったよソーマ 死ぬなよ!!」
ソーマタージとロイは 回りのゴブリンを間引いてタェンティースの援護とすべく戦っていた

さらに奥の暗がりで矢をつがえようとしていたゴブリンに突撃するロイ

そしてソーマタージの回りのゴブリンも 次々に数を減らしながらも 攻撃の手を緩める者は無い
一体のゴブリンがこん棒を手に 膝を痛打しようと アッパースイングの一撃を繰り出した
607 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/19(金) 22:54:10.01 ID:scn8lZ3y0
>>605
「なるべく!」

そう出来るのが最良である
叫ぶように返答、階段を降りる

>>606
「大き……速っ……!」

先ずその体躯に息を呑み、そして速度に目を見張る
だがそれでも新造された体は極めて鋭く反応し、身を翻した
斧の一撃が纏う旋風を背に感じて、すぐに回転の勢いをつけた横薙ぎを繰り出す
608 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/19(金) 23:00:14.92 ID:kzle9jEN0
>>606
[時折反撃しつつ、ひたすら耐える]
[酸素供給機の奥から歯ぎしりの音が漏れ、傷口から血が吹き出る]
やっぱりこっちに加勢させた方が良かったかな…?

グワーッ!畜生!!
[ただ耐えることなど出来る訳がない。膝に振られた棍棒には直前まで気づけなかった]
[人工筋肉が潰れ、内部の強化骨格にヒビが走る]
[血を流しながら自分の愚を呪い、仰向けに地面に倒れるソーマタージ]

[その時変化が起こった。両目は怒りに細められ赤く光り、潰れた膝を鉛色の触手が覆っていく]
ふざけるなよクソ共!こっちが攻勢だ!
[周囲のゴブリン達に向けて叫ぶと、転がったまま彼らの脚に向けて刀を振るう]
[今更耐え続けるなど出来やしない。ならば出来る限り数を減らすまで]
[お返しと言わんばかりに振るわれた刀はどうなるか]
609 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/19(金) 23:16:50.71 ID:6UGJ5+wV0
>>607
ブンと通り過ぎる死の旋風
それを掻い潜り振るわれた横薙ぎの一撃

だがホブゴブリンは 斧刃が地面に食い込む前に柄を引き 素早く横薙ぎを振るって斧刃をタェンティースの刀身にぶつけた

【判定 装備の耐久力:自然石の斧刃はかなり頑丈にできていて 刀の質によっては刃こぼれを起こしたり 最悪装備破壊の危険性を持っている】
【判定 切れ味:刀の切れ味が『逸品』クラスであれば 自然石の斧刃を切り裂き ホブゴブリンに対してダイレクトアタックを仕掛けられる(この場合確殺可能とする)】
【判定 腕力:ホブゴブリンは『人並み外れた』筋力とする タェンティースの腕力次第では 力負けする可能性がある】

もしもホブゴブリンがこの一撃に競り勝ったのなら 続けて今一度頭をカチ割ろうとする一撃を放つだろう

>>608
膝に一撃を食らい 倒れるソーマタージ それでもなお攻撃の手を緩めない
足を切られて次々と地に落ちるゴブリン 気付けば倒れていないゴブリンは近場からいなくなっていた

後は足に重症を負い ジタバタともがいているゴブリンのみ 命を刈り取るのにさしたる苦労はないだろう
610 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/19(金) 23:26:33.66 ID:scn8lZ3y0
>>609
「……っつ……!!」

装備に、赤刃に対する不安の一切はない
不壊とはいかずともこの赤き逆ルーン刃は極めて強固な材質であり、現に傷一つ受けてはいない
斬れ味も一級以上だ、刃が斧に対してややナナメに噛み付いて為切断とまではいかないが

「……!!!」

全身に力を込める
排熱と、過剰魔翌力がぼんやりとした赤い燐光となり体から出でて周囲を照らし、洞窟の床にヘルメスの靴底が喰い込んだ
そのまま押し込み、斧を弾き、そして返す刀で薙ぎにせんと狙っている!
611 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/19(金) 23:29:12.80 ID:kzle9jEN0
>>609
[周囲のゴブリンが全て倒れ、起き上がるソーマタージ]
[潰された膝からは未だに白い血が溢れている]
[酸素供給機のお陰で息切れなどはないが、フードの下の素顔はひどく疲れたような表情をしている]
やれやれだ。直すの大変なんだぞ…
[小さく呟くと、もがくゴブリン達にトドメを刺そうと刀を振り上げる]
[特に何もなければ、首をはね、心臓を貫き、頭を踏み潰していくだろう]

そっちはどうだ、済んだか?
後はあの姉ちゃんに期待だな。今の俺には期待するなよ
[膝に棍棒を受けてしまってな。と薄く笑い、片足を引きずりながらロイに近づく]
612 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/19(金) 23:44:01.50 ID:6UGJ5+wV0
>>610
斧刃に対して斜めに噛み込んだ刀身
そしてタェンティースが赤く燃え上がる 否 過剰魔力が周囲に拡散しているのだ

そのまま尋常でない膂力をもって石斧を弾き飛ばすタェンティース
訳も分からず呆然とするホブゴブリンを両断するのは決して困難なことではなかった

>>611
そして地下一階の攻防も終結を見せた
ソーマタージは周囲のゴブリンを屠り ロイもまた同じく ゴブリンを血祭りにあげている

すると地下二階から断末魔の悲鳴が聞こえる
「あれはホブの断末魔だな タェンティースがやってくれたか こっちは・・・」

ソーマタージの膝は中々に重症だ

「よし 制圧は完了だ 撤退しよう この仕事はギルドからの依頼だから 額は兎も角支払いの確実さは信頼してもいいぞ」
そう言ってソーマタージに肩を貸し 一足先に地上へ戻ろうとするだろう

こうして制圧は完了 別パーティが掃討を行い 地下室は直に元の部屋へと戻るだろう・・・・・


//では〆で お疲れー
613 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/19(金) 23:52:09.76 ID:scn8lZ3y0
>>611-612
「あつっ……」

要するに赤い燐光は熱と魔翌力の混合粒子である
それを全身から染み出させ纏っているのだ、そりゃあ暑い
ぶん、と赤刃を振るい血を落とす

「……しかも、これ……」
「止まらない……?」

まだこの体に不慣れであり、自身ですら解明出来ていない力も多い
熱と魔翌力の制御に四苦八苦しつつ、赤い残光を帯びたまま2人と合流する事になる
洞窟を出る時には収まっているものの、今度は熱した体への過剰冷却での極寒体験が半人を待ち受けているのであった

//ありがとうございました、またよろしくお願いしますっ
//お疲れ様でしたっ
614 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/19(金) 23:53:47.32 ID:kzle9jEN0
>>612
汚え声だ。相手しなくてよかったぜ
[フードを脱いで装備を外し、煙草に火を着けようとマッチを探してバランスを崩し、転びかける]

そりゃよかった。三等分だよな?
[肩を借り、ロイに連れられ地下室から出る]
[しばらく椅子に座ることすら出来なかったのはまた別の話]

//乙ですー
615 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/20(土) 21:17:39.99 ID:Ilu7M11V0
【とあるファンタジー世界】
これといった特産もない 辺鄙で小規模の村

そこの猟師の青年が農夫の娘に恋をした
人目を忍び 夜の森で恋を語らい 時には青年が娘の畑を手伝って恋を育んだ

その結果 2人は結ばれた 愛は成就した
結ばれる2人の門出を祝うために 農夫と猟師の親は精一杯の準備をしたが
その村は飢えるほど貧しくなくとも 決して裕福とは言えなかった

だが そんな状況をかぎつけたとある幽霊が現れたのは はたして幸運なのか・・・?

【その村の とある小屋の中】
ロイ「う ふ ふ ふ ふ ふ ふ ・・・」
無駄に多芸のこの男 普段から厳つい顔に似合わぬ芸当を多用してきたが 今やっていることは今までの似合わぬ芸当の極みにあることだろう

ドレスを製作しているのだ

シルクの反物を用立てる金を稼ぎ 一枚の布を切ったり縫ったりして形を整え 今はシルクの糸を使って 襟元や袖などにびっしりとレースを編んでいるのだ
すでに一週間 碌な睡眠を撮っていない突貫工事 目には真っ黒な隈をびっしりと貼り付け 口元はヤバそうな笑みを浮かべながら 目の痛くなりそうなレースを編み込んでいる

アキレス「お・・・オッサン飯ここ置いとくよ〜・・・」
下手に邪魔したら殺される アキレスも茶化すこともできず ただ飯を傍に置いとくぐらいしかできなかった

今日はそんな田舎からのお話
616 :エルダiamspecter [sage]:2016/02/20(土) 21:25:05.34 ID:w/9AxwQKO

「……」

流石に居心地の悪い幽霊。
確かに、どうにかしてあげられないか、頼みごとはした。
出来るだけの謝礼も、幽霊なりに考えて用意はしてある。

だけども。

「……こんな、こんなに怖い顔してレース編みをしている英雄様見たことないわ」

こんなつもりじゃ、と肩を落としている。
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2016/02/20(土) 21:25:40.34 ID:w/9AxwQKO
まさかのトリップ割れ 幽霊はびっくりした
618 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/20(土) 21:31:18.40 ID:370DGLVF0
>>615-616
「ロイ様に、」

落ち着かない様子でそわそわと、食事中だというのに篭り切りのロイの様子が気になるのであろう半人
切り出した言葉も何処かふわりと浮き足立つ感覚が否めない

「……あの様なしゅ……と、特技があるとは思いませんでした」

趣味と言い掛けて止めたのは好奇とは真逆の理性である
それはそうだろう、普通に考えればあれは依頼の品などその類である
だがそれでもやはり何処か邪な心が、半ばまでその単語を滑り出させたのだ

「お手伝い、した方がやはり……」

因みに半人、新造ボデーにロクに慣れておらず数日前に手伝おうとしていきなり反物を破り掛けた前科があったりする
619 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/20(土) 21:44:20.59 ID:Ilu7M11V0
>>616
ロイ「ふ ふ ふ ふ ふ ふ ふ ふ ふ ・・・」
肩を落とすエルダの耳にエンドレスで聞こえてくる 薄気味悪い笑い声
そしてグルンと首を回してエルダに顔を向ける

その時の顔はエルダを写真に収めたときといい勝負なぐらい おっかない顔だった

ロイ「我ら敬愛せし御身の名は 常に部隊の頂点であれ プラチナムの輝きは 常に至高と心得よ・・・」
骨身にしみこませた特殊部隊の心得を呟き また顔をレースに向けて手を動かし始めた

ロイ「う ふ ふ ふ ふ ふ ふ ふ ふ ふ ・・・」
笑い声と共に

>>618
アキレス「あのオッサンすごいんだぜ〜 指でセーターとか編んでくれるし」
ジャケットの前を開ければ そこには手編みの素朴なセーターがお目見え メイドインロイ

アキレス「いまあんまり変なことを言うとホラ オッサン極限状態だし暴れ回っても困るって」
慌ててタェンに耳打ちする たぶん今のロイがバサーク状態に陥れば 辺り一面ぺんぺん草も生えなくなってしまうだろう

アキレス「俺らはホラ 邪魔しないように 何かご馳走になる獲物でも獲ってくるか 外装的な準備を手伝おうよ」
と提案した
620 :エルダ ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/02/20(土) 21:50:24.92 ID:w/9AxwQKO
>>618-619

「ぴぃ!?」

ロイの顔に驚き、怯えが混ざり悲痛な悲鳴をあげる。
幽霊であるというのに命の危機を感じる程であり――。

「ね、ね、ね」

「あなたたち、私を助けて下さる? ね?」

アキレスとタェンに、小声でそう必死にお願いする。
とにかくロイのご機嫌をとれるような何かを用意しなければと考えている。

「でないと本気で除霊されてしまうわ……」

身を抱いて、ぶるりと震える。
621 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/20(土) 21:53:45.24 ID:370DGLVF0
>>619-620
「指で……!?」

それを、と愕然として戦慄
圧倒的女子力の差である、完敗を喫しあやゆく膝から崩れ落ちそうになるのを右手が壁に付いて支える

「え、えぇ……確かに……」
「……力仕事ならお任せ下さい、力仕事なら……」

なるほど確かに今のロイから発される殺意とも付かぬ悍ましいオーラは圧倒的である
2度同じフレーズを繰り返し自身の役目を確認、血の涙を拭い去りアキレスに頷いた

「……と、言う訳で」
「我々は今から食料調達か、外装工事に入りますが……」

エルダ様は、とアキレスにチラリ視線を向ける
この場の選択権を委ねた格好である
622 :エルダ ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/02/20(土) 22:11:29.84 ID:w/9AxwQKO
>>621

「ご、ご飯ね。その方がきっといいわ」

「英雄様好みのお料理を、どうにか都合したほうがいいと思うの!」

ぱん、と手を打って。
何が好きか知らないけれど、男の人が好きな食べ物と言えばお肉だ。
それをうまい具合に塩と香辛料で何かをどうにかすれば大丈夫のはず。

「あなたもそう思うでしょう!?」

幽霊には余裕がなかった。
いつもより口調もちょっと違う有様だ。
623 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/20(土) 22:13:58.00 ID:Ilu7M11V0
>>621
アキレス「あぁ マフラーほどの幅の 毛糸で編んだ布を複数作ってな それをつなぎ合わせて作ってくれたんだ」
参考動画https://www.youtube.com/watch?v=A4WtNDoF_vU

アキレス「さぁ〜て それじゃ俺らは宴で出すご馳走でも狩ってくるかねぇ!!」
懇願するエルダの言葉を掻き消すような わざとらしい声で外に出る

ご機嫌取り頑張ってねエルダちゃん(目逸らし)
外に出て 背負っていたトレンチガンをシャコンとポンプアクション

アキレス「この時期だと 何がとれるかね? 宴に肉が出りゃみんな喜んでくれると思うよ」

>>620
そしてガタンと椅子が蹴倒される音が響く
見れば相変わらずのマジキチスマイルのロイがエルダに詰め寄っていくのが見えた
まぁその頃には 少なくてもアキレスは脱出済みなのだが

ロイ「おぅできたぞエルダ これで十分だろ十分って言えよコラ」
そこには純白の服に 細かなレース

ロイ「次はなんだ? 何を作ればいいんだオラ今ならなんだってできるぞ俺はオラさっさと言えよオラ」
凄く楽しそうに質問してきます
624 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/20(土) 22:21:08.67 ID:370DGLVF0
>>622
「え、えぇ、そう思います……」

エルダの有無を言わせぬだがしかし焦燥の様子に苦笑

「……えーと、で、では私達は獲って来ますので……」

おっとここで>>623のアキレスに同調、ロイがやって来るのを確認してソソクサと出て行ってしまったではないか
トカゲの尻尾切りに近い形での逃走重点

>>623
「えぇと……鹿とか、猪、ウサギ……」
「とはいえ寒い時期ですからね……」

あとついでにこの辺りの生態系も分からない
ガンを構えるアキレスの隣、ロイの声を背に聞きながらうむむと唸る

「川で魚とかでも、いいですかね」
「……お肉の方が華はありますが……」
625 :エルダ ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/02/20(土) 22:22:35.68 ID:w/9AxwQKO
>>623

「ぴぃぃぃ!?」

にげられない!
わたわたきょろきょろあたりを見回すが、どうにもならない気配!
と、ここでロイの作り上げた花嫁衣装に目がいく。
生前の自分が見ても、きっと羨んだだろうという出来栄えのそれで――。

「とても……素敵な衣装、ね」

「英雄様、ご協力ありがとうございました。謝礼もいたしますわ……だから、今はゆっくりお休みになって?」

「無理をさせて申し訳ないと、思って……います、わ……?」

これほど素敵な衣装を作り上げてくれた。
これなら、きっと式は美しく、詩的で、そして両家にとって幸せなものになるだろう。

「そのう……本当に、本当に素敵で、……助けてくれて、ありがとうございます、わ」

両手を組んで、深く感謝を示す。
これで、あの恋人達の笑顔が見れるなら。幸福の光が存在するなら――それで何より、だ。
あとはロイが納得してくれる謝礼を渡せるかどうかであった。どうしよう。
626 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/20(土) 22:36:31.39 ID:Ilu7M11V0
>>624
アキレス「あぁ だがこの辺は冬眠しないのがちらほらいるらしいし そこら辺を攻めてみるか というか俺も肉が喰いたい」
遠くに聞こえるエルダの悲鳴を聞きながら やってきたタェンティースに言う

―――そして獲物を探すこと 暫し

2人の耳に聞こえてくる 荒い息遣い 見ればすでに臨戦態勢の熊がこちらに突進してくるではないか!!

アキレス「ヨッシ何とかしてあいつを狩るぞティースタン!! 前衛よろしく!!」
早速無茶ブリktkr

>>625
ロイ「・・・・・」
ズンズンとエルダに近寄る

ロイ「・・・・・・・・・・」
ズンズンズンズンとエルダに近寄る

ロイ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
エルダに無言で詰め寄る そして・・・

ロイ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・きゅう」
バタリと倒れてしまった そして聞こえる寝息

―――しばらくお待ちください
ロイ「いや〜根を詰めると碌なことがねぇな全く あぁ終わったぞレース編み」
少しの仮眠で 少なくても極限状態は解除されました
ゴキンゴキンと首の骨を鳴らしながら笑みを作る

ロイ「それで? 2人はどこ行った?」
627 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/20(土) 22:41:29.71 ID:370DGLVF0
>>626
「なるほど、豊かな土壌ですものね」

村は小さいがその分周囲の自然は手付かずで豊潤だ
そこまで冷え込みも酷くはない、越冬を行うモノがいても何ら不思議はない

「……ん?」
「……え? ち、ちょっと、アレですか!?」
「くっ……このっ!!」

フゴフゴと危険な威嚇音、直後に響く地響きが如き足音
暴風めいて迫るそれを前に赤刃を抜き放ち構え、熊の突進に合わせて横薙ぎを振るう
628 :エルダ ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/02/20(土) 22:42:03.97 ID:w/9AxwQKO
>>626

「……」

詰め寄られている最中に顔を青くしていたが――。
ロイが倒れたと同時に(幽霊なのに)放心する。
余程恐ろしかった、らしい。

――

「え、ええと……宴のための食材探し……それもお肉を求めていきました、わね」

「鹿か猪あたりじゃないかしら……」

よもや熊狩りの流れになっているとはつゆしらず。
単純なジビエ料理にする流れかと、一人納得していた。
新郎は猟師の子らしいし。食材さえとれば向こうでなんとかしてくれるだろう。
向こうがすでに何か考えているにしても、きっととってきて邪魔になるわけでもないだろうし……と、クマとは思ってない故に、油断しているのだ!
629 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/20(土) 22:57:32.61 ID:Ilu7M11V0
>>627
アキレス「だいじょ〜ぶ!! 元気があれば何でもできる!!」
慌てるタェンティースであるが 石斧に食い込むレベルの切れ味を誇る刀と それを支える膂力の前には クマの毛皮もさしたる効果は無かった
その腕をずんばらりと 難なく切り裂くタェンティース さすがに転げ回る熊

アキレス「逃がすなティースタン」
ドガンとショットガンをぶっぱなし 援護とするアキレス 戦闘はすぐに終わるだろう

>>628
ロイ「肉か あぁ肉があった方が盛り上がるだろう 行ったのはタェンティースと散弾銃持ったアキレスだろ? 油断しなきゃ問題ないさ」
ならば自分が出張る暇はなさそうだ そうなると少々時間ができる ならば

ロイ「何か自然石でも探してきて宝石の代わりでも作ってみるかね? やり始めたらまた徹夜しそうだけど なぁに気合いがあればちょっとの徹夜ぐらい・・・」
なおこの男 すでに二徹しているのだ(さっき仮眠を取ったが)

今徹夜すると すぐにあの極限モードに突入するが はたしてそれを是とするか?
630 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/20(土) 23:02:52.86 ID:370DGLVF0
>>629
「元気は元気ですが……!」

散弾の支援を受け赤刃を両手持ち
短い嘶き、全身が仄かに輝いた

「……美味しく、頂きますからっ!!」

赤い燐光を軌道に残し刹那の踏み込み
大上段に構えた赤刃をほぼ全生命体共通の弱点であろう脳天に向けて一気振り下ろす
631 :エルダ ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/02/20(土) 23:16:32.75 ID:w/9AxwQKO
>>629

「も、もうしばらくお休みになって、ね……?」

先ほどのがよほど堪えたのか、ぷるぷるしながら徹夜をやめさせる。
衣装の時点でもう十分すぎる程協力したといえる。
これ以上はおせっかい、かもしれない……勿論、合った方がよりいいのは確かかもしれないが。

「……ね、ね。式には英雄様も出る、でしょう?」

「そのクマを取らないといけませんわ。だからもう少しお休みになって、ね」

そんな風に言って説得。
小さく微笑んで、ロイの知らぬ言葉で何事か穏やかな歌を歌ってみたり。

「――子守唄になるかどうかわからないけれど、お休みの一助になれたら嬉しいわ」

//早くも眠気が限界なのでこれにて……! 絡みありでした……!
632 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/20(土) 23:26:38.18 ID:Ilu7M11V0
>>630
その刀身は熊の脳天を真っ二つに切り裂いた
明らかな致命傷 ドサリと倒れて痙攣 直に動かなくなる

アキレス「ヨシッ これでいいだろ」
この戦果にはアキレスも満足気だ

アキレス「それじゃ運ぼうか 俺らじゃ血抜きとか解剖とか分からないし そういうのは専門家に任せるに限る」
といってデモンアームを起動 青い霧纏う腕で熊を持ち上げようとする

アキレス「あ ティースタン脚の方お願い」
まぁ 結構大きな熊は 1人では持ち上げられなかったらしいが

>>631
ロイ「・・・・・・」
エルダの懇願 そして子守歌 その心地いい歌声は 眠気を誘い

ロイ「・・・きゅう」
この男を夢の世界へと引きずり込んだのだ

そしてタェンティースとアキレスが戻ったころには 歌うエルダと地面に倒れ伏して眠るロイが見えることだろう
633 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/20(土) 23:34:05.84 ID:370DGLVF0
>>632
「……ふぅっ……」
「えぇ、分かりました」

しゅう、と放射する熱波を抑え込み一息
頭を落として内臓を、など一応の基礎は知識としてあるが実践した事はない
そもそもここまでの大物である、慣れている者に任せるのが一番であろう

「……よっと」

ひょいとそれぞれの手で足を一本ずつ持ち上げて軽快な歩みでロイの元へ

「……えぇと……」
「ま、まぁ……」

そして帰還、可愛げに眠るヒゲのゴツい男の姿を前に苦笑
しかしお疲れ様ですと小声で告げながら適当なかけ布を掛ける事くらいは出来た

「……じゃあ、まぁ……」

熊は地元のハンターと協力して調理するとするか、なんて思いながら大物を改めて見やるのであった

634 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/20(土) 23:34:41.00 ID:370DGLVF0
>>631
//お疲れ様でした、ありがとうございましたっ
635 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/20(土) 23:47:09.89 ID:Ilu7M11V0
こうしてアキレス達がもってきた熊と ロイ渾身の出来であるドレスによって その結婚式は盛大なものとなった

そしてドレスはその村に伝わる伝統的な衣装として この村の結婚式で幾多の花嫁たちに着られることとなったという・・・

//おつかれー
636 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/20(土) 23:51:11.28 ID:370DGLVF0
>>635
「……ああっ、また切れちゃった……」

そんな折、片隅で毛糸を相手に四苦八苦する半人の姿があったらしいのだがこれはまた別のお話……

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
637 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/22(月) 22:59:45.58 ID:zki8yY1To
【蜥蜴職工の剣】

「キラーン☆デス」

 先日、依頼をした剣が完成したとのことで早速構えて、
 カッコイイポーズ(これはオリジナルの悪癖が移ったと本人談)を取っているα-12である。
 すなわち、剣を片手に掲げている勇者的ポーッズ!に他ならない。

【極薄の片刃の剣は正に鋭さ一辺倒に実に性質的に極めてピーキーな代物となっている】
【刀身の形状は大量生産に向く、かと思いきや、高度が技術が必要なため、一流の職工になら数を打てる
 という珍妙なコストパフォーマンスとなっている】

「打ってもらってから気付いたのデスガ…α-12は剣のお稽古をシタことがありまセン」

 極めてピーキーな剣を拵えさせといてコレである。
 そも短機関銃がメインウェポンなのに剣ナンデ?

「α-12はガサツで脳筋な姉どもと違って文明人。瞬間的なパワはあまり無いデス。
 が、精妙さなら負けてマセン。そしてサブマジンガンじゃあ相性悪い相手への手段が必要デス」

 とのこと。

「つーわけで、実戦式試し切り?・・・もといズンバラ実験台?…もとい真剣な演習?たのもーデス。」

【特殊部隊まんまな黒尽くめのガスマスクがこの胡乱さである。酷い絵面であることは言うまでもない】
638 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/22(月) 23:07:03.52 ID:gCYUFO+B0
>>637
「だからあの時用意しておいてやったじゃないかほれ」

そういって持ってきたのは あの時と寸分たがわぬサンドバッグ
顔の部分には あの時と寸分たがわぬ渾身のドヤ顔ロイの絵がセロテープで貼りつけられている

ロイの声「アハッ・・・アハッ・・・アハッ・・・アハッ・・・」

ただ違うのは あの時高い所から落っことして壊れてしまい とぎれとぎれのロイの声を断続的に流すテープレコーダーだけである
639 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/22(月) 23:13:44.67 ID:zki8yY1To
>>638

 BANG!!サブマジンガンの抜き打ち!!
 アワレ、ドヤ顔サンドバックは二度目のヘッドショット死!ナムアミダブツ!

「…原始人=サンの脳みそは一度ちゃんとオーバーホールにかけるのをオススメシマス。
 真面目なα-12は、このおふざけキャラクターに実に憤りを覚えます」

 何か抜き打ちポーズでカッコイイポーズその2をしながら、
 その場に鏡を持って来たいことをのたまうクローントルーパー。

「原始人=サンは非文明的なタクティカルには無駄に詳しいと聞いていマス。
 つーことで、その野蛮で無節操なワザマエは実験体に相応しいデス」

 そうすると、α-12は高振動ブレードを両手に持って正眼の構え。

「メタ的に言うと、スムーズ重点デス。ふぁっくおふデス」

 ものすっごく、見栄え重視に振りかぶると、ずんばらりんと何の遠慮もなく振り下ろす。
 思いっきり真剣でやってやがるがまあ大丈夫ぢゃね、と思える。ロイだし。
640 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/02/22(月) 23:14:23.70 ID:ETZG+fb50
>>637
「ふむ……………………」

「剣は私もあまり扱ったことない私ですが、近接攻撃なら大の得意なのです」
「いわゆるえきすぱーと≠ニかいうものです。よく分からないけど、多分、チャンバラの役にも立つと思うのです」

実際、彼女は「斬る」よりも「殴る」「蹴る」をひたすらに多用した脳筋戦術を得意とするのだ。
果たして剣術のそれと共通点があるかどうかは分からないが、動きや身体の捌きぐらいなら、まぁ役に立つだろうと考えて。

「――――まぁとにかく、良ければこの私、ニゲルが相手するのです」
「どこからでもかかってこい、なのです!」

闇に溶け込む漆黒のフードを深く被り、生まれた影から黄緑の眼光を覗かせて。
両手に爪付き籠手を装着すれば、ファイティングポーズ。やる気満々である。
641 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/22(月) 23:21:30.23 ID:zki8yY1To
>>640

「でがバトルロワイヤル形式にしまショウ。
 まーぶっちゃけ、狙いたい奴を狙ってあわよくば事故死狙いデス。
 正々堂々、怪我にはごちゅーい」

 のたまっているのは、今回、『お稽古』の提案をしているα-12。
 カノッサ・テクノロジー社のクローントルーパー。最大の問題児である。
 理由は、この言動からお察しください。

「ロワイヤルと言ってしまいましたが、爆弾首輪要りマス?ファッション的に」

 言いながら、正式名ガダルカナル22号を差し出すα-12。

「では、肩の力を抜いたリラックスはここまでにして、稽古かもーんデス」
642 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/22(月) 23:24:46.60 ID:gCYUFO+B0
>>639
「まぁ〜ったく作ってやったんだから使えよぉ」
撃ち抜かれるサンドバッグを眺めながら呟く ついでにサーベルを抜き


「腕だけで振り下ろしても鞣し革一枚切れんぞ」
あっさりとその一撃を受け止める 合金スチールの 切れ味特化型の剣が ただの鋼のサーベルにである

「切り裂く剣にはそれなりの切り方がある 腕力のみで使わず 重心移動で剣に体重を加えるなり 剣先滑らせて切り裂いたりせんかい」
グイと力を込めて αの剣を弾き返そうとする
643 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/02/22(月) 23:40:40.26 ID:ETZG+fb50
>>641
「――――目安は、お互いギリギリ殺さない程度です」
「あと、お互い搦め手はナシでいいですね。いわゆるふぇあぷれー、なのです」

いくら敵に対して慈悲がないとはいえ、味方を意味もなく殺すことを好まないのがニゲルである。
重傷ぐらいであればどうにかなるが、流石に死んでしまえば彼女も復活できないので。
ついでに、チャンバラということでボムを始めとした投擲道具、そして弾薬やらは使わないと決めた。

「…………あ、それは遠慮しておくのです」

――取り出されたガダル何やらに、少し青ざめさせた顔で拒否するニゲルであった。


「ですね、イドバタカイギはここまでです。では、行くのです!」
「――――おらァ!!」

がつん、と両手のガントレットが打ち鳴らされた。
刹那、双眸に真紅の光が宿る!残光を描きながら、縮地めいた挙動で瞬間的にα-12の懐に移動!
そのまま凄まじい加速度に乗せた右フックを、彼女の脇腹目掛けて放つ!この間僅かに1秒!

何?食らえば常人なら間違いなく死ぬ?ニゲルは殺さない程度と言ったのに?
――――世の中とは欺瞞に満ち溢れているものだ。仕方がない。
644 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/22(月) 23:48:19.79 ID:zki8yY1To
>>642

「…なるほどデス」

 アッサリと受け止められて、今の言葉をニューロンに焼き付ける。
 そして、弾き返される前に、ブレードを離して両手持ちから、二刀流に変更。

「要点語るの上手いデスね?原始人=サン、教官めいたことヤッテマシた?
 ああ、そういえば、下士官デシタっけ?」

 両手でそれぞれ外側に刃を構えるスタイルを取るα-12.
 常にカッコイイポーズの研鑽を怠らない。

「まあ、こちとら素人デス。あまり、無茶な事はできま…センッ!」

 一呼吸に力をこめた瞬間!ロイの脇の側に刃を逆さにした突き。
 ギリギリ射程外?否、実は脇の動脈に僅かに剣が触れる絶妙に距離感で撃たれた突きである。
 人間、数センチほど肉体に刃が入れられただけで実は死ぬ生き物と知っている一撃だった。

【パワ&カッコイイ重点のふざけた一撃とは隔絶する攻撃!
 先程のブザマな上段がフェイクだったのか、今ロイの言を実行して覚えたのかは語るまい】

「…やっぱり教え方上手いデス」

 と、かなり致死性の高い攻撃をやりながらのたまう。
 安易に追撃せずに、もう一方の刃を対応のために溜めている。二刀の利点を活かそうとしているようだ。

>>643

「イヨっと!!デス」

 そして、案の定、卑劣な攻撃をしかけてきたランナーに対しては、
 ロイへの攻撃の直後に溜めていたもう一刀で対応。

【背中から赤黒い触腕・・・ディープメイカーを展開】

 バチーッ!とそれが地面を叩いたと同時にニゲルの拳が脇腹に接触。
 が、ニゲルに伝わる反動は奇妙なまでに軽い。α-12の身体が拳により横に回転…
 否、己からディープメイカーの衝撃で回転することで、拳の破壊力の大半を受け流したのだ!!

「…思ったより勢いツヨイデス!!」

 グルンと二回転するα-12.。実際、ニゲルの威力が強すぎたのだ。
 回転エネルギーに変換するにしろ、回りすぎである。

「えい」

 気の抜けた気勢と共に反撃。回転しながら振るわれるブレード。
 カウンター攻撃めいたそれはニゲルの頭部を掠るような軌道。紙一重で避けられそうな間合い…!?

【否、実は紙一重で避けてしまったら、頭蓋骨に刃が三寸入る…脳が切り裂かれる絶妙の間合い!罠である!】
645 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/22(月) 23:59:50.25 ID:gCYUFO+B0
>>644
「あぁ 冒険者になってから 拠点にしていた街で道場をちょっとな 今頃みんなどうしているやら」
その道場では 彼が手塩に育てた門下生たちが一致団結して切り盛りしつつ 主の帰りを待っているそうな

「そんだけできりゃ十分よ!!」

剣の走り 射程 刃筋の向きを見て相手の狙いを大まかに推測
グイと一歩踏み込みながらサーベルでブレードの峰を押して軌道変更
その突きはロイの頭上を通り過ぎる

「その通り!! 無理に相手を両断する必要はない!! ちょっと太い血管傷つけりゃ致命傷よ!!
 だが突きはその性質上避けられたら 晒す隙はデカイ!! それを常に頭に入れて行動しろ!!」

そう叫びながらバックステップ 一端間合いを外し距離をとって構えを作る
今度はどう攻めるかを見極めようとする
646 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/02/23(火) 00:09:19.57 ID:hwHFtSEU0
>>644
「――――った!!」

刀身がパーカーのフードに触れて、それだけが縦に2つに引き裂かれ、ぺろんと左右に垂れた。
新たなファッションであろうか。ちょっと奇抜なスタイルと見られてもおかしくはない。

結果的に、普段あまり露わになることがない幼げな素顔と、肩口で切られた短めの黒髪と。
そして、ぴこんと立った対の猫の耳が露わとなった。その容貌は、ランナーや暗殺者には、正直言って似つかわしくない。

「むっ……そんなに私の顔を見せて欲しいのなら、言えば見せてあげるのですよ」

――ある程度信頼している人に限るですが、と付け加えて。
勘違いをしているのか、それともアドリブめいたもので言っているかは、ニゲルのみぞ知る。

「――――やぁァッ!!」

――――ニゲルは一度引き下がり、助走。そしてα-12の目の前で、数十cmばかりの軽い跳躍。

まず左手の爪が、そしてワンテンポ遅れて右手の爪が振り下ろされる!爪は長くはないが、純粋に非常に高い斬れ味を持っている!!
それぞれの軌道は僅かにずらされていて、一撃目を避けたからといって安心することはまず不可能!

もはやサツバツとした、ただの殺し合いと化していることに、突っ込んではならない。
647 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/23(火) 00:22:49.29 ID:YxaDEUcvo
>>645-646

 突きを行いながら直ぐにニゲルの運動エネルギーを利用しての回転。
 彼女への反撃と共に隙をキャンセルさせていた。

「心配ご無用デス」

 ロイの鼓膜にシャリン!と金属を擦る音が響く。
 これは聞きなれているであろう抜剣の際の音であるが、数が多い。
 既に両手で剣を抜いているα-12であるが。

「…ディープメイカー同期正常。マンアンドマシン化完了」

 α-12の腰から伸びるディープメイカー。六刀流の構えを取った。
 鋭く輝く刃が六つ。これだけでも、相対する者に不吉な予感を覚えさせるには十分であろう。

「たぶん、0.1ミリ単位くらいでなら刃の制動制御できそうデス」

 シレっとのたまうガスマスクである。が、これすなわち精妙な剣筋をこそ得手としているということである。

「ハッ!!」

 踏み込みと同時に、右手と右触腕を連動させた派手な連斬!!を見せて死角を誘発し、
 左手で、ロイの手首を狙った鋭い一撃!

【そして本命は大腿部を狙った下からの突き上げだ!剣数が常人の枠を超えている事を十分に活用したタクティクスである!】

「よい――」

 そして、攻撃を行いながらも左方より狙い来るニゲルに対する対応も忘れては居ない。
 残したディープメイカーがまるで意志を持った剣士のようにブレードを構え、

「しょっと!!」

 ジャギジャギジャギ!!と鋭く苛烈な音曲と共にブレードとニゲルの刃が衝突。
 巧緻極まる剣の運動はニゲルの剣を滑らせて力の大半を逃がして逸らす。

【マトモにぶつかり合えばニゲルの威力係数ならブレードを容易に破壊する。
 ゆえに、こういった一歩間違えば突破されるでありう、高度な逸らし≠ェ要求されたのだ】

「―――」

 そして、その逸らした勢いのまま――身を伏せた!向こう側にはロイ・ゴールドマン!

「行くのデス!必殺、ニゲルロケットボンバー君8号!!」

 なんと、彼女自身の勢いをそらして、やりすごしたのだ!
 ナムサン!ニゲルをカミカセめいて直接ロイにドカーンとぶつけるつもりである!

【一見、ふざけたやりかたであるが、プロのランナーの連撃をやり過ごすのに、
 どれだけ、己の剣と肉体を制御下において行わねばならぬのか、その難度の高さを察せられるであろうか】
648 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/02/23(火) 00:35:50.19 ID:hwHFtSEU0
>>645>>647
「ひえぇっっ――――!!」

――――あまりに想定外の事態。
進行方向を無理やり変えられたニゲルは虚空に投げ出され、勢い余ってそのまま空を飛ぶ!

「――ロイサン!避けろっ、避けるのです!!」

羽根があるわけでもあるまいし、流石に空中に放り出されてはニゲルも制御が効かない。
ひとまず大きな声を出して、ロイの注意を引くことが彼女の関の山であった。
風切り音と共に弾丸めいて飛来する彼女を、どう対処するか!

無論、衝突すればロイはおろか、ニゲルの方も頚椎辺りに損傷を負いかねない!!
649 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/23(火) 00:36:44.72 ID:4djcNnWZ0
>>646-647
やはり出してきたかと 半ば確信めいた様子で触椀を見やる
単純に手数が増えることは脅威である その悉くがこちらに向いているのなら なおさらである

先ほどまでの教習モードから戦闘モードに切り替え 生半可な動きは死を意味するからだ
派手な動きのブレード2つを見つつ 風切り音や視界の端に移る手やら触椀やらを察知

それは古の剣豪が用いた観見二眼にも似た察知術

大きく踏み込み 派手な切り掛かりの 剣の間合いの内に入り 斬撃を無力化しつつサーベルを左手に 
ナックルガードでブレードを受け止め 手首への攻撃を受け止めつつ 鎧の右腕で拳を握り 切り上げのブレードを叩き落す

常人の域を超えた斬撃のすべてに対処するが 屈んだαの向こうからニゲルが飛んでくるのにはびっくりした
しかも両手は完全にふさがっており 対処は不可能

「んぎゅっ・・・!!」
成すすべなくニゲルの体当たりを頂き ふっ飛ばされてコロコロと地面を転がる

「・・・・OK 合格だ」
げほっとせき込みながら αの動きに満点をつけるのであった
650 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/23(火) 00:40:13.96 ID:4djcNnWZ0
>>648
「 ム リ デ ス ・ ・ ・ 」
残念 直撃してしまった どうなったかは上記のレス
651 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/02/23(火) 00:41:36.88 ID:YxaDEUcvo
>>648-649

「ゴットスピード、ニゲル=サン」

 敬礼のポーズを取って尊き犠牲に哀悼の意を捧げるα-12。
 そして、どうにか剣ムーヴはロイのお墨付きをもらう事ができたようだ。

「…継戦能力とか幾つか過大は残りマスね。
 ちょっと集中力使いすぎというか、中々消耗激しいデス」

 細緻を極めた剣軌道と、タクティクスを両立させるのは中々に神経を使うらしい。
 今回の手管も、短距離全力疾走な感があり、まだまだ、課題は多いようだ。

「お二人とも、アリガトデシターデス」

 そして、サーベルを仕舞うと、ペコリと頭を下げるα-12であった。
 トカゲ=サンも使い手はこれくらいのレベルであれば及第点をもらえるであろうか?と考えるのであった。

//おちまい!
652 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2016/02/23(火) 00:47:11.05 ID:hwHFtSEU0
>>649-651
「――――むぎゅっ」

ニゲルの猫耳頭突きがロイに直撃!脳震盪を起こした彼女はそのまま地面に力無く転がる!
――――幸いにも大事には至らなかったようだが、しばらくの間気を失っていたとか。

//お疲れ様です!
653 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/23(火) 00:54:32.11 ID:4djcNnWZ0
>>651-652
「う〜い・・・」
ニゲルロケットは中々の威力だったようで
しばらく立ち上がれず 頭を下げるαに対し 寝転がりながら手をひらひらさせるのみであった

//ノシ
654 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2016/02/23(火) 23:10:47.02 ID:YxaDEUcvo
【皆さんの生活を支える、カノッサ・テクノロジー社】

 今宵のスプロールも常と変わらず重金属酸性雨が降り注ぎ、
 欺瞞的な企業もネオン看板のギラギラした光が、星の光を凌駕し、
 街の輪郭を照らし出している。ここはスプロール。資本と欲望が全てを支配する世界だ。

【その中でも一際異彩を放つ超高層ビル…カノッサ・テクノロジー本社ビル】

 ―HEXA所属ユニットよりの報告書…闇カネモチパーティー護衛に関する詳細―

「………」

 カノッサ・テクノロジー社CEO ヨブ・バロウズが目を通しているのは、
 とある事件に関する報告書である。メタヘイトを謳うメガコーポ。その調査と介入。
 当初は単純な成り上がり者の凶行と位置づけられていたが状況は思わぬ方向に転がったらしい。

「…情報を与えて反応を見てもいいかもしれないね。会うことにしよう。呼びたまえ」
「了解デス」

 ビジネススーツにサイバーサングラスとメンインブラックっぽい格好のα-12にオーダーが下った。
 とりあえず、HEXAをどのような手をつかっても拉致ってこい。生死は問わぬと。
 なお、オーダーに珍妙な解釈がされているのはデフォであった。
655 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/23(火) 23:26:19.18 ID:UsqDyxZUo
>>654
「………」
「久しぶりだなバロウズ…いや、フェイストゥフェイスは初めてか」

勤務時間外であるにも関わらず珍しくスナイパー仕様の特殊装備(Wiki参照)を着用したままのジョシュア、
麻の繊維のようなものが付着したフードとマスクを脱げば、その下からは極めて不機嫌そうな貌が現れた。
ジョシュアは望んでここへやってきた訳ではなく、寧ろ選択権など存在しない状況下で拉致されたと言っても等しい。

対面するはヨブ・バロウズ。同じカノッサ機関の、いわば同格か格上クラスの規模の組織、時には共同戦線を張ったものだ。
仕事柄HEXAが彼と関わる事は避けられないし、似たような派閥である以上協力関係にも競合相手にもなり得るものだ。

そして今回、自分がどちらの意図の下にここへ連れて来られたのかをジョシュアはまだ理解していなかったようだ。
心当たりがあるとすれば、HEXAの異常なアーティファクト収集に対する警鐘の件くらいであろうかと。

「……とりあえず短機関銃を8つも突きつけるのをやめさせてくれねェか?」

ジョシュアは来客用のカウチにどっかと腰掛け、腕組みしたままバロウズへと視線を遣り、
そして肩越しに見やるのは彼がここに”招かれる”ことになった主な原因である。

「…あのイカタコガールによ」

そう、ジョシュアに背後から麻袋を被せ手錠で縛り上げ、黒塗りのバンに押し込めてここまで連れてきた、
クローントルーパー部隊のアイドル、またの名をトンチキヘッドのヌケサク(Jackass)ことα-12だ。
656 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/23(火) 23:32:49.21 ID:CF1Bl/zZ0
>>654-655
「ですから、直接お会いしてお話したい事が……」
「……アポイントメント? いえ、ないですけど……」

カノッサテクノロジー本社ビルの前にて警備員と何やら口論になっている様子の半人
それもそのはず、このビルに立ち入る際は基本的に招かれあるいは連れだっての訪問だったのだ
厳重な警備はその役割を確りと果たしている
とはいえ半人の持つデッカーパスを見れば完全に無視する訳にもいかないらしい
幾つかの中継があって、彼の耳にもきっと半人の来訪が届くはずだ


「……ふぅ、やっと入れました……」
「お邪魔します、こんばんは」
「しばらく停滞してしまっていた、支払いを直接と思いまし……げっ」
「な、なんであなたがここに……?」

四苦八苦あってようやく御対面
すました風に取り繕って満面の笑みでご挨拶、しかしその場にジョシュアの姿を見付ければ態度は一転
まさか借金塗れの一面を見られてしまうのはマズイと、金魚の様に口をパクパクと動かし言葉に詰まるのであった
657 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2016/02/23(火) 23:42:22.27 ID:YxaDEUcvo
>>655

「ふむ、確かにそうだったかね?何しろ君と私では主観時間が異なるのでね」

 境界線を行き来する者達にとって、主観時間は極めて曖昧である。
 片方が3日ぶりに出会ったと思ったら、もう片方にとっては1年ぶりだったなどいったケースも間々あることだ。

【耳障りの良すぎるバリトンの声。オーダーメイドのツーピースのスーツ】
【室内も華美ではないが、いかにも高級品に囲まれ、カチグミでも最高位に属す社会的ステータスを見せ付けている】

 兵士であるジョシュアとは全く異なる人種…のはずであるが、
 この青年と呼ぶには年経て、壮年と呼ぶには若く見える男は異様なまでに隙が無い。
 が、ここでα-12の話題になると、少しだけ引きつった表情になって、

「識臣による圧縮教育工程は問題なかったはずなのだがね。何故かこうなったのだよ」
「仕事はパーペキ。パーフェクトかつ平和的に連れてきましたデス」

 またやらかしたのか。といった風である。いつもの事である。
 なお、工業製品として均一化されるべきクローントルーパーにあってアレが仕様と思ってもらっては困る。

>>656

「ピコーンデス」

 入室を許可されたタェンティースを見やって何か余計な事をひらめいた模様。
 ジョシュアに対するこの反応。間違いなくアレであろう。アレ。

「CEO、ポンコツ=サンが、
 無責任と放蕩のツケでたまりにたまって割りとどうしようもなくなった金額の借金を、
 なけなしの良心の呵責に駆られて、スズメの涙程度に返すという自己満足のために来られましたデス!!!」

 ナムサン…ナムサン!!
 何かすっごく酷い脚色が加わった説明台詞を語るα-12。それも力強く!!
 ジョシュアの耳にも思いっきり聞こえるように!!

「…そのボディ引き取りましょうカ?予備ならありマス」

 ホロディスプレイに表示されるのはBB-8なボールボディ。
 球型ボディにタェンティースの頭が乗っかったイメージ映像も(余計な)親切でバッチリプロモ。
658 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/23(火) 23:43:20.07 ID:UsqDyxZUo
>>656
「……げッ」
「一体どォしてココにいやがる……!?」

タェンティースとほぼ同じ反応を見せ、ほぼ同じ表情でジョシュアはタェンティースを邪魔者扱い。
さっさと出ていけと言わんばかりの視線をタェンティースへ送り、そしてカウチから立ち上がった。
立ち上がれば、次の動作は頭を抱え、そして眉間に手を遣って考え込むこと。

(クソ…クソ、マズいな…コイツぁマズすぎる……)

ジョシュアが今最もタェンティースに遭いたくなかった理由がラヴレス絡みのアレコレである。
アグラーヤと共に消えてから未だ安否が掴めず、そしてもう十中八九彼女は死んでいる。
遺体を見つけない限りは死んだと断定できないのも痛いところだ。同じ組織に所属している故に知らないとも言えず、
次に出会ったときにラヴレスの事を聞かれるのは予測済みである。作戦に参加しなかったとは言えないだろう。
659 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/02/23(火) 23:53:12.37 ID:CF1Bl/zZ0
>>657-658
「ち、ちょっとぉっ!!」

変な所で察しのいいα-12へ抗議の声を荒げるも、全ては終わった後である
かくんと項垂れて溜息、またひとつ弱みを握られてしまった

「……だ、ダメですこれは!」
「それにほらっ、お金だってこれ位は……!」
「……あ、こ、これ……すみません、大した額ではないんですが……」

ぴし、と取り出すICカード
成る程自信満々に取り出すだけありそこそこの金額データが入っている様だ
まぁそれでも借金全体から見れば猫の額だが
ホロディスプレイの電源をポチッとオフり、ハッと態度を改めてヨブへとカードを差し出した

今だけで見ればジョシュアの不安要素は杞憂であると言っていい様子
だが、それでも確かに彼の予測は間違っていないし半人が何を置いてでも気にしないはずもない
それでも何故か、少なくともアクションを起こす素振りを見せないのは何かを薄ぼんやりと察しているのかもしれない
660 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/24(水) 00:01:07.52 ID:e8AW/WVJo
>>657
「…で、バロウズさんよ。一体本日はどのような御要件で…?いッて…銃口をこめかみに押し付けんな…」
「ここに呼んだからには用があってのk…い゛ッ…押し付けんなッつッってんだろォが!!」

呼ばれたからには商談に乗る必要がある。ジョシュアのような一戦闘員が態々招かれたという事はジョシュアに用があるということだ。
さっさと終わらせるためにもヘラヘラと提案するジョシュアでったが、こめかみに銃口を押し付けられ、手でそれを払いのけながら一蹴。
しかし今度は八方向から一斉に押し付けられ、少々乱暴に腕を払う。

「……軍の再教育プログラムに参加させるのをお勧めする。”強く”な」

バロウズに強くα-12の躾を勧めつつ、もう一度カウチに深く腰掛けるのであった。

「…こいつァ傑作だな…」
「……ラヴレスは泣くだろォな」

「で、さっそく本題に入ろうじゃねェの」

なるほど、とバロウズとタェンティースを交互に見つめ、一人満足げな笑みを浮かべた。
何度ボコボコにしても次合うときには元通り。どこから新たな武装やボディを仕入れてくるのかと思いきや、と。

そしてこれから文字通り自分の身体を売って溜まりに堪った借金のカタにでもするのだろう。
兵器としてはクソみたいなデザインの球形ボディに乗り換え、自分の身体がスクラップになってゆく工程を見させられでもするのだろうか?
そんな状況を想像してみると、ラヴレスの事が頭にチラついてどうも気の毒に感じないこともないが。

さて話題を切り替えよう、とジョシュアは手を鳴らした。ビジネスに熱心なのは良い事である。
しかしいかんせん精神面が未熟であるジョシュアは、バロウズにとっては何かと操りやすい、まさに都合のよい駒となるだろう。
極めて損耗しにくく、任務遂行力のある、ヴァンガードには最適な前線向けの駒だ。
661 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2016/02/24(水) 00:12:36.68 ID:YI1zSx40o
>>659-660

「………」

 バロウズは決断的にデスクのスイッチをポチっと押した。
 すると、瞬時にα-12の足元の床がシュコンと開いてそのままどっかに落ちていった。

【何の感慨もなく、何事もなかったかのようにシュポっと閉まる床】

「さて、雑音も消えたところで用件を済ませることにしようか」

 先ずはジョシュアの目の前でタェンティースの借金返済のやりとり。
 何か、タェンティース捜索時のα-12のオヤツ代とか変なのも追加されてた。
 そしてバロウズがクレッドスティックを受け取ると、複製防止済み借用書データの金額がチョロっと減る。

「随分と頑張ったようだね。…君が助かってよかった。もちろん、コレ以外の理由でもね」

 言いながら、何処まで本心か知れたものではないが、舞台俳優のような所作でタェンティースの生還を祝した。
 実は救出に当たってかなりのデータを資材をα-12を通じて回収したと思われるが、
 それは借金返済に反映されていない。無慈悲である。

【その借金総額たるや、ジョシュアも軽くドン引きするレベルであることを名言しておく】

「さて、今からの話は…」

 そうして、タェンティースの方にも目をやり、

「君にも無関係でなくなる可能性がある。同席してもらえるかな」

 そう言って、ジャンパンを2つ用意させる。もちろん、超高級品。

 −−−−−−−−−−−

「スプロールで現在、厄介事が起こっている。ジョシュア君も介入した件だがね」

 説明するには、先日、ジョシュアも加わったあるメガコーポの護衛任務。
 そのメガコーポはメタヘイト(異種族)排斥を謳い、昨今、直接行動(拘束・殺害)を激化させていたのだが、

「正直、メガコーポとしては新参もいいところで、彼等の主義主張はあくまでも、
 デミヒューマンの身体の特性や、ある種の物質も採取のための都合のいい方便に過ぎないはずだったのだが…」

 ここでジョシュアに目配せ。彼が関わった先日の護衛依頼。
 彼なりに見聞きし、察した、脅威に思ったことを続けるよう示唆。
662 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/02/24(水) 00:21:50.18 ID:s7AOMlZ00
>>660-661
「あっ」
「え、あ……はい」

唐突に起こる無慈悲のボッシュート
ただ一言を発する事しか出来なかったが、それで充分だ
何事もなく話を進めるヨブに釣られて頷いた

「……いえ、そんな」
「皆様のお陰で……恐縮です……」
「……え? わかりました、私なんかが居てもいいのでしたら……」

そんな芝居めいた彼にも一切の疑問を抱く余地もなく常日頃より努めて淑やかに成す半人
促されるがままに座して、グラスを受け取りヨブとジョシュアのやり取りに聞きいる態勢
663 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/24(水) 00:27:44.20 ID:e8AW/WVJo
>>661 >>662
「あぁ…」

バロウズの目くばせに、やや遅れて反応するジョシュア。
緑色のジャケットの大強盗のような恰好で落ちていったトンチキヘッドや、ちょっとした小国家の軍事予算と見間違えるほどの額が示された借用書に未だに意識が引っ張られている。
しかし一度意識をこちら側へと引き戻されれば、それ以降上の空となることはしない。

「…が、どうもこの件に一枚噛んでる連中がいるらしい」
「先日の襲撃の件だが、多数の魔術要素を含むアーティファクトが仕込まれてた…そしてだ…」

俺の予測が正しけりゃな、とジョシュアは付け加え、その際に自分が見たものを伝えてゆく。

「ベルゼブブは他者から命を授かる悪魔。他人の魂を喰らってエネルギーにするんだ」
「俺はそれと一体化して同一の存在になった。だから…その時克明に聞こえやがったんだ」

「何かがバクっと…その場に居た奴らの魂を根こそぎ喰っていっちまった…魂を喰われた奴らはみんな抜け殻みたいに…」
「クソ奇妙だった。まるでヤツら、動く死蝋の塊だ」

右手で顎を撫でながら、険しい表情でジョシュアは語る。作戦完了後にロイとイムカへ語ったのも同様の事柄だ。
どうも最近キナ臭い事が多すぎる。バイスに、ブリキ軍団、おまけにこの食いしん坊ときたものだ。
極め付けには、HEXAのボスも何か独断で動きを起こそうとしている。最近慢性的な胃痛に悩まされ始めているジョシュア。
今日の会合において胃痛の種がこれ以上増えないことを祈るばかりだ。
664 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2016/02/24(水) 00:41:37.66 ID:YI1zSx40o
>>663

 タェンティースのために捕捉するとこうだ。
 メガコーポの同行を探るという意味もあった護衛任務。そこでは黒社会の襲撃が行われた。
 パーティー会場はイクサの震源地と化したが、ジョシュアは敵を排除し護衛任務を全うした。

【表面的にはそれでカタが付いた話。だったのだが…】

 その際に異変が幾つか起きた。
 件のパーティー会場では思考誘導のための仕掛けが施され、
 さらには、魂を奪う類の魔方陣すら仕込まれていた≠フだ。
 その結果は、先程、ジョシュアの口から語られたとおりだ。

「その会場に居た…魂を喰われたというカチグミの方々だがね。その後の動向はこうだ」

 幾つかのデータが中空に表示される。見れば、闇カネモチ達は件のメガコーポに多額の資金を提供。
 これにより、メタヘイト(異種族排斥)はさらに活発化。ある区域においては地に酔った企業兵士達が、
 街道で奇声を発しながら、殺しに酔い、興じるという最悪の無法地帯と化した。

【しかして、協力者となった闇カネモチ達は野放図は浪費で破滅したのか?それも否である】
【ある者は、一族の総帥が謎の死≠遂げたのを機に、親族を排し実権を掌握。
 またある者は。新たな精霊理論を提唱し、学会で確たる地位と権益を築いた】

 そう、ジョシュアの話にあった、動く死蝋の塊たちは皆、
 この僅かな期間の内に、カチグミとしてのレイヤーを数段階格上げすることに成功している。
 生まれながらの家名と驕りのみで放蕩に生きてきたような連中が、その夜を境に神がかり的な才覚に目覚めていた。

「生命の危機を乗り切って、意識改革でも起こったと思うかね?」

 もちろん、これはあまりに不自然である。
665 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2016/02/24(水) 00:42:36.66 ID:YI1zSx40o
>>664
//>>662へのレスも含むです:
666 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/02/24(水) 00:49:48.64 ID:s7AOMlZ00
>>663-664
ふむ、と、2人の遣り取りに唸っていた
成る程、ヨブの言う新参のメガコーポを中心に何やら怪し気な……動きと言うには微細な胎動があると
スプロールに於いて魔法は特別な存在ではないが、それでも武装集団が数を揃えるとなれば科学に傾向するきらいがあると半人は理解している

「……成る程」
「これだけの証拠があれば……」

数値を見て小さく二度頷き続ける
だがそれでも「何処かで誰かが何かをしようとしている」程度の理解に留まった
今はそれ以上を知る由もないし、断定し視野を狭めるには早過ぎると踏んだのもある
メガコーポは傀儡に過ぎないのではないかと、踊る数値のグラフを眺めながらにだが
667 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/24(水) 00:57:51.74 ID:e8AW/WVJo
>>664 >>666
「……魂を喰われて昇華(アセンション)…?」
「いや…空っぽになった器に何か別のモンが入った…ってのが近いかァ…?」

バロウズの説明を聞いてなおさら不可思議であると首を傾げるジョシュア。

確かに死蝋の塊達は”魂を喰われた”にしては自我もはっきりと、肌艶も不気味なほどに増して見えた。
襲撃の中何もする事が出来ずただ豚のように悲鳴を上げていた温室育ちのボンボン共が、急にそのような昇華を遂げるであろうか?

壮絶な経験を経て覚醒。一握りは真実であったとしてもあまりにも事例が多すぎる。
抜け殻に何か別の物が取り憑き、操っている…そう考えた方が自然だとジョシュアは結論付けた。

「俺達は魔術に縁の無い世界の出身でなァ…こういうのはアンタのが詳しいんじゃねーか?」

ジョシュアとタェンティース。どちらも魔術的側面から力を与えられてはいるが、根本は科学の世界の出だ。
やはり年の功というか、ジョシュアらに比べて圧倒的に知識も経験も豊富であるバロウズならば何か心あたりでもあるのではないかと。
ジョシュアは結論をバロウズに委ね、そして自分は腕を組んで短く唸った。

だが真実がどうであれ彼らを食い物にした存在が居るのは確かであり、それらがメタヘイトを加速させようとしている。
結果として多数の犠牲が生まれ、今もスプロールのアスファルトを重金属酸性雨に混じって亜人の血が濡らし続けているのだ。
どちらにせよ、胸クソの悪りィ事件だ、と呟き、つまらなそうに舌打ちした。
668 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325 [saga]:2016/02/24(水) 01:11:39.71 ID:YI1zSx40o
>>666-667

「この件はテクノロジーの視点だけで見ると大怪我をする類でね。
 ジョシュア君が体験した通り、この事はオカルトに拠っている」

 ジョシュアの報告が、幻覚作用のある香なりの影響による、
 妄想の類で無いとすれば、魂を喰われた連中の身体を動かしているのは何なのか?

「悪魔の侵攻(デモニック・インカーション)…ジョシュア君の言葉は正鵠を射ている。今回のは憑依(ポゼッスド)だろう。
 昨今、境界線において、幾つかの世界が終焉の刻(エンドタイムズ)に至り破滅した。
 その影には常にこの存在が見え隠れしているのだよ」

 エンドタイムズ…境界線における幾つもの世界で起こった文字通りの終焉である。
 生命全ては超常なる何か≠フ永劫の供物となり、魂をむさぼり喰らわれるのみとなった。
 そこには利害も闘争も最早無い。殺戮と疫病と歪みと陰惨な享楽のみが残った。

「カノッサもこの汚染≠食い止めようとゲート封鎖などを行ったのだがね。
 どうやら漏れでてしまったらしい。汚染は開始されている。この多数のゲートが集約された世界線で跳梁を許せば、
 被害がどれほど広がるか知れたものではない」

 これが道端のメガロ妄想者や悪魔崇拝者の言ならば戯言を断じてもよいだろうが、
 それを語っているのはカノッサ・テクノロジー社のCEOである。

「ジョシュア君。君のボスにも私の見解は報告したまえ。ともすれば反応もあるかもしれないが。
 君個人で動くならばデッカー委託企業のアルバイトに顔を出しておくといい。そう遠くないうちに対決することになるだろう」

 とりあえず、危機的状況にあるとは伝えた。しかして、ボスとやらが自らの目的とどちらを優先するかは不透明である。
 が、少なくとも、これで介入するか、しないか、を決断する必要には強いられるといったところか。

「タェンティース、君やニア君も何処かで遭遇するかもしれないね。
 ああ、君に与えた赤刃はディーモンスレイヤーの一振りだ。有効に使うといい」

 タェンティースにも警告を告げた。彼女もこの凶行を見過ごせる性質ではないだろう。
 ならば、前情報なしに突っ込ませるよりは、この場で事前知識を持たせておくべきだという判断があった。

【バロウズが与えた<fィーモンスレイヤーである赤刃…つまるところ、バロウズはこの敵≠相対したことあるようだ】
669 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/02/24(水) 01:26:25.92 ID:s7AOMlZ00
>>667-668
「悪魔、憑依……終焉の汚染……ですか」
「……分かりました、一層の注意を行います」
「お借りした剣も、その……本当に、ありがとうございます」

幾つかの単語を反芻する様に呟いてその全てが持つ極めて重篤な危機性を呑み込んだ
それらは胃にどっしりと溜まり重石の如くに動かない
スプロールに汚染が拡大するとなると、成る程想像もしたくない
因みに半人からすると赤刃は本来の武器が見付かるまでの借り物である
改めてもう少し貸しておいて欲しいとの意思を言外に告げた

「皆にも伝えておいた方が良さそうですね」
「……大捕物になりそうです」

既に半人はこの件に立ち入る事に一切の迷いはなかった
それが何であれ、既知の世界の破滅方向への変化は止めなくてはならない
そうする事で自身の大切なモノ達が護れるのだというのならそれだけで無限の肯定を得て動く事が出来るのだ
決断的な蒼いそらの瞳は、スプロールの夜の闇の向こうの何かを射抜く様に見詰めていた

//ここら辺ですみませぬ、落ちまするっ
//ありがとうございましたっ、お疲れ様でしたっ
670 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/24(水) 01:32:05.30 ID:e8AW/WVJo
>>668
「ポゼッションか…なるほどね…通りで…」

ジョシュアの予測はおおよそ当たり、といった所か。
想定外であったのは相手が想像以上の大物であったことだ。いつぞやの甘い記憶、グリード襲来規模の災厄であることは間違いない。
本能のままに捕食を続けるグリードとは違い、どうやら相手はオカルト由来の高度な知性によって統率された悪魔であるらしい。
渋りつつも覚悟を決めた様子のジョシュアは、俯いていた首をバロウズへと向けると、少し押し黙ってから口を開いた。

「つまりまァ…デモニック何とかってのァ…境界線の性病みてェなモンなんだろ?」
「アンタも把握してると思うが、うちのボスはニュクスを手に入れた途端に眼の色変えて色んな世界のレリックを集めさせてやがる」

「つまりレリックやアーティファクトを円滑に収集する上で、HEXAにとってそのカンジダ野郎が邪魔だってことを教えてやれば…」
「…ボスはご機嫌でヤツを消しに掛かる…ハズだ」

HEXAの現在の行動指針上、様々な世界を多岐に渡って越境する事となる。
つまりはこれまでの調査の中でも、いくらか”彼ら”との接触が存在したのかもしれない。
特にエージェントが全滅や行方不明に陥るような困難なミッションに於いてはなおさらだ。
この驚異の排除は、”ボス”が目的を成就させることの大きな助けにもなるだろう。

「ま、俺もこの世界に借りがある人物がいくらか居るんでね」
「もしもHEXAが動かなけりゃ、その時は俺だけでも協力させて貰うぜ」

「……俺にも暴食の悪魔が付いてる。”喰い合い”は得意だ」

にこりと微笑み、しかしその笑顔の裏には何か暗い感情が渦巻いているのが透けて見えていた。
それが何なのかを知るのは、この場に於いてジョシュア以外誰も居ない。
自嘲的な言葉の裏に隠された、彼の行く定めを知る者しか。
671 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/26(金) 22:26:05.35 ID:ihko1Vu50
[退廃近未来世界]
[大陸の殆どを燃やし尽くした大戦争から百数年が経ち、歪な復興を遂げた世界]
[そんな世界の、かつてシドニーと呼ばれていた場所にできた大都市の外れ、砂漠の手前の方にその倉庫はあった]
[いつからあるのかは誰も覚えておらず、常にシャッターが下ろされ、窓も塞がれ、外からは内部を見ることも叶わない大きな倉庫]
[いつしかそこは、人体実験が行われているとか怪しげな儀式が夜な夜な行われているとかそういう噂が広まり、人は寄り付かなくなった]

まあ流したの俺なんだけどね、その噂
[自慢げに胸を張り、シャッターを開けて中に一行を招き入れるソーマタージ]
[薄っすら埃の積もった内部は、怪しげな機械の光や外部から持ち込んだライトで思いの外明るい]

良かったな、俺の家…っていうか隠れ家近くにあって。コーヒー飲む?
[ピザや弁当の空箱を隅に退け、冷蔵庫から缶のコーヒーを出しながら尋ねる]
もしまた来ることがあったら好きに使っていいよ。勿論何も壊したりしないのが条件だが…

そうそう、出来れば一つ頼まれてくれるか?ちゃんと報酬も出る仕事の話だ。真っ当じゃない、な
[一方的に話すと、ボロボロのソファーに腰掛けて一行を見据える]
[ヘラヘラした態度とは打って変わって、真面目な表情だ]
嫌なら別に構わんぞ。そのときは…まあ何か考える。どうだ、やってくれるか?
672 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2016/02/26(金) 22:35:55.80 ID:ZyRZPN1NO
>>671
「……なんだそれ、コーヒーなのか」

越境慣れしているとは言えしかし、缶コーヒーを見る機会と言うのは余りない
なんせ自販機は怪し気な箱として利用など出来ず、コンビニなんかでの買物も殆どした事がない
そういえば専ら殆どの必需品を止まり木同盟の物資に頼っている気がする猫の獣人
今着ているこの若草色の拳法着めいたゆったりとした衣服もそうである

「まぁ、そうな」
「……屋根がある所に寝られるのはいい」
「これ、本当にコーヒー?」

辛うじて存知であったプルタブの開け方のおかげで恥をかく事はなかった
訝し気に鼻を鳴らし一口
生意気に、割とコーヒーに煩いらしい

「……マトモじゃない、か」
「ま、この世界でのマトモの基準がどうかは分からないが」

殺生以外なら受けよう、と頷いて見せる
最も、自らの手でトドメを下す様な真似をしない限りはセーフと結構アレなラインの殺生論ではあるが
テーブルに組んだ手を下ろす、缶コーヒーは進まない
673 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/02/26(金) 22:41:57.08 ID:0uBFEudfO
>>671
「埃っぽぉい……。よくこんな所で生活できるわねぇ?
ま、雨風凌げるだけマシかしらぁ。わ、汚ぁい……」

部屋に入るなり散乱したゴミに明らかに引き気味である。
その表情は嫌悪感を隠そうともせず、口元をハンカチで覆っている。

「あ、気を使わなくてけっこうよぉ? 私コーヒー飲めないもの。苦いから」

落ち着き払った本人の雰囲気とは裏腹にその舌は実にお子様。
基本的に苦いモノが大の苦手なのだ。そうでなくともこの環境下で出されたモノを素直に口にするかは疑問だが。

「内容にもよるけどぉ……。こんな廃墟とはいえ宿を借りるんだもの、取り敢えず聞いてあげるわぁ」

どこか綺麗な、腰を掛けるのに適した場所を探してきょろきょろと。
やがて諦めてそのまま立っている事を選んだ様子。
674 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/26(金) 23:03:57.07 ID:ihko1Vu50
>>672
意外とうるさいんだな?ここじゃもうこんなもんしかねえよ
豆がロクに採れないんだ、化学調味料たっぷり入れてそれっぽい風味を再現しただけに過ぎん
[飲まないなら外で捨ててくれよ、と注意]

>>673
最近帰ってこれなかったからな、気になるんなら自分で掃除してくれ。掃除機はあるし
[特に気にする様子もなく、コーヒーを戻す]

>>全員
じゃあ決まりだな
[パン、と両手を合わせ、立ち上がる]
率直に言おう。俺はクスリが欲しい。それも、この街のクズどもが大事に大事に隠してるやつがな…
クスリってのは昔からあるんだ。例えばアヘンなんかはざっと五千年ほど前から栽培されてたと考えられてる
その歴史を、こんな場末のギャング気取りのアホ共とそれに群がるヨタヨタのジャンキーで終わらせるのは惜しい

[芝居がかかった動きで部屋中を歩き回り、壁にかけられたホワイトボードに近づく]
いいか、古い友人の一人がそのギャング共に捕まってる。ここの近くだ
そいつをここまで連れ出して欲しい。まずは奴が必要だ
方法は任せる。皆殺しにして優雅に帰ってきてもいいし、こっそり逃がしてもいい
[説明しながら一枚の写真を出し、ボードに貼る]
[眼鏡をかけ、冴えない顔をした中年の男の写真だ]
よく見とけよ。違う人間連れてきたら怒るからな
目的地の近くまでは送ってやるよ。覚えてから隣に来い
675 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2016/02/26(金) 23:10:45.98 ID:ZyRZPN1NO
>>673-674
「なるほどな」
「……の、飲むさ、飲むよ……」

味は好みではなかったが、食料を捨てる事への嫌悪感はそれを上回っている
くいっと一口、飲めなくはない
喉を潤す作用としてはまぁ役目を充分に果たしているのだ

「タンポポのコーヒーの方が、ずっとそれらしい……」

「……ふーむ、苦いのがいいんだがなぁ」

アグラーヤの言葉に反応して呟きをぽつり

「……クスリ」
「まぁ……なるほどな」

その辺に関しては特に思うところがある訳ではない
何せ自身もコーヒージャンキーなのだ、ある種これもクスリの一種である

「奪還作戦という訳か」
「……分かった、引き受けよう」
「……あなたは?」

ふむと頷きアグラーヤに視線を送った
676 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/02/26(金) 23:19:01.84 ID:0uBFEudfO
>>674
「なんで私が貴方の隠れ家を掃除しなくちゃならないのよぉ……少しはもてなしなさいよねぇ」

ぶつくさ言いながらも結局自分の中スペースくらいは少し片付けて確保するだろう。
因みにど田舎者のダークエルフであるアグラーヤに掃除機なんて文明の利器が使える筈はないのであった。

「ふぅん、お使いってワケねぇ? まぁ分かりやすくていいけどぉ……なんでそのくらい自分でやらないのよぉ」

大して難易度の高い依頼には思えなかった故に気にかかる点はそこだけだ。
とは言いつつも別に断る理由も無い。いつでもどうぞ、といった表情でソーマタージを見る。

>>675
「苦味がいいとか意味分からないわぁ。カッコつけてるだけじゃないのぉ?」

自分が理解出来ないものは理解出来ないのだ。無論しようとも思わない。
コーヒー好きとコーヒー嫌いの舌は未来永劫相入れることはないのである。

「報酬まで貰えるんなもの。断る理由があって? せいぜい貴女は私の足を引っ張らない事だけ気を付けなさぁい」

ふん、と鼻を鳴らして自信満々の表情である。空気で構わんとでも言い出しそうな態度だ。
677 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/26(金) 23:37:57.98 ID:ihko1Vu50
>>675
早く慣れることだな。比較的汚れてないから人気なんだぜ

それは良かった。詳しいことは車で話す

>>676
言われると思ったぜ。俺だと目立ちすぎるんだ
直ぐに目星をつけられて襲撃されちまう。面倒だろ?
だからお前らには『最近台頭してきた世間知らずのぺーぺーのチンピラ』のフリをしてもらいたい。僅かな情報を頼りに馬鹿なことをやるな

>>全員
さーさ乗った乗った。後ろにだぞ
[二人を連れていった先にあったのは一台のバン]
[後ろには、木箱が一つ積まれている]
[二人が乗ったのを確認すれば、車を走らせるだろう]

細かい指示はインカムでやる。そこの箱の中だ
見つけたらその箱の中の包みを渡してやってくれ
[未舗装路を走っているため、バンの中はガタガタ揺れて乗り心地は悪い]
[衝撃で包みが緩み、中の黒い義手がチラリと見える]

[数分後、バンは目的地の側、ちょうど敵を見下ろせる丘の上に停まる]
ここだ。多分あの汚い倉庫か、プレハブかコンテナだな
顔は隠して、追手が来たら振りきるか始末しろよ
頑張れよ、頑張れ。そうすれば悪いことをしても捕まらない
[一方的に捲し立て、二人を置いて車で走り去る]
[小屋の回りには男が数人、やや離れたところでは巡回する二人組。そして移動用だろう二台の車]
[男たちは全員銃を持っている]
678 :イリー 黒髪の猫人→黒猫 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2016/02/26(金) 23:48:47.65 ID:uqHM+G590
>>676-677
「……美味しいと思うんだけどなぁ」

本物の豆を使ったコーヒーは、と苦笑
ともあれソーマタージの言うように缶コーヒーの味に慣れる努力が必要かと内心であった

「ふむ……」
「しかし……ピアスも逆立った髪もしてなくて大丈夫かな……」

そして聞いてどうにもチンピラという輩のイメージがスプロールに毒されているらしい
どうでもいい不安を抱きつつの出立となる


「……最初はこの方が良さそうかな」

と、目的地に着く頃
いつの間にか獣人から黒猫の姿に変身していたらしい
しかし確かに、怪しまれる可能性はこの方が低いであろう
最も、世界事情的に猫がどのような扱いを受けているかまでは考えていない様ではあるが

「すまないが荷物を最初は持っていて欲しい」
「……黙らせて来る、援護を頼む」

アグラーヤにそう告げて素早く小屋に忍び寄る
確認出来るようなら中の様子を見てから、手近な男の首筋に外見からは想像も付かぬ、常人ならば昏倒する程の痛打を叩き込まんと前脚を振るうだろう
679 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/02/26(金) 23:55:49.25 ID:0uBFEudfO
>>677
「わ、私にチンピラを演じろっていうのぉ……!?」

どうなっても知らないわよぉ、とは漏らすもののまぁ出来る限りは頑張ってみるだろう。
無用な揉め事、その火種をこちらから作る事はアグラーヤとしても好ましい事ではないのだから。

「ちょっと……! こ、この……へたくそぉ! レディふたり乗せてるんだからもっと気を遣いなさいよねぇ!?」

乗り物自体ニガテな事もあり揺れる車内はアグラーヤにとって最悪のアトラクションである。
道が悪いのだがそんなこと彼女にわかるはずもなく、全てはソーマタージの所為であると目的地に到着するまで不満が止むことは無かった。
因みにちらり見えた黒い義手には無反応。なにしろ自分も同じ様なモノをつけているのだ、珍しさや不信感などは感じない。

そして漸く目的地付近へと辿り着けばバンを降りる獣人とダークエルフ。アグラーヤに至っては既にフラフラであった。

「はぁ……気持ち悪ぅい……。じゃ、行きましょうかぁ、ってちょっとぉ!? いきなりヤる気ぃ!?」

フラフラなアグラーヤとは対照的に素早く展開するイリー。
荷物を預け猫の姿へと回帰すれば援護を頼み音も無く駆けていくのであった。
少し遅れをとったアグラーヤであったが、舌打ちひとつ響かせた後すぐにイリーのフォローに入れる様に少し離れた場所に追従する。
680 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/27(土) 00:04:41.05 ID:ukP5GzCw0
>>678>>679
「アバッ!?」
[首筋に痛打を受け、意識を失って倒れる男]
[周囲全体に気づかれる事はなかったが、たまたま近くにいたもう一人の男は違った]

((猫!?猫が…脚…!?死んだ!?猫が!?))
[唐突に現れた猫が仲間を殴り倒す様を目撃、パニックに陥り、情けない悲鳴を挙げてイリーに拳銃を向けるギャング]
[元々素人なこともあり、撃たれたとしてもそうそう当たることは無いだろうが響く銃声は周囲の注意を引いてしまうだろう]
681 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/27(土) 00:07:42.03 ID:ukP5GzCw0
>>680
//追記
[イリーとアグラーヤで挟むような位置にいた男が気づき、右のサイバネアイを白黒させて猫を指差す]
682 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/02/27(土) 00:12:35.91 ID:wpKi+9UhO
>>680
「チッ、詰めが甘いわよぉ!」

すぐ後方まで来ていたアグラーヤの額からばちっと電流が弾ける。
出来るだけ目立たぬ様出力を抑えたものだが、感電すれば絶命まではいかずとも人ひとりの意識を断つには十分なモノ。
この攻撃の成否に関わらず周囲への警戒を強めるだろう。
683 :イリー 黒猫 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2016/02/27(土) 00:14:53.18 ID:lmYA63FV0
>>679-680
「……!!」

宙にいながらに転身、重心の作用を上手く扱う身のこなしだ
気絶した男の倒れ行く体を蹴って飛翔、銃を構えるもう一人へ迫り顔面に向け尾の一撃を繰り出さんと振るう
蒼白い焔に覆われた尾はまるで鈍器の様で、素早く重い
サイバネアイの彼については、アグラーヤに一任し自身はこの銃口を向けて来ている相手をと判断したらしい
684 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/27(土) 00:25:10.57 ID:ukP5GzCw0
>>682>>683
「アバババーッ!」「ムン」
[電撃を、鳩尾への一撃を食らい二人のギャングがほぼ同時に倒れる]
[再び周りが静寂に包まれる。耳を済ませれば話し声や足音が遠ざかっていくのが聴こえるだろう]
[とりあえず、気づかれるほどの周囲には敵はいないようだ]

「…おい、誰かいるのか?あの連中とは違うみたいだな…
ちょうど良かった、助けてくれないか?後生さ」
[それから数秒後、近くのコンテナからくぐもった声が聞こえてくる]
[コンテナはガタガタボロボロの鍵で施錠されており、解放するのは容易いことだろう]
685 :イリー 黒猫 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2016/02/27(土) 00:33:10.12 ID:lmYA63FV0
>>682
>>684
「……」
「すまないな、助かったよ」

敵が遠のくのを確認、ふぅと闘気を四散させた
猫のままで苦笑しアグラーヤに短く一礼
一応は臨戦態勢である、そこまで慇懃に出来る場面ではない

「……ん、この中か……」

壊せるかな、と鍵を見てからアグラーヤをチラリ
刀を持ってきていれば錠前くらい斬鉄で断ち切れるのだが今は生憎と猫である
もし彼女がそれをしない場合、脳筋らしく体当たりで鍵を破壊するだろう
686 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/02/27(土) 00:37:36.44 ID:wpKi+9UhO
>>684>>685
「ふぅ……どうにかバレてないみたいねぇ? もうちょっと気をつけなさいよぉ……」

周囲を警戒、しかし別段変わった様子はない。
一安心して一息つけばイリーをちくり。まぁイリーとてアグラーヤのフォローを期待しての行動だった筈であり特別咎められるべくものはないのだが。
しかしそれでも後手に回った自分が気に食わないのだろう、何か言わないと気が済まない面倒な性格のなのである。

「……この声は? あらあら、随分あっさりねぇ? こちらとしては好都合だけどぉ。
はぁい、貴方を助けに来た麗しのふたり組みよぉ? どうぞ有り難がりなさぁい」

事がスムーズに運ぶのは喜ばしい事だ。その分抱えるリスクも小さくなるのだから。
しかしスムーズ過ぎるのも逆に何かを勘繰ってしまうものであるが、取り敢えずこの場はこの声の主とご対面すべきだろう。
麗しのふたり組み、とは言ったものの当のアグラーヤは亜人であり、イリーに至っては現在猫である。
この組み合わせを見た対象が何を思うかは考えないものとしてアグラーヤは腰の直剣を抜いた。

「貴女……今馬鹿みたいなやり方で鍵壊そうとしたでしょ? 一緒にいるの恥ずかしいからやめて」

イリーをちらりとして釘を刺し、そして抜いた剣をボロボロの錠前に突き立てる。
この剣の切れ味、耐久性は折り紙つきだ。何せ殆ど使っていない新品同様なのだから。
687 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/27(土) 00:50:15.76 ID:ukP5GzCw0
>>685>>686
[アグラーヤの剣が錠前を破壊し、軋んだ音と共にコンテナが開かれる]
[薄暗い中には、粗末なシャツとズボンを着た写真の男が]
「ああ…ひょっとしてソーマらへんの遣いか?」
[外の光に目を細め、裸足のままヨタヨタと外に出る]
[左腕は中途から無く、断面からは配線やゴチャゴチャしたものが覗いている]

「なんであれ助かるよ、本当。さっさと逃げよう」
[ヒビの入った眼鏡をかけ直し、ギャングが停めている車へ向かう男]
[その時、ソーマタージが押し付ける様に渡した無線機からノイズ交じりの声が流れる]

<<アロー、アロー…そっちに巡回チンピラの増援が向かってるぞ。勘づかれた感じじゃないが、早く逃げた方がいいかもな>>
[無線の切れる音。目を凝らせば、土煙を上げて此方に向かってくる車列が見えるだろう]
688 :イリー 黒猫 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2016/02/27(土) 00:56:53.86 ID:lmYA63FV0
>>686-687
「ば、馬鹿とはなんだ馬鹿とは」

ビクリと毛を逆立てて反論
一応自覚はあったらしい

「……まぁ、そういう事だ」
「友好関係が広いな、彼も」

ソーマタージの友と言う隻腕の男を前にして言い張る喋る猫であった
ともあれ通信が入れば話は別である、さっさと逃走重点の場面だ

「運転は頼めるかな?」

救出した男に運転を任せ、自身はボンネットに爪を立ててしがみ付きいざという時の近接戦闘を意識する格好となる
とはいえ遠距離攻撃の叶うアグラーヤがいる以上、対した仕事は残されていないであろうが
689 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/02/27(土) 01:11:19.59 ID:wpKi+9UhO
>>687
「そ、ご明察。そのソーマらへんのお遣いよぉ」

扉が開く際、一応は警戒していたものの出てきた人物が見せられた写真と同一人物である事を確認すればそれも解ける。
男の左腕が欠損している事がわかれば自身の右腕を見て少しだけ微笑み、車内でちらりと見えた箱の中身を思い出し成る程と呟いた。

「……あは、お揃いねぇ? ま、何にせよ話しは後。クズ共に面倒ふっかけられる前にさっさと退散しましょ?」

自身の右腕、黒い義手をぐーぱーして見せる。特に義手同士、共通の話題で盛り上がる事などはないが、まぁご挨拶というやつだ。
しかしそれも束の間、ソーマタージの無線から猶予の無い事が告げられると、男の背を押す様に軽く支え車への足取りを急かす。

「頼むわよぉ? 貴方が運転出来ないなんて馬鹿言うんなら私たち徒歩で帰る事になるんだからぁ」

後部座席に乗り込めば窓を全開にしてその窓枠に腰掛け身を乗り出す格好、俗に言うハコ乗りというやつだ。
追っ手の迎撃を考えてのものだが、アグラーヤはここに来る時に体験したあの揺れを完全に忘れている。

>>688
「あは、そんなに構えなくても近接お馬鹿の貴女はシートで丸くなってればいいわぁ?
ここから先仕事があるとすれば私が全部片付けるからぁ」

馬鹿という言葉に反応を示したのをいい事に面白がってここでもちくり。
人の嫌がる事が好きとはなんたる性格の悪さであろうか。
とはいえアグラーヤの力自体は信頼に足るものだ。彼女自身失念しているが、あの揺れの中ハコ乗りをして車外に放り出されるのを助けるくらいしか現状仕事は無いだろう。

車が走り出し、ギャング共が異変に気付いて追ってくるのであれば、それを一掃しようと雷撃の槍をお見舞いするであろう。
最早出力の調整などという遠慮は必要ない。殲滅する為の全力である。
690 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/02/27(土) 01:24:06.71 ID:ukP5GzCw0
>>688>>689
「恩に着る…恩に着る」
[支えられつつ車に乗り込み、エンジンをかける]
「運転は任せてくれ…どちらにせよ今はそれしか出来ないがな」
[離れたところで巡回していたギャングが異変に気づくのと、車が発進するのは同時だった]
[飛び出たギャングをはね飛ばし、未舗装路を走り出すギャングの車]
[ガタガタと激しく揺れながらも、徐々にあのコンテナから離れていく]

「揺れるぞ、舌を噛まないようにしてくれ」
[片腕を慌ただしく動かし、必死に車を走らせる男]
[背後で雷撃の槍に一掃された追手が爆発した]
[頼りなくガタガタ揺れながら、一行は最初の倉庫へ向かっていく]

//ここらで〆で 乙でした
691 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/02/27(土) 01:45:36.50 ID:wpKi+9UhO
>>690
「別にお礼なんていらないわよぉ。こっちはこっちでちゃぁんと報酬を貰うんだからぁ。
貴方はとにかく運転に集中して頂戴。ここで事故でもして全員仲良く捕まりました、なんてクズみたいな展開ごめんだものぉ」

背後の追っ手の車が爆発したのを確認すれば漸く座席に腰掛ける。尚それまでに何度落ちそうになり何度助けられたかは本人に語られる事は永遠に無かった。
きっとイリーにも口止めをするだろう。まぁ口で脅す以上の強制力なんてものは何も無いのだが。

「そうそう、すっかり忘れてたけどぉ……これ、そのソーマらへんから預かり物よぉ?」

やがて事態が落ち着きソーマタージの隠れ家も間も無くといったところでアグラーヤが思い出した様に口を開く。
そして預かった包みをあけてその中にあったモノを取り出し男に渡すのであった。
タイミング的に今が的確なのかは甚だ疑問ではあるが、兎に角これで言われた仕事内容は完遂も近い。
後は廃れた隠れ家に戻り、今晩の居住スペースを確保する為お掃除をするだけである。
窓から流れ込む埃っぽい風に白髪をきらきらと靡かせながら、揺れから来る酔いを我慢し乗り物嫌いをより一層強固なものとするアグラーヤだった。
692 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/02/27(土) 01:49:46.75 ID:wpKi+9UhO
>>690
/書き忘れ、おふたりともありがとうございましたっ
693 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/02/29(月) 22:02:15.26 ID:shaggY+W0
「ま、待った待ったっ、タイムってんですよぉっ!」

「……またですか? もう……」

狭間のスクラップヤードの片隅、運動するには充分な広さのそこに2人の声が響いている

方や尻餅を付く格好のニア
月光を手に息も絶え絶えでパステル調のブルーのマオカラーシャツは汗だくだ

もう片方はタェンティース
此方は模擬戦用の刃引きされた剣を手に、ワイシャツに一切の乱れもなくニアを見下ろしている

「言い出したのは貴方でしょう?」

「で、ですからっ、ちょぉっと休憩するだけだってんですってばっ……」

そのままぐてんと仰向けに倒れ大の字になるニア
そんな様子を見てタェンティースは軽い溜息と苦笑を漏らすのであった
694 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/29(月) 22:18:30.19 ID:0QuKtrYY0
>>693
ロイ「頑張れニアー お前が負けたら今夜のマカロニサラダがアキレスにとられちまう〜」
適当にガラクタを組んで椅子をつくり それに腰掛けニアにエールを送るロイと

アキレス「♪〜」
2人のトレーニングをチラ見しつつ ガラクタを組んでオブジェを作っているアキレス

―――ギィ!! ギィ!!
そしてアキレス作 ニアとタェンティースの顔が描かれた旗を両ハサミでつかんでフリフリ応援するベティ

日光が暖かくなってきた昨今 この近くでは(寒いがゆえに)作業場に籠りきりだったボロウズも外に出て拾ったおんぼろエンジンの修理を勉強する中
皆思い思いに2人のやり取りを眺めていた
695 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/02/29(月) 22:30:59.72 ID:shaggY+W0
>>694
「ギャラリーの皆さんも、応援してますよ?」

「……うー……じゃあっ……」

ようやく息が調ったらしく、平静に近い口調
タェンティースは待ちくたびれて、剣をくるくると回転させて弄んでいる

「……再開ってんですっ!!」

「っ!!」

そんな隙を狙ったように、倒れた状態から弾け跳ぶ様にタェンティースに襲い掛かるニア
仰向けのままタイドメイカーを1本発動させ、その膂力で一気に加速したのだ
そのまま刺突一閃、ニアの得意の形である

「……あれっ……んぎゃ!?」

「申し訳ありませんがロイ様、」

ニアの視界はくるくると2度縦に回り、その後背中を強かに地面に打ち付ける
タェンティースの右手がニアの突撃を否し、合気めいて勢いをそのまま投げ飛ばしたのだ

「マカロニサラダ、諦めて下さいね」

そのままロイに向き直り微笑む半人
今度はうつ伏せで背中を抑えてもんどり打つニア
勝敗は決した模様
696 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/29(月) 22:42:10.41 ID:0QuKtrYY0
>>695
アキレス「おっと ベティGO!!」
―――ギィ!!

何やら勝敗が決しそうな場面 急ぎ行動を開始したのはアキレス
ベティに蝶ネクタイを取り付けGOサイン ベティはニアの元に駆け寄ると

―――ギィ!! ギィ!! ギィ!!
片方のハサミを上げ下げ どうやらダウンカウントを取っている様子

ロイ「アカーン!! ニアスタンダップ!! スタンダップナウ!! ハリー!! ハリー!!」
ロイもラジカセ片手にニアに駆け寄り スイッチオン

https://www.youtube.com/watch?v=GJ5ufqcj_hA

さぁ!! 立ち上がれニア!!

―――ギィ!! ギィ!! ギィ!! ギィ!!
さぁ7カウントまで進んでしまったぞ!!
697 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/02/29(月) 22:53:56.94 ID:shaggY+W0
>>696
「ぐっ、んぐぐぐっ……!!」

ぐてんぐてんと悶えていたニア
だがカウントとロイの応援(?)と謎BGMを聞けばうつ伏せに転がり直り腕立ての格好

「……んぐりゃぁっ!!」

「……む」

気合の咆哮と共に起き上がり、ファイティングポーズ
完全に勝敗が決したとばかりにいた半人、眉を顰めて意外そうに向き直る

「頑丈なのは認めますけど、無理はよくはないと思いますよ」

「……で、でもっ、勝ったらアキレスから今夜マカロニサラダがっ……!!」

中段に構えて凛然と告げるタェンティースの声
根性で応じるニア、尚ロイとアキレスの賭けマカロニサラダの授与権はいつの間にかニアに移った模様

「……てぇぇぇっ!!」

「!!」

そのままタイドメイカーの補助を得て駆け寄り刺突一閃
不意を突かれたじろぎしかし反応する半人
2人の影が交差し、背中合わせでの硬直
698 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/02/29(月) 22:57:25.39 ID:tbLVYmXlo
「……一回くらい稽古でもつけてやるべきだったな」
「ツナサンドがパアだ」

ヴィッカーズの分解整備(オーバーホール)を終え、工房から顔を覗かせた青年。
どうやら賭けには負けたようだ。いっそ自分で出て今晩のオカズを荒稼ぎでもするかと思案。
しかしこの場に集まった顔ぶれを眺めればやはり馬鹿げた考えだと首を振り、再び工房へと戻っていった。

//1レスだけお邪魔ー
699 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/29(月) 23:08:01.80 ID:0QuKtrYY0
>>697
―――ギィ!! ギィ!! g・・・
今まさに10カウントが振り下ろされようとしたその時 ニアが気合いで立ち上がる!!

ロイ「よぉぉぉぉぉおおおっし!! いいぞぉぉぉぉぉ!!!」
これにはロイも大興奮だ!!

というか普通にラジカセとか使えているあたり 科学への順応が進んでいるらしい

アキレス「あぁ!? オッサンそれは卑怯だrえっ」
ロイ「勝てばよかろうなのd えっ」
―――ギィ!!

セコンドの介入に文句を垂れるアキレスと どこ吹く風のロイ そしてファイッ!!とハサミを交差させるベティ
だがアキレスとの賭けの報酬だったマカロニサラダがニアの物になっているとなれば 両者ニアたちを見て目が点になる

そして・・・交錯

ロイ「・・・・・・」
アキレス「・・・・・・・・どっちが勝ったの?」
―――ギィ!!

この一瞬 膝をついた方が負ける
さぁ 勝者は? マカロニサラダは誰の手に?
700 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/29(月) 23:09:21.53 ID:X7ayZ4q8o
【このお稽古の様子を腕を組んで見守っているイムカ】

「さて、勝負というのは負けた側には何らかのペナルティがあってしかるべきだが…」

 しかして、マカロニサラダなるものが賭けの対象というのはイムカには
 ちょっとばかり理解できない概念である。味に意が無いという持論のためである。
 栄養さえ取れれば後はどうでもいいのだ。

「というわけで、敗北者用の特別訓練メニューを組んでみた」

 ホロディスプレイに投影される地獄めいた目録の数々!

「なに、一度や二度死に掛けるくらいじゃあ人間そうは死なん」

 ナムアミダブツ!なんたる暴論か!
701 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/02/29(月) 23:20:57.52 ID:shaggY+W0
>>698-701
「マカロニサラダに、ツナサンドも付く訳ですか」
「……豪華な食卓になりそうです」

「んぎゅ……」

べちゃ、と再度のダウンを喫するニア
ご満悦と言った具合に口元に手をやって微笑む半人
結局勝敗の結果は変わらずであったようだ

「イムカ様、彼女(ニア)は結構頑丈ですのでご遠慮なさらずにお願いします」
「……さて、少しシャワーを浴びて来ますね」

満足そうにしかしそそくさとその場を後にするタェンティース
顎から倒れてぐでーんとしているニアはさめざめと泣いていた

「ううっ、マカロニサラダぁ……ツナサンドぉ……」

702 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/29(月) 23:31:17.00 ID:X7ayZ4q8o
>>701

「問題は無い」

 さめざめと泣くニアの前に仁王立ちとなるイムカ。
 ここはキチンと慰めてやらなければと思う。上官として(異論は認めない)

「食事の事など間もなく欠片ほども気にならなくなる。というより覚えていられなくさせてやろう」

 タイドメーカーをむんずと掴んでズールズル。ドナドナドーナ。
 夕日をバックに消えていく影が二つ。

【こうしてタェンティースとニアの戦闘――狂気と策略の交差する訓練が終わった。
 ニアはこうして勝利に至らずスクラップヤードに呑み込まれ消えた…
 彼女の人間としての晩御飯は幕を閉じた。ここから先は悲惨の一語!】

 ナムアミダブツ!
703 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/29(月) 23:31:18.28 ID:0QuKtrYY0
>>700-701
ロイ「あ・・・・・・ああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
ニアの再度ダウンに膝をついて悲しみを抱くロイと

アキレス「ドヤァ…」
―――ギィ・・・
そのロイを渾身のドヤ顔で見下ろすアキレスと そのマネをするベティ

そして何やら鬼畜なことをおっしゃるイムカさん その時アキレスの脳裏に電流が走る!!

アキレス「いやぁイムカタン やっぱりこういう時は賭けた人物も連帯責任でトレーニングだYOね!!」
ロイ「えっ!?」

アキレスの言葉にロイは動揺を隠せない 
確かにロイは元軍人として鍛えちゃいるが 今日はオフの日なのだ そんな日に汗だくにはなりたくないのだ

ロイ「・・・・・冗談だよね?」
冷汗を垂らすロイ
704 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/02/29(月) 23:40:35.21 ID:shaggY+W0
>>702-703
「ま、待って待ってぇぇっっ!!」
「いやぁぁぁっっ!!」

ジタバタと手足をバタつかせてドナドナされるのを拒むが虚しく空回り
希望の船めいたナレーションと共に彼女はスクラップヤードの闇へと消えた
因みにニアは確かに頑丈ではあるが、体力筋力共にかなりの低水準である。 握力15くらい


一方シャワールーム

「……痛たた、全く……」
「格好付きませんね、これは……」

腹部に裂傷、血ともオイルともつかぬ液体が染み出している
最後の交差時に手傷を負わされたのだ、半人の予測以上に鋭い刺突を彼女は繰り出して来ていた

「……ふむ」

微かながらの吐息、シャワーを浴びて豪華になったであろう夕食に挑むのであった
705 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/02/29(月) 23:42:06.77 ID:X7ayZ4q8o
>>703

「…遠慮するな」

 いつも仏頂面にイムカらしからぬ微笑をロイに向ける。
 素材がいいのだ。こんな状況でなければとても映える表情であったことだろう。

「命は もっと・・・粗末に扱うべきだ。経験者に相応しい超メニューで応えてやろう。何、私が寝るまでには終わるさ」

 ざわ…ざわ…と不穏めいたアトモスフィアが流れる。
 なお、イムカが寝るまでってことはアレであるアレ。

「こうなった以上…なんの躊躇もないっ…!」

 アキレスとベティにサムズアップを向けると、
 ロイの首根っこを引っつかんでニアと一緒にズールズル。ドナドナドーナ。

【こうしてお調子者のアキレスに乗せられて――狂気と策略の交差する賭けは終わった。
 ロイはこうして勝利に至らずスクラップヤードに呑み込まれ消えた…
 彼の人間としての晩御飯は幕を閉じた。ここから先は悲惨の一語!】

 ナムアミダブツ!
706 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/02/29(月) 23:48:02.96 ID:0QuKtrYY0
>>704-705
ロイ「アキレェェェェェス!!!! 覚えてろよぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・!!!!」
逃げ出そうとするロイだが 見事に首根っこを掴まれ ニアと一緒にズールズル

アキレス「(さわやかな笑顔)」
―――ギィ!!

イムカにサムズアップを返し 消えゆく2人の呪怨の叫びを背に 食堂へと歩き出す

ボロウズ「・・・・・・・・・・」
お空が暗くなってきていたことに気付かなかったボロウズが空を見上げる

―――グゥ・・・キュルル

お腹のがすいた 今日のご飯は何だろう?
のそのそとコミュニティハウスへと向かうのであった

//ちゃんちゃん
707 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/01(火) 21:12:00.74 ID:xwlxZVzbo
【越境現象】

 所謂、異世界移動現象である。元の世界から別の世界へと転送される。
 何が原因かは未だに不明であるが、とにかく世界の帳が急激にその強度を落としたのだ。
 無論、頻発する現象は様々な諸問題を引き起こすに至った。

【数多の世界を蠢動し、誰も全容を把握できなくなっていたカノッサ機関は世界支部間の権力闘争が激烈化】
【多数の世界と接続している中枢世界≠ナは越境現象が認知。非合法な研究と実験、あるいは社会的受け入れ態勢の確立】
【越境者同士は引かれ合うという因果から、やどり木(皮肉に満ちた名前だが)などの互助組織の誕生】

 越境現象を境に異能力に目覚める者も多数居た。
 無論、数多の越境能力者は世界に飲まれ、あるいは排除され悲惨な末路を迎えた。
 極一部の奇跡的確率により英雄様になった個体にいるようだが。

 己の世界の知識を転送後の世界に齎そうとする者もいた。
 世界の修正力と因果関係に差異により思った結果が得られない事も多く、
 時に邪教徒と看做され、拷問の挙句、火炙りの刑に処された者も多かったが。

【概ね、世界は世界という強大な力を行使し、不完全(バグ)の跳梁をそう簡単には許さなかったといえる】
【が、完璧な秩序というモノが酷く眉唾めいているのと同様、零れ落ちてしまうものはやはり存在するのだ】
708 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/01(火) 21:26:42.67 ID:xwlxZVzbo

「で、失敗した阿呆が、見事に詰んで阿呆な事をしているというワケだ」

 焼け落ちた村落。木でつくった荒い墓標を柔らかい土に突き刺すイムカ。
 未だに人が焼けた異臭は鼻につき、吹き荒ぶ風はサツバツとしたものだった。

【この世界の文明レベルは中世〜近代あたりの中間であろうか?】
【魔法があり、錬金術から発達した科学もそこそこ。狭いながらも順調にバランスの取れた世界だ…だった】

「ありがちな話だ。手に入れた異能力、世界には脅威もあり、実際に人心は勇者を求めていたのだろう。
 そして、一番不幸なのはどうやら、この世界に流れた連中にはそれが出来るだけの力があった」

 人間は居場所が居る。期待する声。純粋な使命感と多少の強迫観念。認証欲求。様々であろう。
 勇者達が必死であったことは記録から読み取れる。頑張ったのだろう。そして、戦い抜いた。
 が、想像力が足りなかった。脅威を排除して次に何が待っているか読み取る力が。

【誰かは暗殺された。用無しだったから】
【誰かは政治闘争の生贄となり、歴史の闇に葬られた】
【誰かは実験体に、誰かは無実の罪で処刑、誰かは―――】

「で、うちの誰かは精神の均衡を崩して、ものの見事に世界の敵≠ゥ。どうしたものかな?」

 村落は半ば隠れ里めいていた。この世界で残った数少ない人類の生存領域。
 沈みかけた真っ赤な夕日が照らす大陸には驚くほど構造物が少ない。
 破壊に破壊が繰り返されて、何もあったものじゃあない。

【世界の敵の世界に対する復讐。何とも善悪を定めにくい事案もあったものである】
709 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/03/01(火) 21:47:56.18 ID:7I6N4HQJO
小さな魔女、見た目は16歳相応しかない少女
しかし、自称大魔法使い
そんな少女が箒を片手に歩いてきて

「随分難しいこと考えてるんですね」

腰まで伸びた赤髮が特徴的な魔女でした

「あ、そうそう、私も、異能に目覚めた口なんですよー」

今更ながらそんな事をぶっちゃける

「でも魔法じゃないですよ、私の居た世界だと、魔法なんて"技能"の1つで異能と呼ばれるものじゃないですから」

そう言って、白い手袋をはめられた左手を見つめる
710 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/01(火) 21:59:19.65 ID:xwlxZVzbo
>>709

「年寄りの悪い癖だ。物事をシンプルに考えられなくなるのさ」

 やや自嘲めに嘆息を付くイムカ。
 レイラには社員登録の際に、己も越境者であることは伝えている。
 もっとも、イムカの場合は、身軽ではなく、密命を帯びているという意味で本質は異なるが。

「越境が肉体や精神に及ぼす影響は今だ解明されていない。
 異能力に覚醒するというのは、頻繁とは言わないが珍しくは無い事象だ」

 世界言語の翻訳などは、越境時点で概ね与えられる普遍的スキルであるが、
 それ以上の異能となると、個体差は非常に激しい。
 まあ、コミュニケーションツールを世界が持ってくれるというのは何かとありがたい事ではあるが。

「よし、終わりだ」

 犠牲者達を埋葬した土に聖別された水を振り掛けるイムカ。
 オカルトには長じていない彼女であるが、魔力ある世界で、遺体を清めねば何が起こりえるかは知っている。

「さて、私は追うが、君はどうする?」

 イムカはこの世界に流れてより数十日。件の世界の敵を追っている。
 無論、正義などという義務感のためではない。気に入らないだけだ。
 勇者を狂王に変えた世界も、狂王と成り果てて無軌道な破壊を撒き散らす存在も。
711 :レイ・イーヴリン・ドレイク [sage]:2016/03/01(火) 22:06:47.84 ID:g7e+1Pyu0
「なるほど……僕があなた達と出会ったのも何かの縁って事だね」
座ったままポロン、ポロンとギターを爪弾き、かすかにうなずく少年。名はレイ・イーヴリン・ドレイク。
当て所無い流浪の身となって、全く見知らぬ世界に来ることこれで3度目である。
「まあ、僕の一族がやってきたことを鑑みれば、僕自身の運が良いのか悪いのかは別にして…
 もしかしたら罪滅ぼしの機会が与えられたのかもしれない、ご一緒したいな」

【旅は道連れ。出会った人と共に往く。今のレイにはそれだけだ】
712 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/03/01(火) 22:06:54.08 ID:7I6N4HQJO
>>710
埋葬される、供養される死体、それらを見つめながら、少女はため息を1つ

「異能に目覚める、まぁこの御時世ならよくありますよねー」

そう力無く答えると

「ただ、私の目覚めた能力はちょっと変なんですよね」

小さく呟く、そしてその後
イムカの問いに対して、ふと考える、考えた後に

「それじゃあ私も行きますよ、こんな事をするような悪党……燃やしてやらないと気がすまないですから」

そう答える、付いていく意思を明確に伝えました
713 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/01(火) 22:25:26.63 ID:xwlxZVzbo
>>711

「ああ、君もすまないな。もういいだろう」

 追跡行の途中で出会った越境者にイムカは言葉を投げる。
 このサツバツとした風のみが吹き荒ぶ状況下で、彼のギターはせめてもの慰みだ。
 生者にとって、そしてもしかしたならば死者にとっても。

【イムカにとり、この時点ではレイの素性を知る機会には恵まれていないため、
 彼の意味深な台詞に対してはあえて看過という対応となった。
 人の事情に不用意に踏み込むべきではないという持論もある】

>>712

「なるほど、やはりシンプルだ」

 この言葉は決して馬鹿にしているわけではない。
 寧ろ、何かにつけ理由を探そうとする大人よりよほど健全かもしれないと思えたくらいだった。

 −−−−−−−−−−−−

【追跡行】

 その後、6の集落と2の城砦都市の破壊と死の痕跡を追った越境者達。
 最初は、怒りを開放するかのような凄惨な破壊は徐々に感情の気配を無くした破壊へと様相を変えていく。

「復讐という人間的感情から、破壊というただのシステムになるつつあるな。追うぞ」

 過酷な旅であった。彼等は彼等以外の生者についぞ遭遇することは無く、
 行き先では常に死だけが蔓延していた。恐ろしく音の無い世界。
 イムカのヘヴィバイクのエキゾーストが無い時は、世界そのものが呼吸を止めてしまったかのようであった。


 −−−−−−−−−−−−

【そして、追跡からさらに十数日後。ついに越境者達は狂王を捉えた】

 それは荒野を移動する赤黒い嵐と形容すべきものだった。
 かろうじて人のシルエットを保ってはいるが、最早、顔は肌といったモノは見受けられない。
 揺らめく赤黒いヒトガタのシルエットと、その周囲を吹き荒ぶ暴走した魔力の嵐。

「正気を失って、人の輪郭も失って、ただの破壊装置か。
 勇者の末路…なるほど、生贄だ。捧げたのは誰かまでは知らんが」

 力に溺れているわけでも、ましてはもう復讐でもないのだろう。
 そう在る以上でも以下でもない在り様に成り果てていた。

【狂王の移動速度は歩く速度と変わらない】
【ただ、これが到達する先には死の嵐が吹き荒び、存在するだけで世界各地に天変を巻き起こす。
 あまりに凶悪で、あまりに哀れであった】

「接近する。仕掛けるぞ」

 イムカの黒いヘヴィバイクが時速334kmを叩きだし、
 狂王に向かって急加速。先制攻撃の機会はこちらにある。
714 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/03/01(火) 22:34:36.69 ID:7I6N4HQJO
>>711
「なかなかの腕前ね〜、そんな事できたんだ」

ギターの音色にそう感想を述べ、軽く拍手する少女

「ま、一緒にくるなら頼りにしてるよ」

にっこり笑顔でレイにそう言って

>>713
「まあ、まだ若いですから」

イムカにそう言う少女、まあイムカから見れば確かにガキもいいところであろう


そして、旅の果てに姿を現した狂王
少女はそれに対して、箒を構え

「……軽くいっぱつお見舞いしてあげるかな」

少女の足元に赤い魔方陣が現れる
そして、それから発せられる赤い光

「……火の精霊よ、その浄化の力を以て敵を討て……フレアスター!!」

箒を天に掲げる、すると現れる、隕石の姿を模した赤い炎、それは狂王に向かっていく
715 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/01(火) 22:43:33.47 ID:xwlxZVzbo
>>714

「―――…―…」

 壊れかけのレコードのようなぶつ切りの奇怪な叫びを発する狂王。
 赤黒い奔流が身体中から噴出し、レイラの焔がそれに巻き込まれて散っていく。
 それは、バイクで駆けながら射出した、イムカのブラスターレーザーも同様である。

「恒常的に障壁を張っているようなものだな。生半可な破壊係数では突破できないか…来るぞ!!」

「―…―…」

 鼓膜の正常を疑わせるような叫びと共に、赤黒い風が触手のように
 質量を以ってレイラに襲い掛かる!!村落や都市の悲惨な破壊を見れば
 それがマトモに喰らっていい攻撃でないことは明らかだ。

【黒い風…呪い/灼熱属性であり、触れた者の肉体を呪いと共に焼き尽くす】
【赤い風…周囲に吹き荒ぶ風。強酸毒性があり、ジワジワと肉体を蝕む。
 さらにこれは戦闘フィールド一帯を多い尽くしているため回避不可能=z
716 :レイ・イーヴリン・ドレイク [sage]:2016/03/01(火) 22:44:38.46 ID:g7e+1Pyu0
>>714
「こう見えて語り部の端くれだったからね。お褒めにあずかり光栄だよ」
微笑んでレイは答える。

>>713
恐ろしく強大な魔翌力を感じる。スプロールではそうそうお目にかかったことが無いレベルだ。
もっとも、そう頻繁に遭遇していれば既に命はないだろうが。
「先手―――」
キン、という小気味よい金属音と共に、ギターの側面から刃渡り10数センチのダガ―ナイフが4本ばかり取り出される。
狂王に狙いを定め、2本をダイレクトに、2本は上空から降る軌道で。
「―――必勝!!」
銃弾もかくやという勢いでダガーを投擲した。
717 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/01(火) 22:50:54.03 ID:xwlxZVzbo
>>716

「――…――」

 ブツ切りのレコードのような叫びとも異音とも付かぬ咆哮。
 それは完全にその精神を破綻させ、現象になり果てつつあるモノの叫びだ。

【狂気的咆哮…魔力を有する場合、魔力係数が一定値ダウンする】

 レイの投擲したダガーナイフはしかし、全てが黒い風に絡め取られ、
 その揺らめく本体に到達する前に燃焼し、呪詛によりボロボロに朽ちて灰化!

【呪いの障壁…一定以下の破壊係数攻撃は全て無効化】

 さらに攻撃に反応したのか、狂王の周囲の嵐が質量を以ってレイに襲い掛かる。
 上方に黒い風が吹き荒び、それが一気にミサイルめいて急降下!彼を狙う!!

【黒い風…呪い/灼熱属性であり、触れた者の肉体を呪いと共に焼き尽くす】
【赤い風…周囲に吹き荒ぶ風。強酸毒性があり、ジワジワと肉体を蝕む。
 さらにこれは戦闘フィールド一帯を多い尽くしているため回避不可能=z
718 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/03/01(火) 22:53:25.56 ID:7I6N4HQJO
>>715
フレアスターは軽く散っていき

「これは……普通の魔法だと突破出来なさそうね……」

少女は思考する、時間をかけて詠唱した魔法ならいけるか?しかしそうこうしてるうちに襲ってくる風
猶予は無さそうだ、形のない風と言うのも厄介
少女は覚悟を決める

「……これは嫌なんだけど仕方ない」

小さな声で、そんなことを呟くと、左手の手袋を脱ぎ捨てます

「私の異能、見せたげる……出でよ……神殺炎"ラグナロク"」

少女の左手の甲にに、文字が浮かび上がる、その文字は"66時66分"、存在しない時間、"凶報滅刻"と呼ばれる能力であった
少女はその標的を、自分へと襲ってくる赤黒い風に向けた、全部の風は範囲が広すぎて無理だが
このくらいの範囲ならいける、そう判断する

そして、少女を襲う部分の風は、黒い炎に"燃やされる"
この炎は形のない物でも、"焼き尽くす"

「……っ痛!」

少女はと言うと、別に攻撃を受けていないのに、痛みで声をあげた
719 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/03/01(火) 22:57:08.77 ID:7I6N4HQJO
>>716
「そっちは大丈夫!?……軽い回復魔法なら使えるから、もし必要なら言ってね」

少女は、自らの異能で発する痛みに耐えながら、少年に声をかける
その表情は、笑顔を作るもなかなかに痛そうで
720 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/01(火) 23:05:27.27 ID:xwlxZVzbo
>>718

 フィールド全体を吹き荒ぶ赤い風は志向性が無いゆえに確実に敵対者の生命を冒していく。

【赤い風…酸性/呪いへの耐性次第であるが、肉体と精神に継続ダメージ】
【皮膚の爛れ/呼吸困難/腐食/呪詛汚染など症状は任意】

「――…――」

 耳障りなブツ切りの叫び/音、
 レイラのラグナロクの黒い炎と、狂王の黒い風が激突する。
 凄まじい熱量と相殺衝撃が焼き尽くされた呪詛と共に周囲にバラ撒かれる!!

【瞬間出力はレイラのラグナログが勝り、黒い風を推し戻していくが、敵本体に到達するには未だ至らず!!】

 黒の炎と黒の風の激突により、影響を受けた大地が急速にその生命力を失っていく。
 枯れ、罅割れ、もはや百年単位でこの大地は何も実らせまい。

「厄介だな!」

 イムカはレイラの周囲、威力半径から外れた位置にグレネードを投擲。
 衝撃爆裂により、一時的に赤い風を吹き散らさせてサポート。
 これはグレネードでは敵の障壁を貫けぬという判断からの援護でもある。

【イムカの援護:次ターンまでレイラは赤い風の影響を受けない】
721 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/03/01(火) 23:15:13.18 ID:7I6N4HQJO
>>720
「……まずはあの厄介な……障壁を狙うわ」

左手を上に掲げる、そこに、黒の炎が大きな剣を形造る
黒い炎の剣

「いけ……神滅剣"レヴァンテイン"」

そして、その左手を対象に向けて、振るうと、剣は狂王向けて飛んでいく
このまま、障壁とぶつかるだろう
"形のない物でも燃やす炎"で形成された剣、狂王を纏う障壁を破壊できるか否か

「…………いっけ!!」

苦痛に歪めた表情で叫ぶ
722 :レイ・イーヴリン・ドレイク [sage]:2016/03/01(火) 23:20:11.94 ID:g7e+1Pyu0
>>717
「獲っt…なに!?」
磨き抜いた技。超人の域に達してからはシンプルゆえに敗れたことのない、宙を駆ける刃があっさりと消滅した。
そして狂王の叫びを聞くごとに、体からじわりと力が抜けていくのを感じる。体内の魔翌力が失われているのだ。
「まずい、まずいぞ!! 合成食糧を意味無く缶詰にして! その上で開封して燃料に浸したのと同じくらいマズイ!!!」
『お前は何を言ってるんだ』と誰もが思うレイの言動。明らかにパニックに陥っている。
それでも、強化手術を受けた身体能力を活かして、黒い破壊の風をギリギリのところで躱す。
しかし―――

「―――ダガーは…!?」
そのことごとくが無理な動きについていけず、あるいは地に落ち、あるいは宙に舞う。
そして風に飲み込まれて粉々に砕けてしまったではないか。
残るは格闘か、それとも……
「…仕方ないね」
レイの目に灯る、突然の冷静な光。じわじわと身を蝕む赤い風とは対照的だ。
ギター本体から2本のネックを引き抜く。いや、それはネックではない。偽装した白銀に輝く剣だった。
(機をとらえる! 絶対に逃さない!)

【黒い風を切り抜けるが飛び道具を失ってしまった。風のダメージを受けながらも剣を取り出し、チャンスを狙う】
723 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/01(火) 23:33:43.40 ID:xwlxZVzbo
>>721-722

「パニくるのか冷静になるのかどっちかにしてもらいたいものだ」

 ヘヴィバイクで駆けながら、一番多くの黒の風を引きつけているイムカ。
 囮役のために機動力を重視した状態で戦闘行動を行っていた。が、

【イムカも、レイラもレイも、徐々に赤の風の影響が深刻化してくる頃合である】
【長期戦になれば、体力が尽きる以前に、こちらの肺か心臓が腐れてジ・エンドである】

「レイラ!何としても敵の障壁を破れ!破壊係数からいって君以外にやれない」

 同時に、レイにアイコンタクト。敵の魔風障壁の再生力は非常に高い。
 僅かなタイミングで隙間が開かれる事を信じて、ソコに本体への攻撃を捻じ込まねばならないのだ!!

「――…――」

 迫るレイラのレヴァンテインに狂王は反撃反応を見せる。
 あるいは、かつての勇者であったころの戦闘経験の残滓ゆえかもしれない。

 ゴオオオオオッ…!!と一際凄まじい烈風が壁となり、あるいは破城鎚となって、
 レイラに襲い掛かる!黒の破城鎚がその半ばまでを断罪の黒剣切り裂かれながらも、
 その凄まじい再生力で破壊とせめぎあう!!

【レイラは接近状態ゆえにその破壊の剣を震えるが、それは敵の呪詛を至近で浴びることにほかならぬ!】
【レヴァンティンが黒の破城鎚を切り裂きつつある一方、彼女の肉体は呪いを浴びて腐食していくのだ】

【レイラ(判定:精神力)→己の肉体が腐っていくという恐怖に負けずに剣を押し込み続けられるか?】
【レイラ(判定:攻撃力強化)→剣術なり魔力なり、ここからさらにレヴァンティンの攻撃係数を上げる手段はあるか?】

 同時に、レイの魂も試されているといっていいだろう。
 さして出会って間もないレイラが障壁を突破することを信じきれるか?
 さらに、障壁が吹き散らされたとて、あの呪いの塊のようなモノに飛び込めるか、だ。
724 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/03/01(火) 23:43:39.71 ID:7I6N4HQJO
>>722>>723
破壊の疾風、それによる肉体の腐食
やばい、恐らく、このままだと、もうここで、今回は"戦えなくなる"だろう
ロールプレイングゲームで言う戦闘不能状態
しかし

「…………この力を使ってる時点で、もともとそんなに長くないのよね!!」

更に、異能に力を込める、黒の炎、その剣は障壁を切り裂くや、その切り目から、"燃え移る"

「…………"燃え尽きろ"」

更に、炎に力を送ると、その剣は、狂王を覆う障壁へと燃え移る炎へと姿を変える
その炎で、障壁を燃やし尽くさんとする!!

━━━━━そして
障壁を破壊できたとして、少女は倒れるだろう
その異能を使った代償の"激痛"、それに呪詛による攻撃も受けたのだ、耐えられる訳がなく

「……後よろしく」

そんな事を、にっと笑って呟くだろう
725 :レイ・イーヴリン・ドレイク [sage]:2016/03/01(火) 23:54:55.38 ID:g7e+1Pyu0
>>721
>>723
>>724
「レッド・エンド起動」
レイの頭髪が真っ赤に染まり、ずあっと音を立てる勢いで伸びる。風になびいて逆立つその姿は悪鬼羅刹。
「残存魔翌力の80%をブレードに供給……」
赤い陽炎を纏った刃に触れた風が崩壊していく。これが『レッド・エンド』。触れるもの全てに赤き終焉をもたらす力。
「おおおおおぉぉぉぉ!!!!!」
荒野に響くレイの雄たけび。狂王を包む風の防壁が僅かに弱まったその隙に―――
「―――いっけええぇぇええ!!」
残る体力、魔翌力、気力の全てで跳躍。双刃を禍々しき王に向かって振りかざす。
726 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/02(水) 00:09:39.49 ID:1Ri5I9GMo
>>724-725

「……よしっ!」

 障壁の破壊は劇的であった。
 霊的防壁の表層を完全破壊した瞬間、レイラの剣はその輪郭を炎に変じさせ、
 魔風障壁を繋ぎとめていた魔力と呪詛の悉くを焼き尽くしたのだ!!

【障壁の再生力を超過した破壊係数により、一時的に、全ての障壁が消滅=I!】
【全てが凪いだ一瞬、エギゾーストの咆哮、跳躍するバイク、倒れるレイラを担ぎ上げるイムカ】

「無駄にはならんさ。オーダー発令!全ての力を解放せよ!」

【イムカ→決然のオーラ(将官スキル)/味方の士気判定を強化/逆襲・恐れるもの無しを付与】

 纏いつつある障壁。しかし隙間が存在する。ラグナログの火燐がその再生を阻害質し続けている。
 そこに羅刹と科したレイの陽炎が捻じ込まれる!黒の炎が開いた突破口に陽の炎が突き刺さった。

 一瞬後、再び、狂王の足元より新たな風が発生し始める。それが全身を覆うまで一刻の猶予も無し!
 なんたる、攻防一体の能力。大陸を崩壊一歩手前まで誘う力の発現である。

「――…――」

 幕切れに余韻は一切無かった。
 短い叫びと共に赤黒の輪郭は消えて、炭化した人間の身体が現れる。
 それは、地面に毀れると、すぐに粉々に砕けて、風に散った。

【狂王が最後に正気を取り戻すというような奇跡は起こりえず、狂った勇者はただ狂ったまま滅した】

「…ミッション終了」

 レイラに皮膚から肉体が崩壊を始めぬよう、気休めの救急スプレーをぶっかけながら、
 イムカは嘆息をついた。これで少なくともこの小世界における人類完殺とはなるまい。
 復興まで数百年単位であろうが、それはこの世界が負った咎である。越境者がどうこうできるものではない。

「魔力が回復したら己にかけておけ。レイ、君にも医薬品を提出してもらうぞ」

 達成感はさしてない。が、やりとげたことはやりとげたのだ。
 こうして、越境現象のケース、その一つは解決を見たのであった。
727 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/02(水) 00:12:21.58 ID:1Ri5I9GMo
>>726

文書訂正;
「……よしっ!」

 障壁の破壊は劇的であった。
 霊的防壁の表層を完全破壊した瞬間、レイラの剣はその輪郭を炎に変じさせ、
 魔風障壁を繋ぎとめていた魔力と呪詛の悉くを焼き尽くしたのだ!!

【障壁の再生力を超過した破壊係数により、一時的に、全ての障壁が消滅=I!】
【全てが凪いだ一瞬、エギゾーストの咆哮、跳躍するバイク、倒れるレイラを担ぎ上げるイムカ】

 一瞬後、再び、狂王の足元より新たな風が発生し始める。それが全身を覆うまで一刻の猶予も無し!
 なんたる、攻防一体の能力。大陸を崩壊一歩手前まで誘う力の発現である。

「無駄にはならんさ。オーダー発令!全ての力を解放せよ!」

【イムカ→決然のオーラ(将官スキル)/味方の士気判定を強化/逆襲・恐れるもの無しを付与】

 纏いつつある障壁。しかし隙間が存在する。ラグナログの火燐がその再生を阻害質し続けている。
 そこに羅刹と科したレイの陽炎が捻じ込まれる!黒の炎が開いた突破口に陽の炎が突き刺さった。

「――…――」

 幕切れに余韻は一切無かった。
 短い叫びと共に赤黒の輪郭は消えて、炭化した人間の身体が現れる。
 それは、地面に毀れると、すぐに粉々に砕けて、風に散った。

【狂王が最後に正気を取り戻すというような奇跡は起こりえず、狂った勇者はただ狂ったまま滅した】

「…ミッション終了」

 レイラに皮膚から肉体が崩壊を始めぬよう、気休めの救急スプレーをぶっかけながら、
 イムカは嘆息をついた。これで少なくともこの小世界における人類完殺とはなるまい。
 復興まで数百年単位であろうが、それはこの世界が負った咎である。越境者がどうこうできるものではない。

「魔力が回復したら己にかけておけ。レイ、君にも医薬品を提出してもらうぞ」

 達成感はさしてない。が、やりとげたことはやりとげたのだ。
 こうして、越境現象のケース、その一つは解決を見たのであった。
728 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/03/02(水) 00:17:44.57 ID:o+stCpV+O
>>725>>726
「ありがとう……」
少女は前のめりに倒れながら、手当てをしてくれたイムカに言う

「あ、あと……暫く動けそうにないし、連れて帰って貰えると嬉しいかなーって」

少女はははっと笑いながらそんな事をお願いする
また、レイの方もちらりと見て、右手でぐっと親指を立てる

「…………魔翌力はそう消費してないから、動けるようになったらやっとく
さっきの黒い炎が私の異能よ、あれ使うと身体に激痛走るんだよね……
あと……"66時66分"、こんな時刻、どっかの世界にはあるのかなぁ……?」

と、少女はそう言いました、この能力を手に入れ、異世界を渡った時から感じていた疑問を口にしてみる
729 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/02(水) 00:23:29.14 ID:1Ri5I9GMo
>>728

「それくらいはサービスするさ」

 ゆえにレイラはヘヴィバイクに括りつけられるのだ。
 なお、アホみたいな速度が出るモンスターマシンなのでご注意。

「獣の数字みたいなものか?何とも使い勝手が悪そうなモノだな」

 異能についての詳細を聞いて、代償ゆえの威力かと納得。
 なお、獣の数字とはヤクザの勝利を示す893が代表的な例だ。

「24時間単位ではない時間概念の世界に至ればありえるだろうさ」

 と、彼女の疑問に何とも真っ当なのか希望的観測なのか良く解らない返事をするイムカであったとさ。

//おちまい!
730 :レイラ・スプリングフィールド [sage]:2016/03/02(水) 00:29:00.06 ID:o+stCpV+O
>>729
「そっか、良かった……てちょ、ちょっとーー!!」

バイクにくくりつけられたレイラは焦ります
そして、バイクが走り出した頃には気を失うだろう

「まぁ、数字は気にしても仕方ないか」

こんなことも呟いたそうな

//お疲れ様ですー!
731 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/02(水) 21:44:44.64 ID:jTV7sVr10
この世界はそらを中心に廻っていた

絶え間ない夜と、骨までが凍てつくような極寒が続く
月すら浮かばない漆黒、変わりに羽撃くのは夜の住民たる悪辣な蝙蝠に吸血鬼、そして悪魔達
まるで浮島が如くにポツポツと荒屋が群れるそこは、夜に怯える人間達の村である
太陽の天使の祝福を受けた篝火が焚かれ、数少ない抵抗力たるカカシ達が番人として巡回していた

【夜と昼の連歌の世界、夜側】

全ての住民が避難し、身を寄せ合って震えている小さな教会
ステンドグラスに描かれた笑みを浮かべる太陽の天使の慈悲めいた眼差しが室内を見護っている
そしてその向こう、幾つもの影が蠢き犇き合っていた
夜の魔翌力に操られたアンデッド、教会の庇護力に依って内部へ入り込む事はないがそれも今という短い合間のみ

「……」

頬を掻き、どうしたものかと唸る鼠人
人間以外への風当たりの強さから目深にフードを被っている
越境した矢先こんな状況なのだ、なんなら自分独りで逃げ切る自身はあるが

「……ちっ」

舌打ち、また視界に入ってしまった
震える幼子と、手を握る母親
昔であれば捨て置く事も容易であったものが、今ではそれが困難だ
弱くなったと自嘲、外のゾンビ達の数を確認
20に近い死者達が群れを成し、教会へと押し寄せていた


732 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/02(水) 21:54:44.90 ID:3/xesDB50
>>731
「よぅ 妙に苛立ってるじゃないか」

そんなムガの死角 斜め後ろからポンと手が置かれる
その声には聞き覚えがあるだろう 武器だらけ事ロイである

【トラップ設置 振り向きツン:肩に置いた手の人差し指がピンと真っ直ぐ伸びている】
【振り向いたが最後 人差し指が頬肉を抉るだろう】

「あの子がいつぞやの幼子と被ったか? まぁ 教会で善行積んどけば 神様とやらのコネもできるかもしれねぇぜ?」
そのトラップの成功如何にかかわらず 続ける言葉は穏やかだった
733 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/02(水) 22:11:00.04 ID:jTV7sVr10
>>732
「……はぁっ? んむっ!?」

ビクリと肩を震わせ思い切り振り向いた
その分勢い良く覆面越しの頬に指がクリーンヒット、柔らかい頬肉を突いた

「……んな訳……、ない、と言いたいけどな」
「クソ、猫女(イリー)の甘ちゃんが感染ったか」

鬱陶しそうに頭を抱えてステンドグラスの方面を見やる
極彩色のそれの向こう、ゾンビ達がへばり付き影となり蠢いていた

「神様、ね……」
「なら、精々励むか」

付き合えよ、とほぼ確定事項めいて覆面の向こう片頬を釣り上げる
聖堂から裏口に周り扉を抜け、夜の闇の袂へと至りゾンビ達との対峙だ
生あるモノを視認すればゾンビ達、緩慢な動きで噛み付き喰らわんとするだろう
ムガはその腕を掻い潜り刀を抜き放ち、すり抜ける様にして数体を屠る
ロイに関しても確定描写での討伐が可能だ

しかしゾンビの群れの奥の地平線の向こうから、圧倒的な寒気を纏う何かがゆっくりと迫りつつあった
734 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/02(水) 22:21:10.54 ID:3/xesDB50
>>733
「この世に生きる者は須く うつろい変わりゆく運命にあるのだよ なぁガ○バ」
元ネタがわかれば立派なオッサン

「分かってるって いっちょ遊んでやるか」
ハルバートを担いで立ち上がる そして幼子を連れた母親に不格好なウィンク一つ 裏口から外に出る

〜それからどうした〜
「温いぞクソ共が!! 俺をどうにかしたかったらその1000倍はもってこい!!」
群がるゾンビを ハルバートのリーチを上手く使って一方的に蹂躙していく

また一体 ハルバートの斧刃を首に食い込ませながら感じる恐ろしい気配

「ムガ!!」
叫ぶ その一言で十分だろう 何かよろしくない何かがやってくる 注意しろと
735 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/02(水) 22:35:56.44 ID:jTV7sVr10
>>734
「いい加減呼び名を定着させてくれ」

やれやれと肩を落とし、そして至るは戦の場


「……1000は多過ぎ」
「……!?」

ロイの声にツッコミを入れつつゾンビの首を掻き斬る鎌鼬となりて駆ける
そして叫び掛ける声を聞いて直後、全身の毛が逆立った


『▪︎▪︎▪︎』

それは発する声そのものが純酷を帯び、呪詛そのものだ
灰色の土塊がズルズルと動いているようで、頂点の両端からは枯れた松の木の様な角が一対
進行方向から見れば背にあたる部分から生える蝙蝠の羽は膜が溶け落ちていた

この世界の夜の王者、悪魔
それが天使に敗れ去り地に落ち、回復の為に夜の中心に向かう途中の個体である

「……アレが、このゾンビ達を連れて来たらしいな」
「効くかな、これ……」

その姿がいつの間にかハッキリと視認出来る位置にあり、大きさは3mほどだと分かる
余りの悪辣な魔翌力にたじろぎながらも弓矢を放つムガ
それは灰の土塊の体に突き刺さるがすぐにぐすぐすと燻って消えた

「ちっ……どうするかな」

このままでは土塊は何の感慨もなく教会を呑み込み進むだろう
篝火がパチパチと周囲を照らす中、策を巡らすムガ
736 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/02(水) 22:50:50.09 ID:3/xesDB50
>>735
「分かった これからポ○リ一択にするわ」
そんなやりとりがなされたそうな・・・


無事にゾンビ共を殲滅した後 やってきたその個体に目を向ける
大きさは祖国のオーガとそん色なし 特記事項 重症

「・・・」
そしてムガの放った弓矢 おそらく空間に干渉しての呪いは持ち合わせていない ならば

「ムガ 俺は前に出る お前はその間に策を練ろ」
道具袋から松脂を取り出し ハルバートの穂先に塗りたくり 篝火に翳して着火 簡易の松明とする

「よぅ大将・・・いつの世も陰と陽は表裏一体ってな いつの時代も闇夜を照らすのは炎の力ってな!!」
それを構えて突撃 炎の力を借りた一撃を放とうとする
737 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/02(水) 23:04:34.16 ID:jTV7sVr10
>>736
「あ……お、おい!」
「……!!」

止める間も無く燃え盛る刃を振るい突撃するロイ
元々考えるのは苦手なのだ、体の赴くままに戦う方が合っているが故に
しかし篝火を宿すハルバートが灰の土塊に造る傷から、紫色の液体が溢れ出るのを見れば目を見開く
身を捩った風にすら見える。 有効打だ、間違いなく

『▪︎▪︎▪︎……』
『ダ、ダハ、ゼンヲ……』
『ダハ、ゼンヲ、ハイノハシラニカエタ』

怨念の音が発声に変わり、土塊から腕らしき機関が伸びる
そこから放たれる灰色の光、枯れ木に当たるとそれはさらさらと灰へと帰して崩れ去った

「……ヤバイなあれ……おい、武器だらけ!」

ムガの叫び声、鼠人も篝火を棍の先に宿して振るう
ロイとムガに向けられた腕らしき部位、再度灰色の光がそれぞれに放たれた
それに触れれば……結果は語るまでもないだろう
738 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/02(水) 23:20:05.17 ID:3/xesDB50
>>736
「ヨシッ!!」
有効打を与えた 後はこれを繰り返すのみ・・・と行かないのは戦いの常であろう
土塊から何かが生えたと思ったら 放たれた光が枯れ木を音もなく崩してしまった

あれに当たったら武具は兎も角身がもたぬ それをこちらに向けてきたのだ

「―――ッ!! 月閃歩行!!」
腹をくくり ジョーカーを切る 小さな跳躍大きな飛翔 空を蹴り撥ねる姿は空飛ぶ円盤にも似て
滾る血潮は光となりて体を包み 紅蓮を纏いし 構える穂先は鳳の嘴

悪魔を貫き 燃やし尽くし 灰塵に帰さんと 放つ大技己の奥義

「天!!破!! ・・・絶ぇぇぇええええええええッッッ槍ぉぉぉぉおおおおぉぉおおぉおぉおぉおおおお!!!!!!」
739 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/02(水) 23:32:07.28 ID:jTV7sVr10
>>738
「……おォォォっ!!」

ムガの咆哮、灰色の光をスレスレで躱し篝火を宿した棍を全力で打突として繰り出したのだ
無論その程度で崩れる相手ではない事を知っている
鼠人の目的は牽制にあった、続く本命の決定打の為の

土塊の腕が伸び、ムガに向かい殺到し始めた頃
紅蓮の鳳凰となりて突撃するロイが、その土手っ腹を貫いた
しばし土塊は全身から何本もの腕を生やし何かを掴み取ろうとしていたが

『▪︎▪︎、▪︎……』

この世界への限りない憎悪を怨嗟としたまま、灰となって崩れた

「……」
「……終わった……?」
「助かったよ、武器だらけ」

しばし構えたまま警戒していたが、亡骸から何も産まれない事を確認してふぅと一息
人助けをする事も、素直に礼を言うようになった事も
全く自分は変わったと思う、過去からすれば思いもよらない方向へ
しかしそれがどうにも、嫌に思う事が出来ない事実を
苦笑と共に認めざるを得なかったのもまた確かだ

「一先ず、戻る?」

740 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/02(水) 23:48:45.85 ID:3/xesDB50
>>739
「ッッッ!!!」
土塊のど真ん中をぶち抜き たっぷりと通り過ぎて着地・・・失敗し 地面をゴロゴロと転がる

「げほっ・・・最後に締まらねぇでやんの」
どっこいせと立ち上がり 憎悪ふりまく死にかけに向き直る その立ち居振る舞い 威風堂々

「我ら敬愛せし御身の名に!! 一点の曇りなし!! 万物よ ひれ伏せ!! プラチナムの輝きの元に!!」

嘗て軍隊にいた頃の勝鬨を上げ 勝利を謳う
そしてムガの珍しいお礼を聞けば にやけた顔でムガに近寄り

「お〜いどうした珍しい 明日降るのは槍か? それとも金貨か? えぇおい ぐり○ぐらよぉ カステラでも作ってやろうか?」
そう言って肩を組もうとする 

「おーけい 戻るか 例を言われるかは微妙だが なぁに自己満足でやったことだ」
そう言って教会へと向かうだろう
741 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/03(木) 00:07:45.99 ID:Lt934qt00
>>740
「っ、煩いなぁ……!」

肩を組まれてそのまま、振りほどく仕草も見せるがそれも微弱なモノだ
そのまま教会に戻れば、一斉に浴びる視線の嵐
好意的なモノでないのは、人への観察眼に乏しいムガだも分かった

『……怪物を追い払ってくれた事には礼を言わせて貰う、だが……』

代表らしき老人が目を合わせる事なく、弱々しい声で続ける

『貴方方の力こそ、恐るるモノだと……それにそちらは人間ではない』
『多くが恐れているのだ……分かっては貰えないだろうか』

小さく首を振りながら、まるで消え入るように語る老人
夜に脅かされる人間は、その畏れの余りに偏屈に凝り固まり排他的になってしまっているのだ
しかしそれでも言葉を選び、態度からそれだけではない所作を醸し出すこの老人は珍しい人種なのだろう

「……宿くらい、期待したいんだけど」
「コネを作った神様とやらは、案外ケチ臭い奴だったか」

やれやれとムガ、仕方なしに踵を返し今度は表門から外へと至る
そんな越境者に背後から声が掛けられ、立ち止まり振り返れば駆け寄ってくるのは

『……おじちゃんとネズミさん、その……ありがとう』
『これ、たからものなの、お礼にあげるね』

先程の幼子である
小さな手に乗せられ差し出されるのは、2欠片の透き通った青白い石ころ
落涙石と呼ばれる、抗夜(魔)の力を秘めた御守りだ

「……」
「……どーも」

ぶっきらぼうに振る舞い受け取る鼠人、照れ隠しなのは容易に看破出来るだろう
そのままそそくさと足早に、外へと向かって行ってしまった

そらが全てを支配する世界、夜の闇の中
生きるモノは追いやられ、それでも抗い続けて
今もまた、ひとつの集落が救われた

//ここら辺ですみませが〆っ
//ありがとうございましたっですっ
742 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/03(木) 00:16:03.94 ID:l8ivwe/R0
>>741
「どうやらどうやら神様はあの土塊との戦いで入院中だったようだ また後日お伺いに上がろうか
 それじゃ俺らはこの辺で失礼するよ 長生きしなベイビー」

その言葉に快く応じ 颯爽と踵を返す だが子供に声をかけられ 差し出されたのはこの世の至宝

「これはいい 体張って化け物退治した甲斐があったってもんだ ありがとうよ坊主」
と ムガがさっさと外に向かうのが見えたので

「ロイ・ゴールドマン 向こうのネズミさんはムガ 縁があったらまた会おう」
と自己紹介し 外に出る

「お〜い待ってくれよ〜」
こうして野を行く男2人 次に立ち寄るのはどこの世界か?
743 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/03(木) 21:49:51.68 ID:U4vS3Hoio
【魔法世界エリュシオンにて】

「失格です」

 エリュシオンの森の都…冒険者ギルドの受付で
 イムカは事務員にあっさりとこう告げられて、

「ふむ」

 と、無表情のまま腕を組んできひずを返した。
 そして、2階のカフェのイスに座ると、己の登録タグを取り出す。

【イムカ・グリムナー…流民/D級冒険者】

 このエリュシオンという世界。存外に中枢世界に属するのか、来訪する機会が少なくない。
 ならば、と、社会的ステータスを得ておいて損は無いと、ランク試験を受けたのだが…

【最低はFで最高はSという。まあ、Sなんて意味不明な名誉称号は除外するにしても、
 Dというランクが決して上位ではないとは理解してもらえるだろう】
744 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/03(木) 22:01:11.75 ID:Lt934qt00
>>743
「B級の冒険者……これって、どうなんでしょう?」
「……イムカ様は如何でしたか?」

なんて言いながら審査を終えて戻って来る半人
デタラメな身体能力、完全な記憶力、更に一定の魔翌力を保持した上に使用武器は逆ルーンの刻まれた聖遺物
成る程荒事をメインとする冒険者としてだけ見れば高次元に纏まっていると言える
それ以外の…例えば、状況判断力等での審査が甘いと言わざるを得ないのは、イムカと半人の級の差を見れば明らかではあるが

「……まぁ、これがなくともスプロール程不自由する場所ではなさそうに思えますけど……」

だがそれでも、身分を明かす存在の有無は大きい
それ位を半人は理解していた
745 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/03(木) 22:08:37.12 ID:U4vS3Hoio
>>744

「D級だ。C級試験で落ちた。君は…ああ、適切だな」

【荒事は得意なため、数回以上の適正難易度依頼の達成という項目はクリア。
 さらに筆記試験は問題なし、であったが、試験者でパーティを組んでの実技試験がダメであった】

 無表情であるが付き合いの長い人には、
 実は今、イムカが結構不機嫌であるとわかるだろう。

「色々書かれたぞ。コミュニケーション能力の欠如に、終始偉そう、上から目線、命令口調」

 審査員のなんかがイムカをお気に召さなかったのか色々と余計な減点が多々書かれている。
 恐らくは、便宜を図ってやるから一晩を共にしろと抜かした時に天高く吹き飛ばしたのがいけなかったと思われる。
 実際、指揮能力により、同パーティーの全員を合格に引き上げていたが、イムカ自身は評価されなかった。

【が、それならば別の都市なり機会なりでランクを上げればいい…と思いきやそうもいかない】

「最も重要視される項目である魔力の欠如、精霊適正無し、なるほどこれは致命的だ。どうにもならん」

 審査項目で重視される箇所の素養がイムカ・グリムナーには全く無かった。
 つまるところこの瞬間、イムカはD級以上の昇格はありえないものとして確定してしまったのだ。
746 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/03(木) 22:18:10.53 ID:Lt934qt00
>>745
「えっ!? ……むぅ……!」
「あ、あー……な、なるほど……」

半人からすれば意外過ぎる結果に唸り、不服の申し立てをするかと思いきやしかし
書かれた数々の減点項目を見れば何と納得してしまう不義理であった
ともあれそのなんともあれな審査員の話を聞けば、今すぐにでも赤刃を抜き放ち殴り込みを掛けるのであろうが

「魔力、ですか」
「……私は、この体になった後でそこは何とかなりましたけど……」

曲げた人差し指を唇に当てて唸る
やや機嫌悪そうなイムカに対し、どのような言葉を選ぶのが正解なのかを半人としては未知だ

「まぁ、その……」
「他の人と一緒に行動すれば、有る程度は……」

恐らく各等級毎に様々な処遇があるのだろうが、それらを直接的に管理しているのは人である
ならば一定は揺らぎがあるモノで然るべきであろう、それが特にハイクラスの人間が申し立てをしたとなれば
747 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/03(木) 22:30:20.02 ID:U4vS3Hoio
>>746

「私でも魔力適正だけはどうにもならないからな。
 聖遺物はロックがかかっているから使用できないし」

 イムカが魔力を行使できるのは後ろ腰の墳弾短銃が魔力炉として機能した場合に限り、
 当人自体は異能の素養が全く無いのでどうにもならなかった。

【精霊に嫌われているのは神なる皇帝陛下への信仰心よる神秘に対する排他的心理も影響】
【属性適正に関しては、生存にのみ偏った因果律改変特化など観測されない+本人に自覚が無い】

「受注できる依頼の質の差が出るのと、社会保障のランク、
 アタックできる遺跡…D級だと生活に困らない程度だな。これでは」

 嘆息を付くイムカ。なお、B級を獲得したタェンティースには早速都市クランからのお誘いが色々来ている。
 入団のメリットを色々と謳う連中もいれば、純粋に試験での剣技を評価する熱心な者、
 それとは真逆に下世話にタェンティースの容姿と身体を目的としたナンパ(強引さから誘拐に近い)、
 挙句の果ては自動人形扱いで、脅迫紛いの事を抜かす不心得モノまで色々と絡んでくる。
748 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/03(木) 22:40:57.81 ID:Lt934qt00
>>747
「外付けのソーサリードライブとか、スプロールで広告を見たような……アッハイすみません」

因みに半人が見たのは怪し気な深夜通販の枠の中である
中途半端な吹き替えのマッチョな男とセクシーな美女が出てるようなアレ
尚半人はというとこの世界では土属性を帯びる事になっているらしい
無論それはイムエトゴーレムのモノだ
加えて赤刃の解析不明なある種神話属性地味た魔力を外部に持つ形となる

取り敢えず色んなお誘いにはノーサンキューだ
イムカが連れだと知れば不埒な輩は一層の熱意を持ってアタックを掛けて来るであろうが、何人かを投げ飛ばせばそれも落ち着くであろう

「遺跡かぁ……」
「あ、でも、ほら、何らかの功績を挙げればなんとか……ならないでしょうか?」

そういえば以前、越境者たちが大罪と呼ばれる厄災を打ち払ったという話をニアから聞いた事を思い出す
749 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/03(木) 22:47:12.25 ID:l8ivwe/R0
ロイ「なぁー やっぱりおかしいってこの査定」

遅れてやってきた目つきの悪い男が渋い顔をしてやってくる
持っていたタグを見せると

【ロイ・ゴールドマン・・・流民/C級冒険者】

タェンティースほどではないにしろ高い身体能力 場数を踏んできた経験
高いレンジャー知識 更にイムカと違ってコミュニケーション能力も低くない

だがこの男 ファンタジー世界の出身者なのに魔法適正が壊滅的に低いのだ
なのでイムカ以上 タェンティース以下というポジションに納まった

アキレス「まぁこんなところなのかな?」
そして対照的に平気そうな顔をしてやってきたアキレス

【アキレス・イニゴ・ブランチ・セベタ・・・流民/D級冒険者】

こちらはそれなりに高い身体能力があり コミュニケーション能力は高いが
戦闘能力 とりわけ個人の武に関してはかなり低い

なお 魔法適正に関しては多少低いながらも備わっているという意外な結果
以前同じようなファンタジー世界(コンクエストザワールド)で魔法を授かったのが原因だろう
あの時の回復魔法は失ってしまったが 基礎はまだ残っていた

―――ギィ!!
そして最後にベティが得意げに見せてきたのは 同じくタグ だが形が若干違うのは アキレスが作ったものだから

【べてぃ・・・さそり/Fきゅうぼうけんしゃ】

―――ギィ!!
どうだすごいだろーと言わんばかりに見せつけてくる
750 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/03(木) 22:56:48.72 ID:Lt934qt00
>>749
「……ふふん」ドヤァ

チラチラとわざとらしくB級のタグを見せ隠し
すまし顔のつもりなのだが、内心から溢れる嬉しさが隠し切れていない
イムカに対する態度と明らかに違うのは、まぁアレであるアレ
しかしすぐにベティの純粋な様子ににんまりと破顔、自慢も忘れて和み見ている

751 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/03(木) 23:02:56.98 ID:U4vS3Hoio
>>748

「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」
「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」

【次々に量産される犬神家もとい、スケキヨ丼。ナムアミダブツ!】
【しかし格闘戦技は昇格の対象にはならないのだ。あくまで魔力が重要】

 魔力と精霊こそを偏重している世界にあって、
 様々な事態に対応できる(と、評価される)のはあくまで魔術ありきなのだ。
 イムカのようなテクノロジー兵器はそもそも認知されていないし、
 下手に低ランクが強力な装備を持っていると知られると勘繰られてトラブルを呼びかねないこともある。

【社会的な構造がそうなっている以上、それ以外で評価しろなど論外ですらあるのだ】

「功績評価も魔力が無いって時点で弾かれるようだ。
 冒険者ランクを得られてなきゃどうやら私は社会的地位も底辺になりかねなかったらしい」

 魔力無しには厳しい世界であるようだ。
 まあ、イムカは終始エリート然としているため、相手が勝手に名誉貴族らへんと思い込んで、
 そうそう、蔑まれるような偏見を受けることはなかったが。

>>749

「社会の規範だ。どうにもなるまいよ」

 ロイは実際のところその豊富な知識とパーティにおけるリーダーシップの能力もある。
 そして、彼と組んだ試験パーティーメンバーは大斑蜘蛛の討伐を達成。
 ロイ以外は皆、B級(※実力以上の動けたという幸運もある)になっていた。イムカに近い状況である。

【が、ロイが一属性…それも精霊に拠らない特異異能(闘志)であることが評価基準に大きく影を落とした】
【属性適正も熱(異質)以外が概ね低評価。ゆえにC級である】

「アキレス、それにベティも頑張ったな」

 自慢するベティをひょいと持ち上げながら、同ランクとなったアキレスとシェイクハンド。
 囮役として頑張ったアキレスであるが、周囲のメンバーも決め手を欠いて、達成ならずである。
 こればかりは、主攻でないゆえ。仕方のない面もあろう。

【と、ここで或いはロイは気付けるだろう。周囲の懐疑が混じった目線】
【タェンティースはともかく、ロイとイムカは等級を装備が見合って居ないのが幾人かのランク主義な連中に目を引いてしまっている】
752 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/03(木) 23:14:34.23 ID:Lt934qt00
>>751
「おおっ、新記録っ……」

吹き飛ぶ男が綺麗に壁に突き刺さった
オブジェめいて垂れるそこまでの飛距離を割り出せば素晴らしい数値
ワザマエ

「なるほど……」
「才能主義と言いますか、なんと言いますか……」

功績を得る段階にすら、魔力の有無が影響するのかと絶句
しかしよくよくこの世界の有り様を鑑みれば一概にそれを咎める訳にはいかなかった
ここではほぼ全ての人間が等しく持つ、当たり前の隣人なのだ魔法とは
それが無い立場というのは現実で考えれば大きなハンディキャップを持つ事と同義である

「とはいえ、努力でどうにかなるモノならいいのに……とは思います」

だがそれだからと言って納得出来るかどうかは別問題
腕を組み唸り、床に突き刺さった不埒な輩を意味もなくチラリ
753 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/03(木) 23:18:26.16 ID:l8ivwe/R0
>>750
ロイ「(#0w0)」
そのあからさまな挑発に怒りのマークを浮かべ タェンティースの脛を狙ったつま先蹴りが放たれた

―――ギィギィ♪
アキレス(とほかのみんな)とおそろいのタグをもらって 甚くご機嫌なベティちゃん

アキレス「はいはい なくさないように括り付けておきましょうね〜」
と言って尻尾にタグを装着される

>>751
ロイ「まぁ うすうすは感じていたさ だがまぁ…悔しくはある」
これでも祖国では特殊部隊に所属し 冒険者になってからもそれなりの功績を上げてきた

その時のゲタは履けないまでも ここまで低いとは思ってなかったらしい

アキレス「え? あぁまぁ妥当だと思うよ? 高ランクとか言われてもその・・・困る」
イムカの慣れないシェイクハンドに戸惑いながら応じ

―――ギィ!!
なおも誇らしげにタグを掲げるベティでした

そして視線をあまり動かさずに周囲を探ると 辺りの人間の目を悪い意味で引いていることに気付く

それだけではない 高ランクのタェンティースに低ランクの人間が分け隔てなく接しているのもあり
仲間内の雑談のフリをした 明らかな嫌味まで聞こえてくる

やれ節度を守れだの 低ランクの内に高品質の武具に頼るヤツに碌なのはいないだの 親の顔が見てみたいだの

アキレス「・・・・・・ねぇ オッサン」
ロイ「言わせておけよ 真正面切って文句も言えないタマキンのちっちぇえオカマ共のさえずりなんぞ無視すりゃいいのさ」

その嫌味に縮こまるアキレスであるが ロイはむしろ周囲に聞こえるように大きな声で嫌味を言いかした

ロイ「なぁイムカ ここにはおんなの腐ったような輩か オカマしかいないらしい これで冒険者を名乗ってるんだ おかしいよな」
とイムカに同意を求める
754 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/03(木) 23:31:17.60 ID:Lt934qt00
>>753
「ふふーんふんふーん♪」
「……ぁ痛ぁっ!?」

普段様々な事柄でロイに遅れを取ることが多い半人
こんな事でも珍しく勝てたという事実が余程嬉しいのであろう、相変わらずチラチラチラチラかなり鬱陶しい
制裁のローは鋭く刺さり、脚を抑えて情けなく蹲る結果になるのであるが

「あ、あはは……似合いますよ、とても……」

そのまま背を丸めたまま、ベティに向けて苦々しく笑い掛ける

「……、……」

だがロイの辛辣な言葉を聞けばようやくあって姿勢を直し
周囲からの剣呑地味た雰囲気に凛然と構えた
755 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/03(木) 23:41:01.31 ID:U4vS3Hoio
>>752

 タェンティースがチラリと見た連中でさえ、精霊との融和性と魔力という素養に限定すれば、
 この世界の水準…すなわちC級という所謂、ひとつのボーダーのような階級を概ねクリアする土壌はある。
 多少も魔力資質の不足ならば、他の分野の評価で覆せる余地はあるが、それにも限度があった。

【タェンティースはその面でいえば文句なしであった】
【少なくとも即席パーティには冷静に対応(実は人見知り疑惑もあるが)、身体能力は抜きん出ており、
 土属性の魔力を要所要所で行使、魔力量自体もB級昇格には十分。評価基準をしっかり抑えているのだ。】

「いや、才能は平等ではないからな。これはこれで健全かもしれんよ」

 イムカはイムカで超階級世界で生き抜いてきた経緯もあり、
 この手の理不尽に対しては理解する素地はあった。不機嫌はあくまでコミュ症という不当評価ゆえだ。

「これでも私は奥ゆかしいと自己評価しているのだがな」

>>753

「なに、出会った頃から君も随分と成長したと思ってな」

 曲がりなりにも、ちゃんと役どころで動けるようになったアキレスの成長は、
 基本的に教官気質もあるイムカにとっても賞賛すべきことであったらしい。

【なお、出会った頃から既に高い水準であったロイには特に賞賛はない。
 まあ、こうなるだろうなという試算が的中した、という程度だ】

>>752-753

「無視するんじゃなかったのか君は…呆れたな。ああ、この連中に対してか。
 かよわい女に対して、口先でしか戦えぬ臆病者ぞろいだよ」

 ロイのあからさまな挑発!イムカも乗った!ふと見れば、何時の間にか、ロイ、イムカとタェンティースの間に、
 野次馬や悪口連中が意図的に身体を押し込んで一種の境界をつくっていた。
 冒険者の仲間意識って奴だろう。今回はそれが大きくマイナスに働いているが。

「魔力無しの劣等連中が何を言ってやがる!」

 矢面に立って拳を握り締める連中は…実はまだマシであった。
 己の主張を力で押し通そうとするのは、この実力偏重の冒険者世界の仕儀としては健全ですらある。が、

【タェンティースは見てしまう。後ろでコソコソと金縛りなどの術を発動させようとする連中や、
 (※施設内における攻勢魔力行使事項に抵触している。ゆえにドサマギである)
 D級の貴族の道楽(と、イムカを思い込んでいる)が気に入らないから攫って、慰み者にしようとする野卑た連中を】

「魔力無しがC級っても気にいらねぇんだよ!!」
「どうせ装備に頼ったに決まってやがる!!」

 なお、装備のランクは昇格審査の対象にならないのだが、それはこの場で論じても意味はあるまい。
 魔力劣等者に対する傲慢と、それがC級というやっかみの混じった拳がロイに放たれる。
 同時に、後ろや側面からも!何せロイが喧嘩を売った(買った)連中は数だけは多い!!
756 :なんか賑やかな外野 [sage saga]:2016/03/03(木) 23:49:01.30 ID:+QSGV7M4o
「え、えふ………っ…」

一行とは少し離れた場所で、小さな魔女はふらふらと覚束ない足取り。伝票を手にしたまま柱にごんと頭をぶつけ、それに寄りかかるようにして止まった。
F級冒険者認定試験失格。女教皇ガブリエラの親衛隊にしてエリュシオン魔導騎士団に最年少で抜擢された少女は、ギルドの最も簡単な試験に於いて失格判定を食らっていた。

『ミスカちゃんは運動苦手かぁ…』
『つかよ、懸垂ならともかく腕立て0回はヤバいんじゃ…?』

笑いかけながら少女を弄ったり励ましたりのギルドメンバー。しかし一枚岩とは行かないようで、
少女を中心に出来た小規模な人だかりの、遠巻きからは陰口めいた言葉も聞こえてくる。魔力頼りの運動音痴やら清純なフリした売女やら。
エリュシオンの数あるギルドの中でも、ここは選民思想の強い、"そういった"部類の場所なのであろう。

「わ、笑わないで下さいよっ!!」
「……いいもん…魔導師検定ならA級取ってるもん…」

その言葉が耳に届いてたのか届かなかったのかは分からないが、どちらにせよイジられていくうちに段々と悔しくなってきたのだろう。
差し入れは没収とギャラリーを一蹴、手乗り不死鳥に慰められながら涙目で逃げるように退場。
その直後だ。鈍い打撲音と同時に人だかりの向こうで血飛沫が舞った。

「オラッッ!!さっさと立て…よッ」
「他所モンがまぐれでBランク取ったッての証明すんだろォ!?すいませんじゃねェよオイ!」

床に誰かが倒れ伏す音、直後に何処か聞き慣れたような声の怒号。
喧騒の向こう側、姿は見えないが一方的に腹や胸をバカスカ蹴りまくる音ははっきりと聞き取れるだろう。ギルドの警備員が刃を抜き放つ鋭い音も。
倒れた男の胸ぐらを掴み、引き摺り持ち上げて周囲を威嚇する男に警備員と事務員がなにやら手帳のようなものを開き指差し、剣を突き付けながら何かを訴えている。

「邪魔すん…はぁ!?剥奪ゥ…!?」
「………勝手にしろよクソッ!!二度と来ねェ!!」

資格取得後1分でギルド内部で揉め事を起こし、資格を永久剥奪されて涙目退場その2。両開きのドアを蹴破って出て行ってしまう。
破壊された内装と、死に掛けのAランク冒険者、そしてまるで紙のように引き裂かれたB級タグの断片だけがそこに遺されていた。
…損を被りたくなければ彼を手本にはしない方がいいだろう。
757 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/03(木) 23:56:06.95 ID:l8ivwe/R0
>>754
ロイ「天罰覿面・・・」
アキレス「ただの嫉妬じゃん」

フンスと鼻息を荒くつくロイと 冷静なツッコミをするアキレスでしたとさ

>>755
アキレス「あ・・・え・・・あ え? あ うんありがとう・・・・」

正当な賛辞である ただ逃げ惑うだけの一般人が 一端のスカウトマンに成長したのだから
だが イムカに褒められるという行為に慣れてないアキレス 思い切りドモるのであった

>>754-755
ロイ「喧嘩売ってきたのはそっちなんですがねぇ…?」
群がる有象無象にも笑みを崩す様子すら見せない

そしてアキレスは何かを感じ取り

アキレス「お・・・オッサンごめん 俺まだ死にたくないや・・・」
と実にヘタレた様子でこっそり離脱・・・するフリ

【アキレス 危険察知能力発動:裏で何か仕掛けようとしている連中に 漠然ながらも気付く】

ロイ「聞けトーシロー共 装備を整えるのも実力の内よ それすらできねぇのにグチグチ文句言うんじゃねぇや」
そして放たれる拳 それを その場から動かず こともなげにひょいと避け 拳を放ってきた男の足元に自らの足を添える

足元に注意を向けねば 無様に転ぶように

そしてアキレスはタェンティースの背後で不穏な空気を醸し出している輩の元に忍び寄り特殊警棒を展開

アキレス「何をやってるのかな〜!?」
警棒で首を締めるように取り押さえようとする
758 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/04(金) 00:08:31.07 ID:8bzCCQYf0
>>755
「それは……まぁ、そうですけど」
「……え、えぇ、ソウデスネ」

才気の不平等さ
それはそうだ、そもそも故郷の世界でも、異能を持つモノと持たざるモノに分かれているからこそ
それがあるが故に自分の様な存在が生み出されたのだから
だがイムカ程に達観出来ず、またこの場でのある種被害の当事者ではない事が首を縦に振るのを渋らせていた
続く発言にはもう棒読みだ棒読み

>>756
「……」

一瞬喧騒の方向に視線をチラリ
即座に外したのは正解だろう
既知の魔導師の少女はもうこの場から去って行ってしまっているし、もう片方はアレだし

>>757
「もっと言ってやって下さいよアキレス様ぁ……」

いじめられっ子体質なのか、味方と判断すればすぐ様応援を求める
なんたる卑屈か

>>755-757
「……!!」
「……失礼、当ギルドに於ける攻勢魔力行使事項規定違反に当たります」
「無論、お覚悟の上とは存じますが……」
「厳罰が課せられますよ?」

直立のままの格好から転じ、金縛りの魔術を詠している輩の顔面を鷲掴みにせんと腕を伸ばすまでは瞬き程の時を要さない
スカーフの様に纏う黒い布が残影めいてはためき、軌跡を微かに伝えていた
ロイに対する喧嘩腰の連中は任せられるし、己が背後にいた不埒な輩はアキレスが対応してくれている
既に彼等、そしてイムカへの信頼は金剛石より尚強固なモノである
ならばそれら全てを任せ、自分は自分の成すべき事を成せばいい
それだけで物事の多くは完遂するのだと、半人には確証があった

759 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/04(金) 00:09:08.00 ID:0nGME+aS0
>>757追記
そして四方八方から飛んでくる攻撃を 体捌きのみでのらりくらりと躱して見せる
ただ数に物を言わせただけの攻撃 決して見切るのは難しくない

「ほれほれ〜 寄って集って手傷の一つも付けられんか お前らFランクからやり直した方がいいんじゃねぇの?」
なお その間ロイは攻撃どころか腕を上げることすらしていない
760 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/04(金) 00:19:33.42 ID:m7LcZY4Zo
>>757-758

「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」
「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」

 勢い過剰な相手を転ばせるロイであるが、背後は全く無問題。
 現在、天井に次々とホラー映画めいたオブジェが量産中。

【ここで殴る蹴るをやった一部とは実際にこの後、酒を組み交わせるくらいには和解できるので暴れて問題ない】
【というか、解り易い暴力に訴えた連中は、思考がシンプルゆえに後ろ暗さはないのだ】

 ここで本当に問題なのは、前に出て参加せずコソコソとよからぬ事を行おうとしている連中である。
 こちらは性根の歪んだ犯罪者紛いであり、実際救いようが無い。

「んな?!」

 が、それもタェンティースとアキレスがしっかりと押さえており、
 アキレスの眼前でタェンティースが人間の顔面を掴んで持ち上げるという
 肉体言語パフォーマンスをかました事もあり、十分な支援となった。そして、

「ザッケンナコラーッ!!貴様等ドグサレッガー!!」

 この大喧嘩の中、協会員の怒声が響き渡ることで沈静化するのだった。
 なお、無傷のロイとオブジェ量産中のイムカには怪我一つ無かったそうな。

 −−−−−−−−−−−−

【閑話休題】

「………」

 協会から出てきたイムカ、ロイ、アキレス(&ベティ)、タェンティース。
 イムカは知人にはわかる不機嫌な様子であった。

【イムカ・グリムナー 流民/E級(D級)】
【ロイ・ゴールドマン 流民/D級(C級)】

 一定期間のランク低下措置。罰金300新円。
 大立ち回りをしたが、やり過ぎなかったということで、ある意味温情措置ですんだ。と言える。

「どうしてこうなった?」

 自業自得であった。世間の風は実にキビシーのである。
 なお、殴り合いした連中とは後で酒場で飲み比べをすることになったそうな。

//ではこれにてオソマツ!
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(兵庫県) [sage]:2016/03/04(金) 00:23:36.09 ID:gMW5Dlmoo
そしてこちらにも、一人の野次馬が
「ええと、こちらは……そう、私の使い魔、使い魔です」
魔術だけならA級に合格している彼女、線が細く見るからにひ弱そうだが出るところは出ている。
彼女は付き添っていた機巧少女をなんとか誤魔化すようにそう言っていた。

ようやくOKが出て、ふらふらと歩いて数歩、彼女はばったりと地面に倒れる。
魔翌力過剰で一時的に気絶したようだ。そして防衛本能か周囲に電撃を走らせてしまう。
ここに居合わせた人間はどうやらはた迷惑な虚弱少女の魔翌力の発散にまで付き合わされるようだ。

程なくして収容されたが、この世界はこのような人材で溢れているようだ……
762 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/04(金) 00:27:57.70 ID:8bzCCQYf0
>>760
「……」

ギリギリ、と握る手に力を込める
多分それは表立って乱闘騒ぎをする、ある種気持ちのいい連中を無下にするような
このある種明朗な動乱の場に於いて、淀む様な悪意に満ちた輩に対する静かな怒りがそうさせたモノだ

「っと……、ビックリした……」

協会員の怒号に驚き、手放してしまうまでそれは続いた

【それからどうした】

「まぁ、その……」
「お怪我がなかっただけでも、重畳としません……? あ、しませんよね……」

イムカとロイに掛ける言葉として適切なモノを、半人が探り当てる事はついに出来なかったという

//ありがとうでしたっ、また宜しくお願いしますっ
763 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/04(金) 21:55:00.47 ID:0Zwj3g4p0
[退廃近未来世界]
[核の炎で焼き尽くされた戦前よりも高度に、歪に発展した都市の外れ。砂漠の近くの汚い倉庫に一行を招き入れ、手を叩くソーマタージ]
[全員そろったのを確認してホワイトボードの前に立つと、ゴミ捨て場で拾った長い棒を出して周りを見渡す]

率直に言うと簡単な仕事を頼みたい。もちろん違法なヤツだ
報酬は払う。前払いでも構わん。だがやるかどうか決めるのはあくまでお前らだ
このソーマタージ、他人の嫌がることを強要するのは、まぁーーー嫌いじゃないがそれも限られた人間にだけだ

…どうする?やってくれるか?それとも観光案内でもしてやろうか?ここは初めてだろ
[左手でペンペンと棒を叩き、周囲に問う]
[ちなみに報酬とは、側の棚に置かれた、ズタ袋に入った小さな指輪数個と鉄や合金の塊のことだ]
764 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/04(金) 22:03:15.68 ID:0nGME+aS0
>>763
「ん? あぁやるやる ちゃんと聞いてるから構わず続けて どうぞ」

ロイ・ゴールドマン 目つきの悪いあごひげ男はそう言って先を促した なにをやっているかというと
割烹着袖を通し 三角巾を頭に巻いたトンデモスタイルで 鬼のような手際の良さを駆使して辺りの掃除をしていた

一度通れば埃が回収され もう一度通れば水拭きが成され 三度通ればレイアウトが完了し・・・

なんということでしょう 匠の手により 小汚かった倉庫内が みるみるうちに元の輝きを取り戻していくではないか
765 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/04(金) 22:14:02.93 ID:0Zwj3g4p0
>>764
精の出ることだな。それが終わったら牛乳を買ってきてくれるか?
[ジョークだがな。と嗄れた声で一人で笑うと、真面目な顔になってホワイトボードに一枚の写真を貼る]
[山の斜面に出来た、小さな農場の写真だ]

競争相手などいないに越したことはない。まして、大儲けできる仕事の商売敵ならな
ファミリーズという組織…アメリカン・ギャングスター気取りのチンピラだが、そいつらがここでケシを育ててる
やつらの大事な、大切なケシの花と精製所を吹き飛ばして来い
[前かがみになり、囁くように告げると、唐突に踵を返して奥の方の小部屋に向かう]

隣の駐車場に車を停めてある。運転手付きだ
後部座席に爆弾を積んでるからそいつを投げるか、カミカゼしてこい
他人に指示できるってのはいい気分だぜ。カルト宗教のグルになった気分だ
[「ヤツラヲ殺スノダ」とわざとらしく片言に言うと、小部屋に閉じこもる]
[言われた通りに倉庫から出れば、一台のバンと男が見えるだろう]
766 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/04(金) 22:31:11.92 ID:0nGME+aS0
>>765
「あぁ分かった・・・んでどこで売ってるんだ?」
とりあえず必要個所の掃除は終わった 他にもいろいろとやりたい個所はあるが 仕事が先だ

「ほぅ? 見た感じ末端価格で目ん玉が飛び出る値段になりそうだな 警備計画・・・なんてわかりそうにないだろうな」
さて 必要な者はそろいましたが

「爆弾ねぇ…念のためのプランBも作っておくか・・・」
といって 倉庫内で見つけた瓶と燃料 それに布きれを用意 後は分かるよね?

「んじゃ行きますか!!」
意気揚々とバンに乗り込んだ
767 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/04(金) 22:39:40.27 ID:0Zwj3g4p0
>>766
「話は聞いているんだろう?行こう」
[ロイが乗り込むのを確認すると、バンを走らせる黒い義手の男]
[無口なのか話題がないのか、無言のまま車を走らせる]

「そうそう、これ着けとけ。指示が聞けないのはアレだろ?」
[思いだしたようにロイにインカムを投げ渡す義手の男]
[耳に着ければ、ノイズ交じりのソーマタージの声が聞こえてくるだろう]

[車が発進してから数十分が経った]
[ここだ。と男が促す先にあったのはギャングなどとは無関係に見えるモダンで高級そうな住宅]
「…おかしいな、GPSはここを指してるんだが…ボスの家とかかな?
 まあいい、とっとと済ませたらどうだ?心配するな、逃げたりしない」
768 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/04(金) 22:47:16.30 ID:0nGME+aS0
>>767
「あいよ」
短く返事し バンに乗り込む ついでにインカムを耳に装着
途中 話題に困れば目を閉じ 浅い仮眠に勤しんだ それでも何か異変を感じれば起きられるように気は張っていたが

「・・・何か嫌な予感を覚える 注意しろ」
前情報が間違っている よくあることだ だがよくあることで済ませぬよう
ハルバートを握りしめ 爆弾を背負い 作成した《カクテル》を腰に帯びる

「さて・・・やるかね?」
まずは様子見 こちらに気付いているかを確認 ばれていないのなら 可能な限り隠密行動で行こうとする
769 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/04(金) 22:58:34.13 ID:0Zwj3g4p0
>>768
[警備は妙に手薄だ。入り口だろう、門の側に立ち、気怠げに小銃を持った青年が一人。玄関のドアの前に拳銃を持った男が一人]
[離れた庭の方からは数人の気配がするが、ロイや門の方に向かってくる様子はない]
[今のところは、存在に気付かれていないようだ]

<<着いたか?慎重に頼むぜ。サプライズを台無しにしてくれるなよ>>
[インカムから聞こえてくる呑気な声]
[ロイの状況を知ることは出来ないので、憶測で口を挟むしかないのだ]
<<これも結構ツラい仕事だぜ。声が嗄れるんだ>>
<<そうそう、あんまり気にしなくてもいいぞ。俺の計算が正しければテキトーに仕掛けても普通の畑程度なら燃え尽きるさ>>

[門の側の青年が欠伸をする]
[それと同時に、玄関の男が家に入る。正面から近付くなら大きなチャンスだろう]
770 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/04(金) 23:09:03.03 ID:0nGME+aS0
>>769
≪さてね ハードワークにならにゃいいが・・・≫
そう答えるロイの言葉は憂いを帯びて 上手くいくことを祖国の鉱石神に祈るのみである

「―――ッ!!」
しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く
――――瞬間的な其の動作
地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

加速を無視した最高速 小銃を持った青年に接近 その胸をハルバートの穂先で貫こうとする
771 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/04(金) 23:20:10.27 ID:0Zwj3g4p0
>>770
[瞬間的に向かってくるロイを確認することは、最期まで叶わなかった]
[胸を貫かれ、断末魔の叫びを挙げることも出来ず意識を失う青年]
[鮮血が飛び散り、地面が汚れ、辺りを静寂が覆う]
[近づいてくる人の気配はしない。ただそれも長くは持たないだろう]

<<自分で言うのもなんだが、その爆弾は高性能だ。丁寧に扱えよ>>
[爆弾を抱え、安全を確認してからロイの後を追う義手の男]
[様々なコードと小さな機械を樽に繋いだようなその爆弾は、性能はまだしも確かに大きな爆発を起こせるだろう]
<<簡単な仕掛けにしてやった。というか簡単にしか出来なかった。赤いボタンを押して十秒後に爆発する。死ぬ気で逃げろよ>>
772 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/04(金) 23:30:06.95 ID:0nGME+aS0
>>771
「・・・おっと」

不味った やるならはじけ飛ばないレベルの打撃にすべきだった
辺りに鮮血が飛び散っている これではすぐに異変にばれてしまうだろう

せめてもの隠匿の為 死体を近場の植え込みに隠す

《そういうのはもっと早くイッテホシカッタナー》
爆弾を丁重に扱えとの言葉に少々身構える

《おーけい 今すぐ言ってない情報をこの場で洗いざらい吐け 後だしじゃんけんも大概にしねぇと 額にマジックで肉って書くぞ》
しかも油性で

とりあえず当座の脅威は去りました
なので家の中を経由せず庭に出れる道を探します

無かったら壁でもよじ登るつもりで とにかく家屋の中には入るつもりはない
773 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/04(金) 23:41:04.87 ID:0Zwj3g4p0
>>772
<<聞かれなかったからな>>
[あっけらかんと、当然だろととでも言うように]

<<なんだ、通報でもされたか?そりゃあ稼ぎ場所なんだから警備もいるさ>>
[しばしの沈黙。ザリザリというノイズだけが数秒続く]
<<何か手違いでもあったならこっちで調べとく。とりあえず今はそこを吹き飛ばすことだけ考えてくれ>>

[庭に通じる道はあるにはあるが、大きな窓に面しており、下手に通れば家の中の人間に見つかるだろう]
「こっちは通らない方がいいかもな。ここまでの行動と頭をパーにして暴れまわりたいなら別だが」
[広い庭には五人の男達がバラバラに見回りをしている]
[いちいち他人を確認することはないだろうが、それでも不審なことがあれば全員で武器を持って確認しに行くだろう]

「俺はここで待ってるよ。おびき寄せてくれれば一人ぐらいは仕留めれるが」
[一足先に屋根によじ登り、義手をヒラヒラ振る男]
[しっかり爆弾は持ってきている]
774 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/04(金) 23:54:44.25 ID:0nGME+aS0
>>773
《よし 俺もアキレスに習って げいじゅつてき()なアートでも一つこしらえてやるか》
その言葉に決意を固くするロイであった

「・・・仕方ねぇ オイ 爆弾貸しな そんで起動するからお前は先に逃げろ」

走宣言するや否や 爆弾の起動ボタンをポチっとな
すぐに足に力を込め

「月閃歩行!!」
小さな跳躍大きな飛翔

家屋の中も 窓のある道も通らず この男は家屋そのものを空中飛行で飛び越えることにしたのだ
そして上空から爆弾を庭に向けて投下

まさに空爆にてすべてを終わらせようとする
775 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/05(土) 00:05:12.44 ID:Tie+79Cl0
>>774
「歩いて帰る気か?車に戻ってるから早く帰って来いよ」
[怪訝そうな顔を向け、そそくさと停めておいた車に戻る義手の男]
[いつでも走れるように、エンジンをかける音が微かに聞こえる]

「¿Qué es eso?」「Me pregunto si el ave?」
[ふと空を見上げ、ロイに気づく見張り]
[だが何かができるわけではなかった。馬鹿々々しいまでに大きな音と、爆風が彼らと家の半分を吹き飛ばしたからだ]
[轟音はしばらく響き、煙が晴れた後にはクレーターめいた穴と瓦礫が残された]

「乗れ!早く!」
[爆発を確認し、車をロイに近づける義手男]
[乗り込めば、すぐに発進するだろう]

「やったな。後は帰るだけだ」
[安心した、というように車を走らせるながら声をかける]
[しかしインカムを着けたままにしていれば、不安を煽るかのようにノイズが段々激しく、うるさくなっていることが分かるだろう]
776 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/05(土) 00:14:40.62 ID:Dw2OriG80
>>775
「いよっし!!」

安全に着地 これでしばらく空中飛行は使えない
急いで車に乗り込み 発信

「まぁな だが嫌な予感しかしねぇ さっさと離脱しよう」
何やら耳に着けたインカムの雑音が酷い

何が原因か それはこの男には判別不能であったが いい予兆であるはずもない
777 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/05(土) 00:29:50.99 ID:Tie+79Cl0
>>776
<<聞こえるか?悪い、GPSの設定間違えてたみたいだ>>
[ノイズに交じるソーマタージの声]
[向こうも聞こえづらいのか、やや声を張り上げている]
<<ま…どうせ後々…売る相手だか……構わんさ>>

<<それよ……追手とか……ザリザリザリ
[ノイズが激しくなり、音が割れるほど大きくなったところで徐々にそれは止んだ]
…聞こえているんだろう?喧嘩を売る相手を間違えたようだな。お友達の居場所は把握したぞ>>
[ソーマタージの物とは違う、落ち着いた男の声だ]
[しかしそれも唐突に終わった。ヒステリックに何事かを女に切り替わったからだ]

<<貸しなさい!あんたたち!あんたたちはもう終わりよ!>>
[先程のノイズに勝るとも劣らぬ、甲高い叫び声だ]
<<Matar! Siempre es matar! Arnal=Cúpula de la instrucción!>>
[ヒステリックに何事かを怒鳴る声がまたノイズに飲まれていき、やがて元に戻った]

<<「コロセ!コロセ!シリアナカラノ命令ダ!」だってよ。ウケるぜ>>
[ノイズは収まり、ソーマタージの呑気な声真似]
<<正直に話そう。今回は俺のミスだ、謝る。ただまあどうせそのうち喧嘩売るんだし…なんだお前!?>>
[打擲音、銃声、悲鳴、爆発音がインカムから響く]
[黙って隣で同じものを聞いていた義手男が口を開く]
「…嫌な予感は当たったようだな。とりあえず今のところ俺たちは無事なようだ。それでいいだろ」

[十数分後、車は最初の倉庫に到着した]
[倉庫の外壁は大きく崩され、赤い血と瓦礫、切断された四肢やサイバネ部品で汚れに汚れ、見る影もなくなっていた]

//ここらで〆で 乙でしたー
778 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/07(月) 22:05:28.15 ID:z+WeObnT0
【狭間のスクラップヤード 運動場】
そこは鍛冶屋ボロウズの本拠地 そして越境ポイントとして越境者でにぎわう廃工場
その一角を片付けて作られた運動場

ロイ「パパイズママワズインザベー!!」
アキレス「あ・・・あの まだやるの・・・?」

ロイ「パパイズママワズインザベー!!」
アキレス「パパイズママワズインザベー!!」

―――ギィ!!

ロイ「ママローオーバディスィワッシーッセ!!」
アキレス「ママローオーバディスィワッシーッセ!!」

―――ギィ!!

さて彼らが何をしているのかというと 運動である そりゃそうだ運動場なのだから
以前ニアとタェンティースのマカロニサラダ争奪戦withツナサンド その敗者となったニアはイムカのしごきを受けることになったのはいいけれど

アキレスの姦計によりロイもとばっちりを受けてしまったのだ
それに腹を立てたロイは後日 アキレスと哀れな犠牲者を連れ回して ブートキャンプお代わりを決行したのだった

さぁ 哀れな被害者は 共に苦楽を共にした敗者の彼女か それとも地獄を味併せた勝者の彼女か それともまったく関係のない第三者か

ロイ「オギービサム!!」
アキレス「オギービサム!!」

ロイ「オギービサム!!」
アキレス「オギービサム!!」

なお 現在ランニング中 走破15q突破記念セール開催中である
779 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/07(月) 22:16:58.82 ID:M8lzEbH90
>>778
「? ……??」

ムガは今だ戸惑いから抜け出せずにいた
最近よく来るここへまた越境して来たのは分かる
そして何時もの様に先客が居た、それも分かる
だのに何をしているのだ自分は、強制的に連れ出されいつの間にやら15kmを走らされているのだ

「な、なぁっ、いつまでやるんだこれ……?」

ムガは忍である
走るのは得意であるし苦にはならない
しかし疲れを感じないと言えば嘘だ、そもそも鼠人の種として人間より体力が少ない
指先の返し付きの肉球から汗が染み出し、覆面越しの酸素補給も苦しくなって来た
780 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/07(月) 22:31:25.69 ID:z+WeObnT0
>>779
さて どこぞの勝者と敗者は危機を察知して逃げたか隠れたか それとも運よく越境したか
兎に角彼女らは終ぞ見つけることはかなわず せっかくなので越境してきたネズミーをとっ捕まえてブートキャンプを行うことにしたのだ

チッ ウンガヨカッタナ

その後たっぷり5qを走破し 計20qを超えて

ロイ「よぉ〜しランニング終了!!」
その言葉と共にへたり込むアキレスであった

―――ギィ!!ギィ!!
もうタマランと言わんばかりに逃走を開始するベティを追いかけることもできず orz状態のまま 隣にいるであろうムガに顔を向けて

アキレス「n・・・なぁムガ・・・今あのオッサン倒せば逃げられるんじゃ…?」
ロイ「なんか言ったかぁ?」

そう凄むロイは たっぷり20q走ってなお余裕を持っており

ロイ「歯向かったらトレーニングメニューを三倍に増やしてやるぞ?」
と脅しをかけるのであった

こうしている間にも時間は刻一刻と過ぎており 休憩時間は削られていくのであった
781 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/07(月) 22:41:25.97 ID:M8lzEbH90
>>780
「「……さ、寒気がっ……」」

実はこっそり隠れてまだスクラップヤードに滞在中のニアと半人
2人して怖気を感じて身震いし、スタコラサッサと更に見つかり辛そうな場所を探す



「……、……、」

さすがにへたり込む事まではしないまでも、両手で膝を支えて荒い呼吸
瞬発力に優れた忍だが、持久力に長があるとは限らない

「……妙案、任せたよ……」

アキレスの提案に乗った風で完全に人任せ、静かに直立して呼吸を整える
ロイの状況から逆らうのは悪手であると察したのだ、ならば回復を急ぐのが最善である

「……というか、何があった?」

息が整えばアキレスに小声で問い掛けた
782 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/07(月) 22:59:42.13 ID:z+WeObnT0
>>781
アキレス「それが・・・斯く斯く然然丸々モリモリみんな晴れるよで オッサンガチギレプンプン丸でして・・・」
上記のレスのことを簡潔に説明 まさにとばっちりだったのだ

アキレス「ニアタンもティースタンも見つからなかったからムガが捕まったというね…」
ぐったりと 逃げるベティを眼で追いかける

〜その頃ベティちゃんは?〜

―――ギィ!!ギィ!!
いち早くロイから逃げることが出来たベティちゃん 少しでもロイの目の届かない場所へと一直線

だが運命のいたずらか? ニアとタェンティースのいる方向へまっしぐらなのであった
さぁ下手な行動は身バレの危険性 2人はこれをどう対処するか?

〜再びアキレスサイド〜

ロイ「マスカキやめぇ!! パンツあげぇ!! 次は楽しい楽しい筋トレの時間だぁ!!」
アキレス「えぇ・・・もうちょっと休m・・・アッハイ」

アキレスが不平不満を申し上げるが ロイの素晴らしい笑みの前に尻すぼみ どんな笑顔かって? こんな顔
http://kura3.photozou.jp/pub/857/2978857/photo/197755578.v1392205566.jpg

ロイ「最初は軽く300回から始めようか!! なぁにお前らだけに苦しい思いはさせんよ!! 俺もやるから安心しろ!!」
どうやらここはまだ地獄の一丁目らしい
783 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/07(月) 23:05:05.78 ID:gh6z3gAqo
【前回までのあらすじ】

 イムカ・グリムナーの世界における遺伝子的遺産…遺伝種子≠回収、
 非人道的手段により研究を行っていた研究機関を追い、
 USSワールシュタットに潜入したイムカとアグラーヤ。

【そこに待ち受けていたのは知識欲の暴走…自分達の兵士すら実験体にする非道な有様】
【そして、それにより生み出された、暴走個体に姿であった】

 −−−−−−−−−−−−−
【USSワールシュタット…非合法(イリーガル)研究機関※権限剥奪済】

 イムカとアグラーヤ、そして、彼女達と交戦していたOSAT即応チームの前で、
 真っ白な肌に露出した内蔵、そして、鋭い鉤爪を生やす3メートル近い巨人がのそりと身体を起こす。
 アグラーヤの電撃により炭化した皮膚と筋肉組織はしかし、すぐに泡だって再生していく。

【鉤爪は不可思議な魔力(アグラーヤの霊的視覚には様々な魔力が混ざり合ったおぞましい歪みとして映る)
 を帯び、触れたものを容易く切断する力を放っている(肉体どころか精神・魂を切り割くソウルイーターと化している)】

「…遺伝種子が暴走したな。ロクでもない」

 無感情な声音のイムカであるが、コレは彼女の遺伝種子により生み出された化物である。
 そう、遺伝種子は決して完璧ではない。先天的欠陥を有し、終焉の遠未来でならばともかく、
 中途半端な技術で再現しようとした結果が…この有様であった。

【そして、強化装甲を帯びたOSAT即応チームは――】

「行方不明だった仲間の死体を確認した。貴様等の潜入についてはともかく…ここは共同すべき場面だろうな」

 それぞれが銃とナイフを構えている。この場においては味方となるようだ。
 どうやら、状況判断の出来ぬ凡愚ではなかったようだ。
 もっともそうでなければ彼女達と相対できてなどいなかったろうが。

【→OSAT即応チームの練度は極めて高い】

「とりあえず、あの化物を破壊するまでの共同戦線だ。アグラーヤ、さっさと終わらせてティータイムにしようか」

 イムカは両手に粒子短銃を構えて暴走個体を相対している。
 己の失態による負債をここで帳消しにするために。
784 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/07(月) 23:07:51.92 ID:M8lzEbH90
>>782
「……あいつら……」

肩を落として溜息、事の発端はあの姉妹(ムガ視点)なのかと呆れ顔

さてさてそして

「あっ、べ、ベティっ!」
「……! ベティ様、良ければこちらでオヤツにしませんか……?」

隠れる2人に急接近
慌てるニアと即座に懐からチョコバーを取り出し誘導せんとする半人

そんな感じで

「……筋トレ、300って……」
「お前等と筋肉の作りが違……、な、なんでもない……」

口答えと判断されたのだろうかともあれ満面の笑みの前に尻込みし従う事に
こっそりと小さな鳴き声を詠唱し、肉体強化の魔法でサポートしズルをしようとしている
785 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/07(月) 23:20:00.43 ID:z+WeObnT0
>>784
「むぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅがくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!!!!!」
こっそり不正を働こうとしていたムガであるが すごく楽しそうな声 見れば先ほどの満面の笑みをムガに向けている

言葉はいらない ただ笑顔を向ければいい

アキレス「ムガ・・・生きて帰れたら一杯奢るよ」
全てをあきらめきったアキレスの声が空しく響く

さて 元気いっぱいのロイのカウントを尻目に逃走を図る凹凸コンビであったが ベティの襲来に慌てて誘導・・・しようとしたらしいが

―――ギィ? ギィ♪
運動の後の満点カロリー これはきっと通常食べる満点カロリーよりも とてもとてもおいしいのだろう
そう確信し 嬉しそうにハサミを振り上げるベティ

だがベティは普段 イムカの買収につられたりして調子のいいことばかりやっているが 基本的にはやさしい性格のサソリである
この幸せをアキレスにも分け与えんと

―――ギィ!!
踵を返して元来た道を戻ろうとしている
なおアキレスがベティのギィ!!だけで会話が成立していることは周知の事実であろう
このことがアキレスにばれたら きっとニアとタェンティースのこともばれてしまう可能性がある!!
786 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/07(月) 23:30:08.95 ID:M8lzEbH90
>>785
「……げ、……!?」

振り返れば目の前にあの顔、ちょっとしたホラーより遥かに怖い
過去の悲壮な経験上、余り感情を表に出す事のないムガであるがこの時ばかりは様子が違った
最もその顔はロイの影に隠れてロイ以外の誰にも見る事は出来なかったが


さてさて

「あっ、しまっ……!」

とっとことっと来た道を戻るベティ
タイドメイカーで捕まえようにも既にベティはロイ達の視界の片隅に入っている
触腕が見付かればその主の存在が看破されるのは明白だ

「……どどどどうしよってんですっ……!」
「仕方ありませんね、あまり使いたくはない手ではありましたが……」
「……えっ?」
「ニア、ごめんなさいね?」

にっこりと微笑む半人、素早く姿勢を低くし水面蹴りでニアの足を払う
宙を浮いたその体をキャッチ、地を滑らす様にリリース
カーリングのあのよく分からない重石めいてロイ達の元へエントリーするニア

「……たっ、タェンティスゥゥゥっ!!!」

慌てて起き上がり逃げようとするが、その体は何時もより大きい気がするロイの影に覆われている
ちなみに半人の姿は既に先程の場所から消えていた
787 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/03/07(月) 23:31:54.02 ID:kPaprWD3O
>>783
「良くできましたぁ、お利口さんねぇ? 馬鹿の相手はしたくなかったもの」

余裕を見せた言葉を選ぶアグラーヤであったが、内心で胸を撫で下ろしたのは事実である。
この状況で引き続き彼らチームを相手取るなど出来れば考えたくはなかった。
只でさえ目の前のバケモノに苦戦気味なのだ。一時と言えど味方が増えたのは重畳である。

「本当ロクでもないわぁ、見るに堪えないもの。さっさと終わらせたいところだけどぉ、さっき程度の出力じゃなかなか効果的とは言えないわねぇ」

電撃によるダメージも急速再生により見る間に治癒していくのを見て苦い顔。
全力を尽くすか? しかし後背に憂いが無いわけではない。出来れば得た状況を利用して余力を残しておきたいところだが。
果たしてこのバケモノはそれを許してくれるだろうか。先を見据えたとて今生きられねばどうしようもないのだ。

「結構疲れそうだからぁ、安物の茶葉にケーキくらいじゃ文句言うかもよぉ……!」

言うと同時、アグラーヤの足元から地面を這うように伸びた電流はバケモノの足元に食らいつこうと。
ダメージ的には微々たるものであろうが、未だ生物としてカタチを保っているのであれば多少行動に制限をかけることくらいは出来るだろう。
得た火力は存分に活かそうとし、チームの面々を含めた攻撃チャンスを作り出そうとする。
788 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/07(月) 23:48:13.93 ID:gh6z3gAqo
>>787

「GYUUUUAAAAAAA!!」

 アグラーヤの意のままに地電流が伸び、暴走個体の足元に着弾。
 直接的ダメージこそ軽微であるが、電流が神経網に絡まり、一時的な麻痺を誘発する!

「ムーヴ!」「―――」

 この万金に値する瞬間を逃すメンバーではない。
 イムカもOSAT即応チームも一流の軍人。その行動は極めて早い。

「集中砲火、シグナム同期ロック。ファイア!!」

【OSATチームのアサルトカービン集中斉射で露出した心臓が弾け飛ぶ】
【が、暴走個体は絶命せず!!】

「遺伝種子で私と同様に心臓が2つある!」

 イムカは跳躍し、敵の肩口に着地。そのギョロギョロと肩から生やした単眼に
 デュアルハンドのブラスターレーザーを叩きつける。

【おぞましい血液に染まるイムカ。そしてその血液は歪みによる重度の汚染により触れただけで存在崩壊を起こしかねない】
【→アグラーヤへの情報…敵の血液は遺伝種子保有者以外が触れるのは極めて危険】

「GUUUUUAAAAAA!!」

 しかし、暴走個体は痛覚が存在しないのか己の負傷など一顧だにせずにその鉤爪の腕を、
 周囲の空間を歪ませるような崩れた魔力≠放射させながら…振るった!!

【それは暴力そのものの圧はあったが一見してただの素振りに等しくも思える…が、】
【霊的視覚があるならば見えるだろう。その剣筋がまるで飛び道具のように一直線上の全てを――】

 イムカはバックフリップ、OSATチームもその危険性を感じ取って伏せる。
 放電音…剣風に触れただけで彼等がそれぞれ持つ、防護フィールドが砕け散った。
 研究施設の機材も寸断、あるいは触れた瞬間、原型を留めぬまでに歪んで破壊されていく!

【歪んだ剣風は一直線上の全てを、物体も、精神も、霊魂も、何もかも引き裂き喰らう不可視の歪みとなってアグラーヤをも襲った!!】
789 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/07(月) 23:51:07.90 ID:z+WeObnT0
>>786
ロイ「156!! 157!! 158!!」
いい笑顔でみんな一緒に腕立て伏せを行うロイ

アキレス「・・・・・・」
すでに悪い意味で賢者モードのアキレス いつか終わる日が来ると信じて腕立て伏せ

その間瓦礫の向こうでは姉妹の無邪気な戯れなう

タェンティースのニアスローが決まり 

―――ギィ!?
ベティの持っていたチョコバーをふっとばし ロイの元に

ニアが見たロイ(イメージです)
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/motoeunummer/20141116/20141116174719.jpg

そしてタェンティースが逃げようとした・・・その時である

―――ギィ!!
チョコバーをもう一個クレーと言わんばかりについてきたベティである

ギィギィ喧しく後を追いかけるベティをどうするか? ニアがタェンティースをどうするか?
これによってタェンティースの未来が決まる!!
790 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/07(月) 23:59:45.26 ID:M8lzEbH90
>>789
「……、っ、無理ぃっ……!」

既に鼠人の筋力としては限界をゆうに超えている
ひぃひぃとペースが落ちて死に体のムガ
ついにはべチャリと地に伏したのであった

そしてニア

「あっ」

短い声を挙げて全てを察する
それは己のこの後の運命であったり、そしてそれに伴う悲劇的な出来事
更にセピア色の想い出と、それとこの先
今この瞬間に雑多として混ざり合い、言葉として絞り出す

「……お手柔らかにっ、お願いしますっ……」

その間も裏切りモノ目掛け、地をひた走るタイドメイカー
半人の元へと辿り着くも、

「……ふふん」

スパッと切り裂かれ余裕の避難路を行くタェンティース
しかし声を聞いてふと振り向けばベティの姿

「あ、あれっ!?」
「ベティ様、さっきのオヤツは!?」
「もうありませんよ、ほ、ほら、アキレス様が呼んでいませんか!?」

どうやら半人の未来もそう、明るいモノではなさそうである
791 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/08(火) 00:05:53.38 ID:JEHeJiOX0
>>790
ロイ「アキレス ニア ムガ」
アキレス「・・・・・んあ?」

悲痛な顔のニア 目からハイライトの消えたアキレス 死に体のムガ この三人に声をかけ ギィギィとベティの鳴き声のする方向を指さす

ロイ「タェンティースを連れてこい 捕まえたやつは残りのメニューをタェンティースに擦り付けていいぞ」
かくして タェンティース対三人の追いかけっこは 始まったのであった・・・

//0時回ったのでそろそろノシ
792 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/03/08(火) 00:11:06.54 ID:Lw++huGoO
>>788
「まずっ……!」

アグラーヤ自体高尚なハイエルフなどとは程遠い為それ程霊的な素養が強いわけではない。
エルフという種族を忌み嫌う精神にも影響されて種族特有の性質を引き出せてはいないのだ。
しかしそれでもニンゲンよりも霊的な次元では高い場所にある。それ故振るわれた爪が纏うモノが非常にマズイことはぼんやりとだが理解できた。

「心臓がふたつってずっるいわねぇ……! そんなもの狙ってられないからぁ……!
あんまり得意じゃないけど、近付きたくもないしねぇ!」

すかさず電磁浮翌遊を発動させ振るわれた歪を上方に回避。
そのまま天井に張り付く形となれば先の攻撃でイムカの抉った肩口の傷が丸見えだ。
すればそのまま腰の剣に手を掛け一気に引き抜けば響き渡る美しい金属音。帯電性抜群の黒針をバケモノの肩口へと向かって投げる。
こういった肉体的な技術は全くもって不得手故、一応狙って投げているつもりだが当たってくれと祈るばかりである。
もしアグラーヤの目論見通りに剣が肩の傷口へと突き刺さったのならば、そこへ雷撃をお見舞いし体内を焼こうと試みる。

793 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/08(火) 00:14:27.55 ID:WnSTjusr0
>>791
「えっ、ほっ、本当だってんですかっ!? ……あれっ!? ムガがいないっ!?」

その言葉に反応するニアであるが、既に一歩遅れていた
鼠人は速やかに動き出し、追跡を始めていたのだ
慌ててタイドメイカー8本を展開し脚として駆けるニア
ヘルメスの靴の全力稼動で逃げ回る半人
スクラップヤードの長閑な一日は、こうしてまた過ぎて行く

//ありがとうです、お疲れ様でしたっ
794 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/08(火) 00:29:24.80 ID:g85KS9iuo
>>792

 上方にアグラーヤの眼下を歪みの魔力は通り過ぎ、
 消える間際に爆発的な衝撃波を周囲にばら撒いて消滅!!

【魔力衝撃波のみならず、周囲の破片が爆裂と共に飛散!
 アグラーヤも少なからず破壊半径内に入っている状況である】

「GUUUUAAAAA!!」

 すかさず第2撃が放たれる…その瞬間!!
 BLAMBLAMBLAM!!OSATチームの集中射撃が暴走個体の頭部に向けて放たれる。
 再生速度があまりに早いため、牽制以上ではないがこの場面ではそれこそが重要!

「イヤーッ!!」

 その間隙、紫電が奔るその腕でイムカは崩拳を放ち、暴走個体の分厚い筋肉の奥、
 第二の心臓を内側より爆砕!しかし、この時には既に第一の心臓が再生!無尽蔵の再生力!!

「一瞬で体内臓器を全てを破壊する必要があるか!!」

 顔の顔面が剥がされる瀬戸際で、反撃の鉤爪を回避するイムカ。
 歪んだ魔力の余波で全身に裂傷を負う。敵の魔力はますます増している。

【長期戦になれば、敵の能力が対応可能範囲を超えてしまうのは自明であった】

 暴走個体とイムカの血しぶきが舞う中、アグラーヤから放たれた黒針。
 が、彼女自身、不得手と自覚している投擲がそう簡単にこのタイミングで最上の結果を生む奇跡は起こらず、

【突入角と貫徹力不足により、黒針は破壊されてなお強靭な敵の筋肉組織に弾かれて――】

 ヌゥ…とOSAT隊員のヘヴィピストルが構えられ、ドン!と耳を劈く発砲音!
 その銃弾は弾かれ落ちゆく黒針の支点に命中し――そのまま敵の肩口の傷に捻じ込んだ!!

【投擲とは一線を画する大口径弾の一撃。それが黒針を敵の体内奥深くに撃ちこんだのだ】

「…殺れ」

 強化装甲服のヘルメット越しのくぐもった声が、アグラーヤに決断を促す!
795 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/03/08(火) 00:59:48.00 ID:Lw++huGoO
>>794
「うぐぅ……!? チッ、いったいわねぇ……! あっ」

飛来した破片の礫が天井に張り付いたアグラーヤに襲いかかる。
回避、否。攻撃チャンスが生まれるかどうかの瀬戸際、この瞬間のダメージを恐れてそれを後手に回してしまえばジリ貧になることは明白だ。
全身を穿つ鈍い痛みに耐えながら一際大きな礫を義手でガード。受けた義手は無残にひしゃげて修理せずにはもう動くまい。
それでもアグラーヤの赤眼はバケモノを真っ直ぐに捉え待つ。会心の瞬間が訪れるその時を。
しかしそこでアグラーヤの身体がぐらり、重力に引かれ落下を始める。
強い衝撃を全身に受けた事で電磁気力の行使が難しくなったのだ。落下の隙に敵の第ニ撃が迫ればアグラーヤにはどうする事もできない。
だがその瞬間、アグラーヤの目論見とは違う格好になったがその機会は訪れた。
OSATの放った銃弾が黒針を弾き、バケモノの身体へと突き立てたのである。最早迷いは無い、この一瞬に全てを賭ける。

「言われなくてもやらせてもらうわぁ。あ、お礼なんて言わないわよぉ? おまえたちだってこれで助かるのだからぁ!
さぁ、おやすみの時間よぉ? 私の手であっためてあげるぅ!!」

ばきん! 音を立ててアグラーヤのひしゃげた義手は音を立てて弾け飛び、代わりに現れたのは異形の黒腕だ。
発現させた黒雷によって形成されたその巨大な腕は突き刺さった黒針を掴み取るように伸ばされる。
発射した雷撃から感電させるよりも自らの肉体から直接放電を叩き込む。確実にこの攻撃で幕を引くという意思がそこにあった。
アグラーヤが落下を始めてから床に到達するまでの間の判断、そして行動である。
尚、この攻撃の成否に関わらずアグラーヤは無様に床にへばりつく模様である。
796 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/08(火) 01:16:53.26 ID:g85KS9iuo
>>795

「GUUUUUUUAAAAAAAAAAA!!」

 醜い化物と成り果てた実験体の叫びと――

「…サヨナラだ、化物。イヤーッ!!」

 露出する心臓を手刀で抉り斬り、アグラーヤの黒腕の迫る中、離脱するイムカ。

【ドガン!と重音の鳴り響く!それは黒き稲妻が暴走個体の内部を焼きつくす音】
【再生しかけていた第二の心臓、そして、破壊されたばかりの第一の心臓】

 黒雷は脳を心臓を内臓器官の全てを焼き尽くし、
 神経系を断ち切り、傷口から溢れたそれは割れたカボチャのように組織を破裂させ、
 全身組織を破壊しつくして、一瞬にして暴走固体を絶命に追いやったのだ。

「………さて」

 倒れ伏すアグラーヤとイムカ。、そして、彼女達に銃口を向けるOSATチーム。
 共同の刻が終わればこうなるのは必然―――

「…行け。こちらものもう貴様等を止める余力は無い」

 そう告げられた。そしてそれは嘘であろう。
 しかし…このイムカ達が潜入した施設では彼等OSATの戦友すら実験体とされていた。
 きっと、是非はともかく、思うところがあったのだろう。

「…助かる」

 言葉少なく告げると、イムカはアグラーヤを抱えあげて、この場からの離脱を図る。

「ジョシュアは…いや、未練だな」

 アグラーヤがこうなっている以上、一刻も早く離脱せねばならなかった。
 当時、収監されていたジョシュア・アーリントンをどうこうするというのは現実問題不可能であったし、
 イムカも彼の名誉を損なう行動を取るつもりはなかった。

【こうしてワールシュタットを襲った襲撃事件。遺伝種子を巡った狂気の実験とその顛末はここで終わりを告げたのだった】

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−
【幕間――】

 陽光が差し込むテラスにて彼女達はいた。何せどちらも、客観的には極上の美女である。
 身体中包帯まみれとはいえ、それは彼女達の魅力を損なうものではなく、周囲の目線を引くは当然であった。が、
 何故か当人達の雰囲気はそれに比してビミョーだったかもしれない。

「ティータイムの約束を果たしたつもりだが…何か拙かったろうか」

 本気で考え込んでいる私服姿のイムカ。
 用意されたのはそれこそ、貴族様御用達レベルの茶葉を完璧な作法で淹れた紅茶。
 琥珀色の液体が芳しい香りを放つ逸品と…カロリーメイトである。

「???栄養は十分なはずだが」

 とことん味に無頓着なイムカは首を傾げるばかりであったそうな。 

【オソマツ!】
797 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/03/08(火) 01:36:59.75 ID:Lw++huGoO
>>796
「……はぁ。
拙い部分を説明しなきゃいけないのならもう私にはどうにもできないわぁ。
無駄なところに栄養とられて頭スカスカになってるんじゃないのぉ?」

卓上に並べられた茶器は上質な茶葉の香りを引き立てども損なう事はなく、至福のひとときに唯一混在した異物はティースタンドに並べられたカロリーメイトであった。
ため息をつくアグラーヤの視線はイムカの胸元へと、そのバストは豊満である。
とはいえせっかく頂くものが冷めてしまっては勿体無い。ぱさぱさのブロックを齧りながら上質な紅茶で流し込むというなんともなティータイムであった。

/ありがとうございましたぁ!
798 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/09(水) 21:56:24.41 ID:08UVqBiMo
――14時間前

「…"悪夢の映写機"ィ?」

HEXAビルの内部、HEXA0番隊リーダーのジョシュアは同じく4番隊リーダー、”ラディカル・ドクトール”からある話を持ち掛けられていた。
ドクトールはHEXAの研究開発部門の統括でもあり、ジョシュアらの使用する装備の開発、そして改良を行っている痩せた老人。
さらにNYXの世話係としても面倒見のいいおじいちゃんっぷりを発揮する”自称”偏屈な科学者だ。

『そうだ。このアーティファクトのモニターになってはくれないか?』
『あとこの"夢見の薬"と"時捲りの懐中"も並行して使用してみてくれ。君一人では何かとアレだから、越境仲間を数名誘うといい』

「でもよドク…アーティファクトをビルから持ち出すのはすっげぇマズいんじゃ…」

『リスクは承知の上でボスも許可を出した。それと最後のアーティファクト…”時捲りの懐中”は持ち帰らず、NYXに与えてみてくれとボスが』

聞けばHEXAがこれまで回収したアーティファクトの一部、それらの中でも比較的安全な部類のものを選定し、臨床試験を行うのだという。

そもそもアーティファクトを持ち出すこと自体紛失の危険を伴う行為であるのに、故意にアーティファクトをNYXに摂食させるとはどういうつもりなのだろう。
アーティファクト狂いの”ボス”がそれを許すとはジョシュアは到底思えなかったのだ。

それでも一応書類は揃っていたし事務部に届けても何ら手続きに滞りはなかった。正規の任務には違いない。
いささかの疑念を拭いきれぬままに、ジョシュアはアーティファクト達をアタッシュケースに放り込んで”退社”するのであった。

――そして14時間後、現在。ジョシュアのセーフハウスにて。

「……これが例のブツだ」

ごとん、とアタッシュケースを机の上に置いて開くジョシュア。
誘いを送り、使用法を守る事、そしてこのテストで見たものを口外しないことを承諾した越境者ら数人をセーフハウスに招いたのだ。
取り出したのは、ドクから譲り受けたアーティファクトのうち二つ。最後の一つは、人間には使用させるなときつく言いつけられたからだ。

「まずは危険度『安全』 ”悪夢の映写機”」
「そして同じく危険度『安全』 ”夢見の薬”…俺達は報酬と引き換えにこの道具のモニターになるらしい」

ジョシュアが取り出した様々な世界の、特殊な効果を持つ遺品たち。
一つは古び、煤けた映写機。フィルムは黒く焦げ今にも千切れそうである。動力は不明、本体は硝子と黒檀で出来た木製の映写機である。
もう一つはカラフルなカプセルだ。ただそれだけだが、中身は何か煌めく粒子状のものが渦を巻くように蠢いている。
799 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/09(水) 22:02:58.07 ID:fNzQqa3oo
>>798

「ハイ、他言ムヨーデス(棒)」

 あからさまに口外しまくりそうな組織の紐付きもバッチリいやがるところからするに、
 この臨床実験とやらの機密性なり人選なりにはヒッドイ問題は抱えている可能性が大!

【通信機に観測装置に、記録録りますって姿勢を隠しもしない決断的姿勢!】

「んで、この骨董品の映写機は、ディスクとは違った味がありますネ。
 映画はナンデス?頭空っぽにデキルB級映画がα-12は好みデス」

 黒檀の映写機というなんか異様に高級そうなシロモノをマジマジと見つめながら、
 映像ディスクを差し込むところは無いかゴソゴソ探すα-12である。ひっどいフリーダムである。
800 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2016/03/09(水) 22:10:12.61 ID:CQEXM7Ge0
>>798-799
「はーいっ、秘密のお仕事ってんですねっ」

そもそもアーティファクトとは何だととかそんな疑問もなくはない
とはいえまぁ臨床試験で報酬が頂けるというのならば悪くない話だ

「……ふーんっ」

α-12が弄ぶように探るそれをマジマジと眺めながら、何が起こるのやらと唸る
カプセルはともかく映写機に関してはイマイチ、どんな機能を果たすモノなのかすら分かっていない模様
801 :レイ・イーヴリン・ドレイク [sage]:2016/03/09(水) 22:10:20.93 ID:eFImFRJW0
>>798
「自分で言うのもなんだが、こう見えて口は堅い方だと思うよ…ところで」
居合わせた人と共にレイは映写機を指でつつく。
まじまじとレンズを覗き込んだりと、いかにもいぶかしげな様子だ。
「悪夢だの、夢見だのと…僕にはどうにも嫌な予感がするんだけどさ」
好奇心と不安が交錯する。しかし物は試しとも言うではないか。
何か実験なら面白そうではある。
802 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/09(水) 22:18:51.06 ID:fNzQqa3oo
>>800

「稼いだマネーで後でタコ焼きを食べにいくのデス。
 タコタコ=サンの味気ないタイド焼きより美味しいハズです」

 何かフリーダム不祥事をやらかしてオヤツ抜きが続いているらしいα-12。

【デスラー総統式オシオキを喰らった件であったそうな】

>>801

 何故かコレに参加しているフルフェイスガスマスクの何か。
 外見的特長からスプロールのメガコーポ:カノッサ・テクノロジー社の尖兵である。
 C.T.S.S.のクローントルーパーである。黒い噂の絶えない恐るべきハイテク兵士達…のはずだが、

「オヤツが無いなんてゴーモンデーモンです。ジゴクのような職場環境デス」

 言動があからさまにトンチキというか、自由すぎるというか、あほなのではというか…
803 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/09(水) 22:26:09.85 ID:CQEXM7Ge0
>>801
「まぁっ、臨床試験って響きからしてなんかあれですものねぇっ」

居合わせた人である褐色の肌の少女
銀の髪は肩までで、前髪のみが赤い瞳にやや掛かる程度
マオカラーシャツにチノを纏い、腰に帯びる西洋剣だけが戦闘者めいており何処か不自然に浮いている

「とはいえっ、そんなぁ……まぁ、怪我したりはしないですよっ」

多分、と付け加えるその間延びした語尾が特徴的

>>802
「っ、そ、それを言ったらそっちのだって似たようなモノじゃないってんですかぁ」

全く美味しくないむしろ不味いタイドメイカーの触腕
とはいえクローンならば似たような味なのではないか、というかそういえば食べた事がなかった

「え、もしかして美味しくなってたりっ……?」
804 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/09(水) 22:29:16.92 ID:08UVqBiMo
>>799 >>800 >>801
「おいおい手袋しろお前ら…、レンズに指紋が付いたらどーすんだ…」
「特にジャッカス、口外するとここに書いてある通り…お前はイカソーメンになるからな」
『たべちゃうぞー…』

見た目に似合わず意外と几帳面な男である。
きちんと手袋を嵌めて丁寧にアーティファクトを取扱う様はまるで古物商だ。

ぴらりと誓約書を取り出し、そこに書かれたα-12の保護者たるバロウズに宛てた文面。
ジョシュアとの口約束ならばいいのだが、残念ながらこれはHEXAの”ボス”と交わした契約である。
契約に承諾しこの場に来た以上、それを無下にすれば互いにとっていい結果は招かないだろう。

「コイツは悪夢の映写機とかいう…プラグを差さなくても映画が見れる優れモノらしい」
『じょしゅあ……あれおいしそう…たべたい…』

膝の間にすっぽりと収まったニュクスを、両腕でガッチリとホールドするジョシュア。
ニュクスにとって最大の”ご馳走”は”未知”である。グリードは”喰う”ことで知り、また知る事で喰らい同化するのだ。
貴重なアーティファクトをそうバクバクと食べられるわけにはいかない。ゆえのガッチリホールドである。

「こいつは生身で触れる事によって人の心を読み取り、心の中に潜むモノを具現化する魔具…だと」
「えー、悪夢と例えられる所以は…触れば分かるだァ!?なんだこのトリセツ…!」

ドクから渡された取り扱い説明書をレイ達の顔を交互に見ながら読み上げるジョシュア。
しかし肝心の使い方がどうにもパッとしない。悪夢と名のついているものである以上自分が非検体になるのも憚られる。
という訳でニアの手をぱっと取って、映写機にべったりと触れさせてみる。すると…

『ん…?飛び降り自殺ってヤツってんですかねぇ…っ?』
『おっほぉ!落ちた落ちたっ!潰れたトマトの完成だってんですよぉっ!』

独りでに動き出した映写機、するとそこには一行も良く知っている少女の姿が映し出された。
一人の男が高層ビルのアンテナから飛び降りる様を隣のビルから脚をぶらぶら、きゃっきゃとはしゃぎながら見物している。
直後に男はビルに腕を突っ込んで減速、大きな亀裂を生じさせながら少女の前に降りたち、少女が恐怖に慄き嘔吐するほどに少女を脅し始めた。

「…なんだコレ…えぇ…お前こんなだったの…?」

どうやらこのアーティファクトは触れたものの心を読み取り、カメラワークと効果音、BGMなどを付与してシネマティックに仕上げる効果を持つ。
ただの喧嘩もアクション映画ばりの迫力ある映像に。
何故かジョシュアのホームシアターのスピーカーを乗っ取って迫力の音響効果を演出するという至れり尽くせりっぷり。

ただ良いことづくめではない。悪夢と形容されているのは、どうやら”一番見られたくない記憶”を集中的に掘り起こす性質があるかららしい。
端的に言うなれば黒歴史発掘マシーンである。
805 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/09(水) 22:35:50.03 ID:CQEXM7Ge0
>>804
「へぇっ……んむっ?」
「あ、ちょっとっ……へっ」

手を取られ触れれば映し出されるいつかの映像
なんと過去の出来事ではないか、生まれた直後……3年と少し前の夜の記憶

「わぁぁっ、や、止めっ、止めっっ!!」

手を離し、なんならシアターシステムを破壊してでもそれを止めさせようとするであろう
806 :レイ・イーヴリン・ドレイク [sage]:2016/03/09(水) 22:36:22.48 ID:eFImFRJW0
>>802
「αさん、こんな格好だけど僕は別に企業に肩入れしてるわけじゃあないよ? むしろ…いや、何でもない」
おもむろにダガーを取り出した―――いや、これは!!
「12本は作り直したんだけどさ、13本はイミテーション…それっぽい外見の非常食。
 材料は通称『シャキ、サクッ』とかいうんだけど、良ければ召し上がれ」
ああ、そうそう。と慌てて付け加える。
「一応、武器として使えるように硬さも本物並みなんで気を付けて」
レイの性格からして悪意はない。

>>804
うげげっと、レイが思わず言葉を漏らす。
黒歴史を掘り返す―――他人に見られたくない、それとも自分が思い出したくない。
自分が過去にしてきたことなら、さぞ罪深い光景を見られることだろう。
だが……(誰にも過去を知られずに、ってのも虫が良すぎるよな)
807 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/09(水) 22:41:24.37 ID:fNzQqa3oo
>>804

「……法律を傘に搾り取る!なんたる極悪デショウか!」

 両手をあげてぷんすこなα-12。両目のレッドアイズが恨みがましく光った。
 これ以上、査定がアレになると、オヤツに角砂糖すら怪しくなるのだ。
 なお、他の優秀なαナンバーは皆、オヤツはケーキである。つまりそういうことである。

「ちびっこ=サンには代わりにコレデス。α-12のオヤツです」

 何かひもじそうなちびっこには角砂糖を渡すα-12。はっきり言ってどうしろと?であるが。
 なお、遺伝子情報でモノを見る傾向のあるニュクスからすると、
 ニアとα-12って認識どーなるのやらである。かたっぽはアレすぎるが。

【そうすると、何か上映会が始まって――】

「おおうスプラッタデス!R-18デス。というか、子供の刺激強すぎデス」

 ニュクスのお目目をディープメイカーで塞ぐのを試みるα-12である。
 しかし、コレがヤバイシロモノであることははっきり解った。

「コレ、迂遠な精神破壊装置になりかねないデス。ちょっと危険デスヨ?」

 意外と冷静な分析である。
808 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/09(水) 22:48:31.73 ID:fNzQqa3oo
>>806

「何か、顔面が銃と照準機だらけのロボットが出てきそうな音デス」

 シャキサクを見て、何か電波を受信したらしい。
 どうにもこのクローントルーパーは色々教育を間違えているようである。

【マスク下半分脱いでがぶりんちょ。なお後で言われて】

「………ディープメイカーで誰得触手責めコースはいかがデスカ?」

 食べ物の恨みは恐ろしい。ガチンという音と共にちょっ歯茎が痛かったα-12は、
 ぬめぬめぬめりんちょな触手をレイに伸ばして決断的恫喝!

>>805

「………」

 ニアの目線がこっちを向いたら、シュっとスタイリッシュに目を逸らす。
 他者の黒歴史を見てみぬ振りをする情けがα-12にも存在した。

「オーガニックスシで手を打ちマス」

 ナムアミダブツ!

【実はギャグで済まそうという優しさか単純にキョーカツしているのかは想像に任せる】
809 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/09(水) 22:53:22.50 ID:08UVqBiMo
>>805 >>806 >>807
「うぉおやめろニア!!ぶっ壊したら俺の首が飛ぶッ!!」
『こわすならにゅくすがたべる…!!』

タイドメイカーを振りかぶるニアに、両手を翳して制止するジョシュア。
残念ながら上映中の映写機は破壊不能属性を持つ。ゆえに中断は望めない。
そしてジョシュアの両手がフリーになったその瞬間、壊されるくらいならとニュクスはジョシュアの懐から飛び出した。
未知なる美味を追い求め喰らうために。

「ぬぁッ…よせッ…」
「あっ…」

咄嗟にニュクスの口に指を突っ込み引っ掛け、映写機を噛めないようにするジョシュア。
しかし倒れないように机に手を突いたその小指。たった小指の一本だが、ジョシュアは”それ”に触れてしまった。

「ぐぁぁああぁぁあーーーーっ!!」
『く、くろこだいーん!!』

悲痛な叫びと共に放出されるジョシュアの黒歴史達。

格好つけてニアにウインクしアグラーヤに瞬殺されてビルから落ちる姿。
バケモノと一緒になんかなりたくないおとメソメソ、ニアやイムカや澪に泣きつく姿。
右腕でガムシロの池を飲み干し体脂肪率75%の巨漢に変貌する姿。

豪華三本立てオムニバス形式での上映が終わればジョシュアは前のめりに倒れ机に額をごんとぶつけて微動だにしなくなった。
ニュクスはα-12に目隠しされあたふたしている。遺伝子情報的にはα-12はニアの焼き増しの焼き増しであるが、元であるニアですら焼き増しなのだ。
度重なるクローニングによって遺伝子の一部が劣化により変化している。故に同一の個体とは見ていないようだ。

「これが危険度『安全』…?舐めんな」

突っ伏したままのジョシュアがFワードと共に呟けば、映写機が再び動き始めた。
びくんと肩を跳ねさせ青褪めた顔で映写機を見上げるジョシュア。
なんと次は先ほど素手で映写機に触れた二人の記憶が上映されようとしているではないか。

「レイ!ジャッカス!!来るぞ…備えろッッ!!」

精神破壊の波に耐えろと二人へ促すジョシュア。正直シチュエーションの補正もあって、あまりシリアスなものは選定されないようだ。
あくまでも羞恥を誘うような、他人から見ても見てる方が恥ずかしくなるような記憶が復元されてゆく…
810 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/09(水) 23:02:43.12 ID:CQEXM7Ge0
>>808-809
「むぅぅっっ……」

不貞腐れながらべちんべちんと映写機を叩くニア
無論壊れない、それが実に腹立たしい
その理由としてはα-12にリッチなスシバーを奢る事になってしまったのもあるが、
そもそもが全ての過去があってのニアなのだ
その中には無論、仕舞い込んでおきたい過去があるのもまた事実である
しかしてそれに無作法に触れられるというのは、
お気に入りを詰め込んだ宝箱を覗き込まれるに等しい

「だーれがこんな悪趣味なモノをっ……」

ぺちんぺちんと叩き続けながらジョシュアの活躍()を見やる
ちゃっかりそれらをスマホに録画しつつ、次なる犠牲者の安寧を祈った
811 :レイ・イーヴリン・ドレイク [sage]:2016/03/09(水) 23:05:58.55 ID:eFImFRJW0
>>808
「やめてくれ! 僕にそんな趣味は無い! ええい、シャキサク流化!」
どろどろに溶けたシャキサクはレイの体を覆いつくし、触手をぬらぬらと空回りさせる。

>>809
構えろと言われても、というのが正直なところ。ただ心構えはしておくべきか。
どうにも恥ずかしい過去を映すのが主な機能らしい。
(忌むべき過去はあっても、知られて恥ずかしい事に心当たりは―――)
―――恐らくない。それは確信か、プライドの高さからくる慢心か。
812 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/09(水) 23:06:48.11 ID:fNzQqa3oo
>>809

「やっぱり口外してもいい気がシテ来まシタ」

 ジョシュアのアレっぷりが面白いのでCEOや豊満=サンに報告してもいいのでは?
 α-12はいぶかしんだ。

【なお、ニュクスにはディープメイカーで高い高いをしてみた。意図は不明】

「…α-12の黒歴史?α-12は恥じいるような過去などミジンコもありまセン!アナタ達とは違うんデス!」

 断言してポーズをとり胸を張るα-12。そのバストは普通であった。

【ザザ…ザ…映像が乱れる】

「CEO、プレゼントありがとうございマス!α-12はとっても嬉しいデス!」

 クマーのお人形に頬ずりしている今よりちょっと小さいα-12。格好は極めてゴズい。
 自分の身丈に近いお人形を抱えてクルクル回っている。ロリロリである。

【ザザ…ザ…】

 今度は今のα-12の外見とまったく同一。姿が映る。瓦礫の街で――

「姉様(あねさま)…α-12はきっと生きているって信じていマス。世話が焼けるデス」

 痕跡を追って様々な世界を行き来するダイジェスト。必死さが伝わってくるような冒険譚で――

【―――】

「見ちゃ駄目デス!第一種極秘情報指定デス!R-20デス!」

 スクリーンの前で両手とディープメイカーをわちゃわちゃしながら必死に隠そうとしている!!
813 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/09(水) 23:14:31.28 ID:CQEXM7Ge0
>>812
「 」

クマさんのアレには流石に絶句である
クルクル回るロリロリの映像の光が顔を照らし、ニアはそっと目を逸らした
とはいえ成長の概念なくして生まれたニアからしてみれば、ちょっと小さい頃の彼女の姿は単純に興味深いモノではあったが

「おおっ……」

次の冒険ダイジェストには少し感心した様子
不真面目な態度(シツレイ)を取ることが多いようなα-12からは余り想像出来ない姿だ

「お互い、お寿司奢り合いませんっ?」

慰める様に肩に手を置こうと伸ばし、苦々しく笑う
814 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/09(水) 23:16:59.10 ID:08UVqBiMo
>>810
「まァまぁ、落ち着けや…ほら、コーヒーやるから…」
「ほら…あまーくしといたぞ…」

べちべちと映写機を叩き続けるニアのご機嫌をなんとか取ろうとジョシュアはカップ一杯のコーヒーをニアに渡した。
元はと言えばジョシュアにも非はあるのだ。せめてもの償いがミルクと砂糖たっぷりの、暖かいコーヒーである。
ちなみにニアが先ほどの行動でジョシュアに対しなんらかの懐疑心を抱いていれば、ジョシュアがコーヒーに何かを混ぜたのが見えるだろう。
先ほど取り出したアーティファクト、夢見の薬である。コーヒーを飲むことも、拒絶する事も出来る。

【判定:夢見の薬の効果により、一時的な幻惑症状を引き起こす】
この書き込みのコンマ末尾により、ニアの身体と精神に変調が引き起こされる。
1:巨大化
2:小人化
3:究極の肉体美を得る
4:性転換
5:5〜10歳若返る(外見年齢)
6:5〜10歳成長する(外見年齢)
7:この場の全員に好意を抱く
8:この場の全員に前蹴りをブチかましてツバを吐き掛けたくなるほどの嫌悪感を抱く
9:高揚感に満たされ全てが幸せに感じる(ラスタ的な意味で)
0:何も起こらない
815 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/09(水) 23:17:26.14 ID:fNzQqa3oo
>>813

「記憶を失うデス!」

 ピコタンハンマーをぶん回してニアを追いかけるα-12。
 同情などいらぬ!記憶を抹消してくれるといわんばかりである。

【必死である。もう駄目かもわからんね】
816 :レイ・イーヴリン・ドレイク [sage]:2016/03/09(水) 23:24:24.19 ID:eFImFRJW0
「I’m a Thinker トゥートゥートゥートゥトゥー、I’m a Thinker トゥートゥートゥートゥー」
「ふぁっつ!?」
次に映像が出たのはレイ。ギターを掻き鳴らしながら、何か歌っているが…やたらと「トゥー」が目立つ。
やがてまともな言葉は無くなり、「トゥー」という謎の呟きだけがあふれ出した。
「その…これは、何と言うか…読めない言葉をカッコつけて無理に訳して……なんだぁ、結局、歌えなかった…うわあああ!!」
耳まで赤くして、のたうち回るレイ。まあ若き日のなんとやらであろう。
817 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/09(水) 23:27:24.36 ID:fNzQqa3oo
>>816

「…チュウニシックセンス」

 レイの肩をポンと叩き、サムズアップするα-12である。
 そして、慰めの言葉をひとこと。

「若気の至り…乙デス!」

【慰めなのか、トドメなのかは後世の歴史家に委ねることにする!】
818 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/09(水) 23:27:31.10 ID:CQEXM7Ge0
>>815
「ぁ痛っ、痛い痛いっ」
「や、やめるってんですよっ」

ピコピコ叩かれつつ頭を庇い逃げ回るニア
無論そこまで痛くはない、しかし叩かれれば反応として言ってしまうものだ
とはいえ記憶を喪失する程でも勿論無いが

>>814
「うぬぬっ、ぐぬぬっ……」

唸りながらもコーヒーを受け取り一口
その行動にはなんの疑いもない、ついでに何も起こらない
ニアは純粋にジョシュアを信頼し、謝罪だと疑わずにコーヒーを飲んだのだ!
さぁ、良心の呵責に苛まれるがいい!

>>816
「とぅーとぅー……」
「って、あ、あははっ、そうなりますよねぇっ」

耳に残るなぁなんて苦笑ながらコーヒーを啜るニア
レイの反応を見れば納得の様子、慰めの言葉も見当たらない
819 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/09(水) 23:28:06.48 ID:08UVqBiMo
>>811 >>812
「ふはははははッッ!!ザマーミロだぜこの野郎ッッ!ははははッッ!!」
『じょしゅあ、にゅくすもあれほしい…』

ガッと腕を組んでファックサインを突き立てるジョシュア。
この男、大人げなくスマホに録画されたりバロウズに口外されそうになったりした恨みを全てα-12にぶつけている。
普段のイメージとは随分と違うトンチキヘッドの姿を目に焼き付けご満悦。録画しておけばよかったと今更悔やんだ。
こういったものはかかさず記録する、アキレスのような目ざとさを持ち合わせていないのを恨むばかりだ。

『あるふぁ、おにんぎょう…にゅくすももらえるかな…』
「…ッ……」

一方のニュクスは高い高いされながらα-12に問いかける。
どうやら先ほどからα-12が人形を貰って喜んでいるのを機に掛けているようで。
贈り物を受け取るということに興味を持ったようだ。ジョシュアにねだるような視線を投げかけている。

「さァて…お次はレイの記憶だ。一体何を見せてくれるのやら…」

にやにやといやらしく微笑みながらレイの表情を伺う。
やがて映写機は再び動き出し、レイの永遠に隠匿されるべきであった過去を掘り起こすのであった。
820 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/09(水) 23:35:14.09 ID:08UVqBiMo
>>816
「なんだその…なんか…昔の王サマが歌ってそうな曲だな…」
『あいむあしんかー…』

古い王が歌ってそうな曲を必死に練習するレイの姿を、ジョシュアはなんとも言えない気持ちで見守っていた。
ジョシュア自身似たような過去がある。少年時代、叔父の納屋の裏でギターの練習をよくしたものだ。
ニュクスもつられて歌っているが、どちらかといえばこちらは児戯のような微笑ましさすら感じるものだ。

「っしゃ、これで出揃ったな…?」
「…封印ッ!!」

しかしこれで全員分の記憶は出揃ったことになる。残るは夢見の薬のみ。
再び手袋をパチンと装着、古物商のような手つきでそっと映写機を取り上げると…
力任せにアタッシュケースに叩き込んでバコンと蓋を蹴って閉め、その上に脚を置いてくつろぎ始めた。
散々黒歴史を発掘された恨みを込めつつまるでマフィアのドンのような恰好で葉巻をスパスパと吹かしている。
821 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/09(水) 23:39:54.72 ID:08UVqBiMo
>>818
「………ん?まちがったかな?」
「…見るからに劇薬チックな見た目のクセしやがって…」

ジョシュア(このクズ)にもはや良心など存在しない!ア○バのような顔付きでニアのコーヒーを見つめながら発した言葉はコレ。
分量を間違えたのかと思考。ひょっとすると足りなかったのか。ガラガラと薬をいくらか掌に出して一気に飲み込んだ。

【判定:夢見の薬の効果により、一時的な幻惑症状を引き起こす】
この書き込みのコンマ二桁により、ジョシュアの身体と精神に変調が引き起こされる。
1:巨大化
2:小人化
3:究極の肉体美を得る
4:性転換
5:5〜10歳若返る(外見年齢)
6:5〜10歳成長する(外見年齢)
7:この場の全員に好意を抱く
8:この場の全員に前蹴りをブチかましてツバを吐き掛けたくなるほどの嫌悪感を抱く
9:高揚感に満たされ全てが幸せに感じる(ラスタ的な意味で)
0:何も起こらない
822 :ア○○ス&ベ○ィ&ロ○ ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/09(水) 23:44:00.56 ID:gc15pKb20
【ザザ……ザ・・・映像が乱れる】

映し出されたのは 家具の配置からして現在地 ジョシュアのセーフハウスだろう
映像から見える窓の外は薄暗く 時計からしてまだ夜の明けきらぬ早朝であることがうかがえる

辺りにはソファやらで雑魚寝している影がいくつか その中の一つ ベッドで眠る金糸の髪を持つ誰か 顔はよく見えないが その胸は豊満であった
そこに新たな人影が 薄い毛布をゆっくりと捲ると どこかで見覚えのあるリンゴ社製スマホを取り出し

―――ピピッ カシャッ

何かの音が響くと スマホをしまった人影は毛布を直し 暗がりに消えていった

【ザザ……ザ・・・映像が乱れる】
これまたジョシュアのセーフハウス のキッチン
冷蔵庫が開かれると そこには厳重に密閉されたお菓子の箱 張り紙がには一言

“食べたら殺す ジョシュア”
その箱を丁寧に解体する一対のハサミ パカリと開かれた箱 なんかスッゲェ高そうな菓子が鎮座している

―――ギィ♪
その声の主は嬉しそうにハサミを振り上げるのであった・・・


【ザザ……ザ・・・映像が乱れる】
ここではない ファンタジーな世界の一地方都市 その町に出現した巨大な蛇獣

「あ!! やめて!! イヤァ!! 見ないで!!」
それと切羽詰まった男の悲鳴

その蛇獣から生える爪の先に引っかかったいたのは 目つきの悪いあごひげ男
なぜかズボンが破けており 尻えくぼが刻まれたプリケツを晒している

そして蛇獣から延びるもう一方の爪には
『【その地方都市の名前】いちの大迷惑半ケツ男、ロイ・ゴールドマン』

という垂れ幕が下がっており 蛇獣は半ケツ男を町の人に見せびらかすように ゆっくりと飛行していた・・・・・





○イ「・・・・・・・・・・・」
ア○○ス「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
―――g・・・ギィ!!

それを見て固まる2人と一匹

//1レスだけ失礼
823 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2016/03/09(水) 23:48:37.20 ID:CQEXM7Ge0
>>822
「あっ……」

その映像がノイズ混じりに流れて色々と察する
取り敢えずニアは、少しコワモテな印象のあったロイに対して明日から少し踏み込んで接する事が出来そうだなぁと思った

>>821
「はぁっ、もうっ、厳重に封印しとくのがいいってんですっ」
「悲劇しか生み出しませんっ、危険物だってんですっ」

映写機に対してニアは結構な評価であった
そしてジョシュアが何やら飲み込むのをはてと見ていたが、その姿が見る見る縮んで行くのを確認すれば目を白黒させる
そりゃあそうだろう、普通に考えてビックリである
824 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/09(水) 23:51:46.71 ID:fNzQqa3oo
>>819

「………」

 ぬーん…とディープメイカーの3つの触腕にピコタンハンマーを持たせて、
 馬鹿笑いする不届き者(ジョシュア)の背後に立つα-12。
 抜け目無い特殊工作員の姿がそこにはあった。

「記憶を失うデス!」

 ピコタンハンマー(合金製)をぶん回すα-12でありました。んで、
 決断的暴力を振るいながらも、残り一つのディープメイカーで高い高いしていたわけであるが、

「貰えるデス!」

 そう言うと、α-12はガスマスクを脱いで素顔を見せると、

「コツは良い子しているだけじゃあ駄目デス。良い子が手段になったらアレです。でも悪い子でも駄目デス。
 ちびっこ=サンならお手伝いしたり、おねだりしたら効果的デス。プレゼントは幸せと幸せの交換デス」

 ニカっと、邪気の無い笑みをニュクスに向けた。

「…あのアタッシュケースごと完全消滅させたい気分でデス」

 なお、映写機に対してはぷんすかぷんである。
825 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/09(水) 23:55:30.37 ID:fNzQqa3oo
>>822

「豊満=サンに報告デス。あと原始人=サンは、プリケツ=サンに格上げデス」

 ナムアミダブツ!

【なお、アキレスがカラテ訓練用マネキン(代用品)となる未来が確定したのはこの瞬間である】
826 :レイ・イーヴリン・ドレイク [sage]:2016/03/10(木) 00:04:00.13 ID:AHPDA4Zn0
>>821
「1人だけの悪者(?)が小人になってしまう…どんな気分ですか、ジョシュアさん?」
いつの間に取り出したのか。2本の剣をキンキンと打ち鳴らしながらレイが迫る。
「例えるなら! 赤ん坊の“じょうじ”がアシダカグモの群れの中に放り込まれた! そんな感じでしょうか!?」
ちょっとだけ涙ぐんだレイが、大げさにも憤怒と恥辱にまみれた顔で叫んだ。
「許しません! 許しませんよぉ! 僕のブラックヒストリーを赤裸々にしちゃった貴方は!
 皆で締め上げてからメシ食いに行きましょう! もちろんオーガニックで! 僕のおごりですよっ!」
827 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/10(木) 00:12:53.12 ID:o8uYAU6Wo
>>822
「…今夜の夕食…サソリの甲羅蒸しでいいな?」

ハイライトの消えた生気の宿っていない目でグルリと振り向くジョシュア。
ハート形の缶に入れられたそれはどうやら誰かからの贈り物であったらしく。
ついでにアキレスも素材にすればいいダシが出るだろう。
ロイに関しては…哀れみの言葉以外出ない。

>>823
「なんじゃこ…りゃ…?」
「……ニア…お前そんな可愛かったっけ…?」
「いや可愛いなんてもんじゃな…ぬぉぁ!?ニュクスもめっちゃカワイイ!?」

縮みゆく身体に戸惑うジョシュア、しかし次の瞬間には目の前のニアに驚くこととなる。
ジョシュアフィルターを通して見たニアはこの世の誰よりも美しく、その一挙一動がすべて愛らしく思えてしまう。
無論クスリの影響である。コンマ二桁の影響により惚れ薬と収縮薬の効果を併発してしまったようだ。

828 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/10(木) 00:13:03.28 ID:o8uYAU6Wo
>>824
「………っ」
「待て待て待て!ニアのと素材がちがっ…アロイはやめ――」

背後から感じた妙な気配に振り向けばアロイ製ハンマーx3を所持したα-12を眼にして青褪めるジョシュア。
慌てて制止を求めるが無慈悲にも振り下ろされたハンマー、連続した打撃音が響いた。

「おい…妙な入れ知恵すんじゃ…」
『…がんばる…!』

頭の傷を修復しながらマスクを脱いでなにやらニュクスに語り掛けるα-12
この時ばかりはトンチキではなくいいお姉さんに見えてしまうのが恐ろしい、ジョシュア自身は何があっても断固拒否を貫くつもりであったが

「ようニュクス!人形が欲しいんだって?どんなのでもすぐに買ってやるぜ!」
『…あ、あれ…?』

次の瞬間には二人の視界から消え、しかし見下ろせばカウチの上で手のりサイズと成り果てたジョシュア。
スマホの上でDDRばりのタップダンス、某密林アプリを開きニュクスの好みのぬいぐるみを注文。

『お、お礼にこれ…あげる…』

意気込んだ割には達成感のない結末だ。しかしニュクスは一応世話になったα-12へと”お礼”を差し出した。

【判定:夢見の薬の効果により、一時的な幻惑症状を引き起こす】
この書き込みのコンマ末尾により、α-12の身体と精神に変調が引き起こされる。
1:巨大化
2:小人化
3:究極の肉体美を得る
4:性転換
5:5〜10歳若返る(外見年齢)
6:5〜10歳成長する(外見年齢)
7:この場の全員に好意を抱く
8:この場の全員に前蹴りをブチかましてツバを吐き掛けたくなるほどの嫌悪感を抱く
9:高揚感に満たされ全てが幸せに感じる(ラスタ的な意味で)
0:何も起こらない

>>826
レイに迫られたジョシュア。しかし恐れおののくような反応はない。それどころか

「よう、ダガー付き」
「お前を今夜泊めたいと思ってな…付き合わないか♂」
「終電など、結局は泊まるしかないのさ…刺激的にやろうぜ?」

不意にジョシュアの身体が通常サイズへと戻った。どうやら最初に飲んだ薬の効果が切れたのであろう。
体格のいいジョシュアは中々の身体能力の持ち主である。逆にレイに迫り飛び乗るようにして組みつく。
そしてそのまま押し倒し、空中で両手をわきわきと変態染みて動かすのだ。

「メシ?もちろん!もちろ……」
「…何やってんだ俺は」

ここでようやく最後の薬が切れ正気に戻ったようである。ジョシュアは露骨に落ち込み、尻餅をつくようにレイから退くと、
ベルトに挟んで背中側に隠していた大口径のリボルバーを引き抜き、こめかみに押し当てて引き金に指を掛ける。
829 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2016/03/10(木) 00:23:07.03 ID:budLXYKB0
>>828-829
「へっ?」
「なななっ、ど、どうしたってんですかっ!?」
「うわっ……」

少し紅潮した表を隠すよう、腕で口元を覆いながらに後退り
そしてレイに飛び掛かり何ともかんともな空気を醸し出したのを見ればドン引きである

「……っとと、ストップ、すとぉぉっぷ!!」

即座に踏み込み、青白く輝くタイドメイカーを発動させてリボルバーを発砲前に取り上げる
マウトフトゥーロの与える超感覚が可能にした技前であった

「取り敢えずっ、もうひとつのもっ……」

なかなかロクでもないアイテムだと分かって苦笑
830 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/10(木) 00:28:02.66 ID:TFIlO644o
>>828

「なんというダメンズ…」

 ジョシュアの行動やら何やらを採点・評価した結果、
 ひっどいダメンズであると結論づけたα-12.。
 そしたら、何かニュクスがくれたのでごくりと飲み込むα-12。タダなら何でも貰うべし。

【本当に特殊工作員か疑いたくなるようなアレであるがα-12だから仕方ない】

「…ゴクリ…!!!?????(ニアの姉様にこの感情???…ふぁっくおふ!)」

 なんかおクスリを飲んだα-12は、少しだけ硬直すると、
 すぐさま展開したディープメイカーをうにょうにょさせて、
 そして、自分の喉に突っ込んだ。

「げろげろーデス」

 α-12はゲロインの称号を手に入れた!!

「よし!デス!ありえない糞たわけなアレは吹っ飛んだデス。
 α-12から自然に出た感情なワケが無いデス…あれ?」

 蒸着スーツはその構造上、しっかりフィットしたままであるが、
 何か、周囲背景が広がったというか天井が高くなったというか、

「…ふぁっくおふデス!」

 ちみっちゃくなったコトに叫びを上げたα-12であった。

【小さくなった事を嘆くα-12である。なお、もう一つの効能は?
 断固拒絶したらしい。このトンチキ実は結構…とか思ってはいけない。キャラ崩壊などもってのほかである】

>>829

「ふぁっくおふデス!」

 ティープメイカーを伸ばしてうにょーんと、ニアの掌まで跳躍してちょこんと座る。

「これからしばらくタコタコ=サンはα-12の乗り物ビークルデス。このままスシ屋にゴーデス」

 手乗りとるーぱー。
831 :レイ・イーヴリン・ドレイク [sage]:2016/03/10(木) 00:36:31.81 ID:AHPDA4Zn0
>>828 >>829 >>830
「全く…同性を夜の営みに誘うとは! HENTAIめ! 僕にそんな趣味は無い」
先程とは打って変わって顔を真っ青にしたレイが吐き捨てるように呟いた。
もじもじとするニアを一瞥すると、とりあえず小さくなったα−12にも声をかける。
「報酬受け取りに行きたいんですがね…言った以上は僕がおごりますから」
832 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/10(木) 00:43:29.15 ID:budLXYKB0
>>830
「何事だってんですかっ」
「えぇぇ……もうっ、仕方ないってんですねぇっ」

いきなり触腕でリバースである、レベルが高い
そして彼女がすたっと手のひらに下りたてば、苦笑いを浮かべつつも肯定
なんだかんだ妹然とした彼女に対して、生意気にも面倒見を良くしているのだ

>>831
「ま、まぁっ、取り敢えずお寿司だってんですかねっ……?」

これ以上の臨床は危険と判断したのだろう
レイの提案に乗り無理矢理場を収めようとゴートゥースシ屋である
833 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/10(木) 00:45:01.67 ID:o8uYAU6Wo
>>829
「……生き地獄だ…」
「こんなモン…俺が平社員じゃなけりゃ全部燃やしてやるのに…」

ニアに取り上げられたリボルバーに手を伸ばしながら恨めしそうにニアを見つめるジョシュア。
豆腐メンタルなジョシュアにとって黒歴史披露は勿論の事、生で黒歴史製作など耐えきれる精神的ダメージではない。

>>830
「ダメンズ!?っしゃ…!!」
「うおっ…!?きったねぇな…いきなり何しやがる…!?」
『なにしやがるー…?』

ダメンズと聞けばイムカの言葉を思い出し両手でガッツポーズ。
しかし当のイムカもこれはさすがに許容範囲外であろう。
前蹴りの代わりに直下型ゲロボムを浴びそうになったニュクスを庇うようにどこからか取り出した洗面器で受けた。

>>831
「俺の精神的ダメージも中々だ…こいつでお開きにしよう」
「さぁ飲め!俺達の痛みをお前も味わえ!」

ジョシュアはテストの終了を仄めかせながら、薬を一粒取ってレイに押し付ける。
さすがにこれ以上テストを続ける気にはなれないし、食事に混ざる気にもなれない。これが済めばそのまま不貞寝コースだ。
それにまだこの後、ドクから依頼された最後の”試験”が残っている。三つ目のアーティファクト、”時捲りの懐中”。
全員が立ち去った後に、ニュクスと二人だけで行う極秘のモニタリングテスト。

「報酬は一旦俺が預かる、明日またここに来てくれ。」
「……まぁ、なんだ…その…」
「忘れろ!!」

どうかこの出来事を忘れるほどの衝撃をもたらさんと掌の上に乗っていた薬を握り締め、拳ごと叩き込まんという勢いで口の中に押し込んだ。

【判定:夢見の薬の効果により、一時的な幻惑症状を引き起こす】
この書き込みのコンマ末尾により、レイの身体と精神に変調が引き起こされる。
1:巨大化
2:小人化
3:究極の肉体美を得る
4:性転換
5:5〜10歳若返る(外見年齢)
6:5〜10歳成長する(外見年齢)
7:この場の全員に好意を抱く
8:この場の全員に前蹴りをブチかましてツバを吐き掛けたくなるほどの嫌悪感を抱く
9:高揚感に満たされ全てが幸せに感じる(ラスタ的な意味で)
0:何も起こらない

//そいではじぇいはお先に失礼、コノヘンデー!
834 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/10(木) 00:50:43.21 ID:TFIlO644o
>>831-833

「奢りより美味い飯はねぇデス!」

 実にゲスいことをほざきながらカッコイイポーズを取るα-12。
 ただし、手乗りトルーパーなので全く格好がつかない。

「魅惑のトロ・スシに向けてレッツゴー!目標は街金に手を出すくらいに食いまくることデス!」

//ではコノヘンデー!
835 :レイ・イーヴリン・ドレイク [sage]:2016/03/10(木) 00:57:26.72 ID:AHPDA4Zn0
>>833
「うぐぶぇ!?」
ジョシュアの手で口にぶち込まれたカプセルを飲み込んでしまった。すると……
「…ふつくしい」
お前は何を言ってるんだという顔のニアとα。
そんな事は意にも介さず、酔い潰されるまでレイは2人に口説き文句を並べ続けたのだった。
【それでは、この辺で。お休みなさいませー】
836 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/10(木) 00:58:58.71 ID:budLXYKB0
>>833-835
「燃やしちゃいましょうってんですよっ」
「なんでしたら事故って事にしてぇっ……」

結構過激な発想である
取り敢えずこっそり弾丸を抜いたリボルバーを返しておくことに

「……その格好でっ、お寿司沢山食べれますかねっ……?」

とは無論手乗りα-12に対してである

「あっ、あのっ、そういうのはもっとお互いをよく知ってからっ……!」

レイの数々の言葉にドギマギしながらも、スシバーでの食事は過ぎていった

//お疲れ様でしたっですよーノシ
837 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/11(金) 21:44:08.56 ID:wvRTOrsU0
【雪原】
都心ではすでに梅の季節も過ぎて桜の開花を待つばかりの今日この頃
だが一般的に雪国と呼ばれる地方ではそんなの関係ねぇ!!と言わんばかりに冬景色である

そんな雪国の冬山 人の手が入った安全なゲレンデに一行の姿はあった

アキレス「イヤッホォォォォォォォウ!!」
持ち前の運動神経を生かしてジャンプからのスイッチトゥイークを決めるアキレス

ロイ「飛ばしてんなぁオイ!!」
片やロイはモーグルの凹凸を さしたるブレもなくスムーズに進んで見せる

―――ギィギィ♪
そしてベティはタイヤのチューブを膨らませたソリでくるくる回転しながら 楽し気に滑り降りていく

一行は過ぎ去りつつある冬を惜しむかのように 余暇を楽しんでいる
838 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/11(金) 21:53:51.22 ID:zAnthSLy0
>>837
他者の整えた環境をブチ壊すのは本当楽しいぜ!!
[黄色いスノーモービルで弾丸めいてゲレンデを下り、雪煙をたてるソーマタージ]
[飛んできた小さな氷の塊がゴーグルにヒビを走らせるが、お構いなしにエンジンをふかす]
[しばらく猪めいて猛スピードで飛ばすと、バランスを崩して樹にしたたかにぶつかり、ゲレンデを転がる]

こういうところは血を流してもバレにくいから助かるぜ
[防寒具についた雪を叩き落とすと、えっちらおっちらと雪原を歩く]
[その後ろで先程ぶつかった樹木が、大きな音と煙をたてて倒れた]
…環境破壊は気持ちいいぜ。たまにはこんなのもいいな
839 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/11(金) 21:54:51.99 ID:RXKI2r8j0
>>837-838
ザザザザっ、とボードを鳴らしまるで雪崩が如き勢いでコブを薙ぎ倒しながら滑り降りる影ひとつ
水色のウェアに身を包んだ半人である
機械ならば寒い方が好ましいのだが、あくまでも半分は人だ

「あ、あの……」
「これ、どうやって止まるんでしょう……?」

そのまま雪慣らしを一直線に描きながら結構な速度で滑走
結果としてのゲレンデ破壊その2である
840 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/11(金) 22:03:35.65 ID:wvRTOrsU0
>>838
そんな斜面を歩いているソーマタージ その背後から迫る影一つ

―――ギィギィ♪
巨大なチューブの浮き輪ソリに乗ったベティが回転しながら体当たりを仕掛けてきた!!

アキレス「よぅソーマ!! 楽しんでる!?」
近くにやってきたアキレスがシュザッとブレーキをかけて声をかける

>>839
ロイ「頑張れ そのうち止まる」

さて モーグルというのはコブの他にもジャンプ台が存在するのだ
そしてタェンティースはそのジャンプ台へ一直線に突き進んでいた

さて運命やいかに?


>>全員対象
アキレス「あ〜ぁ 2人がハッスルしすぎるから・・・」
ロイ「やっちまったことは仕方ないにしてもなぁ・・・」

―――ギィ!!

コースをスノーモービルで走り回ったり モーグルのコブを蹴散らしたりと さんざん破壊行動をしてしまったため
コースを出禁にされてしまいました なおソーマタージのモービルは没収されてしまいました

一行は唯一立ち入りを許可されたコースの一番下の雪原に用意されたテーブルに座り込んだり 雪だるまを作ったりしている
841 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/11(金) 22:11:19.94 ID:RXKI2r8j0
>>840
「……っ!!」

結構な速度でそのままジャンプ台に至り、慣性に従って飛翔
着地は運動神経でカバー、と言いたいところだがボードが邪魔をする
頭から雪原にダイブ、突き刺さりスケキヨめいたオブジェと化した


「申し訳ありません……」
「……でも、私、この方がいいです……」
「出来たっ、ほら、ベティですよ」

苦笑ながらに雪だるまを作る半人
完成した謎の物体を示してベティと言い張るのだが、前衛芸術過ぎてちょっとアレだ
842 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/11(金) 22:11:35.80 ID:zAnthSLy0
>>840
楽しんでるぜ。最近こういうのやってこなかったからな
[よーしパパもう二周ぐらいしちゃうぞー、とモービルに向かい、コケた]

融通の利かない連中だ。脳味噌手でかき回して柔らかくしてやろうか
[ブツブツ文句を言いながら雪玉を転がし、雪だるまを作りながら]
[なかなか綺麗に仕上がったものを満足げに一瞥すると、テーブルの上の酒瓶に手を伸ばす]
次は何しようか?ガキのころこういう遊びしてくれる友達に飢えてたんだよな、たしか
843 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/11(金) 22:19:22.50 ID:wvRTOrsU0
>>841
ロイ「ターマヤー」
フライングタェンティースを抑揚のない声で見送るロイであった

〜それからどうした〜
ロイ「しかしなぁ・・・コブふっ飛ばすってどんな推進力してたんだよ」
ちょっと重いぐらいではびくともしないはずのコブを薙ぎ払って直進するという荒業を披露したタェンティースをジト目で見やりながら言う

―――ギィ?
そして当のベティは目の前の物体が自分とは分からず 疑問符を浮かべるばかり

そんな時 タェンティースめがけて雪玉が放たれた!! 誰がやったかは後述

>>842
アキレス「やめてください死んでしまいます」
ブツクサ文句を言うソーマタージを宥めるアキレス

そして何をしようかと言われて こっそり作っておいた雪玉を振りかぶり

アキレス「よし雪合戦だ!!」
ソーマタージとタェンティースめがけて投擲した!!
844 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/11(金) 22:25:38.66 ID:zAnthSLy0
>>843
大体こういうとこにはあったかい風呂は付き物だし、脳と股の緩そうな女を探して……ぶぁっつ!!
[虚空を見つめて呟いていると飛んでくる雪玉]
[突然の出来事に対象しきれず、まともに顔面に受けてしまう]

顔はやめろよ。イヤーッ!
[顔の雪を払うと酒瓶を捨て、雪玉アキレスに投げ返す]
マスターキートンかお前は!シゴウしてやる!
845 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/11(金) 22:29:39.20 ID:RXKI2r8j0
>>843
「推進力って……」
「ただ、少しこう……脚に力を込めて……」

ぺちぺちと完成したベティ(?)の甲羅らしい部分を固めながら
どうやら脚力で強引に薙ぎ払って直進した模様

「……いい出来ですね、ほら、この尻尾とか……」
「きゃっ!? ……な、何ですか……!?」

ベティ(?)から伸びる禍々しき触手を指し示して尻尾と言い張る
直後雪玉を後頭部に貰い振り向き様に抜刀、即座に臨戦態勢を整えた

「雪合戦?」
「……なるほど、雪玉を投げ合うのですね」

よぉしと気合を入れて雪の塊を圧縮
振り被ってアキレスに反撃のオーバースロー、途中少し脚を滑らせてバランスを崩して外した
小さな雪の塊は木にぶち当たり、その太い幹を抉る
846 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/11(金) 22:37:18.74 ID:wvRTOrsU0
>>844
アキレス「うははははははははブッ!!」
顔面に雪玉がぶち当たったソーマタージを指さし大爆笑していたアキレスであったが 直後の反撃が顔面に入り 仰向けに転がった

ロイ「やるなソーマ!! ほれ!!」
そう言って雪玉を放り投げるロイ こちらはいつのまにやら壁となる雪山を形成しており その壁を盾にしている なんというガチ勢

>>845
そして仰向けに倒れるアキレスの頭上を通り過ぎる超スピード雪玉
太い幹を抉るその一撃に顔を青くしたアキレス

アキレス「あのさティースタン・・・雪合戦とは言うけどさ…殺し合いでもするのかな?」
その容赦ない一撃に恐怖と呆れの混じった一言を投げかける

―――ギィ!!
ベティもそれはイカンと言わんばかりにハサミを振り上げている
847 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/11(金) 22:43:29.40 ID:RXKI2r8j0
>>846
「、なるほどっ……」
「し、失礼しました、まだ制御がいまひとつ……」

こんなモノかな? と半人的にはふんわり握る雪玉
それでも割としっかりと固まり、空中分解はせずに当たれば砕ける程度だ

「では改めて……えいっ!」

再びアキレスに向けて投擲、のはずが近くにいるベティにヘロヘロと向かう雪玉
半人曰くまだ新しい体に慣れていないとの事だが、結構なノーコンである
それもそのはず、半人は球技(?)が苦手だ
848 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/11(金) 22:46:01.17 ID:zAnthSLy0
>>846
テメーいつの間に作ってやがった!畜生!
[咄嗟に蹴倒したテーブルを盾に、雪玉をギリギリで防ぐ]
[声を張り上げて抗議すると、何かを探す]
卑怯だとは言わねえよ。俺も似たようなのやるから

[しばらく探してみたが、見つからないのでひとまず諦める]
[舌打ちをすると足元の雪をかき集め、圧縮していく]
ギャフンってちゃんと言えよな!行くぜ!
[立ち上がり、ガチガチに圧縮した雪玉を雪山へ投げる]
[まるで氷か石のように固められた雪玉で、先に壁を崩すことにしたのだ]
849 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/11(金) 22:54:52.96 ID:wvRTOrsU0
>>847
―――ギィ!!ギィ!!
緩く投げられたふんわり雪玉はベティを直撃
ジタバタと暴れながら雪玉を払い 憤慨したようにハサミを振り上げる

ですがベティに雪玉は作れませんし アキレスは戦いに忙しい
なのでタェンティースの元にトコトコ近寄ると

―――ギィ!!
ハサミを雪に突っ込み ハサミを振り上げる力を用いて 足元の雪をタェンティースに跳ね飛ばした

アキレス「おのれベティの敵討ちだ!!」
そしてアキレスもまた タェンティースに向けて雪玉を投げつける

>>848
ロイ「ふはははははははは・・・雪国出身者を甘く見るなよソーマタージ!!」
壁を破壊すべく硬い硬い雪玉で攻撃を行うソーマタージであったが

恐ろしき手際の良さで足元の雪を壁に押し上げ 瞬く間に補強工事を行っていく

ロイ「このぐらい出来なきゃ偉大なる上官殿に殺されちまうんでな 一分もありゃ立派な陣地だって作れるさ!!」
こちらも握力を総動員して硬い硬い雪玉を作り上げ ソーマタージを攻撃する
850 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/11(金) 23:01:37.44 ID:RXKI2r8j0
>>849
「あっ……!」
「ご、ごめんなさ……うわぷっ」

雪合戦非戦闘員(?)であるベティにぶつけてしまって流石に頭を下げる
反撃の雪掻き攻撃を顔面に浴びて口の中に入った模様

「……わわ、こ、このっ……!」

アキレスの投げる雪玉をキャッチ、そのまま時間差なく投げ返す
もう片手で足元の雪を救い器用に形作り、2連弾とした
狙いは相変わらずアレだが、少しだけ慣れてきたらしい
851 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/11(金) 23:02:07.48 ID:zAnthSLy0
>>849
そっち一人寄越しやがれ畜生!
[雪玉を投げても投げても効果は現れない]
[ストックの分も尽きてきた]

[テーブルがギシギシと嫌な音をたてはじめる]
[潮時だ。残った雪玉を入るだけポケットに突っ込み、両手に一個ずつ握ると、テーブルを蹴飛ばして駆け出す!]
[体に当たる雪玉で所々を白くしながら目指すは雪の壁]
[体当たりで破壊し、近距離戦に強引に持ち込むつもりだ]
イヤーッ!Wasshoi!!
852 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/11(金) 23:10:01.69 ID:wvRTOrsU0
>>850
アキレス「甘い!! 必殺マトリッ○ス回避!!」
そう言って飛んでくる雪玉を後ろに倒れこんで回避 きっと瞬間を切り取ればマト○ックスなったんでね? 知らんけど

―――ギィ♪ギィ♪
その間もなんだか楽しくなってきたベティの雪跳ね上げ攻撃が断続的にタェンティースを襲う
鬱陶しいならどうぞ折檻してやってください(ゲス顔

>>851
ロイ「すでにタイマンみたいなもんじゃねぇか!!」
なおも続けられる雪玉の応酬

少し千日手になりかけていた頃 意を決したソーマタージが突っ込んでくる
慌てて雪玉を作る間にソーマタージがが壁を破壊した

舞い散る雪の破片の中 ロイとソーマタージが相対する 両者のアドレナリンが分泌され 時間が遅くなったような錯覚を覚える
まるで荒野のウェスタンみたいな一騎討ち 今まさに雪玉をソーマタージの顔面めがけて投擲しようとしているロイ
はたして勝負の行方は?
853 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/11(金) 23:17:06.28 ID:RXKI2r8j0
>>852
「今だっ、ぷわっ!?」
「ち、ちょっと、ベティ、やめて下さ……!」
「ひいぃぃ服の中にっ!!」

好機と見て目をギラつかせてアキレスにいざトドメと投げようとした矢先
ベティの跳ね上げが再度顔面を襲う、それも執拗に
その内ウエアのジッパーを緩めていた襟元から中に雪が侵入
冷たい感覚に慌てて取り出そうとするも不慣れなウエアである、小躍りめいて四苦八苦
極めて甚大な隙を晒す格好となる、折檻どころではない!
854 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/11(金) 23:18:58.40 ID:zAnthSLy0
>>852
[瞳の∴点が回転し、ロイを捉える]
[破片と共に宙を舞い、両手の雪玉をがむしゃらに投げた!]
[一つは天文学的確率でロイの投げた雪玉に当たり、その軌道を逸らした]
[肩に雪玉が当たり、バランスを崩して地面を転がるソーマタージ]
[もう一つの雪玉はどうなったか?今更確認するのは難しいだろう]

まだだ!まだ終わってない!
[叫ぶと膝をついた体勢で起き上がり、防寒具のポケットから出される追加の雪玉!]
[ピッチングマシンめいてロイの方向へロクに狙いもつけずに投げまくる!]
855 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/11(金) 23:27:41.76 ID:wvRTOrsU0
>>853
アキレス「・・・ッ!! よし よくやったベティ!!」
―――ギィ♪

何とも楽し気なベティを他所に素早く立ち上がるアキレス その手に雪を掴むが球にはしないそのままのフワフワな雪

アキレス「超必殺!!ダイレクトアタック!!」
不慣れなウェアに四苦八苦するタェンティースの首筋めがけ 雪を持った手を突っ込むようにして 背中に雪を放り込もうとする!!

>>854
放った雪玉はソーマタージの雪玉に迎撃され 顔面には着弾せず肩にぶつかる その拍子にソーマタージ2撃目の雪玉が雪原を転がる

そしてソーマタージはポケットからもう一個雪玉を取り出す ロイは目の前を転がる雪玉を見つける
飛びつくように確保・・・しようとしたが すでに発射された雪玉を回避することができず ソーマタージの一撃はロイの額をべしゃりと叩く

ロイ「ンギャッ・・・くそうやられた・・・」
そのまま雪原に仰向けになって寝転がり 荒い吐息を吐くのであった
856 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/11(金) 23:33:52.25 ID:RXKI2r8j0
>>855
「こ、これっ、ボタンとジッパーと……!」
「あ、アキレス様、タイム、タイムっ……ひぃぃぃっっ!?」

必死の懇願虚しく襟元からどさりと大量の新雪!
しかも背中! これは冷たい!
ぴょんぴょん跳ね回りながらようやくウエアを脱ぎ捨て、パーカーの裾をばったばったと煽りやっとの思いで雪を取り除いた

「さ、寒っ……!」
「もうっ! 一緒にはズルいですよっ!」

震えながら半泣きでウエアを羽織る
インナーまで既にびっしょりであった、アキレスとベティに唇を尖らせて抗議
857 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/11(金) 23:37:45.55 ID:zAnthSLy0
>>855
やったぜベイビー……
…雪合戦ってこんなに体力使うものだったか…?
[投げたときの体勢で数秒静止し、うつ伏せに倒れる]
[どうやら電力を少々使いすぎてしまったらしい]

なんで子供の頃コレをやりたがったんだろうな。戦争だろうがよこんなの
平和(ピース)が一番、いや八つ裂き(ビース)も一番だけど
[喉の電子スピーカーでくぐもった声でぼやく]
[自分が倒したテーブルをチラリと見ると、片付けの事を考えて憂鬱になるのであった]

//落ちさせていただきますー ありがとうございました
858 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/11(金) 23:46:04.04 ID:wvRTOrsU0
>>856
アキレス「やったぜベティ 今夜はご馳走だ!!」
―――ギィギィ♪

強敵タェンティースを斃し ハイファイブで悦びを分かち合う1人と1匹

アキレス「はっはっは 勝てばよかろうなのだ!!」

>>857
ロイ「そういうもんだろ? 何も問題は無い」
雪の中を動き回るというのは存外に体力を使うものなのだ 全力で動き回っていれば体力も枯渇するのは明白

ロイ「そりゃアレだろ? 気に喰わねぇヤロウを合法的にとっちめられるからじゃねぇの?」
どっこいせと立ち上がる


―――全員対象
ロイ「それじゃ寒いのに汗かいたし いっちょホットスプリングで温まりに行こうかね?」
アキレス「さんせーい」
―――ギィ!!

蹴倒したテーブルを戻し ソーマタージを担ぎ上げ 皆に提案する
そしてチェックインしておいた旅館に みんなして移動することになるだろう・・・・・

//そろそろ〆でお願いします
859 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/11(金) 23:53:54.49 ID:RXKI2r8j0
>>857-858
「もう……ヘクチッ、風邪ひいちゃいますよ……」

ロボット風邪なのか普通の風邪か、それは不明

「……温泉、温泉っ……」

そしてロイの提案に目を輝かせ、小走りで宿へと向かう
温泉、というか入浴が大好きなのである
冬の最後の想い出として、非常に有意義な一日であったとさ

//ありがとうございましたっ、お疲れ様ですっ
860 :『学校のお財布は』 ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/03/13(日) 21:21:30.92 ID:mSTY5LE6O
――魔法世界『トローヤー』大陸中央、学園都市『トートズラント』にて

君達は今、偉大なる魔術師(アーク・メイジ)が住まう、都市中央の一つの塔にやってきている。
中央には10の塔が立ち並び、それをドーム状の建築物が塔と塔とをつなぐ連絡通路を含んだ巨大施設である。
君達はその中の、『月に隠れた太陽』のシンボルを持つ塔にへと呼び出されたのである。
案内人に従い、とある一室に通されると、そこには眠そうな顔をした、赤い眼の細い女性が待っていた。
机の上には書類がどっさりと積み上がり、部屋に無数にある本棚には小難しい書物が神経質に詰め込まれている。

「よく来た……。移ろい門からの客人。ご足労をかけて申し訳なか、った」

「我が名はシーラ・レノーイ。象徴は月に隠れし太陽。即ち闇より漏れ出る光……」

「それで……本題に入る前に、まず君達のことをもう少し教えてもらいたい……」

女性は赤い瞳で一同を見つめる。
彼女は病的なまでに白い肌をしているし、痩せすぎの感も否めない。
だというのに、特に男性は彼女に対して奇妙な程強い魅力を感じざるを得ないだろう。
 →勘が鋭いのなら、彼女が人間でないと見抜けることができる。
861 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/13(日) 21:33:58.51 ID:dPDCM25w0
>>860
「俺? 俺はアキレス・イニゴ・ブランチ・セベタ 世界をまたにかける偉大なるグラフィティ・アーティストさ んでこっちはサソリのベティ」
―――ギィ!!

早速自己紹介をする男 ベティもよろしくーと言わんばかりにハサミを振り上げている

「この施設を出て少し行ったところにあるビストロにある肉団子のトマトソース煮が美味しいんだ
 一緒のテーブルを囲めば お互いもっと知り合えると思うんだけどね」

なお 彼女が人間でないことを見抜けなかったアキレス君 早速魅力的な彼女を食事に誘おうとしている

862 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/13(日) 21:34:46.68 ID:nc7AnchSo
>>860

「イムカ・グリムナー。銀河帝国軍上級政治将校(ロード・コミッサー)。
 神なる皇帝陛下よりの祝福を賜った、ネファレム(人類の潜在能力を覚醒/拡張させた超人類の総称)だ」

 相も変わらず唯我独尊の生きた見本のような態度である。
 両腕を組み、顎を僅かに上げた威圧的態度であり、その表情は無機質である。
 しかし、ある種の虚勢と一線を隔するのは、エリートとしての自負そのものの生き方の実戦と証明に在った。

「後はトローヤーのギルドなり何なりで照合しろ。私の足跡はそれで追えるだろう」

 なお、トロールを素手で引き裂いたり、ダイアーウルフの群対数を大幅に落ち込ませたり、
 街行くナンパ師を天高く吹き飛ばしたり、塩取り引きで大失敗したり、ダンジョンの、魔力核に手を出して崩落させたりと。
 街から街へ財布を落っことしては仕事と称した大げさなトラブルを発生させるということで絶賛悪名生産中。
863 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/13(日) 21:44:12.54 ID:nc7AnchSo
>>862

≪000111010101≫

 ふよふよとイムカの左側面に浮かぶサーボスカルは、
 アキレスのナンパムーヴを記録しながら、カクっと姿勢を傾ける。

「ふむ、確かにな。ベティ、いったいどういう訳なんだ?」

 サーボスカルと、イムカは意思疎通が取れる。
 そしてどういうわけか、ベティとサーボスカルもある程度意思疎通が出来たりする。
 意訳するとこうだ。

【なんでヘタレなアキレス君がナンパなんて身の丈に会わないことやってるの?馬鹿なの?死ぬの?】
【ひっどい評価であった】
864 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/13(日) 21:44:37.06 ID:nc7AnchSo
>>863
// >>861宛てである!
865 :『学校のお財布は』 ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/03/13(日) 21:50:44.64 ID:mSTY5LE6O
>>861

「……君は、大胆、だな」

「吸血鬼を閨に誘おうと、するその根性は、認め、よう。死んでも責任はとらぬが、それで良いなら一晩都合する、ことに、する」

女性の喋り方はどうもゆっくりと、のんびりとしている。
だがその声の一つ一つに、どうにも微弱な『魅了』がある。
自ら明かした種族、『吸血鬼』であることに由来する者だろう。異性を誘惑し血を吸う種族なのだ。

「とは、いえ。問題の解決のために、呼んだ、のであって」

「ただ吸い殺して、しまえ、ば、知性の象徴、たる、アーク・メイジ、の名が、泣くことに、なる。ゆえに、すぐにとは言えない、わかる、ね」

>>862

「あらひとがみ、のいる世界、からの、客人、か」

「神々は、星々の、彼方に、お隠れにになって、久しくなる。君が、羨ましい、と思う、ぞ」

イムカは同性であるので、彼女の微弱な魅了はハナから無効だろう。
それだけ安心してお話しできるということでもある。

「しかし、キミのことは、何かで知っている、ような気が、する、が。まぁ、いい」

――二人のことをしばらくじろじろ見ていた彼女は、咳払いをして本題を切り出す。

「フォルカー・ベルゲマン、が、君達移ろい人、の、一時的雇用、を、して、から、興味が、で、た」

「そこに、お誂え向きに、解決してほしい、事例が、ある。それは即ち、私の管轄する、この都市の財政の、こと、だ」

「きみたち、には、探偵ごっこを、してもらう、必要が、ある。よろしい、かね」

どこからか取り出したキセルを吸い、紫煙を吐き出しながら、彼女は言う。
つまり、ドンパチは少ないかそもそも発生せず、さらにいえば小難しく七面倒な仕事である、というのだ。
866 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/13(日) 21:55:41.55 ID:dPDCM25w0
>>863
―――ギィ!!ギィ!!
【訳:発作のようなものだ 暖かい目で見守ってやってくれ】

スカルからの質問に答えるベティ だが

「今日のおやつは抜きかな〜?」
ベティとアキレスもまた意思疎通が可能なのだ

―――ギィ!!
カロリー摂取の機会が失われてしまったことに対し
スカルへどうしてくれるんだと八つ当たりするかのようにハサミを振り上げるベティ

>>865
「いやぁはっはっhえっ?」
朗らかな笑いは一瞬にして凍り付き ズサササっと離れてリュックを漁り 
摩り下ろしにんにくチューブを取り出して構え ついでにイムカの背中に隠れる

「え? 何仕事? 財政ってあれか? 部下がちょろまかしでもしてんのか?」
イムカの背に隠れながら質問してみるテスト
867 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/13(日) 22:04:02.06 ID:nc7AnchSo
>>865

「よろしい、よろしくない、は話を全部聞いてから判断する」

 神なる皇帝陛下の存在を羨むというのは当然至極であるとイムカは受け取った。
 帝国聖教会には異端認定一歩手前であるが、イムカ自身の信心と忠誠は本物である。

「ああ、例の性倒錯者(ロリコン)の件でか。しかしそうだな…」

 少しだけ考えて、

「興味で外野に任せるには些か危険ではないか?
 依頼を受けるのならば、能力の限り対処を行うつもりだが…」

 財政となると、派閥の利害関係や政治が絡めば泥沼一直線である。
 最悪はキリステ可能な使い捨て人材として、謀略に組み込まれる危険もある。
 そう考えながらも、あからさまに表には出さず、疑問だけそのまま口にするに留めて、続きを促す。
868 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/13(日) 22:07:03.39 ID:nc7AnchSo
>>866

≪000111101010101≫

 ハサミの範囲外まで浮遊すると、
 サーボスカルはグルングルンと回りながら、
 マニュピレーターで摘んだクラッカーをパンと鳴らした。

【紙ふぶきがあちこちに落ちる。相変わらず行動がアレであるアレ】

「…はぁ」

 肩をすくめると、イムカは金平糖をパラパラとベティに落としてやるのであった。
869 :『学校のお財布は』 ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/03/13(日) 22:15:53.11 ID:mSTY5LE6O
>>866

「……? 何を、怯えて、いる?」

「ああ……吸い殺されるのは、恐ろしい、か。そうだろう、な」

「身体に自信ができてから、また、誘う、の、だな。骨がちで、抱くと痛いと思う、かも、しれん、が……さて、実際は、どうなのか……」

ニンニクチューブの意味については、わからないらしくスルー。
彼女のお食事になりたくなくばその気にさせないほうがよさそうだ。
何しろ、言葉での魅了は彼女がしたくてしているわけではなさそうであるし。したいと思ったらどうなるのかは未知数だ。

「ああ、多分、そう、だろう。誰かが、そう、水増し請求などで、けちくさい、小遣い稼ぎをして、いる」

>>867
「なる、ほど。きみは、慎重、だ、な。ゲイル、の回す、仕事の方が、キミ向き、だったかもしれない、な」

「……性倒錯者? 差別は、よくない、な。いくら彼がドールフェチであろうと、この国、では、自動人形、ゴーレム、人造人間の類の市民権は、みとめられて、いる」

「なの、で、彼、は、倒錯は、していない、ああ。うん。たぶん。自信、は、もて、ない」

耳慣れぬ言葉にはそんな反応を返す。
同じアークメイジとして高く評価しているようだが、そこまで良い仲ではなさそうだ。

「もちろん、深いところに、関わらせるつもりは、ない」

「きみたちにたのむ、のは、探偵、だ。何か不正をしている疑いのある人物を、尾行して尻尾をつかむ、なり、交流して聞きだすなり、して、証拠をつかむ、こと、だ」

「情報を渡してくれさえ、すれ、ば、あとはこっちで、やる」

どうだ、と二人を見ながら尋ねる。
870 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/13(日) 22:20:46.95 ID:dPDCM25w0
>>868-869
―――ギィ!!ギィ!!
そんなスカルに対し やんのかこらーと言わんばかりにハサミを振り上げているベティであったが

―――ギィ♪
金平糖が投下されれば嬉々としてそれを齧り始めた


相変わらず魅力的な彼女であるが 吸血鬼であることが発覚してからは十分な警戒をもって接しているようだ
しかしニンニクが効かない吸血鬼多すぎじゃないですかねぇ…?

「・・・どうするイムカタン? 俺なら多少の尾行は出来るけど イムカタン隠密とか無理だろ?
 二手に分かれて交渉と尾行の二方面から攻めてみる?」
相変わらずイムカの背に隠れながら提案してみる
871 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/13(日) 22:24:31.89 ID:nc7AnchSo
>>869

「問題ない。私が保証してやろう。あの男は性倒錯者のマニアックだ。間違いなく」

 イムカは自信溢れる態度を崩さず、自身が持てないという彼女に対して、
 しっかりと、確信を促してやる。態度は立派だが、内容がトンチキなのは目をつぶるべし。

【あまりに自信満々なので、そうなのでは?と思わせかねない、要はカリスマの無駄遣いである】

「証拠固めの一環か」

 そして、興味と重要度から、どうやら、半分はこのシーラとやらの遊興のようなものかな、とも考えた。
 実際のところ、切羽詰った権力闘争ならば、外野を使うのは不確定要素が多すぎて人選として相応しくない。
 さらに越境者という時に、状況を明後日の方向に飛ばしかねない存在となれば尚更である。

(スカルはあるな。ツテも全くないわけではない。コミュニケーションもさして問題はあるまい)

 一部自己評価が誤っている箇所はあるが、概ねできない事もないとイムカは踏んだ。

「情報の提示と報酬次第だな」
872 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/13(日) 22:30:55.48 ID:nc7AnchSo
>>870

「隠密は無理だが、情報収集なら場合によってはやれないことも無いさ。
 尾行にもスカルも居るし、なにより――」

 やや、不安げなアキレスを見て、自分がしっかりせねばと思うイムカ。
 ここは自信を以って、彼を安心させてやらねば。

「交渉毎も私なら問題は無いぞ。ウィットに富んだ話術で情報を引き出せばいいのだろう?」

 イムカの話術――
 なお、別のファンタジー世界では、即席パーティで上から目線全開で喧嘩となり、
 拳と威圧で、荒くれ冒険者の頭部を踏んづけながら制圧。リーダー枠に収まってクエスト成功させた実績があり。
873 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/13(日) 22:34:52.58 ID:dPDCM25w0
>>872
「・・・・・さっすがイムカタンカッコイー」
その言葉には棒読みの賛辞を贈るしか方法を見いだせなかったアキレス君であった
874 :『学校のお財布は』 ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/03/13(日) 22:35:28.63 ID:mSTY5LE6O
>>870-871

「報酬、か……」

机の下から、大きい箱と小さい封筒を取り出す。
昔話のようだが、二者択一らしい。

「金銭的価値で同価、のふたつ、だ」

「この国、の、マーモントフエルダー銀貨でおよそ三百枚分に、なる」

「トート記念大金貨にして渡したかった、が、両替商が、交換、してくれなく、て、な」

報酬金額はなんともファンタジーチック。
まともに使えるお金にしたければ越境者向けの両替商をどこぞの世界で探す必要がある。

「じょう、ほう、か」

「マーモントフ派の木端役人、だ。彼の役職、と、同年代の他の役人と、くらべて」

「何故か、海外出張が、多く、請求書も、何か、多い、あやしい、と部下、から、言われ、た」

「これは、要するに、虚偽申告によって、不正に精算している、と思う、のだが、証拠が、なくて、な」

腕を組む。
本気で取り組めば勿論潰せるのだろうが、そうする前に越境者を見つけたので、投げてみたのだろう。
……要するに、イムカが見抜いた通りだ。
875 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/13(日) 22:42:44.22 ID:nc7AnchSo
>>874

「…了解した。引き受けよう」

 塩取り引きの失敗により素寒貧になって久しいところである。
 ここで一度、大きな稼ぎを得ることにするのであった。

【依頼受理→大きい箱を選択する】

「解った。引き受けよう。解決させればいいのだから、手法はこちらの好きにさせてもらう。
 ああ、もちろん、直接的排除などはしない。それくらいの常識はあるつもりだ」
876 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/13(日) 22:46:46.20 ID:dPDCM25w0
>>874
「・・・なんかそれ 事件が発覚したら記者会見で泣き叫びそうだね」
アナタガタニハワカラナイデショウネー?

「どうしよ? イムカタンがウィットに富んだ話術()でその役人つり出している間 俺がその役人のオフィスに忍び込んでみようか?」
とイムカに提案をする

そして作戦が決まれば行動を開始するだろう
877 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/13(日) 22:54:13.05 ID:dPDCM25w0
追記
「あ それじゃ俺こっちね」
小さい封筒をに手を出す
878 :『学校のお財布は』 ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/03/13(日) 22:57:48.40 ID:mSTY5LE6O
>>875

「わかった。君に、まかせ、よう」

「うむ。あまり、法に抵触する真似をされる、と、ライナーの、あの馬鹿の、あの鬼畜眼鏡の、ごじまんの、兵隊が、とんで、くる、から、な」

「軽騎兵(ハサー)とすれちがっても、目は、あわせる、な。ちゅうこく、だ」

軽騎兵とはトートズラントにおける騎馬警察のようなものである。
その軽騎兵と街を巡回している衛兵さんの指揮系統はまた別なので正確には軽騎兵はお巡りさんではない。
何やら複雑な仕事をする人たちと認識すればいいだろう。

>>876

「にているひとでも、しっていた、かな」

「ともあれ、どうにかしてもらうとしよう。これが彼の詳細なファイルだ」

――
渡された情報によれば、その怪しい役人は、30代の若い人種の役人。
魔術師としての技能は一般的。仕事ぶりは可もなく不可もなく。
ここ数年、都市から出て何度も大陸南部の国に出張している。
不可解な量の手紙と配達手数料を請求している……。
879 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/13(日) 23:07:30.54 ID:nc7AnchSo
>>878-879

「では早速、動くとするさ」

 退室すると、すぐにイムカは動く事にした。
 ウィットに富んだ話術の披露…の前に足場固めから始めることにしたのだ。
 生憎と、依頼人を全面的に信頼するほどには若くはないのだ。

【裏付け→不可解な量の手紙とやらの情報精査】

 サーボスカルにスキャン/解析させて矛盾が存在しないか確認。
 この役人とやらが、スケープゴートだった場合、事態がややこしくなるためだ。

【調査→怪しい役人の私生活/不明金の流れ】

 冒険者モドキをやっている伝手で知己を得た情報屋に調査依頼。
 複数人を雇ってバラバラの部分を調査させて、あとで繋げていって整合を取るというやり方を選択。

 −−−−−−−−−−−

「このように私は情報収集でまずは動いてみる。君はそれ以外の方面から攻めてみてくれ」

 行動指針をアキレスとブリーフィング。
 コミュニケーションは兎も角、こういう手配を戦術は棒読みで流されることはないはず。
880 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/13(日) 23:12:53.88 ID:dPDCM25w0
>>878
「おっけーい よし 行くぞベティ」
―――ギィ!!

金平糖を齧っていたベティを背負い 塔を後にする

【捜索⇒役人の現在地】
現在お外 高い建物の屋上 リンゴ社製スマホのカメラ機能を持ちいてターゲットの役人を探し
彼が移動するのならそれを尾行しようと画策している
881 :『学校のお財布は』 ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/03/13(日) 23:26:24.29 ID:mSTY5LE6O
>>879

【手紙について】

内容まではわからないが、一部は国内、大半を国外に向けて配達させている。
返信が返ってくるばかりのものではないが、返信が返ってくることもある。
配達サービスの費用だけでもかなり嵩んでいるようだ

【私生活について】

羽振りは良いほうであるようだが、派手に遊ばないようにしているようにも見える。
のだが、身分不相応な高級レストランに通う姿が目撃されている。
また、行く先々で紺色コートの人物が近くにいることがわかる。交流しているわけではないが、必ず近くに存在する。
役人はコートの人物の存在に気付いていないようにも見える。

>>880

【役人の尾行】

役人はマーモントフ派の魔術師であるので、マーモントフ氏の塔にいる。
塔はそれぞれがアークメイジ達の司る部門の組織という形なので、この場合は市役所と思えばよろしい。
業務中、彼は事業主との会談があるなどと言って職場を抜け出し、馬車で移動を開始。
……その馬車の後ろをを、紺色コートの人物が馬で追跡している。その人物の腕にはサソリのタトゥーが見える。
882 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/13(日) 23:35:54.36 ID:nc7AnchSo
>>881

「監視か刺客かは知れないが、イレギュラーが見え隠れしているな。
 このコートの男を『追跡者』と呼ぶとして、我々の任務の支障となる存在になるかどうかと言ったところだが」

 イムカとアキレスの探偵ごっこから妙な存在が浮上したものだ。
 この存在は何者か?薮蛇になりかねないか?思案するところである。

【調査フェイズ→身分不相応なレストランでは一人か?会食の相手は単体?複数の場合は傾向は?】
【依頼人への確認→妙なブッキングを避けるため、シーラにサソリのタトゥーの存在について報告/確認を取る】

「手紙の内容によっては諸外国への情報流出?
 しかし、そこまで大事になれば、我々への調査依頼は些か不可解なものになるが…」

 どうにも全容は茫漠としたままであったが、
 事態が妙な方向に動くまえにアクションは起こしておいたほうがいいと判断。
 ひとまず、調査は続行。
883 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/13(日) 23:36:53.50 ID:dPDCM25w0
>>881
――――ピピッカシャ
スマホでその姿と それを追跡する謎の男を写真に収め
スカルに転送

《これよりターゲットの尾行を開始する》
とメッセージを送り 尾行開始

なるべく通りから自分の姿が見えぬよう注意しながら 屋根伝いに役人を追う
884 :『学校のお財布は』 ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/03/13(日) 23:47:30.42 ID:mSTY5LE6O
>>882-883

イムカがシーラに対して『追跡者』の存在を報告。
それによって、さらにキナ臭い情報が追加される。

「……『セルケト』だ。ウチの、国の、防諜機関、になる、か」

「まさ、か、あの役人を、追っていたとは、しらなかった、が」

「ゲイル、に、問い合わせる、が。……仕事は、続けて、くれ。だが、目立つな。目立つと、まずい」

「軽騎兵(ハサー)に、空騎士(ペガサスナイト)とが、動いたら、とっても、面倒、だ。目立っては、いけな、い」

悪目立ちすると、二人の立場はかなり厄介になる、そういうことらしい。
発見、補足されたら、シーラの名を出すなりして身の保全を図ることを彼女は認めるだろう。

【役人のレストランでの動向について】

会食の相手は、まちまちだ。
だが、どうもトートズラント以外の都市の人間が多いようだとわかる。

【役人の尾行】

本人が馬車で向かった先は、会員制のサロンのようだ。
とてもじゃないが木端役人が通えるような場所でないことは確かである。
 →役人が入ったのと少し時間をずらして、青いコートの人物も中に入る。入る際に彼は腕のタトゥーを従業員に見せつけたことを確認できる。
885 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/03/15(火) 00:52:19.33 ID:WvY7X3FZ0
【とある世界、止まり木同盟の宿にて】

「ふぅん、ホワイトデーなんてものもあるのねぇ。ニンゲンってどうしてこうも特別な日を欲するのかしらぁ」

リビングルームのソファの上に三角座りしてぼーっとテレビを眺めるアグラーヤ。
どうやら本日はホワイトデーなるイベントがあったらしく、その事についての情報が流されているらしい。
当然アグラーヤの出身であるダークエルフの世界にはそんなものはなく、暦の数え方も人間のモノとは異なっているのでどうにもこういうものには疎い。

「とりあえず誰かにお菓子をあげるイベントってところかしら……? どうせ暇だし、自分でもいいわよねぇ」

思い出したように減る小腹。ソファから降りれば共用スペースであるキッチンをうろうろと。
そういうイベントならば自分でお菓子を作り自分で食べてみようと思い立ったのであろう、食材となりそうなものを探し始めた。
886 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/15(火) 01:09:33.49 ID:zvg4uigEo
>>885
「ホワイトデーってのは"お返し"の日だ」

しっかりと閉まったままのドア。密室である筈のキッチン、しかしいつの間にやら居合わせていたジョシュアがアグラーヤの背後から声を掛ける。
振り返れば長袖の青いシャツを、左手だけ袖を捲くって腕組み、にやにやと不敵な笑みを浮かべながらこちらを見つめていた。

「独り言が多いなアグラーヤ。廊下まで丸聞こえだぜ?」
「そんなワケでホラ…この俺に何かあるんじゃねェのか?」

腕組みを解けば、左手で掴んでいたのは何やら大きな紙袋。中にはいくつか小さな小包が入っているようで。
ジョシュアはその中から適当に一つ取り出せば、アグラーヤ目掛けて軽く下投げでトス。ぽすんと彼女の手の平の中に収まったのは紙で放送されたなにやらカップケーキのようなもの。

よくよく見れば円柱型のチョコレートケーキのようだ。ラズベリーのジュレやらクリームやらが幾層にも重なった視覚的にも見栄えの良いものであり。
それを渡せばジョシュアはにっと微笑んで適当な場所に紙袋を置く。どうやら彼は先客であったようだ。

「1ヶ月前のお返しだ」
887 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/03/15(火) 01:26:00.12 ID:WvY7X3FZ0
>>886
いきなり掛けられた声にびくっと身体を跳ねさせる。無理もない、完全に自分ひとりきりだと思っていたのだから。
一瞬の内に呼吸を整えればゆっくりと振り向いてみせる。声でわかっていたがそこにあった顔はやはりの見知ったものだ。

「……ジョシュア、いるならそう言いなさいよぉ。本当趣味悪ぅい……」

不服さを隠そうともせずに表情に貼り付けるアグラーヤ。
どうやら割と本気でびっくりしたようでジョシュアを見る眼に若干睨みが効いていた。
ともあれジョシュアの言葉の「何か」とやらにはクエスチョンマークを浮かべてしまう。
小首を傾げながら何かあったかと思案すれば、ジョシュアから投げ渡された物体によってそれは中断された。

「なぁにコレ? お返しぃ……? 私何かしたかしら? この私が選りに選って貴方に贈り物をするとは思えないんだけど……。
……! もしかしてアレのことぉ? アレは別にそんなつもりじゃあ……バレンタインなんてつもりでも無かったしぃ。
なんて言うのぉ……? 細やかな、ほんのちょっぴりの感謝の気持ち的な? タェンティースの件も含めて……」

記憶にないと言った感じであったが、記憶を遡れば確かに1ヶ月程前に何かをあげていた気がするような気がするアグラーヤであった。
当然本人にバレンタインなどといった風習めいた気持ちは無かったのだが、結果的に義理チョコを渡したという事になってしまったのだろう。
888 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/15(火) 01:38:35.44 ID:zvg4uigEo
>>887
「ははッ、俺が居るって分かってたらブツクサ寂しい独り言を垂れ流すこともなかったろ?」

基本的にキッチンは共用スペースであるため、いつ誰が入ってきていてもおかしくはない。
しかしジョシュアが息を潜めたのは、段々と近づいてくる独り言の主の正体を察したからである。

あからさまに驚いたアグラーヤを眺めながら楽しげに短く笑えば、ジョシュアはアグラーヤの弁解(?)をああ結構と退ける。
なりゆきだろうがタイミングが重なっただけであろうが、贈り物は贈り物である。時期的にも今日返す事が一番いいとジョシュアは判断したのだろう。

「前のアレ…見た目はクソだったが味はまぁ悪くはなかった。俺にはちと甘すぎだが…」
「…なんなら教えてやらねぇこともないぜ?それともここで見守っててやろうか?」

やたらと"クソ"の部分を強調した喋り方ではあるが、フォローを入れているあたりジョシュアもアグラーヤの義理チョコを酷評するつもりはなかった。
つまりはアレだ。過去のわだかまりを解消すべくアプローチを図っているのだろう。例えばお菓子の作り方を教えることによって。
889 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/03/15(火) 02:01:28.82 ID:WvY7X3FZ0
>>888
「ウルサイ。いい加減に黙らないと貴方をここで料理することになると思うけどぉ?」

つかつかとジョシュアの目の前まで歩み寄れば人差し指を彼の胸元に突き付け、見上げるように睨み付けての威嚇である。
しかしやはり羞恥に感じているのだろう。強い口調とは裏腹にその頬はほんのり赤い。
不幸中の幸いは聞かれた独り言の内容がまことどうでもいい内容であったことだ。変な事を口走ってはいなかったかと自分の先程を思い出しながら内心でほっとした。

「別に感想なんて求めてないから。暇だったからやってみただけだしぃ。
ていうかなんでこの私が貴方みたいなのに教わらなきゃならないのよぉ。自分で食べるモノなんだからそんなの必要ないわぁ」

無論アグラーヤに料理、ましてやお菓子作りなんて女子力高めなスキルなど皆無。
しかしここでジョシュアに教わってそれをするのはアグラーヤ高めな自尊心が許すはずもないのである。
ぷい、とジョシュアを無視し冷蔵庫から取り出した誰のものとも知れぬ板チョコを数枚鍋へ投入。
そして鍋のフチを掴むと一瞬にして板チョコはどろどろに溶け出した。自身の放電による電熱のなせるワザである。
あとはそこに適当に白い粉やらドライフルーツなど見栄えのしそうなものをぶち込んで少し置けば完成である。

「……あげるわ」

ジョシュアの目の前に置かれたのは鍋の中で無様に膨らみ取り出す事も出来なくなった名状し難いチョコのようなナニカ。
自分で食べる為、と言ったことなど既に過去の事でジョシュアへと提供される始末。
890 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/15(火) 02:15:36.72 ID:zvg4uigEo
>>889

「ふむ……」
「おぉ……」
「あー…熱が強すぎだ…コゲつくぞ」
「…え…このタイミングでソレ入れるの…?混ぜるの…!?」
「えぇ…うわ、えぇぇ……!?」

初めは黙ってアグラーヤの手腕を見極めるべく腕を組んで見守っていたジョシュア。
しかし徐々に彼女のチョコレート調理、否"生成"における杜撰さが露呈してくればついつい口を出さずに居られなくなる。

ブスブスと嫌な音を立てるチョコレートを心配しつつ、
チョコをベースに粉を入れるという新しい技法を開発したアグラーヤに驚愕の視線を向けつつ、
ドライフルーツをポイポイと投げ入れぐるぐるかき混ぜる様を不安げに見守りつつ。

しかし出来上がった物体を見てみれば狼狽えたような唸りと、時折見てはいけないものを見てしまったような表情を浮かべて顔をその手で覆うことしかできない。

「あの惨劇物体の生成現場の裏側は理解した」
「……味は…」

鍋をひょいと持ち上げ、ブスブスと黒煙を立てるそれを指ですくって舐めとる。
しばらく黒い粘液を舌の上で転がして、それから暫く押し黙り、そして静かにアグラーヤの方へと向き直るジョシュア。

「お前…いつもこんなモン食ってんのか…」
「…たまにウチに来い。うまいメシを食わせてやるから…」

その目は憐れみに満ち満ちていた。
891 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/03/15(火) 02:32:47.99 ID:WvY7X3FZ0
>>890
「いちいち癪に触る言い方するヤツねぇほんと。食べ物なんてお腹が膨れればなんでも一緒じゃなぁい。
それにこの私が目の前で作ってあげたんだからもっと有り難がりなさいよぉ」

とは言いつつも自分では一向に口にしようとはしないところを見ると、明らかに何か失敗したことはわかっている様子。
どこがどうマズかったのかはわからないし反省もしないのが同じ過ちを繰り返す歪みの元凶なのだ。
ちなみに失敗を確信した理由も見た目判断であるところ救いようがない。
焼いて食べるくらいは流石に問題無くできる為、アグラーヤの食卓は殆どが何かを焼いたモノである。

「なぁに、その目は? 別に貴方に心配されなくたって問題無く生きていけるわよぉ。
さ、私は貴方に貰ったコレを頂くとするわぁ。何か……随分手が凝ってる感じねぇ? まさか手作り……じゃないわよね?」

渡されたモノの包装を破り捨てれば中から出て来たのはカップケーキのようなもの。
自分が先程生成したものと比べれば同じ食物の類とは思えないが、その辺の感情は何やら悔しいので押し殺した。
892 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/15(火) 02:36:26.08 ID:zvg4uigEo
>>891
毎日こんなモン喰ってたら俺ならいつか自殺するねとジョシュア、アグラーヤのチョコレートを完全否定。
改めて目の前で生成されてみればやはりこれh
893 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/15(火) 02:43:11.98 ID:zvg4uigEo
>>891
「いや…ないわ…」

毎日こんなモン喰ってたら俺ならいつか自殺するねとジョシュア、アグラーヤのチョコレートを完全否定。
改めて目の前で生成されてみればやはりこれは食物への冒涜であると肌で感じ取ったようだ。
いつか近いうちにアグラーヤに料理の基礎だけでも教えてやらねばならない日が来るのだろう、それもジョシュアの務めである。

「…まだあったけェだろ」
「"そういうこと"だ…喰ってみな」

アグラーヤの問いかけには彼女の手元を指して曖昧に答えた。
そうだと言えば彼女のプライドを傷つけてしまうかも知れないし、違うと言えばなんだか小馬鹿にされそうで否定するわけにもいかない。
つまりは己で察しろというワケである。
894 :アグラーヤ >>336 [sage]:2016/03/15(火) 03:03:30.13 ID:WvY7X3FZ0
>>893
「じゃあ毎日これを食べさせてれば勝手に自殺してくれるって訳ね、これは良いことを聞いたわぁ」

アグラーヤに料理のなんたるかを教えるにはまずは食に興味を持たせるところから必要である。
生きる事を最重要としたアグラーヤのこれまでの生き方から、食べるとは生きる為の手段に過ぎずそれ以上でもそれ以下でもない。
元々の不器用さも相まって彼女が一端の料理を作れるようになるのは何とも気が遠くなる話なのであった。

「……ふん、まぁなかなか美味しいんじゃない? それにしても貴方がコレをひとりで作ってるところなんて……ぷっ。
想像しただけで……あっは、おっかしぃ。よくこんな似合わない事するわぁ」

どうやら味覚はそれなりに正常なものを保っているらしい。
ケーキをスプーンで掬い一口運べば、表情から険がとれ外見年齢相応のモノを見せた。
それを素直に口に出さないのはアグラーヤの性格故である。それにここでジョシュアに増長されてはまた何を言われるか分かったものではない。

「ん……ごちそうさまぁ。じゃ、私はシャワー浴びて寝るからぁ。
ソレ、片付けしておきなさいよぉ? 私が貴方に作ってあげたモノなのだから当然よねぇ? よろしくぅ」

ナプキンで口元を拭き取ればケーキの包装紙と共にゴミ箱へぽい。
そしてそのまま惨状めいたキッチンを放棄してジョシュアにひらひらと手を振ればリビングルームを後にした。
彼にとってはとんだ災難が降りかかった様なものだが、アグラーヤにとっては初めての、それなりに満足できたホワイトデーなのであった。

/しめでっ! ありがとござきましたー!
895 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/15(火) 22:11:08.64 ID:yFW5d6x90
《とある無人島》
この世界は異種族と呼ばれる亜人が普通に存在する世界
いろんな前置きはすっ飛ばし 一行はとあるテレビ番組に出演することになった

それは2つのグループが1つの無人島の別々の場所に下され サバイバルを繰り広げるというものなのだが
テレビ局のスタッフはすでに筋書きを作っていて それに沿うように事が進む様小細工を仕込んでいた

それはイケメン美女軍団がかっこよくドラマチックにサバイバルする傍らで 何もできず右往左往し 絶望するその他グループをあざ笑うという構図
そのために便利グッズ争奪ミニゲームと称して徹底的な出来レースを行い

イケメン美女軍団には道具やら調味料やら 救援物資のカップ麺なんてものもたんまりと用意し 絶望予定グループはものの見事に何もなし 着ている服のみでサバイバル突入することになってしまった

だがスタッフは一つまちがいを起こした それは

ロイ「・・・・・。」
ボロウズ「・・・・・・・。」

絶望予定グループにこの2人がいることであった

〜場面転換〜
そして無人島に到着 島の反対側にも今頃イケメン美女グループが到着していることだろう
この絶望予定グループには はたしてほかに誰がいるだろうか?
896 :アイ【Gの力】 [sage]:2016/03/15(火) 22:22:12.11 ID:omCx9Lhxo
>>895
TV出演という餌に釣られて、はるばる無人島へ出掛けた女。
前日はワクワクして眠れなかったのか、目の下に若干くまが出来て
いる。
しかし、昨夜のワクワクは何処かに吹き飛び、明らかに仏頂面を浮かべていた。

「気に入らないんだけど、なんで私が美男美女チームじゃないわけ?」
「っていうか道具もなにもないし!やらせよ、やらせ!」

そう喚く女黒のゴスロリファッションに身を包んだ、どこから見てもイロモノ枠。
イロモノ枠は一通り不満を口に出すと、面子を見回した。

「この中にサバイバーとかいない訳?見返してやらないと気がすまないんだけど!」

青い海、青い空に虚しく彼女の声がこだました。
897 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/03/15(火) 22:22:23.29 ID:BE4EsNfl0
>>895
「……」
「……なんていう安心感」

久方振りの越境の末になんやかんやでテレビ出演である
そこで知った顔を見れば苦笑、そもそも越境などサバイバルの連続なのだ

「んー……」
「ひっさびさにこんなとこ来たなぁ……」

故郷の世界で過ごしていた七八にしてみれば、田舎の田園や森林風景以外を見るのは久々である
海風を頬に感じながらの大きな伸びをひとつ、菖蒲色の装束は陽光に照らされる
898 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/03/15(火) 22:25:44.10 ID:BE4EsNfl0
>>896
「まーまー、私もそこは我慢してんだからさ……」

宥めるのは、露出の低いモンペめいた菖蒲色の忍び装束に身を包んだ少女である
長い黒髪が後ろで一つに束ねられており、馬の尾のように風に棚引く
格好からして同じくイロモノ枠なのは間違いなさそうだ
899 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/15(火) 22:33:06.67 ID:yFW5d6x90
>>896-897
アキレス「そうだそうだー控訴も辞さないぞー」
―――ギィ!!ギィ!!

人数的に収まりがよさそうなのでこの男も投入
多分世間一般的に言えばイケメンであろうきっとメイビーの男もプリプリ怒っていた
なおベティもマネしてハサミを振り上げている

〜そんなこんなで〜
ここの地形は海があり浜辺があり 少しの平原ののち森 そして中央が高い山になっている

さて 今事イケメン共は慣れないメタルマッチに悪戦苦闘している頃

ボロウズ「・・・・・・」
口から火を吹けるボロウズがたき火を起こした頃

ロイ「水源見つけて飲料水確保してきたぞ〜」
浜辺に流れ着いてきたペットボトルを山ほど担いで山の方に向かって行ったロイが 冷たい水を山ほど汲んで戻ってきた
なおまだ一時間経過していない

ボロウズ「・・・・・・・・・・・」
そしてボロウズはさっそく黒曜石の塊を採掘してきて 石で叩いてナイフを 槍を 弓矢を作っていた
まだ三時間経過していない

アキレス「あの2人が居ればどうにかなるだろうけど・・・俺らは食い物関係を集めようか?」
武器もできた その他諸々は2人に任せればどうにでもなる為 アキレスは2人にそう提案した
900 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/03/15(火) 22:43:53.68 ID:BE4EsNfl0
>>899
「はいはい、一緒にイロモノ頑張ろうねー」

アキレスに対しても結構な扱いであった

さてそれから?

「待って待って待って、それいいの?」

ボロウズの火炎放射は反則な気がする
とはいえこれが禁止されたともロイの炎があるのだから結果は同じ

「あー……うん、ありがとう……」
「うわー、さすが器用だねぇ……」

そこからトントン拍子に事が運び、七八と言えば砂浜にお城を作っているだけである
しかし確かにアキレスの言う通り、小腹が空いて来た頃だ
何かしら食べ物を探しに行くかと腰を上げてボロウズの元へ

「これとこれ、貸して?」

小型のナイフを数本手に取り、アキレス達と共に出発
901 :アイ【Gの力】 [sage]:2016/03/15(火) 22:44:29.24 ID:f5VE2Nnio
>>898
声がした方を振り向けば、忍者チックな少女。
動きやすさ優先の服装には、サバイバー感が漂い、女は多少落ち着きを取り戻す。
「ちょっとカッとなっちゃったわ、ごめんなさいね」
「しかし、あなた見るからにサバイバーね!ちょっと安心!」
忍者=サバイバーという等式が女の中にはあるらしかった。
それに、女子は多い方が安心感があってよいのだろう。

>>899
火を吹く男に、水源男 。二人の手際の良さに感服しつつ、その辺りに腰を下ろしていれば、
あれよあれよと、生存できる可能性がはね上がっていく。
三時間後には、完全にだらけて寝転がっている女の姿が、そこにはあった。

「そうね、食べ物くらい集めて、貢献しないとダメね」
「ここで大量の食べ物をゲットして、一気に美形軍団を貶めますか!」
アキレスの提案に、寝転がっていた女ははね起きると、二つ返事で同意
そして軽く柔軟をしながら、美形軍団へと宣戦布告をするのだった。
「えーっと、木の実とか集めるの?それとも敵陣に略奪しにいくの?」
902 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/15(火) 22:57:03.70 ID:yFW5d6x90
>>900-901
ボロウズ「・・・・・・・・・・?」
首をかしげるのみ 止められなかったらしい

ロイ「さすがに色々と出来レースやったけど 良心の呵責がジンジンだったんじゃね? まぁ好きにやらしてもらうだけさ」
そう言いながら 自然石を叩いて鉈のような石器を作るロイ

ロイ「俺は住処を作っておくから 飯をよろしく なぁに何も取れなかったら俺が何とかしてやるさ」
そう言って三人を送り出した

〜それからどうした〜
イケメン軍団は辺りを捜索中に朽ちた家屋を発見 廃墟も同然だがいいじゃんいいじゃんと盛り上がっている頃

アキレス「そういえばここってイノシシがいるかもしれないから注意してねって言われてたっけ ・・・お肉食べたいよね」
―――ギィ★ミ

一般人には脅威でも 越境者にとってはいい食料 辺りを探る

捜索中の四五六の近くをアオダイショウがニョロニョロと移動中 ご飯に加えますか?
そしてアイの近くには ウリボーが歩いているのがみえた ご飯に加えますか?
903 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/15(火) 23:00:58.72 ID:yFW5d6x90
>>901追記
アキレス「さすがに略奪すると色々拙いからやめてね」
904 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/03/15(火) 23:05:27.67 ID:BE4EsNfl0
>>901
「そういうあなたは……」
「……うん、見るからにサバイバーじゃないね」
「私、四五六 七八(しちは)。 ヨロシクね」

苦笑ながらの自己紹介
なるほど七八からすれば水源男(ロイ)と火炎放射の二足歩行トカゲ(ボロウズ)、そしてアキレスのは顔見知りである
しかし彼女からすれば見知らぬ集団に突然入れられているのだ
(見たところ)同年代位の同性というのは、それだけで心強い
因みに七八は10代半ばである

>>902
「あ、問題なしなのね……」

考えればそうか、亜人が普通のこの世界なのだから
ブレスを行う種族が身体能力を活かして何の問題があるというのだ

「はーい、立派なお家をよろしくねー」

手をフリフリ、元気良く出発である


「牡丹鍋、いいねぇ」
「問題は鍋がないって位で、あの2人なら作れそうだし……ん?」

イノシシと聞いて心配よりまず味への期待感が勝る
そして蛇を発見、身を低くして気配を[ピーーー]

「ちょっと行ってくる」

捕獲をする訳でもなくその後を静かに追跡
狙いは蛇の餌になるであろう卵や小動物である
流石に蛇を食べるのは憚られているらしく、彼の獲物を横取りすべく試みるようだ
とはいえ仲間達から余りにも離れ過ぎるようなら中断して戻るだろうが
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2016/03/15(火) 23:11:44.88 ID:f5VE2Nnio
>>902
頼もしい二人にほぼ全てを任せ、女は意気揚々と狩りへ出かけるのであった。
おそらく放っておけば食糧問題すらも解決されているのだろうが、流石に何もしないのでは報復にもならない。
食料を採りに行くというより、アピールをしに行くという意味合いの方が、女の中では大きいのだ。

「おっけー、おっけー。流石に略奪はしないって!」
「イメージダウンしちゃうし、お蔵入りしちゃいそうだしね!」

もう既に色々と間違っているサバイバル、果たして無事放送されるのだろうか。
そんな雑談を交えつつ、島の中心へと一行は歩を進めた。

「え、ホントにイノシシとかいるわけ?この島危なくない!?」

まさか危険生物はいないであろう、そうをくくっていたら、目の前にイノシシである。
思わず突っ込みを入れつつも、もうその肉が、今日のメインと化すことは半ば決定した。
女は、重心を低くし、イノシシと対峙する。一騎打ちといったところか。

「よっしゃ!バッチコイ!」
906 :アイ【Gの力】 [sage]:2016/03/15(火) 23:16:17.09 ID:f5VE2Nnio
>>905
/追加
イノシシ(子ども)に対して強気に出ているむなしい女の姿が、そこにはあった。
907 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/15(火) 23:21:50.69 ID:yFW5d6x90
男が家のことをやり 女が狩りに出る 何か色々と間違っている気がしないでもない

イケメン軍団が事前のミニゲームで手に入れた釣竿で小魚を釣ったり 起こした火で海水から真水を抽出したり 平原で図鑑を片手に野草を探している間・・・

>>904
アオダイショウは四五六に構うことなくニョロニョロ移動中
これがロイなら これも貴重なたんぱく質ですとためらうことなくゲッチュしていたことだろう

ヘビを追いかける四五六 その時落ち葉を蹴り視界を横切る小動物の姿
小動物特有の俊敏さでその場を離脱しようとしている何かを捉える術を 四五六は持ち合わせているか?

>>905
スタッフはまさか森の中に食い物を求めてやってくるとは思ってなかったようです

そしてバッチコイと気合いを入れるアイに対し うりぼうは何事もなかったかのように地面の木の実を貪っている
なおうりぼうはアキレスの連れているベティより小さい

だが遠方より突撃してくる何かの音がする うりぼうの親であるイノシシが突撃してきたのだ!!
908 :アイ【Gの力】 [sage]:2016/03/15(火) 23:22:43.67 ID:f5VE2Nnio
>>904
「七八ね、おっけー、記憶した!」
「私はアイって言います、よろしくね!」

正直、ロイやボロウズ等どう接していいのか分からない人達しかいなければ
確実に今も取り乱したままだった出あろう。
そう自分でも分かっているからなのか、七八には自然とフランクに接することが出来た。

「七八はやっぱり忍者なの?若いのに大変そうというか、苦労人そうね。」

島の内部に進むのにも、話し相手がいてよかった!女は心底そうおもうのであった。
909 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/03/15(火) 23:29:30.92 ID:BE4EsNfl0
>>908
「アイね、おっけー」
「まぁ……一応、忍者だよ」

苦笑混じりに肯定
七八にしてみれば、忍者の家柄と言うのは今時古臭くて余り好きではなかった
幾分か成長した今となってはこうして名乗る程度にはなってはいるが

「アイは……」
「何、どっかのお姫様……?」

とはその衣服を見ての反応である

>>907
「……!」

直感に近い感覚で何かを察し、振り向くと同時にナイフを投擲
それすらまるでフクロウの羽撃たきだ、極めて高度な静音性を孕む技能
発見力とそれに対する反射神経と思考の融和した対応力は忍びの得意分野である

910 :アイ【Gの力】 [sage]:2016/03/15(火) 23:37:39.79 ID:f5VE2Nnio
>>907
絶望組の安全は保障されていなかったのである。

気合を入れた女と、素知らぬ顔で食事を続けるウリボー。
微妙な空気が場を満たし、流石に虚しさが募る。はぁ、とため息をつくのもつかの間
バキバキと小枝を踏みつける不穏な音を察知し、顔を向ければ親イノシシである。

「え?ちょ、これダメなやつでしょ!ヘルプ!ヘルッッッッ!!グェェ!!」

言い終わらない内に親イノシシと衝突、鈍い音と女の体から空気の抜ける音とが重なりあう。
それでも何とかこらえ、親イノシシと拮抗、それはまるで相撲のようで、完全に力比べである。
イノシシの巨体と張り合う女のパワーには目を見張るものがあるが、そう長くはもちそうもない。

>>909
「いえ…これは趣味です……。」
ガチ忍者と、ファッションゴスロリ。
同じイロモノでも格が違うといったところか。
流石の女もそのことに気が付くと、すこし気恥ずかしいのか、うつむいた。

「いや、でも衣装からはいるタイプってあるよね!うん!」
「いずれ姫になるとかさ!」

馬鹿であった。
911 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/15(火) 23:43:26.42 ID:yFW5d6x90
>>909
アキレス「前にアイちゃんと一緒に戦ったことがあったんだけどさぁ 凄いんだよ 格闘技で人の頭蓋骨凹ませてた」
アイのことを聞く四五六に的確な紹介

そして四五六の黒曜石ナイフは素早く視界の端の小動物 野兎を貫いた 即死であった

―――ギィ!!ギィ!!
それを食べようとするアオダイショウとベティが熾烈な威嚇合戦を行っている

>>910
アキレス「ほらねすごいでしょアイちゃんって!!」
四五六に自慢しつつも アイのヘルプが出れば即座に対応
がっぷり四つの体制でこらえるイノシシとアイ そこにアキレスが跳躍してイノシシに覆いかぶさる

アイから離れてアキレスを振り落そうとするイノシシ

アキレス「アイちゃん!!四五六タン!! トドメプリーズ!!」
必死にしがみつきながら援護を求める
912 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/03/15(火) 23:52:25.50 ID:BE4EsNfl0
>>910
「へー」
「いいじゃん、可愛いし」

私こんなんばっかだからさぁ、なんて言いながら自身の装束の裾を摘まむ
色気も可愛げもあったモノではない、柔軟さとしなやかさを両立した正に忍びの為の装束
年頃の七八からしてみれば、アイの黒衣は羨ましく思えるモノだ

「いいんじゃない、目指せお姫様ってさ」

>>911
「頭蓋骨を?」
「……またまたぁ」

アキレスの言葉をそう容易く信じられないのも仕方ないだろう
アイの見掛けは細身の女性であり、また着ている服からしてもそんなアグレッシブなタイプには見えなかったのだ
最もそういった枠組みから逸脱している輩が多いのは、越境者ならではの特徴みたいなモノでもあるが

「……ごめんね、美味しく頂くからさ」
「さ、行こベティ」

ナイフの突き立ったウサギを確保、蛇から素早く離脱する

>>910-911
「っと……ほんとだ」

アイの膂力に驚愕しつつもアキレスの声に素早く反応
とはいえ手持ちの武器は小型のナイフのみだ
素早く駆け寄り、イノシシの後ろ足の付け根辺りに走らせんと振るう
無論その力を封じ込め、アイへの援護の為の行動だ
913 :アイ【Gの力】 [sage]:2016/03/16(水) 00:00:45.58 ID:Tij5jIw+o
>>911
グググググッと必死に力を込めながら、イノシシと拮抗するアイ。
そんな中アキレスの話の内容を聞き、顔をチラりと見る。
(ああ、確か以前、どっかの地下牢であった人……だったっけ?多分そうだな、忘れてたっ)
一人冷や汗を滲ませる女。それは力を込めているから…ではない。

「ハァハァ……アキレスナイス!」

イノシシとの力比べから解放されると、息をつくまもなく反撃へと転じる。

「今回は足場が悪かったのと不意打ちで力入らなかっただけなんだからなっ!」

そう捨て台詞を吐くと、女は素人が思いっきりボールを蹴り飛ばすようなポーズで
前蹴りをイノシシの前足めがけて放つ。狙いは脚をへし折り機動力をなくす事
それに下手に顔面をけって滅茶苦茶にすると、R指定が入ってしまうからという配慮である。

>>912
「え?ホント?可愛いかな。ニコッ」

褒められて純粋に喜ぶというチョロさを見せつつ
また自分が認められたという嬉しさから、七八のことを気に入る女。
やっぱりほめるっていいね!

「いや、でも忍装束もワビサビがあっていいと思うよ!」

〜対イノシシ戦にて〜
アキレスが頭蓋骨を凹ませたと七八に告げ、
それを実証してしまうようなパワーもみせつけてしまった女。

(やっば、これ引かれたかな……後で弁解しないと……)

またまた冷や汗をかくのであった
914 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/16(水) 00:09:09.83 ID:jeh7V0a30
>>912-913
四五六の黒曜石ナイフが刺さり アイのサッカーボールキックが炸裂
前足二本をやられたイノシシは倒れ伏しながらももがく

アキレス「トドメだベティ!!」
―――ギィ!!

そしてオオトリを務めるベティがイノシシの喉元に自慢の針をメッタ刺しにする
なおベティはサソリですが毒は持っていません

こうしてイノシシとウサギをゲットした三人は意気揚々とベースキャンプに戻ってくる

そこには葉っぱの屋根と土壁に覆われた家がすでに二つできていた

ロイ「後は煙突作って 木の皮で屋根を補強して終わりだな 人数的には後もう2つは作りたいがね」

そしてボロウズは火で海水から塩を抽出していた

ボロウズ「・・・・・・・これはいい・・・・・・・・夕餉ができる・・・・・・・な・・・・・」


イケメンチームが小さな魚を少しと貝殻で 侘しい夕食をアウトドア特有のテンションでやり過ごすその反対側では
イノシシの肉が焼ける美味そうな匂いが立ち込めることだろう・・・・・


//ではこれにてノシ お疲れー
915 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2016/03/16(水) 00:16:11.97 ID:af39OV4k0
>>913
「えー、地味なだけじゃない……?」

やや上機嫌に見えるアイにそう言われて無論悪い気はしない
だが装束を、謙遜だけではなく事実として地味に思うのもまた本音だ

>>913-914
「ナムナム……」

ムニャムニャと何やらお経のような何か
手を合わせてしている事から、ウサギとイノシシに対しての礼儀なのだろう
あとは適当に食べられる葉っぱを摘んでサラダと付け合わせの用意だ

「いやー、豪華なご飯になりそうだね」
「……にしてもアイ、凄いんだねぇ」

イノシシと力で張り合い、また素手で対応していた事に対しての七八の反応は否定的なモノではない
寧ろ畏敬の念に近しく、これは七八が自身には特殊な力が宿っていない事に起因する

「おー……!」

そしてロイの建てた小屋を見れば否が応でも上がるテンション
小走りに駆け寄り中を見たり壁に触れてみたり

「凄い凄い! 女子部屋にしていい?」

強引にアイとベティを味方に引き入れ、無理難題を突き付けるのであった

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
916 :アイ【Gの力】 [sage]:2016/03/16(水) 00:22:28.98 ID:Tij5jIw+o
>>914
完全に機動力を失ったイノシシは、三人と一匹によって無事、仕留められた。
イノシシの重量からして、運ぶのは三人一緒にだろうか。
それともじゃんけんで決めたのであろうか。
なにはともあれ無事帰還すると、驚くことに家が二つ出来上がっていた。

「え、なにこの人たち、原始時代から来たわけ?」

若干引きながらも、不思議と満足感に満ち溢れる。
野外で、協力をして何かを成し遂げる。すばらしいことではないか。

今夜の晩餐は、それはそれは美味いものであったとか。


>>915
「え、引いてない?大丈夫?」

初対面で、女のパワーを見せつけ、てっきり引かれていると思っていたので
七八の反応はいささか拍子抜けするものであった。しかし、肯定的であったので女も安堵している。

「いや、七八のナイフもすごい正確だったよ。忍なだけあるね!」

イノシシ
917 :アイ【Gの力】 [sage]:2016/03/16(水) 00:24:49.18 ID:Tij5jIw+o
>>915
「え、引いてない?大丈夫?」

初対面で、女のパワーを見せつけ、てっきり引かれていると思っていたので
七八の反応はいささか拍子抜けするものであった。しかし、肯定的であったので女も安堵している。

「いや、七八のナイフもすごい正確だったよ。忍なだけあるね!」

イノシシを引きずりながら歩く道中も、帰還してからの晩餐も
とても楽しいものであったことは言うまでも無い。

「え、ていうかベティ、雌なの!?」
などという驚きもありつつ、女子たちは部屋を独占をしたことであろう。
918 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/16(水) 00:35:47.42 ID:jeh7V0a30
>>916
ロイ「あぁ 石斧片手にマンモス追いかけ 石の円盤を貨幣に暮らしてたのさ」
引き気味のアイに対し ニヤリと笑みを浮かべながら応えるロイ

ボロウズ「・・・・・・・・・・・・・・」
なおボロウズはそんな言葉に耳を貸さず もくもくと土器を作っていた


アキレス「え? 俺も小屋のなk」
ロイ「あきらめろ また明日作ってやっから」
ボロウズ「・・・・・・・・・・・・・・・」

―――ギィ♪

こうして野郎は土の上に木の葉を敷いて
女性たちは木を組んだベッドの上で 一晩を明かすのであった・・・・・
919 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/16(水) 20:52:45.01 ID:b1RWYCUdo
【魔法世界エリュシオンにて】

「正直良くない状況だ」

 そう口にしたのは金糸の髪に白磁の肌。
 若草色の外套にレザーアーマーというホロ投影を着込んだ
 終焉の遠未来出身の政治将校。イムカ・グリムナーである。

【酒場は大反響。荒くれ男達の騒がしい声に飲みすぎでぶったおれた連中の呻き】
【エリュシオンの森の都で乱闘騒ぎをやらかした越境者一行はすぐに乱闘相手と仲良くなりドンチャン騒ぎをしたところだ】

 そして、酒の席も終盤というところで、今後の方針について話し合う事となった。のだが、

「魔力無しは軽んじられる。流石にこのままでは身動きがとりにくい」

 そう、このエリュシオンにおいて、魔力/魔術は文化に結合した普遍的なモノ。
 それを扱えないというのは社会的ステータスにおいて著しい不利となる。

【それは越境者には時には死活問題となりえる】
【その世界に対して社会的バックボーンを持たない≠ニいう越境者の欠点が最大化するためだ】

「嫌われるのも、馬鹿にされるのも、軽蔑されるのもさして問題にはならない。
 が、舐められるのだけは宜しくない。あらゆる行動に著しい制約がかかってしまうからだ」

 端から舐めてかかられる。社会的にも感情的にも酷いハンデである。
 人間が社会的生物である以上、これは看過すれば何処までも不利/負荷となっていく。

【イムカ・グリムナー…流民/D級冒険者】

 流民というだけでも体裁が悪いのに、さらに社会的被差別階級というのは流石にいただけないのだ。
920 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/16(水) 21:05:30.65 ID:af39OV4k0
>>919
「ふぅむ……」

B級冒険者、地属性の魔力を有する半人は唸る
目の前の卓にはオレンジジュース、体は変われど下戸に変化はなかった模様
シャツにジーンズのスタイルはこの世界ではやや浮き気味だ

「……外部式の魔力ジェネレイターでも手に入ればいいんですけど」

スプロール辺りなら入手出来そうなシロモノだが、勿論ここでは難しい様に思える

「しかしなんでしょう、結構難しく思えますね……」

魔力とはある種では異能だ、そして異能とは主に先天性の才能だ
後天的に身についた事例もなくはないが、それでも多くはない
そもそも用意に異能を入手出来るようなモノならば、己の様な存在は生まれないのだ
口に手を当てて唸り、どうしたものかと呟いた
921 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/16(水) 21:10:51.35 ID:jeh7V0a30
>>919
アキレス「どういうこと? 俺も故郷のガリシアじゃ舐められてたけど 行動に支障起きたことなかったよ?」
―――ギィ♪

杯を片手に顔が赤いアキレスが首をかしげる ベティはツマミに舌鼓

ロイ「危険度が高い分稼ぎのいい仕事が回ってこないってことさ 金がない 無能の流民なんて人間扱いされるかどうかすら怪しい」
こちらはホホ一つ染めていないロイである

ロイ「言うだけなら案がないわけじゃない 難易度詐欺の依頼を受ければいいのさ」
アキレス「難易度詐欺って・・・なんだか不穏じゃね?」
ロイ「不穏なんだよ 実際にな」

度数の高い蒸留酒の盃を干し 一息入れて

ロイ「難易度の割に出てくるモンスターが強すぎる依頼ってのはいついかなる時も存在するモンだ
   たまたま生存圏を求めて他所からやってきたり 討伐対象が違っていたり 理由は様々だがね
   そいつらを討伐して首級を持って来れば色眼鏡を外す連中も出てくるだろ ついでに何かを討伐した証しに二つ名を名乗ったりすればな」

ロイ「導師だの大魔道だの 公式に認められている二つ名の他に 特別な対象を斃した証しの二つ名もある 龍殺しだの 牛鬼殺しだの 死霊王殺しだの
   そりゃ1匹2匹倒したぐらいじゃ運がよかったとか好き勝手言われるだろうが 10回ぐらい繰り返せばさすがに口を噤むだろ」

そう言ってナッツを口に放り込んだ
922 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/16(水) 21:20:23.64 ID:b1RWYCUdo
>>920-921

「止まり木の連中も苦労しているみたいだしな」

 ふと、そんな事を言うイムカ。
 そう、この世界も幾つかのゲートが集中しているだけあって、
 かなりの越境者が漂流しているという。

【ゆえに互助組織である止まり木が存在するものありえる話ではあるのだが】

「魔力無しも多い。さらには、我々のように世界移動し続けるとも限らない」

 世界移動には謎が多く、越境者と呼ばれる者の中には、
 世界漂流ではなく、最初で最後の移動となり、辿りついた世界に留まらざるを得なくなったケースも多い。
 ゆえに、互助組織である止まり木が保護をしたりもするのだが、魔力無しではその社会的地位がどうなるか自明だろう。

【しかして、今回は止まり木の立場は本筋ではないため割愛する】
【→と、ここでロイの意見が入った。実はこれが正鵠だったりする――】

「というわけでだ。しばらくは難易度詐欺(※1)、塩漬け依頼(2)で、
 名を売っていこうと思う。ランクは低いままでも風評を得れば物事が進めやすくなる。
 侮られるよりは、ずっと状況がよくなるはずだ。異論は無いか?」

【難易度詐欺…調査不足や突然変異などにより、ギルド査定よりも格段に難易度が急増している依頼】
【塩漬け依頼…依頼成立後、受け手がおらず塩漬け状態になっている依頼。縛りが緩くなり、低ランクでも高ランク依頼を達成する裏技がある】

「後はタェンティースの高ランクに便乗して迷宮攻略という手もあるが、
 こちらは最低限の名を売ってからだな。金魚のフンと侮られる危険性が拭えん」
923 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/16(水) 21:39:25.50 ID:jeh7V0a30
>>922
アキレス「えぇっと・・・つまり?」
ロイ「地雷踏み抜いて行こうぜ ってこと」

酒で少々頭の回転が鈍いアキレスに注釈を入れた

ロイ「あと同じ塩漬け依頼でも 他の冒険者が受けたがらない依頼を率先して片付けることで ギルドの印象をよくするって方法もあるぜ
   ゴブリン討伐なんていい例じゃないか 厄介なのに旨みがない そういうのを片付けていくとギルドが泣いて喜ぶぜ」

アキレス「そーなのかー」

ロイ「ここで必要になってくるのが 的確に地雷を見つけられるだけの眼力だな 実力についてはさほど心配していない
   これだけのメンツが揃えば神と出くわしたって欠員なしで離脱も可能だろ 斃せるとまでは言わんがね」

アキレス「兎に角稼げる俺らが頑張って稼がないと 越境仲間が肩身の狭い思いをさせちまうってことか・・・がんばらないとね それでいいと思うよ」
ロイ「同じく異議なし 腹括って行こうぜ」
924 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/16(水) 21:43:02.55 ID:af39OV4k0
>>921-922
「つまり、あえて騙されて名を挙げると……」
「流石です」

そういう事かと頷いた
下克上と表すべきだろうか
どんな物事にも抜け道が存在するように、完全魔力主義のこの世界にもしかりなのだなぁと唸る

「異論は御座いません」
「しかし、都合良くそうそんな仕事が見つけられるでしょうか?」

難易度詐欺、というだけあって詐欺である
詐欺とは包み隠してしかるべきだ
最も長い間放置されている……曰く塩漬けの依頼を見付けられれば少しは改善するのだろうか
半人としてはこの世界での依頼の体験が少なく疑問符を浮かべる
925 :ロイ&ボロウズ>473と137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/16(水) 21:48:39.43 ID:jeh7V0a30
>>924
ロイ「詐欺依頼が見つからなければ 最悪害獣駆除業者になればいいのさ 回りの冒険者の目は兎も角 ギルドが泣いて喜ぶぞ ゴブリン退治とかな
   それに騙そうとしているものは兎も角 本当に知らなかった 依頼主も事情が把握できていなかった なんて以来もあるからな」

ロイ「その辺の調査とか 俺得意よ? まぁ実際畑を荒らすモンスターがいるって聞いて ゴブリンでも湧いたかと思ったらキラーパンサーが出たなんて話もあるぐらいだからな
   難しいものだよその辺は」
926 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/16(水) 21:59:49.37 ID:af39OV4k0
>>925
「なるほど……」

その辺りの嗅覚は頼るしかないが、流石だと舌を巻く
ギルドとは言え人の集まりだ、そこに情の介入がない訳がないのだ
何にせよ、恩を売る事は無駄にはなるまい

「……それだけお仕事、大変そうではありますけどね」

との苦笑である
927 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/16(水) 22:08:18.08 ID:b1RWYCUdo
>>923-925

「まあ、私は稼いでもいい顔はされないがな。止まり木については君達が頑張ってくれ」

 一言、そう口にするイムカ。実際、イムカと互助組織である止まり木同盟とは、
 いつの頃からか関係性が微妙な感じになってしまっている。

【イムカの背景にある銀河帝国という組織が問題となっている。端的に言うなら巨大かつ非人間的組織】
【彼女自身は傲慢ではあるが信頼における。しかし背景は越境者を実験体にしたり、兵役負わせて使い潰したりと無茶苦茶だ】
【ゆえに距離を置かねば危険、という動きが現れても不思議ではなく、イムカ自身もそれを促しているフシがあった】

 このイムカの姿勢はよく言えば、己の背景が悪影響を与えぬよう立ち回っているともいい、
 悪く言えば、早々に距離を置いてしまった。

【これが結果的にどうしようもない悪手へと到ってしまうのだが、それはまた別の話だ】

 −−−−−−−−−−

「なに、危険な兆候を読むのは得意だ」
≪011110101010101≫

 サーボスカルは自信満々にグルグル回って解析開始!

【そうして、越境者達の立身物語が開始された!!】
 【→これよりDIEジェストにお送りしますので、こちらの描写に乗るなり、この間のキャラの動向を描くなりご自由に!】
928 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/16(水) 22:08:28.93 ID:b1RWYCUdo
 −−−−−−−−−−

【ゴブリン山にて――(害虫駆除依頼)】

「イヤーッ!!」
「サヨナラ!」

 崩拳直撃!ボブゴブリンは爆発四散!ナムアミダブツ!

【評判…素手でボブゴブリン粉々ナンデ!?】

 −−−−−−−−−
【緑髭竜討伐――(難易度詐欺依頼)】

「多弾頭誘導弾…発射!!」

 大量のマイクロミサイルについに撃墜されるワイバーン!空中で爆裂!一帯に飛び散る毒液!

「勝利だ」

 と、腕を組むイムカと、

「ギャーッ!尾の毒を空中で撒きやがった!目ガアアアッ!」

 アビインフェルノジゴク!

【評判…大火力撃ち過ぎ、周りの被害考えろボケェ!】

 −−−−−−−−−
【ダンジョン攻略…(タェンティースの便乗)】

「これが魔力核か。良いサンプルだ。…抜けそうだな」

 ダンジョンの迷宮核をスポッと抜いて、

【ダンジョン大崩落!崩れる柱、抜ける床!降り注ぐ岩!】

「戦術的撤退だな」
「アイエエエエエエ!?」

 猛ダッシュで入り口を目指す冒険者パーティー×10グループ!

【評判…なんで、アンタが関わると、何でもかんでも物事が大げさになるんだ!】

 −−−−−−−−−−
【結果発表…立身大作戦開始より○○日経過】

「だいぶ、名が売れたな」

 ギルドで堂々と腕を組むイムカ。周りの目にもすでに侮りは無し。完璧である。

「おい…アレ…」
「目を合わせるな。≪惨劇≫じゃねーか。ナンマイダブ」

【イムカは名声を得たことで満足であるようだ。なお、名声なのか悪名なのかは各人で判断すべし】

「伍長の言ったとおり、二つ名で呼ばれるようになったが…なんで≪惨劇≫なんだ?
 依頼達成率は良好であるし、こんな物騒な響きは私には似合わん」

 イムカはいぶかしんだ。

【≪惨劇≫のイムカ…流民/C級冒険者 ※特例】
929 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/16(水) 22:20:01.03 ID:af39OV4k0
>>927-928
「え? えぇ……」

と、まぁイムカと止まり木の合間の軋轢に疎い半人はぼんやりと頷いた

それからどうした

「名は、売れましたね……えぇ……」

消耗し切った風に項垂れて苦笑
なんやかんやで全ての惨劇に居合わせ、そしてその度に巻き添えを喰らっているのである
取り敢えず周囲の目線としては、ツいてない奴だという同情的なモノが多い

「まぁ……その……」
「……取り敢えず、当初の目的も果たしてますし結果オーライという形で……」

【≪薄命≫のタェンティース…B級冒険者】

930 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/16(水) 22:29:20.83 ID:b1RWYCUdo
>>929

「アンタも大変だなぁ。ウチのパーティーはいつでも歓迎するぜ?」

 タェンティースは冒険者にポンと肩を叩かれて、真っ赤なリンゴを貰った。
 その他、冒険者向け商店のおばちゃんがお肉をくれたり、
 鍛冶屋のおじさんが、割り引いてくれたりと、とても生活しやすくなりました。

【なお、コレが名声によるものか、同情によるものかは評価が分かれるところである】

「…タェンティースさん。ランクアップ用件を満たしていますので、希望ならA級昇格可能です」

 と、ギルド事務員から言われた。

【※ランクアップするとサービスや依頼受注も拡大するが、
 代わりに強制依頼時の役割難易度アップや、依頼キャンセル時の違約金増加などデメリットも存在する】
931 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/16(水) 22:34:33.56 ID:jeh7V0a30
>>926
ロイ「そりゃ大変さ だが俺ら魔力無しは茨の道しか残っていないんだ 仕方あるめぇ・・・っと ナッツどこ行った?」
―――ギィ♪
ロイ「テメェコノヤロ」
ツマミを失敬してたベティの尻尾を持ち上げてる

―――ギィ!!ギィ!!
ベティはやんのかこらーと言わんばかりにハサミを振り上げている
>>927
ロイ「よっし 頑張るかね」
アキレス「あ オッサン一緒によろしく」

>>928
そしてこの2人は・・・・・
【ゴブリン退治】
ロイ「そっちの壁に罠を仕掛けてくれ たぶん崩して奇襲かけてくるから」
アキレス「了解!!」

【評判:負傷無し&最低人数で安上がりに駆逐】

――――――
【ロックワーム討伐(難易度詐欺依頼)】

ロイ「食い残しが砕かれてない・・・ロックワームじゃなくサンダーバイトスパイダーだな 水を用意して漏電死させちゃる」
冒険者「なんで洞窟に入らずわかるんですかねぇ…?」

【評判:モンスター知識凄すぎワロタ】

――――――
【ダンジョン攻略(イムカとは別の日)】

アキレス「あれ? オッサンなんか空間があるよ?」
ロイ「どれ・・・ほぅお手柄だ 宝部屋じゃないか 罠は・・・よし解除したぞ」
冒険者「お宝だ!!ひゃっほぅ!!」

【評判:このスカウトマン 優秀】
――――――
【あばれうしどり大量発生(緊急依頼)】

アキレス「や〜いこっちこいやば〜か!!!!」
囮になってモンスターを一か所に集めるアキレス
そして落とし穴発動!!

ロイ「野郎ども入れ食いじゃ〜!!」
冒険者「ヒャッハー!!」

【評判:この人についていけばハズレないんじゃね?】

――――――
そんなこんなで

ロイ「やりすぎだろ」
アキレス「あ・・・あはははははははは・・・」

呆れるロイと笑うしかないアキレスであった

モブ冒険者「ロイさ〜んダンジョンいきましょ〜」
ギルドの受付「ロイさ〜ん ゴブリン倒してくださいよ〜 またあいつら無限湧きしくさってからに〜」

こちらは順当に信頼ポイントを稼いだ様子
とりわけロイの評判はすこぶる良いようす

【《馳夫》のロイ・・・流民/B級冒険者】
【《疑似餌》のアキレス・・・流民/D級冒険者】

アキレス「やっぱり俺はこのぐらいが一番だと思う」
二つ名はついたが 実力 特に個の武は相変わらずなのでランクは上がらず だが信頼ポイントはしっかり稼いだ様子
932 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/16(水) 22:40:35.07 ID:b1RWYCUdo
>>931

「よし、ここまでは予定通りだな」

 うんうんと、満足げに頷くイムカ。
 なお、何故かロイが思いっきり別行動を取ることを選択したのか、
 本人に自覚はまったくござりません。

【ちなみにここまでで冒険してわかることが幾つかある】

 日用品や冒険に便利なスクロールなどの装備が基本的に魔力を必要としているモノが多く、
 魔力無しというのは確かに不便で、そういう意味ではランクアップに極めて難があるのは道理であることだ。

【カンテラも魔法、包丁も石包丁に魔力で切れ味をよくするのが一般的】
【火種は炎石に魔力を与えて着火など、社会的通念の不便があった】
→【言い換えれば自然物から色々と工夫できるレンジャースキルが役立つ】
933 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/16(水) 22:45:29.37 ID:af39OV4k0
>>930
「あはは……どうも……」

リンゴを受け取り微笑み返し、頂き物で一杯のバッグに入れた
最近とても生活に潤いが出ているのはきっと気の所為ではないだろう
複雑ではあるが善意には変わりないだろうし素直に享受している

「え? うーん……」
「そうですねぇ、一応今のままでも充分ではありますし……」

曲げた指を唇に当てて唸る
越境者の身としてメリットデメリットを考えれば微妙な所だ
ある程度フリーに動ける今くらいが丁度いいのかもしれない、との思考の末今の所はやんわりとお断り

>>931
「そうなんですね……」
「……というか、てっきりロイ様の炎は、魔法の一種なのかと思っていました」

とは存知のイリーのモノと照らし合わせた末の答えである
彼女の焔は魔法の一種で、ロイのそれも同質なのだと思っていた模様

それから

「流石です、ランクで大きな顔が出来なくなってしまいましたね」
「アキレス様も、ご活躍のようで……」

同級にまで上り詰めたロイに対して、嘘偽りのない本音である
付け足しみたいに見えるアキレスにも、彼に対する最近の周囲の視線の変化を見逃す程半人は愚かではない
冒険者の級には、証明書には現れない物事だって確実にあるのだから
934 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/16(水) 22:56:06.91 ID:jeh7V0a30
>>932
この男からしたら 今までやってきたことを当たり前のようにやってきただけであり
不便らしい不便も感じなかったらしい

ロイ(な? イムカについていかなくて正解だったろ?)
アキレス(うん ティースタンには悪いけどね)

とこっそり耳打ち秘密会議

ロイ「ここまで来れば よっぽどの魔法至高主義の連中以外で俺らをボロクソに言うヤツはいなくなったよ
   依頼も危険なのを受けられるようになったし 商会で門前払いにされることもないはずだ ・・・イムカは分からんが」

兎に角 この世界で自分達の居場所は確保できました 後は好きに動くだけ

>>933
―――ギィ!!
そんなタェンティースを羨むようにハサミを振り上げているベティ いつも好きなだけ食べ物がもらえるのだ 羨ましいにも程がある

ロイ「俺の闘志は気功の一種だ 魔法と同義なのかはイマイチ判断が微妙なんだよな 俺の世界じゃ似て非なるものだったけど 世界が代われば魔法とされてるし
   この世界でも魔法の一種にされていたな というかイリーの闘気が魔法の一種だとは思わなかった」

そしてランクの話になって

ロイ「中々に大変だったけどな やっぱり日ごろの行いは大事さ」
こともなげに言ってのけるロイと

アキレス「はっはっは 二つ名付きのDランクは逆にレアって言われてるよ」
微妙に自慢じゃない自慢をして 胸を張るアキレス

―――ギィ!!
そのマネをするベティであった
なおこちらのタグに変更はない だってアキレスが作ったものだから
935 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/16(水) 22:57:23.92 ID:b1RWYCUdo
>>933-934

【カンカンカンカン!】

 ここでギルドで突然に鐘が鳴らされる。
 暢気にたべったり、飲み食いしていた冒険者連中にも緊張が走った。
 なぜならば――

【ギルドで鳴り響くこの鐘≠ヘすなわち強制依頼発効≠フ知らせである】
【Cランク以上の冒険者に対する強制参加要請。極めて緊急性が高い案件が生じた場合の出される】

「竜顎山脈よりはぐれ竜≠ニなったブルードラゴンの討伐要請が出ています。
 C級はサポート員、B級は討伐参加、A級は――」

【はぐれ竜…ドラゴンの棲家より何らかの理由で人類領域に堕ちてきたドラゴン】
【→大抵は縄張り争いに負けて翼が折れたり深手を負って飛べなくなった竜である】

 もっとも、大地に縛られたとはいえ、ドラゴンはドラゴン。
 危険性は極めて高く、また、手負いゆえに凶暴化する場合が多い。

【放置すれば、近隣の村々や集落は餌場と化してしまい、
 腐肉を漁るモンスターの増殖、アンデッドの出現を招くなど、加速度的に被害が拡大する】
936 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/16(水) 23:08:02.67 ID:af39OV4k0
>>934
「……お裾分け、どうぞ」

と、ベティに飴ちゃんを差し出す半人
なんだかんだ手軽な糖分補給の手段として、また普通の喫茶用のお菓子として
この世界でも飴玉は人気だ、貰い物としても多い

「気功ですか、なるほど……」
「あ、ここでは魔法の一種なんですか?」

ややこしいものだと腕を組み唸る
最も考えた所で何が分かる訳でもはないが

「……日頃の行い、かぁ……」

2人とベティを前に何故か何処か嬉しそうにしている半人
矢張り仲間が不当な扱いで邪険にされていると言うのは面白くないのだ
それが払拭されたというのだから、とても喜ばしい事
最も表立ってそれを言うには気恥ずかしさが勝る様でもあるが

>>935
「ん……竜ですか」

聞き慣れてきた鐘の音色
ドラゴン退治だと続きギルド内に慌ただしさが波紋の様に拡がっていく
半人も漏れなく立ち上がり赤刃とヘルメスの靴を確認

「……行きましょうか」

またひとつ名を挙げる好機だと、イムカ達に続く
937 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/16(水) 23:13:34.68 ID:jeh7V0a30
>>935-936
―――ギィギィ♪
嬉しそうに飴ちゃんを受け取り さっそく齧りだすベティ

ロイ「みたいよ? 最初の試験の時に聞いた まぁ不思議パゥアーでFA」
特に気にして無いようで 肩を竦めるのみ

そして急を告げる鐘 緊張の走るギルド内

ロイ「さて行くかね・・・」
ハルバートを担ぐロイと

アキレス「D級は対象外だけど 斃してしまってもいいのだろう?」
行く気満々のアキレス

―――ギィ!!
ベティちゃんもやる気満点二重丸だ

こうして2人と一匹もイムカに続く
938 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/16(水) 23:25:54.80 ID:b1RWYCUdo
>>936-937

【ドラゴン侵攻阻止――】

 ドラゴン来襲という状況ではあるが、森の都の衛兵にはそれを食い止める力は無いという前提がある。
 これは先の【七罪事変】と世に知られる(そしてどう解決したか秘匿された)戦いの影響で、
 正規兵が著しく不足・枯渇してしまった経緯がある。国体維持で現状、精一杯なのだ。

【だからこそ、傭兵としての側面を持つ、冒険者という人種に多くの便宜と自主性、 
 社会的ステータス、そして、不利益を被らぬルールと規範が与えられたのだが】

 −−−−−−−−−
【阻止地点にて――】

 5クラン、30パーティーが参加する極めて大規模な構成となった。
 主導するのは薄明の司祭団≠ニ呼ばれるエルフのウィザードであり、
 A〜C級まで幅広い人員が集った――

「グゥウウウウアアアアアアッ!!!」

 対するは翼折れた青竜である。飛行能力という絶対優位性は失われている。
 が、それでもなお、ドラゴンが最強種の一角であることに代わりはないのだ。

【その鱗は炎・水に対して絶対的な無効耐性を獲得しており】
【その爪は容易に金属の鎧を肉体ごと切断する】
【そして――】

 放射状に放たれるアイスブレス!
 ドラゴンブレスの威力はあらゆる世界で恐れられている。その威力たるや推して知るべし!

【結界構築に間に合わなかった2パーティーが一瞬で凍結!心臓も脳も凍りつき、即死!】
【周囲の気温が一瞬で氷点下にまで下がっており、気温回復に多くのウィザードの手が割かれる】
【無論、この凶猛なるブレスはタェンティース、ロイ、アキレス、ベティにも襲い掛かるであろう!】

 【→鉄鎧を着た前衛組はあらかじめ準備していた火のスクロールなどで金属と皮膚がくっつくのを防いでいる】

「…流石に強いな」

 この間、イムカはサポート役として、馬で駆け、ポーションや解凍液などを配布。
 一先ずは、C級の仕事をこなしつつ敵戦力の解析を行っていた。
939 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/16(水) 23:37:43.26 ID:af39OV4k0
>>937-938
「……まるで天災です」

事実、高等級の竜の襲来は自然災害と等しい扱いの場合もあるだろう
そして規模こそ違えど相対する身としては、半人の感想も強ち間違ってはいないはずだ
ドラゴン殺しは英雄の誉れ、しかし多くの英雄譚の前には更に多くの犠牲がある

「……ちっ……!」

舌打ちながら自身の魔翌力で火のスクロールを作用させる
炎の障壁が走り、凍てつく吐息を相殺していった

「近寄れればいいんですけど……!」

ヘルメスの靴での機動、ドラゴンの周囲を巡り隙を伺う
頭部は無論、尾の一撃も鋭い
横腹への攻撃を狙った格好である
僅かでも好機と見れば赤刃で斬りかかるであろうが、果たして
940 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/16(水) 23:37:51.28 ID:jeh7V0a30
>>938
アキレス「んぐぁぁぁあああああさっびぃぃぃぃぃ・・・・!!」
吐く息すら白い中を駆け抜ける ただ1人のDランクアキレス

〜時間は戦闘前にさかのぼる〜
ロイ「こいつは・・・火と氷に耐性のあるドラゴンだな」
道中 ドラゴンが通ったであろう痕跡から 敵の情報を引き出すロイ

そして黒い瓶を取り出し アキレスに手渡す

ロイ「サンダーバイトスパイダーの毒だ 雷系のダメージを与えることができる
   ドラゴン相手にゃ心許ないが・・・」

〜遡り終了〜
アキレス「注意を引くにゃ十分ってな!!」

また一本 毒瓶を取り出し ドラゴンの顔に投擲 当たった場所に雷電が走り 雷ダメージを与えるだろう
ダメージを与える程かは別だが 耐性のない攻撃は囮を務めるに足りるだろうか?

ロイ「今日はちっと冷えるなぁオイ!!」
対するロイは 氷点下の活動が当たり前の国で軍隊を務めていたのだ ちょと冷えるぐらい屁でもないと言わんばかりに
ハルバートをその爪が生える手に振り下ろそうとしている
941 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/16(水) 23:57:14.13 ID:b1RWYCUdo
>>939-940

「―――!!」

≪ブラスターモード/エリミネーター:バースト≫

 馬で駆けながら、レーザーを射出するが現状、竜鱗に弾かれてしまっており効果は薄い。

「グオオオオオオオッ!!」

 身体を半回転させた尾の一振り。端的に言えばそれだけの攻撃。
 しかして、その威力たるや、氷の彫像を粉々に破砕し、範囲内の自由騎士達を
 鎧ごと、半身を吹き飛ばす暴力的質量攻撃である。

【その咆哮と眼光は心弱き者から戦意を奪い去り、鱗は鉄壁、爪と尾は死神の鎌、ブレスは天災そのもの】

 ロイの読みどおりに後方の魔術部隊は雷撃の矢を次々に繰り出している、が、
 それは敵の前進を鈍らせる以上の効果とはなっていない。

【アキレスの毒投擲も気休め程度だ。痛痒を与えるがそれだけ…である】

「GUUUAAAAAAAAAAA!!」

 うっとおしいとばかりにアキレスに視線を向けるブルードラゴン!
 そして、恐るべき現象!その視線の焦点にあわせるように空気が忽ち凍り付いていく。

【氷の竜眼:視線が完全にアキレスの姿を捉えた時、一つの氷の彫像が大地に落ちて砕け散るだろう】

 ブルードラゴンが顔を上げた瞬間を狙って、ロイとタェンティースの刃が走る。
 目ざとい冒険者達もそれに続き、雷撃や、土岩の属性を付与した武器が解き放たれた!

【タェンティースの攻撃:首筋の鱗に亀裂!しかし斬撃の威力の大半は弾かれてしまう!】
【ロイの攻撃:折り悪く振るわれた爪と衝突!ハルバートの一撃が盾となるが、質量衝撃が彼に襲い掛かる!が、】
【他の冒険者の攻撃1:良く見れば雷撃は青竜の鱗の表面を滑っており、内部に伝播していない!】
【他の冒険者の攻撃2:岩斧の一撃が青竜の手首の肉を切断、ロイへの威力係数を軽減させた!】

「…ッツ、弱点属性を読み違えていたようだ!」

 イムカは魔術師団の方に馬を走らせた。ロイ、アキレス、タェンティースも上記の情報で気付けるだろうか?
942 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/17(木) 00:11:01.75 ID:XINi4coj0
>>940-941
「硬っ……ぁぁぁいっ!!」

振り抜かんとするが無理だ、弾かれたたらを踏み尾の風圧に転がされる
結構な質量を持つこの体をまるで小枝の様に弄ぶそれに畏怖以外の何物もない

「……このっ……!!」

踏み止まり赤刃のジェネレイターを起動させる
半人に取って魔力属性の相互作用というのは多くが未知だ
炎が水で消え、水は雷を通し……程度の知識しか有していない
ギルドのペーパーテストでも初歩的過ぎて出題されぬ点である
だが、半人が幸運であるのは新たなる自身の体に宿る魔力回路にあった
赤刃のソーサリーパワーに半人の魔力が反応、無数の黄金色の粒子となって螺旋を描いて刃の周りを巡る

「てぇぇぇぇぇぇっっ!!!!」

アラクレームの内蔵魔力と、この世界に於ける地属性と判断された半人の魔力!
調和と言うには余りに乱暴な、混沌の魔力エネルギーと成りて赤刃から放たれて振るわれる!
943 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/17(木) 00:14:17.91 ID:/qy1Na740
>>941
―――ギィ!!
アキレス「―――――ッ!?」
ベティが注意を促し アキレスが近場の岩陰やら倒木やらに隠れたりを繰り返して視線から逃れる

ロイ「ンギグッ!!」
そしてロイは衝突する爪から逃れんと体の全面に闘志を収束 そして圧縮し開放

烈破掌 熱衝撃波を体の全面に放出 狙いはドラゴンの攻撃ではなく 衝撃の反動で後ろに飛び 爪の質量攻撃から少しでもダメージを減らすこと

どうにか即死は免れたが 骨がミシミシ言っている 中々に厳しい状況
そして他の冒険者の攻撃を見て 情報を統合

ロイ「アキレェェェェェェス!! 《種》をつかえぇぇぇえぇぇ!!!」
アキレス「種・・・種・・・? ッベティ!!」

上記のゴブリン退治の時 ロイがアキレスに頼んだ罠 その発生源である種

ベティがリュックから取り出したのは握りこぶしほどある泥団子のようなもの それをドラゴンの腹の下 地面を狙って投げる

通称《種》 正式名称岩つららの種

主にトラップのキーとなるアイテムであり 地面にぶつかると その場所から先のとがった岩つららが生えるというもの
ロイはその一撃に己が命運を託した
944 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/17(木) 00:31:40.30 ID:/0yBv8wpo
>>943

「スゥーッ――」

 倒れ伏したロイは格好の標的であった。
 さらにドラゴンは、やたらといい動きをするソレ≠本能的に悟った!

【アイシクルブレスの兆候!】

 ベティが取り出した種が大地に突き刺さる!岩柱がボコリと盛り上がり、
 腹の下、肺に突き刺さった!!

「ゴアアアアアアアアアアアッ!!」

 しかして、それをお構いなしに再び放たれたアイシクルブレス!
 威力は100%ではない、よく見ればブレスはアキレスが開いた腹の穴からも洩れ出て威力が低減している。

【しかし、それでもなお、ブレスから逃げ遅れたものは凍結し、即死!彫像のように砕け散る!】
【態勢を崩していたロイの周囲5メートル付近に撒き散らされるブレス!
 タェンティースや後方の魔術団の攻撃が届くまでは3秒弱!3秒持ちこたえれば勝ち!そして勝たねば死!】

 ブレスを放ち続けるドラゴン目掛けて、

「撃てッ!!」

 連絡を繋いだイムカは、指揮スキル:決然のオーラを発動させ、
 魔術師部隊の岩矢の狙いを収斂!眼球に一斉射撃を放つ!

【ドズン!と眼球を抉られたブルードラゴンはのけぞる!のけぞったのだ】

 そこに、潰れた眼球目掛けて、矢のように吶喊するは半人半機!
 土魔風を存分に帯びた赤刃を突き立てる!!

【魔力現象は即座に起こった。眼球内で発動したイエムトの再現は、岩尖柱を青竜の内部で弾けさせ、
 瞬時に脳を含めた内部組織をズタズタに破壊したのだ!!】

「…―――」

 ズゥン!と倒れ伏すブルードラゴン!

「………」「………」

 数秒間は沈黙が一帯を支配し、そして――…!!

「「「オオオオオオオッーーーーーーーーッ!!」」」

 勝ち鬨があがるのはすぐであった。
 強制依頼の完了。参加者に支払われる報酬。

【そして、≪惨劇≫≪薄命≫≪馳夫≫≪疑似餌≫も評価を獲得することになるのだった】


//オソマツ!
945 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/17(木) 00:40:19.47 ID:/qy1Na740
>>944
岩つららが突き刺さり タェンティースが イムカが モブ魔術師が総攻撃を仕掛ける
倒れるドラゴン だがアキレスはそれに構わず走る ブレスを受けた 白く凍えるロイの元に

アキレス「オッサァァァァァァアアアアアン!!!! 生きてるか!! 返事しろ!! 死んでていいから返事しろ!!」
冷たい体を起こし がっくんがっくん揺さぶる

ロイ「・・・・・・・ッカ」
―――ギィ!!

ロイ「冷える・・・なぁ・・・・こんな日は・・・・ッドワーフの火酒が・・・欲しくなる・・・・」
アキレス「オッサン・・・ッおぉ〜い!! こっちに負傷者だ!!」

どうにか生き残ったロイ 救助部隊に抱えられ 街に凱旋することだろう

//お疲れっした
946 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/17(木) 00:45:04.26 ID:XINi4coj0
>>943-945
「わ、わわわっ!?」
「……ぁ痛ぁっ!!」

眼球部に刃を突き立てたまま、ドラゴンの死に際の脈動に巻き込まれる半人
擡げられる首に、その体は容易に持ち上げられやがて地に伏すと同時にべちゃりと落ちる
尻餅をつく格好で強かに強打、お尻を摩りながら立ち上がってともあれ安堵の吐息

「なんとか……」

なりましたか、と言葉を紡ごうとして呑み込むのは犠牲者達の凄惨たる状態故だ
ともあれ竜は打ち倒された、冒険者達は誉ある竜殺しの名を頂くのだ

「……って、ろ、ロイ様!!」

周囲をぐるりと見渡して、アキレスに抱えられるロイに気が付いた
慌てて駆け寄り目を覚ませと頬を叩く
もうアキレスの呼び掛けで覚醒しているのに頬を叩く

「……ご無事ですか!?」
「……よかったぁ……」

そしてどうやら意識があるのに気が付けばへなへなと地に座り込んだ
ちょっと対応はアレであったが、心配は相当のモノだったらしい

//お疲れ様でした、ありがとうございましたっ
947 :アキレスベティロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/17(木) 22:13:58.40 ID:/qy1Na740
【魔法世界エシュリオン】
ここはエシュリオンでも最高峰の医療機関である大病院
清潔なベッド 完璧な仕事ぶりを見せる白衣の天使 

そんな病院の一室

ロイ「いやぁ 指はもちろん 手足の一本ぐらいは覚悟してたんだがなぁ」
ニギニギと手の指を動かし 脚をプルプル動かしているのは ベッドに横たわるロイ・ゴールドマン

ロイ「さすがの一言だな 五体満足で大満足だ」
先の戦いでアイシクルブレスが至近距離で炸裂し あわや氷柱になりかけた
だが寸前で闘志の炎を最大出力で纏えたこと そしてベティの岩つららがドラゴンの肺を貫いたことで威力がだいぶん衰えていたことが 生存の切っ掛けになったのだ

ロイ「相変わらず凍傷が痛いけど この分なら退院もすぐだろうな・・・タバコ持ってない」
アキレス「ない!!」

お見舞いに来た仲間にタバコをねだる不良患者 さて お見舞いに来た人はどんな感想を抱くやら?
948 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/17(木) 22:24:40.78 ID:XINi4coj0
>>947
「……」

いつの間にやら病室の片隅に腕を組み、ベッドに横たわるロイを見下ろしている赤い瞳
枯野色の外套で顔を隠していた、一応エリュシオンの獣人の扱いがどうかが知れず警戒している模様
音もなく2歩歩いて近寄って、何かをポイっと彼の胸に投げ落とす

「……半端者(タェンティース)から聞いた」
「無茶したとかな」

ムガの故郷、ヤソ衆に伝わる紙巻式の忍び煙草である
鼠人のか細い魔翌力を補う効果があったり、はたまた儀式的なモノであったり
そして今回のは鎮痛の効果を持つ薬草を用いたモノだ、ただそれをムガは喋る事は絶対にしないであろうが
因みにタェンティースも見舞いに頻繁に来ている様だが、今はギルドへの報告書などの作成に時間を取られているらしい


949 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/17(木) 22:26:15.65 ID:/0yBv8wpo
【ガラッ!!】

「ドーモ、診察のお時間デス」

 ナース服にガスマスクという見目麗しい格好でナースが遣ってきた!
 なんたる白衣の天使か!

「これはアワレな患者=サンへの慰みデス」

 早速、鉢植えに植えられた菊の花という見事な組み合わせの登場だ。
 なお、トンチキ空間においてはコレは軽いジャブに属する。

「さあ、ハクイな天使デス。入院生活で溜まりに溜まったリピドーを存分に吐き出すデス」

 両手を合わせて頭部だけ左右に動かす高等テクを披露するナース。
 なお、色気なぞ微塵もソコには存在しない。
950 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/17(木) 22:35:59.43 ID:/qy1Na740
>>948
アキレス「あ ちょっと・・・!」
ロイ「いえーいムガっち愛してるぅ!!」

ロイの投げキッスが炸裂する!!
なおアキレスがロイのたばこを没収しようと手を伸ばすが ロイに迎撃されてしまっている

ロイ「大したこっちゃねぇさ それに信頼してたからな アキレスはちゃんとやる男だって」
アキレス「その言葉はうれしいがタバコはNG」

なお(ry

―――ギィ!!ギィ!!
さて ムガの足を突く存在あり いつものベティである ハサミに掴んだタグをムガに見せつけている

【《龍殺し》のベティ・・・流民/G級冒険者】
そう記載されたそのタグには 確かにギルドが発行した証しである紋章がきざまれていた

先の仕事で働きが認められた冒険者は少なくない アキレスはC級に上がったし ロイも昇級の話が舞い込んできたが辞退した
そしてドラゴンの肺に穴を開ける大健闘を見せたのがこのベティである

さすがにモノホンのサソリを正式な冒険者にすることは出来ないが そその健闘を称え 名誉職的な意味でタグを送られたのである

―――ギィ!!
どうだすごいだろーと言わんばかりにハサミを振り上げているベティ よほど嬉しいのか 会う知り合いみんなに見せびらかしている
951 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/17(木) 22:40:43.26 ID:3XYsQDAsO
>>949
「……」

ほぼ、無反応である
ただまぁもちろん引いているのだ、そりゃあもうドン引きなレベル
尚割と無表情ではあるが、見慣れていれば分かるはずである

>>950
「……嬉しかないけど」

ふんと鼻を鳴らしてソッポを向いた
見舞い品が受け入れられれば嬉しくないはずがない

「ん、あぁ……」
「なんだ、よくやったんだ」

目線を下げてベティへ向ける
その活躍はタェンティースからも聞いていたのだ、疑うはずもない
とはいえ七八めいてお菓子を常備している訳でもない、ご褒美のおやつは抜きである

「……火ぃ、いる?」

ロイへマッチを差し出してみた
952 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/17(木) 22:43:27.36 ID:/qy1Na740
>>949
ロイ「・・・・・・・・・・」
そこに現れた白衣の天使() 鉢植え菊なんてダブル役満をやらかすこの素敵存在をどうしてくれようか?

アキレス「あぁそうだ 見舞い品を持ってきたんだ フルーツはアレだからケーキを・・・」
ロイ「よし 全部俺らで食おう あいつにはやらん クリームひとかけすらな」

アキレスがリュックからケーキを取り出し ロイがさっそく口の中に押し込めようとする
あんなジャブを繰り出してくる敵に喰わせるケーキはありませぬ
953 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/17(木) 22:53:04.06 ID:/0yBv8wpo
>>951

「ドーモ、アル…げふん、ニア・シュなんたらかんたら、デス」

 ナムアミダブツ!なんと微妙に滑ったということで、
 容姿がクリソツなニアに全てのアレを押し付けようとする完璧なタクティクス。

【ザル極まる偽装工作!】

>>352

「ヒッドイ反応デス!これでも心配で駆けつけたデス」

 言いながら、ナース帽をごそごそと、そして何かを取り出す。

「ウォーマーと呼ばれる凍傷にキク、おクスリデス。
 ちょっと高いけど、身体ポカポカ、細胞復活、お脳もハッピーデス」

 糞戯けた説明であるが、一応、凍傷の特効薬だったりする。まぢで。
 なお、値段は結構お高い。

【が、果たして、ニアを騙るコレが殊勝なお見舞いなどするか?などという偏見に囚われてはいけない(戒め)】
954 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/17(木) 22:53:44.08 ID:/0yBv8wpo
>>953
//下の段は>>952宛てである!
955 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/17(木) 23:01:08.45 ID:/qy1Na740
>>951
ロイ「ん?あぁじゃあよろしく」
ケーキを頬張りつつマッチを見れば さっそく火をつけてもらおうとする
本来なら自前の火を用意できるが こういう時は好意に甘えてしまおう

ロイ「スパー・・・あぁ 体が求める タバコという快楽を!!」
甘い物にタバコと 嗜好品に囲まれヘブン状態のロイ

―――ギィギィ♪
ご褒美がなくても上機嫌 自分のすごさを分かってもらえて非常に上機嫌である

>>953
ロイ・アキレス「えー」
そんなことを言うαであるが この2人はどうにも信じていない様子

ロイ「まぁいいや ほれおすそ分け」
そう言って手渡したのは

つ【雪苺娘】

なぜこの世界で売っているかは不明
そしてαから特効薬を頂くことにする

―――ギィ!!
そしてベティはαに例のタグを見せて 誇らしげにハサミを振り上げている
何があったかは>950を参照
956 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/17(木) 23:06:04.02 ID:3XYsQDAsO
>>953
「あぁ、うん、なるほどなー」

激しく棒読みである
ニアでない事くらいはもちろん見抜いている
というより見抜く見抜かない云々以前の問題な気がしてならないのであった
覚えてないけどさ、と前置き続く

「……騙るなら名前くらいしっかりしとけ……」

>>954
「点けるのくらいやれ」

と、まぁ火を手渡して終わりであった
そこら辺はあくまでムガ、ドライでクール()なのだ

「……まぁ、いい事……」

ケーキには手を付けず、ロイの反応に小さく頷いた
精神面の充実は活力に繋がるのだ、回復が早まる事であろう
余りのヘヴンさにちょっと引いてもいるが
957 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 [saga]:2016/03/17(木) 23:09:28.16 ID:/0yBv8wpo
>>955

「ドーモ、非常食=サン。ゴキゲンデスネ」

 両手をパンと合わせてアイサツ。
 タグを自慢するベティは実にほほえましい。たべちゃいたいくらい。

【他意はない】

「もっしゃもっしゃ…ウォーマー置いていきマスので好きに使ってください」

 なお、ガスマスクナースで登場したかっただけである。
 やたら巨大で針がぶっとい注射器に注入されたウォーマー。

【ウォーマー…凍傷の特効薬。つかいかた:尻から撃て】

>>956

「いえ、実は意外と似たり寄ったりデス。まぢで」

 風評被害!ニアにもそのうちナース服を着させればハッキリするであろう。

「では、ネズミーマウス=サン、これをアナタに委ねマス」

 ぶっとい注射器(ウォーマー)。なお、尻から撃つ。

「風の噂で原始人=サン(ロイ)は見事なプリケツを持っているらいいデス。
 ぜひとも、お確かめアレ、デス。あでぃおす」

【そうして、そそくさと去っていったそうな】

//ただ、ガスマスクナースがやりたかっただけなんや、今は反芻している
958 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/17(木) 23:18:15.80 ID:/qy1Na740
>>956-957
ロイ「いいじゃん甘やかしてよけが人なんだから」
早速特効薬を使おうとして

ロイ「・・・・・・・」
アキレス「うわぁ・・・」

絶句するロイとドン引きするアキレス

ロイ「知り合いの錬金術師でも来てたかな?」
そう勘ぐりたくなるロイと

アキレス「ま・・・まぁ医者に黙って勝手に薬使うのはよくないこと・・・だよね?」
そう言って視線をウォーマーから外すアキレスでした

ロイ「おーけー そのデカブツをそこのテーブルに置くんだムガ こっちにむけたら酷いことが起きるぞ? これは脅しじゃないからな?」
ムガに手渡されたウォーマーに警戒心MAXである
959 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/17(木) 23:24:25.82 ID:3XYsQDAsO
>>957
「……いやいや」
「……え、いやいや……」

ちょっぴり本気にしたようです

「ん?」
「いや、いらな……あ、おい!」

そして手渡される何とも物騒な得物
拒否しようとするも当の本人はそそくさと立ち去った後である
どうすんだこれとぶっとい注射器を持ったまま呆然としている鼠人が残されたのであった

//お疲れ様でしたっ

>>958
「……怪我する方が迂闊」

ごもっともなご意見ではあるが、やや辛辣である
とはいえムガからすれば大分譲歩しているのだ、発言は大目に見て頂きたいモノである

「……あぁ、そりゃ……まぁ……」

こんな物騒なモノを使う気など起きず、また殺意すら感じる様相を前に従った
ごとりとテーブルに置かれるどでかい注射器
針が獲物を睨むようにギラリと光る
960 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/17(木) 23:32:47.97 ID:/qy1Na740
>>959
ロイ「それじゃあの化け物と相対して無傷でいてからもう一度言ってくれ」
だれだって怪我したくて怪我するわけじゃないのです

さて ムガはおとなしくデカブツをテーブルに置いてくれました

ロイ「おーけー・・・よーしいい子だ そのまま離れるんだ・・・」
どこかの映画の悪役のような物言いであるが そこに現れた白衣の天使(αではありません)

看護師「ロイさーんお薬の時間ですよ〜 なんとギルドからウォーマーを納品してくれたので使用しますね〜ってあれ? もう誰か用意したのかしら?」
そこにあったウォーマーに首をかしげる看護師であったが 深く考えずに実行しようとする

ロイ「え ちょやめ・・・!!」
看護師「あばれると大変なんで押さえていてくださいねー」
アキレス「はーい」

こうしてロイのプリケツがお披露目され

ロイ「アッー!」
ブスリと針が突き刺さったのであった・・・・・


//それでは自分もノシ
961 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2016/03/17(木) 23:37:37.14 ID:3XYsQDAsO
>>960
「避ければいい、お前受け過ぎ」

とはロイの戦法に関して
PTの剣であり盾として振る舞うロイに対しての、心配心が混ざった言葉なのではあるが
それだとしても余りに不器用過ぎる物言いであった

「えっ、あっ……」
「……じゃ、オダイジニ」

そして色々と察して部屋から音もなく逃走
背に聞いた声は悲痛なモノで、トラウマめいて耳に残ったのだという

//ありがとうでした、お疲れ様ですっ
962 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/18(金) 22:40:07.43 ID:9eQgRLYD0
【夜と昼の連歌の世界、夜側】
詳しい経緯は>731

夜の支配する世界にて 人々のよりどころである教会を追い出された一行は当てもなくこの世をさまよっていた
幾ばくかの日数が過ぎたこの日 一休みする場所を求めて 閉鎖的な人里のほど近くにあった廃墟に踏み込んだ一行であったが そこには先客がいた

少年「だれ・・・? もうここには食べるものはないよ・・・?」

やせ細った少年が怯えた顔でこちらに恐怖を押し殺した鋭い視線を向ける
その背には更に小さな少女を隠している

傍らの鍋には水が少し入っているのみ 火を使った形跡は無く 元は何だったかも分からぬ襤褸が石の床の上に敷かれていた

「・・・・・っ落ち着け 俺らは別に取って食おうってわけじゃない」
その酷い様子に絶句しながらも 敵意がないことを精一杯アピールするロイ

この世界 特に夜側では珍しくないその光景を 一行の他のメンバーはどう見るか?
963 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/18(金) 22:48:53.92 ID:DtXg73KT0
>>962
「あー……」
「食べ物は別に、いらないってんですけどぉ……」

歩けど歩けど夜は続く
篝火から取った松明を掲げて進んだ先、偶然にもロイと出会ったのである
彼のサバイバル知識と自身のタイドメイカー
食糧に困窮する事は、今のところ無いと言えた

「……そっちこそっ、大丈夫ってんですかっ?」

ロイの横に並び、後ろに隠れる少女を覗き込む様に
無論大手を振って平気と言える状態ではなさそうだ、必要とあらば手を貸すつもりである
964 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/18(金) 23:03:33.42 ID:9eQgRLYD0
>>963
少年「ウソだ・・・いつもそんなこと言って最後はぶつんだ・・・」

その言葉に耳を貸さず だからと言ってここを出て行くアテもないのか この廃墟から出る様子もない
こうなった以上出て行った方がお互い楽なのだろう だがロイという男は 軍隊にいたとは思えないほど人間的に甘いところがあった

「ニア ちょっと荷物見てろ」
ドサリとデカイリュックを下し 困惑する子供に目もくれず廃墟を飛び出した

そして時間が経過することしばし

一度目に帰って来た時は なにやら土?(正確には泥炭と呼ばれる燃料にもなる土)を大量に持ってきた
二度目に帰って来た時は 水袋に大量の飲料水を抱えてやってきた
三度めに帰って来た時は 夜の住人であろう モンスター(道中襲ってきたのを返り討ちにし 捌いて食べた経験あり)を穂先にぶら下げて帰ってきた

「さぁてニア 飯にすっかな?」
状況を理解していない子供たちを完全にスルーして 泥炭に火をつけ 水の入った鍋をかける
965 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/18(金) 23:11:03.56 ID:DtXg73KT0
>>964
「えっ? あ、はいっ……?」
「……」

事情が呑み込めず、その背を見送り少し経った
一度目の帰還でようやく察したのだろう、ははぁとしたり顔
鋭いタチならばロイの性格を鑑みて即座に見抜けるのであろうが、ニアはそうではない模様

「何が始まるってんでしょうねー?」

途中子供にそれとなく話し掛けてもみるが反応を期待してはいない

「はーいっ、お腹空いちゃったってんですよぉ」

さて予測した通りに食事の時間である
態とらしくお腹を摩り、ロイの元へと駆け寄った
チラリと子供達を盗み見る

「あれっ、随分沢山ありますってんですねぇ……」
「食べ切れるかなぁ……?」
966 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/18(金) 23:15:04.68 ID:lP5hbpAxo
「今日の依頼だが…その…あまり乗り気はしないんだが…」
「ボスから元英国空挺部隊(SAS)のスナイパー、"ハッシュ"をヘッドハントしてくれって依頼が来た」

2033年ロシア中西部、ジョシュアの運転するハンヴィーの中にて
ジョシュアともう一人、HEXAのボスより直々に指名された一人の能力者。
彼等と大量の物資を積んだハンヴィーは咆哮を上げながら雪を掻き分け、森林を奥へ奥へと突き進む。
今日の目的はある人物のヘッドハント。コードネームはハッシュ、ジョシュアの言葉を見るに彼等には面識があるらしい。

「…とんでもない大捕物だ。この森林のどこかに根城を構えて今も潜んでるってハナシだが…」

当のジョシュアは尻込みというか、なんだか落ち着かない様子であり、ハンヴィーを運転するその顔はどこか暗いものだ。

【なお、本作戦は非公式ではあるが"ボス"から直接支援を受ける事が可能であるため、必要な情報や装備など要求すれば即座にそれが支給されるだろう】
967 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/18(金) 23:23:36.32 ID:9eQgRLYD0
>>965
「そうだな 喰いきれなかったら残しちまおう もったいないけどそうしよう」
見る人が見れば失笑を禁じ得ないほどの三文芝居を繰り広げながら料理を開始

がっついても喉に詰まらせない様 モンスターの肉は細かく切り刻み
麦を入れて栄養も考慮しつつ 湯をたっぷりにした粥で消化にもよくしたシチューをこしらえる

「さぁて 喰うか!!」
わざと子供たちに背を向けてシチューを食べ始める

その美味そうな匂いにつられる子供であったが ロイ達が視線を向ければ委縮して廃墟の角に籠ってしまう まだ信用されていないのだろう
これでは椀を差し出しても警戒して食べないだろう ならば

「いやぁ腹いっぱいだ 喰ったら眠くなっちまったな 向こうの部屋で一寝入りすっか」

そう言うロイであったが 鍋は半分ほども残っているし ロイは実際には満腹になっていない
ロイはニアに不格好なウィンク一つ送って隣の部屋に移動してしまった
968 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/18(金) 23:26:19.78 ID:SurG/vrro
>>966

「知己というならば聞くが、そのスナイパーは勧誘に応じるタマか?」

 ハンヴィーに積まれた物資に目をやりながら問うイムカ。
 兵士という人種には様々なタイプが存在する。
 マネーのため、名誉のため、時には戦う答えを見つけるため。

【容易に引き込めるケースもあれば、端から不可能となるケースも。
 時には前段階の戦闘行動が必要なケースもある】

「………」

 何故、イムカが指名されたのか?ある種のギブ・アンド・テイクの面もあれば、
 互いに腹の探りあいの一環…という側面もある。さらに快諾にはイムカ個人の思惑も多少含まれる。

【金糸の髪に黒い毛糸帽を乗せて、服装は厚手の軍用コート。腕を組んでいてもその豊満なバストは自己主張を止めない】
 
969 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/18(金) 23:32:42.08 ID:DtXg73KT0
>>967
「まぁっ、仕方ないってんですもんねぇー」
「いっただっきまーすっ!」

ニアは演技が下手である
ロイはまぁ、こんな場面だしわざとなのであろうきっと
みるみる美味しそうなシチューが用意され、実際空腹気味であったニアもロイに続く
この世界の夜は冬である、凍える程に寒々しい
そんな中で食べるシチューが美味しくない訳もなくご満悦
子供達の様子を見るも矢張り警戒心が強い模様

「……」
「そうだってんですねぇ……ニアも沢山っ……」

やや後ろ髪惹かれる思いではあるが仕方ない
なんならタイドメイカーを齧れば空腹自体はなんとかなるのだから
ロイが向こうの部屋に移動してから少し
木造りの食器を2セットを少年達の方に近寄せて置いた

「……せっかくですからっ、温かい内に誰かが食べてくれると嬉しいなぁっ……?」

そしてソソクサとロイの向かった部屋に移動して行くのであった
970 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/18(金) 23:39:57.07 ID:lP5hbpAxo
>>968
「実際に会って話した事は一度も…スコープ越しに”話した”事は四度」
「結果は四敗、戦闘になればどちらかが死にます」

ハンヴィーを走らせながら、過去のハッシュとの邂逅を振り返る。

それはジョシュアが18の、まだ新兵であった頃だ。マークスマンを務め、その時は互いに敵対する陣営に付いていた。
人生最初の被弾は、冷酷な女狙撃手によってもたらされた。それ以降はハッシュの存在を察するたびに尻尾を巻いて逃げ出していたものだが。
四度交戦して生きていること自体、まあ幸運である。生きているだけ無様でもマシなものだろう。

傍らのロシアンなイムカをちらちらと眺め、木にぶつかりそうになって慌てて急ハンドルを切った。

しばらく走ってハンヴィーを止めれば、サバイバル用具と、狩猟用バーミントライフルを担いでハンヴィーから離れる。
ゴテゴテのレールガンなどを持ち込むよりは、危険だとみなされるリスクの低い、ありふれた装備を選んだのだ。
実際武装は最小限であり、戦闘の為というよりは野獣などから身を守る為だろう。

「ヤツがSASを除隊したのは望んでじゃぁありません。22歳の冬…ハッシュは忽然と消え失せました」
「そう…ヤツは目覚めちまったんです。越境の適性を元より持ち併せた異能保持者だったんですよ」

ざくざくと雪を踏み分けながら、耳を澄ませ枯れた森林の反響に意識を向ける。
ジョシュアの話を纏めれば、ハッシュはジョシュアを凌ぐ狙撃手であり、何らかの異能を持ち、そして越境者である。
ここはリベルタスとも別世界であることはハッシュも認知しており、ヘレフォードへ戻ろうにも戻れずここで生活を余儀なくされているのだろう。
971 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/18(金) 23:48:46.54 ID:9eQgRLYD0
>>969
さて 別室に向かうや否やこっそりカバーポジションを取り 子供たちの様子をうかがうロイ

「Zzz...Zzz...Zzz...Zzz...Zzz...」
先ほどの三文芝居とは打って変わった本格声マネを入れてカモフラージュ万全

子供たちは警戒していた これもまた罠ではないかと 一行が入った部屋をチラチラうかがっていた
だが火にかけられたシチューは枯れ切った体をぞんぶんに刺激し グゥと鳴る腹はその警戒心を押しつぶした

なおもこちらを警戒しながらも 恐る恐る鍋に近寄り お玉でシチューを椀によそって口を着ければ そこからは一心不乱だった

「・・・・・・」
時々漏れる嗚咽は聞こえないふりをして 本当に眠ってしまおうかと思ったその時である

「・・・・・・ッ」
トンとニアの肩を叩き 壊れた窓から注意深く外を伺う

――――なんかいい匂いがするな・・・
――――あの廃墟だ・・・
――――ガキ共まだ何か隠してやがったか? お仕置きが必要だな・・・

子供たちの食事風景をあたたく見守っていた目が敵意に吊り上がる

「・・・・・・」
ニアに視線を送る 派手に殲滅するか? 静かに制圧するか? ニアの選択を待つ
972 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/18(金) 23:50:09.48 ID:SurG/vrro
>>970

「…彼女の世界へのゲート≠ェ確立されているならば交渉材料になる得たかもしれないな」

 数年行方を眩ませていたのならば、古巣に戻るという選択肢も中々に難しい。
 しかし、望郷の念というのは、そういうカタチの越境ならば少なからずあるものだろう。

「ちなみに越境のタイプは?漂流型か、漂着型か」

 越境現象を観測するうちにある種のパターンが存在する事が解ってきた。
 越境を繰り返すタイプと、一回だけの越境で異世界に漂着し、そのままになってしまうタイプだ。

「交渉材料は用意しているのだろう?うまくやれればいいがな」

 ザクザクと歩くジョシュアの腕を掴んで肩に頭を預けながら歩むイムカ。
 白い息が後方に流れていく。雪を踏みしめる音が耳に響く。

【冷え切った空気が肺を満たす。こういうのは嫌いではない】

「まあ、このような有体なら、即座にスナイプ…は躊躇してくれるかもな。
 言っておくが、ドサクサ紛れに胸や尻を触ったら私が君を射殺するかもしれないから自重しろ」
973 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/18(金) 23:57:49.01 ID:DtXg73KT0
>>971
「……ふふっ」

ロイの仕草と子供達の様子に思わず零れる微笑みである
物事が万事上手く進み、この陰鬱な夜に小さな花が咲いたと思った矢先
静かな病風を知らされる

「……むぅ」
「お仕置きが必要なのはっ、どっちだってんですかっ……!」

囁く声には怒気が纏わり付いて離れない
静かに、しかし二度とこのような真似をさせないようにしなければならなかった
脅かす程度では無意味であろう、少しばかり痛い目を見て貰わないといけない
ロイと目を合わせ、月光を抜いて細身のタイドメイカーを1本生やす
尻尾のように垂れ下げさせて静かに窓から夜の下へ

「……」

闇に紛れて身を隠し、発見が叶えば1人に触腕を這わせて向かわせ足に巻き付け転倒させんとするだろう
974 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/19(土) 00:10:10.88 ID:5BOcWTYX0
>>973
「・・・・・ゲフンゲフン」
ニアの笑みに気恥ずかしくなったのか 急に咳払いを始めるロイであった

さて 静かに制圧を選択した一行は闇夜に紛れて後を追う
ロイが先導し ニアが続く形で彼らの姿はすぐに見つかった

こちらもあまり台所事情はよろしくないのか お世辞にも綺麗とは言えない服を着た男達
だが弱者から奪おうとするその性根 しかもこちらが恵んだ物資を狙ったことが命とりだった

ニアの触椀が地を這い 1人の男の足を絡めとる

ごろつき3「うわっと!?」
ごろつき1「なんだオイ腹ペコで動けねぇってか?」
ごろつき3「ちげぇよなんか足に・・・」

ごろつき3が転倒し 注目がそちらに向かう

その隙にごろつき2の背後に迫ったロイがスリーパーホールドで1人制圧 あと2人

ニアはこれからどう動く?
975 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/19(土) 00:11:32.09 ID:O2ljr1+to
>>972
「リベルタスは今や不毛の地だ…越境者なら耳に挟んでるんじゃないですかね?…俺ももうあそこには戻りたくありません」
「両親、弟、上司…すべて失ってしまいましたからね。未練はないですよ」

「他の世界での目撃例は殆どないですね。おそらく漂着型か…前者だとしても人里には降りないんでしょう」
「この世界でハッシュの事を知っているのは俺とボスだけです。それだけでも…懐かしみを感じてついてきてくれるかも…なんて」
「ボスは彼女を俺と同じ”0班(司令官直属の私兵部隊)”に仕立てようとしているみたいですが…」

ちなみに交渉材料は完璧なノープランである。この世界とリベルタスとの接続状況は芳しくない。
そもそもこの世界自体、多数の世界に接続してはいるものの極めて越境の発生率の低い世界であるらしい。
その証拠として、この世界を根城としているジョシュアと行動を共にしている時以外、あまり越境者がこの世界を訪れる事はない。
つまりは彼女の気まぐれで、戦闘になるか否か、そしてスカウトの成功も左右されるといった状況である。

「…止まって」
「…ワイヤーです…きっとこの辺に…あった。解除せずそのまま行きましょう」

ふとジョシュアが何か違和感を感じ、右隣のイムカの進路に右腕を被せるようにして制止を呼びかける。
胸に触る?触ってなるものか。ジョシュアのポリシーに反するし、赤熱する右腕の状態を悟られる訳にはいかない。
ぶすぶすと燻る右腕をイムカに見せることなく隠せているのは、防寒着が必須である寒い地方であるからこそだ。有難い。

ワイヤーと、それに繋がれたカンを見れば、ワイヤーを切ることなくそのまま跨いでいった。ワイヤーに接続されたバッテリーが見えたからだ。
ワイヤーを切ろうとすればスパークによって少々痛い目を見るように設計されているのだ。叫び声を上げれば警戒させてしまう。

「……ありました。足跡…巣を悟られないように行き来しています」
「ですがこの方面は俺達が来た方面なので…おそらくこのまま行けばもうじき着くでしょう。手間が省けた」

しばらく歩けば、地面にまだ新しい足跡がついているのが見える。さすがに訓練されており、足跡は巧妙にかき消されてはいる。
進行方向は分からないが、運よくかなり絞る事ができた。このまま進めばスムーズにコンタクトが可能なはずだ。
976 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/19(土) 00:19:56.40 ID:Vsvg4PaY0
>>974
「……」
「……あっ」

ふ、と思い付いた事があった
それは賭けにもなるが、大凡失敗する可能性は低い様にも思える
ならば試してみるとしよう、その為にもこの1人を黙らせる必要があった
タイドメイカーの補助を得て迅速に駆けて男の1人の延髄に向けて峰打ち一閃、意識を刈り取らんとする
それが成功したとしてもそうでないとしても、

「……八葉っ……!」

その場に座り込み最大のタイドメイカーを8本生やし体を浮かせる
松明の火に下から照らされるそれは巨大な触腕の怪物の姿

「……このっ、」
「……コホン、この家の子供は食べたってん……食べたっ」
「お前達も食べられたくなければっ、二度とここには近寄るなって……近寄るなっ」

演技はグダグダ、しかしその体格だけは立派な魔物
この世界における人と怪物のパワーバランスを考えれば、討伐隊など組めようはずもないとの考えの末の行動だ
977 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/19(土) 00:21:54.03 ID:zX5wCZero
>>975

「流石…といっていいのか?」

 ワイヤートラップを見て考えたのは別のことであった。
 この警戒は、ターゲットの戦争は別世界に至ってなお、いまだ燻っているという証左に思える。
 別の生き方を選択する契機でもあったというのに。

「足抜けは容易ではないか。どうにもな」

 巣を悟られないような動きとやらでますます、だ。
 さて、とりあえずはスカウトマンに着いて行くとしよう。
978 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/19(土) 00:34:16.72 ID:5BOcWTYX0
>>976
ごろつき3「ぐぇ!?」
ごろつき1「ちょ!?」
延髄への一撃をもらい 昏倒するごろつき3

ごろつき1がナイフを構え 辺りを見回せば いつの間にかごろつき2も昏倒している(ロイはすでに退避済み)
そしてニアのタイドメイカーが鎌首を擡げ その姿はタコの化け物

ごろつき1「・・・・・・・・・・・・・・」
ガクガクとヘッドバンキングめいた頷き そして下半身から【男の尊厳ブレイクアウト】しながら集落へ逃げるごろつき1

ロイ「こいつはラジー賞ものだな さて落とした2人を集落へ持って行って一寝入りしよう」
その壊滅的演技にニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべるロイ

ごろつき2と3は集落の近くに放り出された
後日目を覚ました2人はごろつき1から熱い抱擁を受けた様子

廃墟に帰ってきた一行 またこっそりと部屋の中を伺えば そこにはすっかり空になった鍋 そして暖かな火の傍で眠る子供たちの姿

「・・・四時間交代で寝よう んで子供たちが起きる前にここを出よう 俺らはあくまでも警戒されたよそ者だ」

そして程よく仮眠を取り 廃墟を後にする一行

「あ リュック忘れてきた・・・まぁいいか」
なおロイは物資の詰まったリュックを置いてきてしまった様子 しかも気付いたというのに取りに戻らなかった


その後 ロイの物資が尽きる前に この一帯は昼側に奪還されたらしいが それはもう一行には関係のないことであった・・・・

//ではそろそろ〆で
979 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/19(土) 00:35:36.60 ID:O2ljr1+to
>>977
「……まるでジョン・ランボーだ…この戦争のない世界には…あの女は生きづらそうですね」

イムカと同じく、ジョシュアもまた同じような感想を抱いていた。
ハッシュの心はまだ戦場にある。ロシアの戦場に心を置いてきたまま、世界を跨ぎ、抜け殻だけが亡霊のように彷徨い続けているのだ。
つまりそれなればこそ、HEXAは彼女の望むものを与えられるのかもしれないということだ。
この取引、カードは悪いとは言えない。それなりに希望はあるだろう。

「ハッシュってのは外見がかなり特徴的で…左眼に眼帯、耳にはヘッドホン。口をダクトテープで覆い…髪はイギリスらしくド派手なな色に染めてたと」
「第22連隊にはハッシュの奇妙な容姿をからかったこんな話があったんです」

「ハッシュが目を塞ぐのは、両目を開けたまま狙うことが出来ないから」
「ハッシュがヘッドホンをしているのは、音楽を聞いていないと集中できないから」
「ハッシュが口を塞ぐのは、撃たれた時に悲鳴を堪えられないから」
「ハッシュが髪を染めるのは、それが上官が好みの色だから」

「どこまで本当か知りませんが…よっぽど強烈な外見だったんでしょう…ってオイオイ…」
「…足跡が消えやがった…?」

ハッシュの外見は軍人らしからず、それはさもロンドンの街を闊歩するパンクの象徴のような。
軍人とはかけ離れたパンクガール風の容姿をからかって、同期や上官たちからそんな噂話を造られていたようだ。
はみだし者には変わりはないが、ハッシュ自身、仲間達とは固い絆で結ばれていたのだ。

と、ジョシュアの歩みがぴたりと止まる。足跡が忽然と消えたのだ。
しかも最後の足跡は逆向き。つまりはジョシュア達が来た方面へと進んでいったという事だ。
白樺の林の中、死角は多い。どうやらまた振り出しに戻ってしまったようにも見える。
980 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2016/03/19(土) 00:42:53.29 ID:Vsvg4PaY0
>>978
「ふぅ……」
「上手くいっ……て、わ、笑わないで下さいってんですよぉ……」

演技下手なのは自覚している、と頬を膨らませながら触腕を仕舞う
ずるずるりと水っぽい音
ゴロツキをえっちらおっちら触腕で運び投げ捨てて廃墟に戻れば眠る子供達
しっかり食べれた様で安堵の吐息、辛い世界ではあるが少しでも希望と幸せを享受して欲しいモノだ

「あっ、本当だっ……」

仮眠の後、ロイの珍しい忘れ物にはっと気が付きしかし矢張り戻る気にはならない
そして少し後、上天の天使の翼が翻り陽金の槍が掲げられる時
永く陰鬱な夜は払われ、変わりに花盛りの春が芽吹いた

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
981 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/19(土) 00:48:03.81 ID:zX5wCZero
>>980

「用心深い…というより病的だな。精神がマトモであるかも怪しいところだが」

 辛辣は言葉とは裏腹に、自分もある意味では同類か、とも思えるイムカである。
 彼女自身、戦場から遠ざけられ、境界線世界を探索する密使となっている。
 星海を舞台とした人類の存亡をかけた戦争から酷く遠ざかってしまった燻りは未だに身を焦がしている。

「………」

 足跡を触るイムカ。そして――

「ここからは引き継ぐか。スカル、臭いを辿れるか?」
≪000111010101≫

 モノクロークモードで透明化していたスカルの輪郭が現れ、
 電子言語と共に、発汗などで生じる体臭を解析する。所謂、軍用犬の代理だ。

【嗅覚による、追跡行動を提案】

「最悪、追跡が気取られている可能性もあるが、何にしろ、行動しないことには始まらないか」
982 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/19(土) 00:48:36.94 ID:zX5wCZero
>>981
//>>979宛てのレスである!
983 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/19(土) 01:02:41.61 ID:O2ljr1+to
嗅覚による追尾は、僅か30mほどで終了してしまう。故障か?とジョシュアがスカルを蹴ってみてもそれは変わらない。
一体どうしてスカルがこの場所で捜索を終了してしまうのか、ジョシュアが首をかしげ途方に暮れた時であった。

『…上は注意して見た?』
「うおッ!?」

途方に暮れるジョシュアの背後から、不意に掛けられた声。柔らかで落ち着いた女性のものだ。
ジョシュアが驚いて振り向けば、直後に雪を巻き上げながら細いシルエットがすたんと着地する。

青みがかった紫から、毛先に目がけ徐々にピンク色に染まってゆくような髪の毛。
医療用の白い眼帯に、ストリートスタイルのヘッドホンを首に掛けている。ダクトテープは口元にはなく、代わりに装着していたマスクを脱げばポケットに押し込んだ。

ふかふかのファーつきの古び、ひび割れたレザーコートを纏い、縞々のニット帽を被った、おおよそ軍に従事したものとは思えぬ若い女がそこに居た。
しかしその華奢な身体つきとは対照的に背中には緑のポリマーフレームが特徴的な、大口径の消音機付き軍用スナイパーライフルを背負っているが。

『君らが通り過ぎたあの場所が…私のねぐら。…枝を組んでカモフラしてある』
『…話は全部……聞いてたよ。君があの……”ラビット”……だったんだね』
『…”ラビッシュ”…の方が…似合うけど…』

どうやらジョシュア達が通り過ぎたあの足跡の集合地点、そこからハンヴィーの方へ少し進んだ場所が彼女のねぐらであったらしい。
そこから彼女は白樺の上を伝うようにして、雪を落とすことなくジョシュア達の後を付いてきていたということだ。
彼女の話によればジョシュア達のハンヴィーが近づく前から、エンジン音を聞き分けていたという事だが、人間の聴力で聞き取れるような範囲には駐車してはいない。
つまりは彼女の持つなんらかの異能がこの索敵能力や、狙撃能力に影響しているといってもほぼ間違いないだろう。

「口数が多いな…ハッシュさんよ」
「俺はジョシュアだ…話を聞いてたんなら…顛末を説明する必要はねェな」

『ん、ジョシュア……よろしく…白い人も…よろしく。私はハッシュ。ロシアでのあだ名は…ベリョーズカ』
『HEXA…久しぶりに……聞いた名前…この世界に…組織ごと越境でも……してきたの?』
『……暇だし、いいよ。……ランボーみたいに………戦いに…飢えてる』
「…うし、取引成立(ディール)だ」
『オメガは……MI6の調べた資料でしか見たことないから…直接会えるのは楽しみだなぁ…』

新兵時代の恥をコケにされたジョシュアが青筋をビキビキ浮き立たせながら詰め寄ればハッシュはその分距離を開ける。
二人と言葉を交わし、契約を受け取ってもなお、戦闘が始まれば即座にジョシュアを殺せる間合いを保っているのだ。
イムカの言う通り、多少病的なほどに、常に戦闘状況と変わらぬ気の張り詰めぶり。
彼女が正気を保てているかどうか、それは懸念材料の一つではあるが

『あ…それと、あの噂』
『……最初の一つ目は…合ってる』

ハンヴィーの方面へ歩き出す間際、振り返って無邪気に微笑んで見せたその表情を見れば、おおよそ正気を失ったものの作れる表情でないことは明らかだった。
984 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2016/03/19(土) 01:15:10.73 ID:zX5wCZero
>>983

「なるほど、一杯食わされたな」

 とは言うもののさして気にはせずに会話を見守るイムカ。
 今回はあくまで有事のサポートが主であり、そしてその必要はどうやらなさそうであった。

「ラビット…兎?」

 妙な二つ名を聞いた後、ジョシュアの方を見て、

(無いな、うん)

 と、ちょっとシツレイな事を考えるのである。
 そうして、立ち居振る舞いを観察しながらも、彼女の動きに合わせて体重移動や足運びで…
 要するに、ジョシュアを殺せる間合いを、戦位を削っていた。

【ハッシュの聴覚からすれば、動きという複数の心音といい得体の知れない白い人…か】

「よろしく…私はまあ、今回はただの傭兵さ。ウカツばかりの男の護衛だ」
985 :ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 [sage saga]:2016/03/19(土) 01:22:25.54 ID:O2ljr1+to
//書き忘れましたこれにて締めである!
986 :エピソード:【緑の津波】 [saga]:2016/03/19(土) 21:24:22.66 ID:zilF3ggSo
【グリーンスキン】

 この連中は謎が多い。あるいはモンスターと区別するのが適切ではないかもしれない。
 まず、コイツラは何処にでも湧く。地上だろうが地下だろうが、ファンタジーだろうがテクノロジーだろうが、
 種族ごと越境しているのではないか?と疑わしいくらいに何処にでも湧く。

【ある意味で人間と呼ばれる種族と同様と言ってもいいかもしれない】
【多くの世界で普遍的な肉体的構造、特徴を持った種族。という意味でだ】

 −−−−−−−−−−−−−
【荒廃世界ウェイストランド】

 この世界については説明できる事項はさほど多くない。
 過去に極めて高度で巨大な文明が存在し、何らかの災厄によって全てが滅んだ世界。
 人間は案外にしぶとく、ヒャッハーやらスカベンジャーをしながら生き残り、
 時に越境組織(※越境現象をある程度制御可能な組織)がテクノロジー回収に蠢動する。

【この世界に漂着し、そしてそのままとなった越境者は悲惨だろう。重度の放射能汚染、退化した生活レベル、力が支配する世界】
【互助組織の止まり木は存在するが、活動内容は精々がこの過酷な世界で生きている手助け・・・程度だ】

 −−−−−−−−−−−−−

 →次レスに続きます
987 :エピソード:【緑の津波】 [saga]:2016/03/19(土) 21:34:41.39 ID:zilF3ggSo

 この世界で事件が起こった。
 ある地下シェルターの壊滅とそれに伴う周辺集落の消滅である。

 当初、新手の有力レイダーが現れて、略奪・蹂躙活動を行っていると見られた。
 襲撃にあった集落は凄惨を極め、女子供も含めてほぼ皆殺し。さらに人間を捕食した痕もあった。

 が、救助された極僅かな生き残りの証言からそれは異様な色を帯びていく。

「あ、あいつらは人間じゃあなかった。全身緑でよぉ…グ−ルでもねぇ!見た事もないミュータントだった!!」

 数日後、発狂して己の喉を掻き切った生存者の証言であった。

 −−−−−−−−−−−

 破壊の順路を辿るうち、近いうちに越境者の互助組織『止まり木』が在る街に
 この暴走集団がたどり着く事が予想された。

【なお、街を捨てて逃げるという選択肢はなかった】
【旧世紀の倒壊寸前のビルは家屋として使用できたし、豚や畑…生活基盤を手放すなど論外である】
【過酷な世界にあって、大人数が放浪するのは死とほぼ同義であったのだから】

 −−−−−−−−−−−−
【止まり木やギデオンズネットワークより、戦闘可能な能力者に救援要請が来るのは自明であった】

 街は民兵やバリケードが張り巡らされ、今までも何回かレイダーの襲撃を退けてきており、
 一定の防衛設備はある。が、それが今回も確実に凌ぎきれると確約できるものではない。

【→襲撃前夜】

 夜…暴走集団は明日にはこのタウンに到着する。
 女子供はおびえ、男達は雑多な火器を持ち緊張している。

 夜に紛れて逃げ出す者達も居た。

//ではここから開始!
988 :柚木夏子 ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/03/19(土) 21:42:15.85 ID:CO4XwvUIO

「いやー……久しぶりに兵隊らしい兵隊のお仕事です」

そこにいるのは、このタウンの衛兵の一人。言うなれば婦警であった。
……その正体は幽霊の集合体であり、いないはずの兵士であるが。

「なかなか緊張しますね。証言を聞く限りだと相手は本来存在しえない幻想種。オークですかねえ」

とりあえず、この世界で一般的なライフルとハンドガンを装備。
あとはこのタウンにあってもおかしくない重火器を用意している。重機関銃か迫撃砲か。

【重火器についてはこのタウンでは存在しえない場合、所持しない】

「頼りになるかどうかはわからない探偵さんもいますし、どうにかなるでしょう」

「お嬢ちゃん。俺をこういったことでアテにするのは間違いだと思うがね」

彼女の傍らには、よれたベージュのコートを羽織った壮年男性がいる。
手にしているのは古めかしいリボルバーのみだ。
989 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/19(土) 21:43:55.14 ID:Vsvg4PaY0
>>986-988
「……全身緑、か……」

神出鬼没の破壊集団、グリーンスキンを想起するのは自然な事だ
幾つもの世界で彼等と対峙したし、その度に苦戦を強いられあるいは敗北すら味わって来た

「敵の数も、質も、そもそも正体も不明」
「……こちらは……」

錆び付いた乗り込み式の固定砲台をコツンと叩く
他にも動くモノがあるのかは分からないが、勿論これは使えそうにはない

「……ま、やるしかありませんね……」

怯えて身を寄せ合うモノや、ちっぽけな勇気を奮い立たせ立ち上がるモノ
それらを見捨てて逃げ出せる迄の価値を、己の存在に見出せてはいない
シャツにジーンズ、腰には赤刃
スカーフの様に巻いた漆黒の布が夜に溶け込み揺れている
990 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/19(土) 21:44:49.40 ID:XJBUQJ8C0
>>987
俺のいた街でもここまでひどくはなかった。いや、ドッコイドッコイか?
[フードを目深に被り、防衛設備の間をウロチョロと歩き回って戦力を確認する男]
[話を聞く限り、自分の出身世界でも似たようなのはいた。しかも撃てば死んだ]
[ならばこの世界のものも殺せるだろう。銃座か、誰も使っていない銃と弾丸を探すのもそのためだ]

急げよ、先に来られたら意味ねえぞ
[逃げる者を慌ててかわし、緊張する男たちの肩を叩いて煙草をせびりながら周囲を見回す]
[とにかく何かしらの銃が必要だ。得体の知れない相手に近づいて死んだ人間は何人も見てきた]
991 :おんも [saga]:2016/03/19(土) 21:46:17.74 ID:Vsvg4PaY0
【異世界】ここだけ世界の境界線★14【絶望よ来れ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1458391529/
次スレですっ
992 :エピソード:【緑の津波】 [saga]:2016/03/19(土) 22:00:53.69 ID:zilF3ggSo
>>988

【重火器/迫撃砲は存在しない/年台もののグレネードランチャーは在る】

 このタウンは最低限の電力発生器や、簡素ではあるが下水施設などがある。
 これは過酷なこの世界に流れ着き、そして、己の知識を生かそうと頑張った、
 止まり木所属の越境者達の努力の現れである。

【腐らずに少しでも生き抜こうと頑張った痕跡だ】
【そして、それが今、暴力の権化なるオークに蹂躙されようとしているのだ】

>>989

「大丈夫さ。今までだって何とかなったんだから」

 怯える妻子と抱き合い、雑多な銃を手に持つ男達。
 この中には越境者も多い。この世界にたどり着き、そして二度と流れることの無かった者達も。

【漂流を続けるものと、漂着したもの。果たしてどちらがマシなのだろうか】

>>990

 バリケードより高い物見櫓は数箇所に点在。
 今は貴重な電力をサーチライトにあてて、警戒中。

【手作り感溢れるライフルとバスタードマシンガン、ソードオフショットガンなどが並ぶ】

 −−−−−−−−−−−−−−
【不安と緊張が漂う決戦前夜→翌朝…全員対象】

 それらは無遠慮にけたたましくやってきた。
 空気を震わす暴走バイク音!そして、黒煙を天に昇らせる過剰排気ガス!

【鉄板を繋ぎ合わせたようなハッピーでカラフルなバギーにバイクの群れ!!500は越える!】
【しかし、それらを操るのは全てが筋肉質で醜い緑の群れ…オークである】

「クァーッッグ!!」
「「「クァーッッグ!!」」」

 ボロボロの布で織られた軍旗が翻り、古風な角笛がブォーッ!と鳴らされる。
 鉄板をガシガシと鳴らした軍楽が大気を震わせる!まるでこれから行われる大虐殺を待ちわびているかのように!

「グゥア…ま、マズはおぐりものをおぐっでやろう」

 拡声器から酷い訛りの聞き取りにくい声が響き、
 そして、投石器めいたモノが前に突き出される。攻城兵器?否、ある意味では正鵠。

【投石器から複数の丸い何かがバリケードを越えてタウンに飛ばされる】
【爆弾かと警戒して非難する民兵達であったが――】

「ヒ…ヒィーーーーーーーッ!!」

 絶叫があがる!それは…もがれた人間の頭部である!
 それもただの頭部ではない。住人も、あるいは諸君も見覚えがあったかもしれない。
 それは先日の夜、このタウンを逃げ出した者達の生首であったのだ!!

【荒野を抜け出して…オークに見つかり…そういうことだ】
【絶叫が混乱を生み、混乱が正気を奪い…このオークの土産は民兵に効果絶大!早くも士気が危険域に落ち込みつつある!!】

 【→判定(指揮スキル)…混乱を収拾させて、民兵達の心に決意を呼び起こす指揮/カリスマがあれば判定成功】
993 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage saga]:2016/03/19(土) 22:11:22.07 ID:Vsvg4PaY0
>>992
「……えぇ、そうですね」

頷いて微笑んで見せる半人
今すべきはその楽観を咎め不安の火を煽る事ではない
燻る火種を残したままに、闘争の炎として宿させる事なのだ

「危険だと判断したら後退して援護に回って下さい」
「……敵の数にも依りますが、真っ向からの勝負よりは市街戦に持ち込んだ方がいい場合もあります」


「……来た、多いな……」
「……っ、ちっ……!」

まるで地平線の彼方より来たる真黒な嵐雲だ
徐々に輪郭を表し、陽炎の向こうに揺らめく数多の緑影
発射される生首、夕べ見た顔もあるのかもしれない
だが、

「落ち着いて!」
「……敵の作戦です、持ち場を離れないで!」

半人の思考ユニットはそれを意に留める事はない
しかしてその凪いだ心地を電波させる力量には足りず
指揮能力を重視した個体ではないのだ、半人に行えるのは凛然と澄み渡る呼び掛けのみ
994 :柚木夏子 ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/03/19(土) 22:11:48.22 ID:CO4XwvUIO
>>992

「うひへぇ。やっぱりここレイダーしか想定してませんよねぇ」

重火器はなかった。
グレネードランチャーなら手繰り寄せることができたので、それで我慢するとする。
少しでも面攻撃できるものなら、万々歳だ。

……などと装備の点検をしていたところ、ついに緑色の津波がやってきた。
彼らの行う攻撃は、なるほど要塞責めには効果的な代物だといえる。
彼女の中に存在する、数多の亡霊達が、なるほどとうなずきながら歯噛みした。

「……スゥー」

しかし、だからこそ彼女の中の霊達はこういう時の対処を知っている。
落ち着いて深呼吸して、目を見開いて――叫ぶ。

「狼狽えるな! お前たちのすることはそこで竦みあがり、怯えてその無惨に仲間入りをすることか!?」

「違う! これは防衛戦であるが、弔い合戦である。友を、家族を殺した下手人がわざわざ近づいてくる! 仇を取れ、応報せよ!」

「そのために――持ち場を護れ、隣に立つ友を護れ、収奪者気取りの怪物共を悉く粉砕するのだ!」

【霊の力を借りて、指揮を保つべく発破をかける】
【彼女の偽装の能力で、越境者以外の者にはこのタウンに前からいる婦警に見えている。効果は見込めるだろう】
995 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2016/03/19(土) 22:17:25.88 ID:XJBUQJ8C0
>>992
[サイボーグ特有の膂力で背中にライフルを、太股にショットガンを二つづつ括り、両手にマシンガン]
[後は持てるだけの弾薬を持つと、荒々しく物見櫓へ向かう]

あいつらか…なーにチョロイもんよ。俺はフォールアウトを十回以上クリアしたんだ
[双眼鏡で向かってくるバイクの群れを確認。軽口を叩くとバリケードの入り口の近く。上から狙えそうな場所へ向かう]
[道中、飛んできた生首にあたりかけ、口笛を一吹き]
考えたな…それとも本能か?

[オーク達を見下ろすことができ、尚且つ入り口になるべく近い場所]
[向かう最中にフードを被り、酸素供給機を装着。爛々と輝き出す眼で懐に隠してた、数個しかない手榴弾を探る]
荒々しくやりてえんだろ?いいぜ。俺らと遊びてえんだろ!?ゴキブリめ、蛆虫め!
[混乱する民兵を無視し、条件に合う場所に向かう]
[たどり着いたならば、手に握った手榴弾をオークの群れに一つ、投げ込むだろう]
まずは俺の小さな友達に挨拶しな!!
996 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2016/03/19(土) 22:20:50.16 ID:5BOcWTYX0
>>992
「騒ぐなぁ!!!!」
恐慌しかける民衆にありったけの声を張り上げる 時代錯誤の武器に身を包んだ男

「今降ってきた首は誰のものか!! これは抵抗をあきらめ逃げ出した者の首である!!
 そしてここで混乱し 抵抗をやめた者の末路もこうなるであろう!!」
ハルバートの柄頭で ドンと地面を叩く

「こうなるのが自分だけだと思うな!! 愛した女も!! 未来へつなぐ子も!! 笑い合った友も!!
 みな例外なくこうなるだろう!!」

ハルバートを掲げる ここに決断のオーラ纏う女傑はいない ならば自分がやらねば

「跪くな!! 進めなくなる!! 祈るな!! 両手がふさがる!! 立て!! 銃を構え!! 抗え!!
 その場にいる《仲間》の為に!! 1人でも多く戦い!! 1人でも多く生き残れ!! これは未来への戦いだ!!」

「バリケードに張り付け!! カバーポジションにて弾をありったけ浴びせろ!! 今日まで生き延びた俺らが こんなことでくたばるほどやわじゃないことを 奴らの命をもって分からせてやれ!!」
997 :エピソード:【緑の津波】 [saga]:2016/03/19(土) 22:26:21.37 ID:zilF3ggSo
>>993-995

「ッッッ…クゥアアアアアアアッッッグ!!」

 生首をぶちまけた瞬間!一際大きな咆哮が鳴り響き、
 バイクが、ビークルが、一斉にタウン・バリケードに向かって押し寄せる!!

【ファーストアタックはソーマタージの手榴弾!】

 爆裂が起き、突入するオークの一部がクラッシュ。後続に踏み潰されてネギトロと化す!
 が、後が続かない!混乱からそう簡単に回復しない!!

【ここで保安官(に偽装した夏子)の秩序回復行動】
【→タウンの治安維持を担う保安官の声に民兵のモラルが回復。最悪の事態は避けられた】

 バリケードの外に向かって弾丸の一斉射が開始された。
 が、接近を許した痛手は大きい。敵は先程までの混乱に乗じて既に肉薄しつつあった。

「皆殺し!」「皆殺し!」「皆殺し!」「皆殺し!」「皆殺し!」

 殺戮のコーフンに支配されたオーク達はバリケードに肉薄するたびに、
 鉤縄を投げ、あるいはポンコツ消防車に接続された巨大な梯子を突撃させて、
 タウンに入り込まんとする!!どうやらオーク連中は銃などを持ってはいないようだ。が、

「アアアアーーッ!!」

【櫓で迎撃していた数人の民兵が鉤縄で地上に振り落とされ、
 そのまま緑の津波に飲まれて赤いペンキと化していく!!】
998 :エピソード:【緑の津波】 [saga]:2016/03/19(土) 22:29:06.77 ID:zilF3ggSo
>>996

「オオオオオオッ!!」

 夏子の気勢との相互作用で民兵達は勇気を取り戻した。
 が、回復までに浪費してしまった時間はこの局面においてはエメラルドよりも貴重であった。
 距離…もっともオークに対してアドバンテージを確立できたはずの距離が、早々に殺されてしまったのだ。

【完全崩壊は水際で食い止められた。が、既に肉薄を許してしまっている!】
999 :柚木夏子 ◆9vmr0jXsek [sage]:2016/03/19(土) 22:32:31.43 ID:CO4XwvUIO
>>997

「でえええええい! 探偵さん、援護お願いします!」

「ああやってるよ。給料上げてくれ」

バリケードの外に向かってグレネードを発射。
相手が津波のようにやってくるなら何はなくとも効果は見込めるはずだ。
そうしながら、ライフルを構え、押し寄せてくるオークを撃つ。
傍らにいる壮年の男性も彼女を支援し、彼女の撃ち漏らした分を補う。

「……縄は撃って切れるし、梯子は……消防車の梯子じゃひっくりかえすのは無理かも」

このあたりは近接に自信のある面子に任せた方がよさそうか。
1000 :タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2016/03/19(土) 22:33:45.66 ID:Vsvg4PaY0
>>997-998
「……遠距離武器がないとは」
「……なんとも、まぁ……」

世界が世界なだけに、銃器の類を予測していた半人
しかしここでも彼等は変わらないのだ、己の肉を最高の武器とし攻め立ててそして押し潰すのみ
嫌悪感を露骨に吐息、そして身を屈める
脚に力を込めて次の瞬間には小規模なクレーターを残して飛翔、櫓の上での迎撃に当たる
半人は己の役割を遊撃だと認識していた
そして今、攻防戦の火勢が予想以上に速い今は
敵との第一接触が行われるであろう場所へ移動する事が最良だと判断したのだ
赤刃を抜き、手近なハシゴやロープを切断せんと狙い上陸を果たしたグリーンスキンがいれば攻撃を仕掛けるであろう
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
http://ex14.vip2ch.com/part4vip/

ローカルルール変更に伴い、1000到達の報告が不要になりました。

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
ザコ「勇者と旅に出ることになった」 @ 2016/03/19(土) 22:09:34.65 ID:UGVuN99bO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458392974/

提督「安価で提督する」 @ 2016/03/19(土) 22:06:12.38 ID:M5VAX4HtO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458392772/

提督「こちら夜戦特化鎮守府」 @ 2016/03/19(土) 21:46:08.64 ID:ReGRhyhs0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458391558/

【異世界】ここだけ世界の境界線★14【絶望よ来れ】 @ 2016/03/19(土) 21:45:39.46 ID:Vsvg4PaY0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1458391529/

【Fate】白野「ここは……どこだ?」【安価】3-3 @ 2016/03/19(土) 21:45:28.52 ID:DBAn3Zli0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458391518/

書記「あ、比企谷先輩」八幡「・・・うす」 @ 2016/03/19(土) 21:42:50.15 ID:OrlMiR0h0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458391360/

阿笠「出来たぞ新一、光彦君が死ぬスイッチじゃ」 @ 2016/03/19(土) 21:31:02.55 ID:/7EhqaZzo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458390662/

塩見周子は速水奏とデートがしたい @ 2016/03/19(土) 21:26:16.01 ID:tRgO8C6ho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458390375/



VIPサービスの新スレ報告ボットはじめました http://twitter.com/ex14bot/
管理人もやってます http://twitter.com/aramaki_vip2ch/
Powered By VIPService http://vip2ch.com/

948.21 KB   

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)