VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/04(火) 23:22:37.47 ID:yNNCagg0<>青く透き通った空を見上げて俺は深呼吸を繰り返した。
周囲は青々とした草木に囲まれており、都会よりも高い酸素濃度の空気が俺の肺を満たす。
世界を陽気に包む太陽がこのジャングルに活力を与える。
ああ、なんて心地良い環境なんだろうか。なんて心踊る原始的世界なんだろうか。
俺はこの現実を受け止めて高らかに声を張り上げた。

キョン「また異世界に飛ばしやがってハルヒの畜生ォォォ! 助けて長門ォォォ!」

俺は何か知らんが訳も分からない内に桜色の飛竜に捕食されかかっていた。
間違い無い、しかし間違いであって欲しい、俺を付け狙うこいつはいわゆる「桜レイア」という強力な飛竜だった。<>キョン「ギルド……?」 VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/04(火) 23:31:28.98 ID:yNNCagg0<>俺は走った。それはもうとち狂ったかのように走ったさ。
だって俺の後ろを追いかけて来るのはあの化物だぜ? 腰に携えたハンターカリンガでどうしろと言うのだ。
俺には逃げる以外の選択肢が無い。なんなんだこの絶望的状況は。
あーそうかナルホド、今回のハルヒの願望は俺の合法的抹殺ですねわかります。

キョン「うわっ!?」

俺の横1メートル位の場所を熱々の火球が通り抜けて行く。
死ぬ。本気でそい思った。言葉による意思疎通が通じないものだから朝倉なんかより10倍もタチが悪かった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/04(火) 23:41:36.87 ID:yNNCagg0<>桜レイアがギャオスと雄叫びをあげる。
実際はギャオス何て可愛らしい擬声で表せる代物ではなかったが、リアルな擬声語を探している余裕など今の俺には無い。
しかも情けの無いことにその咆哮に度肝を抜かれた俺は派手に転倒する。本当に情け容赦のない事態に俺はただただズリズリと後ずさりをするしかなかった。
桜レイアはようやく大人しくなった獲物に満足しながら歩を進めてくる。
ついには大口を開いて俺の頭上に覆いかぶさり、最早これまでかと死を覚悟したその時、爆音がジャングルに響き渡った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/05(水) 00:00:16.41 ID:wDunXEU0<>桜レイア「ギャオオオオオオオオオオオッ!!」

桜レイアが火に覆われながら豪快に地面へと倒れ込む。
ゲームで見たから分かる。これは紛れもなく竜撃砲の炸裂音だ。
桜レイアが正面から動いたことによって俺の視界に命の恩人が姿を現した。

かがみ「大丈夫ですか?」
キョン「あ、ああ…助かった。恩に切る」
かがみ「恩を切るにはちょっと早いわよ」

少女の視線の先では目を獰猛に釣り上げた桜火竜のブレスがはじまろうとしていた。

かがみ「それじゃ二人でとっとと片付けちゃうわよ!」
キョン「二人? まさか俺も戦力に入ってるのか!?」
かがみ「はあ? 当たり前じゃないあんたもハンターでしょ?」
キョン「違う俺はハンターなんかじゃない!」
かがみ「何言って……はあ!? あんたハンターカリンガなんかで此処に来たの!?」
キョン「だから俺はハンターじゃないし、こんな化物に逢う予定も無かったんだ!」
かがみ「あーもう分かったわ。それじゃ私がこいつも倒すまで死なないように逃げ回ってて頂戴!」
キョン「はいよ!」

俺は間髪いれずに少女の指示に従った。
当たり前だ。誰だって俺の立場に建てばそうするだろう? 強風の前には男の威厳なんぞ軽く散り去る運命なのさ。
俺がつい三秒ほど居た場所に桜レイアの毒の尻尾が炸裂した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/05(水) 00:03:04.44 ID:wDunXEU0<>>>4
強風→恐怖<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/05(水) 00:20:59.19 ID:wDunXEU0<>その後、俺はだいたい十分弱の間ジャングルの中を奔走した。
少女が涼しい顔して奴を仕留め終わった頃、俺は全身汗だくだくで疲労困憊の様子を呈していた。

かがみ「男の癖に情けないわね〜」
キョン「俺のゴミ装備を見ろ。一撃で昇天できる格安セットだぜ?」
かがみ「はは、まあ確かにその装備じゃ私でも逃げるしかないわね」
キョン「だろ? まあなんだ、助かった。ありがとう」
かがみ「別に礼なんていいわよ。特別何かをしたわけじゃないからね」
キョン「何にs………名前を聞いてもいいか?」
かがみ「柊かがみ。かがみでいいわ」
キョン「俺の事はキョンと呼んで……欲しくはないがキョンでいいぞ」
かがみ「何それ変なの」

かがみがキャハハと少女らしく笑う。
飛竜を相手にしてる時の凛々しい顔つきが嘘のようだった。
それでも、笑いながらでも元来から釣り上がった目付きは凛とした彼女のタチを表していた。

かがみ「それで? あんたどうして此処に居るのかしら?」
キョン「えっとだな、話せばちょっと長くなりそうな感じなんだが」
かがみ「何何?」
キョン「説明しなきゃ駄目か? たぶん信じられないような理由なんだが」
かがみ「話してみなさいよ」
キョン「いや、やっぱり駄目だ。ちょっと個人的な事情ってやつが絡むもんでな」

異世界です☆ で話が済めばいいのだが、まあ間違いなく頭を疑われるだろうから、俺は話すことを避けたかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/05(水) 00:39:20.96 ID:wDunXEU0<>かがみ「ふーん……そんなのが通用すると思ってるの?」
キョン「え?」

先程までのフレンドリーな空気はどこへ行った?
彼女は打って変わって突き刺すような視線で俺のことを射抜いた。

かがみ「あんた私の立場分かってて呆けてるの?」
キョン「そりゃあ確かにかがみは恩人だが、そんなに言わなきゃならん内容だとも思えんぞ?」
かがみ「はあ……あんた相当の馬鹿ね」

何が何だか分からないという表情で眉をひそめる俺にかがみは痺れを切らしたらしく、これ見よがしに大きな舌打ちを繰り出した。
そうしてからかがみは帽子を脱ぐと俺に強く押し付けた。

キョン「なんだ?」
かがみ「ほら、帽子に入った金の紋章をよーくみなさいよ」
キョン「んん? なんだか知らんが随分と厳ついというか威圧的な紋様だな」
かがみ「これで分かったでしょ。私はギルドの人間。だから狩場の治安を維持する義務があるの」
キョン「ギルド……?」

俺のキョトンとした表情を見たかがみは額に手を当ててやれやれの仕草でため息を吐いた。
おいそれは俺の得意奥義じゃないか。いや、今の俺はそれだけかがみに迷惑をかけているという事だろうか?
かがみは帽子をかぶり直して制服を堅く正すとこう言った。

かがみ「ギルドの人間に対してあまり反抗的な態度を取るようなら教育が必要ね」
キョン「はい?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/05(水) 01:02:32.59 ID:wDunXEU0<>反抗的? 教育? 何やら不穏な雰囲気が立ち込めてきたぞ。
それにこの堅苦しい服装、仰々しいエンブレム、何より今の発言。
この柊かがみという少女、実はもしかしてかなりのお偉いさんなのか?

かがみ「まさかギルドを知らないだなんてそんな馬鹿げたコントで私から逃げ切るつもりだったのかしら?」
キョン「へ? いやいやいや、違う違うぞそれは誤解だ!」
かがみ「ふん、何にせよ洗いざらい全て白状してもらうわ」

ええい、ままよ! どうにでもなれ!
この言い訳が通用しなければ最早俺には強行突破以外の道は残されていない。
頼むから信じてくれ。女の子相手に力技でなんとかするような真似はしたくない!

キョン「い……い………」
かがみ「い?」
キョン「異世界人です☆」
かがみ「えっ」

ですよね、無理ですよね。
最初から分かってました。ただちょっとでも期待して俺はバカでした!
かがみの表情を見て失策を悟った俺は、全力疾走でジャングルの奥に走り去ろうとした。
しかし、結局、かがみに腕を掴まれてその計画は開始一秒で頓挫してしまう。
駄目か。まあ、そりゃそうか。相手は桜火竜を一人で倒した少女だもんな。万事休すか…。

かがみ「あんたも……異世人、なの?」
キョン「へ?」
かがみ「ねえあんたどの世界からここに来たの!? 帰り方は分かる!? 一体どういうことなの!?」
キョン「ちょ、まてまてまてまて」

かがみの反応は俺の予想の遥か斜め上を行くものだった。
おれ「も」だと?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/05(水) 01:51:16.09 ID:WL/CDQDO<>期待する
頑張れ!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/05(水) 01:54:07.56 ID:wDunXEU0<>キョン「あんた「も」って、「も」って一体どういうことだ!? まさか俺の知り合いに会ったのか!?」
かがみ「あんたの知り合い? そんな奴には多分あってないわ。 「も」っていうのは私が異世界人だからよ」
キョン「何だと…かがみも飛ばされてきた被害者なのか」
かがみ「ええ、心地良くベッドに入って目が覚めてみればこっちの世界だったわ」
キョン「俺もだ。なんというか、少しだけ安心したよ」
かがみ「安心? なんで?」
キョン「俺は今までに何度もこういう目にあってきたんだが、同じ境遇の奴に出会えたのは今回が初めてなんだ」
かがみ「何度も? てことはあんた帰り方が分かるのね!?」
キョン「違う落ち着け! 現実の世界に帰る手段はその度によってコロコロと変わるんだ」
かがみ「な!? じゃああんたまさか帰り方分からないの!?」
キョン「悪いが俺もまだ完全に手探りの状態なんだ」

俺の発言を受けてかがみはしゅんと萎れたように大人しくなった。

かがみ「そっか、そりゃギルドも知らないわけよね。取り乱して悪かったわ」
キョン「でも一人じゃないと分かって安心したよ」
かがみ「なんで?」
キョン「え、なんでって、当然協力して一緒に出口を探すんじゃないのか?」
かがみ「どうやって…? なんか手掛かりでもあるのかしら?」
キョン「え、あー…それはその」
かがみ「はあ…。言っとくけど人数さえ多けりゃどうにかなると思ってるなら大間違いだわ」
キョン「どういうコトだ?」
かがみ「捻りは無いわ。この世界ね、私が知ってるだけでも十人以上の異世界人が存在してるんだけど、誰も皆、無事帰還を果たした人を知らないの」
キョン「えっ」
かがみ「ようこそ、手掛かり無きどん詰まりの世界へ。誰も出口を見た者が居ないモンスターハンターの世界よ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/05(水) 03:25:25.50 ID:QeipEYUo<>支援
そして一行ごとに空白あけたほうがいいかも?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/05(水) 17:19:53.66 ID:FYX4V1Qo<>続くのかい?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/05(水) 23:07:02.95 ID:EJz2S2AO<>続くぜ
でも今帰宅したばっかというかしんどいから今日はできるか分からん
無言で>>1失踪とかはせんよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 09:37:30.24 ID:i478cpc0<>☆



かたかたと小気味よい音を立てて道を走る馬車に揺られながら、俺はかがみからこの世界ことについて細かな説明を受けた。
俺が乗っているこの馬車はギルド専用で使われているものらしく、やはり、金の刺繍による荘厳なエンブレムが施されている。
俺とかがみの乗っている車両部分には青と白を基調とした美しい屋根が張られている。
馬車を引きずる白馬もかなり立派な出で立ちで、青と金で彩られた鞍に跨る男性もかがみと同じように青と白の制服を着用していた。

かがみ「あんたが現実の世界でモンハンをやってたっていうなら説明することが随分短縮できて助かるわ」

キョン「ゲームの範囲で分かる内容なら大体頭に入ってるぞ」

かがみ「じゃ、それ以外についての説明だけど、ゲームと違ってこの世界の集会場はいつも大勢の人で賑わってるわ」

キョン「俺のPSPでは身内とアドホックする時以外は閑散としていたな」
かがみ「ゲームだとそもそもハンター自体が少ないでしょ? ここではそんなことなくて、かなりの数のハンターが在籍しているわ」

キョン「つまり集会場で情報を集めるのが、元の世界に返る手っ取り早い手段というわけか」

かがみ「ハンター達の持つ情報量は半端じゃないから何かしらの役には立つでしょうね。あと、はいコレ」

キョン「なんだこりゃ、推薦状?」

かがみ「ハンターになるためにはある程度の力をもった人間の推薦状が必要なの。別にあたしのじゃなくてもいいんだけれど、私の推薦状からハンターに成ってくれれば装備の工面をしてあげるわ」

キョン「ちょっと待て、俺はハンターに成るつもりなんて毛頭ないぞ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 09:39:02.62 ID:i478cpc0<>かがみ「……あんたどうやって生活していくつもり? 向こうの世界と違ってバイトとかそんな都合のいいものはないわよ」

キョン「えーっと」

かがみ「権力か信頼かコネか、圧倒的な実力が無ければまとまな職にありつけないわ。力の無い者は殆ど奴隷みたいな扱いを受けるのが現実よ。あんたには何がある?」

キョン「圧倒的な実力?」

かがみ「馬鹿言ってんなさい。コネしかないでしょ」

キョン「コネ? 俺はこの世界にきたばっかだぞ?」

かがみ「だから私が異世界人のよしみで推薦状出してあげてんでしょー」

キョン「成る程そうことか。ということは俺はハンターになるしかないのか…」

かがみ「少なくとも今のあんたじゃね。もちろんこれから先、なんらかの手段を得たならハンター以外の道で生活をして、情報を集めることもできるわね」

キョン「例えばどんなだ?」

かがみ「そんなのピンキリよ。ギルドに入ってハンター業を完全にやめる奴もいれば、酒屋を開いて客から情報を集める奴も居る。あ、ちなみに私はまだハンター廃業してないわよ、ギルドメンバーだけどね」

キョン「何はともあれ最初はハンターに成らざるを得ないというわけだな」

かがみ「そうね。その推薦状を何処かの町の集会場に持ち込めば簡単にハンターになれるわ。しかもその推薦状なら私からの武器防具の支給付き」

かがみはそういって俺にウインクをしてみせた。
不覚にも朝比奈さんから鞍替えしてしまいそうなほどの美しさだったが、それでもやはり俺は朝比奈さん一筋だ。

馬車はまだ荒れ道を走り続けている。
かたかたと馬車が揺れるたびに天井に釣られたランプがゆらゆらと蠢く。今はまだ昼だから火は灯っていない。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 10:01:05.14 ID:i478cpc0<>キョン「この馬車は今どこに向かってるんだ?」

かがみ「最寄の街。かなり大きな街だから立派な施設も整ってる。ハンター初心者にお勧めの街ね」

キョン「そうか。ゲームだといつも小さな村ばかりだったから想像がつかないな」

かがみ「悪い事は言わないから村には近づかないほうがいいわ」

キョン「何かあるのか?」

かがみ「……あんな偏狭の土地だもの、ギルドの管理が行き届かないことも多くて、半分無法地帯と化してるわ」

キョン「マジか…。それはなんというかシビアな現実だな」

かがみ「ゲームの世界だとはいってもこうして形を成すには整合性をとる必要があったんでしょうね。色々と面倒な世界よ」

完全なご都合主義で世界が回っていないことに俺は驚いた。
ハルヒの奴ならモンスターハンターの面白いところだけを詰め込んだスッチャカメッチャカな世界にしていてもおかしくない筈だからだ。
あいつも大人になったということだろうか? いや、大人ならこんな馬鹿げた世界を作り出したりしないか。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 10:02:13.60 ID:i478cpc0<>かがみ「あとこのリストを参考にして頂戴」

キョン「これは」

かがみ「私が認知しているすべての異世界人の一覧よ。名前、似顔絵、主な活動場所とかが書かれてあるわ」

キョン「これを使ってコンタクトをとって情報を交換したり一緒に狩りをしろというわけか」

かがみ「そう。誰だってみんな元の世界に帰りたいんだから快く協力してくれると思うわ」

キョン「女性ばかりじゃないか」

かがみ「この世界に飛んでくる人はグループ単位で飛んでくるみたいだから、ちょっと運が絡むだけで一気に片方の性別の人間ばかり集まっちゃうのよね」

キョン「グループ単位?」

かがみ「そうよ。例えばそこの平沢唯の覧の右上を見てみなさい」

キョン「丸印が入ってるな」

かがみ「その他の表を見てみて、右上に丸印がついてる人はみんなその平沢唯の友人関係よ」

キョン「秋山…田井中……なるほど、全部で六人か」

かがみ「そう言う事だからどっちかに性別が偏るのも珍しくはないわね。キョンが十七人目にして初めての男性ってこと」

キョン「ってことは俺の知り合いがいる可能性も」

かがみ「高いわね」

長門、古泉、朝比奈さんもこっちの世界に飛ばされているという事か。
長門は心配なし、古泉はどうでもいいとして、朝比奈さんは無事でいるだろうか。
こっちに来ていると分かれば一秒でも早く皆に会いたくなってきた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 10:20:25.52 ID:i478cpc0<>キョン「今から行く街に俺の仲間はいるだろうか?」

かがみ「分からないけれど、あんたはかなり運がいい方の部類よ」

キョン「そうだな、死に掛けのところを助けてもらったんだもんな」

かがみ「あと最後に分かって欲しい事が一つあるの。絶対に注意して頂戴」

かがみの真剣な瞳が俺を捉えた。
正面からジッと力強く見据えたかがみからは真摯な思いが伝わってくる。
恐らく、今から聞かされる話が最も大切な内容を孕んでいるものになるだろう。

かがみ「さっき、みんな快く協力してくれるって言っちゃったけど、ちょっとだけ言いすぎだったわ」

キョン「え?」

かがみ「中には帰ることを諦めちゃった人も居るし、訳の分からない環境でのストレスに耐え切れなくなっておかしくなっちゃった人もいる」

キョン「まあなんと……」

かがみ「現実逃避に薬を使った馬鹿もいるし、狩りをしているうちバトルジャンキーになったキチガイも居るわ。お願いだから注意して頂戴」

キョン「…」

俺はなんと口を開けばいいのか分からなかった。
今の話を要約するに「最低でも三人はトチ狂ってしまった」という事だ。
更に言えば最低でも3分の17の割合、四捨五入で約20%の割合で頭がおかしくなるという話だった。
もちろん個人個人の精神力の強さや性格が影響してくるわけだから自身さえ強く保てば大丈夫な筈だが、
それでも不安の塊が俺の中で急速に勢力を拡大していくのが分かった。

キョン「…」

かがみ「帰ることを諦めた人間には罰印、危険人物には「危」の字を付けてあるからね」

キョン「その、なんというか、結構ヤバイな」

かがみ「かなりヤバイわ。罰印のついた人間の中にも、情報提供くらいなら惜しまない人も多いからダメダメってわけではないわ。」

かがみ「犯罪の域に足を踏み込んだ人だって、そこまでやったからこそ得られた情報を持っていることがあるわ。危険人物にも接触する必要は出てくるかもね」

キョン「なんてこった…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 10:36:27.86 ID:i478cpc0<>かがみ「もっとも、私は危険を犯してまで元の世界に返りたいと思わないけどね」

俺は耳を疑った。
この世界にたどり着いたばかりの俺に色々と熱心に世話を焼いてくれて、命を助けてくれて、
これからの俺の活動を支援してくれて、それに、こんなに芯の強そうな少女が折れかけているというのか。
いや、それだけ危険人物達の危険度が高いということだろうか。

キョン「元の世界が恋しくないのか」

かがみ「恋しいからジャングルであんたに質問攻めしたんでしょ」

キョン「そりゃそうか」

かがみ「でもね、こっちの世界だって住めない訳ではないわ。親友もいるし堅実な仕事にも付けた。命を危険に晒してまでここを離れようとは思えないの」

キョン「そうか、色んな考え方がるもんな」

かがみ「ええ。もちろんアンタがどうしても帰りたいっていうのなら私は命に危険がない範囲で協力を惜しまないわ。頑張って頂戴」

キョン「ああ……」

俺は一覧表に目を落とした。表の中にはかがみの名前もある。その横には罰印と星印が付けられていた。
更に星印のついた他の人間、かがみの仲間を目で探す。その内容は極めて悲痛なものだった。
かがみの仲間に限らず、一覧表全体の半分以上の人間に「罰」か「危」のマークがいれられていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/06(木) 16:53:10.78 ID:bJlFTkAO<>見てる
ガンバれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 18:11:59.75 ID:i478cpc0<>前にいる馬に跨った男があと十分程で街に到着することを俺達に告げた。
それを含めれば結局三十分近くは馬車に乗っていたことになる。

かがみ「街に着いたらまずは集会場にいって簡単なクエをこなしなさい」

かがみ「それでしばらくは宿代を稼ぎながら定住地を探すといいわ」

キョン「何から何まですまないな」

かがみ「あんたが何時か力をつけたらたっぷりお返ししてもらおうかしら」

にひひと笑って彼女はいう。
俺がそんなに強くなれる時が来るだろうか。いや、強くなれるほどこの世界に長く留まってはいたくないのだが。
その他のことも含めて俺が色々と思考をしていると、突然、前の男が大声をあげた。

男「気をつけてください! イーオスの群れです!!」

かがみ「嘘!」

キョン「何!? こういう道にも現れるのか!」

かがみ「かなり珍し…!」

かがみがそう言い終わるよりも早く馬車がぐらりと左に傾いた。
白馬は後ろ足だけで立ち上がりながら悲鳴を挙げている。
胴体の部分にイーオスが噛み付いており、かなりの量の血が周囲に撒き散らされていた。
乗っていた筈の男は轟刀【虎徹】を振り回してイーオス達を遠退けようとしている。

かがみ「ぐう!」

キョン「くそ!」

馬車が騒音を立てながら横向きに着地する。
俺とかがみは左肩を地面に強く打ちつけた。思わず声が漏れる。
このままではマズイと思い慌てて立ち上がり、周囲を眺めた俺は絶句した。
なんだこの数は。ざっと見渡しただけでも20体以上ものイーオスが俺達を取り囲んでいるではないか。

かがみ「あんた大丈夫!? 悪いけどこの数相手に守りきってやる自身はないわ、自分の身は自分で守って頂戴!」

キョン「嘘だろ! クソッタレ! こんなでかい刃物を握り締めるは生来始めてだ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 18:16:28.58 ID:i478cpc0<>俺は覚悟を決めてハンターカリンガを握り締めた。
火竜には無理でもイーオス程度になら充分に効力を発揮する武器の筈だ。
周囲に注意を払いながらイーオス達を牽制する。

キョン「今引き下がれば見逃してやらんでもないぞ」

イーオス「ギャアアアアッス!!」

キョン「うお! やっぱ意味ないか!」

俺の言葉が途切れるや否やイーオスが俺の方へと飛び掛ってきた。
盾で爪を防ぎながら右方向へと回避する。回避した先を見越していた二匹目のイーオスが襲い掛かる。

キョン「うああ!」

一か八かで俺は生まれて初めて生きた動物に凶器を振りかざした。
刃の切っ先がイーオスの前足を捕らえて切り落とす。
痛みに怯んだイーオスが着地に失敗して派手に地面に転倒する。
俺にはとてもそんな余裕はなかったが、かがみがチャンスを逃さすイーオスにとどめを、槍を刺した。

かがみ「援護してあげるから相手の攻撃を防ぐ事に集中しなさい!」

キョン「ああ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 20:28:13.41 ID:i478cpc0<>その後はかがみの協力のおかげで、怪我一つすることなく順調にイーオスを片付けていった。
途中何度かやられかけたがその度にかがみがガンランスの銃撃でイーオスを吹き飛ばしてくれた。

かがみ「あらかた片付いたけど頭がでてこないわね」

キョン「ドスか?」

かがみ「ええ。よいしょ!」

掛け声と共に最後の一匹が絶命する。
こういっては何だが、俺の目にはかがみの戦い方が随分と凶暴なように見えた。
だってシールドを投げ捨ててランスを両手で振り回すガンランサーなんて見たことがあるか?

かがみ「あのねえ……私らくらいになるとただのイーオス相手に盾なんて使わないのよ」

キョン「そういうもんなのか。ゲームでもそういうことが出来れば便利だったんだがな」

戦い終わって急がてらその場に座り込んで雑談にふける。
あの男は食い殺された馬を供養していた。この世界では珍しくないのだろう。
かがみは気にも止めず風景をぼんやりと眺めている。
それにしても本当に雄大だな。こんな大自然、日本にはないだろうぜ。

かがみ「ねえキョン…っっ!! キョン後ろ!」

かがみは俺の方を振り返ると同時に目を見開いて叫んだ。
後ろ? 後ろがなんだと……………振り返った俺の視界に飛び込んできたのは、
死んだのではなく気を失っていただけだったイーオスが再起して俺に襲いかかる瞬間だった。

キョン「くそ…!」

かちゃん

かがみ「ッ……弾切れ!?」

駄目だ。これはやられる!
俺は腹を括って衝撃に備えた。が。







長門「大丈夫?」

その衝撃が俺を襲う事は無かった。どうやら本当に運がいいらしい。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 20:30:17.11 ID:i478cpc0<>>>23
急がてら→休憩がてら<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 21:06:35.47 ID:i478cpc0<>キョン「長門…助かったよ」
長門「いい。緊急事態で不慣れなことだったから仕方のないこと」
かがみ「キョンの知り合い?」

長門はコクリと首肯する。

キョン「ああ、長門有希だ。にしても長門、お前なんでそんなにいい武器を持ってるんだ?」
かがみ「キョンの知り合いってことは同じタイミングに来た異世界一人なんでしょ?」

長門の手にはプロミネンスボウXが握られている。
その攻撃を受けたイーオスには再び再起するだけ力があるようには見えなかった。
俺を不意打ちなぞしようとした罰だこの野郎。

長門「これは私の所有する武器ではない」
キョン「というと?」
かがみ「盗んできたとか言わないでしょうね」
長門「違う。拝借してきた」

みなみ「それは私の弓です…」

かがみ「みなみちゃん」

鬱蒼とした草木の間から緑の少女が姿を表した。
今にも消え入りそうな静々とした声で俺たちの会話に割り込んでくる。
どうやら長門の握る弓の持ち主のようだった。たしかリストにいた少女だ。

みなみ「お久しぶりです…かがみ先輩。貴方は?」

キョン「キョン。長門の友人だ」

みなみ「では貴方も異世界人…?」

キョン「ああそうだ。えっと岩崎さんだったかな?」

みなみ「どうして名前を?」

かがみ「私がリストを渡したの」

みなみ「……そうですか」

長門「弓を返す。おかげで彼を助けられた。感謝する」

みなみ「よかった」

正直に言おう。
長門のようなテンションの人間二人を相手に話題を広げられるほど俺は話上手じゃない。
とてもじゃないがこの重たすぎる空気を払拭できそうになかった。

キョン「なんとかならんか」

かがみ「無理」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 21:26:46.87 ID:i478cpc0<>かがみ「つもる話もあるでしょうけど先に街に行くわよ」

長門「村ではなくて?」

かがみ「村なんて無闇に行っていい場所じゃないわ」

みなみ「聞き捨てなりません」

かがみ「は?」

おいおいおいちょっとまで。
この世界に来てから本当にロクなことが起こらない。
かがみと岩崎さんの仲がどうにも険悪な様子だった。

みなみ「キョンさん、もしかして街でハンターになる予定ですか?」

キョン「その方がいいとかがみに教わったが」

長門「岩崎みなみは村の方が細かなところで融通がきくと言った」

かがみ「その融通が利くってのはつまりちょっとしたタブーもやってのけるって意味よ」

みなみ「なんでも法に乗っとれば正しいという考えが理解できません」

お互いに言い過ぎというか言い回しが酷いんじゃないか、と俺が口を挟むより早くかがみが形相を変えた。
その顔は最初に俺を問い詰めた時と同じ、対話こ相手を突き刺すような表情だった。

かがみ「…今の発言、ハンター一個人によるギルドへの反逆と受け取った」

キョン「今の発言だけでか!?」

みなみ「かがみ先輩、こっちに来てから人が変わりましたね……悲しいです」

岩崎さんの吐き捨てるような台詞が頭頃に来たのか、かがみは顔を赤らめて男に命じた。

かがみ「岩崎みなみを反逆罪で逮捕します。邪魔する者への攻撃は軽傷までを限度とする」

男「了解」

みなみ「長門さん、逃げよう」

本当になんなんだこのセカイは。
長門の吸い込まれそうな漆黒の瞳に怒りの色が含まれているように見えた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 21:42:46.05 ID:i478cpc0<>キョン「おい長門、俺はどうすればいい!?」

かがみ「キョン! みなみちゃんを確保したら賞金出してあげるわよ」

長門「…私は岩崎みなみの言う事を重視したい」

キョン「!」

これは俺にとって驚愕に値した。
今までならば機械的な、論理的な理由で答えを決断して「〜すべき」と断定してきた長門が
自分の願望という形で答えを導き出したからだ。こうなったら俺の中での答えも一つしか有り得なかった。

キョン「かがみ、世話になったな」

かがみ「あんたまさか!」

キョン「長門には今まで何度となく助けられて来たんだ。だから俺は今回、あいつの力になってやりたいんだ」

長門「…」

みなみ「長門さん早く!」

そういうや否や岩崎さんは長門を連れて木々の奥へと駆け抜けていった。
俺も折角出会えた長門と離れる訳にはいかない。すぐに二人のあと追いかけた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 21:54:03.57 ID:i478cpc0<>しかし俺の足ではかがみから逃げ切れないことも重々承知だ。
だから俺は武器と鎧を全て投げ捨てた。これで制服を着用者した女性に追いつかれりこともあるまい。

かがみ「待ちなさい!!」

かがみの声は随分と後ろの方に聞こえた。

長門「よかったの?」

キョン「確かに世話にはなったが、かがみの職権乱用にはちょっと頷けないな」

長門「そう」

キョン「村のことだってギルドの手が行き届かないだけの理由で過小評価してる可能性が高い」

長門「そう」

みなみ「キョンさんの読みは正しいです。村は全然荒れてなどいませんから」

キョン「そうかい。でも、恩を仇で返しちまった分の穴埋めだけは考えないとな」

もうかがみの声は聞こえなくなっていた。
おれとしては本当のところ、かがみの肩を持ちたかったのだが(あれだけ世話になっていれば当然だ)
俺の中では長門とかがみとじゃ天秤にかける対象にすらならなかったということさ。
この時の俺はこの選択が後々の世界にまで影響するであろう事なんぞ予想だにしていなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/06(木) 21:58:18.74 ID:i478cpc0<>iPod touchからなんで誤変換が多いと思うけど華麗にスルーしていただけると助かります。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/06(木) 22:48:31.23 ID:bJlFTkAO<>ぜったいに許さない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/07(金) 10:05:12.23 ID:szP6eGc0<>かがみ達を振り切ると、速度を落として歩きながら現状を話し合った。

キョン「長門、今回はどうすれば元の世界に返れると思う?」

長門「今回も涼宮ハルヒの願望を叶えることが条件」

キョン「そうだろうな。そこを具体的に聞きたいんだが」

長門「具体的条件の推察には古泉一樹との接触が不可欠」

キョン「やはり、こういう時ばかりはあのにやけスマイルに頼るしかないのか」

あのイケメン野郎を頭に思い浮かべながら言う。
涼宮ハルヒを専攻しているあいつのことだ、今回もあっさりを解答を導き出すはずだ。

みなみ「キョンさん、かがみ先輩からはそこまでこの世界のことを聞きましたか?」

キョン「いや一通り聞いたと思うが」

俺は現実でこの世界のゲームをやっていることと、かがみから聞いた全ての内容を話した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/07(金) 10:05:58.76 ID:szP6eGc0<>みなみ「大体その通りだと思います」

キョン「大体?」

みなみ「先輩はギルドのメンバーですから、言いにくいですが、物事の考え方に少々偏見が…」

長門「岩崎みなみの話の限りでは村が無法地帯ということはありえない」

みなみ「確かにギルドの力はあまり強く及びませんが、地域の自治体が治安を維持しています」

キョン「そうか…。かがみは相当な権力者なのか? さっきの逮捕なんかは、ありゃあ、かなり横暴だったぞ」

岩崎さんは目を細めて、消え入りそうな細い声で話す。

みなみ「そうでもないです。ギルドの中では下っ端の部類だと思います」

キョン「なのにあそこまでする権利があるのか?」

みなみ「ええ、ギルドは慢性的に人手不足ですから、場を押さえつけるためにほぼ全てのメンバーがある程度の権力を持っています」

キョン「村に手が行き届かない程だものな」

みなみ「かがみ先輩の階級なら、他のメンバーの同意があって尚且つ現行犯であれば逮捕できます」

キョン「ということは、もう俺たちはかがみにあっても」

みなみ「何かされることはありえません。されてもかがみ先輩より上の人物の判断ですぐに解放されますよ。普通は。」

普通は。か。
何はともあれかがみに普通にあって話もできるというのは助かる。
正直このまままともに顔を合わせることも無く元の世界に帰るのは少々心残りだからな。
そもそも俺と長門は直接何かをしたわけじゃなから逮捕の対象にはならないんだろうが、共犯とかその辺が怖かっただけに、本当によかったと思う。

みなみ「もう村が見えてきます」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/07(金) 10:16:19.00 ID:szP6eGc0<>言い方を選ばなければ極めてしょぼい村が見えてくる。
緑に囲まれた村の中央には大きな川でふたつに分断されおり、中央には大きな橋が一つかかっていた。
流石に藁作りの家などということはなかったが、コンクリートの部類の素材が使われた家は殆ど見られない。
大体が木組みで、自然の雰囲気がそのまま残る組み上げ方だった。

みなみ「ここにもギルドの集会場があります。あとは全て村が管理する施設です」

キョン「それじゃ、早速ハンターになっておくか」

俺はポケットからかがみの推薦状をとりだした。

みなみ「…それを使うんですか?」

キョン「他に推薦状を貰えそうなアテがない」

みなみ「村長なら推薦状どころか、そのままハンターに認定することができますよ」

キョン「つまり…ギルドに関与せずに済むということか」

みなみ「ええ。ギルドから登録すると色々と煩雑な手続きが要りますが村からならば必要最低限ですみます」

キョン「融通が利く……タブー………いや、今のさっき裏切った直後でまたかがみの世話になる訳にはいかんか」

俺はかがみから貰った推薦状を破り捨てた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/07(金) 10:22:17.17 ID:szP6eGc0<>☆



みなみ「村長」

村長「ん? 来客かの?」

みなみ「新しくハンターになりたい二人です」

村長「おおお! そうかそうか、ぬしら、ハンターになりたいと申すか」

キョン「ええ、生活していく術がないので」

村長「よしよし、分かったぞ。ぬしらは今からこの村のハンターじゃ」

え? もう? 早! 手続きってものが一切ないのか!?

村長「集会場を利用する時にはこれが必要じゃからもっておきなされ」

みなみ「ギルドカードです。村でクエストを受注する場合は必要ありませんが、集会場のクエストが受けるには中に入場する時にそれが必要です」

キョン「そうか、分かった」

ハンター達から情報を集めるには集会場を利用する必要がある。
近いうちに結局、ギルドの世話になることになるだろう。
しかし最初は村クエだ。少しずつ腕を鳴らしていくべきだろう。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/07(金) 10:27:36.00 ID:szP6eGc0<>村長「そころで、ぬしら、装備が一切ないの?」

キョン「あ…」

そうだ、かがみの手を逃れる際に装備を脱ぎ捨ててきたんだった。
まずいぞ。これでは生活費を稼げん。

村長「みなみは装備にあまりはないのかの?」

みなみ「長門さんには私のお古が入ると思いますが…」

キョン「…まあ……俺は無理だな」

申し訳ないが、俺の装備を買うためのお金は長門に稼いでもらうしかなさそうだ。
長門なら心配ないだろうが人の世話になりっぱなしというのは居心地が悪い。

長門「今の私は情報操作が行えない。身体能力は一般的な女性と同じ」ボソ

キョン「どうしようか…」

こなた「みなみちゃんやっほー!」

キョン「!」

俺たちが頭を捻っていると、小さな小さな、それはもう小学生のような少女が
長く青い美髪を揺らしながら走ってきた。腰には双剣が携えられている。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/07(金) 11:06:30.98 ID:szP6eGc0<>みなみ「泉先輩……」

こなた「んー? こちらの方は? もしかして新しいハンターさん?」

キョン「そうなんだが、俺が一切装備をもってなくて途方にくれてる最中だ」

俺は額に手を当ててやれやれと頭を揺らしてため息を吐いた。
やはりこれはかがみよりも、俺が使った方がサマになっているな。
えっと、たしかこの少女は泉こなた…か。

こなた「へぇー」

この泉こなたという少女、どうにも俺と長門のことがきになるらしく、
その場に立ち止まって俺たちのことをジロジロと眺めてくる。なんだ、なんなんだ。

こなた「いいよ、素材あげるよ」

キョン「え」

こなた「私使わない素材が大量に余ってるから武器と防具作ってあげるよ」

キョン「いいのか? お金もなんももってないぞ」

こなた「いい、いい。代わりに、こういう村みたいなところだと助け合いの精神大切だから、自分が力を持ったときに他の人のお世話をしてあげてよ」

みなみ「キョンさん、泉先輩には、その、異世界人の一覧表の存在、知られないで下さい」ボソ

岩崎さんがそう俺に耳打ちをする。
何故だ? 理由が分からん。分からんが、本人の前では理由も聞けない。


キョン「えっと名前は・・・? 俺はキョンだ」

こなた「泉こなた。こなたって呼んでいいよ。超一流ハンターやってます」

突っ込めばいいのか? それともあれか、ちょっとナルシーな人なのか?
話が纏まった後ちょいとだけ雑談にふけったのだが、
とにかく挙動がいちいちとオーバーだったり、すぐに冗談をいったりとなかなか疲れる人物らしかった。

こなた「それじゃ、ちょっと加工屋に素材もって行くから酒場ででも時間潰しててよ」

キョン「酒場? いや俺まだ20になってないから」

こなた「あはは、ここじゃそんな法律無い無い。それに情報もたくさん集まるかもよ」

そう言われれば行くしかないじゃないか。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/07(金) 11:15:32.68 ID:szP6eGc0<>キョン「なんだ、すごく不思議な酒場なんだな」

俺が見上げた先には「たくあんバー」と書かれた半月形の看板が掲げられていた。
まだ昼間だというのになかなか賑わっているらしく、中からは騒がしい話し声が聞こえてくる。

長門「集会場と酒場が主な情報源になると思われる」

キョン「まあ、そうだろうな」

みなみ「それでは私は一度ここで。少し用事がありますので」

キョン「ああ、色々とありがとうな」

みなみ「いえ…」

そういって岩崎さんは村の奥の方へと姿を消した。
俺は一覧表を懐から取り出す。

――――――――――――――――――――――
岩崎みなみ ☆
泉こなた  ☆ 危
――――――――――――――――――――――

キョン「…」

長門「見せて」

キョン「見方は分かるか?」

長門は首を横にふるふると振って否定する。
かがみから聞いた内容を伝えると長門はすぐに理解したらしく、泉こなたを指差して俺に視線を送った。
ああ、気をつけて会話をした方がいいらしいな。すごくいい人だと思っていたんだがまさかの展開になった。
まだ世界にも不慣れな段階で危険人物に出くわすことになるとは、幸先良いことばかりではないらしい。
長門は恐らくリストの中身を完全にインプットしたのだろう、俺にリストをつき返してきた。

キョン「それじゃ、言われたとおり酒場で情報集めながらこなたを待つとしますか」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/07(金) 17:16:24.38 ID:O.rd12AO<>沢庵・・・だと?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/08(土) 00:02:36.65 ID:oU7NBMAO<>酒場に一歩足を踏み入れるとけたたましい騒音を掻き分けるように、おしとやかな声が俺の耳に飛び込んできた。
ゆったりとした口調と声質だというのにその声は良く通っていた。

紬「いらっしゃいませ。初めて見る方ですね」

――――――――――――――――――――――
琴吹紬 〇 ×
――――――――――――――――――――――

キョン「ええ、この村に来たばかりです。ハンターになったのもついさっきなんです」

紬「! でしたら分からない事も多いのでは?」

キョン「こっちの世界に来たのもついさっきだから途方に暮れてますよ。……かがみの話だとたしか貴女も」

紬「異世界人、ね」

目の前の少女は眉毛が特徴的だったから、リストを見たときに一番に覚えることが出来た。
しかしさっきの件から考えると、無闇にリストの存在を広めまわるのも良くなさそうだ。
かがみから話を聞いたから貴女を知っている。そういうことにしておこう。
俺達は適当な自己紹介を済ませる。

キョン「元の世界に帰るいい手掛かりとか、ここで集まりそうですか」

紬「なかなか難しいですね。私達もお手上げといった感じです」

律「ムギー、同じお客さんばっか相手してないで」

紬「はーい」

紬「ごめんなさいね。異世界人通し話したい事もあるんだけど、色々なお客様の話を聞くのもお仕事だから」

そういって琴吹紬さんはカウンターに座る客の話相手になりに行った。

長門「お店が暇な時間に訪れて、店員が仕入れた情報を一気に聞き出すのが効率的」

キョン「らしいな。手の空いてる店員なんて居そうにも無…………いや、一人窓の外を眺めてる呑気店員が居るぞ」

唯「おぉぉ、ドーナツ形の雲………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/08(土) 00:20:36.39 ID:oU7NBMAO<>キョン「あの、すみません」

唯「ひゃっ! あ、いらっしゃいませ!」

――――――――――――――――――――――
平沢唯 〇 ×
平沢憂 〇
――――――――――――――――――――――

キョン「俺達、ここの地理に不慣れなんで大まかな紹介していただけませんか?」

唯「外から来たんですか?」

キョン「ええ、異世界から」

いい加減、異世界人アピールをするのにも飽きてきた。

唯「そっかー。だと色々大変ですね。でもここの村すごく小さいんですぐに慣れますよ」

平沢唯さんから聞いた話だと、集会場、酒場、道具屋、農場、加工屋、武具屋くらいしか施設らしい施設をないらしい。
食品量販店などはハンター業には関係がないので羅列せずに割愛しておく。

キョン「本当に小さいですね」

唯「すごくいい村でしょ。私、この村が大好きなんだ」

キョン「一生ここに暮らしてみますか?」

俺の冗談混じり鎌掛けに平沢唯さんは平然と答えた。

唯「うん! 憂さえ納得してくれればそうするつもりだよ。あっ、憂っていうのは私の妹で………うんぬんかんぬん」

本当に、先が心配になってきた。
頼れるはずの先人が元の世界への復帰を諦めているなんて………。

長門「落ち込まないで。涼宮ハルヒが作った世界だから貴方でなければクリア出来ない条件付けがされている可能性が高い。彼女達が壁に当たるのは当然と言える」

成る程。
つまりハルヒよ、俺がここに来るまでの間、リストの少女達は終わり無きマラソンに苦しみ続けていたという訳か。
ハルヒお前の望みは一体なんだというんだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/09(日) 04:13:20.64 ID:YbIc.mso<>支援
そしてこれだけキャラがいるとクエストが楽しみだなwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/09(日) 11:10:07.30 ID:hhfOcAAO<>こなた「おまたー。明日には武器も防具も完成するってさ

唯「あっこなちゃんいらっしゃい」

こなた「やふー」

キョン「あの、本当にいいのか? お返し出来る物なんか何もないんだが」

こなた「キョンくんと長門さん、こっちに来たばかりだし仕方ないでしょ。唯、この辺り、空き家ってあったかな?」

唯「空き家? どして?」

こなた「二人の住む場所をね」

キョン「いや、俺達は宿を。そこまで世話になるわけには」

こなた「ここまで来たら頼れる所まで頼っちゃいなよ。ねっ」

唯「ムギちゃん、空き家ってあるー?」

紬「ええ? 空き家…………空き家は無いと思うけど、ウチに空き部屋ならあるわよ」

唯「だって」

こなた「だってさ。決まりだね」

キョン「ちょって待て、家に空き部屋って琴吹さんの家か? 長門はともかく流石に男の俺はまずいだろ!」

紬「そういう心配なら多分大丈夫ですよ」

唯「だね」

こなた「だね」

キョン「え?」

長門「…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/09(日) 11:20:13.80 ID:hhfOcAAO<>何故彼女らは大丈夫だと言い切れるのだろうか。
そんな疑問を抱えたまま琴吹さんに案内されて向かった先は、いわゆる豪邸だった。
村の景観を崩すそれは実に立派な建造物をしていた。

キョン「こ、これは……」

こなた「全部屋にバスルームを完備!」

紬「お困りの際はベルを鳴らして頂ければセバスチャンが部屋に伺います」

こなた「たまにピエール。食事は一階の大食堂!」

紬「空き部屋はたっぷりあるので、二部屋用意させて頂きます」

キョン「あんぐり」

長門「…」

古泉よ、多丸兄弟よ、森さんよ、あんたらの負けだ。
その豪邸は明らかに孤島のあれを上回る大きさだった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/09(日) 11:35:41.55 ID:hhfOcAAO<>☆翌日



ピエール「おはようございます」

キョン「お…おはようございます」

結局、昨日は琴吹さんとこなたに押されてお世話になってしまった。
長門があまりにも大量の食事を取るもんだから極めて居心地が悪い食事になったが琴吹さんは気にしていないらしい。

キョン「琴吹さんは?」

ピエール「ご主人様は酒場にてお勤めされています」

キョン「ごしゅ……」

いや、あまり気にしない方がいいだろう。

キョン「おう、長門おはよう」

長門「……おはよう」

セバスチャン「キョン様、泉様がお見えです」

キョン「!」

こなた「チョリーッス」

キョン「おはよう」

こなた「はい、おはよう。装備出来たよっ」

こなたが担いでいた袋をドスンと床に投げ置く。
中からは硬い何かのぶつかり合う音が聞こえた。
見た感じからかなりの重量感が漂っているが、俺に鎧を着用したまま走り回れるような体力があるのか少々不安になる。

ピエール「岩崎様からは長門様の装備をお預かりしています」

長門「そう」

こなた「そんじゃ着替えてらっしゃいー」

着替えに部屋へ入る前、
こなたと執事の三人が怪しい笑みに顔を歪ませたのを俺は見逃さなかった。
嫌な予感がする。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/09(日) 13:48:30.63 ID:hhfOcAAO<>☆着替え完了



俺はあの不敵な笑みの意味を思い知ることとなった

キョン「こなたあああぁぁぁぁッ!!」

こなた「あっはははははは! 似合ってるじゃん!!」

セバスチャン「……お似合いですよ」

こなたはお腹を押さえながら目に涙を浮かべる。
ピエールとセバスチャンも瀟洒な態度こそは崩さないが、肩がかたかたと振るえている。
ふ、ふざけやがって―――――!!

キョン「なんで一式ランポスシリーズの上に、頭がわざわざフェイクなんだよ!! フェイクになってんだよおおぉぉぉッ!? 普通の頭のんが強いし素材簡単ですよねェッ!?」

俺の突っ込みも虚しくこなたはゲラゲラと笑い、執事達はガタガタと笑う。
笑い声を一遍たともり漏らさない、執事の紳士な対応がますますもって腹立たしい。

こなた「くふふふっふふっあはははははっ!!」

キョン「ひ、人をからかいやがって…!」

長門「…」チラ

長門「…」

長門「…」

長門「…」

長門「……エラー」ボソッ
キョン「長門さんっ!?」

キリン装備に身を包む長門の可愛らしさはまさに一級品だった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/09(日) 16:26:14.07 ID:hhfOcAAO<>こなた「ふふ……大丈夫だよキョン君」

キョン「何がだよ……」

こなた「そのフェイク特注品だしね」

キョン「え? そうなのか? 何が凄いんだ?」

こなた「左右で目玉の向いてる方向がバラバラだからネっ」

キョン「〜〜〜〜〜!」

こなた「それと、はい、武器はコレ、デスパライズ。結構便利だよ」

くそっ…
なんだかんだで世話になってる以上、あまりフェイクの事は言えないな。

キョン「ありがとう、助かるよ」

こなた「ながもんはブロスホーンボウね。みなみちゃん弓までは余りがなかったらしいから」

長門「…」コクリ

こなた「それじゃ早速いきますか」

キョン「狩りか?」

こなた「当然。始めはイャンクックね。危なかったら私が助けてあげるよ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/09(日) 17:00:03.42 ID:hhfOcAAO<>☆VSイャンクック亜種



俺は獲物を見付けて嘆息する。
青の怪鳥は自慢の耳を大きく広げて獲物を捕捉しようとしていた。
そう、青いのだ、、

キョン「おいこなた、どうして亜種なんだ……。最初は赤イャンクック先生を呼ぶのが普通なんじゃないのか」

こなた「刺激も緊張感もない訓練なんて練習にもならないよ? ふふ、まあ絶対な死なせないから安心して行っといで」

猫口で笑うこなたが音爆弾を大先生に投擲する。
感度の低い人間の耳をもつんざく不快音が大きく大きな鼓膜を揺るがした。

イャン「ギィィッ!?」
イャンクックの足元が直ぐさま覚束ない物となる。

こなた「ほら! チャンスだよ! 行っといで!」

キョン「仕方ねぇっ!」

俺はデスパライズを握りしめてイャンクックの方に駆け出した。
怪鳥は何が起きたのかすら把握出来ていまい。
ガラ空きの顔面を目掛けて得物を振り下ろす。

キョン「っらあ!」

手入れのされた刃だからだろう、一閃が耳を走り抜けるとそこから一気に鮮血が溢れ出した。
やった!―――――そう思ったのもつかの間、青き怪鳥がギギギギと呻き声を上げながら無造作に尻尾を振り回す。
その内の一振りが俺の顔面を叩き潰そうとする。

こなた「フェイクが危ない!」

キョン「やられてたまるか!」

咄嗟に差し出した左手の盾で怪鳥の一撃を[ピーーー]。
怪鳥の目は完全に俺を捉えていた。

キョン「怒り浸透の所悪いんだが、音爆弾は俺が投げた物じゃないぜ?」

イャン「ギギィィィィャァ!」

俺の台詞にも構わず怪鳥は気が触れたの様子で跳びはねた。
喧しく跳びはねる怪鳥に強烈な一矢が贈呈される。

長門「うるさい……」

流石は長門。たった一本のそれは怪鳥の左目を削り潰していた。

こなた「へえ……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/05/09(日) 22:09:49.24 ID:hhfOcAAO<>今の長門は情報改変も思念体へのアクセスもできないが自身のもつ演算力で強力な戦力になるということか。
片目の無いことのファクターは戦闘に大きな影響をもたらす。
俺はとにかく素早く怪鳥の視界が狭い方へと回り込んで切り続けた。
そうなれば怪鳥ごときに出来ることは尻尾の振り回しと、無造作に暴れることだけだ。

キョン「これなら二人でもやれるぞ!」

もう一断ち。
同時に怪鳥の体が硬直した。

キョン「麻痺が入ったぜ!」

長門「接撃ビンで耳を潰す」

このチャンスを逃すまいと俺達は猛攻をかける。
耳が割れる、嘴[くちばし]が欠ける、羽が穴だらけになる。

キョン「そろそろ死ぬんじゃないか!?」

一気に畳み掛ける。
故に防御への意識が疎かになっていたのだろう。

長門「下がって」

怪鳥の麻痺が解けていた。
火球が一直線に迷いなく俺を捉えている。

駄目だ、回避は間に合わない。

俺は真っ正面から本気の火球を盾で受け止める。
勢いを殺せずそのままの威力を受け止めた俺は体勢を崩す。よろける。

キョン「ぐ、うおぉ!?」

連撃。
尻尾の先端が直撃――――――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/09(日) 22:27:01.24 ID:hhfOcAAO<>キョン「こっ……!」

鳩尾に決定的な衝撃が伝わる。
吐き気を催し足元から崩れる。自由な呼吸が奪われる。
防具があって尚且つこのダメージだと?
俺は怪鳥相手にこのザマなのか。

イャン「ギョオオオ!」

長門「右から尻尾…!」

長門が叫ぶ。
長門のこんな大きな声は初めて聞いた。
相変わらず抑揚が無く透き通った声だが、声量だけならはいつもの五倍以上出てたな。
だが俺はその声に反応することが出来ない。
身動きが取れない程に苦しいんだよ。
尻尾が迫って来てるのは見えてんだよ。
ただ体が動かなかっただけなんだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/09(日) 22:46:05.08 ID:hhfOcAAO<>尻尾が落ちた。

長門「…!」

俺に当たるはずだった部分が地に転がり、イャンクックは痛みのあまりに転倒する。

こなた「ゲームじゃないんだよ。イャンクックの尻尾だって斬れば落ちる。尻尾を最初に飛ばすのはハンター[わたしたち]のセオリー」

キョン「……っ」

まだ声が出せない。
こなたの双剣から滴る血はイャンクックの尻尾から吐き出されたものだ。
こなたは俺の危機を見て瞬時に尻尾を切り落としたのだ。
こいつ、本当の本当にギリギリまで助太刀しなかったぞ……。

こなた「ま、初めての狩りにしちゃ上出来じゃないの? 後は私に任せなよ。ながもんもそこで見てていーよ」

長門「…」

こなた「ゲームの世界ではない、現実としての鬼人化って奴を見せてあげる」

両手を高く構えて怪鳥に退治する少女は、その小さな体の何処から発せられるのか、圧倒的な威圧感―――――いや、これは圧迫感だ。
少女の気配とは思えない圧迫感で怪鳥を追い詰めると勝負に決着を着けた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/10(月) 08:55:58.69 ID:qt4m.UAO<>☆



キョン「…」

こなたの双剣の餌食になったイャンクックは数分もしないうちに息絶えた。
体中から赤黒い濁流が走り落ちて地に池を作る。
池の中央で崩れ落ちて動かないそれは、既にイャンクックの面影を無くしていた。
かつてそれが生き物であった事くらいはは鉄の臭いで判別できた。

キョン「やり過ぎ………じゃないのか?」

こなた「ふふ、ふふふ、こんくらいやらなきゃ駄目だよ」

体中に赤い血を浴びたこなたは生来のジト目で俺に微笑む。
刃と髪の先端から落ちてはポタポタと音を立てている。

こなた「狩りっていうのは殺し合いだよ? 容赦すると負けるよ」

キョン「……そうか」

そうか、分かった。

キョン「だがこれじゃ、剥ぎ取れんな」

かがみの言ってたあれだろう。

こなた「既に剥がれてるのを持って帰りなよ。ギルドの規定量以上持って行くと指導対象だから要注意ね」

キョン「村のハンターなのにか?」

こなた「クエストはギルドが管理してるからね」

キョン「成る程」

こなた「それにしても歯ごたえのないクエストだったね。これじゃ切り足りないよ」

たぶんこいつがバトルジャンキーなのだろう。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/10(月) 16:03:18.54 ID:ZTQKUsAO<>こなたんカワユス(*´Д`)ハァハァ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/12(水) 00:55:40.30 ID:JCYE.fc0<>こなたが空を見上げて呟く

こなた「ん…面白いの発見」

キョン「面白い物?」

こなた「紅色のレウスが飛んでた」

キョン「聞いたことないな」

こなた「普通のレウスと桜レイアの子供はたまになるんだよ。十中八九奇形だけど、さっきのやつは健全そうだったよ」

こなたは二つの剣についた血を払い飛ばして舌を嘗めずった。

キョン「おい、まさか」

こなた「あれもイタダキに行くよ」

長門「クエストの討伐対象はすでに倒した。必要以上の狩りは処罰の対象」

こなた「いやいや、ながもん。ああいうレアモンスターを観測して放置してると逆にギルドに怒られるもんなんだよ。勝手だよね」

キョン「お前でまかせいってないか? 狩りたいだけだろ?」

こなた「さあ、どうかな。ほら飛んで行った方追いかけるよ」






もうそろそろ見てる人居ないのかな。だらだら行くぜぇ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/12(水) 00:57:13.73 ID:UodFfbko<>いる、超いるからはやく続きを<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/12(水) 01:25:47.30 ID:JCYE.fc0<>☆



小走りでこなたを追いかける。

キョン「大丈夫なんだろうな」

こなた「今度は私も一から手伝うし安心しなよ」

キョン「そっちの心配もあるがそうじゃなくて」

こなた「シッ! 居たよ」

こなた「……居たことには居たんだけど…別の団体さんとかち合わせになちゃったね」

キョン「ん? あいつを狙ってるのが他にも居たってことか」

紅の火竜は俺達に気づく様子もなく水を飲んでいる。
遠目で分かりづらいが、向こうの茂みの中に数名分の人影がちらつく。

こなた「どうしようかなぁ……危ない連中だったら関わりたくないし譲ろうかなあ…」

お前より危ない人間が居るとは思えない、とは言えなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/12(水) 01:44:40.49 ID:JCYE.fc0<>がさり。一際大きな物音が向こうの茂みから響いた。

キョン「馬鹿、バレるんじゃないか?」

こなた「あちらさん見つかっちゃったね」

瞬間、紅竜が高熱の火炎を茂みに向かって吐き出した。
威嚇も警告もなにもなく、前触れ無しからの本番だった。
あちら側が一気に炎に包まれる。火球ではなく炎にだ。

キョン「うおっノーモーションかよ」

こなた「炎の威力も凄いね。こりゃあそこらの希少種より厄介かもね」

キョン「帰ろうぜ」

長門「私と彼の腕では討伐が困難。見つかる前に逃走すべき」

こなた「ヤだ。[ピーーー]」

長門「推奨出来ない」

こなた「……あっちの人達がピンチかもしれないのに見捨てるの?」

人影は炎に包まれて見えていない。
紅竜がジッと炎の中を睨みつけているから気配はあるのだろう。

キョン「戦いたいだけだろ……」

こなた「でも、あっちの人達が危ないのも本当」

長門「…」

キョン「〜〜〜〜〜くそっ! 分かった付き合うよ!!」

こなた「はい、よろしい。そんじゃ私が的になるから援護よろしくねー」

両手に凶器を握り締めてこなたは紅竜の前に飛び出した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/12(水) 03:38:34.59 ID:osgLXh.0<>しえん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/12(水) 12:47:14.56 ID:JCYE.fc0<>こなた「はいはい、鬼さんこちら!」

こなたが声を張り上げて紅竜の注意を引く。
あっちの人達は無事だろうか。

キョン「長門はこなたを支援してやってくれ。俺はあっちの人の様子を見てくる」

長門がコクリと頷くのを確認してから茂みに向かってかけだす。
薄焦げた匂いはするが肉が焼けたような匂いはしない。

キョン「大丈夫ですか!?」

女性「あ? ああ? 問題無い」

男性「レウスの注意を引いてくれてありがとう。身動きのとりようがなくって困ってたんだよ」

こなたが正解だったってことか。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/12(水) 17:32:26.27 ID:JCYE.fc0<>そのグループは男が三人、女が二人のグループだった。
これは棚ぼただった。

キョン「無事だったか」

古泉「あなたも長門さんも五体満足のようで安心しましたよ」

キョン「お前はいい。朝比奈さん、ご無事でなによりです」

朝比奈「キョンくんも元気そうでよかったです」

古泉「さて与太話はとっておきにしておきましょう。今はリオレウスの鎮圧が最優先です」

古泉のグループの二人の男性はもうすでに紅竜と交戦していた。
なかなかに腕がたつらしく、長門とこなたを含めた四人を相手に紅竜も苦戦している。
朝比奈さんの武器はランスで古泉が大剣か。

キョン「だがしかしあんまり大人数で攻めると連携が取り辛いな」

女性「私はここで笛を吹いておくよ」

古泉「いつも助かります秋山さん。朝比奈さんも秋山さんの側で盾を構えておいて下さい」

朝比奈「はいっ」

成る程、それなら朝比奈さんが武器を握れてるのにもまだ合点がいく。
マイエンジェルに槍を突き刺す野蛮さがあるとは思えないしな。
そしてもう1人の女性、秋山………澪だったか?
も戦闘を得意としていないようで、朝比奈さんよりも更に強張った表情で狩猟笛を加えていた。

澪「怖く…い…くない……いつも……に音楽…するだ…だ………」

青ざめた表情をして何かを小さな声でつぶやき続けてる彼女も外の世界の人間だったはずだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/12(水) 17:58:54.65 ID:JCYE.fc0<>秋山澪が笛に息を吹き込むと凛とした音色が鳴り響いた。
俺は体がたちまち軽くなるのを感じる。これじゃ殆ど魔法だな。

こなた「お、この音色は澪? サンクスサンクス!」

こなたが猿のように軽いフットワークで双剣を振り回す。
長門の攻撃も位置取りが早くなったおかげで急所狙いの矢が増えたように見える。

古泉「さあ、いきますよ」

キョン「ああ、言われなくても…だ……」

古泉と並んで紅竜に相対する俺は目を疑った。
奴に痛手を負わせているハンターは先に始めた四人のはずだというのに、紅竜は俺たちにガンつけているのだ。
この後の行動は間違いなくブレスか突撃のどちらかで決定している。
そんな馬鹿な。俺はまだお前にゃ何にもしていないぜ?

キョン「おい古泉」

古泉「どういう訳か、僕は何を装備していても勝手に、デフォルト、で挑発スキルが発動してしまうらしいのです、んっふ」

キョン「狩りが終わったそのにやけスマイルをぼこぼこにしてもいいか?」

古泉「ご勘弁願いたいで……来ますよ!」

キョン「ああ! 全速全身の猪突猛進で殺気放ってるレウスを見落とす馬鹿が何処に居るってんだ!」

来た来た来た来た!
地面をドスドス揺るがしながら俺達を噛み殺しにきやがったぜぇ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/12(水) 19:27:51.88 ID:JCYE.fc0<>片手剣でどうにかなる突進だとは思えないから古泉のいない方向に飛んで逃げる。

キョン「危なかった、やはり古泉狙いか」

紅竜は俺を追撃することなく古泉に襲いかかる。
対する古泉も回避行動を取らず、大剣を振り上げた体勢でレウスを待ち構える。
おいおいマジかよ。攻撃がはいったとしても吹っ飛ばされるんじゃないのか?
古泉と紅竜の間合いが急激に狭まる。3210。

古泉「ふんもっふ!」

反作用で体が浮き上がるほどに強く激しく古泉は大剣を紅竜に振り下ろした。
顔面に手痛い一発が炸裂して紅竜は呻く。耐える。大剣を振り払う。

キョン「危ねぇ!」

古泉「心配無用です!」

古泉は吹き飛ばされることなく大剣を支点に紅竜の上に飛び乗った。マジかよ。
激しい運動中だというのににやけスマイルを崩さない奴は大小二つのタル爆弾をレウスに設置した。
殆ど間髪なくレウスが後ろ足で立ち上がって自称超能力を降り落とそうとする。

キョン「そんな所にいて大丈夫なのか!?」

古泉「ええ、見ていて下さいちょっと格好いいですよ」

キョン「はあ?」

俺の素頓狂な声は古泉の真後ろで轟いた爆音にかき消された。
古泉の体が爆風に浮く。あの野郎、サマーソルトで風にのりながら飛び降りてきやがった…!
キメ過ぎだっつーの。古泉はそのままこなたの真横に見事な着地を決めた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/12(水) 19:39:26.33 ID:JCYE.fc0<>こなた「あ、あはは…アニメの実写映画を見せられた気分だよ」

流石のこなたも引き攣った苦笑いを浮かべる。
カマドウマ戦以来の古泉の大暴れに俺も言葉を失う。

古泉「…」

着地を決めた古泉は着地したまま動かず言葉も発さない。
爆発にやられた紅竜がバランスを崩して、黒煙と爆炎に包まれながら地面に倒れこんだ。
爛れた皮膚が痛々しい。そこを狙って攻撃すれば決着は早まるだろう。

古泉「…」

キョン「おい古泉! どうした? なんかあったか!?」

古泉「ち…着地時の衝撃で足が……足の骨が痺れました」

にやけスマイルを崩したこの野郎は涙目で見事に名誉を挽回した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/12(水) 20:31:31.23 ID:JCYE.fc0<>はあ…最後は普通に「汚名を返上した」の間違いだわ。
gdってんなー、誤字とペースが問題か?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/12(水) 20:32:16.27 ID:JCYE.fc0<>はあ…普通に「名誉を返上した」の間違いだわ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/12(水) 21:17:18.05 ID:bcA/uUSO<>超みてますからかk…かいてださい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/13(木) 00:26:08.65 ID:Ud6srxU0<>こなた「さあ、一気に片付けちゃうよ」

古泉の体を張ったギャグを受け流したこなたは双剣を構えてひとみをギンと光らせる。
これだ、この圧迫感だ。この気配が流れるだけで一気に空気が不味くなる。

澪「ちょっと、待って…くれないか?……」

こなたに制止をかけるのは秋山澪。
オドオドした様子で声が聞き取り辛い。
そしてその制止はどうやら優しさからくるものではないらしかった。

澪「こんな貴重な飛竜を殺してしまうのは、その、勿体ない…と思う」

こなた「イヤだよ。ふふ、こんな面白い子 、殺さなきゃだよ…」

澪「ほ、捕獲の方が、金にもなる」

こなた「私達の側が澪達を助けたって分かってる?」

澪「……ぐ」

それを言われては意見をすることも出来ない。
秋山は大人しく引き下がってしまった。
狩猟笛を肩に担いで、再度、一人で何かをひたすらに呟き始める。
古泉が俺の方を向いて肩をすくめ笑った。

古泉「なかなかに問題の多そうな世界ですね」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/13(木) 00:28:26.51 ID:lbmhuDQo<>きたきたきたきた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/13(木) 00:37:52.78 ID:Ud6srxU0<>それじゃ、いよいよ始末しようか、という時に聞き覚えのある、利発そうな少女の声が響いた。

かがみ「はい、そこまでよご苦労様」

声の主は俺がこの世界で一番最初に世話になった彼女だった。
彼女の姿を認めた途端、この場にいるハンターの表情が苦々しいものなっていく。
その中で表情に余裕を持っていたのは俺にこなたと古泉だけだった。

こなた「おー、かがみん元気?」

かがみ「積もる話もあるかもだけど後回しよ。今はそいつの捕獲が優先よ」

こなた「捕獲? いやいや、殺しちゃおうよ」

かがみ「ギルドの命令よ。生け捕りにしなさい」

でた、お得意の手段だ。
この悪癖さえ泣ければ、本当にいい人なんだけどな、勿体ない。

かがみ「追加報酬は出すから頼むわね」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/13(木) 00:48:12.47 ID:Ud6srxU0<>ごめん反応して頂いといて悪いんだけど無理眠い。
さっきから意味の通らない文章が覆い隠すw 明日、頑張る<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/13(木) 09:34:47.31 ID:Ud6srxU0<>こなた「かがみは直ぐそうやって権力を振りかざす」

かがみ「そうでもしないとアンタ言う事聞かないでしょ。こんあレアモンスター血祭りにあげるたがる馬鹿はアンタくらいなもんよ」

こなた「むう…」

お? 岩崎さんの時と比べれば幾分か落ち着いてるな。
こなたとかがみの仲が良いのか、岩崎さんとかがみの仲が悪いのか……。

澪「…早くケリを付けないと、あいつがまた暴れ出すかも…」

紅竜は今はこちらの要すを大人しく伺っている。
こいつ他の飛竜より賢いな。不利なのを悟ってか、無理な攻撃をすることはやめたようだ。
飛んで逃げないのは羽がズタズタにされてるからか。

かがみ「とにかく絶対捕獲よ。麻酔玉も痺れ罠も支給するから宜しく」

こなた「仕方ないなあ」

こなたは渋々ながらもかがみの命令を呑む。
こなたにしても、かがみにしても、どうやら互いには甘いようだ。

古泉「何か思う所でもありますか?」

キョン「捕獲し終わってから、だろ?」

古泉「ですね」

緊張に耐え切れなくなった紅竜が咆哮をあげる。
九人も居れば捕獲もたやすいだろう。誰か彼かが罠を設置して玉を投げるだけだからな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/13(木) 09:58:11.01 ID:Ud6srxU0<>決着は一瞬だった。紅竜は今は俺達の真横でイビキをかいている。

かがみ「ご苦労様。ギルドには連絡機して、クエスト報酬を増やすように申請しておくわ」

澪「やっぱり討伐より捕獲だよな捕獲」

こなた「あああ、不完全燃焼だ…」

かがみ「こんな大物捕まえて不完全燃焼じゃないわよ。こなたは殺しにこだわり過ぎ」

こなた「だってそうじゃないと戦った気がしないじゃん」

澪「物騒な…」

女三人寄れば姦しいというやつか。おい古泉。

古泉「それでは何からお話ししましょう。この世界に飛ばされた原因からですかね」

キョン「ああ、頼む」

俺達ハルヒを除く団員全員で輪を囲んで会議開始だ。

古泉「今回のコレは涼宮さんの不満が爆発する形で発生しました」

不満?

古泉「ええ。勿論不満があるということは、願望がありますのでそれの解決で元の世界に帰還出来ます。長門さんここまでで異論は?」

長門「ない」

古泉はにこやかに微笑む。にやけっぱなしだけど笑みの種類が多彩なんだよ、こいつは。

古泉「そしてその不満がこのモンスターハンターの世界観にあるものと思われます」

何故だ。

古泉「ここ、少しだけ閉鎖空間の性質があるんです。ということは…」

巨人が暴れる場所に似ているということは、不満を撒き散らす場所、ということか?

古泉「そのような感じで結構です。少々伝えにくい感覚なので抽象的で構いません」

そうかい。

古泉「ただし、その不満が何であるかまでは判然としません。推測はたっていますが」

早くその推察とやらを言え。

古泉「んっふ、恐らくは………この世界のギルドという存在ですよ」

はあ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/13(木) 19:37:16.25 ID:Ud6srxU0<>キョン「意味が分からんぞ」

古泉「貴方はゲームモンスターハンターをした事がありますか?」

キョン「ああ、今でも国木田や谷口と集まったらよく通信する」

古泉「上位クエストは受注したことは?」

キョン「馬鹿にするな、G級だってクリアしてる」

古泉「それならクエスト供給者側のコメントを読んだことは?」

キョン「読んだ奴もある………お前の言いたいことはたぶん分かった。分かったんだが納得がいかん」

古泉「ゲームの世界の理不尽程度に本気になる理由がない。ですか?」

キョン「そうだ。確かにあのゲーム、ギルドが丸儲けしてるとしか思えんくらい素材が足りん」

キョン「しかしだ、そのゲームの難しさが気に食わんからといってこれはないだろう。いくらハルヒでもその程度はここまでごねんだろう」

古泉「ですから、こう言うのはどうでしょうか」

なんだ。早く言え。

古泉「普段の生活で溜まりに溜まったフラストレーション、ストレス、鬱憤を発散するためにゲームを起動したところ思うように進まない、ゲームで素材を入手し辛い理由にギルドが噛んでいると仄めかす表現がある、他にもギルドにはきな臭い設定がありそうだ……気にいらないなあ、苛々する。という感じです」

キョン「こじつけ過ぎないか?」

古泉「ですから、モンスターハンターはあくまでも引き金であり、涼宮さんの中にある最大の不満は別にあるというのが僕の考えです」

キョン「現実でうまくいかないからゲームで気分を晴らそうとしたらゲームでも納得いかない…か。釈然としないな」

ここまでだんまりだった長門が口を開く。

長門「ゲームに不満があるだけならゲームを改変して満足していたはず。涼宮ハルヒはあなたに、ひいては私達に何かをして欲しくてこの世界に送り込んだものと思われる」

その何かを探すところから始めろということか。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/14(金) 01:10:29.24 ID:N5EYuy.0<>古泉に話を聞けばするべきことも判明するだろうと思っていただけに、
結局のところ殆ど何も分からないというのは落胆が大きかった。

古泉「ご期待に添えずすみません。ですが、僕達とはまた別の異世界から来た人達の存在に何らかの意味があると考えて動くといいかと思います」

でなきゃ無駄なエキストラをわざわざハルヒが用意するとも思えないしな。

かがみ「取り込み中のところちょっといいかしら」

キョン「あーどうした。昨日は悪かったな」

かがみ「昨日のことは気にしてないわ。それよりキョンは村で動くことにしたの?」

キョン「ああ。いろいろ世話になっている」

古泉「僕達は東の街に拠点を置いていますが、どちらかに統一したほうがいいですね」

かがみ「その辺はあんた達で決めて頂戴。私は警告しにきただけよ」

警告?

かがみ「ええ。村で流行ってる違法なクエストにはくれぐれも手を出さないようにね」

キョン「違法?」

かがみ「ギルドを通していない狩りの依頼は全てそれに含まれるわ。好き勝手やられると生態系に問題が生じるから簡便して欲しいわ」

古泉「ギルドを通すと利益が下がりますから、違法クエストを専門にやってるハンターも居るほどですよ」

ゲームでいう、村クエ上位にあたる存在なんだろうな。

かがみ「私がいいたかったのはそれだけ。じゃ、せいぜい頑張りなさい」

ギルドメンバーであり、異世界人でもあるかがみとは頻繁に転落をとったほうがいいな。

キョン「かがみ、お前の連絡先はどこになってるんだ?」

かがみが綺麗なツインテールを揺らして振り返る。
同時に、かがみは自信のギルドカードを俺に差し出した。

かがみ「裏面に書いてあるから」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/14(金) 01:12:18.37 ID:N5EYuy.0<>転落→連絡
自信→自身<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/15(土) 00:33:42.59 ID:H.nLXn.o<>見てるぞ。頑張ってくれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/15(土) 00:59:35.99 ID:BfeDIHQ0<>さて 、古泉と朝比奈さんは街で活動していることくらいしか新しく分かったこともなく、俺たちは帰路についた。
二人は後日、活動拠点を村に移すらしい。団員で連絡を取りやすくするためだ。
古泉曰くモンハンの世界に飛ばされたのだから、狩りその物がクリア条件に含まれているかもしれないらしい。
よって否応無しに狩りに駆り出されることとなった俺たちは生傷の耐えない生活を送っていた。
狩りは当然、団員四人で動くのが基本だ。たまにこなたに絡まれたりすることもあったが。
まあそんなこんな先の見えない生活を送っていた時、古泉がようやく役に立ちそうな仮説を打立てた。

キョン「つまりハルヒが餓鬼ってことか」

古泉「その言い方はちょっとどうかと思いますが、ニュアンスとしては近いです」

古泉「涼宮さんは最近でこそ精神も安定状態が続き、閉鎖空間や改変なども殆どなくなりつつありましたが、本当にちょっと前までは、それこそなんでもありの状態でした」

古泉「彼女は基本的に優秀な人間ですから勉学、運動、交友関係などに不満を持つこともなく、恋愛だってやろうと思えば選択肢は山のようにありました。気に入らなければ改変してしまえば全てが解決してきましたし、どうにもならない時は巨人が暴れてストレス発散でした」

古泉「つまり彼女は我慢することを知らない、何かが思い通りにならないことを知らないんです」

古泉「そんな彼女が少しの間でも、改変も閉鎖空間も我侭も癇癪も起こさない日々を送り続けるとどうなると思いますか? 許容量は0に等しい彼女の中にフラストレーションを溜め込むんです」

キョン「あっという間にオーバーヒートしてくだらないことにマジギレして改変か」

古泉「恐らくこの考えでいいと思います。最近までの彼女は表面的には最早殆ど普通の女子校生のような生活を送っていましたからね」

キョン「てことはこの世界にはハルヒのちょっとイライラを具象化させた不満、もとい俺たちが解決せにゃならん仕事が詰め込まれてるってことか?」

古泉「でないと、僕達は永遠にこの世界の住人ですよ」

キョン「あーくそ。ハルヒのご機嫌管理は機関の仕事じゃないのかよ」

古泉「そいはいっても仕方ないでしょう」

ハルヒじゃあるまいしどうにもならんことで駄々をこねるのはよそうか。
それじゃ、最近のハルヒの様子を思い返してあいつが何を考えているか探る作業に入るとしますか。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/15(土) 01:08:25.02 ID:BfeDIHQ0<>正直詰め込みすぎた。でも一度は京アニキャラからめまくりたかったんだ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/15(土) 01:15:18.13 ID:vyqLDu.0<>追いついた
とにかく完結させてくれればそれでいいよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/15(土) 01:38:01.28 ID:BfeDIHQ0<>☆クエスト1



俺と古泉は周囲の会話に聞き耳を立てながら酒場でだべっていた。
時折、唯とかムギとか律が話に割り込んでくる。澪と梓はちょっと違う手段で生活しているようだ。
ちなみに長門と朝比奈さんは集会場で情報を集めている。

キョン「最近、うちの団は資金難だったからな」

古泉「既にあるモノを代わる代わる着ていただけですからね」

キョン「ハルヒの財布も限界なんだろうな」

古泉「朝比奈さんの新しいコスプレ見てみたいですね」

キョン「おいこらエンジェル朝比奈に大してなんとけしからん下心だ」

古泉「貴方が言いますか」

律「何、どしたの? コスプレが?」

キョン「朝比奈さんほどコスプレの似合う美人はいないぞ」

古泉「貴方ちょっと変態的ですよ」

キョン「最近は無骨な鎧姿ばかりで養分が足りん」

あれはあれでそそるんだがな。

律「ポニテ萌えだったりキョンってちょっとマニアックだよなー」

キョン「何を失敬な」

古泉「全くです」

キョン「おい」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/15(土) 02:12:04.39 ID:BfeDIHQ0<>律「コスプレといえばこっちに来てから梓が全然やってくれないなー」
キョン「なんだ、梓はコスプレ趣味なのか?」
古泉「興味深い」
律「…食い付きいいなお前ら怖いよ」
キョン「元の世界に帰るにはどんな些細な情報も逃せないのさ」
律「まあコスプレつっても無理矢理向こうの世界の先生にやらされただけだし、大体は猫耳つけるだけの遊びだよ遊び」
キョン「おい猫耳の破壊力を舐めない方がいい」
律「知らんがな」
古泉「ふむ、それであずにゃんと呼ばれているわけですね」
律「結とこなたはそんな風に呼んでるな。こなたは梓のコスプレ見たことないはずだけど」

こなたならノリと語感の良さだけで呼んでると考えていいだろうな。
梓が顔と耳を赤くしながら猫耳を付けて恥ずかしがってる様子を想像していると、古泉が珍しく目をみひらいた。

古泉「!」
キョン「どうした、なんか思いついたか?」
古泉「涼宮さんの欲求不満その一ですよ」
キョン「まさか新しい衣装が買えなかったせいだとか言わないだろうな」
古泉「それです」
キョン「んな阿呆な」
古泉「いえ、今回の件は何か大きな不満一つが爆発した訳ではなく小さな我侭の集合だと思われますから、可能性は十分にあります」
キョン「てことは朝比奈さんにコスプレさせたら元の世界に帰る条件その一を満たせるのか?」
律「お前らの会話っていつ聞いてもぶっとんでるよね」
古泉「いえ、中野さんにもコスプレをして頂いた方が確実でしょう」
律「え?」
キョン「なんでそうなる」
古泉「萌えキャラにはコスプレさせろが涼宮さんの思考回路ですからね」

古泉は真面目な微笑でそう語る。多分マジで言ってるんだろう。

律「SOS団ってなんで皆こんなにキャラ濃いの?」
キョン「まったくやれやれだよな」
律「他人事みたいに言ってるけどキョンも結構変だよ」
キョン「えっ」







こっちの世界び来て少々時間が経ってるので登場キャラは互いにそれぞれの人となりを知ってる設定でお願いします。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/15(土) 20:35:30.46 ID:X8kIE.AO<>>>76
狩りに駆り出されるのか・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/16(日) 00:27:18.99 ID:EYoq7qs0<>律の言う事だ、あまり真面目に受け取らない方がいいぞ、俺。
それよりも問題は、だ。

キョン「それじゃ二人にコスプレをして貰う方針で話を進めるわけだが」

律「え、何、二人ともマジなの?」

古泉「えらくマジですよ。そうは見えないかもしれませんが、こちらとしては案外必死なんですよ」

律「そ、そうなんだ」

キョン「それでだ古泉、朝比奈さんは理由を説明すれば快く引き受けて下さるだろうが、梓が承諾するかが問題だ」

律「梓はまず間違いなく拒否するだろうな」

古泉「元の世界に戻るためには貴女の協力が必要なんです。どうかコスプレして下さい。……明かに無理ですね」

律「無理だな。梓はちょっと生真面目な部分があるから嘘みたいな本当も信じなかったりするぞ」

古泉「ふむ、しかし単純な所もありますからお願いしてみれば或は」

律「0じゃないけど無理じゃないかなー。こっちきてからピリピリしてるし、余裕なさそうだもん」

確かに普通はそうだろうな。
俺達は場慣れというか、世界崩壊の危機くらいなら経験済みだから、ある程度の落ち着きをもって活動できているが、
ただ単なる女子高生やってた軽音部の人がこの世界でやっていくにはツライことも多いだろう。

キョン「こうなんか、いい方法は無いのか。交換条件とかはどうだ」

古泉「なかなか難しいものですね」

律「あっ、いい方法があるかも。ちょっと危険だけどね」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/16(日) 00:49:28.92 ID:EYoq7qs0<>☆



俺と古泉は律に連れられて村の外れに訪れていた。
相も変わらず素朴な趣をもつ村だが、この外れには、それに加え胡散くささが漂っていた。
細長い荒れた道の両脇にはいかにもな厳つい男とか、誘いまくりの女とかがたむろしている。
うわっ、腕に自分で注射器をぶっさしてる男と目があった。絶対アレだろ。


キョン「おいおい、まさか梓はこんなところで生業やってんのか?」

律「まあね。だからって別に体売ったり薬やってるわけじゃないよ」

キョン「生真面目って話はどこに行った」

古泉「背に腹は変えられないって奴でしょうね」

かがみの言っていた無法地帯の一面がないわけではないことを思い知った。

律「居た。おーい、梓!」

その声に反応して小さな少女がこちらを振り返る。
手入れに苦労しそうな長いツインテールを揺らしながらこちらを見た少女は怪し気なオヤジと取引きをしている最中であったようだ。

梓「律先輩…とキョンくんに古泉くんですか。ちょっと待って下さいね」

オヤジ「50000zで手をうってくれない?」

梓「55000」

オヤジ「51000」

梓「54000」

オヤジ「52000」

梓「53500」

オヤジ「ふん…まあいい53000だ」

梓「成立です」

そういって梓はオヤジに一枚の紙切れを手渡す。ここからではその内容を盗み見ることは出来なかった。
オヤジは紙を受け取ると、仲間と思われる連中と合流してこの場を離れていった。

律「繁盛してるなー」

梓「なかなかですよ。たくあんバーが無ければもっと苦労してます」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/16(日) 01:07:10.31 ID:EYoq7qs0<>梓「それで皆さんお揃いでどうされました?」

いざ直面するとコスプレして下さいとは言いづらいな。
古泉に目配せするも、このにやけスマイル、完全によそ見をしてやがる。

キョン「梓はここで何をして稼いでるんだ?」

梓「情報の売買です」

キョン「情報を?」

梓「余り詳しくは話せませんが、まあ、ギルドが認知していない情報とか、ね。それに加えて、元の世界に帰るための情報も同時に集めてますけど芳しくありません」

キョン「なるほど。酒場も情報集めが狙いか」

律「そういうことだね。ムギって経営の才能あるみたいで、普通に酒場としても繁盛しちゃってるけどね。あんな豪邸建てるくらいだもん」

梓「で、えっとまさかそれを聞きに来たわけじゃないないですよね? 本題は?」

キョン「あー、そのなんだ、言いに辛いんだが」

律「二人が梓のコスプレを見たいんだってさ」

梓「はい?」

キョン「おい待て! その物言いだと情報の伝達に齟齬が発生する!」

律「梓の猫耳可愛いんだよって話をしたら二人とも凄い剣幕で食い付いてくるから押されちゃってさあ」

古泉「これは酷い」

梓「き、気持ち悪……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/16(日) 01:23:42.83 ID:EYoq7qs0<>誤解を解くのに10分かかった。

閑話休題。

梓が咳払いをして話を続ける。

梓「とりあえず、いつも通りの律先輩だということは分かりました。それでどうして私のコスプレを? 納得できるだけのまともな理由があるとも思えませんけど」

キョン「それが元の世界に帰るために必要なんだよ」

梓「ちょっと何を言ってるのか分からないんですけども」

古泉「納得しろというのが無理な話ですよね。それでは何か交換条件でコスプレをして頂くというのはどうでしょうか?」

梓「それ相応の物をくれるなら協力してもいいですよ。私としても元の世界に帰りたいですから。ただどうしてもからかわれてるようにしか思えないんですよ」

キョン「ま、そりゃそうだろうな。だから交換条件でお願いするって訳だ」

梓「それで? 何かいい条件でもあるんですか?」

律「ちょっと服を着て猫耳付けるだけなのに対価を取りたがるねー」

梓「…」

キョン「そうだな、条件条件……梓の仕事を手伝うとか?」

古泉「情報の売買を手伝う仕事って何なんですか…」

キョン「だよなあー、成立しないよなー」

梓「それ採用です」

キョン「あら」

古泉「予想外ですね」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/16(日) 01:40:09.73 ID:EYoq7qs0<>古泉「情報というのは機密性が大切なのでは? あまり他人にまかせられる仕事ではないと思うのですが」

梓「そうですね、ですから、少し変わったお仕事をしてもらいます」

キョン「変わった?」

梓「はい。最初は私が指示しますので、とりあえず密林に行きましょうか」

キョン「密林か…何のクエストをやるんだ?」

梓「ババコンガの連続狩猟クエでお願いします」

キョン「……何体狩るつもりだ………」

梓「それはもう時間の許す限り

この可愛らしいはずの小さくて愛くるしい少女が、ただの狡猾なゴキブリに見えてきた。
自分のコスプレ姿に一体いくらの値をつけるつもりだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/16(日) 02:01:03.41 ID:ouBWNa.o<>ゴk……ある意味、Gクエか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/16(日) 02:11:15.34 ID:EYoq7qs0<>☆密林



律は酒場に戻って情報集めに勤しむとのことらしい。
まあ年頃の女の子がババコンガなんぞ相手にしたくはないだろうな。

キョン「で? まさかただ狩るだけじゃないんだろ?」

梓「はい、二人には情報を作って貰います」

古泉「と言いますと?」

梓「ご存知の通り、どんなにモンスターを見事に倒しても、持ち帰れる素材の数にはギルドによる規定があります。ですからギルドにバレずに死体ごと運び出すのが一番儲かるんです」

キョン「だがそんな難しくて、ハイリスクな事は誰もやらん」

梓「そうですね。やるならギルドの目の届かない狩場を探す必要があります。が、それはそれで危険が伴います。なんせ未開拓の地ですからね」

梓「それではどうすればいいか。答えは簡単です。死体を一度隠して人が居ない時に持ち出せば良いんです。連続狩猟クエなら「死体の数が合わない怪しいぞ!」とはなりませんから都合がいいです」

キョン「人が居ないことなんてあるのか? ここはギルドが管理してる狩場だぞ。それにどっちみち死体を持ち出すなら違法クエストをやっても同じだろう」

梓「夜ですよ、夜。全く居ないなんてことは無いですけど人気はすごく薄いです。しかも見つかった所で、暗さで顔がバレませんから逃げ切れば勝ちです。違法クエストをやっても同じなのは確かですね。ですからそこで情報屋の本領発揮ですよ」

梓「私達の仕事は死体をバラして隠すまでです。私達は死体を隠した場所を情報にして売るんですよ。死体を持ち出すなんて危険行為は他人にまかせましょう。それに死体を隠すまでならギルドにバレたって罪にはなりません。でも、いくら罪が無いといった所で、バレてギルドに目を付けられたくないのはお互い様です。だから共謀者になるキョンくんも古泉くんもリークはしませんよね」

キョン「………たまげた」

古泉「成る程、死体を持ち出すよりも利益は低いですが危険がない。しかも情報屋の生業にも出来て都合が良い、ですか」

梓「はい。死体の素早いバラし方と、よさげな隠し場所だけ教えたら帰りますので、あとは時間の限り頑張ってくださいね。ギルドに怪しまれないように何体かは普通に剥ぎ取って放置でお願いします」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/16(日) 02:18:24.74 ID:tNfAOMAO<>>>87
俺は評価する<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/05/16(日) 02:34:28.66 ID:EYoq7qs0<>その後、梓はできる限り楽な解体方法と隠す場所だけを実践してから帰路についた。

キョン「さて、コスプレの為にゴリラの悪臭に囲まれながら頑張りますか」

古泉「嫌な言方しますね」

キョン「お、次のババコンガが来たぞ」

俺はランポスフェイクの口から獲物の姿を確認する。
ああ、俺も頭装備なんてとっとと変えればいいのにとは思っていたところだ。

俺達に気付いたババゴリラが考えなしに突進してくる。
当然そんな攻撃には当たらず、横に回避して後隙を衝く。
俺の片手剣が背中に、古泉の大剣が頭部に切り傷を入れる。

キョン「流石にこの程度の敵だと余裕だな」

古泉「油断し過ぎないでくださいよ」

俺の頭部を狙った(フェイクが危ない!)コンガのかぎ爪を屈んで回避して、そのまま喉に剣を突き立てる。
これは致命傷になるはずだ。ババコンガが闇雲に暴れ始める前に待避して息をついた。

キョン「ふう、これからこの作業が続くのかと思うと面倒だな」

古泉「横から別のもう一体が来ていますよ! ちゃんと見てください!」

キョン「え」

俺が慌てて首を狙った時には既に遅く、飛来してきたうんこの塊がランポスフェイクの口にジャストで挟り通気口を封鎖した。




今日はここまで。
あずにゃんらしさが出ないなあ。まあ、そのうち出せるチャンスはあると思います。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/05/16(日) 02:37:02.81 ID:EYoq7qs0<>最後の一文

首を狙った→首を捻った<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/16(日) 09:57:17.44 ID:va.W76AO<>追い付いた
期待してる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/05/16(日) 16:04:53.44 ID:EYoq7qs0<>俺は窒息する前に慌ててフェイクを取り払う。

キョン「ぶはぁっ、くせえ!」

古泉「顔面茶色くなってますよ」

キョン「クソッタレ、絶対許さねえ…!」

古泉「シャレですか? 顔面糞まみれなだけにクソッタレですか?」

キョン「なあ、お前さ、俺が鍵だって分かってるよな? 分かっててその態度なんだよな?」

古泉「失礼しました」



☆小一時間経過



キョン「クエスト終わらせてきたぞ」

死体を隠した場所を印した地図を梓に手渡す。
梓はそれを受け取りながら顔をしかめた。なんだ文句でもあるのか。

梓「ご苦労様です。ところでそれよりもこれは何の匂いですか? 鼻が曲がりそうです」

キョン「…」

古泉「彼、顔面にババコンガの排泄物を頂戴したんです」

梓「うわっ……早くお風呂に入ってきてくださいよ」

キョン「コスプレは何時やってもらえるんだ」

梓「そういう約束でしたね…」

古泉「そういえば衣装の用意が出来ていないのでは?」

キョン「あっ」

梓「何なんですかそれは…。まあいいです。衣装の都合がついたらいつでも連絡して下さい」

キョン「まあ仕立屋に注文すればいいだろう。村にもそんくらいあるだろ?」

梓「そいいうのは後でいいので貴方はお風呂に入ってきて下さい。本気で臭いですから」

キョン「…だな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/16(日) 23:08:54.01 ID:1ueKulU0<>めがっさ期待してる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/05/16(日) 23:56:55.78 ID:EYoq7qs0<>☆夜 紬邸



部屋のシャワールームですっきりした俺は長門と朝比奈さんに今日の出来事を話した。
長門によると仕立屋は集会場から西に二分ほど歩いたところにあるらしい。流石長門。
今は団の四人での会議中だ。

キョン「さて、朝比奈さんの衣装も含めて何を仕立ててもらうかだが」

古泉「部室にはまだ無い新しい衣装が望ましいでしょうね」

朝比奈「露出が少ない服にしてもらえると助かります」

長門「この世界で実用されている服は避けた方がいい。コスプレとみなされない可能性がある」

紬「ちょっといいですか?」

四人であれやこれやと騒いでいると、豪邸の所有者様が会話に割り込んできた。
駄目です。などと言う訳も理由も無く、俺達はムギの話に耳を傾ける。

紬「りっちゃんから聞いたんだけど、梓ちゃんにコスプレをしてもらうんですか?」

キョン「律はどんな言い方をしていましたか? 話の伝達経路に若干の不安があるんですが」

紬「えっと、猫耳の話をしたらキョンくんと古泉くんがすごい剣幕で食い付いてきたって聞いてるけど 」

キョン「まだ想定の範囲内で助かりました。元の世界に帰るのに必要なんですよ」

紬「梓ちゃんのコスプレが?」

キョン「詳しく話すと長いし、どうせ納得いかないと思うのでそういう物だと思って頂けると助かります」

紬「そうですか、分かりました! それでしたら私にもお手伝いさせて下さい!」

キョン「へ?」

紬「私のコスプレ衣装コレクションを全て余すことなくお貸し致しましょう!」

このお金持ちがコレクションと自負する程の衣装が揃っているだと……?
それはつまりあれか!? 我が天使朝比奈さんのあんな衣装姿やこんな衣装姿が見たい放題ということか!?
ガタリと音を立てて 椅子から立ち上がった俺達三人の盟友は瞳に強い力を宿して手を取り合った。

〜キョンと古泉とムギのあいだに友情が芽生えました〜<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/17(月) 00:13:09.63 ID:2P/R6e.o<>古泉もかwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/17(月) 00:13:24.92 ID:YnDhVAo0<>茫然とする朝比奈さんと、この世界の書物に没頭する長門を残して三人の会話は弾んでいく。
おい古泉、お前ちょっとテンション高いというかキャラ崩壊してないか。

古泉「確かに涼宮さんの機嫌を直接に伺う必要が無い分、少し緊張が切れていたりしますね」

そうか。確かにあの団長と巨人を相手にする生活と比べれば、今の方が古泉にとっては楽なのかもな。

セバスチャン「皆様、中野様が玄関にお見えです」

紬「ふふ、ついにこの時が来たわね」

お嬢様とは思えない興奮のしようでジュルリと涎を啜るムギ。
俺としては朝比奈さんのコスプレが楽しみなのだが、ムギとしては梓のコスプレが楽しみらしい。
古泉はどっちなんだ。

古泉「僕はそうですね、中野さんのコスプレが楽しみです。あの小さな体、凹凸の少ないボディライン、そして何より」

キョン「そこまでにしておけ」

古泉「はい」

紬「それじゃドレッサールームに行っておいて。私も梓ちゃんを連れて行くわ」

いざ聖戦へ。俺の中で何故かそんな言葉がよぎった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/17(月) 00:40:09.91 ID:YnDhVAo0<>☆



ドレッサールームにずらりと並べられた衣装達を見て俺達は度肝を抜かれた。
これだけ揃っていれば、ハルヒ監督の出鱈目映画も多少は見栄えしていたことだろう。

梓「何なんですかこの衣装の数は…」

紬「うふふふ、梓ちゃんに着てもらいたい服がたくあさんあるの。これなんてどうかしら?」

そういってムギが手に取るは白いスクール水着。
Oh…水に濡れたら確実に見えるんじゃ無いだろうか。

古泉「…」

おい古泉いつものスマイルが消えてマジ顔になってるぞ。
そういう俺も素顔を保つのが難しくなっている。

古泉「おや、にやけスマイルは僕の専売特許化のはずですが」

黙らっしゃい。

朝比奈「衣装が多過ぎてどれにしたらいいか分かりませんねぇ」

そうですね朝比奈さん。あそこの婦人警官の衣装なんてどうですか? 格好いいかもしれませんよ。
そこのいかにも魔法少女なきゃぴきゃぴ衣装もお似合いかと。

朝比奈「魔法少女はちょっと、あはは…」

そうかハルヒの女郎のおかげで魔法少女がトラウマになっているのか勿体ない。
ん? 古泉の奴が居な……ああ、梓の方にムギと二人でたかってやがる。

梓「そ、そんな衣装あ、ありえません! 恥ずかしすぎます!」

紬「絶対可愛いのにー…。あ、それじゃあ、このお姫様ドレスなんてどうかしら?」

梓「ピ、ピンクのフリル全開……甘々過ぎます…!」

古泉「でしたらこちらのマイクロビキニを」

梓「下手したら裸より恥ずかしいですよねそれ!? 一体どういう神経してたらそんな変態的布切れを推薦できるんですかァ!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/17(月) 00:57:18.41 ID:YnDhVAo0<>ご臨終様。
あいつらは放っておこう。

キョン「まあ、別に着用回数に制限があるわけじゃありませんし、色々試してみてはいかがですか?」

朝比奈「そうですね、それじゃ私着替えてきてみますねー」

キョン「はい」

そう言って朝比奈さんは誰も居ない部屋へと衣装を抱えて移動する。
長門の視線が痛かった。

長門「…」

キョン「…」

長門「…」

キョン「なんだ、あんまり人をジロジロ見るんじゃありません」

長門「一つ何かを着用するだけで十分に涼宮ハルヒの不満は解消されるはず」

キョン「…」

長門「複数回着用する必要性はないはず。朝比奈みくるのコスプレは今の一回で十分」

キョン「…」

長門「回数に制限はないと唆して、朝比奈みくるのコスプレ姿を複数回見ようとするのは卑怯」

キョン「今度大きい図書館に連れて行ってあげるから、その事は黙ってなさい」

長門「…もう一声」

キョン「ぐ…なら、その時にでも有名なカレー屋さんでおごってやろう」

長門「分かった」

ふう、長門のやつがこういう部分に口を挟んでくるのはちょっと以外だったな。
もしかして妬いてるのか?
いやいやまさかな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/17(月) 01:14:47.69 ID:YnDhVAo0<>それにしても。

キョン「あの阿呆は何をやっとるんだ…」

長門「…」

俺達の視線の先はもちろんあの三人だ。

古泉「こちらの猫の尻尾なんてなかなか魅力的ではありませんか?」

梓「なんですかその凶悪なグッズ!! 装着部分がどう見ても連結状のボールになってますけど、これただのコスプレグッズとかじゃないですよね!?」

古泉「おやおや、形を見ただけで用途が分かってしまうとは。いやはやお見それしました」

梓「そ、それはそのっ……! 違うんです! 私はただちょっとネットで見かけてしまっただけで!!」

古泉「いえいえ僕は何も具体的な事はいってませんよ?」

梓「うああ…あうあううあぁぁ〜〜〜〜…!!」

紬「それなら梓ちゃん、この双頭b」

………何も言うことがない。

長門「琴吹紬から多量のアルコールを検知」

ああ、酒場で働いてりゃ当然だわな。
あれは酒が後押しして暴走してるのか。それにしてもいささか酷い気はするが。

長門「古泉一樹からはアルコールの類のものは検知できない」

あいつは死刑だな。
ハルヒじゃないけど俺が認める。
あいつ死刑な。

長門「分かった」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/17(月) 01:32:22.26 ID:YnDhVAo0<>朝比奈「着替え終わりましたぁ」

なんてお美しい御姿なんだろうか。
もうここまで来ると大天使ミカエル朝比奈くらいの称号を付与したって神様も怒らないだろう。
朝比奈さんの美貌を理解しているあたり、流石は我らが団長って感じだな。評価する。

キョン「すごくお似合いですよ」

朝比奈「えへへ、ありがとうございます」

中世ヨーロッパ風の荘厳にして繊細なドレスに身をまとった朝比奈さんは、
さながらどこぞの国の女王様のような雰囲気で麗しく微笑んだ。

キョン「この冠と杖をつけて見てください」

朝比奈「こうですか?」

漫画ならば「くっはぁ!」というセリフと共に鼻血を吹き上げていたところだ。
可愛すぎて犯罪ですよ朝比奈さん。

朝比奈「お世辞が過ぎる気もするけどありがとうございます」

お世辞なんかじゃありまs

梓「いい加減にして下さい!」

古泉「こひっ…!?」

紬「あらまあ」

キョン「!」

朝比奈「ふぇ」

古泉「あの…中野さん……いくらなんでも…睾丸キックはちょっと………その…命に関わりますので……あの本当に、すみませんでした」

キョン「俺達が手を下すまでも無かったな」

長門はコクリと頷いた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/17(月) 01:52:23.82 ID:YnDhVAo0<>その後は古泉とムギをそれぞれ部屋に寝かせて、梓をなだめていくつかコスプレをしてもらった。
当然、朝比奈さんにも更に色々なコスプレをして頂いて、本当に眼福でした。ありがとうございます。
朝比奈さんはデジキャラットのでじ子のコスプレが、梓はゴスロリ衣装に猫耳と猫尻尾のオプションが一番のお似合いだった。
やはり猫耳に加えて猫尻尾の破壊力は素晴らしいね。猫耳属性のない奴は人間失格だ。







古泉「おはようございます」

キョン「ああ…お前最低だったな」

古泉「こっちに来てからの僕はギャグ臭しかしていない気がします」

キョン「まったくだ。おかげで俺はおいしい思いをしたがな」

古泉「恥ずかしいこと言われて涙目で赤面する中野さんは可愛かったでしょう」

キョン「…………お前が退場したおかげで、狭い空間で美女三人と男一人だけで過ごせた」

古泉「ああ、そういうことですか。クソ羨ましい限りです。よかったですね」

キョン「お前らどこまでキャラ崩壊したいんだよ…」







今日はここまで。
期待レス嬉しいんだけど、シリアス、ギャグ、ほのぼの、狩りのどれに期待してるんだ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/17(月) 03:22:51.35 ID:NAtM/LQ0<> 遅くまで乙
狩りに1票<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/17(月) 04:05:48.71 ID:Cy3wNnIo<>乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/17(月) 07:04:02.58 ID:Fl7lwtQ0<>ほどよく混ぜれると俺得<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/17(月) 17:14:14.94 ID:otbllcAO<>あずにゃんと俺のエッチシーンに期待してる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/17(月) 18:06:21.10 ID:gYSsLbwo<>よし全部を期待している
ほの→ギャグ→ぼの→シリアス→狩り
見たいな順番でいいんじゃないか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/18(火) 02:53:04.51 ID:64xPb2AO<>今日は無理だとだけ連絡しとく。
何を期待されてるのか把握した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/19(水) 21:14:50.94 ID:RqP58Z20<>復活<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/19(水) 23:28:43.81 ID:6V5aQTw0<>ギャグがいいな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/22(土) 09:39:11.34 ID:ZryDMEAO<>まだー?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/23(日) 09:26:38.79 ID:bUoiwpY0<>まだー?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/05/23(日) 09:48:59.52 ID:ARehObM0<>http://www.killerjo.net/<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/25(火) 23:53:46.04 ID:aLKIclgo<>踏んでないから性格にはわからんが↑はたぶんブラクラだから<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sagesaga<>2010/05/28(金) 20:56:39.01 ID:kxj6dNw0<>ブラクラ確定
音が煩い
画像は顔に傷がある男あんまりグロくない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/29(土) 22:20:36.29 ID:svoyK3Eo<>てか。もう書かないの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/05/31(月) 20:16:47.40 ID:YDUcw.I0<>静かなる捕手<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/06(日) 19:58:22.75 ID:UPUQiGEo<>このスレ終わらせます
すいませんでした、書く気力が全くわきません<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/06(日) 20:43:28.71 ID:Do6lS2Mo<>そんなー・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/08(火) 23:39:34.13 ID:D4df/wwo<>まじかよ結構楽しみにしていたのだが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/09(水) 00:02:36.51 ID:j0gtCK2o<>本人かどうかわからん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/09(水) 07:20:40.81 ID:LYdz6oI0<>釣れますか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/10(木) 16:04:04.46 ID:WBHr3UQo<>本人なのかな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/06/25(金) 13:45:40.21 ID:fVRhpf.0<>まだまだ待つぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/25(金) 18:30:48.70 ID:JXgZjxUo<>書き手のレスがないまま1ヶ月が経過したのでご案内

続ける意思がなくなった場合は以下のスレでHTML化依頼をお願いします
■ HTML化依頼スレ Part1
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1190564438/

続ける意思がある場合は2週間に1度ぐらいでいいので生存報告をよろしくお願いします
みんなで仲良く製作速報を使えるようになるべく放置スレを減らしましょう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/06/25(金) 20:12:28.61 ID:iDyDLAk0<>乗っ取りok?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/25(金) 21:20:22.57 ID:9B6AaP.o<>おけおけ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/25(金) 22:29:20.02 ID:b1o1OYAO<>何も言わずに消えるよりは宣言してくれて良かった

乗っ取りC<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/25(金) 23:24:20.74 ID:UXuPuTw0<>乗っ取り期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/06/26(土) 20:30:30.06 ID:Ac2dv/E0<>つか>>1は末尾0だろ
宣言したやつoじゃん<> sage<><>2010/06/26(土) 23:29:41.72 ID:Klx3kc20<>>>130
書かない方がいいの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/26(土) 23:56:42.45 ID:G.jh/0Yo<>乗っ取り全然ありだと思います<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/27(日) 00:28:57.71 ID:HmWmrlk0<>>>131
や、そっちじゃなくて>>118の方<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/06/27(日) 01:02:08.06 ID:CzExYKI0<>だから>>118が偽物だった場合>>1が帰ってくるのでは?
という話

ところで俺が書く場合戦闘の描写は必要?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/27(日) 10:11:47.17 ID:HmWmrlk0<>無かったら少し淡々とした感じになるかも
個人的には簡単でもあった方がいいと思う



期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/27(日) 16:27:03.75 ID:JlfWcMAO<>放っておけばそのうち何かがどうにかなると思ってたのにこうももめるとは思わなかった。
>>1だけど、乗っ取ってくれて構わないよ。というか乗っ取って下さい。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/27(日) 16:56:00.49 ID:CzExYKI0<>簡単な結末だけ教えろ
筆が進まん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 00:50:59.99 ID:J2.ZsADO<>液晶に墨はやめといた方がいいぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 18:07:27.01 ID:CcW5goAO<>まだあったのか
乗っ取り期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/23(月) 18:14:53.63 ID:CcW5goAO<>ミスった
age<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 19:02:26.47 ID:dwUCrADO<>久々すぎて存在すら忘れてた

キャラ出しすぎて展開詰んだのかねぇ<>