VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/29(火) 23:23:11.00 ID:29qn51o0<>2スレ目です。
前スレは以下のURLとなります。↓
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1275902691/<>美琴黒子佐天初春「貴方たちを全力で倒す!」 vs 上条一方通行「……やってみろ」2 VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/29(火) 23:26:17.27 ID:Eu4Y.gAO<>スレ立て乙!

続きも期待してます<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 00:19:49.66 ID:Liel1OY0<>予想は止めろよな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 00:23:24.06 ID:fQKfEQAO<>スレ立て乙

前スレは予想だらけでレスできなかったな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 00:28:37.45 ID:vyLtkEQo<>───以下予想につながりそうな議論禁止───<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 00:45:45.20 ID:iS3cpNwo<>よそうはよそう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 03:51:23.95 ID:Kp5lJEco<>御坂の説明がいまいちわかんなかったんだけど要するに寮監・黄泉川先生は敵ってことでFAだよね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 06:44:28.58 ID:u0JRSsAO<>>>7
読んでいくうちに敵味方もはっきり確定していくんじゃない?現状俺もまだよくわからない。
これから先見て各々のキャラの描写が増えないと無理だよ。上条からきたっていうメールの内容もわからないし
これも伏線のうちかと思ってるし

いっぱい伏線はってるSSでは予想や議論が大事な伏線潰しちゃうのが常だから、わからないことは完結してからたずねるのがいいよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 09:50:21.57 ID:qDMbigAO<>>>6

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 17:18:06.14 ID:sWK1.Vw0<>>>1です。
前スレhtml化しようと思ってたんですけど、誰かやってくれたみたいですね。ありがとうございます。

にしてもまさか自分でも2スレ目までいくとは思ってませんでした。
このSSは元々、とあるの長編SSをこれ以上書くのはしんどくなって、この話で最後のSSにしようと
思って書いたものです。だから気合入れて書きましたが、そのせいで随分長くなり、スレの
みなさんの反応も相まって2スレ目に突入したわけです。

前スレで支援や読んで頂いたみなさんには感謝してます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 17:37:41.79 ID:rlV9wl60<>そーいや御坂と一方さんはそげぶやったけど
上条さんはまだ一回も言ってないな
ここぞという時に言うのかとちょっとwktkしてる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 17:55:30.42 ID:Xt4V1.M0<>上条さんや一方通行に関することも近々明かされる予定ですが、一応ヒントだけ
言っておくと、2人は意外にも不器用なのかもしれません。
ちょっと早いですが、今から数レスほど投下させて頂きます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 18:01:02.02 ID:Xt4V1.M0<>とある部屋――。

狭く、窓も無い部屋の下、上条と一方通行は紙束の資料を読む作業に追われていた。
傍らでは、無言の御坂妹が行儀よく椅子に腰を掛けたまま、2人の様子を眺めている。

一方通行「大事の前の再確認だからしょうがねェが、目の疲れが半端ねェな」

上条「そう言うなよ。もうあと数日で全てが始まるんだから」

一方通行「にしても、アイツはあのまま放っておいていいのかねェ?」

上条「あいつって? 御坂たちのことか?」

上条は顔を資料に向けたまま、視線だけチラッと一方通行に寄せる。

一方通行「“22匹目の養殖魚”のことだよ」

上条「ああ……」

一方通行「何でもアイツ、外の週刊誌の記者と接触してペラペラ話してるそうじゃねェか。こっちは楽園だの、もう心配する必要も無いだの……。危機感というもンがまるでねェ。恩を仇で返すとはこのことだろ」

上条「別に匿名で取材受けてんなら大丈夫だろ。あの連中だってそっちに構ってるだけの余裕は無い。それにあいつはもう海にいるから“養殖魚”じゃないぞ」

一方通行「ンなこたァ、どうでもいい。アイツのせいでこっちの活動に支障きたされても困るンじゃねェか?」

上条「その活動にしたって、もうほぼ終わってる。後は本番の大事が控えてるだけ……。本番が失敗すりゃ、当初の予定通り、御坂たちをターゲットにするだけ。ま、今のところその可能性が高いけどな……」

至極簡単に、上条は言う。

一方通行「フー…まァ、オマエが気にしてないなら、別にいいンだけどよ……」

上条「で、他に心配事は?」

一方通行「あァ? いや、特にこれといったことはな…。懸念材料も、もうねェだろうし……」

御坂妹「そのことについですが……」

ずっと2人の会話を聞いていた御坂妹が、呟くような声で小さく手を上げた。

上条「ん?」

一方通行「あン?」

上条と一方通行は姿勢はそのままに、視線だけ御坂妹の方へ向ける。

御坂妹「お姉さまたちのことはもう放っておいてよいのですか? とミサカは訊ねてみます」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 18:08:23.95 ID:15FDBqU0<>一方通行「なンだ、またそのことかよ」

御坂妹「そうなのですが……一方通行、貴方だってお姉さまたちの存在を危険視してませんでしたか? とミサカは確認します」

一方通行「はァ!? いつ俺が超電磁砲どもを危険視したよ? 俺は、足元をうろつくネズミがいれば目障りだから、潰しておいたほうが気が楽でいいンじゃねェか、って言っただけだ。そもそも何で実質上、学園都市最強の俺が中学生のガキどもを危険視しなくちゃならねェ?」

御坂妹「そうなのですか?」

一方通行「あったりめェだろ。つーか、最近はアイツらの動きが全くねェから忘れてたぐらいだぜ」
一方通行「どうせもう嫌になったンだろ? そりゃあよく考えれば分かるわな。俺たちに1度叩き潰されてンだから。だから、いっそのこと引き上げたンだよ。『戦略的撤退』ってヤツだ。無駄なことに力を消耗するのは割りに合わない、って判断したンだろ。そこら辺は、さすがに超電磁砲と言ったところか」

御坂妹「しかし、お姉さまがそう易々と引き下がるでしょうか。あの4人は半端な気持ちでやっているとは思えませんが、とミサカは疑問を提示してみます」

一方通行「あァ? なンだ? やけにアイツらの身を持つなァ。以前は俺と同じく、オマエもアイツの動きを目障りだとしか見てなかったくせに。超電磁砲どもに負けて感化されちまったのかァ?」

御坂妹「そ、そんなことはありません。ミサカはただ……」

2人の応酬を、上条はただ視線を移し変えるだけで眺めている。

御坂妹「貴方はどう思いますか? とミサカは矛先を変えてみます」

再び資料に目を戻そうとしていた上条に、御坂妹が質した。

上条「ん? 俺か? 俺は前に言った通りだよ。俺は、あいつらが諦めるとは思えない。何せ、御坂がリーダーなんだからな。だが、大した脅威にもならないと思ってる。それだけだ」

御坂妹「そうですか……」

答えることだけ答えると、上条と一方通行は再び資料に目を戻した。

御坂妹「………………」

御坂妹は簡単に話を済ませられたことに多少、不満を覚える。

一方通行「くだらねェこと言ってないで、オマエもやることやれ」

資料から視線を外さずに一方通行は告げる。

上条「…………………」

御坂妹は上条を見る。彼は既に今の話は意識の外のようだった。

御坂妹「…………………」

これ以上発言できる空気ではないと感じ取った御坂妹は部屋を出て行った。
そんな彼女の行動を気にすることもなく、上条と一方通行は資料を読み続けていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 18:15:22.54 ID:sISNFik0<>3日後・夜――。

美琴「午後10時30分……そろそろね」

美琴は腕時計を覗き、言った。

美琴「ご飯も食べたし、用意は全て整ったわ」

黒板のようにマジックペンで塗り潰されたホワイトボードの前に立ち、美琴は親友であり戦友たちの顔を窺う。
みな、恐怖の色は無い。ただ、覚悟を決めた勇気ある表情をしていた。

美琴「いいわね? 奴らと戦闘に入ったら、今まで練習したシミュレーションを思い出して。それだけでなく、実際に現場のシチュエーションもリアルタイムに考慮して臨機応変に動くの」

黒子と佐天と初春が頷く。

美琴「一方通行を倒す秘策は簡単と言えば簡単だけど、本番1回きりのチャンスしかない上、その状況を作り出すまでが厄介よ。だけど、貴女たちなら出来ると私は心の底から信じてる」

次いで美琴は、優しい目で3人を見据えた。

美琴「それから最後に言っておくけど、絶対に簡単に死のうとはしないで。これだけはお願い。全員、生き延びるために努力して」

黒子佐天初春「はい!!」

その元気の良い返事に、今度は美琴が頷くと彼女は自身の右手を見つめた。

美琴「(私の電撃が……役に立つものだって、レベル5の超能力者としての誇りなんだってことを、自らの手で証明してみせる!!!)」

1度、目を瞑った美琴は顔を上げ、3人を見る。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 18:21:17.45 ID:sISNFik0<>美琴「私たちは4人で1つの“超電磁砲(レールガン)組”。一心同体よ。私たちが力を合せれば、1+1+1+1も、100×100×100×100になる」

黒子佐天初春「はい!」

美琴は腕を前に突き出す。
3人もそれに従い、細く、白く、小さく、華奢な4本の腕が十字をつくる。

美琴「私たち4人が組めば、どんな敵も恐くない。例えそれが、上条当麻と一方通行だったとしても。……だから、全身全霊で頑張りましょう」



美琴「超電磁砲(レールガン)組、ファイトオオオオオッ!!!」





美琴黒子佐天初春「ファイトオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!」





力強い声と共に4つの腕が虚空へ振り上げられる。彼女たちは今、再び戦場へ出陣する。
グラビトン事件、木山春生(AIMバースト)、スキルアウト(ビッグスパイダー)、テレスティーナ=木原=ライフラインと、数々の強敵と対峙し撃破してきた彼女たちの次なる相手は、最強の楯と最強の矛を持つ最大の宿敵・上条当麻と一方通行――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 18:22:08.50 ID:sISNFik0<>>>1です。
今日の残りの分はまた後で。
では後ほど。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 18:31:07.46 ID:U3TeWcAO<>乙!
いよいよか・・・どうなる・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/06/30(水) 18:43:33.92 ID:G6OIvQk0<>乙っす。

いつもこんな良いところで切れる>>1を全力で支援します!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/06/30(水) 19:37:02.92 ID:FOra1SA0<>スレタイからして面白くなさそうだったから避けてたが
やるじゃん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 19:55:16.90 ID:iQ2y56A0<>>>1乙です。相変わらず引きがうまいですねwwww
>>20このSSは普通におもしろいぞ。前のスレも見ることをおすすめする。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 20:17:51.13 ID:NkwpYY.o<>面白いよな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 20:22:27.59 ID:ZGfFAgAO<>でも四人組否定派ってのがアニメ見てるといそうなんだよね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 20:39:49.36 ID:d.n2J7wo<>アニメはあれはあれで面白かった
2期はどんな木原が出てくるかwktk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 22:07:19.51 ID:n63cw3.0<>>>1です。
取り敢えず今日の続きの分投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 22:08:25.06 ID:4CSjzwIo<>キタ――(゚∀゚)――!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 22:11:05.40 ID:kj699jw0<>キタコレ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 22:14:54.22 ID:n63cw3.0<>第7学区・郊外――。

午前2時過ぎ。
人気の無い暗闇を、とある3人は駆け抜けていた。
月が出ていない上、空は曇に覆われてるせいか、ほんの数m先は漆黒に包まれており、まるで得体の知れない怪物が大きな口を開けて餌を待っているような威圧感があった。

上条「…………………」

一方通行「…………………」

しかし、そんな状況に恐怖どころか不安も覚えず、2人の少年は目的地へ向けて走っていた。
1人は、あらゆる攻撃を反射し様々なベクトルを操る、学園都市最強の超能力者(レベル5)・一方通行(アクセラレータ)。
そしてもう1人は、あらゆる異能の力を打ち消す『幻想殺し(イマジンブレイカー)』を右手に備えた無能力者(レベル0)・上条当麻。

打ち止め「…………………」

そんな百戦錬磨の2人に並ぶように、1人の幼女がトコトコとついて走る。
上条たちが走る速度を落としているためか、それとも彼女が全速で走っているためか、置いていかれる様子はない。
彼女の名前は『打ち止め(ラストオーダー)』。学園都市第3位の超能力者・御坂美琴の軍用量産モデル『妹達(シスターズ)』の司令塔的存在だった。

一方通行「しっかしよォ上条」

上条「あん?」

走りながら、一方通行が上条に声を掛けた。

一方通行「こうして見ると学園都市も平和に見えるもンだねェ」

上条「まあ今は深夜だからな。テログループとかもお眠りしてるんだろ」

一方通行「なるほどなァ。ま、こンな夜中にこンな寂しいところ走り回ってるのは俺たちみたいな物好きだけってことかァ」ニヤニヤ

打ち止め「こーら、2人とも無駄口叩いてないで走る走る! ってミサカはミサカは体育の先生気分」

一方通行「あァ? いつからオマエは教師になったンだ?」

打ち止め「えへへーたった今……」

一方通行「ちょっと待て」ピタ

ふと、その言葉と共に一方通行が突然立ち止まった。
不審に思った上条と打ち止めも1歩遅れて立ち止まる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 22:21:28.08 ID:n63cw3.0<>打ち止め「何どうしたの? ってミサカはミサカは疑問を感じてみたり」

上条「おい急ごうぜ。こんなところで油売ってる場合じゃねぇんだ」

上条と打ち止めが一方通行を促す。

一方通行「黙れ」

2人の意見を遮るように一方通行は一言言い放つ。

上条「………………」

打ち止め「………………」

仕方なく2人も口を閉ざす。

打ち止め「…………………」

一方通行「…………………」

上条「…………………」

しばらくの間、静寂がその場を包み込んだ。辺りは、不気味なほど静かで真っ暗だ。
と、その時だった――。





ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!





<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 22:24:00.41 ID:lDZpd5go<>擬音部分を上手く文で表現するとスマートにかっこよくなるかも<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 22:27:57.42 ID:n63cw3.0<>1つの轟音と共に、闇夜を真っ昼間に変えるような青紫色の光が周囲にほとばしった。

上条「!!!!!!」

一方通行「!!!!!!」

打ち止め「!!!!!!」

その光の先端が、立ち止まっていた上条たちの足元を貫く。が、咄嗟に彼らはずば抜けた反射神経でそれを回避した。
打ち止めの服の裾を掴みながら一方通行は右方向に飛び、上条は右手を前に突き出すように左方向へ飛んだ。

上条「……………っ」

地面に着地する3人。

打ち止め「うわ、一体何が起こったの!?」

一方通行「誰かの気配がしたと思ったらこれだァ。全く、危なっかしいったらありゃしねェ刺客さンだなァ」

片膝を地面につきながら、一方通行は打ち止めを庇うようにして警戒の視線を流す。
光と地面の激突で舞い上がった砂煙が晴れていく。

一方通行「さァて……どンなお客さンだァ?」

ニヤニヤと笑いながら、一方通行は前方を見据える。

打ち止め「誰かいるの?」

上条「…………………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 22:33:16.87 ID:n63cw3.0<>





「ちょろっと〜、そう簡単に避けられると自信無くしちゃうじゃなぁい」






<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 22:38:17.27 ID:n63cw3.0<>唐突に、暗闇の中から1つの高い声が聞こえてきた。女――それも子供の声だ。

一方通行「………なるほどなァ。オマエだったってか」ニヤリ

その正体に気付いた一方通行が、同じレベルを持つ超能力者として、その2つ名を呼ぶ。

一方通行「『超電磁砲(レールガン)』……」

次いで、上条も口中に呟き、その人物の名を確かめた。

上条「御坂……」ボソッ

美琴「あら? 男2人に名前を覚えられてるなんて嬉しいわね。あんたらのことだから忘れてると思ってたわ」

砂煙の中から歩いてきた1人の少女。
身体中に紫電を纏った彼女の正体は、常盤台中学のエースにして、最強の『電撃使い(エレクトロマスター)』・御坂美琴。学園都市第3位の実力を誇るレベル5の超能力者だ――。

打ち止め「お姉さま!? どうしてここに……!?」

その姿を見た打ち止めが驚きの声を上げる。

一方通行「で、今更オマエ1人でこンなところに来て何になるってンだァ?」

大して驚くこともせず、一方通行は楽しむように問い掛ける。
しかし………




黒子「あら、誰がいつ1人だって仰いました?」




<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 22:44:26.26 ID:n63cw3.0<>不意に、美琴の後ろから声が1つ増えた。

一方通行「テレポーター……」

上条「白井…」

黒子「ご機嫌麗しゅう殿方のお二方。そしてお姉さまの妹さま」

打ち止め「お姉さまだけでなく、ツインテのお姉ちゃんまで……?」

一方通行「ほォ……」

上条「…………………」

3人の予想を裏切るように、更に声は増える。

佐天「2人ってわけでもないですよ」

そしてもう1つ。

初春「もしかしたら4人かもしれませんね」

暗闇から発せられた3つの声の主は、正面で堂々と立つ美琴の側に順に歩み寄る。

一方通行「黒髪の無能力者に……」

打ち止め「お花のお姉ちゃんまで!?」

上条「…………………」

目の前に現れた4人の少女。彼女たちは上条と一方通行に挑むような視線を向け、力溢れるオーラを放っていた。

一方通行「超電磁砲(レールガン)、オマエまだ懲りてなかったのか」

美琴「“超電磁砲(レールガン)”じゃないわ。“超電磁砲(レールガン)組”よ。見て分からない?」

一方通行「あァ?」

美琴「あんた、まさか私だけが戦闘要員で、この子たちは見物人とでも思ってないでしょうね?」

腰に手を当て、美琴は一方通行に語りかける。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 22:50:42.36 ID:n63cw3.0<>一方通行「はァ? おいおい冗談よせよな。2週間前のこと忘れたとでも言うのかァ?」

美琴「忘れてるわけないでしょ。あんたたちに完膚無きまでに倒されたんだから」

一方通行「それでまた無謀にも残りのガキどもも連れて来たってのかァ? 学習能力あンのかオマエ」

黒子「残念。学園都市第1位の頭脳もそこまですか」

美琴と一方通行の会話を遮るように、黒子が横から割って入った。

一方通行「何!?」

佐天「学習能力無いのは貴方なんじゃないですか? ねぇ初春?」

初春「そうですねー。もしかして脳みその機能も反射しちゃってるんじゃないですか? フフ……」

一方通行という強敵を前にして、彼女たちは余裕の表情を作っている。それが気に入らないのか、一方通行は多少苛立ちを覚えた。

一方通行「そうかい……そうかいそうかい………。そうかいそうかいそうかい………そうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかいそうかい!!!!!!!!」

片膝を地面についていた一方通行がズアッと立ち上がる。




一方通行「いいね! いいねェ!!! 最っ高だねェ!!!!!」




満面の笑みを浮かべ、一方通行は楽しげに叫ぶ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 22:56:23.54 ID:n63cw3.0<>打ち止め「一方通行?」

一方通行「打ち止め、オマエ、離れた所にいろ」

打ち止め「え?」

一方通行「どうやらコイツらは相当のドMらしいぜェ。あれだけやられてもまた懲りずにやって来てるンだからなァ!!!」

美琴「………………」

やる気を見せた一方通行を前にしても、美琴たちは微動だしにない。

一方通行「上条」

上条「ん?」

一方通行は傍らにいた上条に呟く。

一方通行「文句ねェよな!?」

上条「…………………」

無言で返す上条。彼は今、美琴の顔を見据えている。

美琴「…………………」

美琴もまた、上条を睨み返す。
2人の間に流れる独特の鋭い空気。上条はそれを感じ取り、言葉にならない威圧を美琴に向けていた。
しかし、美琴は何も応えない。まるでそれが、何の意味も無いと言うように。

上条「御坂………」

美琴「上条当麻………」

互いの宿敵の名を呼び合う上条と美琴。
彼らの脳裏に、因縁の相手との記憶が蘇る。一晩掛けて追いかけ、追いかけ回されていた日々のことを。
妹達(シスターズ)を助けるために鉄橋で言い争い、本気で電撃を浴びせ浴びせられた8月21日のことを。
そして、初めて本当の宿敵として戦った2週間前のことを――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 23:02:36.76 ID:n63cw3.0<>一方通行「こンなところでイチャついてンじゃねェぞオマエら。上条、『返事が無い』って言うのは『了承』と捉えるぜェ!!!」

上条「その前に1つだけ聞いておく」

一方通行「あン?」

一方通行の言を無視し、上条は数m先に立つ4人の少女を捉える。

上条「お前ら、本当に俺たちとやる気か? 今ならまだ見逃してやってもいいんだぞ」

侮蔑とも取れる言葉を美琴は軽く受け流す。

美琴「冗談言わないでよ。私たちはこの2週間、あんたたちを倒すために努力して来たのよ。2週間前の私たちと同じだとは思わないことね」

一方通行「おーこわいこわい」ピュ〜

一方通行が小さく口笛を吹く。

一方通行「死ンでも構わねェんだな?」

ドスの効いた脅しをかける一方通行。しかし、4人の少女たちは簡単には怯えない。

美琴「再び巡ってきたこのチャンス。今回を逃したら次はいつになるのか分からない。なのに、本気を出さないと思う? 嘘偽りなく、私たちは貴女たちを殺す覚悟も出来てるし、自分たちが死ぬ覚悟も出来てるわ」

上条「御坂、言うのと実際にやるのとは違うんだぞ」

美琴の言葉を聞いた上条が彼女に忠告する。
しかし、美琴はそれでも取り合わない。

美琴「ほざきなさい。今夜、あんたたちに見せてやるわ。女の子の底力ってやつを」

上条「…………………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:05:34.72 ID:hlRDLSko<>支援>>93
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 23:09:24.23 ID:n63cw3.0<>美琴「なに『納得出来ない』って顔してんの? そんなにおかしい? 寧ろ私たちのほうが納得出来ないわよ。黄泉川先生や寮監までもあんたたちの仲間だったんだからね」

上条一方通行「………………」

打ち止め「どうしてそれを……?」

打ち止めは素直に驚いたが、上条と一方通行は僅かに目を細めるだけだった。

美琴「そういうわけで、黄泉川先生と寮監のメールを盗み見させてもらったわ。『3日後午前2時、我々3人は第7学区のこのルートを使ってアジトへ戻る』って内容のね! お陰でここで待ち伏せすることに成功したわ」

上条一方通行「………………」

美琴「それともう1つ。私たち、死ぬ覚悟は出来てるけど、死ぬつもりはないから。ただ、生き残りあんたたちを倒すためだけに全身全霊を込めて戦わせてもらうわ!!」

上条と一方通行という最強の敵を前に、キッパリと言い切った美琴。
彼女のその姿は、まさに学園都市第3位の超能力者(レベル5)として凛としたものだった。

一方通行「なンだそりゃあ。結局死ぬのが怖いンじゃねェか?」ケラケラ

上条「無理するなら、帰ったほうがいいぞ」

それでも上条と一方通行は、まるで美琴たちを心配するような、それでいてある意味、見下し侮蔑するような言葉をかける。

黒子「それは貴方がたの物差しでしょう」

不意に、黒子が口を開いた。

佐天「あたしたちがどんな思いでこの2週間やって来たか、その成果を見せてあげますよ」

初春「後で後悔しないで下さいね」

佐天と初春も後に続く。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:15:32.08 ID:NAkJp.SO<>スレタイ回収くるか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 23:17:28.94 ID:n63cw3.0<>美琴「そう、だから…上条当麻、一方通行……」

そして、彼女たちは口を揃えて宣言する――。







美琴黒子佐天初春「貴方たちを全力で倒す!!!!!!」







まるで静かな闇夜を切り裂くような、迷いの無い、ハッキリとした言葉だった。
少女たちの宣戦布告を正面から受け取り、2人の男は僅かに眉を顰めこう返した。







上条一方通行「………やってみろ」







その返答を合図に、戦闘は開始された――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:18:50.51 ID:4hSFBH60<>うおおおおおおおおお<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:22:06.95 ID:g.QAHAo0<>いいねえ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/06/30(水) 23:22:44.40 ID:n63cw3.0<>>>1です。
誠に申し訳ありませんが今日は以上です。
このまま続きを投下したいですが、まだ次の分の見直しや加筆修正が
終わってません。その代わり、明日には来れると思います。
あと、スレタイに沿った話はそろそろ終わりますが、一応その後も話は続きます。
第2部というか終章みたいな形で、今までほど長くないですが、読んで頂いても
読まないで頂いてもどちらでも構いません。それはお任せします。
ということでまた明日。ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:25:13.86 ID:RIUdeng0<>乙!
胸熱すぎる、ただただそれだけ。
明日もお待ちしています。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:26:02.47 ID:/vuAmMI0<>なんという蛇の生殺し<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:26:24.29 ID:hlRDLSko<>まってるぜい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:26:45.93 ID:ZGfFAgAO<>この場に及んでそろそろ終わるって打ち切りみたいだな…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:32:47.56 ID:0G4.btYo<>美琴「そう、だから…上条当麻、一方通行……」

そして、彼女たちは口を揃えて宣言する――。







美琴黒子佐天初春「貴方たちを全力で倒す!!!!!!」







まるで静かな闇夜を切り裂くような、迷いの無い、ハッキリとした言葉だった。
少女たちの宣戦布告を正面から受け取り、2人の男は僅かに眉を顰めこう返した。







上条一方通行「………やってみろ」







ご愛読ありがとうございました
ID:n63cw3.0先生の次回作にご期待ください<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:33:18.80 ID:0G4.btYo<>だが乙

こんなに続きが気になるのは久しぶりだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:39:52.21 ID:ZtnOnZ.0<>乙

たしかになんか打ち切りっぽいなwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:40:57.64 ID:XUkXrD6o<>超気になります。ガンガッテ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 23:49:09.18 ID:vyLtkEQo<>長期になります。がんがって<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 02:16:08.18 ID:u3EnKtc0<>>>30
原作もあんなだから問題ない気がするんだが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 10:00:18.47 ID:/h9jtYAO<>すごく…面白いです<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 19:41:45.28 ID:phxWrEoo<>さて・・・まだかな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 21:27:32.12 ID:eQ1Xhtw0<>>>1です。こんばんは。
結構なボリュームなので今から投下していきます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 21:28:14.76 ID:2KKLGbYo<>kita------!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 21:29:35.23 ID:cxjg/F.0<>待ってました<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 21:30:25.05 ID:G659aUAO<>ktkr<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 21:33:27.94 ID:eQ1Xhtw0<>


美琴「うらああああああっ!!!!!!!」



バチバチバチッ!!!!!

男のような猛々しい声と共に、美琴は地面に向けて電撃を発した。
その強力な雷光が上条と一方通行の視界を覆い、2人は反射的に回避行動を取らざるを得なかった。
再び辺り一面は砂煙に覆われ、上条と一方通行は知らず知らずのうちに互いの距離を大きく開けていく。

一方通行「まさか俺の方が初めに回避運動取らされるとはなァ」

と言いつつ、余裕綽々の表情で周囲を見回す一方通行。
そこは、鉄骨や木材などが広場の隅に並べられている資材置き場だった。状況としては2週間前と似ている。

一方通行「月が出てねェのか。真っ暗闇なのは不便だが、所詮は不便なだけだ」

空を見上げそう呟く一方通行。
デフォルトで反射を設定している彼にしてみれば、闇討ちなんてものは何の脅威にもならない。

一方通行「ン?」

ポケットに両手を突っ込みながら前を向く一方通行。
誰かが2人、進路上に立っている。

一方通行「さァて超電磁砲(レールガン)、まずは敗者復活戦ってところかァ?」

ニタニタ笑う一方通行だったが、1秒後、目の前に立つ人物を確かめて彼の表情に変化が訪れる。

一方通行「はァ!!??」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 21:39:21.97 ID:eQ1Xhtw0<>頓狂な声が思わず漏れ出る。無理も無かった。彼の目の前には、同じレベル5の美琴ではなく、黒子と佐天が立っていたのだから。

一方通行「おいちょっと待て。超電磁砲はどうした?」

黒子「何か、お姉さまでなくては不都合なのでしょうか?」

下げた両手の指の間に金属矢を挟み、黒子は言う。
その金属矢は以前と違い、手作り感があったがそれでも得物としては十分に効果を発揮出来そうなものだった。

一方通行「いやいやいや、オマエら俺が誰だか分かってンですか? もしかして、戦闘開始1分でボロ雑巾確定ルートをお望みなンですかァ?」

佐天「御坂さんなら、あっちにいますよ」

佐天は右手に持ったバットの先端を一方通行の後ろの方に向ける。つられて彼が振り返ると、確かに少し離れた所に上条に向かい合うようにして立つ美琴の背中が見えた。

一方通行「なンだそりゃァ? オマエら、戦いのセオリー無視してンだろ? どう考えてもオマエらに勝機なンてねェぞ? だってオマエら、たかがレベル4のテレポーターと、レベル0の無能力者だろ? 万に一つでも勝つつもりなら、超電磁砲が俺と勝負すべきだろ?」

一方通行は本当に疑問を感じているように唱える。

佐天「そんなの貴方の偏見でしょう? たまに言われません? 頑固だって。あたし、頑固な男って嫌いです」

一方通行「あァ?」

黒子「それに私たち、今日はとっておきの“秘策”を持って来てますの。ゆめゆめ、中学生が相手だからと油断してレベル4とレベル0のコンビに負けないことですわね」

一方通行「…………………」

佐天「………………」

黒子「………………」

一方通行「………………アハハ」

黒子佐天「?」

歪んだ笑みを刻む一方通行。

一方通行「……………アヒャハハハ」

失笑がその歪んだ口から漏れ出る。

一方通行「アヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!」

黒子佐天「…………………」

一方通行「おもしれェよオマエら!!!! マジおもしれェ!!!! いいぜ、そのおもしろさに免じて遊ンでやるよ!!!!!!」

一方通行の両手が大きく広げられる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 21:46:21.33 ID:eQ1Xhtw0<>美琴「そりゃあああああ!!!!!!」

バチバチバチッ!!!!!

上条「無駄だ」

バギィィィン!!!!!

一方通行が黒子と佐天と対峙していた頃、美琴と上条の戦闘もまた、既に始まっていた。

美琴「もう1発!!!!!」

バチバチバチッ!!!!!

上条「無駄だって言ってんだろ」

バギィィィン!!!!!

雷撃の槍を放つ美琴。そしてそれを右手の幻想殺し(イマジンブレイカー)で打ち消す上条。

美琴「ホント、ムカつくほど反則な右手持ってるわよねあんた。改めて思い知らされるわ」

上条「俺のことより、白井たちはいいのか?」

美琴「ん?」

上条「相手は一方通行だぞ。白井たちには荷が重すぎると思うんだが。お前が行かなくていいのか?」

至って平静に問い掛ける上条。今、彼と美琴との距離は10mも開いていない。

美琴「ちょっと、私の後輩侮辱してない? あの子たち、あれでもやるのよ」

上条「それは街の不良1人や2人が相手の場合だろう。今の相手は一方通行だぞ。スキルアウトならまだしも、無謀にもほどがあると思うけどな」

美琴「優しいのね。でも心配しなくても大丈夫よ。私たちにはとっておきの“秘策”があるから」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 21:52:27.75 ID:eQ1Xhtw0<>上条「秘策?」

ピクと眉を動かす上条。

美琴「教えてあ〜げな〜〜〜〜い!!!!」

軽い言葉を放ちながらも、美琴はいつの間にか手にした砂鉄剣を上条狙って薙ぐ。

美琴「余所見してんじゃないわよ馬鹿!!!!」

上条「フン」

バギィィィン!!!!!

当然、上条の右手は砂鉄剣すらも打ち消してしまう。
隙ができた美琴に逆にカウンターを食らわそうとする上条だったが、その拳にはどこか力が篭っていない。そのためもあってか、美琴は簡単に後ろに飛んで回避できた。

美琴「何あんた? 今、私を小突こうとしただけでしょ? 本気でやりなさいよ。死ぬわよ」

上条「言ってろよ」

美琴「あんたがね」

上条は、相変わらず身体中から放電している美琴を見据える。

上条「(全身全霊の攻撃と言っておきながら、簡単に右手で防げる攻撃だ。相手が俺だから無意識のうちに手加減でもしてるんだろうな。なら、話は簡単だな)」

美琴「ジロジロ見ないでよ気持ち悪いわね」

上条「ちょっと本気を出させてもらうぞ」

上条は右手を握り、一気に駆ける。突然の行動と、男子高校生の歩幅を予測していなかったのか美琴は慌てたように後ろへ下がった。

美琴「チッ」

電撃を放つ美琴。右手を突き出す上条。
因縁の対決は更にヒートアップする。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 21:58:32.19 ID:eQ1Xhtw0<>佐天「フッ!」

軽く息を吐き、佐天は地面に落ちていた小石をバットで飛ばす。狙いは、前方の一方通行。

ガッキイイイン!!!!

一方通行「ふぁ〜〜あ」

もちろん小石は跳ね返され、佐天の下に戻っていく。
戻ってきた小石を咄嗟にバットで防ぐ佐天。心地良い音を響かせると、小石はあらぬ方向へ飛んでいった。

佐天「………………っ」

ヒュヒュヒュヒュン!!!!

一方通行「ン?」

唐突に、一方通行の頭上に現れる複数の金属矢。それらは重力に従って一方通行の脳天に向かって落ちていく。

カンカカカカン!!!!

黒子「…………!!」

当然、跳ね返された金属矢は、雨粒が地面に落下するように四方八方に飛び散る。

一方通行「蚊でも止まったかァ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 22:04:26.78 ID:eQ1Xhtw0<>軽口を叩く一方通行。そんな彼の目の前にはいつの間にか8cmぐらいの硬球が迫っていた。

一方通行「お?」

佐天が用意していたボールを飛ばしてきたのだ。

一方通行「動かないのもつまンねェ」

一方通行は目の前に迫った硬球を右手で払う。
払われたボールは信じられないほどの速さで虚空を切り裂き、やがて100m先のプレハブ小屋の壁をドスンという音を立てて突き抜けた。

一方通行「やれやれェ…」

目を瞑る一方通行。
しかし容赦なく、金属矢が背後から襲い掛かる。同時に、地面をバウンドしイレギュラーな軌道で2個目の硬球が一方通行に向かう。

一方通行「………………」

正面と背後から同時に攻撃が来たのにも関わらず、一方通行は回避運動を取ろうともしない。
思った通り、金属矢と硬球は簡単に跳ね返されてしまった。

一方通行「(2週間前みたいに、がむしゃらに突っ込ンで来ねェな。寧ろ連携した攻撃を放って来やがる。ま、それがどうした、って感じなンだが……)」

佐天「………………」

黒子「………………」ブンッ

正面の佐天の側に、黒子がテレポートで戻ってくる。
無言の2人を見て、一方通行は指で耳の中を掻きながら退屈そうに訊ねた。

一方通行「で」
一方通行「“秘策”ってまだァ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 22:11:08.55 ID:eQ1Xhtw0<>同時に行われる2つの戦闘。打ち止めはその展開を少し離れた所から眺めていた。

打ち止め「……お姉さまの相手が上条さんで、あのツインテお姉ちゃんと黒髪ロングお姉ちゃんが一方通行の相手?」

首を傾げる打ち止め。

打ち止め「…普通、逆じゃないかなぁ? 一方通行なら同じレベル5のお姉さまが相手したほうが良いだろうし、上条さん相手なら、あのツインテお姉ちゃんと黒髪ロングお姉ちゃんのコンビの方が有利な気がするけど……」

打ち止めは推理をするように顎に手を添える。

打ち止め「むー……なんか前回戦った時の組み合わせの方が良かったと思うんだけど、ってミサカはミサカは疑問に思ってみたり」
打ち止め「でも……」

チラッと打ち止めは2つの戦闘を見る。

打ち止め「お姉さまたち、前回に比べて動きが洗練されてるような……」

と、そこで打ち止めはあることに気付いた。

打ち止め「あれ? お花のお姉ちゃんがいない?」

キョロキョロと周囲を探してみる打ち止め。
前回のように、いつの間にか人質に取られていたなどという事態に陥って一方通行たちに迷惑は掛けたくなかった。

打ち止め「あ、いた。あんな所に……」

見ると、随分向こうの方で初春が木材に腰を掛けている姿が見えた。
ここからはよく見えないが、足の上にノートパソコンを乗せているようだ。
暗闇の中、ボウッとパソコンの光が浮かび上がっている。

打ち止め「何やってるんだろ? ってミサカはミサカは新たな疑問に首を傾げてみる」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 22:16:17.41 ID:eQ1Xhtw0<>一方通行「つまンねェからこっちから仕掛けさせてもらうぞ」

黒子佐天「!!!!!!!!」

片方の戦闘に大きな動きがあった。一方通行が攻撃に回ったのだ。

一方通行「シッ!!!」

地面を蹴り、通常の人間では信じられないほどの速度で低空を飛行する一方通行。
彼が伸ばした手が佐天の身体へ伸ばされる。

佐天「!!!!!」

ドッ!!!

と、予想を反し、一方通行は佐天の足元の地面へ拳を叩き入れる。同時に、佐天に向かって放たれる石つぶて。
しかし………

一方通行「何?」

一方通行が顔を上げると、佐天はいつの間にか2mほど後ろに離れており、石つぶての雨から逃れていた。

一方通行「(フェイントで思考能力をストップさせ、その隙に地面から石つぶてを浴びせようと思ったが……何でコイツは素早く俺の攻撃から逃れられた?)」

考えても仕方が無い。今、一方通行の背後近くには黒子の気配がある。
一方通行は悟られないよう足首をグルリと回転させ、今度は黒子の足元へ拳を叩き込もうと………

黒子「…………!!」

……したところで、黒子は一方通行の動きを1秒前に読んでいたかのようにテレポートして消えた。

一方通行「(コイツら……っ! 僅かだが反応が早い……。どういうことだ!?)」

立ち上がる一方通行。数m先に並ぶ黒子と佐天。

一方通行「ン?」

暗くて分かりにくいが、黒子と佐天の左耳付近に注意を向けてみると、何か異物のようなものが見て取れた。

一方通行「(なンだありゃ?)」

更に目を細めてみるとその正体が分かった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 22:23:26.82 ID:bNssrMY0<>一方通行「(ヘッドセットか…!?)」

縦長に細い、通信用のヘッドセットが、黒子と佐天の長い髪に隠れるように左耳に装着されている。

一方通行「(誰かから指示でも受けてンのか? 超電磁砲か? いや……)」

一方通行は振り返ってみるが、美琴は今、上条との戦闘に集中していて指示を飛ばせるような状況ではない。

一方通行「(待てよ……)」

一方通行は周囲に視線を走らせてみる。

一方通行「(あの頭お花畑がいねェぞ)」

ふと、彼の視線がある一点で止まった。そこだけ光が浮かび上がっていたので暗闇の中でもすぐに分かった。
随分離れた所だが、頭に花飾りをつけた少女が木材に腰掛け、何やら手元のパソコンらしきものを操作している。

一方通行「(あンな所に……。もしかして指示出してンのはアイツかァ?)」
一方通行「(だが、こンな月も無い暗闇の下でどうやって状況を把握して指示を出してやがる? ほンの数m離れただけでほとンど見えなくなるンだぞ)」

黒子「余所見ですか?」

一方通行「あァ?」

唐突に、声が掛けられた。

黒子「余所見をして大丈夫なのですか?」

一方通行「まさかとは思うけどさァ……オマエらの“秘策”って、ヘッドセットのことじゃねェよなァ?」

僅かに黒子と佐天の顔が動く。

一方通行「そンなの期待外れどころじゃねェぞ。あァ、心配するな。あのお花畑は大して脅威にもならないだろうから、別に手出ししたりはしねェよ」

黒子佐天「…………………」

余裕たっぷりげに告げる一方通行。しかし、彼は知らない。初春がわざわざ戦闘から離れた所で暗闇の中、何故パソコンを操作しているかを。

一方通行「おっと、1つ言い忘れてたことがあったぜェ」

黒子佐天「?」

一方通行「俺たちが誘拐してぶっ殺した常盤台の高飛車な生徒さァ……」

黒子佐天「!!!!!!」

一方通行「それまでは偉そうな口きいてた癖に、死ぬ間際になってビビって震えてやがンの。で、こう懇願するンだよ…『死にたくない…助けて』ってなァ! あの顔は最高だったなァ!! オマエらにも見せてやりたっかたぜェ」

黒子佐天「………………っ!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 22:30:12.65 ID:bNssrMY0<>心の底から楽しむように一方通行は語る。
その態度に1度は怒りを露にした黒子と佐天だったが、すぐに彼女たちの顔は静かになった。

黒子佐天「…………………」

一方通行「(なンだ? 挑発に乗らねェ)」
一方通行「なンだよなンだよなンなンですかァ? つまンねェなァおい」

そんな一方通行を見て、黒子と佐天は頷き合う。

一方通行「おっと、第2ラウンド開始か?」

ふと、その瞬間、黒子と佐天が消えた。
無論、そのからくりは分かっている。黒子が空間移動(テレポート)を使ったのだ。

一方通行「どういう攻撃が来るのか楽しみ……」

一方通行は途中で言葉を止めた。いつの間にか、佐天の顔が目の前にあったからだ。
不意をつかれ、少し驚く一方通行。

一方通行「はァ?」

抜けたような声を出す一方通行を前に、佐天は眼前に何かを素早く持ち上げた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 22:35:12.01 ID:bNssrMY0<>それが何であるかを気付くより早く………




バシャッ!!!!!!!




唐突に、莫大な光量が一方通行を襲った。

一方通行「ぐあぁっ!!!!」

両目を覆う一方通行。

一方通行「目が!! クソッ!! ヤロウ!!!」

苦しむ一方通行に追い討ちをかけるように、今度はテレポートした黒子が彼の耳に何かを近付けた。




パアアンッ!!!!!!!




今度は、一方通行の耳の側で大音量の爆音が発せられた。

一方通行「うがぁぁぁっ!!!!!」

左手で左耳を抑える一方通行。
一方通行「チクショウ!!! 耳まで……っ!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/01(木) 22:36:45.57 ID:WxyuVKI0<>つっこみたいが野暮だよな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 22:37:46.89 ID:qxqHkUw0<>うん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 22:40:56.00 ID:8YssLCMo<>終わってからつっこむべきだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 22:41:18.94 ID:bNssrMY0<>黒子と佐天がとった方法は簡単だった。

大量の光と音で一方通行の目と耳を一時的に封じたのだ。
彼女たちが手にしているもの。それは、ストロボカメラとデジタルピストルだった。

一方通行「ぐおおおおお」

2人はそれらによって即席で特殊閃光音響手榴弾(フラッシュグレネード)の効果を生み出したのだった。
まずは手の内がバレないように、黒子がテレポートで佐天を一方通行の眼前まで一瞬で飛ばし、間髪入れずストロボで視界を奪い、次いで視覚が奪われている間に、追撃でデジタルピストルを耳元で撃ち、聴覚までも奪ったのだ。

一方通行「うおおおおお」

月も出てないこんな真っ暗闇だからこそ、一方通行が光量を反射していないと捉えるのが普通だ。音にしても、戦闘を行うには最低限必要だからこし反射していないはず。だったら簡単だ。後はその隙をつけばいいだけだった。

一方通行「うがああああ」

黒子と佐天の顔に歓喜の表情が浮かぶ。

佐天「やった!!」

黒子「効きましたわ!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 22:42:58.82 ID:WxyuVKI0<>なるほど<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 22:44:31.07 ID:x.cSt5so<>目が、目がぁぁぁぁぁ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 22:44:42.97 ID:G659aUAO<>合点がいったぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 22:46:50.46 ID:bNssrMY0<>



一方通行「なァンてな!!!!!」ギャン!!




黒子佐天「!!!!!!!!!」

突如、一方通行が自分の目を覆っていた両手を離し、不気味な笑顔を露にした。

一方通行「確かに、俺の隙をついたいい策だったなァ?」

体勢を戻しながら、一方通行は語る。

一方通行「でもよォ、この策には欠点があるンだわ」

腰を大きく屈め、一方通行が攻撃の姿勢をとる。

一方通行「俺の反射は、許容量を超えたものも自動で反射するンだよ」

そして、最後に彼は1つだけ訊ねた。

一方通行「で、まさか今のが“秘策”ってヤツゥ?」

黒子「!!!!!」

佐天「!!!!!」

ドッと地面を蹴り、一方通行が2人に襲い掛かる。

一方通行「そンな陳腐な秘策で倒せる最強じゃねェぞォ!!!!!」

バガッと一方通行は、目にも止まらぬ速さで黒子の手に握られていたデジタルピストルを破壊した。

黒子「きゃぁ!!」

次いで、一方通行は間髪与えずに佐天のストロボも破壊しようとする。
それに気付いた佐天はバットを構え直そうとするが……

一方通行「遅せェぞ!!!」

それより早く一方通行がストロボカメラを破壊し、彼は佐天の身体にその腕を伸ばそうとした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 22:53:27.89 ID:R6khucU0<>黒子「佐天さん!」

佐天「!?」

ブンッ!!

テレポートした黒子が一瞬佐天の側に現れ彼女と共に消えた。
一方通行の手が虚空を掴み取る。

一方通行「おっと……」

彼は頭上を仰ぎ見る。どうやら黒子と佐天の2人は空中へ逃げたようだった。

一方通行「なるほど」

ドッ!!

空中数十m上から地面へ向けて落下中の2人に向かって、一方通行は一直線に飛んでいった。

一方通行「鬼ごっこの始まりだァ」ニヤァ

花火のように飛んできた一方通行が黒子と佐天を捕まえようとする。
しかし……

ブンッ!!

一方通行「!?」

不意に、彼の目の前から2人が消えた。

一方通行「今度は下だなァ」

ベクトルのエネルギーがゼロになると、彼は落下すると共に、今度は地上にテレポートした2人に向かっていった。

一方通行「オラオラ逃げやがれェ!!!」

黒子「くっ!!」

佐天「!!!」

ブンッ!!

一方通行が地面に落下したと同時、またも黒子と佐天がテレポートで消える。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 23:00:23.46 ID:DtQhIO60<>一方通行「で、また上かァ?」

バガッ!!!

彼は地面を割り、大小様々な破片を作ると、それらを蹴り上げ、空中高くへ向けて飛ばしていった。

一方通行「よっと!」

次いで彼は空中へテレポートした2人の元に向かう。

ボシュウウウウウ

一方通行「あ?」

ふと、黒子の手元から何やら白いモヤのようなものが噴き出してきた。
そして彼女たちはモヤだけを残し、今度は別の空中の場所へテレポートする。

一方通行「どこまで逃げたって同じだぞ」

ベクトルの勢いが無くなり落下してきた、先程蹴り上げた破片のうちの1つに足をトンと乗せ、彼は空中で方向転換し、黒子と佐天を追う。

一方通行「またか」

見ると、また黒子の手元からモヤのようなものが噴き出していた。

一方通行「捕まえたァ!!」

空中の黒子と佐天に向けて腕を伸ばそうとする一方通行。しかし、またしても彼女たちはモヤだけを残してテレポートしてしまう。
当然、一方通行はそれだけで諦めることなく、再び頭上から落下してきた破片に足を乗せ方向転換し、2人を追う。

一方通行「せいぜい逃げるこったな」

そうして、黒子と佐天と一方通行は三次元的に鬼ごっこを繰り返していった。
ある時は地上に、またある時は空中へと、様々な場所にテレポートする黒子と佐天。そして、自身のベクトルと落下する破片を用いて彼女たちを追う一方通行。
その間にも、黒子は手元からモヤを出し続け、気付くと周囲は真っ白な煙で覆われていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 23:06:13.31 ID:DtQhIO60<>一方通行「どうやらあのテレポーターが持ってたのは煙幕弾のようだな……。辺りを煙で覆おうとしたことで俺の視界でも奪うつもりだったかァ?」

言いつつ、一方通行はまるで鬼ごっこを楽しむように、テレポートで逃げる2人を追う。

一方通行「だが…この暗闇の中では、逆にオマエたちの位置を露呈させてるもンだぜ? ありがたいこった」

ドン!!!!!

一方通行は更にスピードを増し、テレポートで逃げる黒子と佐天を追いかけていく。
地上から空中へ一直線に、空中から空中へ斜めへ、空中から地上へ斜めに、空中から地上へ一直線に、彼は狭い箱の中で兆弾しまくるスーパーボールのように、猛スピードで2人を追い続ける。

黒子「しつこいですわね……!!」

佐天「しつこい男は嫌いです…!!」

一方通行「ふはははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!」

高笑いを挙げる一方通行。
と、その時だった。

一方通行「!!!!????」




グラリ




一瞬、視界が揺らいだ気がした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 23:12:18.64 ID:DtQhIO60<>一方通行「…………っ」

同時に、脳がクラクラと回った気がした。

一方通行「なん………だ?」

黒子「………………」

一方通行「くっ!」

気にせず、一方通行は黒子たちを追い続ける。
しかし………

一方通行「!!!!????」

また、グラリと揺れた。

一方通行「チッ……何だ……」

視界が揺れに揺れ、脳が回りまくる。
空中を飛行していた彼は、何とか体勢を立て直そうと試みた。
しかし………



一方通行「(……ちょっと待て………どっちが上でどっちが下だった……?)」



何とか周囲の状況を確かめようとするが、上と下の区別がつかない。
今、どこを飛んでいるのかも分からない。
おまけに視界は揺れるし、頭が回る。
全周が暗闇に覆われ、白い煙幕だけが漂っている。

一方通行「(あ、こっちが上か……)」

一方通行がそう判断を下した次の瞬間………




ドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!




彼は地面に激突し、十何mも地面を滑り、やがて資材の束に突っ込んでいった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 23:19:19.08 ID:DtQhIO60<>黒子佐天「…………………」

しばらくすると、黒子と佐天がテレポートで一方通行の側まで降りてきた。

ガラガラ…ガラン

一方通行「…………………」

頭を抑えながら、一方通行が資材を押しのけて這い出てくる。
常人ならここで死んでいるところだが、無論、彼は落下の衝撃による傷すら1つも負っていない。
しかし、黒子と佐天の狙いは別にあった。

黒子「ご機嫌いかが?」

佐天「急に1人で落っこちて自爆しちゃいましたけど、大丈夫ですかぁ?」

一方通行「………………」

2人を一瞬睨むと、彼は立ち上がろうとした。

一方通行「!!??」

しかし、一方通行の身体はフラフラと揺れ、1秒後には地面に四つん這いになっていた。

黒子「おやおや、学園都市最強の四つん這いの姿が見られるなんて、滅多に無いですわね」

佐天「ストロボカメラが残ってたら、写真撮ってるところなんですけどねー」

黒子と佐天は、四つん這いになった一方通行を見下すようにして話す。

黒子「何が起こったか教えて欲しいですか?」

一方通行「…………………」

一方通行は何も答えない。ただ、地面に伏せたまま頭を抱えている。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 23:26:39.62 ID:DtQhIO60<>黒子「“空間識失調”ってご存知ですか?」

一方通行「!」

佐天「戦闘機のパイロットがたまに陥る症状らしいです」

黒子「何でも、周りが空や海で囲まれてたり、暗闇だったりする場所で飛び続けたら上下の方向が判断つかなくなるらしいです」

佐天「貴方、あたしたちを追いかけるために猛スピードで上行ったり下行ったりしてましたよね。しかも、こんな月も出ていない真っ暗闇の中、煙幕に覆われた状況で」

一方通行「………………」

黒子「もう分かりましたよね? 貴方の身に何が起こったのか」

冷静に、黒子と佐天は説明を続ける。

佐天「貴方は、外からの攻撃を一切受け付けません。物理的攻撃であっても能力であっても、全て跳ね返してしまう。だったら………」


黒子「  内  部  か  ら  攻  撃  す  れ  ば  ど  う  で  し  ょ  う  ?  」


一方通行「………っ」

佐天「テレポートでわざと貴方を誘い込み、上下左右色んな場所に逃げ続け、煙幕で視界を狭める。そうすることで貴方の視界は暗闇と白い煙だけに覆われ、上下の向きもどっちの方向に飛んでいるのかも分からなくなり、一時的に空間識失調に陥ったんです」

黒子「先程私たちが何故、ストロボとデジタルピストルで貴方の目と耳を封じようとしたのか分かりますか?」

佐天「平衡感覚を奪うためですよ。気付きませんでしたか? さっきは上手くいきませんでしたけど、今はその状態に陥ってるはずです」

一方通行「………………」

黒子「如何です? 種も仕掛けもない、実に簡単な方法でしょう?  さ  い  き  ょ  う  さ  ん  ♪  」

2人の説明を聞き終え、一方通行はただ一言言い放った。

一方通行「ガキどもがっ……!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 23:31:00.12 ID:MjJF/NAo<>一方さんがベクトル操作すれば脳内のそういう感覚もあやつれんじゃね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 23:31:32.44 ID:phxWrEoo<>                                __       
                           _/∧,_ , 、
                          ,. < _r_/ ┴ 、    
                          / y/ ̄ , / 斗 二ヽ
                      / ,  lヾ″ //, ´    !
                         /    l、   ij/       ト、
                      / / /リ ー <=─‐-、 _⊥ヘ___
                 __/ __∨//¨二幵xz: : : : : : : : : : : : : : ̄` 丶、
          ィヘ -‐ : : ̄ ̄ ̄ ¨. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ー.ヘ、
  ___rー” ̄: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :___ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ー-
 ̄    |: : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : :__ -─      二=: : : : ; ; ; ;/二ニニ _、; ; ; ; ;戈_
  . . . : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ; ; : /   _ -─ " ̄: : : : : : : ; ; ; ; ; ; : : : : : : : : : : ̄=─-
        |: : : : : : : : : : : : : : : : : ; ; :/  / ̄: : : : : : : : _: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
. . . . . . . . .|: : : : : : : ; : ; : ; : : ; ; ; ; /  /: : : : :_ ─ 二-‐": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _,,, -
 ̄ ̄ ̄ ̄^ー-、___ ,, 、: :_: ; ; ; ∧ / ; : : : /   /: : : : r  ̄/: : : : : : : : : : : : : ,. -‐ "    \
                 ̄\ ; リ ; : ; : : |  /: : : : : : :| /: : : : : : : : :,. -‐  ̄
                                              ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                               d⌒) ./| _ノ  __ノ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 23:31:32.23 ID:8YssLCMo<>突っ込みは終わってからだ
まずは大人しく待ってみようぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 23:33:26.09 ID:DtQhIO60<>その光景は打ち止めにとって信じられなかった。
それもそのはずで、まさか学園都市最強の超能力者が、レベル4とレベル0のコンビに不覚をとり、あまつさえ地面に四つん這いにされていたからだ。

打ち止め「そんな……一方通行……!!」

打ち止めの顔が蒼ざめていく。
あの一方通行が、あの最強の一方通行が、2人の少女を前に足を地面につくなんて有り得ないはずなのだ。
しかも相手は同じレベル5の超能力者でもない。歴戦の強敵を撃破してきた一方通行が、女子中学生に負ける。あってはならないことだった。
我慢出来ず、打ち止めは叫んでいた。

打ち止め「一方通行!!!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 23:35:42.06 ID:sxkswr2o<>完全に一方さん主役だこれ、ヒロインが名前叫んだらフラグだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 23:38:53.16 ID:DtQhIO60<>上条「一方通行……!!」

愕然とした。
今まで共に肩を並べて戦ってきた、学園都市最強の男が四つん這いになってる姿なんて今までに1度も見たことがなかったからだ。

上条「そんなことが……」

美琴との戦闘中、不意に、向こうの方で何かがぶつかる音が聞こえたかと思ったら、数秒後そこには地面に伏せている一方通行の姿があった。
上条は知っている。一方通行の強さを。一度、敵対し殺し合った仲だからこそ、その限界を知らない強さを知っている。
しかし今、一方通行は2人の女子中学生を相手に頭を垂れるような形でうなだれている。

美琴「………………」

美琴は、絶望ともとれる表情を浮かべた上条に気付くと、横目で後ろを窺った。
どうやら、彼女たちは上手くいったようである。僅かに笑みを浮かべると、美琴は顔を正面に戻した。
そこにはまだ、呆然としている上条の姿がある。

ブオンッ!!!!!

上条「!!!!!」

そんな上条に向けて、美琴は再び砂鉄剣を振るう。間一髪、屈み込むことでそれを避ける上条。

上条「(こいつっ……!!)」

美琴「なに? お友達が心配? それは大変ね」

更に美琴は砂鉄剣で袈裟斬りを試みるが、上条はずば抜けた反射神経でそれを回避する。切られた上条の前髪が数cmほど空中を舞った。

美琴「甘いわね」

バチバチッ!!

バギィィィン!!!!

体勢を崩した上条に、美琴は左手で電撃を発する。慌てたように上条はそれを右手で打ち消す。

美琴「そろそろクライマックスでもいっとく?」

ブンブンと美琴は砂鉄剣を振るう。

上条「(この野郎……マジで俺を殺しにきやがった……)」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 23:45:24.16 ID:DtQhIO60<>上条は美琴を睨み据える。

美琴「しつこい男は嫌われるわよ?」

ニヤリと美琴が笑った。

上条「!!!!!?????」

目にも止まらぬスピードで砂鉄剣が上条に向かって伸びてきた。

上条「くっ!!!(そういや伸びることも出来るんだったか!!)」

バギィン!!!

間一髪、上条は砂鉄剣を右手で打ち消す。

上条「!!!!!!!」

しかし、たった今消したはずの砂鉄剣がもう1本、上条の右側面の死角から迫ってきていた。

上条「なっ……」

咄嗟に彼はそれを避けるように地面に転がった。
伸びた砂鉄剣がそのまま頭上を通り過ぎていく。

上条「剣が…分かれてるのか!」

見ると、美琴の手元から伸びた砂鉄剣が途中で分岐していた。

美琴「驚いた?」

上条「チッ」

上条が体勢を立て直すより早く、頭上を通り過ぎたはずの砂鉄剣の切っ先が、蛇のような軌道を描き彼の元へ戻ってくる。

上条「(1本だけなら、まだ対処出来る)」

そう思い、上条は右手を前に突き出す。

美琴「あら? いいの? 後ろには対処しなくて」

上条「!!!!!!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 23:52:46.42 ID:GCDwvSc0<>美琴が発した言葉に、上条は背後に悪寒を感じた。
彼の視界に、目の前から向かいくる砂鉄剣の切っ先と、そして先程打ち消したはずのもう1つの切っ先が分岐点の根元から再生され、上条の背後に回り込むのが映った。

上条「………っ」

前と後ろから、二又に分かれ伸びた砂鉄剣の切っ先が彼を襲いかかる。

上条「うおおおおおおお!!!!!!」

バギィィン!!!!

上条は振り向くこともせず、右手だけを裏拳の要領で後ろに薙ぎ払い、背後から迫っていた砂鉄剣の切っ先を打ち消す。
同時に、その勢いで右半身を後方に、左半身を前方に逸らし僅かに身体を右側に向ける。

ビュン!!!

上条の服の左肩部分を切り裂くように、砂鉄剣が通り過ぎていった。

バギィィン!!!

当然、上条は通り過ぎたその砂鉄剣を見逃さず、瞬時に打ち消す。

美琴「やるわね……」ボソッ

振り返る上条。
そんな彼に休む間を与えることなく、再び砂鉄剣が襲ってきた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/01(木) 23:57:18.14 ID:GCDwvSc0<>上条「くっ!!」

根元から伸びた2つの砂鉄剣がそれぞれ右側面と左側面から上条に向かっていく。

美琴「同じように避けられるかしら!?」

2つの砂鉄剣の切っ先が挟み撃ちの要領で上条の身体に突き刺さる。

美琴「!!??」

と、その瞬間だった。
上条はずば抜けた反射神経で咄嗟に頭を屈み込み、砂鉄剣の攻撃から逃れた。

美琴「なっ!?」

目標を失った2つの砂鉄剣は上条の頭上で衝突する。
そこへ、上条が右拳が叩き込む。

バギィィン!!!!

衝突したことで1本になっていた砂鉄剣は上条の幻想殺しによってバラバラと姿を崩していく。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/01(木) 23:58:03.49 ID:TelJbwgo<>ずば抜けた反射神経<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:01:19.65 ID:mQ9MrAg0<>黙って見れないのか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:01:58.64 ID:AdtfqsDO<>>>95
上条さんの反射神経というか、危機回避能力は半端じゃねえぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 00:02:50.10 ID:q1UM.y.0<>上条「ハァ……ゼェ……」

上条は美琴を見据え、立ち上がる。

美琴「チィッ……!! なら…これならどうよ!!」

今度は、3つに分岐し伸びた砂鉄剣が、連携して上条を狙ってきた。
全てを打ち消す余裕は無いと考えたのか、上条はバックステップでそれらをかわす。

ドッ!!

ドッ!!

ドッ!!

かわされた砂鉄剣の切っ先が次々と地面に突き刺さっては、再び上条に攻撃を仕掛けていく。

美琴「防戦一方じゃない?」

上条「……………っ」

美琴「じゃあもっと大サービス♪」

バチバチバチッ!!!

上条「!!!???」

上条を狙っていた3つの砂鉄剣が青白い光を纏い始めた。
それはまるで、全身に電気を纏った三頭の蛇のようだった。

上条「(こいつ……っ!)」

美琴「更に大サービス♪」

その言葉と同時、電気を纏った砂鉄剣は更に分岐し、やがて切っ先が8本に分かれ伸びた砂鉄剣が出来上がった。


美琴「私の新技『紫電八岐之大蛇(エレクトロ・パイソン)』食らいなさい!!!!!」


上条「!!!!!!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:03:04.79 ID:yDyONX2o<>1回の投下で何度も使われるとちょっと・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:04:53.11 ID:GRvo1UQo<>だまってみれねーのかよ
ほんとガキばっかだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 00:09:26.48 ID:9yI8YGg0<>まるで主人の命令に従うように、電気を帯びた8つの砂鉄剣は上条に向かっていった。

上条「………っ」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!!


全方向から上条に向かって砂鉄剣が振り下ろされた。
その衝撃で辺りに砂煙が舞い、視界が遮られる。

美琴「……ハァ……ゼェ……」

常人なら大怪我だけでは済まないはずだ。
美琴は砂煙で覆われた前方を見つめる。

美琴「ハァ……ゼェ……」

と、その時だった。

美琴「!!!!!!!」

砂煙の中から、突如上条が飛び出してきた。

美琴「な、何で!?」

上条「自分で考えろ!!」

美琴の眼前まで迫る上条。

美琴「ひっ」

バギィィィン!!!!

しかし彼は美琴の顔面を狙うことなく、代わりに彼女の手元の砂鉄剣の根元に右拳を叩き込んだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:09:28.19 ID:0eRQuV2o<>いいから早くマツコデラックスさんを出せよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:10:55.16 ID:mQ9MrAg0<>投下終了までは黙ってみる。これ常識な。
もちろん書き手によっては違うが。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 00:15:25.27 ID:9yI8YGg0<>バシュウウウウウウ

砂鉄剣が姿を崩していく。

美琴「はっ!」

横目で上条に見られた美琴は、攻撃を警戒しそのまま大きく後ろへ下がり、上条に備えた。

美琴「?」

が、上条は美琴を見つめたまま動かない。

美琴「な、何よ…」

上条「別に。随分見ない間に進化したもんだなと思って」

そっけなく上条は言う。

美琴「そ、そうだったわ! どうやってあんた、私の新技から逃れられたのよ」

上条「簡単なことだ。砂鉄剣はさっき俺の周囲360度から襲ってきたが…前方の砂鉄剣だけ右手で打ち消してその隙間を通ってここまで来ただけだ」

美琴「………っ」

上条「満足したか?」

美琴「ホンッとうに、ムカつくほど戦い慣れてるわね、あんたって……」

美琴は上条を睨む。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 00:20:34.42 ID:9yI8YGg0<>黒子「さて、降参いたしましたか?」

佐天「あたしたち優しいから、そのままの姿勢で謝ったら許してあげないこともないですよ?」

一方通行「………………」

黒子と佐天の2人は一方通行を見下し言う。

一方通行「フー………」

黒子佐天「!!!!!?????」

だが、そんな2人の言葉を無視するように一方通行は立ち上がった。

黒子「そんな……何故?」

佐天「まともな人間ならしばらく立ち上がれないはずなのに……」

一方通行「まともな人間ならな?」

黒子佐天「!!!!!」

顔を片手で覆っているため、一方通行がどんな表情をしているのか分からないが、間違いなく彼は元気そうだった。

一方通行「俺を誰だと思ってる?」ギロリ

黒子佐天「ひっ」

一方通行の獰猛な目が黒子と佐天に向けられた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 00:26:40.69 ID:9yI8YGg0<>一方通行「俺は既に地上にいるんだぜ? いつまでもペチャクチャと話してりゃあ、平衡感覚も戻るわな」

黒子佐天「そんな……」

2人は言葉を失くす。
確かに、一方通行は普通の人間ではない。もしかしたら、彼女たちが話している間に脳内のベクトルを操って自身の状態を元に戻したのかもしれない。
実際、一方通行が体内のベクトルまで操れるのかどうかは分からなかったが、彼の姿を見ているとあながちあってもおかしくないことに思えてしまう。

一方通行「早くトドメを刺しときゃ良かったのに……要領悪いなァ。ま、外側から攻撃出来ないからあンな方法取ったンだろうがな」

黒子と佐天が慄いて後ずさる。

一方通行「さァて、こっちもお礼をしてやらねェとなァ」

一方通行は肩をコキコキ鳴らすと、顔を2人に見据えた。

黒子佐天「!!!!!」

一方通行「ちょっと本気出させてもらうぜ?」

黒子と佐天の顔が蒼くなる。

一方通行「最終ラウンド……反撃タイムの始まりだァ」ニヤァ

黒子佐天「!!!!!!」

1秒後、一方通行は2人に向かって突進していった。


ドッ!!!!!!


人智を越えた容赦の知らない怖ろしい魔手が彼女たちに襲い掛かった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 00:27:55.02 ID:9yI8YGg0<>>>1です。
長くなりましたが、今日は以上です。
まあ突っ込みどころが多いのは自分でも自覚してます。
その辺りは勘弁して頂けると嬉しいかもしれません。
そういうわけでまた明日も来れると思います。
みなさんありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:29:59.67 ID:/rBhfPY0<>乙
良かった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:30:03.77 ID:BZvC0ZQ0<>GJですd(・∀・)b
続き超楽しみにしてます!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:30:26.17 ID:egy08c20<>乙!毎晩が楽しみすぎるんだぜ

俺の場合はアホだから突っ込みどころに気付かず「ああそうなんだ」で済むから大丈夫だ
一方さんと上条さんの前じゃ常識なんて語れないから平気だとオモ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:30:35.18 ID:mQ9MrAg0<>乙。
勝てるかな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:30:42.79 ID:bU6yX0Qo<>だよなぁやっぱこうなるよなぁ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:34:38.97 ID:iHa.wcIo<>乙
毎回いいところで切るなあ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:35:38.40 ID:5bZZBA.o<>手の内ベラベラ明かすのは敗北フラグだってのに・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:36:37.32 ID:.gEFY820<>>>114
王道じゃないか。
乙っした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 00:40:36.90 ID:QORJc2AO<>乙!明日も期待だぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 00:44:47.23 ID:kWTcDkSO<>乙!
次回が楽しみです<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 01:08:58.18 ID:YMVCh3Io<>手の内べらべら明かすってまんま禁書じゃないか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 01:09:18.76 ID:zgI1i4.o<>乙
いい展開になってきた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 01:13:17.46 ID:lPu.LGw0<>いつも良いところで切り上げてくれる

乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 01:33:27.30 ID:LTScMgSO<>かまちーの凄いところはどれだけ突っ込まれてもめげないことだよな

だから>>1も雑音は気にすんながんがれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 06:13:46.19 ID:NGZlxd.o<>上条さんの強さ納得できない人は20巻読んでこいよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 16:55:51.51 ID:/fSWjRAo<>思ったけどさ
投げる(?)物体の移動速度が高けりゃ高いほどその物体をより高く、遠くへと投げれることができんだよな?
ってことは一方さんはベクトル操作で鉄骨とかをものっそい速度で投げてた理論ってそういうことなん?

物理とかワケワカンネ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 18:00:22.19 ID:AdtfqsDO<>>>123
ベクトル操作スゲーってことで<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/02(金) 18:03:38.36 ID:ggr3Znw0<>>>123
鎌池「これは俺のラノベ!俺のラノベに常識は通用しねぇ!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 18:06:42.18 ID:.ZVWJkDO<>>>123
物理以前に国語が……


そういうことってのが何なのか分からんが

一方さんは、物体にかかる空気抵抗やらなんやらの逆向きに働く力を操れるんだよ、きっと

その物体の運動を阻害する要素が無ければ減速はしないし、推進力に変えてやれば加速すらする

気圧が低いトコロで狙撃すると射程が延びるのと似たようなモンだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 18:16:42.12 ID:ZsfQGMo0<>>>122
上条さんは20巻でとうとう人智を超えたからな

ところで砂鉄剣で上条さんの右腕ぶった切ったら竜王の顎出るかな?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 18:18:19.92 ID:ZsfQGMo0<>しまったsageてなかった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 19:15:46.00 ID:5F/DUcDO<>>>123
地球の自転エネルギーを利用して攻撃したりしてるとこ見ると、おそらく風とかそれこそ自転とかいろんなとこからエネルギー引っ張ってきて投げる際のエネルギーに加算してるんだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 21:19:01.42 ID:fdfJNg60<>>>1です。
昨日の続きの後半投下していきます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 21:25:03.58 ID:fdfJNg60<>一方通行「ちょっと本気出させてもらうぜ?」

立ち上がり、一方通行は言った。
それは、つい先程まで平衡感覚を失っていたとは思えない姿だった。

黒子「…………っ」

佐天「あ……あ……」

相手はあの、学園都市最強の超能力者だ。
たかがレベル4とレベル0のコンビが、ちょっとした小細工程度で倒そうとすることが、土台無理な話だったのかもしれない。

一方通行「最終ラウンド……反撃タイムの始まりだァ」


ドッ!!!!!!


一方通行が地面を蹴り、一瞬で佐天との距離を詰めてきた。

佐天「!!!!!」

一方通行「加減してやるから、我慢しろよォ!!」

ニヤリと笑って、一方通行はその手を佐天の身体に触れようとする。

佐天「やっ……」

両手で防御体勢を取ろうとする佐天。

一方通行「おしおきの時間だァ!!!!!」




ドゴオオオオッ!!!!!




と、突然、地面から大音量が響いた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 21:26:59.95 ID:VSL9uYDO<>ばっちこい!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 21:28:40.98 ID:cIvLixc0<>待ってたぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 21:32:18.88 ID:Kx/c/4U0<>一方通行「何!?」

佐天「えっ……」

佐天の身体を掴もうとした一方通行の手が虚空を切る。
空中で持て余した手を伸ばしたまま、彼は佐天の姿が視界から下方へと流れていくのを見た。

一方通行「なンだ?」

一瞬、佐天が地面にめり込んだのかと思った。
しかし、実は違った。佐天と共に周囲の風景も下へ流れている。いや、そうではなく、一方通行の視界が勝手に上の方へと流れていっているのだ。

一方通行「!!!??」

不安定な足場に違和感を覚え、足元を見る一方通行――自分の身体が空中3m付近で浮いていた。

一方通行「は?」

否、正しくは3mも競り上がった地面の中心に彼は立っていたのだ。
眼下を窺うと、こちらを見上げている佐天と、少し離れた所で木材の束に手を伸ばしている黒子の姿が………

一方通行「アイツ!!」

彼は今、5mほどの距離を開いてそれぞれ両隅の地中から垂直に突き出し縦に重ねられた2つの木材―合計4本の木材によって3mも盛り上げられた地面の真ん中に立っていたのだ。
一方通行の視点からは見えなかったが、その図は『┏┓』のような、まるでテーブルを横から捉えた形をしており、その中心部で立つ彼はようやく自分の身に何が起こったのか理解したところだった。

一方通行「(一部の地面の両隅から、地中にテレポートした木材を突き出させて、そのまま俺が中心部に立っていた地表部分を押し上げたのかっ!)」

木材の束の前で、振り返るように一方通行を睨む黒子。僅かに彼女の顔からは汗が流れ、息も荒くなっている。

黒子「いくら貴方が何でも反射出来ても、実際に反射を行ってるのは身体の周りにある膜のようなもの。貴方の下にある地面……しかも、貴方が立っている所とは別の場所の地面が反射しているわけではありませんものね……」

だから一方通行は一部の地面ごと空中へ押し上げられた。まるで、リフトや昇降機、エレーベーターが自動的に人間を上階まで運ぶように。
不安定に揺れる4本の木材。その根元には、黄土色の土や粘土が耕されたように剥き出している。

一方通行「………………くかか」

佐天「?」

黒子「?」

一方通行「くかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかっかかかかかかかかか」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 21:39:32.37 ID:xzYWGV60<>目元を暗くし、一方通行は笑う。
やがて彼は叫んだ。

一方通行「で、もしかしてこれが“秘策”ゥ?」

ドッ!!!

一方通行が競り上がった地面の上から飛び降りた。彼の身体はミサイルのように佐天の下へと高速で向かっていく。

ズガッ、と一方通行が佐天を掴もうとした時、再び彼の手が虚空を切った。

一方通行「!!??」

目の前で、4mほどの間隔を開け地中から出てきた2本の木材が両隅部分にそれぞれ縦に重ねられていく。
見上げると、今度は佐天の方が5mは競り上がった地面の上に立っていた。

佐天「わっ!」

一方通行「………っ!!」

改めて黒子の方を振り返る一方通行。

黒子「ハァ……ハァ……」

睨む黒子の手元から、木材が全て消えていた。

一方通行「このっ……ヤロォ…っ!!」ギリィッ

歯を噛み、青筋を立て一方通行は叫ぶ。

一方通行「うおりゃァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

ドゴッ!!!!

目の前に立つ木材に一方通行が拳を叩き込む。
当然、バランスを崩された木材は揺れ、上にいた佐天の足元も揺れた。

佐天「きゃああああ!!!」

ガラガラと両隅2本の木材が倒れ落ち、1テンポ遅れて競り上がった地面も落ちてきた。
しかし、佐天が一緒に落下してくる気配は無い。まるで危ない場所から逃げるため一瞬で消えたように。

一方通行「!!!!」

崩れ落ちる地面や木材の隙間から前方に見えたのは、黒子に寄り添うようにくっつく佐天の姿だった。

一方通行「……ガァキ……どォ…も…がァ……っ!!」ギリギリギリ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 21:46:24.56 ID:xzYWGV60<>上条「クソッ」

その頃、上条と美琴の戦闘も更に激しさを増しつつあった。

美琴「ラァッ!!!」

迫り来る電撃を右手で打ち消す上条。彼は時折、視線をある方向へチラチラと向けている。

美琴「そんなにお友達が気になるの? でも、それが命取りよ!!」

先程までは、伸びた砂鉄剣による中距離戦闘が行われていたが、現時点では互いの身体を目の前に視認出来る近接戦闘に移行していた。
美琴が右手に持つ砂鉄剣が、上条から向かって左斜め下方から迫り来る。

上条「チッ!」

厳しい体勢を維持しながらも、上条は何とかそちらに右手を伸ばそうとする。が、

美琴「そっちばっかりに気を使ってていいの?」

上条の視界の右端に青紫色の筋が見えた。

上条「(まずい!!)」

このまま砂鉄剣を右手で受ければ、反対方向から襲い来る電撃の直撃を受けることになる。逆に、電撃を右手で防いだとなると、砂鉄剣の斬り上げを食らうことになる。無論、両方とも打ち消す余裕は無い。

美琴「もらった!!」

上条「………っ!!」

バギィィィン!!!

美琴「!?」

上条が咄嗟にとった行動。それは、左下から迫りくる砂鉄剣を右手で打ち消しながら、そのまま左斜め前方奥へ転がり込むものだった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 21:52:23.05 ID:xzYWGV60<>前回り受身を取った勢いで、振り返る上条。
地面に片膝をつけた体勢で次の一手に備えようとするが、予断を与える間も無く彼の眼前に電気に纏われた美琴の左手が迫っていた。
それが上条の顔を襲う。

上条「くっ!!」

上体を後ろへと反らし何とかかわす上条。美琴の腕が虚空を薙ぐ。
が、そこで左脇腹に鈍い衝撃が走った。

美琴「チェイサーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」

ドゴッ!!!!!

上条「ぐ…お……っ」

美琴の蹴りが決まったのだ。
上条は地面に盛大に転がる。

上条「ぐっ……」
上条「!!!!!」

目を開けた上条の眼前に、いつの間にか再び出現していた砂鉄剣の切っ先が迫っていた。それを紙一重で避けると、砂鉄剣は顔の数cm先の地面に突き刺さった。

ドスッ!!

ホッとしたのも束の間、砂鉄剣はもう1度振り上げられ、またもや上条の顔面を狙う。

バギィィン!!!

だが今度は少し余裕が出来たため、上条は右手で砂鉄剣を打ち消した。隙を突きそのまま美琴の足を払う。

美琴「あっ」ガクッ

美琴がバランスを崩した一瞬を見計らい、上条は1度、横に転がると素早く立ち上がった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 21:58:39.01 ID:xzYWGV60<>再び対峙する美琴と上条。

上条「ゼェ……ハァ……」

美琴「ハァ……ゼェ……」

互いの手の内を知り尽くしているからこそ、繰り広げられる互角の戦い。
因縁の相手との、いまだかつてない本気の死合に彼女たちの流す汗は尋常ではない。

上条「……なるほどな。これがレベル5の本気の本気ってやつかよ…ハァ……ゼェ」

美琴「……あんたこそ、その本気の本気についてくるなんて化け物じみてるわね…ゼェ……ハァ」

上条「これでも半端な気持ちで数々の修羅場を潜ってないんでね」

2人は、互いの実力を認め合うように笑みを浮かべる。

上条「だが分からねぇ……。何で2週間前にこの実力を出さなかった?」

美琴「はん! そんなことも分からないの?」

上条「お前だけじゃねぇ。一方通行と戦ってる白井と佐天もだ。2週間前とはまるで別人……。お前はお前で動きが以前より洗練されてる気がするし、あの2人は連携が取れている。一体何で……」

美琴「簡単よ」

美琴は、みたび手にした砂鉄剣を右肩に担ぐ。

上条「?」

美琴「あんたたちに勝つため」

上条「………………」

美琴「そのためだけに、みんな自分の分野を磨き、努力し、力を高め、時には切磋琢磨し……。それ以外の理由が必要なの?」

汗で濡れた額にシャンパンゴールドの髪の毛をひっつけながら、美琴は不適に笑う。

上条「それで2週間でここまで来たってのか? お前ら本当に女子中学生かよ」

美琴「最近の女子中学生は成長が早いのよ」

上条「フン、早すぎだろ…」

美琴「そんなことはどうでもいいわ。私たちが知りたいのは1つ」

上条「あん?」

美琴「何で私たちの友達を誘拐して殺したの?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 22:05:19.80 ID:xzYWGV60<>美琴は上条を睨むようにして訪ねる。

上条「………………」

しかし、上条は何も答えない。

美琴「何よ? 答えられない理由でもあるわけ?」

上条「………………」

美琴「言いなさいよ!!!」

不意に、美琴の声に怒号が混じる。よく見ると、彼女の目元が潤んでいた。

上条「………………」

そんな彼女から1度目を逸らすと、上条は答えた。

上条「俺たちに勝ったら教えてやるよ………」

美琴「……っ」

挑発じみていない、どこか優しさが篭ったような、それでいて何か覚悟を決めたような、上条の返答はそんな印象だった。
そんな上条を見て美琴は一瞬躊躇う。

上条「もう1つ、分からないことがある」

話を変えるように上条が言った。

美琴「?」

上条「いくらお前らがこの2週間で進化したとはいえ、あまりにも動きが的確すぎる。まるで、誰かに操られているような……いや、誰かの指示をリアルタイムで受けてるのか……?」

美琴「ふふん、いいところに気付いたわね」

美琴がどや顔を浮かべた。

上条「?」

美琴「そりゃ、バックアップ要員ぐらい必要でしょ?」

上条「バックアップ要員……?」

要領を得ない上条は一瞬、キョトンとした表情を浮かべたが、数秒後、その表情は驚愕のものに変わった。

上条「まさか…っ!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 22:12:30.77 ID:xzYWGV60<>視界の端にチラッと映る、1つの光。
その光は、少し離れた場所から発せられたものだが、その光源は1人の少女が手に抱える物体で………

上条「あの花飾りの子か!?」

美琴「ご名答」

ニヤリと美琴が笑った。

美琴「あの子、体力はまるで駄目でね。腹筋も1回すら出来ないのよ。だけど彼女、あれでも黒子のパートナーとしてジャッジメントやってるのよね。何でか分かる?」

上条「??」

美琴「あの子…初春さんはパソコンのスキルだけでジャッジメントに入ったほどなの。それほど彼女の情報処理能力は並外れているのよ」

チラッと初春の方を窺う上条。
彼女はただ、戦闘にも加わらず暗闇にその幼い顔をパソコンの光で浮かび上がらせている。

美琴「黄泉川先生があんたたちの仲間だって気付いたのも、元はあの子がアンチスキル本部のサーバーに侵入したのが切っ掛け。あんたたちが今日、この場所を通るって分かったのも、あの子が黄泉川先生と寮監のパソコンをハッキングしてくれたから」

上条は呆然と美琴の言葉を聞いている。

美琴「それと、ここに来るまでわざわざ監視カメラを操作したのも彼女よ」

上条「何だと?」

美琴「私たち、今追われの身でしょ? 街中に出たらそれだけで監視カメラに映ってしまう。でも私たちは現にこの資材置き場まで余裕で辿り着いている。何をしたか分かる?」

上条「?」

美琴「簡単よ。監視カメラの視界に出る直前に物陰からカメラを細工したの。つまりは、監視カメラのセンターに侵入して、あらかじめ盗んでおいた録画映像を数分間だけその上から再生させたってわけ。そうしたら、実際は私たちが通りを横断していても、センターは何でもない無人の映像が映されている。どう、初春さんすごいでしょ?」

上条「………………」

美琴「今この時も、このヘッドセットを通して私たちに逐一この場所のリアルタイムの状況を教え、指示してくれてるのも彼女」

そう言って美琴は左耳に装着されたヘッドセットをコンコンと叩く。

上条「!!!!!」

上条は驚いたが、すぐさま頭に浮かんだ疑問を口にした。

上条「……いや待て……馬鹿を言うな。こんな月明かりも無い真っ暗な夜中に、あんな離れた場所から戦闘の状況を把握出来る訳が無いだろ。ほんの数m離れただけでほとんど何も見えなくなるんだぞ」

美琴「いつ私が、初春さんが肉眼でこの状況を把握してるって言った?」

上条「何?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 22:19:14.62 ID:xzYWGV60<>美琴「彼女は大した能力も持たないレベル1よ。そんな特別なことが出来るわけないでしょう」

上条「…じゃあ何で?」

美琴「さぁ? “ずぅっとずぅっとずぅぅぅっとお空の上”から監視でもしてるんじゃないの?」

歳相応のイタズラじみた表情を浮かべ、美琴はケラケラ笑う。まるで子供が手品の種を明かすように。

上条「空の……上……?」

上条は反射的に頭上を仰ぐ。
そこには、星も見えずただ真っ黒に染まった空が雲に覆われていて……

上条「まさか……」

サアッと上条の身体中から血の気が引いていく気がした。



上条「  人  工  衛  星  ……?」



上条は、たった今自分が吐き出したはずの単語に、現実感を覚えられなかった。

上条「監視衛星を………ハッキングしたのか!!??」

クスクスと美琴は小悪魔な顔を見せて言う。

美琴「何でか知らないけどねー……学園都市の監視衛生を管理するセンターのセキュリティが脆くなってたのよ。だから初春さんに頼んで……」




美琴「  ハ  ッ  ク  し  て  も  ら  っ  ち  ゃ  っ  た  ♪  」




上条「!!!!????」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 22:26:18.26 ID:xzYWGV60<>美琴「最初は、本当にただ試してみるだけだったのよ。衛星で私たちの行動が把握されていないか確かめるためにね。でもあら不思議。蓋を開けてみれば衛星のセキュリティは何と、かなりの低レベルまでグレードダウンしてました。それでも普通の人だったらハッキングなんて無理だったんだけど、あの子はやってのけたわ」

上条「………………」

開いた口が閉まらなかった。

美琴「最初は何かの罠かとも思ったけど、どうやらそんな気配は無いし。だから、本番の今日も使わせてもらいました♪」
美琴「ちなみに、彼女のパソコンには今も衛星から捉えたここの状況がリアルタイムで映ってると思うけど、何と初春さん特製ソフトウェアによる、暗視モードつき♪」

上条「!!??」

美琴「更には、あのノートパソコンに初めから取り付けられてたカメラ機能も同様に暗視モードで使われてます!」

上条「(馬鹿な………)」

絶句、とはまさにこのことかもしれない。
上条には美琴が今言ったことが信じられなかった。あんな話を聞かされれば無理も無い。
だが、美琴や黒子、佐天は上条や一方通行の攻撃に対し、その場その場に合わせた臨機応変な反応を示している。
美琴の話が全て嘘と考えられることも出来たが、ここでハッタリを掛ける場面でもないだろう。

上条「……………っ」

となると、今、この資材置き場は、頭上からは衛星によって監視され、側面からは初春のノートパソコンのカメラ機能で監視されていることになる。それもリアルタイムで、暗視モードというアドバンテージまで付加されて。
恐らく、初春の手元にあるパソコンの画面には、緑色に染められた両方の映像が並んで今も流れているはず。初春はそれを元に美琴や黒子、佐天に指示を出しているのだ。

美琴「ねー初春さん?」

振り返り、初春の方に顔を向ける美琴。
ヘッドセットを通して会話を聞いていたのか、初春がこっちを向き手を振った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 22:27:25.59 ID:eDOHt6go<>すさまじいまでの負けフラグだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 22:31:31.67 ID:NHBM7xoo<>美琴たちの方がよっぽど悪役っぽい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 22:32:41.56 ID:/fSWjRAo<>上条さんが一方さんにそれおしえて一方さんがryしたらやばくねえ?
こんなべらべらしゃべっていいの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 22:33:35.75 ID:xzYWGV60<>上条「お前ら……」

美琴「逆に言うと、ここまでしないと、あんたたちを倒せないでしょうね……」
美琴「前回は死ぬ思いをした初春さんだったけど、諦めかけてた私たちを諭してくれたのはあの子だし、今回一番貢献してくれたのも彼女。どう? 強い子でしょ?」

上条「………………」

美琴「でも、初春さんもすごいけど、黒子も佐天さんも、あんたたちを倒すためだけに自分の限界を突破したわ」

顔だけは初春の方に向けながら、美琴は横目で上条を見やる。
彼女の声は先程までとは違って、静かで真剣そのものだった。

美琴「もちろん私もね……」

上条「ふっ……上等じゃねぇか。ならもう1度、お前らを打ち負かしてやるよ。2度と立ち向かってこれないようにな!」

上条は右手を握る。

上条「俺たちに勝てるって妄想を抱いてるなら、まずはそのふざけた幻想を………」


ビュオッ!!!


と言う音と共に一筋の青白い光線が上条の耳元を音速で通過した。



ズッドオオオオ………ンンンッ!!!!



直後、数十m背後で爆発が起こった。

上条「……………っ!!」

美琴「……私たちに勝てるって妄想を抱いてるなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」

ニヤッと笑う美琴。
前方に突き出された彼女の右手は、直前まで握られていた物体が飛んでいったためか、親指だけが上条を向いていた。
決着は近い――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 22:35:18.49 ID:Z1A2JUAO<>一方さんがぁぁあ

なんで一方さんはいつもちょっと頭おかしい感じで登場するのだろうか・・・

まぁそこもいいww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 22:38:33.57 ID:ggr3Znw0<>とりあえず叫びたい

 初 春 C I A に 今 す ぐ 就 職 し ろ <> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 22:39:45.77 ID:xzYWGV60<>一方通行「(超電磁砲だと? まさかアイツも苦戦してやがるのか?)」

背後を振り返り、一方通行は口中に舌打ちした。

黒子「お分かり頂けましたか?」

一方通行「あン?」

黒子「私たちの覚悟が」

一方通行「覚悟ねェ……確かにそれは分かった。レベル4とレベル0のコンビでここまで俺を翻弄したのはお前らが初めてだ」

黒子佐天「…………………」

一方通行「それは褒めてやるぜ。だがなァ……肝心の俺に傷1つついてねェのも事実だよなァ?」

余裕を見せる一方通行。そんな彼を、黒子と佐天は黙って睨む。
今も、一方通行の背後10数m先で戦う上条の顔と美琴の背中が、美琴が身体から発する電撃の光によって垣間見えた。

黒子佐天「…………………」

一方通行「“秘策”とやらも全部尽きたようだし。そろそろここで終わりにしとくかァ」

両手を広げる一方通行。

黒子佐天「!!!!!」

黒子「す、少しお待ちになって下さいまし!」

一方通行「あァ?」

水を差されたように一方通行の表情が歪む。

黒子「貴方にお聞きしたいことがあります」

一方通行「聞きたいこと?」

黒子「そうですわ! それを聞いてからじゃないと貴方を倒しても溜飲が下がりません」

佐天「それぐらいわがまま聞いてもらってもいいと思いますけど」

一方通行「…………………」

ジッと一方通行は怪訝な表情で2人を見つめる。

黒子佐天「…………………」ゴクリ

一方通行「まァいいか。なンだよ? 冥土の土産でも欲しいのかァ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 22:42:12.08 ID:/fSWjRAo<>冥土の土産にry

一方さんそれ死亡フラグです!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 22:43:11.93 ID:5bZZBA.o<>一方さんも一方さんでベタなフラグ踏んでるしwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 22:47:01.71 ID:ggr3Znw0<>ベタだから良いんだろォがァ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 22:47:05.96 ID:xzYWGV60<>一方通行は広げていた両腕を腰にあてた。

黒子「言ってなさい。私たちが聞きたいのは、何故、私たちの友達を誘拐しあまつさえ殺害したのか、ですわ」

佐天「固法先輩に泡浮さん、湾内さん、婚后さん。それに学園都市の学生たち。何で彼女たちが殺されなきゃならないんですか!?」

一方通行「ンだ。そンなことかよ」

黒子「そんなことですって?」

一方通行「知りたいか? 知りたいよなァ? じゃあまず俺個人の理由を教えておこうか」
一方通行「アイツらの死に際の顔を見てると興奮するからだよ!!!」

黒子佐天「…………っ」ギリッ

歯を噛み締める2人。
今も美琴と上条は一方通行の背後10mほど先で戦闘を繰り広げている。




ズオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

放たれる超電磁砲(レールガン)。

バギィィィン!!!!!

それを打ち消す幻想殺し(イマジンブレイカー)。

上条「ハァ……ハァ……何度やっても……」

ズオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!

バギィィィィン!!!!!!

上条「これで3連続……!! 超電磁砲の連発とか何考えてやがんだ!!!」

美琴「………………」

身体中から放電しながら、美琴は軽いバックステップを踏みつつ上条の追撃を食い止める。
彼女は出し惜しみもせずに、超電磁砲を連続で上条に向けて撃ち続けていた。

上条「そうかよ……お前、本気の本気で俺を殺す気だな?…ハァ…ゼェ…」

美琴「今頃気付いたの? 馬鹿?」バチバチッ

美琴が発する電撃によって、暗闇の中、彼女の顔が点滅するように浮かび上がる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 22:53:41.76 ID:xzYWGV60<>上条「っ!!」
上条「いいぜ御坂……それなら、俺も出し惜しみはしない。お前の頬を思いっきりぶん殴って気絶させてでもお前を止めてやる!!」

ダッと上条は本気で駆ける。彼の右手の拳はこれまでにないほど強く握り締められている。

美琴「今更フェミニストぶるとか笑っちゃうわね!」

ズオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!

バギィィィン!!!!!!

再び、放たれる超電磁砲とそれを打ち消す幻想殺し。

上条「歯ァ食いしばれよ!!!」

上条の拳が美琴を狙う。



黒子「そんな理由で、固法先輩たちを殺したのですか?」

佐天「信じらんない」

一方通行「オマエらの信じられないことなンてこの学園都市には幾らでもあるンだよ」

黒子「それでも…許されませんわ」

佐天「そうですよ」

俯く黒子と佐天。それを見て一方通行は溜息を吐く。

一方通行「さてと、そンじゃまあ……」

黒子「あ、貴方には良心の呵責というものが無いのですか!?」

一方通行「あン?」

話を終えようとしていた一方通行だったが、黒子がそれを許さなかった。

佐天「そ、そうですよ! 無いんですか!?」

一方通行「(なンだコイツら?)」

黒子「ご両親や先生から人を殺すことは駄目と教わらなかったのですか!?」

佐天「それですそれ! 教わらなかったとかおかしくありませんか?」

一方通行「いや、俺に今更そンなこと言ってもなァ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 22:56:29.69 ID:QOrJZOso<>時間稼ぎしているように見えるな、この二人<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 22:56:56.24 ID:4YIOU7co<>なんかつまらなくなってきたから切るわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 22:57:31.87 ID:eDOHt6go<>時間稼ぎしてるのはうp主だろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 22:59:07.96 ID:Z1A2JUAO<>>>l56

黙って帰れんのか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 23:00:24.44 ID:U1vB5ko0<>一方通行はそう言って顔を少し左の方に向けた。

黒子佐天「!!」ビクッ

一方通行「(…ン? なンだ? ただ顔を動かしただけなのにビクつきやがって……)」

彼は後ろに何かあるのかと振り返ろうとしたが……

黒子「やはり貴方の道徳心は間違ってますわ!」

佐天「そうです! 間違ってます!!」

2人分の声に引き止められた。

一方通行「俺に道徳とか馬鹿らしいにも程があるだろ」

いちいち大声で突っかかる黒子。それに倣う佐天。明らかに2人の様子がおかしい。

一方通行「(なンだ? 時間稼ぎでもしてンのか? つっても、こんなところで時間稼ぎしても意味ねェしなァ)」
一方通行「何度も言わせンな。俺は人を殺すのに戸惑いもしない人間。良心の呵責だの道徳だの知ったこっちゃねェンだよ!」

黒子「酷い…」

佐天「可哀想な人……」

一方通行「は? 酷い? 可哀想?」

一方通行はその言葉にキョトンとする。

一方通行「あひゃはははははははははははは!!!!! 笑わせるぜ!!!! 酷いですかァ? 可哀想ですかァ? オマエら分かってねェよ!! やっぱり俺のこと何にも分かっちゃいねェ!!!」

意外にもツボに嵌ったのか、一方通行は数秒前に感じていた疑問も忘れて爆笑を始めた。

黒子佐天「………………」

一方通行「そンな陳腐な言葉で俺が殺しを止めるとでも思いまちたかァ? 世間知らずなお嬢ちゃァァン?」

黒子佐天「………っ」

一方通行の言葉に怒りを露にする黒子と佐天。今も一方通行の背後数m先では上条と美琴が戦闘を繰り広げている。


上条「クソ! ちょこまかと…っ!!」

相変わらずバックステップで逃げる美琴。それを追う上条。

美琴「………………」

バリバリバリッ!!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:01:44.95 ID:NHBM7xoo<>何でID変わったんだ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 23:06:38.82 ID:U1vB5ko0<>雷撃の槍が上条を襲う。

上条「無駄だ!!」

バギィィィン!!!

幻想殺しがそれを打ち消す。

美琴「ふっ!!」

息を吐き、美琴は間髪入れず砂鉄剣を上条に叩き込む。

バギィィィン!!!!

当然、それも打ち消されてしまう。

次いで、電撃を飛ばしてみるが、上条はいとも簡単にそれも打ち消す。
これ以上やっても無駄だと思ったのか、美琴は身体から電気を発するのを止め、逃げに徹することにした。

上条「どうやっても、お前の負けだ御坂!!!」

美琴「…………っ」

上条と美琴の距離は1mほどまで接近している。
辺りは真っ暗闇で、おまけに美琴も電気を発するのを止めたため、明かりといったものは完全にその場から途絶えていた。そのせいか視界は極端に狭くなり、至近距離にいる彼女の顔以外は何も見えなかったが、上条は諦めなかった。むしろ、美琴を殴り倒そうとすることだけに意識を向けていたと言える。

美琴「くっ!!」

上条は、隙さえあれば、彼女の頬にその拳を叩き込もうと本気で踏み込む。

上条「終わりだ!!!」

追い詰められた美琴。
上条は絶好の機会を得、右拳を限界まで後ろに引き付ける。遠心力をも考慮した本気の拳が美琴の頬に照準を定める。
決着の時が訪れた――。

一方通行「所詮は、お前も! お前も! あの花飾りも! そして超電磁砲も!! 世間を知らないただのガキなンだよ!!!!」

声高々に、笑い続ける一方通行。
彼は今、自分が唱える演説に酔っているためか、ほぼ自分の世界に入り込んでいる。その姿は既に黒子と佐天のことなど知ったこっちゃない、と言うように意識が軽く飛んでいた。

黒子「………………」

佐天「………………」

もはや反論する素振りを見せず、黒子と佐天は冷めた目で見つめていた。

一方通行「だから俺に何を言っても……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:08:19.71 ID:8uKNxWI0<>一方さんバカス・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:10:15.19 ID:egy08c20<>お願い……一方さんもうちょっと頭よくなってよ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:11:49.06 ID:oP9Ggqso<>頭はいいけど馬鹿なのが玉にキズ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:12:15.33 ID:ggr3Znw0<>っトリップ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/07/02(金) 23:12:33.72 ID:3AtutEQ0<>学園都市で一番頭いいのに<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 23:12:35.95 ID:U1vB5ko0<>黒子「お待たせしましたわ」

一方通行「あ?」

黒子が唐突に声をかけた。
興を削がれたような顔で、苛立ちを見せた一方通行は黒子と佐天を見た。

佐天「待たせちゃいましたね」

一方通行「何言ってンだオマエら?」

怪訝な表情を浮かべる一方通行。



黒子「これが本当の“秘策”ですわ」



一方通行「は?」

美琴「待たせたわね」

上条「なに!?」

美琴「これが本当の“秘策”よ」

ニヤリと口元を緩め、地面から10pほど跳ねる美琴。一瞬、上条はその笑みに呆気に取られたが、すぐに我に返った。
そして、上条は美琴の頬へと強烈な右ストレートを叩き込む!!!




初春「今ですみなさん!!!!!!」




その時、どこからか久しぶりに聞いた声が轟いた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:13:37.67 ID:JrKt1y2o<>まさか一通さんが負けるわけが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:14:53.27 ID:0gzZg9w0<>一方さんは基本孤独だから、話をしたくてたまんないんだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:15:59.87 ID:egy08c20<>第一位も堕ちたもんだなww

打ち止めマダー?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:16:54.01 ID:.42XniE0<>気取っててうぜーな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 23:17:29.58 ID:U1vB5ko0<>その声に合わせるように美琴は大声で叫んでいた。




美琴「アクセラレェェェェェェェタァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!」




一方通行「あン?」

その一瞬は、まるで長い時のように感じられた――。

振り返る一方通行。

空を切る上条の右拳。

その拳が頬に触れるか触れないかの刹那で思い切り屈み込む美琴。

遠心力を残したまま勢いの減じない上条の右拳。

そして、その右拳の先には振り返った一方通行の顔が―――。


一方通行「は?」


上条「しまっ……!!!!」







ドゴオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!







一方通行「!!!!!!!!??????????」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 23:18:56.44 ID:VdhufjY0<>やはり佐天はいらない子だなァ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:19:39.42 ID:ggr3Znw0<>>ドゴオオオオオオオォ!!!!!

もやしセロリじゃなくても逝くわな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:19:54.50 ID:egy08c20<>盛大に吹いた
>>1マジで天才すぎるわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:20:24.87 ID:BZvC0ZQ0<>ちょw<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:20:50.13 ID:/J8do6AO<>そうきたかwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/07/02(金) 23:20:50.17 ID:3AtutEQ0<>な、なんだってえええええええええええええ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sege<>2010/07/02(金) 23:21:06.51 ID:f/YdVQQ0<>えー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:22:14.81 ID:5bZZBA.o<>馬鹿馬鹿しいけど確かに効果的ではあるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:22:49.80 ID:0gzZg9w0<>能力なしで猟犬部隊倒した一方さんとは思えねえwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 23:23:24.51 ID:U1vB5ko0<>上条「――――――――――――!!!!」

打ち止め「――――――――――!!!!」

美琴「…………………」



ドシャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!



上条の拳によって一方通行の身体が何mも吹き飛ばされ、固い地面を転がっていく。
この世で唯一、反射を受け付けない右手によって殴られた彼の身体は、何度かバウンドした後、摩擦音を立ててようやく止まった。

打ち止め「………………」

上条「…………………」

言葉を失くす上条と打ち止め。無理も無い。
一方通行は同じ仲間であるはずの上条によって吹き飛ばされたのだから。

一方通行「――――――――」

ピクリとも動かない一方通行の身体。

上条「アクセラレ…………」




初春「佐天さん!!!!」




その声に応じるように、いつの間にか上条の右側面近くまで接近していた佐天がバットを強く握り締める。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:23:49.47 ID:bpXS4pg0<>ワロタ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:24:10.87 ID:CuKeaLwo<>どんだけ怪力込めたんだ上条ェ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:24:20.26 ID:s68KiEw0<>とっとと花飾り殺さなかったバカwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:24:32.62 ID:JJAD3YAO<>擬音から考察してcelolyさん死んだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:24:49.38 ID:0lCR87U0<>ねぇわ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:25:06.46 ID:NHBM7xoo<>効果音おかしいだろwwww
ギャグかよwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:25:07.72 ID:bpXS4pg0<>上条さんも一方さんも恥ずかしくて生きてけないなこれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 23:25:49.70 ID:VdhufjY0<>さすがにこれは投げやりすぎだろwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:26:07.27 ID:.4EMiVUo<>最後にやらかしたな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:27:26.30 ID:ggr3Znw0<>因みにこの音を出すには、オフェンスアーマー使用で約200km/h程度のスピードで殴らないと鳴らない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:27:42.56 ID:NGZlxd.o<>オリアナぶん殴ったときも凄かったから上条さんならこれくらいできる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:28:09.07 ID:.gEFY820<>
      ∧_∧  
     _(  ´Д`)
    /      )     ドゴォォォ _  /
∩  / ,イ 、  ノ/    ∧ ∧―= ̄ `ヽ, _
| | / / |   ( 〈 ∵. ・(   〈__ >  ゛ 、_
| | | |  ヽ  ー=- ̄ ̄=_、  (/ , ´ノ \
| | | |   `iー__=―_ ;, / / /
| |ニ(!、)   =_二__ ̄_=;, / / ,'
∪     /  /       /  /|  |
     /  /       !、_/ /   〉
    / _/             |_/
    ヽ、_ヽ

これかとおもた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:28:35.20 ID:I7R5D7oo<>なんか回りくどい作戦だなwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 23:30:27.35 ID:U1vB5ko0<>佐天「でやああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

腰を極限まで屈めた佐天は、上条の左足の脛を狙って思いっ切りバットを振り切った。


ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!


上条「!!!!!!????????」

鐘が鳴ったような音が響き、上条は何が起こったのか理解する間も無いまま、うつ伏せに地面に倒れ込んだ。

上条「ぐがっ!!!」

黒子「シッ!!」

と、そこへ追い討ちをかけるように黒子が金属矢をテレポートする。
1度空中で消えた金属矢は1秒後、再び空中に現れ、やがてうつ伏せに倒れる上条を張り付けるように彼の服やズボンの裾を地面と繋ぎとめた。

上条「!!??」

上条は自分が動けない状態であることに気付いたが、時既に遅い。
顔をグググと限界まで上げた上条が横目で窺うと、そこには2人の少女と、もう1人の少女――右手に紫電を発生させている御坂美琴の姿が見えた。

上条「…!!」

咄嗟に右手を構えようとする上条。が、当然ながら金属矢によって裾と地面が繋がれているため右手は動かない。

美琴「……どう? 思い知った?」

美琴は笑みを浮かべる。


美琴「これが私たちの全力よ!!!!!!!」


ビリビリバチバチバチッ!!!!!!!!

美琴の右手から電撃が放たれた。




上条「ぐあああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!」




<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 23:32:04.09 ID:kWTcDkSO<>まさか美琴たちが勝つなんてことは…いや最後まで見てからだ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:33:37.13 ID:pQ.K82DO<>上条さんの足確実に折れただろwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:34:01.52 ID:NujWQqEo<>いよいよ上条さんたちの行動の真相が明かされるのか…
わかってますよ
どうせいいところで切って次回へ持ち越しなんでしょ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:34:41.47 ID:0RomwsAO<>折れたじゃ済まねぇよwwwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:35:16.12 ID:bHBDU.DO<>さてんさん鬼畜だな・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:36:03.56 ID:qI2ELx.0<>>>196
ただの電撃じゃなくて超電磁砲打ち込んで木っ端みじんにしてやればいいのに<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 23:37:04.17 ID:U1vB5ko0<>上条の身体中を駆け巡る雷のような衝撃。そのあまりのパワーに、上条はガクガクと全身を揺らす。

黒子佐天初春「………………」

美琴「………………」

美琴たちの顔を、青白い光が照らし出す。彼女たちの眼前で、上条は悶え続ける。



上条「が……………」



やがて、電撃は止み、それと共に上条はその場に崩れ落ちた。

黒子「…………………」

佐天「…………………」

初春「…………………」

先程の喧騒が嘘のように、辺りが静寂に包まれた。唯一、聞こえてくるのは、4人分の今にも掻き消えそうな小さな吐息だけだった。

美琴「…………………」

美琴たち4人はその場にしっかりと立ち、上条と一方通行は地面の上で倒れ気絶していた。
その状況を把握し、1つ大きな溜息を吐くと、美琴は一言呟いた。






美琴「私たちの……勝ちよ」






<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/02(金) 23:37:36.04 ID:U1vB5ko0<>>>1です。
今日は以上です。
まあ突っ込みどころが(ry
そういうわけで自分の力量ではこれが限界でした。
期待させてた人にはすみません。
ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 23:37:47.23 ID:/rBhfPY0<>なんだろう
モヤモヤするよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/07/02(金) 23:38:14.19 ID:3AtutEQ0<>だがその時!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:38:25.63 ID:0lCR87U0<>乙
ただまぁなんつーかやりきれんな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:39:21.10 ID:bpXS4pg0<>>>202
何だかんだで殺したくないんじゃね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:39:34.97 ID:/fSWjRAo<>なんかこういう戦法GS美神の横島とか思い出すな

乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:39:42.99 ID:nanWB.AO<>乙
上条・一方応援してた俺涙目<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:39:55.17 ID:egy08c20<>乙
まあこの二人倒すんならこれくらいの荒技つかわねーと勝てないよなww
後は黒翼一方さんと覚醒打ち止めがゲフンなんでもない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:40:22.91 ID:ggr3Znw0<>乙。
打ち止めとミサカ妹を忘れてはならぬ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:40:30.18 ID:NGZlxd.o<>面白かった乙


ステイルさんいつ来るんだろうな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:41:33.25 ID:JJAD3YAO<>乙
面白かったけど効果音wwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 23:41:45.94 ID:bM9Ygms0<>一方さんの黒翼だって出てないんだから、手加減してわざと負けたのかしら?
とりあえず乙
続きまってま〜す<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:42:41.07 ID:0gzZg9w0<>美琴「私たちの……勝ちよ」


だが、その時黒い翼のようなものが美琴の腹を貫いたのであった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 23:43:05.53 ID:NQlqk6w0<>ゴシカァン!ぐらいにすればよかったのに<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:43:51.13 ID:qI2ELx.0<>まさか「行方不明」になった連中は「実は死んでなかった」、「上条通行は止むに止まれず」って展開か?
モヤモヤする。。。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/07/02(金) 23:44:47.94 ID:3AtutEQ0<>>>216
なん……だと?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:44:46.97 ID:ygsHqNk0<>黒翼はいつでるの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:44:46.92 ID:OrLLQAg0<>これはひどいwww
もっとやれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:45:58.76 ID:eDOHt6go<>すべては何とかックスさんの掌の上なんだろうな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:46:16.68 ID:JrKt1y2o<>え、なにがおきたんだ?

真っ暗で何も見えないから、御坂の後ろに一方通行がいるって気付かず上条さんが殴ったら、
御坂がしゃがんで一方通行にあたったってこと?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/02(金) 23:46:19.11 ID:nAdGMQDO<>はぁ・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:47:41.46 ID:5bZZBA.o<>>>223
大体そんな感じ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:52:45.74 ID:FwofcdUo<>ブチ切れて黒翼出すと期待してたが出なかったか…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:54:12.22 ID:ggr3Znw0<>黒翼(笑)は故意に出せたっけ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/02(金) 23:56:42.97 ID:bpXS4pg0<>美琴達大勝利でエンドはあんま好きくない
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:03:59.13 ID:lrDd7Cc0<>御坂妹に期待するしかないな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:10:41.14 ID:nFPTMT6o<>一方さん明らかに手加減してるからしゃーねーな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/03(土) 00:11:33.40 ID:EWzUl2SO<>まあ上条さん達の逆襲は次回なんだろう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:11:47.67 ID:PM8ULqE0<>美琴達の方がにくったらしくみえてきた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:12:16.39 ID:S0SfvfQo<>一方さんがんばれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:13:39.18 ID:jAYFJgoo<>不穏分子は消すつってた割りには初春の事ほっぽいてたよな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:16:23.59 ID:EXpB25.o<>テレポートで地面を押し上げたのくだりがわからん
テレポート先にある物質を押しのけて現れるんじゃなかったか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:17:00.20 ID:vBdqwAU0<>はぁ・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:19:00.32 ID:Z/tacsSO<>
ビリビリバチバチバチっ!!!!!!!

美琴の右手から電撃が放たれた。

上条「あっ、あぁ!気持ちいぃいいいぃぃ!!イグぅうぅぅぅ!!」ビュルビュル



ちょっと頭冷やすわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:23:34.96 ID:8i0jifoo<>決着のほうは…って感じだけど問題は上条さんたちの動機と目的だ
まぁどんな大層な理由があっても関係ない人間を殺した時点で終わってるが
上条さんたちにはどうせなら最後までちんけな悪に徹してほしいわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:24:18.05 ID:25r.zcDO<>一方さんが上条との初戦レベルの馬鹿に戻ってるな
風使って攻撃してたら一瞬で終わってたのに…
つかそんな接近してたなら暗闇でも流石に気付くだろwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:25:47.39 ID:CwcfEYAO<>おまいら落ち着けwww

>>237
そうしてくれ

>>1
いろいろと意見とか感想とか出てるけど、それはやっぱり>>1の書くssを楽しみにしてる結果なんだよ。
つまり何が言いたいかって言うと・・・



続き期待してるぜ>>1!自分の書きたいように書いてくれ!
>>1のssに常識は(ry<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:28:05.73 ID:pjzdFkYo<>これ一通さんだけでも殺しとかないとマジでやばくね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:37:35.14 ID:xDsnDyA0<>上条さんのパンチ力はいつも通りの威力ですねwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:39:12.19 ID:FdSFksSO<>上条さんのパンチに常識は通用しないからな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:57:09.95 ID:lRYoY9I0<>黒翼出してる時の一方さんって、反射できたっけ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:57:37.76 ID:8i0jifoo<>美琴たちのやり方にあれこれ言いたくなるのはわかるが
禁書世界には「熱膨張って知ってるか?」って名言があるんだよ

つまり現実的にありえなさそうなことでも禁書世界ならありえるんだよ。
つっ込むだけ野暮ってことだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 00:59:45.65 ID:pjzdFkYo<>そもそもAIMなんたらかんたらとかいう訳の解らん物質のが存在するらしいからそれでこっちと何か根本的に法則が違うってことでだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 03:04:14.83 ID:fhW7g.AO<>能力使いまくってるけど疲れないの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 03:46:09.67 ID:RQVLB5s0<>ないわー熱いバトル期待してただけにこれはないわー
一通さん脳腫瘍でも出来て認知機能低下してるんじゃないか、低能すぎね?
能力復活した代償でアルツハイマーが進行とか
上条さんも上条さんで一方通行の位置位やかましい声で見なくても分かるだろうに
神がかった予測途中からどこいった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 04:33:41.34 ID:aNaYqPQ0<>http://beebee2see.appspot.com/i/agpiZWViZWUyc2VlchULEgxJbWFnZUFuZFRleHQYp-fBAQw.jpg
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 05:55:27.58 ID:7eruJ3Y0<>最後に一番シンプルなのをもってくるのは作戦としても有効だと思うけどな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/03(土) 07:39:08.37 ID:1YApy9k0<>一方通行の口の中にレールガン打ち込んだらどうなるの?

乱反射?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 08:46:43.00 ID:gTOXHfUo<>上条・一方組応援してたやつ多いなww俺もだけど

こっからの逆転は・・・無いか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 09:38:51.41 ID:R6hTZQDO<>ただの一発ネタのバトル物ならまだしもちゃんとストーリーがある話でどっち支援とかないわ
しかもこの話じゃ情報が出揃ってないにしても現状上条さん側が悪なんだから結果に文句言ってもしゃーない
ガキじゃないんだからキャラの好き嫌いで話の内容に文句言うなよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 09:46:50.39 ID:2KYL6J.o<>>>251
反射してロリータの口から極太ビームが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/03(土) 09:48:40.47 ID:fW8KIAE0<>かまちー「これは俺のラノベ!俺のラノベに常識は通用しねぇ!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 09:52:53.17 ID:i1L5kHc0<>自分の好きな展開が読みたかったら自分で書けよww
ここは>>1のSSが読みたい奴が集まってんだろうがww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 10:10:01.19 ID:uFWJcYDO<>どっちを応援とか関係なく微妙…
まあ戦闘シーンなんてよっぽどうまくなきゃ微妙になるんだろうけどな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 10:49:12.89 ID:V2dDeAU0<>上条・一方応援してた俺マジ涙目wwww
まあ明らかに手加減してたからしかたねーけどwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 11:20:50.10 ID:R6hTZQDO<>1スレ目からこの内容でなぜか上条さん側ばっか贔屓にしてた奴らいたけど、普通に1スレ目から読んでてこの流れで上条さん達が勝つほうがありえんわ
話進まねぇだろ。
勝負内容だって原作の木原神拳やねぼしの時の衝撃に比べたら全然マシだわ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/03(土) 11:47:57.26 ID:fW8KIAE0<>ちょっと上条側支援とかはチラシの裏でやってください。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 11:51:09.61 ID:/2T62lwo<>投下中でもないんだから感想くらい言ったっていいだろ、いちいちうっせーんだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 11:55:53.12 ID:PM8ULqE0<>誰応援しようが勝手やがな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 12:44:58.42 ID:R6hTZQDO<>一応ストーリー物なのにどっち応援とか馬鹿としか思えんわ
そんで結果が気に入らないと叩くとか目も当てられない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/03(土) 12:47:55.64 ID:fW8KIAE0<>ここで片方を応援する→もう一方が反論→両方が言い合い→荒れる→>>1の気分を害する

こんな事位理解しましょうよ。


ほ ん と 製 作 速 報 は ゆ と り が 多 く な っ て き た な <> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 12:51:39.75 ID:502VCRAo<>ID:fW8KIAE0

荒れる原因はお前だろ
俺ルール乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 12:52:58.20 ID:B5Adudgo<>ただの感想にそこまで噛み付かなくてもいいだろ
肯定否定の感想があるのは当然だし>>1としても両方あったほうがいいんじゃないか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/03(土) 12:55:12.37 ID:.bVxo820<>前スレで>>1は喧嘩だけはやめてくれと言っている件

とりあえず喧嘩を売るID:fW8KIAE0と無知のID:502VCRAoは死ぬべき<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 12:58:45.38 ID:502VCRAo<>>>267
俺が言うのもなんだがお前は俺以上にひどいこと言ってるからね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 12:58:50.96 ID:c2pVBtA0<>だれかあのテンプレもってこい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 13:02:18.55 ID:R6hTZQDO<>まぁ>>1が自分でハードル上げまくってたってのもあるが>>1は「気楽にみてくれ」って言ってたし
普通に考えりゃ一方さん無双が当たり前なんだがそんな話じゃないってちゃんと1スレ目から読んでりゃわかるわな
この後一方さん復活もありえるし、まだ上条さん側の動機とか御坂妹が空気とか残ってる伏線もあるんだから最後までみてようぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 13:03:48.83 ID:1/tKU.ko<>もう黙れよがきども
ニコニコ動画へ帰れ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/03(土) 13:10:50.35 ID:eR58tAQo<>>>1と皆のお約束。

1.これは俺のSS!俺のSSに常識は通用しねぇ!
2.喧嘩するとかなンなンですかァ?なンなンですかァ?
3.1日に100レスの雑談は止めて欲しいなって、>>1は>>1は言ってみる。
4.いいぜ、お前がこのスレと関係ない雑談をするって言うのなら、
まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 13:12:32.58 ID:CwcfEYAO<>だああぁぁぁぁ!!!!

貼ろうと思ってたらすでに貼られていた件<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/03(土) 13:14:11.40 ID:eR58tAQo<>とりあえず後は>>1が来るまで雑談禁止にしとこうぜ
このままだと本当に100レス消費しかねん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/03(土) 13:39:35.49 ID:.bVxo820<>もう誰か別鯖に板作れよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 14:55:49.72 ID:vSQnTfI0<>だから「乙」と「GJ」以外の発言は一切禁止しろとあれほど<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 15:16:55.34 ID:/c.Plsko<>さすがにそれはねーよ
ほめたたえるもの以外は一切認めないってか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 15:31:53.23 ID:R6hTZQDO<>的外れな批判もどうかと思うがな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 15:33:00.49 ID:sD5vu2SO<>>>1!楽しみなんだよ!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 15:38:36.87 ID:vSQnTfI0<>もう>>1以外レス禁止でいいよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 16:06:07.44 ID:IfzBPzMo<>せめて一人につき一日一回を目安にしてほしいね。
SSスレで作者以外に連投がいるのはちょっと。<> にょ〜ん<>sage<>2010/07/03(土) 16:08:49.57 ID:u2iLv6AO<>追いついた
∩^ω^∩
もしもしから支援だよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 16:15:54.91 ID:iiZDsfQo<>>>282
           ,, -‐ '´  ̄ `ヽ- 、
          /          \
         /       ノハ     ヽ
          レ! {  // i r-イ i、 i i i ゝ
         ハ 丿| lヽlノ  ヽjハVヽ、i l
         /ハ. l ヽk== , r==、ノルl i l
        ノ ) .ハ l   ┌‐┐   ゙/ノl ゝヽ
       (  ( ヽ ) ヽ、 ヽ_ノ   ノ( (  )
    r777777777tノ` ー r ´) ノ  ) (
   j´ニゝ        l|    `i\(  ゝ   )
   〈 ‐.         ll \ /   lヽ、( (
   〈、ネ..         .ll  ∞   l  ヽ  ゝ
   l |l  帰れ    .とニヽ 、 .l  l  ノ
   ヽ.|l         .〈ー-  ! `ヽl  l (
      |l         lトニ、_ノ    ヾ、!  ゝ
      |l__________l|   \   ソ ノ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 16:18:53.54 ID:Su4QCLQ0<>>>282
http://beebee2see.appspot.com/i/agpiZWViZWUyc2VlchULEgxJbWFnZUFuZFRleHQYl_LFAQw.jpg
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 16:38:16.33 ID:3CtvzLQ0<>おもしろいのう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 16:58:18.40 ID:Z/tacsSO<>美琴たちの勝ち方よりも上条さんたちの動機に納得できるかが心配です<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 16:59:53.79 ID:WdVZGkDO<>荒らしに反応する奴も荒らしだということがよく分かるスレですね

雑談すんなーとか言ったところで事態が好転どころか余計悪化したあげく空気まで悪くなるのが関の山っていい加減学習しようぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 17:17:42.00 ID:vk3noJMo<>取りあえずストップな
否定も肯定も十分出たろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 17:45:35.37 ID:LBcSl9so<>いつお前がリーダーになった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 18:04:09.08 ID:C6FkaQAo<>>>289みたいな自己中が居る限りどうしようもない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 18:58:44.40 ID:.bVxo820<>>>1がリーダーなんだから、>>1の意見が出るのを待とうぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/03(土) 20:07:37.41 ID:dGCxWOso<>リーダーは俺だ
とりあえず水と食料を集めろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 20:13:58.87 ID:efQe4HAo<>ヒャッハー!その種籾を俺によこせー!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 20:21:49.76 ID:VSN7/UAo<>なんだこれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 20:44:57.25 ID:.bVxo820<>>>294
気違いは放置<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 21:01:45.03 ID:CwcfEYAO<>ちくせう!
進んでるから更新されてるキター!!・・・って思ったのにぃ・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 21:15:28.88 ID:.z8AacA0<>これは……お手軽木原神拳より遥かにマシな決着だな
>>1よく頑張ったとミサカは続きをwktkしながら支援します<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/03(土) 21:45:28.43 ID:EWzUl2SO<>進んでると思ったら…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 22:22:52.66 ID:i3lWyMYo<>予想通りの展開だったww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/03(土) 22:30:49.03 ID:fVwig5Y0<>お前等は雑談しないで黙って見てればいいんだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 23:09:00.92 ID:R4YajTUo<>新着42だったから楽しみにしてたのに……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 23:49:42.07 ID:dTKuwC20<>>>1はまだか?毎日の楽しみなんだが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 00:18:46.22 ID:tyGTo3A0<>>>302
雑談とか言い合いがあったから嫌気がさしたんだろ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 00:25:22.63 ID:fuB9uaYo<>魚おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/04(日) 01:05:15.99 ID:d5aVq1w0<>放置してんじゃねぇよカス
はよかけよ
おせぇよ

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 01:06:59.18 ID:XZbtSLQ0<>今日来るとは名言してないんだから、黙って待とうぜ。
日付変わっちまったけどな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/04(日) 01:07:41.35 ID:5WEVcm.0<>>>305

一日二日で放置云々言ってんじゃねーよ粕<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 01:15:05.08 ID:L/sY2Ms0<>>>305


せ よ

彼は何かの危機に直面してるのかもしれない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 01:26:39.31 ID:tFRQVqY0<><<308
そういうのホントいらないから……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 01:36:19.93 ID:x9QRrTc0<>安価くらいしろよks<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 02:09:02.58 ID:OIGz7FY0<>>>1です。夜遅くにこんばんは。遅くなってすいません。と言うのも、これから先話の展開や雰囲気が
ガラリと変わるので、投下するのに少し躊躇していていました(寝過ごしたのも一つの理由ですが)。
と言っても今まで読んで頂いた方々のためにも、ここで止めるのは忍びないので今から投下させて頂き
ますが、アドバイスとして、バトルを目的にこの話を読んでいて尚且つ昨日の段階でつまらないと感じた方
は、読むのを考え直したほうが得策かもしれません。それほど話の雰囲気がガラリと変わったり、納得出来ない
展開があるかもしれないからです。まあ一番の原因は自分の文章能力の拙さ・未熟さにあるのですが…。
まあ、ゴチャゴチャと呟いてても意味ないので、取り合えず少しだけ投下してみます。それから判断して下さい。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 02:13:23.82 ID:jjCJPVY0<>待ってた!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 02:13:59.36 ID:qqkqLvQo<>>>1キタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 02:18:35.55 ID:OIGz7FY0<>初めは何が起こったのか理解出来なかった。いや、その状況を信じたくなかったのかもしれない。
忠告通り、離れた場所から目の前で繰り広げられる2つの戦闘を眺めていた。絶対にあの2人――上条当麻と一方通行が負けるはずがないと信じて。だが、現実は違う様相を見せた。

打ち止め「一方通行………」

呆然と、その名を口にする。レベル4とレベル0の女子中学生のコンビによって悪戦を強いられ、同じ仲間であるはずの上条に殴られた末、地面の上で気絶した最強の超能力者の名を。

打ち止め「一方通行!!!!!」

倒れた一方通行を見て、耐え切れなかったのか、打ち止めは走り出していた。その顔に不安だらけの表情を浮かべながら。

黒子「お姉さま」

美琴「ん?」

地面にうつ伏せに倒れた上条のすぐ側に立っていた美琴、黒子、佐天、初春の4人。
彼女たちは突然発せられた子供の声を聞き、そちらに注意を向けた。打ち止めが必死の形相で走ってくるのが見えた。

美琴「まだ終わってないわ。黒子、お願い」

黒子「了解」

そう言って、黒子は美琴の側から消える。

打ち止め「え?」

数秒後、黒子は打ち止めを連れて美琴の元に戻ってきていた。

打ち止め「お、お姉さま?」

後ろから黒子に両肩を掴まれるように立つ打ち止め。彼女は目の前に倒れている上条を見て、そして後ろを振り返った。

美琴「どうしたの打ち止め? そんなに信じられない? この状況が?」

不適な笑みを浮かべる美琴。

目の前にはうつ伏せで倒れた上条の姿。顔を右に向けると、数m先には仰向けで気絶した一方通行の姿が見える。
百戦錬磨のはずだった彼らは敗れた。4人の女子中学生によって。

打ち止め「あ……う……」

この場に残ったのは打ち止め1人。逃げようにも、背後には美琴たち4人が立っている。
打ち止めは頭の中で考える。

打ち止め「(ツインテのお姉ちゃんと黒髪ロングのお姉ちゃんが、時間稼ぎで一方通行の足を止め気を引いている隙に、お姉さまは上条さんを誘い込むようにバックステップで一方通行に近付いた……)」

美琴「初春さんの指示で上手く一方通行の背後に近付けたものね」

打ち止め「!」ビクッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 02:18:45.60 ID:fuB9uaYo<>まってました<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 02:24:16.66 ID:OIGz7FY0<>初春「いえいえー褒められると照れます」

佐天「でも初春の指示が無ければ、あたしたちもあそこまで上手く動けなかったよ」

黒子「一世一代の大芝居を打った甲斐があるということですわ」

美琴「敢えて、上条当麻に超電磁砲(レールガン)を連発することで私が本気であることを見せ付けた。そうでもしないと、あいつは本気で私に殴りかかってこなかったでしょうね。まんまとノってくれて良かったわ」

打ち止め「(何てこと……お姉さまは上条さんに本気を出させて、周囲に気を配る余裕も無い状況に追い込み、自身は誘うように一方通行に近付いた。そして追い詰められた振りをして、上条さんが本気の拳を振るった時に……)」



   ――「アクセラレェェェェェェェタァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!」――



……大声を出して背後にいる一方通行を振り向かせた。と同時に自身は素早く屈み込み、上条は勢いを残したまま、その右拳を吸い込まれるように一方通行の左頬に叩き込んだのだ。
   
打ち止め「………っ」ゾクッ
打ち止め「(そんな……僅かでもタイミングがずれたら簡単に失敗するのに……)」

もう1度、打ち止めは振り返り美琴の顔を見る。

美琴「1回限りの“大秘策”。上手くいったようね」

打ち止め「(これが……ミサカのお姉さま……)」

感心したように、あるいは恐怖を覚えるように打ち止めは美琴の顔を見つめた。

打ち止め「……………っ」

レベル5第3位の超能力者・美琴が主導していたとは言え、実際に黒子や佐天、初春の協力が無ければ最強の楯と最強の矛を持つ上条と一方通行は倒せなかったはずだ。
そう、彼女たちは宣言通り勝ってみせたのだ。この2週間で高めた己の力と、互いのサポートや連携でハンデを埋めることによって。

打ち止め「…………………」

と、その時だった――。





「やって……ハァ……くれたなァ……ゴホッ」





<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 02:30:38.87 ID:OIGz7FY0<>離れた場所から、声が聞こえた。殺気にも似た強大な威圧感を覚え、美琴たちは咄嗟にそちらを振り返った。

一方通行「……まさか……ハッ…上条の拳を……ゲホッ……使うとは……」

気絶していたはずの一方通行が、フラフラと揺れる身体を立ち上がらせようとしていたのだ。その顔には、怒りのようなあるいは享楽のような表情が浮かんでいる。

美琴黒子佐天初春「一方通行!!??」

打ち止め「ア……一方通行!!」

一方通行「……だが…それで…終わりだと……思った…かァ?」

大ダメージを食らってるにも関わらず、立ち上がろうとする一方通行。まさにその姿は怪物だった。

美琴「………………」

呆然とその様子を見つめていた美琴。我に返った彼女だったが、その顔に焦りは浮かんでいない。

美琴「はん! さすがは第1位、と言ったところかしら? でもその状態で動けるの? しかも……」
美琴「  打  ち  止  め  を  人  質  に  と  ら  れ  た  状  況  で  」

一方通行「あァ?」

打ち止め「あっ!!」

打ち止めの両肩を後ろから強く握り、黒子がその様子を一方通行に見せつける。

一方通行「人質だと?」

美琴「まさかあんたを倒したことで私たちが油断してると思った? もしもの時の予備プランぐらい考えてるに決まってるでしょ?」

一方通行「ふン……別にそのガキがどうなろうが……知ったこっちゃ……ねェが……」

打ち止め「!」

一方通行「ソイツに……手を出した瞬間……オマエらの……有利な状況は……覆るぜェ……」

美琴「よく言うわ。本当は心配で心配でたまらないくせに」

一方通行「ほざけ……俺が心配だと? どの道、オマエが……そのガキに手を出せるはずねェよ……」

息を切らしながらも、一方通行は確信めいた笑みを浮かべる。

美琴「私はね」

一方通行「何?」

美琴「でも、この場でこの子に何かをしなくても、違う場所でならどうかしら?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 02:36:34.79 ID:OIGz7FY0<>一方通行「……まさか!」

一方通行は打ち止めの肩に両手を置く黒子を見る。それに気付いたかのように、佐天と初春が黒子の両端から彼女の腕を掴んだ。

黒子「その通り。貴方が少しでもその場所から動けば、私はこの子を連れてここから空間移動(テレポート)します」

打ち止め「えっ!?」

一方通行「…………そういうことかよ」

だが、と一方通行は笑みを浮かべて……

一方通行「……オマエが1度にテレポート出来るのは、自分を含めて3人まで。打ち止めと誰かもう1人を連れてテレポートするにしても、最低でも2人は残っちまうよなァ?」
一方通行「どうせ、1人は超電磁砲が残るンだろうが……あと1人はどうする? レベル1の低能力者かレベル0の無能力者がここに残ったって、俺に瞬殺されるだけだぜェ?」

佐天「………………」

初春「………………」

一方通行は脅迫めいた言葉を告げるが、佐天と初春は特に反応しなかった。

黒子「いつの話をしていらっしゃいますの?」

一方通行「あ?」

美琴「あんた、さんざん言ったのに覚えてないの? 私たちはこの2週間、あんたたちを倒すために努力した、ってね」

美琴は一方通行を見据えながら、親指を隣にいる黒子に向ける。

美琴「この子、この2週間で自分を含めた最高4人までなら一緒にテレポート出来るようになったわよ」

一方通行「なンだと?」

黒子「とは言え、テレポートの1度の飛距離は1mも伸びていない程度。まだまだレベル5には程遠いですがね」

そう言う黒子の両腕をそれぞれ佐天と初春が掴んでいる。
今の黒子は、1度に4人をテレポート出来る。見た限り、その言葉は嘘では無いようだ。

一方通行「…………………」

美琴「あんたがそこから1cmでも動いたら、すぐさま黒子がこの子たちを連れてここから逃げる手筈になってるわ」

一方通行「簡単に言うが……例えテレポーターどもがここから逃げられたとしても、そのクソガキをどうにか出来るとでも思ってンのか?」

美琴「あら? また忘れたの?」

一方通行「あァ?」

美琴「戦う前に言ったじゃない。『私たちはあんたちを殺す覚悟は出来てる』ってね」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 02:36:44.96 ID:EmoO3QAO<>お、>>1きてたのか
支援<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 02:42:33.56 ID:OIGz7FY0<>打ち止め「!!!!!」

一方通行「………………」

美琴「私はともかく、この子たちには『何も喋らないようなら、あんたらの好きな方法で吐かせてもいいわよ』って言ってあるわ」

打ち止め「えっ!?」

打ち止めの肩がビクッと震えた。しかし、それを見ても一方通行は顔を崩さずに言う。

一方通行「いつまでも逃げれると思ってンのか? 俺が全力を出せば、3日もあればこの学園都市から逃げたオマエらを探し出すことぐらい可能だ。その先に待ってる結末は、ずばり鮮血エンドってところかァ?」

その言葉に、僅かに黒子と佐天と初春が強張る気配が伝わった。
が、実際は、美琴も打ち止めに手を出すつもりは無く、一方通行も今の言葉は脅しに使っただけだった。
2人のハッタリ合戦は尚も続く。

美琴「3日、ねぇ……。3日もあれば、何でも出来ると思うけど? 打ち止めの消息が3日も掴めない、って言う状況はあんたに耐えられるのかしら?」

一方通行「ほざけェ。そのクソガキがどうなろうが俺には関係ねェ。笑わせンなよ」

美琴「そう、じゃあやってみる?」

一方通行「やってやろうか?」

ジリと、一方通行の足が動く。
それに答えるように、美琴が身体中から電気を発する。

黒子佐天初春「………………」ゴクリ

打ち止め「お姉さま……一方通行……」

佐天と初春が黒子の両腕を握る手に力を込める。黒子もより強く打ち止めの両肩を掴む。
状況は一瞬で変化する。
風が凪ぐ。
無言の静寂が暗闇を包み込み、張り裂けそうな緊張感が周囲を漂う。
しかし、その瞬間だった。





「それまでだ……」





<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 02:49:03.08 ID:OIGz7FY0<>しかし、変化は起こらなかった。1つの声が、強制的にその状況に幕を下ろした。

美琴「あんた!!」

一方通行「オマエ……」

打ち止め「あっ!!」

黒子佐天初春「!!!!!」



上条「2人とも、やめろ……」



地面に倒れていた上条が僅かに動いた。彼はまだ痺れが抜け切らない身体を何とか動かそうとする。

上条「もう、いい………」

一方通行「あァ?」

上条「もう、十分だ………」

喋ることさえ辛そうに必死に身体を動かそうとする上条を、美琴は呆然と見つめる。

美琴「……何が『もういい』よ……。何が『もう十分だ』よ………ふざけないでよ!!!!」

美琴の身体を纏う電気が強みを増す。
2人の会話を、黒子たちは無言で眺めている。

上条「全部話す」

美琴「え?」

黒子佐天初春「!!??」

上条「お前らに黙ってたこと、全てを話す」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 02:55:28.34 ID:SnU0rx60<>そう言って、上条は金属矢で地面に繋ぎ止められた服の裾をビリビリと破らせながら上体をゆっくりと起こした。

黒子「あ……」

美琴「待って」

再び金属矢を構えようとした黒子を、美琴は制止する。

上条「見ての通り、俺たちの負けだ……約束通り、全て教えてやる」

打ち止め「……上条さん……」

上条「いいな? 打ち止め、一方通行」

打ち止め「………うん」

上条の問いに、静かに答える打ち止め。
一方通行は、しばらく黙っていたが、やがて顔を横に向けて「チッ」と舌打ちしただけだった。
それを確認すると、ボロボロに痛む身体を無理矢理動かしながら上条は美琴たちに顔を向けた。

美琴黒子佐天初春「!?」

美琴「な、何よ……。何が今更『約束通り、全て教えてやる』よ……」

勝手なことを言うな、とばかりに美琴は抗議の声を上げる。

黒子「そうですわ! 貴方がたはご自分のやったことが理解出来ていまして?」

佐天「たった一言謝ったところで許されると思わないでよね!」

初春「失った人は戻って来ないんですよ!」

目に涙を溜めながら、彼女たちは震えた声で主張する。

上条「…………確かに、どちらにしろ俺は許されないかもな」

フッと上条は自分を皮肉るような笑みを浮かべた気がした。

美琴「?」

上条「御坂」

不意に、上条は真剣な表情で美琴の顔を見据えた。

美琴「な、何よ!? 早く教えなさいよ!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 03:01:33.00 ID:SnU0rx60<>2人はしばらくの間、お互いの顔を見つめ合っていた。

美琴「…………………」

上条「…………………」

そして、次の瞬間、上条は信じられないことを言い放った。

上条「お前らの友達は生きている」

美琴「え………?」

思わず口から出てきた言葉はそれだけだった。
目を丸くし、キョトンとした顔で唖然とする美琴たちを見、上条はもう1度、確認するように言った。






上条「お前らの友達は全員、生きている」






凪いでいた風が止まった――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 03:01:58.99 ID:SnU0rx60<>はい、色々と言いたいこともあると思いますが今日は以上です。
取り合えずこの投下分は次の展開の触りに当たる部分だったのですが、次からも読むか
どうかはご自由に判断して下さい。
取り合えず次から全ての真相が明らかになります。長くなりますが、コナンで
いうところの推理パートみたいなものです。
そういうわけで今日は失礼します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:04:14.90 ID:bKzrjyAo<>おいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい

乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:05:37.57 ID:EmoO3QAO<>乙!ラストスパートの一歩手前くらいまできたな
いつもいいところで切るとは流石だ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:07:33.82 ID:vICou5I0<>おつかれさまです。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:07:42.49 ID:0BUyLco0<>一通さんの黒翼期待してたけど来なかったか
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 03:07:46.02 ID:qqkqLvQo<>乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:11:59.43 ID:ISTHLkDO<>乙なんだよ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:14:48.93 ID:MftBeGQo<>乙
おおむね予想通りだけど、他にどんでん返しあることに期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:15:07.43 ID:l6yj8SIo<>死体の描写がなかったから生きてるのは予測できたが
インデックスさんは明らかに刺されてたような<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:20:13.46 ID:t49silI0<>固法先輩もか?
>>332
俺の記憶が確かならスフィンクスとステイルも死んでるはず<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:25:05.61 ID:Z7tJTL.0<>予想通りっちゃ予想通りだが、王道をなぞるのも良いよね!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:27:11.27 ID:.8/0g6SO<>乙かれ

みんな予測はしても書き込むなよ
>>1の首を絞めることになりかねんからな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:32:27.59 ID:tPMzTOko<>結局負けちゃったのか・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:33:22.38 ID:t49silI0<>さんざん打ち止めが怖いって言っといてあれだが今ではレールガン組のが怖い<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 03:33:53.92 ID:XfBFoc2o<>予測が多すぎて予想外の展開というものを用意できなかったんだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 05:52:03.46 ID:1gBZFHk0<>ああああ続ききになるうううう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 06:07:29.28 ID:hvZVMf.o<>てっきり上条さんが黒子の足をつかんでテレポートさせないようにして
一方さんが突っ込む・・・みたいな展開かと思ったが外れたな
だが続きが気になるううう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 06:48:38.70 ID:MaI/Fhco<>>>332
インさんってなんか別の人に殺されたような気がする
御坂妹の大切な人を失ってる発言からすると<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 07:55:21.34 ID:Q.9WL6AO<>一方さンは

1秒も猶予がない状態で風のベクトル操って
風速120m/sの風の槍を大人に捕まれた打ち止めに突っ込ませ、風景の影になるほど吹き飛ばし
クッションになりそうなものに落とすことが可能
(12巻参照)

黒子の演算速度じゃ無理がある…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 08:06:22.18 ID:j6AOrP20<>>>1おつです。
俺も黒翼来るかなと思っていたが、よく考えたら黒翼を抑えられるのも上条だけだから
それはそれで面倒なことになったかもね。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 08:35:01.67 ID:MaI/Fhco<>>>342
あの状態の黒子はもう計算式組み立て終わってると思うが
テレポしようと思えばテレポできる状態でしょ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 08:39:01.65 ID:NhXemAE0<>乙!
どんな展開でも俺は最後までついていくぜ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/04(日) 09:56:51.09 ID:PGFkfCI0<>正直、どう頑張ってもこの4人じゃ2人に勝てないだろうけど、まぁ創作だしな
つか、一方さんが打ち止め人質に取られたとき、黒羽発動して、それを上条さんが止めるみたいな展開みたかった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 10:00:06.98 ID:C3.QYWY0<>http://beebee2see.appspot.com/i/agpiZWViZWUyc2VlchULEgxJbWFnZUFuZFRleHQYpY7CAQw.jpg
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 10:04:13.38 ID:tyGTo3A0<>>>333
おいてめぇ何ぬこ様殺してんだゴルァ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 11:34:18.34 ID:FmGHqpco<>最初はすごく面白かった
バトル描写とかは全部が終わってから感想書くべきだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 12:38:18.86 ID:fuB9uaYo<>余計なこと言うやつはニコニコ動画へ帰れ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 15:49:06.90 ID:UG7g2IAO<>完結するよな?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 17:45:14.33 ID:rxvPfPs0<>「凪いでいた風が止まった」
って おかしくね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 17:53:57.72 ID:tyGTo3A0<>>>1が嫌いなこと・困ること

・必要以上の雑談(ex.一日に100近い雑談)
・進行上関係のない雑談・蟠りを産む雑談(ex.俺は○○を応援)
・進行に障害をきたす雑談(ex.「実は○○が××」みたいな予想)
・言い合い<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 17:55:16.26 ID:tyGTo3A0<>「蟠り」は「わだかまり」です<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 18:06:12.71 ID:Ayu0K/Qo<>>>353
それが嫌なら自分のブログで書け、ことさね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 18:12:14.53 ID:qqkqLvQo<>お前ら気をつけろスクリプトがまた来ている
必ずsage進行で<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 19:31:50.69 ID:L/sY2Ms0<>>>352
こまけえ(ry
確かに凪いだ風は次には流れるものだけどな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/04(日) 20:06:35.43 ID:5WEVcm.0<>>>1の文章が残念なことぐらい読んでたらわかるだろ
誤字・誤用程度でいちいち騒いでないでスルーしろよks <> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 20:31:35.99 ID:oSjjPvE0<>>>358 <> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 21:00:38.16 ID:At2rjnk0<>みなさんこんばんはー
>>1です。
遅くなりましたけど今から投下していきますー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:10:01.16 ID:Yca313Q0<>>>360
よし、どんと来い!
wwktk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 21:10:25.59 ID:At2rjnk0<>美琴たちは今、上条たちに連れられて四角柱状の空間を、それぞれの階の外周の壁を沿うように設置されている幅2mほどの通路を歩いていた。落下防止用の対策は簡素に備えられた手すりぐらいで、少しでも手すりから身を乗り出せば終わりだった。
彼女たちは先程から、階段を下り通路を歩き、角を2回ほど曲がりまた階段を降りるといった具合に同じ動作を繰り返しながら階下を目指していた。
辺りは暗闇に包まれており、御坂妹の持つF2000アサルトライフルのフラッシュライトや、上条が持つ懐中電灯だけが頼りだった。

上条「詳しいことはアジトに着いてからだ」

黒子「貴方、先程私たちの友達は生きている、と仰いましたよね?」

佐天「まさかそれは嘘で、これはあたしたちを誘い込む罠とかふざけたこと言わないよね?」

初春「何とか答えて下さい」

4人はひたすら抗議にも似た疑問の声を上げる。しかし、先頭を歩く上条は何も答えない。

御坂妹「良いのですか、とミサカは訊ねます」

上条のすぐ横を、FN F2000を抱えた御坂妹が一行を先導するように歩く。

上条「……………………」

美琴「どうして何も答えないの?」

上条のすぐ後ろを歩く美琴。彼女は今、打ち止めと手を繋いで歩いていた。

打ち止め「♪」

先程まで敵対していた仲であるにも関わらず、打ち止めはオリジナルの美琴と手を繋いで楽しそうだった。
手を繋ぐよう求めたのは打ち止めで、美琴は少しうろたえたが、自分の幼い頃の外見に似た女の子の笑顔を見て断ることも出来ず、しぶしぶ承諾したのだった。

一方通行「うっさいヤツらだ。もっと静かに出来ねェのか」

殿を歩くのは一方通行だ。彼は、目の前でギャアギャア声を上げる黒子たちを見て不満気だった。
一行は今、アジトを目指し歩いている。
先程まで対立していた彼らが呉越同舟で行動を共にしていたのには訳があった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 21:15:56.10 ID:At2rjnk0<>小1時間ほど前――。

打ち止め「ねぇ大丈夫? ってミサカはミサカは心配してみる」

美琴の電撃を浴び、ガタガタになった身体を無理矢理起こそうとする上条に、打ち止めが心配して寄り添う。

上条「まぁ、あいつの電撃は浴び慣れてるからな」

一方通行「それはそれで問題だと思うがなァ」

軽口を叩くように一方通行も近付いてきた。

上条「打ち止め、護衛のためだ。御坂妹を呼んでくれ。今の俺や一方通行は万全な状態じゃないから、もしもの時に備えられない」

打ち止め「分かったちょっと待っててね、ってミサカはミサカは元気にお返事!」

そう言って打ち止めはミサカネットワークにログインする。

一方通行「別に俺はこのままでも大丈夫だけどなァ」

上条「そう言うな。万が一に備えてだ。あ、それと打ち止め」

打ち止め「なぁに?」

上条「御坂妹に、主要メンバー全員をアジトに呼ぶよう頼んでくれ」

一方通行「おいおい全員かよ。こンな夜中に集まるかどうか分からねェぞ」

上条「いいんだ。無理にとは言わない。ただ『御坂たちが説明を求めてる』って言えば、来てくれる確率も高くなるかもしれない」

打ち止め「はーい!」

美琴「…………………」

目の前で勝手に進められていく話から置いてけぼりを食らったように、美琴たちは黙ったままその場に立ち尽くしている。

上条「さて、これでいいか」

美琴「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

上条「ん?」

耐えられなくなったのか、美琴が上条を呼び止めた。

美琴「一体どういうことなの!? あんた、さっき『お前らの友達は生きてる』って言ったわよね?」

上条「………ああ」

美琴「それは本当なの?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 21:21:24.87 ID:At2rjnk0<>黒子「嘘じゃありませんわよね?」

佐天「その場の方便とか言ったら怒るよ!」

初春「どういうことかちゃんと説明して下さい!」

4人分の少女の抗議を前に、上条は至って冷静に返事する。

上条「『お前らの友達が生きてる』っていうのは本当だ。嘘じゃない。固法美偉も、泡浮万彬も、湾内絹保も、婚后光子も、そして今まで俺たちが誘拐した学園都市の学生たちもみんな生きてる」

美琴「なっ…」

あまりにも簡単に言い切った上条の言葉に美琴は一瞬どう反応していいのか分からず、その視線を一方通行に向けてみた。

一方通行「ったく、自分で全部白状しちゃいやがって……。世話ねェな」

そのまま、美琴は打ち止めにも顔を向ける。

打ち止め「本当だよお姉さま! この2人は誰も殺してないよ! だからこれ以上2人を傷つけないで!」

打ち止めの必死の懇願を聞き、美琴がたじろぐ。

黒子「しかし、私たちには何が何やらさっぱり分かりません」

美琴「そうよ。ちゃんと説明しなさい」

伸びをし、上条は自分の身体の調子を確かめると、美琴たちを見て言った。

上条「俺たちのアジトで説明する。御坂妹が着き次第、出発するからそれまで待ってろ」

美琴「…………っ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:22:14.73 ID:Zno28igo<>映画もつまらんからこっち見てるわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:23:26.94 ID:FEm03eY0<>上条さんよく歩けるなww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 21:26:27.82 ID:At2rjnk0<>以上の経緯で、美琴たちは上条に連れられアジトに向かっていたのだった。

黒子「しかし、何10年も前に立ち入りが禁止された共同溝は私たちも隠れ家の出入りのために利用していましたが、こんな場所にもこんな大きな共同溝があったのですね」

美琴たちは四方を見やる。確かに、廃墟にするにはもったいないぐらいの広大な空間だった。

上条「学園都市には地下の空間はいくらでもある。最新の共同溝や下水道は監視カメラなどで見張られてたりする場所もあるが、こういった古い共同溝は別だ。一部のスキルアウトたちも好んで使ってる」

初春「確かに、地下は監視カメラや衛星の死角になりやすいですからね」

佐天「そんなに地上から身を隠してでも、誘拐を行いたかったんですか」

上条「…………………」

美琴「よっぽど今は答えたくないようだけど。自分たちの縄張りに誘い込んでからのほうが、話を有利に進めるとでも思ってるのかしら?」

一方通行「オマエらペチャクチャうっせェぞ。黙って歩けねェのか」

美琴「黙って歩ける状況じゃないでしょ!」

一方通行「あァ?」

打ち止め「もーう一方通行!」

一方通行「チッ」

険悪な雰囲気を発しながらも、彼女たちはようやく上条たちのアジトに到着した。

美琴「あれが……あんたたちのアジト?」

吹き抜けの広大な空間をひたすら下へ降り、更にいくつもの共同溝を奥に進んだ所に、彼らのアジトはあった。
見た限り、特別大きいとも言い難い。ただでさえ狭い空間の中に、申し訳無さそうに嵌められたような小さな建物があった。

上条「昔、作業員が寝泊りに使ってた場所だ。一応、簡単な発電施設で屋内の電気はまかなっている」

美琴「(私たちの隠れ家より小さいけど、随分本格的ね)」

アジトに向かって歩く一行。と、アジトの木製のドアの前に2人の人間が立っているのが見えた。

美琴「誰!?」

黒子「新たな敵ですの!?」

警戒し、美琴と黒子が身構えた。

上条「よく見ろ」

美琴黒子「え?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 21:32:20.09 ID:At2rjnk0<>促され、目を細めて見てみると、2人の人間はどこか見覚えのある装甲服を着、胸元にアサルトライフルを抱えていた。

美琴「アンチスキル!?」

上条「黄泉川先生の部隊の人たちだ」

美琴黒子佐天初春「!」

上条「すいません、お騒がせして」

そう言って、上条は門番の警備員2人に話しかけた。

警備員A「事情は黄泉川中隊長から聞いている」

警備員B「君はリーダーだからな。さあ、早く中へ入りなさい」

リーダーである上条が部下たちに敬語を使うのもどこか違和感があったが、元々は生徒と教師の関係だ。不思議は無い。

上条「御坂」

美琴「え? 何?」

上条「俺と一方通行と打ち止めで先に事情を説明してくる。お前らは御坂妹とここで待ってろ」

美琴「ちょっ」

呼び止めようとする美琴の手から打ち止めが離れ、更には彼女の横を一方通行が通り過ぎていく。
そのまま3人は木製の小さなドアを開けると、中に入っていった。

美琴「あ……」

手を伸ばしたまま固まる美琴。
まさか部屋の中からアンチスキルが大勢出て来て捕縛されないだろうか、という不安が過ぎる。
ふと、彼女が横に顔を向けると御坂妹と目が合った。

美琴「あんた……」

御坂妹「お願いですからここで静かに待っていて下さいね、とミサカはお姉さまに偉そうに指示します」

美琴「………………」

御坂妹「………………」

10分後、ドアが開き、上条が中に入るよう促してきた。
美琴たち4人は1度、互いの顔を見合わせるとゴクリと唾を飲み干し、敵のアジトへ足を踏み入れた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 21:38:12.03 ID:At2rjnk0<>そこは、アジトと言うにはあまりにも小さくみすぼらしい場所だった――。
見上げると、そこには天井の中央に古い蛍光灯が1つ寂しそうに垂れ下がってるだけで、当然ながら非常用の電灯といったものはない。部屋の真ん中には机が置かれているが、これも縦1m50cm、横2mぐらいの地味で汚れがついた、セールで買ってきたような古びたものだった。その机を境に、一方に即席に用意された4つの椅子が、一方に長ソファが向かい合って置かれていたが、その椅子とソファだけで部屋の面積のほぼ半分が占められていた。

美琴「…………………」

正直、部屋はかなり狭い。ソファの後ろにはコーヒーポッドや本を並べた幅50cmも無い棚が壁に沿うようについている。部屋の隅には小さな冷蔵庫が置かれていたが、それすらも部屋をより狭めているのに一役買っているような印象があったほどだ。
上条曰く、この部屋は作戦会議を行うメインルームらしいが、それにしてはあまりにも狭い。美琴たちが一時的に使っていた隠れ家のほうが贅沢な造りと言えた。

美琴「…………………」

黒子「…………………」

佐天「…………………」

初春「…………………」

無言になる美琴たち。と言うよりも何かを喋りたくても喋れない雰囲気がその部屋には流れていた。
彼女たちが座る椅子の向かい側、長ソファに腰を掛ける9人の人間は、一切の発言を許さないような威圧感を放っており、正直、美琴たちはそれを前にして気圧されていたのだ。

上条「ここにいる9人が、俺たちの仲間の主要メンバーだ」

そう告げる上条。美琴たちはそのメンバーを一瞥する。そこに座っていたのは、通常では信じられない組み合わせのメンバーだった。

まず、一番右端で白衣のポケットに手を突っ込んでいるのは、美琴たちがよく世話になる第7学区の名医。『冥土返し(ヘブンキャンセラー)』と呼ばれるカエル顔の医者だ。
その隣で同じく白衣を纏い、手と足をそれぞれ組んでいる若い女性は、かつての教え子たちを助けるため『幻想御手(レベルアッパー)』を開発した末、美琴たちと対立することになった木山春生である。
一方、ソファの左端では気弱そうな性格をしている眼鏡の若い女性が、その隣では腕を組み目を閉じているこちらも若い女性がいるが、彼女たちは黒い戦闘服のようなものを身に纏っている。彼女たちはアンチスキルの隊員、黄泉川と鉄装。1週間前まで美琴たちの謹慎を見張っていた張本人たちである。
更に、黄泉川の隣に座る女性は美琴と黒子が日頃から最も世話になっている人物だった。彼女のあだ名は「寮監」。美琴と黒子の私室がある常盤台中学学生寮の管理人だった。今、彼女は足を組み、光る眼鏡に右手を添えていた。

そして、中央に座る4人。彼らこそ、美琴たちが最もよく知る人物たちだった。

向かって中央2人の右の人物に寄り添うように座っている彼女は、どう見ても9人の中で浮くほど幼い。動くたびに揺れる頭のアホ毛が可愛らしい彼女の名前は『打ち止め(ラストオーダー)』。9969人の『妹達(シスターズ)』を統べる司令塔的存在だ。
対して、向かって中央2人の左の人物の隣に座る少女は今も肩にFN F2000と呼ばれるアサルトライフルを掲げている。頭に付けられたゴーグルだけは違ったが、それ以外は美琴の外見とほぼ瓜二つだった。彼女は、『妹達(シスターズ)』の検体番号10032号。あだ名として、「御坂妹」と呼ばれていた。

最後に、一連の事件の中心人物が中央に2人――。

右に座るその人物は腕を組み、伸ばした足の先も組んでいるが、どこかやる気の無いように明後日の方向を見上げている。白い肌に白い髪。華奢な身体を持つ彼は、美琴たち4人の宿敵の1人。事実上、学園都市の頂点に君臨する、最強の超能力者(レベル5)『一方通行(アクセラレータ)』だった。
そして、左に座る人物。美琴たちの友達を誘拐し、殺害したと思われる計画の首謀者である彼は、膝の上で両手を組み、美琴たちを見据えている。異能の力であるのなら、どんな能力も打ち消してしまう『幻想殺し(イマジンブレイカー)』と呼ばれる右手を持つレベル0の高校生。最も美琴との因縁が深い彼の名は上条当麻。

計9人のメンバーが、美琴たちの正面で並んで座っていた。
その光景は、どこか貫禄を感じさせ威圧感も半端ではなかった。少年漫画だったなら背景に「ドン!」と言う擬音でも描き込まれてそうなほど威厳のあるものだった。その9人分の言葉無き威圧に対し、女子中学生である美琴たちは借りてきた猫のように縮こまっている。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 21:45:26.11 ID:At2rjnk0<>美琴「…………………」

黒子「…………………」

佐天「…………………」

初春「…………………」

彼女たちは並んだ9人の顔を無言でチラチラと窺う。

上条「で、だが……」

美琴黒子佐天初春「!」ビクッ

一方通行「プクク…w」

上条「ハァ……」
上条「それで、何から聞きたい?」

その言葉にハッとし、美琴は我に返った。

美琴「そ、そうよ! き、聞きたいこと! あるわよ!!」
美琴「ま、まずはゲコ太! それに木山春生!」

ズアッと立ち上がり、美琴が右端2人の人物を指差す。黒子たち3人が立ち上がった彼女を見上げた。

美琴「ど、どういうことなの!! 何で貴方たちが、こいつらの仲間なの!? 訳分かんない」

美琴の言葉に同意するように、黒子と佐天と初春もカエル顔の医者と木山を見る。
美琴たち4人分の眼差しを受け、耐え切れなかったのか初めに口を開いたのはカエル顔の医者だった。

カエル医者「すまないね、君たちを騙していた形になって。謝っても許してもらえないだろうね?」

美琴「なっ…」

言葉を詰まらせた美琴を助けるように黒子が援護する。

黒子「私たちは3週間ほど前、先生たちに泡浮さんの携帯電話の指紋鑑定を頼みましたわよね? 覚えていますか?」

カエル医者「ああ、覚えているよ」

木山「………………」

黒子「それは、泡浮さんと湾内さんの2人が、誘拐犯と思われる2人組の暴漢に襲われた時に……」チラッ

一瞬、黒子は上条と一方通行に視線を向けた。

上条一方通行「…………………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:48:15.20 ID:KxBtzYDO<>上条さんはダウンしてて一方さんは立ち上がってるから同じ手は使えないという危険な状態なのに美琴達の態度でかすぎるww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:49:22.13 ID:FEm03eY0<>シリアスシーンでゲコ太よぶなww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 21:51:24.49 ID:At2rjnk0<>黒子「そのうちの1人が、泡浮さんの携帯電話に触れた可能性が高かったからです。だから、私たちは先生に、そして木山先生にも指紋鑑定を頼んだのです」

美琴「そうよ。私たちは先生たちのこと信じて頼んだのに……。本当は、こいつかこいつの指紋、出てきたんでしょう?」

美琴は上条と一方通行を順に指差す。

カエル医者「そうだよ?」

美琴黒子佐天初春「!!!」

美琴「やっぱり……」

佐天「でも、どうしてあたしたちには『男のものと思われる指紋は出てこなかった』って嘘吐いたんですか?」

初春「やっぱりそれは上条さんたちの存在を気取られなくなかったからですか?」

佐天と初春もようやく話に加わった。
4人の少女の質問に、カエル顔の医者は更に心苦しそうな顔を浮かべて答える。

カエル医者「……そうだよ?」

美琴黒子佐天初春「………っ」

カエル医者「僕は初めから上条くんや一方通行の仲間だったんだ。だから、彼らに疑いが向くのを防ぐため敢えて嘘を吐かせてもらったんだ。ただ、やっぱり君たちはそこで有耶無耶に終わらせるほど友達に対して薄情じゃなかった。だから木山くんにも続けて指紋鑑定を頼んだんだろうね?」

美琴「そ…そうです……でも…」

黒子「木山先生は、指紋鑑定を調べることはおろか、私がやめてほしいと頼んでおいたアンチスキルへの携帯電話の提出を勝手に行いました。それは何故ですの?」

責めるような黒子の言に、ずっと黙っていた木山が口を開いた。

木山「……私は初めから、上条くんたちの仲間ではなかった。本当のことを言うと、君に頼まれた通り指紋鑑定はしたし、実際に上条くんの指紋も出てきたんだ」

黒子「じゃあどうして!?」

カエル医者「僕が止めたんだよ」

美琴黒子「え?」

美琴たち4人の視線が再びカエル顔の医者に向けられる。

カエル医者「僕が事情を説明したんだ。だから木山くんには、君たちに泡浮くんの携帯電話を返さないよう言ってそのままの足で黄泉川くんに渡すよう仕向けたんだ」

黄泉川「…………………」

木山「……先生の話を聞いて私も協力させてもらおうと思ってね。君たちには冷たい対応をしてしまったことは謝るよ。別に許してもらわなくても構わんがね」

美琴黒子佐天初春「………っ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:56:10.68 ID:NhXemAE0<>いつの間にか初春が上条「さん」呼びになっとるwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 21:56:52.80 ID:At2rjnk0<>寮監「お前ら、黄泉川先生の部隊が12日の夜に、泡浮と湾内の失踪について寮に捜査しに来たのは覚えてるな?」

美琴黒子「!!」

今度は、左端の方から声が聞こえた。寮監だった。

美琴「寮監……」

黒子「……覚えてますが、それがどうしましたの?」

寮監「あの時、お前ら管理人室に来て『依頼した鑑定で誘拐犯と思われる男の指紋は出なかった』と不満気に語ってたよな?」

美琴黒子「………………」

寮監「今だから言うが、その時私は確信したよ。ああ、これはこいつらここで諦めないな、と。もう1度、別の方面に泡浮の携帯電話の指紋鑑定を頼むだろうな、と。だから……」

途中で言葉を切る寮監。それに続けるようにカエル顔の医者が説明する。

カエル医者「だから、それを聞いた僕が上条くんたちに頼んで、君たちが他に指紋鑑定を頼めるような人物がいないか調べてもらったんだ。そうしたら、木山くんの名が浮上してね。彼女とは知り合いだから、僕が直接止めに行かせてもらったんだ」

次々と大人たちは隠されていた真相を打ち明けていく。美琴たちは置いてけぼりを食らわないよう話について行くだけで必死だった。

黒子「……それで、泡浮さんの携帯電話は今どこに?」

黄泉川「一時期は私の部隊が預かってが、後に泡浮本人に返したよ」

今度は黄泉川が言った。

美琴黒子佐天初春「…………………」

結局、彼女たちは裏で繋がった大人たちのいいように動かされ、翻弄されていただけだったのだ。いじめっ子たちに奪われパス回しをされている自分の私物を必死に取り戻そうとするいじめられっ子のように。

初春「あの……黄泉川先生」

おずおずと、初春が小さく手を挙げた。

黄泉川「ん? 何じゃん?」

片目を開け、黄泉川は生徒に質問された教師のように反応した。

初春「先生も初めから上条さんたちの仲間だったんですよね?」

恐る恐る訊ねる初春を、美琴たちは不安げに見る。

黄泉川「そうだが?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 22:02:18.80 ID:At2rjnk0<>初春「なら質問なんですけど、実は泡浮さんと湾内さんの誘拐事件を調べるため、2人が誘拐犯……つまりは上条さんと一方通行さんのことでしょうけど……」チラッ

上条一方通行「………………」チラッ

初春「と、とにかく泡浮さんと湾内さんが誘拐犯と思われる暴漢2人に襲われた時の現場の監視カメラの録画映像を調べてみようと思ったんですよね!」アセアセ

黄泉川「……それで?」

初春「それで……泡浮さんたちが言ってた11日付けの現場の第7学区の18番通りの録画映像を見てみたんです。そうしたら、ある2点…初めは16時20分頃だったかな? それで次が多分その5分後ぐらいだったと思いますけど、一瞬、画面が揺れたと言うかノイズが走った記憶があるんです。確か、黄泉川先生にも1度電話で訊ねて聞いたはずですけど……」

佐天「あ、そういえばあったね」

黄泉川「…………………」

初春「その時は先生『たまにこういうことがある』って言ってましたけど、もしかして本当は、黄泉川先生が細工したんじゃないですか…? アンチスキルなら、簡単に監視カメラの映像を見たり出来る権限持ってますし……」

逃亡中の身であった美琴たち4人が、地上を通るために密かに一時的に監視カメラの映像をダミーの映像に切り替えたことがあったからこそ、初春はそのことを思い出したのだった。

初春「違いますか?」

黄泉川「その通りじゃん」

きっぱりと黄泉川は言った。

初春「やっぱり……」

黄泉川「上条と一方通行が泡浮と湾内を襲った時は、珍しく夕方で監視カメラのある一角で試みた誘拐だったからな。まあこいつらは監視カメラの死角は初めから計算して2人を追い詰めようとしたんだが、その時は失敗して泡浮と湾内に逃げられたじゃん」

上条一方通行「…………………」

黄泉川「ま、だから万が一に備えて、その時の監視カメラの映像を細工して、泡浮と湾内が襲われた事実そのものをメディア上から消したんじゃん」

鉄装「実際に細工したのは私ですけどね」

鉄装が申し訳無さそうに横から付け足した。

佐天「あ、あたしも分からないことがあるんですけどいいですか?」

次いで佐天が手を挙げた。

黄泉川「何だ?」

佐天「初春が侵入したアンチスキル本部サーバーから得た誘拐事件資料では、黄泉川先生の部隊の報告では、泡浮さんと湾内さんが失踪したのは18日午前0時30分頃から2時30分頃ってなってましたけど…嘘っぱちですよね? だって、その日その時間帯はあたしたちが上条さんたちと戦ってた時だもん」

黄泉川「その通り嘘っぱちじゃん。お前らがアンチスキル本部の取り調べで『18日午前0時30分頃に上条たちと会っていた』と証言しても、私たち実際に捜査を行った当の部隊が公式報告として『泡浮湾内両名の失踪・誘拐は18日午前0時30分頃〜午前2時30分頃に行われた』と記述してるじゃん。普通なら、誘拐を行っていた時間帯にお前らがその当の誘拐犯たちに会えるはずがないと考えるだろ? だとしたら子供であるお前らの証言の信憑性は低くなる。ま、一種のアリバイ作りってやつじゃん」

子供、と言われたことで佐天の顔が少しムッとなる。

黒子「では、実際に泡浮さんと湾内さんの誘拐が行われたのは、11日から12日に掛けてなんですね? 12日の夜にはその件で黄泉川先生の部隊が寮に捜査しに来ましたし」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 22:08:16.61 ID:pJh4EgY0<>4人はただのKYじゃねえか
だから電磁組は嫌われんだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 22:08:44.34 ID:At2rjnk0<>黄泉川「ああ。11日の夕方頃だな」

黒子「11日の夕方頃?」

黒子は顔をしかめ、美琴と顔を合わせる。美琴もどこか不思議そうな顔をしている。

美琴「11日の夕方頃……って言うと、ちょうど泡浮さんと湾内さんが誘拐犯の暴漢に襲われそうになった直後で、私が彼女たちをジャッジメント支部に連れてった時間帯じゃ……」

黒子「それで確かその時は、隣の支部が爆発事件に巻き込まれたとかで、黄泉川先生の部隊が私たちの支部に警護にやって来た時でしたわよね……?」

と、そこで美琴と黒子の表情が変わった。

美琴黒子「まさか!!!」

黄泉川「ああ。お前らが今想像した通りじゃん」

佐天「え? どういうことですか?」

初春「な、何ですか? 一体?」

鉄装「えっとね、11日の夕方、隣の学区のジャッジメント支部爆発事件を受けて、私たちの部隊がジャッジメント第177支部の警護のために出向いたでしょう?」

鉄装は、分かりやすくゆっくりと説明する。

佐天初春「は、はい……」

鉄装「その時、泡浮さんと湾内さんも支部にいたでしょう? 彼女たちを寮まで車で送って行ったのは誰かな?」

佐天初春「あ……」

ゆうやく2人も気付いたようだった。

黄泉川「彼女たちを寮に送る、とお前らに言っておいて実際は上条たちに途中で引き渡してた、ってことじゃん」

寮監「私とも話はついていたからな。黄泉川先生と口裏を合わせて、翌日の事件発覚時には、常盤台の教師やお前らに『昨夜、アンチスキルの黄泉川という方にわざわざ2人を送っていただいた。その後の巡回の時には部屋にいた』と嘘を吐かせてもらった」

謎が解けたように、美琴たち4人は納得した顔をする。

黄泉川「私の部隊なら、管轄から考えてお前らの支部の警護に就かされることは大体予想が着いてたじゃん。お前らの行動を監視するためにも、ちょうど良いだろう、と考えていたんだが、まさか初っ端からお前らの支部で上条たちが取り逃がした泡浮と湾内に会えるとは思わなかったからな。偶然だったが、御坂が私に2人を送るよう頼んできたし、都合が良かったのでそのまま車で彼女たちを連れ出したってわけじゃん」

黒子「では、わざわざ泡浮さんと湾内さんの誘拐事件に報道管制を敷いたのは……」

黄泉川「ああ、さっき説明した日付の矛盾が、事情を知る寮内関係者にバレないようにするためだ。報道されてないことに疑問を抱いてアンチスキルに問い合わせても、門前払いを受けるように仕向けてもある」

黒子「本当に、やってくれますわね……」

寮監「私も、寮内でことごとくお前らの行動を止めようとしていたんだがな……私の手ではじゃじゃ馬は扱いきれなかったようだ」

黒子「こっちの気も知らないで……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 22:12:50.32 ID:wlVpC/Eo<>>>377
原作者以外の創作物でキャラの好き嫌い決定づけるのもどうかと思うぞ
荒れるのも余計なレス入れるのも>>1に悪いしこれ以上は言わんが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 22:13:54.95 ID:At2rjnk0<>美琴「でも道理で寮監も黄泉川先生も見張りの警備員たちもみんな、執拗に私たちの行動を制限しようとしてたわけだわ」

黄泉川「私はお前らの推理力に感服するじゃん。私らが全部白状するまでにそこまで大体の予想を組み立ててるなんて、本当、子供ってのは成長が早いもんじゃん」

美琴「ふん。さんざん言ってくれて……」

ともあれ、これで美琴たちが抱いていた疑問はほぼ解決した。
だが、まだ肝心なことは聞いていない。

美琴「って、そうじゃないわ。私たちが本当に知りたいのはその先!」
美琴「答えなさい! 私たちの友達はどこにいるの!? そして何であんたたちはこんなことをしでかしたのか!!」

美琴は責めるように、あるいは罵倒するように大人たちを指差して質問する。しかし、その視線は正面の上条に据えられていた。

上条「…………………」

黒子「そうですわ! 本当に生きているのなら、今、固法先輩たちがどこにいるのか教えてくれないと信用出来ませんの!」

佐天「あたしたちのこと散々馬鹿にして……。答えない、とか言ったら許しませんよ!!」

初春「一刻も早く、みなさんの無事を確かめておきたいんです!!」

美琴「言いなさい!!」

美琴の最後の言葉はほぼ怒号だった。

上条「外だよ」

美琴「なに?」

ずっと黙っていた上条が久しぶりに口を開いた。しかし彼がたった今言ったその意味を瞬時に理解出来なかったのか、美琴は怪訝な顔をした。
それを汲んだのか、上条は分かりやすいように更に言葉を付け加えた。

上条「御坂たちの友達が今、どこにいるか。彼女たちは……」





上条「学園都市の『外』にいる」





美琴黒子佐天初春「!!!!!?????」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 22:19:29.27 ID:At2rjnk0<>美琴「何ですって!!??」

黒子「学園都市の……」

佐天「『外』……?」

初春「『外』ってつまり、学園都市にはいないってことですか!?」


上条「そうだ」


4人たちを見つめ、上条はきっぱりと重い声で言い切った。

一方通行御坂妹打ち止め「…………………」

美琴「な……な……」
美琴「ど、どうして? 何で学園都市の『外』なんかにいるの? い、意味分かんないわよ!!」

黒子「貴方の仰ることが本当だとしても、学園都市の外に出るのがどれほど難しいか承知していますか?」

上条「…………………」

上条は喋らない。まるで何か躊躇している感じだった。

一方通行「ふン」

そこへ御坂妹が上条の耳元に近付き、ヒソヒソと何事か囁き始めた。

美琴「!?」

御坂妹「ここから先は核心に迫ります。もし話し辛いならミサカが代わりに彼女たちに全てを打ち明けますが、とミサカは助言します」ヒソヒソ

上条「………いや。俺が首謀者だったんだ。俺が直接話さなきゃ、意味がない」ヒソヒソ

チラッと美琴を窺う上条。

美琴「!」

御坂妹「分かりました」

上条の耳元から御坂妹は離れる。

上条「……すまん待たせたな。こっからが大事な話なんだ」

美琴「……さ、さっさと言いなさいよ」

上条「ああ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 22:22:41.11 ID:3QZrWXIo<>そうだよ言えよー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 22:24:32.63 ID:At2rjnk0<>上条は1度、深く目を閉じる。ゴクリ、と美琴たち4人は喉を鳴らす。
そして上条が再び目を開けたと同時、彼は話し始めた。

上条「お前ら、最近こんな噂聞いたことあるか? 『学園都市内部で内紛が起こる』とか『学園都市のXデーは間近』だとか……」

佐天「……それなら、耳にタコが出来るほど聞きましたけど」

初春「学生たちの間でもよく流れてました」

黒子「ネット上の掲示板でもしょっちゅう見かけましたわね」

美琴「でも、それが何だって言うの? 所詮は噂でしょ? そりゃあ今、学園都市中でテロとか要人暗殺とか連発してるけど」

初春「そうそう。それで確か学園都市全校に休校措置がとられたままなんですよね?」

佐天「何でも今、学園都市には世界中のテログループや秘密結社、過激新興宗教団体、他にもどっかの特殊部隊だのが紛れ込んでる、って話だったっけ?」

思い出すように、美琴たち4人は噂の内容を語る。

上条「その噂は実は、俺たちが流したんだ」

美琴黒子佐天初春「え?」

4人の視線が一斉に上条に向けられた。

美琴「……ま、待って。…あ、あんたが発信元だったの?」

黒子「……言っておきますけど、事件やテロが起きてるのは事実ですが……上条さん、根拠の無い、人々を無駄にパニックに陥らせるような噂を流せば、場合によっては罪に問われますわよ」

上条「ああ、知ってるさ。ただしそれは………」


上条「  噂  が  嘘  だ  っ  た  場  合  だ  ろ  ?  」


美琴黒子佐天初春「!!!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 22:29:27.94 ID:At2rjnk0<>黒子「……どういうことですの?」

初春「まさか、その噂が実は本当だったとか……じゃ、ありませんよね?」

急に真剣な顔つきになる4人。しかしその表情はどこか不安気だ。

上条「そのまさかだ。噂は本当なんだ」

美琴「そんな!?」

佐天「じゃ、じゃあ……あの連日起こってるテロや要人暗殺は全て……」

上条「ああ。実際に学園都市に潜入してるテロリストや秘密結社、特殊部隊、他にも傭兵といった連中が起こしてる」

美琴「……ウソ……」

上条「本当だ」

美琴たちは愕然としたような顔をする。取り敢えず彼女たちは上条の次の言葉を待っているようだ。

上条「過去にもそう言った連中は学園都市に潜んで人目のつかないところでチマチマと工作活動(サボタージュ)してたんだが……今回はその規模が違う。断言させてもらうが……」





上条「  学  園  都  市  は  、  じ  き  崩  壊  す  る  」





<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 22:35:03.46 ID:At2rjnk0<>美琴「なん……」

黒子「…ですって!?」

佐天「は、はぁ? な、何言ってるんですか???」

初春「そんな見え透いた嘘はやめて下さいよ。この学園都市が崩壊?? あ、有り得ませんって」

4人は、上条が告げた真実を必死に否定しようとする。しかし………

一方通行「……………けっ」

御坂妹打ち止め「…………………」

上条以外の人間に注意を向けてみると、何故か全員含みを持ったような顔で押し黙っている。

大人たちはどこかやり切れない、という感じで各々があらぬ方向を向いている。美琴たちが上条の言葉の真意を確かめようとする素振りを見せても、誰も視線を合わせてこなかった。
その行為は暗に、上条の言葉に真実味を持たせているようなものだった。

上条「ほら、お前ら、俺たちを倒すために監視衛星の管理センターを乗っ取ったって言ったろ?」

初春「!」

上条「あれは、センターのセキュリティが甘くなってたから乗っ取れたんだと思うが、それ以前にセンター自体がまともに機能してないんだよ。みんな、学園都市崩壊の兆しを察して、ある者は逃げ、ある者は仕事を放り出したんだ」

美琴黒子佐天初春「…………………」

唖然となる4人。

美琴「……ふ…ふふふふふ。何言ってるのあんた? 正気? 今まで何度もそう言った危機に遭ってきた学園都市が!! そんな簡単に崩壊するはずがないでしょう!? 世界が滅んでも、唯一生き残ってそうなこの街が……」

黒子「…お姉さまの言う通りですわ! どこから仕入れた情報かは存じませぬが、貴方がたのほうがその情報に惑わされている、といった可能性もあるでしょう!?」

初春「これ以上、お願いですから、私たちを小馬鹿にしないで下さいよ……」

佐天「そうだよ……。冗談にしても程があるよ……」

学園都市は彼女たちの生活の基盤、そして能力者である証。今後、長年付き合っていくはずである街が、人生とも直結する街が、崩壊するなど彼女たちにとっては最も考えられないことだった。
目の前にいる9人の誰かが「嘘だ」と言ってくれればそれでいい。それでいいはずなのに、誰も口を開かない。沈黙が続けば続くほど、上条の言葉に真実味が増してくる。

美琴「誰か答えてよ!!!」

しかし、誰も無言のままだ。

カエル医者「……君たちは……」

これ以上美琴たちを放っておけなかったのか、耐えかねたかのようにカエル顔の医者が口を開いた。

カエル医者「………君たちは、アレイスター=クロウリーと言う人物を知ってるかな?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 22:42:03.85 ID:iIqeVyY0<>カエル顔の医者はそれだけ質す。

美琴「……アレイスター……」

黒子「……クロウリー?」

佐天「…誰ですかそれ?」

初春「…外国の方ですか?」

カエル医者「君たちとも深い関わりがある人物だよ」

目を伏せながら、カエル顔の医者は説明を続ける。しかし、美琴たちは分からないようだった。

美琴黒子佐天初春「????」

カエル医者「この学園都市の、最も偉い人だよ」

黒子「…最も偉い? …と言うことは……」

美琴「統括理事長!!」

佐天「え!? そうなんですか? あたし、その人のこと一度も見たことありませんよ」

初春「……私も知りませんでした」

カエル医者「知らなくて当然。いや、能力者と言えど君たちのようなまだ普通の女子中学生は知らないほうがいい、と言えばいいのかな?」

美琴黒子佐天初春「??」

一方通行「オマエらとは住む世界の全く異なる人間だ。色ンな意味でな」

不意に、一方通行が発言した。

一方通行「あンなヤロウのこと、オマエらが無理して覚える必要は無ェ」

打ち止め「…………………」

美琴「………?」

腕組みをしたまま、明後日の方向に視線を向け呟く一方通行。
何故彼がこの地点で突然、話に割り込んだのか。それは分からなかったが、妙にその口調には美琴たち4人を気遣うような感じだった。
美琴は『絶対能力進化(レベル6シフト)実験』の件から、学園都市上層部が外道で腐り切っていることは知っている。しかし、それがどこまでの規模までかは知らなかった。もしかしたら一方通行は、その統括理事長に苦い思いを味わわされた経験があるのかもしれない。

美琴「……そ、それで、その統括理事長がどうかしたの?」

取り敢えず美琴は次を促してみた。

カエル医者「まあ、その男はずっと色々と怪しいプランを進めていたわけなんだけどね……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 22:43:42.18 ID:I0hFWrQ0<>リアルタイム遭遇ktkr<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 22:47:51.73 ID:iIqeVyY0<>佐天「怪しいプランって何です?」

一方通行「………っ」ギロリ

佐天初春「ひっ」

佐天の言葉を聞いた途端、一方通行が彼女を睨んだ。まるで「興味本位で深く突っ込もうとするな」と言っているような目つきだった。

カエル医者「……やれやれ。まあそうなんだが、その男、ある日長年温めていたプランを全部放り出してしまってね。旧知の仲である僕でも彼が何故そうしたのかは全くもって分からない。ただ、彼のその突然の行為が原因で今の学園都市の惨状があるのも事実なんだ」

美琴「アレイスター=クロウリーね………」

まるで恨みが篭ったような声で美琴はその名を呟き、そして訊ねた。

美琴「そいつは今どこに?」

明らかに美琴の口調が変わった。彼女がここでアレイスターの居場所を聞いた意図は大体、予想がつく。

一方通行「…………………」

上条「…………………」

カエル医者「残念だが、君が動いたところで何も出来やしないよ?」

美琴「何ですって?」

一方通行「…………ふン」

カエル顔の医者の発言には2つの含みがあった。
それは、最強の超能力者・一方通行ですらアレイスターの前では手駒だったことを考慮した上でのこと。そしてもう1つ。





カエル医者「だって僕が彼を殺したからね」





美琴「………………は?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/04(日) 22:48:05.21 ID:d5aVq1w0<>ごめんなぁ
俺ガキだからなんか文句言わんと出てけんわぁ
1のこととやかく言うつもりないけど書きだめしてるならさっさと投稿してよ
遅すぎどんだけのばすつもり?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 22:48:38.82 ID:08nhjwU0<>カエルさんカッケエエエエエエエエ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 22:49:51.74 ID:wlVpC/Eo<>リアルゲコ太パネェ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 22:51:01.29 ID:EZLeOh20<>ゲコ太さすがです<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 22:53:35.50 ID:p/t1PIAO<>>>389
とやかく言うつもりないなら言うな
そんなことで突っ掛かるんなら読むな

ここは>>1のssってことを忘れんなよガキ

スレ汚しスマン<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/04(日) 22:54:44.82 ID:834nXtg0<>禁書vs超電磁砲なら
浜面も出してあげないと<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 22:54:57.10 ID:iIqeVyY0<>美琴「……は? は? えーーーーーーーっ!!!???」

カエル医者のあまりの唐突の告白に、美琴は間抜けな声で叫んでいた。

黒子「せ、先生が統括理事長を殺したと仰るのですの!!??」

カエル医者「ああ」

佐天「えーっと…それって……」

初春「事実上、学園都市のトップの人がいなくなっちゃったってことですよね?」

カエル医者「まあ、そうなるかな?」

美琴「(ゲコ太が人を……それも昔からの知り合いを殺したの?)」

佐天初春「へ、へぇ……」

普段、世話になっている名医が殺人を犯したという事実に衝撃を覚える4人。
しかし、彼女たちはアレイスターのほうについては深く考えない。どうも彼女たちにはアレイスターという人物が殺されることが、彼に振り回された人々にとってどれほど想定外のことなのか理解出来ないらしい。

カエル医者「全くもってふざけた話だよ。自分でこんな街を作って怪しいプランを立てておきながら、いきなりそれを放棄するんだ。その挙句、学園都市を崩壊させようだなんて、まるで遊びに飽きた子供が『いらない』と言って積み木をぶっ壊してしまうみたいなもんだ」

愚痴を零すようにカエル顔の医者は話を続ける。

カエル医者「だから彼の元まで行って真意を訊ねてみたんだよ。本当の理由は結局曖昧にして教えてくれなかったが、学園都市を破壊するのは本気だったらしくてね? 彼を無理矢理フラスコから出して、即効性の毒薬を注射させてもらったよ」

美琴黒子佐天初春「…………………」

4人は「フラスコって何? 科学の実験に使うフラスコのこと?」と言った表情を浮かべる。

カエル医者「僕自身、彼があんなにあっさり死ぬとは思わなくてね? まあ彼は1度過去に大きな挫折をしてるからね。どんなに人智を超えたように見えても所詮は彼も人間だったということだ」

一方通行「俺は今もアイツがどこかで飄々と生きてて、身内で滅ぼし合ってるこの現状を見て平気で笑ってるような気もするがなァ……」

冗談では無く、さもありなん、といったような感じで一方通行は言う。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 22:59:45.09 ID:iIqeVyY0<>カエル医者「まあ……数年後、どっかでバッタリ会いそうな気もするよね? ただまあ、この学園都市においてはもう彼自体の脅威は去ったと見てもいいだろう」

黒子「……しかし、現状は学園都市は毎日のように事件が起きている始末です」

美琴「結局はその統括理事長の思惑通りってことじゃない」

一方通行「そうだなァ。アイツの最後っ屁の処理なンてドロドロにクソ汚くてやりたくなかったが……」

ニヤニヤと笑ってそう語る一方通行を見て、美琴たちは嫌な顔をする。

打ち止め「あ、コラ! レディの前でそんな汚い言葉使わないの!」

一方通行「あ? 悪ィ悪ィ」

カエル医者「そうなんだよ。彼自体の脅威は去っても彼が残した脅威の芽は摘み取られていないんだ。だから……」





上条「だから俺たちがその残された脅威を取り除くために立ち上がったんだ」





上条が言った。右拳を握りながら……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/04(日) 23:02:39.56 ID:iIqeVyY0<>>>1です。
投下速度はもう少し速くしたほうがいいですか?
投下と投下の間に最後の見直しや修正、次の投下分との行数の調整などしてそれで
毎回遅くなるんですが、もっと早いほうがいいでしょうか?
取り合えず今日は以上ですが、長くなってすみませんでした。
また明日も多分来れると思います。
ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:04:54.85 ID:TInKgmI0<>>>397
自分のペースで良いよ
個人的には早すぎると平日の時間がないときは読む時間が無いまま先に行きすぎてしまって困る<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:04:55.29 ID:tyGTo3A0<>乙。遅くなってもキチント校了した方がいい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:05:39.15 ID:Z.1c9D6o<>>>397
乙!
気にせずに自分のペースで大丈夫ですよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/04(日) 23:05:54.18 ID:ExUuje20<>早めで(・ω・)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:06:46.39 ID:08nhjwU0<>>>1は毎日毎日投下してくれるからスゲエわ
スピードは遅いと感じる時もあるけど次の日に見るなりすればいいし問題ないかと<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:09:10.71 ID:MaI/Fhco<>ステイルさんがいたってことは魔術側の登場もあり得そうだな
続きwktk

投下スピードは>>1のペースでおk
作業の片手間にたまに見てる感じだから<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:09:13.54 ID:t49silIo<>乙
アレイスターの考えも今となっては分からずじまい・・・

ペースはむしろ速いくらいだから気にしなくても大丈夫<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:10:10.74 ID:wvM3f7oo<>>>1はほんとちゃんとやってくれてるんだが読んでる連中に馬鹿が何人か混ざってることが気になるわ
ほんとキャラアンチって癌だわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:12:43.66 ID:pJh4EgY0<>>>379
すまん・・・このSSのキャラについてじゃなかったんだ
原作の時点ですでに嫌いだったんだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:14:06.25 ID:wvM3f7oo<>>>406
そんなのチラシの裏にでも書いてろよ
お前の好き嫌いなんてどうでもいいんだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:15:44.25 ID:DhFKemso<>いいからお前ら喧嘩しないで仲良くしようぜ(´・ω・`)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:18:30.14 ID:tyGTo3A0<>喧嘩は>>1が最も嫌ってるから自重しませう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:19:46.56 ID:Dp5F3tg0<>面白くなってきt<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:22:07.53 ID:5S2cTEDO<>つか普通に前スレから読んでりゃ美琴達の気持ちも上条さん達の気持ちもわかるのに
こういう内容のSSのキャラに対して自分の好き嫌いでレスする奴って頭悪いとしか思えんわ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:28:14.70 ID:T60g2ioo<>つっちーやあわきんなんかも外へ行ったのかな?
それとも後で出てくるのだろうか。
そう思うと胸が熱くなる一方です<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 00:02:55.88 ID:Eqos1/Y0<>>>412
一方(いっぽう)と
一方通行(アクセラレータ)
を掛けてるんですね分かります<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 00:08:58.22 ID:yUrKKgYo<>あんまり風呂敷広げて、大丈夫か・・・?<> VIPにかわりましてピカチュウがお送りします<><>2010/07/05(月) 00:17:22.08 ID:kd97NDI0<>本当にお疲れ様です!
次回も期待してます(^-^)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 00:21:39.88 ID:1qsV1ASO<>投下遅くてイライラする人は後で投下終わってからまとめて読めばいい話じゃないの?

自分のペースでいいよ>>1乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 01:36:31.23 ID:SMllnwU0<>>>1乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 04:52:51.92 ID:ro7LGj.0<>一応言っておくけどここはニュー速VIPじゃなくて "製作速報VIP" だからな

あっちとはルールも投下速度も違うって事を考慮しろよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 10:53:12.54 ID:YfXzrwDO<>投下中にキャラアンチアピールするは奴は論外だが、
ちゃんとスレ読んで内容把握してんのか謎なレスがいくつかあるのが気になるわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 11:33:12.76 ID:BRwv2Mwo<>>>1
毎日この投下量はすごいな
続き楽しみにしてる
自分やりたいようにやってくれ

>>418
まぁ気になってもレスすることじゃないな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 12:00:24.43 ID:wGH.F9ko<>まあどこでも読者様が湧くのは風物詩だな。
推敲は満足のいくまでした方がいいと思う。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 16:35:34.86 ID:oyG32AIo<>おまいらageるなsageろ
スクリプトに狙われるかもしれんから<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 16:39:47.07 ID:l2UuZIAO<>乙乙

不謹慎だが嫌がるアレイスターをフラスコから無理矢理出して注射する所想像してちょっとワロタ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 16:52:43.87 ID:jWGbjts0<>美琴厨スレ荒らすなよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 16:58:42.07 ID:YfXzrwDO<>わざわざageてまでそういうアピールいらないから
キャラアンチは荒らしって自覚あんのか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 17:07:23.01 ID:jWGbjts0<>批判嫌ならブログとかでやれよ
多少批判されたからってアンチの仕業とかww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 17:10:15.08 ID:6wSaAR6o<>お前がやってるのはただの荒らし
批判ですらない そんなこともわからないのか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 17:13:15.59 ID:YfXzrwDO<>厨とかただ煽りたいだけならアンチスレでやれよ
批判でさえねぇよ
あとsageろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 17:28:15.66 ID:cxWhkoc0<>羨ましいな>>1は。
こんなに読んでくれる人がいるとはな
俺のスレなんて.....<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 17:44:02.92 ID:67l2PCo0<>>>429
くわすく





なんて言わねえよ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 17:52:19.52 ID:jWGbjts0<>>>429

そんな見てほしいならurlぐらい貼れよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 18:03:21.03 ID:HOuXECUo<>>>429
早く貼れよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 18:08:59.69 ID:oyG32AIo<>>>431
sageろ馬鹿
ageてるとスクリプト来るかもしれないから<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 18:19:19.86 ID:jWGbjts0<>運営が神対応してくれるから大丈夫だろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 18:26:12.38 ID:cbsxpgMo<>>>434
sageろクソ馬鹿ッ!!じゃましてんのは今のアンタよッ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 18:34:21.70 ID:oyG32AIo<>>>434
お前はスクリプトの手先か<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 18:39:10.38 ID:BRwv2Mwo<>過剰反応するなよ
どう考えてもそいつは釣りだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 18:41:57.62 ID:.OjzCQUo<>>>435-435
そいつは別スレでもageてイチャモン付けてるただの荒らし。スルー対象。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 18:42:05.55 ID:/UPqkO6o<>死蝿の葬列的なきつい効果が欲しいね!
冷静に考えるとベルゼブブも悪魔族になるだろうけどな
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 18:43:14.26 ID:/UPqkO6o<>すまん誤爆した<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 19:16:53.75 ID:g1axU560<> 黙 っ て 待 っ て ろ 無 駄 に ス レ 消 費 す る な 
嫌 な ら レ ス し な い で さ っ さ と ウ ィ ン ド ウ 閉 じ ろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 19:23:48.90 ID:1v.r56k0<>レス消費<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 19:24:40.09 ID:jWGbjtso<>>>441
お前みたいな外野が一番スレの流れを乱してるって気づけよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 19:25:10.21 ID:jWGbjtso<>ここ禁書雑談スレにしようずwwwwwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 19:42:25.10 ID:g1axU560<>ID:jWGbjtsoが最高に痛い件




おっと構ってちゃんはスルーだったな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 19:55:12.60 ID:oyG32AIo<>〜〜〜〜ここから>>1が投下し始めるまでレス禁止〜〜〜〜<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 20:15:55.31 ID:jWGbjts0<>再開<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 20:19:52.53 ID:ltuAD.U0<>ID:jWGbjtso
↑こいつ荒らしでいいよなもう
気に入らないスレは爆撃が予測される中上げまくり、嫌いなスレはHTML化しろとのたまい、あげく雑談スレ宣言
蓋ができる入れ物無いの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 20:26:05.99 ID:jWGbjts0<>作品に関する雑談もだめなのか?作者が言った訳じゃないんだろ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 20:28:23.85 ID:gDIVAsAO<>誰かID:jWGbjts0どうにかしろよ
夏休み早過ぎだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 20:33:55.23 ID:g1axU560<>ID:jWGbjtso(jWGbjts0)通報汁!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 20:37:43.74 ID:gDIVAsAO<>自分から自治スレに現れてるぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 20:37:50.34 ID:BRwv2Mwo<>お前ら喧嘩するなよ
ID:jWGbjts0に遊ばれてることを自覚してくれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 20:41:06.19 ID:jSjSi1Uo<>〜〜〜〜ここから>>1が投下し始めるまでレス禁止ID:jWGbjts0は放っておけ〜〜〜〜<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 20:43:45.94 ID:jWGbjts0<>で>>449に対する解答まだー?誰が雑談禁止って言ったんだ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 21:14:37.24 ID:w4qDO.g0<>何だ雑談か。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 21:29:08.10 ID:UqkwoMAO<>お前ら「スレが伸びてる、>>1が来たのか?」と思って来た奴(俺を含む)の事考えてますか?

スゲーがっかりした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 21:32:02.38 ID:l4lzVms0<>まじでうざい
wktkしてたのが冷めるわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 21:33:06.81 ID:UsSp4/Mo<>チェックしてるSSは全部タブ開いといてリロード連打するもんだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 21:41:57.83 ID:0Vw2K6Q0<>>>457
さすがもしもし<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 21:42:16.81 ID:CEQvaq60<>>>1です。
何だかよく分かりませんが、取り敢えず早目に
投下していくことにします。。。
では今から投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 21:43:18.83 ID:g1axU560<>>>459
重いのはお前のせいか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 21:44:23.89 ID:yh0O69co<>>>462
お前のせいだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 21:48:14.30 ID:g1axU560<>待ってました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 21:48:21.38 ID:CEQvaq60<>上条は言う。右拳を握りながら。

上条「だから俺たちがその残された脅威を取り除くために立ち上がったんだ」

美琴「……………(あいつ……)」

黒子「……そうですか。事情は大体分かりました。それで、その残された脅威の芽はやはりこの現状、そしてそこから導かれる『崩壊』という結末なのですか? 私たちとして、その辺りは詳しく知りたいと思っているのですが」

上条「分かった。それを今から説明する」

美琴たちは上条の言葉に耳を深く傾ける。

上条「アレイスター=クロウリー統括理事長がいなくなった以上、現在、学園都市に残ってる連中は所詮小物ばかりだ。だが、その小物が今は、全ての黒幕となっている」

美琴「全ての黒幕?」

上条「ああ」

黒子「それは一体誰ですの?」

上条「科学者たちだよ」

美琴黒子佐天初春「!」

黒子「科学者……つまりは研究者の方々ですか?」

上条「ああ。統括理事長も死んで、統括理事会も殺されたり逃げたりして実質上機能が停止し、研究者の一部が暴走を始めたんだ。そこへ、他国の特殊部隊やら傭兵やらゲリラやらテログループだのが密かに学園都市崩壊の噂を聞きつけ、この機会を逃さんと学園都市に乗り込んで来て、テロや要人暗殺とか好き勝手やってるんだ」

佐天「それってつまり、研究者と『外』から来たテログループたちが争ってる、ってことですよね?」

上条「そうなるな」

初春「研究者の方々がどのように暴走しているかは知りませんけど、『外』から来た凶悪犯を止めようとしてるのは確かなんじゃないですか?」

上条「いや、そんな単純な構図でも無くてな」

御坂妹「『外』から来た凶悪犯たちと対立してるのは、自分たちの利益が失われるのを恐れてのことです。別に学生たちを守るといった使命感があるわけでありません、とミサカは説明します」

佐天「じゃあ、その研究者たちの利益って何です?」

上条「学園都市の学生たちだ」

美琴黒子佐天初春「?」

美琴「どういう……」

上条「アレイスターが残した脅威の芽。それは、学園都市に残った科学者たちにその権利を明け渡すことだった。その中身は『学生たちを自由にしてもらっていい』というふざけたもんだった」

美琴黒子佐天初春「!!!!!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 21:54:30.98 ID:CEQvaq60<>御坂妹「つまりは『学園都市の学生を使ってどんな実験をしても自分はもう知ったところではないから好きにしろ』ということですね。しかも学園都市の提携機関から密かに莫大な費用が支払われるとかで、私利私欲に走った研究者たちが血眼になって我先にその状況を確立しようと試みてるようです、とミサカは詳細説明します」

佐天「ちょ、ちょっと待って下さいよそれ!!」

黒子「そうですわ! 勝手過ぎます!!」

初春「人権無視にもほどがあります!!」

美琴「…………………」

彼女たちはまるで、上条たちが当の黒幕であるように攻め立てる。

一方通行「ふはは。こりゃァ傑作だわ…ククク」

黒子佐天初春「!」

その時、一方通行が笑みを零した。黒子と佐天と初春はそんな彼を睨む。対して、一方通行は気にしていない、という感じで組んでいた両腕をソファに広げるようにして言った。

一方通行「なァ、超電磁砲?」

美琴「…………………」

佐天「ふざけないで下さいよ! 何がおかしいんですか!!」

一方通行「オマエらの抗議があまりにも現実知らずだったからなァ。『人権無視』だと? この学園都市に自分で来ておいてよくそんなこと言えるなァ。ンなもン、この街の学生にあって無いようなもンだ」

打ち止め「アナタ!」

一方通行「事実じゃねェか」
一方通行「新手の詐欺ばりに胡散臭いキャッチコピーに惹かれてよォ……まだガキの身でわざわざ親元離れてこの学園都市にやって来たのはオマエらだろうがァ。それとも何だ? で、身に付いた能力はどうだ? オマエらに幸福だけをもたらしたのか?」

美琴「…………………」

一方通行「学園都市に来なけりゃ、暗部の世界に浸ったりスキルアウトになることも無かった連中がどンだけいると思ってる?」
一方通行「特に無能力者なンて可哀想だよなァ? そンだけしておきながら、周囲から期待を寄せられておきながら、なーンにも身に付かないなンて。来ただけ無駄、って奴だ」

佐天「あ…あたしはそんなんじゃありません……! 友達もたくさん出来ましたし……」

泣きそうな目で佐天が訴えた。

一方通行「ま、能力者だろうが無能力者だろうが関係ねェよ。オマエら……いや、俺たち学生はなァ『モルモット』なンだよ!!」

黒子「!!」

佐天「!!」

初春「!!」

一方通行の断言に、3人は絶句した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 21:58:40.03 ID:jWGbjts0<>どうせ木原とかが黒幕だったりするんだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 22:00:41.67 ID:CEQvaq60<>初春「……そりゃ、私たちはある意味で学園都市の実験に付き合ってるってことになります。でも『モルモット』は言いすぎなんじゃないですか?」

一方通行「おい超電磁砲、あンなこと言ってるぜ、オマエの友達」

美琴「…………………」

俯き加減で美琴は一方通行を、そして次に御坂妹をチラッと見た。

御坂妹「………………」

一方通行「超電磁砲、オマエは知らないとは言わさないぜ。オマエは学園都市の闇の一端…『絶対能力進化(レベル6シフト)実験』に不本意な形とは言え関わってたンだからよォ」

美琴「………………」

御坂妹「………………」

打ち止め「………………」

上条「………………」

当事者たちの間に、彼らだけしか理解できない空気が流れる。
それを感じ取った黒子たち3人は、美琴から先日語られた『絶対能力進化実験』や『妹達』の中身を思い出す。

黒子「……だからとは言え」

一方通行「オマエらも、直接触れてないにせよ、その一端は垣間見たはずだ。『置き去り(チャイルドエラー)』の件でなァ」

黒子佐天初春「………っ」

木山「ふん」

彼女たちは思い出す。とある実験とそれが生み出した悲劇を。そしてその黒幕の女の言葉を。

一方通行「今更、何も知りませンでしたなンて面すンじゃねェ! この学園都市に来た時点で暗に分かってたはずだろうがァ! 自分たちは『モルモット』でもあるとなァ!!」

叫ぶ一方通行。

打ち止め「………………」

黒子たちは怯えるように僅かに肩を震わせたが、一方通行の怒りは本当は彼女たちに向けられたものではなかった。そんな彼を見て、打ち止めは悲しそうな顔を浮かべた。

上条「もうやめろ一方通行。あいつらに八つ当たりしても大人気ないだけだ」

打ち止め「そうだよ一方通行。お姉ちゃんたちに非はないよ、ってミサカはミサカはなだめてみる」

一方通行「………チッ」
一方通行「まァ怒鳴ったのは悪かったな。こっちも散々嫌な目に遭わされたからなァ。今になって簡単に全てを放り投げられて苛立ってただけだ」

黒子佐天初春「………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 22:06:44.40 ID:CEQvaq60<>美琴「……その苛立ち、ってのは私が接触してたスキルアウトにも向けたの?」

一方通行「あン?」

唐突に、美琴が一方通行に訊ねた。まるで何かを責めるように。

美琴「忘れたなんて言わせないわよ。私があんたたちの情報を得るために接触してたスキルアウトを見せしめに虐殺したのはあんたでしょ!!」

一方通行「………………」

美琴「何よ? 答えられないの?」

何も答えない一方通行を横目で窺っていた黄泉川が1つ溜息を吐くと代わりに話し始めた。

黄泉川「確かに、我々がスキルアウトを雇ってたのも事実だし、一方通行が奴らを虐殺したのは事実だ」

美琴「!」

黄泉川「だがあれは何もお前らへの見せしめのためじゃなかったじゃん」

美琴「え?」

黄泉川「これは私たちアンチスキルでも知らなかったことだが、奴らを雇って協力させてるうちに、奴らが今までこの学園都市でやってきたことが明らかになってな。何でも、仕事のためとはいえ、何の罪も無い一般の学生を殺してたことが発覚したじゃん」

美琴「あ……」

そう言えば、2週間前に上条たちと戦った時に、一方通行がそんなことを言っていた気がする。

黄泉川「そのまま放っておけば、また凶行を起こしかねない、と思って何とか私たちがアンチスキルの立場から対処しようとしたんだが、その前に……」

黄泉川が1拍置いて言う。

黄泉川「これ以上犠牲者が増えるのを危惧した一方通行が独断で奴らをヤりに言ったんじゃん」

一方通行「………………」

美琴「そ…そうだったの?」

黄泉川「気付いた時には時既に遅し。仕方がないから、私たちの部隊が取り敢えず奴らのアジトに突入するだけして、そこに落ちてた御坂の髪の毛を、お前らを動けなくするために利用させてもらったわけじゃん」

美琴「………………」

打ち止め「だから本当は一方通行はお姉さまたちへの見せしめのためにやったわけじゃないんだよ? まあそれでも勝手に動いて勝手に殺しちゃったのは早急すぎる機もするけど、ってミサカはミサカは一方通行にちょっと恐い顔で睨んでみる」

一方通行「ふン」

美琴黒子佐天初春「………………」

結局スキルアウトの虐殺は、美琴たちへの警告でも見せしめでもなく、一方通行が自分の信念に従った結果だったのだ。確かに、方法が過激だとは言え、これ以上無駄に学生たちの犠牲者が増えることがなくなったのも事実だった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 22:12:30.54 ID:CEQvaq60<>一方通行「まあいい。上条、話続けてやれ」

上条「ああ。……と、どこまで話したか」

御坂妹「研究者たちが利益のために動き始めてる、というところまでです、とミサカは耳打ちします」

上条「そうだったそうだった」

上条は話を再開する。再び美琴たちが彼の話に耳を深く傾ける。

上条「で、問題はここからなんだ」

美琴黒子佐天初春「?」

上条「対立する研究者と『外』から来た連中。これだけならまだ、分かりやすい構図なんだが、ある時この関係に変化が生じたんだ」

美琴「変化?」

上条「ああ。研究者の一部が、『外』から来た連中の一部と組みやがったんだ」

美琴「……? それって……」

上条「武力で勝てないと判断した研究者が、敵対してる連中に密かに呼びかけたんだ。で、即席とはいえ、利害の一致した一部の奴らが手を組み、その勢力が現在進行形で大きくなっている」

そう説明した上条だったが、美琴や黒子は不思議そうな顔をした。

黒子「……いえ、おかしくありませんか? 元々『外』から来た方々は、学園都市のやり方や存在が気にいらずに破壊工作を行っていたのでしょう? 研究者たちと手を組むなんて、仲間を裏切る行為ではありませんか?」

上条「言ったろ。利害が一致したんだ。何も『外』から来た連中が全員、信念を持って学園都市の破壊活動を行ってるわけじゃない。と言うのも、中には雇われただけの人間も多いからだ。他にも、嫌々付き合わされてる奴もいるはず」
上条「研究者たちはその隙をついた。何しろ、学園都市の秘密技術も手に入れられるし、人によっては憎しみの対象だった能力を持つ学生を『実験の協力』を建前に、自分の良い様に出来るんだ。そればかりか、研究者側の仲間になれば、学園都市提携機関からの莫大な投資の恩恵だって貰うことが出来る。そうして、研究者たちは一部の寝返ったテログループ、傭兵、ゲリラ、特殊部隊隊員、秘密結社メンバーなどと多国籍の一代勢力を築きつつあるってわけだ」

それが学園都市の現状だった。
目を丸くして話を聞いていた美琴たちは、やがて各々が思っている感想を口に述べた。

美琴「何よそれ……。結局、自分の目的より金のほうが大事、ってこと?」

佐天「腐ってますね思考が」

御坂妹「まあお姉さまの言う通りですね。でも、当然ながらいまだ研究者側と対立する組織も多いです。これからはその2者の衝突も増えることでしょうね、とミサカは推測してみます」

黒子「信じられませんわ。私たちの知らない間にそんなことになってたなんて……。当の学生は蚊帳の外ですか」

初春「結局、私たちは研究者の人たちに好き勝手されるか、『外』から来た人たちに殺されるのかの二者択一しかないんですか?」

悔しそうな表情を浮かべる黒子に対し、初春は今にも泣きそうだ。美琴と佐天は今にも怒り出しそうな雰囲気がある。

上条「だからだよ。そんなふざけた争いに巻き込まれないように、俺たちは学生たちを誘拐して学園都市の『外』に逃がすようにしたんだ」

美琴「……でも、いくら何でも『外』まで逃がすだなんて大袈裟じゃ……。それともいつか戻ってくるの?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 22:19:08.31 ID:CEQvaq60<>上条「違う。初めに言っただろ? 『学園都市は、じき崩壊する』って。もう、終わるのが決まってるんだよ」

黒子「そんな根拠の無い……」

佐天「そうですよ。やっぱり学園都市が崩壊なんて信じられません」

上条「敢えて言うなら現状が根拠だ。それに……恐らく1ヶ月ぐらい先だろうが、研究者側が対立する全ての組織に総攻撃を加える計画情報も掴んでる。そうなりゃもう学園都市はもたない」

美琴「研究者研究者言ってるけどさ、私たち学生をどうにかするにしても、対立する組織に総攻撃を加えるにしても、ただの実験しか出来ない人たちに何が出来るって言うの? 手を組んだ過激派連中に裏切られて銃で撃たれたら終わりじゃない」

当然の疑問を放つ美琴。しかし、そこで会話が途切れた。

美琴黒子佐天初春「?」

急に誰も返答を寄越さなくなったのだ。美琴たちはそんな上条たちを見て不審を覚える。

美琴「な、何よ? みんなして急に黙っちゃって……」

上条「御坂、もう研究者たちは“ただの”研究者じゃないんだ……」

やがて、上条が口を開いた。

美琴「はぁ?」

カエル医者「きっと彼ら、アレイスターから何らかの助言を受けたんだろうね?」

上条「ぶっちゃけ言わせてもらうとだが……」




上条「一部の研究者たちが能力者になってるんだ」




美琴黒子佐天初春「!!!!!!??????」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:20:57.16 ID:612efA6o<>注:初春と佐天は中1<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 22:21:17.13 ID:jWGbjts0<>マルチスキル?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 22:24:28.53 ID:CEQvaq60<>美琴「は? ど、どういうことよそれ!?」

黒子「嘘は仰らないで下さいません!? 能力は学生しか得られないものでしょう?」

カエル医者「そうとも限らないんだよね? 一応年齢制限は設けてるだけで。ただ実際に試した大人がいなかったから、どうなるかは分からなかったんだよ? 危険もあるだろうしね」

初春「でも能力者になるには『自分だけの現実(パーソナル・リアリティ)』を認識することが必要不可欠じゃないですか!?」

佐天「そ、そうだよ。研究者の人たちはそれを認識した上で能力者になったとか言うの? いや全然信じられないですけど」

4人は狼狽するように反論する。
彼女たちにとって、『能力者』であることは学園都市の学生でもある証なのだ。それを、同じ街の住人とは言え、今まで能力に目覚めてなかった大人たちに横取りされるのは信じたくなかったのだ。

上条「そこまで詳しいことは分かってない。ただ、俺たちは実際に能力を使った研究者もこの目で見てる」

美琴黒子佐天初春「………………」

一方通行「アレイスターのヤロウが何らかの反則的な助言を研究者どもにしたのは確かだな。ま、中には能力使って自爆したヤツもいたし、俺たち学生が使うようなものほど洗練されてなくて不安定なのは見て分かる」

上条「問題はその即席で能力を手に入れた研究者たちが、いち早く『実験材料』を得るため密かに学生たちを拉致してることだ」

美琴「………拉致?」

ここで止まっても意味は無いので、美琴は訊ねてみた。

上条「ああ……報道もされてないが、今現在も研究者たちに拉致されてる学生がいる」

美琴「それって……」

黒子「そんなこと知りませんでしたわ……。それは本当ですの?」

上条「本当だよ。分かっただろ? 学園都市の現状が。こんな酷いことが実際に行われてるんだ。上層部の連中がいなくなって暴走してんだよ」

初春「じゃあもう……私たちは、実験材料にされるか、『外』から来た人たちに殺されるかないじゃないですか……」

絶望したように初春が言葉を震わせて言う。彼女に影響されたのか佐天も顔を蒼ざめた。

上条「だからこそ、だ。だからこそ俺たちが学園都市の学生を『外』に逃がしてるんだ」

その一言に、美琴たちはまたも押し黙る。

一方通行「最初はよォ、何とかして研究者どもを止めようと思ったンだわ。で、出来る限り戦力集めて対策も練りに練ったンだよ。が、想像してた以上にヤツらも強くてなァ……。ま、簡単に数の差ってのもあるンだが、圧されに圧されて今じゃ、俺たちの組織も弱体化したってわけだ」

佐天「警備員(アンチスキル)は?」

一方通行「ン?」

初春「そ、そうですよ! 警備員(アンチスキル)は何をやってるんですか!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 22:30:25.04 ID:CEQvaq60<>自然に彼女たちの視線が、左端の2人に注がれた。

黄泉川「…………………」

鉄装「……そのことだけどね」

佐天と初春に訊ねられ、鉄装が何か説明しようとしたが、それより先に黄泉川が懐から1つの紙を取り出しそれを広げて見せた。

美琴「何ですかそれ?」

黄泉川は目を瞑ったまま説明を始める。

黄泉川「アンチスキルの情報部に密かに回された命令書じゃん。『アンチスキル第73活動支部・黄泉川一等警備士、鉄装二等警曹、および右の者が指揮する中隊に注意されたし』」

美琴「どういう意味ですか?」

鉄装「つまりね……」

黄泉川「アンチスキル上層部も、研究者たちとグルってわけじゃん」

美琴「なっ!?」

黒子「そんな馬鹿な!?」

黄泉川「アンチスキル上層部の動きが怪しいと踏んで、密かに探りを入れてたのがアダになったじゃん。確証までは得られてないだろうが、私たちが上条たちの仲間であることは、ある程度バレてるかもな」
黄泉川「結局はそういうこと。街の治安を司る組織の上の連中まで奴らに与してたなら街の安全なんて、ろくに守られないも当然」

4人は驚愕したように言葉を失くす。しかし美琴は何かを思いついたように訊ねた。

美琴「ちょっと待ってよ……。それってつまり、黄泉川先生の部隊はアンチスキル上層部と対立してるってことですよね?」

黄泉川「そうだが?」

美琴「つまりは、学園都市の『外』に学生たちを逃がしてるのも大体バレてるのよね?」

黄泉川「……まあ、恐らくはそうなんじゃないのか?」

美琴「なら、どうしてアンチスキルは、私たちが謹慎を受けた時、私を支部へ移送してまで束縛しようとしたの?」

黒子「…確かに、立場が違うとは言え『誘拐犯を追っていた』のは事実。もしかしたら私たちから有力な情報を得られたかもしれないのに。逆効果になるようなことをしてますわね」

美琴に続き、黒子も疑問を口にしてみる。

黄泉川「支部へ移送を決定したのは私だ。うちの支部はまだ上層部に掌握されてなかったし、潜り込んでる敵のスパイも少数だったから、何なら御坂を一時的に私の目が行き届く支部で預かろうと思っただけじゃん」

美琴「なっ………」

黒子「ハァ…。まあ大方分かりましたわ。どちらにしろ、固法先輩たちは今も『外』で生きているのですね?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 22:36:25.79 ID:CEQvaq60<>上条「ああ、そこは安心しろ。日本政府がバックについているNGOとかの連合団体が彼女たちをちゃんとした施設で匿ってる。だから心配するな」

その言葉を聞き、黒子たちは表情を緩ませた。

佐天「良かったー」

初春「ホッとしました〜」

黒子「取り敢えず、先輩たちの安否を確認出来ただけでも一安心ですわね」

3人は本当に安堵したかのように顔を見合わせ、笑顔を浮かべる。
しかし、1人だけはまだ納得出来ないような顔をしていた。

上条「どうした御坂?」

美琴「…………………」

上条「まだ聞き足りないことがあるか?」

美琴「ねぇ………」

俯き、膝に置いた拳を握りながら美琴は言う。

上条「?」

美琴「つまりは、あんたたち、学園都市の学生たちをこれから起こる惨状から回避させるために誘拐してたのよね?」

上条「? そうだけど?」

美琴「なら1つだけ提案があるんだけど……」

黒子「お姉さま?」

佐天初春「御坂さん?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 22:41:30.01 ID:CEQvaq60<>美琴は顔を正面に据える。

一方通行「(まさか……)」

打ち止め「(もしかして……)」

御坂妹「(お姉さま……それだけはいけません……)」

何かに気付いた一方通行たちが不安を抱くように美琴の顔を見た。
そんな彼らの心中など気付くはずもなく、美琴は言った。




美琴「私たちにも、協力出来ることない?」




上条「!!!!!!」

不適に笑みを浮かべて美琴は訊ねた。

美琴「ね? どうかな?」

黒子「それは確かに、いいかもしれませんわね。私たちも何かお力添えが出来るかもしれません」

佐天「ですよね! 協力するには人が多い方がいいでしょうし」

初春「私もそう思いますね」

新たに飛び出した目標を前にして、美琴たちは嬉しそうだ。しかし、対する9人の表情は硬い。
そんな中、上条は黙って目の前の4人たちを見据えていた。彼は思う。

上条「(これを恐れてたんだ……)」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 22:47:09.96 ID:CEQvaq60<>美琴は言う。自分たちも協力したい、と。
現状を知り、驚き、または絶望した彼女たちが提案したのは上条たちへの協力だった。
しかし、僅かに希望を抱き始めた美琴たち4人に対して、事情をよく知る上条たち9人の雰囲気はまるで異なる。どうも、望まぬ形が展開されていることに危惧を覚えているようだった。

御坂妹「本気で言っているのですかお姉さま? とミサカは訊ねてみます」

上条「…………………」

美琴「あぁー? そう言ったじゃない。あんたたちは学園都市を守るため、私欲に走った研究者たち相手に戦ってきたんでしょ? なんなら話は簡単。私たちは戦力になるわ。だから、協力する」

どや顔で美琴は自分の胸を叩いた。
御坂妹は上条は見る。どうやら黙ったまま何か考えているようだ。

黒子「お姉さまは学園都市第3位のレベル5ですからね。これほど頼もしい人材もいないでしょう。私もレベル4ですが、出来ることはあるはず」

初春「私は戦えないですけど、後方支援とかなら出来るかもしれません」

佐天「あたしはそうだなー……バット持って特攻とか? お願いですからあたしだけ仲間外れは嫌ですよ」

もうその気になっているようで、4人は好き勝手に自己アピールを始めている。
御坂妹は相変わらず黙ったままの上条を横目で見、そして彼の頭越しに一方通行と視線を交わした。

一方通行「アホかオマエら。誰がオマエらなンて戦力に入れるなンて言ったよ」

美琴黒子佐天初春「!?」

急に一方通行が4人を突き放すような発言をした。

美琴「な、何よそれ? どういう意味?」

黒子「私たちが役に立たないとでも?」

一方通行「相手は、ただの研究者じゃねェンだぞ。俺たちみたいに能力を得てやがるンだ。しかもなァ、厄介なのはそれだけじゃねェ。アイツら、仲間に『魔術師』も加えてやがるンだぞ」

は? というように美琴たち4人の顔がキョトンとなった。

美琴「魔術師?w」

上条「…………………」

一方通行「さっきは言及しなかったが、学園都市には今、魔術師も潜り込ンでやがるンだ。それも結構な数のな。上条によると、魔術世界は無事平定されたようだが、個人個人は関係ねェらしい。無国籍無所属の魔術師どもが今を機に学園都市の中を蠢いていやがる。しかもソイツらの一部も研究者どもと手を組ンだって話だ。危険極まりない状況なンだよ」

美琴「あんた魔術とか何言ってんの? 正気?」

黒子「この学園都市で魔術とか、何を言っているのやら」

馬鹿にするように言う美琴と黒子。
彼女たちは科学一辺倒の学園都市で暮らしているのだ。オカルト的なものを信じられないのは無理も無い。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:49:55.20 ID:SyiexPw0<>w?
がうぜえww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:51:01.58 ID:EDNoLUc0<>>>478
美琴「魔術師?w」

こ れ は ウ ザ い<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 22:51:24.71 ID:jWGbjts0<>wwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:53:19.58 ID:l2UuZIAO<>草生やすなww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:53:53.82 ID:Vtugz960<>はいはい下げ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 22:54:10.37 ID:CEQvaq60<>一方通行「そりゃァオマエ、俺だって初めて魔術を見た時は信じられなかったぜ。だがなァ、ソイツらが学園都市に今潜ンでるのも事実だ。ま、信じたくねェなら信じなくても構わねェがな」

美琴黒子佐天初春「?」

御坂妹「補足だけしておくと、お姉さまたちの周りに魔術めいた雰囲気を持つ方はおられませんでしたか? あるいは今までに魔術に関わるような単語をどこかで見たとか聞いたとか、とミサカは訊ねてみます」

そう言われても美琴たちはピンと来ない。が、思い出してみると確かに科学では説明出来ないような話を聞いた覚えが何度かある。それに、随分前に学園都市が世界から宣戦布告を受けた時、学園都市は『世界には魔術の名を語る科学的超能力開発機関がある』とか言っていた気がする。あれもその1つなのだろうか。

美琴「(あ……そう言えば……)」

美琴は思い出す。いつも上条の側にいた銀髪碧眼の外国人のシスターのことを。
そう言えば、彼女はただの修道女だけに収まらない雰囲気を持っていたような覚えがある。まさか彼女も………。

一方通行「あァ…まァ、今はそンなのは関係ねェ。どちらにしろ、オマエらの協力はいらねェ。オマエらのお守りなンてゴメンだからな」

美琴「なっ!」

黒子「……どういうことでしょうそれは?」

一方通行「オマエらの戦力はアテにならねェ、って言ってンの。一言で分かれ」

佐天「はあ? 何言ってるんですか貴方は。あたしはともかく、御坂さんや白井さんは力になるでしょう」

初春「わ、私もいたら心強いと思いますよ!」

一方通行の言葉にカチンと来たのか、彼女たちは各々抗議の声を上げた。

一方通行「黙れ!!!!!」

美琴黒子佐天初春「!!!!!」

一方通行が一喝した。美琴と黒子は言葉を詰まらせ、佐天と初春は肩をビクと震わせた。

一方通行「オマエらは何も知らねェからそンなことが言えるンだ。今まで俺たちがどれほどの犠牲を出してきたか、分かンのか? 本来ならここにいる主要メンバーも倍はいたンだぞ」

美琴たちは目の前にいる9人の顔を見やる。
誰もかれも、何も発せずあるいは視線を逸らしてあらぬ方向を見ている。現在の会話の進行は上条たちに任せているようで、自ら何かを発言しようとする雰囲気は無い。

一方通行「義妹を無事『外』に逃がしたはいいが力尽き死んだバカヤロウ、かつての仲間たちを逃がすために死んだ哀れな女、テメェが惚れてる女の世界を守るために死んだキザ男。どれだけいると思ってやがる?」

打ち止め「または、旧友の研究者を止めに行ったけど殺されちゃった研究者、とかね……」

黄泉川「生徒たちの無事を祈って非力ながら私たちに手を貸したってのに、何も出来ないまま銃で撃たれた不器用な教師もいたじゃん……」

一方通行「とある無能力者の男とレベル4の女は無事『外』に逃げれたが、あれは例外だ。これ以上俺たちに協力するのが難しい状況に追い込まれたから、アイツらだけは先に『外』に逃げるよう俺たちが促したンだ。まァ、その過程でソイツらと親しかったレベル4の女が命落としてるけどなァ」

美琴黒子佐天初春「…………………」

一方通行「いずれにせよ、オマエらがアイツらの代わりになれるとは思わねェな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:57:28.43 ID:5dl0wQDO<>僕の海原きゅんが・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:57:57.09 ID:UsSp4/Mo<>グループは一方以外描写も無しに全滅か<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 22:57:58.16 ID:ltuAD.U0<>俺のみんなが…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:58:38.67 ID:EDNoLUc0<>>>484
グループは一方通行以外全滅したのか……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:58:41.31 ID:C.1RWYDO<>つっちーが死んだ……だと…?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 23:00:14.59 ID:1.35h6Y0<>無能力者わ浜面
Lv4わ滝壺か
死んだのわ絹旗か<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 23:02:18.25 ID:zqNzPm.0<>一方通行は断言する。
しかし、美琴たちはそんなことで諦めない。そもそも彼女たちは今、一方通行たちがその名を挙げた人物たちがどれほどの強さを持っていたのか、どれほどの実力者だったのかを知らない。だから彼女たちには一方通行たちが自分を馬鹿にしているように思えた。

美琴「随分と見下してるわね……」

黒子「よっぽど私たちが邪魔なのでしょうか?」

初春「私たちこれでも4人で修羅場は潜り抜けてます」

佐天「そうだよ。グラビトン事件とかレベルアッパーとか、ポルターガイストとか」

一方通行は頭に手を置き、またそれか、と呟く。

一方通行「分かった。明言してやる。オマエらが経験してきた修羅場なんて、所詮放課後のクラブ活動みたいなもンだ」

美琴「なっ!?」

佐天「クラブ活動ですって!?」

初春「ば、馬鹿にしないで下さい!」

黒子「どこをどう見たらクラブ活動になるのかお教えして頂きたいですわね!!」

一方通行「前も言ったと思うが……オマエらは本当の修羅場を知らない」
一方通行「だが…俺も、そしてこいつも……」

一方通行は親指で隣の上条を指差す。

上条「…………………」

一方通行「オマエらとは比べられないほどの死線を掻い潜って来た。何度も何度も死にそうになってなァ。今まで死ンで行ったヤツらも同様だ。学園都市の暗部で、毎日死と隣り合わせの極限の生活を送っていやがったほどの連中だ。そンなアイツらでさえ、簡単にくたばったンだぞ? オマエらがアイツらの代わりになれるかボケ」

美琴「好き勝手言って……」

一方通行「そンな俺からしたら、オマエらのやって来たことなンてガキどものクラブ活動にしか見えないンだよ。『暗部』の『あ』の字でさえ知らない、そこら辺の中学生に毛が生えたようなヤツらを仲間になンて出来るか。1日で死ンじまうのが目に見えてるぞ」

黒子佐天初春「………っ」

4人は怒りを露にしたような顔を見せるが、一方通行は特に気にする素振りを見せない。

美琴「ふん。随分偉そうにしてるけど『暗部』を知ってるレベル5があんただけだと思ってんの?」

一方通行「じゃあ逆に聞くが、オマエは他のレベル5のほとンどが俺みたいに『暗部』にドップリ漬かってたって知ってンのか?」

美琴「え?」

御坂妹「お姉さまは恐らく、ミサカたちの存在や『絶対能力進化実験』について仰られているのでは?」

美琴「そ、そうだけど……何よ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:02:26.99 ID:riiADGwo<>ニートに小萌先生まで・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 23:02:33.30 ID:jWGbjts0<>まあ流れ的に死んだのは絹旗だろ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:03:17.66 ID:SyiexPw0<> ID:jWGbjts0

他スレにも湧いてるage嵐だから、スルーしてsage推奨<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 23:04:34.06 ID:jWGbjts0<>>>494

荒らし認定厨は黙れ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:04:57.58 ID:g1axU560<>とりあえず投下終了まで黙れと言いたかったが、あわきんの命が危ないなら話は別だ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:06:21.15 ID:5dl0wQDO<>>>494
君のIDが一瞬、Seげふんげふん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:06:23.89 ID:klQ4K0ko<>グループのみんなにモアイまで死んでる・・・だと・・・?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:06:43.94 ID:C.1RWYDO<>美琴は幸せだな……暗部落ちとかエツァリや上条さんが全力阻止するだろうからなあ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:07:00.34 ID:hfWRmMSO<>お願いしますsageてください。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 23:07:53.62 ID:jWGbjts0<>>>500

さげ厨黙れ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:08:50.87 ID:SyiexPw0<> ID:jWGbjts0

他スレにも湧いてるage嵐だから、スルーしてsage推奨<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 23:09:13.95 ID:zqNzPm.0<>御坂妹「残念ですが、あれだけでは『暗部を知り尽くしている』ことにはなりません。ほんの少し触れただけです、とミサカは睨むお姉さまに対して反論します」

美琴「あんた……」

まさか実験の被害者側だった御坂妹からそんな言葉が出るとは思わなかったのか、美琴は信じられないという顔を作る。

御坂妹「それにお姉さまがたは、何故ミサカたち……いえ、上条さまと一方通行がお姉さまたちのご学友たちを『誘拐』と称してまで学園都市の『外』に逃がしていたのか。その理由が分かりますか?」

美琴「え? 何よそれ?」

黒子「どういう意味ですの?」

初春「何か理由があったんですか?」

佐天「は、早く説明してよ」

御坂妹「元々、ミサカたちは暴走した研究者たちを止めるために仲間を集めて戦っていました。ですが、犠牲が増えたことでそれも難しくなり途中で方針を変換したのです。出来るだけ多くの学生を『外』に逃がす、という風に」

美琴「だからどうしたって言うのよ」

御坂妹「初めはランダムに選んだ上で学生たちを『外』に逃がしていました。それなのに、です。不思議に思いませんでしたか? 最近はお姉さまたちのご学友の方々ばかりが誘拐されるのが」

美琴「あ……」

佐天「確かに……固法先輩に、泡浮さんに、湾内さんに、婚后さんに……」

初春「確かに皆さん、私たちと親しい人たちですよね」

佐天「元々、あたしたちの友達の仇を討とう、と言うことで独自に調査を始めたんだよね」

黒子「では何故、私たちの友達ばかり逃がしたんですの?」

御坂妹「それは……」

御坂妹は上条と一方通行を一瞥する。

上条一方通行「…………………」

御坂妹「……まぁ、元は上条さまの提案に一方通行が賛同して始まった形だったんですが……」




御坂妹「お姉さまがたが『外』に行っても、寂しくないようにとの配慮です」




美琴黒子佐天初春「え?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:09:49.41 ID:R8N35CA0<>>>484
「かつての仲間たちを逃がすために死んだ哀れな女」
これは麦野?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:11:43.05 ID:cUKSFv.0<>ふむふむ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 23:11:59.47 ID:ltuAD.U0<>>>504
どうみてもあわきん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:12:01.77 ID:g1axU560<>>>504
ターミネーターむぎのんが死ぬわけないだろjk




死んでないよね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:12:20.45 ID:UsSp4/Mo<>>>504
あわきんじゃね

佐天さんがタメ口なのが妙にうざく感じる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:12:36.46 ID:MAHP6TMo<>>>504
あわきんじゃね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 23:12:39.47 ID:Sg7srBQ0<>>>504
あわきんじゃね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 23:13:04.97 ID:jWGbjts0<>フレンダいないの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 23:13:40.17 ID:ltuAD.U0<>>>511
おそらく既にフレ/ンダ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:14:11.58 ID:vhKNN2DO<>もうここにいない奴は全員死んでるくらいに考えた方が早い気がする<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:14:31.97 ID:C.1RWYDO<>あわきん大人気wwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:14:33.66 ID:g1axU560<>>>506>>508-510
やめろ











おいやめろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 23:15:41.70 ID:ltuAD.U0<>とある高校のメンバーが気になって仕方ないわ。みんな死んじゃったのかもしれないな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 23:15:45.47 ID:zqNzPm.0<>御坂妹「いずれお姉さまも、白井さまも、佐天さまも、初春さまも、4人ご一緒に学園都市の『外』に逃がす算段は整えてあります。その時、お姉さま方が少なからず寂しい思いをしないようにと、特に親しかったご学友の皆様を予め『外』に逃がしていたのです。上条さまと一方通行の方針によって」

美琴「は……あ?」

上条一方通行「…………………」

呆然とする美琴たちに、上条と一方通行は何も答えない。
上条は膝の上で手を組んだまま視線を逸らし、一方通行は下らない、といった表情で虚空を眺めている。

御坂妹「お姉さまのご学友、および今まで我々が逃がしてきた学生たちは全て死んだことになっています。あくまで、学園都市内部に限った話ですが。研究者たちはより良い素材を実験に使用したいため、学園都市の学生たちのデータを躍起になって集めています。ならば、いっそのこと『外』に逃がした学生たちは死んだことにするほうが都合が良いのです」

打ち止め「そのためにわざわざ、ミサカたち仲間内で隠語を作ったりもしたんだよね」

美琴「隠語?」

打ち止め「うん。現在の学園都市の状況を元に、学園都市の『中』を『地獄』と称したり、『外』を『天国』とか『楽園』とか称したり。他にも、学園都市という壁に囲まれた世界で能力開発を受けた学生を『養殖魚』って言ったり、それに対して学園都市を『生簀』と言ったり、『外』を『海』とか言ったり、逃がす対象の学生を『目標(ターゲット)』って言ったり…後は『外』に逃げることに成功したことを『死んだ』って暗喩したり、ってミサカはミサカは色々ぶっちゃけてみる」

御坂妹「まあ、それだけしないと、ミサカたちのやってることは敵に勘付かれて失敗しかねないと判断したのです。ただ、22番目に『外』に逃がした学生が、週刊誌の記者から取材を受けたことを知った時は冷や冷やしましたが……」

美琴「………………」

御坂妹「まあ話を戻しますが、そういった理由から学園都市での書庫(バンク)などのデータベースでは、お姉さまたちのご学友は皆死んだことになっているのです、とミサカは説明を続けます」

美琴「………」

御坂妹「本当は色んな状況下において死を偽装するのが1番だったのですが、最後にはそんな余裕も無くなってしまって……。固法さまは何とかテロの爆発に巻き込まれて死んだように見せかけましたが、泡浮さまと湾内さまからはもう、無理矢理彼女たちを連れ出して、表向き『誘拐された末死亡』とさせて頂いているのです」
御坂妹「もっと余裕があれば多くの学生たちを助けられたはずなのですが……時間も無かったので、お姉さまたちのご学友を集中して『外』に逃げ出すようにしたんです、とミサカは説明します」

美琴「方法なんて知らないわ」

御坂妹「は?」

御坂妹によると、上条たちが美琴の友人を集中して誘拐していたのは、彼女たち4人が『外』に逃げた時のためだと言う。要するに、『外』で生活を始めるにあたって、少しでもそれが寂しいものにならないようにとの配慮だったのだ。
だが、美琴たちは納得出来ない。勝手に自分たちを逃がすと決めていたことも腹が立ったが、何よりそういったふざけた配慮をされたのが見下されたように思えるのだ。

美琴「何で…もっと早くそれを言わなかったのよ?」

黒子「そうですわ。もっと早くに言っていれば、こんなややこしい事態にはならなっかたはずでしょう?」

御坂妹「それは……」

言い淀む御坂妹。

一方通行「オマエらに言うと、今みたいに真っ先に『協力する』って言いかねないからだよ」

御坂妹に続くように一方通行が言った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:16:14.26 ID:W0pIlFIo<>超電磁砲サイドが目立ってる気がしたが禁書サイドの主要人物が全滅寸前という事か<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:16:53.21 ID:CwF1ud20<>旧友の研究者を止めに行ったけど殺されちゃった研究者って誰だ?
芳川か?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:18:04.36 ID:riiADGwo<>>>519
打ち止めの知り合いなら十中八九ニートのことだろうな

青ピももうこの世にいないんだろうな・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:18:35.27 ID:SyiexPw0<>>>518
今は学園都市内の話だからだろう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:19:46.91 ID:5gd2G/Q0<>それでも心理掌握なら・・・

心理掌握ならなんとかしてくれる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:21:32.58 ID:R8N35CA0<>>>506>>508-510
あわきん・・・(´;ω;`)

>>522
心理掌握は黒幕の一人になってそう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:22:18.69 ID:riiADGwo<>>テメェが惚れてる女の世界を守るために死んだキザ男
素でステイルのことだと思ったのは俺だけでいい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 23:23:34.50 ID:zqNzPm.0<>佐天「それの何がいけないんですか!?」

一方通行「確かに、超電磁砲の威力は脅威的だし、テレポーターの能力も便利だ。だが、俺たちがオマエらの協力を拒む理由は単に力の強弱だとか経験してきた修羅場の質だとかそれだけじゃねェンだ。この件は学園都市の闇にも繋がってる」

美琴「だから何? だったら関わるな、って言うの!?」

一方通行「ああそうだよ! 超電磁砲、オマエは7人のレベル5の中でも珍しく『暗部』に関わっていない、普通の世界で生きてやがる。これが、レベル5の人間にとってどれほど例外で羨ましいことか分かるか?」

ずっと低い調子で話していた一方通行が美琴を見据える。

美琴「で、でも私だって、私だって……」

一方通行「『妹達』のことがどンだけ外道か、どンだけ腐り切ってるのか、そンくらい痛いほど分かってンだよ!!」

御坂妹「………………」

打ち止め「………………」

一方通行「だが逆に言うとなァ、オマエはそれだけだ。オマエが関わった学園都市の闇なンてまだ僅かでしかない。俺のように『暗部』にドップリ漬かってる人間とは違ってなァ!! だからこそオマエは、ソイツらと!」

黒子佐天初春「!」

一方通行が黒子と佐天と初春を指差す。

一方通行「ソイツらと! 普通の女子中学生らしい生活が送れてンだ!! それを分かれよ!! 闇に生きる人間たちにとって、オマエの住む世界がどンだけ光輝いて見えンのか考えたことがあるか!?」

美琴「あ……う……」

一方通行「そンなオマエらが!! わざわざ闇に寄り添ってまで、命を危険に冒すなンてふざけてンのにも程があるだろうがァ!!!!!」

打ち止め「一方通行、落ち着いて」

息を荒くした一方通行に、打ち止めが寄り添うように止めに入る。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:24:25.11 ID:g1axU560<>>>524
心理定規を助けるていとくんだと思ったのは俺だけで良い<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:26:07.70 ID:U2tR8kAO<>考察だらけになるのもアレだから補足が欲しい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:26:51.27 ID:CwF1ud20<>なんか美琴に切れる一方さんが切ないな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:27:48.11 ID:/h893lY0<>>>528
同感だ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 23:28:39.66 ID:zqNzPm.0<>カエル医者「そしてそれは、上条くんや一方通行だけの願いじゃない。僕たち大人にとっても同じことなんだよ?」

美琴黒子佐天初春「…………………」

黄泉川「子供を守るのが大人たちの役目じゃん」

鉄装「ですよね」

寮監「お前たちの安全を見守るのも寮監としての務めだしな」

一方通行の勢いに圧されたのか、大人たちも次々と口を開く。

木山「君らの幸せな生活は枝先や春上の希望ある人生にも関わっている。よって、彼女たちも既に『外』に逃がしている」

初春「えっ!?」

御坂妹「それだけでなく、佐天さまと初春さまのご学友3名も先日『外』に逃がしました」

佐天「それってまさか……アケミとむーちゃんとマコちんのこと?」

初春「そんな……いつの間にそこまで……」

美琴黒子「……………」

あまりの手際の良さに、4人は感心するというよりも、ただ呆然とするだけだった。

寮監「僭越ながら私も今まで出来ることをやらせてもらっていた。『外』に逃がすことが決まった常盤台生徒の詳細資料を上条たちに渡したり、とな。結局、逃がせたのは泡浮、湾内、婚后の3人だけだがわがままを言わせてもらうと、寮の生徒全員、逃がしてやりたかったな……」

黒子「寮監……」

美琴「じゃ、じゃあ何で? それなら事情だけでも説明してくれてもいいじゃない!? 何であんな突き放すようなことしてたのよ!?」



上条「お前らを守るためだ」



美琴「…………え?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:33:24.43 ID:riiADGw0<>>>528
だな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 23:33:47.31 ID:zqNzPm.0<>ふと、上条が口を開いた。

上条「実は、学生たちを『誘拐』と称して『外』に逃がしている活動の途中にな、敵側から警告があったんだ」

美琴「警告?」

上条「ああ。『これ以上我々の研究材料である学生を逃がすような真似をすれば、その学生を容赦なく殺す』ってな」

美琴黒子佐天初春「………!?」

上条「初めは『外』に逃がすと決めていた学生には脱出についての詳細を予め話してたんだが、その警告を機に出来なくなってな。無闇やたらに前もって学生と会っておくのは危険と判断して、それからは誘拐じみたことをやってその脱出道中で真相を話すようにしてたんだ」

美琴黒子佐天初春「………………」

上条「だけど、警告を受けた時、ちょうど『外』に逃がす予定の1人の女子学生がいたんだ。その子はとても心配性でな、急に脱出に関する情報を得られなくなった上、俺たちとも接触出来なくなったことで不安に駆られたんだ。で、それを見かねた俺たちの仲間の1人が、その子に事情を説明した上、脱出の内容についても話しちまったんだ」

美琴「………それで、その子どうしたの?」

上条「…………………」

そこで上条が言葉に詰まった。

美琴「?」

代わりに、一方通行が口を開いた。

一方通行「死ンだよ」

美琴黒子佐天初春「…………え?」

一方通行「その女子学生は脱出予定日の数日前に、親友にもう会えないことを示唆するようなこと言っちまったンだ。で、それがどんなルートで漏れたのか知らねェが、敵の研究者たちにその女子学生の存在がバレちまった。それで、運悪くソイツは殺されちまったンだよ………」

美琴「そんな……」

一方通行「で、『責任を持って俺が彼女をずっと守る』とかそンな臭いこと言って、女子学生と懇意になってた俺たちの仲間も、女子学生の側にずっと付いてたンだが、それでもヤツは守りきれなかった……。守りきれず、2人は一緒に死ンじまったンだよ………」

打ち止め「……2人は『外』へ出たらもう1度、改めて一緒に生きていこう、って約束してたの。ミサカたちもみんな、そんな2人を暖かい目で見守ってたんだけど……だけど……だけど……」

美琴黒子佐天初春「…………………」

美琴たち4人は、一方通行の話を聞き、言葉を失くす。彼女たちの目元はその話を聞いて潤んでいるように見えた。

一方通行「笑っちまうよなァ? 普段は『根性だ気合だ』って叫んでうるさかったヤロウが、1人の女守るためにあっけなく死ンじまうンだからよ………」

言葉とは裏腹に、一方通行の声は静かだった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:34:39.94 ID:W0pIlFIo<>芥川龍之介の話がここに繋がるか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:35:22.65 ID:C.1RWYDO<>すごパと誰だ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:35:39.31 ID:SyiexPw0<>ソギー・・・だと・・・⁇
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:35:58.96 ID:a6dyYVYo<>awakiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiin<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:36:46.10 ID:R8N35CA0<>>「笑っちまうよなァ? 普段は『根性だ気合だ』って叫んでうるさかったヤロウが、1人の女守るためにあっけなく死ンじまうンだからよ………」

ソギー・・・(´;ω;`)ウッ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:36:47.39 ID:1HS4UYQo<>根性さん[ピーーー]とか敵めちゃ強いじゃん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 23:37:09.90 ID:p7bxqiIo<>削板はどうなったんだろうか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:37:14.50 ID:xINPrg.o<>女は非女神さんか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:37:56.77 ID:CwF1ud20<>>>540
なるほど!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 23:38:01.31 ID:jWGbjts0<>おいw根性まで殺しやがったw<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 23:38:12.51 ID:p7bxqiIo<>って待て削板ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:38:20.91 ID:W0pIlFIo<>> 普段は『根性だ気合だ』
削板かな?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:39:25.51 ID:6wSaAR6o<>>>1が投下してる時は静かにして……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:39:26.19 ID:MAHP6TMo<>嘘・・・だろ・・・? 根性さんは最高の原石なんだぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 23:40:40.41 ID:zqNzPm.0<>御坂妹「だから我々は決めたんです」

美琴「!」

御坂妹「これ以上同じような犠牲を出さないために、そしてお姉さまたちをそのような危険な目に少しでも遭わせないように、敢えて口を閉ざし、なるべくお姉さまたちと接触しないようしていたのです」

美琴「…………………」

御坂妹「そもそも、学園都市がまた元の状態に戻れば、お姉さまたちを『外』に逃がす必要は無いのです。だから敢えて、学園都市の闇にも繋がる我々の活動にお姉さまたちを巻き込まず、全てが元の鞘に終われば一番だったのです。ですが、学園都市が元に戻る可能性は既に低く、お姉さまたちも我々の想定以上の動きをし、挙句、上条さまと一方通行を倒してまで、真実を知ってしまいました」

美琴黒子佐天初春「………………」

御坂妹「それは仕方の無いことです。ですが、これだけは伝えておきます……」

美琴黒子佐天初春「?」

御坂妹「お姉さまたちに真実を語らなかったのは、これ以上『外』に逃がす学生たちが同じ目に遭わないようにと情報漏えいを危惧してのこと。そしてお姉さまたちを冷たく突き放さそうとしたのも全て、敵側に我々との接触を疑われてお姉さまたち4人が狙われるのを避けるためだったのです、とミサカは打ち明けます」

一方通行「本当はオマエらを完膚無きまでに叩きのめしたら諦めると思ったが、逆効果だったようだな……」

御坂妹「ミサカも一方通行も方法が過激だったのは自覚していますが、それらは全てお姉さまたちの安全を思ってのことなのです、とミサカは申し訳無さそうに語ります」

黄泉川「お前らを謹慎してたのも、敵からの襲撃から守るためだったが、寮から逃げ出した時は冷や冷やしたじゃん。ま、敵がお前らに疑いの目を向けなかったから結果、良かったがな」

美琴黒子佐天初春「…………………」

4人は絶句する。
何ということだろうか。結局、上条や一方通行たちが美琴たちに再三警告し、突き放し、冷たくし、その強大な力を容赦無く振るったのは、美琴たち4人が目障りで邪魔だったからではなかったのではなかったのだ。寧ろ逆に彼らは美琴たちを守るために再三警告し、突き放し、冷たくし、強大な力を容赦無く振るっていたのだ。

そう、全てが、逆だったのだ。
真実を話せば、美琴たちは必ず協力を申し出てくるのは予想の範疇だった。しかし、上条たちの活動は学園都市の『闇』にも繋がること。『光』の世界で楽しく普通の女子中学生として生活を送っていた美琴たちを、彼らは巻き込みたくなかった。事情を話せなかったのも、冷たく突き放していたのも、美琴たち4人を敵から守るため。そして、既に死んだとある上条たちの仲間と女子学生の悲劇を繰り返させないため。そう、それで美琴たちが諦めれば良かった。だからこそ上条と一方通行はその絶大な力で彼女たちを叩きのめした。だが、美琴たちは諦めなかった。諦めず、結局、奇跡的な確率とはいえ、上条と一方通行を倒してしまったのだ。

美琴「…………………」

虚無感が美琴を襲う。
では、美琴たちのこの3週間は何だったのだろうか。彼女たち4人は一体何のために共に誓い、努力し、戦ってきたのか。
今聞いた話が本当ならば、美琴たちは自分や友達を地獄の目に遭わせた上条たちに反撃するのではなく、自分や友達を守ってくれていた上条たちに、何の事情も知らないまま歯向かっていたことになる。
しかも、上条たちは何の文句も言わず憎まれ役を演じていたのだ。詰まるところ、美琴たちのこの3週間は、そんな彼らの想いをフイにするような、意味の無い日々だったのだ。

美琴「…………………」

呆然とする美琴。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:41:55.31 ID:g1axU560<>研究者が原石[ピーーー]とは……
■■さん……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:44:43.23 ID:5dl0wQDO<>■■ちゃん!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 23:44:48.35 ID:jWGbjts0<>そう言えばまだ■■がいたなw<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 23:46:51.08 ID:zqNzPm.0<>上条「御坂」

美琴「!?」

と、ずっと視線を逸らしていた上条が久しぶりに美琴を見た。

美琴「な、何よ……」

上条「分かったろ? 俺たちはこれ以上、大切な人たちを失いたくないんだ。だからせめて、ここだけは引いてくれないか?」

突き刺すような、どこか悲しみに満たされた上条の目が美琴を貫く。それは、頼みというよりは願いに近かった。
上条や一方通行たちは、美琴たちの幸せを望み、美琴の友人たちを『誘拐』と称して学園都市の『外』に逃がしていたのだ。それを美琴たちに打ち明けなかったのは、彼女たちの安全を想ってのこと。だから彼らは黙っていたのだ。わざわざ、自分たちが殺されそうになるほどの憎まれ役を買って出ても、だ。

美琴「………………」

美琴は思う。
そんな方法でしか美琴たちを守れなかった上条と一方通行はどれだけ不器用なのだと。不器用すぎて笑ってしまいたいぐらいだった。だがしかし、彼らが取ったその方法は、考えられる限り最良の策であり、それは全て美琴たち4人を想ってのことだったのだ。

黒子「…………………」

佐天「…………………」

初春「…………………」

それまでの勢いが嘘かのように、黒子と佐天と初春が黙り、俯いた。彼女たちの手は膝の上で握られ、油断すれば今にも涙腺が崩壊しそうだった。
だが、もう彼女たちに反論する気は無かった。上条たちの真意を奥深くまで知ってしまったのだから。

美琴「………っ」

しかし、当然ながらそんな簡単に諦められない者もいた。
美琴は、何も喋れなくなった黒子たちを見、唇を噛むと立ち上がった。

美琴「納得出来ない……そんなんで納得なんて私は出来ないよ!!!」バチバチッ

彼女の身の回りに火花が散った。
だが、大人たちはふと視線を寄越しただけで、無理に止めようとしなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:46:58.03 ID:1.35h6Y0<>お前ら■■の名前ちゃんと書いてやれよwwwwあれ俺も■■でしか書けないぞ。。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:49:37.52 ID:Amd77oAO<>■■って誰?そんな影薄そうなやついた?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:49:49.76 ID:g3xuXp60<>姫神・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:51:12.60 ID:6bhdBJw0<>姫神ェ・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 23:51:39.81 ID:zqNzPm.0<>美琴「どうして? どうしてよ? 私は……あんたたちのこと……ずっと…ずっと……友達のことを……誘拐して……殺してた凶悪犯だって……思ってたのに」

美琴の言葉が震える。

黄泉川「…………………」

鉄装「…………………」

美琴「あれほど憎んだのに……でも本当は……それは…私たちを思ってのことで………挙句、私たちを助けようとしてくれるなんて………」

美琴の目尻に涙が溜まっていく。

寮監「…………………」

カエル医者「…………………」

美琴「そんな……優しくされたのに……私は何も出来ない……協力することも……恩を返すことすら出来ないなんて……」

遂に彼女の目元から涙が流れた。

打ち止め「…………………」

御坂妹「…………………」

美琴「そんなのって……ヒグッ……そんなのって……ウグッ」

彼女の声に嗚咽が混じる。

一方通行「…………………」

美琴「そんなのって無いよ!!!!!」

上条「…………………」

うなだれるように上条は顔を下に向けている。
美琴の必死の問い掛けに、彼が何を思っているのか。それは全く読めなかった。

美琴「答えてよ!!」




美琴「“当麻”!!!!!!!」




上条「………………っ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:53:17.86 ID:SyiexPw0<>この発言は自分勝手過ぎるだろ・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:53:55.88 ID:C.1RWYDO<>おっそろしいことに気がついた


風斬はどうなったんだろう?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:54:15.48 ID:1.35h6Y0<>ねぇ前スレで禁書腹?刺されたけどどーなったの<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:54:24.11 ID:/h893lY0<>心の慟哭だな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 23:54:45.45 ID:jWGbjts0<>>>558
科学者側の最終兵器になってそう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/05(月) 23:56:47.60 ID:zqNzPm.0<>静寂がその場を流れる。
耐え切れなくなったのか、黒子と佐天と初春も美琴に続いて泣き始めた。

黒子「お姉さま……グスッ」

佐天「御坂……さん…ヒグッ」

初春「御坂さん……グスッグスッ」

しかし、それでも上条は答えない。

御坂妹「……………………」

現状を鑑み、御坂妹は美琴と上条の顔を交互に見る。そして1度目を瞑ると、彼女は美琴に向かって静かに口を開いた。

御坂妹「  イ  ン  デ  ッ  ク  ス  」

上条「!」ビクッ

美琴「は?…グスッ」

御坂妹「『インデックス』という少女を、お姉さまはご存知ですか?」

御坂妹は、美琴を見つめて質す。

美琴「インデックスって……グスッ……あの子でしょ? ……こいつといつも一緒にいた……外国人の……ヒグッ…シスターの…女の子……」

御坂妹「ええ。ミサカも会ったことがあります。その少女です」

美琴「それがどうしたって言うのよ?」

場違いな質問に美琴は違和感を覚える。
そんな美琴を見、次いで上条を見ると、御坂妹は一拍置いて言った。






御坂妹「彼女、死にました」






美琴「え……?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 23:57:01.50 ID:ltuAD.U0<>とうま、とか読んじゃったら禁書さんのこと思い出しちゃうじゃん。
上条さん泣かす気かよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 23:57:32.25 ID:3n8wTow0<>え?■■ならおれの横で寝てる……あれ?
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:58:37.16 ID:MAHP6TMo<>ああ・・・やっぱりか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:01:03.98 ID:c.AwmwDO<>いやッだァァァァァァァッッ!!!!!!!

インデックスぅぅぅぅぅ!!!!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:03:33.01 ID:CeU3puwo<>イン何とかさんと何とかックスさんは生きてるんだろ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 00:03:39.23 ID:9yAEp3A0<>美琴は初め、その言葉の意味に理解が追いつかなかった。

御坂妹「3週間も前でしょうか……インデックスさんは、何者かに殺され、死んだのです……」

美琴「嘘……でしょ?」

あのインデックスが? と頭の中で続ける美琴。彼女の脳裏に、とあるシスターの女の子の笑顔が蘇る。

美琴「嘘でしょ!? 3週間前って……私、あの子に会ったわよ!?」

責め立てるように美琴は訊ねる。
そんな彼女を見ても『インデックス』という少女が誰のことなのか分からないのか、黒子たちは黙ったまま美琴を見つめている。だが、何やら大変なことが『インデックス』という少女に起きたのは理解出来ているようだ。

御坂妹「恐らく、その数日後に殺されたのでしょう……」

美琴「そんな……何で……」

上条「おかしいよな?」

美琴「え?」

上条「信じられないよな普通?」

不意に、上条が喋った。だが、その表情はうなだれているため見えない。

上条「あいつ、3週間前までは元気だったんだぜ? いつもみたく『お腹すいたー』ってさ」

美琴「何が……あったの?」

上条「俺、危ないからってインデックスに『俺たちの活動に関わるな』って注意してたんだ。なるべく家から出ないように言ってさ……」

上条の言葉が震える。

上条「でも……あいつ、よっぽど俺のこと心配だったんだろうなぁ……ある日、言いつけを破って家から街に飛び出したんだ」

美琴「………………」

上条「そしたらさ……あいつ、どうも刃物で刺されたらしいんだよ……」

淡々と、一つ一つ思い出すように上条は語る。

上条「それで……死んじまった………」

美琴「………っ!」

上条「………死んだんだよ………」

そこで、上条は1度、言葉を詰まらせた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 00:09:36.53 ID:9yAEp3A0<>上条「……犯人は……学園都市の能力開発を人道に反する、って主張してた過激派テログループの1人だった……。それで……インデックスが死んでから2週間後ぐらいだったかな……。犯人を突き止めた……インデックスの旧知の魔術師が単身、そのテログループのアジトに乗り込んで行った……」

美琴「………」

上条「でも……そこには……テログループが雇った…強力な魔術師が1人いて………。テログループを壊滅したはいいものの……その…インデックスの旧知の魔術師も……相討ちで死んじまった………」

上条の握られた拳がカタカタ震える。

上条「せっかく……インデックスと一緒に、魔術世界を平定したって言うのに……。これで魔術の世界に平和が訪れたのに……。もう、インデックスが狙われることはなくなったのに……。ようやく…インデックスが幸せな人生を歩み始められるところだったのに………」

自責の念に染められた後悔だけの言葉がただただ紡がれる。

上条「……守るって……約束したのに………」
上条「頼む、“美琴”………」

ボソッと告げた後、上条がゆっくりと顔を上げた。




上条「引き下がってくれ………」




苦痛に歪ませた顔から、大量の涙を流し上条は懇願した。

上条「もう……これ以上……大切な人を……失いたくないんだよ………」

再び、うなだれるようにして上条は嗚咽を始めた。それを慰めるように、御坂妹が彼の背中に手を置く。

上条「……チクショー……俺のせいだ……俺のせいで……インデックス………」

自分を責める上条に、御坂妹が貴方の非ではありません、と慰めの言葉を掛ける。
一方通行や打ち止め、大人たちはただ静かに彼の嗚咽を聞いているだけで、余計な発言をしようとしない。
黒子と佐天と初春もまた、全てが全て話を呑み込んでいたわけではなかったが、目の前の男の泣き叫ぶ姿を見てこれ以上、口を開こうとは思わなかった。

上条「……フグゥ……クソッ……」

自分の膝を叩き泣く上条。

美琴「…………………」

そんな彼を見て、美琴は一歩下がり、そのまま重力に引かれるようにドスンと椅子に腰を掛けた。

美琴「……………………」

もはや彼女に、反論する気は一切残っていなかった。
上条の嗚咽だけがいつまでも部屋に響いていた――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 00:10:12.70 ID:9yAEp3A0<>>>1です。
すいません長くなりました。
今日は以上です。
ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 00:11:25.54 ID:YHvIFuM0<>ステイル、禁書ペア死亡ww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:11:37.32 ID:tMm0I3wo<>インデックスぅぅぅぅぅ!?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:13:01.13 ID:/AYFPASO<>乙!!!!!!!!!!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:13:05.36 ID:1hp4mi20<>>>570
乙です
なんかもういろいろとヤバイ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:13:10.19 ID:L3kICkc0<>乙ー
このまま美琴には引き下がってほしいけど
それじゃあ話進まないもんな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 00:13:17.20 ID:YHvIFuM0<>ねーちんは敵側?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:13:45.64 ID:c.AwmwDO<>>>570



ステイル…………°・(ノД`)・°・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:13:53.71 ID:wG0MBNI0<>…今日ハタクサン死ンダナァ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:13:57.67 ID:9qGclG2o<>otsukaresamaなんだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:14:47.93 ID:hpGWlik0<>禁書・ステイル両名共に死亡確認<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:15:47.11 ID:ZUDJHQDO<>定規ちゃん殺したら発狂するよ<> VIPにかわりましてピカチュウがお送りします<><>2010/07/06(火) 00:17:05.86 ID:ScpTzdk0<>乙です
続きを待ってます

何故だか目から汗が・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:17:43.33 ID:V/DgseEo<>ステイル本当に死んじゃったのか・・・

でも正直削板が死んだってのが一番ショックだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:19:24.67 ID:CeU3puwo<>風呂敷どころか男塾の大塾旗ぐらいまで広げちゃったな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:19:36.03 ID:VHBE0lgo<>あのどや顔の遺影を思い出すな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:20:04.68 ID:Dem5PDQ0<>乙。

>>1以上にスレ消費してるから注意しような。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:20:21.83 ID:u5VMEL60<>死んだというか死んでた事実が明るみになったなぁ。
禁書とステイルはフラグ立ち気味だったけど、その他諸々がやべぇww

しかし、>>1は天才か。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:21:34.21 ID:8Za69NUo<>展開の予想は迷惑なので控えるが、気になるのはスレタイがこのままでいいのかどうかだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:24:17.72 ID:MuZwzlM0<>上条さんの「……フグゥ…」で笑いそうになってしまった

ステイル……ごめんなんだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 00:24:31.31 ID:YHvIFuM0<>こっからどうやってhappy endにするんだ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 00:29:38.99 ID:iCK9y5Uo<>神裂さんじゅうはっさいはどうnうわなにをくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 00:33:23.93 ID:T0B8CQSO<>おれの最愛が…
いちおつ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:46:03.93 ID:zmYKrI2o<>乙
超能力者が死ぬってのはやっぱ応えるな・・・昭和・・・
それにこのSS読んで別スレSSでデレたりしてる最愛とか見るとねもうね
あれ、目から窒素が・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:56:49.00 ID:kH7nbwAO<>儚く散っていった戦死者達に、特に俺のあわきんに敬礼!!!!!!!!!(ρ_;)ゞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 01:04:23.77 ID:rsCAZESO<>とりあえず美鈴さんと木山せんせーが無事でよかったよ

いちおつ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 01:20:59.01 ID:sJEbbTwo<>日本政府の支援があるのなのなら他にもやり方があるんじゃなかろうか?
あと禁書さんが殺されたんならイギリス清教も動くのでは?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 01:34:04.90 ID:I6wB7qI0<>こりゃ3スレ目突入するな
それにしても>>1は凄いな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 01:43:15.70 ID:CTy57IQo<>久々に神を見た<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 02:18:11.04 ID:ibdbD8Q0<>量といい、質といい
いいね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 03:17:35.40 ID:GIPhII.0<>>>599
あとは。タイトルのセンス。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 03:50:52.38 ID:KfQjiIYo<>メインヒロインよりもステイルの方に反応が多いという事実に泣いた

いちおつ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 03:52:29.40 ID:/Us4/QI0<>頑張って
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 06:57:59.16 ID:TLIe6wAO<>頑張って完結させてくれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 07:16:52.52 ID:oD03mS20<>>>1乙です。神展開ですね。こういうシリアスなのが読みたかったんですよ。
いろいろな人が死んでしまってショックだが、これでこそ読み応えがあります。
…しかし、すごパが死ぬって…どんだけ敵は強えんだ…
後は科学側では2位と4位が気になるかな。魔術側はどうするんだろう?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 08:36:42.31 ID:SalsfCco<>垣根は脳ミソだしどうしようもないんじゃないか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 08:58:14.64 ID:SKB22.w0<>科学者が世界最大の原石[ピーーー]とかありえん。きっと脳だけでもとりだしてるはず<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 10:11:23.31 ID:CSX0yTEo<>>>604
「>>1です」に見えて、なんかスゲェ自画自賛してるなーとか思ってしまった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 16:51:58.33 ID:kO0gjMAO<>乙乙
「超電磁砲組ファイトォ!」思い出してぶちのめしたくなった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 18:03:06.97 ID:Lbnpp.AO<>>>1乙


>>607
くそわらっちまったwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 19:07:48.29 ID:cWG6vec0<>うおおおおおおおおおおおおっ!!!
何という神展開!!

タイトル見た時は、ネタかと思ってたけど、何という仕掛けの数々!!
支援!支援!支援!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 20:30:34.84 ID:SYQjteso<>黒子のテレポートで地面が盛り上がってってところが意味わかんないんだけど
テレポートってそんな便利能力じゃないよね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 20:47:32.56 ID:wDoWpUc0<>>>611
こまけえことはいいんだよ
そもそも地球の時点すら操れるのに
エレベータのベクトルに無力だなんて・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 20:49:52.92 ID:rf3dAsAO<>そういえばいつチョーカーとれたんだ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 21:05:29.59 ID:YHvIFuM0<>今日の投下まだー?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 21:21:17.79 ID:Dem5PDQ0<>>>613
リアルゲコ太の本気か服の中に隠してるか

ID:YHvlFuM0は昨日のage厨だからスルーもしくはNG<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 21:31:16.54 ID:SYQjteso<>>>612
一方さん倒すのに重要な部分を細かいってそれはねーよ
あと黒子たちも一方さんと一緒に飛び回ってたのになんで無事だったの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 21:32:06.22 ID:GIPhII.0<>どっかのだれかさんが一番スルーできてない件について

チョーカーは素敵物質でどうにかできるんだろうか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 21:45:57.96 ID:O6s1G/oo<>2週間の特訓で限界突破したってことになってるじゃん
それで納得しとこうぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 22:12:43.93 ID:SYQjteso<>限界突破でテレポートの性質が変わるかよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 22:18:20.24 ID:HYcJdkc0<>>>1です。
みなさん、ありがとうございます。
戦闘部分は、あれ?これ無理ある?と今になって思うところが自分でも
たくさんあります。まあ今更どうしようもないのですが。
はい、そういうわけで今から今日の分いきます。
では投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 22:21:25.34 ID:SsBfczI0<>待ってました!
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 22:21:34.29 ID:O6s1G/oo<>おっしゃ
楽しみだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 22:23:41.99 ID:HYcJdkc0<>上条たちのアジト――。

話を終え、一段落着くと、美琴は上条の私室に来ていた。
私室、と言ってもメインルームより更に狭く到底くつろげるようなものでもなかった。ベッドは無かったが、ソファの上に枕と布団みたいなものが一枚乗せられており、上条はそのソファで寝ているようだった。

上条「さっきは悪かったな。格好悪いところ見せちまってよ」

美琴「ううん……。それは、お互い様だから……」

上条は部屋に置かれたポッドで紅茶を注ぐとそれを美琴に渡した。

上条「あ、お前も飲むか?」

上条が、開かれたドアの側にいる御坂妹に声を掛ける。
彼女は今、壁に背中をもたれ両手を後ろに回すようにして立っていた。

御坂妹「いえ、結構です、とミサカは遠慮しておきます」

上条「そっか」

美琴は紅茶を仰ぐ。
既に、カエル顔の医者は患者が心配だからと病院へ帰っており、寮監も寮の生徒たちが気になるのか美琴たちに「遅くなるなよ」とだけ言うとアジトを出て行った。
黄泉川と鉄装と木山は今、別室で黒子と佐天と初春と話していた。

美琴「それで……私たちが学園都市の『外』に逃げるのはまだ先なのね?」

上条「ああ。これからしばらくは、テロも暗殺も治まって休校措置も解除されるだろうが、それは表向きだけ。実際は、来る内戦に備えて下準備をするため、みんな地下に潜るから静かになるだけだ」

御坂妹「我々はその隙をつき、少しでも暴走した研究者たちの力を削ぐために行動します、とミサカは付け加えます」

上条「内戦を回避出来たら一番いいんだけどな。俺たちももう、そこまでの力は残されてねぇし……。焼け石に水かもしれねぇが、やらないよりかはマシだろ?」

美琴「そうね……」

両手でカップを持ちながら美琴は静かに答える。

上条「本当は内戦を回避して、研究者たちと対立してた連中も一掃出来れば学園都市にも平和が戻るんだけど、現実はそう甘くねぇからな……。ギリギリまでやれることやって、限界が来たらお前らを『外』に逃がすため迎えに行くよ」

美琴「……逃げるのは、私と、黒子と、佐天さんと、初春さん……なんだよね?」

上条「ああ、そうだな。もう時間も無いしお前ら4人が最後になる」

美琴「ふーん……」

それを聞くと、美琴は少し複雑そうな表情を作り紅茶を啜った。

美琴「あんたたちはどうすんのよ?」

上条「俺たち? そうだな……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 22:30:39.52 ID:HYcJdkc0<>上条は御坂妹に視線を寄越す。

御坂妹「…………………」

上条「大丈夫だ。そこは心配すんな。俺たちも頃合を見たら『外』に逃げるからよ」

上条は明るい調子で答えた。

美琴「そう。ならいいんだけど……」

御坂妹「ミサカたちも自分の身は自分で守れますから、ご安心して下さいお姉さま、とミサカは伝えておきます」

美琴「…………………そういや気になってたんだけど」

上条御坂妹「?」

紅茶のカップを口元から離し、美琴は上条を見る。

美琴「まさかあんた、私たちには『諦めろ』とか言っておいてこの子たちには無理に手伝わせてるんじゃないでしょうね?」

御坂妹「!」

上条「は? え? あ、いやいやそれはねぇよ」

美琴「本当に?」

御坂妹「ミサカたちは自分の意思で上条さまたちに協力を申し出たのです。今、この件に関しては学園都市に残っている10人のミサカたちと、治療が一段落着いて海外から帰って来たミサカたち合わせて20人ぐらいいますが、全員が全員、同意の下での行動です、とミサカは説明します」

美琴「そうなんだ」

美琴は少し不服そうだった。
彼女にとって、せっかく『絶対能力進化実験』から生き延びた『妹達(シスターズ)』は本当の妹のように掛け替えのない存在だった。姉として、そんな妹達をあまり危険な目に遭わせたくなかったのだが、同時に個人の感情が芽生えているのはいいことでもある。美琴はそれも尊重したかったのだ。

美琴「打ち止めもそうなの?」

上条「まあな。ほら、さっき打ち止めが話してたろ? 私欲にかられ暴走を始めた旧友の研究者を止めるために説得しに行ったがいいは、殺されてしまった、って研究者」

美琴「ああ、言ってたわね」

上条「その研究者のこと随分慕ってたようでさ。無茶言って一方通行や妹達から俺たちのこと聞き出して『自分も仲間に入れないなら妹達に強硬手段とるよ?』って一丁前に脅しやがって」

御坂妹「まったく、生意気な子供のくせに…とミサカは溜息を吐いてみます」

美琴「ふふ、そうなんだ」

まるで我が子の成長を喜ぶように美琴は微笑む。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 22:36:29.00 ID:HYcJdkc0<>上条「ったく、誰かさんに似てるよな」ハァ…

美琴「何か言った?」バチバチッ

上条「何でもありませんですはい」

美琴「よろしい」

上条「ま、一応、打ち止めは危険な場所には連れて行かないようにしてるけどさ。主に、一方通行の方針で」フッ

ニヤッと笑う上条に、美琴も吹き出す。

美琴「プッw そうよね、あいつ見かけによらず過保護よね? ククク」

御坂妹「きっと彼は、重度のロリータコンプレックス……ずばりロリコンではないでしょうか、とミサカは推測してみます」ズバッ

上条「そうそうまさにそれ!」

美琴「学園都市最強の男がロリコンw プッ…ククク」

一方通行「聞こえてンぞー」

出し抜けに、遠くから一方通行の声が響いた。恐らく隣の部屋で3人の会話を聞いていたのだろう。

打ち止め「えー貴方ってロリコンさんだったんだービックリー、ってミサカはミサカは我が身の貞操の危機感に震えてみたり」

次いで、打ち止めの声も聞こえてきた。

一方通行「ぶっ殺すぞクソガキ! それと『貞操』なンて卑猥な言葉どこで覚えやがった!?」

打ち止め「ミサカネットワーク!」

一方通行「アイツらァァァァァァァァァァ!!!!」

コントのような一方通行と打ち止めの会話を聞き、3人は吹き出した。

美琴「あははははは! やっぱりあの2人最っ高だわ!!」

上条「将来、尻に敷かれるの確定だな!」

御坂妹「もはや主導権は上位個体にあります。学園都市最強の人間は上位個体ではないでしょうか、とミサカは新たなる仮説を唱えてみます」

今度は、ウガァァァと叫ぶ一方通行とそれを止めようとする打ち止めの声が聞こえてきた。
美琴たちは更に爆笑する。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 22:42:38.18 ID:HYcJdkc0<>美琴「はーおっかしー。何か久しぶりに笑った気がするわ」

それを聞き、上条と御坂妹は顔を見合わせ笑みを浮かべる。

上条「ま、そういうわけだ。お前らには悪いが、俺が連絡寄越すまで、いつも通りの生活送っててくれ」

美琴「分かってる分かってるって。美琴先生はそこまで往生際悪くないわよ」

美琴は飲み終えた紅茶のカップを上条に手渡す。

上条「ならいいんだけどさ。間違っても、俺がいないからって、代わりにそこら辺の一般人に電撃浴びせようとすんなよ?」

美琴「はぁ? あんた以外にそんなことするわけないじゃない」

上条「なにー!? それはどういう意味ですかもしかして上条さんは程良い的とかそういうことでしょうか」

美琴「え? 今更気付いたの?」

上条「やっぱりそうかークソーこのイマジンブレイカーがある限り御坂さんのビリビリ攻撃からは逃れられない運命にあるのか!」

美琴「もっちろん」

上条「ふざけないで下さい」

美琴「………………クスッ」

上条「………………フッ」

美琴「…………………」

上条「…………………」

軽く笑うと、美琴と上条の2人はしばらくの間互いの顔を見つめ合っていた。

御坂妹「…………………」

美琴「もういいわ。あんたの他人を放っておけない病にも慣れてるし。ここはちゃんと引いてあげるから」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 22:47:33.72 ID:HYcJdkc0<>上条「ありがとな」

美琴「ま、『外』で再会した時は罰として10億ボルト浴びせてあげるから覚悟しておきなさい」

上条「………そうか…」フッ

美琴「さて、じゃあそろそろ帰るわ」

そう言うと、美琴は腰を降ろしていた椅子から立ち上がった。

上条「ん? ああ、そっか。御坂妹、送ってやってくれ」

御坂妹「分かりました」

美琴「あんたねー…女の子をコキ使っておいて自分は何もしないとか、男としてどうなの?」

上条「いやいや上条さんはこれでもリーダーなんです溜まってるお仕事がたくさんあるんですよ本当は僕もか弱い女の子4人を送って差し上げたいんですけど」

美琴「誰がか弱いか! 今日、あんたたちが私たちにどんな目に遭わされたのか忘れたって言うならもう1度ここで……」パリパチッ

上条「御坂妹さん、宜しくお願いします」

御坂妹「りょーかい、とミサカは敬礼してみます。クスッ」

美琴「あんたね! ……ってもういいわ、ったく……」
美琴「じゃ、また今度ね」

上条「おう、連絡するからな」

挨拶を交わし、美琴は御坂妹と共に部屋を出て行った。
その後、黒子、佐天、初春とも一緒に、美琴は護衛に着いた御坂妹に導かれ再び地上まで辿り着いた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 22:52:42.71 ID:HYcJdkc0<>地上――。

御坂妹「ここまで来れば、後はご自分の足でも帰れると思います」

手に持ったFN F2000アサルトライフル抱え直し御坂妹が言う。
空は既に、明るくなりつつあった。

黒子「本日はありがとうございました」

佐天「ありがとうございました!」

初春「ありがとうございました!」

黒子たちはお辞儀をし、礼を伝える。

美琴「ホント、ありがとね妹。お願いだから無茶はしないでよね。姉として心配してるんだから」

御坂妹「これでも自分の命を守ることぐらいは出来ます、とミサカはお姉さまの思慮に感謝しつつ答えます」

美琴「そうならいいんだけど」
美琴「にしてもこれで、あんたたちを追うこともなくなったわけね」

御坂妹「………………」

初春「思えば長かったですねー」

佐天「ある意味、スリリングな生活だったけどね」

黒子「でもまあ、落ち着くところに落ち着いて良かったのでは?」

美琴「結局、私たちがやってたことは意味が無かったけどねぇ………」

黒子佐天初春「……………」

美琴の言葉に、3人が黙った。
彼女たちは、上条と一方通行を倒すためにこの3週間、苦楽を共にしてきたのだ。だが、上条たちから全ての真相を聞いた今、その3週間が意味の無いものであると思ってしまうのも無理も無かった。

御坂妹「意味はありましたよ?」

美琴黒子佐天初春「え?」

御坂妹が4人の顔を見てそう言った。

御坂妹「お姉さまたちのこの3週間の行動は全て意味があったと思います、とミサカは真剣に説いてみます」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 22:59:10.94 ID:HYcJdkc0<>美琴黒子佐天初春「………」

御坂妹「もしお姉さまたちが途中で諦めていたのなら、または最初から何もしようとしていなかったのなら、お姉さまたちは結局、何も知らされないまま学園都市の『外』に連れ出されていました。結果的に学園都市の崩壊が起こらない場合であっても、お姉さまたちは固法さまや婚后さまたちが生きていることを知らずに今後生活する羽目になっていたでしょう。それを考えたら、お姉さまたちのこの3週間は決して意味の無いものだったとは思えません、とミサカは呆然と話を聞いている4人を励ましてみます」

美琴「………あんた…」

美琴が御坂妹を見据える。

御坂妹「それに、お姉さま?」

美琴「え? な、何?」

御坂妹「お姉さまたちが逃亡生活中、その情報を掴んでいたミサカや一方通行は少しでもお姉さまたちの動きを牽制しようと強硬論を主張していました。しかし、その中で1人、上条さまだけは『大して脅威にならない』と言って、ことあるごとにミサカたちの主張を跳ね除けていました」

美琴「…………」

御坂妹「今思えば、上条さまはお姉さまたちが自力で我々の所に辿り着くのを心のどこかで期待していたのかもしれません。恐らく、お姉さまたちにずっと事情を隠していた自分に後ろめたさを感じていたのでしょう。『大して脅威にならない』という彼の発言も、本当はお姉さまに対する期待の気持ちを自分で否定したいがために出てきたものみたいではないでしょうか、とミサカは推測します」

美琴「………あいつが…」

黒子「……なるほど。それが本当なら随分不器用な殿方ですこと」

初春「でも、上条さんなら有り得るかもしれませんね」

佐天「御坂さんって上条さんに一目置かれてるんですねー」ニヤニヤ

御坂妹「お姉さまと上条さまは、ついこの間まで毎日のように追いかけっこしてましたからね。それほどお互いのことが分かり合える仲なのではないでしょうか、とミサカは今回に限って特別にお姉さまの味方をしてみます」

美琴「は!? はあ!? 何言ってんのよ!!」

佐天「あれ? そ  う  い  う  意味じゃないんですかー?」ニヤニヤ

初春「そう言えばさっき、御坂さんと上条さん、一回だけお互いの名前で呼び合ってましたよねー」

美琴「な……あ、あれは違うの! 違うんだってば!!」

黒子「チッ……」

御坂妹「フフ……。でもまあとにかく、そう言うことです。ミサカはお姉さまたちのこの3週間は意味の無いものだったとは思えません。寧ろ、何か得られた物のほうが大きかったのではないでしょうか」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 23:05:39.41 ID:HYcJdkc0<>美琴黒子佐天初春「……………」

彼女たちは思い出す。4人で過ごした日々のことを。
確かに、得られたものはたくさんあったはずだ。

美琴「フ……まさか妹に諭されるとはねぇ……でも、元気出たわ。ねぇ?」

黒子「はい。わざわざフォローありがとうございますわ。言葉1つでも報われる思いですの」

佐天初春「ありがとうございます!!」

美琴「ホント、感謝してるわ」

御坂妹「いえいえ。もうこうなった以上、お姉さまたちと対立する意味もありませんから、とミサカは笑顔を見せてみます」

美琴「うん。そうよね」

御坂妹「ではミサカはもうそろそろアジトに戻らなければなりません」

美琴「あ、そっか」

御坂妹「くれぐれも敵の動きにはお気を付けて。何かあればすぐに我々に連絡を寄越して下さい。直ちに駆けつけますから」

美琴「うん。何から何までありがと。だけど、あんたも死なないよう頑張ってね?」

御坂妹「もちろんです、とミサカは答えます」

御坂妹の言葉を聞き、美琴は満足したように1回頷いた。

美琴「あ、後さ……」

御坂妹「はい?」

美琴「……1人、かなり無茶しそうなオオバカヤロウのことなんだけど……」

ポン、と美琴は御坂妹の肩に手を置いた。

美琴「“あいつ”のことも守ってあげてね」

美琴が笑顔で言った。

御坂妹「はい、分かりましたお姉さま、とミサカは自信をもって答えます」

御坂妹も笑顔で返した。
こうして、御坂妹に手を振りつつ、美琴たちは街へ帰っていった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:07:53.29 ID:6hguQVEo<>また一人、誰か消えそうな雰囲気だな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 23:11:37.43 ID:HYcJdkc0<>初春「ふぃー…疲れましたね。今日1日で色々ありました」

佐天「結局、友達もみんな無事だったんだからこれで一先ずは安心、と言ったところでしょうかね」

黒子「そうですわね。私たちの戦いは終わった、ということですね」

3人の会話を聞いていた先頭の美琴が振り返る。

美琴「黒子、佐天さん、初春さん、みんなお疲れ。付き合ってくれてありがとね」

黒子「何を仰いますかお姉さま」

佐天「あたしたちの方がお礼を言いたいぐらいです」

初春「御坂さんのお陰で私たちも成長出来た気がしますし」

3人は立ち止まり笑顔になって一緒に言う。

黒子佐天初春「「「お疲れさま」」」

美琴「……ありがとう♪」

朝焼けに染まる街を美琴たちは歩く。

美琴「じゃ、今日からは私たちも普通の女子中学生に戻るわよ!」

黒子佐天初春「はーい!!」

美琴「よーし、家まで競争!」

突然、走り出す美琴。

黒子「あっ! お姉さま!」

佐天「ちょっ、ずるいですよ!」

初春「待って下さ〜い!!」

美琴「きゃっふ〜〜〜〜〜い!!!!!」

美琴に倣い、駆けて行く3人。


こうして、彼女たちの長い戦いは終わった。
彼女たちは再び、普通の女子中学生へと戻る――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:14:12.50 ID:H0Xdhls0<>…終わらないよね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 23:21:44.39 ID:HYcJdkc0<>3日後・上条たちのアジト――。

上条「言った通り、黄泉川先生の部下の1個小隊が陽動で敵の主力を引き付けてくれる。その間に、俺たちは敵の一拠点を潰すぞ」

メインルームで作戦会議を行う上条と一方通行と御坂妹。
彼らは今、手元の資料に注目している。

上条「能力を持った科学者、魔術師、あるいは武装した兵士。何が出て来るか分からないが、十分気を付けてくれ」

一方通行「数あるうちの1つとは言え、敵の拠点に攻撃を仕掛けるンだ。こりゃァ、かなり危険な仕事かもなァ……」

頭をかきながら資料を眺めていた一方通行が一言呟いた。

御坂妹「表の陽動との連携が上手くいけば、我々もスムーズに行えるでしょう、とミサカは推測します」

一方通行「ま、やってみる価値はあるかもなァ」

上条「そういうことだ。御坂妹……」

御坂妹「はい?」

と、そこで上条が御坂妹に視線を向けた。

上条「さっきも言ったが、別に無理して付いて来る必要は無いんだぞ? 破壊工作ぐらいなら俺たち2人でも出来るんだから」

御坂妹「いえ。ただでさえ人数が不足しているのです。援護は多い方が合理的でしょう、とミサカは主張してみます」

上条「なら、無理して止めないがな……」

含みのあるようにそう言う上条。
御坂妹は何も返さず、ただ黙っていた。

御坂妹「…………………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:22:02.51 ID:KUrF7As0<>








                  はずだった











<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:23:02.15 ID:KUrF7As0<>>>635
誤爆<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:26:13.84 ID:kgdc56wo<>>>636
おい



おい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 23:27:19.04 ID:HYcJdkc0<>上条たちのアジト・御坂妹と打ち止めの寝室――。

御坂妹「やれやれ、とミサカは唐突に溜息を零してみます」

打ち止め「ムー…そんな言い方はないんじゃないかな10032号、ってミサカはミサカはブー垂れてみたり!」

御坂妹「チッ、わがままで生意気なガキめ、とミサカは密かに上位個体の陰口を叩きます」

打ち止め「陰口になってないよー、ってミサカはミサカは指摘してみる」

狭い寝室で繰り返される「ミサカ」という単語。
今、御坂妹と打ち止めは仲良く(?)一緒になって寝室のベッドに潜り込んでいた。

御坂妹「そもそも、どうしてミサカが毎晩こんなことをしなければならないのでしょう? とミサカは懲りずに文句を言ってみます」

こんなこと、とは今まさに御坂妹がしていることで、それは寝る前の打ち止めに絵本を読んで聞かせてあげることだった。端から見れば仲の良い姉妹である。

打ち止め「いいのいのーって、ミサカはミサカは10032号の身体にギューッとひっついてみる」

御坂妹「やれやれ……(本物の姉妹とはこの様なものなのでしょうか。なら、こうやって本当の姉みたいに妹を可愛がるのも悪くないのかもしれませんね、とミサカは内心微笑んでみます)」

打ち止め「じゃ、次これ読んでよー」

御坂妹「はいはい分かりました、とミサカは本を開いてみます」

打ち止め「ワクワク」

御坂妹「むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが………」

数十分後、本を読み終え部屋の電気も落とし、御坂妹と打ち止めは天井を見上げていた。

打ち止め「ねぇ……10032号」

御坂妹「何でしょうか?」

打ち止め「上条さんに言われたこと気にしてるの? ってミサカはミサカは地雷を踏みそうな話題に少し触れてみたり」

御坂妹「…………………」

打ち止め「上条さんは、明日の敵拠点の1つの破壊工作について、10032号に『無理して付いて来なくていい』って言ったみたいだけど……。別にそれは10032号が役立たずだとか、弱いとかそんなことを言っているんじゃないと思うよ、ってミサカはミサカは擁護してみる」

御坂妹「………」

打ち止め「多分、単純に危ない目に遭わせたくないんじゃないかな? ってミサカはミサカは名推理」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:27:39.54 ID:PKoUkpo0<>>>636
意味深に思っちまったじゃねえかよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 23:33:48.40 ID:HYcJdkc0<>御坂妹「…………それは十分承知しています。ですが、ミサカはあの人に協力を申し出る時『最後の最後まで付き合う』と誓ったのです。今更、危険から逃げようだなんて考えてません、とミサカははっきりと言っておきます」

打ち止め「だから、その10032号の決心を気遣ってほしかったんでしょ?」

御坂妹「………」

打ち止め「でも明日の作戦は、上条さんと一方通行の2人だけでも出来ることだし、上条さんは無理してまで10032号が危ない目に遭ってほしくなかっただけだと思うよ。ミサカも、そういう場合なら、10032号が付いて行かなくてもいいと思うけど……」

御坂妹「別にそれだけが理由ではありません」

打ち止め「え?」

御坂妹「ミサカには、あの人の側についてあの人を守ってあげたい、という意志もあるのです、とミサカは言い切ってみます」

打ち止め「そっか……」

御坂妹「………………」

無言になる2人。
御坂妹は、上条の言葉を思い出す。

御坂妹「(ミサカの固い意志は何人にも止められません、とミサカは自分で確信します)」

1度、御坂妹は溜息を吐く。

御坂妹「下らないことを言ってないで早く寝なさい」

打ち止めに注意する御坂妹。それはまるで本当の姉のようだった。

御坂妹「?」

しかし、打ち止めからの返事がない。思わず、打ち止めの方を見てみると……

打ち止め「スー……スー……」

打ち止めが天使のような寝顔で可愛らしい寝息を立てていた。

御坂妹「まったく、おマセさんなんだから」

打ち止め「スー……スー……」

御坂妹「……………ハァ…」

再び溜息を吐く御坂妹

御坂妹「………………クスッ」

そして1度だけ口元を緩めると、御坂妹は打ち止めに優しく布団を掛けてやった。
規則的なリズムで打ち止めのお腹を軽く叩いてやりながら、御坂妹も深い眠りに就いた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/06(火) 23:34:34.21 ID:HYcJdkc0<>>>1です。
今日は以上となります。
また明日来れると思います。
ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:37:35.76 ID:1hp4mi20<>GJΣd(・∀・)
続き楽しみにしてます!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 23:40:19.91 ID:SsBfczI0<>乙です
明日もよろしく<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:42:27.35 ID:3esrA6Io<>乙です<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:43:21.05 ID:KUrF7As0<>乙。
誤爆マジすまんかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 23:46:34.99 ID:1ebPOwo0<>乙
あと少しで3スレ目<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:47:50.28 ID:EpWSsyYo<>つまりどういうこと!?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:50:18.78 ID:O6s1G/oo<>乙ん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 23:59:00.27 ID:XVfEvHY0<>死亡フラグ立ってるな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:59:56.03 ID:XVfEvHY0<>sage忘れスマソ
>>1乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 01:33:38.16 ID:ioRvo3o0<>乙

妹死ぬなよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 07:10:56.93 ID:PmJs6sAO<>>>1乙!

今更だがインディアンさん死んだとかショックだぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 07:36:41.99 ID:8b/CbFso<>>>635お前マジでそういうのやめろおい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/07(水) 07:41:16.15 ID:PyyOvEc0<>>>635かみやん死ぬかと思ったじゃないか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 10:29:39.96 ID:luPSRoAO<>乙!

ところで>>503、>>517で、美琴達が外にでても寂しくないように友達を連れ出した、って外に出たら婚后達と再開させる様なことを言ってるのに、>>629では美琴達が諦めていたら、何も知らずに外に連れ出され、固法達が生きている事を知らずに今後生活を…、って言ってるけどどういうこと?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 11:55:06.35 ID:gGsPxho0<>>>655
外に出るまでの間知らないってことじゃない?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 12:50:01.29 ID:luPSRoAO<>>>656
なるへそthx<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/07(水) 18:36:49.03 ID:ax8pI5k0<>誤爆ワロタww
タイミングよすぎww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 19:29:43.52 ID:To6eIFQo<>ていうか誤爆なはずがねえだろww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 21:35:52.28 ID:xkIq9wM0<>>>1です。こんばんは。
今から投下していきます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 21:41:23.55 ID:xkIq9wM0<>翌日、上条の言った通り、学園都市の全校に出されていた休校措置が久しぶりに解除された。
安心した学生たちは、溜まっていた不安を発散するように街へ飛び出し、久しぶりの学生生活に身を浸らせた。
街は活気を取り戻し、学生たちの元気な声が響き渡った。
彼らは、赴くままに青春を楽しむ。街の裏で何が起こっているのか知らないまま――。


放課後・とある喫茶店――。

美琴「さぁて♪ 久しぶりのパフェよ〜♪」

初春「私もパフェが食べたくて食べたくて、この日が再び来るのをずっと待っていました!」キラキラ

窓際のテーブルに、いつもの4人…美琴、黒子、佐天、初春が座っていた。
彼女たちは今、4人分のパフェを前に女子中学生らしい歓喜の声を上げている。

佐天「うっひゃー…御坂さんも初春も、でっかいの頼んだねー」

黒子「お姉さま、太りますわよ」

美琴「1回食べただけで太ってたら、全人類メタボ化してるっつーの。しかも一昨日までホームレスみたいな生活してたんだから少しは痩せてるはず。なら今しかチャンスはないっしょ」

佐天「ま、確かにそうですね」

黒子「一理ありますわね」

美琴「じゃ、いっただきまーす!」

初春「いただきまーす!」

4人はムシャムシャとパフェを食べ始める。

黒子「お姉さま、一口だけ交換いたしません?」

美琴「いやいや、同じの食べてるのに交換とかないから」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 21:42:51.64 ID:Z8p6d36o<>キタ―――――ヽ(´ー`)ノ―――――!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 21:46:23.14 ID:xkIq9wM0<>黒子「そう仰らずに恥ずかしがらないで。はい、あ〜ん♪」

美琴「やめんかぁ!」ビリビリッ

黒子「あぁぁぁあん♪ 久しぶりのお姉さまの愛の鞭、効きますわ〜ん」ビクビクッ

佐天「あはは…相変わらずですねー……パクッ」
佐天「…うーん甘い! でもこの食感が最高なのよね♪」

初春「そうそう。この口の中に広がるトンローリとしたそれでいて何とも言い難い甘みの美味しいこと美味しいこと」モグモグ

佐天「あたしもっと食べてやろ」ムシャムシャ

黒子「あらあら。佐天さんも太ったらどうしますの?」パクパク

佐天「あはは。あたしは大丈夫です。何でか知らないけど、太っても胸の方に脂肪がいくみたいで」

美琴黒子初春「何ですと!!??」ガビーン

佐天「え? 何かあたし変なこと言いました?」

黒子「脂肪が胸にいくですって? 何ですかその反則的な体質は!」

初春「うわぁ羨ましいですぅ。だから佐天さん、中1なのにそんなにスタイル良いんですね!」

美琴「ね、ねぇ佐天さん、普段の食生活とか詳しくお、教えてくれないかな? え? いや、別に胸が小さいとか気にしてるわけじゃないのよ?」

佐天「何でみんなそんなに必死なんですか!?」

やいのやいのと騒ぎながら、とある女子中学生4人娘の時間は過ぎていく。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 21:51:27.01 ID:xkIq9wM0<>しばらくして………

美琴「…………………」

パフェを食べ終わり、美琴はスプーンの端を口に咥え頬杖をつきながら窓の外を眺めていた。
今も街は学生たちで溢れている。

黒子佐天初春「―――――――」ワイノワイノ

初春「!」

と、そんな美琴の様子に向かいの席が初春が気付き声を掛けた。

初春「街も元気が戻ってきましたよね」

美琴「ん? あ、そうね……」

佐天「何だか1週間前を思い出すと、信じられませんよね。あたしたちホームレスみたいな生活してたんですよ」

黒子「色々ありましたわね」

佐天と黒子も話に加わる。
彼女たちのテンションが少し下がった。

初春「でも平和に見えても、本当は破滅へのカウントダウンが始まってるんですよね……」

佐天「本当に内戦なんて始まっちゃうのかな?」

黒子「いずれにせよ、大事に備えておく必要があるかもしれませんわね」

美琴「…………………」

徐々に、彼女たちのテンションが落ちていく。

黒子「…………………」

佐天「…………………」

初春「…………………」

やがて全員、無言になったしまった。

美琴「…ハァ……止め止め!」

黒子佐天初春「?」

美琴「何よ貴女たち辛苦臭くしてさ。せっかくなんだから、今は楽しみなさいよ」

美琴が何とか場の雰囲気を元に戻そうと試みる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 21:57:24.64 ID:xkIq9wM0<>黒子「しかし……」

美琴「それに、内戦だって回避されるかもしれないでしょ?」

確かに、その可能性も無きにしも非ずだ。だが、上条たちの様子を実際見ているだけに、それが難しいことであることは彼女たちも大体分かっていた。
しかし、美琴はそれでも続ける。

美琴「私たちがうじうじしたって何も変わらないでしょ? だから今はほら、スマイルスマイル」

ニコッと美琴が笑ってみせる。

黒子佐天初春「……………」

美琴「(駄目か?)」

黒子「そうですわね」

美琴「え?」

佐天「落ち込んでても何も変わらないですもんね」

初春「ごめんなさい。スマイルですよね」

ようやく彼女たちも、元気を取り戻したようだった。

美琴「出来るじゃないスマイル。みんな可愛い笑顔してるわよ」

佐天「これでもですかぁ?」

美琴「え? プッ…あはははははは」

初春「一体何ですか? って佐天さん、フフフフフ」

黒子「ちょっ…貴女、やめなさい…クスス」

佐天が作った変顔を見て、美琴たちが笑う。

美琴「やったわね…じゃあこれなんてどう?」

佐天に倣い、美琴も変顔を作る。

佐天「プッ…は、反則ですそれ! あはは」

初春「お…お嬢さまのイメージが崩れ……でも…フフフフフ…おかしい」

黒子「お、お姉さま……そんなはしたない顔……クスクス」

初春「じゃ、私も……どうですかこれ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 22:01:21.74 ID:Ar0P04oo<>打ち止めがラストオーダーに脳内変換されて混乱した<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 22:03:37.80 ID:xkIq9wM0<>佐天「あははははは、初春、そんな顔出来たんだ? 超受ける。フフッ」

黒子「う、初春…お、お止めなさい……クククク」

美琴「あははは。初春さん貴女、最高よ!」

初春「そうですかぁ? でも1人だけまだやってない人がいますよー」チラッ

黒子「えっ」ギクッ

佐天「あ、本当だー。不公平ですよねー」ニヤニヤ

黒子「わ、私は淑女としての嗜みがありますの。そんな変な顔だなんて」

美琴「えいっこれでもか!」ムニュゥ〜

黒子「ぎゃっ! お、お姉さま! お止めになって下さいまし」

佐天「あはははは。すごい! 傑作です!」

初春「4人の中で最高の変顔してますよ白井さん。クスクス」

黒子「ぎゃー見ないで下さいのーでもお姉さまに触れてもらってるこの至福の瞬間から逃れたくないと言う二重苦やはりお姉さまは黒子のこと……」

美琴「ニコニコ」ビリビリッ

黒子「ぎゃぁぁぁぁん何と言う不意打ちですが最高に気持ちいいでも変顔はおやめになって〜」

佐天「あはははははは」

初春「ふふふふふふ」

彼女たちに、笑顔が戻った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 22:09:35.07 ID:xkIq9wM0<>その頃・第5学区――。

ズッオオオオオオン!!!!!

けたたましい爆音が、共同溝内に響き渡った。

上条「クソッ!!」

美琴たち4人が第7学区の喫茶店で食事をしていた頃、上条たちは第5学区の地下で多くの敵を相手に悪戦苦闘していた。

バギィィィン!!!

咄嗟に右手を突き出し、上条は飛んで来た炎を打ち消す。
彼は今、第5学区地下の共同溝を、一方通行と御坂妹共に逃走していた。

一方通行「武装兵に魔術師…追っ手は増えるばかりだ。俺の反射で全て防ぎきれるかもしれねェが、オマエらを完璧に守れる保障はねェ。悪いが自分の身は自分の身で守れ」

上条「ああ」

御坂妹「承知しています」

彼らは今、劣勢にあった。
計画通り、敵の拠点の1つを狙った上条たち。しかし、彼らの作戦はいきなり失敗を見た。
上条たちは当初、敵の主力が地上に展開していると予測していた。それを受けて黄泉川の部下の1個小隊を敵の陽動として地上に向かわせてたのだが、実際は逆だった。
上条たちが密かに破壊工作を行おうとしていたルート上に、主力は待っていたのだ。お陰で、彼らは本来の目的を果たすことが出来ず、ただ逃走するしかなかった。

御坂妹「10時方向に人影を確認」

物陰から周囲を窺った御坂妹は、ダットサイトを覗き込みライフルのトリガーガードに添えていた指を引き金に掛ける。

ダダダダダダダダダダダダ!!!!!!

鋭い音が轟き、敵が一瞬怯んだ。

パパパパパパパパン!!!!! パパパン!!! パパパン!!!

が、すぐに反撃が開始され向こうからもライフル弾が飛んで来た。
咄嗟に身を隠す上条と御坂妹。
そんな中、一方通行は今、別方向からやって来た研究者たちを相手にしていた。研究者、と言っても非正規の手段で能力を手に入れた手強い連中だった。

御坂妹「しぶといですね、とミサカは溜息を吐きます」

ダットサイトから目を離すと、御坂妹は暗視ゴーグルと赤外線レーザーサイトを使って、手に抱えていたFN F2000アサルトライフルを連射した。

ダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!

その猛攻に敵の武装兵たちが後ずさる。

上条「ん!? あれは……!? 普通の兵士の姿をしてない……となると、また魔術師か! どんだけ魔術師を雇ってるんだ!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 22:16:24.60 ID:xkIq9wM0<>銃を持つ兵士たちの後ろから、1人の魔術師らしき男が現れた。

上条「援護頼む」

御坂妹「了解」

ヒュウウウウウウン!!!!!

魔術師がどこからか取り出したのか、半透明の槍を投げ付けてきた。

パパパパアン!!!! パパパパパパン!!!!!

と、同時に兵士たちが上条を狙おうと発砲を開始した。

御坂妹「そうはさせません」

ダダダダダダダダダダダ!!!!!!!

御坂妹の援護射撃で兵士たちの動きを牽制する。

バギィィィン!!!!

その隙を狙い、上条は飛んで来た槍を右手で打ち消す。
魔術師が怯んだ隙に、御坂妹は更に攻撃を加えた。

御坂妹「しつこいですね、とミサカは辟易します」

御坂妹は、銃口の下に装着されたグレネードランチャーの引き金を引いた。

ボッシュウウウウウウウ

空気が抜ける音と共に、御坂妹特製・対人近接信管が組み込まれた擲弾が飛来して行く。
やがてそれは、内部のセンサーで人体の温度と熱を感知すると兵士たちのすぐ頭上で爆発した。

ドォォォン!!!

魔術師「ぐあっ!!」

魔術師を含めた兵士たちが悲鳴を上げる。

上条「よくやった」

御坂妹「いえいえ」

上条「ん?」

御坂妹「新手ですね」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 22:19:10.89 ID:h5mUCQDO<>なんか嫌な予感<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 22:22:37.06 ID:xkIq9wM0<>上条「きりが無いな。逃げるぞ」

御坂妹「了解!」

2人が立ち上がる。

上条「一方通行!」

振り返る上条。

一方通行「すまねェが、こっちもきりが無い。ちょっくら、あっちのルート攻め込ンで来るわ。オマエらは先に行ってろ」

上条「お、おい!」

上条が止めるより先に、一方通行は飛び出していた。

上条「ったく、反対方向からも新手が来てるんだぞ」

御坂妹「彼なら大丈夫でしょう。我々は一先ずここを退却しましょう」

上条「チッ、分かった」

2人は踵を返し、暗い地下を駆けて行く。

上条「ハッ……ハァ……ハァ…」

御坂妹「……ハァ……ハァ…」

御坂妹のF2000アサルトライフルに取り付けられたフラッシュライトの光を頼りに、2人は暗闇を疾走する。
息継ぎの声だけが不気味にエコーがかって響いていた。
と、その時だった。



ガサリ



上条御坂妹「!!!!!!」

前方の暗闇から物音がした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 22:23:47.54 ID:xcDoByIo<>上条さんが死亡フラグを立ててる予感が…
フラグは女だけにしとけばよかったものを…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 22:27:57.13 ID:xkIq9wM0<>足を止め、その場に固まる上条と御坂妹。
息をするのも躊躇われるような静寂の中、先頭に立つ御坂妹がライフルの銃口を四方に向ける。銃口と同期して、フラッシュライトの光が闇の一辺を流れるように照らしていく。

上条「………………」

御坂妹「………………」ザッ…

一歩、御坂妹は踏み出した。
フォアグリップを握る左手は既に汗ばんで今にも滑りそうになっており、トリガーガードに添えている右手の人差し指も感触がほぼ無くなっていた。

御坂妹「………………」

彼女は更に一歩、踏み出す。

上条「………………」

御坂妹「……………」

その瞬間――。



ヒュッ



という音と共に、フラッシュライトに照らされた何かが一瞬、不気味に煌いた。

御坂妹「!!!???」

その煌きに気付き、御坂妹がそちらに顔を向けると、暗闇から飛び出した1つのアーミーナイフが銀色の光を発しながら、彼女を今にも突き刺さんと迫っていた。

上条「危ない!!!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 22:33:24.17 ID:xkIq9wM0<>紙一重でナイフをかわす御坂妹。
切られた前髪が空中を舞う。

「シッ!!!」

予断を与える間も無く、暗闇から飛び出してきた武装兵はナイフを更に薙ぐ。

パパパァン!!!

御坂妹はバックステップでそれを避けつつライフルを発砲したが、咄嗟のことだったためか銃弾はあらぬ方向に着弾した。そればかりか、汗で滑ったため同時に手元からライフルが離れてしまった。

御坂妹「くっ!」

3点スリングで肩に提げているため、ライフルが地面に落ちることはなかったが、武装兵は御坂妹が再びライフルを構えるための動作を許してくれるほど優しくはなかった。

上条「クソッ!」

迂闊に飛び込めば、御坂妹が無闇に傷ついてしまう可能性もある。したがって、上条は動こうと思っても動けない。

御坂妹「………っ」

英語らしき言語で「イッツ・オゥヴァ」と聞こえた気がした。と、同時に武装兵のナイフが御坂妹の胸へ一直線に振り降ろされた。
しかし………



バチバチッ!!!



「ぐふっ!!!」

刹那、暗闇が昼間のように明るくなったかと思うと、武装兵の手元からナイフが落ち、1テンポ遅れて武装兵が地面に崩れ落ちた。
ナイフが地面の上を回転する鋭い音が響いた。

上条「………大丈夫か!?」

倒れた武装兵を確認すると、上条は御坂妹に駆け寄った。

御坂妹「ミサカの得物がライフルだけだとタカを括ったのが貴方の敗因です、とミサカは冷めた目で倒れた武装兵を見つめます」

彼女の左手には、青白い電気がバチバチッと纏わりついていた。

上条「良かった……」

上条はホッと溜息を吐く。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 22:40:01.41 ID:xkIq9wM0<>御坂妹「安心している暇はありません。先を急がなければ」

上条「そうだな」

御坂妹「その前に、弾が切れたようです。マガジンを換えるので数秒ほど待って下さい」

そう言って御坂妹はスカートに取り付けていたマガジンポーチから弾倉を1つ取り出し、ライフルに装着しようとする。
その瞬間だった。

御坂妹「!?」

フラッシュライトが一瞬照らした先――そこに黒い覆面に覆われた男の姿が映った。
そして、その男の手にはライフルが抱えられてあり、銃口は上条の胸に注がれていて………

上条「?」

御坂妹「!」

時が止まる。
そして、御坂妹の脳裏に、ある人物の笑顔と言葉が共に蘇った――。






   ――「“あいつ”のことも守ってあげてね」――






叫ぶ間も無く、御坂妹は飛び出していた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/07(水) 22:41:55.81 ID:9n9S7bw0<>御坂妹「私が死んでもかわりがいるもの」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 22:42:13.61 ID:lcDNZks0<>>>635
とりあえずお前は責任取れ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/07(水) 22:43:42.96 ID:JugmsQDO<>そしてさらに御坂妹の前に俺が飛び出した<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 22:46:37.75 ID:xkIq9wM0<>




ダカカカカカカカカカカカカカカカ!!!!!!!!!





莫大な光量と音が暗闇を充満する。

上条「あ……」

何が起こったのかすぐに理解も出来ない中、上条が見た光景はコマ送りのように流れていった。


自分をライフルで狙う男の影――。


目の前に飛び出す御坂妹の小さな背中――。


そして、オレンジ色の2つの発砲炎――。


御坂妹「………っ……!!」

2つ分の血が虚空に飛び散る。

「が……はっ!!」

断末魔を上げ、武装兵は倒れた。
しかし、上条はそっちに意識を向けていない。彼は、目の前を舞うように崩れていく御坂妹の姿に見入っていた。

上条「ミサカ!!!!!!」

血を身体から吹き出し、地面に倒れそうになる御坂妹を上条は寸でのところで抱き支えた。

上条「ミサカ!!!!!!!!!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 22:52:46.88 ID:xkIq9wM0<>再び、上条が叫ぶ。
彼が抱える御坂妹の制服は、赤く染められており彼女の腕はダランと地面に接触していた。

御坂妹「……怪我は……ありませんか?……とミサカは……ゴボッ!!」

言葉を紡ごうとした御坂妹の口から赤色の液体が噴き出す。

上条「喋るな! 俺は大丈夫だから!! クソッ!! 何でこんなことに……ああ!!」

御坂妹「ご無事で……安心しました……」

上条「だから喋るな!!!」

暗闇に敵の姿を視認した御坂妹は、上条を守るために楯になる形で飛び出したのだったが、彼女はその瞬間に、マガジンを装着したばかりのF2000のボルトを引き、発砲するという二段階の動作を行っていたのだ。
庇うだけでなく、わざわざ反撃したのは自分が倒れた後に、物理攻撃への耐性を持たない上条が続けて撃たれるのを防ぐためだった。

上条「血が止まらない……チクショウ!!」

上条は御坂妹の傷口を必死に塞ごうとする。そんな上条の姿を、御坂妹は僅かに口元を緩めて見ていた。

一方通行「悪ィ、遅くなった……って…何!?」

そこへ一方通行が戻って来た。

一方通行「おい、何だよこれ……一体何があったンだ上条!?」

その凄惨な光景を見て、一方通行が驚きの声を上げた。

上条「敵が……潜んで……潜んでて…クソッ…庇おうとして撃たれたんだ!!!」

一方通行「!!」

気が動転しているのか、上条の言葉は半ば意味不明だった。
血まみれの御坂妹を一方通行は呆然と見る。彼女はヒューヒューと苦しそうに息をしていた。

一方通行「……………」
一方通行「……チッ、どけ」

上条「何する気だよ!?」

一方通行「黙ってろ」

御坂妹の前にしゃがむと、一方通行は御坂妹の肌に優しく手を触れた。内部の血液の流れや電気信号を読み取って、御坂妹の現在の状態を診断しているのだ。

一方通行「…………………」

上条「…………………」

御坂妹「……ハァ……ゼェ……ハッ……ゼェ……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 22:59:22.56 ID:xkIq9wM0<>しばらくすると、一方通行は御坂妹から手を離した。

上条「どうなんだよおい!? 助かるのか御坂妹は!?」

御坂妹「………ハァ……ハァ…ん……ハァ…」

一方通行「…………………」

上条「お前、血流とかベクトル操作出来るんだろ? 早く治してやってくれよ!! 助けてくれよ!!」

上条が叫ぶ。
そして、一方通行は立ち上がると一言だけボソッと呟いた。

一方通行「やだね」

上条「!!!!????」
上条「………何だと?」

一方通行「聞こえなかったか? 嫌だ、って言ったンだよ」

上条「……お前、ふざけてんのか? こんな時に何寝ぼけたこと言ってんだよ!?」

一方通行「………………」

上条「黙ってないで何とかしろよ!!!!」ガッ

上条が一方通行の胸倉を右手で掴んだ。

一方通行「断る」

その言葉にぶち切れた上条が右手を振り上げた。

上条「てめぇ!!」

御坂妹「……待って!……」

上条「!?」

上条の拳が空中で静止する。

御坂妹「……一方通行に非は……ありません……ハァハァ…」

上条「なん……?」

一方通行は視線を御坂妹とは逆方向に向けたままただ黙っている。

御坂妹「………自分の身体のことぐらい、分かります………ミサカはもう……手遅れなんでしょう?」

上条「!!!!!!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 23:06:06.33 ID:xkIq9wM0<>バッと上条が一方通行の方に振り返った。

一方通行「…………………」

御坂妹「だから……もう……」

上条「違う……」

御坂妹「……?」

上条「そんなことあっていいはずがない!! そんなの俺は納得出来ない!!」

再び、上条が一方通行に掴みかかる。

上条「お前、学園都市最高の頭脳を持ってんだろ!? 何で治せねぇんだよ!? 助けてやってくれよ!!」

上条の必死の叫びを一方通行はただ目を瞑って聞いていたが、耐え切れなくなったのか彼は上条の右手を振り払った。

一方通行「治せねェもンは治せねェンだよクソヤロウ!! ソイツは既に瀕死の状態なンだよ!!! 身体の中の内臓がボロボロに傷ついてどこをどうやろうが無駄骨なンだよ!!!!」

上条「………っ」

一方通行「いいぜェ? なら一箇所だけでも血流操作してやろうか? まァ、そンなことしてもソイツの寿命が僅かに延びるだけで、逆に苦しい思いを長引かせるだけだがなァ!! そンでもいいなら、治療してやろうか!? あァ!!??」 

上条「………………あ……あ…」

絶望の表情を浮かび上がらせ、上条は愕然とする。そして彼は信じられない、という目で御坂妹を見つめた。

上条「ミサカ………」

御坂妹「………そんな…顔を……なさらないで……下さい……」

上条「そうだ! カエル顔の先生の病院に連れて行こう! それならまだ……!!」

そう言って上条は御坂妹を抱え上げようとする。
しかし、御坂妹は上条の手を掴み、首を横に振った。

上条「!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 23:10:48.04 ID:LMfu5IAO<>あぁ、俺の嫁が……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 23:10:49.29 ID:gItRqzYo<>なんで貫通してないの<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 23:12:21.80 ID:xkIq9wM0<>御坂妹「………ここから…アジトに戻って……救急車を呼んで……どれぐらい時間が掛かると思って……いるのですか? 恐らくミサカは……もう……アジトに戻るまでの体力も……ゲホッゲホッ」

再び御坂妹が血を噴き出した。

上条「ミサカ!!」

一方通行「上条」

上条「何だよ!!!」

一方通行「これ以上、ソイツに無理させンのは逆効果だ。もう、やめておけ………」

静かに、一方通行が後ろから声を掛けた。

上条「何でだよ!? 何でだよミサカ!! 何でお前がこんな目に遭わなきゃならないんだ!! 言ったじゃないか!! 俺と一緒に最後まで戦う、って!! こんなところで俺を置いていかないでくれ!!! ミサカ!!!」

御坂妹「ミサカはもう……十分です。貴方に……こんなに心配されて………」

そう言うと、上条に抱き支えられていた御坂は残った力を絞り出すようにググッと動かし、血にまみれた左手を上条の首に回した。

上条「ミサカ!?」

そのまま御坂妹は、上条の耳元に顔を寄せる。

御坂妹「ミサカは……貴方に会えて………幸せ…でした………」

上条「ミサカ……」

御坂妹「先に行って……待ってます」

静かに、御坂妹は一言一言を紡いでいく。

上条「そんな……やめてくれ………」

御坂妹「最後に………お姉さまのこと……宜しく頼みます………」

上条「お願いだミサカ……俺を…置いて行くなっ!!」

上条の懇願が空しく響き渡る。
そして御坂妹は最後に1つだけ呟いた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 23:18:25.14 ID:xkIq9wM0<>御坂妹「“当麻”………」

上条「!!!???」

御坂妹「………ミサカは……貴方のことがずっと……好き……でした……とミサカは………」

上条「!!!」

ふと、御坂妹の力が抜け、上条の首に回されていた彼女の左手が上条の右頬を撫でるように離れていく。

上条「ミサカ………」

最後に上条の顔を見つめると、御坂妹は彼の腕の中、微笑みながらゆっくりと目を閉じていった。

上条「ミサカ……?」

ガクンと御坂妹の顔から、手足から、身体中から全ての力が抜け落ちた。

一方通行「……………………」

上条「ミサカ………」

御坂妹「……………」

しかし、もう御坂妹は何も発しない。いや、何も発せなかった。
そんな彼女を見て、上条はただ呆然とその名前を呟くことしか出来なかった。

上条「ミ……サ……カ………」





上条「ミサカあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」





胸の中で御坂妹を抱き締め、すがるように上条は泣き叫ぶ。

一方通行「………………」ギリッ…

その光景を一方通行もまた、黙って眺めていた。

上条「ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

上条の右頬に付着した御坂妹の血がゆっくりと固まり始める。
上条は御坂妹を抱き締め、いつまでも彼女の名前を呼び続けていた――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 23:22:55.75 ID:h5mUCQDO<>ちくしょー!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 23:24:23.50 ID:xkIq9wM0<>打ち止め「!!!!!!!!」

上条たちのアジト。1人、私室のベッドで足をぶらつかせていた打ち止めが急に立ち上がった。

打ち止め「…………10032号……?」

呆然と立ち尽くす彼女は、とある下位個体の名を呟く。

打ち止め「………10032号からの反応が……消えた?」

打ち止めは目を瞑り、ミサカネットワークにログインする。

打ち止め「…………やっぱり、いない」

徐々に彼女の顔が蒼ざめていく。

打ち止め「……ただのログアウトの状態とはまた違う……まるで、1つの端末が突然ネットワーク上から切断されたような………」

腕を胸元に引き寄せる打ち止め。

打ち止め「10032号……何があったの……?」



美琴「!!!!????」

学園都市の第7学区・とある大通り。街が夕日に染められ始めた頃、美琴は急に立ち止まり後ろを振り返った。

美琴「…………………」

黒子「ん? どうしたんですのお姉さま?」

佐天「急に立ち止まって、何かあったんですか?」

初春「御坂さん?」

美琴の様子に気付いた黒子たちも数m手前で立ち止まった。

美琴「(……何だろ今の…。何か嫌な予感がしたんだけど………)」

胸中に呟き、彼女は大通りを見つめる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 23:29:36.21 ID:xkIq9wM0<>黒子「お・ね・え・さ・ま・!」

美琴「ん?」

ふと気付くと、黒子が美琴に腕を絡ませてきていた。そちらに視線をやると、佐天と初春もそこにいた。

黒子「ボーッとなされてどうなされたのですか?」

美琴「……いや、別に何にも(ただの気のせいよね……)」

佐天「これからカラオケ行かないか、ってみんなで話してたんですけどどうです?」

美琴「…カラオケ?」

初春「そうです! 久しぶりに歌っちゃいましょうよ!」ワクワク

美琴「…………………」

黒子「もしかして何か用事でも?」

美琴「え? いえ、まさか」
御坂「そうね。久しぶりだし、最終下校時刻まで時間あるし遊んじゃおうか」

佐天「やりぃ! そう来なくっちゃ!!」

初春「早く行きましょうよ!」

佐天がはしゃぐように先に歩き、黒子と初春は美琴の両腕をそれぞれ掴んで早く歩くよう彼女に促す。
美琴はそんな彼女たちの楽しそうな顔を見ると、一瞬過ぎった嫌な予感を頭の中から取り払い、一緒に微笑みながら歩き始めた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 23:34:46.77 ID:xkIq9wM0<>上条たちのアジト――。

ドバン!!

物凄い勢いで、ドアが開けられる音が聞こえた。メインルームにいた打ち止めは急いで入口の方に駆け寄った。

打ち止め「!!!!!!」

そこには、目元に陰をつくった上条が血まみれの御坂妹を抱え立っていた。

上条「…………………」

打ち止め「…………ウソ……だよね?」

上条は無言のまま、メインルームに足を踏み入れる。

打ち止め「………ウソって言ってよ……」

一方通行「ウソじゃねェ……」

打ち止め「!?」

振り向く打ち止め。
上条の後ろから無表情のまま一方通行が入ってきた。彼の後ろでは、驚いた表情を浮かべている門番の警備員2人がドアの外からこちらを窺う姿が見えた。

上条「…………………」

上条は、メインルームに着くと、冷たくなった御坂妹の遺体をソファの上に優しく置いた。
打ち止めが駆け寄って来る。

打ち止め「……そんな……10032号……何で………」

御坂妹の目は閉じられ、口からは赤い液体の筋が流れていた。
見るからに痛々しそうな姿だったが、彼女の顔はどこか幸せそうに見えた。

黄泉川「一体何事じゃん」
黄泉川「!!!???」

奥の部屋から、黄泉川が現れ、ソファの上の光景を見るなり言葉を詰まらせた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 23:40:13.18 ID:xkIq9wM0<>黄泉川「……お前ら………」

打ち止め「……グスッ……たった今……一方通行たちが帰って……ヒグッ……来たら……10032号が……こんなことに………」

打ち止めはグーにした両手で涙が零れる目元を拭く。

一方通行「俺は……直接その場面を見たわけじゃねェ……。だが、どうも敵の武装兵に撃たれたのは確かなようだ」

黄泉川「そうなのか? ……上条?」

上条「……………違う……」

黄泉川「え?」

上条「御坂妹は………俺を庇うために…楯になったんだ……。俺が殺したようなものなんだ」

御坂妹の前で両膝をつき、上条は唇を噛みしめながら両拳をソファの上で握った。
彼の目の前にある御坂妹の肌は、死んだのが嘘であるかのように白く綺麗だった。

上条「俺を守るために……こいつは……っ!!」

上条は心底悔しそうに言葉を紡いだ。
一方通行は彼の後ろでただ黙ったまま目を瞑り、黄泉川は泣き続ける打ち止めに影響されたのか目頭を潤ませた。

打ち止め「やだよぉ10032号!! 起きてよ!! 昨日はあんなに元気だったのに!!」

打ち止めが上条の側に座り、御坂妹にすがるように叫ぶ。

打ち止め「また……寝る時に本を読んでよ………起きてよ10032号……って、ミサカは……グスッ…ミサカは………」

しばらくの間、上条と打ち止めの嗚咽が部屋の中に響いていた。

一方通行「で………」

静かに一方通行が口を開く。

一方通行「……超電磁砲にはこのこと伝えるのか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 23:42:51.22 ID:ioRvo3o0<>( ; ; )<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 23:45:35.22 ID:xkIq9wM0<>上条「…………………いや」

一方通行「?」

上条「……………駄目だ。そんなことしたらあいつは、激昂してこいつの仇を討とうとする。そうなったら……あいつらを危険な目に遭わせちまう……」

寂しそうな背中を見せながら、上条はボソボソと喋る。

一方通行「…………」

打ち止め「グスッ……ヒグッ………」

上条「御坂妹は最期に言った……『お姉さまを頼む』って…。こいつの……想いを無駄には出来ない……。御坂には伝えるが、それはもっと、日数を開けてからだ……」

一方通行「そうかよ」

それだけ言うと、一方通行は黄泉川の横を通り過ぎ、奥にある私室に入っていった。

打ち止め「ヒグッ……10032号……」

しばらくして、奥の私室から何かが壊れる音が聞こえた。

打ち止め「………一方通行……」

何の反応も無いように見えて一方通行もまた仲間の死を悔やんでいたのだ。特に彼にとって妹達(シスターズ)は過去の辛い経緯から、何があろうと守ろうとしていた存在だった。一方通行の心情も揺れに揺れていた。

黄泉川「上条」

黄泉川が上条の肩に手を置く。

黄泉川「いつまでも、彼女をこのままにはしておけない。分かるな?」

打ち止め「……うえっぐ……ヒグッ……」

上条「………………はい」

絞り出すように、上条は答えた。
彼はその後しばらく、御坂妹の遺体から離れることはなかった。それを知ってか知らずか、御坂妹はどこか嬉しそうに微笑みながら、胸元のネックレスに指を添えていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/07(水) 23:46:09.17 ID:xkIq9wM0<>>>1です。
今日は以上です。
ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 23:46:39.84 ID:H68Gm0M0<>GJです!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 23:48:36.75 ID:JbjLS3Q0<>GJ!
やはりフラグ立ってたのか…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 23:48:53.64 ID:hRkWJn6o<>GJ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 23:50:07.66 ID:MJ1zsJ60<>GJ…
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 23:53:03.76 ID:lbv0l5k0<>鮮やかなフラグ回収乙です…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 23:53:11.60 ID:uuFatkDO<>乙…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/07(水) 23:53:58.43 ID:4X6Uxy60<>今日も乙でした


一方さんの気遣いになんだか泣けてきた・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 00:02:40.83 ID:Rm.O4IDO<>乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 00:15:35.58 ID:v8aEKAAO<>>>1乙

今日は投下多かったな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 00:17:15.76 ID:QRR2RZ6o<>乙

泣いた…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 00:19:09.17 ID:hLgkGwso<>乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 00:22:10.38 ID:wRplVQAO<>全涙でスクリーンが見えませんでした

(ρ_;)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 00:22:32.48 ID:xnQB8ASO<>乙…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 00:54:49.32 ID:ObqJ0z2o<>黙祷……

まぁこの場面で「御坂妹」て連呼するのもあれだけど、上条さんは普段御坂妹のことは御坂妹って呼んでるよな
いや、野暮なことを訪ねてすまなんだが、若干不安になって<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 02:22:32.56 ID:nwVeFfUo<>乙

俺の中で何かが切れた
キレたのでちょっと研究者共ぶちのめしに行きたい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 02:39:44.68 ID:mfkMTwgo<>>>709
尻を…違った、手を貸そう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 02:42:37.40 ID:bVMvCQAO<>御坂妹人気だなぁ
まぁ俺も好きだけど<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 03:10:40.96 ID:VguwrQ6o<>>>711
我らがクールビューティだからな
ウッ…(´;ω;`)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 04:27:32.74 ID:ChJWZSc0<>>>708
命がけのパルチザン活動を共にしている間に
二人の距離はより近くなっていて、二人で
いる時は固有名詞的にミサカと呼んでいたとか
想像しときゃいいんでない?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/08(木) 16:54:15.63 ID:1Ys27P60<>妹なんか別にいいだろ。
どれも同じようなもんだ。残り一万匹ぐらい残ってるし、良い死に要因。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 17:23:27.22 ID:FhKHVnco<>>>714
定期お疲れ様です<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 18:42:52.45 ID:57dyAos0<>>>715
スルーしようぜ

名前の呼び方が変わったのは脳内補完しようぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 18:44:38.69 ID:mfkMTwgo<>>>714
殆ど死んだに決まってんだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 18:50:40.00 ID:vp/z0QAO<>え?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 19:57:13.64 ID:RQ8gGDU0<>よく釣れる^^<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 21:03:55.87 ID:pY681Lk0<>ついついジョバイロを流してしまった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 21:40:15.18 ID:PAkIfiE0<>>>1です。こんばんは。
上条が御坂妹のことを「ミサカ」って呼んでたのは上にも出てたように
互いの仲が親しくなってたからです。一方通行が上条さんを「上条」と
名前で呼んでるのも同様の理由です。
そういうわけで、今から今日の分投下していきます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 21:45:56.71 ID:PAkIfiE0<>学園都市――。


美琴、黒子、佐天、初春、学生たち、教師たち、研究者たち、打ち止め、黄泉川、鉄装、カエル顔の医者、木山、寮監、そして上条と一方通行。
様々な人間の感情や思惑が交叉する中、学園都市は密かに崩壊への道を辿る。
その先に待っているのは幸か不幸か。彼女たちは己の運命をまだ知らない――。

上条「一方通行……」

一方通行「ああ……」

物語の渦中にいる男たちは、平和な世界に生きる少女たちを守るため、命を賭けて今日も死線を掻い潜る。

上条「行くぞ」

一方通行「おう」

彼らの信念は決して揺るがない。何があっても――。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

佐天「ねぇねぇプリクラ取ろうよ♪ 新しい筐体があるよ!」

初春「いいですねー撮りましょう撮りましょう」

黒子「さ、お姉さま早く早く!」

美琴「ちょっと待ってってば〜」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一方通行「どうしたそれで終わりかァ三下どもォ!!!!」

「ぎゃぁあぁあぁぁぁぁ!!!!!!!」

バギィィィン!!!!!

「馬鹿な!? 何故私の能力が効かない!?」

上条「教えて欲しいか三下?」
上条「(………俺は…………)」

「クソオオオオオオ!!!!!」

上条「無駄だって言ってるだろうが!!」
上条「(………絶対に立ち止まらない………)」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 21:51:30.49 ID:PAkIfiE0<>
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

佐天「はい、チーズ♪」

美琴黒子佐天初春「チーズ♪」

パシャッ!!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一方通行「今日は小粒揃いだったなァ。クズの癖に表の世界の住人に手ェ出してンじゃねェよ」

上条「…………………」
上条「(………インデックスが死んだ次の日…呆然と街を歩いていたら…俺は見たんだ……)」

一方通行「さァて、明日も虐殺三昧だな」

上条「お前が言うと洒落にならなぇなマジで」
上条「(………御坂たち4人が、喫茶店の中で、楽しく談笑しているのを……)」

一方通行「今更気付いたンかよ?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 21:55:43.10 ID:PAkIfiE0<>
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

佐天「う〜〜い〜〜は〜〜る〜〜!!」バサアッ

初春「きゃあああああ佐天さん!」

佐天「あ、今日はクマさんかぁー」

初春「公言しないで下さい!!!//////」

佐天「じゃ、代わりにあたしのパンツ見るぅ?」

初春「いいいいいいいりません!!!/////」

佐天「あはははははは。冗談冗談」

初春「もう、佐天さんたら」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一方通行「上条! そっち行ったぞ! 気を付けろ!!」

上条「任せろ!!」
上条「(………恐らく、一時の休憩で訪れたんだろうな……喫茶店で御坂たちが談笑しているのを見て……あいつらの笑顔を見て……)」

「死ねええええええええええ!!!!!」

バギィィィン!!!!!!

「なあああにいいいいいいいいい!!!??」

上条「眠っとけ!」

上条「(………俺は…あいつらの世界だけは……御坂たちの笑顔だけは……)」

「ぐはっ!!」ドガッ!!

上条「(………守りたいと思ったんだ……っ!)」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 22:00:31.47 ID:PAkIfiE0<>
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

黒子「お姉さまぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

美琴「またあんたは性懲りも無く取り敢えずこれ食らっとけやオラァ!!」ビリビリビリッ!!!!

黒子「ぎゃぁぁぁぁぁぁん!! 最高な快感ですわぁん」

美琴「何で今日は一撃で倒れないの!?」

黒子「ずばりお姉さまへの愛!!」
黒子「『お姉さま王』に私はなりますわ!!!」ドンッ!!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「お前が学園都市最強の一方通行か。我々の計画を邪魔立てするなら容赦はせんぞ」

一方通行「吼えとけ。オマエらがいる以上、無実の人間どもが迷惑蒙るンだよ」

「それがどうした?」

一方通行「そうはさせねェ。オマエらがアイツらの幸せを蹂躙するってンなら……」
一方通行「今ここで絶対にオマエらを食い止める!!! 俺の『悪党』としての誇りに賭けてもだ!!!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

初春「新しい都市伝説。その名も『人間を太らせる能力者』」ギュピーン

佐天「何でも女の子中心に狙われてるみたいですよー」

佐天初春「「ねー♪」」

黒子「そ、それはある意味で本当の恐怖ですの」

美琴「マ、マジで?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

上条「お前ら、せっかく魔術世界が平定したってのに、今もこんなことやってて恥ずかしくないのかよ?」
上条「(………ただの会話や遊び……それですら、あいつらが幸せな日常を送れる証なんだ……)」

「俺は無国籍無所属の魔術師だぜぇ? そんな説教きかねぇよ、幻想殺し」

上条「だったら今すぐにでも目覚めさせてやるよ」
上条「(………なら俺は、その幸せを守りたい……)」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 22:05:26.51 ID:PAkIfiE0<>
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

美琴「え? ゲコ太の着ぐるみって中に誰か入ってんの!?」

黒子佐天初春「えっ」

黒子「お姉さま、もしかしてあの着ぐるみが全て本物だと思ってます?」

佐天「つーか、着ぐるみの意味分かってます?」

美琴「私は信じないわ! ゲコ太は…ゲコ太は本物なの! 大体、着ぐるみの中に人間だなんてそんな馬鹿げた話なんて……ねぇ初春さん?」

初春「全くです。着ぐるみの中に人間が入ってるわけないじゃないですかぁ」

黒子佐天「えっ!?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一方通行「どうしたそれで終わりかァ三下ども!!!!!」

ダカカカカカカカカカカカカカカ!!!!!!

一方通行「だからァ……きかねェって言ってンだろォがァ!!!!!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

一方通行「自分の欲望を満たすためだけに生きるヤツらが、光の世界の人間を巻き込もうとしてンじゃねェぞ!!!」

ゴガッ!!!!

「ぐあああああああ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 22:10:23.76 ID:PAkIfiE0<>
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

美琴「じゃーん、私も花飾りー」

初春「おお、似合ってます似合ってます」

黒子「私も花飾りですわ」

佐天「あたしもー」

初春「わぁ♪ みなさん似合ってます。可愛いですよ」

美琴「ふふ。これで花飾り4人娘結成ね!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

上条「これで敵さんも諦めてくれりゃぁいいんだけどな」
上条「(………インデックス……お前は今の俺を見たら……また厄介事に首を突っ込んでるって怒るんだろうな……)」

一方通行「贅沢言うなよ。減るどころか増える一方だぜ。ったく、世知辛いねェ」

上条「右に同じだ。ま、だからってこんな中途半端なところで終われねぇよな」

一方通行「ン? 何見てンだよ? 何だその画像?」

上条「これは寮監さんがくれた御坂たち4人の写真だ。元気そうだろ? で、こっちの画像は4人のプリクラらしい」

一方通行「ほォ。ポーズなンかつけちゃってまァ」

上条「はは。何だかんだ言ってあいつらもまだ子供だよな。でもこれ見てると、何故だかあいつらのために一生懸命頑張りたくなるんだよなぁ……」
上条「(………だけど、もう少しだけでいいから……俺の無茶を見逃してくれねぇか……?)」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 22:15:55.91 ID:PAkIfiE0<>
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

佐天「やっぱりお菓子食べながら徹夜でお泊り会。別名『パジャマパーティ』っていいですよね♪」

美琴「本当そうね。さ、次は佐天さん、貴女の番よ?」

初春「佐天さんの好きな男の人のタイプってどんな方なんですか?」ワクワクドキドキ

佐天「うーっとね……って言うか前にも言ったと思うけど」

初春「ほら白井さん、お菓子に集中してないで聞く聞く! このままだとずっと女性好きとか特殊な好みを持ったままになりますよ!」

黒子「貴女は一言多いですの黒春こうしてやりますですの」

初春「きゃぁぁ花だけは…花だけはやめてくださぁい」

美琴「ほら佐天さん早く早く!」

佐天「え? ああ…大人っぽくて一緒にいると楽しい人がいいかなぁ? で、もちろんプロポーズとかは夜景の綺麗なレストランです! そういや初春はどんなプロポーズの場所が良かったんだっけ?」

初春「海辺の綺麗なレストランです。御坂さんは何でしたっけ?」

美琴「私はもちろん、プロポーズの後は海から花火があがるのがいいの♪ そんでー彼氏にグイッって引き寄せられてぇ♪ ギュッって抱き締められてぇ♪ 花火を後ろにして2人は唇を近付け……ってキャーもう! 何言ってんのかしら私ったらえへへへへ/////」

黒子佐天初春「…………………」

美琴「はっ!」

佐天初春「………」ニヤニヤニヤ

黒子「まぁったくお姉さまったら」ハァ

美琴「ななななななな何よべべべべべべべべ別に今のは単なる仮定の話であって//////」ビリビリッ

黒子「お、お姉さま!」

佐天初春「ぎゃぁぁぁぁ漏電してます漏電〜!!」

美琴「だからもうああそのいやだってまってうううう……」プシュウウ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 22:21:20.65 ID:PAkIfiE0<>
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一方通行「逃げろ上条! 爆発するぞ!!」

上条「分かった!!」
上条「(………インデックス、わがままに聞こえるかもしれない。……だけど、これは俺が決めたことなんだ……)」

ドオオオオオオオォォォ

一方通行「爆風が来るぞ! 速く走れ!!」

上条「クソオオオオオオオオ!!!!!!」
上条「(………もし、お前が良ければ、天国から……御坂たち4人のこと、見守っててやってくれないか……?)」

ゴオオオオオオオオオオオオオ

上条「ハッ……ハァ……ゼッ……ハァッ!」
上条「(………俺は、この世からあいつらの幸せを守るから……そのために全身全霊で戦うから……)」

一方通行「すぐ後ろまで来てやがる! 振り返ってンじゃねェ!! 俺があンなのでくたばるわけねェだろが!! 自分の心配してろ!!!」

上条「(………だから、御坂たちのこと見守っててくれ。俺も…あいつらを絶対に守ってみせるから!!!)」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 22:25:30.84 ID:PAkIfiE0<>
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




美琴たちが普通の中学生生活に戻ってから3週間後――。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 22:31:01.11 ID:PAkIfiE0<>第7学区・とある公園――。

美琴「ん? 来た来た」

自動販売機の側のベンチに腰掛けながら、美琴は近付いてきた人物に手を振った。

上条「悪い悪い遅くなったな」

相手は上条だった。

美琴「あんたねー、女の子を待たせるとかどういうつもり?」

上条「いやだから悪いって」

美琴「まあいいわ。で、大丈夫なの? こんな夕方に会っちゃって。敵に勘付かれたりしてない?」

上条「敵さんは今、来る総攻撃の準備で忙しいから動けないよ。それに監視カメラを管理するセンターも研究者勢力とテログループとの戦闘で破壊されてる。大丈夫さ」

美琴「ならいいんだけど……。それで、一体何なの? 寮監に言われてここまで来たんだけど」

上条「ん? おお、例の件だ」

上条が美琴の隣に座った。

美琴「例の件……か」

上条「恐らくは1週間後。研究者たちの敵対勢力への総攻撃が始まる。俺たちはその隙をついてお前らを学園都市の『外』まで逃がす」

そう言って上条はポケットから1つのUSBメモリを取り出し、美琴に渡した。

美琴「何これ?」

上条「そこに脱出の詳細が入ってるから4人で見ておいてくれ」

美琴「そう……分かったわ」

上条「悪いな。出来うるなら早くお前らを逃がしたかったんだけど、俺たちもなるべく今のうちに研究者勢力に打撃を与えておく必要があったから」

美琴「別にいいけど。で、その『打撃』とやらは上手くいってんの?」

上条「…………………」

急に上条が黙り、顔を正面に向けた。

美琴「?」

やがて上条は僅かに口元を緩めると一言だけ呟いた。

上条「まぁな……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 22:33:57.50 ID:ObqJ0z2o<>>>724
>「なあああにいいいいいいいいい!!!??」

ごめんまじめな場面なのはわかってんだけどあの臼ついてる芸人思い出して笑ったw<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 22:38:26.68 ID:PAkIfiE0<>美琴「………………」

上条「ま、とにかく1週間後だ。『外』に逃げられるよう必要最低限の荷造りや後始末はやっとけ」

美琴「ねぇ、聞きたいんだけどさ」

上条「ん?」

少し真剣な表情を浮かべて美琴が訊ねる。

美琴「やっぱりもう、私たちは1度『外』へ脱走したら、2度と学園都市には戻って来れないの?」

上条「………そうだな。そのUSBメモリの資料でも詳しく説明してると思うけど、取り敢えずお前らは『外』へ出たら日本政府が支援してる連合NGO団体の巨大施設で保護されることになる。その後、学園都市のデータベース上からはお前ら4人は死亡扱いとなる」

美琴「………そうなんだ」

上条「もちろん騒ぎが治まれば学園都市に戻れる可能性も無くも無い。だが、恐らくは無理だろうな」

美琴「………………」

上条「研究者勢力も、敵対するテログループや秘密結社やらも膨大な人員や能力を抱えてる。恐らく内戦はそう簡単には終わらない。終わったとしても、学園都市はもうそれまでの学園都市とは違う、表の世界だの暗部だの関係ない、ただの世紀末のような世界になってるだろうな」

美琴「……じゃあ、学園都市の『外』に逃げれなかった学生はどうなるの?」

何か訴えかけるような目を向ける美琴。それに耐えられなくなり、上条は視線を逸らした。

上条「………内戦の中、自ら生き残るか脱走するかしかないだろうな。どの道、内戦が続いても終わっても学生たちは研究者たちの実験のために“狩られる”ことになる。よっぽどの高位能力者じゃない学生はきっと………」

美琴「…………………」

美琴は顔を俯かせた。
そんな彼女を見て上条はフォローの言葉を探そうとするが、こういう時に限ってなかなか思い浮かばないのだった。

美琴「……ねぇ」

と、突然美琴が口を開いた。

上条「……何だよ?」

美琴「ちょっと歩かない? ほら、街を一望出来る場所あるでしょ? そこまで行きましょう。それとも、忙しかったりする?」

上条「いや、それぐらいなら別にいいけど……」

同意し、2人はベンチから立ち上がると歩き始めた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 22:40:03.34 ID:57dyAos0<>>>732
最後まで黙っててくれないから、敵の声が全てその芸人で再生されるんだが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 22:45:31.13 ID:PAkIfiE0<>美琴「あんたたちはどうすんの?」

上条「ん? 何が?」

美琴「私たちを逃がすだけ逃がしておいて、あんたたちは学園都市の『中』に残るの?」

上条「何でそんなこと聞くんだよ?」

美琴「大事なことじゃない。内戦が始まったら、学園都市は世紀末みたいになっちゃうんでしょ? いくらあんたや一方通行とはいえ、危ないじゃない」

上条「何だよお前? まさか俺たちを引きずってでも一緒に『外』に連れ出すとか言うんじゃねぇだろうな?」

美琴「………………」

美琴が睨むように上条を見つめた。だが、その瞳は心配で満たされたものだった。

上条「………………」

一瞬、上条は表情に陰りを灯したが………

上条「まさか。そんなわけないだろ?」

美琴「え?」

上条「これ以上、学園都市に残ってても無駄に危険な目に遭うだけだ。そんなことになったら、助けられる人たちも助けられくなっちまう。だから、俺たちも1度『外』に出て、政府のお偉いさんやNGOの人たちと協力しながら、『外』から学生たちを助けるための活動を続けるつもりだ」

美琴「そうなの? 本当に?」

上条「ん? ああ。ちゃんと『外』とも話がついてるから、安心しろ」

それを聞いた途端、美琴の顔に明るさが戻った。

美琴「な、何だ。それなら良かった。そうよね、危ないもんね」

上条「………ああ……」

美琴「1週間後か〜」

声にも元気が戻り、美琴は先に歩き始めた。

上条「…………………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 22:52:06.47 ID:PAkIfiE0<>美琴「あ、ほらあそこよ!」

しばらく歩くと、高台に着いたのか、少し遠くに街並みが見て取れた。

美琴「早く行きましょ! 夕日が綺麗よ!」

上条「(何だかんだ言ってまだ子供だな)」



ギュッ



上条「ん?」

美琴「ほら早く!」

不意に、美琴が上条の手を掴んだ。その感触は優しく、細く、小さく、暖かかった。
美琴に引っ張られ、上条は走る。

美琴「まさか夕日がこんなに綺麗に映えるとはね。学園都市の街並みも捨てたもんじゃないわね」

柵に手をかけ、美琴は風景を眺める。

上条「まったく何なんですか御坂さん。子供みたいにはしゃいじゃってまあ」

美琴「だ、誰が子供か!」ビリッ

上条「うお!」

美琴「まあいいわ。それにしてもいい風ねぇ」

上条「そうだな………」

2人は、街の光景に魅入る。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 22:58:21.01 ID:PAkIfiE0<>美琴「…………………」

上条「…………………」

美琴がここへ来た理由は大体分かっていた。
恐らく、『外』に逃げる前に学園都市の街並みを見納めておきたかったのだろう。心底嫌っているとはいえ、自力でレベル5の地位まで登りつめた彼女にとって学園都市は第2の故郷のようなものなのだ。

上条「(もしかしたら、内心寂しいのかもしれないな……)」

そう思って上条が美琴に声を掛けようとしたが、彼は突然言葉を失くしてしまった。


美琴「…………………」


街を見つめる顔が夕日に照らされ、上手い具合に美琴の白い肌を際立たせている。
風によって揺れる髪を優しく押さえる彼女の物悲しそうな横顔は、いつもよりどこか美しく見えた。

上条「…………っ……」

思わず、見とれてしまう上条。

美琴「? 何よ?」

上条「え? いや、別になんでもねぇよ……////」

上条は目を逸らす。

美琴「変なの」

上条「う、うっせぇ」

美琴「?」

その後しばらく、上条と美琴は無言で街並みを眺めていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 23:04:21.93 ID:PAkIfiE0<>美琴上条「…………………」

美琴「(…この学園都市とも1週間後にはお別れ……。本当に、色々あったなあ……)」

上条「(やはり、いつまでも黙っているわけにはいかないな……。御坂妹のこと、ここで話しておくべきか。でも、もしそれを聞いたら御坂はどうする? いくら御坂妹の死から日数を開けたとして、こいつならまた無茶をやりかねない。そうなったら本末転倒だ……)」

それぞれ、2人は自分の世界の中で考えを巡らす。

美琴「(……こいつなら、あのことについて……何て答えてくれるのかな?)」

美琴は指先からチョロッと青白い光を発し、それを見つめる。

上条「(ええい、ままよ。黙っていても逆に御坂に悪いだけだ)」

美琴「(よし、ちょっとだけ聞いてみよう……)」

考え事に区切りをつけ、上条と美琴は切り出していた。




上条美琴「「あのさ!!」」




上条美琴「「!!!!????」」

一瞬、時間が止まった――。
と言うのも、彼女たちは、ほぼ同時に互いの方に振り向いたため、偶然にも鼻先数cmの距離で顔が接近していたのだ。

上条美琴「「………………っ」」

思わず、言葉を失くす2人。吐息が感じられる距離で美琴と上条は見つめ合う。
2人は、頬を紅潮させ瞳を揺らしている。その一瞬は、永遠にも感じられた。

バッ

しかしまだウブな2人は咄嗟に顔を離す。

美琴「……………あ…そのゴメン…/////」

上条「……………い、いや俺も…その…/////」

気まずい雰囲気が流れる。

美琴「………………/////////」

上条「………………/////////」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 23:10:41.55 ID:PAkIfiE0<>その空気を先に切り上げたのは美琴だった。

美琴「で、で、な、何よ? な、何か聞きたかったんじゃないの!?////」

上条「み、御坂も何か聞こうとしてたろ? そ、そっちから言えよ////」

美琴「わ、分かってるって………」
美琴「あーーーーーもう!!!!!」

美琴は、赤くなった顔から熱を振り払うように、クシャクシャと顔を洗う動作をした。

美琴「ふう…」

彼女の表情が、真剣なものになった。

上条「で、何なんだよ?」

美琴「いや、別に大したことじゃないんだけどね」

上条「ああ」

美琴「これ、あんたはどう思う?」

上条「ん?」

パリパリッ

上条「お、おい何だよ」

美琴は身体中から軽く、電気を発した。

美琴「だから、これどう思うかって」

上条「これって、その…能力のことか?」

美琴「そうよ、それ以外何かある? 私の能力をどう思うかって聞いてんの」

上条「へ? いや、そんな急に言われてもな……」

美琴は柵に背中をもたれかけると、右腕を上げてそこから電気を発した。

美琴「最近ずっと私、考えてたのよ。自分の能力について。『学園都市最高の電撃使い(エレクトロマスター)』だとか『超電磁砲(レールガン)』だとか言われてるけどさ……本当にこの能力は誰かの為になるものなのかしら、って……」

上条「………ん? 何でいきなりそんなこと考えるようになったんだ?」

美琴「だって………」

美琴は少し躊躇ったが、すぐに話を続けた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 23:16:23.90 ID:PAkIfiE0<>美琴「私の能力は初め、筋ジストロフィーの患者を救うため、っていうお題目を建前に外道な研究者たちに悪用されたりもしたわ。思えば……満天の星空を見たい、ってところから始まって私は努力してレベル5にまで辿り着いたけど、今になって思うの。この能力は私にとって本当に意味があったものなのか、って」

上条「御坂……」

美琴「もちろん全部が全部否定してるわけじゃないのよ? この能力は私のアイデンティティーみたいなものなんだから。言うなれば五分五分、ってところかな? 肯定と否定が半分ずつ。……でもね、私にとったらその状態ですら普通なら考えられないのよ。自分の能力を少しでも疑うなんて、私にとっては有り得ないはずなのに………」

そこで美琴は視線を上条に向けた。

美琴「だから、あんたはどう思うかな、って聞いたわけ」

上条「そうだったのか」

美琴「別に無理に答えなくてもいいのよ?」

上条「いや……正直、俺も何と言ったらいいか分からない」

美琴「………………」

上条「最終的にはお前の考え方によるからな。でも、お前の電撃能力は確かにお前のアイデンティティーを示すものだ。そう簡単に否定するもんでもないと思う。俺としては、その能力が無ければ、御坂が御坂らしくないように思うんだけどな」

美琴「……………そう」

上条「悪いな、答えになってなくて。でも、最後に判断するのはお前自身だから」

美琴「……フフ、まあ、それでも為にはなったわ。ありがとう。実にあんたらしい答えだわ。まだまだ迷う余地がありそうねこれは」

上条「すまん」

美琴「だからあんたを責めてるわけじゃないって」

上条「…………………」

申し訳無さそうに黙ってしまった上条を見ると、美琴は肩をほぐすように首を一回巡らせた。

美琴「はぁ……ったく」
美琴「ねぇ……あんたさ」

上条「………?」

美琴「“天国”ってあると思う?」

上条「……天国? 天国って…あの?」

話が途中で切り替わったせいか、それとも突拍子も無いことをいきなり訊ねられたせいか上条は怪訝な顔をした。

美琴「そう。死んだ後に行くって世界」

上条「さぁ。どうだろうな………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 23:22:27.89 ID:PAkIfiE0<>答えを濁したが、数多くの魔術師や魔術的事件に関わってきた上条にとって、『天国』といった世界の存在はそう簡単に否定出来るものでもなかった。
だが、科学一辺倒の街で育った美琴がそんな単語を発したことには少し違和感を覚えたのだった。

美琴「ま、私も科学科学の世界で生きてきたけどさ。実はぶっちゃけ信じてたりすんのよ」

上条「へーそうなんだ」

美琴「そ。本当は子供の時はもっと純粋に信じてたんだけど、さすがに学園都市の影響が強すぎたせいか今じゃ半信半疑ね」

上条「で、それがどうしたんだ?」

美琴「いえね、学園都市も天国ってほどじゃなくても、もっと“クリーン”な世界だったら、どうなってたのかなって……」

上条「“クリーン”な世界か。確かにこの街は、そう言った理想郷とはかけ離れたところにあるからな」

美琴「ええ。私も大して知ってるわけじゃないけど、きっとちょっと脇道に逸れればすぐに薄汚い路地裏に迷い込むようになっているんでしょうね。だから私もこの街が嫌いになったんだけど」

上条「……まあ、今更どうしようもないだろ」

美琴「そうね。だけど、この街は嫌いだけど、この街で出会った友達は好き。みんな、掛け替えのない一生ものの友達よ。……あ、心配しないで。一応あんたもその範疇に入ってると思うから」

上条「一応かい。そして断定じゃなくて推定ですか」

美琴「だからさ、余計思うのよ。友達は最高なのに街が最低って、もったいないと言うか悲しくなると言うか。ま、私が言ってることが贅沢だってのは分かるけどね。ただ、その『悲しくなる』ってレベルが、時にこの街に雷の雨を落として心中してしまいたい、って思うぐらいだから……。ま、心中したところで私みたいな人間が天国へ行けるかどうかは分からないけどね………」

美琴の表情が曇る。

上条「御坂……」

美琴「悪いわね。愚痴ばっか垂れる女で。私も本当素直じゃないわね、あはは」

美琴は本当に呆れたように自らを嘲笑する。

上条「………ちじゃねぇよ」

美琴「ん? 何か言った?」

上条「愚痴じゃない、って言ってんだ」

美琴「え?」

急に上条の雰囲気が変わった。

上条「お前は……十分苦しんできたんだ。だから……愚痴ぐらい唱えたってどうってことねぇよ」

美琴「あんた……」

上条「確かに、学園都市はクリーンな街じゃない。だけど、その学園都市も泣いたって笑ったってもうすぐ終わりを迎えるんだ。なら、御坂………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 23:28:22.17 ID:PAkIfiE0<>キッと上条は美琴を見据える。

美琴「な、何よ?」

上条「なら、今度はお前の手で『外』の世界に天国を見つけたらいいだろ。『外』の世界にはお前らの友達もいるし、白井たちだってお前と一緒に脱出するんだ。学園都市と言う街は無くなるけど……その友達と『天国』みたいに幸せになれる、全く新しい学園都市の世界を作れるかもしれないだろ。それこそ、お前の求める学園都市じゃないのか?」

美琴「………………」

上条「暗部も闇も無い、みんなが心の底から笑って楽しめる。お前なら、そんな、擬似的だけど天国みたいな学園都市の世界を新たな形で作れるはずだ。だから、愚痴ってんじゃねぇよ……。それと、2度と『自分は天国に行けない』とか言うんじゃねぇ。『妹達』の件でそう思ってるなら、改心した一方通行にもそして死んでいった妹達にも失礼だ」

まるで自分の問題のように語った上条。
そんな彼を見て、美琴はしばし呆然としていたが、やがて口元に笑みを刻んだ。

美琴「フッ………」
美琴「ホント面白いわよねあんた。説教好きは伊達じゃないわね」

上条「俺は本気だぞ」

美琴「分かった分かりました。ありがとう。参考にさせてもらうわ」

フーと溜息を吐くと、美琴はよくも最後の最後まで説教を聞かせてくれたわねその仕返しよ、と言いたげに1つ冗談を言ってみた。

美琴「いいわ。じゃあその新しい学園都市では、あんたを恋人にしてあげてもいいわよ?」ニヤッ

至極、本当に冗談で言っ美琴だったが………

上条「そうか。それは楽しみだ」

美琴「へ?」




上条「お前みたいなやつが彼女だと、新しい学園都市の生活もさぞ明るくなるんだろうな」




美琴「!!??」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 23:34:44.01 ID:PAkIfiE0<>もちろん上条の言葉は美琴を励ますために言った、いつも通りの無意識のうちに紡がれたフラグメイキングワードだったが、先程、上条と気恥ずかしい展開になった今の彼女にしてみれば、本気ではないと分かっていても普通の対応が出来なかった。

美琴「…………っ///////」ボンッ

美琴の顔面が先程よりも更に真っ赤に染まる。今すぐにでもプシューと音を立てて頭から湯気が出てきそうなほどだった。
自分で言った冗談が原因で逆に自分が照れる羽目になるとはさすが美琴と言ったところか。

美琴「ババババババババババババカァ/////////// あんた何真顔で変なこと言ってんのよ///////////////」

上条「?」

上条に背中を向け、両腕を胸元に引き寄せ、美琴はいまだ熱気が抜けきれない自分の顔に四苦八苦する。

美琴「(ったく何でこいつはいつも本当に/////////////)」
美琴「(………………………でも………)」



美琴「(…………嬉しいかも………)」



上条を友達の仇と認識するため、長い間心の底に無理矢理仕舞われていた、ある感情が彼女の心の表面に洪水のように蘇ってくる。

美琴「……………………」

美琴は、嬉しそうに小さな笑みを浮かべた。

上条「どうした御坂?」

心配するように上条が後ろから覗き込もうとする。

美琴「さぁってぇ〜」バッ

上条「うお!」

美琴「用も済んだしね。そろそろ帰ろっかな? それともまだいよっかな? あはははは」

上条「何なんだ一体?」

2人は、話を終えると再び公園のベンチまで戻って来た。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 23:40:28.64 ID:PAkIfiE0<>美琴「じゃ、また1週間後ね。それまでこのUSBメモリ、みんなで見ておくわ」

上条「ああ頼む」

美琴「さて、これからどうしようかしら?」チラッ

上条「ん?」 

美琴「って、忙しいのよねあんたは。じゃ、私は帰るわね。あんたも無理しないでね」

上条「おお」

何故か、名残惜しそうな顔で踵を返す美琴。

美琴「あ……」

しかし、彼女は何かを思い出したように、急に立ち止まった。

上条「どうした?」

美琴「いや、そういや妹のやつどうしてるかなって?」

上条「!!!!!!!!!」

美琴「あの子も平然としていて無茶しそうな気がするからね。で、どう? 元気にしてるのあの子?」

上条「…………っ」

無論、美琴の言う妹とは御坂妹のことだ。
上条は言葉に詰まる。

美琴「どうしたの?」

上条「…………………」

1度、御坂妹の顛末を美琴に伝えようと思っていたものの、いざ彼女の方から話を振られると言い辛いものがあった。だが、ここで隠していてもいずれは分かってしまうことだ。
上条は意を決し、全てを話すことにした。

上条「御坂………」

美琴「ん?」

上条「あいつは……御坂妹は………」

美琴「?」

上条「死んだんだ………」

美琴「……………え?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 23:46:26.41 ID:PAkIfiE0<>上条は伏せていた目を美琴と合わせた。

上条「御坂妹は死んだ」

美琴「………は?」

上条「何度も言わせないでくれ。あいつは死んだんだよ! 俺を庇ってな!!」

美琴「………何言ってるの? あの子が……死んだ? 冗談だよね?」

辛い表情を浮かべ上条は言った。
それを見て美琴は信じられない、と言うように大きく目を開いた。

上条「冗談じゃない。3週間ぐらい前……あれは、俺と一方通行と御坂妹の3人で敵の拠点の1つに破壊工作を仕掛けた時だった。……だけど、その破壊工作は上手くいかなくて、俺たちは逃げる羽目になって……それで帰路の途中であいつは………」

美琴「そんな……そんなっ……そんなっ!! 嘘よ! 嘘って言ってよ!!」

上条「納得出来ないなら俺を殴ってくれ。あいつは銃撃から俺を守るために身を挺して死んだんだ!!」

美琴「ウソ………何で……何であの子が………」

ショックを受け、美琴はワナワナと全身を震わせながら後ずさりする。

美琴「何でそれを今まで話してくれなかったのよ!?」

上条「話したら、お前は妹の仇を討つとか言ってまた無茶し兼ねないと判断したからだ……」

美琴「そんな……私はそんなこと……するわけ………」

言い淀む美琴。
上条はそんな彼女を見て心苦しく思った。だが、彼女の反応を見る限り、恐らく美琴は3週間前に御坂妹の死を知っていれば、すぐさま「仇を討つ」だとか「やっぱり協力する」と言い出していたはずだ。
その自覚があったのか、美琴は話を変えた。

美琴「あの子の……遺体はどうしたの?」

上条「ある場所に埋めた。なるべくあいつを綺麗なまま葬ってやりたかったから、俺と一方通行であいつの遺体を地中深く埋めたんだ」

美琴「…………こんな……こんなのって…ないよ………」

上条「………………」

美琴「あの子はようやく個性が出て来たところだったのに……。普通の女の子として、生きていくはずだったのに………」

上条「あいつを仲間に入れた、俺を恨んでるのか?」

美琴「違う! そんなんじゃない! あの子があんたたちの仲間になったのは、あの子自身の意志。あの子が自分で決めたこと。でも……でも……それでもこの結末は納得出来ないよ! ………出来ないよ!!!」

美琴が上条に掴みかかる。彼女の双眸からは、一筋の涙が流れていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/08(木) 23:52:21.62 ID:PAkIfiE0<>美琴「出来ないよ……」

そのまま、美琴はうなだれる。

上条「御坂」

美琴「姉として……あの子の幸せを願ってた。妹達の幸せを願ってた……。だけどこんなのって……こんなのって…ないよ……。私、どうしたら………」

上条の胸板を軽く叩きながら、美琴の嗚咽が漏れる。

上条「あいつは、最期まで姉であるお前の幸せを願ってた……」

美琴「私より自分の幸せを優先しなさいよ!!」

ガッと上条は美琴の顔を上げるように、その両肩を掴んだ。

美琴「!?」

上条「こんなところでお前が泣いてどうするんだよ!?」

美琴「だって! だって!」

上条「あいつは最期までお前の幸せを願ってたんだ。なら、それに答えてやるのが姉としての役目だろ!!」

美琴「!!」

上条「あいつの死を後悔するなら……実験で死んだ10031人の妹の死を悔やむなら……お前があいつらの分も生きてみせろ!! あいつらの分も幸せになって、80年、90年、100年生きて皺くちゃの婆さんになって大往生してみろよ!! 姉としての威厳を見せつけてやるんだ!! お前らの姉は、こんなに立派だって!! 世界で一番の妹想いの姉だって、お前自身の人生をかけて証明してみせるんだよ!!!」

美琴「……うっ……ヒグッ……グスッ……」

上条「それが、あいつらの供養になる……」

美琴「ふっ……えぐっ……」
美琴「わあああああああああああああああん!!!!!!!!」

溜まっていたものが放出するように、美琴の涙腺が崩壊した。

上条「………………………」

美琴「あああああああああああああああああ!!!!!!!!」

上条は、自分の胸の中で泣く美琴の頭にそっと手を置くと、彼女を優しく抱き締めた。

上条「(御坂……お前の平和な日常を守るために死んだ、ある男との約束だ)」
上条「(……お前と、お前の周りの世界は絶対に守ってみせる………)」

上条より小さく細く華奢な身体が自分の胸の中で震るのを、上条はいつまでも感じていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 23:55:17.09 ID:57dyAos0<>エツァリ死んだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 23:59:16.62 ID:XmYLHCco<>>>747
>>484参照
グループは一方さんを残して全滅してる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/09(金) 00:00:43.38 ID:R.Eb27I0<>夕焼けに染められた空に、徐々に群青色が混ざりつつある頃、美琴と上条の2人はまだ公園にいた。彼女たちは寂しい表情を見せながら、寄り添うようにベンチに腰掛けている。

美琴上条「「……………………」」

今、美琴は空ろな目を虚空に向けながら上条の肩に頭を預けるよう身体を傾けていた。上条もまた、どこか元気の無い目を浮かべ、僅かに美琴の方に身体を傾けながら彼女の肩に手を回していた。

上条「……ちょっとは元気でたか?」

美琴「……うん」

彼女たちは交際しているから今のように身体を触れ合っているのではなかった。共通の大切な人間を失ったことで、誰かの人肌を感じ少しでも悲しみを和らげたかったのだ。だからこそ彼女たちはお互いを慰め合うように寄り添っていた。

美琴「ねぇ……」

上条「ん?」

美琴がボソッと呟いた。彼女のシャンパンゴールドの髪から甘い香りが上条をくすぐったが、それはどこか寂しい匂いに思えた。

美琴「私……幸せになりたい……。あの子のためにも……。これって、傲慢な考えかな?」

上条「………まさか。それこそ御坂妹が願ったことだ。お前が幸せになりたい、ってなら俺も及ばずながら協力するぜ?」

美琴「本当に?」

上条「ああ。嘘じゃない」

美琴「そう………じゃあ、1つお願いがあるんだけど……いいかな?」

上条「何だ? 言ってみろよ?」

美琴「……私ね」

上条「ああ」

美琴「………実は当麻のこと………」

上条「ん? 何だって?」

美琴「…………………」

上条「どうした?」

美琴「………やっぱりやめた。今はまだ、早い気がするから………」

上条「…………そうか」

美琴「…………うん」

2人はその後も、しばらくの間互いの身を寄せ合っていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/09(金) 00:01:27.80 ID:R.Eb27I0<>>>1です。
今日は以上となります。
ちなみに、>>727で上条が見ている元気そうな4人の写真ってのはどこかの
版権絵であった美琴たち4人が横に並んで飛び跳ねてる画像をイメージしてます。
ポーズをとってプリクラを撮ってる画像ってのはレールガン20話で出てきたプリクラの
場面をイメージしてます。
そういうわけで今日は終わりです。
長くなりましたが、ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:02:06.75 ID:wKUGnTs0<>乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:02:26.41 ID:vxEvUN6o<>乙だァ

海原……普段あんな扱いでごめん……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:02:41.62 ID:qyQaJMA0<>GJ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:03:56.03 ID:iEdbEjYo<>乙
超電磁砲組と禁書目録組の対比が切ないな

>初春「全くです。着ぐるみの中に人間が入ってるわけないじゃないですかぁ」
>黒子佐天「えっ!?」
何故かめそ思い出した
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:04:29.52 ID:T3VOHK6o<>乙

あー
やっぱりこのSSええわぁー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:06:12.31 ID:1HA8zS6o<>乙!

何だか胸がすごく切ない…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:08:35.34 ID:5/uUI1Eo<>鬱エンドだけはないって信じてる

乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/09(金) 00:11:15.13 ID:ANi/Omg0<>乙です
長いことは別に全然気になりなせんよ?
むしろ嬉しいです、どうぞ明日もよろしく<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:13:47.17 ID:WCH2viM0<>乙。

あわきん…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:15:58.58 ID:Dc8Awlco<>乙
何十年後かに「こういうお話だったんじゃよ」とか
孫に語る美琴が思い浮かんじまったんだぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:21:29.86 ID:ZjpnKEDO<>2次創作とは言え複数ヒロインがいる作品で他のヒロイン殺しちゃってるし、上条さんも敵とは言え研究者殺しに加担してるからこの流れで上琴endは微妙だよなぁ…
多少鬱endだろうけど、綺麗に終わらせるとしたらやはり上条さん死亡フラグ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:27:27.01 ID:Geaen6AO<>>>1乙

できたら木山先生も幸せにしてやってくれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:28:49.45 ID:2zOLKpQ0<>乙!
極限の戦いの中で人は成長していくもんなんだな…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:35:47.62 ID:Yv4peiA0<>>>761
なんでおまえは黙れないんだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:55:18.03 ID:bDHpIMDO<>やたらと電磁抱組に噛み付いたりアンチアピールしてた痛い子いたけど
もし上琴ENDとかになったらその子たち発狂しちゃったりするの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 01:19:49.32 ID:WCH2viM0<>最後にみんなが笑ってれば俺的にはおk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 01:25:47.36 ID:5/uUI1Eo<>>>765
そういうのは言い始めた時点でNGIDに突っ込んで完全無視でおk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 01:38:22.08 ID:Xo2jdUSO<>>>762木山せんせーならオレが幸せにするから大丈夫

いちおつゞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 02:19:52.31 ID:2zOLKpQ0<>なんつーか上条当麻と衛宮士郎が方向性は違うかもしれんが
重なって見えるのは何故だろうな…?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 02:24:41.23 ID:wKUGnTs0<>根底に「全員助けたい」っていうのがあるからじゃないかな
それと、人助けのために命を投げ出すとこも一緒<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 03:37:23.84 ID:T3VOHK6o<>俺的には誰もが笑っていられる最高のハッピーエンドがいいが
作者に全てまかせます


ってレスしたい奴らの代弁してみる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 05:23:16.25 ID:aCIkTQAO<>>>1って他にSS書いたことある?

書いたことあるなら是非読みたいんだけども。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 06:53:42.43 ID:cCyM6EEo<>720 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/08(木) 21:03:55.87 ID:pY681Lk0
ついついジョバイロを流してしまった

721 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage] 投稿日:2010/07/08(木) 21:40:15.18 ID:PAkIfiE0
>>1です。こんばんは。
上条が御坂妹のことを「ミサカ」って呼んでたのは上にも出てたように

このへん流し読みしてたせいで一瞬「ジョインジョインミサカァ」という文字がみえた何故だ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 07:42:11.60 ID:WCH2viM0<>>>773
眼下池<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 11:34:14.22 ID:qeiv2hUo<>>>760
ダンバインendか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 13:19:39.08 ID:gKe5Btc0<>>>761
黙って支援と言いたいがこの流れで上琴endは確かになぁと思った自分がいた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 13:40:28.78 ID:Yv4peiA0<>自演乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 17:09:27.67 ID:WCH2viM0<>カップリングに文句あるなら、ブラウザを閉じることをお勧めします。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 17:11:26.47 ID:cCyM6EEo<>ブラウザを閉じたところで他に同じ様なシチュエーションのスレなどあるわけがないので
私はこのスレでそのカップリングが見られるまで叩くのをやめない

以上、糞厨房の証言である<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 17:13:16.33 ID:n1Dmysoo<>[ピーーー]
黙ってろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 18:02:10.21 ID:1YYYhx60<>(笑)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 18:05:47.64 ID:MsmgJrUo<>(切実)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 19:11:36.50 ID:1VBMR7ko<>ちょっとでも批判したのを叩いてるのはほとんど専ブラ入れてないやつら<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 19:12:46.71 ID:WCH2viM0<>以下のケースをお持ちの方へ
1.上琴とかフザケンナ!→貴方はこのスレに向かないようです。ブラウザをすぐに閉じましょう。
2.このシチュのスレは他にねーよ!→自分でスレを立てて書きましょう。
3.超電磁砲組ウゼーww→貴方はこのスレに向かないようです。ブラウザをすぐに閉じましょう。
4.このエンドしか認めねぇしww→このスレをコピーし、メモ帳を開いて自分好みのエンドに仕上げましょう。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 19:15:11.67 ID:1VBMR7ko<>今日の痛い子ID:WCH2viM0<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 19:46:21.01 ID:jV/oj/U0<>なにこいつ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 20:23:40.85 ID:1YYYhx60<>(笑)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 20:48:03.08 ID:.NTjYQQ0<>上琴期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 22:33:16.15 ID:Geaen6AO<>今日は>>1遅いな

>>768
それはbad endの場合だろ。俺が幸せにするしかないみたいだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/09(金) 22:43:05.56 ID:sTsNqAc0<>>>1です。
>>772
あー…じゃあ一応参考までに…。

御坂「レベル0って生きてる意味ないよねwww」 佐天「え?」
佐天「独裁スイッチ?」
初春「あ、あの…お茶いれました」 上条「フン」バシャァ
初春「グレてやる」
黒子「あら可愛らしいお人形さんだこと」 人形「………………」

ぐらいです。一応、佐天「独裁スイッチ?」は佐天さん主役でSFサスペンス、
初春「あ、あの…お茶いれました」 上条「フン」バシャァは初春主役で恋愛もの、
黒子「あら可愛らしいお人形さんだこと」 人形「………………」は黒子主役でホラー、
で当SSは美琴主役でシリアスアクションとして書きました。

あと上条さんが美琴たち4人にセクハラしまくるSSもありますが黒歴史化してるので
題名は伏せときます……。


それと…確かに昨日は上琴回として書きましたが、一応これにも意味はあります。
今は敢えてネタバレになるので何も言いませんが。今は取り敢えず2人の行く末を
見守って頂ければ宜しいかと……。
それでも読んで頂いているみなさんには感謝です。

長いレスになりましたが、実は今日は投下出来そうにないです……ごめんなさい。
その代わりこのレスを長くしてみましたが。

そういうわけで多分また明日には来れると思います。
ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/09(金) 22:47:41.03 ID:kfMoJ32o<>>>790
> 御坂「レベル0って生きてる意味ないよねwww」 佐天「え?」
> 佐天「独裁スイッチ?」
> 初春「あ、あの…お茶いれました」 上条「フン」バシャァ
> 初春「グレてやる」
> 黒子「あら可愛らしいお人形さんだこと」 人形「………………」

全部読んだかもしれないどうしよう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 22:48:40.08 ID:ZyuhSX2o<>俺もだわww
初グレが一番好きかな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 22:52:09.90 ID:VSpR3Vko<>黒子人形は面白かったなぁ
本格的なホラーだったわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 22:55:01.30 ID:g25r.Gc0<>>>790
全部読んだことあったびっくり
黒子人形はトラウマ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 22:55:46.52 ID:cCyM6EEo<>スレタイ見ただけでわかった・・・この>>1は初春に何か恨みを持っている・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 22:58:31.93 ID:wKUGnTs0<>>>1のSSは、SSとしてはちゃんと完成されていて
どれも良い作品だったよ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 23:01:13.97 ID:zzKl5cY0<>俺も全部読んだわ
セクハラSSも読んだかもしれないな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 23:08:53.37 ID:Geaen6AO<>初春お茶だけ見た事あるけど今回のは内容シリアル過ぎて気付かんかった

明日は期待なんだよ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 23:16:04.18 ID:1GbrQWM0<>>>798
ま た フ レ ー ク 会 社 の 回 し 者 か

>>1
全部リアルタイムで読んだよ。個人的には独裁スイッチのチート初春が印象<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 23:42:17.82 ID:KdipveQ0<>初春お茶で上条×初春に目覚めました
ありがとう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 23:45:11.58 ID:hciQ4sSO<>初春お茶は今でもたまに読み返すくらい好きだなぁ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 23:53:58.74 ID:UT9mVEAO<>オウ…何だっけ?あのお節介魔術師はいないのか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 00:02:19.98 ID:HM.sCK20<>うは
全部読んでたわww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/10(土) 01:13:09.46 ID:ZwY8NSo0<>お茶のやつは佐天×一方シーン増やしてくれると嬉しかったなぁ

独裁スイッチは名作だったよね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 01:16:18.69 ID:ZwY8NSo0<>Sage忘れOrz<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 02:17:32.12 ID:ZctAQ2AO<>おお!ほとんど読んだことあるわ
しかもかなり好きな部類のSSだったし改めて期待しよう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 02:48:08.78 ID:9q5OGzUo<>>>790
>初春「あ、あの…お茶いれました」 上条「フン」バシャァ
 初春「グレてやる」


あ、この作者さんだったのね
通りで面白いはずだわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 03:18:31.00 ID:LhXX6Lwo<>お前ら少し黙ってろよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 04:21:18.30 ID:dkCJ8NE0<>専ブラを使うやつでも空気読めないのか^^;<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 05:35:49.08 ID:GjxDOvU0<>全部見た!だの聞いてないんだよ
誰が興味あるんだそんなもん
自己顕示も程々にな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 07:52:29.17 ID:U9HbYW2o<>>>1が作品を紹介したってことは感想書かれることを想定してると思うんだがな
多少の雑談になるのはしょうがない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 09:51:13.24 ID:B5M2xkYo<>>>1様神様って聞いてたんだけど違うの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 15:02:18.42 ID:Sa78Inso<>黙ってろくそニコニコ野郎<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/10(土) 20:33:05.42 ID:O1gvFBo0<>禁書だけ・・・禁書だけのストーリーだったら神だったのに・・・そこだけが悔やまれる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/10(土) 21:39:10.20 ID:apSdnISO<>>>810
なんだこのキチガイ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 21:47:53.13 ID:Fb/vulMo<>>>814
禁書以外のストーリーってどれのこと言ってるの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 21:50:28.56 ID:B5M2xkYo<>元々の目的が禁書VS電磁砲なのに禁書だけって成立しないじゃない何言ってんのこの子<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 21:53:30.41 ID:dMbcPLM0<>いいから放っておけよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 21:56:01.97 ID:Fb/vulMo<>超電磁砲組も普通に原作キャラなんだけどな
佐天さんはモブだが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 22:02:16.07 ID:rJyzb5.0<> お 前 ら >>1 よ り も 多 く 話 し て る ん じ ゃ な い よ <> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/10(土) 22:12:38.10 ID:1I8mRWA0<>>>1です。
みなさんありがとうございます。
ということで遅くなりましたが今日の分
投下していきます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/10(土) 22:14:53.51 ID:2YRgIgIo<>ktkr<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 22:16:01.78 ID:2YRgIgIo<>sage忘れてた・・・.<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/10(土) 22:17:53.58 ID:1I8mRWA0<>第7学区・セブンスミスト――。

上条からUSBメモリを渡されてから3日後、美琴は黒子たちと一緒にセブンスミストに来ていた。
4人で訪れた店の中で1番多く利用した場所だったので、最後に記念に1度だけ行っておこうとなったのだ。

佐天「ねぇ、初春。この服なんてどうかな?」

初春「あー可愛いですねー。佐天さんに似合いそうですよー」

佐天「じゃあこっちの下着は?」

初春「きゃっ! そそそそんな卑猥なの履けるわけないじゃないですかぁ///」

佐天「えーウブだね初春は」

初春「じゃあ佐天さんが履いて下さいよ」

佐天「な、何であたしが履かないといけないのよこんなエッチなの」

初春「佐天さんだって履けないんじゃないんですか」

黒子「ふっ、やれやれですわ。2人もまだまだ甘いですわね。これぐらい淑女の嗜みとして当然ですのに」

佐天初春「当然じゃありません!」

やいのやいのと騒ぐ黒子たちを、美琴は少し離れた場所から淡い笑みを浮かべて見つめていた。

美琴「(こうしてみんなでここにショッピングに来れるのもこれで最後か……)」

上条から渡されたUSBメモリの資料は既に4人で閲覧し、確認している。もうみんな最低限の荷物もまとめてあり、あとは4日後の上条たちとの合流を待つだけだった。

佐天「みーさかさん♪」

美琴「ん? わ、何?」

佐天「ほら、この服可愛くありません? 御坂さんに似合いますよきっと」

美琴「あ、本当ね。いいわねこれ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/10(土) 22:23:34.62 ID:1I8mRWA0<>初春「こっちなんてどうでしょう? 多少子供っぽいかもしれませんけど」

美琴「あ、それゲコ太じゃない!」

黒子「お姉さまは相変わらず子供っぽい趣味がおありのようで」

美琴「な、何よ。わ、悪い?」

黒子「あまり子供っぽ過ぎると、どこかの殿方に呆れられますわよ?」

美琴「ななななななななな別にあいつはそんなんじゃ……って、はっ!!」

佐天初春「ニヤニヤニヤニヤ」

美琴「な、何よ!?////」カァァ

佐天「いやぁ、良かったー。御坂さん元気になりましたね」

初春「寮出てからずっと元気ない顔してましたからねー」

黒子「やはりあの殿方の話題を出すと、ガラリと様子が変わりますわね」

美琴「……そ、そんなに私元気なかった?」

黒子「ええ、とても。これでセブンス・ミストに訪れるのも最後なんですから」

初春「最後ぐらい、後で思い返して良かった、って思えるぐらい元気にいきましょう」

佐天「もちろん今、あたしたちがそう気軽に笑える状況にあるわけじゃないですよ? でも、さ。やっぱり楽しまないと損じゃないですか? 暗い顔してると、幸せが飛んでっちゃいますよ」

美琴「貴女たち……」

美琴は3人の顔を交互に見る。
みんな、心の奥底に複雑な感情を抱えているものとは思えないぐらい、その表情は明るく、はつらつとして、女子中学生らしい笑顔だ。
で、あるのに自分だけ辛気臭い顔をしていても、年長としてどうか思い、美琴は気分を変えることにした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/10(土) 22:29:45.04 ID:1I8mRWA0<>美琴「フッ、そうね……」
美琴「じゃあ、あんたたち。今日で4人で遊ぶのも最後よ。だから、今日は思いっきり発散しちゃうわよ!!」

佐天「そう来なくっちゃ!」

初春「ですよね!」

黒子「悩みを全て吹き飛ぶ勢いではしゃぎましょう!」

美琴「よし、まずはクレープ食べるわよクレープ! そんでその後はパフェ!!」

黒子「お姉さま、そんなに食べたら太りますわよ?」

美琴「今日ぐらいいいの! 女の子はスイーツ大好物なんだからさ!」
美琴「……だからさ!」

グイッ

黒子「お?」

佐天「ん?」

初春「ほえ?」

美琴は、両腕を広げると、左腕で黒子と初春を引き寄せその肩に手を回し、右腕で佐天の肩に手を回した。
接近した3人の顔を見、ウインクをすると美琴は言った。

美琴「さ、今日1日で思い出いっぱい作るわよー!」

黒子佐天初春「はい!!!」

4人の女子中学生の、明るくて元気な声が響いた。


そして、運命の日は訪れる――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/10(土) 22:30:13.49 ID:1I8mRWA0<>>>1です。
今日は以上です。
ありがとうございましたー。
ではまた明日。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/10(土) 22:37:20.44 ID:b7SCNoc0<>>>827
乙です
今日は短いんですね

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 22:37:37.70 ID:vCIpjYAO<>え?






乙でした。明日も超期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 22:49:34.69 ID:PEk9fTk0<>はやすぎワロタw
GJです!
明日、また楽しみにしてます!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 23:12:34.56 ID:PnhJc0Q0<>今回はあえて短くしたんだろうな
乙でした<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 23:40:19.16 ID:rJyzb5.0<>そして4人は









                   街から出られなかった















<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 23:43:13.47 ID:bs4o23Y0<>>>832
えっ

















えっ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 23:54:58.68 ID:sYnKkQAO<>>>832
えっ










えっ










えっ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 00:06:44.85 ID:TVmyOyc0<>ちょっと指摘されたくらいでキチガイ扱いとは、読者の質低すぎだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 00:09:54.28 ID:oHZkWCA0<>>>835
何の話よ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 00:13:11.59 ID:Tbmp9k.o<>その指摘が的外れだって気付かないなんて頭の質低すぎだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 00:15:17.17 ID:72kXRPY0<>そして俺らは









                   
家から出られなかった
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 00:15:37.60 ID:M2BcJyYo<>そこまでにしとけ
この話は忘れろ
無駄なスレ消費は控えようぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 00:23:32.86 ID:TVmyOyc0<>>>791-807
ここまで無駄にスレ消費してたから指摘したのに、的外れとは驚いた
こういう自分勝手な奴らが多すぎてかなり迷惑なんだけど<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 00:42:22.45 ID:r3dMJ2AO<>>>1と皆のお約束。

1.これは俺のSS!俺のSSに常識は通用しねぇ!
2.喧嘩するとかなンなンですかァ?なンなンですかァ?
3.1日に100レスの雑談は止めて欲しいなって、>>1は>>1は言ってみる。
4.いいぜ、お前がこのスレと関係ない雑談をするって言うのなら、
まずはそのふざけた幻想をぶち[ピーーー]!

お前ら・・・これを忘れた訳じゃねェよなァ?<> やっちまった・・・<>sage saga<>2010/07/11(日) 00:44:11.96 ID:r3dMJ2AO<>>>1と皆のお約束。

1.これは俺のSS!俺のSSに常識は通用しねぇ!
2.喧嘩するとかなンなンですかァ?なンなンですかァ?
3.1日に100レスの雑談は止めて欲しいなって、>>1は>>1は言ってみる。
4.いいぜ、お前がこのスレと関係ない雑談をするって言うのなら、
まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 00:56:10.39 ID:S1WM1MAO<>>>1乙なんだよ!

>>842
クスッときたwwテンプレ乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/11(日) 01:21:17.55 ID:2746YMAO<>やっと追いついた。
これは>>1はすげぇわ。普通に面白い。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 04:48:24.81 ID:CvrTTDo0<>追いついた報告なんかいらないから[ピーーー]糞携帯
とりあえず黙ってろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 06:46:14.93 ID:pJrOstQo<>雑談は気にならないけど改行する奴はうざい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 08:17:59.12 ID:SfUwrZIo<>何この殺伐とした空気<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 09:32:42.20 ID:4SIQuNQ0<>専ブラも使えない情弱は黙ってろよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/11(日) 11:13:50.76 ID:mjdCROc0<>最初から読んできた、
とりあえず外で浜面が滝壺と結婚して娘の名前に最愛ってつけるとこまで妄想した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 11:16:07.50 ID:mjdCROc0<>すいませんsage忘れてた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 13:27:52.77 ID:ehjE2mk0<>これまでの>>1の投稿量で2スレ目、ましてや3スレ目に行くはずがない。
雑談が駄目だとは言わないが、ちょっとは自重しろ。



夏休みとかマジふざけんな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 13:39:58.43 ID:wb08ZuQ0<>なんで>>851みたいなのがしゃしゃり出てくるんだ?あのテンプレですべて解決だろjk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 14:53:37.32 ID:TWOuyb20<>まとめると、

テンプレに従って黙ってろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 21:40:38.88 ID:3rIsNhg0<>>>1です。こんばんは。
今から投下していきます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 21:45:42.30 ID:3rIsNhg0<>
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




そして、運命の日が訪れる――。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 21:49:36.50 ID:3rIsNhg0<>3日後――。

本来ならあと1時間ほどで最終下校時刻を迎える頃、それは始まった。
1つの爆音を皮切りに、学園都市の至る場所から爆発や炎が舞い上がったのだ。
それは、学園都市の崩壊を報せる狼煙とも言えた。
地獄がまた始まったのだった――。


ジャッジメント第177支部――。

その日、美琴たち4人は予め早くから支部に集合していた。

美琴「始まった……っ!」

遠くで鳴り響いた爆音を聞き、美琴は立ち上がった。
内戦が始まったのだ。

黒子「電話が通じませんの。混線状況ですわ」

初春「ネットも使えなくなってます」

佐天「いよいよ終わりか……」

黒子「じき、インフラも麻痺するでしょう。本当の本当にこれで学園都市も終わりですわね」

美琴「さぁ、早く行くわよ!」

初春「待って下さい! 後ちょっとで機密書類の処分が終わりますから!」

黒子「こっちももうすぐですの!」

佐天「2人とも急いで!」

美琴「一刻の猶予も無いわ!」

パソコンを操作する黒子と初春を見、美琴と佐天は焦りを見せる。

黒子「終わりましたですの!」

3人は、ドアの付近に集まり初春を手招きする。

佐天「初春! 早く!」

初春「……よし終わった! 今行きます!!」

佐天は、手招きしていた腕を、走ってきた初春の肩に回すように急がせる。
最後の後始末も終え、美琴たち4人は支部を飛び出した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 21:54:35.55 ID:3rIsNhg0<>美琴「こっちよ!! 合流地点までのルートは頭に入れてある」

4人は通りを駆け抜ける。この辺りはまだ、内戦勃発の煽りを受けていないのか、どこも被害は無く静かだった。

佐天「もっと早いうちに出てれば良かったんだけど……」

美琴「それじゃあ駄目なのよ。内戦開始の直前は、研究者側も敵対するテログループたちも神経をすり減らしてる。そんな最中に怪しい動きをすれば、どちらかの勢力に勘付かれる可能性もある」

黒子「逆に、内戦が始まったらみんな緊張も解けてカオスな状況になるので、隙が生まれやすいということですわね!?」

美琴「そういうこと! あいつが説明したまんまのことだけどね。それにわざわざあいつらはジャッジメント支部の近くに合流ポイントを設けてくれたわ。危険を冒してまでこんな近くまで迎えに来てくれるんだから贅沢は言えないでしょ!!」

佐天「なるほど確かにそれもそうですね!」

初春「なら早く行かないと」

美琴「ええ、寄り道は出来ないわ」

息を切らし彼女たちは走る。だが、それと同時に言い知れぬ緊張や不安も沸々と湧き上がってくる。
辺りはまだ静かとは言え、付近の建物が急に爆発したり、路地裏からテログループが顔を覗かせないか、と考えると余計に焦燥感が増してくるのだった。




ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!




突如、サイレンが鳴り出した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 21:59:38.68 ID:3rIsNhg0<>恐らく、学園都市全域に緊急避難警報が出されたのだろう。

美琴「これは……サイレン!?」

本能をつつくような不気味な音を耳にし、美琴は僅かに顔を上げる。
と、その時だった。

黒子「お姉さま!!!!」

美琴「え……?」

先頭を走っていた美琴が、黒子の声に気付き正面に顔を戻した時だった。
突如、曲がり角の陰からごつい装甲を纏った腕が飛び出してきた。

美琴「!!!!!!!」

1秒後、美琴は後方に吹き飛ばされていた。

黒子「お姉さま!!!」

佐天初春「御坂さん!!!」

地面に転がった美琴に駆け寄る3人。彼女たちの絶望を更に肥やすように、ズゥンという地響きが後ろから轟いた。





「ぎゃぁっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!! いいザマだなぁ、レベル5のお嬢ちゃんよぉおおおおおおおおおお!!!!!!」





<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 22:05:16.71 ID:3rIsNhg0<>黒子たちが振り返る。
そこには、ピンク色のどぎつい模様で全身を埋められた、1台の駆動鎧(パワードスーツ)が3人を見下していた。

黒子「あ……貴女は……」

3人の顔に冷や汗が浮かぶ。



テレスティーナ「正解でぇぇぇぇっす!!!! ご無沙汰してましたかぁ、お嬢ちゃんたちぃぃぃい??? まあこっちはお前らガキのことなんて1oたりとも心配なんてしてなかったけどなぁ!!!! ぎゃははははははははははは!!!!!!!」



その駆動鎧に身を纏った人物――それはかつて『乱雑反応(ポルターガイスト)』の事件でさんざん美琴たちを苦しめた黒幕の女だった。

美琴「テ……テレスティーナ=木原=ライフライン………」

頭から一筋の血を流しながら、美琴が起き上がろうとする。

黒子「お姉さま!!」

佐天初春「御坂さん!!!」

テレスティーナ「あぁぁぁぁん? 何だ死んでなかったのかよこのクソガキは!!??」

限界まで顔を歪めに歪めまくり、テレスティーナは暴言を吐く。

美琴「……咄嗟に……回避しただけよ……もう少し反応が遅かったら、危なかったわね……」

テレスティーナ「ほざくなアバズレがぁ!!!」

黒子「くっ!」

美琴に注意を向けているテレスティーナの隙をつき、黒子が動きを見せる。

テレスティーナ「はいざんねぇぇぇぇぇぇぇぇぇんんん!!!!!!!」

ドゴッ!!!!

黒子「きゃん!!!!」

しかし、彼女は攻撃を仕掛ける間も無く、駆動鎧のごつい左腕に薙ぎ払われてしまった。

美琴「黒子!!!」

佐天初春「白井さん!!!」

テレスティーナ「テレポーターなんてほんの少し捻って精神状態を悪化させてやれば無力になるからなぁ!!!! 強力に見えても実は相手しやすいっていう」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 22:11:37.19 ID:3rIsNhg0<>佐天初春「……………っ」

佐天と初春が、倒れた美琴と黒子の前に立ちテレスティーナを睨む。

テレスティーナ「ぁぁぁああああ? 何だその目はぁ?? 生意気なガキどもが!!! いいぜぇ、いつぞやの借りここで返してやるぁぁぁぁぁ!!!!!」

美琴「そうは……させない……」

美琴が震える手でポケットからコインを取り出す。

テレスティーナ「遅すぎるぞブァァァァァァァカ!!!!!!」ガッ!!

美琴「きゃ……あっ!!!!」

駆動鎧の右腕が美琴を掴み上げた。

テレスティーナ「何がそうはさせないキリッだよ!!!!!」

佐天初春「御坂さん!!!」

テレスティーナ「お前らの戦闘パターンなんてお見通しなんだよ!!! 1度戦ってるからなぁ!!!! 所詮レベル5とレベル4でも精神が未熟なガキだしぃぃ!!!! ほんの少し隙をついて傷つけてやるだけで戦闘を有利に運べるんだから簡単だよなぁあああああ!!!!????」

美琴「くっ……うぅ……」

美琴は何とか電気を発しようと試みるが、駆動鎧の右腕が彼女の首を押さえるようにしめつけているため演算に集中出来ない。

テレスティーナ「なぁぁんか前にもこんな風景見たことあるよなぁぁぁぁ!!!! あんときゃお前の知り合いのせいでみすみすお前を取り逃がしたが、今度こそお前は終わりだぜぎゃははははははははは!!!!!!」

黒子「そうは……させませんの!!」

ヨロヨロと黒子が立ち上がる。

テレスティーナ「あ?」

黒子は太ももに巻いていた革ベルトに手を触れ、金属矢をテレポートさせる。
しかし、何故か金属矢は駆動鎧に当たる前に、地面に叩き落されてしまった。

黒子「なっ!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 22:17:21.41 ID:3rIsNhg0<>テレスティーナ「驚いたぁぁぁ? 驚きまちたかぁぁぁぁぁ???? こっちにはなぁ、魔術師なんて反則的なやつもいるんだよ、ブァァァァァカ!!!!!!」

見ると、その言葉に反応するように駆動鎧の後ろから1人の外国人らしき男が出て来た。恐らくはテレスティーナが言った魔術師だろう。
黒子たちは初めて目にする驚異の力と魔術師という存在に動揺する。

テレスティーナ「こっちはこの生意気なクソガキを圧殺しとくから、お前はそのテレポーターどもをぶち殺しとけ!!!!!」

言われた魔術師はニヤッと笑い、黒子と佐天と初春に近付き腕を伸ばす。

佐天「あ……あ……」

初春「来ないで……」

黒子「……………っ」

目の前の、魔術師と言う未知の相手にどう対処していいのか悩んでいるのか、それともテレポートを実行するほどの精神を保てるほど冷静ではなかったのか、黒子は攻撃の動作に移れなかった。
美琴は美琴で、テレスティーナの駆動鎧に首を掴まれ壁に押し付けられ手も足も出せない状態だった。

テレスティーナ「ヒャハハハははははははははははは!!!!!!! 死ね氏ね士ね詩ね師ね詞ねシネ市ねしねSINE歯ねSHINEしねシネ死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

美琴「がっ………はっ……」

美琴の意識が遠のいていく。
顔を歪みまくるテレスティーナを目の前にして、美琴は手を動かそうとするがまともに反応しない。
視界の端には、今にも魔術師らしき男に襲われそうな黒子と佐天と初春の絶望がかった顔がチラッと見えた。
美琴はテレスティーナを睨む。

テレスティーナ「なんだぁぁぁぁその反抗的な目はぁぁぁぁぁあああああ!!!!??? どうやらおしおきが必要なようだなぁぁぁぁあああああ???? いいぜぇぇぇぇえ、そのブッサイクな面、不快だから今すぐぶっ潰してやんよ!!!!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 22:23:11.42 ID:3rIsNhg0<>駆動鎧の左腕が動く。

テレスティーナ「死ねええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!」

佐天「御坂さん!!!」

初春「御坂さん!!!」

黒子「お姉さま!!!」

美琴「くっ……!!」

重く、無慈悲な駆動鎧の左腕が美琴の顔を粉砕しようと振るわれる。
が、しかし………




テレスティーナ「……………あ?」




美琴「!!??」

いつまで経っても、攻撃は来なかった。不審に思った美琴が目を開くと、そこには不自然な方向に折り曲げられた駆動鎧の左腕が見えた。

テレスティーナ「ぐぎゃああああああああああああああ!!!!!!」

エイリアンのような悲鳴を発し、テレスティーナは駆動鎧の左腕を見る。恐らくは内部で自身の左腕も同じように曲がっているのだろう。
テレスティーナは恨めしい顔で叫んだ。

テレスティーナ「なんだぁお前はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?????」

テレスティーナが睨んだ先には………






駆動鎧と美琴の間に、1人の白い悪魔が立っていた。






<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/11(日) 22:24:21.30 ID:mQ6X7JU0<>流石テレさんブレがない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 22:27:14.48 ID:nb1UBvso<>なのはさン……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 22:29:25.57 ID:3rIsNhg0<>美琴「!!!!!!!!!」

黒子「あれは……」

驚き、黒子や魔術師もそっちの方に顔を向けた。
そしてその時、別方向からも1人の少年が現れ、声を上げた。





「悪い御坂。遅くなったな」





美琴「!!!!!!!!!!!」

美琴たちの窮地を救った2人の少年――それは、上条当麻と一方通行だった。

上条「今すぐ助けてやる」

一方通行「やれやれェ」

テレスティーナ「…………………」

その光景にしばし呆然としていたテレスティーナだったが、我に返るとすぐにまた顔を歪めた。

テレスティーナ「…………………ハッ!」
テレスティーナ「何が助けてやるだクソヤロウ!!! 遅れてきたヒーロー気取りか!!?? ああ!!?? お前らみたいなクソガキが2匹増えたところで何にもならんぇぇぇぇよぶぁぁあぁァぁか!!!!!!」

一方通行「っせェ………」

テレスティーナ「ああぁぁぁ?」

駆動鎧と美琴の間に立っていた一方通行が、テレスティーナに背中を向けながら呟いた。

一方通行「うるせェって言ってンだよ三下が」

僅かに振り返り、一方通行は深紅の目でテレスティーナを睨む。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 22:35:49.24 ID:8ClKob20<>テレスティーナ「生意気なガキだなぁぁぁぁてめぇぇぇも!!!!! 左腕折られただけで戦闘力が減るとでも思ったかぁぁぁぁああああ?????」

ブンッ

そう言うと、テレスティーナはゴミを捨てるような動作で美琴を放り投げた。

美琴「あっ!!」

上条「よっと」

しかし、それを上手く上条がキャッチする。
が、テレスティーナはもう美琴のことはどうでもいいのか、既に一方通行に注意を向けていた。

テレスティーナ「てめぇみたいな生意気なガキは虫っころみたいに死んどけやああああああああああ!!!!!!!」

駆動鎧の右腕が一方通行に向けて振るわれる。




一方通行「うぜェ」




ドッ!!


テレスティーナ「…………は?」

鈍い音が一瞬響いた。
何が起こったのか理解する間もないまま、テレスティーナが纏った駆動鎧はどこからか生じたベクトルによって操られ………



ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!



2秒後、100m先の建物の壁にめり込んでいた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 22:36:49.06 ID:j76aLEUo<> | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |  顔芸さん終了のお知らせ   |
 |_____________|
       ∧∧ ||
       ( ゚д゚)||
       / づΦ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 22:39:19.16 ID:TWOuyb20<>せめて投下終了まで言わないでほしかった。
脳裏に蘇る顔芸と、京急の大原さやかの崩れさるイメージ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 22:41:51.56 ID:8ClKob20<>決着はすぐに着いた。

一方通行「ふン」

美琴「しゅ…瞬殺……」

それ以外に形容し難い、あっけない戦闘の終わり方だった。
上条に抱きかかえられた美琴は、遥か遠くで倒れたテレスティーナの駆動鎧を唖然と見ていた。

一方通行「俺を殺したいなら、木原くンの木原神拳なみの策ぐらい練ろよ。にしても、ホントあの一族にはろくなのがいないねェ」

つまらなさそうに一方通行は髪を掻いた。

上条「で、大丈夫か御坂?」

上条は、お姫様だっこのように抱えている美琴を見下ろす。
彼女は、子供のように片腕を上条の肩に伸ばし、身体も上条に寄せていた。

美琴「え? あ……うん……」

上条「良かった」

美琴の無事を確認すると、上条は安心したように微笑みを見せた。

魔術師「クソ! どういうことだこれは!?」

上条「ん?」

振り返ると、魔術師がうろたえていた。
恐らく、一方通行の実力の一端を垣間見て、慣れない超能力に今更ながら慌てふためいているようだった。

上条「悪い御坂、少し降ろすぞ」

美琴「うん……」

上条は、優しくそっと美琴を地面に降ろす。

魔術師「クソオオオオオオオオオ!!!!!!!」

黒子佐天初春「!!!!!!」

錯乱した魔術師が両手を黒子たちに向けた。
そして、そこから何らかの攻撃が放たれた。

バギィィィン!!!!

魔術師「なに!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 22:42:55.00 ID:Y/H5VEA0<>ID変わった?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 22:47:26.53 ID:8ClKob20<>上条「寝てろ三下」

ドゴッ!!

と言う鈍い音と共に発せられた殴打を受け、魔術師は壁に突っ込みそのまま崩れ落ちた。

上条「ふん」

一方通行「雑魚しかいねェのかよ……」

3分もしないうちに、2人の強敵は倒された。

美琴黒子佐天初春「…………………」

そんな2人を4人は唖然と見ていたが、我に返った黒子と佐天と初春が美琴に駆け寄っていった。

黒子「お姉さま!」

佐天初春「御坂さん!」

美琴「大丈夫よこれぐらい。あんたたちは何ともない?」

黒子「私たちは大丈夫ですわ」

美琴「良かった……あんたたちが来てくれなかったら危なかったわ。ありがとう」

そう言って美琴は上条と一方通行に視線を向けた。

黒子佐天初春「ありがとうございます!」

美琴に続き、黒子たち3人が礼をする。

一方通行「礼は後だ」

上条「この近くに黄泉川先生たちの車があるからそこまで移動するぞ」

美琴「分かったわ」

数分後、美琴たちは上条に連れられて通りの端に待機していたワゴンに乗り込んだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 22:52:56.01 ID:8ClKob20<>前後に1台ずつ、警備員が運転する自動車に護衛されてワゴンは出発する。

美琴「いっつ……」

カエル医者「よし、これで大丈夫だよ?」

カエル顔の医者から応急処置を受ける美琴。
ワゴン車は10人乗りで、運転席に鉄装、助手席に黄泉川が、前部座席に左から打ち止めと一方通行が、中央座席に左から黒子、佐天、初春が、後部座席に左から上条、美琴、カエル顔の医者が乗っていた。
因みに、木山と寮監はワゴン車の前を進む自動車の中だった。

上条「今から全員で脱出地点まで向かう。敵は双方共に街の中心部で衝突しつつある。この車列は郊外に離れていくから、騒ぎの中心からは遠のいていくことになる。敵の方も、何も事情を知らないはずの学生たちがこんな早くに逃げ出すとは思ってないからな」

カエル医者「逆に言えば今しかチャンスはないわけだね?」

美琴「そう言えば先生」

カエル医者「何だね?」

美琴「病院の患者さんたちはどうしたんですか?」

カエル医者「全くもってその通りだよね? 僕も我ながら情けないよ。患者さんたちを置いて『外』へ逃げることになるなんて。一応、病院内の患者さんたちには、医療施設が整ってある第7学区随一のシェルターに避難させたけどね?」

本当に物悲しそうにカエル顔の医者は語る。今この時も患者のことが気になって仕方がないのだろう。
それを汲んだのか、腕組みをして前を見ていた一方通行が言う。

一方通行「自虐することはねェだろ。あンたはよくやってるよ」

カエル医者「まさか君からそんな言葉が出るとはね?」

一方通行「けっ」

美琴はカエル医者の顔を一瞥する。
本当に彼は残念そうな顔をしている。だが、このまま学園都市の『中』に残っていても出来ることはほとんどない。ならば、学園都市の『外』から患者を救う手立てを考えるのが最良の策なのかもしれない。

打ち止め「もう、アナタってば素直じゃないのね、ってミサカはミサカは呆れてみたり」

一方通行「っせェ」

初春「にしても、ちゃんと最後まで脱出出来るんでしょうか?」

初春が窓の外を眺めながら呟く。

佐天「心配と言えば心配だよね」

黒子「杞憂であればいいんですけどね」

上条「敵に見つからない限り大丈夫だろう。まあ、後は車で向かうだけだ。脱出地点の近くまで来たら、徒歩に切り替えるけどな。その後は、闇夜に紛れて川からボートに乗って『外』と『中』の境界まで行くだけだ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 22:58:33.83 ID:8ClKob20<>美琴「………………でも、私たちだけ逃げるのってやっぱり何だか気が進まないな」

ふと、美琴が呟いた。

黒子「確かに、学園都市にはまだ多くの学生が残っていますしね」

車内に沈黙が訪れる。

カエル医者「………ま、かと言って学生たちを放っておくわけでもないよ。『外』のNGO団体の施設では、どのようにより多くの学生たちを学園都市から助け出すか、という計画が今から始まってるらしいからね。君たちなら、学園都市の内部を知る貴重な人材として彼らに協力することだって出来るんだ。だから、元気を出しなさい。ね?」

美琴「ゲコ太……」

上条「………………」

美琴「……でも」

カエル医者「ん?」

美琴「でも、学生たちだけじゃない。今こうしてる間にも、黄泉川先生の部下の人たちや、妹達が陽動で動いてるんでしょ?」

更に不安材料を口にする美琴。彼女の声はどこか弱弱しい。

一方通行「アイツらが自分で決めたことなンだ。ここで愚痴ってみろ。オマエはアイツらの意志を踏みにじることになるンだぞ」

黄泉川「私の部下たちも、生徒たちを守るのが本来の任務。腐ったアンチスキル上層部に代わって己の職務を全う出来るんじゃん。だからこそあいつらは喜んで志願して陽動任務を引き受けてくれたじゃん」

美琴「でも……でも……」

一方通行「グダグダうっせェな。納得いってないヤツがオマエだけだと思うなよ」

美琴「え?」

一方通行「だが、納得出来ても止められねェもンがあるだろ。それを止めようとしたら、逆にアイツらを馬鹿にしてることになる」

黄泉川「そういうこと。ま、人情としては見過ごしたくないんだけどさ」

一方通行と黄泉川の言葉にはどこかやり切れなさが含まれていた。恐らく、彼ら自身も妹達や部下たちに思うところがあるのだろう。

打ち止め「ちなみに、今ミサカネットワークに入ってきた陽動に就いてる妹達からのメッセージだけど……『これはミサカたちが自らの意志で決めたことです。お姉さまがここでミサカたちを心配して引き返したり、脱出に失敗すればミサカたちの行動も無駄になります。今、お姉さまが一番にすべきことは学園都市から逃げることです。では、ご武運を祈ってます』って下位個体たちが言ってるよ、ってミサカはミサカは説明してみる」

美琴「………あの子たち……」

打ち止め「ミサカだって本当は悲しいんだよお姉さま。だけど、下位個体たちの想いを無駄にするのは一番駄目だと思う」

美琴「……………………」

確かに、その通りかもしれない。だが、どうあっても全てが全て納得出来るものでもなかった。

上条「……………………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 23:04:25.39 ID:8ClKob20<>と、その時だった。黄泉川の無線に連絡が入った。後ろの車両からだ。

黄泉川「何? 車が急に止まった?」

無線を受けた黄泉川が後ろを振り返る。それにつられ、全員も後部ガラスから後ろを窺った。
見ると、確かに後方に付いていた車が停まっている。

佐天「何かあったのかな?」

初春「エンジントラブルでしょうか?」

美琴「どうするの?」

カエル医者「ちょっと待っててくれ。僕が1番彼らの車に近い座席に座ってるしね。様子を見てこよう」

美琴「あ……」

そう言うと、カエル顔の医者はドアを開き出て行った。

鉄装「い、いいんですか?」

黄泉川「まぁ、すぐ戻るだろ」

世話好きなカエル顔の医者らしい行動と言えたが、あまり無駄に時間を食うわけにもいかなかった。

カエル医者「どうかしたのかな?」

カエル顔の医者は停車した車のところまで近付くと、運転席を覗き込んだ。

警備員A「分かりません。エンジンに異常は無いはずなんですが」

警備員B「急に止まった感じで」

カエル顔の医者「ふむ、急に…ね」

カエル顔の医者は異常を調べるため、車の周りを回る。
ワゴン車からは美琴たちがその様子を不安げに見つめていた。

カエル医者「おや? これは?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 23:09:37.79 ID:8ClKob20<>車の背後に回った時、何かに気付いたのかカエル顔の医者が腰を屈めた。

カエル医者「パンクしているね……。しかもこれはまるで撃たれたような……ん?」

不意に、カエル顔の医者は立ち上がる。

美琴「何があったの?」




ズドオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!




突如、ワゴン車の後部ガラスの視界がオレンジ色に染まった。
咄嗟に、上条は美琴を庇うように覆い被り、他のみんなも反射的に椅子に頭を引っ込めた。



カエル医者「…………………」

しばらくして、カエル顔の医者は目を見開いた。

ボオオオオ……

周囲は黒い煙に覆われ、すぐ側ではオレンジ色の炎を上げながら燃える車が目に入った。

カエル医者「一体何が起こったんだね?」

状況も理解出来ず、カエル医者は呟いていた。

カエル医者「ん?」

彼は自分の身体を見た。
そこに、あるべきはずの下半身が無かった。

カエル医者「おやおや……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 23:12:29.16 ID:TWOuyb20<>ゲコ太ァァァァァァァァ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 23:15:26.88 ID:8ClKob20<>上条「クソ!」

頭を上げ、後部ガラスから後方を見る上条。
車が炎上していた。

美琴「何があったの?………何よあれ!?」

黒子「車が……燃えてますわ……」

佐天「何であんなことに!?」

初春「まだあの中には、先生と2人の警備員がいるんですよ!!」

上条「チクショウ!!」

一方通行「チッ!!」

ガラッ!

同時に、上条と一方通行が扉を開けて飛び出していた。

美琴「あっ!」

打ち止め「アナタ!!」

鉄装「黄泉川先生、あの2人が!」

黄泉川「クソ! 急に爆発したと思ったら……。いつでも出発出来るようしとくじゃん!」

美琴「………………っ」バッ

黒子「お姉さま!?」

佐天初春「御坂さん!!!」

黄泉川「何!?」

止める間も無く、美琴も車から飛び出していた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 23:17:30.73 ID:IX/bCQAO<>ゲK/O太になってゲ故太だと……?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 23:20:38.61 ID:8ClKob20<>燃え盛る炎の熱にも負けず、上条と一方通行が車に近付いて来た。

一方通行「駄目だな。警備員の2人は即死だ。恐らくRPGの直撃でも受けたンだな。どこから撃ったのかは分からねェが、止まってると良い的だ。早く逃げるぞ」

上条「待て! 先生だ!!」

車から少し離れた所に、カエル顔の医者が仰向けに転がっていた。
ただし、  上  半  身  の  み  だ  が  。  

上条「先生!」

慌てて上条が駆け寄る。

カエル医者「おお君か。いやいや参ったね?」

上条「先生………」

その姿を見た上条が絶句する。

美琴「ゲコ太!!」

カエル医者「おや君まで。外に出たら危ないよ?」

上条「御坂!?」

美琴「あああ……何て……酷い……ゲコ太!!」

口元を両手で覆うように驚き、美琴はカエル顔の医者に駆け寄った。
一方通行は2人の様子を横目で窺いながらも周囲に警戒を向けている。恐らく、敵からの攻撃に備えているのだろう。だが、例え彼であっても音速で飛来する物体からワゴン車を守りきれるかは分からなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 23:25:32.23 ID:8ClKob20<>木山「何かあったのかな?」

寮監「一番後ろの車が爆発したようですが、あの先生が巻き込まれたようですね」

先頭の車内でも、後ろで起こりつつある惨状に気付いたのか、後部座席に座っていた木山と寮監が後ろを振り返っていた。

木山「………本当に? 無事ならいいんだが……」



美琴「やだ! やだよゲコ太!! 死なないで!!!」

上条「御坂、残念だが先生はもう無理だ。可哀想だけど、早く行かないと」

美琴「放っておけって言うの!?」

涙で顔をクシャクシャにし、美琴はカエル顔の医者にすがる。

一方通行「敵が来るぞ。いつまでも余裕こいてる暇ねェぞ!」

上条「御坂、もう無理だ」

美琴「でも……!」

カエル医者「泣くのは止めて早く車に戻りなさい」

美琴を諭すように言うが、カエル顔の医者の腰から下は千切れており、そこからは大量の血が流れている。

カエル医者「その代わり、これを持ってってくれ」

美琴「?」

カエル顔の医者は懐からケースに入れられた1枚のCD-ROMを取り出した。

カエル医者「ふふ、さすが僕自慢の耐火耐衝撃ケースだ。少しヒビが入ってるだけで中身は何とも無さそうだね?」

美琴「……これは?」





カエル医者「能力者から能力を消すための音声データだよ」





美琴「……………え?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 23:31:29.99 ID:8ClKob20<>カエル顔の医者の言葉に、美琴の思考が一瞬停止した。

カエル医者「能力者から能力を消し去るためのものだ」

美琴「…………な……何を? ……能力を消す?」

カエル医者「……そうだ。これは僕が長年の研究を費やした結果、極秘に作ったものでね。この中の音声データをある種のカリキュラムに沿って聞き続けると『自分だけの現実(パーソナル・リアリティ)』を消失させる効果が出るんだ。実際、先に学園都市の『外』に逃げた学生に協力してもらって成果も出てる」

美琴「どうして……こんなものを……?」

カエル医者「たとえ『外』に逃げられたとしても、学園都市で能力開発を受けた学生たちが満足で暮らせる生活環境は少ない。そればかりか、能力を使っただけでどこか怪しい外国の機関に目を付けられたり、あるいは過激派団体に攻撃の対象にされることも考えられる。だから、そういった危険な目に遭わないために、このデータを作り出したんだ」

美琴「そんな……でも……能力を消すだなんて……」

カエル医者「無論、最終判断は本人に任せるけどね? とにかく君は、これをNGO団体の施設にいる僕の友人の研究者たちに渡してほしい。以前、上条くんが君にあげたUSBメモリに入ってるはずだよ。持ってるね?」

美琴「持ってるけど……私は…私は能力を消すって……そんなの…どうしたら……」

カエル医者「だから言っただろう? それは本人の最終判断だと」

そう言うと、カエル顔の医者は美琴の手をギュッと包み込むようにCD-ROMを渡した。

カエル医者「『外』に脱出した学生たちが、少しでも平和に……そう、今までみたいに“あの男”のモルモットとして生きるのではない、1人の真っ当な人間として幸せな人生を送るために………」

カエル顔の医者は魂が篭った目で美琴を見据える。




カエル医者「頼んだよ」




<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 23:36:43.38 ID:8ClKob20<>美琴「うっ……ヒグッ……ゲコ太ぁ……」

目元を拭う美琴。

一方通行「もう待てねェぞ!!」

上条「行くぞ御坂」

上条と一方通行が美琴を促す。

美琴「………うん」

胸にCD-ROMを抱き、上条に急かされるように美琴はワゴン車へ戻っていく。
1度だけ彼女はカエル顔の医者の方を振り向いたが、すぐにワゴン車に飛び乗った。

一方通行「悪い遅くなった」

黄泉川「私の部下たちは?」

一方通行「死ンでたよ。あの医者ももう虫の息だった」

黒子佐天初春「そんな……!!」

黄泉川「……そうか」

打ち止め「あの先生が……」

美琴「…………………」

上条「黄泉川先生、早く出発して下さい」

黄泉川「よし、行くぞ!! 出せ!!」

鉄装「はい!!」

再び、車は発進する。仲間だった1人の犠牲者を残して――。

美琴「…………………」

美琴は後部ガラスから、小さくなっていくカエル顔の医者の姿をずっと眺めていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 23:41:11.53 ID:8ClKob20<>カエル医者「……さぁて、未来の芽は咲いたばかりだアレイスター。君が生きていようが死んでいようが知ったことじゃないが、もうこれ以上、無垢な子供たちを利用なんて出来ないからね?」

フウ、と息を吐きカエル顔の医者は虚空を見上げる。

カエル医者「おでましか……」

カエル顔の医者が顔を巡らすと、通りの向こうから武装した兵士たちが近付いて来るのが見えた。
警戒しながらも、周囲に危険が無いと判断した兵士たちはカエル顔の医者の前で立ち止まり銃口を向けた。
下半身が千切れ、もう虫の息であるにも関わらず、だ。

カエル医者「悪いがね、君たちにつける薬はこれしかないんだ」

武装兵たちが怪訝な顔をする。

カエル医者「本当は患者を救うのが僕の信条なんだけどね? あの子たちのことを考えると、そうも言ってられないからね? でも、安楽死だって1つの治療手段だろう?」

武装兵たちの顔が強張った。

カエル医者「共に人生の最果ての地まで赴こうじゃないか。僕と君たちは医者と患者の中なんだし」

突如、武装兵たちが喉を押さえて苦しみ始めた。
カエル顔の医者は笑う。
彼の手元には2つのビンが転がっており、そこから漏れ出した2つの液体が混じり空気と合わさり、1つの化学ガスを生み出していた。

カエル医者「安心しなさい。主治医は患者を最後まで1人ぼっちにはしないよ? それが死ぬ時でもね………」

武装兵がバタバタと倒れていく中、カエル顔の医者は微笑み呟いた。





カエル医者「それこそが、医者としての本懐なのさ……」





<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 23:45:13.54 ID:Vg3z4Vso<>先生……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 23:47:32.79 ID:8ClKob20<>1人分の座席が空いたワゴン車は、ひたすら目的地に向けて進む。
車内は、静寂に包まれていた。そんな中、美琴がポツリと口を開いた。

美琴「……………ねぇ……」

上条「ん?」

美琴「……あんたはどう思うの? ゲコ太が言ったこと……」

そう言って美琴はチラッとCD-ROMを覗かせた。

上条「俺には何とも言えない……。だけど、お前の能力に限っては、この間言った通りだ」

美琴「…………………」

2人が何やら大事な話をしているのは他のみんなも分かっていたが、どうもそれが2人だけの間に通じる話題であると悟ったのか、誰も何も口を開こうとは思わなかった。

上条「だけど、本音を言うとさ」

美琴「?」

上条「お前の電撃には何度も追い掛け回されたからなぁ。言わばそれはお前との思い出の日々みたいなもんだ。だから俺としては、お前には今のままでずっといてもらいたい」

ハッキリと上条は言い切った。

美琴「…………そう」

美琴は顔を手元に向ける。

上条「まあ、最後は自分で決めろ」

それだけ言うと、2人の会話はそこで終わった。


美琴たちを乗せたワゴン車は徐々に街から離れていく。このまま行けばスムーズに脱出地点辿り着けそうだった。
が、しかし、その時だった。


キキィィィーーーーー!!!!!!



ドォォォン!!!!!



けたたましい音が鳴り響いたかと思うと、次の瞬間には鈍い衝突音が全員の鼓膜を貫いた。
何かが起こった。分かったのはそれだけだった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/11(日) 23:48:02.81 ID:8ClKob20<>>>1です。
今日は以上です。
ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 23:49:03.53 ID:fVIZO0E0<>GJ!
続き楽しみにしてます!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 23:53:14.58 ID:Vg3z4Vso<>冥土返し死んじゃいやだあああああ

乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 23:54:36.45 ID:S.HqZsY0<>リアルゲコ太・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 23:58:08.09 ID:TWOuyb20<>乙。

ゲコ太は貫禄無いって言われてるけど、今回は格好良かったな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/12(月) 00:08:33.92 ID:Np.K.Ggo<>土御門「かみやん、青ピ、なぞなぞだにゃー」

上条「なんだ? 唐突に」

土御門「今日俺は、朝食は6じ・昼飯のビーフステーキが12じだったにゃー。では今日の晩ご飯はなんじだかわかるか?」

青髪「いやいや、つっちーの飯事情なんて知らへんし」

上条「ていうかテメェ土御門、ビーフステーキなんぞ上等なもん食いやがって! その幻想をry」

土御門「にゃー! なんでこうなるにゃー!?」



舞夏「解答は数分後? だぞ〜」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/12(月) 00:09:26.10 ID:Np.K.Ggo<>ごめん書くスレ間違えた!
ホントごめん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 00:12:59.91 ID:Rm8W80s0<>buchikoroshi kakutei ne<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 00:17:20.02 ID:4TXVxzAo<>乙

やはり冥土返しは最期まで医者を貫き通したな・・・
まぁアレイスターを助けたくらいだしな
さすがは冥土返し・・・そしてさようなら・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 00:30:41.24 ID:HL.hiTUo<>しかし下半身が吹っ飛んでショック死しないとは凄い精神力だ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 00:31:36.78 ID:rIM5.f6o<>そこらのカエルと一緒にすんなよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 00:31:53.84 ID:awvJb02o<>まぁ、防御手段が無いのに一人で行くとか明らかに自殺行為だけどな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 02:07:36.68 ID:kfNZ6MAO<>一方通行は能力消すと紫外線で肌がやばいよな
つまりは…

ん、こんな時間に誰だろ?
そういや今日は風が強いな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 03:06:31.64 ID:1EBa9IAO<>さて、ここからどうなるかな。
一人づつ消えていく展開とかは勘弁してほしいが…

>>891
9じ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 03:25:16.57 ID:tIt0VkSO<>木山せんせーが消えたらオレは黙ってタブを閉じる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 03:47:42.08 ID:m.leKVwo<>>>900
最後まで黙ってられないなら同じことだろうに<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 18:19:19.42 ID:bv5Zqag0<>テンプレVersion2.0

>>1と皆のお約束。

1.これは俺のSS!俺のSSに常識は通用しねぇ!
2.喧嘩するとかなンなンですかァ?なンなンですかァ?
3.1日に100レスの雑談は止めて欲しいなって、>>1は>>1は言ってみる。
4.いいぜ、お前がこのスレと関係ない雑談をするって言うのなら、
まずはそのふざけた幻想をぶち[ピーーー]!
5.お前らはテンプレに従って黙ってるじゃん。←New!
6.君たちがこれを理解できないなら、僕が理解できるようにしようかね? ←New!
7.それでも理解できないのであるなら、私が理解できるようにしんぜよう。←アックアッー!

前スレで作った俺のテンプレがここまで役に立つとはね。<> 俺はアホですか…<>sage saga<>2010/07/12(月) 18:21:03.66 ID:bv5Zqag0<>テンプレVersion2.0

>>1と皆のお約束。

1.これは俺のSS!俺のSSに常識は通用しねぇ!
2.喧嘩するとかなンなンですかァ?なンなンですかァ?
3.1日に100レスの雑談は止めて欲しいなって、>>1は>>1は言ってみる。
4.いいぜ、お前がこのスレと関係ない雑談をするって言うのなら、
まずはそのふざけた幻想をぶち[ピーーー]!
5.お前らはテンプレに従って黙ってるじゃん。←New!
6.君たちがこれを理解できないなら、僕が理解できるようにしようかね? ←New!
7.それでも理解できないのであるなら、私が理解できるようにしんぜよう。←アックアッー!<> 俺はアホです…<>sage saga<>2010/07/12(月) 18:22:08.94 ID:bv5Zqag0<>テンプレVersion2.0

>>1と皆のお約束。

1.これは俺のSS!俺のSSに常識は通用しねぇ!
2.喧嘩するとかなンなンですかァ?なンなンですかァ?
3.1日に100レスの雑談は止めて欲しいなって、>>1は>>1は言ってみる。
4.いいぜ、お前がこのスレと関係ない雑談をするって言うのなら、
まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!
5.お前らはテンプレに従って黙ってるじゃん。←New!
6.君たちがこれを理解できないなら、僕が理解できるようにしようかね? ←New!
7.それでも理解できないのであるなら、私が理解できるようにしんぜよう。←アックアッー!
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 18:24:22.13 ID:T2T7Ez20<>お前愉快な奴だな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 18:28:08.98 ID:HL.hiTUo<>スクリプトかと思った<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 18:28:24.90 ID:dqNSNd2o<>なんかいろいろと残念な奴だな・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 18:31:39.18 ID:ft2g6ZMo<>>>902-904
お前ドラネコ追っかけて裸足で駆けてく人並みに愉快だな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:09:42.58 ID:TyckRxw0<>テンプレVersion2.01

>>1と皆のお約束。

1.これは俺のSS!俺のSSに常識は通用しねぇ!
2.喧嘩するとかなンなンですかァ?なンなンですかァ?
3.1日に100レスの雑談は止めて欲しいなって、>>1は>>1は言ってみる。
4.いいぜ、お前がこのスレと関係ない雑談をするって言うのなら、
まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!
5.お前らはテンプレに従って黙ってるじゃん。←New!
6.君たちがこれを理解できないなら、僕が理解できるようにしようかね? ←New!
7.それでも理解できないのであるなら、私が理解できるようにしんぜよう。←アックアッー!
8.お前らこれだけ言っても分かんねぇのかよぉぉぉぉ!ブァァァァァァァァカ!! ←http://livedoor.2.blogimg.jp/mix921/imgs/4/7/47585b26.jpg<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 20:21:30.57 ID:1PuF3Hco<>雑談でレス潰すのは駄目だけどテンプレで潰すのはアリなのか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 20:22:08.97 ID:ft2g6ZMo<>顔芸さんはもう出すなよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 20:23:03.78 ID:BLclJU60<>正直誰に断ってテンプレ付け加えてんだよって感じだな
6、7、8なんていらねーじゃん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 20:25:40.96 ID:t/DPokA0<>不覚にも笑ってしまった俺が居る。が、6.7.8.の効力はいかに…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 21:42:02.84 ID:Lo.KajAo<>このテンプレのせいで喧嘩やら雑談が生まれる
なんという悪循環
というか書き方が明らかに煽りな時点で(ry<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 22:27:10.70 ID:VpgIO4I0<>>>1です。こんばんは。
今日の分投下していきます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 22:27:27.64 ID:iZuSKoA0<>先に言っておこう
乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 22:32:33.56 ID:VpgIO4I0<>



キキィィィーーーーー!!!!!!



ドォォォン!!!!!



耳をつんざくような嫌な音が聞こえたかと思うと、その次の瞬間には何かが衝突するような音が轟いた。

佐天「わっ何々!?」

初春「何かあったんですか!?」

一方通行「敵襲か!?」

黄泉川「落ち着くじゃんみんな!!」

車内がざわめく。

黄泉川「前方の車両が事故ったぞ!」

その言葉に反応し、全員がフロントガラスから外を覗き見る。
確かに、前を走っていた自動車が壁に衝突している。だが、被害がどれほどかはここからは分からなかった。

黄泉川「鉄装、ここで待ってろ」

鉄装「え? あ、はい!」

黄泉川「上条、一方通行、手伝え!!」

黄泉川は助手席の扉を開け外に飛び出し、上条と一方通行もそれに続いた。

美琴「寮監が………っ!!」

初春「木山先生も……っ!」

事故を起こした車内には、寮監と木山が乗車している。そのことを思い出したのか、美琴たちは顔を蒼くし車外へ飛び出していた。

鉄装「あ、コラ! 待ちなさいみんな!!」

打ち止め「お姉さま!?」

美琴たち4人は鉄装の注意も聞かず、既に走り出していた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 22:38:57.95 ID:VpgIO4I0<>一方通行「どうだ?」

黄泉川「……駄目じゃん」

壁にめり込んだ自動車の開いたドアに手を掛け、運転席と助手席を覗き込んだ黄泉川は首を横に振った。

黄泉川「潰れてる」

余りにも急スピードで衝突したため、運転席と助手席に座っていた黄泉川の部下の身体は悲惨な状況と化していた。

上条「大丈夫ですか!?」コンコンコン

上条が後部座席の窓を叩き、中にいる木山と寮監に声を掛ける。

上条「このっ!!」

上条は多少変形したドアを開けると、上半身を潜り込ませた。

美琴黒子「寮監!!」

初春佐天「木山先生!!」

一方通行「なっ!? オマエら!? 危ねェから来てンじゃねェよ!!」

美琴たち4人が寮監と木山を助けようと、駆け寄ってきた。

美琴「だからって、ただ黙って見てられないわ!」

黄泉川「……ハァ。ま、いいじゃん」

美琴と黒子は後部座席の左側に周り、初春と佐天は右側に周った。

初春佐天「木山先生!!」

木山「君たちか……くっ」

上条が支える木山の身体を、初春と佐天も一緒になって引っ張り出そうとする。
衝突で脳が揺さぶられたのか、木山の意識は弱々しそうだった。

美琴黒子「寮監!!」

黄泉川と一緒に、美琴と黒子も寮監を引っ張り出そうとする。

黄泉川「前部座席は見るなよ」

美琴黒子「え?」

しかし、思わず見てしまった2人はすぐに顔を背けた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 22:45:17.54 ID:VpgIO4I0<>黄泉川「だから見るなって言ったじゃん」

寮監「………おいおい、私の顔の上に……吐き出さないでくれよ」

寮監から反応があった。

美琴「寮監!!」

黒子「ご無事ですか!?」

寮監「当たり前だろ。私を誰だと思っている。だが、まさかお前らが助けに来てくれるとはな……。いつもはお転婆で生意気なお前らが今日は……天使に見えるよ」

美琴黒子「………っ」

寮監の身体を支える美琴と黒子の手に力が篭る。
黄泉川の助けもあって、何とか彼女たちは寮監を車外に引っ張り出せた。

初春「木山先生!!」

佐天「大丈夫ですか!?」

木山「まぁ何とかね……。多少、歩くのには難儀だが」

一方通行「よし2人とも救出した。戻るぞ!」

上条「俺が背負いましょうか?」

木山に話しかける上条の後ろで、初春と佐天が心配そうに眺めている。





木山「いや、その必要は無い。私はここに残るよ」





上条「!!??」

初春佐天「えっ!!??」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 22:51:33.01 ID:VpgIO4I0<>美琴「ちょっ、何言ってんのよ!?」

黒子「全員でワゴン車に戻るんですの!!」

黄泉川に寮監を預け、美琴と黒子は木山に詰め寄った。
車体にもたれ、木山は前方に顎をしゃくった。

一方通行「あァ? どうやらおでましのようだな」

木山「その通り。恐らくこの車が衝突したのもあいつらが原因……」

木山が見つめた先、随分向こうだが、そこには複数の白衣を纏った研究者らしき男たちと、数名の武装兵がいた。

美琴「敵!? ならここで私が」

木山「駄目だ。忘れたか? あいつらはただの研究者じゃない。非正規の手段で能力を手に入れた連中だ。どんな力を有しているのかは未知の領域だぞ」

初春「でも、木山先生を置いて行くなんて……!」

佐天「そうですよ! そんなの出来ません!」

木山「お前らが今優先すべき目的は脱出地点へ向かうこと。時間を潰せば潰すだけ状況は悪化するぞ。あいつらの相手をしている間に敵が後から増えることもあるだろうしな」

上条「…よし、分かりました。御坂たちは任せて下さい」

美琴黒子「えっ!?」

一方通行「黄泉川! 打ち止めが心配だ。早くワゴン車へ戻れ!」

黄泉川「分かったじゃん」

寮監を肩で支えながら、黄泉川はワゴン車に戻っていく。

一方通行「オマエらもだ。早くしろ! 時間が惜しい!」

一方通行が美琴と黒子を急がせる。

美琴「ま……待ってよ!」

黒子「こんな所に木山先生を1人で置いて行くなど……」

上条「さぁ、早く来るんだ!!」

初春「木山先生!!」

佐天「先生!!」

美琴たち4人は小さな身体を必死に動かして、彼女たちを押さえる上条と一方通行に抵抗しようとする。彼らが少しでも手を離せば、すぐにでも木山の下に駆け戻りそうだった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 22:53:57.99 ID:uR6EHIDO<>捨て肝りだ・・・と・・・?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 22:57:26.09 ID:VpgIO4I0<>木山「フゥ……」

上条と一方通行に連れられその場を離れていく4人の少女たちの悲痛の声を聞き、木山は1つ溜息を吐くと静かに言った。

木山「枝先や春上たちと仲良くしてやってくれ」

初春「!!!!!!!」
初春「木山先生!!!!」

佐天「嫌だ! 木山先生も一緒に!!」

黒子「離して下さいですの!! 木山先生!!」

美琴「木山先生!!!」

上条と一方通行に引っ張られるように美琴たちは連れ戻されていく。
車体に背中を預け、白衣のポケットに両手を突っ込んだまま木山は呟いた。

木山「まったく……聞き分けのない子らだ。だから私は子供が嫌いなんだ……」

だが、彼女はどこか嬉しそうだった。


ドォォゥ!!!!


次の瞬間、目には見えない、何らかの衝撃波のようなものを受けたのか、木山は地面にうつ伏せに倒れ崩れた。

美琴黒子佐天初春「木山先生!!!!!!」

上条と一方通行は強引に4人をワゴン車に乗せた。

上条「出発して下さい! 敵がすぐそこまで来てる!!」

黄泉川「だが、ルート上には敵がいるんだぞ!!」

本来のルートならば、丁字路を右に曲がるはずだったのだ。だが今そっちの道には倒れた木山と、そして研究者たちがいる。

上条「左に迂回して下さい! 多少、遠回りになりますがそっちからでも行けます!」

黄泉川「了解。鉄装、左だ!」

鉄装「はい!!」

言うやいなや、ワゴン車は出発する。美琴たち4人は、右側の窓に集まり、倒れた木山が景色と共に後方に流れていくのを見つめていた。

美琴「木山先生……」

一方通行「座ってろオマエら! 舌噛むぞ!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 23:03:37.79 ID:VpgIO4I0<>木山「………行ったか……」

ググッと全身に力を込め、木山は前方を見据える。彼女はまだ、死んでいなかった。
こっちへ向かって歩いてくる研究者たちは、木山ではなくもっと後ろを見つめている。恐らく、走り去るワゴン車を視界に据えているのだろう。

木山「……そうはさせんよ」

痛む身体に鞭打ちながらも、木山はヨロヨロと立ち上がった。
それを、驚いた目で研究者たちは見つめる。

木山「……驚いているな。何故、私が最初の攻撃で死ななかったのか……」
木山「簡単なことだよ。私にはもしもの時に残していた“秘策”があるんだよ。そう、あの子たちを逃がすために取っておいた飛びっきりのがね」

木山は研究者たちを睨む。そして、その目に変化が訪れた。

木山「『幻想猛獣(AIMバースト)』を知ってるかな? ……そうだ。私が開発した『幻想御手(レベルアッパー)』を元に、1つの巨大な脳波ネットワークを構築する演算装置……」

研究者たちの顔に動揺が現れる。無理も無い。木山の頭上に、世にも怖ろしい不気味で異形な胎児が姿を現したのだから。

木山「確かに、1度ネットワークは解体されたが、その時に残ったバックアップデータがあるんだ。再び同様の事件が起きた時にすぐさま解決出来るようにと備えていたものなんだよ。だが、残念ながらこれは本来の力を発揮出来ない、出来損ないでもあるんだ」

木山の頭上のAIMバーストがギョロリと目を剥く。

木山「実際に1万人の脳波も使っていない、ただの劣化した擬似AIMバーストだが、足止めぐらいにはなるだろう?」

木山が、不適に笑う。既に、ワゴン車は通りの視界から消えていた。


ダラララララララララララララララ!!!!!!!!


恐れをなした武装兵たちがAIMバーストに向かって一斉に発砲した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 23:08:29.04 ID:VpgIO4I0<>続き、研究者たちも能力を発動させる。

木山「さぁて、廊下に立たされる悪い生徒たちにお仕置きをしなければね」

AIMバーストが武装兵たちを薙ぎ払う。しかし、研究者たちの反撃も同時に開始された。


ドオン!!! ドオオン!!!!


木山「ぐふっ!!」 
木山「なかなかやるじゃないか……」

様々な能力の直撃を受け、ボロボロだった木山の身体がずきずきと痛みを発する。
彼女の頭上のAIMバーストもまた、強力な攻撃によって半分ほど形が崩れていた。

木山「もう……時間も無いか……」

そして木山は静かに呟いた。

木山「枝先……春上……みんな……幸せになるんだぞ……」

研究者たちは止めを刺すべく、己の強大な能力を発動させる。
木山は変色した目で研究者たちを睨んだ。それと呼応し、AIMバーストも雄たけびを上げた。





木山「ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」





凄まじい爆風が起こり、辺りは崩壊が始まった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 23:14:45.64 ID:VpgIO4I0<>美琴「木山先生……」

黒子「まさか私たちを守るために、残るだなんて……」

佐天「ずるいよ…。最後にカッコいいところ見せちゃってさ……」

ワゴン車の車内で、美琴たちは顔を暗くしながら木山の最期の姿を思い出していた。

初春「……木山先生」

初春はグッと手に力を込めた。

初春「春上さんたちは、私たちに任せて下さい……」

そんな美琴たちの悲痛が混じった表情を横目に、上条は座席から身を乗り出して黄泉川たちと話していた。

上条「とにかく、一刻の猶予もありません。出来るだけ飛ばして下さい」

一方通行「一度、脱出ルートを考え直した方がいいンじゃねェのか? 敵に気付かれてンだろ」

上条「駄目だ。遅くなればなるほど、脱出失敗の確率が上がっちまう」

一方通行「どの道同じだろ。アイツらすぐまた追っ手を寄越してきやがるぞ。それだけでなく、テログループどもともバッタリ鉢合わせしちまったらどうすンだ!? それこそ八方塞りになるぞ!」

上条「だから急ぐべきだって言ってんだ!! これぐらいの遅延なら想定の範囲内だ!!」

一方通行「敵がそれ以上にこっちの情報を掴ンでたらどうすンだ!!?? 全員一緒にお陀仏でもすっかァ!!??」

車内に、上条と一方通行の怒鳴り声が響き渡る。
脱出作戦の予定に狂いが生じ始めているためか、2人は苛立っているようだった。

打ち止め「お、怒っちゃダメだよ2人とも! ってミサカはミサカはなだめてみる」

一方通行「俺は現実的なこと言ってるだけだろうが!!」

上条「ならお前は、失敗した時の責任取れるのかよ!?」

美琴黒子佐天初春「……………………」

今にも殴り合いを始めそうな険悪な2人を前に、美琴たちは不安げな表情でその様子を見つめている。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 23:20:51.40 ID:VpgIO4I0<>黄泉川「いいからお前ら黙れ!! ちょっとは冷静になれないのか!?」

一方通行「俺ァ、時間掛けてでも安全な道で行くべきだって言ってるだけだ。それに何の問題があるンだ!?」

上条「時間を掛ければ掛けるほど、敵に追いつかれちまうんだぞ!! それぐらい分からないのかお前は!?」

一方通行「あァ!? 舐めた口きいてくれンじゃないの三下ァ!?」

美琴「も、もうやめてよ2人とも!!!!」

その時だった。



ヒュゥゥゥゥ……



ズォオオオオオオオン!!!!!!



足元から這い上がるような地響きが唐突に轟いた。

美琴「な、何!?」

黄泉川「鉄装右だ!! 右にハンドルを切れ!!!!」

鉄装「はい!!」

キキィーという音を立て、ワゴン車が右に急カーブする。
揺れる車内。
直後、ワゴン車が通った後を瓦礫らしきものが上からいくつも降ってきた。

上条「何が起こった!?」

全員が窓から外を覗く。見ると、たった今通り過ぎた横の建物が音を立てて盛大に崩れるところだった。
続き、


ドゴオオオオオオン!!!!!!


と、また別の轟音が響いた。更には、遠くて近くではない距離から銃声音まで聞こえてきた。
車内がどよめく。

黄泉川「今のはRPGが誤爆したんだろう。恐らくあいつら、この付近でドンパチ始めやがったじゃん」

美琴黒子佐天初春「ええええええ!!!??」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 23:26:20.99 ID:VpgIO4I0<>


ズオオオオオオン!!!!!

ダカカカカカカカカカカカカ!!!!!



轟音と銃声音が響く。それに呼応するかのように、あちこちから連続して崩落音や爆発音が聞こえ、立ち並ぶ建物の向こうからいくつも煙が上がってくるのが見えた。

佐天「見てあれ!!」

初春「わぁっ!!」

全員が窓から外を覗いた。
群青色になりかけていた空を、飛行機雲のようなバックブラストを吐き出しながら、3本のミサイルが通り過ぎていった。


ドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!


数秒後、轟音が響き、車内が僅かに揺れた。恐らくはミサイルが着弾した余波によるものだろう。

黄泉川「研究者勢力も敵対グループもメチャクチャやってやがるじゃん」

一方通行「RPGもまともに狙わずにバカスカ撃ってンぞありゃァ」

黄泉川「どうするじゃん? 絶対に安全なルートなんてもうこの辺りには無さそうだが?」

上条「くっ……」

上条は振り返り美琴たちを見る。彼女たちの顔は不安で満たされ、その目は上条に向けられていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 23:31:21.73 ID:VpgIO4I0<>上条の第一の使命は、美琴たち4人を無事に脱出地点まで連れて行くこと。だが、周囲で大規模な戦闘が始まった今、最も安全な策など無きに等しいものになっていた。

上条「とにかく、俺と一方通行で対策を考えますから、このまま行って……」

美琴「でも、敵が双方共に戦闘に意識を向けてる今なら、その隙をついて上手く逃げられるんじゃ……?」

そこまで言って、会話が途切れた。



ズッ!!



という音と共に再び足元が揺らされた。
しかし、今度は先程のとは比にならない、まるで直下型大地震を震源地で食らったような衝撃だった。



ドゴオオオオオオオオオン!!!!!!



車内の景色が回転する。
悲鳴が轟き、誰かと誰かがぶつかり合う鈍い音が聞こえ、いまだ止まらない衝撃は車内に乗っていた全員の脳を容赦なく揺さぶった。
非現実的なことが起きた。分かったのはそれだけだった。

美琴「あ……う……」

霞んだ目にゴチャゴチャになった車内が映ったと思うと、そこで視界がブラックアウトした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 23:36:29.48 ID:VpgIO4I0<>ピピピピピピという何かの警告音が耳を打ち、美琴は目を覚ました。

美琴「う……」

上条「おい! 御坂! 大丈夫か!?」

美琴「………あれ? 何……?」

上条「お前らも、みんな、しっかりしろ!!」

視界が晴れていく。どうやら1分ほど気絶していたようだった。
そしてすぐに現在発生している異常に気が付いた。

美琴「何これ!!??」

起き上がる美琴。頭上に窓ガラスとドアが見え、目の前には前の座席の背もたれが横向きになっている。

美琴「横転してる………」

上条「良かった。無事だったか」

安心するように上条は溜息を吐く。どうやら彼は衝撃がきた時、咄嗟に美琴を庇い、回転する車内で彼女がなるべく怪我をしないよう、その身体を必死に抱き締めていたらしい。

美琴「あ…あんたが庇ってくれたの?」

上条「ああ」

美琴「……そう……あ、ありがと……」

黄泉川「無事か……お前ら? クッ……」

運転席の方に視線を向けると、横倒しになった座席から黄泉川が頭から一筋の血を垂らして顔を覗かせた。

上条「俺は大丈夫です」

打ち止め「ミサカも大丈夫だよ。咄嗟に一方通行が守ってくれたからね、ってミサカはミサカは一方通行にお礼をしてみる」

一方通行「一瞬の出来事だったからなァ。危なかったな……」

寮監「くっ……何が起こった?」

美琴「寮監! 無事だったのね!」

鉄装「う、うーん……」

車内に乗っていた人間が次々と目を覚ます。

黄泉川「お、鉄装も大丈夫そうじゃん。で、その子らは?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 23:42:31.24 ID:VpgIO4I0<>黒子「私も何とか無事ですの……」

頭を押さえながら、黒子がヨロヨロと起き上がる。

佐天「あ……あ……」

上条「どうした?」

佐天が絶句したように驚きの顔を見せた。

佐天「初春が!! 初春が!!!」

美琴黒子「!!!???」

自分の身体の上に重なるように乗っていた初春を見て、佐天は悲鳴にも似た声を上げた。

佐天「初春が反応ないんです!! どうしよう!!??」

黒子「そんなっ……初春!!」

美琴「初春さん!!」

一瞬、車内に緊張が走る。

初春「う……ん…佐天さん?」

佐天「初春!!!」

初春「……あれ? 何が……あったんですか?」

ボーッとした顔を向け、初春が辺りを見回した。どうやら初春は無事のようだった。

佐天「初春……」

黒子「良かったですの……」

美琴「もう、心配させないでよ……」

涙を浮かべる3人を見て、初春はキョトンした顔を見せた。

上条「とにかく全員が無事だったのは奇跡だな。後はどう脱出するかだが……」

上条は頭上を見る。横倒しになっているため、窓ガラスとドアが上に付いているのだ。現状としては、そこから1人か2人ずつ抜け出すしかない。

一方通行「ンな面倒くせェことやってられっか」

上条の意図を汲み取ったのか、一方通行が背中を屈めて移動し、今は左側面に位置している天井部分に近付いた。

上条「どうするんだ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 23:48:32.53 ID:VpgIO4I0<>一方通行「こうする」


ドガッ!!!!


一方通行が思いっきり蹴ると、天井部分が綺麗に外れそのまま道りの向こうまで飛んで行った。
大きな脱出口が出来あがった。

上条「なるほど。よし、みんな急いでここから出るぞ」

出口に近い者から外に出、中にいる者を引っ張り出すように力を貸す。そうして何とか全員、無事に車外に出ることに成功した。

上条「原因はこれだな」

上条と一方通行が横転したワゴン車の後ろへ回ると、そこには巨大なクレーターが出来ており煙が一筋上がっていた。

一方通行「RPGでも着弾したか。直撃しなかっただけでも幸いかもなァ」

上条「だがどうする? 移動手段を失ったぞ」

一方通行「歩いて行く以外にねェだろ」

2人は空を仰ぐ。どうやらいつの間にか夜になっていたようだ。

一方通行「徒歩で密かに行くにはおあつらえ向きの暗闇だが……」

上条「危険が無いとも言えないな……」

2人が打開策を考えようとした時だった。

黄泉川「敵じゃん!!!」

出し抜けに、黄泉川の声が響いた。
咄嗟に振り向く2人。

黄泉川「12時の方向!! とんでもない数がいるぞ!!」

急いで、黄泉川の元に駆け寄る上条と一方通行。
見ると、長い大通りの向こうから、白衣を纏った研究者や武装兵たちが歩いてくるのが見えた。私服の格好をしているのは恐らく雇われ魔術師だろう。見た限り、30人はいる。

一方通行「アイツらがRPGで車を横転させやがったな……。敵との戦闘中にここまで出向いて来るとは、よっぽど余裕があンのか」

黄泉川「どうするじゃん?」

黄泉川と鉄装は車体を陰に、ライフルを構えている。

一方通行「どうするもこうするも………ん?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 23:54:26.51 ID:VpgIO4I0<>

ダララララララララララララララララ!!!!!!


金切り音が鳴り響く。武装兵が発砲し始めたのだ。
全員が息を呑んだ。

一方通行「どこ狙ってンだ三下がァ!!!!」

しかし、銃弾は一方通行の身体にぶつかると、そのまま元の持ち主のところまで帰っていった。
反射された銃弾を受けて何名かの武装兵が倒れるのが見えた。

一方通行「敵30名を相手しながら逃げるのは少し無理があるな……」
一方通行「オマエら先行ってろ」

それだけ言い残すと、一方通行は足元でベクトルの向きを操りミサイルのように敵陣の真っ只中へ飛んで行った。

打ち止め「一方通行!!」

黄泉川「先に行っとけ、と言われてもな」

困ったように黄泉川が呟く。

黒子「黄泉川先生!」

黄泉川「ん?」

美琴「私たちも戦います!」

黄泉川が振り返ると、そこには身体中から電気を発している美琴と金属矢を手にした黒子が立っていた。
その後ろでは寮監と佐天と初春が心配そうに様子を見つめている。

上条「駄目だ! お前らがここに残っても意味が無い! 先行ってろ!!」

美琴「え?」

美琴に怒鳴った後、上条が黄泉川に言う。

上条「俺たちもすぐに行きますから、御坂たちを連れてって下さい」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/12(月) 23:59:24.72 ID:VpgIO4I0<>黄泉川「……分かったじゃん」

黒子「何ですって?」

美琴「ちょ、ちょっと! 勝手なこと言わないでよ!!」

上条「じゃ、また後でな」

美琴が声を掛ける間も無く、上条は一方通行に1歩遅れて走り出していた。

黄泉川「……ったく、あんのガキどもめ。ま、そういうことじゃん。あいつらなら大丈夫だろう。行くじゃん」

美琴「えっ……そんな!? でも!」

黒子「私たちも加勢しますわ!!」

美琴と黒子はそれでも引き下がろうとしない。

黄泉川「あいつらの実力忘れたのか? 簡単に死にはしないじゃん」

美琴「あっ…ちょ……」

黄泉川と鉄装が美琴と黒子を押し戻す。

佐天「御坂さん、白井さん!」

初春「今は先を急ぎましょう」

美琴「う……でも」

美琴はチラと後ろを振り返る。確かに、今も上条と一方通行は30名の敵を相手に奮闘している。

打ち止め「お姉さま! 一方通行もいるし大丈夫だよ! ってミサカはミサカは急かしてみる」

寮監「あまりわがままばっかり言ってると殴ってでも連れて行くぞ」

美琴と黒子は顔を見合わせる。
これ以上無理を言っても、逆に佐天や初春たちを危険な目に遭わしてしまうと考えたのか、2人は素直に応じた。

美琴「(でも……大丈夫かな? 本当に……)」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 23:59:33.44 ID:VOwdKDso<>RPGって何度も出すぎてくどい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/13(火) 00:04:42.77 ID:FBch8UM0<>その頃、自ら囮役を買って出た上条と一方通行は30名もの敵を相手に奮戦していた。

一方通行「シッ!!」

ドガッ!!

飛び散る破片を受けて武装兵たちが投げ飛ばされる。

ドン!!

キィィン!!

「ぐわっ!!!」

一方通行「学習しろよ。俺に能力ぶつけても跳ね返るだけだぜェ?」

「らぁ!!」

一方通行「チッ! キリがねェなァ!!」

バギィィィン!!!!

「ぎゃあ!」

上条「これで……8人目……ゼェ……ハァ……だが、どういうことだ?」

息を切らし、上条は襲い来る魔術師たちを1人ずつ殴り倒していた。

「死ねやオラぁぁぁ!!!」

上条「クソ!!」

バギィィン!!!

上条「倒しても、倒しても、敵の数が減らない。…寧ろ、徐々に増えてるような……」

「これで終わりだ!!」

上条「今度は能力者か!?」

バギィィィン!!!!

上条「連携取れてないから……ゼッ……1人ずつぶっ倒せるけど…ハッ……まるでキリが無い……」
上条「永遠に……増え続ける……ハァ……ゴキブリを1匹ずつ……相手してるみたいだ」

と、そこで上条は気付く。いつの間にか自分が10名近い敵に囲まれていることに。
能力を持った研究者と雇われ魔術師が混じった集団に追い詰められ、上条は口中に舌打ちする。

上条「万事……休すか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/13(火) 00:10:42.34 ID:FBch8UM0<>皮肉げに笑ってみたものの、打開策は思い浮かばない。
一方通行は少し離れた所で研究者や武装兵たちを相手にしており、こちらに気付く気配は無い。
そうこうしている内に、研究者や魔術師たちが上条に狙いを定めて攻撃の構えに入った。

上条「…………ここで、終わりかよ…情けねぇな……」

上条はボソリと呟く。

上条「……これじゃあ、御坂たちを守れねぇじゃねぇか………」

最後に上条が笑う。
そして、研究者と魔術師たちの攻撃が始まった。


ズドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!


上条「…………っ」

目を閉じる上条。
しかし………

上条「あれ……?」

攻撃が来ない。
目を開くと、そこには上条を中心にして、円状に倒れている研究者や魔術師たちの姿があった。
全員、身体中に青白い電気を纏ってヒクヒクと痙攣している。

上条「これは………」





美琴「やっぱりピンチになってるじゃない」





<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/13(火) 00:16:18.28 ID:FBch8UM0<>声がした方を振り向くと、全身から紫電を纏った美琴の姿がそこにあった。

上条「御坂………!?」

美琴「何よ? 私はね、守られてるだけは性分に合わないの。たまには私に守らせてくれない?」

呆然と美琴を見る上条。そんな彼を武装兵たちが物陰から狙おうとしていた。

黄泉川「撃ち方始め!!!!」


ダカカカカカカカカカカカカカ!!!!!!


上条「!!??」

突然の銃撃を受け、倒れていく武装兵たち。
発砲音がした方に顔を向けると、黄泉川と鉄装が構えるSIG 550アサルトライフルの銃口から硝煙が上がるのが見えた。

黄泉川「しぶといな」

黄泉川は愚痴を吐く。更に武装兵たちが増えたようだった。
武装兵たちが黄泉川たちに銃口を向ける。

ヒュヒュヒュヒュン!!!!!

しかし、武装兵たちは発砲することが出来なかった。何故なら、手にしたライフルの銃身に複数の金属矢が刺さったからだ。

上条「白井!?」

黄泉川の側に、手に金属矢を持った黒子がテレポートで現れる。

黒子「やはり、劣勢になっているじゃありませんの」

よく見ると、黒子の後ろには佐天と初春と寮監がいた。結局全員、上条と一方通行が心配で戻って来たのだ。

一方通行「馬鹿が…。わざわざ引き返しやがって」

美琴「うっさいわよ。私は私がやりたいようにやるの」

美琴と一方通行が背中を預け合う形で通りの中央に立つ。
臨時的に組まれたレベル5のタッグはその存在を知る研究者たちを戦慄させた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/13(火) 00:23:01.87 ID:FBch8UM0<>
ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!

恐れをなした武装兵が、20mm機関砲を持ち出し一方通行に向けて撃ち始めた。

一方通行「きかねェって何度言やァ分かるンだ!!」

当然、それらの銃弾は反射され、武装兵に戻っていく。トドメと言わんばかりに一方通行は戦闘で削り取られたコンクリート片の雨をベクトルを操り蹴り放った。
直撃を受けた研究者たちが倒れていく。

美琴「ちょろっとー我慢してよね!!」

チャリン

手元にコインを投げる美琴。


ズオオオオオオオオオオオオオン!!!!!


美琴から放たれた超電磁砲が建物の壁を突き破り、それによって巻き起こった小さな崩落が武装兵たちの動きをかき乱す。
レベル5の超能力者2人によって作られた全周360度が射程圏内の強大な攻撃は見るものを圧巻させた。

「クソッ!!」

そんな2人を見て、雇われ魔術師が水で出来たボールのようなものを投げ付けてきた。一方通行に効かないとしても、美琴は直撃を受ける可能性がある。
だが、そうはならなかった。



バギィィィィン!!!!!



「なにっ!?」

上条「そうさせると思うか?」

上条が右手を突き出し、魔術師の攻撃を打ち消していた。

美琴「何よ? 格好つけちゃって。あれぐらい私でも何とかなったっての」

上条「相手、魔術師だぞ。これは俺の本分だ」

一方通行「どうでもいいが、敵は増えるばかりだぜェ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/13(火) 00:29:39.94 ID:FBch8UM0<>上条と美琴と一方通行。
彼らは3者3様、互いの主張を唱える。
今現在、通りの中央には上条と美琴と一方通行の3人が互いに至近距離で背中を預け合い、最強のトリプルタッグが形成されていた。
彼らは、それぞれ正面の敵を見据える。





美琴「さぁ、おねんねの時間よ!!!」


一方通行「掛かってきな三下どもォ!!!」


上条「お前らの幻想、まとめてぶち殺してやるよ!!!」





『超電磁砲(レールガン)』、『一方通行(アクセラレータ)』、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』――。
最強の実力を擁する3人が強敵を前にして共に立ち上がる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/13(火) 00:30:07.97 ID:FBch8UM0<>>>1です。
長くなりました、すいません。
今日は以上です。
ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 00:31:03.77 ID:hkDmmb.0<>>>1乙

長いのは全然OK!
明日?も期待してるじゃんよ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/13(火) 00:33:25.40 ID:ux1OwoAO<>乙でした!

なんか知らんが>>930にデジャヴュを感じた。なんでだろ・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 00:33:31.49 ID:8Jwwlc20<>GJΣd(・∀・)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 00:37:57.56 ID:KAsa586o<>乙!

そろそろ終わりが近いのかな?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 00:38:56.48 ID:fUB5cnc0<>乙。投下中は極力静かにしませう。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 00:40:06.40 ID:qPSzD6o0<>乙
あと3日で終わりそう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 00:43:18.47 ID:3lQEVfMo<>乙です

むしろ一方さんが一人で足止めしたほうが安z(ry<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 00:44:52.85 ID:QB8GMNso<>それは思った<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/13(火) 00:48:34.29 ID:DNLAElU0<>やっぱレールガン側の四人は一人も消えないかな・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 00:48:37.54 ID:JFiZTjgo<>銃火器と数の多さで攻められると上条さん役にたたないだろ
そういうのは一方さんと美琴向けだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 00:51:36.79 ID:z4WaoHso<>あれ?物理攻撃は一方さんが反射、上条さんが異能防御、美琴が攻撃って本当に最強じゃね?
防御に集中すれば一方さんと上条さんなら取りこぼしはないだろうし<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 00:55:53.92 ID:O4PG0TQo<>乙
やはりおもしろいわぁ


一方さん・・・反射で防御・攻撃可 小石蹴ってRPG並の威力
上条さん・・・異能系を全て打ち消す 対魔術・能力最強
美琴さん・・・電撃・砂鉄・超電磁砲で攻撃 防御も可

見事なトライアングル・・・まさに死角なし<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 01:05:29.98 ID:/gg.2Yg0<>おつつつ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 01:06:03.99 ID:j/q/TsM0<>黒子…1vs1だったらまず無敵
寮監…素手でlevel4を3人倒せる
佐天…素振りする
初春…保温する


うん、無敵だな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 01:17:01.99 ID:fUB5cnc0<>あんまり雑談すると、>>1が次スレの報告できなくなるから注意な<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 02:26:05.48 ID:RBk1HMDO<>敵には一方さん傷つける術がないんだから、風集めてプラズマ攻撃で辺り一面吹っ飛ばして一瞬で全滅させれそうなもんだがな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 03:06:18.41 ID:dho1bcAO<>>>956
一方通行以外吹き飛ぶだろww
上条さんも防げそうにない攻撃だったし<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 06:28:03.37 ID:nR3pfuk0<>つ自転ベクトル砲<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 07:41:44.79 ID:MtRmUYSO<>そろそろ次レスの立て時だな…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 07:59:30.64 ID:FPnTPwSO<>>>1が立てるのを待とうな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 15:21:14.67 ID:MMz4R2c0<>亀レスだが
ゲコ太が死んだ時
ゲコタ コゲタ

って思った俺はひどいかな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 21:52:54.53 ID:OQn9SDAo<>ひどくない
最低だけど<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 22:12:56.57 ID:FjTKXhU0<>>>1です。こんばんは。
本当は今日で脱走編は終わるはずだったのですが、何か昨日は
製作速報が落ちてたようで1日伸びました。
次スレは取り敢えず今日の分ならまだ大丈夫だと思いますが、
投下し終わったら立てようと思います。
そういうことで、今日の分投下していきます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 22:15:47.99 ID:0Z0ReQAO<>戻ったかッ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 22:18:04.78 ID:xMxZJ620<>戻ったかッ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 22:18:20.57 ID:FjTKXhU0<>美琴「らぁっ!!」

バチバチバチッ!!!!

一方通行「どうしたそれで終わりか三下ども!!」

ドゴッ!!!

上条「お前らの下らない幻想なんて俺にはきかねぇよ!!」

バギィィィン!!!!

『超電磁砲(レールガン)』、『一方通行(アクセラレータ)』、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』――。
最強の実力を持つ3人は互いの背中を預け合い、攻撃・反撃し、時には見事な連携を取りながら研究者たちを、武装兵たちを、魔術師たちを倒していく。

黄泉川「ったく、あの3人が組んだら誰だって逃げ出すじゃん。私らも負けてられんぞ」

鉄装「はい!!!」

ダカカカカカカカカカカカカカカ!!!!!!

上条たちの戦う姿を見て奮起した黄泉川と鉄装が彼らを援護射撃する。

黒子「これでも食らいやがれなさいですの!!」

ヒュヒュヒュン!!!!

その合間に黒子もテレポートによる近接格闘と金属矢を組み合わせて敵を薙ぎ倒していく。

佐天「うっひゃぁ……すごいなこれ。御坂さんと上条さんと一方通行さんが組んだらあんなに強力になるんだねー」

初春「白井さんや黄泉川先生、鉄装先生もすごいです! 正直、観戦に回っている自分が情けなく思います」

打ち止め「みんなとってもすごいね! ってミサカはミサカは超感心!!」

少し離れた所で、佐天と初春と打ち止めは、プロレスの試合を観戦するように目の前で繰り広げられる戦闘をリアルタイムで眺めていた。
しかし、彼女たちは気付いていなかった。背後からナイフを持った敵兵が3名、彼女たちに近付いて来ているのを。
何も知らない無垢で小さな3つの背中にナイフが振り下ろされる。



ドッ!!!!!



<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 22:24:15.38 ID:FjTKXhU0<>佐天初春打ち止め「!!!!????」

が、彼女たちの背中から血が噴き出すことはなかった。

「グぎゃああああああああ!!!!!!」

武装兵が悲鳴を上げる。




寮監「お前ら、この子らに何の用だ?」




佐天初春「りょ、寮監さん!?」

見ると、寮監が武装兵の1人をヘッドロックしていた。

打ち止め「うわぁ、何か衝撃的な場面を見ちゃった気分、ってミサカはミサカは寮監さんの意外な面に感心してみたり」

他の武装兵たちも寮監の勇ま恐ろしい姿を見て呆気に取られていた。技を掛けられた武装兵が抵抗しようとする。

寮監「フン!!」

ボキッ!!

武装兵「がはっ!!」

躊躇無く、寮監が武装兵を落とした。クタクタと地面に倒れる武装兵。その姿を眺めていた他の武装兵たちが一斉に寮監に飛び掛かる。

「このやろおおおおおおおお!!!!!」

「死ね怪物女がああああああああああ!!!!!」

寮監「……………」キラーン

寮監の眼鏡が光る。

寮監「せい!!」ドスッ

「ぐげぇ!!」

寮監「ハッ!!」バキッ

「がはっ!!」

次々と寮監は体術を駆使して武装兵を倒していく。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 22:30:40.61 ID:FjTKXhU0<>打ち止め「いいね、いいねェ、最高だねェ!! ってミサカはミサカはワクテカしながら応援してみる!」ヤレヤレー!!

佐天「あわわわわわわわわわ」

初春「す、すごい……」

寮監「生徒たちを守るのが寮監の務めだ」キリッ

「うおおおおおお!!!!」

「くらえやあああああああ!!!!」

どこに隠れていたのか、物陰から更に4名の武装兵たちが寮監に向かって飛び出してきた。

寮監「ありゃぁ!!!」ドガッ

「ぶぼっ!?」

寮監「えいやっ!!」ズガッ

「ぎゃあ!?」

寮監「ふんっ!!!」バシッ

「ぐえええ!!」

寮監「チェストー!!」ゴスッ

「ひでぶっ!!」

次々と繰り出される多彩な技に、屈強な武装兵たちが崩れ落ちていく。
気付くと、寮監は全滅した武装兵たちの中心に、怪しげなオーラを発しながら君臨していた。

寮監「かはぁぁぁ〜〜〜」

再び、寮監の眼鏡が光った。

佐天初春「お、お見事」

打ち止め「やぁりぃ! ってミサカはミサカは指パッチン!」パチン!!

寮監「生徒に攻撃(めんかい)するにはまずは寮監を通してから」キリッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 22:36:17.50 ID:FjTKXhU0<>キィィィィン!!!!!

「ぐえっ!!」

一方通行「そっち行ったぞ!!!!」

美琴「了解!!」

バチバチバチッ!!!

「ぎゃあああああ」

美琴「最後、頼んだわよ!!」

上条「任せとけ!!!」

バギィィィン!!!!

上条美琴一方通行「「「っしゃぁっ!!!」」」

互いの隙を補いながら、または攻撃に威力をプラスしながら3人は見事な連携プレーをもってして敵を次々と倒していく。

黒子「いい加減に観念しなさい!!」ヒュンヒュヒュン

バキッ!!

「ぷおっ!!」

黄泉川「往生際が悪いじゃん!!」

鉄装「右に同意です!!」

ダララララララララララララララララ!!!!!!

黒子や黄泉川、鉄装もまた敵兵たち相手に奮戦していた。

美琴「ったく、キリがないわねこいつら。明らかに後から後から増えてるじゃない」ビリビリッ

一方通行「このまンまじゃ埒があかねェぞ」ドゴオッ

上条「クソッ、仕方ない。撤退しよう」バギィィン

通りの中央で共闘していた上条たち3人。しかし、増え続ける敵たちを前に、彼らは撤退の断を下した。

黒子「撤退ですのね!?」

黄泉川「この状況じゃ仕方ないじゃん」

上条「2人とも、目くらまし頼む」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 22:42:21.47 ID:FjTKXhU0<>上条が1歩下がる。代わりに、美琴と一方通行が前に進み出る。

美琴「せいやっ!!」

一方通行「らぁっ!!」

美琴が地面に向かって放電し、一方通行が思いっきり地面を踏ん付けた。


ドオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!


同時に、電気を纏ったコンクリート片の雨が2人を境にして垂直何mにも亘って巻き上がった。それはまるで、滝が逆流するかのような光景だった。

上条「今だ、逃げるぞ!!」

踵を返し、上条と美琴と一方通行は走り出す。続けて、黄泉川と鉄装、黒子も戦闘を止めて引き返した。

上条「こっちだ!!」

佐天、初春、打ち止め、寮監も合流し、彼らは敵の視界を塞いでいる間に全速力でその場を離れる。

寮監「白井、早くしろ!」

黒子「今行きますの!」

寮監「……ん?」

そこで、寮監は気付いた。

寮監「!!!!!!!!」

先程倒したはずの武装兵の1人が、黒子の背中に銃口を向けているのを。
もちろん、当の黒子は自分が狙われていることに気付いていない。

寮監「くっ!! うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

寮監が、みんなとは別の方向に走り出す。
黒子に声を掛けるよりも、距離的に考えて直接取り押さえた方が早いと思ったのか、寮監は武装兵に飛びついた。

黒子「寮監!!!!????」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 22:48:52.65 ID:FjTKXhU0<>「ぶごっ!!」

寮監に殴られた武装兵が倒れる。

美琴「寮監!!!!」

美琴と黒子の声に反応し、すぐに戻ろうとした寮監だったが、また別の武装兵が彼女の背後から羽交い絞めにした。

寮監「チッ!!」ドゴッ

「ぐはっ!!」

そのまま肘鉄を食らわす。

ガシッ!!

再び立ち上がろうとする寮監だったが、今度は足を掴まれた。

寮監「!!??」

また別の武装兵だった。
そして、それを始めとして倒れていた武装兵たちが次々と起き上がり寮監を抑えようと数人掛かりで襲い掛かってきた。

寮監「くっ!!」

寮監は、必死に武装兵たちに反撃を行うが、どうあっても数の上で不利だった。




パンパンパパン!!!!




寮監「!!!!!?????」

その時、寮監の腹部を衝撃が貫いた。

寮監「ぐっ……ふ……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 22:54:09.32 ID:FjTKXhU0<>1人の武装兵が寮監の腹部に向かって拳銃を発砲したのだ。

美琴黒子「寮監!!!!!!」

それを見た美琴と黒子が悲鳴にも似た叫び声を上げる。

上条「御坂! 白井!」



寮監「来るなああああああああああ!!!!!!! 行けえええええええええええ!!!!!!!!」



美琴黒子「!!!???」

助けようとした美琴と黒子の動きを察知したのか、寮監は叫んでいた。

ドゴッ!!!

叫びながら彼女は、発砲した武装兵を殴り倒す。

パンパンパン!!!!

寮監「ご……ほっ…」

寮監が振り返る。今度は後ろから発砲音が轟いた。

美琴黒子「寮監!!!!!」

寮監「早く行けええええええええええええええ!!!!!!!!」

血を吐きながら叫ぶ寮監。
美琴と一方通行が作った一時的な目くらましは既に効果が無くなりつつあり、研究者や魔術師たちはその隙をつき、上条たちを追ってきている。
もしここで寮監を助けに戻っていれば、また敵に囲まれてしまうだろう。

上条「来い!!!」

上条が苦い顔を浮かべ、美琴と黒子の片腕をそれぞれ掴んで走り出す。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 22:59:44.10 ID:FjTKXhU0<>美琴「あっ!!」

黒子「待って!!」

上条「駄目だ!!」

美琴「でも……寮監が…寮監がっ!!」

黒子「寮監を助けないと……!!」

上条「もう寮監さんは間に合わない!!」

前を見ながら上条は叫ぶ。

美琴黒子「!!!???」

上条「ここで戻ってたら寮監さんの想いをフイにするんだぞ!!」

美琴黒子「……………っ」

美琴と黒子は涙目で振り返る。徐々に寮監の姿が遠くなっていく。

美琴「やだぁ!! 寮監!!」

黒子「寮監!! 離して下さい!! 寮監が…寮監が……」

寮監は、腹から血を流しながらも武装兵たちと格闘を続けている。

寮監「行けええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」

いつまでも美琴と黒子の身を案じ、寮監は己も省みず叫び続ける。
彼女の想いを無駄にしないためには、今ここで逃げるしかなかった。

美琴「りょうかああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!」

後ろへ流れていく涙を気に留めることなく、美琴と黒子は小さくなっていく寮監の姿をずっと見ていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 23:05:49.67 ID:FjTKXhU0<>追っ手から逃れるため、9人まで減った一行は細い路地を曲がり、曲がり、走り抜ける。10分経ったのか、1時間経ったのかは定かではなかったが、上条たちは今、とある裏路地のスペースで小休止していた。

上条「ハァ……ゼェ……多分……これで…撒いただろう……」

黄泉川「……ゼェ……ならいいが……ハァ……いつまでもゆっくりしてられないじゃん……」

全員、息を切らしている。もたれるように壁に手を着くと、上条は黒子が自分を睨んでいるのに気付いた。

上条「…何だ?」

黒子「どうして……どうして寮監を助けさせてくれなかったのですか!?」

涙を浮かべて黒子が上条に掴みかかる。

佐天初春「白井さん!」

上条「………………あそこで助けに戻ってたら、全員また敵に囲まれてるところだった。寮監さんは身を挺して俺たちを逃がしてくれたんだ」

黒子の目がキッと鋭くなる。

美琴「やめなさい!」

黒子「!」

突然、美琴が黒子を一喝した。

黒子「お姉さま……」

美琴「そいつの言う通りよ……。どの道、寮監は助からなかった…。悔しいけど、あれが最善の策だったのよ」

黒子「ですが……」

美琴「黒子!」

黒子「!」

美琴が怒鳴る。だが、その目にはやり切れなさが垣間見えた。

美琴「…………………」

黒子「………………ごめんなさいですの」

美琴の顔を見ると、黒子は上条から手を離した。

上条「……………」

黒子「グス……」

美琴「黒子」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 23:08:58.36 ID:6PJnMm.0<>黒子「クズ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 23:11:27.38 ID:FjTKXhU0<>泣きそうになる黒子を引き寄せ、美琴は彼女の髪を優しくポンポンと叩く。
それを見て上条は1つ、溜息を吐いた。

一方通行「状況は悪化するばかりだな」

一方通行が呟く。
今も、爆発音や連続した銃声音が耳の中を僅かに振動させている。恐らく研究者勢力とテログループなどが戦闘を行っているのだろう。

黄泉川「しかし、いつまでも裏路地にいてたら脱出地点には辿り着けないじゃん」

鉄装「どうします?」

黄泉川と鉄装は、裏路地の陰からローレディーの態勢でライフルを構え表の通りを窺っている。

佐天「あの……」

黄泉川「ん?」

初春「その脱出地点、ってまだなんですか?」

佐天と初春が恐る恐る訊ねた。

黄泉川「どうだ?」

黄泉川が上条と一方通行に顔を向ける。

一方通行「恐らくもう4分の3は来たはずだ」

上条「後は街を抜けて、しばらく郊外を走れば目的地の川に着くはず」

佐天「そ、そうなんですか?」

佐天と初春の顔に僅かに希望の色が浮かび出た。

一方通行「どの道、今すぐにでも動いたほうが良さそうだぜ」

黄泉川「しかし、表に出たところで待ち伏せとかされてないか心配じゃん」

一方通行「ンなこと言ってたら状況は進まねェだろ」

上条「確かに。もう悠長なことは言ってられない。そろそろ行こう。いいな?」

上条は美琴たちを見る。彼女たちの表情からは疲労が窺えたが、反対している余裕も無かったのか何も答えなかった。

黄泉川「じゃ、出発じゃん」

一方通行「動けるか?」

打ち止め「うん、まだ大丈夫そう、ってミサカはミサカは元気をアピール」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 23:11:46.07 ID:4R4OZADO<>かあぁつ! デデン<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 23:17:45.25 ID:FjTKXhU0<>一方通行「無理すンなよ。疲れたら言え」

打ち止め「分かってる分かってる、ってミサカはミサカは優しいアナタに笑顔」

上条「じゃあ行くぞみんな」

上条の声に、美琴たち4人はしんどそうに頷く。
それを合図に、黄泉川と鉄装が壁に沿ってゆっくりと歩みを進める。
2人は物陰から少し顔を覗かせ、表通りに人の気配が無いのを察知するとそのまま静かに裏路地から出、四方にライフルの銃口を向けた。

黄泉川「………………」

黄泉川が手招きする。それを見て上条たちも表通りに出た。
歩道に沿って、9人は辺りに注意を向けながら小走りで移動する。

美琴「…………………」

黒子「…………………」

佐天「…………………」

徐々に、走る速度が増していく。

初春「…………………」

鉄装「…………………」

黄泉川「…………………」

躊躇をしなくなった9人分の足が更に速くなる。

一方通行「……………………」

遂に全速に近い速度で9人は歩道を駆け抜ける。

上条「……………………」

その時だった。

打ち止め「待って」

静かに呟いた打ち止めの一言によって、一行はブレーキを掛けるように唐突に立ち止まった。

打ち止め「…………………」

一方通行「何だ? どうした打ち止め?」

心配するように一方通行が訊ねる。全員が打ち止めに注視する。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 23:23:09.99 ID:FjTKXhU0<>打ち止め「…………………戦況が届いたみたい」

一方通行「戦況?」

上条と一方通行が怪訝な顔をする。

打ち止め「陽動に出てる妹達(シスターズ)から」

上条一方通行「!!!」

全員が、息を呑む音が聞こえた。

上条「何て言ってるんだ?」

打ち止め「…………………」

目を閉じ、打ち止めが急に静かになった。
ミサカネットワークから情報を受け取っている最中なのか、それとも既に受け取ってはいるが、伝えにくい情報ゆえ言うのに逡巡しているのかは分からなかった。

一方通行「打ち止め?」

一方通行の問い掛けに答えるように、目を見開いた打ち止めはゆっくりと言葉を紡いだ。




打ち止め「陽動に出てた妹達(シスターズ)が全滅したみたい」




上条一方通行「!!!!!?????」

美琴「……………っ」

黒子「な、何ですって!?」

佐天「そ、それって……」

初春「どういう意味なんですか!?」

黄泉川「ちょっと待つじゃん、あいつらがやられたということは……」

鉄装「もしかして、私たちの仲間の警備員たちも……?」

現在、学園都市にいる20人の妹達(シスターズ)と黄泉川の部下の警備員たちは、美琴たちの脱出作戦から敵の意識を逸らすため、街の中心部で陽動作戦に出ているはずだった。
しかし、その結果はたった今、打ち止めの口から語られた通りだった。彼女たちは、全滅した――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 23:29:49.05 ID:FjTKXhU0<>打ち止め「陽動に出てた全小隊が敵の攻撃を受けて全滅、これで黄泉川中隊の生き残りはヨミカワたちだけ……」

黄泉川鉄装「………………」ゴクリ

打ち止め「そして、妹達もまた、同じく全滅……」

一方通行「………………そうか」

一方通行の言葉はそれだけだった。と言うよりも、それ以上語りたくない感じだった。
一気に、その場に悲壮な空気が漂う。

打ち止め「どうやら、妹達が引き付けてた敵の主力が今、こっちに向かいつつあるみたい」

上条「………………」

打ち止め「あ」

一方通行「どうした?」

打ち止め「報告してくれてた10039号からの通信が途絶えた……」

それの意味するところは、陽動についていた妹達(シスターズ)が1人残らず全滅したということだ。

一方通行「分かった。もういい」

そう言うと一方通行は打ち止めの頭をクシャと優しく掴む。
無表情でいるが本当は打ち止めも泣きたいほど辛いはずだ。自らミサカネットワークに繋がることで彼女たちの死を実感したのだから。

上条「…………とにかく、そういうことだ。残ってるのは俺たちだけ。そして、敵もこっちに向かっている最中」

上条は暗くなっていたムードを止めさせるため、話を変える。
しかし………

美琴「……………きない」ボソッ

ふと、一団の後方で美琴が呟いた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 23:34:53.93 ID:FjTKXhU0<>全員が振り返る。

黒子「お姉さま?」

佐天初春「御坂さん?」

美琴「………出来ないよこんなの」

一方通行「………………」

打ち止め「………………グスッ…ううう」

美琴「納得出来ないわよ!!!」

美琴が叫んだ。

美琴「どうしてあの子たちが死ななきゃいけないのよ!?」

上条「御坂……」

美琴「これじゃあまるであの子たちは私たちの身代わりじゃない!? そんなのって……」

そこで美琴の怒号は掻き消された。




ドッ!!!……オオオオオオオオオオン!!!!!!




かなりの至近距離で轟音が発生した。
唐突に生じた衝撃波を受けてその場にいた全員の身体が軽く飛ばされた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 23:39:32.36 ID:FjTKXhU0<>
オオオオオオ………

美琴「うっ………ぐぐっ…」

何が起きたのか理解しようともせず、地面に這いつくばる形で倒れていた美琴は手を握り締め、唇を噛み叫んでいた。

美琴「何で……どうして、こんなことになるのよ………もうやだぁ……」

上条「御坂!! 無事か!?」

そこへ上条が駆け寄って来た。

美琴「………うっ……ヒグッ……」

ショックで泣いているのか、美琴は何も答えない。

上条「………………」

そんな美琴を見て、上条は無言で彼女を起こしその肩を支えてあげた。

美琴「………やめてよ……」

上条「やめない」

美琴「もうやなの……。何で……私たちが逃げるだけで犠牲が出なきゃいけないのよ………」

弱音を吐く美琴を、上条は横目で窺う。そこには学園都市第3位の超能力者『超電磁砲(レールガン)』ではなく、ただ現実に打ちのめされ悲しみに涙を浮かべる1人の少女がいただけだった。

美琴「………グスッ…」

上条「…………………」

美琴「黒子たちはともかく、私にはそこまでして助ける価値があるの……?」

美琴は自暴自棄になったように話す。
彼女の言葉を聞き、上条は即答していた。

上条「あるさ」

美琴「………………」

上条「ある」

美琴「…………私みたいなわがままで世間知らずな子供が世の役に立つとでも言うの?」

上条「当たり前だ」

美琴「!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 23:45:43.54 ID:FjTKXhU0<>上条「今までお前、白井たちと色んな事件解決してきたんだろ? さんざん言ってたじゃねぇか。グラビトン事件、レベルアッパー、スキルアウト、ポルターガイスト……。お前らが動いたことで助かった人がたくさんいるんだ。そこら辺の偽善者より何百倍もお前は世の役に立つことしてる……」

美琴「………でもそれでも私はあんたには遠く及ばない……」

上条「数は関係ないさ。お前に感謝してる助かった人はたくさんいるのは事実なんだ……」

上条は美琴の小さな肩を支えながら、なるべく早く道を歩く。

上条「な?」

美琴「………………」

上条「御坂妹も、カエル顔の先生も、木山先生も、寮監さんも、全滅した20人の妹達や黄泉川先生の部下の警備員たちも、みんなお前らが無事に『外』に脱出出来るのを願ってた。だから、その想いをフイにしちゃ駄目だ……」

美琴「…………あんたは?」

上条「ん?」

美琴「…………あんたもそうなの?」

上条「当たり前だろ。今更何言ってんだ」

上条は微笑みを作る。

上条「それに……」

美琴「?」

上条「お前は、俺にとって大事な人間だから………」

美琴「!」

上条「だから美琴………お前だけは絶対に俺が守ってやる……」

美琴「………っ」

上条「安心しろ。命に代えても、お前は俺が守る」

上条は美琴の目を見据え断言した。

美琴「………………当麻」

上条「……………………」

歩きながらも、美琴と上条は至近距離で数秒ほど見つめ合っていた。

一方通行「おい! こっちだ!!」

と、その時、一方通行の声が聞こえた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 23:51:51.96 ID:FjTKXhU0<>裏路地の陰から一方通行が手を振っているのが見えた。
上条は急いで美琴を連れてそっちに走って行った。

黒子「お姉さま! 大丈夫ですか!?」

佐天「怪我はないですか!?」

初春「御坂さん! しっかり!!」

他のみんなは無事だったのか、うなだれた美琴を見て心配するように声を掛けてきた。

美琴「私は……大丈夫。何があったの…?」

一方通行「あそこにミサイルが直撃したンだよ」

美琴は振り返る。
先程まで立っていた場所の200mぐらい後ろの建物から煙が上がっているのが見えた。

黄泉川「グズグズしてる暇はない。みんな走るじゃん!!」

黄泉川がライフルを後方に向けて全員を促す。

上条「目的地はもうすぐだ! みんな頑張れ!!」

上条が気合を入れるように叫ぶ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/14(水) 23:57:06.63 ID:FjTKXhU0<>9人は走る。ただひたすら走る。
脱出地点までの距離はもう残り少ない。

上条「走れ!!!」

一方通行「後ろを振り向くな!! そのまま前だけ向いて走れ!!」

黄泉川「立ち止まるなよ!!!」

上条たちの声に押されるように、美琴たち4人はは息を切らしながら通りを駆け抜ける。



ダカカカカカカカカカカカカカカカ!!!!!!!!



突如、銃声音が鳴り響いた。耳の側を何かの物体がヒュッと通過する風切り音が聞こえた。
思わず美琴たちは振り返る。

一方通行「振り返ってンじゃねェよ!! 前向いて走れ!!!」

走り疲れた打ち止めを胸に抱えながら、一方通行は叫ぶ。

上条「クソ、追い着かれたか?」

発砲音と銃弾が耳元を通り過ぎた風切り音までのタイムラグが極端に短い。恐らく、敵はすぐ後ろにまで迫っている。

上条「あと少しなのに……っ」ギリッ

黄泉川「…………………」

鉄装「…………………」

全員を護衛するように最後尾を走る黄泉川と鉄装が急に黙りこくる。
彼女たちは前方を走る美琴たちを見やると、顔を合わせて大きく頷いた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/15(木) 00:02:26.26 ID:nRM8KM20<>黄泉川「ここは私らが食い止めるじゃん!!」

鉄装「君たちは先に行きなさい!!」

突然、黄泉川と鉄装が走るスピードを減じたかと思うと、踵を返し来た道を戻っていった。

打ち止め「ウソ……ヨミカワたちが!!」

一方通行「アイツら……!!」

上条「黄泉川先生……鉄装先生……」

上条たちの返事も聞かぬまま、黄泉川と鉄装は既に走り去っていた。

美琴「えっ!? 何でちょっと待ってよ!!!」

黒子「そんなっ……無茶過ぎますわ!!!」

後ろを振り返った美琴と黒子が叫ぶ。
反対方向に駆けて行く黄泉川と鉄装の背中が遠くに見えた。

佐天「黄泉川先生が!?」

初春「鉄装先生まで!?」

上条「もう振り向くな!! 全速力で走れ!!」

これ以上、後ろに構ってる余裕なんて無い。上条は前方を走る少女たちに叫ぶ。

美琴「くっ……どうして……」

悔しそうな表情を浮かべ、美琴は振り切るように正面を向いた。
目的地はもうすぐ目の前に迫っている。彼女たちの旅路の終わりは近かった――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/07/15(木) 00:05:27.10 ID:nRM8KM20<>>>1です。
今日は以上で終わりです。ありがとうございました。
明日で脱走編は終わりで、このSSも今週中に終わると思います。
次スレのタイトルを変えることも考えましたが、もう残り少ないので敢えてそのままにしました。
以下が次スレのURLです↓
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279119879/

では今日はこれで。ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 00:07:50.61 ID:mO7ygxM0<>GJ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 00:08:10.44 ID:9YG5ngAO<>乙でした

最後にたくさん死んでいったな・・・うぅ・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 00:08:30.91 ID:zyR9.gw0<>良かった
乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 00:15:18.81 ID:EDCuQQQ0<>乙だぜぃ!
遥か上から最後まで>>1さんを応援してるにゃーー!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 00:18:10.56 ID:DOajHQAo<>乙
さて、どのような結末を迎えるのか・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 00:21:48.97 ID:qDEUJgI0<>私は天国から見守ってわよ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 00:21:50.31 ID:4LoKH/E0<>乙

削板もこんな感じで死んだんだろうな・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 00:31:04.52 ID:AHiqqlU0<>乙…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 00:51:40.65 ID:1WmxYOg0<>戦死者方に黙祷を捧げつつ埋めるとしよう。

そして>>1乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 01:07:42.81 ID:1WCJj6SO<>>>1乙

そして戦死者達に黙祷。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 02:50:17.46 ID:5BAHjhc0<>おつ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 02:50:50.57 ID:5BAHjhc0<>埋め<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 02:52:25.60 ID:5BAHjhc0<>埋め<> 1001<><>Over 1000 Thread<>    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
        /:::::::::::::::::l   /77
       /::::::::::i:i:::::::i,../ / |
       l:::/::::::::i:i:::、:::/ / |
       l;;ノ:::::::::::::::l l;.,.,.!  |
        /::::::::::::::::l/ /  冂
       /:::::::;へ:::::::l~   |ヌ|
      /:::::/´  ヽ:::l   .|ヌ|               製作速報VIP@VipService
      .〔:::::l     l:::l   凵                  http://ex14.vip2ch.com/news4gep/
      ヽ;;;>     \;;>

<> 最近建ったスレッドのご案内★<><>Powered By VIP Service<>外人とチャットしようぜww @ 2010/07/15(木) 02:35:22.96 ID:9pRAAGo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1279128922/

【片手にピストル】能力者スレ【心に花束】 @ 2010/07/15(木) 02:35:12.16 ID:qJfWA3Ao
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1279128912/

天然黙示録ポテチ うあーああああなアヤはロマーニャのバナジウム学園です @ 2010/07/15(木) 02:04:41.91 ID:MStvgo6o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1279127081/

ちょっとこれでボードゲームしようぜwwwwwwwwww @ 2010/07/15(木) 01:56:10.68 ID:pWzl2K6o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1279126570/

メガネ屋「禁アンカー」キョン「二郎りたい」 37おっぱい @ 2010/07/15(木) 01:55:35.20 ID:ItvKnsYo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1279126535/


Powered By VIPService http://vip2ch.com/

<>