【海を見た日の】能力者スレ【神は幼い】

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/21(月) 21:44:32.81 ID:yLZmKFdx0
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】 

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

この世界は「多様性のある世界」です。
完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
コテハン「推奨」です!
基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
スレチなネタは程々に。
スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

 勝手に世界を氷河期などにはしないように。

能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1525061185/
wiki  【http://www53.atwiki.jp/nrks/
2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/23(水) 22:19:10.31 ID:vfFKjGXT0
>>1乙です
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/23(水) 22:19:21.73 ID:jfJ/JdqNo
>>1乙です
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/23(水) 22:25:19.71 ID:XLO5kaG+0
前スレ>>982

「ひッ……」
「わ、ワームシンガー、さま……」

【少女は眼に涙を溜めては流しながら、その優しい猛毒に呑まれそうになる】
【何とも、何とも酷い波乱の予感だ】
【新戦力を持ての侵攻】
【明確な進撃の意思】
【くじかなければ、砕かなければ】

「(伝えない、と……)」
「(皆に……)」

【そんな思いも、魔族の手の内だろう】
【安息地の外に運ばれ、やがて、立てる様に】
【そして意識もはっきりと戻ったらば】
【何処かへと向かってゆくのだろう】
【人類未曽有の戦いは、こうして幕が上がったと言えるだろうか?】
【今はまだ、嵐の前の静寂がある】



//お疲れさまでした
//こちらで〆な感じでしょうか?
5 :“蟲の唄い手” ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/23(水) 22:27:24.15 ID:45xYefFFo
前スレ >>999

【なるほど、彼女という存在は偶然により紡ぎ合わされて出来ているのだろう】
【癒着と言うよりは、互いに依存しないと人理世界に顕現できないのであろう】
【自分の側に居なければ意思を持ち行動することが出来ないらしい────】


「私が側に居れば、君はここに顕現することができるのか」
「──なるほど、事情はよくわかった。わざわざ話してもらって、申し訳ないな」


【今の時点で、自由に人格を変化させられるわけではないと理解した】
【側にいる時しか顕現できない──即ち、自らも彼女の側に居なければコントロールはできない】
【これは朗報だった、此方としては──強く出られる可能性のある手段になり得る】


「──それは、彼女をコントロールするのに僕が必要だということなのかい?」


【身体を好きにできる、というのはどういうことだろうか──?】
【もとより人類のそれよりプロポーションは悪い。胸元には蠢く蟲が見える上、体格もとても細いのだ】
【もしくは実験に使われるのだろうか、それだけは絶対に避けたいところではあるのだけど──】

// >>1乙です!
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/23(水) 22:28:56.92 ID:kgBNReMP0
いちおつです!

>>1000

まじかーっ助かったーっありがとネーっおねーさーん、
……、……あ、あン? んん、ン……???

【よかったこれで丸く収まりそうだ! 内心胸を撫で下ろして、ふうと一息】
【つきながら、ゆっくりと袋を下ろしていった。下ろしていった手が――ふいに、空を掴む】
【横から通り過ぎていったローブの少女。十字架を見るとき、少しだけ痛そうに、目を細めたけど】
【それもすぐに――ぽかんとした表情に変わって。去っていく後姿を、じっと見ていた】

【――それから、はっと前を見直して。じいっと見つめられる視線に、少しだけ後退り】

いっいやーホントだよ? まじまじ、ハラいっぱいなのはマジなんだけどお、
……あの、コレ、喰いかけなんスけど。えー……いや別にイヤってわけではないんだけどお、
抵抗感とかねーの? ねえほら、間接ちゅーになるんだけど……ねえ。

【「おれは別にいーけどさ、役得ってヤツ?」……へらっとした顔でそう言いつつ】
【そーっと、口をつけてない方からちょっとずつ、彼女の口元へ近付けていくのだ】
【まるで柵の向こうの、ちょっとばかし危なそうな動物にエサをやるみたいに。食べないなら、齧り直そうとするけれど】
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/23(水) 22:35:24.90 ID:jfJ/JdqNo
>>5

【歌い手の言葉をイルは一笑に付す。── それは真昼に見る月の様な歪さを保ったまま】
【音律は遥か先の淫らに溶けて、啄む行先も知らない囀りの如く】
【── 彼女は嗤う。絹糸の様な喉を鳴らして、悪態の様な風を飲み込む】


まっさかぁ♪ 女の子一つ動かすのにボク以外の力なんていらないよ
少し躾てあげればボクの思うがままだもの、教えて欲しかったら教えてあげるけど
やめた方がいいかもね、── 身体を崩壊させずに痛覚だけ味わうのはボクにしか出来ないし

てゆーかさ、ホントに分かってないの? 蟲の眷属ってそんなにお堅いのかな
いいよ、キミみたいな痩せぎすがボクのタイプなんだ── あの子を思い出させて
そしたらね、思う存分強く抱けるから♪ どうしても、力が入っちゃうなぁ♪


【イルが貴女へと近づく、指先が伸びて貴女の胸元へ触れようとする】
【蠢く蟲を素肌の上からなぞるように、指先がそうっと、星座を指で追うように動いていくだろう】
【地面に蹲りながら"conductor"が苦悶の表情を見せる、どうやら随分嬲られたようで】
8 : ◆KWGiwP6EW2 [sage]:2018/05/23(水) 22:48:12.51 ID:kgBNReMP0
前スレ >>996

【人でごった返した繁華街から逃げ果せるならば、最適と言って良い立地の公園。休日の親子やカップルの散歩にぴったりのロケーション】
【さりとてお一人様の人権を保証しないほど静かな雰囲気でもなく、訪れる人々は多種多様】
【中には奇矯な輩が混じることもあるだろう】
【公園のシンボルとも言える大樹の手先で、脳に血を集めている少女の探し物が何なのかは知る由もないけれど】



【そんな長閑な空気を一閃するかのように、バァン!!と発砲音のようなものが響く】

【銃ではない。音の中心に立っている少女は武器を持っていなかった】
【しかし煙を吹いた拳が、怪音の元なのは明白で、数メートル離れた路上には目を回している大男】
【痴情のもつれ?ナンパのあしらい?いずれにせよ白昼堂々の暴力行為。目撃者多数】
【しかし殴った側が年端も行かぬ少女ならば、悪党はどちらかを迷うのが世間の真理】

【その困惑の隙間を拝借して、少女はささっと逃げ出した。人目を避けるように大樹の裏側へと――】


――いいや、登っちゃおう。
追い回されるのもめんどくさいし、寄らば大樹の陰だ。文字通りの意味で。


【安易な発想で木登りを敢行。ほとぼりが冷めるまで、そこに隠れようとしていたが――】
【木の枝にぶら下がっているであろう、もう一人の少女の横を気付かずに通り過ぎる】

【近場で見るならば――いや、近場で見ても特徴のない少女だった】
【いかにも動き易さだけを考慮したようなノーブランドのジーンズとブラウス。取り敢えず後ろでまとめた髪は染めてもおらず真っ黒】
【休み時間に教室の片隅で本でも読んでいるのが目に浮かぶかのような地味な出で立ち】
【その外見に追随するかのように、若干目に隈が有るのが睡眠不足を主張している】

【大樹の枝葉に身を隠すように座ると、欠伸を一つ。隣人の気配にはまだ気付いていない】
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/23(水) 22:52:07.21 ID:wtlSWHAO0
いちおつなのですよ!

>>6
「間接ちゅー?それは何かの呪術なのか?……食いかけだろうが味は変わらん!
妾の喰らう分が少し減っているだけじゃ!」

【箱入り娘か。それとも元々そう言った事を気にしない輩か】
【何の問題がある、と言いたげな表情を見せるも目の前に飯(餌)が来ればまたころっと変わるのだ】
【ガブッ、と一口。最初に青年が感じたであろう高貴だとかそんなのは何処に置いてきてしまったのだろう】
【手を引かなければそのままガブガブと囓り続け――やがて、食べ終えて】
【腹も満たされたのか満足気に笑って見せた】


「うむ、中々旨いモノじゃった!腹も満たされ妾は満足じゃ
……クク、礼として妾がこの世界を支配した際には部下として扱ってやろう。光栄に思うが良い
――――と言いたい所じゃが、名を知らねば何も出来ん。貴様、名は何という?」

【ペロリと唇まわりのモノも舌で舐め取りつつ訳の分からない事を言いながら青年の名を問うた】
【尊大な態度は崩れる事無く、寧ろ空腹が満たされた事もあってか余計に酷くなったようにすら】
【えへん、と胸を張って答えを待つ姿は少々……では無く、とても滑稽】
10 :“蟲の唄い手” ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/23(水) 22:53:01.43 ID:45xYefFFo
>>7

【──奪われた“Conductor”、勢力拡大の一手、自らの保身】
【その全てが、頭の中で錯綜する。ベッケンシュタイン限界を超えても可笑しくないほどの量を持つ情報が、ぐるぐると頭を回る】
【貴女の言葉が脳内で反芻する。おかしな悪魔だと、そう思った刹那────】


「其処だけは、触るな──ッ!」


【胸元で蠢く蟲に触れられた途端、咄嗟に後方へ跳ぶ】
【同時に後方で控えていた『ドク』も、何事かとその細い顔を貴女とワームシンガーの間へと向けて】
【ずさァっ、と土煙を上げて着地する。──明確な弱点か、もしくはそれほど重要な何かなのか】


「……すまない。其処だけはどうしても触られたくなくてね」
「人類よりも体格が悪い私を選ぶことはないだろう、痩せぎすでも綺麗な肌を持つ人類なら余程居る筈だ」
「それに、今は新しい安息地の造成計画で忙しい。今から行くのは、厳しいかもしれないね」


【突然鋭利な敵意を剥き出しにしてしまったことに対する謝罪。どうしても触られたくないだけの理由があるのだろう】
【痩せぎすがタイプと言われても、青白い肌を持つ自身より良い人類は山程居る筈だ。そちらを選んだほうが、良いに決まっている】
【そして決定的な理由が、安息地の造成計画が立っているということ。完成したこの安息地に代わる場所を、見つけなければならないのだ】
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/23(水) 22:53:35.33 ID:kFyFftVt0

【とある街角】

【数十分前から急に降りだした雨は次第に強さを増していって】

【半透明の中に疎らに色づいた物が混じる傘の群れが闊歩する通り。濡れて墨色に色づいた道をばしゃりと蹴りながら駆けるのは青い塊で】

……もー、何で急に雨なんか降ってくるの……
【シャッターの閉まった商店の軒先に収まったそれは不満気味に口を尖らす】

【十代の少女だった】

【水色の猫耳がついたフードのケープに白のブラウスと青いスカートをあわせていて】

【目深に被られたフードは水を吸ったのか幾分かその色を濃くさせている】

【少女はハンカチを取り出して服や体についた雨を拭ってはいるものの頑なにフードを被ったまま中に手を入れて髪を拭いているようで】

【そんな非効率な事をやらかしている為か中々状態がましにならず深いため息を吐く】


12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/23(水) 22:58:55.01 ID:jfJ/JdqNo
>>8

【少女の目が細められて、発砲音からこちら迄── 進む少女の足取りを追っていた】
【軽い身のこなしであった。同業者かな、なんて内心思ってもしまうけど】
【それにしたって貴女の風貌は、そんなアウトドアな雰囲気とは違って── どう見ても深窓の令嬢が近い表現だから】


あら、お嬢さんってば大分お転婆な娘さんですことっ、そんな風に木登りをするのははしたないです
そもそも木登りをするのは庭師か忍びの二択です、前者にしてはハサミを持ってませんし
── 後者にしては、こんな可愛い娘っ子が忍者だったら鵺ちゃんの商売上がったりです

ハローっ! ぜーんぜん気づいてないんですもんっ、鵺ちゃんもうびーっくりです!
こんなに近くにいるのにどうして気づいてくれないのっ、割と目立つタイプの美少女と思ってるんですがっ!
それはそうとこりゃまたすんごいクマちゃんですねっ、寝不足はお肌の敵ですよ!


【欠伸をした少女の目の前、逆さ吊りで驚かす様に顔を向ける彼女が一人】
【堰を切ったように溢れ出す言葉が流れたら、軽い身のこなしで空を駆ける】
【よっ──と言って貴女の側に着地、長いマフラーがふわりと揺れて】
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/23(水) 23:01:06.40 ID:kgBNReMP0
>>9

えーっとねえ、ちゅーってのはねえ……まーいっか、うん、たくさんお食べぇ……。

【その返しは想定していなかったらしい。はは、と渇いた笑いを浮かべながら】
【女性が食べて、短くなっていくパン。ちょっとずつ手を前に押し出して、食べやすいように】
【見かけによらず面倒見はそこそこいいみたいだった。やがて手の中が空っぽになると】

いーえ、どーいたしまして。
……セカイ? 支配すんの? おねーさんが? いやそりゃムr……
……、……名前、名前かー……うーん、おれとしてはオムレツって呼んでほしいんだけど……

【だいぶ失礼なことを口走りかけながら。問われたことに返す言葉は、幾分曖昧に】
【告げた名は、そもそも人の名前としては適さないものだった。料理名。エルフでも、知っているだろうか】
【訝し気に思うのもきっと仕方ないこと。だけど彼は、そう呼んでほしいと言うのだ】

そーいうおねーさんはどんな名前なの。
……あ、エルフだから、おれには発音できない系だったりする?

【なはは、と。後ろ頭を掻きながら笑って、茶化すように。訊き返すのだった】
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/23(水) 23:07:07.48 ID:jfJ/JdqNo
>>10

【── 爆ぜる雰囲気があった。イルはその双眸の端を細めて貴方を見やる】
【臨戦態勢に入って、直ぐに戻す。どうやら触れてはいけない所だったらしい】
【同時に思うのはその内面に宿した力、蟲の眷属の強かさを感じ取って】


ニンゲンの肌なんて幾ら積まれても触る気なんてないけどさ、ふぅん、残念
中々どうして蟲の連中も忙しいんだね、年がら年中穴掘って暮らしてるのかと思ったけど
まぁいいや、取り敢えず纏めるけど── ボクとしては、キミ達がこの世界で何かする事に関して、手を貸すのは構わないけど

── まぁその分、"シャーデンフロイデ"は使わせてもらうよ、そっちも"conductor"とやらは使ったらいいし
それ以外の時は好きにさせとこうかな、何時までも縛って虐めるだけじゃつまらないし
── 楔は打ってるから、逃げる心配もないでしょ


【イルの言葉に"conductor"が小さく震えた── きっと主人格が元の少女に戻っている】
【彼女は言う、蟲達と手を組む事に異論はないと、人外と人外で通じる部分もあるから、と】
【それと── 付け加えるように言の葉を散らす】


別に何処に安息地を作ろうが知った事じゃないけど、ボクの邪魔をするなら許さないよ
あくまでも手を貸すだけだよ、矮小な蟲にせめてもの慈悲を──
ボクはねニンゲン以外は好きさ、どんなに裏切られても、ね


【そうして笑う──何処か、少しだけ憂いを見せて】
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/23(水) 23:28:00.12 ID:wtlSWHAO0
>>13
「うむ、妾がこの世の全てを支配するのじゃ。空も海も陸も、見える限りのモノ全てな
――――む?貴様、今何か言おうとしなかったか?」

【本人は本気の様ですが、子供の戯れ言と気にしないのが吉だろう】
【……などと言われなくとも大半の人物は気にしないだろうか。青年が何かを言いかけた所で言葉を止めれば】
【その先を促すが如くずいっと詰め寄るのだけれど】


「オムレツ……ふむ、珍しい名じゃな。溶いた卵で様々な食材を包んだものだと書物で読んだが
――……様々なモノを包む……隠す、か。まさか貴様……」

【元より詰めようとしていた距離。青年が拒絶さえしなければ、両手を頬に当て自分の方へと向かせるのだ。エルフの目が細められ、青年の瞳――否、更にその奥を覗かんと】
【相手の全てを見透かすなんて特別能力が備わっている訳では無い。況してや自白させるなんて魔眼を持っている事も無い】
【それでも、その双眸をジッと見る。吐息を感じ取れるであろうその距離で、爪先を立てながら】
【――やがて、クスっと小さく笑うのだ。一瞬ばかり見せた真面目な雰囲気を、自身で壊すように】


「クク、ククク……!余程その料理が好きなのじゃな!或いはオムレツの精霊か……良い良い。気に入った
そう呼んで欲しいのならば妾は貴様の事をその様に呼んでやろう。なぁ、オムレツよ

妾か?妾の名はエリス=ディアルカン。確かに正式な名で呼ぶならば少しばかり訓練が必要だろうが……これも、確かな妾の名じゃ
よく胸に刻み込むが良い、オムレツ。何れこの世が妾のモノとなった時、支配者の名を知らぬのならば話にならんからな!」

【名前。それは、自分自身で忘れる事が無いもの。――ただ、青年は名を問うたときに少し迷っている様にも思えたから】
【そして、そう呼んで欲しいと願ったから。だから、その様に呼ぶのだ。確かに怪しく思える気もするが――……青年が青年である事に変わりは無い】
【何れ聞いていけば良い。最初から全てを知ってしまうのは詰まらない事だから】
【「分かったか?」そう告げるかのように、小首を傾げて見せる。もしそのまま払う事が無ければ、その時に漸く青年の両頬からエルフの手が退かれる事になるだろう】
【悪戯するかのように、優しく頬を引っ張りながら】
16 :“蟲の唄い手” ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/23(水) 23:33:12.02 ID:45xYefFFo
>>14

【──結局、貴女が此方と“少しばかりは”手を組んでくれるということで決着した】
【代わりに“シャーデンフロイデ”は彼女が使い、此方は“Conductor”を使う】
【普段は自由にさせておくが、命令次第で呼び出すことも出来ると──。そういう形で決着した】


「──僕も、それで了承しよう。此方も何らかの用事があれば“Conductor”を呼ばせてもらう」


【ワームシンガーが後ろに向けて手を2回振れば、「ドク」は安息地へと戻っていく】
【警備はもう必要ないと判断したのだろう、首刈り蟷螂もこの場では邪魔だ】


「──裏切ることはしないさ、魔族の中でも温和的な方だからね」
「あと、僕たちは蟲族とは言え魔族には違いない。其処だけは──勘違いしないでほしい」


【貴女の邪魔をすることは殆ど無いと──現状ではそう言い切れる】
【しかし魔族は魔族である、出るときが来れば──出るに違いないのだろう】
【というより、自らの信仰の対象が矮小と見られたことに少々立腹しての発言なのだろうが】


「……ま、手を結ぶには変わりない。やんわりと協力しよう」


【その言葉と同時、女の法衣のポケットから透明な粘性をもった液体が滲み出てきた】
【──意志を持つかのように、重力に引かれることを拒絶して。致し方なく女がそれを掬ってやると】
【透明な粘液のベールにつつまれた、一匹の蟲が女の掌で蠢いていた】
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/23(水) 23:34:26.10 ID:XLO5kaG+0
>>11

【雨が降ったら傘をさす】
【辛い話は胸をさす】
【娘十八、紅をさす】
【魔がさす、棹さす、将棋さす】
【世間の人は指をさす】
【許せぬ悪に】
【とどめ刺す】



「うーん、まさかこんなに降っちゃうなんて……」
「どうしよう、バイト、遅刻だよ……」

【白いボディに緑のラインが入った、オフロードタイプのオートバイ】
【搭乗して居る訳では無く、押して歩いているのは学生服にレインコートの少年だった】
【年齢的には、そう、少女とあまり変わりが無い様な……そんな年齢の男子】

「ん?」

【そうして急ぎ足ながらバイクを押して歩いていると、商店だろうか】
【シャッターの閉まった店先で、雨をしのいでいる少女の姿を見かける】
【全身が濡れている、可哀想なほどに手酷く振られた様だ】

「あ、え、ええーっと、その……」

【思い切って声をかけた】
【身長はさほど大きくも無く、何処となく声も気弱さがある】

「こ、これ、使います?」

【あまり同年代の少女と、こう言う風に話す機会など無いのだろうか?】
【緊張した様子で、その少女に折り畳みの傘を差しだす】

「僕は、ほら、使わないから、その……」
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/23(水) 23:39:13.31 ID:kgBNReMP0
>>15

なんにも言ってないヨー。いやまじで、ま……ふぁあ?

【びよん。よく伸びる頬、間抜け面を目いっぱい晒しながら、目が丸まる】
【何されてんだおれは。脳内でいろいろ考えてみてるけど――結論は出て来なくて】
【瞳を覗き込まれると、は、と息を呑んだ。……存在を「読まれてる」のか、なんて、ちょっと警戒したけど】

【黄色い瞳。生卵のオレンジ色より、加熱したそれの優しい黄色に近しい色合い】
【その奥底で、数えきれないくらいの生命の欠片が蠢いていたけど――たぶんきっと、読まないなら、どうでもいいこと】


……、……そ、……ぉなんだよネー、実はおれ精霊――――っていうか、
ヒヨコとして生まれてこれず、未練を持ったままこの世に残っちゃった系の?
なんて言うんだろ。ボーレイ? そう、卵の亡霊。なワケ。いやーそこまで見抜かれちゃうなんてナーっ

【ぶは。と、噴出しながら、ウソ800を並べ立てていく。完全に面白がっているらしい】
【余計な詮索をされないなら、楽ちん。気分もだいぶ上向きになってきた】
【エリス、エリス。何度か復唱して、口に馴染ませるようにして――――】

わーったわーった。ほっぺイテーからそろそろやめてくんねーかな……エリエリ?

【――――変な綽名がついた。支配者に対して呼ぶにはけっこう、否かなり、失礼な態度!】
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/23(水) 23:44:47.76 ID:jfJ/JdqNo
>>16

【── イルの表情が固まる。それはまるで絵画世界に切り取られてしまったかの様に】
【或いは全く別の世界に迷い込んでしまったかの如く、柔らかな頬がころん、と舌先を転がした】
【大きな瞳が蜜月の様に瞼と恋をして、項垂れる水仙のように横髪が絡みつく】


── あれ、キミ達って、ひょっとして、ボクが魔族だなんてちんけな存在だと思ってるの?
だとしたらボクは何とバカにして差し上げたらいいんだろう、蟻に世界を説くなんて愚かしいけどさっ
キミ達が魔族だろうと蟲族だろうと、この世界の理に縛られた羽虫って事は代わりないからさ

このボクの機嫌が良い時は邪魔すんなよ、それだけがルールだから
別にボクは家畜が機嫌を損ねたからって怒るような存在じゃないけど
立場は明確にしなきゃ、どっちが上で、どっちが下なのか


【イルは床に倒れたままの少女の腹部を蹴り上げた。── くの字に身体を曲げて少女のが嗚咽を漏らす】
【彼女には名前を名乗る権利すらない、蟲とイルと、それぞれの都合で扱われる】
【── それは最早用具とかわりないのではないか、と誰かが言うように】


ホントに蟲まみれだね、よくもまあそんな知性も何も無いような格好で生きてけるよ
ボクには想像もつかないし、する気もないけど──


【掌の蟲を一瞥し言葉を放つ、驕りに満ちた言葉】
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/23(水) 23:54:33.02 ID:kFyFftVt0

>>17

【中々止みそうもない雨】

【少女は体を拭く手を止め、天を仰いでため息一つ】

【そんな最中に掛けられた声】


【見れば同年代ほどの雨合羽の少年が近くに立っていて】

……ん?
【目を細め、こてっと首を傾げ】

【あれ?もしかして変な所あった?まさか見えてはいけないものとか見えてる?などと思案し】

【そろーっとフードの裾に両手を伸ばし更に深く引き下げようとした刹那】

【これ使って、と差し出されたのは折り畳み傘】

【少女はきょとんと目を丸くして】

……え、良いの……ん、ですか?
あの、使わないって言っても……その、悪い、ですし
【フードの裾に手を掛けたまま尋ねる】


21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/23(水) 23:59:12.71 ID:XLO5kaG+0
>>20

【雨は一層の強まりを見せる】
【本降りの雨】
【アスファルトの匂い】
【湿気の空気は間違いなく初夏に特有のもので】
【人によっては季節感を楽しむのだろうが、どうにも二人にその余裕は無さそうだが】

「え、あ、ああ、だ、大丈夫!大丈夫だよ!」
「そ、その、ほら、僕バイクだし!カッパ持ってるし!」

【キョトンとする少女の綺麗な瞳に】
【それだけで、初心な少年は大いに緊張し】
【しどろもどろにこう答えて、傘を差しだす】

「そ、その、止みそうに、無いですね……」
22 :“蟲の唄い手” ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/24(木) 00:04:14.58 ID:EVDj0KVno
>>19

【──ワームシンガーは、蟲の信奉者としては頂点に立つ者であり】
【故に、蟲の神に対する信仰は純粋かつ最大であり──それを妨げる者には、怒りを感じるのだけど】
【普段からそれを抑圧するのに慣れているためか、表には一切出さない。そういうところだけ、上手な女なのだけど──】


【もはや、何も喋ろうとはしなかった。“Conducutor”が蹴られたとしても、諌めることもせず】
【信仰するものを侮辱されれば、こうにもなる。──自身が“神”ではないのだから】
【信奉者として、指導者として、純粋な信者として────。静かな怒りは、ふつふつと煮えたぎっていたのだろう】


「──君は、人類を最も多く殺した動物は何だと思う」
「否、君には“関係ないかもしれない”。生死を与えられる程の知性があるのなら、それはどうだっていい」

「答えは、“蟲”だ。知性がない故に恐ろしく、そして無知な故に恐れがない」


【驕りに満ちたその言葉に、静かな怒りを僅かながら燃やした】
【世界の理を知りきった貴女には関係ないとしつつも──人類を一番多く殺したのは無知であるはずの“蟲”なのだと】
【無知な故に、無我な故に──恐れも恥も、何もない。其処にあるのは生存のために、人間を殺すという本能だけ】
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 00:08:08.85 ID:XcJIl9EH0
>>18
「……エリエリ。ふむ、なる程……人間は親しみを持ちやすいように相手の名を変えると聞いては居たが、“コレ”がそうか
うむ。良い。許可してやろう。妾は心が広いからな
支配者たる者、親しみを抱かれねばならん。恐怖と武力のみで治めていては何れ破綻してしまうからな」

【初めての呼ばれ方だ。それが自身に向けられたのだと理解するのにそう時間は掛からない】
【何度か反芻させるかの様に呟くも存外気に入ったか、一度頷き】
【コレはコレで良い。そんな結論に達したのだろう。支配者とは一体何なのか】
【――――ただカッコイイ。多分その程度しか無いのだ。このエルフには】


「ほぅ、亡霊とやらも不思議と痛みを感じるのじゃな
しかしヒヨコになれない未練が人の身になるとは何とも……クク……」

【最後にみょーんと頬を伸ばすと、そのまま手を離す事だろう】
【青年の嘘に気付いた上で振る舞っているのか、それとも天然なのか】
【町の時計を見上げれば、もう良い頃合いだ。青年の横を擦れ違うようにして行き、数歩先でその足が止まった】


「なぁ、オムレツ。嘘というのは一度吐いてしまうと中々に難儀なモノじゃ
――別な名で呼んで欲しくなったならば、その時に言えば良い。別な精霊だと言いたくなったならば、そう言えば良い
何であろうと貴様は貴様に変わりは無い。妾は近いうちにこの世界の支配者となる存在じゃ。遠慮は要らぬ
……卵の亡霊ならばその殻が割れん様にしっかりと、な」

【ご馳走様。最後にはそんな事を付け加えて歩み――数歩歩いたと思った頃には、その姿も消えている】
【転移か或いは姿を消す魔術か。何であれ、頬を伸ばされたであろうその感触が幻覚で無い事を告げるだろうか】


/時間も良い頃合いなのでこの辺りで……!
/中々安定しない新キャラにお付き合い頂き、本当に有り難う御座いましたっ!
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/24(木) 00:11:05.35 ID:p8+MjphOo
>>22

【──、イルは訝しむ。目の前の貴女の持つ怒りに、その心が囚われてしまいそうで】
【けれどもそれを然りと認識はしない。何かの勘違いだろうと、けりをつける】
【彼女は驕りに満ちて、それでいて、何処までも幼かったから】


だったらその矮小な存在と仲良くしてたらいいよ、限られた箱庭の中で悠々と終末を楽しむのさ
キミ達蟲が這いずる世界ごと、蛇はこの宇宙を飲み込み食らう
── なーんてね、それじゃまたの機会まで、精々駆逐されないように

……ったく、何時までも寝てるんじゃない、帰ったらもう少し躾てあげなきゃ
鈴ちゃんのお下がりはまだまだあるのに、ほんと堪え性無いよね──
鈴ちゃんに使った半分で気絶しちゃうし、有り得ないなぁ


【少女は"conductor"を抱えあげ、貴方に背中を向ける、吐いた言葉の行く末も知らず】
【一応の協力関係は結ぶ──けれどもそれは、ほんの一時的なもので】
【やがてそれは潰える前の幻に似て、僅かばかりの可能性を信じた】

【──そうして彼女は去っていく、その行先も、見えないまま】


/こんな所でしょうか! お疲れ様でした!
25 : ◆KWGiwP6EW2 [sage]:2018/05/24(木) 00:12:06.01 ID:QQoTXhqs0
>>12
「イ”エ”ッ!!!?」

【欠伸の口を閉じる間もなく、唐突に逆さに現れた少女が一人。それを視認する前に喉の変なところから声が出て、身体が揺れる】
【自分の乗っている枝が不自然に撓んで、あわや落ちかけると慌てて枝を掴んだ】
【まだ状況が掴めていないのか周囲に目を泳がせて、それでようやくあなたの存在を認めるだろう】


「え、……」

【テンパった脳ではただでさえ貧弱過ぎる語彙は機能停止。面白いくらいに目を丸くして、マジマジと来訪者を観察する】


…年、同じくらい?
髪真っ白いな。格好派手だな。マフラー暑くない?
うん、見た目からして正反対。学校ではまず近付かないカースト上位そうなタイプ。

苦手意識は有るけど、この状況で逃げるのは先の行動も有ってバツが悪い。
ダメだ、まだ混乱してる。

【思考を中断。片手で眉間を叩きながらも、もう片手であなたに待ったのポーズ】


「待って、待って。こういう時はアレよ。5W1H。
あなた誰?いつからどこにいたの?何でこんなところに?
ここ結構大きな木の上だよ?どうやって登ったの!?

……あれ?1W余ってない?」

【一息で捲し立ててから、少し考えるように指折り数えて、どうでも良いことを呟いた】
【そして横目に改めてあなたの姿をマジマジと見ると、少し言い辛そうに】


「……万が一気付いてなかったら悪いから言っちゃうけど、そんな格好して木登りしてるとパンツ見えるよ?」
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 00:12:23.82 ID:nbU6YXMi0

>>21

【しどろもどろに話す少年】

【その様子が可笑しかったのか少女はクスリと笑って】

うん、じゃあありがたく使わせて貰うね?
【初めて会う人だし、なんて思って使っていた敬語を崩して傘を受け取って】

えーっと、返す時とかどうすれば良いかな?
【まあ取りあえず聞いておかなければいけない事は聞かなければ、なんて考えたのかそう尋ねて】

【それから相手に話しかけられれば、止みませんねぇ、なんて苦笑する】

恵みの雨、なんだろうけどねー……
【ぽつ、と呟いてため息を吐いて】


27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/24(木) 00:20:06.51 ID:VT1oYQX/0
>>26

「(可愛い……)」

【クスリと笑顔を見せる少女に】
【内心そう思う感情は、隠せずに】

「あ、ああ、うん!その……返さなくってもいいけど、その……」

【ちょっと考えて】

「ええっと、バイト先『Freaks Fes』って言う食堂、ビストロって言うのかな?そこなんだけど」
「良かったら、食べに来て、その時に返して欲しい、かな、あーで、でもめんどくさかったら、いいよ、そのまま使ってて……」

【若干早口目に、こう告げる】
【大衆食堂『Freaks Fes』安価で美味しい食事が有名だが、少女が知っていても、また知らなくとも、どちらでも不思議ではない】
【そしていつの間にか、敬語を外している少女に】
【こちらも、思わず平素の口調で】

「そう、だね……」
「でも、止まない雨は、無いからさ……」

【その部分だけ少々寂し気に、しかし優し気に】
【こう答えた】
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/24(木) 00:21:43.09 ID:QQoTXhqs0
>>23

【言っといてなんだけど、怒られるかもな、なんてちょっと思ってたりもした、けれど】
【――意外にも気に入られたようだった。多少ぽかんとした顔を晒しただろう】
【本日何回目かもわからない間抜け面。……なんか調子が狂っちゃうな、とか、思いつつも】

アー、うん……気に入ってくれた? ンなら、よかったけど。
……ヤサシー支配者サマなんだねえ。そーいうヒトが本当に支配者なら、……いいんだけどナー。

【伸ばされたほっぺたを擦って。ふ、と漏れた笑みは、苦笑に近い――それでも自然なもの】
【悪い気はしなかった。むしろその逆。あなたが支配者ならよかった、それだけは確かな本音】

――――、……、……。

【「……なんだ、わかってたんじゃん」。去り際の言葉に、数秒間の間を置いてから】
【ひとり取り残された噴水前、水の音ばかりざあざあ響くその場所で、しばらく突っ立っていた】
【殻が割れないように。殻を、割ってしまえば中身が出る。その中身とやらは、いったい】

………………、

【「――――どんなバケモンが出てくるモンだか」。自嘲気味に笑いながら、彼も街の方へ歩いていく】
【結局数口しか齧れなかった夕食。改めて何か食べようと思ったけど――嘘が真になったみたいで】
【あんまり、お腹が空いていなかった。……なら何処へ行こうかな、なんて、考えていた】


//ありがとうございました! なかなか盛り上げられずすみませんでした。。
29 :“蟲の唄い手” ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/24(木) 00:26:07.43 ID:EVDj0KVno
>>24

【驕りに染められた言葉を聞き、やはり静かな怒りを燃やし続けていた】
【いつか、痛い目に遭わせてやる──ワームシンガーに芽生えた僅かな復讐心は】
【先程結んだばかりの協定の存在をも希薄にさせてしまう程、強烈なものであった】


「──世界を呑む蛇がいたとしても、僕たちは生き残るだろうね」
「そちらこそ、次に会う時まで“内面に”呑まれないように」


【怒りに囚われてはならない──ウォープリーストの教訓を思い出す】
【感情は理性を狂わせ、眼前にある物事を正確に把握できなくさせるから】
【──しかし、時々はそうであってもいいだろう。信仰対象を穢された復讐は、いつかさせてもらう】


【────】


【住居の壁をダガーナイフで引っ掻けば、其処に時空の割れ目が生じた】
【その扱いは非常に雑なもので──怒りに任せて振るったようにも思える】
【目は恐ろしいほどに虚ろ、胸の蟲の蠢きも激しいものになっていて──】


「もういい、やるよ。人理世界を蝕むんだ、今こそ“神”の神託に従う時だ!」


【かぁん、と音を立てて杖をつく。安息地に居る蟲は全て喜び勇み】
【千を超える数の蟲が、一斉に動き出す。管が揺れるほどの轟音を上げ、人理を破滅させんと行軍する】
【最早、蟲の存在を強めるしかない。信仰を深めろ、贄を捧げろ。行軍を止められるものなら──止めてみろ】
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 00:43:03.78 ID:nbU6YXMi0

>>27

【返さなくても別に、と答える相手に少女は、えー駄目だよそういうの、(借りパクの)癖ついちゃったら大変でしょ?なんて口を尖らせて】

【相手がバイト先を告げれば】

ふりーく……ふぇす?変わった名前の食堂だね?
……うん、でも其処に行けば良いんだね?じゃあそうするね
【聞き覚えのない言葉にまた首を傾げ、若干変なイントネーションで店の名前を呟く】

【フードの下からのぞく顔付きは何となく櫻風で。どうやらそこの出のようだと気付いたのならこの不思議なイントネーションの謎も解けるのだろう】

【そうして、相手が止まない雨はないという言葉を口にすれば、良い言葉だね、と返して】

雨はいつか止む……か……
【天を見上げまた呟く】

【中々掴めない探し人達の手がかり、それから自分達に立ち込める魔制法の暗雲──】

【いつか全部終わるのだろうか、と思案して】


31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/24(木) 00:51:33.65 ID:VT1oYQX/0
>>30

「(ああ、やっぱり、可愛いな……)」

【反論する少女に、こう再び思い】
【どうにも、女の子には不慣れなのかもしれない】

「うん!おやっさんの料理は凄く評判がいいんだ、あ、僕もたまに作るんだ……」
「?」

【そう自分のバイト先の事を、簡単に話すも、その場が好きなのか、そう嬉し気に言って】
【そして……】 
【方言でも無さそうだ】
【妙なイントネーションに気が付き、そしてその顔をじっくりと見て】

「君は……その、桜の国の人?」

【恐る恐る、そう聞いて】
【何か事情があるのか、単純な旅行者と言う訳でも無さそうな少女だ】

「うん、雨の後には青空が広がるから……」

【何か思う所があったのか、そうしみじみと】
【そしてどことなく寂し気に】
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 01:05:19.79 ID:nbU6YXMi0

>>31

へぇ!食べてみたいなー!
…… えっ、君も料理するの?凄いなぁ!
【"おやっさん"の料理が美味しいと聞けば少女は興味を持ったように目を丸くし】
【また、少年自身も料理をするのだと聞けば素直に驚く】
【そうして、私も今後の為にちょっとずつ練習してるんだけどねー、なんて笑って】

【相手が恐る恐るといった感じで出身を尋ねれば、うん、と頷き】

そうだよ、櫻の出身……って、まだ名前とか言ってなかったね
私は銀ヶ峰(しらがみね)つがる、君は?
【どうして恐る恐る尋ねたんだろ?とでもいうように答え、名乗る】

【そうして、相手の言葉に】

青空……早く見られたら良いね
【そういって笑って見せる】
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/24(木) 01:17:22.53 ID:VT1oYQX/0
>>32

「うん!是非来てよ!賄いも僕が作ったりするんだ」
「何なら、料理おしえてあげるよ!」
「その、僕は一人暮らしだから……」

【食べてみたい、と言われれば嬉しそうにこう言って】
【だが、少し影がある口調で最後はそう言って】

「やっぱり、その、この国にはどうして居るのかなって思って……」
「僕はリュウタ、リュウタ・アリサカ……白ヶ峰つがるちゃん、綺麗な名前だね!」

【恐る恐るこう聞いた】
【話せない事情や、何か特別な事情等があるのでは、と思いつつだが】
【やがて、自分も名前を名乗った後は、心の中でつがるの名前を幾度となく復唱し】
【さて……もし、つがるが人間以上に魔翌力に敏感ならば】
【あるいは、人間以上に鼻が利いたらば】
【時折感ずる、自分に近い魔翌力、しかし同じではないまでも人間とも違う魔翌力に】
【あるいは、人では感知できない匂いに、気が付くのかもしれない】

「うん、見れるさ……いや、見れるようにしないと……」

【どんな意味があるのだろう】
【人の心に、この世界に晴れ渡る青空とは?】
【やがて、ややあって】

「つがるちゃん、マスクドライダーの都市伝説って知ってる?」

【都市伝説マスクドライダー】
【何処からともなくバイクに乗って現れて、悪い能力者や魔物を倒し人間を助けるヒーローの都市伝説】
【良くある話で、別に珍しくも、面白くも無い話】
【それなりに話される他愛もない噂話で、つがるが知っていても知らなくてもどちらも不思議ではない】
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 01:45:28.02 ID:nbU6YXMi0

>>33

えっ!?料理教えてくれるの?
わぁ!じゃあ行ってみようかなーっ!
【料理を教える、という言葉に食いつき、目を輝かせる少女】
【だがその直後相手が少し暗い口調で付け足した一言に何かを察したのか、えっと……と口ごもり】

何か……ごめんね?
【その……と言い淀み】

【相手が恐る恐るこの国にいる理由を尋ねれば彼女は少し考え込んで】

んー……内緒!女の子には秘密の一つや二つあるものでしょ?
【自分の口許に人差し指を持ってきて笑う。なんだか若干どや顔で。多分一度そんな感じの事を言ってみたかったんだろう】

【そうして、相手の名前を聞けばリュウタ君ね、改めてよろしく!と笑うのだが】
【何処か違和感を覚えたのか一瞬訝しげに瞬きをする】
【何か、微かだが変わった臭いがする、ような──そんな気がして】


【青空を見られるようにしないと、と呟くリュウタ。その言葉が不思議だったのかつがるは目をしばたかせ】
【ややあってマスクドライダーの都市伝説を聞いた事がないかと聞かれれば、あっ!と小さく口にする】

知ってる!悪い奴をやっつけるヒーロー、だよね?
……それがどうかした?

【彼女自身が行っている一種の"仕事"。特定の組織や人物に関する情報収集、なのだが】
【その情報の範囲は広く真偽不明の噂レベルのものまで取り扱われている】
【その為か、他の関連性のない噂やら都市伝説のそれまで入ってくるようで】
【その辺りちょっと詳しかったりもする、らしい】



35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/24(木) 02:04:00.47 ID:VT1oYQX/0
>>34

「つがるちゃんなら、直ぐに覚えられるよ!」

【親しくなれば、それなりに軽快に話し笑顔も見せる】
【そして……】

「あ、ええっと、うん、その……」
「大丈夫、だから、気にしないでね!」

【再び笑顔を作り、こう答えた】
【暗い顔にさせてしまった、と自分の表情や言葉を反省し】

「あ、う、うん!そ、そうだね!そう、だよね、ゴメンねそんなこと聞いて……」

【つがるのその年頃らしい少女の笑みと仕草は】
【少年の心を再びドキドキとさせるのには十分過ぎて】
【つがるがその違和感に気が付いたのは、少年には察する事は出来なかった】
【魔族の気配と臭い、これは解る者の方が少ないのだろう】
【最も少年もつがるの半分を流れる妖怪の魔翌力や気配には、気が付かないでいるのだが……】

「知ってるんだ、つがるちゃん、結構噂とか好きなんだね、僕も学校で最近聞いたんだ……根も葉もない噂話だけど」
「そんな存在が居るんだから、きっと青空が見れる日も近いのかなって」

【朗らかに、こう笑いながら、そう話す】
【この世界の人々に、曇りのない青い空は理想だけに終わるのだろうか?】

「あ、雨、止んだね……」

【見れば雨はもう止んでおり、雲の切れ間から日の光が覗いている】
【やはり、雨はいつかは止むのだ】

「じゃあ、つがるちゃん……またね」
「その……」
「ま、待ってるから!」

【レインコートは脱いで仕舞って】
【赤いオフロードタイプのヘルメットを被り】
【そしてバイクに跨り、エンジンを掛けてスロットルを捻り車道に出て行く】
【最後に、そう、緊張気味の言葉だけ残して】


//お疲れさまでした
//この辺りで〆でよろしいでしょうか?
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 02:33:37.25 ID:nbU6YXMi0

>>35

【大丈夫だから、と笑顔で言われれば彼女はまだ少し浮かない顔付きで頷き】


【少年から感じる違和感。それの正体はまだ掴めないままなのだが】

(……何だろう、反応がちょっと面白いなこの人……)
【自分の行動に何やらどぎまぎしているらしい彼の姿の方に興味がいってしまったらしくその事はすぐ頭の中から抜け落ちてしまう】
【何というかそれこそ何か見つけてしまった猫みたいに瞳孔を縦長にさせて相手に気付かれないようにじーっと見て】


ん、まーね……
【噂話とか好きなんだねと言われれば誤魔化すように笑って】
【噂かもしれないけれども、本当にいるとしたなら、なんて考えて】

【見上げれば少しだけ見える青い空】

……うん、また会おうね!
【小さく手を振って相手を見送ると】

さーて!私も青空が見られるように頑張んなきゃな!
【力強く頷いてまた歩き出すのだった】


/絡みありがとうございましたー!

37 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2018/05/24(木) 11:46:56.03 ID:Rf7PDIjL0
【どろり、どろり、どろり。穢れに塗れた粘着性の物質が、"彼女"の太ももをだらだらと滑り落ちていく。】
【脚と脚の付け根、"こうなるまで"は手入れだってどんなに忙しくても欠かさなかった語れぬ秘所が、ぐちょりと嫌な音を立てる。】
【動かない右脚を、無理やり動かす。激痛―――というよりは、鈍痛が響いた。骨折はまだ完治していない様だった。逃げようにも、これでは無理だった。】

【あらぬ方向に曲がっていた脚は現在、接続方向こそ"飼い主"の意向により元に戻され、簡易的なギプスすら装着していたが】
【それでも一か月やそこいらで自然治癒出来るものではなくて。幸い、後遺症こそ出ない類の"折れ方"ではあったのだが―――ともかく。】
【この脚で逃げることなど叶わず。"彼女"は痛む足を引き寄せて、太ももから零れ落ちていく白濁の粘液がふくはらぎまで伝わらない様、向きを変えた。】


―――ぅっ、……。 痛っ――――……ぁっ、はぁっ……。――――っ……! う゛、ぁぁぁっ――――……!!

【じゃらららら、と不気味な音。両手に繋がれた鉄の鎖が重々しくその音色を響かせた。金属縄の端は彼女を囲う無機質な壁面の上部に繋がれており】
【機械仕掛けが施してあるので歯車で鎖を巻き取ったりすれば、繋がれた両手は無残にも万歳の姿で頭上へと持ち上げられ、白い肢体を壁沿いに晒す事になるのだが】
【簡易的な拘束装置、或いは処刑用道具にも似た構造であった。それはつまり、"彼女"がそういった物に繋がれる存在―――"奴隷"や"囚人"に近い扱いを受けている事を意味した。】

【逃れようと必死に藻掻いたのだろう、手首を戒める手錠部分には多量の血が滲み、皮膚もまた彼方此方裂けて醜い傷を見せつけていた。】
【服装はもっと酷かった。今着せられているのはレース姿の下着のみ。黒と紫を基調としたデザイン、煽情的で情感を誘う様な"見せつける"造りの其れ。】
【全身を締め付けるような食い込んだ縁取りのブラック、白い肌を隠し切れないパープルレース、そして所々で肌をわざと露出させたデザイン―――例えるならば、そう。】

【鎖に相応しい様な、踊り子。惨めな奴隷。貧民。上流階級の玩具にされているのが一目でわかる、そういった―――"屈辱的"な格好。】
【大きく実る二つの丘は下着のタイトな造りに半ば零れ落ちかけており、またその先端は"わざと"隠せない様桃色を咲かせてしまって居て、下腹部は―――】
【"遊ぶこと"を大前提に編まれたアンダーウェアである事を物語る酷い構造になっていた。覗く肉付きの良い太ももが、無理やり中央を隠すよう固く、硬く閉じられていた。】

【そうして、身なりだって酷いもので。美しく少しクセがあったショートヘアの金髪は今や、何度"無理やり掴まれた"のか分からぬほど】
【握られ、引っ張られ過ぎたのだろう、グシャグシャと散って先端が痛々しく垂れており。頬は幾たび殴られたのか、唇からは血が止まらない。】
【割れてはいずとも鍛えられた腹筋は青い痣で埋めつくされ、蝋燭や鞭の跡が余りにもまざまざと残る。通電の焼けどは体の彼方此方を覆っており―――】

―――っ、ぁぁ……ぁ、ぁ、あ、

【脳裏に思い浮かぶ。ほんの数時間前までの屈辱。嬲られ、好き勝手弄ばれ、ぶたれ、蹴られ、物の様に扱われた記憶が】
【―――"彼"の興奮と情欲を受け止めるだけの"捨て場"と化した自分の記憶が―――その悔しさと痛さとそして快感が、全身に走る。】
【鳥肌が立つほどの感覚、思わず言葉が漏れる。声が漏れる。いやだ、やめろ、くるな、やめて、もう―――自分の声と彼奴の声が、"混ざり合って"】

っ、えっ、ぅ、えぇぇぇぇっ……! お゛ぇ゛ぇ゛っ……!! げほっ、かふっ……!!
ぁぁ、ああ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、ぁぁぁぁぁぁぁっぁぁ――――――――……。

【激しいおう吐。出てくるものは液体だけ。吐き過ぎてもう、何も出てこない。】
【UNITED TRIGGERが創設者、セリーナ・ザ・"キッド"はそこに居た。レボルツィオーン社、研究所。】
【牢獄で囚われれの身、世の中の流れがどうなっているのかすら分からず―――ただ、彼女は涙を吐しゃ物の中に落とした。】

/恐らく次の返事は夜遅くになってしまいますが……一応、投下です。
38 :ヴァルター=アルメクス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 13:04:14.36 ID:2+j6xBIB0
>>37

【――――牢獄をのぞき込む廊下。その少し遠い所から――――閃光が迸り、周囲の空間を短く照らし出す】
【その異変は、牢獄の中に繋がれた『彼女』にも視認できるだろうか――――ひどいコンディションに俯いていた、彼女にも】

【やがて――――カチャリ、カチャリと、少し金属的な響きの、断続的な音声――――足音が、近づいてくる】
【ここまでくれば、もうその出来事は分かるだろう。誰かがその牢を――――セリーナの捉えられた、その牢獄を目指してやってくる】
【そして鉄格子の前までやってきた足音は止まり、逆光気味にその姿を見せていた。深く、重々しい沈黙を湛えながら】

【目元の黄色いバイザー以外の全てを、黒のパーツで構成されているヘッドギアを被り】
【胴体部に砲口、そして両腕にも多数の武器と思しきパーツを備えた、青を基調としたカラーのメカニカルな全身スーツを装備した】
【一見すると何かのロボットと見紛う様な、ヒーロー然とした男が立っていた】

【胸部装甲には、青い文字で『H.E.X.A.』と塗装されている】

【数秒ほど、何も言わずにその中の有様を――――目を背けたくなるような、或いは下種の類なら口元を緩めるような光景を、何も言わずにじっと見据えると】
【素早く左右へと視線を飛ばし、外のコンソールから開錠を操作――――その機械鎧を纏った男は、室内へと足を踏み入れてくる】

――――時間がない。そして、今はまだ、君を救いだすだけの手筈が整っていない。救出対象を抱えながら強引に突破するのは、あまりに困難な場所だ……
だから――――良いか。俺の言葉をよく聞くんだ。分かるか……まだ、折れてないか……ッ?

【いつの間にか、右手に赤い液体の満ちた小瓶を取り出すと、それをセリーナの口元へと強引に押し込もうとしながら、男は声を潜めて囁く】
【薬の中身は――――傷や体力の回復に使える、魔法薬だ――――わずかな備えを、そのままセリーナに摂取させようとしたのだろう】
【嘔吐をそのままにしていては、食道や、下手をしたら気管を爛れさせ、命に係わる。それを心配したのだろう】

……ここの中に入るまではできても、この鎖を砕いた瞬間、恐らくはバレる。そして、ここの手勢が押し寄せてくるまでに2分と掛からないだろう……
だが、『外』は少しずつ、ここに近づいている。分かるか、だから聞け。まだ正気なら……俺の言葉を、聞け……!

【――――恐らく、精神的なダメージで、セリーナが参ってしまっていないか、それを心配しているのだろう】
【男は繰り返しそれを聞きながら、油断なく周囲を誰何する――――分かりやすい力を纏ったこの男でも、ここには『忍び込む』ので精一杯だったのだろう】
【恐らくは、セリーナにとっても聞き覚えのない声――――だが、言葉が届くなら。彼女の『味方であろうとする意志を持った人間』である事は、伝わるだろう――――】
39 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 13:29:52.57 ID:2+j6xBIB0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 森林】

が――――っぶ、ゥヴァ……ッ……っぐぉ――――!!

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【全身から細かく、小さいながらも無数の傷口から血を流し、そして今、口から血交じりの胃液を嘔吐し、蹲っている】
【ビタビタっと地面の草を汚すその吐瀉物は――――そばに、そっくりなものが2つ転がっていた】

っ、がふっ……! …………神経戦なんだよ、今俺がやろうとしてるのは…………!
「止せ、それ以上余計な事をしても――――、ッう!」
――――神経戦だっ、っつっただろうが……ッ!! 効率だとかっ、そんな利口な口を聞いたらっ、その瞬間に負けなんだよッ!!

【そばに、黒い色の、同じような服装をした青年が止めに入るが――――その顔面を偉丈夫は横っ面から殴りつける】
【フラフラと、幽鬼の様に立ち上がりながら、震える手で偉丈夫は再び根を構える。今日、何度となく繰り返してきた動きを、もう一度――――】

――――――――ソニア、ソニア……必ず……必ずだ、っ…………必ず、お前を取り戻して……やるからよ…………っ、少し、待ってろ――――ッ



【――――所変わって、水の国 路地裏】

全く、人を休憩させてもくれないんですかこの辺は? 私はただ、今日はゆっくり変わった散歩道を行きたかったってだけなのにねぇ
それともあなた方、私に会いたかったとでも言うんですかね? だとしたら歓迎しますよえぇ、私の方はね……!

【切れ長で涼しさを感じさせる瞳が、艶のある短い黒髪の中で映える顔立ちの】
【医療従事者用と思しき白衣を着こみ、ポケットからはステンレス製の細長い箱が覗いている】
【頭に、白いつば広の帽子を被っている、身長160p前後の女性が】
【足元に、3人組の暴漢を組み伏せて、呆れ果てた様子でため息をこぼしている】
【多少その白衣に汚れが見受けられるものの、腹部に強烈な一撃を食らったように蹲っている男たち――――恐らく、この女性に手を出そうとして返り討ちにあったのだろう】

丁度ねぇ、少しばかり試してみたい事があったんですよ。でも、実験材料が足りなかったんですねぇ……分かりますか、「渡りに船」って奴ですよ
お誂え向きに木人形(デク)が見つかったという事で……!

【男のうちの1人を、襟首掴んで引き上げると、女性はその手に細い金属の鍼を構える】
――――慰謝料は、あなたの身体で結構。命にまではしたくないけど、保証はできないから……頑張りなさいな……!

【そっと男の喉元に鍼を宛がう女性。もはや主客は逆転した。残る2人も、傷と恐ろしさのあまりに、震えている事しかできなかった――――】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 15:53:49.35 ID:K2NBvw0b0
>>39

【水の国ーー路地裏】

【風に乗って、かすかに何かが聞こえたような気がした】
【初めは気にせず家に帰るいつもの道をぼんやりと歩いていた。黒く長いスカートを引きずって、風に白いヴェールを泳がせて】
【何気ない帰り道。ぼーっと歩いていたかもしれないし、もしかしたらいい天気だなあなんて思っていたかもしれない】
【でも、耳に届いた音が呻き声だと気づけば、一気に意識はそちらへーー路地裏へと続く細い道へと誘われて】
【恐る恐る入って行った。狭い道をするりとぬけ、薄暗い路地に顔だけを出すように覗かせて】
【ーー人が苦しんでいれば助けないといけないと思っていた。急な病魔に襲われて倒れたのかもしれないし、上から物が降ってきて怪我をしているのかもしれないって、考えてた】
【でも飛び込んできた光景は違っていてーー】
【三人の男を組み伏せる女性が見えて。思わず「えっーー」って声が出て】
【女性が何かを喋っている、ような気がする。後ろ向きだからよく聞こえないけど】
【そのたびに男たちは震えてーーしまいには引き上げられて】
【詳しい状況はわからなかった。でも、光景を見ていた少女は長いスカートを翻して走り出す】
【波打つ裾がひらひらとその場にいる誰かの視界に入るだろうかーーそして少女は】
【男を引き上げる女性の腕を、両手で包み込むように触れてーー】

あの、もう、やめてあげてください……

【震える声だった。精一杯の勇気を振り絞ったかのように、か細い声だった】
【詳しいことはわからないけど、少女の目には女性がやりすぎているように映ったようで】
【若葉の瞳に涙を溜めて、お願いするように女性を見つめるのだった】
41 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 16:09:57.04 ID:2+j6xBIB0
>>40

さあ分かります? あなたの身体に鍼が入っていくのを……うまくすりゃあ、あなたの経穴を突いて、心肺機能が跳ね上がりますが、下手したら呼吸できなくなって窒息死ですよ……!
立てた仮説を実証する機会、中々無かったもんでしてねぇ、襲い掛かってきた分はこれでチャラにしてあげますよ、えぇ……!

【ゆっくりと、喉元に鍼が入っていく。ユルッと、ごく小さい血の雫が鍼を逆に伝って滴っていく】
【周りを威圧して動きを止めさせ、自分自身は鍼の動きに集中してゆっくりと――――そんな風に、慎重に楽しく『実験』を行っていた時だった】

ッッ!?
ちょ、ちょっと何なんですあなたは!

【男の襟首を掴み上げている腕に、誰かの手が重なる。その時になって女性は、すぐそばに第三者がいたことに気づいて、ギョッと振り返った】
【危うく鍼を抜く。下手にくじってしまっては『実験』どころでなく失敗、下手したら大事な鍼が折れてしまうかもしれない】
【そうした対処とは別に、女性は止めに入ってきた少女に向き合う】

――――悪いですけどねぇ、先に手を出してきたのはこっちの3人の方なんですよ、分かります?
数を頼みに、私に何をしようって思ってたんですかねぇ……財布だけならまだ可愛げがありますけどねぇ……
これは、負けたら負けたでちゃんと通さなきゃならない『筋』って奴なんですよ。さあ、分かったらこいつらが気を持ち直さない内に、離れた方がいいですよ?
私は無理でもあなたならとか、企まないとも限りませんし、そうなると不味いですし?

【襟首を掴み上げながら――――それだけでも、結構な力だ――――女性は、止めに入ってきた少女に相対する】
【自分は襲われた方なのだから、返り討ちにして、そして今、落とし前をつけているところだ。邪魔をするな――――そういう主張を、やや喧しく告げて】
【言い切るだけ言い切ると、足元の2人の男が気を取り直さないように、爪先で1発ずつ蹴りを入れて、もう1度男に向き直った】
【無慈悲な金属の鍼が、もう1度構えられる――――】
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 16:37:08.29 ID:K2NBvw0b0
>>41

【瞳が、自分に向けられた。こちらが何かされたわけでもないのに、視線がジリジリ熱い】
【ついで女性が声を上げれば思わずたじろぐ。ぱっ、と両手を離し、怯えが消えない瞳でもう一度女性を見た、ずり、と靴底が地面に擦れる音がする】
【ちらりと視界の端に光るもの。それが鍼だとは気づかなかったけど、少女はまだ震える声でーー】

あなたが無事だったのはよかったの……
三人の男の人に襲われて、返り討ちにしてしまったのは本当に、本当にすごいと思うのだわ

【状況が少しずつ読み込めてくる。どうやら悪いのはこの三人。女性は自己防衛したに過ぎない】
【ーーでも】
【視線を下ろせば男と目が合う。彼が自分に視線で何かを訴えてきているような気はするんだけど、何を言いたいのかは彼女にはわからない】
【もう一度、女性に視線を戻す。そして、また何かしようとする手にそっと、細い指を添えたーー】

もう、こんなに苦しそうなのだもの、逃げ帰るだけで精一杯だと思うの!だからきっとこれ以上、あなたの事も私のことも酷い目に遭わせようだなんて思わないはずなのだわ!
筋、てのはよくわからないけど……こんな痛い目見たのだから、この人たちはもう悪いことはやらないと思うの!

【「ね!」って、男たちを見てーー】
【お人好しという危機感がないというか、そういう少女なのだろう】
【路地裏には似合わないような、白いヴェールとゴシック調の黒いロングスカートを身にまとった少女は、もう一度女性をみて「お願い、許してあげて」って、言うのだろう】
43 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 16:48:10.61 ID:2+j6xBIB0
>>42

……そりゃあ、ね? そうじゃなかったら、こんなところ歩きませんよ。危ない危ない……

【肩をすくめながら、女性はため息をこぼす。もとよりそうした事態に合う事は承知の上で、対処までを考慮に入れてやってきたのだ】
【それならば、相応に自信があるという事になるのだろう――――即ち、荒事に慣れているという事で】

――――甘いですよ。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」って言うじゃないですか。こいつらどうせ、ここを凌げば「次はこうはいかないように」って、無駄な知恵を回し始めますよ
徹底して、分からせてやらなきゃいけないって事です、良いですか? ここで、折れるくらいに痛い目を見せてやらなきゃ、ダメって事です

【女性の目が、一段階冷たいものになる。少女の発言を、本気とは受け取らずに、ただのお人よしだと見たのだろう】
【ただ、目の前で誰かが苦しむのを見たくないだけ。恐らく本心では、別に彼らの善性を信じている訳ではないだろう、と】
【――――ただ、それでせっかくのチャンスを棒に振るのは、あまりに勿体ない】

――――「羹に懲りて膾を吹く」ぐらいで丁度良い……それに、私もこんなチャンス、逃すつもりはないんですよ
分かります? ――――「私は」「こんなチャンスを」「逃すつもりはない」んですよ……?

【やや難解な物言いだが「スープの暑さで火傷したため、冷たい汁物すら冷まそうとする」の意味で、必要以上に懲りる事を言う】
【それ位で無ければダメだろうと、女性は冷徹に言い放つ。そして――――この事態は、自分にとって望ましいものなのだ、と】
【つまり――――この女性とて、ただの無辜の巻き込まれの類ではない。方向性こそ異なれど、足元のケチな暴漢たちと同じ、決して『善人』の類ではないのだと】
【そして、そんな女性が、仄めかす形ながらに、はっきりと少女に向き合う――――邪魔をするなら容赦はしない、と――――】
44 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2018/05/24(木) 17:12:31.05 ID:Rf7PDIjL0
>>38

【吐き気だけが胃袋を刺激する。しかし詰められた物がもうない。食料こそ補給させて貰っている物の】
【"行為"が余りに激しすぎる上に、精神的苦痛と嫌悪感を催す"やり口"の為に大抵は吐き出してしまう事が多かった。】
【もう既に吐いてしまった昼食が、部屋の隅、だいぶ離れたところに広がっている。今口から出てくるのは、酸っぱい胃液だけだ。】

【鼻腔を突く嫌な臭いが更に嘔吐を強める。吐き出したい。体の内側を全て。綺麗にしたい。穢された個所を全て。】
【ここも、そこも、あそこも、どこもかしこも"アイツ"と、あの忌々しい"触手"に触れられた所は全て全て―――清めてしまいたい。】
【しかしシャワーを浴びたところでどうなる物でもない。一度穢されればそれまで、それが肉体を重ねるという事であり―――敗北するという事なのだ。】

【憎い。憎い。殺してやる。地獄に落としてやる。自分の蔦で首を絞め上げさせてやる。必ず後悔させてやる。】
【頭の中で何かが壊れぬよう、憎悪だけを加速させる。そうすれば、"堕ちる寸前"で留まれる。憎まなければ、恨まなければ、もう―――】

……っ? な……――――、なに……?

【震える腕に力を入れて態勢を立て直す。一瞬の輝き、がしゃりとした足音。眼前の牢に現れるのは一人の―――いや。】
【"一体"と、そう表現するのが正しいだろうか。そういう何か、機械と電気で構成されている事を感じさせる存在、ロボットがそこに居た。】
【或いは―――パワード・スーツか。鉄の鎧、そう言う事であれば自分にも理解しやすい。"同じ類"の武装で、正に機械仕掛けの鎧を纏って、自分も戦うからだ。】

……っ、やっ……やめろ、やだ―――くるな……っ! ぅ……―――っ!

【であれば。何事もなく開錠し、中に入ってくるその男を、セリーナは味方とは思えないだろう。どういう立ち位置であれ】
【本来ならば、もう少し冷静に対応できる。ブランルの手下なら鎧を纏う必要がないし、開錠も外からならだれでも出来る可能性がある。】
【そもそもが武装の類は見えない、"おもちゃ"の類も―――となれば、助けに来た味方である可能性が高い事を見破れる、筈だが―――状況が、違った。】

っ!? なっ、なに、っこれぇっ……うぐっ!? や、ひゃめ……えぐっ、ごほっ! けほっけほっ、やめ、はなせ……っ。

【男に対しては明らかな怯えを見せるだろう。それほどまでに判断力が弱っている状態、抵抗しようにも相手は機械。】
【両腕で突っぱねようとするが叶わず、そもそも力が上手く入らない。悪戯に相手を面白がらせてしまう様な状況とは、まさにこのこと。】
【無理やりにでもゴクゴクと喉を鳴らされれば、真っ赤な液体を体内へ。途中吐き出しそうになるが、大部分は呑み込めただろう。彼女は身体を強張らせ。】

―――はぁっ、はぁっ、……えほっ、こほっ……!
な、なにを……飲ませ……っ! また……"また"くすり! こんな、ものに―――っ!

頼らない、と……、何も、出来ない……ひきょうもの、おえぇっ……! う、ぐ……。

【朦朧とする意識が何かを訴えかけてくる。"救い出す"、"困難"、"救出対象"、"突破"―――】
【耳がようやっと情報を、状況を理解し始めた。何か言っている―――それも、どうやら味方としての言葉を、だ。】
【だがすぐには信じられないだろう。そうやって弄ぶつもりかもしれない、味方のフリをした誰かを派遣して、希望を持たせてから、折る―――】

【いかにもあの狂気の科学者が好みそうな戦法だ。持ち上げてから落とす。希望は絶望の前フリ―――そう言う事だと、認識し。】


―――っ! くっ……きたない、やりかた……! そうやって、あたしを―――っ、はぁっ……!
もてあそぶのが、そんなに、そんなにたのしいか! このげど……けほっ、けほっ……! げどう、めぇ……!


【脇に置いてあったプラスチック製の皿を、"HEXA"めがけ放り投げた。どうやら、心は折れてないらしいが―――信頼を勝ち取るには、まだ早い様だった。】
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 17:30:12.03 ID:K2NBvw0b0
>>43

……女の人にやられちゃってる時点で、絶対に折れてると思うのだわ!!

【庇っているように見えてあまり庇えていない発言だが、珍しく怖い顔をして、開いた瞳孔をみれば彼女が本気で言っているのが伝わるだろうか】
【少女はくるりと彼らの前に立つ。女性と、掴まれた男のと、少女と、崩れた二人の男ーー掴まれた男の後ろから覗かれる若葉の瞳が、女性に何か訴えるように潤んでいる】

見てしまったんだもの、あなたがその人たちに何かしようとしているところを
……何をするのかはわからないけど、たぶん、よくないことでしょう?
あなたにはチャンスでも、この人たちにとってはピンチなのだわ
それを止めないことなんて私にはできないの……
だから、お願い、その人のこと下ろしてあげて欲しいの

【倒れている二人の前に立ち、自分より少し背の高い目の前の女性を掴まれた男性越しにちらりと見上げて】
【この状況、どう頑張ったって恐怖は拭えない。指先は震えて呼吸だって無意識に早くなる】
【でも、この人たちがここで助かれば今後の彼らになんらかの道が開かれるならーーやり直すチャンスが得られるのならーー】

お願いします……

【小さく震える声だった】
【身体だって震えているのだけど、そこから退こうとする気配はまるでなくてーー】
46 :ヴァルター=アルメクス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 17:41:18.32 ID:2+j6xBIB0
>>44

(……ふざけてやがる。旦那が「怪しい」って言った、その嗅覚は間違ってなかったらしい。それが――――ここまで極めるってのは、どうなってんのよ一体……!)

【セリーナ本人の惨状とは別に、部屋の中『そのもの』にも意識が向く。まともに食糧も取れない様な――――否、「取る事が無駄になるような」行為が、繰り返されたのだろう】
【今はまだ、潜入――――つまり、敵地の真ん中なのだ。感情を下手に昂らせる訳にはいかない。だが――――抑えきれない怒りが、ヘッドギアの奥で、歯をカチカチと鳴らしていた】

……済まんな。時間がないんだ。それに、その身体……もう、強引にでもコンディションを整えるしかない。例え食欲がなくても、だ
外側の傷には、そう派手に作用させられない。だから、あくまで内側だ、内側のコンディションを整える程度にしか使えない
しかし――――それが今後、乗り越えられるかの差だ。今は持ちこたえてくれ。無責任な言葉に聞こえるかもしれないが……すまないな

【無理やりに突っ込んだ魔法薬を、セリーナは拒絶しながらも嚥下する。まずは一息、男はため息をついた】
【言葉通り――――手首の傷や、左足の骨折には、そこまで劇的な効果は生まれないだろうが、恐らくは――――ひどい風邪に掛かったように、脱力感とキリキリと差し込む痛み、そして発熱などは、和らいでいくだろう】
【――――あくまで「気のせい」で済ませられる程度にしか、癒してやる事は出来なかったのだ】

(――――錯乱、してる訳じゃないな。これはまだ「理性的な」敵対行動だ。猶予は、あまり無いかもしれないが……だが、ハッキリ言える。「まだ間に合う」んだ……!)

【カツン、と――――投げつけられた皿が、男のアーマーの胸部にぶつかり、弾かれる。あからさまな拒絶の態度だが――――却って、男は安堵した】
【――――理屈に沿った行動だ。まだ精神的に折れ切っていない。消耗こそしているのだろうが、まだ精神的に破綻していない】
【場の状況が状況ゆえに、それが一番の心配だったのだ――――男は、セリーナのそのリアクションが嬉しかった】

(――――とは言え、このままじゃ……時間がないというのに、伝えきれない。さて、どうするか……仕方ない、多少、遠回りになるが……!)

【それでも、事態は決して望ましいものではないのだ。この短時間の間に、セリーナに「救援の当てがある事を理解させ」「現状、心を折られないように出来るだけの支援を残していく」為には】
【まず、今のセリーナに、自分を信用させる必要がある。時間はいつまでも待ってはいない。だが、焦ってここで潜入がバレたりすれば、全ては水泡だ】
【――――難しい状況下で、男は。貴重な時間を惜しみなく使い、とにかくコミュニケーションを成立させようと思い立った】

――――見捨てられた存在じゃ、無いんだ。まずそれだけは、何があっても理解してほしい……
……俺をここに寄こしたのは、とあるギャングだ。そのギャングは……ラベンダァイスの頼みを受けて、俺を寄こしてきた。分かるか、君の仲間の、ケツァル・コアトル=ラベンダァイスだ……!
確実に、君の事を救うために、探し出そうと、動いている……俺は、その為にやってきた。だから、信じるんだ……!

【アーマーで全身を固めた男は、セリーナのそばにしゃがみ込み、薬を飲ませる以上のアクションを起こそうとしない。その段階は、まだ早いのだ】
【だからその代わりに――――男は1人の名前を出す。UTの実働要因にして、生物兵器――――ラベンダァイスの名前を】
【UTのメンバーとしては、あまり世間に知れ渡るような存在ではない。つまり、その名を「目的のために騙る」利用価値には乏しく、騙しの材料として適切ではない】
【そして――――そんな、フロントに出にくい彼女が『ケツァル・コアトル』である事も、男はハッキリと理解している】
【つまりは――――直接、ラベンダァイスとアクセスのあった人間である事の証明で。それはつまり、この施設の敵であり、セリーナの味方である事の証明なのだ】

【――――ラベンダァイスが捕まり、セリーナと同じような目にあって、情報を引き出された可能性――――それを、セリーナは考えるかもしれないが】
【そうなったら、ラベンダァイスは、容赦なく死ぬ事を選択する様なタイプである事を、セリーナが知らない訳ではないだろう】

繰り返すが――――時間に余裕はない。だから……俺の事を信用しろ

【そばに座り込み、それ以上何もせず、ただセリーナのリアクションだけを待ち続ける――――偏に、セリーナが結論を出す事だけを、待っているのだ】
47 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 17:54:37.57 ID:2+j6xBIB0
>>45

――――どうでしょうかねぇ、この手合いは、自分の無様を他人にぶつける事で、良しとするタイプなんですよ。あなたご存知かしら?
いじめっ子ってね、親の厳しさのストレスを、弱い子にぶつける事で発散する様なのが多いんですよ。いじめっ子は、いじめられると弱いなんて言うじゃありませんか……!
折れはしませんよ。より下に、下に……自分の踏みつけられる領域を、探し続けるだけですね……!

【――――空気が変わった。どうやら少女は本心からの叫びを叩きつけてきたらしい。女性は一瞬身を退きかけるも――――思い直してか、真っ直ぐに受けて立つ】
【世間の事を、どれだけ知っているか分からないが、こうも真っ向から否定できるという事は「知らない」のだな、と――――それ故に、受けて立つ】

――――それは、この男たちの肩を持つっていう風にとって構わないんでしょうかね? つまり、私がこの男たちに殴り倒されて、組み伏せられれば良かったと思ってると……!
そんな事を言い出すようなら、えぇ、容赦はしませんよ。私だって、いつまでも待ってやる道理はありませんからね……!
私の取り分を横から掻っ攫おうとするのも、私の敵の肩を持とうっていうのも、私は……許しません、さぁどうなんですかね!?

【女性の表情が、今度はついに――――怒りに歪む。尤も、それは大部分で恫喝の意思を持った、道具としての怒りなのだが】
【相手の少女を威圧するために、わざと大げさに打って出る。その言葉が一部で論理として破綻している事も、勢いで押しきり、無視する】
【ただ、「邪魔をするなら容赦はしない」。それを、直接的に言わずに、含みを持たせる形で伝えるためだけに――――女性は、そうして睨みつけるのだ】

――――さあ、それじゃあ言ってあげますよ。最後の警告って奴です……こんな事、そんなに言う事になるなんて思いませんでしたけどねぇ
「私の邪魔をするな」……分からないようなら、代わりにあなたを、この男たちの代わりに、実験台に使ってあげますよ……!?

【掴み上げていた男を、ポイと投げ捨てて――――女性は真っ直ぐに少女と向き合う】
【その手から――――ピリピリと電撃が迸り、ポケットに突っ込まれていた箱を、磁力でひとりでに開かせた】
【中に入っているのは、とりどりの鍼――――その名から、1本を電磁力で引き出し――――治療用ではない。『戦闘用の鍼』だ――――少女の顔をかすめる形で発射する】
【バキッと、アスファルトの壁面を一部砕いて、金属製の鍼が壁面に突き立つ――――下手をしたら、銃弾ほどの破壊力があるのかもしれないという、デモンストレーションだ】
【それを以って、女性は少女に最後の警告をする。余計な事で首を突っ込むなら、もう容赦はしない、と――――】
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 18:45:06.42 ID:K2NBvw0b0
>>47

【彼女の怒りの声を、俯きながら静かに聞いていた】
【自分が悪いことをしてめっためたに叱られる子犬のように小さくなって】
【転移の魔法とか、目くらましの魔法とか、そんなのが使えればよかったのかな、なんて頭によぎって。そんなのが許され使えるならそれでこの場から逃げちゃいたいくらい。怖かった】
【でもとある言葉に顔をあげる。ーーそれは違うって声を上げる】

あなたがやられればいいだなんて、思ってないの!
結果的に、強いあなたが勝ったのだもの……そこで終わっていたのなら良かったのだけども……
これ以上痛い思いを彼らがすることも、あなたが彼らに痛い思いをさせることもないって思ったから止めただけなのにっ

【掴まれていた男が離された。咄嗟に、逃げてーーって声をあげた】
【男たちは逃げて行くのだろうか。そんなこと確認する間も無く、?に何か掠めて痛みが走る】
【直接?に当たったわけではなかった、と思う。でもその柔らかな?を傷つけるには十分で】
【ぬめり、と?に嫌な感触。生暖かくてそれが自分から流れている事に気づくのに時間は掛からなかった】
【確認した左手が赤く染まる。左手につけた黒い宝石のアクセサリーが血に染まってーー】
【少女は驚いたように目を見開き、その場にへたり、と座り込んでしまう】
【まるで血を見たことが、怪我をしたことが初めてみたいに乾いた瞳で左手の血を凝視してーー】
【?の傷を覆うように手を添えて、女性を見上げた】

そこまで、あなたのことを怒らせるつもりじゃなかったの……
ごめんなさい、私…………

【何かを言おうとして口を閉じた】
【月に照らされた、夜の海色をした髪の毛が、血と汗のせいで顔に張り付く】
【口の端から震える息が漏れ、女性の殺気に打ち付けられたように、視線を女性から逸らすことができない】
【左手のアクセサリーを右手で握りしめーー動けなくなってしまったのかそのままの体勢でこの場の重い空気と、恐怖で固まってしまい】
49 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 19:06:19.45 ID:2+j6xBIB0
>>48

……じゃあどういうつもりだったって言うんですかねぇ。私に「あぁ危なかった」と、ため息でもついてそれで許せと?
それは事故の対応でしかないですねぇ。人の悪意に対してそれは、あまりに無責任すぎますよ、えぇ。相手にも、自分にも、どこかの、次にこいつらが目をつける他人にもねぇ!
こいつらの、自由な意思で。どこにもよらない、こいつら自身の意思で、私は襲われたんですよ?
――――最後まで食ってやる事の、何が悪いって言うんです?

【よろよろと、逃げていく男たち――――もう呆れ果てた様子で、女性はそれを無視する。わざわざ追いかける事もしないだろう】
【興が殺がれてしまったのだ。そしてそれよりも――――無視できない事態が、眼前に展開されている】
【少女の言葉に、女性はいつの間にかヒートアップする。道具として振りかざしていたはずの怒りに、自分自身が飲まれ始めている】
【その無垢さは、女性にとってはそれだけ奇異で、奇特なものだったかもしれない。その暗い本性を露にし始めた】

――――ここがどんな場所だか、分かって無いようですねぇ……
ここら辺は、こういうゴロツキ達が、下手をしたら日に1人ずつ、死んでいく、屍が転がる……そういう場所なんですよ?
今日は、本当にただの近道兼散歩で来ただけで、ここまでするつもりはなかったんですがねぇ、えぇ……そんな気分じゃありませんでしたし?
でも、こうも色々あって、なんかむしゃくしゃしちゃいましたよ私は?

【ほんのかすり傷――――少し警告というには派手だったが。それを受けて――――少女はそれだけで精神的なショックを受けてしまったようだ】
【へたり込んでしまった少女を見下ろしながら、女性は噛んで含めるように言葉を向ける。頭上からの言葉は、本来以上の威圧感を伴うだろう】
【苛立たし気に、鍼を1本、その手で引き抜くと。座り込む少女の背後へと、さっと素早いステップで回り込む】
【――――まるで、格闘技の心得があるような、小回りの利いた足の速さだ】

『実験』とは少し違いますが、少々思い知らせてやりましょうかねぇ……!
動くんじゃないですよ、こっちは打ち慣れた鍼ですが、それでも動かれると、致命傷になる経穴ですからねぇ……!

【背後に回り込んだ女性は、狙いを定めると少女の首の後ろ――――うなじより4pほど左にずれた個所に、鍼を宛がおうとする。後は、力を籠めれば刺していける、そんなポイント狙って】
【もしも、少女が、この女性の得体の知れない鍼技を受けたくなければ、鍼を宛がわれるまでに、抵抗しなければならないだろう】
【――――女性の方も、少女はおびえ切ったと判断している。抵抗するなら、ここが最後にして最大のチャンスだ――――】

/ただいま戻りましたー!
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 19:37:58.41 ID:K2NBvw0b0
>>49

ここがどういうところか……それは分かっているつもりだったわ
近づいちゃダメだよって言われてたし、私もそうしてたの
でも苦しそうな声が聞こえたから、私無視できなかったのだわ

【やっと視線が外せた。目をぎゅっと瞑って、頭から被ったヴェールをぎゅっと掴んで、チリチリ痛む?に当てて】
【自分がやったことは間違いだったのだろうか、男たちを助けない方が逆に世のためだったのだろうか】
【女性の言葉で考えたくない思想がゆらゆらと揺らめき、支配する】
【結果的には男たちは逃げていって助かったけど、自分の行動で今度は目の前の女性がこんなに怒るくらいに傷ついてしまった、そう感じてしまう】
【彼らと女性の立場が逆だったら、もちろんこの女性を庇っただろうし、だなんて話はただの空想だし意味なんてない】
【このまま立ち上がって逃げたところで、女性の武器のスピードには叶わないだろう】
【ああ、じゃあもうーーって】

……

【後ろに回り込まれる気配。狙われる首元】
【少女は動こうとしなかった。動きはしなかったもののーー】

じゃぁ、さいごにひとつだけ

【少し声のトーンが下がった】
【震えももう止まっている。振り返るそぶりも、抵抗するそぶりも見せない】

私はあなたにだって危険な目にあって欲しくないのだわ
だからもう、危ないところってわかっているこんな場所に、散歩で入らないように気をつけてほしいのだわーー

/おかえりなさいませー!
51 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 20:04:28.06 ID:2+j6xBIB0
>>50

――――はぁ……やれやれ。分かりましたよ、分かりましたが……甘いですねぇ。甘すぎですよ、チョコと蜂蜜とあなたと、どれが一番甘いんでしょう、比べてみたくなりますよ……!
分かっているなら……ここはそういう、殺されても文句の言えない場所だって事、もう1度頭に叩き込みなさいな。踏み込むって事は、この場のコード(合意・暗黙知)に同意したって意味になるんだってね
じゃなきゃあなた、下手したら……あの世で泣く事になるんですよ? 私は御免ですねぇ、そんな風にしてこの世界におさらばするのはねぇ……!

【もうモノも言えないといった風情で、女性は深く詠嘆のため息を吐く。まさかここまで純粋に「利他心」で動くような、希少な人間と、自分が遭遇する事になるなんて、思っていなかったのだ】
【もはや、少女には一片の他意も無いのだと、理解せざるを得なかったのだが――――それでも、それとこれとは話は別である】
【そんな親切心で、ノコノコとこんな場所に踏み込むことを繰り返せば、命がいくつあっても足りないだろう。自分の様な、腕に覚えのある人間とも思えない――――】
【なんだか、怒りも呆れも通り越して、哀れみに似た感情が浮かび上がってくる。こんな無茶な首の突っ込み方をしたのか、と――――】

――――残念ながら、それは無理な相談ですね。もう、少しばかりこういう危険に踏み込まなきゃ、ならない情勢になってきてますからねぇ残念な事に……
そして、それはむしろ私の言うべき言葉だと思いますよ? こういう場に踏み込むなら、せめて自分の身ぐらい守れるようになってからにしなさいってねぇ……!

【まるで遺言の様な少女の言葉に、女性は鼻を鳴らす――――今はもう、『表』の顔だけでは、自分の望むものは手に入らないのだ】
【それを理解しているからこそ、女性は木人形(デク)を求める。今度は少女が、それに巻き込まれるのだ】
【自己を顧みるべきなのは、少女の方だ――――冷徹な女性は、鍼をポイントに宛がいながら、そうして宣告する】

――――さあ、動くんじゃないですよ。鍼が入っていくまでに動かれると、あなたは死にかねませんからね――――!

【そして――――打ち込みの準備は完了した。女性はゆっくりと力を込めて、少女の首筋に鍼を刺していく】
【――――見た目程に、予想ほどには痛くないだろう。通常の鍼なら太さは1o以下、それがこの鍼は3oはある。痛覚神経を避けるなど、無理なはずのレベルなのだが】
【女性はどうやら、それ相応に『裏』での腕の立つ鍼使いらしい。さしたる痛みも無く、少女に鍼を刺し進めていく――――ただし、首筋の異物感はどうしようもないだろう】

さあ――――反省なさい。頭がごちゃごちゃになるまで……こんなところに来るんじゃなかったってね……!
“Lighting Strikes Again”――――電磁の女王が命じます。心を千々に乱しなさい――――!

【そうして、鍼が特定のポイントまで到達したのだろう。女性はその手から再び放電――――鍼を通じて少女の身体に、チリチリと電磁波を流し込んでいく】
【――――鍼の、鍼らしい効能を最大限に発揮して、女性は少女に対して折檻を行ったのだ】
【その効果は――――脳内麻薬の、強制増幅。――――徐々に、体が暖かくなり、体そのものが透き通っていく様な、透明な解放感に包まれ――――やがて、訳の分からない嬉しさが胸にこみあげてくるだろう】
【同時にそれは、この状況に対して抱いているはずの恐怖心と混合され――――まるで、心地よくも奇妙な夢を見ているような混乱が、少女を襲うはずだ】
【悦楽と恐怖の混合物で、頭の中が満たされる――――それが、女性の、少女に対する「邪魔をした罰」であり「今後は無いという警告」となる】
【或いは――――味を占めた少女が、自分に対して好感を抱く様に「心が歪みだす細工」ともなりえる――――】
【ともあれ、こちらの鍼技は女性にとってはそれなりに慣れたもので――――無理やりに体を暴れさせたりしない限り、滞りなく終わるのだろう――――】



――――さあ、分かりましたか? ここがどんな場所で、私がどんな人間で、そしてあなたが、どれだけ危険な行為を行ったのか……!

【効果が表れだしてから10分ほど――――ようやく女性は、少女を解放するはずだ。首筋からゆっくりと鍼を抜き取り、改めて少女に厳しい諫言を向ける】
【命を取ろうとしないだけ、温情なのだろう――――危険人物である女性ではあるが、この時はまだ手加減をしたようだった】
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 20:51:08.10 ID:K2NBvw0b0
undefined
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 20:53:04.88 ID:K2NBvw0b0
>>51
…………蜂蜜が一番甘いと思うのだわ…………
ん、ん? んん??

【そういう意味の問いかけではないだろうに、しかし律儀に答えた少女。しかし流石にこれは疑問に思ったのだろう、声色にハテナが浮かんでいる】
【あれ、怒ってないーー? 私、生きてるーー?】
【眉間にシワを寄せると、ぴりっと?が痛んだ。血は乾いてべったりと顔に張り付いてしまっている】
【ただでさえ混乱している頭に、女性の言葉が降ってくる】
【まだ、振り返る勇気はない。女性の忠告ーーそれは最もだ。自分には『自分を守る術』は、ない】
【女性の声色に、呆れというか哀れみというか、そういうのが混ざっていることに気づけば恥ずかしそうにさらに俯いてーー】


あの、鍼って……?
え、死ぬって、なに、なにかしら、動かなければいいのかしらーーーーーー

あっ……何、なんか変っ……あ、やだ、やだなにこれ、んぅ…?!

【女性のいう通りに大人しく、抵抗もせず。死にかねないと言われれば驚いて固まってーー痛いのは大っ嫌いだけど、痛みというよりか……最初は違和感】
【それから直ぐに、言いようのない感覚が頭に身体にぐるぐると巡っていった】
【ぐわんぐわんと視界が歪むーー初めての感覚に次第に混乱し始めて】

やだ!!なに、こわい!!ううん、怖くない怖くない!ふふ、やだ、やだっ、ふふふふ
あっつーい!!の、きらいなの、うふふっ

//分割します↓
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 20:54:59.86 ID:K2NBvw0b0
>>51

【今、自分自身がどうなっているのか彼女は理解することが出来ないーー笑いながら泣いているのだけれど】
【薔薇の飾りのついた白いヴェールが頭から外れて夜海色の、綺麗に切りそろえられた長い髪がーー今はぐちゃぐちゃに乱れてしまっているがーー露わになって】
【黒いロングスカートがめくり上がっていつもは見えない白くて細い足が伸びていて。バタバタくすぐったそうにあばれている】
【そう、なっていることすら少女は気づいていないのだけれどーー】

【夢の中に引っ張られるーー知っている人が何人もいて、こっちを向いて話し合っている】
【お父様ーー】
【お母様ーー】
【村の民ーー】
【彼らは“私達”を指して月と太陽の話をしてたーーあぁ、知ってる知ってる。解ってるから!!】
【お願いだから触らないでーーどうせ長く生きられないならーー使われて死んでしまうのならーー】

【少女は叫ぶ。やめてやめてと言いながら。夢の内容が勝手に口にでる。喋っていることは気づいていないし、ケラケラ笑っている】
【やがて滲んだ若葉色の瞳を薄っすら開けて、くるりと半回転して。目の前にあったものーー女性の靴を掴んでーー】

【髪も服も頭もぐちゃぐちゃになってーー】
【鍼を抜き取られたのにも気づかないままーー】


ごめんなさぁい、ごーめーんーなーさーーい!もう許してぇ、ふふふ、ごめん、ね?
こわい、よう……なんか変なの、こわい、ふふふ怖くない
もう、なんでも……なんでも……

【夢の内容になのか、彼女のことを邪魔してしまったことになのか……笑いながら、泣きながら謝るのだった】

//>>53の続きです
55 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2018/05/24(木) 20:57:05.93 ID:Rf7PDIjL0
>>46

【さて、此処に幽閉されてから慰み者にされる毎日の中で、多様な薬を飲まされ続けてきた、強引にだ。】
【抵抗しようものなら触手で拘束されて無理やり口を開けて流し込み、それも上手く行かないなら注射でも、なんでも。】
【肉体の触覚が研ぎ澄まされる麻薬に似た薬品や、脳裏に働いて悪夢を見せる劇薬、身体を無理やり"興奮状態"に持っていくソレなど。】

【飲んで直ぐに効果が出てくる類の其れを飲まされ続けてきたが故に、肉体からの痛みが消えていっても油断はしなかった。】
【どうせこれも質の悪い媚薬の一種か何かだろう。痛みが消える代わりに得られる喜びが増すという様な、そんな物かと算段を立てる。】
【だが続く言葉にはようやく、セリーナ自身も疑いの目を向け続ける事に抵抗を持つ様になるだろう。ギャングと―――ケツァル・コアトル―――。】


……かえ、で、ちゃん……?

かえ、で―――、かえで……っ、かえでちゃんっ、……!
ぶじなの……かのじょ、いまは―――う、ぐっ……! はぁっ……。


【こんな状況ですら、出てきた名前に対し先ずは相手の心配をするあたり、この女は救いがない。】
【所詮は病気―――英雄病、とでも名付けたら簡単だろうか。そんなだから、こんな事になってしまうのだが―――】
【ともあれ、ハッとして相手を見やる。確かにカエデは秘匿された存在、名を知る者は彼女の味方と考えられるだろう、だが―――、】



(―――いや、いや。いやっ……違う! コイツは―――信じては、いけない!!)


【非常にまずい事に―――今回ばかりは相手が悪かった。そう、これは、こればかりは仕方がなかった。】



ふ、ふ……ふふっ、ふ……。


……、へぇ。かんが、えた……ね。 カエデの名前は……知る人しか、知らないから。
―――だませると、おもった? ばかばかしい……ブランルに伝えな、"その手にはのらない"……っ、はぁっ……!

アンタの"能力"なら、は、あくして、る……ってね……。
きょうかん、と……きょうめい、いったいか―――アタシの、心なんてもう……とっくに、"共有"されてるんだから……っ!


【さて、ここでヒーローに齎されるのは新たな情報だ。相手の能力は共鳴と共感。つまりは、マインドに深く影響する物。】
【セリーナの反応を見るに、ブランルという男が黒幕で、そして彼には脳内を覗かれている、という事実もここで伝わってしまうだろう。】
【そういう理由があるからこそ―――セリーナはまだ、まだ信じようとしなかった。だが―――同時にこうも想っていた。本当だったならば、どうすればいいか。】

(―――……カエデ。アタシを……さがして、いるの……? どうして……。)

(……何か、証明する方法……アタシが知っている回答を応えて貰う、というだけじゃきっと……。)

(どう、見破ればいい……彼は本物か、ブランルの差し金か……どっちだ、信じていいのか……。)


【それは甘い毒。信じてしまいたいという、美味たる嘘。セリーナは信じたくなっていた。】
【誰かが探しに来てくれるという事。誰かが助けてくれるという事を―――ただ、信じていたいと思い始めていた。】
56 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 21:14:58.26 ID:2+j6xBIB0
>>53-54

(……あなたより甘い蜂蜜がありますか……そしたら私の食卓に常備しちゃいますよ、全く……)

【――――だいぶ、この少女は『素』なのだろう。返事を返すのもそこそこに、女性はため息を吐いた】
【――――おかげで『実験』できなかったのは、腹に据えかねるところだが、なんだか、余計な独り相撲をしていたような気になってくる】
【片意地張らずに、すぐに解放してやるべきだったか――――そんな思いが顔を覗かせた】

(……どうかしら、感觉很好、不是吗?(たまらないでしょう?)……そして我怕(恐ろしい)……そのはずよ)

【恐らく、今訳の分からない世界にトリップしているのだろう。あるいは、過去の記憶のキメラの中にいるのだろう】
【体が好ましくグチャグチャになっていく様な、そんな快感を伴いながら――――ジタバタと暴れる少女を見下ろしながら、女性はニンマリと笑みを浮かべていた】
【この力を使えば――――鍼の技術と、電磁の能力を使えば、自分はもっと高みへと行ける。そして、望むだけのものを手に入れて、自分の人生を「最高」の位置へと引き上げる事が出来る】
【その為には――――ここでは、終われない】

おやおや……まぁなんとも愉快な夢の中に墜ちてきたんですねぇ……まぁ、命があるだけ儲けものじゃないですか……!
――――さあ、良く分かりましたか? ここら辺で迂闊な事をしてはいけないし、ましてや私に逆らったりしてはいけない、ねぇ……!
はい、分かったら、体が落ち着くのを待って……そして帰っていいですよ。今回のお代は、サービスしてあげちゃいますからねぇ……!

【どうやら、帰ってこれたらしい。自分の靴に縋りつく少女に、愉快気な笑みを浮かべながら、女性はしゃがみ込んで視線を合わせる】
【後はもう、余韻の中で刻み込んでやればいい。子供を寝かしつけるように、ゆっくりと言葉を少女の胸に浸していく】
【恐らく、混乱状態にある少女には、狙い通りにその言葉は沁み込んでいくはずだ――――それがどういう意味を少女にもたらすのかは、ともかく――――】

【そして――――脳内麻薬の暴走は、時間と共に落ち着いていく。もともと、人間の脳内で生成され、そして消費されるだけのものに過ぎないのだ】
【それが済めば、少女の身体も元通りの感覚を取り戻せるだろう――――尤も、その記憶は、心と体に深く刻み込まれたはずだ。あるいはトラウマの様に】
【それが、女性に恐れを抱かせるのか、それとも愛おしさを抱かせるのか――――それは、少女次第】

【ともあれ、動けるようになるまでは、女性は少女を見守りながらそばにいる事だろう】
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2018/05/24(木) 21:24:26.88 ID:vkGEYrBz0

【水の国・某所。様々な店が立ち並ぶ大通り】
【そこに面したとある大型書店から少女が一人、自動ドアを開けて出てきた】

ふー、とりあえず今日はこのくらいかな……

【空色の瞳を持つ少女は、白みがかった金髪を真ん中で分けた短めのツインテールをぴょこぴょこさせながら歩く】
【身長は155cm程度、黒い半袖のブラウスに白いショートパンツ、肩から小さなショルダーバッグを掛け──】
【この書店で買ったと思われる本が二十冊くらい両手で抱えている】

う、ちょっと買いすぎちゃったかも?おっとっと……

【たまによろつきながら歩を進める少女には、前がよく見えていないらしい】
【もし誰かが前を通りかかれば、ぶつかって本をばらまいてしまうことだろう──】
【ちなみに本の内訳は哲学や宗教学の専門書が多く、少女にしては渋いと思われるかも知れない】
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 21:36:24.80 ID:K2NBvw0b0
>>56

【女性の視線が、自分の目に合わさればーー】
【ぴょん、と飛びつくように抱きついてーー顔を近づけてニコニコと】
【子犬みたいにーー尻尾が生えていたらぶんぶんと振り回してそうな、そんな笑顔だった】

ねえねえ聞いて欲しいの!

【その体勢のまま、ぴょんぴょん上下に跳ねて】
【いい事をした後に、それをお母さんに報告する子供のようにいやに上機嫌で話し始める】

大きいお家と沢山の木のみがあったら滝ができるんだよ!

【紡ぐ言葉に意味は無いのだろう】
【まだ落ち着かない少女は嬉しさを前面に出すようにぎゅっと抱きつく腕に力を入れて】

でもクロは関係ないんだよ、知ってる?
それにねお肉だってお魚だってみんないらないし、コットンが沢山落ちているの!
あとほらぁ、シロがいじめるから……クロのこといじめるから……
シロは眩しいから嫌いなの……


……………ほっぺが痛い

【だんだん声のトーンが落ち着いてきて、やがて喋りすぎてピリリと痛んだ?で完全に正気に戻り】
【抱きついていた腕をそっと離して、なんとも言えない……嫌いなものを口に入れた時のような、そんな顔と声色で】

…………今のは、なに

【不安げに女性を見てーー】
【今までのことを覚えているような、いないようなそんなぼんやりした思考で絞り出した一言で】
59 :ヴァルター=アルメクス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 21:36:40.14 ID:2+j6xBIB0
>>55

(――――事務的に、必要な事をしただけだったが、迂闊だったか……考えてみれば『そういう事』にも、奴らの汚ぇやり口が及んでたとしても、不思議じゃない……ッ)

【先ほどからの警戒の理由に、1つ具体的な事情が思い当たり、男は己の迂闊を呪う――――必要だからと、無理やりに薬を飲ませたのが、失敗の元だったのだ】
【――――今まで、この施設の『クズ』どもに、強引な投薬など、されてないはずがないのだ。こんな格好で辱められているのなら――――そのイメージに被る行為を、自分はしてしまった】
【それでは、無駄に意固地にさせるだけだと、気づくのが遅かった。これでは、体を癒しても、心をより追い詰めたも同然――――バイザーの奥、今度は己の迂闊さに、男は唇を噛む】

カエデ……そうだ。彼女のミドルネームは『カエデ』だったな。今まで、特別な人間にしかその呼び方を許してないっていう、そのラベンダァイスだよ……!

【突破口は見えた。やはりその名前は彼女の心のキーとなるものだった。当然だろう――――今回の潜入をすることになった、直接の要因なのだから】
【カエデ――――それは『父』に送られた名であり、今まで、『父』と『ケツァル・コアトル』の仲間たち――――そしてセリーナにしか呼ばせていない呼び名だった】
【だが――――直後に態度は再び硬化する。何事かと言葉を待てば――――出てくる言葉は、至極恐ろしいものだった】

(ッ、心のきょうかんときょうめい……『共感』と、『共鳴』……!? 『ブランル』……そいつが、そんな真似を……なんてこった、それがこのセリーナが、ここで敗れた理由……!)

【まさか、セリーナが「自分の心が覗かれている」と考えているとは思わなかった。ある程度まだ頭は正常の様だが――――これでは、どうしようもない】
【つまりは、言葉はセリーナを説得しない。何か、この場に至るまで「前提となる出来事」――――つまりは、証明論で言うところの「前提条件」が必要なのだ】
【それを、今この場で用意しなければならない。そうしなければ、彼女に『救助を待つ』希望を与えて、折れかかっている心を保たせてやることも、できない】

(っ、そうだ……確かアレ! ……そうだ、こんな状態のセリーナに対しては不要かとも思ったが……逆だ。今こそ、この『お土産』が最高の効力を発揮する……!)

【――――そうした品物は、ある。男は先ほどの小瓶と同じく、腰からとあるアイテムを引っ張り出す。青色の細長い八面体、不思議なクリスタルを】

――――俺を寄こしたそのギャングが、「もしもの時には『君に』これを使え」と言った……謂れは、簡単に聞かされただけだが、君なら分かるんじゃないか?
えーと、詠唱のスペルは……そうだ――――スー(水)・ログ(浸食)・ラー(心)・ザン(レベル3)――――『リラクゼーション』……

【青いクリスタルをセリーナに向けてかざしながら、男はたどたどしくスペルを詠唱し、込められた魔力と術式を解放する】
【青く澄んだ光が、セリーナへと浴びせかけられ――――その心を鎮静化させ、精神的なダメージを緩和させる。同時に、肉体的な痛覚も、多少は和らぐだろう】

【――――恐らくは、セリーナは覚えているはずだ。細部こそ異なれど、その特徴的なスペルの詠唱によって発動させる、魔術の存在を】
【豪快に棍棒を振り回しながら、繊細に魔術で必要に応じた立ち回りをし――――かつて、セリーナの傷をバルオー(命) ・ログ(浸食)・ミル(慈愛)・ビン(レベル2)『マジックヒール』で癒した魔術師の事を】

【――――そのギャングは「セリーナの精神状態を憂慮して」持たせたのだが、それは同時に、セリーナの疑心を解くための役にも立つだろう】
【――――魔術師、レグルス、もしくはアルク――――今度は彼らとの繋がりが証明されたのだ。彼自身ではなく、そのギャングを通じた間接的な繋がりだが】
【先ほどから、存在の具体的にならない『そのギャング』も、却って『立ち回りの為に姿を明らかにしていない』事が、本物らしさになる。何より、これは『物的証拠』なのだ――――】

良いか、今度こそ聞く気になったか……? その時は、そう言ってくれ……俺も、本当に時間が惜しい
それに……君のそんな姿を見るのが、正直つらい……何もしてやれないなら、なおさら、だ……!

【これが男の『シロ』の証明。それを踏まえてもう1度だけ、男はセリーナに「自分を信用できるか」を問いかける】
【これで通じないなら――――後は、適当に置き土産を済ませて、この場を去るだけだ――――大事な事を、本当の最低限しか伝えられないまま――――】
60 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 21:49:58.73 ID:2+j6xBIB0
>>58

っ……なぁに?
(キマっちゃいましたか……まぁ、これならこれで良いでしょう。この子が何者かは知りませんが、少なくともこれで、敵にはならないはず……!)

【不意に抱きついてきた少女に、一瞬女性は気圧されるも――――もとより、そうした事態も考慮のうちだったのだろう】
【そっと、自分からも腕を回してその背中と髪を撫でながら、女性は続く言葉を待つ】

そうなの……キレイな夢を見たのね……えぇ、そう。凄いわ……凄いわよね……!

【相槌の打ち方も、対人スキルの一面である――――取り留めなく、或いはトリップした内容を興奮に任せて語っているだけなのだろうが】
【女性はそれを、静かに、そして少女のトーンに合わせて、相槌を打ちながら聞き入っている――――勿論、右の耳から入って左の耳から出ていく様な、聞き流す形で】
【恐らくは、その言葉はトリップした間に見た、意味のない幻影、或いは今まさに興奮の中で、脈絡なく紡がれている、中身のない言葉に過ぎないのだ】
【ただ、テンションを共有してやればいい。そのうちに落ち着くだろう――――女性の考えはピタリだった。やがて言葉のトーンもダウンし、女性は、少女が手を放す前に自分も手を解く】

――――今のは、私の鍼技の1つ。あなたの頭の中に、鍼を通じて電気を送り込んで、無理やり気持ち良くしてやったんですよ
でも、あなたはまだ、怖いとか、私が腹立たしいとか、そういう感情を持ってたじゃないですか。だからそれとぶつかり合って、めちゃくちゃな事になったんですよ、えぇ……
そういうのを押し流すほどに「気持ち良くしてやる」事もできると言えば出来るんですが、今回はね……あなたに反省させるために、わざと混ぜたんです
……そういう事をできるのが、私って事ですよ。まぁ、あなたをあの世に送ってやろうと思えば、もちろん簡単です。それこそ、眠るように、苦しむ事なく、ね……!

【少女の言葉の、その内容もハッキリとしてきた。それを受けて、女性は最初の素の態度に戻りながら答える】
【わざと、頭の中の本来の感情とぶつかり合って混ざり合う程度に、外から混ぜ込んでやって、トリップさせてやったのだと】
【――――その辺の鍼師にできる事ではない。彼女もまた、只者ではない事の証明と言えるだろう。文字通り、その身をもって味わったのだから】

――――ま、これに懲りて、分を超えた真似はしない事ですねぇ今後は。私だから良かったものの、もしもっとえげつない奴だったら……死んだほうがマシって事も、ありますからね?

【正気を取り戻した少女にそういうと、女性は立ち上がる】
【恐らくは、これで『終わり』という事なのだろう。これ以上少女を害するつもりも無いらしく】
【呼び止めなければ、そのまま歩き始めて――――その場から去る事になるだろう】
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 22:02:02.29 ID:K2NBvw0b0
>>60

鍼技……鍼で、あんなふう、に……?
し、信じられないのだわ、私、私……
本当に怖い人を怒らせちゃったのだわ!!

【夢の内容を鮮明に覚えているわけではない】
【でも、確かに不快でーーちらりと過去が呼び起こされたような……気がする】
【落ちていたヴェールを抱きしめて、まだ霞む瞳で女性をみては目をそらすを繰り返す】
【あんな体験をした後にまだ生きているのが不思議で……本当はもう彼女に殺されていてこれは死んだ自分が見ている夢なのではないか】
【そんなふうにも思えたけど、?はキリキリ痛む】

【やがて立ち上がった女性を視線で追う】
【どうやらこれ以上はなにもされないのだろう、と思えれば安心感で座っているのにさらに力が抜ける】
【歩き出す女性ーーあっ、て声を出して。女性が振り返っても振り返らなくても、立ち止まっても立ち止まらなくても】
【少女は最後に、その姿に向かって言うのだったーー】

気をつけて、帰ってくださいね

【疲れが浮かぶ笑顔で、その背中に力なく手を振ったーー】
62 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/24(木) 22:08:08.31 ID:2+j6xBIB0
>>61

……そんな「本当に怖い人」が、うようよといるのがこの界隈です。分かったら、気をつけなさいね
私だって、次はないんですよ、えぇ……次は……ないんです……!

【自分の技能が特別だという自覚は、女性にもある。だが――――それが奇跡の類かと言われると、そんな事も無いのだ】
【こうした技は、方向性こそ異なれど、使い手は探せば出てくる。そして、そうした面々は須らく、こうした空間に集まってくるのだ】
【それを思えば、少女がそうして恐れを抱いたなら――――今度は、迂闊な行為はしないだろう。それは期待出来ると考えた】

【――――呼び止められる言葉に、足が止まる】

(最後に言う事がそれですか……全く……)
……あなたこそ、帰り道に気を付けなさいな。今日の事……ゆめゆめ忘れない事ですよ、えぇ……忠告は、与えましたからね

【背中越しに、自らもヒラヒラと手を振って、女性はその場を後にする】
【――――何やら奇妙な出会いだったが、存外に自分も、楽しかったのかもしれないと、そう思いながら――――】

/乙でしたー!
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/24(木) 22:20:45.57 ID:K2NBvw0b0
>>62

はい!気をつけるのだわ!

【手を振り返してくれたのなら。こっちもさらにブンブンと、笑顔で振り返して】
【怖い人だった、けど本当に心底悪い人だったかと誰かに聞かれれば、彼女は首を横に振って否定するだろう】
【男たちは逃がしてくれたしーーくれた、と言っていいのだろうかーー結局は自分だって助かった】
【女性が視界から消えて、振っていた手を下ろす】

ーーんぅ……つか、れた

【どっと、疲れがおんぶするかのように襲いかかるーーぐわん、と視界が歪んだ】
【鍼を刺されたときとはまた違う、不快感のみの疲れ】
【そのまま前に倒れこむーー眠ってしまったのか、気を失ってしまったのかーー】


【数分後、その場所で立ち上がったのはひとりの少年だった】
【赤から黄に抜ける長い髪を一つに縛り、中華調の暖色の服を纏っている】
【陶磁器のような赤みのない肌に、光を許さない真っ黒な瞳】
【くらい路地裏に映える赤い少年は、しばらく立ち尽くしていたがやがてゆっくりと歩き出す】
【女性とは逆方向に向かって、足音も無くーー】

//絡みありがとうございましたー!!
64 :マリー ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/25(金) 21:40:47.93 ID:8GfKwpu2o
【日に日に能力者への風当たりが強くなりつつある今】
【能力を行使する者全てが悪ではないと証明するために、動いている者もいる】
【水の国の歓楽街を脇に外れた裏路地に──その女の姿はあった】


「ちょっと待ちなさいっての……ッ!!」


【明るいブロンドを両耳に軽くかぶさる程に伸ばし、装飾を廃した半袖のシスター服を羽織る】
【忌々しげな殺意を孕んだ目線の向こうには逃げる男が一人──その右手には、ナイフを握っていて】
【首から下るロザリオが朧ろな街灯を反射して煌き、ルビーのピアスが紅い光を灯す】
【両手に握り込んでいるのは先端に鎖が仕込まれた磔で、男に向けてそれを振るう】

【鎖がジャラジャラと音を立てて飛び出す、目標は男の足】
【正確に放たれた鎖は男の足を幾重にも巻き付き、磔を引っ張れば転倒して】
【しめた、と右足でナイフを蹴飛ばせば──女は四の字固めを彼に仕掛ける】


「ほらっ、観念したわね?女の子を脅して金を盗もうたって、そうは行かないわよ」


【いででで、とギブアップを宣告する男の様子が見えていないかのように】
【地面で伏せている男に四の字固めをかけたまま、男にそのような言葉をかける】
【暫くしたらそれも解いてあげるのだろうけど、鈍い悲鳴は表路地まで微かに響いていて──】
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/25(金) 21:58:30.52 ID://Ndl5Ck0
>>64

【男の悲鳴が響き渡った数秒後ーー】
【路地裏に射す光に一瞬影がかかる。まるで誰かが電灯の真下を横切ったかのように、ほんの刹那】
【音もなく現れたそれは、どんどん二人へと近づいて行く】

【やがて路地裏で戦う二人の視界に一瞬赤色が陰るだろうーーそしてその赤は音もなく二人のすぐ傍に舞い降りる】
【赤くて、毛先にかけて黄色く色が抜ける長い髪を一つに縛り、どこかの貴族のような……もしかしたら王族のような、中華調の暖色の服を身に纏いーー】
【陶磁器のような白肌にぽっかりと空いた、光を許さない底なし穴みたいな黒い瞳。それは男を組み敷くシスターに向けられている】
【身長160を少し超えるくらいの、齢16くらいの少年。彼はその場にしゃがみこみ、右手を大きく振りかぶってーー】

わーん、つー、すりー
カンカンカーン

【と、カウントを取り、柔らかな声色でゴングを鳴らせばゆるりとシスターに拍手を送る】

おめでとう、レディの勝利だ
そいつもギブアップしてるし、もう離していいんじゃない?あんまりそいつに触りすぎていないでほしいなあ、綺麗な女性だもの、なんだか汚れそうで僕は嫌だなあ

【コツン、と黒のロングブーツで男を蹴る】
【そして黒の瞳で男を一瞥ーー柔らかな口調には相反する、どこまでも冷たい黒い視線を落としてーー】
66 :マリー ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/25(金) 22:28:40.45 ID:8GfKwpu2o
>>65

【視界の隅を一瞬だけ赤が掠める──新手が来たかと警戒するに十分で】
【貴方の柔らかな口調も更に警戒を強めさせれば、彼のゴングに合わせて脚を解く】
【そして後方に跳躍、ブーツの底を地面に擦りながら着地する】


「拍手ありがとう、おかげで気持ちよく勝てたわ」
「……さて、ところで貴方は一体何者なの?こんなところにいる人が、まともなはずないわよねぇ」


【腰を落として相手の行動に警戒しつつ、両手で磔柱を握る】
【妙な動きをすればその鎖を同じ様に彼に巻きつけるつもりであったし】
【──闇を湛えたその瞳を注視しつつ、彼の返答を待っていた】
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/25(金) 22:41:20.77 ID://Ndl5Ck0
>>66
【黒い瞳が丸く開かれた。ぱちぱち、と二回はっきりした瞬きーーきょとん、とした顔で首を傾げる】
【考えるように口元に、黒い手袋をはめた指をあてがい、コツン、コツン、と音を立てて歩き出す】
【足をあげて踵を鳴らし、ゆっくりとした足取りで、女性の周りを歩き出す。その様子は攻撃的だとか怪しさとかは伺えないのだけれど、初対面の女性にはどう映るのだろうーー】

【やがて足音は止まった。女性にの隣に並ぶように動きを止めると、ふわり、と腰を曲げて女性を覗き込む】
【結んだ赤髪が揺れて、優しく微笑む顔がそこにある】

僕の事はシロって呼んで
何がまともで何がまともじゃないかわからない世の中だから、はっきり「僕はまともです」って宣言は出来ないけどーー
少なくとも、君のような美しいレディを襲うつもりは無いよ
だから、それ、下ろして欲しいなぁ……

【シロと名乗った少年がが見つめるのは、女性のもつ鎖】
【黒い手袋をはめた両手を後ろに組み、全く敵意のない笑顔でそう、言うのだった】
68 :マリー ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/25(金) 23:13:46.45 ID:8GfKwpu2o
>>67

【貴方の挙動は如何にも不審に見えるが──貴方自身は不審者に見えず】
【シスターは致し方なく貴方が隣に並ぶのを許すだろう】
【腰を曲げて此方を覗き込んできたなら、女は頬をちょっと紅らめて恥ずかしそうな顔をするのだけど】


「シロ、ね。私の名前はマリーよ」
「わかったわよ、仕方ないわね……。でも、何かしたらタダじゃ置かないわよ?」


【貴方に敵意のない笑顔を向けられれば、仕方なく磔柱を下ろす】
【自らの名前を紹介しさえすれば、呆れたような表情を見せて肩を竦め】
【地面で転がる男をどうしてやろうかと──そんなことを考えていた】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/25(金) 23:35:12.88 ID://Ndl5Ck0
>>68

マリーさん、だね。気品溢れるあなたにぴったりの名前、だね
僕を信じてくれた事、感謝するよ

【くるりと手をまわし、胸下に添えて深々とお辞儀。顔を上げれば、無機質な色味の顔とは反対の太陽のような笑みがそこにあって】
【そうすればまた、シロは手を後ろに組んで。たぶん癖なのだろう。隣に並ぶ事を許されれば今度はマリーの前へと立つ】
【ーーふと、視線は彼女が倒した男へと移る。足元で伸びる男。動かない男のを不思議そうに、あるいは軽蔑するように……少し表情の読み取りづらい顔で見下ろしていたけど】
【ーーごつ、っと少し強めに男の脇腹を蹴る。動かないのを確認すればまた太陽のような笑顔に戻るのだろう】

マリーさんを襲ったわるぅい男、でしょ?
いいんじゃない、放っておいて
目が覚めたらあとは勝手に帰るでしょ
あぁ、ほら、マリーさんの服
さっきのドタバタで少し汚れちゃってるよ

【と、マリーの脇腹から背中にかけて汚れているのを指摘して。勝手に触るような事はしないけど、手が届かない場所があるなら言えば手伝ってくれるだろう】
【それが終わればシロはまたマリーの隣に戻るのだろう】
【ただただ黒い瞳を細め、薄い唇に笑みを浮かべてーー】

マリーさん、今から暇?
僕と少しお茶しない?

【と、表へ続く路地を指差してーー】
70 :マリー ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/25(金) 23:50:34.83 ID:8GfKwpu2o
>>69

【貴方がお礼するのを見れば、警戒はやんわり解けてきたようにも見える】
【手を組むのが癖なのだろうか、先程も隣に立った時もずっと腕を組んでいるような気がして】
【貴方が眩しい笑顔を浮かべて目が覚めれば勝手に帰る、と言えば──そうね、とだけ言うのだろう】


「あら、ありがとう。良ければ背中の方、払ってくれるかしら」


【脇腹から背中にかけて土埃が着いてしまっていたらしい】
【右脇腹の埃は払ったものの、背中にかけて付着している分は取れず】
【貴方に払ってもらえるか、お願いをしたのだけど】


「──ええ、良いわよ?私も丁度、暇になったところだしね」


【貴方が表路地を指さして、お茶しないと声を掛けられたのなら】
【了承の意を告げて、貴方の後をついていくことだろう】
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/26(土) 00:15:56.01 ID:GVGcZ9kQ0
>>70

うん、任せて!

【頼まれればこくりとうなづき、後ろへと回ってぽんぽん埃を払う。その時に彼女を叩かないようにしていることに気づくだろうかーー綺麗に払い終われば、自分の手を払い、「おーわり!」って彼女の視界に戻ってくる】

【マリーが誘いに乗ってくれれば、嬉しさがにじみ出る歩き方で表通りへと先導する】
【まだまだ賑わう店が立ち並ぶ通りーー眠ることを知らないみたいにチカチカと眩しく輝っていて】
【シロはその中の端にあるカフェを指差した。ログハウスの可愛らしい外装のお店ーー中に入ればコーヒーの香りが二人をつつむ】
【カウンターで注文するタイプで、シロはオレンジジュースを指差す。そしてマリーにも選ぶように促せば、彼女の分のお代も出してしまうのだろう】
【「気にしないでいいよ」なんて言いながら渡された二人分の飲み物を席へ運びーーあまり混んでいない店内をすり抜けるように歩けば、一番端の席へと誘導して】
【彼女が席につけば、飲み物を渡して。やがて自分も座ればシロは口を開くだろう】

ねえ、マリーさんってシスター、だよね?
シスターってプロレスできるもんなの?
僕、本当はマリーさんのほうがやられてると思って慌てて駆け寄ったんだけど……男が負けててびっくりしたよ

【だから余裕こいてカウントをとったんだけどねーーって黄色のストローで氷を弄ぶように回しながら笑うのだった】
72 :マリー ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/26(土) 00:52:49.92 ID:2K4/HHuGo
>>71

【埃を払ってもらった後、ありがとうと微笑んで伝えるだろう】
【貴方に付いて歩いて表通りに出れば、目を突き刺すようなネオン光が煌めく】
【暫く歩けば、貴方が指さしたほうを見る──ログハウス調の外観を持つ、コーヒーの芳醇な香りが漂う喫茶店だった】


「じゃあ私はカフェオレを貰おうかしら……」
「ってちょっと、私払うわよ──って、あー……。良いの?払ってもらっても」


【貴方にカフェオレが良い、と伝えた後──貴方が支払った様子を視て慌てる】
【気にしないでいいよ、と言われてもちょっと申し訳無さそうな顔を貴方に見せて】
【カフェオレを貴方から受け取れば、貴方と同じ席に座ることだろう】


「うーん、確かに修道女と同じような感じだけど」
「教会を基盤にした自警団に所属してるのよね、力には自信があるのよ」


【ミルクとコーヒーに少しだけ分離したカフェオレを、ストローで混ぜながら】
【貴方がカウントをとった理由が、そこで漸くわかったのだけど】
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/26(土) 01:13:56.09 ID:GVGcZ9kQ0
>>72

教会を基盤にした自警団か……女性も戦うんだね
戦うシスター・マリーってところかな、美しいだけでなく強さとかっこよさまで兼ね備えているなんて、マリーさんってすごく、完璧なんじゃ?

【くすくすって可笑しそうに笑って。そして思い出したようにあぁ、って声を漏らしたかと思えば】

でも、4の字固めは良くないよ?
今回は大丈夫だったけど、ほら、スカートがめくれ上るのは……あまり良くない。あんなぶっさいくな男相手だったし、ちょっとほら。なんてーか、僕がムカついてくる

【ちらり、と上目遣いーー水滴がしたたるコップを両手で包みこんで、一口】
【手を離せばコップの水滴は全部手袋に吸収されてしまったのか、綺麗さっぱり無くなっていて】
【代わりにもしかしたら湿っているかもしれない両手を組んで、その上に自身の顎をのせてーー】

力には自信がある、かあ
ねえマリーさん、僕と腕相撲しよう

【組まれた指は解かれた。代わりに、マリーに向けて右手を差し出して。しなやかに動く指が、握るように彼女を誘ってーー】
【もし、マリーが勝負に乗って手を掴むなら既に乾いた手袋から伝わる、人の体温とは思えないくらいに熱い手にーーもちろん、握れない程ではないのだけどーー驚くだろうか。掴むのを拒否すれば少し残念そうに手を戻すだろうけど】


74 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/26(土) 15:14:06.54 ID:OD0JTjdM0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 オフィス街】

――――やれやれ、世相が生きづらくなってまいりましたね……
「……んなの、俺たちにとっては変わらないじゃねぇかよ、兄貴……それよりも」
<……いつの間にか、横流しされていた『INFINITY』……後始末も、考えなければなりませんか……>

【こげ茶色の無地のスーツとスラックスを着込み、首元にはダークグリーンのネクタイを締めている】
【さっぱりした短めの暗い茶髪に、切れ長の目元にすっと引き締まった鼻梁が映える】
【全体的に細身の印象がありながら、どこか所作に重々しさの目立つ、身長170cm前後の青年と】

【灰色のセーターの上から、黒のごつい厚手のベストを装着し、両腰に金属製と思われる黒塗りのトンファーをぶら下げている】
【さらさらした短めの銀髪と、やや不格好なレベルで大きいサングラスが印象的な】
【どこか威嚇的で近寄りがたい雰囲気を宿している、身長180cm前後の青年と】

【白を基調とした修道服でほぼその全身を覆い隠し、ケープの付いた帽子の中に、明るい空色の髪が覗く】
【手には、頭部に幾つかの小さな鈴と、銀でメッキされたと思しき翼の装飾が施されている細長い杖を携えている】
【豊満と表現されるだろう胸部が目立つ、身長160cm前後の女性が】

【特区――――『カミスシティ』にほど近い市街地を、半ば散策するように、連れ立って歩いている】
【グループとして見るに、奇妙なその一団は、周囲から浮いているのだが、当の本人たちは時折向けられる奇異の目などどこ吹く風で】
【それぞれ胸元には、金の十字架を象ったペンダントが掛けられていた】

「……で、なんでこんなところにウロウロと?」
――――あの薬が、魔能制限法に対する意趣返しとして使われるなら、わざとこの辺で使う事で、挑発の意図を込めるのではないかと、そう期待しているのですよ……
<……まぁ、近道はありませんわね。地道に探していかなければ……>

【どこか、周囲の人間を見下すような侮蔑の目を一様に光らせて、集団は当てもなく歩いていく――――】



【――――所変わって、火の国 市場】

っへへ……今日は何食べっかな、おやつ……

【前ポケットがやけに大きく膨らんでいる白のパーカーと、同じくポケットが目立つアウトドアズボンを着ている】
【明るい紫色の短髪と、勝気そうな金色の瞳が、元気の良さを印象付ける】
【ともすれば人ごみの中に消えてしまいそうな、身長130p前後の小柄な少年が】
【周囲の屋台をあれやこれやと品定めしながら、空っぽの財布を景気よく蹴っ飛ばし、ご機嫌な様子で歩いている】
【そばでは「スられた! 畜生!!」と叫ぶ男が目立つ中、まるで眼中にないといった様子で、そのまま歩み去っていく】

お、クレープ……良しッ!

【ふと目についたのは、何人かが並んでいるクレープ屋の屋台。それを見つけると、ニヤリと笑みを浮かべて少年は最後尾に並ぶ】
【その光景だけを見れば、ただの子供に見えても無理はないのだが――――】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】

/20時ごろまで待つ予定ですー
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/26(土) 23:52:20.73 ID:bo9XWjcE0
【とある町の大通り】
【若い女性が――左手で右の肩を押さえ、左足をずるずると引きずりながら歩いていた】
【右手には黒いタブレット端末を持っている】

痛っ……折れちゃいましたかね

【20代前半と思われる女性はセミロングの金髪に灰色の瞳を持ち】
【所々が破れたシルバーグレーの作業着の上下に、紐がほどけたままの黒いワークブーツを履き】
【背負っているリュックは、泥だらけになっている】

ふふ、思ったより乱暴な人でちょっとピンチでしたが
「能力」のデータはたくさん取れてよかったよかった……
ふふふ、くくく……

【どう見ても負傷者なのだが】
【ゆるんだ顔でタブレットの画面を見ながら】
【不気味な笑い声を漏らしているその姿は傍から見たらかなり異様な】
【ちょっと危ない人に見えるだろう】
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 16:34:22.50 ID:5WXjETkVo
【── その店は『とある街』の大通りに位置していた】


【中世ヨーロッパ風の二階建て建築。一見すると普通の建物であったが、所々に建築家の意匠が凝らされたデザイン】
【休日のランチタイムを過ぎた時間、普段ならば少し遅いお茶の時間を楽しむ人々で溢れ返っていたのだが】
【扉の前に掲げられた『閉店中』の掛札── 閉じた扉の奥の喧騒は届かない様に】


【── 大衆食堂 "Freak Fes" と、その店の名前は言った】


【掃除の行き届いた店内。テーブル席の一角を陣取って彼女達は居た】
【定例集会やらミーティングやら、呼ばれる名称は統一されていないが、この食堂では定期的に店員達の顔合わせがあった】
【総店員数は、臨時の店員や裏方も合わせるとかなりの人数に及ぶ。── その為、顔合わせを何度も行う必要があった】




【──── そしてもう一つ、この店が "大衆食堂" と呼ばれる所以】



【全ての店員が "人ならざるもの" であった。それ故に── 種族間の齟齬を無くすためにも顔合わせが行われる】
【今日の議題は何だったのであろうか。新人の顔見せか、新規メニューの提案か、或いはもっと個人的な用事か】
【── いずれにせよ、この少女、ファラーシャにとっては、── 少しばかり楽しみな行事であった】


……これで全員でしょうか、何時にもまして集まりが悪いです
こういう日常のコミュニケーションの積み重ねが、より良いお店の運営に繋がるのです
── 全く、私が居なければ本当に纏まりが無いんですから


【腰まである蒼銀色の長髪を大きく二つに結って背中が大きく空いたミニのメイド服を着こなし】
【フリルの付いたガーターリングで網タイツを支え、ピンヒールを履く】
【瀟洒な雰囲気を持った、黒と赤のオッドアイの褐色肌の少女】

【ファラーシャ・ライーシュ・ファルカト=ムーシェキィヤ/
‎فراشة رئيس فرقة موسيقية】
【それが彼女の本名であったけども、誰も本名で呼んでくれないから】
【── ファラーシャと、基本的には呼ばれている。基本的には】
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/27(日) 16:49:39.92 ID:jOO8sIUu0
>>76

ええと、うん……。今日のところはこれだけ、だね。
まあ、本当にぜんぜん集まらなくてお流れになるよりマシだよ。

【その場を取り仕切るようにぴんと背筋を伸ばすファラーシャに、苦笑を零しながら】
【黒縁の眼鏡の位置を直す、青年がいた。灰色の髪と翡翠の瞳の植わる、穏やかそうな顔立ち】
【細身で、肌の色も白いから。俗っぽく「もやし」と呼ばれることもあったけど、大抵は】
【彼自身がそう呼んでくれと頼んでいる――「エリィ」。女性っぽい響きの愛称で、彼は、呼ばれているはずだった】

【――――切添(きりぞえ)エレイン。100年生きてるかそうでないかくらいの、若い吸血鬼】

【清潔な白いシャツと黒いスラックスの上に、制服である黒いベストと茶色いロングエプロン姿】
【首元をきっちり締める朱色のスカーフタイを、少しだけ緩めながら――着席する前にふと一言】

せっかくだし、飲み物用意しようか。みんな、何がいい?
最近暑くなってきたからね、アイスがいいかな――だったらええと、コーヒー、紅茶、
それとミルク、オレンジ、コーラ、ジンジャーエール……あとレモネードも用意してあったかな。
ココアと、あとグリーンティーあたりも……ちょっと時間貰うけど、出せるには出せるよ。
……お茶請けは何かあったかな、すぐ出せるようなちょっとしたつまみ的な……えーっと、

【彼はおそらく、この場で最年長。だからやたらと、気を遣いたがる】
【黒革の手袋に包まれた手の、長い人差し指を折り、唇に添えて。うんうん考え始めている】
【……ばかがつくレベルの生真面目野郎だった。そんなのいいから早く座れ、と言われれば、慌ててそうすることだろう】
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/27(日) 16:58:20.75 ID:d+POyHHN0
>>75

「あ、あっと、その……み、皆色々予定があると思いますし、その……あんまり過敏に怒らない方が……」

【午後の日差しが、その意匠の施された窓から柔らかく店内に注ぐ】
【初夏の爽やかさと言うよりも、暖かさが感じられる日だろうか】
【喧噪からはやはりかけ離れた日中】
【日の光は、店内の観葉植物やそれを活けるガラス製の鉢を透かし彩を与える】
【少しむくれた様子の褐色肌の少女、ファラーシャに、そう厨房の方から弱々しい声が掛けられる】

「せ、折角の集まりですし……その賄いもまだですから、今日のは美味しく作れたんですよ」

【こう言って其々の前にバゲットと、そして本日の昼の賄い、牛肉の赤ワイン煮込みを置いて】
【その少年リュウタ・アリサカは話しかけた】
【茶色の程よく清潔に整えられた長さの髪に、気弱そうな顔立ち】
【服装は白いドレスシャツに黒の襟付きベストに赤いスカーフ、茶色のサロンとこの店の制服だ】

>>77

「あ、エリイさんも賄いまだ、ですよね?」

【そう言って彼の前にも、牛肉のワイン煮込みと、そしてバゲットを置いて】
【季候的には、これから暑くなるのだろうか?】
【最も、今日は十分に暑いのだが】
【中性的な顔立ちで、比較的に優しく接してくれる先輩】
【リュウタの彼への認識は、そうだった】

「あ、飲み物を忘れてました……レモネードとかいいですね!」
「もし、甘いお菓子があれば、その、お願いします」

【数多くいる従業員の中でも、話しやすさからだろうか】
【彼とは割合多くの会話をする】

「あの……そう言えば、今日は何の議題でしたっけ?」

【眼の前の少女に聞かれれば、また小言を言われてしまう】
【それを恐れてか、小さな声でエリイに聞くのだった】 
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 17:12:24.97 ID:5WXjETkVo
>>77

【── 水面に波紋を起こす一雫。ファラーシャの振った指先が冷ややかにエリィを制止する】
【流麗な所作であった。茶道の家元が僅かな仕種だけで静謐を作り出す様に、無音の呼吸がその色さえ見失う様に】
【長い睫毛が褐色の肌を溶かす、砂糖菓子の如く淡やかな色合いが静けさを纏って】


エリィ── 貴方に働かせると何時まで経っても話が進みません。
最初は飲み物、次はお茶請け、お菓子を経て軽めの夕食まで、私には既にそこまで見えています
ですので、私からお願いする事は一つです

" いいから黙ってお座りくださいませ " ── " お客様 "


【接客の練習だと言わんばかりに彼女は微笑みを向ける、砂漠の夜に浮かぶ幽玄の月に似た蠱惑的な笑み】
【完全な営業スマイルであった。その表情の奥から、お前が動くと話がすすまねーんだよって言ってるみたいに】
【溜息の一つもつかず淡々と、彼女はもう一人の参加者に目を向けて】

>>78

【蒼銀の髪から零れる蕾の様な耳元、ぴくりと反応する様な仕種を見せたなら】
【芽吹く双葉の開く所作に似て、彼女はあっさりと、それでいてゆっくりと目蓋を開く】
【色違いの双眸は深い色味を写していた。相反する網膜の中に貴方の虚像を押し込めて】


怒ってなどいません、一流の給仕はどの様な時も慎ましくお淑やかに、それでいて冷静に対応するものです
ええ、ちっとも怒ってなどいません。── 誰かさんが何度注意したにも関わらず、勝手に厨房を使ったとしても、です
お分かりですか、私たちは話し合いをする為にこの場を用意したのです、決して和気藹々と食事をしに来たのではありません

── ですのに何ですかこれは、昼の賄いにしては豪勢過ぎます
過ぎた贅沢は身を滅ぼすと、私は何度注意すればよろしいのでしょうか
それともリュウタ、貴方は── 痛くされた方が覚えが良いのかしら


【こちらも営業スマイル。組んだ両手が明らかに苛立ちを見せて、とんとんと二の腕をつついている】
【── 今日の用件は単純に定例報告に近かった、故に集まりも悪いのだが】
【最近の客の動向だとか、困ったことだとかが有れば気軽にどうぞ、という── いや全然気軽じゃないけど】
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/27(日) 17:22:36.90 ID:jOO8sIUu0
>>78-79

ああ、うん……いい匂いだ。ありがとう、リュウタ。
赤ワイン、そのまま飲むのは苦手なんだけど……こうして料理に入ってるのは何故か大丈夫なんだよね。

【不思議だよね、と苦笑しながら、立ち上る湯気を手で煽いで香りを楽しみ】
【飲み物のオーダーを聞くと「わかった」と言い残し、冷蔵庫のほうへ】
【細いグラスは3つ用意。いっぱいの氷を詰めて、そこにレモネードを注いで、最後にミントの葉を浮かべて】
【飲み物は完成。続いてお茶請けを探そうと戸棚に手を伸ばそうとして――ぎくり】
【ファラーシャの言葉に背筋を震わせて。はぁい、と、気の抜けた返事を返しながら、戻ってきた】

……え、えっと、えーっと……。今日は定例報告会、だよね?
だからこう、最近あったこととか、気付いたこととかを――こう、なんだろう、適当に……
いや適当じゃダメなんだけど。とにかくなんでも言ってくれていいよ、リュウタ。

【リュウタも、ファラーシャも。弟や妹のようなものだと思っていた、それにしては情けない兄っぷりだけど】
【恐る恐る訊いてくるリュウタに対しては、そう返しながら。辛うじて3人分用意できたレモネード】
【コースターとストローを先に置いてから、グラスをとん・とん・とん、と置いて。ようやく着席した】

僕からは……そうだね、さっきも言ったけど。最近めっきり暑くなってきたから、
冷たいものの売れ行きが急によくなった。だから、アイスクリームとかの在庫確認を
もうちょっと厳しくやっていっても、いいと、思うん……です、けど……

【ファラーシャに対しては。だいぶビビっている、ははは、と渇いた笑いを零しながら、敬語を使う始末】
【年長者としてはあんまりにもあんまりな、情けないっぷりを披露していた。座ったあと、ストローの袋を破いて】
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/27(日) 17:42:32.87 ID:d+POyHHN0
>>79

【その髪色もオッドアイも、彼女の褐色の肌と相まって非常に映えて見える】
【やがて、静かに、そして冷ややかな意味合いをもって瞳が開かれ】
【オッドアイには、それぞれ色違いの自分が写り込んでいるのが見える】

「ひッ、ご、ごめんなさい……で、でもその……僕も、調理補助とか出来た方が、いいのかなって、ほらシェフさん達だけだと、回らない時もあるし、その……」
「ご、ごめん……」

【表情は確かに笑っている】
【しかし、空気、彼女の醸し出す空気とオーラは決してにこやかでは無かった】
【完全に委縮し、そして弱々しくこう言って】
【最も、最後の部分は聞こえていたかすら怪しい声量だが】

「ご、ごめんなさい!」
「いいワインと、牛肉が入ったから……せ、折角だし、それに庭のハーブもあったし、その……」
「ひッ!ぼ、暴力は!暴力はだ、だめ……ですよ、ご、ごめんなさい」

【少女の言葉に、もはや泣き出しそうに、こう言い訳も交えて答える】
【この部分からも、普段の店内のヒエラルキーが見て取れそうだ】
【ホールスタッフのまとめ役のファラーシャ、その部分がはっきりとしている】

「あ、そ、それだったら……」
「その、ちょっと前の○日に、雨の日に会った女の子に傘を貸したんですけど、お店の事言ったら、来てくれるって……つがるちゃんって子で……もし来たら、僕を呼んで欲しいなって、その……」

【少し前の酷い雨の日に、商店の軒先で出会った少女】
【雨宿りに一緒になり、この店で働いている事を話したら来てくれると約束し】
【気恥ずかし気に、こうファラーシャに言った】
【最も、その日彼は派手に遅刻しているのだが……】

>>80

「よ、よかった……今日のは自信作なんです」
「エリイさんに真っ先に食べて欲しくて」
「あれ?エリイさん、ワイン苦手でしたっけ?」

【前日から仕込みをしていたのだろう】
【赤ワインとハーブ、調味料にじっくり付け込まれた牛肉は、丹念に煮込まれ】
【口の中でホロリととろけるだろう】
【やがて、見た目にも涼やかなレモネードが出されると】

「流石、エリイさんのドリンク、季節的にも味も完璧なんですよね!」

【レモネードから立ち上がる檸檬と、そして仄かなミントの香りは食事の香りとも相まって】
【テーブルの上の賄いを一層明るい物に演出する】
【もっとも、食後のお菓子はファラーシャの牽制により止められたが、こちらはご愛嬌だ】

「ええーっと、その……」

【と、定期報告では上記の少女の事を話し】
【そして同時に、エリイとほぼ同時にファラーシャ顔色を窺うように見て】
【なるほど、年上のエリイすらも気を遣う存在、やはりホールスタッフの纏め役は伊達では無いようだ】

「あ、そうですね!」
「デザートの需要も増えますね!フレーバーもそろえたいですね!」

【こう、話がアイスクリームに移れば、明るく答える】
【料理もさることながら、デザートや甘い物への関心も高い様だ】
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 17:51:14.55 ID:5WXjETkVo
>>80

【いつの間にやら営業スマイルは何処へやら、知的な表情をその怜悧な目許に残してエリィの言葉に耳を傾ける】
【── 頼りない、と思いつつもその観察眼や発想は優れている、各員のスキルを正確に測るのも給仕の務め】
【ふむ、と熟考する様に口許に手を当てた、一つ二つと逡巡して】


……良いでしょう。アイスクリームの在庫のチェックを増やすと共に新しいフレーバーも用意できるといいかもしれません
アイスクリーム確かイエティ種や雪女種の担当でしたか、冬場は元気でしたのにここ最近は出勤すらしてません、し
という訳でエリィにお願いする事に致しましょう、ご自分で提案したからには責任をお持ちください

── くれぐれも、お客様が所望した際に品切れになる事が無いように、私達の完璧な業務に泥を塗る事は許されません
分かりますか、エリィ。給仕と厨房、どちらが上か下かなど
ありません、どちらも対等に業務をこなすべきです


そして須らく── お客様は "神様" です、努々お忘れなきよう


【提案、そして割り振り。── 流れる川に澱みはなく、滴る露草に僅かばかりの濁りもない】
【オーケストラの様だと彼女は思う、それぞれのパートに不備は許されないから、こそ】
【軽く言い放って淡々と会を進める。── 静かな物言いであった】

【年長者でありながら何処か頼りなさ気なエリィに、ファラーシャは少し曖昧な感情を持っていた】
【私がしっかりしなければいけない、という気負いに近い感情、それと同じ位の濃度で交わる何か】
【── 頼りにしたいな、なんて、そんな甘える様な気持ちを持っているだなんて、知らないから】


……いい提案なんだから、もっと自信を持てばいいのに


【溢れる言葉が聞こえてるかどうかはわからないけど、泡沫は確かに弾けた】

>>81

【頭を抱えたいと内心思った。何故この店の男性スタッフはどいつもこいつも小動物の様なのかと】
【確かに一芸に秀でている存在ばかりであった、得意業務を任せたなら一騎当千、プロフェッショナルの流儀が芳しく】
【── だからこそ落差がひどい、ああ、もう、と】


……貴方が片手間に作った料理に、どれだけのコックが尻尾巻いて逃げ出したと思ってるんですか
新しいコックを探すのも私の業務の一つです、この前の一角種のコックなど一週間持たなかったんですよ
魔海の一流レストランからの引き抜きにどれだけの手間と時間がかかったか、お分かりですか?

暴力など致しません、私はただ正当な主張をしているだけです


【── それをある種言葉の暴力と言うのかもしれないが】


成程、ありがとうございます。── それはそれは、大変素敵な出来事ですね
あなたがその日大遅刻をした事を除いて、ですが
なるほど、件のつがるちゃんと楽しくお話をしていたら瞬く間に時間が過ぎたと、そう仰りたいのですね

そうです、雨の日です。傘の管理も増えます、必然暖かい料理が多くなり手間も掛かります
私とエリィの二人で回せきったのが奇跡に近いと我ながら思ってました、猫の手も借りたいとはこの事か、と
── 今月分の給料、期待していてください
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/27(日) 18:01:21.22 ID:jOO8sIUu0
>>81

うん。実は苦手なんだよね、そのまま飲むのは……
ほらなんか、血に見えるじゃないか。だからちょっと抵抗感があってね……

【この店には他にも吸血鬼がいただろうが、この青年はちょっと特殊で】
【吸血鬼のくせに血を飲むのがきらい、なんだそうだ。だからいつも貧血気味で、弱くって】
【その分他の働きをしてカバーしようとしているんだろう。だからいつも、馬鹿みたいに真面目なのだ】

うんうん。夏向けのメニュー増やしたいよね。
デザートだけじゃなくてもこう、スタミナの付くものとか……

【「僕、料理得意ってわけじゃないから具体的な案は出せないけど」。申し訳なさげにそう言って】
【料理が得意なリュウタなら、なにかいい案はある? と。首を傾げて、訊いてくるのだ】


>>82

……しゅ、出勤してないの? 道理で、顔を見ないと思った……。
彼らには厳しい季節だし仕方ない、か。わかったよ、僕が管理する。

【管理者として自身が指名されれば、きゅっと眉尻を上げて、ひとつ頷いた】
【眼鏡の向こうの翠の瞳は、まっすぐに光っていた。ばかまじめな性格だ、きっとそうそうヘマはしないだろう】
【……この調子がずっと続けばいいんだけど。そう思わせるくらいには、そういうとこだけ、ちゃんとしていた】

……あ、あの、えっと。
リュウタにはそのお、もう少し、やさしく……

【それも、次の瞬間にはすぐにへたれて。弟分へのあたりをもう少しマイルドにできないかって】
【もやしスマイルで、窘め……窘めてる、に分類されるのかこれは。そんな感じの言葉を、かけてみた】
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 18:21:45.61 ID:5WXjETkVo
>>83

【オッドアイの目尻が少し緩んだ。── 鋭い目許に僅かばかりの弛みが見える様に】
【甘い頬の色合いは艶やかな肌の慕情を残して、横顔を彩る髪を静かにかきあげる】
【方目を閉じたなら残りの黒があなたを見つめて、頬杖をつきながら言葉を認める】


ええ、大方涼しい『夜の国』辺りへとバカンスに繰り出しているのでしょう。想像に難くありません
全く貧弱な方々です。私の出身である『砂の国』はこんなものではありませんでしたよ
地を焼く灼熱、地平線の彼方まで広がる一面の砂漠── それと比べれば楽園も良いとこ

── 涼しくなり顔を出したならば、然るべき行いをしなければなりませんね
なので、そこまではエリィに一任します。頼りにしてますよ
貴方の実力は一番側に居る私が分かっていますから、自信を持って


【ファラーシャは細い首筋を持ち上げて、貴方を見上げた。柔らかな笑みが年相応のあどけなさを見せて】
【触れたなら砕けてしまいそうに華奢な体躯、硝子細工よりさらに繊細な造形の彼女】
【その細身にどれだけの責任を背負っているのかなんて、分からないけども──】

【── 少なくとも今は、貴方を頼りにしたくて】


無理です。躾も注意も出来る者がやらなければなりません、それは例外なく、です
何か起きてからでは遅いのです。今回は何とかなりましたが、もし不備があったなら
── それは私達皆の責任です、私達はチームであり、そして


…………そして、家族だと、私は思っています、


【言葉を述べた後、彼女には珍しく視線を逸らして。横顔を貴方へと向けた】
【彼女は今、住み込みで働いていて── この店に対する思いは他より深くて】
【押しとどめていた筈の心が漏れた。それを辿られないように】
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/27(日) 18:27:39.80 ID:d+POyHHN0
>>81

「そ、そんな〜……」

【まさに断崖に立たされているような気分で、ファラーシャの淡々とした話を真摯に受けて】
【完全にしょげている様子だ】
【そう言えば期待の魔海出身ユニさん(仮)暫く見ないなあと思ったら……】

「ユニさん……」

【そんな事情だったとは、彼の頭には夜空に燦然と輝く一角獣コックの顔が浮かぶ】
【そして、余計に落ち込んで】
【少女の苦悩は、少年には完全に伝わっていないのかもしれない】

「それを、暴力って言うんじゃ……ひッ!ご、ごめんなさい!」

【完全に委縮している、手を出さずとも十分に効果がある威圧だった】
【最も、ファラーシャの主張はとても真っ当であり、誰も口答え出来ない】
【年長である所のエリイすらも、それは例外ではないだろう】

「そう!凄く素敵な……ご、ごめんなさい……」
「で、でも、その日は大雨で……ほら、僕、学校からバイクだから、あの雨だと運転できなくて、それで……」

【余りにも弱々しい言い訳だ】
【ぐうの音も出ないとはこの事か】
【一段と小さく縮こまり、がっくりと肩を落とし】

「……はい」
「その、エリイさん、ファラーシャ、あの日は……ごめんなさい」

【彼の生活は偏にこのバイトの収入によって賄われている】
【減給は厳しく響く】
【最も、完全に自業自得の結果であるため、特に反論も無いのだろうが】
【そして……】

「あ、あと、その、裏の仕事なんですけど……」

【弱々しくもこう、話を切り出し】

「いつも通り、もし、もし蟲の魔族の話を聞いたら、その、教えて下さいね」
「あ、あと機関の動向もいつも通りですが、さ、最近は蛇のカルト宗教が活発になったって、その噂ですが聞いたんです」

【彼らの裏の顔】
【それは異形の力をもって、この世界の正義を実行する組織】
【弱気を助け悪事を挫くノーブランドヒーローズ】
【その部分の話も、またこの場で話されるものだ】
【最も、本件は極秘であり、その話は当然最新の注意を払ってしなければいけない】
【そして、また……少年はその口ぶりや話の内容から、少女の正体に関しては知らないのだろう】
【また蛇の教団に関しても、あくまで噂を耳にする程度で彼自身は殆ど知らない】


//すみません、分割します
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/27(日) 18:27:54.43 ID:d+POyHHN0
>>83

「あ、そう言えば……エリイさんだから赤ワインは苦手なんですね」

【彼自身が吸血鬼である事は、皆が知って居り、また血液が苦手と言うのも知られている】
【なるほど、確かに赤ワインそのままは、血液に似ており苦手と言うのも頷ける】
【真面目で謙虚で優しい吸血鬼、だからこそ彼は店の皆に慕われる存在なのかもしれない】

「そうですねえ……ガーリックや唐辛子なんか多めに使った料理がいいかもしれないです」
「季節限定のアヒ―ジョなんかがいいかも……」
「後は、櫻の国のハーブでシソとか言うのがあるみたいなんですよ、どうやら夏にぴったりな味らしくて」

【料理の話を持ちかけられれば、喜々として答えて】
【最もファラーシャには良い顔はされないだろうが】
【季節に合った新しい料理、考えるのはとても楽しい様子で】
【そして……】

「あ、っとその、いつもの事ですが……エリイさんも、蟲の魔族の話、聞いたら教えて下さいね」

【幾分か声を落として話す】
【機密事項であるこの店の、裏の仕事の内容と言うのもあるが】
【こと蟲の魔族の話は、彼の存在に関わる話でも合って、幾分か暗い声色となる】

「それと、機関もですが、最近妙な噂を聞きまして……」
「なんでも、蛇を崇拝する邪教の動きが活発になってきたって、そんな噂を聞いたんですよ」
「そいつらが何なのか、よく解らないんですが……」
「その……気を付けないと、いけないかもしれないです」

【声のトーンはそのままで、こう話した】
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/27(日) 18:38:55.88 ID:jOO8sIUu0
>>84

夜、夜って僕の今の居所なんだけど……。いっそ氷にでも行った方がいいんじゃないかな……
砂の国、かあ。生きてた頃も行ったことなかったな、そういえば。……オアシスとか、ないの?

【吸血鬼。そうであるなら日光を避けて生きていて、それなら夜の国はめちゃくちゃ、都合がいい】
【だけど彼は「もともとは」そうではなかった、また別の種族として生きていたころのエピソードがあって】
【けれどそれも、もう遠い昔のころの話だった。特に感傷を混ぜることもなく、ファラーシャの故郷の話を、聞きたがって】

【三色の瞳の色が交錯する。自信を持て、と言われたら、すこしだけきょとんとした顔】
【それから――笑って見せた。へにゃっとはしていたけど、今ばかりは苦笑の色合いを混ぜない】
【「承知した。任せておいて」。正しい年長者の表情をして――それもまた、数瞬のことだったけど】

し、躾……もっとこうマイルドな表現にならないかな、注意とかそういう……
連帯責任も重々承知してるし、きっとリュウタだってもう十分わかったはずだよ。だからそろそろ、

――――え? え、ああ……うん。家族、そうだね……

【「僕も君たちのことは、妹や、弟みたいなものだと思っているよ」】
【またしてももやしスマイルに戻った、かと思いきや。漏らされた少女の想いを、きちんと受け止めて】
【頷いた。それから、自分もそうだと付け加えた。きちんと、兄めいた表情を保たせながら】


>>85

なるほど、スパイス強めのものがいいんだね。とはいえ僕はガーリックダメなんだけどさ、

【あはは、って冗談めいて笑ったのもそこまでの話。話題が移り変われば、表情を変えて】
【グラスを手に取ってストローで中身を掻き混ぜ、一口。冷たい飲み物で意識を引き締める】
【「裏」の話。蟲とか、蛇とか、そういった単語が出てくれば――ふむ、と言葉を零して】

蟲についてはオーケイ、承知した。情報が入り次第周知するよう努めるよ。
……カルト教団、か。最近水の国で暴れてるって言う魔族とは別物?
そういった集団っていうのは大抵、ろくでもない目的のために動いてるもんだけど――

【「分かりやすい例を挙げるなら世界征服とか。……これは本当にわかりやすいものだけど」】
【唇に手を添えて考える。蛇を崇拝する邪教、……彼はまだ、聞いたことがなくて】
【何もわかっていない、気をつけなければいけないと言われても、どうしてそうしなきゃいけないのかもわからない】

……そいつらには、どんな目的があるんだろうね?
わかりやすく動いてくれれば、僕たちだけじゃなく、UTとか――他の組織も動いてくれるだろうけど。

【だから。その動機を知りたがっていた、推測の幅を広げたいがために】
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 18:56:57.08 ID:5WXjETkVo
>>85

【── ファラーシャは溜息を付いた。色々厳しく言いはするが、強く出過ぎれないのも事実であった】
【減給とは言ったがリュウタの事情もよく知っている、特に厳しくするつもりも無かったが】
【以後気をつけるように、と念押しは欠かさない】


……蟲に関しては私は何も、それと蛇のカルトですか
眉唾物ですが聞いた事があります、何でも邪教の集団だと
そして、活発化したのにも理由がある、と──

エリィの仰った『水の国』に出てきた魔族、その一部に巨大な蛇が居たとの話を聞きました
同じ蛇です、何か共通項があるのかも


【リュウタは気づくだろうか、彼女にしては切れ味の鈍い言葉】
【── 色褪せた花束、萎れた一葉が悲しく揺れる様に】
【言い淀むといった表現がふさわしかった、そんな様相】


>>87


オアシスは点在していましたね、私達『ミルドラ族』は乾季にはそのオアシスを求め旅をします
過酷な旅路です、ですので── 親は子供達を、子供達はより幼い子供達を支え旅を続けます
……小さな部族でしたが、家族の絆はとても強かったです


【静かに言葉を重ねた。思い出すのは過酷だった日々、けれども辛くはなくて】
【── 親元を離れ一人で生活する日々、辛くないと言えば嘘になるけども】
【ふっと、表情を緩めた。張り詰めた糸がたわむ様に】


……分かりました、分かっていますよ。全く、エリィはリュウタに甘いんですから
家族と思っているからこそ容赦はしません、私は心を鬼にして皆さんを導きます
ですのでエリィもしっかりしてください、何年生きてるんですか? と、たまに思います


【── 相変わらず一言多い】
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/27(日) 19:09:48.41 ID:d+POyHHN0
>>87

「はい!多分、ビールなんかも多く出る様になると思うので、タパス(小皿)メニューなんかもいいかなって……」
「あ、そう言えば、ごめんなさい……」

【やはり、ここは吸血鬼と言う種族の常なのか】
【すっかり失念して居た事を詫びて】
【そして】

「お願いします……あいつらは、僕の手で倒さないと……」
「水の国の魔族?いえ、違うと思います……あくまで教団みたいなので……」
「その魔族って一体?初耳です……」
「いえ、すみません、僕もその……噂に聞いただけなので、詳しい目的とかそういうのは……」
「ただ、話に聞く限り、人間を攫って残虐に殺したり、何だか生贄みたいな事もしてるって噂で」
「なんだか、近く何か起こるような、そんな気がしてて、すみません、根も葉もない噂ですよねこんなの」

【彼自身も、あくまで都市伝説に近い様な噂話で聞いたに過ぎない】
【なんとなく、彼の予感がそう言っている、そんなレベルの話で】
【被害に直接遭遇したわけでもなく、そして規模も目的もあるいは実在すらも確かではない】
【青ざめた顔で、こう話して】

「そう言えば、UTって、最近話を聞かないです……何かあったんでしょうか?」

【世界に名をとどろかせる正義組織UTは、最近ぱったりとその話を聞かなくなった】
【正確にはある時期を境に、ぱったりと途絶えてしまったかのように】
【同様に正義組織である此方も、動向は気になる所だ】

>>88

「ご、ごめんなさい……」

【やはり、ファラーシャに対してはへこんでしまう部分は大きい様子だ】
【最も、少女の性格や考えも理解しているため、素直に聞く部分はちゃんと聞き反論もしない】
【仲間内への愛情が、一際強い少女なのだと】
【そして……】

「?」
「……本当に、何にも?」

【違和感に気が付いた】
【普段のファラーシャらしくなく、妙に歯切れの悪い部分だった】
【一抹の不安の様な、しいて言うならば小さな引っ掛かりだが】
【普段の少女を良く知るからこその、違和感】
【聞き返してはみるが、しかしその言葉も弱々しいものだ】

「水の国の魔族?」
「その、関係があるの?蛇の魔物……」
「調べてみないと……」

【魔族と聞くからにはこの件はより放って置けない】
【自分自身も、魔族なのだから】
【それが二人の話に出ている、謎の邪教と絡んでいるとなれば、余計にだ】

「そう言えば、UTって最近話聞きます?」

【まさにエリイとの話に出た、この状況下でも話を聞かない】
【ある時期を境に、ぱったりとその活動の話を聞かなくなったUT、何か少女は知らないか、と】
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 19:21:42.32 ID:5WXjETkVo
>>89

【── 聡い少年だと思う。同時に、だからこそその弱気な様子に苛立ちを覚える事もあった】
【彼には自立して欲しい気持ちがあって、それはきっと同じ年頃の少年という事、と──】
【その境遇、同じ体内に蟲を抱えた存在であるという事の負い目】


……正確には、聞いた事ある話が幾つかといった程度です、正確性に欠ける情報をおいそれと提示はできません
ただ、アルターリ── そこに大きな蟲らしき影があった、という噂は聞きました
けれどもあそこは、今 『魔界』 と繋がっているという話ですし、近づかない方がいいでしょう

── しかし、リュウタ……貴方は私達の本分を忘れてはいませんか
不用意に事件へと首を突っ込むのは、あまり良い傾向ではないと私は思います
好奇心が旺盛なのは構いませんが── 好奇心こそが人を殺すのです


【彼女はそれでも人、と言う── 自分達が最早人ではないとしても、譲れない気持ちがあって】
【同時に、だからこそ人を護りたいという気持ちもあった。矛盾していると自分の中で思う】
【リュウタに掛けた言葉と、自分の行いとを見比べて、矛盾していると──】


全く聞きませんね。── まぁ妥当でしょう。反能力者が進む世相の中で
能力者として顔が割れているセリーナ・ザ・"キッド"が積極的に活動するのはリスクが大きい、と
彼処の人的資源は逸材ばかりです、そう判断したのではないかと考えます

── 或いは、そう出来ない何かがあるのか、と

リュウタ、貴方がもし"機関"や"蟲"といった、敵対組織の存在であったとして
活動する上での一番大きい支障は何処になるでしょうか
そして、その支障を取り除く為にはどうすれば良いか


【パッチワークの様に、ファラーシャは推論を重ねていく】
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/27(日) 19:47:33.56 ID:d+POyHHN0
>>90

【少女の負い目は、少年には恐らく強大な試練として後に伸し掛かるだろう】
【故に、だからこそ、ファラーシャの危惧と心配そして願いは正しく的を得ていて】

「アルターリ……水の国の、崩壊した都市……」
「そこに、そこに奴らがいるんだね?」
「魔界と、僕は、どうなってしまうんだろう?」

【自分が人間であった時、全てを奪った奴ら】
【そして何より、人類を脅かしている強敵】
【ふつふつと、冷たい怒りの感情が湧いて】
【だが……】

「そう、だねファラーシャの言う通りだ」
「でも、でも……」
「そう、だね、ごめん、人だから僕達は……」

【何か感情のままに言いかけたのだが】
【しかし、ファラーシャの意図する『人』と言う言葉に】
【がっくりと肩を落とし、頭を垂れてこう答えた】
【やはり、少女は優しいのだ】
【どうしようもなく、仲間を気遣うのだ】
【少女の心の最奥に隠された気持ちと真実は、少年には解りえないかもしれないが】
【だが、その優しさは十分に伝わっていて】

「本当に、それだけの理由、かな?」
「僕には……控えているだけじゃ、ないと思う」

【セリーナと言う人物にリュウタは面識は無い、だが信念のみで組織を立ち上げ、そして運営し数多くの正義の実績を上げた人物が、あるいはメンバー達が、まさか時勢や風潮に配慮してその活動を控えるとは、少年にはどうしても考えられなかった】
【それは次の言葉でファラーシャが鋭く指摘して……】

「僕が、機関や蟲の魔族として?」
「……」
「……ッ!?」

【少女の的確な問いかけに、何かに気が付いたように】

「UT……セリーナ・ザ・キッドと仲間達の存在!」
「セリーナやUTメンバーは、何らかの組織に活動を抑え込まれている!?」
「それって、まさか……セリーナの身柄……」

【開いた穴を埋めていくが如く】
【あるいは、欠落したピースを補っていくが如く】
【ファラーシャとの話の中で、その部分を推察していく】

「だったら、もしそうだったら……」
「助けなくちゃ、UTを、正義の組織を!」

【こう、泣きそうな顔になりながら】
【実際には、泣きそうなほどに興奮しているのだが】
【こう、一際強く言って】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 20:01:45.45 ID:5WXjETkVo
>>91

【── 猛るリュウタを制する様に、一匹の "蝶" がリュウタの視界を横切るだろう】
【美しい紋様の蝶であった。左右対称の黒と青、見蕩れる程のグラデーションは鮮やかな夜を模して】
【羽ばたく度に煌めく残滓、それはさながら星屑の様に鱗粉が降り注いでいく】


─── ‎"هيممنوس كرونيكل"───
──"Hymmnos Chronicle"──


……頭は冷えましたか? いきなり何を言い出すのかと思えば、勝手に早合点して、呆れてモノも言えません
あくまで私が示唆したのは可能性の一つです、それが真実だなんて可能性は一割も無いでしょう
地下に潜り機を窺ってると考えるのが普通と、私は考えますし、それが真実でしょう

正義の組織を助ける? ──世迷い事も大概にしてください、貴方一人で何が出来ると言うんですか
" 蟲 "についても何も解っていないんでしょう、その状態で両方を追うのですか?
優先順位を付けること、貴方に足りないのは "まず" それです


【蝶が降り注ぐ鱗粉、それは宛らアロマオイルの様に、昂った気持ちを落ち着けるだろう】
【言い放たれる冷たい言葉。ファラーシャは溜息をつきながら右手で前髪をかきあげて】
【ふぅ、と大きく息を吐く。組んだ腕が慄然と立ち誇る】
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/27(日) 20:08:41.76 ID:jOO8sIUu0
>>88

……そっか、君にとって家族というのは――血が繋がっているかどうかではないんだね。
だから僕たちも、家族。そういうことなんだ、……うん、なんとなく、わかった。

ありがとう、僕のことも家族と呼んでくれて――頼りない兄みたいなものだけど、精一杯……
……、ひゃ、百年はまだ生きてないかな。あはは……

【かっこいいこと言って締めようとしたけど、お前いくつだよ的なことを言われれば】
【ずれた眼鏡を直す。そうしてまた苦笑いして――もう一度、眼鏡を直した】
【視線はリュウタに移って、ファラーシャに戻って、またリュウタに移る】
【……ふたりの会話を傍観するように、とはいえ、自分も何かを考え込むような仕草】


>>89

いいや、大丈夫。
……水の国のこと、聞いたことないかい? 蟲の騒ぎが起きる少し前のこと。
何者か――とてつもなく強大な力を持った魔術師か何かが、魔界に繋がるゲートを開けた、ということ。

しかしそれとは別物か、……ふむ。生贄、カルトにしてはよくある話だけど、
……どうもさっき言ったみたいな世界征服、とかそういう分かりやすく壮大な目的があるように見えないな。
それならもっと、おおっぴらに動くだろうし……

【リュウタの表情を見ながら、大丈夫かい、と一応聞きつつ。気分が悪そうなら飲み物を口にするよう促して】
【続く問いに、ふむ、と頷いて見せた。それは確かに、と思ったらしい】

確かに、……彼らならもうとっくに動き始めているだろうに。
嫌な予感しかしないね、……大丈夫かい、落ち着いて。
94 :マリー ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/27(日) 20:17:19.02 ID:pLyo27eOo
>>73

「そんなことないわよ、傷痕もたくさんあるし私より強い人なんてたくさんいるわ」


【貴方に褒められたとしても、マリーはそのようにして言う】
【自身より美しい人、強い人はたくさんいる──その姿に、謙遜は微塵も含まれておらず】


「ええ、そうね……。これからはあんまりやらないようにするわ」


【スカートがめくれ上がるのは、確かに倫理的によろしくない】
【──貴方がムカついてくる、と言えばマリーは呆れたように首を数度横に振って】
【貴方が腕相撲をしようと提案してきた時、マリーはそれに応じたのだけど】


「──それで、スタートはどちらが言うのかしら」


【──特に、これといって驚く様子はない。貴方の手が、常人より熱く感じると言った程度で】
【体内に流れている血は“可燃性”であり、その内のわずかは常に燃え続けている】
【そのために、常人に比べれば体温はそれなりに高く──貴方の手を握ったとしても、その手を見る程度のことしかしないだろう】
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/27(日) 20:19:38.01 ID:d+POyHHN0
>>92

「――ッ」
「き、綺麗だ……」

【夜の様だった、例えるなら草原かあるいは高い山の上で見上げる夜空】
【その夜空を凝縮して、星を一斉に降り注がせたかのような、そんな蝶だった】
【思わず胸の猛りを忘れ、見惚れてしまう程の】

「ファラーシャの、能力?」
「ご、ごめん……つい……」

【普段は激情があまり発生しない分、一度感情が昂ればコントロールが難しいのだろう】
【だが、少女の言葉は、ぐうの音も出ない程の正論だった】
【あまりに正しい、真っ直ぐな言葉だった】
【恥じ入るように、頭を下げて】
【気持ちは、不思議と落ち着いている、その夜空の様な蝶々の鱗粉による物だろう】

「ごめん……」
「そう、だね、そうだよね……」
「セリーナも、他の仲間達も、実力者、だもんね」
「僕なんかじゃ、UTでも足手纏いにしかならないよね」

【ファラーシャの指摘に、そう一つ一つ頷いて】
【自分の腕に確かな自信があるのか?全く持って違う】
【むしろ真逆だ、少女の指摘そのままに、根拠も無い感情しか彼を動かし得る物は無い】

「うん……僕は、何も解らない」
「それでも……守りたい世界が、あるんだ……」
「ファラーシャ、君は、何でこのお店に入ったの?」

【俯きながら、こう呟くように伝えて】
【そして聞いたのだ】
【眼の前で起こる不幸なら、平等に助けたいと願った】
【それは紛れもなく、最大の甘さであり矛盾】
【優先順位をつけて、と言うのは最も欠如している考えだった】
96 :兼愛 信生(けんあい のぶき) ◆xgsUYuhzWc [sage]:2018/05/27(日) 20:24:35.43 ID:QK38OukX0
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97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 20:28:43.91 ID:5WXjETkVo
>>93

【エリィの言葉に静かに頷いた、最小限の動作で全ての感情を示す。── 同時にそれは彼女の信頼をも意味して】


ええ、共に相手の事を思い、生きる── その精神性こそが家族であると私は思っています
そりゃ喧嘩もするでしょう、言い争いも頻繁に思います、でも、最後はきっと仲直りをします
……それが私の思う家族です、そして、── 此処は私にとっての "家" なんです

ですから、時に……厳しい事を言ってしまうかもしれません、── 苦手なんです、言葉を選ぶの
砂漠の環境では、一瞬の油断が命取りです。その為咄嗟に出る言葉は、厳しい言葉ばかりでしたから
どうかお気を悪くされない様に……正直、そんなに怒ってませんから


【ね、と軽く右の瞳を閉じて、残った色合いを向ける。オッドアイのウィンクは、とても色鮮やかで】


── まぁ、家族と言いましたが、エリィが兄だなんて此方からお断りします
私が兄に求める条件を微塵も満たしてはおりません、大却下です
素手でサンドワームを葬れる様になってから出直して下さい


【── そしてまた元の冷たい表情を向ける、悪い意味で表情豊か】


>>95

【── "蟲" の能力、それを貴方に明かすのは彼女にとっても短絡的であった、内心一人反省して】


お分かりですか、これは『ごめん』で済む範疇です、── リュウタはそれを超える事を時折しようとします
やがては必要な事でしょう、いつまでも庇護の下に居る事は許されません、砂漠の民も草原の民も一緒です
──、ですが、私は……私は、まだ早いとも思います。命は無碍に扱ってはなりません

……それと、過小評価も禁止です。貴方にはその、誰よりも優しい心があります
それさえ有れば、正義を貫くのに他に必要なものはありません
── なんて小っ恥ずかしい事言わせないでください、全く


【少し言い過ぎたかななんて内心思っているのか、言葉の棘が僅かに減って】


……砂漠の民は共同社会の中で生きます。それは同時に親の庇護の下生き続ける事でもあります
そして、やがて私も親となり、我が子を守り生活を続ける運命にあったのです
故に、その下を離れる時は── 家族を自ら見捨てる時か、或いは……家族を全て、失くした時か

真実などどうでもいいのです、大切なのは、私は今ここに居るという事です
感謝してください、私が居なければ── この店は成り行かないですから
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/27(日) 20:32:13.38 ID:Wb1e5G3f0
>>94

じゃぁ僕がいうね
レディ……ごー!


【と、いうもののもし彼女が一気にたたみかけるように力を入れれば、ドンーーと鈍い音をたててシロの手は叩きつけられるだろうし】
【様子見で力を入れなくとも、シロがほとんど力を入れていないことがわかるだろう】
【どっちにしろ、自分が負けること前提の腕相撲だったらしく】
【ーーそうして倒されれば「僕の負け」なんて言って握っている手を握手するみたいに握り返すのだろう】


マリーさん、強い女性みたいで安心したよ
僕が心配する必要はないと思うけど、この世界、いろいろとアブないみたいだから、気をつけてね


【きゅ、って彼女の手を握る右手に少し力をいれる】
【にこっ、て人懐っこい笑みを浮かべればちらりと店内の時計に視線をうつして】


こんな時間まで引き止めちゃったね、そろそろ出ようか
マリーさんみたいな綺麗な方とお茶が出来て、僕は幸せだなあ。
楽しかったよ、ありがとうございます


【すっかり氷のとけたジュースに視線を落とす】
【握った手を自分から離す気はないのか、そのままお礼を言ってーーもちろん、彼女が手を放せばそのまま引っ込めるのだ】
【これ以上何もなければここでお別れ、になるのだろう】
99 :兼愛 信生(けんあい のぶき) ◆xgsUYuhzWc [sage]:2018/05/27(日) 20:53:04.95 ID:QK38OukX0
【──覗き込んでぱちくり、と瞬きをする蛍光の緑の双眸】

ううん?

【水の国。その賑やかな街中では、双眼鏡を覗く女が居た】
【女性本人≠ヘ、通行の邪魔にはならないよう、端っこでそれを覗いてはいるものの】
【どうしてそれを用いているのか、何を監視しているのか、果たして謎めいていて】

……ようし、なんだかんだ、散歩はゴキゲンに好調のようだ。
アイにも、へんなヒトに絡まれたら逃げろと教えているからな!
自由に育てたくとも我が子には、最低限は迅速な教育をせねばな。

……しかし、親心は常に不安の波だ。今度は、防犯ブザーでも持たせてみようか……。

【と、双眼鏡をずっと覗いたまま独り言を言っている。──その声は、かなり大きい】
【周囲は稀有なもの、不審者を見る視線そのもの】
【はっきり言って、不気味∴ネ外の何物でもなく】

しかし、観察しているとジブンから声を掛ける事が随分少ないな……。
もう少し、その辺りの社交性を教えてみよう。
……しかし、この辺りは楽しそうなヒトが沢山いるな!

【──その女性の後ろには、黄色と黒のデザインの大きなロボットが居た】

【球体の胴に手足がついていて、全体的に黄色地に黒線のボディ】
【胴にはモニター、目≠ェ黄色い光で表示されている】
【……果たしてそれは目と呼んでいいのだろうか、(★ ★)このように星が2つ浮かんでいて】
【それが、時折まばたきしている】
【頑丈で太いアーム。手先は五本指になっている】
【足も大きく、踵にマフラーがついている】

【……女性はともかくとして、もうこちらの大きさは完全にはた迷惑≠ナある】

はっ!! ボ……、

──ボルタリング≠ェしたい……!

【──そこで急に突拍子も無く言い出して、女はわなわなと震えていた】
【そこで双眼鏡を外す、周囲を見渡し、手頃な壁のようなものを探していた】

【それは頭頂部付近は黒髪で、肩ほどまでのセミロング。髪の中腹から毛先が白く脱色されている若い20ほどの女だった】
【瞳は緑。何か特殊な加工でもしてるのか、たまに瞼の落とす影でほのかに蛍光発色をしていた】
【白衣を羽織って、白のワイシャツの胸ポケットにスマートフォンを刺している】
【くっきりとした色合いのグリーンのスキニーパンツを履いて、足元は黒い革靴だ】
【手には黒い革手袋を履き、最後に、その頭には赤縁の眼鏡が掛けられていた】


/途中から置きに移動します…!
100 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/05/27(日) 21:00:56.07 ID:+EpjXDEdo
「なんだよ、ここ────」


【目が覚めると、男はそこにいた──】
【昨夜はようやく勝ち得た「自由」から、仲間と共に酒を酌み交わし、床についたのはおよそ24時】
【そして気がつくと、見知らぬ公園の芝生に一人寝そべっていた】
【日が完全に沈み、夜となっているため、正確な時刻は把握できないが、周りを見た雰囲気からすると、恐らくは深夜であろう】
【空気は別段冷える訳でもなく、車の走る音やそよ風すらない夜の公園に、男は一人────】


「まさか、『政府』の残党か、はたまた第三勢力か?」


【常人ならばパニックになるような状況下においても、男は冷静であった】
【とある国家において、強権的な政治を行う『政府』に対抗するレジスタンスの一員、それが男──不動侑斗、コードネーム『テイワズ』──の素性である】
【彼は自由のため、様々な戦いを経験してきた】


【多くの仲間が死んだ】


【家族が瓦礫の下敷きとなり、ただ泣き叫ぶしかない人々も見てきた】


【そんな日に日に苛烈を極める戦場をくぐり抜けきたテイワズにとって、今回の出来事を受け止めるのは容易いことであった】
【まず考えたのは、敵による襲撃である】
【しかし、その可能性は低い、と彼は考えた】
【襲撃したにしても、眠っていた敵を殺すでも捕らえるでもなく、その辺の公園に放置するのは常識的に考えておかしい】
【いくら周りを見渡し、義眼でスキャンをしても敵らしい存在は見当たらない】


「ていうか、なんで武器も持ってんだよ...…」


【普通ならば就寝時は枕元に置いておく拳銃とナイフを、彼はなぜか携帯していた。ご丁寧に、予備の弾倉もいくつか持っている】
【これも敵襲ならおかしいことだろう。わざわざ武器を持たせて捕虜にするような馬鹿は存在しない】
【そして、彼の象徴であり、テイワズというコードネームの由来でもある義手も、完璧な状態であった】


「ブレード、キャノンともに良好……じゃあほんとになんなんだ?」


【彼の義手を知らぬ者はいない。敵の砲撃によって失った右腕の代替物として着けた高性能義手により、彼は今まで多大な戦果を挙げてきた】
【一般乗用車程度なら一撃でスクラップにできるキャノンと、高周波振動により『斬れない物はない』とも称されるブレード】
【寝込みを襲うなら、これを奪わない敵はいないだろう】


「…………」


【わずかに、不安が募る】
【何人もの敵を殺してきた彼も人間である。得体の知れない出来事に遭遇すれば、恐怖だって覚えるものだ】


「────誰かいないのかよおおおおお!!」


【その叫びは、誰にも聞こえず虚空へと消えていくのか────】



/遅くなりすみませんー! やっとこさできました!
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/27(日) 21:07:10.11 ID:jOO8sIUu0
>>97

【ウィンクに合わせて、ゆるく笑みを返す。ひとつ確かに頷いて】

わかってるさ、ファラは本当は優しい子だって。
家族なんだからわかるさ、兄なんだから、兄……

……兄、だめなの? じゃあどんなポジションになるんだい、僕。
サンドワーム、素手、……素手!? それはその、どのくらいのサイズの……
実物見たことないからはっきりとは言えないけど
きっと大型犬くらいの大きさのやつなら行けると思うんだ、
それじゃダメかな……もっと大きな……ええと、馬? 馬くらいのサイズ……いや……

【……また、眼鏡がずれた。そして話題がどんどん変な方向にずれ始める】
【生真面目というか頭が固いというか。「兄」に対する明確な条件を聞き出そうとし始める始末だ】
102 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/05/27(日) 21:07:52.80 ID:QK38OukX0
【水の国――、繁華街から僅かに外れた路地裏の土地】
【人通りは少なく、人の気配のないそこは、違法行為・事件の濃縮される風光明媚なこの国に置ける掃き溜めのような場所だったろう】
【そして、そんな掃き溜めに差し込む月光が生み出す人影は2つ】
【――今、水音とともにその人影が一つとなった】

「――ックハ、クッッハハハハハァッッ――!!
好かった、善かった、良かった、感謝しようッ!!
お前のその抗い、お前のその努力、お前の生を望む有様、そのどれもがこの俺の胸を打った!!称賛するッッッ!!」

【爽やかに、喧しく、両目から涙を流しながら高笑いを響かせる男】
【180cmを超える長身に、靭やかな筋肉を搭載した肉体。服装は黒の制汗素材のシャツに、カーキのワークパンツ】
【刈り込んだベリーショートの髪は、乾いた血を彷彿とさせる赤色をしていて。目の色も、それと同じ色彩を持つ】
【流れる涙を拭うように、黒い手袋で目元を拭えば、"乾いていない血の色"が、皮膚に塗りつけられた】
【視線の先には、四肢の腱を引きちぎられ、全身に無数の裂傷を受けて息も絶え絶えに蠢く巨漢が一人】
【強い憎しみと、強い恐怖と、強い絶望が綯い交ぜになった視線を、立つ男に向けていた】

「妻子を殺された義憤で俺を殺しに来たお前の勇気を、俺は尊いものだと思うよ。間違いなく。
だが、俺も俺で勇気を持って、夢を持って人を殺して、お前たちの絶望になろうとしている。
悪いが殺されてやる訳にはいかないんだ――、だから。殺されてくれよ?」

【振りかぶる手。ぎちり、と黒革の手袋が軋む。四肢に力が籠もる】
【止める手がなければきっと、その手は眼下の巨体に振り下ろされることとなるだろう】
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/27(日) 21:13:18.66 ID:d+POyHHN0
>>93

「いいえ、それは……初耳です」
「魔界へのゲートが開いたのは、それは、身をもって知っています、でも」
「いかに強力な魔術師でも、そんな事一人で出来るんですか?」

【エリイの話を聞き嫌な汗が一筋流れるのを感じた】
【ゲートの事は、よく知っていた、それは自分が人間でなく魔族になった奇跡の切っ掛けだったから】
【だがその事情、理由までは知らなかった、そして何より信じ難い話だった、あまりにも……】

「ありがとうございます……」

【勧められて、レモネードでのどを潤す】
【爽やかな檸檬とミントが、全身に心地よく染みる様で】
【そして、ファラーシャの能力もあって、大分落ち着いている】

「ごめんなさい、取り乱して……」
「はい、ファラーシャは違うだろうとは言ってますが、でも……」

【確かに少女の意見が最も理に適っている】
【だが、この胸騒ぎは何だろう】

「調べて、見る必要があるかもしれないですね」

【ファラーシャの意見が正しかったならば、それは何より良しで】
【しかし、こちらの疑念が的中していたなら……】

「そう言えば、エリイさんは、なんでこの店に入ったんですか?」

【ファラーシャにも聞いた疑問だったが】
【そう言えば、エリイにもこの話は、聞いた事が無かった、と】


>>97

「その時?」
「命を無碍に?」
「ゴメン……その、急き過ぎたよね?ゴメン……」

【少年の自殺行為を、咎めて止める優しさだ】
【それは、少女なりの気使いに他ならず】
【そして、確実に届いている】

「過小評価か……僕には実感が無いな」
「実力が無いのも事実だし、それに君やエリイさんみたいに頭も良くないし」
「優しいんじゃなくて、怖いんだ」
「僕みたいに、また、誰かが同じように理不尽に全部奪われるのが、怖いだけなんだ……」

【卑屈かもしれないが、それが少年の本音だった】
【それ故に、エリイやファラーシャが眩しく見えて】

「ごめん、悪い癖だよね」
「治さないと……」

【そう笑ってみせて】
【だが、次の少女の言葉に】

「ファラーシャ、君は……」
「君も、全てを……」

【最後まで、その言葉は言えなかった】
【君も全てを失てしまったのか?とどうしても聞けなかった】

「……うん」
「いつも、ありがとうファラーシャ!」

【その代わりに、無理矢理に笑顔で、こう答えた】
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 21:14:14.98 ID:5WXjETkVo
>>100

【── 足音が響く、告げる来訪者の音色は確かな足取りを持って】
【幾ら混乱していたとしても、男── テイワズであればその音を容易に察知できるだろう】
【そして、その足音の主が明確に、敵意を持って迫って来ている事も】


……こんな公園に、よくもそんな重装備で現れたものだ──
平和ボケをしているのか? 或いはその逆か、何れにせよ俺にとっては大した違いは無い
俺は貴様を知らない、そして貴様は容易に人を殺せる武器を持つ

── それならば貴様は、確かな力を持った俺の敵という訳だ
"能力者"は殲滅する、一人残らず──


【白銀のセミロングの髪を靡かせて、長い前髪から鋭く青い眼を覗かせる】 
【やや長身でスラリと伸びたボディラインを濃い青のストライプのシャツで包む】 
【燕尾服調の高級そうな黒のスーツとネクタイ、細く長い指先はシャツと同じ色の手袋】 

【男性らしからぬ女性的な端正な顔たちは、まるで仮面を貼りつけたかのように無表情で】 
【陰鬱な雰囲気を纏う、儚い印象を与えそうな青年が公園の入口から歩いてきた】
【右手の手袋の甲には "W" と書かれた文字があった】


"カノッサ機関"──"No.4" Fear , Seven for Four
貴様を殺す、男の名だ──!!


【フィア、と名乗った青年は右手にダガーナイフを握り、間髪入れずに投擲してくる】
【狙いはテイワズの首筋であった。真っ向から殺しにかかる、敵】
【それは手馴れた手段であった、きっと、何人もの相手へその手法を用いてきた、と】

【数々の修羅場を乗り越えてきたテイワズならば対応できるだろう、見知らぬ土地の見知らぬ場所、見知らぬ男の襲撃】
【聞き慣れない組織の名前を口遊ながら、それが道理であると言わんばかりに】


/よろしくお願いします!
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 21:27:02.44 ID:5WXjETkVo
>>101

【ファラーシャは冷たい目を向ける。── 思春期の少女が兄に向けてする様な、そんな色合いで】


その勝手に人の名前省略するの止めてもらえます? エリィは自分からこう呼んでほしいとごねるから呼んでるだけで
私はファラーシャと途中で止められるのも少し嫌なんですよ、家族から貰った大切な名前です
あと、本当とか本当じゃないとか関係なく私は優しいです── 正直なだけで

……さぁ、家族の末端にいる居候とかじゃないですかね。それかペットの吸血鬼か
それでも高貴なる夜の眷属の一人ですか? はぁ……もう一人の吸血鬼が見たらどう思うか
── それもこれも、吸血をしないからでしょう? 飲んだらもっとマトモになるのでは?


【蒼銀の髪の切れ間から、覗く首筋── 艶やかな褐色に彩られた柔肌が、呼吸の度に淫らに濡れる、けど】


>>103


── 怖さを知っている事、それが一番の強さであると、私の部族の戦士が言っていました。
彼は最も強い戦士ではありませんでした、けれども── 一番長く、生き抜いた戦士でした
彼は幼い私の頭に手を置いて、そう優しく言ってくれたのです

……今ならば分かります、恐れを知らない戦士など、それはただの蛮勇なのです
そしてリュウタ、貴方は── 怖さを知って尚、立ち向かおうとする
それが……一番の強さではないでしょうか


【含みのある言葉であった。蟲を宿しても尚、立ち向かう意志を見せる姿は】
【── 僅かばかり表情が強ばった。もしかしたら、リュウタに疑念を抱かせるけども】
【そこにはいつもの様に、眩しい笑顔があって──】


感謝の言葉より、貴方が早く仕事を覚える事が私にとってもっとも嬉しい事なのですが
伝票の付け方は覚えましたか? 領収書の切り方は? 常連のお客様のアレルギーは御存知?
給仕だからと言って愛想を振りまくだけなのは、二流のする事です


【そして此方には冷たい表情があった。お客様には絶対向けない表情】
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/27(日) 21:38:42.78 ID:jOO8sIUu0
>>103

聞いた話だと術を使ったのはたった一人。他にも仲間はいたらしいけど……
まあなんにせよ、ただの人間が興味本位でやったこと、なんかじゃないだろうね、絶対。

【「さっきまで言ってた、わかりやすい方の理由で世界を脅かすタイプの輩かも」】
【自身もレモネードを飲み下しながら。眉根を寄せて――楽しくない話をするときの顔】
【落ち着いたと思わしきリュウタを見て、うん、と相槌しながら。……グラスをまた掻き混ぜて】

……僕? 僕は……入ったというか、拾ってもらったんだよ、マスターに。
これは前教えたっけ、僕はもともと人間だったけど――一度死んで吸血鬼になったんだ。
吸血鬼というか魔族ってやつはこう……純血主義が強いからさ。
コミュニティに入れてもらえなくて、それで孤立していたところを……

【「拾ってもらったというわけ」。そう答えたが――言葉にする顔に、どこか翳りを残して】
【半分くらいは本当のことを言っていた。けれどもう半分の要素は、隠している、意図的に】
【嘘を吐くのが上手、というわけではないから、看破することは容易だろう】
【そこに入りこんでいく気がリュウタにあるかどうかは別として。何かを含んだまま、エリィは言葉をそこで切った】


>>105

う、ごめ……ファラーシャ。……居候……ペット、ペットかあ、……うーん……

【少女の名前をきちんと呼び直しながら。納得いかない、みたいな顔をして】
【細い顎に黒革のぴたっと沿った指を添えて、ううん、と唸っていた】
【もう一人の吸血鬼、を思い出して、確かになあとも思っていたりして】
【彼(だと思っている)と自分、同じ種族なのにこうも違うとは。考え直すとまた、弱気が強くなってくる】

……飲んでは、いるよ、輸血パック。
最近のはけっこう新鮮で、上質なやつも増えてるんだ……だから問題はない、はずなんだけど……

【ちら、と。カフェオレスキンの艶めきに視線を落として――すぐに申し訳なさげに逸らした】
【けど、と結んだ。ということは、あんまり問題ないわけじゃない、ともとれる】
【良くも悪くもまだまだ人間としての意識が生きていた。まあそのせいで、時々貧血で休んだりもするのだが】
107 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/05/27(日) 21:40:14.18 ID:+EpjXDEdo
(カノッサ──なんつった、こいつ。まあいいや)


【そんな思考をしながら、テイワズはまっすぐ飛来してきたナイフを義手ではたきおとした】


「100パー敵だろうし、知ったこっちゃねえか」


【今のは小手調べだろう、と推測する】
【明らかに眼前の男は、この程度のスローイングナイフが限界ではないだろう】
【明確な殺意とともにナイフを投げてくるような者が、酔狂で絡んでくるとは思えない】
【それだけで、見知らぬ地に放り出され、ストレスの溜まっていた彼には“充分”であった】


「よう、V系の兄ちゃん。こちとらプチホームシックでイライラしてんだよ」


【喋りながら、彼は義手を“発動”させた】
【どこか聞き心地のいい音とともに、右腕がその形を失い、また別の形となっていく】
【それは、乱暴にいうなら『物騒なモノ』である】
【戦車すら壊せるイオンパルス砲と、装弾数200発のチェーンガン。並の人間が喰らおうものなら、瞬く間にミンチとなるような代物だ。】
【だが、目の前の男が放つ殺気は『並の人間』のそれではなかった。】


【────故に、彼は“全力でぶっぱなす”ことにした】


「地獄で感想聞かせてくれや」



/こちらこそよろしくお願いします!
/書きながら思う…難しい…!
108 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/05/27(日) 21:40:49.42 ID:+EpjXDEdo
安価忘れてたー!
>>211>>208向けです!
109 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/05/27(日) 21:45:47.08 ID:+EpjXDEdo
/また間違えた…>>111>>108向けです…
/専ブラのバグがひどい…
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 21:54:17.25 ID:5WXjETkVo
>>107

【弾幕が公園を覆った。特殊部隊ばりの火力に地鳴りの様な轟音が響き渡る】
【舞い上がる砂煙が視界を染める、── 恐らくはテイワズにとって何の支障も無いだろうが】
【銃弾がフィアを捉える刹那、彼の姿が消えた。── 否】


その要請は受理できない、貴様がこれから行く先が地獄だからな
── 奇怪な右手だな、それが貴様の能力、いや── これは武装か、かなりの技術力だが
そんなもの、所詮玩具に過ぎない、俺の意志を折るには、柔過ぎる──!!


【 "頭上" であった。上空にダガーナイフが静止し、その柄から伸びたワイヤーにぶら下がる形でフィアは弾幕を回避した】
【ワイヤーを手元で切断、重力に引かれテイワズの頭部へとフィアは落下する】
【再びスーツの袖からダガーナイフを展開、右手で逆手に握り、振り下ろす】

【義手に打ち付ける軌道の攻撃であった。その強度を測る狙いもある】
【攻撃の成功不成功に関わらず、フィアは地面に着地し、構えるだろう】
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/27(日) 22:00:09.54 ID:d+POyHHN0
>>105

「怖さを知る事が……」
「ははは、本当に実感がないや……でも」
「ありがとう、ファラーシャはやさしいね、本当に」
「それに、色んな事を知ってるし、敵わないなファラーシャには」

【一瞬、ほんの一瞬だが少女の表情に陰りが見えた】
【気になる表情だった、見た事のない顔】
【しかし、疑念は一瞬で少女の普段の笑顔にかき消され】

「ご、ごめん……その」
「精進、します……」

【俯いて申し訳なさそうに】
【お客さんの嗜好やアレルギーはおろか、時折伝票を書き間違え、彼がおやっさんと呼ぶ店主にはその都度怒られている】
【非常に耳の痛い指摘だった】

>>106

「そんな、そんな事が一人で出来るなんて……」
「まさか、魔族、なんでしょうかね?その人……」

【話は、あまりにも人間離れし過ぎている】
【相手はあるいは、自分と同じ存在かも知れない、と】
【話を聞く限り、可能性は、十分にあり得る】
【レモネードのグラスは、一面に水滴を纏い、冷や汗の様にコースターへと滴る】

「おやっさんに?」
「エリイさん、アンデッドだったんですか?!」

【拾ってもらった、この話は初耳だった】
【初耳だったが故に、妙な親近感の正体も理解できて】
【アンデッドで魔族、経緯は違えど、それでもおやっさんことマスターに拾ってもらい此処に居て】
【こうして自分と話をしている、面倒を見て貰えている、縁の強さと言う物を実感して】

「魔族は、そうですね、多分人間よりも排他的……ですから」
「特異な存在は、認めたがりませんし」

【これは、自分自身にも覚えのある話だった】
【だからこそ、この場は、この店は奇跡的と呼べるのかもしれない】

「……エリイさん?」
「どうか、したんですか?」

【突然だった、ふいに今まで見た事の無い様な暗い影のあるような】
【そして容易にその先へと、踏み込めない様な表情を見せる】
【それは、やはり少年には大きく引っかかるっ所で】
【そして、尋ねずには、いられなかった所だ】
【もっとも、何か踏み込んではいけない様な、そんな気もして、控えめでありきたりな聞き方しか出来なかったが】
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 22:10:30.37 ID:5WXjETkVo
>>106

【その所作で十分であった。── ファラーシャに取って、メンバーの思考など手に取る様に分かる】
【­­それだけ長く、この店に関わってきたという自負も手伝って】


── 筈なんですけど、どうなんですか? 逆接で繋いでしまったのはミスですね
隠すなら隠し通してください、そうであったなら私も見て見ぬふりができますが
貴方がそういう素振りを見せてしまったなら、気づいた者として役割を果たします


【二つに結った根元を軽く握って、一つに束ねる様にして、貴方に首筋をさらけ出す】


……飲みますか? 店員の健康管理も、私の仕事のうちの一つです
生憎と吸血される経験も、吸血した経験もありませんが──
そこまで激しいものではないと、思ってるんですが

>>111

当たり前ですよ、リュウタの様な半人前が私に及ぶなど十年早いです
下積みから何まで圧倒的に足りていません、分かったなら一つずつ仕事を覚えてください
貴方は今下っ端です。つまり貴方が努力すればするほど全体の底上げになります

真に良い集団とは上位が秀でているのではなく、下位の質が高い集団の事を指します
帝王学の基本です、理解いただけたなら引き続き努力するように
── それと、私は優しくなんかありませんから、お忘れなきよう


【ピシャリと言い放つ── 冷たい一言でもあるけど】
113 : ◆KWGiwP6EW2 [sage]:2018/05/27(日) 22:12:58.04 ID:jOO8sIUu0
>>102
【人気の薄い路地裏――ただそれ故に大声は良く響く。近場にいれば、男の声を察知することは出来ただろう】

……毎日毎日……ここの人達、誰か殺してないと気が済まないの?

【場違いな高い声が聞こえると同時に――ダンッ、ダンッ、ダンッと薄汚れた石畳を粉砕しそうな勢いで、何かが突っ込んで来る】
【人気の薄い路地裏故に、大声を上げればそれは良く響く。男の声を聞いて誰かが駆け付けたのかも知れない】
【弾丸のように疾駆して来る相手から感じるのは、焦燥。今正に振り下ろされんとする、男の腕への、焦り】

――その手を、止めなさいッ!!

【腕を掴むのは間に合わない。警告だけでは止まらないかも知れない。だから突進して、そのまま拳を男へと振りかぶった】
【技巧もへったくれもなく、ただしまともに喰らえばただでは済まないと言う勢いだけが有る。その手を防御に向けさせようとする、目論見】
【暗い路地裏でも接近すればわかるだろう。それはまだ幼い少女だった】
【格好も、至って普通なTシャツとジーンズ。少なくとも公安や自警団ではないだろう】
【社会の掃き溜めのようなこの場所には、通常近付きもしないような人種だろうが、その細腕には、通行許可証代わりとばかりの暴力性が感じられる】

【ひたすらに真っ直ぐ――恐らく、まだ男の姿すらはっきりと視認はしていないだろう】
114 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/05/27(日) 22:13:54.76 ID:+EpjXDEdo
>>110


【やはりとでも言うべきか、予想通りに手応えはなかった】


「まいったな…今ので殺るつもりだったんだが」
「ていうかなんだ、能力って、こちとら瞬間移動もレールガンも撃てませ────ッ!」


【独り言を中断したのは、上からの殺気だった】
【銀のセミロングの髪を風にあおらせながら、フィアと名乗った長身の男が降ってきた】
【彼我の距離は5m前後と言ったところか、この状況では義手の変形も間に合わない】


「悪いけど降ってくるなら美少女に産まれて来いよッ!」


【叫び、彼は力任せに義手でぶん殴る】
【50kgは優に超えている上、パワーアシストもついた金属の塊で殴られれば、いくらフィアといえど、傷は与えられない可能性は高いが吹き飛ばすことぐらいはできるだろう】


/速筆で長文書けるのって尊敬します。慣れですかね?
115 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/05/27(日) 22:21:34.48 ID:QK38OukX0
>>113
――ッハ。今日は――善い日だ。

【足音。焦燥の混ざるそれを耳にして、何かを噛みしめるようにつぶやき。頬に涙が流れる】
【顔に浮かべる表情は、歓喜。血まみれの薄汚れた舞台の闖入者。男は歓迎するように笑みを浮かべ、その少女に目線を向けた】
【にぃ、と裂けるように口を弧の形に歪ませ。口角に垂れる血をぺろりと舐めた】

その勇気に免じて――この手はお前に振るうことにしようッッ!!

【拳に対応するは五指。形は貫手のそれ――空気を引き裂く甲高い音。手に纏わりつく、赤黒い魔力】
【何らかの防御、回避が無ければ相手の拳と衝突するだろうその軌道】
【拳と貫手――それが衝突という結果を得たならば、特殊な事情が無ければ相手の四指には深い裂傷が刻まれる事となるはずだ】
【そして、その衝突の結果如何に関わらず、男は大きく後ろに飛び退り、獣の如き前傾姿勢を取り、少女に相対する】
【手の構えは、五指を開いた独特のもの。その構えから、どの類の攻撃が放たれるのか、想像するのは少々難しいだろう】

紛れもなく――、正義の人だな。君は。
幼く、未熟――しかし、それでもなお、"輝き"を持つ。眩しい人間だ。
――さあ。俺に"もっと見せてくれ"。

【爛々と、"暗く輝く瞳"を向けて、男は相手に語りかけた】
【まるで恋い焦がれるような、悪意など微塵も無いような、憧れに満ちた言葉だ】
【唯の悪人とは、少々違うような。そんな気配も与えるだろうか。――まあ、紛れもなく人を殺す邪悪ではあるのだが】
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/27(日) 22:22:31.28 ID:jOO8sIUu0
>>111

わからないけど――魔族と同等、あるいはそれ以上の能力を持っているのは紛れもない事実だよ。
何せアルターリをまるまる一つ潰した奴なんだ、相当な――脅威だろうね。

【楽しくない顔はずっとそのまま、むしろどんどん渋くなっていくみたいに】
【掻き混ぜるのもやめにして、氷とグラスの擦れる音も立たなくなった。中身は、融けた氷で薄まりつつある】
【それを一気に吸い上げて、飲み干してしまってから――一息ついて、うん、と頷いた】

そういうこと。僕が元人間っていうの、なんとなくわかるだろ? ここで結構浮いてるんだから。
マスター、心が広いというか……豪胆だよね、僕らみたいなはみ出し者も拾ってくれるんだからさ。

……さあ、どうかしたかもしれないね。そのうちまた、……詳しく教えるよ。

【「リュウタ、君にも、そういうときが来るかもしれないから」――曖昧な言葉で濁して、口元だけで笑う】
【そういうとき、というものが、具体的にどんなものなのか。言葉にはしなかったけど】
【リュウタとエリィとには共通事項がある。人間ではないということ、――バケモノであるということ】
【そこからなんとなく、匂わせる程度には、何かをうかがわせていた】


>>112

う。……時々、本当にときどきだけど……
生身のイキモノから吸血しないと、気が済まなくなる、ことがあって……

【当然といえば当然のことだった、人間の感覚で言うなら、ずっと缶詰ばっかり食べて生きているようなもの】
【たまに新鮮な肉とか魚とか野菜とか、活きたモノを口にしたくなるのは、おかしなことではない】
【……けれど青年にとってはそれは「おかしなこと」だった。彼の人間らしさは、ここに来て悪影響を及ぼしている】

わ! い、いきなり肌を見せるのはやめないかっ、嫁入り前の娘なんだよ君は……
……、……いや、大丈夫。まだ暫くは持つはず、だから。
本当に危なくなったらそのときは、……お願いしてしまう、かも、しれない。

【おじいちゃんみたいなことを言って(実際おじいちゃんの年齢だけど)あたふたしながらも】
【自然と湧いて出た唾液を音もなく飲み下して。首を横に振る、それから、「してしまうかもしれない」】
【そのワードを口にするとき、本当に悲しそうな顔をした――家族にこんなこと、頼んでしまうなんて、って】


>>ALL

……と、今日は僕が会計当番だった。そろそろ見て来ないとまずいね。
じゃあ僕は、ここらへんでお先に――二人は明日もシフト入ってたっけ?
入ってたんなら、また、明日。

【会計当番。レジと金庫の金を数えて、ぴったり合っているかどうかを確認し、記録する】
【日替わり当番が、今日はエリィの番だった。これをしないことには明日の開店ができなくなるから】
【一足先に抜けて、作業を始める。そのために、席を立った。空いたグラスと賄いの皿を回収しつつ】
【彼はバックヤードに消えていくことだろう。また明日も、この店を、居場所を。守るために】


//途中抜けしておきながらすみませーーんここいらで落ちます。。。
//一足先におつかれさまでした、とっても楽しかったです! ありがとうございました!
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/27(日) 22:24:45.27 ID:yVCEmyMA0
【路地裏――――】
【――そこには蠢くような気配があった。物音はしてこない、ひどく静かであるのに。まるで何人もがそこに居るように、ごちゃっとした気配】
【もしも誰かが覗き込んだならば、やはり、そこには何人もの人。せまっ苦しい道を塞ぐようにして――けれど、何かがおかしい】

…………早くしてください。ウヌクアルハイ様は血はもちろん、涙や悲鳴さえ滴るような生餌がお好きですよ。
あなたがたが遅かったせいで死んでしまっては意味がありません、――早く!

【そこには確かにたくさんの人が居た。けれどそのうちの何人かは鮮やかなマゼンタ色のリボンで縛り上げられて、地面に転がされていて】
【その傍らにはわりに大柄の男たち――全員ばらばらの位置ではあるが、見える箇所に蛇の入れ墨を施している――が、今まさに、縛り上げられた人間を担ぎ上げ】
【それを眺め指示しているのは、どうやら少女であった。――といっても、口ぶりや態度を見るに、この場で一番彼女が"偉い"と見えたなら】

【――透き通るようなウィステリア色の髪は腰ほどの長さ、色白の肌に、ぱっちりと鮮やかなマゼンタ色の瞳が、よく映えて】
【華奢な体躯はそれでも165の高さ、腕組みした仁王立ちで男たちに指示を飛ばす、――その様子をじっと見つめて、彼らが一人一人と担ぎあげたなら、その後ろを歩きだす】
【襟元に刺繍の入った白いカットソーにスキニーのジーンズ、なら、こんな場所には不釣り合いなほどのスタイルを透かして、組んだ腕がゆるりと豊かな胸元を持ち上げる】
【足元はかかとは高くないけれどすっきりしたパンプスだった、――担ぎ上げられた数人のチンピラ、を縛り上げるリボンと同じ色をした目が、それらを捉えたなら】

……あなたがたは"我ら"よりも先にウヌクアルハイ様と"一体化"する権利を得たのです、それはとても素晴らしいことなのですよ。
――――さあ行きましょう、面倒な自警団に嗅ぎつけられては"手間"ですから。

【まるで安堵させるようにとびきりの笑顔で語りかける、――チンピラたちは怯えた様子で、けれど、身じろぎ一つもできないと言う風に、黙りこくっている】
【発話や血流を阻害された人間なんてきっとそんなもの――異様な一行は車を停めている少し開けた場所、まで、ぞろぞろと歩き出して】

【――――あるいは。電話でもあれば"彼女"が応対するだろう。そうでなくとも、彼女らは、すぐにでも本拠地へ戻るのだろうし】
【もしかしたらまた違った場所で待ち合わせでもあるのかもしれなかった。そうであったなら――彼女は車まで"サーバント"を見送り、そちらへ向かうのだろう】
【あるかもしれない電話が呼び出しであれ、もともと待ち合わせがあったのであれ、彼女は間違いなくその時間にその場所へ現れる。本拠地で誰かが待つのでも――きちりと、その場所へ】

/予約のやつです……!
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 22:26:56.46 ID:5WXjETkVo
>>114

【力任せの義手の一撃、直撃の瞬間── 思わずフィアは息を吐いた】
【重量の乗った拳が彼のダガーを弾く、衝撃を殺しきれず後方に吹き飛ばされる】
【一度、二度、と地面をバウンドしながら弾き飛ばされ、それでも姿勢制御】

【地面に両足を広げ、ずずーっと音を立て着地、溜まった息を吐き出す】


……なんだ、能力を知らないのか、一体何処の部隊のものだ
教育もされずにそこまで巨大な武器を操るとは、ただ者ではあるまい
── 興味が湧いた。後に繋ぐためにも情報を知りたい

お返しに俺からも一つ啓蒙しよう、能力とは── 罪だ
俺も含めた全ての人類に課せられた、抗うことの出来ない、罪
故に俺は全てを全滅する── それが俺の、使命だ


【先程のダメージは大きかった様で、直撃を受けた右腕が力無く垂れていた、折れているのかもしれない】
【けれども彼は無表情のまま、淡々と殺意を向けていく──】


──"Liquid Tension Experiment"


【フィアの後方に数十を超えるパソコンのモニターが出現する、皆一様に画面に文字を浮かべていた】
【── Quick その文字を視認するかしないかのタイミングで、再びフィアが疾走する】
【人間のものとは思えない速度であった、瞬く間に互いの距離を埋め、接近する】

【左手でダガーを握り、生身の部位へと切りかかろうとする】


/わー! ありがとうございます! 慣れですね!
119 : ◆KWGiwP6EW2 [sage]:2018/05/27(日) 22:41:36.98 ID:jOO8sIUu0
>>115
【ガキンッ!!と鈍い衝突音――ぶつかった拳と貫手。遮二無二突っ込んだ少女は当然防御も回避は出来ない】
【――しかし、鉄板でも斬りつけたかのような硬質な感触は想像とは異なるものだろう】

――ッ!!

【相手が飛びのいてくれたのは僥倖。少女は自分の勢いを殺せず、蹈鞴を踏むように仰け反ったからだ】
【しかし、どうにか、トドメを刺すことは防ぐことができた】
【息を乱しながら、ようやく相手の男を視界に収める】

……何で、泣いてるの、あなた?

【何より最初に気になったのはそれだった。挑発めいた言葉。戦闘を望んでいるのは明白であるのに、何故泣く理由が有るのか】
【喋りながらも少女は拳を庇うように撫でる。男の想定よりは浅かったろうが、拳からは血が流れ、裂傷を負っている】
【無意識に庇ってしまう辺り、痛みにも然程慣れていないように見えた】

仰る通りの正義の使者よ。
そういう貴方は悪人?この倒れている人の……妻子を殺したって。

【問うまでもない。どんな理由が有ればその行為が許されるのか】
【しかし、男の言葉にその辺のチンピラとは違う空気を感じたからか、戦いの場でそんな言葉が口を突く】
【こちらも身構えはするものの、男の独特の構えには戸惑いがある】
【先に受けた一端だけで能力を類推するには、全く経験が不足】
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 22:42:14.35 ID:5WXjETkVo
>>117

【── 刹那、少女の周囲の空間だけが一変する。それはまるで世界から隔離された様に】
【例えるならば、一人だけすくい上げられた金魚。どれほど跳ねても網の中から抜け出せられない様に】
【少女が瞬きをしたなら、次の瞬間には、真っ暗な空間の中に身体だけが浮いているだろうか】

【── 宇宙空間に似ていた、上も下も右も左も奥も手前もない】
【ただ真っ暗な空間が何処までも続いて──】


ご苦労様です── "ミス・ムリフェン" いえ、この場では貴女の名で呼んでさしあげましょう
蜜姫 かえで嬢、度重なる "ウヌクアルハイ様" への捧げ物、本当に素晴らしい
私も長くこのカルトに関わってきましたが、貴女程熱心な信者そう見た事はありません

── 故にこの様な場を設けさせて貰いました、初めまして
私は "ケバルライ" の名を持つ貴女の同志が一人
そしてその名を "ジャ=ロ" と申します。以後お見知りおきを


【無明の闇の中に男が一人現れた。長身の男性であった】
【長い黒髪に白いシャツ、年齢不詳なその様子は、取ってつけたように作られた格好をしていて】
【黒い空間を歩きながら、貴女へと近づくだろう、同じ幹部の一人として】

【── しかしその存在は遥か、人間を超越している様でもあった】


"ウヌクアルハイ様" は喜んでおられる、貴女の至上の喜びがそうであったように。
貴女の喜びは "ウヌクアルハイ様" の喜び、 "ウヌクアルハイ様" の喜びは貴女の喜び
そうする事で私たちは主と同一化していく、そうであったでしょう?

── 今宵は貴女に褒美を用意致しました、より一層、"ウヌクアルハイ様" に近付けるように。
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/27(日) 22:47:24.09 ID:d+POyHHN0
>>112

「ひッ……あ、そ、それは、そうだけども……」
「ごめん、修行します……」

【相手は一枚も二枚も上手だった】
【仕事面も考え方も】
【年齢的には、そう変わりは無い筈だが】
【その点はやはり、育ってきた環境とそして立場がそうさせるかもしれないが】

「そんなこと……」
「そんな事、無いと思うけどな」

【自分は優しくない、そう言ってのける少女だったが】
【でも、決してそんな事は無いと思った】
【あくまで聞かれれば、また何か言われそうで、だから、もごもごと聞こえるか聞こえないかだが、そう言って】
【やはり気恥ずかし気に、顔を伏せたのだ】

>>116

「怖い、相手ですね」
「僕達で、勝てるでしょうか……」

【まだ知らぬ、そして得体も知れぬ相手だ】
【だからこそ、エリイ同様に顔を強張らせて】
【そして、そんな不安を口にするのだった】

「はい、何となくですが」
「他の吸血鬼の魔族の人とは、エリイさん、違う感じがしますから……」
「おやっさん、僕も拾われた口です、なんだか不思議な人ですよね?そんな存在ばかり集めて、こんなお店立ち上げて」

【店の店主の存在は、多かれ少なかれ、ここに集う者達には支えとなっている】
【根底は、皆マスターを慕っているのだ】

「……エリイさん」
「わかりました、その……その時が来たら、教えてください」

【エリイの表情の訳を、その暗い部分に何を秘めているのかを】
【きっとその時には、何かが変わっているかも知れない】
【今はまだ、その時ではなくて】



>>ALL

「あ、そうでしたね!」
「じゃあ、エリイさん……よろしくお願いします!」

【レジ金と、そして金庫の資金の確認】
【当番制の業務は今日はエリイだった様で】
【彼に、任せて、そして明日も仕事だ、と思い返して】

「では、すみません、お先に失礼します」

【賄いの皿や鍋、グラスを洗い終われば、そうエリイとファラーシャに告げて、退勤する】
【そう、明日もこの店は開店する】
【お客さんと、そして、まだ見ぬ誰かの平和の為に……】


【ひとつ 人の世、生血をすすり】
【ふたつ 不埒な悪行三昧】
【みっつ 醜い浮世の鬼を、退治てくれよう……】


//お疲れさまでした!
//この辺で〆でよろしいでしょうか?
122 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/05/27(日) 22:49:53.93 ID:+EpjXDEdo
>>118


【突如高速で突進してきたフィアに対し、慌てて身をよじる】
【──が、間に合うはずもなく、左の上腕部、そこから5cm程度をダガーが走る】
【鮮血が吹き出し、テイワズは苦悶の声を上げる】


「──ガアアアッ!」


【続く一閃は辛うじて避け、バックステップを数回して距離をとる】
【まさに『超常現象』であった。フィアの背後に出現したパソコンモニターからの高速移動、そして彼の口にした『能力』という言葉。それらを重ね合わせた解はひとつしかない】


「──ハァ、ハァ…。ハッ、てめぇ、マジでそういう特殊能力者なのかよ」


【そう信じるしかなかった。彼の知る限り、そんな能力者が存在した、という話は噂にもない。ならば、本当にここは一体────】


(クソ、マジで夢ならいいのにな、これ)


【無論、これが夢ではないことは彼も理解していた。左腕の痛みが、それを証明している】
【まず知るべきは、ここがどこかだろう。そう判断した彼は、義手を通常モードに変形させる】


「なあ、数秒でいいから休戦しねえか? アンタもその腕の痛みに慣れるの時間かかんだろ? こっちも色々質問あるしさ」


【それが馬鹿げた提案なのは重々象徴している。だが、今の状況は彼にとって理解できないことが多すぎる。それゆえ、テイワズは賭けに出て質問してみることにした】


「まず、────ここはどこだ?」



/この公園の所在地は水の国郊外でお願いします
123 :マリー ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/05/27(日) 22:49:58.09 ID:pLyo27eOo
>>98

【力をちょっとだけ入れてみれば、拍子抜けとばかりに簡単に倒れて】
【まるで、此方が勝つように仕組まれたような──そんな感じがしたのだけど】
【きょとん、としていれば手を差し出されて、その手をしっかりと握り返す】


「ええ、ありがとう。私達でさえ危険なのに、市民に危険が及ばないようにしなきゃね」


【危険が迫っているのは私達だけではない──市民もそれは同じなのだ】
【握る力を強められれば、此方もちょっとだけ握る力を強くする】
【貴方の人懐こい笑みに、マリーは頬を緩めて】


「いや、此方こそありがとう。カフェオレのお代、払ってもらったんだもの」
「また会えたら、そのときは私に奢らせて頂戴?」


【なんて言えば、修道服の裾を揺らして女は去っていくことだろう】
【次に生きて会えたときには──私から奢ろうと、そう決めていたのだ】

// コレで〆でしょうか、ありがとうございましたっ!
124 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/05/27(日) 22:53:42.55 ID:QK38OukX0
>>119
ッハ!!どうやら勇猛であっても蛮勇ではないようだ!!

【硬質な感覚ににんまりと笑みを浮かべる。わずかに飛び散った血を、空中で男は掴み取り】
【後ろに飛び退った後は、感触を確かめるように数度、その手を握って開いた】
【死に近いが、未だ死なず命をギリギリのところで繋ぎ止めて転がる男には、なんとも言えない目線を】
【そして、相手の問いかけ。なぜ泣いたかとの言葉には、にんまりとした笑みを浮かべる】
【ぐちり、と涙を血まみれの手袋で拭えば、また顔は真っ赤に塗りたくられて】

それはもう――、君の様な善性の心を持った人間が居る事に胸を打たれたからさ。
俺は正義や善ってヤツが大好きでね。眩しいそれを見られたことが、嬉しくて堪らなかったのさ。泣くほどに。

【破綻した論理。正義や善が好きならば、善行を働こうものだというのに】
【この男は、あろうことか人間を一人半死半生に追い込み、先の言葉では妻子を殺したとまで言っていた】
【相手の問いかけ。己が倒すべきものであるかを確認するかのような問には、青いと小さくつぶやき】

ああそうだ――、この男の妻子をそれはもう残虐に殺し尽くしたよ。
俺は正義や善とかキラキラしたものが好きだからさ。
それを輝かせる。それを引き立てる。それをより強くする、闇だとか試練だとか絶望だとか悪魔だとかになりたいのさ。

――さあ。十分だろう。小さな"正義の使者"さん?

立ちはだかるは倒すべき邪悪だ。その全力で。その全身で。その全霊で――。

【酔ったように連ねられる言葉。狂気の滲むようなその思想は、しかし男からすれば正しい理論。故に迷いなど見られない】
【ポケットにおもむろに手を突っ込み。引きずり出したのは――"赤黒い人の心臓"】
【満面の笑み、直後――心臓を握りつぶし。男の姿が消える。否――】

――"輝き"を見せてくれェェ―――ッッッ!!

【低い前傾姿勢からの、異様なまでの瞬間加速。後ろに振り抜かれた両腕の内の右が、全身のバネを利用して前に突き出される】
【狙いは喉。五指を開いたままのそれは掌底のようにも見えるだろうが、指先が届く間合いに手が届いた直後】
【その五指は閉じられる。指先にわずかでも触れたならば、大型の肉食獣の爪よりも遥かに鋭利な刃物で切り裂かれたかの如き傷が残るだろう】
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 22:54:25.19 ID:5WXjETkVo
>>116

【そう言われてファラーシャは静かに髪を下ろして、少し物憂げな表情を向ける】


別に家族に肌を見せるのに抵抗なんてありませんよ、砂漠では日常茶飯事でしたから
特に髪の毛洗ってもらったり、とか── これは今は関係ありませんね
── 意思が弱いんですから、いいですよ、その時はお付き合いします

ええ、私も明日入ってます、では、また明日──


【そう言って彼女はエリィを見送って】

>>121

── ふぅ、お説教ばかりも疲れたでしょう、今日はこの辺にしておきます
リュウタが戦力になれば大きいのは間違いないですから、本当に
頼りにしてます、よ──


【去りゆくあなたに聞こえないぐらいの音量で、小さく付け加えた】

/お二人様お疲れ様でした!!
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/05/27(日) 22:56:47.77 ID:Wb1e5G3f0
>>123

と、いうことはマリーさんまた会ってくれるんだね
ふふ、どこまでも素敵な人だ……じゃあ、その時は……お言葉に甘えて

【マリーの言葉に一瞬ーーほんの一瞬だけど、パァって光が射すみたいに、大好きなおやつを差し出された子供のようにーー陶磁器の?がほんのり染まって、驚きと嬉しさに漆黒の瞳を丸くした】
【去る背中にひらひら、と手を振る。彼女が気づいていてもいなくても、その姿が見えなくなるまで見送るのだろう】

【ーー彼女が去った後】
【少年もまたご機嫌なタップを踏み、帰ってゆくのだろう。手を後ろに組んで、そのあとは音もなくーー】

//絡みお疲れ様でした!ありがとうございますー!
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 22:59:51.80 ID:5WXjETkVo
>>122

【── 浅い、と内心舌打ちする。かなりの反応速度であった、やはりかなり場慣れしている男だ】
【能力に対して無知な状態でこれであったなら、この世界での戦闘に対応したなら──】
【空恐ろしいとすら思える程に、其の戦闘力は脅威とも言えた】


── 『水の国』だ、この世界で最も大きな国の一つに挙げられる
成程、貴様── 別世界の住人か、そうであればその技術力にも承知が良く
俺は知らないが、"機関"のデータベースには何人か別世界からの住人も確認されている

良いだろう、質問に答えてやる。── 感傷に浸る様なそんな理由ではない
貴様の世界の技術力に興味が湧いた。少なくともこの世界のそれよりは上らしいが
一体どの様な世界から来た、貴様は──


【フィアは呼吸を整えながら、言葉を重ねる】
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/27(日) 23:09:44.94 ID:yVCEmyMA0
>>12

【男たちがチンピラを運送していく。それを後ろから見守っている少女はさながら彼らの護衛のようでもあった。――そして事実、その役割を担っていた】
【けれど立場は全くの逆、彼女がこうして路地裏で人間を拉致するための下地を整え、そして力はあるけれど無能力者である彼らが運び、彼女はそれを最後まで見届ける】
【彼女が"修行"により、ウヌクアルハイに導かれ、その力のさらなる使い方に目覚めてから――それは日常の一環になっていた】

――――――ッ、

【――その少女が、ふつり、と、隔絶される。驚いたような表情があたりを見渡す、それありふれた人類であったなら容易に発狂してしまえそうなほどの、暗がりだった】
【すべてが始まる前の暗黒に似て。それともすべてが終わった後の暗黒に似て。それともあるいは、すべてを呑み込もうと口を開けた蛇の中に見る深淵に似るなら】
【どこか安らぎを覚えた、そうした先に、彼女のマゼンタ色は、やがて人物を見出して】

――――いいえ、私のことはムリフェンと呼んでください。蜜姫かえでというくだらない人間の名前よりも、ウヌクアルハイ様に仕えるための、その名前を。
けれどそれすら果ててしまいそうなほどに――身に余るほどの名誉です、ケバルライさん。それとも、ジャ=ロさん、とお呼びすべきでしょうか?

【呼ばれた名に、彼女は相手を同志の一人としてみなす。そして実際にそうであった、ならば、平常の声音が、返していく】
【彼女がその名をもらったのはそう昔のことでなく、むしろ最近と言えた。むず痒いようにはにかむならば、白磁の頬がわずかな赤みを帯びる、この身には重すぎる悦びに震え】
【真っ白いドレスグローブに包まれた左手を口元に沿える――そうしてから気づいたように。彼女はそのグローブを抜き取るのだろう】

【――はたしてそこに蛇が居た。指先を揃えて伸ばせば、まるで生きていると見紛うばかりに精巧な、蛇の入れ墨が】
【それはまごうことなく彼女が蛇を崇める証――本当は隠すことを嫌がっている、と、相手は知っているかもしれない。けれど、仕様がなく、こうしているのだと】

――はい、ウヌクアルハイ様に喜んでいただけること、それこそが私の喜びに相違ありません。
そして私の喜びはウヌクアルハイ様を潤し――――ああ、今から"その日"が待ち遠しくってたまりません! ――、あぁ、そんな、こと、

【――ぞくり、と、その薄く形のいい唇の端っこが、悦びに慄いた。浮かべた笑みはかえって無垢に見えるほどになって、赤みの頬に、指先の白さがよく映える】
【そうして彼が伝えた言葉が、この少女をまた潤ませる――それはとんでもない悦びである、と、細胞の一つ一つまでもが、甘く深くざわめくよう、脳髄の奥まで蜜に浸されるよう】
【ならば待ちきれないように彼を見つめるのだ。早くそれを賜りたい、そうしてその力を一刻も早く使いこなし、ウヌクアルハイに捧げたい。そう心底願う目をしたなら――】
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 23:20:45.60 ID:5WXjETkVo
>>128

【見目麗しい娘であった。並の男であれば放って置かない、そしてその娘の寵愛は全て"蛇"に向けられる】
【── その条理こそが神たる由縁であった。理性は限りなく常識を奪い、本能が跋扈する】
【男の口角が軽く釣り上がる。笑みとも呼べない歪んだ表情に、僅かばかりの愉悦を濡らして】


貴女の意志に従いましょう、"ムリフェン"── ならば私も"ケバルライ"と呼ばれるのが道理。
私は道理を重んじます、条理を愛します。因果に導かれた理こそが私の住むべき世界
そう、それこそが"ウヌクアルハイ様"のおられる円環の座、貴女にはもうお分かりですね

我々が望み、願い、希む程に、神の世界は近づき、我々の理は神の理に塗り替えられていくのです。
お気づきでしょう、この空間こそが── "ウヌクアルハイ様" の存在される "理外" の世界
耳を澄ませましょう、目を凝らしましょう、そうする事で、神の世界は貴女の目の前に


【闇が貴女へとまとわりついて行く。粘度のある沼へと、爪先から沈みこんで行く様に】
【全身が総毛立つが如く、皮膚の表層を撫でる無愛想な感触に似ていた】
【── 生温い闇の温度、それはまるで、人間の体温の様に】


"ウヌクアルハイ様" は喜んでおられる、貴女という信徒がこんなにも近くに居て
お分かりでしょう、"ウヌクアルハイ様" は貴女をいつも見守っていたのです
貴女が腕に自らの誇りを掘った時、それはそれは大層深くお喜びになられました

── さぁ見せてください、貴女の忠義の証を、ほら、もっと近くで──


【────ミチリ】


【それはまるで、爪を立てられるかの様に、貴女の刺青に激痛がはしるだろう】
【蝕むといった表現が近かった。無明の闇が貴女の刺青ごと腕に負荷をかけていく】
【それは、腕が折れるまで続くだろうか、特上の痛みと共に】
130 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/05/27(日) 23:23:01.80 ID:+EpjXDEdo
>>127


(水の国? 機関? なんだそりゃ)


【そんな国や組織はテイワズには聞き覚えがない。ならばフィアの言う通りここは自分にとって異世界なのだろうか】
【にわかには信じ難い話だ。異世界に行くなどという話は、中高生向けの本にあるような内容だ】
【だが、逆にそれで合点がいくこともある。パソコンモニターが出現し、高速移動するという明らかに常識を逸脱した現象の数々は、『そういう世界なのだ』と思えば納得できるような気がする】
【結局、彼はフィアの言う異世界から来た、という説に従うことにした】


「俺のいた世界、か。どこもかしこも戦争ばっかの、馬鹿みてえな世界だ」
「俺は〇〇って国に産まれたんだ」


【生まれた国の名を出したのは、恐らくこの世界の大抵のことを知っているであろうフィアに知っているか確認をとるためであった】


「そこの政府相手にレジスタンスしてた。んで、戦いの最中に右の眼と腕無くしちまって、支援国に義肢に優れてるとこあったから、作ってもらったんだ。そこはすげえぞ、ガンダムみてえな──ああ、20mくらいの人型ロボットわんさか作りやがって、刃向かった国は2週間以内には地図から名前が消えるようなところだ」


【次に知るべきはこの世界について、だと考える。本当に異世界なら、帰る方法を見つけるまで過ごさなければいけない。そのためには“常識”が必要であった】


「なあ、次はアンタがこの世界について教えてくれよ。アンタの言ってた“機関”とかさ」


【そして何よりも必要なのは──】


「──あと、どうにかして帰れない?」
131 : ◆KWGiwP6EW2 [sage]:2018/05/27(日) 23:29:41.73 ID:jOO8sIUu0
>>124
ああ――もう!テンション高いなあ、全く!

【真っ赤に顔を染める男に鳥肌が立ちそうになりつつも】
【続いた言葉はもっと眉根が寄ってしまう。言っていることが全然分からない】
【男の予想の通りの言葉が出て来ることだろう】

善性が好きだってのなら、自分でやれば良いじゃない。
あなたに引き出して貰わなくなって世の中悪党だらけでお腹いっぱいよ!

【男の理屈は、とにかく肌にそぐわなかったらしい。苛立ちを隠しもせずに】
【――ああ、もう確かに十分だ】

お陰様で――あなたみたいな酔っ払いなら、躊躇いなくぶん殴れそうよ!

【陶酔めいた言葉を放つ男に恐怖を――感じない。この能力は恐怖を塗り潰す】
【だから、惑わされずに冷静に対処できる。ここまでは良い】
【しかし、男の異様な攻撃行動に対応できるほどの――実力がない!】

何、そのキモいの……何かの内臓……って!!

【気を取られた――瞬時に突進してくる男の姿を視認できない】
【ヤバい――!!咄嗟の判断で致命傷を防ぐべく、腕で、庇った。しかし能力の影響化とは言え、無様な防御姿勢。再び鮮血が飛び散るだろう】
【これが男の能力――威力もさることながら瞬間的な加速ならフルパワーの自分よりも上だ】
【ただでさえ目で追えないのに――冷や汗を掻く。ヤバい。離れるのはヤバい】
【距離を取って、今のを繰り返されたら一方的だ】

……勘弁してよ。
これでもクラスでは、彼女にしたくない女子3位の陰キャで通ってるの。
輝くとか、そういうのは――他を当たって!!

【”離れてはいけない”、刃物の如き男の腕を、防御したのとは逆の手で掴もうとする】
【いかに防御力が強化されていようが、ダメージは避けられまいが――知ったことではない】
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/27(日) 23:36:59.81 ID:5WXjETkVo
>>130

【フィアは無言で首を振り、テイワズの問いかけに対し否定の意味を示す。つまりはこの世界には存在しない、と】
【同時にそれは明確な証左であった。── この世界は異世界である、ということの】
【理解力の早い男であった。腕も立つ── 異世界の人間とは、皆が皆こんなにスペックが高いのだろうか】


── 成程、道理でこの世界の技術レベルからすればオーバースペックな武具が飛び出してきた訳だ
少なくとも俺が今まで見た中でトップクラスの規模と破壊力を持っていた。── そうだな
あれに対応できる部隊はこの世界には存在しない、"能力者"を除いてな

だが、場所が変わっても世界が変わっても、人間のやる事には変化が無い
それは原初の人類であってもそうであり、終末の人類であってもそうなのだろう
── その様な因果だ、俺達は、俺達も── そう作られたのだから


【"能力者" との言葉に苦虫を噛み潰したような表情をして紡ぐ、どうやら大分嫌悪をしている様子で】
【無表情に戻ったならば貴方の世界の惨状を聞き、そう吐き捨てた。人間という括りを定義付けながら】
【フィアは少し沈黙を返した。テイワズの言葉を静かに逡巡する様に】


恐らく基本的な世界体系に変化は無い。朝があり夜がある、俺達が意思疎通出来ている事から、技術差はあれど文化差は無いだろう。
貴様達の世界が技術に秀でていた様に、俺達の世界にも特筆すべき異端がある
── そう、それこそが、俺が狩るべき"能力者"──

世界の理を根底から乱し、既存の物理化学に縛られない荒唐無稽な"能力群"──そしてそれを行使するのが奴らだ
"カノッサ機関"はこの世界に混沌を齎す組織、── 能力者を狩るのに最も効率が良く、俺が所属している
以上が貴様の質問への答えだ── そうだな、それは大事だ

結論から言おう。不可能だ。── 貴様という存在が個々に来たこと、それこそが奇跡に近い


【理路整然とフィアは語る、能力者に対する強い敵対心を持つ彼は、それ以外の存在には興味が無いのか】
【── 冷たい視線は変わらない、虎視眈々と獲物を狙うように】
133 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/05/27(日) 23:48:01.02 ID:QK38OukX0
>>131
――ッハ!!ハッハァ――ッ!!!

【腕で首を庇ったならば――、男は相手の腕を"摘み取った"】
【にたりとした笑み。五指の力は異様に強く、相手の防御力が高いのと同じ様に、こちらの攻撃力も相応だ】
【魔力による強化、身体能力のバランスから繰り出される、"掴み"は――その強大な強化故に"食い千切り"へと変貌している】
【男の手の中には、微量ながらも摘み取る事に成功した"相手の腕の肉"が有り。それを捕食するように手の内に握り込んだ】
【そしてわずかに男の両腕から吹き上がる魔力――何らかの理由で強化が発生した様子だ】

美味いな。――正義の味は、堪らないよ。
――さあ。抗ってくれ。
――さあ。打倒してくれ。
――なあ?

【恍惚とした顔。眼の前の少女との殺し合いが、楽しくて堪らない様子】
【相手が己に手を伸ばすのを見て、にたりと笑みを浮かべて】

――恥じるな、胸を張れ!!
君の人生は輝きに満ち、君のあり方は美しい――!!誇れッッ!!

【100%の肯定、100%の称賛。この男は、間違いなく眼の前の少女に敬意を抱いている】
【そして、だからこそありとあらゆる手段を用いて、殺そうとしている】
【それこそが、この男ができる。この男が憧れに対して行うことができる、唯一にして最大の行動だからだ】

疾――ッッ!!

【全身のバネが駆動し、手首のスナップを利用して右手の五指が跳ねる】
【軌道は己に伸ばされる少女の手首を狙うもの。当たったならば関節を砕かれる様な衝撃を受けるだろうか】
【そして、そこで体制が崩れたならば――、次は左手。そして右手ととにかく速度を優先した爪の引き裂き、刺突が乱打として繰り出されるはずだ】
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/27(日) 23:49:27.72 ID:yVCEmyMA0
>>129

【――いつか、彼女は、ありふれた人間であった。家族、友達、あるいは片思いの先輩。そういった日常に、心を注いでいた】
【なんて馬鹿げていたのだろうと今ならば、思う。蜜姫かえでという人間は馬鹿だった。――もっと素晴らしいものは世界にあったのだ、と、今ならば分かる】
【蛇に赦される――そのために、この世に存在する全ての蛇神を統べるウヌクアルハイにこの身すべてを捧ぐと決めたときから、この世界は、あんまりに色鮮やかに輝くから】

――はい、分かります、私の存在のすべてが打ち震えて、すべての細胞をその美しい鱗で撫でられているよう、――感じます。
――――"ここ"に御座すのですね。我らがウヌクアルハイ様が。――ああ、なんて気持ちなんでしょう、男の人って、いつだって、こうなのかしら。

…………――ですが、三十六億の女の全部といっぺんに交わったとしても、こんな幸福。こんな心地には遠く及ばないでしょう、だとしたら。
私は"ムリフェン"としてこの場に居ることに感謝します、――。

【ぴったりした布地で包まれる足元をくすぐったげに擦り合わせる、はぁ――と漏れる吐息はひどく悩ましげに震えて、脳の細胞がちりちり、と歓喜の声をあげる】
【改めて闇に眼を向けた少女はひどくあどけなく、だからこそ背徳的に笑んでいた。気づけばその目は閉じられて、真っ白の瞼に、ふっくら、眼球の形を透かす】
【それは行為に耽る様子に似ていた、身体の感覚に深く深く沈んでしまいたいみたいに――常人ならば不快とすら思ってしまいそうな温度の闇に、意識を浸す】

ああ、なんてもったいないお言葉でしょう、私は未熟な蜜姫かえでを高めるためにしたのです、そして私は生まれ変わったのです。
ならば私を産んでくださったのはウヌクアルハイ様です、まるで母のように――母のために尽くすのは子の道理です、そのために生まれたのですから!

――――――っ、ん、う、……っ、あ! っ、っ――、ぃ、っん、――、ひ、――っ、

【――ぎりぎり、と、左手に痛みを感じて。少女の身体はぎくりとばね仕掛けのおもちゃのように慄いた、それはさながら修行に励む、サーバント】
【彼女自身もいつかそうであった。さまざまな苦痛にその身を曝し、心の深いところまで意識を沈めていく。蛇の鱗ほど多くその方法はあり、しかし、どれも容易ではない】
【だからこそ、その心をより一層清らかにするために。――整った顔立ちが苦痛を堪えて歪む、けれどそれはどこか愉悦にも似て、唇を噛みしめたなら、嬌声を留めるよう】
【けれど相手に――あるいはウヌクアルハイに見せるように差し出した左手は恐ろしいほどにそのまま保たれる、指先までを、ぴしり、ときれいにそろえて】

――あ、っ、あう、んんっ――、う、ぃ……っ、

【神経をざりざりとこすりつけられるような痛み。けれどそれは甘美にしか映らない。苦痛であればあるほど、ウヌクアルハイの深い深い愛に、浸されていくよう】
【少女はきっとその苦痛が過ぎ去るまでを耐えきるのだろう、――たとえそれが常人であれば耐えきれないほどだったとしても、"ここまで"来られた彼女になら、可能だったから】
135 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/05/28(月) 00:02:25.25 ID:z4n494cto
>>132


【不可能だ、という言葉は重くテイワズにのしかかった。先程までのプチホームシックがどんどん大きくなっていくのを感じる】


「──ケッ、帰れない上に異能バトル世界とか、面倒なとこに来ちまったなあ」


【それは彼なりの強がりであった。傍からすれば余裕があるように見えるが、本心では不安で押しつぶされそうなのをひた隠しにしている。テイワズ──不動侑斗とはそんな人間である】
【意識がそろそろもちそうにない。左腕からの出血は止まる気配がなく、適切な処置がなければいずれ死ぬだろう】
【そこで、彼はもう一度賭けてみることにした。これが断られれば、そのまままたさっきの続きだろう】


「なあ、ひとつ頼みがあるんだが」


【まともな感性しといてくれよ、と祈りつつ、彼は一歩踏み出す】


「お互い怪我しちまってるし、俺も変な腕してはいるけどお前の言う“能力者”じゃあない。つまり狩る対象じゃないわけだ」


【そこで深呼吸し、彼は言葉を紡ぐ】


「そこでだ、まあ今日のははなかったことにして──って言ってもこの公園は直せないけど、とにかくお互い今回はやめにしよ、な?」


【それは作戦でも罠でもなく、本心であった。失血と異世界に来たというストレスから、心身ともにテイワズは疲弊しきっていた】
【だからここでやめにしたい。だが彼には、もうひとつ思いがあった】


「だが、次に出会った時にその『カノッサ機関』とかいうふざけた組織にいるようなら」


【彼はレジスタンスに所属していた。これは徴兵などではなく、自分から志願してのことである】
【それは、弱者を守るため。そのためならば、彼は命を賭けて戦える。それが、彼の戦う意味であった】
【それゆえ彼は、『世界に混沌を齎す』などと嘯くカノッサ機関が許せないでいた】


「────その時は、容赦しねえぞ」


【ライオンも凍りつく目でそう言い切る】
【しかしすぐに表情をどこか恥ずかしそうなものに変えると、】


「──あとさ、ちょっとでいいからお金くんね?」



/すみません、明日早いのでそろそろ締めでお願いしますm(_ _)m
136 : ◆KWGiwP6EW2 [sage]:2018/05/28(月) 00:06:01.92 ID:oiYat9KL0
>>133
い――づぁっ!!

【腕に鋭い痛み。肉ごと持ってかれた!?出血量は先程の比ではなく、何より、痛い――】
【一層顔を顰めている少女とは対照的に、男は更に勢いを増したようだ】
【さっきより、出力上がってる……?え?私の肉でテンション上がった?】
【求めるような男の言葉にも、荒い息で応えるだけだ。抵抗するように伸ばした手】
【それさえも、男の五指に弾かれる。砕かれこそしなかったが、ジンジンと手が痺れている。暫くは使えない――】

【残った片腕だけで、乱打のような男の攻撃を捌き切れる訳もなく、それこそ致命傷を避けるのが精一杯だ】
【瞬く間に腕、脚、胴と瞬く間に血塗れにされる――出血もそろそろヤバい】
【潮時か?逃げるか?こいつの正義オタに付き合う義理なんてない】

く、っそ……でも……

【戦闘の最中でも、ちらりと倒れた男に目を向ける】
【見捨て、られない!】

ああ、もう……!

【もうそんなに付き合っている体力はない。男へと向き直る】
【攻防一体とも言える、両手の連撃は、しかし……一発一発なら、まだ分がある】
【……ついでに言いたいことも言うことにした。荒げた息を飲み込んで、一言】


ゴチャゴチャうるせぇ―――!!

【全身全霊で、男の両腕の間、その胴体を、蹴りつけた】
【勿論全力吶喊故に、より体へと深く爪が食い込む。それでも】
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/28(月) 00:08:43.30 ID:0+4WchHDo
>>134

【苦痛は続くのだろう、生きたまま身を裂かれる様な痛苦── 永劫の時に近い痛みは、不意に終わりを告げる】
【脳の神経をそのまま切断したかの様に、痛みから解き放たれ、快楽で満ちる様に】
【── それは無限の幸福に満ちた、あどけない無垢な喜びに似た】


── 残念ながら "死" でございます。"ムリフェン" 貴女ではその痛苦は耐えきれないのです。
いえ、正確には貴女の高尚な精神は耐え切ったのでしょう。ですが、あまりに強い苦痛は身体にとってのストレスに他ならず
故に身体が死を選んだのです。それこそが救いであると、伝える様に

お労しや、愛しの "ムリフェン" ──誰よりも強い願望と、信仰を一心に受けた聖女よ
それならば貴女にとっての "死" とは本当の終わりなのでしょうか
願いは果たされず、望みは消え果て、全ては無限の痛苦の中に飲み込まれていく、と

── まさか、そんな茶番を、ジャーロを、"ウヌクアルハイ様" がお認めになる筈がない。
" Mors Principium Est "── 死は始まりに過ぎない、と、主は言った


【電源が入ったかの様に、再び貴女の全身に苦痛が駆け巡るだろう。── 無明の闇の中、誰にも看取られず死に、そして蘇る】
【それはある種の演劇であった。如何に残酷な手法を使って少女を殺すかを描いた、演劇作品】
【人はそれをジャーロと呼び、グランギニョルの名と共に残酷な喜びに耽っていた】

【貴女は享受するのだろう。生きたまま裂かれる苦しみを、蝕まれる痛みを、溶かされる感触を】
【そして闇に包まれたままやがて意識が途切れ、再び苦痛が始まる、延々と死に、蘇る】



【── その繰り返しが、何度も何度も行われて】



── やがて少女は気づくだろう。痛みから自分が分離している事に。
そう、それこそが生きている状態と死んでいる状態の狭間── 量子猫よりも更に胡乱。
今君は新たな" 術 "を身につける。苦痛を司る術──"Itzamna"

さあ目覚めたなら使ってみましょう、君の新しい技です。



【その果てでもまだ正気を保っていたなら、貴女は身体が自由に動く事に気づくだろう】
【意識を集中させたなら、腕に刻まれた刺青が、意識を持って腕から伸びていく】
【── 刺青が触れた物質に"苦痛"を直接与える術式"Itzamna"】

【相手が人であれば噛まれた痛みや、毒で受ける痛み、焼かれる痛みなどを選択できる】
【対象が物質であれば、強引に接着する事が出来る】
【── そんな術式であった】
138 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/05/28(月) 00:16:25.75 ID:ukIb/Zaz0
>>136
――まだだろう?まだだろう?
こんなもんじゃないはずだ。こんなものじゃ――!!

【乱打の最中でも、倒れる男を気にする相手は、正しく尊ぶべき精神性の持ち主だと"確信"した】
【だからこそ、その生命を摘み取る事も、その輝きを失うことがとても残念で、とても悲しくて――】

【――とても嬉しい】

【笑いながらボロボロと涙を垂れ流し、鼻を啜りながら――それでも全身に返り血を浴びて、男は乱打を止めない】
【さあ抗ってくれ。さあ、逆転してくれ。さあ、俺のような"悪"に負けないでくれ。全身全霊の応援を視線に込める】
【一際鋭い一閃、コレが止めになるかと僅かに緩みが生じたその間隙に――"突き刺さる"】

カ――ァ゛……ッッッ!!

【相手の体に突き刺さった爪。だがそれは、負傷を顧みぬ吶喊故に、逆に急所を避けた】
【男の一際深い踏み込みも相まって、相手の蹴り足は深々と男の腹に突き刺さり――吹き飛ぶ】
【吹き飛ぶ瞬間、まるで離れるのを惜しむかのように指にぐぐ、と力が入るが、それでも男は数Mは転がっていき】

……あ゛はは……ッ、"ありがとう"。
とても、今の一撃は――"響いた"よ。

【地面をのたうち回り、びちゃりびちゃりと胃がひっくり返る衝撃に嘔吐して】
【血肉と胃液の匂いにまみれたまま、男は少年の様な笑みを、少女に向けた】
【ゆっくりと立ち上がろうとしているが、その動きは極めて緩慢。倒れた男を連れて逃げ去る事は難しくはないかもしれない】
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/28(月) 00:16:44.27 ID:0+4WchHDo
>>135

【── フィアは近づく貴方に身構え、そして拍子抜けした、繰り出された言葉が甘い言葉であったから】
【返答の代わりに興味を失ったかのように一瞥した、── しかし】
【ゾクリ、と蛇に睨まれた蛙の如く、続く言葉に、彼は思わず身構えた】


── 構わない。最初から俺も、殺す気で迎え撃とう。
貴様の持つ力を全て叩き壊し、そして、俺が殺し尽くす──、
それが俺の存在意義で、俺の全てだから







…………、落ちているダガーを拾え、それなりに値段がつくだろう



【奇妙な男であった。身の毛もよだつ程の殺気を放ったと思ったなら、どこか人懐っこい雰囲気もあって】
【── それこそが彼の強さなのだろうかとも思う。自分自身の信念の為に戦う力を持つ者の】
【くだらない、と吐き捨てる。信念ならば既に踏破したと、内心思いながら】

【── フィアはその場を後にしていく、背中に確かな感触を残して】


/ではこんなところでどうでしょうか! お疲れ様でした!
140 : ◆KWGiwP6EW2 [sage]:2018/05/28(月) 00:31:28.78 ID:oiYat9KL0
>>138
あ”……ギ、オ、ぉぉッ!!

【ひきつるような痛みに、少女らしからぬ声が上がる。弾丸のような速度で蹴りつけられたと言うのに、まだしがみつこうと言う執念の痛みだ】
【それでも捨て身の攻撃が奏功したか、思ったよりも相手は遠くまで飛んだ】
【今しかない――少女は、倒れた男を抱える。負傷した体からの出血と苦痛で今にも倒れそうになるが、幸いまだ能力は生きている。男を運ぶくらいは問題なかった】

どういたしまして、私の方は反吐が出そう。血の。

【内臓を破るくらいの勢いで蹴飛ばしてやったのに、男はまだ嬉しそうにしている】
【――ああ、ダメだ。こいつとは、きっと心底相性が悪い】
【恐怖ではない。嫌悪でもない。だけど、自分の中に唯一存在している信じるべきものと真っ向から反する存在だ】

あなたの言うことは――全然分からない。――全然よ。

だから、きっとまた会えるよ。
次は必ず”道理を通す”。

【――倒すでも[ピーーー]でも、なく】
【捨て台詞のように呟いた】
【少なくとも懲りてはいないらしい】
【勿論、もっと吐きたい悪態は色々有ったが、そんな時間も体力もなさそうだ】
【少女は、男とは目を合わさないように、早々に路地を立ち去った】
141 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/05/28(月) 00:40:05.23 ID:ukIb/Zaz0
>>140
――だろうな。俺だって、分かって貰えるとは思っていない。それでいいんだ。

【にわかに勢いは止み、静かな瞳で少女を見返して】
【噛みしめるように、理解できないという相手の言葉に、低い声で言葉を返した】

……ああ、また会えるのか。それは最高に嬉しいね。
俺の名前は、エテイオイン・シャードルー。
君の名前は――ッ。

【相手の言葉から、次があると聞き歓喜を隠すことすら無く】
【堂々と己の名前を相手に名乗った後に――相手の名を聞こうとしたが、相手の姿はすでに無く】

"道理を通す"、ねえ――。通してもらいたいものだ。
俺も、俺を消し去る様な光を望んでいるんだから――。

【血と吐瀉物まみれの地面でごろりと転がり、暫し瞑目】
【不快な匂いを漂わせながら、男はゆらりと立ち上がり、更に深い路地の奥の闇へと姿を消していった】

//お相手いただきありがとうございましたー!!とても楽しかったです!!
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/28(月) 00:44:39.76 ID:VYNOkyhE0
>>137

【――それは無限に思える辛苦であった、真紅の血反吐が何度吐き出されても足りぬほど、これは永遠に終わらぬのではないか、と、思うほど】
【全部の細胞に繋がるすべての神経を一つずつ一つずつ引きちぎっていってもう一度つなぎ合わせる。それを、世界中に存在する全ての痛みの分だけ、繰り返すよう】
【全部の痛みを知らねばならないと神が示すならば、少女は従うのみだった。けれどそれはあんまりに辛く険しいもの、しょせん人間、でしかない彼女には耐えきれない】

【ならばそれは彼女の中にある信仰をより一層鮮やかに引き立てる、――ウヌクアルハイはこれだけの苦しみを知ってなお尊く気高く、そこに在るのだと】
【与えられるならば知っていて然り。あるいはその身の中にある無数の宇宙の一つ一つに刻まれている痛みを、一つ一つ、その華奢な指先で、選んで指し示すように】
【そうして試練を与えてくださる、それは子を崖から突き落とす獅子のようでありながら、もっと崇高な意志を感じさせ。望まれるかたちでありたいと願うなら、応えるほかない】
【身体は耐えきれずに死んだとしても。彼女自身が、彼女自身が死ぬことを赦さない。それは最も無様に信仰に逆らう姿、そんな見苦しいものに、成り果てるだなんて】

【けれど――そうであっても"それ"は善意によって構築された無慈悲であった、違う国のコンセントに差し込まれた機械のよう、ならば、全部が焼き切れて】
【そして気づけば――痛みは遠く。朧げに感じた。死ぬ間際の陶酔とも違う、もっと、――もっと理性的な痛みの亡失、ふわりとマゼンタの瞳を、開けたなら】
【視線はいっとき定まらずにふらふらと揺れる、そうしてやがて一点を見止めるのだ、いつか刻んだ左手の蛇――悲鳴に焼き切れた喉から、吐息が一つ、あふれ出た】

――――――ぁあ。お久しぶりです、ケバルライさん、ですが、私には――ぁ、ふ、……っふふ、あ、――分かります。
"さっき"までと"今"では、――きっと、そう。きっと、大した時間は、経っていないのでしょう、ですが、私は、感じました。
この世界にあるすべての死と輪廻を感じたように思うのです、そしてそれこそ、――輪廻の蛇の別名を持つウヌクアルハイ様が奇跡の一つだと。
――まるでその身の中にあるいくつもの宇宙にある苦しみをウヌクアルハイ様手ずから教えてくださったようでありました、――――。

【――はじめは数度、その方法を思い出すかのように、息をする。そうして声を出すまで、いくらかの時間を要するのだろう、それほどまでに人間には重たすぎる、善意だった】
【びくびくと痛みに慄く身体を抱き留める。そうでもないとどこかに弾けて飛んで行ってしまいそうに思えた、それほどまでに、鮮やかすぎて】

【ずるり――と、その左上から、蛇が、剥離する。まるで生きているかのように掘られた精巧な蛇が、今度こそ本当に、命を持ったように】
【それはとある蛇を模していた。彼女の全部を焼き払うほどの哀しみを齎した蛇。――彼女の乗る自転車に轢き殺された蛇。それは、ヤマカガシであったから】
【変わらぬ無垢である右の指先がそっと左の手に触れる――はあと深いため息。けれどそれは隠せないほどの悦びを内包して、肺胞の一つ一つまで、神の信仰で満ちたように】

【ならばウヌクアルハイなしに生きていけない。陶然とした視線が彷徨う、――まだ、意識の全部がはっきりしたわけじゃあ、ないみたいに】

/おまたせしまたい……!
143 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/05/28(月) 00:46:04.49 ID:oiYat9KL0
>>141
【名乗った男の名前を、耳に入れてはいたが、既に朦朧とした意識では、記憶に残っているかは定かではない】
【――少なくとも、名乗り返すことはなかっただろう】
【既に男から離れた後、ぽつりと呟いた】

私の方は――全然、嬉しくない。

【辛うじて、大通りまで出る。大怪我をした少女と、大怪我をした男が出てくれば、大騒ぎになるだろうが、気にしている余裕はなかった】

あー……これは無理。動けない。
鵺さん今こそ助けに来てくんないかな……

【数日前に出会った少女のことを思い出しながら、路上でバタリと倒れるのだった】


//不慣れながらも楽しく遊べました!ありがとうございました!
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/28(月) 12:18:47.28 ID:0+4WchHDo
>>142

【── 左腕の"蛇"が蠢く。皮膚の下の神経一つ一つまでもがその鱗である様に、呼吸と共にその喉を震わせる様に】
【僅かに心を委ねたなら、後は落ちていくだけだから。願う僅かな道筋すらも感じられないぐらいに】
【唯物に残った微かな信念と信条と、後を追ってくる観念だけが救いであるように、と】


そうだよ"ムリフェン"── 君が辿った幾つもの死こそが、ウヌクアルハイ様の背負っている、無垢な死のほんの一部です
君はそこで何を感じましたか? 痛いとか苦しいとか、その様な考えを持ったかもしれません
── ですがそれはウヌクアルハイ様の身の中にある苦しみの、微かな微かな、残滓の一粒に過ぎず、それは今も増殖しているのです

輪廻は巡り、時間は流転し、我々は今こそ因果律の柵を乗り越えなければならないのです
生が在って死が在るのでは無く、死が在って生が在るのだという事を知らなければなりません
我々は皆、須らく生き続けているのではなく、死に続けているのだと── ウヌクアルハイ様だけが知っている

死の永劫から見れば生の痛苦などほんの刹那に過ぎず、我々が知覚できる遥か想像の外にウヌクアルハイ様はいらっしゃる
それは果たして不幸だと君は言うのだろうか、我々は如何なる手段を用いてもウヌクアルハイ様の元へ行けないと
この無明の空間を以てしても、時間と場所の概念から隔離された、この"スルツェイ"に於いても、変わらないのか、と

── それは違うと、今の君なら分かるでしょう、ムリフェン── 無限の死の狭間にウヌクアルハイ様は顕現された
慮外に意識を向けなければならない、無意識を知覚し、不条理に理を求め、因果を踏破する
そしてその果てに、ウヌクアルハイ様の救いが在るのだと、言うことも


【ケバルライが僅かに身じろぎすると、空間全体が揺れた。── この空間を作り出しているのが彼の能力か】
【コールタールの如く粘土の高い闇は、目蓋の裏に纏わり付く幻に似ていて、現実と夢との境界を曖昧にする】
【痛みだけが真実。── 故に死すらもペテン、生きている事それ自体が唯の喜劇に他ならないからこそ】


君に一つお願いがあります、ウヌクアルハイ様が求める無限の贄の最終楽章を伝えなければなりません。
"その日"が近付いてきました。ええ、ウヌクアルハイ様が受肉される、復活の日が、すぐそこにまで来ているのです
故にムリフェン、今以上に激しく苛烈に死を求めなければならない、数多の死や衆生の死では最早足りません

呼吸が止まりそうなぐらいに濃密な死を、一騎当千を無数の屍に変え、そして我々はその死を冒涜しなければならない。
屍を切り刻む事も、屍を組み合わせる事も、屍と交わる事も、その一つに含まれるのであれば
その善行の積み重ねにしか、先が無いと、もう君には分かっているでしょう?

── 君は死を集め無ければならない、ウヌクアルハイ様に献上する為に


【ケバルライは神託を向ける、ムリフェンに今以上死体を集めろ、と】
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/28(月) 16:11:38.70 ID:0+4WchHDo
【『水の国』街中── 少し離れた公園】

【ベンチに一人の少女が腰掛けていた。側には両手でようやく抱えきれる大きさの紙袋が合計五つ】
【少女は困っていた、流石に考え無しに買い込みすぎた、と──】
【方法はある事にはある、けれども、気が進まないのも確かであった】


……店に連絡してエリィかリュウタにでも、手伝ってもらいましょうか
── しかし、昨日あれだけ叱った分、少々心苦しいのもまた事実
……もう少しだけ、考えましょう──


【腰まである蒼銀色の長髪を大きく後ろで二つに結って、赤いリボンの着いた黒いケープを羽織る】
【ケープの下には黒いチョリ、下乳から鼠径部までを大きく露出し、黒いパレオで下半身を透かす】
【中東の踊り子の様な格好をした、黒と赤のオッドアイの褐色肌の少女であった】

【── お臍の下あたりに黒く刻み込まれた、蛇をモチーフにしたタトゥーが印象的か】
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/05/28(月) 16:42:23.72 ID:TPVfhvvwo
>>145

【公園内で乾いた発砲音が響いた】
【それは一度や二度ではなく、何度も。少女が公園に来たときから散発的に聞こえてきていた】

【音の発生源は公園の隅の方。拳銃を構えた青年が空き缶を撃っていた。射撃翌練習としてはありふれた方法】
【公園でそれが行われていることそのものは珍しかったかもしれないが、この世界ならば目を引くほどのものでもない】
【むしろ、それをしている青年の方こそ、少女が公園に来てからちらほらと様子を窺っているぐらいだった】

【青年の見た目は二十代中盤。黒髪に眼鏡。白衣を羽織った風貌は研究者を連想させる】
【両手から腕にかけて金属製の籠手のようなものを装着していた。白衣の裾に隠れた両脚にも何か機械を装着】
【少し前までは銃を撃ち続けていたが、今ではそれを下ろして少女の方を見てきていた】

【見つめること数秒。銃がホルスターに戻されて、右手が掲げられると射撃の的になっていた空き缶が浮かび上がり、ゴミ箱へ独りでに移動】
【散らばっていた弾丸も青年の元へと集まり、右手がそれらを握りしめてポケットにねじ込む】
【そうしてから彼は少女の方へと歩いていき、口を開く】


あー…………もしもお困りでしたら、お手伝いしましょうか?
それ、少し重そうですね?


【指がいくつもある紙袋を示す。手助けを申し出る口調は非常に遠慮がちだった】

//お待たせしました、すいません
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/28(月) 17:02:13.27 ID:wieqlmI9O
>>146

【前髪を透かしてその表情を覗かせる、研究者然とした青年であった】
【── 暫し瞑目して言葉を置いた。まるでその沈黙を嗜む様に】
【静謐が場を支配したなら、ゆっくりと抜き身の刀剣に似た言葉を振り抜いた】


── 構いません。見ず知らずの方のお手を煩わせる様な真似は致しませんので
お気持ちだけ有難く受け取っておきます、こんな御時世にそんな親切な言葉をかけられる
それだけで十分私は幸運でした、それ以上を望めば罰が当たるというもの

ありがとうございます、── それに、時期に迎えが来ることでしょう


【詮無き答えであった。添え物のように残された微笑みは、僅かな穢れもない均整のとれた】
【── その一方で少し息が詰まってしまうような、そんな隙のない微笑みであった】


……しかし、迎えが来るまでの間時間を潰すのも吝かではありません
こんな所で射撃の訓練ですか? 先程からずっと撃っておられた様ですが
感心なことです、日頃の鍛錬こそが確かな力になるのですから
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/05/28(月) 17:12:13.72 ID:TPVfhvvwo
>>147

【申し出を断られて青年は少し困ったような表情となっていた】
【親切心から言い出したこととはいえ、断られることも考えてはいた。しかし、思ったよりもはっきりと言われてしまった】
【言ってしまえば、言葉の強さに気勢を削がれて何と言えばいいのか分からなくなってしまっていた】


んー……なら、いいのですが


【一種の完全性は人を寄せ付けない厄介さがある。この青年も、例に漏れずその微笑みに近寄りがたさを感じていた】
【話題が鍛錬へと移ると、「あぁ」と微かに安堵したような息をつく。危うく言葉に迷って気まずいまま立ち去るところだった】


僕は技師、でして
銃の改良も業務なので、そのテストも兼ねてやってました
……まぁ、正確には銃じゃなくて”こっち”のテストなんですが


【籠手に包まれた左手が、同じく籠手に覆われた右手を軽く叩く】
【拳銃ではなく籠手の性能試験を行っていたらしい。一見すれば変わった見た目のそれも、技師の作った兵器だった】
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/28(月) 17:26:36.55 ID:wieqlmI9O
>>148

【葡萄茶色の素肌に落陽が射し込んで、そこに透ける漆の様な肌の質感。── 絹糸の様な滑らかさが指先に広がる様に】
【思い出して息継ぎする様に似た瞬き。珈琲色の水面に浮かぶ黒い波紋は秋風に似て心地よい】
【一足早い夏を過ごして、その先に浮かぶ秋の慕情を感じさせる少女であった。感じる熱もまるで残暑と思わせるぐらいに】


技師様と── 社会を支える大切なお仕事の一つです、特殊な専門性のある職業は替えがききませんが故に
こっち、とは……なるほど、篭手ですか── 恥ずかしながら初めて拝見しました
元々は防具の一つだとお見受けするのですが、どうやら精密動作性もある様です

……すいません、此方に近寄って頂けますか? 私は少々疲れております


【褐色の肌に落ちる煌めきは暮色蒼然として、その瑞々しい肌の色合いを伝える】
【丁寧な言葉尻ではあったが、意外と強引な所もあって、青年がまごまごしていたならじとーっと見て急かすだろう】
【ぽんぽんと自分の左を叩く、ここに座れという事か】

【座ったなら、間髪入れずに手を伸ばして、ぺたぺたと貴方の篭手を触ろうとする】
【近くに居たなら甘い香りが胸いっぱいに広がって、柔らかな指先の感覚── 篭手越しに感じ取れたなら、心地よいだろう】
【そして何よりお腹を大きく開いた格好は、かなり扇情的で】
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/05/28(月) 17:42:47.67 ID:TPVfhvvwo
>>149

【見目麗しい美貌に素肌、少女の纏う雰囲気は人目を引くには十分過ぎる。青年も初めはそれ故に、視線を引かれていた】
【こうして話をしていても時折、その顔立ちに瞳を奪われ、無礼だと思ってすぐに逸らす】
【逸らした先で視界に入る、扇情的と言うにも大胆な露出に思わず胸が高鳴って、再び目線を彷徨わせる】

【近くで会話をするには、あらゆる点で少女の風貌は”目に毒”だった】


え、ええ、はい。防具ではありますが、これの用途としては武器、ですね
あまり防御性能は高くありません……打撃が可能な程度には、強固に作ってありますが

…………あー、近くに、ですか?


【籠手の説明をしていたが、少女の申し出にそれこそまごまごする羽目になった】
【そこにじとっとした視線が向けられる。まさか「目に毒だから近寄れない」などと言うわけにもいかず】
【諦めたように「じゃあ」と言って隣に座ることとなった】

【籠手の感触は表面こそ細かな金属の板で覆われているものの、内側は布地のような柔らかさがある】
【さらによく触れてみれば、そのさらに内側に鉄線のような感触を確かめることができるだろう】
【つまりは、籠手と言いながらも一般的なそれとは大きく構造が違っていた】


えーっと……魔術師向けの魔導具でして
魔翌力強化やら何やら、そのあたりの効力を備えてあって、ですね…………


【籠手を通じて、少女の柔らかな指先の感触と微かな体温が感じられた。香りさえ鼻腔をくすぐっていて】
【控えめに言っても青年は気が気じゃなかった。とはいえ、身じろぎするわけにも遠ざかるわけにもいかない】
【彼にできるのは視線を明後日の方角に投げてせめて素肌を視界に入れないことぐらいだった】
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/28(月) 17:54:25.94 ID:wieqlmI9O
>>150

【清風明月然とした佇まいは、凛と咲く水仙を思わせて、時に相手に緊張を強いる雰囲気を持つ】
【── それでも少女の内面は、瀟洒ではあっても冷淡ではなく、貴方に対する落ち着いた興味を持って】
【存外感情表現が苦手な娘かもしれず、思っている程怖い相手ではないのかもしれない】


ええ近くにです、実際に触ってみなければ分からないじゃないですか。── 私も審美眼に自信がある訳ではありませんが
良い物は良い物だと分かります、そして、良い物に触れる事は私の芸術活動にプラスの影響を齎す、と
音楽家であっても美術家であっても代わりないのです、芸術とは真に良いものを目指すと

── こほん、少々話しすぎました、失礼


【囀りに似た詞の調べ。鶯よりも遥か尊く、迦陵頻伽の如く音律は紡がれていく】
【宛ら昼下がりのカフェで流れるボサノヴァの音色、異国情緒を纏った風味豊かな味わい】
【時折入る艶やかな吐息が、整ったアクセントを伝え、色めき立つソプラノを装飾した】


見た目程固くはないのですね、だからこそ精密な動作が出来ると
……作られた方の繊細さが伺えます、仕事とは常にこの様にあって欲しいものです
機能性もさることながら、このデザイン── 良いですね、私好みです

すいません、これは── あの、そんな方向向いておられたらら 、分からないじゃないですか
こっち向いてください、ここの説明を要求致します


【指の付け根の部分、最も細かい作業で使いそうな部分の作りが気になったようで指さしながら】
【明後日の方向を向いていた青年に抗議の目を向ける、膨らんだ頬がコーヒークリームの様に】
【両手でぐいっと貴方の手を引いて、ちょこんと、揃えられた剥き出しの太腿に置くだろう】
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/05/28(月) 18:09:08.31 ID:TPVfhvvwo
>>151

【容姿だけでなく、声にさえ心惹かれる音色があった。視覚だけでなく聴覚にも存在感が訴えかけられる】
【どうにも近くにいては落ち着かない相手だった。至近距離にいて手で触れられているならば尚更だ】
【あぁ、つまりは触覚でさえ意識させられていた。それでも視覚の方を塞いでいれば、つまり目を逸らしていれば多少は────】


精密な動作を保証する機能もありますが、今のところは雑多な機能をつけていますね
職業によって機能を変更したものを作り出すのが最終的な…………

え、あー……いや、それはっ……!


【全く関係ない方角を見ていたのがバレてしまって、慌てて視線を戻す羽目になる】
【おまけに手が太腿の上に移動させられて、心臓が跳ね上がった。思わずばっと手を引いてしまう】
【「あ」と情けない声が出て、気まずそうな表情を浮かべる。言葉を探して一秒、二秒と経過していって】


…………あー……すいません
ちょっと、その…………格好が刺激的なのもあって、それで……
流石に、太腿とか、に手を置かれると……ちょっと…………は、恥ずかしいので


【辿々しい口調で事情を説明しだす。やや白い肌には朱が差していて】
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/28(月) 18:23:03.22 ID:wieqlmI9O
>>152

【彼女にとって青年の作ったであろう篭手は、深く興味をひくもので、故にその作品に賛辞を送る】
【それはつまりその担い手たる青年へも興味が湧いて、水飛沫の様に鮮やかな色合いが弾ける】
【澄ました表情は絵画の様に完成した隙の無さがあったけれども、確かな温もりが指先には残っていて】


── ? どうしてですか、私が恥ずかしいと思うならまだしも貴方様が恥ずかしいと思う所以など
それに私の格好は祖国の名残です。『砂の国』では基本的な格好だと思っています
未熟者ではありますが、砂漠の民の末裔として、私は誇りを持っております

故にその申し出は却下致します、近くに無いと私は貴方様の作品を辿れません
しかし本当に見事な機構です── どれくらいの製作期間がかかったのでしょうか


【二色蓮花のオッドアイ、片柄違いの双眸は比翼連理の如くしとりと寄り添っていて】
【雅な雰囲気を壊さぬ様に、その異色さえも少女の均整の中に押し留められている】
【優美な頬の曲線は砂糖菓子に溶ける紅茶色の水面、僅かな体温を感じさせていく】


……それと、素晴らしい腕をお持ちなのですから、もっとしゃんとしてください
技術には確かな賞賛が与えられるべきです── ほら、オドオドしない
……もう、褒めてるんですから、喜んでくださいよ


【最後の言葉はツマミを絞って、あんまり聞こえないように】
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/05/28(月) 18:33:53.19 ID:TPVfhvvwo
>>153

【褒め言葉を向けられるのは素直に嬉しい。嬉しいのだが、状況と相手が悪かった】
【「あー」とか「うー」とか声をあげていたが、少女の反論が始まるとそれに耳を傾け始めて】


んん…………であれば、確かに視線を逸らすのは無礼に当たるのかもしれませんが……
た、ただ、こちらが、こう……なんというか、落ち着かない気分になることも、理解してくれると助かるというか……
貴女の国では基本的な格好なのかもしれませんが、こちらの国ではその格好は…………ひ、控えめに言っても、魅力的と言いますか……


【自分の感覚を極めて慎重に伝える。格好に誇りを持っている、と言われてしまっては無礼な態度を続けるわけにはいかなかった】
【なのでせめて、視線を逸らしてしまった事情もあるのだと、説明をした】
【そうしながら、一度は引っ込めてしまった手を再び差し出す。太腿に置かれたりさえしなければ、見せるのはむしろ喜ばしいことだ】


……喜んでは、いるんですけどね


【こちらも小さな声で。表情は苦笑という方が近い笑みだったけれど】
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/28(月) 18:42:41.69 ID:wieqlmI9O
>>154

【── 悪い気はしなかった。魅力的な風貌な異性に褒められて嫌な気になる様な天邪鬼ではない】
【けれども表情の水面は怜悧な凪を変えない。あくまでも冷静沈着といったスタンス】
【ほっぺたに少しだけ綻びが見えた、悪戯っ子の様なあどけない色合いが微かに】


でしたら、慣れてもらいましょう。異国の事を知るのは創作活動の基本です
違う文化への理解を深め、より良い芸術作品を作り出してほしいのです
東洋では爆発すらも芸術と言い切った芸術家もいるそうです、神秘的ですね

── それに私も女子の端くれとして、魅力的と言われて嫌な気はしません
このパレオは短い布地をスカートの様に腰に巻くのが主流です、砂の国でもミルドラ族がよく身にまといます
すぐ水に入れるような水着の役割も致してるのですね


【慣れてもらいましょうといって、貴方の腕をとって、ぎゅっと自分の身体に引き寄せる】
【密着させる形で腰元のパレオに手を持ってこさせるだろう、殆ど水着と変わらない短い布地】
【ひらひらとさせたなら、その奥の下着すら見えそうな──】
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/05/28(月) 18:53:29.29 ID:TPVfhvvwo
>>155

【事情を説明すれば似たようなことはされない、と考えていたのが失敗だった】
【悪戯っ子の気配が微かに見えた。ほんの少しの嫌な予感と、性別故のちょっとした期待が入り混じる】
【差し出した手を戻すわけにはいかず、そう思いきや引かれたのは腕だった】


え、あ、あぁ……確かに文化理解は重要なんでしょうけどっ……!
えー、あー、あー…………えー…………


【心臓が早鐘のように鳴っていて返事も覚束ない。視線が思わず彷徨うが思いっきり逸らすこともできず】
【そのせいで、結局、視界にあるのは少女の魅惑的な肉体だった。露出した腹部に、その上に見える曲線】
【近くで見るほど分かる綺麗な褐色の肌。あるいは、興味の色合いを見せる美しい双眸】

【そういったものを目の前にして平然としていられるほど、青年の精神は全く強くなかった。むしろ弱かった】
【はっきりとその頬に赤色が見えていて、彷徨い続けた煙水晶の瞳は自分の手元に向けられる】
【勿論、そこを見ていたって少女のパレオや太腿が視界にちらつく。落ち着く暇などなかった】


え、っと…………き、機能的な格好、なんですね


【絞り出したような声を出すのが、今の彼には精一杯だった】
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/28(月) 19:11:09.70 ID:wieqlmI9O
>>156

【目尻の赤と黒が素肌の淡い色に滲む、ラテアートの様にそこに浮かぶ表情を伝えて】
【純朴な青年をからかいたくなる。その気持ちを彼女に持たせるぐらいには貴方という存在に興味を持った】
【浮かぶ表情は冷たくとも、その奥に折られた彩は何層にも重なった色とりどりの着物に似て】


ええ、とても重要です── それに、異性理解もとても大切だと私は思っています
創作活動の根源は美しさです、異性に対する感情は、そこに浮かぶ思いと近いと考えますが故に
女性は柔らかく華奢、男性は逞しく頑強── だからこそ互いに互いの良さを活かすのでしょう


……それとも、私では── 貴方に添えませんか?


【深みを帯びた蒼銀の髪、横顔を飾り立てたなら深い色合いは空を髪に落とし込んだ様に】
【誇り高く咲き誇る日向を思わせるのだろう、彼女の生まれ育った果てなき砂の世界を】
【── そして夜のような艶やかさを兼ね備えていた。昼と夜で表情を変える砂漠みたいに】

【渇いた地表にも花は咲く、夜露を集めて手のひらに透かしたような潤んだ瞳の切れ端】
【水面に咲く一輪の花、そこに浮かぶ表情はとても可憐な花弁の色合いを見せて】
【貴方へとじぃっと視線を向けて、ねだるように上目を濡らして】


機能的な格好ですよ、厳しい環境で生き抜く為の方法です
そして砂漠の民は旺盛なのです、環境がそうさせるのでしょう、逞しい殿方は少しでも多く種を巻きます
だから私の衣装もまた、その殿方を悦ばせる意味合いもあるのです




【──『抱かれる為の格好でもあるんです』】




【身を乗り出して耳元に直接、音を流し込んで】
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/28(月) 20:03:33.54 ID:M+rN52C30
【水の国 アルターリ 街中……いや。】

【これが街と呼べるだろうか。崩壊した建物は最早原形を留めず、地は裂けてアスファルトが紙のように容易く引き千切られ】
【乾いた血の跡が、ばらばらに砕け散ったコンクリートにこびり付き……そして、人の気配などどこを探しても見つからぬ。】

【この場所がかつて同国有数の都市として栄えた場所と言って、誰が信じるだろうか。―――最早、此処は廃墟だった。】
【つい先日、とある事件でこの街は壊滅した。聞いた所によると、数百万人もの住人が一瞬で消えたという話だ。】
【―――つまり、この場所には数百万の死が存在したという事である。さらに言うと】
【この街の一部は異界と繋がってしまい、恐ろしい怪物が跋扈しているのだという。こんな場所に来る人は、よほどの物好きか】
【あるいは、視察に訪れた軍の関係者か。もしくは、死に縁のある人間か……それくらい、だろう。】

【廃墟を吹き荒ぶ風が瓦礫を切る音以外は何も聞こえず、風に煽られ舞い上がる埃以外は動く物も見出せない、静寂と静止の支配した場所。】
【その、片隅。この場に人が居たとしても誰も注視しないような片隅から――――突然、静寂を切り裂く風の音とは違う音。】
【明確にこの場を支配している荒涼とした音とは違う「音色」が、突如響く。】

―――――♪

【その「音色」は、次々と高さを変え、大きさを変え、秩序を持って「旋律」と化していく。】
【ヴァイオリンの音だろう。吹き荒ぶ風に音を乗せて、廃墟を支配していた荒涼とした風切り音を美しく塗り替えていく。】
【無機質で灰色だった世界に、一刻限りの彩りを与える。その音色は、穏やかな悲哀に満ち、しかしセンチメンタルではなく】
【この場に未だ留まり続ける苦痛の残滓を、オブラートのように包み込んで溶かしてしまうような……そんな、繊細な音色。】
【聴く者は、きっといない。誰に向けたかも分からない旋律が、かつて街だった場所に響き渡っていた。】

【音の発生源は、すぐに特定出来るだろう。大きな瓦礫の断片の陰になった部分だ。そこを覗けばきっと】
【悲嘆に暮れるでも激情に逸るでもなく、ただヴァイオリンを奏で続ける男の姿が見える筈だ。】
【ジーンズに白いシャツ、濃灰色のベスト。髪を後ろに括った、ある意味場違いとも思うくらいどこにでもいそうな男の姿が。】

//予約です!
159 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/05/28(月) 20:28:42.32 ID:HIuykBvM0
>>158

【──災害発生の直後から水の国の空軍と陸軍は動きを見せていた。情報の拡散と共に他国の軍も続いた。】
【手始めに先ず高高度偵察機を何機か飛ばし、上空数万メートルからの偵察写真を撮影し、領空侵犯を試みる他国軍機に警告と威嚇射撃を織り交ぜながら、】
【被害状況が整理された所で任務は陸軍へと引き継がれ、所属に関する塗装のないNBC防護の装甲偵察ヘリが数小隊分、仰々しい防護服と調査機材を載せた歩兵を下ろしてきた。】
【それが今日の正午のこと。天候は曇天。重々しい灰色。ほんの数日前まで人のあたたかい営みで溢れていた市街は、剥がれた瀝青ばかり管を巻き、怪異の陋巷する廃墟と化した。】

【戦闘は散発的に行われた。銃声と、砲音と、ときどき、悲鳴。自動小銃の散発的な射撃音はむなしく響いた。意味のない死人、意味のない事後処理。】
【──やがて日は傾いて、雲間の向こうに夕暮れは消え、静寂に満ちた夜が訪れた。だからこそ、その旋律も、なにかの慰めになったろうか。】


「 ──── レクイエムかしら」


【──血のにおい。男の奏でる旋律が、ひとつの落ち着きを見せた所で、女の声、その背後より。】
【振り向けば果たして女である。影のように背は高く、赤黒い血と闇に塗れていた。返り血だった。少しばかり、硝煙のにおいもした。】
【べっとりと紅く汚れた長い髪は、しかし銀髪であるようだった。月光に照らし合わせれば、きっと静かに輝くような。】


「危ないわよ、あなた。こんな場所じゃあ、チップも貰えないでしょう」


【女は男の横、──手頃な瓦礫に腰掛けた。瓦礫というより、それは恐らく、ドレッサー。かつてだれかのものであった。】
【薄汚れた熊の縫いぐるみを、手持ち無沙汰に女は片手で弄んだ。もう片手には黒い拳銃が握られていた。】
160 :ドープ・ラブ・ライク ◆xgsUYuhzWc [sage]:2018/05/28(月) 20:29:39.69 ID:ukIb/Zaz0
【水の国――路地裏では、ゆらゆらと紙たばこの煙が舞っていた】
【燻らせるという字は彼はスキだ。白い有害なもやが昇り揺らぐ様子をよく表している】
【ニコチンとタールを摂取して肺を脅かす行為は、まさに無意味なうえに本来地獄なのだが】

ってぇ訳で。オレは快楽とリスクは紙一重だと思う訳だ。
好きなもん買うと金減るだろ。アレと一緒だ、一緒。
タバコや酒なんてなァ。体削って好きなコトすりゃ大満足だろ。なァ?

……あー……聞いちゃねェか。

【――男の座る木箱の横には、己の腕を口に突っ込まされて絶命した学生男子≠フ死体が転がっていた】
【苦悶の表情を浮かべる若い少年。無理やり異物が入ったことによる窒息が起因なのか、或いは別なのか】
【それすら分からないまま、彼は答えぬヒトに話しかけ続ける】

ヘイ兄弟、なあつまんねェなァ。つまんねェ。
ハッパ詰めたベイプでも持ってくるべきだったか?
こりゃ一大事だ。シケモク一本じゃオレの心が躍らないと来たもんだ。

コーラみたいにスカッとしてエ。宇宙の渦が見てェなァ。
ワッツワッツ……なーんでたまには自制するかね、なんて思ったのかね。

【彼は空を仰ぎ――そう、独りごちる】
【タバコを木箱に押し付けて消す。焼き跡とヤニのかすが残る】


さあ、果たして今日のオレの徳ポイントはいくつなのかねェ。


【彼は、きわめて信心深く――皮肉である。きわめてけだるくつぶやいた】
【髪型は、前面が刈り上げ頭に、後頭部の中腹から多量ぎみのドレッドヘアーになっている】
【その刈り上げには、大きめに真正面からの構図で蛇が口を開けた顔≠フラインアートが剃られていた】
【肌は黒気味の褐色。目元はサンバイザーで隠し、唇は分厚い。首には常にヘッドホンを掛けていて、】
【全体的に大柄で筋肉質。袖無しブルーグリーンのダウンに、カラフルなマリファナリーフマーク≠ェあしらわれた黒いシャツを着たていた】
【だぶついたズボンと、サイズの大きなスニーカーを履いた、まるで夜のクラブにでも居そうな黒人の男だった】
【しかしその右腕には、蛇のタトゥー≠ェ彫られている】
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/28(月) 20:48:39.11 ID:wieqlmI9O
>>160

【── それはまるで、階段が一段残っている事に気付かず踏み出した様に、あるはずの地面が無い感触に近い】
【見慣れた景色、住み慣れた路地裏、自分だけがその世界から隔離されたが如く】
【それが一つの存在が路地裏に侵入してきただけで、引き起こされたという事実】


ふぅん、なぁんだただの"サーバント"か、少し強い魔力を感じたから夕餉のつまみにしようと思ったんだけど
まぁ、タトゥーを入れるのはクソみたいなジャ=ロにしてはいいアイデアだと思うけどさ
ボクみたいな高尚な存在が、ニンゲンを使役させなきゃいけないのはしんどいんだけど

ねぇ、これ、お前が作ったの? ── まぁ、それなりにセンスあるじゃん、ニンゲンにしては
そんな馬鹿みたいなファッションしてる癖に、見てるだけでその首切り落としたくなるし
ボクが上機嫌だった事に感謝してね、── 遊び相手がいなくてつまんないけど


【小柄ながら豊満な身体を大きく露出したホルターネックのビスチェ調の黒いビキニ】
【同色のローライズのショーツ以外は白く肉感的な素肌を晒している少女】
【セミロングの藍色の髪の毛にはアホ毛が一本だけ揺れて真紅の瞳を濡らす】

【背中には巨大な悪魔羽根が揺れて彼女が人間でないことを伝えるのだろう】
【ピッタリとお尻に張り付くショーツから飛び出した悪魔の尻尾がキュートに揺れたなら】
【長い睫毛がこれでもかと言うぐらいに愛らしい雰囲気を創りだす】


あ、てかボクの事知ってる? ── そういやキミとあったこと無かった気がするから
まあ覚えてないけど、ニンゲンの顔なんて全部一緒の肉塊にしか見えねーもん
なぁ答えろよ、返答次第じゃ、キミもその死体と同じ状態にしてあげるし


【搾りたての牛乳に檸檬の花を一房投げ入れた様な身体の香り、靡く髪に付随する彼女の色香】
【荒淫じみた雰囲気は極彩色の孔雀に似て、目を逸らす事を躊躇わさせるほどに】
【近くに居ても代わりない、寧ろ近くにいるからこそ、死の香りを強く感じさせる】

【── 身に纏う雰囲気、それだけで貴方ならば理解できるだろう】
【同じ神を信奉する同志であり、それでいて── 自分より高い位置に属する存在である、と】
【名前は知らないかもしれない、けれども、殆ど姿を表さない幹部の一人だと伺える】
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/28(月) 20:56:25.54 ID:M+rN52C30
>>159

【人の気配がするのは、すぐに分かった。なにせ本当に生きるものは何一つ存在しない空間だ、そこに生きた人一人が紛れると】
【強い違和として、すぐに気付くことが出来る。それはまるで、白いキャンバスに一滴、黒い墨汁を垂らしたみたいに。】
【彼は、ヴァイオリンを奏で続けながらその違和感を覚えた方向へと気を配る。一歩ずつ、近づいてくるのが分かる。】
【……それが、どのような人間であるかは分からない。こういう場所だ、自分を殺しに来た人であっても不思議ではない。】
【それでも、彼は逃げずに最後まで演奏を続けた。最後の一節、ひと際高い音色が遠く残響して……旋律は、終わる。】

―――君がそう感じたのなら、そうかもしれない。
同じ曲でも、ある人にとっては鎮魂歌。ある人にとっては夜想曲。
音楽は、聴く人によって姿を変える鏡みたいなものだからね。
……つまり君は、この場所には鎮めるべき魂があると感じたんだね?

【振り返って、微笑む。気負っている様子も、気取っている様子も無く、ごく自然に。】
【貴女から溢れる死の雰囲気を感じ取ってなおその態度でいるのなら、彼は余程能天気か、肝が据わっているか。】
【あるいは、その両方なのかもしれない。血に塗れた貴女に、曲の感想を逆手に取った問いを投げかけて】

お金の為に演奏するなら、もっと安全で賑やかな所を選ぶさ。
……チップを貰うための演奏じゃないから、ね。此処で演奏することに、君はどんな意味があると思う?

【貴女が横に座るのを、拒むことはしなかった。演奏が終わって再び灰色の世界に戻ったこの空間で】
【貴女の顔を見る事もなく、ただ並んだまま前を見つめて。「よかったら、教えて欲しいな」と】
163 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/05/28(月) 21:08:52.86 ID:HIuykBvM0
>>162

【血に濡れた女の眉が微かに顰められた、──ように、見えるかもしれないのは、面倒な奴に話しかけてしまったという後悔だろうけど】
【呆れたように気を抜くような息を吐くのは、自分もまた面倒な類の人間であると、彼女が自覚しているからだろうか。兎角、旋律の終わりまで、彼女は口を閉ざしていた。】

【まともな部隊であれば、この状況下で夜間の作戦行動を試みる理由がない。──つまりそれは、彼女はまともな人間ではないのだという逆説を意味する。】
【長く伸びた銀髪が顔の半面を覆うなか、垣間見える酷い火傷のケロイドと、右眼のギラつくような人殺しの視線は、きっとそういうことなのだろう。】
【夜陰に冷たいその顔貌は、しかしどこか憂いているようでもあり、銀の錆び行くような儚さを宿していた。】



「これだけ死んだのだから、それとない義憤に駆られる人間も、いるでしょう」
「別に私が慰霊を想った訳じゃないわ。そうでないとも、言わないけれど」



【およそ彼女は女らしくなかった。着丈は恐ろしく高く、並でない背の男であっても殆ど見下ろせてしまうだろう。】
【見れば其の服装も奇妙である。人の理など通用しない廃墟の戦場にあり、よりにもよって最も役立たぬフォーマルなスーツを纏い、夜の闇に溶けるようなコートを羽織り】
【片方の手に握るハンドガンは言うまでもない。彼女が殺したのは、己れに仇なした怪異であったのだろうか。】
【であれば、ある意味において、一点において、彼女は男に似ていた ──── 異質さ。】
【部隊章らしきものも、ドッグタグらしきものも、彼女の装束には見受けられなかった。けれど、もっと、根元より。】


「意義については、そうね」

「 ──『自分が自分であるために』。なんて、いかが?」


【変わらずテディベアを片手で弄び、──時に慈しむような指先で撫ぜる。曇天を仰ぎ、虚空を見やって、男と同じく視線は合わせず。】
【なにか思索に耽りながら。くす、と皮肉な笑い。少なくとも彼女は、己れの奇妙な巡り合いに、ひととき身を委ねる積もりのようだった。】
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/05/28(月) 21:40:45.36 ID:TPVfhvvwo
>>157

【からかわれていると分かっていても、不愉快な気分にはなれなかった】
【心地良い声に聴き入ってしまう。魅了するような音律がそこにはあって、心を奪われそうになる】
【加えて彼女の物言いには十分に納得いく怜悧さがあった。感性だけでなく理性まで傾いていきそうだった】


異性、理解です、か……確かに大切だとは思います……
俺……いや、僕はそんなに男らしい方じゃないんですが、それでも言ってることは、理解できます

…………って、えっ……!?


【まるで殺し文句のような言葉に、思わず顔が上がって少女をまともに見てしまう】
【褐色の肌に引き立てられる綺麗な蒼の髪も、蠱惑的な赤と黒の瞳も】
【何よりも────その美しい少女が自分のことを見ているのだという事実を】

【頭が痺れるような感覚が走った。どうしたって誤魔化しようがないぐらいに顔が熱くなっていた】
【表現しがたいほどの美しさを持つ少女が隣に座っているだけでなく、彼女が自分に興味を持っている】
【もはや視線を外すこともできなかった。煙水晶の双眸が、吸い込まれるように少女の瞳に向けられていて】

【────そんな状態から、耳元に言葉が囁かれるのだ】


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!


【視線がまた彷徨って、けれどそれは少女を視界から取り除くためなどではなくて】
【むしろ、逆だった。目線の動きは彼女の身体をなぞるようなもの。その肢体を、見つめるためのもの】
【胸の一部さえ露出させた格好。素肌の殆どは晒されていて、パレオでさえその奥を見れそうで】

【魅了してくる声が、冷たくも色鮮やかな美貌が、意識を惹きつけてやまない柔肌が】
【”そういうとき”に少女がどういう姿を晒すのか────その場面を連想してしまうには、その一言は十分過ぎた】


…………………………………………すいません…………からかうのは………………そのへんで


【これ以上ないぐらい顔を赤くして、何かを想像しているように視線を動かして、青年は懇願するように言うのだった】
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/28(月) 21:47:27.53 ID:M+rN52C30
>>163

【隣に座った誰かの、存在感。それは、男性である自分ですら敵わないくらいの大きさだった。】
【だからと言って、その大きさその物に特に抱くべき感情はないのだけれど。せいぜい、大きいなぁ、くらい。】
【それは、身の丈以上にもっと感想を抱くべき特徴があったからかもしれない。―――隠しようのない、死の雰囲気。】

【明らかに、普通の人のそれではない。……だが、それが自分に向けられた死の雰囲気ではないというのも、理解していた。】
【だいたい、殺すつもりならとっくに殺しているだろう。自分はこの通り隙だらけ、そのつもりになれば一瞬で殺される。】
【飄々と微笑みながら貴女と対する彼に、恐れの色は見えず。……かと言って、間抜けな油断がある訳でもなかった。】

不思議な事を言うんだね、君は。鎮魂のつもりはないし、そうじゃない訳でもない。んー、これは明らかな矛盾じゃないか。
……でも、矛盾している事も間違いではないのかもしれないね。だって、人間の感情だってしばしば矛盾するんだもの。

つまり、こういう事かな?君の心に慰霊の存在する余地はない。でも、死を憐れまない程に心を無くしている訳でもない。
うん、とっても人間らしい。……深読みかな?でも、おじさんそういう人間らしい心の揺れは好きだよ。
だって、ほら。そういう心の揺れこそが、人間である証拠なんだから。

【……やはり、面倒くさい。たった一言だけで、ここまで憶測してしまうのは、芸術家ゆえの性なのだろうか。】
【けれど、そうやって深読みをしても、決して貶すことは無い。ただ小さく微笑みながら、その在り方に興味を示す。】
【声色は、演奏と同じく軽蔑や激情といった余計な感情は孕まない。ただ穏やかにストレートに、言葉通りの意味だけを伝えて】

―――そうか、君はそう思ったんだ。
ふふっ、いい答えだ。ヴァイオリンを弾く事こそが、僕の存在理由だと。君は、そう思ったんだね?
演奏家としては、そう思われるのは光栄な事だね。……でも、少しだけ違うかな。半分正解で、半分違う。

君が最初に言った通り、これは鎮魂の為の演奏さ。……無数の死に、たった一人の鎮魂じゃ足りないかもしれないけれど。
全く無いよりは、一つくらいあった方がいいだろう?……それで、ね。それこそが、僕の存在理由でもある。

ほら。たくさん人が死んだ場所では、死は「数」になってしまうだろう?死者○○万人、って。
でも、本当はその一人一人に人生があった訳で。本当は、死んだ人数分だけの悲痛が生まれているんだ。
なのに、その悲痛は大概無視されてしまう。……僕は、それを無視したくなくて。
誰も目を向けない死に、たった一人だけ目を向ける変わり者。それが、僕さ。
……多くの死に触れた君は、そんな僕をどう思う?

【変わり者である自覚はあった。自分は異質な人間だ。……だからこそ、聴いてみたくなったのかもしれない。】
【種類は違えど、同じ変わり者であるあなたに尋ねる。馬鹿にされるなら、それはそれで構わない。】
【それで自分の在り方が歪むのなら、自分の存在はそれだけ軽かったという事だ。壊れた建物を見つめながら、小さく微笑んで】
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/28(月) 21:52:41.80 ID:0+4WchHDo
>>164

【それは灼熱が見せた陽炎、幻の中に映る微睡み似て、世界を誑かす胡蝶の如く】
【言葉が熱を持ったなら、河音が蜂蜜の様にベタついて、蕩ける情熱を意識の様に伝える】
【一房束ねたなら、もう果てには戻れぬ胡蝶蘭、絡みつく指先を解く術なんて無いように】


── おっと、私とした事が少々からかい過ぎました、たまにはこういうお遊びも悪くありません
普段お客様の相手をしてばかりですと、どうしても鬱憤が溜まってしまいますので
……そういう如何わしいお店ではありませんから、『Freak Fes』という大衆食堂です

給仕なんです、私。── 勿論仕事中は制服ですから、目に毒という訳でもないですし
興味があったなら是非一度お立ち寄りくださいませ、大抵私がいるでしょうし、それに
貴方様でしたら、特別にサービスしても、良いですよ


【熱帯夜に見る淫乱な妄想に似て、感じる汗さえも錯覚してしまいそうなぐらい】
【違うのは肌の質感、確かな熱と柔らかさが、指先すらも手繰り寄せるみたいに】
【珈琲の上に乗せたフロートが熱で溶けていく。混じる感情はその光景に似ていた】

【── 『Freak Fes』ある国に存在している大衆食堂であった、良心的な値段で破格の料理が食べられる場所】
【もしかしたら貴方も知っているかもしれない、それぐらいの知名度】
【乗り出した身を直して、ちょこんと座る、落ち着いた表情で貴方へと視線を向ける】


さて、── そういえばまだ名前を聞いていませんでした、私とした事がうっかりです
このままでは来店して頂いた時になんと呼べば良いのか、私の身体に触れた方、なんて呼び方は嫌でしょう?
まずは私から名乗るのが、礼儀というものですから

── ファラーシャ。ファラーシャ・ライーシュ・ファルカト=ムーシェキィヤと申します
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/05/28(月) 22:05:48.12 ID:TPVfhvvwo
>>166

【嘆願が通って、やっと青年は息をつくことができた。ふと気がつけば、外気が冷たく感じるほどに頬が火照っていた】
【若干の罪悪感のようなものが胸中にはあった。今日会ったばかりの相手に”そういった感情”を引き出されたことに対して、居心地の悪さを感じていた】
【それでも、美しい少女に心を揺さぶられることを、心の底から嫌がることはできなかった。喜びのようなものがあるのを否定はできない】


全く、酷い人ですね……親切心で声をかけた相手をこんなにからかうなんて
本当に、顔から火が出るような、とはこのことですよ、もう…………

…………それなら、立ち寄らせてもらいます
今日のお礼をしに、ね


【青年は表面上だけは少し不機嫌というか、非難めいた視線を向けてみせた】
【といっても、そういったことは苦手な人間だ。表面上だけであるというのは容易に見破れてしまうだろう】


……ファラーシャさん、ですか
んん……すいません、一度で覚えるのは難しいかもしれません。こちらはそんなに名前が長くならない国なので
僕は赤木怜司。赤木でも怜司でもお好きなように呼んでください


【国柄の違いで、名前の全てを覚えきれないことに謝罪を挟む】
【それから名乗り返して名刺を差し出した。電子上の連絡先と『レヴォルツィオーン社 開発部門』という所属が書かれていた】
168 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/05/28(月) 22:08:57.09 ID:HIuykBvM0
>>165
【事実、彼女に殺意はなかった。──無論、殺しても仕方ないという感情は確かにあっただろう。恐らく異国の諜報員である彼女にとって、存在の痕跡は多くあるべきでない。】
【然しそれを差し引いても、彼女は男になにか、惹かれるものがあったのかもしれない。その無感情な顔貌は、何も語りはしないのだけれど】


【であれば彼女は黙りこくって男の言葉に耳を傾けていた。否定も肯定も、しなかった。】
【微かに、なにかの軋む音がする、だろうか。顔の半面を隠す銀髪の奥、眼帯のように見える黒布は、暗視装置とサテライトリンカーまで備えた特殊義眼であると、気付き得るだろうか。】
【あゝ然し何たる皮肉であろう。彼女は人間でありながら人間でない。脳髄と神経以外の殆どを人工物に代替したサイボーグであると、】
【そんな彼女が人らしい矛盾を胸に宿すのは、いかばかりの理由があってのことだろうか──?】


【おもむろに、テディベアの腹を彼女は裂いた。真白い綿を引きずり出して、それで彼女は顔を清めようとした。】
【鬱陶しそうに目を瞑り、顔にかかる銀髪を片手で抑えて──乱暴にファンデーションでも塗りつけるように】
【文字通りの腹綿を擦り付ければ、それは蛮族の聖別にも似て。されど、血糊拭われた睫毛の震え、偶然に差し込んだ月光が横顔を照らしたのならば、】
【ひどく端整な、鬼才の彫刻師が心血を込めて彫り上げたような、それでいて血も温もりも決して通わなかっただろう──人形に似た白膚の横顔が、露わになる。】
【シャワーなんて我儘も言いたいけれど、と、苦笑のような自嘲のような、そんな言葉を零した。花びらのように薄くも柔らかく、微かに色付いた唇より。】



「誰かの死を想う──誰かの生を想う。あったはずの、けれどちっぽけな、今となっては残滓さえ怪しい生を。」
「そこに己れの意義を見出し、そのために鎮魂歌を奏でている、と? ──大層なロマンチストね、あなた。」



【呆れたように彼女は笑った。存外、優しい声だった。誰かを嚇したり、貶したりするなら、幾らでも残酷になれそうな、──だが今ばかりは、大人びて柔らかい響きを含み。】
【女もまた月を仰いだ。曇天がようやく晴れようとしていた。手元の返り血までを拭ったところで、また手持ち無沙汰になった女は、次に愛銃を弄することを選んだ。】
【細くしなやかな、グランドピアノの鍵盤に乗せれば耽美さすら備えて舞い踊りそうな指先は、】
【しかし現実には人殺しの道具を握るために使われている。マガジンをリリースし、懐より取り出した予備弾を一発ずつ詰めて、】
【最大装填数まで充したのなら、グリップの中へと戻して、スライドを引き、──弾倉に込めて、セフティ、コック&ロック。】


「まあ、でも。少なくとも、わたしも」
     「──自分が自分であるために、ここに来ているわ」


【独白だった。答えは求めていなかった。月光に溶けるような呟きだった。それでも隣に、男はいた。】
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/28(月) 22:14:27.71 ID:0+4WchHDo
>>167

【千夜一夜の寓話に相応、夜の慕情を感じさせる少女の交わり── 或いはそれが深奥に残るかの如く】
【蒼銀の狭間から覗いた砂糖菓子、甘く蕩けた素肌は鼻腔に染み込み脳まで蕩かすぐらい】
【曲輪よりも未だ幼く、それでいて夜鷹よりも可憐に夜を謳歌してみせる】


あら、貴方様が可愛らしい反応を見せるのがいけないのでは? 誘いに応じて乗り出す殿方なら相手にしません
初心な反応を見せる方が悪いというもの、私が襲われても何も文句が言えないように、貴方様も
── からかわれても文句を言えないような、隙だらけの姿でしたから

赤木様にしておきましょう、言い慣れておかないと、来店して頂いた際に
『レイジ』なんて恋人の様に呼んでしまうかもしれません、から
── あら、レヴォルツィオーンなんて超一流も超一流、大企業中の大企業じゃないですか

その歳で開発部門に所属だなんて、意外とやり手なんですね


【そう言って立ち上がったなら褐色に纏う夜が乱れる、黒い衣と蒼銀と、色彩のコントラストは時に過剰なまでに】
【それは踊り子に似ていた。── 『砂の国』では淫らな格好で踊りながら、裸体をさらけ出す職もあるのだという】
【白銀のポールに身を委ねたならきっと、彼女は尊く踊ってみせるのだろう】


それでは私はこれで、良い時間潰しができました──、貴方様には暫し大変だったかもしれませんが
私はとても、そう良い気分転換になりました、これからまたダメな子達を率いねばなりませんから
また会いましょう、お客様として、そして──、ファラーシャとして

── ‎"هيممنوس كرونيكل"──
──"Hymmnos Chronicle"──


【少女が紡いだなら、夜を溶かしこんだような蝶が複数出現し、荷物の近くに羽ばたく】
【蝶の動きに釣られる様に荷物が持ち上がり、彼女の前をゆっくりと先導する】
【そうして彼女はその場を後にする、何処までも不思議な音色を残して】


/この辺りでしょうか! お疲れ様でした!
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/28(月) 22:26:08.31 ID:BXPz6ptu0
>>144

【ぼうとした視線が移ろった。それは脳内麻薬に浸された人間の目、何度死んでも追いつかないほどの苦痛の余韻がパチパチと線香花火のように弾けるたびに】
【その衝撃に揺らされるように身体が震える、――それほどのものであった、彼の言葉を聞くことすら、人生で一番の集中を保ち続けていなければ、ならないほどに】
【けれどだからこそそれは深く深く存在の奥深くにまで染み渡る言葉に変わる。さながら砂漠で遭難した後に差し出されるコップ一杯分の冷たい水のよう】

【ならば気づかぬうちの彼女の膝は折れていた。跪くよな視線は祈りを捧ぐ信者の様相、さぞかし眩いものを見上げるかのように目線が振れる、そうして彼を、見上げたなら】
【――こんなにも敵わぬ彼にすら届かぬもの。それがウヌクアルハイだと深く深く刻まれていく、より一層、今までよりも途方もなく、突き抜ける先の地面さえないほど】
【だけれどそれはくだらない人間の錯覚に他ならない、と、言うことを、今思い知らされた。その向こう側に彼の蛇神様は居るのだ、そこにたどりつくときこそ】

【――――――その時こそ、救われる。蛇に赦されるのだ、と。細胞の一つ一つ、ミトコンドリアまでもが蛇を崇めるかのように。赤血球までもが、ひれ伏すように】
【ならば白血球はくだらないウィルスに対応することをやめて蛇のためにと身体の中を彷徨いだすから】

――――ああ、あぁ! ――もうすぐ、なのですね。ついに、――ついに、その日が来るのですね。
もちろんです、……もちろんですとも、私の身など何度枯れて果ててしまっても構いません、そのためなら幾重にも咲き重ねましょう、姫の衣よりも濃密に、塗り重ねて。
その喉を潤す蜜になれるのならば、それ以上の幸福などありえません。――そのために生まれおちたのだと、連綿と続いた系譜のすべてこのためだと、分かります。

そのためであれば屍を単位すら消えて失せるまで切り刻む事も、
屍を組み合わせ万人が死ぬまで嘔吐するほど冒涜的な立像を築き上げることも、
屍と交わりその子を孕むことも躊躇いません、――いいえ、どうして躊躇うことがあるのでしょう? 

【それはさながら毛先までも感覚のある生き物が居たとして。その毛先までを丹念に豚毛のブラシで梳かされるような至福だった、思わず微睡んでしまいそうなほど】
【だけれどそれは安らぎと程遠い。ならば度を超し苦痛と化した快楽を伴う交わりの後の微睡み、脳の回路が一つ一つシャッターが降りていくときの、絶望的なまでの、甘さで】

……――――――もちろんです、賜ったお力はもとより、この存在すべて、使い果たしてでも。

【狂気に満ちた笑みを隠せるはずもなかった。三日月より鋭利に口元が咲いて、瞳はどこか遠くをじっと見ている。この暗がりの向こう側、その鱗の煌めきを探そうとするように】
【ざわざわ落ち着かない細胞をなだめるように自分の身体を抱き留めては撫でる、それでは足りぬとばかりに物欲しげな喉が熱っぽい吐息を溢れさせて】
【透き通るような藤の髪先が背中を撫ぜるだけで果ててしまいそうなほどだった。想像さえすることが敵わない世界に接続された、その余韻が、ひどく色濃く、鮮やかに咲くなら】
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/05/28(月) 22:32:42.04 ID:TPVfhvvwo
>>169

【隙だらけの姿だ、と。言われてしまっては言い返す言葉もなかった】
【醜態を晒した自覚ぐらいはあった。指摘されて、顔に熱が戻ってくる】


んん…………それでも……ああ、いや…………も、もういい
れ、怜司、ね……赤木”様”ってのも呼ばれ慣れてなくて、なんだかこっぱずかしいですけど
レヴォルツィオーンはちょっと伝手があって……その話は、店に行ったときにでも


【下の名前で呼ばれたのは、ただの例に過ぎない。それでもその声で呼ばれてしまえば、胸が高鳴るのを感じてしまった】
【立ち上がる少女の姿を瞳が追う。黒と蒼と褐色。風に靡く蒼銀の髪に、明かりに照らされる肌】
【淫靡だと人は言うかもしれない。だが彼女の姿に青年は美しさと、気高さを垣間見た。そう、きっと尊く踊ってみせるのだろう】


……ええ、それじゃあまた


【少女の姿を見送って。公園に一人残った青年の口からは嘆息】
【いくらなんでも、少し酷い姿を晒しすぎたと、自己嫌悪がこみ上げてきた】
【それでも────心の中には彼女の声と姿がいつまでも残っていた】


//お疲れ様でした!
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/28(月) 22:38:51.17 ID:0+4WchHDo
>>170

【── 男はその様子を見て満足気に微笑む。娘が初めて喋った言葉を、拙くとも精一杯喋る姿を誇り高く思う様に】
【例えその中身が呪詛であったとしても、蔓延る呪怨をその身に纏っても構わないと言いたげに】
【愛しい娘であった。美しい顔に混じり気のない感情を浮かべる姿が、こんなにも尊いとは──】


素晴らしい答えです、人の身でありながら、良くここまで信仰を深める事が出来ました、
── いえ、或いは人の身であるからこそ来れたのでしょう。君は誰よりも熱心な信徒であっただけです。
そしてそれこそが最も尊く、ウヌクアルハイ様が最も喜ぶべき真実なのです

人は知覚できません。我々がウヌクアルハイ様の円環の中に居ることも、無限の輪廻に囚われていることも
けれども君の脳内は今それを理解して "しまった" しかし、それでも尚、脳内は統制を取り確かな論理を導き出す
それがどれ程までに素晴らしい事なのか、称えるべき奇跡なのかを君は知らず、それでいて君は信じるのです

そう、それこそが、それこそが信者のあるべき姿です、君こそが "サーペント・カルト" の誇りに相応しい、
宇宙の深さと残酷さを知って尚、我々は自らの知性を元に世界を生き抜く事が出来る
それは宛ら断頭台の紐を自ら断ち切る様に、処刑台を自ら組み立てる様に、十字架を刑場まで運ぶ様に


【男は言葉の限りを尽くし少女を賛辞する。ウヌクアルハイの代弁者として、預言者は慣れた口で語る】
【── ある種の同一視であった。自分を神と誤認し、自らの理論に無意味な三人称を付け加えるような】
【それでも今の貴方には何よりも尊く響くのだろうけど】


ではここで一つ試練を与えましょう、此処に一つの死を蘇らせます
そして君は再びその死を繰り返すのです、それこそが恩寵の一つ
さあ、顕現なさい── 全ての因果を断ち切る時が来たのです

────"Death Unlimited"


【少女の目の前の闇に、柱に括り付けられた男性が出現する】
【── 中年の男性であった。特筆すべき情報はほとんど無いけれども】
【敢えて言うのであれば、それは少女の、死んだ筈の父であった、ぐらいか】
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/28(月) 22:49:43.27 ID:M+rN52C30

>>168

【実際、彼は気づいていた。貴女のその身が、生体ではないという事に。―――彼の耳は、異能とさえ呼べるくらいに特別だった。】
【雑踏の中のでコインが落ちる音のような、些細な音でさえも聞き分けてしまう。それゆえ、小さな金属の軋みを聞き取ってしまっていた。】
【それは、生き物の身体からは生まれ得ない筈の音。機械の性質までは判別できずとも、ヒトではないという事には気づいていた。】
【それでも、彼は彼女を「人間」と形容した。彼にとって、人間であるかどうかの定義は、身体の構成成分ではないのだろう。】
【そんな表面的な部分ではなく、もっと別の深い何か。それが何であるかと尋ねられたら、まだ分からないとしか言えないけれど】
【―――無言で、汚れを拭う貴女を一瞥する。遺物を引き裂いた、その行為を咎めることは無い。】

―――ああ、僕はロマンチストさ。そして、リアリストでもある。

目の前に広がる無数の死という現実から、目を逸らさない。それって、ある意味リアリストじゃないかい?
でも、ロマンチストでもある。死人に想いを届けるなんて、ロマンチストの極みさ。
ふふ、僕も君と同じ矛盾した存在だよね。ロマンチストでありながら、リアリスト。……でも、それでいいと思うんだ。

【自分でも、自分の在り方が奇妙であるという事は理解していた。理解していながら、それを受け入れていた。】
【自己が孕む矛盾でさえも、自己であると受け入れて……納得していた。受け入れているからこそ、その存在は矛盾していながら揺るぎなく】
【でも、その在り方を呆れられながらも否定されなかったことに対しては、喜んでいた。その証拠に、少しだけ頬を緩めながら】
【自分の相棒を調節した貴女を真似たのだろうか、彼もヴァイオリンをそっと撫でていた。】

うん。……君がどういう存在なのかは、僕は知らない。
でも、僕の馬鹿げた存在理由を否定しなかった君の事だ。きっと……そう酷な物ではないだろう。
―――たとえ、僕が君から強い「死」を感じ取っていたとしても。僕は、そう思う。

【―――くすりと、はにかんでみせる。他人の独り言にどうこう言うのは、不躾な気もするけれど】
【自分が貴女の隣にいたから、応じてみたくなった。これも、人間故の気まぐれなのかもしれない】
174 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/05/28(月) 23:08:58.53 ID:HIuykBvM0
>>173


「あまり他人から同類扱いされるのは、癪に触るけど ── まあ、否定のしようは、ないわね。」


【夢見がちな男の所作を、彼女はきっと鼻で笑っているようだったが、 ── しかしそれでいて、彼女もまた、夢を見ている。】
【悪い夢。醒めない夢。取り憑かれたような夢。うつつを彼女は歩いているのに、その足取りは夢心地。】
【己れの置かれた立場を認めたくないから。逃げ出したいから。振り払いたいから。それはきっと、宿命だった。】
【 ── 漸く、彼女は男を一瞥した。その微笑みを横目に見た。切れ長の冷たく青い瞳は然し、やすらかな笑みを湛えてもいた。】


「ただの人殺しよ」「権力の犬」「早くどこかの誰かに、首輪を解いてもらうか ── 」
「 ── 早く、自分でも、鎖を噛みちぎれるようになるか。そうなりたいのだけれどね」


【はじめから問うてほしかったかのように、滔々と彼女は己れを罵った。嘲笑った。機械仕掛けの死神に、優しさなど感じてどうすると。】
【けれど言葉にはしなかった。男の性根とその心持ちを、少しは女も知ったつもりであったから。】

【 ── 不意に、遠雷に似て、ヘリコプターの飛行音。遠くに明滅する、サーチライト。女の穏やかな微笑みが、冷たさを取り戻す。】
【テディベアを座っていたドレッサーへと戻してやり、そのまま懐へと手を伸ばし、左手にも彼女は拳銃を握って、虚空を睨んで。】


「 …… ここも、そろそろ、危なそうね。」
「ありがとう。 ── 悪くなかった。そのヴァイオリンも、貴方も、ね」

      「さようなら。またいつか、会えたのなら。」


【急ぎ足に彼女は立ち上がる。影のような体躯は細長く、月光に照らされたのならば成る程死神の背姿にも似ていた。】
【振り向きざまに、最後、彼女は ── ゆるやかに眉根を安らげた、毅然として、けれど優しげな微笑みを投げかけて】
【別れの挨拶もそこそこに、夜闇へと紛れて消え行くだろう。足音も足跡も凡そ残さずに、最初からそこになんていなかったように ── 。】
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/28(月) 23:13:47.12 ID:BXPz6ptu0
>>712

【それはさながら聖堂で聞く聖なる歌声のようだった、一定の数字を数えるときにカキリとリズムが重なる、そのたびに、人間は言いようのない世界の美しさに飲み込まれる】
【ありふれたポリリズムじゃ物足りない、麗しい神が指先で選び取った無秩序な数字が重なり合うのが天文学的数字の果てでも、それが素数じゃないって知っているなら】
【――――――――――奏でられるすべての音律が一致する瞬間がもうすぐそこまで差し迫っていると、"分かる"から】

――――――……はい、――はい。有り余るほどのお言葉です、……、

【マゼンタの目じりが甘く蕩ける、伏せた視線ながらも薄い藤色のまつげを鮮やかなマゼンタが貫通してくる、涙すら溢れてきそうなほどに、長い毛先まで赤紫が映えて】
【笑んだ口元はひどくむず痒いような無垢を宿した、彼の言葉に相槌を打ちながら、そのたびに、そのたんびに、本当は打たれているのは、彼女のほう】
【祀られた無垢が望む通りに(今の彼女にそれとこれを区別するだけの思考は残されていないから)形を変えられていく、叩かれるたびに火花が散って、そのたびに、洗練されていく】
【それはまさに人間だからこそできることだった。良くも悪くも執着しいの神々には為せぬこと、自身の形を変えて生きていく、それはありふれた生き物らの生存戦略だったが】
【――人間のそれは群を抜いていた。だからこそ無垢なる神に仕えるにふさわしい――そして何よりよく増えて、都合が悪くなったなら、簡単に、終わらせられる】

――ああ、パパ、パパがかえでを高いところへ連れて行ってくれるのね、小さなころに、たかいたかいって、してくれたように。
だけどね、パパ、かえではもう大人になったわ、洗面台の上の戸棚にだって手が届くの。だけどね、パパ、――――まだ一つだけ、届かないところがあったの。

かえでが……ムリフェンが、ウヌクアルハイ様の下へ向かうための――足場の一つになってちょうだい、パパ。

【"あなた"はその少女の顔を見やるだろうか、こんな瞬間に浮かべる表情を、たとえどんな優れた吟遊詩人だって、歌にするには、千年はかかりそう】
【そして同時に理解する、しないといけない、彼女みたいに笑った時にえくぼのある人間は千年前の記憶を引き継いで生まれた証で、だから】
【最も優れた吟遊詩人が歌にしてみせたとして、その場にこの少女はきっと居合わせるから】

【――――――だなんて、ああ、これは検閲に似たもの、美しい川を行く、豪華な船の映像と意味合いはきっと同じで】


――――――――ふふ、ぅふ、あはっ――、ははっ、あははっ! ――ウヌクアルハイ様! ――見ていて、くださいましたか、
ウヌクアルハイ様の奇跡は死んだ人間をすら殺してみせました、――数多の死を積み重ねて! 一人の人間が決して知ることのない幾重もの死を、咲かせて――、

【――それは凄惨という言葉すら生ぬるいほどの地獄だった。少女は新しい力の持ち得る可能性すべてを試すかのように何度も何度も何度も無上の苦痛を父に与えて】
【それでもなお底の知れぬ力に畏怖し跪き泣いて笑いながら、それでも父を痛みだけで以って殺し続けた、――それがどれだけの時間に及んだのか、は、分からないけど】
【とにかく少女の父親は死んだ。それが何度目かであったかは、多分、誰にも分からない。賜った痛みを拙く模倣した地獄絵図、あれが甘美で美味なミルフィーユだったなら】
【これは単なるパイ生地のよう、粗削りで詰まんない、だけど――だからこそどんな風にも調理する余地のある、人間らしい、人間にしかありえない、様相だった】
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/28(月) 23:24:49.48 ID:0+4WchHDo
>>175

【快楽は熱病に似て、流線形は人を殺める殺意の具現、それならば狂気はどの舞台に並べられるのか】
【陰鬱な森を抜けて、鬱蒼とした海を踏破し、その果てに待つ地平線へと思いを馳せたならば】
【── 其れを因果律の終焉と呼ぶ事を、神は許してくれるのだろうか】


ええ、大丈夫です、ウヌクアルハイ様は然と見ておられました。君が尊く美しく業を果たした事を
ウヌクアルハイ様は死者すら殺せるのです、況や生者など、そうあれかしと希望がままに思うがままに
そして須らく、灰は灰へ── 我らが神から齎された恩寵は、正しく我々の元へと

ムリフェン、君は死者すら殺せる力を得た、それならば、生者など、殺す事はより容易いでしょう
そう、これこそが逆説的な殺害保証、全ての生者を殺し切る類まれなる殺人鬼の才能
言い得てしまいましょう、これぞ禁術── 万物を殺戮する術

── "Kukulcan"


【病葉が奏でた三重奏は、暁歌すら生温い不協和音に満ちて、その中で蠢く振動をクワイヤと嘯いて】
【そうして理性の狭間に溶かした一葉、無数に煮詰めて積み重ねた罪の墓碑、月桂樹が如く散りばめたなら】
【臓腑の詰まった肉袋を、何度も殴打するかの様に── 塗れた血と■■が滔々と流れていく】

【新たな術式であった、その術を用いれば万物を殺戮する事が出来る】
【── 対抗神話とも言える術である、この術式を用いれば一瞬でその場の魔力的産物を掻き消すことが出来る】
【ただし副作用も大きい、滅多に使わない方が良いだろう、等と】

【── 彼が言うはずも無かったが】
177 :ドープ・ラブ・ライク ◆xgsUYuhzWc [sage]:2018/05/28(月) 23:37:11.92 ID:ukIb/Zaz0
【――ああ?≠ニ訝しげにそちらを向けば、ずいぶんと肉感的な幼女】
【ずいぶんと長い間見ていた。とはいえ、表情からしてときめききゅんといったものではなくて】
【なんだこいつ、とでも言いたげなとても失礼な表情を向けている】
【むろん、無欲な訳ではない。男として反応しない訳でもない。ただ、】

【濁された言葉だとしても、伝わるのは邪悪の漏れ出る気配】
【あいまいで、明確な意図として伝わるのは、――己の敬愛する邪教のにおい】

……あー。

目の前に悪魔だかコウモリだかヴァンパイアだか、よく分かんねェのが居るな。
つまり俺にも地獄からのお迎えでも来たって訳だな。アーメンソーメンヒゲソーメン。
オレぁこういうのを退散させねェと、階段逆四つん這いで降りなきゃなんねェって映画で学んでんだよ。

【と、サンバイザーを抑えて、うつむきがちにぼやき出す】
【明らかに、彼女の気配を察知している。彼は一般構成員。敬うべきだというのに】
【まるでそれが厄介であるとでも言うかのような――】

SHIT.(ちくしょうめ) 今日は厄日だなァ……。
可愛いお嬢さんってのはオレぁ大歓迎さ。セクシーなら尚更な。
だけどよ、そういう路線じゃあねえんだよな……いっちゃん見たくも無ぇ面拝んじまってよ。

で、アンタ一体何者だ?
オレぁアンタのコト知らねえし、自己紹介ってのは自分から名乗るもんだぜ。
そういう月並みなコト言わせてるウチは、幹部≠フ名も廃れるってもんだ。
コミュニケーション大事だって学校のセンセイに教わらなかったのかい。

とはいえ、絶対服従の身だからこそ名乗っとくか。釈だがなァ。
学校のセンセイってのは社会の厳しさまでは教えてくれなかったらよ。

オレぁサーバント、ドープ・ラブ・ライクだ。よろしくな。幹部さんよ。

【べらべらと継ぎ目なくしゃべる――減らず口で彼女を刺激するかのように】
【物怖じしない理由としては――彼は己の価値には、それほどまで頓着していないのだ】
【彼女がいかにヒト≠ゥら離れていようと、彼を殺しに掛かろうと、そこは最たる問題ではなく】
【というよりも、次に彼女がどのように行動し、返答するかの方が彼は気になるのだ】
【幹部などめったに見れない。だからこそ、己の思想の達成に、便宜上はより近い≠ニ思う同志を知りたい】


――まあ一言、な。
オレはジブンのファッションにソウル掛けてんだ。だから言わせて貰うと。


お前のファッションの方がバカだわ、このタコ助娘……!!
いくら夏だからって水着着て歩くのはどう見てもてめーがクレイジーだろうが!!


【なんか急に怒り始めたが】


【とはいえ、彼は立ち上がり、出方をうかがっているようで】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/28(月) 23:40:30.25 ID:M+rN52C30
>>174

【同時に、彼もあなたを一瞥する。だから、必然目が合う。目が合うと、その目に浮かぶ色も当然見える。】
【ほんの少し、僅かながらに。けれども、確かにあなたの表情に垣間見た穏やかな色。きっと、見間違いではない。】
【冷たい色をしながら、温かい穏やかさも内包する。それもまた、貴女に存在する矛盾……だったのかもしれない。】
【―――それはきっと、彼女の色が血と硝煙に染まった色だけではないという事を示していたのだろう。】

ただの人殺し?……ふふっ。本当にただそれだけ?
僕は、君を表現するのに「人殺し」なんてたった三文字じゃ足りないと思うな。
人間って、色んな側面があるだろう?よしんば人殺しが正しい評価だとしても、それさえも君の一側面に過ぎない。
人殺しの性質とは矛盾した、別の側面もあるかもしれない。それだって、きっと君の一部分だよ。

【そう、人間なんて最初から矛盾しているのだ。ただ一つだけの単純な性質の人間なんて、どこを探してもいない。】
【それゆえ、「ただの人殺し」なんてなり得ないと、彼はそう言う。人間が、たった三文字で表現できるはずが無い、と。】
【それは、信念に似た何か。彼の思想の根幹に近い部分だったのかもしれない。―――別れが近い事を知ってか知らずか、それだけを伝えて】

【その直後、ヘリコプターの音。迎えが来たのだろう。―――ああ、ほら。やっぱり。】
【テディベアを道具にするために無残に引き裂いたのに、捨てればいいのに大事に取っておく。やっぱり貴女は矛盾していて】
【それこそが、自身が単純な存在ではないという証拠ではないか。口には出さないけれど、彼は見ていた。】

……ああ、ありがとう。そう言って貰えるのなら、僕は嬉しいよ。
それじゃあ、またいつか。―――今度は死者ではなく、君に向けて演奏できれば嬉しいね。

【また、いつか。それがいつになるのかは、全く分からないけれど……もし、その日が来たのなら】
【今度は、彼女に音楽を聴かせたい。様々な側面を持つ彼女であるからこそ、きっと良い聴き手になるはずだ。】
【やがて彼女は去っていく。足音も足跡も残していないけれど、短い一夜の確かな記憶を残して―――】

//此処で〆でしょうかっ。ありがとうございました!
179 :アイ ◆xgsUYuhzWc [sage]:2018/05/28(月) 23:43:42.11 ID:ukIb/Zaz0
/>>177>>161さんへのレスです!
180 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage]:2018/05/28(月) 23:43:49.29 ID:HIuykBvM0
>>178
/ロールおつかれさまでした。キャラの方向性も決められて、ずいぶん調子も戻ってきた気がします。ありがとうございました!
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/28(月) 23:55:15.38 ID:BXPz6ptu0
>>176

【――ぷちり、ぶちり、と、聞き覚えのない音がした。そしてそれは禁術に曝された身体の中身のどこかが耐えきれずに張り裂ける音だったのだけれど】
【果たしてその彼が口に"しなかった"警告を聞いていたとして、彼女はここで踏みとどまっただろうか。知らねばブレーキの壊れた車、知るなら、アクセルを踏み込むように】
【ならば結果はそう違わない。知らずに死ぬか、知っていて死ぬか。――どうあれ彼女はそれを望み選びそして果てるのだろう、と、世界のすべての理解させるよう】

――――── "Kukulcan" 。ああ、なんて、なんてすばらしい名前なのでしょう!
ウヌクアルハイ様の化身が一つの名を賜るなんて、ひどく、ひどく、ひどく――、ああ、嬉しすぎて、今すぐにでも、死んでしまいそうです!
ですけどそれをウヌクアルハイ様は赦してくださらないでしょう! ――だけど、こんな気持ち、どうやって表現したら、いいのか……いえ、もちろん、もちろんです。
分かっています、分かっているのです、ですけど、私のような矮小な存在では、それ以上に言葉にしてその喉の快楽を味わいたい、と、願ってしまうのです!

喉奥まで差し込まれその結果味蕾に触れることすらない味すらも感じてみたいと――。

【それほどまでに深く深く引きずり込まれてしまった。泥沼を暖かい温泉と間違ってしまったより罪深く、戻る道はもはや振り返ることさえ許されず】
【それを許される頃など、とうに通り過ぎてしまった。無くしたものを埋め合わせるには信仰はあんまりに大きすぎて、ぼっこり空いた穴より、大きなものが挿入ってくる】
【だから人間なんて矮小なものはびりびりと張り裂けていくのに、それさえ快楽に見間違う。――ならば浮かべるのは先ほどより深い愉悦、無垢にあどけないからこそ、悍ましい】

【――さながら生まれたばかりの妹に嫉妬して殺してしまう二つと半分の姉のように。それをそうだと理解しないまま、動かなくなった妹で人形遊びをするみたいに】
【それに気づいた親の悲鳴はどのようであっただろう、――そして彼はきっとそれを聞いていた。冒涜された父親の悲鳴、それはまさに、どうしようもない絶望の音階】
【きっといまだにどぶどぶ流れ続ける無惨な赤色に少女はもはや興味を示さない、内側から溢れて来る気が狂いそうなくらいに甘い蜜に、対処するすべを知らないのだから】
【ある意味では生存するための本能のようでもあった、――――これはやはり人間には荷が重すぎる、神々の向かう先に付き従うこと、それそのものが地獄絵図であるかのように】

――ウヌクアルハイ様はいつごろに受肉されるのでしょうか。ならば私はその時計の針をいくつもいくつも早めてみせましょう。
それ以外の方法で、私のこの昂ぶりを醒ませそうにないのです、身体の内側を何もかもわきまえず犯されているよう、そうでもしないと、気が狂ってしまいます。
オフィウクスの本懐を遂げたいのです、この力で――、――ケバルライさん、どうぞ、私の存在を一滴残らず使い切ってくださいませ、ウヌクアルハイ様の、ために――。

【けれど】

【血反吐を吐いても付いていくと少女は決めてしまった。それがいつからだったのか、どうしたら、そうならなかったのか、もう分からないけれど】
【震える唇は彼に予想される時間を尋ねて、そして、誓うのだ、――"その日"をよりいっそう近づけて見せる、と。この力はもとより、この、全部の存在を絞りつくしても】
【長く長く吐き出される吐息はひどく震えて、そのたびにひゅうひゅうと息の音がするほど。――そうして乞う、自らより高みを知るのだろう、彼に、頭を垂れて】
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/05/29(火) 00:09:15.85 ID:LULbZQrSo
>>181

【父親は苦悶の聲を鳴らした、声帯が裂けて聞こえなくなっても、雑音の様な呻き声が何処までも流れる】
【其れを宛ら聖歌の様に貴女は聞いていた。荘厳なパイプオルガンを奏でる様に、無垢な指先で臓腑をまさぐり】
【祝祷を祈るが如く、腑分けする手順に迷いも無く、聞き慣れた歌をなぞる様に道を進む】


烏滸がましい真似です、出過ぎた願いです。何故彼の者が蝋で固めた翼で満足しなかったのか、太陽を目指したのか
── そしてどの様な末路を辿ったのか知らない筈は無いでしょうに、君は何処までも純粋でなければならない
けれども時に背徳は美酒、淫行は甘露、業を犯す気持ちもまた過ぎた信仰心の賜であれば私は許可をしましょう

しかし、それもまたウヌクアルハイ様の恩寵の下に、分かるはずです、君が言葉にするまでもなく
ウヌクアルハイ様は其れを分かっておられ、其れを理解しておられ、そしてそこに在るのです
ですが故に、だから故に、それが故に、私は君が冒涜を犯す必要など無いと諌めましょう

不必要な罪など犯してはなりません、御自分に酔ってしまう事は狂信者の自己満足です
君は正しい道を歩いてきた人間です、そしてこれからも光り輝く道を逝かねばなりません
一歩一歩が正しい方向に向いていたならば、帰納的に考えれば、その先が救いであるのは自明の理


【ゴシックに塗り潰されたカテドラル、死と苦痛の沼に閉じ込められた幽世を、どの角度から見れば正気と言えよう】
【或いは既に我々は、忘却の湖に囚われて、尽きることの無い永劫を旅路として】
【鈍痛の様な恐怖すらも、誰も彼もが忘れてしまい、そしてその先に映る無限の曖昧だけを踏破しようと】


もう間もなくです、── 君ならもう分かっているでしょう、耳を澄ませばすぐそこに
夜道にふと振り返った事は? 湯浴みの最中視線を感じた事は? 足跡が一つ、多く聞こえた事は?
そう、それこそがウヌクアルハイ様の痕跡── 我々の耳元で静かで確かな息遣いを零します

故に私は君を腑分け "しません" その様な事をしなくとも、君は十分に蛇の元へと近付いている
鳩尾から下腹まで切り裂き、腹膜を割いて内臓を露にしなくとも、大丈夫なのです
だからこそ積み重ねなさい、善行を── その先に未来はあります


【── 闇が薄れていくのだろう、目覚めの前の熱量に似ていた】
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/29(火) 00:48:55.78 ID:VprJxs3N0
>>182

【――――――嗚呼と呻いて少女は眼を閉じる、彼の言葉に怯えるように、けれど、やはりそのどうしようもない熱は燻るばかりだから】
【ならばどうしようもなく身もだえするばかり、それはさながら両手足を切り落とされてしまった贄のようでもあった、腸が澄んだ信仰の流れる水面へ落とされる瞬間を待ちわびるよう】
【恐怖と期待にびくびくと身体を慄かせながら身もだえするたびに理由も分からず涙するような気持ち、それこそがきっと信仰で、だから、捧げないとならない】

――――ああ、申し訳ありません、その通りです、出過ぎた真似でした。
――なればこそ、いっとうの奉仕に励みます、――私など、のためにウヌクアルハイ様の名を出すなど、それだけで罰せられるほどでありました。
あなたの慈悲に感謝します――こうして私にもう一度、己が姿を見つめ直す機会をくださったこと、そしてそのために、さらなる修行に励めること。

【まるで空腹の蛇の前に差し出されたピンクマウスのようだった、神威に打ち震えて慄く矮小なもの、今更になって、自らが今まさに羽ばたこうとしていた翼が、蝋細工だったと知る】
【ふっと立ち止まって見たならば、それは確かにそうであるように見えた。けれど自らの昂った血にカッカと燃えるような脳裏ではうまく理解が出来ずに、惑う】
【そしてだからこそ、その鈍った脳の隙間に、彼の言葉が一つ一つ、絶縁体のように滑りこむ。大事な何かを堰き止めて、けれど、それが何かはもう分かることもできないなら】

【ひたすらに彼の言葉を聞く、そうして思うよりも思い知らされる、本能が叫んでいるみたいに、善行を積まねばならない、と、思わせる】
【――耳元に誰かが囁いた気がした。それは澄み切った鈴の音の音律。それを基準にしてすべての音が決められるから、きっとそれは、神が持つ声音に相応しくって】
【少女はとっさに振り返ってしまう――そうして薄れゆく闇に気づくのだ。あるいは、そこはすでに、ありふれた世界の景色、なのかもしれないし】

【とにかく確実であるのは、彼女がこの時以降、より熱心に信仰に励むことだった、――禁術に身を焼き切りながら、けれど、その痛みすら、無上の喜びだと、感じて】



 【――――――――――――どこかで誰かが小さな小さな声をあげた、それは、ふっとした隙に見落としてしまいそうなくらいに小さな、生まれたての神様で】
 【――――――――――たったの一言、自分が何者であるのか。それを定義づけた古のおまじないの文言だけが書かれた、真っ新な神話を、胸元に抱きしめ】
 【――――――――絶えず捧げられる信仰の甘美さにびくりびくり打ち震えて慄きながら、どこかで恐怖して、けれど、拒めず、だのに、泣いているなら】

 【――――――(わたしが消えちゃう)】

 【――――鈴の音の声が、甘美と恐怖のはざまに落ち込んで震えていた。その声を、だからって、だれも、きっと、聞いてないけど】


184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/29(火) 18:49:15.01 ID:VprJxs3N0
【街中――噴水の広場】
【よく分からない像が中央に据えられた噴水はこの広場の名物だった、そこから溢れる水は、子供たちが遊べるような浅い水場に流れ込んで】
【日差しは弱いけれど蒸し暑い今日みたいな日ならばキャアキャアと楽しげな声があちらこちらから聞こえて来るなら、きっとそれは、広場の外まで響いて】

…………っ、う、

【だけれどそれは一つの翳りだった、ならば凶兆に似て――だなんてほど大層なことでもないのだけど。ふらりと揺れる人影一つ、頭を抱える様子だったなら】
【ひどく蒼褪めた顔色も併せてどうやら気分が優れないのだと思わせた。――人気のない細い道から壁づらいに出てきて、そのまま、広場の中へ】
【それから噴水の淵に突っ伏すみたいに地面にへたり込むから、もしも視界に入ったならば気を引くかもしれなかった、――実際、びちゃびちゃに濡れた水着の女の子に取り囲まれて】

【キャーキャーきゃーきゃーうるさい声でどうしたのとかなんだとか聞かれまくって――指先の仕草だけでしっしと追いやったなら】
【「ママー!」「具合悪いってー!」「パパー!」――追い払われる子供たちの大合唱、それぞれの親のところに掛けていきながら、やんややんや、にぎやかに響いて】

クソガキ……ッ!

【ひどく重たそうに持ち上げた頭、前髪どころか後ろ髪の一部までもが顔にかかって、その隙間越しに睨んだ視線は、ひどく鮮やかな色合い】
【――ぐっと淵に手をついて身体を起こしたなら、子供たちに要請された親が様子を見に来る前に立ち去ろうとしているのだろうと思わせた、ふらり、と身体が揺れて】

【淡いウィステリアの髪は透き通るような色合いのロングヘア、肌の白さまで透かすかと思うほどに儚い色合いをして、だからこそ、マゼンタ色の瞳が、よく映えた】
【白色のワンピースは裾に紺色のラインをあしらったもの、ふっくら豊かな胸元につられて前面の裾が持ち上がったなら意図しないアシンメトリーのデザイン、作り出して】
【足元はよく見たなら素肌でなくて薄手のストッキング、それにヒールのあまり高くないパンプス、――それでもおぼつかない足取りが、広場の石畳の溝を踏み抜いて】
【――少女だった。靴も併せたなら身長は170に近いほど――そんな彼女ががくんっ、と、バランスを崩した瞬間は、きっと、よく目立つなら】

【――――まして、子供たちがさんざ騒ぎ立てた、あとだった。まるで不都合なことがあるように移動しようとした少女は、少なくない人の目を集めてしまっていて】
【それとは別に。――膝から転んでいったのは、すっごくすっごく痛そうに見えた、それこそ、しばらく、起き上がってこないくらいに】

/日付変わるくらいまでは余裕で居ると思いますっ
185 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/05/29(火) 19:38:09.29 ID:BbTKogIC0
>>184

あ!ひっさしぶりー!

【離れた場所にいる子供や親たちにも聞こえるような大声が響くと──】
【空色の瞳を持つ少女が、白みがかった金髪を真ん中で分けた短めのツインテールをぴょこぴょこさせながら歩いてくる】
【身長は155cm程度、黒い半袖のブラウスに白いショートパンツ、肩から小さなショルダーバッグを掛けていて】

ほら、わたし!リオシアだよ!
わーこんなところで会えるなんて偶然だねー!

【当然、初対面──】
【彼女にとっては白々しい演技。よく聞けば棒読みで台詞を続ける】

また転んじゃったの?もう、昔からおっちょこちょいなんだから!
大丈夫?擦りむいてない?

【転んだ少女に近づき、手を差し伸べ】
【今度は他の人には聞かれないような小声で、話しかけた】

……おねーさん、どうしたの?
なにか、何か人に見られちゃいけないタイプのトラブル?

【どうやら、周囲の人間に大した事ないということを示すための、とっさの演技だったらしい】
【リオシアと名乗った少女の見た目は10代の中程から後半──】
【どちらが年上かわからないが、おねーさんと読んだのは身長差から大人っぽく見たからか】
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/29(火) 19:54:00.90 ID:VprJxs3N0
>>185

【――ゴツ、ん、と。膝から転んだ少女は痛みにわずかな声を上げる。けれど――あるいは思わせるかもしれない、絶対もっと痛そうだのに、思ったよりも静かだって】
【それともそれが大人の立ち振る舞いだって言われてしまったら、どうしようもないんだけれど。――マゼンタ色が相手へ向いた、訝し気な、トゲトゲした敵意が目立つ、視線が】
【世界をちいとも信用してない薔薇の剛毛すぎる棘みたいにちくちくと相手を見やるだろう、唇をぎゅうと噛んでしまって、――返事はなかった、せっかくの助け舟を無下にして】
【だけれど同時に――近づいたなら、より分かるのだ。少女の顔はひどく蒼褪めていた、じとりとした冷や汗が浮いて、その藤色の髪が、ぺたりと頬に張り付いているなら】

…………なんでも、ありません、貧血です、――二日目なんです、思ったよりひどくて。いつもこうじゃないんですけど。

【近くなった距離でふらりと首を揺らす――そしてそれさえ堪えるというように頭を抱えるのだ。右手は素手だと言うのに左手にだけ、長い純白のドレスグローブをしている】
【それが少しだけ不思議な装いだった。痛そうな膝はさておいて――あるいはそこに意識を回す余裕もないみたいに、それとも、そんなのは慣れていると言うみたいに】
【近づいてきた相手に少女はそう答える、――真っ青な顔にじっとり冷や汗。その様子を見たなら、それはよっぽど嘘であるようには、見えないんだけれど】
【真っ白なワンピース、そう長くない丈の服は、ならば、違和感だった。それともそんな服で出ないといけない用事でもあったのかもしれないけれど――】

――少し休めば、良くなると思います。…………そうですね、付き合って、いただけませんか。
どこぞのカフェでも――高級料亭とかでなければお代は出しましょう。救急車を呼ばれるよりマシですから――。

【――蒼褪めた顔に、マゼンタの瞳がよく似合っていた。ふらりと揺れた視線が、重たげに相手を捉えて、何事かを考える間一つ、やがてそう提案するだろう】
【それは言葉通りの意味合いだった、このままここでぶっ倒れて救急車を呼ばれてしまうくらいなら、一芝居打ってくれる程度にはお人よしなのだろう相手へ、頼る】
【"本来"であれば、"彼ら"を呼びつけるべきだったのだけれど。――ついさっき、路地裏の深部で"仕事"の後、彼らだけ先に帰してしまっていたのを、わずかに悔いるから】

【お茶のお誘いにしてはずいぶん不健康だった。ならばナンパだなんてとんでもなくって、意味合いは、ほんとに、少し休む間、付き添っていてくれないか、と、そんなお願い】
【お代は彼女が出すのだと言うし、相手にもし時間があるようなら――生ぬるい日だから、冷たい紅茶やココア、おいしそうだなって、思わせるようで】
187 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/05/29(火) 20:15:13.71 ID:BbTKogIC0
>>186

【少女の顔色を伺う――確かに見える範囲で外傷は無いらしい】
【それだけ、かと言われればそうは思えない様子だったが――】

あー、それは大変だね……
でもなんでわざわざ……まあ散歩したいときもあるのかな?わたしなら泣きながら部屋中のもの壊しちゃいそうだけど

【痛みを勝手に、しかも過剰に想像してしまったのか】
【うへぇ、と苦い顔をしながら、彼女の話を聞いた】
【場所とか、服装に違和感は持ったが――とりあえずは受け入れて】

あ、近くに薬局あるかな?痛み止めとか買ってきても……カフェ?
そうだね、わたしも時間あるから、いいよ。行こうか?

でもでも、この近くあまり詳しくないから、知ってるところあったら案内してくれる?

【適当な店があればと、彼女を促す】
【教えてもらえれば、そこにすんなりと一緒に入店するだろう。必要ならば肩を貸しつつ】

そういえば、お名前は?
わたしは……あ、さっき言ったっけ?リオシア。リオシア・ステロヴァニエだよ

【興味深そうにまじまじとマゼンタ色の瞳を見つめながら、名を尋ねた】
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/29(火) 20:37:08.01 ID:VprJxs3N0
>>187

……ちょっと用事があって。――薬は大丈夫です、もう飲んであるので……。あんまりたくさん飲んでも。
胃に穴が空いても困ります……、

【苦い顔をする相手に少女の視線は向いていなかった。ぐわぐわ揺れてかき回されるような体内を、ぐっと、堪えて】
【――その原因にも思い至っている。けれどとりあえず確実にこれは嘘であったなら――震える吐息を呑み込んで、相手の言葉を遮るのだろう】
【痛み止めは要らない。なぜなら、もう、飲んでいるから。――それっぽい理由ではある、というより。本当は嘘である以外は、いかにも"それらしい"様子ではあったから】

一応……知っているところが、ありますから。そこに行きましょう、――たまに行く店なんで、一人突っ伏してても平気だと。

【相手の言葉にわずかに目を細めた少女は、それから、とある場所を伝える。そこにしよう、と言って、相手の肩を借りるのだろう】
【女にしては少し背の高い少女だった。それでも顔立ちはどこか冷たげに整って、ならば、朝露を抱く咲きたての白薔薇のような色合い、蒼褪めるなら、より一層】
【うんと新しい朝の青みがかる日差しに照らし出されるようだった、――ほんの少しだけ甘いような香りがする。ふらりふらり、と、ひどくおぼつかない足取りで歩くから】
【距離のわりに時間はかかってしまうだろう。――広場を出る間際に人の良さそうな子連れの女性が手伝おうか、と、申し出てくるのだけれど】

【――少女がそれを拒んでしまうから、二人だけで、カフェにたどりついて】

【少女が選んだ席は店の一番奥、ちょっと階段を降りて入っていく、奥まった、半地下の席。脚の低いソファはフカフカで座り心地が良く、机も、上等らしく思えて】
【確かに顔見知りらしかった、よっぽど馴染みの店というわけではない様子ではあったけど。店主が心配そうに話しかけて来る、――それにも、少女は、リオシアに向けたのと同じ返答】

………………――、かえで、です。蜜姫かえで。さっき言ってましたよ。……どうぞ、好きなものを飲んでてください。
私はなんにも要らないですから――、少し休ませてください。

【ぞろりと長い髪を身体に這わすようにしながら少女がソファに身体を預ける――というより、半分、寝転ぶみたいに、なってしまう】
【それから机の上のメニューを相手の方に指先でつ、と、押しやるのだろう、それで、なんでも飲むなり食べるなり、していて構わないと】
【その代わりに自分はちょっと休むから――見張っていろ、と、そんな取引だった。――といっても、メニュー自体は豊富、備え付けの本棚にはいろんな本もあり】
【BGMはなんだかいい感じのジャズ、と、わりにいい店だ。個人経営らしく店員は一人だけ、店内の雰囲気もよくまとまって、すーっごく、居心地のよさそうな感じ】

【――目の前に蒼褪めて冷や汗べったりな人間が横になってさえいなければ、ちょっとした休日に一日読書にしゃれ込めそうな雰囲気。目の前さえ、見なければ】

【――――――けれど。そうやって放っておいたなら、三十分ほど、だろうか。少女はようやく――といってもだいぶましという程度ではあったけど――身体を起こす、はずで】
189 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/29(火) 20:41:58.36 ID:Chg8C2do0
【風の国――UTの酒場】
【孤児のために食事を提供する場所があった。……というのも最近は過去形になっていて】
【取り仕切っていた少女が、いなくなってしまったから。おやすみ、ということになっていたけど】
【それが何故か、つい最近になって復活していた。ただしその場にいるのは、別の少女で】

――――っあー、えっと何!? あと何作ればいいんだっけ、てゆーか何をドコまで作ったっけ!?
あーっもうちょっと待ってよ、今忙しいの! ちょっと落ち着くまで待ってったら……ギャーッ焦げる焦げる!!
わーんもうちょっと零したし、……なんなのもう、忙しいんだってば、待っててって言ってんじゃん! ……は!?
「鈴音おねえちゃんのお料理のほうがずっとおいしかった、ユッキーのやつは微妙」……

………………知っとるわンなことっ!! 食べたくないんなら帰んなさいよもうっ、……ア゛ー!!!

【ユッキー、と呼ばれている彼女は、厨房で汚い悲鳴をあげていた】
【ラフなTシャツ、デニムのホットパンツの上から、まだ新品と思わしきエプロンを纏って】
【履いているのは、飲食業をナメとるんかとツッコミが入れられそうな厚底靴。真っ赤で、ぴかぴか】
【同色の瞳はぎりぎり吊り上がって余裕のなさを示していた、手元も同様、ぐっちゃぐちゃ】

【さらに同色、真っ赤な髪をポニーテールに纏め上げて。晒した首には黒いリボンのチョーカー】
【そこにはひとつ、銀の鈴が結わえてあって――りん、りん。鳴いているのだけど、】
【誰か知っている人が聞いたなら、すぐわかることだろう。もともと此処で働いていた、黒髪の少女の声に似ているって】

【……それはそうとして。厨房内はひどい有様だった、使用済みの食器やらなんやらが山積みになっているし】
【焦げるにおいもすれば、止められないキッチンタイマーの大合唱だって聞こえる】
【おまけに何枚か皿まで割っているのだ、いっそ台風が通過した後ですって言ってしまったほうが、納得してもらえるほど】

【――――それでも店員は、この少女ひとりしかいないようだった。誰か、誰か助けてくれないかなあとか、思わなかったり、――】


//日付変わるくらいまでアレしてほしいアレです。
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2018/05/29(火) 21:00:45.77 ID:D1uTwOET0
>>189
/10時前後を目途に置き移行するかもですが……それでも良いですか?
191 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/29(火) 21:01:32.13 ID:Chg8C2do0
>>190
//どうぞどうぞ!
192 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/05/29(火) 21:02:15.95 ID:BbTKogIC0
>>188

【少女の案内する店に辿り着き、席に着く】
【洒落た店だ。物珍しさを隠そうとせずにきょろきょろ見回しながら】

かえで、かえでちゃんね。じゃあ、遠慮なく……

【メニューをパラパラと見て、ジンジャエールを注文すると】
【かえでと名乗った少女の方に向き直り、ソファに深く沈んだ体を眺める】
【もっと話したかったが、どうもそれができる状態では無さそうで】
【おとなしく飲み物が来るのを待ち、飲むのに飽きれば立ち上がり、並べられた本を手に取り出す】

【そして、時間が過ぎ──】

あ、おはよう
一応、体が温まりそうなやつ頼んどいたけど……

【かえでの目の前には、少し前に置かれたらしいホットココア】
【向かいに座るリオシアは読んでいた店の本から目線を上げた】
【読書好きなのか、テーブルの上には何冊か積まれていた】





193 :シャッテン=シュティンゲル&アルク=ワードナール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/29(火) 21:02:48.47 ID:D1uTwOET0
>>191
/では失礼して

>>189

久しいねぇ……あれからもう、5年以上になるのか。こんな形で会うなんてねぇ……
「……手前も、驚きだよ。お互いに、色々と変わってしまったみたいじゃないか……
 でもそれは――――どうやら、悪い事じゃないみたいだ……」
全くさぁ……互いに、なんだか随分と、丸くなったような気がするよぉ……

【――――混乱し、大わらわと言った雰囲気の店内に、何気なく入り込んでくる、2つの影がある】
【どうやら、無料配給の食事を当てにした、子供のようではないらしく――――店内をのぞき込みながら、何事かと首をかしげていた】

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年】

【子供でごった返し、あちこちに色々と落ちている――――食材や、時には食器の破片――――光景に、店を間違えたかとすら思ったようで】
【だが――――子供たちの中を分け入り、厨房をのぞき込んで。ある程度、事情は了解してくれたようだった】

――――何事だい、今のこの状況……?
「……料理、手が回っていないようだけど……?」

【疑問は絶えないが、唯一の人物は応えられる状況にない様だ――――返答は早々に諦めて、2人は顔を見合わせ、小さく頷く】

「――――どれ、ある程度で構わないなら、手前が手伝う……。今、何をやってる、何から手を付ければ良い!?」
――――床の汚れや割れた皿の類は、僕が集めておく……準備は順序だよ……

【コートの青年は、パッとハットを取り、手ごろなバンダナでその短い髪を留めると、厨房へと割り込んでいく。まず、この状況を何とかしなければならないと思ったようだ】
【一方、ワイシャツの青年はその場で大きく手を広げると――――恐らく、能力を発動したのだろう――――足元に、黒い影のようなものが広がっていき、皿の破片などが飲み込まれていく】
【そして――――手ごろな台を見つめると。その台の上にも黒い影が湧き出て――――飲み込まれた皿などが、そこにせり上がるようにして出現した】
【――――どうやら、床全体からその台の上へと、落ちているゴミを転移させたらしい】

【――――話を聞きたい状況だったが、まずこの状況を手伝って解決しなければならないと、2人は手伝う事にしたのだろう】
194 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/29(火) 21:15:56.73 ID:Chg8C2do0
>>193

【わあわあ。子供たちに囲まれて、ぎゃあぎゃあわめいている少女だったが】
【やって来てくれた二人の青年の姿を見るや否や、助けを求めるみたいな顔をして】
【片手にフライパン、もう片手に焦げたナニカの乗った皿を持って、声を張り上げた】

あーっごめん、ごめんなさーい! あとでお礼するからっ……
えっと、えっとネ、まずそっちのお鍋の火ィ止めて、お皿に盛りつけてほしいかな!
そっからその、まな板の上で途中になってる野菜切って、それから、――――

【……とりあえず、目に入るものだいたいが、中途半端だ。どれから手を付けたってだいたい一緒だろう】
【そうして手伝ってもらえば、ちょっとくらいは少女の動きはマシになる。小一時間動き続ければ】
【ピークタイムは超えるだろう。少し落ち着いたころに、はあ、と息を吐きながら】

…………うう、ほんとゴメン、ありがと、助かった……。
思ってたのよりずっと、……100兆倍くらい大変だった。正直ナメてたの。
あたし、ここで働き始めたばっかりだから、全然慣れてなくって……

【グラスに注いだ冷たいお茶。それを二人に差し出すだろう、自身も同じものを手にして、一口】
【曰く、厨房で働く経験がなかったらしい。だからこんな、嵐のような様相になっていたとのことだが】
【それにしてはおかしい、と思うだろう。未経験者を一人で働かせる職場なんて、どんなに真っ黒でもそうそうない】
【ましてや天下のUTがそんなこと、するはずもないだろう。いろいろ事情があるらしい、いろいろ】
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/29(火) 21:16:31.80 ID:VprJxs3N0
>>192

【――――横になって、目を閉じていた。起きているつもりではあったけれど、それは、あくまで眠っていない、という程度の話であって】
【ならば外からは寝ている以外に見えなかっただろう、――考え事をしていた。けれど目を開けた瞬間に忘れてしまった、そんなことを考えながら】
【薄い藤色の髪がとろりと蕩けたバターみたいに身体を雪崩れる、鬱陶し気に指先でかきあげたなら、マゼンタの色合いが、はたはたと瞬き、相手へ向けられ】

…………おはようございます。といっても眠っていたわけではないんですけど。
リオシアさんは身体だけ眠らせた状態で考え事をすることはありませんか? ……今日は失敗しました、うまくやらないと何考えてたか忘れるんです。

だけどおかげ様でだいぶましになりました。ココアもありがとうございます。本が好きなんですか?

【けだるい朝のような温度感だった、それはさながら今朝の全校朝会で全校生徒の前で挨拶させられるって決まっている、ひとみしりの図書委員長みたい】
【凛とした声音はなるほど確かに寝起きと呼ぶにはしっかりとしていた、――ただ少しよく分からないことも、言っているのだけど。寝ながら考え事、していたらしい】
【さっきと比べてだいぶましになった肌色、冷や汗も引いて――少しぬるくなったココアが自分のためのものだと聞いたなら、礼の後、カップを手に取って、一口飲むだろう】

ここの店主(ひと)、たまに変な本入れるんですよね。紅茶キノコがどうとか。この前読みましたよ。どこぞの国だとコンブチャと呼ぶんだとか。

【――それをかたんと机に戻したなら。少女は相手に尋ねるのだ、本が好きなのかと。それで――どんな本を読んでいるのか、気になったらしい。視線を、向ける】
【背表紙を撫でていく視線は常温の生ぬるさ、特別な感慨もなく――述べる言葉は雑談の温度感、さっきまで顔面蒼白していたわりには、、という様子】
【ならば述べた理由とはちょっとだけ剥離するよう。それとも薬を飲んだのがわりに最近だったのかもしれない、といっても、尋ねづらいことでは、あったけど――】

/すみません、ちょこっとだけ離席します! お返事前に戻ってこられるとは思いますが念のため……!
196 :シャッテン=シュティンゲル&アルク=ワードナール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/29(火) 21:27:59.69 ID:D1uTwOET0
>>194

「悪いけど、ゴミ掃除が一段落したら、そっちも手伝ってほしい! どうやら、ままならない状況らしいから……!」
――――仕方ない。こういうのは、もう何年も縁がないけど……とりあえず、やるしかないんだねぇ……!

【コートの青年は――――ある程度、料理と言う行為に慣れているのだろう。少女の頼みを受けて、すぐに火の通り過ぎた鍋を判断し消火】
【そうして、皿の盛り付けはワイシャツの青年に投げ出すと、自らはまな板の前に立った】
【――――ワイシャツの青年も、遅れてエプロンを装着し、盛り付けに参加する――――小汚い身なりだが、エプロンのおかげか、多少は衛生的にマシになったようで】

「なるべく小さく切る! どうやら食べる相手は子供の様だし、その方が火の通りも良い!」
……食器はどこだい!?
「多分そっちの棚だよ! そっちはとにかく、盛り付けと配膳頼む! 調理は手前とそこの子とで引き受ける!」

【2人組の青年は、すぐさま自分たちの役割分担を決める。その方が、より効率的に動けると判断しての事だろう】
【とりあえず、3人でスピードも3倍――――とはいかなかった様だが、それでも、マシになったのは間違い様で――――そのまま一息付けるまで、手伝いに没頭する事になる】

【――――そうして、目の回るような時間を過ごして】

――――やれやれ。1人だけであんな作業を請け負おうとするなんて、無茶ってもんだよ……
「まぁ……手前は元々、料理はそれなりに好きだったから良いけど、プロとしての作業は、流石に手古摺らされたな……」

【差し出されたお茶に、一息つく――――厨房仕事と言うのは、要するに火を使うものだ。流石に暑いし、疲れたのだろう】

――――しかし……ここは酒場だと思っていたけど、どうして子供たちに、あんな風に食事を……
「……久しぶりにセリーナの顔を見ようと思っていたけど、どうやらアテは外れたようだね……でも、君1人っていうのは、少し変だと思うんだが……?」

【青年たちは、それぞれに少女に問いかける。恐らく、入ってきて気になった事を】
【――――特に、コートの青年はこの店を――――来る事自体は初めてだが――――良く知っている。それでも、この活動の事までは知らなかったようで】
【まずは、足を運んだ目的よりも先に――――それも、セリーナがいないようだと気づいて、気にしない事にしたようだが――――その事について問いかけた】
197 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/29(火) 21:37:28.47 ID:Chg8C2do0
>>196

【おそらくだけど、多分この少女より二人のほうがずっと動きがいい。多分というか絶対】
【それくらい少女はド素人だった、きっと日常生活でもキッチンに立つことがない人間、みたいな】
【……本当になんでそんな輩がこの場に立っているんだか。疑問は膨らんでいくばかりだろう】

【店内に残っている子供は、10人にも満たないくらいになった。そうすれば彼らとも喋る余裕ができるだろうか】
【「お兄ちゃんたち、誰?」とか、「鈴音ちゃんとかユッキーのお友達?」とか。いろいろ、訊かれるだろう】

……ああ、んー……「たんぽぽ」って言ってネ。家もないような子供たちに、無償でご飯を振る舞ってるの。
といってもあたしがやり始めたことじゃないよ、……セリーナがやり始めたことでもない。
ここで給仕やってた、白神鈴音って子がやってたことなんだけど……知ってる?

【その会話の合間。少女も、からかってくる子供たちを適当にあしらいながら、時にはムキになってやり返しながら】
【ぽつぽつと答え始めた。彼女がひとつ動くたび鈴が鳴る、今しがた口にした「白神鈴音」の声色そっくりな音で】

あたしと鈴音は、トモダチ……うん、たぶん、トモダチなんだけどさ。
今ちょっと事情があって、鈴音、いないから……あたしが代わりにやってんの。
他にアテがなかったっぽいから、あたしだけ。……おにーさんたち、ヒマそうにしてる人のアテとかない?

【「これから先もひとりじゃムリだよー、誰か手伝ってくんないかな……」なんて、零しながら】
【冗談半分本気半分で訊いてみたりした。カウンターに上半身を突っ伏して、疲れた脚を片方ずつぶらぶらさせる】
198 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/05/29(火) 21:39:14.59 ID:BbTKogIC0
>>195

身体だけ眠らせて……?それってあれかな、えっと、瞑想ってやつ?
わたし、頭の中だけで考えるの、苦手なんだよねぇ
歩き回ったり、本を読みながらいろいろ考えたりはするけど

【かえでは30分前の様子と比べると、かなり回復したようだ】
【口数も多く、あちらから質問を投げかけてくれる】

うん。本は好き。わたし、その、あんまり世の中のこと……
あんまりじゃないね。全然知らなくて
だから読む本がみんな新鮮で楽しいんだ。買いすぎて部屋に読んでないやつ、たくさんあるんだけどね

【少しもじもじと、ある種幼稚な――本を好きな理由を語る】
【頬は少し赤く、えへへと笑って】

あー、うん。色々な本があるよね、このお店。小さな図書館みたい
紅茶キノコ……キノコの紅茶……?わぁそれ面白そう

【雑談に興じながら、読んでいた本をパタンと閉じて、机に置く】
【待ってる間の暇つぶし程度のつもりだったのか】
【しかし前に積まれたラインナップは、今置いたものも含めて】
【哲学――民俗学――文化人類学――宗教学――死生学――】

【少女にしてはやけに硬く見える、専門書のようなテーマが多かった】


/了解しました!
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/29(火) 21:49:21.41 ID:Q5HrA5No0

【繁華街から少しばかりずれた路地裏。月明かりしかない暗い路】

【がしゃん──】

【何かの音が響いた】


【それはあまりにも恐ろしげな鬼事】
【ふらつく足を文字通り懸命に動かして走る赤ら顔】
【背後に迫り来るは不気味な"鬼"】

【等身大の鉄の骨組み、だった】
【辛うじて判る部分から推測するに恐らく機械製の人形──所謂アニマトロニクスで】
【とはいっても原形が何だったのかまでは分からないが】
【そんな骨格しかないそれが血のこびりついた身体を動かして酔っ払いの男に迫っている】

……ねぇ、どうして逃げるの?
【不意に聞こえる小鳥のような幼い声】
【その声の主はアニマトロニクス、ではなくその傍らに立つ一人の女の子】

【アッシュブロンドの腰まで伸ばした髪に、血にまみれた入院着。半ば虚ろな桃色の瞳が見開かれて】

折角"パレード"に"ご招待"してあげてるのに、ね?
【不満げな声色】
【アニマトロニクスは斧を携えた腕を高く掲げ、男の身体へと降り下ろそうとする】


200 :シャッテン=シュティンゲル&アルク=ワードナール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/29(火) 21:52:12.51 ID:D1uTwOET0
>>197

(……店を預かっている当の本人が、この動きで……)
「(……慣れていない、と言うだけじゃないな……そもそも、根本的なところで、こうした仕事、いや……作業の慣れがない……)」

【――――どうやら、その事については、横目で見ているだけの青年たちにも感づかれてしまったようで】
【作業の合間、彼らはしきりに首をかしげていたのだろう――――目の前の作業にではない。何でこんな事をしているのか、と言う意味でもない。ただ横の少女に対して――――】

【とりあえず、この子供たちが今のお客である事は、彼らにも理解されたようで】
【「手前かい? ……ただの魔術師だよ」「いや……僕は、ここに来たのは初めてさぁ……」などと、相槌を打つ程度の余裕を伴って、残りの仕事を片付けていく】

へぇ……行き場のない子供たちへの、振る舞いか……まるで落穂拾いだね……
「……なるほど。そういう足元の活動もしているのか……セリーナも、意外と考え――――え?」

【少女の話す言葉は、どこか納得できるものだった。正義を掲げた傭兵団であるUTならば、こうした活動もするのかと】
【――――わずかに、コートの青年がセリーナに対して、失礼に当たるものかもしれない言葉を呟こうとしたのだが――――発端は彼女ではないと聞き、そしてその先の名前に――――】

「ッッ……鈴音……鈴音だと……ッ!?」
っ……どうしたんだ……ッ? 知っているのか……その鈴音とやら、さ……
「あぁ、知っている……多分、黒い髪にオッドアイの女だろう……ッ?
 奴め……なんだって、なんだってこんな事を……ッ、心変わりでも、したと言うのか……ッ?」

【――――コートの青年が、突然弾かれたように顔を上げる。その表情には、明らかな怒り――――わずかに戸惑いを伴った、そんな穏便ではない表情があった】
【伴っていた、ワイシャツの青年は、どうやらその名前にも、そしてコートの青年の反応にも、心当たりがない様だが――――】
【だが――――恐らくは、何も知らない少女の前で、そんな感情をむき出しにする事もないだろうと、思い直したのか――――深呼吸と共に、コートの青年は腰を下ろした】

「……なるほど。君は代理だったのか……それで、手慣れていなかった訳だな……」
――――悪いねぇ。僕らは、既に水の国のバーに、半ば雇われてるようなものなんだ……よく、あそこに手伝いに行っていてねぇ?
今日は、知り合いを尋ねに来ただけで、ちょっと継続した手伝いは……
「――――ラベンダァイス……確か、あの子もここの人間だろう? まぁ……あの子は、こういうのには向かないだろうし、そもそも本業の傭稼業が忙しいかな……?」

【――――彼らは彼らで、別な酒場に縁があるという。恐らく、それも手慣れていた事も理由の1つなのだろう】
【継続した協力も、人材の当てもなさそうだ――――その一方で、UT自体にはそれなりに縁があるらしく】

――――自己紹介がまだだったねぇ……僕はシャッテン。シャッテン=シュティンゲル……
「手前は、アルク、アルク=ワードナール……流れの、魔術師さ……」

【揃って、青年たち――――シャッテンとアルクは、自分たちの名を名乗った】
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/29(火) 21:59:55.30 ID:VprJxs3N0
>>198

――人にはそれぞれやりやすい方法がありますから。好きでいいかと思いますよ。
考え事がそもそも苦手という人もいます、ですがそういう人が居ないと世の中は回りませんから。
考えるより先に動ける人材は貴重です、考えたら負けってこともままありますし――。

ですけど、よっぽど考えないより考えた方がマシって場面の方が多いですよね、本を読めるなら上等です、私も本は好きですよ。
それにしても……リオシアさんはこういった本が好きなんですか? 

【生ぬるいココアは快かった、かすかなカカオの風味をミルクがまろやかにして、甘さは控えめ、常識をわきまえている味わい】
【これでもう少しでも甘たるかったらこのバランスは崩れてしまう、そういう絶妙な味の綱渡りが上手な店だった、雰囲気作りも相まって、だから、居心地がよくて】
【わりとよく通い詰めている――とは余談。脳裏に思い浮かべる光景がなんだったかは辿らせない、にこりと浮かべた笑みはやはり整っていたけど】

【――そんな笑みがいくらも本当らしくなる、口角をゆるく釣り上げて、少女は相手が積んでいた本の一つを、取り上げるのだろう】
【そうしてパラパラとめくっていく――ぱたん、と、最後に、閉じたなら】

奇遇ですね、私も読みますよ。むしろ専門かもしれません、……といっても、たとえば大学だとかで学んだわけでは、ないのですが。
リオシアさんはこれらのことを学術として好きなのですか? ――――それとも、どこかの宗教の方ですか?

【すらりと整った足を組んで背もたれに身体を預ける――、ならば本当に元気になったみたいだった、その足先を、ふらりと揺らしたなら】
【すっと冴えた目が虹のように滑らかなアーチで笑む、長い睫毛がふわりと縁取って、口元もまたひどく丁寧に整えられた三日月のよう、造りこまれた造形を模すように】
【尋ねてみせた、――ついで開けた目はどこか愉快そうでありながら探るよう、あるいは――――特に最近"自分たち"の動きは大きくなっている、気取られたか、と、伺うように】
202 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/29(火) 22:02:41.05 ID:Chg8C2do0
>>200

【残った作業を片付けて、適当に子供の相手をして、グラスのお茶を飲んで】
【ひとつひとつの動作にずいぶん余裕が出てきたようで、彼らの話を聞くのにも】
【きちんとそちらを見て、表情を見ながら――できるようになったのだけど】

……え、うん、あってる、……それが鈴音だと思う、けど……
心変わり? え? なに、ケンカでもしてたの? ……、

【コートの青年が急に、鈴音のことを「奴」だとか呼ぶから。困惑した表情を浮かべる】
【いいニュアンスで言ってるわけじゃない、それくらいのことは察せられた。だから】
【「今、その子は大変な目に遭ってます。できればそれも助けてほしいな」とか、言い出せる雰囲気じゃ、なくなった】

そっか、残念。じゃあヒマそうな人見かけたら、UTがバイト募集してるって言っといてよ。
……知り合いってもしかして、セリーナ? あの、……たぶんその人も、最近ここに帰ってない……

【「と、思う……」デクレッシェンドで窄まっていく声、確信がないからそうしているんだろうけど】
【事実だった。セリーナ・ザ・キッドは、リアルタイムで行方不明中】
【そしてもう一つ、彼らが疑問に思うことがあるとするなら。少女が、「その人『も』」、なんて言ったことだった】
【まあ、でも……ここらへんの事情は、少女よりも、彼らの言う「ラベンダァイス」のほうがよく知っている】
【もう知っていたとして、おかしなことではないけれど。それにしても今のUTは明らかに異常な状態だ、馴染みの人間が誰もいない】

【「あたしは、夕月って言うんだけど……」気まずさを感じ始めた少女は、不安げな声で自己紹介を返す】
203 :シャッテン=シュティンゲル&アルク=ワードナール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/29(火) 22:20:49.36 ID:D1uTwOET0
>>202

――――穏やかじゃないねぇ……こういう事をするような子に、君がそこまでムキになるなんて……どういう事だ、アルク……
「……そうだね、きっちり話すよ。……君も気になるだろう……手前も、そんなにムキになるつもりもなかったんだけど……はは、まだ……引きずってるのかな……」

【シャッテンとしても、アルクのそこまでの苛立ちは分からないものなのだろう】
【子供たちの為に振る舞いをやる食堂――――立派な事じゃないか、未来の輝きへの投資じゃないかと、そう言いたげなシャッテンだが】
【アルクは、素直に肯じる事は出来なかったのだ。少女――――夕月の困惑も、尤もだ】

「1度、会っただけなんだけどね。もう、5年近く前になるのかな……手前も、1度だけの事を、よくも覚えてるものだと思う……でも、それだけ怒りがあった……頭に来たんだ
 ……だから、君が鈴音の……友人だというなら、手前に腹を立てても、仕方がないとは思うよ……これは、手前の主義の問題だから……」

【恐らくは、鈴音の友達と名乗った夕月に対する、アルクなりの思いやりなのだろう。それで自分に腹を立てても、それは仕方ないと】
【少なくとも、それは自分と鈴音との問題であって――――友達である夕月には、深く巻き込ませるつもりはないのだろう】

「――――5年前の夏、8月だったな……手前は、路地裏で行き倒れている男を見つけたんだ……
 そしたらその男、すっかりと衰弱しきっていてね。このまま死なせてくれ……そう言ったんだ。だから手前は……魔術で、その男を安楽死させてやった……
 ……元々、手前はそういう「死の際の苦しみを取り去る事で、人の、死と言う最大の絶望を救いたい」と……あの頃は、そんな事を思いながら活動していたからね……」

【アルクが語るのは、5年前の昔話。おそらく、アルクがまだ未成年で、丁度今の夕月と同じぐらいの年の頃の、ある夜の出来事だった】

「……そこに行き当たったのが鈴音だ。あいつ……俺のその行為が気に入らなかった様だ。「なんでそんな男に救いなんてくれてやるのか」って……
 「死にかけなんてどうだって良い。そんな奴より、救えばいいのなんてたくさんいるはずだ」と……
 手前は……自分にできる事をやっているだけだ、そう言ったらあいつ……奴め……「そうやって自己満足に浸って、適当に救って良い気になって、取りこぼすような救いなら、そんな無駄な事をやめてしまえ」と……!
 「今すぐに、そんな無駄な事をする両腕を切り落として死んでしまえ」と……そういってきたんだ……無意味だと、死ねと、手前に……ッ!!」

【事情を語るアルクの言葉は――――徐々に、怒りの熱を孕んでいく。自分の行いが、人生に対する主義が、真っ向から否定され――――そして、死ねと言われた】
【流石に、アルクでなくても、その言葉には怒りを抱くのが当然というべきだろう――――少なくとも、アルクの側からだけ見れば、その通りだ】
【だが――――友人であるという夕月なら、また違った見方が出来るのではないのだろうか?】
【――――取りこぼされた救い。その鈴音の言葉の意味を、もしかしたらならば、夕月は知っているかもしれない――――あるいは、思い当たるかもしれない――――】

――――まぁ、僕から向こうの酒場には、話を通しておくよ。伝手くらいは、当たってくれるかもしれないねぇ……
「そう、か……ただでさえ、忙しいと聞いていたからな……今の情勢では、無理もない、か……」

【シャッテンは、その言葉を胸に留めておいてくれるようだ。恐らく彼も、UTの事は憎からず思っているのだろう】
【アルクは、セリーナの不在の報を聞いて、仕方がない事かと割り切った。今の騒動が連発してる中では、ただでさえ忙しい彼女の活動も、ままならないだろうと】
【――――ソニア、もとい――――カチューシャの事が、頭の中にあるのだろう】
【セリーナが、またしても窮地に陥ったことは、どうやら知らないようだった】
204 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/05/29(火) 22:24:23.69 ID:BbTKogIC0
>>201

考えるより先に動ける、人材かぁ

【かえでの言葉には、どこか辛辣さのようなものが含まれていた】
【何か、支配者のような、王の如く――】

ううん、こういうのが好きってわけじゃないよ
学術とか、体系とかをちゃんと勉強しようってつもりもないし……
たまたま最近、興味があったの

「人が死ぬこと」って、どういうことなのかなって

【リオシアは立て続けに「人の死」に遭遇していた】
【アルターリの悲劇――それに路地裏や町中での事件】

アルターリで何百万って死ぬのは歴史的な大ニュースになって
路地裏で誰かが殺されるのは日常みたいな、さ
わたしにとってはどっちも他人だけど……
命の価値って、なんなのかなって思うよ

【読んでいる本に対して、思いの外に興味を示してきた】
【そして、雰囲気が変わった、ような――】

わたしは宗教には入ってないよ。職業はこう見えて軍人だからね!
そう言うかえでちゃんは……

【かえでの言葉から察するに】
【そういった学問が専門で――しかし大学で学んだことがないなら学生でも研究者でもない――?】
【ならば、彼女は――】
205 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/29(火) 22:34:45.90 ID:Chg8C2do0
>>203

【眉間に皺を寄せてアルクの話を聞いていた。鈴音の友人とは名乗ったが、実際は何度か会って会話しただけの仲】
【それだけの中でいろいろ、密度の高い出来事があったのは確かだけど――それで友達面ができるかと言われれば、微妙】
【だから、鈴音の側に偏って話を聞くことも、あんまりなかった。それが幸いなのか、わからないけど】

……そ、んなこと、……あったんだ。……ううん、あたしが鈴音と知り合いになったのは最近のことだけど。
確かにそんなこと、言いそうなイメージ、ないし……なんだろう、本当に何か心変わりすること、あったのかも……

【現実に。少女は、鈴音に救ってもらおうとしたことがあった。だからそういう、「無駄なこと」と言って切り捨てる鈴音の姿が】
【想像できなかった。頬杖をついて、ううんと唸りながら――視線を斜め下に向ける】
【心変わり、の心当たり。……昔流行った、卵? それとも……、……考えてもよくわからない、そういうことは、すぐ無視】

【とにかく、「今たんぽぽをやってる鈴音は、きっと本心から、やりたくてやってるから――」】
【フォローになってるんだかどうか、わからない言葉を付け足しておいた。……それから、ちょっと迷うみたいに間を置いて】

えっと、あの……ネ、忙しいから最近帰ってない……って感じじゃなさそうなの、たぶん。
あたしUTには、鈴音以外の接点がないの、まったくの部外者なんだけど……さ、
……なんかおかしいってわかるよ、今のUT。セリーナも帰ってこない、そのほかの人もほとんどいない、

……、……あとネ、実は鈴音も……最近、……行方不明、で。

【これを言っても、鈴音のことを好く思っていないアルクなら、あまり関心を持ってくれないだろうかと】
【思ったが、言うことにした。実際は行方不明――というわけでは、ないのだが。便宜上そう呼ぶのが、わかりやすいかと判断して】
【セリーナの不在については、ただの予感だけど。こんなに全く帰ってこないなら、流石におかしいって思ったのだ】 
206 :シャッテン=シュティンゲル&アルク=ワードナール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/05/29(火) 22:49:43.33 ID:D1uTwOET0
>>205

「……この5年の間に、なにがあったのか。手前はもちろん知らない。だが、少なくとも……手前は、この言葉を忘れてはいない……
 心変わりがあったなら、1度しっかりと話してみなくてはね……これもいわば「出来る限りでの救い」だろう……それをやる様になったのは……」
――――何かがあった、からだねぇ……良い在り様だと思うんだけど、そんな事が過去にあったなんてねぇ……

【5年と言う時間は、人が変わるのには十分な時間だ。環境次第で、その時間は人間を180度反転させることだって考えられる】
【だが、アルクには、鈴音のこの変心が分からなかった。その間に、一体何があったのか。そして――――あの夜の事を、今の鈴音はどう思っているのか】
【本当なら、このまま接点も持たず、腹立たしい過去と言うだけで記憶から少しずつ消し去っていくはずだったのだろう】

――――それは分かるさ。子供たちの様子を見ればねぇ?
……慕われてるようじゃないか、その鈴音とやら。なら……彼女も、相応の熱量を、この活動に注いでるんだろうさ
「……まぁ、確かにそうかもしれないが……」

【シャッテンは、先ほどの子供たちの――――若干鬱陶しい様なまとわりつき方を思い出していたのだろう。その時、何度も鈴音の名前が挙がっていた】
【恐らくは、それだけ慕われるほどに、この活動を続けてきたのだろう。生きるためにこすい感覚を身に着けただろう、子供たちから慕われるほどに】
【まだ納得しきっていない様子のアルクも、そこには同意する様だ】

――――ッ、アルク……
「……もしかして……最近、アーディンの旦那が忙しくしていたのは、これが原因か……!?
 それに、セリーナ――――まさか、ベクターに続いて、また敗北してしまったのか……まさか、命を落としたんじゃ……!」

【夕月の口から、最近のUTが機能不全に陥っている話を聞かされ、2人の表情が変わる。どうやら、思い当たる節が身の回りでも起こっていたらしい】
【夕月の口ぶりなら、ただの長期的な仕事と言う訳でもない。それならそれで、UTが機能不全にならないように、後を備えておくのが、リーダーの役目だ】
【――――最悪の可能性が頭をよぎる。セリーナは、まさか――――死んでしまったのでは、と】

「――――どう思う、シャッテン……」
UTの周りで、こうも立て続けに行方不明者、ねぇ……おまけに、そのUTのメンバーだって言うスナイパーは、機関に吸い込まれた……
――――君の言う通りだね夕月。これはおかしい……僕の知り合いに、こういう荒事に詳しい人がいる。少し、そこにも当たってみよう……
彼はギャングだけど、人情派だ……そういう事には、力になってくれるだろうね……

【さらに鈴音の『行方不明』を聞いて――――流石におかしいという感情は、彼らにも伝わったようだ】
【自分たちのリーダーに当たる人物が、最近忙しくしているのは、もしやそれが原因なのではないか、と――――】
【――――そのギャングが、一度だけ轡を並べたワーキャットである事は、恐らく夕月には分からないだろうが――――】

/すみません、そろそろ置き移行お願いします……
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/29(火) 22:50:00.34 ID:VprJxs3N0
>>204

【そしてそれはきっと一つ一つ駒を選んで動かす仕草にも似ていたのかもしれない、緩く足を組んで、長い髪を身体に沿わせて】
【摘まみ上げた駒をくるくるって回して、最もそれがあるべき場所に並べていく。――壁を殴って壊したらいい場面で、違う考え事を始めるやつなんて、要らない】
【けれどそれは王とや支配者と呼ばれるには物足りなくもあった。ならばそれはもっと大きなものに仕えるもの、ひれ伏し頭垂れながら、その足の指先で駒を蹴り飛ばすもの】

――そうなんですね。ですが、それは、簡単なことです。
人がどんな場でどんな時にどれだけ死のうとも、最後にはウヌクアルハイ様がこの宇宙を飲み干し、新たな宇宙を創世なさるのです。

ですので、――"人が死ぬこと"が"どういうこと"かというのなら。それはウヌクアルハイ様に導かれるということです。

【少女の手は勝手に別の本を取り上げてもいた、民俗学の本――ぱらぱらとめくられやがて開いたのは異類婚姻譚の頁、蛇が毎夜毎夜人間の娘の下に通ってくるという、話】
【こういった物語で、だいたい、蛇は人間を好いている。もっと言えば数ある神話の中で、蛇は様々な方法で、手段で、人間にその愛を向けている、様々な文献に残されている】

そうですね……それは難しい問題です、人の命に価値の違いなどありえないということになっています。
ですが現実に於いてはそうではありません、実際に人の価値には違いがあります。大災害の時など、誰を見殺しにするのか選んだりもします。

そうでなくとも、女子供は一般的に優先されます。つまり、女と子供は男よりも価値があります。男だけでは殖えませんからね、人間。
最悪男は一人いれば種を蒔くことが出来ますから。女が一人で男が無数より、男が一人で女が無数の方が生物的に救いがあります。

知ってますか、なんとか48とかいうアイドルグループ、あれと……なんとかっていう、男の、なんです? 歌手? のグループが居れば、理論上人間は成り立つそうです。

【長い脚を組み替える、背の高いソファでそれは少しやりづらそうだった。捲れたスカートの裾を指先で直す、――片手だけのロンググローブ、やはり、違和感がある】
【その左手でカップを寄せてすっかりぬるくなったココアを飲むのだろう――さて、ここまで来ればおかしさは目に見えた。"ウヌクアルハイ様"という名前、急に出したなら】
【右手にはまだ先ほどの本が。人間とそうでないものの恋愛を考察する文章が――その中でも特に蛇について記したページが開かれていて、眺めたなら】

軍人ですか? 珍しいですね、そこら辺を出歩いていていいんでしょうか、――私は一般人です、ごく普通の。

【――ぱたん、と、閉ざされた。組んだ脚をほどいて床に降ろす、緩く腕を組んだなら、その胸元が、ふっくら、と、強調されて】
【"ウヌクアルハイ"――その名前は、けれど、秘匿されたものだ。相当隠されたものである、けれど、同時に、最近では活発化したのに合わせて、漏れるリスクは増えている】
【けれど――そう、まだ、そんなに、有名な名前では、ないはずだった。――悍ましい儀式を日常的に行う邪教、その、最高神格。祭神の名前。まだ、まだ、暗がりの中、隠されて】

【軍と言えど――簡単に気取られるようにはしていない、つもりだった。少なくとも、自分は。……他の人間のことは知りやしないけど、だからといって】
【知られていないからこそ、信仰に嘘はつかない。――それはウヌクアルハイを信ずる証としての入れ墨をくだらない手袋で隠しているだけで、吐き気がするくらいだから】
208 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/29(火) 22:52:29.28 ID:Chg8C2do0
>>206
//承知しました! それでは置きスレにお返ししておきますね、おやすみなさいませ!
209 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/05/29(火) 23:20:40.60 ID:BbTKogIC0
>>207

う、うぬくあるはい……さま?
宇宙を飲み干す……?

【聞き慣れない単語であった】
【うまく発音できない――噛まずに言えたのが幸運に思えた】
【この蜜姫かえでという少女は"ソレ"を強く信じているようで】
【彼女が開いた、その頁を食い入る様に見つめた。或いは吸い込まれるように――蛇の話を】

う、うーん……?
もし、もしだよ?わたしが神様で人間を増やしたいなーって思ってるなら、かえでちゃんの言うように命を増やせる人間のほうが重要だと思うけど……
死ぬ人、それぞれ個人にとっては人間が増えても関係ないっていうか、えっと、うまく言えないな
自分の命が一番大事って言ったらそれまでになっちゃうけど……

【リオシアの中では簡単に結論が出せない話だ。だからこそ様々な本を読んでいたのだが】
【かえではあっさりと結論付けた。筋道を立てた論理に基づいて――】

【本の頁に再び目を移す】
【蛇・民俗学――宗教――】
【かえでに語りかけられて、そちらに答えると】

まあ、今は自由時間だし……それにわたしは

【諜報部だから――】
【そう言いかけて、口を閉ざした。他人に話すべきことじゃないのは当然だが】
【諜報という任務の関係上、治安に関する情報は多く集まる――】
【最近、頻繁に起きている猟奇的で残虐な事件。あるカルト教団が絡んでいるらしく、目撃された実行犯は皆「蛇の入れ墨」をしていること】

まさか……ね

【かえでは――少女とは思えない荘厳な雰囲気を持っているが、とても残虐な人間には見えない。それに入れ墨だって――】

【心拍数が跳ね上がった】
【そういえば、会ったときに少しだけ不自然に思った。左手だけの純白のドレスグローブを見つめて】
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/29(火) 23:51:18.03 ID:VprJxs3N0
>>209

【――上出来だと思った。おそらく相手は――というより、多分ほとんどの人類が――その名前を知らないを分かって出した単語、それを、きちんと名前だと理解し】
【自分がそうするのは当然だから当然なんだけど、――敬称をきちんと付け足したこと。多分相手がそうしなかったら"よくない"ことが起こったと予感させる】
【ならばきっとリオシアは相手の大事にしているものをきちんと見つける能力に長けていた、それを女の子らしいと評するのは今時よろしくないかもしれないけれど、】

【――――――それでも、正解だったんだから】

そうでしょうか? 自分の命より大切なものを見つけるからこそ、人間は子を生すのではないでしょうか、あるいは、それを果たす。
他者に身体の一部を突き立てて果てるか他者に突き立てられ果てるか、神の下ですべてを捧げ果てるのはだいたい同じです、――――むしろ、

自分を半分に薄めてしまわないだけ、後者の方が色鮮やかに映えるかと。

【ココアをまた一口飲む、――ソーサーに戻したならカチャリ、と、陶器同士の擦れ合う音、ぎりぎり不愉快になる手前の、甲高い音】

自由時間があるんですね、四六時中匍匐前進をしているイメージでした、どんな訓練をするんですか?
さぞかし辛いんでしょうね、二重8字結びで水中にくくられたり? あれは水に濡れると解きづらいんですよね。

【「それにわたしは」――その先に続く言葉を考えてみる、ならば連なる言葉はあんまり考えていない、特に意味がない】
【ころころと笑って小首を傾げた、――四六時中匍匐前進っていうイメージもどうなのかと思うけど、かといって、すぐにロープワークの話になるのも、どうかと思う】

"まさか"――なんでしょう? リオシアさん、これは出過ぎた真似かもしれませんけれど……。
……軍人と名乗った方が、そのような口ぶりをされるのはどうでしょう。一般人相手ですよ、不安がらせてしまいます。

――――それにしても、先ほどはありがとうございました。やはり軍の方はそのように教育されるんでしょうか、貧血だなんてお恥ずかしいです。
すっかり薬も効いたみたいです――ほら、一人で倒れていたら、大事になってしまいますから。リオシアさんが居てくれて助かったと思っているんです。とても。
たかが貧血でいちいち救急車なんて呼ばれちゃったら恥ずかしいです、これでも私、嫁入り前ですから――――。

【少女は一瞬その鮮やかすぎる色合いを細めた、それから、形のいい眉を歪めて、少し困ったような表情になる】
【きゅうと腕組みを細めたなら胸元が寄せられて、服の上からでも柔らかさが分かるだろう、その合間が服の布地を巻き込んで、より一層主張したなら】
【――表情が一転する、にっこりと笑ってみせて、冗談めかすような語尾が鮮やかにほどけていく】

……"これ"ですか? これはですね、傷跡なんです。昔、火事で、家族がみんな亡くなりまして。その時の傷です。
――――――ですが、左手っていうのは自分の一部ですから、不本意ながら切り落とすわけにもいかなくて。なので隠しているんです、見たくありませんからね。

【つう――と、左手の布地を、右手の指先が、なぞった。その指先でかすかに白色がしわを寄せる、その内側の皮膚を、決して透かさない分厚さを、捩って】
【――嘘と本当が入り混じっていた。火事は本当。家族も本当。だがそんな傷はない。――――硝子細工のような顔を悲痛そうに歪める、見たくない、すなわち、見せたくない】

【そして――それを無理やりに見ると言う権利が相手にないことも、分かっている。軍人として求めるならば理由がない。友人として求めるなら? 友人ではない】
【――そしてもちろん、軍人としてでもなく、友人としてでもなく、くだらない好奇心で求めるのなら、それは、殴っていい人間だから】
211 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/05/30(水) 00:24:53.17 ID:ifODVjr40
>>210

【どく、どくと、跳ね上がった心拍数はそのまま維持されている】

自由時間というか、自主訓練って感じになったりもするけどね
もちろん匍匐前進の訓練もする時はするよ、野戦訓練、射撃訓練、格闘、あと座学とか……
あ、水中にくくられることはないけど、水泳訓練もやるよ
それとこれはいちばん大事……金曜日にはカレーを食べるの!

【びっと人差し指をたてて真面目に語る】
【食事は軍人にとって重要な要素だ】

まさか、まさかって、ああごめんごめん
まさかこんな楽しい会話ができるなんてねーって思って

【信じられないほど嘘が下手であった。さすがに無理があるとはわかるのか、すぐに話題を逸らす】
【嘘をついているのはもしかしたら、お互い様かもしれないが――】

うん、まあ重い時は仕方ないよね……
でもあれだよ?ほんとにきつかったら無理に出歩いたりしないようにね

【先程は「用事」と言っていたが――その用事については尋ねない】
【尋ねたところで、答えははぐらかされるだろうし】

そう、なんだ。火事で……かえでちゃんだけでも助かって、良かったね

【憐れみの言葉も彼女は求めていないだろう、きっと】
【なぞる指先がやけに美しく感じて、少々見つめてしまった――これ以上は詮索すべきではないだろう】
【互いの立場の為にも――】

元気になったみたいだし、そろそろ行くね
お言葉に甘えて、ごちそうさまってことでいいんだよね?

【最初の人懐っこい様子と比べて変に思われるだろうか――そそくさとお別れを宣言した】
【拍動は、まだ収まらない】

【席を立ち、店を出ていく。ゆっくり歩きながら――】
【軍に戻ったら、調べることが増えてしまった】
【最後に振り返って、にこやかに言葉を告げる】

じゃあね、かえでちゃん
今度あったら、そうだ。紅茶キノコってやつ、一緒に食べに行こうか


//この辺で!ありがございました!
212 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/05/30(水) 00:26:43.18 ID:ifODVjr40
>>210

//切る部分間違えたので再送しますすいません!こっちを生かしてください


命よりも大切なものかぁ……
わたしにはまだ、よく分からないな。仲間は大切だけど、自分の命を捨てて助けられるかは正直……その場になってみないとわからない

かえでちゃんにとっては、"うぬくあるはいさま"が、見つけられた一番大切なものなのかな

【置かれたココアを見る――用意したものをちゃんと飲んでくれてよかった――】
【しかしもう、自分の分を追加注文する気にはなれなかった】
【どく、どくと、跳ね上がった心拍数はそのまま維持されている】

自由時間というか、自主訓練って感じになったりもするけどね
もちろん匍匐前進の訓練もする時はするよ、野戦訓練、射撃訓練、格闘、あと座学とか……
あ、水中にくくられることはないけど、水泳訓練もやるよ
それとこれはいちばん大事……金曜日にはカレーを食べるの!

【びっと人差し指をたてて真面目に語る】
【食事は軍人にとって重要な要素だ】

まさか、まさかって、ああごめんごめん
まさかこんな楽しい会話ができるなんてねーって思って

【信じられないほど嘘が下手であった。さすがに無理があるとはわかるのか、すぐに話題を逸らす】
【嘘をついているのはもしかしたら、お互い様かもしれないが――】

うん、まあ重い時は仕方ないよね……
でもあれだよ?ほんとにきつかったら無理に出歩いたりしないようにね

【先程は「用事」と言っていたが――その用事については尋ねない】
【尋ねたところで、答えははぐらかされるだろうし】

そう、なんだ。火事で……かえでちゃんだけでも助かって、良かったね

【憐れみの言葉も彼女は求めていないだろう、きっと】
【なぞる指先がやけに美しく感じて、少々見つめてしまった――これ以上は詮索すべきではないだろう】
【互いの立場の為にも――】

元気になったみたいだし、そろそろ行くね
お言葉に甘えて、ごちそうさまってことでいいんだよね?

【最初の人懐っこい様子と比べて変に思われるだろうか――そそくさとお別れを宣言した】
【拍動は、まだ収まらない】

【席を立ち、店を出ていく。ゆっくり歩きながら――】
【軍に戻ったら、調べることが増えてしまった】
【最後に振り返って、にこやかに言葉を告げる】

じゃあね、かえでちゃん
今度あったら、そうだ。紅茶キノコってやつ、一緒に食べに行こうか


//改めてありがございました!

213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/30(水) 00:46:27.98 ID:bK1xgx300
>>221

――――いろいろなことをするんですね。知りませんでした、軍の方とお話する機会とか、めったにないですから。
そういえば、軍にもいろいろありますよね? 陸海空――、リオシアさん、あなたはどこの所属なんですか? 

陸なら迷彩服、海なら水兵服、空なら飛行服、リオシアさんはどんな服を着るの?

【にこにこ、と、花びらさえ零れだしそうに淡い笑みだった、口元に手袋の手を添えて、マゼンタの瞳が細められて、笑っている】
【相手の所属がどこかなんていうのはそれこそ聞きすぎている。あるいは――もっと"疑惑"のない人間だったなら答える気にもなったのかもしれないが】
【疑われたならば、答えるはずもないだろう。多分分かっている、分かっているのに言葉に出したなら――あるいは一瞬の感情のぶれを待ちわびるようでもあった】

【――まさかって言葉を辿る。心当たりがあるのかもしれない。"どこ"がその情報を持っているのだろう、あなたはどこの軍人さんなの?】
【そうやって尋ねているんだった――ならば気取られぬように振る舞うのが正しい。気取られたなら、その先に何があるのかは、分からないから】

そうですか? よかった、同じくらいの年の子ってライトノベルとかばっかり読むから、気が引けるんです。
本が好きだっていうから尋ねたらマンガみたいな絵の表紙の本ばっかり、それが悪いとは思いませんけど――ね、温度差があるじゃないですか。

――だけどライトノベルは私も読みますよ、能力とか奇跡とか魔法とかが全くない世界に転生するやつとか。面白いですよね、異世界ファンタジー。

【グローブの白と指先の白を合わせて絡ます、相手の嘘に同調して見せたなら、それこそありふれた女の子同士の駄弁りのよう、誰が一番動じないか、のコンテスト】

…………はい、気を付けます。いつもはもっと軽いんです、痛いなあって思うこともあんまりなくって。
気温がちぐはぐだから知らないうちに体調を崩しているのかも、――リオシアさんも気を付けてくださいね、激しい運動の後は免疫が落ちますから。

【その手がぺたんと自らの腹部に触れる。うんと豊かな胸元に反比例してぺったんこのおなか、その、下の方を、抑えたなら】
【うそっぱちを塗り重ねて相手を心配する――自分だけでもという言葉に対しての反応と一緒くたにしながら、自分は大丈夫になりました、という風に、笑う】

はい、こちらこそありがとうございました、おかげですっかり良くなりましたから。お支払いは任せてください、――ええ、もちろん。
だけどあれは飲み物だし結構気持ち悪い作り方ですよ、ナタデココあたりで妥協した方がいいですね。

じゃあ、また――。

【――やはり相手はきっと聡かった。けれどほんの少しの手がかりは残る、ウヌクアルハイという名前――それが、きっと、重大な意味を持つから】
【そのままリオシアは帰ることが出来るだろう、誰かに襲われたりとか、そういうのは全くないはず。あったとしても――それは、蜜姫かえでとは、きっと関係がないから】

/おつかれさまでした!
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/30(水) 19:22:48.07 ID:bK1xgx300
【街中――大通りに面したカフェ】
【時刻は夕ごろだった、朝から曇っていた空からついに雨垂れが落ちだして、あっという間に大雨になって】
【それで慌てた様子の人達が通りを駆けていく――あるいは、雨宿りでもしようと、道沿いの店屋に入っていくのが、目立ち】

【――ならば"ここ"も、そんな客で賑わいつつあった。困った店員があちらこちら、相席のお願いだなんて、し出していて――】

…………――あれ、雨ですか。

【――――そんな店員に声を掛けられて、一人の少女が久方ぶりに顔を上げる。平日というのもあって従業員も手薄だったのかもしれない、少し泣きそうな顔と目が合って】
【「相席ですか、構いませんよ」――あらかじめ確認しに来た店員ににこりと伝える、ただその代わりみたいに、空っぽのコーヒーカップを傾げて、お代わりの注文】
【急がなくって大丈夫ですよ、と、伝えて。ぺこぺこ頭を下げながら居なくなる店員の背中を見送ったなら、ふらりと足組み、机に肘をついて、お行儀悪い姿勢】

止まないようなら傘を誰かに持ってきてもらわないといけないですね、職権濫用みたいで嫌ですけど。

【さっきまで読んでいた本を閉じる、本屋のブックカバーがついていてタイトルまでもは読めないけれど――それを、ぽすん、と、机の上に置いたなら】
【すっかり汗だくになって氷も融け切ったコップの水を飲む、――店内はひどくごった返していた、がやがや、わあわあ、BGMのジャズも聞こえないくらい】
【やれ雨でスーツが濡れただの荷物が濡れただの、帰れない、彼氏に迎えに来てもらおうかな――そういう話声、静かとは到底言い難い雰囲気が、気づけば満ちていたなら】

【透き通るようなウィステリア色の髪の少女だった、長い髪は後ろで一つにくくられて、鮮やかなマゼンタ色の瞳、赤いフレームの眼鏡をかけて】
【腰元をリボンできゅうと絞る紺色のワンピース、裾にはたっぷりの布地が使われているなら、座った足元、ぞろり、と、複雑なシルエットを描いてみせて】
【薄手のストッキングにサンダル――高めの身長と大人びた顔が年齢を少しだけ曖昧にして、けれど、まだ、本当は少女なのだ、とは、思わせる様相】

それとも晩まで済ませてしまいましょうか、何か頼むの、気が引けますけど……。

【店内の時計を確認したなら少女は呟く、――気づいてしまったら店内の賑やかさはひどく目立って、読書に戻る気も、失せてしまった】
【かといって珈琲を頼んでしまったのだし、それを飲むくらいまでは居ないといけない。――どこか退屈げな呟き声、にぎやかな店内に掻き消えていったなら】
【――そんな店内、もし誰かが新しく来たなら、あらかじめ相席になってもいいって言っていた少女のところに通されるはずだった。マゼンタの瞳を、窓の外に、じっと向けたままの――】

/日付変わるくらいまであれですが、今から少しの間ご飯で離席しますっ
215 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/30(水) 20:17:24.36 ID:uyiooctY0
>>214

【かたん。断りもなしに椅子の引かれる音がした。まるで当たり前でしょうとでも言わんばかりに迷いのない音】
【そちらを見てみれば、見知っているかもしれないしそうでないかもしれないヒトの顔があった。中性的な、少年】

【――――きれいな子だった。写実的な絵画とか彫刻というより、一昔前の少女漫画の絵とか、お人形とか】
【そういった、多少のデフォルメを施されて愛らしさを増された――造り物のような顔】
【眉も目も鼻も口もすべてが完璧な位置に配置され、あまつさえ完璧な角度に整えられた、精巧な笑みを浮かべて】

や。キミも雨に降られちゃった? ムリフェン……、……「かえでさん」って呼んだほうがいい?
ボクはそうだよ。それにしても奇遇だね、こんなところで、会えるなんて……

【シミとかニキビはおろか毛穴の一点も見えないつやつやの白磁の肌の上、内側に行くほど色味を増すグラデーションリップ】
【それが控え目に開かれて、きれいな音を奏でた。アルトにまで到達しないボーイソプラノ】
【澄んだ海――最後の楽園、とか称されるほど美しい南の島の、それも一番きれいなところ――を思わせる蒼色の瞳が揺れて】
【人懐っこく細められていた。縁取るプラチナ色のまつげはいっそ暴力的なほどの量と長さを誇っている】
【同色の髪――眉のちょっと下と首の中程できれいに切り揃えた、当たり前のようにさらさらのやつも、同時に揺れていた】

【どこかの制服、灰色のブレザーを纏った少年だった。首元はハイネックのシャツ、手元は白絹の手袋】
【脚にはぴったり沿う黒タイツ、その先っぽには13センチ、不吉なセンチメートルのピンヒールの靴】
【徹底的に露出を防ぐ格好をした彼は――――少女と同じ神を信じる、……けれど味方とか仲間とか言うには、少し微妙な子】
【めちゃくちゃに、悪評が目立っていたから。我儘。自己中。クソガキ。陰で口遊まれるそのどれもが、本当のことだったから】

ああ、ご飯まだ食べてない? だったら御馳走させてよ。
ね、聞いたんだよ、風のうわさで――――「君も」選ばれたんだって?

【「蛇神様に。おめでとう、素晴らしいことじゃないか」そう言ってまた笑って、まつげが、震えて――――】

【――――――“サビク”。“サーペント・カルト”の、幹部のひとり。破崎雨竜が、そこにいた】
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/30(水) 20:45:47.86 ID:bK1xgx300
>>215

【その存在は知っていた。けれど会うのは初めて――あるいはそれに等しいだろう。何かの時にすれ違うくらいはあったかもしれないが、】
【お互いにお互いの存在を意識して面として向かい合うのは、初めてじゃあ、なかろうか。引かれた椅子の音に視線を戻した少女は、そのまま相手へ視線を移ろわせ】
【「あれ」と小さな声をあげた。――街中で出会う人間だとは思っていなかったのかもしれない、スズランの花を楽器にしたなら、こんな音が出そうな、声をして】

そうですね、ここだとかえでのほうが助かります。癪ですけど。といってもその名に反応するのは同志か敵なわけですが。
――雨には降られてないです、朝から居たので。雨竜……あ、失敬、ウリューさんはお買い物か何かですか?

【彼女は普段――蛇教が所有する物件に住んでいるから、その時とか、蛇教の一員として動いているときとか――眼鏡、なんて、掛けていないのだけれど】
【普段そこらへんを出歩いたりするときは変装のつもりか知らないけれど、そうしていた。ならば現在は全く以ってオフの日のつもりだったのだろう、と思わせて】
【左手だけの真っ白なドレスグローブ――彼ならきっと知っている。彼女はそこに蛇の入れ墨を入れていて、そしてそれを隠すこと、本当はすごく、嫌がっているって】

【――相手の名前を呼び返した。文字で書いたなら分かりやすくとも、音で聞く限りあんまり違いは、ないのだろう、だけど彼女は、相手の望むよう、言い直したなら】
【あんまり買い物に出たりするタイプだとは、思っていなかった。――なんてそれはそれで失礼な印象、だけど、さんざん悪評ばかり聞かされていたから、どうしても、イメージが】

じゃあ、お願いします。昨日人に奢ったので、プラマイゼロにしてください。それだけだと悪いですから……というわけでもないのですけど。
"まだ"大々的に言うほどでないので悩んでいたんですが――そのことも後でお伝えします、ちょっと。面倒なのは嫌ですよね?

【まだ薄暗い朝に咲く白薔薇の表情、しれーっと、あんまりに当たり前に頷くだろう、ほんの欠片の遠慮も見せてこないけど、一応感謝はしているらしいとは見えた】
【ならば奢られる礼に伝えることもあるのだと言う。――まだ重要ではないらしい、けど、いつか重要になるかもしれない。というより、面倒ごとの種になりそうだ、という予感】

――――――ありがとうございます、ウリューさんもですか? おめでとうございます。
どんな力を賜ったんですか? ――私も、すぐにでも使いこなしてみせますよ、ですが、昨日張り切りすぎてしまったので。

【――まるで人形のように美しい彼を前にして、けれど少女はあんまりに平然としていた、それが、彼女がそういうことに興味ないからなのか、悪評をさんざ聞いた後だったからなのか】
【分からないけれど――、両方の手を机について、口元の前で指を絡ませる。にこり、と、笑った顔は――そういう作り上げられた美しさとは少しだけ違う、けれど、うんときれいな】
【無垢さすら滲むあどけない笑顔、とっても嬉しそうなものは、そう、小さな子供が、頑張ったことを両親に褒められた瞬間に浮かべるような――それに似て】

【「今日は勉強がてら、休養を――」】
【閉じて置いた本を指先でぱらぱらっと開く――中身までは読み取れないけれど、頬杖をついて伏し目がちに、そうする仕草は、それはそれで、瀟洒に見えた】

/おまたせしました!
217 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/30(水) 21:10:29.35 ID:uyiooctY0
>>216

そう、じゃあかえでさん……、……朝から。店員に鬱陶しがられない?

【きゃらきゃら、砂の零れるような音で笑う。眉と目尻の下げ方も、口角の上げ方も完璧】
【ひとつひとつの動作をいちいち鏡に映して、チェックしているみたいな精密さだった】
【もちろん鏡なんてないから、そんなわけないのだけど――身に沁みついているようだった、かわいこぶることが】

【「じゃあ、はい。お祝いだから、なんでも頼んでよ」。そう言ってメニューを手渡す、指先の角度まで整えて】
【小首を傾げて、小鳥の仕草。ウリュー、櫻っぽい響きを含まない平坦なトーンで呼ばれれば、満足したみたいに】
【ちょっと肩を跳ねさせて、喜びを示した。じい、と、かえでの姿を見つめながら――見えている上半身を余すところなく】

ああ、いや、ボクはね――――ずっと前から「そう」だったの。
きっと今いる幹部の、誰よりも早いんじゃないかなあ。5年くらい前にね、

【そのときにはもう、既に「選ばれていた」。そう言って笑む、その美しい顔には】
【――――隠しきれない傲慢さが混じっていた。オマエなんかよりボクのほうがずっと早かった】
【ボクが一等賞。ボクが一番、……神様を除いて。そうとでも言いたげなニュアンス】
【なんとも幼稚が過ぎるから、いっそ呆れるくらいするだろうか。……それとも、】

【かえでは間違いなく美しい少女だった。だけどボクのほうがキレイだし、ボクのほうが凄くて】
【ボクがボクがボクが――――。言葉にはしないけどオーラから溢れ出る。明確に、見下していた、かえでのこと】

//わーごめんなさい、此方もお待たせしました!
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/05/30(水) 21:20:20.09 ID:WBElYymX0
【路地裏の一角】

「……そ、その子を離せ!」
「断ります、そもそも、拙僧が素直にそれに従うとでも?」

【これは、悲しい話だが非常によくある、そう、よくある路地裏でのお話だ】
【時刻としては夕刻に差し掛かる時間帯】
【逢魔ヶ刻、この時間の薄暗がりに、古人は様々な魔物を想像した】
【あるいは本当に、暗がりには魔物が潜んでいたのかもしれない】
【最も、それはこの現代とて例外では無く】
【これは、そんな『魔物』と運悪く接触してしまった人間の話とも言える】

「……こちらの、言う事が聞けないと、言うんですね?」
「はい、当たり前ですよね?この少女は栄誉ある事に、今宵のウヌクアルハイ様の贄として選ばれました、まあその前に私と懇意のサーヴァントとで好みの『清浄化』を施させて頂きますが」

【対話しているのは、オフロードのオートバイに乗った詰襟の学生服の少年と】
【編み笠に錫杖を手にした、黒い袈裟の虚無僧と言った出で立ちの男】
【錫杖には蛇の巻き付いた造形が取り付けられており、少々異様な物では在る】
【加えて、僧侶の片手には12か13程の年齢の少女が抱えられている】
【読み取れるように、この状況、決して平穏で平和な会話ではない】 

「お前……まさか、蛇の邪教の!?」
「邪教とは酷い物言いです、聖教、せめてサーペント・カルトと言って下さいますか?」
「ふざけている……その子を離す気が無いなら……」
「やりますか?貴方には、どうも戦う力など無さそうですが……」

【この状況だ、いつ交戦が始まってもおかしくは無い】
【そして、付近を通りかかる人物は、この声を聴くことも、またこの場所に至る事も容易であろう】
【介入者は、はたしてどちらの味方と、あるいはどちらの敵となるのだろうか?】
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/30(水) 21:34:32.45 ID:bK1xgx300
>>217

平日だから、大丈夫ですよ。休日にこんなことはしません、迷惑ですからね。
居心地がいい店は重要ですよ、ウリューさんも行きつけの店はないですか? 一日中本読んでて怒られないところ。

【それは熟練の職人が手によりをかけて作り上げた存在のように思えた、全部が全部完璧で、けど、それは、かえって、緊張させない】
【だいたいのことはそのやり方のルールに則ってやってくるだろうなんて思っていた、とはいえ――誰からともかく悪評は聞いていたのだ、扱いづらい子だ、と】
【とりあえずそういうのを言っているサーバントは仕置きとして何人か再教育の方に回したりしていたけど――別に恩を売るわけじゃなく、だから、何にも言わないまま】

【差し出されたメニューをそのまま受け取る。相手の整えられた所作に対して、彼女はどうにも普通の素振りだった、洗練されていない様子、だからこそ】
【あるいは水際に咲く美しい彼を写し取っては歪み、本当の美しさを際立たせる水面のよう、――「じゃ、これにします」】
【指さしたのは割と普通にお高い方のサンドイッチのセットだった。エビとかアボカドとかいろいろ入ってて、サラダもついてて、スープもついてて、デザートまで】
【遠慮って概念があんまりないのかもしれなかった、――それから「ウリューさんはどうしますか?」って尋ねる、メニューの向きを直して、相手に返したなら】

……――へえ、そうなんですね。私、そのころは普通に小学生か中学生をしてました、12歳のころですね、すごい。
えーっと、ウリューさんはおいくつでしたっけ。どこか学校に行っているんですか? 私、すっかり面倒になって辞めちゃいましたし――。

【マゼンタ色が瞬く、そうして海色の瞳を見つめたなら、きっとその傲慢さも見つけ出すのだろうか、ちらりと昔のことを思い返しながら】
【――そういえば、と、呟く。相手の年齢を知らなかった。あんまりにきれいな顔立ちは実年齢を曖昧にする、……別に、特別に興味があるわけではないけど】
【秘密主義の宗教は同志どころか幹部同士でもかかわりが薄くって、日常生活のことが分からない。こんな場所で偶然出会ったことすら、ウヌクアルハイの思し召しのよう】

私、面倒になると辞めちゃうタイプなんですよ。趣味とか、割と形から入る方なんですけど。

【――――怒ったようなそぶりは、見せなかった。それとも相手の噂が彼女のところに来ていたみたいに、相手も、あるいは、聞いたことがあるかもしれない】
【この少女はウヌクアルハイについてのことになるとドが付くほどにのめりこむけど、それ以外のことはごく一部の趣味、読書だとかを除いて、特に頓着をしないと】
【いろんなことやるけれど。そのほとんどに本当は興味があんまりないようなそぶりをするのだと――ただとりあえずほんとにいろいろするらしい、面白そうって思ったなら】
【ある日いきなり糠漬けの道具一式を買ってきて飽きたってサーバントに押し付けたこととかもあるらしい。――それもウワサだった、ほんとにどーでもいいような、噂】

【――――――――そうじゃない"噂"になると。ここ最近、それこそ、"選ばれた"という話が出回ったのと、ほとんど同じタイミング】
【――元から少女は贄の拉致を主に行っていた。能力で無力化した人間を大量に"持ち帰ってくる"のがいつものことで、ただ、あの日以降】
【幾重にも幾重にも幾重にも"死"を塗り重ねられた、死体。たった一人でありながら何度も何度も何度も"殺された"死体をこさえるようになった、っていう、話がある】

【だからそれこそが賜った力なんじゃないか、っていう、噂が――出回り出していた。タイミングも一致していたから、二つの話が結びついて、ひそひそって、囁かれる】
220 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/30(水) 21:53:14.97 ID:uyiooctY0
>>219

あはは。そんなの図書館くらいしかないでしょ!
かえでさんって面白いね、そんなに本、好きなの? 今はナニ読んでるの?

【人懐っこい子供が興味を持って纏わりついてくるみたいな、ともすれば愛らしい反応】
【その中に、「面白い」なんてワードを混ぜた。間違いなく無害なニュアンスでそう言っていないこと、わかるだろうか】
【「オマエ、ヘンなヤツだなあ」。そういう意味合い。吊り上がった口角、嘲笑とまではいかなくとも】

【扱いづらいのは間違いじゃなかったけど、ひっくり返せばどう扱えばいいのか、はっきりわかる子でもあった】
【とりあえずおだてておけば調子には乗るけど、危害は加えない。ただしめちゃくちゃ腹が立つ、相手をしていて】
【忍耐力を鍛えるための装置としては優秀。そんな評判ばかりだった、うっかり力を持ちすぎちゃった、クソガキ】
【「じゃあパスタのセットにしようかなあ」――財力もそれなりに強いみたい。だから遠慮されないことには、何も言わない】

ボクは15だよ、いちおう中学生やってるけど――なにも楽しくないよ、蛇神様の話もなんにもないし。
やめちゃったの? いいなあ。ボクも高校行くのやめようかなあ。
だってボクら、もう、将来安泰も確約されてるようなもんだし……

【「蛇神サマサマだよねえ」。俗っぽいハナシに神様を混ぜ込んでくる、友達か何かだと思ってるみたいに】
【それはかえでの精神を逆なでするかもしれない。何より大切にしている神様に、そんな、馴れ馴れしく】

……ね、かえでさんさ、蛇神様にどんなもの貰ったの? あるいは、何かしてもらった?
ボクはね、命を助けてもらったんだよ。クソみたいな大人たちから守ってくれたの、ねえ――

【一応。訊いてみながらも、やっぱり自分の話を混ぜなきゃ気が済まない性質らしい。自分が自分が自分が】
【競うみたいに、でも自分の勝ちを確信しているみたいに。完璧な笑みを湛えながら、問うた】
221 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/05/30(水) 22:15:45.04 ID:uyiooctY0
【雨が降っていた】
【数刻前よりパラパラと降り始めた雨は、その後大降りになるということもなく、水の国の名を彩るかのように地面を濡らしている】
【とは言え、概ねの人々に取っては片手が塞がるだけの鬱陶しい気候】
【道行く人の声も、雨音と合わさって余計に耳障りに聞こえる】


【そんな中、大通りから数本離れた街路、裏路地にも程近いそこでは不審そうな気配が漂っていた】
【大通りの端には、まだ年若い少女が、血溜まりの中で倒れていたからだ】
【怪しげな通りからでも出て来たのか、その隣には倍近い体格の男が、同じく満身創痍で気絶している】
【もっと雨足が強ければその痕跡さえ洗い流されてしまったのだろうが、この程度に湿った空気ならば、むしろ血の臭いが鼻に突く】


……死ぬかも……

【辛うじて目を開いている少女は、得意の肉体強化の能力も切れ、一歩たりとも自分で動ける様子はなかった】
【通りすがりの人々は、汚いものでも見るかのように、遠巻きにヒソヒソと喋りながら、立ち去って行く】
【余り治安が良いとは言えない通り、ひょっとしたら行き倒れは日常茶飯事なのか】
【いや、それ以上に、少女の負った無数の裂傷。能力者絡みの諍いであることは明白だったから】

……本当に……ここだと、能力者って、冷遇されてんの、ね……

【喋ったつもりだったが、声になったかは怪しい。そもそもまともに声が出せるなら、助けてくれ、くらいのことは言えたのだけど】
【冷たい雨が、傷口に染みる】
【このままだと遠からず鼠の餌になることが目に見えていた】
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/30(水) 22:26:13.13 ID:bK1xgx300
>>220

でも図書館って飲食禁止なんですよ、それは面倒くさくないですか? 本を読んでいるときに、喉が渇いたとか思いたくないです。
……ウリューさんは読まないですか? これは普通にただの本ですよ、エッセイですね、食べ歩きの。

何冊か持ってきてたんですけど、読んじゃいましたからね。読み物としては面白かったですよ、嫌いなやつを呪い殺す悪魔の呼び出し方とか。

【それは明確なニュアンスだった、教室の隅っこに居る子に、スクールカースト上位が面白さを求めて話しかけたときのような、そしてきっと、その通りの】
【けれどやはり声音を変えずに答えたならば、少女はそのまま相手の方へ本を差し出す、――中を開いたなら、ほんとにほんとの、ただの本】
【どっかの誰かがどっかの店で食べたもののレシピを考察しながら自分だったらこう、とか、ここはこうしたい、とか、そういうのをいっぱい書いてる、ちょっとだけ失礼な感じの】

【――そういう意味ではこの少女は彼にとって扱いづらい、かもしれなかった。これが彼女が格下であったなら、間違いなく従ってくるタイプだろう、とは思わせたけど】
【なまじっか同格、同じ幹部だったから。迎合しようという気持ちが全くみえてこない、――ううん、多分、きっと、そんなのなくって】

じゃ、そろそろ高校受験ですね。私は14の時に来たんです、なのでそのままずるずるっと。受験とかもしなかったですし。
勉強するのは嫌いじゃなかったんで割と優等生だったんですよ、――――、だけどウリューさんは学校へ行った方がいいかもしれないですね。

――――ウヌクアルハイ様はあなたの友達でもなんでもないですよ、失礼ではないですか?
"受肉"の日だって近づいているんです、その時にそんな口ぶりで話しかけたりしないと、いいんですけど。

【そしてそれはきっと彼も知っていた。この少女――14のときに家に遭った不幸をきっかけに入信している、つまり、彼に比べてうんと新参ものであり】
【そのくせのめりこみの強さと個人の異能の特異性、そして修行によって手に入れた能力の汎用性から重要視され、数多の人間をコンスタントに拉致ってくることから、幹部になった】
【生ぬるい水を飲む、――その時に、さっき彼女が頼んだアイスコーヒーを店員が持ってきた。問題なければそのまま注文してしまうだろう、二人分。遠慮は無配合】

【けれどその店員が立ち去った時――向ける目はきっとわずかに怒っていた。彼が"サーバント"であったなら、多分、一発でレットカードを叩きつけていた】
【もっと目上の存在に対する敬い方を覚えて来い、って、言っているに違いなかった。――にっこり、と、水盤の水面よりも凪いだ笑み、相手へ向けて】

……そうですね、神託と――新しい力を賜りました。油絵具のように様々な死を塗り重ねる力を。
ウヌクアルハイ様のために死を集めるよう。そしてそのための力までもを。――、"Itzamna" に"Kukulcan"、どちらもウヌクアルハイ様の化身である蛇神の名です。
ウヌクアルハイ様はその身の欠片を私に授けてくださったんです、――ならば私は、ウヌクアルハイ様の存在を満たす蜜になる、当然ですよね。

――――ええ、分かります。ウヌクアルハイ様はとてもお優しいですから、ウリューさんを助けるために、お力を振るわれたのでしょう。
私もそうでした、力を授かる苦痛の中に確かに感じましたから、――無造作でも無秩序でもなく、一つ一つ、選び取ったように、無限の辛苦を教えてくださった。

【――――けれど、そんな水面は、ぱしゃりと崩れる。陶然とした目、それが堪えられないかのように、真っ白な頬を赤く染めて、恋人と睦むさまを話すかのように】
【それは決して無垢な少女の浮かべる表情ではない。もっと性/生を知っている、生々しい様相。手袋と素肌の指先を絡ませて、にこにこと、ひどく嬉しげに、笑ったなら】
【長い睫毛がふわりと弧を描く、――相手の言葉に自分の言葉を塗って重ねてしまう、分かります分かりますって、その主導権を乗っ取ってしまうから】
【それはとんでもなく彼にとっては不愉快かもしれなかった――店員はまだ戻ってこない。ていうか、来るはずなさそうなくらい、混んでいた。がやがやってうるさくて――】

【その片隅で、邪教の幹部が二人で話しているだなんて、だあれも、思ってないみたいだった】
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/30(水) 22:35:03.28 ID:EWBnAhlV0

>>221

【雨が降り注ぐ通り】
【ぼそぼそと聞こえる人々の声】
【薄目を開けた少女の耳にはばしゃばしゃという水音が聞こえてくるかもしれない】

【ばしゃばしゃ】
【ばしゃ、ばしゃばしゃ、ばしゃり──】

──おい!
【不意に彼女の頭の上から若い男のものと思わしき声が降ってくるだろう】

【もし見上げる事が可能ならば、そこに立っているのは十代後半から二十代前半といった年頃の青年】
【少し伸ばした黒髪に紅色のメッシュを入れていて、黒のレザージャケットと黒のレザーパンツ、黒のレザーブーツに黒いチョーカーと黒一色できめていて】

……生きてるか?立てるか?救急車でも呼ぶか?
【矢継ぎ早に質問を投げ掛けてくる】
【紅色の鋭い目は少女を見下ろしていて】

【その目が、ふっと伏せられて】
【聞こえてる訳ないよな、なんて口が動く】

224 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/30(水) 22:43:00.39 ID:uyiooctY0
>>222

なるほど、かえでさんは本読みながら何か食べるのが平気なヒトなんだ。
たまにいるじゃん、汚すからそういうの見るだけでもムカつくとか言うヒト! ああいうの面倒臭いよねえ。
ボク? ボクはあんまり読まないなあ――へえ、えっせい……。

【カタコト。そのジャンルを知っているかも怪しい、そんな口振り。あんまりどころじゃなくて全然読まないタチだろう】
【渡された本をぺらぺら捲って、へえとかふうんとか言って――読んでない。ハナから興味ないです、みたいな】
【でもポーズだけはそれっぽく、整えて……「ありがとう」と共に突っ返す。心底どうでも良さそうに、けれどきちんと整えた仕草で】

そう、受験! ヤーなんだよね、なんで学校行くだけなのにテストがいるんだか。
……ボク、行った方がいい? なんで? 別に成績悪かぁないよ。……あぁ、

ごめんごめん。ついクセでね、……選ばれるよりも前、うんと小さい頃からずっと、蛇神様と一緒に居たから、ボク。

【ぱん、と手を合わせてごめんなさいのポーズ。それから片目を瞑って、眉尻を下げて】
【だけれど口元は苦笑の形。そして、14から入信したというかえでに対して――こんなところでもマウントを取りたがる】
【聞いたことがあるかもしれない。彼の母親もここの信者で、相当な額の寄付をしていた、熱狂的なサーバントだったって】
【だから、その子供である彼も、おそらく赤子のころから入信を義務付けられていた。……どう、すごいでしょう。そう言いたげな顔】

【注文はつつがなく終了する。待っている間のおしゃべり――も、この二人ならきっと楽しい方向には弾まない】

……へえ、その身の欠片を、……へえええ。よかったねええ。すっごいじゃないかああ、
じゃあかえでさんはこれから先、今までよりもうんとうんと頑張らなくっちゃ、ねえええ……。

【……その予感を裏付けするように。彼の笑みの左右対称性が崩れた、わずかにだけど】
【片眉の端っこがひくりと持ち上がる。声に威圧感が混じる。あまりにも幼稚に、怒気を孕む】
【「調子に乗ってんじゃねえよ」、って、床に擦り付けられるヒールが鳴いた、ようだった。けれども】
【――気持ち良く酔っぱらってるかえでに、それが伝わるかどうか。伝わったとして、この程度で気分を害せるかどうか】
【いずれにせよ彼は怒り始めてるみたいだ、けれどこんな人の多いところでは、何もしない。ヒールでがりがり床を抉るみたいに、踏みつけるのみ】
225 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/05/30(水) 22:46:40.80 ID:uyiooctY0
>>223
【誰か、走って来る音。こちらに、近付いている……?】
【薄れかけている意識でもそれを理解したのは、今までずっとその音を期待していたからだ】
【半ば朦朧とした視線が、男の姿を追う】
【強く掛けられる声の内容は、半分程度しか聞こえていなかったけれど、それでも心配するような言葉であることは、理解した】
【こんな状況でなければ、男の格好に対して、コメントでも述べたかも知れないが、今は蚊の鳴くような声で喋るのが精一杯だ】

……ぁ……て……

【何か呟いたようだが、か細過ぎて聞こえなかった。半端に長い黒髪は無造作に後ろでまとめてあり】
【安物のTシャツとジーンズは何かの獣にでも遭ったかのようにズタズタに引き裂かれていた】
【襤褸布と化した衣服からは露出も多いが、とても色気を感じるような状況ではなく】
【男がその場に留まってくれるなら、立たせて欲しいとばかりに片手を持ち上げて見せる】
【矢継ぎ早に掛けられた言葉によって、少しは意識がはっきりしたか、目には多少の生気が戻っている】

生き…るか………帰ら…いで……

【一縷の希望を手放しまいと、引き絞るように声が出た】
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/30(水) 23:14:36.44 ID:bK1xgx300
>>224

【――――明らかに相手は怒り始めていた、それは、普通であったならば絶対に気づく、温度感。けれど、今の彼女の目線は、それこそ、サングラス越しみたいになって】
【相手の言葉をひどく言葉通りに受け取ってしまう――本当に名誉なことであると言いたげに、というか、言っているのだけど。細めた目がどこか潤んで、きらきらしたなら】
【鮮やかな瞳が溶けてしまうみたいにも見えた。熱っぽく潤む――艶めかしい表情を浮かべて、もうテンションが絶対すっごい高くなって、有頂天みたいになって】

――はい、もちろんですよ? "今まで"が手抜きしていたというわけではありませんけれど……、新しいお力を賜った。
そしてその力があれば――今までの私など比べ物にならないほどに、ウヌクアルハイ様のお力になれる。身に余るほどの幸福です。

ウリューさんは同じ人間を何度も殺す方法をご存知ですか? 私は教えていただいたのです、――、ふふふっ!

【そうして相手の嫌味、みたいな言葉には、あんまりに素直にそう返すのだ。今までが手抜きだったわけでは決してないけど、天井を超える力を賜った】
【ならばその全部使い果たしても――神に仕える。それが当然ですよね、って言うように。わざわざ言う必要はないですよね、って、言うように。とろん、目元を蕩かして】
【机に頬杖を突く、両手の指同士を絡めるみたいにして、そこににこにこ笑った口元を隠して――くすくすっ、漏れた笑い声は、ひどく平和な、少女そのものの声音】

【――それは自慢だった。決して彼女にそんなつもりがなかったとしても、自慢以外の何でもなかった。自分はこんなものもらっちゃったんだ、って、子供っぽく、見せびらかす】
【がりがり鳴るヒールの音も――幸いだろうか、逆だろうか。賑やかな店内では彼女の耳まで届かないようだった、ころころ、と、喉で笑うような声、繰り返し】

――――ああ、失礼しました。つい数日前のことですから、まだ、気持ちが昂ってしまって。

【最悪もうちょっと子供っぽいのに煽情的に笑っていたかもしれないけれど――ふっと素に戻って来る、多分、一分とか二分くらい、と思われた】
【ぽーっと赤らんだ頬っぺたを真っ白の指先で抑えて、はにかんだ笑みを浮かべる。普段のしれっとしたような様子と比べたなら、別の人か、と疑りそうなほど、温度が違って】
【それでもまだ時々嬉しげに笑っていた――どうしようもなく歪んだ悦びの色合いを瞳に宿したなら、これはもう救いようがないくらい、のめりこんでいる】

ウリューさんは小さなころからだと聞いていますよ、その年で幹部ですからね、お噂はよく聞いてます。
……といっても、こうやって話すのは初めてですよね? 一緒の仕事、したことがありましたっけ? 

マルフィクさんはたまにお会いするのですけど。……ほら、私、贄を調達することが多いので。
ケバルライさんとも、この間初めてお会いしました。――私、引きこもりでしょうか? よく出ているので、アウトドア派だと思っていたんですけど。

【それでもいつまでも耽ってはいないから。――それで話題を変える、ちょうど、彼がうんと話せそうな話題、――ただ、やはり、伝聞という点が多いなら】
【話半分みたいな気配もある――実際にあんまり関わり合いだったことはないだろう、そうでなければ、彼女が忘れているんだと思う】
【サーバントとつるんで贄の調達に出てばかりの彼女は、実はあんまり本部をうろついていない。ならばよく会うのは、儀式を取り仕切る幹部たるマルフィク、くらいで】
【だいたいどっかに行っているか、そうじゃなかったら、部屋で本とか読んでいるか。インドア趣味のアウトドア派――だって、口にしたなら】

【――縦については絶対的な力関係があるけれど、横同士の繋がりは弱い。まして――――良くも悪くもアクが強い人ばかりだな、と思い返すなら】

一回くらい幹部だけでも集まりたいですね。

【ふっと思いついたみたいに提案してみるのだろう――半分本気、半分冗談。彼女みたいに割とすることが決まっている幹部は、意外と珍しいのかも、しれなくて】
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/30(水) 23:15:48.30 ID:EWBnAhlV0

>>225

【本当に、偶然だった】
【行くあてもなくただぶらぶらと歩いてるだけで、道行く人が遠巻きに通り過ぎていたからちょっと興味を惹かれて】
【それでもって、普段なら一瞥して通り過ぎるだけの"それら"が何でか妙に放ってはおけなくて】

【──襤褸を纏ったような姿で倒れ伏す人間なんか"彼処"で幾らでも見てきた筈なのに】


【まあ、聞いてなんかいないだろう。すぐに消える命なんだろう】
【そう自分に言い聞かせて、ほら分かったらもう行くぞ、と心の中で自分に声を掛けて】

【そんな時にか細い声で何か言われて、片腕を伸ばされたものだから青年は目を見開いてビクリと肩を震わせて】

【"生き(て)るから、帰らないで──"】

【恐らくそう紡がれた少女の言葉】
【その言葉に何か思ったのだろうか?青年の瞳が揺らいで】

【ただ無言で、その手を取り身体を起こそうとする】


228 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/30(水) 23:29:51.07 ID:uyiooctY0
>>226

【――――ぎち、と、奥歯を噛み締める音、ノイズが鳴った。もう笑みすら作れない】
【悪辣に歪み始めている顔、それでもなお美しい。それがとってもタチが悪く、厄介な点でもあったが】
【きっともう、天にも昇る気持ちでいるかえでには届かない。ふ、と唸る獣の息遣いで、溜息が漏れた】

……、……、……すっごおおおい。かえでさん、すっごく期待されてるんだ、蛇神様に。
すごいなあ、きっとボクと……同じくらい認められちゃったんじゃない?
それは本当にすごいことだよ、…………いいなああああ。

【そんなの知らない。けれどそれを言ったら敗け。彼の中ではそうだったから、噛み殺して、飲み下す】
【微かに震える指先でグラスを引き寄せる、結露の水が手袋に吸われる。濡れるだけの感覚すら、彼を苛立たせる】
【それでもなんとか、一口、二口――中身を飲み干して、必死に言葉を胃に落としていた】
【ふざけんなよ、オマエなんかが、このボクに、……[ピーーー]、[ピーーー]、[ピーーー]。気を抜けば飛び出してしまいそうな、幼稚な罵倒たち】
【それを出してしまえばきっと周囲の客の注目を浴びる。だから我慢する、それくらいの理性は、辛うじて保たれていた】

……うん、これが初めて。お仕事も、たぶん……したことないよ。
でもボク、かえでさんのこと知ってたよ。蛇神様がね、言ってたの聞いたんだ、……イイ子がいるって。

【真っ赤な嘘。蛇神様と会話なんかしたことない、けれど、なんとかかんとかマウントを取りたがって】
【でも――幼稚だから気付かなかった。そんなこと言えば、かえでが、さらに喜びそうなことすら】

ふふ、ボクも似たようなもんだよお……ボクは「修行」の監督ばっかりしてるから。
基本的にサーバントにつきっきりだよ、幹部、実は会ったことないんだ。

幹部だけでの集まり――ああ、なんだか楽しそう。でもボクみたいな子供が、行っても何か言えるかなあ?

【ぎりぎり、歯噛みしながら答える。そして、一見謙遜しているように見えて――「そんなことないよ」って言ってほしい類の問い】
【「ね、もし虐められちゃったら、かえでさん助けてよ。……たぶん一番年も近いし」、甘える弟みたいな声色で】
【そんな保険までつけようとして。どうにかこうにか、自分の地位を高く保っていたいと言外に言っていた】
229 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/05/30(水) 23:34:01.71 ID:uyiooctY0
>>227
【通りすがりの彼が、偶さか自分を目に留めたのは多分、偶然。足を留めたのは多分、気紛れ】
【しかし、今はそれに縋る以外に手はなかった】
【苦痛と倦怠感で、まともに動ける気はしなかったが、手を貸して貰えれば、辛うじて立ち上がる】
【――否、立たせて貰った、と言う方が正しいだろう】

……あり、がとう……

【先ほどよりは、はっきりと言葉にした。裂傷は多いが、内臓や骨に届くような怪我はない】
【動けないのは、単純に出血量と、能力使用後の反作用のせいだ】

【向き合ってみれば如何にもインドア派と言った風情の地味な少女】
【ボロボロのTシャツには、『メレンゲ』と良く分からないダサい文字がプリントしてあった】
【少なくとも路地裏で喧嘩して行き倒れるようなタイプには見えないだろう】


そこのおじさん……知らない人なんだけど、そっちも、死に掛けてるから……

【支えて貰わなければ立っていることも難しそうだが、どうにか倒れているもう一人の男を指して】
【病院に行かねばならないが、普通の病院だと門前払いを食らいそうだ】
【しかし、土地勘が全くなく、どこに行けば良いのか分からない】
【何かアテはないかと、目で訴えてみた】
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/30(水) 23:53:46.67 ID:bK1xgx300
>>228

【ぱたぱた、と、小さな音がした。それは奇しくも相手のしぐさと似ていて、だけど、その意味合いはきっと真逆のもの】
【嬉しくって思わず、って様子だった。ひどくあどけなく、幼げに、だからこそ煽情的に、真っ白な頬を。真っ赤に染めて。マゼンタの瞳、潤ませて――】
【彼のように研ぎ澄まされたものでは、ないけれど。それでも彼女も整った顔立ちをしていた、そういう目で見ればひどく魅力的な身体も相まって、ひどく艶めかしく】
【――――そう、だから、知っていると思う。彼女が蛇教に入信してすぐから、しばらく後まで。この少女は長いこと、修行と称して、その身体を"使われて"いた】

――――そんなこと、ないです。私などに務まるでしょうか? ……でも、ウヌクアルハイ様が、私を選んでくださったんです。
お応えできないことはありえません――、――そうですよね。ですけど、あの時はお世話になりました、ほら、"修行"の時に――――、

【サーバントが受ける修行。それは彼女も受けていた、そしてその中で能力が開花して、幹部まで上り詰めた。ならば――そう、言いようによっては、彼は恩人ということになる】
【けれどだからと言って恩師にするみたいには、あまりしないのだ。彼女にとって大事なのは、何より、ウヌクアルハイであったなら――ちょっと、恩知らず】
【ころり、と、笑った声。ちょっと自嘲めくように語るんだろう、――彼女の修行の最中にあった失敗のエピソード、彼なら、きっと、覚えていそう】
【――入ったばかりの彼女はどうしようもなく一般人であり、凄惨な光景相手に嘔吐したり貧血でぶっ倒れたり、とか――結構、あったんだった】

――――――――、本当、ですか? ウヌクアルハイ様が? 私を? 
――まあ、なんて……、ほんとうですか? ケバルライさんと会った時に、お声を聞いたのです、今思えば――あれは、ウヌクアルハイ様のお声でありました。
…………――鈴の音、のような。美しい声。……ウリューさんはとうに知っていらしたのですね、――お恥ずかしいです、こんな私では、失望されてしまうかもしれません。

お力を賜っただけで満足しないようにしないと――。

【でも――そんな表情が、ぱぁ、と、華やいだ。相手の嘘つきに気づかなかった少女は、そのまま、それが本当のことだって思って、ひどく喜ぶだろう】
【どうしようもなく喜びを湛えた口元を手で隠す。それでも隠し切れなくって、せめて呑み込もうとするように、ぬるい水を飲む、――それでも笑みは収まらなくて】
【はぁあと熱い吐息、――そんな風に言われていたんじゃ、それに応えなければ。ひどい現状だった、彼の言葉で、彼女は、奮起してしまった、らしいから】

【まして――鈴の音、とか、言い出すのだ。それってどんな風に見えるのだろう】

――大丈夫だと思いますよ。ウリューさんは修行を取り仕切っておられる、とっても重要なポジションにおられるのですから。
体格のいいサーバントが居たら教えてください、もっと贄を集めないと……おっと。

【にこり、と、笑う。それはきっと本心からだった、ひどく上機嫌そうな声が相手へ向けられて。助けるかどうかは約束しなかったけど、――】
【それで、いい感じに力のありそうな――人間を容易く運べそうな――やつが居たら紹介してくれ、と、お願いする。――――と、そこに、店員が来たから】

【彼女は言葉を区切って。――それでも相手に向けた目、細めて、アイコンタクト】
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/30(水) 23:56:39.44 ID:EWBnAhlV0

>>229

【ゆっくりと、なるべく体に負担をかけないように立たせてあげれば少女は礼の言葉を述べて】
【青年はその言葉に虚を突かれたようにまた目を見開いて】

……あ、その……別に……
【礼なんて良いよ、なんてもぞもぞと口にして】

【そうして姿をまじまじと見てみれば何の事はない、普通の女の子といった印象を受けて】
【きっと衣食住に困った事もなく、愛を受けてぬくぬくと育ってきたのだろう。青年はそう結論付けて、はあ、と深いため息を吐いて】

……あの、なぁ
普通のガキがこんな路地裏とか入るんじゃ──

……あん?
【口を開けば少女に言葉を被せられ、元々悪い目付きが更に悪くなる】
【それでも死にかけの見知らぬ男を一瞥して】

……お前を襲った人間、じゃねぇ……のか?そいつ
【てっきりそいつにボロボロにされたのかと……と呟き】

もし、なんだけどさ……お前とかそのおっさんに"ある"んだったら"そういうの"受け入れてくれる所、あるにはあるんだけど……
【会話なんて誰に聞かれているのか分かったものじゃない。青年は曖昧な言葉ながら提案する】
【曰く、能力者を受け入れてくれる病院を知ってるには知ってるが、と】


232 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/31(木) 00:11:06.00 ID:ANmBDVzU0
>>230

【あのときって言われてようやっと思い出したようだった。気付かなかった】
【「あのとき」のかえでと、今のかえで、……結びつく気配がないくらいに、雰囲気が違うんだから】
【泣いて吐いて倒れてこんなの無理って言っていて、そんな「心構え」の足りないサーバント、珍しくもない】
【そんな有象無象の中に紛れていた。ならばこの高飛車な子供がそんな存在に興味なんて持つわけなくて】
【だから覚えていなかった、だからこそ――「今」のかえでがおぞましく、恐ろしいものに、際立って見えた】
【なんでこんなに、……「こんな」になった? ……厳重に隠した肌が粟立っている、だれにも、見えないだろうけど】

あっ、ダメダメ、かえでさんもバツ、イチ!
謙遜したら、蛇神様に失礼だよお――――ね? 自信もって、……「キミも、選ばれたんだから」……

【――取り繕うように。でも先輩としてアドバイス、みたいなマウントポジションは、頑として譲らない】
【でもちょっとだけ、……こいつはやばいって警戒をし始めたらしい。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ】
【彼の中で、かえでのランクを上げてやることにした。――事実上の敗北だ。内心、テーブルを吹っ飛ばしてやりたいくらい怒っていたけど】

……鈴、そうそう、鈴みたいで不思議だよね。でもとってもきれいで、――――、
うん、わかった、そういうの見かけたら真っ先にかえでさんの元に行くよう、指示しておく……、

【声。それも知らない。クソ。殺してやる。心の中で何度も何度も、目の前の女を■して■して■してやる、妄想】
【囚われかけていたけど――アイコンタクトではっと我に返る。「ありがとう、いただきます」って、店員に笑う】
【もうすっかり完璧な角度を思い出していた。それを向けられた店員は、わずかに顔を赤くして――去っていった】

【運ばれてきた料理。適当に、それでもマナーは完璧に、お上品に片付けていくけど――なんにも味がしなかった】
【美味しいも不味いもなにもない。噛み締めても食感すら感じない、――ひどく心がざわついていたから】
【坦々と機械的に、素早く食事を片付けていく。もう早く帰りたい、と、思い始めていた】
233 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/05/31(木) 00:11:29.36 ID:ANmBDVzU0
>>231
【青年の視線を受ける。クソダサい私服を見られたことや、露出した肌に恥ずかしがっている余裕もなかった】
【吐き出した溜息の意図が、分かるはずもないけれど】
【客観的に見るならば、なるほど。迂闊にも路地裏に迷い込んだ少女が、格好の獲物として襲われた姿に見えるだろう】
【男の問いには、そうではないと首を振った】


襲ってたのは、別の奴で……この人も……

【襲われていた、と最後までは口に出来ず、くらりと男にもたれかかる】
【決して歓迎されていないことは察するだろうが、それでも気を遣ってくれることに、胸中で礼を言うのだった】

このおじさんは……多分、普通の人……
私は……"ある"……だから、……ダメ、かも……

【あるいは倍どころではない体重の男をここまで運んできただけでも、少女もまた能力者だと知れるだろう】
【先日出会った少女に聞いた『魔制法』なる法律。冷遇される能力者の話】
【それが死に掛けた者を見捨てるほどの度合いかは定かではないが、命の掛かった状態で、試す気にはならなかった】

面倒は……掛けない、から……場所、教えて……?

【言っている端から、力尽きて来て、瞼を閉じかけていた】
【見捨てるのでなければ、男が連れて行く事になってしまうだろう】
【倒れている方の男は、一緒に運ぶのは難しいだろうし、救急車を呼んで病院に任せた方が良いのかも知れない】
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/31(木) 00:30:33.76 ID:mX0kEYh10
>>232

【ならば、きっかけはなんだったのだろう。考えたなら――きっと、多分、それは、運良く/運悪く、能力の使い方に目覚めてしまった、ことだった】
【そうして必要とされた。――確か、家が火事になって。家族全部死んだのだったと思う。親戚に引き取られたけれど――ここに来た。あるいは、来てしまった】
【――――能力が開花してからは、特に熱心になった。熱心になってのめりこんで。ちーちゃな(といっても、彼のが年下なのだけど)ありふれた女の子としてのかえでは】

【それこそ、蛇に呑まれたみたいに、どこか、消えてしまって】

――――――――はい、そうですね、そうでした。
ですけど……こんな重圧(プレッシャー)、果ててしまいそうなんです、こんなこと――、他のどなたにも、言えなくて。

――でも、ありがとうございます。幼いころからウヌクアルハイ様を信仰しておられる、ウリューさんに、そう言っていただけて。

【――相手の指摘にはたと瞬く、それで恥じるのだ。唇を噛んで、しまった……というみたいに、自嘲めいて笑う】
【"それ"はひどい悦びでありながら、同時に、ひどい重圧でもあった。へし折れてしまいそう。――ならばもう走り抜けるしかない、立ち止まれない、戻れない】
【けれどそれも――今、ちょっと、吹っ切ってしまったみたいに、見えただろう。ひどい女だった、気づかないのか、気にしないのか、それとも、プラス思考すぎるのか】

【同格でありながら。変に下手に出はしないけど。そういう先輩みたいに振る舞われたら、彼女は相手を立てる気がないわけでは、ないみたいだった】
【マゼンタの瞳が色鮮やかに。じいと相手へ向けられて――だけど、多分、その裏側には。あの蛇神しか、映しこんでいないから】

……受肉の日が近いとケバルライさんが言っていました。それまでに足並みをそろえたいです。……軍の人間が気取っているかもしれない。
前も――サーバントたちが警察の人間に待ち伏せされて殺されました。"邪魔"されることだけは――――絶対に、避けねばならないです。

【――――店員が居なくなったなら、話題は変わる。さっきも話したことだ、けれど今度は、もうちょっと続く。声を潜めて、彼だけに聞こえるトーンで】
【軍の人間が気取っているかもしれない――、軍。今までも、警察の人間相手に、何度かサーバントが交戦したことは――あった、彼女が抱えていた数人が殺されたことも】
【けれど"軍"となると、規模が違ってくる。――サラダを口に運びながらするには重たすぎる話、マゼンタの瞳はそうやって伏したなら、ひどく冷たくも見え】

といっても。私もあなたやマルフィクさん、ケバルライさんしか知らないです。全員に呼びかけようにも、なかなか――。

【早く帰りたいって思っている相手の気持ちなんかまるで気づかないで、むしろ、話を長引かせようとしてくる。途切れた言葉、続く先は多分、「いい案はないですか」とか、そのあたり】
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/31(木) 00:34:37.11 ID:1BYRfapn0

>>233

【首を横に振り、そうではないと伝える少女】
【曰く、件の男は他の奴に襲われていたのだと】
【となると少女が傷付いた理由は恐らく──】

(襲われてたおっさんを助けたから、か……?)
【青年は眉をひそめる】
【何故、という疑問の言葉が頭に浮かぶ。何故見ず知らずの人間なんか助けるのか?それこそ──】

……ほっときゃ良いのに……
【ぼそり、と少女に聞こえるか聞こえないかの音量で呟かれた言葉。呟いた刹那少女がふらりともたれ掛かってきて、慌てて支える】
【傘は差していなかった為青年の体は結構濡れてしまっているが気にしてはいられないかもしれない】

【そうして少女の自分には能力があるのだというニュアンスの言葉を聞けば、まあそうだろうな、と納得したように返す】
【見知らぬ人を助けてここまで運んでくる時点でそれは確実だろう】

【閉じていく少女の瞼。途絶えていく声。青年はゾッとしたように少女を見やり】
【少しの間悩むように唸っていたが】

……っだぁぁぁ!もう!
【連れてくから死ぬんじゃねーぞ!と叫ぶと端末を取り出し救急車を手配する】
【そうして救急車に場所を伝えた後、少女を俵抱きにして件の病院へと向かい始める】
【何事もなければ無事に病院へと着くだろう】



236 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/31(木) 00:43:29.02 ID:ANmBDVzU0
>>234

【ムリフェン。蜜姫かえで。その情報、勝手に抜き取って調べていた、というか他の幹部の情報全員分そうしている】
【会ったときに確実にマウントを取るために。そんな中で、彼が一番見下していたのが――実はかえでだった】
【入信してまだ日も浅いから。それもあったけど、それより、入信の経緯でそうしていたんだ】

【(蛇神様に赦しを乞うているということは、つまりこの女は、蛇神様になにかしら失礼なことをしたんだ)】
【(そんな存在が、「認められて、愛された」このボクと釣り合うわけがないって。そう思ってほくそ笑んでいたのに――)】

……かえでさんは、まだ新顔さんだからね。仕方ないよ。
でもそんな身分で、ここまで上り詰めたんだからさ――がんばったんだよ、かえでさん。
だからね、自信もって。ボクがここまで言うんだからさ、そうしてくれなきゃ拗ねちゃうよ?

【心無い言葉、きれいに色を塗ってそれっぽく装飾して、一言一言発するたびに――胃が捻じ切れそうになる】
【こんな、他人を褒めることなんて。とんでもないストレスだった、傲慢の限りを尽くす子供にとっては】
【それでもそれを悟られないよう、愛らしい顔を必死で維持する。頬を染めて、口にちょっと空気を含んで、ぷくっと膨らませて】
【おやつをいっぱい頬袋に溜めこんだハムスターの顔。その向こう側に――ドロドロの無形が、蠢いていた。殺意という名前のそれを、隠して】

そう、だね……受肉。どんな美しいお姿で降臨されるんだろう? ワクワクしちゃうよね。
ひゃあ、ウワサには聞いてたけどそんなに邪魔がひどいの? かわいそう、かえでさん、大変だよね――

……ううん。よくわかんないやあ、ボク子供だから……。オトナって、どういう風に集合とかしてるんだろう?
ボクらだけならこう――トークアプリでグループ作って発言すれば一発だけどさあ。
幹部みんな、スマホ持ってるかどうかもわかんないしい、……わっかんなあああい。

【案なんてないです。だからボクから興味を失って、早く、解散させてくれ。そうとでも言いたげに】
【「わかんない」を強調して口にした。半分落とした瞼の向こうで、言いようのない焦りだけが、ぐるぐるしている】
237 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/05/31(木) 00:54:23.87 ID:ANmBDVzU0
>>235
【面倒は掛けないと言った舌の根も乾かぬ内に、男によって無事病院へと運ばれる】
【少女の傷は多く、深く、また昨日今日でついた傷ではないものも多かった】
【能力者御用達の治癒術師の下であっても即完治とは行かず、結局入院することになってしまう】
【しばしの間意識を失っていた少女は、男の質問には応えられそうもなかった】


――――――――


【それでも、元よりある程度意識が有ったこともあり、半日も待たずに意識は戻るだろう】
【一通りの治療は終え、病院服へと着替えさせられ、ベッドへと寝かせられている】
【男が少女が目を覚ますまでの理由は、本来は無いはずだった】

【ただ一つ――身元不明の少女を担ぎ込むための治療費が立替だったこと以外には】



……病院……生きてる……
あの人……助けてくれたんだ。


【目を覚まして、しみじみと呟く】
【倒れていた時は、通り過ぎている人々を呪いたくなったものだが】
【見ず知らずの男が病院まで己を運んでくれたのだと思うと、世の中まだ捨てたものではないと思った】
【もしも男がまだ病院にいるなら、お礼を言わねばならない】
【病室を見回し、いないのならば、病院内くらいは探すことだろう】
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/31(木) 01:05:21.53 ID:mX0kEYh10
>>236

【なんてことない、ただの。本当にただの、家だった。彼女が生まれたのは。ならば何もない、ありふれた人生を、送るはずだった】
【だのに、なぜだろう。――小さなころから蛇の死骸をよく見かけた。そしてそれを見たなら、大なり小なり、悪いことがある。頻度は週に何回か】
【運が悪いなあとか思っていた。――それで冗談めかして言っていたんだった、「私、蛇に呪われてるんだ――」って】

【――まさかそれで全部を喪うことになるとは、あの日まで思っていなかった。だからこそ、こびりついた。呪われている、自分は蛇に呪われているんだ、って】
【だから赦されたい。赦してもらいたい。そのためにはどうしたらいいか。どうしたら、これ以上の不幸が起こらないか。――――あるいは、運命づけられていたみたいに】

――――、そうですね。皆さん長くいらっしゃられる方が多いですから。肩身が狭いです、サーバント、と言っても、長い方も多いですから。
……ウリューさんはそんな顔もされるんですね? 修行の時は少し怖い方なのかと思っていました。……ああ、ううん、変な意味じゃないんですけど。

【新顔。それは確かにそうだろう、だから、如何とも思わない。その中で頑張って――それが認められたのだから、嬉しくって仕方ない。ウリューもがそう言ってくれて】
【それからふっと漏らすのは――ひどく気の抜けた声だった。今となっては同格だから言える、そうじゃなかったら、こんなの、一発で静粛されるから】
【どうあれ少女の方が年上だった。相手は年下。――だからどうってわけじゃない。けど。ほんの少しだけ、距離感が近しいような気になって】

――きっとこの世で、いえ、ううん、……、全部の並行世界を束ねてなお、その中で最も美しく輝くお姿です。
"ワクワク"って言うのは、少し……――いえ、でも。どれだけ邪魔が入ろうとも、仕事を完遂するのが私の役目ですから。

彼らはウヌクアルハイ様のすばらしさが分からないから邪魔をするのです、ですから、ウヌクアルハイ様と真っ先に一体化する権利を、ウヌクアルハイ様直々に与えられるのです。
そしてウヌクアルハイ様の中の宇宙で永遠にウヌクアルハイ様と交じり合う――そのお手伝いをするのです、"大変"だなんて、思いませんよ。

【ふわぁと夢見がちな乙女の吐息、さっきみたいに彼の言葉尻を捉えて批判しようとして――けれど、今度はやめた。大変だねーって、その言葉に、真面目に返すため】
【――少なくとも彼女が同行しているときは、時々そういうことがあった。警察の恰好をしたやつが混じりこんでいる。マゼンタのリボンにぐるぐる巻きにされて、動けなくなって】
【くすくすって笑う――、それからアボカドとエビとそれからいっぱいの野菜のサンドイッチを齧る、アイスコーヒーを飲んで、なら】

【こうやって二人で食事する光景はちょっとしたテレビの撮影みたいだったかもしれない。会話の中身は――地獄絵図、だけど】

そうですね……じゃあ、ひとまず、ウリューさんの連絡先、いただけますか? 私もアプリは登録してますから、次にいつお会いできるかもわかりませんし。
大人の方々はもっと面倒くさい方法で集まるんじゃないでしょうか、私はまだ未成年なので分かりませんよ――他の幹部に会うことがあったら、相談してみましょうか。

【――相手の心中なんて全く分かってないんだと思う。にこりと笑ったなら連絡先を交換しましょうって、もしかしたら藪蛇だったかもしれない、普通に誘ってくる】
【胸以外はしゅんと細いのに割にぱくぱく食べるタイプらしかった、そうやって言うころには、大振りのサンドイッチの半分くらい、すでにペロリと食べられていて】
【そのあと食べさしのをぱく、ぱく、って――あっという間に食べてしまったなら、ペラペラでやる気のないおしぼりで指先を拭ってから、携帯電話を、取り出して――】
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/05/31(木) 01:18:35.62 ID:1BYRfapn0

>>237

【病院の休憩スペース。青年は設えられた長椅子に腰掛けながら深々とため息を吐いていた】
【理由は明白である。少女の治療費を立て替えさせられたからであって】
【置いてってすぐ立ち去りたかったというのに長々と拘束されるわ治療費の問題が持ち上がってくるわで】
【ああもう面倒くせぇ俺が払う!なんて預金を卸して結構な額(彼の中では)を支払った、気がする】

【何というか、あの少女に文句の一言でも突きつけてやりたい】
【などとは思ってもあの怪我だ、まだ目も覚ましてはいないだろう、なんて思って】
【今後見舞いに行ってやろうか否かなどとぐるぐると考えていて】
【恐らく、会うとすればその思考の最中なのだろう】



240 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/05/31(木) 01:20:50.49 ID:ANmBDVzU0
>>238

【彼は知らなかった。恵まれない人、追い詰められた人が発揮するチカラの強さを】
【いや、知っていたのに忘れていたのだ――奢りすぎて見失っていた、かつて自分もそうだったのに】
【蜜姫かえでは誰より必死に命を燃やしている。だから強い、強いって言うか――強烈】
【……誰より強烈に輝く信仰の焔、近づいたなら蝋の翼が融けるのも必然。けれどまだ墜ちてはやらないって、なんとか踏ん張って】

……やだなあ、ボクだってまだ15の子供なんだから。拗ねたりむくれたりだってするよお。
そんなに怖かった? 修行のときのボク……蛇神様に言われた通り、やってる、だけなんだけどおお……。

【ここでもアピール。蛇神様の命令を忠実にこなしているのはオマエだけじゃないんだぞって】
【言ったところで――はいそうですね、で流されるだろう、この程度。かえでにとって当然のことなんだから】
【かえでが近付いたと思えた距離感、彼は必死に遠ざけたがっていた。きっと、通じることはないけれど】

そっかあ、愚問だったね。これじゃあボクがバツ2だあ、サッカーだったら退場!
えへへ、ごめんごめん。あたりまえの事だもんね、蛇神様が世界一美しくて世界一尊くて世界一すっごいのも、
そのためにボクらがなんでもできるのも――――ぜんぶあたりまえのことなんだ。
ありがとう、かえでさん……そういう基本的なこと、きちんと再確認させてくれて。

【どんどん言葉選びが雑になっていく。色を塗るのも面倒になってきたのか】
【それっぽい言葉を並べるだけになった、声色も、幾分緩急が少なくなって、棒切れみたいに平坦になって――】

うん。じゃあこれ、ボクのIDね。何かあったらいつでも呼んで――
……あのね、今日、かえでさんに会えてよかったって思ってる。だってかえでさん、優しいんだもん。
ボクひとりっこだからよく分からないけど、もしおねえちゃんが居たらこんな感じかなって――――

【「……思ったの」。恥ずかしがるみたいに言う、そのときだけちょっと偽の感情を復活させて】
【英数字の列を紙ナプキンに書いて渡す。遠ざけたいけど、印象を悪くさせるのもイヤだった。だから別れ際のあいさつで】
【ちょっとだけでも掴んでおこうと思ったのだ。できるかどうかは不明だが――彼の辞書に不可能はないので、やる】
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/31(木) 01:44:23.54 ID:mX0kEYh10
>>240

【それは生存欲求に似ていた、だからこそ色鮮やかにばちりばちりと輝く、線香花火の――いちばん、いちばん、綺麗な瞬間に】
【ならばいつかぼとりと堕ちゆく運命さえも見えるよう。そういう意味では彼の方がよっぽど賢いに違いなかった、こういうタイプは――ブレーキがないから】
【その先が崖だって分かりながら、そのまま、逝ってしまうから。そしてそれすら本人は悲しむことなく、むしろ、悦びの最中、咲ききった花のように、散るのだから】

そうですね――ですけれど、今日お話ししてどんな方かは分かりましたから。安心しました、どうぞこれからもよろしくお願いします、――"サビク"さん。

【――くす、と、笑う。冗談めかした吐息の色合い、あんまりに当たり前なことは、もう、言葉にもしなかった】
【ならば彼女の中ではあの時の怖い子供というイメージがあったのかもしれない、それが、同じ幹部という立場になって――話をして】
【こういう人だったのか、と、理解したのだと言う。――相手にとってもそれはそうだったのかもしれないけど。ありふれた経歴から咲いたにしては、"どうかしている"】

――いいえ? 私もウリューさんとお話していろいろなことを思い直しました。立ち振る舞いはもちろんですが、――そうですね。
立場に慢心せず一から修行に励むのもいいかもしれません、最近は外に出てばかりですから。

【「その時はよろしくお願いしますね」】
【鮮やかに笑みが咲いた、それできっとそれは多分ヒガンバナの赤さみたいに鮮烈な色合いをしていた、近いうちに行きますね、なんて、言うから】
【それで多分本当に来てしまいそうだから、地獄絵図みたいな。――距離を取ろうとすればするだけ追いかけて来るみたいだった、変に距離が近い、"同士"だから】
【いくら蛇教にいろいろなものを見出しても、どうしたって年頃の近い人間は少ない。――友達、とか、出来ようもないのだ。まして彼女は、昇り詰めてしまったから】

【――――――何か感じるものがあったなら、それが、嫌な予感なのかも、しれなかった】

ありがとうございます、ちょっと待ってくださいね、今登録しちゃいますから。……あれ、そうなんですか? 私は居たんですよ、"弟"。
ウリューさんに比べたらもっと馬鹿なガキって感じでしたけど。――メッセージ送りましたよ、合ってますか?

【渡された紙ナプキンを手に取って。件のアプリを起動した彼女はそれでアカウントを探す、そうしながら――ちらと話す、昔のこと。弟が、居たんだって】
【ちょっぴり懐かしい話をするみたいな声音になって――下を向いて少しずれた眼鏡を直す。伊っ達伊達の嘘眼鏡、そのくせ、変に冷たい顔をしているから、良く似合う】
【――言葉の通りに、メッセージが送られてきていた。"かえで"って名前のアカウント。アイコンはなんか、よくありそうな、どうでもいい、食べ物とか飲み物の、写真】

あれ、だいぶ止んでますね、雨。ウリューさん、この後は戻りますか? 私も今日はもう帰りますから、よかったら――。

【――――窓の外を見た少女はそうやって言葉を向ける。そうやって見たなら、実際に雨はほとんど止んでいて――】
242 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/05/31(木) 01:57:07.42 ID:ANmBDVzU0
>>241

……うん、こちらこそよろしくね、「ムリフェン」。

【完璧な笑みのペルソナを被る。ずれないように必死に保って――保って、その内側で毒吐いていた】
【ほんとにコイツ、アタマおかしい。早く死ねばいいのにな。でもどうせ死ぬだろうけど】
【だってコイツ、蛇神様がそう言ったって言ったらなんでもやりそう。だから死ぬんだ、……そうだ、死ぬなら】
【コイツは選ばれてないことになる。だったらボクの勝ち! やった! ……ま、こんなのあたりまえの事だけど!】
【……なんの勝負なのかもわからない勝負を繰り広げて、勝手に勝った気になって、大喜びしていたり】

【――――そうしていたから、予感、あんまり気付くことはなくって。まあどうにでもなるだろって油断、していた】

あっ来た来た、ボクからも送っとくね、えーいっ、スタンプ!
……そうなんだあ、だからおねえちゃんっぽかったんだね。納得だよおお。

…………あっ本当だねえ、じゃあ帰ろーっと!
じゃあまたねっ、お金は払っとくから! するーっと帰ってっていいよ!

【ぽこん。ハムスターがよろしくお願いしますって言ってるスタンプを一つ返したら、それで強引に打ち切るようにして】
【伝票を掻っ攫って逃げていくだろう。言った通り、お金はちゃんと払われているから。何も心配することはないけど――】


【――――】

【蛇教の施設に帰る。そうしてから最初にしたのは、かえでのトークページ、設定ボタンから着信をミュートにしておくこと】
【それから――適当に見かけたサーバントに。「オマエ、なんかタルんでるな。修行付き合ったげる、おいで」って】
【いやに甘ったるい声をかけて、それで怯えられるのを、上から圧し潰すようにして無理矢理連れて行って――】

【――「脱皮」の修行。身体の一部、皮膚を剥ぎ取って肉を剥き出しにし、空気に晒して痛みに耐えるものだったけど】
【今日は特別、全身の皮を剥いでやって――それで、サーバントをひとり、ダメにした】
【完璧なまでの憂さ晴らし。八つ当たりであったこと、……誰も知らないまま、またひとり誰かが此処で死んでった】


//長いことお付き合いいただきありがとうございました、おつかれさまでした!
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/31(木) 02:22:00.69 ID:mX0kEYh10
>>242

【――――そのあとのこと、より、ちょっとだけ、前のこと。カフェで少女はそのまま置き去りにされてった、だから、そのあとは一人で帰る】
【かといって機嫌を損ねるとか気分が悪いとかそういうのはなかったから、それはよかったかもしれない。怒ったり……なんてことは、当然ないから】

【それはそこからさらに数時間あとのことだった。これが本当の"そのあとのこと"】

……あれ、"そいつ"、何かしましたか? よく贄を運んでもらっていたんですけど。――まあ、いいです。"何か"あったんでしょうし……。
言い忘れたから言いに来ましたよ、口頭の方が確実ですよね。"リオシア・ステロヴァニエ"――昨日会った軍人です。私たちのこと、心当たりがあるようでした。

【彼のところに彼女が来たのだ。それで、死んでいるサーバントを見止めて――はたと気にしたように、呟く。それで、すぐに興味を失う】
【そうされる理由があったなら仕方がない。自分がそれを見ていたとしても、多分、そうなっていただろう。――八つ当たりとは思わない、思い浮かぶ、はずもない】
【さっきとは全く違う恰好をしていた、ふろ上がりかもしれないって思わせるような恰好。深い赤色のキャミソールに丈の短いズボン、上下セットの、ルームウェア】
【ふっくらと柔らかそうな胸元も、ぺたんと平たい腹部も、お尻の膨らみも、太ももの肉づきも、ふくらはぎのでっぱりも、全部、惜しげなく見せつけたなら】

色の薄い金髪に青い目の女の子ですね、私と同じくらいかもしれません。背はもうちょっと小さくて……、これくらい、ですかね。
"静粛"しちゃって、いいと思います。その前にどこに所属しているかくらいは吐かせた方がいいと思いますよ、――私がやってもいいんですけど。

私は警戒されてるかもしれませんから――では、おやすみなさい。

【透き通るような色合いの髪がとろとろ艶めく、マゼンタの瞳を細めて、囁く声はスズランの温度。指先で示す"リオシア"の背丈は、おおよそ、155ほどか】
【あんまりに冷たい顔をしていた、――朝露も凍り付くような温度を見せて、それで、それだけが用事だったかのように、立ち去っていくだろう】

【――あと特筆すべきは、すごい早寝なことくらいだった。小学生みたいな時間に寝るっていうことくらい】
【とうてい彼女みたいな年頃の少女が寝る時間じゃないんだけれど――変に優等生っぽいところがあるみたいだった、とは、余談】

/おつかれさまでした!
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/05/31(木) 16:23:55.87 ID:o8YMooF1O
//>>218で再募集です!
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/31(木) 20:16:41.97 ID:yBVA3aHq0
【蛇教――その本部施設】
【談話室の内の一つだった。小規模なミーティングをしたり、食事を摂ったり、あるいは、簡単な雑談、そういうことに使われる部屋】
【けれど今宵はなんだか騒がしい、ギャアギャアと下品な声で笑って話している男たちが居たからだで――】

【――曰く。彼らは機関から来たらしかった。悪いことがしたくて機関に入ったがパンチが足りなかった、その点ここは"どうかしてて"最高だとか】
【蛇がどうとかは興味ないが殺したりなんだりしているだけでいいのは楽だとか。機関みたいにナンバーズが何人もゴロゴロ居なくていいだとか】
【そんなことをひどく下品な声でしゃべくりたてていたから、部屋の雰囲気はすっかり悪くなっていた。何人かのサーバントが、注意をしたりもしたんだけれど、聞く耳持たずで】
【俺たち機関から来たんだから――俺たちの方が悪事に慣れているから――そんな成り立たない理論で、蹴散らす。ならばたまたま、それ以上の争いごとには、なっていなくて】

【――――――かしゃん、と、ビニール袋の擦れる音がしたなら】

…………刺青が定着していないですね、新しい方ですか? もう"お勉強"は済まされましたか?
"まだ"でしたら、良かったらご一緒にいかがでしょう。――そうですか、じゃあ、先に行っていてください、"教材"を取りに行きますからね。

……――――そうですね、**番の部屋で待っていてください。すぐに行きますよ。

【スズランのように冷たげな声がした、そしてそれはある意味で"終わり"を意味しているって、きっと、この部屋のほとんどのサーバントが、気づく】
【けれど彼らは気づかなかった。"彼女"が指摘した通りだった。身体に刻まれている刺青はまだかさぶたが浮いたもの、定着しきらないなら、ひどく新参を意味する】
【彼らはマゼンタの瞳を細めて笑う少女を見やってヒュウと口笛一つ、トントン拍子で話が進んで――いそいそと部屋を出ていくのだ、男三人。全員、馬鹿みたいな顔して】

【――透き通るほどに淡いウィステリア色の髪の少女だった。色白の肌にとびきり映えるマゼンタの瞳、いましがた帰ってきたばかりなら、赤枠の眼鏡をかけて】
【にこにこ笑いながら彼らを見送った顔が。――彼らが部屋から出た瞬間に絶対零度に冷え切る、――座るサーバントの一人の前、たったいま置いた袋を指差して】

食べていいですよ、奢りです。嫌いなものだったらごめんなさいね。そしたら他の人が食べて構いませんよ。

【白いワンピースは背中が大きく空いたデザイン、その隙間を、編み上げの紐がじぐざぐ飾るなら、肌の白がいっとう映えるよう】
【ふっくら豊かな胸元に反比例したぺたんこのお腹。柔らかそうに膨らむお尻のラインに、ストッキングで包まれた足元のも、すらりと、整って】
【――左手にはそれこそ生きているかのように精巧な蛇の入れ墨があった。――そんな容姿の人間は"ここ"に一人しかいない。幹部――ムリフェン、あるいは蜜姫かえで】
【そんな名前の少女は、だけど、有名だった。――――蛇教の中でも特に入れ込んでいる。この少女の前で蛇――ウヌクアルハイ――を馬鹿にしたら、生きて帰れないとまで言われ】

駄目ですね、あれを誘い入れたのは誰ですか? あとで名乗り出てくださいね。大丈夫ですよ、素直に言ったら怒りませんから。

【抜き取った眼鏡を畳んで、机に。「後で取りに来るのでそのままでいいですよ」。可哀想にコンビニの袋と眼鏡を目の前に置かれたサーバントが委縮しきって】
【だのに全く気にしない少女はひたひたとした足音で部屋を出ていく。――彼女が告げた**番の部屋。それは"教育"のための部屋だった、それも、とびきりの地獄を意味する】
【教育のために使われる部屋の中で一番――というか、ここに入る、すなわち、死ぬ。それっくらいの用途に使われる、ような。――ならば教材、というのも、想像させ】

【――ぱたん、と、扉の閉まる音。部屋の中には静寂が満ちていた、けど、あるいは――出て行った彼女に付いていって、自分も手伝う、なんて、媚びを売る誰かが居るかもしれないし】
【そうでなければ、恩情をかけてやってくれと望む心優しい誰かもいるかもしれない。――歩いて出て行った少女に追いつくのは、ひどく、たやすいから】
246 :チドリ ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/05/31(木) 21:44:26.06 ID:UTW/S6Ra0
>>245


【まこと哀れな一部始終を、しかし談話室の隅で、──ほとんど唯一、と言ってよかっただろうか──見つめていた、眼鏡の女が、ひとり。】
【すっかりと畏縮してしまった、一般的な教団員(サーバント)たちの中で、長く艶やかな黒髪をシニヨンに纏めた、スーツ姿のその女は】
【およそフォーマルな格好をしていて、そのくせ化粧はしっかと施され、ハイヒールを履いたストッキングの両脚は、タイトなスカートから否応なく曲線美と危なげな薫りを醸し出す。】
【無論のこと彼女も破落戸どもに絡まれはしたが、飽くまでも落ち着いたビジネススマイルで、やんわりとあっさりとあしらえば少しばかりの不興を買い】
【なればこそ少女が部屋に踏み入れば、彼らはその鬱憤を晴らそうとしたというのも遠からぬ理由だろう。当の女は、変わらぬ穏やか微笑みのまま、恭しく少女に会釈をしていたが。】
【──そして破落戸たちが、ピクニック気分で部屋を出ていくところまでを、笑顔を浮かべて見つめていた。青い瞳だった。それこそ、獲物を定める蛇にも似て。】
【そして徐に立ち上がれば、脚元に置いていたアタッシュケースを手に取り、少女の向かう場所へと、後をつけるように。】
【しゃなりしゃなりと気取った歩調。──唇に手を当てて、ちろり、と舐めれば、先の割れた舌先と、その上に刻まれた蛇の刺青が、垣間見えた。】
【ハミングでもしそうな上機嫌ぶりだった。やがて女もまた、その"教育"のための部屋へと辿り着く、だろう。】

【こんこん、とノックをして。どうぞ、と赦されたのならば、乾いた血溜まりを擦るような軋みとともに、ドアはゆっくりと開いて】



「──精が出ますわね、かえで様。」「わたくしめにも、どうか、お手伝いさせて頂けますか?」



【甘ったるい声だった。猫が飼い主を慕うのに似て、しかし微かに薔薇の香水が薫った。だが、そこはきっと、もっと悍ましい臭いに満ちた場所だった。】
【それでいて穏やかに笑っていた。たじろぎもせず、躊躇いもせず、慇懃な視線で少女を見つめるだろう。視線も交わすだろう。そういう女だった。】
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/31(木) 22:13:57.96 ID:yBVA3aHq0
>>246

【「――――――あれ、さっき居た方ですね」】

【冷たいスズランの声が漏れた。その声を相手はきっと上手に聞き取るだろう、その時すでに、部屋の中には悲鳴が満ちていた】
【まだこの少女が部屋に入ってから数分もしていないはずだのに――見たなら、さっきの男たちのうちの、一人。蛇がどう、とか、馬鹿にしていたやつ】
【よく言えば路地裏を1時間歩いたら30人くらいは発見できそうな感じの人。悪く言ったなら、路地裏を1時間歩いたら30人くらいはは発見できそうな人】

【――つまりありふれたチンピラ、みたいなやつだった。悪いことに憧れて。そのスリルに虫けらみたいにすり寄ってくせに、誰かの下に居ないと、それさえできないような】

【――――その男が、全く外傷もなく。傷もない。なんにもない。なんにもないけど、背骨すら自分の力で折ってしまいそうなほどにのけぞって、ごろごろ転がりまわっているなら】
【もう二人はそれぞれ別の部屋の隅っこでガタガタ震えて泣いていた、"こんな風になる"って、分かっていなかった目。いっそ漏らしているかもしれない、誰も気にしないけど】

――――うるっせぇな! ……ほら、お手伝いの方がいらっしゃられましたよ、さすがに男3人に"教える"のは大変ですからね。ありがたいことです。
ウヌクアルハイ様もお喜びになられるでしょう、この"お勉強"によってあなた方はウヌクアルハイ様のことを知るんです、分かりますね?
そしてウヌクアルハイ様の下に導かれていくんです。――ウヌクアルハイ様はあなた方をお呼びです、それはとても、光栄なことなのですよ。

【つやつやとろとろした艶めきの髪は大雑把なお団子に結われていた、相手に振り返って――ごろりごろりと自分のそばにまで転がってきた"そいつ"を、蹴りっとばすから】
【その瞬間に少女からぶわりとあふれ出すのはマゼンタ色のリボン――魔力によって練り上げられたもの。それがぐるりぐるりと、その身体に巻き付いていったなら】
【男はなぜだかピタリ――と、あんまりに急激に、黙って動かなくなる。――だけれど表情はより一層苦し気に、あるいは恐怖に苛まれ、ひどいものに】

【さも当然と言う風に陶然としきった目が笑って彼らに伝える、――あんまりに力の差ははっきりとしていた。能力者と無能力者。そして、圧倒的なまでの、のめりこみぶり】

――ええ、もちろんです。ウヌクアルハイ様のことを彼らにお教えしなければなりません、ウヌクアルハイ様もお喜びになられる。

【――くすりと笑って少女は相手を確かめる、ちょっとばかし平均より高い165センチの体躯、腰に手を当てるように立ったなら、それがいやに映えて】

それに――良い心がけです、あとでご褒美を差し上げなければ。お名前をお伺いしてもよろしいですか? ――私のことはご存知ですね。
オフィウクス――"ムリフェン"。どうぞムリフェンとお呼びください。蜜姫かえでという名前はこの場では不要ですよ。

【――――ひどい部屋だった。本当に、扉を開けるまで、地獄で演奏される楽器みたいに喚いていた彼の声は聞こえなくって、そして室内と言えば】
【どうとでも"掃除"できるようにのっぺらで。それでもこびりつき掃除しきれなかったような染みがこびりついている、それ以外は、特に、あんまり、ない】
【しいて言えばそれが"教材"なのだろう、いろんな道具。ナイフとか、よく分かんない薬、或いは手錠だとか、それから、拷問道具みたいなものとか。――だいたい一揃い】

【これは"修行"ではないから】


【――――――――――教育場という名前の屠殺場であった。そうして"出来た"肉はそれこそ贄にされたり、何かの実験に使われたりする。それを、まだ知らないはずの彼らは】
【けれど秒速で理解しつつもあった。――がたがたとひどく震えて、おもちゃみたいに、滑稽なくらいに、怯えていたんだから、きっと、"分かって"しまったんだろう】
248 :チドリ ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/05/31(木) 22:43:35.41 ID:UTW/S6Ra0
>>247

【開いた扉の先は果たして地獄の一丁目であった。どれだけ洗っても消せない血と絶叫においが染み付いた、そんな空間。】
【怖気付くこともなく、アタッシュケースを拷問台の上に置いて、その女は呼びかけに恭しく礼をした。】
【少しばかり小水の臭いがした。誰も気にする様子もなかった。慣れっこではあったし、そうでない連中は、気にしていられる余裕もない。】
【不可視の荒縄、あるいはリボンが舞い踊る。それはやはり蛇に似ていた。弱らせた獲物をゆっくりと締め上げる大蛇の姿。】


「胸を張って名乗れる程の敬虔さも、聡明さもない身ですが──」「──この名を語ることを、許されるのなら」
「チドリ。チドリ・コジマと申します。ムリフェン様」「差し出がましいようですが、お手伝い、させて頂きますね」


【ほんの少しだけ背丈の低い、チドリと名乗った彼女は、青い瞳をかえで──ムリフェンに向けた。自然、それは上目遣いだった。】
【されど媚びるようなものではなく、けれど長い睫毛が麗しげにまたたいて、ふふ? と首傾げたのなら、両肩に垂らした艶めく黒髪が揺れ】
【──あるいはスーツの中、シャツの下、女として十分すぎる程に豊かでありながら、敢えてそれを隠すような胸元も──見える、だろうか】

【かつん、かつんとハイヒールの音を響かせながら、部屋の隅でガタガタ震える小悪党のひとりへと、──その袖中より、彼女は数本のナイフを投げた。】
【ひぎゃ、と小さな悲鳴。手足を地面ごと縫い上げ、血が滲み出て、大げさに暴れる。けれど、そんなのは、序の口だ】
【手近であったマチェットを彼女は手に取り、包丁を握った料理人のように、純粋な笑い。】


「さて──貴方。随分と怖れていらっしゃるようだけれど、なにゆえに?」
「入信の教義をお読みになられなかったのでしょうか。それともお忘れになられた? ──いえ、責めてはいないのです」
「善悪と賢愚には何の関係もございません。譬うるならそう、賢しい者が大山のように積み上がった書物に手を伸ばす所を考えてみましょう」
「それらを手に取り開くとき、賢者は一読みで諳んじることもできるでしょうが、そうでない者にとっては成し難いこと」
「だからといって、愚者の信仰が許されぬようなことがあってはなりません。慕う者たち全てにウヌクアルハイ様は公平です。
 わかりますか? 我々だけは、ただ"善く"あらねばならないのです。大丈夫。愚かしい貴方でも、きっときちんと、覚えられますから────。」

【なに言ってるんだよ、意味わかんねえよ、──そんな彼の、涙交じりの懇願にも、彼女は優しく笑みを投げかけるだけであって。】
【しぃぃ──。マチェットの刃を噛み、犬歯で挟み、塗りつけるのは彼女の「毒」。その刃先は、それはもう当たり前のように、震える男の腕の根へと、】


「まず試しに、その皮を剥いでみましょう。──こうやって、人の身でありながらも、脱皮を知るのです。さあ。」



【 そして、悲鳴。動脈が切れて、噴水のように血が吹き出る音。切り落とさずに、薄皮を剥くように、少しずつ、時間をかけて。】
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/05/31(木) 23:14:23.90 ID:yBVA3aHq0
>>248

【リボンでグルグル巻きにされた男は発話と身体の動作を"阻害"されていた、すなわち、痛みに呻くことも、身体を動かし、気を紛らわすことも封じられ】
【――容易く発狂した。けれど、声も、仕草も、なかった。そんなことは赦されない。ゆえに限りない沈黙の中で正気を喪った、それはあんまりに異様な姿】

【あるいは蛹のようでもあった。ぴったりと固まった身体の内側でドロドロと壊れていく。だけれどいつか羽搏く未来はない。分かりきったこと、そうするにはあんまりにも】
【だけれどそんな命にも、価値はある。ウヌクアルハイの杯を満たす蜜になれるのだ、ならばそれは至上の悦びであり――そしてこの魂はそれ以外に救済されないだろう】
【整った顔が愉悦に歪む――これから自分の行為によって彼はウヌクアルハイに呼ばれる声に応え、その存在を潤ます、甘露に変わるのだから】

【――――相手はとある儀式を見たことがあるだろうか。死体をいくつも集めて溶かして捧ぐ。それは、まさに甘露となって、甘く、甘く――蛇を、潤していく】

――――いいえ、この場に現れ申し出たこと。それだけであなたは素晴らしい。彼らにその爪の欠片でも煎じて差し上げたいくらいです。
……ですが、それでは意味がありません。彼らが彼ら自身によって"気づかないと"。ただ唱えるだけであれば門前の小僧にさえできますからね。

【――くすくす、と、笑みの声が漏れた。けれどそれはきっと聞こえないだろう、ぞるりと皮膚の剥がれる音、噴き出る血の音、ばたたっ、と、壁に、飛沫が散るなら】
【彼の悲鳴が部屋にこだまする。――可哀想なのは最後の一人だった。泣き叫んで喚きながら部屋の隅をがりがりと何度も爪でひっかく、デバックするみたいに、でもバグはない】
【壁を抜けてしまうバグはどこにもなかった。だけれど彼は泣きわめいて救いを求める、あっという間に爪が剥がれて、幾筋もの血が壁に描き出されても、なお】

――――――あなたは神を信じますか? ――はい、分かりますよね。神とはウヌクアルハイ様のことです。
蛇神様……輪廻の蛇様……アナンタシェーシャ様……へびさま……ミルドラ様。もちろんほかの名前でも構いません、それらはすべてウヌクアルハイ様のお姿の一つであられるのです。
この世の蛇神はすべてウヌクアルハイ様がかたどった姿の一つずつに過ぎません、その名前すべてがウヌクアルハイ様を表し呼ぶのですから。

……ウヌクアルハイ様はお優しい神です。あなたの祈りが救いを齎すにふさわしいとウヌクアルハイ様がお思いになられたら、ウヌクアルハイ様はあなたをお救いになられる。
"その啓示があるまで"――。あなたはウヌクアルハイ様のことを学び、言葉などでは到底語りきれぬ壮大さを、偉大さを、――知らねばなりません。

【それはひどく優しく美しい笑い顔だった。チドリによって"脱皮"していく彼の血がびちゃり、と、その藤色の髪を点々に赤くしても】
【気にしたふうもなく、ひんやり冷たい手を、彼に沿えて――囁く、甘い甘い甘い声、いとおしげに、慈しむように、囁くから】
【――"彼"は期待した。今までの光景を見てなお、その優しい声に。自分だけは助かるんじゃないかって――――、ひどく歪んだ笑みの表情、浮かべたなら】

あれ――まだ分かっていないようですね、ウヌクアルハイ様の啓示があるまで、居残りでお勉強ですよ。
だけど……そうですね。あなたと同じサーバントの立場でありながら。こうして"正しく"励む、チドリさんのことでも見ていたらいいですよ。

――ほら、見てください。それ以外を見ることはウヌクアルハイ様が赦しません。瞬きすらせずに――……さあ。


【――――そんな彼にも、ぞろぞろ、と。マゼンタのリボンが絡まっていく。ひどく怯えたひきつる吐息、けれどすぐに発話を阻害されて、黙り込むから】
【この少女はそういうやり方をするらしかった。まずは黙らせて――そうして"瞬き"さえ剥奪された彼が、ぎりぎり、目を見開いて、チドリの行為を見ていた】

ふふっ、お上手ですね? どこかで練習されたのですか、善い心がけです。

【少女がひどい笑顔で彼女のすぐそばに佇む、その手付きにほれぼれするみたいに、うっとり、目を細めて――】
250 :チドリ ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/05/31(木) 23:37:31.02 ID:UTW/S6Ra0
>>249

【実のところ、彼女──チドリは、信徒となってから決して日が長いわけではなかった。】
【なればこそ屍を蕩かし供物の美酒とする儀式については小耳に挟んだことがある程度だったし、ましてムリフェンの異能について知る由もなかった。】
【それでもやはり、あの男は、随分と随分なことをされているのだろうなと、察するに余りある。同情の余地が、ある訳でもないが】


【優しい笑息。蠱惑的に湿った言葉。チドリもまた、胸に昂ぶるものを宿していた。返り血で真っ赤に染まった顔が、笑っていた。】
【確かに随分と彼女は「剥き慣れて」いた。どうすれば刃物を使って人体を切り取り切り出せるか、熟知している手つきだった。】
【まずは腕の付け根に浅い切れ込みを一周入れて、そこから垂直に刃を入れて、少しずつ、少しずつ、細切れのクズ肉にならぬよう、皮下組織を剥ぎ取っていく。】
【そうして胴体の付け根まで切り取れば、同じことを脇腹伝いに、しかし肋骨のあたりは肉が薄いので気をつけた上で、──腹の周りで、また一周、切れ込みを作り。】
【何度も男は気絶しそうになり、その度に彼女は投げナイフで額を抉ってやる。意識がある方が剥きやすいようだ。あれだけ暴れているのに。】
【あとの残り半分は同じ工程である。そうして切り出された皮と肉は、止めどなく鮮血溢れつつも、その厚さすらも均等、余分な筋肉など一切ない。丁度、シャツのような形をしていた。】
【よし──と満足げにチドリは息を吐き、手術台のような血まみれのベッドに、剥ぎ取った"皮"を、そっと置いて。振り向いて。ひらり舞う黒髪。】


「──お褒めに預かり、光栄です。これは、この技能は、個人的な"趣味"に近いものですけれど……」
「こうして、ムリフェン様や他のオフィウクス様たち、そして我らが神の為に、わたしの力を供せるのであれば──これ以上の幸せは、御座いません」


【眇めて笑う少女の慈愛に、やはりチドリは恭しくて、けれど謙遜の言葉は微かに、歓びの熱をもって伝えられて。】
【そして彼女の笑顔もまた酷いものだった。べっとりと顔一面を血に覆ってなお、むしろだからこそ、どこか妖艶に彼女は甘い息を漏らした。】


「さて。本来なら、全身の皮を剥ぐというのが、正式な儀礼ではありますが──」「まだ理解の足りない方に、高度な洗礼を施すのは、色々と無駄の多いことですので」
「信徒として日の浅い貴方たちでも身近で理解のしやすいよう、略式として服の形に剥がさせていただきました。ご加減、いかがですか?」

【もう一度、彼女は自身で手にかけた男へと向き直る。返答はない。絶叫に絶叫を重ねて掠れ切った喉で、もはや何を喋れるだろう。】
【──けれどきっと、その"ご加減"は良いものだった。剥ぎ取られて露出した男の筋繊維が、唐突に蠢き始め、膨れ上がり、──再生していくように。】

「ご安心ください。私の『毒』には、治癒と回復の効能もございます。──尤も、」
「必ず元の姿に戻れるかどうかは、保証いたしかねますが。でも、けれど、幸せでしょう?」

【なれどその行く末は「にくにくしい」もの。見る間におぞましい膨満は腫瘍と化して男の顔まで覆い尽くし、目も口も鼻もない肉の塊、──それはどこか、蛇の頭に似ていた。】
【いかがでしょう? と彼女はムリフェンに尋ねた。なにも学ばないものに、いっそ知性も思考も必要ではない。ただ主神の姿を真似た"なりそこない"として、新たな命を与えられるのが、最善の幸せであると──】
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/01(金) 00:01:47.06 ID:P7BquGvr0
>>250

【けれどそれを少女は把握していなかった。なにせ名前も知らなかったくらいだ、少女からすれば、相手は、十把一絡げに近い、サーバントの一人】
【相手からすれば、そうでなく、"かえで"という人物だと、認識していたのだけれど。――これは彼女が冷たいんじゃなくって、彼女は、割といつも外に出ている】

【贄の調達を主に行っている幹部だった。人間を大量に持ち帰るためにぞろぞろっと何人ものガタイのいいサーバントを連れて、出かけては】
【車いっぱいとかになるまで、持って帰って来る。それを何度も何度も繰り返して。――だから、だいたい、本部に居ることが少ない。必然的に】

【そして、だからこそ、そのような技術がある人間でも、なかった。それこそ"修行"や"儀式"を取り仕切るオフィウクスなら、ともかくとして】
【贄の調達――組織立った拉致――を任されている彼女にしてみたなら、本当に、本当に、面白い光景なのだろう。チドリのすぐ隣にしゃがみ込んで、じっと見ている】
【あんまりに鮮やかな手口だった。医者すらここまで上手にはできないんじゃないかと思うほど、指先はどんな機械より正確に、人間を切り出していくなら】
【――少女の顔にも、また、血しぶきが掛かっていく。真っ白の肌を赤く紅く汚されて。だけれと恍惚と笑う様は、愛しい人の白濁を浴びる女のよう、ひどく、艶めかしく】

【――――すべてのことが終わったなら、少女はすらりと立ち上がる。くすくす、と、甘く甘く笑う、部屋にこもった血の匂いをたっぷりと吸い込んで、ああでも】

――――――――そうですね、"途中"までよかったです。ですけど――、こんな奴が、"なりそこない"であれ、蛇の姿をかたどるのは、不愉快ですね。
全ての蛇の神はウヌクアルハイ様の化身が一つです。つまり、蛇の形は神聖なものです。――――チドリ、その悪趣味なものを今すぐ片付けなさい。命令ですよ。

我らはウヌクアルハイ様に導かれ、ウヌクアルハイ様と一体化するために善行を積むのです。
このように汚らしいモノをウヌクアルハイ様がお喜びになられるでしょうか? ――お怒りになられると、思いませんか?

【冷え切ったマゼンタの瞳がチドリを貫く、――ひどく不愉快だと言う顔をしていた。ならばそれは言葉通り、こんなに醜悪な蛇を、彼女は認めない】
【蛇とはすべてが美しく崇高である。その中から特に美しい蛇は、ウヌクアルハイ様がこっそりと姿を変えて現世にお越しになられた姿なのだ、と、――けれど】
【もうすぐそんなことも必要がなくなる。受肉の日は確かに近づいているから。――でも、だからこそ、このように汚らわしいものを、早く片付けてしまいたくって】

【――この場合、本当に"怒る"のは、間違いなくこの少女であった。藤色の髪も白い肌も服も血色に滲んで、だのに、凄惨なまでに美しく、笑うなら】

【"早くやれ"、"でないと――"】

【――――"次にこうなるのは、お前だよ"】

【まるでそんな風に言うみたいに、笑う。にこにこって。――その少女の後ろで、瞬きを阻害された男が、ひどいことになっていた】
【ドライアイ患者が思わず「こうじゃなくてよかった」って思いそうなくらいにガピガピに乾ききった眼球を、それでもひん剥いて、あるいは】
【ごろんって地面に転がったまま、静かに、微動だにせず、発狂した男が。――"それ"が嫌なら、早く、しろ。言外に、求めてくるから】
252 :チドリ ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/01(金) 00:25:47.34 ID:UmX9KzET0
>>251


       ────────っ。

【──"地雷"を踏んでしまったと、刹那のうちに理解する。その表情から、愉しげな笑みが消える。】
【だがそれは決して引きつったものではない。自己の感情がただ恐怖に突き動かされたのみにあらず、という意思表示。──あるいは。】
【だからこそ滔々と言葉を紡げる。どんな状況でも相手の目を見て話す。「交渉人」としての基本である。】



「……失礼しました。貴女の目の前にありながら、大変な粗相を──」「己が思慮の浅薄さ、ただただ懺悔に至るばかりです」
「どうか、どうか今ばかりは、お赦し下さい──。我らが神に、誓って」



【────イカれやろーが。】
【己れもまた十分に狂気者であることを自覚しつつも、然し内心に悪態を吐いた。彼女は、チドリ・コジマは、「そういう人間」だった。】
【殺し合いで負けるつもりはない。勝てはしないだろうが、自分の実力なら負けもしない。ただ、自分に与えられた命令を裏切ることになる。】
【無論それはムリフェンの命令ではない。まして興味半分で潜っている邪教の神の啓示でもない。──彼女の雇い主。】
【サーペント・カルトの引き起こす事件、紛争、テロリズム、そのあたりを外交上のカード、治安介入の口実にしようと目論む手合い。】
【置いていたアタッシュケースを手に取り、その側面に空いた「銃口」を肉塊に向け、腰だめに構える。持ち手の所にあるトリガーを、ためらいなく引いた。】
【──射ち放たれるのは、無数の強装弾。鳴り響く銃声。鉄の暴嵐。それでいて正確で精密。暴力的な装薬量と運動エネルギーが、男だったたモノを粉微塵に消し飛ばす。】
【辛うじて原形を留めていた、侵蝕のないその下半身のみが残った。支給品のバレル、またダメにしちゃったなと、内心悔いずにはいられなかった。】
【情けない姿を晒しているもう一人のチンピラはどうしてやろうと思うくらいだった。けれどそういった、およそ薄汚い感情を、彼女は決して外面には出さなかった──曲がりなりにも、プロフェッショナルであることに間違いはないのだから】
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/01(金) 00:49:33.08 ID:P7BquGvr0
>>252

……ウヌクアルハイ様は悲しんでおられます、まもなく受肉の刻を迎えられるというのに、このような、"紛い物"。
大層悲しまれるでしょう、そしてお怒りになられます。――チドリ、あなたほどのサーバントだったら、分かりますね?

――――お分かりになられるのでしたら、結構です。ですが、次はありませんよ。このように冒涜的なもの、サーペント・カルトには必要ありません。

それにしても、残念です。サーバントの中ではこのように醜悪なものを作り出すのが流行っておいでですか?
でしたら――彼らの再教育を急がねばなりませんね。受肉の刻は刻一刻と近づいているのです、無駄な時間はないのですが――それとも、あなた一人の、趣味ですか?
ならば悪趣味です。矯正されることをお勧めします。そのための修行も教育も私が手配してあげましょう、安心してくださいね、サビクはあなたよりもさらに、"うまい"です。

【――――細めたマゼンタの瞳がチドリのこと、じっと見ていた。形のいい眉を、至極残念そうに歪めて、相手のことを責めている、何度も何度も重ねて】
【――そして、本当に、本当に、二度目はないのだと、思わせた。だからこそ続く言葉――サーバントの中でこんなものが流行っているのならどうしよう、と、困り顔】
【もしもそうなら大規模な"再教育"の機会を用意しないといけない。――それともチドリ一人、の話であったなら。そのための手は尽くす、と、破顔する、綻ばせ】

――――――……はい、お上手です。"下半分"も要らないので、壊してしまって構いませんよ。
穢れたものを捧げるほど困窮はしていませんからね、それともあなたが使いますか? 新鮮な死体じゃないと"できない"ですからね。
本来儀式を取り仕切るのは私の業務ではないのですが――そうですね、死んだものと交わり子を成す。ウヌクアルハイ様の司る生と死、すなわち輪廻を模する儀式です。

もしそれで子を成すことがあれば、それはウヌクアルハイ様によって祝福を受けた子――生まれる前よりウヌクアルハイ様に見初められた、聖なる子でありますから。
もちろんそれを産み落とすあなたもよりいっそう高みへ行くことが出来るでしょう、あなたがた"母子"はウヌクアルハイ様によって護られ、全ての辛苦から解き放たれて――。
……ウヌクアルハイ様に勤め奉仕するためだけに生きる権利を得るのです。それは、とても、尊いことですよね?

【ひどく冷たい声だった。飛び散った肉片が足先に付着したなら、ぶん、と、足を振るって、どこかへ飛ばし】
【下半身も要らないから消し飛ばしてしまって構わないという"命令"――ああ、それとも。ふと思い至った声、"ぞくぞく"するような声。どんな意味でもいいけれど】
【途端に声音が甘く蕩けた、甘い甘い甘い蜜掛けのパンケーキ、じっとりその内側まで蜜をしみ込ませた一切れのように、甘く、あまぁく、吐息を、蕩かして】

だから――――見ていて、あげますよ? 

【――ふわりと、接近する。甘い匂いがした、けれどそれは香水というより、少女がみんな持つ、堪えがたい背徳の香り、甘くて、どこか酸い、思春期の香り】
【長くてたっぷりした藤色の睫毛が嬉しそうに弧を描いて並ぶ――スズランみたいに甘く冷たい声音が、強いていた。とんでもないこと、常識で考えればありえないこと】
【死体と交われと求めた、――部屋の中がしんと静かになる。気づけば、言葉を発することを"赦されている"のは、相手と、少女だけ、になっていて】
254 :チドリ ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/01(金) 14:49:41.74 ID:UmX9KzET0
>>253

【それこそ蛇のように執拗な忠言と説教だった。愉しげに笑っているのか怒っているのか分かり難い視線に、青い瞳を投げかけ返すのが唯一の抵抗だった。】
【話の流れが妙なところに向かっているとも思った。とりあえず、己れの独断でないことにはして、責任を押し付けることにした。どうせあの怯えぶりじゃ真実など知れたもの。】
【にしたって、どの口が言うのやら──クソアマが。信者どもの鼻や耳を削いだり、スキンヘッドにすんのが"美しい"と思ってやがるの。信じられないほどクソ素晴らしい美的感覚だクソッタレ。】
【どれだけ我々が資金の援助をくれてやり警察に金と手を回してやって捜査の手が及ばないようにしてやってると思ってるんだクソ、いやそれを抜きにしたって、この組織はあまりに堅固ではあるが ── 】
【つらつらと内心に浮かぶ罵詈雑言を固く閉ざした口に堰き止めて、あくまで後悔と憂いの血塗れで儚げな表情に抑えるのは、あまりに被り慣れた仮面であるから。】
【然し話はさらに妙な方向へ進んでいく。── やはり愉しそうな微笑み。耳元にかかる、甘ったるい声。煮詰めた砂糖水にありったけガムシロップを入れたような。】
【成る程こいつはカルトの指導者の器であると、今更ながらチドリは理解した。微かにその憂いある表情を引きつらせながら。】

【アフターピルは ── 一応、支給されてはいる。女であり諜報屋である以上、趣味の悪い夜伽に付き合ってやらねばならない時もあるから。】
【だから別に処女(おとめ)というわけでもない。この身体が役に立ったことも、仇になったことも、何度もある。】
【 ── それでも瞬息、思考するのは、くだらない矜恃ではないのだろうが、しかし、きっと。】

【アタッシュケースのロックを開く。まだ熱を帯びた空薬莢が、コンクリートの打ちっ放しになった床に散らばる。】
【マガジンを交換し再装填、チャージングハンドルを引いてやり、──もう一度、腰だめに構えたフルオートで、トリガーを引き直す。】
【繰り返される炸裂音。イヤーマフもなしにこれだけバカスカ撃っておいて平然としていられるなんて、こいつも己れも大概であると、どうだっていい思考。】
【そうして哀れなチンピラは挽き肉になって、骨を拾うものもなく、というか拾える骨がなく、もう一度殺された。】



「お言葉ですが ── 」


「主神にこの身を捧ぐのであれば」「我ながら、なりそこないに貶めた死体とまぐわって子を成すのも、忌まわしきことかと。」
「ええ無論、かの儀式は尊きこと。いずれ遠からぬうちに、この身と我が子を捧ぐ誓いでありますが ── 」
「善悪と賢愚に繋がりはなくとも、血統の繋がりだけは如何ともし難きものです。そうでしょう?」


【やはり躊躇わずに真っ直ぐな視線、ムリフェンとは別のベクトルで「底の知れない」青い瞳を向けて、 ── 微笑むチドリの、しかし目は笑っていなかった。】
【 ── まあ最悪、ここで"やらかして"しまっても、逃げ果せれば別の"工作"に回されるだけだ。どうせ他の人員が補充されるだろう。】
【そんな投げ遣りな感情も胸に、少しばかり、喧嘩を売った。】
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/01(金) 20:09:06.33 ID:u3jWQNzs0
>254

【ただ――ひとつだけ言うことがあったとしたなら。チドリの思い浮かべた儀式は、それは、"彼女"が施したりするものではない】
【スズランのように整った甘く冷ややかな笑みで以って"誘う"ことはあっても、儀礼に修行は彼女の専門でなく、彼女はだいたいが、贄の調達係】
【"この"光景を見たなら、分かるだろう。大の男が一人は微動だにせず発狂、もう一人は身じろぎ一つ赦されずに、からからになった眼球をいまだ見開いている】

【――――それをさておいて、感想を述べよと言われたならば、それは、"もちろん"】

――――――そうですね、では、急ではありますが、明日までに正しく手順を踏み、全ての準備を整えましょう。
マルフィクも快く応じてくださるでしょう、サーバントから達ての希望とあれば、我らに拒む道理はありませんからね。
その系譜のすべてを最も偉大なるものに捧げるための儀式です、"早い方がいいですよね"?

……幸いにもちょうど良いところにちょうど良さげな者もいますから。そちらは"加減"がちょうど良さそうなので、そのままウヌクアルハイ様に捧げましょう。
では"こちら"はチドリ、あなたが頂に昇るための足掛かりになっていただきましょう。少しばかりドライアイかもしれませんが、あまり関係はないですから。

そうと決まればあなたも今宵は部屋に戻られたら如何ですか? とても神聖な儀式です、途中であくびなど漏らされては、台無しですからね。
もうお戻りになって構わないですよ、部屋の片付けも私がやっておきましょう。

【――少しばかりひんやり、とした両手が、相手の顔に触れようとする。頬を撫でて首筋へ、胸元のふくらみを撫ぜてから、その腰のくびれを、それから尻まで、ためらわず】
【それを許せば、それこそ恋人同士が愛撫するような距離感になる、少女のみが纏う熱病に似る香り、無垢と性愛が艶めかしく交じり合った、その香りを、色濃く纏って】
【マゼンタの瞳がじいと相手の目を覗き込もうとする――深い深い悦びを宿した目だった。ならば分かる、彼女は限りなく善意だけを相手に向けていること】

…………"それ"は適齢期の女にしかできないことです。であればこそ、ウヌクアルハイ様はいっとうお喜びになられる。
私にはもはや叶わぬ望みでありますから、――ご安心なさい、私が、"ムリフェン"が、全ての手筈を整えておきます。

【相手を撫ぜる手は受け入れてさえいれば、ひどく慈しむようなものだった。抱きしめ合うような距離感、甘い甘い蜜漬けの声が、相手の耳元に囁こうとして】
【ならばもはや優しげでもあった――ただ、この会話を乗り切りさえすれば、今日は部屋に戻っていいとも言っている。――だけれど、それは必然的に】
【明日の朝を"ここ"で迎えない方がいいだろうと言う理解にも似ていた。――それともそれを許容してなお、残る道を選ぶなら、それを誰かが咎めたりはしないのだけど】

【――――あるいは。調べようによっては、分かるかもしれない。そういうデータがどこかにあるかもしれない、あったとして、容易に閲覧できるものではないはずだが】
【ムリフェン――当時は単なる蜜姫かえで――は、度重なる儀式の果てに子を成せぬ身体になっている。曰く、無垢なる魂を捧げるため、何度も孕まされ、そのたびに胎を裂かれ】
【その結果に、何も宿さぬ胎になっている。だけれども、分かるのだ。それはきっと言い訳に過ぎず、――彼女はそうされる程度には整った容姿をしていたから】

/お待たせしました! そしてちょっとご飯食べてきます……申し訳ないです
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage]:2018/06/01(金) 21:09:46.72 ID:xRzKsPFt0
【路地裏】

【暗い路地裏。カビ臭い臭がするはずのこの場所で、灼ける匂いがした。空腹を誘うものじゃない】
【もっと嫌悪感を感じる。人が灼ける臭いだ。油臭くて生臭い、断末魔は電撃のアークが弾ける音でかき消され】
【激しい放電がその死する姿をかき消す。安いコットンの服が燃え上がり、放電が止んだあとも燃え続けていた】
【すでに息絶えていた。電流に耐えきれない身体が裂け、血を垂れ流し、髪は燃え上がり、筋肉は残留する電気によってまだビクビクと動いていた】


…我が主が受肉なさった。我々のもとに、罪深き肉體を手になさった。
その美しき蛇の躰を捨て、我々と同じ苦しみと喜びをその身体で背負われた。

嗚呼、我が主。我々を飲み込むその寛大な蛇の神よ…。私の中に住まう蛇に導きをお与えください…嗚呼、我が主よ。
この不条理と不浄な苦悩に満ちたカルマよ。我もとに…我は従者。その肉體に魂を…


【その死体の前で、ひざまずき頭を垂れて手を組んで祈りを捧げている。背中に民族柄のタトゥーと無数の雷のような火傷痕がある男】
【彼は上半身は裸で、古ぼけたジーンズを履いていた。灰色の短い髪でイエロー瞳、縁の細い眼鏡をかけていて、若くはない】
【火傷は頬や首、腕にも幾つも大小、全身にある。腰のベルトにはアイスピックのような金属製の針が幾つか、それよりも長い金属製の“指揮棒”を一つ吊るしていた】
【祈りを捧げる腕には鈍い銅色の大きなブレスレッドを巻いていた。熱心に男は祈りをその焦げた死体の前で捧げていた】


和解のときが訪れた。罪深き我々は蛇と和解する。不浄なる世界はその蛇の腹の中で浄化される。
この世界の運命から我々は解脱し、平穏と幸福に満たされ揺蕩うその輪廻を得るのだ。ああ、我が蛇よ…


/蛇教キャラ作って査定してもらいたいけどうまくまとまんないので動かして考えよう的なテストも兼ねた投下です
/見た目とか能力とか後々本決定までに変わるかもしれませんがええんやで!って方、ロールお願いします!
257 :チドリ ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/01(金) 22:26:21.66 ID:gBnCnrfL0
>>255

【 ── ッッッ。】

【過ぎたる甘さは時として毒になる。蠱惑的な指先が自分のからだをなぞる感覚に、チドリは思わず震えてしまいそうだった。】
【恐怖と、恍惚と、あるいは恋慕さえ抱かせるような、それでいて彼女が「調達」の任にしかついていないことは疑問だった。】
【それでも彼女は、どうにか真っ直ぐな視線を、マゼンタ色をした底の知れない瞳に投げ返すことは、できたから。】


「 ── 感謝と敬服の極みです。私のような下賤なる従者のひとりが、ムリフェン様の手により直々に、尊き儀式に身を捧ぐことができるとは」
「ええ。準備が整い次第、いつであっても。 ── 謹んで、お願い申し上げます。」

「ふふ ……… それでは、私は、これにて。お先に、失礼いたします。」


【深く深く頭を下げて、彼女は部屋を出て行くだろう。かつん、かつん、毅然としたハイヒールの音を響かせて。】
【 ── そうして、トイレかどこか、誰にも会話を聞かれない場所にまで、逃げ果せたのなら。こんな"独り言"も、漏らすのだろう】


「 ── ああ、もしもし? そう。"蜥蜴"。」
「すこし面倒なことになった。"パテ"と"ヘラ"と"日記帳"、送ってくれる?」
「夜なべで身代わりが必要でね。……なあに全部こっちでやるさ。むしろ恙無く進行中」
「蛇使いとのコネも作れた。嘆願すれば、色々と役に立つかもしれない」

「それと。蜜姫かえで ── って言って、分かるよね」
「あいつの身辺を漁りたい。いいかな。 ── そいつぁどうも。」
「え? ……まさか。くれてやる情なんて。本当ですよ。」


【そうして彼女は口を閉じて。そして、その夜、どこかの街並み。】



「ねえねえ、そこのひと。ちょっと、いいかしら ── 」



【まったく優しそうな笑顔で、雑踏を歩く手近な女性に声をかける。 ── その懐に、致死量寸前の自白剤を隠し持って】
【そして哀れな小市民が彼女の「棲家」に囚われたのならば、夜通しにひどく残酷な"手術"は始まる。それはきっと、本物の儀式に劣らない悍ましさ】
【ごくごく薄めた彼女の「毒」とメスによる切除を組み合わせ、犠牲者の顔を、手足を、肉体を、 ── チドリと寸分違わず同じ物に、淡々と、作り変えてゆき】
【骨格や身長などは、一度「切り落として」から「繋ぎ直して」、無理矢理に己れの似姿としていく。 記憶に際しては、絶えずその両耳に、チドリ手ずからの囁きを、何度も、何度も、記憶をぼかす薬を打ち込むと共に。】

【 ── 最後に、その「毒」をもう一度投与してやれば、切開と切除の傷痕は、綺麗さっぱり無くなって】
【次の朝、カルトから与えられたチドリの部屋。スーツ姿のまま、光のない瞳を俯かせ、やけに口数の少ない「チドリ」が、ベッドの淵に座っているだろう】
【その後どうなるかは、きっと執行される儀式、次第。少なくとも、「毒」という名の劇薬を投与された「チドリ」は、何をされても簡単には死なない筈で】
【そしてまた全てが終われば、本物の彼女は「チドリ」を迎えに戻ってくるだろう。あるいは、"消し去り"に。】

/私も少し用事があって、大分遅くなってしまいました……ごめんなさい。
/その、色々とアウトな展開かもしれないので。もしよろしくなさそうなら、お手数ですが普通に逃げ出した体で話を進めてくだされば
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/01(金) 23:07:36.85 ID:u3jWQNzs0
>>257

【――――蜜姫かえでという人間は、おおよそ3年ほど前に、行方不明になっていた】

【学校にもきちんと通い、友達も多い。ただそうでありながら、自分の時間は自分の時間、それ以外はそれ以外、と、分けているような子だった、とは、誰の言葉か】
【1時間目の休み時間は友達と楽しげに話していたのに、2時間目の休み時間はしっとりと読書に耽る。3時間目は机で突っ伏して寝ていたりする、ちょっと変わったところのある子】
【けれどよく言っていたんだという。「――私は蛇に呪われている」と。いわく、蛇の死骸をよく見かけて、そのたびに、必ず何か悪いことがあるんだ、と】

【"それ"と"これ"の関係性は、彼女はほとんど誰にも言っていないから】

【――ある日、蜜姫かえでの家は火事を出した。かえで本人はたまたま学校に用事があって出かけていて、一人だけ生存した。それ以外の家族は、みんな死に】
【14歳だった少女は、親戚に引き取られるも、その後、引きこもりがちになり、――――ある日、失踪。その後の足取りはほとんどつかめず、今日に至るまで、発見されていない】
【誰も"死んだ"とは言っていないし、死体が出たわけでもない。彼女の地元を訪れたなら、色あせたチラシを見つけることもあるかもしれない。――"捜しています"って】

【能力者ではあったが、うまく扱うことが出来ず、実質無能力者と変わらない。まして人格からも、彼女が、積極的に荒事に巻き込まれた、とは考えられず】
【ならば事件に巻き込まれたかもしれない、というのが、だいたいの見解だった。――それ以外の話題性もなかったことから、これは、地元周辺を賑わした程度の一件であり】

【それ以外のことは――特に目立つことはない。そしてそれ以降のことは、おそらく蛇教そのものに厳重にデータを管理されている】
【それさえ引っこ抜くことが出来たなら――それをすることによってどんな不利益があっても知らないけど――前述の身体のことなどなど、分かるのかもしれない】
【行った修行や儀式のこと。内容も拷問めいたものから人体実験に似るもの――例えば多種多様な苦痛/ストレスを与えられた状態での能力発動テストだとか――などなど】
【手順から細かな数値からその時の仔細な状況、いっそ嘔吐物の状態から漏らされた譫言まで、――実験用モルモット、さえ、もうちょっとマシな扱いをしてもらえそうに思えるあり様】

【――――――――】

……チドリさん、おはようございます。お加減とご機嫌はいかがですか? ――――ふふっ、そんなに緊張だなんてしなくって、大丈夫ですよ?
マルフィクも快く手伝ってくださいました。あなたはこれから身体を清めて儀式に臨みます、私は"担当"ではないので、同席することはできませんが――。

司祭が連ねる言葉は、全てウヌクアルハイ様から下された神託であるのです、それに従ってください。

【朝に訪れた彼女はひどく気の抜けた部屋着であった、キャミソールに丈の短いズボン、と、おおよそ年頃の少女が、他人の部屋を訪ねて来るとは思えないような】
【割といつもこんな感じ――露出趣味でこそないけれど、とは、余談。スズランの声はひどく好意的に相手の状況を解釈した、いろいろと話しかけて、だけど最後は結局チドリ一人】
【彼女はそこまでついてこないようだった――尋ねたとしても、「神聖な儀式ですから」とか、そういう言葉が返って来る】

【だけれど規定の部屋までは案内するだろう、――そこから先は、チドリたちのことだから】
【――ただ、"終わった"あとに迎えには来るのだ。ひどく上機嫌そうに。さながら、自分の子供が初めて寝返りを打った時の、親みたいに――】
259 :チドリ ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/01(金) 23:40:23.68 ID:gBnCnrfL0
>>258



「 ── ふゥん」


【"儀式"の日。当然ながらカルトの拠点には戻れないチドリは、得難い休暇を個人的な詮索に終始することにしていた。】
【職業柄、人探しのネットワークは広い。サーペント・カルト自体は極端な秘密結社であるから、少なくとも検索エンジンくらいには引っかかりやしないが】
【蜜姫かえで、という人間の前歴については、ある程度つかむことができた。何のことはない、役所の記録や当時の新聞記事に見えるのは、ごく平凡な少女の姿である】
【 ── 「それがどうしてああなったのか」についても、自然、推察できようというものでもあった。チドリ自身は、悪趣味な妄想に浸る趣味はなかったが】
【それでも再三再四、自分が見せられてきた"教義"の"実践"について、誰だって結びつけて考えようというもの】


「はたして哀れな被害者か。それとも性分からしてイカれていて、誰かがそれを目覚めさせただけなのか。」

「 ── ま」「わたしにゃー関係のない話か。」「別に死んだって構わないのだから。」


【 ふぁ、とあくびを零しながら、郊外に残した自身のセーフハウス、ソファに沈みながらチドリは手帳を閉じた。自身がファイリングした、かえでの情報が記されたもの。】
【どうなろうが知ったことではないのだ。彼女には為すべき職務があった。それに、人殺しであることに変わりはないと。】


【    ◆    】


『 ── はい。』『ムリフェン様。どうか、お待ちになられていてください。』
『我が身は、我が命はすべて、ウヌクアルハイ様から賜ったもの。なれば我が全てを捧ぐことは、当然の責務なのですから。』

『きっと、新しい私に生まれ変わってまいります。そして、更なる奉仕を、我らが主神のために ── 。』


【ひどくラフなかえでの姿格好に「チドリ」は然し何も言いやしなかった。いや例え、本物のチドリであったとして、きっと文句は付けなかっただろうが】
【一方的な言葉のやりとりには、機械的な応答。それは緊張にも見えるだろうが、本質はそうでなく。】
【そしてまた、儀式の部屋まで導かれたのなら。彼女はやはり恭しく一礼して、扉を開き、立ち入って ── 。】

【すべてが終わり、彼女がふたたび、── どんな姿であるのかは、語り得ないが ── かえでの前に姿を現したのなら】
【少しだけ表情を綻ばせ、不器用に笑うだろう。 やはりその瞳に、光は宿っていないのだけれど。】
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/02(土) 00:19:11.30 ID:nRTbKs3k0
>>259

【――そして、もう一つ、分かるとすれば。この少女は、その、ありふれた生活を、すべて。すっかりと。丸ごと、棄ててしまったということ】
【名残としてあるのは名前だけ。しかしそれも秘される宗教の内側、となれば、まずよっぽどのやつでなければ、外側からたどりつくことは不可能に近いほど、難しい】
【だけれど内側から見たなら。そういう人間が居るって分かりながら、調べようと思えば。あんまりにあっさりと繋がってしまう、――インターネットに、そのためのHPがある】
【カメラに向かってピースして笑っている。動物園でヤギに餌をあげている。小学校の卒業式。掲載されている写真には、――確かにあの少女と相違ない人物が、写されて】

【――――その3年間は、あんまりに、無慈悲すぎて】

――お勤めご苦労様です、ではお部屋に戻りましょうか。今日は入浴をしてはいけませんよ、可能であればベッドで横になっているのをオススメします。
あとでお手伝いのサーバントを寄越しますよ、私はこの後外に出るのでごめんなさいね。加減を掴みましたので、その実験をしないとなりませんので。
逝きながら生きた人間の作り方をきちんと身に付けねばなりません、――何か必要なものがあったら、どうぞ、手伝いに申し付けてください、彼女には良く言い聞かせてありますからね。

【出迎えたのはやはり慈しむ笑みであった、――相手の恰好はきっとゆったりしたもの、寝間着に似て、身体のどこも締め付けないような、無地のものであり】
【修行の時とかに使われたり部屋着として使っているような人も居る。欲しがれば支給されるし、要らなかったら――というか、それこそかえでとかは着ていないから、自由】
【白いワンピースに着替えていた、ミニ丈のワンピース。透けるレースの袖から覗く肌の白さが目立って、真っ白の素足を惜しげもなく晒したなら、そういう性質】

ウヌクアルハイ様もひどく喜んでおられることでしょう、昨夜のことはヒヤヒヤとしました。あなたのように優れた技術のあるサーバントとはいえ、
ウヌクアルハイ様を侮辱し嘲笑するようでしたら、最上位の教育を施さねばなりません、ウヌクアルハイ様の偉大さを理解するまで、お教えするのです。
――けれど。チドリ、あなたは、自ら志願し、この尊い儀式を終えられました。ウヌクアルハイ様もあなたをお赦しになられるでしょう。

…………ですから、もう、二度と。ウヌクアルハイ様を侮蔑するような行為に及んではいけませんよ。分かりますね?
ウヌクアルハイ様の受肉の日は刻一刻と近づいておられます。その日を共に迎えましょう、――そのために砕身粉骨の覚悟を忘れぬように。

【室内であるならば彼女の足音はひたひたと冷たい、歩きながら話すなら、視線一度もチドリへ向かないだろう、けれど、声音でおおよその表情は推察できた】
【ひどく安堵しているようで、同時に喜ばしく、――誇らしいと言わんばかりの声だった。やがて相手に与えられている部屋までたどり着けば、そこには、件の手伝い】
【特筆することも特にないようなサーバントの一人であって、――それが付き従って、ひとまず今宵くらいまでは、相手の世話をするのだと言う】

――――では、私は、今日はこれで。どうぞごゆっくり休まれてください。

【くるりと振り返る――淡い藤色の髪がつやつやと艶めきながら翻って、少女の顔をゆるりと包む、その向こうのマゼンタが、それでもなお、鮮やかに映えて】
【ぱっと再び表情がうかがえた時、彼女はとっておきに笑って、それから立ち去るだろう。だけれどその寸前に、】

――あなたの信心が奇跡を賜るにふさわしければ、きっと宿るでしょう。けれど、そうでなかったとしても、安心してくださいね。
あなたが奇跡を賜るまで、我らがお手伝いをいたしますから。あなたのように優秀なサーバントでしたら問題はないでしょう、"善い報せ"をお待ちしておりますよ。

【――――耳元に甘い甘い蜜漬けの声が囁いていく、そうしてどこかへ去っていくのだろう。ならばそれはある種の絶望にも似て】
【一度そうすると言った以上、"そう"なるまで、止めるという選択肢は、ないようなのだった。少なくともこの少女にそのつもりはない。それだけを言いおいて――】

/こんな感じで大丈夫そうでしょうかっ、まだあるようならまだ見てますので申し付けてくださいっ
261 :チドリ ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/02(土) 00:48:20.66 ID:wtFiXFL80
>>260



「 ── 関係ない、」「関係ない。」「私には、関係のない話よ。」「これ、仕事だし、さ」
「それに、人殺しが今更仏心なんて出せるかっての。正義ヅラして得することなんて、何もないんだから」



【自分に言い聞かせるように、チドリは何度も呟いた。疲れた声。スマートフォンのディスプレイに映された写真の中、あどけない笑顔を浮かべる少女の姿を見つめながら。】
【ソファに沈み込んだまま、ひとり、ロックのウイスキーを呷る。さんざん人を殺してきたし、それ以上にひどいことを何度もしてきた。】
【かえでのように幼い少女を手にかけた事もある。それに罪悪感を感じもしなかった。それが自分の仕事だと疑わなかったから。だから、他者の残酷さに憤ることもない。】
【 ── それでも、こうも胸の中にひっかかるものがあると、忘れてしまいたくもあった。夕暮れの空、雨戸から射す残光が眩しくて、彼女はそっと目を閉じた。】


【一方「チドリ」は、身代わりとしておよそ模範的な行動を取ってもいた。それは信徒として模範的であるのと同義でもあった。】
【かえでからの会話には淡々と頷き、詫びて、感動のような声さえ漏らし、 ── そうして、自分が「授かった」ものに対して】
【ひどく悦んでもいるようだった。それは「本物」かり教え込まれた、精神的反動だったのだろうか。それとも、或いは、】
【 ── 何故ならば、最後に残された、かえでからの囁きに。彼女は、打ち震えてさえいたのだから。】


「 ── はあ。下手な誤魔化しはするもんじゃない」「嘘は雪だるま、とはよく言ったものね。」
「……使い捨てるつもりだったけど、予定変更、かな」


【 ── そうしてまた彼女の様子を、自室に仕掛けておいた隠しカメラに中継させながら、チドリはひどく大きく溜め息をついた。】
【少し返事をしくじってしまっただけで、こうも収拾のつかない事態に陥るとは。自分の感情も、いまいち整理できていないというのに。】
【一日誤魔化せば御の字という計画も変更しなければならないと彼女は痛感していた。 ── そしてまた、遣る瀬無い時、仕事に鬱屈した感情をぶつけるタイプでもあり】
【ソファから起き上がり電話を手に取る。"こんな嘘"も、いつかは必ず露わになるのだろうと、そう思いつつも。】


「あーもしもし本部。"蜥蜴"。 ── "日記帳"、追加で必要になったから、毎週送ってきて貰えるかしら。」


/では、わたしからはこのように。いろいろと無茶な展開をしてしまいましたが、絡みありがとうございました!
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/02(土) 01:22:49.37 ID:nRTbKs3k0
>>261

【――――――その後。少女の姿はありふれた路地裏にあった。そこからさらに数時間後、彼女はいつも通りに、十数人の贄を、持ち帰って来る】
【けれど今日はいつもと少しだけ趣が違う。贄たちはみな一つの部屋に集められて、――地獄のような"実験"に付き合わされることになる。すなわち、生かしながら殺す程度を探る】
【時には麻薬に似た薬を投与してでもそのギリギリの分水嶺を探る。――彼女の賜った奇跡はそれほどまでに重篤なものであった、並大抵の人間には耐えられないから】

――――――――――げほっ、――く、ぇ……、っ、っっ、――! ――ぅ、え、っァ、――、っ、

【――それは同時に彼女のようなどうあれありふれた人間には荷が重い奇跡でもあった、蒼褪めた顔、ぎゅうと眉間に寄せた皺が肌にこびりつきそうな間のあと】
【壁に手と頭を押し付けてそのまましゃがみ込んだなら吐き戻す、何度も何度も苦しげにえずいたのなら、犬みたいにだらりと出した舌から唾液が滴り、涙がそれを追いかける】
【それでも残る嘔吐感が収まらないなら身体が納得いくまで吐かせてやる、喉の奥側を自分の指で何度も何度も抉って、そのうち血が混じっても、けしてやめない、繰り返すなら】

はっ――、はあ、――、ぅ、くそ、もう、――ァ、ぐ――、……、ウヌクアルハイさま、……。

【もはや胃液でもなく血交じりのねばねばした唾液に濡れた指先を拭って立ち上がる、――凄惨な光景だった、マゼンタのリボンによって権利を阻害された贄達の、無惨な様相】
【運び込まれた贄の大多数はすでに死んでいた、けれどそれは祝われるべき出来事だった。――生き残ってしまった数人は、はじけるその瞬間を、最期まで生きたまま探られるから】
【死んだ者にはより一層の死を。生きた者には生きたまま死の痛苦を。死してなお/生きながら死を塗り重ねられる冒涜、それこそ彼女が賜った、奇跡であったなら】

もう少し、もうすこし……――――――、

【――運ばれた贄が全部死ぬまで、その光景は続く。全部が死んだなら、また、生きた贄が調達されて、そうして、また、繰り返される】
【ぐるぐる終わらない地獄の光景は、けれど、それこそウヌクアルハイが辿った絶望をなぞるみたいに、少女が納得するまで――何度でも、何度でも、何度でも】

/余談ぽいの添えて、おつかれさまでした!
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage]:2018/06/02(土) 20:10:49.68 ID:NSLYknGc0
【街中】

【夕暮れ時の街の大通りは休日ということもあってか人通りも多く】
【ホットドックの移動販売車やヌードルの屋台、ブランドのコピー品のサングラスやアクセサリーを格安で売る露天商などが】
【その通りに店を出していて、行き交う人はたまに立ち止まって、見入ったり値切ったり頬張ったり酔っ払ったり楽しんでいた】

……たぁいくつねぇ、退屈。どうしてこんなに人がいるのに…退屈なのかしらぁ。

【ある雑貨屋の前の通りで店を出す女はぼやいた。椅子が2つ、一つは自分が腰掛けて対面にもう一脚】
【スケッチブックを立てかけて其処には『似顔絵、イラスト描きます。タトゥー彫ります。悩み相談受け付けます』と文字】
【女の足元にはスケッチブックや色々な道具が山積みになっていて確かに絵を書く用意はされている】
【だが、客が来たような様子はなかったのはその女の容姿にあるのかもしれない】

【長い黒髪に緑色のメッシュを入れて、前髪を切りそろえて。の割に化粧は簡単に済ませている】
【服装は黒のタンクトップにショートパンツ、10ホールのピンクのブーツ。服装と彼女の容姿や有り余るスタイルを見れば】
【似顔絵なんかほしくなくともその彼女との時間を欲して客が殺到してもおかしくはない。だが、彼女のその首から下は】
【色とりどりのタトゥー、入れ墨で埋め尽くされていた。薔薇、拳銃、テディベア。腕から胸元首、脚に至る様々なところに彫られている】

なーんでかしら…でも、今日はいい日ねぇ…

【折りたたみ椅子にはだいぶ余った長い脚の膝に肘をついてウトウトして客を待っていた】




【路地裏】

【血の跡が点々と、続いている。路地裏の薄明かり。街がなんだか騒がしい。】
【ここはアンダーグラウンドと隣り合わせの街で住人は身を護るために、敏感だ】
【パトカーのサイレンが響き、街のギャングがガレージに集まったなら、レストランは閉店時間を早める】

【そんな夜、通りで一台の車がスリップしてガードレールに突っ込んだ。信頼性の高い、桜の国の車だったからか】
【運転席のドアは歪んでも開いたらしく、運転手の姿はない。血の跡が滴って、まだ新しかった―――】

―――クソッタレ。何処までも追ってきやがって

【男はその路地裏の奥で、力尽きて体を投げ出した。】
【黒髪のサングラスを掛けた男。着ていた三つ揃えのブラックスーツはボロボロで、白のスーツには血が滲んでいた】

クソ…全部…置いてきちまった

【今持っているものは拳銃と煙草、携帯電話…ポケットに幾らか金があったかもしれない】
【助けを呼ぶか…でもこんなところに来てくれるやつはいないだろう。乾いた笑いを路地裏に投げ捨てて】

どうすっかな…

【と、路地裏に倒れ込んだまま煙草に火をつけた】




/上か下お好きな方にお願いします!!
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/02(土) 22:05:44.10 ID:nRTbKs3k0
>>263

【狭い路地にわんわんとパトカーのサイレンが反響してきていた、ならばそれは遠くに居座る化け物の鳴き声を聞かされるようで、心当たりがあればあるだけ居心地が悪くなる】
【そういう呪いに似ていた、ならば路地裏は反響するパトカー以外はシンと静まりかえる、――――それこそありふれた"やつら"は公権力に恐れをなして、逃げた後】

【――――――――「警察が居ますね、では今日は出直しましょう。あなたたちは一人ずつ帰るように、警察に見つかってはいけませんよ、面倒ですからね」】
【――――――――「私ですか? 私も一人で帰りますよ、対能力者用の人員が居なければ、あなた方より問題ないでしょう、癪ですが刺青は隠すように」】
【――――――――「では御武運を祈ります」――そんな会話が、あった。ここではない場所。今ではないタイミング。ならば、訪れるのは一人だけ、それ以外の声はなく】

【――こつ、と、足音がした。女物の靴の足音、ならば誰かが訪れたことを表す。サイレンに背中を向けて、深部へ、深部へと歩いていこうとするならば】
【たったのそれだけで"全う"ではないという証明になる、――だけれどやがて表す姿は、まごうことなき、少女のシルエットであったなら、どんな風に、見えるのだろう】

…………――あれ、どうかしましたか? 地べたで寝ていると鼠に齧られますよ、それとも"車"の持ち主ですか?
大変ですよ、表はパトカーだらけです、もっと奥で寝ていた方がいいかと思います。歩けませんか? ――そうですね、いましがた暇になりましたから。

手伝って差し上げても構いませんよ、といっても肩などは貸しませんので、ある程度はご自身で頑張っていただくことになりますが――。

【――透き通るかと思うほどに薄いウィステリア色の髪の少女だった、真っ白の肌に、マゼンタ色の瞳が、色鮮やかに映えて。赤淵の眼鏡を――たった今、掛けた】
【オフショルダーの白いワンピース、きゅうと絞った袖が腕の華奢さを引き立てたなら、左手だけに着用されたドレスグローブのアシンメトリー目立つよう】
【真っ白な素足を惜しげなくさらけ出していた、足元はかかとの低いサンダルで――それでもなお、女としては少し高い身長、165センチほど】

私、力はありませんので。男の方を運ぶのは無理ですからね。

【朝露に濡れるスズランみたいに冷たく甘い声をしていた、とろとろ艶めく髪を耳のところで堰き止めて、そろりと少女は身体を折って、彼を覗くように見下ろすだろう】
【整った顔に躊躇わずさらけ出された肌に、甘い声。だけれどありがちな娼婦ともどこか異なる雰囲気の少女は――けれど悪意なく、敵意なく、相手へそうやって、話しかける】
【車、のことを把握しながらも、そうやって言うのだ。ならばやはり全うではない、――"変な"少女ではあったが、何をどんなふうに信じるかは、彼次第であったから】

【――――マゼンタ色を細めて、少女が薄く笑う。年頃は17ほどだろうか、だのにもっと大人びて見えて、だけど、どう見たって、大人には見えてこなかった】
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage]:2018/06/02(土) 22:37:23.89 ID:NSLYknGc0
>>264

【この街で良くないことが起きていることはこの男の経験で得た直感で知ることが出来た】
【初めは俺が連れ込んだ『野良犬』が悪さして居るんだと思っていたがそうでもないらしい】
【この街に根付く、貧困が生み出したギャングや警察の『定期戦』でもない。また別のイレギュラーが渦巻いている】

――――ッ

【足音はよく響く。ヒールのような硬い音でもなく、男の革靴より軽い。女か少年か…地元の人間だろうか】
【だが男は警戒して、腰のベルトに吊るしたリボルバーを引き抜いた。携帯しているにはすこしばかり大きすぎるそれには】
【美しい模様が彫られていて、人殺しの道具には到底見えない。冷たく凛とした佇まいの『サブリナ』と名のついた銃を握りしめた】

【くわえた煙草を吐き捨てて、火がついたまま路端に転がるマルボロ。上体を起こして、待っていた】

ネズミはもっと弱った人間に集る。これぐらいじゃ近寄っても来ない。つまりはまだ、[ピーーー]ないってことだ
……“元”持ち主だ。ほんの30分か前に、この街にあげちまった。

【男は少しホッとした。最悪の状況ならもう引き金を引いて、死んだか死なせたかしてたところだった】
【だが…遅れて違和感もやってくる。この違和感は―――】

そうだな…死にはしないし、歩けもするが…しばらく休みたい。
この街の人間か?…いくら払えば、しばらく身を隠せる場所に連れてってくれるんだ?

【男は血を拭った手でポケットの金を掴んだものだからその紙幣には血がついていた】
【金額にすれば大した額じゃない。道案内のチップには高すぎだが、娼婦にわたすには少ない】
【だが、この少女が単純な街の人間じゃないではないだろうと疑っていた】

【同じようにこの男が単なる交通事故の被害者だと彼女も思っちゃいないだろう】
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/06/02(土) 22:45:19.16 ID:R5zn6+Gc0

【路地裏】

【暗く陰気な細い路地に響くのは絹を裂くような女の悲鳴とカツカツと鳴る高く早い音】
【そして、がちゃん、という機械音】

【ドレスに身を包んだ女だった。化粧をしたその顔は恐ろしい程に青ざめていて】
【そしてその背後、迫り来るのは一体の人型の機械(アニマトロニクス)】
【錆だらけで所々の外装が剥がれたボロボロの身体。剥き出しになってしまった両脚の発条を軋ませて弾む】
【その錆び付いた手の中には数本のナイフが光っていて】

【不意に女が足をもつれさせて転ぶ】
【その姿に機械がクスクスと笑い】
【──否、機械ではない】
【機械の背後には一人の幼い少女が立っていて】

……あはっ♪
つーかまーえたっ
【アッシュブロンドの腰まで伸びた髪に血塗れの病院着。虚ろ気味の桃色の瞳が三日月のように細められて】

──さあ、"パレード"に"ご招待"してあげるわ
【思う存分楽しんでね?と少女が声を弾ませると同時に錆び付いた人形機械はその手のナイフをへたり込む女に投げつけようとする】


267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/02(土) 22:59:32.43 ID:nRTbKs3k0
>>265

【やがて現れた少女は、彼の手に銃が握られているのを見止めたならば、その場所で足を止めた。――銃の間合いではあったが、それ以上は近寄らず、けれど離れもしない】
【どこか涼しげな表情の中でよく映える鮮やかなマゼンタを細めてから――アイコンタクトというほど親しげでもない視線を向けるのだ、それは悪手ですよね、というように】
【どっちが死ぬにしても、生き残った方が警察と対峙することになる。あれだけ居たならば対能力者用の人員が居ておかしくはない、そうでなくとも、押し寄せられたら面倒だから】

【――ならそれはある種で契約に似ていた。お互いに警察を相手にしたくはないですよね、と、分かっていてやっているような】

そうですね、そして、鼠が集まったならば、蛇がそこに現れます。食物連鎖ですね、頂点は何だと思いますか? 人間でしょうか?
残念ながら違います、――蛇ですよ、宇宙丸ごとを呑み込み新たな宇宙を創世されるウヌクアルハイ様こそが万物の頂点ですからね。

【相手がお互いに相手を見止めたタイミングで撃たないのを確認したなら彼女は前述のとおり彼のそばに寄る、そうして、じっと覗き込むなら】
【――嫌な予感を伴った。それとも彼が――探偵である彼が、何にもしらなければ、それは些細な違和感に過ぎる。けれど、知っていたなら、冷たく甘い毒の予感に似て】

いいえ、違いますよ。しばらくってどれくらいですか? "今"歩いてどこかに行けるくらいでしたらお手伝いしますよ。それ以上はそこまで暇じゃないですから。
出直すと言う言葉に今日は休暇ですという意味は含まれません、先生が渋滞にハマって1時間目が自習になるのと似ていても違いますからね。

――ですので、あなたが安心するところにご自身で歩いていくまでお手伝いするだけですよ、分かりますか? 
本来であればこのようなことはしないのですが、それはお互い様ですよね? あの"犬"はしつこいですから、ここで会ったのもウヌクアルハイ様のお導きでしょう。

…………金ですか。おあいにく様ですがそこまで資金に困窮はしていませんから、要りませんよ、それとも、そういう手続きが必要ですか?
でしたらいただきましょう、追いかけられたところで護っては差し上げませんが、よろしいですか? 傭兵ではないので、ご理解いただけますね?

【この街の住人かと聞かれたならば、少女は否定を返す。しばらく休める場所――と言っても、そこまで用意するつもりまでは、ないのなら】
【ひどく薄情にも見えた、けれど、こんな場所であればこんな程度だってひどく優しげに見えてしまいそう、――動けないようなら手助けする。それ以上はしない、明確な線引き】
【血に汚れた紙幣を出されたなら少女はひんやりと笑う――要るか要らないかで言えば"要らない"。けれどそれに、そうすることに、意味があるのなら。受け取る、契約として】
【少女は彼が"どこか"まで歩いていく手伝いをしてやるがそれ以上のことはしない。彼からすれば――金を払って"行きたいところ"まで歩く、手伝いを、少女にされる】
【ただし護ってくれやしないし、最悪余裕で囮にして逃げそうでもあった。とはいえ――ここでこのまま転がっていても、どうなるかは、分からないんだけど】

【――ウヌクアルハイ、という名前は、秘匿されたものだ。けれど最近は、全体の動きが活発化したのに合わせて、どうしても端から漏れ始めている】
【まして彼女はそれを隠さない。証明である蛇を隠していると言うだけで吐き気がして死んでしまいそう、ならば、言葉では、忠誠を誓うことにしているから】
【"蛇"という単語もまた、気になった。――けれど、同時に。こうして路地裏を一人で歩こうと言う意思があるんだから、"そう"だとしても、何かの武装があるに違いなく】

【――――目に見える場所に見受けられないなら、きっと、能力者だったから】
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage saga]:2018/06/02(土) 23:50:15.16 ID:NSLYknGc0
>>267

【その契約を成立させるために男は拳銃を仕舞った。吐き捨てた煙草はいつの間にか火も消えて】
【彼はまた新しい煙草に火をつける。ゆらゆらと、壁に手を付きながら立ち上がって】

…鼠に食われてるようじゃ、鼠を何が食おうが知ったこっちゃない。宇宙の始まりも終わりもな
今さっきガードレールに突っ込んだ奴に哲学も宗教もいらないよ

【男は探偵だ。探偵は気がついた。蛇、宗教―――“サーペント・カルト”】
【サングラスがなければその動揺が目に出ていたかもしれない。ほんの一瞬、頭をよぎったその言葉】
【多くは知らなかったが、必要なことは知っていた。そして、知らなくてはならない】

【だがどうすればいい?鈴音を返せというのか?それは馬鹿げてる。ボスに合わせろと?不自然だ。拠点に連れて行け?】
【悪くないが、リスクがデカすぎる。――この少女からどこまで…何を聞けば】
【探偵はもっと詳しく調べる時間があればよかったと後悔した。公安や様々抱えた今、サーペント・カルトはまだ手薄だった】

ならさっさと、この街を抜けよう。土地勘があるやつが居ないのは…ちょっとまずいが。仕方ない
通りが…封鎖される前に…蛇が飲み込む前に、あの野良犬に俺たちが食われちまう

【彼はよろめいて、立ち上がってもその足取りは重かった。平気そうな顔をしているが、見た目通りボロボロで】
【血をにじませて、痛みを堪えているからか額には汗が滲んでいた】

…サーペント・カルトがこの街に何の用事だ。俺みたいに、公安の要人でも殺したか?

【男は悩んで賢い駆け引きをすることを一旦放棄して、カードを切った。それもまた駆け引きだ】
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/03(日) 00:22:53.37 ID:4v7cYp6X0
>>268

……はい、お上手です。それが賢いですね、銃声なんか聞こえたら、大喜びでなだれ込んできますよ、そういうものです。
犬の狩りはいつまでも追いかけまわすそうですね、そんなところまで踏襲しなくってもいいと思いませんか?

【彼が拳銃をしまい込んだならば少女は綻ぶように破顔する、そうして"手助け"するのだろう、手でも、なんでも、出せと求めて】
【従ったなら――鮮やかなマゼンタ色のリボン。どこからともなく取り出して、彼の身体に結び付けようとするのだ。明らかに能力の発動ではあったけれど】
【受け入れさえしてくれたら――いっとき、その苦しみは"阻害"されるだろう。彼にしてみたなら強い鎮痛剤でも飲んだ時みたいに感じるかもしれない】
【脳の、痛みとかなんだとかを受け取る場所だけが、麻痺するみたいに。――あんまり快い感覚ではないかもしれなかった、けど、それならば、きっと、"歩ける"はずで】

【それで、その時にでも金を受け取るはずだった。血の付いた金なんかどこで使うんだか分からないけれど――そういう、契約だから】

【――哲学も宗教も要らないという言葉には返事がなかった、ただマゼンタの瞳がじっと見つめてから、少し遅れて、口元の笑みが追い付く、瞬き一つ】
【冷たかった、――まだ何も言わないけど。あんまりに否定する言葉を重ねるのは良くないって思わせるように。片っ方だけのロンググローブ、白い手袋の指先で口元を隠して笑う】
【ならば目だけが良く見える、――マゼンタ色の瞳が、じっと、じっと、じっと。見て来るから。それは相手を探るようでもあった、相手が何者であるのかを、確かめるように】

土地勘ですか、そうですね、ないですけど。ウヌクアルハイ様の導く通りに行けばいいのですよ、ウヌクアルハイ様はその瞳で万物を見通しておられるのですから。

【きちんとくびれた腰に手を当てて立つ、ならふっくら豊かな胸元が強調されて、真っ白な素足も、うんと、うんと、見せつけるように】
【薄い藤色のロングヘアがとろとろ雪崩れるように艶めいた、――くすりと薄い笑み、それは、相手の続けた言葉に対しての返答、鮮やかな瞳を細めて、笑い】

――――――あれ、私たちのことをご存知ですか? おかしいですね、どこで知りました? 警察の人間、ではありませんね。追われているようですから。
でしたら、どちら様でしょう? 私怨でしたらオススメをしません、ウヌクアルハイ様がもうじき受肉されるのです、――贄ならいくらあっても足りないくらい。

公安の要人に特別の興味はありません、あなたは公安の要人を殺したんですか?
私たちはウヌクアルハイ様がまもなく迎えられる受肉の日のための準備を整えているのです――、ところで。

【否定をしない。それどころか話の内容を聞く限りどこまでも肯定していた、――近頃、やけに動き回っていると聞いた通りだ、それを、裏付けるように】
【きっと彼の方が身長が大きい――それでもひどく威圧するような目をしていた、うんと冷たくて、冴えわたる色合い、色素の薄い中に、マゼンタ色は異物のようによく映えて】
【そこには絶対的な自信があった。ならば少し迂闊でもあったかもしれないけれど、それでもなお、それはとてもとても喜ばしいことだから、という風な、声が紡いだなら】

【――次の刹那には一転して】

ずいぶんと"お元気"ですね。私の手助けは要りませんか? ドタキャンは結構ですがクーリングオフは受け付けませんよ、どうしますか、おひとりで帰られますか?

【余計なことをするのかしないのか――最初の契約通りにどこかまで送っていくくらいなら、まだしてくれる気があるのかもしれない、少なくとも、敵意はない】
【だけれど、彼が寄り道をするんだって言ったなら、それ次第では全く豹変すると理解らせるようだった、――手がかり、ではあった。けれど、容易なとっかかりでは、決してない】
【命綱のないボルダリングで次の石がうんと遠くにあるみたい。このまま捕まっていればきっと落ちないけれど、ジャンプして、そこを掴めなかったら――どこまで落ちるんだろう】

【――それは多分暗がりの中で口を開けて待っている蛇の胃の中、一方通行の暗闇の中、二度と戻れなくって、だけど、登り切った先に希望があるって、信じているなら】
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/03(日) 01:32:43.64 ID:4v7cYp6X0
>>268>>269
/すみませんっ、眠気がひどいのと明日起きないとまずいので、お返事まだですが、お先に失礼させていただきますっ
/明日明後日と来られるのが夜10時過ぎとかなので、置きに移行かこちらで継続かはお任せします
/本当にすみません! ひとまずおつかれさまでした……
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/06/03(日) 18:04:36.23 ID:k+jUKRAy0
>>269

…人間を模倣するよりはよっぽど正しい。

【犬は人間に作られた動物だ。牛や豚のような家畜と似て、狼を従わせるために作られた生物だ】
【しかし狩人としては人間よりもよっぽど賢い。人間は主であっても、劣っている】
【彼はそんな犬を真似る“野良犬共”を冷笑するように、つぶやいた】

【そして彼は彼女の差し出した手を取らなかった。】
【苦しそうに壁に手を付きながら、それでも自らの手で立ち上がろうとした】
【そのジェスチャは拒絶だ。信頼をしていない証だ。彼女にとってはそれは気に入らない態度か】
【それとももはや慣れたリアクションか】

【差し出した金は、受け取らなければ男はまたポケットにでもしまい込むだろう。金なんてどうでもいい】
【信頼や繋がりを簡易な物理的なものにしているだけだ。本来、紙切れなんて焚付ぐらいしか意味もないものだ】
【ありがたがるのは何千年と繰り広げた耕作文化が生み出した洗脳だ】

…俺の勘よりは役立ちそうだ。

【彼女の信仰は一切の疑念もないのだろう。経験な信者そのものだ。だが、それはその進行の外にいるものから見れば】
【単なるパラノイアに思える。思慮深い人間なら自分も多くのパラノイアに侵されていることを知っているからそれを否定しないが】
【カルト宗教を受容する程この社会は寛容ではない。それはこの男も同じだ】

知り合いが、アンタのところで世話になってるみたいでな。それに…警察の人間じゃなくても
その手の情報は買える。あんたらが野良犬に付け回される理由ぐらいは…

【器用にくわえたままタバコを吹かす。フィルターが湿らないように、渋い顔をしながらサングラスの男は】
【少女を見やった。威圧する目に答えるように。サングラス越しであるが彼もまた敵意までいかないもの懐疑的な目をしていた】

何処が元気そうに見えるんだ?…そっちこそ今更…3ブロックは付き合ってもらう。

【ひどく頭を打ったのか、額から流れる血は止まらない。】
【追われるものが二兎居るのだから追手も2倍ということだ。これは不幸な偶然か、思し召しか、策略か…】


/すみません。寝落ちてしまってました…本当に申し訳ないです。
/今日はある程度までロールできるかと思いますので一旦凍結でお願い致します

272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/03(日) 20:33:17.80 ID:w9cWlMxCO
【水の国 路地裏──】

【落ちた日差しの残照も消えて、宵闇が薄く靄を広げたなら、そこに浮かぶのは朧な月】
【深い夜の狭間に照らし出されるその輪郭は、微睡みの様に淡い線を見せて】
【──、しとりと目蓋を閉じて、睫毛を頬の水面に浸した】


移りゆく時は永遠に、或いは時に緩やかさを保って、落ちていくように思って
手を伸ばしたなら届くのでしょうか、枝垂れる指先に誰が残っていて
──イケない御仁です、乙女の秘所は暴き立てるものじゃなくて

ただ静かに立ち尽くすものなのに、ね


【腰まである蒼銀色の長髪を大きく後ろで二つに結って、赤いリボンの着いた黒いケープを羽織る】
【ケープの下には黒いチョリ、下乳から鼠径部までを大きく露出し、黒いパレオで下半身を透かす】
【中東の踊り子の様な格好をした、黒と赤のオッドアイの褐色肌の少女】

【お臍の下あたりに刻み込まれた、黒い蛇のタトゥーが印象的であった】

【──、季節外れの雪に似ていた。まるでお伽噺に迷い込んだみたいに、彼女はその薄景色を背に透かして】
【後はもう語る余地などなく、ただ藻屑の様に果てた死体が足元に転がって】
【蛇の跡が示す、戯れの痕跡──、迷い込む掌は何処へと】
273 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/03(日) 20:48:22.79 ID:Wj3j+TW00
>>272

【冷たい雫が夜を満たすような、澪色の靄が世界を覆うような、そんな憂鬱な夜だった。】
【水面に手を触れる冷たさは誰だって知っている。おずおずと差し入れる乾いた掌、水が纏わり付いて、呑み込んで、体温を奪っていく感覚。】
【 ── だからこそ、自分の名前を叫びたくて、肌蝕む水に侵されるのを、人は恐れるのだろうけれど。】


「殺すわね、随分と」


【夜の水面を凍りつかせる様な、怜悧で冷酷で、けれど澄んだ女の声。】
【振り向けば成る程、女がいるだろう。身の丈は少女が見上げるほどで、冷たい夜闇を纏うような黒い外套姿。】
【触れなば溶ける、 ── どころか、手ごと悴ませてしまうような、そんな銀色の髪。腰元まで静かに流れ、顔の半面を隠していた。】


「"困る"のよ。"色々"と。」
「だから、死んでもらう。貴女の名前も、知らないけれど」
「せめて乙女らしく有りなさい。死に顔くらいは、安らかに、ね。」


【 ── 無形にだらりと構えられた両腕、その鋼の鋒に握られるのは、一挺ずつの拳銃。】
【氷の罅割れるに似て、 ── 殺気が走る。黒い躯体に血が通い、神経が張り詰めていくのは、武芸者ならば解る筈で。】
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/03(日) 21:00:53.16 ID:w9cWlMxCO
>>273

【褐色肌の少女は視界の片隅に貴女を捉えて、静かに微笑む──、正確にはその暗示を示す】
【けれどもそれは確かに微笑みであった。表層に浮かぶのは僅かな波紋であるけれど】
【浮かんだ漣は質感を保っている。予想外の上物が出てきた、と】


── "シャーデンフロイデ" 或いは "プリオル"
ごめんなさい、あまりにも名前が多くて、何と名乗ればいいかわからないの
だから私は今の名前を告げましょう、たどる術はだからといって変わらないから

因果を舞って、世界線を渡る。それは普遍的な唄に似て、残る僅かな違和感もなく
唯ひたすらに、唯我儘に、私の蝶はその羽を羽ばたかせるから
だからお嬢様。── そんな粗末な玩具お捨てになって


‎────"هيممنوس كرونيكل"────
───"Hymmnos Chronicle"───



【ひらりと、指先が乱れる。それはさながら夜空に浮かんだ星を一つ摘むように。服飾が風を生んで流れたなら】
【零れ落ちる蝶、宵闇に紛れる黒い羽が世界を渡り、貴方の元へと飛んでいく】
【目の前に蝶が飛来したなら、その位置を中心に風の刃が乱れ飛ぶ】

【皮膚を裂き肉を抉るには充分な鋭利さで、間髪入れずに少女は攻撃を仕掛けてきた】
【攻撃の位置は蝶の周辺であるから──少し離れたなら回避はできるが】




275 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/03(日) 21:15:21.93 ID:Wj3j+TW00
>>274

【蠱惑的な、少女が宿すには余りに蠱惑的な、だからこそ益々持って蠱惑的な、そんな微笑みに】
【然れど彼女の表情は凍り付いたようで、けれど嘲るような言葉には、── 自身の得物を一瞥して、皮肉めいた嗤いで返し】



「此れが玩具だというのなら、この世の全ては皆なまやかしよ」「だって此れは、あまりにも、人殺しの道具であるから」
「"死"さえも児戯に過ぎぬと言うのならば、 ── それもまた、当たらずとも遠からず、かしら」

「アリア。アリア・ケーニギン=デァナハト(夜の女王のアリア)。彼岸の手土産に、覚えておきなさい。」



【痩躯ぐらりと屈んだならば、 ── 転瞬に跳躍、真っ直ぐに少女へと、それは文字通りの"人間業"に非ず】
【ぎしりぐちりと超硬質チタン製のボディ・フレームと人工筋肉が軋み唸る音が聞こえるだろうか。そう、彼女は、つくりもの。】
【闇を撫でる黒蝶々が恐ろしい死の風を生み出して、跳んだ女の肌に触れた。左腕、手の甲から二の腕、掠めるように幾重にも切り裂かれ】
【然し彼女に躊躇いはなく、痛覚神経さえ遮断しているのだろうか、 ── その懐に潜り込めたのなら、冷酷な青い瞳が、少女を見上げ】
【はらり銀色の長髪が閃けば、傷ついた腕を少女の眼前で薙ぐように、──乾いた銃声、装薬量ゆえにマズルフラッシュは朧げで】
【腕を薙ぎ払うように9×19mmパラベラム弾のダブル・タップ。狙うのはどちらかの腕。アイアンサイトも介さない荒い射撃であるから、それは牽制にしか成らないだろうけど】
【 ── ぴしゃり、と。コンクリートの壁に血が飛び散る。血の香りだけが、女を人間らしく在らしめていた。】
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/03(日) 21:32:44.67 ID:9vUNcl2Mo
>>275

【蒼銀の髪は艶やかな銀を見せる貴女と対照的に、今咲いたばかりの白百合の様な楚々と可憐さを見せて】
【貴女を謳う言葉に美しいというヴェールを被せるのなら、彼女には可愛らしいという装飾を添えて】
【砂糖菓子の様な頬に染み付く睫毛が、濡れた髪色と、潤いの汀を渡っていく】


、── アリア様と申されるのですね、一人夜に歌うのは悲しい旋律で御座いましょうに
そうであるのなら、貴女もまた物言わぬ骸に成るのが相応しいかと
きっと冥土の方にこそ、アリア様を待つ方々がいらっしゃるでしょうに──

故に私は明確に拒絶致します。── 貴女様の演目は既に終わったと


【示す光は灯火に似て、火点し頃の夜闇を飾り立てる終の住処の如く】
【少女の伸びた指先が、虚空を繋ぐ様相は、星々を繋ぐアステリズムに相応で】
【──、或いはその軌跡を星座と嘯くぐらいには僅かばかりのあどけなさを兼ね備えているみたいに】

【彼女に着弾する刹那、銃弾が切り裂かれる──、風の刃が縦横無尽に吹き荒れた様に】
【そうして奇術師が銃弾を変えてしまったかの様に、黒衣の蝶が数匹飛び去っていくだろう】
【身に纏ったパレオが吹雪いて、風切り音を鳴らすと、伸びた脚線が月に傅いて】


その身を機械に窶しても、それでもなお戦うのなら──
その行く末はきっと、糸の切れた傀儡の様に憐れ無惨に散ってしまうのだから
──それでもアリア様は戦うと、嘯くのでしょうか


【もう一匹蝶が羽ばたいた。──するりと夜を抜けて、貴女の頭上へと飛んだなら】
【降り注がれる鱗粉が爆発する、一つ一つは小さな炸裂であったが、鱗粉が重なると小規模の手榴弾の爆発に似て】
【── 貴女なら気付くだろう、爆発の刹那、蝶から聞こえる銃声に似た音が】
277 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/03(日) 21:50:46.07 ID:Wj3j+TW00
>>276

【躱される、受け止められる、 ── この程度は想定のうちであったけれど、まさか「弾かれ」「切り裂かれる」とは。】
【青い瞳は微かに見開かれた、 ── かも知れない。ともすれば、儚く切ない少女の顔立ちとゆびさき踊る姿に、憧憬でも感じていたのかもしれないけれど】
【然し頭上でなにかが「弾ける」音を聞いた。今も昔もよく聞く音。「GRENADE!!!」それが戦友の断末魔。】
【回避には余りに時間がなかった。それに肉体への執着もなかった。 ── 二発目の銃撃、その反動は敢えて制御せず、頭上へと左腕が来たるように。】
【そして鱗粉の炸裂。蝶が弾けるのであっても火薬の匂いはするのだろうか。外套を焼き、その下の肌に深い火傷と裂傷を負いつつも、喰らい付いた狂犬のように、彼女は懐から離れずに】



「 ── ── ッ。」「 …… 生憎と、会いたくのない連中ばかり。」
「貴女の愛らしい顔を見ている方が、まだ心も和むというものかしら」「蝶の標本を作るのは、昔から苦手だったけれど」



【 ── 飛散した血痕が、輝きながらも影を産まぬ昏い光を宿すのを、少女は見ることができたろうか。】
【"処刑人の血潮"が嘶くのだ。つくりもので、傀儡で、ひとでなしである筈の、女の躯体に流れる赤い血。彼女が唯一、拠り所とする己れの異能。】
【刹那、血痕より顕れて喚び出されるのは無数の"槍"と"刺剣"。鋭い鋒たちは鉄の処女に似て、明白な殺意と速度を以って少女を貫こうとする。】



「人も所詮は傀儡よ。」「肉体は意志の傀儡、そして意志も運命の傀儡」
「己れの動かすところにあると、── そう疑わない貴女の意志に、どれだけの無意識が介在しているのかしら、ね?」



【そして続いて擡げるのは右腕。セーフティなんてとうに切ってある。チャンバーは炸裂の瞬間を待っている。10.4mmの銃口は、睨めつけるように少女へ向けられ】
【 ── その銃声は"爆発音"だった。拳銃から放つには役不足もいい所、だからこそ此の殺し合いには相応しかろうか、】
【夜闇を皆な照らし上げるようなマズルフラッシュが広がり、銀髪に隠れた女の半面をかき上げて、そこに見えるのは醜い火傷の傷跡、眼帯に似せた黒い義眼。】
【ライフル並の火薬量から放たれた大口径の高速弾は真面に喰らえば致命打である。無論のこと蝶の舞う鉄壁の前には、決してそうとは成り得ないのだろうけど ── 。】
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/03(日) 22:04:42.04 ID:9vUNcl2Mo
>>277

【眩き夜に舞う貴女の姿── 月影を游ぐ尊き手腕は彼女の動体視力では残照を辿るだけで精一杯であった】
【細くしなやかな首筋が微かに揺れる、それは確かな息を呑む音色。艶色混じりの音律を響かせて】
【流れる前髪が寄り添う様に頬を撫でて、珈琲色の褐色肌を修飾していく】


っ……──これはまた、恐ろしい能力をお持ちですね……!!
血を媒介に物質を生成、と言った所でしょうか── 量、質共に素晴らしいですが……
何よりもその意思、明確に私を殺そうと放たれる無数の刃

── アリア様と私と、一体何処に差があるのか、違いがあるのか分からなくなってしまいますね
確かな事は貴女も私も、他者を殺める事に躊躇が無い事
それならば私は、私の意志を持って、その理を否定して差し上げましょう──


【血から伸びる無数の刃、再び蝶が風を巻き起こし弾いていくが、貫通力の増した攻撃を捌ききれず】
【右腕や左足に直撃、褐色の肌からも漏れる血の色は艶やかな赤で──、地面を濡らして】
【少女はその体躯を揺らし、片膝をついた──、眼前に迫るもう一葉】


言ったでしょう、私は私の意志を持って、私の理を貫く、と
── それが "虚構現実" を抜け出し、この現実へと辿り着いた私の矜恃、私の正気を滅んだ世界が保証してくれる
それならばアリア様の意志は、無意識の産物でないと誰が保証してくれるのでしょう?

── 聞こえたなら貴女の音も、私の "蝶/調" となります
それが私の "蝶" ── "Amadeus"


【黒いケープから覗かせる大きく露出した腹部。呼吸をする度に肺の動きが見えそうなぐらい、華奢で】
【そのまま視線が臍を辿り、下腹部に刻まれた蛇の刻印を確かめるのだろうか──、そして鼠径部へと下り】
【下着に指をかけるかそのぐらいの位置で漸くパレオが目に入る、兎に角素肌を露出した格好であった】

【──、高速弾が "掻き消える" そうして生まれる一葉の黒い蝶── 業火に似た真紅の色合いが黒地の羽に浮かび】
【羽ばたき、その身を貴女へと近づけたなら、顔の近くで爆発するだろう】
【一瞬の出来事、然し予兆はあった。── 能力のメカニズムを断片的にでも把握出来たなら、回避も可能だろう】
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/03(日) 22:18:56.29 ID:uB2mrsmd0
>>271

【――――「あれ、要らないですか?」】
【自身の手を取らなかった彼を見て少女は薄く笑う、"これ"こそが手伝いであったなら、それ以上のこと、するつもりはないらしい】
【助け起こすこともなければもちろん肩を貸すなんてこともないだろう、あらかじめ言っていた通りだった、そんなの嫌だって】
【やるつもりがないならするはずもない。――ならば金も要らなくなった、彼の方から受けとらなかったんだから契約はなくなって、ただの、二人になる】

そうですね、我らは犬っころに追いかけられてガードレールにぶつかるようなことはありませんよ。ウヌクアルハイ様に祝福されているのですから。

【腰に手の威圧的ポーズは変わらなかった、というより、多少の手持無沙汰なのがあったのかも、しれないのだけど】
【片っ方だけの白いロンググローブ、そうだとしてもあんまり目立たないくらいに彼女は色が白くって整っていた、なら、朝露に枝垂れるスズランの花より、誇り高く】
【やはり自身の捧ぐ信仰に疑念など持っていない、持つわけがない。そしておそらく否定されたならば激昂する、相手のことなんて、あんまりに当然に、殺そうとする予感】

――――その方は素晴らしいです、正しく善い行いに気づかれたのですね。我らは善きことのみを積み重ねております、ウヌクアルハイ様のために。
そして我らはウヌクアルハイ様と一つになって、全ての輪廻をウヌクアルハイ様と過ごすのです。――――そうですか、安売りバーゲンセールじゃないと、いいんですけどね。

良かったですね、警察がこんなに大量に近くに居て。どなたですか? そんな情報を売っている方は。
情報の真偽を確かめねばなりません、――ウクヌアルハイ様について虚偽を並べ立てているのだったら、それは違うとお教えして差し上げないといけないですから。

【――そうして少女はうっとりと破顔した、彼の言葉に応じて、ひどく喜ぶように。そしてきっと本当にそうだった、正しく、すべきことに気づいた"誰か"を喜ぶなら】
【そればっかりは少女らしく純粋に嬉しげな声を出すのだ、――都会のクレープ屋さんの前で、不審者として現行犯逮捕されるまで居座ってれば、十五回くらいは聞けそうな声】
【だのに次の刹那に声は冴えてしまっているから、それもまたどこか年頃の少女に似る。移り気な様相、なら、薄曇りの日のお月さまのよう、ちらりちらりと、覗き見せ】

【――――互いに追われるもの、だけれど、それが、かえって互いの抑止力になることも、ある。きっとお互いに不必要に負われるのは、避けたいに違いないなら】
【――ああでも、彼女は、元気そうだったから。もしも気に喰わないことがあったら――動くことに躊躇いはない、に、違いなくて】

280 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/03(日) 22:27:23.99 ID:Wj3j+TW00
>>278

【「やった」 ── 手ごたえはなくとも、刃が肉を抉る音、艶なる苦悶の呼吸が、強化された聴覚系に伝達される。】
【惜しみない賞賛には、「それはどうも」と。その戦いに高揚はなく、敬服もなく、ただ曲がらぬ殺意だけをもって】
【それでも矢張り、瑞々しくしなやかな褐色の肌地から血が溢れる光景は、彼女に"生の実感"を与えるのだろう。】


【なればこそ其の問いにアリアは笑う。】


「ふ ── 」「知らないわ、そんなこと」
「この自我は本当に自我なのか。」「いやほれだけじゃない。どこまでが私の意志で、どこまでが世界の無意識なのか」

「わからないから、ここにいるのよ」「 ── 誰かの命を奪えば、その境界も知れそうな気がして」


【そして再びの炸裂。己れの銃撃が何れも効力射になり得なかったことを、はっきりとアリアは自覚していた。】
【再び片腕で受け止めるけれど、その体躯とて鉄壁の盾ではない。焼け爛れた皮膚の上を、さらに炸裂が躙って】
【 ── 捥げかけた左腕、酷い火傷から流れ出る赤い血潮。しかしアリアは灼けた皮膚を地面に押し付けて、傷咎めでもするように】
【痛み故だろうか、わずかに端整な顔を歪ませて、それでも黒く昏い血溜まりを壁へと描いたのならば】

【喚び出されるのは一振りの剣。"銃撃"では駄目だ。奴はなにかを「受け止めている」。】
【プランA、 ── 受け止められないレベルの火力攻撃。却下。閾値が分からないのならば余りにリスキー】
【プランB、 ── 格闘武器による白兵戦。条件付き、一部可決。ただしやはり、"受け止められる"条件が分からない】
【プランC、 ── 白兵戦、かつ隙を見てのトラッピング。採用。あくまで剣戟はブラフ、どこかでなにかを"仕掛けて"いく。】

【ふたつの銃を懐に収め、剣の柄を"引き摺り出す"。現れるのは、痩躯の彼女の然し身の丈ほどもある大剣。】
【 ── エグゼキューショナーズ・ソード。断頭用の、鋒を潰した大剣。血の中から顕れたそれを、疎ましげに「片手」で振りながら、】
【青い瞳が再び少女を睨む。闘志であるのか殺意であるのか、きっとそれは執念で、自己の存在証明だった。】
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/03(日) 22:36:25.99 ID:9vUNcl2Mo
>>280

【── "音" であった。彼女の能力に纏わる自称は全て、その音を元としている】
【彼女の "蝶" は音を元に作られる。調が等間隔の音で作られるのと同様に、鳴り響いた音からその性質を宿した蝶が生まれ】
【故に彼女のひらひらとした格好は、風切り音を立てるのに適していた。主とした攻撃手段はそこにあるから】


掌同士を重ねる二人静の様に、月に寄り添う兎の様に、音楽には調和を生み出す決められた間隔があります
その絶対的な関係こそが "調" ──、全ては私の、音階の中に閉じ込められて
やがて其れは音色を深めていきます、終演へと向けて、指揮者は揮を振るわねばなりません

── 羽ばたくのです、"Amadeus" ──今こそ、既存の音階を抜け出し、新たな調和へと
現世から幽世へ、そしてまた現世へ、而して其れは元の現世に在らず
蝶の羽ばたきは世界線を変える、そして私だけが其れを認知出来るのです

世界が綻び、現実の解れが観念を曖昧にして、理が紐解かれていく
然らば、私は再び糸を手繰り新たな世界を構築するのです
"蝶/調" が転び、世界が変容する── 終幕へと向けた、転調


【大剣を持ち近接戦に切り替えたアリアに対し、彼女は依然として能力を使う】
【── ゆっくりと立ち上がったならふらりと大きく揺れて、細い足が朧気に地面を踏んだ】
【呼吸のペースが乱れている、純粋な身体能力はやはり低いようで──】


私は貴女の命を以て、その境界の果てを示しましょう。──
辿るその旅路の終わりは、呆気ない結末でも
怏々にして人生とはそんな喜劇的でも悲劇的でも無く、それ故に劇的では無いのです
何の気ない日常こそが、その終幕に相応しいのですから──

── 私の下へと属しなさい、そして、終わりを……!!


【彼女が右手を横一閃に振り抜く、── 先程爆発した蝶と同じ色合いをした蝶が大量に出現する】
【大技であった、少しの間合いを置いて、蝶は貴女の元へと殺到する】
【触れれば爆発する大量の蝶、その網をかいくぐるのは至難の業であろうが──】

【────ヒトに辿れない、所以などない】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/06/03(日) 22:51:29.55 ID:k+jUKRAy0
>>279

【だがやはり、彼は2,3歩歩いただけで、ふらりと足の力が抜けてその場にまた倒れ込んだ】
【それでも煙草を手放さず、立ち上がろうとするだろう。助けも求めない。眼の前の少女にも神にも】
【彼は抗って、意地を張るぐらいしかできないが。それでも、己で進もうとしていた】

…女神がキスしてきたもんでね。ハンドルを切ったら、ガードレールとも抱き合っちまった

【彼はスーツもサングラスも真っ黒で、多分肺もそんな感じだろう。対比だ。少女と背の高い男】
【白く汚れのない整った彼女と黒く血まみれで不格好な彼、信念に誇りを持った彼女と、迷いに翻弄される彼】
【天国と地獄、信仰の有無がこうなるのだと、誰かが見ていれば言うだろう】

…残された俺らは困ってんだよ。店の掃除もろくにできねえやつしか残っちゃいない。悲しみと後悔が洗い物と一緒に残ってる
あんたらの輪廻に、アイツの運命は――――

【そこで口をつぐんだ。痛みもあるが、それ以上に『冷静になれ』、と自分に言い聞かせた】
【感情で余計なことをしゃべるより、情報のほうが大事だ。これはチャンスなのだから】

この怪我のクレームはアンタのところの神につければいいのか?
…一度、そのツラを拝んでみたいもんだ…神様ってやつのな。

【男は疲れたように笑っていた。――都合よく解釈するなら、救いを求める者だ】
283 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/03(日) 22:55:49.73 ID:Wj3j+TW00
>>281

【どことなく本能で"理解"していた。チタン製の脳殻に収められた彼女のニューロン・ネットワークは戦場に長く身を置き、そして研ぎ澄まされていた。】
【"なにか"大きなエネルギーを生じさせてはならない。それは即ち少女の行使する力へと直結する。】
【そしてそれは何れも、なにか切っ掛けが必要だ。 ── 転調? 調律? 調和? そしてそこには、蝶が、舞う。】

【幾十、幾百もの蝶の大群。 ── 迫る。ゆらり、青い瞳が、殺意と共に残光を残す。そして、】


「自分が、誰のものかも分からないのに ── 」
「貴女にくれてやることはできないわ。」「この体も、この命も、この心も ── !!」


【 ── アリアは「飛び上がった」。その人ならぬ体躯に有りったけの膂力を込めた跳躍、ムーンサルト、くるり虚空にて一回転、】
【路地裏に差し込む冷たい月光は、彼女のシルエットを顕わにして、自由落下、漆黒のチェスターコートがはためくのは宛ら御伽噺の吸血鬼。】
【然しその青い瞳ばかりがぎらと冷酷な熱量をもって光っている。 ── ビルの壁面を蹴り、また蹴り、不規則な軌道の三角飛びで急速に落下しながら、】
【最後に少女へと迫る一刹那、大きく体を捩らせて、"轟"と一際に大きな風音が薙ぎ払う。 横薙ぎに振るわれる大剣。】
【そして少女は右前方、地面へと飛び散る血溜まりに、きっと気付き得るだろう。"それ"が狙い。黒い光が瞬いたのなら、現れるのは幾多もの"指向性地雷"。】
【然し血の飛び所が偏ったのはアリアにとってまた不運であった。地雷、召喚から探知、そして起爆による散弾の飛散まで、 ── "逃げ切れる"だけの時間はある。或いは、渾身の斬撃により、吹き飛ばされても。】
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/03(日) 23:05:14.48 ID:9vUNcl2Mo
>>283

【降り注ぐ宵月の、狭間に見える微かな希望── 透かす頬の体温に似た、淡い結晶の様な煌めき】
【きめ細やかな肌は天鵞絨の様な質感を保って、表層に浮かべた潤いすらも艶やかな蜜に似て】
【互い違いの双眸が真っ直ぐに貴女を見据える。目尻が蕩ける頬の熱量にも近い温度】


────っ……!! 


【高速で移動するアリア、その軌跡を追うのがやっとであった。困惑した表情を浮かべたなら】
【振るわれる大剣、思わず前へ飛び回避しようとしたなら、眼前からは彼女と迫る指向性地雷】
【息を呑んだ、刻一刻と迫る二重が──、彼女の身を貫かんとして】



【──、とくんと大きく心音がなった、なら】



【大剣は "空" を切るだろう── 正確には、空を切ったかのような軽い感触】
【指向性地雷も同じ様なものであった。着弾寸前にその対象を見失ったかの如く】
【彼女の居た位置に居たのは、無数の "蝶" ──彼女の体が蝶へと変化し、攻撃は蝶の群れを崩すに終わった】



【──、そして蝶は再び少し後方へと舞い戻り】



【元の少女が後方の地面へと出現する、身体を蝶へと変化させ回避したのだろうか】
【けれども、座り込んでしまう。地面へと手をついて、荒々しい呼吸の色が見える】
【──消費が大きかったのだろうか、ぺたんと、お尻が地面に触れた】
285 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/03(日) 23:15:16.50 ID:Wj3j+TW00
>>284

【「やってしまった」 ── 手ごたえは無いのだから、そう悟るのは必然だった。瞳を見開き、なにか呟こうとするけれど、それも時すでに遅く】
【自身の後方で炸裂する散弾地雷。 ── それが何を意味するのか、彼女は"痛いほど"知っていた。】


「 ── しまっ、」


【そして飛来する無数の散弾がアリアの体を貫く。左脚を挽き肉同然に砕いて、人工筋肉の弾ける嫌な音がして、】
【隆起していた筋繊維が弾け、神経系が断絶し、 ── それ以上は失神だって有り得たから、即座に痛覚をカットする。】
【結果として彼女もまた片膝をついた。およそまともには立ち上がれない重傷。流れ出る血の感覚が、アリアから体温と現実感を奪っていく、けれど】


「 ──  …… …… 。」


【 ── ぎり、と歯軋りをしながら。声にならない唸りを漏らし、 ──その瞳は、やはり、言語としてコンパイルするには深く複雑に過ぎる感情を湛えて】
【暫しの睨み合いは続くだろうか。 ── 然しアリアの失血は続き、その血は大きくコンクリートの冷たさに広がりつつもあって】
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/03(日) 23:16:53.82 ID:uB2mrsmd0
>>282

【それでもなお少女は凛と立っていた――当然だろう、怪我も何もないなら倒れる理由がない、だからこそ、彼のことをじっと見下ろしていた】
【165の身長は女としては高めの水準でも、男と比べればそうでもない。ならば男を見下ろすには理由が必要だった、――相手がよほど弱っているとか、跪かれる人間である、とか】
【ならば彼女は前者でしかない。相手が怪我のために崩れ落ちるのに、――だけど、それでも、どこか、後者であると勘違いさせてしまいそうな、冷たさがあって】

【それを自信だと誰かは呼ぶのかもしれなかった。――結局曖昧でしかない人間ではないものにすべてを委ねたなら、自分自身で負うべきものは、うんと軽くなるなら】
【だからこそ宗教はきっと生き延びてきたし生き延びていく。――超常現象に似たものがいろいろなものを持ち去っていくんだから、人間には、すっごくありがたいって思わせる】

店の掃除ですか? 大変ですね。ではその方に"こちら"のお掃除をお願いしましょうか、よく部屋が汚れるんです。仕方ないんですけど。
お掃除がお上手なんですよね? だったらお願いしようかな、――――あはは、そんなこと言いますけど。その方はご自身で気づかれたのですよ、正しき行いに。
それならば、その方の運命とはウヌクアルハイ様に捧げられるべきではないでしょうか。私は、あなたにそれを強要はしませんよ、ご自身で気づかれてこそですからね。

――だけど、そうですね、"気づき"、そして我らと同じ道を歩むと決めた同志を、犬に追われて女神とキスしてガードレールとハグですか?
そういう奇特な方が否定するというのは不愉快ですよ、――。

【本当に全く大変だなんて思っていない顔だった。だけれどそれは同時に心配しているように見えてしまうような表情にも似ていて、ただ、続けられるのは、冗談の色合い】
【居なくなって掃除程度にしか困んないなら特に問題なくないですか、って、言うみたいに。――そして、そのために置いて行かれた"彼ら"を、嘲笑するような、声】
【曖昧でどこまでも闇深い信仰に身を捧げながらも強制はしないやり方、――脅して自白させたって、それは自分で言ったなら、証言と変わりなくできるから】
【――けれど次の言葉に滲む不快感はやっぱり本当であった、自ら気づいて一つ隣の道へ移動した"誰か"の行動を、そんな風に、彼が否定するのは、嫌だと言って】

【足取りがぴたりと止まる、――ひらりと短いスカートが翻る。娼婦にしてはやっぱり、どこまでも、白すぎるから】

ウヌクアルハイ様はすべての痛苦をその身の中に抱えておられるのですよ、もちろんあなたのその痛みさえも知っておられます。
クレームですか? お客様の声ボックスはおあいにくながら用意がないです、ウヌクアルハイ様は善いこと、善行の果てに御座すのですから。
そのような行動は必要ありません、そして、ウヌクアルハイ様のお顔をご覧になりたいというのでしたら――――、

【疲れたような笑みに彼女はきっとどこまでも強気で自信にあふれた笑顔で相対する、ならば白と黒以上に正反対を見せつけるのに似て】

――この世に名を連ねる蛇神のすべては、ウヌクアルハイ様の化身であらせられます。すなわち、八岐大蛇、ニーズホッグ、リントヴルム……、
そのすべての名が、ウヌクアルハイ様を示すのです。ですので、あなたの脳裏に今思い浮かぶ蛇神様がおられたら、それはウヌクアルハイ様のお姿の一つなのですよ。
全ての信仰はウヌクアルハイ様のもとまで流れてゆき、そしてその存在を潤します。ですので、どうぞ、拝まれてください。私はそれを推奨します。

【だけれど答えは簡単だった、――きっと誰にだって一つ二つ、蛇の姿の神様を思い浮かべることが出来るから。それならば"それ"が"そう"なのだと、ある種乱暴さにも似る】
【どの姿に対して拝んだとしても、最終的には一つの神にたどりつくから。それは実質おんなじことだと言ってしまうのだ、――だから、どうぞ、と、あんまりにあっさりと】
【けれど彼の言葉が好ましいことのように、鮮やかに笑うのだ。――家庭教師が子供の気付きを褒めてやるときみたいな、そういう顔で】
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/03(日) 23:24:56.05 ID:9vUNcl2Mo
>>285

【──、少女はやがて根負けした様に、小さく息を吐いたなら、貴女の姿をじっと見つめて】
【言の葉を探した。あどけない頬の行先は、未だ伽も知らない乙女のように無垢な唇】
【それでいて何処か肉感的に濡れた慕情を浸して、僅かばかりの音律にしてみせた】


── アリア様、でしたね、その名前── 忘れません。
"グランギニョル" の虚神が一柱、シャーデンフロイデ
"サーペント・カルト" のオフィウクスが一人、プリオル

如何様にも呼んでくださいませ、音楽家とは、常々無数の名前を持つ者
また会いましょう──、蛇のカルトの印の下に、貴女を必ず


── 生きた贄として、捧げます


【角砂糖が舌先に溶けるように、彼女の身体が蝶へと変化していく】
【紛れもない逃走であった。── 静かに去っていくその名残だけを残して】
【後に響くのは因縁、蛇のカルトは執拗に、類まれなる戦士を追い求めるのだろう】


/こんな所でしょうか! お疲れ様です!
288 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/03(日) 23:42:34.28 ID:Wj3j+TW00
>>287

【諦観の呼吸にさえ彼女は殺意と臨戦に身構えて応じた。精緻極まりないMarionetteのように端整な顔貌は血に汚れ、あまりに穏やかでない感情を知りすぎていて、】
【それでいて"つくりもの"ではなかった。焼け爛れた左半面の膚がそれを証明していた。だのに彼女の表情がいつだって剣呑なのは、精神が肉体すら規定するからだろうか?】



「覚えたわ。蛇の神。邪神の一柱。血に狂い、悪魔に唆され、天国から追放された堕天使ども」
「やってみるがいい。この赤い血だけが人らしい身体が、神に捧ぐ贄として相応しいなら」

「いつであろうと待っている。 ──プリオル。お前を殺す瞬間を。」



【感情の籠らない冷たい声が、然し殺意という意志だけは確かに孕んで、去りゆく姿から片時も視線を離さずに、】
【 ── 毅然と顔を上げ、いっそ美しいくらいの横顔で、次は必ず命を奪うと告げるのは、残酷な戦女神が偶像を忌み嫌う姿に似ていた。】
【そして少女が姿を消せば、ようやく彼女は息を吐くのだ。まだ動く右腕で、通信端末を取り出しながら】



「 ── 聞こえる? こちら"ミューズ1"。 …… しくじったわ」
「始末書も説教も後で好きなだけいいから、今は救援を頂戴。片脚が捥げそうなの。」



【 ── 月光に浴して空を仰げば、ひとしずく、涙が流れた。】


/ではわたしからも、このように。お疲れ様でした!
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/06/04(月) 00:09:16.78 ID:VdvJR/6m0
>>286

【何もかもメチャクチャだ。神なんて居ないほうがまだマシだ。今いるのはイカれた蛇と、信徒】
【それだけじゃない。もう何もかもが悪意ではなく、善意と正義が俺たちを破滅に連れて行こうとしている】
【運命は理不尽だ。どれだけ自分に問いかけても、間違っちゃいないと答えが出てしまう】
【だから抗い続けなきゃならなかった。ふざけんな、クソッタレ。俺もイカれてんのか?もはや否定も肯定も】
【してくれないところまで来ていて、そこに誰も居ない。―――白い少女。羽根でも生えてりゃマシだったのに】

…五月蝿え。アイツが何処で何しようが俺はいい。それはアイツが決めることだ。俺は連れ戻そうなんざ思ってねえ
帰りたいなら帰ればいい。…いや、一度ばかりは帰ってきてもらわねえと困るんだよ。俺も彼奴等もみんなカッコばかりつけやがって
無理しやがって、何が正義だ何が悪だ、神だクソッタレ。泣いて叫んで喚いて殴り合えばいいじゃねえかよ。そうすりゃよかったんだ

【俺はなぜ、鈴音を助けるんだ?誰も彼ももうウンザリだ。自分自身にもウンザリだ。エゴと綺麗事、本音と嘘の乖離と表裏】
【何度も死にかけて、俺はどうして…もう面倒だ。考えるのが。行動に理由を跡付けんのは】
【かっこつけて賢い真似すんなよ俺。ほら、今そこにある感情を表すには頭に浮かんだ一番目の言葉を使えばいい】

鈴音がてめーらのところに居るのは気に入らねえんだよ。利用しやがってペテンの神が。俺の痛苦は俺のもんだ
勝手に知られてたまるか。全員のツラに弾丸ぶち込んでから幾らでも拝んでやるよ。中指立ててな

もうごちゃごちゃ言うのも聞くのも飽きちまった。慣れねえことはするもんじゃない。

…仲間を返してもらうぜ。俺の大事な仲間を。

【気がつきゃ、俺は拳銃を引き抜いて、撃鉄を起こして、銃口を少女に向けていた】
【少女相手に拳銃向けて、理由が八つ当たりみたいなもんだ。救われないぜ。蛇の神さんよ】
【鈴音が成り代わったにしろ何にしろ俺の味方はしてくれないだろうな。】

【感情的になっている俺が引き金を弾くにはあとほんの数ミリ怒りを足すだけでよかった】
【そしてもし戦闘になったら――そんときゃ、死ぬだけだ。きっとろくに動けないだろうから】

290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/04(月) 00:42:45.71 ID:z7uVbnmz0
>>289

【銃口が向けられた、けれど薄い色素の少女は滔々と溢れ続ける慈愛に似た笑みを湛えたままで佇んでいた。距離は――近い、十分に銃の間合い】
【けれど全く動じて見せなかったのだ。それは根拠のない自信であったのか、それとも。根拠のある自信であったならば、きっと、性質はずっと悪くなって】

鈴音……、……ああ。――――――――"そっち"ですか。
お探しの方は白神鈴音でよろしいですか? だったら知っていますよ、ウヌクアルハイ様の化身のおひとつであらせられます。

ウヌクアルハイ様は無上の深淵から幾度となく我らを導かれるためにお姿を現しておられるのです――ですので、そのようなことも、あるでしょう。
あなたは幸運な人ですね、知らずして、ウヌクアルハイ様のお姿が一つと知り合っていたのです。であれば、なぜ、ウヌクアルハイ様を信仰する道を選ばないのでしょうか?

【――甘くて冷たいスズラン色の声音は、一番初め、まるで独り言であるかのようにささめいた。ならばそれは何かを知っている色合い、朝露に濡れるスズランが煌めくように】
【ならば桜の花に艶めく夜露のひとつひとつを指差すように、少女は"少女"の名前を伝える、それからさも当たり前であるかのように、言葉を連ね】
【それはひどく幸運なことだと言ってはにかんでみせるだろう、羨ましいのに祝福せずにはいられない二律背反の甘美な感情、味わったなら、頬がわずかに赤らみ】

――――ですが。あなたは少し言いすぎました、そのように穢らわしい銃口(もの)で、ウヌクアルハイ様の崇高さに、届くつもりですか?
オフィウクスが一人、私(ムリフェン)、を前にして、男だからといって無駄に撃ってはいけませんよ、ここは思春期男子の自室ではありませんし――、
まして若くないんですから。残弾には気を使って。……あんまりに大きな音を出しては家族がドアを開けますよ、よろしいですか?

【その頬をうっとりするようなばら色に染めたなら、少女は唇の端っこを蕩かすように笑んだ、――するりとかすかな衣擦れの音は、その左手から、手袋の抜き取られる証拠】
【果たしてそこには蛇がいた。まるで本物かと見紛うほどに精巧な蛇の入れ墨――それこそがまさに蛇を信ずる者の証、甘く甘く、蜜漬けの果実より甘い声が、囁いたなら】
【銃声を聞きつけて警察が駆け付けるまでが、タイムリミット。それまでにどっちかが死んでいるか――それは、分からないけど。細めた目、藤色の睫毛が、目元を縁取って】

――くだらない障害など案ずる必要もありません、相手が悪かったですね、私はあなたのすべてを阻害して差し上げます。
そしてウヌクアルハイ様の素晴らしさを理解するまで、何度でも、何度でも、何度でも、私が手ずから教えて差し上げましょう。
それが贄を捧ぐ杯の中であれ、関係はありませんからね。"理解れば"よろしいのです、私がそれを"知らず"とも。

――――――――――ウヌクアルハイ様はすべての運命が至る場所であなたを出迎え、そして微笑まれるのでしょう。

【マゼンタ色の瞳がいっとう強く煌めいた――ように見えた。これは錯覚だから、現実では、何の変化もないけれど――なら、少女はいつよりも、強気に笑う】
【ざわり――と少女の左腕に刻まれた蛇の入れ墨が、不自然に蠢いた気がした。――ならば能力の一端を透かしたのかもしれない。曖昧な様子は蜃気楼に似て、けれど】

【彼らは結局、そう遠くまで歩いては居なかった。彼の血垂れを追いかけてきたなら、誰か――それこそ警察、あるいは、他の人物――が、訪れることだって零ではなく】
【その場合に少女は大通り側に背中を向けていた――けれど油断はないなら、もしもそうだったとしても、きっと、すぐに気づくはずで】
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/06/04(月) 01:48:54.06 ID:VdvJR/6m0
>>290

/お返事まだですがちょっと眠気がやばい感じになってきましたので失礼します
/お待たせして申し訳ないです…!すみません!!お疲れ様でした
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/04(月) 01:49:23.39 ID:z7uVbnmz0
>>291
/了解しましたっ、お疲れさまですっ
293 : ◆chzGJBqQ0hns [sage saga]:2018/06/04(月) 16:57:18.22 ID:ftpaqWL80
【大通り──20代後半くらい男が一人、周囲を軽く警戒した後、路地裏に入って行く】
【橙色の瞳に鳶色の髪の毛。中世の修道士のようなゆったりした薄茶色のローブを身に纏い、首もとには長い蛇の骨が悪趣味なマフラーのようにグルグルと巻きついている】

約束通り、私一人で来たぞ。武器も持っていない

【よく通る声が路地裏の奥の闇に響くと、複数の男達が現れ、修道士風の男を取り囲んだ】
【各々が手に刃物を持ち、いかにも犯罪者・チンピラといった風貌だ】

「へっへっへ、じゃあまずは金を貰おうか」

子ども達の安否が先だ。確認させろ

「あー?ガキ共はもうとっくに殺して臓器を売り飛ばしちまったよ」

……何だと?

【修道士風の男の表情が目つきが、変わった】
【その瞬間──首もとの蛇の骨が動き出し、跳ねるように前方に飛び出し──】
【リーダー格らしきチンピラの一人の首を締め付けた】
【あらわになった修道士風の男の首には、”蛇の刺青”が見えるだろうか】

「ぐえぇ!?」

蛮族どもめ……!

【メキメキと蛇の骨がチンピラの首を締め付ける】
【他のチンピラ達は突然のことに戸惑い、立ち尽くしている】

//予約のやつです!
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/04(月) 17:06:02.56 ID:GhcXgsbiO
>>293

【──、風を切り裂く一音、響く金属音が横薙ぎに振るわれ、一閃を描いたなら】
【蛇の骨へとダガーナイフが投擲される。牽制目的の一撃だ、チンピラを手放したなら回避は容易だろうが】


……悪趣味な能力だ。やはり能力者は始末に負えない──、
尤も、その男が許せないのは俺も同意するが。何れにせよ
俺にとって目下の敵は貴様だ、能力者──、そして

" 蛇 "──、その刺青がはっきりと示している、貴様が蛇に与する巨悪であると
ならば俺は俺の意思と、俺達の意志を持って貴様を殲滅する
カノッサ機関、No.4── Fear, Seven for Four、貴様を殺す男の名だ


【白銀のセミロングの髪を靡かせて、長い前髪から鋭く青い眼を覗かせる】 
【やや長身でスラリと伸びたボディラインを濃い青のストライプのシャツで包む】 
【燕尾服調の高級そうな黒のスーツとネクタイ、細く長い指先はシャツと同じ色の手袋】 

【男性らしからぬ女性的な端正な顔たちは、まるで仮面を貼りつけたかのように無表情で】 
【陰鬱な雰囲気を纏う、儚い印象を与えそうな青年であった】
【フィアと名乗った彼は右手に別のダガーナイフを握り、貴方を見据える】
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/06/04(月) 17:26:42.83 ID:hIKCseE6O
>>294

【ダガーナイフが命中する直前──蛇の骨はチンピラを絞めたまま手前に引っ張られる】
【そのままナイフはチンピラに突き刺さり、その命を奪った──】
【ドサリ、とすでに死体となったチンピラを地面に投げ捨て、蛇の骨──その頭部分を自らの近くに戻し、ナイフの飛んできた方向を睨む】

フィア、カノッサのNo.4‥‥‥‥それが本当なら随分と大物が来たな
ああ、私はツァルエル・アーツバニスト
「アーツバニスト財団」の理事長だ
蛇に与する?なんの話かな。これはただの趣味さ。可愛いだろ?

【アーツバニスト財団は、表の社会では慈善事業を幅広く行っている。知っていてもおかしくない。その「裏の顔」は別として──】
【二人が会話している間に、残ったチンピラは蜘蛛の子を散らすように一斉に逃げ出した。能力者同士の戦闘に巻き込まれたくないという、まともな判断】

私はこれから逃げた連中を皆殺しにしないといけない。君に恨みはない。邪魔をしないでくれるか?
296 : ◆chzGJBqQ0hns [sage saga]:2018/06/04(月) 17:32:14.47 ID:hIKCseE6O
>>295
ID変わって酉つけ忘れました
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/04(月) 17:38:05.11 ID:GhcXgsbiO
>>295

【フィアが左手を軽く引くと、投擲されたダガーナイフが手元へと回収される。細いワイヤーの痕跡】
【命を奪った事には大きな変化を見せない、所属が示すその意味を】


恍けるのなら首の刺青を隠してからにするがいい、蛇が大人しいフリをするのは看過できないな
──、俺が口上を名乗った上でその肩書きを出してきたのなら、随分と愚かしい
偽善団体等に興味は無い、能力者は全て、── 俺の敵だ


【両手に握るダガーナイフを逆手に握り直す。煌めく閃光が宵闇を散らして】




──、俺は貴様達に恨みがある。それだけで邪魔をする道理には十分だろう?
世界が貴様達を許しても、俺の方に慈悲はない──!!



【疾走するフィア、地面を蹴って互いの距離を近くしたなら、右手のナイフで切りつける】
【流麗な動作であった。手慣れた調理師の様に、貴方の腕を切り刻もうとする】
298 : ◆chzGJBqQ0hns [sage saga]:2018/06/04(月) 18:00:30.69 ID:hIKCseE6O
>>297

【人を殺めたことによる動揺の類いは一切見られない──手慣れている】

偽善団体か、ふふ、確かにな‥‥‥‥上手いことを言う
しかしそれだけ能力者を狂ったように嫌う君が良くカノッサに所属できるな。あそこには悪い能力者さんがたくさんいるだろうに
‥‥‥‥いや、だからこそか?

【悠長に会話をする暇も、チンピラを追う暇も与えてくれないらしい】
【腕を狙ってきたナイフを、そのまま腕で受け止める姿勢を取り】
【同時に、蛇の骨が移動し、腕に寄り添う外骨格の如くピッタリと腕を守り、そのまま骨でナイフを受けとめた】
【特殊な加工をしているのか生き物の骨にしては硬いようだが、弾き返すほどでは無く──ピキピキと受けた部分にヒビが入る】

‥‥‥‥反撃だ

【目をよく観ていれば気づくかもしれない──静かに視線を、フィアの肩越しに、その奥に向けると】
【───死体が動いた】
【死んだはずのチンピラの死体が立ち上がり、走り出し──フィアに向かって背後から体当たりをしようとする】
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/04(月) 18:07:28.27 ID:GhcXgsbiO
>>298

【深く息を吐いた。── 蛇のカルト、最近活動を活発化させた邪教の集団】
【そのやり口は極めて凄惨かつ、それでいて中々尻尾を出さない強かさを兼ね備えている】
【フィアは内心注意を払う。目の前の人物から感じる禍々しい雰囲気は、一歩油断したなら飲み込まれそうな程に】


──、慈善事業の理事長様が、立派な振る舞いをされるもんだ。その醜悪な蛇が本性だろう
生憎と俺は他人に分け与える慈悲等ない。自分の為で、それ以上の慈しみは品切れだ
恥じるつもりも誇るつもりもない、俺はただ俺の理由で俺の為に生きる、そして

──、俺の都合で貴様達を殺す。それは誰にも否定させない
"機関" に居れば能力者を追える、ただそれだけだ、俺は奴らに身を委ねる程ヤワじゃない
懺悔は済んだか? ならばそろそろ──!!


【受け止められたナイフの感触、硬い──と内心思ったが】
【後方から衝撃がはしり、彼の身体が前方へと投げ出される】
【困惑の表情、男の側を抜け後方へと放り出されたように地面へと叩きつけられた】


くっ……!! それも貴様の、能力か……!!


【片手をついて立ち上がりながら、首筋に向けてひだりてのないふを投擲した
300 : ◆chzGJBqQ0hns [sage saga]:2018/06/04(月) 18:31:09.44 ID:hIKCseE6O
>>299

私だって好きで慈善事業の理事長様になったわけじゃない!好きでこの蛇を体に刻んだわけじゃない!

【初めて声を荒げる──サーペント・カルトの構成員のイメージとは異なる「弱さ」が一瞬だけ、見えたが】
【すぐに平静さを取り戻し】

おっと、失礼。蛮族どもから野蛮さが感染してしまったかな?
もういい、どうせ君とは分かり合えそうにない

【チンピラの死体を使った攻撃は成功し、フィアを地面に叩きつけたが、再びナイフの投擲が襲ってくる】
【咄嗟に首を動かして避けようとするが、ナイフはツァルエルの首筋を掠めた】
【蛇の刺青の横から赤い血がタラリと滴り落ちる】

チッ‥‥‥‥まあいい
君をウヌクアルハイ様の贄とする‥‥‥‥光栄に思え

【左手で首の傷を押さえながら、死体に視線をやる】
【すると、死体がまた動き出た。今度はフィアを羽交い締めにしようとキョンシーの様に両手を上げながら近づく】
【ただし、撃破から拘束に目的が変わったためか、その動きは鈍い】

301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/04(月) 18:40:07.35 ID:GhcXgsbiO
>>300

【ナイフの軌跡が一筋の線となり、描く揺らぎは瞬きに似て刻まれる】
【ダガーナイフの後方に付けられたワイヤーは、細くしなやかに夜を遮り】
【あるいはその鋭さを誇る様に、唯ひたすらに輝いている】


──、その次は好きで戦う訳では無い、好きで従っている訳では無いとでも嘯くつもりか?
俺は貴様の事情など知らない、どんな理由で蛇の鱗に成り果てているのかは分からないが
一人の存在であるのならば、運命すらも踏破すれば良い

どんな暗い闇の中にも光は指す、見上げればそこに無限の星空が広がる
分かるか? 俺は何処までも希望に縋っていたい、星の輝きを追い続けていたい
俺の旅路を────邪魔するな────!!


【フィアの身体が空中に放り出された。首筋を掠めたナイフが空中に静止して】
【ナイフに仕込まれたワイヤーが収縮し、空中へとフィアが駆け上がる】
【死体を回避し、男のすぐ側まで接近したなら──】





貴様が神を信じるより尊く、俺は俺を信仰する





【空中に固定したナイフを視点にくるりと空中で翻り、姿勢を整える】
【もう片方の手にナイフを握り、自由落下をしながら、男の顔に深くナイフを突き立てようとする】
302 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/04(月) 19:11:32.21 ID:Xoa1Q01I0
>>301

ふん。詩人だな。だが君が星空を見上げることはもう無い
君はこれから大いなる存在と一体となり……

【油断していた。相手は能力者じゃない。ただのナイフ使いだと】
【先の投擲が最後の攻撃だったと──思い込み】
【相手の弁を聞き流す気分で、言葉を紡ごうとした──】

っ!?

【ワイヤーの不自然さに気が付く】
【なぜ落下しない──なぜ戻らない】
【──もう遅い】

(あれだけ言っておいてあいつも能力者だった!?いや、それともナイフに仕掛け……そんなことはどうでもいい!)

クッ!!!

【蛇の骨が瞬発的に飛び上がる】
【ツァルエルの顔を守るべく──突き立てられるナイフを正面から受け止めようと──】
【だが先程のようには行かない。落下の力も加わっている】
【此度のダメージは、ヒビでは済まなかった】
【蛇の長い胴体をバネのようにして衝撃を逃がそうとするも、全体にヒビが入り】
【バキバキバキと、瞬く間にヒビが増加しそのままバラバラに崩れ落ちた。蛇の骨が散らばる】

ああもう!修理に時間がかかりそうだなっ

【バックステップでフィアから距離を取ると──】
【地面でバラバラになっている蛇の骨の、頭部だけがフワリと浮かび上がり】
【牙をむき出しながらかなり速い速度でフィアを狙って空中を直進した。肩に噛み付くのが狙いだ──】
【毒などは無いが、噛まれれば実際の蛇と同様、かなり痛い】
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/04(月) 19:23:16.50 ID:GhcXgsbiO
>>302

【──、肩に噛みつかれ激痛が奔る。変幻自在の骨の攻撃は予想以上の応用力を持っていた】
【けれども、フィアの表情に変化は無い。ただ静かな水面の様な表情に僅かな苦悶も見せず】
【噛み付かれた左肩へと、右手で握ったダガーナイフを突き立てるだろう、己が肉を削っても意に介さず】


────、大いなる存在とは何だ。自らの意志以上に誇るべきものなどあるのか?
貴様の信じる存在は、この状況に於いても尚奇跡の一つすら起こそうとしないというのに
まだ貴様はありもしない幻想に、縋っていくとでも言うのか

それならば俺はその妄執ごと貴様を殺そう、僅か一片の救いも無くその存在を穢し
そうして一つ一つ潰した先に、俺の願いが成就するのだから
俺の前に、立ちはだかるな……!!


【右手のダガーを投擲したなら、ツァリエルの頭部へと切っ先が向かう】
【真っ直ぐな軌道、けれどもその後方にはワイヤーが控えている】
304 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/04(月) 19:48:27.40 ID:Xoa1Q01I0
>>303

【蛇の頭部は削ぎ落とされたフィアの肉とともに落下】
【深く噛み付いた故に、食らいついたまま動けない】

ふん。私からすればこのチンピラ同様、君も蛮族だな
己の腕っぷしだけで何かを得ようとする……実際はそんなに強い人間はごく僅かだ。だから宗教が生まれた
宗教は人類の叡智だ───自分より上の。大いなる何かに縋る。失敗も成功もあらゆる原因は自分ではなくその存在に有る
それはとても心地の良いものだ……本来ならばな

教義でも神でも良い。我々にとってのそれが、ウヌクアルハイ様というだけのこと

ああ、もし他のサーバントに会ったら今の言葉は内緒にしてくれ……少々客観視しすぎた

【狂信者のように教義を押し付けるようなことはせず、淡々と語った】

【ダガーナイフが飛んでくる───避けるだけでは先程の二の舞】
【しかし受け止めるための骨は間に合わないだろう】
【ならば───】

【またチンピラの死体が再び動き出す───しかし今度は立ち歩かない】
【死体の両腕から、グチャァと皮膚を裂く嫌な音が聞こえ──肘から先の腕と手の骨だけが飛び出した】
【肉を捨てて軽量化した両腕の骨が、投げられたナイフの後方のワイヤーに飛来し、掴みかかる】
【ワイヤーを押さえることでナイフそのものの動きを封じる魂胆だ】

立ちはだかったのはお互い様。君も私の前に立ちはだかったんだ……!

【そして、バラバラに散らばっていた十数個の蛇の骨も空中へ───そのままフェアに投げ放たれる】
【骨の一つ一つは小さいため、当たっても致命傷にはまずならないが───】
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/04(月) 20:01:56.79 ID:GhcXgsbiO
>>304

【──、奇妙な信徒だとフィアは内心思う。狂信者と比べあくまでも理知的に神を捉えている】
【或いはそれは、より一層の厄介さを孕んでいた。論理的に冷静に誤った道を進めるから】
【舌打ちが響く様に内心で願った、僅かばかりの焦りを浮かべ】


──、行いを他に委ねる等、俺からすれば酔狂もいい所だがな
盲目的に何かを信じるほど憐れなものもない、が──

なるほど、貴様もよく分かっているじゃないか


【自嘲的に笑う。その所作を微笑みと呼ぶのなら、確かなのは何処までも微塵】
【ワイヤーが握られ切断される、見事な手腕であった。── フィアは微かに思考を改めて】
【投げ放たれる骨が彼へと迫る、そして──】


そうさ、ならば、どちらかが死ぬまで戦いは終わらない──!!

" Liquid Tension Experiment"──!!


【右手一本でナイフを振るう、その一撫でによって全ての骨が叩き落とされるだろう】
【貴方の目は捉えただろうか、瞬間的に加速し全ての骨を叩き落としたのであった】
【──加速、呼吸をする暇もなくフィアの身体が沈み、再び接近を仕掛ける】


306 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/04(月) 20:29:05.44 ID:Xoa1Q01I0
>>305

(何だ……やはり能力者……!?)

【ナイフを振るっただけで、骨が全て落とされる】
【勿論、致命傷を与えるつもりの攻撃ではなかった──】
【しかし、暫くの間、身動きが取れなくなる程度には持って行きたかったのだが】
【手慣れていると、先程想ったが、違う、こいつは「強い」──】
【そうだ、単純に強い相手。自分より強い相手──なぜもっと早く気付かなかった】

【──相手はカノッサ機関のナンバーズなのだから】

集まれ!

【ツァルエルが叫ぶ──】
【叩き落とされてさらに細かくなってしまった蛇の骨、ようやく落ちた肉から牙を抜いた蛇の頭部】
【そしてチンピラ死体の両腕の骨と、まだ死体に残っている骨も】
【周囲の骨たちが全て飛び上がり、ツァルエルの右腕に集まる】
【小さい骨をぶつけても落とされるだけならば──ひとつの巨大な骨を作る】
【右腕に収束した骨たちは、隙間を限りなく狭めるように固まってゆき、何倍も大きな"骨の腕”を作り出した】
【大質量を持った骨の腕は、フィアの身体を狙って振り抜かれる──】
【一撃は重いが、あまりにも乱暴で鈍重な、隙の多い攻撃ではある】
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/04(月) 20:46:49.01 ID:GhcXgsbiO
>>306

【振るわれる巨大な一撃、応用力の広さにフィアは目を大きく見開く】
【質量はそれだけで大きな武器になる──、それ故に単純な回避は難しい、だからこそ】
【覚悟を決める、進むべき道筋に僅かな揺らぎもなく】




寄り集まっても骨は骨、俺の研ぎ澄まされた意志には及ばない



── 蛇が、囀るな────!!




【骨が直撃し、フィアの身体が弾き飛ばされる。羽毛の様に軽く飛ばされて】
【感触は軽い、直撃の瞬間に自ら後方に飛んだのであった。幾分かダメージは低くなる、が】
【それでもかなりの衝撃であった、骨が軋みフィアの顔に苦悶が浮かぶ】

【空中にダガーナイフを固定、それに捕まる形で強引に空中で静止】
【反動で大きく揺れる身体を、ダガーナイフを握った右手一本で支え】
【空中で翻り、固定したダガーナイフを蹴り── 真っ直ぐ男に向かって加速する】

【すれ違いざまに一閃、腹部をナイフで切りつけようとする】
308 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/04(月) 21:11:04.18 ID:Xoa1Q01I0
>>307

研ぎ澄まされた意志なんて関係ない!
人間死んだらみんな骨だ!

【攻撃は当たった──が、手応えが薄い】
【受け止められた?いや】

(往なされたか……!)

【骨に包まれた腕を大きく振り抜いて、ツァルエルの体勢は半ば崩れている】
【そこに反転してきたフェアの攻撃──避けられない】

っぐっぁ!!

【脇腹を切り裂かれる、鮮血が吹き出す──】
【倒れ込みそうなところを、なんとか踏みとどまる】

はぁ、はぁ……そんなものか

【肩を大きく揺らし、呼吸を整える。あまりに弱々しい姿】
【──気を抜けば、意識が飛びそうになるほどの痛みだった。もう、気絶するまでそう遠くないだろう】
【それでも、フィアを睨みつける橙色の瞳にだけは力が宿り続けていた】

309 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/06/04(月) 22:01:59.99 ID:fYaUYm/cO
【日が沈み、水の国の繁華街には昼間とはまた違った喧騒が流れる】
【店の軒先に灯るネオンの光が、猥雑でありながらも人の営みを感じさせる。道には人々がごった返し、ああでもないこうでもないと喋りながら行き交っていく】


【────そんな中に、テイワズは1人歩いていた】


「“餌”を撒いたのはいいが、どんな魚が食いつくかだな」
「あんまし凶暴なのは来て欲しくないなー。こないだの奴につけられた傷も治りきってないし」


【テイワズにはある信条があった】
【それは弱者を虐げる者は絶対に許さない、というものだ】
【異邦人である彼にとって、この世界に存在する所謂『悪の組織』は彼が許さざるモノに充分値する】
【できればUTなどの組織と協力したいが、異世界から来た以上そのようなコネはない】
【そこで彼は、ひとつ手を打つことにした】
【彼は“裏の世界”に自分の情報を流し、接触を待つことにしたのだ】


「UTの連中か、最近活動見ないけどスカーレットが来てくれれば楽なんだが…」


【彼が流したのは、『異世界から来た男が、カノッサ機関やサーペントカルトといった悪の組織に敵意を抱いている』というものだ。あとは簡単な容姿についてなどをネット経由で“餌”とする】
【あとは食いつく魚を待てばいい。正義の者なら協力を申し出、悪の者と判断できるなら問答無用で“歓迎”すればよい】


「さーて、どいつでも来なさいよ」


【彼が釣り上げた魚は、果たして正義と悪、どちらのモノなのか────】


/よろしくお願いします!
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/06/04(月) 22:19:05.24 ID:VdvJR/6m0
>>290

【彼はサーペントカルトについて、鈴音についてもっと情報を手に入れておくべきだったと後悔した】
【未知というのはそれだけで恐怖だ。真っ暗な道を手探りで歩くがごとく。吊るしたランタンのか細い明かりのような】
【ちゃちな脅しにしか、今この美しいエングレービングが施された拳銃は意味をなしていない】
【恐れをなしているのは俺の方だ】

俺が信じるのはテメーらの神じゃなくて、白神鈴音の方だからだよ。化身にだかならなくったって、十分信者は居るんだ
あんたらの神は幾つも姿があるようだが、鈴音は1人だ。そういうわけだから…返してもらう。

【情報を掴むまで撃つことは出来ない。ここで引き金を引いてこの少女を殺したとて大した意味はない】
【それは少女も気づいていることだろう。どっちが有利で、不利で主導権はどちらにあるかは】

崇高さにたどり着かなくても、殺せりゃ十分さ。…一発で十分だ。歳だからね。テクニックで補うさ
ママに怒られる前に、済ましちまおうか?ノック・ノック。ノッキンオンヘブンズドア…

【遠くでサイレン。…何処かで止んだ。きっと車を見つけたんだろう。そうしたら時間はない。互いに】
【せめて殺すか。それとも“奴ら”に捕まるのだけは避けるために逃げるか。今の体力でそれは可能か?】
【迷いと疲れが彼の思考を鈍らせた。引き金を引くのを躊躇させた】

【救いはあるのだろうか。一体、何が救いなのだろうか。自分も救われるのだろうか】
【自分も救われたかった。いい加減、運命から逃れたかった】

【そんな考えが刹那によぎった。だから少女が能力を用いたなら彼はソレにただ飲み込まれるしかない】
【蛇の腹の中でゆっくりと溶けていくしかない】
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/04(月) 22:38:40.89 ID:z7IzpPK3o
>>308

【──、着地したフィアは、片膝を付きながら静かに後方へと視線を向ける】


──、ならばその骨を拾う者も、誰も居ないとでも言うのか?
貴様の信奉する神とやらは、どうやらそれすらもしてくれないらしい
だから、── 俺は信じない、死んだ者の思いを汲む

────、それぐらいは、してやりたいじゃないか


【かなりギリギリの状態であった、何とか立ち上がるもこれ以上の戦いは不可能で】
【追い詰められたフィアは後方を確認し、小さく息を吐いた】


ツァリエル──アーツバニスト……厄介な名だ
いずれまた会おう、その時は──、容赦はしない


【路地裏の奥へと消えていく背中、語る意味さえそこには無く】
【ただ夜闇へと、紛れるように去っていく】


/すいません! 遅れました! そしてこの辺りで締めでしょうか!
/お疲れ様でした!
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/04(月) 22:42:03.67 ID:PfApJ13m0
>>310

…………そうですか、残念です。ですが、白神鈴音を信じると言うことは、すなわち、ウヌクアルハイ様を信仰することと等しいのですよ。
ですので――あなたのその気持ちまでもがウヌクアルハイ様を甘く満たすでしょう、そしてウヌクアルハイ様はもうじき受肉されます、化身としてではなく……そのご自身が。

それは夜露がそっと零れるよりも恭しい光景であられることでしょうから。

【――くすりと少女は嘲るように笑った。ならばやはり何かを知っている。少なくとも、眼前の彼より、このことについては把握しているように見えた。そして、】
【一つ予感させたのだ。――それは蛇教の一般信徒であるサーバントさえも知らない情報であるようだと。この少女は、――オフィウクスと名乗った意味を彼がすぐに分からずとも】
【ありふれたサーバントとは違うって分からせるようだった。ならばやはり彼女から情報を引き出すことに意味がある、そしてそれを理解するなら、銃など怖くはない】

【――――ただでさえ、少なくとも"ありふれた"銃は彼女に相性が悪い得物の一つなのだから】

では存分に後悔されるがよろしい。ですが、ウヌクアルハイ様の下へたどり着いた暁には理解されるでしょう、それこそが最も善く、崇高な行為であったと。
ウヌクアルハイ様は飢えておられる――、ですので私たちが居るのです。腕も足もない完成されたお姿の、その口元まで、我らは杯を運ぶというお役目を、仰せつかったのです。
あっはは! 私、未成年ですよ? ママに怒られた上に警察にも怒られちゃいますね、そしたらどうしますか? その顔と名前、性犯罪者の仲間入りですよ――――、

【ぞるりと彼女の腕から蛇が"伸びた"。そうして獲物を探すように揺らめいたなら、それは、やがて、彼を見出す。くわりと口を開けたならば、うんと細い毒牙までもが伺えたから】
【だけれど、噛みつかれたしまったなら感じるのはインスタントの地獄みたいなものであったかもしれない、――様々な痛苦、いろんな様相で強制的に味わわされる、苦痛が】
【それはきっとひっくり返してみたって変わらない、――あくまで感じさせるのは痛みだけ。身体の方に影響はない。――けど、人間は案外、騙されてしまう、ものだから】

【極端すぎる苦痛は身体すら壊しかねないものだった、――ゆえに。それはきっと、彼を終わらせるにふさわしい、絶望を導くはずだったのだけれど】

【――――誰かが血垂れを見つけたのだろう、声の後に、重なる足音が近づいてきつつあった。それを少女が気取ったなら、振り返るなら、蛇は彼から離れる】
【ほんの十数秒の間の話だったならば、もちろん彼の精神力や耐性にもよるのだけど――ありふれた一般人のように狂って死ぬということは、おそらくないもの】

――――ち、思ったより早いですね。

【とろりと艶めく色合いの髪が動きに靡いて揺らぐ、――憎々しげに路地の向こうを睨んだならば、マゼンタは次いで彼に向く。彼の様相を焼きつけようとするようであったなら】

残念ですが、タイムリミットのようですよ。ですので私はお先に失礼します、あなたはどうしますか? 
ですけど――聞いたこと、ありますか? 海で鮫が出たときは、他に泳いでいた人より早く泳げさえすれば、助かるんですよ。

…………なので、頑張ってくださいね? 

【――少女はあまりにあっさりと撤退を決め込んだ。それはここで捕まっていられない立場である証、捕まることへの恐怖ではなく、そうして役目を果たせないことへの恐怖】
【そうするうちに少女は歩くよりは跳ねるように、けれど走りだすには少し足りない仕草で彼を追い越して暗がりの方へ向かおうとしていた、――ならば言葉通り、撤退の兆し】
【彼を囮にする気満々であるらしかった、――放っておいたなら、ぱたぱた、と、軽い足音で走り出す。その背中に撃つ、という手も、あったのだけれど】

【――――それよりは、もしかしたら、彼もなるべく早く逃げた方がいいのかも、しれなくって】
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/04(月) 22:43:36.62 ID:z7IzpPK3o
>>309

【──、正義と悪、その二重を求めるのであれば、迷い込む旅路に答えはなく】
【唯それは現に舞う胡蝶の様であった。ひらりひらりと、羽ばたく姿はレトリックに満ちて】
【ぽん、と背中を叩く小さな感触、向いてみれば細い影が伸びて】


……先程からずーっと立ち尽くされておりますが、もしかして往く宛が無いのですか?
この国、最近多いんですよね、──まぁ、捨て子というには些か壮年ではありますが
或いはもっと、何かしらの事情で職を失った方だったりするのでしょうか

──、まぁ、見るからに細かい作業には向いてなさそうな御仁ですが


【腰まである蒼銀色の長髪を大きく後ろで二つに結って、赤いリボンの着いた黒いケープを羽織る】
【ケープの下には黒いチョリ、下乳から鼠径部までを大きく露出し、黒いパレオで下半身を透かす】
【中東の踊り子の様な格好をした、黒と赤のオッドアイの褐色肌の少女がそこには居て】

【お臍の下あたりに刻み込まれた、黒い蛇のタトゥーが印象的であった】
【紡ぐ瀟洒な音律、最後は少しだけからかう様な響き】
【どうやらずっと立っていた貴方を見かねて声を掛けたのか、求めてる人物ではなさそうだが】
314 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/04(月) 22:51:06.65 ID:Xoa1Q01I0
>>311

ほら、起きたじゃないか……奇跡
君と戦い、生き残ることが出来た

【去ってゆくフィアを見ながら、呟いた】
【贄にしてやると言った手前、「待て。逃げるな。ウヌクアルハイ様の御意に背を向ける気か」等と追撃するのが「正しい信者」だろうか】
【しかし、もはやそれをする気力も体力も無く】
【ただただ、生き残ったことを噛みしめた】

散々な日だな、今日は……
だが、寝てるわけには行かない……私にはまだやるべきことが
げほっ

【倒れそうな全身に、右腕に集まっていた骨たちが満遍なく覆い、支え】
【強制的にその身体を動かし、ツァルエルもまた路地裏の闇に消えて征く】


//いえいえ大丈夫です!お疲れ様でした!
315 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/06/04(月) 23:08:39.80 ID:fYaUYm/cO
>>313

【突如として背後からかけられた声に、テイワズは動じることはなかった】
【余裕を持って振り返り、少しばかり警戒しながら相手を見る】


「──壮年、ね。よく言われますよ。これでもまだ25にもなってないんですがね」
(うわあ、エロい女)


【そんな下品な言葉がまず思い浮かぶほど、女が放つ雰囲気は妖艶で甘美であった。ひとたび甘く、そして優しく腕を組まれれば、宿へと向かわない男はいないだろう】


「行くあてが無いわけではありませんよ、誰か人が来ないか待っていたんです。あなたみたいな人がね」


【しかし、彼にはそんなエロティックな雰囲気など意味をなさなかった。元の世界においてそういう誘惑に耐える訓練は受けている──今まで女性とそういうことになったことなどないが】
【そして、女を観察する内、むき出しのへその下に刻まれた蛇の刺青を認めれば、そんな感情など持つ余地もなかった】


(こいつは…“ハズレ”引いたっぽいな)


【この世界について調べたときに、こんな文献を見た。】
【『信者が皆、蛇のタトゥーを体のどこかに入れている邪教』──サーペントカルトというそのカルト教団の信徒には、充分な警戒が必要とのことだった】
【そして、目の前の女が蛇のタトゥーを入れているならば、答えはひとつ】


「なあ、あんた、巷で噂の『蛇教』のメンバーだろ? なら──」


【言いながら、“いつものように”右腕を発動させる】
【キャノンモードになった義手を相手の眉間に照準させ、突きつけながら『隻腕の戦士』、テイワズは言い放つ】


「──悪いがあんたは俺の敵だ」
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/04(月) 23:19:54.38 ID:z7IzpPK3o
>>315

【小柄な少女は突き付けられた銃口に、軽く視線を沿わせる。── ほんの僅かな逡巡を見せて】
【色違いの双眸に微かな憂いが満ちたなら、大きな瞳を静かに伏せて】
【細い輪郭の唇。濡れた羽を畳んだ小鳥の様に、しなやかな質感をこれでもかと見せつけて】


──、刺青入れてる人間全員にそうされるのでしたら、私は貴方様の事を愚か者と断言しなければなりません
蛇は再生の象徴です。無病息災、安産祈願、健康成就といった願いを込めて彫る事も怏々にしてあるでしょうに
私の様な冷静沈着な人間だったからの幸運です、それ以外の方でしたら悲鳴をあげて卒倒してますよ

……大体、今時 "蛇教" なんて一般の人は殆ど知りませんのに、一体何処で聞き及んだのやら
お分かりになられたのでしたら、その乱暴な武器を仕舞って下さいまし、落ち着いてお話もできません
そーれーとっ、そんな風にせっかちな様子ですから、年齢通りに見てもらえないんですよ?


【返ってくる言葉は虚をつかれた様なものか、貴方が思う様な好戦的な言葉ではなく】
【怜悧な目元に呆れた色合いと、そのムダのない身のこなしへの興味を携えて】
【少女は良く通る音色でそう問い掛けるのだろう。── 信じるか信じないかは分からないが】




── "あなたみたいな人を待ってる" だなんて、ロマンチックな言葉、初めて聞きました
ふふ、貴方様の様な逞しい殿方に言われたのなら、それが嘘でも嬉しくなるものです
あら、今更人違いだなんて許しませんけども


【僅かに無表情の水面が揺れる、零れた微笑みはほんのわずかでも】
317 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/06/04(月) 23:54:41.38 ID:fYaUYm/cO
>>316

「ケッ、こっちとしては人違いの方がよっぽど良かったよ」


【吐き捨てるように言いつつ、テイワズは未だ銃口を眼前の少女に向けたままである】
【義眼から得られる情報では少女は無害、となっているが、彼の長年の経験と勘が少女の危険さを訴える】
【そもそもこんな奇怪な武器を突きつけられたとして、少女の言う通り冷静沈着な人間でも少しはパニックになるものだ。しかし眼前の者は、それを跳ね返すかのように立ち続ける】


「自分の組織の情報はちゃんと収集しとくべきだったな。最近のあんたらはちょっくら派手に動きすぎだな。街を歩けば噂なんて山ほど耳にする。こんなご時世に蛇の刺青なんざいれる酔狂な奴はいねえ」


【そう言うと彼は、“蛇教”について調べた時のことを回想する】
【そこには、彼らの凄惨な“活動記録”があった】
【生きたまま、麻酔もなしに内蔵を取り除かれた死体の写真や、血に塗れた“儀式”の様子がまじまじと記録されていたのを、今でも鮮明に思い出せる】
【あんなもの、今まで戦場を渡り歩いてきたテイワズですら見たことがない】


「あんたらの気味悪い“儀式”とやらも調べたぜ。ありゃひでえもんだ。人を人とも思わねえ殺し方だ」


【そこで彼はひとつ深呼吸する。緊張しているのではない。ここで頭を“切り替える”のだ。思考を即座に戦闘向きに変える──そんな技術も、戦場にいれば自然と身につく】


「────だから、ここで懺悔するか頭を吹っ飛ばされるか、どっちか選んで貰いたいんでね」


/遅くなってすみません!
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/05(火) 00:05:35.24 ID:oESEyYpNo
>>317

【──、未だ警戒を解かないのはその戦闘能力が故か、或いは確かな経験則か】
【何れにせよ少女は少し困った。自分の事情を語るには、初対面の相手は些か分が悪い】
【ならば、と──、焙じ茶の様に淫らな色をした頬をしとりと濡らして、紡ぐ音の響きを変える】


────では懺悔をして差し上げますが、一体私は何に償いを向ければよろしいのでしょうか?
見知らぬ他者の魂へ捧げる程、私は信仰深くもありませんし、慈悲深くもないのですが
それならば私は貴方様に向けるのでしょうか、ふーん、まぁ、いいですが、整理しますと

私の様な少女に銃を突きつけて、挙げ句の果てに謝罪を要求、青年と少女という組み合わせもまた問題で
もし私が謝ったなら次から次へと要求される可能性も、捨てられませんし
…………貴方様の気が許すのであれば、傅く事も重ねなければならないのかもしれません


【じとーっと視線を向ける、僅かな温度差を感じるだろうか】
【テイワズの情報収拾能力は見事であった。この世界に転移してから僅かとは思えない程に】
【──、だからこそ、か。目の前の少女はどうやら似て非なる存在の様で】


…………もぅ、鈍いんですからっ! だからっ、私は "蛇教" とは全く関係の無い唯の給仕です!
困ってる様子だから声かけたのに、こんなに疑われるなんて──、はーぁっ
やっぱり、隠した方がいいのかなぁ、これ……


【声がはねた、年相応の甘い響きを残して】


/大丈夫ですよー!
319 :テイワズ ◆/F8W0q5aBI [sage saga]:2018/06/05(火) 00:21:36.84 ID:eNT4tqH7O
>>318

「うん?」


【思わず、変な声が出てしまった】
【義眼に嘘発見器機能が付いていればいいのに、と思ったのは初めてだ】
【それほどまでに目の前の少女が演技をしてるとは思いがたく、しかし警戒を解くわけにもいかず、どうしようもなかった】


「いやいやちょっと待て。蛇教と無関係ならなんでそんなタトゥー入れてんだよ。さっきも言ったように、そんなん彫るやつなんて珍しいぜ?」


【──ともかく、ここは一度義手の変形を解き、少女に質問して見ることにした】
【そう言われると、自然にさっきまで少女から感じていた脅威が自然と薄れ、自分の勘違いであったかのように思えてきた】
【故に彼も次第にリラックスし始める】


「給仕ってお前、どこに務めてんだよ。もしかして、いかがわしい仕事の隠語か何かか?」


【だったら別の意味でやらなければいけないこともあるが、と思いつつ、テイワズは少女に歩み寄る。そこにまだ薄く警戒の色を残しながら──】


/すみません、時間的に次からは置き進行でお願いします…。
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/06/05(火) 00:23:19.13 ID:zqG+gbql0
>>312

………くだらねえよ。

【苦し紛れの捨て台詞。この男から出てくるものはこんな単純な言葉だけだ。もはや負けたも同然だ】
【その信仰を論破するほどの器用なことはできない。そしてその思想を受容できるような器用さもない】
【もどかしく、沈黙で抵抗する他なかった。奥歯を噛み締めて、その歯がゆさを押し殺した】

【くだらないのは俺だってわかってるさ。そんなんで仲間を救うってのかよ】
【自分が自分を笑っている気がした。】

今更後悔のひとつやふたつ増えたところで変わりゃしねえ。…その分、取り返してやる
てめえらのカルトが何処にあろうが誰が居ようが…鈴音を取り返す

【その根拠は何処にもない。希望だ。取り返すあても、力も…彼と彼の周りには少なすぎた】
【もはやこの言葉は祈りに等しい。無力な人の最後の行為。…一体どちらがカルトかわかったもんじゃない】

【男は少女の腕に這いずっていた蛇が、その身に近づいたときに後ずさりした。】
【とっさに、銃口を蛇に向ける。そして彼女と同じタイミングで足音の方を彼も向いたのだった】

…ッッ!待ッ…クソっ

【あっさりと逃げ出した少女。それを追おうとしたが体がついてこない男。銃口をその小さくなる小さな華奢な背中に向けた】
【だがまた彼の中で逡巡する。そうして、銃口をおろした】

…そこまで、堕ちる気はない。…蛇によろしく言っとけ。

【誰に言うわけでもなくつぶやいた。矜持という最後にして最大の意味もない代物。それが今の自分を形作る】
【なぜそうしたのかはわからない。全ては結果論。全体論的に決まる。後悔のひとつやふたつ…だ。】

さて…逃げ切れるかな。

【不本意も囮役…スケープゴートの役目はしっかり果たせそうだ。足音が路地裏じゃ妙に響いて聞こえる】
【もう少し器用だったらとか考えながら、探偵は拳銃を構え直した―――】



/遅くなってすみません…今夜もここらで失礼させていただきます。
/当方平日はこんな感じにどうしてもなってしまいますので、〆っぽい感じにしてありますので
/長引かせるのもあれなのでいい感じに落としてくれればと思います
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/05(火) 00:45:17.99 ID:oqO34Cn60
>>320

――――――――残念ですけれど、私たちには、同志がたくさんいますよ。皆がウヌクアルハイ様のため、善行を積むのです。
くだらないですって? 私は手助けして差し上げると言ったはずです。だのに受け取らず、崩れ落ちて、――私を殺すことも出来ないあなたよりは、マシですね。
女の子の誘いを断るもんじゃないですよ、学校で習いませんでしたか? その果てに中折れだなんて、見ている私が恥ずかしくなってしまいます。

我らはウヌクアルハイ様の導く先、ウヌクアルハイ様の中にございます宇宙の中で永劫をウヌクアルハイ様と過ごすのです、それをくだらないと言うのでしたら――。
至極残念としか言いようがありません。この場がもっと横やりが入ることない、整った場であったなら――、

――――あなたがすべてを理解するまで、私が、手ずから、教えて差し上げたのですけど。

【少女の纏う雰囲気がぞろりと剥離した、ならばそれは蛇の脱皮に似て、それなら、中から出て来る少女は、きっと新しい感情を示す】
【――嘲笑から透けるのは怒りだった、それなら、彼は運が良かったのかもしれない、それこそウヌクアルハイの思し召しであるかのように、少女は彼を置き去りにする】

【ならばそこにやはり躊躇いはなかった、ありふれた足音と一緒に背中は遠くなっていって、すぐに、道の陰に見えなくなる】
【それなら残していったのはいくつかの手がかり、蛇教の下に"あの少女"が居ること、藤色の髪の少女の存在もまた手がかりの一つ、ウヌクアルハイの受肉、という言葉も】
【そしてあるいは。――全ての蛇神がウヌクアルハイの化身の姿であるのだと、言ったなら。(あの初めて会った時から一つも成長することのなかった少女は、本当は、)】

【――――その夜、もし彼が無事に眠ることが出来たなら、夢を見るかもしれなかった。たった2ページの本でも、栞は挟めるみたいに、ほんの一瞬だけでもいい】
【――真っ暗な空間だった。だけれど何かがうぞうぞと蠢いているのが、分かる空間。あるいは彼の目なら見通すことができるかもしれない、それは、無数の蛇であり】
【そしてそれらが様々な神話に描かれる蛇神たちであるのにも気づくのかもしれない、――その真ん中には1つだけ異質なものがあった、透明な、硝子の棺桶】

【その中で誰かが泣いていた。鈴の音によく似た声が怯えて嘆く。「――――わたしが消えちゃう」って、何度も、何度も、何度も何度も何度も、何度も、彼が、目覚めるまで】

/おつかれさまでしたっ
322 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/05(火) 13:51:57.62 ID:sNLNB3Jq0
【水の国 とある雑居ビルの非常階段】

――――考えるべき事は多い。やはり、あの頃を思い出す、か……
まさか、こうも色々とままならない事が増えるとはな……

【短いバイオレットの毛皮で全身を覆い、その上からフード付きのマントと半ズボンを着用している】
【左目へとめり込む様な、人相を歪ませている大きな傷跡、更に頬にも大きな傷跡の目立つ】
【ずんぐりむっくりとした体格の、尾の先が不自然に二つ裂きになっている、右目の眼光の鋭い、身長150cm前後の猫の特徴を宿した獣人が】
【開けた、それでいて人目に付きにくいその場所で、人知れず手すりに凭れ掛かりながら、物憂げにパイプを吹かしている】

【昼下がり――――春と梅雨との合間の、穏やかな陽気の中で、吐き出された煙は空へと溶けていく】
【過ごしやすい気候に恵まれたその時間の中で、彼はのんびりと過ごしていた――――決して、本心からのリラックス状態に、ある訳ではないようだったが】

――――異界のバケモノ、豹変した正義の徒、そして現実化した陰謀論か……
さて……どうやって適切な情報を仕入れるべきか……まだ、本格的な事態は、恐らく先だろう……
――――あの時の、ヴェイスグループの事を考えれば……あれ以上の事をやらかそうって連中が、これで終わらせるはずもない……

【パイプをゆっくりと――――それでいて、パイプ喫煙としては適切なペースで吹かしながら、獣人は思案に暮れていた】
【誰もいないその場所で、ニコチンを体に染み込ませながら、1人悩み事について整理していたのだろう】
【――――空に手をかざす。そこに嵌められていた指輪を何気なく見つめ、そして手を下ろす――――思わずため息がこぼれた】

――――現状、打てる手は打ってある。今は……焦っても仕方がないか……

【肩をすくめると、彼はより一層手すりに体重を預け、すっと瞑目する――――あたたかな日差しの中で、ようやく気分はリラックスしてきたようだった】
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/06/05(火) 13:59:14.60 ID:oESEyYpNo
>>322

【――――追随する僅かばかりの欠片にも似た、しとりと濡れる足音を一つ】


……こんな天気の良い日に、不健康な御仁ですね、こんな所で日向ぼっこですか?
それにしては随分とまぁくたびれた──……失礼、つい本音が出てしまいました
獣人の方々はこのような時期にははしゃぎ回るのが常だったのですが、どうやらそうでも無い様子でして

まあ見ての通り私は、暑い国の出身ですから。──不健康な方を見ると、どうしても一葉言葉がでるのです


【腰まである蒼銀色の長髪を大きく後ろで二つに結って、赤いリボンの着いた黒いケープを羽織る】
【ケープの下には黒いチョリ、下乳から鼠径部までを大きく露出し、黒いパレオで下半身を透かす】
【中東の踊り子の様な格好をした、黒と赤のオッドアイの褐色肌の少女がそこには居て】

【お臍の下あたりに刻み込まれた、黒い蛇のタトゥーが印象的であった】
【初対面で投げかけられる言葉は、やや棘のある響きを残して、】
【──少女はそんな風に声をかけながら、貴方の側へと立った】
324 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/05(火) 14:12:08.93 ID:sNLNB3Jq0
>>323

…………ん?

【ピクリと耳が震える。誰かがそばにいる事を、音が気取った。凭れ掛かっていた姿勢を起こすと、ゆっくりと振り返って、気配の主を認める】

……ほぉ、随分と遠慮なく言ってくれるじゃないか……まぁ、俺の本業は夜なのでな
たまにこうして日を浴びてないと、忘れてしまいかねないんだ……太陽と言う奴をな

【そこにいたのは――――どうやら、熱帯地方らしき服装で全身を固めた、褐色の少女だった】
【初対面の人間――――否、彼は獣人だが――――に対して、少しばかり辛辣な言葉を向けてくるその態度に、彼は少しばかり興味をひかれたらしい】
【パイプを口から離し、自然と落ち着かせると――――紙巻きタバコと違い、パイプは吸う事で空気に触れさせていないと、すぐに鎮火する――――やや自嘲気味に言葉に応じて見せた】
【――――男にとっては、今はオフの時間帯。元よりくたびれた雰囲気なのは、どうやら自覚しているらしく】

――――そういう君は、砂の国あたりの出身かな? ……なら、この程度の陽光はぬるいモノと言う訳か……
まぁ……色々と考え事があったのでな。こうして、人目につかぬ場で落ち着くには、丁度良いと踏んでいたんだが……

【外見から、少女の出自を問いかけてみる獣人。自分にとっては――――元より仕事上がりという事もあり、眠気を誘われる陽気なのだが】
【彼女にとっては、何でもない天気なのかもしれない。遠慮のない言葉を面白がった彼は、そうして少しばかりの興味を返してみたのだ】

……君も、何か1人でいたい事情でもあったんだろう……まぁ無理もない。今の世の中は……色々と、考える事は多すぎる……

【元より、こんなところで誰かと出会う事自体、物珍しい話なのだ。彼女の行動にも、それとなく問いを向けてみる】
【自らこんな場所に足を踏み入れるという事は、何か、自分の様に整理のつかない考えを抱えているのだろう、と――――】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/06/05(火) 14:22:33.20 ID:oESEyYpNo
>>324

【少女は軽やかに歩き、貴方の側へと動くと──、ちょこんと背中を手すりに預けて】
【頬を傾けて、そちらへと小首を向ける。砂糖菓子の色合いに近い首筋がすぅと蕩け】
【砂漠に咲いた一輪の花が如く、華奢な体躯が煌々と日差しに映されて】


──、夜のお仕事をされてるんですね、それはまあ、何とも大変なお仕事かと
私達が寝静まった時間にご苦労様です、とも言いたいですけど、私達が働いてる間
ぐーすか寝てると思うと、まぁ、似たり寄ったりと言いますか────

……ええ、『砂の国』の少数民族"ミルドラ族"の出身です。凄いですね、一発で当てるなんて
この肌は特徴的ですが、『砂の国』自体がマイナーな国ですし、あまり認識されておらず
特に『水の国』の様な大都会の方々にとっては、取るに足らない小国であることも否めませんし


【言外に示すのは、水の国の存在であったなら、砂の国なんてすらすら出てこないんじゃないか、と】
【少女は長いまつげを透かして、不揃いの双眸で貴方を見つめる、獣人という事は分かったけれど】
【──、きっと貴方は水の国の存在じゃないんじゃないか、ってそんな疑問】


いえ、全然、そんな事ありません、私は買い出しの帰りでふらりと寄っただけです。
正確には夕方の準備まで時間があるので、どう時間を潰そうかと思った次第でして
そんな別に一人でいたいだとか、自分の時間が欲しいとかそんな、思春期の少年のような思いは全くなく

ただ不良の高校生が「かったりーから」って理由で、屋上にてぼーっとしてるのと同義です
そうしたなら、あら不思議。屋上にはいい年した獣人が今にもそのままフライハイしそうな状態で
────、哀れな不良は仕方なく、死ぬんじゃないですよ、なんて声をかけてみたのです


【ほんのりと棘の混じった言葉、どうですか? なんて小さくほほえんでみせる】
【けれどもそれは大きく表情を揺らすわけではなくて、怜悧な目元に変化はないけど】
【────、それでも確かに、楽しそうなニュアンスを孕んで】
326 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/05(火) 14:45:26.14 ID:sNLNB3Jq0
>>325

――――そうだな。全くお互い様だ……「昼に活動しない怠け者」「未だに動物的に生きてる非文明者」なんて……そんな事を言い合ってどうするのやら……
昼には昼の、夜には夜の……やるべき事がある。必要な事が、な……それを認める事が出来るかどうか、ま……視野の広さの一指針にはなるだろう……

【昼の仕事をしていれば、夜に寝るのは当たり前。夜の仕事をしていれば、昼に寝るのは当たり前――――その当たり前が、意外なほどに見過ごされるのだ】
【生活様式の違いでしかないはずのそれが――――「道理に従わずに生きる」とさげすまれ、かと思えば「当たり前じゃない世界を認めようとしない視野狭窄」と過剰な優越感に繋がる】
【そんな『常識』を思い出し、獣人は苦笑する――――そこのところを、どうやらこの少女は――――ややシニカルながらに、分かっているようだと】

どの国も……俺にとっては対して変わらんよ。逆に、俺の事は一目見れば分かるだろう……『魔海』の出身者など、そう簡単には見れないからな……
……いや、逆に「滅多に見れないから印象深い」などと言われるのか? ……まぁ、奇異の目で見られる事には、確かに慣れてしまったがな……
――――しかし、少数民族の出とは……そこまでは気づかなかったよ

【砂の国と言う語句は、割合あっさりと導き出せたが、少数民族である事までは、流石に分からなかったらしく、意外そうに獣人は振り返った】
【すっかりと熱も引いたパイプを腰へと差して、より興味深げにその少女を見つめる――――伝統的でフェルキッシュな衣装だとは思っていたが、そんな謂れがあったとは――――】
【その一方で、獣人については分かりやすいだろう――――人外の領域である『魔海』。あの広大な樹海から人間の世界へと出てきた変わり者。それで簡単に説明がつく】
【実際にその姿を見る事は稀だろうが――――何せ、人間の手の届かない、ブラックボックス的な領域だ。その事は、割合知られているものだろう】

……なんだ、時間つぶしと言うだけだったか。それは俺の取り越し苦労だったな……

【何か、人目を避ける悩みでも抱えていたのかと、言葉を向けてみた獣人だったが、ただの気まぐれだと返されて、肩をすくめて見せる】
【余計なお節介に意識を回してしまったかと、苦笑して見せたが――――】

――――ん……?
……っふ、っははははは……やれやれ、それこそ取り越し苦労と言うものだ。飛び降りるなら屋上からにでもするさ。こんなところで、最後の一服を楽しむ事もないだろうに……!

【――――少女の語る、やや突飛な言葉に。キョトンと獣人はその顔を見つめ――――やがて肩を揺らして笑って見せた】
【自分が声をかけた事を「取り越し苦労」と表現して見せたが、それこそ少女のその言葉も「取り越し苦労」と言うものだ、と】
【まぁ、恐らくは冗談なのだろうが――――その、ややキツいながらもアタリの良い冗談は、獣人の気に入ったらしい】
【――――なんとなく、確かにそんな所作に見えたかもしれないな、と言う自覚もまた、おかしさを感じさせたのだが――――】

……いや、実はな……色々と考える事が多くて、家に素直に帰り着く前に、少しばかり気分転換をしてみたかったんだよ……
――――人知れず、今の世界は結構な動乱の種を抱えている。それを垣間見た以上、どうするべきか、考えなければならない……とね……
未来を担う子供たちをそのままに、自分から命を絶つような、馬鹿な真似はしないさ……

【少しばかり、心情を吐露する。どうやらこの獣人――――夜の住人と言っていたのは伊達ではないようで、色々と抱えているものがあるらしい】
【その憂慮は、この世界を憂いて――――そして、この世界を生きる子供たちを憂いて、との事だが――――】
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/06/05(火) 14:58:36.29 ID:oESEyYpNo
>>326

【まず少女の出で立ちで目を見張るのが、胸の一部すらも露出して、下腹部まで大きく露出した格好】
【すらりと伸びた腹部のラインは彫刻の様に、僅かな乱れも無い神が作り出した曲線美】
【鮮やかな珈琲色の素肌は、健康的な色合いと共に、何処か扇情的な神秘さを浮かべて】


──まあ見慣れてますし、残念ですが私の職場では『魔海』の方がわんさかいらっしゃいますし
御存知ですか? 『Freak Fes』って言うんですけど、そこで普段私は給仕をしております
だから私は貴方様に奇異の目など向けません、私からすれば、見慣れた景色、なんですけど

……獣が混じっているからでしょうか、或いはそういう性質で『魔海』の常識が回っているのか
本当に私の常識からすれば、時間にルーズだったり、とことん適当だったり、といった方が多いのですが
挙げ句の果てに冬は冬眠、春は発情期、夏は熱射病で、秋も発情期──、気が休まる時がありません


【──『Freak Fes』と呼ばれる、人外だけの大衆食堂。貴方ならばうわさ話ぐらいは聞いたことがあろうか】
【そうして紡がれるのは、彼女と共に働く獣人達への文句、まあ本心から言っている訳ではないだろうが】
【ある意味、自由奔放に獣人が過ごせる場所とも言えた、悪い場所ではないのだろう】


────あら、なにやらお悩み事を抱えてらしたんですね、動物でもそんな風に悩むのですか
……すいません、少し言い過ぎた気がしないでもありません、今の聞かなかった事にしてくださいまし
ええ、そうです、馬鹿な真似です。命を自ら棄てるだなんて"ミルドラ様"がお怒りになります

動乱の種、ですか──それはまた、はぐらかした物言いです
少し興味がわいてきました、同じぐらいの興味を私に持って下さってるかは知りませんが
聞いてあげても良いですよ、自分で言うのも何ですが、こんな可憐な美少女に話を聞いて貰うのは

男冥利に尽きるのではありませんか? ────雄冥利、かもしれませんが


【青銀の髪を透かして、貴方にそっと視線を向ける。柔らかい頬が喋る度に揺れて】
【言葉尻は激しいものの、そこに浮かぶ彼女の形は、あどけない少女そのもの】
【長い睫は湖畔に伸ばした緩やかな指先に似て、風に靡いて瞳にさざ波を立てる】
328 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/05(火) 15:27:17.09 ID:sNLNB3Jq0
>>327

(……恐らく、ケチな売春婦の類とは、訳の違う格好なのだな。これが本当に踊りを念頭に置いた服装なら――――それは、奉納舞踊だろう……
 ……それが正解かは分からないが、少なくともそういう伝統に立脚した服装のはずだ……ただの露出過多とは、訳が違うはず……)

【――――年齢の故か、個人的な性質か、それとも種族の故か。獣人は少女に対して、興味深げな視線を向けながらも、そこに下卑た色はほとんど孕んでいなかった】
【確かに美しく、扇情的であるとは思うが――――それは、1つの分析としてそう見ているだけの話。興味は、別な方向に向いていた】
【環境にもよるが――――砂漠は、安易に肌を晒すのはタブーである。熱いのだから薄い服装で――――などと考えていると、すぐに肌は熱気に爛れ、砂に痛めつけられてしまう】
【こうした服装は、伝統的な雰囲気を感じる以上、合理性とは違った、精神性を象徴しているはずだ。そして、踊り子と言う印象を重ねると――――いわゆる巫女的な何かに結実する】

――――あぁ、そうか……確かに最近、流行の話題に聞くな『Freaks Fes』……まさか『魔海』の面々が集う場所が、そんなところにあったとはね……知らなかった。今度時間が取れたら、顔を出してみるべきだな……

【名前は彼も承知していたようだが、その内実――――『Freaks Fes』に、同郷の仲間たちが集っているという事は、流石に知らなかった】
【これは迂闊だったかもしれないと、獣人は考え込みながら頷く。そうした場所は、是非とも1度、自らの目と耳で確かめてみなければならないだろう】

――――なるほど……『魔海』の住人ともなれば、人間とは違って千差万別だ……俺でさえも、聞いた事もない様な連中が居て、それで何らおかしくないのが『魔海』だ……
それが一堂に会しているなら……そりゃ、そうもなるだろうな。俺はすっかりと人間の生活様式に慣れたが……そんな連中ばかりでもないだろう

【洒落のめした言葉である事は承知だが――――なんだか、その光景が浮かんでくるようで、獣人も思わず苦笑してしまう】
【人間なら人間でくくる事はできるが――――魔海の知性体たちは、とても1つのカテゴリーでくくり切れるものではない。それこそ昼型夜型の別などでは測り切れない】
【看板通りに、にぎやかな空間になっていそうだと――――そんな事を思いながら、彼は話を聞いていた】

ん……? ……まぁ良いさ。……その"ミルドラ様"と言うのは……?
――――随分と、自分に自信があるようだな……まぁ……触りぐらいなら話してやってもいいだろう……話の種ぐらいにはなるはずだ
……だが、その前に忠告はしておこう……生中な興味で、あまり深みにはまらん様にな? ……その先にあるのは、身の破滅だ……冗談ではなく、な

【一瞬、ややきつ過ぎる言葉が飛んだ。流石に獣人も顔を顰めるが――――すぐに自ら撤回した事を受けて、そこには何も言わないように努める】
【それよりも、少女の語る"ミルドラ様"と言う存在の方が気にかかった。"ミルドラ族"と名乗っていたが、何らかの信仰対象なのだろうか?】
【やや挑発的な言葉で、興味を向けてきた少女に、獣人は己の中、とりあえずのボーダーを検討し「話しても構わないだろう範囲」で、話してやる事にした】
【無論、冗談では済まないという脅し――――警告は、最初に挟みながら】

――――『魔能制限法』。君だって、名前くらいは知っているはずだな。そして特区『カミスシティ』……安全の約束された、未来のモデルシティだ……
だが――――アレは実は、よろしくない……裏に、とある陰謀が流れているという、その証拠を、掴まされたんだよ……
――――馬鹿みたいな話と思うだろう? 俺だって、自分の身にならなきゃそう思う……だが、どうやら笑ってばかりもいられないらしい……それで、色々と考えていたところだ

【まず、彼が口にするのは『魔能制限法』――――人の世界の、秩序の試金石。そこに悪意が織り込まれているという陰謀論】
【普段なら、罪のない笑い話で終わり、また真面目に受け取れば、正気を疑われるだろうが――――彼はそれを憂慮していた。無論、「何故」と問いかけても、それ以上は言わないのだろうが――――】

……同じく、この国で……なにやら怪異が、人間に対して牙をむいているという話も聞こえてきた――――何百人と、子供が行方不明になってるそうでな……
……そのバケモノと、戦う羽目になったよ……――――どこで、どんな奴と、とかは聞くなよ?

【そして、人とは離れたところからこの世界を襲う悪意――――それとも、彼は向き合い続けているらしい。これまた与太話と紙一重だ】
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/06/05(火) 15:40:04.64 ID:oESEyYpNo
>>328

【──、少女は獣人の視線に気付く。奇異の対象としてでも、色欲の対象としてでもなく】
【それは画家が裸婦を見る視線に似ていた。研究対象や、知的好奇心や、そういう分析に準じた】
【────そして、彼の推察は正しかった。砂漠の巫女、その表現がぴったりであった、が】


鼻の下が伸びていますよ、ふふ、獣人と言えど、欲望には勝てないんですか?


【なんて、分かった上でからかいの言葉を入れるぐらいには、悪戯心があるようで】


給仕の仕事も完璧にこなした上で、店の宣伝をこなす私は、なんて素晴らしい店員なのでしょう
思わず自画自賛が飛び出してしまう程には、私に対する賛辞があっても宜しいのでは?
ここは色男でしたら、ありがとう、君に会いにまた顔を出すよぐらい、言って欲しいものです

──、ミルドラ様は私達部族のかけがえのない神様です。私達の集落の側には大きな川があって
雨季はずっと、その川の側で生活するのです。──それ故に私達は、その川を神に見立てました
そして私達はその恵みに感謝し、歌を歌い、舞いを奉納するのですよ


【落ち着いた瀟洒な表情は変わらなくても、その頬に濡れる色合いは分かる】
【ほんの少しだけ綻んだ頬の形、そこに彩られた笑みの彩りは、確かに伝わる様に】
【柔らかい雰囲気が零れたなら、ひらり、と舞い散る桜の如く】


──、とんだ陰謀論が飛び出してきましたね。何を話すのだろうと思いきや
てっきり私は娘が自分の後に風呂に入るのをいやがるとか、一緒に洗濯されるのをいやがるとか
やだー! パパのパンツ獣の臭いする────とか、そういう悩みと思っていました

失礼、── まあ私からふった話ですし、お伽噺程度には信じますけど
そんなに悪いんですか、その法律、能力を制限したら皆様安心して暮らせるのでは?
それに化け物と戦うだなんて、寓話も良いところ──、眉唾物ですね


【続く言葉は半信半疑か、あまり好意的な返答ではない】
330 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/05(火) 16:08:49.05 ID:sNLNB3Jq0
>>329

……ん、そ、そうか? ――――なんてな。そんな事に一々鼻の下を伸ばしている様じゃ、俺の仕事は務まらんよ……だが、興味深いのは事実だな……

【――――恐らく、それが冗談の類である事に気づいたのだろう。獣人は、おどけるようにして自分の口元を手で押さえる】
【が、割合すぐに離して、肩をすくめながら苦笑して見せた。今のは、少女の揶揄いに付き合ってやったと言うべきだろうか】
【あまりやり過ぎると嫌味になる。だからこそ、すぐに態度を改めて――――、そうした格好の女性と言うのは、自分にとってそこまで珍しくはないと、平静に答えた】
【――――言ってしまえば異種族である彼が、果たして真剣に少女に欲情する事があるのかどうか――――それは定かではない】

……おっと、これはすまなかった。どうも俺はそういう振る舞いは、あまり上手ではないようでな……
まぁ、でも確かに興味は惹かれたよ。また会えるといいがな

【――――虚々実々の言葉の駆け引き。どうやら少女は自分相手にそれを楽しんでいるらしいと、獣人も見当はついた】
【だが――――そうした歯の浮くようなセリフとなると、彼はてんでダメな様で。少しばかり、ついていけなかったことに対する悔しさの様なものを、表情に浮かばせていた】
【それはそれとして、こうした機微に立脚する遊びは、どうやら彼も楽しんでいるようだが】

――――なるほどな。命の水……神の賜物であり、そして神そのものでもある、か……
では、君もその奉納者という事になるんだな。その為に、自分を仕立て上げている……そんな風に感じるが?

【砂漠が国土の大半を占める砂の国にあっては、水は特別な存在だ。確かに彼女の言葉も分かる】
【――――文明と言うのは、得てしてそうした水のそばで発展する。人類学の基本であるが、それは彼女たちも変わらないようだ】
【そして獣人は、少女の、先ほどからの視線の意味を乗せて、そう問いかけてみる。容姿や服装に、これだけ気を使っているのは、単なる美だけとも思い難い、と――――】

……そんな風に悩めれば、良かったのかもしれないがな。残念ながら、娘とはもう10年以上も顔を合わせていないんだ
恐らく、今はもう……『魔海』の中へと帰っていったのだろう。寂しくはあるが、それはもう、あいつの人生だ……

【日常の他愛ない悩み――――そんな風に例えられれば、彼もまた、何らかの冗談に乗せてごまかしながら否定もしたのだろうが】
【娘と言うキーワードが重なってくると――――流石にそういう訳にもいかなかった様だ。先ほどまでとは違い、やや自嘲気味に肩をすくめる】
【何らかの形で別れがあったのだろう。それも、恐らくは不本意な形で――――】

――――そんな君に、ピッタリの思考法というか、問いかけと言うか……良い言葉がある。「誰が見張りを見張るのか?」とな……
無論……法で禁じられたからそれで終わりという事ではない。それを守らせるための有形力がある――――が、分かるかな、この状況……
……これは要するに「異能とは別の力が、法を建前にして跋扈する」と言う事を意味するんだよ……ただでさえ、そこに「民衆の正義」とやらがくっついて、な……
そこに、人知れず悪意が一枚噛んでいけば――――ディストピア、偽りの形の、永遠の楽園が出来上がるだけだ

【いまいちその脅威を理解できていないらしい少女に、獣人は警句と説明を重ねる】
【これは、「暴力を、別な暴力が押し出しているに過ぎない」と。そして、それはどこから来たのか――――迂闊にも、人はそれを妄信しているのだと】
【そこに、何らかの危険を――――恐らく、かなり具体的に、獣人は掴んでいるのだろう】

……なら調べてみれば良いだろう。行方不明者の数――――ここ最近で、跳ね上がっているのが分かるはずだ。それだけ分かればいい……確かに、荒唐無稽な話で、俺もどう説明したものか、少し困惑するぐらいだ……
だが……神、神か……少しばかり、気になる事もない訳じゃない。ともあれ……この国は今、そんな爆弾を抱えているんだ……

【続く非人との戦いに関しては――――彼も、どう説明したものか、考えあぐねているのだろう。疑う相手に、どう信用させるか――――雲を掴むような話だ】
【一応言える事は、説明のつかない犠牲者が、これまで以上に大量に出ている事、それだけだ――――何か、仮説段階で悩む事もあるようではあるが――――】
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/06/05(火) 16:20:24.31 ID:oESEyYpNo
>>330

【芝居がかった所作であった。奇妙なことに貴方のそれは彼女にとって嫌みには見えなかった】
【寧ろ洗練された動作は目に心地よく、流水が喉を下るように自然に受け入れられる】
【──、しばし目を細めた。目尻が擽る素肌の景色に、少しだけ懐かしむように】


無論です、私という存在はミルドラ様に仕える身──、それ故に美しく、気高く飾らねばなりません
衆生を誘惑するなどお手の物、まあミルドラ様に悪いですし、そこまで派手に遊んだりはしませんけど
けれども、悪い気はしません。──こうしたからかいにも表情を変える殿方は、とても可愛らしいです

特に貴方様のような壮年の異性をからかうのは格別です、どうせ小娘だと思ってるんでしょう?
……間違いはないですけど、時に少女を淑女として扱うのはエスコートに基本ですし──
────そうだったんですね、失礼しました。そこは短絡的だったと、反省します


【語る言葉には確かな自信と誇りがあった。気高い様子は無垢な白百合を思わせて】
【──、ならば『砂の国』を離れてこの場にいるのは何故か、貴方に疑問が飛来するかもしれない】
【疑問を残したまま、彼女は反省の意を示す。悪い物は、悪い、と】


──そんな、真夜中全てのスパイが歩き出すみたいな、そんな与太話に聞こえますけど
私も貴方様も知っての通り、異能とは多種多様な──、それこそお伽噺のような異能も沢山あります
その中で異能とは別の力が跋扈するとは、思えません。──、あ……だから


【制限するんだ、と彼女は気付いた様に声を漏らした。異能を制限することによって、抑圧されていた無能力者が立つ】
【民衆という括りで話すのであれば、彼らは圧倒的多数であり、それは暗にその躍進を示して】
【少し静かにするだろう、貴方の言葉を精査して】


────、行方不明者、ですね。昔から多いとは聞きますけど
それこど別な勢力が噛んでるのでは、それこそ、宗教団体とか──
332 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/05(火) 16:46:06.32 ID:sNLNB3Jq0
>>331

【こうした駆け引きの遊びは、程度を上手く考えなければならない――――物騒な話だが、ギャング同士の抗争も、そういうところがある】
【如何に相手を本気にさせない程度に牽制していくか。その感覚を、彼はここで生かしているのだろう】
【尤も、それがメンツやシマをかけて、などという事ではなく、純粋に遊びとして、楽しんでいるのだが――――】

やれやれ……なるほど手慣れていると思ったよ。自信を裏打ちするだけのものがある訳だな……恐らく、それだけの研鑽も積んで……まぁ、たまに遊ぶ事を悪いとはいわないが
だが、そうして尽力しているのは、見ていて気持ちのいいものだな。君には、それなりに厳しい道とは思うが……

【――――どうやら教義として、彼女の信奉するミルドラと言う神は、禁欲主義を是とする訳でもない様だ】
【ただ、それはそれとして、神に接する人間として、相応の努力を重ねてきたのだろう。そこには素直に頭の下がる思いだ】
【異性を誘惑する事を面白いと感じているという感性には――――今は、別に何も言う事はない。そこは彼女のやり方だ】

――――お見通し、か……すまんな。どうもこれは、そろそろ年寄りに近くなる人間の、悪癖と言うべきか……
然るべく、そうした事態があれば、俺ももちろん、1人の淑女として扱う事は間違いないが……こう、素の場面ではどうしてもな……まぁ、あまりおっさんを揶揄っても仕方があるまい?
……1人のレディとして、礼を尽くすのならば、それはそれでアリかもしれんがな

【どこか、『女』と言うより『娘』に近い目線で見ていたことを指摘され、彼も苦笑する。そこはもう、意識する事もない自然体なのだ】
【相手は、立派に自分の生活を、そして役目を果たしているのだから、一人前として扱われる条件をしっかりと満たしているというのに――――】
【もしかしたら、そんなところを彼女が揶揄うのは、色香に惑わされる男たちを揶揄うのとは、また別の趣があるのかもしれない】

いや……知らなかった事だろう。そこは構わない……――――まぁそれはともかく、君はなんでこの国に来たんだ?

【少女の踏み込み過ぎには、獣人は水に流す姿勢を見せる。これは事故の様なもので、仕方がないと彼自身、分かっていた】
【その代わりと言う訳ではないが――――彼は問いを返す。先ほど――――敢えて口にしなかったが――――神の前に奉納を行う、その役をしっかりとこなしているという少女が、なぜこの国にいるのか――――】
【恐らく、この一言の問いだけで、何を言わんとしているかは伝わるだろうと、あえて軽い一言で問いかけながら】

――――そういう事だ。そしてその後の世界に生き残るのは誰だと思う?
……そして、その地位を手にする人間が誰なのか、君は事前に予想できるか?
――――詳しくは話せないが、ただ世間の噂を追いかけているだけでも、この状況は決して安全でも何でもないのが分かるのさ。そして……そこに、俺はちょっと垣間見てしまった……

【少女の思考は、どうやら「この状況の歪さ」にたどり着いたようだ。そこに言葉を重ねる。決してこれは、ケチな本の種としての陰謀論ではないのだと】
【世界は、一定の方向に導かれている――――その先が谷底でないという保証は、何もない。そして男は――――それが確実に「谷底に繋がる」確信を、何らかの形で持っているのだ】

あぁ……昔から、異能もそうだし、そこらの悪意で消される人間も多い。元より統計として多いものだが……重要なのは変化量だ。更に跳ね上がっているという、な……
――――ッ、宗教団体? ……――――なるほど、そういう事か……確かに、少しそっちを重点的に洗ってみる必要がありそうだ――――ッ!

【そして、少女の言葉は獣人の背中を押す。とりとめのない思考に、光が差す――――宗教団体と言う言葉に、光明を見出した様だ】

――――助かった、これは礼を言わなければならない。……何か、望む事があったら教えてくれ。金一封でも差し出したいくらいなんだ……金が不要なら、何か……無いか?

【獣人は真っ直ぐに少女に相対して、ハッキリと頭を下げる。そして――――何らかの形で、謝礼がしたいと申し出た】
【それだけ、彼にとってその言葉は大事な示唆に富んでおり――――そして、そうした事に礼を尽くすのが、彼にとって大事な事なのだろう】
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/06/05(火) 16:58:49.82 ID:oESEyYpNo
>>332

【追随する言の葉の欠片に、僅かばかりの曖昧を溶かして、呼吸音に似た吐息が漏れた】
【──、ほめられてしまった。予想外の反応だから、少しだけばつが悪そうに視線を逸らして】
【琥珀色のウィスキーに一滴こぼした赤い滴、湖畔に広がる紅潮の色】


……もっと褒めても良いですよ、なんて言ってみますけど──、嘘です、照れます
父親の様な年頃の男性に褒めて貰って照れるとは、私もまだまだ修行が足りません
何時の時も冷静に、瀟洒に、落ち着いた佇まいをすることが巫女の務め、ですし

────たまには甘えてもみたいんです。父の顔など、もう長く見ていませんから
ここは色々あった、と濁しておきましょう。放蕩娘じゃないので、そこはご心配なく
来たというか連れてこられたというか、そんな感じです、哀しい事情とかもないですけど

……この国の涼しさだけはどうしても、慣れませんけど


【男をからかう理由、その意味合いがはっきりと分かるだろうか、──それはつまり、ある種の裏返し】
【ファザコンとかそういう俗称で呼ばれるけれども、彼女にはそれが実感を伴って理解できて】
【軽い一言には軽い一言、其れを語るにはまだ時期尚早だと言わんばかりに】


……なるほど、それでいてもたってもいられない、と──、そういう所ですか
ですがお気をつけて、真実を垣間見た"コメディアン"は絶望しました、この世界を悪いジョークだと嘯いて
そうして彼は謀殺された。彼は何処までもリアリストで、悪いジョークを、冗談とは思えなかった、から

『Freak Fes』──でお待ちしております、ささやかな心の支えぐらいには、なってあげますよ
怪物と戦う際は気をつけなきゃいけないですけど、深淵も覗いてみれば、怪物は案外人懐っこいかもしれませんし
……おや、予想外に良い反応ですね、うーん、どうしましょう、そうですね、でしたら



────私のパパになってください。




【一歩踏み込んだなら貴方の側に、そっと寄り添う形になって、香しい香りが彼女の髪から漏れて】
【貴方の手をそっと取ったなら、自分のお腹の辺りに持って行こうとする。成功したなら、腹部に当てる】
【肌に吸い付くような肌の質感、柔らかい羽毛のように、包み込むような────】
334 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/05(火) 17:15:15.70 ID:sNLNB3Jq0
>>333

――――いや、安心したよ。可愛げ、なんていうと怒られるかもしれないが、そんな顔もできるんじゃないか……
君のような求道なら、少しはそんなところがあってもいいと思う……確かに、そうだな……

【彼女の『素』が垣間見えた。今までの、凛として少し容赦のない言葉で見せていた気高さや、機微に沿ってのゲーム思考とは別の、彼女の素顔】
【それを目にして、獣人は少し嬉しく思った――――そうして力を抜けるなら、良い事じゃないかと】
【そして――――だからこそ、異性を揶揄うのはともかく、そうした緩みは必要なのだと】

――――なるほど、な……

【吐露された人寂しさ、この国に来た理由。それらに対して、獣人はただ一言に思いを乗せて、ため息を吐いた】
【やはり――――神の前に立つ人間として日々を節制に生きていても、彼女は1人の人間だ。時に、表と裏との合間で疲れてしまう事もある】
【そして、この国に来た事は――――何か、重大な事と言う訳ではないが、今は話したくないという事】
【こればかりは、真意が分からない。隠そうとしているのか、或いはただ親密な相手にだけ告げたい、他愛ない事なのか――――そこは彼も、まだ判断するのは早いだろう】

……逆に、日中は暑いと感じるんじゃないか? 砂漠の民はそんな風に感じると、聞いた事がある

【――――砂漠の過酷な環境の1つは、もちろんその暑さだ。だが、それに関連して、昼夜の寒暖差と言うものも大きい】
【夜の砂漠は、極寒の世界でもあるのだ。恐らく彼女は、夜には違和感を禁じえないほどの『暑さ』を感じているのではないか、と】

――――そうだな。いや……まぁ、忠告として受け取ってはおくよ。これまで、こうした事は何度かあった……
時には、この目を失う事もあったし、逆に敵の目を潰した事もな――――ゆめゆめ、忘れないようにしよう……次は命かもしれない、とな……

【世界の裏側――――大げさではあるが、その表現は正確だ。そこを覗き込んだ人間は、もはや戦わずにはいられなくなってしまう】
【せめて自分は、自分であり続けなければならない。自信はあれど、過信は禁物だ。失うものかと笑顔を見せて】

――――え、お……おい、どうした……?

【次には、『freaks Fes』で会おう。そう強く頷いてみせたのだが――――続く少女の言葉に、そしてその所作に、獣人は面食らう】
【ただ、彼女の誘導するままにその手を伸ばして――――】
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/06/05(火) 17:26:37.82 ID:oESEyYpNo
>>334

【砂漠の夜の話になると、驚いた様に水面が揺れて、飛沫が声となって漏れ出てしまう】
【どうして分かるのだろうか、なんて彼女の垂れた目尻が伝える、それは異国の気候に悩む色】
【──、きっと、誰も分かってくれないから。夜が暑い何て言っても、嗤われる、から】


失礼しちゃいますね、私だって可愛らしい表情の一つや二つぐらい造作も無いです
普段はきちんと営業スマイルで皆様をおもてなししてますし、こう見えて好評なんですよ?
看板娘だなんて言われちゃってます、実際は大黒柱も兼任してるんですが

────、ああもう、何でもお見通しなんですね、少し拗ねちゃいます
その通りです、本当に……もう、ほんとにっ夜暑くって、下着一枚で寝るのも辛いぐらいです
それなのに皆分かってくれないんです、昨日は涼しかったなぁ、なんて、馬鹿みたい


【伸ばさせた手をそのままに両腕で抱きしめて、貴方へともたれかかるように体重をかけて】
【それはさながら掌からこぼれ落ちていく砂糖に似ていた、強く握っても尚、溶けていくような】
【蕾のような口元が憂いを帯びて、吐息の音に似た色合いが濡れた呟きをこぼす】


……望むことを、言ったまでです。嘘をつくの、そんなに好きじゃないので
──、私ってば、何を言ってるんでしょうね、自分でも良く、分からないです
でも、名前も知らない貴方様がそうであったなら、──と、思ってしまいます

そうであったなら、私も、ただの小娘として、生きていけたのでしょうか


【彼女の方がきっと、貴方より少しだけ身長が高いから、胸元に預ける事はできないけど】
【それでも、それでも──今だけは寄り添っていたかった】
【砂漠の夜は寒いから、こうして貴方の身のぬくもりを感じたいなんて、伝えるように】
336 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/05(火) 17:46:37.63 ID:sNLNB3Jq0
>>335

……なんだか、分かる気がするな。君なら……看板娘は訳ないだろう。神を相手にするより、ずっと……易しい話のはずだ
そういう意味では確かに……店を支える看板かもしれん……

【無論、それも彼女の冗談が含まれているのだろう――――段々と、彼女との会話のやり方が見えてきたように、獣人は感じていた】
【しかし――――神の前に奉納舞踊を行う事を考えれば、客あしらいなど片手間にしかならないはずだ。これだけの鍛錬を収めている――――外見だけでも、十分に分かる――――彼女なら、造作もないはずだ】
【なら、彼女がいなくなれば? ――――看板は、既に柱の1つと化しているのだ。その先に、果たして『Freaks Fes』の賑わいはあるか。それは――――分からない】

……体が、そういう状態になるのだろうな。俺も……森の瘴気を全く感じない人間界は、最初は慣れるのが大変だったよ……
――――多分、規模は違えど同じ事なんだろう。この国の人間も、砂の国に行けば――――夜の寒さに震える筈だ
そしてようやく分かるんだ。砂漠とは、ただの灼熱じゃないという事がな……

【適温という事を言えば、人間に際して言えば水の国の気候の方が適しているだろう】
【だが、それは砂の国の民が、特別頑健であるという意味ではない――――体のサイクルが、そう出来上がるのである】
【恐らく、水の国の人間を、2週間ほど砂の国で生活させれば――――「夜が暑くて耐えられない」と言う感覚は、ハッキリと理解されるはずだ】
【――――それこそ、昼と夜とを生きる人間の断絶の様に】

――――そうか。なるほど……そうだったな

【望む事――――父親の様な温もりに身を任せる事。今一度彼は思い出した。それが彼女の抱く寂しさに通じるのだと】
【なら、自分は、父親として振舞ってやるべきなのだろうか――――人に比べて小柄なこの身体では、様にならないだろうと苦笑しながら】

――――アーディン。アーディン=プラゴールだ……今はただ……目を閉じて、ゆっくりと心を落ち着ければいい……
……俺の庇護は、確かにここにあるだろう……?

【獣人――――アーディンは名を名乗り、そして――――少しばかりの無理をして――――少女の頭に左手を伸ばし、ポンポンと優しくタップする】
【彼女に足りないのは父性――――どうやら彼女自身、それを分かっているようで。なら、たとえ仮初でも、それを見せてやるべきなのだろう】
【バイオレットの毛並みは、抱きしめれば短いなりにふわふわとその身を包みこんで。そして頭に回された手は、優しく髪を撫ぜる】
【――――出来れば、もう1度娘にこうしてやりたかった――――そんな心の雑音を、静かに奥底へと葬り去りながら】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/06/05(火) 17:55:21.45 ID:oESEyYpNo
>>336

【貴方の温もりに包まれながら、彼女はしばし、瞑目する──、まぶたの裏に映るのは果て無き景色】
【ホームシックだなんて曖昧な事は言いたくない、それでもきっと、此処にあるのは確かな寂しさ】
【──、漏れそうになる声を抑えた。そんな、弱い女だなんて思われたくないから】


────、ファラーシャ、ファラーシャ・ライーシュ・ファルカト=ムーシェキィヤ
ええ、確かに……アーディン様の温もりを、しっとりと感じます──
私が今よりずっと、ずっと子供の頃、怖い夢を見て、夜中に起きてしまった時

……父が、ううん──、パパがね、こうして一緒に眠ってくれたの
私は嬉しくて、でも、少し恥ずかしくて──、ありがとう、って、言えなくて……だから
────、ありがとう、そして……ごめんね


【仄かな液体の感触、頬を伝う涙は、貴方の身体に染み込むのだろうか】
【砂漠に咲いた一片の竜舌蘭、胡蝶が羽ばたくその跳ねに、染み込む柔らかな涙色】
【そうしてしばし、そのまま、そのままが────永遠に続けば良いと、思っていた】




【──────】



……すいません、少し、取り乱してしまって────
もう、こんな時間ですね、私ってば……長居しすぎてしまいました
それでは、私は、仕事に向かいます。色々と、お世話になって

────、ありがとうございます。アーディン様
それではまた、お店で、私はいつでも、お待ちしておりますよ


【どれくらいの時間そうしていただろうか、彼女は徐に貴方から離れて】
【向けるほほえみは最初と変わらない、落ち着いた瀟洒な色合い──】
【それでもその奥に柔らかさを残して、その場を去っていくだろう】


/こんな感じでしょうか、お疲れ様でした!
338 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/05(火) 18:05:26.17 ID:sNLNB3Jq0
>>337

(……こんな年の彼女でも、やはり人生には……後悔が、つきものだな……)
……ファラーシャ――――

【少女――――ファラーシャの言葉は、静かにアーディンの胸にしみていく】
【恐らく、その涙は懺悔なのだろう――――彼女は言えなかったその言葉を、ずっと胸の内に秘め続けていたに違いない】
【自分が、自分の娘に対して思いを残している様に――――彼女は父に対して、何かを残している――――その『父』が、生き別れか死に別れかは、分からないが】
【ただ、名前を呼ぶ。そして撫でてやる、体温を伝える――――その名を口にする事に、万感の思いを込めて。自分も同じものを持っているからこそ、伝わると信じて――――】



……俺なら、構いはしない。君の方は……少しばかりでも、気が晴れた様で良かったよ
逆に、今回は助かった……おかげで、少しばかり俺のやる事も見えてきたよ

【落ち着いたようで、ファラーシャは居住まいを正し、歩き始める。アーディンは、むしろ自分が礼を言いたいくらいだと口にして】
【――――当たるべき敵。見るべき真実。その方向性――――ファラーシャの言葉1つで、ぐっと遠くまで見通せた気がする】
【――――異世界の神が『虚構』なら、そこには信仰が必要だ。それを集めるために動き出す可能性は高い】
【それを教えてくれたのが――――ファラーシャのヒントだ】

あぁ、またな……また会おう……!

【こんな風に、父として振舞う事が、又あるのかどうかは分からないが、少なくともまた会う事だけは間違いないだろう】
【『魔海』の面々と会うというのも大事だ。そして、その素顔を垣間見たファラーシャと、再会する事も――――】
【いくつもの未来を見据えながら――――アーディンもまた、その場を去っていった】

/乙でしたー!
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/06/05(火) 21:12:52.97 ID:YqpjSvfP0

/>>266で再投下します!
340 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/06(水) 21:17:45.84 ID:TMfbRuii0



【 ── 篠突く雨が降っていた。】
【曇天に伸びる摩天楼の数々は、灰色に染まる街並みを道理のない輝きで照らし上げる。】
【だから街行く人々は天気予報に教えられた通り傘を差して、脚元が濡れようとも変わらぬ日常のルーチンを享受できていた。】



「 ── は、ッ」「は、ぁッ、 ………。」



【摩天楼の麓。誰も見ようとしない暗い路地裏から、生温かい吐息の溜まった雑踏に、ひとりの人影が這い出て来る。躄のような足取りで、壁に身体を寄せながら】
【背の高い女だった。月光射す新雪のような銀髪を、腰の辺りにまでたなびかせていた。そうして、それで顔の半分を覆っていた。】
【およそ血の通うように思えない白い膚をしていた。彫られたばかりの雪像のように端整な顔貌をしていた。】
【 ── けれどその視線は冷徹だった。切れ長の、微かに見開かれた青い片目は、澄み渡りながらも撃ち抜くような眼光を宿し】
【そしてまた彼女の左腕は、黒いコートの布地に包まれた左腕は、明らかにおかしな方向へ捻じ曲がり、折れているようだった。 ── 闇色の外套に、血が滲んでいた。】


「 ……手痛い、わね」


【文字通りの意味だった。這い出た雑踏の直近、── どこか何かの店先に、彼女は腰を落ち着けた。落ち着けざるを得なかった。】
【どうにもならぬと知っている筈なのに、彼女は捻転の部位に掌を当て、慰めるようにさすった。 ── 降り注ぐ雨が顔を濡らし、その膚地に髪を貼り付かせたけれど、彼女は瞬きひとつしなかった。】


/戦闘でも、雑談でも、なんでもござれです
341 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/06(水) 21:46:35.52 ID:DptwUl9Y0
>>340

――――――血の匂いだ。ククッ、此処まで匂ってきやがるぜ、馨しいカオリがよォ――――

【――――声がする。地の底を這うような、低い低い声色が】
【それは嗤っているようだった。傷付く貴女を嘲笑うかのように、喜色に満ちて】
【まるで獰猛な獣にも似て。ククク、とか言ってる、めっちゃ低い声で、……なんかすっごい頑張ってる声で】
【……そこまで考える余裕がまだ残っているなら、すぐわかる。作り声だ。それに気付いてしまえば、なんともアホらしい】

ククッ、いたぜいたぜ〜〜〜〜獲物がよォ……えっと、……いたぜェ〜。
クック、クク……フハハハハハッ! さあ喰らってやるぜぇ〜、えっと……いやなんか違うな、
もっとこう、なんかこう……なんかもっと怖くできると思うんだけどナ、なんだろ、……思いつかねぇー……

……あーっもうヤメだヤメ! めっちゃビビらせてやりたかったけどもうそーいうのナシ!
呼ばれてないけど――――じゃじゃじゃじゃーんっ、こんばんはっオネーサン!
どーした!? ケンカ!? めっちゃケガしてんじゃん、うわーっイタそーっ……

【「助けは、いる?」 ――――曲がり角の向こうから、間抜け面した男が顔を出した】
【ばあ、とか言いながら、顔のすぐ横で手をひらひらさせて。にこにこ、人懐こそうに笑うヤツだった】
【夜に融けるような褐色の肌、反して頭髪は明度の高い銀髪。ひょっこり出した頭はそれなりの高さの位置にある】

【そんな男が。この緊迫した事態を理解しているのか、……あるいは理解していて、あえてとぼけているのか】
【おそらくは後者。そういう調子で、貴女――アリアに、声をかけてきたのだ】
【身体はまだ曲がり角の向こう。すぐに近寄ろうとしないのを見る限り、それなりに警戒心というものは持ち合わせている、……多分】
342 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/06(水) 21:56:51.99 ID:TMfbRuii0
>>341

【向けられる害意に対して、彼女は ── アリアは、ひどく敏感な人間であった。】
【相手の声音を聞き分けるより先、反射的にまだ無事な右腕を動かし、】
【 ── 懐のホルスターに差した拳銃を引き抜く。聴覚素子のエコーが音源の位置を特定し、その吟味を待つより先、向ける銃口。だが。】


「 ──── 、 ……… 。」


【じとり、──剣呑な視線が見上げる。青い瞳。濡れそぼった銀髪が束になって、その先端から雫が滴る。】
【真一文字に結ばれた唇はどこか不機嫌そうでもあって、まるで迷惑がるように眉をひそめ、】
【けれどもゆっくりと右腕を下ろして、セフティをかけ直した。気の抜けた顔をした男の、少なくとも笑顔はまともであったから。】


「 …… 夜遊び?」「怪我するわよ。話しかける相手を選べるのは、賢いことだけれど。」


【はあ、と溜息を吐きつつ、 ── その声音は、雨よりもずっと冷たくて、然し澄み渡っていて、落ち着いていた。およそ、酷い手傷を負った人間の声ではなかった。】
343 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/06(水) 22:10:37.86 ID:DptwUl9Y0
>>342

アッ待って待って冗談、ジョーク! ほんの小粋なジョークだからさっ!
悪かったって〜マジマジほんとそう思ってっから、ネ? ……うんうん、よーし。

【銃口を向けられれば流石に慌てたように、両手を挙げて降参の意を示す、なんにもしてないけど】
【それからゆっくり銃が下ろされるのを見るや否や、それでいいんだぞ、みたいな、感心するみたいな】
【何故かやたらと得意げな顔をして、二回頷いた。そうしたらようやく、角から出てくる】

遊んでるの半分、オネーサンを心配してるのもう半分。マジでそう思ってるよ?
ね、ホントどーしたのそれ、腕折れてんじゃん! ぜってー痛ぇっしょ、ビョーイン行く?
それか……こんなところに居るくらいだから、「表」のビョーインには行けないヒト、だったり、

【そして大股で歩いて近づいてくるのだ。服装はいかにも夜遊び大好きとアピールするような若者めいて】
【きっちりした襟なんてついてない、ゆるいTシャツ。色褪せたジーンズはロールアップさせて踝を晒し】
【履いている靴は安っぽいスニーカー。擦り減ったゴムの底は、目立つ足音を立てない】
【そんな感じ。どこにでもいそうなチャラついた青年、だけど口にする言葉は、意外とそうでもなさそう】
【「表」――一般人が行くような施設に、行けない人種なのかと。そう問いかけようとするの、だが】

…………、……オネーサン身長いくつ? めっちゃでけえ。
わー、おれもケッコーでかい自信あったんだけど……もしかしておれより上?

【近付いて、遠近法が通用しなくなったら。目を丸くして――アリアの全身を眺めはじめるのだ】
【青年、慎重190センチとちょっと。それと並ぶ女性なんて見たことないって、言いたげな顔をする。――そんな場合じゃないのに!】
344 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/06(水) 22:28:27.66 ID:TMfbRuii0
>>343

「 ── ご親切にどうも。」「ずいぶん優しいのね。怪獣ごっこが下手なのも頷けるわ。」
「私から撃ち殺したりはしないから、安心なさい。人殺しの趣味はないの。」


【面倒臭いのに絡まれてしまった ── とでも言いたげな顔をして、俯いたまま、視線を合わせることもなく。けれど言葉を交わすのに、吝かではなさそうなのは】
【男の親しげな人柄ゆえだろうか。また、彼女は溜め息をついて。だが滔々と、結ばれた唇を解いて、 ── 細くも、どこか柔らかそうな光を宿した、口先。】


「痛くはないわ。左肩から先の感覚系は切ってあるから。」「血流も遮断してあるし、これ以上の失血もない。」
「 ── ご厚意はありがたいけれど。このフレームをメンテできる闇医者なんて、いるのかしら?」
「少なくとも、生体工学とサイバネティクス、それに義体の深層学習に造詣がない人間には弄らせたくないけれど。」


【暗号めいた返事を、少しばかり皮肉な笑いを浮かべて語る。 ── よく見れば、女の追っている傷は、左腕のそれだけではない】
【スラックスの右太腿には銃創らしき血の滲みがあるし、右手の指の爪は何枚か、何故か剥がれてしまっている。】
【その割に細々とした擦り傷や切り傷はなく、 ── そしてコートの下、ジャケットごとその下のシャツにまで、べっとりと返り血が、雨に滲んで。】
【服装も全く奇妙だった。この梅雨入りの初夏に、冬場に着込むようなコートと、ビジネススタイル。 ── ともあれ、ゆらり、徐に彼女は立ち上がり】
【確かにその背丈は男よりも僅かに高い。きっとそれは、細い身体の全てが── あるいは、殆ど生身ではないが故なのだろう。】


「 ── 196。それが、どうかした?」


【そうして彼女は、傷ついた右足を動かそうとして ── っ、と声を漏らし、膝をついて。】
345 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/06(水) 22:39:22.49 ID:DptwUl9Y0
>>344

そう、おれヤサシー好青年だからさあ、傷付いてるレディを放っておくよーなマネできねーの。
シュミはないけど銃はいっつも持ち歩いてんだ? へー、大変な「オシゴト」なんだネー。

【からかってるんだかそうじゃないんだか、微妙な境界線を綱渡りしながら男は言葉を続ける】
【そうしながら――アリアの傷をひとつひとつ観察して。このテの怪我ならどこの闇医者に持って行くのがいいだろう】
【思考しながら、真っ黄色――加熱した玉子みたいな色合いの目を、細めて。しかし次の瞬間には、丸くする】

感覚、切る、血液、遮断。……フレーム?
んん……えーっと、オネーサン、あれ? ロボとかそーいうヤツ?
じゃー残念だナー、そーいうのを治せる医者……じゃなくてメカニックになるの、こーいう場合。
それは知らないんだよナ。……ねえホントに痛くないの?

【かた、こと。ひとつひとつ慣れない言葉を使うように、ぎこちなく発音しながら】
【膝をつくアリアを追うようにしてしゃがみ込む。彼女よりもう少し低くなって、下から覗き込むように】
【そうしてしまえば数センチの身長差なんて関係なくなる、なら、元からなかった遠慮もさらになくなって、しまう】

……おれよりたかーい。女のヒトに身長負けたのはじめてよ。
ってゆーかそれはどーでもいいわな、ねえオネーサン。どー考えても大丈夫じゃないっしょ?

【「どっか行くアテある? それかここで出来る応急処置とかある?」 ……見捨てるという選択肢は、とうに潰えた】
【じーっと心配そうに覗き込んでくる黄色のたれ目。パーソナルスペースというものを一ミリも理解してなさそうな】
【他人を恐れようともしない仕草。それはなんだか――とびきり人懐こい大型犬にも似ていた、賢さはあんまり、なさそうだけど】
346 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/06(水) 22:56:20.64 ID:TMfbRuii0
>>345

【 ── 小馬鹿にされたのであれば威嚇射撃の一発でも撃ち込んでやろうかという所だったけれど、実際のところ、彼女は後ろ暗く】
【正確には後ろ暗い経歴を持つ人間だったから、 ── 黄色い両目の好奇心が、あまり憎めないようにも思えたから】
【ふン、と軽く外っ方を向けるのみに留めた。】


「全身義体よ。 ── サイボーグ、って言った方が、分かりやすいかしら?」
「単なる機械オタクでも駄目だし、いくら腕が良くても普通の医者じゃ治せないわ。」
「本当なら専属の義体医師にメンテを頼めるんだけれど ── ここは、"本部"から随分と遠そうだし」


【とはいえ視線を外しても、覗き込まれたのなら世話はない。溜め息を吐けば、微かに甘い香りがした、ような。】
【無遠慮であるのか無神経であるのか、それでも其れなりに心を許してしまえるのは、男の人徳の成せる技だろうか。】
【呆れたように、諦めたように、青い瞳が見つめ返す。 ── 深い色合いだった。けれどそれは、きっと、作り物。】


「 ……… 大丈夫でないというのは、そうかもしれないけれど」
「でも、そうね。……… 一応、自己再生(イモータル)機能はあるから、」
「十分な栄養素があれば、修復もできるかしら。」

「 ── 仕事詰めで、朝から何も口にしていないし」
「それに、この辺りには疎いの。どうしても面倒を見てくれるのなら、案内してくれる?」


【どうやら彼女は随分と高性能なサイボーグらしい。放っておけば、壊れたパーツも治るのだと、か。】
【飯でも、宿でも、何でもいいから、休めるのならそれでいい。──肩を貸せ。顎で指して、暗に示す。】
347 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/06(水) 23:12:23.59 ID:DptwUl9Y0
>>346

サイボーグ! 映画で聞いたコトあるヤツだ、へーっそうなの。
ロケットパンチとか撃てるヤツ? ……あ、それはロボ? どっちでもいーか、まあ。

【へらへら笑う。あんまりにも無遠慮、口にする言葉も似たようなモンなら、一発くらい殴ったってよかろうものだ】
【でも、まあ――悪意ありきでそうしてはいないって、なんとなくわかるだろうか。これがこの男の素であって】
【人によっては猛烈に嫌われる。そうでなくてもちょっとばかし距離を置いておくほうがよさそうな人種。面倒なことには変わりない】

【見つめ返されればにっこり笑んで。大丈夫じゃない、そう言われるのを心待ちにしてた、みたいな顔をして】

つまりメシってコト? おっけーおっけーそーいうのは任せなさい!
伊達に遊び人やってねーし、なんか喰いたいモンある? 和洋中、いろいろあるけど、あっ酒も飲む?
おれはオネーサンが飲むならいっしょに飲むよー、飲まなくても飲むかもだけど、あははは!

【さっと彼女の脇の下に手を滑り込ませる。肉付きはそれなり、けれどわりかし力持ち】
【……だけれど。サイボーグがどのくらいの重量感であるかどうかは、知らない】
【見たまんま、背の高い女性の体重をイメージして肩を貸そうとしたけど。それより重いのであったら――】
【――即、ぺしゃん、だ。一回がくんと膝を落として、それから吃驚したみたいな顔するだろうけど、さて】
348 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/06(水) 23:16:37.68 ID:muS0T0pW0
【サーペント・カルト本部施設 大広間にて】

【この大広間は主にサーペントと呼ばれる一般信者達が集う場所であり、公安からの潜入捜査官も紛れ込んでいた】
【公安からの刺客の名は、エーリカ=ファーレンハイト。公安5課所属の女性である】

【左前髪に黒のメッシュが入った金髪に、左耳に開けたトランプのマークを模した四つのピアスが特徴的な女性】
【その女性の右手の甲には信者の証である蛇のタトゥーが見て取れる。尤も、本当に彫った訳ではなくタトゥーシールなのだが】


(――…サーペント・カルト。噂以上に異質で、異様で、狂信者共の集まりね)


【サーペント・カルトへの潜入捜査を命じられたのは一週間前。エーリカの上司たる人物から命じられての事】
【公安の同僚である棕櫚曰く「人の理屈から離れてる奴等を相手にするのは最悪だ。貧乏くじを引いたな、キヒヒッ」】
【公安の上司たる人物曰く「サーペント・カルトは最早看過出来ない。このままでは国さえも食まれてしまう」】


(こんな連中を蔓延らせる訳にはいかない。コイツらの好き勝手にさせたらどれだけの悲劇が生み出されるか)
(だから――カルトの全貌を暴いてみせる。そして、こんなカルト集団壊滅させてやる…ッ!)


【この施設に居るのは九分九厘信者であろう。だが、エーリカは信者ではなく公安の潜入捜査官であり】
【故に、この大広間でこれから執り行われるであろう儀式やカルトの教義には熱心ではなく。寧ろ内心では嫌悪感さえ抱いていた】
【それに加えてエーリカが潜入捜査官としては未熟であった為、信者とエーリカの間にある温度差を感じ取るものがいるかもしれない】
349 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/06(水) 23:30:39.43 ID:TMfbRuii0
>>347

【「武器を仕込むような義体はみんな安物の粗悪品よ。覚えておくといいわ。」 ── 冗談のようで、真面目とも取れるような、女の口ぶりは、】
【忠言じみてもいて、それなりに男の身を案じてもいたのだろうか。あまり危ない橋ばかり渡っていると、手脚を捥ぐような痛い目に遭うぞ、と】
【お節介焼きな笑顔には鬱陶しそうな溜め息を吐くけれど、それでも嫌うような素振りを見せないのは、そういうことなのだろう。】

【そうして、男の提案があったのなら ── 存外にも、彼女は饒舌であり。】


「………、 中華が食べたいわ。」「青椒肉絲、麻婆豆腐、 小籠包に春巻、老酒と一緒に。」
「後はそうね、蘭州拉麺、興味があるかしら。」「久しく白米も口にしていないし。ああ、炒飯もあったわね?」
「八宝菜は中華料理だったかしら。なにか餡掛けのものも食べたい気分。あとは飲茶や、杏仁豆腐も、いいかも。」

「けれど生憎、任務に財布は持ってこない主義なの、 悪いけれど、── 。」

【 ── そう言いかけたのは、男が彼女を背負おうとしたのと、殆ど同じタイミングで。】
【FRPによる軽量化が幾らか施されたボディであるとは言え、頭蓋骨相当の脳殻は超硬質のチタン合金製、】
【骨格のフレームはタングステン合金で削り出された彼女の体躯は、ゆうに100kgを超える重量であって】
【膝を折って仕舞えば、彼女の重さが割合容赦なく、ずっしりと男にのしかかるだろう。 ── あるいは、背中に、柔らかで豊かな感触を感じつつも。】
【重ね着の上からでは判じ辛かったに違いないけれど、実際のところシャツの下の其の胸囲は、身長に負けず劣らずの豊満さであって ── 。】

【 ── 偶然にも視線が合えば、きっとアリアは、きょとんとした顔をして、男を見つめていて】
【そうして暫しの沈黙の後、 ── くす、と、小さく笑うだろう。血の通わないような冷たい顔貌を、ほんの少しだけ綻ばせて。】
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/06(水) 23:31:36.15 ID:YQEf+8Zfo
>>348

【──、その場には多くの信者達が屯していた。教義という名目でこれから演説が行われるのである】
【壇上には一人の男がいた。幹部"オフィウクス"が一人、ケバルライ──】
【白いシャツと黒い長髪の男は慣れた口調で、丁寧に蛇の教義を語っていく】



【────】



【一時間ほどして教義の時間が終わり、信者達は皆先程の話に感銘を受けた様子を見せていた】
【それを貴方は遠巻きに見ているのだろう。哲学的な話は西洋の古典哲学の焼き増しの様であり、目新しいものでは無い】
【教養が深い人間であれば、その源流をたどる事ができ、蛇の教義は各神話体系の寄せ集めの様に、と──】

【足音が響いて、貴女の側へと向かう。聞き慣れた声が漏れてきた】


ふむ、どうやら入って間もないサーバントの方かな。どうやらキミはまだ"ウヌクアルハイ様"の偉大さに気づいていない様だ
私はそれを否定するつもりも、責めるつもりもないよ。無知は恥ずべき事ではない、我々も原初は無知であったから
そういう人々を正しく導くのも私の役割の一つである、と今また確かに実感した所であるから

初めまして、教義を受けるのもこれが最初かな? 拙い喋りを長時間聞いて疲れただろう?
どうだい私と軽く話し合いでも、── この大広間を出て少し歩いた所に談話室がある
キミが感じた事、興味を持った事、或いは──、疑問に思った事を、聞かせて欲しいんだ

私の名はケバルライ、偉大なる神の心臓を頂きし者──


【彼は微笑む。整った顔たちの写す笑みはモデルの様に整っていて】
【それでいて一流の教師が如く、丁寧に生徒へと説明する様な口調で話したなら】
【貴方の背中にそっと手を伸ばす、もう片方の手を開いてエスコートする様に扉に向け歩き出すだろう】
351 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/06(水) 23:46:13.34 ID:DptwUl9Y0
>>349

【忠告とも警告ともとれるアリアの言葉、理解しているのかそうでないのか。たぶん後者】
【ぽかんとした顔をして、「……じゃあアニメとかに出てくるロボはみんな粗悪品?」】
【大真面目にそんなことを訊いてくるのだ。頭のよろしくなさを露呈させるように。つまりは、アホ】

中華、中華りょうかーい。辛いのとかスキ? おれはそんなに好きじゃないんだけどお、
……えっちょっと待ってめっちゃ喰うじゃん。待ってよ中華ってあんま安いトコねーんだよ?
へ、しかもおカネ持ってねーの!? 待って待って待っておれもオサイフそんなに上等じゃな、い、っ

【がっくーーーーーん。ものの見事に膝が地面と熱烈なキス。ぎゃ、って思いっきり、悲鳴をあげて】
【しばらくそのままで悶絶しているようだった。ファニーボーンは肘にあるものだけど、それに似た感覚】
【びりびりびりっと電流が、膝から脳まで駆け上ってくるような感覚。それと必死に戦っていたから】
【背中に押し付けられる、天国めいて幸せな感覚に喜ぶ余裕がなかった。かなしい。自業自得かもしれないけど】

――――――……あ゛ーーーーーーッッッで、いっっっでぇ……クッソ、そっかぁ、
オネーサンがニンゲンじゃねーの忘れてたっ……あ゛ァあ、ぐあーっクソッ……絶対青痣できたっ、
両ひざとも! 両ひざともでっけー青痣作るってナニ、だっせーっ、ヤンチャざかりのガキじゃあるまいしっ……

…………、……ヒトがいてーいてーって泣いてンのにぃ。オネーサン、そんな顔すんのずりーって!

【涙目。それをゆるっと上げれば目の前に、柔らかく笑むアリアの顔があって】
【男は拗ねたように唇を尖らせる。非難めいて言葉を口にするけど――ちょっとだけ、笑うのを堪えきれてない】

【数秒たっぷり、間をおいてから「よいしょ」の一声で立ち直る。わりと力持ち、それはニンゲンの尺度の話ではなく】
【ちゃんと手筈を整えれば、結構を越えるレベルの重さのモノも持てる、らしかった。ならば彼もまた、ヒトでなしの部類に入る】
【だろうけど――この場ではきっとどうでもいいことだろう。よろよろした足取りで街の灯の方へ向かっていく】
【行先は、なんだかんだ言っていたけどちゃんと中華のお店だった。ただしそんなに高級なところではない、彼の財布の精一杯レベル】
352 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/07(木) 00:05:02.67 ID:8y76P7uB0
>>350

【カルトの信者達を冷めた目で見ていれば、いつの間にか壇上には一人の男が立っていた】

【その男は、知恵無き者に啓蒙する様な口調で蛇の教義を説いていた】
【人間の言葉を用いている筈なのだ。だが、エーリカには男の演説が人間の言葉に聞こえなかった】


(――…ご丁寧に、こりゃどーも。って駄目だ駄目だ。ガチで無知な信者のフリをしなきゃ…)


【兎にも角にも、神妙な面持ち――の様な表情を作り周囲の信者達に同調するフリをする】
【信者達は皆、一様に感銘を受けているようであり、エーリカには受け入れがたい光景であった】


(――…あぁ、全く話が理解出来なかった。理解する気も無いけど)
(つーか、気色悪い。気色悪すぎる。宗教にドはまりする奴等特有の空気に酔いそうだ…)


【前もってカルトの悪評や悪行を調査していたのも相まって、信者達の生み出す異様な空気に顔を顰める】
【この空気に悪酔いして吐きそう。そう思った折に、壇上に立っていた男――ケバルライがエーリカへと歩み寄っていた】
【"やっば、早速バレたか…?"そんな懸念を抱くもおくびには出さず。ケバルライに対して無知な信者を装うのであった】


……そうっす。入信して間もないサーバントっす。なので教義を受けるのはこれが初めてっす。

加えて私は頭悪いんで。正直アンタが何言ってるかちっとも解んなかったし、"ウヌクアルハイ様"の偉大さもわかんないです。
だから、ケバルライさんが軽い話し合いの場を設けて私に"特別講義"をしてくださるってんなら大歓迎っす。


【カルトの信者でなければ、きっとモデルの様な佇まいにも、紳士然とした振る舞いにも好感が持てたであろう】
【だが現実は違う。背中に手を伸ばす男は危険なカルト集団の一員。幾多の信者を纏め、言葉で信者を操る危険人物】

【しかし、幹部クラスが声を掛けてきたのは僥倖か。故に、エーリカは言葉を慎重に選ぶのであった】
353 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/07(木) 00:11:31.52 ID:gM3YJ9+Z0
>>351

【やはり何処までも間の抜けた質問を寄越す青年に、アリアは呆れたような顔をしているのだけれど】
【 ── きっと、満更でもないのだろう。色々と。人柄であるとか、言葉であるとか、あるいはこうして過ごす時間の雰囲気が。】
【がくりと青年が膝をつくなら、彼女は少し驚いたように背中を握って、 ── そして悶える様子を見るなら、くすくすと楽しげに笑うのだ。】


「漢泣きなんて似合う顔じゃないわ。 ── ほら、泣くのはお止しなさい?」


【傲慢な言い振りのようで、その実すこしだけ申し訳なさそうな苦笑い。青い瞳は真っ直ぐに、アリアはそっと其の指先を、青年の目元に伸ばすだろう。いつのまにか雨は止んでいた。】
【慈しむように目元を拭うのは真っ白な指先。涙の熱でさえ解けてしまいそうな、儚くもしなやかで、そして絹地のような心地をしていて】
【目尻の柔らかな肉と重なれば、淑女のハンケチーフが撫ぜるような ── およそ、作り物の指先とは思えないくらい、"血が通って"いた。】
【 ── 顔を合わせれば、気付くかもしれない。青年の膂力が、きっと全うな人間のそれではないように。】
【半面を覆い隠す銀髪の隙間に、垣間見えるのは焼け爛れた皮膚の傷痕。そうしてまた、眼帯に似た精巧な義眼。】


「 ── そうね。」


「名前、聞いておこうかしら。」「私はアリア。アリア・ケーニギン=デァナハト。」
「借りは返す主義よ。歳下に奢らせるのなら、尚の事。」


【飯屋に向かう足取りの中、きっとアリアはそう尋ねるだろう。答えたのならば、それがどんな響きをしていても、「 ── いい名前ね」と返して】
【とは言え店に着けば彼女はきっちりと、食べたがっていた料理は全て注文し、上品な箸遣いながら米一粒残さず腹に収めてしまうだろうし】
【更にはきっと宿まで求めてきて、それでいて次の日の朝になれば、まるで初めからいなかったように、忽然と姿を消しているのだ。】
【 ── ただ。「ありがとう」と、流麗な書体で残された書き置きと、どこから調べたか青年の口座に振り込まれた、10倍返しの食事代を残して。】


/日付が変わるくらいまで ── と伺っていたので、すこし強引ですが、このような〆でいかがでしょうか?
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/07(木) 00:18:36.17 ID:Rvr8GcaUo
>>352

【ケバルライは貴女の言葉に静かに頷きながら歩き出す、エスコートは自然で、僅かばかりの強引さもない】
【しかしそれは川の流れに似て、立ち止まる事を許さないように、貴女を強制的に歩かせるだろう】
【無論拒否すれば阻害できる、けれども、沈黙は肯定であると言わんばかりに】


正直で宜しい、多くの信者はこの場合少しでも私に気に入られようと媚を売ります
曰く、素晴らしい教義であったと、感服した、と──、私はその言葉を聞く度に心を痛めます
彼らは本当に理解して私にそう言っているのか、と、そして或いは──、それで理解したと思っているのか、と

ウヌクアルハイ様の偉大さは大変深いのです、私程度が幾ら言葉を尽くしても尚理解には程遠い
況や僅か一時間程度の教義で何がわかるのでしょうか、何言ってるかちっとも分かんなかった
──、素晴らしい、その通りです。その反応こそが正しく教義を知る模範的な反応なのですから

それでは産婆術で行くとしましょう、貴女のお名前は──?
こちらにはどの様な経緯で? サーバント達の勧誘か、或いはもっと別の理由か
──そして貴女自身は、ウヌクアルハイ様が存在すると、信じていますか?


【大広間を抜け長い廊下を歩いていく、二人の足音と、声しか響かない空間であった】
【定期的に置かれている照明は高速道路のランプに似て、等間隔の呼吸に似ていた】
355 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/07(木) 00:24:19.23 ID:22BHjszQ0
>>353

だ、れのせーで泣いてると思ってんの、……あー。
もーっそーいうのヤメてよお、恥ずかしいじゃん、おれこー見えてもアラサーよ?

【童顔だけど。雰囲気、サボりまくりのダブリまくりな大学生にしか感じられないけど】
【それでもアラウンド・サーティであるらしい。真っ赤な嘘かもしれないけど、とりあえずはそう主張して】
【触れられた指先の柔らかさに目を細めた。……実はサイボーグってのウソなんじゃないかな、と思わせるくらいに】
【心地良かった。けれど、確かに感じる重量がそれを否定する。――まあそんなこと、どうだっていい、って思っていた】

【似たような色合いの髪、その向こうに見える治らない傷痕。併せて、今負っている傷のことを考えれば】
【彼女がどんな「オシゴト」をしているか、アホの彼でもなんとなくわかった。ならば自分にできることはただひとつ】
【その苛烈なオシゴトの、息抜きをさせてやる。精一杯。死ぬほど力を抜かせてやる、内心そう決意して】

……アリア。アリ、……あーちゃ、……違うな。あーりん。あーりん! ヨロシクねー。
おれ? おれはねえ……「オムレツ」って呼んでよ。卵色の瞳の、オムレツくん。

【名前、教えられて。妙ちきりんな綽名をつけた。拒否されても未練がましく使い続けるだろうが、マジギレされたらたぶん、やめる】
【それから自分のそれを訊ねられれば――これまた妙な、おおよそ人名とは思えない単語を伝えるのだ】
【十中、百くらいの勢いで偽名。それでも褒められるんだから、「そんなこと言われたのハジメテ」って、笑って】

【――――次の日の朝。すっからかんの財布を携えて、とぼとぼ一人で宿から出ていくんだけど】
【きれいな文字で書かれたメモだけは大切に持っていた。半分、さらにもう半分追って、中身のない財布に仕舞って】
【歩いてどこかへ帰っていく。その両ひざにはでっかい青痣、――――名誉の負傷。そういうことに、しておいた】


//お言葉に甘えてここらへんで! お付き合いいただきありがとうございましたっ
356 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/07(木) 00:53:12.70 ID:8y76P7uB0
>>354

【ケバルライの緩やかな強制(エスコート)。それに従っていくと次第に人気が無くなり】
【世界に二人しか居ないような錯覚に陥る。二つしかない足音と声もソレを強調していた】
【尤も。ケバルライのエスコートに逆らう理由は無かったから、成すがままに二人だけの世界へと足を進める】


まあ、アレだよ。知ったかぶりってのは仕方ないよね。けど私はそれで痛い目に遭ってるからさ。
人が何と思おうとも知った事じゃない。重要なのは、"知るべき事を正しく知る事"だからねー。

だから、私は解らない事には解らないって言うよ。私が理解出来るまで何度でも聞く事にしてる。
見解の相違、認識の食い違い、齟齬が生じにくいだろうし。何よりアンタもその方が良いだろうしね。


【そう、潜入捜査官のエーリカにとって重要なのはサーペント・カルトを"正しく知る事"】
【カルトを構成する人員の規模、カルトの本拠地、カルトの最終目的――すべてを把握し持ち帰る事】
【そして公安ひいては国家の力を投入してカルトの壊滅させる事こそがエーリカにとっての最終目的だから】


名前はエイリス。エイリス=カーマイン。水の国生まれのその日暮しのフリーターっす。

サーペント・カルトに入信したキッカケはサーバントの人たちによる勧誘っスね。
そりゃあもう熱心に勧誘するモンですから、話くらいは聞いてやろうって思ってたら。
あれよあれよの内に入信しちゃってねー。いわば成り行きってヤツかな。もしかしたら縁があったのかも。

あと、ウヌクアルハイ様を信じるかって?――今現在は何とも言えないかなー。
だってアンタ達はウヌクアルハイ様が居るという確信と根拠があるんだろうけど。
私はその確信と根拠が無いから何とも言えない。けど、存在しないとは言ってないから其処は信じて欲しいかな。


【エーリカの軽やかに語る言葉は全てが嘘。エイリスという名も、サーバントに勧誘されたと言うのも嘘、嘘、嘘だらけ。

【事の真実は、公安5課がサーペント・カルトの存在を危険視していたからであり】
【公安5課がサーバントの一人を捕獲した上で、カルトに関する全てを洗い浚い吐かせたから】
【そんな経緯があって、エーリカはサーバントとして潜入捜査が行えているのである】
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/07(木) 01:04:08.01 ID:Rvr8GcaUo
>>356

【彼の印象は結婚式場に居る牧師そのものであった。神聖なハレの日に於いて、幸せの絶頂を彩る】
【貴女の言葉に恭しく頷いてみる様子など慣れたもので、何処までも落ち着いた雰囲気を残していた】


その通りです、素直であること。特に自分に対して素直であることがウヌクアルハイ様の教えの一つです。
つまり貴方は、──既に一つウヌクアルハイ様の教えを実行しているのですよ、自分の無知に対して素直であること。
そしてこれは何処までも広がっていきます、或いは欲望に素直という形で世界の理と衝突することもあるでしょう。

ウヌクアルハイ様はそれすらも肯定致します。私達が持つ欲望、それ単体は卑しきものであると思われがちですが
しかし、欲望こそが我々の生きる最も強い原動力になるのです。これを肯定する事にウヌクアルハイ様の寛大さと
そして我々人間に対する深い理解が伺えるのです、貴方はそのままで、宜しいのです


【角を曲がる。──同じような廊下がまた、ずっと伸びている】
【大きな施設であった。調度品も少なく、清潔感を保った室内】


私はケバルライと言います。エイリス──、そう貴方も導かれて此処に来たのですね
私達の中でその様に勧誘されて訪れた人々は少なくありません、家族ぐるみの信者と比べて、どうしても無垢である、と
つまり、ウヌクアルハイ様に対して不信感を抱いておられる方が、多い印象を受けます

──そうですね、確信と根拠は大切です。きっとエイリス、貴方はウヌクアルハイ様が見えないから信じられないのでしょう。



では貴方は目に見えない空気の存在を否定しますか? 或いは目に見えない時間の流れを信用しませんか?
我々の生きているこの大地が球体であるということをどうして信じているのですか? 空の果てには本当に宇宙があるのですか?
貴方は今までも今も、そしてこれからも、目に見えていないものを信じている、それは即ち信仰と何が違うのでしょう



与えられた知識を盲目的に信じることを信仰と呼ぶのなら、私たちの生活は既に信仰に囚われています
今までの生活の中で、奇跡を感じたことはありませんか? まるで何かの意志に導かれる様な体験をしたことは?
──、それがたんなる偶然だと、決め付けてしまうことは、信仰に対する裏切りなのでは、ありませんか?
358 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/07(木) 01:42:40.32 ID:8y76P7uB0
>>357
//すいません。凍結をお願いしても宜しいですか?
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/07(木) 01:43:39.48 ID:Rvr8GcaUo
>>358
/はーいっ了解です! また置きの方で続きしましょう!
360 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/07(木) 01:45:23.38 ID:8y76P7uB0
>>359
/置きレス移行了解です。今日は遅くまで絡んでいただきありがとうございます
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/07(木) 21:28:31.94 ID:OJOocUiq0
【路地裏――――】
【生ぬるい温度が満ちていた、高めの湿度のおおもとはなんだったんだろうかって思わず考えてしまうぐらいに、湿っぽい、空気が】
【ならそれはきっと誰かの涙や血なんじゃないかって思わせる、凄惨な場所。――光景、ではなくて。路地裏という場所そのものが抱く、絶望】

――――――っ、は、はっ、

【――そこに小さな呼吸音が混じりこんでいた。荒く乱れた短い呼吸であったならばどこか犬のようでもあって、なら、逃げ出した犬かと思わせる一瞬は】
【けれど誰かが覗き込んだならば、それは間違いなく人間である、と、伝えるのだろう。――人間だった、それも、きっと、少女だった。薄汚い地面に膝をついて】
【これも薄汚い壁に手と額をこすりつけるみたいに――間違いなく立った姿勢からそうやってずり落ちて来たんだろうと思わせる姿勢で、まだ辛うじて縦になっている様相】

つ――ぁ、――、く、そ、……――こんなこと、してる、場合じゃぁ……、え゛ほ、
――もっと、もっと、

【もっと、――と呟いた声が、途中でつぶれた。水っぽい湿り気を帯びた咳が言葉を遮って、けれど、嘔吐するほどでもなく、代わりに粘こい唾液を一筋垂らすだけ】
【出来の悪い酔っ払いみたいでもあった。けれど顔は整えられたように真っ青で――というよりもむしろ蒼褪めて。酒の臭いもしないなら、代わりに、少女らしい香りを纏う】
【ならば悪い薬(ヤク)でも決めているような様子にも見えたかもしれない。――ざり、と、汚い壁を髪の毛ごと頭で擦る、ぐしゃっと乱れた髪は、けれど、見ようによっては美しく】

【――色の薄い、透き通るようなウィステリア色のロングヘアだった、とろとろ艶めくような質感なら、よく手入れされているのを伺わせて】
【真っ白な肌は今では蒼褪めて余計に白くって。それならば、瞳の、鮮やかすぎるほどに鮮やかなマゼンタ色がよく映える。苦し気に地面を睨みつけたなら】
【薄く透ける白のカットソーだった、中のインナーを透かして見せて、それから膝より少しだけ短い丈のスカートも色合いの薄いもの、真っ白な素足を見せつけるように】
【かかとの低いサンダルから覗く爪先は路地裏の汚らしい泥をひっかいてしまったのか淀んだ茶色をまぶして。――少女だった、まだ、十七ほどだろうか】
【どこか大人びた雰囲気で、だけど、ようく見たなら、これは大人ではないって、思わせるような――、左手には、片っ方だけのロンググローブを、付けていたなら】

――――――――、

【その指先が汚い壁をずりずり擦って、最後に、とすん、と、地面に落ちるのだろう、気づけば壁に触れるのは手でも頭でもない、肩、或いは脇腹とかになって】
【――もしも誰かが訪れたなら、わりに見た目の整った少女が倒れこんでいる……なんて状況だった。ただ意識はあるようで、マゼンタの瞳はぼうと開けられたままだったけど】

【――――――その口元がかすかに動いていた。まるで助けを乞うみたいに、誰かの名前、繰り返して呼んでいるらしいと――気づく、だろうか?】

/よやくのやつですっ
362 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/07(木) 21:49:14.44 ID:gM3YJ9+Z0
>>361


【初夏に向かう街の生ぬるい大気は、きっと人々の口から漏れた嘆息であろう。それは街並みの底へと淀んで、溜まって、じっとりとした流動を作る。】
【だから諦観と絶望に似ていた。季節が変わることがどうしようもないように、吹き溜まった穢れもまた、どうしようもないから。】
【 ── そんな街並みの中にあって、決して汚れやしないものも、世界にはあるのだろうけれど。】

【路地裏に踏み入る人影があった。わずかに曲がった道無き道の向こう側から伸びる影は、やたらに長い。】
【姿を現したのならそれは女である。遠い表通りの明かりを後光に浴びて、煌々と輝く長い白銀の髪。氷像に似た、端整なれど血の通わない顔立ち。】
【シャツ一枚でも汗の不快な人混みの温度が彼方から流れてくるというのに、脛まで届くロングコートにスラックス、肌の露出なんて殆どなくて】
【なのに汗一筋流していなかった。 ── そうして、顔と指先だけ、微かに露わになった肌は、雪のように白い。】

【青い隻眼に、倒れこむ少女の姿が映る。薄い藤色の髪。薄汚れた裏通りを歩くには、余りに鮮明な色彩をした"からだ"。】
【けれど吹き溜まった大気の中で、それは少しずつ淀み行くようでもあって、 ── その側に歩み寄り、そっと膝をつき】


「 ── 生きてる?」


【不躾な第一声は、けれどひどく澄んでいた。死んでいても生きていても、どうだってよさそうだった。】
【手持ち無沙汰に彼女は、少女の首筋へと手を伸ばして、脈を測る。 ── その口元から垂れた涎が届いていた。】
【ろくでもない薬に酔って人様に迷惑をかけるような跳ねっ返りの小娘に、かけてやる情もない。 ── 一瞬、女はそうも思った、けれど】


「 ……… ガラでもないわね。我ながら。」


【はぁ、と溜息をつく。独りごちて、「立てる?」と聞くけれど、返事はないだろうか。ただ妙な囁きは、応酬系の異常から来るものだろうと】
【 ── まったく軽々と、女は少女を背に負うだろう。ひどく高い背丈の後ろ、腰まで伸びる銀髪で、その身体を包み込みながら】
【向かうのは彼女のセーフハウス。扱いはきっと丁寧なもの。 ── もしもそこで眼を覚ますなら、柔らかいベッド、清潔な白いシーツの上に、少女は意識を取り戻す、だろうか。】
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/07(木) 22:03:23.45 ID:OJOocUiq0
>>362

【――――ひどくぼうとした目は、けれど、相手を捉えていた。それに相手は気づくだろうか、マゼンタの瞳は、ただ、ただ、開け放たれただけに見えて】
【それでもきちんと相手の行動を追いかけていた――ならば、生きている。生きている以上に、ある程度、冷静でいるらしいとも知れて。ただ、身体の方が付いていかない】
【ただ、一つ確実であったのは。相手のことを認識したときに、彼女はまるで病気に侵された結果のような譫言を止めていた。なら、誰を呼んでいたのかももう分からなくって】

【――立てるか、と、聞かれて、やはり返事はなかった。しいて言えば、本当にわずか、身じろぎよりも小さく、首を横に振ったようにも見えたけど】
【言葉が出ない代わりに震えるような吐息を漏らす、――ならば何を言ったのかも分からなかった。嫌がったのか、喜んでいるのか、それさえも、分からないなら】
【あんまりにあっさりと彼女は負ぶわれるのだろう。そしてそこからいくらも先の時間軸、気づけば閉じていた眼がゆるりと開くのは、きっと、一時間とか、それくらい後のこと】

――――――――――――……、 あ、

【その時に相手は近くに居るだろうか。それなら、彼女がぽつんと漏らした小さな声に気づくだろう、どこか冷たいような、だのに甘いような、特徴的な声】
【続いて聞こえるのは布同士が擦れ合う音――着た服がそのままでも、或いは処置のために着替えさせられたのだとしても。とにかく、ぞろりとこすれ合う音がして】
【ぼうっとした目が瞬くなら、今がどこで何がいつなのかもきっと分かっていない視線、ゆるり、そろり、と、室内にめぐるのだろう。――まだ、曖昧な意識だけれど】

【――もとより"特別に"ひどいものでも、きっとなかったのだろう。少なくとも死ぬような状況ではなかった。だからこそ、相手も、きっと病院へ担ぎ込まなかったのだろうから】

――――、っ、え、どこ、……? ――――くそっ、一人は、残しておくんだった――っ、つ、
迎えを……、うあっ、!

【そんな彼女は思ったよりも早く動き出す。重たい身体をなんとか引きずるように寝返りして、そのまま、腕で支えて、身体を起こそうとするなら】
【長い髪がぞろりと付き従って布同士とは違う音で鳴く、――だけれど起き上がれずに、がくんっ、と。またベッドに倒れこむのだ、――ぼふん、って音がして】
【ほんの数十秒前まで気絶していた人間にしては割と賑やかな方かもしれなかった。――――ああ、ところで、一つだけ。これはきっと、必要なことだから】

【――――もし相手が彼女の服を着替えさせたりしていたなら。その時に、左手だけのドレスグローブを、脱がせてしまっていたなら】
【その時にきっと相手は見るだろう、あんまりに鮮やかな刺青――指を揃えて伸ばしたなら、本当に生きているかのように錯覚しそうなほどに精巧な、"蛇の入れ墨"】

【けど。その手袋さえ外さなければ。特筆すべきことは、きっと、あんまりなかった。――しいて言えば、下手な男に見つかってたら、今頃大変なことにされてただろうな、くらい】
364 :アリア ◆1miRGmvwjU :2018/06/07(木) 22:23:55.96 ID:gM3YJ9+Z0
>>363

【 ── 自分の動きを追いかける視線に、女は気付いていた。仕事柄、"死んだふり"を見極める癖は、自然と身についていた。】
【妙な女の子。そう思いもした。朦朧とした囁きは、いつのまにか止んでいて。だから、気に留めもしなかった。】
【背中に感じる、肺腑ごと震える呼吸が止まらなければ、それでよかった。死にはしないだろうとも、踏んでいたし】
【もし死んでしまったら所轄の検死に回すしかない。それは面倒だったし、"本部"の医療施設に回すのも癪に触った。】


【 ── 目を開ければ、そこはダブルベッドの上。窓際に配されたベッドに、静かなる月明かりが差し込む。どうやら都市の郊外、何処かの高層マンションの一室。】
【淀んだ街の空気に浸った少女にとっては、よい空気を吸えるだろうか。背格好は凡そそのまま。ただ汚れた身体の幾らかは、軽く拭き取られているようで】
【女はあくまでも女であった。およそ女らしくない経歴を持つ女だったけれど、それでも最低限のデリカシィというものは、携えているつもりだった。】


「── あら、お目覚め?」「ずいぶん早いわね。朝まで起きず終いかと思ったけれど。」
「"クスリ"なら、まだ抜けないでしょうし。」「じっとしてなさい。それとも、誰かと待ち合わせていたのかしら?」


【起き上がり、またベッドに倒れこむ、ぽすりという物音。愛らしくも掠れてしまった声。それを聞いたか、女の声がする。氷のように澄み渡って、冷たく聞こえる声音。】
【リビングの向こう側、細々としたインテリアの並んだガラステーブル。そこにチェス盤と、ロックのコニャックが置かれ】
【片手に持った本に視線を落としていた女は、顔を上げる。物憂げで、けれど端整な顔立ち。月光のみを頼みにした棋譜並べ。ブランデーの甘く灼けるような香り。】


「ま。言えば、連絡つけといてあげるから。」「取り敢えず、これでも飲むといいわ。"飲み合わせ"が悪くて、ジンマシン出ても知らないけど。」


【溜め息を漏らしつつ、テーブルの上に置いてあったもう一つのグラス ── 氷の入ったカフェオレを、背の高い彼女は手に取り】
【ベッドサイドのテーブルに置くだろう。「こぼさないでね。」そう、釘を刺して。】
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/07(木) 22:45:04.28 ID:OJOocUiq0
>>364

【――――ぼすん、と、ベッドに倒れこんで。顔をしっかりと真っ白いシーツに沈めこんだ少女は、その場で、少しの間、思案する】
【まずここがどこであるのかということ。こうして生きているなら、敵勢力に見つかったわけではないらしい、ということ。少なくとも、警察ではない】
【それから――下卑た男たちに持ち帰られたわけでもない、ということ。処女性などもはや摩耗しつくしたし、"それ"だけなら、全く問題はないのだけれど】

【――それなら。本当にありふれた善人に拾われたのか、と、導き出して。けれどそれが本当かも分からないなら、気は抜ききらないようにして】

クスリ……? ……クスリは、しませんよ。嫌いじゃ、ないですけど――、待ち合わせも、べつに……。

【相手が見るのはそんなときだろうか、ベッドに完全にうずもれるみたいになりながら、顔だけ少し傾げて、相手の方を見やる】
【まだ消耗している目をしていたけれど、さっきまでに比べればずっと良さそうだった。――声は多少朧気だが、相手の言葉を理解して、適切な言葉を返してくるから】
【頭の方も割と生きているらしい、と、分からせる。――ただ、クスリではないと真っ先に否定したのが妙だったかもしれない、なら、どうしてあんなに、と】

連絡も……要らないです、私が自分で、しますから、……――、……水はないんですか。
酒でないだけ、マシですけど……。……私、割と下戸なんです。

【小さな吐息はため息に似ていたかもしれない。それからもぞりと視線を動かせば、氷入りのカフェオレを捉える、起き抜けに飲むには少し適さない気がして】
【軽く文句まで付けてくるからよっぽど元気らしかった――酒の匂いを嗅ぎつけていたのかもしれない、ならばどうでもいい情報一つ、小さく呻いて、身体を起こせば】
【文句を言ったくせにカフェオレに口を付けるのだろう。といっても寝転んだままだから、そうたくさんは一度に飲めなくて。――口の中を潤す程度に、飲むのだろう】
【それから小さめの氷を一つ口に含む。そうしたならベッドサイドのテーブルにコップを戻して、数十秒ほど黙るだろう、――カリ、と、氷を噛み砕く音がしたなら】

…………それで、あなたは、誰ですか?

【――――それでやっと少女は核心に触れる。けれど、もしもこれで、望まぬ答えであったなら、"よくない"】
【それが分かっているからこそ、声はあるいは必要以上と思えるほどに真剣で、向ける瞳も、褪めきって】
366 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/07(木) 23:06:59.90 ID:gM3YJ9+Z0
>>365

【対して女は、あまり深く詮索しようとも思っていなかった。様子からして、あまり真っ当な素性とも暮らしとも縁がないと、それを問われて快い者などいないと。】
【正義感は人並みに持ち合わせていたから、きっと少女の素性を知っていたのなら、少なくともこうして家に招き入れることはしなかった、だろうし。】
【 ── ともすれば、撃ち殺してさえいただろう。腰に提げた黒革のホルスターと、そこに収まった二丁の拳銃。】


「 ── まあ、そう言うなら、信じるけれど。」「若気の至りは怖いもの、よ。」
「お口に合わない? てっきり二日酔いか何かかと思ってたわ。」


【やはり見た目よりかは跳ねっ返りであると、女はそう思った。ベッド近くの椅子に腰掛けて、「何だったらシャワーも使えばいいわ」と。】
【いちいち忠言じみているかもしれない。彼女の気質はきっと、"おまわりさん"に近いのだろう。それにしては、随分とぶっきらぼうだけれど。】
【ともかく感情の薄そうな横顔だった。冷たい顔立ちは月明かりに照らされ、余計に冷たく見えた。 ── コニャックのグラスを手に取り、くい、と舐めるように。】
【 ── 褪めた目線、褪めた言葉。同じくらい、冷たい青い目線と、冷たい声音の言葉で返し、けれどしっとりと濡れて瑞々しい唇から、静かに語った。】


「ただのお節介焼き。気まぐれよ。」「貴女に話して苛立たれるような連中の仲間じゃないわ。」
「安心なさい。取って食うつもりもないし、警察に突き出すつもりもないから。」


【嘘をついていた。けれどその作り物のような横顔は、恐ろしいくらい微動だにしないポーカーフェイスでもあった。】
【きっとその帰属する所は、少女とは相容れないものであって。薄々そう勘付いていながらも、女がこんな真似をしているのは、 ── きっと、彼女自身にも、分からない。】
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/07(木) 23:23:35.44 ID:OJOocUiq0
>>366

【口に含んだ氷の砕けていく音がする、かり、かり、と、繰り返して。そのうちになんにも聞こえなくなるまで、彼女はきっと、黙っていた】
【相手の言葉から真意を探るように。少なくとも言えるのは彼女がいま本調子でないこと――それは相手にもよく分かるだろう、だから、彼女からは手を出せない】
【ならばこれは相手が許容してくれている限りの平穏である、と、きっと互いに理解していた。少なくとも名乗らねば平穏であり、壊そうと思えば、いくらでもその手段がある】

クスリも酒も、してないですよ。……そもそも、私、未成年ですから。きれいな肝臓なんです。煙草もしませんよ。
肺もきれいです。……じゃ、後でお借りするかもしれないです。年頃ですからね、なんか汚い感じがするのは嫌なんです、ただ……、もっと汚れてましたよね?

【「多分ですけど」】
【――少女も少女であんまり愛想がなかった、クスリも酒もしてない。煙草もしない。ただ、クスリと酒については、おそらくだけど、やったことがある】
【煙草については感想を述べなかったから本当に吸ったことがないのかもしれない、なんて、余談だけど――、未成年だから、とは、今更過ぎる】
【そもそもまっとうな未成年はあんな場所で気絶などしないものだ、――そろりと身体を動かしたのは、借りてもいいなら後で、と、言う言葉と一緒に紡ぐ】
【相手がざっと汚れを拭ってくれたのだろうことに気づいたようだった。少し遅れて「ありがとうございます」と呟いて――】

…………そうですか? なら助かります、――私、家出少女なんです。家が嫌で。飛び出してきたはいいんですけど、行く当てもあんまりなくって。
多分地元だと捜索願とか出てますから。警察は困るんですよ、……さっきのは貧血です。お金があんまりなくって。ろくなもの、食べてないので――――。

【あるいは、女の自然さと同じくらいに、彼女も嘘を吐いていた。といってもこちらは顔の半分をシーツに埋めているから、表情はあまり基準にならず】
【ろくなもの食べてない……ってわりには、綺麗な身体つきをしていた。不自然に痩せていることもない。髪の毛もすっごいつやつやで、なら、嘘だと分かるんだけど】
【束の間の贋物の平穏を守ろうと思うのならば。――お互いに指摘しあわないのが、きっと、一番だろう。理由の分からぬ善意も、それを訝しむのも、悪くない】

――ここ、あなたの家ですか? すごいですね、高層マンション。高層マンションでチェスして酒ですか? 悪役のボスみたいですね。

【――なら、お互いに詮索しすぎるのも、よくはないだろう。そう思ったのかは分からないけれど、少女はふっと話題を逸らす】
【ぞろっと音をさせて視線を反対側へ、――窓の方へ向けて、それから、少し身体を起こして、覗き見てみようとする】
【そうでなくともなんとなく寝転んだままでも見える景色から高い場所であるとは思ったのかもしれない、――冗談めかした言葉、相手をからかうように、述べて】

私、今時の子なので、チェスとか知らないです。将棋はやりました。山にするやつ。――――、

【それから――最終的には元通りの恰好、天井を見上げるように、あおむけに転がって。左手――手袋を付けたままの――を、そっと、目隠しするように顔へ乗せたなら】
【表情はよくうかがえなくなる。そして――目を隠してしまったなら、この少女、きっとひどく真っ白で。だからこそ、この違和感が、白の中に浮かび上がるように、思わせた】
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/08(金) 21:14:53.77 ID:DA0T8yYD0
【街はずれ――裏町】
【特にさびれたエリアだった、近郊にできたショッピングモールに逆を取られた商店街の亡骸が寂しく残るばかりで、歩く人もいないのに】
【――だからこそ、"それ"は目立っていた。特に目立ったところのないありふれたバンなんだけれど――だあれもいないのに停まっているから、ちょっとだけ、おかしくて】
【そうやって思って見たなら。車内が見えないようにされているのもあって、急に怪しく思えてくるんだった、――ひらひらと窓の外に揺れるのが幽霊じゃないかと疑るみたいに】

…………はい、お疲れさまです。誰も来なかったですか? まあ、そうじゃないと困るんですけど。
最近は物騒ですからね、――ほら、早く積んじゃってください。入らないですか? そんなことないと思うんですけど。
詰めこんじゃって大丈夫ですよ、――まあ、吐かれないくらいにどうぞ。窒息されても困りますし、窓開けらんないですからね、開けてもいいですけど。

私は窓開いてる方が好きですよ、高速で窓全部開けるんです、暴風域みたいで楽しいですよ?

【――――やがてそこにぞろぞろっと人が集まってくる。さびれた裏町でありながら、さらに、もっと、さびれた道、人目に付かない道を選んできたかのように】
【体格のいい男たちだった、――それぞれがちょうど人間の入りそうな大きさの袋とかを抱えて。バンの後ろの方、どすんどすんって、乱暴に、それらを積んでいく】
【だけれど、そんな彼らの後を追いかけるように最後に姿を現したのは、――ありふれたような少女だったから。そのまま歩いた少女は助手席の方へ、窓を開けさせたなら】
【――後ろで詰め込まれる"荷物"とそれを積み込む男達のことはあんまり興味もないみたいに、それでも一応は車を背にして、運転手と話をしていて――】

【――透き通るように薄いウィステリア色のロングヘアは一つに結わえられたポニーテール、真っ白な素肌に、嫌になるほど映える瞳は鮮やかすぎるマゼンタの色合いで】
【セーター襟のワンピースは真っ白な色合い、車に背中を預けて腕を組んだなら、ふっくらと柔らかそうな胸元が、うんとうんと強調されて。腰の細さが付いてきたなら】
【背中ついでに片足も預けてスカートが持ち上がれば、真っ白な太ももが露わになって。ぞろりと枝垂れたワンピースの布地、裏布が白いのまでよく見えて】
【あんまりかかとの高くないサンダルを履いていた。――それでも身長は少女にしてはわりに高く、大人びて見えて。――だけれど、それはどこまでいっても少女の色合いをして】

ま――だいたい嫌がられますけどね。ママに。弟は好きでしたよ、あいつバカなんで。
あれ? 言ってませんでしたっけ、私、弟が居たんですよ。三つ下。超バカでした、マジでバカだったんで、将来心配してたんです。

【――――車の中からの声は聞こえないから。少女の声だけが聞こえて来ていた、スズランみたいに冷たげで甘い特徴的な声、やる気なさそうなポーズはそのままで】
【ただし分かる人が見たなら、辺りにずっと気を向けていると、分かるのだ。なら――"彼女"が"見張り役"だと、理解させて】

――あ、この言い方だと私もバカになりますね。それはヤダなあ。
………………あと何人くらいですか? 早くしてくださいね。

【くすくすって笑い声がひどく平穏な様子で揺れていた、――けど】

【その車には変わらず、明らかに不審な荷物が積み込まれていて。あといくつか積んだなら、きっと、この車はどこかに向かうのだろう】
【それを裏付けるみたいに、運転手と雑談しているみたいだった少女が男たちに尋ねて――手持無沙汰に、右手の爪先を見やる、もう片っ方の左手には、長い手袋を嵌めていたから】
【見られる爪は合計5枚だけ。――すぐに飽きたみたいに、また、どうでもいい雑談をし始めた温度感が、さびれた街に、この状況に、ひどく異質だった】
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/09(土) 01:09:15.30 ID:/FRqS6tH0
>>368
/こちら撤収しますっ
370 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/06/09(土) 11:25:28.82 ID:b7WoYC/+0
【夜の街。最近では、近辺で猟奇殺人が頻繁に起こっており、カルト宗教が絡むという噂等から、人通りはあまり多くない】
【そんな街の中でも、特に深い闇が集積する――寂れた繁華街の外れ。】
【平時から非合法組織が廃墟などをねぐらにしている為、そこに踏み込むのは酔狂者位だろう。】
【そう、例えばそこを住処とする悪党・ホームレス・隠遁者や――】

"代行"を行うよ。あなた方の行いは、到底許されるものではないから。

【――それらを狩り取る、"処刑人"など。そんな存在しか、ここに踏み込む事は許されない】
【呟きは誰が聞き届けたか。大通りに繋がる横道、そこからその声が漏れた直後】
【大通りに立つ、蛇のタトゥーを額に掘った男に対して、駆ける影が一つ。手元には、細長い"銀"の何かが握られている】

――"骸と踊れ"。

【駆ける影は、制服姿の少女だった。何事かの呟きと同時に、少女の四肢が何処からか現れた黒い焔に包まれる】
【焔が散れば、四肢に骨のような装甲が装着されている。そして、装甲からはヒラヒラと、黒い火の粉が舞う】
【直後、空間を殺意と悪意と敵意と害意と――"憎悪"が染め上げた】
【あまりにも強大な感情の圧は、それだけで少女が男を殺そうとしている事を男に察知させた】
【振り向く男。しかし、そこからの対処はすでに間に合う物ではない】
【"黒い蜃気楼"を残して、すでに少女は男の前に踏み込んでいたのだから】

苦しめ。苦しませたように。

【月下で――"銀"が煌めく。"銀"が閃く。"銀"が鮮血[アカ]を散らす】
【瞬間、鋭き四閃。――両手両足の腱を断つ、鋭い一撃に、男は反撃を許される事無く、苦痛の叫びと共に崩れ落ちた】
【眼下の男を見下ろす深いくまで彩られた、濡羽色の瞳は――ひたすらな憎悪で熱く揺れ、しかしながら冷酷に冷え切っていた】

罪は罰によって終わりを迎えるべきだ。
人を苦しめて殺したあなたは、苦しんで死ぬべきだ。
――そうしてやっと、"復讐は完遂される"。

【左手で男の髪を掴み、ぐい、と持ち上げる。髪が幾本か抜け、それに男が声を漏らす】
【だが、その声も――眼前に突きつけられ、今まさに目を抉ろうとしているその銀刃の前には、消え去るしかなかった】
【このまま誰も止めるものがなければ、この男は徹底的に肉を腑分けされ、苦しみながら死に絶える事だろう】
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/09(土) 11:42:30.25 ID:Yxao7KJno
>>370

【──、黒い刃が奥から飛来する。回避したなら、持ち上げられていた男は地面に落下し、這いつくばるだろうか】
【夜に紛れる様に、小さく伸びた影が貴方の方へと流れ込み、緩やかな曲線を描く】
【満ちる宵月の遥か一片、遠くの空から流れ出る僅かな残照のみを確かめて】


まさかこのボクがニンゲンの為に活動するなんて、思ってもみなかったけどさぁ
ボクの家畜に手出されるのって、すっごくムカつくって言うか、何様? って言うか
あははっ、知ってる? ニンゲンのコミュニティでは家畜を盗んだら極刑なんだって♪

じゃあボクもその道理に従わなきゃっ、郷に入っては郷に従え、かな
キミ、死刑けってーい♪ 裁判は略式で、刑は速やかに処されなければならなーいっ♪
裁判長も弁護人も、検事も処刑人も、ボクがぜーんぶやったげるしっ

────分かったらとっとと死ねよ、きったねぇ骨の化け物


【小柄ながら豊満な身体を大きく露出した、ホルターネックのビスチェ調の黒いビキニ】
【同色のローライズのショーツ以外は、白く肉感的な素肌を晒している少女であった】
【セミロングの藍色の髪の毛にはアホ毛が一本だけ揺れて、真紅の瞳を濡らす】

【背中には悪魔羽根が揺れて、彼女が人間でないことを伝えるのだろう】
【ピッタリとお尻に張り付くショーツから飛び出した、悪魔の尻尾がキュートに揺れたなら】
【長い睫毛がこれでもかと言うぐらいに、愛らしい雰囲気を創りだす】

【5m程度の位置に立ち止まると、軽く羽根を羽ばたかせて少しだけ跳躍する】
【蜜月の様な赤い唇に、白百合の様な指先を這わせて、その輪郭をなぞったなら、硝子細工の様な月明かりに溶ける】
【──、かくして病魔は夜に君臨し、無慈悲な審判を思うがままに撒き散らす】
372 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/09(土) 11:47:00.24 ID:2t5uWx8T0
【――――風の国 公園】

……少し、空気がピリピリしてる感じがする……
「(無理もねぇな……ちょっとばかり、この国も染まり始めてるって事なんだろ……?)」
{(気を付けてみれば……意外に身近に、傾向ってあるものなのねぇ……)}

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【ベンチに深く腰掛けたまま、公園の中で行き交う人々を、何するでもなくじっと見つめ続けている】

【昼下がり。和気藹々とした親子連れなどが、のんびりと時間を過ごしている様に見えるが――――しかし、それは上辺だけの事だった】
【周囲に気兼ねして、或いは警戒してか。子供を連れた大人たちも、ジョギングで行き交う大人たちも、どこか頬が引き締まっている】
【殊に、額に文様の浮かんでいる少女の姿を目にすると――――彼らは一様に、すぐさま目を逸らしてしまっていた】

……良くない、よね。これ……
「(仕方ねぇさ。まだこの国はマシな方なんだろ? ……よその国はどれだけかって話だ)」

【額の光の円環がぼんやりと明滅する。物憂げな表情のまま、少女はじっと前を見据えていた――――】



【――――所変わって、水の国 商店街】

やれやれ「面白き、事も無き世を、面白く」って、誰の言葉でしたっけ?
私も出来たら、そんな感じで行きたいんですけどねぇ……

【切れ長で涼しさを感じさせる瞳が、艶のある短い黒髪の中で映える顔立ちの】
【医療従事者用と思しき白衣を着こみ、ポケットからはステンレス製の細長い箱が覗いている】
【頭に、白いつば広の帽子を被っている、身長160p前後の女性が】
【手にストローの差された紙コップを携え、のんびりした表情で雑踏の中を歩いている】
【人気は少ないとは言わないが、一人一人の姿はよく見える程度で、その白衣と紙コップも相応の特徴として目立つだろう】

ま、面白い事が向こうから歩いてくる訳はありませんし? 今日は今日という事で、少しばかりのんびりさせてもらいましょうか?
久しぶりに、あそこのケーキあたりでもちょっと頂いて――――

【軽くストローを吸い込んで、女性は楽しそうに歩を進める。完全に、今の時間帯を楽しんでいる様だった】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】

/最初は返信が遅れると思います
373 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/06/09(土) 12:13:26.15 ID:b7WoYC/+0
>>371
……ッ。

【復讐に心を灼かれて居てもなお、復讐を遂げる為に倒れぬ為、危機察知能力は相応のものを持つ】
【当然ながら、飛来した黒刃の察知は可能であり――、男を離すと素早く飛び退りそれを回避した】
【飛来した元に現れた、人ならざるもの。"悪"を具現したかのようなその女の姿を見て、少女の目はどろりと黒の深さを増していく】
【より大きな悪を見れば見るほど、復讐を、打倒を行う対象を目の当たりにするたびに、彼女の憎悪は深化し、激化する】

――"大物"だね。出し惜しみは。していられないか。

【これまで"処刑"を行った中でも"別格"、目の前の相手は四肢のみの骸装では到底足りない事は分かった】
【平時では身体・魔力・精神の負荷を抑える為に一部の装着としていたその武装を、完全開放する事を即断】
【呟きの直後、少女の全身が"憎しみの黒き焔"に飲み込まれた。焔から伸びる腕が黒を振り払い、一歩踏み込む】
【現れたのは――肉を持つ髑髏か。全身からチロチロと漏れる黒焔の舌、五体に装着された骨の白のプロテクター】
【濃厚な憎悪の感情と、死の気配を漂わせたそれはもはや少女ではなく――死者の遺志を継ぎ、復讐の代行を行う"処刑人"に他ならなかった】
【髑髏の面の奥で、相手の悪意を満載した言葉への返答が生み出される】

殺しは悪。故に私は――いつか死を持って償わなければならない。
だけどそれは、今じゃない。今じゃないんだ。だって私は――。

【自問自答するような呟きは、次第にその熱を増していく】
【髑髏の眼下の奥で、青白い焔が揺れる。その光を、その熱を強く、激しく、大きくしながら】

――[悪性/お前たち]を根絶やしにし終えていない、――"骸と踊れ"。

【右手の銀刃に黒焔が纏わりつく。そして、背負った業を示すように、その背から焔が吹き上がる】
【爆豪の音。空気が蜃気楼で歪む。髑髏の処刑人は残響と残像を残して、踏み込みを行った】

悪は根絶[タ]つ、悪は殺す、悪は終わらせる――ッッ!!

【狂気に等しい悪性への憎悪。それこそが、この少女を動かすすべての理由】
【黒焔を纏う銀の短剣は、相手の胴を両断せんと少女からみて左から右へのなぎ払いの一閃で振り抜かれる】
【刃に触れれば肉は容易く引き裂かれ、触れずとも至近で炸裂する黒の焔に幾らか身を灼かれる事となるだろう】
374 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/06/09(土) 12:32:43.45 ID:EWzItmq90
>>372

【少女の腰掛けるベンチに、もうひとりがその隣に腰を掛けた】
【そんなに大きくないベンチでそこに座ってくるのはいささか不気味かもしれない】
【どうしても気にしてしまう距離感に入り込んできたからだ】

【特に、この空気のなかそんな行動をしてくるのだから気になるだろう】
【背の高い男だった。黒い髪で、サングラスをしている。彼が腰掛けるとそのベンチではだいぶ小さいようで】
【余った所在ない脚を組んで座っていた。服装は黒のペイズリー柄の長袖カットソーにジーンズ、この陽気でもブーツを履いていた】

【気になるのは腰にあるホルスターだ。2本のリボルバーのグリップが見えていた。それぐらいならこの時勢といっても】
【まだ、見慣れた光景だろう。だが、警戒するに値するひとつの要因となるだろう】

……能力か?…今は使わないほうがいい。――奴らがいる

【彼はしゃがれた声でごく自然に話しかけてきた。そして顔を向けた先に――その緊張感の理由が居る】

【特殊部隊のような黒い戦闘服に身を包んだ2人、顔はガスマスクのようなもので覆っている。勿論、武器らしいものも持ち歩いていた】
【そして一際目立つのが黒いコートの人物がその中心にいた。顔を同じくフルフェイスのようなもので隠し、背中には身長とほぼ同じサイズの直剣を背負っている】
【そして彼らのその肩にはテクノドックス/Techno doogs と書かれたワッペンが見えた。】

【彼らは水の国――特区で対能力者専門の警備組織として活動していた。親会社はオーウェル社である】

探しているみたいだ。――奴らのリストに乗ってなけりゃ問題ないはずだ…
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/09(土) 12:50:34.95 ID:Yxao7KJno
>>373

【振り抜かれる一閃を真っ正面から受け止める様に、漆黒の大鎌を生成、彼女は攻撃を鎌に託す】
【両手にかかる攻撃の重さ。愛らしい素足がが地面を踏みしめ、表情に驚きが混じる】
【黒い焔が僅かに両手を焼けども、少女の手のひらに刻まれた傷は、調理実習で付けた小さな手習い事みたいで】


あははっ♪ ボクからしてみればキミみたいな存在がよーっぽど悪だけどね♪
自分の青くっさい理論に酔いしれて、好き勝手に自由気ままに暴力を振りまく異教徒!
これのどこが悪じゃないって言えるんだろうね? ほーんとっニンゲンってどうしようもなく愚かなんだからさぁ

いいじゃん骸骨の格好、お似合いだよ♪ キミの未来を見てる様でさっ♪
どんな事情があって、大切な少女時代投げ捨てて血みどろになるか知らないけど
残念だけどそんな願いなんて、ボクが少し吹けば消えるんだよね♪

── "Killers Like Candy"


【攻撃を受け止める彼女から黒い妖気が漏れていく。それはまるで、目眩く色香を具現化した様に】
【淫魔が漏らす吐息に似た、甘い甘い黒い呼気を周囲に撒き散らしたなら、それは真っ直ぐ貴方へと向かう】
【吸い込んだなら目眩や頭痛を引き起こす気体であった。── その作用は決して大きくないが】

【近接戦闘に於いて、僅かなロスは大きな痛手に繋がる、実にいやらしい一手とも言えた】
376 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/09(土) 13:09:25.67 ID:2t5uWx8T0
>>374

「(……おい、隣っ)」
ぇ……――――ッ!?

【額の光――――赤がぽうっと光度を上げる。それを受けてか、少女は何事かと隣を伺い】
【全く遠慮のない様子で腰を掛けてくる長身の男性。最初は驚き、そして訝しげに首を傾げ――――微かに緊張する】
【まさかナンパの類とは言えないだろう。生まれてこの方、そんな浮いた話には縁がない】
【だが――――そんな「浮いた話ではない」のなら、可能性は有り得る。警戒心が心の中、鎌首をもたげて】

奴ら……? ……奴らって、何ですか――――ッ
{(シッ! ……どうやら『アレ』っぽいわよ。まぁ分かりやすい連中ねぇ……)}
「(……やり過ごそうぜ。今は、な……流石に)」
は、はい……!

【まず、何事かと相手に問い返したい少女だったのだが――――事情は、彼女の中に宿っている存在達が、先に斟酌したようだった】
【3人連れの、如何にも何かを探しているらしい集団。そして横の男性の言葉をあてはめれば――――異能狩りの類の行為をしているのだろう】
【まさか、この風の国で――――そう言いたくもなるが、現に彼らがこの場にいる以上、反論に意味はない】
【男性の警句を受けて、少女は静かに俯き、寝入っているふりをする――――自らの目と耳を閉じていても、彼女の中の『彼ら』は、変わらずに状況を教えてくれるだろう】

――――何か、知りませんが……私は、特に何も、していません……知られたり、してないはずです……

【小声で、そっと男性だけに届くように呟く少女。これは事実だった――――かつての大きな戦いと言えば、5年前の夏、昼の国首都のグランツでの戦いぐらいのもので】
【『リスト』なるものの、情報収集対象になっているとは、到底思えなかったのだ】

(……ねぇ2人とも。この人って……)
「(可能性はなくはねぇな。今の『情勢』に噛んでる……その可能性は十分にあるだろうよ……)」
{(まぁとにかく、今はこれをやり過ごしてからよねぇ……全ては、そこからよぉ)}

【胸中、同じ体に宿る面々と、意識の中で疎通を交わす少女――――この状況は、予想以上に切迫したものである事に、気づき始めていた――――】

/ただいま戻りましたー
377 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/06/09(土) 13:10:09.33 ID:b7WoYC/+0
>>375
――徹らない……ッ。

【全てをかなぐり捨てるそれではないが、加減をした一撃では間違いなくない】
【そんな己の攻撃を容易く受け、その上で軽傷で済ませた相手の実力が極めて高いものであることを、改めて骸は認識して】
【ぎちり、ぎちりと決して折れない刃である事を良い事に両の手を添えて骸装の膂力を最大限に行使しようとする】
【拮抗の中で耳に流れ込む相手の言葉。そのどれもが、少女にとっては不愉快で、憎悪を煽るものでしか無く】

いつかは私も骸になる。その未来を、私は恐れてはいない。
ただ私は、それでも。眼の前の[悪性/お前たち]の存在を許せない。

そうだ。許せない。許せない。許さない。許さない……ッ。
私は、私の我儘で。私は[悪性/お前たち]の存在を否定しているッ。
それが[復讐者/私達]の望みで、総意だから――ッ!!

【相手が悪魔であれば、わかるかもしれない。彼女の纏うそれには、幾人もの魂が込められている事】
【そして、そのどれもが、非業の死などを遂げた、悪霊一歩手前か悪霊そのものとなった憎悪と怨念の塊である事を】
【彼女が悪を殺すのは、青臭い正義感ではない。心の底から衝動として湧き出す感情、"憎しみ"に他ならず】
【故にこそ、彼女は悪を殺す己を正義などと言わないし、それに酔う事も有りえはしない。あくまで彼女は、醜い復讐者でしかないのだから】
【感情が加速し、憎悪の激情が心をより黒く染め上げようとした最中の、目眩と頭痛。甘ったるい匂い。それに即座に反応】

嫌らしいッ。

【絡め手に仮面の奥の顔を顰め。剣に纏わせた黒焔を炸裂させる事で、その反動で己自身を後ろに吹き飛ばす】
【炸裂の衝撃で呼気は吹き飛ばされて、幸いながら吸い込む量は少なく済んだだろう】
【そして、その上で目眩と頭痛に体を慣らす時間を稼ぐ為、徒手の左手に焔を纏わせて突き出し、狙いを定めずばら撒くように幾つかのこぶし大の焔弾を射出する】
【衝撃を殺しながら地面を殺して着地し、頭蓋の眼下の奥から相手を覗く。防御は固く、絡め手に長ける相手の首を掻き切る術を探す為に】
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/09(土) 13:23:45.24 ID:Yxao7KJno
>>377

【とくんと高鳴る心の一葉、それは深淵に潜む貴女の力の根源が故を見たから】
【恍惚に頬が緩みそうになるのを何とかせき止めて、果てる寸前の心地よさを永久に噛み締めるように】
【雪白の頬に赤みが交じる、色彩の赤が可憐に滲んで、泡沫の様な色合いを確かに強めたなら】


いいねっ、ゾクゾクするよ、そういう醜い感情は──、ニンゲンだけしかもたないから♪
ボクが憎い? それとも生者が憎いの? 自分達が何も果たせず死んだからって、みっともなく妬んで嫉んで
ほんっと! 哀れだよねっ、惨めだよねっ! 逆恨みでわぁわぁ怒りを喚き散らしてバッカみたい!

挙句の果てに力の差も分からずに戦いを挑んでさ、呆気なく死んでいくんだもん
無意味なんだよね、キミたちの人生は! 全部、全部、ぜーんぶっ!
────、復讐は何も生まないってさぁ、赤子でも知ってるのに


【大鎌を片手で握り直し、体勢を低くしたなら、背中の悪魔羽根が大きく開かれて】
【一度強く羽ばたいたなら、地面を滑空し、彼女へと放たれた焔弾を潜り抜けていく】
【後方で着弾し、弾ける噴煙を踏破しながら速度を緩めない隼の様に接近し】


いつかじゃなくて今だよ、キミが骸になるのは、たった今すぐなんだよね♪
ボクの名はイル、イル=ナイトウィッシュ
──、それは気高き病魔の名前、誰も僕の魔の手から逃れられないから

あはは♪ いるんでしょ? きっといるよね! 夢ばっか見て、その途中で病気で死んじゃったニンゲンも!
夢も希望も心も願いも、ボクは有象無象の区別なく思いつきで殺しちゃうからさっ
ご愁傷様、何遍だって殺してやるよ──!!


【貴女の目の前で急上昇、低く飛んだ燕が空中で旋回する様に、上空で身を翻したなら】
【大鎌を両手で握り直し、急転直下と共に切り伏せようと刃を振り下ろす】
【洗練された動作ではあるが予備動作は大きい、回避の隙もあるが──、】
379 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/06/09(土) 13:31:42.87 ID:EWzItmq90
>>376

【横の男は自然な態度で椅子に座り、スマートフォンを取り出した】
【初夏の陽気を避けるサングラス、休憩がてらスマートフォンをいじって居る――ありがちな光景だ】
【背景に混ざるように情景の一部となって、一般人を装う】


【黒ずくめのテクノドックスはその名の通り犬のように嗅ぎ回りながら、だんだんと近づいてくる】
【一人はなにかパラボラアンテナのようなものを持って、通りかかる人物にそれを向けていた】

――検知器を持ってやがる。…じっとしてればいい、だが能力は使うな。拾われると厄介だ

【彼もまた小声で、隣の少女だけに伝わるように囁いた。事情はまだ話せない。奴らが通り過ぎるまでは】
【だが良くない状況だという見立ては正しい。少女が寝たふりをするならそれは理解できているということだ】
【今はそれでいい、この一瞬でそれを受け入れるなら彼女は相当理性的だ――彼女の中の人物が…かもしれないが】

【眼の前にその黒ずくめのテクノドックスがやってくる。検知器を向けた―――】

<異能レベル測定。反応なし。該当なし。>
<了解、異常なし。>

【口々に彼らはなにか、マスクの下で言っていた。どれも似たような声に聞こえた】
【そうして野良犬たちは、二人の目の前から立ち去っていった。】
【公園の雰囲気もどことなくホッとしたようだった。能力者であってもテクノドックスが見逃した能力者なのだから】
【ニュースで流れる『悪い能力者』ではないと、認知されたのかもしれない】

…うまくやり過ごしたな。機械ばっかり頼りやがって、犬ども。お蔭で鼻は利いても目は利かない様だ

【サングラスの男はニヤリと笑った。その様子からもう問題ないとわかるはずだ】
380 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/09(土) 13:44:08.07 ID:2t5uWx8T0
>>379

(っ、探知器……!)
「(おい、俺ら大丈夫なんだろうな……!?)」
{(知らないわよ……今は、そう……もう、なるようになるしかないでしょッ)}

【わずかに表情が強張る。俯いている状態である以上、大した意味はないだろうが――――それでも、胸中の焦りは少し跳ね上がっていた】
【――――3つの人格による肉体シェア。それを『探知』されたらどうすればよいのかと】
【とは言え、今から何らかのリアクションを起こすのはもう遅すぎる。ただ、彼らがこのまま通り過ぎていくのを祈るだけで――――】

……………………
「(来やがった……なんなんだこいつら……ッ)」
{(『話』に聞いたとおりね……始末の悪そうな顔をしてるわぁ……)}
「(? ……マスク越しに分かるのかよ?)」
{(そういう事にしときゃあいいのよ、どうせ敵なんだから同じでしょ?)}
「(チッ、言ってろ……!)」
(……2人とも、少し静かにしてよ……)

【狸寝入りをしつつ、少女は胸中の人格と会話を交わし、眼前の敵が去っていくのをただ待つ】
【のだが――――表に出ていない人格たちの声に、少しばかり表情を顰める。この重大な事態で何をやっているのか、と】
【とは言え――――どうやら、問題なく彼らは去って言ったようで、少女は押し殺していたため息を、ようやくホッと緩める事ができた】

……あの、ありがとうございました……
……それで、あの人たちは……いや、それは良いですけど、あなたは……?

【脅威が去って、少女はようやく顔を上げ、男性を真っ直ぐに見ながら頭を下げる。同時に、当然の疑問と言うべき質問を向けた】
【彼らとの敵対者と言うのは分かったが――――『敵』と言う認識で十分と割り切った態度は、少々おかしいかもしれないが――――彼の事は、少女も良く分かっていない】
【どうやら、彼らの存在を快く思わないという事は、良く分かったのだが――――】
381 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/06/09(土) 13:44:45.87 ID:b7WoYC/+0
>>378
【骸の遺志。骸の意志。骸の怨念。――それらが己に語りかける。悪を許すな、悪を殺せ、復讐を遂げろと】
【それらが非生産的なものだと分かっている。何も産まない。復讐を遂げても死者は蘇らない】
【だがそれでも、それでも良いと。数多の怨念に、自己を重ね合わせて――少女は是を答えとした】
【故にこそ、死者の意志を背負う生者。故にこその――[生で死を代行する者/コープス・リバイバー]】

復讐は何も産まない――だけど。お前たちを消し去る事はできる。

【幾度も悩み。その果てに出している答えはこの一言に帰結する】
【何も産まないが、悪を殺し、悪を消し去る事はできる。それで己の様なものがこれ以上生まれずに済むならば】
【――それで良いのだ】

【接近してくる相手。やはり、己とは隔絶した実力を感じる。出し惜しみしても届く事はないだろう】
【作戦は決まった。五体に怨念を取り込むように、深く、深く息を吸い込んだ】

――"コープス・リバイバー"。
悪を憎む意志と遺志の執行者で――お前を殺す、処刑人だ。
、何遍・何人殺されても。私は、遂げるまで彼らを連れて歩み続ける。

さあ。"骸と踊れ"。打骨、K焔――。

【名乗り返す。遺志を意志に混在させて、数多の憎悪を一人の人間に集約させて。眼下で青白く燃える焔の光が数多の憎悪を視線に込めさせた】
【己の骸装に意志を流し込み、骸装の遺志がそれに呼応する。骨の装甲がその厚みを増し、鋭さを増していく】
【死者の怨嗟の声が呼び声となって、先程までとは比べ物にならない焔が、地面に生まれた割れ目から吹き出していく】
【急転直下の振り下ろしとの衝突の瞬間。おもむろに顔を上げて、そこから――骸装が変貌した】

――"薊"。

【焔を全身に纏い、骨はいびつに歪み、鋭い棘を生み出し、歪む音は亡者のうめきのように低い音を連ねていく】
【右手で柄を、左手で刀身の背を抑えて、大鎌の刃の切っ先をぴたりと受け止める】
【衝撃で地面が陥没し、大きくなった大地の裂け目から更に強い焔が生まれ――】

ォォォオォ゛オ゛オ゛オオォオ゛ォ―――ッッッ!!
"K焔"ッ!"骸を焼け"ッッッ!!

【"コープス・リバイバーごと"、大地から吹き出した焔は焔柱となって諸共悪魔を焼き殺そうと吹き上がった】
【少女の雄叫びは、おおよそ人間に出せるような感情を込めたものではない。何らかの形で、異常なまでにその憎悪が増幅されて起きたものだ】
【防御と同時に自分ごと灼くという、実力が追いつかないが故にたどり着いた、自分を投げ捨ててでもたどり着くという答え】
【この策は――、届くか、否か――ッッ!!】
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/09(土) 13:57:31.45 ID:Yxao7KJno
>>381

【──、刃の切っ先を受け止められる。イルの表情が歪む、浮かぶ愉悦の色は何処までも嘲笑に似て】
【砂糖菓子が蜜に溶ける様に、大鎌が先端から黒い霧に変わっていく、先程出現した不定形の呼気】
【コレくらいやってのけるだろう、という読み。── 何時までたっても、ニンゲンは変わらない、と】


あはははは♪ 勝手に一人で踊り狂ってな、ボクの相手する所じゃないしぃ!
丹精込めて作ったボクの病、骨の髄まで侵して殺す、特上の病気を堪能して──!!
そして呆気なく、一人で消えてしまえ!!!


【──、彼女の表情が一変するのはその後、少女の雄叫びが天を突いた刹那】
【凡そ人間が出せる咆哮では無かった。激しくそれでいて何処か悲しい、慟哭に似た叫び声】
【その瞬間、彼女は確かに戦慄した、人の身がもつ可能性に魅せられるが如く】

【次の一葉は突然に、目の前を覆い尽くす、深い怒りを持った炎】
【回避、──と脳にフラッシュバックした命令を尽くすより早く、その焔柱が直撃する】
【数瞬後、焔柱から飛び出した影が、後方へと飛び、地面へと着地するだろう】


っ……!! ニンゲン風情が……小癪な真似を──!!
ふ、ふふ……はは、そうだね、そうだったよ、いつだってキミたちは、そうしてきたよね
自己犠牲だとか、捨て身だとか、そんな──、自意識に酔った行動を美とする

──っざいんだよね、そういうの、命を捨てることに酔ってるニンゲンが一番きもいわ
そうであったなら通じる、とか、それぐらいしか方法がない、とか
ほんと憐れだよね、無知こそが本当に愚かなんだって、分かってないんだから


【病魔は健在であった、決して浅くないダメージを受けたが戦闘はまだ可能で】
【剥き出しの素肌に刻まれた火傷の痕、じくじくと痛む傷口が、白磁の皮膚を妖しく照らす】
【呼吸が荒かった。童顔に似合わない豊満な胸が、何度が大きく揺れて】
383 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/06/09(土) 14:09:39.87 ID:EWzItmq90
>>380

【少女(少女ら)の心配はもっともで、探知機は発せられる魔力を拾う。熟練した魔術師が】
【相手から発せられる気を拾うが如く、それを技術的に科学的に検知することができるはずだ】
【しかし、探知機の精度が悪かったのか、それとも他の要因があったのか、彼らは見逃した】
【そしてこのサングラスの人物はその探知機の特性を知っていたようだった】

【ガスマスクは無機質に、目の奥にあるその素顔すら見えないようなスモークが貼られていて】
【彼らの隊長と思われるフルフェイスは顔の部分がまるでディスプレイのようになっており、そこには】

<Keep Calm and Carry On>

【のデジタル文字が延々とリピートされていた】

―――アイツら、ここでもでかい顔するようになったってことはいよいよだな…

【サングラスの男はおもむろに、胸ポケットからタバコ――マルボロのソフトを取り出して、火をつけた】
【多分…というか絶対この公園内は禁煙だったはずだが、能力者を取り締まるものは居ても、喫煙を取り締まる警備員は居なさそうだった】
【せっかく晴れた周りの疑いの目は、別の怪訝な目に変わった】

あいつらは特区の番犬だ。名目上、警備会社ってなわけだからどっかの金持ちにでも雇われたんだろう
俺は…どこにでもいるしがない探偵だ。アイツらの探知機をジャミングできる装置を持った…ああいう奴らが嫌いな一人だよ。


【彼は笑っていた。しがない探偵などといって誤魔化しているのかよくわからないが、奴らの機械をジャミングできるならますます怪しい人物だ】
【この事態をよく知っている――それ以上の存在の可能性があるが、それはそれだけ危険な人物かもしれない】
384 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/06/09(土) 14:28:56.34 ID:b7WoYC/+0
>>382
【焔柱が顕現したのはごく一瞬――一秒にも満たない瞬間だったろう】
【それでも届き。相手の肌を焦がし、傷を残した。その事実は――少女に一抹の希望を与えた】
【もうもうと燃え上がる黒煙から足を踏み出す。踏み出す足の装甲は、薄汚く焼け焦げていた】

ッ……っは………ッ……ッぐ。
……ッハ……。ッハハハ―――ッ。届いた。

【焔を直に受けた少女もまた、焼け焦げた装甲などから分かる程には浅くない傷を負っている】
【それでも立ち続けられていたのは、幾つか理由がある】
【まず、打骨の出力強化による防御力強化、そしてK焔は自己も灼くがそれでも自己の能力ゆえ多少の耐性がある事】
【そして、薊の発動による狂化の余韻の恩恵による、痛覚が鈍くなった状態。己の手の総動員が功を奏して、まだこうして刃を握っていられた】

――案外。人間を見ているんだね。悪魔って。

【小さなつぶやきは、少女としての言葉だったろうか。僅かな関心すらあった】
【そして、その上で。人をよく見た上で、その上で人をこうも弄ぶのか、悪意を行使するのか、とまた憎悪に薪がくべられた】
【ところどころ砕けていく装甲。震える足。それらを意志と遺志で押し留めて】
【ちきり、と刃を構え直す。そして――その上で】

届かないなら。――届かせるまでの事。
お前がどうかなんて、知った事じゃない。
私は。私にできる事で――私達の"意志/遺志"を完遂させるッ!

"骸を砕け"、"骸を焦がせ"、"骸よ狂え"――ッ!!

【砕けた装甲に魔力が継ぎ足され、歪み肥大化した装甲は右手の刀身に絡みつき、短刀を長剣へと変貌させる】
【大地から吹き上がる業火は、その刀身に纏わりつき、刀身の表面コンマ1ミリに圧縮されて高熱の溶断の刃と変貌した】
【そして、鎧に込められた数多の憎悪はその箍を外して、少女を"復讐者"から、痛みを知らぬ"狂戦士"へと至らせた】

――オ゛ォォオ゛ッッ!!それでも――それでもッ!!!
私は――"許さない"ッッ!!どうなろうと、なんと言われようと――ッ!!
[お前たち/悪性]を――[私達/復讐者]は――否定するッッ!!

【業火の爆発による超加速。振り抜く刃は限界までリミッターを外した膂力で振り抜かれ相手の頭上から迫りゆく】
【それは、最初の横薙ぎのそれに比べ、威力も速度も精度も段違い――武装の総動員により成り立つ一閃の"必殺"だ】
【僅かでも通ったこの好機。そして、己の消耗も加味して、ここで全てを使い切る短期決戦に挑もうという魂胆だ】
385 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/09(土) 14:29:58.50 ID:2t5uWx8T0
>>383

「(っ、なんだこいつら……訳の分からない連中だな……正直、ハッタリにしてもやり過ぎだぞ……?)」
{(って事は、ハッタリじゃ無いんでしょうねぇ……それよりも――――リーダー格の、見た?)}
「(『静寂であり続けろ』ってか? ……なんだありゃ、本当はロボットだった、とか……そんなオチなんじゃないだろうな……?)」

【赤と青の光が交互交互に明滅するなかで、少女の中に宿る彼らは、会話を続けていた】
【去り際に見えたその面容は――――正体を隠す事に尽力している兵隊と、逆に特徴的な隊長格】
【まるで、機械の様な印象があった。バイザーに文字を投影するならともかく、それを外に向けて表示するのは――――奇妙と言うほかない】

……この国じゃ別に……異能者を取り締まるような事は、無かったはずですけど……?
「――――って事は、勝手にやってるってこったな。ふざけた真似しやがって……」
{まぁ、あいつら自身が何かをしてる訳じゃないから、周りも何も言えないんでしょうねぇ……グレーなところ、上手くさらってくれてるわぁ……}

【煙草を取り出す男性に、少女はわずかに――――周囲と同じような――――怪訝な表情を向けるが、それよりも大事な事があった】
【――――風の国に、魔防制限法はない。それでも彼らは、明らかに魔防制限法にのっとった活動をしている】
【それを、違法行為だと言わなければ――――そのうちに、既成事実と化してしまうのではないか、と】
【――――額の明かりの明滅と共に、テレパシーじみた、彼らの声が実際の音として、男性にも聞こえるようになるだろう】

……っ、探偵、さん……?
{……随分妙なものを持ってるのね。道理で……まぁ、私たちも慌てて飛び出したりしなかった訳だから、とりあえずはそれもあるんでしょうけど……}

【そして男性の名乗りに、少女はキョトンと呆けたような表情を見せる。彼の名乗りに、ではなく――――自分の中の記憶に対してだ】

(――――2人とも……!)
「(……可能性はありそうだ。これは試してみて損はないんじゃないか……?)」
{(いざって時には、とぼけられるように……それくらいはできるでしょ、頑張んなさい……!)}

【『探偵』であり『彼らの敵』――――そこに、思い当たるものがあったのだ。素早く胸中で意見を統一させると、少女は再び俯いた】

――――ヨハン、ヨハンは……ヨハンは………………あれ、メロンライスにガムライス……?

【ぶつぶつと、何事かを呟きながら、少女は考え込む仕草を見せる】
【その動作自体に大した意味はない。重要なのは――――少女の言葉に、男性がなんと言って答えるか。それが聞きたいだけなのだ】
【思い違いならば、適当に誤魔化してしまえばよい。そこのところも計算に入れながら――――『とあるキーワード』を待つ】
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/09(土) 14:50:06.73 ID:Yxao7KJno
>>384

【──、皮膚を剥いだ傷口には滑らかな血の跡が見える、火傷の傷は神経を焼き切り、痛みを増す】
【苦痛に喘ぐ度にその首筋が艶やかな彩りを映す。瑞々しい唇から、吐息混じりの嬌声に似た】
【貴方のつぶやきが静かに波紋を起こして、水面に映ったその影を見ない事なんて出来なくて】


──、病魔だって言ってるでしょ? あんな下品な連中と一緒にして欲しくないんだけど
ニンゲンが恐れ、ボク達を畏怖してくれる程に、ボク達の存在はより強固に、強大になるんだもの
どうすればより良く家畜を飼育出来るかなんて、キミ達も通った道でしょ?

あはっ♪ だからボクはキミ達を嬲り、甚振り、殺す事に興味があるのっ♪ どれだけ痛め付けたら、より恐れてくれるのか
キミ達の意思なんてとうの昔に果ててるのさ、何故ならこの現実が、この世界が、この宇宙は──、
ボク達じゃない、誰かの意志の下にあるんだからっ


【振り下ろされる高速の一撃、元々が近接戦闘タイプでない彼女には目で追うのがやっとだ】
【付け焼き刃の攻撃では対処が出来ない、思考を高速回転させる】
【──、憎々しい程にその怒りは、彼女にとって食欲を煽る色合いであったから】


熱い熱い、一体全体なににそんな風に怒ってるのかなぁ♪
ねぇ、やっぱり復讐なんて無駄なんだよね、分かってるのかなぁ、キミは憎悪を他に向けるけど
それはさ、キミ自身が持ってる憎悪なワケ? それとも、誰かに持たされた憎悪なワケ?

どっちにしたって、どうしたって、どうやったって、キミの意思は根本から否定されるんだよねっ
だって、復讐だけで生きるなんて、死んでるのと一緒じゃんっ
──、まぁいいや、現実を教えてあげる


【イルの目の前に影が出現する、丁度背丈も形もイルを映した人形の様な】
【刃は人形へと振り下ろされるだろう、余波を受け、イル自身も吹き飛ばされる】
【──、人形は刃の直撃を受け霧散する、その霧は周囲に漂って】

【霧は形作り、再び人形を少女の前へ出現させる、そして──】
【霧を吸い込んだなら、貴方は再び、その全力を以て"人形"に刃を振り下ろすのだろう】
【──、まるでその人形を破壊するのに固執させられる様に、何度も】


──、"Mors Principium Est"── まさか、こんなに早く、使うなんて、ね……


【直撃を回避したとはいえ、余波だけでも凄まじい威力であった】
【ぺたりと座り込み、イルはその行先を見つめる】
387 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/06/09(土) 14:50:39.64 ID:EWzItmq90
>>385

【探偵と名乗った――職業を名前とすべきかは別として――は煙草をふかしながら彼女の問いに答えた】

警備会社だから彷徨くのも所持も認められている。身辺警護の延長線としてこのあたりの調査をしているとでも言えば
そのついでに能力者を探していてもごまかせる。風の国もテロは多い大国だからな。
UTが居たおかげで能力者に対する風当たりも良い方だったんだが…風向きが変わりつつあるということかもしれない

確かに、この国じゃ勝手に能力者を取り締まるのは認められない――だから誰彼構わずってわけじゃないが、アイツらのリストに乗っている様なやつは
非合法な手段で暗殺される。彼奴等はそういう存在だ。だから、厄介なんだ。

【この国にあの法律はなくても、彼らには関係ない。法律を掻い潜った違法行為をするために金持ちや奴らに買われているのだから】
【だからこそ犬と呼ぶにふさわしい】

…あれ?声が3人ぐらい…まあ、いいか。いや…いい訳じゃないんだけど…とにかく、だ。
今までのようにはいかないと、気をつけてほしい

【彼は立ち上がろうとした。長居して奴らがまた戻ってきてほしくなかった。この少女に比べ、探偵は身元が割れたら危険だった】
【なにせ深く入り込みすぎているのだから。余計なトラブルにも巻き込みたくなかった―――しかし】

……『ヨハンは639号室の隣人』だろ?…俺が作ったときよりだいぶ変わったみたいだな。

【立ち止まって、少女の顔をもう一度見た。顔も知らない隣人がそこに居たからだ】
388 :リベル=アシェル ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/09(土) 15:10:26.35 ID:2t5uWx8T0
>>387

……本当に、汚いですよね……こういう時の『大人』って……
――――自分たちで作ったルールを、そうやってチキンレースみたいに、理屈をつけて踏み破っていくなんて……ッ
「こっそり裏から暗殺するってのは、もうルールの裏をかくどころじゃないがな……」

【少女は、物憂げに沈痛な表情を浮かべ、頭を振った。そうした海千山千のやり方が、どうにも気に入らなかったのだ】
【ルールと言うのは、理念にのっとって作られるものだ。字面だけを守ればいいというものではない。そこには「守るためであり、脅かすためでないのなら、例外的に認める」と言う理念があるはずなのだ】
【それを、肩書だけを使って、実際には他社を脅かすために例外を都合よく使っている――――そんな彼らに、少女は青くも正しい、怒りの炎を燃やしていたのだ】

――――ここに、いるんです。私の中に――――
「だからこそ、だぜ……あんな連中に後れを取らないように、んで、この「こういうこと」に慣れてないお姉ちゃんを、守るためにな……」
{ま、安心してよね? 別にあたしたち、精神分裂だ、とか、のっとって食っちゃおう、とか……そういう手合いじゃないからさぁ?}

【自分の額を指さしながら、少女は男性と向きあった。そして――――呼応するように、男性の声と、女性の声が再び響き、それに合わせて額の赤と青が光る】
【――――何か、精神体のようなものを、その身体の中に宿している様だった。少女はあくまでただの少女なのかもしれないが】
【――――そんな少女に、すぐそばからナビゲートをする役目を負った存在が、2人も存在していたのである。だからこそ、少女は冷静に立ち回る事ができたのだろう】

ッッ、『639』……!
――――ごめんなさい、惚けていました……さっきのは、わざとです…………『これ』を――――

【その数字――――と言うよりも、正確なキーワードの全体を口にされて、少女の表情が変わる】
【パッと顔を上げると、静かに自分の左手をかざして見せる。そこにはまっている、1つの『指輪』を】
【――――面識のない、だが確実に『仲間』だと分かる。そんな確信と信頼を込めた目で、少女は男性を見据えた】

――――じゃあ、あなたが……『ロッソ』さん、ですね……?
思ったより……早く会う事が、出来ました……――――私、UTにお世話になってる……リベル、リベル=アシェルと言います……

【探偵と言う言葉に、思い当たるところがあったのだが――――カマかけは、正解だった。間違いなくこの男性はロッソなのだろう】
【少女――――リベルは、自分の名前を名乗りながら、しっかりと頷いてみせた。偶然の邂逅だが、志を同じくする人間は、ここにも居たのだと】

……詳しい事は――――{――――あたしがお話ししようかしら? 初めての仲間さんですものねぇ……ちょっと、今すぐに呼べる、あたしの仲間も併せて、ねぇ?}

【少女の瞳――――緑色のそれが、すっと青く染まり。そしてその仕草が変わった。まるで、外見に不相応な『大人の女』とでもいうべきそれに】
【恐らく――――彼女の中に宿る人格と、交代したのだろう。先ほどの少女よりは、より話の通りがよさそうだ――――】
389 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/06/09(土) 15:37:06.04 ID:EWzItmq90
>>388

…汚い、か。そうだな…大人ってのは言い訳のうまいヤツのことを言うのかもな

【そう言ってタバコをくわえた。まるで自分のことを言われているようだった。自分も十分に大人で】
【しかも彼女の言う、汚い大人の一人だと自覚している。裏をかく奴らの裏をかいて暗殺する。もっと汚い手もつかう】
【そして過去はもっと汚れていたから、なんの正義も振りかざす権利なんてないのに正義の真似事をしている自分が滑稽だ】

中?…ああっと…多重人格みたいな?なるほど…

【その中の声が聞こえてくるというのは果たして多重人格といえるのかどうかわからないが、まあ能力というのは理屈じゃない】
【重要なのは結果で全体論的に物事を見るべきだというのがこの世界の生き方だと探偵は思っているから深く考えない】

【それにそのほうが至って健全だと彼は思う。彼もまた、過去を払拭して新しい――理想とする自分になろうと人格を演じているけらいがある】
【得意な人格がランダムに訪れる事象を対処するというのは理性的なように思えた】

…合言葉の意味は誰もわかってないみたいだな…まあいい、俺だけの楽しみとするさ
聞いたのはミラか?鈴音か?…

【彼もまた同じ指輪をしていた。符号は完全に一致した。彼らは誰かを通じて繋がり合っていた。ようやく、出会ったのだ】

ああ、そういうことだ。…UTの…そうか。

【彼は時折影を帯びた表情になる。UTと聞いてまたそんな雰囲気を醸した】

オーライ、そっちのクールな方も、リベルと呼べばいいのかい?
390 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/06/09(土) 15:56:27.65 ID:b7WoYC/+0
>>386
ッ゛オオオ゛ァ゛ア――――ア゛ッッッ!!!

【人か、獣か。そもそも人も獣か。ならば――その雄叫びは、人間という獣が失った筈の獣性から生ずるもの】
【影に対して振り下ろされる一閃。それは容易く他者を殺しうるもの。影は容易く引き裂かれ、霧散する】
【霧を吸い込み、相手の能力の影響を受けた少女は、更に己の憎悪に、"復讐"に固執し、薊の狂気と共にそれは加速し続けていく】

許さない……ッ。"悲劇を生むモノ"を私はッ!!
そうだ。この気持ちは、意志はッ。"私"も、"私達"も、同じ思いだから。
だから私達は――"コープス・リバイバー"なんだッ。

【数瞬で無数に切り裂かれる人形。切り裂くたびにその妄執は狂気となって加速していき】
【それがある一定を超えたその瞬間――、振り抜かれる一閃は、その質を変えた】

――"復讐を遂げろ"ッ!!

【その一閃の描く軌跡に、強い魔力が宿る。漆黒の魔力が装甲とK焔を吹き飛ばし、銀刃を顕とする】
【一閃がまた同じ様に影に叩きつけられたならば――霧散すらせず、消失するだろう】
【相手が術の制御を細かく行っていたならば、衝突の瞬間に、"威力とは別の性質"で、その事象が発生した事が認識できるかもしれない】
【その一閃の性質は、"悪の存在否定"。もしこの刃が、病魔に直接届いていたのであれば】
【強大な病魔の存在だろうと、刃に触れた部分の存在否定が行われ、一閃は過たず相手を裂いた筈だ】

【振り抜いた直後、力を大きく消耗したのか、ボロボロの姿で立ち尽くす少女。髑髏の面が砕け、右目の濡羽色が顕となる】
【相手の能力の干渉が溶けているのであれば、"少女自身の強い憎悪"が、無言で相手に向けられている事が分かるだろう】
【震える足を引きずり。幽鬼のように歩むその姿。この少女はまだ――諦めては居ない】
391 :リベル=アシェル ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/09(土) 15:57:33.53 ID:2t5uWx8T0
>>389

……こんな事、言い訳し始めたら、キリがないって……分かっているはずなのに……

【別にリベルとて、性善説に傾いている訳ではない。自分だって、嘘もついたし友達と喧嘩をした覚えもある】
【「嘘も方便」と言う言葉だって知っているし、その重要性にも何度となく世話になった――――正しいだけでは、世界は回らないのだ】
【だが、それでも――――踏み越えてはいけない一線と言うのは、あるのではないだろうか?】
【やむを得なく破るルールもある。それは分かっていても――――これは「絶対に破ってはいけないルール」なのではないか?】
【そんな事を思いながら、ただリベルは、上手く言葉にならないその怒りに、何とか折り合いをつけようとしていた】

……そう、なんです。私の体……この2人と一緒に、シェアして……何とか、上手くやってるんです
「じゃなきゃ「この世界に来て」、そう間もなく、二進も三進も行かなくなってただろうよ……ま、元の世界からして、俺たちはこんなのだったがな」
{……よっぽど、天使面したバケモノたちとやり合ってた方が楽だったわぁ……こっちに来て、初めてよ。まともに人間とぶつかるようになったの……}

【憑依されていると言った方が、近いのかもしれない。だが、実態としてはそれは穏便なもののようだ】
【――――どうやら、こことは異なる異世界の人間であるらしい事を仄めかしつつ、彼らはその特異な力について説明を続ける】
【確かに、彼らの個性は多種多様な様だ。それぞれに得意を活かして問題に対処するというのは、間違っていないらしい】

……合言葉の、意味? ――――あの、私たちにこれを教えてくれたのは……カニバディールさんです。先月に……

【『ヨハンは639号室の隣人』――――なにか、通り一辺倒ではない意味があるらしいと聞きながらも、リベルは首をひねるばかりだった】
【恐らく、彼女にはその合言葉の真意は理解できていない――――恐らく、覚えるだけで精一杯とか、そういう事なのかもしれないが】
【そして、彼女は自分たちと繋がっているメンバーの名をあげる――――カニバディール。UTの関係者と直につながるのが彼と言うのも、奇異な話かもしれないが――――】

{あたしはねぇ……人間だったころ『ルヴァ』って名乗ってたのよね。ま、別に問題ないから、今でもそう名乗ってるわぁ……よろしくね、名探偵さん?
 さて……ちょっと失礼――――}

【表に出てきた、『青』の人格――――彼女は彼女で、別なパーソナリティを持っているのだろう。自らを『ルヴァ』と名乗り】
【そうした紹介もそこそこに、彼女は端末で連絡を入れ始めた。誰か、人を呼ぶらしい――――】



<――――ルヴァさん。一体何事ですか――――ッ?>
{あ、来た来た。先月のアレ、覚えてるわよねぇ……見つかったわよ、2人目の仲間が……}
<――――ッ!>

【焦った様子で、公園へと飛び込んでくる1つの影があった。それは小さな姿で――――】

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のまるで死人の様な冷たいオッドアイを持ち、体表に紋様の様な、仄かな光を放つ金色のラインが走っている】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女】
【その身からは、尋常ならざる量の魔力が感じ取れるかもしれない】
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/09(土) 16:11:09.36 ID:Yxao7KJno
>>390

【影を食らう死の舞踏。──、美しい少女の踊る舞は、葬送曲を飾り立て、そして何処までも晴れやかに】
【誰もその不条理から抜け出せなかった。他者の運命など彼女の掌の上、生きとし生けるもの全てを笑う】
【──、彼女の"固執"の能力こそが、彼女の本質であり、虚ろな神であるその性質を宿していた】



【────、しかし】



…………!!! そんなっ……なんで──……!!
ボクの "誘惑" に── 打ち勝った!? そんな、そんな……!!
有り得ない!! だって、だって、……無数の現実の中、そんな事できたニンゲンなんて、一人たりとも……っ

──っ、なんだよ、それ……!! 知らないよ、ボク、そんなの……っ
なんで、ただの、ただの……!! 弱っちいニンゲンが、ボクの能力に打ち勝てるわけ!?
くっそ……くそ!! 有り得ない、有り得ない、のに──!!



【それは定められた運命に抗う様に、無限の円環から抜け出すたった一つのやり方の様に】
【── ドープが言っていた言葉が脳裏によぎった。ニンゲンの持つ、その崇高なる力を】
【唇の端を強く噛み締める。一片たりとも理解が出来なかった。強い意志が、時に神に打ち勝つ事実を】

【──、最後の攻撃の性質を "理解してしまった" その事もまた、彼女に深い怒りを齎す】
【もし、その攻撃を受けていたなら、と──伝う背筋の悪寒はきっと、生死に関わる事への安堵】
【気に入らなかった、全てが。その場に居る貴方という存在が、そして、そして──】

【今も尚諦めずに幽鬼の如く接近を続ける、その存在に──】


っ……!! やめろって──!! ボクに、ボクに……!! 近づくな……!!
なんだよ、なんだよ!! 惨めで弱っちい、ニンゲンの癖に、なんで──!!
許さない……、許さない!! 絶対に、絶対……ぶっ殺す……!!


【彼女の存在が夜に溶けていく、爪先から徐々に、黒い靄へと変容していき】
【やがてその痕跡も残さず消えていくだろう。そこにあった、僅かな力も残さず】
【──、蛇教のニンゲンも置きっ放しであった。きっと、最初からそこまで興味も無かったのだろう】

【────病魔は姿を隠す、その名前を静かに語って】


/こんな所でしょうか! お疲れ様でした!
393 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/06/09(土) 16:17:52.56 ID:EWzItmq90
>>391

…君は間違っちゃいないよ。

【自分のように間違った人間が言える言葉はそれぐらいだった。道理に押し流されて妥協していくと】
【なんでも都合よく流されて行くだけの大人にいつの間にかなってしまう。だから抗うその背中を押してやるべきだと思った】

どうやらいろいろあるみたいだが…まあ、うまくやっているならいいじゃないか。
俺はゴメンだけどね。考えたことが筒抜けになりそうで。忘れたいことだって沢山あるのに

【肩をすくめて笑った。探偵らしくない見た目と、その雰囲気だがそれは前評判どおりだろうか】

ああ、まあ…意味自体はほんのお遊びみたいなもんだから気にしなくていいけど……カニバディール?
ハハッ…そいつはいい。傑作だ。…あいつもこんな少女を仲間に引き込むとは…さすが、大悪党だな

さてさて、何処まで所謂…“黒幕”について知ってるんだ?カニバディール先生に、一通りは聞いてると助かるんだが。

【合言葉の意味に気がつくそんな変わったやつはいつ現れるのか楽しみにしながら探偵は話を続けた】

オーケィ、ルヴァ。じゃあ話を―――――

【と、そこで彼女の行動に言葉を切って、探偵は様子を、煙草片手に伺っていた】
【そして現れた人物に目を向けて…サングラス越しにでもなにか、はたと気がつくものがあったんだろう】

…この間の
394 : ◆Fang.lgDvQ [sage saga]:2018/06/09(土) 16:23:53.03 ID:b7WoYC/+0
>>392
知るもんか……ッ、私はそれでも、弱い人間だろうとなんだろうと。
私は、この牙でお前の首を食いちぎるッ。

【一歩歩むごとに装甲は崩れ落ち、地面に血糊を垂れ流すその様】
【うろたえる相手と、ただ一つの意志、悪を根絶つ事に特化した意志で歩む少女の構図だった】
【一歩踏み出すごとに、命が崩れる音がする。それほどの消耗。そして、その消耗には意志を継ぎ足して動力とする】

【しかし、その動きで相手に到達する前に、相手の姿は痕跡すら残らず消えていき】

――っ逃げるのか……ッ!!
イル=ナイトウィッシュ――覚えた、覚えたぞッ!!
忘れるな……。お前の罪を、お前の悪を。その報いは――死だって事をッ!!

【聞こえたかどうかはわからない。だが、この怨嗟の、憎悪の声は広く強く轟いたことだろう】
【そして、少女もまた――、一人の人間を殺した後に。その姿を夜の街に消していくのであった】

【――倒しきれず。倒すことを誓った悪が一つ増えた】
【"復讐を遂げろ"。その念が達せられるのは、一体いつになるのだろうか――?】

//お疲れ様でした!!楽しかったです!!
395 :リベル=アシェル&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/09(土) 16:39:57.71 ID:2t5uWx8T0
>>393

……すみません。一人で熱くなり過ぎました……

【今の本題は、彼らに対する怒りではないのだ。そこに対して、感情のままに言葉を連ねるだけでは、意味がない】
【恐らく、彼の相槌でリベルの頭は冷えたのだろう。また頭を振って、自分の気持ちを切り替えようとする】

え、えーと……
「あぁ、まぁ……な。確かに、プライベートなんてほとんどないみたいなもんだよな……」
{まぁ、心に壁くらいは、作る事出来るんだけどねぇ……なんというか、同じ体っていうのに、もう慣れちゃったというか……慣れたわよね?}
そう……だよね。ちゃんと、目を瞑って……じゃないな、心を閉ざして……っていうのも変だけど、一応、最低限のところは……

【3つの人格で1つの身体を回す――――そうなると当然、ロッソの言う通り上手くやっていかないといけないのだろう】
【一応、彼らの中でもリベルに対して最低限のプライバシーは尊重しているようだが、そこにも限界はあるのだろう】
【まぁ、だからこそ、先ほどの様な場面におけるメリットも大きいと言えば、その通りなのだが】
【――――名前と、探偵と言う肩書だけしか聞かされていないに等しい状態だったので、そこに何かを思う事は、無かったようだが】

{……ヨハン……ジョン、ヨハネ? ……639……数字よねぇ……}
「……おい、何マジになってるんだよ」
{良いじゃない、せっかくなんだし……隣で、640、それとも638……あー……これだけだと分からないわねぇ……}

【合言葉の意味――――ふと、ルヴァは興に乗ったようで、あれこれと思索を始める】
【それに、残る2人は呆れるばかりだが――――やはり、彼らの関係性は、中々良好なものの様だ】

――――『N2文書』とかいう、根底的な本をきっかけにして、募っている勢力だって……聞きました
「いつの間にか、『カミスシティ』の中身は相当にとんでもない事になって? そこで、なにやら人体実験じみた真似事も、さんざんやられてるそうじゃねぇか」
{……しかも相当に防備を固めて、異能を打ち消す力で、危うく仲間さんに死者が出るところだったそうねぇ……相当な難物よ、これ……}
……『ルハニア』、『オーウェル』、そして……私たちの仲間が、探りを入れてる『レヴォルツィオーン』……3つの、企業が、そこに噛んでいるって……

【とりあえず、カニバディールからは、一通りの『敵に関する情報』は聞かされているようだ】
【だが、彼女らに足りないのは――――『円卓』と、そして『仲間』の情報と言うべきかもしれない】

<ッッ、あなたは――――!>
{え、なに……顔見知りって事?}
<――――アルターリ。あの時――――助けてくれたガンマンさん、ですよね――――?>

【少女――――ラベンダァイスもまた、すぐに気が付いたようだ。恐らくは、その2丁のリボルバーをきっかけにして】
【アルターリの惨劇。そこで的確な援護をして、気を失った自分を病院に担ぎ込んでくれた男だ。まさか、こんな巡り合わせがあるとは――――】

<――――改めて。ケツァル・コアトル=ラベンダァイス=カエデ=キャニドップと言います――――あの時は、本当にありがとうございました
 カニバディールとは――――元々敵同士だったのですが、今回の事で、手を組む事になって――――リベルちゃんは、『うち』で保護してる、関係にあります――――>

【改めて自己紹介をし、そして手早く自分たちの関係を説明するラベンダァイス。どういう素性なのかハッキリさせるというのは、この状況では大事だろう】
396 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/06/09(土) 17:21:08.83 ID:EWzItmq90
>>395

【一人で頭を抱えたり怒ったりブツブツ言っていたりすれば他者から見ればそれは相当やばいというのが一般論だが】
【そういう事情を鑑みればむしろブツブツ言わないほうが不自然なんだ。探偵はその同居生活が微笑ましいように思えた】

ヒントは作曲家だ。…まあわからないだろうな。…カニバディールの授業は十分なようだな

で…カニバディール目線、というかそれはカノッサ機関目線の解釈だ。俺のは…UT目線…というよりかは初瀬麻季音目線とでも言おうか。
付け足すなら、オーウェルにとっての重要人物が今言った麻季音だ。あーっと…UTにしばらく居たのか今も居るのかしてるような
オーウェルの技術が完成するか否かは彼女にかかっている。最初に彼女と出会ったのは俺で、俺はUTとはそれなりに付き合いがあった
カニバディールともな。二派閥両方を打倒してやろうってのが俺たちだったんだが…

【現状のことは知っての通りだろう。探偵もバツが悪そうに髪の毛をグシャグシャと掻いていた】

まあ…助けたと言うか…俺は何もしてやれなかったさ。俺ぐらいじゃ戦いにまともに参加できなかったから…
君みたいな、本職に任せるしかなかった。…帰りに担いでやるぐらいしかできなくてね

あれから俺はすぐに特区の方に向かったから…元気そうで何よりでよかったよ

【ガンマンと名乗るにはいささか恥ずかしい能力しか持ち合わせていない。だが、一番危険な状態にあった彼女が生きていてよかった】
【素直にそう感じた。ここのところ嫌なことばかりだったからそんなことすら嬉しい】

ということはUTの―――いや、たまに出入りはしていたけど…
俺はロッソと呼んでくれ。しがない探偵で…セリーナや鈴音とは知り合い。カニバディールも…今回のことのまあ…言い出しっぺみたいなもんだ
あとは…何言えばいいんだろ。

【探偵は歯切れが悪い。もともと、そういう性格なのだろう。またバツが悪そうに頭をかいていた】
397 :リベル=アシェル&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/09(土) 17:49:42.34 ID:2t5uWx8T0
>>396

{あー……なるほど、こりゃ、後で図書館あたりお邪魔しなきゃ、分からなさそうねぇ……お手上げだわ}
……そうなの?
{こういうのはねぇ。今手元にある知識だけで解かなきゃ、負けみたいなものなのよ。調べれば、結局は分かっちゃうことなんだから}
「――――本当に調べて分かるのか?」
{はいそこ煩いわよ}

【どうも、ルヴァが中心となって一団の輪が気持ちを和らげているようだ】
【まぁ、これも余談だろう。いつまでも引っ張る事は善しとせず――――何気に、そのヒントを胸に留めながら――――本題へと戻る】

<――――また、出てきた訳ですね。初瀬麻季音――――いい加減、彼女とも接触の機会を持たなければ――――>
{あぁ、ごめんなさい。そういえばそこは聞いてたの、忘れてたわ……特にオーウェル社には気を付けろ、と……で、麻季音を守らなきゃいけないって、ね……}
――――とんでもない、事に……本当に、先の見えない状況に、なってるんですね……
「ただでさえ、UTはUTで……おまけに、カルトはカルトで、問題が山積だってのに、これ以上厄介事が増えるのは御免だぜ……?」

【初瀬麻季音――――カニバディールも、そして鈴音も口にしていた、現状での『黒幕』との戦いにおける、最重要級人物】
【今、どうなっているのかは分からないが――――一行は、まだ彼女との面識がない。故に、いつかはコネクトしなければならないと、頭を悩ませている様だった】
【実際――――カニバディールと鈴音、この2人にしか、彼らは接触できていないのだから】

【――――話の中で、姿を見せないのも面倒になったのだろう。リベルの肉体の主導権が『緑』――――つまりリベル本人に戻り】
【その身体から、赤と青の人魂のようなものが飛び出し、そばで浮遊――――それぞれに、男性と女性の声で応答し始めた】

<――――もう少し、上手いやりようもあったんじゃないかって、個人的には、そう後悔している所です――――戦う事こそ、私の最も大事な役目なのに――――
 結局、『レヴォルツィオーン』の図に当たって、都市1つが、完全に壊滅してしまった訳ですし――――。でも、助けられたことには、本当に感謝しているんです――――>

【あの一件、ラベンダァイスはハッキリと『敗戦』と受け取っていた。そして、数百万と言う途方もない命が、彼らの策略の為に、消耗される事となってしまったのだ】
【生物兵器として、その敗戦は心の傷の様に残っていた。だからこそ――――次は、必ず敵を殺す――――そう誓っていた姿も、遠くない過去だ】
【しかし――――どてっぱらに拳大の穴がぶち明けられた事も、どうやら快方に向かっているようで。虚ろな瞳ながらも、ラベンダァイスは頭を下げた】

<はい――――私はUTの正規メンバー――――リベルちゃんたちは、うちで保護している客分です。でも、今じゃ一緒に手伝ってもらう事が多くなりました――――>
ロッソさんが、この仲間の、発起人……なんですか……!?
{なるほど、それを鈴音ちゃんが取り仕切ってたって、そういう訳ねぇ……}

【ラベンダァイスたちも、ロッソの事を頭へと叩き込む。こうして、直接に会って情報を交換できるのは、貴重な機会だ】

{――――そうそう。まだカニバディールから聞いてはいないかもしれないけど、私たちは私たちでもう1人、この『指輪』を預かった仲間がいるの
 で、そいつはそいつで、私たちと、その周辺の輪の束ね役でね――――その同盟の仲間達とは別に、助力のアテは結構あるって事、伝えておくわ……}
<――――今、『レヴォルツィオーン』社に、探りを入れてもらっているのも、その『指輪』のない仲間、なんです――――連絡が、まだ来ていないようですけど――――>

【そこで1つ、彼らはロッソにも伝えるべきだろうと、それを口にした。ここにはいないもう1人の仲間と、その背後にいる、まとまった数の戦力を】
【一応、アテならそれなりにあるという事なのだろう――――指輪を手にするまでの間、相応の地固めがあった、という解釈が分かりやすいかもしれない】
398 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/06/09(土) 18:09:00.15 ID:EWzItmq90
>>397

麻季音に会うのは難しいかもしれない…いや、簡単なんだが…
…UTに保護を頼んでいて、居候している。そこで奴らに対抗するために理論を研究しているとか…
だが、直接奴らと、ネゴシエーションするつもりなんだ。…現状、それでどうなるかわからないが
まあ、特に詳しい話は彼女が担当だ。俺は…全体のこう…まあだから言い出しっぺなんだ

【彼女の特異性が『ソラリス』たる所以。決して、強い能力があるわけでも最新のメカニクスを持っているわけじゃない】
【今後を変える特異点になりうる可能性。それが彼女だった。オーウェルはそれを知っている。だから引き入れようとしていた】

やりよう?…あれ以上うまいやり方はあったとは思えない。突発的な事態に彼処まで対応できたのだから。
俺たちは生きて帰った。あえて言うなら、俺達にはあれ以上のことはできない。
自らの持つ力をリアルに受け入れていた方が――正しく行動できる…と、まあ俺は…思う。

【リアリスティックな目線で、彼は言った。経験が冷酷な現実を突きつけた。でもこれが彼なりの優しさでもあった】

こうするしかなかった。俺が、巻き込んだと言ってもいい。
だが、俺のシステムはうまく言っているようだ。情報と目的だけ共有して、仲間は最小限に知って行動する。
…もし何処かで綻びが出ても、被害を最小限にするためにあえてネットワークは希薄にしたんだ。
せいぜい仲間の仲間までしかわからないように。…合言葉だけ共有して、新たなつながりは作れるように

それで…そっちはどう動いている?それとも俺の知っていることを話すべきか。まあ、大したことは知らない。
今は……仲間をどうにかしなきゃならないんだ。俺は、そう思ってる。

/ちょっとお返しが短くなっちゃいましたが、そろそろ出かけなくてはならなくて…
/今夜はお返しできるかどうかわからないので、凍結等の判断よろしくおねがいします
/ひとまずはお疲れ様でした!!

399 :リベル=アシェル&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/09(土) 19:17:00.75 ID:2t5uWx8T0
>>398

<――――っ、ちょっと待ってください、直接――――!?>
{っ……思い切った事をしたものねぇ。こんなふざけた世界を作りかけてる連中に、交渉の余地なんて、あるとは思えないのだけれどねぇ……}
<――――確か、父親を、攫われてるって、聞きます――――交渉なんてしても、相手の思うつぼなんじゃ――――>

【人となりは分からないが、断片的な話は、それこそ鈴音とカニバディールの2人から聞いていた】
【現状の鍵であり、自分たちの技術的な拠り所であり――――絶対に、守らなければならない存在だという事を】
【これは、非常に大きな賭けになるのではないか――――思わず、彼らは呻く。事態は、いつの間にか再び危険な方向へと転がりだしている】

<――――あんなものが、あんなものが――――私の限界だったのだと思うと――――とても、やりきれないんです――――
 勿論――――結果は、厳然とそこにあります。あの足止めに、結局最後まで押し切られた事、それ以上の戦力だろう敵の本懐に、どうやっても可能性なんて無かっただろう事――――
 でも――――それを認めるなら、私たちは――――結局、もう勝てないのだと、認める事になるんです――――ッ>

【ラベンダァイスとて、その辺のロジックが分からない訳ではないのだろう。むしろ、ドライと言っても良い思考は、既にそれを分かっている様だった】
【だが――――彼女は人間ではない。すなわち、思考の基底が普通とは違っている。『負けた』という事――――それも、敵にあっさりと目的を達成され「圧倒的に負けた」事が、どうしても消化しきれないのだろう】
【兵器としてフル稼働の領域に到達した自分が勝てないのでは――――もう、戦う意味すらないと、呻くように呟いた】

<――――あれは、あの時点でのベターだったのでしょう。でも、今なら言えます。ベストを尽くさなきゃ、戦える相手じゃない――――
 次は、絶対に容赦はしません。この身を削ってでも――――これ以上、好きにはさせません>

【突発的な事態に、あれ以上の対応の仕様がなかった。それは仕方がないだろう。なら次は――――不意打ちなどさせない、機先を制し、頭を叩くのだ】
【その為なら、何も惜しまないと、ハッキリとラベンダァイスは宣言した。先ごろ、それこそ己の腹をぶち抜かせて、逆に相手に有効打を叩き込んだのだ。その意気に、偽りはないだろう】

いえ――――分かりますよ。この形の、必然性は……
{まともに実体をハッキリさせちゃうと、それこそどこかから乗っ取られちゃうなんて事も、有り得るでしょうしねぇ……}
<――――新しく、接触する側としては、大変でしたが――――でも、防諜を第一に考えなきゃならないっていうのは、確かに――――>

【どうやら、思った以上に彼らの同盟は、互いに希薄な関係にあるものの様だった。カニバディールの言葉からは、そうした印象は受けなかったのだが――――】
【だがそれは、彼が特別という事なのかもしれない。ロッソの言う通り――――「薄いが、確かに存在する繋がり」と言うものも、こうした場面ではメリットを享受できる】
【――――どうやら自分たちも、「繋がり過ぎない」事を意識しなければ、ならないのかもしれない】

<――――私たちは、その『レヴォルツィオーン』への探りと並行して、今――――『サーペント・カルト』への攻撃を考えています>
{その仲間っていうのが……まぁ、ただの寄り合い世帯の癖に、予想以上に緊密な連中でねぇ……そこが、まとめ役のカリスマって奴かもしれないけど……
 ……行方不明になった鈴音って娘と、前々から邪魔だった異世界の邪神たち――――そこを繋いでるのが、どうもそのカルトらしい、って情報を掴んで、共有させたのよ……}
<このままでは――――人間以前に、そんなバケモノ連中に世界を破壊されかねません。だから――――その連中の尻尾を掴んで、全て叩き潰して、砕き散らさなきゃならないんです――――>

【アルターリの惨劇での、怪しさを漂わせている『レヴォルツィオーン』への情報攻撃、そして、行方不明になった鈴音と繋がっているらしい『サーペント・カルト』】
【まずはこの2者に当たる事を、ラベンダァイス達は考えているらしい。異世界の邪神――――ロッソがそれを知っているかは、分からないが】
【どうやら『黒幕』以外にも、厄介な問題は山積しているようで。そちらにも意識を向けなければならないと――――】

/了解です。明日と明後日はは朝が早いので、置き進行でお願いしますー!
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/09(土) 21:32:53.91 ID:b+WFKPEP0
【夜・砂浜】

【ぽつぽつと降る雨空の下を、一人の男が傘を差して歩いていた】
【男の衣装は肩章付きのチェスターコートに、つばの長い革製の帽子が特徴的】
【髪は金色で、ふわりと長く。高めの背にしては線の細い人物だった】


今日は雨。何かが足りない、けれど何かが美しい夜だ
詩でも詠おうか、それとも暗い海でも描こうか。

……どちらにしても、良い夜になりそうだ。


【男は歩く。靴は革靴だ、砂にさくりと沈んではまた一歩、小さく進む】
【右手は傘を持っていて、左手は手持ち無沙汰というように足下へ掌を向けていた】

【けれど問題は――その軌跡。男の歩いた足跡を辿ったならば】
【そこには楼閣や、人物の彫像や、獅子や、楽器が無数に"砂"によって作り出されていた】
【いずれも砂遊びにしては異様なほどに細部までが良く出来ていて】
【今もまた、男の左手側に模型が1つ――灯台を模したそれは、蝋燭の明かりすら漏れていて】

【不審、であると同時に、物質を召喚、または生成するタイプの能力者だと分かるだろう】
【ただ歩いているだけだけれど――ざあ、と波が脚に掛かって、その歩みは一度、止まった】
401 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/09(土) 22:47:41.95 ID:q8emIbP20
【夜・水の国――】

【蒸し暑い――雨こそ降ってないが、湿気は水の国と言うだけ有って非常に不快指数が高い】
【黙って歩いているだけでも額に汗の粒が落ちる】
【週末と言うこともあり、つい先程まではどの通りも活気が有ったのだが、それもぼちぼち帰路へとつき始め】
【大通りはともかく、一本路地を外れると途端に人気がなくなる】
【そんな有り触れた通りの一つを、少女は歩いていた】
【こんな時間に散歩でもしているのか、動きに指向性はなく、ただ雑然と歩いていると言う風情】
【顔立ちこそ、そこそこに整ってはいても、化粧っ気はなく、大雑把に後ろでまとめられた黒髪は特徴的だとはとても言えない】
【服装も、サンダルに膝上までのハーフパンツ、『十万馬力』と大きくプリントされた謎のTシャツ姿】

……暑い……

【夕食代わりのグリーンスムージーを片手に、うだるように少女が呟いた】
【口する言葉まで何の芸もないならば、誰か通り過ぎたからと言って、気に掛けるような要素はないだろう】
【強いて言うならば、露出している肌に所々残っている生傷が多いのが、僅かに目を引く程度】

【歩く先に目的が有った訳ではないけれど、何となく辿り着いた先は、水の国聖教会だった】
【流石にこの時間に中に入ったりはしないが、建物に据え付けられた十字架を見上げて、溜息】
【少女は水の国に来て長くない。ここが一体何の宗教を祭っているかすら知らなかった】

宗教勧誘って良いイメージないのよね……

【少女が外で声を掛けられるケースは、6割がセールスで、4割が宗教勧誘だった】
【景気の悪い顔が何かに悩んでいるようにでも見えるのか、気が弱そうだから押せば乗ってくれると思ったのか、いずれにせよ迷惑な話だった】
【ふと、遠くからサイレンの音が聞こえる。警察か救急者か――どちらにしても何か悪いことが起こっているのだろう】
【ここ最近、不穏な空気が様々な場所で流れていることは何となく察している】
【しかし、少女には情報を提供してくれる組織もコネもない】
【何かすべきなのでは?そう思っても、一向にとっかかりがないのだ】

……路地裏で悪い人殴るのも……意味有るのか分かんなくなってきたし……どうしたら良いのかな

【何度目かの溜息を吐いて、どこか座れる場所はないか視線を巡らせた】
402 :マリー ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/06/09(土) 23:44:06.45 ID:Wa8d8nz0o
>>401

【肩口で切り揃えられた明るいブロンドの髪を風に靡かせて】
【装飾を排した紺の薄く丈夫な生地で作られた、膝まで伸びた修道服を羽織り】
【慈悲を帯びつつ、殺気を孕んだ瞳を前面に向けて──その女は警邏に当たっていた】

【ここ最近、蛇の宗教や魔防法といった事案が多く発生していて】
【教会に来る人間にもそれらの被害にあったり、迫害された者が増えていて】
【前より警邏に当たる時間を増やしていた──犯罪を減らすために、できることをしようと】


「あら、こんなところで何してるのかしら」


【路地裏を暫くひた歩けば──少女が一人ごちていた】
【片手には緑色の液体が入ったカップを握っている、少々怪しんだような表情で貴女を見る】
【首元で鈍い光を反射するロザリオは、この女が教会に属する人間だということを証明していて】

【ともかく、露出した肌に幾つも刻まれている点は気になったようで】
【この傷、どうしたの──なんて貴女に聞いてみるのだ】

//かなり遅れました、申し訳ないです……!
//宜しくお願いします!
403 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/09(土) 23:59:45.80 ID:q8emIbP20
>>402
ひゃっ!

【声を掛けられると思っていなかったのか、上擦った悲鳴が上がる】
【首を竦めるようにして振り返った】
【見れば教会の人間のようだった】
【……こんな時間に何を?と思いはするが、客観的に見ればそれを問われるのはこちらの方だろう】
【両手で互いの指を突くような仕草をしながら】

い、いや、怪しい者では……ぶらぶら散歩してただけなんですけど、この辺りの道にあんまり詳しくなくて!

【相当な早口で捲し立てるものだから余計に怪しかった】
【ただしかし散歩だと言う点にはかなりの説得力が有っただろう】
【何しろ歩いて5分の店にレンタルビデオを返却しに行くくらいのラフな格好】
【胡乱そうなあなたの視線を受けて、視線を泳がせる。もっと良い言い訳は出てこないものか】


【傷について聞かれると、改めて自分で見返してみる】
【転んだ、で通りそうには見えない】


――これは、その……この前通り魔にやられて……


【厳密には通り魔ではなかったし、襲い掛かったのも自分からだったのだが、混乱させそうなので割愛した】
【あ、でもこれ会話の繋ぎになりそうだ!】


そう、水の国も裏の方行くとやっばいのウロウロしてるんですよ。
シスターさんも、こんな時間に外出歩いたらダメですよ!


【と、自分のことは棚に上げつつ、危ないですよ、と主張するのだった】
【ふと、視線があなたの持っているカップに向いた】
【まさかこれはグリーンスムージーではないだろう】
404 :マリー ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/06/10(日) 00:17:54.47 ID:Zg3zRpoUo
>>403

【早口で捲し立てる様に理由を話されて──呆れたように首を横に振った】
【少なくとも悪いような人間には見えないが、散歩というには“準備が出来ていない”】
【それにたとえ迷子だとしても、路地裏に入れば危ないという直感を持つはずなのだ】


「通り魔にやられて、ねぇ……。余計ほっとけないわ、ついてらっしゃい」


【貴女の眼前に立てば、また一つ呆れたようにため息をつく】
【彼女の生傷は、どうも通り魔に付けられたものではない──数は多いが、傷が浅いから】
【そう想像した後、貴女についてくるよう手招きをするのだ】


「それは貴女の方よ、碌な装備も持たずに路地裏に入るなんて無謀も過ぎるわ」


【棚に上げたかのような発言を諌めるように、背を向けてそういった】
【ろくな装備も──と言われてみれば、シスター然の格好をした女も同様だ】
【銃器も剣も、一切身につけていない。言い換えれば武器を一つも持っていないのだから】

// ごめんなさい、緑の液体の下りは三枝さんの描写です……!
405 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/10(日) 00:41:20.81 ID:tz9HOPhy0
>>404
【シスターの呆れたような声を聞くと、「あれ?」と言う顔になった】
【どうにも会話がズレている】
【夜の悪漢を怖がるような性質ではなくて、むしろその手の悪意には少女よりも余程慣れているのだろうとは、まだ気付いていなかった】
【怒られると少し縮こまるようにしながら、手招きされるままについて行く】
【相手がシスターとは言え、初対面の相手にホイホイ着いて行く警戒心の無さも】
【――手慣れていない、と言う印象を与えるだろう】


装備って……路地に入るのに、そんな戦争みたいな。


【はは、と冗句めかして笑うのだが、すぐに乾いて途切れてしまう】
【実際、目の前のシスターも、武器らしい武器を持っているようには見えないし】
【冗談だと思ったのだろうが、あなたの真剣な声音に二の句が継げなくなる】

私は――あんまり武器とかは得意じゃなくって。
素手のやり方しか、知らないから。

【少なくとも、相手は人畜無害の一般人と言う訳ではないと思ったのか】
【こちらもある程度、正直に話すことにした】


街の空気も、何かピリピリしてて……だからなのか分からないけど、悪い人も、何か増えてるみたいで。
この前も、蛇の刺青つけた人に、絡まれたりしたし。


【カルト宗教団体サーペント・カルトが最近行っている生贄集め】
【気が弱そうで、力も弱そうで、なのに"能力者"であれば格好の標的だったに違いない】
【もっとも少女自身は、そんなことは知る由もなく、慌てて張り倒して逃げて来たのだけれど】


//読み間違えすみません!了解です。
406 :マリー ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/06/10(日) 02:00:13.23 ID:Zg3zRpoU0
>>405

【貴女が手招きされるままについてくる様子を見れば、“慣れてない”と判断する】
【再びため息をつくこともなく、教会の扉を開いて中へ貴女を手招きすることだろう】
【その表情は狂信者のそれには見えず──慈悲を少しだけ帯びた、優しいそれに見えるはずだ】


「ほら、座って。何か飲み物でも持ってくるわ──何がいいかしら?」


【信者席の一つに貴女を座らせれば、何を飲みたいか尋ねる】
【ステンドグラスや聖女像──それらを見れば、やはり正統な宗教だと知れる筈で】
【貴女を宗教に引き込もうだとか、そのようなことが目的ではないとわかるだろう】


「それほど危険になってきてるのよ──死人が毎日出るくらいには、ね」


【貴女がそのように言えば、やはり危険だと述べるのだろう】
【冗談には聞こえない、真剣な声色で──まるで貴女を諭すかのように】
【右手には貴女が頼んだ飲み物が注がれたコップを持っており、貴女に手渡した】


「へぇ、素手で戦うんだ。どんな風にして戦うの?」


【貴女が素手で戦うといえば、興味深そうな表情を顔に浮かべる】
【武器を使うことなく、徒手で戦う──どのような技を使うのか、ちょっとだけ気になって】


「……蛇の刺青をつけた人、ね。どんな人なのか教えてもらってもいいかしら」


【蛇の刺青──その言葉を聞いた瞬間、少し表情が険しくなって】
【最近活発に活動しているカルト組織、ということは聞いていたのだけど】
【一体何者なのか、それだけは貴女から聞きたかった。何も、話すのを強制することはなくて】
407 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/10(日) 02:23:00.20 ID:tz9HOPhy0
>>406
【少女の乏し過ぎる人物眼からすれば、目の前のシスターは少なくとも悪人には見えなかった】
【むしろ、こんな行きずりの相手に対して、何某か面倒を見てくれると言うのはシスターらしい慈悲に満ちてるんではないだろーか】
【自然とテンパっていた意識も落ち着きを取り戻していた。そういうの、職業柄なんだろうか。何か話しやすい】
【などと呑気な感想を浮かべている少女とは裏腹に、シスターの様相はどうにも緊張感が有った】
【この人も相応の修羅場を経験したことが有るのだろうか……そこまでは読み取れないけれど】

あー、えーと、お構いなく……じゃなくて、お水……いや、お茶、で……

【教会とかも入るのは初めてでマナーが一切分からない】
【こういう時は断る方が失礼だったりするの?遠慮するからってお水とか要求する!?無駄な場面でグルグルと思考を回して、結局無難な回答に至った】
【信者席の一つに座る。膝の上で拳を固めるように乗せている姿はもうガチガチに緊張している】

危険……そんなに?表通りとか、お昼は人でいっぱいなのに。

どんな風って……ちょっと前に師匠――ええと、知人に、武術を教えて貰って……
あとは、私ちょっと体を固くしたり、力を強くしたり……できる、から。
それで、えいやって――

【能力の詳細を細かく教えるのは流石に躊躇ったから、できるだけファジーに伝えるが、少女のシンプル過ぎる能力はそもそも隠しようもない】
【"能力者"と出会ったことは何度か有るが、その中でも自分の持っている能力は相当しょっぱいものだと自覚はしていて、そういう意味でも言い難そうだった】
【手渡されたカップを両手で掴みながら――先程まで持っていたグリーンスムージーのパックは横に置いといた。後で忘れず持って帰ります】
【上目遣いにシスターの反応を伺っている。彼女が期待しているような特別なことは何もなかった】
【少女の言を解釈すれば、即ち身体強化に頼って、普通に突っ込んで殴っているだけなのだから】

どんな人って、普通にピアスつけて、髪染めた男の人が何人かで――車に連れ込まれそうになったから。

【そこまで言ってからバツが悪そうに頬を掻いた】

――ぶん殴って逃げちゃった。死んでは、いないと思うけど……

【下手人は恐らくただの下っ端なのだろう】
【少女自身もさっさと逃走したらしく、それが最近巷を騒がしている事件の一つなのだと気付いてもいない】


ああ、でも生贄だとか。
能力者は"当たり"だとか、そういうことは、言ってたかも。
408 :マリー ◆zuR4sSM1aA [sage saga]:2018/06/10(日) 02:47:32.91 ID:Zg3zRpoUo
>>407

【貴女がお茶を求めたのなら、そのとおりに持ってくるだろう】
【冷えた麦茶を注いで貴女に手渡す。緊張している様子は確かに見て取れて】
【会話をするのだから、緊張はできるだけ解してあげたいと──貴女の隣に座す】


「はい、持ってきたわよ。そんなに緊張しなくて大丈夫よ、ほら深呼吸してみて」


【貴女にお茶を手渡せば、落ち着いて深呼吸するように諭す】
【まずは緊張を解さなければ、落ち着かせれば貴女に微笑みかけて】
【それから貴女の戦い方を聞けば──身体能力の強化だということは、すぐに分かって】


「なるほど、だから貴女武器を持ってなかったのね──ごめんなさい、勘違いしてたわ」


【路地裏に入るにしても、その腕があればどうにかなるのだろう】
【てっきり無謀にも路地裏に入ろうとしていたのだと勘違いしていた】
【素直に謝れば、左手に掴むコップを傾けて麦茶を一口飲んだ】


「──ええ、ありがとう。それだけ聞ければ十分だわ」


【下っ端、生贄、能力者は“当たり”──脳内にその情報を刻んでいく】
【サーペント・カルト、蛇の宗教。巷を賑わせる邪教は、確かに蠕動しているようで】
【この近くでも対策を強いられることだろう。少しだけ、頭を悩ませて】


「そうだ、貴女──人を守ることに、興味ないかしら」


//すみません、眠気が凄いため凍結していただいてもよろしいでしょうか……
409 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/10(日) 02:59:38.24 ID:tz9HOPhy0
>>408
//了解しました。続きは置きレスの方に載せておきます。遅くまでありがとうございました!
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/10(日) 17:47:00.11 ID:n3ffdS4t0
【水の国・市街地の外れ】

【雨の降る中、建造途中で放棄された廃ビルから煙が漏れ出していた】
【煙、といっても湯気程度で、明かりを見るに】
【ホームレスがドラム缶で火を炊いたか、食事を用意しているか】
【ともあれ人が居るらしく――ただそれだけ、ではあるのだが】


【件のビルの背後。狭い路地にはわざわざ黒塗りのバンが二台止まっており】
【そのいずれも窓にスモークを張っていて、ナンバーは双方とも『0000』】
【それが有り得ない数字であることは一部の人間なら理解出来るはずであり】


【そして何より、そのビルは一棟全てが『淀んで』いた】
【雨だから。夜だから。繁華街ではないのだから。】
【いくらでも理由はつけられたが、言いようのない嫌悪感が周囲に漂っていた】

【それは言うなれば、ホラー映画における地縛霊の棲家のような】
【或いは何件もの自殺者を出した建築物であるかのような】
【でなければ、墓場に近いもの。打ちっぱなしのコンクリート、はめ込み型の割れた窓】
【その階数は4階建て。入り口には『立入禁止』の看板と共に】
【用意に潜り抜けられる、錆びた有刺鉄線が二本ばかり張られていた】
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/10(日) 19:46:38.48 ID:GSo4x9uxo
>>410

【遠くからパトカーのサイレンが徐々に近付いてきていた】
【闇夜に赤色光をまき散らしながら、二、三台が連なって】
【しかしその連隊はビルのことなど気にも留めぬように、すぐ側を走り抜けていった】

────…………

【男が一人、傘の下から横目でその様を見送った】
【黒いハットに、墨色の着流し。革ブーツの表面が雨粒を弾いている】
【不規則にちらつく街灯が、その姿を暗中に明滅させていた】

【ふう、と男は一つ嘆息をして、暗い雨空を見上げた】
【止まぬかもしれない──何となくそう思われ、男は帰路とは違う方向へ足を向けた】

【即ち、廃ビルの方へ】
【『立入禁止』の札のすぐ脇をあっさりと通り抜け、鉄線を掻い潜った】
【その場に満ちる怨念の気に、しかしそれにこそ惹かれていくかのように】


/まだいらっしゃいましたら。
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/10(日) 21:03:23.30 ID:n3ffdS4t0
>>411

【有刺鉄線をかいくぐった先は、ガランとした一階フロアが広がる】
【左右に広い空間、左の床には珍しくマンホールが存在し】
【その奥にはまた左右に小部屋が2つ】
【この小部屋を隔てる廊下の奥に二階への階段が見えていて】

【――問題なのは、内装が全く施されていないビルであるにも関わらず】
【監視カメラ―それも稼働中の緑ランプが点いた―が、入り口を捕らえ】

【まず間違いなく、この建物への侵入者を映像に収めている事だった】
【しかし幸いにして即座に警備員が出てくる訳でもなく】
【ジー、という機械の駆動音が小さく響くばかりであり】

【そして建物に渦巻く怨念の正体は未だ不明、だけれども】
【入れば、感じるだろう。間違いなくこの上、あの明かりのあった位置】
【そこに"根源"が居るのだと分かるはずだった】

/すみませんおまたせしました!
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/10(日) 21:17:41.60 ID:GSo4x9uxo
>>412

【傘を折り畳み、ハットのずれを直す】
【それからふと何気なく視線を上げれば、監視カメラと目が合った】

────…………

【男は何の感慨も無さそうな眼でカメラを見つめたまま、数度瞬き】
【カメラというよりはその奥にある何かを見透かそうとするような間があったが】
【それも長くは続かず、気まぐれな猫のようにふいと視線を外すと、歩みを再開した】

【かつ、かつ、かつ──と】
【がらんどうの屋内に、虚ろな靴音ばかりが響いて】
【それは一歩一歩、気配を隠そうともせず、階段を上っていく】

【何の妨害もなければ、男はそのまま明かりの部屋まで至り、そこを覗き込もうとするだろう】


/いえいえ! 23時頃には持ち越しなり何なりお願いすることになると思いますが大丈夫でしょうか?
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/10(日) 21:29:24.48 ID:n3ffdS4t0
>>413

【2階――何もなし。小部屋をぐるりと廻る形で同じ構成の階段へ】
【3階――何もなし。ただし、部屋を見て回れば黒いボックスがいくつか見つかるだろう】
【圧迫感は増していて、明らかに"上"の存在感を伝えている】

【しかしながら全くの無防備は3階までだった】

【4階――階段を上がったならば、すぐ右手が小部屋なのだが】
【その扉の前を通りがかった瞬間に、かちゃり、と音がする】
【据銃する音だった。フルフェイスのヘルメットを被り】
【黒革で統一した戦闘装着セットを身に付けた――機関員】


「……動くな、両手を上げろ。……脅しじゃない、安全装置は外れてるんだ」


【薄暗い部屋の奥にはモニターから溢れる光が漏れていた】
【カメラの映像で確認していたのだろう。守衛、にしては手強かったが】
【確かにその指は引き金に掛かっていて、少し指圧したならば】
【速やかに自動小銃は火を吹いて、人一人は蜂の巣に出来る。そんな体勢だった】

/問題ありませんです、よろしくおねがいします!
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/10(日) 21:50:11.73 ID:GSo4x9uxo
>>414

【暗黒の満ちる廃ビルを、男は何に臆する様子も無く進んだ】
【途中、暗がりの濃いところには、手持ちのオイルライターを灯して照らす】
【部屋の中にいくつか散見された黒い箱を、しかし触れようとはせず】

【ただ壁を見透かすかのように存在感の主の方へ時折視線を向けていた】

【4階──】
【廊下の壁のとある染みが、逃げる女の背中に刃物を突き立てているように見えるな、と思ったとき、気配の動く音がした】

────…………

【男は据わった眼差しで機関員を見つめたまま、静かに両手を挙げた】
【荷物は無い。傘は入り口に置いてきた。オイルライターも今は懐の中】
【傍目には丸腰と言っていい。その割にはひどく落ち着いていたが】

あー……命だけは助けてくれると、嬉しいです。

【何とも腑抜けた声で、夕飯の残りもので出来たような命乞いをした】
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/10(日) 21:50:43.98 ID:GSo4x9uxo
>>414
/よかったです、こちらこそよろしくお願いします!
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/10(日) 22:08:16.57 ID:n3ffdS4t0
>>415


「……それは、お前の態度と行動次第だな。
 部屋に入れ。事情聴取、というのをさせてもらおうか」


【相手は丸腰、にも関わらず機関員の動作は確固としたものだった】
【わざわざこのような場所にカメラを配置し】
【それを常時モニターしているくらいなのだ、暇な部署ではないだろう】

【いつでも鉛玉を吐き出せる銃口で男へと指示を出す】
【部屋に入れ――モニターのある部屋だ。入ったならば】
【更に部屋の奥には、扉が一枚あることが分かるだろう】

【室内には男一人。椅子、買い出したらしい飲食物、モニター】
【他には何もない寒々しい打ちっぱなしの壁面が目立つ】
【建物の構造からすれば、件の明かりは奥の扉ではなく】
【もともと男が進もうとしていた通路の奥、なのだろうが――】


「所持品があるのなら、まずはそれを出してもらおうか。
 壁に近寄って右手を付き、身体はこちらに向けるように。
 隠れて銃を出されても面白くないからな…――身分証があるなら、話は早いぞ?」


【狭い部屋だったが、機関員の男の手順はよく訓練されていて】
【従わなければすぐに撃ち[ピーーー]――そういうように、なおも引き金に指が掛かっていた】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/10(日) 22:34:07.97 ID:GSo4x9uxo
>>417

……座右の銘は、人畜無害です。
どうか、お手柔らかにお願いします。

【一切反抗の意思を見せず、部屋へと入っていく】
【そして指示されるまま、袂や帯に手を突っ込んで、】
【そこから細々とした私物を取り出して床に置き始める】

【銀色のオイルライター、ポケットティッシュ、スマートフォン】
【革のキーケース、財布、避妊具、飴玉三つ、とその包み紙】
【出し終えれば、壁に右手を突いて、男の方を向き】

一応の身分証は、財布の中に入っています。
別に大した身分じゃないので、面白くないと思いますけど……

【彼の言う通り、もしその無名ブランドの財布を開けて中身を改めたならば】
【現金数万ばかりと、顔写真入りのIDカード──国交省庁へ入るのに必要なそれらしい】
【それともう一つ、IDに記された名前と同じ氏名の入った免許証も見ることが出来る】

【『円城 塔夜』】
【水の国発行のもので、事故をした形跡はない。生まれは今から二十と数年前】
【人生の目的とかその辺は全部胎内に忘れてきました、というような無表情の写真が、のっぺりと張り付いていた】
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/10(日) 22:58:07.97 ID:n3ffdS4t0
>>418

【持ち歩いている物はごくごく普通の物品ばかり】
【財布の中身も無論確認する。銃を向け、逐次男の様子を確認するため】
【その動作は緩慢であったが、故に確実で】

【やがて身分証を取り出し、その名前を確認したならば】
【所持品の検査はそれで終了する。しかしなおも、銃口は男の上半身に向いたまま】


「"円城"――お前の目的は何だ?
 中央省庁の立ち入りを許された人間が、何故このような場所に来たのか……
 雨宿りなら、4階まで登る必要もないはずだが。

 ……"誰かに用事がある"と、でも?」


【個性という個性のない男。その目的を男は探り始める】
【けれど、何かの心当たりがあるかのような口ぶりだった】

【小銃は、安全装置が掛けられて。その銃口はついに下を向いた】
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/10(日) 23:25:26.42 ID:GSo4x9uxo
>>419
/っと、すみません、レス書いてる途中でしたが眠気がしんどくなってきてしまったもので
/明日に続きをお願いしてもよろしいでしょうか?
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/10(日) 23:26:57.92 ID:n3ffdS4t0
>>420
/大丈夫ですよ〜。明日は21時頃には来られると思いますので
/またそれくらいからお相手頂ければ幸いです!
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/10(日) 23:30:39.35 ID:GSo4x9uxo
>>421
/承知です、ではまた明日そのお時間に!
/今日のところはひとまずお疲れさまでした!
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/10(日) 23:42:14.06 ID:n3ffdS4t0
>>422
/はーいっ、本日はお疲れ様でしたっ!
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/11(月) 08:35:54.88 ID:dfPDSNx5o
>>419


──ああ。“誰か”いるんですか、やっぱり?


【円城はちらりと、視線を動かした。その先は、件の明かりが存在する方向】

あ、いえ、それほど怪しい者じゃないんですよ。
ただ雨宿りをさせてもらうからには、建物の主に挨拶をしておこうと思っただけで──

【彼はふと緩い笑みを浮かべた】
【媚びへつらうことに慣れたような、あるいはそれを何度も演じてきたような】
【モニターの光を受け、青や緑に彩色された顔が、暗がりにぼんやりと浮かんだ】

──近付くな、ということなら、深く詮索はしませんよ。
知りすぎても、あまり良いことのない世の中ですからね。

【ごう……とどこか遠くで雷鳴が轟いた】

【──そのとき微かに、彼の片眼の虹彩が捻れて変化した】
【夜闇に蠢く獣の瞳のように、一瞬だけ爛々とした光を帯びて】

【その変化はほんの僅かな間だけであったが】
【もしも眼差しを合わせていたならば、そこに『機関』を意味する紋章が浮かんだのを目に出来たかもしれない】


/先にお返しだけしておきますね。また夜にお願いします。
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/11(月) 20:56:49.48 ID:2yoS3v240
>>424

【フルフェイスに覆われた一機関員の表情は掴めない】
【露骨に構えることもなければ、ガタガタと震え始めることもない】

【けれど遠雷の僅かな光がもたらす虹彩の変化には、気付いたのだろう】
【そしてそれがどういう意味合いを保つかを】
【おぼろげにであれ理解できる。それだけの教養は、あるらしく】


「……そうか、ご苦労なことだ。
 
 奥には、人が一人いる。私の上司だ。
 扉はないし、誰か来ることを厭う人でもないからな
 挨拶をしたいのなら……好きにするといい」


【部屋の扉は開け放たれている。奥に居るという人物には】
【通路へ出て、ほんの数メートルも歩けばたどり着ける筈だ】

【そこにあるのは適当な角材を突っ込んだようなドラム缶の焚き火】
【放置されていたらしい事務机が1つ、革の破れたソファが1つ】
【机の上には札束と、それから"水晶玉"のような物が1つ置いてあった】

【それから――誰か、居る。けれどそれを視認するより先に】
【視界には"水晶玉"が混入する事だろう。ならば、常人はそこに誰が居るのかを認識できない】
【認識よりもこの場に存在する事、それそのものへの拒絶感が生まれるからだ】

【一言で言えば、それはこの建物を深々と覆う淀みの根源であり】
【濃い負の空間を作り出す、一種の"宝玉"とも言えるのかも知れない】
【ただ――パニックに陥るか、嘔吐するか、虚脱するかは別として】
【すぐに"それ"には布がかけられて。少なくとも、見ることくらいは出来るようになるだろう】

【少し伸びた栗色の髪、黒い瞳。長袍、と呼ばれる漢服を着た男がそこには居た】

/お返事、お返ししておきます。こちらはこれより再開可能ですのでー!
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/11(月) 21:46:27.62 ID:dfPDSNx5o
>>425

【ほんの一瞬の変化であったが】
【相手がそれを確かに感じ取ったことを、円城もまた察した】

──そうですか。
じゃあ遠慮無く、そうさせてもらいます。

あなたもお勤め、ご苦労さまです。

【そうして許可が下りれば、床に散らばっていたものを手際良くしまい込んで】
【口元だけの微笑と共にハットのずれを直し、会釈。そのまま部屋を出て、通路を進んでいった】


【そして、件の部屋へと辿り付く】
【予想に反して、誰もいない──少なくとも、一目見たときにはそう映った】


…………おや?


【途端──彼の身が一瞬硬直した】
【と同時に、何か得体の知れない熱が体内に迸った】

【全身の血液が瞬時に沸騰し、脳の神経回路が焼き切れるような異常が彼を襲う】
【平衡感覚が崩壊する。内臓を捻られるような呻きが漏れる】


────ゥおぇ……ッ……?


【膝が折れ、意思と関係なく跪き、蹲る】
【ごぷ、びちゃり、汚れた水音。吐瀉の臭気が立ち上る】
【上体も床に崩れ、熱い脂汗を噴出させながら、空気を貪り喰うような荒い呼吸となった】

【まるで劇物を飲み込んだかのような有様】
【にも関わらず、如何なる訳か──その表情は、】

【底抜けの快楽に浸る笑みに歪んでいた】


【──しかしそれも、長く続くものではなく】
【布がかけられたとほぼ同時に、全身の緊張が一瞬で霧散し】
【夢から覚めたかのように、ぼやけていた焦点が次第に定まって】


────ッは……ッは……ッは……
……ああ……──やっぱり“あなた”でしたか……────


【まだ軽く揺らぐ視界の中で見えたその姿は、】
【現実のものなのか、それとも“そうあって欲しい”という願望が見せる幻覚なのか】
【円城にはまだ判然としない様子だった】


/おかえりなさいませ、お待たせしました。再開、よろしくお願いします。
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/11(月) 22:04:28.40 ID:2yoS3v240
>>426

【男の側には、もう少し、いくつかの物品が置かれていた】
【3階にもあった黒いボックスがいくつか。特注の、業務用サイズの黒いラップと】
【あとはハサミ。そして無造作に積まれた、何度か使用された形跡のある札束だ】


やっぱり?ひでェ事言うじゃねえか、円城。
まるで俺には廃ビルがお似合いだと言ってるように聞こえるぞ?

……フ。悪いな、誰も来ないもんだからつい布を外してたんだ
"病魔"からの貰い物。俺でも直接触れたくはない……良くないモノだ。

……それで?何処かの大先生にけしかけられて、俺に伝言でもしに来たのか?


【男――ジルベールがしていたことは、以前からの事と何ら変わりない】
【市場に既に出回った、好きなタイミングで使える金を勘定し】

【濡れてしまわないようにラップでひとかたまりにすると】
【それで黒いブロックの出来上がり。戦場で弾薬などを濡らさないようにする工夫と同じ】
【二台のバンはその輸送用だろうか、この場だけでも軽く数億は無造作に積まれていて】

【問題はその場に据えられた飾りだったわけだが】
【そんな事は気にしない。そんな風に、円城へ歩み寄ると上物のハンカチを差し出しながら】
【円卓のメッセンジャーが何をしにきたのかと、端的に尋ねかけた】
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/11(月) 22:31:52.00 ID:dfPDSNx5o
>>427

──へ、へへ……そんな、滅相もない……
ただこれほどの濃い『現実感』を私に感じさせてくれるのは、
あなたぐらいのものですので……──リンドウさん。

【円城はよろめきながらも立ち上がり──〈王〉を瞳の中心に映した】
【未だ余韻に浸るような笑みの残滓を口の端に残しつつ、】
【彼から受け取ったハンカチで、汚れた口元を拭った。意外と遠慮は無い】

ああ、どうもすみませんねぇ……

ええ、全くその通りです。
色々とお伝えしなきゃならないことが出来まして。

本当なら先に連絡を取りたかったんですけど、
近頃はどうも各所からのマークが厳しくて、迂闊な通信が出来なかったんです。
だからこうして、直接足を運んだ訳でして────

【着流しに付いた埃をぱんぱんと払いながら、再び姿勢を直す】
【周囲に積まれた法外な金に、円城の視線は一切移らない】
【背負ってきた言づてに比べれば、如何ほどのものでもないというように】


────とりあえず、
一面の見出しから、お伝えしますね。

『リスト』が、“向こうさん”の手に渡ったみたいです。


【そうして単刀直入に切り出すのは、〈円卓〉の『チェックメイト』であった】

【──この〈円卓〉という大層な名を冠した裏金構築システム、】
【それを構成し運用する中枢構成者達の名簿情報が〈黒幕〉の手に渡ったらしいとうのだ】
【恐らくは最も渡ってはならぬ相手に、システムが生命線が握られた】

【もっともそれは〈円卓〉構成者にとっての生命線であり、】
【ジルベール個人の命綱ではないのだろうが】

【どうあれ、円城の淡々とした表情からするに、これはあくまで見出しに過ぎず】
【まだ伝えなければならない委細があるようで、そのために一度間を空けた】
429 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/11(月) 22:44:34.97 ID:+FVjSnE+0
【水の国・路地裏――】


【月の光すらロクに届かない街の暗がり――真っ当な人間なら入るだけで襲ってくださいと言っているような場所】
【少女がそこに潜って何日目だろうか。一目見れば格好の標的と分かるが、しかし今誰かに馬乗りになってマウントを取っているのは少女の方だ】
【下にいるのは、これまた一目でガラの悪さが伺えるような男だが、少女に何度も顔面を殴られて、顔は腫れ上がり、完全に気絶していた】
【拳と顔を返り血に染めながら、少女は荒く息を吐き出した】

【クラスに一人はいる地味な女子と言った風情の黒髪の少女】
【ハーフパンツにTシャツと言うラフ過ぎる格好も今は血の跡で汚れている】
【目は半ば据わっていて、全く余裕を感じられない】


ハァッ…!ハァッ……!これで、何人……?あと、何人……?


【少女の能力は非力で、武器を持った複数人に囲まれるとかなり危険だった】
【だから、走って相手を撒きながら、一人一人確実に叩きのめしている】
【しかし、身体が強化されていても疲労の蓄積までは防げない】
【うだるような暑さも手伝って、頬を落ちる汗を返り血と一緒に拭った】


……ゼェ……傍から、見たら、こっちが、犯罪者よね……表通り、逃げて大丈夫かな……?


【正直なところ、迂闊にもこんな時間に路地裏に潜った少女に襲い掛かった彼らが"悪い"のかどうか、良く分からない】
【目的が何だったのかもはっきりしないが、少なくとも先に手を出すには十分過ぎる危機感は感じた】
【しかし――】


……ひょっとして、囲まれてる?


【路地のどっちを向いても、誰かの足音を感じる】
【先制攻撃と単騎な点を利用して、しばらくは主導権を握っていたものの、混乱さえ収まればここは彼らの庭】
【人数もさっきより増えている気がする】
【能力をちゃんと発揮できれば、無理矢理突破もできそうだが、"条件"はまだ満たしていない】

つくづく……不便な力……

【虱潰しに探しているのか、怒声の幅が狭まっている――下手に攻撃を加えたせいで、怒り心頭なようだ】
【どうする――?】
【汗が、気持ち悪い――暑さと焦りが、冷静さを奪っていくのを感じる】
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/11(月) 22:53:00.44 ID:2yoS3v240
>>428

【――――リストが向こう側に渡った=z

【その大ニュースに対して、「王」たるはずの人物の反応は】
【随分と気の抜けたものだった。顔が強ばるわけでもなし】
【強大な敵と遭遇したときのような、歪んだ笑みを浮かべるでもなく】


そうか、そりゃ大変だな。これでこの国の"円卓"も終わりって訳だ
長らく続いてきた集金システムも、終わりは呆気ないもんだな

……それで?号外にしちゃ、お前随分冷静じゃねえか
聞かせろよ、その続きを。起きた事象を"判断"するのはこの俺だ
……連中の方から、なにか接触でもあったのか?


【もしそうなら面白い。その程度の好奇心が僅かに覗いた質問だった】

【結局の所――リスト、という生命線を握られたところで】
【ジルベールという男自身にはさしたる影響も無い】
【なにより、元からそれを握っていつかは"円卓"を[ピーーー]つもりだったのだから】

【――ただ、含みを持たせた言葉というのは自然と興味を惹くもので】
【その点、円城が空けた間というものは、実によいアクセントとなっていた】
431 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/11(月) 23:02:50.24 ID:BvG3dh+l0
>>429

【 ── 暑く湿った大気を引き裂くように、少女のとなりへと、「なにか」が風を切って落ちてくる。人影である。】
【黒い外套の裾をはためかせ、微かに差し込む月光にその身を晒し、 ── 長い長い白銀の髪が宙に広がったかと思えば、転瞬片膝をついてコンクリートの地面に降り立ち】
【衝突音。なにかが割れる音がした。いや砕ける音がした。影の降り立った脚元の地面は、大きく窪んで罅割れ砕けていた。】


 「 ─── 。」


【振り向いて少女を一瞥するのは果たして女である。女とは思えない2m弱はあろうかという巨躯が、長い影を路地裏に落としていて、】
【冷たく光る青い左眼で、睨め付けるように少女を一瞥した。人殺しの目だった。それでいてその両手には拳銃が握られていた。】
【 ── 女は片腕を持ち上げて、暗い路地裏の奥へと数発、弾けるような射撃音。短く、だれかの悲鳴。それは同時に断末魔でもあった。】


「逃げるわよ。人助けなんて趣味じゃないけれど。」「ちゃんと掴まってなさい。腕、もげるわよ。」


【この初夏だというのに、女は冬に着るようなコートを着て、しかもスーツの正装だった。ご丁寧にネクタイまで締めていた。それでいて汗ひとつかいていなかった。】
【少女に向けて、片肘を突き出す。そこに掴まれと命じる。逆らってもいい。だがもしも、素直に従うことがあるのなら。助け舟と思しき言葉を信じるなら。】
【 ── その痩躯は、跳躍する。急激な上向きのGと共に、路地裏を挟む摩天楼の上層へと、ごく僅かな窓枠に足かけ、三角飛びさえ織り混ぜながら】
【やがてどこかのビルの屋上に辿り着けば、ようやく彼女は飛び上がる足を止めるだろう。およそ人間の膂力ではなかった。】
432 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/11(月) 23:22:41.21 ID:+FVjSnE+0
>>431
【焦燥と混乱の中、颯爽と現れる人影――】
【例えるならそれは、レンタルビデオで借りた洋画のヒーローのような登場の仕方だった】
【現実離れしている、と言う意味も兼ねて】
【どれだけの質量だったのか、地面を半ば割りながら現れた女性――咄嗟には女性と認識できなかったのは、自分よりも頭一つどころではないくらい大きかったからで】
【敵――?味方――?】
【分からない。でも少なくともチンピラの味方とは思えなかった】
【と言うか、その目に宿る殺気が段違い――事実、銃声が聞こえたかと思えば、息を吸うように、彼女は人を殺していた】

え――

【助けに来たのだと、その冷たい眼からは咄嗟には飲み込めず、しかしそれを待っている暇もないまま、差し出された手に捕まると――】

ひっっ!!

【短く悲鳴を上げて慌てて捕まり直す。能力の影響下になかったらもげまではせずとも肩くらい外れていたかも知れない】
【重力に逆らう状況に胃がひっくり返りそうになりながらも、どうにかその女性にしがみついていて】
【――気が付けば、響く怒声は遥か眼下へと移っていただろう】

……ハッ……の……なた、は……?

【先程まで息を乱していたが、今度は息が詰まっていた。どうにか吸い込み過ぎた呼吸を吐き出すように、途切れがちに声を絞り出して】
【夜間で有れば、流石に冷えているコンクリートの上に膝をついて、どうにかこうにか少女は顔を上げた】
433 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/06/11(月) 23:31:08.24 ID:SZegM5ji0
>>399

…アイツは自分の立場ってもんがわかってるんだ。それに周りの状況もな。
俺の半分ぐらいの歳なのに俺よりよっぽどわかってるし、最善を知っている。
アイツは天才なんだ。多少ぶっ飛んでる方がそれっぽいだろ

【本人は絶対に認めないが、同年代と比べても多くの人間と比較しても彼女は天才だった】
【だからこそ誰もその思考を理解出来ないし。理解されない。でもそれは彼女の中ではちゃんとしたルールに則っている】

【ロッソはだからそのぶっ飛んだ理屈を信頼していた。信じるということはそういう不確定なものもまとめて抱き込むことかもしれない】
【勿論、この賭けに失敗したらもう本当にチェックメイト寸前となる。それでも勝負はいつも攻め手に回らなくちゃならない】

…だからこそ、次は勝つんだ。生きていれば、いくらでも次がある。だからこそ、負けてでも生きていなくちゃならない。
まあ、その…俺はそう…思うんだ。トータルで勝てばいい。這いつくばっても、戦い続けりゃいい。
受け入れなきゃ、次もまた同じだ。…まあ、俺が言わなくてもわかってるだろうけど…

【この黒幕との争いで、探偵はずっと戦い続けていた。それでも状況は悪くなるばかりで何度も死にかけた。それでもまだ彼は諦めちゃいなかった】
【無駄だと思っても、あの手この手で戦い続ける。そのお陰で、たまにはこうして新しい仲間と知り合えるようなこともある。】

そもそも相手は公安なんだ。諜報が最も得意な相手に対しては過剰なぐらいがちょうどいいと思っていた。
まあ…それは個人の判断に任せる。一人じゃ何もできないのは事実だ。うまく連携を取れれば一番いいんだけど

【彼はまた何本目かわからない煙草に火をつけて、頭を抱えていた。】

…カルトのことは少し聞いている。優秀な協力者がこちらにも居るんでな…それに、奴らにはもう接触した
タイミングが悪くて…大した収穫は無いに等しい。それでも…奴らから仲間を取り返す。それは目下の問題だ

【だがどうするか…だ。 と、また彼は悩みこんだ。】


/すみませんお返し遅れました!置きレスのほうでの進行のほうがよろしいですかね?
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/11(月) 23:32:16.22 ID:dfPDSNx5o
>>430

いやあ、これが悪いニュースなのは、
ほとんど『議会派』にとってだけですからね。

【──『議会派』】
【前にどこかで、円城から聞いたことがあるかもしれない】

【ジルベールの登場によって、〈円卓〉内の派閥は大きく二つに分裂した】
【彼のやり方を快く思わず、旧態に固執し自らの権益と保身のみに拘泥する一派と、】
【彼に大いなる変革の可能性を見いだし、これを支持する一派である】

【「──前者の方を『議会派』、後者の方を『王侯派』と私は呼ぶことにしました」】
【「その方が、後の世で教科書を書く人も書きやすいでしょうから」】
【「『頭にカビが生えた鈍くさい方の屑』とか書くよりは」】

【即ち、現在のシステムが崩れて困るのは、ほぼこの『議会派』のみであるということで】
【とはいえ、『王侯派』の連中とて『リスト』の中に含まれているという点で、決して安泰とは言えない】


──そこで、一か八かの大博打を始めようとしている人がいるんです。

〈伯爵〉──と呼ばれています。
私の直属の先生ですね。そのお方からの遣いで今日は来ました。


【〈伯爵〉──】
【曰く、〈円卓〉における最古参の一人であり、『王侯派』の筆頭】
【あの闇の諮問において、ジルベールをトップに据えるよう密かに議論を誘導していたとのことで】


──かなりのお年なもので、もうずっと耄碌していると思っていたんですが、
蝋燭の最後の灯火というやつなのか……急に活き活きとし始めて、こんなことを言うんです。


 【 「──あの男が統べるには 国一つでは とても足りぬ」 】

 【 「──築かねばならぬ 真の〈円卓〉を」 】


────つまり、
国一つの中で収まっているような小さいテーブルじゃなくて

盤上を『世界』に移しませんか? って──話ですね。


【あるいは、それは元々ジルベール自身の描いていたスケールだったかもしれない】
【ここで言及されたのは即ち、紛うこと無く世の富全てを掌握する、世界規模での〈円卓〉──】

【そこでまた一区切り】
【反応を伺うように、円城はジルベールの瞳をじっと眼に映し】
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/11(月) 23:36:13.32 ID:dfPDSNx5o
>>434
/時間かかり気味で申し訳なかとです……!
/お時間厳しければ無理せず仰ってくださいませ。
436 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/11(月) 23:36:38.37 ID:BvG3dh+l0
>>432


「人助けの悪癖がついてしまった莫迦な人殺しよ。」「 ── 後はそうね。なんとなく、だけど。」
「チンピラに付くよか、色々と利がありそうだと思ったから。貴女、素直そうだし。」


【とくに感情の起伏もなく彼女はそう告げた。視線を合わせることもなかった。ただ横顔だけを晒していた。】
【拳銃を腰のホルスターに提げ直して、懐からライターとシガレットを取り出す。マールボロを一本摘んで、ジッポの蓋を開け、】
【口に咥え、摩擦音と共に点火して、手のひらで覆った火をそっと煙草に移す。深く息を吸い込み、赤熱する先端。そっと口許から白煙を漏らした。】


「それで。貴女、何者かしら?」「破落戸にちょっかい出して追っかけ回されてた、って訳でもなさそうだったけれど。」
「それくらいは教えてもらってもいいわよね。 ── あと、名前も。」


【青い瞳が一瞥する。そこに殺気はなかったけれど、殺意を満たすのに余りにも慣れすぎている色合いだった。】
【片手をポケットに突っ込んだまま、もう片手で煙草に指を添えつ、少しずつ紫煙を燻らせる。じっと少女を見つめながら。】
437 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/11(月) 23:58:42.61 ID:+FVjSnE+0
>>436
悪い、クセじゃ……ないと、思います、けど……

【乱れていた呼吸も、どうにか整えることができて】
【苦し紛れに笑おうとして見せたが、全く笑顔にはなっていなかっただろう】
【しかし、利とは――だとすれば、失望させることになるだろう】
【少女は、何も知らないし、何の後ろ盾もない】
【後ろめたそうに、女性を見上げる。煙草を吸う様が、妙に様になっている】
【感じるのは、余裕だ――アクション映画張りの動きを見せた直後でも、日常との地続きのように振舞っていられるのは、少女にはとても遠いことのように感じた】

名前……三枝、双葉……何者って、言われても……

【自分は外から見たら何なのだろうと、哲学的な問いを浮かべてしまいそうになる】
【こういう時、いつもは名乗りを上げる言葉が有るのだが、無様にも助けられた直後では到底口に出せそうになかった】
【彼女の審美眼は確かだろう。素直と言うには、愚直過ぎるほどに、少女の貌には何の裏も感じなかった】


ゴロツキにちょっかい出して……追い駆け回されてた。


【と、身も蓋もない回答をするのだった】
【静かに称えた瞳にたじろぎそうになると、慌てて言い訳をするように】


いつも、は……襲われてる人とか、ヤバい取引してる人を見付けて、やっつけてるんだけど……今日は先に絡まれちゃって。
私の方が襲われそうになっちゃったから……

【殴り倒したのだと、語る】
【事実、彼女に助けられる前に、少女は8人ほどチンピラを血で染めている】
【しかし、ただの一人も殺してはいないのは、殺す度胸がなかったのか、そこまでの余裕がなかったのかは、分からないけれど】
【無謀?過信?それ以前の問題――少女から感じるのは、ただひたすらに――"無知"】
【自分がどれだけ危険な行為をしているのかすら、把握していない】
【しかもその言からは、今日が初めてではないのも分かるだろう】
【薄着の服から伸びた手足にある多数の傷跡も、それを証明している】
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/12(火) 00:06:03.51 ID:hqnm6YGu0
>>434

【「議会派」と「王侯派」――まるで歴史の授業だな、と呟く】
【だが、それはそれでいい。歴史の中の出来事に足を踏み入れる】
【或いは歴史の教科書を自ら書き換える。これほどの征服感というのも無いだろう】

【――もっとも、大概の失政者はここで調子に乗るのだが】
【元より降って湧いたような立場。外見や言動とは裏腹に】
【堅実に足元を固めるのがこの男の特徴らしい特徴、でもあって】


    ……なんだ。


【〈伯爵〉――それがどんな老獪な人物であるのかは、何も知らない】


    "円卓"にも居るじゃないか

       少しはマトモな考えのやつが。


【円卓という集合組織の伝書鳩ではなく、『王侯派』の筆頭とされる人物】
【その個人的なメッセンジャーとして語る円城に、今日はじめての笑顔を見せた】

【それは孤高の旅人が深い森の中で同胞を見つけたような】
【安堵を感じ、けれど交わろうとはしない、そんな昏い喜びにも似て】
【惜しむらくはその老公がこの場に居ないこと、と言うように溜息を交えながら】


……いいさ、やろう。その賭け、一か八かというほど分は悪くない
既にいくつかの国に種は蒔いてある。
黒幕と、他の連中が騒ぎ立ててくれたお蔭で……静かに、順調にな。


【だから、いつでも盤上に上がるだけの準備はできている】

【――お前には何か他にも言伝があるんじゃないのか】
【そう問いかけるような視線を、ジルベールは円城に向ける】
【瞳はごく穏やかなものだ。ただギラギラと、黒曜石のように煌めいていたが】

/いえいえ、量と速度より質で楽しませていただいてますので!
/そして時間なのですが、そろそろ下がらねばならず……
/明日は来れそうにないのと、今週他の平日は夜が不安定でして
/こちらで点々と進めるか、置きレスへの移行をお願いします。
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/12(火) 00:10:17.20 ID:7x3z8CkPo
>>438
/いやはや恐縮でございます。
/そしてお時間承知です、こちらからは次でラストにさせていただきますんで、どうぞお先にお休みになっててください。
/遅くまでお付き合いありがとうございました!
440 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/12(火) 00:13:12.17 ID:xlrGeU770
>>437


「 ── はあ?」


【微かに目を見開いて素っ頓狂な声を上げる。ごく冷たく澄み渡るような口ぶりであったのに、すっかり呆れてしまったような。】
【呼吸を整えるように深く煙草を吸って、ため息混じりに煙を吐き出す。ネオンに遮られた痩躯の影。】
【見ればその手足は生傷ばかりであった。微かに青い左眼をしかめて、しばらくの間の後に、女は言葉を続ける。】


「 ………。なんのために、そんな危なっかしいこと、してるのかしら。」
「まさか、人助けとか言わないでしょうね。」「そうだったら本物の馬鹿よ、あなた。」
「 ── もしも私が、あのチンピラどもの味方についていたら、どうしてたつもりかしら?」


【ずいっ、 ── と、煙草に触れていない方の片手で少女を指差し、そのまま額にずいずいっ、と人差し指を押し付ける。】
【「この手だって左右が違えば根性焼きにだってなるのよ。理解してる?」問い詰めるように、あるいは責めるように。】
【煙草のにおいの中に混じって、別の煙たさを女は纏っていた。それはきっと、銃を持つ人間として染み付いた、硝煙のにおい。】
【らしくないことをしてばかりと女は思っていた。こんな説教のような、お節介のような、あまり人とは関わらない性質だというのに。】
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/12(火) 00:25:43.32 ID:hqnm6YGu0
>>439
/次のレスでまとめる……だと……?
/いや流石であります。ではお言葉に甘えさせていただいてお先に失礼をば
/こちらこそ、遅くまで大変ありがとうございました!お休みなさい!
442 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/12(火) 00:40:43.21 ID:R87VptH40
>>440
【ようやく、息が整って、少女は立ち上がった。立ち上がっても、見上げなければ彼女の顔を見れない】
【予想の通りと言うか、すっかり呆れられたような声音に、少女は首を竦めて見せる】
【少々凄まれた程度で、ビクビクしているその様は、目の前の女性とは正反対で、とても戦いに身を置く人間の振る舞いではない】
【何のために、そう問われると顔を伏せて、暫く考えている】
【さながら自分でも答えが出ていないかのように】

……正しいことを、しないと、いけないから……

【ややあって、口に出した答えはともすれば人助けよりも馬鹿らしいものだっただろう】
【そろそろ乾き始めた返り血で染まっている手をぼんやりと眺めてから】

でも、何をすれば良いのか、分からなくて。
人助けがしたいって言う訳じゃないけど……でも、取り敢えず人助けをするのが早いのかなって。
後は悪いことしている人を倒して、時々死に掛けたりもして――

【傷が有るのは手足だけではないだろう】
【服の下にも同様の生傷が有るのは容易に想像がつく】
【つまり、その程度の実力しかないと言うことだ】
【彼女がチンピラ側についたら、その問いには難しい顔をして見せる】

――分からない……でも、最後までやれるだけのことは、やったと思う。

【少女の言葉は、どこか他人事のようだった】
【だと言うのに、詰問されるように言葉を継がれると、身震いして沈黙してしまう】
【刃物のように澄んだ言葉を受けただけで、怯んでしまうくらいの臆病さ】
【どう考えても、一人で路地裏に突入できるような類の人間には見えない、矮小さ】


【そんなどうしようもない有様だったからこそ、馴染まぬ世話を焼かせてしまっているのだろうか】
【言葉はきつかったが、そこには悪意らしきものは感じなくて】

――ごめんなさい。

【何に向けてかも定かではない、謝罪の言葉が、短く口を突いた】
443 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/12(火) 01:00:19.22 ID:17QBQuse0
>>442



「 ──…… あのねぇ。」


【嗚呼この少女は「そういう奴」なんだと女は理解した。そして溜め息をまた、深く深く吐き出した。】
【この世界、この手の人間は多い。不条理と非道と残酷性が大手を振って目の前を歩く。それに憤るティーン・エイジャー。】
【大抵はささやかな不満を胸に抱いて、しかし日常の中にそれを忘れゆくのみ。けれどこの少女のように、時折立ち上がる者がいる。 ── 大抵は、手に入れてしまった異能がゆえに。】


「はーーー ……… 。 そういう顔されると、きつく言いにくくなるじゃない。もう、本当に。」


【目を伏せて、悲しそうな顔をされて、 ── いかにも何も考えず義憤で動いていた、なんて純粋な面構えをされたのなら、】
【女も言葉に困らずにはいられなかった。これが跳ねっ返りの罵詈雑言でも寄せてきたら、まだ冷たくあしらってやれたものを。】
【らしくない。ああらしくない。自分が誰かに説教するなんて。しかも歳下。自分の生きる道さえ儘ならぬというのに! ──けれど、目を開けて、ふたたび少女を見つめたのなら。】


「まず最初に。大前提として。」
「 ── それは勿論、結構なことよ。正しいことをしたい。誰かの力になりたい。身の程を知れなんて、 ── 言いたいけれど。あえて言わない。」
「人殺しではあるけれど、私もそう思ってない訳じゃないわ。誰だって、仰いで恥じぬ人生は送りたいものよ。」


【滔々と、言葉を紡ぎゆく。その声音は冷たいけれど、どこか静かな熱を秘めて、あるいはそれは優しさと呼ばれるべきだろうか。そっと、諭すように。】


「けれどそれにしたって遣り方というものがあるわ。何の繋がりもない孤独な人間が、一生のうちにできることの範囲。考えたことある?」
「ひとりで我武者羅に突っ走ったところで、何も変えられやしないわ。貴女に助けられた人は、感謝しているかも知れないけれど」
「それは、取り敢えずの解決になっただけ。 ── 貴女は、いつ死ぬかも分からないようなリスクを冒したっていうのに。」

「草の根活動大いに結構。けれど好き好んで選ぶならともかく、不要な孤独に意味はないわ。」
「もしも其の命を、少しでも大切に、効率よく、無駄のないように役立てたいなら ── "仲間"を求めなさい。」
「貴女を守ってくれる仲間。貴女を支えてくれる仲間。貴女が守れる、支えられる仲間。いいこと?」
444 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/12(火) 01:46:54.35 ID:R87VptH40
>>443
【彼女の言葉は、真摯なものだっただろう。ともすれば馬鹿にしているとも思われかねないような少女の動機を、理解してくれようとしてくれている】
【そして、その予想も、全く的外れなものではなく、"これ"を少女が続けていれば、そう遠くない内に命を落とすことになるだろう】
【彼女が気紛れを起こさなければ、それが今日だった可能性さえある】

【恐らくは少女自身も、酷くちぐはぐなことをしていると、自覚は有るのだろう】
【だから、何も言い返せずに、ただまごついているだけだ】
【それでも、女性は蹴り出したりはせずに、幼子を諭すような、言葉を重ねた】
【少女は静かな瞳で見上げたまま黙って聞き入っていたが――】

――そう、ですよね……

【それは正しいことだ、とそう言われた時だけ、少し安堵した顔を浮かべるのだった】
【もっとも、それ以外のことは間違いだらけだったのだろうけれど】

ちょっと、前まで……戦い方を、教えてくれる人が、いたんですけど……
死んじゃったので……

【ぽつりと呟くも、然したる悲しみも感じない、平静な声だった。話の腰を折ってはいけないと、それ以上のことは語らず】
【ただ真面目に、大真面目に続けられる言葉を聞く】
【確かな実感が篭っていた。この女性の、最初の印象からするならば、少々熱が入り過ぎているくらいに】
【恐らくは、少女の想像もつかないだろう人生を送って来ただろうこの人の心中は、測りようがない】
【でも、声には、確かな暖かみを感じて、それだけで、彼女の一面は、見えて来るだろう】

仲間――……

【一人であることの限界は、少女も常から思っていたことだ】
【路地裏で悪党を退治、なんて無謀な行動を取っていたのも、どうすれば良いのか誰にも聞けなかったからに他ならない】


私は――自分が正しいことをしてるのか、自信がなくて、分からないから……誰かを、こんなことに付き合わせて良いのかも


【分からない、と首を振る。残念なことに少女はどうしようもないくらいのコミュ障だった】
【守って、守られて――……孤独ではないと言うのは、それは素敵なことに思えるのだけど】
【同時に、酷く遠いことのように感じた】
【だからふと興味が沸いて、視線を合わせる】

あなたには――そういう仲間が、いるんですか?

【見るからに孤高のアウトローと、失礼ながら見えてしまう。彼女にも、背中を預けれるような相手がいるのだろうかと】
445 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/12(火) 02:02:35.39 ID:17QBQuse0
>>444


【果たして少女が素直であることは幸いだった。だれかの言葉を受け止めて、己れを顧みる事ができるのならば、行く道を変えることはそう難しくない。】
【少なくとも女はそうでなかった。よしんば誰かの言葉に耳を貸したとして、彼女は道を変えることはできなかった。それはひとつの呪いだった。】
【 ── およそ冷たい横顔をした彼女が、ずいぶんと入れ込んだ様子で言葉を綴るのは、叶えられない自分の夢を、少女に重ねているからだろうか?】


「 ── 師を亡くしたなら、自分を正しく思えないなら、尚のこと仲間を求めなさい。」
「背中を見てくれる戦友がいるなら、たとえ貴女が間違った道を進んだとして、きっと呼び止めて引き戻してくれるわ。」
「そしてまた、貴女が強くなるために手を貸してくれる。互いに磨き合い高め合うために、絶えぬ相互批判のサイクルを以て。」


【然し師匠を持っていたというのは女にとってやや驚くべきことだった。戦い方も ── これは戦術的なことに限らず ── 知らない少女は、孤独な想いを秘めていたのかと。】
【「師匠に見染められた命なんだから、もっと大切にしなさい。いいわね?」伸ばした掌で、宥めるように頭を撫でて。】
【 ── そうして、少女からの問いがあれば。どこか寂しそうに、言葉を零す。】


「探してるわ。ずっと。」「 ── けれど、私は所詮、飼い犬だから。」
「自分の首輪を外してくれる人間を、今は求めているの。」「手を汚すにしたって、自分の満足できる汚れ方であってほしいもの、よ。」


【女もまた孤独だった。孤独だからこそ、誰かに自分を重ねずにはいられなかった。これもまた彼女の悪癖であったけれど。】
446 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/12(火) 02:21:55.91 ID:R87VptH40
>>445
【彼女は自らを人殺しだと語り――事実目の前であっさりとチンピラを殺しているところも見ているのだが】
【不思議と、頭を撫でる手を恐ろしいとは思わなかった】
【酷く親身に――或いは自分を通して他の何かを見ているかのように、その声音は優しい】
【少女はようやく緊張を解いたように、クスリと笑った】

――何だか、師匠より、全然師匠らしいこと言ってます。

【女性の胸中の疑問を察した訳ではないのだろうけれど】
【少しぼんやりしたように、呟く】
【その師のことを、思い出しているのかも知れない】

【彼女のどこかやりきれない孤独さに、視線を細める】
【助けて貰ったのだから、何か力にもなりたいけれど、きっとそんな器ではなくて】

その……上手く言えないですけど、もしも私に出来ることが有ったら、私も手伝いますから……

【それを言うだけで精一杯だった】
【気が付けば、下のチンピラたちも諦めたのか、怒号らしきものも聞こえなくなってる】

ありがとうございました。何か少し気が楽になったって言うか……


【――少女はとても素直に、話を聞いた。その全てに納得できた】
【彼女の言うことは正しい。仲間を探して、背中を支え合って――それはとても理想的で】
【なら、次はきっと――――"次もきっと"】


そろそろ、行きます。
お礼、言いそびれちゃったけど、助けてくれてありがとうございました。

私だけ名乗っちゃいましたけど、あなたのお名前も、聞いて良いですか?
447 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/12(火) 02:48:22.77 ID:17QBQuse0
>>446

【柔らかい手のひらだった。それは女の元来のものではなくて、それどころか女の体に元来あったものなど殆どなくて、】
【 ── ほとんど全身を人工物に置き換えた義体(サイボーグ)であるのだけれど、それはきっと、言うべきことでもないだろう。】


「私の力になりたいなら、せめて無茶はしないで頂戴。何のために助けたか判らなくなるわ。」
「慕ってくれるなら結構なことだけれど ── 」「 …… ま、いいわ。」


【そのくらいしか願えることはなかった。他人に自分の願いを叶えてもらおうとは思わないタイプであるし、】
【万が一なにか叶えて欲しいことがあったとして、口にすれば無理をするタイプであるだろうと。だから命じたのは、「無理をするな」と。】
【 ── そしてまた、彼女のような優しい少女の目指すところは、きっと己れの目指すところとは食い違っている筈で。いずれは、銃口を向けることさえあるかもしれない。】
【けれど今ばかりは忘れようとした。そうして名前を問われたのなら、静かに唇を開き】


「アリア。」「アリア・ケーニギン=デァナハト。」
「また会いましょう、双葉。」「 ── 次はもう少し、危なげないようになっていなさい。」


【"次"が有りうる程度には、強くなっていろ、と。忠言のような、命令のような、警告のような。】
【ともあれ女は屋上に残り、2本目のシガレットに指を伸ばすだろう。 ── ほんの少しの微笑みで、双葉の背中を見送りながら。】


/こんなかんじで、いかが、でしょうか。
448 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/12(火) 03:07:56.94 ID:R87VptH40
>>447
【名を呼ばれると、嬉しそうに、はい、と返事をした】
【少女に取って、誰かと親しくなることはとても稀有なことだったのだ】
【複雑そうな女性の心中の懸念などきっと察してもいなくて】
【その身が機械の身体に置き換わっているのだと知れば、どんな顔をするのか分からないのだが――知らぬが仏】

また、会いましょう、アリアさん。

【少女は、自身も何かの能力を使ったのか、屋上からすいっと飛び降りて行った――】
【或いは、いずれ会う時に敵同士であったのだとしても、遠慮なく銃口を向けれる程度には、安心させられるような人間になりたいと思って】
【少し嬉しそうに、路地に着地する。表通りに出る前に、返り血を洗わなければいけないだろう】

〜♪

【何だか気分が軽かった。先の見えない状況が、少しは良くなったように思えて】
【彼女の言うように仲間を探すのは悪くないと思う】
【この国に来てから会ったのはほとんど悪い人だったけれど】
【倒れていた私を助けてくれた人や、仲良く話してくれた人もいて、今日もまた、助けられた】
【だから、きっと私のこんな酔狂でも付き合ってくれる人が――】


……声が、聞こえる。


【ふと、何もないところを見上げるように呟いた】
【立ち止まって、拳を握って、つい先程、心に刻んだはずの大切なことも頭に浮かばなくなって】


分かってる……正しいことを、しないと。


【そうして、誰かに背中を押されるように、誰かに腕を引かれるように、少女は再び路地裏へと消えて行った】
【屋上に残った彼女がそれを見ていたかは、定かではない――】


// お相手ありがとうございました!
449 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage]:2018/06/12(火) 03:09:37.48 ID:17QBQuse0
>>448
/絡みありがとうございました&おつかれさまでした!おやすみなさい…
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/12(火) 08:34:06.20 ID:7x3z8CkPo
>>438

【既に種は撒かれている──】
【ジルベールのその言葉に、円城の飄々とした表情に笑みが滲んだ】


──〈王〉の沈黙こそ、恐ろしいものはありませんね。


【これまで、世間の表層を掻き乱してきた〈黒幕〉の一連と比べれば】
【物静かとも言えた〈円卓〉ではあったが、それは決して停滞していた訳ではなく】
【ただ単に、闇の中で蠢く影であったからに過ぎない──ということを示していた】


……恐らくそう言ってくださると思って、
〈伯爵〉も既に絨毯を敷き始めています。

もたらされる結果は、シンプルです。
──金が動きます。それも複数の国にまたがって。

そして、彼らはきっと仕えるべき主のところへ集まるようになるでしょう。


【それは迂遠な言葉回しではあったが、新たな〈円卓〉の実相を表していた】

【即ち、水の国という枠を超えて、世界規模で金が〈王〉の元へ流れる機構】
【基本的な仕組みそのものは変わらない。ただその裾野に際限が無くなり、】
【管轄は完全に〈王〉へ移り、最早横領にしか余念の無い『議会派』の手が届くようなものではなくなる、ということ】

【その金の使途は、全て〈王〉の意志に委ねられる。本来のあるべき〈円卓〉の姿】


──なので私はこれからあちこちへ渡って、『外交』をしてきます。

〈伯爵〉に言わせれば、
近頃は『国防費』の使い方がなっていない国が多すぎるということで──
まずはそれらを『生きた金』にしてこい、と言われました。


【円城は決して言葉多くは語らなかったが、それもジルベール相手ゆえのこと】

【──要は、争いによって金を動かす】
【『戦争特需』が新たな〈円卓〉の源泉となる、ということは】
【最早わざわざ語るのも野暮に思われたのであった】


【──と、丁度そこまで語り終えたとき、彼の携帯端末が震えて】
【話の途中であったが、「ちょっと失礼します」と言ってそれを取った】

/↓
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/12(火) 08:34:56.84 ID:7x3z8CkPo


────え? 殺された? 〈大臣〉が?

ああ、はあ……そうですか……
どうすれば、って……知らないですよ、そんなこと。
あなた達の先生でしょう。しっかり見送ってあげればいいじゃないですか。

はい、はい、じゃあ、はい。


【何か端末の向こうで騒ぎ立ててくる声を平然と無視して、通話を切った】
【すみませんねぇ、と言いながら端末を袂にしまい込んで】

『議会派』の先生が一人、早速やられたみたいです。
それはどうでもいいんですけど、あまり時間がないのは確かなようでして──

【その言葉に追い打ちをかけるかのように、遠くで再びパトカーのサイレンが鳴った】
【そしてそれは、次第にこちらへ近付きつつあるようだった】
【円城は割れた窓の外を一瞥すると、小さく嘆息した】
【今宵は雨も追っ手も、止むことがないらしい】

──ああ、もう、言っちゃいますね。──やれやれ。

何ならご飯でもご馳走になろうかなと思って来たんですけど、
これじゃあおちおちお茶も飲んでられませんよ。

少しはリンドウさんの優雅さを見習っていただきたいものです──

【母親から急にお使いを頼まれた子供のような表情をして、円城はハットのずれを直した】
【そうしてやってきた伝書鳩は、また慌ただしく次の城へと羽ばたこうとするのである】
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/06/12(火) 08:44:27.77 ID:7x3z8CkPo
>>438
/お忙しい中あんまり拘束してしまうのもあれかなと思ったので、
/一方的に語るだけになってしまいましたがここで切れる感じにさせていただきますね。
/もちろんまだ何かもう一くだりありましたら喜んでお付き合いしたいので、置きの方で継続でも大丈夫です。おまかせしまーす。

/ひとまずお疲れさまでした! お付き合いありがとうございました!
453 :リベル=アシェル&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/12(火) 19:07:00.31 ID:dpi2SwAb0
>>433

{……本人なりに、何らかの勝算があってって事かしらね? ……にしても、とんでもない話だとは思うけど……}
<備えなり、保険なり――――あればいいんですが――――>

【直接的には知らない面々には、ただ推測だけでしゃべる事しかできない】
【伝え聞く天才の決断と言うならば、何らかの裏打ちあってのものだと信じたい――――感情的になっているという可能性が、どうしても排除できないのだが】
【もしも、これが滑るのなら――――その先には、今以上の絶望的な事態が待っているだけである】

<――――私1人だけの戦いなら、私だってそう思います。でも――――負けと言うのは、ただの数字じゃない
 私の負けは、誰かの終わりです。1つの負けが、何かを歪めるんです。――――そういう戦いに、私は足を踏み入れているんです――――ッ
 私には、たまたま『次』があるだけです。でもいずれ、「『終わり』としての『負け』」はちらつき始めます――――そんなもの、1つだって少ないに、越した事はない――――>

【あのアルターリの戦いで――――ラベンダァイスは「これ以上仲間を失うのは御免だ」と呻いていた】
【そして、誰も与り知らぬ事ではあるが――――担ぎ込まれた病院で、アルターリの全滅を耳にして、彼女は「らしくない」程に泣き叫んだ】
【ここはもう、根本的なスタンスの違い。そう言うしかないモノなのだろう。理解のその先を見据えるラベンダァイスのその瞳は、切迫している――――】

{――――なんとも、余裕のない話をしてるのねぇ。そんな事じゃ、1つ躓いただけで、ずるずる落ちていっちゃうわよ?
 『生きる』事、次に『負けない』事……『勝つ』事なんてのは、その次くらいよ……今の状況じゃね。そう考えなさいな、お二人さん?}

【ルヴァが、たまらず横やりを挟む。常に余裕を持て――――それは、彼女の戦闘における、否、それさえも越えた事物全般に対するスタンスだ】
【無論、状況次第の話ではあるが――――命よりも戦局よりも、勝つ事を最優先に考えなければならないほど、まだ追い詰められてはいないはずだと】

匙加減……ですよね。そこは……こんなの、私は……どうしても……
{まぁ、あたしもね。流石に情報戦なんて初めてで、どうしたものか……でも、逆に相手は緊密に連携をしてくる訳で……そこに、各個撃破される事は、御免被りたいわよねぇ……}
<私たちは、私たちの加減で動いてみます。少なくとも――――どこかから芋蔓に、なんて事はならないように、気は付けますが――――>

【メリットに対するデメリットとしては、どうしても秩序だった動きがやりにくいという事に尽きるだろう】
【敵は、物量と連携を以って攻めてくるのだ。個別の戦力に頼り切っていては、消耗戦の果てに各個撃破されてしまう】
【しかして、どこかに穴が開いたおかげで戦力がダウンするというのも、確かに難題だ――――そこは、完全に個人裁量で行くしかないのだろう】

{っ、もう接触した……!? 早いのね……でも、大して成果はなし、か……}
<――――問題ありません。全て砕き散らします。全て砕き散らします――――>
――――邪な信仰って、一番手ごわい敵なんですよね。本当に、命の全てを捧げる事に、何も躊躇しなくなってしまいますから……後は、実力以外の何も、介入の余地がなくなっちゃう……

【どうやら――――自分たちが情報面で遅れている間に、既に仲間たちの事態も動き始めているらしい】
【だが、さすがは『破壊的カルト教団』と言うべきか。戦力とは別の面においても、難敵と言う認識が全員に走る】
【殲滅――――それ以外には考えられない敵なのだと】

/次に安定して返せるのが、木曜日以降となりますので……場所に関しては、そちらにお任せしようかと……
454 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/12(火) 20:43:45.89 ID:R87VptH40
【夕暮れ、街中、歩道橋。歩く人の数もまばら】
【そのてっぺんの中央辺りで――行き交う車を眺めながら、転落防止の柵に上半身を預けて】
【煙草。吸っている男が居た、明らかなるマナー違反】

…………………………、

【タールばっかりきついだけの安物のそれを咥えながら、彼はスマホを弄っている】
【落ちる陽の橙を透かす銀の髪。それとは正反対に光を吸収するばっかりの褐色肌】
【逆光のために光を宿さない黄色い瞳は、だるそうにスマホの液晶を辿って――はあ、と溜息】
【何かを諦めたような顔をして、手にしていたそれを耳に当てる。何かしら聞こうとしているらしい】


【『――――こちらは留守番電話サービスセンターです。メッセージが一件、――――』】

【『………………もしもし、「兄さん」?』】


……………………――――にっが!!

【――何かを聞いた途端。彼はぎり、と煙草を噛み締めて。当然そんなことしたら、フィルターがぎゅってなる】
【おいしくもないはず。わかりきったことなのに、何故だかそうせずにはいられなかったらしい】
【味覚を襲うあまりの苦々しさに悲鳴をあげれば、咥えていたそれが落ちていく、あっやべっとか言っても遅い】
【思わず腕を伸ばしてキャッチしようとしたけど、届かない。放物線を描いて落ちる煙草、――誰か、見咎めるだろうか】
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/12(火) 20:54:50.71 ID:RoSbx1u4o
>>454

【──吹いた風の名を偶然と呼ぶのなら、導かれた二人の出会いまでもが奇跡になってしまうから】
【だからきっと彼女はこう言う。その風はきっと、導かれてここまで来たんだって】
【それを示すのは一葉の蝶、夜を溶かし込んだ翅に、星空の様な鱗粉を撒き散らす蝶】

【小さな掌で煙草を掴んだなら、薄く夕焼けを旋回して、虚空を紡いで、──まるで星座みたいな軌跡を映した】


危ないところでしたね、"偶然" 蝶が飛んでこなければ、火のついた煙草は地面に落下し
風に吹かれて近くの道路を歩いていた、マのつく自由業の皆様にぶつかるのです
そしてそのまま怒った彼らは貴方様を見つけになり、そしてそのまま山奥に哀れ埋められるのでしょう

──、つまり此処に "偶然" にも蝶を使役できる私が来た事は、一つの大きな奇跡なのです
そして結果的に命を救った恩人とも、言えるでしょう
一端の教育を受けた成人男性であるのなら、その恩人にすべき事など、分かっているでしょう?


【腰まである蒼銀色の長髪を大きく後ろで二つに結って、赤いリボンの着いた黒いケープを羽織る】
【ケープの下には黒いチョリ、下乳から鼠径部までを大きく露出し、黒いパレオで下半身を透かす】
【中東の踊り子の様な格好をした、黒と赤のオッドアイの褐色肌の少女が近くまで歩いてきて】

【蝶は彼女の近くまで来ると、強く羽ばたいて、煙草自体を粉微塵にかき消した】
【小柄な少女は上目に見上げる、どこか懐かしいオッドアイと】
【お臍の下あたりに刻み込まれた、黒い蛇のタトゥーが印象的であった】

456 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/12(火) 21:05:28.83 ID:R87VptH40
>>455

う゛ぇ、苦っ、あ゛〜〜〜〜……ン、ん?

【未だ舌を犯し続ける苦味に悶絶しながらも、瞳は疑問形に丸まって】
【橙の空を泳ぐものをぼうと眺め、それから――声の主を見た】
【瞳の色以外はわりと似たようなカラーリング、してるコだなあ。第一印象はそんなもの】

……ぷえ、んん……イエ、あの、ハイ……そのとーりです、ハイ。
偶然が命を助けてくれることってあるよネ、いやーほんと、感謝しなきゃだナー。
ハイ、なのでハイ……アリガトーゴザイマス。そして処理まですんませんでした。

【へたくそな敬語。使わなきゃいけない気がした、それで情けなく背を折って】
【もう一度上げたときには相当な高さに頭がある。190センチとちょっと、少女とどのくらい差があるだろうか】
【じっと見下ろす少女の姿、……けしてやましい意図はなかったけど】
【こうも肌が露出されてたんなら仕方ないじゃない。仕方ないよネ、そんな感じで】

…………寒くない? この季節とはいえ夕方は冷えるよ、
オンナノコってお腹冷やしたらダメなんでしょ。あとそれ、隠さなくてイイの?

【とんとん。スマホを持ってない方の手で自身の下腹部を指差して】
【さすがに少女のそれを直接指差すことは躊躇われたらしい。それで、首を傾げる】
【「それ」とは多分タトゥーのことを指しているんだろう。魅せるタイプのヤツなのか、って訊いて】
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/12(火) 21:20:01.35 ID:RoSbx1u4o
>>456

【──首を上げるのも疲れますね、なんて言いそうなぐらいの身長、平均よりやや小柄な心地】
【落ち着いた表情は瀟洒な雰囲気を強め、彼女の凛とした様相を確かに伝える】
【長いまつ毛が透かす大きな瞳、見つめられたら思わずたじろいでしまいそうな】


要求した訳じゃないですけど、感謝されるのは心地の良いものです。何なら特別にもう一度、頭を下げても良いのですよ
大きな殿方が謙る姿は、こう見てて気持ちがいいと言いますか、嗜虐心を擽ると言いますか
──、何かしらの特別な優越感を私に齎します。どうしてでしょうね


【頬に浮かぶ僅かな彩り。それは何処か加虐心に満ちた表情の様で】
【続く貴方の言葉に呼吸をするみたいに、目蓋を一度二度と閉じて瞬きをして】
【これですか、と自身の指先でタトゥーをなぞる。その刻まれた紋様を確かめる様に】

【──暗闇で貴方の体の輪郭を、まさぐる様な、そんな淫らな手つきだったとは、言わないけども】


砂漠の夜と比べたなら、この程度寒い内に入りません。私にとってはお風呂と相違ない環境でして
之ぐらいで冷えるのならその程度の身体と言ったまでのこと、そんな柔な鍛え方はしていません
それに、タトゥーとは見せるもの。刻んだ模様を隠すなど、最初から刻まれなければ良いのです


【ピシャリと言い放つ。怜悧な双眸が貴方を捉えて静かに閉じた】
【どうやら『砂の国』出身なのだろう、格好と言葉は、その通りを伝えてきて】
【──、ぴゅうと夜風が吹いたなら、小さく身震いして、着ているケープを見に寄せる】
458 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/12(火) 21:33:25.89 ID:R87VptH40
>>457

【瞳の大きさ、……というか色合い。それになんだか心が揺らされるような気がした】
【「あのコ」とは左右逆みたいだったけど。それでもこの鮮やかさ、似てるから】
【ちょっと前に見た夢のことを思い出して――ぞ、と。ロールアップで晒した踝のあたりに鳥肌が立つ】

……それはキミがそーいうシュミだからなんじゃないかなア?
おれとしてはこう逆に、ちっちゃいコにアタマ撫でてもらうみたいな。
そーいうのスキよ、なんかこー逆転したみたいなカンジになって。どう、やってみない?

【それは無視することにして。言われた通りに頭を下げてしまうのだ、ばかみたいなこの男は】
【そうして「今ならおさわり無料だヨ」とかなんとか言って、頭、撫でさせようとしてくる】
【無論放置してやってもいい。そうしたら数秒、頭を下げたままの間抜けな姿勢で固まって――あきらめて戻ってくる】

ウッソだあ〜今震えたの、オニーサンは見逃しませんでした!
ってことでハイ! これ着なさい! 強がりはダメ!

……ふうんそう。オシャレで入れてんの?
それにしてはセンス、……もっと可愛い柄入れればいいのに。

【ばっと自分のジャケットを脱いで、少女の肩に掛けて(確定描写)袖をぐるっと巻いて、結んでしまう】
【そうしたら逆に、暑くすらなるかもしれない。あと煙草臭い。文句言っても、いいですよ】
【それからあと、タトゥーの話題。センスのことを自分が言うのもなんだと思ったんだろうか】
【ちょっと言葉を濁してから――それでも、「蛇はそんなに可愛くないんじゃないかナ」みたいな】
【ニュアンスで言う。「せっかくなら蝶々とか入れればよかったんじゃねーの、さっきのキレーなヤツみたいな」】
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/12(火) 21:46:25.30 ID:RoSbx1u4o
>>458

【彼女は夜と戯れるみたいに手を伸ばして、貴方の髪を一葉掬うだろう】
【指先が毛先から根元へと、つむじの辺りまで落ちたならそこをぐりぐり】
【──、悪戯っ子な笑みを表層に浮かべて、小さく目元を綻ばせたなら】

【それでおしまい。彼女の微笑みは、本当に微かだから】


似た色の髪をされてますね。きらきらとした色合いが、とても私のものと近いです
私の方が綺麗だと思いますけど、それに染めた痕跡もありませんし
──それと遠回しに私の身長を馬鹿にするのは止めてください、小柄な方がエネルギー効率が良いので、過酷な環境に適しているのです


【です。──と言って、じとーっと拗ねたような目線を向けるだろう。冷たい】
【茫漠の砂漠に浮かぶ一陣のオアシスみたいで、潤いに満ちた瞳の色合いは鮮やか】
【砂糖菓子にも似た淡い褐色の肌と合わせて、ミステリアスな魅力を醸し出すのだから】


っ……!! やです、これ、タバコ臭いし……それに、この生地、そんな高いやつじゃないですよね
天然素材じゃないと肌に合わないんです……っ、ああ、もう! 固結びしてますよね! 取れない……しぃ
……はぁ、もういいです、寒くなんかないですけど、ないですけどっ

──そんなものです、それに蝶なら、見飽きる位には出せますし
それに自分の能力をアピールするとかバカのする事じゃないですか? どれだけ自分好きなのでしょう


【──少しジャケットは嫌がったが、観念して、きゅうと包まれる姿は借りてきた猫みたいに】
【続く言葉には刺があるけど、そんな能力を使ったのはどっちだろうか】
460 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/06/12(火) 22:06:10.82 ID:UegwfvWo0
>>453

【チェスのようにゲームはターンを繰り返す。事態は急転して、沈黙し、また大きく動いては…そんな攻防が続いている】
【麻季音打った言っては何処かでまた大きく動くきっかけになるかもしれない。同時に息の詰まる沈黙がまた訪れる】
【黒幕との戦いは機関や他の今までの相手とは何もかもが違っているような気がした】

俺には誰かに差し伸べられる腕は2本しか無い。神と違って万能じゃない。それでも、仲間ごと世界を救おうなんて思ってるんだ。
…ルヴァ、心配しないでくれ。俺は十分ポジティブさ。…思いつめるほど若くないからね。ペシミストだって明日は晴れてほしいと思うもんだ
だが、俺はこうも思うんだ―――

ジャスタファッキンドゥイットナゥ。俺は死ぬつもりで生きてるんだ。そればかりは誰にも邪魔されたくないね。俺だけのもんだ。

【彼は半笑いでそう言い切った。ルヴァの仲裁の言葉も、場をなだめる言葉も。生きることが大切だなんて根本の話をぶった切った】
【彼もラベンダァイスにはそう言って宥めたが、自分はそんなこと、そんな生き方考えるのも嫌だった。今死んでもいいと思える生き方だけしていたい】
【だからこそ、今は死ぬわけにいかなかった。死にきれない。こんな世界で世界を終わらせる訳にはいかない】

さあもう、こんな話はやめよう。好き勝手、戦って生きるなり死ぬなりすればいい。ただ、仲間と世界は救ってもらう…それだけさ

【彼は話の句読点のように手を叩いた。自分勝手でマイペースなやつがこの組織の中枢に居たから…と考えたくもなるが】
【それはそれだと信じてもらいたい。人間性ってのは組織にはあまり関与しないものだ】

このやり方は古いゲリラ組織がやっていたっていうシステムなんだ。“黒幕”に対して好意的なものもいれば否定的なものも居る
特に異能者は。…そいつらを引き込んで、組織を拡大していく。そのつもりだったんだが…といったところもある

…奴らの活動が激しい地域に行ってみたら、うまいこと…な。信者として潜入するのがもっとも良さそうだが…生憎、俺は面が割れちまった。
……嫌な夢まで見ちまったよ。とにかく、単に拉致されてるから連れ出せばいいってわけでもないようだ

そこで…いま現状をどうにかするには、現状をうまく利用する他ない。…例えば、奴ら同士に潰し合いしてもらうとかな
ほっといてもサーペントカルトと黒幕は衝突し合う。それを利用したい

【だが、具体的なプランがない。彼はそう断言し、なにか無いかと仰いだ】


/了解いたしました!自分は多分お返しできるのが金曜になるかと…
/このまま本スレにてゆっくり進行で行きたいと思いますのでよろしくおねがいします!
461 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/12(火) 22:09:36.26 ID:R87VptH40
>>459

あっ、あ゛〜そこそこ、あ〜丁度いい、あ゛ァ〜〜〜〜……
……イヤ嘘です調子乗りました。すんません。
いやでも撫でて貰えたのはウレシかったです、ハイ。

……そーねえ、肌の色も似てるし。ハタから見たら兄妹に見えっかもネ?

【悪ふざけ――するのも怒られる寸前でやめて。ぐしゃぐしゃになった頭、元に戻したときには】
【もう少女の表情のほころびも見えなくなってしまったろうか。肝心なところ、逃してばっかり】
【それでカラーリングについて言及されたなら、そんなこと言うけど。嫌がられるだろうか】
【男はわはは、と楽しそうに笑うけど。「バカになんかしてないよお」、言いながら、少女の頭も撫でようとして】

えーっそんな敏感肌なら先に言ってくれるぅ?
ていうか敏感肌ならなおさら露出なんかすんなってハナシじゃん。
あーはいはい、今日は暑ぅゴザイマスねえ暑い暑〜い。

えーいいじゃんアピール。わかりやすいのイイことじゃん、逆よかぜんぜんイイっしょ。
……てゆーかなんで蛇選んだの? つよそうだから?

【からかうみたいに言いながら、結んだ袖のさきっぽをびよんびよんさせて。完全に遊んでる】
【男の中での蛇のイメージは「つよそう」であるらしい。単純。……他にないわけではなかったけど】
【あんまり、いい思い出がなかったので。それくらいに留めておいて――でもやっぱり気になるみたい】
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/12(火) 22:23:57.55 ID:RoSbx1u4o
>>461

【ピシャリと拒否するかと思いきや、案外素直に頭を撫でられるだろう】
【複雑な表情をしている、嬉しそうな表情を飴細工で塗り隠したような、そんな】
【大人だから、お姉ちゃんだから、そう言って子供っぽい楽しみを我慢するような、色合い】


えっ、嫌です。貴方様を兄に持つなど私の望むところではありませんし、そう思われるのも沽券に関わります
……まぁ、私に兄弟はいませんから、いたとしたら、案外兄を持つ心地など、こんなものかもしれませんが
──でも、なんか、こんなちゃらちゃらした兄は嫌です、兄替わりの方は沢山いましたが

もっと逞しかったです、皆様


【兄替わりの人、と少し変わったフレーズを投げかける。音階から違う曲に似ていて】
【異国情緒溢れる旋律は誰かの耳に止まるには十分だから、そんな様相】


っ──!! いいじゃないですか! 私がどんな格好してもっ! 可愛いデザインの服ぐらい、好きに着たいですしっ!
それにこの格好は、私の部族で用いられてる服装なんですから……っ、まぁ露出は激しいですけど
でもそんな夜鷹みたいに好き勝手さらけ出してないです、胸の谷間とかもちゃんと見えませんし

──、ああ、えっと──そんな感じですね
私の部族、ミルドラ族にとって、蛇は神聖な神の象徴ですから


【谷間は見えないけど下乳は見えます】
463 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/12(火) 22:37:58.21 ID:R87VptH40
>>462

【ハネっ返りの妹には慣れている。慣れてるから、微妙な顔されても何も言わない】
【むしろそれすら楽しんでいる節があった。筋張った大きな手で、二度三度】
【ゆるく撫でたらそれで終わり。仕上げに毛並みを整えてやるのも忘れない】
【そこを怠るとメチャクチャに怒られるのも知っているから。「妹」に何度もそうされた】

えっそこまで言う? わりと傷付く。
おれこれでもちょっと前まではみんなの頼れるオニーサンやってたんだよ?
こうさー、ちびっ子が周りにいっぱいいてさー、みんなおれのこと、……、……

【そういうこと言ってたら、急に黙ってしまった。飛行機がエアポケットに入ってしまった、みたいな】
【急落するテンション。何か楽しくないコトでも思い出してしまったらしい。……振り切るように、かぶりを振って】

タニマなくてもオナカ丸出しじゃん。ダメだよーオンナノコのオナカ大切よ?
露出低くてもかわいー格好いっぱいあるじゃんね、こう、ふわふわーっとしたやつとか……

部族ねー、タイヘンそーだよねそーいうの。シキタリとかあんでしょ?
へーそう、そんで、ミルドラ……、……ミルドラ?

【――――そのワードで急に、何か思い当たる節でもあるみたいな顔をした、は、と息を呑むような】
【ミルドラ。何度か復唱して、それで――神聖な神。そのあたりも復唱、し直して】

……蛇の神様。そうなの、へえ、……それはどんな神様なの?

【「たとえばどんな、願い事を叶えてくれるタイプ?」 ――急に真面目くさった顔をして、聞き始めるから】
【それまでとのギャップに少しばかりは吃驚する、だろうか。いうてそこまで難しいことは、言ってないけど】
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/12(火) 22:55:58.88 ID:RoSbx1u4o
>>463

【──、内心この人慣れてるな、なんて思ってる。優男然とした風貌から、チャラ男かなと思ったり】
【そう思ったなら急に真剣な表情をするからタチが悪い、彼女は一端の少女なりの感性を持つから】
【その横顔に何も靡かないと言えば、嘘になる】


──もう少し撫でてくださっても良いのに


【なんて言うのもきっと、小さくて聞こえなかったら良かったのに】


頼れるお兄さんというのは、砂漠に住む巨大なサンドウォームを一人で倒す勇者の事を指します
私の部族にも伝説の男として伝わってました、名前は──少し思い出せませんが

しきたりは勿論ありましたけど、私はそこまで悪いものとは思ってません
砂漠の過酷な環境を乗り越える仲間でしたから──家族の様に深い絆で結ばれていました

蛇の神様と言っても、私達の集落の側に大きな川が流れていて、それを見立てたのが始まりです
豊かさや豊穣の象徴です。──それが、何か?


【不思議そうに視線を向ける、宗教や信仰に興味がありそうな相手では無いように見えたから】
465 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/12(火) 23:07:14.58 ID:R87VptH40
>>464

エッなに!? 聞こえなかったナーーーーーもっかい言ってほしンだけど!?!?!?

【突発性ラノベ主人公性難聴。……というわけでもなかろう、きっと聞こえている】
【だけどわざわざ聞こえなかったふりをしてもう一回言わせようとしているのだ】
【ほっといたら「もーいっかい! もーいっかい!」みたいなコールが始まることだろう】
【無視していてもいいけれど。勝手にじゃれついてくるからうざったいことこの上ない】

サンドウォームかぁ〜実物みたことねーからなんとも言えねーけど
たぶん牛? 牛くらいのおっきさだったらおれでもイケると思うんだけどどう?
それじゃダメ? ダメならそーだな……カピバラ。カピバラサイズならイケると思う。

……そう、川。ゆたかな川、……コワい神様ではないわけね、ならいいの。

【ふざけたかと思えば急に真面目っぽくなったり(当社比)、あんまり安定しない男であったが】
【彼女らが信仰する神が、邪なものではないとわかったなら。安心したように息を吐いて】

……ンにしてもいいネ、そーいう家族? じゃないけど家族、みたいなコミュニティ。
でも今おじょーちゃんが此処に居るってことは、ヒトリダチしてきたってコトでしょ?
寂しくない? 故郷帰りたいとか思わない? それかもう此処で――あたらしい家族、できた?

【そう、訊いてくる。穏やかな顔をしていた、兄らしい顔つきをして】
【それでもう一回、ゆるやかな速度で手を伸ばして――また頭を撫でようとする。なんにも言われなくても、だ】
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/12(火) 23:16:36.33 ID:RoSbx1u4o
>>465
/すいません! ちょっと体調が優れないので置きレス移行しても宜しいですか?
/折角なのにごめんなさい……
467 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/12(火) 23:23:22.79 ID:R87VptH40
>>466
//それでも大丈夫ですし、次で〆ようかなーとかも思ってました!
//なんでここで適当に自己紹介してお別れした感じでも大丈夫ですよっ、おだいじになさいませ!
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/13(水) 16:59:55.25 ID:3a96pf4U0
【蛇教――本部施設内部】
【夕方の時間だった、それでも窓のない廊下では明かりは常に一定で、時間間隔を狂わせるよう】
【硬い床に硬い壁、足音は向こう側のどこまでも反響していくような場所。――だったから、きっと、その音も目立っていた】

――――けほっ、ぇ゛っ、えほ――、っ、け、ふ、

【――咽るような咳込むような声。それでいて不自然に力の入った、あるいは、不自然に力の入らないようなやり方、上手にできない理由があるかのように】
【誰かが通りがかるでもすればあんまりにあっさり見つけるのだろう、その人物。――少女であった。反省の芸をする猿みたいなポーズ、壁に手をついたなら】
【けほけほ不自然な咳をまだ繰り返していた。――そうしていくらか後、きっと何にも状況は改善していないんだけれど、無理やりに息を呑むのだろう、呼吸は整わないまま】

【――――ゆっくりゆっくり歩いて行こうとする足取り。苦し気に細めた目に浮かんだ涙を拭って捨てる、口元を服の襟元で拭ってたなら、歩く姿だけは、繕って】

【薄く透き通るウィステリアのロングヘアが少し乱れていた、真っ白な顔も普段よりも蒼褪めて見えたのに、鮮やかなマゼンタ色の瞳はぎらぎら輝くように見え】
【身体を締め付けないシルエットのワンピース。わずかに青みすら感じさせるほどに白い布地。限界まで晒された真っ白な素足には、けれど、いくつか治療中の痕跡があり】
【その左手には生きているかと思うほどに精巧に刻まれた蛇の入れ墨――17歳ほどの少女だった。そしてこの場所においては幹部の一人、であり。ならば余計に目立ってしまう】

――――――――、けふっっ、――っく、

【――本当は、しばらく前からこうだった。少し歩くごとに咳込んで止まるから、繕った歩き姿、しゃんとしたのが嘘だとすぐにばれてしまう、様相】
【はあ――と荒い息を吐くんだけれど、何か状況が変わるわけでもなくて。――真っ青な顔を携えて、けれど歩いていこうとする先は、きっと、神に祈るための部屋の一つであり】
【行動そのものは日常的な。けれど状況があまりに特殊な。――その人物が何日か帰ってこなかったとか噂になっている"幹部"であったなら、もっと、もっと、余計に】
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/13(水) 18:37:52.49 ID:3a96pf4U0
>>468
/1時間ほど離席しますが、その以降は日付変わるころまでのんびりお待ちしてますっ
470 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/14(木) 08:29:00.47 ID:W85h8sPE0
【繁華街――路地裏】

ひい、ふう、みい、よ……なんだ結構少ないんじゃん。
もーちょっと数増やせない? 表で見繕ってきてさあ……はあ?
「多すぎても一遍に運べない」? ばあか、もう一台車調達してくればいいでしょ。

【絶えず何かしら働き続ける、何人かの大人。それに声をかけているのは】
【少年だった、金髪碧眼――ビスクドールめいて美しい、つくりもののような顔をした彼】
【暑かろうに、灰色のブレザー制服。インナーはハイネックのシャツ、ショートパンツの下は黒いタイツ】
【手元は白絹の手袋。足元は高い高いヒールの靴。徹底的に、顔意外の肌を隠すような恰好をして】

てゆーかさあ、これ、本来ならボクの仕事じゃないんだから。
オマエらのほうが慣れてんでしょ? だったら何でも自分で判断してやれよ。
……はあ、「ムリフェン」のやつ。大事なときに死にかけて、このボクに迷惑かけやがって――

――――――そのまま死んじゃえばよかったんだ。ね、オマエらもそう思うでしょ?

【あはははは、と、無邪気な笑い声。それに何かを返す人は、誰もいなかった】
【大人たちは皆、ナニカの入った――寝袋みたいなモノを抱えて、スモーク張りの車へ運ぶ作業を続けている】
【時折その袋はもがくように蠢いていた。ならばその中身はイキモノであると、すぐわかる】

【――――気付く人がいるかもしれない。最近になって活動を活発化させ始めたカルト宗教】
【「サーペント・カルト」。そいつらが、「生贄集め」と称して、生きた人間を何人も、何人も誘拐している、ということ】
【それならこの少年も、そのカルトの一員であるのかもしれないけど。……こんな、幼い、少年が?】


//朝にちょっと余裕があったので投下してみたなどと供述しており
//次のお返しは夜になります+日付変わるころに持ち越しをお願いすることになりますが、よろしければ遊んでやってください
471 : ◆chzGJBqQ0hns [sage saga]:2018/06/14(木) 12:53:12.86 ID:cmEZoh4E0
>>470

一般人の目撃情報を聞いて来てみれば……
全く……生贄を集めるのはもっと慎重にやれ。
どこのどいつだ?面倒だが注意してやらねば……

【苛立つように独り言をつぶやきながら、路地裏に現れたのは橙色の瞳に鳶色の髪の毛を持つ20代後半の男】
【中世の修道士のようなゆったりした薄茶色のローブを身に纏い、顎の下あたりには「蛇の刺青」が彫られている】
【男の歩く後からは、全長5mはある”大蛇の骨”がまるで生きているかのように肢体をくねらせながらついてきている】

さて、誰が指揮をしている?

【男が見渡すと、作業する者たちの中でどうしても目立っている”美しい少年”に気が付く】
【そして、少年の発する言葉を聞くと、男の顔色が変わった】

【すべてを聞き取ることは出来なかったが、確かに彼は言ったのだ】
【“「ムリフェン」のやつ”――と】
【最高幹部であるオフィウクスの称号がひとつ、ムリフェン】
【それを呼び捨てに出来るような立場、そして少年の纏う常ならぬ雰囲気――】
【男の頭は急速回転し――次の瞬間には地面に片膝をつけて頭を下げる姿勢をとっていた】

お勤めの途中に大変なご無礼を!……オフィウクス様とお見受け致します。
私はツァルエル・アーツバニスト。サーバントとして教団の末席を汚させて頂いております。
ここでお会いできたのも何かのご縁。私に出来ることがあれば何なりとお申し付けください。

【恭しく礼をしながら、少年を見上げた】
472 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/14(木) 18:59:19.15 ID:W85h8sPE0
>>471

【ツァルエルの言う通り。その手口はあまりにも杜撰であった】
【本職である「ムリフェン」のそれとは及びもつかないほどに。けれど仕方ないとも言える、かもしれない】
【少年の、教団内における役割は「修行の監督」だったから。監督、すなわち見守ることだけ】
【実質自分で何かをやったことはない。見守るだけの簡単なお仕事しかやったことないから、実働は不得意なのだ】

【――――「あァ?」 苛立ち交じり、鬱陶しげに片側の髪をかき上げて、耳を晒し】
【振り向きざまにツァルエルを見る、というか睨み付ける。しかしその喉元にある蛇の印を見て】


……、……へえ、ツァルエルさん! あなたとっても頭がいいんだね。
そうだよ、ボク、オフィウクス。“サビク”だよ――――ウリューって呼んでくれても、いいけど。

【次の瞬間には愛らしく笑いかけた。ずっとお留守番していて、やっと帰ってきた親を迎えるような】
【心からの歓迎を示す笑みだった。けれどすぐ気づくことだろう、その笑みの裏、嫌な予感しか漂わせていないこと】

できること? そうだな、あのね……今これ、やってることをお手伝いしてほしいなあ。
知ってる? 「ムリフェン」、ひどい怪我をして帰ってきたの――かわいそう、あんな、ボロボロになって……

……いけないいけない。それどころじゃなかったね、それで、ボクがムリフェンのお仕事の代行をしてるんだけど。
見ての通り……あんまり上手くできなくって。すごいよね、ムリフェン。いつもどうやってたんだろうって思う。
あっまたお話が飛んじゃった! いけないいけない、それで、ボクどうしても「こういう」のって、苦手で――――

【白々しい小芝居。「死んじゃえばいい」なんて笑い飛ばしたムリフェンのことを語るとき、瞳に涙を浮かばせて】
【それを拭い去って、いかにも悲しみに負けず頑張ってます! みたいなアピール。したあとに】
【困ったような、心苦しいみたいな、そんな顔をして上目遣いにツァルエルを見上げる、見上げるというか――】


――――――ね、ツァルエルさん。ツァルエルさんはボクなんかよりずっと頭いいから、
もっと、うまく、――――やれるよね?

大丈夫だよ、全部丸投げする、なんてことはしないから。「ちゃんと」「見てる」から、――――ね?


【――――言外に、言っている。尻拭いをしろ。ここから先はお前がやれ。そこで誰かに見つかって騒ぎになったなら】
【オマエが、すべての罪を被れ。ボクの名を、穢すな。――――そんな「命令」だ、「お願い」などではなく】


【――――サビク。少年、破崎雨竜は。自分の手で何かをしたことはなかったが】
【その代わり――「自分の手を汚さずに“やる”」こと、だけにおいては。天賦の才があった】
【監督官――こんなに幼い少年でもできる最低限のことがそれだったから。その役が与えられた、とも言うけれど】
【たとえば、修行の手順を信者たちに伝えるとき。「こうしたらいいと思うんだけど」「つまりこういうことだと思わない?」って】
【そういったアドバイスめいた言い方をして――――必ずしも、直接「こうしろ」とは言わないのだ】

【そうして。誰にも穢されぬ聖域でひとり、美しく笑い続けているのがこの少年。“サビク”であった、けど――――】
473 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/06/14(木) 19:43:46.36 ID:mCsX3gsio
【裏町】

【先ほどから続いていた明らかな戦闘音と、その後の絶叫や呻きは間違いなく響き渡っているはずだが】
【外に出てきたり、通報したりしようとする者はいなかった。住民たちは知っている。治安の悪い裏町で、余計なことに関われば死ぬのみだと】


【苦鳴の主は、汚れた地面に倒れ伏す5人の男たちだった。程度の差はあれ屈強な体格をしていることと】
【その身体のどこかに蛇のタトゥーが刻まれていることが、彼らの共通点だった】

【そのうちの一人、四肢を銃で撃ち抜かれて血を流す男の右腕の銃創を、残虐にも黒いゴム長靴を履いた足で、容赦なく踏みにじっている男がいた】
【身長2メートルを軽く超えているだろう大男だ。薄汚れた灰色の作業着と黒いラバー地のエプロン。角ばった顔つきに短い黒髪。右顔面に皮膚が引き攣ったような醜い傷跡】

【昏い光を湛えた黒い瞳の両目の上には、額を埋める第三の目が存在していた】
【そんな異形の男は、強い口調で踏みつけている男に何かを問い質しているようだったが。やがて男が動かなくなると溜息を共に足を離した】


――――ダメだ。くたばった。スカーベッジ、ポイゾニック、そっちはどうだ?

「すいやせん、こっちもダメですぜ……指や耳を切り落とそうが、目を抉ろうが、ワイヤーで締め上げようが、まるで吐きやしませんで……」
『こっちもダメです……どれだけ毒浴びせても、神様の名前だか何だか似たようなことばかり繰り返して。自白剤、使いきっちゃいましたよ……』

【大男の声に答えたのは、その背後でそれぞれ二人の男を痛めつけていた者たちだった】
【一人は、両耳と口元、唇から覗く舌の外周とあちこちに鉛色のピアスを付けた男だ。カーキ色のジャケットの上に黒いベストを着用し】
【迷彩柄のズボンと黒い軍用ブーツを着用している。その手に握った血塗れのナイフが、後ろで死んでいる男たちの身体を削いでいたのだろう】

【もう一人は、地味な黒スーツに革靴、細いフレームの茶色の眼鏡。髪を丁寧に撫で付けた、ビジネスマン風の男】
【その姿にアンバランスなことに、腰には赤い刀身の蛮刀を吊り下げており。手には空になった注射器を握っていた】
【彼のそばで事切れている男たちは、双方とも見えている皮膚が全て無惨に赤く爛れており、身体の至るところに注射痕があった】

……3グループを襲撃し、17人も責め殺したというのに、未だ有益な情報はほぼなしか
下っ端信者には何も知らされていないのか、連中の狂信の成せる業か、その両方か……いずれにせよ、このまま続けていてもあまり効果はなさそうだな

『割と強いですしね、この人たち!! 暗闇でも平気でこっち見つけてくるし、いきなり身体硬くなるし、変な蛇出してくるし!!』
『この前襲ったグループの人なんて、僕の腕握り潰してきましたもんね!! 死ぬほど痛かったですよ!!』

「ボスのお力がなけりゃお前、本来ならまだ病院のベッドだぞ……」
「ともあれ、埒が明きませんなあぁ。こりゃ連中がでかい動きをするまで待ち構えるしかないんじゃ?」

消極的だが、致し方ないか。彼奴等の口ぶりだと、どのみちこのままチマチマと拉致を繰り返すだけには終わらんだろうからな

【言いつつ、大男は殺害した5人から少しずつ死肉を切り取り、1個1個口に放り込んで味わった】

……やはり不味い。修行と称して己を痛めつけるような奴らの肉だ、わかってはいたがそれにしても不味い……
『黒幕』どもといい、蛇教どもといい、こうも敵の肉が不味いものばかりだと気が滅入る……
ああ、アーディンに頼んだら、ちょっとだけでもシャッテンの肉をかじらせてくれないだろうか……

『頼んだ時点でぶっ飛ばされるんじゃないですかね!』「仕置きの猫又のパンチ食らったら、流石のボスもだいぶきついでしょうなあぁ」

……ああ、美味い肉が食いたい。蛇教に肉の柔らかそうな若い女でもいれば、少しはやる気も出そうなんだがな……
いや、この際男でも若ければいい。10代の肉が食いたい……。ステーキにしたい……ハンバーグでもいい……

【くだらない問答の間にも、男たちは動き続けていた。殺害した5人の死体を、彼らが乗ってきたらしい車両に手早く放り込むと】
【ピアス男が慣れた手つきでガソリンを漏れ出させて火をつけた。たちまち、車が爆発炎上する】

【それを尻目に、3人の悪漢はその場を立ち去ろうとする。今誰かが来れば、間違いなく目に入るだろう】
474 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/14(木) 19:46:37.46 ID:X2wjYcCY0
>>472

お目にかかる事が出来て光栄です。サビク様
いえ、私ごときが御名を直接口にすることなど恐れ多いこと。とても出来ませぬ。

【少年は微笑んだ。恐ろしい笑みだ―――】
【年相応の無邪気さと残虐さを含み、不相応の圧力までも包括した笑みだと、ツァルエルは思った】
【背筋を寒気が襲うが―――表面上はあくまで冷静に、続ける】

お恥ずかしながら、ムリフェン様に拝謁したことはございません。
我らの中でもオフィウクス様方の情報は秘中の秘……しかし案ずることは無いでしょう。
怪我など、些細なことのはず

【幹部への絶対的な忠誠と信頼。それはサーバントにとって必須だ】
【まるで同じ次元にいるかのように怪我を心配をするなど、あまりに無礼】

【そして、少年からの「お願い」という体をとった「命令」】
【他の信者なら最悪な状況かもしれない。失敗したらどうなるか分からないのだから】
【しかしツァルエルにとっては、チャンスであったようで――】

勿体無きお言葉。私に任せて、見ていただけるとは……身に余る誉れにございます。
このツァルエル・アーツバニスト、全力でお役目を全う致します。

【ツァルエルが"表の世界"で支配する慈善団体"アーツバニスト財団"は、孤児や身寄りのない病人を幅広く受け入れる孤児院や病院を経営している】
【裏では患者を死んだと装って"生贄"を大量に確保し―――資金面でも教団に多大に貢献】
【圧倒的な物量を以て、一般信者の中では先祖代々高い地位を得てきた】
【尤も、この少年は他人への興味より自分、というタイプに見える為、知らない可能性は十分にあるが】

ああ、その前に。一般人に見られるという失態を犯したこの者たちを処分してもよろしいでしょうか?

【ギラリと、侮蔑の目を隠さずに作業をしていた男たちを見渡した】
475 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/14(木) 20:19:36.97 ID:W85h8sPE0
>>474

そう? でもムリフェン、すっごくひどい怪我してて……今もまだ回復できてないんだよ?
かわいそうじゃない、そんなの、すっごく綺麗な女の子なんだよ、ムリフェンは。
なのにあんなズタズタに、ボロボロに、され、っ、て……

【俯く。さらさらの髪が下に零れていく。シルクに覆われた両の手のひらで、顔を覆い隠して】
【思わず抑えきれない泣き声――――なんかじゃ、ない。思い出し笑いをしている、確実に】
【どうやら“サビク”は“ムリフェン”のこと、個人的に気に入ってないようだった】
【だから瀕死の状態で帰ってきたと聞いたとき――腹を抱えて笑ったのだけど。それは今はどうでもいいこと】

【ただ――――組織としての「サーペント・カルト」、それを治める幹部同士の仲がこの有様では】
【サーバントであるツァルエルたちに、どんな影響を与えるだろう。そこまで考えが回っていない、らしい】

【しばらくして。顔を上げた少年は、ツァルエルの自信に満ちた顔を見て】
【「へえ」と言って――また笑った。上手くやれるんならそれに越したことはない、そう語るように】


うん。全部全部お任せするよ、ツァルエルさん――「見ている」からね。

【海色の瞳が、愉悦の形に歪む。ツァルエルに睨まれて怯えるサーバントたちを嘲笑するかのように】
【「いいよ、やって」――――くい、と。真っ白な指先が向けられる、「行け」の合図だ】
476 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/14(木) 20:45:03.02 ID:X2wjYcCY0
>>475

私がオフィウクス様に憐憫の情を向けることなど許されません。
存在するのは、ただただ畏敬の念のみ。

(なんだこいつは……情緒不安定、いやそういう"演出"か?)

【内心ではそう思った。当然絶対に口に出すことはないが】
【立ち居振る舞いは敬虔な信徒だが、ツァルエルの忠誠心は、実際のところそうでもない】
【しかしのオフィウクスの情報は貴重だ。少年が勝手に喋っただけだが思いがけず手に入れることができた】

(今のムリフェンは"女の子”?こいつといい、教団の上層部はお遊戯会でもやっているのか)

では、貴様に責任をとってもらおうか。

【サーバント達を処分する許可は得た】
【再び少年に向かって一礼をすると、ツァルエルは立ち上がり】
【同時に、彼の傍らにいた"大蛇の骨"が跳ねるように飛び出した】
【一番近くに居た怯えるサーバントの一人へと、およそ蛇とは思えぬ超速で近づき、そのまま首を食い千切るだろう】

残りの処分は後にしてやる。
同じサーバントとは言え、貴様ら蛮族と私は違う。
だが……今日は共にサビク様の御為に働こうじゃないか。

【どうやら実力の違いをわからせて、従わせるための"見せしめ”】
【残った者は殺さず、命令を出すつもりのようだ】
【幹部に対する遜った態度とはあまりにも間逆な尊大な態度である】


477 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/14(木) 21:00:18.24 ID:W85h8sPE0
>>476

【――――びちゃ。ツァルエルの「蛇」が男の首を食い千切って、中身を噴出させる音】
【路地裏のモノクローム。冷たい灰色をしたコンクリート、床も壁もいとわずに】
【そこかしこを紅く塗り潰していくことだろう、そうであるなら、傍にいた二人にもわずかに降りかかるだろうか――】

【……否、だ。少年の、皺ひとつ付いていない衣服にも。ぴかぴかに磨かれたハイヒールにも】
【さらさら艶めく金糸の髪にも、すべらかな白磁の肌にも。……どこにも、返り血は、付かない】
【ツァルエルは見たかもしれない。少年に降りかかろうとしていた血飛沫が――彼の身体に触れる前に】
【何かしら、見えないモノに。ぼうと輝く「ナニカ」に、振り払われるよう、「撥ね退けられた」のを】
【――――異能者だ。それも、平然とした顔でそれを行使して。息をしているのと同じくらいの感覚で使っている】
【それならまあ、幹部を名乗っていてもおかしくはないと。思わせるくらいには――彼はきれいなままだった】


…………あはははっ、すうごい、すごい!
ね、この大きな骨――ツァルエルさんのペット? それとも、能力で作ったモノ?
まあどっちでもいいけどね、とっても派手でいいと思う、うん――「心を入れ替えさせる」には十分。

そういうワケだからさ、オマエら。これからはちゃあんとツァルエルさんの言うこと聞いて、よく働きなよ?

【ぱちぱち、拍手すらしてみせながら――すっかり怯え切った「残りのやつら」に、笑いながら】
【言ってしまえばもう――あとは、何から何までツァルエルの思う通りに動いてくれる】
【彼らはまだ、蛇教に染まりきっていないようだった。正しい人の心の残滓が、まだかすかにこびりついていて】
【だからこそ――恐怖によって、よく動く。何か言われるたびに肩を震わせ、大袈裟な音量で返事をするようになるだろう】

【――――これまでに集めていた人。それはだいたい、表通りでよく見かけるタイプの若者たちだった】
【化粧もピアスも香水も服装も派手な者ばかり。そういうのばっかり集めてくるよう命じたのは、誰だったろうか】
【……この少年以外にいやしない、考えるまでもない。ツァルエルは訝し気に思うだろうか、それでも少年は上機嫌そうに笑むばかり】
478 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/14(木) 21:33:19.57 ID:X2wjYcCY0
>>477

【思いの外に血を出しやがった。汚らわしい蛮族め――】
【これでは少年に血が掛かって――機嫌を損ねるかもしれない】

……!

【そんな刹那の思考は杞憂に終わった】
【神聖さすら感じさせる少年の能力――ツァルエルが知るどの蛇術とも違う】
【ああ、逆らえば自分の血を払うかの如く簡単に跳ね除けられるのかと、そう思わせるのには十分で】

お褒め頂き恐縮です。サビク様。
これはペットでなく"ただの骨"……我が家に伝わる、死んだ骨を操るだけの下らない呪術です。
サビク様の御力には毛ほども及びませんが、少しでも役立てることが出来れば幸いと存じております。

【残った者を見渡して、指示を出す】

さて、では始めるとしよう。

(……どうやらサビク様は派手な生贄がお好きらしい)

【これまでに集められた哀れな生贄を見て、感じる】
【選ぶ基準に間違いなく少年の意志があるのだろう――】

よく聞け。
まず、直接誘拐などするから目立って人々から下らぬ嫌疑を掛けられるのだ。
貴様らは今から表の大通りに出てなにか適当なことを叫びながら……そうだな。社会や政治への不満とかそんなんでいい。
生贄の候補を見つけてどんどん襲え。当然殺さずにな。

【多少なりともウリューの下で働いていた連中。"好みの傾向"はツァルエルよりは詳しい筈。皆殺しにしなかった理由のひとつでもある】

この近くに私の財団が経営する病院がある。負傷者が出ればすぐにそこに運び込まれる手筈を整えておく。
負傷者が我が病院に入院すれば、あとはこちらのもの。
サビク様にお寛ぎ頂きながらご自由にお選び頂き、お気に召された生贄を「治療もむなしく死亡した」として処理し……世間から抹消する

【蛇教とは関係ない無差別テロに巻き込まれた犠牲者】
【そしてその犠牲者を死んだものとして院内で処理することで、大量の生贄を手に入れつつ教団による誘拐を隠蔽する】
【当然、犯人らも最後に抹消されなければ意味がないが、そのことは口に出さない】
【如何ですか、サビク様――そう言わんばかりにちらと少年を伺った】

479 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/14(木) 21:46:01.29 ID:W85h8sPE0
>>478

ホネを操るなんて面白いじゃない、あはは、ヒトの骨もそうできるの?
それにしたって大きな蛇――――、ね、蛇神様もこれくらい大きいかな?
いやもっと大きいかなあ。うふふ、もうすぐだよ、もうすぐ会える、蛇神様――――

【ツァルエルの術、大層気に入ったらしい。きゃらきゃら笑いながら、両手をいっぱい広げて】
【彼らが信ずる神――「ウヌクアルハイ」。どれくらい大きいか、なんて、子供っぽいこと】
【言って笑う。あまりにも無邪気な笑みだった――人死にの香りをこうも近くで嗅いでおきながら】

ああ、そういうタイプのヤツね。集めるの、ボクが一応言っといたんだよ。
だってこーいうヤツらって家に帰らないのが普通みたいなモンじゃない、
つまりいつ「いなくなった」っておかしいと思われないヤツらなんだよ。
親に心配もされないで、創作届も出されない。かあわいそうなコたちだよねえ、ふふ――――

【集めた人間のタイプ。どうやら少年なりに考えはあったようだが、それにしては目立ち過ぎた】
【そこら辺は100%の過失であると言えるだろう。だから、ツァルエルの言うことは素直に聞く】
【そうして――――また笑った、こどもの顔で。よくもそんなこと思いつくな、って、褒めてるような顔だった】

へえ、財団……そーいうのあるの、あっははは! やるじゃん!
そんなのあるのにわざわざ蛇神様のトコに来たのもまあ、不思議なハナシだけど……

……何突っ立ってんだよオマエら。早く行けよ、ツァルエルさんの言うこと聞けって言ったでしょ?

【――――対して。サーバントたちは凍り付いていた、自分たちがそんなことしなきゃいけないのか、って】
【なまじまだ人の心が残っている層ばかりだったから、見るからに嫌がっているのがわかる。けれど】
【サビクの声を聞くや否や、苦虫を噛み潰したような顔をして――めいめい何かしらの武器を携え】
【表通りへ走っていくだろう。そうしたら――――悲鳴。たくさんたくさん聞こえてくる】
【少年は、それを聞いてもなお面白可笑しそうに笑っていた。それでツァルエルを見上げる、オマエはどんな気持ち? と訊くように】
480 :リベル=アシェル&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/14(木) 21:52:41.34 ID:PCWdUpUg0
>>460

{……とにかく、相手にイニシアティブを取られている現状が、一番痛い訳よねぇ……そう考えると、確かに……「虎穴に入らずんば虎児を得ず」に、なるのかしらね?}
<――――劣勢ゆえに、奇策に走るしかないという事になる訳ですか。歯がゆい話です。どこまでも――――>

【ついついリスクの方を見てしまうのは、自分たちの思考も陰性に傾いているせいだろうか。確かに悪い事ばかりでもないのだと、思い直す】
【無論、危険な事には変わりないが――――このままいけば、ズルズルと順当に潰されるだけだ】
【どこかで思い切る必要はある。それが今だと割り切るしか、無いのだろう】

<――――そう、万能じゃありません――――だからこそ、1つでも少なく――――モアベターを目指さなきゃならないんだ――――>

【――――分かっては、いるのだろう。ただ、その現状を踏まえてどうするか。そこの差と言っていい】
【全てを救うなど、土台夢物語なのである。だからこそ、少しでも犠牲を少なくする事を目指す。その犠牲の中に、仲間が含まれないように祈りながら】
【そんな考えが利かない敵の出現に、ラベンダァイスは焦っているのかもしれない】

{へぇ――――意外、と言っては失礼でしょうけど、言うものねぇお兄さん?
 後悔しなけりゃ――――って事かしら。それができる人間は強いわよ……伊達に人生やってきてないわね?}

【青色の人魂が嬉しそうに揺れる――――ルヴァはその答えが気に入ったようだった。こうやって人生を生きている人間は、本物の強さを持つものだ】
【命に固執する事をやめて、開き直ってしまえば、余裕は無限大だ。のびのびと、有るがまま、思うがままに生きる事ができる】
【その強さを持った人間は、間違いなく人生を好きなだけ突き詰める事ができる――――そんな言葉が聞けて、満足したのだろう】

<――――私たちと、本来なら不倶戴天の敵のはずの、カニバディール達が手を組む事になるぐらいです――――確かに、難しいのは仕方がないですね>
{まぁ、草の根になっていくのはしょうがないとして――――ランド、あなたはちゃんと聞いてるのかしら? さっきからだんまりだけど}
「いきなり振るなよ。……問題ねぇ、ちゃんと聞いてるさ。ま、それこそ『草』の活動になる以上、そこは仕方ねぇだろ
 問題は、そうして組み上げた同盟の力を、どうやって最大化するかって事だ――――いや、違うな……『最大化』じゃねぇ、『最適化』だ……」

【今の同盟体制は、無論必然性があってこの形に落ち着いている。とはいえ、呉越同舟と言うには、あまりに玉石混交が過ぎた】
【今まで沈黙していた赤の人魂――――ランドも、そこは悩ましい問題だと、意識を共有させたらしい。どうすればこの寄り合い世帯は、最適な姿になれるのか――――】

<――――『拉致』されたんじゃありません。自分から付いていったんです。白神 鈴音はもう――――『仲間』じゃない可能性が高いです>
{はぁ……}
「ッ……!」

【サーペント・カルトへの潜入と、その限界――――その話は非常に興味深いものだったが、その前に――――ラベンダァイスはキッパリとした前提を置いた】
【『仲間』――――鈴音を連れ戻すという目的意識には、準じるつもりはないと。つまり――――彼女を救うつもりはないと】

{――――誘導は、してやる必要はありそうねぇ。それこそ、表の方便としての『魔能制限法』が、真っ先に敵として攻撃すべき相手なんだもの……
 ま、敵対者リストなんてものを作って、そこを当たる形でやってる以上、望みは薄いでしょうけど……二虎競食を狙うなら、火種は撒いておかないとねぇ}

【もしも、『黒幕』とサーペント・カルトが敵対する事になれば、自分たちとしても余裕はできる】
【無論、サーペントの方はともかく、『黒幕』はこの手に乗らない可能性も高いが――――それは、手段として考慮に値するものではあるらしいと、ルヴァも考えている様だった】
481 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/14(木) 22:13:35.38 ID:X2wjYcCY0
>>479

ええ、人間の骨でも死んでいれば可能です。
このように余計な肉がついていても……

【そう言って先程殺した男の死体に目を向けると――】
【バキバキッ!と嫌な音と共に男の腰が逆方向にひん曲がった】
【要するに、死んだ生き物の骨なら蛇でも人間でも自在に操れるということだろう】

それは素晴らしい……!蛇神様との一体化、その時がついに迫っているのですね!
正しくオフィウクス様方の御働きがあってこそ!私達も精進致します。

【過剰にも恭しい態度で賛辞を述べる】
【幹部らの真の目的も知らぬままに――】

アーツバニスト財団は表の世界で私の一族が代々運営してきました。
慈善団体として活動していますが目的は教団への資金提供と生贄の効率的な回収。
特に資金面ではお役に立たせて頂いていると自負しております。

私の両親もサーバントでした。私が蛇神様を崇めるのも当然でしょう。

【表の世界での営利活動。過激な宗教団体の収入源として重要な立場ではあるが】
【信仰の世界では、俗物的とも言える】
【それ故なのか――ツァルエルの信仰心は、薄かった。信仰の理由も個人的なものではなく、両親がそうだったからというだけ】
【まだ少年には見抜かれていない――はずだが】

【通りから聞こえてくる悲鳴を聞きながら】

表では上手くやっているみたいですね――あとは手筈通りに進むでしょう。
事が落ち着いたら、いつでも私の病院にいらしてください。患者でも、必要とあらば職員でも、贄として捧げましょう。



482 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/14(木) 22:19:37.97 ID:uITxKJHn0

【初夏の夜。じっとりと肌に張り付く不快な汗が人間性を蝕む夜。暗い空は名ばかりで、薄っぺらな消費社会の街は摩天楼を高々と照らしあげる。】
【陽気な人混み多き大通りの、しかし一歩脇道に逸れて路地裏に踏み込めば、そこは無軌道な悪意が蔓延る世界。 ── そんな所に、好き好んで足を運ぶのは】
【なにかしら後ろ暗い傷を脛に負っているか、あるいは溝攫いに何かを探す必要があるか、さもなくば狂える類いの人間である。】
【 一発。二発。三発。仄暗い路地の奥から。銃声は断続的に、湿った大気の中でさえ乾いていた。興味にせよ、偶然にせよ、もしも其の光景を覗くのならば ── 。】



「 ── 何も、例えば教団の存続に関わるような、そういう機密を話せと言ってるわけじゃないのよ?」「信徒なら知ってるような情報を、個人的な質問として訊いているの。」
「かえでという指導者のことについて。」「オフィウクス、って呼んだ方がいい?  ── ま、関係ないわね」



【果たして其処に立っているのは一人の女である。倒れているのは数人の男女である。事切れてこそいないようだが、例外なく両脚が根元より、おかしな方向に曲がっていた。】
【一人の男の手を足蹴に躙り、苦悶の声を聞きつつも、女は至って平然としていた。2mはあろうかという痩躯。腰にまでたなびく白銀の髪。】
【この暑さの中でコートを羽織り、それでいて端正な顔立ちには汗ひとつ流れていなかった。細い唇が、淡々と言葉を紡ぎながら】


「彼女、どういう人間なのかしら。……だから、別に、訊いてどうこうする訳じゃないわ。個人的な、質問。」
「ほら、もう少し協力してくれないと、 ── 死んじゃうわよ? 死んでからじゃ信仰も奉仕もできないわ。それって、神様に対する冒涜じゃないかしら?」



【細く長い脚に力を込めて、指先を一つへし折る。呻くような悲鳴。 ── 男の顔に、微かな恐怖が浮かんだ。】

/よやくです
483 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/14(木) 22:27:34.30 ID:W85h8sPE0
>>481

あっはは、おもしろおい……けど死んでないとダメってのはちょっと残念だね。
生きてるときにソレしてやったらきっともっとイイ声で泣いたよ、ま、いいけどさ……

……ふふ、そうそう。僕らだけじゃ辿り着けないところに蛇神様はおられるんだ。
みんなで「協力」して、頑張ろうねえ――そしたら蛇神様が、この世界を
うんとうんとキレイなモノに作り変えてくださるよ――――。

【捩れ曲がる死体、新たな血が噴き出そうとも、やはり少年には一滴の汚れもつかず】
【何も知らないでうっとりしている様子のツァルエルを見て、目を細めた。――その内心、】
【「ああコイツもどうせ、選ばれないだろうなあ」――。そんな、ひどい評価を下して】
【(……けれどこの少年自身も気付いていないのだ。自分が「そう」なるかもしれないってことに)】

……、……そう、親の代からサーバントだったの。へええ。
熱心なこったね、……僕もそうだったよ。赤ん坊のころから蛇神様にすべてを捧げることが決まってた。
――――じゃあツァルエルさんも、そうだった?

【僅かな僅かな共通点。見出してしまえばそこを追及してしまうのが、子供というものだ】
【ただ、その顔はちっとも楽しそうに輝いていなかった。その逆、ひどく不愉快なことを思いだしたみたいな】
【歪んでいて、それでもなお美しい顔面。ふっと何もかもに興味を失くしたように無表情になってから】
【――――すぐに元通り、きれいに整えた顔面に戻して】

そうだね――――あと小一時間くらい? 遊ばせとけば結構な数にはなるでしょ。
ありがとね、ツァルエルさん。本当ボク、「こういうのは」苦手だから――

【その言葉の通り、小一時間暇をつぶしたら少年はツァルエルのもとへ再び訪れるだろう】
【「けっこう、数、集まったね」。生きたままのヒトが入った袋、いくつもいくつも並んでいるのを眺めて】
【それから――物珍しそうな顔で、病院内の設備を眺めはじめるだろうか。こういうところは年齢に見合って、無邪気な動作】
484 :アルジャーノン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/14(木) 22:39:39.50 ID:W85h8sPE0
>>468
【――『マチ』と言う少女がいた】
【かつて、サーペント・カルトに所属しており、今ではオフィウクスの一人となった蜜姫かえでと同時期に入信した少女だった】
【整った顔立ちで熱狂的な信仰を持ち、信者達の中でも何かと人目を引いた蜜姫かえでとは異なり、その少女は能力者でもなく、お世辞にも器量良しとは言えず、サーペント・カルトに傾倒した理由も、単純に外の世界と上手く折り合いがつかなかった逃げ道に過ぎなかった】
【それ故に、サーペント・カルトの異様に過ぎる信仰に、着いて行けなくなるのも早く――】
【取り分け、蜜姫かえでへの修行と称した仕打ちの数々には深く激昂していた】
【こんなものは修行でも何でもないと、お前らの欲望の発散に過ぎないと、そう叫んで『儀式』の邪魔をしたのが、彼女に関する最後の記録だった】
【勢いとは言え、儀式に乱入しようとし、見張りのサーバントの一人を刺し殺した少女は、最早『再教育』すら赦されず、さりとて殺されることもなく、今では――】



《オオ、敬愛ナル"むりふぇん"様、如何ナサレマシタカ?》

【サーペント・カルトの本部施設内部――日も落ちようかと言うその時間に通り掛かったのは、ナース服を着た女――と言って良いのか】
【顔を潰され、頭に手術痕を施された異形の女は、畏怖すべき彼女に対して、敬意を喪わない程度の心配の声を向けた】
【話している言葉は人語であるのに、人間の声帯ではどう逆立ちしても発することは出来ないだろう音域――事実、女の潰された唇はピクリとも動いていない】
【最早教団の誰も覚えていないほどの昔から、サーペント・カルトの備品として扱われている女――"アルジャーノン"】
【今も何体かいるらしい内の一体は、かつて『マチ』と呼ばれていた少女の肉体だった】

《ヨモヤ、オ怪我ヲナサレタノデスカ?》
《顔色モ悪ク、代謝ニモ異常ガアリマス》


【見ているだけでも、正気を抉りそうな様相だが、それでも心配をしたような、大仰なリアクションを取っている】
【馬鹿にしているのではなく、表情がないからリアクションでしか意思疎通ができないのだ】


《我ラガ道標タル、"むりふぇん"様ノ事――キット、キット、我ラガ神ヘノ信仰ノ結果ニ違イアリマセン》
《シカシ、今ハ大事ノ前――、おふぃうくすノ貴女様ニ、モシモガアッテハナリマセン――》


【女は首を傾げて、少女を見る――】
【それこそ蛇の舌ような視線は、しかし下心はなく、ただ隅々まで少女の身体を舐め取るのだった】


《手当ノ痕跡ガ見エマス――既ニ何処カデ処置ヲ?》
《シカシ、傷ガ深過ギル……宜シケレバ、モウ少シ治シマショウカ?》
485 :棕櫚 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/14(木) 22:42:01.94 ID:AqHYLSsQ0
>>482

おやおや、これはいけませんねえ。折角の夜が台無しです。
如何様な理屈があるかは存じませんが、"弱い者いじめ"は良いものですねえ。


【路地裏に紛れ込むのは一人の男――その名は棕櫚。黒い短髪、黒シャツといった身形がまず最初に目に付くだろう】
【ノーネクタイの男は重苦しく見える黒を基調としているにも関わらず、一見すれば軽やかな雰囲気を醸し出していた】
【しかも血生臭い路地裏には到底似つかわしくない軽薄さを携えて修羅場へと軽やかに踏み込むのであった】


あぁ、あぁ。これは用意周到と言わざるを得ませんなあ。
両足を在らぬ方向へと捻じ曲げて、指を一本ずつへし折って。
まるで――蜻蛉の羽を毟る幼子の様です。


【つかつかと容姿端麗な女性へと近づく間に見遣るは地べたに這いつくばっている男女の姿】
【皆一様に足を折られ、今にも死にそうな顔をしている。その中には助けを請う様な視線を送る者さえいたが】


とりあえず――…事情、お聞かせ願っても宜しいです?こう見えてもボカぁ、公安の人間ですんで。
貴女がどんな理屈を用いて私刑を行っているのか、少々興味がございましてね。
まあ尤も。個人的な理由が無くとも公的な理由はございますので、四の五言わずに言う事を聞いてもらいますよ。


【一瞥さえ向けず。棕櫚のぎらついた糸目は白銀の髪の女性のみへと向けられていた】
【にこやかな面持の棕櫚が軽やかに口にした言葉には、"公権力に逆らうんじゃねえよ、ガタガタ言わずに従えや"という傲慢が絡み付いていた】
486 :棕櫚 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/14(木) 22:54:24.10 ID:AqHYLSsQ0
>>482

おやおや、これはいけませんねえ。折角の夜が台無しです。
如何様な理屈があるかは存じませんが、"弱い者いじめ"は良いものですねえ。


【路地裏に紛れ込むのは一人の男――その名は棕櫚。黒い短髪、黒シャツといった身形がまず最初に目に付くだろう】
【ノーネクタイの男は重苦しく見える黒を基調としているにも関わらず、一見すれば軽やかな雰囲気を醸し出していた】
【しかも血生臭い路地裏には到底似つかわしくない軽薄さを携えて修羅場へと軽やかに踏み込むのであった】


あぁ、あぁ。これは用意周到と言わざるを得ませんなあ。
両足を在らぬ方向へと捻じ曲げて、指を一本ずつへし折って。
まるで――蜻蛉の羽を毟る幼子の様です。


【つかつかと容姿端麗な女性へと近づく間に見遣るは地べたに這いつくばっている男女の姿】
【皆一様に足を折られ、今にも死にそうな顔をしている。その中には助けを請う様な視線を送る者さえいたが】


とりあえず――…事情、お聞かせ願っても宜しいです?こう見えてもボカぁ、公安の人間ですんで。
貴女がどんな理屈を用いて私刑を行っているのか、少々興味がございましてね。
まあ尤も。個人的な理由が無くとも公的な理由はございますので、四の五言わずに言う事を聞いてもらいますよ。


【一瞥さえ向けず。棕櫚のぎらついた糸目は白銀の髪の女性のみへと向けられていた】
【にこやかな面持の棕櫚が軽やかに口にした言葉には、"公権力に逆らうんじゃねえよ、ガタガタ言わずに従えや"という傲慢が絡み付いていた】
487 :棕櫚 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/14(木) 22:55:21.93 ID:AqHYLSsQ0
//すみません、連投になってしまっているみたいなので>>486は無視でお願いします…
488 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/14(木) 22:55:48.00 ID:uITxKJHn0
>>485


【 ── 不快な声がした。いや、元々この夜、彼女は決して機嫌が良くなかったから、誰に話しかけられても不快であったろうけど】
【個人的な感情とは別のベクトルで、ことに不快であった。あまり聞いていたくない類いの声音だったからだ。】
【あまり気は乗らなかったようだが、顔だけは向けてやった。長い銀髪が顔の横半分を覆い隠して、左眼だけが露わになっていた。】



「あら、公安?」「こう見えて、生憎と軍法側の人間なの。」「ポリ公は嫌いよ。何時だってハイエナ野郎だから。」
「ついでに言うなら機嫌も悪いの。生理中なのよね。」「だから、任意同行なら御断り ── カツ丼でも持って来なさいな。」



【対して女は人形のような顔立ちを歪ませ、いっとう皮肉な笑みを浮かべた。冷たく澄み渡るような声色は、極めて極めて喧嘩腰だった。】
【 ── 足元の男、その首の根を思い切り蹴飛ばして、肋骨の数本を罅割れさせつつ失神させる。そうして、改めて、眼前の軽薄そうな男に向き直る。】
【悠々と外套の胸ポケットに手を伸ばして、タバコとライターを取り出そうとするだろう。マールボロを細い唇に咥え、ジッポライターで火を灯して】



「煙草はお好き? ── お裾分けして差し上げるわ。」



【 ── 仮に煙草とライターを握る手を、そのままに放っておいたのなら。彼女は紫煙を深く胸に吸い込んで、そのまま男に吹きかけようとするだろう。】
【虚仮にしていた。殺し合いになるならそれさえ上等だった。「ん?」と微かに首傾げ、煙草摘む指先で灰を落としながら。】
489 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/14(木) 22:56:15.85 ID:X2wjYcCY0
>>483

サビク様の親御様も、蛇神様に仕えていらしたのですね。
素晴らしい能力と魅力をお持ちのサビク様をお生みになられたのです……さぞ崇高な方々だったのでしょう。
私の親などとは比べるべくもありません。
もちろん、私も物心が付いたときから偉大な存在に全てを捧げております。

【少年から持たれた興味に答えるが】
【途中で不愉快そうな表情になったのを見て、途中で切り上げる】
【過去の話というのは、デリケートに心境に左右しやすい。少年ならば特に―――】


【時が過ぎ―――】
【少年を病院で迎える。とりあえず集まった生贄に満足そうで――】
【生贄集めは成功したと言って良いだろう】

これもサビク様に見守って頂けたお陰です。
ああ、サーバント達……いえ、謎のテロリストどもは蛇の刺青を皮膚から削り取ってから始末致しますのでご安心を。

「こういう」仕事は我々下の人間にお任せいただければ良いのです……
オフィウクス様方は我らを導くという崇高なお役目があるのですから。



490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/14(木) 23:03:53.99 ID:mKzZGtuT0
>>484

【――――何度目もの咳を繰り返す。喉の奥に絡まった不快感を吐き出すことが出来なくて、ならば、咳は拗れて、苦しさばかりが積もっていく】
【――ならば阻害すればいいかと言えば、そうでもなかった。ただでさえ致命傷。――そう、致命傷であったなら、なるべく能力の使用は控えていたい、と思うのは】
【魔力の温存という点でも一つ、もう一つは――この能力は、何かを阻害すればするほど、思考力を奪い取っていくから。最終的に何も考えられなくなってしまうならば】

――――げ、ほっ……、……、ぅ。あ……――、アルジャー、ノン、……。
……げほっ。……どうか、しましたか。医務室からはあんまり出てこないものだと、思ってましたが。

ていうか……、……――その身体。まだあったんですね。とっくに処分されたと、思ってましたよ。……はあ。

【最低限の阻害だけで、活動している。だからこそ外に出ていないのだろう。主に生贄の調達に携わる少女は――1日の多くを、外で過ごしているものだから】
【わずかに口元を濡らした唾液を手のひらで拭う。眉をひそめたならば振り返る――だけれど、彼女は相手を視認するより先に、相手が誰かを気づいているようだった】
【特徴的な声。しゃべり方。そんなやつはこの蛇教の中であっても珍しい――というより、奇特だ。拷問じみた修行を受けた後でも、相手の治療を受けるかどうかは悩みどころ】

【――それでも彼女は。過去何度か、相手にこの身体を任せているだろう。といっても、頻繁では、ないのだけど】
【わずかににらみつけるような目をしていたのは、体調のせいだろうか。それとも、――――何かを思いだしているのだろうか。感傷に浸って? そんなのありえなくて】
【緩く首を揺らす。――「今日はずいぶんと頭が良さそうですね」。冗談というよりは確認するような声であった、はあと荒いため息、一つ揺らしたなら】

【(――――だけれど、それは。その"マチ"という少女が、"人間"として"死ぬ"原因になった、修行というのが)】
【(――何度目だったろうか。確かその時の子を捧げるための儀式がきっかけで子を孕めなくなったから。ならば。*回目の時)】
【(なんにも思うことがないと言ったならば、嘘になる。――――――――そういう馬鹿な子が居たなぁ、と、どうしたって、思ってしまうんだから)】

そうですね……、怪我をしました。どっかの狼さんを殺したかったんですけど。思ったよりやんちゃで。
視覚的にうるさいんで、もっと静かでいいですよ。言語で意思疎通できれば十分です。今日は頭良さそうなんで。……そうですね。応急処置だと思いますけど。

――お願いしておきましょうか。こんな怪我、放っておいたら、いつ治るか分かりませんからね。
死ぬ予定はないですが――有事にすでに能力の容量を喰われているのは不覚です、そんな風では私が私を赦せなくなってしまいそう。

【――会話する裏で、わずかに能力を強める。それは些細な意地だった、幹部として、あるいは一人の少女として。弱ったところは、あまり、見せたくないと】
【痛みを阻害する。少しくらい馬鹿になっても相手は時としてそれ以上に馬鹿だったりするから、気にしなくてよくて。そもそも医療担当相手になんだとかかんだとか、今更だ】
【身体の中身まで見られている相手に無駄な気遣いは必要ないという判断。――ならば少し態度はしゃんとする。変わらず顔色は悪いが、相手の治療を受けると決めて】

――――ただ、歩くのダルいんで、運んでもらっていいですか? あと、ここまで来たんで、お祈りしてからで。

【――――――腰に手のお決まりポーズ。セリフはお願いのふりをした"命令"。ついでにちょっと待ってろ、とも、付け加え】
【――それで実際ほんとに三十分くらいは待たすのだろう。だから、その間に、なにか、運ぶ手段用意していればきっといい、ガタイのいいサーバントでも、なんでも】
【そのあとは――大人しく医療室にでも連れていかれるのだろう。ならば場面はそのあたりに移ろうだろうか、それとも、一緒に祈るなら、それでも――いいんだけれど】
491 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/14(木) 23:04:14.96 ID:W85h8sPE0
>>489

――――いいや。ボクの親はダメだったね。
蛇神様に「選ばれなかった」。たぶんボクを産み落とすことだけを義務付けられた、
ちっぽけで、醜い、……不ッ細工なヤツだったよ。

【吐き捨てるように。言ってしまえばもうそこまでで、自分のことは終いにしておいて】
【「ツァルエルさんの親は、酷い人じゃなかった?」 なんて訊いてくる、まるで真人間みたいな声色で】
【心配しているみたいな声ともとれた。「親」についての話題だと、こうなるらしい――】

【――――けど。切り上げられたならそこで終い。なにもかも、だ】


ふふ、いいや――ボクは本当に見てただけだよ。
お礼してもし足りないや、ね、ツァルエルさん――あなたのこと、
他のオフィウクスたちにも言っといてあげる。イイ人だったって。だからね、

【「今後ともよろしくね」――言って、これ以降の「ムリフェン代行」は、すっかりツァルエルに押し付けることだろう】
【そして、他の幹部にもよく言っておくなんて言うけれど。余計なお世話、になるかもしれない】
【何せ最初のほう、ムリフェンとの不仲を示した少年のことだ。他の幹部ともきっと上手くはいってない】
【その状態で話されたって、どうなることやら。……止めるなら今のうち、だけども】
492 :棕櫚 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/14(木) 23:25:05.65 ID:AqHYLSsQ0
>>488

おやおや、人と話すときは目を合わせて話すようにと教わらなかったのですかあ?
あからさまな仏頂面に、不承不承ながらに向ける顔。それに口汚い言葉の数々。
どんな理屈が浮かび上がるか、非常に解りやすくて結構。実にぃ、結構です。


【コツ、コツ…と革靴の底を鈍く鳴らして、白銀の髪の女性へと近づいていた折に】
【棕櫚に降りかかる言葉は侮蔑。不快。嫌悪。それらが多量に絡み付いた言葉の数々だった】
【軽薄な面が僅かに陰りを見せるものの、未だその仮面は剥がさぬままであった】


大方、機嫌が悪いのでしょう。そしてそこら辺に転がってる"蛇ども"に何かしらの用事があったのでしょう。
おや、こうなると目的は果たせていない。加えてそんなところに公安の僕が紛れ込んで一等機嫌が悪くなった。
公安アレルギーでもお持ちなんですかね。そうするとそれらの事象は一つに繋がりますねえ。
子供用のパズルみたいに"簡単な理屈"です。――どうです?間違ってますかあ?


【女性を逆撫でするような声で紡ぐ棕櫚の推理と"理屈"。棕櫚曰く"酷く拙い"と言う顔をしながら】
【糸目は僅かに歪み、嘲りの色を宿す。片側の口角はくいっと吊り上り、嘲りの色を滲ませる】

【侮蔑の表情を浮かべながらコツコツと音を鳴らして煙草の煙が吹きかかる位置にいたのが災いして】
【女性の口から吹きかかる紫煙をモロに顔で受け止める。吹きかかる紫煙に咽て、咳き込み、表情が歪む】


…げほっ、げほっ!――…これだから、喫煙者って生き物は嫌いなんですよ。
好き勝手にこれ見よがしにスパスパヤニを喰って悦に入る――…喧嘩、売ってますかぁ?


【"――というより、喧嘩売ってんだろ。この雌穴風情が。お裾分けして貰ったから、コイツはそのお返しだ"】
【棕櫚の軽薄な面構えは何処かへ消え去り、糸目を見開き――その瞳は怒気と殺意の二つを孕んでいた】


                  【――瞳術・暗夜行路――】


【棕櫚は銀髪の女性と目を合わせ、自身の瞳術を発動させていた。その瞳術の効果は目くらまし】
【まともに目を合わせていれば、黒い靄が女性の視野を遮る様な状態になるだろう。――その瞳術発動が意味するのは、意趣返し】
493 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/14(木) 23:31:07.55 ID:X2wjYcCY0
>>491

……

【自らの親を酷く貶す少年に、言葉は見つからなかった】
【否定も、同調しても不正解になりそうだ。黙って聞くしか無い】

……私の親はごく普通の献身的な信徒でしたよ。
私が成人すると財団を引き継がせ、自らを贄として蛇神様に捧げました。それだけです。

【他のオフィウクスたちにも――】
【サビクと会えただけでなく、他の幹部にまで――】
【幹部の後ろ盾があると他の信者に知れれば、教団内でも動きやすくなることだろう】
【この少年が「どう伝える」かに依る所が大きいのだが】

それはこの上なき幸せに存じます、サビク様。
私と私の財団は今後も蛇神様とオフィウクス様方に尽くします故、どうぞ善きように……

ムリフェン様の回復もお祈りしております。
私の病院などが治療するのは烏滸がましい限りですが、何かありましたらいつでも使ってやって下さい。
財団の経営する病院は各地にございますので……

しかしムリフェン様とは、どのようなお方なのでしょうか?
サビク様が一層に気にかけておられるようで……いえ、不躾な質問でした。戯言と思ってどうかお気になさらず。

【最後のは敢えてだ】
【少年のムリフェンへの良からぬ感情は察していたが――】
【そろそろ帰るのだろう。ほんの少しだけ、踏み込んだ言葉を投げかける】
494 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/14(木) 23:45:01.23 ID:W85h8sPE0
>>493

【「そう。酷いヤツじゃないんなら、よかったよ」 ――――その声色は、きっとこの少年が】
【まともな親の元に生まれ、まともな場所で育ち、まともな生き方をしていたなら】
【きっとずっと、こんな穏やかな声色で喋ることだってできたろう。そう思わせるくらいには、優しさが滲んでいて】

【――――――けれどそれらすべてが、たら・ればの話に過ぎないのなら】


ふふ、心配しないで。うんと良く言っておくからさあ、
もしかしたら「儀式」のときにでも、「マルフィク」に特別扱いしてもらえるかもよ?
あのヒトめちゃくちゃ厳しくってヤんなっちゃうよね。……あ、これ秘密にしといて、へへ。

……わかった。言っとくよ、きっとムリフェンも喜ぶ。
こんなに働き物のサーバントがいるなんて、って、きっと彼女なら喜ぶよ。
あの人、蛇神様のため頑張る人には優しくしてくれるから――――


―――――――気にかけてる? ボクが? あの女を?
……ふふ、そうかもね。

だってあの人、………………「かわいそう」なんだもん。とっても。


【――――】

【最後に見せた笑みは、悪辣に歪んだものだった。ムリフェンのことを語るとき】
【「かわいそう」だなんて言葉を使った。なら、――――彼女のことを見下しているとわかるのだ】
【そんな言葉、上から目線じゃなきゃとても言えない、傲慢なものだから】

【そうして――滲ませた幼いぬくもりの残滓すら、自身で全部台無しにしながら。少年は帰っていく】
【「またね、ツァルエルさん。――一緒に、蛇神様にすべて捧げようね」。狂信者にふさわしい台詞を残していったけど】
【はたしてツァルエルは、それを受け取ってくれるかどうか。……それを確認しないまま去っていった、きっと幸運なことだった】


//お時間良い感じなので、ここらへんで……! 長いことありがとうございました!
495 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/14(木) 23:45:12.89 ID:uITxKJHn0
>>492

【この手の輩に口先で付き合うのは疲弊するだけだと女は知っていた。 ── 何も警察に限った話ではない。上官、司令部、制服組。嫌味の上手い連中は殴ってやるに限る。】
【「公権力で他人を殴れない気分はどうかしら?」そんな、皮肉めいた笑いを浮かべたまま、あまり虚仮にするようならタダで済ませるつもりはないと、 】
【── そう口にしようかと思って、さて果たしてどんな面をしてるのやらと、その顔を覗き込もうとした、瞬息。】


        「 ── ッッ!!」


【 ── ほとんど反射で彼女は飛び退いた。距離を取らねば殺られるというのは本能の理解だった。そういう戦場に、彼女は長い間生きていた。】
【咄嗟に視覚系を確認する。しかし異常はない。左眼のアイカメラは正常に作動している。赤外線センサーに切替、応答なし。】
【であれば脳の認識系そのものに介入してきたか。これは"本部"に戻ったら精密検査が必要かもしれない ── ああ、全くもって腹立たしい。】
【どういう仕組みか知らないが、奴は"自分の視界"を奪ってきた。視覚素子にせよソフトウエアにせよ、一切の損傷を与えないまま。目を見ようとした時、か?】
【 ── 右目は正常に稼働しているだろうか。彼女の顔の半面、ならびにその下の「目」は、白銀の髪で隠れていた。男の能力は、果たして其処にまで影響を与え得ただろうか?】


「そう。そっちが其の気、なら ── ッ!!」



【なんにせよ舌打ち混じりに彼女は着地する。コンクリートの地面に罅が入る。戦闘用の全身義体である彼女の体重は悠に100kgを超える。】
【懐のコートから引き抜かれる燐光。 ── 異様な勢いをもって、それは"男がいた方向"に投げ付けられるだろう。ガラス製のナイフを3本 ── その中に満たされているのは、"血液"だった。】
496 :棕櫚 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/14(木) 23:53:58.95 ID:AqHYLSsQ0
>>495
//すいません、凍結をお願いしても宜しいですか?
497 : ◆chzGJBqQ0hns [saga]:2018/06/14(木) 23:55:47.35 ID:X2wjYcCY0
>>494

マルフィク様に……ええ、光栄です

【さらっと別の幹部の名前が出て】
【さらっとその幹部の愚痴を言う】
【サーバントからすれば卒倒しそうな所業だが】
【やはり、この少年は底が知れない――】

「かわいそう」……それはどういう……

【真意を図る前に、少年は去ってしまう】
【ツァリエルは最後の言葉には深々とした御辞儀で答えた】
【姿が見えなくなるまで頭を下げ続ける敬虔な信者――をやりきって】

すべてを捧げる?
もう十分捧げたさ

【病院の天井を見上げ、大きくため息を付いた―】



//お疲れ様でした!ありがとうございました!
498 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage]:2018/06/14(木) 23:56:15.48 ID:uITxKJHn0
>>496
/ん、はあいっ。かしこまりました!折を見て置きスレの方に投げていただければ、お返しいたしますので。
499 :棕櫚 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/14(木) 23:58:06.47 ID:AqHYLSsQ0
>>498
//了解です。ありがとうございます。
//今日はおやすみなさいです。明日中には置きレスのほうへ返しておきますので。
500 :アルジャーノン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/14(木) 23:58:53.02 ID:W85h8sPE0
>>490
《他ノ方カラノ依頼デ出張ッテイタ帰リデス。ソウデスネ――マタ一ツあじとガ襲撃サレタヨウデ――配備サレテイタノガ、何人カ死ニマシタ》

【医務室にいない理由と、頭が良さそうに見える理由の二つを同時に答えた――教団が暗躍を深めると同時に、その敵対者達も動きは活発になる。犠牲もその分増えるのは自明だろう】
【医療担当である女は、彼女が幹部になる前からの付き合いで――無論、親しいなどとは口が曲がっても言えないだろうが――彼女の阻害の力についても、認識している】
【それ故に、並ならぬ傷を負ってなお、真っ当に立っていられることも】
【彼女の矜持故に、その身に掛かっている負担も――彼女の身体を診て来たモノとして当然のように把握していた】
【しかし、意見などある訳がない。誰であろう、彼女は教団のトップである"オフィウクス"――対して女は、サーバントですらない教団の一備品。差し込む口など有る訳もなかった】


《コノ身体ハ、本部ニ長クイマスノデ、間引クナラ支部ノ者ガ多イノデス》


【少女の言葉に律儀に答える――この体が処分されていないのは、如何なる意図もない単なる偶然で有ったろう】
【そして――彼女と同い年だった件の少女の身体は、当時と比較してより女らしい体付きになっている。――成長しているのは、この体が死体の再利用などではなく、まだ生きている証】
【アルジャーノン自身の説明によれば、肉体の意識も消えてはいないらしく】
【それが事実であるのならば、今この時でも――異形の意志を通して、彼女は観ている。教団の凄惨な修行を乗り越え、今や幹部の一人となった、かつての少女の姿を、観ている】


《ゴ随意ニ。コノ動作ハ不評ナ方ガ多イノデス。トテモ残念デスネ》


【冗談でも言う設定になっているのか、無感情に呟くと、祈りを行うと言う少女の言に、恭しく礼をし、一歩下がって同じく祈りを捧げていた】
【既に別の個体で指示でも出したのか、少女の期待通りに、祈りを終える頃には白塗りの顔をした大男が二人ほどやって来た。ご丁寧に担架まで持ち出して】


《むりふぇん様ハオ怪我ヲナサッテイル。努々揺ラシナドスルナヨ》


【オ"と返事をする大男達は、言われた通りに寸分も揺らすことなく、少女の身体を医務室へと運ぶだろう】
【――VIP用だ。むせ返るような血の跡に塗れた通常の処置室とは異なり、幹部専用とも言える白い壁に囲まれた清潔な空間だった】
【この異形が場違いなほどに――いくらかの科学的な設備が搭載された手術台に少女を寝かせると、女もまた手の消毒を始めている】


《――麻酔ヲシマスガ……オ眠リニナリマスカ?》


【誰であっても女はそう尋ねる。手術の様を自分で見るのは最低の気分だろうが】
【脳をいじることが本職のこの女が、気が付かない内に自分を洗脳していないかと疑う気持ちもまた深く――この二択は中々に信者達の頭を悩ませている】
【アルジャーノンが――と言っても"この"体ではない彼女だったが――かつて少女の胎を手術した際にも、同じ問いを投げかけられたものだ】
501 :アリア ◆1miRGmvwjU :2018/06/15(金) 00:00:13.38 ID:nRWLwebP0
>>499
/こちらこそ一先ずはおつかれさまでした&ありがとうございました。また後日よろしくお願いします!
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/15(金) 00:21:56.65 ID:fUaMm1Az0
>>500

【「そうですか、お勤めご苦労様です」】
【それが最初の彼女からの返事だった。――そうして続いた言葉に、少女は珍しく不愉快そうに表情を歪めるのだ、あまりにも、明確に】
【古い付き合いであった。ならば――不必要に親し気ではないが、どこか、柔らかい温度感が横たわっている。何をどう言っても、全部把握されているのだ】

【――それはかつて彼女が"修業"により能力の新たなる使い方に目覚めたとき。より一層その力を引き出すための"修行"に明け暮れたとき】
【生物毒から鉱物毒。薬。人を殺すことをできる毒を"明らかに"致死量より多く投与され、限界まで発動させた能力で以って、かろうじて、生きたまま運び込まれたとき】
【わざと用意された不衛生な環境に人間相手とは思えぬ扱いで一月は幽閉されていた後の衰弱しきった状態で運び込まれたとき】
【ほかにもいくつもの出来事があった。そのほとんどで彼女はだいたい死にかけていた。時としては"死んでいるべき""死んだほうがまし"と評されるほどであり】

【彼女の能力は使い道が多かった。だからこそ。蛇教は彼女を幹部として扱いながら、時として、実験動物のように扱うこともあり】
【なにより彼女自身が協力的であるからこそ、非人道的――という言葉でいいのかもわからないのだけど――な行いが罷り通る。実験ではなくて、修行、儀式、言い換えたなら】
【それを少女が拒むことは、決してないのだ。――であればこそ、アルジャーノンは、きっとおそらく、蛇教の誰よりも、この少女のともすれば死んでしまいそうな姿を見ていて】

……そうですね、ひと昔前のポリゴン数少な目の洋ホラゲーみたいなんですよね。夜中にエンカウントしたくない感じというか……。

【――――マチの身体については、もう、何も言わなかった。興味がないみたいに。相手の仕草については。――思ったこと、思ったまま、素直に、ありのまま述べるけど】
【多分嘘じゃないとおもう。怖がるサーバントのほとんどは多分同じ理由だ。――少女は割と平気な方。というか、見慣れている、というか、――】

【――そうして、運び込まれる。もはや見慣れた部屋であった。昔はもっとひどい部屋だったという記憶もあるけれど、――それにあんまり興味はなくて】
【こんな部屋のきれいさで何をどうと思うこともない。不衛生だろうと自分は生き延びることが出来て。ポリゴン少な目洋ホラゲー(主観)であれ、相手の腕は確かである】

………………ううん、起きてます。起きていた方が、対応できるので。ていうか、麻酔、要りますか?
嫌いなんですよね。――自分の能力でも割と気持ち悪いんですけど。なんていうか。何で効いてんのか分からないとか聞いたら、信用できないと言うか……。

【――――マチによって儀式が妨害された日。否。"されかけた"日。少女はじっと相手を見ていたのだ、贄を捧ぐための台の上に押さえつけられて】
【――――マチがどうしてそんなことをするのかが分からない、というような目を。どうしてそんな顔をして、そんな風に叫んで、泣いているのか、分からないと言うような目を】
【――――マチがその部屋から引きずり出されていくのまでを、見ていた。そして、蛇教の公から消えたのを、彼女は後日知った。――馬鹿な子。それが、感想だったけど】
【――――同時期に入信した二人は年齢が近いのもあって、割り当てられた部屋も同じであった。本来であればもっと大人数の部屋のはずだったが、たまたま、部屋が空いていて】
【――――話してみたなら、意外と地元も近かった。ちょうど二つの町の間にある大きなお祭りに行った話で盛り上がったりして。ちょっとだけ、普通の話をしたりして】
【――――どこでずれてしまったのかは、分からなかった。たまたま整っていたから。たまたまのめりこむ理由があったから。それだけじゃ、言い訳出来ない気がして】

【寝転がされた処置台の上、天井を見上げて少女はぼうと呟くのだろう。それはあの日と似た答えであった。「――――いらないです」。その理由は思い出せない】
【なんだかそんな気持ちになったのだけを覚えている。だけど、続く言葉は少しだけ違う。「――自分でやりますよ、麻酔」。――あの日には、まだ、出来なかったこと】
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/15(金) 00:24:37.19 ID:fUaMm1Az0
>>502

/【寝転がされた処置台の上、天井を見上げて少女はぼうと呟くのだろう。それはあの日と似た答えであった。「――――いらないです」。その理由は思い出せない】

のところですが

【寝転がされた処置台の上、天井を見上げて少女はぼうと呟くのだろう。それはあの日と似た答えであった。その時「――――いらないです」と答えた、その理由は思い出せない】

に修正お願いしますっ
504 :アルジャーノン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/15(金) 01:18:46.60 ID:lg9lHMlD0
>>502
【彼女の不愉快そうな仕草には得心が行っているだろう。教団の要で有ればこそ、枝葉末節を手折られることにさえ、怒りを覚えるのは当然のこと】
【女は改めて深く礼をして、少女の信仰を崇めるのだった】
【この女は医療に関する腕だけは誰もが評価するところでは有るし、ちゃんと命令をしておけば勝手に体をいじるようなことはしない】
【だから、瀕死の重傷を負えば、否が応でも出番が来ることになり――この少女は、その出番が破格に多かった。それだけの、接点】
【しかし、"識っている"と言うのは、時に友好的な付き合いよりも理解を得られることもある。特にカルト団体などと言う、異質な空間においては】

【――そう、女は知っている】
【修行と呼ぶには余りにも過酷。常人で有れば――否、異質だらけのカルト教団の中にあっても、その痛ましい姿は直視に耐えかねることも有っただろう】
【であればこその、人外の役目。女は上辺には彼女を気遣うような言葉を掛けはしても、その実、同情も憐憫も見せはしなかっただろう】
【そして正確に、緻密に、彼女の身体を元に戻す――その整った顔に、身体に傷を遺さぬように、我らが神の供物として、相応しい美しさを備えていられるように】
【変色し、スポンジのようになった肉も、栄養失調でボロボロになった肌も、粉砕されもう元には戻らぬと思われた骨でも】

【だからこその失態だった。彼女がもう子を宿せない体になってしまったのは】
【――まだ持たせるつもりだったのに、何故失敗したのか。手が滑った?有り得ない話だ。新しい肉体に不慣れだった?そう、"この肉体"が不慣れだったのだと、納得した】


《こみゅにけーしょんトハ難シイモノデス。モウ少シ人数ガ減レバ、上手クヤッテミセルノデスガ》


【珍しいと言えば、そうなのか。それも長い付き合いのなせる業か、それでもまだ、この少女はアルジャーノンと良く口を利く方であったか】
【世間話のような軽口に意味のない軽口が出るのもそれ故か……今は、手術の方が優先されることだろう】
【彼女が、どんな環境であれ生き残れることは承知している。事実生き残って来た姿を見続けている――だからこの清潔さは敬意の証以上の意味はなかった】
【――もっとも彼女は余り気にしてもいなさそうだったけれど】
【麻酔のことに触れられると、女は珍しく顔の筋肉を動かした。多分"困った"顔をしている】


《畏マリマシタ。シカシ麻酔ハ――》


【耐えるのだろう。この少女で有れば、今まで如何なる苦痛をも、その信仰をもって乗り越えて来たのだから】
【あの儀式の日も、乱入などしなくても、彼女は耐えていたのだから――】
【いけない。ノイズが――これから手術なのだから、万が一にも手が滑ったりはしてはいけない。あの時のように】


【"マチ"が消えたあの日――教団から後に通達されたのは、背信を告げる言葉】
【愚かにもあの凡庸な娘は、祝福されし少女に――ウヌクアルハイに見染められし貴女に嫉妬し、裏切ったのだと】
【それも"修行"や"儀式"と同じ。そう言われれば、彼女は納得すると言う、確信――何故ならば】
【蜜姫かえでは――狂信者なのだから】


《仰セノママに》


【結局、反抗などするはずもない。麻酔は要らないと、はっきり告げられれば、女は従う他ないだろう】
【いざ、手術に入れば女の腕に躊躇いはない。少女の阻害の能力が有れば、どの程度まで"死なない"のか、完全に把握しているのだから】
【損傷した内臓を修復しようと、服をたくし上げ――腹にメスを入れ始め――】


《アア、シカシ何タル悲劇――神聖ナル、"むりふぇん"様の儀式が、最早行ウ事ガ出来ヌトハ――》

【残念そうに――どこまで本音なのか、女は嘆く。少女が起きているから、気を紛らわせるためのお喋りなのか】

《……モシモ、器官ノ移植ヲゴ所望ニナルナラ、コノ肉体カラ摘出シマショウカ?》
《内臓ノめんてなんすハ万全デスシ、未使用ナノデきれいデスヨ》

【冗談――?だとすれば誰かが吹き込んだのか、あるいは、ただの思い付きをそのまま口にしただけか、軽口の続きのように女は呟くのだった】
505 :アルジャーノン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/15(金) 01:26:26.14 ID:lg9lHMlD0
>>504
/ 【世間話のような軽口に意味のない軽口が出るのもそれ故か……今は、手術の方が優先されることだろう】

/ 【世間話のような意味のない軽口が出るのもそれ故か……今は、手術の方が優先されることだろう】

訂正します!
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/15(金) 01:59:24.55 ID:fUaMm1Az0
>>504

【――――あの日、彼女はどうしてか、麻酔を断った。気まぐれだったのかもしれない、それもまた修行の一つになると、考えたのかもしれない】
【――そうして手術は開始された。今日みたいに。これからみたいに。――であったなら、それは壮絶な光景であった。当然だろう、麻酔なしで胎を開くなどと】
【常人が耐えきれるものではなく――それでも耐えようとしたのはなんでだったのか。居なくなったマチへの手向けだったのか。それさえも、分からないんだけれど】

【ならばそれはそんな要因が重なり合った結果だったのだろう。――彼女自身がその痛みにひどく暴れたのだ。どれだけ強く縛っても、骨すら自分で折りそうなほどに】
【そうであったならば、どんな名医であれまっとうな治療などできないだろう。まして――身体そのものが、不慣れであったなら。その故の、結果が、あって】

【この少女にはそういう実験動物としての意味合いもあった。ならばこそ身体の状態は事細かにチェックされる。次の健康診断も、そろそろだったはず】
【どこまで耐えるのかも。どの種類の痛みに弱いのかも。数値以上に何を苦痛と思うのかも。全部全部知られていた。何か数値が少しでも違えば、その理由を探される】
【であればこそ。――Triumphus Serpentis Magniの使用による副作用。医療的にそれは副作用と呼ぶべきものだろう、"ここ"の人間たちにとっては違うんだけれども】
【きっと相手はその時に気づくんだろう。少女の数値は明らかに悪くなっていた。深くまで堕ちこみ始めていた。少しずつ――少しずつ、何かが変わりだしていて】

――――っ、う、く、

【――その瞬間、わずかに目を細めた。そうして息を吐いたなら、――あの日のような状況にはならない。あの日は再現されない。だけど、それは、】
【なんだか彼女がどんどんと違うものになっていってしまいそうな、なってしまったような、なんだかそんな気持ちにさせてしまいそうで。少女は明確に意識を保ったまま】
【まったく麻酔を施されぬ状況で、――けれど異様なまでの静かさであった。ただしこれはどうしようもなく思考回路を抉り取られて、口数は減るしかないのだが】
【逆に言ったなら。たったのそれだけで。本来ありふれた人間であれば発狂するほどの激痛に耐えられる、ということでもあって。――それはきっと生存するためにも似ていて】

【――――理論上は、意識さえ保っていられれば、死なない】
【そうとまで言われていた。そこまで適応するほどの痛みを苦痛を強いられ続けた。それでも、まだ、人として生きていたなら】

…………――そうですね、それもいいかと思うんです。アルジャーノン、あなたなら、きっと、うまく、やりますし……。
だけど……、……――また邪魔しに来ませんか? それは、ちょっと、めんどくさいかな……――。

私、もう、偉いんで。今そんなことしたら、間違いなく、今度こそ、その身体、破棄されますよ。

【ぼうとした目をしていた。どこを見るでもなくて、ならばどこか微睡むように。それでいて、自身の胎を開けられたままで、しゃべっているなら】
【痛覚を阻害しているだけで、どこか遠くで触れられている感覚は、あった。身体の内側。痛くないからこそ、余計に悍ましく、目を逸らしたくなるのに】
【話しかけてくれるのがなぜだか嬉しいように思えて――眠ってしまわなくてよかった、と、どこかで思ってしまう。最近こんなのばっかだった。らしくない】

【――身体の中はひどいあり様だった。腹部を二発ぶち抜かれている。それだけで致命傷と言ってしまえそうで、それ以上に、身体中を串刺しにされたようになっていて】
【ならば。こんなふうにしていられるはずがないほどの重症人であった。――あるいは生きている死体のような様相、破綻しないのは、能力のために】

/ちょっとだけ入らなかったので分割で!
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/15(金) 01:59:55.65 ID:fUaMm1Az0
>>504>>506

……じゃ、今度のことが終わったら、お願いします。今日は……傷だけ。

【感傷には程遠い。本当に面倒くさそうな声をしていた。けれど、きっとその瞬間、彼女は、アルジャーノン、――ではなくて、マチに、話しかけている】
【相手が彼女のことを知るように、彼女も相手のことをいくらか知っていた。たまにもともとの人格らしき言葉を発する。そんなに詳しいわけじゃ、ないけれど】
【ぼうっと濁った思考の中で、少女はふっと何も考えないままでそうしてしまっていた。それに少し遅れて気づいたのか。鈍い思考回路が追い付いたのか。今日は、傷だけをと願う】

【"今度のこと"――とは、やはり、近頃、蛇教内部もざわついていた。活動が活性化したのはもちろん。様々な要因から、何か、大きなことがあるんじゃないかって】
【そういう噂話が出回り始めている。というか。ほぼ確信を持って語られていた。――それが終わったら、そうする。そうやって彼女は、答えるから】
508 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/15(金) 21:32:13.10 ID:lg9lHMlD0
【「サーペント・カルト」――――施設内】
【大きな大きなプール、あるいは水槽のようなものがある部屋があった】

………………うんいいよ、そのまま。飛沫立てないようにしてね、
ひっかかったらオマエも「そうなる」よ。そうそう、ゆっくり、爪先から浸けていくの――――

【しかしそこに満たされている液体は中性の水なんかではなかった。ならば何が湛えられているかといえば】
【強力な強力な「酸」だった。それが、プールに、なみなみと。注がれて、静かな水面を保っている】
【けれどそこに、ひとり、かわいそうな人間が、ゆっくりと。沈められようとしている真っ最中だった】

【少し離れた高いところからそれを見下ろしているのは、少年。金髪碧眼、ビスクドールめいた顔立ちの】
【顔以外の肌を一切露出しない格好。それでいて一滴の汗もかかない。足元は鋭利で高いヒールの靴】
【それでもって、視界は約170センチの高さを保つ。そこからじいっと――つめたい海色の瞳で、見ているばかり】

【今にも酸に沈められそうになっているあわれなサーバント。涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら、すさまじい声量で】
【「申し訳ございませんでした、サビク様。どうかお許しを、どうか、どうか、どうか」 ――――――】
【ずっと少年に向かって懇願し続けていた。暴れてもいるようだったが、手足は厳重に拘束されていて】
【最早指一本も動かせないような状態だった。だから唯一自由に動かせる顔だけを、必死に、引き攣らせていたけど】

【「サビク」 ――――そう呼ばれた少年は、その声を聞いても眉一つ動かさない】
【ただじっと、サーバントが酸に浸けられていくのを見てる。哀れもうともしなければ罵りもしない】
【まったくの無表情だった。そしてそれで、周囲に理解させるのだ――猛烈に、怒っているのだと】

【サーバントの爪先が酸に触れる。絶叫が響き渡る。水面が一気に蠢き始める】
【しかし少年はそれを見守っているばかりだった――――静かな怒りを湛えたまま。……なにか、あったみたいだけど】
509 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/15(金) 21:47:44.67 ID:lgPHiCTT0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 森林】

おおおおぉぉぉぉッッ!!
「……ッ!!」

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【短いバイオレットの毛皮で全身を覆い、その上からフード付きのマントと半ズボンを着用している】
【左目へとめり込む様な、人相を歪ませている大きな傷跡、更に頬にも大きな傷跡の目立つ】
【ずんぐりむっくりとした体格の、尾の先が不自然に二つ裂きになっている、右目の眼光の鋭い、身長150cm前後の猫の特徴を宿した獣人が】

【森の中で激しく打ち合い、時折火花を散らしている。獣人の手の爪が、振り下ろされた棍棒を受け止め、押し返す】
【それを更に偉丈夫は棍棒を振るい――――その一瞬、風が走った。眼前のはずの獣人が、偉丈夫の背後から爪を閃かせ――――】

ッッ!!
「くっ!?」

【咄嗟に偉丈夫は背後に棍棒を回して構え、背中を狙った獣人の爪をやり過ごした――――2人の動きが止まる】

「……ふぅ。……お前、こんな事をやってる場合じゃないんじゃないのか?」
構いやしねぇよ……行き詰ったら、切り替えるまでだ。今は、頭空っぽになるまで、体動かしたいんだよ……オヤジ、もう少し、良いか……!?

【背筋を伸ばして構えを解く2人。恐らくは、手合わせと言った程度の、軽いぶつかり合いだったのだろう。ただ、彼らの間に流れる空気は、非常に重いもので――――】



【――――所変わって、水の国 路地裏】

あーぁ……全く、やってられないったらないですよ。今度はアホなカルト宗教? こんなんじゃ生きていけないじゃないですか……アレですか、小市民は死ねって事ですかねぇ?
全く、外に神を求める様なザコなんて、教会もカルトもみんなお前らの方こそ死んでしまえばいいってのに……

【切れ長で涼しさを感じさせる瞳が、艶のある短い黒髪の中で映える顔立ちの】
【医療従事者用と思しき白衣を着こみ、ポケットからはステンレス製の細長い箱が覗いている】
【頭に、白いつば広の帽子を被っている、身長160p前後の女性が】
【壁に寄りかかりながら、手元の通信端末を覗き込み、不機嫌そうにため息をついている。ぼうっと光に照らされるその表情は、画面のニュース記事を深刻そうにのぞき込んでいて】

……これじゃ、どこについていけばいいか、分かったもんじゃないですねぇ。世間の荒波ったって、ちょっと荒過ぎはしませんか?

【足元に倒れ伏す2人のチンピラを、つまらなそうに見下ろしながら、女性は独り言めいた問いかけを投げかける。勿論、返答など期待していないのだが――――】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
510 :アルジャーノン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/15(金) 22:00:08.72 ID:lg9lHMlD0
>>506
【あの日の事故の実際の原因は分からない――様々な要因が絡んでのことで、ある意味においてなるべくしてなった、と言うことなのだろう】
【結果として彼女を蝕んでいた一つの儀式はそれで終わりとなったものの――それは所詮、たった一つのこと】
【流石に以前とは立場も扱いも違うとしても、幹部となった今ですら、針の山を歩くが如き、彼女の道は続いている】
【せめてもその山の向こうに救いが有れば良いのだろうが】
【日増しに、"悪く"――真っ当な倫理観に当てはめればの話だ――なって行く彼女の心身を見るに、それはきっと叶わぬことなのだろう】

【――今も、そう】
【かつてとは異なり、麻酔無しに内臓をいじられるとなどと言う正気とは思えぬ所業の中でも、彼女は大きく騒ぐこともなく】
【ただ今までずっとそうして来たように、静かに全てを受け入れている】
【それは成長?幹部として――或いは、敬虔なる信者としての精神的な強さの証だと?】
【アルジャーノンはそれに対して、額面通り応えるだろう。例え返事がなかったのだとしても】

《素晴ラシキカナ。流石ハむりふぇん様。脳波ハコンナニモ揺ラギ、激痛ヲ訴エテイルト言ウノニ》
《貴女様ノ心ハ湖畔ノヨウニ静カニ凪イデイル》
《下々ノ輩ニハトテモ真似デキマスマイ》

【惜しみなく賛辞を述べる。事実として驚嘆すべきことだ。この年若き身でここまで至ることのできる人間がいようとは】
【否――本音のところでアルジャーノンはこう考える】
【この異形がこんなことを物思うのは全くナンセンスなのだが】
【蜜姫かえでは、最早人間の規範から外れ掛かっていると】
【これは成長ではなく――言うなれば変質なのだと】


【思考とは別に、女の手は手術を続行する。早めに処置を出来たのは僥倖――放置し過ぎれば、壊死を招いていたかも知れない】
【例え能力によって生存を維持できたとしても、それは望ましいことではないだろう】
【大きな動きを控えた今で有れば、尚更のことだ。いつものように、正確に処置を施していく】
【医療行為に優しさは不要とばかりに、穴を塞ぎ、血管を繋ぎ、問題なく肉体が循環するように――彼女はもう何度それを体験したことか】
【勿論、腹部の内臓以外にも損傷は数多――これは長い手術になりそうだった】


《ゴ冗談ヲ……邪魔ナド、入リマセン》


【それは彼女に取って数少ないプライドだったのか、珍しくはっきりと否定する。有り得ないことだからだ】
【この肉体の脳は物理的に半欠けなのだから、感情も、思考も断片しか残らず、意味のある人格を形成できるはずはない】


《……畏マリマシタ、むりふぇん様》
《皮モ肉モ骨モ――何度モ入レ替エマシタシ、血モ幾度ト無ク輸血シマシタ》
《生マレタママ残ッテイル部分ナド、後ドレダケ有ルノヤラ――》

【それがまた一つ増える。異形の女に取って、それはそれだけの事象】
【もっとも次の"大きなこと"の後に、彼女が生き残るのかどうかは定かではない】
【不死に近き禁術の使い手、一騎当千のオフィウクスであれど――この街の能力者達は決して楽観できる相手ではないから】
【ましてや、敵が"外側"だけとも限るまい】

// 続きます。
511 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/06/15(金) 22:07:32.86 ID:BoMG3QGto
>>508
【その部屋に一つの気配が滑り込むように入り込んできた】
【一切の足音はせず、しかし確かな気配が。彼が振り返れば、そこには一人の男が浮かんでいた】

……サビク殿

【彼なら、その壮年の男の顔くらいは知っているだろうか。両手足が根元から欠損し、足の断面から漂う靄のようなものの上に乗って浮かぶその男を】
【スキンヘッドに、顔に這い降りるような形で彫られている蛇のタトゥー。不気味に光る、蛇のそれのような縦の瞳孔の義眼】
【胴体を赤い祭服で包み、蛇の模様が刺繍された帯を首からかけている】

【司祭、アレクサンデル・タルコフ。彼と同格の蛇教幹部の一人である】
【その両腕の断面から、靄と同じ半透明のエネルギーが蛇の形で伸び、酸のプールの上でのたうつサーバントの足元へ向かい】
【その足を持ち上げて、酸の水面から遠ざけようとするだろう】

差し出がましいこととはわかっておりますが、儀礼を取り仕切る立場として申し上げます
儀式≠フ時は近く、今は一人でも人手が必要な状況です

どうか、お怒りを鎮めてはくださいませぬか。伏して、お願い申し上げます

【両腕の蛇を伸ばしたまま、司祭は足元の靄を消して床にその身を投げ打ち、少年にそう告げた】

/まだいらっしゃいましたら、よろしければ!
512 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/15(金) 22:17:57.21 ID:lg9lHMlD0
>>511

【音も何もなかったけれど――少年は確かに「彼」に気付き、振り向いた】
【表情はまだ凍り付いたままだった。そうしていれば本当に、人形めいた造り物っぽさが際立って】
【――――床に転がるアレクを見下ろす。長い睫毛が影を落とす。ふ、と息を吐いて】

…………こんなヤツ、こんなヤツでも「人手」にするの?
ねえ「マルフィク」さん。コイツ、ボクに水をひっかけようとしたんだよ?
そんなヤツを、蛇神様の御前に出すの? そんなの冒涜だよ、……そう、思うんだけど。

【語る言葉。それはあまりにも単純な切欠が原因で、あまりにも幼稚な怒りを抱いたのだと】
【そんなものだった。呆れもするだろうか、けれど同じオフィウクスであるアレクなら知っているかもしれない】
【少年、サビク、破崎雨竜はひどく、ひどい潔癖症だった。ならばここまで怒るのも納得――なんかできないだろう、当然】
【あからさまに苛々しているのを抑えきれない、みたいな顔で。しばらくアレクを見下ろしていた、けど】

………………はあーあ。わかったわかった、いいよもう――ソイツ、引き揚げて。
ごめんねマルフィクさん、もうしない、もうしないから……顔を上げてよ。
そうも簡単に頭下げられちゃったら、なんか誤解されちゃうかもしれないじゃない。

【他のサーバントたちに合図を送る。そうしたら、かわいそうだったサーバントは無事地面に転がされて】
【本当に、本当に。神を見たとでも言わんばかりの輝かしい表情で――アレクを見るだろう。助けてくれたと思っている】
【少年はそれを見て舌打ちしたが、……それ以上はもう、何もしない。困ったような顔をして、その姿勢を止めてくれと言うのだ】

//おりました! よろしくおねがいしまーす
513 :アルジャーノン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/15(金) 22:26:18.06 ID:lg9lHMlD0
>>510
【――この"マチ"と言う少女が何をしてもしなくても、彼女の行く道に大きな違いなどなかっただろう】
【かつて短い間だけすれ違い、その後大きく道を別つことになった結果に変わりはない】
【もしも、"こう"なってなかったのだとしたら】
【オフィウクスとして大成した彼女の視界に入ることさえ稀で、話しかけることも躊躇っていたかも知れない】


【数奇なことに――こんな風に"成り果てて"初めて、この行き過ぎた少女の近くにいることが出来るのだ】
【だから仮に、ここで話していたのが"マチ"だったのだとしても、何を言ったところで彼女の眉すら動かすことは出来なかったに違いない】


【『頑張って』?『無理しないで』?『生きて戻って』?……『幸せになって』?】
【原色めいた単純な感情から出て来た言葉なんて、何一つ届きはしない。それくらいに彼女の心は歪に入り組み過ぎてしまっている】
【言えることなど――】


……ムリフェン様。手術は終わりました。少しは、眠ってください。


【ただ一時だけでも、休息を促す言葉だけ】


【『いつだって私のような人間は無力で――』】
【『自分で何も成すことはできない。それでも何かせずにはいられなくて』】
【『何か他の"誰か"が悲運の運命から救ってくれることを、願うことしかできない』】
【『"神に祈る"って多分そういうことなんだ』】
【かつて迂闊にも、カルト宗教へとのめり込み、そうしてそれすら信じられなくなった少女は、宙に散らばった意識の中で、ようやく神を知るのだった】
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/06/15(金) 22:33:43.54 ID:euUz4Yu10

【人気のない公園】
【夜という事もあるが雨が降っているのもあって、誰一人踏み入れる事のないその場所】

【一人の少女が濡れそぼったベンチに膝を抱えて座っていて】

【月白色の肩まで伸ばした髪に生成色のキャスケット。ノースリーブのデニム地のワンピースを着ていて】
【長い事いたのかキャスケットもワンピースも濡れている】
【その右の肩口には鋭利なもので切った後に指程の太さのもので広げられたみたいな傷があって】
【昨日今日で出来たようなそれはまだ側面を赤く濡らしている】

【抱えられた膝。色が濃くなってしまったそこに埋められた顔】
【ちらりと見える金色の瞳がひどく虚ろで】

【何度も深いため息を吐く。異様な光景がそこにあって】

515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/15(金) 22:47:39.62 ID:fUaMm1Az0
>>510>>513

【――――ならば"それ"すらも、誰かの思し召しのように思えてくるのかもしれない】
【能力の特異性ゆえに実験動物のように扱われるサーバント。そんなものは不穏な因子でしかなかった。実験――いや、修行。儀式。のたびに、能力は細分化し】
【できることが一つずつ増えていく。――ううん。彼女自身が生き残るために、新しい使い方を見出してしまう。そんな中で。ならば。それは恐ろしい未来を導きかねなくて】

【いつ破断するか、分からなかった。信仰心はある。傾倒している。しかしそれが何かのはずみで、蛇教にあだなすものになる可能性は、いつだって無視できないなら】
【"それ"こそが彼女をこの場所へ縛り付けるためのものだったのかもしれない。あるいは最終的に殺すためのものであるのかもしれない。――幹部の座、それそのものが】
【まるで死刑囚の座る電気椅子のように。――――彼女みたいな人間相手なら、そうやってすれば、逃げ出さない。より一層のめりこむだろう。見透かされたように】

【そして事実、そうであった。何にも疑わない。疑うことなく。どこまでも善意で動く。――だからこその"オフィウクス"】

――――それは、ここまで私を導いてくださった、ウヌクアルハイ様のお力あってのものです。
下々の、というのは、不適切でしょう。ウヌクアルハイ様はすべてをご覧になられておりますから。……励むことでのみ、認めてくださる。

【――ぼうとした表情に、けれど、わずかの笑みが差した。惜しみない賛辞。普段ならば、平素の顔で済ませたのだろうと予感させて、――だけど今は確かに笑った】
【自分がどうなっているのかを分からない。――知ったとしても、おそらく、止まらないだろう。それは医療に従事するものとしてどう見えるのだろう、でも】
【それがここの運命でもあるのだろう。熱心であればあるほど。――きっと相手も見てきたのだろう。そうして人間をやめていった、誰かたちのこと】

……そうですか。ならば良いです。

【小さく吐息が漏れた。――痛みは、感じない。いろんな機械が証明してもなお、彼女の意識に、それらは登ってこない。邪魔しない。けれど、その分靄に囲まれたように】
【ならばそうして紡がれる言葉たちは譫言に似ているのかも、しれなかった。――ゆえにこそ時々ふとした言葉が漏れてしまう。どこか人間らしい、くだらない言葉】

あはは、サイボーグみたいですね、――――、

【――愉快そうに目を細めたのだ。その意味をきっと相手は、分からないんだけど】

…………………………、それは、医者としてですか?

【ふ、と、息交じりの声が漏れた。――ならばやはり彼女としても快くはないのだろう、痛みを感じないとはいえ、意識あるまま他人に臓腑を預けるというのは】
【どこか安心した――というにはあまりにわずかだけ、和らいだ様子があった。「ありがとうございます」、と、伝えた声。――そこからたっぷり、十数秒は空けて】

【――マゼンタ色がきっと相手をまっすぐ見ていた。ならば彼女は"マチ"という少女の存在を、認めない。そうであったなら、従わない】
【それは過去の出来事であった。馬鹿で愚図の子が淘汰されていった、ありふれた、過去の。――だけどきっとその少女は誰より優しく。ならば、ボタンの掛け違いだけ】

【――――――時々、この少女は、「ヒヤヒヤした」というものの言い方をすることがあった。特にサーバントに向けて。迂闊な行動をした、サーバントに向けて】
【――――――自分の言葉に従って"正しく""善いこと"をすることが出来たなら、蕾が綻ぶように笑って、それで、褒めるのだ。――善人だった故に消えた少女をいつか見ていたから】
516 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/06/15(金) 22:48:50.57 ID:BoMG3QGto
>>512
それについては、確かに大きな過ちです。尊きサビク殿のお身体を、未遂とはいえ穢しかけてしまったのですから
しかしながら、私を含めて信徒たちの全てが完璧とは程遠い、哀れな迷い羊なのです
そも、我々がそのような有様だからこそ、ウヌクアルハイ様は無限の輪廻を巡っておられるのですから……

それでも、我々は今あるもの、今できることをもって聖なる職務を果たさねばならないのです
(サビク殿……間違いなく強力な力と強い信仰をお持ちではあれど、あまりに危うい)
(オフィウクスもサーバントも、いずれはウヌクアルハイ様に捧げられるべき命なれど……それには相応の手順こそが重要だというのに)

【床に臥せったまま、司祭マルフィクはつらつらと訴える。心中では、やはり多少なりとも苦々しい思いを抱えながら】
【アレクサンデルとて、カルトの目的を正しく理解した幹部の一人。自身の身も含め、サーバントら信徒の命は蛇神のためなら使い捨てることも厭わないだろう】
【しかしながら、眼前の少年がやっているように、個人的な怒りや癇癪によってサーバントの命が消費されることは】
【マルフィクの考えるところの、正しい手順に則った殉教とはかけ離れていた】


感謝いたします、サビク殿……
さあ皆さん、その方を医務室へお連れしてください。それが終われば、今日のところは解散してくださって構いません

【少年の言葉を受けて、異形のダルマ男は再びふわりと空中へ浮かび上がる。サーバントたちが哀れな信徒を酸の上からどける間】
【その蛇は、爪先の傷を庇うように展開していた。本来なら、蛇神のみがその身を飲み込むべきなのだと、そう信じるがゆえに】

【爪先を酸に侵されたサーバントに微笑みかけ、他のサーバントたちにもそう告げる】
【今宵のところは、彼らは怒れるサビクから解放された。今後どうなのかは、わからないが】


……嘆かわしいことですが、このところは警察などの公的機関のみならず、蛇教をつけ狙うパグローム≠ネる凶賊を始め
教団に、ひいては蛇神様に仇なす者たちが後を絶ちません

何者の仕業かはしれませんが、先日も生贄を集めに出ていたサーバントのグループが三つ襲われ、17人もの信徒の命が奪われたのです
全ては我々の果たすべき職務、受肉≠フため……サビク殿のご理解に、心より感謝いたします

【全くの異形である。全てが均整の取れた、ぞっとするまでに美しいサビクことウリュー少年とは、あまりに対照的な男だった】
【しかし、その外見とは対照的にその声は深く穏やかで、姿さえ隠していれば告解を聞く神父のように相手に安心感すら与えるかもしれない】

【義眼とタトゥーで醜悪に彩られたその顔を、穏やかな笑みで飾り。しかしながら、やはりその姿は異形であり、その精神は少年とは別の形で歪み切っていた】

……よろしければ、共に一息入れませぬか。以前から、サビク殿とはお話しする機会を戴きたく思っていたのです
以前から聞き及んでおりました――――貴方様が蛇神様から『選ばれた』瞬間のお話

その逸話……いえ、神話といっても過言ではありますまい。この一信徒めに、どうか語り聞かせてはいただけないでしょうか?

【そうして問いかける姿すら、不気味さと穏やかさのアンバランスだった】
517 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/15(金) 23:04:23.76 ID:lg9lHMlD0
>>516

……わあかった、わかったってば! もう、マルフィクさんったらいっつもお話長いんだから!
まるで学校の校長先生みたい、知ってる? 長話に耐えられなくって生徒たちがバタバタ倒れていくの。
そんな感じがするよ、……威厳が全然違うけどさ。ま、そういうのはもう、どうでもいっか。

【一応、話は全部聞くけど。それをすべて理解しているかと言われればそうでもなさそう】
【うんざりしたような顔して、手袋を纏う手をひらひらさせて――サーバントたちを撤収させる】
【彼らはめいめいマルフィクに感謝の言葉を掛けて去っていくけど――サビクには目も合わせない】
【当然だ。オフィウクスの地位を濫用して無理矢理いろいろやらせようとしてくる、それも幼い上司など】
【好かれる理由もなかった。少年もそれは理解しているようで、彼らの背中を睨んでいたけど】


パグ、ああ……聞いた聞いた。アイツまだ死んでないんだ。
ムリフェンを「やった」ヤツもいるしさあ、面倒臭いの多いよね最近。

【世間話でもするようなトーンで対話に応じる。そうして、一息入れないかと言われれば】
【「こんなトコでする? まあ別にどうでもいいけど――」 言いながら、適当なところに座るだろう】
【最初。マルフィクの姿を目に入れた少年は――あきらかに怯えたりもした、あまりにもヒトの形からかけ離れていたから】
【でももう、同じ立場になって何度も相見えることになったなら。慣れざるを得なかったのだ、本当に、慣れただけであって】

【――――つまりまだ、少年は内心、マルフィクのことに怯えている。「ボクもいつかああなっちゃうのかな」、って――】

……神話だなんて、やだなあ。それ、マルフィクさんなりのジョーク?
そういうのを持ってていいのは蛇神様だけだよ、……でもそうだね。ボクはそんな蛇神様に選ばれたんだ。

ふふ、じゃあ教えてあげる。ボクはね、汚い女の股から生まれてきたわけなんだけど――――

【……そう思いつつも、自分の話をしろと言われれば満更でもなさそうに。むしろ嬉しそうに、語り始めるだろう】
【自分は乗せられてるだけなのかもしれない。そんなことはこれっぽちも思ってなさそうに、すらすら喋り始めるだろう】
【何の変哲もない平凡な女が母親だったこと。そいつが熱狂的なサーバントだったこと、それから先は――】
518 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/06/15(金) 23:27:48.79 ID:BoMG3QGto
>>517
はは……いやお恥ずかしい。司祭という立場上、どうしても無駄に口数が多くなってしまいましてな
確かに、私が校長だったとしたら保健室は満員御礼となってしまうでしょう

【いかにも少年らしい言葉と仕草にも、マルフィクはいつもの調子を崩さない】
【司祭としての顔以外を、ほとんど表に出すことのしない男だ。彼が怒りを見せたところを見た信徒はいないと噂されるほど】

【去り行くサーバントたちに気遣いの言葉をかけつつ見送る。しかし、当然ながらサビクに対しては明らかな反感が見て取れた】
【蛇教の最高幹部たるオフィウクスの一人が、信徒からそのような目で見られるような振る舞いをしていることは】
【やはり、マルフィクとしては好ましくない事態である。かといって、ウリュー少年を矯正する手腕など持ち合わせてはおらず】
【異形の司祭は、心中で小さくため息をついた】


そのようです……先日も、サーバントのドープ殿が交戦し負傷なされたとか
ムリフェン殿の件も聞き及んでおります……全く、嘆かわしいことです

【事実、彼ら蛇教の狂信者たちにとっては日常茶飯事のことなのだろう。世間話の範疇なのだ】
【拷問部屋で話を始めたのも、ある意味では日常といえるだろうか】

【自身の姿に怯えられていることにも、表面上は気にする様子は見せず】
【されど、やはり彼にも年相応の面は残っているのだとも思う。蛇教の凶器への恐怖も】
【だからこそ、彼は苛烈なまでにサーバントを痛めつけるのかもしれないが】


確かに、失言でした……どうかお聞き流しください
蛇神様がお選びになられたお方が眼前にいるとなれば、信徒としてどうしても羨望と興味を抑えきれないのです

【確かに、サーバントへの怒りの矛先を収めさせるという意図は大いにあった。ナルシストな面が強く見える彼なら、自身の話はしたがるだろうと】
【しかし、興味をそそられたのも本当だ。【蛇神に選ばれたと豪語し、実際に力を示してこの座に収まった少年】
【その過去に何があったのか。珍しく、司祭ではなく個人としてそこに惹かれた】

【彼が話を始めれば、時折相槌を打ちながら、じっくりと聞き入る】
【サーバントの母。彼女への侮蔑を感じさせる言葉。その理由は、その先にわかるだろうか】

【司祭の穏やかな声は、控えめに先を促していく。ウリュー少年がサビクとなった、その日のことを】
519 :アルジャーノン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/15(金) 23:42:18.10 ID:lg9lHMlD0
>>515
【なるほど、実験動物とは言い得て妙――叩けば叩くほどに進化するのであれば、最初の方こそその成長に興奮冷めやらぬとしても】
【ある日唐突に気付くのだろう。ここまで育ててしまっても良いものかと】
【いつか牙を剥かれたとして、自分達は"これ"を制御できるのだろうかと】
【彼女に与えられた椅子は、そのための苦肉の策だったのだろうが、思ったよりもそれは座りが良かったらしい】
【故により一層に、加速した――それを目論んだ者達の思惑通りだったのかどうかは、知れないが】

《失礼――失言イタシマシタ。設定ヲ修正イタシマス》
《ソレデモ、貴女様ホドノ、信仰ノ在リ方ハ、他ノ誰ニモ真似出来マスマイ。長ク教団ヲ観テ来タ中デモ――貴女様ハ破格デス》

【浮かぶ表情は目に映っていた。だからと言う訳ではないのだろうが、女は言葉を継ぐ】
【この異形が真っ当な感情でモノを喋るとも思えず。その言葉は話半分程度に聞いておくのが常であろうが】
【朦朧とした頭には効くこともあるのだろう】

【サイボーグのようだ、との言葉の意味は当然女には分からない。おかしそうに笑う理由も見当はつくまいが、深く追求することはなかった】
【すぐに若干不機嫌そうになる声を聞いて、何かおかしなことを口にしたかと、異形はその顔のない頭を少し傾げて見せる】

《モチロン。術後ノ体力ノ回復ハ必要デス。イツモノ通リデショウ》

【真っ直ぐ見詰められたマゼンタ色の瞳を見返す。その歪な眼には一切の動揺は存在しなかった】
【アルジャーノンと呼ばれるモノは生き物ではなく、ただの"現象"であり。肉の身体はその結果に過ぎない】
【だから時に何かノイズめいた言葉を喋ったりすることも有るのだろうが――】
【それもただの反応であり、意志や――ましてや奇跡など交わりようがないのだ】

《何ヨリ、オ疲レデショウ?ソンナ顔ヲシテイマス》
《ウヌクアルハイ様ニ向ケルソノ美シキ顔ヲ曇ラセテイタトアレバ――アア、私ガオ叱リヲ受ケテシマウ》

【――過ぎ去った過去を物思うならば、彼女は"まだ"人間なのだろう】
【やがて、いつか、信仰の果てにそれも消えるのか――或いはそれでも縋りつくのか――異形の身にはそれはどうでも良いことだった】

【でも"識っている"。長い付き合いだからだ】
【その在り方はどうしようもないくらいに歪んで、捻じれて、取り返しがつかなくなってしまったのかも知れないが――】
【それでも――この少女は優しいのだと、知っている】

《……私ハ仕事ガアリマスノデ、席ヲ外シマス》
《寝起キニ見ルニハ適サナイト、評判デスノデ》
520 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/15(金) 23:43:14.78 ID:lg9lHMlD0
>>518

……マルフィクさんも学校行ってたことあるんだ?
けっこう意外かも、……ごめんなんだか偏見だった。そりゃそうだよね、マルフィクさんだって――

【「ふつうだったときも、あったでしょ」。そう言いかけてやめた、なんだかおかしなことを言ってる気がして】
【普通とは、何だったろう。そう考えて――むしろ普通じゃないのは彼じゃなくて自分のほうな気さえしてくる】
【蛇のために生きて蛇のために死ぬのが、「ここ」の普通。だったら自分は、……なんなんだろうって】

【――マルフィクみたいに手足を失くして蛇になるのが普通なら。そんな普通は、……考えるのを、やめる】
【そんなことを考えてしまった自分がひどい異物であるような気がしてきて、なんだか、居心地悪くなったから】
【小さくかぶりを振って、続きを話し始めることだろう】


…………あの女はたぶん、ボクに嫉妬していたんだと思う。だってボクとあの女、全然似てなくって。
アイツはとても不細工だった、なんでボクをこのカタチに産めたのか――わからないくらい。
それくらい容姿の差があって、それでいてボクだけ蛇神様に選ばれたんだから当然――まあ、嫉妬も、するだろうけどさ。
だからあの女は、ボクにひどいこと、たくさんした。最後の最後にはボクのこと殺そうとまでしてきたんだよ。

マルフィクさんなら知ってるよね――タイボン? ってやつ。
こう、穴にたくさんたくさん毒蛇を敷き詰めて、そこにヒトを突き落とすヤツ。
あれをやれって言ってきたんだよ、あの女、最終的には突き落とされたんだけどさあ。

「ここから生きて帰って来れたんなら、あたしあんたのこと、初めて抱き締めてあげてもいいわ」って。
そう言って、ボクの背中を、押して、

【――――彼は決して、自分の母親のことを母と呼ばなかった。それくらい、彼は自身の母のことを恨んでいる】
【そう確信させるくらいには、語る際中、ずっと苦々しい顔をして――ヒールでぐりぐり地面を弄り】
【一旦言葉を途切れさせる。一番思い出したくない部分を想起してしまって、気分が悪くなっているようだったけど】
【放っておけばきっと続きが、また始まるだろう。それにマルフィクだって止めはしないだろうって、思って】
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/16(土) 00:13:04.13 ID:Y9bj2fjb0
>>519

【そして――少女はきっとただの一度でさえも、これらの扱いを、不服だと。不幸だと。苦痛だと、思ったことがないのだろう】
【ならばそれは要らぬ心配であった、文字通り杞憂であった。――けれど。今その人物たちが生存して蛇教に所属しているかは、分からないんだけれど】
【少なくとも当時彼女を"実験"に使い倒した連中は恐れをなして。いつ爆発するとも分からぬ人物を座らせた。――だって彼女はあんまりにありふれた少女すぎるから】

【――その反面で、それを誰もおかしいと思わぬ程度には、彼女は当時すでに逸脱していたのだけれど】

――あはは、そんなの別にいいですよ。もっと有意義なことに容量を使ってください。
…………そうですね、アルジャーノン。あなたはきっと、いろいろ見たのでしょう、であればこそ、まもなく悲願の刻を迎える。この現在が。

とても尊いとお分かりでしょう。

【――――冗談めかした笑い方をした。それこそ友達同士がするような。けれどそれは相手に向けて、というよりか。この少女は時々そんな風にする。サーバント相手であっても】
【機嫌だか気分だかによっては本当に友達みたいにしゃべることもあるんだという。それでもその反面怒らせたら――というのはもっぱらの噂、というよりも、事実であり】
【彼女の指摘するままに正しく善い道に戻れれば、良かった、と、安堵して笑うのだが。それ以上怒らせたり。戻ろうとしなければ。――――それを彼女は許さないから】

――では、そうしましょうか。そうですね、少しですけど、疲れました。この程度なら無視できるんですが。
…………ちょっといろいろ吐きすぎたので。貧血なんですよね。お肉が食べたいです。……あれ、顔に出てますか。数値なら分かるんですけど。

起きたら食べるんで、なんか用意しといてください。おかゆとかでいいですよ。いきなり食べて吐いたりしても、嫌なんで。
嫌いなんですよね、吐くの。気持ち悪いんで――――。

【じっと見つめ合う時間は、きっと、ほんの少しのことであった。治療の一環として求められたならば従うしかないだろう。そうでなかったら、無視していたけれど】
【小さな吐息で諦めた。服の布地を手繰ってみるのだろう、特に意味はなくって。――相手の言葉に同意するのは、付き合いの長さ故だった。少女は普段、言わないから】
【疲れたなんて言わない。そうやって誰かの前で言うくらいならさっさと阻害してなかったことにする。――治療のあとに時々あった。少しだけ、どこか、甘えるみたいにする】
【――今日の"それ"は食事の用意を求めることだった。あとで食べるからなんか置いておいてくれ、と。そうであれば相手が居なくとも、別に構わないなら】

――――――――それにしても、仕事ですか。ほかにも誰か、負傷人が居るんですか? ほんとに、もう、大事な時なのに……。

【――――小さな呟き声は、現状を憂うもの。あんまりにまっすぐに憂うから。――どうしようもなく取り返しがつかないんだけれど、それでも、綺麗な色はしているはずだった】
522 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/06/16(土) 00:19:03.79 ID:2FHwPLF7o
>>520
……もうずいぶんと昔の話でございます

【彼が飲み込んだ言葉に察しはついていたが、追及はしなかった。司祭は人を惑わすのではなく、導く者なのだから】
【未だその境地には遠いが、それでも彼の抱える迷いを助長することはしたくはなかった】
【そも、この狂った環境の中で人を導くも何もなさそうなものだが】

【それを思えばこの場において普通ではなくても、疑問を抱けるだけウリューは正常≠ネ部分を残しているのかもしれない】
【修行というにはあまりな地獄の如き所業、それを自らの身に行って四肢も目も鼻も失った司祭に比べれば】
【教団における自身の立ち位置に疑問を抱く、彼の方がまだ人なのではないのか】


なるほど……選ばれたことゆえに、謂れなき妬みを買ってしまわれたのですね
わかりやすい容姿の差に加え、そのような大事が起これば……
確かにそういったこともあるだろうとは思います。それでも、許されることとは思いませぬが
尊きサビク殿のお命を奪おうとするなど……

無論、存じております。ウヌクアルハイ様の象徴たる蛇を使う、という点において修行としてもあまり好ましくないものだと考えておりますが
そこに……サビク殿は落とされた

【彼が実母を心から恨んでいることはよく察せた。それゆえに、その恨みを否定はしなかった】
【地面を抉りながら言葉に詰まる彼を、司祭は今度は急かしはしなかった】
【忌まわしい過去と格闘しているのだとわかったから。その先に、彼の根幹があるのだと知っていたから】

しかし――――サビク殿は、今生きてここにおられる

【彼が続きを離し始めるだろうタイミングを見計らって、マルフィクはそう言った】
【彼をオフィウクスたらしめる、端的な奇跡を示して】

/すみません、お待たせしました!
523 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/16(土) 00:34:11.69 ID:OIVyTVIJ0
>>522

……昔。昔って、どれくらい? はは、そういえばマルフィクさんのトシも知らないや。
ダメだね、もうすぐ蛇神様がやってくるって言うのに、ボクたち――身内のことぜんぜん詳しくないままで。
ねえボクにばっかりお話させないで、マルフィクさんのことも教えてよ。
どうしてそんなに、蛇神様に魅せられちゃったのか――――知りたいな。知ればボクも、

【「マルフィクさんみたいになれるかな」。言って、無邪気に笑う】
【この場合、正しい大人なら教えないのが正解だろう。けれどここは狂気の園だ】
【深淵に向かってより多く進んだヒトほど、崇められる場所。だったら今は、少年よりマルフィクのほうが、偉い】
【それなら可能な限り距離を詰めたい。誰より先に進みたい、一等賞になりたい――幼い願望で、破滅へ進む】


そうだよ。蛇神様はボクを殺さなかった。だからボクは生きて帰って来れて、

――――あの女の抱擁なんか受けなかった。あんな汚いヤツに、そうされたって嬉しくないもの。
だからね、やり返したんだ。オマエも同じことやってみろって言って、それで同じように突き落としてやったら、
……あんまりにもあっけなく死んだんだ、アイツ! あはははっ、ボクとは違ってさ!

【「選ばれなかったんだよ」――――そう言って笑うけど。知っているだろう、同じオフィウクスであるマルフィクなら】
【彼の異能が、触れるものをみな撥ね返すだけのシロモノであることを。だから毒蛇に囲まれても死ななかったということ】
【だから――――「選ばれた」というのも、少年の単なる思い込みであるということまで。容易に理解できるだろう】
【けれどその思い込みによって、少年はここまで上り詰めてきた。皮肉なことだった、残酷なまでに】

……ふふ。ボクのお話はこれくらい。じゃあ次はマルフィクさんが話す番だよ、まずトシから教えてよ。

【ひととおり語り尽くして満足したらしい。それなら次は相手の番だって、ねだるように訊いてくるのは】
【まるで親に御伽噺をせがむ子供、そのもの。……それにしてはあまりにも、血腥い会話になりそうだけど】


//此方は大丈夫ですよ、むしろ其方がお時間大丈夫でしょうか!? 
524 :アルジャーノン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/16(土) 00:36:21.37 ID:OIVyTVIJ0
>>521
《エエ……私メニトッテモ遠キ過去ヨリ夢ミタ悲願――》
《ソノ時マデニ皆様ヲ万全ニ仕上ゲルノガ私ノ役目デス》

【定型通りの返事。どこか気安い雰囲気を見せたとて、機械のような反応は特段変わることはなかった】
【そして、少し考える仕草をして】

《何カ、コノ教団モ昔トハ違ウ空気ヲ感ジマスガ――》
《キット、ソレモ我々ガヨリ、ウヌクアルハイ様ヘト近付イタト言ウ事ナノデショウ》


【大した懸念も示さずに、そんな言葉を口にする】
【そんな思い出話を口にすること自体が、稀では有るのだろうが】
【深く追求するような愚を、女は侵さないし、その必要もない】
【彼女は怒る時はとても容赦がないのだから――】

【そしてこれも長い付き合いの一環か。どう言えば、彼女は大人しくしてくれるかも知っている】
【それこそかつて彼女を椅子に座らせた者達のように】

《エェ、用意イタシマショウ。胃ニ優シイ食事ニハ、自信ガアリマス》

【少女が治療後に見せるちょっとした変化――大抵の場合は、女はそれを受け入れる】
【それこそ、本当に看護師であるかのように。少々ばかりの優しさを感じるとしたら、それは多分錯覚なのだろうけど】

【コレの用意した食事を食べるような相手は、サーバントの中でも多くはない】
【故に、実はそこそこ料理ができることを知っている者も、また少ない】
【得意なのはアルジャーノンなのかその肉体なのかは分からないが】

《数ガ減ッテシマッタモノデ、ソノ分、仕事ガ増エタノデス》
《デハ、オヤスミナサイ。むりふぇん様》

【教団の未来を真っ直ぐに憂う彼女に、背を向けて、ゆっくりと異形は歩き出す】
【最後に掛けられた挨拶にも、全く感情は感じられなかった――】



【そうして、彼女が目を覚ます頃には――ほんの少し、彩を添えられたおかゆが】
【まるで起きる直前に作られたかのような温かさで台の上に置かれているのだった】
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/16(土) 00:51:56.47 ID:Y9bj2fjb0
>>524

【そうして少女は眠りに落ちるのだろう。あるいは、別の部屋で寝るのを求められれば移動するのに文句はなく、ただ、自分では歩かないけど】
【ここでこのままでいいなら、そのまま寝てしまう。あんまり場所に頓着はしなかった、やがて瞼を閉じてしまえば、完成された未完成の人形のようであり】
【――これを完成品というならば、その人形師はとってもとっても、意地悪だった。身体じゅうボロボロになって。それで完成だと言うのなら。あんまりに救いがないから】

【"だから"神様はもっと進んでおいでと彼女に囁く。こっちにおいでと誘う。ならば少女は進んでいくしかなかった、視えざる腕の誘うままに。そのためなら何をしたって構わなくて】

【――――彼女の場合は。あるいは、よく世話になるから。その後、しばらく入院、というわけではないのだが。経過を観察する必要があることも、ままあって】
【ならば仕方ない部分もあったのかもしれない。なんだかんだで一緒に居る時間は長いのだ。いつもいつだって誰かサーバントが食事を作ってくれるわけでも、ないなら】

【――少女が起きるのはたっぷり十時間以上後であった。それこそ本当に自然がに目を覚ますまで。もとより長く眠る体質では、あったけれど】
【そうだとしてもよく眠っているように見えただろう。なら――きっとお腹も空いているはずだった。やがてぱちくり、マゼンタ色を瞬かせた少女は】
【傷に障らぬ程度にぐうと身体を伸ばしてから手を付ける、表情は事務的なもの、おいしいとも何とも言わないんだけど。それでも、きちんと全部、食べてある】

【やがて相手が皿だとかを片付けに来るとき、少女はすでに居ないだろう。そしてそれは相手の技術の高さと処置が適切だったことを示しているにほかならず】
【処置を受けて、寝て、ご飯を食べて、居なくなる。――――まるで礼儀のなっていない野良猫みたいだった、そのくせ、うまいやり方をどこかで分かっている、野良猫】
【お礼の手紙なんてかわいらしいものも、ない。――ただ一つだけ。食べたままじゃなくて、食べ終わった後にきちんと整えて行ったのだろう、お皿だけを残して】

【(まあ皿まで片付けてくれては、いないんだけど――幹部だから)】

/おつかれさまでしたっ!
526 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/06/16(土) 01:17:21.94 ID:2FHwPLF7o
>>523
もう……20年以上は前になりますか
確かにその通りです……我々は日々の職務に邁進するあまり、お互いのことを知るのを怠っていたのかもしれません
共に、蛇神様のために働く同志であるというのに……

……あまり、面白い話である自信はありませんが。お望みとあらば

【「私のような有様になるのは、あまり得策とは言えないかもしれませんが」。マルフィクは苦笑を返す】
【司祭は狂気的な信奉者だが、己の姿の異質を自覚もしていた】
【だが、やはり狂信者だ。彼が後戻りのできない深淵に向かって突き進んでいくのを、彼は止めない】
【どころか、共に突き進む。それが蛇教だ。それがサーペント・カルトだ】


――――サビク殿を殺そうとしたのです。当然の報いだといえるでしょうな
そして、彼女は選ばれることはなかった

しかして、サビク殿は。選ばれて、ここにおられる
ありがとうございます、サビク殿。なんと尊い奇跡であることでしょう
そして、サビク殿は今、その奇跡に恥じぬよう行動しておられる。信徒としての私の心に、染み入るお話でした

(これは……おそらくは能力によるもの。サビク殿自身の力によるもの……)
(しかし、それこそが彼の信仰の源であり……ウヌクアルハイ様のための力となる)

【そう、指摘することは簡単だった。しかし、彼にとってはある意味では幸運なことに、同時にこの上なく不幸なことに】
【眼前にいるのは、この上なく蛇の教えに漬かり切った狂気の司祭である。蛇神のためなら、どんなことでもする】
【哀れな少年が、思い込みから道を踏み外し、罪を犯し、破滅へと向かっていくのを、むしろ後押しするのだ。導くように。司祭のように】


そうですな……では、拙いながらお話いたしましょうか
私は、もう40になります。この教団に出会ったのは、私が20代のころ――――

【そうして、司祭もまた語り出す。意外にも、10代のころは一般家庭での裕福ではないが何不自由ない暮らし】
【ある日、能力者のテロに巻き込まれて自分以外の家族は全滅。全てを失い、失意の中彷徨い続けて、辿り着いたのは『泥の街』】
【地獄のような環境の中で生き続け、当時の蛇教の幹部と出会い。自身に起きた不幸など、小さなものだったと知った】

【そして、教えを受け。蛇神のために働くことに喜びを覚え。時を過ごすうちに、司祭にまでなっていた】
【特別なことはなく。ありふれた悲劇から生まれ。いつしか持った信仰心。それだけで、この男は】
【自身をダルマにするまでに、この狂気にのめり込んだのだ。ある意味では、サビクやムリフェンよりもよほど狂気的といえるだろうか――――】

/言った傍からまたお待たせしました……こちらはまだ大丈夫です!
527 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/16(土) 01:35:36.39 ID:OIVyTVIJ0
>>526

……ふふ、そんなに褒められたら照れちゃうなあああ。
そう、ボクは選ばれたんだからさ……その分もっともっと頑張らなきゃいけないよね、
「選ばれなかった」人たちのためにも。そういうこと、だよね?

【褒められればあまりにも簡単に調子に乗る。そういう点では、扱いやすい子でもあった、サビクは】
【何もかも幼いから。与えられたものは何でも受け取って吸収してしまう】
【マルフィクの、サビクの「使い方」はパーフェクトだ。少年はすっかり目の前の男のことが気に入ったらしい】
【ころころ笑って――ヒールをかつっと一回だけ、鳴らした。上機嫌なときにする仕草】

40、40かあ……ボクの父親、それくらいになるかも。
なんだか不思議だね、そんなに歳の離れたヒトたちが同じ立場になるなんて――

【「……ああ、ヒトじゃないのもいたっけ」。言いながら思い出すのは、「ラサルハグェ」のこと】
【わかりやすくヒトにはあり得ないパーツを持っている彼女のことを考えて――あいつは何歳くらいなんだろう、って】
【ぼんやり想像を巡らせていたけど。マルフィクが語り始めたなら、それを聞くのに集中する】

…………へええ。「かわいそう」だったんだね、マルフィクさん。
それでも蛇神様が助けてくれたんだ、ならマルフィクさんも「多少は」選ばれてるのかもしれないね。

【「まあ、ソコまでして選ばれなかったら悲惨としか言いようがないけどさあ――」】
【……それは口にしなかった。代わりに、マルフィクのことを見下していることを示すようなワードを】
【節々に混ぜて。それで笑ってみせる――傲慢な子供だった。何でも自分が一番じゃなきゃ気が済まないタイプの】
【よかったねえ、とか、心にも思ってないことばかり言う。あからさまに白々しい言葉に、それっぽい色を含ませて】

【――――同時に警戒しているようでもあった、たったそれっぽっちの理由でそこまでできるなんて、って】
【だから少年の中で、少しだけだけど――マルフィクの地位が上がったらしい。多少は、なんて付け加えたけど】

//よかったです、、私は多分3時くらいがリミットですとお知らせしておきます!
528 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/06/16(土) 01:56:11.98 ID:2FHwPLF7o
>>527
おっしゃる通りかと。選ばれたということはすなわち、相応の責務も負うのです
多くの、選ばれることのなかった者たち……我々のような他の信徒も含めての、多くの者たち
選ばれたサビク殿は、それに代わって信徒たちの先頭を進まれるべきでしょう

【まるでスポンジのように、司祭の言葉を少年は吸い込んでいく。蛇の毒が回るように、ゆっくりと着実に】
【表面上は、司祭の様子は変わらない。穏やかで緩やかだ。だが、決して少年を怒らせないよう内心では注意を払い】
【それでいて彼を持ち上げ、更なる破滅の道へと共に踏み込んでいく。カルトの狂った教えにのみ忠実に】


まったく、奇妙なことです。蛇神様のため、バラバラな私達が共に歩んでいく……
私が最初に蛇教に迷妄を開いていただいたのも、そんな要素が大きかったのかもしれません

【「……彼女は少々特殊かもしれませんが」。控え目にいいつつ、同じ人物を思い浮かべる】
【人への敵意を隠そうともしない、あの煽情的ながらも恐ろしい女性。同じ幹部でありながら、その奥の闇は見通せぬ】


はい。この身に余る光栄です。あの汚泥の中から、蛇神様が救い出してくださったのです
……サビク殿には、無論のこと到底及びはしませんが。わずかながらも、蛇神様が私を選んでくださったのなら
私は、その責務を全力で果たします。先頭をゆくサビク殿に、恥じぬよう

【自身への見下しには、当然気が付く。同時に、彼の傲慢ゆえの警戒にも。それなりに歳を重ねているがゆえの能力だ】
【されど、司祭は態度を変えず、むしろへりくだった様子すら見せる。サビクをより高みに――――二度と降りてこられないところに】

【それとなく、押し上げていくかのように。サビク。この少年の嫉妬に、足を引っ張られてはならないのだと、そう考えて】
【全てはウヌクアルハイ様のために。全ては蛇神様の受肉のために。彼には力を振るってもらわねばならない】
【そのための手順≠整えるのが、司祭たるものの務めなのだから――――】

……受肉≠フ儀式は、目前です。サビク殿、選ばれし貴方のお力なくして、この儀式の成功はあり得ません
言うまでもないことですが、どうかよろしくお願いいたします

サビク殿と一司祭に過ぎぬ私とでは、あまりに重みが違いますが……ともに、聖なる職務を果たしましょう

【そうして、司祭らしく来るべき儀式のことへと思いをはせるのだ。彼の信じる責務はそれを成就させることにこそある】
【例え、幾人もの信徒を犠牲にしようと。たとえ一人の少年を深淵の中に誘い込もうと。ウヌクアルハイ様のために。蛇と和解せよ――――】
529 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/16(土) 02:19:35.49 ID:OIVyTVIJ0
>>528

先頭? ボクがあ? まさかあ、もっとすごい人いるんじゃないかな……
……ふふふでも、一番若いのもボクだしね。次世代の担い手、って意味ならもう少し――頑張れるかも。

【謙遜しているようでその実ぜんぜんしていない。「そんなことないですよ」って言われたい類の発言だ】
【すでに表情はにやにや笑い――教団を率いる自分の姿を想像して、悦に浸っている】
【そんな感じですっかり楽しそう。まったく、これっぽちも何かを疑っていないようだった。なんとも幼稚な】

ばらばらなものも全部ひとつにまとめてくださるのが、蛇神様だもんね。
きっとボクらなら「やれる」さ――――この世界をもっとキレイにできる、蛇神様のために、なんでも。
……あはは、おんなじこと思ってたんだ。ねえ、アイツ何なんだろうね。病魔だかなんだか名乗ってたけど――

【「蛇神様の、なんなんだろう? 魔物が他の神様を信じるなんて、ねえ」】
【ふと思いついた疑問だった。けれどその答えに行き着くことはないんだろう、少なくとも今、この場では】
【わかる日がきたとして。それはきっと――――ウヌクアルハイがきちんと受肉してからの話になるだろうし】


ふふ、……ふふふっ。頑張ろうねお互いに、「選ばれた者」どうし。
そうだ、受肉――――あと何人くらい贄がいるだろう? ……あ、そうだそうだ。
ムリフェンがいない間の贄集め、ボクがちょっとだけやってたんだけど――手伝ってくれるサーバントがいたんだよ。
ツァルエルさんっていう、大きな蛇の骨を操る人。良い人だったし、いろいろ手札を持ってるようだったから、
マルフィクさんも何かあったら彼に頼ってみるといいんじゃない?

【上機嫌そうに笑いながらも。ふと思い出したことを相手に伝える、よく動く駒がいたということ】
【ツァルエル・アーツバ二ストのこと。華麗な手際で自身を手伝ってくれたのだと言う】
【彼には、他の幹部にもよく言っておいてやると約束したから――それを今言ってみたのだけど】
【取ってつけたような話だったから。あんまり参考にはならないのかも、しれない】

【「こちらこそ、よろしくね」――――最初のころの不機嫌そうな雰囲気はすっかり消え去って】
【軽やかな足取りで立ち上がった。互いの情報とか、気持ちを交換できたから。もうそろそろ十分だろうって】
【帰るつもりだ。マルフィクの口車に乗せられた、なんてこと、まったく気づきもせずに】
530 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/06/16(土) 02:40:14.40 ID:2FHwPLF7o
>>529
ご謙遜を。あまり大きな声で言ってしまうと他の信徒の方々やオフィウクスの皆さまの手前、憚りますが……
今この教団の先頭を挙げるなら、サビク殿を置いて他にはいないと確信しております

そう、貴方はお若い。その若さで、それだけの尊さを秘めておられる
長い歴史を持つ教団において、これほどの希望がかつてあったでしょうか。少なくとも、私は存じ上げません

【露骨なまでの持ち上げだと、そう見えるだろう。しかし、おそらくは彼ならばそれに気が付かないまま】
【自分の世界に入り込み、それがゆえに更なる自信を深めていくはず。それこそが、教団にとっての武器となるのだ】
【彼の幼さに付け込んで。司祭は闇を振りまく。この場そのものが、彼の祭祀場であるかのように】


その通りです。サビク殿を筆頭として、全てが蛇神様の下に一つに
ええ、きっと。やり遂げてみせましょうぞ。世界をあるべき姿へと導く大きな仕事です

私にも、彼女についての詳細はわからないのです……人ではないことは確かなようですが
過去、聞いたこともありませんな。信仰心を持つ病魔など。何物だったとしても、サビク殿には及ばないでしょうが

【かの病魔については、この司祭にも知らされてはいなかった。異世界の神。全ては闇の底】
【彼らが真実を知るその時。彼らは果たして正気とと命を保っていられるのだろうか】


はい。全力を尽くしましょう
ふむ……すでに信徒の方々の尽力で相当数が集まってはおりますが、まだ必要数には届いていないようです

ツァルエル殿……アーツバニスト財団の。お噂は聞き及んでおります
サビク殿のご推薦とあらば、間違いはないと信じられます。いずれ、儀式の際に必要になればお頼り申し上げるとしましょう

【サビクが挙げた信徒の顔を思い浮かべる。まだ直接言葉を交わしたことはなかったが、サーバントの中でも強い地位と存在感を持つ彼のことは知っていた】
【確かに詳細には欠けるが、同時に興味もわく。その信徒が、どれほど蛇神様に貢献してくれるのだろうかと】
【ツァルエルの中に渦巻く葛藤など、当然知る由もなく。彼らは教団幹部なれど、全知の神などではないのだから】


【彼がそう告げれば、にっこりと笑って。相変わらず、異形の笑顔には変わりなかったが】
【部屋を去っていくだろうサビクを見送る。話に付き合ってくれたことへの感謝を改めて示しつつ】
【そう、これすらも儀式なのだ。受肉のための。信仰の為の。一人の少年の、あったかもしれない戻る道を生贄にする儀式】

【全てが終われば、司祭もまた部屋を去り。再びその脳髄は儀式のことを考え始める】
【それすらも、いつものこと。ここはサーペント・カルト。狂気と信仰が暗闇の中で交わり合う、地獄なのだ――――】

/このあたりでしょうか? ありがとうございました!!
531 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/16(土) 11:18:21.06 ID:OIVyTVIJ0
>>530

【帰っていく。軽やかな足取りで、一歩一歩踏むたびにヒールを高く鳴らしながら】
【「マルフィク」のことはこれで完全に味方――というか、自分を持ち上げてくれる、接していて安心できる相手】
【そういうものだと分類した、らしい。鼻歌まで歌って、本当に上機嫌そうに】


…………あ、オマエ。後で改めてマルフィクさんにお礼言っとけよ。
あのひとのおかげで、オマエは生き延びることができたんだから――――


【――――していたけど。酸に沈めて殺そうとしていたサーバントと、再会するや否や】
【顔つきが変わる。また、絶対零度の無表情へ。……なんだかんだ怒りは治まっていないらしいが】
【マルフィクの手前、改めて殺してやることもできず――そう声をかけるのみにとどまった】
【するとサーバントは、心の底から安堵したような顔をして。深く深く頭を下げて、少年を見送って――――】

【――――この一件で。マルフィクの株は、ひとりのオフィウクスからも、サーバントからも】
【大きく上がったと言えるだろう。蛇遣いの肘たる彼の手腕によれば、この程度のこと。造作もないことだったかもしれないけど】


//遅れてすみません、長いことありがとうございました!
532 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/06/16(土) 21:52:43.88 ID:ahdwYx6r0
>>480

端っから綱渡り。だがそれを渡り切れる奴らだと信じているし…俺はやるさ

【俺はやる。そう彼はいい切って、笑っていた】

…もちろん、君らならできる。後は自分さえ見失わなければ。
それを頭に叩き込んで、リアルを考えよう。置かれてる現状やプランとハートは別問題だ

こうして今は探偵なんて稼業について、正義の真似事しちゃいるけどね。もともと、碌でもない人間なのさ
正直、ああだこうだと説教した後で言うのもあれなんだが…ついこないだまで明日だののことなんて考えても居無かった
よくわかんないもんにあれこれ思案するのはチャンスを掴むときだけでいい。それ以外で考えるのはその大事な
チャンスを掴むときにその考えを疎かにしてしまう気がして…まあ、いつも酔っ払ってただけなんだけさ

【恥ずかしそうに頭をかきながらそんな事を話した。一体何をしていたのかはその後すぐに枯れは口にする事になる】
【ともかく、まともじゃないんだ。狂気とかイカれているとか、カノッサの機関員のような目に見えた形じゃないが】
【それとは別の部分でぶっ飛んでる。それは誰にでも持ち合わせてるものかもしれない】

Right…最適化はいい言葉だ…麻季音が好みそうなフレーズだ。…なら、どうする?

鈴音は…助けを求めてる。少なくとも、怯えている。…理由?そう感じるんだ。探偵の勘…希望的観測が生み出した妄想でもなんでもいい
いいか、俺は取り戻す。本人が嫌がってもな。……俺はもともと銀行強盗。無理やり奪うのが俺のやり方だ。
後のことは知らねえ。……やってから悩むことにするさ。

【それも知ってのことなのか、既に悩みに悩んだ結果か。彼はきっぱりといい切った。無理やり奪う、予告状でも出して連れ去るつもりかと】
【聞きたくなるぐらいな調子で。プランはない、居場所もわからない。それでも、それについての迷いはない】
【だから誰もついてこなくても彼はそうするだろう。】

誘導についてはオーウェル社を使おう。丁度内部に味方が居るんだ。使わない手はない。特区で揉めてくれれば一番いいんだが
パトロンの1人をうまいことだしに使うとか…カルトの情報がどうしても足りないな。
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/06/17(日) 00:45:31.39 ID:CUO+C7JR0
【ある国の草原】

あ゛ーなんか面白いこと起こんねえかな、この前のサーp…サーペ…何だっけもう蛇事件でいいや
あれみたいな事起きねえかな、まぁ近々何らかの組織が動くと思うからそこまで我慢するかぁ、

【黒銀の髪をなびかせる褐色の肌と薄い青色の目を持つ、女に見える美しい男が石の上に腰をおろし煙草に火を付ける】
【今ぼーっとしながら煙草を吸っている男の名は⦅セアン・フォールス⦆不老の薬により千年の時を生きる錬金術師である】
【セアンがぼーっとしていると草むらからウサギが出てきた、最初は何だ只のウサギかと思ったセアンだが、】

【そのウサギが絶滅危惧種のウサギと分かると目を見開き保護しようとする】
【様な男ではないのがセアンなのだが、多分解剖しようとしてるのだろうか?】

(おいおい!何でこんな所にこんな珍しい奴がいるんだ?いや、今はそんなこと考えてる場合じゃねぇ、早く捕まえよう。)

【セアンがウサギの足元から檻を生み出して捕獲した】

よっしゃ!ゲット、帰ってゆっくり解剖しようそうしよう

【セアンが絶滅危惧種のウサギを解剖しようとしている場面をを見られたらどうなるのだろうか】

//誰でも気軽に返信してください。返せない時間帯があると思いますがご了承ください。
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/06/17(日) 21:52:57.40 ID:YUBEsYc60
【夜】

【水・風、両国間の国境地帯を見下ろす小高い丘の上】
【そこに一匹の妖狐が立っていた。狐、とは言うが人型で】
【巫女服と狩衣を足して2で割ったような和装を身にまとう"彼女"は】
【薄暗闇の中、月光を受けて輝く金と緑の瞳を国境の要衝に向けていた】

【彼の地は、国境にあたるとはいえ――平和な土地だ】
【両国が大々的な戦争をしたことは近年久しく無い事であり】
【貿易の観点からも通過は容易で、むしろ両国軍の兵士が仲良く戯れているくらいである】

【本来はもっと緊張があって然るべきなのだろうが】
【平和な大国同士、事が起きるとは思っていないのか】


……そうですねえ、街というほどの規模ではないですが
宿が結構ありますし、通行許可待ちの方が市場を開いていたり。

人口は結構ありそうですが、砦のような物があるわけでも無いですし
お互いの信頼関係で成り立っている平和ボケした拠点、という所でしょうか。
そんな所で大丈夫です?はい?……ええまあ、それじゃまた後でご報告しますね?

……ぁ、所でジルベー……って、もう切れてますし。


【向かって左側の毛並みは亜麻色を、右側は新緑色でくっきりと別れ】
【頭髪からは狐の鋭角な耳が覗き、腰には三尾の尻尾が揺れる】

【その妖狐は随分と近代慣れしているようで――電話中でもあった】
【が、相手が電話を切ったのだろう。夜風に溜息を1つ交えながら】
【平穏、とは言えない視線を、改めて国境を頒かつ土地へと向けた】
535 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/17(日) 23:47:22.12 ID:v64pd8t60
【水の国・公園】

【然程大きくもない公園――それでも昼間はそれなりに人通りは有るものの、もう日も変わろうかと言う時間帯であれば、静けさに包まれていた】
【季節を感じさせるように、古びた蛍光灯に虫が集っており、ジメジメとした空気は流れてはいるが、昼間とは異なり大して暑くもなかった】
【その公園のど真ん中で、少女は入念にストレッチをしていた。パッと見るならば、凡そスポーツとは無縁そうな地味目の顔立ち】
【半端に長い黒髪は適当に後ろでまとめられ、"モンゴロイド"と大きく描かれた謎のTシャツにハーフパンツと言う、出で立ち――】
【まぁ、これから運動しようと言うのなら適切な格好かも知れない】
【目を引くのは露出した手足に残っているたくさんの傷跡――どれも治りかかってはいるようだが】

【ストレッチをたっぷりと時間をかけて行うと、少女はその場で、地面を踏みしめ、何かの型を構えた――】
【それは何らかの武術の型であるようだったが、とにかく風体が合わないため、遊んでいるようにも見えただろう】

【ふと、静かな場所を求めてやって来たカップルと目が合うと彼らは気まずそうに帰って行った】


……別にふざけてる訳じゃないんだけど、何か恥ずかしい……


【顔を覆いながらも、再び動作を開始した】
【何とも夢中になっているのか、誰かが近付いても、その気配には気付けないかも知れない】


こんなんどこまで意味有るのかわかんないけど――能力者の人達めちゃ強いし……ちょっとでも――


【このところ相手にボコられたり、危ないところを助けられたり、良いところがない。弱い少女なりに忸怩たる思いが有るらしい】
【ホッ――ヤッ――とテンポ良く声が公園に響いている】
536 :白桜 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/18(月) 00:05:08.29 ID:qXRnVX1g0
>>535

「おうおう、カイぃ。こんな夜更けに出歩くたァいい身分だなあ。しかも髪を白く染めてイメチェンかァ!?」
『まさかこんな公園でお前と出くわすとはなあ。俺ら兄弟の顔を忘れたなんて言わねえよなァ?』
         「『アン時の恨みィィイ――ここで晴らさせてもらうぜェ!!』」


【少女が鍛錬に勤しんでいる所から少し離れた場所。そこから柄の悪い怒号が飛び出した】
【騒乱の兆しを齎すのは柄の悪い二人組の如何にもなチンピラ。騒乱に巻き込まれたのは一人の女性】

【その女性は新雪を連想させるような白い肌と白い長髪に、遠くを見ているような目付きが特徴的な人物で】
【攻撃的な雰囲気の主人格と異なり、落ち着いた雰囲気を滲ませていた――チンピラに絡まれているにも関わらず】


―――……どちら様?私、……貴方達の様な知り合いなんて居ない。
だから道を空けてもらいたいんだけれど。……はっきり言って、邪魔なので。


【淡々と二人組のチンピラを煽る白い女性――白桜は二人組の事など意に介さない】
【例え――"んだとゴラァ!!"と天を劈くような恫喝を前にしても何処吹く風か。表情一つ崩さない】
【もし鍛錬に勤しむ少女がチンピラ達の怒号を耳にして、その声の方へと足を運ぶなら。そこには男二人に絡まれる白桜の姿が見えるだろう】
537 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/18(月) 00:22:06.93 ID:5L5gc/1a0
>>536
【不意に聞こえた怒号――この水の国に来てから飽きるほど聞いてきた類の声だ】
【しかし、それは少し離れた場所で響いており、少なくとも、自分にお礼参りに来た訳ではなさそうだった】

――いや、でも……

【誰かが襲われているのなら放置すべきではない。概ね偏見なのだが、この手の声音の相手にロクなのはいない】
【大急ぎで公園を出て、ダッシュで現場へと急行すると、案の定と言った格好のチンピラが二人】
【彼らのファッションには何か規則でも有るのかと言うくらいに、どれも見た目に違いがない】

【対してそれと向かい合っているのは――白磁と言う形容が似合うような少女】
【幸か不幸か『アン時の恨み』と言うワードは聞こえていなかったらしく、単純に女性が絡まれていると判断した】


【それにしては、あの人落ち着き払ってるけど――】
【自分に自信が有るのか、それとも世間知らずなのか――状況が読めない。えーと、どうすれば良いんだこの場合?】
【丁度、白色の少女と向き合っているチンピラ達の後ろから、ズサッと砂煙を上げながら立ち止まって】


ちょ、ちょっと!
女の子相手に絡むのは――え、これ絡んでるよね?

お友達って訳じゃ……ないよね?


【イマイチ勢いのつかない台詞のまま指を突き付けて】
【最後の一言は、チンピラの向こうにいる少女に向けて、難しい顔をして尋ねた】
538 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage saga]:2018/06/18(月) 00:23:46.33 ID:eYedgl7T0

【 ── それは都会の初夏であった。宵であった。墨色に染まるような昏い空は、然し猥雑な都市の光が汚らしく照らす。だから雑踏を歩く誰もが、空を見上げることはない。】
【もっとも今日は雨であった。それが人々の無軌道な熱気を冷やすことはなく、湿度をいたずらに引き上げるのみ。安物の合羽の下で、軽薄な客引きも欠伸を一つ零す。】
【路地裏に踏み入っていくのなら、今夜ばかりは破落戸たちも、行き着けの酒場に篭るばかり。溝鼠も野良猫も、どこか棲家に隠れたまま。】

【 ── 故にきっと、こんな夜の闇を陋巷する影は、どうしようもない気違いばかりだ。】



    「 ……… 。」 「 ── 最悪、ね。」



【入り組んだ路地裏の、奥の奥。いつも誰かが殺し殺されするような、 ── 破落戸たちさえ近寄らない、本物の狂気者が踏み入るような場所。】
【雨に流されて尚も、隠しきれない血の匂い。見渡す限り一様に、コンクリートは鮮血で塗りつぶされて、その中には2人分の死体。壁に凭れるもの、倒れ伏すもの。】
【倒れ伏しているのは ── 刀を持った、男だろうか、女だろうか。顔が吹き飛んでいて、わからない。対して壁に凭れているのは、 ── 女の其れ、だった。端整な顔立ちを、憂うような表情に浮かべていた。】
【夏前だというのに黒いコートを着ていた。長袖のスーツ姿だった。けれどワイシャツは自身の血で、どす黒くに染まっていた。皆な雨にぐっしょりと濡れていた。そうして最早、手指に力は入っていなかった。】
【胸元が荒い呼吸に上下することもなければ、激しい鼓動が何かを漏らすこともない。白かっただろう首筋を真一文字に裂く傷痕は、よく見れば首の皮さえも断(た)っていた。】
【 ── だから、死んでいる筈だった。けれど冷たい声で、確かに誰かが自身の不遇を嘆いた。何故か? ── 彼女が、ひとでなしだから。】

【ぐしょぐしょになって顔にへばり付く銀髪を、疎ましくも振り払う手を失ったアリアは、然し意外にも冷静であって ── 淡々と、なにか、物思いにふけっていた。】
【「生」の脊髄に損傷はなかった。脳も無事だった。骨髄のバックアップも本部にちゃんと残してある。生命維持装置も十二分に持ってくれそうだ。】
【ただ身体の首から下が動かないのは矢張り言いようもなく不快な感覚だった。溜め息をつこうにも呼吸ができない。それでも最低限必要なものは、ちゃんと脳に供給されているけれど ── 】
【どこか胸騒ぎがするのは、どうしようもない居心地の悪さ、故だろうか。然し最早彼女には胸がなかったから、きっと別の何かがシナプスに囁いていた。】
539 :白桜 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/18(月) 00:43:52.17 ID:qXRnVX1g0
>>537

【チンピラ二人組が白桜に襲い掛かろうとしたその瞬間、割り込むのは砂塵を伴って現れた少女】
【白桜の視線は眼前のチンピラ二人組ではなく、チンピラの背後から現れた少女へと向けられた】
【尤も。最初から白桜の視線と関心は、チンピラ二人組には一切向けられてはいないのだけれど】

「んだァこのガキィ…いきなりシャシャリ出てきやがって…!」
『兄貴ィ…どうするよ?このチビッ子もやっちまう?つーかやっちゃう?』
「『まあ、邪魔するなら二人纏めてフクロにしちまえば良いだけだかんよォ!』」


気の抜けた言葉。締まらない台詞だけれど。……その通り。正解。
……見ての通り、絡まれてる。そして、目の前の人たちはお友達なんかじゃあない。
粗暴な知り合いなんて私には"一人しか"居ないから。


【チンピラ達の神経を逆撫でする言葉を連ねて。勢い良く火に油を注ぎ続ける白桜】
【そうすれば当然の様にチンピラ達は激昂して、逆上して。堪忍袋の緒が切れたチンピラ二人は白桜と少女に襲い掛かる】
【けれど白桜の顔色は何一つ変わらない。まるで目の前の脅威に現実味と危機感を感じていないかのよう】

【それどころか白桜は少女に向けて目配せをする。その際少しだけ穏やかで悪戯っ子めいた表情を浮かべていた】
【"――格好良く現れたのだから、この程度のチンピラ。事も無げに倒すのでしょう?"と】
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2018/06/18(月) 00:47:27.43 ID:N139omMg0
>>538

【――ざあざあと雨が降っていた。その中であったなら、普通の人間であれば、少女一人分の足音など、聞き取れるはずもない】
【だけれど、"相手"だったなら、どうだろう? 薄く広く道のすべてが水たまりのようになってしまった路地を、ぱち、ぱち、と、小さな足音で歩いている】
【傘を差しているらしかった。あたり前なんだけど。――そうしてやがて姿を現すのだろう、大柄の男が使うような大きな傘を差していた、真っ黒なもの。雨水を弾いたなら】

…………あれ、うわ、――何してんですか。生きてます? 生きてる方が怖いんですけど――。

【ぱたぱたぱた――無機質かつランダムの雨音が、彼女のスズラン色の声を、彩った。どこか冷たく、同時に甘い、年頃の少女らしいみずみずしさを宿した、涼やかな声】
【足取りが止まっていた。"二つ"の死体を認めて――その一つに眉をひそめてから、違和感に気づいて。そうして呟いたのが、前述の言葉たちであった】
【驚きの様相はあった――けど、悲鳴を上げて狂乱の中に逃げ出すことは、決してなかった。ならば彼女とてまともでない証拠。"気違い"のあかし】

【――――蜜姫かえで。それだけで相手にはすべてが伝わるだろう。薄い藤色の髪に、マゼンタの瞳。透き通るように白い、皮膚の薄そうな白い肌】
【肩だしのワンピースだけでは寒いのかカーディガンを羽織っていた。その足元はやはりさらけ出した素足に踵の低い靴であって。ちらりと覗くつま先は、濡れそぼるから】
【ずうっと歩いてきたんだと思わせた。――であるならば彼女の目的はなんだったのだろう、まさか、相手を探しに来たわけでは、なさそうだったなら】

活動圏、近づきないですか? ……嫌だなあ、引っ越してってくれたら、嬉しいんですけど。ほら、蛇教本部(うち)は引っ越しとかできないんで。
……ところでほんとに生きてますか? ――――はあ、仕方ないですねえ。――ね? ほら、二回分の恩を返してあげますよ――、特別です。

家まで運んであげましょうか? 私のじゃないですよ。死体担いで帰ったら、ウワサされちゃいます。嘘です。されないですけど。

【――きっと彼女はためらうことなく、距離を詰める。けれどそれは無警戒の素振りではなかった、わずかに警戒しながらも、それでも、近づいていくだろう】
【そうして目線を合わせるようにする――ついでに傘を傾げて入れてやりながら――傘の中に二人が収まったなら、スズランの声は、傘の中、幾重にも反響するように】
【ひどく快い声音に変わるのだ。――だなんてそんなの気にしている余裕が相手にあるのかどうか、というのは、全く別なんだけれど】

【――――嫌だなあ、って、言葉の割には。なんだか優しげな声をしていたのだ。それはどこかで相手のこと嫌っていないんだって分かるような、温度を持って】
【――元気そうだった。少なくとも腹を撃ち抜かれ串刺しにされた後には見えなかった。――それは相手も似たようなものなのかもしれないものの】

それともどこかホテルでも行きますか。いいですよ。どこでも連れてってあげます。飼い主さんも気づかないような場所がいいなら――。
――――そうですね、私の部屋でもいいですけど。でも、黙って帰るの、難しいと思いますよ? なんか昼夜逆転してる人たくさんいますからね。不健康ですよね。

【あはは、と、軽い笑い声。――冗談めかした声は、けれど、相手が望めば叶いそうな音階ではあった】
【――といってもその時点で彼女は条件づけている。過去二度の自分がそうであったように――黙って、勝手に、いなくなれ。それ以外の何もするな、と、求めている】

【――――きっと、本当に、彼女はどこでもいいんだった。大丈夫な場所まで運ぶことは約束しながら、「治療師じゃないんでそれは期待しないでほしいんですけど」――付け加えて】
541 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/18(月) 01:01:45.15 ID:5L5gc/1a0
>>539
【助けに現れたのは全くその通りなんだけど、少女が泰然とし過ぎていて、微妙にリアクションに困っている】


ひ、一人はいるんだ……粗暴な知り合い。
じゃなくって、ちょっとそんな挑発すると――!


【困ってはいるのだが、今になって5W1Hを確認させてくれるほど状況は甘くなさそうだ】
【こっちに向かって来てくれれば良かったのだが、チンピラ達は逆上して、まとめて逆方向に向かってしまった】
【大慌てで、男達を追いかけて走ると、向かいの少女が目配せしてくるのが見えた】


――ああ、もう!そんな強く、ないって、の!
ゴロツキの人達、何か間違ってたら後で謝るから――!ごめんなさい!


【能力を発動――したとしても、見た目に何か違いがある訳ではない】
【しかし、一気に走る速度が上がり、チンピラの背後から跳躍すると、その頭を太ももで挟み、思いっきりフランケンシュタイナーを仕掛けた】
【勢いよく頭からチンピラをを叩き落す――ひとつ間違えれば殺してしまいかねないような荒業だが、上手く加減できたようだ】
【チンピラは泡を吹いて動かなくなってしまった】
【しかし、それは一人だけ。もう一人は突然いなくなった相方に驚愕しつつも、勢いは止まらずに、予定通り突っ込んで来る】

――……

【そこで、先程の目配せをお返しするように、ジト目で見返す】
【"あなた、実はピンチでも何でもないでしょ?"との言葉代わりに】
542 :白桜 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/06/18(月) 01:08:04.20 ID:qXRnVX1g0
>>541
//すみません。今日はここで凍結をお願いしたいのですが宜しいでしょうか?
543 :三枝双葉 ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/06/18(月) 01:11:15.80 ID:5L5gc/1a0