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HTML化した人:lain.
佐天「あ、あの!お名前をっ!」上条「名乗る程の者じゃないよ」
1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/06/12(土) 00:00:03.27 ID:6Tq..D60
これは超電磁砲と幻想殺しが出会う少し前の
甘酸っぱくてほろ苦い、淡い淡い恋のお話…


上条×佐天だけど需要あるかな?無ければHTML依頼してくる。
※書き手は日本語が拙ないことと書き貯め率が低く、
投下スピードは初春さんの花が枯れるくらい遅いです。






あと書き貯め尽きたorz
2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 00:02:55.41 ID:M1.N0U2o
結構早く尽きるんだね
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 00:04:27.51 ID:c2Q4AIAO
>>1
不覚にもわろたwwww
頑張ってくれ
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 00:04:55.95 ID:hwVjRMDO
需要あるって言ってほしいのか?
書くかどうかは自分で決めたらいいだろ
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 00:07:16.01 ID:9.YXUs.0
ある。佐天使さん可愛い
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/06/12(土) 00:07:54.33 ID:6Tq..D60
とりあえず大まかな設定だけうp


上条→インデとは出会っているが、記憶は残っている。御坂にはまだ会ってない。

佐天→超電磁砲組と仲良し

初春・御坂→普通の女の子
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/06/12(土) 00:17:48.93 ID:6Tq..D60
今ふと浮かんだのを投下
今日はこれだけかもです。

−−−−
初春「さ、さ、さ、さ、佐天に彼氏ができたんですかぁ!?」

佐天「ちょっと初春!声大きいよ!」

初春「で、で、本当なんですか!」

佐天「うん。実はね。それで今日はその人と会うからゴメンね?」

スタスタ

級友1「涙子も大人になったねぇ。ね、初春。」

初春「…………」

級友1「?」
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 00:19:50.69 ID:UQc/w2A0
俺に需要大アリだぞ
9 :From PSP[sage saga]:2010/06/12(土) 00:26:52.07 ID:6Tq..D60
初春「佐天さんに男が出来た…佐天さんの純潔が…」ブツブツ

級友1「」

初春「級友1さん!!私に今すぐ病院を紹介してください!!」

級友1「え?初春どこか悪いの」ビクッ

初春「えぇ悪いですよ!私にアレが無いばっかりに佐天さんは悪い男に捕まって!」

級友1「ちょ、ちょっと初春落ち着いて!」

初春「落ち着いていられますか!佐天さんの純潔は私が貰うんです!」

級友1「」

初春「さぁ早く!私にアレを!アレを付けてください!」

ワーワーキャーキャー



今日はとりあえず。
俺の中での初春さんは百合なんだ
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 00:55:13.82 ID:Pr5JqEDO
需要聞いてから書くとかとんだ低脳しかいないな禁書厨は

糞スレ増やすな死 ねよカス
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/12(土) 01:10:05.83 ID:0FEoFW.0
死ねの間に空白入れてる男の人って…
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 01:16:30.80 ID:TtvNktIo
せめて書き溜めてからスレたてろよ…
ほいほいスレたてやめろよマジで
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 01:41:46.53 ID:edj/1wAO
佐天(笑)とか誰特
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 06:05:08.73 ID:.7UE1Xgo
日本語を練習してある程度自身が持ててるようになった上で、書き溜められるようになってから立て直してください
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 06:43:59.11 ID:WaCSpsSO
はいはい、需要ナッシングよ〜〜

とっとと依頼してきてね
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 09:48:54.85 ID:J5SjR6DO
IDの末尾が…………


まあ俺もだけど
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 11:31:38.80 ID:UY2pVmY0
マダー
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 23:51:29.49 ID:D3PR0Ako
VIPと同じノリでスレたてすんなよ
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/12(土) 23:53:35.94 ID:.255VXI0
さっさとHTML化依頼してこいks
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/13(日) 20:10:54.62 ID:kTEWtHQ0
需要が知りたかったら総合で試しに投下してみると良いんではないかと
それとSSなんてオナニーなんだから人のことなんか考えず黙々とやれ。需要なんか後から付いて来る
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/16(水) 05:58:54.08 ID:Qpx8WHo0
おれは支援するぜ
マッタリがんばれ
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/05(月) 23:14:33.74 ID:YRtBx2DO
佐天「はぁっ、はぁっ!」

 慣れないことをした。
 それがこの事態を招いた原因だ。

佐天「何の力もないのにっ、変に勇気振り絞っちゃったからっ!」

 振り向き、後方を確認。
 追い迫る不良が数人。

 あれから数分しか経っていないのだろうが、感覚的には数時間にも感じられた。

佐天「あはは……もうダメ、かも……」

 全速力で駆けていた足が徐々に減速していく。

佐天(やっぱ、助けなきゃよかったなぁ……)

 こんなこと考える自分に腹を立てる余裕すらなかった。
 ただただ後悔の念だけが、じわりじわりと広がっていく。

佐天(――助け、て……)

 何の力も持たないただの女子中学生の自分が出来ることは、ただ願うだけ。
 しかし、神様がそんな願いを聞き入れてくれるはずがない。

佐天「誰か、助けて――!!」

 だから、最後の力を振り絞り、叫んだ。
 そして、コンクリートの地面に倒れるように膝をついた。
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/05(月) 23:44:06.09 ID:YRtBx2DO
「手間かけさせやがって……!」

 どたどたと複数の足音が近付く。
 これから、助けた女の子の代わりにひどいことをされるのだろう。

佐天(惨めだなぁ、私って……)

 肩で息をする不良の一人がくつくつと笑いながら、目の前に立った。
 顎に手を添えて、不良は品定めでもするように視線を上下させる。

「俺はイケるぜ」

「当然」

「見張っといてやるよ」

 恐怖で声も出せない。
 目頭が熱くなる。手足が震える。

 眼前の不良が足を使って、私の顎を持ち上げる。
 背後に立つ不良が、私のスカートを摘み上げる。

 ……嫌だ。

 声にならない言葉を呟く。
 と、同時に涙が頬を伝っていた。
 それは筋を描いて零れ落ち、コンクリートの地面に吸い込まれていく。

 その時だった。

「――間に合ったか」

 前方から、声が来たのは。
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/06(火) 01:20:39.83 ID:SalsfCco
ほう?
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/06(火) 02:28:51.06 ID:4ftSzsDO
 学ランを身に纏った男の姿が、視界に映った。
 ツンツンと立った髪の間から、後光が差すように光が漏れている。

「テメェら……恥ずかしくねぇのかよ!

 男が、踏み出す。
 右手で拳骨を作り、目を尖らせて。

「男三人で寄って集って……カッコ悪ぃよ……!
 そんな風にしなきゃ女の子一人とも向き合えねぇのかよ!?」

「いやいや、俺たちは向き合うつもりなんてねーよ。
 どうせコイツもヒィヒィ喘ぐんだからいいだろ」

「なぁに、ボクぅ? もしかして混ざりたいのかなぁ?」

 路地裏に下卑た笑い声が谺する。
 その中で、き、と歯を軋ませる音が混じった。

「合意の上でなら俺だって何も言わねぇよ。だけどな、その娘は違ぇだろ!?
 テメェら、女の子を一緒くたに見てんじゃねぇよ! くだんねぇ幻想に囚われてんじゃねぇよ!」

 ち、と不良の一人が舌打ち吐く。
 三人の不良は私の前までのそのそと移動すると、それぞれポケットの中から何かを取り出そうとする。

「いいぜ、来いよ。強姦なんてふざけたことをする根性をぶん殴ってやる――!」

 次の瞬間、私の目の前で凶器を手にした三人と、どこまでも真っ直ぐな男が戦闘を開始した。

 お世辞にも、華麗にとは言えないが、襲い掛かる凶刃を避けて男は打突を叩き込んでいく。

 一人、二人、そして三人、と。

 自分が瞬き一つしないでその様子を見ていたことに気付いたときには、三人の不良は呻き声を上げて倒れていた。

 溜息を吐いて乱れた呼吸を整えた男が、こちらへ足を向ける。
 その顔には、呆れたような笑みが浮かんでいた。
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/07/12(月) 17:50:50.56 ID:xtAW/Iso
ほう
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/13(火) 01:25:18.96 ID:xYMBD020
期待
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/20(火) 17:24:32.41 ID:RSRi1Tg0
>>1です
長い間、スレを放置してしまい申し訳ありませんでした。
諸事情で時間に余裕がなくなってしまったため、続ける事が困難になってしまいました。
大変残念ですが、ここで打ち切りという形にさせて頂きます。
スレ見ていただいた方どうもありがとうございました。
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/25(日) 00:26:12.38 ID:3BxpgLQ0
>>28
スレ回りご苦労さん
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/09(月) 00:15:12.77 ID:oQReaw.0
学園都市という中では、彼は強くはなく・・・そしてかっこいい訳でもない。
 しかし私は彼に惹かれてしまった・・・彼の強さに、彼のかっこよさに・・・・・・。
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 08:27:28.17 ID:EZKEF.AO
どうせほとんど書いてねーし依頼出してくるか
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/09(月) 13:23:11.00 ID:oQReaw.0
だれも書かんね・・・
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 13:39:47.89 ID:3T/I4ns0
投げるのはええよ・・
みてみたかったのに
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/09(月) 13:43:50.07 ID:oQReaw.0
>>1さん続きは・・・
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 14:05:51.94 ID:TSjJ02AO
>>30
「本当困ったもんだよな。あぁいうのはいつになってもいなくならない」

私を助けてくれたその男性は、そう言いながらこちらに手を差し伸べてくる。

暴漢達を殴った手ではない方を。
私はその優しさに心を打たれながら、彼の手に身を委ねる。

「あっあのっ、ありがとうございました!」

「いえいえ、当然のことをしたまでですよ」

彼はそういいながら照れたように頬を掻き、それにしても、と続けた。
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 14:40:41.19 ID:oQReaw.0
「こんな感じにですね・・・・スキルアウト十人位だったかな・・・そんな大人数相手に何度倒されても起き上がって私を守ってくれるわけですよ!もう、私感動しちゃって・・・!」

そういいながら黒髪の少女こと佐天涙子は興奮気味に拳を振り、蹴りを放つ。
思い出のシーンをより忠実に再現する為に、話せば話すほど動きが大きくなっていく
狭い室内では危ないと怒られても仕方がないというのにその場で話を聞いていた少女達は皆溜息をつきながらも何処か我が子を見守る母親の様に微笑んでいるようにみえる。

「それでですね!・・・・・・な、なんなんですか・・・・・・?」

それに少女が気づくのは大分後になってからのお話・・・
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 14:43:33.08 ID:TSjJ02AO
「可愛い女の子がこんな所に一人で来ちゃいけませんよ?」

「か…かわっ?」

ボンッ、と音のなりそうな勢いで、自覚出来る程真っ赤になる私。

ナンパさんなのかな?と思い、赤くなった顔を悟られまいとうつ向きがちに彼の顔を覗き込む。

「?」ニコッ

(うわぁ…いい笑顔…)

彼は、何のことか分からないような爽やかな笑顔でこっちを見ている。

どうも彼は素でそのような事を口に出してしまう人間のようだ。

(どうしよう…顔がどんどん熱くなってく…)

チャラチャラした男達に言われても何とも思わないような歯の浮くようなセリフ。

でも、何故かこの人に言われると、恥ずかしくて嬉しくて、何だか分からないような気持ちになってしまう。
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 14:53:16.92 ID:TSjJ02AO
>>36
あ、書くんでしたらどーぞ
俺何にも考えてないんで
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 15:02:11.49 ID:oQReaw.0
>>38
いやいや俺もよく考えてないけど何となく書いただけなんで
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 16:36:50.65 ID:Rg4WwwAO
どっちでもいいから書け





いや、書いて下さい
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 17:24:59.57 ID:oQReaw.0
「佐天さんのあんな姿初めて見ました…」
「確かにそうですわね・・・元気なのはいつもと同じかもしれませんが…」
「・・・なんかいつもと違うんですよね…」
「そうでしたわね…」

人気のいない小部屋で少女が二人静かに語るのはいつもと同じに元気な元気な少女のいつもと違う不思議な所。

「でも、私もきっとそんな場面に合ったら佐天さんみたくドキドキしちゃうかもしれません!」
「その殿方と一度会ってみたいものですの」
「お名前聞けなかったって佐天さん残念そうでしたね…」
「きっとまた、会えるでしょう・・・この街は広い様で狭いですから…」
「……そうですよね。もしかしたら今もう二人して会ってたりするかもしれませんしね?」
「そうだと…いいですわね?」

二人の少女顔を見合わせて静かに微笑んだ。
どうかあの優しい子が笑える様な未来をと
どうかあの悲しい子の未来が開けます様に、と
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 17:57:26.46 ID:TSjJ02AO
>>41
がんばれ
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 18:04:17.47 ID:oQReaw.0
>>42
同時進行で
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 18:21:34.21 ID:TSjJ02AO
見にくくね
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 18:24:18.72 ID:oQReaw.0
気にしない!


     俺は
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 19:09:55.49 ID:TSjJ02AO
イベント思いつかなかったら打ち切る

>>37

「……?大丈夫でせうか?」

その人は、いつまでたっても顔を上げないのを不審に思ったのか、私の顔を覗き込んでくる。

そして、

「ひゃんっ!?」

突然おでこにひんやりとした感触があった。

何事!?と思い、顔を上げると、彼が私の額に手を当て、熱……はないか、と呟いている。

「何だか顔が赤くなってたみたいだから心配したけど、大丈夫っぽいな」

何だか子供扱いされてるみたいで、ちょっぴり複雑だ。

「それじゃあ私はタイムセールスがあるんでこれで失礼しますが、真っ直ぐ家に帰るんですよ?」

そう言って、その人は走り出す。

額に残る、心地よい手の感触。

何か、何か言わなければあの人は行ってしまう。

そう思った私は咄嗟に声を上げていた。
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 22:02:09.08 ID:TSjJ02AO
「あ、あの!」

まだ何か?と言わんばかりの顔をして振り向くその人。

呼び止めたは良いけど、何て言えば良いのか全く浮かんで来ない。

あの、と声を掛けたポーズのまま固まる私。

変な娘だ、って思われちゃったかなぁ……

って違う違う!そんなこと考えてる場合じゃない!

考えろ、考えるんだ佐天涙子!
らしくないぞ!

(そ、そうだ、お礼しないと!)

熟考すること数秒、私はやっと話す口実を見つけた。

それは何て事ない、誰でもいの一番に考え付く様な些細なもの。

そんな簡単な事に気付かないほど、私は混乱していた。

いや混乱させられていた、のかな?
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 22:16:54.14 ID:TSjJ02AO
ダメだこりゃ
ゴミの様な文しか書けねぇ
童貞の俺に女の子の心情は敷居が高かったか
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/09(月) 22:37:59.95 ID:oQReaw.0
がんばれよ!きっとかけるよ!
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 00:28:16.16 ID:KaseiEAO
おいおい、何言ってるんだ?



>>48>>49も頑張るんだろ??
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 00:52:17.15 ID:o.Zb6YM0
「…何だってんだ、くそ・・・と、とれねぇし・・・相も変わらず不幸だ・・・」

気になる人ができました。佐天涙子です。
一般的に見たら、きっとその人はかっこよくはないです。かといって凄く頭がよかったり、強かったりする人でもありません。

いわゆる普通な高校生。
だけど私には少し気になる男の人です。

この前危ない所を助けてもらったにも関わらず余り御礼が言えず、確かにもう一度会いたいとは思ってはいました。

しかし神様これはちょっとひどいんじゃないかなぁ…


……目の前で自動販売機の釣り銭漁ってるとか…

「ありえないでしょ…」
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 08:22:04.87 ID:KaseiEAO
期待してるのに進まないだと?
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 10:44:03.29 ID:o.Zb6YM0
「……あ」
「……ども」

……こんな気まずい再開うれしくないし……

「」
「あー…・・・別に……その、気にしませんよ…?えっと…先輩にも理由があるんだろうし…」
「いや、これは…ちが…」
「それじゃあ、お邪魔みたいなんで失礼しますね…」
「…! ちょっとまってくれ! なんか、勘違い……あっ…やべ…」

後ろを向いて、その場を立ち去ろうとした私の後ろで甲高い何か落ちる音が響く…
するとそこには、閉じられていない財布とあたり一面に転がる色とりどりの硬貨……

「ちょ! ちょっと待っててくれ! 今拾うから…くそっ…あー、不幸すぎるだろ。朝飯抜いてるから調子わりぃし…」
「……しょうがないですね」

必死に硬貨をかき集めるその人の横にしゃがみ、一緒に拾い始めるとその人は驚いたように此方を見つめてくる

「さっさと拾いましょう……拾ったら、説明してくださいね」

「!……あ、あぁ!悪いな」

もくもくとちゃりんちゃりんと硬貨の拾う音だけが聞こえる

……なんでこうなったかなぁ…?
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 14:16:14.45 ID:kt5BCQAO
(まずは名前を聞いて、で連絡先交換!)

完璧!

私はよし、と自分に気合いを入れ、意を決して口を開いた。

「あ、あの!お名前をっ!」

がしかし、完璧すぎると思われた私のプランは、一瞬にしてぶち壊されてしまった。

「名乗る程の者じゃないよ。それじゃ」

「」

そう言って走り出した彼の背中は、幼い頃テレビを見て夢中になっていた、悪い怪人達を倒すヒーローのそれと重なっていた。

彼の姿が見えなくなる。

気付いたら私は側にあった空き缶を蹴り飛ばしていた。

「何で私が恥ずかしくなんなきゃいけないのよー!」

まさか現実にあんなことを言う人がいるなんて思わなかった。

そして空き缶は、美しい放物線を描きながら路地裏の奥へと消えていった。

(でも、格好良かったかな)

そんな事を思いながらふと下を見ると、何やら手帳の様な物が落ちている。

拾い上げて見てみると、どうやらヒーローさんの生徒手帳のようだ。

(かみじょうとうま……って読むのかな?高校生なんだ)

(返さないとダメだよね!これでまた会う口実ができたっ)

端から見ればただの手帳だけど、私にとっては私と彼を結ぶ唯一の物。

私はそれを大事にポケットに仕舞い、路地裏を後にした。

心なしかその足取りは、いつもよりちょっとだけ軽い。

空き缶蹴っ飛ばしやがったのはどこのどいつだァ!

さっきまでいた場所から怒声が上がってたけど、聞こえない事にした。
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 17:09:38.98 ID:o.Zb6YM0
つづきはー?
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 17:48:27.30 ID:kt5BCQAO

―――――翌日―――――

「うーいっはるーん」

ブワッサァ、と、主に女性の下半身を守るヒラヒラとした布、つまりスカートが宙を舞う。

「っきゃわああああっ!?」

慌ててスカートを押さえてる、頭に花を咲かせたこの子の名前は初春飾利。

私の一番の親友だ。

私の一日は、初春のスカートをめくる事から始まると言っても過言ではない。

「あはは〜、今日は白地に青の水玉か〜」

「だから往来でスカートをめくるのは止めてくださいよ〜!!」

初春があうあう言いながら私の胸をポカポカ叩いてくる。

本当にからかいがいがあるな〜。

「へぇ〜っ、二人っきりならめくってもいいんだぁ」

「なっ、ちっ違いますよ〜!だいたい、スカート捲りなんてするの自体おかしいんです!」

「まぁ細かいことはいいじゃない〜」

いつも通りのやり取り。

レベル0の私にも居場所があるだって感じで、凄く安心出来る。
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 17:52:53.24 ID:kt5BCQAO
>>56
あるだ ×
あるんだ ○
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 19:32:02.30 ID:kt5BCQAO
「怒った?」

クスン、と目に涙を浮かべる初春。

うん、今日も可愛くて何より。

「もう慣れましたよ……。あ、そういえば、佐天さん昨日大変だったらしいじゃないですか!?」

突然初春が大きな声を出す。

昨日のこと、とはつまりヒーローさんと出会った、あの時の事だろう。

「いや〜、まぁ何とか乙女の純潔は守られました」

「え?つ、つまり、体は無事ってことですよね。良かった〜、昨日はずっと心配してたんですよ〜。メールも返って来ないし、電話もつながらないし」

「あ、ご、ごめんね?昨日は携帯見てなくってさ」

「そうなんですか?」

い、言えない……昨日は生徒手帳相手にずっとニヤニヤしてたなんて……

「それにしても、複数人のスキルアウトに追いかけられてた、って聞いたんですけど、よく逃げられましたね〜」

「フッフッフ、それを聞くのかい初春くん」

「?」

「実はね、私、ヒーローさんに助けてもらっちゃいました!」

「??」

胸を張り、腰に手を当て、ドーン、という効果音がでそうな格好で話す私。

に対してキョトン、とした顔の初春。

「もっと食いついてきなよ〜」

「はぁ、ヒーローさんですか?」

「全く、初春にはロマンってものがないんだよね〜。だから女を捨ててるなんて言われるんだよ?」

「よ、余計なお世話です!」
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 19:58:33.82 ID:eKNxksDO
期待してるぜー
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 20:13:30.04 ID:kt5BCQAO
………………………………

「でさ、でさ、相手がこうナイフ持って、切り付けて来るじゃない?」

「それを、こう、サッと避けて、右手でバキッて感じでさ」

「で、後ろからガアッて襲いかかって来るのを裏拳で……」

具体的に分かるように、ヒーローさんの動きを思い出しながら再現しようとする私。

「は、はぁ……何か変な踊りしてるようにしか見えないですけど……」

それを呆れた様な顔で眺めてる初春。

むぅ、やっぱり一人四役は無理があったか。

「でね、去り際にこう言うの」

「名乗る程の者じゃないよ」キリ

なーんて、なーんて、と、初春の背中をバンバン叩く。

思い出すだけで恥ずかしくなってきた。

「痛い痛い、痛いですよ〜」

「あ、ごめんごめん」

ハッと我に返り、背中を叩くのを止める。

初春はあたた、と背中をさすりながら言った。

「もう……、それにしても、凄い人ですね〜。スキルアウトを四人も能力使わずに倒しちゃうなんて」

「ヒーローさん、っていうのも分かる気がします」

にっこり笑ってこちらを見てくる初春。

他の人に喋っても、はいはいとしか言われない様なことでも、初春はちゃんと聞いてくれる。

そこが初春の良いところだ。
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 20:25:24.39 ID:kt5BCQAO
>>55おい


あと余り期待しない方がいい
完全に手探り状態だ
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 20:36:44.43 ID:v3A8taQ0
おんもしれーーーー!!!
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 21:21:31.79 ID:kt5BCQAO
>>60
四人じゃねーや三人だ
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 22:00:42.77 ID:kt5BCQAO
「後さ、ちょっと相談があるんだけど……」

「相談ですか?でも、もう学校に着いちゃいましたよ?急ぎなら聞きますけど、回りに人がいたら話しづらくないですか?」

あれ?
いつの間にここまで来たんだろ。

どうやら私は、時間すら忘れてしまうほど話すのに夢中になっていたらしい。

(てことは……)

あの、バキッ、とかドカッ、とかやってるのがクラスメイト達に見られてしまった恐れがある。

ぐわー、恥ずかしい!
初春も止めてくれれば良かったのに!

しかし、そんな事を考えても後の祭り。

誰も見てませんよーに、と、私はひそかに願った。

「佐天さん?」

もしもーし、と横から初春がのんきに話しかけてくる。

「うーん、じゃ、放課後にしよっか。今日はジャッジメントお休みなんでしょ?」

「はい、大丈夫です。それじゃ、放課後」

そして私達は、ホームルームまで数分の余裕を持って、教室へと向かった。
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/10(火) 22:25:04.65 ID:RPJdUbM0
支援
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/10(火) 23:48:18.72 ID:T2LgJpMP
超支援
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 00:03:58.84 ID:5WJD6UAO

――――――――――――

キーンコーンカーンコーン、と、どこの学校でも使われているチャイムが響き渡る。

一日の最後の授業の終了を知らせる合図だ。

殆んどの生徒は、この音が鳴るのを心待ちにしている。

私のクラスメイト達も、チャイムを聞くやいなや、我先にと廊下に飛び出していった。

私も授業の後片付けを済ませ、さて帰ろうかな〜、と思っていた所に、級友から声が掛かる。

「涙子ー、私達今からセブンスミスト行くんだけと、一緒に行かない?」

「あっ、ごめんね〜。今日はパス!また今度誘って!」

ポケットに忍ばせた高校の生徒手帳を握り、決意を新たに友人の誘いを断る。

そっかぁ、じゃあね〜、と、手を振りながら彼女達は教室を出ていった。

今日は私の人生の転機かもしれないしね!
セブンスミストなんて行ってる場合じゃない!

「佐天さ〜ん、まだですか〜?」

おっと、相談相手であるところの初春のことを忘れてた。

「今行く〜」

私は、少しだけ急ぎ足で初春の元へと向かった。
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 00:07:06.26 ID:5WJD6UAO
>>67
だけと ×
だけど ○

ミスが目立つ…
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 01:06:39.51 ID:qn50QXQ0
wwktk支援
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 01:18:54.37 ID:LkAe.Ic0
>>61
?
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 06:01:04.92 ID:qn50QXQ0
面白い
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 08:03:35.19 ID:5WJD6UAO
「じゃ、とりあえず落ち着ける所に行こっか!」

「分かりました〜」

学校を出た私達は、近くにあるオープンカフェへと足を運んだ。

…………………………

「私は……とりあえずアイスコーヒーで。初春は?」

「ジャンボフルーツパフェでお願いします」

かしこまりました〜、と、はきはきとした声で言って、店員が奥へと戻って行く。

どうも新人さんみたいだ。

「そういえば今日、佐天さんからかわれてたみたいですね〜。珍しい事もあるもんです」

「うっ」

鈍感な初春もやっぱり気付いてたか。

いつもいじる側だった私は、今日に限っていじられ側に回っていた。

残念な事に、登校中の『あれ』がクラスメイトの2、3人に見られていたからだ。

友達が、何の戦隊物にハマっちゃったのかな〜?と、いやらしい笑みを顔に貼り付けて近付いて来た時は、世界の終わりかと思った。

説明しようにも、なになに?と、他の人達も集まって来ちゃって、てんやわんやになってしまっていた。

人の面白い噂というのはスグに広まってしまうもので、廊下やら教室やらで、戦いを吹っ掛けられる事もしばしば。

そのたびに誤解を解くこっちの身にもなってもらいたいものだ。

「でも、あれは初春のせいでもあるんだよ?」

そう言っても、初春は頭に疑問符を浮かべるだけだった。

程なくして、コーヒーとパフェを持って、店員がやって来た。
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 08:20:42.86 ID:5WJD6UAO
「コーヒーに、ジャンボフルーツパフェ、お待たせいたしました」

「わぁ〜、来た来た、来ましたよ〜」

キラキラと目を輝かせる初春。

全く、いつになっても子供っぽいというかなんと言うか。

大人な私は優雅にコーヒーを口に含む。

もちろんシロップ入り。

だって苦いから。

「所でさ、相談の件なんだけど」

パフェをパクパクと口に頬張る初春。

この子聞いてんの?と、思いながらも、続ける。

「えーと、相談したい事ってのは、他ならぬヒーローさんの事なんだ」

「ひーほーふぁんふぁふぉうふぁひふぁんふぇふは?」

パフェを口一杯に頬張って喋ってる初春。

ごめん何言ってるか全然理解出来ない。

「……うん。食べ終わってからでいいよ」

わーい、と、食べる作業に戻る初春。

そして私はまた、コーヒーをすすった。
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 10:41:42.18 ID:CZP30IDO
やっべ、佐天ちゃン可愛いぜェ
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 13:55:18.99 ID:5WJD6UAO
「おいふぃれす」

初春がパフェを凄いスピードで口の中へと運んでく。

でも遅い。

速いのに、遅い。

普通食べるスピードと減少量は比例関係になるはずなのにどうなってんの?

私は既にコーヒーを飲み干してしまい、ボーッと初春の食べっぷりを見ていた。

とそこに、どこかで聞いた事のあるような声が耳に飛び込んでくる。

どこだっけ?

「だからなンで俺がそンなトコ行かなきゃいけねェンだよ!」

「行きたい行きたい行きたいー!ってミサカはミサカは駄々をこねてみる!」

兄妹かな?

どうやら妹さんが遊園地に連れて行って欲しいと騒いでいるようだ。

「だァァうるせェ!追い出されンだろうが!」

「連れてってくんなきゃ泣いちゃうー!ってミサカはミサカは「分かった分かった分かりましたよォ!」」

「連れてきゃいいンだろォ?連れてきゃ」

「本当?嘘つきはダメだよ?ってミサカはミサカは上目使いでアナタにを見つめてみたり」

「来週は仕事あるから再来週な」

「わーい、行けるんなら何でもいいよってミサカはミサカは喜びのダンス!」

「みっともねェからやめろクソガキ!」

どうやら妹さんが勝ったみたいだ。

良かった良かった。
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 13:57:35.73 ID:5WJD6UAO
「ちィ、外行きてェとか言うから何かと思ったが、そォいう事かよ」

そして白いお兄さんとちっちゃい妹さんは、手を繋ぎながら店を出ていった。

なかなか面白いやり取りで、いい時間潰しになった。

「美味しかったです〜」

初春もどうやらパフェを食べ終えたようだ。

よし、本題に入ろう。
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 14:25:11.81 ID:5WJD6UAO
「そういえば佐天さん、相談って何なんですか?」

水を飲んで一息ついた初春が尋ねてくる。

「えっとね、昨日ヒーローさんに会った、って事は話したよね?」

「はい!名前も知らないヒーローさん、ですよね?それがどうかしたんですか?」

あ、そういえばまだ初春には生徒手帳のことは言って無かった。

「あのね、名前は分かるの。上条当麻さん、っていうんだけど」

初春は不思議そうな顔で私を見てくる。

「え?名前も言わずに帰っちゃったんじゃ無かったんですか?」

「うん、それがね?」

私はポケットに仕舞っていた生徒手帳を取り出し、事情を説明した。

「はぁ、その手帳を返しに行って、お礼をして、あわよくばお友達になっちゃおう作戦、ですか?」

うん、我ながらいい作戦だ。

語呂が悪いのは分かってます。

「でね、私何故かその人の前に出るとテンパっちゃうんだ」

そして私はパンッ、と両手を合わせて、

「だから初春、着いてきてくんない?」

と、お願いした。
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 17:26:33.25 ID:CZP30IDO
乙!
おもしろいぜ
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 18:52:36.15 ID:5WJD6UAO
――――――――――――

「それではこれで終わります〜」

教壇に立つ、小学生くらいの身長で、ピンク髪をした少女が授業の終わりを知らせる。

実は彼女、全くそうは見えないが、このクラスの担任である。

「ふぅ、無事終わった〜」

上条当麻はバタン、と机の上に倒れ臥した。

何だか今日は調子がいい。

まあ他の人から見れば普通の日常なのだが、常に不幸が付きまとっている彼からすれば、絶好調なのだ。

「カミやん、今日は何事も無かったみたいだにゃー」

金髪アロハにグラサンという、およそ学校に来るような服装を全くしていない男、土御門元春が話しかけてくる。

上条当麻の親友であり、義妹を溺愛するちょっとした変態だ。

「おぉ、後は帰るだけだし、何かいいことが起こりそうな気が「おっとその先は言わせへんで」」」

突然会話に割り込んで来たのは青髪ピアス。

この男は、世の中に存在する全ての嗜好を網羅する、とんでもない変態である。

「カミやんがそういうこと言うと、ホンマに空から美少女が降って来そうなんやもん」

「あるわけねえだろそんな事!」

これに上条を加えた三人が、この高校名物の三バカデルタフォースである。

「青ピの言う事も一理あるにゃ〜」

「大体カミやんは未回収のフラグが多すぎるんや!」

「上条さんがそんなモテるわけありません!」

いつもの感じでギャーギャーと騒ぎながら、三人は学校を後にした。
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 19:37:32.55 ID:5WJD6UAO
学校を出た三人は既にバカ騒ぎを止めており、普通に談笑しながら歩いていた。

「カミやんこれからどうするんだにゃ〜」

「う〜ん、食材は昨日沢山買ったし、かといって帰る気分でもないな〜」

「そんなら久しぶりにゲーセン行かへん?ボコボコにしたるでカミやん」

「お、久々にやるか?」

「決まりだにゃ〜」

そんなやり取りを経て三人は目的地をゲームセンターに決め、歩き出した。

が、彼らはすぐに足を止めることになる。

角を曲がってすぐの所で、唐突に後ろからあの!という女の子の声が上がったからだ。

振り向く三人。

が、面識があるのはその中の一人だけだった。

「あれ?昨日の……」

上条がそう言った途端に、両サイドから悲痛な叫び声が上がった。

「やっぱりカミやんだにゃー!!」

「昨日からのフラグやったかあああ!さっきまでのドキドキを返せえええ!!」

喚き散らす二人に困惑する少女。

「えっと、あ、あの……」

「ちょっと待ってろ、すぐに黙らせる」

そう言って上条は二人をぶん殴った。
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 19:41:54.82 ID:5WJD6UAO
………………………………

ボロ雑巾の様になった二人を放っておいて、上条は少女に話しかけた。

「ごめんごめん。で、どうしたんだ?何か用か?」

「え、えっと、あの、生徒手帳がですね、あの、ヒーローさんで……」

「?」

言っていることが支離滅裂で何が何だか分からない。

魔術師かとも思ったが、まさかそれは無いだろう。

少女は、何も伝わっていないことは分かるのか、少し深呼吸して、ビックリするくらい大きな声で一言だけ言い放った。

「ちょっとそこでお茶しない!?」

「」

上条当麻、高校一年生。

生まれて初めて逆ナンされました。
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 19:52:06.14 ID:5WJD6UAO
――――――――――――

どうも、佐天さんの親友やってます、初春です。

誰にでも分け隔てなく接する事の出来る、人懐っこいカラッとした性格で、クラスの人気者。

初対面の人とでも物怖じすること無く話すことができる、そんな佐天さんに悩みがあるなんて、おかしいな、と思ってました。

この時までは。

――――――――――――

「う、うん、あっ、はいっ、いえ、あっ、そ、そうです、あ、いえ、あぅ……」

えっと、誰この人?
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 19:53:26.06 ID:5WJD6UAO
………………………………

私に持ちかけられた相談とは、何のことはない、普通の恋する中学生の様なものでした。

考えるよりまず行動の佐天さんにしてはらしくないな、とは思いましたが、親友として聞かない訳にもいかないので、喫茶店を出て、一緒にそのヒーローさんの高校まで足を運んで。

ちょうど目当ての人が、金髪アロハさんと青髪ピアスさんと一緒にだけど、出てきた所までは良かったのですが……


思えばそこからですね、佐天さんがおかしくなったのは。



「ほら佐天さん!何やってんですか!あの三人の内の誰かなんでしょ?」

「いやいやでも何て言うか、いきなりとかわけ分かんないし」

「何言ってんですか!早く行かないと…あっほら、行っちゃいますよ!」

「いやわけ分かんないいきなりとかわけ分かんない」

わけ分かんないのはあんただよ!

突然わけ分かんなくなってしまった佐天さんにツッコミを入れている内に、その三人は笑いながら反対の方向へ行ってしまって。

「あ〜あ、また明日出直します?」

角を曲がっちゃって、彼らが見えなくなったので、そう言って振り向いたんですが、そこに佐天さんの姿はなく。

前を見ると佐天さんが猛ダッシュで彼らを追いかけてて。

そして、さっきまでの弱気さが嘘のように、

「あのっ!」

とか普通に声を掛けてました。

私もあの時ほどわけ分かんなくなる事は、これまでもこれからも無いと思います。

それでまぁ、何やかんやで冒頭につづくわけです。
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 21:16:46.17 ID:5WJD6UAO
間違えて没にしたやつ投下しちまった…

>>82-83は無視して…
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 21:46:37.81 ID:5WJD6UAO
>>81

――――――――――――

パコーン、と頭から小気味の良い音がする。

振り向くと、初春がカバンを両手に持って立っていた。

「何言ってんですか佐天さん!?」

「うわ、あ、ごめん」

いつもだったら許さないけど、今回に限っては許そう。

「だ、大丈夫か?」

「ひゃい!」

うわ、声が裏返っちゃった。

「ええっと、……ナンパ?」

さっき言ったことを思い出して体から汗が吹き出してきた。

「ち……違うんです……えっと、その〜……」

私は初春の方をチラチラ見る。

初春助けて〜。

初春は、全く、と嘆息して、助け船を出してくれた。
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 22:16:45.32 ID:qn50QXQ0
ほうほう
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 22:20:10.44 ID:5WJD6UAO
「佐天さんが昨日お世話になったみたいなんで、お礼をしに来たんですよ」

「そうなのか?……でも、良くここが分かったな」

「あっ、それはですね」

少し落ち着いたので、私も会話に混じる。

これじゃ何しに来たのか分からないし。

そう思いながら、さっ、と生徒手帳を取り出した。

「昨日、これ落として行きませんでした?」

上条さんは、あれ?落とした?と首をかしげ、服をゴソゴソと探し出す。

まあここにあるから服の中に有るわけないんだけど。

突如上条さんがうわっ、と声を上げた。

「ポケットが破れてる……一週間前に新調したばっかなのに……不幸だ……」

うーん、確かに上条さんにとっては不幸なのかもしれないけど。

それのおかげでまた会うことが出来たんだから、不幸って言われると何だか複雑だ。
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 22:44:57.22 ID:5WJD6UAO
「あとですね、何か奢らせて下さい!」

生徒手帳も返したことだし、残る最後のミッションは、『お友達になる』ことだ。

「え!?し、しかしですね、上条さん的には中学生に奢ってもらうなんてことは……」

「良いから良いから〜。こういう好意は受け取らないとだめなんですよ?」

何だか渋っている上条さんの背中をグイグイ押して、ファミレスの扉をくぐる。

うん、何だかいつもの調子を取り戻せてきた。
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 22:47:00.12 ID:5WJD6UAO
ちょっと休憩

しかし文才ないな俺
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 23:12:52.72 ID:LkAe.Ic0
そんなことないよ!
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 23:25:28.79 ID:CZP30IDO
おもれーなーやっぱww
今気に入ってるスレの中の1つだわ
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/11(水) 23:33:21.33 ID:5WJD6UAO
再開

―――――ファミレス―――――

四人席に案内され、私、初春、上条さんの順に席につく。

私の隣が初春で、上条さんの隣は空席だ。

私はメニューを広げて、上条さんに差し出した。

「さぁさぁ、どれでも好きなのを頼んで下さい!私達の奢りですから!」

「私も払うんですか!?」

「当然じゃない。唯一無二の親友を助けてもらったんだよ?」

「そうですけど……自分で言いますかそれ……」

まったく、何言ってんだか初春は。

「なぁ、やっぱり割り勘にしないか?」

「ダ・メ・で・す!上条さんはちゃんと奢られてて下さい!」

上条さんは上条さんで往生際が悪い!

「はい……じゃあ、これで……」

うーん、一番安いやつ。

やっぱり遠慮してるのかな。

まぁ、ちゃんと会うのは初めてだし、仕方ないよね。
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 00:05:11.80 ID:STXJasAO
「あ!」

初春がパチンと手を打ち、注目を集める。

「何だかごたごたしてて忘れてましたけど、自己紹介しませんか?」

おぉ、初春にしてはいい事言った。

「流されるままに来ちゃったけど、名前も知らない子達に奢らせるのも気が引けるしな。いいんじゃないか?」

うん、上条さんも乗り気みたいだ。

でもなんか合コンみたいなノリになって来ちゃったような。

「じゃあ言い出しっぺの私から。えっと、名前は初春飾利です。中学1年生で、一応、ジャッジメントに入ってます。……こんなもんですかね?」

「ジャッジメントなんて凄いじゃないか。入るのって大変なんだろ?」

「ええまあ、大変でしたけど、訓練所で励ましてくれた人がいたから頑張れました」

む〜、いいな〜初春。

誉められてる。

私にはそんな大層な称号なんてないし……
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 00:18:48.89 ID:STXJasAO
「じゃあ次は俺が。上条当麻、高1。見ての通りの貧乏学生ですよ」

あ、そういえば気になってた事があったんだ。

「上条さんって何か能力使えるんですか?」

「いやぁ、恥ずかしながら、システムスキャンではレベル0でした」

共通点発見!

「そうなんですか?私もレベル0なんですよ!」

「え、そうなの?……えっと」

「あっ、佐天涙子です。初春と同じ、中1です!最近気になる人が出来ました!」

う〜ん、我ながら大胆な告白!

「佐天、か。レベル0はやっぱり大変だよな?親の期待とかもあるし……」

あれ、見事にスルーされちゃった。

その後も、注文した料理を食べたりしながら色々お喋りしたけど、どうも上条さん、色恋沙汰には疎いみたい。

う〜ん、これは積極的にアタックしないとダメかも。
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 01:06:05.14 ID:STXJasAO
その日はメールアドレスだけ交換して別れた。

自室に帰った私は、今日の反省をする。

上条さんに好意を持ってる、って事が全く伝わらなかったような……

「ていうか、あれだけアタックして気付かないなんて、もはやギャグじゃないの!?」

誰もいない所に一人突っ込みを入れる。

うん、むなしい。

初春でさえも、上条さんの鈍感さには呆れてたみたいだったし。

絶対に意識させてやるんだから!

私は決意を固めて上条さんにメールを打って、その日は眠りについた。
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 01:07:26.08 ID:STXJasAO
いろいろとダメだもうねる
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 01:36:55.28 ID:jwD8KcSO


頑張って続けてください
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 04:55:19.78 ID:XBc3PUDO
乙!
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 08:17:24.33 ID:XfZnQQAO
俺は見ているぞ









あぁ。
楽しく見ている!
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 10:03:29.06 ID:Rsr27gAO
いちいち卑屈になんなよめんどくせぇ
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 10:58:33.41 ID:STXJasAO
レスありがとう
只の俺のオナニーだし楽しんで書くわ


―――――数日後、上条の高校―――――

「あの女の子、また来てるにゃ〜」

「クソォ、何でや!何でカミやんばっかり!?」

ファミレスでの一件以来、放課後になると佐天は高校まで迎えに来るようになっていた。

「女の子の出迎えなんて、遂に上条さんにも春がブヘッ!?」

言い終わるまえにバカ二人に殴られる。

何すんだ!?

「ほんっと、罪な男やなぁカミやんは」

「何が『遂に』だにゃ〜」

意味が分からん……

「あっ、上条さ〜ん」

校舎を出た辺りで俺たちに気付き、ブンブンと手を振る佐天。

中学生にしては中々発育の良い体をしているが、元気一杯に手を振ってるその姿は、やはりまだ子供っぽいと言わざるを得ない。

健康的に揺れてる綺麗な黒髪がとても可愛らしい。

「今日も一緒に帰りましょう!」

「佐天ちゃん、気をつけた方がいいぜよ。こいつさっきいやらしい目で見てたにゃ〜」

「あ〜、こりゃ襲われるかもしれへんな〜」

こいつらなんてこと言いやがる!?

恨みを込めて睨みつけるが、二人ともどこ吹く風でピューピュー口笛を吹いている。
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 11:09:44.38 ID:STXJasAO
「大丈夫です!上条さんはそんな事しませんから!……それに、私上条さんなら……ゴニョゴニョ」

ふふん、聞いたかバカ二人。

伊達に毎晩メールしてる訳じゃないぜ。

最後の方は上手く聞き取れ無かったけど。

「カミやんの裏切り者ー!!」

「デルタフォースは今日をもって解散だにゃー!!」

捨て台詞を残して走り去っていく二人。

おお、凄いスピードだ。

「じゃ、じゃあ帰りましょうか」

「あ、ああ」

何やら赤くなった佐天が俺の手を握ってくる。

余り恥ずかしそうにしないでくれ……

こっちまで恥ずかしくなって来るじゃないか。
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 11:32:18.78 ID:STXJasAO
――――――――――――

「あの」

二人、着かず離れずの距離を保って並んで帰っていると、佐天が話しかけてきた。

「今週の土曜日って、暇ですか?」

確か土曜日は、居候も小萌先生の所に遊びに行くと言っていたし、暇な筈だ。

「あぁ、暇だけど、どうした?」

そう答えると、佐天はやたっ、と言って、細長い二枚の紙を取り出した。

「えっとですね、商店街の福引きで映画のペアチケットが当たったんですけど、一緒に行きません?」

「別に構わないけど、俺なんかとより、友達と行ったほうが楽しいんじゃないか?」

思った事を素直に伝える。

あれ?なんか空気がおかしくなったような……

隣を見ると、佐天が信じられ無いものを見るような目付きで俺を見ていた。

なんでだ?

「あなたと!二人で!行きたいんです!」

「そ、そうなのか?」

勢いに押されるような感じで承諾する。

「まったく」

プンプンという音が良く似合いそうな顔をする佐天。

「ま、まあ上条さん的にも可愛い女の子と二人でお出かけなんて嬉しい事ですはい」

「ま、またそういうことを……」

ありゃ、今度はうつ向いて黙りこんでしまった。

うーん、今時の女の子はよくわからん。
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 11:57:28.80 ID:STXJasAO
――――――――――――

「まったく、上条さんは」

約束ですよ!と言い、チケットを渡して別れ、自室に戻った私はベッドの上でクッションを抱え、座り込んでいた。

「まさか、女の子皆に可愛い可愛い言ってるんじゃないよね?」

……そうだったら、嫌だな。

そのままの姿勢でゴロン、と寝転がる。

それにしても、これだけ思わせ振りな態度をとっても全然女の子として見てもらえないなんて。

友達と行けば、とかさ。

(私に興味がない、って事なのかなぁ……)

う……ヤバイ、涙が出そうになってきた。

えーい、と頭をブンブン振る。

こんなの私らしくないよね!
ポジティブにいかなきゃ!

土曜日まで、あと少し。

精一杯お洒落して、

(その日、好きだってこと伝えよう!)

私は密かにそう決心した。
105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 13:07:14.60 ID:STXJasAO
構成はできたけど上手いこと軌道に乗れない

また夜に書けたら書く
106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 14:15:32.66 ID:XBc3PUDO
楽しみにして待ってる
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 17:43:17.90 ID:jE960yg0
>>101只の俺のオナニーだし楽しんで書くわ
このスレを見る→作者のオナニーを見るだよなぁ
てことは俺らは視姦してることになるのか?
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 23:42:10.29 ID:STXJasAO
>>107
やだ///

投下する
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 23:43:38.97 ID:STXJasAO

――――――――――――

「うーん」

教室の片隅で、一枚の紙を眺めている上条。

その視線の先にあるのは、昨日佐天に貰った映画のチケットだ。

別にそのチケットに何かあると言う訳ではない。

思い出しているのはそれを渡された時のやり取りである。

「俺と行きたい……って、まさかなぁ」

中学生という事もあり、佐天を恋愛対象として見れないでいた上条だが、それでも彼女は女の子である。

そういった事案に疎い上条も、薄々は佐天の行動に、少なからず友情以上の『何か』が含まれているのではないか?と、感じ始めていた。

まだ確信は持ち得てはいないのだが。
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 23:46:36.22 ID:STXJasAO
と、突然目の前にあった紙が引ったくられる。

「何見てるんだにゃ〜、カミやん」

その先にいたのは土御門。

土御門は、引ったくったそれを数秒眺める。

そして、あの子も大胆だにゃ〜、とか何とか言いながら、ニヤニヤし始めた。

「これ、佐天ちゃんに貰ったんじゃないかにゃ?」

「な、何で分かったんだ!?」

「カミやん、この映画の大まかな内容、知らないのかにゃ〜?」
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 23:48:47.59 ID:STXJasAO
有名な映画なので、テレビで予告が流れていたのを見た事がある。

確か、不良に絡まれた女の子とそれを助けた男の子の恋愛映画、だった筈だ。

「それと何の関係があるんだ?」

土御門は心底呆れた顔で上条の顔を見つめる。

「カミやん、それ本気で言ってるのか?」

「?」

何も分からないという顔で首をかしげる上条。

そして、これは佐天ちゃんも苦労するにゃ〜、と、首を振りながら呟く土御門。
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 23:50:04.91 ID:STXJasAO
「まぁこれ以上言うのは野暮ってもんだが……」

「腹はくくっといた方がいいかもだぜい?とだけ言っておこうかにゃ〜」

「??」

更に訳がわからなくなってしまった。

土御門は続ける。

「ま、そんときはこいつを使うといいにゃ〜」

そう言って土御門が取り出したのは、遊園地のペアチケットだった。

「舞夏でも誘って行くつもりだったけど、カミやんにやるぜい。俺からのお祝いだにゃ〜」

結局何も分からず仕舞いだったが、何故か遊園地のチケットを貰ったので、一応礼は言っておいた。

が、土御門は、

「お礼はカミやんが全部分かった時に聞こうかにゃ〜。自分に素直ににゃ〜」

と言って、手を振りながら帰って行った。

(本当に何だったんだ?)

上条がそれを理解するのは、もう少し先の話だ。
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 23:53:15.87 ID:STXJasAO
―――――土曜日、13:50―――――

「うわ、早いな!」

上条さんがやって来た。

私服を着ているので、何だか新鮮だ。

うん、やっぱり格好いい!

「遅いですよ〜。女の子を待たせるなんて、デリカシーに欠けます!」

お昼の二時、セブンスミストの前に集合。

昨日の夜、メールで取り決めた内容。

映画は夕方の部なので、それまで上条さんに買い物に付き合って貰う事にしていた。

「10分前に来とけば問題ないと思ったのに……お前いつからここにいたんだ?」

「あはは、どうでもいいじゃないですかそんな事〜」

まあ、上条さんが私を待たせないためには、あと50分は早く来る必要があったんだけどね。

ずっと座ってたから腰が痛い……

「それじゃ、そろそろ行きましょ!時間は待ってくれませんよ!」

上条さんの手を取って走り出す。

「そうだな。お、おい、引っ張るなよ」

こうして、私達の初めてのデートは始まった。
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 23:54:53.45 ID:STXJasAO
………………………………

「わぁ〜、あれ、可愛くないですか?」

小さな熊のぬいぐるみを指差す私。

「どれだ?……あのぬいぐるみか?うん……うん、そうだよな。女の子って普通、ああいうのが好きなんだよな。カエルとかないよな」

何故か突然上条さんが頷きだした。

「?……どうしたんですか?カエル?」

「いや、知り合いにな、カエルに妙な執着を持ってる奴がいるんだよ」

良く分からないけど、知り合いの女の子の趣味のことかな?

「上条さん!」

私は、ちょっと怒った声を出す。

「は、はい?」

上条さんがビックリしてこっちを見てくる。

「デート中に、他の女の子の話題を出すのは御法度ですよ?」

私は人差し指だけ伸ばした手を前に出し、片目を瞑ってそう言った。
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 23:55:42.52 ID:STXJasAO
「あ、す、すまん。……ていうか、え?これってデートなのか?」

今度は私がビックリする番だった。

「デートじゃなかったら何なんですか!?」

「いや、薄々感付いてはいたんだけど……」

まったく、これだから上条さんは。

「もう。あ、今度はあっち行ってみましょう!」

「わ、だから引っ張るなって!」

女友達と来るときと違って、ずっとドキドキしてる。

上条さんが隣に居るのを見る度に、にやけが止まらなくなる。

あぁ、やっぱり私、上条さんのことが好きなんだな〜、と再確認した。
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/12(木) 23:56:46.09 ID:STXJasAO
今日はここまで
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 00:33:32.85 ID:wxsdjkAO
上条さんが隣に居るのを見る度に、にやけが止まらなくなる。








そんな佐天さんを見てにやけが止まらなくなる
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 01:58:20.89 ID:ZYkvZ6SO
佐天さんかわい否
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 08:20:25.21 ID:ecmXZkAO
少しだけ投下

書き溜めってすぐ尽きるんだねorz
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 08:21:14.17 ID:ecmXZkAO
………………………………

「ふぅ〜、沢山買っちゃいました!」

楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまうもので、時刻は既に四時をまわっている。

「上条さんはもうヘトヘトですよ」

上条さんは肩をぐるぐる回しながら向かいの席に座った。

荷物全部持って貰っちゃったし、ちょっと酷使しすぎたかも。

私達は今、映画館前の喫茶店に休憩がてら立ち寄っている。
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 08:21:55.91 ID:ecmXZkAO
紅茶を飲みながら一服していると、ふいに上条さんが、あ、そうだ、と言って、袋をガサガサと探り出した。

「ほら、これ」

「え、これって……」

目の前にポンッ、と置かれたのは、私が可愛いと言っていた、熊のぬいぐるみだった。

私は一瞬何のことか分からずに、それと上条さんの間に目線をさまよわせる。

すると、上条さんが照れ臭そうに、

「お前それ、可愛いって言ってただろ?だからまぁ、何というか、プレゼントだ。いや、いらないならいいんだけど」

と、言った。
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 08:22:38.19 ID:ecmXZkAO
「ほ、本当ですか!?すっっごく嬉しいです!!私、一生の宝物にしますね!」

思わず私は人目もはばからず、小躍りを始めていた。

そしてこの時、私の頭の中は完全に上条さん一色に、染まってしまった。

大好き!上条さん!

この気持はもう、抑えきれそうもない。

(絶対に今日、告白しよう)

私は再び、そう決意した。

そして、丁度良い時間になったのを見計らい、私達は映画館へと向かった。
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 08:23:20.42 ID:ecmXZkAO
うん、まあこんな感じで

また夜に来れたら来る
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 11:55:13.63 ID:qKoLmgDO
乙!
佐天さん可愛いなあ
続き楽しみにしてる
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/13(金) 18:38:29.98 ID:Re8rVts0
佐天さんまじぱねぇ
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 21:41:12.80 ID:ecmXZkAO
投下する
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 21:41:58.94 ID:ecmXZkAO

―――――映画館―――――

「わぁ、夕方なのに、人、一杯いますね」

「そうだな、結構有名な映画らしいし、仕方ないんじゃないか?」

「チケットあって良かったです」

空いている席に座って、映画が始まるのを待っていると、前の席に私と同い年くらいの娘と、上条さんより少し年上くらいの男性がやって来た。

「何で私がA級映画なんて超見なくちゃならないんですか!私はC級映画を超見に来たんですよ!?」

「だからお前はもっと素晴らしい映画を見るべきなんだよ!C級映画ばっか見て笑ってるからそんなひねくれた性格になるんだ!」

「超うっさいです!」

「おぐっ」

うわぁ、女の子のパンチが男の人のお腹にめり込んだ。

何だかケンカしてるみたい。

もう少し静かにして欲しいなぁ。

前の二人のケンカを眺めている内に、映画の予告が始まった。

上条さん、この映画を選んだ意味、分かってくれるかな。

前の二人は、映画が始まったらずっと静かにしていた。

どうやらマナーはきちんと守るみたいだ。
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 21:44:58.26 ID:ecmXZkAO

――――――――――――

映画が終わって、私達は映画館を出た。

思った以上に感動出来る内容で、まわりの殆どの人が涙している。

かく言う私も、涙を堪えるので精一杯だ。

上条さんも興奮気味に、感動した所、良かった所をしきりに列挙していた。
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 21:46:36.72 ID:ecmXZkAO
でも、肝心の部分には気付かなかったみたい。

途中まで、私達と同じなんだよ?

まぁ、もう分かってるんだけどね。

上条さんには、ちゃんと口で言わなきゃ伝わらない、って事。



帰り道で、全部話そう。



何で私がこの映画を選んだのかを。

何で私があなたと一緒に見たかったのかを。

そして、こんなにもあなたのことが好きなんだ、ってこと。
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 21:47:38.74 ID:ecmXZkAO



でも、それは叶わなかった。


131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 21:48:39.86 ID:ecmXZkAO
後ろから聞こえて来た言葉に、頭が真っ白になってしまったから。

彼女に悪気があった訳ではないだろうけれど。

私にはそれが、

「まったく、超つまんなかったです。どうせあいつら超すぐに別れますよ」

上条さんと私の事を言われているように、聞こえたから。
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 21:49:39.19 ID:ecmXZkAO
気付いたら私は、後ろの娘に怒鳴っていた。


「そんなことない!!」


って。

端から見たら、たかが映画に熱くなってる痛い奴に見えただろうけど。


私にはその言葉が、許せなかったから。


上条さんとの出会いを、否定されたように感じたから。


見ず知らずの娘は、ビックリしてこちらを見ている。

「ご、ごめんなさい」

私はそう言って、当てもなく走り出した。


何故だか涙が、とめどなく溢れ出してきた。
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 21:55:50.65 ID:ecmXZkAO

――――――――――――

デートだと気付いたのは途中からだったけど、デートは概ね成功したと言える。


噴水の前に座っていた、大人っぽく着飾った佐天の姿を見てドキッとして。


十分前に来たというのに、デリカシーがないと言われ。


他の女の子の話をしてしまい、怒られたりもして。


可愛いと言っていたぬいぐるみを買ってあげたら、凄く喜んでくれて。


映画を見て、凄く感動した。


そう、概ね、である。

134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 21:56:44.99 ID:ecmXZkAO

………………………………

余りにいきなりの出来事に、俺は完全に呆けていた。

突然、佐天が後ろの娘を怒鳴りつけて、今にも泣き出しそうな顔で走り去ってしまったからだ。

訳も分からず、俺は立ち尽くしていた。

後ろの娘はビックリしながら俺に謝っている。

「な、何かわかんないですけど、超、すいません」

いや、俺にも何が何だか分からない。
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 21:58:21.44 ID:ecmXZkAO
二人してオロオロしていると、女の子の隣の男が話しかけてきた。

「なぁ、あの娘の怒り方、尋常じゃなかったぞ?何か映画に思い入れでもあったのか?」


映画に?いや、そんな話は聞いた事がない。


「じゃあ、さっきのやつの内容、とか?」


内容?


確か不良に絡まれた女の子と、それを助けた男の子の話。


「なぁ、お前らが出会ったのって、もしかして……」

俺と佐天の出会い?


ファミレスでの自己紹介?


いや、違う。


その前に…………っっっ!!!


そこに思い至った瞬間、俺は佐天を追って走り出していた。



俺は、バカだ。
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 22:00:14.84 ID:ecmXZkAO

全てが繋がった。


土御門の言葉。


佐天がこの映画を選んだ理由。


佐天が俺と来たがっていた理由。


佐天が怒った理由。


137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 22:01:45.56 ID:ecmXZkAO

そして、疑問が確信へと変わっていく。


しきりに俺に彼女がいるか聞いてきた。


何故?


毎朝、毎晩、メールを送って来た。


何故?


わざわざ学校まで、俺を迎えに来た。


何故?


それはつまり。


「佐天は……俺の事が」


気付いたら、笑ってしまうほど簡単な事だった。


というより、何故今まで気付かなかったのか。

138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 22:03:07.53 ID:ecmXZkAO

やっと全てを理解した俺の中で、彼女への思いがどんどん膨らんで行く。


「佐天」


彼女の事が、とても愛しく思えた。


「佐天!」


ぬいぐるみを渡した時のあの屈託のない笑顔が、また見たいと思った。


「佐天っ!!どこだ!?」


もう彼女の姿は見えない。


だけど、今もまだどこかで泣いているであろう彼女の事を考えると、俺には足を止めることなど出来るはずもなかった。

139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 22:04:27.99 ID:ecmXZkAO

――――――――――――

「……超、悪いことしちゃいました」

「まったくだ。目当ての物が見えなかったからって」

「超反省してますって……」

「嫌味は俺だけに聞こえるように言えよな」

「……超うるさいです、バカ面。元はと言えば、バカ面が、こっちを、見ようとか、超、言い出さ、なければ、こんな、ことには、超、ならなかった、んですっ」

「俺のせいかよ!?」

「……あー、……ハァ、ほら、涙拭け」

「じりまぜん」

140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 22:05:35.45 ID:ecmXZkAO
うん、こんな感じで

今日はおしまい
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 23:15:27.42 ID:3bPlvcDO
さすが浜面さんやでぇ……
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 00:00:43.20 ID:GxG/zgDO
乙!
今日は量多かったなー

浜面も絹旗もええ奴らやわww
鈍感上条が気持ちに気付く瞬間結構好きww
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 00:08:17.31 ID:YjzOlsSO
やっぱ絹浜は至高だなぺろぺろしたい
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 02:49:58.77 ID:VUJTDVI0
もう何なのこのニヤニヤはふざけてんの
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 17:09:09.93 ID:VUJTDVI0
ハヤクー
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:12:07.15 ID:lNbth6AO
レスサンクス
励みになります

諸事情により一週間程投下出来なくなってしまった

見てくれている人には申し訳ない

今日の分投下する
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:12:33.30 ID:lNbth6AO

………………………………

公園のベンチで、ぬいぐるみを抱えて丸くなっている佐天を見つけたのは、それから30分後の事だ。

既に俺の足はパンパンになっており、もはや気力だけで走り続けていた。

荒く息をし、足を引き摺りながら近付いていく俺。

佐天はその音に気付いたのか、ピク、と体を動かし、顔を上げる。
148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:13:33.28 ID:lNbth6AO

その顔は、泣き腫らしてグシャグシャになっていた。

俺を見据え、力無くニコ、と笑い、震える口で、話しかけてくる。

149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:14:45.92 ID:lNbth6AO

「ごめんなさい、ぬいぐるみ、ぐちゃぐちゃになっちゃいました」




そんなもの、また幾らでも買ってやる。




「あはは、私、気持ち悪いですよね。只の映画にあんなに熱くなっちゃって」




そんなこと、思うはずがない。


もう俺には全部、分かっているから。




「せっかくのデートだったのに、私、台無しにしちゃってっ……でも、私っ、悔しくて、悲しくてっ……うぅ……」




だから、もう、泣かないでくれ。



150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:15:59.61 ID:lNbth6AO


気付いたら俺は、佐天を抱きしめていた。


「わああああああん」


俺の胸で、佐天はまた、大声で泣き出す。


その華奢な体は、夜の風に吹かれ、冷たくなっていた。


その体を暖めるように、優しく、優しく、抱きしめる。




彼女の全てを包み込むように、優しく。


151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:17:10.63 ID:lNbth6AO

――――――――――――

彼女が泣き出してからどれくらいたっただろうか。

ようやく落ち着いた佐天の隣に、俺は腰かけた。

「ごめんな、気付いてやれなくて」

「ううん、上条さんは、悪くないです」

いや、どう考えてもまったく気付かなかった俺が悪いと思うんだが。

152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:17:47.19 ID:lNbth6AO

「だって上条さんって、そういう人ですもん」

何だと?

ニカ、と笑いこちらを振り向く佐天。

うん、いつもの佐天に戻って来た。


元気で、年下のくせに憎たらしくて、だけど可愛い、俺の好きな女の子に。



あはははは、と二人の笑い声が夜の公園にこだまする。


153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:18:29.28 ID:lNbth6AO

………………………………

「もう、遅くなっちゃいましたね」

時刻は既に、八時をまわっていた。

「そろそろ、帰りましょうか。私、何だか疲れちゃった」

まだ赤みの残る瞳を擦りながら、佐天は言った。

「そうだな、……家まで送ってくよ」

「大丈夫です。私、そこのアパートに住んでるんで」

「それでも、だ」


そう言って、上条と佐天は立ち上がる。


そして、どちらからともなく手を繋いだ。




二人とも、決してこの人を離すまい、と、心に誓いながら。

154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:19:06.19 ID:lNbth6AO

――――――――――――

「それじゃ、おやすみなさい」

玄関に着いた所で私は、ぱっ、と手を離し、言った。

これ以上手を繋いでたら、ずっと一緒にいたくなっちゃいそうだったから。

「ああ、おやすみ……っと、そうだ。これ」

上条さんが取り出したのは、最近オープンした遊園地のチケットだった。
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:19:59.34 ID:lNbth6AO

「今日の映画は佐天に誘って貰ったし、そのお返しってことで」

二枚のうちの一枚を、私に差し出してくる。


私に少しだけ、イタズラ心が芽生えた。


「私なんかとより、友達と行った方が楽しいんじゃないですか?」


フフッ、と私は笑う。


上条さんは、一瞬呆気に取られたような顔をしたけれど、



「お前と一緒に、行きたいんだ」



って、言ってくれた。





こうして、上条さんと私の心がグッと近付いた初めてのデートは、笑顔と共に、幕を閉じたのだった。

156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:22:56.24 ID:lNbth6AO
こんな感じで
今日の分は終わりです

見て下さっている方、本当に申し訳ありませんが、続きは一週間程お待ち下さいm(__)m
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 21:46:15.80 ID:8QATrQI0
これはお互いにちゃんとした告白はしてないんですよね?
でもお互いにわかっている?
ああキュンキュンする
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/15(日) 01:33:17.50 ID:zNC6Rb.0
なんだこの甘酸っぱさは・・・

>続きは一週間程お待ち下さいm(__)m
∩゚д゚ アーアーきこえなーい
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/15(日) 02:30:57.84 ID:X6aR4ADO
乙!
いい感じに甘いな〜
にやにやしちまった

ほのぼのも良いけど山のある展開も期待してるぜ!第三者の介入とかな……ビリビリ♪ww

期待して1週間待ってる〜
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/18(水) 18:15:52.20 ID:4PbxB/E0
告白はしてない……
しかしどうだこのオーラ……
甘酸っぺぇ……甘酸っぺぇよ……
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/18(水) 18:16:46.52 ID:4PbxB/E0
吊ってくる
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 00:03:07.10 ID:zoNOmgM0
お久しぶりです
こんなに空けてしまって申し訳ない

少しですが投下します
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 00:06:10.60 ID:zoNOmgM0
――――――――――――

「ふええ〜。そんな事があったんですか?」

翌日、私は初春と一緒に学校の帰り道を歩いていた。

話してるのは昨日のデートのこと。

「そうなんだよ。なんか良くわかんないけど私めっちゃ泣いちゃってさ〜。自分でもびっくりと言うか」

「佐天さんって意外にロマンチストさんなんですね〜」
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 00:07:06.88 ID:zoNOmgM0
含みなど全く無い笑顔で話してる初春。

意外ってどういうことだ。

一言多いぞ初春。

スカートめくってやろ。

「えいっ」

「ひゃああああっ!?なにすんですか佐天さんっ!」

おおっ?

スカート押さえるのめっちゃはやい。

全然見えなかった。
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 00:08:04.99 ID:zoNOmgM0
「や、やるねぇ」

「ふ、ふふふ。いつまでもやられるままの私じゃないってことです。もうスカートめくりは効きません」

不適に笑う初春。

初春のくせに生意気だぞ。

仕方ない、この手は使いたくなかったけど……

「これなら、どうだぁ〜!!」

ズリィッ!

「〜〜〜っ!!??」

大勢の人の真ん中で、白昼堂々初春のパンツが晒される。
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 00:08:52.63 ID:zoNOmgM0
「ふっ、まだまだだね」

「し、下にずらすなんて卑怯ですよ〜!」

あわててスカートをはき直す初春。

ちょっとやりすぎた。

これ下手したら捕まっちゃうかも。

「この技は封印だね。やっぱりめくるだけにするよ」

「めくるのもやめてくださいっ!」
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 00:09:40.39 ID:zoNOmgM0
……………………………………………………

「はぁ、ひどい目にあいました……」

「さすがの私でもあれにはひいたよ……」

「な、何ですかその言い草!?佐天さんがやったんじゃないですか!私が勝手に一人で脱いだみたいな感じにしないで下さい!」

わ、結構怒ってる。

当然といえば当然だけど。
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 00:10:30.47 ID:zoNOmgM0
「ま、まぁまぁ落ち着きなよ初春。ホント反省してるって」

「まったく……ところで話しを戻しますけど、結局その後はどうなったんですか?」

まだ少し不機嫌そうだけど、これ以上言及しても無駄だと悟ったのか、初春は話を変えた。

その、とは、上条さんの胸で泣いた時のことだ。

「いやぁ、その後は家に送ってもらってさよなら、みたいな?」

私は肩をすくめる。

分かってるよ、分かってるからさ、そんな目で見ないで〜。
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 00:12:44.04 ID:zoNOmgM0
「な、何やってんですか!?そこはもう告白しちゃう場面じゃないんですか!?」

「く……仕方ないじゃない、色々あったんだから。……あ、でも手は繋いだよ?」

「小学生ですか!」

ぬぅ……今回ばかりは言い返せない……。

しかし初春、恋愛経験とか無いくせにちょっと態度大きくない?

「しっかりしてくださいよ〜。……あ、今日私こっちなんで」

「ジャッジメント?」

「はい。最近スキルアウトが活発に動き出したんで、いそがしいんですよ〜」

「へぇー、大変だねぇ」

まぁ、私にはあんまり関係ないんだけど。

「じゃ、私も一旦帰ってからそっち行こっかな。久しぶりに白井さんや御坂さんに会いたいし。あ、固法先輩にも」

「わかりました〜。お待ちしてますね」

「じゃ、また後でね」

「はい」

そう言って私は初春と別れ、家へと向かった。

170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 00:15:13.21 ID:zoNOmgM0
今日はこれで終わります

また明日来れたら来ます
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 00:53:46.54 ID:lwpKXQDO
乙!
続きが気になるな
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 01:06:31.49 ID:QwyY62AO
たのしみにしてるぞよ
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 01:16:11.64 ID:TLx3/g20
俺の人生の楽しみになってきたぜ
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/21(土) 02:35:05.15 ID:wkZw6/.o
佐天さんが能力者に襲われて上条さんにイマジンブレイカーで助けられるとこ見たいな
175 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/23(月) 09:14:57.78 ID:BvhItIAO
すんません

ちょっと急な用事が入ってました

今日の夜は来れると思います
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/23(月) 18:54:07.55 ID:4EFzTXY0
おお続きまってる
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 02:49:14.17 ID:o18jLIAO
こんばんは

投下します
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 02:52:04.11 ID:o18jLIAO

――――――――――

「それでは今日はこれで終わります。しっかり復習しておいて下さいね〜。特に上条ちゃんの事ですよ?」

何で俺だけ。

そう言い残し、元気な足取りで小萌先生は教室を出て行った。

「ふぅ、やっと終わった。さーてと、帰ろうかな」

ぐっと伸びをすると腰からポキポキと音が鳴る。

教科書を鞄に詰めていると、土御門が近づいて来た。
179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 02:53:22.60 ID:o18jLIAO
「今日は佐天ちゃん来ないんだよにゃー。久しぶりに一緒に帰ろうぜい」
「おう、いいぜ。……あれ、青ピは?」

珍しく、こういう時には必ずいる筈のエセ関西弁の男の姿が見えない。

「なんかバイトがあるとか言ってすぐ帰っていったにゃー」

「バイト?あいつが?何か買いたい物でもあるのか?」
180 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 02:56:27.61 ID:o18jLIAO
「いや、そのバイト先の子に一目惚れしたとか」

「あぁ、そう」

女の子とお近づきになるのが主な目的で、お金は二の次って事か。

あいつらしいと言えばあいつらしい。

「まあ、あいつにとっては死活問題なんだろうにゃ〜」

少しあきれ気味に言う土御門。

そこまでするのも逆に尊敬出来るな、とは思うが。

「んじゃまあ帰るとするか」

「そうだにゃ〜」
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 02:59:32.85 ID:o18jLIAO

………………………………

「最近かみやん調子いいよにゃー」

寮への道すがら、出し抜けに土御門がそんな事を言って来た。

「どういうことだ?」

「何て言うか、最近不幸な目に遭ってるかみやんをあんま見ないな〜、と思ってにゃ〜」

「そういえばそうだな〜」
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 03:00:43.18 ID:o18jLIAO
土御門の言うとおり、ここ一週間は貧乏ながら平穏無事な毎日を過ごしている。

いや、平穏というよりもどちらかと言えば幸せ、か。

「かみやん何か生き生きしてるぜい?これはやっぱり佐天ちゃんのおかげかにゃ〜?」

「佐天、か」

確かに彼女の存在は退屈な毎日に彩りを与えてくれる。

そして、そう感じるということはやはり今俺は佐天に恋をしているのだろう。
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 03:02:06.32 ID:o18jLIAO
「ところで昨日のデートはどうだったんだにゃ〜?」

「ああ、お前の言ってた事の意味がやっと分かったぜ」

やっと彼女の気持ちに気付くことが出来た。

改めて土御門に礼を言う。
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 03:03:16.25 ID:o18jLIAO
(という事はやっぱり告白されたんだろうにゃ〜)

「上手く行ったようで何よりだにゃ〜。あの子泣かせたら許さないぜい?」
(まだ付き合ってもないのに気が早いな〜土御門は)

「大丈夫だって。女の子を傷つけるような事なんてしませんよ」

「それを素でしそうで怖いから言ってるんだけどにゃ〜」

ぼそりと呟く土御門。

声が小さくて上手く聞き取れなかった。
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 03:04:25.43 ID:o18jLIAO
「何か言ったか?」

「いや、なんでもないにゃ〜。……あれ?あそこにいるのは……」

気になる所で切り上げられた。

土御門の視線を追うと、道路を挟んで向こう側に、清掃ロボに乗ったメイドの姿が見える。

そしてそんな移動方法をとる者など一人しかいない。

土御門元春の義妹、土御門舞夏である。

彼女はまだこちらに気付いてはいないようだ。
186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 03:06:21.68 ID:o18jLIAO
「すまんにゃ〜かみやん、今日はここでお別れだぜい」

言うが早いか土御門は舞夏の後を追って走り出した。

「ったく」

こんな所で突っ立っていても仕方がないので一人帰路につく。

シスコンも大概にした方がよいと思うのだが、しかしそれを土御門に言ったところで馬の耳に念仏だろう。
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 03:07:12.50 ID:o18jLIAO

「ん……?」

土御門と別れ、少し歩いた所で見覚えのある頭が視界の端に映る。

路地裏にいたその子にいやな予感を覚えた俺は、まだ昼間だというのに暗く、そして狭い道へと歩を進めた。
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 03:08:19.64 ID:o18jLIAO
今日はここまで

おやすみなさい
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/24(火) 22:11:18.46 ID:ryqSx.DO
乙!
いい展開になりそうだ
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:08:59.17 ID:iaZBLUAO
どうも

それでは投下します
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:11:30.09 ID:iaZBLUAO

――――――――――――

「こんにちはー!」

「あら、またあなた?」

いったん家に帰り、制服から私服に着替えた私はジャッジメントの支部に顔を出した。

そして扉を開くとそこには、やれやれとした顔の女子高生の姿がある。

固法美偉さん。

この支部に初春と一緒に勤めている先輩だ。
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:14:03.32 ID:iaZBLUAO
「何度も言うようだけど、ここはあなた達の溜まり場じゃないのよ?」

「あははー、分かってますって」

固法先輩の小言も聞き慣れたものだ。

「まったく、本当かしら」

「あんまり細かい事気にしてるとシワ増えますよ?」

「なっ」

目を白黒させる固法先輩。

あれ、これもしかして……
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:15:02.83 ID:iaZBLUAO
「ひょっとして気にしてたりしました?」

「してません!」

あ、やっぱりしてたんだ。

「固法先輩肌きれいですよ?全然気にすることないと思いますけど」

「し、してないって言ってるでしょ!?」

そう言いながら手鏡を取り出すのはどうなんですか先輩。
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:15:50.03 ID:iaZBLUAO

「ところで固法先輩、初春達はいないんですか?」

「初春さんなら白井さんと巡回よ。最近スキルアウトによる事件が後を絶たないから巡回の回数を増やしたの」

「へぇ、そうなんですか」

そういえば初春もそんな事言ってたような。
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:16:39.08 ID:iaZBLUAO

「もうすぐ帰って来ると思うから、少し待ってなさい」

待つって言ってもな〜。

「あ、じゃあコーヒーでもいれますよ。固法先輩いりますか?」

「あら、気が利くわね。それじゃ頂こうかしら」

カップを二つ用意し、インスタントコーヒーの粉末にお湯を注ぐ。
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:17:48.25 ID:iaZBLUAO

一つを固法先輩に手渡した後、ふと近くの机に目をやると、腕章が無造作に置かれているのが目に入った。

「あれ、この腕章って固法先輩のじゃないですよね?」

固法先輩の腕にはちゃんとついてるし。

固法先輩はこちらに目を向け、すぐにその持ち主を特定した。
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:19:19.66 ID:iaZBLUAO

「初春さんったらまた腕章つけるの忘れて行ったのね。これで何度目かしら。帰って来たらきつく言っておかなきゃ」

あちゃー、言わなきゃバレなかったかも。

ごめんね初春。

まあ自業自得なんだけど。
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:20:31.21 ID:iaZBLUAO

…………………………………………

「只今戻りましたの」

そうこうしていると、巡回に出ていた二人の内の一人が帰って来た。

「お帰りなさい。お疲れ様」

「あ、白井さん。こんにちはー」

「あら、佐天さんではないですの。お久しぶりですわね」
199 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:22:02.09 ID:iaZBLUAO

久しぶりって言っても一週間ぶりくらいだけど。

まあ上条さんに出会うまでは毎日のように会ってたからそう思うのも仕方ないかも。

「あれ、初春とは一緒じゃなかったんですか?」

いつもなら白井さんと一緒に帰って来るはずなのに。

「え?初春まだ帰って来てませんの?」

白井さんがキョトンとした顔で聞き返す。
200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:23:00.06 ID:iaZBLUAO

「どういうことですか?」

「いえ、巡回の帰りにすぐそこで迷子の子を見かけまして。わたくしがテレポートで送った方が早そうだったので、初春には先に支部に帰ってもらいましたの」

「なので、わたくしの方が早く戻るなんてことは有り得ないはずなのですが……」

え?……てことは?

「何かあったのかも知れないわね」

さっきまで私達のやり取りを黙って聞いていた固法先輩が神妙な顔で口を開いた。
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:24:43.93 ID:iaZBLUAO

「今日に限ってあの子、腕章付け忘れていってるし」

「ど、どうしよう!スキルアウトに絡まれたりしてたら!」

取り乱す私を悟すように白井さんが言葉を発する。

「少し落ち着きなさいな佐天さん。まだ何かあったとは決まった訳ではありませんの。……固法先輩、わたくし少し初春を探してきます」

「お願いできる?」

「わ、私も行きます!」

初春が大変かもしれないのにじっとなんてしてられない!
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:25:21.38 ID:iaZBLUAO

「ダメですの」

「な、何でですか!?」

「もしかすると危険があるかもしれません。佐天さんまで巻き込む訳にはいきませんの」

「そうね。佐天さんはここにいてちょうだい」

「で、でも!」

二人の説得を受けて、なおも食い下がる私。
203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:26:22.38 ID:iaZBLUAO

と、そこにドアのあたりから、

「あ、あの〜。只今戻りました〜」

間の抜けた声が聞こえてきた。

「「「初春(さん)!?」」」

三人の目が一斉に出入り口に向く。

しかしそこにはまったく予想外の人物が立っていた。
204 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/25(水) 02:26:54.68 ID:iaZBLUAO
今日はここまで

おやすみなさい
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/26(木) 00:22:51.08 ID:UNsxIMDO
乙!
フラグたったなあww
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/27(金) 13:51:44.22 ID:ElIGGEAO
来ないな

期待あげ
207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 01:54:54.46 ID:dF/78ASO
修羅場・・・???
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/28(土) 09:49:15.36 ID:tCbh1OUo
wktkが止まらない
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 22:24:48.40 ID:.Wd1pYAO
遅くなってスミマセン
人増やしたらぜんぜん書けなくなっちまった
とりあえず少ししたら投下する
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:19:09.60 ID:.Wd1pYAO
あ、あれ?

「上条さん……?」
「類人猿……?」

「よ、よお」

そこに立っていたのは上条さんだった。

ていうか、え?

白井さん類人猿って?

知り合い?
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:20:00.89 ID:.Wd1pYAO
いや、それより問題なのは上条さんの背中に……

「なな、何で初春が上条さんにおんぶされてるの!?」

あたしだってされたこと無いのに!

いや、されるシチュエーションなんてそんな無いけども!

「え、えっとですね、色々ありまして……」

「い、いいから早く降りなさーい!」
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:20:49.53 ID:.Wd1pYAO
「お、おい、あんまり急かすなよ佐天。足、怪我してるんだから」

うぐぐ、そ、それなら仕方ないよね……

でもあんなに密着してる……

う〜、もやもやする〜。

「あ、あの、そろそろ降ろしてもらって大丈夫です」

(佐天さんの目が怖い……)

「そうだな、じゃああのソファあたりに」

初春が上条さんの背中からソファへと降ろされる。
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:21:44.68 ID:.Wd1pYAO
「ふ〜、ありがとうございました」

「いいっていいって」

な、何なのあの雰囲気。

ちょっと、どういうこと?

恨めしげな瞳で初春を見ていると、白井さんが話し掛けてきた。
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:22:59.01 ID:.Wd1pYAO
「佐天さん、あの方とお知り合いで?」

「えっと、まあ知り合いと言えば知り合いですけど。白井さんも?」

「えぇ。言うほど知り合ってもいませんが」

あ、そんなに仲良くないのかな。

良かった〜。

元カノとかいう超展開じゃなくて。
215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:23:48.76 ID:.Wd1pYAO
「ほらほら、二人とも何やってるの。お友達助けてもらったんだからお礼言わなきゃ。……えっと?」

「あ、上条当麻です」

「上条くん、ね。私は固法美偉。一応この子達の先輩です。初春を助けてくれてありがとね」

「一応お礼は言っておきますわ」

「上条さん、ありがとうございました」

「いやいや、当然のことをしたまでですよ」

うん、こういう人なんだよね。
216 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:24:45.71 ID:.Wd1pYAO
「ところでさ、初春。そのけがどうしたの?」

「あ、こ、これはですね……」

初春は気まずそうに頬をかきながら話し出す。
217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:25:52.40 ID:.Wd1pYAO

………………………………

「ふ〜、そろそろ支部に帰りましょうか?白井さん」

「ええ、そうですわね。……あら、あの子は?」

白井さんの視線の先には何かメモ翌用紙のような物を持ってウロウロしている男の子がいた。
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:26:30.83 ID:.Wd1pYAO
「迷子、ですかね?」

「ですわね。……もし、そこのお方」

「え、ボク?」

「あなた以外いませんの。何かお困りで?」

男の子は知らない人に話し掛けられたからか一瞬躊躇したが、白井さんの腕にまかれたジャッジメントの腕章を見て、すぐに事情を話してくれた。

どうやらメモに書かれた所へ行きたいが場所がわからなくなってしまったらしい。
219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:27:26.10 ID:.Wd1pYAO
「ちょっとそれ、見せてもらえますか?」
「う、うん」

大事そうに持っていたメモを渡してもらう。

どうやら道を間違えてしまっているようだ。
220 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:28:45.47 ID:.Wd1pYAO
「あー、この場所ならここからビルを挟んだ向こう側の道ですね」

「どこか行ける道はありませんの?」

「あるにはあるんですけど、裏道ばかりですね。小さい子を連れて通るような場所じゃありません」

回り込むにしても前後100mくらいはビルやらお店やらが連なっていますし、と続ける。

「仕方ありませんわね。面倒ですのでテレポートで送りましょう。初春は先に帰っておいて下さいな」

白井さんはため息をつきながら言った。

「わかりました〜」

そして私は一人、支部へと向かったのだが、その時事件は起こったのだった。

………………………………

221 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:29:36.61 ID:.Wd1pYAO
「という事が……」

「知ってますの」

「う」

「結局何があったの?」

「うぅ……」

上条さんの方をちらりと見やる初春。

上条さんは苦笑いを浮かべている。

「初春さん、話しなさい」

「は、はひ……」

ごまかすのは不可能だと判断したのか、初春は観念してポツリポツリと話し出した。
222 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:30:30.02 ID:.Wd1pYAO

……………………………………

「キャー!」

女の子の悲鳴が聞こえたのは白井さん達と別れてから数秒後の事だった。

白井さんがいないとはいえ私もジャッジメントの端くれ。

助けないわけにはいかないので、急いで声の元へと駆けつける。
223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:31:19.40 ID:.Wd1pYAO
「ジャッジメントです!大人しくしてください!」

「あぁ?」

いかにも柄の悪そうな男達が三人、女の子を取り囲むように下卑た笑みを浮かべていた。

そしてその男達は怪訝な顔をしてこちらを振り向く。

私は腕にある腕章を見せつけるように左手を前に出した。
224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:32:11.66 ID:.Wd1pYAO
「その女の子を解放してください!」

「テメェ本当にジャッジメントか?」

「そ、そうです!」

腕章つけてるんだからあたりま……あれ?

腕章は?
225 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:32:54.37 ID:.Wd1pYAO
「あっ、……チィ。テメェのせいで逃げられちまったじゃねぇか」

男達が私に気を取られてる隙に女の子は逃げ出すことが出来たようだ。

良かった。

よし、私の役目はここまでだ。

「それでは失礼します!」

クルリと振り返り、歩き出す。

「どこ行くんだ?」

「ひえぇ〜」

が、すぐに路地裏に引っ張り込まれてしまった。
226 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:33:37.97 ID:.Wd1pYAO
「くだらねぇハッタリで俺らの楽しみを邪魔しやがって」

「変わりにお前で楽しませてもらうぜ?」

「あ、うう……」

た、大変なことになっちゃった……

どうしよう……誰か助けて……

「おい、お前ら。その子を離せ」

ケンカなど出来るはずもない私が何も出来ずにふるえていると、後ろから声が上がる。
227 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:34:42.42 ID:.Wd1pYAO
「あ?今度は誰だ?」

振り返ると、逆光で顔はよく見えないが、その特徴的なツンツン頭が揺れていた。

「か、上条さん?」

「あぁ?上条ぉ?」

上条さんはゆっくりとこちらへ歩いてくる。

「お、お前は……」

「ん?お前ら……」

どちらもお互いを知っているのか、静かに睨み合っている。
228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:35:55.91 ID:.Wd1pYAO
先に口を開いたのは上条さん。

「お前ら、まだ懲りてないのか?」

「グッ……クソ、行くぞ」

三人の内のリーダー格らしき男が仲間を引き連れて退散していった。
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:36:34.57 ID:.Wd1pYAO
「あ、あの、ありがとうございました!」

「ああ、それより大丈夫だったか?怪我とか」

「は、はい、大丈夫です。……上条さん、あの人達知ってるんですか?」

「いや、あいつら佐天を襲った奴らだったんだ」

「はぁ〜、あの人達が」

けっこう強そうな人達だったけど。

上条さんって強いんですね〜。
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:37:30.23 ID:.Wd1pYAO
「そ、そうだ!お礼したいんで、一緒に支部まで行きましょう!」

「え?いいってそんなの」

「あ、忙しかったですか?」

「いや、そんなことはないけど」

「じゃあ決まりですね!ついてきて下さい!」

意気揚々と歩き出す私。

すぐそこにある空き缶に気付かずに足を踏み出す。
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:38:24.85 ID:.Wd1pYAO
「へぶっ!」

「うお!」

そして見事に転んでしまった。

「い、いたた……」

足を捻っちゃったみたいだ。

うぅ、痛くて立ち上がれない。

「だ、大丈夫か?」

そして抱き起こそうと近付いてきた上条さんも、同じ空き缶にかかって。

「ぐあ!」

転んでしまった。
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:39:20.95 ID:.Wd1pYAO
………………………………

「という訳です……」

「なるほど。腕章を忘れていき、スキルアウトに目を付けられ、本来守るべき対象である一般人に助けていただき、あまつさえその方の手を煩わせて帰って来た、という訳ですわね?」

「う、……はい……」

固法先輩の目がギラリと光る。

「初春さん、後で私のところに来なさい。ジャッジメントのなんたるかを叩き込んであげる」

「はうぅ……お説教ですか……」

上条さんもだけど初春も大概不幸だね〜。
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:40:04.26 ID:.Wd1pYAO
「ま、まあまあ。大事にはならなかったんだから良いじゃないか?」

「だめですの。ジャッジメントたるもの常に周りに気を配っておかないと、少しのミスが致命傷になりえますので」

「面目ないです……」

うーん、いろいろと大変なんだね〜。

これだけ真剣に取り組んでるってことは、やっぱり白井さん達はこの仕事に誇りを持ってるんだろうな。

そういう打ち込めることがあるっていうの、ちょっと羨ましいかも。
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:42:23.75 ID:.Wd1pYAO
「うーん、それなら俺からは何も言えないなー。……んじゃ、俺はそろそろ帰るとするよ」

ええ!?

せっかく会えたのに。

「もう帰っちゃうんですか!?もうちょっとゆっくりしていって下さいよ!」

「そうですよー、……あ、そうだ、おいしいお茶とお茶菓子があるんです!」

初春がポン、と手を打った。

「ほらほら、初春もこう言ってる事ですし」

上条さんの手をグイグイ引っ張る。
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:43:29.62 ID:.Wd1pYAO
上条さんの手をグイグイ引っ張る。

「え、でも仕事の迷惑に……」

「だーいじょうぶですって!私いっつも来て迷惑かけてますから!」

「自覚はあったのね……まあいいけど」

はぁ、と固法先輩がため息をつく。

上条さんをソファに座らせ、ササッとお茶とお茶菓子を用意する。

「そ、それなら少し休憩していこうかな」

やった!

あたしは嬉々として上条さんの隣を陣取る。

白井さんはその光景をポカーンと見て、初春とコソコソ話し出した。
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/28(土) 23:44:04.86 ID:.Wd1pYAO
ここまでにしときます

それではお休みなさい
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/29(日) 06:25:14.67 ID:mKyxl.AO
佐天さんのあの必死さはニヤニヤしてしまう
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:13:32.30 ID:zF1BiUAO
こんばんは

少し投下
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:14:07.49 ID:zF1BiUAO
………………………………

「う、初春、あれはどういうことですの?」

白井さんが二人に聞こえないような声で話しかけてくる。

「え、えっとですね。…………って事がありまして」

私は事情を話す。

「へ、へえ、そんなことが。あの類人猿に、佐天さんが……」

「たぶん上条さんも佐天さんに惹かれてるはずですよ。早く告白ちゃえばいいのに」

友達の微笑ましい話を聞き、今現在楽しそうにお話ししてる二人を見て、しかし白井さんの顔は浮かばない。
240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:14:46.71 ID:zF1BiUAO
「……?白井さん、どうかしましたか?」

「い、いえ、何でもありませんの」

慌てて首を横に降る白井さん。

どうしたんだろ?

「そのこと、他に知っている方は?」

「うーん、多分上条さんのお友達の土御門さんと、青髪ピアスさんと、後は白井さんだけだと……」

「そうですの……」

白井さんはほっと胸をなでおろす。
241 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:15:50.28 ID:zF1BiUAO
おかしな様子の白井さんに私が首を傾げていると、突然白井さんの後ろから固法先輩が顔を出した。

「それと、私ね」

「わ!ビックリさせないで下さいよ!」

「いいじゃない。上条くん、いい子そうだし、しっかりしてるし。佐天さんとお似合いだと思うわよ?」

「そ、そうですわね……」

優しい目で二人を見てる固法先輩に対して、乾いた笑みを浮かべる白井さん。

やっぱり変、だよね?

そうこうしているうちに、上条さんはお茶を飲み終えたようだ。
242 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:17:08.90 ID:zF1BiUAO
………………………………

「それじゃ、俺はそろそろ帰るよ」

「そ、そうですね、いい時間ですし。今日は一杯お話し出来て楽しかったです!」

本当はもうちょっと一緒に居たいんだけど。

「あ、そ、そうだ!あたしも一緒に……」
帰ろうかな、と言おうとしたが、その言葉は白井さんに遮られてしまった。
243 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:17:49.89 ID:zF1BiUAO


別にいいんだけど。

話って何だろ?

「じゃあそういう事なんで、あたしは残りますね」

「あぁ、じゃあな」

「日曜日、楽しみにしてますね!」

「おう」

別れの挨拶を済ませ、上条さんは支部を後にした。
244 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:18:29.38 ID:zF1BiUAO
……………………………………

「日曜日、何かあるの?」

上条さんが帰り、適当な椅子に座ったところで固法先輩に尋ねられる。

「あ、それはですねー」

あたしはカバンをあさる。

「じゃーん!ここに行くんです!」

取り出したのは先日渡された遊園地のチケット。
245 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:19:49.29 ID:zF1BiUAO
「あら?新しくできた遊園地の……ってそれプレミアムチケットじゃない!?」

固法先輩がビックリした顔をする。

プレミアム?

「何ですかそれ?」

「あら、知らないの?それ、10枚しか発券されてないチケットよ。アトラクションに待ち時間全くなしで乗れるのは勿論の事、遊園地内部で色々とサービスしてもらえるの」

え、嘘、そんな凄い物だったの?
246 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:21:27.81 ID:zF1BiUAO
「かなりのレア物なんだけど……。それ、どこで手に入れたの?」

「上条さんに貰ったんですけど……」

「あの子に?」

「ほえ〜、上条さんってそんなに凄い人だったんですか?自分のことただの貧乏学生だって言ってましたけど」

う〜ん、私にも普通の学生にしか見えないんだよね。

固法先輩がニヤリと笑う。
247 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:22:14.04 ID:zF1BiUAO
「玉の輿かもしれないわよ、佐天さん。で、そこで告白するのかしら?」

「ふぇ?」

な、何で固法先輩がそれを……

初春、話したな!

「いいんじゃない?そこ、今人気の告白スポットらしいわよ?観覧車に乗って夜景をバックに、なんて素敵じゃない」

「そ、それいいですね!佐天さん、そうしましょう!」

あ、あれ〜。

なんか勝手にどんどん話が進んでく……

なんとか話をそらさないと。
248 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:23:11.77 ID:zF1BiUAO
「そ、それにしても、固法先輩詳しいですね〜。黒妻さんと行ったりするんですか?」

「な!?」

固法先輩の顔が真っ赤になる。

そして何事かごにょごにょと呟き出した。

「わ、私だってそういうロマンチックな事したいけどあの人そんな柄じゃないとか言って相手にしてくれなくて……大体あの人は……」
249 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:25:16.39 ID:zF1BiUAO
あら。

自分の世界に入っちゃった。

「と、ところで白井さん、話って何ですか?」

ぐにゃぐにゃになった固法先輩を放っておいて、さっきから押し黙ったままの白井さんに声をかける。

「……あの、ですね。……その殿方の事ですの」

「黒妻さんですか?」

「そっちではありませんの」

「冗談ですよ〜。上条さんがどうかしたんですか?」
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:26:36.12 ID:zF1BiUAO
「その……お姉様には内緒にしていただけません?」

お姉様、って御坂さん?

「なんでですか?」

いやまあ、自分からそんな事は言わないけどさ。

「なんでも、ですの」

「でも、なんか仲間はずれしてるみたいで心苦しいんですけど……」

初春が口を開く。

「いいから、お願いしますの」

「わ、私は別に構いませんけど」

「あたしも別に……」

良く分かんないけど、御坂さんにあたしと上条さんの関係を秘密にしろ、ってことだよね?
251 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:27:47.04 ID:zF1BiUAO
「固法先輩も、聞いてますの?」

「……だから私もこういうのいいなーとか色々調べたりしてるんだけど結局実行できなくて……え、何?」

「ですから、上条さんの事をお姉様には秘密にして下さい、という事ですの」

「御坂さんに?どうして?」

「どうしてもですの!」

「わ、分かったわ」
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:29:31.85 ID:zF1BiUAO
どうしたんだろ、白井さん?

こんな真剣な顔してるの、久しぶりに見たかも。

「話はそれだけですの。お呼びだてして申し訳ありませんでした」

そして白井さんは自分の席に戻り、仕事を始める。

「じ、じゃあ私達も仕事に戻ろっか」

「そうですね」

不振に思いながらも、初春と固法先輩も持ち場に戻る。

あたしは仕事なんてないし、邪魔しても悪いので、家に帰ることにした。

本当にどうしちゃったんだろ、白井さん。
そういえば御坂さん、今日来てなかったな。
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:30:58.88 ID:zF1BiUAO
ここまでにしとく

佐天さんの一人称があたしだという事を最近知ったので変更しますた

おやすみなさい
254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 00:44:29.02 ID:vDEm.r6o
>>1がずっと来なかったのでもう打ちきりだろと放置していたら
いつの間にかこんなに俺得なスレになっていたとは・・・
255 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 02:35:17.77 ID:1Zo6yTA0
上佐天は俺のジャスティス!
256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 05:43:51.25 ID:zF1BiUAO
うわ>>242>>243の間に

「あの、佐天さん。お話があるので少し残って下さいませんか?」

が抜けてた
申し訳ない
257 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:09:01.97 ID:zF1BiUAO
ども

おそらく今日で書き溜め尽きるんで、少し間が空くかもしれない

では少しですが投下します
258 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:10:51.56 ID:zF1BiUAO

――――――――――――

ジャッジメントの支部を後にした俺は、カバンを片手に家路につく。

佐天も初春も良い奴なんだけど、多少強引なとこがあるんだよな〜。

「さて、と、さっさと帰ってメシ作らないと」

居候にしては図々しいあいつにまたどやされる。

いつも帰りに通りがかる公園を横切る。

家はもう少しだ。
259 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:12:46.23 ID:zF1BiUAO
「ちょっと、アンタ!」

うあー、もうすぐ家に着くと言うのにトラブルメイカーならぬ不幸メイカーの声が聞こえてしまった。

いや、空耳だよな。

うん、そうだ。

「コルァ!アンタよアンタ!無視すんなーっ!」

ゲッ、街灯が割れた。

このまま無視し続けるとまた警備ロボに追い回される事になりかねない。

仕方なしに振り返る。
260 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:14:12.39 ID:zF1BiUAO
「はぁ、なんだビリビリ」

「ビ、ビリビリ言うな!私はみ、さ、か、み、こ、と!」

「で、何だ?何か用か?」

「う?え、えっと……」

突然真っ赤になるビリビリ中学生。

何なんだこいつは。

御坂はおたおたしながら矢継ぎ早に聞いてくる。
261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:15:08.46 ID:zF1BiUAO
「え、えっと、アンタ日曜日ヒマ?いや、ヒマよね。ヒマに決まってるわ。どうせヒマなんだから、私に付き合いなさいよ」

「あーあー、ちょっと待て。」

なぜか暴走している御坂をなだめる。

「な、何よ?」

いや、何よはこっちのセリフだ。

「お前はまず落ち着くという事を覚えろ。あと、すまんが日曜日は約束が入ってる」
262 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:16:43.66 ID:zF1BiUAO
「え、そ、そうなの?」

「あぁ、悪いな。どっか行くのか?」

「べ、別にアンタには関係ないでしょ!」

いや、お前俺誘おうとしてなかったか?

「はぁ、用はそんだけ?」

「溜め息つくな!ま、まあそう、だけど」
263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:17:55.77 ID:zF1BiUAO
「そっか。そんじゃな」

「あ、ちょっと……」

「ん?」

「……何でもない」



本当に良く分からない奴だ。

怒っていたかと思うと急にしおらしくなる。

ま、戦いを挑まれなかったのはラッキーだったかな。
264 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:19:39.98 ID:zF1BiUAO
………………………………

「バカ……」

誰かと出かけるの?

どこに行くの?

そんな言葉を飲み込み、宿敵のツンツン頭が見えなくなったところで私は呟く。

ふん、別にあいつがどこの誰と出かけようが知ったこっちゃないわ。
265 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:20:23.80 ID:zF1BiUAO
それに、間違えてチケット二枚買っちゃっただけだし。

大体、よく考えてみれば他の人と行ってもどうせ馬鹿にされるだけよね。

う、うん、断られて良かったんだ。

「やっぱり、一人で行こうかな」

こんな事なら、一時間も待ってないで早く帰れば良かった。
266 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:20:51.78 ID:zF1BiUAO
――――――――――――

「がはぁっ!?」

「おい、てめぇら何考えてんだ?」

「な、何が、ですか?」

「てめぇらが一般人に凄まれてノコノコ退散してるとこを他の奴らが見てんだよ!」
267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:21:43.89 ID:zF1BiUAO
「!……い、いや、あれは奴が強くて!」

「黙れこの面汚しどもが!」

「がっ!」

「強ぇやつにはそれ相応のやり方ってもんがあるだろうが。あぁ?」

「え……?」

「分かったらさっさとそいつをここに連れてこい。それともナメられたままのこのこ退散すんのか?」

「わ、分かりました!」

「失敗したら命はねぇからな」

「は、はい!」

――――――――――――
268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/30(月) 23:23:00.81 ID:zF1BiUAO
少しですがここまでです

書き溜め尽きた

おやすみなさい
269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/31(火) 04:13:00.76 ID:i3f5chA0
乙!
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/01(水) 06:43:24.32 ID:oYbRNzgo
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10126691
これの終わりのほうw
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/02(木) 23:28:37.48 ID:Up22UUAo
面白い
272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/03(金) 06:59:10.11 ID:DepTHl.o
実におもしろい
273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 08:19:06.48 ID:x8wXCEAO
>>272
深いな……
274 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/03(金) 10:54:12.99 ID:DepTHl.o
実に深いな……
275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 16:30:45.74 ID:z.dcs.AO
うむ、確かに深いな…
276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/04(土) 02:09:06.73 ID:0GFIgCco
孕む、確かに深いな…
277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 01:54:18.11 ID:coSw3oAO
一週間ほど空けてしまいましたがぜんぜん書けてませんすみません

少しだけ投下
278 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 01:54:50.82 ID:coSw3oAO
――――――――――――

夏を間近に控え、少し日差しは強くなってきたものの、まだ穏やかさの残るうららかな春の朝。

窓から吹いてくる優しい風があたしの鼻腔をくすぐる。

空を見上げると、雲一つない青空がどこまでも広がっているようだ。

今日は土曜日。

待ちに待った上条さんとのデートもついに明日となり、あたしの心もこの青空のように澄み渡っている。
279 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 01:55:32.85 ID:coSw3oAO


はずだったのに……


「なんで今日に限って補習なの……」

昨日帰ってから机の上に放置したままの数学のテストには、今まで何とか保っていたギリギリのラインを軽々と越える、見るも無残な点数がでかでかと書かれている。

やはりテスト中に上条さんのことばかり考えていたのが敗因だろうか。

うぅむ、と唸りながらテストを睨みつける、が、そんな事をしていても点数が変わるはずもない。
280 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 01:56:33.01 ID:coSw3oAO
溜め息をつき、仕方なしにテストをカバンに入れ、学校へ行く支度を始める。

憂鬱な気分のまま最後に筆箱を入れて、準備完了。

さて家を出ようかな、としたその時、ポケットの携帯からブブブ、とメールの着信を告げるバイブが鳴った。

さっき初春に、補習は午前中で終わるから午後買い物に付き合って!、という旨のメールを送ったので、おそらくその返信だろう。

やっぱり新しい服でオシャレして行きたいし。
281 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 01:57:06.25 ID:coSw3oAO
すでに使い始めて数ヶ月経つ携帯を慣れた手付きで操作し、受信ボックスを確認する。

案の定初春からだ。

「えっと、補習が終わる頃にまたメール下さい、学校まで迎えに行きます。か」

って事は買い物付き合ってくれるって事かな。
282 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 01:57:44.37 ID:coSw3oAO
「分かった、お昼ご飯奢ったげるよ。っと」

この前も上条さんの高校に行くの付き合ってもらったし、それくらいはしてあげないとね。

「よーし、補習頑張っちゃおっかな!」

明日の事を考えると思わず緩む頬をパンパンと叩き、気合いを入れて、あたしは学校へと歩き出した。
283 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 02:00:27.35 ID:coSw3oAO
とりあえずここまでとしときます

これからの展開はまだ少し考え中なんで……
284 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 08:55:27.46 ID:hU2cRgAO
乙!
投げださないだけで嬉しい!!
285 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 22:31:29.99 ID:IG35GhY0
たのしみにしてますぜ
286 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/13(月) 00:38:22.74 ID:FPKrrQDO
音沙汰ないけど生存してるのかねぇ……
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/14(火) 17:51:42.09 ID:RnI3YwAO
死んではないが9月から忙しすぎワロタ状態で書いてる暇がない……

土曜日あたりには投下したいとかなんとか

見てる人いるかどうか分かんないけど最後まではやりたいと思うんで
288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/14(火) 21:01:14.72 ID:2vtB5UDO
見てるぞー
ゆっくり待ってるよ
289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/15(水) 21:49:54.23 ID:VKDF5pEo
見てるよー
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/18(土) 03:21:01.33 ID:6phskyU0
まってます
291 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/18(土) 15:28:46.40 ID:JRx0YuMo
いつまでも
292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 00:56:04.85 ID:HcSPZ6AO
こんばんは

投下します
293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 00:57:21.83 ID:HcSPZ6AO
――――――――――――

「朝、かぁ……」

朝6時。

このような早い時間にもかかわらず、浜面仕上は欠伸と共に立ち上がった。

他の彼程度の年齢の者達にとっては、休日の朝など有って無いようなものなのだが、彼には起きなければならない理由がある。
294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:00:49.95 ID:HcSPZ6AO

その理由は一つ。

「朝飯、つくらねぇとな……」

アイテム、という学園都市の暗部組織において、彼の上司であるところの少女四人分もの朝食を用意しなければならないのだ。

彼にとっては、朝食などとらなくても何ら問題は無い、が、彼女らが言うには、規則正しい生活をするのが美容を保つ秘訣、なのだそうだ。

シャケ弁やら鯖缶やらばかりを食べているような奴らに美容もクソも無いと思うのだが、そんな事を言った日にはそれが最期の言葉になりかねない。
295 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:06:23.19 ID:HcSPZ6AO

いつも通りに脱ぎ散らかされた洋服やら下着やらを洗濯カゴに放り込みながら、キッチンへと向かう。

女共に幻想を持っているやつにこの惨状を見せてやりたいもんだ。

そんな事を思いながらキッチンのあるリビングへと繋がる扉を開けると、そこにはもうすでに先客がいた。
296 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:10:09.43 ID:HcSPZ6AO

「あ、浜面」

「おぉ、早いな」

ショートの栗色の髪を揺らしながら振り向いた少女。

絹旗最愛である。

「えーとですね、超この前の件なんですが」

朝の挨拶もほどほどに絹旗はうつむきがちに尋ねる。

「あぁ、見つけといてやったぞ」

絹旗はその言葉を聞くやいなや、パッと顔を輝かせ浜面を見上げた。

が、浜面のニヤニヤとした顔を見て、すぐにその顔を元に戻す。
297 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:15:03.49 ID:HcSPZ6AO

「浜面にしては超よくやりましたとだけ言っておきましょう」

「なんだ、もっと喜べよ。あんなに気にしてたじゃねぇか」

「うっさい[ピーーー]」

「なにその暴言!?せっかく見つけてやったのに!」

機嫌を損ねたのか絹旗は椅子に座り、浜面を一切無視して映画のパンフレットを読み始めた。
298 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/09/19(日) 01:16:12.78 ID:HcSPZ6AO
ピーは死ねです
299 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:17:21.99 ID:HcSPZ6AO

「ったく」

映画館の一件以来、『あの二人、超どうなったでしょう』という言葉を何度聞いたことだろう。

うるさくて仕方が無いので、それなら謝りに行ってこい、明後日までに場所調べといてやるからとアドバイスしたのが一昨日のこと。

絹旗は多少戸惑ったものの、やはり気がかりだったのか最終的にはそうする事に決めた。

おそらく今日早く起き出してきたのはそのことが気になって眠れなかったからであろう。

(素直じゃねぇやつだな)

そう心の中で呟きながら、浜面は朝食の準備に取りかかった。
300 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:21:16.07 ID:HcSPZ6AO
………………………………

「おーい、朝飯出来たぞー」

時刻は八時をまわり、とある高級ビルの一角に浜面の声が響きわたる。

「んー、おはよー」

寝ぼけ眼をこすりながら顔を出したのは、金髪に碧眼の、およそ日本人とはかけ離れた容姿をした少女。

名前をフレンダ、という。

先に述べた、鯖缶ばかりを好んで食べるのがこの女子高生だ。
301 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:26:18.65 ID:HcSPZ6AO

「超おはようございます」

浜面が焼いて机の上に置いたパンをサクサクとかじりながら、絹旗はフレンダに挨拶を返した。

「あら、早いのね絹旗」

「え、えぇ」

「何かあったの?」

「へっ?えっ、いえ、別に何もありませんよ?」

「?……まあ良いけど。浜面ー、鯖缶はー?」

キッチンから浜面が顔を出す。
302 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:29:31.05 ID:HcSPZ6AO

「また鯖かよ。昨日も一昨日もじゃなかったか?」

「何言ってんの。食べたいのを我慢してストレス溜めるよりいっそのこと食べちゃったほうが身体に良い訳よ」

「駄目な奴の理論だぞそれ」

「は?」

「いえ何でもないです。そこの買い物袋の中に入ってる」

「ふっふ〜ん、そうならそうとさっさと言えば良い訳よ」

フレンダは鼻歌交じりに買い物袋を漁り始めた。
303 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:36:56.36 ID:HcSPZ6AO

「朝っぱらから騒々しいわね〜」

と、そこにドアの辺りから若干不機嫌そうな声が聞こえてくる。

三人が声の上がった方へと目を向けると、そこには、ゆるめのウェーブのかかった髪の先を指でクルクルと弄りながらリビングへと入ってくる、大学生ほどの年齢の女性がいた。

この組織におけるリーダー、麦野沈利である。
304 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:43:58.03 ID:HcSPZ6AO

「オハヨ」

「お、おはようございます」

「お、おはよう麦野」

「お、おす」

「シャケ弁」

麦野はそれだけ言い放つとどっかりとソファに腰掛けた。
305 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:47:08.71 ID:HcSPZ6AO

絹旗とフレンダは顔を見合わせ、チラチラと麦野へと目を向けながら意志疎通をはかる。

(これは……どうでしょうか?)

(わ、私にもわかんないわよ、下手な事できないわね……)

彼女らが気にしている事。

それは麦野の機嫌、である。
306 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:52:59.23 ID:HcSPZ6AO

以前、麦野の機嫌が悪い時に不用意な発言をした浜面が塵になりかける、という事件があったのだ。

そしてそれ以来、『浜面はどうなっても良いけど明日は我が身』をコンセプトに、何をするにもまず麦野の機嫌をうかがおう、という日課が彼女達の中に生まれたのである。

「ま、こういう超微妙な日はアレしかないですね」

「結局アレしか無いわけよ」

「「浜面チェック」」

二人はぐるりと振り返り浜面を見やった。
307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:54:50.74 ID:HcSPZ6AO
浜面チェック。

これが、見ただけでは機嫌が分からない時に使われる、一番簡単であり、そして一番有用な方法だ。

とどのつまり、ただ浜面が麦野に話しかける、というだけのことなのだが。

判別方法としては、シカトされれば不機嫌、されなければ上機嫌とは言わないまでも普通の状態、である。
308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:56:01.97 ID:HcSPZ6AO

(さあ行くのです浜面。私たちの未来は君に超かかっている)

(グッ、お前ら俺にばっかり危ない橋渡らせやがって。言っとくけどすげぇ怖いんだぞ?)

一度消し飛ばされかけただけにかなりの説得力を持つ言葉だが、少女二人は知ったこっちゃないと言わんばかりに彼をせかす。

仕方なしに浜面はシャケ弁片手に麦野に歩み寄る。
309 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:56:49.06 ID:HcSPZ6AO

「ほら、シャケ弁」

「そこ置いといて」

麦野は雑誌片手に机の上を指差し、

「……?何か用?」

シャケ弁を机に置いた後もまだそこにいる浜面を不審に思い、そう尋ねる。
310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:57:25.13 ID:HcSPZ6AO

「あー、いや、何だ。今日もいい天気だな」

「はぁ?なんで私があんたと世間話なんかしなきゃなんないのよ。それとも何?新手のナンパ?どこの女が好き好んでお前なんかとお茶するかっつーの!バッカじゃねぇ!?」

麦野は何かツボに入ったのかケタケタと笑い出した。
311 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:57:58.02 ID:HcSPZ6AO

「……なんか良く分かんないですけど、麦野超ご機嫌ですね」

「そうね。浜面泣きそうなわけよ」

「超いたたまれないですね」

「あーあー、臭いとか言われだしたわよ」

絹旗とフレンダは今だ罵詈雑言を浴びせ続けられている可哀想な男を見ながら呟き合う。

その後、浜面はトイレへと席を立ったが、用を足していたのかどうかは定かではない。
312 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 01:58:57.33 ID:HcSPZ6AO
今日はおしまい

アイテム、特に絹旗が好きなんで絡めたいと思っている

おやすみなさーい
313 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/19(日) 04:14:49.23 ID:5/spqoAO
314 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/25(土) 17:14:18.67 ID:yc240gDO
まだー?
楽しみにしてるんだが
315 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/26(日) 23:53:56.02 ID:wtDp72AO
少しだけど投下
316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/26(日) 23:54:50.76 ID:wtDp72AO

………………………………

「おはよう」

浜面がトイレから戻って来るとすぐ、ピンク色のジャージを身にまとい、無表情な顔をした少女がリビングへと入って来た。

彼女がアイテムの最後のメンバー、滝壺理后である。

「た、滝壺!」

彼女を見るや、浜面は顔を輝かせた。
317 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/26(日) 23:55:36.45 ID:wtDp72AO
人権などほとんど無視されるこの組織において、彼女は唯一の清涼剤だ、とは彼の談である。

浜面と滝壺は一般に言う、付き合っている、関係なのだ。

「はいはい、外でやってね」

「浜面鼻の下超伸ばしすぎです」

「結局、浜面は気持ち悪い訳よ」
318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/26(日) 23:56:09.43 ID:wtDp72AO
滝壺は彼女らの言葉、そして目の赤くなった浜面を見て、ぽん、と手を打ち、言う。

「大丈夫。そんなイジメられてるはまづらを応援してる」

結局彼をイジメから助けてくれる人物などいないのだ。

だが、滝壺が応援してくれているだけで俺は頑張れる、らしい。
319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/26(日) 23:57:10.58 ID:wtDp72AO

………………………………

朝食を終え、彼らは各自思い思いの時間を過ごしていた。

フレンダは買い物に出かけ、麦野はすぐに部屋へと戻って行った。

なので、今この場にいるのは絹旗、滝壺、そして浜面の三人である。

浜面が後片付けをしていると、絹旗がコソコソと近づいてきた。
320 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/26(日) 23:57:36.96 ID:wtDp72AO
「浜面、浜面、例の件」

「あー、分かった分かった」

浜面はポケットから一枚のメモを取り出し、絹旗に渡す。

「それに書かれてる所に行ってこい」

「なんですかこれ?柵、川、中学?」

そのメモには、どこかの学校への地図、そして小さく棚川中学、とだけ書かれていた。
321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/26(日) 23:58:10.74 ID:wtDp72AO
「あぁ、どうもその学校に通ってるらしい。ちなみに一年だ。お前と同い年くらいじゃないか?」

「はぁ、そうですね。でも今日は超土曜日ですよ?」

「そうなんだが、今日は補習があってそれに出てるみたいだな。昼頃に終わるらしいから、今から行けば丁度良いくらいに着くじゃないか?」

「……やっぱり浜面超気持ち悪いですね。というより超怖いですこのストーカー」
322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/26(日) 23:59:32.81 ID:wtDp72AO
「ああ言われると思ったよ!言ってて自分でも気持ち悪いと思ったしな!」

浜面は開き直ったようにハッハッハと笑い出した。

「まあこの事は後でみんなに超チクっとくんで置いといて、ここに超行けばいいんですね?」

「そういうことだな。……あと、あいつらに言うのだけはやめてくれないか?」
323 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/27(月) 00:00:29.34 ID:VDhbJ2AO
彼は以前、ちょっとしたミスでバニー好きだというレッテルを貼られてしまっており、そしてさらにその上ストーカー疑惑まで掛けられては、彼女らに家畜同然の扱いを受けるようになるであろうことは目に見えている。

「考えときます」

「頼むよ、ほんと」

浜面はそう言い、ひらひらと手を振って皿を洗う作業に戻った。

が、絹旗は浜面の隣から動こうとはしない。

皿を洗うカチャカチャという音だけが二人の間に流れる。
324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/27(月) 00:00:59.03 ID:VDhbJ2AO
「……」

「……」

「……?どうした、行かないのか?」

浜面は、隣で渡したメモを畳んだり開いたりしながらもじもじとしている絹旗に声をかける。
325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/27(月) 00:02:07.62 ID:VDhbJ2AO
「……ついて来て下さい」

「……」

こうなるだろうな、とは予想していたのか、浜面は諦めたように口を開いた。

「……はぁ、分かったよ。洗い物終わるまで待ってろ」

何だかんだ言ってこの男、面倒見は良いのだ。
326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/27(月) 00:04:30.61 ID:VDhbJ2AO
こんなとこで
遅筆で本当に申し訳ない

おやすみなさい
327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/27(月) 12:26:16.28 ID:UQdzJmQ0
 マイペースでいいので、頑張って下さい。
328 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[ sage sage]:2010/09/27(月) 12:36:53.54 ID:UQdzJmQ0
 
329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[ sage ]:2010/09/27(月) 12:39:02.74 ID:UQdzJmQ0
間違えてあげてしまいました。本当に申し訳ありません。
330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/27(月) 17:15:37.91 ID:p9TGiYDO
331 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/07(木) 19:11:24.63 ID:uZhbdEUo
期待してる
332 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/26(火) 12:53:43.62 ID:wHMvEvA0
そろそろ1ヶ月経ってしまうよ
333 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/31(日) 15:57:47.89 ID:sL3kM6Eo
おいおいまだかよ
334 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/22(月) 12:26:35.41 ID:zM1hTR.o
もうすぐ2ヶ月経ってしまうよ
335 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 02:38:41.48 ID:JoKlykAo
おいおいまだかよ
336 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/18(土) 02:14:02.18 ID:xKKET9o0
面白いな
ageとくか
337 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[age]:2010/12/18(土) 09:42:47.97 ID:79E68PA0

続きが楽しみでしょうがないのでage

絹旗と上条さんが組んだら接近戦強そうだな
338 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/21(火) 21:13:34.51 ID:qlYgygo0

 諦めないで待ってます!!
339 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 17:19:26.55 ID:f.XHUZIo
そろそろ3ヶ月経ってしまうよ
340 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/31(金) 05:29:36.06 ID:vBTK7Us0
おいおいまだかよ
341 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/31(金) 10:16:22.28 ID:E9XeZAA0
忙しいんだろ
暇になったら来てくれるさ!
342 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/07(金) 02:56:04.31 ID:te3kRM60
俺はッ!いつまでもッ!待つッッ!!
343 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/07(金) 04:13:36.18 ID:/EPQ1VY0
初春の花は一生枯れないからな
344 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/07(金) 09:30:17.98 ID:lvltoUAO
うわああああすいません!!

忙しくて2ヶ月来れなかったものですからもう落ちているものとばかり思っていました!

まだ忙しいんですけど久々に開いたらこのスレがあってびっくりしました……

まだ期待して下さっている方がいることに感謝感激です…

暇ができたら戻ってまいりますm(_ _)m
345 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2011/01/07(金) 15:34:02.27 ID:ETBJ5k60

 生存報告!?ありがとう!!!!
待ってますからね
346 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2011/01/13(木) 23:05:21.89 ID:XhUP8T0go
それでも僕は待っている
SS・小説スレは移転しました
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347 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/15(土) 10:58:35.22 ID:Wq91evdeo
移転だと
SS・小説スレは移転しました
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348 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/15(土) 10:59:06.43 ID:Wq91evdeo
何だ普通に書き込めるじゃないか
SS・小説スレは移転しました
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349 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2011/01/20(木) 16:05:36.99 ID:MwQO+qAAO
まだかな
350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2011/01/21(金) 19:10:46.36 ID:043NHSENo
まーだだよ
351 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2011/01/23(日) 01:14:03.80 ID:9YFgdima0
できる1よ…帰ってこい…
352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/26(水) 03:12:28.02 ID:CuOv3ljE0
a
353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/02/11(金) 17:08:01.65 ID:UDLYI2xwo
age
354 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/02/12(土) 14:02:19.95 ID:N00XTctdo
a
355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/02/19(土) 11:06:52.43 ID:MyBB0WyC0
つづきを
356 :lain.[sage]:2011/02/20(日) 09:52:30.70 ID:???
SS・やる夫系スレッドは、SS速報VIP【http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/】へ移転することになりました。
それに伴いこちらのスレッドをHTML化させて頂きます。
スレッドを立て直す際はSS速報VIPへお願いします。



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