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HTML化した人:lain.
律「METAL GEAR RITU WORLD OF SONG」
1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/19(土) 17:00:41.09 ID:psjHZ2AO
トゥルルトゥルル…

「……あたしだよんっ!」

「……もっと真面目に出来ないのかしらあなたは……」

「ごめんごめん〜、でも堅っ苦しいのは私には似合わないかな〜なんて……」

「……まあいいわ。確かにリラックスは大切ね。筋肉の緊張をほぐしてミッションに有効な……」

「ちょっと前まで音楽教師とは思えないセリフだな〜」

「今は一応FOXDIEDの局長だからね……そしてあなたは……」

「その隊員……か。あれから数年足らずでまさかこんなことになるなんて思っても見なかったよ」

「でも止められるのはあなただけよ、りっちゃん」

律「わかってる……わかってるよ、さわちゃん」

律「ふー……」

酸素マスクを取り外す。地毛の茶色がかった髪が海風に靡く。
海中でお世話になったスニーキングスーツも脱ぎ捨て、中から緑色の迷彩服が露になる。華奢な律の体にはとても似つかわしくない。

バックパックから迷彩柄のカチューシャを装着する。

律「こちら律、テロリストが占拠している無人島に潜入した。指示を宜しく」

────METAL GEAR RITU
WORLD OF SONG───
2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/19(土) 17:12:48.86 ID:psjHZ2AO
さわ子『案外あっさりと潜入出来たのは意外だったわね…。』

律『衛星カメラで東側だけ警備が手薄だったから何かの罠かと思ったけど……見たところ人がいる気配はないな』

さわ子『ではミッション内容の確認をします。』

律『行く前に何回もやったじゃ〜んパスパ〜ス』

さわ子『いいから聞きなさい!!』

律『はい……』

さわ子『あなたの一番の目標はテロリストの兵器とされる新型METAL GEARの破壊、そして首謀者……』

律『秋山澪の抹殺……か』

さわ子『このミッションに望んだ時点で迷いは吹っ切れていると私達は判断しているわ。テロリスト側の言っている「世界中の核ミサイル、そのコードを意のままに操れる」と言う脅しで世界政府は恐慌状態、この島に武力介入どころかヘリ一つ飛ばせない状況の中頼れるのはあなただけなの、りっちゃん』
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/19(土) 17:21:23.87 ID:gM0qSBoo
続けたまえ
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/19(土) 17:26:01.98 ID:psjHZ2AO
律『わかってるよ……もう……決めたから』

さわ子『ええ、そう言ってくれると思ってたわ。じゃあ具体的な説明に入りましょうか』

律『……うん』

さわ子『その無人島は直径15kmほどしかない小さな無人島よ。まあ隠れるには絶好の場所ね。テロリストがいる建物はそこから西に5kmにある即席で建てられたラボね。小さな島だし建物はそこしかないから迷わないと思うわ。衛星から見た感じ結構大きな建物だからそこからでも見えるかもしれないわ』

律『ここからは……木が邪魔で見えないなー』

さわ子『そう、まあそのまま直進すれば見えて来る筈よ。』

律『了解』

さわ子『じゃあ次は装備の確認ね。武器は基本現地調達、これは自分の武器が相手に渡らないようにするためと潜入の痕跡を残さない為よ。わかって頂戴ね』

律『FOXHOUNDの習わしかと思ってたらちゃんと意味あったんだ!』
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/19(土) 17:34:17.64 ID:psjHZ2AO
さわ子『勿論それもあるわ。このFOXDIEDは伝説の組織FOXHOUNDを真似て創ったものですもの。あなたが取得しているCQC、Close Quarters Combatもあの伝説の傭兵が使用していたと言う理由で採用してるのよ!』

律『ミーハーだなさわちゃん……』

さわ子『う、うるさいわね!けどCQCは近接格闘においては最強とも呼ばれる体術よ。きっと役に立つと思うわ。』

律『へいへい……』

6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/19(土) 17:42:37.83 ID:psjHZ2AO
律『まあMk.22、双眼鏡、無人島のマップ、ドラムスティックがあれば大丈夫っ』

さわ子『またドラムスティックなんてかさばる物持って来て……』

律『ちっちっちっ、意外と役に立つんだよこれが。まあ見てなって』

さわ子『もう持って来てしまったものは仕方ないわ。上手く活用して頂戴。じゃあそろそろ通信切るわね。何か聞きたいことがあったりしたらCALLして。周波数は143.85よ』

律『いよっ、さわこ!で覚えるね!』

さわ子『好きにしなさい……』
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/19(土) 18:03:27.50 ID:psjHZ2AO
さわ子『ああそうそう。あなたのナビゲーター兼メディカルチェック担当を紹介しておくわ。いいわよ、話して』

『お久しぶりです、律さん』

律『その声は……憂ちゃん?!なんでFD(FOXDIED)に?』

憂『律さんがその……澪さんと対峙するって聞いて……私も正しいことをしたいって思ったんです。確かに澪さん達の気持ちもわかるけど……けどそれは悲しみしか産まないから……』

律『憂ちゃん……』

憂『それにお姉ちゃんも……ううん、何でもないです。微力ながらですが力になります!体調のことや対処法、治療の方法、後はその島の特徴なんかも少しだけなら答えられます。聞きたいことがあったら311.15にCALLしてください』

律『う〜む……ういいい子と覚えようか!』

憂『3が……うですか?』

律『携帯なんかで1を3回打つと「う」になるから……だめ?』

憂『ふふ、律さんらしいです』
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/19(土) 18:09:10.85 ID:Uno9tiEo
劇画調のりっちゃん隊員が浮かぶ
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/19(土) 18:13:15.88 ID:psjHZ2AO
律『そうなった時に困るから先に言っとくけどさ……。』

律『多分……唯もいるよ、ここに。それでも憂ちゃんは私達につくの?』

憂『……律さんも澪さんと敵対してまでそこにいるんですよね…。しかも私なんかと違って実際に赴いて……しかも抹消なんて……』

律『憂ちゃん……』

憂『大丈夫です…。もう弱い自分は捨てました。お姉ちゃんが間違ったことをしてるなら妹として……私は止めないと、叱らないと駄目だと思ったんです。だからここにいます。それじゃ…いけませんか?』

律『(叱る…か、そんな生温い状況じゃないのは憂ちゃんもわかってる筈……もしかしたら最愛の姉を私が[ピーーー]ことになるかもしれない……それを覚悟してるのか……)』
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/19(土) 18:14:37.03 ID:psjHZ2AO
てす

殺す
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/19(土) 18:30:01.47 ID:psjHZ2AO
律『(いや……わかってないとしてもきっとこの子はジッとして居られなかったんだ。自分の知らない間に全て終わってしまう前に……。こうして唯と対峙することがどれだけ苦しかったことだろう……。澪、唯……お前達はそんな者達を捨ててまで……愛したと言うんだな、音楽を)』

律『ううん、十分だよ、憂ちゃん。一緒にあのバカ達を叱りに行こうぜ!』

憂『はい!』

律『(必ず取り返してみせる……この子の為にも)』

さわ子『さて、そろそろ作戦開始時刻よ。健闘を祈るわ』

律『了解っ』

さわ子『ここから先はコードネームで呼びます。いいわね?』

律『コードネームって言ってもあんま変わらないじゃ……』

さわ子『気持ちの問題よ気持ちの。じゃあ頑張ってね、りっちゃん』

りっちゃん『コードネームがりっちゃんって……』

ピピュン……
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/19(土) 18:34:33.92 ID:psjHZ2AO
りっちゃん「さ〜てと、行くか」

中腰になりながら辺りを警戒し森の中へと入って行くりっちゃん。
この先に待ち構えてるであろう旧友達、国を捨て友を捨てたった一つ得た音楽と言う名の柵(しがらみ)。
彼女らは全てを捨てた、そう……音楽の為に。

事は2年前の事件に遡る──────
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/19(土) 18:57:59.86 ID:psjHZ2AO
2年前に起きた全世界規模で起きたテロ、後にWORLD OF SONGと呼ばれる事件。
爆弾が何かに反応して全世界ほぼ一斉に爆発したと言う恐ろしい事件だった。
その何か、が問題視された。最初は複数の組織による同時多発テロかと見られていたが声明は出ず、世界は恐怖に見まわれた。
それからも何度か同時に近い爆発が起こり、メディアは踏まずに爆発する地雷などと煽りたてた。
しかし1つの爆弾が爆発するまでに見つかり、事件は見方を変えた。
アメリカの研究所に持ち込まれた爆弾を解析した結果、その爆弾は音に反応して爆発すると言うことがわかった。
ただ普通の音ではない、それは音楽、……に乗った歌によって爆発する爆弾。
SONG BOMB……と恐れられた。
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/19(土) 19:07:29.97 ID:psjHZ2AO
人々はあり得ないと非難した。歌によって爆発する爆弾など聞いたことがない、と。
しかし爆発は主に音楽のステージ近くや歌と音楽が流れる大型テレビ近くなどで起こっていることがわかり、人々はこれを認めざるを得なかった。
目的は何か、またいつ爆発するかわからず犯人の特定も困難と化していた。
爆発を仕掛けて何時間、いや、何日経ったかわからない為に絞り込みが出来ない。
リモコン操作などなら爆発の数時間前にその辺りを通った者に限定されるがSONG BOMBはそう言った概念がなかった。
一人なのか多数なのか団体なのかもわからないまま……人々は恐怖し、次第に歌うのをやめていった……。
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/19(土) 19:16:28.40 ID:psjHZ2AO
歌わなければ、奏でなければ爆発しない。
簡単な話だった……音楽を、歌を愛さないものには。
それから歌や音楽が廃へ、楽器等で奏でる行為は法律で禁止されるまでになった。
これが犯人の描いた未来なのだろうか、だとしたら余りにも上手くいった結末だろう。
しかし、禁止されても音楽を愛し、奏で続ける者達はいた。
だが無情にも爆弾はそれに反応し、また歌わぬ者も巻き込み、歌う者は悪と言うレッテルが貼られ……世界から一つの文化が消滅した。

それがちょうど今から一年前の話である。
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/19(土) 19:38:00.93 ID:psjHZ2AO
音楽、歌がが禁止されてから数ヶ月して……

音楽を、歌うことをやめた世界を……彼女達は憎んだ────

1ヶ月前、無人島から世界に贈られたメッセージは、歌ない世の中に対する宣戦布告だった。

あの時の澪の顔を……私は今でも覚えている。

彼女らは旧型と化していたメタルギアを改造し、世界に散らばる核、そのコードを掌握したと発表。
試しに、と、ロシアの核実験に使用されている核のロックを発射シークエンスギリギリまで外してみせたらしい。
どの様な手を使って行なったかは不明だがこれで世界はこの無人島に迂闊に干渉することが出来なくなったのだ。
彼女らはあの歌がなくなった日にちなんでか、自分達をWORLD OF SONGと名乗り、世界に歌、音楽を取り戻せと通告。
政府はSONG BOMBと核に板挟みにされた状態になる事となった……。
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/19(土) 19:50:44.44 ID:psjHZ2AO
それを受けて発足されたのがFOXDIED。FOXHOUND後釜、いや、亡霊と言った方がいいだろう。
そんな組織に、私は入った。

入った理由は色々ある。
1つは家族の保身の為。自らの身を潔白する為だ。
同じ軽音楽部として過ごしていた仲間が今や世界を揺るがすテロリストなのだ。放課後ティータイムというバンドまで組んでいた元メンバーの私が分子として疑われないわけがなかった。
自ら対立する組織に入ることで身の潔白を証明出来た。
ただ政府はそれだけじゃ飽きたらず、一番身近に居た私にテロリストを討て、と命令してきたのだ。
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/19(土) 20:07:26.45 ID:psjHZ2AO
断れば世界に敵対する反乱分子と決めつけられ……家族共々始末されるだろうことは容易に想像が出来た。
でもそんなこと言われる前から私は自分でみんなを止める、そう覚悟していた。
FOXDIED結成より数ヶ月前に

澪に、誘われてたんだよね。

「一緒に取り返さないか?」って

あの恥ずかしがり屋で怖がりで……そんな澪が全部投げ売ってまで取り返したかったモノ……それが音楽や歌だった。

迷った、迷った、凄く、凄く、死にたい程迷った。

けど

断った。

「私にはそこまでする理由がわからない」って

実際にわからなかったんだから仕方ない!
世界を敵に回してまで奏でる意味が、歌う意味があるのだろうか?
あるわけがない。他に楽しいことはいくらだってある筈だ。ならそれをすればいい、わざわざ茨の道を行く必要なんて……。
そう思ってたのは私だけだったみたいだ。他のみんなはその日を境に、連絡がつかなくなった。
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/19(土) 20:26:21.94 ID:psjHZ2AO
答えはわからなかった、どっちが正しくてどっちが悪いのか。
その答えを知るために、いつか来る日の為に訓練し、訓練し、訓練し、訓練した……。

世界を代表して、あのわからず屋達を説得する権利を得る為に。

これが2つ目。

そして最後は……友達だから。大切な、誰にも代えられない、大切な……

律「澪にはずっと私がいるからな……」

いつか言った言葉だ。これを聞いた澪は照れたりふざけてると思って私を殴ったりしたっけ。

違う形かもしれない、澪には嫌われるかもしれない。
それでも、私は私の思う道であの言葉を守るから。

律「待ってろ、澪」
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/19(土) 20:33:12.24 ID:psjHZ2AO
─────────

「誰か来たよ〜? りっちゃんかなぁ?」

「律先輩……」

「まさかりっちゃんが敵対するなんて……」

「……」

「仕方ないよぉ、私達はりっちゃんに裏切られたんだよ。悪いのはりっちゃんなんだ。ね、澪ちゃん?」

「……そうだな」

「殺す……んですか?」

「そんなっ!りっちゃんならきっとわかってくれるわ!もう一回話し合うべきよ!」

「お嬢様……言葉を濁すようで悪いのですが田井中律は我々を抹殺する組織、FOXDIEDのメンバーです。迂闊に接触しては……」

「……黙りなさい」

「仰せのままに」

「なら最初は私が行くよ〜。りっちゃんとは色々話したいことがあるし。大丈夫、きっとわかってくれるよ」

「……任せた、唯」

唯「じゃあいこっか……ギー太」

ジャラ……
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/19(土) 20:37:12.60 ID:U.NKYok0
wktk
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/19(土) 20:39:03.96 ID:psjHZ2AO
とりあえず日本戦始まったから一区切り

コードネームてりっちゃんややこしすぎる
名前欄は律固定にするかりっちゃんにするか……

後このスレは間違いなく容量落ちする!

この調子で書いてたらだけどね……

タイトル英語にしたのが不味かったのか誰も見てくれてない気がしないでもないが完結目指して頑張ります
かなり無理な設定ありますがメタルギア補正でよろしく
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/19(土) 20:43:21.66 ID:U.NKYok0
容量オチあったっけ
あと見てるからね
お互い頑張ろうね
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/19(土) 22:03:34.65 ID:eX7k05U0
レス×10人は見てるらしい
メタルギア好きなんで支援
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/19(土) 22:31:54.49 ID:psjHZ2AO
日本負けたか……

支援ありがとうございます

目標1000なんで色々MGSの会話とかストーリーについてとかの話とかしてくれるとやる気でます。
やっぱり書くからには色々な人に見てもらってるって実感があるかないかじゃモチベーションが違いますからね
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/19(土) 22:59:39.91 ID:psjHZ2AO
りっちゃん「ようやくお出まし……か」

バックパックから可変式双眼鏡を取り出すと「どれどれ…」何て女風呂を覗くおっさんの様な面ごちで双眼鏡を宛てる。

りっちゃん「他の音楽を取り戻す活動の奴らも合流してんのか……」

りっちゃん「装備はAK-47のV型にマークUのパイナップル、後はM84スタングレネードに無線機か……」

りっちゃん「(一兵士にしては装備がしっかりし過ぎてる……むぎの財力か? それに死角を作らない見張りの仕方を見るに……こりゃ島に上陸してるのがバレてるな)」

茂みに伏せながら指を耳の裏に宛てる、CALLの仕草だ。

トゥルルトゥルル……
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/19(土) 23:08:53.07 ID:psjHZ2AO
りっちゃん『さわちゃん、どうやら……』

さわ子『えぇ、こちらの動きは筒抜けのようね』

りっちゃん『いいの〜?核発射されたりされない?』

さわ子『今のところ動きはないわ。もっとも東側の警備の薄さを見た時からおかしいとは思ってたけれどね』

りっちゃん『誘ってる……か。で? どうすんの?』

さわ子『確かにあちらは何らかの手段でこちらの動きを把握してるみたいだけど見逃してくれてるなら都合はいいわ。そのまま澪ちゃんのところまで行っちゃいなさい!!!』

りっちゃん『う〜んでもこの装備じゃここを突破するのは厳しいかなぁ。Mkで一人眠らしたとしても後の二人が問題だよな〜。音で引き付けるとしてもみんな気づいちゃう位置だし』

さわ子『そう言うパターンはVR訓練で何回かやったでしょ? それを思い出してりっちゃん』

りっちゃん『VR訓練……か。そういややったけ。わかった、上手くやってみる!』

プツン...
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/19(土) 23:10:46.55 ID:psjHZ2AO
ちょい離脱
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/20(日) 00:21:00.41 ID:VZpoBYDO
メタルギアわからないから語れない
でも支援
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/20(日) 00:25:32.28 ID:pOsIzj60
俺のリロードはレボリューションだ!

MGSのSSでジョニー佐々木を見かけた事がないな
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 01:06:11.16 ID:pXZdYMAO
りっちゃん「やるか……」スチャ

まずは一人に狙いをつける。

ヒュンッ────

SONG兵A「あう……ォ……」

首筋に麻酔針が刺さり一発で昏倒。

SONG兵B「なんだッ!?」

SONG兵C「敵襲!?」

りっちゃん「」ヒュイッ

兵士Aが昏倒し、視線が集まってる内にりっちゃんが素早く残り二人の後ろの方の茂みにドラムスティックを投げ込み陽動をかける。

ガササッ

SONG兵B「そこかッ!」

SONG兵C「」

兵士Cがおもむろに腰の無線機手を伸ばすのが見えた。そこでりっちゃんは目標を兵士Cに定めもう一発首筋に……。

ブゥンンン

りっちゃん「(うわっデッカい虫っ)」

シュンッ────

SONG兵「がっ……くっ、なんだこれはっ! 針……?! 麻酔弾か!!!」

りっちゃん「(あっちゃ〜外した)」

首筋を狙ったつもりが肩口に当たり睡眠薬の廻りが首筋より遅れたのだ。

りっちゃん「(こうなったら……)」
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 01:25:05.05 ID:pXZdYMAO
《超スーパースローモードで回想してください》

ブアッ

綺麗な側転で一気に茂みから出るりっちゃん

SONG兵C「なんだッ!」

AK-47を構えようとする兵士C────

りっちゃん「(遅いッ)」

水平に構えられたAKを蹴り上げる。銃身は上に向き、、そのまま引き金が弾かれ……

バババババッ

中空に乱射、

りっちゃんは兵士Cの首筋に今度こそ麻酔弾撃ち込む。

SONG兵士C「ガッ……」

昏倒、そして何が起こったのか理解しきれていないSONG兵士BのAKを左手で掴み込む。
ここでようやく覚醒したのか手を振り払って銃身をりっちゃんに向けようと力を込める、が、

ガシッ

ブワッ

SONG兵士B「なッ」

手を離すと同時に右足で兵士Bの足を払う。引っ張ることに力を入れていたため上半身の力は後ろへと流れている、半ば反った形になっていたところに足を払われたのだ。
兵士Cは成すすべなく綱引きで急に手を離された様に倒れ込んだ。

りっちゃん「おやすみ」ニヒッ

シュンッ───
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 01:39:26.76 ID:pXZdYMAO
りっちゃん「15点……かな。VR訓練の元にもなってるあの伝説の傭兵なら銃声を鳴らささず、麻酔弾も3発……いや最後の一人はCQCで倒して2発で留めたかな」

りっちゃん「やっぱり実戦と訓練は違うかー。」

茂みに兵士を隠し思案に更けるりっちゃん。

りっちゃん「(誘い出された気がしたけど兵士は迷わず発砲してきた……こんなとこで死ぬ様なら用はないってか。澪達は新型のメタルギア以外戦力になるようなものはない……歩兵としてならそこらの兵士以下だろう。だから……か)」

迷ってるのか……澪。

目視出来るまで近付いたラボを見据える。

りっちゃん「銃声はまずかったな……早く離れないと」

「んふふ、りっちゃん凄いね」

りっちゃん「ッ!?」
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 01:54:33.69 ID:pXZdYMAO
りっちゃん「その声は……唯か!? (どこにいる……)」

唯「その銃で私や澪ちゃんも殺しに来たの……?」フォン...

りっちゃん「違うんだ唯! 話を聞いてくれ! 」

話をしながらも声のした方から位置を確認するりっちゃん、だがしかし、

りっちゃん「(速い……走って出るスピードじゃない……ほんとに唯か……?)」

唯「聞くよ〜話ならいくらでも。私達のりっちゃんになってくれたら……だけどね!」フォン.....

りっちゃん「(つまり聞く耳持たないってわけか……! 唯には悪いけど憂ちゃんの為にも無理矢理でも連れて帰る……!)」

フォン......

りっちゃん「そこかッ!」

シュンッ──────

フッ ガッ

麻酔弾が木に刺さり込む音を受けてりっちゃんは驚愕する。

りっちゃん「(間違いなく当てた筈なのに……)」

唯「私に向かって撃って来るなんて……りっちゃんも変わったんだね。澪ちゃんの言った通り…」
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 02:06:33.24 ID:pXZdYMAO
とうとう姿を見せた唯、その姿は昔の唯とはかけ離れていた。
緑色の長いコートに身を包み、目は眠そうに半分塞がっている。
足には何やら特別な靴の様な物を履いていて、地上から数センチ浮いている。
前腰辺りにダラりと唯の愛楽器、ギー太をぶら下げている。

りっちゃん「唯……お前」

唯「りっちゃん……。どうして? どうして私達を裏切ったの?? 同じけいおん部の仲間だと思ってたのに……ッ!」

りっちゃん「唯……。だからってお前達は楽器の代わりに武器を持つのか? それがお前らの答えなのか!!!」

唯「武器なんて……」

りっちゃん「とぼけるなよ……いつからギー太はそんな厳つくなったんだ?」

唯「……んふふ、カッコいいでしょ? ギー太もきっと喜んでるよぉ」
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 02:26:21.42 ID:pXZdYMAO
りっちゃん「あれだけ大切にしてたギー太だろ!? 世間に対する考えは変わっても……音楽に対する思いは変わってないと思ったのにぃッ!!唯っ!」

銃口を唯に向けるりっちゃん

唯「違うよぉりっちゃん〜……銃声ってね……スゴぉい良い音がするんだよ!!!」

ジャラアアアアアアン

ギー太を掻き鳴らす唯

するとギー太のトップ(表板)がいくつか開き、そこから銃弾が飛び出した。

りっちゃん「なっ」

それをギリギリ木の影に入ってやり過ごす。

唯「ほらね……凄い綺麗……。 歌ってるみたい」

チュインッ
ヒュンッ
ビュンッ

色々な弾、威力の伝わりなのか出る銃声出る銃声がバラバラだ。
それがまるで演奏に唯は聞こえるのだろう。

りっちゃん「パトリオットギー太……とでも言っておこうか」

唯「それカッコいいっ!ギー太は今からパトリオットギー太だよっ!」

チュインチュインッ
ビュンッ

唯「あはは、喜んでる喜んでる」

りっちゃん「(お前がかき鳴らしてるだけだろっ!)」
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 02:33:04.37 ID:pXZdYMAO
りっちゃん「(一体どんな改造したのか知らないけどすっかりおかしくなっちゃってるな……唯のやつ。元々一つのことだけやり込めば天才クラスだからな……)」

楽しそうにかき鳴らす唯を影から観察するりっちゃん。

りっちゃん「(あの靴も油断出来ない……さっきの麻酔弾をかわした程の速度が出るんだ……全くむぎの会社の発明か何か知らないけど唯をこんな戦闘狂に変えて何がしたいんだよ……! それとも唯が言うように綺麗な音が出ればなんだって良いってかぁ!)」

合間を塗って麻酔弾を唯の腕に向けて撃つ、

唯はそれを軽々しくかわし森の中を滑る様に滑走していく。

りっちゃん「くそっ!」

トゥルルトゥルル……
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 02:40:40.27 ID:pXZdYMAO
りっちゃん『あれなんだよ! 反則! それにあれ誰だよ!』

さわ子『落ち着いて、りっちゃん』

りっちゃん『こんな状態で落ち着けるわけ……』

憂『りっちゃんさん……落ち着いてください……』

りっちゃん『憂ちゃん……』

さわ子『あれは恐らくホバークラフトの様なものね。』

りっちゃん『ホバークラフト?』

さわ子『吸い込んだ空気を吹き続けることによって浮力を得ている乗り物のよ。日本ではあまり見られないわね。恐らくあれはそのホバークラフトを靴状にして小型化したものだと思うわ』

りっちゃん『むぎの奴何でもありだなもうっ!』

さわ子『でも安心して、弱点はあるわ』
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 02:47:12.26 ID:pXZdYMAO
りっちゃん『弱点なになに!?』

さわ子『燃費がとてつもなく悪いのよ。それは小型化しても同じだと思うわ。』

りっちゃん『つまり隠れながら電池が切れるのを待てってこと!?』

さわ子『簡単に言えばそうなるかしら』

りっちゃん『結局逃げ廻るのか……まあ上手くやってみる』

さわ子『気を付けてね』

憂『りっちゃんさん!』

りっちゃん『ん?』

憂『お姉ちゃんを……』

りっちゃん『憂ちゃん……、それ以上は言わなくてもわかってるよん』

憂『ありがとうございます……ッ!』

ピュン……

りっちゃん「さ〜て逃げまくるとしましょうか!」
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 02:59:48.90 ID:pXZdYMAO
唯「りっちゃ〜ん〜どこ〜?」

りっちゃん「(動き回らせて燃費を悪くさせてやるッ……)」

りっちゃん「こっちこっち〜」

唯「りっちゃん待って〜!」

ズバババババ

りっちゃん「(まるで昔に戻ったみたいだな……飛んで来るのが銃弾じゃなければだけど)」

森をジグザグに走り狙いを絞らせず、確実にホバーシューズのエネルギーを消費させて行く。

りっちゃん「(しかしあれ燃料何使ってんだろ……ガソリンか?)」

唯「むぅ……そうだっ!」

痺れを切らした唯が何やら思い付いた様にホバーの速度を上げる。

りっちゃん「(追い付いてから確実に仕留めるつもりか? 考え方は唯のままだな)」

りっちゃんは踏ん張り、隣にあった太めの樹回り込む様に方向転換。
勢いが強い分小回りは効きにくいと判断したのだ。
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 03:10:41.21 ID:pXZdYMAO
唯「甘いよっ!りっちゃん!」

後ろへ体重をかけて上手くブレーキをし、りっちゃんの方へ方向転換。

りっちゃん「思ったより小回りが効くんだなー! けどその距離からじゃ下手っぴな唯じゃ当たりもしないよー!」

唯「えぇいっ」

パァンッ

案の定唯が撃った銃弾はりっちゃんから大きく外れ……頭上の太めの木の枝に当たる。
上手く折れた木はりっちゃんに降って、

りっちゃん「(唯の割には味な真似をッ! けどっ!)」

素早く前転をしかわす。前転は体術の基本中の基本、りっちゃんも初めの何日はこの前転に明け暮れたものだ。

りっちゃん「甘いあま……」

唯「ごめんね、りっちゃん……」

りっちゃん「しまっ……」

枝木に注意を反らし過ぎて急接近していた唯に気づかずにいた。
唯がギー太掻き鳴らす、瞬間、それは訪れた─────
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 03:20:16.25 ID:pXZdYMAO
ザンッ

唯「えっ」

りっちゃん「なっ」

ギー太の弦が一斉に弾け飛ぶ─────

「…………」

りっちゃん「ニン……ジャ?」

唯「ああっ!ギー太がああっ!ニンジャさん酷い!」

ニンジャ「」シュゥ……シュゥ……

唯に刃を向けたまま静止するニンジャ。

唯「ギー太があああ」

ピリリッピリリッ……

唯「あっ澪ちゃん? うんうん……ギー太がねぇ……うん……それに変なニンジャさんが……」

りっちゃん「(ナノマシン通信の筈なのに声出てるぞ唯……)」

唯「わかったぁ……弦も張り替えなきゃだしね。と言うわけでまたね、りっちゃんっ! 次会った時は……殺すから」

眠たそうな目からは確かに殺気込められていた……。
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 03:29:54.90 ID:pXZdYMAO
りっちゃん「全く……昔と変わらないのか変わったのか……」

りっちゃん「で、……あんたは?」

ニンジャ「……」

りっちゃん「(シャドーモセスの時にも現れたと言われるニンジャ……中の人は一体……そして敵かな?味方かな?)」

ニンジャ「キヲツケロ、コノサキニスナイパーガアンブッシュシテイル。」

りっちゃん「えっ…」

ニンジャ「……」

りっちゃん「えっと……ありがとう」

ニンジャ「……アナタハカワラナイノネ」

りっちゃん「えっ…」

そう言うとニンジャは木に登り素早く去って行った……。

りっちゃん「一体どうなってんだよ……」

ガサガサ……

「女の……兵士か? 珍しいな……。性欲を持て余す」

─────────
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 03:32:31.03 ID:pXZdYMAO
今日はここまでにしとくか……

調べたりしながら書いてるととてつもなく時間がかかるな……

制作じゃなかったら死んでたところだった

明日も書けたら書く
毎日20レス以上は書きたいですね。
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/20(日) 04:34:25.16 ID:Z4tBjrIo
律「スネークフィストぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

おのれニンジャめ
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/20(日) 12:40:06.14 ID:dwyUS.AO
見てるよ
支援
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 17:00:06.04 ID:pXZdYMAO
りっちゃん=スネークみたいなコードネームにしたかったけど地の文の時に浮きまくるので地の文の時は律にします。

スレタイカタカナにするんだったぜ……制作は存外メタルギアファン少ないのかな

続き書きます
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 17:10:57.23 ID:pXZdYMAO
トゥルルトゥルル……

りっちゃん「ん、さわちゃんからか」

ピュン

さわ子『りっちゃんさっきのニンジャまさか!』

りっちゃん『外装や装備何か資料とそっくりだったよ。でもグレイ・フォックスはシャドーモセスで死んだんじゃ……』

さわ子『武器はなんだった!? マチェットだった!? りっちゃんにデジカメ渡しとくんだったわ!』

りっちゃん『さわちゃんほんとミーハーだな。急に現れて唯のギターの弦だけを一閃するなんて並みの腕じゃないのは認めるけどさ〜……正直あのセンスはどうかと思うんだよね』
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 17:20:07.90 ID:pXZdYMAO
さわ子『あの曲線美がわからないなんて……りっちゃんまだまだ子供ね。コスプレハンターとしては堪らない一品よあれは!』

りっちゃん『ああそっちの意味だったのね……。』

さわ子『でもまあ敵じゃないみたいだし大丈夫なんじゃない? それにしてもいよいよシャドーモセス化して来たわね……くぅ〜指揮官冥利に尽きるわ』

りっちゃん『はいはい……』

りっちゃん『?』

さわ子『ニンジャさんの忠告じゃこの先にスナイパーがいるそうね。辺りを警戒しながら進んで。こっちはスナイパーライフルみたいな長距離射撃武器はないから戦闘になれば不利よ』

りっちゃん『りょ〜かい』

さわ子『あ、後ね!』

りっちゃん『?』

さわ子『またさっきのニンジャに会ったらサイン(ry』

ピュン……
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 17:26:11.30 ID:pXZdYMAO
ピリリッピリリッ……


りっちゃん『憂ちゃん、悪い……唯のやつ逃がしちゃった』

憂『仕方ないです……気にしないでください』

りっちゃん『……憂ちゃん……唯は』

憂『はい……まるで別人でした…。お姉ちゃんはあんな簡単に人を……殺そうとする人じゃ……』

りっちゃん『何が唯をあそこまで変えたのかはわからない……けどまだ説得出来ないと決まった訳じゃないしさ! 元気出しなよ』

憂『りっちゃんさん……』

りっちゃん『そう言えばそのりっちゃんさんって……なに?』

憂『あ、えと……コードネーム領域なのでコードネームで呼ばないとダメじゃないですか?』

りっちゃん『そだね』

憂『それでその……「りっちゃん」って云うコードネームに……さんを……』

りっちゃん『なるほどそれでりっちゃんさん……ややこしい』
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 17:33:49.15 ID:pXZdYMAO
りっちゃん『別にりっちゃんでいいよ! それかお姉ちゃんでもいいよ? なーんて』

憂『お姉ちゃん……ですか。なんだかくすぐったいですね。』エヘヘ

りっちゃん『私もほんとは弟なんかより妹が欲しくってさー! 憂ちゃんみたいな妹なら大歓迎なのに』

憂『そんな……私なんて』

りっちゃん『まあ好きに呼んでよ。さん付け意外でねッ』

憂『はい、わかりました……その……律お姉ちゃん』

りっちゃん『くっは……』

憂『?』

りっちゃん『いや思ったより破壊力あるな〜と……』

憂『律お姉ちゃん、お姉ちゃんをよろしくお願いします…』

りっちゃん『律お姉ちゃんに任せとけって』

ピュン……
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 17:42:51.52 ID:pXZdYMAO
りっちゃん「さてと……妹にお願いされたことだし頑張りますか」

りっちゃん「唯……憂ちゃんみたいなをいい子置いてぼりにすんなよな……」

りっちゃん「あの渓谷を抜けたらいよいよラボか……急ごう」

さっき戦った兵士達はまだ眠っておりすんなりと抜けることが出来た。
兵士のAK-47の少し迷ってから拾う。
律が持つ武器で唯一殺傷能力がある武器になった。

りっちゃん「一人も殺さずに済めばいいんだけどな……っとドラムスティックドラムスティック」
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 17:57:19.92 ID:pXZdYMAO
───無人島 渓谷────

高さはそんなにない山々との間に川があり、そこに一本のつり橋が掛かっている。
山と山を結ぶその橋の長さは300mほど、橋としては大型な部類だろう。

りっちゃん「……アンブッシュ(待ち伏せ)してるならここか……」

見晴らしが良すぎるぐらいに開けている。
橋を渡る時に狙撃されてはひとたまりもないだろう。

りっちゃん「さて……どうしよっかな〜…」

ラボへ向かう為に通常ルートを進めばまずこのつり橋を渡るしかない。川を渡ると云う選択肢もあるにはあるが、川の流れは緩やかとは言っても足場も悪く水位もそこそこにありそうだからだ。

りっちゃん「渡るしかないか……」
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/20(日) 18:06:42.57 ID:pOsIzj60
禁書とMGSのクロスも過疎ってよな
書き込んでやると>>1が喜ぶんだよ
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/20(日) 18:12:08.00 ID:pXZdYMAO
りっちゃん「(こんな見晴らしがいいところに兵士いない……まるで来てみろって感じか)」

「……来たか……田井中律、FOXDIED所属のソルジャー……そして紬お嬢様の元ご友学……」

「お嬢様……」

─────────

唯「あはは〜やられちゃった」

「大丈夫ですか唯先輩っ」

唯「へーきだよぉあずにゃん。なんか変なニンジャのコスプレした人に弦切られちゃっただけだよ。せっかくこないだあずにゃんに張り替えてもらったのにぃ」ブーブー

「まだ余りありますから、こっちに来てください」

唯「はぁーい」

澪「変な……ニンジャか」
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/22(火) 00:29:39.39 ID:UKhf6Ws0
斎藤「ジ•エンドだ…」グウ…
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/22(火) 15:34:29.42 ID:o1ysbvoo
蛇さんは出てきますか?
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 18:52:58.53 ID:XVALYwAO
終わり……じゃな〜っい!

>>57
バリバリ出ます


出張で書くのめんどくさくなってた
帰って来たから書く
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 18:59:57.50 ID:XVALYwAO
紬「りっちゃん……」

梓「次は私が行きましょうか? さすがにこれ以上は計画に支障が出ると思うんです。だから説得なんてやめてさっさと殺しちゃいましょうよ」

紬「あずさちゃん何を……!」

澪「……」

梓「じゃあ……行ってきますね」トコトコ……

紬「待って!!! 最後に私にチャンスをちょうだい……」

梓「ですって、澪先輩どうしますか?」

澪「……むぎ、律をこっちに引き込めるのか?」

紬「ええ……ちょっと粗っぽいやり方になるけど……」

澪「わかった……。むぎに任せるよ。律は私達に必要だからな……出来れば引き入れたい」

紬「任せて、澪ちゃん」
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/23(水) 19:04:46.80 ID:vzpT4VY0
ktkr
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 19:23:05.54 ID:XVALYwAO
紬「斎藤」

シュタッ

斎藤「ここに」

紬「りっちゃんを眠らせてここまで連れてきて。くれぐれも傷つけないように」

斎藤「……はっ」

紬「もし殺したりしたら……斎藤、その時はあなたも一緒に死んでもらうわよ」ギロ

斎藤「心得ております」

─────────

斎藤「お嬢様はああ言われたが……。この先のことを考えれば殺しておいた方が上策。邪魔立てするのはもうFOXDIEDの娘だけなのだから……」

斎藤の手にあるのはモシン・ナガンM1891、そして……PSG-1……。

斎藤「捕縛が無理なら……殺す。」

モシン・ナガンは麻酔弾の大きさ故に速度、音、共にPSG-1に遥かに劣ることを斎藤はすでに認識している。
紬の執事になる前はCIA、グリーンベレーにも所属していた強者でもあった。

斎藤「FOXDIEDの田井中律……噂通りか確かめさせてもらおう」
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 19:48:09.64 ID:XVALYwAO
りっちゃん「あれで行くか……ちょうどさっき仕入れたし」

律はバックパックからあるものを取り出し

りっちゃん「せいっ」

中空に向かって投げた。

それは静かな爆発音を醸しながらもわもわと何かを吐き出して行く──────。

斎藤「スモークグレネードか……! ここでアンブッシュしていると確信しているな」

りっちゃん「煙がある内に!!」

橋の滑走する律。
律のブーツが木のつり橋を踏みしめる度にきぃ……と嫌な音がする。
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 19:57:00.91 ID:XVALYwAO
斎藤「考えたものだな……だが」

斎藤は頭にかけていたものを下げる

斎藤「暗視ゴーグル越しなら……」

斎藤のモシン・ナガンのスコープが律の姿を映し出す。

りっちゃん「そろそろかな? よっと」

またバックパックから何かを抜き出すと放り投げる。

パァンッと言う乾いた音に鼓膜をツン裂く震動。
そして、眩しい閃光────

斎藤「しまっ……」

暗視ゴーグルが一気に白く染まり上がる。

あまりに強い光の刺激故に斎藤も思わず目が眩む。

斎藤「ちぃっ」

バァンッ

さっき居た場所から予測して憶測で発射。

チュィンッ

りっちゃん「っと……闇雲に撃って来たか。武器はモシン・ナガンか……殺す気はないのか。撃って来た方角からして……」
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 20:04:22.16 ID:XVALYwAO
向こう山の遠い遠い場所に見晴らしのいい丘がある。

りっちゃん「あそこかっ! あ〜でも届く武器ないや。森の中に隠れてやり過ごすのが先決か」

考えながらも脚を止めずに走破してゆく。
後100mもないだろうか。

斎藤「くっ…」

ようやく目に光が戻った時には既に律が橋を抜けようと言うところだった。

斎藤「(リロードしてたら間に合わんッ!)」

斎藤はもう1つの拳銃、PSG-1を手に取り、

バァァッン─────

65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/23(水) 20:14:08.07 ID:m8rSyWoo
PSG−1が・拳銃…?
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 20:15:15.38 ID:XVALYwAO
チッ

りっちゃん「〜ッ……」

律の頬が微かに裂け、内から血が滲み出る。

りっちゃん「実弾に切り替えてきた……こんな器用な真似してくるやつなんていたっけ……」

りっちゃん「(リロードに数秒……オートマチック式なら森に入るに撃たれる……)」

咄嗟の判断で律は、

りっちゃん「あらよっと」

橋を飛び越えた。

下は川、川までの高さはビル四回建てにもなるだろうか。
幾ら撃たれる可能性がある、と言えどこちらも自殺と変わらない。

斎藤「消えた……? どこだ……」

PSG-1のスコープで見据えるも見当たらない。

斎藤「まさか飛び降りたか……? しかし水位もなくあの高さから落ちれば……」

斎藤「死んだか……田井中律」
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/23(水) 20:19:49.26 ID:XVALYwAO
>>65
斎藤は橋の全体が見渡せる高台のような場所で律を狙撃しようとしてる

PSG-1
ヘッケラー&コッホ社のセミオートマチックの狙撃銃
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 20:31:26.40 ID:XVALYwAO
斎藤「お嬢様にはどう説明するか……、いや、まだ死んだとは決まっていない。愚体を晒すのはお嬢様の名誉にも関わるが素直に事の内容を話すとしよう……」

2丁の狙撃銃を背中に抱え高台を降りて行く。

斎藤「所詮つい最近まで女子高生だったと言うわけか。政府が唯一送り込んで来た人材だからもうちょっとは出来ると思ったが……核を撃たれない唯一の人材だった、ってだけか……。」

斎藤「しかしお嬢様のご友学の皆……昔お嬢様に聞いた話と随分違っていたな……。やはりあの男が関係あるのか……いや、自分には関係ないな。お嬢様の為だけに居ればいい……」


─────────
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 20:47:56.14 ID:XVALYwAO
────無人島 つり橋────

りっちゃん「そろそろ行ったかな〜手ぇ吊ってきた〜」

落ちたと思われた律だったが現存している。
橋の下の部分に上手く掴まっている。

エルード───

橋や外面が露出している道などで使えるスニーキングミッション時に用要られる技法。

りっちゃん「VRじゃ散々やったけど実戦じゃこれが初めてだから緊張した〜。成功して良かった良かった!」

アハハハと気楽に笑いながら念のためエルードしたまま橋を渡る。

りっちゃん「最初からこうしとけば良かったかな」

普通のつり橋では斎藤が律を見失うことはなかっただろう。
ただこのつり橋は普通よりしっかりしていて道端も広い、故にぶら下がった
橋の横の面積>律の身長
となり反対側から見た斎藤には律が映らなかったのだ。
身長が小さいのが幸いし(ry

70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 20:58:40.54 ID:XVALYwAO
りっちゃん「よっとぅ」

振り子の勢いを利用して逆逆上がりのようにクルッと回り足の裏が空を向いた時に手を離し、その勢いを利用してそのまま着地。
エルードの基本の上がり方だが一般人は見ているだけでヒヤヒヤするであろう。

ピリリッピリリッ

りっちゃん「ん〜? 憂ちゃんからか」

ピィリンッ

憂『律お姉ちゃん大丈夫!?』

りっちゃん『えっ!? ああ〜大丈夫大丈夫! 律お姉ちゃんは元気だよんっ!』

憂『ほっぺた……怪我してます。早く治療しないと痕が残っちゃう!』

りっちゃん『いーよいーよこれぐらい。かすり傷だから』

憂『律お姉ちゃんは可愛いんだからちゃんとそういうケアはしないと! いくら全世界を賭けたミッションでも……女の子だから』
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 21:08:01.52 ID:XVALYwAO
りっちゃん『……、わかったよ。憂ちゃんには敵わないなぁ』

憂『うんっ。じゃあバックパックの医療用持ち物の消毒液で消毒した後ガーゼとテープを出して下さい』

りっちゃん『ガーゼ? カットパンなら一応持って来てるけど』

憂『カットパンは確かに消毒と防菌をいっぺんに出来て便利だけど逆に治りが遅くなるって云う特徴もあるんですよ。それにそうすると瘡蓋も出来ちゃう。ガーゼで菌をシャットアウトして後は自然回復ってやり方が最近の医学何です。これだと傷跡も残りません』

りっちゃん『ほへ〜』
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 21:09:41.99 ID:XVALYwAO
ごめwwwカットパンじゃなくて絆創膏ね

カットパンて方言なのね
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/23(水) 21:15:01.45 ID:Vm097PAo
そういう名前のアイテムなのかと思っちゃったぜ
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 21:19:31.01 ID:XVALYwAO
りっちゃん『早速やってみるよ!』

憂『他にも何かあったら言ってね律お姉ちゃん』

りっちゃん『あいよっ』

ピピュン

りっちゃん「いい妹を持ったもんだ……」シンミリ

手早く消毒し、ガーゼとテープで傷口を塞ぐ

りっちゃん「さて……さっきのお返しと行きますか」ニヤリ

──────────
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 21:29:07.98 ID:XVALYwAO
───無人島 渓谷付近───

斎藤「重いな……やはり2丁は欲張り過ぎたか」

ラボまではまだ少しある。

斎藤「この間にお嬢様への言い訳を考えとかないとな……。」

ヒュゥゥゥゥー……

斎藤「風か……」

「…………」スッ

斎藤「……」 「動くな」

斎藤「!?」

「思ったより遅かったな。あんただろ? さっきの狙撃手」

斎藤「……何故ここを通るとわかった?」

狙撃銃を地面に下ろし、そして静かに両手を上げる斎藤。

「簡単だよ。銃弾の向きからどこから撃って来たかはわかってたからね〜……。あの後撃って来なくなったことを考えてもあんたは私が死んだと思ったんだろ? ならラボへ向かう道を遠回りするわけもない……。」
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 21:36:13.55 ID:XVALYwAO
「あの高台からラボへ向かうならこの一番開けた山道を使う……そう踏んだんだよ」

斎藤「ほぅ……」

「銃声は二種類したから2丁持って来てるのは明白。そうでなくても狙撃手はオートマチックじゃないものを使う場合もしも外した時、リロードの時間を削ぐ為にもう一丁を即座に担いで撃つ……」

斎藤「(……見誤ったな、こいつ……)」

「高低さを考えてそう差はついてない、横道からこっちの道に出るまでの時間を考えて……間に合うと思ったんだよ」

斎藤「そこまで予測していたか……田井中律。いや、FOXDIEDのりっちゃん……と言った方がいいかな?」

りっちゃん「……」
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/23(水) 21:40:19.17 ID:rsVBe6Eo
普通狙撃手は二人組であることを見逃している










ごめんなさい、続けて。
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 21:46:30.75 ID:XVALYwAO
りっちゃん「あんた……誰だよ?」

斎藤「……自分は紬お嬢様の執事、斎藤だ」

りっちゃん「……むぎに殺す様に命じられたのか?」

斎藤「…………そうだ」

りっちゃん「ッ……」ギリッ

乱雑にMk22を首筋に突きつける。

りっちゃん「もういいっ……寝てろ……!」

斎藤「殺さないのか?」

りっちゃん「生憎短銃がなくてな! 夢見心地を楽しめよ」

そうして引き金を引こうとした時、

斎藤「何故仲間にならなかった?」

りっちゃん「えっ……」

斎藤「仲間になっていれば結果がどうであれ幸せだったろう? 例えば失敗し、結果死ぬことになったとしても……仲間と一緒なら悔いないだろう? 違うか?」

りっちゃん「…………」
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 21:54:02.39 ID:XVALYwAO
りっちゃん「確かにそうかもしれないな……けど、」

律は斎藤にわからない笑みを作った。

りっちゃん「悪いことをしたら誰かが叱りに来るだろ? それが……私でありたかったのかな……。こうなるって……澪の誘いを断った時から思ってたよ。あの時はそれが正しいことじゃないって私が思ってたから断った。その過去に私は従うよ。そして現在(いま)で変える……自分が叱る。澪達を、部長として」

斎藤「……中野梓には注意しろ。いや、恐らく全員、君の知ってるものとは違うかもしれない……」

りっちゃん「警告ありがとう。じゃあな、おやすみ」

パシュンッ

斎藤「ウッ……」

バタンッ

りっちゃん「変わったのは……多分私も一緒だよ」

斎藤の非殺傷力のモシン・ナガン、殺傷力のあるPSG-1を見つめ……

りっちゃん「……」

PSG-1を担いで先に急いだ──────
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 22:06:29.16 ID:XVALYwAO
───ラボ 内部───

梓「遅いですね、むぎ先輩の従者」

紬「斎藤……」

澪「あれから二時間は経つ。恐らく律に……」

紬「殺されたって云うの!? やめてよ!! みんな変よっ! あんなにみんなのことを思ってて……みんなのこと大好きなりっちゃんが……人を殺すなんて……」

梓「でも唯先輩に向かって撃ってきたって言ってましたよ?」

紬「それは……」

梓「変わったんですよ、律先輩は。そして……私達も変わらなきゃならない。部活ごっこして漫然と律先輩を待ってたりしたら……殺されるのはこっちですっ!」

澪「……」

紬「……」

唯「うふふ……ギィ太ぁ……」

澪「律は……ただ私達より世界を取ったんだ。見えなくて薄暗くて……自分にとって何にもならない存在をっ……!」
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 22:14:31.07 ID:XVALYwAO
紬「……」

澪「でも……律だからそうしたんだとも言える。私達は……あまりにも子供だ。」

梓「……」

澪「でも……子供だからこそがむしゃらに欲しがるんだ……! ただ1つの……私達を繋いでいたものを取り戻す為に!!!!!」

パチ…パチ…パチ…

澪「ッ!?」

「いや〜素晴らしい。その純粋なまでに音楽を欲する姿勢に我々も感服して協力させてもらいましたが……」

澪「ご協力には感謝してますよ。あなたがいなかったらこの計画は成り立たなかった」

「いえいえ、私方としても音楽を取り戻したいですから。人類が産み出した世界を繋ぐとも言われる音楽、歌を自ら捨てるなどッ! っと声を荒げてすみません」

澪「……」
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 22:27:19.59 ID:XVALYwAO
「メタルギアの方は既に最終段階にあります。もし要求が受け入れられない場合は……」

澪「わかってる……。」

「わかっておられるなら結構です。では…私はこれで」

トッ…トッ…トッ……

梓「相変わらず何を考えてるかわからない人ですね、あの人」

澪「ああ……」

澪「(律、それがお前の答えなら……)」

澪「作戦を最終段階に移す─────」

紬「!?」

澪「梓!」

梓「はい?」

澪「邪魔者を排除しておいてくれ」

紬「澪ちゃんっ!!!」

澪「むぎ、あの人と一緒に最終段階の移行を手伝ってくれ」

紬「でも……」

澪「これは命令だ」

紬「……はい」

梓「ふぅぅぅぅとうとう来ましたかっ! 私の出番が」

思いっ切り背伸びをして小柄な体を泳がす。
梓「いこっか……みんな」


梓「律先輩……勝負です」ニヤリ
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 22:34:47.44 ID:XVALYwAO
今日はここまでにしとくか

ストーリーの大筋は大体出来てるけど細かいとことかは思いついた感じでやってるから書くの遅いな
後わからんことあったら調べたりしてて1レスに相当かかったり……

まあ投下し終わったのをまとめて見るといいかな

しかし余りにも人気なくて……
メタルギアファンもっとこいよ!
やはり禁書か……

ではまた
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/23(水) 22:36:08.83 ID:hoFT6UY0
安心してくれ
俺もメタルギア好きだ
とくに3が
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/23(水) 22:39:21.49 ID:EwCrHoUo
見てるよ!
サイボーグ忍者の再登場に期待してるよ!
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/23(水) 23:01:37.96 ID:vzpT4VY0
狙撃手は通常二人?
MGSにそんな常識は通用しねえ
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/23(水) 23:09:32.81 ID:XVALYwAO
>>77
さすが詳しいwwwwww
こういう詳しい人が見てるなら手が抜けないな
すっかり書くの忘れてたすみません

MGSでも思えばスナイパーウルフは狼を
ジ・エンドは森を観測手として使ってたんですよね

一人に見えてきっちり基本を抑えてるとはさすが……

風呂でいい案浮かんだら続き書こうかな
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/24(木) 01:25:57.34 ID:ntPDjoDO
カットバンって方言だったのかよ…
初めて知った
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/24(木) 23:49:54.74 ID:WntCysAO
むぎに殺す様に命じられたのか?


─────そうだ。

りっちゃん「………ッ」

イライラする……、

りっちゃん「こうなるってわかってたんだろ……律ッ!」

自分の決断、
意思、
想い、
大切にしてたモノ、

全部ぐちゃぐちゃになって頭の中で飛び交う。

何で仲間にならなかった?音楽はお前にとってはその程度で他の奴らにはそれ程のモノなんだよ?お前は仲間だと思っていたがそうじゃない、自分は同じ場所に立ってなかっただからこうなった。

りっちゃん「違うッ……」

馬鹿らしい……、そう思ったんだろ?

りっちゃん「思ってないッ……」

たかが音楽が奏でられないってだけで駄々捏ねて、子供みたいなわがままで、行き過ぎた兵器で世界に刃向かって、そんなあいつらを馬鹿らしいって思ってるからこそ今ここにいるんだろ?

りっちゃん「違うッ!!!!!!」

りっちゃん「はあッ……はあッ……はあッ……」

お前にとってはそうでも、

あいつらにとって音楽とはそれほどのものだったんだよ。

りっちゃん「…………知ってるよ、田井中律…。でも私は……りっちゃんだ。田井中律じゃ………ないッ」
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 00:02:48.77 ID:7efMEIAO
りっちゃん「ミッション開始から三時間……急がなきゃ…」

たった5kmが果てしなく遠く感じる────

ラボに近づく度に仲間を撃たないといけないと云う重圧感が体を襲う。

りっちゃん「次……誰が来ようと私は容赦しない」

殺傷力のある武器はPSG-1しかないがスタンドショットも訓練済みだ。
大丈夫、やれる。





ラボの全体がはっきりして来た。
即席で建てた割にはしっかりしていて、大きさもかなりある。

無機質な金属の塊、その入り口の前に

梓「思ったより早かったですね……律先輩」

嘗ての後輩梓、中野梓がいた
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 00:04:51.28 ID:pVJQVu60
いいぞいいぞ
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 00:14:08.45 ID:7efMEIAO
りっちゃん「……」

律は周囲を見渡す。他に人はなく梓一人なことを確認すると気軽に話かけ始めた。

りっちゃん「梓みたいに可愛い子を待たすわけにはいかないからさ」

梓「…………」

ふざけて言ったつもりだが確かに梓は可愛い、いや、綺麗だった。見たのは1年ぶりだがあの時より身長も少し伸び、黒いワンピースに赤いミニスカートとと言う大人っぽい格好も似合うぐらいに。
昔は二つに結んでいた髪も今は下ろし、長い黒髪が風にそよいでいる。

梓「こんな時まで軽口が言えるなんて律先輩……やっぱり変わってませんね」

りっちゃん「どうかな? 私にはわかんないや。まあそっちは色々と変わったみたいだけどな」
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 00:21:20.66 ID:7efMEIAO
梓「世界を敵に回してるんです、変わりますよ」

りっちゃん「その世界を代表して私が止めに来た。それもわかってるんだよな?」

梓「だからこうして迎え討ちに来たんじゃないですか」

りっちゃん「……本気、なんだな」

梓「勿論ですよ。説得出来るほど簡単な人じゃないってこともわかってます。澪先輩も、唯先輩も、むぎ先輩も、私も……。もう受け入れましたから」

りっちゃん「受け入れた? なにを」

梓「あなたが敵だってことを、ですッ」

りっちゃん「…………」

律は静かに目を瞑る。

りっちゃん「(迷うな……今の立ち位置こそが全てなんだ)」

りっちゃん「梓……私も、容赦しないから」
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 00:33:54.84 ID:7efMEIAO
梓「勝負ですッ! 律先輩ッ!」

りっちゃん「ッ……」

その瞬間律も目を開けMkを凄い速度で引き抜く。

りっちゃん「(接近戦じゃPSG-1は役に立たない……眠らせてから……殺すッ!)」

ツゥンッ────

梓「フフ……」

発弾された麻酔弾を梓はまるで見えてるかの様にかわす。

りっちゃん「(避けたッ!?)」

呆気に取られている律を嬉しそうに見据える梓。

梓「何を驚いてるんですか律先輩? これくらい出来なくて世界と戦えるわけないじゃないですか」

りっちゃん「へぇ〜、何をしたのか知らないけど……これならッ!」

狙いを定め連続で引き金を弾く─────
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 00:59:30.86 ID:7efMEIAO
連続で弾き出された麻酔弾をかわし、逆に梓が律に向かって駆け出す。

りっちゃん「(はやッ)」

腰からナイフを抜き出しそのまま斬り上げる。

りっちゃん「〜ッ!」

仰け反る様にかわすが刃が僅かに律のつけていたガーゼに掛かりそのまま引き剥がされる。

りっちゃん「っのッ!」

シュンッ

梓「!!!」

崩されながらも右手に握っているMkの引き金を絞る。

さすがに回避しきれない距離から発射された麻酔弾を梓は左腕で受ける。

梓「うっ……」

腕に麻酔の針が刺さり顔をしかめるも素早くそれを抜き去り律を睨む。

りっちゃん「ま〜だ治ってないのに」ニヤリ

対する律は頬をなぞり梓に不気味な微笑みを返した。
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 01:15:33.22 ID:7efMEIAO
梓「っう……」くらっ

りっちゃん「……(いくら早く抜いたとはいえ小さい梓の身体ならあの量でも……)」

梓「ふぅぅ……」

自らを奮い立たすように小さく吼える。

梓「血……出ちゃったか……」

ワンピースの袖を上げ傷口をペロりと舐める。
昔見た梓との印象が余りにも違うため律も少しだけ息を呑むが梓の持っているナイフを見て引き戻される。

りっちゃん「(ゴツいサバイバルナイフだな……似合わない)」

梓「やっぱり一人じゃちょっとキツいかな……」

りっちゃん「唯でも呼ぶのか?」

挑発するように言い放つも梓はさして気にせず傷口をペロペロと舐め続けている。
その様子はまるで猫さながらだった。
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 01:26:03.35 ID:7efMEIAO
梓「律先輩……、私、先輩のこと好きでしたよ」

りっちゃん「…………」

梓「練習にはあんまり献身的じゃなかったですけど…いざって時に頼りなるし……みんなのことを一番考えてて……。そんな律先輩がみんな好きで……」

りっちゃん「なんだよ、急に」

梓「軽音部がなくなって一番悲しかったのは律先輩だと思ってました。けど、違ったんですね」

りっちゃん「………」

梓「見損ないましたよ、律先輩。お別れです。さようなら」

りっちゃん「…?」

梓「に゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

鼓膜が破れんばかりの獣声。
それは森の中を駆け抜け、無人島全土に響き渡った。
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 01:36:04.59 ID:7efMEIAO
りっちゃん「なっ、なんだ……!?」

地面が震える

それは段々と近くなり、

森の奥から異出る。

「ガアアア」

「ゴアア」

「グルゥゥゥウウウウ」

梓「よしよし……みんな元気にしてた?」

「グルゥゥ…」

「グゥ……」

・・
それは梓に擦りつくようにじゃれている。

「ペロペロ」

梓「あは、くすぐったいよむすたんぐ」

むすたんぐと呼ばれた・・
それが一番懐いてるのか梓を優しくナメている。

りっちゃん「なんだよ……これ」

何頭いるだろうか

5?10?
いやそれよりいる……

この無人島に似つかわしくない、百獣の王ライオンがそこに群残していた。
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 01:46:22.47 ID:7efMEIAO
梓「驚きました? 律先輩」

りっちゃん「正直驚いてるよ、どんな魔法使ったんだよ梓?」

汗がツゥ─と額から流れるのを見て梓も満足したのか嬉しそうに語る。

梓「この子達はみんなサーカスとか動物園とかで歳を取ったり気性が荒くて処分されかけた子達なんですよ。それを私が一年近く前から引き取ったりしてたんです。ここに来てからは仲間は増えなくなりましたけど……」

りっちゃん「(通りで兵が少ないわけか……)」

梓「人間は勝手なんですよ。いらなくなったら、出来なくなったら簡単になんでも捨ててしまう。それが例え今まで世界を共に刻んで来たものでも……」
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 01:53:45.61 ID:7efMEIAO
りっちゃん「答えになってないッ……! そのライオン達は何故お前にそんなにも懐いてるのかを聞いてるんだよ!!」

梓「フフ……知ってますか? 律先輩、こんな怖そうな身なりをしたライオンも、ネコ科なんですよ?」

りっちゃん「はんっ、自分も猫だから襲われないなんて言うんじゃないだろーな!」

梓「わかってるじゃないですか。その通りですよ。私は猫、あずにゃん。この子達、そして私達の目的の為に死んでもらいますよ!!! 律先輩ッ!」

その瞬間、

「ガアアアアアッ」

「グルゥゥウウウ」

何体かのライオンが律に向かって疾走を開始する。

りっちゃん「うっそだろおッ!」
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 02:10:52.66 ID:7efMEIAO
りっちゃん「ひいいいいいい」

梓のことを一時保留し、全力で逃げることに集中する。

ピリリッピリリッ

りっちゃん「こんな時にCALLとかさわちゃん空気読めよぉぉぉぉ」

ピリィン

りっちゃん『助けてさわちゃぁんっ!!!』

さわ子『落ち着きなさいりっちゃん』

りっちゃん『落ち着けるわけないでしょっ!!!!』

さわ子『VR訓練で野生の動物の対処法もやったはずよ。それにサーカスや動物園に居たライオンなら捕食能力も著しく低いわ。木や障害物を盾にしながら麻酔弾を撃ち込んで』

りっちゃん『VRとリアルじゃ違うよさわちゃんっ!!! 怖いよっ!!!』
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 02:11:20.78 ID:7efMEIAO
けいおん始まったので少し中断
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 02:29:19.83 ID:7efMEIAO
田舎は放送が遅いから困る……
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 02:38:40.08 ID:7efMEIAO
さわ子『あなたがやらないのダメなのッ!!!!!』

りっちゃん『っ……さわちゃん?』

さわ子『さっきまた勧告があったの……SONGBOMBを恐れずに音楽を奏で、歌を歌い、取り戻せと。それをニュースで流し中継しない場合次は本当に核兵器を撃つ……って』

りっちゃん『でもそんなことをしたら……』

さわ子『全世界で何人の人が死ぬかわからないわ……。政府の予想じゃSONGBOMBの数はアフリカに仕掛けられた地雷より多い、なんて言われてるほどよ…。今から探して見つけて、それを安全を確保した後爆発処理、そんなことしてる時間はないの。つまり彼女達は音楽の為に死ねって言ってきてるのよりっちゃん』

りっちゃん『……そんな…なんだよ…この世界は』
105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 02:45:01.34 ID:7efMEIAO
日本戦が気になって集中できねぇぇぇぇ

今日はここまでで
106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 07:10:20.06 ID:jLSrxQDO
日本勝ったよ!やったよ!
おつー
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/25(金) 07:11:28.27 ID:mobf8.c0
まさか勝つとはな
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 07:12:45.87 ID:mobf8.c0
すまん上げてしまった
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 21:24:27.95 ID:7efMEIAO
日本が3点取るとは……奇跡ってものはあるもんですね

見てくれてる人がいる限り完結目指して頑張る

メタルギアファンもっとこいwww
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 21:38:18.40 ID:7efMEIAO
さわ子『彼女達がどれほど音楽が好きなのかはわかってるつもりよ。けど何もこんなやり方じゃなくても取り戻す方法はあると思うの……』

りっちゃん『……もう遅いよ、さわちゃん。あいつらはもう引き返せないところまで来てる』

さわ子『……』

りっちゃん『音楽なんてモノのために世界を敵に回して……人々を恐怖に陥れて……決して許されることじゃないよ』

さわ子『あなた……変わったわね』

りっちゃん『……そうかもね』

さわ子『FOXDIEDの局長としては嬉しいわ。けどあなた達の軽音部の顧問、山中さわ子としてはちょっと寂しいわね』

りっちゃん『……』

りっちゃん『友達だった私がケリをつける……それがせめてもの手向けだよ』

ピピィン……
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 21:46:34.67 ID:7efMEIAO
梓「ふぅ……はぁッ……」

眠い……瞼が錘のようだ。

梓「でも……寝ちゃったら…私きっと殺されちゃうね」

むすたんぐ「グルゥ…」

へたり込んでる梓を包むように座るむすたんぐ。その様はまるで親子のようだ。

梓「むすたんぐ……ありがとう。暖かい……昔の軽音部みたい」

虚ろな瞳からは昔の記憶が蘇ってるのだろうか。微かに微笑んでいる。

梓「少しくらいなら……眠ってもいいよね。むすたんぐ……」

梓「(どうして……こうなったんだろう……私は……ただ……)」

そのまま深い夢へ堕ちて行った
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 21:59:35.81 ID:7efMEIAO
りっちゃん「(右に二匹左に四匹……)」

集中力が一気に高まっていくのがわかる。
要因は澪達への怒りか?
それとも仲間を助けたいという想いか。

りっちゃん「しっ……」

息を大きく吐き出しながらリロードする。
こうすることで空気を吸った時より胸部の圧迫がなく腕の関節が機能しやすい。

約2秒で全弾リロードし終え振り返る。

「ゴガアアアアッ」

すぐ近くにまで来ていた群れの一匹の額に一発。

ライオンは体が大きいが血流に近い場所に撃ち込めば象でさえ数秒で眠るほどの威力がある。
額に撃ち込まれたライオンは歳だったこともありすぐに昏倒した。

りっちゃん「次ッ!」
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 22:11:22.23 ID:7efMEIAO
───無人島 研究所前───

カツ、カツ、カツ……

むすたんぐ「グルゥゥゥウ……」

梓「ん……」

むすたんぐの唸りにより危険を察知したのか眠たい目を無理矢理起こし覚醒させる。

りっちゃん「よく眠れたか? 梓」

梓「っ……! 他の子は……」

りっちゃん「心配するなよ。殺しちゃいないさ。動物を無意味に殺すなんて度がしがたい真似しないよ」

梓「……」

むすたんぐ「」スゥ

梓が立ちやすいように軽くお尻を持ち上げながらむすたんぐも立ち上がる。

梓「ありがとむすたんぐ」

いとおしそうにむすたんぐを撫でるとキッと律に向き直った。

りっちゃん「(そんな目で見るなよ……)」

まるで自分が平穏を脅かしに来た悪魔みたいに思えるだろう。
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/25(金) 22:16:22.97 ID:BYOJAkg0
面白いな
見てるから頑張ってくれ
邪魔してスマソ続けてくれ
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 22:22:37.84 ID:7efMEIAO
サバイバルナイフを抜き出すと重しく口を開く

梓「律先輩、澪先輩より……世界を取るんですね」

りっちゃん「世界の上に私達がいるんだ。その世界を守らなくてどうするんだよ」

梓「詭弁ですね。澪先輩がいない世界でもいいんですね先輩は」

りっちゃん「それは……」

梓「お互いもう昔の立場じゃないのはわかっているつもりです。ならせめて……躊躇わないでくださいッ!」

りっちゃん「梓……」

梓「私は私が信じている道を進んでいるつもりです……だから律先輩も」

りっちゃん「……わかった。ありがとう、梓」

梓「はいっ」ニコ

この時の笑顔だけは、昔みた梓のままだった。

梓「行きます……」

りっちゃん「こいっ……」
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 22:28:04.41 ID:7efMEIAO
梓が先に動く────

律に真っ正面から突進する。

りっちゃん「(さっきみたいに弾を避けるつもりかッ!)」

律もMkで狙いをつける。

梓はそれを見ても真っ正面から突き進んでくる。

りっちゃん「(考えるな……当たる……!)」

梓との距離はもう3mと言うところでようやく律が引き金を……

梓「先輩……生きてください。澪先輩と」

りっちゃん「!!?」

弾いた─────
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 22:37:47.48 ID:7efMEIAO
ぐったり律に凭れ(もた)かかるように眠る梓。
それを律は抱き抱える様に受け止めている。

りっちゃん「なんで……」

梓は自ら撃たれるつもりだった。麻酔弾だからじゃない、きっと実弾を使用してもそうしただろう。

梓【躊躇わないでください】

その言葉が何よりの証拠だった。

りっちゃん「あずさ……」

梓をゆっくり地面に寝かすと背中に掛けているPSG-1をリロードする。

ガチャリ、と無機質な金属音がし、これが今から友達の命を奪うのかと思うと身体が震える。

りっちゃん「…………」

梓【律先輩! 真面目に練習してください!】

梓【律先輩ってもっといい加減かと思ってました】

梓【律先輩のドラム、私は好きですよ】

梓【先輩っ】

りっちゃん「……うぅ」

気付けば涙が溢れていた。
私にはあまりなつかなかった後輩。
軽音部で初めて出来た可愛い、可愛い、後輩。
いつも練習に真面目で、でも唯にケーキを口まで運ばれるとついつい食べてしまったり……。

りっちゃん「殺せないよぉッ……! いやだよぉ……」
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 22:48:38.07 ID:3XOYFL6o
ヤバイ泣きそう
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 22:57:50.07 ID:7efMEIAO
「殺す必要などない」

りっちゃん「えっ……」

「殺したくないものを無理に殺す意味なんてないだろう?」

りっちゃん「あんたは……?」

「ん? ああ〜……、ただの写真家だ」

りっちゃん「こんなところで!?」

「ここには綺麗な鳥がいっぱいいるからな。たまに来るんだ」

りっちゃん「(怪しい……)」

「俺には君とその子がどういった関係かはわからない。だがこんな可愛い女の子達が殺し合うのは見たくないもんだな」

りっちゃん「……あんたにはわからないさ。写真家なんてしてるあんたには」

「そうでもないぞ? 写真家は色々なものを見るからな。戦争や民族間の争い……いろんなものを見てきた」

りっちゃん「……」

不思議だった。誰かを思い出しているような、そんな目をしていた。

「俺はもう行くが……え〜……」

りっちゃん「……りっちゃんだ」

「りっちゃん? 自分にちゃんづけとは恐れいったな!」

りっちゃん「ぐっ……だから嫌なんだよこのコードネーム……」

「まあなんだ、りっちゃん。戦場に感情を流されるな。後で後悔しない道を選べ。それが例え国の忠義の為だとしても……だ」

りっちゃん「えっ……」

振り返った時には男はもう既に歩き出していた。
言えることは言った、そんな背中だった。
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 23:08:53.40 ID:7efMEIAO
りっちゃん「……なんかすっかり削がれちゃったな」

誰だったんだろ、あの人。写真家って言ってたけど……。

りっちゃん「澪の仲間って感じもしなかったしなぁ……」

梓「ん……ムニャ……」

りっちゃん「梓……」

寝ている梓に寄り添う。すやすやと寝息をたて眠っている梓。

りっちゃん「そうだよな……殺したくないのに殺す必要なんてないよな」

あのおっさんの言う通りだ。

りっちゃん「自分の信じた道を来てたつもりなのにいつの間にか曲げて、自分の気持ちなんてこれっぽっちも確認してなかった」

梓と対峙してようやくその事にわからされたなんてな……ほんとに良くできた後輩だよ。

むすたんぐ「グルゥ…」

黙って見ていたむすたんぐが寄ってくる。さっきのライオンの群れの中でも一番歳老いた感じがあり歩く姿ももう百獣の王をイメージさせない。

りっちゃん「大丈夫、お前のご主人を殺したりしないよ」

そう言いながら優しく撫でると嬉しそうに目を細めるむすたんぐ。
梓の隣に身を下ろすとまるで護るように梓を包んだ。

りっちゃん「決めた」

今、この瞬間決めたんだ、私は

りっちゃん「他の道を……澪達と一緒に探す!!!」

嘘偽りない気持ち。その為には全員わからせる必要があるな、とゆっくりその意思を噛み締めるように立ち上がる。

りっちゃん「むすたんぐ、ちょっと間梓のことよろしく頼んだぞ」ニコ

むすたんぐ「グルゥ」
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 23:13:33.09 ID:mobf8.c0
蛇かっけえええええええ
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 23:15:50.92 ID:7efMEIAO
トゥルルトゥルルッ

ピリィン

りっちゃん『さわちゃん、聞いてた?』

さわ子『ええ』

りっちゃん『そういうことだから。私は私がしたいようにする。澪達も助けてこの騒動も止める』

さわ子『……駄目よ』

りっちゃん『なんでッ!?』

さわ子『考えてみてりっちゃん。どの道政府に重罪人として処刑されるわ。そんな道を彼女達に選ばせたいの?』

りっちゃん『……。なんとかする』

さわ子『自惚れないで。あなたはただのFOXDIEDの隊員に過ぎないのよ? 代わりなんていくらでも…』

りっちゃん『なら出せばいいだろ! 私はやめない。決めたから、もう』

さわ子『子供ね。自分の思ってることが全て正しいなんて考えるのは』

りっちゃん『あ〜あ〜子供で結構!』
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 23:18:38.02 ID:3XOYFL6o
蛇「君のおでこに惹かれたんだ」
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 23:20:41.97 ID:7efMEIAO
りっちゃん『ここでみんなを殺して国に忠義を果たすより…みんなと全部取り戻す道を進んだ方が100倍気持ちいいっ! これは私の物語だから……!』

さわ子『……好きにしなさい。どうせこっちは他の兵は出せないわ。恐らくあなただから許されたのだろうからね。他の兵が入り込んだ瞬間核を撃ち込むなんてことしかねないわ今の彼女達なら』

りっちゃん『止めるよ、ちゃんと』

さわ子『ミッション内容に変更はないわ。頑張りなさい、りっちゃん』

りっちゃん『ありがと、さわちゃん』

ピピュン
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 23:23:35.38 ID:mobf8.c0
今あるMGS関連のSSってどこだろ
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 23:25:37.12 ID:7efMEIAO
トゥルルトゥルルッ

りっちゃん『憂ちゃんも聞いてた?』

憂『はい……』

りっちゃん『憂ちゃん? もしかして泣いてるの?』

憂『うッ……わたし……嬉しくて……』

りっちゃん『憂ちゃん……』

憂『律お姉ちゃんが梓ちゃんを殺しちゃったら……私、きっと心じゃ憎んでました。だから……嬉しくて……どうにもならないって……思ってたのに……よかったぁッ……』

りっちゃん『うん……。唯も、むぎも、澪も……きっとわかってくれるよ。梓みたいに』

憂『はいッ……!』

りっちゃん『じゃあ、行ってくるね』

憂『行ってらっしゃい、律お姉ちゃんっ』

ピピュン
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 23:31:11.86 ID:7efMEIAO
りっちゃん「さて、行こう」

さっきのおっさんのおかげだな、ほんと。
次会うことがあったらお礼しとかないと。

ラボの入り口に立つ。

りっちゃん「いよいよか……この中にむぎや唯、そして澪も……」

りっちゃん「よしっ、いざっ!」

プップー

りっちゃん「えっ…」

りっちゃん「……、いざっ!」

プップー

りっちゃん「……開かないよぉぉぉぉ」

─────────
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/25(金) 23:37:48.35 ID:7efMEIAO
─────────

トゥルルトゥルル

『なんだ?』

『余計な接触は避けてくれよ? こっちも一応隠密行動なんだからな』

『すまない。だが昔の俺を見てるようでな。口を出さずにはいられなかった』

『ボス、あんたはほんと人が良すぎるんじゃないか?』

『そうかもしれないな』

『しかしFOXDIEDの隊員がまさか女の子だとはな。びっくりしたよ。後寝ている女の子も可愛かったな! そこじゃなければフルトン回収をお願いしているところだ!』

『カズ……』

『わかってるわかってる。冗談だよボス。じゃあ引き続きメタルギアの探索を頼むよ』

『ああ。どうやらこの無人島には俺達の他にも何人か潜り込んでるみたいだ。急がないとな』

『了解』

『しかしあの迷彩色(めいさいしょく)のカチューシャ……いいセンスだ』

─────────
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 23:41:04.41 ID:7efMEIAO
さて今日はここら辺で終わりにしとこうか
だいぶ思いつきで書いてるから伏線とか誰だすかとか迷うなwww

矛盾が出ないように頑張りたい

人が増えて来て嬉しいぜ!
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 23:47:52.74 ID:N0pqERs0
あれ?BIGBOSSなのか?
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 23:49:40.59 ID:7efMEIAO
>>130
そこら辺は後でわかりますかね

かなり時間軸に問題ありますがパラレルワールドなのでそこの辺りは流し目にwww
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 23:50:04.54 ID:mobf8.c0
ネイキッドか
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/25(金) 23:52:33.76 ID:vcvoBYI0
ジャック……
ジャックゥ……
ジャァックゥ……
ジャアッックゥゥゥ……
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/26(土) 00:22:36.58 ID:IMJlMvY0
>>133
大統領なにやってんの
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/26(土) 00:36:37.20 ID:Ac2dv/E0
節子、それ大統領ちゃう、AIや
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/26(土) 00:56:00.54 ID:M5tNiBA0
MGS1って面白いかね?
PWしかやってないんだが
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/26(土) 00:58:05.24 ID:Ac2dv/E0
>>136
最高傑作
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/26(土) 00:59:34.05 ID:M5tNiBA0
>>137
おk
PSPStoreで買ってくる
操作しにくいとかないよな?
PSPしかないんだ
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/26(土) 01:17:39.22 ID:Ac2dv/E0
PWとごっちゃにならんようにな
十字キーで移動だから
あとアナログパッド上でL2+R2に設定しとくのがオヌヌメ
コレ以上はスレチなんで自重
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/26(土) 01:22:24.56 ID:6NiLIUAO
スレチ……じゃっなーいっ!

もっとそういう話バンバンしてくれていいんですがね
メタルギアの面白さを広めよう的な意味でも書いてるわけですし
後はMGSの何はしてるけど何はしてないみたいな人もいるだろうからこれを気にやってみたりしてほしいなと

なので上の流れは自分的には最高だっ!

自分はOPSだけやってないけどボスが強いらしいんで近々やりたいなと思ってます。
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/26(土) 01:25:23.86 ID:6NiLIUAO
前半で終わりにするとあんまり長くはならないけどその後も書くとかなり長くなりそうです。
前半終わりで終わった方が綺麗に終われそうだけど迷いますね

また明日も似たような時間帯に来るんで一つよろしくお願いします
おやすみなさい
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/26(土) 08:43:40.96 ID:Ac2dv/E0
>>140
ボスは強いが種類が少ない
あと後半はスネークが役立たずだから注意な
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/27(日) 00:58:07.42 ID:PKa/QgAO
MGS全くわからないけど面白いから支援してるわ
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/27(日) 12:21:16.37 ID:.TWtZ1Eo
昨日妹とタンカー編やってた俺も支援するぜ

りっちゃんってバンダナ似合いそうだけどやっぱりカチューシャなのか
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/27(日) 21:36:58.95 ID:E1IIu2AO
色々とサッカー見てたり出掛けたりしてて中々これなくてすみません

>>142
スネークが役立たずとはwwww
益々やってみたいですね

>>144
バンダナにするか迷いましたがやっぱりりっちゃんはカチューシャかなと
終わったらバンダナ巻いたりっちゃんでも書きますかね
え? いや絵はクソ下手くそですけどねwww
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/27(日) 21:47:17.49 ID:5SRpm8U0
PWは人と戦いたかった
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/27(日) 21:57:02.66 ID:E1IIu2AO
>>143の人みたいに片方知ってて片方知らないって人もいっぱいいそうなのでここで補足キャラ説明しときます。

軽音側
田井中律 今作の主人公。桜ヶ丘高校軽音部の部長。普段はふざけているがみんなのことと部のことを誰よりも気にしている。ドラムス担当

平沢唯 けいおん!の主人公。天然でマイペースだが一つのことに対する集中力は目を見張る。ギターのギー太をとても大切にしている

秋山澪 恥ずかしがり屋で怖がり。律とは幼馴染みでいいツッコミ役でもある。律のことが大好き。ベース担当。

琴吹紬 おっとりぽわぽわ。眉毛が沢庵に似ている。百合大好き。キーボード担当。

中野梓 唯達の後輩でしっかり者。でも甘いものに釣られて手な付けられることもしばしば。唯のスキンシップ(抱きつき)を嫌がってはいるものの本当は……?ギター担当。

平沢憂(うい) 唯の妹。姉を溺愛しており休みの日にごろごろしている唯を見ているだけで幸せというほどの溺愛ぶり。梓とは同級生

山中さわ子 軽音部の顧問。昔はデスメタラーでロックを愛していた。そんなこともあってか教師になってからはおしとやかに振る舞うよう心がけている模様。
148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/27(日) 21:58:23.03 ID:5SRpm8U0
俺は逆にけいおん全くしらんわ
149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/27(日) 22:08:44.42 ID:E1IIu2AO
メタルギア側

ソリッド・スネーク 元FOXHOUNDで伝説の傭兵。ビッグボス(ネイキッド・スネーク)の遺伝子から産まれた一人。

ネイキッド・スネーク ビッグボスの称号を持つ。ザンジバーランドでソリッド・スネークに倒されるが……?

カズ ビッグボスの相棒。MSF(国境なき軍隊)の中心的存在。女をフルトン回収(敵の身体に気球をつけ浮き上がらせたものをヘリで回収するというシステム)するとよぉぉぉしっ!などと物凄く喜んだりする一面もある。
150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/27(日) 22:11:01.97 ID:E1IIu2AO
メタルギア側全然出してないな
明確には出してないだけだけど……

どんどん書いてまたキャラが増えたら適当に補足キャラ説明することにします

と言ってもあまり書きすぎてもネタバレになるのでちょっとだけしか書きませんけどね!
これを読んでメタルギアプレイしたよ的なことがあれば嬉しいです。
では続き書きます
151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/27(日) 22:15:06.32 ID:E1IIu2AO
>>146
題材があれですからね……仕方ないと言えば仕方ないですね
PWは賛否別れそうですね。やりこみ要素は高いですが

>>148
けいおん側もちょくちょく紹介します
このSSと本編では環境や色々理由があり性格が違いますがそこはギャップと言うことで
詳しくはwikiみた方が早いかもです。
押し売りはどうかと思いますが気になったりしたらアニメ見たり見なかったりしてください
152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 22:15:53.16 ID:E1IIu2AO
「コフー……やはり目標対象と接触し続けることで自我が優先されるか……コフー……」

「コフー……ある程度許しておかなくてはそのもののポテンシャルが発揮されないからな……ヤツは別だが…………コフー……」

「一応伝えておくか……コフー……」

ガガッ

『……ボス、中野梓がやられました……コフー……』

『ほぅ……死んだのか?』

『いえ、眠らされているかと。どうしますか? 殺せと言うなら今すぐにでも……コフー……』

『……いや、生かして置こう。』

『また使えるとは限りませんが……?』

『私は猫が好きなんだ。他意はない』
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 22:16:49.86 ID:E1IIu2AO
『……コフー……』

『それに面白い客が何人か入り込んでいる。退屈はしないだろう』

『あの女には言ったんですか……?』

『言う必要はない。所詮奴らなど囮に過ぎない。メタルギア……が完成次第用済みだ』

『さようで……コフー……』

『FOXDIED、FOXHOUND、MSF、フィランソロピー、ペンタゴン、中国……。世界がこの無人島に興味深々というわけだ。面白くなってきたではないか。彼女達には立派に役目を果たしてもらおう。ふはははは』

『……コフー……』
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 22:19:53.62 ID:E1IIu2AO
───無人島 研究所入り口前───

りっちゃん「IDカードとな? う〜ん……」

ピピィ

りっちゃん「えっ……あっ! やばっ」

律は何かに気付いたのか急いで茂みの中に隠れた。

ガガー

分厚い扉から人が何人か出て来る。

SONG兵A「見張りのライオンがやられたせいで俺達が見張りとはな」

SONG兵B「ああ。全くやってらんねーよ」

SONG兵C「しかしあの女の子達可愛いよな〜。俺ここ入って良かったかも」

SONG兵B「やめとけやめとけ。ありゃどう考えても普通の女じゃないって」

SONG兵A「ライオンと遊んでるぐらいだからな」

SONG兵C「ばっかそこがいいんだろ? 俺もライオンみたいに……」

SONG兵A「病人がいるぞ」
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 22:20:52.73 ID:E1IIu2AO
SONG兵A「じゃあ唯は俺の嫁な」

SONG兵C「俺は当然あずにゃんだ!!!」

SONG兵B「むぎゅうに決まってんだろ……」

三人はそんなことをぼやきながら入り口周りを巡回し始めた。

りっちゃん「(あの三人の誰かがIDカードを持ってんのか……?)」

茂みに隠れながらその様子を見ていると

ピリリッピリリッ

りっちゃん「CALL……誰からだこれ?」

登録外からのCALLに眉をひそめる律。

りっちゃん『もしも〜し』

『その扉はIDカード、声紋、指紋の三つで開くようになっているわ』

りっちゃん『あの〜…どちら様でしょうか?』
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 22:21:27.31 ID:E1IIu2AO
『あなたのファン……とでも言っておくわ』

りっちゃん『……(怪しすぎる)』

『メタルギアが最終段階に入ったわ。急ぎなさい……間に合わなくなる前に』

りっちゃん『待って! あなたさっきの忍者の人でしょ?! 』

『……』

りっちゃん『なんで色々教えてくれたりするの……?』

『……私は変わってしまったから。だから私にはもうどうすることも出来ない。彼女達を救えるのはあなただけよ、律』

りっちゃん『えっ』

ピピュン
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 22:24:37.36 ID:E1IIu2AO
りっちゃん「まさか……」

思案することはいくつもあるが考えている暇はない。新型メタルギアが完成し、世界が条件を呑まなければ核が発射される。

りっちゃん「(今の澪ならやりかねない、急がないと)」

開ける為には
IDカード
声紋
指紋
がいる。IDカード、指紋は問題はない。
眠らせてしまえば容易に入手出来る。
だが声紋は眠らしてしまえば入手出来なくなる。

りっちゃん「(あそこから出てきた梓なら……いや)」

りっちゃん「あんなグッスリ眠ってるのを邪魔出来ないよな。むすたんぐにも怒られそうだし」ハハッ

後輩にこれ以上頼ってはいられない
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 22:34:15.34 ID:E1IIu2AO
りっちゃん「(一人は眠らさずホールドアップさせる……)」

そう決めると観察を開始。

装備はさっき見た兵とほとんど同じ。唯一違うのは接近戦用にスタンロッドがあることだ。

りっちゃん「(厄介だけど……上手く眠らせば……)」

入り口をウロウロするのが一人、ラボから少し離れ、森へ入る手前に二人。

森付近にいる兵はお互いに死角を消し合う様に立っている為一人を眠らしてしまうとすぐに気づかれてしまう。
それに二人を眠らせてしまうとラボを背にしている兵をホールドアップしなければならない。
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 22:34:55.60 ID:E1IIu2AO
りっちゃん「(入り口の兵は眠らす……森付近にいる兵の一人をホールドアップ……これで行こう!)」

そう決めると早速Mkを取り出し茂みから入り口の兵を狙う。

りっちゃん「ていっ」

SONG兵「ふあ〜」

りっちゃん「あっ」

SONG兵「ふぐわっ」

SONG兵「何か刺さったあああああああ」

りっちゃん「あっちゃぁ〜……」

首筋を狙ったつもりが兵の突飛な行動(伸び)のせいで麻酔弾が腕に当たったのだ。

りっちゃん「これはまずい……」

SONG兵「……」キョロキョロ

SONG兵「まあいいやー」

りっちゃん「バカで良かったぁッ!」
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/27(日) 22:36:09.38 ID:E1IIu2AO
書き損ねた
上のはSONG兵Cね
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 22:47:50.16 ID:E1IIu2AO
SONG兵C「なんか……眠たく……」バタッ

りっちゃん「よしっ」

兵に麻酔が回ったのを見て森付近の兵へ近づく。ラボから森の入り口の距離は30mほどあり、更にその間にも数本の木がある為に視界は開けていない。

木に隠れながら近づく律。

兵の見張りも完璧ではない。気になることがあれば当然そこを確認する為に近づいたりすることもあるだろう。
兵と兵が離れて行く。遠合わせに背中と背中が向き合っている時、

りっちゃん「(今だッ……)」

ゴッゴッ

SONG兵A「ん?」

律が木を少し叩き音を出す。兵からは死角で律の姿は見えないが音は聴こえたはずだ。

りっちゃん「(さぁこいよ……)」

ツゥ……と汗が流れるのがわかる。それを拭うことも忘れて律は背中で兵の気配を感じることに集中する。
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 22:59:34.58 ID:E1IIu2AO
SONG兵A「音がした……?」

りっちゃん「……」

兵がゆっくりと確認しに来る。
りっちゃんは木をゆっくりと兵士とは逆側に回る様に移動する。




↓〇↑


SONG兵A「なんだなんもな(ry」

りっちゃん「動くな」

SONG兵A「ひっ…」

手をしゅばっと上げる兵士。

りっちゃん「振り向けば撃つ、動いても撃つ、いいな?」

SONG兵A「あ…? その声女か? チッ、なめられたもんだな俺も」

りっちゃん「なに?」

SONG兵A「女が撃てるのか人をよォ? 今なら許してやるよ。だから銃を(ry」

その瞬間律は思い切り兵士の膝を後ろから蹴り込み膝をつかせる。
更にそのまま頭を掴み倒し地に伏せさせると兵の後頭部に直接銃を突き付けた。
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 23:04:55.95 ID:E1IIu2AO
SONG兵B「あれ? あいついない。しょんべんか? ったく……」




りっちゃん「女だと思って撃たない? ハハッ、面白いこと言うなぁ〜……」

ギリギリ……

SONG兵A「ひっ」

引き金を絞る時の嫌な束調音が後頭部越しに伝わる。

りっちゃん「動いちゃったし、殺しちゃおうかな」

ここでようやく本気だと受け取ったのか

SONG兵A「お助けーッ!」

命乞いを開始した。

りっちゃん「(チョロいチョロい♪)」
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 23:12:34.42 ID:E1IIu2AO
バックパックから縄を取り出し腕を拘束する

りっちゃん「声をあげても殺すから。おとなしく従ってくれたら殺さない。それどころかお礼してあげるよん♪」

SONG兵A「お、お礼……」ゴクリ

SONG兵A「あのっ、俺囮やりますよ! あっちにいる兵も邪魔でしょ!?」

りっちゃん「えっ……ああ、うん、まあ……」

SONG兵A「俺が捕まってるとこ見たら速攻飛んで来ますよ無防備で!!!」

りっちゃん「でもー……」

SONG兵A「任せといてくださいよ!!! 絶対裏切ったりしませんから!!!」

りっちゃん「う〜ん……(腕は拘束してるし途中で叫ばれてもなんとかなるか……)わかった。」

SONG兵A「ありがたき幸せ!(ご褒美ご褒美うへへへ。悪く思うなよB!!!)」
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 23:18:36.93 ID:E1IIu2AO
SONG兵B「いくらなんでも遅いな……見に行くか」

兵士Aが受け持っている見張りルートを行くと……

SONG兵A「お助けーッ!」

SONG兵B「A!!! どうした!?? 敵か!!!」

縛られている兵士Aを見て慌てて駆け寄る兵士B。

SONG兵A「気をつけろ……敵は……」

SONG兵B「敵は?!」

SONG兵A「可愛い」

SONG兵B「はっ? あう……」バタンッ

りっちゃん「大丈夫、眠ってもらっただけだから。それにしてもいい演技だったよ。」

SONG兵A「そりゃどーも。元々ミュージカルなんてしてたからそのせいかもな」

りっちゃん「……ふ〜ん…そっか……」
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 23:31:09.70 ID:E1IIu2AO
兵士Aを立たせラボの入り口へ向かう。


りっちゃん「あのさ、変なこと聞くんだけどなんであんたはこんなとこでこんなことやってんの?」

SONG兵A「あ? ん〜……他にやることがなくなったから……かな。俺には音楽しかなかったわけだし。その音楽がなくなったなんて言われたんだ、やることなくなるさ」

りっちゃん「それでこんな場所で取り返す活動を?」

SONG兵A「まあな」

りっちゃん「やっぱり取り返したい……から?」

SONG兵A「いや……それもあるけどさ。あんな女の子が世界を敵にしてまで取り返そうとしてんの見てさ、俺も手伝いたくなったんだ」

りっちゃん「……」

SONG兵A「自分の全てだった音楽がなくなっても俺はあんな大それたことは絶対出来ない。けど彼女はやろうとした、無理だと承知でもな。その為に自分の命が使えるならいいかなってさ」

りっちゃん「例えそれが間違ったことだとしても?」

SONG兵A「間違った間違ってないは自分で決めりゃあいい。俺達は世界で生きてるわけじゃない、俺達が生きているから世界があるんだって俺は思ってる」

りっちゃん「……傲慢なやつ」
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 23:50:44.61 ID:E1IIu2AO
りっちゃん「(ここにいる一人一人が色々な理由を持って立ってるんだな……澪、お前はそれを知っててやってるのか?)」

今は別々の道を選んだ澪に問いかける。

いつも側にいた澪に

今はいない澪に……。
気が付くと入り口の前に立っていた。

りっちゃん「さて、開けてもらおっか」

SONG兵A「ああ。手、ほどいてくれないか? 大丈夫裏切ったりしないさ。所詮雇われなんだ命は惜しい」

りっちゃん「……わかった」

シュル……

SONG兵A「あ〜痛かった」

手をブラブラと何回か振るとポケットからIDカードを出す。
それを差し込み次に指紋、そして声紋、「あーあー」と簡単な声を出すとゆっくり扉が開く。

SONG兵C「」ピクッ
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/27(日) 23:59:41.43 ID:E1IIu2AO
りっちゃん「敵にこんなこと言うのもなんだけど、ありがと」

SONG兵A「あんたも色々大変何だろうけど頑張れよ。さて、ご褒美ご褒美!」

りっちゃん「そうだったそうだった! ご褒美はこれだっ!」

カチャッ

SONG兵A「鉛玉ktkrwww」

りっちゃん「いい夢を」

そう言って引き金を引く────

りっちゃん「きゃっああああ」

SONG兵A「!?」

律が急に叫び声をあげ震えながら崩れ落ちる。

SONG兵C「ちっ……気付かないわけ……ねぇだろう……が」

眠そうな目を無理矢理開き律を見下ろす。

あの時確かに麻酔弾を撃ち込まれた。しかしそれを見て兵士Cは囮にしようと考えたのだ。
眠くなって倒れるフリをして素早く麻酔針を抜き出し寝たフリを開始。
律達が来るのを息を潜めて待っていた。
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 00:19:05.50 ID:y8dR1ok0
なんという策士
170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 00:20:07.83 ID:DQN2aYAO
しかし抜く前に身体に入った分があるのか面ごちは重い。

SONG兵C「なにやってんだ……? 早く殺せよ」

SONG兵A「えっ、あ……あぁ」

SONG兵C「俺は身体がもう持ちそうにない……しばらく眠らせて……」ドサッ

SONG兵C「....zZZ」

りっちゃん「……」

律は気を失ってるのか動かない。

SONG兵A「やれやれ……」

SONG兵Aは律を担ぐとラボの中に入っていく。

SONG兵A「こちら巡回兵。HQ、侵入者を捕らえた。今から牢にブチ込みに行く、オーバー」

『良くやった!!! 澪様にも報告しておく。貴様名前は?』

SONG兵A「ジョニー、ジョニー佐々木だ」

─────────
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/28(月) 00:22:17.96 ID:oA6mDFk0
ジョニーキタwww
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 00:30:33.14 ID:oA6mDFk0
リアルで見れて嬉しいが人少ないな……
>>1も含めてサッカー観てんのかな
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 00:36:43.14 ID:6sXj.NI0
明日早いのに何やってんだろ俺
F5連打が止まらない
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 00:37:21.17 ID:oA6mDFk0
>>173
おれもだ
明日テストが有るんだよ
175 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 00:39:10.07 ID:6sXj.NI0
>>174
早く寝たがいいぞ
俺見たく留年すんなよ
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 00:39:42.64 ID:oA6mDFk0
>>175
ありがとう
勉強と並行してみてる
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 00:42:41.93 ID:DQN2aYAO
─────────

───無人島 研究所入り口前───

その一部始終を見ていたものがいた。
森の中にアンデザインな段ボールを被り取っ手である隙間から覗いている。

トゥルルトゥルル

『さっき見た女兵が連れ去られた』

『助けないのかい?』

『ここに来た時点で覚悟は出来ているだろう。おかげで扉は開いた』

『スネーク……君は』

『オタコン、俺達はメタルギアを破壊しに来たんだ。他のことは二の次だ』

『わかってるよスネーク。ステルス迷彩の具合はどうだい?』

『上々だ。ただ慣れすぎて普段のミッションに支障が出たら困る。便利過ぎるのも考えものだな』

『バッテリーがあるから使いすぎないように気をつけてくれよ。じゃあよろしく頼む』

『了解』

ピピュン

段ボールを脱ぎ捨て日光を浴びる。
全身グレーの強化スーツ、スニーキングスーツに身を包み、額には灰色のバンダナ
煙草をくわえながら立ち上がる。

スネーク「こちらスネーク、これよりメタルギア破壊活動に移る」

─────────
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 00:43:30.64 ID:DQN2aYAO
ドイツ強すぎる……

見ながらだから書くの遅すぎワロタ
179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 00:43:42.93 ID:oA6mDFk0
スネエエエエエエク!!!!
180 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 00:44:38.77 ID:oA6mDFk0
>>178
IDがDQN……
迷ったのなら「観る」のをやめなさい……
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 00:46:19.17 ID:DQN2aYAO
IDクソワロタwwwwwwwwwwww

メタルギアもけいおんもサッカーも好きすぎて困る

眠たくなるまで書きます
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 00:46:54.51 ID:6sXj.NI0
サッカーどっちが勝ってんだろ
日本が勝てばそれでいいのだが
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 00:59:39.00 ID:DQN2aYAO
─────────

小学校4年の時だった。澪の作文が入賞し、全校生徒の前で読むことになった。

澪「やりたくないよぉ……やだよぉ……」

律「みおちゃんなんでやりたくないのぉ? 入賞なんてすごいことなんだよぉ?」

澪「だったらりっちゃんが賞もらったらよかったのにっ」

律「〜?」

澪「ぁ、ごめん……でも読みたくないよぅ……恥ずかしいよぅ……」

そう本気で泣き出す澪を見て、私は思った。
ああ、この子は本当に嫌がってるんだなと。自分なら喜んで大声を出しながら読むだろう。でもこの子は……

律「わかったぁ! じゃあ今からウチいこっ」ニヘッ

澪「えっ……でもぉ……」

律「いいからぁ〜」ニコニコ

澪の手を引き走る。
人はこんなにも違っている。幼いながらに感じ取っていた。
でも、だからこそ私は澪を大好きになったのだ。

──────────
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 01:00:21.41 ID:DQN2aYAO
>>182
4-1でドイツでした
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 01:04:27.02 ID:6sXj.NI0
>>184
ウゾダドンドコドーン!
186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 01:09:25.21 ID:DQN2aYAO
りっちゃん「ん……」

身体が冷たい、ひんやりする....。
身体の感覚が薄い、それに頭が靄がかかったようにボヤけている。

りっちゃん「ここ……どこ?」

目の前にあるの銀色の鉄の柵。
部屋を見回しても簡単なベッドやトイレがつけられているだけ。

りっちゃん「独房……か」

体を触るとバックパックや装備がなくなっている。
しかし衣服に乱れはないことに、ふぅと心を撫で下ろす。
兵士になっても気にしてしまうのは弱さだろうか。

りっちゃん「私……そうか、後ろからスタンロッドで……」

それで気絶してる内にここに入れられたんだ。

りっちゃん「〜ん」

辺りをキョロキョロする律。

りっちゃん「澪がいた気がしたんだけど……気のせいか」
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 01:10:02.81 ID:DQN2aYAO
>>185
嘘……じゃなあああいッ!
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 01:15:05.96 ID:DQN2aYAO
ピリリッピリリッ!!!

ピリリッピリリッ!!!

りっちゃん「CALLか」

ピピィン

りっちゃん『こちらりっちゃ(ry』

憂『心配したんですよ!!!!! なんで……出てくれないんですか……』

りっちゃん『あ〜……えっと捕まっちゃって……ごめんね』

憂『つかまっ……何か変なことされてませんよねッ!!?』

りっちゃん『うん、大丈夫。ありがと憂ちゃん』

憂『良かった……』

さわ子『全く……あまり心配かけないでよ? 老けが進んじゃうじゃない』

りっちゃん『ごめんって。ちょっと油断してたよ』

さわ子『油断ってあなたねぇ……』

りっちゃん『それより脱出方法を考えようぜっ! 装備なんかは全部押収されたみたい。どうしよっか?』
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 01:23:40.57 ID:DQN2aYAO
さわ子『脱出方法は色々あるわ。誰かに開けてもらったり死んだ振りをしたり身体に仕込んでる鉄切りノコで切るとか……』

りっちゃん『身体にそんなの仕込んでないし無理だよー』

さわ子『誰か開けてくれそうな人は? さっきの忍者とか! シャドーモセスじゃスネークの味方だったらしいわ! つまりあなたはスネークなの! りっちゃん!!』

りっちゃん『好きだよな〜その話さわちゃん』

さわ子『とりあえず死んだ真似からしてみたらどう?』

りっちゃん『なにその軽いノリ!!!』

さわ子『他に方法がないんだから仕方ないじゃない』ブー

りっちゃん『ったくもうっ』

憂『気をつけてねお姉ちゃん』

りっちゃん『まあ頑張ってみるよなんとか』
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 01:39:41.92 ID:DQN2aYAO
りっちゃん「」ぐったり

りっちゃん「」グターリ

「おい、起きろ」

りっちゃん「」クッタリーノ

「微妙に体が上下してんだよ」

りっちゃん「ちっ。なんだよせっかく人が気持ち良く寝てるってーのにさぁ……」

頭をかきながら律が顔を上げるとそこにはさっき自分がホールドアップした兵士がいた。

りっちゃん「あっ! あんた!」

「しっ、声がデカい」

りっちゃん「なんだよ……?」

「もうしばらく経ったらここの見張りが俺一人になる。そしたら俺はトイレに立つ、長い、長〜いやつだ」

りっちゃん「あんた何言って」

「今から腹が痛いといいながらポケットから下剤を取り出す。その時一緒にここの鍵も落としちまう、いいな?」

りっちゃん「あんた……」

ジョニー「ジョニーだ。俺の家系は腹が弱くてな。最も俺は賢いから下剤を飲ん……」グルルル……

ジョニー「がっ……腹がっ……」

りっちゃん「(おおっ! 凄い演技だっ!)」

ジョニー「さっき飲んだのに……なんで……」

ジョニーがポケットから薬を取り出すとクルクル回しながら何かを見ている。

ジョニー「腐ってやがる……」

ジョニーはそのままトイレに直行し、長い、長い旅路へと旅立った。

りっちゃん「演技……だよな?」
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 01:51:55.30 ID:DQN2aYAO
ジョニーが落としていった鍵をありがたく拾い、開ける。
周りを確認しながら外に出る。

りっちゃん「(監視カメラか……)」

監視カメラに映らないようにタイミングを見計らいながら出て、先程ジョニーが入っていったトイレを

コンコンッ

と軽くノックする。

ジョニー「永遠に入ってます」

りっちゃん「なんで……」

ジョニー「あの先は俺のカードじゃ開かないところばっかりだしな。ここからなら大体どこでも繋がってるからこっちの方があんたに都合がいいかなと」

りっちゃん「なんでっ……」

ジョニー「俺はただの一兵士だけどよォ、それでもただの人間だから。自分がしたいようにやったまでさ。さっきまではこんなリスク犯すことはないって思ってたんだがな……」

─────────
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/28(月) 01:54:00.59 ID:oA6mDFk0
ジョニーかっこよすぎだろ……
4の扱いェ……
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 02:01:17.71 ID:DQN2aYAO
数分前───────

澪「…………」

りっちゃん「くぅ………くぅ…」

澪「律……」

ジョニー「そんな物欲しそうに見つめてどうしたんですかい?」

澪「見張りご苦労。志願兵の君達には本当に感謝している」

ビシッと敬礼をしてくる澪に思わずジョニーにも返す。

ジョニー「いえいえ。ここに配属してくれたのは澪さんって聞きましたが……」

澪「呼び捨てで構わないよ。私の方が年下じゃないか」

ジョニー「へい。かたっくるしいのは苦手なんで助かります」

澪「あはは。そうだよ。律を連れてきてくれたって聞いてもし酷いことされてたらどうしようって思っててさ……けどそんなことなくて。あなたなら信用出来ると思って」

ジョニー「へぇ……二人はどう言ったご関係で?」
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 02:12:49.12 ID:DQN2aYAO
澪「幼馴染みだよ。ずっと、ずっと一緒だった」

ジョニー「そりゃなんとも」

澪「律は昔から正義感溢れるやつだったからな。こうなることはわかってたんだ。それでも……」

ジョニー「……殺すんですかい?」

澪「……仲間にならないな、そうすることも……」

さっきと同じ顔なのに、全然別人に映る。

SONG兵「澪様、あの方がお呼びです」

澪「今行くよ。じゃあジョニーさん、律のことよろしく頼みます」

ジョニー「はいよ」

澪「ああそうだ。これ、良かったら」

そう言って下剤を渡す澪。

澪「ここは少し寒いですからお腹、冷やさない様にしてください」ニコッ

ジョニー「こりゃどうも」


立ち去る澪の後ろ姿を見ながら思う。

こんな世の中間違っていると

─────────
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/28(月) 02:14:00.04 ID:oA6mDFk0
下剤って出す方じゃなかったっけ?
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 02:22:31.76 ID:DQN2aYAO
───研究所内部 独房───

りっちゃん「澪……」

ジョニー「今思えばあのアマ盛りやがってぇぇぇ」

ジョニー「(言葉とは裏腹に助け出してくれって言ってるようなもんだろ。)」

ジョニー「いいから早く何処へなりと行けよ」

りっちゃん「ありがとう……ジョニー!!! 私あんたのこと忘れない」

ジョニー「もう二度と出会うことはないだろうが達者でな、えーと律だっけか」

りっちゃん「うんっ!! ほんとにありがとっ!」タッタッタ……

ジョニー「装備取り忘れんなよ〜? 」

ジョニー「はあ……全く世話焼きも大概にしとかないとな。だが……」

間違ったことはしてないよな……。

ジョニー「ぐっ……キタキタキタァッ!」グルギュウウウ




りっちゃん「ありがとう……。」

何回言っても言い切れない。

何気なく立っている一人の兵にも、家族があり思いがあり、産まれてきたこれまでがある。
その事を律は改めて認識させられた。

その想いを抱き、メタルギア破壊へ再び走り出す─────
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/06/28(月) 02:24:04.19 ID:DQN2aYAO
よ〜し今日はここまでで

なんか予定よりだいぶジョニーがでしゃばった間があるけどこういうキャラがいてもいいかなと
MGSのジョニーとは性格とかもだいぶ違うけどそこら辺は勘弁ww

日本頑張れ〜おやすみ
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/28(月) 02:24:51.63 ID:36nLlfUo
199 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/28(月) 02:25:59.14 ID:oA6mDFk0
乙ゥ

早急にストレンジラブを出すんだ!!繰り返す!これは(ry
200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 02:26:40.35 ID:DQN2aYAO
下剤て便秘の薬……
いや、まあジョニーをトイレに向かわすにはうってつけ(ry

お腹のいい薬に脳内変換しといてくださいな

>>195
指摘サンクスwww
後ずっと見てくれてあざす
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 02:28:10.76 ID:6sXj.NI0
乙ンした
日本ガンバレー
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 07:11:53.69 ID:y8dR1ok0
ジョニーの格好良さは異常
203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/06/28(月) 19:35:17.45 ID:oA6mDFk0
エヴィバディセイ!!!
204 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/06/28(月) 22:51:20.71 ID:iNAWZMY0
りっちゃんが拾ったAK-47はどうなったんでしょうか
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/07/02(金) 03:49:55.98 ID:5Dc/JJM0
来ないね
忙しいのかな?
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/07/03(土) 02:51:26.67 ID:AYGCdOk0
スネーク!!!
207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/07/05(月) 22:55:13.90 ID:Cx5D.O20
りっちゃん・・・
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/06(火) 03:34:38.34 ID:Vow9XYAO
すみませんワールドカップの間社長が早く帰りたいがために仕事ためまくってたせいで日本が負けてからずっと残業続きです……。
明日からは多分早く帰れると思うので

お待たせして申し訳ないです
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/06(火) 18:20:55.17 ID:4ZIWocI0
待ってるぜ
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/06(火) 18:31:11.73 ID:7pFF9uQo
仕事頑張れ
しかし社長wwwwww
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/06(火) 20:07:31.98 ID:l3Ae4Swo
社長、社員を巻き込むなんて最低です…
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/06(火) 22:02:59.72 ID:ETOH.PI0
社長仕事しろwwwwwwww

待ってる
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/06(火) 22:54:11.41 ID:cayjnnU0
良かった!
待ってるよー
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/06(火) 23:12:11.55 ID:Vow9XYAO
数時間前

───無人島 上空───

「……」

「時間だ」

「タイムリミットは?」

「明確には言われてないが明日の明朝までだろうな。」

「了解した」

「ステルス機なんてどっからかっぱらって来たんだか。ママに感謝しねぇとな」

「ああ」

白い外装に包まれた男がハッチを開くボタンを押す。

「パラシュート自体は目視されないとバレないだろうが……あんたの熱源で怪しまれる可能性がある、気を付けてくれ」

「この辺りにはオオワシと言う猛禽類が生息していた筈だ。体を縮めれば大きさも同じ程度だろう」
215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/06(火) 23:13:21.17 ID:Vow9XYAO
「そうか。情報じゃ他の勢力も上陸してるって話だ。協力するか否かはあんたに任せるが出来るだけ協力してやった方がいい。障害は少ない方がいいからな」

「ああ」

二歩、三歩と外が剥き出しになっているハッチへ向かう。

白い外装の男は一度だけ振り向くと、

「ローズを頼む」

そうとだけ言い夜の帳(とばり)に身を投げた。

「GoodLuck、雷電」

誰もいない機内で男はそう呟いた。
216 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/06(火) 23:16:51.57 ID:Vow9XYAO
夜が迸る(ほとばし)。凄いスピードで降りて行くのにまるでそれを感じさせない。周りの景色のせいで自分が落ちているのではなく体が浮いていると錯覚しそうになる。

雷電は膝を手で抱えて体を丸めると弾丸の様な速度で地上に向かう。
通常のスカイダイビングなら12500フィートからダイビングした場合、約3000フィート辺りで開傘が安全と言えるダイビングだろう。
だが雷電は10000フィートから降り、残り1500フィートと言うところでも開傘をする様子はない。

そしてついに1000フィートを割り込む。

※1フィートで30.48cm
217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/06(火) 23:19:10.91 ID:Vow9XYAO
それと同時にパラシュートを展開、どう考えても間に合うタイミングではなかったが、

ググッと雷電の体が開いたパラシュートの空気抵抗により浮き上がる。地面までの距離はもう数十m、そのまま減速しながら森に入る前にパラシュートを切り離す。
黒のパラシュートは夜に紛れてどこかへと吹き飛ぶ。雷電は半ば投げ出された様な勢いで地面へと向かって行く、
普通の人間なら骨折ではすまないだろう勢い。

ザザァッ

が、雷電は何事もなかったかのように四つん這いになりながら地面へと着地してみせた。
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/06(火) 23:27:34.35 ID:Vow9XYAO
雷電「……」

ピリリッピリリッ

『上手く着地出来たようだな。短高度用のパラシュートなんざ担いで行くから死なないか心配したぞ』

雷電『さすがの強度だ。あの勢いで落下して開いても糸が切れなかった。切り離してしまったが回収して部屋に飾りたいぐらいだ』

『はは。あんたもジョークを言うんだな。さっきも言ったがそこには他にも複数の勢力がいるって話だ。同じメタルギア破壊を目標としてるなら協力すればやりやすくなるだろう』

雷電『必要ならそうしよう』

『やれやれ……』
219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/06(火) 23:27:40.96 ID:wG0MBNI0
おお、キター!
ついでに雷電もキター!
220 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/06(火) 23:34:36.84 ID:Vow9XYAO
『他の奴らの目的が何にしろそいつが完成してしまえばこの世界はまた冷戦時代に突入だ……それだけは止めてくれ』

雷電『了解した』

『じゃあ俺はこれで行くぜ。目視されるわけにはいかないからメタルギアを何とかするまで回収は出来ない。そのつもりでいてくれ』

雷電『ああ』

ピピュン

雷電「……」

夜風に晒されながら空を仰ぐ雷電。

雷電「記憶があろうとなかろうと俺は結局ここ(戦場)にしか居場所がないんだな…。あんたもそうなのか…スネーク……」
221 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/06(火) 23:43:26.47 ID:Vow9XYAO
───無人島 研究所内部 ───

りっちゃん「迷った……」

思えば研究所内部の見取図なのは入手してなく、あてもなく隠れながらウロウロしている。

りっちゃん「さわちゃんに連絡しようにもここいらはジャミングが強くて繋がらないし……」

しかしのんびり迷っている場合ではないことを思い出す。
曲がり角いくつか曲がると人の気配を察知し、壁際から覗く。

りっちゃん「(迷った時は聞きましょうってな)」

無防備に背中を見せたまま何やらしている兵に物音立てずに忍び寄る。
222 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/06(火) 23:51:50.46 ID:Vow9XYAO
Mkをすっ、と抜くとその兵の背中に銃身をわざと付け、

りっちゃん「動くな」

と、女の子にしては低い声で威圧する。

りっちゃん「(決まった……)」

内心そんなことを思っていた刹那、

「っふん……」

兵がいきなり振り向きMkを握りしめ銃身を明後日の方向へ向ける。

りっちゃん「なっ」

更にその兵は離すまいとしている律のMkを捻る様にして締め上げる。
律の右腕が左に捻られ離さなければ折れる、と云うところまで締め上げられたところで律もようやく反撃に移る。
223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 00:02:16.05 ID:DXlp6QAO
近くの壁を1.2と勢いよく蹴り側転。
律の締め上げられた腕を元に戻す様に一回転し、戻ると同時に降りながら兵の肩目掛けて踵を降り下ろす。

「いい動きだ」ボソッ

りっちゃん「!?」

それを読んでいたかのように兵は内側に入り込み、律の腕を持ったまま背中に抱えるような格好になった。

そのまま勢いよく律の腕を引きながら、左足に重心を乗せ、肩を丸めながら投げ飛ばす。

りっちゃん「(これって)」

そう、日本の格闘技。
柔道の技、

一 本 背 負 い だ

そのまま成す術なく背中から地面に叩きつけられた律は「げほっ、げほっ」と蒸せながら仰向けに倒れこんだ。
224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 00:07:32.86 ID:DXlp6QAO
「動きは悪くない。だが背中に銃身をつけるのは頂けないな。銃身の大きさで大体の種類はわかるからな」

いつの間にか律から奪ったMkを律に向けながら言い放つ。

「壁を蹴って抜けるのは派手だが実用性はない。実戦とVRを勘違いしないことだ」

りっちゃん「ぐっ……」

まさかここの兵にこれ程の強者がいるとは思っていなかった。いや、律自体慢心していたのだ。
ここに来てまともにやり合い、ねじ伏せられた相手はいなかった。
そこに「一般兵などに遅れを取ることはない」とタカをくくっていたのだ。
無意識化に
225 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 00:15:19.60 ID:DXlp6QAO
「さて……ここを案内してもら……ん? お前は……」

律「えっ……あんたは……」


─────────

───無人島 研究所 地下───

紬「……何もおっしゃらないんですね」

「何がですかな?」

紬「……貴方が何を考えてるのかは知りません。でも私の大切な友達達に何かあれば……」

「わかっておりますよ。あなたとあなたのお父様には大量の援助を頂きました。それを仇で返す程我々も白状者じゃありませんよ」フフ

紬「……(汚い大人)」

「メタルギアの方はどうですかな?」
226 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 00:26:42.90 ID:DXlp6QAO
紬「95%は完成済みです。ただ残りの5%は部品が足りないと技術部から申し出がありましたので取り寄せないと……」

「ふむ、例の装置の設置は済んでるのですかな?」

紬「ええ。あなたのご注文通りに」

「なるほどなるほど。わかりました。」

ニヤニヤとふやけた顔を見せる男に紬が言葉を投げかけた。

紬「あなたの本当の目的は何なの?」

「勿論世界に音楽を取り戻すことですよ」

紬「……本当かしら」

「本当ですよ。我々も音楽を愛しているのですよ、本当に……ね」クックック

紬「……」

ただ怪しげな表情を浮かべる男を信じるしかない自分に嫌気を感じながらも最終調整を続ける。どの道このメタルギアが音楽を取り戻すキーになるのは間違いないのだ。
利害など知ったことじゃない。

紬「(私はただあの頃を取り戻したいだけ……何としても!)」
227 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 00:32:20.52 ID:DXlp6QAO
─────────

───無人島 研究所 中央作戦室───

唯「……」

ガタッ

澪「唯、行くのか?」

相棒のギー太を手に携え作戦室の出口に向かう唯を見て澪が視線も向けずに呟いた。

唯「あずにゃんも帰ってこないし……むぎちゃんはあの兵器にかかりっきりだしさ」

澪「そうか」

唯「……澪ちゃん」

澪「何だ?」

唯「迷わないでね。あずにゃんはりっちゃんに殺されたんだから」

澪「っ……」

静かに苦虫を噛み潰す表情を見せる澪。そんな澪の反応に満足したのか唯はゆっくりと部屋を後にした。

唯「殺さないと……殺さないと……敵だから……あいつは敵だから……殺さないと……」ブツブツ
228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 00:39:33.24 ID:DXlp6QAO
─────────

───無人島 研究所 地下 ロフトエレベーター前───

りっちゃん「何が写真家だよ! よく考えたらこんなテロリストが占拠してる無人島に写真撮りに来る写真家がいるわけないだろっ!」

「信じる信じないは君の勝手だが…」

りっちゃん「あんな身のこなしの写真家いーまーせーんーだっ!」

「やれやれ……」

りっちゃん「で? あんたの目的はさっき言ってたメタルギアの証拠写真を撮ること、だよな?」

「ああ」

りっちゃん「しかしまた何でこんなとこに一人で来て写真なんか……」
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/07(水) 00:45:15.16 ID:4C0bD920
時間軸がバラバラなのは仕様ですか
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 00:51:33.49 ID:DXlp6QAO
「あー……それはだな」

りっちゃん「しかも敵の兵に扮して……ねぇ?」

「色々と事情があってだな」

りっちゃん「まあいいや。私は政府直属の対テロリスト特別部隊、通称FOXDIEDの隊員の田井中律。コードネームはりっちゃん。ここにはメタルギア破壊の任を受けている」

「……こんな女の子まで戦場に出ることになるとはな。皮肉なもんだ……」

りっちゃん「まあそれに関してはこっちも色々あるんだよ。そう言えばあんた名前は?」

「しゃべり方がころころ変わる奴だな。まあいい。俺はスネ(ry」

りっちゃん「スネ?」
ジョン「いや、ジョン、ジョン・ドゥだ」
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 00:55:32.65 ID:DXlp6QAO
>>229
けいおんの世界軸なのでちょっと無理矢理にしてます。
全部合わせると4のネタに合わせたとしてソリッドもネイキッドも老人で更に他のメンバーも出せないかなと思ったので

起きたことは大体変わってないので時間だけ少しズレると思っていただければ……

まあクロスなんで多少はご勘弁をwwww
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 01:02:51.22 ID:DXlp6QAO
りっちゃん「ジョンか、いい名前」

ジョン「そうか? ありふれたどこにでもある名前だろう?」

りっちゃん「社交事例だよ」ニヘヘ

ジョン「……」

りっちゃん「あ、怒った?」

ジョン「いや、自分達が作って来た道が正しいと思っていた。いたが……そうじゃなかったと。お前さんを見て思ったよ」

りっちゃん「ジョンだけが悪いわけじゃないよ。人がいっぱい生きてるんだからさ。その中でそれぞれ考えることも優先順位も違う。その摩擦をどう埋めてくか……それは一人一人が認識しなきゃならないんだ」
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 01:11:58.25 ID:DXlp6QAO
ジョン「顔の割に哲学的なことを言うな」

りっちゃん「顔の割にってなんだよぅ!」

ジョン「悪い意味で言ってるんじゃないぞ? 良い意味でだ」

りっちゃん「良い意味ってつけたら言い訳じゃないぞっ!」

ジョン「駄目か」

りっちゃん「駄目だ!」

律は不思議に思っていた。何でだろうか。さっきあったばかりなのにこうも打ち解けられるなんて。
自分は人懐こいところはあるもののこんな戦場までそれを持ち込んだつもりはない。
現にむぎの執事には容赦なく麻酔弾を撃ち込んでいるではないか。
何だろうこの感じ……凄く懐かしい。
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 01:22:28.01 ID:DXlp6QAO
ジョン「さて、お互い自己紹介も済んだんだ。そろそろお互いの仕事に戻るとしようじゃないか」

りっちゃん「あれ? このままメタルギアの格納庫へ行くんじゃないの?」

ジョン「その前にいくつかやっとくことがあってな」

りっちゃん「そっか……」

ジョン「なぁに残念がることはない。お前さんが破壊する前には駆けつけるさ。……じゃあな」

りっちゃん「ジョン!」

ジョン「なんだー?」

呼び止められても立ち止まらず背中越しのまま答える。

りっちゃん「さっきは本当にありがとう」

ジョン「……ああ」

手を振る律に軽く手を上げ答えながら曲がり角へ消えていく。

りっちゃん「さて……行こうか」

メタルギアはこの下の格納庫、とうとう目先まで迫っていた。
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 01:29:08.85 ID:DXlp6QAO
グゥゥゥン────

低い唸りを上げながらエレベーターは下降していく。
律はMkなどに弾薬を補充しつつ降りきるのを待つ。

りっちゃん「あれ? そう言えばAKがないや。いつからだっけ……」

振り返る内に思い出す。

りっちゃん「あ〜…エルードした時かな…」

隠れることに必死で忘れてたや。

どの道メタルギアを破壊出来るような武器ではない。

りっちゃん「どっかでC4を手に入れないとな……」

確かにC4なんて持ってウロウロはしたくないがなかったらどうやってメタルギアを破壊すればいいんだよとFOXDIEDのシステムにケチをつけてる内にエレベーターが止まった。
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 01:36:18.17 ID:DXlp6QAO
りっちゃん「ジョンの言う通りなら格納庫はこの先か……」

そうして歩み始めた時、

ビュンッ

律の足元に鉄の塊が弾き飛んできた。

りっちゃん「この独特な銃声……唯かっ!?」

周りを見渡すと格納庫へと続く大きな扉の前にギターをぶら下げ、俯いてる唯がいた。

りっちゃん「唯……」

唯「りっちゃん…私達、友達じゃなかったの?」

りっちゃん「……そうだ。友達だ」

唯「あずにゃんは……? あずにゃんは違ったの? 確かにりっちゃんにはなついてなかったけどさ……大切な後輩じゃなかったの??」

りっちゃん「…何を言ってるんだ? 勿論大切な(ry」

唯「ならなんで殺したっ!!!!!!!!」

りっちゃん「」ビクッ

余りの大声に空気が震える。
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 01:48:05.10 ID:DXlp6QAO
りっちゃん「唯、お前は勘違いしてるよ。私は梓を殺してなんか…」

唯「ならこれはなにっ!? この写真…見せられて……私達がどんだけショック受けたかりっちゃんにわかる?!」

唯の手に握られていたのは、

血だらけに引き裂かれ、木に吊るされた梓の姿だった。

りっちゃん「そんな…なんで…嘘だろ…」

唯「自分がやったくせにそうやって惚けるんだ!? そうやって油断させて私も殺すんでしょ!?」

りっちゃん「違うっ! 私じゃない…信じてくれ唯っ!」

唯「……りっちゃんのこと大好きだった。いつも隣にいて……笑っててくれて…」

唯「私は…私はっ…」

溜めた涙を重力に任せ溢す唯。

りっちゃん「なら信じてくれ…唯。私はお前らと戦いに来たんじゃないんだ! 他にも道はきっとあるから! だからそれを探そうって…」

切なそうに胸を抱きながら律が嘆く。

りっちゃん「だからお願い唯……信じてくれ……」

唯「……りっちゃん」

それは唯が初めて見た、律の涙だった。
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 01:54:59.57 ID:DXlp6QAO
こんな悲しそうな顔をする律を見たことない唯は戸惑う。

昔の楽しかった思い出がフラッシュバックし、流れては消えていく。

きっとあずにゃんにもこんな涙を見せたのだろう。

そうだ、今目の前にいるのはりっちゃんなんだ。
私達をいつも大切に思ってくれて。
私達を止める為にたった一人になっても。
世界を敵にした私達だとしても。

「なにやってんだー? 部長は私だぞ? 部長の言うことは聞かなきゃダメなんだぞーっ?」

って、怒りに来てくれたに違いない。

なんで疑ってたんだろう。あんなに大好きだったりっちゃんを。あずにゃんの写真だってきっとあの変な奴が細工したに違いない。
私だっていつまでもバカじゃないんだっ!
自分のしたい、やりたい、意思まで奪われてたまるもんかっ!

そうだ、目の前にいるのは……

グォン、グォン……

唯「っ……」

頭を抱えながら苦しむ唯

りっちゃん「唯!?」
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 02:02:57.79 ID:DXlp6QAO
唯「近づかないでっ!」

シュンッ

りっちゃん「〜ッ!」

歩み寄ろうとする律に発砲。
どの弦を弾くかで、表板のどの穴から弾丸が出てくるかわからない律は完璧に不意をつかれた。

唯「目の前にいるのは……敵。だから殺すの……それがりっちゃんでもっ!」

りっちゃん「唯っ!」

さっきとは明らかに雰囲気が一変した唯を訝しく思うも、このまま立っていては蜂の巣と判断し、何個もあるコンテナの物陰に隠れた。

唯「りっちゃん……死んでっ!!!!」

りっちゃん「クソッ!!」

どうにか出来ないのかと頭の中で巡らすもいい手が思い付かない。

りっちゃん「やるしかないのかっ……」
240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/07(水) 02:04:29.02 ID:DXlp6QAO
眠たいのでここまでで

1000まで行くのはやっぱり無理みたいなのでこの無人島パートだけで終わらせますかね
まあ終わってからの反応次第で決めようと思います。
遅くなってすいません
明日もこれぐらいは書けたらいいなと思ってます。
241 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/07(水) 02:06:12.42 ID:ioRvo3o0
乙!

唯死ぬなよ
242 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/07/07(水) 02:06:42.51 ID:nnb/ePQ0
ち ょ っ と 待 っ て く れ
貴重なメタルギアスレが……
243 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/07(水) 02:16:43.58 ID:DXlp6QAO
>>204
すみません完璧に忘れてましたwww
付け足し感バレバレなんですが書き足しときました
ご忠告ありがとうございました。これからもどんどんお願いします!

>>242
軽音の律が一応主人公なのでだいぶけいおんよりになってますが終盤はスーパーMGSタイムの予定なのでそこまで付き合って頂けたら光栄ですwwww


後社長は本当に死んでいいと思います。

おやすみなさい
244 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/07(水) 18:11:35.39 ID:TbkXmzk0
乙だぜ
クロスに時間軸の整合性を求めるのは無理があるよな
245 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 23:16:41.95 ID:DXlp6QAO
俯いていた顔を上げ、真っ直ぐに、今は隠れて見えない律をコンテナ越しに見据える。

唯「りっちゃん、隠れても無駄だよ」

唯「ギー太にはこう云う使い方もあるんだ」

唯「装填転換」

ギターを縦にクルクル回しながら呟いた。
ギターを支える肩口に掛かっている紐とギターの間に金具が仕込まれており紐をかけたままでも縦回転出来る様になっているようだ。

りっちゃん「(何を……)」

唯「ギー太の音色は、レボリューションだよ!」

ピュンッ
シュンッ
バァンッ

りっちゃん「(どこに撃って……)」

カァンッ

りっちゃん「跳弾っ!?」
246 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 23:24:20.99 ID:DXlp6QAO
コンテナに当たった弾が角度を変え、律のいる場所へ

りっちゃん「うわっ」

慌てて前転しその場を離れる。

唯「りっちゃん。ギー太はね、こうやって右に回すとリロード、左に回すと跳弾したりする弾に装填変換するんだよ」

りっちゃん「唯……(こんな凝った武器一体……。)」

唯「面白いよね。こうやって撃った銃声と弾が弾き遭う音……」

唯「これが私が求めていた音楽……」

りっちゃん「違うっ! こんなもんは音楽でも何でもない! ただ人を殺す残響でしかないっ! 唯! お前のギターはもっと優しかったろ!?」
247 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 23:34:31.46 ID:DXlp6QAO
唯「音楽を否定したりっちゃんが何を言ってもっ……」

ビュンッ
チュインッ
ジュンッ

撃った弾が跳弾し、隠れても隠れても律に襲いかかる。

ズァッ

りっちゃん「いぢッ」

跳弾した弾が肩口をかすめ、少し律の肉を殺(そ)ぐ。

りっちゃん「ここまで正確に跳弾出来るもんなのかよ……しかもあの唯が」

りっちゃん「(いや、唯は一つのことに関しては天才的だ。だがこんなテクを教えられるやつが……。)」

りっちゃん「(今は考えてる場合じゃない! 唯は本気で殺しに来てる…、このままじゃ……一旦眠らせて…それから考えよう)」
248 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/07/07(水) 23:35:08.47 ID:TbkXmzk0
キタコレ
249 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 23:42:47.44 ID:DXlp6QAO
ここに来てようやく律も反撃に出る。
走り回りながら唯に的を絞らせず、コンテナとコンテナの間を通る時に並走しながらMkを二発。

唯「その弾速じゃ当たらないよ……りっちゃん」

唯の履いているホバーブーツにより軽くかわされる。

りっちゃん「出たなインチキドラえ○んアイテムめっ!」

戦いは膠着していた。唯が撃っては律が逃げ、律が撃てば唯はかわす。
それに痺れを切らした唯がアクションを起こす。

唯「りっちゃん、覚悟っ」

律がまた走り込み、発砲してくるであろうポイントに手榴弾を投げ、それを撃ち抜く。
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/07(水) 23:54:51.11 ID:DXlp6QAO
律にとっては誤算だった。手榴弾を見た瞬間なら避けるのは容易かった。
だがそれはピンが抜かれてなく、それを見た時に過去の唯が過った。どこかやはり抜けている、と。
だがそのせいで判断が遅れ、撃ち抜かれた際に逃げ遅れた。

ドフゥン─────

短い爆音の後に爆風が通り過ぎて行く。
煙が上がりコンテナも爆発により大きくへこんでいた。

唯「さよなら、りっちゃん……」

ヒュンッ
ヒュンッ

唯「!?」

煙の向こうから二発の麻酔弾が抜け出してくる。唯はそれに反応出来ないまでもギターを盾にしてなんとかこれを防いだ。
251 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/08(木) 00:00:27.90 ID:cyOtWsAO
りっちゃん「あっちゃ〜、外したか」

煙の向こうからゆっくりとシルエットが浮かび上がる。
左腕をだらんと下げ、長袖だった迷彩服が半袖に変貌している。
腕には血が滲み、痛々しい姿となっていた。

唯「しぶといね、りっちゃん」

りっちゃん「元気だけが取り柄だからな!」ニコ

唯「……」

こんな姿になっても笑う律を訝しげに見つめる唯。

唯「なんで…そんな笑っていられるの?」

りっちゃん「さあ。もう迷ってないからかな。どんな形であれ唯を助けるって思って動いてるから。梓の時みたいに辛くないんだ」
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 00:05:02.23 ID:cyOtWsAO
唯「まだそんなことっ」

りっちゃん「唯が私をどう思ってたって知らないよ。私がそうしたいからそうするんだ」

唯「わがままだね、りっちゃん」

りっちゃん「そーかもね」

唯「でも私は……」

りっちゃん「……」

律は確信していた。唯は普通の状態ではないと。
感情起伏が激しいことと、それに一番はやはりギー太だった。
あんな大切にしていたギターをあんな殺戮兵器に変えることを唯がヨシとするわけがないと。

何が足りなかった。唯を救うピースが。
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 00:12:15.59 ID:cyOtWsAO
上から射す光が、ギターの表板に反射する。
その時だった、律は見た。
自分が撃ち込んだ麻酔弾の針が唯のギターの表板に刺さり込んでいる。
別に特質して目を見張るものはない。だが、それは普通の人が見たらの話だ。

表板の白い部分、そこに刺さり込んだ針により……律はすべてを悟った。

りっちゃん「唯……」

ただこの手で抱き締めたい。

大好きな唯を────

その一心でゆっくり歩み寄る。

唯「りっちゃん、止まって。じゃないと撃つよ?」

りっちゃん「いいよ。唯に撃たれるなら、後悔しない」
254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 00:19:43.48 ID:cyOtWsAO
唯「このっ……」

シュンッ

唯の撃った律にかするもクリーンヒットはない。もう二人の距離は5mもない。

りっちゃん「唯……辛かったろ……? ごめんな、気付けなくて」

唯「うるさいっ! 来るなっ!」

弾く、撃つ。

当たらない。

唯「なんで……」

同じ“ 弾く“、でも銃のそれと楽器のそれは明らかに違った。
一つは奏で、人を喜ばし、幸せにする。
一つは殺し、争い、人を悲しませた。

りっちゃん「唯の手は、楽器を弾く手だ。人を喜ばせる為の手だ」

唯との距離は後1m──────
255 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 00:28:05.03 ID:cyOtWsAO
───────

「ちっ……近づきすぎだ。こちらももっと近づいて洗脳し直さねば……」コフー

ニンジャ「どこへ行くつもりかしら?」

「ぬっ」

気づけばマチェットを突き付けられ、黒づくめの喉が鳴る。

「貴様、シャドー・モセスの……!」

ニンジャ「グレイフォックスじゃないわ。サイコマンティス、いえ、純」

サイコマンティス「まさか……あなたは」

グシャッ

ニンジャ「あなたが愛国者と繋がった経緯は知らないわ。けど彼女の邪魔をするのなら容赦しない……」

──────
256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 00:32:20.23 ID:cyOtWsAO
抱き締めた。
抱き締められた。
ギター越しだがそんなの無視して無理矢理抱きしめる。

りっちゃん「唯……」

唯「りっちゃん……」

唯も憑き物が落ちた様に穏やかになっていた。

りっちゃん「ギー太は……もう、いないんだな」

唯「なんで……?」

そう言うと律は少し離れ、唯の持っているギターの白い部分からペリッと何かを剥ぎ取った。

りっちゃん「へへっ。また剥ぎ取ってやった」

唯「……そっか。いないんだ……ギー太」

そう、このギブソンレスポールはあの時持っていたギー太ではない。
何故なら、もしあの時のギー太ならついているわけがないのだ。
このシールフィルターが。

私が、はずしたのだから。
257 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 00:41:59.42 ID:cyOtWsAO
針が刺さり込みシールフィルターにシワが出来てそれが貼られたままなのがわかったのだ。

りっちゃん「唯。一緒に……他の道を探そう?」

唯「……っうん」

泣きながら、必死に頷く唯。

律はまた優しく唯を抱き締めた。
唯もそれを受け止め、律の肩に涙の跡を残し続ける。

唯「ごめんねぇ……ごめ゛ん゛ねぇ……」

自分が律に刻み込んだ傷を見て更に罪悪感にうちひしがれ、泣いた。

それを頭を撫でることで宥める律。

過ぎた時間の中で、
別々の刻を過ごして来た二人がようやく重なった。
あの頃の様に
258 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 00:53:07.25 ID:cyOtWsAO
──────

りっちゃん「へぇ、上手いもんだな」

唯「私だってこれぐらい出来るもんっ! まあ憂に教えてもらったんだけどね…」

律に包帯を巻きながら唯は悲しげに瞳を伏せる。

唯「りっちゃん……痛くない?」

りっちゃん「物凄く痛いッ!」

唯「はわわっ」

りっちゃん「でもそんなことより唯とわかり合えたことが嬉しい」ニコ

唯「りっちゃん……」

りっちゃん「憂ちゃんも心配してたぞ? あんないい妹に心配かけるなよ」

唯「うん…。」

りっちゃん「唯、お前は自分の意思で澪について行ったんじゃないのか?」
259 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 01:00:00.60 ID:cyOtWsAO
唯「ううん。勿論自分の意思だよ。だけど詳しいこと聞いたら怖くなって……やっぱりやめようって何回も澪ちゃんに言ったけど……」

りっちゃん「澪……」

唯「私達だけじゃ世界を相手にするなんて出来ないから……そんな時ある人達に出会ったの。それから澪ちゃんはもっと変わっちゃってって…私も変わらなきゃ、変わらなきゃって思ってたけど…」

りっちゃん「唯……」

唯「そんな私にあのがこのギターをくれたの。もう一度弾いてくださいって……」

りっちゃん「そいつが……」ギリッ
260 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 01:09:06.46 ID:cyOtWsAO
唯「それから何だか自分がわからなくなって……」

りっちゃん「(シャドー・モセスの資料で似たような症状が載ってたな……まさかこの一連の騒動には……)」

りっちゃん「唯、その男の名前わかるか?」

唯「ええと、確か……」

──────────

「サイコマンティス……純はやられたか。所詮奴もこの縮図の為の一つに過ぎん」

「もう少し……もう少しだ」

リキッド・オセロット「もう少しで世界の音楽を取り戻すことが出来る」

─────────
261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 01:18:25.91 ID:cyOtWsAO
りっちゃん「リキッド・オセロット……」

りっちゃん「(リキッドと言うのはあのシャドー・モセス事件の首謀者……オセロットと言うのも幹部な筈。どう言うことだ……)」

唯「りっちゃん……澪ちゃんと止められるのはりっちゃんしかいないよ! 私じゃ無理だったから……」

りっちゃん「ああ、任せとけ! 唯は外でライオンと寝てる梓と一緒に隠れててくれ。メタルギアを破壊してむぎと澪を説得したらそっちに行くから」

唯「わかった! あ、後これ」

唯がカードの様なものを律に渡す。
262 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 01:24:44.24 ID:cyOtWsAO
唯「これでこの先のLvの高い扉も開くよ!」

りっちゃん「ありがと。じゃあな、唯」

唯「またね、りっちゃん」

トテトテと歩いて行く唯の後ろ姿を見ながらホッと息を吐き出す律。

りっちゃん「〜ッ」

その場に倒れ込むと呻きながら左腕を抑える。

りっちゃん「いったぁッ……」

治療したとはいえ焼ける様に痛む。唯の前では悲しんで欲しくないと平気な振りをしていたのだろう。

りっちゃん「行かないと……まだバカが残ってるからな」

ゆっくり、ゆっくり歩いて行く。

きっとこの先、むぎや澪が待ち構えているだろう。


りっちゃん「澪……」
263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/08(木) 01:37:20.25 ID:cyOtWsAO
───無人島 研究所 地下格納庫 制御室───

澪「これで本当に音楽が戻って来るんですね?」

リキッド・オセロット「勿論ですよ。奴らとて核をチラつかせばやらざるを得ないでしょう」

澪「武力介入でしか取り返せないなんて……」

リキッド・オセロット「そういう時代なのです。私らも心を痛めるばかりで」

リキッド・オセロット「出来れば使いたくありませんでしたがね……」

メタルギアを眺めるリキッド。

リキッド・オセロット「しかしその前に排除しなければならない」

澪「わかってる。それはこっちのことだから。あなたはメタルギアの完成を急がせてほしい。一刻も早く音楽を取り戻す為に」

リキッド・オセロット「ええ勿論」

それを聞くと澪は踵を返す。全身に纏った黒いコートが靡く(なび)。
前に何個もの留め具で止めてあり、襟は口元まで迫っている。
長い澪の黒髪と相まって神秘的な雰囲気さえ醸し出している。

リキッド・オセロット「ふふ、他のものとは再現のレベルが違うな。あの姿、ソリダスさながらじゃないか。ククク……」

そう静かに呟いた。
264 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/08(木) 01:40:16.91 ID:cyOtWsAO
ここまでで
思ったより早く終わりそうですね。
ここからメタルギアパートも増えるのでメタルギア知らない方には少しキツいかもしれません。

ではまた明日
265 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/08(木) 01:43:06.71 ID:cyOtWsAO
後新OP、EDが出ましたねけいおん

EDの澪がこの作品の想像してる澪とマッチしててちょっとドキッとしました。
これから格好いい澪流行りそうで何より

しかしやはりりっちゃんかっけぇ
266 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/07/08(木) 01:55:03.24 ID:CegSoAo0
すまんがけいおんは見てない
でもメタルギアらしさが出てる

乙でしts
267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/08(木) 04:23:12.07 ID:Yxhj7oAO
追いついたー
もしもしからだから1時間以上かかっちゃった

メタルギアは昔ちょっとやったことあるしけいおんも観てるから楽しめた

ハッピーエンドがいいな!
268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/10(土) 09:30:37.69 ID:2ASgkQAO
メタルギア4買ってきた。
サニーちゃんかわいいれす(^q^)
269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/11(日) 15:02:29.85 ID:WiXNTHE0
まだかな
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/12(月) 02:45:47.74 ID:f7vlqYAO
飽きたのかな?
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/15(木) 22:03:29.06 ID:BatLzx20
また社長さんにこき使われているのか
272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 00:35:57.93 ID:wmEuskAO
───無人島 地下格納庫───

オレンジ色の光がだだっ広い空間に降り注いでいた。
天井は果てしなく続くかと思う程高く、恐らく地上と繋がっているんだろうと推測出来た。

りっちゃん「これがメタルギア……」

律から数十m離れた先にその巨大な金属の塊は鎮座していた。
二足歩行型、突き出た頭部に鳥類を思わせる鉄の羽根の様なものがついている。
背中にはスピーカーの様なアンテナの様なものが二つ生えておりかなり違和感を覚える。
資料で見たREXやRAYとも違う。
REXが陸上型、RAYが海上型だとするとこれは飛行型なのだろうか。
273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 00:37:29.86 ID:wmEuskAO
ピリリッピリリッ

見上げたまま呆けていた律にけたたましいCALL音が響いた。
恐らく地上へと出る通路が伸びている為電気信号が届いたのだろう。

りっちゃん『さ〜わちゃん久しぶりっ』

さわ子『ようやく繋がった! りっちゃん、今すぐその無人島から離脱しなさい! 』

りっちゃん『…どうしたの?』

さわ子『政府がそこを爆撃することに決めたのよ! 核を撃たれる前に無人島ごと地図から消し去るつもりなの!!!』

りっちゃん『……まあそう来るよな』

さわ子『……随分冷静ね。驚かないの?』
274 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 00:38:15.22 ID:wmEuskAO
りっちゃん『どうなったってやることは変わらないからね〜…。 で、爆撃の予定時刻は?』

さわ子『アメリカのB-2が今スタンバイ中らしいわ』

りっちゃん『また旧型のステルス機を…。まだちょっと時間はあるか』

さわ子『後FOXDIED解体通告が来たわ。通信が傍受されてたみたいね。ナノマシン通信だからって油断してたわ』

りっちゃん『さわちゃん……迷惑かけてごめん』

さわ子『いいのよ。元々上から色々いちゃもんあった組織だしね。やっぱり民間人ばっかりじゃFOXHOUNDの後釜にはなれない……か』

りっちゃん『……』
275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 00:40:23.77 ID:wmEuskAO
さわ子『私達が選出されたのはテロリスト、つまり澪ちゃん達の近くの人間だからよ。責任と言う代償を払わされる形でね……でもねりっちゃん、あなたはそうじゃない』

りっちゃん『えっ…』

さわ子『私は前に代わりはいくらでもいるって言ったけどね、その代わりの中でもあなたの能力はトップだったのよ』

りっちゃん『そうなの…?』

さわ子『ええ。だから能力的にも問題なく送り出されたの。私達とは違う、本当の意味で選ばれたのよ』

りっちゃん『……』

さわ子『だからねりっちゃん。好きにやってきなさい! もうあなたを縛るものは何もないから!!』
276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 00:42:16.97 ID:wmEuskAO
りっちゃん『さわちゃん……』

さわ子『行ってらっしゃい、田井中さん』

りっちゃん『うん、行ってくる! あ、憂ちゃんいる?』

さわ子『えっ……あら? あの子どこに行ったのかしら。ちょっと見当たらないわ。また見かけたら連絡するわね』

りっちゃん『わかった!』

さわ子『ナノマシン通信はまだしばらく生きてる筈だから何かあったらまた連絡頂戴ね』

りっちゃん『わかった! ありがとうさわちゃん!』

さわ子『Good Luck RITU』パチッ

ピピュン

りっちゃん「去り際にウインクなんて余裕だな〜さわちゃん」

これで世界がどうとか関係なくなった。
私一人の意思で、そうするんだ。
FOXDIEDのみんな、迷惑かけてごめん。
そしてありがとう……
277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 00:43:11.79 ID:wmEuskAO
───FOXDIED 作戦本部室───

さわ子「さてと……、そろそろ来るわよ。注意して。入り口を固めて時間を稼いで! 非戦闘員から非常口から脱出、殿、お願いね」

FOXDIED作業員「はっ! 局長は?」

さわ子「私はみんなが逃げたのを確認してからここを爆破するわ」

FOXDIED作業員「局長ッ!? やめてください! いくら反逆者の組織の局長だからって殺されたりは……!」

さわ子「甘いわ。用済みになった組織の局長を生かす程愛国者達は甘くない……」

FOXDIED作業員「愛国者……?」

さわ子「らりるれろ、よ」
278 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 00:48:32.27 ID:wmEuskAO
さわ子「それよりも憂ちゃんは?」

FOXDIED作業員「い、いえ、見てませんが」

さわ子「早く探して。私の教え子達は誰一人殺させないわ」

FOXDIED作業員B「あれ? さわ子局長、一緒じゃなかったんですか?」

さわ子「どういうこと?」

FOXDIED作業員B「いや〜さっき憂ちゃんが局長と一緒に現地に行くってんでヘリを一機貸したんだけれども」

さわ子「まさかあの子……ッ!」

ババババババ!!!!

FOXDIED作業員「来ました!!!」

さわ子「もうッ! 次から次へと!!!」

手がかかる生徒を持つと大変ね……。
けどりっちゃん、あなたなら大丈夫。
時代、世界、歴史……そんなものあなたには関係ない。
ただ仲間を大切に想う力がきっと新しい世界を切り開く……私はそう信じてるわ。

だから生きて、みんな。
生きて、こんな世界を……
279 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 00:58:54.09 ID:wmEuskAO
───無人島 地下格納庫───

りっちゃん「メタルギアを爆破……しようにもC4がないよぉっ!」

メタルギアの前でじたんだを踏みながら叫ぶ律。

「それは私達の要なんだ、爆破などされては困るよ」

りっちゃん「あんたは……ッ!」

リキッド・オセロット「FOXDIEDのネズミがこんなとこまでよく辿り着いたものだ。自分が行けば核は撃たれないだろう? 人間には核は撃てない、だから先に爆撃? フフフ……だから人間はここまで腐ったのだ!」

りっちゃん「何を……!」

リキッド・オセロット「平和を謳いぬるま湯な世界で腐っていく。今や文化まで捨て平和などと云う不確かなものを追い続けている。実にくだらない」

りっちゃん「あんたがリキッド・オセロットか!」
280 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 01:11:17.43 ID:wmEuskAO
リキッド・オセロット「お前のことはお前の仲間から聞いている。リッチャンとか言う名前だったか? いいセンスだ」

初老の男は日本指を拳銃に見立てて指してくる。

りっちゃん「名前じゃないやいッ! そんなことよりムギは!? 澪は!?」

メタルギアの整備される為の脚橋を見上げ強気に言い放つ律。それを見下ろす様に答えるリキッド・オセロット。

リキッド・オセロット「琴吹嬢には少し眠ってもらった。なぁに手荒な真似はしない、このメタルギアが完成したのは彼女の父親のおかげなのだから」

りっちゃん「あんたが……元凶かッ!!!」

リキッド・オセロット「私はただ彼女達に共感し、音楽を取り戻す手伝いをしたに過ぎん」
281 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 01:24:00.34 ID:wmEuskAO
りっちゃん「屁理屈を……ッ! 梓と唯を操ったのはお前だろ!! そして澪とムギのことも……」

リキッド・オセロット「ククク……何を言い出すかと思えば。確かに中野梓、平沢唯は覚悟が足りなかったから少し細工をしたが……残りの二人は違う。自らの意思でここにいる」

りっちゃん「……例えそうだとしても核を使ってまで…関係ない人達まで巻き込んで、脅かして! そんなやり方を澪達が許す筈がッ!」

リキッド・オセロット「だそうですよ……澪さん」

りっちゃん「……!?」

「えやあああああああ!」

いきなり中空に現れた黒ずくめの影、一振りの日本刀の様なものを振りかざしながら降下してくる。

りっちゃん「くッ…!」

それを真横に前転し、かわす。
鉄が震え上がる音が響き、律が振り返った先には
同じ様に律を見据える澪の黒灰の瞳があった。
282 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 01:34:04.95 ID:wmEuskAO
りっちゃん「澪……っ!」

それ以上の言葉が出なかった。さっきの一撃が余りにも律を殺さんとする殺気を秘めていたからだ。

澪「……」

澪は何も答えず日本刀をぶらんと手に携えたまま律を見ている。

りっちゃん「何でこんなことしてんだよッ! お前は…そんな奴じゃなかったろ!!?」

澪は答えない。

りっちゃん「何とか言えよッ!澪ッ!」

澪「……何で逃げなかった」

りっちゃん「えっ…」

黒いコートの襟に隠れ口元はわからないが確かにそう聞こえた。

澪「ここは私が。あなたはミサイルの処理を」

リキッド・オセロット「わかりました、ボス」

手をひらひら振りながらどこかへ行くリキッド・オセロット。

りっちゃん「逃がすかッ!」

素早くMkを抜き放とうとするが、

澪「お前の相手は私だ、律!」

構えを取り、撃てばその瞬間殺すと言わんばかりに律の前に立ち塞がる澪。
283 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 01:46:07.39 ID:wmEuskAO
りっちゃん「澪……なんでッ!」

澪「なんで? それはこっちの台詞だよ!」

りっちゃん「私はお前を…」

澪「今更ノコノコ現れて説教か?」

りっちゃん「違うッ! こんなやり方で本当に取り戻せると思ってるのかよッ!?」

澪「あの時私の誘いを蹴った律に何がわかる!!!」

りっちゃん「わからないから……ッ! だからこうして止めに来てるんだろ!!!」

澪「……」
りっちゃん「……」

澪「後もう少しなんだ、邪魔はさせない。例えそれが律でも……ッ!」

りっちゃん「本気なのか……?」

澪「……」カチャン

日本刀を握り反す澪。眉を下げ、律を睨み付ける。

澪「律、覚悟」ジリッ

りっちゃん「わからず屋め……」ジリッ
284 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 02:04:14.99 ID:wmEuskAO
ジリッ、ジリッっと距離を測りながら機会を伺う二人。

澪「はあッ!」

まず澪が動いた。
息を一気に吐き出す様に叫び、下手に日本刀を構えながら駆ける。

りっちゃん「わからず屋はお寝んねしてなッ!」

素早く麻酔弾を二発撃ち込む。

りっちゃん「(あれぐらいのコートなら余裕で貫通する筈)」

澪はそれを避けようともせずそのまま突っ込んでくる。
弾が当たり律が心の中で「やった!」と思う前にそれは起こっていた。

カンッカンッ!

りっちゃん「弾いたッ!?」

澪の黒いコートに触れるや否や麻酔弾は弾け飛び四散した。

澪「やああああっ!」

弾など気にも止めず突っ込んで来た澪は上段から日本刀を素早く振り下ろす。

りっちゃん「なんのっ」

それをギリギリスウェーで避け、後ろに倒れながら更に二発撃ち込む。

カンッカンッ

それも虚しく弾かれ、訝しげに澪のコートを見据える律。
285 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 02:15:24.38 ID:wmEuskAO
りっちゃん「(像の足の裏だって刺さり込むのに……よっぽど堅い素材なのか)」

倒れる勢いを利用して片手でバク転して距離を取る律。

澪「ちょこまかと…ッ!」

りっちゃん「それもムギのか?」

澪「……それが?」

りっちゃん「音楽を取り戻そうとして…結局その手で武器を握るんだな」

澪「そうしないと取り戻せない…、律だってわかってるだろッ!」

りっちゃん「本当にそうなのか…?」

澪「……」

りっちゃん「本当に、こうしなきゃ取り戻せないのかな。音楽」

澪「……世界にはSONGBOMBが溢れてる……そのせいで音楽は……」

りっちゃん「なんで……こっちを選んだんだよ?」

澪「何が…」

りっちゃん「惚けるなよ。お前達には…SONGBOMBを何とかするって道をあっただろ!?」

澪「……」
286 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 02:22:16.11 ID:wmEuskAO
少し俯いて、その長い黒髪で目を塞いだ後

澪「…やっぱり律はわかってないよ」

寂しそうにそう告げた。

りっちゃん「わかってなくないっ! こんな辛い道を選ぶ覚悟があるなら……もっと地道で時間をかけて」

澪「それに…意味はあるの?」

りっちゃん「えっ……」

澪「世界中にあるSONGBOMBの数なんて把握しきれないほどだって言われてる。それを私達だけで探して冷却処理、もしくは解体処理して……そんな長い長い時間をかけて……そんなことしてたら音楽を取り戻す前に私達が死んじゃうだろ? なんでわからないんだよ……律」

りっちゃん「だ、だけどっ! こんなことしてまで得た音楽で」

澪「私達はいい、それでも。知らない誰かを犠牲にした上に成り立った音楽でも! 唯、ムギ、梓、私、そして……律、お前達がいたら私はどんな音楽だって幸せだよッ!」

りっちゃん「澪……」

でも、違うだろ。そんな音楽……あの頃の私達は望んでなかった。
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 02:36:42.84 ID:wmEuskAO
りっちゃん「……やっぱり違うよ、澪。澪が言ってるのはただのわがままだよ…」

私だって音楽がしたい。けど、だからって周りを巻き込んで、悲しませて、そんな上に成り立った音楽なんて奏でたところで気持ちよくもない。
澪だってわかっている筈なのに…。

澪「わがままだっていい……私は、私は……あの頃の軽音部を取り戻す。律、お前がどうしても邪魔するなら……」

再び構え直す澪。

りっちゃん「澪…今の私は自分の意思でここに立ってる。FOXDIEDも世界も関係ない、田井中律の意思でお前の前に立ち塞がってるんだ!」

澪「ッ!」

りっちゃん「迷うなよ、澪」

後輩に言われた言葉を投げ掛ける。

澪「……私はっ!」

───バンッ!

澪「!?」
288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/07/17(土) 02:52:32.27 ID:wmEuskAO
りっちゃん「!?」

急な銃声に音の元へ振り向く律、しかしそこには何もない。

バンッ!
バンッ!

澪「くっ」

弾幕に圧され少しづつ交代する澪。

撃っているのは律ではない、元々殺傷力がある武器はPSG-1しかない律ではあり得ない銃声だった。

銃声は軽い、そう、SOCOMの様な。

「下がってろ!!!」

何もない虚空から声が響いた───

りっちゃん「なっ」

次の瞬間───

みるみると人型がその場に現れ、姿を象(かたど)る。

その人型は灰色のバンダナを頭に巻き───

全身をスニーキングスーツで覆っており───

SOCOM、Mk23を手に携え現れた───

りっちゃん「ソリッド……スネーク」

伝説の傭兵がそこに在った。
289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/17(土) 02:54:49.92 ID:wmEuskAO
今日で終わらせようとしたけど眠いのでここまでで

色々ネタとか考えたり忙しかったりでだいぶ遅れましたすみません!
まだ見てくれてる人がいるかわからないけど最後まで書ききりたいと思います。

ではまた明日
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/17(土) 03:05:25.58 ID:Np1o2T20
おつ!

とうとうクライマックスか…
好きなSSが2つもクライマックスとか…
291 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/17(土) 08:05:03.23 ID:23OhhLE0
スネーク!
292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/18(日) 00:16:39.04 ID:Vf9WUZs0
おーおー始まった
293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/07/21(水) 23:52:17.69 ID:yz4I0Lc0
支援
294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/22(木) 12:34:45.11 ID:JK/DWj20
まだかあああああああああああああああああああああ
295 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/07/22(木) 13:10:27.20 ID:veTWxYI0
マダー?
296 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/26(月) 04:03:39.47 ID:GLGK1Rg0
W杯は終ったはずだが…
297 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/26(月) 08:33:08.01 ID:jVXQUHQo
スペインが買ったからorzってんじゃね?
スペインは元々の人の強さってのがパネェからなぁ…

帝王の時代以降CPU相手なら町の人でなんとかなるしな
298 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/28(水) 15:45:59.89 ID:mygTEeU0
待ってるっスよ…
299 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/28(水) 16:29:30.06 ID:n0FJHUo0
まだかな
300 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/07/29(木) 08:55:54.88 ID:0JnDdN20
おーおー
301 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/07/29(木) 23:09:40.61 ID:tZxQza.0
http://specover.com/dose/qb53pui
経験ないって言ったらお姉さんが全部リードしてくれたよ!

言われた通りに舐めたり、ハ.メたりしたら、お小遣いももらっちゃった♪
302 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/03(火) 19:41:06.52 ID:BtZdbVk0
まだかい?
303 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/03(火) 20:27:29.53 ID:elTeLNoo
社長が仕事させてるんじゃね?ww
304 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/03(火) 20:28:19.05 ID:WvOnoLU0
どうしたんだ>>1!!応答しろ!!>>1ィィィ!!
テッテーレテテ テッテッテン!!
305 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/05(木) 20:09:58.22 ID:SHSXneI0
まっだっかっなっ
306 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/07(土) 23:05:15.89 ID:p2KGVyU0
マダー?
307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 02:23:13.32 ID:lcdVjdY0
りっちゃーん!
308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/10(火) 02:54:40.91 ID:SI0H2jI0
まだかな
309 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 00:25:42.92 ID:SfC72tc0
310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/13(金) 05:13:02.25 ID:aQ6jC9g0
まだ終わってなぁい
311 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 14:38:39.82 ID:6S7WeKI0
>>1
面白いから続けてくれ
312 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/14(土) 14:43:16.77 ID:WYDHPPI0
どんだけ長い焦らしプレイだよこれ
313 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/15(日) 12:13:55.52 ID:oXmAioUo
まだだ!
まだ終わっていないっ!
314 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/15(日) 15:50:28.05 ID:D2qmboAo
さっさと書け
315 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/17(火) 01:28:18.65 ID:KH8dNoAO
先生!このスレは何をするスレなんですか!?
316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/17(火) 08:03:58.01 ID:SqfIyhEo
もう一月経ったのか……
317 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/17(火) 18:23:02.27 ID:RI0Wu9Eo
まだだ、まだ終わらんよ
318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 01:36:58.16 ID:7lFkVQAO
資料で特徴しか見たことなかった伝説の傭兵。
初陣のアウターヘブンではビッグボスの予想を裏切り奮闘、それを崩壊に追いやり。

ザンジバーランド騒乱では単独潜行で乗り込み陥落させ、

シャドーモセス事件でも単身でこれを解決した。

灰色のバンダナにスニーキングスーツ。
このソリッド・スネークが参考にされているVR訓練の難易度は激高でクリア者はほぼいないと言われている。

そんな絵空事でしかない英雄が今、律の目の前にいた。
319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 01:37:50.73 ID:7lFkVQAO
スネーク「…生きてたか」

銃を構えながら律に目を遣るスネーク。

りっちゃん「えっ……あっ、はい!」

スネーク「あいつがテロリストのボス、秋山澪か」

りっちゃん「……一応そうなるの…かな。でも何で伝説の傭兵がこんなところに」

スネーク「そんな大層なもんじゃない。フィランソロピー、今はメタルギア根絶の為に戦ってる」

りっちゃん「それで…」

澪「頼もしい助っ人だな。良かったじゃないか、律! お前には世界中に味方がいて!」

りっちゃん「なっ、何いってんだよっ! 今のはそんな話じゃ……」
320 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 01:41:29.59 ID:7lFkVQAO
スネーク「お前達がどういった関係かは知らん、だがどんな関係だろうがテロリストはテロリストだ」

スネークは全てを見透かした様に澪にSOCOMを向ける。
テロリストに情など向けるなと、同じ兵士である律への当て付けの様に。

りっちゃん「……」

律もそれがわかったのか渋々Mkを澪に向ける。

澪「伝説の傭兵が相手じゃ分が悪いな…。」サッ

後ろに大きくバックジャンプし、逃亡を図る澪。

スネーク「逃がすかッ!」

バンッバンッ!!

カンッ!チュインッ!

澪「そんなものじゃなっ! 腕は一流でも銃の方はポンコツかな!?」

スネークの銃弾を強化外装のコートが軽く弾き、澪はいつの間にか視界から消え去った。
321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 01:42:40.73 ID:7lFkVQAO
スネーク「ぐっ、逃がしたか。…何故撃たなかった?」

りっちゃん「えっ…」

スネーク「ここは戦場だ。女子校じゃあない。死にたくないならさっさと帰ることだ」

SOCOMをしまうと指を鼓膜に宛て何やらしている。恐らくナノマシン通信だろう。

りっちゃん「何だよ…人の気も知らないで…」

水を差された律は不機嫌そうにスネークの通信が終わるのを待っていた。

スネーク「厄介なことになってるな。名前は?」

りっちゃん「……りっちゃん」

スネーク「りっちゃん? コードネームか。まあいい。今からこいつを破壊する、手伝ってくれ」
322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 01:46:12.19 ID:7lFkVQAO
伝説の傭兵の第一印象は
偉そうに……そんな印象だった。

りっちゃん「りょ〜かい……」

でもそれは自分が子供だから、世界の規模を、世界の重さをわかってないからだろうって、そう思った。
だから…そんな自分に余計苛立った。

それでも…

りっちゃん「(澪……お前はもう戻って来ないのか……?)」

─────────


澪「コートがなかったら蜂の巣だな……」

もう私一人しかいない。ムギは最後の最後に反抗したから眠らされた。作戦実行まで起こされることはないだろう。

澪「私…なにやってんだろ…ぉ……助けてよ……りつぅ……」ガタガタ

バカだ、自分が選んだ道に律がいないことなんてわかってたのに。
それでもまだ私は律に頼ってる。
いつまでも変わってない。
あの頃のまま……

澪「それじゃ……いけないんだ…!」

私はもっと、もっと、もっと……強くならないと。

あの日を取り戻す為にも
323 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 01:48:50.54 ID:7lFkVQAO
──────

梓「あれ…ここは、部室?」

紬「おはよう梓ちゃん。良く寝てたからみんなで起こさない様にしてたの」

唯「全くあずにゃんは〜」

律「さっきまで寝てた唯が言うなよっ!」

唯「えへへぅ〜」

澪「今日も練習出来なかった……」

紬「また明日すればいいじゃない、ね?」

澪「…そうだな」

律「明日明日〜」

唯「ずっと一緒だもんね♪ 私達!」

ああ、これは夢なんだろうな

だから、言った


梓「明日なんて……もう来ませんよ……」

周りの風景が一気に砕け、散る。
324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 01:51:12.50 ID:7lFkVQAO
───無人島 研究所付近───

ポツ───

梓「ん……」

何かが顔に当たり目覚めた。

梓「私……」

ポツポツ……

梓「雨……そっか」

律先輩にやられて……。

梓「…生きてる」

体の感覚を確かめながら起き上がる。
背中がやけに暖かかったのが不思議で振り向くとライオンのむすたんぐが座り込んで眠っていた。
梓は少しはにかむとよしよしとむすたんぐを撫でた。

「起きたか」

梓「っ! 誰?!」

声の方に振り向くとそこには白い外装に包まれた男が木に凭(もた)れながら立っていた。
325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 01:52:51.18 ID:7lFkVQAO
雷電「俺は雷電……元FOXHOUNDだ。この島にはメタルギアの破壊とテロリストの駆除の為に来た。あんたの所属を教えてくれ」

梓「……(駆除……か)」

この人にとっては私達は世界を危険に曝した虫か何かとしか思ってないんだよね……。

梓「私は……」

「あずにゃ〜ん!!!!!」

梓「ッ!?」

雷電「なんだ?」

唯「あずにゃんみっけ」ダキッ

梓「ゆ、唯先輩っ!? なんでこんなところに……というか何か元に戻ったと言うか……」

唯「ふぅ?」

間違いない、あの時の唯先輩だ。
戻ってきたんだ……!
326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 01:53:57.02 ID:7lFkVQAO
梓「先輩っ!」ダキッ

唯「ようやくあずにゃんに私の愛が通じたんだねっ!」ダキッ

雷電「お、おい」

唯「あずにゃ〜ん」

梓「唯先輩っ」

雷電「おいっ!」

唯「ん?」

ようやく雷電の存在に気付いた唯が雷電を見て一言。

唯「変な人がいるっ!」

雷電「……」

───────

雷電「所属は?」

梓「えっと……」

ここでテロリストなんてばか正直に言ったら殺されちゃう……私はともかく唯先輩はダメっ! 絶対守らないとっ!

梓「私達テロリストに捕まってて(ry」

唯「テロリストでしたごめんなさい!」

梓「唯先輩っ!?」
327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 01:55:04.74 ID:7lFkVQAO
梓「なんで言っちゃうんですかっ!」

唯「だってぇ〜……嘘は良くないしぃ…?」

梓「唯先輩は素直過ぎますっ! こういう時は嘘をつく必要もあるんですっ!」

唯「えぇ〜……嘘は駄目だよ〜?」

梓「もうっ」

雷電「……(本当にこんな子達がテロリストなのか?)」

だが敵ならやむを得ない……か。

雷電「すまないな……」

静かに刀を抜く雷電。

雷電「(ローズ……俺は……正しいことをしてるのだろうか)」

言い合ってる二人に刃を向け、

雷電「(二人一緒に逝かせるのがせめてもの……)」

横一閃、
328 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/19(木) 01:56:09.56 ID:rssaWJM0
おお、来てた
329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 02:02:22.26 ID:7lFkVQAO
ガキィッ

刃と刄がぶつかり合う音が木霊した後、次第にそれはギシギシと刃が擦り合う音に変わって行く

雷電「なに…っ」

唯達の間に割り込み雷電の刀を止めたのは、全身を忍者のような強化スーツで覆った人物だった。

ニンジャ「させない……」

唯「わっ、わっ、何っ?」

ニンジャ「あなた達は下がっていて」

雷電とニンジャのつばぜり合いを見て、梓も動く。

梓「加勢します…。」

ニンジャ「邪魔になるだけよ、下がってて」

それを聞いて少し眉を細める梓だが、直ぐ様
梓「それは聞き捨てなりません」
と反論する。次に梓が取った行動は自分の持っているナイフの刃を自らの手に押しつけると云う異形だった。
血が梓の小さな手のひらの上に溜まり出るのを見て唯が思わず叫んだ。

唯「あずにゃん!?」

梓「大丈夫です…、見てください」
330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 02:03:24.72 ID:7lFkVQAO
唯「傷が……」

ニンジャ「……」

雷電「吸血鬼……ヴァンプと同じ、デッドセルの生き残りか」

梓「私は自らこの力を求めました…。小さくて弱くて…いつも誰かに守ってもらってばかりの自分が嫌で…っ!」

唯「あずにゃん……」

梓「雷電さん……確かに私達はテロリストです。世界を脅かし…眠れない夜を過ごさせました……」

雷電「それがわかっていて尚、生き続けるのか?」

梓「償いはして行くつもりです…。一人じゃ怖くて行けなくても…唯先輩、澪先輩…紬先輩に……律先輩。みんなと一緒ならきっと…」
331 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 02:08:15.36 ID:7lFkVQAO
唯「あずにゃん……」

唯は梓の手を取り、

唯「ずっと一緒だよ。これから…何があっても」

そう呟いた。

梓「はい…」

ニンジャ「……」

雷電「今から反省するから許してくれ…か。ムシがいいな」

梓「わかってます…だから……あなたと戦うことになったとしてもっ……! 私達はここで死ぬわけにはいかないんです!」

ニンジャ「」ガキィッ

雷電「くっ」

刃を弾き返し雷電を後退させる。ニンジャも唯達の意見に同意したかのように改めて雷電に向かって構え直した。

唯「私も戦うよ……! そしてまたみんなとやり直すんだ…!」

雷電「だがこちらもそれで引き下がるわけにはいかない。相応の報いは受けてもらう……それが世界のルールだ。
楽にいかせてやりたかったが……」

雷電も名もない日本刀を構える。

梓「私達は自分達の世界の為に戦いますっ!何と言われても!」
332 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 02:11:19.60 ID:7lFkVQAO
雷電が動く、一番厄介だと思われるニンジャに斬りかかる。

ニンジャ「ッ!」

それをマチェットで受けてから返しに一閃
それを軽く飛び避け、クルっと空中で一回転しながら刀を降り下ろす雷電。

ニンジャ「くっ…」

今の行動で一対一の実力なら雷電が上回っているのがわかる。刃物の使い方、間合いの取り方など格段に雷電の方が巧い。
避け、弾き、その隙間に斬り込んで来るため隙がないのも特徴だ。

梓「てやっ!」

そこで分の悪そうなニンジャを投げナイフで援護する梓。
雷電はそれを見て後退しつつ弾く。

唯「ギー太スタン弾モード!」クルクルッ

ギターを雄々しく二回回すとガチャリ、と何が切り替わる音がする。
333 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/19(木) 02:22:32.88 ID:7lFkVQAO
唯「レボリューションだよっ!」

更に唯のスタン弾、特殊加工のゴム弾が雷電を襲う。
実弾を使わないのは唯の弱さ故か、優しさ故にか。

雷電「(あれだけ言っても殺す気では来ないか。それで自分達の世界を守る……か)」

梓「はあっ!」

左からはナイフを持った梓が接近する。

ニンジャ「っはぁ!」

右からはマチェットを持ったニンジャが。

雷電「(世界の答えはそんな甘くはない)」

ガシッ

キィンッ

梓「えっ」

ニンジャ「ッ!」

左のナイフをそのまま掴み、右のマチェットを日本刀で防ぐ。

雷電「甘えるな…!」

その声と同時にナイフを離し、梓の鳩尾に雷電の左拳が狙い済ましたかのようにスルリと入り込む。

梓「かはっ…」

雷電「ふんっ!」

右の日本刀でマチェットを払い上げ、ニンジャの体勢が整わない内に袈裟斬り。

ニンジャ「くっ」

強化スーツの上からでも切り裂き、ニンジャの左腕から血が吹き出す。

雷電「何を言おうがお前達はテロリストだ。その事実は何があろうと変わらない。さっきから自分達主観の綺麗事ばかりを言っているがそれはお前達が都合のいいよう解釈しているだけに過ぎない。お前達は…悪だ」
334 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/19(木) 02:24:30.15 ID:7lFkVQAO
ラストのネタがようやく思い付きました
待たせすぎたな!

待ってくれた方すみませんでした

今日はこれで寝ます
次また1ヶ月後に……


















ってことはなぁぁぁぁぁぁぁい!
335 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/19(木) 03:06:38.62 ID:5lqcD2AO
おかえり!
336 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/19(木) 03:59:12.07 ID:npe37VIo
来てたぁ!
おかえり 待ってたよ〜
337 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/19(木) 13:30:39.05 ID:RiTFsrEo
きたこれ
338 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/19(木) 15:53:57.84 ID:1H6NR3wo
おかえり!
やっぱ面白い
339 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/19(木) 20:53:26.36 ID:wSh3Sw6o
あんたのせいでMGSシリーズ全部揃えちゃったじゃないか、どうして(ry
340 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/21(土) 23:34:19.79 ID:espBEQAO
梓「っ……確かに私達は悪いかもしれません…でもだからってここで諦めたくないんです!」

苦しいながらも息を振り絞って告げる。
精一杯の気持ち。そうだ、ここで終わってしまってはあの人に申し訳が立たないじゃないか。
どんなに変わっても、部長として私達を叱りに来てくれたあの人に。

雷電「……」

雷電は黙って俯いたままそれを否定することもなく聞き入れる。
ただ、雷電の根元にある闇は深い。

梓「私達に償うチャンスをください……!」

雷電「償う……か」

思えば俺は、生きていなかった。
341 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/21(土) 23:35:04.05 ID:espBEQAO
自分の意思でやっていたと思ったことは、奴らに利用されていただけだった。

記憶をすげ変えられ、偽りの自分を演じられ続けていた。

最愛の者を想う気持ちでさえ本当なのかもわからず……ただ俺はこうしてまた誰かに利用されながら生きている。

だが、今この子達を許してやれる立場にいるのは間違い。
俺が許すことで彼女達はこの場だけでは救われるだろう。
それは他でもない俺自身の決断によるものだ。誰にも左右されず、利用されていることもない純粋な俺の答えを出せる。

だが、それでも
342 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/21(土) 23:35:53.23 ID:espBEQAO
雷電「……その償う気持ちが本当かどうか、俺が確かめてやろう」

梓「やっぱり…」

雷電「ああ、このままただ黙って見過ごすわけにはいかない。それにさっきチャンスと言ったな? チャンスと云うものは待っていれば来るものじゃない。掴みとるものだろう」

梓「……」

雷電「俺を倒して掴みとってみろ。この先一生を賭けて償う覚悟を見せてみろ」

雷電「来い」

もう語ることはない、かかって来いと言わんばかりに首をくいっと動かし、顎を突き出した後、刃に手を添え構える雷電。
343 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/21(土) 23:43:14.52 ID:espBEQAO
唯「あずにゃ〜ん大丈夫〜?」

だいぶ距離が離れてしまっていた唯が二人を心配して近寄って来た。

梓「大丈夫です。ただ私達はどうしてもあの人を倒さなくちゃいけないみたいです。」

唯「…どうしても?」

梓「はい。ここで何もしないまま殺されたら律先輩に申し訳が立ちませんから」

苦笑いでそう告げる。

唯「りっちゃん……。うん、そうだね」

うんと頷き更に続ける

唯「これからりっちゃんやあずにゃんやムギちゃん……澪ちゃんも。みんなでまたやり直すんだもんね!」

梓「はいっ!」

唯「じゃああの変態さんを早く倒しちゃおっか! ニンジャさんもいい?」

ニンジャ「」コクリ
344 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/21(土) 23:49:29.83 ID:espBEQAO
唯「あっ! 怪我してる……ちょっと待っててね。こうやってこうやって……せいっ」

もっていたハンカチで簡単に治療すると「これでよしっ」とニコニコしながらニンジャに微笑む唯。

ニンジャ「……変わらないのね、唯」

唯「??」

雷電「来ないのならこっちから行くぞ」

痺れを切らした雷電が前進してくる。

梓「来ますっ! 唯先輩は援護を! ニンジャさんは私と一緒に!」

ニンジャ「……」

唯「了解だよあずにゃん!」

唯は地面を蹴りふわっと後ろに飛ぶ、と、それを追い抜くように二人が駆け抜けて行く。

梓「はっ!」

手投げナイフを二丁素早く投げ飛ばす。それを雷電はこともなげに刀で弾く。

梓「……フフ」ニヤリ
345 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 00:14:26.42 ID:wbZsssAO
雷電「……」

不適に笑う梓に疑問を抱きながらもタイミングよく斬りかかって来たニンジャのマチェットを受け止める。

ギィッン

ニンジャ「っ…」

雷電「遅い」

それを弾き返すと同時に蹴りを入れる、ニンジャはそれをかろうじて防御するも鑪(たたら)を踏みながら後退を強いられた。

雷電「傷ついた手を庇うような戦い方ではな」

ニンジャ「……庇っているのは傷なんかじゃない」

瞳が見えないフェイスマスク越しからでも雷電を睨んでいるとわかる。ニンジャは左手に巻かれたハンカチを大事そうに胸にやる。

ふぅ……すぅっ

梓「今ですっ」

シュイッ
シュイッ

梓からまた放たれた二本のナイフ。

雷電「(さっきの速度から見ても今から防御を取って十分間に合う…)」

グサッ…

雷電「ぐぅ…なに?」

雷電が防御体勢に入る前に肩に刺さり込むナイフ
346 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 00:27:39.25 ID:wbZsssAO
梓「油断しましたね…。降参してください。次は急所を狙います」

冷ややかにそう告げると両手に三本づつナイフを持ちいつでも投げられる体勢を見せる。

雷電「……なるほど、呼吸法か」

呼吸法、一般的にはマラソンで肺活量を高める為に息の吸い方、吐き方などを調節する、出産の際のラマーズ法など様々なところで使われている。
人間は息を吸うときより吐く時の方が動きが機敏になる。
肺に空気が入り膨らむことにより血管が圧迫され血液の巡りが吐いてる時よりもほんの少しだけ悪くなるからだ。
これを訓練し、利用することで『一つの物事を行う時に一番最適な呼吸法』を見つけ出し、その物事を行う速度は常人よりも優れる……と言ったことも可能ではあるのだ。
梓の場合それが『ナイフを投げる』時なのだろう。
347 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/22(日) 01:25:27.00 ID:BztnWSgo
きてた
348 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/22(日) 01:59:22.67 ID:VJsU9CEo
これは面白いな
349 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/22(日) 20:45:04.62 ID:q5cM8wDO
>>1
此処に居たのか、
期待。
350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/22(日) 21:18:54.71 ID:wbZsssAO
昨日途中で眠ってしまったので今日はなるべくいっぱい書きます。
ただ色々試したりして少し情緒不安なのでそれがSSに出ないか心配
351 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 21:35:05.11 ID:wbZsssAO
雷電「さっきのはわざと見せておいて呼吸法で速度を早めたナイフを投げた時に対応を遅れさせる為か」

梓「ご名答です。ちなみに速度はさっきのよりもっともっとあがります。あの人曰く私はあなたの言うデッドセルと同じぐらいの身体能力らしいですからね。貴方のような一般兵が敵うわけないです」

フフンッと得意気に鼻を鳴らす梓。
梓も唯も今はもう昔の二人ではない。歌を取り戻す為に半ば操られた形となっていたが強くなったのだ。
そしてそれはもう力と言う概念だけの強さではない。
前を見据える、自分から行動出来る強さに変わっていた。

彼女のおかげでそれを見つけられたのだ
352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 21:45:20.00 ID:wbZsssAO
雷電「策は悪くない…。ただ一度見せてしまったのが悪かったな」

酷く残念そうに言う雷電。

雷電「それに一撃で急所に投げれば終わっていた」

梓「私達は殺す為に強くなったわけじゃないです! 音楽を取り戻す為に…またあの頃に戻りたいからっ! 強くなったんです!」

雷電「目的を達成する為には人を殺さなければならない時もある。戦場で他人を生かすと言うことは自分が殺される可能性が上がると云うことだ。」

梓「それでもです。音楽は人を傷つけたりしません! 私達もそうでありたいから!」

雷電「だからわざわざ外装の強化シェルのついたところを狙ったわけか」
353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 22:01:22.59 ID:wbZsssAO
雷電「音楽は人を傷つけたりしないか…矛盾しているな。…お前達と今の音楽は同じだ。悪いことなどしていない、だが今はそれが世界にとっては悪となっている」

梓「SONGBOBMのことですか…!」

雷電「…歌や音楽は人を癒す。だがそれをSONGBOBMが爆弾に変える。世界はその爆弾を排除することを諦め、本当は素晴らしいものである歌や音楽を捨てた。だがそれを取り戻そうとするお前達。音楽を捨てた世界を傷つけても……どうだ? 矛盾していないか?」

梓「……それは」

ニンジャ「惑わされないで。本当の根源はSONGBOBMなんて馬鹿げたものを作り出した奴よ。あなた達はただ戻ろうとしているだけ、世界の流れに囚われてはいけない」
354 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/22(日) 22:07:33.23 ID:bwnJ2nEo
BOMB!
355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 22:17:30.98 ID:wbZsssAO
梓「世界の流れ…?」

雷電「……」


ニンジャ「そうよ。世界の答えが全ての答えではないわ。だからあなた達と同じように音楽を取り戻す為に活動している人達は何千万といる。あなた達のやり方は少し違っていたけれど、気持ちは同じな筈よ」

梓「気持ちは同じ…。そうですよね…!」

ニンジャ「雷電、あなたもそんな世界の答えに操られているんじゃないのかしら?」

雷電「っ!?」

ニンジャ「自分の答えを決めるのは世界ではない。自分の答えを世界に委ねて従うか、抗うか……それはどちらが正しいかは誰にもわからない、決めれはしないっ!」

ニンジャが腰の横にマチェットを構えながら雷電に突進する。

雷電「……っ」

この手の突進は弾くにしても両手が添えられている為余程強く弾かない限りコースは変わらない。
しかし防御が疎かと云う面もあるのでニンジャは正に雷電と刺し違える気で来ているのだ。
356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/22(日) 22:18:49.55 ID:wbZsssAO
>>354
ThankYou
357 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 22:31:13.25 ID:wbZsssAO
それでも雷電は落ち着いていた。歴戦を潜り抜けて来た彼にはその対処の仕方が何パターンも用意されているだろう。

雷電「……」

マチェットの柄を握る手を一瞥。

雷電「はあっ!」

右下段から思い切り刀で斬り上げる。

ガッと鈍い音がした後、マチェットが宙に舞った。

ニンジャ「なっ…」

雷電「左手を前にしたのが悪かったな」

雷電は握力の弱った左手を前にしてるのを見て右下段からの斬り上げを選択。
強い衝撃を与えることによって左手の指の部分からマチェットが抜ける、その勢いは後ろに添えられてる右手だけでは受け止められずマチェットは結果宙に舞ったのだ。

雷電「俺は躊躇わない」

お前が言う自分の答えに俺も従おう。
俺はただ俺達を脅かすものを斬る…!
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 22:44:23.69 ID:wbZsssAO
梓「ニンジャさんっ!」

シュン! シュン!

キンッ! ガキィッ

梓「なんで…」

梓が投げたナイフを簡単に弾く雷電。速度は先ほどの倍はあっただろう。

雷電「どんだけ早かろうと関係ない。肩から肘の動き、手の位置でどこに投げるかぐらい予測出来る」

雷電「さっきデッドセルと言ったな? 俺はそのデッドセルのメンバー達を殺して今にいる」

梓「そんな…そんなの勝てるわけ…」

呆ける梓を無視し雷電は丸腰のニンジャに刃を向ける

ニンジャ「くっ…」

マチェットを拾う暇さえ与えてくれずひたすら回避行動に専念していたニンジャだが、パターンや反応が遅いところを狙われ徐々に刃が体を蝕む。
そして、それは訪れる。

ガッ

ニンジャ「しまっ…」

木の根に足を取られたニンジャ

雷電「終わりだ」

迷いなく袈裟斬り───

「させないよっ」
359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 22:56:02.69 ID:wbZsssAO
ガキッ、ギィンッ

雷電「!!」

雷電の降り下ろしていた刀が外へ弾かれる。まるで速球を打った金属バットのような鈍い痺れが手に広がる。

「更にギー太! サブウェポンモード!」クルクルッ

「あずにゃん目ぇつぶっててね!」

梓「?」

シュン……パンッ!!!!

雷電「くっ」

雷電の近くで弾けた弾は炸裂し、光を撒き散らした。

雷電「閃光弾か」

咄嗟に腕で目を覆った雷電だが僅かに遅く光が目に入った。

雷電「(一番脅威にならないと思ってたが……まさか刀を弾くとはな)」

そう。唯は銃弾で雷電の刀を狙い撃ち、弾いたのだ。

雷電「(先にやるならあいつからか……)」

雷電が急に走り出した。目は見えていない、ただ気配に任せて唯の元に向かう。

梓「っ!? まさか唯先輩を!!!! させませんっ! むったん!」
360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 23:07:24.03 ID:wbZsssAO
むすたんぐ「ガアッ!」

どこからか現れたライオンのむすたんぐが雷電に飛びかかる。

雷電「邪魔だ」

ガスゥゥゥッ

むすたんぐ「ガウゥ……ゥ」

見えていないはずのむすたんぐを雷電は蹴り飛ばす。

梓「むったん!! このっ」

梓も追いながらナイフで追撃。
しかし雷電は上手く木を縫いながら唯のところへ行く為ナイフは木に刺さったりなどで当たらない。

唯「わわっ。こ、こないで!」

バンッバンッ!

スタン弾の弾幕で遠ざけようとするがそれも当たらず、とうとう両者の距離は縮まり、雷電は唯に刀を降り下ろす。

梓「唯先輩危ないっ」

唯「あずにゃん!?」

ザクッ……

梓「あっ……」

雷電「……」

唯を抱くように庇い、代わりに雷電の降り下ろした刃を背中に受ける梓。
背中からおびただしい程の血が吹き出し…唯の顔にも数滴かかる。

唯「あ…あっ……あずにゃん。あずさあああああああああああっ」
361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 23:15:42.61 ID:wbZsssAO
雷電「すまないな」

刃を返して縦に握る、切っ先は梓と唯に。
二人を同時に貫くつもりだろう。

雷電「恨むならこんな世界に生まれてきたことを恨むんだな…」

グサッ……

雷電「ぐふっ……」

ニンジャ「これがあなたの求めた答えなの?」

雷電の脇腹から突き出るマチェット。雷電から流れる血は赤ではなく、真っ白だった

雷電「……何がだ?」

ニンジャ「あれを見て……あなたの心は何も思わないの?」

雷電「……」

そう言われ雷電はゆっくりと首を動かし彼女らを見た。
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 23:32:35.59 ID:wbZsssAO
唯「あず……にゃ……」

梓「泣かな…いでく…ださい…ゴホッ…唯先輩。…ちょっと時間はかかりますケド……治りますから……」

唯「でもぉおおおお!」

梓「唯先輩が泣いてると……私も悲しいです。だから…ね?」

唯「う゛ん゛……ズピッ」ニコッ

梓「これであの人を殺したい……なんて思わないでください。私達の敵はそんなものじゃないんですから……」

唯「あずにゃん……」


雷電「……」

ニンジャ「あの子達は世界を見ても尚自分達を変えない。ただ自分達が幸せだったあの頃に戻りたいから戦っている。あなたはどうなの?」

雷電「俺は……。(ローズ、俺はどうすればいい)」

グォォォォォン

唯「な、なに?」

梓「研究所から…?」

ニンジャ「……! 地下格納庫の昇降口が…!」
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 23:41:17.78 ID:wbZsssAO
ニンジャ「まさかメタルギアが…!」

ズヌゥッ

雷電「うっ…ぐは…ま、待て!」

マチェットを体から引き抜き、雷電の静止も無視して研究所の方へ向う。

ニンジャ「唯、梓のことちゃんと見ててあげるのよ。軽音部の先輩なんだから」

唯「えっ? なんで知って……もしかして…!」

それを言い切る前にニンジャは行ってしまう。

梓「ひぐっ……んっ」

唯「あずにゃん!? 大丈夫…?」

梓「はあ…はあ…」

痛みに耐え、悶える梓を撫でる唯。

唯「もしかして…あのニンジャさんは……和ちゃんなの?」

確証のない疑問をただ浮かべるしかなかった。

雷電「……本当にそれでいいのか…か」
364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 23:42:47.74 ID:wbZsssAO
ニンジャ「まさかメタルギアが…!」

ズヌゥッ

雷電「うっ…ぐは…ま、待て!」

マチェットを体から引き抜き、雷電の静止も無視して研究所の方へ向う。

ニンジャ「唯、梓のことちゃんと見ててあげるのよ。軽音部の先輩なんだから」

唯「えっ? なんで知って……もしかして…!」

それを言い切る前にニンジャは行ってしまう。

梓「ひぐっ……んっ」

唯「あずにゃん!? 大丈夫…?」

梓「はあ…はあ…」

痛みに耐え、悶える梓を撫でる唯。

唯「もしかして…あのニンジャさんは……和ちゃんなの?」

確証のない疑問をただ浮かべるしかなかった。

雷電「……本当にそれでいいのか…か」
365 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/22(日) 23:43:15.82 ID:wbZsssAO
ミス
混雑うざす
366 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/22(日) 23:51:02.88 ID:VJsU9CEo
ゆるりといこうぜ
367 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/22(日) 23:59:54.24 ID:wbZsssAO
───FOXDIED 作戦会議室───

FOXDIED作業員「非戦闘員、及び民間の支援者は脱出しました!」

さわ子「上出来よ。あなたも行きなさい。私はここを爆破するわ」

FOXDIED作業員「出来ません。その役目は自分が。あなたはあの子達の為に生きてください」

さわ子「あなた…。でも大丈夫よ。死ぬつもりなんてないわ! 死んだらあの子達が音楽を取り戻した後にやるライブの衣装が作れないじゃない!!」

FOXDIED作業員「はは、局長らしいです」

さわ子「というわけだから行きなさい。まだ若いんだからあなたは、もっと他にいい人がいるわ」

FOXDIED作業員「さわ子さん……。必ず、生きて帰って来てください!」ダダッ

さわ子「ええ。必ず…」
368 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/23(月) 00:09:34.20 ID:xEEogsAO
さわ子「もうそろそろロックを破ってここに来るわね…。」

ダンッ ダンッ ダンッ

会議室の向こう側には電子ロックされたドアを破る為に火器が降り注がれているだろう音がする。

さわ子「ごめんね、りっちゃん、みんな。頼りない先生で」

さわ子「私がもっとしっかりしていたら…あなた達が争うことなんてなかったのに」

さわ子「ごめんね……」

さわ子「でも、りっちゃんならきっとまたみんなを一つにしてくれるわ。そうしたらまたみんなで協力して……この世界を行きなさい(生きなさい)」

さわ子「あなた達が幸せで暮らせられる日が来ることを……祈ってるわね」

ダアアアッッッン

兵士「見つけたぞ! FOXDIED局長の山中さわ子だ!」

さわ子「違うわ、私は桜ヶ丘高校の先生で軽音部の顧問! 山中さわ子よ!!!!!」

ピッ──────

その瞬間、さわ子の世界を光が包んだ。
369 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/23(月) 00:11:35.07 ID:ttyb0CQo
カリーニン少佐かよwwww
370 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/23(月) 00:22:46.83 ID:xEEogsAO
───研究所 地下格納庫───

りっちゃん「こっちはオッケーだよ」

スネーク「こっちもだ。しかしこの装甲……見たことないことが使われているな。」

りっちゃん「なんだろうがこの量のC4で吹っ飛ばないわけないだろ〜?」

スネーク「……まあな」

りっちゃん「しっかしこんな量のC4どこに持ち歩いてるの?」

するとスネークは額を親指でトントン、とやった後に

スネーク「無限バンダナだ」

と勝ち誇った顔で言った。

りっちゃん「は? 何言ってんだよ」

スネーク「だ、だから無限バンダナなんだ」

りっちゃん「長さが無限?」

スネーク「違うっ! もういい」

りっちゃん「??」
371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/23(月) 00:23:24.54 ID:xEEogsAO
>>369
フルメタとか読まないからわかりませんね
372 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/23(月) 00:30:06.54 ID:we8u34go
スネークかわいい
373 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/23(月) 01:13:09.76 ID:ttyb0CQo
またまたご冗談を(AA略
2プレイした時にも思ったけど無限バンダナのネタは分からないと恥ずかしいだけだよな
374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/26(木) 13:02:40.42 ID:MiXDrNso
おい
375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 00:08:51.48 ID:Aro.xEAO
スネーク「よし、離れろ。爆破するぞ」

二人は後退りながら距離を取る。

スネーク「破片が飛んで来るかもしれん、この段ボールに…」

りっちゃん「えっ? 段ボール?」

スネーク「……冗談だ。この積み荷の後ろに隠れよう」

りっちゃん「はは、笑い取ろうとしてんのか? あんたって案外いい人なんだな」

一瞬誰かとダブって見えた気がしたがそれは気のせいだろう。

スネーク「笑いだと……?。いいか? 段ボールは耐久性が優れており尚且つ柔軟性にも優れていて……」

りっちゃん「ハイハイもうわかったから隠れような〜」
376 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 00:09:49.72 ID:Aro.xEAO
スネーク「段ボールの良さに気づかないとはまだまだ新米だな」

そんな捨てセリフを吐いた後スネークも渋々律に続く。
二人は物陰に隠れながら静かにメタルギアを見据える。

りっちゃん「メタルギア……」

スネーク「……」

りっちゃん「なぁ、あんたは何でこんなことしてるんだ?」

スネーク「…それを聞いてどうする」

りっちゃん「参考までにさ。ダメ?」

律がウインクで可愛くお願いする。とスネークはやれやれと言いながらも話始めた。

スネーク「…俺は生まれてからずっと戦場で生きてきた…」
377 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 00:10:41.64 ID:Aro.xEAO
スネーク「常に戦場に身を置いて戦い続けて来た。そんな中あいつ(メタルギア)に出会った。あれは世界を脅かす。だから壊して回っている。それだけだ」

りっちゃん「そうじゃなくてさ〜! う〜ん……そうなった動機? みたいなのが聞きたいんだよ私は。だってあんたがやる必要ないだろ? 他の誰かが…」

スネーク「りっちゃん、とか言ったな」

りっちゃん「う、うん(こそばゆい……)」

スネーク「誰かがやってくれる、自分じゃなくていい……そんな考えをみんながしてるとしたらどうなる?」

りっちゃん「そりゃ誰も動かない…」
378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 00:13:03.27 ID:Aro.xEAO
スネーク「そうだ。それに誰かに任せてそれが失敗したら……お前さんならどうする?」

りっちゃん「う〜ん…事にもよるけど…やっぱり怒る…かな?」

スネーク「やらなくて失敗したら怒るか。まあそいつのせいで失敗したのは事実だからな。当然と言えば当然だろう。…なら自分でやればいい」

りっちゃん「えっ?」

スネーク「自分でやって失敗したら仕方ない。自分がやったことにあれこれ文句はつけれないだろう?」

りっちゃん「そりゃあまあ…そうだけど」

スネーク「俺は何も英雄になりたいからこんなことをしてるわけじゃない」
379 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 00:17:29.98 ID:Aro.xEAO
スネーク「メタルギアが当たり前に戦争で使われる世界になればまた冷戦時代の幕開けだ。下手をすれば核戦争に発展するかもしれん。どの国も核を持ち、撃たれたら撃ち返す……そんな世界にしたくはないだろう?」

りっちゃん「…うん」

スネーク「自分が嫌だからそうして来ただけだ。だから俺は英雄でもなんでもない。ただの臆病者だ」

りっちゃん「違うよ……あんた…やっぱり英雄だよ」

この人ほど世界を見ている人はいないだろう。
自分が嫌だからそうする、これが本当に出来る人間なんて今の時代に果たして何人いるだろうか。世界の意見に流され、怖くて動けなくてがんじがらめになるのが普通だろう。
人は何故彼を英雄と呼ぶのか……わかった気がする。
この人に比べたら私はなんてちっぽけで…恥ずかしくなる。

思えば澪も…同じだ。
ただあいつは違う、あいつのやり方で本当に幸せになるやつなんていないんだ。
それを私が良く知っている。

だから、止めないと。
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 00:18:21.40 ID:Aro.xEAO
スネーク「話が長くなったな。爆破するぞ」

りっちゃん「私がここにいる理由は聞いてくれないの?」

スネーク「他人の過去を詮索する趣味はない」

りっちゃん「そっか。なら勝手に話すよ。私は友達を取り返しに来た、それだけ。他にはな〜んもない! 世界がどうとかも知らない。私は私の世界を守る為にここにいる」

スネーク「……そうか」

スネーク「(こんな子供が武器を取る時代にしてしまったのは俺達の責任だ。それを終わらせるまで戦場を降りるわけにはいかないな…。)」
381 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/27(金) 00:25:59.51 ID:1h/MXYAo
渋いな
382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 00:32:33.20 ID:Aro.xEAO
「ハッハッハ。こんなものでこのメタルギアVOICEをどうにか出来ると思ってるのか? 相変わらずめでたい奴だな……スネークゥゥ!」

スネーク「!!!」

スネークはすぐさま積み荷から飛び出し、銃を構えながら何かを探す。憎しみが混じった顔つきで「リキッドォォォ!!!」と吼えた。

リキッド・オセロット「久しぶりだな兄弟! まだ生きているとはさすがにしぶとい」

りっちゃん「お前はっ!」

リキッド・オセロット「始末に失敗したか、澪め。所詮はただの少女に過ぎんか。つまらん情に流されるなど」

バシュンッ

リキッド・オセロット「ほぅ…」

リキッドが立っている脚橋の手すりに火花が飛ぶ。

りっちゃん「お前が澪を呼ぶな…!」

律がスタンドアップで構えたPSG-1のスコープ越しにリキッドを睨み付ける。
383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 00:43:07.11 ID:Aro.xEAO
スネーク「メタルギアVOICE……と言ったな?」

リキッド・オセロット「そうだ! 最新技術を駆使し最強最高のメタルギア、それがメタルギアVOICEだ」

スネーク「お前にはそいつにつけられているC4が目に入らないらしいな! REYの装甲でも軽々と破壊できるC4で……」

リキッド・オセロット「あのゴミ(REY)と一緒にしてもらっては困る。REYなど所詮はプロトタイプに過ぎん。このメタルギアVOICEは琴吹家の総力を結集し造られたものだ!」

りっちゃん「ムギの…? 白髭! ムギはどこだ!?」

リキッド・オセロット「最後の最後に彼女は君につくと言い出したのでな。少々眠ってもらっているよ」

りっちゃん「お前っ…」ギリッ

スネーク「下がれ! 律!」

りっちゃん「!?」

スネークが律に覆い被さるように飛び込み、その瞬間にC4の爆破ボタンを押した。

ズオオオオオオオオ──────
384 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 00:53:47.69 ID:Aro.xEAO
───────

スネーク「……大丈夫か?」

りっちゃん「いきなり爆破させるから心臓がビックリしただろ!」

スネーク「すまんな。ただあの位置ならリキッドもただではすまない。メタルギアにダメージを与えられなくとも奴は……」

リキッド・オセロット「不意打ちとはやられたよスネーク」

スネーク「!?」

脚橋の中央に居た筈のリキッドはいつの間にか端に移動し、爆風から難を逃れていた。
その傍らには黒いコートを着こんだ黒髪の女の子が日本刀をダラりと持ちながら佇んでいる。

りっちゃん「澪!!」

澪「お怪我は?」

リキッド・オセロット「問題ない。さすが奴の代用、いい動きをしている」
385 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 01:02:00.57 ID:Aro.xEAO
澪「代用…?」

訝しげに聞く澪に対しリキッドはしまったしまったと軽く笑い呆けている。

リキッド・オセロット「失言だったよ。まあこれが完成した今もうお前に用はない」

澪「えっ、一体どういう……」

リキッド・オセロット「私は今から『歌』を取り戻しに行く。世界の『歌』をな!」

澪「取り戻しに行くって…どうやって? 世界の皆が歌うのを待つんじゃ……」

リキッド・オセロット「フフフ……ハッハッハ……!!!!」

澪「何がおかしい!」

リキッド・オセロット「私の取り戻したい歌とお前の取り戻したい歌は違う。私の取り戻したい歌、それは即ち……」

リキッド・オセロット「戦争だ!!!!!!」
386 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 01:14:14.71 ID:Aro.xEAO
澪「何を……」

リキッド・オセロット「今の世界は腐っている。やれ平和だのやれ核廃絶だの、そんな出来もしないことを掲げている。人間は戦争をして生きて来たのだ。平和でいる時間など人類を考えれば僅か数時にしか過ぎん。だから俺がもう一度引き金を弾く! 核戦争への火蓋を落とす!!!」

スネーク「何が目的だリキッドォ!!!」

リキッド・オセロット「俺がお前を越えた証を世界に刻み付けてやるだけだ!!!」

スネーク「ビッグボスはもういない!!!」

リキッド・オセロット「ビッグボスを越えたお前を殺し世界を崩壊に追いやることで俺はこの遺伝子から解放される!!!」

スネーク「わけのわからんことを!!!」
387 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 01:28:31.95 ID:Aro.xEAO
澪「じゃあ……私は……私達は何のために」

リキッド・オセロット「お前達のおかげで随分上手くことが運んだ。その事だけは感謝しよう。琴吹家のバックアップがなければメタルギアVOICEは完成しなかったからなァ!!!」

澪「き、貴様ァ!!!!!!」

ブンッ

リキッド・オセロット「フンッ!!!」

澪「ぐぅはっ……」

リキッドのボディブローがコート越しに澪の体にめり込む。

リキッド・オセロット「人形は人形らしくしていればいい。歌を取り戻す? 笑わせるな。お前達のような弱者には何も出来ん。何かを成し遂げられるのは優れた遺伝子を持つものだけだ!」

りっちゃん「澪!!!!」

澪「私達は……こんな奴の為に…」

お腹を抑えながら悔しさに顔を歪める澪。

澪「(律……ごめんな……でも……)」

意識が霞んで行く。

澪「(全部……夢ならいいのに……。)」
388 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 01:43:30.81 ID:Aro.xEAO
りっちゃん「お前……っ!!」

スネーク「リキッドォォォ! 今ここで終わらせてやる!!」

リキッド・オセロット「貴様らに見せてやろう!!! メタルギアVOICEの力をな!!!」

リキッドが脚橋からメタルギアに飛び乗る。

スネーク「本当に無傷とはな……。りっちゃん、やれるか?」

りっちゃん「……。」

スネーク「今は奴を倒すことに集中しろ。いいな?」

りっちゃん「…わかった」

澪、負い目…感じてるだろうな。
澪を騙し、ムギを騙し……世界を陥れようとする全ての元凶……!!!

りっちゃん「リキッド・オセロット!!! あんたは私が倒す!!!」
389 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 01:57:22.23 ID:Aro.xEAO
リキッド「死ねぇいスネークゥゥゥゥ!!!!!」

ギィン、ウィン、ガウウウウウウウン

二足歩行の兵器が動き出す。

ガシャン!ガシャン!

肩口についている巨大なスピーカーの様なものが突き出される。

スネーク「来るぞ!」

身構える二人に対しリキッドは声高らかにこう言った。
390 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 02:13:08.13 ID:Aro.xEAO
リキッド・オセロット「聞け!!!!! これが世界の歌!!!! WORLD OF SONGだ!!!!」


ウ゛ンタンウ゛ンタンウ゛ンタンウ゛ンタンウ゛ンタンウ゛ンタン


スネーク「なんだ……っ……これは」

りっちゃん「体が……動かない!?」


リキッド・オセロット「メタルギアVOICEは音によって直接神経にアクセスし聴く人間の自由を奪えるのだ!!! それだけではない!!! それを利用し操ることも出来る!」

スネーク「そいつを利用して核を撃つつもりか!!!」

リキッド・オセロット「いいや違うな! 核を発射する為にロックされているものを特定の音を出すことでこいつは解除することが出来る!!!」

スネーク「ロシアの核はそれでか…!」

リキッド・オセロット「動けない貴様達にこれ以上話すことはない! 死ねぇいスネーク!!!」

スネーク「オオオオ動けッッ」

りっちゃん「くっ」

ボスンッボスンッボスンッボスンッ
何連装かのロケット弾が上空に発射される。それはやがてロックオンされている二人に向かって降り注ぐだろう。

りっちゃん「(万事休すかっ……)」
391 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/27(金) 02:23:53.37 ID:Aro.xEAO
バアアアアアアアアン!!!!

リキッド・オセロット「何ぃ!?」

スネーク「動けるぞっ! りっちゃん!」

りっちゃん「うん!」

甲高い音が一気に流れたと思うと二人は自由を取り戻し、思い切り走ってロケット弾を避ける。

リキッド「どういうことだ!!!」

トゥルルトゥルル……

りっちゃん「通信……?」

見知らぬ番号に戸惑いながらも出る律

ピュンッ──

紬『りっちゃん! 大丈夫!?』

りっちゃん『ムギ?! どうして…まさかさっきの!』

紬『うん! 私が妨害音を流して止めたの! 私達が犯した罪は消えないけれど…今はりっちゃんの為になりたい!』

りっちゃん『ムギ……』

紬『今からメタルギアVOICEの特徴や弱点を言うわ!』

りっちゃん『頼むよ、ムギ!』
392 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/27(金) 02:25:43.36 ID:Aro.xEAO
思ったより長い……

色々スペック考えます寝ます

まだ見てくれてる人いて嬉しいです
一人でもいる限りがんばって完結させたいです
393 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/27(金) 02:31:11.64 ID:QlN8ZuYo
超乙
遅くても書いてくれるんだったらずっとへばりついてる

それにしても>>386でオセロットがわかりやすく説明してくれてるのに
わけのわからん事を!で済ますとかwww
394 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/27(金) 02:59:44.30 ID:WVl546AO
乙!
395 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/27(金) 13:40:11.05 ID:eHr1lAAO
期待してるぜ
396 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/27(金) 13:48:43.89 ID:dlyQHZUo
うんたんww
397 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/27(金) 23:15:04.69 ID:6RYDcFQ0
まさかのうんたんwww
398 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 00:53:33.30 ID:sDZ7cAAO
紬『メタルギアVOICEは私(琴吹)家の技術を集約しているわ…。武装から説明して行くわね。基本的にはメタルギアRAYに近いかしら。』

紬『16連装追尾式ロケットランチャー、大口ガトリングガン、水圧カッター、四散型レールガン…更に地走式Sマイン何かも装備しているわ』

りっちゃん『RAYの資料は見たことあるけど大体一緒だな』

紬『油断しないでりっちゃん。どれもRAYより格段に強化されているわ。海水を抽出しないとすぐなくなっていた水圧カッターも今ではほぼなくなることはなくなったの』

りっちゃん『そうなのか!?』
399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 00:55:02.15 ID:sDZ7cAAO
紬『ええ。容量タンクが大きくなったのとあの装甲が産み出しているのよ』

りっちゃん『装甲が!? どうやって!?』

紬『りっちゃん、夏場に冷たい飲み物何かを常温に晒していたコップ何かに注いでしばらく経つと周りに水滴がついてたり……なんてことはない?』

りっちゃん『あるある! 冷たいのが逃げた〜ってなるよなぁ』

紬『ふふふ、りっちゃんらしい。あれと同じ原理なの。周りの温度に合わせてメタルギアRAYは発熱したり凍結したりするの。それによって産み出された水分を内部のタンクに取り入れるの』

りっちゃん『なるほど……』
400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 00:58:21.71 ID:sDZ7cAAO
紬『更に水圧カッターで放出された水は大量のイオンを含んでいるの。それを撒き散らした後の四散型レールガンで広域感電攻撃何かも注意して!』

りっちゃん『地走式Sマインってのは?』

紬『ただの地面を走る爆弾よ! りっちゃんなら問題ないわ!』

りっちゃん『一番問題あるよ……』

紬『一番大事なことを話してなかったわ! あの装甲だけれどあれはナノマシン装甲なの』

りっちゃん『ナノマシン装甲??』

紬『セラミックとナノマシン融合させた琴吹家特製の金属なの。タングステンやレニウムも配合されていて破壊される度ナノマシンが感知して自己修復を行うわ。RAYにも搭載されていたものに似てるけど修復率が段違いよ。破壊されたところを99.86%修復されるよう設定されているわ。ダメージコントロールってレベルじゃないわね』

りっちゃん『oh.....』
401 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 00:59:53.41 ID:sDZ7cAAO
りっちゃん『ってそんなのアリかよっ!? だからC4でもビクともしなかったのか……』

紬『いえ、確かに世界一硬い金属とも言えるけど壊れないほどじゃないわ。世界中に存在する物質で今人間が破壊出来ないものはないのよ?』

りっちゃん『そうなんだ…ムギは物知りだな!』

紬『ええ。りっちゃんと別れていっぱい勉強したから……』

りっちゃん『…ムギも変わったんだな』

紬『ううん。変わってない。私はずっとりっちゃんがみんなを迎えに来てくれるのを待ってたの。ずっと……』

りっちゃん『ムギ……』
402 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 01:00:50.21 ID:sDZ7cAAO
りっちゃん『ごめん、待たせちゃったかな?』

紬『待ちくたびれたわっ! なんて。今はそれ所じゃないわね。端的に言うわりっちゃん! 脚を狙って!』

りっちゃん『脚か!』

紬『あそこの駆動部分は部品が届いていなくて100%ナノマシン装甲じゃないの。だから上手く狙えば……』

りっちゃん『わかった! ありがとうムギ!』

紬『後さっきみたいな音にも注意して。メタルギアVOICEの両肩についている電子スピーカーから出される音は人間の精髄に直接働きかけられるの。さっき動きが止まったのも筋肉を硬直させる音波を出したからよ』
403 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 01:01:41.13 ID:sDZ7cAAO
りっちゃん『対策は?! 耳を塞いだらいいのかな?』

紬『耳を塞ぐぐらいじゃムリよ! もしVOICEが体勢を取ったら思い切り叫んで! 自分が発する音が混じれば上手く伝達されない筈よ! 一々気を回すのが嫌なら歌いながら戦ったりしたらいいかも。もし動けなくなってもまた私が妨害音を流すから心配しないで!』

りっちゃん『わかった! 任せたぜムギ!』

紬『歌いながら戦うりっちゃん……素敵』

りっちゃん『歌いながら戦うこと決定してるんだ……』

紬『りっちゃん……澪ちゃんを……助けてあげて』
404 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 01:05:38.34 ID:sDZ7cAAO
りっちゃん『……』

紬『私達には無理だった……出来なかったから。澪ちゃんを助けられるのはりっちゃんだなの』

りっちゃん『……わかってるよ、ムギ。メタルギアを倒して、澪を連れてみんなでここを脱出しよう。そしたらさ、また考えようぜ。これからどうしたらいいか。みんなが一緒に歩ける道を探そう。絶対に』

紬『りっ…ちゃん……』

りっちゃん『泣くなよ、泣くのは全部終わってからだ』

紬『うんっ! また何かあったらCALLして。周波数は269.15よ』

りっちゃん『つむぎいーこな!わかった!』

紬『///』

やっぱりっちゃんは変わってない。
あの頃のままだ。だから信じよう、この人を。

ピピュン……
405 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 01:07:09.10 ID:sDZ7cAAO
りっちゃん「スネーク!! 生きてるー!?」

リキッド・オセロット「潰れろ!!! スネェェェェェク!!!!!」

ダンダンダンダンッ!

スネーク「何とかな! で、何かわかったか!?」

メタルギアに追いかけるのを逃げながら顔だけ律に向け問う。

りっちゃん「脚だ! 脚の駆動部分は装甲が薄いらしい!」

スネーク「よぅし!!! りっちゃん! 武器はあるか!?」

りっちゃん「実弾はPSG-1しかない!!!」

スネーク「ならこいつを使え!!!」

スネークはどこからか取り出したものを律に地面を滑らす様に投げた。

りっちゃん「これは……!!!」

スネーク「スティンガーだ!!!」
406 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 01:09:15.09 ID:sDZ7cAAO
りっちゃん「FIM-92、スティンガーミサイルか! ってどっからこんなもの!?」

スネーク「細かいことはいい!!! 使い方はわかるな!?」

りっちゃん「VR訓練で残存する兵器は大方訓練済みだよ!!!」

スネーク「VRと実戦は違うのを忘れるな!! 空気抵抗や摩擦などが加わることを覚えておけ!!」

りっちゃん「わかった!!! スネークは!? 武器あるの!?」

スネーク「俺はRPG-7がある!!!」

りっちゃん「武器庫かよあんたは!!!」

スネーク「弾は無限にあるがバッテリーの持続時間に気をつけろ!!!」

りっちゃん「大丈夫!!! 赤外線がなくったって手動でやってやる!!!」

スネーク「頼もしい限りだ!」

リキッド・オセロット「何をごちゃごちゃ喋っているぅぅぅぅ!!!」
407 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 01:25:58.28 ID:sDZ7cAAO
チャンチャンチャカチャーン───
チャンチャンチャカチャーン───
(ボス戦のテーマ)

リキッド・オセロット「こいつを喰らえ!!!」

両足を固定し、背中をやや丸めたメタルギアVOICE。

スネーク「ミサイルが来るぞ!!!」

りっちゃん「わかってるよ!!!」

シュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッ

打ち上がった16発のロケット弾は律とスネークに狙いを定め飛んでいく。

それと同時に律は止まる。
スネークは走ったままだ。
この手の追尾式ミサイルの避け方は三種類ある。
408 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/31(火) 01:26:54.45 ID:sDZ7cAAO
音楽とか貼ろうかなって思ったけど2のテーマだけあんまりなかったっていう……
3と4はいっぱいあったのに……
409 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 01:35:52.23 ID:sDZ7cAAO
一つはスネークの様に走り回って追尾させないやり方。大抵のミサイルはスピードの慣性が追尾能力を上回るので最後まで追尾出来ず素早く動く小さな物には当たりにくい。
二つ目はチャフグレネードなどで電波障害を起こし追尾させないやり方。
三つ目は今律がやっているものだ。

ミサイルが律に近づく。
残り10.8.5.3m……

りっちゃん「とぉっ!!!」

ギリギリのところで前転回避し事なきを得る。
そう、三つ目は見てもらったようにギリギリまで引き付けてから避けるというやり方だ。
この方が体力の温存にはなるがミサイルの爆破の威力次第では爆風にも巻き込まれる可能性がある為初見でやることではない。
ただ律は16連装ってことで一つ一つの火力は少ないと見たのだろう。
実際その通りで爆破自体は小さなものだった。
410 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/31(火) 01:45:30.82 ID:jzFh0MAO
メタルギアvoiceのタンクの仕組みがいまいちわからん
411 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 01:45:52.34 ID:sDZ7cAAO
りっちゃん「今度はこっちから行くぜ!」

ミサイルを避けた律がそのまま寝そべりながらメタルギアVOICEの脚部をロックオンする。

りっちゃん「行ってこーーいっ!」

バシュウッ!!

弾き出された弾丸は音速を越え狙ったメタルギアVOICEの脚部へと吸い込まれる様に刺さった。

ゴオッと言う破壊音と共に少し巨体が揺らいだ。

リキッド・オセロット「生意気な!!!」

スネーク「いいぞりっちゃん!!」

りっちゃん「ど〜んなもんだいっ」

スネークにガッツポーズしてみせるのも束の間、

リキッド・オセロット「貴様ァ……!!!!」

次の攻撃、地走式Sマインが襲いかかる。
412 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/31(火) 01:55:05.58 ID:sDZ7cAAO
>>410
かなり適当ですがwww
周りが暑い場合自らが冷たくなり温度差で周りに出来た水滴を吸収してタンクに送るってイメージですかね。

現実には勿論出来ません。
RAYを越える為にかなり無茶苦茶設定使ってますがふーんぐらいに思ってくだされば助かりますwww

水蒸気とか起こすにしても元の水がないし……あんま理科詳しくないので><
413 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/31(火) 02:05:52.28 ID:jzFh0MAO
MGS自体が無理やりな設定だしなwww
414 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 02:12:52.76 ID:sDZ7cAAO
メタルギアVOICEからボトボトと何かが落ち、それが地面をスライドしながらこちらに向かってくる。

りっちゃん「あれが地走式Sマインかっ」

スネーク「Sマインなら厄介だ!! 拡散する前に止めるぞ!!! 」

りっちゃん「どうやって!?」

スネーク「恐らくあれは熱源でこっちを捉えてる! センサーがあるだろう? あれを狙い撃て!」

りっちゃん「無茶苦茶言って!」

律とスネークはPSG-1とSOCOMを構え狙いを定める。

カンッ! カンッ!
と金属がぶつかり合う甲高い音が聞こえた瞬間Sマインは力なく止まる。

スネーク「腕はいいらしいな」

りっちゃん「伝説の庸平にお褒めに預かり光栄だよ」
415 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/31(火) 02:15:13.76 ID:sDZ7cAAO
>>413
メタルギア自体ガンダム並みに再現不可能な代物だしねwww
416 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 02:22:53.13 ID:sDZ7cAAO
リキッド・オセロット「やるな!!! ならこいつはどうだ!!!」

メタルギアVOICEが口を大きく開けだす。

スネーク「水圧カッターが来るぞ!!!」

りっちゃん「対処法は!?」

スネーク「ないっ!! 逃げ回れ!!!」

りっちゃん「ええええっ」

リキッド・オセロット「喰らえっ!!!!」

ジィィィィィ

物凄い水圧の水が律達に襲いかかる。
地面を切らない程度に設定してあるのだろうが触れれば人間の肉などプリンかの様に容易く千切れ飛ぶだろう。
りっちゃん「うわあっ」

スネーク「ぐっ!」

メタルギアVOICEの口から放出される水圧カッターをひたすら逃げながら回避する二人。
417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/08/31(火) 02:29:16.71 ID:sDZ7cAAO
ねむす
明日は仕事お休みなのでいっぱい書きためときます

けいおんが終わるまでに終わらせないとwww

後無限バンダナネタみつけたので貼っときます
知らない方必見です
http://m.youtube.com/watch?desktop_uri=http%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DlCX9ZFhroUQ&v=lCX9ZFhroUQ&gl=JP
418 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/31(火) 02:55:02.86 ID:jzFh0MAO
乙!

MGS123はやったけど
4とOPS、PWはやってないんだよな
PSPごと買おうかな
419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/01(水) 13:21:25.74 ID:.Iy4l6I0
http://iup.2ch-library.com/i/i0144386-1283314793.jpeg

しょぼいけど絵を描いたよー!
アナログ塗りのアナログ描きだから、期待すると[ピーーー]る。
420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/01(水) 17:43:05.62 ID:GRANDaYo
C4を「しーよん」と読むか「しーふぉー」と読むかで毎回悩む
421 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/01(水) 18:35:10.06 ID:aQ8igQAO
しーふぉーって呼んでたぞ
422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/01(水) 19:29:24.59 ID:8uBwavk0
>>420-421
「しーよん」が正解。
でも、小島監督がイベントで「しーふぉー」って言ったから、メタルギアでは「しーふぉー」

…だったはず。
423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/01(水) 20:50:36.33 ID:pjeLmOYo
3のラストの曲は良いぞ
タイトル忘れたがぜひ聞いて見て欲しい
そして歌詞の意味を俺に分かりやすく教えてくださいお願いします
424 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/02(木) 01:22:26.51 ID:sk.Mvyc0
>>419
お〜〜〜!!!!俺の脳内もこんな感じだわw

凄く良い感じだと思います。乙です!
425 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/02(木) 18:52:47.59 ID:h78brEDO
無茶だけど面白い給水方法だと思う、むしろ他に思い付かないな。
426 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/02(木) 20:33:00.02 ID:2pWFfvUo
まあ、スティンガーは多分ロックオンしなきゃ撃てないけどな。
RPG−7みたいに手動で狙うのは無理ってこった。






展開上気になるなら忘れてくれwwwwww
427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 00:31:33.15 ID:wo4f3sAO
出張から帰ったら絵師様がああああああ!!!

>>419
りっちゃん可愛いです!!!
でもソリッドと雷電wwwwww
凄い嬉しいです! ありがとうございます!
428 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 00:41:04.12 ID:wo4f3sAO
正確には「しーよん」が正解なはず。
メタルギア3でも「しーよん爆弾」って言ってた気がするようなしないような
間違ってたらごめんなさい!

>>423
名曲ですよね
自分も歌詞が気になります

>>425
水蒸気とかも考えたんですがそれも元の水がないと無理だな〜とこんな変なシステムにしてみました。

>>426
武器にあんまり詳しくないのですみませんwww
メタルギアシリーズで出来てたのでそれを参考にしてるって感じです。
ので多めに見てください><

うだうだ言わなくていいから書けよ
ですねわかっております
429 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 00:43:04.72 ID:wo4f3sAO
>>418
PWは今までのメタルギアとはちょっと違う感じですね
やり込み要素は一番高いと思います。
ストーリー性は他と比べるとちょっと薄いかもしれませんね
でも買って損はないと思います!
430 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/03(金) 00:46:37.69 ID:wo4f3sAO
リキッド「逃げ回るだけかスネェェェェェクゥゥゥゥ!!!」

スネーク「思ったより放出時間が長いな…」

りっちゃん「RAYみたいに海水を補充しなくても自分で産み出して補充してるんだ! だからいつなくなるか……」

スネーク「さすが最新型と言うわけか…! りっちゃん! 裏手に回り込め! 俺が囮になる!」

りっちゃん「わかった!!」

スネークは走る速度を緩めながらメタルギアとの距離を測る。上手く水圧カッターを避けつつメタルギアの内側に入り込むことに成功。が、減速したスネークを捉えたメタルギアはそれを潰しにかかる。

リキッド「こいつ(メタルギア)に潰されるなら貴様も本能だろう! これで終わりだァ!」
431 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/03(金) 00:51:04.32 ID:wo4f3sAO
ズガアアアアンッ

スネーク「うぉ……っ」

スネークはそれをギリギリの所で横っ跳び回避。

リキッド「なにぃ!!?」

スネーク「ウオオオオッ!」

受け身を取りながらもRPG-7を構え、水圧カッターを発水している開口部分を狙い発射する。

リキッド「させるか!!!」

メタルギアは瞬時に口を閉じると外の装甲に弾が当たる、も、大した傷もなくまたすぐに傷口が修復されていく。

スネーク「ちぃっ! 外したか…!」

リキッド「甘いわ!!」

ドゥフウウウウウ──

リキッド「なにい!!?」

巨体がガクりと揺れる。リキッドは慌ててその原因を確認する為にメタルギアを旋回させる。

りっちゃん「あ〜らごめんあそばせ! こっちにもいるのを忘れるなよ!」

スティンガーから煙が上がり、不敵に微笑む律の姿。
432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/03(金) 00:58:20.43 ID:wo4f3sAO
リキッド「こざかしいわッ!!!」

開口、水圧カッターを噴出する機械部が唸りをあげる。

スネーク「……」

りっちゃん「……」

一瞬二人の目線が交差する───

それも束の間、瞬時に目線をメタルギアに合わせる律。

りっちゃん「まだまだっ!」

律は二発目をメタルギアの口に狙い定め引き金を弾く。スティンガーの重々しい重高音が響いた後、物凄い速度で弾は加速していく。

リキッド「バカめッ!!! そんなものは効かんわ!!!」

放水をするための作業を止め、先程と同じ様に口を閉じようとするメタルギア。

りっちゃん「どうかな?」ニヤッ

律がチラッと目線を送った先には、伝説の傭兵ソリッドスネークの姿があった。
スネークは既にSOCOMを構えており────

バンッ───
りっちゃん「バーンッ……」

律は手を拳銃のように型どり、撃ってみせた。

ズォォォォォォッ
433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/03(金) 01:11:34.25 ID:wo4f3sAO
リキッド「ぐうぅ……何が起こった……!?」

衝撃で叩きつけられたリキッドは覚醒を促すように首を横に二、三回振りながら状況を確認する。

リキッド「……ちぃっ、水圧カッターがやられたか」

メタルギアの口は爆発により原型を歪めていた。
特殊装甲は外側だけであり中は普通の金属のようだ。

りっちゃん「だから言ったろ? それはどうかなってさ」

話ながらもスティンガーで脚に狙いをつけ始めている律。

リキッド「(スティンガーは発射してからすぐには速度は上がらん……あのタイミングなら間違いなく間に合っていた筈だ。それに直撃したにしてはダメージが少ない。まるで手前で爆発したような……)」

リキッド「なるほど……やはり貴様か、スネーク」

スネーク「どうしたリキッド。ビッグボスを越えると言っている割にはそこの新兵一人に手こずってるみたいじゃないか?」

リキッド「貴様ァ……!」
434 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/03(金) 01:18:13.78 ID:wo4f3sAO
リキッド「ククク……そうでなくてはな! 兄弟!!!」

リキッド「ならばこちらも本気で行くぞおおおお!!!!」

メタルギアの両肩から巨大なスピーカーせり上がる。

りっちゃん「スネーク! あれが来る! 大声を出してノイズを混ぜれば回避出来るらしい!!!」

スネーク「わかった! 大声には少し自信がある! 任せておけ!」

リキッド「行くぞおおおおおおおおスネークウウウウウウウウウ!!!!!!」

リキッド「ザ・ワールド!!!!!」

ウ゛ンタンウ゛ンタン
ウ゛ンタンウ゛ンタン
435 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/03(金) 01:21:34.87 ID:wo4f3sAO
りっちゃん「あーーーーーーーーーーーー」

スネーク「おおおおおおおおおおおおおおおお」

ウ゛ンタンウ゛ンタン
ウ゛ンタンウ゛ンタン

りっちゃん「だあああああああああああああああ」

スネーク「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

ウ゛ンタンウ゛ンタン
ウ゛ンタンウ゛ンタン
ウ゛ンタンウ゛ンタン

りっちゃん「息があああああああああああああ」

スネーク「太陽おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
436 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/03(金) 01:49:18.99 ID:wo4f3sAO
スッ────

ウ゛ンタンウ゛ンタン

りっちゃん「しまっ……」

息継ぎの瞬間に音が入り込み、律の体が止まる。

スネーク「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

りっちゃん「(どんな肺活量してんだよっ!!!)」

リキッド「死ねぇぇぇぇ小娘!!! 」

顎の辺りについているレールガンに電撃が集中する────

バアアアアアアアアアアアアアンッ

りっちゃん「っと! 動ける!」

リキッド「ちぃっ!! 小娘が!!!」

しかし、発射されたレールガンは水圧カッターで噴出された水を伝い電染する。

スネーク「飛べッ! りっちゃん!!!」

りっちゃん「了解ッ!」

二人は中空に高く飛ぶとその下を電撃が走って行く────
437 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 01:56:04.39 ID:wo4f3sAO
ご飯はおかずを書いたbiceさん亡くなってたのか……

ご冥福をお祈り致します。
買います
438 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 02:05:55.85 ID:SNpPzTI0
えーかいたよー。
またもやあなろぐー。
ペンタブ欲しい…。

黒ペン買いに行かないとな…。
http://iup.2ch-library.com/i/i0145177-1283446992.jpeg
439 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/03(金) 02:07:17.73 ID:wo4f3sAO
プルルップルルッ……ピュンッ

りっちゃん『サンキュムギ! でもあんな長い間音を出されたら……』

紬『あの音を止めるには何個かやり方があるの。一つは私みたいに衝撃音を出して音を相殺するやり方。ああ云う強い衝撃音は鼓膜に響くわ。今もぐわんぐわんってなってない??』

りっちゃん『なってるなってる』

紬『そうなるとしばらくの間神経を操るような精度は出せなくなるの。』

りっちゃん『なるほど、後は?』

紬『体勢を崩したりかな? デリケートな音だから高さや位置が一瞬ズレるだけで動けなくするなんてことは出来なくなるわ』

りっちゃん『そう言えば大声出すのに夢中で攻撃するの忘れてた……』

紬『ふふ、だから歌いながら戦うりっちゃん……』

りっちゃん『わかったわかった! 確かに歌いながらの方がリズムも生まれるしやりやすいかもな! やってみるよ!』

紬『妨害音もそこのスピーカーを壊されたら鳴らせないわ。だからそう何度も使えない……だから気をつけてねりっちゃん』

りっちゃん『了解!』

ピピュン……
440 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 02:09:05.09 ID:wo4f3sAO
>>438
上手すぎるッッッッッッッ

りっちゃん可愛いはあはあ

わざわざこんな時間にありがとうございます!
441 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/03(金) 02:21:59.29 ID:wo4f3sAO
リキッド「思ったよりもやるな。本当はもう少し楽しみたかったが……時間が押していてな。そろそろ終わりにしてやる!!!」



スネーク「…見たところ薄くだがあの装甲で覆ってあるようだ。一撃一撃撃ってもすぐに再生される。二人同時に叩き込むぞ」

りっちゃん「わかった! やってみるよ!」

スネーク「……りっちゃん、新米だと思ってたのは俺の見誤りだったらしい。お前さんは立派な戦士だ。だがこんな生き方は似合わない。この戦いが終わったら武器じゃなく、もっと相応しいものを持って生きろ」

りっちゃん「……うん、わかってる。ありがとう…スネーク」

スネーク「……来るぞッ!!」
442 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 09:31:25.26 ID:/rMD8UAO
うおおおおお
443 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 20:19:09.38 ID:qpMswtIo
太陽おおおおおおおにワロタwwwwww
444 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/09(木) 17:26:00.22 ID:mG/JKQAO
リキッド「止まれえええええええ!!!!」

巨大なスピーカーが律達の方を向く。

紬「(妨害音を……!)」

制御室内にいる紬が妨害音を鳴らそうと手を伸ばした時だった、

リキッド「させるかあああッ!」

ババババババッ───、

メタルギアの腕についているガトリングがけたたましく回転し格納庫内のスピーカーを撃ち潰す。

紬「くっ」

リキッド「用済の蝿がウロウロと。資金援助に免じて命までは取らないでやったものを」

ゆっくりと扉を開け、強化ガラスに包まれていた制御室を出て橋脚に降り立つ紬。
445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:26:37.72 ID:mG/JKQAO
りっちゃん「ムギッ!?」

紬は下にいる律に微笑んだ後、メタルギアに乗っているリキッドに向かって話始めた。

紬「あなたは以前音楽を取り戻したいって私達に近寄って来ましたよね? あれは嘘だったんですか?」

リキッド「嘘ではない。ただ貴様らの求める音楽と俺の求める音楽が違っただけだ」

紬「ならもう……私達に協力するつもりはないと?」

リキッド「くどいな紬嬢! 俺はあんなママゴトの音楽など知ったことじゃない!!」

紬「そうですか……なら仕方ないですね…」

紬は懐から何かを取り出し、リキッド見せつける。
446 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:27:28.89 ID:mG/JKQAO
紬「これはメタルギアの自爆装置よ。万が一と思って隠して作ってたの」

リキッド「なにぃ……?」

りっちゃん「でかしたぞムギッ!!!」

紬「私は元からあなたなんて信じてなかった。ただ利用していただけよ。確かにあなたのやり方は本当に音楽を奪還出来たかもしれない。けれどもう必要ないの。りっちゃんと…正気に戻ったみんなでまたやり直す。だからもう……メタルギアなんていらないわ!!! 伏せて! 二人とも!!!」ピッ

りっちゃん「うわあっ」

スネーク「わかった!」

リキッド「やめろおおおおおおおおっ!!!!」
447 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:29:53.33 ID:mG/JKQAO
────────、

紬「……なんで?」ピッ

紬「なんでッ!! なんでッ! 自爆……」ピッピッ

リキッド「しなーーーーーーーーーっい!!! ククク、貴様が寝ている間に外させてもらった。どうださっきの演技は? お嬢様の夢を壊さぬようアカデミー賞並みの演技力を披露したつもりだが」

紬「リキッド……オセロット!!!」

リキッド「目障りだ!!! 消え失せろ!!!」

右腕のガトリング砲が紬に狙いを定める。

りっちゃん「えっ…、おい……!!! やめろよ!! ムギには関係ないだろっ!!!」

それに気付くも橋脚の上にいる紬をどうにかすることも出来ず、虚しく銃砲が鳴く────

ババババババ────


りっちゃん「ムギイイイイイイイッ!」
448 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:30:32.71 ID:mG/JKQAO
────────

私はどうしたかったんだろう。全てを捨ててまで掴み取ろうとした音楽は……手からすり抜けてしまった。
音楽を取り戻せばまたあの日々(世界)が戻ってくると信じていた。
私はただ戻りたかった。

あの頃に───

毎日が幸せに溢れていて

みんなで笑いあえて

明るい眩しい世界に


なのに……どうしてこんなことになったんだろう。
仲間もいなくなり、見渡せば自分一人しかいない。
真っ暗な夜原を一人でさ迷い続けてる。
振り向けば来た道は崩れてて、もう前に行くしかない。

絶望しか待っていない未来に……
449 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:31:38.70 ID:mG/JKQAO
私が取り戻したかったのはなんだったのだろう?

音楽だったのかな?

仲間、友達だったのかな…?

いや、違う。

音楽、友達、……それは私達のカケラ。

だから一つでも欠けたら駄目なんだ。

だから……

だから………

だから…………

でも、

『一緒に取り返さないか?』


『私にはそこまでする理由がわからない』

一番最初に一番大切なものが既に欠けていたんだ。

ふふ…、なら上手く行くわけないよな。

だって私が一番取り戻したかったのは──────
450 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:32:44.69 ID:mG/JKQAO
澪「ん……」

覚醒していく。体にかかる重さがコートのせいだと気づくまでに頭が働くようにはなっていた。

澪「ここは……そうか。あの人に殴られて…」

油断していたとは言えこのコートの上から気絶させる程の当て身とは、只者じゃないとは薄々思っていたけど。

「……ッ!! ……ッ!!

声がする。ムギの声。良かった、起きられたんだ。

体の調子を確認しながらゆっくり立ち上がると向こう側の橋脚にいるムギが目に入る。

リキッド「目障りだ!!! 消え失せろ!!!」

澪「!!?」
451 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:33:16.45 ID:mG/JKQAO
ガトリング砲がムギに向く。
助けなきゃ……助けなきゃ……。

澪「うぅ……」

体が動かない…。克服したつもりなのにこんなところで怖がりが出るなんて…。
変わったんじゃないのか秋山澪!!!
誓っただろう! あの頃に戻るために強くなるって!

澪「動いてよ…」ガクガク

それでも体は動かない。

怖いっ……怖いっ……怖いっ……!

りっちゃん「えっ…、おい……! やめろっ!!! ムギには関係ないだろっ!!!」

律が泣きそうな顔をしている…。
なんで……?
誰が泣かせたんだ……?

リキッド「」

澪「お前か…!」
452 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:34:04.28 ID:mG/JKQAO
───────


白煙が晴れて行く……。
そこに現れたのは真っ黒なコートに身を包んだ澪だった。

澪「もうこれ以上何も失わせたりしない…」

黒灰の瞳が激情に燃える。

りっちゃん「澪……!」

紬「澪ちゃんっ!」

スネーク「……」

リキッド「ちっ、まさかこいつのガトリングさえ止めるとはな。ソリダスのを改造しただけはある」

スネーク「(ソリダスだと…?)」

澪「重火器に対しては無敵だと言ったのはあなただろう! リキッド・オセロット……! 今一度問う! あなたにとって音楽とはなんだ! 返答次第では……討つ!」
453 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:36:49.06 ID:mG/JKQAO
リキッド「俺にとって音楽とは戦争、争いだ! 歌は叫びや歓喜の声!!! これが人間の正しい姿なのだ!!!」

澪「……ならもうあなたに従う意味もないな。メタルギアは音楽を取り戻す為に必要だ。返してもらう……!」

リキッド「返せだと? こざかしいッ! 小娘が調子に乗るなよ!!!」

澪「ムギ、下がってろ」

紬「澪ちゃん、りっちゃんが……」

澪「……律は関係ない。これは私達の問題だから。それに律は…敵だ」

紬「……自分に素直になってね……澪ちゃん」

澪「……」

携えた鞘から刀を抜き、迷いを振り払うように二、三回左右に切り払った後、切っ先を向けて言い放つ。

澪「…行くぞ」
454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:40:14.00 ID:mG/JKQAO
メタルギアのガトリングガンが火を吹く。
一発一発が当たれば死に貶められる一撃。
しかし澪はそれを事も無げにコートの裾翻し銃弾纏うように弾く。

リキッド「ちぃっ!」

澪「はあぁっ!」

橋脚を飛び出してガトリング砲に一閃────

澪の刀はガトリング砲をまるでバターの様にスライスして見せた。更に高さ数十mといった所から飛び降りたと言うのに軽く受け身を取りながらあっさり着地した。
まるで羽根でも生えてるかの如くな着地。

りっちゃん「強化金属を意図も簡単に…」

スネーク「あの刀……ただの日本刀じゃないようだな。それにしてもあの運動能力……ナノマシン操作か…」

りっちゃん「あれが本当に澪かよ……」

強くなったんだな……澪は。
でも……他の道は選べなかったのかよ……澪。
455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:42:52.24 ID:mG/JKQAO
リキッド「振動斬か…」

澪「目に見えない程のごく僅かな振動をさせることでその切れ味は何倍にもなる…」

リキッド「なるほど、琴吹製品(メタルギア)には琴吹製品と言うわけか」

澪「元々これはムギが暴走やあなたみたいな人に渡った時に対処するために作られたもの。音震刀の威力……その身で味わえ!!!」

音震刀は光の輝きを浴びながら微かに震えている。

リキッド「琴吹の娘め味な真似を……! 」

リキッドは近づかせない為に距離を取りつつ澪にガトリングガンを撃ち込み動きを止める、澪は近づこうとするが多彩な重火器類の前に防ぐのがやっとと言ったところだ。
456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:43:57.44 ID:mG/JKQAO
この硬直した流れを断ち切る為にリキッドはレールガンを選択。

リキッド「電撃までは防げまい!!! 喰らええええ!!!」

澪「くっ……」

スネーク「今だりっちゃん!」

りっちゃん「澪! 伏せろ!」

澪「!!」

両脚に狙いを定めていた二人が同時に発射する。
屈んだ澪の頭上をスティンガーミサイルが通過し、メタルギアの脚の関節部分に見事ヒットした。
爆炎を撒き散らすと同時にメタルギアが大きく傾いて行く。

リキッド「おおおおっ」

スネーク「やったか!?」

リキッド「スネーク!! まだだ! まだ終わってないっ!」
457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 17:59:49.55 ID:mG/JKQAO
ギシギシと言わせながらも巨体を踏ん張らせる。

リキッド「まさかここまでとはな…。さすがスネークと代用品なだけある」

澪「さっきも言っていたな! 代用品とは一体どう言う意味だ!」

リキッド「そのままの意味だ。俺はこの無人島に過去を連れてきた! 言わば俺達の歴史の縮図!」

りっちゃん「なにを…!」

リキッド「FOXHOUND、メタルギア、スネーク、雷電、ソリダス、シャドーモセス、デッドセル、謎の忍者……核」

リキッド「ここには今まで起こった俺達の歴史が詰まっている。俺がそうなるよう仕向けたのだ!!!」

スネーク「それに何の意味がある!?」

リキッド「踏み越える為さ!!! この今までの過去の縮図を踏み越えることによって俺はようやく未来に進める!!! このメタルギアVOICEと共にな!!!」

澪「っ……!?」

澪「そんなことの為に……そんなことの為に私達を利用したのか!!! お前は!!!!!」
458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 18:13:39.75 ID:mG/JKQAO
リキッド「お前はいい働きをした。秋山澪、いや……ソリダス・スネーク」

澪「私はそんなやつ知らないっ!!! 勝手にお前の過去に私達を結びつけるな!!!」

感情に任せ斬りかかる。メタルギアは立っているのもやっとだと言うところだ。
これがとどめとなるだろうと言うことは歴然だった。

だが────

リキッド「メタルギアVOICEの真の力はこれからだ!」

スピーカーから音が発射される。

スネーク「まずいっ! 声を出せ!」

りっちゃん「いや……これは。さっきと違う…」

ウイイイイイイイイイ

『メタルギア、第二形態に移行。』

リキッド「スネーク!!! 生き延びろよ!! 次に会う時は戦場だ!!! お前の大好きな冷戦のな!!!」

スネーク「何っ?!」

りっちゃん「そんな…」

澪「メタルギアが……消えていく……」

リキッド「また会おう!!!」

両手で銃をイメージしたような二本指を立て、突き出す。

嘗てのリボルバーオセロットのように。
だが、それに気づくものは誰もいない。

ここには。
459 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/09(木) 18:41:08.26 ID:mG/JKQAO
少し時間をかけすぎたな。
タイムリミットとは。
まあいい、元々排除は奴等に任せる予定だったしな。

これで過去の清算は終わった。

これから始まる冷戦、その未来にもう賢者達は必要ない。

いや、今は愛国者達か。

解体されたMSFが動いてると情報があったがどうやらカズヒラ・ミラーではない…。
もしや……いや、そんなわけがない。
ビッグボスが生きているなど……。

大丈夫だ、あの人のことを思えるなら俺はまだ……。
460 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 01:35:13.32 ID:v9WZq.AO
りっちゃん「まさか消えるなんて……」

スネーク「焦るな! ステルス迷彩だ。見えないだけで物体をすり抜けられるわけじゃない! まだそこにいるぞ!!!」

りっちゃん「ならスティンガーで!!」

スネーク「無駄だ。ステルス迷彩は熱源も消せる。スティンガーじゃロック出来ん。俺が炙り出してやる!!」

そう言ってRPGを構えたスネーク。先程までメタルギアがいた辺りに狙いをつけ撃ち放つ。

ズオッ

ドオオオオッ

しかし弾は虚しく壁に当たり爆発する。

スネーク「あれだけの質量だ、動いてわからないわけがない……一体どこへ消えた…?」

ズオオオオオオ

りっちゃん「次はなんだ?!」

スネーク「地上への昇降口が開いて行く……奴はあそこから地上に出るつもりだ!」
461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 01:44:11.10 ID:v9WZq.AO
りっちゃん「ならあのせり上がってる台の上に?」

スネーク「ああ!! 逃がさん!!」

ガチャッ、ズオッ────

ズオオオオオオッ

スネーク「ちぃっ! いないだと!?」

りっちゃん「クソ……ッ! 澪! お前なら何か知ってるだろ!? 教えてくれ! 私達はあれを止めなくちゃいけないんだ!」

澪「……。私にはメタルギアが必要だ……った。ただもういい…」

りっちゃん「澪…?」

澪「メタルギアVOICEの第二形態、それはステルス迷彩なんてただ消えるだけの機能じゃない。その音を聴いたものに認識させない命令を植え付ける凶悪な音を出している」

りっちゃん「音…?」

澪「ああ。人間には聴こえない波長だけどな。あれだけの質量が動き回っても音がしないのは私達が認識してないからだ」
462 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/10(金) 01:51:44.76 ID:v9WZq.AO
りっちゃん「じゃあ…!」

澪「さっきのもただ上手く避けただけで実際はそこにいるだろう。あくまで予想に過ぎないけどな。なんせ私達には認識出来ないんだから……」

りっちゃん「なんでそんな冷静でいられるんだよ!」

澪「!?」

りっちゃん「あれが世に出回ったら私達の世界は……」

澪「私達の世界……か。そんなものもうないよ」

りっちゃん「澪っ!!!」

澪「さよなら、律、だった人。もう二度と会うこともない」

これでいい。これで。
私はもうこんな世界で生きたくない。
だからメタルギアがどうなろうと知ったことじゃない。
音楽を取り戻そうと奮起したのを利用されて、今の私はただの世界的な犯罪者に過ぎない。
そんな世界で生きていくのは…、あまりにも辛すぎるじゃないか。
なら私は思い出と共にこの場所で死のう。

一人っきりで…
463 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 02:11:36.17 ID:v9WZq.AO
そう言い残しどこかへ行く澪を私は追いかけたかった。
でも、今は…出来ない。私が私で澪を迎えに行く為には…!

りっちゃん「メタルギアを破壊しよう。 スネーク! 手伝ってくれるよな?」

スネーク「元々こっちの仕事だからな。勿論だ。(いい目をしている)」

りっちゃん「ムギッ!!!」

紬「対処法、でしょ?」

りっちゃん「ああ」

紬「メタルギアVOICEは常にあの音波を出していると思うわ。人間には聴きとれない波長だけど聴いた瞬間メタルギアを認識出来ないような命令を出してるの」

りっちゃん「じゃあまた大声を出してる間は…」

紬「あれとは音質が違うの。聴こえる音ならそれで対処も出来るのだけれど聴こえない音になると衝撃音なんかで打ち消したりは出来ないわ」

りっちゃん「ならどうしたらいいんだよ!」

紬「簡単よ。認識しようとするから見えないの。認識しなければいいのよ」ニコッ

橋脚の上からまた微笑みかける紬。
464 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 02:28:28.87 ID:v9WZq.AO
りっちゃん「なぞなぞかよ?」ニコッ

こんな状態でも笑っていられる自分にちょっと驚く。

紬「他のことに意識を向けながら戦えばいいの。ただ生半可な意識の向け方じゃダメよ。見ようと思わないで」

りっちゃん「なるほど、他のことに意識を向けながら…か」

紬「うふふ」

りっちゃん「どうやってもそうさせたいみたいだなお前は。まさかその為にそんな設定にしたんじゃないだろうな?」ニコッ

紬「さあ、どうかしらね」

りっちゃん「私とスネークは上に出てメタルギアを討つ。ムギも後から来てくれ。メタルギアを撃破した後ここを脱出するから、みんなでな」

紬「りっちゃん…」

スネーク「(みんなで…か)」

りっちゃん「行こう。終わらせるんだ…!」
465 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 02:47:12.79 ID:v9WZq.AO
無人島 研究所 地下格納庫 昇降口上部──────

ニンジャ「はあっ!」

昇降口から一気に飛び降りる。一々研究所から回っている暇はないだろう。

台が上昇してくる────

ニンジャ「やはりメタルギア……!」

落下しながら目視するも瞬間、

ニンジャ「消えた…?!」

目の前からいきなり消えるなんてことがあり得るのか。
可能性としてはステルス迷彩…、だがあんな大型なものを消せるものか……。

一般的に言われてるステルスとステルス迷彩は大きく違う。
ステルス機は実際に見えないわけじゃない。レーダーや索敵にかからないからステルスなのだがステルス迷彩は本当のステルスと言っても過言ではない。
姿形さえ消えてしまう魔法の技術。
だが欠点も多い。

ニンジャ「これでっ!!!」

落下しながらマチェットを抜き、さっきまでメタルギアがいた場所に向かって降下しながら振りかぶる。

ニンジャ「はあああああああああっ!」

ガキイイイイイイッ
466 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 03:04:14.24 ID:v9WZq.AO
ニンジャ「(手応えはあった……けど音がしない…?)」

無論音はした、金属と金属がぶつかったカン高い音が。
だがニンジャにはそれが¨聴こえていないのだ¨。認識出来ていない。
ただ見えないだけで存在はするもの、すり抜けるわけじゃない。

リキッド「忍者か! だがその程度の攻撃ではな!!!」

ニンジャ「……!」

一瞬だけ見えた、けどまた消えた。
ステルス迷彩じゃないのだろうか。ステルス迷彩なら光学迷彩に触れればしばらく消えられないはずなのだが…。

ニンジャ「これを破壊すればまたあの子達は戻れる。律がきっと取り戻してくれる。だから私は……!」

台が上がりきり地上へと出る。
依然メタルギアは視認出来ない、が、間違いなくいる。
姿は消えたとしてもあの質量がいる気配を感じ取れないわけがない。
叩いた瞬間は見えた…なら何とかなる…か。その時に動力部を穿つ。

マチェットを構えて目を閉じる。

ニンジャ「(唯、待っててね。私が全部終わらせるから。だからあなたはもう戦いなんて辛い思いはしなくていいの……)」
467 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 03:28:30.41 ID:v9WZq.AO
───無人島 研究所付近───

唯「具合良くなった? あずにゃん?」

梓「はい。何とか歩けるぐらいには」

雷電「……」

梓「殺さないんですか? 私達を」

雷電「……。確かにお前達は世界を核の恐怖で脅かし、元は悪じゃないとは言え今は悪の音楽を取り戻そうとした。それは許されることじゃない」

梓「……じゃあ」

雷電「だが死んだら償うことも出来ない。俺がここでお前達を殺したところで世界は変わらない。だが生かし、償わせることで何かが変わるかもしれない。俺はそれに賭けようと思う」

梓「じゃあっ!」

雷電「勘違いするな。もしまた同じことを繰り返すなら……次は必ず[ピーーー]」

梓「……はい」

唯「私達はちゃんと……話し合わないといけないんだよね。みんなでどうするか」

梓「唯先輩…」

ドスッ ドスッ ドスッ

「……ッ!!」

雷電「なんだ……?」

梓「あれは……!」

唯「メタル……ギア……!」
468 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 03:43:05.83 ID:v9WZq.AO
───太平洋上空 無人島近海───

パイロット「こちらB-2、無人島が射程に入った。オーバー」

司令官『よし、勧告後、返答が得られない場合爆撃を開始しろ!』

パイロット「了解」

パイロット『こちらアメリカ空軍所属、B-2戦闘爆撃機だ。こちらには無人島をすぐにでも爆撃する用意がある。ただちに武装を解除し、投降せよ。繰り返す……』


──────
469 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 04:05:52.13 ID:v9WZq.AO
───無人島 研究所 内部───

『繰り返す。こちらには無人島を爆撃する用意がある。ただちに武装を解除し、投降せよ』

研究所のスピーカーから流れ出す勧告を二人は並走しながら聞く。

りっちゃん「くっ、来たか!」


スネーク「核がないとやりたい放題だな、国防総省(ペンタゴン)は!(それとも愛国者達か……)」

りっちゃん「どうしようスネーク…。このままじゃこの島は…」

スネーク「(奴が生き延びろと言っていたのはこの事か…)」

スネーク「状況を説明して止めさせるしかない。テロリストを引き渡せば…或いは」

りっちゃん「澪達を突き出せってことかっ……!」

スネーク「……」

りっちゃん「あんたは結局そうなのかよっ! メタルギアさえ倒せればそれでいいのかよ!?」

スネーク「ならお前は大罪を起こしたテロリストを逃していいと言うのか?」

りっちゃん「それは…」

スネーク「自分がいいから世界など関係ないとでも言うのか?」

りっちゃん「でもっ……なら私は……どうしたらいい?」
470 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 04:11:10.42 ID:v9WZq.AO
最終回には間に合いそう
おやすみ
471 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 12:24:57.92 ID:46IENqso
おつ
472 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 21:11:30.88 ID:p6YohIAO
乙!

おもすれーなー
473 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/11(土) 00:31:00.97 ID:wURbJwAO
スネーク「……これだけは言っておく。物事に正しいことなどない。人それぞれ価値観があり人によって答えは違う。だから戦争や宗教が生まれる」

りっちゃん「……なら何が正しくて何が良くて何をすればいいんだよ! 私にはわかんないよ……」

泣きそうになりながらも必死に考える律、

スネーク「りっちゃん」

そんな律にスネークが優しく手を律の頭の上に置く。

りっちゃん「ふぇ…?」

スネーク「目の前に困った人がいて、それをお前さんが助けたとする。果たしてそれで救われるのは何人だと思う?」

りっちゃん「何人って…困った人だけじゃないのか? 救われるのは…」

スネーク「いいや違う。それを見た周りの奴等だって救われる」

りっちゃん「えっ…」

スネーク「あの女の子の様に自分も誰かを助けられる人になろう。世の中捨てたもんじゃないってな。伝染するんだ、ここは」

ハートを二回トントンと叩くとニヤリと笑うスネーク。

スネーク「みんなが幸せに笑える世界に向かえ」
474 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/11(土) 00:44:50.57 ID:wURbJwAO
りっちゃん「みんなが幸せに笑える世界……」

スネーク「そうだ。今の段階ではお前達はテロリストだ。だから俺はお前達と敵対する。いくら音楽を取り戻す為と言っても何も知らない民間人はただの恐怖でしかない」

りっちゃん「うん…」

スネーク「どうしてもあいつらと共に行きたいなら俺を倒してでも行け。それが世界を幸せに、笑って歩める正しい道と信じるならな」

りっちゃん「……わかったよ、スネーク。ほんとにありがと」

道は決まった、覚悟も出来た。後はやるだけ。

スネーク「こんな教鞭染みたことは苦手何だがな。何でこんなことを言ったのか自分でもわからん」

りっちゃん「へへっ」

ニコニコしながら走る律に、もう迷いはなかった。
律はこれで同じ名を持つ男二度助けられた。
しかし彼らもまた導かれていたのかもしれない。
原点とも言える彼女の面影に。
それはまだ生まれたばかりだけれど、彼女とて最初からそう呼ばれてたわけではない。
きっとその種は世界に実をつけると二人の遺伝子は告げていたのかもしれない。
475 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/11(土) 01:04:08.80 ID:wURbJwAO
───────

パイロット「…反応なし」

司令官『やはりな。FOXDIEDの小娘が上手くやったらしい。もはやない組織のメンバーの生死などどうでもいいが残存兵がいるかもしれん。やれ』

パイロット「ですがそれが本当なら彼女は核の恐怖から世界を救った英雄ですよ!? 共に戦う同士を撃てと言うのですか!」

司令官『奴は裏切り者だ。奴がテロリストを生かそうなどと言うふざけた通信は既に上に報告されいる。奴は英雄などではない! 反応がない今がチャンスなのだ! 早くやれ!!!』

パイロット「くっ……! 願わくば脱出していることを祈る……!」

カチッ

B-2爆撃機から16発の爆弾が発射される。
小さな島を焼き払うには十二分な数だった。

パイロット「あれは……! なんだっ!?」

島陸上部を目視出来る程の距離に来た爆撃機は、島上で恐ろしいものを見た。

パイロット「まさかあれが…メタルギア……!?」
476 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/11(土) 01:25:32.32 ID:wURbJwAO
───無人島 研究所付近───

ニンジャ「これ(マチェット)じゃ歯が立たない……っ。何なのこの金属……! どこを狙ってもすぐに修復する…!」

リキッド「三代目忍者もなかなかやるな!!! 見えない敵にここまでやるとは正直驚いたぞ!! だがそろそろ終わりにしよう!!!」

ニンジャ「何をっ」

ウ゛ンタンウ゛ンタン
ウ゛ンタンウ゛ンタン

ニンジャ「見えっ…体が!」

せっかく姿を現したメタルギアだったがその前にニンジャの動きが止まる。

リキッド「グレイフォックス、オルガ・ゴルルコビッチ、そして貴様……シャドーモセスから始まった忍者役も今日で見納めだ」

ニンジャに狙いを定めたガトリングガンが回転し出す。

リキッド「死ね」
477 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/11(土) 01:39:50.65 ID:wURbJwAO
「ギー太、フルバースト」

ズゴオオオオオオオオオッ

ドフンッ

リキッド「なにいいいっ」

物凄い量の弾幕がメタルギアの左手を弾き飛ばす。
が、僅かにガトリングガンの発射の方が早く5.6発はニンジャに向かってしまった。
しかし、そのニンジャを守るようにして立つ男が一人。

雷電「ふんっ!!」

キンッキンッギィンッカンッ────

日本刀を振り払い銃弾を弾き飛ばす。

チュインッ────

ニンジャ「くっ……」

雷電「ちっ、一発逃したか。無事か?」

ニンジャ「ええ、ありがとう。その傷でそこまで出来るのはあなただけよ。それにしてもどんな心変わり?」

雷電「俺の一番の目標はメタルギアの破壊だ。仲間に必要なら協力しろと言われてる。だからそうしたまでだ。後のことは後に考える」

ニンジャ「そ、」

顎辺りに銃弾がカスったせいでさすがの強化外装も欠けてしまい中からその人物の口が露出してしまっている。

ニンジャ「もうこれも必要ないわね」

フェイス外装を取るニンジャ。それと同時にメタルギアと対峙していた唯が叫ぶ。

唯「和ちゃんに手を出すなっ!」

和「唯……」
478 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/11(土) 01:53:57.94 ID:wURbJwAO
唯「なんで…黙ってたの?」

和「黙っておくつもりはなかったんだけどね…。もし私ってわかったら唯、心配するでしょ? だから……」

唯「するよっ! 当たり前じゃない……幼なじみだよ? たった一人の……」

和「唯、正気に戻れたのね」

唯「りっちゃんのおかげだよ。でも一番最初にこれに参加した事実は変わらないから……私達は償って行かなきゃならないんだ」

和「そうね……」

唯「そう言えば和ちゃんはどうしてここに?」

和「言わせないでよ。ただあなた達を止めたかった、それだけよ。でも私じゃ無理だった。だから律を援護する形を取ったのよ」

唯「そっか…ごめんね…」

和「過ぎたことよ、もう。今回間違えたのなら次間違えないようにすればいい。次はちゃんと5人で話し合うのよ」

唯「6人、ううん、憂も入れて7人だよ。和ちゃん!」

和「私も憂も音楽奪還メンバーに入れる気? まあいいけど、(唯と一緒ならそれで)」

唯「ん? 何か言った?」

和「何でもないわ」


リキッド「世間話などしてる余裕があるのか?!!!」

再びガトリングガンを構えたが、その銃口一つ一つにナイフが刺さり込む。

梓「静かにしててください、今は感動の再会の場面何ですから」
479 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/11(土) 02:01:21.21 ID:wURbJwAO
リキッド「劣化デッドセル風情が調子に乗るなよ!!!?」

梓「みなさん! 来ますっ!」

雷電「話はこいつを片付けた後だ」

唯「うんっ!」

和「気をつけて! 何かの音を聴いた瞬間身動きが取れなくなるわ!」

リキッド「遅いっ!!! こいつを喰らえ!!!」

ウ゛ンタンウ゛ンタン
ウ゛ンタンウ゛ンタン

梓「なっ」

雷電「動けん…っ」

唯「ほえ?」

和「くっ……対処法はないの!?」

「簡単簡単、歌いながら戦えばいいんだよん♪」

和「!?」

何かが隣をすり抜けて行く、その背中は誰もが待ち望んでいて、みんなを救ってくれた……私達の英雄。

唯「りっちゃん!」
梓「律先輩!」
和「律!!」

律「待たせたな!!!」
480 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/11(土) 02:12:01.69 ID:wURbJwAO
スネーク「リキッドオオオオオ」

RPGをメタルギアに乱射しながら走り寄るスネーク。

リキッド「ちっ!!! 範囲外から叫びながらとは考えたなスネーク!!! しかしそうでなくてはな兄弟!!!!」

リキッド「だが第二形態は破れないだろう? 時間もない!!! さっさと殺してやる!!!」

ウイイイイイイイイイ

梓「消えましたよ!?」

雷電「ステルス迷彩か…?」

和「違うわ。さっき攻撃を何度当てても解除されなかったもの。もっと別の何か…よ」

りっちゃん「みんな! あいつは人間には聴こえない程の高音波を出してる! それを聴くとメタルギアVOICEを認識出来なくなるんだ! だから認識しようとしたら駄目だ! 別のことに意識を向けながら戦うんだ!」

梓「別のことに意識を…」

唯「向けながら?」

和「さっき歌いながらって言ったのは…」

りっちゃん「ご名答! って和あああああ?」

和「知ってるかと思うけど私はのどかよ律」

りっちゃん「知ってるよ! じゃなくて何でここに!?」

和「話は後よ、それより本当に歌いながら戦えば奴が見えるの?」
481 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/11(土) 02:23:21.70 ID:wURbJwAO
紬「本当よ! だけどその考えじゃ永遠に見えないわ、和ちゃん」

唯「ムギちゃんっ!」
梓「ムギ先輩っ!」

紬「(やっぱり二人とも無事だったのね。りっちゃんを信じて良かった……。)うふふ」

和「どう云う意味?」

紬「見ようとして見えるものじゃないの。和ちゃんの場合は歌うより気配を辿った方が戦い易いかもしれないわね」

和「さっきもそれで戦ってたのだけれどあの金属に全く歯が立たなかったわ」

紬「あれはナノマシン装甲なの。普通の攻撃じゃ傷一つつかないわ。脚部の駆動部分を狙って。あそこはナノマシン装甲じゃないから」

和「わかった」

紬「唯ちゃんはギー太をメタルギアモードにして。こんな時の為の隠しコードなの。右に2回左に3回よ」

唯「えと、右ににか〜い左にさんか〜い」クルクル

ジャキンッゴオッズオッシャキーン

唯「何かバズーカみたいになったよ!!!」

紬「それならあの装甲にもダメージを与えられるわ。梓ちゃんはこれを使って。ある武器を見立てて作ったものよ」

梓「これはっ! あずにゃんげりおん2号……ボソ」

紬「?」

梓「な、なんでもないですっ」
482 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/11(土) 02:32:02.26 ID:wURbJwAO
りっちゃん「ムギ、早かったな」

紬「ええ。居ても立ってもいられなくて直通エレベーターに乗って来たの!」

りっちゃん「あ、そんなのあるんだ! 教えてくれたら良かったのにいっ」

紬「言う前にりっちゃん達行っちゃったから。ごめんね」

りっちゃん「いいけどさ。じゃあ危ないから隠れてて。ムギはナノマシン投与も何もしてないんだから」

紬「……私は弱いままね」

りっちゃん「違うよ、ムギ。ムギの強さは私が良く知ってる。メタルギアに臆することなく私達に情報をくれたし、こうして危険を省みず来てくれた」

紬「りっちゃん…」

りっちゃん「強さは目に見える力だけじゃない。確かに表面上の力は劣るかもしれない、けどムギは誰よりも心が強いんだ! だからそんなこと言うなよ。な?」

紬「うん…うんっ」
483 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/11(土) 02:49:26.56 ID:wURbJwAO
雷電「スネーク、またあんたと会えるとはな」

スネーク「雷電……。戦場に居続ければ死んでいない限りいつか会えるさ」

雷電「そうだな。話したいことは山程あるが今はメタルギアを止めるのが先だ」

スネーク「ああ。話が早くて助かる。若いとどうしてああ話が長くなるのか」

雷電「彼女達のことか。ふふ、あんたがそんなことを気にするなんてな」

スネーク「らしくないか?」

雷電「かなりな。きっと積もる話があるのだろう、彼女達も。もしかしたら俺達以上にな。戦場に出るような歳でもない。ああやって話し合ってるのが本来の姿なのだろう」

スネーク「後生に責任を押しつけるわけにはいかないな」

雷電「ああ、全くだ」
484 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/11(土) 17:50:11.20 ID:MgCWVToo

やっぱスネークかっけえな
485 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/15(水) 02:33:17.92 ID:DTts.Aw0
続きマダー?
486 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/15(水) 19:14:14.24 ID:BN.mJag0
追いついた!!!
mgsとけいおん両方好きな俺得スレすぎる
487 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 00:53:33.18 ID:IUkc4QAO
りっちゃん「唯、梓」

唯「りっちゃん…無事で良かったよぉ」

梓「澪先輩は…」

りっちゃん「澪は…必ず連れてくる。だから心配するな、梓」

梓「…はい」

りっちゃん「今はメタルギアを破壊することに集中しよう。さっきも言ったがあのメタルギアは見ようと思っても見えない」

梓「だからって歌いながらで本当に見えるんですか?」

紬「大丈夫よ梓ちゃん! 作った私が言うんだから間違いないわ!」

唯「歌いながら〜なんて軽音部らしいよね!」

りっちゃん「頼りにしてるぜHTT(放課後ティータイム)のボーカル」

唯「えへへ///」
488 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/17(金) 00:54:29.21 ID:IUkc4QAO
スネーク「お前ら! 話はそれぐらいにしておけ! 逃げられても厄介だ!」

雷電「この島は小さいからな。RAYの様に水中潜航出来るなら不味い」

りっちゃん「わかってる! いいな? 歌いながらだぞ!」

梓「わかりました!」

唯「わかったよ! りっちゃん!」

りっちゃん「よし、行くぜっ!」


リキッド「逃げるだと? 確かにさっきの攻撃で駆動部は負傷したが……このリキッド・スネークに敗北の文字はない!!!」

リキッド「軍のミサイルなどで引導を渡すのは惜しくなったわ!!! やはりこの手で殺してやる!!!」
489 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/17(金) 00:55:21.45 ID:IUkc4QAO
りっちゃん「(実際には見えてないだけでスティンガーにはロックオンされてる筈……と思ったけどうんともすんとも言わない…)」

りっちゃん「(いないと刷り込まれいるんだから何もない所をスティンガーで狙ってもロックするわけがない……と脳が意識してるのか?)」

りっちゃん「(それとも実際にはロックしているが見えてないだけか……)」

カチッ

りっちゃん「出ないか…。声がした方にロックしたんだけど…(見えてないだけで実際にはいる、けれどロックは出来ない…? 一体どんなシステムだよ、あのメタルギアの第二形態は!)」
490 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/17(金) 00:56:14.20 ID:IUkc4QAO
和「はああああっ!」

ギィンッ!

リキッド「ちぃっ! 小娘が!」

一瞬メタルギアVOICEが姿を現す。

りっちゃん「あそこか!(あんなに移動してるなんて…! 木々を摩る音さえ聴こえないのかよ!)」

律はすぐにスティンガーを向け、ロックオン、そして発射。

ビュオッ─────

リキッド「ふんっ!」

ミサイルが着弾する瞬間、メタルギアがまた消える。

りっちゃん「でも遅いっ!(捉えたっ…!)」

シュンッ────

りっちゃん「すり抜けた…?」

ミサイルは明後日の方向へ飛んでいき、爆散した。
491 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/17(金) 00:57:48.71 ID:IUkc4QAO
唯「な〜んでな〜んだろぉ〜気になる夜〜君への〜」

梓「ふでペーンふっふ〜」

りっちゃん「二人とも見えたか?!」

唯「ううん、見えなーい」

梓「私もです…」

りっちゃん「駄目か…」

紬「駄目よ二人とも。まだ見ようとしてるわ。別に歌うから見えるわけじゃないの。歌うことで意識をこちらに集中することで¨見える¨のよ」

唯「う〜ん…」

梓「難しいですね…」

紬「わかりやすく言うと物を見る、と、風景を見る、の違いね」

りっちゃん「物を見る、と、風景を見る……か」

りっちゃん「……そうか」

唯「??」
梓「??」

紬「りっちゃんは気付いたみたいね」
492 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/17(金) 00:58:42.83 ID:IUkc4QAO
りっちゃん「例えば今この景色、唯達はこの景色を¨見よう¨としてるか?」

唯「ん〜? 見ようとするって言うか¨目に入ってる¨って感じかなぁ」

梓「……なるほど! ¨見ようとする¨のと¨見える¨のは違うってことですね!」

紬「うふふ、正解よ」

唯「みんなだけ納得しないで私にも教えてよぉ!」プンスカ

りっちゃん「悪い悪い。じゃあ唯、これ見てみ」

律が人差し指を軽く立てる。

唯「数字の1?」

りっちゃん「正解。じゃあこれは?」

次に律は何もしないままただ立つ。

唯「う〜ん? ……りっちゃん!」
493 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 01:00:19.68 ID:IUkc4QAO
りっちゃん「まあ私だな! それが答えだ」

唯「んむぅ?」

梓「唯先輩はさっき律先輩を見て1、と答えました。何でですか?」

唯「だってりっちゃんがこうやって手で……」

りっちゃん「そこだ!」

唯「えっ?」

りっちゃん「唯はその手を見て、1と答えた。でも次に私が何もしないと私を私と答えた。この違いがわかるか?」

唯「わかんない!」

りっちゃん「がくっ!」

梓「1と指した律先輩も何もしない律先輩も同じ律先輩なんです。でも唯先輩は律先輩の1と指した律先輩を見て数字の1と言いました。それが答えなんです」
494 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 01:01:28.03 ID:IUkc4QAO
唯「だからそれはりっちゃんがそうやってるのを見て……はっ!」

梓「そうです」

りっちゃん「つまりだ。見ようとするのと見えるのは違うんだ。唯が見てるのは同じ私でもある一点を見ようとすることで同じ¨見る¨じゃなくなるってこと」

紬「メタルギアはその¨見ようとする¨って云う認識を操っているの。だからメタルギアを¨見ようとする¨と一生見えないってことなの」

梓「だから歌うってことですね」

紬「そう。それがわかっていても人間は動く物を捉えようとする習性があるからそれを¨見る¨のは中々出来ないわ」
495 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 01:01:59.99 ID:IUkc4QAO
りっちゃん「それを歌うことに集中することで消す。それを風景を見てると同じにするんだ」

唯「うんっ」

梓「やってみましょう!」

紬「カメラがないのが残念……」

りっちゃん「ム〜ギィ〜?」

紬「じゃあ私は研究所の中から覗いてるわね〜♪」

りっちゃん「全く……こんな時でも変わらないな、ムギは」

唯「だね」

梓「です」

りっちゃん「じゃあいくぞ……123ッ!」


りっちゃん「君にトキメキ恋かもね〜アワアワ〜」
唯「そうだホッチキスで〜綴じちゃおう〜」
梓「ふでペン〜FUFU〜ふるえるFUFU〜」
496 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 01:03:31.62 ID:IUkc4QAO
りっちゃん「……」
唯「……」
梓「……一緒の曲にしましょうか」

りっちゃん「そ、そうだな。(唯が気になって全く見えなかったし)」

梓「(唯先輩がなんでいきなりサビからなのか気になって見えませんし)」

唯「じゃあ私の恋はホッチキス! からね!」

りっちゃん「カレーからだろ!」

梓「ふでぺんがいいですっ!」

りっちゃん「……」
唯「……」
梓「……」

りっちゃん「ふわふわでいいか」
唯「ふわふわたいむにしよっか」
梓「ふわふわ時間にしましょうか」

りっちゃん「やっぱりふわふわだよな」

唯「うん…」

梓「はい…」

りっちゃん「(澪、みんな待ってるんだぞ…)」
497 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/17(金) 01:14:56.54 ID:IUkc4QAO
スネーク「歌か……俺達も歌うか? 雷電」

雷電「冗談が上手くなったな、スネーク」

スネーク「冗談じゃないさ。見えないと戦えん」

雷電「俺達はあっちの真似をすればいい」

スネーク「あっち?」


和「はあああああっ!」

ギイイイイイッン

リキッド「何故居場所がわかる!!? まさか体中サイボーグかこいつ!!」

和「見えないと言っても実際に消えてるわけじゃないでしょ? そんな巨体がこの森の中を駆け回って何も痕跡が残らないわけがない!」

リキッド「ふんっ! この第二形態のメタルギアVOICEに接近戦を挑むと言うことがどれだけ愚かなことか知れ!!!」

和「私はどうなっても構わない…! ただあの子達の道を作るのみっ!!!」

リキッド「サムライだったか!!! なら潔く散れい!!!」
498 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 01:50:20.93 ID:IUkc4QAO
リキッド「ステルスガンを喰らえ!!!」

和「(メタルギアVOICEを認識出来ない…それはつまりそれについてる武装も認識出来ないってことよね。撃ち出された弾にまで補正が及ぶのかはわからないけど…どこから来るかわからない時点で脅威には変わらない…か。ステルスガンとは良く言ったものね…ッ!!)」

和「ッ!」

何かがカスッた…!

和「(発射の音までしないなんてステルスもびっくりね…!)」


雷電「───だが着弾まで余裕があるだろう?」

キンキンッ────

和「雷電…さん」

雷電「まずは急所を庇え。見てから防御しようとしても遅い。完璧に防がなくていい、ズラすだけで軌道は大幅に変わる」

和「…さっきは偉そうなこと言って…それに…」

雷電「それがお前の選んだ道なんだろう。ならそれでいい。俺は俺の道を行く。今はそれが交わっているだけだ。明日からはまた敵かもしれない。だから謝る必要などない」

和「…ふふ、そうね」

私達はただ、自分達が信じる道を歩むだけ。
499 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/17(金) 02:07:07.38 ID:IUkc4QAO
リキッド「くっ!!! ならばっ!!!」

見えないメタルギアが、16連装のロケットランチャーを撃つ為に踏んじ張る。

──────ッ

和「ガトリングガンの次はロケットランチャー…忙しいわね全く」

雷電「さすがにあれは斬り落とせん。かわすぞ」

和「言われなくても!!」

発射されてから見える様になるロケット弾、しかし一度滞空してからロックされたものを狙う為避けるのはガトリングガンに比べて遥かに容易だった。

それにこの瞬間をあの男が逃す筈がない───

ズオッ────

リキッド「ぬうっ」

スネーク「せっかくのステルスが台無しだぞ、リキッド」

リキッド「ピンポイントに駆動部を!? 貴様ァ!」

スネーク「ロケット弾が発射された場所から駆動部の位置を予想するぐらいなんてことはない。IQまで劣化したか?」

リキッド「殺す…貴様だけは!!!!!」
500 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 02:30:29.70 ID:IUkc4QAO
───君を見てると、いつもハートDOKI☆DOKI

───揺れる想いはマシュマロみたいにふ〜わ☆ふわっ

───いつも頑張る 君の横顔 ずっと見てても 気づかないよね

深く閉じた瞳の中蘇る。

りっちゃん「(あの頃に戻った気分だ……何も考えずに、ただがむしゃらに音楽だけを追い掛けてたあの頃に)」


───夢の中から 二人の距離 縮められるのにな

そしてゆっくり瞳を開ける────

りっちゃん「(¨見える¨!!!)」

あぁカミサマお願い───

律はメタルギアに目を向ける事なくスティンガーを構える。
数秒ほどするとすぐにロックオンの表示。

りっちゃん「(なんだ、さっきのはただメタルギアが動き回っててロックオン出来てなかっただけか。)」

二人だけのDream Timeください───

りっちゃん「(もう外さない、逃がさない……この一撃で決める)」

ズォッ────

お気に入りのうさちゃん抱いて 今夜もおやすみ☆

ズゴゴオオオオオオオッ!!!!!!

りっちゃん「ふわふわタイム」
501 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 02:41:54.98 ID:IUkc4QAO
リキッド「ちいいいっ! 駆動部が!!」

唯「あっ! 見えた!」

梓「唯先輩も撃ってくださいっ!」

唯「う、うん!」

唯「こ、こうかな!?」

ズバシュッ

梓「なんか凄いスピードで飛んでいきましたよ!? 大丈夫ですか!?」

唯「さあ…?」

梓「さあじゃないですよ!」


リキッド「バカな……何故俺が……」

スネーク「明日を担ってるのは何も俺達だけじゃない。それをお前はわかってなかった。いや、わかりたくなかったんだろう」

ドオオオオオオオオオン

スネーク「時代は変わる。変わらなきゃならない……リキッド。俺もお前もこの世界にはもう必要ない」

そうしてゆっくりと煙草に火を付ける。

スネーク「ふぅ……こいつの味だけは変わって欲しくないもんだがな」
502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 03:03:44.96 ID:IUkc4QAO
梓「はあっ! ていっ!!!」

ズシャッ

梓の振動ナイフで確実に駆動部を切り離し、メタルギアVOICEは片足を失った。

りっちゃん「終わった……のか?」

和「みたいね」スチャッ

雷電「ああ」スチャッ

唯「中の人大丈夫かな?」

スネーク「そう簡単にくたばる奴じゃないさ。そうだろうリキッドォ!! 出てこいっ!!!」


リキッド「ククク……いや参ったよ。まさか第二形態まで破られるとはな」

降参だといった感じでコクピットから両手を上げて現れたリキッド。

紬「孤独なあなたにはわからないでしょうね。見えないものだから存在しないわけじゃない。普段から私達は見えないもので繋がっている。いえ、見えないものなんてどこにもないの。それをあなたは気づけなかった」

唯「ムギちゃんいつの間にっ」

リキッド「お嬢様の詭弁は私にはわかりません」

りっちゃん「私にはわかるよ。友情や愛情、それは見えないものだけど、感じ取って見ることは出来る。それが見えないからあんたは…見えないメタルギアVOICEが最強だなんだ言ってたんだ」
503 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/17(金) 03:33:17.62 ID:IUkc4QAO
リキッド「友情? 愛情? そんなものは必要ない!!! そんなものは弱者が寄り添って作り上げたものに過ぎんっ!!!」

りっちゃん「まだそんなことを…!!」

紬「認めたくないだけでしょうあなたは!!! それに負けたってことを!!!」

リキッド「」ニヤッ

紬「あ……」

熱くなって出過ぎた紬の腕を即座に取り、関節を決めつつ袖に隠していたナイフを宛がう。

リキッド「動くなよ? 動けばお嬢様の頸動脈が噴水を造ることになる」

スネーク「リキッドッ!」

りっちゃん「お前……!」

リキッド「これが強さだ? 笑わせるな。一人人質に取られたら身動きも出来なくなり全滅する……それが強さだと!!?」

紬「……こんなことでみんなを失いたくない。殺すなら殺しなさい。けどあなたの負けは変わらないわ」

りっちゃん「ムギッ!? なにをっ!?」

紬「りっちゃん。私にはメタルギアVOICEを作った責任があるの。元々生きてちゃいけなかったの…」

りっちゃん「今更…今更そんなこと言うなよムギッ! みんなでやり直すんだろ!!? 待ってろ! 今助けてやるから!」
504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/17(金) 03:48:29.54 ID:IUkc4QAO
リキッド「おおっと動くなよ? 出来れば殺したくはない」

りっちゃん「くっ……」

スネーク「それでビッグボスを越えたとはよく言えたものだな!!!」

リキッド「スネーク! 貴様との因縁はまだまだ続くようだな! やはりこの世界の明日を作るのは俺達だと言うことだ!!!」

スネーク「まだそんなことを!!」

雷電「周りは海だ。逃げられると思わないことだ」

リキッド「ラァイデン! 基地の中にはごまんとジェット機やらヘリやらがあるんだぞ?」

雷電「ちっ」

紬を抱えたまま徐々に後ずさるリキッド。
それを見ていることしか出来ない一同。

紬「みんな何してるの!! 私ごとこの人を殺して!!! でないとこの先またどんなことが起こるか……」

りっちゃん「それでも…出来ないっ」

唯「ムギちゃんを撃つなんて…」

梓「みんなでここから出ようって約束したのに…!」


スネーク「……俺が代わりに人質になる! その子を離してやれ!」

りっちゃん「スネーク……」
505 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 03:59:51.85 ID:IUkc4QAO
最終回に間に合わなかった……

後ほんと少しです。
ちょっとMGSメンバーの影が薄くなりがちなので注意したいです。
見てくれている人達本当にありがとう

今週の日曜日までには完結させます!!!
506 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 07:12:15.81 ID:GmHpWB2o

リキッド・オセロットじゃないのな
507 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 10:27:18.66 ID:9zWkm3Qo
なにこの展開グレイフォックス思い出したんだけど
508 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 10:45:13.71 ID:M80MKWEo
乙乙
509 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 14:58:23.33 ID:70WP3cM0
期待してるからがんばれよ
510 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 15:40:01.75 ID:6DzAX52P
RITUじゃなくてRITSUだけど、今更だな
でもスレタイで間違えるってちょっと恥ずかしいよね
511 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/19(日) 02:15:53.50 ID:aj/WpISO
>>510
お前…俺が言うまいとしてたことを…
512 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/20(月) 00:35:16.57 ID:7BmisAAO
最大の誤植に気づかれてしまった……

まあどうせどこにも残らない空気SSなんでいいです

ローマ字でおKってことで

色々あって帰省中なのでちょっと書けそうにないです
明日の夜は書けるかもです

後こないだSS紹介動画を見たらこのスレが挙げられててびっくりしましたwww
わざわざ挙げてくださった方ありがとうございました。
初めて製作でSSを書いて途中何回も投げ出しそうになりましたがここまで来られたのはほんとみなさんの1レス1レスのおかげです

次やるとしたらもっと早く投下するように心がけます。

後もう少しだけお付き合いください
では
513 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/20(月) 01:17:16.67 ID:NoLg5Zgo
了解
次もメタルギアなんだなそうなんだな!?
514 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/20(月) 02:18:05.44 ID:GlDiTVM0
見てる奴少ないからつまらないってわけじゃないぜ。
俺の中ではけいおんssのクロスで上位に入る面白さだと思っている。完結するのを待ってる。
製作のは基本載らないから仕方ない。
515 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/20(月) 19:05:00.00 ID:zccx4x.o
明日の夜か、長いな。
516 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/20(月) 23:39:08.39 ID:G9mlcMAO
レスする奴が少ないからって見てる奴が少ないとは限らないんだぜ!
517 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/21(火) 01:03:58.10 ID:3nS7/2AO
リキッド「ふんっ、近寄って得意のCQCでもお見舞いするつもりか? 残念だったなスネーク。その手には乗らない」

チッチッチ、と人差し指を振りながら微笑するリキッド。

スネーク「……(何か引っ掛かるな)」

りっちゃん「なら私がっ!」

リキッド「しつこいぞ!!! ただ貴様達はそこに立っていればいい。なぁに心配するな。ちゃんとお嬢様は解放する」

りっちゃん「そんな保証がっ」

紬「いいの、りっちゃん…。」

りっちゃん「良くない…良くないよ!」

唯「りっちゃん…」

梓「(今なら…っ)」

パシュンッ───

梓「くっ…」

懐から出したナイフが跳ね上がる。

リキッド「妙な真似をするなと言っただろう。そんなに琴吹お嬢様の命がいらないのか?」

スネーク「ガンナイフか…!」
518 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/21(火) 01:16:44.38 ID:3nS7/2AO
一様にただ動けないまま後退るリキッドと紬を見ているしかなかった。

りっちゃん「(下手に動けばムギが危ない…。でも…命の保証があるわけでもない…! ならッ!)」

後ろ手でバックパックを漁ってみる。

りっちゃん「(よし…まだある。後はこれを如何に早く爆発させるか…。普通にやったんじゃラグがありすぎる)」

りっちゃん「(スネーク…とは距離が遠いし、目線はリキッドの方へ行ってる…アイコンタクトも取れないか)」

唯「〔りっちゃん、何ごそごそしてるの?〕」

唯が気になってか小声で話しかけてきた。

りっちゃん「(唯か…一つのことに関しては天才的なのは知ってる。けど他人が投げた物を撃つなんてプロだって7割当たれば上出来だ。それがこの土壇場で……)」

唯「??」

りっちゃん「(いや、唯なら絶対やってくれる。いつもそうだったじゃないか)〔唯、今から話すことを良く聞いてくれ〕」

唯「!!」
519 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/21(火) 01:28:39.47 ID:3nS7/2AO
リキッドは研究所の入口付近にまで迫っていた。
動くな、と言われた面々はどうすることも出来ず研究所から十数m離れた場所で立ち尽くしていた。

リキッド「これより先貴様らの顔を見た瞬間琴吹の命はないと思え。いいな?」

スネーク「リキッドォ…」

リキッド「また会おうスネーク。次はアフリカ辺りか? ハハハ!」

りっちゃん「〔唯、いいか?〕」

唯「〔モードの切り替えもおっけーだよりっちゃん! 私に任せて!〕」

りっちゃん「〔頼りにしてるよ〕」

りっちゃん「〔じゃあ行くぞ…〕」

二人の間に緊張が走る。

りっちゃん「〔3...2....1....ッ!〕」

ぶんっ

律がバックパックから取り出した何かを素早く中空に投げる。
それは弧を描きながらリキッドと紬の元へと向かう。

リキッド「手榴弾かっ!?」

りっちゃん「ムギっ! マンボウの真似!」

紬「えっ??」

唯「パーティーターイム」ニヤッ

シュンッ────

ズォッ───

辺りを眩い光が包んだ。
520 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/21(火) 01:44:41.72 ID:u0eKy3ko
おおっ!
521 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/21(火) 01:45:28.31 ID:3nS7/2AO
駆ける───
駆ける、駆ける────

十数mの距離を2秒かからずに走破、一気に二人の傍まで辿り着く。

リキッド「ぐぅ……閃光弾か!!!」

炸裂する光の中から見えたのは、一つの掌底────

リキッド「がッ!」

綺麗に顎を捉える。

リキッド「(スネークか!!!? いや、しかし手のサイズから考えても……だがこの威力はッ!)」

仰け反りそうになる体を堪えて踏ん張る。

リキッド「(ちぃっまだ視力は戻らないか! ここで終わるわけにはいかない!!! 何としてもあの方の為に……!)」

そんなリキッドの思いに反し、懐には自分より遥かに小さな影が迫る。

りっちゃん「はあっ!」

勢いを付けた肘打ちがリキッドの鳩尾を捉える───

リキッド「ごおッ!」

りっちゃん「おりゃっ!」

更にその勢いを利用し、くの字に曲がってがら空きの顎を掌底で突き上げた。

リキッド「がふっ」

りっちゃん「まだまだァッ!」

浮き足立ってる所に足と手を掛けながら連動させる。リキッドはそのままなすべなく背中かから地面に倒れ込んだ。
522 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/21(火) 01:53:34.75 ID:3nS7/2AO
紬「ん……なに?」

マンボウの真似って言われて咄嗟にやってたらいきなり眩しくなって…。

りっちゃん「無事かムギ!?」

紬「りっちゃん!」

りっちゃん「早く! こっちだ!」

まだ残光がある中、マンボウの真似をしていたおかげで見える視界を頼りに律の後を追う。

紬「(りっちゃん、ありがとう。いっつもいっつも私を、私達を助けてくれるのはあなただったわよね。これからもずっと、その背中を)」

バンッ────

りっちゃん「えっ…」

紬「(追って…)」

リキッド「次はないと言っただろう…」

りっちゃん「ムギイイイイイイイイイイ」

紬「(いたかった……)」
523 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/21(火) 01:57:54.05 ID:c11T6Tk0
うわぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!
524 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/21(火) 02:00:55.24 ID:3nS7/2AO
スネーク「くっ、何が起こってる!」

和「銃声…?!」

唯「ムギちゃんッ!」

梓「ムギ先輩がどうかしたんですかっ!?」

唯「あいつに撃たれて……」

梓「ッ!? んもー見えやがれですこの目!」

スネーク「まずは奴を取り押さえる!!! 雷電ッ!」

雷電「ああ」

二人は目を閉じたまま走り去る。

唯「私達も行こう、あずにゃん」

梓「唯先輩! あ、ちょ、そんなに強く引っ張ったら転びま……」
525 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/21(火) 02:13:30.68 ID:3nS7/2AO
りっちゃん「ムギィ……」

紬「りっちゃん…ごめんね。私がどんくさいから」

脇腹から流れる血が紬の服を紅く染め上げて行く。律は少しでも楽になるように膝を貸し、同時に気道も確保する。

りっちゃん「そんなことないっ! そんなこと……」

紬「優しいね…りっちゃんは」ニコ…

りっちゃん「ムギ……。大丈夫……すぐに治療してやるからな」

涙を拭いながらサバイバルビュアーに従いながら治療しようとする。

りっちゃん「うっ……ううっ……」

わかっていた。でもわかりたくなかった……!
ムギはナノマシン投与を全くしていない……だからナノマシンが投与され、回復力、再生力が著しく上がっいる状態での治療方法などなんらあてにならないことぐらい…。
それに圧倒的に血液が足りない…。塞いでも塞いでも血が溢れてくる……。
それでも……

りっちゃん「私が……治してやるからな…! ム゛ギ……」

紬「りっ…ちゃ…」
526 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/21(火) 02:15:28.77 ID:3nS7/2AO
いいとこなのにアドパに呼ばれたあああああああああああああ

クソッ

ちょっとだけ行ってきます

今日も休みなので今日中に終わらせたい
527 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/21(火) 09:53:28.95 ID:0mzMif6o

気をつけていてら
528 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/21(火) 23:06:58.70 ID:2vFKruso
むむむ
529 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/23(木) 20:57:48.24 ID:pob3cqco
スネーク、応答しろ! スネエエエエエエク!!
530 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/23(木) 23:54:08.43 ID:fUABRIAO
デンデンデンデンデン デンデンデン!!
531 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/25(土) 14:08:11.97 ID:w/Ux2sDO
次が気になる
532 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/28(火) 19:06:35.90 ID:GmgSYj.o
さっさと書け
533 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/29(水) 14:24:43.12 ID:zSLN/QAO
とっとと書け
534 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/29(水) 19:13:00.23 ID:7749XT2o
終わらせるんじゃなかったのかよう!
535 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/29(水) 22:24:42.40 ID:Ywd5qwAO
一気によんじゃった

まだー?
536 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 00:33:16.95 ID:3YGr.wAO
りっちゃん「ごめん…ごめん…。私が無理に助けようとしなかったらこんなことにならなかったのに…」

紬「…それは違うわ、りっちゃん…。ああしなければもっと多くの被害者が出てた…リキッド・オセロットの手によって…。だからりっちゃんは正しいことをしたのよ…」

りっちゃん「友達を傷つけてまで得る正しさなんてないよぉ…っ!」

紬「りっちゃん…」

りっちゃん「私が全部間違ってたんだ! 何もかも最初から…! みんなが大切なら初めから澪やみんなの仲間になってれば良かったっ!! そしたらムギだってこんなことに…」
537 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 00:34:11.22 ID:3YGr.wAO
パシィン……

りっちゃん「えっ…?」

弱く震えながらも伝わる、強さのある平手打ちだった。

紬「そんなこと…言わせない」

りっちゃん「ム…ギ…?」

紬「ここまで…今まで歩んで来たことが間違いなんて言わせないわ! りっちゃん!」

りっちゃん「ムギ…」

紬「確かに私達は…悪いことをしたわ。けど…それでも欲しかった。あの景色が、今になるように」

りっちゃん「……」

紬「でも…それは最良の方法…みんなの意見じゃなかった。りっちゃんが命を賭けてそれを教えてくれたじゃない」
538 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 00:34:49.03 ID:3YGr.wAO
紬「ううん。きっと間違いなんてないの。人にはそれぞれ色々な答えがあって…でもそれは他の人から見れば不正解かもしれない。だから喧嘩もするし…大きく言えば戦争にもなる」

紬「でも喧嘩をしたら仲直りすればいい、戦争だって和解出来れば終わるもの。そうやって正解はより濃くなって行くんじゃないかしら…」

りっちゃん「みんなが笑えたら…それで幸せだもんな」

紬「うん」

りっちゃん「そうなるといいな…私達も」

紬「なれるわ、きっと。ゴホゴホッ!」

りっちゃん「大丈夫かムギ!?」
539 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 00:37:31.35 ID:3YGr.wAO
紬「なんだか……もぅ……あんまり上手く喋れないけど……」

りっちゃん「もういい喋らなくて!」

紬「みんなを……よろしくね。りっちゃん」ニコ

律の輪郭優しくを撫でた腕は、ゆっくりと地に落ちた。

りっちゃん「ムギ…? 嘘だろ…? なあ…?」

りっちゃん「うああ……ああああああっ」



唯「ムギちゃん…りっちゃん…」

梓「そんな……嘘ですよね? ムギ先輩…?」

りっちゃん「……」

梓「律先輩…! 何とか言ってください!! 」

りっちゃん「ムギを殺したのは私も同然だ…。だから恨んでくれていい…っ」
540 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 00:41:28.07 ID:3YGr.wAO
梓「そんなことを言ってるんじゃないです!! 早く治療を!」

りっちゃん「やったさ! でも…止血パッドでも止血しきれないっ…。ムギはナノマシンを投与してないから再生力もない…。どうしようもないんだよ!」

梓「そんなことないです!!! 何か…何かきっと…」

唯「あずにゃん…もうよそう」

梓「何言ってるんですか唯先輩!? ムギ先輩が死んじゃってもいいんですか!!!」

唯「いいわけない!!!!!!!!」

梓「っ!」

全身の毛が弥立つ程の声に梓は思わずたじろぐ。
そこにはこんな唯を見たことがないと云う驚きも含まれていた。
541 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 00:47:51.27 ID:3YGr.wAO
唯「他でもないりっちゃんが一番ムギちゃんを助けたいと思ってるはずだよ。そのりっちゃんが無理だって言うんだからきっと無理なんだよ…」

りっちゃん「……」

梓「でも…ぉっ! じゃあ諦めろッて言うんです言うんですか!」

唯「りっちゃん。私達は一人じゃないよね?」

りっちゃん「…ああ」

唯「りっちゃんは私達を助ける為にずっと一人で背負い続けてた。だからってこれからも一人で居る必要はないんだよ? 頼ってくれていいんだよ。私達を」

唯「確かに無理かもしれない。…りっちゃん一人なら」

りっちゃん「っ! それじゃあ助かるんだな!?」

梓「唯先輩…!!」

唯「みんなで協力しよう。だから、喧嘩なんてしてる場合じゃないよ、二人とも」

りっちゃん「唯…。全く言ってくれるぜ」

梓「唯先輩に諭されるなんてちょっと心外ですけどね」
542 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 00:49:59.69 ID:3YGr.wAO
唯「酷いなぁあずにゃんは」

梓「それよりそんなこと言い出すってことは何か手があるんですよね?」

唯「手、って言うほどじゃないけどね。多分ムギちゃんは今ショック症状に入ってると思うんだ」

りっちゃん「ショック症状? ってことはまだ生きてるってことか?!」

唯「一応はね」

梓「律先輩脈とか確認したんじゃないんですか!?」

りっちゃん「えっ…だって急にくたって力なくなっちゃうんだもん…。この傷だしさ…。普通そう思う…だろ?」チラッ

梓「はあ…」

唯「でもあながち間違いでもないんだよ。もうあんまりは時間はないと思う。出血多量で死ぬのは体の血の1/3が目安って言われてるの」
543 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 00:51:26.80 ID:3YGr.wAO
りっちゃん「つまり?」

唯「血液量は体重の7〜8%って言われてるからムギちゃんなら50キロとして総血液量は約4000cc。つまりこの1/3以上、1333ccが流れた時点で命に関わるってこと」

梓「ムギ先輩は今どれぐらい血を流してるんだろう…」

唯「多分…800ccぐらいだと思う」

りっちゃん「800…。何でわかるんだ?」

唯「ショック症状が起きるのは総血液量の1/5ぐらいだから。もしかしたらもっと流してるかもしれないけどね…」

りっちゃん「理屈はわかった。それでどうやったらムギを助けられるんだ唯!?」

唯「……手術するしかないよ」
544 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 00:52:58.46 ID:3YGr.wAO
梓「手術!? ここでですか?」

唯「うん。それしかないと思う」

唯「ムギちゃん…ちょっとごめんね」

唯はムギの撃たれたお腹の裏を少し擦る。紬は気絶しているのかピクリとも動かなかった。

唯「やっぱり…。弾は貫通してない。ムギちゃんの体の中にあるんだ。取り出さないと…」

りっちゃん「取り出すってどうやって…」

唯「…あずにゃん、ナイフ貸して」

梓「…まさか、唯先輩」

唯「そうするしかもう方法はないの!! いいから貸して!!!」

梓「は、はい!」

唯「出来れば使ってない綺麗なやつがいい」

唯は腕捲りとすると何やらゴソゴソし出した。
545 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 00:57:20.68 ID:3YGr.wAO
梓「これ…」

唯「もっと刃が細いやつじゃなきゃ。それじゃ切った時傷口が広くなって縫うとき大変だから」

梓「わ、わかりました」

りっちゃん「縫うって…?」

その言葉を待っていたかのように唯は懐からあるものを取り出す。

唯「これだよ」

そう言ってちらつかせたのは細く光るギターの弦。

りっちゃん「ギターの弦なんかで出来る…」

唯「出来る出来ないじゃないよりっちゃん! やらないとムギちゃんは死んじゃう…だからやるしかないんだよ」

りっちゃん「唯…。頼む。ムギを助けてやってくれ」

唯「知ってても…こんなことするのは初めてだから上手く出来るかどうか…ううん。やらないといけないよね。わかってる」

りっちゃん「(こんな時憂ちゃんがいてくれたら…。さっきからCALLしてるけど出ないし…あっちにも何かあったのかな)」
546 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 01:04:21.43 ID:3YGr.wAO
唯「実はね…教えてくれたの澪ちゃんなんだ」

りっちゃん「澪が?」

唯「うん。私はみんなを守る責任があるから…何かあった時みんなを助けられる様に少しでも知識を詰め込むんだって。凄い色々なこと勉強してた」

りっちゃん「そっか…」

唯「朧気にしか記憶にないんだけどね。その頃はもう私は私じゃなかったから。だからそんなひたむきに頑張る澪ちゃんに……何も言ってあげられなかったんだ。それを今でも後悔してる」

梓「唯先輩、これ…」

唯「ありがとうあずにゃん。あずにゃんもきっと同じ気持ちだと思う」

梓「はい…」

唯「ムギちゃんはメタルギアの開発でほとんどいなかったから……結局澪ちゃんはずっと一人で戦って来たんだよ」

りっちゃん「一人か…」

唯「りっちゃんと同じだね」フフ

りっちゃん「そうだな」フフッ
547 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 01:12:12.71 ID:3YGr.wAO
───────

リキッド「これが弱さだ! 仲間を持つと云うな!!! 世話になったお嬢様を苦しめるわけにもいくまい」

ガンナイフの照準を定める。今度は確実に仕留められるように、紬の頭を────

スネーク「うおおおおおおおお」

雷電「させるか」

リキッド「遅いっ!」

突っ込んで来る二人を無視してガンナイフの引き金を弾こうとした時だった───

突如跳ね上がるガンナイフ、手には強烈な痺れ。

リキッド「なにいいっ」

スネーク「リキッドォォォォォォォォ!!!」

そこにスネークの加速をつけた渾身の体当たりがリキッドを捉えた。

リキッド「がはあッ」

勢いよく吹っ飛んだリキッドは二転三転しながら研究所の壁に激突し、ようやく静止した。
548 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 01:28:53.44 ID:3YGr.wAO
スネーク「終わりだ…リキッド」

雷電「見えてない目でよく当てたな」

スネーク「あいつの声はよく耳に響くからな。雷電、やつをこれで縛ってくれ」

雷電「わかった。それにしてもさっき奴が持っていたナイフが弾き飛ばされたのは一体なんだったんだ」

スネーク「? そんなことがあったのか」

雷電「ああ」



「それは自分がやったんだ」

雷電「……あんたは?」

斎藤「斎藤。琴吹お嬢様に使える従者だ」

肩にモシンナガン掛けた姿で森から出てきた斎藤。

雷電「テロリストの仲間と言うわけか」

斎藤「そんなあなたは政府の犬かな?」

雷電「そんなところだ」

斎藤「ふ、犬と言う点では似ているな、自分と。誰かのおかげで熟睡していたが外がドンシャカとうるさくてね。出てきて見ればあの男がお嬢様を狙い撃っていたところだ。慌てて撃ち落とさせてもらったってわけだ」
549 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 01:36:25.18 ID:sSonmYAO
斎藤おあおおあ!
550 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 01:38:14.68 ID:5Emp/5Y0
やっと追いついた

けいおん最終回見ながら見るわ
551 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 01:38:37.47 ID:3YGr.wAO
スネーク「雷電。話はそれぐらいにして奴を」

雷電「そうだったな。安心しろ。あんたの体当たりで奴はノびてるさ」

斎藤「……お嬢様。 お嬢様!!!」

スネーク「りっちゃんの仲間が撃たれたのか……」

ようやく視力が戻ってきたところで辺りを確認する。
目を慣らしながら研究所の方を一瞥。
倒れたリキッドを雷電が縛り上げている。

反対側を向くとりっちゃん達が集まって治療か何かをしている。

スネークは少しも迷うことなく研究所とは反対側の方へ踏み出した。

スネーク「(これで俺達から始まった連鎖は終わった。これからの時代を作るのは俺達じゃない)」
552 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 01:39:45.15 ID:3YGr.wAO
>>550
ナカーマ!
見ながら書いてるwww
553 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 01:52:15.79 ID:3YGr.wAO
─────

唯「誰かライター持ってない?」

りっちゃん「ない…」

梓「持ってないです…」

唯「消毒も兼ねてやっときたかったけど……このままいこう」

唯が持っているナイフがゆっくりと紬の腹部へと降ろされる。

梓「ふううう……」ブルブル

りっちゃん「梓、見たくないならあっち向いてろよ。唯の気が散る」

梓「だ、大丈夫ですっ」

唯「(気絶してるとはいえ麻酔なしで開腹なんて……もしかしたら途中で起きちゃうかもしれない。そしたらムギちゃんはきっと耐えられない…でもっ…)」

ナイフを持つ手が震える。

唯「(怖い…もし失敗してムギちゃんが死んじゃったら…私は…私は…)」

「待て、麻酔を入れる」

バシュッ────

急に現れた男が手にもった何かを紬に打ち込む。

りっちゃん「あんたは…」

斎藤「事態は大体わかっているつもりだ。代わろう、紬様のご友学」

唯「斎藤さん…」
554 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 01:54:48.11 ID:3YGr.wAO
りっちゃんが歌ったてるううううううううううううう

あんまり上手くないですねキター
555 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 02:05:01.43 ID:3YGr.wAO
唯「…いえ、私にやらせてください!!」

りっちゃん「唯…」

斎藤「…お嬢様の命がかかっているんです。わかりますね?」

唯「わかってます。それでも…私がやりたいんです! 私がムギちゃんを助けたい!」

斎藤「…わかっているならもう少し気を抜いてください。それではお嬢様も怖がります」

唯「は、はいっ」

斎藤「自分がアドバイスするので唯さんはそれに従ってください。いいですね?」

唯「わかりました!」

りっちゃん「唯! 頑張れ!」

梓「がんばってください唯先輩!」

唯「うん!」

スネーク「切る前にこいつで炙るといい」

りっちゃん「スネーク!」

スネーク「りっちゃん、いざって時に煙草は役に立つ。持っていて損はない」

ポンッと放られたライターをキャッチすると律は笑いながら「吸わないけど持っておくことにするよ」と微笑んだ。
556 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 02:18:42.81 ID:3YGr.wAO
ナイフを炙るといよいよその時がやって来た。

斎藤「お嬢様はレディです。なるべく傷口が残らないよう横に開いてください」

唯「わかりました…やってみます」

持っていた水でしっかりと手を洗いナイフを握る。
ナイフは徐々に紬のお腹へと向かうと、皮膚の上で一度止まり、……

唯「っ」

一気にその尖端を内部へと侵入させた。

斎藤「上手いですよ。あまり時間がないです。ここから血が吹き出ますのでお二人は止血を」

りっちゃん、梓「はい!」

斎藤「唯さんはここから手を入れて弾を取り出してください。レントゲンもクソもないので触診で……女の勘に任せます」

唯「うう……わかりました」

傷口に手を伸ばすと、周りの臓器を傷つけないようゆっくりと捻り込む。

斎藤「ガンナイフの弾は小さいですから注意しながら探ってください。威力もそこまでないのでそんなに奥へは行っていないはずです」

唯「はい……」

唯「(痛いよね……苦しいよね。今助けてあげるからね……ムギちゃん)」
557 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 02:27:53.50 ID:3YGr.wAO
ふと、手に当たる熱を持たない塊。

唯「あった! これだ!」

斎藤「慌てないでください。ゆっくりと引き抜いて」

唯は言われた通りにゆっくりと手を引き抜くと、血だらけになった指先に小さな弾丸を摘まみとっていた。

斎藤「よく頑張りました。衛生上の問題は色々ありましたがとりあえず後は塞いで輸血すれば命に別状はないでしょう。縫合は自分がやります。針も毒針に使ってたやつが余ってるので大丈夫です。糸だけ貸してください」

りっちゃん「毒針って……大丈夫かよ」

斎藤「塗る前だから問題ないですよ。本当はあなたに撃ち込む予定だったんですがね」

りっちゃん「恐ろしや恐ろしや…」

唯「長さはこれぐらいでいいですか?」

斎藤「ええ」

唯「和ちゃんお願い」

和「……」

りっちゃん「うわっ! いたのかよ和」

和「ずっと居たわよ。ただここで出ずっぱるのも悪いと思って」

和はマチェットで極薄弦を一断するとまた少し後方へ下がった。

りっちゃん「そんな気ぃ遣わなくていいのに」

和「ふん……」
558 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 02:37:48.95 ID:3YGr.wAO
りっちゃん「なっ」

唯「早いっ」

梓「まるで針と糸のダンスです!!」

和「ゴッドハンドね…」

スネーク「日本のアニメの闇医者みたいなやつだな」

斎藤「裁縫は執事のたしなみですから。終わりました。この糸はいい素材ですね。本当に弦なのですか?」

唯「和ちゃんに切られちゃったからね。色々な弦のストックを持ち出してたの」

和「私があの時切ってなかったら…ってこと?」

唯「うん。凄い偶然だよ」

スネーク「偶然や奇跡何かはそうそう起きるもんじゃない。それはお前さん達が起こした必然だ」

斎藤「さすが伝説の傭兵、言うことが一々かっこいいですね。癪に障ります」

りっちゃん「まあまあ。これで一件落着なんだしさ! そう目くじら立てない立てない」
559 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 02:46:13.62 ID:3YGr.wAO
斎藤「後は輸血ですが……」

唯「私O型です! ムギちゃんもそうだよね!」

斎藤「はい。唯さんの血ならお嬢様もさぞお喜びになるでしょう。傷口は塞いだのでしばらくは大丈夫でしょう。研究所から器具をとって来ます。すぐ戻ります」

唯「ふう……良かったぁ」ぺたん

梓「お疲れ様でした。唯先輩。また水流すので洗ってください」

唯「ありがとうあずにゃん」

りっちゃん「本当にお疲れ、唯。唯がいなかったと思うとぞっとするよ」

唯「そんなことないよぉ。私はりっちゃんがいない方がぞっとするよ」

りっちゃん「なんだよそれ〜」

唯「ふふ」

りっちゃん「ふふふ」

梓「良かったです。本当に…」

紬「すぅ……すぅ……」
560 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 03:02:15.03 ID:3YGr.wAO
りっちゃん「さて……」

スネーク「さてと…」

りっちゃん「あいつ、どうするんだ?」

スネーク「(本当なら殺してしまう一番だが…)知り合いにCIAがいてな。そこから頼んでICPOの厳重な檻に永檻してもらうさ(この子達には俺達みたいな生き方をして欲しくない)」

りっちゃん「そっか……」

りっちゃん「これで本当に終わったんだ…。この無人島でのことは」

スネーク「俺と雷電がお前達を見過ごせば…な」

りっちゃん「やっぱりそう来るのかよ…」

スネーク「ならどうする? 戦うか? 俺達と」

りっちゃん「…戦いたくないな。出来れば」

スネーク「俺も出来ればそうしたくはないがな。ただここでお前達を逃がせばこれまで俺達がやって来たことが無意味になるからな(越えてみろ…)」

りっちゃん「私はもう決めたんだ。迷わないって! 例え伝説の傭兵が相手でも!!! みんなを連れて帰るって!!!」

スネーク「(そうだ…来い。越えてみろ、時代を)」

りっちゃん「行くぞ…スネーク!!!」

スネーク「かかってこい。ルーキー」
561 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 03:15:24.49 ID:3YGr.wAO
りっちゃん「でやっ」

まず律から動いた。対リキッド戦にも見せた拳法を交えた戦い展開する。
鋭く降り下ろされた手刀をスネークは腕でガード。

スネーク「いいクンフーだ。格闘技はいくつヴァーチャスしたんだ?」

りっちゃん「さあ! 覚えてない!」

律は更にそこからスネークの懐に回り込む様にして肘を穿つ。

スネーク「視線を相手から離すな! 必ずしも当たる攻撃なんてないぞ」

スネークは肘打ちをスウェー気味にかわすと律の勢いを利用して足をかけつつ投げ飛ばす。

りっちゃん「んなあっ」

思いきり背中から地面に叩きつけられるもちゃんと受け身をとって回避。

スネーク「ほぅ、いい受け身だ」

りっちゃん「似たようなことを最近されたからな! 同じものを二度食わされるりっちゃんじゃないぜ!」
562 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 03:26:09.98 ID:3YGr.wAO
律はすぐに立ち上がると今度は打撃戦に打って出た。

りっちゃん「(CQC、CQBじゃあっちが専任だ。なら勝ち目は打撃戦しかないっ!)」

自分より遥かに大きな存在に果敢に打撃を打ち込む。

スネーク「どうした!! そんなもんじゃ人は倒せないぞ!!」

りっちゃん「にゃろぉっ!」

スネーク「焦って出るな!」

りっちゃん「なっ……あーっ!」

体重をかけた拳を捕まれ、後は流れ作業の様に足をかけられ宙に舞う。
顔から地面に落ちるのだけは回避するために律は無理矢理空中で前転し、

律「あだっ」

しかし背中から落ちた。

スネーク「どうした!? お前の覚悟はそんなもんか!」

りっちゃん「まだまだァ!」
563 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 03:32:21.10 ID:3YGr.wAO
唯「あの二人……まるで先生と教え子みたいだよね」

梓「そうですね。律先輩やられてるのになんだか嬉しそうです」

唯「私達の知らないところで色々あったんだね、きっと」

梓「はい。きっとそうです」

唯「……りっちゃん。頑張れ」

梓「頑張ってください律先輩」

斎藤「とって来ましたよ。って何ですかあれ?」

唯「弟子よ! 師を越えてみなさい!」フォッフォッフォ

梓「唯師匠、覚悟っ!」

唯「的な?」

梓「多分そんな感じだと思います」

斎藤「……? まあほっといて輸血しましょうか」
564 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 03:47:50.44 ID:3YGr.wAO
雷電「……」

和「あら、スネークなら取り込み中よ」

雷電「そうみたいだな」

和「あなたも私と決着をつける?」

雷電「やめておこう。俺はスネークみたいにはなれない」

和「どう言う意味?」

雷電「わざと負けてはやれないってことさ」

和「スネークがわざと負ける?」

雷電「ああ。スネークはわざと負けて戦場から去るつもりだろう。新しい時代に身を委ねる為にな」

和「あなたは?」

雷電「俺はまだここにいなければならない。俺を拾ってくれた恩義の為にもな」

和「日本人でもないのに侍なのね、あなた」

雷電「俺は雷電。雷の化身だ。侍ではない」

和「そう…」

雷電「そろそろ俺は迎えが来る手筈になっている。ここでお別れだな」

和「また会えるかしら? 雷電」

雷電「お前が戦場居ればな。ただもう会うことはないだろう。お前達はお前達の戦いをすればいい。戦場だけが戦いの場じゃない」

和「そうね。そうさせてもらうわ。…それじゃあさようならかしら?」

雷電「あぁ。さようなら、侍」
565 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 03:56:47.08 ID:3YGr.wAO
眠くてなに書いてるのかわからなくなってきた
日を空けると書く気がなくなってくるから怖いんだよな……

はよ書けとか色々言ってくれると急かされて書く>>1なのでここ見た人はお願いします

想像だとあとちょっとなのに文にすると長くなるよね
最後けいおんらしい終わり方かメタルギアらしい終わり方で迷ってるぜ…
566 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 08:19:43.23 ID:ZZbDwH60
面白いぜ!乙!続き楽しみにしてるよー
迷ってるんなら両方書いちまうってのはどうだい兄弟
567 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 19:25:17.18 ID:xE8.MGco
はよ書け
568 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 19:31:22.98 ID:2VsSTUAO
このスレ見てからメタルギア買ったけど忍耐力が無い俺には無理ゲーだった
569 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 22:03:14.20 ID:pJsy6gg0
面白いからはよかけ
570 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 22:30:38.92 ID:3YGr.wAO
>>566
両方ですか…
そうですね。それがクロスの醍醐味ですし

>>567>>569
ありがとwww

>>568
自分も初めは死にまくり見つかりまくりで一時期やめてましたが説明書とか色々読んでやってからハマりました。今じゃメタルギアシリーズに出会って本当に良かったって思うぐらいです!
最初の方は色々難しいかもしれませんが慣れるとほんとに面白いのでがんばってください!
571 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 22:44:37.93 ID:3YGr.wAO
りっちゃん「とりゃあああっ!」

届かない。

スネーク「どうした! 体のバランスが悪いからすぐに倒されるんだ!」

届かない……。

りっちゃん「(勝てないよ……こんな奴に。あっちは伝説の傭兵だぞ? 元々私なんかじゃ無理なんだ…)」

地面に大の字で横になったまま、何度も何度も諦めようと思案する。

スネーク「どうした! もうくたばったのか?! そんなもので誰かを守れると思ってるか!」

りっちゃん「この……!」

崩れかけの体を何とか立ち上がらせ、スネークと向き合う。

スネーク「そうだ。来い、りっちゃん」

りっちゃん「みんなを守るのは……私だあああっ!!!」
572 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 23:07:48.27 ID:3YGr.wAO
一撃、まず一撃入れる。
こっちだってかじったとはいえCQCをVRで嫌って程学んだんだ!

再度律から仕掛ける。早い左ジャブ、

りっちゃん「(スネークは恐らくまた手をとってその勢いを利用した投げ技を使う筈! なら逆にそれを利用してやる!)」

スネークは律の予想通り左ジャブを掴んだ。

りっちゃん「(よし……足をかけられる前に!)」

りっちゃん「でやっ」

スネーク「なに!?」

逆にスネークが掴んだ手を支点にして飛び上がる。

りっちゃん「もらっ……たぁ!」

空中で体を横に傾けながらの蹴り。

スネーク「甘い」

スネークはそれを左手で防御。ゴツッと鈍い音が響く。

りっちゃん「なろっ!!」

スネークは律の左手を引き投げ飛ばす。

頭が地面を向いたまま投げ飛ばされた律、だがそれを予想していたかのように中空で瞬時にサイドホルダーを漁り抜く。
既にリロードされているMKを構え───

りっちゃん「Good night」

パシュン───
573 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 23:22:06.53 ID:3YGr.wAO
スネーク「MKか、だが……」

スネークは銃弾を腕で受け止めると針をすぐ抜き捨てる。

スネーク「腕や脚では、ましてやすぐに抜かれた場合効果はほとんどない」

律は地面に逆立ちするように着地し、その勢いのまま前転、足を地に下ろした。

りっちゃん「ハンディとしてちょっとぐらい眠たい中でやって欲しかったんだけどな〜やっぱり駄目か」

スネーク「こい」

両手を突き出して構える。CQCの基本の構えだ。

りっちゃん「……行くぞ」

律も同じように両手を突き出した。

りっちゃん「(今はまだ勝てなくても…きっといつか)」



『メタルギア、第三モード起動。これより核操作モードに移行します』

りっちゃん「なんだっ!?」
574 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 23:30:20.07 ID:3YGr.wAO
リキッド「ククク……」

雷電「!? お前……何をした?」

リキッド「いくら手足を縛った所で口の中までは縛れまい。まだ使うつもりじゃなかったがな」

口の中、奥歯に光る何かを雷電を見た。

雷電「貴様…」

リキッド「このまま俺がいなくなればまた出来もしない平和を謳うだろう。この操られた世界の中で!!! 脱却しなければならないのだ!!! 愛国者から!!!」

雷電「愛国者……!」

リキッド「ふふふはははははっ!!! 今日、この日から始まるぞ!!!!! 核戦争が!!!!」

リキッド「これがWORLD OF SONGの始まりだ!!!」

リキッド「核の歌を聞けえ!!!!」
575 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 23:34:35.02 ID:3YGr.wAO
『アアアアアアアア』

唯「な、なに?」

『アーーーーーーーイウーーーーアーーーイウーーー』

梓「歌……?」

斎藤「メタルギアからか? まさか……!」

和「一体誰が…!?」
576 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 23:42:58.85 ID:3YGr.wAO
『サーーーールヨーーーーーーー』

りっちゃん「なんだ…これ。メタルギアが…歌ってる…?」

スネーク「……」

トゥルル、トゥルル……

スネーク「オタコン…?」

スネーク『どうした』

オタコン『スネーク大変だ! 色々な場所で核の最終ロックが外されているらしいんだ!!!』

スネーク『なんだと!!!?』

オタコン『しかも一気に何ヵ所もさ。アメリカではまだそうなってないらしいけど恐慌状態さ』

スネーク『止める方法は!?』

オタコン『詳しくはわからないが音波はその無人島から出てそれを衛星が拾って流してるみたいなんだ。スネーク! メタルギアVOICEを破壊するんだ!』

スネーク『わかった!!』
577 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/01(金) 23:49:17.72 ID:3YGr.wAO
スネーク「りっちゃん! メタルギアを破壊する! ついてこい!!!」

りっちゃん「えっ、どういうこと? スネーク! 待ってよ!」



唯「あ、りっちゃん。終わったの?」

りっちゃん「なんかそれど頃じゃないらしいんだ」

梓「?」

スネーク「メタルギアが各国の核を操作して発射させようとしているらしい!!!」

りっちゃん「なんだって!?」

唯「大変っ!」

梓「止めないと!!」

斎藤「何かあなた達が言うと軽いですね」

唯「軽い音楽部ですから!」

梓「今そんなこと言ってる場合じゃないです!!!」


雷電「スネーク!!!」

スネーク「雷電!」

雷電「奴が遠隔操作でやったみたいだ。すまない、まさか歯に仕込んでるとは」

スネーク「リキッドめ。最後まで大人しくしないやつだ」
578 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 00:13:59.16 ID:oTSnQ.AO
斎藤「私はお嬢様に付き添います。急いでメタルギアを」

唯「うんっ!」

梓「ムギ先輩をよろしくです」

りっちゃん「何がなんだかわかんないが行こう!」

────

メタルギア『ラアーーーーーーーーー』

スネーク「なんだ…?」

りっちゃん「赤く光ってる…?」

梓「それより早く破壊しないと!」

和「私達の装備じゃ歯が立たないわ。唯、梓、任せるわ」

唯「わかったよ和ちゃん!」

梓「やってやるです!」

スネーク「すまないお前達」

雷電「明日を担う力、見せてもらおう」

唯「いくぞーっ! ギー太!!」

梓「はああっ」

梓が微かに振動しているナイフでメタルギアに斬りかかる。

ブオン───

梓「なっ」

その刃は装甲にさえ届くことなく弾き飛ばされた。
579 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 00:25:51.85 ID:oTSnQ.AO
────

紬「ん…」

斎藤「お嬢様! お気づきになりましたか!」

紬「斎藤…? ここは? りっちゃん達は?」

斎藤「彼女達はメタルギアを破壊しに行きました。リキッド・オセロットが核操作モードを起動させたようです」

紬「まさか……! いけないわ! みんなが危ない!」

斎藤「お嬢様! 動いてはいけません! 輸血も終わったばかりで動ける体じゃないんですから!」

紬「でも…」

斎藤「私が伝えて来ます。お嬢様はここに」

紬「…じゃあよろしくね、斎藤。核操作モードはメタルギアVOICE最後の手なの」

斎藤「と、言いますと?」

紬「音波を衛星に飛ばす為に膨大な燃料を必要とするわ。それにどんな場所でも行われる様に音波壁を発生させて邪魔が入らなくするの」

斎藤「音波壁?」
580 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 00:39:51.03 ID:oTSnQ.AO
紬「理屈はあの認識刷り込みと同じよ。メタルギアの一定内に近づくとメタルギアを攻撃するな、という意識を刷り込むの。遠距離からの攻撃は勿論あの装甲が阻むわ」

斎藤「要塞じゃないですか! じゃあもうあそこに行った人達は…」

紬「多分もうメタルギアを攻撃する意思すら危ないわね…」

斎藤「初めからそうすればリキッド・オセロットの計画は実現していた。なのに何故…」

紬「元々核は本当に最後の手段だったの。彼は言っていたわ。人に核は撃てないと。何故今それを実行しようとしてるのかはわからないけど…ね」

斎藤「お嬢様。私はどうすればいいんですか?」

紬「同時に別枠の音波を区切って流してるの。上には核操作の、周りには敵対阻止の。その音波を混ぜてしまえば或いわ…」

斎藤「それはどれぐらいの衝撃を与えればいいので?」

紬「スピーカーを狙えば一瞬ぐらいはズラせるかも。その後直ぐに衝撃修正をして同じ音波を流すけれどね。…任せたわ、斎藤」

斎藤「…了解しました」
581 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 00:53:16.71 ID:oTSnQ.AO
────

スネーク「なにが起こった!」

りっちゃん「大丈夫か!? 梓!」

梓「……、ダメですよ。攻撃なんかしちゃ」

りっちゃん「……なにを」

梓「ダメなんですよ。メタルギアは世界を変える光」

唯「……そうだよね、あずにゃん」

りっちゃん「唯まで! なに言ってんだよこんな時に!」
スネーク「くっ! 貸せ!」

唯からバズーカ型のギー太を奪い取ったスネークだが、

スネーク「ちぃっ! ロックがかかってる! 最近流行りのID武器か…っ」

和「……みんな、見守ろう。世界の始まりを」

雷電「ああ」
スネーク「雷電!」
りっちゃん「和!!!」

りっちゃん「このままじゃまずい! スネーク! ここを……」
スネーク「……攻撃はやめだ」

りっちゃん「スネー……」

駄目だ…、頭が…

頭に何か入ってくる。これは、歌?
歌ってるのか?

『アーーー……アーーー……』

なんでそんな悲しそうに歌ってるの?

『ウーーー……ウーーー……』

歌はもっと楽しいものなんだよ?
だからそんな悲しそうに歌わないでよ。

『ラーーー……ラーーー……』

そうだよね。本当は楽しいことなのに、それを悪いことに使われたくないよね。

歌は、みんなを幸せにするためのものだよな!!
582 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/02(土) 01:04:01.65 ID:oTSnQ.AO
ドゥフンッ───

チュインッ──

唯「!」
梓「!?」
和「!」
雷電「!」
スネーク「!!」

りっちゃん「……」

斎藤「今だ!! メタルギアから離れろ!」

斎藤がスピーカーを狙い撃ちながら叫ぶ。

唯「ほえ?」

梓「私は…?」

斎藤「いいから早くっ! もう弾が少ない!」

雷電「今は彼に従った方が良さそうだ。行くぞ」

一同が言われるがままメタルギアから離れる中、一人だけ立ち止まる。

りっちゃん「梓、ナイフ借りるぞ」

梓「律先輩!?」

梓とすれ違うようにメタルギアに走る律。

斎藤「やめろ!! もう弾が…」

カチンッ

斎藤「ちいっ」

弾が切れ、急いでリロードする斎藤。
583 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/02(土) 01:11:33.60 ID:oTSnQ.AO
それでも止まらない。

りっちゃん「今解放してやるから」

メタルギア『アーーー……ウーーー……』

りっちゃん「次にお前が歌える時は、きっとみんなが喜ぶ世界にするって約束するから」

メタルギア『ラーーー……ラーーー……』

梓のナイフを逆手に持ち、更に疾走する。

りっちゃん「だから……おやすみ」

律はスピーカーを根本から一閃する。

メタルギア『ラ……ラ……』

片方のスピーカーを失ったメタルギアVOICEは音波を合わすことを出来ず、機能を停止した。

りっちゃん「WORLD OF SONG……次はこんな形で届かないといいな」
584 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 01:24:35.42 ID:oTSnQ.AO
唯「りっちゃあああん!!!」

梓「律先輩! さすがです!!」

駆け寄る二人。飛び付いて来た唯を受け止めながら私は笑みを溢した。

りっちゃん「おいおい大げさだよ」



それを遠くで見守る四人。

雷電「行ってやれ」

和「えっ」

雷電「お前の居場所はあそこだ」

和「……行っていいのかしら」

雷電「それを決めるのはお前だ」

和「……ええ、そうね」

ゆっくりと歩みながら律達の元へ向かう和。

斎藤「信じられないな。まさかメタルギアVOICEから発せられてる攻撃するな、っていう神経に訴えられる命令を防ぐとは」

スネーク「きっとそんな難しいことじゃない。ただあいつは何も考えずただ止めたかっただけだろう。音が…歌が笑顔を奪うことに利用されるのを」

斎藤「……そうですね。さすが紬様のご友学」

雷電「スネーク。軍の攻撃が迫っている。急いでここを離脱した方がいい」

スネーク「あぁ…」

トゥルル、トゥルル……
585 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/02(土) 01:41:33.89 ID:oTSnQ.AO
スネーク『オタコン。メタルギアは破壊した』

オタコン『駄目だスネーク! 発射シークエンスが解除されない!!!』

スネーク『なんだって!? どういうことだ!?』

オタコン『一度解除されてもう発射寸前までいった所で音が止まったけど……まだ生きてるんだ!』

スネーク『バカなッ! 音は止まってるのにか!』

オタコン『わからない……でも……もう』

スネーク『……』


『簡単な話だ。音の意思だよ』

オタコン『!?』

スネーク『誰だ!?』

『誰でもいいだろう。それより今は核を止めることが最優先だ。ヒューイ』

ヒューイ『割り込み通信失礼するよ。オタコン……だったね。君にもちょっと手伝って欲しいんだ』

オタコン『ヒューイ……?』

ヒューイ『……。今からデータを転送する』

オタコン『無茶だ! メタルギアVOICEが核操作を行なってる場所を全部特定するなんて……』

ヒューイ『その点なら大丈夫。彼女が突き止めたから』

ストレンジラブ『早くしろ。撃たれてからじゃ遅いぞ』

オタコン『わ、わかった! スネーク! ここは僕達に任せてくれ! 君は脱出の準備を! 僕のヘリで向かってるから!』

スネーク『了解した』
586 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/02(土) 01:49:33.05 ID:oTSnQ.AO
オタコン『それにしてもあなた達は一体……?』

ヒューイ『ちょっと過去の知り合いに頼まれたものでね』

ストレンジラブ『部下の尻拭いを私達にさせるとは。相変わらずだなあいつは。死んだと聞いていたのに…全く』

オタコン『?』

ヒューイ『それよりデータはきたかい?』

オタコン『あ、はい! 凄い…これなら!』

ストレンジラブ『場所がわかれば後は上から最終ロックをかけてやればいいだけだ。簡単だろう、お前達なら』

ヒューイ『核発射シークエンスの上書きを簡単だろう?って、君らしいな。』

オタコン『……もしかして、いや……でも…』

ヒューイ『……。さ、今は手を動かそう。じゃあ、また』

ストレンジラブ『……元気でな』

オタコン『!? 待って』

ピピュン……
587 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/02(土) 01:56:07.63 ID:oTSnQ.AO
────

リキッド「これでいい……これでこの世界は……」

「道を間違えるな。オセロット」

リキッド「!? まさか!!! あなたは!!!!」

その男は緑の迷彩服に身を包み、右目は眼帯、額には灰色のバンダナ、口元には葉巻。

リキッド「ビッグボス!!!!! 生きてらっしゃったのですか!!!!!」

ビッグボス「待たせたな、リボルバー・オセロット。色々あってな」

オセロット「ああ……ボス。まさかこの日が来るなんて……」

ビッグボス「話は後だ。今はここを脱出する。いいな?」

オセロット「わかりました、ボス」
588 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 02:12:41.49 ID:oTSnQ.AO
無人島海上上空───

パイロット「あれがメタルギア!?」



『マルチロックオン、目標、ミサイル群』

『発射』

ズシャアアアアッ

メタルギアから発射された17発のロケット弾。
それは爆撃機が放った爆弾を一つ一つ全て撃ち落として行く。
その内の一発が爆弾を抜け爆撃機に向かってくる。

パイロット「くっ、来るぞ! 回避!!!」

パイロットB「間に合いませんっ!」

鈍い音爆発音をあげながら爆撃機はゆっくりと海面に落ちていく。

『ターゲットの破壊を確認。死傷者なし、パイロットは脱出した模様。任務完了、任務完了』

『これよりポイントBへ向かう』

ガシャンガシャン────
589 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/02(土) 02:22:50.90 ID:oTSnQ.AO
スネーク「お前ら! 脱出するぞ!! 軍のミサイルがいつくるかわからん!」

唯「へ? ミサイル?」

和と戯れていた唯が不思議そうに首を傾ける。

りっちゃん「そうだった! さっき軍から通達があって……」

スネーク「迎えはあるのか?!」

りっちゃん「え〜と……」

和「来てるわよ、迎え」

りっちゃん「えっ?」

和が上空を指差すと一機のヘリがこちらに向かって飛んできていた。

憂『おねえ〜〜〜ちゃ〜〜〜〜〜ん!!!!』

スピーカーを最大にした声で呼びかける

唯「憂〜〜〜〜〜!!!! こっちこっち〜〜〜〜!!!!」

大きく手を振りながらヘリに駆け寄る唯。

梓「待ってくださいよ! 唯せんぱぁい!!!」

その後を追う梓。

りっちゃん「スネーク……あのな、」

スネーク「……俺は」

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

島全体に何かが破裂したような音が響き渡る。

りっちゃん「なんだっ!?」

スネーク「軍のミサイルか!?」
590 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/02(土) 02:46:12.35 ID:oTSnQ.AO
「第一波は防いだ。早く脱出しろ。すぐに次が来る」



雷電「まさか……」

スネーク「バカな……」

りっちゃん「あっ……!」

雷電「ビッグボス…」
スネーク「ビッグボス!!!」
りっちゃん「ジョン!!!」

ビッグボス「おお、りっちゃん。生きてたか。仲間は助けられたか?」

りっちゃん「うんっ! 色々ありがとな! で、ビッグボス? ビッグボス……なんか聞き覚えあるなぁ」

オセロット「……」

りっちゃん「ってお前っ! いつの間に!? まさか……!」

ビッグボス「俺が解いた。悪いな、こんな奴でも大事な部下なんだ」

りっちゃん「ジョン? 何言って……」

ビッグボス「りっちゃん、お前はお前の信じる道を行け、いいな」

りっちゃん「うん……じゃなくて!」

雷電「ビッグボス、何の冗談だ。彼女を裏切るつもりか?」

ビッグボス「雷電、すまないな。俺はどうしてもやらなくてはならないことがある。EVAにはそう言っておいてくれ」
591 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/02(土) 02:57:14.84 ID:oTSnQ.AO
スネーク「あんたはあの時死んだはず……!」

ビッグボス「ソリッド・スネーク…。こんな形でまた出会うとはな」

雷電「ビッグママ、俺の組織のトップがビッグボスを再生したんだ。ソリダス・スネーク、リキッド・スネークの死体を回収し、ベースにしてな」

スネーク「バカな!!? リキッドならここに……」

オセロット「久しぶりだな……スネーク」

両手を銃に見立てて突き立てる。

オセロット「演技はもう必要ない。俺はリボルバー・オセロット!!! ビッグボスの部下だ」

スネーク「なんだと……?」

ビッグボス「さて……再会はここまでだ。迎えが来た」

ガシャンガシャンガシャンガシャン

りっちゃん「これは……メタルギア!?」

雷電「ZEKEか……また古くさいものを」
592 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 03:06:22.65 ID:oTSnQ.AO
ウィィィン……

メタルギアの操縦席が開く、それを律達は固唾を飲んで見守る。

ミラー「久しぶりだなスネーク。FOXHOUNDの訓練以来か」

スネーク「マスター!? あんた何故!? リキッドに殺されたはずじゃ……」

ミラー「それ自体が偽装だったんだよスネーク。その時からビッグボス計画は始まっていた」

スネーク「ビッグボス……計画」

ビッグボス「そうだ。俺達はもう一度愛国者からの脱却を試みる!!! 本当の自由をこの手に掴むためにな!! 俺から始まった因縁だ。俺がケリをつける!」

ビッグボス「行くぞ、オセロット」

オセロット「はっ! ボス!!」

スネーク「待て!!!」

バシュン───

スネーク「ぐっ」

オセロット「ボスに近づくな。一度死んだとはいえ貴様の中のFOXDIEが感染する可能性もある」
593 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 03:16:51.69 ID:oTSnQ.AO
ビッグボス「止めたければ来い。アウターヘイブンで待っている」

スネーク「アウター……ヘイブン」

りっちゃん「なんだよ……なんだよなんだよ!! どういうことなんだよジョン!!! あんたは……あんたは敵だったのか!?」

ビッグボス「……りっちゃん。お前の本当の名前はなんだ」

りっちゃん「……律だけど」

ビッグボス「律か、規律の律、旋律の律、いい名前だ」

りっちゃん「……ありがとう」

ビッグボス「律。お前さんが仲間達と共にありたいように俺は俺の信じるものがある」

りっちゃん「信じるもの…?」

ビッグボス「そうだ。その為にお前達と敵対しようとも、だ」

りっちゃん「ジョン…」

ビッグボス「お前はお前の信じるものと行け。じゃあな」

りっちゃん「ジョン……!!!」

ビッグボス「ピースだ」
594 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 03:23:54.76 ID:oTSnQ.AO
ミラー「ZEKEに三人乗りはちょっと厳しいぞボス。いくら増設したとはいえ」

ビッグボス「カズ、いいから黙って行け。資料も手に入った、ここにはもう用はない」

ミラー「了解ボス」

オセロット「スネーク!!! また会おう!!!」シュバッ

スネーク「行かせるかっ!!!」

ソーコムを構えビッグボスに狙いをつける

ザンッ───

スネーク「なっ……」

ソーコムは横に真っ二つに斬れ落ちる。

スネーク「雷電! どういうつもりだ!!!」

雷電「さっき通信が入った。ビッグママはビッグボスを全面的に支援すると。だから撃たせるわけにはいかない。これが俺の道だ、スネーク」

スネーク「くっ! バカな!!」

ガシャンガシャンガシャンガシャン───

律とスネークは遠ざかって行くメタルギアZEKEをただ見ることしか出来なかった。
595 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 03:30:08.59 ID:oTSnQ.AO
雷電「悪いな、スネーク……。こちらも迎えがきた」

スネーク「……」

雷電「次に会うときは敵かもしれないな」

スネーク「雷電……お前は」

雷電「俺はただローズを守る。それだけだ。またな、スネーク」

スネーク「……」

雷電「サムライ」

和「……なに?」

一抹の展開をただ傍観していた和に雷電が背中越しに話しかける。

雷電「次に戦場であった時は覚悟しておくことだな」

和「……心得たわ」

雷電「あいつらにも言っておいてくれ」

和「……ええ」

そうして雷電は自分を迎えに来たヘリに乗り、無人島を後にした。
この色々な思惑が交差した無人島を。
596 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 03:38:24.57 ID:oTSnQ.AO
ババババ……

トゥルル……トゥルル……

オタコン『スネーク! 迎えにきたよ! 今梯子を下ろすから』

スネーク『……オタコン、俺は』

オタコン『スネーク。今はとにかくこの島を脱出するのが先決だ。話はまたそれからしよう』

スネーク『わかった……』

ピピュン……

スネーク「りっちゃん」

りっちゃん「スネーク……」

スネーク「俺はまだ戦場を降りるわけにはいかないらしい。だから決着はまた今度だ」

りっちゃん「……」

スネーク「やつも言ったがな、何を信じるかなんていうのはそいつにしか決められない。お前はあいつらと笑って過ごせる世界を作りたいんだろう?」

りっちゃん「うん……」

強く、強く頷いた。

スネーク「それでいい。頑張れよ、ルーキー。またいつかもし会うようなことがあったら…その時決着をつけよう」

りっちゃん「ありがとう、スネーク」

敬礼、

スネーク「…」

それに対しスネークも返した。

りっちゃん「(またきっと…どこかで会うような気がする、その時は…負けないよ。スネーク)」
597 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 03:45:15.05 ID:oTSnQ.AO
斎藤「全く騒がしいですね」

背中に紬を背負った斎藤が見かねてかそんなことを言った。

紬「りっちゃん…」

りっちゃん「ムギ!!! 意識が戻ったのか?」

紬「えぇ。これからですもの、死んだりしたら勿体ないわ」

りっちゃん「ふふ、だな」

唯「りっちゃ〜〜〜ん、和ちゃ〜〜〜ん〜〜〜みんな〜〜〜」

梓「早く乗ってください! 憂の情報だと後数十分でまた爆撃がくるそうです!」

憂「律お姉ちゃん!!!」ギュッ

りっちゃん「憂ちゃん……」

唯「あれ? お姉ちゃん?」

憂「ありがとう……お姉ちゃんを助けてくれて」

りっちゃん「約束したからな」

唯「あずにゃんりっちゃんに憂とられた〜〜〜!!!」

梓「はいはい」

和「行きましょう、時間がないわ」

りっちゃん「……」
598 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/02(土) 03:56:12.80 ID:oTSnQ.AO
りっちゃん「みんな、先に行ってくれ」

唯「…」
梓「…」
紬「…」
和「…」

斎藤「なに言ってるんですか! この島にもうやり残したことなんて…」

唯「あるよ」

斎藤「えっ…」

紬「あるわね」

梓「あるです」

和「あるわよ」

憂「澪さん…ですか?」

りっちゃん「うん。私はあのわからず屋を説得してから一緒に脱出するよ。だからみんなは先に」

その中にいる誰もが彼女を信じていた。

斎藤「そういうことなら…。気をつけて行ってらっしゃいませ、律様」

梓「言っても聞きませんから言いません。澪先輩をよろしくお願いします。律先輩」

唯「澪ちゃんを助けられるのはりっちゃんだけだよ!」

暗闇から助けられ、

紬「必ず二人で戻って来てね、りっちゃん」

和「澪のこと、よろしくね。あの子もああ見えて頑固だから」

行く道を照らしてくれた彼女は…彼女達にとってたった一人の…

憂「行ってらっしゃい、律お姉ちゃん」

りっちゃん「ああ、行ってくるよ。みんな!」

英雄だった。
599 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/02(土) 03:58:32.24 ID:oTSnQ.AO
後、澪とのラストバトル+後日談で終了です。

明日これたら明日で終わりかな

寝ます

600 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/02(土) 12:11:30.99 ID:Y6ZmaZA0

楽しみにしてるぜ
601 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/02(土) 13:16:21.68 ID:LsGg8UAO
素晴らしい
602 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/03(日) 00:48:39.30 ID:PKXiqSg0
おいついたーーーーー!!
別のけいおんxメタルギアPWのssさがしてたどり着いた!
>>1がんばって! 雷電が来た時の話し相手ってドレビン?
603 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/03(日) 01:58:53.17 ID:kb75.gAO
乙!

余計なツッコミかもしれんがあずにゃんじゃなくてりっちゃんに優をとられたんじゃないかな
604 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/03(日) 02:00:44.57 ID:kb75.gAO
ごめwwwwww俺がよみまちがいてたwwwwww
605 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/03(日) 13:28:58.45 ID:GynK7Kko
Way To Fall SnakeEater Heavens Devide

歌詞付きのメタルギアの曲だから
聞いた事ない奴は聞いてみろ
個人的にはWay To Fallが好きだ
606 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/03(日) 16:54:46.91 ID:P/rEs6c0
やっと追い付いた
どっちも好きだから嬉しいぜ
607 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/04(月) 01:47:53.93 ID:USlRJVgo
そろそろかな
3のシークレットシアター見ながら待ってる
608 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 00:29:24.93 ID:oq6ysMAO
昨日書こうとしたら寝てました!
すみません。

では、今日でいよいよ最終回…。

ご覧ください
609 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 00:33:37.61 ID:oq6ysMAO
梓「あのっ…」

りっちゃん「ん? まだ何かあるのか? 梓」

梓「いえ……」

他のみんながヘリに乗り込んだのに一人だけ残り何か言いたげにしている。

りっちゃん「じゃあ早く行けよ。澪のことなら任せとけって」

梓「そうじゃないんです…。いや、その……。そうですよね……わかってます」

りっちゃん「??」

梓「澪先輩を、よろしくお願いしますね」

そう言って梓はヘリに乗り込んでしまう。

一体何が言いたかったんだろう梓のやつ…。
610 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:34:38.24 ID:oq6ysMAO
ヘリはみんなを乗せて飛び立って行く。
私はそれを笑顔で、手を振りながら見送った。

誰も私に一緒に行こう、とか、無理だよ、なんて言ってこなかった。
それが何よりも嬉しくて、私は知らない間にみんなに力をもらってるんだなって思った。
信頼されるってことはこんなに心地良くて……仲間がいるってことはこんなにも暖かいものなんだ。
それを誰かさんにも教えに行こう。

一人じゃ何も出来なくても……みんなで協力すれば何だってやれるんだ。

お前もわかってるだろう、澪。

だってお前はそのやり方を少し間違えただけなんだから。
611 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:35:30.04 ID:oq6ysMAO
「急げっ!!! 早く搬入しろ!」

「そんなものはいい!!! それより人員の避難を優先させろ!!!」

りっちゃん「なんだ…?」

研究所の方からおらび声が聴こえてくる。気になってそちらの方を向いて見ると、どんどんと人が溢れて出ているのが見てとれた。

りっちゃん「一般兵の人達かな。脱出の最中か」

もう壊滅したと言ってもいいもんな。蜘蛛の子を散らす様にこの島から逃げ出すのは当然か…。

私はその人達にどう対応していいかわからず、ただ見呆けていた…が、
あるものが目に入ると私の足は咳を切ったように急に回転を始めた。
612 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:36:20.48 ID:oq6ysMAO
「お、おい……大人しくしてくれよ」

「グルウゥゥゥ……」

「こ、こんなの放っといて逃げようぜ?」

「バカ野郎! そんなことしたら俺のあずにゃんが泣くだろう! 小型だが輸送機もあるんだ。こいつらぐらい何とかなる!」

「でもさ……」

「ここを軍が爆撃するって斎藤さんが言ってただろ! 周りは海だ、逃げ場もない。幹部クラスはもう脱出したって話だがきっとあずにゃんはこいつらのことを気に病んでる筈だ……なら俺が何としても連れ出してやる!」

「お前……、へへっ、お前のそういうところ……嫌いじゃないぜ?」
613 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:37:50.88 ID:oq6ysMAO
「なら手伝えよ。こいつらをこの輸送機に入るな!」

「わかってる! ちっ、この際少し銃で脅かして……」

りっちゃん「やめろおおおっ!!!」

「なっ」

「お前はあの時の!!!」

ライオン達に銃口を向けている男の関節を捻るように螺挙げる。

「あい゛た゛た゛た゛た゛」

後は痛がって体を戻そうとしてるのを利用して足を払い、薙ぎ倒す。

「ま、待てっ! お前は誤解をっ」

男が何か言ったがそんなことはお構い無しに飛び膝蹴りをお見舞いしてやる。

「がはっ……話を……聞い……て」バタン

やっとそう耳に気付いた時はもう男は地に伏していた。

りっちゃん「…えっ?」
614 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:39:22.35 ID:oq6ysMAO
─────

りっちゃん「な〜んだ……こいつらを乗せようとしただけか」

「だから話を聞けって言っただろう!」

「それなのにいきなり関節キメとは随分だよな〜?」

りっちゃん「だから悪かったってさっきから言ってるだろ〜? お詫びと言っちゃなんだけど私も協力するからさ」

「ちっ……まあいい。もう俺達は敵でも何でもないんだ。とっととこの島からおさらばして後は……」

「……」

ただ項垂れるだけの二人を見て、私は言いたいことがわかってしまった。
彼らも澪達と同じなんだ。ただ、取り返したかっただけ…何を犯してでも…音楽を。
615 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:42:37.15 ID:oq6ysMAO
ライオンの群れ、その一匹に近づく。梓が一番可愛がっていた老獣のライオン、むすたんぐだ。
猫のように寝転んでるむすたんぐの元へ行くと目線を合わせるように私はしゃがみこんだ。

りっちゃん「むすたんぐ、みんなにあそこに入ってくれるよう言ってくれないか? 梓もお前達にはきっと生きて欲しいって願ってるはずだから」

「グルゥゥゥ……」

むすたんぐは低くそう唸ると、ゆっくりと立ち上がり輸送機の方へと歩いて行った。
それを見た仲間達もむすたんぐの後を追う。やはり彼らのリーダーはむすたんぐなのだろう。
いや、梓……か。

りっちゃん「そうか…」

さっき梓はこいつらのことを言いたかったんだ。でもこんな時にそんな悠長なことを言えないからって…。

りっちゃん「バカ梓」

そんな気なんて遣うなよ。何だって私に言えばいいんだ。
じゃないと次に私が梓に頼りづらくなるだろう?

なーんて
616 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:43:41.94 ID:oq6ysMAO
「よ〜し準備は出来た。忘れ物はないな?」

「思い出…ぐらいかな」

「はいはい。じゃあ俺らはこれで。あんたも早く脱出した方がいい。爆撃機が来るまで時間がないぜ」

りっちゃん「私はまだやることがあるから」

「…澪さん達の仲間ってのは聞きました。ジョニーから」

りっちゃん「!! あいつは?」

「さあ? 風のようなやつだからな。今頃どこにいるのやら」

りっちゃん「そっか…」

「澪さんのこと、よろしくお願いします」

りっちゃん「えっ…」

私は何でビックリしてるのだろう。

「必ず助けて…皆さんで一緒に幸せになってくださ」
617 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:45:54.52 ID:oq6ysMAO
そうだ、私は勝手にこの人達は澪達を恨んでいると思い込んでたんだ。
でも…そうじゃなかった。

「じゃあ、これで」

輸送機に乗り込む二人。唯一切り開けた滑走路のような場所を車輪が滑り、ゆっくりとスピードを上げて進んで行く。
このまま彼らに何も告げぬまま行かせていい……わけがない!
ただ一言、それだけを言うために私は走った!

りっちゃん「必ず!!! 必ず音楽を取り戻して見せるから!!! 今度はみんなが笑っていられるやり方で!!! 何年かかっても!!! きっと!!!! きっと!!!!」

それが聞こえたのかどうかは、一瞬見えた彼らの笑顔で判断するしかなかった。

とても、とても良い笑顔だった。
618 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:47:04.23 ID:oq6ysMAO
───研究所内部───

『総員退避、総員退避。繰り返す、総員はただちに……』

流暢な喋りのメカメカしいアナウンスが流れている。研究所は既に人気はなく私達がむすたんぐ達をどうにかしている間に退避したのだろう。

りっちゃん「さて、あのわからず屋はどこにいるのかなっと」

研究所内部は広い、ともかく澪がいそうなところをしらみ潰しに探すしかないか。
私はそう決めるとすぐさま走り始めた。

澪……。


ん……何だろう。
この匂い。

いい匂いがする…。
619 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:47:58.87 ID:oq6ysMAO
───研究所内部 ???───

ここはこんな時でも静かだ。

澪「いい匂い」

水仙に囲まれただだっ広い部屋の真ん中ぐらいで私は行儀よく座り込んでいる。

澪「みんなはもう行ったかな…」

澪「メタルギアはどうなったんだろう」

澪「軍の爆撃機はいつぐらいに来るのかな…」

どうでもいい。

思ってもないどうでもいいことばかり並べてしまう。

本当はこんなことは二の次だ。本当に私が考えてることは…。

澪「いつだって…」グスン…グスン…

そう、いつだって私は

「みーお」

澪「……」

律のことばかり考えてたんだ。
620 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:49:07.09 ID:oq6ysMAO
澪「律…。なんでここが?」

りっちゃん「いい匂いがしたから、来ちゃった」ニシシ

後ろ手に腕を組ながら笑う彼女は昔とちっとも変わってなかった。
でも…もうあの時の私達とは立ってる場所は違う。

澪「ふん…止めでもさしに来たのか?」

土をはらいながら立ち上がると私は律に向き直った。こんな時、このコートは有難い。
襟の部分で顔の半分近くが隠れるから…表情を悟られにくい。

りっちゃん「まだそんなこと言ってるのかよ…お前は」

一気に律の表情が曇る。せっかく探した相手がこの態度では当然だろう、だけど…。
621 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:49:53.51 ID:oq6ysMAO
澪「他のみんなに何を言われたか知らないけどな、私はテロリストだ。WORLD OF SONGのリーダーとして幕引きをしなくちゃいけない」

そうだ。私はもう…女子高生の秋山澪ではない。
世界を脅かし、核まで使って音楽を取り戻そうとした狂人なのだ。
その事実はずっと変わらない。
だから……!

ここで律の優しさに甘えてノコノコと生き残るわけにはいかない!
これ以上みんなに迷惑はかけられない。

それが私が始めてみんなを巻き込んだことへの責任。

そして自分の道を間違いじゃなかったと言える為のプライドだ!
622 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:50:31.52 ID:oq6ysMAO
やっと、やっと見つけた。これで一緒に帰れるんだ。みんなで……。

そう思った私が甘かった。澪は相変わらず高圧的な態度で私に突っかかってくる。
きっとまだWORLD OF SONGの肩書きを背負ってるのだろう。
そんなもの……もう意味なんてないのに。

りっちゃん「もういいだろ、澪。終わったんだ…何もかも」

澪「終わった…? 何がだよ」

りっちゃん「メタルギアも破壊して…唯達も取り戻した。だから……」

澪「取り戻した? ふふ、悪かったな律。律の大切な友達を取っちゃったりしてさ!」

りっちゃん「…はあ?」
623 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:51:54.27 ID:oq6ysMAO
澪「私が上手いこと言ってこんなことに取り込んだって言いたいんだろお前は!」

りっちゃん「違う!!! そうじゃない…そうじゃなくてっ」

澪「まあいいよ。私にとってはもう過去のことだから。今の私は一人だ。それだけ」

りっちゃん「それだけって…」

澪「……もうそろそろ軍の爆撃が始まる。律、行けよ。みんなが待ってるんだろう?」

りっちゃん「…やだ」

澪「……じゃあ好きにしなよ。私はここで静かに死にたいんだ。邪魔しないでくれ」

りっちゃん「……やぁぁぁだぁぁぁああああっっっ!!!!」

澪「!?」

声帯が裂ける程に叫んだ律の声が澪の耳に驚きを届ける
624 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:53:18.06 ID:oq6ysMAO
りっちゃん「澪がいなきゃ嫌なんだ!!! 私には澪が必要なんだよ!!!」

澪「なにを…っ」

りっちゃん「…最初はさ、私もそうだった。みんなを殺すつもりだったんだ…。FOXDIED…世界って立場に追われて……そうしないといけないって思ってた」

澪「なら…」

りっちゃん「でも違ったんだ。梓が教えてくれた」

澪「梓が…?」

りっちゃん「梓…殺されるって時に何て言ったと思う?『躊躇わないでください』って言ったんだ。澪先輩と生きてくださいって…。自分がまさに殺されるってところで…」

澪「梓がそんなことを…」

りっちゃん「その時からだよ。私がみんなを何があっても助けようって思ったのは」

澪「……」
625 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:54:21.24 ID:oq6ysMAO
りっちゃん「この包帯は唯が巻いてくれたんだ」

澪「唯…」

りっちゃん「もうとっくに治ったんだけどさ。やっぱり外せなくて…。澪に色々教えてもらったんだって言ってた。澪ちゃんはもっともっと勉強してたって」

澪「……」

りっちゃん「最後はムギ。ムギにはいっぱい強さをもらった。誰よりも私達のことを考えててくれたんだ」

澪「うん…それは私も同じ気持ちだよ」

りっちゃん「ムギ……撃たれたんだ」

澪「えっ…」

りっちゃん「勿論死んだりしてない。でも…その時でさえムギは「みんなをよろしくね」って…みんなの心配してさ」
626 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 00:54:57.24 ID:oq6ysMAO
りっちゃん「みんな…自分じゃない他の人のことばっかりで…」

自然と流れる涙が頬を伝い水仙畑に落ちていく。

りっちゃん「バカだよなぁ…ぁっ」

顔をくしゃりと歪めるも、その後に澪に出来るだけ笑顔で振り向いた。

澪「それは…お前もだろう。律」フフ

りっちゃん「お前だって…」フフ

いつ振りだろう、笑い合えたのは。
これが当たり前だったのに……どうしてなくなってしまったのだろう。

澪「律…ありがとう」

その言葉が何故か遠く聴こえるのは…どうしてだろう?
627 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 01:13:42.99 ID:oq6ysMAO
澪「それでも…私は行くわけにはいかない」

りっちゃん「澪ッ!」

澪「みんなを守るためでもあるんだッ! ここで何の死体も上がらずに終われば…残党狩りが始まる。首謀者の私の死体が上がればそれで終わるんだよ…!」

りっちゃん「何でそんな考え方…ッ!」

澪「もうあの頃の私達じゃないんだッ! わかれよ律ッ! これが私の…最後の仕事(ラストミッション)なんだ…!」

澪「ここで死ぬことが…みんなを守るための一番のやり方なんだ!」

りっちゃん「……それはWORLD OF SONGの澪としての答えだろ? 秋山澪の答えを聞かせろよ…!」
628 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 01:15:12.73 ID:oq6ysMAO
澪「……」

りっちゃん「言えないのか?」

澪「言う必要はない。もうそんな人物はいないんだから」

りっちゃん「……あの話には続きがあってさ。私は最後にソリッド・スネークという男に出会った」

澪「伝説の傭兵…」

りっちゃん「私もそう言ったらあの人は自分をただの怖がりで、臆病なやつだって言ったんだ。自分がそうなると嫌だから自分がやるんだって…おかしいだろ?」

澪「…うん」

りっちゃん「そしてこうとも言ったんだ。迷うなって。これはジョン……ビッグボスにも言われたんだ」

澪「ビッグボス…。知ってるのか? 律。あの二人がどういう関係なのか…」
629 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 01:17:33.39 ID:oq6ysMAO
りっちゃん「前に見た資料を思い出したよ。スネークはビッグボスのクローンで…スネークがビッグボスを殺したって」

澪「…何で生きていたからは今更だな」

りっちゃん「そこら辺は良くわかんないけどさ」ハハ

りっちゃん「でも同じこと言われたんだ…二人に。ぶつかり合って…殺し合いをした二人がおんなじこと言うなんて変だよな」

澪「……」

りっちゃん「二人はやってることは違っても……思いは同じなんだ。自分が信じる道を行くって」

りっちゃん「それを聞いて私は……みんなを助けるだけでも駄目だって思った」
630 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 01:18:59.48 ID:oq6ysMAO
澪「じゃあどうする?」

りっちゃん「みんなと一緒に考えて……みんなが笑える道を行くって決めた」

澪「みんなが笑える…?」

りっちゃん「うん。唯も、梓も、ムギも、憂ちゃんも、和も、さわちゃんも…澪も、そして世界のみんなもだ!」

澪「理想論だな。そんなこと出来るわけないだろ!」

りっちゃん「かもな。澪一人じゃ…な!」ニヤッ

澪「〜ッ!」

りっちゃん「澪…お前は今笑えてるか? その道を行って。笑えてるのか?」

澪「……私は、そんなものッ!」

澪「どうだっていいッ! 笑えるとか笑えないとかッ! そんなの…どうだって…」
631 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 01:24:59.19 ID:oq6ysMAO
りっちゃん「そうか…。WORLD OF SONGの澪が邪魔してるんだな」

澪「そうじゃない! 私は私だ!!!」

りっちゃん「……なら、こうしようか」

りっちゃん「勝った方が負けた方の言うことを何でも聞く…。どうだ?」

澪「何でもだな?」

りっちゃん「ああ。わからず屋の澪はこうでもしないと納得しないだろう?」

澪「……いいだろう。律、お前が負けたら一緒にここで死んでもらうからな」

澪が構えを組む。

りっちゃん「万が一負けたらな。でも私が負けるわけないさ」

澪「随分な自信だな。そんなに強くなったのか?」

りっちゃん「だってお前は一人で、こっちはみんななんだから」

澪「」ギリッ──

澪「聞き飽きたよッ! お説教はっ!!!」
632 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 01:59:04.58 ID:oq6ysMAO
漆黒に包まれた澪の体が駆ける───

りっちゃん「日本刀は使わないのか?」

澪「そっちこそッ! お得意の麻酔銃は使わないのか?! もっともそんなものじゃこのコートに傷さえつけられないだろうけどなッ!」

澪「チェッ!」

飛び込み様の蹴り、

これをスウェー気味にかわす。

澪「どうしたっ?! 避けるので精一杯かッ?!」

装填のない矢の様に繰り出される蹴りを私はただ避け続ける。

澪「このぉ……ッ!」

澪が痺れを切らし大振りになった時を狙い、開歩───

澪「なっ(懐に入られた…!)」
633 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 01:59:52.91 ID:oq6ysMAO
りっちゃん「掌底!!!」

蹴りが来る前に鳩尾を一掌。

澪「うっ…」

自分の勢いもあり前のめりに倒れそうになる澪。

りっちゃん「いくら銃弾を防げるからって実際の鉄じゃないのはわかってるんだ。じゃなきゃそんなにふわふわ舞うわけもない」

澪「……」

交差するように倒れ込む澪、あっさり決着がついた……

澪「相変わらず甘いな。律は」

りっちゃん「!?」

焦って振り向いた先に、澪のローファーが空を切りつつ私の顎を……。

りっちゃん「があっ……」

弾き飛ばした。
634 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 02:01:59.39 ID:oq6ysMAO
あまりの威力に二、三歩後退してしまう。

口の中は瞬時に鉄の味と砂利が支配し、一気に気持ち悪くなった。

りっちゃん「ペッ……」

口の血を袖で拭うとようやく私は何をもらったのか理解した。

りっちゃん「カポエィラか…」

澪「へー…知ってるのか。意外だな」

澪は倒れる振りをして地面に手を付き、逆立ちしながら足を開き、回転させて私の顎を撃ち抜いたのだ。

りっちゃん「格闘技全般はやったからな。カポエィラは興味なくて全然やらなかったけど」

澪「ふふ、律らしい。なぁ律。カポエィラの起源を知ってるか?」

りっちゃん「知らないよ。さっきも言ったろ? 興味ないって」

澪「そう言わずに聞いてくれよ」
635 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 02:03:24.02 ID:oq6ysMAO
澪「カポエィラはダンスから派生した格闘技なんだ。私はそれを知った時からずっとこの格闘技を極めてきた。身を守る力もいると思って。音楽を取り戻す私に相応しいかなって」

りっちゃん「そうかい」

ムッ
澪「それとさっきの掌底、全然効いてないからな。このコートはセラミックとカーボンから作られてるんだ。薄そうに見えるけど厚みもそこそこある…」

澪「メタルギアの弾丸だって効かないぐらいなんだから律の掌底なんかが効くわけないだろう?」

りっちゃん「……それで強くなったつもりかよ。澪」

澪「強くなったさ。律と違ってな」
636 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 02:04:21.53 ID:oq6ysMAO
澪「早くこうさんした方が身のためだぞ律ッ!」

右足に力を入れると土がめり込む感触が伝わってくる。
コンクリートにはない感触、私はその感触が嫌いではない。
嘗ての親友を蹴り倒すのは気分がいいものではない……が、私は意地でも勝って律と一緒にいてやると決めたんだ。

誰にも渡さない…。

私だけの律でいてほしい!!!

あれ…これは誰の気持ちだろう?

私? それとも……

澪「足元がフラフラだぞ律ッ!」

思いとは裏腹に私の脚は律を撃ち抜いて行く。
腕、肩、腹、足……。
律の体に当たる度に私のどこかも痛む気がする…。
637 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 02:13:39.88 ID:oq6ysMAO
澪「止めだっ!!!」

捻りを入れた回転脚を打つ為に律に背を向ける。

トンッ───

と少し飛び上がりながらスケートの半回転ジャンプの様に体を捻ると……

澪「これで……ッ!」

律は私のものだ……!

ガシッ───

えっ…?

止められ…

りっちゃん「澪、歯……食い縛っとけ」

澪「なっ……」

りっちゃん「銃拳…」ボソッ

律の拳が私の腹部を圧迫する。

でも、

澪「無駄だって言って……」

りっちゃん「掌底ッ!!!!」

腕をしなるように上に吊り上げた後、一気に押し出した。

澪「ッッッ!」

声にもならない衝撃が私の腹部辺りを直撃する。
息が出来ない、
まるでトラックにでも跳ねられた様な……。
638 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 02:20:08.46 ID:oq6ysMAO
何mか飛ばされた後、水仙の花の上にどさりと墜落した。

澪「があっ……がはっ……」

打った衝撃と打たれた衝撃で呼吸が怪しい。
舞い上がる水仙の花の中でただ身悶えた。

りっちゃん「密着してからの……掌底なら関係ない……。それがどんな固かろうが……ただの服だよ」

トボトボと歩く音がする。律が近づいてるのだろう。

負ける……?

私が……負けたら、きっと律は私を助けようとする。
どうなっても。
でもそれはこの先きっと後悔する。
私なんて助けるんじゃなかったって…きっとそうなる。
だから……だからって律を巻き込んで死ぬことが正しいのか?
笑って過ごせる道な…の…?

澪「う……あああっ!!!」

死力を尽くして立ち上がる。

負けない、負けたくない!
ただそんな純粋な気持ちが私を奮い立たせた。
639 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 02:22:12.37 ID:fTBqBuYo
支援
3や4のラストを思わせるな
640 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 02:26:18.29 ID:oq6ysMAO
澪……。
お前はどうしたい。
ほんとにそのまま死にたいのか?
お前を心配している仲間を残して?

何がお前をそこまで追い込んでるんだよ…!

りっちゃん「私は……」

朧気な視界で澪を見定める。
あっちもさっきの掌底でフラフラだろう。
ここまでさんざカッコいい格好してきたんだ。
最後ぐらい泥臭くていい。
ただ勝ちに貪欲になる。

りっちゃん「私は澪を倒して嫌がってもでも連れていく!!!」

澪「私だって……負けない! 負けたくない!!!」

私は頭のカチューシャを外し、空に投げる───

だらんと長くなった前髪を気にも止めず言ってやる。

律「FOXDIEDのりっちゃんとしてじゃない! 私は田井中律として秋山澪!!! お前を助ける!!!」
641 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 02:27:54.25 ID:oq6ysMAO
http://m.youtube.com/watch?desktop_uri=http%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DITJxRYWQJjY&v=ITJxRYWQJjY&gl=JP

挿入歌 NO Thank You
642 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 02:35:35.86 ID:oq6ysMAO
澪「はあああっ」
律「うおおおっ」

水仙の花畑の中心でぶつかり合う。

澪「律は! 律はいつだってそうだった!!! 私のことなんて無視して!! 軽音部にだって無理矢理入れて!!!」

律「がっ……」

澪の蹴りが鳩尾を直撃する、けど……っ!

律「嫌だったのかよっ! お前はッ!」

澪「ぶっ……」

律の掌底が私の顎を跳ね上げる、、、けど……っ!

澪「う……そんなわけないだろうっ!!!」

律「あがあっ」

澪の回転蹴り脇腹にめり込む……。
バキリとイヤな音が耳に入る、それでも止まれない!

律「ならなんでっ!!!!」

澪「うぶっ……」

私の足を抱えたまま律の頭突きが決まる……。
意識が遠退く────
643 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 02:46:41.69 ID:oq6ysMAO
澪「ッ!!!!!」カッ

それでも気を失うわけにはいかない

私は最後の気力を振り絞って律に捕まれてない方の足を振り上げ───

澪「それでもッ!!!!! 私は思い出なんていらないっ!!! 今が欲しい!!!!」

降り下ろす───

澪「ネリョ チャギ!!!!」

俗に言う踵落とし、隠していたテコンドー技をここで使うッ!

踵は律の頭を捉え────

律「だったら───」

澪の足を手で右から押してやり、

澪「そん……」

持ってる足を左手で引っ張ると────

澪「な……」

そのまま投げ伏せる────

律「私がその今を作ってやる!!!!」
644 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 02:55:24.40 ID:oq6ysMAO
澪「はあ……はあ……」

律「はあ……っ……」

澪「最後にCQCとは……やられたよ、律」

律「咄嗟に思いついただけだよ…。多分…もうできない」

澪「そっか…」

律「……澪、これで」

澪「律、この房咲水仙の花言葉……知ってるか?」

律「………」

澪「『思い出』なんだ…。私はいつだってあの頃に憧れてて…またあの頃に戻る為にこんなことまでして…。でもそれじゃ駄目だって…」

澪「だから戒めにこの花をこの研究所に植えたんだ。この房咲水仙もいつか枯れる。その枯れた房咲水仙と共に思い出も枯れさそうって…決めてたんだ」

律「でも知ってるか? 澪」

澪「…?」

律「房咲水仙のもう一つの花言葉は…記念。まだ枯れてない、咲き続けてるんだ房咲水仙は。だからこれは今日から一緒に明日を目指す私達の『記念』なんだ」

澪「…あはははは」
律「くくく…っ」
645 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 02:59:16.22 ID:oq6ysMAO
澪「……参ったよ、律」

律「じゃあ私の勝ちってことで!」

澪「うん。好きにしてくれ」

律「じゃあ……」

澪「……」

律「私と一緒に、ずっと生きてくれ。何があっても」

手を伸ばす────

前は伸ばされて、私が拒んでしまった手を────

澪「わかった」

ぱしんっ───

今度は私が伸ばして……今度こそ離さない────

何があっても、絶対に。
646 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 03:04:49.97 ID:oq6ysMAO
ドオオオオッ

ズオオオオッ

ガタガタガタガタ……

律「なんだっ!?」

澪「始まったか…。軍の爆撃だ」

律「じゃあ早く逃げないと!!!」

澪「わかってるよ。こっちだ律!」

律「うわっ…」

澪の力強い手に引かれるまま水仙畑を抜ける。

律「あっ、カチューシャ…」

澪「あ、ごめん! とってくるよ!」

律「……い〜や、いいや」

澪「いいのか?」

律「うん。もう私には必要ないから」

そうだ、もうFOXDIEDの律はいない。
今の私は田井中律、仲間を誰よりも大切に思うただの女の子だ。

澪「わかった、じゃあ行こう! 律!」

律「おうよっ!」

だから、おやすみ

私のカチューシャ。
647 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 03:09:03.44 ID:oq6ysMAO
───研究所 地下 格納庫───

澪「くっ…駄目か。地下のなら無事かと思ってたんだけど」

上のヘリや輸送機は既に瓦礫に埋もれて使い物にならなくなっていた。
地下に逃げ込んだ私達だったがそこでもやはり瓦礫などが降りかかっておりとてもじゃないが発進出来そうなものはない。

澪「駄目だ…他にもう脱出手段が…」

律「私と一緒に生きるって決めたばっかりだろ!? 諦めるなよそう簡単に!!! 何か…必ず何かある!」



「いや〜待ちましたよ、ええ」

澪律「!?」
648 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 03:14:13.68 ID:oq6ysMAO
ジョニー「というかこの爆撃の中航空機で逃げ出そうって考えはさすが素人ッスね〜…」

律澪「ジョニー!!!」

ジョニー「こっちだ! 紬さんが「こんなこともあろうかと」と作っていた非常脱出用小型潜水艦がある!」

律「さっすがムギ!!! もお〜〜〜大好きッ!」

澪「ン…」

律「澪の次にな!」ニヤニヤ

澪「べ、別にそんなこと言ってないだろ!」

ジョニー「満腹中枢いっぱいごちそうさま。いいから早く!!!」

律「わかった!」

澪「ありがとう、ジョニー」

ジョニー「大したことじゃありませんよ」



「……」

ジョニー「ん…?」


律「おーいジョニー! 早くーー!」

ジョニー「あ、はい!(気のせいか…)」
649 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 03:18:35.08 ID:oq6ysMAO
───小型潜水艦内部───

澪「……終わったんだな…」

律「な〜に言ってんだよ。これからさ。何もかも」

澪「…うん、そうだな!」

澪「律と一緒ならきっと…何だってやれる気がする」

律「みんなも忘れるなよ!」

澪「そうだな」フフフ

律「(スネーク……ビッグボス……あんた達は何を思い……何でぶつかったのかはわからない)」

律「(けど……)」


律「(きっと目指している道は……同じだと信じたい)」

律「(みんなが笑って過ごせる眩しい世界に……私はきっとしてみせる)」

いつか、必ず────
650 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 03:25:48.26 ID:oq6ysMAO
1年後────

───とある動物園───

梓「よ〜しよし、あずにゃん二号。ゆっくり食べな」

あずにゃん二号「がうがう」

梓「あなたのお母さんはね……とっても優しくて……とっても暖かかったんだよ」

あずにゃん二号「がう?」

梓「ふふ、美味しい?」

あずにゃん二号「がうっ!」


「お〜い、そろそろじゃないのか?」

梓「あっ、はい。もうそんな時間でしたか」

「こいつらの世話は俺達に任せといて行けよ」

梓「ありがとうございます。お二人とも。むすたんぐ達のことは感謝してもしきれません」

「むすたんぐは…島を出た瞬間すぐ死んじまったけどな…」

「すまない…」

梓「いいんです。きっとむすたんぐも喜んでます。それに今は新しい命…むすたんぐの子供がむすたんぐの意思を受け継いでますから」

「…そうかい」

梓「はい。人もこうやって…受け継いで行くんです。良いことも悪いことも…。」

だから、良いことをしなきゃです。

天国のむすたんぐの胸を張れるくらいに
651 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 03:30:56.06 ID:oq6ysMAO
───とある研究所───

「博士! この音と音がぶつかった時に出る音波のグラフです!」

紬「ありがとう。ふ〜む、これは興味深いわね」

「もしかしたらSONGBOMBの機能を停止させられるかもしれませんね!!!」

紬「そうね。やっと…やっとここまで来たのね」

「博士ー。車回しておきましたよ。確か大事な用があるんでしょう?」

紬「そうなの! ごめんね。後は任せるわ」

「わっかりました!」

紬「あれからもう一年…」

SONGBOMBを止める為に毎日研究に明け暮れていたからあっという間だったわね。

みんな元気にしてるかしら
652 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 03:38:05.18 ID:oq6ysMAO
───とある病院───

「ありがとう唯ちゃん。唯ちゃんの包帯はほんと痛くないわぁ」

唯「いつも練習してるからねっ」フンスッ

「でも妹ちゃん程じゃないわね」

唯「がくっ…。我ながらよく出来た妹だと思いますよ憂は」

「でも二人のおかげでこの病院も凄く明るくて楽しいわぁ。ありがとね、唯ちゃん」

唯「えへへ〜」

憂「お姉ちゃ〜ん! そろそろ行かないと遅刻しちゃうよ!?」

唯「そうでしたっ!」

「あら? 何か大事な約束かしら?」

唯「うんっ! とって大切な人達とのね! じゃあ憂後は任せた! いってきまーす!」

憂「気をつけてね〜」

唯「う〜んッ!」

あれからみんな違う場所でそれぞれのやれることをやっています。
それにも色々事情があるんだけど…まあいっか!
とにかく今日! みんなと再会することになってるの!
楽しみ〜!
みんな元気にしてるかなぁ
653 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 03:43:04.47 ID:oq6ysMAO
───墓地───

律「おっそいな〜みんな」

澪「ちゃんと時間も言ったのか?」

律「言ったに決まってるだろ? そ〜んなに私は信用ないのかよっ」

澪「律は肝心なとこで抜けてるからな」

律「なにをぉぅっ!」
澪「なんだよ!?」

律「むむむむ」
澪「むむむむ」

唯「二人ともなんでにらめっこしてるの?」

律「っあッ! 唯! いるなら声かけろよ!」

唯「かけたよ? 今」

澪「……」

梓「唯先輩は相変わらずそうですね」

律「梓!!」

唯「あずにゃ〜〜〜ん!!」ダキッ

梓「やめてぐだざい゛くるし……」

唯「一年分のぎゅーなのです」

澪「溜めんでいい!」スパーン
654 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 03:46:25.10 ID:oq6ysMAO
紬「ふふふ、みんな元気そうね」

律「ムギ!! 白衣なんか着ちゃってすっかり科学者って感じだな」

紬「似合うかしら?」クルクルッ

梓「はい。とても似合ってますよ」

唯「あずにゃん私のナース姿は!?」

梓「コスプレかと思いました」

唯「ががーん」

澪「というか着替えてこいよ…唯は」

唯「だってぇだってぇ…見せたかったんだもん」

律「はいはい似合ってるぞ唯」

唯「ほんとぉ!?」パア〜

澪「単純だな」

紬「そこが唯ちゃんのいいとこじゃない」フフ
655 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 03:47:01.88 ID:oq6ysMAO
http://m.youtube.com/watch?desktop_uri=http%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DhTSE0W-q3Ew&v=hTSE0W-q3Ew&gl=JP

挿入歌

スネークイーター
656 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 03:52:26.87 ID:oq6ysMAO
律「…さわちゃん」

静かに花を手向ける。

澪「さわ子先生…」
唯「さわちゃん先生…」
紬「さわ子先生…」
梓「さわ子先生…」

律「来るのが遅れてごめんな。あの後やっぱり指名手配とか色々厳しくてさ。それでもまあなんとかやってるよ」

さわ子の墓の前に綺麗に一列に並ぶ一同。

律「私達の恩師、さわちゃんに敬礼っ!!!」ビシッ
澪「」ビシッ
唯「」ビシッ
紬「」ビシッ
梓「」ビシッ

律「……。さて、長々とやってて誰かに見つかるとまずいからな。これぐらいにしとこう」

澪「そうだな。律、他に行くとこある?」

律「そうだな〜……あっ、そうだ」
657 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 04:00:09.83 ID:oq6ysMAO
2010 8月6日───広島平和記念公園───

夕方になり人も疎らになった平和記念公園で私達は花を手向けた。
私達なんか知り得もしない昔にこんなことがあったなんて信じられないけど……それは確かに起こったことだ。

梓「私達は知らないことだけど…だからって知らないじゃいけないですよね」

澪「……」

律「ああ、そうだな」

答える資格がないと思った澪達に変わって私が答える。

律「これから償って行けばいいさ。私達も」

それは許されることじゃないけど、だからって何もしないんじゃ始まらないから。

澪「…そうだな。私は律と一緒にずっと生きてくって約束したし」

律「ははっ、だな」
658 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 04:10:49.82 ID:oq6ysMAO
目を瞑り、黙祷する。

今生きている私達が、あなた達の思いも明日に持って行きます。

だから、安らかに…

『2010 広島にアメリカが初の参拝。ゆっくりだが動いている、世界は』


唯「りっちゃ〜ん! 行くよ〜〜〜!」

遠くから聞こえる唯の声で目を開ける。
振り向いた私は「今行くー」と言いながらみんなが待つ所へ走る。

夕日をバックに横並びしている澪達の顔を眺めながら私は思う。


この道はきっと間違ってなかったと。

だってみんなこんなにも────

笑顔なんだから


END
659 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 04:11:57.47 ID:oq6ysMAO
スタッフロール

作者>>1
制作>>1
脚本構成>>1
支援の数々 皆様
660 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 04:19:32.81 ID:oq6ysMAO
トゥルル、トゥルル…

ピピイュン───

『私です。はい…はい…』

『予定通りメタルギアVOICEは破壊されました。……ええ、……はい』

『資料はビッグボスが奪取しましたが問題ありません。あの技術は琴吹紬なしではあり得ませんから』

『……はい、……はい。SONGBOMBは役に立ちましたね。おかげでビッグボスの情報もいち早く入りましたし。まさか奴らもあれが盗聴機だとは思ってませんよ』

『はい……はい。では予定通りアウターヘイブンに乗り込み、ビッグボスの動向を探ります。……大丈夫ですよ、潜り込むのは得意ですから』

『では、ゼロ少佐』
661 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 04:26:14.72 ID:oq6ysMAO
トゥルルトゥルル……

ピピイュン───

『久しぶり。元気してた?』

『今忙しいって? いいじゃない別に。私とあなたの仲じゃない』

『……え? こないだの約束破ったって? あれは〜ほら……私も色々忙しいのよ』

『今度埋め合わせするからさ! 私が約束守るって言うのは知ってるでしょ?』

『ちゃんと唯先輩と梓に律先輩が来たら洗脳が解けるようにしたじゃない。それのおかげであそこまで律先輩が持ち上げられたんでしょ?』

『……何々? 律先輩は元から凄いって? ああ、まあ確かにね。……はいはい凄い凄い』

『ごめんごめんっ。あっ、キャッチ入った! じゃあまた今度ね、憂』
662 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/05(火) 04:32:45.51 ID:oq6ysMAO
『私です。はい…はい…、オセロットですか?』

『彼ならドレビンが雷電に運ばせたFOXDIEで今頃……』

『はい、はい。確認が取れ次第報告します』

『あ、キャッチ入った! じゃないちょっと通信が……あーあー……』

ガチャ

トゥルルトゥルル……

ピピイュン

『憂どうしたの?』

『ええっ?! 大事なこと聞き忘れたって? 何々〜?』

『……』

『純ちゃんは誰の味方なの?って』

『……』

純『憂に決まってるでしょ』

テッテッテテーン
663 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 04:37:26.34 ID:oq6ysMAO
数年後────


「この大空に翼を広げ……」

「お母さんそれなぁに〜?」

「ん? これ? これはね〜歌って言うんだよ」

「うたぁ?」

「そう、歌。とても綺麗で楽しくて……聞いてるとみんな笑顔になる魔法なの。私の大切な人が守ってくれたものなんだよ」

「お母さんの大切な人……。じゃあ私も歌いたい!」

「ふふ、じゃあ一緒に歌おっか?」

「うんっ」

「「この大空に〜翼を広げ〜……」」


今もきっとどこかで、あなたも歌ってますか?

律─────
664 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 04:40:43.66 ID:oq6ysMAO
──────

「へくしっ」

「あ〜……寒っ。やっぱりアラスカにこの装備じゃキツかったかな」

『つべこべ言わないで頼むよ! 君が進言したんだろう!?』

「わかってるようるさいな〜」



「……も〜えろよもえろ〜よ〜炎よも〜え〜ろ〜」

『どこかの民謡かい?』

「歌だよ、ただの。暖まりそうなやつ選んだだけ」ニカッ



THE END
665 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 04:41:38.68 ID:oq6ysMAO
終わりました……

長い間お付き合い頂いた皆様、本当にありがとうございました!!!

とりあえず寝ますwww
666 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 04:54:06.13 ID:oq6ysMAO
寝る前にあったことだけ


──リボルバーオセロット、FOXDIEにより死亡


──琴吹博士、SONGBOMBの沈静化に成功


──アウターヘイブンにスネーク、律、和が突入(全員消息不明)
──ビッグボスの死体を確認するも本人のものかわからず
──時を同じくして雷電も消息不明

──平沢唯、平沢憂が病院を設立

──梓、友人らと共に動物園を開園


──澪、孤児院を設立.
.
.
.
.
667 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/05(火) 05:31:48.90 ID:TS3OcJU0
完走おめでとう!!
そしてお疲れ様でした。

×あずにゃん2号
○ムッたん2号

じゃね?とか思いつつ勘違いならゴメン。
まぁ何せね、ここにまた一つ名作が完成したのを嬉しく思う訳ですよ。
668 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 08:17:42.26 ID:2.38LIAO
乙!
ここ最近で完結した長編のけいおんSSと言えばケイオンジャーもあるな。
某バイハザに並ぶすごいクオリティのSSだった!
669 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 11:13:45.32 ID:pYS.LUAO
超乙でした!

ところで>>663は澪?
670 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 12:45:10.63 ID:2qlOW12o
律と澪の子か・・・
671 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:14:36.06 ID:oq6ysMAO
休憩中にレス返し

>>602
本当は誰でもなかった(口調はシギント意識)んですが>>602の意見で無理矢理ドレビンにしましたwwwwww
なんかメタルギアっぽくなって良くなりました
ありがとう!

>>667
この世界では純と梓はあんまり仲良くない感じなのであずにゃん二号にしてみました(純から預かってない設定)けど翌々考えたらむすたんぐから産まれたのにあずにゃん二号ってのも変ですよねwww
ムッタン二号の方がよかったですねwww
672 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:23:31.34 ID:oq6ysMAO
>>668
ケイオンジャーは自分も見てました!
毎話毎話個性ある怪人や話で凄く面白かったですよね
ここで謙遜するのも変だし自分で自分の作品を誉めたりするのも嫌なんで素直に書きます。
自分的にはバイハザより書きたいことを書けたのでこっちの方が好きですね。

>>669
はい。お母さんと呼んでいるのは澪が始めた孤児院の子供です。
実際の親子じゃないので悪しからずwww

>>670
それだと最高だっ!!!なんですけどwww
673 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:23:49.23 ID:zELdKMso
最初の頃は、どうなるかと思ったけど・・・・>>1乙!!!
674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:23:59.47 ID:SsVkiFk0
孤児院を設立だから、孤児なんだろうけど…
ここは>>670に同意しておこうか。

乙でした!
675 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:25:29.13 ID:oq6ysMAO
律と澪の子です
間違いないです
676 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:27:39.96 ID:SsVkiFk0
・・・・え?
ちょっと待って、バイハザの作者!?
677 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:28:45.54 ID:oq6ysMAO
後和ちゃん補足しとくの忘れてました。

本当は純の通信で告げるはずだったのに半分寝てて忘れてました

和が純を殺したはずだけどそれは純が先に和に暗示をかけて殺したと思わせたって設定です

しかし4ヶ月弱も書いてたのか……
制作だからって怠け過ぎましたね
次から書く時はもっと短いやつにしますwww
てかこんな長くなるとは思わなかった本当にwww
678 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:31:53.38 ID:oq6ysMAO
>>676
あんまり晒すのとか好きじゃないので言い躊躇われますが一応そうですね。

最後の方に書こうかなって言ったメタルギアりっちゃんがこれですwww
679 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:36:19.60 ID:oq6ysMAO
書くの遅かったんで読んでてくれたのにまだ見てないって人の為に一週間ぐらいは置いとこうと思います。
製作なのでまとめにも載らないと思いますし
680 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:38:54.32 ID:SsVkiFk0
>>678マジか…
メチャクチャ好きだったww

というか、あなたとは好みが似てるなwwww
ゆっくりでも良いから、また何か書いてくれよ!
取り敢えず、お疲れさん。
681 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:40:19.78 ID:3utcxQUo
おおお乙
682 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 14:50:44.49 ID:TS3OcJU0
>>678
バイハザ!に並ぶ名作ともレスしようかと思ったんだけど本人だったとわ!!!!w

いやはや、感激です。

次はサイレントヒルが見たいなーなんて催促してみたりw

どんな作品になるであれ次作も楽しみにしてます!!!!
683 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 15:01:53.22 ID:oq6ysMAO
>>680
あんなクソ長いものを読んでくれてありがとうございますwww
次何書くかは決まってませんがまたどこかで読んでくれてたら嬉しいです

>>682
比較対照がバイハザってことはやっぱり似てるんですかねwww
少しは書き方変えたつもりなんですが
でも展開と言うか勢いがやっぱり似てるかな〜とは思いましたwww

サイレントヒル…難しそうですねwww
でもやるならサイレンかサイレントヒルにしようかなとは思ってした!
これ以上言うと次作への宣伝乙になるのでやめときますwww

でも一年以上経ってもこうやって面白かったって言ってくれるのは凄い嬉しいです。書いてよかったな〜って染々思いました。
これからもそんな作品が書けたらいいな
684 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 16:23:39.97 ID:2qlOW12o
やはり律と澪の子だったか・・・安心すると同時に性欲を持て余した
685 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/05(火) 18:24:11.25 ID:lPj.qzk0
602だけど返事ありがとう&超お疲れ!!!
偶然このssに出会えてよかった!mgsも3や4にpwと色々入ってて楽しかった!!

シギントとか忘れてたww骨格雷電だから4かとおもてた。
686 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 19:15:47.63 ID:29BC.1Eo
これはまとめサイトに載るだろ。
687 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 19:31:50.26 ID:2.38LIAO
まさかバイハザ氏本人だったとは
百合ノートがまとめてくれるらしいよ

バイハザもこれも純が悪役みたいな感じだったからできれば次回は味方サイドのカッコいい純ちゃんがみたいな…なんてね
688 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 20:12:58.53 ID:oq6ysMAO
>>686
いやいや…

>>687
と思ったら本当に百合ノートに依頼出てたwwwwwwwwwwww
あれいつから何だろ……完結待ちって書いてたから最近かな?
今回の純ちゃんは悪役に見えてそうじゃないつもりだけどやっぱり悪役に見えますね

オセロットポジションだったんですが
憂からの依頼、つまりFOXDIEDとして
WORLD OF SONGのサイコマンティス枠として
愛国者サイドともつながっている

オセロットと同じトリプルクロスですね

次何か書くときは純粋に味方キャラにしたいですね
689 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 20:14:08.05 ID:oq6ysMAO
もう書かなくていいとなると寂しいですね

何だかんだかなり思い入れがあった作品なんで終わるとちょっと寂しいです

早く次の何か書こう
690 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 20:39:11.79 ID:tPUL0oAO
よし、このスレ見て買ったは良いけど途中で折れたメタルギアをやる時が来たな
無事完結させてくれてありがとう。面白かったよ
691 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 21:00:52.95 ID:vVdSLkDO
律と澪の子とか胸熱
クソ面白かった乙
692 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 22:58:40.21 ID:IXWq1NI0
うわぁぁぁぁぁあああ、好きだった奴が終わってしまった…。

本当に好きだった。
マジ乙。
693 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 23:05:55.00 ID:fwrR/6AO
メタルギア好きな友達にこのSSを見せてみようと思います

乙した!!
694 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/05(火) 23:23:11.10 ID:Gz0L3wo0


バイハザもそうだけどこの人のクロスの仕方が好きすぎるわ。オリジナルストーリーでそのキャラを動かすからメタルギアやってても先がわからなくてドキドキした!
本当に良かった!!!次も期待してます!!
695 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/06(水) 01:15:35.00 ID:tJhsKA20
終わってこんな気持ちになるってことは・・・名作だったんだろうな
おつ
696 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/06(水) 01:33:51.70 ID:k2nwaoDO
乙、俺はエスコンをリクエストするぜ
697 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/06(水) 11:02:29.47 ID:S2t/6YAO
さわちゃん死んじゃったの?orz


乙でした!
698 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/06(水) 11:21:58.83 ID:5dHvNIAO
とあるスレに紹介されてたんで来てみて一気に読んだ
面白かった!!乙!!!
699 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/06(水) 18:16:48.99 ID:xM8HTMAO
>>690
どのメタルギアかはわかりませんがやって後悔することはないと思います!
この作品を読んでメタルギアの輪がちょっとでも広がるのは嬉しいです

>>691
愛があれば子供だって(ry
納得出来ないって人の為に律と澪が歌を取り戻す為に世界中を旅してた時に拾った子という設定にしとこう

>>693
SS見せ合える友達がいるとは羨ましい

>>694
自分のクロスの定義がそんな感じですね
辿るだけのクロスだとやっぱりその作品を知ってる人がつまらないんで(書いてるこっちも丸写しみたいでつまらない)
なので毎回こんな感じです。ただそのストーリーがコケると終わりますけどね!

>>696
エスコンは描写が難しそうwww

>>697
基地と一緒に爆死しました…

>>698
とあるスレが気になるwww
700 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/06(水) 18:21:02.60 ID:xM8HTMAO
まとめ依頼されてるみたいですしさっきググったら百合ノート以外もまとめてくれてたので削除依頼出しますかね

こんなに読んでくれてる人いたのかwwwwwwってぐらいいっぱいの乙をありがとうございました。
心残りなのはソリダス澪を絵に出来ないことですかね
自分の画力が恨めしい…。

長い間お疲れさまでした。

では
701 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/06(水) 19:05:57.52 ID:p2OOCB20
お疲れ様でした
702 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/06(水) 23:55:29.65 ID:PI5sgUAO
一気に読んでレス書いた次で再開してたとは…


最初から最後までよかった!
703 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/07(木) 09:36:51.00 ID:BYhqdQAo
一気に読み終わりました
さわちゃん…合掌
メタルギアやったことないけどやってみたくなったよ
いい作品をありがとう
704 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/07(木) 10:51:39.10 ID:ThRj8t2o
乙 
まだ途中だけどとりあえずソリダス澪と>>145のバンダナりっちゃんが見たいな
705 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/07(木) 13:33:23.26 ID:0CxpdYA0
バイハザのがみたいスレタイ教えてくれ・・・
706 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/07(木) 16:43:47.51 ID:V3zgQv.0
>>705
バイハザ で検索すると本家のゲーム抑えてトップで出るよ
順番は
唯「バイハザ!」
律「バイハザ!」
唯「バイハザ!」ラクーンシティ編
唯「バイハザ!」ラストエスケープ

707 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/07(木) 18:57:06.81 ID:kJVByuc0


バイハザ読みました
708 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/07(木) 23:53:45.67 ID:0CxpdYA0
>>706
そんな長いのか!読んでくる。ありがとう
709 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/08(金) 03:09:26.20 ID:8RFaQwko
バイハザはラストエスケープだけちょっと…だったなぁ
メタルギアは最初から最後まで面白かった。完結おめでとう



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