VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 18:51:18.00 ID:b2z3MdA0<>ども、立てました。
<>美琴「とある主人公(ヒーロー)の友情物語?」 VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 18:51:41.10 ID:b2z3MdA0<>あ。自分、自称『友達スレ』書いてる者っす。さっきスレ埋まっててびっくらこきました。
まさに「何じゃコリャァァ!?」ですwww



一方通行「友達って最高だよなァ」上条「まぁな」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1277636346/l50 4スレ目

上条「ブラック苦ッッ!」一方通行「…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276074792/l50 3スレ目

一方通行「足引っ張ンなよ三下ァ」上条「おう!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1275384032/ 2スレ目

一方通行「友達になってやンよ」上条「ハイ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1273633562/l50  1スレ目



潰された過去のスレ達です…。殆どやられてますwww
が、一応全部話は繋がっています。
どうもタイトルが悪いらしいので、最後にスパッと変えました。もう一通さんをスレタイに出すのが怖い…。
上条さんの名前のスレもさりげなく爆撃されているのを見たので、スピンオフの代名詞、我らが美琴さんをスレタイ
に抜擢しました。勿論、このスレでは大活躍させる予定です!
何度もタイトル変えて見つけ辛くして本当にすいません!ですが、もうこのタイトルで固定するつもりです。
色んなスレ覗いて、もし「あのスレどこ行った?」的な質問あったら早めに答えますのでどうかお許しを…。
支援したり励ましてくれている方々には心から感謝しています!

くそう……まだ前のスレタイ回収してねぇのに……orz

では、前スレ(4スレ目)の>>242から続きを投下したいと思います。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:00:06.72 ID:b2z3MdA0<>と、その前に…自分なりに今までの主な人間関係を簡単にまとめてみました。



上条当麻…基本好きな子はいないが、美琴の自分への想いに気づきかけて少し意識している。

一方通行…上条と同じく誰が好きとかはない。打ち止めは親バカのようなもの。何故か最近よくフラグが建つ。

禁書目録…当麻ラブなのだが、気づいてもらえず…。美琴をライバル視しているが、よくご馳走になるので無下にもできない。

御坂美琴…コチラも当麻ラブ…のはずなのだが、最近一方通行がやたら気になるらしい。

白井黒子…お姉様(美琴)一筋。一方通行には感謝の気持ちを抱いている。その内『お兄様』とか呼びそうだ。

御坂妹(10032号)…美琴と同文だが、コッチの方はすでに重症である。そのうち14510号にガチで刺されそうだ。

打ち止め(20001号)…一方ラブ。10032号の想いに気づいているが、渋々容認している。

垣根帝督…好みのタイプは巨乳系お姉さん。固法とのデートを期待したのだが、何故か初春とデートする事に……。

初春飾利…自分を助けたカッキー(垣根帝督)に惹かれつつある…が、自分にとって因縁が深い相手だとは気づいていない。

佐天涙子…かっこいい彼氏募集中。初春を心配してデート先までついてきた。絶賛勘違い中。

浜面仕上…滝壺と交際中。

滝壺理后…はまづらの正式な彼女。

???

???


…こんなトコでしょうか。勿論、現在までですので、この後も色々進展する予定です!
いきなりちょっとだけMNWネタ入りますが……構いませんかね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 19:06:20.20 ID:vCdluwAO<>おかえり<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/04(日) 19:06:57.89 ID:d/taAcc0<>構いますん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 19:07:33.98 ID:5lMhdnwo<>スレ立て乙
荒らしに負けんな。応援してる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:11:17.98 ID:b2z3MdA0<>―――MNW内



一方×10032 in 水族館デート


230:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
っつかさぁ…最近、10032調子乗ってね?

231:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18071
>>230 まぁまぁ…あれから感覚共有ちゃんとしてるし…今は何故か切られてるけど

232:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19832
>>230 あの実験終わった記念すべき番号なんだからちっとは大目に見ようや
>>231 プライベートなんだしずっと共有するのはキツイだろ

233:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17859
ご乱心だな…

234:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11298
>>230 本人来るかもだからレス控えろとあれほどry

235:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
漏れあいつに病院で殴られたんだが…

236:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19832
>>235 お前は自業自得

まぁ気持ちは分かるが抑えとけ。
運営様も我慢してんだぞ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:14:46.57 ID:b2z3MdA0<>237:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
>>234 >>236 は?そんなのミサカの知ったこっちゃねぇし

238:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11543
>>237 うわwwwばっさりwwww
こうなった14510は誰にも止められねぇ

239:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10033
けど確かに最近アイツばっかりおいしい思いしすぎじゃね?

240:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16520
>>239 便乗者はこうしてゆっくり増えていくのだった…

241:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18264
10032は明らかに図に乗ってる
闇討ちなら手伝ってやってもいいぞ

242:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16238
>>241 ご来日乙wwwwwww

243:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
スネークいる?

244:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
何だ?

245:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12743
来んの早ぇなオイ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:16:15.68 ID:b2z3MdA0<>246:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
アイツら今どんな感じ?どうせ遊園地ダブルデート編の時みたいに後つけてんだろ?

247:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
10032とお姉様が入れ替わった
意図は…分かるな?

248:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
……は?

どゆこと?

249:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13218
意味がわかりません

250:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19832
それよりも14510が怖い件について

251:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11231
同じボートでワニに触ったスネークに死角はなかった…

252:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10090
つまり……どぉいう事だ?

253:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
だぁかぁらぁ!お姉様がセロリに心傾いてるってことだよ!…多分な




―――ミサカ一同「なん…だと…?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:19:17.84 ID:b2z3MdA0<>―――女子トイレ付近で待ちぼうける杖つきの男…



「――アイツ遅ェなァ。……一体いつまでかかってやがンだ?」



――少しイラついた声で呟きながら壁にもたれ掛かる一方通行。
もう十分以上も経っているのに、まだ戻って来ない御坂妹……。



「……まさか……何かあったンじゃねェだろォな…?」



見た目はレベル5のお嬢様。何か起こっても不思議ではない。



「チッ……」



仕方ねェな、と舌打ちをして歩き出そうと壁から体を離す一方通行。
しかし、足を動かす直前で彼に声がかかる。



「――よっ、待たせてゴメンなさい。とミサカはぁ……えーっと……謝罪します!」


「――!」



声のした方に首に向ける……そこにはどこかオドオドしてるように見える御坂妹の姿があった。



一方通行「……あァ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/07/04(日) 19:21:46.04 ID:Hi.6QcDO<>マジで荒らし死ねばいいのに
どうせ豚みたいな奴がブヒブヒ言いながらやってんだろww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:21:46.13 ID:b2z3MdA0<>御坂妹?(うっ……気づかれた…?)




内心ビクビクしているのが見て分かる……。
彼女本人は平静と無表情のつもりらしいが、それがまた逆に滑稽だった。
ここが明るい場所で、なおかつ人の喧騒も少ない場所ならすぐに一方通行はその様子に疑惑を
抱いただろう。しかし、彼は不機嫌な顔をして「おっせェンだよォ。行くぞ」と言っただけだった。





御坂妹?(ホッ……何とかセーフだったみたい……)




―――――




美琴「アンタに……お願いがあるんだけど」ニコォ

御坂妹「………は?」




いきなり怪しい笑みを浮かべる『お姉様』に妹は戦慄した――。




美琴「アンタさぁ……アイツ(上条)に会いたくない?」

御坂妹「………どういう意味ですか?とミサカは首を傾げます」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:24:27.93 ID:b2z3MdA0<>美琴「実はね、今アイツと一緒に来てんのよ。二人ほどコブ(禁書・打ち止め)付きだけどね…」

御坂妹「……なんと!とミサカは恐ろしい偶然に唖然とします…」

美琴「アンタは一方通行と今一緒なのよね?とミサカは確認します♪」

御坂妹「何故急にミサカの真似を?……って、お姉様まさか!?」

美琴「勘の良い妹で助かるわ。そのまさかよ」ニィ…

御坂妹「で、ですがミサカはあの方と念願のデート中です。幾らお姉様と言えど……とミサカは弱気ながらも拒否を示します」

美琴「大丈夫♪ちょっとの間だけよ。私だって、アイツ(上条)と一緒にいたいし」(デートじゃないのが残念だけど……)

御坂妹「うぅ……」

美琴「面白そうでしょ?ホントにちょっとだけで良いから!ね?アンタもアイツに会いたいでしょ?」

御坂妹「わかり……ました…とミサカは涙をのn」

美琴「はいストップ!今からそれ禁止ね!どうせならバレない様に完璧に入れ替わるのよ!とミサカは発言します」

御坂妹「……その場合は『発言』ではなく『指摘』もしくは『提案』が的確では?とミサカはお姉様の言葉選びセンス
皆無さに呆れます」

美琴「うっ……結構難しいのね。アンタややこしい喋り方してんじゃないわよ!」

御坂妹「ミサカに当たられてもぉ……とミサカは理不尽な怒りn」

美琴「だからやめろっつってんでしょうがぁ!!……と…ミサカは激怒します」

御坂妹「………」グス

美琴「あ、あとその丁寧な喋り方も無しね?とミサカは………追加します」

御坂妹「わ……わかったわよ……これで良い?」(鬼…)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:28:47.00 ID:b2z3MdA0<>美琴「おぉ完璧!やれば出来るじゃない♪」

御坂妹「むしろソッチの方が心配よ。丁寧な口調なんて、果たしてアンタに出来るのかしらね…」

美琴「は!常盤台のお嬢様ナメ…ないで欲しいものです。とミサカは………胸を張ります」

御坂妹(だから間が長ぇんだよ!何だその違和感だらけの口調!?お前の方が全然出来てねぇじゃねえか!とミサカは
内心で罵言雑踏を浴びせます)

美琴「さ、早くゴーグルを頂戴(よこ)して下さい。とミサカは手を……んと……差し出します」

御坂妹(コイツいつか殺す……たとえ返り討ちにあっても殺す……こんな出来損ないミサカをあの人の所へ行かせたくない……
とミサカは納得できないままお姉様に従います……チクショォ…)




―――こうして二人の少女は入れ替わり、それぞれ反対の方向へと解散した。
御坂妹は「絶対復讐してやる…」と力んだ様子で上条達の待つ場所へ向かっていった…。




―――――



――上条達と合流した美琴(御坂妹)




禁書「短髪ー!ご飯食べに行こう!」

美琴(御坂妹)「も、もうそんな時間か……まぁ良いけど」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:31:41.42 ID:b2z3MdA0<>上条「よし、あそこのシーフードレストランでどうだ?」

禁書「おぉ!さすがとうま!分かってるかも♪」

上条「だろー?………ん?」

打ち止め(ねぇねぇどういう事?何で10032号が……?)

御坂妹(ミサカにも色々と事情があるのです。お願いですからどうかご内密に……)

打ち止め(よく分かんないけど……分かった。ってミサカはミサカは聞き分けの良さをアピールしてみる)

御坂妹(さすが上位個体!とミサカはグッと親指を突き立てます)


上条「おーい、二人とも何してんだ?早く来ないと置いてくぞー?」

御坂妹「い、今行くから待ちなさいよ!」(うぅ……やり辛ぇ)

打ち止め「あっ!待ってー!」(…ん?って事は、本物のお姉様はまさか……ってミサカはミサカは青ざめた顔で
不吉な展開を推測してみたり…)



打ち止め以外には何とかバレずに溶け込めたようだ。しかし――



御坂妹(問題はお姉様……とてもすごく心配です…とミサカは不安を隠せません)



寂し気な表情のまま御坂妹は、一方通行と美琴がいるであろう方向に振り向いた……が、何やら決意に満ちたような
顔つきになり、すぐ前を向いて上条達の後ろについていく……。



御坂妹(もしもあの人に変な真似をしたら……その時は……いくらお姉様でも……とミサカは闘いの覚悟を決めます)



――複雑な姉妹喧嘩の幕が下ろされそうになっている事に、ひと足先を歩く鈍感少年はまだ気づかない。
もっとも、今回は彼が当事者ではないのだが……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:33:31.62 ID:b2z3MdA0<>―――――その頃…


―――御坂妹(美琴)の方も無事(?)一方通行と合流した。
妹の密かな闘争心などは眼中に入っていないのか、それとも気づいていないのかは定かではない。
そんな事よりも、ボロを出さないように必死で妹の口調を真似る姉の姿は見ていて微笑ましいものだった…。




一方通行「――オイ、オマエ腹減ってねェか?」

御坂妹(美琴)「そ、そう言えば少し空きましたね…とミサカはお腹を摩ります」

一方通行「ここら辺にレストランみてェなモンがあったろォ?そこで休憩兼ねてメシにすンぞ」

美琴「は……はい。とミサカは賛同します」



一応違和感なく出来るまでになってきた事に、内心でガッツポーズをとる美琴……。



美琴(よしっ!大丈夫!バレてないバレてない…)


一方通行「……何してンだ?オマエ」

美琴「ななな、何でもありません!とミサカは首を横に振りますっ!」

一方通行「?………なら早く行くぞ。腹減ったンだよ俺はァ」

美琴「あっ、待ってくださいー!っとミサカは慌てて後を追います!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:37:59.96 ID:b2z3MdA0<>一方通行(……何考えてンだコイツ?)

美琴「………」ニコッ



怪訝な表情で自分を見てくる事に同情し、思わず笑って誤魔化そうとしてしまう美琴。
さらに誤魔化そうとしているのか腕に抱きついてくるが、敢えてスルーする。
シーフードレストランへと入店する二人……。
当然、この店には――




禁書「とうまとうま!鉄火丼おいしいよ♪」

上条「インデックス、お前限定で『腹二分目』という言葉を今作ったぞ」

御坂妹「何それ?語呂悪いわねー…」

打ち止め「シスターちゃん。海老食べる?」

禁書「くれるの!?ありがと、らすとおーだーッ!」

上条「インデックスならここの魚全部平らげそうで怖いな……」

御坂妹「言えてる……」

禁書「むっ!失礼なんだよ!そこまで食べないもん!」プンスカ



―――――



一方通行「何だ?奥が騒がしいな…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:40:14.06 ID:b2z3MdA0<>美琴「や、やっぱり別の店にしませんか?とミサカは提案します」(まさかアイツ等……ヤ、ヤバイ!)

一方通行「あァ?何でだよ?」

美琴「イ…イヤ。何か落ち着かないというか……」

一方通行「ンなの何処行ってもおンなじだろォが。別ン所まで歩く気になンねェし、もォここで良いだろ?」

美琴「は……はい……ならこちらへ!とミサカはあなたの腕を引っ張ります!」(あぁーもう!!)

一方通行「――は?オ、オイ!?何しやがンだコラァァ!?」




―――大分離れた席




美琴(よし……ここなら…)


一方通行「何なンですか一体ィ……?」




ホッと胸を撫で下ろす美琴……しかし一方通行の言葉を聞いた途端、再び彼女の心拍数は上がる。




一方通行「ンで、これは一体何の真似ですかァ?超電磁砲(レールガン)」


美琴「―――んなッッッ!!!??」




一方通行(……オイオイ、まさかホントにバレてねェつもりだったのかよ……)




一方通行は驚愕する美琴を呆れた目で見つめた……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:43:35.15 ID:b2z3MdA0<>垣根&初春……+佐天―――





――――目的の駅に到着した電車からは二人……少し離れてもう一人の若い男女が降りた所だった。
人混みに流れるように歩く三人は、駅を出てさらなる目的地マリンランドを目指して歩いていた。




佐天(着いたか……人多いけど見失わない様にしなきゃ!)




構図的には初々しいカップル(男はマスクにニット帽だが…)、そしてもう一人はそれに負けないほどに
怪しい姿(伊達メガネにニット帽)と歩き方で二人を追跡していた。見失わない様、多少距離を縮めているが、
流石に二人の会話が聞こえる位にまで接近する勇気はなかった――。


――そんな親友の影ならぬ苦労など知る術もなく、初春は垣根との会話に熱中していた。




垣根「水族館か……考えてみたらあんま行ったことねえな」

初春「そうなんですか?楽しいですよー!あそこのイルカショーは好評ですから♪あとシャチやジンベエ
ザメもいるんですよ!私シャチ大好きなんですよねぇ……カッキーさんは好きな海洋生物いますか?」

垣根「……クリオネかな」

初春「へ?」

垣根「クリオネ…いんのかな…?」

初春「いやぁ……どうでしょうね……?けど、いるなら私も見てみたいかなぁ……可愛いですよね♪
けど何でクリオネなんですか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:45:04.76 ID:b2z3MdA0<>垣根「何か共感できるから…だな。ナガスクジラも捨て難いが」

初春「地球上で二番目に大きいクジラですか……それはさすがにいないですよぉ」

垣根「やっぱそぉだよなぁ……けどシャチも好きだぞ」

初春「ホントですかぁ!?どんな所が良いと思います?」

垣根「昔見た自然番組か何かでさぁ…」

初春「うん、うん!」

垣根「アシカみてぇなのが数匹くらい砂浜にいたんだが、シャチがいきなり砂浜までやってきてそいつ等に
グアーッと襲い掛かって行ったんだよ!あれ見てビビッと来たね俺!」

初春「あー!それ分かりますっ!海にそのまま引きずり込んだヤツですよね?」

垣根「そうそう、ビックリだよな?あんなデケェのが砂浜までやってくるなんて普通思わねえもん」

初春「初めて見た時は衝撃受けましたよ〜」

垣根「俺もだよ。あれこそ『海の殺し屋』にふさわしいよなぁ……飼いならすのって難しいんだろぉな」

初春「イルカさんも野生のは人を噛むみたいですよ?」

垣根「マジで!?それビックリだわ!イルカは完全に人間の仲間ってイメージなのによぉ…」

初春「頭が良いから、すぐ無害な人間は分かるみたいなんですけどね」

垣根「……なぁ、俺思うんだけどさぁ。イルカなら能力使えたりできんじゃね?」

初春「さぁ、どうなんでしょうね」




――話題が尽きる事もないまま、二人は水族館に到着した。
そこまでついてきて、佐天は今頃あることに気づく。




佐天(はっ!…よく考えたら……一人で入るのって何か恥ずかしいかも……)




気づいた所で、もうどうしようもなかった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/04(日) 19:48:34.34 ID:b2z3MdA0<>とりあえずここまでです。
明日は投下できるか分かりませんが、来れたら来ます。
今さらながら一方×美琴が自分の中でかなり熱いっす……。
では。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/04(日) 19:49:06.07 ID:wztxQo2o<>美琴っていつから一方のこと気にし始めたんだっけ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 19:50:46.19 ID:wztxQo2o<>何でsage入ってないんだ死にたい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 20:08:19.70 ID:5S2cTEDO<>なんか美琴が節操無しみたい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:10:59.20 ID:t49silIo<>病院での一件からだな

>>24
そりゃあそこまで脈無しなら冷めてもくるんじゃね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:14:59.95 ID:5S2cTEDO<>だからってすぐ乗り換えってのもな
つか美琴が一方さんにってなったらみんな不幸になるなw
得するの禁書さんだけだw<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:15:21.90 ID:MaI/Fhco<>>>1
ひゃっほう!!
荒らしに負けずに頑張ってくれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:17:21.43 ID:HyLdYgAO<>一方×御坂妹だろうと一方×美琴だろうと俺の大好物だ
>>1応援してる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:17:33.69 ID:t49silIo<>まぁまだあくまで「気になる」の段階だし、そう目くじら立てなくてもいいんじゃね?

でも勘違いしたまま美琴に振られたら上条さん女性不信になりそうだww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:20:06.77 ID:wvM3f7oo<>最近電磁通行流行ってるよね
美琴信者としては美琴×一方さんって絶対ありえないんだけどな
まぁ二次創作だからこそか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:26:26.37 ID:FEm03eY0<>なんか尻軽にみえてなぁ・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:33:55.07 ID:J0Jx80A0<>俺は上琴が大好物なんだが、なんだ、ほら、きっと一方通行が・・・。
要するに、期待っつーことで。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:34:06.43 ID:wvM3f7oo<>ここから御坂姉妹のドロドロな愛憎劇になっていくならそれはそれd<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:50:01.58 ID:LCWVlJAo<>いやここは妹のために一通さんのリサーチをする良き姉美琴ということで<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 22:06:39.16 ID:1nyF2soP<>上条さんや一方さんがアイテムとくっつくSSもあるし
>>1が盛り上がってるならそれはそれでいいんじゃないだろうか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 22:51:46.74 ID:vCdluwAO<>結局、>>1の書きたいように書くべきって訳よ
俺は面白いから応援している<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 01:05:01.81 ID:qa7pmuw0<>個人的には上琴なんだが…
今後の展開は>>1のみぞ知る、だなぁ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 01:20:18.23 ID:xINPrg.o<>てかこのスレは上条さんと一方さんの男と男の血湧き肉躍る友情物語(ウホッもあるよ)じゃないの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 01:28:32.91 ID:riiADGwo<>だな、だから一方さんは友達の上条さんのために上琴でくっつけようと奔走するわけだ
だが肝心の美琴は一方さんに心が傾き始め、一方さんも美琴に惹かれつつも上条さんに遠慮してくっつこうとはしない
その様子を悟った上条さんはおとなしく身を引いて一方さんを後押しするわけだな

・・・あれ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 01:53:21.31 ID:xINPrg.o<>つかこの流れで美琴が一方さんになびくのってただの尻軽にしかみえんわな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 02:01:04.49 ID:wZbc2IAO<>自由に書かせてやれよ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 02:24:52.09 ID:xvjDPR.o<>ntr?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 03:21:51.19 ID:riiADGw0<>電磁殺しも電磁殺しでインさんからしたらNTR以外の何ものでもないんだよ

>>1は周りに流されずに好きなように書くべきかも<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 09:11:49.85 ID:CzZgZWE0<>美琴が尻軽っぽく見えるとか自由に書かせてやれとかお前ら心配しすぎ。
>>1ならきっと綺麗にまとめてくれるはず。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 09:55:17.47 ID:8eDUTq6o<>一人水族館の羞恥を乗り越えた佐天さんがどう場をかき回してくれるかが楽しみだぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 13:28:00.82 ID:SyiexPw0<>この程度で尻軽とか・・・
お前ら女への幻想抱きすぎだろ
だから童貞なんだよ
そげぶされてこい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 14:15:59.72 ID:YfXzrwDO<>御坂美琴ってのはちゃんと設定のある物語のキャラだし、その設定の性格からしてこの行動はって意味で言ってるんであって。
童貞かどうかは別として、現実の女性と同列にみちゃダメだと思います<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 15:15:45.91 ID:tCFJr6A0<>ここは幻想に生きる者の楽園だ。






生半可な覚悟で入ることは許さんぞ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 16:06:06.17 ID:DdshXfUo<>生半可なナイトには真似できないホーリー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 16:12:32.74 ID:xINPrg.o<>>>49
ジュースをおごってやろう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 18:30:46.19 ID:UsSp4/Mo<>>>50
9本でいい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 18:58:09.23 ID:jWGbjtso<>あげとく<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 20:04:47.24 ID:pBCS4c.0<>どうしてこうなった・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 20:29:27.66 ID:jWGbjts0<>期待や<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/05(月) 21:24:29.34 ID:C0xAhNA0<>どうも、>>1です。
今のところだいぶ軽い女風になっちゃってますが、上条さんに振り向いてもらえず
なかなか発展しないので、今ちょっと情緒不安定な感じっすかね…。いくら強くてもまだ
中学生ですから、若気の至りって事で許してやってくれたら幸いです。
この後、納得できる展開になるかは分かりませんが、出来るだけ上手くまとまる様
努力はしたいと思います。
>>22の質問は>>25の通りです。補足すると、3スレ目の>>828からですね。
まぁまだ気になってる段階ですよ。今はね…(ニヤ)
あと今日はちょっと投下できません……その報告に来ました。
明日は必ず投下しに来ます。待ってくれていた方、申し訳ございません!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:22:54.77 ID:/h893lY0<>期待で胸熱すぎるわ。
待ってます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:48:18.71 ID:xvjDPR.o<>なんか少女マンガのヒロイン風って感じか?

もしくは

サラマンダーより、ずっとはやい!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 23:36:46.05 ID:xINPrg.o<>誰ルートでも構わないがどっちつかずでフラフラするような感じにするのはやめてほしいにゃー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:04:19.52 ID:KCsAsZoP<>ゴールが遠いだけで一本道なのがラノベで
三角関係、四角関係と複雑化して迷い道くねくねなのは少女漫画っぽい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:07:13.65 ID:vtRPqtYo<>まぁ二次創作だからなー
デート中に入れ替わるとか、ばれた場合に美琴を意識し始めた上条さんと一方通行さんの仲がギクシャクするような
ビッチっぽい美琴があってもいいんじゃね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 00:29:42.77 ID:YHvIFuM0<>あげといた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:33:55.67 ID:X.YcQmQ0<>キャラがモロ少女マンガ風味だな
>>1はもしや女?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 00:40:45.21 ID:aNNlcNk0<>どっちでもいいじゃない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 01:00:04.60 ID:V/DgseEo<>遊園地での上条さんの勘違いって伏線だったんだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/06(火) 01:03:23.41 ID:YHvIFuM0<>あげ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 01:04:30.96 ID:TvHbEp2o<>最終的に落ち着くところに落ち着いてくれるならいいスパイスにはなるが、あっちこっち行き来は……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 01:09:58.14 ID:sJEbbTwo<>美琴信者っていい意味でも悪い意味でも純粋だから例え二次創作でも
言動にビクビクしたりキュンキュンしたりしちゃうんだよ

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 01:43:04.85 ID:XKvYYIAO<>結局、>>1の自由に書くべきって訳よ
楽しみにしてるよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 07:44:48.70 ID:vtRPqtYo<>友達同士の男の間を行ったりきたりして、男の友情をぶち壊しても、
自分の都合の良い恋を叶えるヒロインがあっても良いと思います。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 10:45:13.66 ID:OlZORkAO<>なんかリアルだな、それ

最終的に全く関係ない奴とくっついたらもっとリアルだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 11:47:29.05 ID:BV.On9E0<>>>70
おいやめろよ
おれの傷をえぐるなよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 21:40:38.34 ID:HOo4kHQ0<>>>71
お前なにがあったし
そろそろくるか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 22:02:51.50 ID:RvcT41E0<>こんばんは!お待たせしてすいませんでした。
今から続き投下していきます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 22:05:15.85 ID:RvcT41E0<>一方通行&御坂妹(美琴)―――



――トイレで偶然遭遇した御坂妹と面白半分(?)で入れ替わった美琴だが……一方通行にあっさりと
見抜かれてしまった。
「とりあえずメシだ」と一方通行が告げてから会話もなく、若干の気まずさを漂わせながら昼食を済ませた二人。


※ちなみに、同じレストランにいた上条組は二人に気づく事なくすでに店を出た。


――食後のコーヒーで喉を潤した一方通行は、美琴に切り出す。



一方通行「……とりあえず訊くが、オマエはこンなトコで何してる訳?」

美琴「……えーっと………あはは♪」

一方通行「オイ、笑って誤魔化すな。正直に言え」

美琴「………」




もはや誤魔化しの通じる空気ではなかった……。観念した美琴は白状する。




美琴「アイツと……一緒に来てたのよ……」

一方通行「!……オイ……つまり三下もここに来てンのか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 22:10:12.14 ID:RvcT41E0<>

美琴「……うん」

一方通行(…っつー事は、クソガキもここに来てるって訳か……マジかよクソォ…)




刑事さながらに頭を抱える一方通行……それに対し、美琴はどこか低姿勢で前かがみ気味になる。
そんな取り調べ室のような空気に居心地の悪さを覚えるが、一方通行の尋問は続く。




一方通行「ンで、本物の妹は……まさか三下と一緒か…?」

美琴「………うん」




まるでサスペンスドラマに出てくる犯人が最後に逮捕された時のような表情で肯定する美琴。
一方通行は目をさらに鋭くして尋ねる。




一方通行「何でこンな真似をした?」

美琴「言わなきゃ……ダメ?」

一方通行「はァ?ダメに決まってンだろォ」




正直なところ、美琴は遊び半分とは言え普段こういったイタズラはあまりしない。
美琴自身、何故入れ替わりを御坂妹に提案したのか……よく考えれば謎だった。
確か、その時は『面白そう』だからといった気持ちが強かったのだが、今は何故かそれだけではない気がする……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 22:19:32.62 ID:RvcT41E0<>美琴「ゴメン………ちょっとからかってみようって思って……」

一方通行「あン?要はただのイタズラって訳かァ?」

美琴「そ、そんなつもりじゃ……とにかくゴメン」




しょぼん…と俯いたまま謝罪する美琴を見ている内に、一方通行も居心地の悪そうな顔になって横を向いた。
ここまで素直な美琴は一方通行にとって珍しいので、調子が狂う。しかし、結果的に言えばデートの邪魔をした美琴が悪いのも
また事実だった。




美琴「………ちょっと待ってて。すぐ、アイツ(妹)とチェンジしてくるから―――」




そう言って席を立とうとする美琴を一方通行が呼び止めた。




一方通行「――まァ待てよ。誰も『今すぐ戻れ』なンつってねェだろォが」

美琴「――?」




美琴は立ち上がらずに一方通行の顔を見つめる……。意外な声を聞いた…とばかりに首を傾げている。
そんな彼女に一方通行は、少し穏やかな表情になって口を開いた。




一方通行「……オマエ、三下と上手くいってねェのか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 22:31:32.65 ID:RvcT41E0<>美琴「えぇ!?ちょっとい、いきなり何訊いてんのよ!?別に私はアイツとまだ付き合ってる訳じゃ――」

一方通行「俺が訊いてンのは、『あれから全く進展がねェのか』って事だ。…ンで、どォなンだよ?」

美琴「どうって………」



それから少し考え込む美琴。一方通行も再び彼女の口が開くのを待つ。
だが……次第に美琴の表情はどんどんと曇っていった……。そして、彼女は表情から読み取れる分かりやすい結論を口に出す…。




美琴「………何も…ない……かも…」ズーン…



どうやら思い返して落ち込んでしまったようだ。その彼女の様子に一方通行は「はァ…」と溜息を吐く。



一方通行(やっぱりなァ………コイツは普段ならこンなくだらねェ真似するよォなヤツじゃねェ。つまり、自分で気づかない内に
相当参ってンのか………仕方ねェ。ここはとりあえずコイツの愚痴でも聞いて―――――?)




そこまで考えてふと美琴を見ると……何やら様子がおかしい事に気づく。
心なしか、彼女の周りに黒いオーラのようなものが見えている……気がした。




美琴「アイツ……やっぱり私なんかには興味ないのかな…」



フッ…と、何かを諦めたように吐く美琴。その目はどこか虚ろだった。



一方通行「オイ、何弱気になってンだよ?……らしくねェぞ?」

美琴「ううん…………何となくだけど……分かるんだ。アイツの目には、今……私なんか映ってないんだって…」




それをきっかけに、まるで何かの栓が抜けてしまったかのように負のオーラを纏い始めた。
彼は今までこんな後ろ向きな彼女を見た事がない。一方通行は嫌な予感に内心で冷や汗をかき始めた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 22:32:26.42 ID:WIFdOEc0<>おお、来てる。すげー気になるとこで終わってたから、楽しみだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 22:39:50.30 ID:RvcT41E0<>美琴「そりゃそうよ……もう出会って半年以上も経ってんのに……私のこと未だに名字で呼ぶし……私もアイツの名前
呼べないし……用がない時しか連絡くれないし……コッチから勇気出してメールしても無視するか適当だし………私に
何も言わないで危険に首突っ込むし…………結局、何も…相談してくれないし…」

一方通行「オ…オイ」



雲行きがどんどん怪しくなってくる……が、美琴は今までよっぽど我慢していたのか、更にぼやき続ける。




美琴「そりゃあね……私みたいな敬語もまともに使えないガキなんかに……魅力なんて感じないかもしれないけどさ……
一緒にいたって……楽しくなんかないかも……しれないけどさ……」

一方通行「……な、なァ……オマエ」

美琴「…けど……それでも………アイツと…一緒にいると嬉しくて……ヒクッ……うれ……しく…て…」ポロポロ


一方通行「――!?」


美琴「どうし……てよぉ……どうして……アイツは…気づいてくれない……のよぉ……うぅ…グスッ……うううう」ポロポロ


一方通行(な、何ィィィィいいい!!?)




――美琴の中で、今まで押さえていた気持ちが……ついに崩壊した。
目から大量の涙が零れ、両手で顔を押さえるが……嗚咽交じりの泣き声は全く押さえられていない。
周りの席からの痛い視線が一方通行に突き刺さる。


ナンダヨ? ケンカカ?
オイオイ、アンナカワイイコナカセテルヨ…
シュラバカヨー?


一方通行(う、嘘だろォ!?俺なンか悪い事訊いちまったのかァ……?オイオイ待てよ……っつーか………どォ…
どォすりゃ良いンだ!?こンな展開望ンでねェぞ俺はァ!)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 22:47:25.80 ID:RvcT41E0<>目の前で号泣する女子中学生。周囲からの厳しい視線……。どうやら彼は完全に地雷を踏んでしまったらしい……。
軽く相談に乗ってやるつもりだったのだが……一体どうしてこうなったのか?と、一方通行は思うが……ひとまずは、
この今までで全く味わった事のないシチュエーションに自分はどうしてやるのが一番良いのかを真剣に考える事にした。
そして、しばらく思考した後――――




一方通行「………………」スクッ カチッ




―――突然立ち上がり、首元のスイッチを能力使用モードにする。直後に伸縮自在の杖も縮める。
それから……一方通行はテーブルの上に食事代を置くと、号泣中の美琴の腕を掴んで立ち上がらせた。




美琴「――ヒック……な…なにすんのよぉ…?」


一方通行「……イイから、ついてこい」




涙声で抗議する美琴の声を無視し、一方通行は美琴の腕を掴んで歩き出す。抵抗する気力は今の彼女に無かった…。
そのまま店を出た二人は、人から見えなくて暗い場所までやってきた。もっとも、少し歩けばすぐに館内のルート、
つまり通路に出るのだが、一方通行はわざと美琴の姿が他の通行人から見えないように立った。美琴の体が一方通行
と壁に挟まれる。暗いせいで泣き顔はうっすらとしか見えない。




一方通行(ここなら良いだろ……)


美琴「――ヒクッ……グス……もぉ……なんなのぉ……」




美琴は依然泣き止まない。一方通行はそんな彼女の体を―――



美琴「―――ッッ!!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 22:55:18.91 ID:RvcT41E0<>――包み込むように…優しく抱きしめた。




一方通行「………泣けよ」


美琴「///………えっ?」




突然の抱擁に涙で濡れる目をパチクリさせる美琴。


驚いて一方通行を見上げようとするが……がっちりと、力強く……それでいて優しく抱きしめている彼の細腕のおかげで
それ以上頭を動かせなかった。




一方通行「今なら誰もオマエを見てねェし、俺が誰にも見せねェ。だから思う存分泣けよ」


美琴「…ア……クセラ………レータ?……///」




見下ろさずに、正面を見ながら美琴の頭を優しく撫でる一方通行。その表情は美琴からは見えない……。




美琴「あ………」


一方通行「安心しろ。俺も見ねェ………見ねェけど、そばにいてやるよ」


美琴「…………」


一方通行「今はこれ以上何も訊かねェし、オマエが泣き止むまでずっといてやっから……もォ何も心配すンな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 22:57:47.18 ID:WIFdOEc0<>イケメンすぎる。こんなことされたら…///<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 23:01:46.69 ID:RvcT41E0<>美琴「―――――ッッ」ポロポロ




肩を震わせて、再び溢れ出した涙を隠すように、美琴は一方通行の胸に顔を埋めた―――――。

一方通行は……それ以上何も言わず、抱きしめた腕にぎゅっと力を込めた―――――。




―――――――




―――それから十分後




一方通行「――オイ……そろそろイイだろォ?もォ離すぞ?」

美琴「……ん……もぉちょっと…」

一方通行「オマエもォ泣き止ンでるだろォが」

美琴「……ひどい顔してるから………ヤだ」

一方通行「ヤだ、じゃねェ!おら、イイ加減離れろっての!」

美琴「ば、馬鹿何すんのよ!?顔見えちゃうじゃないの!」

一方通行「暗くてろくに見えやしねェよ。っつか、トイレ行きゃ良いだろ?」

美琴「無理。遠い。そこまで行けない。ってか、それじゃ見えるでしょ?アンタ馬鹿?」

一方通行「もォ知るか!俺は先行くから、後は勝手にしろよ」

美琴「ち、ちょっと!アンタ、私をこんな所に一人で置いてく気!?一体どぉいう神経してんのよ!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 23:09:34.34 ID:RvcT41E0<>一方通行「………オマエなァ……」




「はァ…」と本日何度目かの溜息を吐きながらも、美琴の頭をなんだかんだ言って離さない一方通行……。




一方通行(三下の役回りは……俺にはちっと…イヤかなり荷が重いぜ。ったくよォ……大体なンだってこの俺がこンな
照れ臭ェことしなきゃなンねェンだ?どこぞのスカシ野郎じゃあるまいし………あァ、全部三下のせいだ。とりあえず
会ったら一発殴っとくか……)





――そんな事を考えていると、美琴が突然訊いてきた。




美琴「――ねぇ、アンタ……何で私が妹の方じゃないって分かったの?」




――ちゃんとこれも借りてきたのに……と美琴は額のゴーグルをアピールする。
が、すぐに答えは返ってきた。




一方通行「馬鹿が。俺を誰だと思ってンだ?どっかの鈍感野郎と一緒にすンな。オマエと妹じゃ、
そもそも質が全く違うだろォが」

美琴「何よ……それ…」ムッ

一方通行「オマエらの見分け方なンざ腐るほどあるっつー訳だ。『最強』を嘗めンなっつの…」

美琴「アイツも……そんぐらい鋭かったら良いのに……」

一方通行「ハッ、ソイツは生まれ変わっても無理だろォな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:11:02.98 ID:BV.On9E0<>美琴しゃんかわいい
一通さんかっこいい

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 23:16:59.10 ID:RvcT41E0<>美琴「…………だよね」ギュッ

一方通行「オイ、なァに力込めてンだァ?っつーかマジでそろそろ離れてくれませンかァ?」

美琴「それにしてもアンタ細っそいわねー。せめてもうちょっと胸板が欲しいわ。ちょっとは鍛えたら?」

一方通行「つか聞けよ。あと余計なお世話だ。そしてホント離れろコラ。オマエもォすっかり元気じゃねェかよ!」グイグイ

美琴「や…ちょっと押さないでよ!」

一方通行「なら今すぐ離れろ」

美琴「……フン…///」ギュッ

一方通行「……あァ……もォ好きにしろォ」

美琴「言われなくても好きにするわよ馬鹿」

一方通行「ずいぶン口の悪いお嬢様だなァ…」

美琴「うっさい」

一方通行「……チッ、……もォ少しだけだかンな」

美琴「………ホント……アンタがアイツだったら良かったのに…」ボソッ

一方通行「あァ?何か言ったか?」

美琴「な……何でもないわよ!/////」

一方通行「………?」

美琴「い、良いからホラ!もっとぎゅーってしなさい!/////」

一方通行「してるっつの……ったく」ギュッ




――結局、それからさらに数分ほど二人は抱き合ったままだった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 23:21:10.61 ID:RvcT41E0<>上条&美琴(御坂妹)&禁書目録&打ち止め―――




御坂妹(ムッ、何やら嫌な予感が……とミサカは身震いします)

上条「――ん?御坂、どうかしたのか?」

御坂妹「え?あ、あぁ…何でもないわ。それより次は何がいるかしらね〜♪」

上条(……何か挙動不審だな御坂のヤツ……さっきの店で変な魚にでも当たったのか…?)





――レストランを出て先を進む四人。上条は自然と美琴(御坂妹)を見るのだが、その違いに若干の
違和感を覚えていた。と言っても、「急に物腰が柔らかくなったな…」程度の違和感である。
まさか中身そのものが別人である事にはまだ気が付いていないようだった。





禁書「――あ!見て見て!外だよ!」

打ち止め「ホントだー!ってミサカはミサカは前からの光に目を細めてみる!」

禁書「暗い所より、やっぱりお日様の下が良いかも♪」

打ち止め「そうだね♪ってミサカはミサカは同意してみたり」




上条と美琴(御坂妹)は元気に先へ進む幼女二人の後ろをゆっくり歩く。
少し距離はあるが、禁書目録と打ち止めの先からは確かに外の光が見えた。
ここから屋外へ一旦出る訳だ。いわば館内の中庭である。





上条「お、外に出るのか……何か不幸な予感がしなくもないが……とにかく出ますか」

御坂妹「………」(外に出たらバレないでしょうか…?とミサカは危惧します)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 23:24:43.02 ID:RvcT41E0<>上条「……御坂?」

御坂妹「あ……あぁうん、そうね。やっと外の空気が吸えるわ」

打ち止め「…………」

禁書「とうま。外なんだよ!」

上条「あー、ハイハイ分かってるよ」




―――禁書目録と打ち止めを先頭に、一同屋外へ。


――屋外では、いきなり人気の動物が上条達を出迎えた。




禁書「あぁー!ペンギンさんがいるよ!」

打ち止め「うわー!可っ愛いぃー♪ってミサカはミサカは駆け寄ってみたり」




先頭を行く二人の少女は無邪気である。
前方に見えるペンギン広場に元気良く走っていく姿は見ているだけで和む。
上条はその様子に温かい笑みを浮かべていた。




上条「ったくアイツら……転んでも知らねえぞ。……御坂、俺らも行こうぜ!」

御坂妹「う、うん!」(信じてますよ、お姉様…)




――上条達は、しばらくペンギン広場で心を癒していた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 23:28:57.31 ID:RvcT41E0<>垣根&初春…+佐天――




――初春と垣根はすっかり打ち解けたようである。水族館に入った後も二人に沈黙は殆どなかった。
垣根も自分を偽るのを忘れて素になってしまう程に楽しい時間が続いた。実際、この初春という少女は自分が
思っていたより話しやすいし、一緒にいて落ち着く。普段は気弱だが強い心を持っていることは垣根も知って
いたが、こうして近くで喋っているとまた違った一面も見えてくる。
自分とは違い、本当の意味でこの子が天使に見えるくらいだ……。
過去が無ければ……あんな出会い方じゃなければ………と垣根は後悔していた。
そう、彼は………彼女にまだ『素顔』を曝していない。いや、曝せない――――。




垣根「白黒イルカってあんな泳ぐの速ぇんだな」スタスタ…

初春「さっきからカッキーさんの歩くペースも速いですよ!もう少しゆっくり行きません?」

垣根「俺は焦らされんのは嫌いなんだよ。カッキーの『K』は攻撃の『K』だからな」

初春「さっぱり意味分かんないです!」

垣根「……自分でも分かんねえや。――――お?次は熱帯魚か……ニ番目にしては意外とソフトだな」


――さりげなく二番目にこだわるカッキーこと垣根帝督。



初春「うわぁぁ……綺麗ですねぇ〜……」ウットリ

垣根「これほどデカくはねえが、俺の前住んでたトコも魚買ってたぞ」

初春「何て魚ですか?」

垣根「グッピー」

初春「………ぷっ」クスクス

垣根「えっ?俺なんかおかしいこと言った?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:32:31.38 ID:BV.On9E0<>そういやていとくんと初春もいるんだったな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 23:33:37.50 ID:RvcT41E0<>初春「だって……そんな見た目のカッキーさんから……『グッピー』だなんて……ククッ………垣根さん自分の
服装自覚してますか?」

垣根「もちろんだ、自覚はある」

初春(なんか言い慣れてるなー……)



―――約数メートル背後



佐天「あ!ネオンテトラだ!これ欲しいな〜、前から買ってみたかったんだよね〜♪…………ってそうじゃなくて!」



何やら一人漫才を始めているのは、ニット帽に伊達メガネのパッと見地味な少女。その正体は―――



佐天「――ズバリ私、佐天涙子でありますっ♪」キラーン


初春「――え?」クルッ


佐天「――ッッ!!!」サッ



――振り返った初春の目には、見知らぬ他人しか映っていなかった。



垣根「ん?急に振り返ってどぉした?」

初春「いえ……何か聞き覚えのある声が……」

垣根「友達でも来てんのかもよ?」

初春「………?」

垣根「お、デケェ水槽発見!行こうぜかざりん」タタタタ

初春「え?あ、待ってくださいよ〜!」タタタタ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 23:38:54.26 ID:RvcT41E0<>ハヤクコイヨ! サメガイルゼ!

マッテクダサイッテバァ!



佐天(……あっぶねぇぇ〜〜!もう少しで見つかるトコだったじゃん……っていうか私、誰の声に
反応したんだろ……?)



咄嗟に水槽の陰に隠れて難を逃れた佐天はバクバクいってる胸を手で押さえながら安堵の息を吐いた。
ひょい、と顔だけ出して二人の様子を見る。



佐天(初春……本当に楽しそうだな………もしかして、私の思い過ごしだったのかも……あの人、
服装は変だけど、今んトコ初春を騙してるような感じはしないし………)



垣根の表情は分からない……というか見えないが、感じられる雰囲気からか…佐天は自分の起こした
アクションは、ひょっとして無駄だったのではないか?と思い始めた。



佐天(初春があんなに楽しんでるんだもん……きっと悪い人なんかじゃないよ。………あの人のこと…
私も信じよっかな…)



佐天はそのまま…二人に背を向ける。自分がもうここに居る意味はない…と悟ったのだろう。
最後に、もう一度二人の方へ振り向く。



佐天(私もいつか彼氏できたら、あんな風に……なれるといいなぁ…)



遠くから初春の表情を眺めながら佐天は羨ましそうな……そしてどこか寂しそうな顔をした。



佐天(と、言う訳で、私の任務はここまで!あとは……上手くやんなよ!初春)



――心の中で親友を激励した佐天は、ゆっくりとその場を後にした…。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:41:26.17 ID:BV.On9E0<>涙子にはおれがいるよ!
さあおれの胸に飛び込んでくるがいい!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/06(火) 23:47:09.96 ID:RvcT41E0<>とりあえず今日はここで切ります。
佐天さんの出番はここで終わりではありませんのでご安心を!
一通さんがだいぶキザキャラになっちゃってますが、これも三下の影響という事で
勘弁してもらえたらありがたいっす。にしてもまったくこの思春期共がwww
次の投下は多分、明日出来そうです。もし無理でも報告には来ますので。
では。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:48:12.69 ID:HOo4kHQ0<>乙
一方さん超カッケェ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:50:59.56 ID:V/DgseEo<>なるほど、上条さんが美琴を寝取られるんじゃなくて
妹が一方さんを寝取られるってことだったのか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/07(水) 01:29:17.87 ID:4s.2s520<>スクリプト頼んだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 01:46:50.24 ID:sEjfFiA0<>>>97
どーゆーことかな?
詳しくは署の方で聴こうか。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 01:58:57.02 ID:3qYZhA.0<>つまり一方さんが男前すぎるのが悪いって事ですね分かります。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 06:55:26.65 ID:24XhB0Mo<>相変わらずインデックスと打ち止めがかわいくて
仕事に逝くのが辛い<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 09:32:46.70 ID:TvLpqf.0<>>>100
いってらっしゃい
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:17:29.20 ID:sJ3G/iw0<>どうもこんばんは。
来れました!
では今日も投下していきます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:19:26.26 ID:sJ3G/iw0<>一方通行&美琴―――――



―――女子トイレ前




「――クソったれが……上着がビショ濡れじゃねェか」




美琴の涙ですっかり染みついてしまった黒いコートを一方通行は見ながら言う。
彼の服に染みをつけた小悪魔は化粧室からまだ出てこない。
一方通行は壁に寄りかかって待っていた。



―――――



美琴「――ゴメン、待った?」

一方通行「別に。もォ良いのかよ?」

美琴「うん。顔、変じゃないよね?」

一方通行「俺が知るか」

美琴「ムッ、何よアンタ。さっきから何怒ってんの?」

一方通行「別に怒ってねェよ」プイ

美琴「………バッテリー消費したのは悪いと思ってるけど、……アンタがd」

一方通行「うるせェ黙れそれ以上言うな。っつかもォ忘れろ今すぐ忘れろ……」




――心なしか、ソッポを向く一方通行の顔が若干赤く見える。
とある主人公(ヒーロー)よりは鋭い美琴はポンと手を打ってニヤつく。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:21:30.63 ID:sJ3G/iw0<>美琴「ふーん………アンタ、恥ずかしいんでしょ?キャラに合わないことしちゃったもんだから、
照れ臭いんでしょお?」ニヤニヤ

一方通行「……うぜェ」




――だが図星。もし今ひとつだけ願いを叶えられるとしたら、彼は迷うことなく「時間を巻き戻したい」
と願うだろう……。
目の前で…それも他人のいる場所で泣かれるという『イレギュラー』があったとは言え、あの対処は
やはりするべきではなかった。
自分がしたことながら思い出したくもないが……美琴にいつもの笑顔が戻ったのでまぁ良しとしよう…
と、無理矢理思考を止める。




美琴「あー、何か久々に泣いたらすっきりしたわ。みんなには内緒だからね?」

一方通行「そりゃそンだけ出しゃあなァ……オマエも、余計な事言うンじゃねェぞ?特にあのツインテールにはな」

美琴「……言わないわよ。じゃあ二人だけの秘密…ってことで」

一方通行「……まァ良い。ンで、オマエはこれからどォすンだ?」

美琴「一応、また入れ替わる時は妹に連絡して呼ぶことになってるけど……」




「妹と一緒が良いなら戻るけど?」とでも言うように携帯電話を取り出す美琴。しかし、一方通行は―――



一方通行「……行くぞ」

美琴「――え?」




――背を向けて、一緒に来るよう促した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:23:19.51 ID:sJ3G/iw0<>一方通行「折角だから、このままもォ少し付き合ってやンよ。オマエが俺と一緒でイヤじゃなかったらなァ」

美琴「…………ない」

一方通行「あァ?」

美琴「イヤなわけないっつってんのよ馬鹿!何度も言わすな!///」

一方通行「……そォかい。ンじゃあとっとと行くぞ。どォせならとことン楽しまねェと損だろ?」

美琴「う…うん」ニコッ




――ギュッ




一方通行「………オイ」

美琴「何よ?」

一方通行「誰も『腕組ンで歩こう』なンて一言も言ってないンですけどォ……」

美琴「ありがたく思いなさい。この美琴様が、今からアンタとデートしてあげるって言ってんの。デートって言ったら普通、
腕組んで歩くもんでしょ?」

一方通行「ンだそりゃあ……」

美琴「〜〜〜♪」




一気に上機嫌になったお嬢様は、横で呆れ顔をする一方通行にべったり寄り添ったまま歩き出す。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:25:14.49 ID:sJ3G/iw0<>一方通行「歩き辛ェ……」

美琴「ちょっと!しょっぱなから何失礼なこと言ってんのよ!?普通そういうのは口に出さないもんでしょうが!」

一方通行「仕方ねェだろ!右は杖で左はオマエだぞ!?しかもオマエくっつき過ぎなンだよォ!ちったァ周りの目とか
気にしねェのか!?このあばずれ!」

美琴「だ・れ・が・あばずれだぁ〜〜……」バチ バチ

一方通行「うぉ!馬鹿オマ…密着状態で放電すンな!チクチクすンだろォが!!」

美琴「………ふんっ」




プイッと横を向くが、体がしっかり密着したままなのはご愛嬌。勿論、腕が離れることもなかった。




一方通行(…………なァンでこンなことになってるンですかァ?誰か教えてくれェ…)




一方通行は非常に困っていた。が、無理矢理振りほどく事もできるはずがないので、結局このままにしておくしか無かった……。





上条&美琴(御坂妹)&禁書目録&打ち止め―――



「――ペンギンさんと別れるのは辛いかも…」




――そう呟いたのは禁書目録。上条達は水中を泳ぎまわったり、氷の滑り台を仲良く順番に滑ったり、ヨチヨチと歩いたり
するペンギン達にすっかり癒されていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:26:47.83 ID:sJ3G/iw0<>上条「まぁ、確かに可愛かったよなぁ……」

御坂妹「ぬいぐるみみたいだったわねぇ…」

打ち止め「また会いたい!ってミサカはミサカは再会を志願してみる」

上条「帰りにまた通るから、その時な」

打ち止め「うん!」

御坂妹「さて……この先は何があんのかしら?」

禁書「あっちに大きなカメさんがいるよ♪」

上条「そっちにはホッキョクグマだ……デケェ、ホントにクマかよ…」




上条&打ち止めがゾウガメ、美琴(御坂妹)と禁書目録がホッキョクグマへと分かれる。




打ち止め「ねぇ、あのカメさんに乗れるかなぁ?ってミサカはアナタの手を引いてみたり」

上条「え?……うわ!デカッッ!!これカメなのか!?確かに甲羅被ってるけど……まるでガメラだ」

打ち止め「あ!一匹コッチに来た♪ってミサカはミサカは手を伸ばしてみたり」




御坂妹(ホッキョクグマ……この子の名前は……『ウシ』…クマなのに、『ウシ』……へへ)ニヤニヤ

禁書(……何か短髪が気持ち悪いんだよ)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:33:08.60 ID:sJ3G/iw0<>美こ……いや、御坂妹が怪しい笑いを浮かべている後ろでは―――




上条「お、おい打ち止め!危ないからダメだって…」

打ち止め「大丈夫だよ。そこに『是非おさわり下さい』って書いてあるもん。ってミサカはミサカは看板を指してみたり」

上条「あ…本当だ」

カメさん「…………」ノソノソ

打ち止め「………うわ、かたーい…ってミサカはミサカは立派な甲羅を撫でてみる…」サワサワ

上条「………おぉー、これ何で出来てんだろ?殴っても壊れなさそうだ…」サワサワ

カメさん「…………」クルリ

打ち止め「あ、コッチに首向けた」

上条「え?」

カメさん「」カプッ

打ち止め「あ」

上条「」




不幸少年上条は、『学園都市が生んだ混合生物・ゾウワニガメ!危険ですので手を伸ばして触れるのはおやめ下さい!』
と「正しい字」で書かれた真横の看板に最後まで気づく事はなかった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:36:33.57 ID:sJ3G/iw0<>禁書「短髪ぅ……なにがおかしいのかな?不気味なんだよ?」

御坂妹「いえ、あの真っ白なシロクマさんの姿をあの人に重ねたら、脳内でとんでもない駄作になりました。とミサカは表情を緩めて答えます」

禁書「その言葉使い……もしかしてクールビューティー!?」

御坂妹「――し、しまった!とミサカは口に手を押さえます…」

禁書「なんで?どういうことなの?短髪は?」

御坂妹「………いえ、実は―――」



〜〜説明中〜〜



御坂妹「――と言う訳です。とミサカは全ての自供を終了します」

禁書「あくせられーたもここに来てるなんてすごい偶然だね…」

御坂妹「ミサカも化粧室でお姉様と鉢合わせた際はさすがに驚きました。それにしても、イタズラ好きな姉で困ったものです」

禁書「とにかく、とうまには内緒ってことでいいんだよね?」

御坂妹「はい。上位個体はもう知ってますし……ミサカの予想では、お姉様の方ははすでにバレているでしょう。とミサカは
推測します」

禁書「あくせられーたはとうまと違って鋭いもん。多分私もバレてると思う」

御坂妹「……………」

禁書「あれ?ってことは、二人が入れ替わってること知らないのってとうまだけじゃないかな?」

御坂妹「そうなりますね。とミサカは肯定します」



ギャァァァアアアアア!!! フコウダァァァァァ!!! イテテテテテテ!!!

ダ、ダイジョウブ!? ッテ、ミサカハミサカハサリゲナクソノバカラヒナンシテミタリ



禁書「とうまはたぶん気づかないと思うよ……」

御坂妹「同感です。とミサカは叫び声を敢えてスルーします。何があったのか大体想像つきますし」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:42:01.23 ID:sJ3G/iw0<>禁書「少しはハンセイした方がいいかも。とうまは無神経なんだから」



テ、テガァァァァァ!!! イデデデデ!! コ、コイツハナサネエ!! ナンテチカラダ!!

ヒッパルヨリ オシタホウガイイカモ ッテミサカハミサカハアドバイスシテミル



御坂妹「…………どうします?とミサカは同居人に処置を問います」

禁書「…………うーん、しょうがないから助けてあげよっか」




――結局、三人がかりで引っ張ってようやく上条の手はカメの口から離れた。
神(カミ)の力をはね返す『幻想殺し』もカメの前では無力だったようだ……。




垣根&初春――――(佐天離脱)




―――巨大水槽『海景色』前




「――この神秘な空間の前に常識は通用しねぇ……」




――思わず、目の前の光景にそう口走った垣根に初春は吹き出す。




初春「ぷっ……何ですかぁ?その感想……っ」

垣根「いやぁ、こりゃ目の保養になるわ。さすがに言葉がねえよ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:44:58.09 ID:sJ3G/iw0<>初春「ホントですよね〜。綺麗………あ!サメが来ましたよ!」

サメ「………」スィーー…

垣根「眼光ハンパねぇな……」

初春「ちょっと怖いですね」

垣根「お、ダイバーがエサ上げてるぞ!」

初春「うわ〜……すぐ横にサメいますよ。怖くないんですかねぇ…」

垣根「そりゃ慣れてんだろ。……けど良いな………俺もやりてぇ」

初春「私はイヤですけど…」

垣根「―――あ、すんません」

係員「はい、どうされましたか?」

初春「?」




たまたま近くにいた係員に声をかける垣根に、初春は嫌な予感を感じる。




垣根「俺もあんな感じでサメにエサやりたいんすけど」

初春「――はぁ!?ち…ちょ、カ、カッキーさぁぁん!?」

係員「お客様……申し訳ございませんがそれは…」




係員の至極当然な反応。しかし、そこで引き下がる垣根帝督ではない。
驚いた顔の初春を尻目に垣根は係員に何やら耳打ちをした。そして―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:49:46.31 ID:sJ3G/iw0<>垣根「っつー事で、よろしく♪」

係員「……かしこまりました。では、こちらへどうぞ」

初春「――えぇぇぇぇ!!?」



――訳が分からない内に勝手に話が進み、ついていけない初春の手を引いて垣根は係員の後についていく。
そして、係員を含む三人は『関係者以外立ち入り禁止』と書かれた扉へ入っていった……。




初春「カッキーさん……どういう事ですか……?」

垣根「ここの経営者は俺の親戚なんだよ」(って事にしておこう)

初春「そ、そうだったんですかぁ!?……で、でもぉ……大丈夫なんですか?それにこういうのって……」

垣根「細けぇこたぁいいんだよ。それより折角の貴重な体験だぜ?どぉせならサメにチューでもしてみなよ」

初春「え……それってまさか……」

垣根「ん?」

初春「――私もやるんですかぁぁああ!!?」

垣根「当然♪」




――しれっと答える垣根帝督。忘れてはならないが、この男に常識は通用しない。
全く予想外の展開に、初春は口をただパクパクさせるしかなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 20:56:15.99 ID:sJ3G/iw0<>佐天―――



(はぁ〜あ……けど、お金払ってここまで来たんだし……それじゃあ何か勿体無いよなぁ…)




――親友がサメ入りの水槽送りにされそうになっている事など知る由もない佐天涙子はひとり入り口付近で立ち
つくしていた。もう追跡の必要はないと勝手の判断した佐天は、一人でこんな場所にいても意味はない。と帰
るつもりでここまで戻ってきたのだが……何故か彼女はゲートを潜れずにいた。




佐天(折角だし………どうせなら、お魚いっぱい目に焼き付けて帰ろっかな。イルカやシャチも見たいし!一人だけど!)




―――もう開き直る事にしたらしい。

―――その場でクルリと反転し、再び館内を進もうとする佐天はいきなり誰かとぶつかった。




――ドンッ!




??「イタッ!」

佐天「あうっ!」




――正面からもろにぶつかり、思わず両者から声が漏れた。
数秒後、ぶつかった頭を押さえる佐天に声がかかる。




??「―――ゴメンなさい。怪我はないかしら?」

佐天「――は、はい!コッチこそすいません!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 21:00:59.57 ID:sJ3G/iw0<>聞こえてきた『落ち着いた声』に佐天も慌てて謝罪する。
佐天と向かい合うように立っていたのは、自分よりは間違いなく年上であろう、大人びた女性だった。



佐天(うわぁ……綺麗な人ぉ……)




思わず見とれている佐天に女性が声をかけた。



??「…あの…大丈夫?」

佐天「は……はい」

??「そう、ちょーっと貴方に訊きたいことあるんだけど…」

佐天「な…なんですか?」

??「コイツ、見なかったかしら?確かここに来てるハズなんだけど……」



――そう言いながら見せてきた写真には、チンピラのような風貌の若い男が写っていた。
当然、佐天はその男に見覚えがない。



佐天「……すいません。ちょっと見てないですね」

??「そう……わかったわ。……時間とらせてゴメンなさいね。それじゃ――」



――そのまま颯爽と去っていく女性。佐天が「あ…」と声を出した時にはすでに姿が見えなくなっていた。



佐天(大人っぽい人だったなぁ……大学生かな?)



――佐天は館内を再び進み始める。女性も館内へ歩いていったから、また見かけるかも知れない。
その時はまた声をかけてみよう。と何故か意気込んでいたが……案外その時は近い事を彼女はまだ知らなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 21:02:14.78 ID:MVSCcMgo<> <> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 21:04:18.71 ID:MVSCcMgo<>一方通行のフラグ建築レベルがハンパないwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 21:06:11.09 ID:sJ3G/iw0<>――――マリンランド内の広いレストラン




――この水族館内は、かなり広い。故に幾つもの施設が設けられている。ゲームセンターやショップなどは勿論、映画館まで
あるほどだ。それだけ豊富に備わったこの施設はまさにデートスポットである。カップルが多いのも当然と言えば当然だ。
勿論、複数のレストランも各所に備わっている。浜面仕上と滝壺理后は、その中でも特に多い客席数を誇るレストランの奥席
にいた。彼等も周りのカップル同様、今日は確かにデートでここに来たのだが……実はこの二人、これからある『人物達』と
会うという別の目的があったのだ。何故この場所なのかは無論理由があるのだが……。
ともあれ、もうすぐ待ち合わせの時間が近づいている。浜面は落ち着きなさそうに時計を見た。




浜面「――もうすぐか……何か緊張してきた……『アイツら』本当に来んのかな?」

滝壺「――大丈夫。もうすぐ来る。あと四、五分くらいかな………」




二人ともどこか落ち着かない空気を放っている。
ドリンクを飲むペースも、そのせいか少々早い気がした。




――そして、数分後……浜面と滝壺が向かい合う席へ、止まる事なく進んでいく二人の姿があった。―――




??「――あれ?結局お二人の方が早かったって訳?」

??「――うわー、超お久しぶりですね!二人とも!元気してました?」




――金髪碧眼の女子高生と、ニットのワンピースにコートを羽織った少女が奥席のカップルに遠慮なしに声をかけた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 21:10:45.49 ID:sJ3G/iw0<>フレンダ…能力不明。元『アイテム』の構成員。麦野に真っ二つにされ、死んだはずだが………?


絹旗最愛…『窒素装甲(オフェンス・アーマー)』の大能力者。元『アイテム』の構成員。




――二人の少女は彼等が座っている広いスペースのある席に迷う事なく着席した。
その動作は速く、浜面と滝壺は反応が遅れるも二人に笑顔を向ける。





浜面「――おぉっ!来たか!二人とも元気そうだな!」

滝壺「――きぬはた、フレンダも久しぶり……」ニコッ

絹旗「なっ!?……た、滝壺さんが……笑ってます……超奇想天外です…」

フレンダ「……しかも、心なしか前より色気が出てる気がするんだけど……」

浜面「オ、オイ?何で俺を睨むんだ……?」

絹旗「浜面!滝壺さんをここまで変えたのは浜面なんですね!?浜面の癖に超生意気過ぎます!」

浜面「……は?」

フレンダ「結局、二人はもう誰も入り込めないほどラブラブって訳か……」

浜面「イヤ、お前ら……何ヶ月ぶりかの再会でいきなりそれっすか!?それってどうなの!?」

絹旗「滝壺さん!浜面に超変な事されてませんか!?」

浜面「するかッッ!!」

滝壺「はまづらは優しいよ?……いつも優しくしてくれる……///」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 21:14:37.98 ID:sJ3G/iw0<>――頬を赤く染める滝壺の隣りでフレンダは額に手を置いて残念そうな表情をした。





フレンダ「あちゃー、すでにもう手遅れって訳ね…」

浜面「だぁぁあ!?お前も何言ってんだ!?」

絹旗「バニープレイは……?」

滝壺「………」コクリ

絹旗「浜面超殺す!!」

浜面「何故今のやりとりだけで!?」

フレンダ「結局、浜面は相変わらずキモいって訳よ」

浜面「えぇぇぇ……」

滝壺「大丈夫……バニープレイが好きなはまづらも、私は好きだから…」


絹旗・フレンダ「わーお♪」


浜面「え///あ……」

絹旗「おやぁ?…顔が超赤いですよ。今のは肯定と捉えて良いんですね?」

フレンダ「フフフ♪詳しく訊く必要があるよコレは…」

浜面「」





一応周囲の席にもお客さんはいるのだが……彼女達を相手にするとそんなことは完全に忘れてしまう浜面であった。
周りの注目にも気づかずに大声で必死に自分を弁護しているその姿が何よりの証拠である。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 21:17:08.73 ID:6sYtvUo0<>今日そろそろくるか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 21:17:39.64 ID:sJ3G/iw0<>今日はここまでです!
続きは書き溜め終わり次第ですが、多分明後日になります。
では。

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 21:18:58.57 ID:JbjLS3Q0<>激しく乙
明後日が待ち遠しい。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/07(水) 21:19:46.18 ID:sJ3G/iw0<>>>120
すいません、もう来ましたww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 22:10:59.59 ID:6sYtvUo0<>今日はそろそろくるか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 22:25:48.47 ID:6sYtvUo0<>ごめん>>124
ミスッた<> 遅筆<>sage saga<>2010/07/08(木) 00:10:29.44 ID:WXHAqFM0<>結局、上琴以外は上条さんが鈍感だからこそ成立するわけよ
気付き始めているんだったら上琴で通してほしいってわけよ

まぁ超私的願望ですけどね……

だいじょうぶ、わたしはそんなssを応援してる


支援<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/08(木) 06:05:00.17 ID:HLdBY1.o<>お前ら電磁通行嫌いすぎwwrt<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 06:07:34.43 ID:HLdBY1.o<>うわっageてしまったスマン<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 09:35:46.08 ID:n1Pfpjs0<>なんかなぁ・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 11:09:01.41 ID:uXgJZwAO<>電通はネトウヨってニュー速民が言ってた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 11:23:08.67 ID:9QhNesAO<>美琴「ねぇ、知ってる?秒速5センチなんだって」
上条「えっ」
一方「あァ?」
美琴「桜の花の落ちるスピード。秒速5センチメートル」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 12:36:16.84 ID:bnVKwpc0<>上琴信者もそろそろうるさい
>>1の好きなようにさせてやれよ……<> 遅筆<>sage saga<>2010/07/08(木) 13:44:01.09 ID:L/BL8/A0<>>>132
上琴信者ではないけど
突然上琴→電磁通行になったからね
路線変更は苦手ってわけ

まぁ>>1の自由だけどね
電磁通行も好きだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 14:02:03.49 ID:A8tG3wDO<>ちゃんと原作読んでる上琴信者って美琴×一方ってのを極端に嫌がるんじゃないの?
個人的にも打ち止めや他の妹達ならまだしも美琴×一方っては原作的にはありえない気はするわ
まだエツァリのほうがとは思う
まぁ二時創作だしね。>>1の好きにやればよろし<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 14:11:59.71 ID:YQBaXYAO<>俺は上琴も上インも電磁通行も通行止めもみんな好きだぞ

嫌な展開になったらスレを閉じればいいさ
俺もそうしてる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 16:06:50.67 ID:hUnSCx.0<>そりゃ接触少ないしな・・・

ただ、個人的には美琴って結構さっぱりした性格であって欲しいと思ってるから
いつまでも一方通行を恨みっぱなしってのもそれはそれで嫌なんだよな・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 17:11:26.81 ID:p/ILK76o<>電磁通行は大好物だが、今回は上条さん大ポカはしてないのに
上条さんから離れてまで一方さんの方に行くのが違和感あるかな。

あとは付き合っていてデレデレ状態という設定でもないのに
ツンとしないで好意的態度で腕を組むのも美琴っぽくない気がした。
ただ、上条さんに対する態度と一方さんに対する態度は変わってくるだろうから
ツンツンしてりゃ良いとも思わないかな。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 18:40:13.62 ID:lpz3PcDO<>あり得るかあり得ないかで考えたら上琴の可能性自体20巻でほぼ否定されたようなもんだしな
そういう意味では上琴も電磁通行も一緒だったりする

まぁくっつけ方にも寄るがww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 18:43:06.21 ID:znr0maY0<>途中で方向転換されるとどうしてもNTR感がなぁ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 18:50:46.77 ID:FhKHVnco<>>>1は注意事項を書くべきだったな
いきなりカップリングが変わって批判出るのは仕方が無い



>>138
上条さんのインさんに対する感情は恋愛じゃないでしょ
原作よく読めばわかるよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 19:32:36.20 ID:.AfF0PgP<>原作重視なら上琴も美琴の片思いはあっても、上条さんが「美琴は俺の嫁」って言ってるのは想像しにくい
二次創作だと美琴と一方さんが和解してることが多いから、友情が成立するなら恋愛もってのが電磁通行なのかな

この上条さんが美琴を好きならNTR風だが、フラグを回収しないで放置してると自然消滅ってのはありえないこともないか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/08(木) 19:34:09.22 ID:lqaofcDO<>好きにしていいとか作者の自由にとか抜かしながら原作描写上げて文句垂れるとか
正直こいつらが喜ぶ展開になって欲しくないと思うレベル<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 19:35:12.27 ID:1i3nzPUo<>てゆーか二次小説の展開なんか作者の自由で
それを読むかどうかも読者の自由なんだから展開に文句言うのはやめなよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 19:48:15.67 ID:A8tG3wDO<>まぁ美琴が上条さんに対して「素直になれない」とか「積極的になれない」的な悩みで泣いたりしてるのに
一方さんに対しては普通にデレて素直に行動にうつしてることに違和感は感じるわな
不満言ってる人はカップリングとか展開じゃなくて美琴の性格が変わったことに対して言ってるんじゃないの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 20:10:46.00 ID:SEk8alw0<>おまえら落ち着け<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 20:26:41.90 ID:ChJWZSc0<>揺れる女心なんてそんなもんよ。
それが解らねえうちはまだまだガキだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 20:30:01.74 ID:YQBaXYAO<>何で必要無い議論したり複雑な見解をするんだか
SSなんざ頭空っぽにして気楽に読むもんだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 21:28:26.62 ID:QRR2RZ6o<>とりあえず、可愛い美琴が見れればいい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 21:35:54.04 ID:RFbP7HEo<>女子からすると、この美琴の感覚わかるけどなー

好きな相手には意識しちゃってダメだけど、
ぶっちゃけ恋愛対象外だが遠慮なくしゃべれる相手とは腕組んだりヘッドロックかけたりできる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 21:42:10.86 ID:ileM2NM0<>あの馬鹿よりはやーい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/08(木) 21:58:55.06 ID:eDpLL3U0<>とりあえずカップリング相手が一方さんならなんでもイケるぜ
フラグを建てまくる一方さんとか最高です。上条さんだとイラっとしてしまう

というわけで>>1 期待してます<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 22:02:56.32 ID:9ch2lU.0<>>149の言うことも確かにわかるな。。

恋愛対象外で気楽な異性には、
普通に叩いたりとか近くで話してたりとかできるんだよね。
同性の友達とさほど変わんない感じ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 22:20:51.65 ID:2TxGA0go<>でも、美琴の反応見る限り一方さんはもう恋愛対象じゃん。
遊園地の頃までなら、気楽な異性とのじゃれ合いと思えたけど。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/08(木) 22:23:12.93 ID:0B.Ia0Eo<>まぁみなさんこの後の展開を仲良く見守りませんか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 22:26:15.06 ID:9wkVNoAO<>不毛だし>>1が書き込みづらくなるから気に入らなくてもそういう書き込みするなよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 22:31:27.89 ID:D.ey/3Qo<>実はこの話の一方さんは女
美琴は他の誰よりも早くそれを見抜いた
この美琴の行動は同性に接してるのと考えれば自然
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 22:38:40.71 ID:7b6DBs20<>お前天才だな。学園都市で開発されただろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 22:43:58.16 ID:YQBaXYAO<>百合か…、それもまた素晴らしいな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 23:44:04.66 ID:Nvju99c0<>ちゃんと原作読んでる上琴信者だった
禁書SSが流行り出したころは上琴信者だったけど、最近は電磁通行すきだなぁ
あの2人が仲よくしてるって、ときめかない?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:09:29.71 ID:5/uUI1Eo<>俺は上琴も電磁通行もどっちも大好きだから問題ない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:15:38.96 ID:GfyAyuEo<>別に上琴じゃないけど一方さんと御坂が馴れ合うのはなんか違うと思う
打ち止めの件なりで和解はあっても良いけどだからって仲良くとかは妹編の御坂の絶望とか安っぽくならね?
上条さんと一方さんの共闘も見たいとは思うけど二人の間にある程度の壁は必要だろ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/09(金) 00:22:01.50 ID:g5bSfNg0<>こんばんは、>>1です。

結構皆さんがちゃんと読んでくれているのが嬉しい反面、自分の力量不足が悔やまれる……。
元々上条さんと一通さんの仲良しモノが書きたくて始めたのに好き勝手に色々脱線してしまったあげくに途中から電磁通行書きたい衝動に駆られて勝手にくっつけようとまでしてしまって……。
これじゃ批判されて当然ですね……。本当、上琴好きな方にも電磁通行好きな方にも申し訳
ない事をしてしまいました……。
これまでの内容を自分でもう一度見つめ直し、今後の内容を検討し直したいと思います。
ご意見くれた方々、本当にありがとうございます!そして不快な思いをさせてしまった方々、
大変申し訳ございませんでした!皆様のレスは是非今後の参考にさせて頂きます。
次の投下は予定通り明日行います。内容の変更は多少しますが、無理矢理に展開変える様な
真似だけはしないつもりです。
また今後も違和感、疑問を感じたら、是非ご指摘お願いします。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:48:49.31 ID:GfyAyuEo<>騒いでる人は上琴か電磁通行かってことで揉めてるんじゃなくて展開についていけないだけでしょ。
爆撃とか色々あったけどなんだかんだこのスレ長いし、今まで積み重なってきたキャラの心情やら
なんやらがいきなり変わったことに戸惑ってるんだよきっと。
キャラの性格変えてまでの路線変更に無理矢理感はあるが俺は電磁通行でも構わんがね。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 00:51:02.33 ID:eTgPtoY0<>SSなんて良くも悪くも作者の自由なんだし気にいらんやつはスレを閉じればいいだけなわけだし
なにがいいたいかというと楽しんでる人が少なくともここに一人居るからあんま考えすぎずにやってくれていいと思うぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 06:05:20.94 ID:vTDR7Iko<>俺はあんたの書きたかった話が読みたい。
中途半端に改造せずそのままぶつけてほしいなと思う。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 06:56:10.62 ID:4JXP23oo<>ドロドロした人間関係のもつれがあるSSもありと思うんだけどなー
上条さん本命だけど、対抗として一方さんに粉をかけるとか、あっても良いじゃないか

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 12:43:13.86 ID:tEELGfoo<>心揺れる描写ぐらいでこんなんになるなんて物書きも大変だな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 14:19:10.56 ID:J/XlfDg0<>あんまり思い詰めないで自分の好きなように書けばいいんだよ〜<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 15:29:42.29 ID:VLdqiv20<>ちょっとしつこかったか、悪かった
強引に路線変更するくらいなら>>1の書きたいように書いて欲しい
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 16:04:48.93 ID:2zOLKpQ0<>まぁ>>162が>>1の結論っていうならば
異論はもちろんない。のびのびやってくれればいい。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 19:30:24.03 ID:RxScMXA0<>今北産業<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 20:07:32.77 ID:VSpR3Vko<>>>171
ホモスレだと思ったら
まさかの電磁通行で
スレが荒れた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/09(金) 22:16:54.10 ID:g5bSfNg0<>すいません、寝過ごした……orz
投下は明日に延期します。本当にゴメンなさい!
多少直せる部分直したりはしましたが、強引な路線変更やスタイル、大まかな内容
そのものは変えませんのでご安心を!
では、また明日!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 22:21:08.76 ID:VkYCqJs0<>一方通行ってなんで人気あるんだ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 22:21:16.76 ID:GfyAyuEo<>ってことは電磁通行のままで美琴もフラフラしたままか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 22:28:20.13 ID:lwarygAO<>いちいちつっこむな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 23:38:47.96 ID:KdipveQ0<>話始める前にカップリングの方向性は明言しとくべきだったな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 23:40:23.57 ID:BlDBQ.AO<>いい加減しつこい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 00:21:50.51 ID:Fb/vulMo<>>>162じゃ「無理矢理に展開変える様な真似だけはしないつもりです。」って言ってるが
>>173じゃ「強引な路線変更やスタイル、大まかな内容そのものは変えませんのでご安心を!」って言ってるな
結局どういうことなのか意味がわからないんだが誰か教えろください

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 00:43:17.92 ID:uAWtWb20<>>>179
考えるな、感じろ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 00:52:21.20 ID:pkHldfw0<>そして感じたものを道路の真ん中で叫んでみろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 01:18:46.50 ID:Fb/vulMo<>当初の路線で行くかこのまま路線変更した状態で行くのかは重要だと思うのだが…
無理矢理に展開変える真似はしない、大まかな内容は変えないって
今の時点でのままいったのなら大まかな内容が変わるような…
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 02:39:45.72 ID:ziXmP8s0<>面白ければどうでも良いって集英社の編集長もいってただろ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 16:34:08.83 ID:30yZ8hAo<>いい感じの友情を築きつつある二人の間を行ったりきたりして
無自覚にその友情を破壊すし「そんなつもりじゃ……」とか言ってしまう
愛憎劇のヒロインって見ててキモチワルイから面白くね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 16:35:04.73 ID:30yZ8hAo<>【誤】破壊すし
【正】破壊し<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 16:45:23.72 ID:o/fwR/Eo<>もうめんどくせえ
>>1のやりたいように書かせろよ

それで合わない奴は何も言わずに去ればいい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 17:59:09.81 ID:GLeG4ro0<>>>1です。
スマソ。自分でも何言ってるのか意味フ……orz
どうなるか言いたいのですが、今言うとさらに面白くなくなるので言えません…。
>>140や>>177の言う通り、最初の注意事項をしっかり書いておけば良かった……すげぇ今更だが……
あぁ、俺の馬鹿野郎!!
ですが、まだ『過程』です。絶対にこんなフラフラしたままで終わらせはしませんから、
どうか長い目で見守ってやってくれたら嬉しいです。
では、もう少ししたら投下始めたいと思います。お待たせしてすみませんでした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 18:13:47.59 ID:FjiADAAO<>期待

いつまでもしつこい奴の言う事なんざほっとこうぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 18:46:41.94 ID:GLeG4ro0<>垣根&初春―――――



――初春飾利は窮地を迎えていた。自分は今、どういう訳か関係者しか来ることはないであろう場所に居る。




初春「……………」




初春はダイバースーツを着用している。ゴーグル越しに見えるその目は、どこか現実を忘れたような……
そんな目だった。彼女の目の前には生簀、というよりは釣り堀のような『海景色の入り口』が映っていた。
綺麗に透き通っている水の中には無数の魚影が見える。時々にょきっ、と突き出るサメの背びれが初春の
恐怖心を余計に刺激した。今から自分はこの中に入るのだ。




初春(どぉしてこうなった……んでしょう…?)




その疑問の答えとなる人物、垣根帝督は隣りにはいない。ダイバースーツを着るのに何故か彼は、個室に
入っていってしまったのだ。初春は垣根が戻るまで、水槽の真上で呆然としながら魚影を目で追っていた。
しばらくそうしていると―――




垣根「お待たせ〜♪」




――向こうからダイバースーツを身に纏った垣根が戻って来た。初春動揺すでにゴーグルを装着している
垣根はすっかり上機嫌だった。初春は垣根に対し、許しを請うかの様な目で訴える。




初春「………やっぱり無理ですよぉ…」

垣根「大丈夫大丈夫、怖くねぇって」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 18:52:05.58 ID:GLeG4ro0<>これから危険地帯に入るというのに、まるで緊張感のかけらも見せない垣根に初春はなおも
食い下がる。



初春「だって……サメもいるんですよぉ…?」

垣根「はい、これそのサメのエサ」




そう言って渡されたのはバケツに入った大量のフライドチキンになる前の様な生肉だった。




初春「えぇぇ!? わ、私があげるんですかぁぁ!?」

垣根「ん? そうだが?」




またもしれっと答える垣根に初春は今すぐ突き落としたい衝動に駆られる。




初春「い、言い出したのはカッキーさんなんですよ!? …ここはカッキーさんがやるべきだと…」

垣根「いやぁ、俺もそう思ったんだが……折角の機会なんだし体験させてやろうかなと…」

初春「じじじ冗談じゃないですよぉぉ!! 絶対無理ですぅ!!」




首を横に振り、必死に拒否する初春。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 18:57:23.55 ID:GLeG4ro0<>しかし、垣根は軽い調子を崩さない。




垣根「まぁまぁ、サメに餌付けなんてそうそうできる事じゃないぜ? 良かったなぁ、かざりん」

初春「ちっとも良くないし、やりたくありません!!」

垣根「わ、わかった。わかったからそんな怒んなよ……」




本気で…というか死に物狂いで抗議する初春の剣幕に、流石の垣根もたじろいだようだ。




初春「……わかってくれれば良いんです」

垣根「しょうがねぇ。んじゃ半分肉貰うか…」

初春「全然わかってないぃぃぃいいいい!!!」




ダイバースーツ姿で地団駄を踏む初春の滑稽な抗議も空しく、ついにその時は来た。
酸素ボンベと足ヒレを装着し、係員の注意も受けてようやく準備が完了した。もう逃げ場はどこにもない。
垣根は、覚悟を決めたのか隣りで断続的に深呼吸している初春の手を掴む。




垣根「――んじゃ、行くか。レッツダイビング♪」グイ

初春「――え? ちょ! ま、まだ心のじゅ―――!?」



―――ドボン ドボン



そして、初春の心の準備が終わらない内に垣根は彼女の手を引いたまま水槽の中へと消えていった。
初春の最後の悪あがきは、着水音と共に儚く消えたのだった―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:03:25.68 ID:GLeG4ro0<>―――水中




――ゴボゴボ……ゴボッ




初春(うわぁ………)




一般の客ではまず見ることはない景色に、初春は言葉を失くしていた。
人口施設だというのに、どこか神秘的な……そんな光景が目の前で広がっている。
それに、垣根が自分の手を引いて水中をどんどん進んでくれるおかげで、彼女に殆ど負担は無かった。




初春(きれい………)ゴボッ…




様々な色をした魚がすぐ間近にいる。手を伸ばせば届きそうなほどに……。
そんな初めての体験に思わず顔が緩む……………が、夢の時間は短かった。




初春(ひいっ!? サ、サメ―――!!)ゴボゴボゴボ…


垣根(すげぇ……こりゃあすげぇわ…)




一方、後ろでサメと睨めっこ状態になり気絶寸前になっている初春を尻目に、垣根は自分の世界に浸っていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:06:59.49 ID:GLeG4ro0<>垣根(なんつーの……こう………あぁ、とにかくすげぇ…)ゴボッ




今までグロテスクなものや、汚いもの、総称して『闇』を見て生きてきた垣根にとって、目の前の景色はあまりに
美し過ぎた。そんな彼が、この光景に対して言葉が出てこないのも無理はないのかも知れない……。
ここで翼でも生やせば、彼は間違いなく神のように見えるだろう。周りの風景はそれを引き立てるのには充分だった。
ダイバースーツである事を除けばだが……。




垣根(っと……そろそろだな)サッ




――突然水中のド真ん中で泳ぎを止め、肉を取り出す垣根。サメがうようよいる場所(ポイント)までやって来たのだ。
あっという間に二人は無数のサメに囲まれる形になる。




初春(―――ッッッ!!?)ゴボボ…




おそらく、本人は叫んだつもりなんだろうが……出てきたのは泡(あぶく)だけである。




垣根(ほーれ…)




垣根は骨のついた肉を聖火ランナーのように上に掲げる。――すると、真横から突然現れた一匹の大きなサメがすぐさま
肉(エサ)に食いついた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:09:38.03 ID:GLeG4ro0<>垣根(――!!)


サメ「……」ムシャ ムシャ


垣根(おぉー…びっくりした。一瞬手まで食われるかと思ったぜ……よし、ほんじゃもういっちょ――)




そのまま二回、三回と餌付けに成功する垣根。ここのサメは知能でもあるのか、垣根の手や体には目もくれずに真っ直ぐ
エサだけを取っていく。おそらく、サメにとっては毎日の習慣にでもなっているのだろう。




垣根(やべぇ……楽しい♪……っと、いけねぇ。俺だけ楽しむのは不公平だよな…)




四度目の餌付けに成功した垣根は、そのまま百八十度反転した。




初春(…………?)




突然自分の方を向いた垣根に、初春は嫌な予感しかしなかった。




垣根(ほら)サッ




自分に肉(サメのエサ)を差し出してくる垣根。初春にとって、その目は「さぁ、次は君の番だ」と言っている様に見えた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:12:21.19 ID:GLeG4ro0<>初春(―――無 理 で す ッッッ!!)




――初春は垣根からの好意に、腕をクロスさせて首を横にぶんぶんと振る事で答えた。





―――――





一方通行&美琴――――




美琴「――……/////」

一方通行「ったく……そンなに後悔してンなら最初からやンなっつーの…」

美琴「う…うっさい!」




一方通行と御坂美琴の距離は、若干離れている。周りからの視線に気づいた美琴は、我に返ったかのように
サッと一方通行から離れた。そして、あとは一人で勝手に気まずそうにしていると言う訳だ。




美琴「ア、アンタはよく平然とできるわよね。ちょっとは恥ずかしいとか思ったりしないの?」

一方通行「は? 馬鹿じゃねェのか? オマエが勝手に暴走して、勝手に自爆しただけだろォが」

美琴「なっ……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:18:58.38 ID:GLeG4ro0<>一方通行の正論に、反論の言葉が出なかった。




一方通行「ベタベタくっつきてェンなら三下にしとけ」

美琴「――!! なな……べ、別に誰かとくっつきたいなんて……」

一方通行「じゃあさっきのは何だ?」

美琴「あ……あれは…」




一瞬言葉が詰まり、目を泳がせる美琴。




一方通行「しっかし、オマエがあンな軽い女だったとは知らなかったなァ」ニヤァ

美琴「だ、だから! さっきのは気の迷いよ!すっきりしてついテンション上がっちゃったっていうか……ゴ、ゴメンね!
勘違いさせたんなら謝るわよ! とにかく! アンタがさっきした『こっ恥ずかしいこと』は忘れるから、アンタももう忘れて!///」

一方通行(はァ? 割りに合ってねェぞ………こォいう年頃の女ってのはホント面倒臭ェな……扱い方が分かンねェ…)ハァ…

美琴「な……何…?」

一方通行「いやァ別に………っつかさァ、三下にもあンな感じで攻めりゃ良いだろ? いくらアイツが鈍感王国出身っつっても、
あそこまでやりゃあ流石に気づくと思うがなァ…」



その言葉に、美琴は少し考えたものの……やっぱり駄目だ言うようにと両手を下げた。




美琴「……そうかもね……けど無理よ。緊張しちゃって、そんな事できる訳…」

一方通行「あ? 俺にできて、なンでアイツにできねェンだよ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:24:06.78 ID:GLeG4ro0<>美琴は下を向いて聞こえるか聞こえないかの声で呟く。




美琴「アンタには分かんないわよ……」

一方通行「…………?」

美琴「…………」




そのまましばらく無言で歩く二人。少し空気が気まずくなる。……と、ふいに一方通行が話題を変えてきた。




一方通行「オマエ、俺の他に野郎の知り合いはいねェのか?」

美琴「え?…………」




――その時、美琴の脳裏に浮かんだのは、つい最近和解した垣根帝督と、夏頃によく誘われた海原光貴の顔……
だけだった。
女子しかいない常盤台中学に在籍する美琴には、男友達と言えるような存在は少なかった。




美琴「あんまいないってか……女子校だし、それがむしろ普通かな…」

一方通行(………なるほどねェ……やっぱそォか…)

美琴「何よ? それがどうしたの?」

一方通行「……イヤ、何でもねェよ」

美琴「?」




一人で何か納得したような表情をする一方通行に首を傾げる美琴。
そして、しばらく歩き………二人はようやく『海景色』の水槽まで戻ってきた。

※入り口にしかないトイレまで一度戻っているため。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:32:07.35 ID:GLeG4ro0<>一方通行「―――あァ? 何だァあの人だかりは……?」

美琴「さっきより人増えてる……何かやってんのかしら?」




オイオイ アノシイクインダイジョウブカヨ…

ッツーカ、アレオンナノコダヨナ? チッチャクネ?

サメニスゴクビビッテナイ? ナンカアブナッカシイワヨ…ミテテコワイワ

アノコシンジンカナ? ガンバレー




―――ざわざわと人が野次馬のように水槽内に注目している。
一方通行と美琴も自然とその中に混ざった。しばらく周りと共に注目した後、一方通行が口を開く。




一方通行「オイ、あのダイバーさっきから何やってンだ?」

美琴「さぁ……サメにエサあげようとしてるん……じゃない?……多分」




二人の視線の先には……周りをサメが群がる中、肉を持った手を出しては引っ込め、出しては引っ込め…を繰り返している
小柄なダイバーと、後ろでそれを温かく見守っているかの様に見える大柄なダイバーの姿があった。
腰どころか全身が震えている様に見える小柄のダイバーは、すっかり見世物と化していた……。




美琴「……ねぇ、あれ大丈夫なの?」




その姿は……無理矢理やらされている感じがしなくもなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:35:27.00 ID:GLeG4ro0<>一方通行「……さァ……っつかアレ完全にビビってねェか?」

美琴「まだ慣れてないんじゃないの? 後ろの人は同伴してる先輩みたいね…」




――それがまさか知人だとは夢にも思わない二人………。
さらに、御坂美琴は後ろで自分を「信じられない」といった顔で凝視している友達の存在に気づいていなかった。




―――――




「……あれ………やっぱ御坂さん……だよね?」





―――私、佐天涙子は今大変驚いています。なんと! 目の前に御坂美琴さんとその恋人(らしき人)がいたのです!
いや〜、びっくりしましたよ〜……まさか御坂さんも来てたなんて……しかし、そのおかげで私は今! ついに御坂さんの
『想い人』をこの目で拝見する事ができた訳なのですが………なんか白井さんから聞いていた『噂の方』と違うような……。
まず、黒髪ツンツンヘアーじゃありません。頭は黒髪どころか真っ白だし……短めのツンツンした髪でもなく耳までかかった
長めの髪だし…何かマイクスタンドみたいな杖?持ってるし……優しそうな感じは…申し訳ないですが全くしません。むしろ
怖いです。でも、顔は悪くないですね。目つき悪いけど……ってか御坂さん、ああいったのがタイプなのか………。
まぁ結局何が言いたいかと言うと、今日このまま帰らなかったのは正解って事ですね。こんな機会(チャンス)もうないかも
しれません。 と、言う訳で! 今から私は接触を試みたいと思います。
あ、骨は誰か拾っておいてくださいね♪  では……スー、ハー(深呼吸)…………よし!佐天涙子、いざ参る!――――




――ツカ ツカ ツカ ツカ




「―――あのぉ〜……御坂さんですよね?」


「――え?」クルッ


「――あァ?」クルッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:39:04.70 ID:GLeG4ro0<>
上条&御坂妹&禁書目録&打ち止め―――




※上条は美琴と御坂妹が入れ替わっている事をまだ知りません。





上条「――うぅ……上条さんはもう動物と接するのが怖い…」

禁書「右手無くならなくてよかったね」

御坂妹「にしても、本当にアンタって不幸よね?」(とミサカは芝居続行モードに入ります)

打ち止め「でも、あのカメさんの歯が鋭くなくて良かったかも! ってミサカはミサカは不幸中の幸いに安堵してみたり」




おそらく、もしものために飼育員が歯を削っていたのだろう。そして、ゾウガメのDNAが混ざっていたせいか、強い顎の
力で右手を切断される事もなく、手の甲に歯型の跡がついただけで済んだ。もしただのワニガメだったら、この程度では
済まなかったのは言うまでもない。




上条「クソォ……それにしても一体誰だ? こんなイタズラ書きしたヤツは…」




そう言ってキッと『是非おさわり下さい』と手書きで書かれた偽看板を睨んだ。
ちなみに、その少し隣にはしっかり『危険』を示す看板があったのだが……今更である。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:40:50.57 ID:GLeG4ro0<>御坂妹「まぁまぁ、無事だったんだしもう良いでしょ? ねぇ、『ウシ』見に行こ?」

上条「ウシ……?」




――御坂妹に手を引かれながら首を傾げる上条。




禁書「あ! クールビ……短髪! ずるいんだよ!私も行くー!」

打ち止め「あ! 向こうにアザラシさん発見ー! ってミサカはミサカはひとり抜け出してみたり」

禁書「え?んーと……」




キョロキョロと反対方向へ行く打ち止めと上条&御坂妹を交互に見る禁書目録――。




禁書「待って、らすとおーだー! 私もアザラシが見たいんだよぉ〜!」パタパタ


――結局、打ち止めについて行った。




――――――




御坂妹「どう? 立派な『ウシ』でしょ?」

上条「イヤ……シロクマだろどう見ても…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:47:01.35 ID:GLeG4ro0<>至極もっともな感想を述べる上条。
御坂妹はそんな上条の様子に拙いと思ったのか、取り繕い始めた。




御坂妹「そ、それはこの子の名前よ。どう、わ、悪くないでしょ?」アセアセ

上条「………うーん…………やっぱ今日のお前、何かおかしいぞ?」

御坂妹「な、なに言ってんのかしらぁ。私はいつも通りよ」

上条「……………」ジーーー

御坂妹(……もう限界でしょうか……この方を騙すのは余りに心が痛みます。とミサカはいっそ喋ってしまって楽になりたいと願います)

上条「―――!」ハッ

御坂妹「!!」ビクッ




――突然、何かに気づいた顔をする上条に内心で冷や汗をかく御坂妹。




上条「…………お前……まさか……」


御坂妹(バ…バレた!? とミサカは胸の鼓動を抑えます……)ドキドキ



―――上条の目は真っ直ぐ御坂妹を捉えていた。



上条「……………」


御坂妹「……………」ドッキン ドッキン




心音は激しさを増すばかりだった――――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:50:58.10 ID:GLeG4ro0<>浜面&滝壺&絹旗&フレンダ―――




――まず、ここは第七学区にあるいつものファミレスではない。レジャー施設のちょっと上品なイメージのレストランだ。
お昼を過ぎた時間帯にも関わらず、客足が途切れないせいでウェイターやウェイトレスは未だ慌しく店内を行き来し
ている。そんな忙しい状況の中、奥の目に付きにくい席でフレンダは缶詰を、絹旗はパンフレットのようなものを
取り出した。


フレンダは相変わらず、「やっぱカレーよね」と言いながら鯖の缶詰を開けている。いつの間に缶切りを
使いこなせるようになったのか、すっかり慣れた手つきであっさりと蓋を開けてしまっていた。


絹旗はすでに映画のパンフレットに夢中になっていた。滝壺に話題を振りつつも目はパンフレットを凝視
したままだ。


どこか懐かしむような表情の浜面に、突然絹旗は見ていたパンフレットをしまって声をかけた。




絹旗「――それで浜面は、今は何してるんですか?」

浜面「……え? 何って…?」

フレンダ「あれからどうしてるって訳よ? スキルアウトにでも戻ったの?」




いきなり訊かれて戸惑う浜面でも分かるように、鯖缶の中身に手をつけながらフレンダが繋げた。




浜面「あぁ、今はスキルアウト時代の先輩んトコ(職場)で世話になってるよ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 19:56:03.74 ID:GLeG4ro0<>質問の意味を理解した浜面は、特に隠す様子もなく答える。




絹旗「ウソでしょ!? 真面目に働いてるんですか!?……超意外です」

浜面「うっせぇ!」

滝壺「きぬはたは学校行ってるの?」

絹旗「はい、今は超普通の中学生ですよ」

浜面「はぁ!? お前が『普通』ぅ!?……」

絹旗「何か文句でもあるんですかぁ?」ギロリ

浜面「いいえ、滅相もない。…フレンダは?」

フレンダ「私も今は華の高校生やってるよ。結局『あの頃』とは百八十度違う生活って訳ね」

滝壺「懐かしいね……」



上を見上げて、何か思い出しているかの様な表情の滝壺に浜面が言う。




浜面「オイオイ、そんな何年も経ったみたいに言うなって………っつか、アイツ遅いな」

絹旗「道にでも超迷ってるんじゃないですか? 来たことないって言ってましたし」

フレンダ「浜面。この場所教えたの?」

浜面「え?俺はマリンランドに行くとしか言ってないぞ?お前が連絡したと思ったんだけど…」




さっぱり知りませんけど?と告げる浜面にサーッ…と顔色を変えるフレンダ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 20:03:29.14 ID:GLeG4ro0<>フレンダ「……嘘……? わ、私は浜面が教えたと思ってたから連絡してないよ!?」

絹旗「っていうか、そういうのは超浜面の仕事じゃないですか! 浜面、自分の立場超忘れてますね…」

浜面「それは『アイテム』の時の話だろ!?」

絹旗「何言ってるんですか? 浜面は一生、私たちの超パシリですよ」

浜面「おめぇが何言ってんだ!?」

滝壺「信号が…来てる」

フレンダ「とにかくヤバイよ!私、『後で浜面から連絡来ると思うけど?』って言っただけだもん!」

浜面「マ、マジで!? って事は……俺のせいかよ!? マジ勘弁してくれよぉ……アイツ超怖ぇの知ってるだろぉぉ…」

フレンダ「結局、浜面が全部悪いって訳ね。後で線香買っておこっかな?」

絹旗「私、超知りませんからね? ビームの一、ニ発は覚悟した方が良いですよ?」

浜面「死ぬわ!! もう『アイツ』とガチバトルすんのは懲り懲りなんだよぉ!!」

滝壺「うん、もう……来る。頑張って、はまづら」

浜面「えぇ!? イヤ、ちょ―――!?」




――そこで浜面の視界は完全に塞がれた。反応する間もなく後ろから聞こえた声に浜面の肩がビクッ!と跳ね上がる。




「――だぁーれだ?  はーまづらあ」




「――!!!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/10(土) 20:07:25.97 ID:GLeG4ro0<>今日は以上です。
待たせた割にあんま進まなくてゴメンなさい。。
続きは明日投下します。先ほども言いましたが、どうか長い目でお願いします。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 20:15:15.01 ID:9iBjNmQ0<>乙
まああれだ。みんな>>1のSSが大好きってことさ
気にすんな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 20:51:38.66 ID:FjiADAAO<>乙乙
次も楽しみにしてる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 22:45:51.68 ID:Vl1xC9U0<>きたああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 23:17:22.33 ID:30yZ8hAo<>ここからどう人間関係がドロドロとするのか期待してます
なんかこう少しずつ積み上げられた関係が崩壊するのもいいんじゃないかと<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/10(土) 23:26:50.79 ID:PnhJc0Q0<>一方さんはしっかりしてるし大丈夫だよな?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 15:34:48.14 ID:GJFzByMo<>美琴が自分のことを好きなのかもって気づいた上条さんだったけど、
結局美琴が一方通行とくっつくことで、やっぱり自意識過剰だったんだなとか考えて
さらに自分への好意に対して鈍感になっていくのか、むしろ女性不信になっていくのか?

それとも全ての関係が気まずくなって本当に不幸だって思うのかと考えると胸が熱くなるな……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 15:35:47.71 ID:GJFzByMo<>時にNTR表記ってしないのか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 16:23:30.61 ID:VFQzumI0<>なんか最近上条さん並に不幸
この一週間で何回死にそうになったことか……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 16:24:59.09 ID:HvpMgADO<>俺の記憶違いかもしれんがこの>>1って前にスレの方向性について質問みたいなことしてなかった?
前スレか前々スレで「電磁通行も最近気になる、いつかは書きたい」って言ってたのは覚えてるんだが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 21:10:05.52 ID:MhRQjdQ0<>ども! >>1です。

今更ですが、かつてわだかまりがあった人達は皆なんだかんだで仲良い設定です。
やっぱ戦後は皆仲良しが一番という自分の個人的な考えです。
その他色々矛盾してますが、真面目にとらえず気軽に読んでくれたら幸いです。
所詮自分の勝手な妄想なので……。
最初っからそう言えよ!って感じですよね……orz

>>215 確かに言いましたね…。方向性の質問は分からない、というか思い出せないっす… 

それでは続き投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 21:18:57.32 ID:MhRQjdQ0<>一方通行と美琴に接触した佐天―――。




――突然声をかけられ、振り返る美琴と一方通行。




一方通行「―――あン?……何だコイツ? オマエの知り合いか?」

美琴「―――……その声………まさか!?」

佐天「―――えへへ〜、こんにちは」




スッ…と伊達メガネを外して可愛らしくウインクする佐天。




美琴「――佐天さん!? な、なんで……?」

佐天「へへへ、こんにちは♪」

一方通行「………知ってるヤツか……チッ、面倒臭ェ」

佐天「お邪魔しちゃってすいませんね〜♪」

美琴「佐天さん……ってか、なんでここに……?」

佐天「いやぁ、色々と事情があったりするんですよ〜」

美琴「事情って?」

佐天「ゴメンなさい。それはちょっと言えないんです…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 21:20:52.61 ID:MhRQjdQ0<>美琴「……?」

佐天(話したら、また初春怒らせちゃうしね……ゴメンなさい御坂さん!)

美琴「……まぁ良いけど、何そのカッコ?」

佐天「それも残念ですが言えません。似合いますか?」

美琴「ゴメン……ちょっとコメントし難いわ…」

佐天「それより! この人が御坂さんの『想い人』なんですか? ……何か聞いてた人と違う気がするけど………まぁいっか♪」




一人で話を進めて一方通行の方を向く佐天。『想い人〜〜』辺りから美琴の思考がストップしたのは言うまでもなかった。




佐天「どうもはじめまして。私、御坂さんの友達やらしてもらってます、佐天涙子って言います♪」




――さりげなく握手される。佐天の意外な社交性に一方通行の思考も一瞬止まった。




一方通行「」

佐天「いつも御坂さんがお世話になってます。あの〜、ところで御坂さんとはどこで知り合ったんですか? 学生なんですか?」

一方通行「」

佐天「やっぱり御坂さんと付き合ってるからにはそれなりにレベルもあるんですよね? いいな〜、私無能力者だから……」

一方通行「」

佐天「告ったのはどっちからですか? あ、御坂さんからは無理そうか……付き合ったきっかけってどんな感じですか?」




止まらない質問の嵐に、流石の一方通行も固まるしかなかった……。が、握られたままの手をとりあえず振りほどく。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 21:24:23.26 ID:MhRQjdQ0<>一方通行「――オイ。いつまでも馴れ馴れしく触れてンじゃねェよ。オマエ礼儀ってのを知らねェのか?」

佐天「あ……すいません。怒っちゃいました……?」

一方通行「……別に怒っちゃいねェから、まず俺の話を聞け」

佐天「はい……あ、御坂さんの惚気話は勘弁ですよ〜?」

一方通行「オイ超電磁砲! 固まってないでコイツどォにかしろ! もォ付き合いきれねェ!」

佐天「通り名で呼ぶなんて変わってますね? まぁそれも二人の問題n」

一方通行「オマエそれ以上口開いたらブチ殺すぞ?」




そう言ってギロリと睨みつけた。すると、流石にビビったのか……。



佐天「ゴゴゴ、ゴメンなさい!」



低姿勢になって謝罪してきた。




佐天「二人の事に色々と首突っ込んだりしてホントにゴメ―――」


一方通行「やっぱコイツぶっ殺す!」




美琴が現実に戻ってきたのは、その直後だった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 21:32:26.23 ID:MhRQjdQ0<>―――約十分後




中では落ち着いて話せないと判断し、ひとまず屋外(中庭)まで移動した一方通行&美琴&佐天―――




佐天「御坂さん……彼氏さんって、結構怒りっぽいんですね…」

御坂「あの…佐天さん。さっきから誤解してるってば……」

佐天「誤解……?」

一方通行「コイツ(美琴)と俺は一切付き合ってねェ。これで気が済ンだか?」

佐天「………えぇ!? そうなんですかぁ!?」




ようやく勘違いに気づいた佐天涙子。恥ずかしさのあまりに顔を赤くする。




佐天「――ほ、本当にすいませんでしたぁッッ!! 私、てっきり……」

美琴「やっと分かってくれたみたいね……良いのよ佐天さん。コイツがさっさと誤解を解かないのが悪いんだから」

一方通行「はァ? オマエが変な想像して固まったりするからだろォが」

美琴「だだ、誰が変な想像したってのよ!?」

一方通行「ツラ見りゃ分かンだよ。妄想も大概にしとけ」

美琴「な、何ですってぇぇ…」



――今にもバトルに突入しそうな二人。
だが、佐天はあまり気にせずに口を出す。



佐天「……何か変だと思ったんですよぉ。白井さんから聞いてた人と全然違うから……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 21:35:06.41 ID:MhRQjdQ0<>一方通行「俺と三下をどォ見間違えるってンだよ……」

美琴「ちょっと待った! 佐天さん……アナタ今、『黒子から聞いた』って言ったわね?」

佐天(やべっ! またやっちゃった……『お姉様には絶・対・に・内緒ですの!』って言われてたのに〜…)




慌てて口を両手で覆うが、もう遅い。




美琴「くぅ〜ろぉ〜こぉ〜……」バチッ バチッ




――とりあえず、寮に帰ったら真っ先にやる事が決まった。
今から白井黒子のご冥福を祈れる方は祈っておこう。




一方通行(あばよォツインテール……次に生まれてきた時はもォ少し真っ当に生きる事をオススメするわ…)




ここ最近の交流で、『白井黒子』という人間をすっかり知り尽くした一方通行もまた、その内の一人だった……。




―――――――




―――そこから少し離れた場所では、御坂妹がピンチを迎えていた。




上条「御坂………お前まさか……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 21:38:39.42 ID:MhRQjdQ0<>全ての謎が解けた探偵のような上条の目に圧倒された御坂妹は、耐え切れなくなったのか自白を決めようとした。




御坂妹「もはやこれまで…とミ―――」

上条「さっきの昼飯で食あたりしたんだな!?」




だが…その前に出された上条の言葉で、自白は途中で止まってしまった。




御坂妹「――は…?」

上条「何が当たったんだ? フグ料理なんてなかったし……ってか御坂。お前、昼は何食ってたっけ?」




キョトン、とする御坂妹を尻目に真剣な表情で腕組みをしながら原因を探る上条。
だんだんと状況が認識出来てきた御坂妹は、みるみる顔色を赤く変えていく。
握りしめた拳がワナワナと震え出す……。




上条「オイ……顔色悪いぞ……ホントに大丈夫か? 腹痛むんなら無理しないでトイレ行ってきて良いぞ?」




――プチッ!と何かが切れた。




御坂妹「――こんの大馬鹿がぁぁぁああああああああ!!!!!」(とミサカは渾身の右アッパーを放ちます)


上条「――カバチッッッッ!!!!?」



―――ぶべしっっ!!と鈍い音がした直後、上条は約三メートル上空へ舞い上がった。
そのまま変則的な回転をしながら地面に顔から落下した彼は、硬いコンクリートの床と不本意の接吻を交わすハメになった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 21:44:57.57 ID:MhRQjdQ0<>上条「」



うつ伏せで倒れ伏した上条。御坂妹は、肩で息をしながら動かない少年を見下ろした。



御坂妹「ハァ、ハァ……全く、貴方にはいつもながら呆れて言葉が出ません。とミサカは未だ手応えの残る拳をさすります」



無論、上条からの反応はない。



上条「」


御坂妹「―――っ!?」




その時、何かを感じたように顔を明後日の方向へ向ける。




御坂妹「お姉様が近くにいます……この電磁波……間違いありません…」




美琴から放たれる僅かな電磁波を感じ取った御坂妹は、本来のデート相手である一方通行の存在を思い出す。




御坂妹「はっ! こうしてはいられません! とミサカは今日の目的を思い出します!」ダッ




ピクリとも動かない上条を残し、その場を颯爽と去っていく御坂妹。
上条の周りにはどこか冷たい風が吹いていたそうな……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 21:48:36.27 ID:MhRQjdQ0<>――――その頃




打ち止め「ねぇねぇ……ここ何処? ってミサカはミサカは訊いてみる」

禁書「分かんないかも……」



何故か館内を彷徨っている二人の幼女。ちなみに、この施設はA館とB館に大きく分けられ、それを繋ぐ中間地点が屋外
という構造になっている。
来て最初に入ったのはA館、そして今彼女達がいるのはB館である。



打ち止め「面白そうな建物だからって入ってみたのは間違いだったかも…ってミサカはミサカは後悔してみる」

禁書「とうまたち、何処に行ったのかな?」

打ち止め「お外に出ればきっと分かるよ!ってミサカはミサカは勇気づけてみたり!」

禁書「うん、けど…お外は何処なんだろ……?」

打ち止め「うーんと……アッチな気がする! ってミサカはミサカは直感頼りに前進あるのみ!」




――外に出るどころか、ますます迷い込む二人。



禁書「……この辺、全然見覚えないんだよ」

打ち止め「もぉこうなったら人に道訊いてみよっか? ってミサカはミサカは最後の手段を提案してみたり」

禁書「そぉだね。もぉお腹すいたんだよ……」グウー…

打ち止め「よし!早速いってみよー♪ ってミサカはミサカは空元気ながら右手を大きく上へ!」

禁書「お腹すき過ぎて元気が出ない……んだよ」




―――無理矢理に元気ぶる打ち止めと歩き回ってすでに空腹の限界に近づきつつある禁書目録。
二人の受難はまだ続きそうだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 21:52:07.73 ID:MhRQjdQ0<>―――初春飾利は久しぶりに『生命』について考えさせられた。



それは人工的な擬似海で優雅に泳ぎ回る魚達の姿に魅せられたから……ではない。
単純に、己自身の生命について真剣に考えざるを得ない体験をしたからに他なかった。
ついでに今年に入って最大の羞恥心までも味わった初春は、陸上へ生還を果たしたと同時に垣根帝督に凄い剣幕で噛み付いた。





初春「――もうっ!! だからイヤだって言ったのにぃぃいいい!!」




キーーッ! と躾のなってない猫のような雄叫びを上げる初春に垣根は――



垣根「ハハハ、けど楽しかったろ?」



――と、潜る前と何ら変わらない調子で笑いかけてきた。




初春「いつの間にかすっごい人がガラス越しでコッチ見てました!」

垣根「どうせ誰だか分かんねえから」

初春「そぉいう問題じゃありませんっ!! 恥ずかし過ぎてサメに食われかけました! いっそひと思いに食われたかったです!」

垣根「まま、落ち着いて…」

初春「知りません!」プンスカ




―――脹れてソッポを向く初春。やはり少しやり過ぎたか…と、垣根にしては珍しく反省する。
何とか機嫌を直してもらおうと声をかける。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 21:57:19.47 ID:MhRQjdQ0<>垣根「なぁ、俺が圧倒的に悪かったよ。だから機嫌直せって…」

初春「………」プクー

垣根「あー……その……そうだ! あとでアイス奢ってやるよ」

初春「……この時期にですか? 馬鹿は死んでから直してください」

垣根(うっ……やべぇ……完全に『黒モード』になってやがる……どうしよ…)

初春「………」プクー

垣根「あぁもう! わかった! こうなりゃ何でも言う事聞いてやっから許せ!」

初春「………」チラッ

垣根(お? コッチ向いた……これは手応えあり! ………しかし、頭踏み砕こうとしたヤツの言う事何でも聞くって……勢いで言った
ものの、考えてみたらシュールだよな……チッ、俺もずいぶん優しくなったモンだぜ…)

初春「何でも……ですか?」

垣根「お、おう! 男に二言はねぇ! 何でも言いやがれ! 今ならフラフープにも挑んでやんぜ!」ヤケクソ

初春「……わかりました。許してあげます。その代わり……」




突然、真剣な顔で垣根を見る初春。誤魔化しや冗談を一切遮断するかのような初春の目に、思わず垣根は生唾を飲む。


少しの間の後……初春は垣根に要求を告げた。




「カッキーさんの『素顔』、見せてください」


「―――!?」




垣根を真っ直ぐ見たままハッキリとした声で、初春は確かにこう言った―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 22:02:12.89 ID:MhRQjdQ0<>??「だぁーれだ? はーまづらぁ…」



―――突然視界を塞がれた浜面仕上は、自分の目を覆っているのが人間の手だと認識するのに時間はかからなかった。
要するに良く恋人が待ち合わせの時にやっているアレである。
浜面は、おそるおそる自分の目を塞ぐ人物の名を当てる。



浜面「むむ……麦野さん……ですよね?」


??「正解♪」




周りが見えないせいか、弱気に答える浜面。後ろから聞こえる明るい声が逆に怖い。
そっと手がどけられ、浜面に光が戻る。



麦野沈利…学園都市第四位の超能力者。能力は『原子崩し(メルトダウナー)』。右目と左腕は何故か元通り。



元『アイテム』の構成員がここに全員集合した。




麦野「――よ! 皆久しぶりね♪」

絹旗「うわ〜、全員揃うなんて超久しぶりですね!おかえりなさい、麦野さん」

フレンダ「そりゃそうでしょ? ずっといなかったもん。おかえり〜♪」

滝壺「おかえり。むぎの」

浜面「いきなり脅かすなよ〜。椅子から落ちかけたぞ……まぁともかく、おかえり」

麦野「ただいま。あ、これお土産ね」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 22:06:43.94 ID:MhRQjdQ0<>――ドサッとテーブルに置かれたのは、日本ではまず売ってないような物ばかりだった。




浜面「お、またずいぶん買ったんだなぁ………にしても、よくここが分かったよな?」

麦野「へ? あぁ、そのこと……そりゃそうよ。滝壺から連絡受けたもの。そもそもココに場所指定したの私だし」

フレンダ・絹旗・浜面「は???」

滝壺「ごめん……」




何故かそう呟いて俯く滝壺。鳩が豆鉄砲食らった表情の三人に麦野が続ける。




麦野「実はさ……私、どうしてもココが良かったのよ…」

フレンダ「……何で電話の時言わなかった訳さ?」

麦野「ゴメンね。ちょっと言いにくかったの……滝壺には黙っててもらっちゃった」

絹旗「……別に…超気にしませんけど、何でココだったんですか?」

滝壺「………」




少し気まずそうな顔をする麦野と滝壺……。やがて、麦野が何かを取り出した。




麦野「………実は……コレ…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 22:12:10.73 ID:MhRQjdQ0<>――そう言って、ピラッとチラシを見せた麦野。その内容に全員が納得した。


チラシからは『ココ限定! ココでしか食べられない高級かつ新鮮な鮭料理!』と書かれた文字が三人から見えたのだが、
もうそれだけで充分だった。



絹旗「あ、超納得です…」

フレンダ「なるほど、そういう訳だったのね……最初から言えばいいのに」

麦野「ゴメンゴメン、あの時はなんか言い辛かったのよ………さて、注文していい?」

絹旗「えぇ!?」

浜面「注文すんの!?」

フレンダ「……麦野、いつものシャケ弁は?」

麦野「何言ってんの? 今日はココのシャケが食べたくて来たんだから、必要ないでしょ?」

滝壺「むぎの、偉くなった…」

絹旗「シャケ弁持参してない麦野さんなんて…麦野さんじゃないです……」

浜面「飲食店で料理を注文する……すげぇ当たり前の事なのに、こんなに感動できるのは何故なんだろぉな……」

麦野「あれ?っていうか、アンタらもうメシ食ったの?」

絹旗「あ、そう言えばまだですね…」

浜面「俺らも…まだだったな」

滝壺「お腹…空いた…」

フレンダ「鯖缶飽きたし、たまには私も何か頼もうかな」




――積もる話もあるが、とりあえず腹ごしらえしようと麦野以外はメニューを見始めた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 22:15:10.86 ID:MhRQjdQ0<>今日はここまで!
続きはまた明日投下します。
前言ったかもしれませんが、最後はハッピーエンドです。終わり良ければ全て良しって事で…
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 22:16:35.55 ID:Xh4MyM.o<>乙なんだぜ
なんだかんだいって、この雰囲気は良いな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 22:31:50.25 ID:GJFzByMo<>乙でした〜
誰にとってのハッピーエンドなんだろう?
バッドエンドもいいと思うんだが……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 23:05:06.99 ID:wFKtHKU0<>乙
ちなみに絹旗は麦野のこと呼び捨てだぞっと<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 23:10:16.88 ID:VbbRk/I0<>バッドエンドは上条さんが許さない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/11(日) 23:13:59.55 ID:rxFcc/wo<>初春がんばれー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/11(日) 23:21:29.79 ID:MhRQjdQ0<>>>232
皆にとって……が理想です。無理かも知れませんが、少なくともそれを目指します。

>>233
あ、ホントだ……ゴメンなさい、脳内補正で。ご指摘感謝します!
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 11:27:16.15 ID:QMMLSaco<>無理やりハッピーエンド目指さなくても良いんじゃね?

NTRでも救いの無い物語でも>>1が好きなように書くのが良いと思うんだが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 18:32:43.65 ID:FJoOloSO<>矢印が複雑に絡まりあった多角関係好きにはたまらん展開

ラノベのラブコメは一本調子でつまらん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 19:48:12.94 ID:NuJ8ijE0<>ども、>>1です。

この後も色々絡む展開になってくるので、苦手なカップリングとか出てくるかも知れませんが、
その時はご容赦を。今の所、電磁通行寄りになっていますが、これも色々絡める内の一つなので、
割り切って頂ければ幸いです。最終的にどうなるのかは……まだ分かりません。
ただ、無理な変更はもう二度としないように心がけますので、どうかお許し下さい。
あと、基本ゆったり系(?)ですが、多少のシリアスとオリキャラ注意です。……うわ今更ww
毎度くだらない妄想にお付き合い頂き、本当にありがとうございます。

前置き長くなりましたが、続き投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 19:50:44.08 ID:NuJ8ijE0<>――屋外(中庭)




佐天「―――えーと……お名前、訊いてもいいですか?」

一方通行「――あン?」




――隣りでバチバチと火花を散らす美琴は触らない方が良いと判断して一方通行に近寄る佐天。
何故かコソコソしている佐天に怪訝な顔を向けるが、今の美琴に声をかけ辛いのは分かるかもしれない…。




一方通行「名前なンざねェよ」

佐天「え……?」




――フン、と横を向いてそっけなく言う一方通行。一応本当の事なのだが、佐天には『オマエに名乗る名はねェ』と
言っているように感じた……。




佐天「いや、あの……」

一方通行「あ? まだ何かあンのか? っつかオマエはさァ、ここでそンな変装みてェな事までして一体何やってンだよ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 19:55:24.21 ID:NuJ8ijE0<>――名前を訊いただけなのだが、逆に問い返されて一瞬戸惑う佐天。



佐天「御坂さんに内緒で良かったら教えますけど……」(この人なら別に言っても良いかな……)




――黒子への処刑方法を思考中である美琴に聞こえない様にしながら、佐天は今自分がここにいる理由を簡単に説明した。




一方通行「―――オマエ、とンだお節介野郎なンだな……」




――聞いた後に放った一方通行の感想は至極もっともだった。




佐天「けど、やっぱり親友だし……心配じゃないですか…」

一方通行「まァソイツは分かンなくもねェ……ンで、結局どォなったンだよ?」

佐天「………やめました」

一方通行「はァ?」

佐天「しばらく後尾けてたんですけど……すごく良い感じなのが雰囲気で分かっちゃって……」

一方通行「…………」

佐天「結局、顔は見れなかったんですけど、初春……その友達もすごく楽しそうでした」

一方通行「なるほどねェ……つまり、もォ自分が見張る必要ねェなこりゃ、って思った訳か」

佐天「あ、はい。そうです」

一方通行(単なる無駄足じゃねェかよ……コイツも寄り道ばっかの人生送りそォだな……)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:00:25.36 ID:NuJ8ijE0<>――心中で勝手に見定まれている事に、この少女が気づく術はなかった……。




一方通行「ンじゃあ、もォオマエがここにいる意味なンてねェンだろ? 帰らねェのか?」

佐天「んー、帰ろうとも思ったんですけど……」




――ぺロッと舌を出した佐天は照れ臭そうに言う。




佐天「折角来たんだし、お金も勿体ないし……もう一人で楽しんでやろうと思って……へへ♪」

一方通行「………オマエ、意外と負けン気強ェだろ?」

佐天「――え? 良く分かりましたね?」

一方通行「……まァ、事情ってのは分かった。そンで、オマエはこっからどォすんだ? まだ意地張って『一人観覧』する気かよ?」

佐天「別に意地は張ってないですよ! ………う〜ん……せめてイルカショーは見ておきたいんですけど…」

一方通行「オマエ、超電磁砲のダチなンだよなァ?」

佐天「は…はい、まぁ……」

一方通行「ンなら話は簡単だ。この後もどォせ一人なンだろ? だったら俺らと一緒に来りゃあ良い」

佐天「…え?」




――この凶悪そうな顔から思いもよらぬ言葉が出た事に、佐天は驚きを隠せなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:05:49.67 ID:NuJ8ijE0<>一方通行「ま、一人の方が良いって言うンなら無理強いはしねェけどよ?」

佐天「い、良いんですか!?」

一方通行「……何驚いてンだよ? 別に大した事言ったつもりはねェぞ?」

佐天「見かけによらず優しいんですね…」

一方通行「……ブチ殺されたいンならそォ言えよ」

佐天「ゴ……ゴメンなさい」(訂正! やっぱ怖い…)

一方通行「で、どォすンだァ? 来ンのか来ねェのか、さっさと決めろ」

佐天「良いんですかねぇ……迷惑じゃないですか…?」

一方通行「別にィ。単なる気まぐれだから、あンま気にすンじゃねェ」

佐天「け、けどぉ……お二人の…その……お邪魔になったら悪いし…」

一方通行「………あァ、どォやらコッチの説明が足りてなかったみてェだな」




――今度はコッチの事情を簡単に話してやろうと口を開いた途端、横から火花が一方通行の鼻を掠めた。




一方通行「―――ッ!?」


佐天「―――ひゃっ!?」


美琴「アンタ……私の前で友達を口説こうとは、良い度胸してるじゃない……」バチッ




―――あ、そォいやコイツもいたの忘れてたわ。三下が良くスルーすンのも分かる気がしなくもねェな……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:10:33.73 ID:NuJ8ijE0<>――ポリポリ頭を掻きながら振り向くと……案の定、額に青スジを浮かべた御坂美琴が腕を組んでコチラを睨んでいた。
何かバチバチいってますけど!? と上条がこの場にいたら間違いなくそう言っていただろう……。




一方通行「あァー……とりあえず電気しまえ。いくら周りに人が少ねェからって無闇に能力使って良い事にはならねェぞ?」

美琴「ア・ン・タ・が人の友達にちょっかいかけるからでしょうがぁぁ!!」ダッ

一方通行「―――ンなァッッ!?」




――そう叫んで飛びかかって来る美琴。能力が駄目なら格闘技! と、素早い切り替えが出来る辺り、彼女は優秀だった。




一方通行「――グェェェ!………く、首が……ッ!」ギュウウウ

美琴「佐天さん! 大丈夫だった!? コイツに変な事されてない!?」ギュウウウ




一方通行の首を後ろから絞めながら佐天に声をかける。
佐天は呆気にとられるが、すぐに答えた。




佐天「み、御坂さん……私、別に口説かれてたわけじゃ…」

美琴「いーや! コイツもアイツも、無自覚でとんでもないシュート決めてくるのが厄介なんだから! 油断しちゃ駄目よ!」ギュウウウウ

佐天「えぇ……?」

一方通行「……ナニ…を……言って……ン……はな………せェ………く…くる……し」ギュウウウウ




――苦しそうな表情で必死に言葉を紡ごうとする一方通行。白い顔が除々に青くなっていくのが佐天にも分かった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:15:31.61 ID:NuJ8ijE0<>佐天「――み、御坂さん! し、死んじゃいますって!」

美琴「………ん?」


一方通行「〜〜〜〜〜〜kjuo6huj9wsunhsn*>koht$7I!!」パンパンパン




――学園都市第一位の超能力者から本気のタップである。なにやら声も出てるが、もはや言葉として成り立ってはいなかった。
もうそろそろ許してやろうか…と美琴が腕を緩めた瞬間、どこからか声が飛んできた―――。




「―――そこまでです! とミサカは怒りに顔を歪めながら銃口を向けます」


「―――えっ?」


「―――何ですか!?」


「―――tsrg8yhhujinns5slf」(訳:イイ加減離せ! 殺すぞ!)




――声と同時に、チャキッ…という機械のような音も響いた。




―――――――




―――ここは、一般人は立ち入る事が禁じられている場所……。
いるとしたら施設内関係者だけのはずなのだが、二人はそれに該当していなかった。




「カッキーさんの素顔……見せてくれますか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:18:22.60 ID:NuJ8ijE0<>もう一度だけ、少女が復唱する。要求を求められた相手は、完全に誤魔化しのタイミングを失っていた。


「………………」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





『テメェが最終信号(ラストオーダー)と一緒にいた事は分かってんだよ! クソボケ!』



――ゴンッ!!




『頼むぜぇお嬢さん。この俺にお前を殺させるんじゃねぇ』


『最終信号はどこだ? それだけを教えれば良い。それでテメェを解放してやる』



――グゴギッッ!!




『なに……?』


「―――あの子は、あなたが絶対に見つけられない場所にいるって言ったんですよ。嘘を言った覚えは……ありません」


『……良いだろう。俺は一般人にゃ手を出さないが、自分の敵には容赦はしないって言ったはずだぜ?それを理解した
上で、まだ協力を拒むってんなら……それはもう仕方がねぇ―――』


『―――だからここでお別れだ……』


――ブォォ!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:19:27.82 ID:NuJ8ijE0<>『……お前、あの時の小娘か。また会ったな……だが、今はお前に用はねぇ』

「―――あ……あ………」

『―――第一位はどこにいる?』

「―――あ………あぁぁぁ………」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





「………………」




―――垣根の脳裏に甦る目の前の少女との過去……。




(無理だ……少なくとも今は無理だ……俺はコイツを殺そうとしたんだぞ!? とても素顔なんて曝せない……。曝せっかよ!!
折角楽しくなってきたのに………良い感じに進んできたってのに………こんな所でこの娘を絶望させる気か!?
だが、いつまでも隠し通すって訳にもいかねぇ……んな事は分かってる! 覚悟を……決めなきゃいけねえのかもな…)




初春「…………」




自分を真っ直ぐ見つめる少女、初春は……垣根の口が開くのをじっと待っていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:22:35.01 ID:NuJ8ijE0<>垣根「――……帰り…」

初春「――?」

垣根「帰りに見せるよ。それまで、お楽しみってな」

初春「え〜! お預けですかぁ?」

垣根「大したツラじゃねえから、あんま期待してんなよ」

初春「でも気になるんですよぉ〜……もしかして、カッキーさん……照れ屋なんですか?」

垣根「ま、まぁそういう事にしても良いぜ」

初春「風邪っていうのは嘘ですか?」

垣根「イヤ、それはホントだよ」(喉痛ぇし、嘘じゃねえぞ)

初春「そうですか………わかりました。じゃあ帰り! 約束ですよ?」

垣根「おう、分かってる」

初春「楽しみにしてますからね?」

垣根「だから期待すんなって。……さ、そろそろ着替えて下に戻ろうぜ! 俺、シロイルカ見てぇんだよ」

初春「あ! 待ってくださいよ〜! こんな場所で置いてかないでください!」パタパタ


垣根(帰りまでに……覚悟決めるか。悪いが、もう少し待ってくれ………絶対逃げねえからよ)




――先延ばしにするほど余計に名乗り辛くなる事に、この時の垣根はまだ気づいていなかった……。
果たしてこの先どうなる事やら……。
ひとまず、デート(?)の続きだ。と二人は着替えを済ませ、協力してくれた係員に礼を言って下へと戻っていった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:25:16.38 ID:NuJ8ijE0<>一方、元『アイテム』―――




―――とあるB館の食事施設(レストラン)には、かつて学園都市で暗躍していた組織、『アイテム』の面々がいた。
いつものファミレスではなく、こんな洒落た場所までやってきたのは、元リーダー、麦野沈利のワガママだ。と、浜面仕上は
思ったが、当然そんな事を口に出せる訳もない。この女がどれ程恐ろしいかを良く知っている彼としては、賢明な判断だった。
遅めの昼食を終えた一同は、しばし和む―――。





絹旗「―――麦野、これ何処のお土産ですか?」

麦野「ん? タイよ」

浜面「タイまで行ってきたのかよ?」

麦野「そ、色んな国に行ったんだけどバンコクが一番住みやすくてさ。しばらく居ちゃった♪」

絹旗「ムエタイやってる人主演の映画が超ヒットしましたよね」

フレンダ「あー、それ知ってる!……ええと……何てタイトルだったっけ?」

滝壺「とむ……やむ…くん、だったと思う」

フレンダ「そう、それ!」

浜面「あー、それこないだDVDで見たよな? 滝壺」

滝壺「うん、面白かった……」




――親密そうな二人に麦野が食いついた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:30:15.23 ID:NuJ8ijE0<>麦野「あれ〜、なぁに〜? やっぱアンタら、あれから一緒に住んでるのかにゃ〜ん?」ニヤニヤ

絹旗「あれ? 麦野超知らなかったんですか?」

麦野「え……何が?」

フレンダ「二人、今同棲してるって訳よ」

麦野「は!? うそ!?」

浜面「あ? 滝壺、言ってなかったのかよ?」

滝壺「言ってない……かも」

麦野「うっそ!? マジかよぉ!? 聞いてねぇぇぞ!!」ガタン

フレンダ「どうどうどう……おさえて麦野…」

麦野「あ……ゴメン……けど、それってやっぱり…」

浜面「あぁ、付き合ってるよ。もう四ヶ月……くらいか?」

絹旗「もうそんなに経つんですね……」

麦野「うわぁ……知らなかったわ………」

フレンダ「ってか浜面。付き合ってもうそんなに経つのに、未だに名字で呼んでるのはどういう訳よ?」

浜面「へ?」

滝壺「そう言えば……」

絹旗「って、滝壺さんもですよ? あれ? っていうか浜面の下の名前って何てったっけ……?」




――うーん、と考え込む滝壺。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:34:31.65 ID:NuJ8ijE0<>浜面「オイ!! 忘れてんじゃねぇぇ!! っつーか、別に良いだろ? 何ていうか……この呼び方に慣れてんだからよ」

フレンダ「うわー、面白くなーい……そこで『理后♪』って呼んでれば、浜面のキモさが五割増しになったのに…」

浜面「今決めたわ。少なくともお前らの前では絶対呼ばねぇ」

滝壺「はまづらさえ良ければ……呼んでもいいよ?」

麦野「浜面……女にこう言われちゃあ呼ぶしかないわよねぇ? 前みたいに根性見せろよ」

浜面「―――はぁあ!?」

絹旗「キモさは五割増しますけど、男らしさも三割増しますよ?」

浜面「イヤ意味ねぇじゃねえかソレ!?」

滝壺「キモさが増してもいいから……呼んで欲しいな…」

麦野・絹旗・フレンダ「り・こ・う♪ り・こ・う♪」

浜面「…………何これ何で一体どぉいう訳でそういう展開?」

滝壺「大丈夫、応援してるから……頑張って、はまづら」




―――心底うざいコールを止めるため、彼は今にも沸騰しそうな顔で「理后…」と呟いたのだった。




滝壺「はまづら……嬉しい///」

浜面「恥ずかし過ぎて死にてぇよ俺は……チクショウ///」




――ヒューヒュー♪ と、やかましい外野の存在はとりあえず消しておこう。……と浜面は誓った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:37:47.15 ID:NuJ8ijE0<>――その後も昔話を中心に盛り上がった一同だが、急に麦野が表情を変える。
どうやら、少し真面目な話を切り出すらしい。




麦野「―――さて……この辺でちょーっと話題変えるけど、良い?」

浜面「な、何だよいきなり……どうした?」

絹旗「…………?」

フレンダ「…………?」




――麦野の表情で、何かを感じたのか……浜面以外は黙って麦野の次の言葉を待った。




麦野「私さぁ……浜面追いかけてロシアに行ったじゃん?」

浜面「あ、あぁ……」

麦野「その後しばらく世界回ってたんだけどさぁ……どっかの国だったか忘れたけど、面白い人と会ったのよねぇ……」

絹旗「………」

麦野「ソイツ、パッと見は浜面みたいな冴えない顔した男だったんだけどさ……たまたま道歩いててぶつかったんだけど、何か
目と腕がまだ片方無かった私を化け物に遭遇したみたいな目で見てきやがったからさぁ。頭にきてつい能力ぶつけちゃったのよ」

浜面「うわぁ……一般人に能力使ったのかよ……しかも学園都市の外で…」

麦野「まぁムシャクシャしてたしね。……って、良いから最後まで聞いて! ビックリしたのはその後なんだから!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:42:59.15 ID:NuJ8ijE0<>フレンダ「それで結局、どうなった訳よ?」

麦野「ん。ソイツ、私の攻撃くらってピンピンしてたって訳よ」


「―――!?」




――全員が驚いた顔をする。ムシャクシャしていた麦野の攻撃はくらえばただでは済まないのを良く知っているからだ。
その麦野の攻撃をくらって全くの無傷……それも学園都市の外で起こった話である。
当然、その男の正体が気になる。



絹旗「麦野の攻撃をくらったのに無傷って……超ありえません…」

浜面「何者だよソイツ……」

麦野「そんで、呆気にとられてる私にソイツ……『お前も元魔術師か?』とか訳分かんない事訊いてきたのよ」

絹旗「魔術師……?」

フレンダ「なにそれ…?」

浜面・滝壺「…………」

麦野「私も意味分かんなくて………けどとりあえず面白そうだったから、しばらくソイツの話を聞いたんだけど、正直
今でもよく分かんない事言ってたわ……まぁ、悪いヤツじゃなかったからちょっと仲良くなったけどね」

浜面「それで……?」

麦野「ただね……ソイツ、今は医者やってるんだけど……私の腕と目を治してくれるって言ったのよ」




――麦野は、『アイテム』解散前と変わらない目を自分で指さした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:46:47.71 ID:NuJ8ijE0<>絹旗「え!? それじゃあ……」

麦野「そ♪ 私の体はソイツのおかげですっかり元通りになっちゃったの。手術は十分もかからない内に終了。
ベッドで起きたら以前の私に戻ってた。鏡見て仰天したわ」

フレンダ「すごい………」

麦野「フレンダ。驚いてるけど……実はアンタにも関係ある話よ?」

フレンダ「――えっ?」

絹旗「え?……でも、フレンダは学園都市の技術で生き返ったんじゃ……」

麦野「『表向き』はね。ところで、話少しだけ変わるけど学園都市の医療会トップは誰だか知ってる?」




――麦野の急な質問に全員首を傾げるが、滝壺が少し考えた後に答える。




滝壺「冥土返し(ヘブンキャンセラー)………」

麦野「正解。じゃあ、その『冥土返し』が絶対に治せない人ってどういう人だか分かる?」




――今度は絹旗が答えた。




絹旗「………死んだ人……ですか?」

麦野「そう。……じゃあ『第二位』が復活したってのは知ってるかしら?」

絹旗「え!? 第二位!?」

浜面「オイ待てよ! どういう事だ? さっぱり見えてこねえぞ?」



――もはや話についていけてない浜面。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:49:13.88 ID:NuJ8ijE0<>麦野「やっぱこれはアンタらも知らないか………実は私さぁ……その医者に聞いちゃったんだよね」

浜面「何を…?」

麦野「戦争終わってから、能力みたいな力持ったヤツが出始めてるってさ……」

絹旗「何ですか……それ…?」

滝壺「…………」

フレンダ「学園都市の外で能力開発が行われてるって訳?」

麦野「んー、イヤ。それは違うみたいよ」

浜面「じゃあ……今の話は…?」

麦野「その医者、最近までは学園都市で働いてたみたいなの。もちろん極秘……らしいけど」

浜面「…………らしいって?」

麦野「『色々』と誤魔化して入ったけど、バレそうになったからトンズラこいた。って軽く抜かしてたわ……」

絹旗「そんなの……超不可能ですよ! 警備の厳重さが超半端ない学園都市(ここ)に、侵入したっていうんですか!?」

麦野「私もまさかとは思ったけど……ところが、ソイツの能力(?)……かなり何でもアリみたい……演算とかしなくても自分の意志で自由に
使えるって言ってたし…」

フレンダ「何なの…その超人ぶり……」

絹旗「…………」

浜面「信じられねぇ……」

麦野「まぁそうよね………じゃあ更に訊くけど、フレンダ」

フレンダ「――!」



――突然フレンダを真っ直ぐと、物色するかのように見る麦野……そして、言いにくそうにしながらも…ハッキリと言葉に出した。



「―――どうしてアンタは今、生きているのかしら?」


「―――!?……………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/12(月) 20:54:33.16 ID:NuJ8ijE0<>今日はここまでです。
続きは明日か明後日になります。
お付き合い頂き、ありがとうございました!
では。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 20:55:42.17 ID:PXErtyoo<>乙!
美琴たちの修羅場が気になるぜ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 22:45:18.08 ID:608DI4E0<>もういっそのこと女性陣全員が一方さんに惚れちゃう修羅場を期待する<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 23:28:59.54 ID:ART8ccs0<>乙、てかロシア編後だったのか。
もう内容に如何こう言うつもりはないけど、なんかなぁ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 23:45:51.98 ID:av7tTDc0<>、の前後が矛盾してるのはなんかなぁ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 23:58:30.05 ID:608DI4E0<>これまで上条さんに集まってたフラグが全部一方さんに移ってしまって、上条さんが空気で寂しい思いをする展開を妄想している俺がいるww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/13(火) 02:10:18.95 ID:Nn18GJ.0<>早くしてくれないと、体が冷える

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 19:35:36.44 ID:yKBfSgU0<>こんばんは。復活早々申し訳ないですが、美琴崩壊注意です。
苦手な方はスルーした方が良いかもしれないっす……。
ネタとして割り切ってくれたら幸いです。
では、続き投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 19:39:04.48 ID:yKBfSgU0<>――屋内(中庭)




―――御坂妹は激怒していた。表情からは感じられないが、雰囲気やオーラがそれを物語っていた。




「――動かないで下さい。とミサカは警告します」




上条を置き去りにしてまで駆けつけた彼女の目に映ったのは……彼女自身が想定していた最悪の結果に近いものだった。
御坂美琴、もとい自分の姉は一方通行が気になっているのではないか? と仮説を立てていた。
その仮説は……奇しくも当たってしまったのだ。彼女がそう結論付けてしまった根拠は目に映った状況だけで充分だった。


『美琴が一方通行に後ろから抱きついている!』という状況だけで――――。




佐天「え……どうなってんですか?……御坂さんが、二人???」

美琴「アンタ……何で…?」




――突然の登場に美琴と佐天は驚くが、御坂妹は全く気にも止めていない。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 19:45:10.41 ID:yKBfSgU0<>それどころか、明らかに敵意に満ちた目で二人を睨む。




御坂妹「発言を許可した覚えはありません。とミサカは威嚇射撃します」パァン!

佐天「―――ひぃっ!?」

美琴「―――ひゃっ!? ア、アンタそれ実弾!?」

御坂妹「人通りが殆どないこんな場所で……コソコソと何をしていたのですか? とミサカは尋問します」

美琴「な……何言ってんのよ…? アンタ正気?」

一方通行「――pskxbpiwqxmknj7xm5xn」

御坂妹「………電極のスイッチまで切って、無抵抗状態にした彼に……一体何をするつもりだったんですか? とミサカは訊いているんですッッ!!」

美琴・佐天「―――!!?」




――今にも引き金を引かんばかりの勢いで珍しく声を張り上げる御坂妹に肩をビクッ、と揺らす二人。
特に、全く訳が分かっていない佐天は若干涙目になって怯えていた。




佐天「あ……う…」

御坂妹「そちらの方は共犯ですか? なるほど。仲間まで利用するなんて……落ちましたねお姉様。…見損ないました。とミサカは失望します」




――チャキッと銃口を佐天の方へ向ける。




佐天「――ひ、ひぃっっ!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 19:47:31.53 ID:yKBfSgU0<>美琴「――待って! ご、誤解よ!」



――咄嗟に声を飛ばすが、御坂妹は構えを解こうとはしない…。




御坂妹「この状況の何処に誤解があるのか、ミサカには理解出来ません。とりあえず、その汚らわしい腕を彼から離して下さい。
とミサカは命令します」

美琴「け、汚らわしいですってぇ……?」バチッ

御坂妹「その人にくっついたまま放電するなッッ!!」

美琴「――っ!?」ビクッ

佐天「み、御坂さん……な…何だかさっぱり分かりませんけど……ここは穏便に…」

美琴「………く……分かったわよ。ゴメンなさい、佐天さん……後で……ちゃんと説明するから……」




――ようやく、美琴は一方通行の首から両腕を離した。……と、同時に一方通行の体はずるり…と崩れ落ちた。




一方通行「―――iwdh8e3nkf,lemfkln/nndnmd」



美琴「え!? 一方通行!?」

佐天「ちょ!? ど、どうしたんですか!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 19:52:08.64 ID:yKBfSgU0<>――地面に倒れた一方通行に慌てて駆け寄る美琴と佐天。
だが、御坂妹はそんな二人を冷たい目で見つめる。




御坂妹「……見え透いた芝居は結構ですから、早く彼の電極スイッチを『通常』に戻して下さい。とミサカは指図します」

佐天「???」

美琴「……は…? スイッチ……?」




――どうやら、チョークスリーパー中にうっかり電極のスイッチを切ってしまったらしい……。
一瞬キョトンとした美琴だが、すぐに気づいて首元のスイッチを入れる。




美琴「あ、……これね」カチッ




――これで、ようやく一方通行は人間に戻る。




一方通行「―――ぶはァっ………何してくれてンだこのクソアマがァァ!! 殺す気かァ!?」




――罵声と同時に勢い良く杖をついて立ち上がった。




一方通行「くっだらねェ真似してくれンじゃねェかァ! あァ!? 俺を行動不能にまでしやがってよォ!」

美琴「ゴ、ゴメンゴメン。それはわざとじゃないのよ……」

一方通行「あン? わざとじゃなきゃイイってかァ!?…………ン?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 19:59:59.40 ID:yKBfSgU0<>――何やら只ならぬ空気を感じ取った彼は、怒鳴るのを止めると周りを見渡して一言呟いた。




一方通行「――……オイ? 何だァこりゃあ?」


御坂妹「間に合って良かった……とミサカは胸を撫で下ろします」


一方通行「………イヤイヤ何なのこの状況? 誰か俺に分かるよォに説明してくンねェかな…」




――人間としての機能を取り戻して早々、首を思いっきり傾げて状況を把握しようとするが……分からないものは分からなかった。




美琴「うーん、私にも良く分かんない…」

御坂妹「あぁ? まだシラを切りますかこの変態姉。……ささ、そんな物騒なお姉様は放っておいてコッチに来て下さい。
とミサカは手招きします」クイクイ

佐天(銃構えてるあなたの方が物騒なんじゃ……?)

一方通行「……はァ? 一体何なンですかァ? っつか超電磁砲。オマエ散々言われてンぞ?」

美琴「………良いわ。今回は悪いの私だし……無理に入れ替わるの頼んでゴメン! ……謝るから機嫌直して?」

御坂妹「今更ですか? 既成事実まで作ろうとしておいてよくもヌケヌケと……」

美琴「だからそれは誤解だって言ってるでしょお!? ……ってかNTRって…」

御坂妹「見苦しい言い訳は結構です。お姉様の腹黒さは今ので良く分かりました。とミサカは聞く耳を持ちません」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:04:14.61 ID:yKBfSgU0<>美琴「違うの! 本当に誤解なのよ!」

御坂妹「はぁ!? この期に及んでまだシラを切るとは、なんて往生際の悪い姉なんでしょうか…とミサカは呆れてモノが言えません…」

美琴「…………ちょっと……アンタ、いい加減にしなさいよ? コッチが下手に出てりゃあいい気になっちゃってさぁ……」ビリビリッ

佐天「み…御坂さん! 漏電してますよぉ!?」

御坂妹「言葉で追い詰められたら今度は力ずくですか? 超能力者とは思えない低脳ぶりですね。とミサカは見下すように鼻で笑います」フン

美琴「ほぉ……言ってくれんじゃない。 欠陥品のくせに言いたい放題抜かしやがって………今すぐ謝ったらまだ許してやるけど?」

御坂妹「馬鹿ですか? 何故ミサカが謝罪の言葉を口に出さなければならないのでしょう? とミサカは小馬鹿にする様に首を傾げます」

美琴「――さっきからミサカはミサカはってうっさいのよッッッ!!! ちったぁまともに喋れッッ!!!」バチィッッ!!

御坂妹「―――ッッ!?」




周りに電気を纏いながら大声を出す美琴に一瞬怯むが、御坂妹は引き下がらない。
一方通行は「巻き込まれたらめンどくせェな…」と傍観に徹し、佐天はもはや言葉も出せずにオロオロするしかなかった。
そして、電撃姉妹の口論はさらに続く。




御坂妹「……では真面目に訊きます。何故その人に抱きついていたのですか?」

美琴「だから、それは誤解だって何度も―――」

御坂妹「いえ、ミサカの目にはそう映りませんでした。それでも誤解と言い張るのなら証拠の提示を求めます」

美琴「証拠……? 何言ってんのアンタ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:09:10.51 ID:yKBfSgU0<>御坂妹「お姉様はどのような経緯でその人に抱きついたのかは分かりません…というか分かりたくもありませんが、どういう形にせよ……
お姉様がその人と密着していたのは紛れもない事実です」

美琴「だぁかぁらッッ!! コイツが私の友達口説こうとしてたから押さえただけでッッ!!」

御坂妹「友人に罪を擦り付けるのは見苦しいですよ? お姉様」

美琴「――ッッ!!」



―――こめかみの辺りがズキズキしてきたが、負けずに言い返す美琴。




美琴「……じゃあどうしろってのよ!? 証拠とかそんなモン、ある訳ないでしょ!?」

御坂妹「そうですか。では今後、この方に妙な接触は二度としないとミサカに誓って下さい」

美琴「……何よ『妙な接触』って? アンタ何か勘違いしてるでしょ? 私はただ、コイツをちょっと驚かしてみようか…って――」

御坂妹「なら余計誓って下さい。お姉様の幼稚な戯れに付き合うほど、この方は子供ではありません」

美琴「アンタ……私に喧嘩売ってんの? そろそろ止めとかないと……マジでキレるわよ?」ビリッ

御坂妹「喧嘩を売ったのはむしろお姉様では? とミサカは指摘します」

美琴「あ? 私がいつアンタに喧嘩ふっかけたってのよ? え?」

御坂妹「せめて自覚くらい持って下さい……これでは話にもなりませんね。とミサカは溜息を吐きます」ハァ…

美琴「だから意味わかんねぇっつーの!!」

御坂妹「ミサカはお姉様を信じていたんですよ? なのに……あっさりと裏切られました。これを宣戦布告と捉えなければ
一体何なのでしょうか? とミサカはお姉様に問います」

美琴「……あー、ゴメン。私馬鹿だから分かんないや。もっと分かりやすく言ってくれる?」

御坂妹「『分からない』のではなく、『考えたくない』だけでしょう?」

美琴「ハン、人の心探るみたいに言わないでくれる? 何? アンタに私の心の中が見えるっての?」

御坂妹「お姉様は分かりやすい……分かりやす過ぎて、卑しい心まで丸見えです」

美琴「あぁ? なぁにテキトーな事ほざいてんのよ? アンタ読心能力にでも目覚めたつもり?」

御坂妹「端から見たら誰でも分かりますよ。一人の無能力者を除けば……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:13:34.39 ID:yKBfSgU0<>美琴「今アイツは関係ない!! 勝手に話をすり替えんな!!」

御坂妹「お姉様は『あの少年』に惚れているんでしょう?」

美琴「それは関係ないって言ってんじゃない!!」

御坂妹「ミサカにすら言えないとは……この分では想いが彼に伝わるまであと何年かかるでしょうか…」

美琴「だから今関係ねぇっつってんだろぉが!!! さっきからしつこいのよッッ!!!」

御坂妹「関係ありますよ? お姉様は彼と上手くいかない事に、イライラしていたんじゃないですか?」

美琴「―――ッッ!?」

御坂妹「『ダブルデート』の時も……特に何も発展はしなかったそうですね?」

美琴「だから……何?」

御坂妹「『次がある。今日は駄目だったけど、また次がある』と自分に言い聞かせて先延ばしにした結果がこれですか……もはや呆れを通り越して哀れですね」

美琴「何で………ッッ!?」

御坂妹「忘れたのですか? ミサカは『お姉様の』クローンなのですよ? 残念ですが、全てお見通しです」

美琴「…………ッ!」ギリ…ギリ




―――言葉を失った美琴は悔しさからか歯を軋る。
何とか反撃しようと言葉を探す。




美琴「ってか……人のことばっかり言ってるけどさぁ。アンタはどうなの?」

御坂妹「……ミサカですか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:15:46.10 ID:yKBfSgU0<>――意外そうな表情を見せるものの、すぐに言葉を返す。




御坂妹「ご心配には及びません。ミサカはお姉様のような『お子様』とは違いますから」

美琴「ぐ……いちいち癇に障る言い方を………」グググ…

御坂妹「気に障ったのなら謝ります。けど『事実』ですから」

美琴「………キ…」




――美琴は今にも爆発しそうな表情だが、御坂妹は涼しい顔のままである。が、しかし……この言動から察するに
彼女も相当怒っているのだろう……。もはやどっちが姉なのか、見分けるのも大変になってきた。




美琴「ふ…ふん………アンタだって、人の事言えないんじゃない?」

御坂妹「……どういう意味ですか? とミサカは尋ねます」

美琴「アンタだって! アイツ(上条)の事好きなんでしょ!? なのにコイツとデートとか、一体何考えてんの!?」

御坂妹「確かに、あの少年には特別な感情を抱いています。しかし、今は一方通行との時間をミサカは優先します」

美琴「は……アンタまさか今はコイツの方に惚れちゃってるって訳? 要するに乗り替えたんじゃない! ねぇ、知ってる?
アンタみたいなのを『尻軽』って言うのよ! フフフ……まさにアンタにお似合いだわ! ハハハハ!」




――美琴はお返しとばかりに御坂妹を馬鹿にした目で見る。
そして、急に目を鋭くして言った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 20:16:29.23 ID:c/K.5gEo<>これが噂に聞く修羅場ってやつか…なんかどきどきするけどいいな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 20:18:13.55 ID:CeYisTYo<>姉妹だからかわからんが、どちらも言ってることはお互いに当てはまるよな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:20:15.76 ID:yKBfSgU0<>美琴「結局アンタもフラフラしてたんじゃないの! 何よ偉そうに……あぁ、違うか。今もアイツに特別な感情抱いてるって
言うんなら、まだアンタもフラフラしてるって訳よね? それでよくもまぁ……ベラベラとおべんちゃら抜かしてくれたわよ
ねぇ……」

御坂妹「ハァ……本当に発想が貧困ですね…とミサカは再度呆れます」

美琴「あぁ!?」

御坂妹「………分かりました。ではお姉様にも分かるようにハッキリ告げましょう」

美琴「な…何よ……?」


御坂妹「ミサカはその人………一方通行を恋愛対象として意識しています」


美琴「―――!!」


一方通行「」


佐天「うわっwww」




――――――――――



上条「」ヒュー…



――――――――――




美琴「ア、ア、アンタ……本気?」

御坂妹「何をそんなに驚いているのか、ミサカには分かりかねます。訊いたのはお姉様ではないですか」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:25:48.18 ID:yKBfSgU0<>美琴「ででで、でもアンタ……アイツ(上条)は? まさか、マジで乗り替えるっての…?」

御坂妹「勿論あの少年の事も慕っています。とミサカは答えます」

美琴「何よそれ?……って事は二股ってこと!?」

御坂妹「……どうも勘違いされているようなので説明しておきます」

美琴「……は?」

御坂妹「ミサカはあくまで、彼を『恋愛の対象』として見ているだけです。『惚れた』なんて一言も言ったつもりはありません」

美琴「何なのそれ?………意味分かんない!」

御坂妹「『お子様』なお姉様にはまだ分からないでしょうね……フフッ」

美琴「――なっ!!」

御坂妹「それに、ミサカはあの少年を『恋愛の対象』として慕っている訳ではありません。あくまで、妹達を助けていただいた
事への『感謝』という意味で慕っているのです。特別な感情というのもそれに当てはまります……これで理解出来ましたか?」

美琴「………そ……そんなの詭弁よ!!」

御坂妹「……まさかこれでも分からないとは……本当に勘弁して欲しいです。厄介な『お子様』はあのクソガキだけで充分なのに…」

美琴「さっきっからお子様お子様ってぇ!! アンタ一体何様なのよ!!!」

御坂妹「ミサカはミサカですが? 強いて言うならミサカ様でしょうか」

美琴「――ふざけんなッッッ!!!!」

御坂妹「事実を言ったまでですが…何をそんなにムキになっているのですか?」

美琴「……アンタ結局さぁ! 私に何が言いたい訳!? もうハッキリ言いなさいよ!!」

御坂妹「………いいですよ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:31:09.45 ID:yKBfSgU0<>一瞬言うのを躊躇うような顔をするが、御坂妹はそれ以上迷わなかった。



御坂妹「お姉様のような『お子様』がこのまま誰かとくっくくなんて、正直気に入らないとミサカは言いたいのです」

美琴「……またそれ? アンタそれ以外言い方ないの? このボキャ貧!」

御坂妹「いつも素直になれずに喧嘩越し――」

美琴「―――えっ?」

御坂妹「――デートにすら上手く誘えない。思っている事と常に裏の態度をとってしまう。いつまで経っても自分を相手にアピール
する事も出来ない。これを『お子様』ではなく、一体何と呼べば良いのでしょうか?」


美琴「―――ッッ!!?」


御坂妹「つまりお姉様は完全に出遅れているのです。突然入れ替わりたいだなんて……一体何を思ったのかは知りませんが、彼(一方通行)を
巻き込むのはやめて貰えないでしょうか?」


美琴「……………」


御坂妹「彼にとってもミサカにとっても迷惑です。単なるイタズラだと言っていましたが、果たして本当でしょうか? 
とミサカは疑惑の目を向けます」


美琴「……………る……さい…」プルプル…


御坂妹「本当は、自分が素直になれないのをあの少年(上条)のせいにして、一方通行に逃げようとしていただけではないのですか?」


美琴「うるさい…………………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:35:03.62 ID:yKBfSgU0<>御坂妹「お姉様は現実から逃げたかっただけ………けど側には一方通行しかいなかったから……結局は彼を都合よく利用しただけに過ぎないのです」


美琴「黙れ……………」


御坂妹「逃げてばかりの人間に、振り向いてくれる王子様がいつか来るとでも思っているのですか?」


美琴「黙…れ…………………」




―――俯き過ぎた美琴の目は御坂妹から見えないが、構わず妹は姉にトドメを刺した。




御坂妹「―――少なくとも、今のようにフラフラしたお姉様相手では絶対にあの方は振り向いてくれませんね。とミサカは断言します」




――――ブチィッッッ!!!!!




美琴「――――黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れェェェえええええええええええええッッッッッッ!!!!!!!」




佐天「―――ひっ!!!!?」



一方通行「―――チッ!」カチッ




―――ビシャァァァァアアアアアアアアンンン!!!!!!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:41:15.00 ID:yKBfSgU0<>―――ドゴォォォオオオオオオオオオオオンン!!!!!




―――叫びと共に……彼女の中心に特大の雷が落ちた。辺り一面を粉塵が包み、一気に空が暗くなる。……晴れた煙の向こうには……
あのテレスティーナが可愛く見える程の表情をした御坂美琴(?)の姿があった。




美琴「フーーーッ……フーーーッ……」




……それは、とてもあの美琴とは似ても似つかなかった。今の彼女の顔を表現するならまさに『般若』である。
どうやら堪忍袋の緒が完全に切れてしまったようだ。




御坂妹「やれやれ………ムキになって能力全開とは、やはり『お子様』ですね…」ハァ




――対して冷静な御坂妹。想定していたのか回避に成功していた。距離をとって『変わり果てたお姉様』を見つめる。




一方通行(オイオイ……アイツ……今のレベル6イったンじゃねェか……?)


佐天「」ガクガクブルブル…




――恐怖で震える佐天を腕に抱えながら、一方通行は離れた場所からその様子を伺っていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:42:30.39 ID:yKBfSgU0<>―――――――――――――



――プツッッ…





麦野「――あら? 何? 停電?」

絹旗「今の超近くに落ちた雷のせいじゃないですか……?」

浜面「マジかよ……雨降ってなきゃ良いけど……っつか今日雨だったっけ?」

絹旗「今日はチェックしてないですね……けど、今の音の様子じゃすぐ降りそうですよ?」

滝壺「その時は一緒に濡れて帰ろう? はまづら」ピトッ

浜面「オ、オイ滝壺……///」

フレンダ「――そこ! 暗くて見えないからってイチャつかない!」

麦野「これからが面白いのに……」

フレンダ「結局、どこまで聞いたっけ?」

麦野「アンタが何で生きてるかについてよ!」

フレンダ「あ、そうだったね♪」

浜面(何か違和感だらけだな〜……このやりとり…)




―――――――――――――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:44:13.06 ID:yKBfSgU0<>―――――――――――――




禁書「――うわぁ〜! ビックリしたぁぁ……近くに落ちたかも…」

打ち止め「雷だぁー! 暗いよ〜怖いよぉ〜! ってミサカはミサカはおへそを隠してみたり」

禁書「私もおへそ隠さなきゃ! 鬼に取られちゃうんだよ!」

打ち止め「鬼じゃなくて雷神様だよ。ってミサカはミサカは正しく直してみる」

禁書「とうまたち……まだ外にいるのかなぁ…」

打ち止め「もし外にいるとしたら……ってミサカはミサカは洒落にならない事態を想定してみる」

禁書「……どういう意味かな?」

打ち止め「オマエンとこの家主の体質ってのをちっとは思い出してみろォ! ってミサカはミサカはあの人の物真似で教えてみたり」

禁書「あっ! なるほどぉ〜。とうまは不幸だから、雷にとってはまさにうってつけの避雷針って訳だね♪」

打ち止め「ピンポーン! ってミサカはミサカは正解者に拍手〜♪」パチパチ

禁書「………………」

打ち止め「………………」パチ……パチ……

禁書「うわぁぁぁん!! とうまぁぁ〜〜〜!!」

打ち止め「おおおお、落ち着いてシスターちゃん! 大丈夫だよ! あの人なら……きっと……多分……五十パーセント……って
ミサカはミサカはだんだん自信が無くなってきたり……」

禁書「私のご飯、誰が食べさせてくれるのぉ〜〜〜!?」

打ち止め「ソッチかい!! ってミサカはミサカはお決まりのリアクションを取ってみたり」




―――――――――――――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:45:28.40 ID:yKBfSgU0<>―――――――――――――




垣根「――あ? 何だ今の馬鹿デケェ音?」

初春「雷みたいですね……けど、変だな〜………今日はずっと晴れのハズなのに……雷警報はなかったですよ?」

垣根「学園都市の天気予測は百発百中のハズだろ? だとしたら今の音はなん―――!?」




―――プツッッ…




初春「――あ、停電……」

垣根「やっぱ雷じゃねえか!」

初春「おかしいですよ!? 学園都市の天気は常に把握されてるハズなのに……」

垣根「うーん……考えられるのは二つだな」

初春「何ですか?」

垣根「一つは予測装置みてぇな、天気を把握する機械が故障した」

初春「……まさか……ありえないです…」

垣根「所詮人間が作ったモンに完璧はねえよ」

初春「……じゃあ…もう一つは…?」

垣根「雷を落とせるほどのレベルを持った『電撃使い』が近くで大暴れした……のかもな」

初春(レベルの高い電撃使い……それってまさか……)

垣根(ん?……待てよ……それってまさか……)




―――カッキーこと垣根帝督の勘は今日も絶好調のようだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/14(水) 20:52:20.78 ID:yKBfSgU0<>今日はここまでです! 美琴を愛して止まない方、どうかお許しを……。
美琴が本当はこんな娘じゃない事は重々承知してますんで……。
続きはまた明日投下します。お付き合い頂きありがとうございました。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 20:55:42.37 ID:xMxZJ620<>おつー!
御坂妹つええww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 20:59:59.65 ID:aiYhL3Ao<>乙だぜ
美琴がキレたら麦のん化するのか、覚えた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 21:02:41.55 ID:1nztA02o<>ヒーハー!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 21:06:30.84 ID:XlgAEiI0<>おつ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 21:44:03.56 ID:Sn2UA..0<>哀れ美琴…
とうとうどこにでもいる様な尻軽女と同じになっちゃったなww
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 21:48:09.09 ID:mFcgy7I0<>乙
しかしなんだろなこの高翌揚感。
いつぞやのキョンがSOS団を抜けるやつといい上条「いい加減にしろぉ!」といい、ヒロイン達が傷つくのを見ると感じるこの気持ち・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 21:50:01.13 ID:CeYisTYo<>御坂姉妹は二人とも一通さんが好きなんじゃないかと上条さんが勘違いする展開になりそうで怖いぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/14(水) 22:08:59.32 ID:EYBDwSg0<>なんか御坂妹が腹立つww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 22:16:58.06 ID:Sn2UA..0<>男目線なら妹より美琴の方がビッチじゃね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/14(水) 22:39:10.04 ID:3nRSbGc0<>個人的に上条さんは気絶したままなのか、物陰で聞いてるのか わかりにくいぜ。

乙、明日も期待してます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 00:51:46.05 ID:Yir/Anc0<>>>289
人はそれを加虐趣味と言う。

それにしても一方さんは少しくらい止めにはいろーと思わないのか。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 01:03:55.59 ID:REvhFh.o<>相変わらずインデックスと打ち止めがかわいくて働くのが辛い<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 01:51:15.90 ID:NVBo9cDO<>中学生相手に本人が気にしてる事ズバズバ言われたらそりゃぶち切れるわ

結局キレた美琴もズバズバ言い続けた妹もどちらも年相応な子供なわけよ



佐天さんは俺が保護して慰めるから安心しろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 02:08:47.50 ID:yyC.O2AO<>とにかく面白い
乙乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/15(木) 04:53:18.57 ID:TdiH3TM0<>今日は雨だからな・・・
ネクタイだけじゃ体が冷える<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 12:17:22.72 ID:hbfGJs6o<>一方さんが空気読めるキャラだったり、やたら人が出来てたり
かと思ったら「巻き込まれたらめンどくせェな…」と言っちゃったり
なんかどのキャラも安定してないな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 12:58:00.62 ID:9uNaj2DO<>ここからどうやって電磁通行にもってくかわからん
てかここまでキャラ崩壊させてまで無理矢理路線変更したんだから下手にハッピーエンドにしなくてもいいんじゃね?
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 13:02:27.92 ID:yyC.O2AO<>細けー事はいいんだよ
全ては>>1次第だし<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 14:27:38.51 ID:jbSVEr60<>同意しとこう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 16:39:34.70 ID:3DlIbSc0<>ここでの美琴は優しくされたら誰とでも寝る女のタイプなんですな
んで、それを指摘されて逆ギレするという
いわゆるヤリマン予備軍だな…

ま、たまにはこういう美琴もいいんじゃない?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 17:30:08.52 ID:v49f4dQo<>そこまで必死にならんでも…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 17:43:39.40 ID:9uNaj2DO<>美琴のキャラ崩壊よりも一方さんのキャラが定まってないほうが気になるわ

何げに歪みのない俺のインデックスと打ち止めはこのSSじゃオアシス的な存在だな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 18:37:22.62 ID:3DlIbSc0<>そういえば、美琴マンセーじゃ無くなったとたんに荒らされなくなったね…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 18:41:20.17 ID:S2tYy8go<>ID:3DlIbSc0←荒れる原因<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 18:49:42.76 ID:qbJWZDg0<>え〜と、上条さんと一方さんの友情スレでしたっけ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/15(木) 19:22:37.32 ID:bZYm.zQ0<>こんばんは、>>1です。まず訂正。

一通さんの「巻き込まれたらめンどくせェな…」っていう台詞の所はこれじゃちょっと言い方
悪いんで、「ここは口出せるよォな雰囲気じゃねェな…」に変更で。

引き続き『姉妹喧嘩編』ですが、美琴さん更に壊れますので注意。
イメージ保ちたい方は見ない方が良いかもです…。さて、どうやってまとめよっかな〜…
では、今から投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/15(木) 19:24:44.27 ID:bZYm.zQ0<>―――雷が鳴り響く空の下




―――落雷地点付近の人々は避難し、周囲はすっかり静まり返ってしまった……。
ここはあくまで公共の場所なのだが…洒落にならない雰囲気の修羅場に通行人は美琴達を避けて歩いていた。
「喧嘩か?」と、興味を持って遠くから見る人もいた。だんだんエスカレートしていく罵り合いを楽しそうに見物しよう
とする勇気ある若者もいた。係員は止めようにも止められず、遠くでオロオロしているしかなかった。

だが……突然光った空から少女の咆哮とともに落ちてきた凄まじい電圧を帯びた稲妻は、付近の人々の顔を恐怖で染める
のに何の申し分もなかった。満場一致で『退散』の文字が浮かび上がる。この姉妹のかつてない修羅場に近寄ろうとする
ような無関係者は誰ひとりとしていなかった……。

雷を呼び起こした張本人、御坂美琴は穴の中心にいた。穴は雷の威力で地面が抉れて出来たのだ。直径は約数メートルと
いったところか……地面は、彼女の力強く踏みしめられた両足首から下がすっぽり隠れて見えなくなっている。上から見
たら、ちょっとしたミステリーサークルだ。美琴は今、そのサークルの中心で両足を肩幅よりもやや広げて立っていた。
両拳は固く握られ、彼女の周囲は常に無造作な電撃が走っている。




「フーーーーッ……フーーーーーッ……」




まるで興奮状態の肉食動物のような呼吸音を発する美琴……。
そのあまりに恐ろしい形相は、もはや『常盤台のお嬢様』から程遠くなっていた。どちらかと言えば『破壊』や『修羅』と
いう言葉の方がまだ的確かも知れない……。
そして彼女は……己から生み出された軍用クローンである目の前の自分そっくりな少女を迫力のこもった眼光で睨みつけ、
表情とは一転した口調で言葉を発した―――。




「――――…取り消しなさいよ………今言ったこと全部……」




―――低く……重く……ドスの効いた声だった。
美琴の目は『自分を否定する者は誰であろうと許さない』と語っているようだった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 19:25:08.60 ID:yyC.O2AO<>いい加減しつこい
展開気にいらねーなら見なきゃいいじゃん、明らかに路線変更狙ってる奴いるだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 19:27:13.05 ID:Yfiq8oAO<>支援<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 19:28:42.38 ID:9uNaj2DO<>>>311
マンセー以外は受け付けないってか?じゃあブログでもつくってそこでやってろと言いたい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/15(木) 19:29:35.57 ID:bZYm.zQ0<>「……ついには逆ギレですか……全く、どこまでも見苦しい…とミサカは見下した目で呟きます」




――そんな美琴の様子を目の当たりにしたにも関わらず、依然として涼しい顔で言葉を返す御坂妹。
まるでこうなる事が分かっていたかのような表情にも見える……。





美琴「……聞こえなかったの? 馬鹿人形。私は今言ったこと取り消して地面に額こすりつけて謝れっつってんの」

御坂妹「悪いのはお姉様でしょう? もっとも、最初にハッキリと拒否を示さなかったミサカにも非があることは
認めますが……」

美琴「『そんなの』もうどぉでもいいのよ! ホラ、早く謝りなさいよ! こんな屈辱生まれて初めてだわ……」

御坂妹「どうやらミサカは今まで『お姉様』という人間を誤解していたようです………ここまで我が強いとは思って
いませんでした……とミサカはお姉様に対する印象を改めます」

美琴「……何? 私を買いかぶってたとでも言うつもり? 生憎だけど、私にだって『どうなろうが知った事か』って思う時ぐらいあんのよ?」

御坂妹「ミサカは今この時ほど、自分がお姉様から作られた事……お姉様と同じ容姿である事を後悔した日はありません…」

美琴「あぁ? まだ減らず口叩くの? 私を怒らせんのがそんなに楽しい?」

御坂妹「怒りでハラワタが煮えくり返る思いをしているのが自分だけだと思わないで下さい」

美琴「あんだと…?」

御坂妹「ですが、ミサカは別にお姉様がどっちつかずの状況に腹を立てている訳ではありません」

美琴「チッ、また意味わかんねぇことを……」

御坂妹「お姉様が上条当麻に愛想を尽かして純粋に一方通行を好きになったのなら……ミサカはお姉様にここまで言うつもりは
ありませんでした…」

美琴「…………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/15(木) 19:34:08.51 ID:bZYm.zQ0<>御坂妹「ミサカが最も許せないのは、お姉様が一方通行を慰み者として利用しようとした事です」

美琴「――違うッッ!!」

御坂妹「一方通行はお姉様にとって都合の良い執事でもなければ、滑り止め用の保険でもありません。彼を……そんな風に
利用するなんて、たとえお姉様と言えどミサカは絶対に許しません!」

美琴「だから違うっつってんでしょおお!!!」――ビリビリビリッッッ




―――御坂妹の周りを美琴の電撃が飛ぶ。しかし、威嚇射撃なのか……御坂妹に直撃する事はなかった。




美琴「……ハァー……ハァー……」




―――美琴の放電に眉一つ動かさず、さらに続ける御坂妹。




御坂妹「……それも、ミサカが怒る理由に該当します」

美琴「あん?」

御坂妹「そんな最低なことを無意識で……自覚も無しにしてしまって、今なお認めようとしない事です」

美琴「なに決めつけてんのよ? 違うって何度言ったら分かんの? マジでどっか壊れてんじゃないアンタ?」

御坂妹「壊れているのはお姉様です。それもかなりの重症です……おそらく調整前のミサカ以上に……………いい加減目を
覚ましてもらえませんか? でなければ、これ以上話にもなりません」

美琴「私が壊れてる……? ハッ! もう怒りを通り越して笑えてくるわ! 五感全部使い物にならなくなってるみたいねぇ!?
確かに話にもなんないわこれじゃあさぁ!!」

御坂妹「今のお姉様は…もはやお姉様ではありません。お姉様の皮を被った『ゲテモノ』です」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 19:36:28.99 ID:rl.oqm2o<>>>311
黙ってNGするか、スルーしろよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/15(木) 19:40:39.67 ID:bZYm.zQ0<>美琴「――んだとコラァァあああああ!!!!!」―――バチバチバチッッッ




―――美琴を纏っていた電気が激しさを増す。御坂妹はそれでも表情を変えない。




御坂妹「己の罪を認めたくないが為に能力まで行使するような貴女を、もはやお姉様だと思いたくはありません」

美琴「あら、奇遇ねぇ? 私もアンタみたいな妹生み出されて最悪の気分だわ…」



美琴は鬼の形相のままフッ…と笑い、ついにその言葉を口にする。




美琴「――なるべく穏便に済ましてやろぉと思ったけど……どぉやら無理みたいねぇ。…ちょろーっとお仕置きしてやるわ♪」バチバチ

御坂妹「………いくら脅しても、ミサカは貴女なんかに屈したりはしませんよ?」

美琴「んなこたぁどぉだっていいのよ。どぉせもう何言ってもアンタの減らず口は止まんないんでしょ? だったら―――」キィィィン

御坂妹「―――!?」




―――コインを上に弾いた。……普通の人間なら美琴の行為はその言葉だけで済む。しかし、忘れてはならないのが…彼女は七人しか
いない超能力者の中でも上位の強者である事。そして、『コインを弾く』事は彼女の必殺技『超電磁砲(レールガン)』の発動を意味する。

目の前を、まるで彗星のように通過していく音速を遥かに超えた光の筋に……流石の御坂妹も思わず目を見開いた。




美琴「―――腕ずくで喋れなくしてあげる♪」




――今まで見せた事のない表情を浮かべた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/15(木) 19:44:16.37 ID:bZYm.zQ0<>すでに殆ど理性を失っている美琴は、『笑顔の仮面』を装着した。
その顔は天使の微笑みに見えるが……心は完全に悪魔に支配されていた。『怒り』という名の悪魔に―――。




美琴「さ、『お仕置き』してやっから覚悟しなさいよコラ」バチッ


御坂妹「……………」




―――御坂美琴、妹にまさかのマジギレである。




―――――




一方通行と佐天涙子は、今にもおっ始めそうな姉妹の様子を離れた場所から伺っていた―――。
そこは丘のように地面がせり上がっていて広範囲を見渡せるため、成り行きを見守るにはまさに絶好の場所だった。
座り込んでいる佐天の横に一方通行は杖をついて立っている―――。




佐天「――御坂さん………」

一方通行「…………」

佐天「あの…」

一方通行「ン?」




――不安そうな表情で眺めていた佐天は、一方通行を見上げて尋ねる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/15(木) 19:51:29.63 ID:bZYm.zQ0<>佐天「あの……ゴーグルつけてない方、御坂さんにそっくりですけど……双子の妹さんなんですか?」

一方通行「まァそうなるなァ……」

佐天「知らなかった………」

一方通行「……知られたくなかったンだろォ」

佐天「………止めなくて良いんですか?」

一方通行「アレを俺なら止められると思うか?」

佐天「……思います」

一方通行「………何故そう思う?」

佐天「あなたは………学園都市最強の超能力者、『一方通行』さん……ですよね?」

一方通行「あ……」

佐天「御坂さんがそう呼んでたから。………けど何か不思議ですね。学園都市の頂点に立つ人が今……自分の隣りにいるなんて…」

一方通行「あの状況で気づくたァ、なかなか肝据わってンなァオマエ」

佐天「これでも、ちょっと前までは結構色んな事あったんで。………イヤ、そりゃあ知らない人はいないですよ。
なんたって超能力者は無能力者の憧れですもん」

一方通行(その分、妬ンできやがるくだらねェ連中も多いけどなァ……)



――その時、空の彼方へと飛んでいくロケットのような光が二人の目に映った……。



佐天「――あっ!!」

一方通行(マジかアイツ! レールガン撃ちやがった……オイオイ、コイツはいよいよ洒落じゃ済まなくなってきたンじゃねェか…?)

佐天「と、止めないと! あんな御坂さん見たことないですよ! ヤバイですって!」

一方通行「……そォだな」

佐天「そぉだなって……止めないんですか!?」

一方通行「できるンならとっくにやってる…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/15(木) 19:57:13.61 ID:bZYm.zQ0<>佐天「え……?」

一方通行「今は能力がろくに使えねェンだよ。俺にも『事情』ってのがあンだ」

佐天「そ…そんな……」




すでに先ほど大量に消費してしまったバッテリーの残量は残り少ない。相手を瞬殺する分にはまだ問題ないが、そういう訳にもいかない。
仮に今行使してしまったら……帰りまではおそらく持たないだろう。ここはまだ様子を見る必要がある。
だが、もし本当に危なくなった時………その時はもう後のことは考えずに止めに入ろう、と一方通行は思っていた……。




佐天「……そんな……じゃあ、どうしたら…」

一方通行「そォ心配すンな。アイツらのことだ。殺し合いにはならねェだろ…」(多分…)

佐天「で、でもぉ……」

一方通行「本当にヤバくなったら、そン時は俺が止める。だからンなシケたツラしてンじゃねェよ」

佐天「は…はい………」




いつでも飛び出せるように、首筋に手を当てながら一方通行は―――




(―――こンな時に……あのクソ三下はどこで何をしてやがンだ? 早く来いっての…)




――この状況を止められるであろうもう一人の存在(ヒーロー)が登場するのを密かに願っていた。
すでに何度か携帯に着信を入れたのだが、ヒーローからの応答はまだ来ない……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/15(木) 20:00:04.49 ID:bZYm.zQ0<>「俺にも責任あるかも知れねェが、元はと言えばオマエが蒔いた種だろォがよ……これでのこのこ遅れて来やがったら、マジでぶン殴るぞ…」




グッと握りしめた携帯電話を睨みつけながら、一方通行は佐天に聞こえない声で呟いた―――。




―――――




一方その頃―――――




上条「」ヒュー…




――――誰もいなくなった広場で、主人公「ヒーロー」は未だ深い眠りについていた……。
真冬の冷たい風が、彼の周りで吹いている……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/15(木) 20:08:08.11 ID:bZYm.zQ0<>短くて申し訳ないですが、今日はここまでです。
いや〜、話が長くなってくるとキャラ設定狂ったり、自分で張った伏線見落としちゃったり、
色々大変っすわ…。
何か『ひぐらし』みたいにグロく書いてやったりしよっかなぁとも思ったんですが……没でw
あと余談ですが、最初はここに麦のんも混ぜる予定でした。けど、流石に無理矢理過ぎなので
これも没にしました。キャラも被るし…。
続きは明後日に投下します。お付き合い頂きありがとうございました。
では。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 20:15:28.92 ID:Yir/Anc0<>乙なんだが・・・













なんかもう加虐趣味やら友情やら言ってる場合じゃなくなってきたなwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 20:31:14.00 ID:Zn6qsdUo<>乙

なんだか話が凄いことになってきたな
こりゃ姉妹喧嘩が終わったころには空爆の直撃くらったみたくなってそうだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 20:54:24.63 ID:n1wy0PE0<>上条さんつかえねええええええええええ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 23:16:17.64 ID:M9aoViU0<>というかこの喧嘩も一通さんが一言誤解だよっていえばよかったんじゃね?
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/15(木) 23:43:49.73 ID:1WmxYOg0<>そういう問題じゃあないんだよ。

次回に期待。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/16(金) 02:25:51.06 ID:t1kZyVg0<>正念場ですな。期待。
上条さんならきっとやってくれるはず!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/16(金) 03:57:52.24 ID:vGnpclI0<>怪我の理由嘘つかれたりメール素っ気無かったりでしょぼーん
そしたら一方さんが優しくしてくれて気持ちぐらつく
んでただでさえ不安定なとこ来て妹に勘違い&図星突かれまくりでブチギレた

こんな感じの認識でいいの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/16(金) 08:04:39.47 ID:ztIBnc60<>妹UZEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage <>2010/07/16(金) 08:55:38.07 ID:eW4.7Ak0<>起きろ上条ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/16(金) 12:23:17.73 ID:vk3zRoDO<>>>329
それでいいと思うよ




御坂妹可愛すぎワロス<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/16(金) 15:55:50.01 ID:nPswckw0<>美琴がむぎのんにしか見えなかった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/16(金) 19:57:39.27 ID:/sFnmY.0<>妹のほうが純粋な感じで好感もてるな
さてさて、続き期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/16(金) 22:02:20.90 ID:nOnp68M0<>カッキーに期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/16(金) 22:26:36.99 ID:MQM/xeMo<>確かに妹は純粋な感じするけど思い込み激しすぎてウザいわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage <>2010/07/17(土) 22:19:16.84 ID:LpNQppg0<>こんばんは、>>1です。
>>329 その通りっす! 上手く説明できない自分なんかより完璧な解釈ありがとうございます。
さて、続き期待してくれてた方、お待たせしてすいません。
今から投下始めます。
あ、最初はMNWネタから入ります。
まぁ当然ですが、NW内は結構荒れ気味ですwwww
深く考えないでやってくれたら嬉しいです。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage <>2010/07/17(土) 22:21:10.62 ID:LpNQppg0<>―――MNW内




10032のご冥福を祈るスレ



1:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
10032がお姉様に喧嘩売った

2:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
え?


え?

3:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12385
安らかな眠りを…

4:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19711
オワタwwww

5:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
今どんな状況? あの馬鹿また感覚切ってるのか知らんが…さっきから全然繋がらないからさっぱり分かんないんだけど…

6:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13748
kwsk

7:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
結構ヤバイ。あんなキレてるお姉様見たことない。必殺技で威嚇しやがった…殺人鬼だ。共有すっから見てみ?

8:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11207
レーwwwwwwルwwwwwwガンwwwwww

9:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13577
怖っ!!! ってか10032のヤツ何したんだよ…この顔はよっぽどだぞ?

10:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
何かウチラじゃ絶対に言えないようなこと言ってたような。っていうか……禁句?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage <>2010/07/17(土) 22:23:24.17 ID:LpNQppg0<>11:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
何言ったのか大体想像つくな…

黙祷

12:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
命がいらんのか…?

13:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18760
あいつマジ死ぬんじゃね?

14:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
一方通行とデートするわお姉様に喧嘩売るわ上位個体殴るわ……あいつもう廃棄処分決定!

15:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12913
>>14
もっともだが……どうしてだろう……お前が言うと台無しな気がする

16:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16901
>>14
大半が私怨だからさ…

17:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12088
とりあえず、スレタイ通り冥福祈っとくか

18:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
氏ね! 10032氏ねっ! 車に轢かれて[ピーーー]! おたふく風邪で[ピーーー]! お前の冥福なんて祈りたくもないわボケ!

19:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
安心しろ。その前にお姉様に殺されるから

20:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
漏れはお姉様とじゃなくてセロリとガチでやり合いたい! 勿論激しくベッドの上でuwehdbxjdnlkjnbedlbdeeh〜〜〜☆

21:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12913
>>20
ハイお前も廃棄処分決定

22:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15377
10032と一緒に撃たれてこい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage <>2010/07/17(土) 22:25:15.58 ID:LpNQppg0<>23:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12913
むしろ身代わりになれ

24:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
つーか、あのセロリ最近やたらモテてね? 何かまた知らない娘と一緒にいるし…

25:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
人生に三度は来るモテ期と思われwwww

26:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
どいつもこいつもフザっけんなよ! 先に目ェつけたのは漏れだぞ!!
横取りするヤツは皆殺しだ!!

27:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11292
>>26
落ち着けよ
っつか最初はどう考えても上位個体だけどwwwwww

28:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18253
セロリ最近上条化してきたな……スネークいわくお姉様もオチたんだろ?

29:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10071
最近そげぶされまくってたらしいからうつったんじゃん? フラグ気質がwwwwww

30:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12246
その幻想を反射する!

31:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12913
>>30
はね返してどうすんだよww

32:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
まぁ、もう少し遠くから様子見るわ。多分今姿見せたら間違いなく誤射される

33:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
乙 
巻き添えには気をつけてね

34:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12913
スネーク乙

35:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
…………<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/17(土) 22:29:15.50 ID:LpNQppg0<>



―――――――




「――今更ビビって泣いたって知らないからね……ちょっと痛めつけてやるわこの不良品が」ビリビリッ

「――武力でくるのなら仕方ありませんね。良いでしょう、お相手します。とミサカはクソガキ第二号に渋々付き合う覚悟を決めます」ビリリッ




一触即発―――――




同じ外見をした少女二人は完全に相対していた。ただの姉妹喧嘩と言ってしまえばそれまでだが、この二人の場合それだけでは
済みそうにないだろう……。
右手に電気を纏う両者。だが――――

美琴「フッ……アンタ馬鹿じゃないの? 何? 私に勝てるとか夢見ちゃってんの? …笑わせてくれるわ。
所詮アンタはこの私の『劣化版』よ? どう足掻いたって無駄だっつーのが分かんない訳?」




―――右腕を走る電圧はどう見ても美琴の方が威力で勝っている。
普通に考えれば、欠陥電気(レディオノイズ)である妹達は超電磁砲(オリジナル)には遠く及ばないのだ。
にも関わらず、御坂妹の表情には何故か余裕が見えた。




御坂妹「ミサカがお姉様に敵わないのは、あくまで『能力数値』です。それだけで戦いの結果が決まるとは限らない事はお姉様でも良く
ご存知のハズですが?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 22:30:33.76 ID:J1pC2/.o<>おや?14510の様子が・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/17(土) 22:37:31.68 ID:LpNQppg0<>美琴「……………」




―――無論、知らないはずがない。現にこの目でその瞬間を見たのだから……。
美琴の脳裏に、あの時の上条と一方通行の顔がよぎった。


 

御坂妹「残念ながら、お姉様の戦法は全て把握しています。……そして、ミサカには『勝算』もあります」

美琴「…プッ、アハハハ! 良いわよ! 上等じゃない! ………そんじゃあ早速その勝算ってヤツを見せてみろやぁ!!」バッ




――電気を帯びた片手を前に突き出した。直後、まるで凝縮されたエネルギー波のような電流が御坂妹目がけて飛ばされる。




御坂妹「―――ッ!」バリバリッッ




―――御坂妹も同じ要領で撃ち返すが……やはり威力では劣る。
相殺しきれなかった電撃が彼女を襲った。




御坂妹「――あぁぁッ!!」




――電撃そのものは当たらなかったが、電気が地面にぶつかった際に生まれた衝撃で後方に吹き飛ばされる。
御坂妹は三メートルほど後ろの地面に背中から落ちた。



御坂妹「――うぅ……ッッ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/17(土) 22:43:52.15 ID:LpNQppg0<>美琴は自らの雷で作ったサークルからゆっくりと出た。




美琴「―――なぁに? あんだけべチャクチャ抜かしてたくせにこれで終わり? ……ハハ、しょせん欠陥品ね」




――つか…つか…とゆっくり御坂妹に歩み寄る美琴。
御坂妹は地面と接触の際に擦りむいた腕を押さえて立ち上がる。




御坂妹「…………うぅ…」

美琴「何よその気に入らない目は? アンタからけしかけて来たんでしょお?」ツカ ツカ




御坂妹の目は……まるで諦めていなかった。どう考えても無謀なこの喧嘩で……彼女の目は未だ激しい闘志に燃えていた。




美琴「何考えてんのか知らないけど、これ以上痛い目見る前にさっさと謝っちゃったら? 私との力の差も分かんないほどイカレちゃったの?」

御坂妹「……もう勝ったつもりですか?……フン。とミサカは嘲笑います」

美琴「……イヤイヤそんな状態で挑発されても……悪いけど負け犬の遠吠えにしか見えないわよ? ホント哀れよね……」

御坂妹「フフ…哀れですか………お姉様には負けますよ。とミサ―――ッッ!!?」




――グワシッ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/17(土) 22:49:39.30 ID:LpNQppg0<>―――言葉を最後まで返す前に、能力で加速した美琴に一瞬で懐に潜り込まれた。後ろに回避する暇もなく首を掴まれる。




美琴「アンタさぁ……もしかしてマジで死にたいの? それとも何? 私がアンタを殺す訳ないって思ってるからそんなに余裕な訳?」グググ

御坂妹「ぐぅぅ………」




御坂妹の首を両手でガッチリと絞めながら問うが、当然答えが返ってくるはずもない。



美琴「何とか言えってのよコラァ!!」ググッ

御坂妹「――!! う……ぐ……ぁ……ッッ!!」

美琴「…あぁゴメン、もう喋れないか♪ なんならそのクソ生意気な口、この場で二度と利けないようにしたって良いのよ?」

御坂妹「〜〜〜〜〜ッッ!!」




御坂妹は何とか美琴の腕を掴んで解こうとするが……無駄だった。体勢的に力も入らず、だんだん意識が落ちていく……。




美琴「安心しなさい、殺したりはしないから。ただ、ちょぉーっとお寝んねしてもらうけどねっ!」グググ…

御坂妹「――うッッ!!……く…あ…」




一気にオトすため、腕に力を込める。やがて…御坂妹の掴んでいた手が離れ、がくりと地面へ垂れ下がった。




御坂妹「…………」クタ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/17(土) 22:55:13.82 ID:LpNQppg0<>動かなくなった妹に冷めた目を向ける美琴。




美琴「ケッ、もうオチたか……ホント馬鹿よね。こんな目に合うくらいなら最初からガタガタぬかすなっての……」




……もうこれ以上はさすがに死ぬか…。と美琴は腕の力を緩めた………しかし次の瞬間―――!!




御坂妹「―――シィッ!」ドゴッ!

美琴「―――!? が……はッ!」




――閉じていた目がいきなりカッと開いた途端、胸部に重たい衝撃を受けた美琴は後ろへ吹っ飛ばされていた。
御坂妹は失神したフリをして美琴の腕が緩むのを待っていたのだ。何とか意識を保ち続けていられた御坂妹の根性勝ちである。


完全に油断して御坂妹の中段前蹴りをモロに受けた美琴は背中から地面に着地した。そして、胸部を押さえて呻く。




美琴「――ぐぁぁぁぁ!!………ゴホッ! ゲホッ!……ッッ!」

御坂妹「ハァッ…ハァッ……ゲホ………フゥ…」




呻きながら咳き込み、のたうち回る美琴。御坂妹はその間に四つんばいになって乱れた息を整えた。




美琴「ゴホッ…………こ、こんの野郎ォォ……ゴホッ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/17(土) 23:01:23.88 ID:LpNQppg0<>美琴「――……ゴホッ……チ…チ……チックショォォがァああ!!」スクッ


御坂妹「――………」スクッ




――怒りでさらに顔を歪めた美琴と、息の整った御坂妹が立ち上がるのはほぼ同時だった……。




美琴「――姉に向かって蹴り入れるたぁ良い度胸してんじゃああん!!? こんのクソ欠陥品がぁぁあああ!!! そう!!そうなのぉ!?
 そんなに死にたいのぉ!!?ハハハハッッ!! 上等! 上等よぉ!! んなら望み通りにしてやろぉかぁぁ!? 泣こうが喚こうが、
もぉ許してやんねぇんだからなぁぁぁああ!!!!」――バリバリバリバリィィィッッ!!!




――妹に反撃された事で完全に逆上した超能力者はでたらめに放電し始めた。…と言うより、感情がそのまま電撃となって表れている
ようだった。




美琴「オラァァ!!! 死ねやぁぁぁあああああッッ!!!!!」――バリバリバリ

御坂妹「―――ッッ!!」ヒュッ




御坂妹は、自身の能力で跳躍しながら回避する。無造作に飛び交う姉の電撃だが、方向が滅茶苦茶だ。おそらく、まともな演算もできずに
放っているのだろう……。




御坂妹(――勝機!)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/17(土) 23:09:03.53 ID:LpNQppg0<>美琴「チィィ……ちょこまかちょこまかハエみてぇに飛び回りやがってぇぇ!! うざってぇんだよぉ!!!」




『姉の冷静さを完全に失わさせる』―――これが御坂妹の考えた作戦の一つだった。
御坂妹は美琴に体を向けたまま回避行動をとっていたが……何を思ったのか、急にクルリと後ろを向いて走り出した。




美琴「――あぁ……?」




自分に背を向けて走る妹に、姉は声を飛ばす。




美琴「……はぁ!? なになにぃ!? まさか今更逃げんのぉ!? ちょっとちょっとぉ!! そりゃないんじゃなぁい!?」




美琴の挑発には耳も貸さずに走り続ける御坂妹。




美琴「オイ!!! 何処行く気だぁ!?」


御坂妹「ハッ…ハッ…ハッ―――」


美琴「チッ………待てコラァァあああああ!!! 逃げんなぁぁあああ!!!」ダッ




――電撃を飛ばすのを止め、御坂妹を追って走り出す美琴。姉妹の追走劇が始まった……。




――――――――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/17(土) 23:15:35.81 ID:LpNQppg0<>離れた丘から見守る一方通行と佐天―――




佐天「――わわ! 本当に戦い始めちゃいましたよ!?」


一方通行(やっぱりか………ってか超電磁砲のヤツ、もォ完全にぶっ飛ンじまってンなァ………なンだよあの殺人鬼みてェなツラは………
すっかり別人だぞありゃあ…)




首筋の電極スイッチに指を当てる。最悪の事態に備えていつでも飛び出せるように一方通行は身構えた。
タイミングを見逃さない様、神経を集中させる……。




佐天「………ヤバイですよ! 妹さん、完全に負けてる………あっ!」

一方通行「!」




――御坂妹が首を掴まれた。




佐天「あ…あの……いつもあんな風に喧嘩してるとかは…?」

一方通行「はァ!? ンな訳ねェだろォが! チッ、もォ喧嘩ってレベルじゃねェぞ……」

佐天「やっぱそう……ですよね……って早く止めないと!! このままじゃ御坂さんが人殺しになっちゃいますよ!?」

一方通行「…クソがァ―――!」グッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:17:50.69 ID:WybbyuYo<>麦のんの亡霊でも乗り移ったみたいだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/17(土) 23:19:03.22 ID:LpNQppg0<>―――流石にこれ以上は止めなければヤバイ。そう感じた一方通行はチョーカーのスイッチを『能力使用』にしようと
指に力を込める………が。



一方通行「――――あァ……?」

佐天「うわ……ケンカキック………妹さん強ぇ…」



妹の思わぬ反撃に唖然とする二人。………だが、直後に響いて聞こえてくる美琴の叫び声にすぐさま戦慄を覚えた。



佐天(うわぁぁ……何あれ超怖い………お嬢様のイメージが音を立てて崩れていく…)

一方通行(……超電磁砲、キレるとあァなっちまうのか………一応…覚えとくか…)

佐天(ていうか、あれ……本当に御坂さんなのかな……? まるで別人じゃん…)

一方通行(別にビビってる訳じゃねェ。怖いとか思っちゃいねェ………が、面倒だからあンまし怒らせない様にしとこ……ついでに妹も…)




史上最悪の姉妹喧嘩にもはや言葉が出なかった―――。




――――――――



その頃―――




「―――……う〜ん…」




閉じた目を開き、痛む顎を押さえながらゆっくり起き上がる少年がいた―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/17(土) 23:20:07.23 ID:oXR3t5go<>とりあえずどんなにぶち切れても妹達に「死ね」だの「殺す」だのは言わないと思うぞ……
まがりなりにも10000人以上の妹達の死の上で今があるんだからさ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:22:26.01 ID:J0NPrOA0<>確か>>1はその点は重々承知してるって言ってなかったか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:24:04.77 ID:NQaTLaUo<>さすがにやりすぎだよ
二次創作なんだからってレベルじゃないほどの改悪
>>1がキャラアンチにしか見えんわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/17(土) 23:28:38.97 ID:LpNQppg0<>今日はここまで!
美琴が完全に麦のん化しました……麦琴好きな方にはマジで謝罪します。
イメージ壊してゴメンなさい。でも……自分こういうのが大好きなんですよ。
どうかネタとして勘弁してやって下さい。
続きは明日に投下します。
イカレた妄想にお付き合い頂いた方々、ありがとうございました!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:40:56.23 ID:4DmCD5Yo<>美琴が悪い扱いにされるSSにはいつも文句が書かれる

うぜーよ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:43:40.89 ID:doFDLoDO<>別にネタとしてなら楽しめるがこのSSってそういう話だっけ?
ここまでやっちゃって今後の展開で元の仲良し物語に戻っても「はぁ?」としか思えんわ。美琴が退場するならまだしも。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:48:34.25 ID:TJiuO.Q0<>いいぞもっとやれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:49:02.27 ID:J0NPrOA0<>>>1乙

まぁ、最初の趣旨から外れてきてるのは否定できんわ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:50:06.88 ID:cbl/N3c0<>じゃあ退場しちゃえばいいんじゃない?
上条と一方通行の友情物語がかきたかったわけで、もともとスレタイに美琴いれたのは爆撃避けでしかないんだし
ごちゃごちゃとウルサイ外野のせいで、美琴うぜー状態が加速度気味になってきたな
信者もアンチも黙ってろよマジどうでもいいです<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:51:00.40 ID:N4d/n5go<>しょせん二次創作なんだから、細けぇ事気にすんなよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:00:03.17 ID:e5Tz02DO<>元々信者もアンチも騒がないスレだったんだがな…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:03:04.80 ID:K9OQNsDO<>よし、ていとくんを呼ぼう。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:05:29.97 ID:EOteqrgo<>爆撃避けのために美琴をスレタイにしたのはわかるが>>1は電磁通行書くってことになったんじゃなかったか?
電磁通行期待してんだから「じゃあ退場しちゃえばいいんじゃない?」とか外野がごちゃごちゃ言うなよ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:07:21.24 ID:.M9oH2AO<>スレタイに一方通行上条垣根→基地荒らし
スレタイに美琴→萌豚&信者&アンチホイホイ

どっちにしろスレは埋まるっていう
次回からはもっとちがうのにすれば?樹系図の設計者「友情って食えるの?」とか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:14:14.58 ID:tTf/RjYo<>>>364
何言ってんのこいつ……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:15:47.20 ID:EOteqrgo<>>>366
黙ってろよマジどうでもいいです<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:16:48.31 ID:tTf/RjYo<>>>367
お前も外野だろ
マジで何言ってんの<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:18:44.00 ID:PbaAb.Eo<>受け入れられないなら受け入れられないでいいから黙ってスレ閉じようぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:19:15.36 ID:EOteqrgo<>>>368
皮肉ってわかるか?レスの流れくらい読めよ外野<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:23:15.27 ID:dXkDAD20<>美琴はどう転んでも文句言われそうな爆弾になってきちゃってるな
上琴や姉妹愛が主題だったわけでもないし、ストーリー展開上やりやすいようにやるしか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:24:07.31 ID:GGursVwo<>3位と4位、性格が似ていれば能力も似るのか・・・

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:29:56.96 ID:.M9oH2AO<>>>370
そっくりそのまま返されると思うよ
行間も読めないなんて可哀想<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:39:13.97 ID:EOteqrgo<>>>373
俺は>>360に対して>>1が言ってた通り電磁通行云々でレスしたつもりだったんだがね
何と戦ってるか知らないけど可哀想だと思うんなら無駄レスしないこったね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:41:23.24 ID:e5Tz02DO<>>>371
個人的にはこの流れのまま元の主題(友情物語)に戻った時に違和感なく>>1が書けるか期待してる
てかこのスレのカップリングって結局どうなったの?
>>1が書きたかった電磁通行でいいのか?
それがわかれば信者もアンチもおとなしく退場するんじゃね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:48:37.80 ID:NExczrE0<>荒れる原因を防ぐ意味でもカップリングは今更だけど明記すると良いかも知れない。
展開上明かせないっていうなら仕方ないけど。

カップリングで取捨選択できるっていうのは間違いないしな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 00:59:55.39 ID:7vr/1HE0<>>>1なんですが、今考えてみると…やっぱやり過ぎたみたいっすねぇ……。
もっと普通にほのぼのさせる感じの方が良かったみたい……。
刺激というか、インパクトというか……そういうのを求めるあまり、ついやり過ぎて、後で
レス見て後悔しちゃうんですよねぇ……。美琴の場合、落として上げる感じにしようと思ったんですが……落とし過ぎたのか……orz
言動もよく考えたらありえないよな……妹のために死のうとしたんだもんな……
その妹に向かってこんな事言わせてるなんて、キレてるとは言え…やっぱないっすよねぇ…
今更ながらひどく後悔です。
マジ失敗したなこれ……。
……反省しました。読み手さんの意見って本当、大事ですね。この失敗は必ず生かしますんで!
本当に申し訳ありませんでした。そして、ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 01:03:30.22 ID:gWY0GNwo<>あやまんな

>>1の好きなように書いて合わない奴は黙って去ればいいだけの話<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 01:07:49.75 ID:NExczrE0<>>>1が>>377のように考えて出した結論なら
それを尊重するのが本来のあるべき姿じゃね?

二次創作の前提から考えて>>378の意見は正しいとは思うが
こういう場所に投稿している以上、肯定否定云々はつきもんでしょ。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 01:08:48.07 ID:e5Tz02DO<>>>377
いや好きに書けとは思うがハードルあげすぎちゃって大丈夫なの?とは思いますよ
元々は上条さんと一方さんの友情物語なんだし、ここまでやっちゃって元のほのぼのした雰囲気に戻せるのかな?と思う
まぁ期待してますから頑張って<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 01:11:10.18 ID:tTf/RjYo<>>>377
しょせん俺たちは読む立場なんだから>>1の好きなように書けばいいよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 01:15:52.95 ID:0JbXh2wo<>俺達は>>1の赴くがままに書くssが読みたいンであってここに居るんだからな
何はともあれ頑張れ>>1<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 01:17:28.60 ID:w.pYCB60<>そもそも殴り合い

夕陽をバックに「やるじゃねぇかお前・・・・」「フッ・・お前もな・・・」
ってのは友情モノの
定番じゃねぇか全くお前ら<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 01:19:53.81 ID:PbaAb.Eo<>傷ついたことは無駄じゃなかったね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 01:21:27.07 ID:EOteqrgo<>>>383
佐天さん本気で怯える、一方さんもビビるほどの姉妹喧嘩

美琴「やるじゃないアンタ…」
御坂妹「ふふ…お姉さまも…」

うん違和感ないな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 02:05:27.18 ID:OZvWLJoo<>正直、この展開はやり過ぎな気がする
こっから美琴と御坂妹がまた元の仲に戻るってのはちょっと無理
まぁ一番違和感の無い展開でも、二人がギクシャクしてるか仲が悪くならないとおかしい

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 02:39:12.36 ID:dW9L00w0<>大丈夫だよ
垣根だって今や普通にほのぼの要因やれてんだから美琴だって戻ってこれるよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 03:01:07.94 ID:fGPczpc0<>とりあえず、評論家気取ってる奴はチラシの裏にでも書いとけよww
>>1のSSが気に入らないなら閉じればいいだけ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 03:19:34.97 ID:e5Tz02DO<>それだと批判が嫌ならブログでも作るかチラシの裏にでも書いてろってなるな。
いろんな人がいる掲示板なんだからある程度の批判や意見はしょうがないよ
>>1も「読み手の意見は大事」って言ってるんだからマンセー以外は排除ってやり方はまずいと思うんだが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 04:24:15.09 ID:7dg0PwEo<>俺はこの流れ面白くて好きだなー
たまには美琴がミサカを殺してみてもいいじゃん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 08:39:18.82 ID:BCsMeRg0<>べつにやってもいいけど批評で50行くのはやめろよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/18(日) 08:58:56.53 ID:NKnKf52o<>>>1
批判ばっか気にしてない?
肯定的な意見も否定的な意見も
半々なら問題ないんじゃないか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 09:25:09.35 ID:lm7CeUAO<>批判以前に『この展開はおかしい!』って奴はよっぽど自分の思い通りじゃないと嫌なのかね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/18(日) 10:42:13.92 ID:xDkguxM0<>自己中なのよきっと

>>1さんは気ままに書けばいいよ!!
応援してる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 10:57:46.12 ID:PbaAb.E0<>ゲス条みたいなもんだろ

上条さんならよくて美琴は駄目ってのもおかしくね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 11:01:01.92 ID:UqAqQ8A0<>ここまでアレイ☆のプラン

落ち着けみんな

そして>>1。
続きが俺は気になる。見せて魅せてくれ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 11:20:09.45 ID:Vl4GhW.o<>お前らがビリビリどーのやりすぎどーのとか言ってるけど
結局上条さんのそげぶでなんとかなんだよ
イマジンブレイカーなめんな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 11:33:41.19 ID:lm7CeUAO<>上げるって言ってんだし大人しく待ってようぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/18(日) 11:39:08.40 ID:V8VDTyw0<>これは>>1のモチベが下がって、打ち切りENDになっても文句言えない流れだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 11:46:51.61 ID:W4/2xjc0<>こういう話好きだし面白いと思う
けど「闇琴注意」とか注意書き欲しかったかも

なんかこう昼ドラ見た後みたいな、胃がキュッと締め付けられる感じ
ストレス溜まるけど続きが見たいっていうか
うまく言えないけどそんな気分、面白いんだけどね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 11:49:58.05 ID:SioHJM.0<>上条さんの出番が残ってる
はやくきてー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 12:52:04.87 ID:.M9oH2AO<>ネタとして見てくれ、美琴ファン注意、ってこんだけ書いてあってもまだ注意書きが必要ってどんだけー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 13:16:37.70 ID:UqAqQ8A0<>☆のプランだとわかっても止まらないとは・・・
エイワスがこのスレに興味を持つわけだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 13:47:15.09 ID:W4/2xjc0<>>>402
注意も途中でだったし、それ以上にここまでぶっ飛ぶと思わなかったからちょっとびっくりしちゃったんだよ
でも最初から詳しく言ったらネタばれになっちまうか
すまんかった
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/18(日) 14:38:58.64 ID:3TRkoCUo<>いざとなれば

「おのれ魔術師!」

でなんとかなる まだ大丈夫だ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 14:52:24.36 ID:z3BOr8Yo<>心理掌握のせいにしてしまうとか

年下のくせに男友達なんか作りやがって

どうやら惚れてるらしい

他の男に横恋慕させてぶち壊しにしてやろう

ついでにヒスに

と<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 15:28:08.88 ID:PbaAb.Eo<>その発想はなかったが確かにやりかねないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/18(日) 15:55:54.48 ID:NNSmGXk0<>久しぶりに来たら変なことになってるな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 16:57:16.21 ID:e5Tz02DO<>作者が「まだいけるよー」って自らハードル上げてどんな跳び方するかが気になる話になった
そういう意味で期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 18:06:01.72 ID:cHFd5bk0<>お前ら一つ忘れてないか?

一方通行や、幻想殺しの他に、この喧嘩を止めれる奴を……
人は彼を、こう呼ぶ










白い直方体<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 18:08:25.74 ID:Vl4GhW.o<>>>410
バイオの豆腐?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 18:10:31.61 ID:J.BLJr.o<>ハードルはくぐるものだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 18:18:43.95 ID:PbaAb.E0<>ゲコ太「二人ともやめるんだー!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 18:32:07.54 ID:cHFd5bk0<>>>411
正解

>>412

IDがwwwwwwwwwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/18(日) 18:46:56.27 ID:c4GVpZk0<>白?直方体?ンだそりゃ食えンのか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:07:18.78 ID:7vr/1HE0<>ども>>1です。
やり過ぎはしましたが、この後の展開はちゃんと考えてあるんでどうか怒りをお静め下さい。
期待外れかも知れませんが…

かなり元気づけられました。thx!
きれいに完結させるまで書くのはやめません!それは断言します! 

あとカップリング明記は……最初しない方が面白いかなと思ってしなかったんですが……
少しでも不快に思う人が減るのなら、やっぱりした方が良いんですかねぇ……
と言う事で、もしその方が良いのでしたら後で投下の時にハッキリ明記しようと思います。
ではまた後ほど。

ハードル? こンなモン、何のハードルにもなりゃしねェなァ!

……失礼、長くなりましたが、投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:09:40.05 ID:7vr/1HE0<>>>416 ミスです。テイク2


ども>>1です。
やり過ぎはしましたが、この後の展開はちゃんと考えてあるんでどうか怒りをお静め下さい。
期待外れかも知れませんが…

かなり元気づけられました。thx!
きれいに完結させるまで書くのはやめません!それは断言します! 

あとカップリング明記は……最初しない方が面白いかなと思ってしなかったんですが……
少しでも不快に思う人が減るのなら、やっぱりした方が良いんですかねぇ……
と言う事で、もしその方が良いのでしたら後で次の投下の時にハッキリ明記しようと思います。


ハードル? こンなモン、何のハードルにもなりゃしねェなァ!

……失礼、長くなりましたが、投下します。 <> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:12:34.01 ID:7vr/1HE0<>―――上条



「――う〜ん……痛ててて……」




顎をさすりながら体を起こした上条は、寝ぼけたような目で周囲を見渡した。




上条「……ハァ」



まずは溜息、そして――



上条「………不幸だ…」




――自分に起きた事を理解して出たお決まりの台詞……。




上条「………なんて言ってる場合じゃねえな。……御坂は?………ってか、インデックスと打ち止めはどこ行ったんだ……?」




二人の幼女がいない事にやっと気づいた上条は立ち上がって頭を掻いた。
そして、上を見る―――。




上条「――ん? なんでこんな空暗いんだ……?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:17:36.01 ID:7vr/1HE0<>どんより…と雨雲のかかった空を見上げて不思議に思うが、それについて考える暇もなく音が響いた。



上条「――――あ?」




――振り向いた上条の目に映ったのは二人の同じ顔をした少女。御坂美琴と御坂妹だった……。




美琴「待てぇ〜〜〜!!……ハァ、ハァ――」タッタッタッタッ

御坂妹「待てと言われて待つ馬鹿はいませんよ? とミサカは振り返って答えます……ハァ、ハァ――」タッタッタッタッ




上条から数十メートルほど先で追いかけっこをする姉妹。彼女達は上条に気づく事なく視界から消えて行った……。




上条「え?………………ナニ?」




――思いっきり『訳が分かりません』と口ではなく顔で表現した上条は、展開についていけてなかった。




――――――――




――――逃げる妹、それを追う姉……。




御坂妹「ハァ、ハァ、ハァ……」タッタッタッタッ

美琴「何処まで逃げるつもりィ!? いい加減諦めたらぁ!? ハァ、ハァ、ハァ……」タッタッタッタッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:26:57.32 ID:7vr/1HE0<>姉妹の距離は十五〜二十メートルと言ったところか……少しでも止まればあっという間に捕まる距離だ。


意外と広い屋内を縦横無尽に逃げ回る御坂妹。何かを探しているかのようにキョロキョロ周りを見ながら走るが、
美琴はそれに気づかない。


本当なら能力を使って加速すればすぐに捕まえられるのだが、それではつまらない。と…美琴はゆっくりじわじわと
追い詰める方法を選んだ。まさに強者の余裕である。さっきはつい勢いで物騒な脅し文句まで思わず出てしまったが、
それについて謝罪するのは、まず妹に制裁を与えてからだ。

当然ながら、美琴は御坂妹を殺すつもりなんて初めから毛頭ないのだ。しかし、いくら妹とは言ってもあの態度は許せない。
御坂妹が許しを請うまでは、この怒りは到底治まりそうになかった。まずは捕まえてもう一度話してみよう。それで駄目なら……
その時は致し方ない! 姉妹喧嘩の続きだ! 力ずくでもおさえつけてやるわ!
と美琴は走りながら考えていた。どうやらだいぶ頭が冷えてきたようである。



『お姉様が自分に怒りを向けている』
『お姉様は絶対にミサカを殺せない』
『お姉様は冷静ではなくなり、ミサカを追うものの……除々に頭が冷えてくる』

それは御坂妹にとって好都合……と言うよりは計算通りだった。彼女が持つ戦いにおいての知恵の高さは一方通行戦でも実証済みだ。


だが、唯一計算外だったのが、先ほどオトされかけた時だ。感情的になったとは言え、まさか本気でやってくるとは到底思っていなか
った御坂妹にとってあれは相当危なかった……。思わず本気で蹴り飛ばしてしまったが、それが結果的に姉の冷静さをさらに乱す結果
となったので「まぁ良し」と思う事にした。


一度頭に血が昇れば冷えてくる。そろそろお姉様の頭は冷えているハズ……だが、最初から『冷静』な頭と、一度熱して冷めた頭と
では思考が違う。
美琴が仮に『冷静のまま』では御坂妹がお姉様を懲らしめるための作戦はあっけなく失敗に終わってしまうのだ。
だが、一度沸騰させてしまえれば、温度を冷ましても目的遂行のために『冷静になったつもりで動こう』とする。
すると、視野は自然と狭くなるものだ。
思った通り、まんまと挑発に乗ってきた今のお姉様は……まさに『その状態』だ。
今こそ勝機! ミサカの底力を存分に味わって下さい。そして心から反省して下さい……。
―――と、御坂妹は息を切らして走りながら考えていた。



圧倒的な力を持つ姉と、したたかで計算高い妹……。そんな正反対の姉妹が繰り広げる追走劇も、そろそろ終わりの時を迎えていた…。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:28:52.15 ID:7vr/1HE0<>御坂妹「―――!」



御坂妹は、ついに見つけたと言わんばかりの表情をすると、目の前の林に一目散に飛び込んだ。南の島で生えてそうな木々が彼女の姿を完全に
隠す。



美琴「―――逃がすかぁ!!」



遅れて美琴も林の中へ……。



美琴「チッ……うっとーしい木ねぇ……」ガサガサ



木や草を掻き分けて進む。遠くで御坂妹が木々を掻き分け進む音がするので、それを頼りに後を追う。



美琴「………ん?」




――そこで、ふと違和感に気づき立ち止まる。




美琴「何?……なんか変な感じねぇ…………まぁ良いわ。今はアイツをとっ捕まえるのが先よ!」




――それ以上気にせず、妹の追跡を続ける。違和感に気をとられている内に前方から音が聞こえなくなっていた……。
おそらく何処かに隠れたのだろう。




美琴「――どぉこ行ったぁぁ!!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:31:28.63 ID:7vr/1HE0<>草木の途切れた場所で叫ぶ美琴。周りはジャングルのように外国産の木に囲まれている……。




美琴「とっとと出てきなさいよ!! コソコソ隠れたって無駄よぉ!!」




………再度呼びかけるも、御坂妹からは反応がない。




美琴「………チッ!」




舌打ちをした美琴は周囲を警戒する―――。

―――と、そこで気が付いた。




美琴「―――! そうだ、アイツの電波を捉えればどこにいるかなんてすぐに分かんじゃない………すっかり忘れてたわ……」



自身の能力もうっかり失念するほど冷静さを失っていた美琴はぺロッと舌を出して怪しく笑った。
そして、レーダーのように電波を探ろうとするが………



美琴「…………あれ?………おかしいわねぇ……」




――何故か電波を感知できなかった……。
だが、それについて考える前に上から…ガサッ! と物音が聞こえた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:33:50.60 ID:7vr/1HE0<>美琴「―――!!」




美琴が上を見上げたと同時に、彼女に向かって何かが降ってきた。一瞬それは水かと思ったが……妙にネバネバした液体のようだった。




――バシャア!




美琴「――うわっ!」




あまりに咄嗟だったので避けきれず、まともに液を浴びてしまう美琴。体じゅうがローションまみれの様な状態に嫌悪感を露にした。




美琴「――や……何コレ!? うわぁ……気持ち悪い……」ベター…


「――まんまと引っかかりましたね。とミサカは作戦が成功した事に笑みを浮かべます」




――そう言いながら、木の上からシュタッと飛び降りてきた御坂妹。手にはバケツを持っていた。
おそらく美琴が浴びた液体を溜めていたのだろう。




美琴「――!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:38:30.79 ID:7vr/1HE0<>美琴「アンタぁ………」

御坂妹「これでネバ娘の完成です。とミサカは不用となったバケツを後ろに放りながら勝ち誇ります」――ガラン

美琴「………これは一体何の真似よ?」ネバー…




ベタついた全身を擦りながら御坂妹を睨む美琴。だが、御坂妹は表情を崩さない。




御坂妹「とてもお似合いですよ。とミサカは姉の現状に対し、最適な感想を述べます」

美琴「くっだらない事してくれるわねぇ………で、もう追いかけっこはもう終わりで良いの?」

御坂妹「はい、もう逃げる必要はありませんから。とミサカは即答します」

美琴「そう、良い度胸ね。……にしても、コレどぉしてくれんのよ。制服ベタベタになっちゃって気持ち悪いんだけど? 何?
嫌がらせのつもり?」

御坂妹「フフ、まるで油谷さんですね。とミサカはミサカでは絶対に知らないハズの知識を披露します」

美琴「………私を怒らせれば怒らせるほど、アンタはその分痛い思いをすることになんのよ? それを分かっててやってんの?」

御坂妹「そんな少年誌臭い台詞は結構です。とミサカは冷たく返します」

美琴「………ハァ………もう良いわ」

御坂妹「何がですか? とミサカは尋ねます」




――美琴は握り締めた拳の力を何故か緩めた。
そして……彼女は『仮面』をゆっくりと外すかのように、穏やかな表情をもう一度妹の前に曝した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:44:51.10 ID:7vr/1HE0<>美琴「……さっきは頭にきて言い過ぎた……」

御坂妹「ミサカを殺そうとしておいて今更ですか? 流石にムシが良すぎでは?」(計画通り…とミサカは某漫画の名台詞を引用します)

美琴「そんなことするわけないでしょ? アレは勢いってか、つい頭にきて口から出ただけ……」

御坂妹「後先考えず口を開かないで下さい。だからお姉様は幼稚だと言うのです」

美琴「(ムカッ)………確かにそれは悪かったわ……けどね、アンタのその言い方にも問題あるのよ?」

御坂妹「ミサカの非でしたら先ほど謝罪済みですが? とミサカは首を傾げて問います」

美琴「………どぉして……」

御坂妹「はい?」

美琴「……私がアンタに何したってのよ!? なんでそんな頭ごなしな言い方すんの!?」

御坂妹「……自分こそ散々言っておいて、今度は何なのですか?…………分からないのなら自分で考えて下さい。
とミサカは冷たく突き放します」

美琴「………だから…」

御坂妹「走っている内に頭を冷やせたのでしょう? でしたらお姉様は過ちに気づいたハズですが? ミサカがお姉様に怒りを
露にしている理由は先ほど話しました。とすれば、お姉様はまずミサカに言う事があるでしょう?」

美琴「……だから違うの……アンタは誤解s」

御坂妹「ミサカが聞きたいのはそんな言葉ではありません!」

美琴「…………なんで……なんで分かってくんないのよぉ……」

御坂妹「分からず屋なのはお互い様です。とミサカは答えます。それより、かかって来ないのですか? 
ミサカに『お仕置き』をするのではなかったのですか? とミサカは尋ねます」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:47:27.96 ID:7vr/1HE0<>美琴「……もぉホントに何言っても無駄なのね…」

御坂妹「しつこいお姉様ですね。とミサカは溜息を吐きます」ハァ

美琴「……分かったわ。なら『喧嘩』続行で良いのね!?」

御坂妹「このまま平行線を辿るよりはその方が手っ取り早いかとミサカは思います。それよりお姉様、……まだ何か気づきませんか?」


美琴「…………え?」




―――そこで、美琴は自身の体に違和感がある事に気づく。
いつもならこの辺で体の周りを電気が走っているはずなのだが………今は外に電気が流れていない。




美琴「………このっ!!」




――軽く脅す程度に電圧を調整して右手を御坂妹に向けるが、手からは何も出てこなかった……。演算は出来ているのに、肝心の電流が体外へ流れていないのだ。




美琴「―――!? な…なんで……どういう事!?」

御坂妹「………プッ」




電撃が使えず慌てふためく美琴の様子が滑稽に映ったのか…吹き出して笑いを堪えている御坂妹。



―――姉妹の立場が逆転した瞬間だった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:53:25.09 ID:7vr/1HE0<>―――その頃



一方通行と佐天は―――――広い屋内を走っていた。




佐天「――ちょっと一方通行さん! 何してんですかぁ!? 見失っちゃいましたよ!?」

一方通行「――あのなァ、コッチは杖ついてンだぞ!? こォやって走れてるだけでも充分すげェとかって思わねェのかよ!?」

佐天「イヤ、速歩きとたいして変わんないじゃないですか……」

一方通行「うるせェ! いちいち振り返ってグダグダ言ってる暇があンなら黙って捜してろ!」

佐天「もぉ何処行ったか分かりませんよ……あ〜あ、一方通行さんが遅いから……」

一方通行「あァ? なンか言ったかァ?」ギロ

佐天「いえ〜なにも♪ ってそれより! 御坂さん達どうしましょう!? どうしたら良いですか!?」

一方通行「だから落ち着けっつの。ニワトリみてェにコケコケ言ってても始まンねェぞ?」

佐天「さっきからな・ん・で。そんな落ち着いてられるんですかぁ!? 御坂さんがもし……もし……妹さんを…」

一方通行「……オイ、真面目に答えてやるからよォく聞け」

佐天「え……?」

一方通行「オマエのダチは『絶対に』アイツを殺したりしねェ。逆もまた然りだ。さっきも言ったが、くだらねェ
心配してンじゃねェよ」

佐天「で、でもさっきは『危なくなったら』って……」

一方通行「そりゃあ『事故』の想定だ。超電磁砲のヤツは不器用だからなァ……その気はなくてもウッカリって事が
無いとは限らねェだろ? ンで、その『ウッカリ』がもし起きちまったら……アイツは一生ソレを引きずって生きる
事になる。それじゃあンまりにも惨め過ぎンだろォが」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:56:56.22 ID:7vr/1HE0<>佐天「……?」

一方通行「オイ、何呆けた顔してンだ? 理解できただろ?」

佐天「…う〜ん……ゴメンなさい。あんまり…」

一方通行「……ったく……分かりやすく言えば、『心配は要らねェが、危険は想定しろ』ってこった」

佐天「……もっと分かりやすく!」

一方通行「オイオイ、今ので分かンねェのかァ…?」

佐天「無能力者(レベル0)ナメないでください!」

一方通行「悪いが、すでに一度ナメて痛い目に合ってる」

佐天「――え? じゃああの『噂』ってやっぱり本当なんですか!?」

一方通行「あ? 何だよ噂って?」

佐天「『学園都市最強が最弱の無能力者に負けた』って……確か去年の夏頃に……」

一方通行「オマエみてェなのも知ってるって………どンだけ広まってンだよ……」

佐天「『都市伝説』になってますよ?」

一方通行「あァ? 都市伝説ゥ? そンなモンまであンのか?」

佐天「はい。………で、真意は!?」

一方通行「勝手に自由に想像してろ。以上」

佐天「え〜!? 気になりますよ〜! 折角ご本人様に会えたのに〜!」

一方通行「うぜェ。 ってか、今そンな場合か?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 19:59:41.01 ID:7vr/1HE0<>佐天「あ! そうでした! さっきの話し方じゃ分かりにくいんで、もっと分かりやすく言ってください」

一方通行「ソッチかよ! オマエ実は意外とそンな頭悪くねェだろ? しっかり覚えてンじゃねェか!」

佐天「いえ、そんなことないですよ♪ ささ、丁寧に分かりやすくお願いします」

一方通行「あァ面倒臭ェ! 良いか? 『心配は要らねェが、危険は想定しろ』ってのは乗り物と一緒だァ。船は海渡って
向こうまで運ンでもらえて便利かも知れねェが『転覆』の危険がある。飛行機の場合は『墜落』の危険がある。こンな風に一見便利で
安全だが、『事故』って言うリスクは必ずついてっから気は抜くな。って意味だ」

佐天「おぉ〜! すごい! さすが第一位! ってか良く覚えてましたね〜♪ 」パチパチ

一方通行「……まさかとは思うが、オマエ俺のこと馬鹿にしてる訳じゃねェよなァ?」

佐天「いえいえ! まだ命が惜しいですから!」

一方通行「まァ……超電磁砲…イヤ、オマエのダチを信じろって事だ。ダチってのは互いを認めて信じるモン……らしいからな。
良く分かンねェが…」

佐天「……そうですよね。なんたって御坂さんですもんね……心配しすぎか」

一方通行「っつーか、オマエ超電磁砲とどォやって知り合ったンだよ?」

佐天「え?……えーと、私の友達に風紀委員(ジャッジメント)がいまして……で、その風紀委員の同僚…ってか友達が御坂さんの
後輩で、私の友達が御坂さんに会いたいって御坂さんの後輩に頼んで、私もそれについて行った…で分かります?」

一方通行「当然だろォ。要するにダチのダチはダチってこったな」

佐天「ハハ……けど何でそんなこと訊くんですか?」

一方通行「……べっつにィ。ただ、超能力者と仲良くつるンでられるモノ好きな無能力者がここにもいたンだなァ…って思っただけだ」

佐天「確かに……同じ学園都市に居ても超能力者と無能力者って住む世界違いますもんねぇ……でも、御坂さんはそんな感じしない
んですよ。最初会う前は『上から目線で偉そうにしてんのかなぁ』って思ってたんですけど、実際は全然そんなことなくて……私とも
対等に接してくれるし、ホントに良い人ですよ…」

一方通行「ま、超電磁砲(アイツ)は例外だからなァ……実際、オマエの最初の想像が正しいっちゃ正しいだろ。俺も前は無能力者
を見下してたクチだからよォ…」

佐天「……今は違うんですか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 20:04:28.19 ID:7vr/1HE0<>一方通行「ひとりの無能力者と出会ってから、そォは思わなくなったな…」

佐天「………その無能力者って……まさか都市d」

一方通行「勝手に自由に想像してろ。以上」




――それ以上言うつもりはない、とばかりにシャットアウトした。




佐天「え〜?」

一方通行「さ、早くアイツら捜すぞ。イヤならここで別れるが?」

佐天「行きます! 行きますから置いてかないでくださいよ〜! ってか、なんで杖ついてるのにそんな速いんですかぁぁ!?
ってか、さっきは遅かったでしょぉお!?」




――カツ カツ と、それ以上は無言で杖をついて歩き出した一方通行を佐天は慌てて追いかけた。



―――――――




―――A館から屋外への出口付近




「――お? 外も暗いな……雨降りそうだが、ちょっと外に出るか?」


「そうですね。館内の電気、まだ復旧しませんし……いったいどうしたんでしょう…?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 20:06:27.12 ID:7vr/1HE0<>――屋外へとやって来た頭に大量の花をつけた少女とニット帽にマスクを装着した逃亡少年は、屋外をブラブラ歩きながら
暗くなった空を見上げた。




初春「やっぱり変ですよぉ。『今日はすっきりした青空が一日中続くでしょう』って書いてあるのに……」




携帯電話の画面を見ながらそう言った初春飾利だが、垣根帝督は能天気に応じる。




垣根「アレじゃねえか? もしかしたら誰かが神龍とか呼んでんのかもよ?」

初春「シェンロン? 何ですかそれ…」

垣根「何でも願いを叶えてくれるドラゴンだよ。え? まさか知らねえの?」

初春「知らないですよ。って、そんなの本当にいるんですか?」

垣根「………イヤ、いる訳ねえじゃん。超名作な漫画のネタだよ。アニメもあるけど…」

初春「また騙されましたぁぁ……」

垣根「ホント純粋だよなぁかざりんは。よし、今度漫画貸してやるよ。面白ぇから読んでみな」

初春「え?……あ、ありがとうございます…」

垣根「いいって。………っつーか、シロクマとかアザラシとか……なんか怯えてね?」

初春「多分さっきの雷じゃないですか? 確か…この辺りに落ちたハズなん――――あ! あれじゃないですか!?」




――前方の異常に凹んだ地面を初春は指さす。二人はその場所まで歩いた。




垣根「うわ、ホントだ……抉れてやがる」

初春「やっぱりここに落ちたんですよ……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 20:08:13.26 ID:7vr/1HE0<>垣根「…………」


初春「カッキーさん? どうしたんですか?」




――急に無口になる垣根を不審に思った初春……垣根は推理中の探偵のような仕草でしばらく考えていた。
そして、結論を口に出す。




垣根「これ、自然の雷じゃねえな……明らかに能力者の仕業だ」


初春「え……?」




垣根の言葉にポカン、とする―――。

―――と、ちょうどその時…後ろの方から何やら人の話し声が聞こえてきた。




「―――クソ、結局ここに戻って来ちまったぞ。ったく、アイツらホントに何処行きやがったンだァ?………お?」


「―――ハァ、ハァ、待ってください! だから置いてかないでってばぁ!………あ、あれ…?」



初春「―――へ?」クルッ


垣根「―――ん?」クルッ




垣根と初春が振り返るのと、後ろから来た二人の男女が垣根たちの存在に気づくのはほぼ同時だった―――――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/18(日) 20:17:10.02 ID:7vr/1HE0<>今日はここまでです。

明日は来れたら来ます。明日無理だったら明後日には来ますので。安心してくれるかは
分かりませんが、一応言っておきますね。
これ以上の落としはもう無いです。というか、もうこれ以上落としようが無いっす。

今日もお付き合い頂いた方々、ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 20:47:44.09 ID:dW9L00w0<>乙です
垣根ついにばれるかな?wwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 20:48:26.96 ID:z3BOr8Yo<>乙
上手く修正したな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 21:06:41.40 ID:wPHthuYo<>乙だぜ
カッキーも何気にピンチか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 21:15:18.20 ID:GGursVwo<>わt・・・インデックスはようじょじゃないんだよ!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 22:03:58.32 ID:lm7CeUAO<>乙乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 22:20:41.73 ID:72.ln6DO<>>>1乙

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 01:11:23.86 ID:4.rAtwc0<>乙 
軌道修正さすがですぜ!
それにしてもいつもいつも気になるところでwww
期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 01:13:03.73 ID:hCbWeF.0<>この美琴は逆上すると誤って人を殺めてしまうタイプだな・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 01:37:49.17 ID:1i5Sppc0<>>>1乙

>>441
レベル5で暗部に関わってない奴の方が少ないだろうから
当然の結論なのか…?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 02:43:12.85 ID:MlWDY4g0<>>>442
力がありすぎるってのも考えもんだよな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 02:49:48.15 ID:rOIK1UAo<>美琴は何があっても無意識で力セーブしちゃうから人は殺せないだろ
そもそも自分の力をコントロール出来ないで何がレベル5だって話だし<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 03:02:36.69 ID:wBEC6H20<>美琴信者からの文句がちょっと多いからって、急に方向変換し過ぎじゃない???
急に美琴がしおらしくなり過ぎて、正直ちょっと幻滅…
悪女的な美琴も有りなんだなぁって思ってる楽しんでた読者がいる事を、>>1さんには知って欲しいかな
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 03:15:34.14 ID:rOIK1UAo<>ちゃんと読んでりゃわかると思うが作者本人が「最終的には皆にとってのハッピーエンド目指してる」って言ってるんだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 12:04:19.71 ID:fc3BtISO<>美琴のレベル6って美琴自身が雷になりそうww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 14:58:59.17 ID:4.rAtwc0<>>>447えっ、黄猿?
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 15:44:29.67 ID:MlWDY4g0<>>>448
エネルじゃね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 15:44:36.80 ID:xyhQzH20<>エネル<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 16:24:28.83 ID:r10r8Zc0<>>>447~450
君たちみたいな、スレの空気の流れを良い方向に変えられる人間がたくさん溢れれば、世界も良い方向に向かっていくと思うんだ。



                             きはら<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:05:49.68 ID:kCPl94g0<>こんばんは、>>1です。
時間あったので少量ですが投下しに来ました・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:07:34.07 ID:kCPl94g0<>―――――施設内のとある林の奥



「な……なんで……?」


「まだ分からないのですか? お姉様」




――御坂美琴は能力の使えない今の状況を理解できなかった。
体内で電気生成は行えるのに、体外への放出がどういう訳か不能となっていた。
御坂妹はしばらくそんな彼女の様子を見た後、種明かしを始めた。




御坂妹「自分の体を良くご覧になってみては? とミサカは促します」

美琴「え?…………!」




自分の体に纏わりついている謎の液体を見る………やがて美琴は驚きの表情を浮かべた。




美琴「アンタ……これって……」

御坂妹「やっと気づいたのですか……まさかここまで上手くいくとは正直思っていませんでした」




美琴は、能力が使えない原因が自身に付着している液体によるものだと気づいた。
辺りの木と自分の体を交互に見渡す……。




美琴「――この液………まさか!?」

御坂妹「正解です。お姉様にぶっかけた液体の正体は――――」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:09:48.97 ID:kCPl94g0<>「―――周りを覆っている木……『ゴムノキ』の樹液です」




美琴「!!……………」


御坂妹「……どうやら形勢逆転のようですね。とミサカは表情を緩めます」

美琴「アンタ……最初からコレ狙ってた訳…?」

御坂妹「いかにも。とミサカは肯定します。まともにやり合ったのでは、ミサカの勝率は二万分の一しかありませんから」

美琴「………悪知恵働かせやがってぇ…」

御坂妹「お姉様が思った以上に単純で助かりました。ここに入った時点で気づくかも知れなかったので、ある意味賭けの
ようなものでしたが」


美琴「……!!」




――先ほど感じた違和感の正体と、電波をキャッチできなかった原因に気づくが……もう遅かった。




御坂妹「さて、これでお姉様はレベル5からただの女子中学生になった訳ですが、ご気分はいかがですか?」

美琴「―――ちっ!」




――磁力操作をしようとするが……やはり無駄だった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:13:32.47 ID:kCPl94g0<>御坂妹「無駄ですよ? ミサカ達の周りの木には全て絶縁性が含まれます。ここでは磁力も働きません。さらにゴム成分豊富な樹液を
浴びてしまったお姉様は一切能力が使えません」

美琴「………」ギリギリ…




――唇を噛む美琴……




美琴「ふん……能力を封じたくらいで私に勝ったつもりなの?」

御坂妹「はい。ハッキリ言わせてもらいますが、能力さえ封じれば、お姉様はミサカの敵ではありません。とミサカはここに革命を宣言します」

美琴「―――な!? なんだとぉぉ……」ピキッ

御坂妹「お忘れですか? ミサカは元々『絶対能力進化(シフトプラン)』用に造られた軍用クローンですよ? 能力の強さでミサカは
お姉様に遠く及びませんが、それ以外の訓練は曲がりなりにも受けています。しょせん、運動神経が良いレベルのお姉様とでは――――ッ!?」

美琴「―――黙れぇぇえ!!!」ダッ




喋り終える前に美琴は勢い良く飛び掛かっていた。




美琴「――ウラァッッ!!」ブン


御坂妹「――フンッ!」ヒョイ




御坂妹はまるでケンカ慣れしたスキルアウトのような身のこなしで容易く美琴の放った拳を避ける。
と、同時にがら空きの腹へ向けて膝を突き刺した。



――ドスッ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 20:15:37.97 ID:w.I13LI0<>美琴の能力ってどっちかっていうと外界の雷を集めてるみたいな感じだよね
雷雲呼んだとことか、前髪の辺りに電撃を発生させているとことか。

からだから発し続けているのは微弱な電磁波で、発生させているのは外界からの電撃だと思う。

蛇足だねすまん。でも、下のだけ書いたらなんか荒し認定されそうだったからさ
こまけぇこたぁいいんだよ! の勢いで書いてください。







>>451
木ィィィィ原クゥゥゥゥゥゥゥン!?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:16:12.52 ID:kCPl94g0<>美琴「――グホッッッ………!?」




重い衝撃が腹部を襲った…。
一瞬、美琴の呼吸が止まったような声が漏れる。それから数秒もしない内に、美琴は地面にうずくまった。




美琴「――ゴホ……ゲフッ……ぁ…」




膝蹴りをくらった腹を押さえて咽る美琴を…平然と見下ろす御坂妹。




御坂妹「せっかちなお姉様ですね。とミサカは呆れます」

美琴「…………ぐぅぅ…」




腹を押さえたまま顔を上げて妹を睨む。




御坂妹「分かりましたか? 今のお姉様ではミサカに勝てません」

美琴「ふふ……言ってくれるわ………」




立ち上がるが、膝が笑っているのは誤魔化せていない。




美琴「もうアッタマきた。ボッコボコにしてやる」

御坂妹「ボコボコにされるのはお姉様です。とミサカはストリートファイトの如くステップを踏みます」トン トン<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:19:44.67 ID:kCPl94g0<>美琴「…………」ボキ ボキ



美琴も指を鳴らしながら妹を見据える。



御坂妹「どうぞ、ソチラから掛かって来て構いませんよ? とミサカは余裕を見せつけます」

美琴「ナメんな!!」バッ




振り上げた拳は再び空を切る。




美琴「――はッッ!?」

御坂妹「………」




後ろにチョン、と下がって避けた御坂妹は冷静に告げる。




御坂妹「まるでなっていませんね。お姉様はケンカのやり方も分からないのでしょうか?」

美琴「ぐ……調子に乗んなぁッ!!」




叫びながら掴みかかるが……逆に柔道のような投げ技であっさりと投げ飛ばされて地面を転がされた。




美琴「――うっ……!」




背中を強打して痛みにもがくが、堪えてすぐに立ち上がる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:23:08.10 ID:kCPl94g0<>美琴「………アンタ、なんでそんな慣れてんのよ……?」

御坂妹「護身術くらいはお姉様も嗜んでいるハズですが? とミサカは問い返します」

美琴「…………」




勿論、伊達に美琴も文武両道のお嬢様学校に通っている訳ではないのだが……それでもどういう訳か明らかに御坂妹の方が
護身術に優れていた。

……そしてそれは、当然美琴のプライドをさらに傷つけた。




御坂妹「先ほども言いましたが、ミサカは重要な実験のために造られたのです。それなりに格闘術はこなせます。甘く見て
かかると、今のように痛い目を見ますよ? とミサカは忠告します」


美琴「このぉッッ―――!!!」




―――再度仕掛けるも、攻撃は当たらない。




美琴(なんで……なんで当たんないのよぉぉ!!)ブン ブン




涼しい顔で拳や蹴りを防がれる事に苛立ちを覚える美琴。




美琴「――あっ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:27:45.85 ID:kCPl94g0<>拳を放った際に足を引っ掛けられてまたしても地面に崩れる。
姉妹の純粋な肉弾戦は、意外にも御坂妹の一方的な流れだった。



美琴「………クソォォ…」




倒れたまま悔しそうに歯を食いしばる美琴に、御坂妹が口を開く。




御坂妹「何度やっても同じです。とミサカは降伏を勧めます」

美琴「……ざ……っけんじゃないわよッッ!!!」




勢いに任せて立ち上がるが、さっきよりも膝が笑っていた。




御坂妹「―――超能力者、学園都市の第三位」

美琴「――あぁ?」




突然、意味不明に語りだした御坂妹に怪訝な顔をする。



御坂妹「自分の上に立つ者はたったの二人だけ……その強大な力は一部を除いて殆ど敵なし…」

美琴「何が……言いたいの?」


御坂妹「そんなお姉様が、ケンカのやり方など知ってるハズがなかったんですね。とミサカは納得します」

美琴「吠えてんじゃないわよぉ!!! ○○がァああ―――!!!」ダッ




頭に血を昇らせて殴りかかる。………が、<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:30:46.13 ID:kCPl94g0<>御坂妹「―――シッ!」

美琴「―――が……ッ!!」




縞パンを惜しげもなく曝した上段回し蹴りの前にあえなく沈んだ。




美琴「―――………」


御坂妹「……もう終わりですか? とミサカは根性の無い姉を呆れた視線で見下ろします」


美琴「……………」




美琴は答えない。が、意識はあるようだ。




御坂妹「裁きの時が来ました」




御坂妹は、そう言いながら足で美琴を仰向けにさせる。




御坂妹「―――?」




美琴の向けられた顔を見た途端、御坂妹は驚いたような表情になった。 <> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:32:29.85 ID:kCPl94g0<>美琴「………フフッ…フフフフフ……」




――笑っている? 




御坂妹「……頭のネジでも飛びましたか? とミサカは心配します」


美琴「…………フフ」




―――不気味さに退いた御坂妹の隙を見て後ろに転がった美琴は、そのまま反動を利用して立ち上がった。




美琴「―――ここからが『お仕置き』の時間よ♪」




不気味な笑みを浮かべたまま、確かに美琴はそう言った……。




―――――――




一方通行&佐天……垣根&初春―――――



ついに、鉢合わせとなってしまったこの二組………四人は各々バラバラの思考を抱いて固まっていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:35:31.11 ID:kCPl94g0<>一方通行(この花乗っけた女……どっかで見たな……イヤ、それより横の野郎………どォ見ても……アレ…だよなァ?――)


佐天(しまったぁぁぁ……初春たちの事すっかり忘れてたぁぁ!! 佐天涙子一生の不覚! どうする? どうしたら?――)


垣根(一・方・通・行ぁぁ!!? なんで!? どうして!? テルミーホワイ!? 誰か教えてくれ!! おォ神よ!!一体
これは何の試練ですかぁぁ!!?――)


初春(あれ?……この白い人……どこかで………っていうか、横で隠れてるけど隠れきれてないこの怪しい女の人は………
もしかしなくても――)



初春「―――佐天さんですかっ!?」


一方・垣根「――は?」


佐天「………ちっ、バレちゃあしょうがない!」




――開き直った佐天は帽子とメガネを外してウィンクした。直後、先手必勝とばかりに言葉を続ける。




佐天「よっ、初春もデート中? いや〜偶然だねぇ。ウチラもなんだ♪ ね? 『あ〜くん』♪」




――スッ、と一方通行の腕に自分の腕を絡める佐天。その突然の行動に垣根も初春も……そして何よりも絡められた本人が一番驚きを見せた。




一方通行「…………はァ!!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:38:44.19 ID:kCPl94g0<>完全に虚を突かれた上に杖つきの最強能力者は、その腕から逃れる事ができなかった。




一方通行「オマ…ッ! どォいう―――」




一方通行が叫び終える前に耳打ちをする。




佐天(話合わせてください! 事情は後で説明しますから!)ボソッ


一方通行「――?」




それだけ言って再び腕に絡みつく。年齢には似つかわしくない胸が一方通行の腕に当てられる。
普通の男なら悩殺も免れない状況だが、そこは流石の一方通行である。誘惑には流されない。




一方通行(さらに面倒臭ェ事になってきやがった……何がどォしてこォなってそォなるンだよクソったれが…)


初春(佐天さんに彼氏………聞いてないですよ…)

垣根(一方通行に彼女………あれ? じゃあ御坂の妹は? ってか、『あ〜くん』って……プッ…)


佐天「けどホント偶然! ビックリしちゃったよぉ! あ、どうも。私佐天涙子って言います。初春の友達っす♪」

垣根「はぁ……どぉも」

初春「さ、佐天さん!? デートなんて聞いてないですよ!? っていうか今日暇だって言ってませんでした!?」

佐天「いやぁ〜……ゴメンね。言い出し辛くってさ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:40:41.59 ID:kCPl94g0<>初春「ひ、ひどいですよ! 自分は隠してたなんてぇぇ!」

佐天「あっはっは、ゴメンゴメン。あ、コッチはあ〜くん。ホラ、挨拶してよあ〜くん」クイ クイ

一方通行「!!!?」

垣根(あ〜くん……あ〜くん………くくく、だ、駄目だ俺! 笑うな! 我慢、我慢だぁぁぁ……)プルプル…


一方通行(………笑い堪えてるクソ馬鹿不審者は後でブチ殺すから良いとして…………この状況をどォする? っつか、
なンで俺がこンなくだらねェ真似しなきゃいけねェンだよォ!?)

佐天(ホラ、早くしてください!)グイ グイ

一方通行(チ……チックショォォ!!)




引きつった顔をした一方通行は……




一方通行「あ……『あァくン』だァ……よろしくゥ…」




今にも消えてしまいそうな声で垣根と初春に挨拶をした。




初春「あ……は、はい。佐天さんの友達の初春飾利です。よ、よろしくお願いします」(なんで顔赤いんだろこの人…?)

垣根「おう。よ、よろしくな……プフッ!」(お、面白ぇ! 最高すぎる! ちくしょう、カメラ持ってくんだったぜ!)


一方通行(殺す! 家に帰ったらこのクソメルヘン真っ先にぶっ殺す………ッ!)




帰宅して鉢合わせた時が人生の終わりだという事も忘れている垣根は、今も必死に笑いを堪えていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:48:06.25 ID:kCPl94g0<>今日はここまで。
インデ……いえ >>437
失礼しました! 『幼女と少女』に訂正しますので、歯を光らせないでくだs!

>>456 
もっともな指摘ありがとうっす。どの道電気は絶縁区域じゃ流れないんで、
そういう設定で頼んます。その他色々設定無視ですが……細かい事抜きだと助かります。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 20:55:09.05 ID:kCPl94g0<>あと、遅くなりましたが、カップリング明記します。最初にしなくてホントゴメンなさい!


電磁通行混じりの上条×美琴

一方×御坂妹……+佐天

垣根×初春

黒子は未定


と言ったところです。なるべくこれに上手くもってくつもりです。この明記じゃ嫌な方は
見ない方が良いかもです…。と言っても最初に言わなかった自分が全面的に悪いので
攻められても文句言えないっすね…。

次の投下は明日か明後日にします。
お付き合い頂きありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 20:58:44.36 ID:BYbnDVwo<>乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/19(月) 21:03:04.60 ID:kCPl94g0<>たびたびすいません!
言い忘れましたが、恋愛はあくまで『副』で『メイン』は上条さんと一方さんの
友情モノです。今はだいぶ反れてますが……
では、今度こそ失礼しました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 21:09:41.90 ID:dCVi16Uo<>乙だぜ
明日も楽しみにしてる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 21:24:31.61 ID:EWLRbxUo<>乙
見てるから頑張ってくれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 21:58:56.92 ID:I5jx4pMo<>乙
頑張ってくれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 22:44:29.47 ID:rOIK1UAo<>>電磁通行混じりの上条×美琴
>一方×御坂妹……+佐天
混じりとか+の意味がよく理解できないんだが誰か説明しろください<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 23:10:52.82 ID:hCbWeF.0<>>>466
絶縁区域でも数億Vの電位差が与えられると絶縁崩壊する場合も・・・
しかも美琴の体から電磁波の形で発せられるAIM拡散力場は、
もし美琴の体内を流れる電流によって生じるならば
その外側を絶縁体で覆ったぐらいでは余裕で漏れると・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 23:18:18.08 ID:jD48kn60<>>>473
考えるんじゃない。感じるんだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 23:19:28.04 ID:jD48kn60<>あ、書き忘れた失礼

>>1乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/19(月) 23:36:04.17 ID:RXSCbhM0<>>>473
+は×よりも後に計算する<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 00:19:58.80 ID:ddhPNTg0<>>>1乙!

続き期待。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 01:14:32.29 ID:XS4imwDO<>パプワくんを思い出した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 09:39:41.52 ID:Bgx4yJQo<>個人的にはカップリングとかはどうでもいいんだが
「この明記じゃ嫌な方は見ない方が良いかもです…。」って言うんなら
混じりとか+とかそういう書き方はよくないと思うんだが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 18:27:51.57 ID:RSRi1Tg0<>>>1です
長い間、スレを放置してしまい申し訳ありませんでした。
諸事情で時間に余裕がなくなってしまったため、続ける事が困難になってしまいました。
大変残念ですが、ここで打ち切りという形にさせて頂きます。
スレ見ていただいた方どうもありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 18:43:47.17 ID:jyzK/D.0<>ID:RSRi1Tg0はそこら中でこれ貼ってる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 18:46:38.83 ID:rUAt5Pc0<>つまりただのあらしだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 19:05:21.41 ID:cvGeUBg0<>なんだただのあらしか
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 19:49:30.88 ID:HHjBS9g0<>>>1です。あ、私は本物っすよw
路線変更色々してしまってすいませんでした。
書き手がフラフラ迷うなんて……最悪です。
正直書くのもうやめようかとも思いました……。
けど、それはもっと良くないことだと気づきました。
どんなつまんない内容でも、とりあえず完結はさせたいです。こんな優柔不断な>>1
に、それでも付き合ってくれる方々には心から感謝してます。

さて、また前置き長くなりましたが今日の分投下します。もうすぐ『姉妹喧嘩編』終わります
ので、美琴と妹の争いが嫌いな方はもうしばらくの辛抱を…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 19:53:47.77 ID:HHjBS9g0<>「―――ここからが『お仕置き』の時間よ♪」




―――立ち上がった美琴は確かにそう言った。御坂妹は顔に「?」マークを浮かべる。




御坂妹「お姉様……………?」




美琴の真意が分からない。分からないが、どうやら何かあるらしい……。




美琴「アンタ……やっぱ詰めが甘いわね」ニヤァ

御坂妹「どういう意味ですか? とミサカはムッと顔をしかめます」

美琴「自分が良く分かってんじゃないの?」

御坂妹「は?」




顔の「?」マークが更に濃くなる……。




美琴「私が本気出せば、こんな遮蔽物なんて簡単に吹き飛ばせんのよ?」

御坂妹「それは承知しています。ですが、ミサカ相手に……お姉様は本気で能力を行使できますか?」

美琴「できないわ」




――美琴はあっさり即答した。億の領域に達する美琴の電圧はこんな樹液程度じゃ到底防げないことを御坂妹は無論分かっていた。
だが、それほどの電圧を美琴が放つとは思えない。美琴自身もそのコントロールはできる。もっとも、上条のように『全く効かない』
と分かっていれば話は別だが………。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 19:59:42.07 ID:HHjBS9g0<>御坂妹「この距離でお姉様が樹液をはね飛ばすほどの高電圧を起こせば、ミサカはただでは済まないでしょうね……遠慮は入りませんよ?
どうぞやれるものならやってみて下さい」




――御坂妹は、元々美琴が自分を殺したり大怪我をするようなことは絶対にしないと計算していた……。
だから、今も『この距離』をキープしている。
美琴から仕掛けてばかりだったので目立たなかったが、御坂妹は林で美琴の前に姿を現した時から常に一定の距離を保っていた。
美琴が絶縁体を跳ね除けるほどの電圧を放電すれば、ただでは済まない距離を……。




美琴「『それができない』範囲にいながら良く言うわ……にしても、アンタの計算高さにはホント呆れた…。姉として将来が心配ね」




美琴も、おそらくそれに気づいていたのだろう……。しかし、自ら距離をとるなど姉としてのプライドが許さなかったのだ。
だが……御坂妹がこれほど喧嘩に強いとまでは正直思っていなかった…。




御坂妹「ミサカを卑怯だと思いますか?……なんとでも言って貰って構いません。ミサカにはこれしかお姉様に報いる手段が
無かったのです……ミサカも、本当はこのような戦法はとりたくありませんでした。しかし、ミサカにも意地があります。
たとえお姉様が相手でも、譲れないものがあるのです」

美琴「一方通行の事……?」

御坂妹「………お姉様になんか……渡しません」




御坂妹の瞳の中には……ハッキリと自分の意志が見えた。




美琴「……………」


御坂妹「おや? 今度は言い逃れようとしないのですか?」

美琴「いくら言い訳しても、結局一緒じゃない……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:03:02.49 ID:HHjBS9g0<>御坂妹「………ずいぶん物分かりが良くなりましたね。とミサカは意外そうに見つめます」

美琴「……確かにアイツ……一方通行に甘えたのは事実よ。アンタみたいにハッキリ恋愛感情抱いているのかって言われたら、正直
疑問だけどね……ただ、ケジメだけはしっかりつけるつもりよ。アンタの言う通り、このままフラフラしてたら……アイツ(上条)
にもホントに愛想つかされるし」

御坂妹「……ようやく少しはまともに話せるようになったみたいですね。とミサカは感心します」

美琴「…………いっちいち腹立つ妹ねぇ…」

御坂妹「褒め言葉として受け取っておきます」

美琴「ま、良いわ。じゃ……まずは散々ボコしてくれたお返しをしなきゃね…」

御坂妹「電圧を上げるんですか? しかし、樹液の絶縁範囲を知らないハズのお姉様がミサカに重傷を負わせない程度に上手く放電
できるのかが疑問です」

美琴「悪いけど、できなくもないわ。アンタ私をナメてるでしょ?」

御坂妹「―――!?」

美琴「けど安心して。ここまで来たら、もうアンタを能力で攻撃しようなんて思わないから………お、そろそろ良いかな…」シュー シュー

御坂妹「???」




美琴の体から湯気のような煙が吹き出てきた……。
瞬間、御坂妹は悪寒を感じたが…遅かった。





美琴「フフ…」――ヒュッ

御坂妹「―――ッ!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:06:37.57 ID:HHjBS9g0<>電気を体に纏いながら一瞬で妹との間を詰める美琴。
樹液から漏れるほどの放電をさせないように距離を縮めていたのが仇となった。




美琴「――ちぇい…さぁっっ!!!」シュッ




―――ドゴッ!




御坂妹「――ぁっ!!」




自販機で鍛えた回し蹴りが御坂妹をガードごと吹き飛ばした。
そして、地面に背中から接触した御坂妹が体を動かす前に―――




美琴「―――ハイ、つっかまーえた♪」

御坂妹「………う…」




――体に飛び乗った。いわゆるマウントポジションである。
御坂妹の両腕を両足で固定する。さらにグッ…と体重をかければ、もう立て直しは期待できそうにない状況の完成である。




美琴「………どーぉ、気分は?」

御坂妹「最悪です……とミサカはふて腐れます」

美琴「さっき言ったでしょ? 詰めが甘いっての」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:12:59.32 ID:HHjBS9g0<>御坂妹「……電熱で体に付着した液を蒸発させたのですね…………不覚です。とミサカは悔しさに顔を歪めます」

美琴「体内なら電気つくれるからね。ゆっくり電流体に流して温めたのよ」

御坂妹「外界から電気を起こさなかったのは何故ですか?」

美琴「あれ? アンタそれは計算してなかったの? さすが欠陥品」

御坂妹「うっせーんだよ、いいからさっさと教えろ。とミサカは強気に命令します」

美琴「………教えるも何も、こんな木がいっぱいあるなかで周りから電気起こしたら……火事になりかねないでしょうが」

御坂妹「あ……そっか。とミサカは納得します」

美琴「けど、アンタにここまで噛み付かれるとは正直思ってなかったわ…」

御坂妹「お姉様も知っての通り、恋愛は人をガラリと変えてしまうものです。とミサカは悟ります」

美琴「…………さぁて、じゃあもう良い? とりあえず、さっきのお返しに思いっきり引っ叩かせてもらうわ。グーでやんないから
安心してね」

御坂妹「うぅ……もはやこれまでか? とミサカは覚悟して目を閉じます」

美琴「よっしゃ!! 歯ぁ食いしばれやぁ!!」




――上に振り上げた右腕が……勢い良く御坂妹の顔目がけて下ろされようとしたその時!




「―――お前ら……何やってんだよ?」


「――!!!?」




美琴の背後から聞こえてきた低くて怒りも含まれたような聞き覚えのあり過ぎる声に、姉妹二人の思考は完全に停止した―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:16:54.45 ID:HHjBS9g0<>―――――――



一方通行&佐天&垣根&初春――――





(あ〜くん……ぷくく……駄目だ。打ち止めや黄泉川さん、芳川さんにもこれは是非報告しなければ! 俺ひとりで楽しむには勿体ねぇ!)


「いつまで笑ってンだァ!? このメルヘン野郎!! マスクしててもバレバレなンだけどォ!?」




―――痺れを切らした一方通行は初春の隣りで肩を震わせている垣根に怒鳴った。




垣根「――あっ! バカッ!」




慌てる垣根に柵川中学の女子二人はキョトン、とする。




佐天「メルヘン……?」

初春「え…? もしかして知り合いですか?」




当然の疑問を投げかける二人に垣根は先手を打った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:19:37.21 ID:HHjBS9g0<>垣根「ま、まぁな! よう、こんな所で会うなんて奇遇だなぁ! 元気してたかよ?」

一方通行「……あン?」




理解に遅れた一方通行の側まで一瞬で近寄った垣根は、まるで再会した親友(とも)のようなノリで肩に腕を掛けた。




一方通行「あァ? オマエまでなに訳分かンねェ事してンだコラ? オイ、さっさとこの腕離s」




―――ボグッ!




一方通行「ゲェッッ!!?」




「離せ」と言い終わる前に垣根の拳が一方通行の細く薄い腹にめり込んだ。それによって代わりに出てきた言葉はさながら潰された
カエルの断末魔と言ったところか……。




垣根「なんだよ、相変わらず華奢だなぁオイ。男なんだからちったぁ鍛えろって♪」

一方通行「〜〜〜〜〜………ッッッ!!!」


初春「仲良いんですねぇ……お友達ですか?」

垣根「そうそう、俺らは無二の大親友♪ ね? あ〜くん♪」

一方通行「オマ………な………ご……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:22:54.91 ID:HHjBS9g0<>文句は脳内で溢れるほどに出てくるのだが、声に出せなければ何の意味も成さないのだ。




垣根「ん? 何? トイレ? しょうがねぇなぁ。俺も一緒に行ってやんよ。っつー訳で、お嬢さん二人はここでちょっと待っててな」

一方通行「ふざ………ゴフッ……けン………」




結局それ以上言葉を発する事もなく、一方通行は垣根に肩を組まれたまま連行されてしまった。




初春「………」


佐天「………」




残された女子二人は、ポカンと口を開けたままその様子を眺めるしかなかった……。




―――――――




―――屋内の公衆トイレ………の裏




一方通行「――ンで、何かこの世に言い残すことはあるか?」

垣根「――いや、すまん。ああするしか手が無かったんでな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:26:11.18 ID:HHjBS9g0<>額に青筋を浮かべ、今にも電極のスイッチを入れんばかりの一方通行に垣根はとりあえず詫びた。
悪びれている様子が無い事に、一方通行の怒りは治まらない。





一方通行「俺がいつオマエの無二の親友になったンだァ!? 訳分かンねェ内に勝手に話進めたあげくに不意打ちカマしやがってよォ!?
    一瞬マジで息が止まっただろォがァ!! とりあえず俺にも一発殴らせろォ!!」

垣根「まぁまぁ落ち着けって。ジュース飲む? コーヒー奢るぞ?」

一方通行「ガキと同じ機嫌のとり方してンじゃねェぞォォ!!」

垣根「……そう言うなよ。ルームメイトじゃねえか」

一方通行「今ほど後悔したことはねェかもなァ…」

垣根「うっわ、ヒドイ………いい加減にしないとそろそろ泣くぞ?」

一方通行「泣け! タコ、ボケ、クズ、ゴミ、ブタ、死ね!」

垣根「うぉお……何て言葉の暴力だよ。そういうトコまで一位ってか……うわマジでキレそう……キレ過ぎて背中から翼生えてきそうだぜ……」

一方通行「生やせンだろォ? とっとと生やして宇宙の果てまで飛ンでっちまえ。ンで二度と帰って来ンな」

垣根「まさに未元物質だな……宇宙まで行けるか今度試してみるか…」

一方通行「もォいっそオマエ自身が未元物質になれよ。そして空から地上でも眺めてろ」

垣根「まぁ、そんな事はどうでも良いんだよ。とりあえず、ボディブローについては謝るよ。加減したつもりだったんだが、それでも
  お前の貧弱な体には強すぎたみたいだ」

一方通行「やっぱオマエ死にてェンだろ? なァ? そォだよなァ? 最初から言やァ苦しンで死なせてやンだからもォ正直に言っちまえよ」

垣根「ハイハイ、うっせうっせ。ちっとも話進まねえからもう黙ってくれる?」

一方通行(………帰ったら速攻充電しよォ……コイツを殺すためだけに)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:28:29.83 ID:HHjBS9g0<>垣根「んで、あの娘なによ?」

一方通行「あン?」

垣根「とぼけんなよ〜♪ テメェにあんな彼女がいたなんて聞いてねえぞ? しかもかざりんのダチだなんてビックリだぜオイ!」

一方通行「はァ!? オマエまで信じてンじゃねェよ! …ってェか、かざりンって何だよ?」

垣根「ん? かざりんはかざりんだろ。………何? ってこたぁまだ付き合ってねえのか?」

一方通行「だからそうじゃねェ。あのアマが勝手にほざいただけだ。俺はアイツとは今日初めて会ったンだっつの」

垣根「え? そうなのか………けど何で?」

一方通行「ンなの俺が知るかよ。どォせなンか訳アリなンだろォ……ったくおかげで良い迷惑だ」

垣根「ふーん……まぁ、良いけど」

一方通行「っつかよォ………」

垣根「ん? 何だよ?」

一方通行「なンでオマエ、そンな不審者丸出しな格好してンだ?」

垣根「よくぞ聞いた! 実はお前に頼みがあんだよ!」

一方通行「……頼みだァ?」




―――垣根は初春との過去の因縁や、今ここにいるまでの経緯を一方通行にサクッと説明した。




一方通行「……面倒臭ェ」




事情を理解した一方通行の第一声がそれだった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:30:30.17 ID:HHjBS9g0<>
垣根「おま、一蹴かよ!」

一方通行「っつかさァ、オマエ馬鹿じゃねェのか? そォやって先延ばしにしちまったら余計名乗り辛くなるだけだろォがよ」

垣根「そ…そりゃあ俺だって早く名乗ってスッキリしてぇよ。………けど、あの無邪気なツラ見たら………言えねえんだよ」

一方通行「はァ? まさか惚れちまったとか言うンじゃねェだろォな?」

垣根「そ、そういうんじゃねぇ! そうじゃなくて……その……なんだ……う〜ん…」

一方通行「あァー、ハッキリしねェなァ! で、オマエはどォすンだよ? 帰りに『俺は垣根帝督です。あの時はゴメンなさい』
     ってちゃンと言えンのか?」

垣根「それまでには覚悟決める!……つもり 」

一方通行「………………」ジーーー

垣根「な、なんだよ! その疑いの眼差しはぁ!? 心配ねぇって! ケジメもつけらんねえ様な男じゃねえぞ俺はぁ!」

一方通行「……あァ分かった分かった。ンで、俺にどォして欲しいンだよ?」


垣根「・かざりんこと、初春飾利の前で俺の名前は禁句。
   ・俺とお前は心の友と書いて『心友』設定。
   ・俺はレベル0の無能力者。
   ・彼女の前で俺をいたぶる真似はするべからず。
   ・俺に対しては尊敬と忠s―――」


一方通行「待て待て待てェェェ!!! もはやオカシイどころの話じゃねェぞ!? 何から突っ込ンでイイのか分からねェだろボケ!!」

垣根「あんだよ? まだ途中だろぉが」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:37:01.93 ID:HHjBS9g0<>一方通行「もォイイ!! 要するに、オマエが垣根帝督だって事があの花つけた女に分からなきゃ良いンだろ!?
     ってェか、意味不明な注意事項みてェなモン作ってねェで、最初っからそォ言や良いだろォが!!」

垣根「まぁ……そうだが、頼むぞ? お前を信用して頼むんだからな?」

一方通行「適当に話合わせるだけだかンなァ。後は勝手にしろ」

垣根「バレそうになったら助けてくれ」

一方通行「はァ? なンで俺がそこまで面倒見なきゃなンねェンだ!? 知らねェよ!」

垣根「そんなこと言ってもなんだかんだで助けてくれる優しいあ〜くんに激しく期待してるぜ!」ビシッ

一方通行「指立てて『期待してる』とか言われても知ったこっちゃねェけどなァ。何が『なンだかンだで』だよ……あとオマエ、
     次『あ〜くン』って呼ンだら問答無用で地中深くに埋めてやっから覚えとけ」

垣根「なんで? 良いあだ名じゃん。黄泉川さんも気に入るとおm」

一方通行「――あとで俺からも『注意事項』渡しとくわ。命を大事にしてェンならしっかりと読ンどくンだな……」ギロリ

垣根「……ねぇ、目が怖いよ? マジで殺意こもってるよ? 分かった、分かったから睨むのやめて」

一方通行「……………」

垣根「言いません! 打ち止めにも黄泉川さんにも芳川さんにも! どうだ!? これで満足か!? あぁ!?」

一方通行「……よろしい」(なンで逆ギレしてンだコイツ……)

垣根「うっし! ほんじゃあ戻った時の段取り決めんぞ!」

一方通行「あァ? そこまでする必要あンのかよ?」

垣根「万一のためだ。何事も計画持っていかねえと、思わぬトコで足すくわれっからな」

一方通行「………似合わねェ。っつかそのカッコで言っても犯罪計画にしか聞こえねェぞ…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:39:34.25 ID:HHjBS9g0<>垣根「うるっせぇ! 俺も好きでこんなカッコしてんじゃねえんだ! オラ、とっとと合わせやるぞ。まず―――」




―――――戻った時の打ち合わせ中―――――




垣根「―――よし、じゃあそろそろ戻るか。すっかり遅くなっちまった……あのコら怒ってなきゃ良いけどな」

一方通行「オマエが途中でくだらねェ話混ぜるからだろォが……てか今更だが、なンで一緒に行動すンだよ? すぐ別れりゃ簡単じゃねェか」

垣根「イヤ、向こうもダチ同士らしいし、折角会ったんだからしばらくは一緒って流れだろ?」

一方通行「……俺には良く分かンねェが、普通そォはならねェンじゃねェのか?」

垣根「そうか? まぁずっと一緒って訳にもいかねえし、適当に見たら頃合つけて別れようぜ?」

一方通行「……そォだな。よし、もォそれで良いからさっさと戻ンぞ」

垣根「あ、念押しとくけど、マジで頼んだぞ? 今度フライドチキン奢ってやっからさ」

一方通行「………ぜってェだぞ? 約束したからなァ?」

垣根「そうこなくっちゃな♪ っつー訳で、悪いが予定通りに頼むわ」

一方通行「しつけェ、分かってンだよ。ったく……」

垣根「じゃ、行こうぜ。………クソしてたって思われたらイヤだからな」スタスタ

一方通行「…………はァ…」カツカツ




―――時計を見ながら歩き出す垣根。その姿は電車に乗り遅れそうになるサラリーマンのようにどこか慌しかった。
その後ろでは、杖と溜息を同時にツキながらトボトボと歩く一方通行の姿もあった。
美琴と御坂妹の事を彼が思い出すのはもう少し先である……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/20(火) 20:43:56.76 ID:HHjBS9g0<>今日はここまでです。
続きはまた明日投下します。
今日もお付き合い頂きありがとうございました。
では。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 20:46:10.48 ID:vjapBHE0<>>>499
うむ、くるしゅうない。ちんすこう奢れ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 20:46:52.48 ID:J8CYN0Q0<>乙です
ついに我らがKJさんの始動ですね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 20:50:37.88 ID:rUAt5Pc0<>あぁぁぁ!!!!
どんどん人間関係が複雑になっていく…wwwwww

乙です!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/20(火) 23:31:08.58 ID:/WiOfo60<>でもそこに痺れるうぅぅぅ!!!!

>>1乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 07:56:44.64 ID:n5fxhoY0<>KJさんまじKY<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/21(水) 11:04:47.61 ID:H2rdyTk0<>>>504良いこと言った
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 17:01:45.80 ID:/04ZuiU0<>>>504だからこそのKJさん
wktk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 19:52:04.97 ID:276JGPc0<>こんばんは、>>1です。
俺長編書くの向いてないんじゃね?という気持ちを抱きつつ、続き投下します。
>>504 そろそろ誰か仲裁に来ないとこの後は血みどろの展開しか俺には書けませんぞ?ww
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 19:55:36.59 ID:276JGPc0<>―――ここでちょーっとだけ時を戻してみたり―――




上条当麻は広場で立ちつくしていた。




目を覚ましてみれば空が暗く、周囲には自分以外誰もいない……。一瞬、閉園時間を過ぎてしまったのかと危惧したが、すぐ近く
の柱時計がその可能性を否定してくれた。
それについて安堵する間もなく目の前に飛び込んだ同じ顔、同じ服装の少女を追いかける少女の図……。
まずはこの展開に追いつく事と、自分がノビてる間に進んだ今の状況を把握する事が自分の使命だ。と上条は結論付けた。


そのためにはどうすれば良いのか……と考える所だが、上条は考えるより動くタイプだ。例えば自分が車に轢かれそうになる事も考え
ずに轢かれそうな子供を守る……。彼はそんな人間だった。
よって、彼は脳より足が先に動いた事は上条にとって……そして上条を知る人間にとっては何の違和感もない結果だった。





上条「ど……どこ行ったんだ……ッ!?」




それでも出遅れたものは仕方がない。普通の人間ならもっと考えてから動き、もっと出遅れるものだ。




上条「ハァ、ハァ……クソッ!」




周囲に目を向けながら、姉妹の消えた付近を走り回る上条。まだ昼過ぎで夕方にもなっていないのに何故これほど人が少ない
のか? とまでは考えなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 19:56:06.40 ID:mEKoA36o<>今晩もキタ
wwktk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 19:59:18.60 ID:276JGPc0<>上条「――――ん?」



走っている途中、何かに気づき立ち止まる上条。



上条「……………」




神経を集中させ、目の前の林に注意を向ける…………少し離れた場所だが、確かに音が聞こえた。それも、争いから生まれる
生々しい音までハッキリと耳に入ってきた。



上条「ここか!」



―――確信すると同時に、上条の全身は林の中に隠れた。




―――――――




上条「……………」




上条は目覚めて再度の硬直を余儀なくされた。と言っても、先とは理由が違う。
今度の硬直の理由は『目の前の光景が信じられない…』と言ったところか……そんな目だった。

何も知らない立場の上条にとっては無理もないだろう………目の前で喧嘩と呼ぶにはあまりに一方的な肉弾戦が映っているのだから……。

もう一人が御坂妹であることは上条でも分かる。何故ここにいるのかは本人に訊けば良い。それも分かる。
では、何故二人はまるで互いを憎み合うかの如く争っているのだろうか……それも本人達に訊けば分かると思うが、とてもそんな
空気ではなかった……。

まだ少し距離もある。これ以上近づけば気づかれるだろう……。しかし、上条の足は止まっていた。
もう一度言うが、彼は何も知らないのだ。これですぐ足が動くのなら、上条が脳から失っているのは記憶だけではないという事になる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 20:01:48.82 ID:276JGPc0<>上条「…………なん…で…」




ようやく動いた口から漏れたかすかな声は、誰の耳に入る事もなかった……。





―――――――




「―――ハイ、つっかまーえた♪」


「………う…」




上条「――あ!」




状況は一気に変わった。
この後はおそらく一方的な展開になるという事は誰が見ても明白……。
いくらこの状況が信じられないとは言え、その展開には流石にこれ以上じっとしていられる上条ではない。
上条は分からない答えを一旦放置して、僅かな二人との距離を一気に詰めた―――。




―――そして、覚悟を決めるまでもなく彼は少女の背中に声をかけた。




―――――――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 20:05:35.89 ID:276JGPc0<>――で、現在に至るんだよ!――




美琴「……………」クルリ




おそるおそる振り返る美琴………。上条が良く見知った少女は、まるで万引きがバレたかの様な表情をしていた。




御坂妹「…………」




上条に足を向ける形だが、すぐに誰がそこにいるのかは御坂妹もすぐ理解した。その表情は姉ほどではないが、どこか複雑そうだ……。
例えるなら…母の留守中にイタズラをしてしまい、帰ってきた後にそれがバレて怒られている姉妹と言ったところである。




美琴「ア……」




「アンタ」と言おうとしたが、その前に上条が口を開く。




上条「なんでだよ……」


美琴「………」




悲しそうな顔で自分を見る上条に、美琴は口が開けなかった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 20:08:39.26 ID:276JGPc0<>上条「なんでこんなことになってんだよ!!!」




―――林の中一帯に上条の叫びが響いた。




上条「美琴!! なんでだ!? なんでこんな……」



美琴「―――ッッ…!!」




『美琴』と言われて一瞬驚くも、今はそんな場合ではない。
上条の目は真っ直ぐ自分に向けられていた……。早く何か言わないといけないのだが……この場面で現れる事を全く想定していなかった
超能力者少女の頭は完全にパニックに陥っていた。
『一番見られたくない少年に、一番見られたくないシーンを見られた』……思考がそれでいっぱいになった美琴が妹から体を離して立ち
上がると同時に駆け出してしまう事を、上条は予想できなかった。




上条「お…おい!! 美琴っ!!」




もの凄い勢いでその場から走り去る美琴を慌てて追いかけようとするが、倒れたままの妹をそのまま放置する事もできなかった。




上条「大丈夫か? 御坂妹…」


御坂妹「…………」ムクリ




複雑そうな表情のまま、御坂妹は無言で起き上がった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 20:12:18.50 ID:276JGPc0<>上条「なんでお前がここに………イヤそんなこと今はどうでもいい! なんでお前らがこんなことになってんだよ!? 事情を説明してくれ!」

御坂妹「…………」




上条の問いに御坂妹は答えない……。その目は美琴が走っていった方向をずっと見つめてなにか考え込んでいるかのようだった。




上条「お前ら……何があったんだよ?」




少し冷静な声でもう一度訊く上条に、御坂妹はようやく顔を向けた。………今度はひどく悲しそうな目をしているように見える。
そして、一言……目の前の少年に―――



御坂妹「お姉様を……追ってあげて下さい」




―――と、告げた。命令とも頼みともとれるその口調に、上条は迷う。




上条「……え……でも」

御坂妹「ミサカの事は気にしなくて構いません。それよりも、お姉様の側にいてあげて下さい。と…ミサ……カは……」




―――そこで御坂妹の言葉は途切れた。崩れそうな表情を上条から反らし、肩をかすかに震わせながら……上条に背中を向けた。




上条「お、おい!? どうした?」

御坂妹「はやく……行って下さい……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 20:21:27.17 ID:276JGPc0<>早く行くように後ろを向いたまま手で示す御坂妹………しかし――



上条「……今のお前を放って行けねえよ! だってお前泣いてんじゃねえか!」

御坂妹「………お姉様も………泣いています……」

上条「――!……なんで……」

御坂妹「ミサカは………あなたに慰めて欲しく……ありません………ですが……おねえ……さまは……違います…」

上条「……………」

御坂妹「おねえさまは………あなたに……」



―――上条はそこでハッとするが……やがてゆっくりと俯いた。



上条「……やっぱり……そうか……」

御坂妹「……?」

上条「ゴメン……俺、美琴を追う。確認しなきゃ……ならねえ事があるんだ…」

御坂妹「ミサカの心配は要りません……早く……行ってください……」



上条「………あぁ……分かった。……ゴメン!」




―――言うと同時に、上条は美琴の走った道を勢い良く走り出す。あっという間にその姿は木の影に消えていった……。




御坂妹「………………」




しばらく上条の体を隠した木を濡れた瞳で眺めていた御坂妹も、やがてフラリ…とその場を静かに立ち去っていった―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 20:24:29.90 ID:276JGPc0<>――――――




佐天涙子と初春飾利は……それぞれのパートナーの帰還を今や遅しと待っていた。
と言っても、親友の二人にとっては何の苦もない時間だったが……。





初春「………遅いですねぇ……」

佐天「……大きい方かな?」

初春「さ、佐天さん! そんな下品なこと言わないでくださいっ!」

佐天「ゴメンゴメン。でもさ、初春の彼氏って……何かどっかで見たことある気がするんだけど…」

初春「まだ彼氏じゃありません!」

佐天「まだ……ねぇ」ニヤリ

初春「うぅ……あ…///」

佐天「ハハハ♪ まぁ良いとして、マジであの人何か見覚えあるんだよね〜……思い出せないけど…」

初春「………佐天さんもですか? 私も気になってるんです……やっぱりどこかで会ってる気がして……」


佐天(よく考えてみたら……学園都市最強の一方通行さんと友達なんだよね………ってことは…本当はすごい人なのかも…)


初春「………佐天さん?」

佐天「え? あ〜ゴメン。ってことはさぁ……もしかして……やっぱり芸能人!?」

初春「ありえませんって!……そういうのとは何か違うんですよねぇ……」

佐天「そ〜お? 『ひとついはじめ』にちょっと似てない?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 20:27:14.04 ID:276JGPc0<>初春「似てません!」

佐天「輪郭も髪型も分からないときたもんだ……あの人って『対人恐怖性』か何かなの?」

初春「風邪引いてる上に寒がりって言ってましたけど…」

佐天「……それすっごい怪しいと思わない?」

初春「でもすっごく良い人ですよ♪ ちょっと変なトコありますけど……悪い感じは全くしないです」

佐天「おお! 脈アリですなぁ? お花が一段と輝いてるぞっと♪」スッ

初春「さり気なくスカートに手を伸ばさないでください!」ペシッ

佐天「む……キサマ抵抗するか………仕方ない……下が駄目なら上から攻めるまでよっ!」ワシャ

初春「や…白井さんみたいな戦法をとらないでぇぇ!!」

佐天「逃がすかこの幸せ者ぉ!」

初春「さ、佐天さんだってぇ! このっ!」

佐天「ひゃっ! わ、わき腹くすぐるの無しっ!」

初春「お返しですっ!」




―――しばらくいつも通り戯れた後……




初春「そう言えば、佐天さんいつ来たんですか? あの後帰ってすぐですか? 帽子被ってたなんて珍しいですね…」

佐天「そ、そうそう。急いで準備して出たから髪セット出来なくてさ〜」(本当は尾けてたなんて言えないよなぁ…)

初春「なら言ってくれれば良かったじゃないですか〜」

佐天「ゴメンね。何か恥ずかしくってさ……本当ゴメン!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 20:30:51.11 ID:276JGPc0<>初春「もう良いですよ。ところで、彼氏さんとはどこで知り合ったんですか?」

佐天「うっ……」(やっべ! 全然考えてなかった! 『ついさっき知り合った』なんて言えないし……どうしよ……)

初春「……どうしたんですか?」

佐天「え〜と……こ、こないだ道で不良に絡まれてるトコ偶然助けてもらったの!」

初春「へぇ〜、そうなんですか。全然知らなかったです………彼って学生ですよね?」

佐天「うん、まぁね…」

初春「……言ったら悪いですけど……個性的な方ですよね……目の色とか髪の色とか……」

佐天「そ、そう? 私は素敵だと思うけどな〜…」

初春「佐天さん、……さっきから挙動不審ですよ?」

佐天「え? ハハ、な〜に言ってんの初春ぅ。誰がキョドってるってぇ?」

初春「…………」

佐天(ヤバイヤバイ! 話変えないと!………え〜と、そうだ! ここはひとつ御坂さんの恋の話題でも!………………ん?)

初春「佐天さん?」




急に何か思い出したかのように表情を変えた佐天に初春は不審な目を向ける。




佐天「―――ぁぁぁああああああっっっ!!!」


初春「ひゃっ!!?」




急に大声を上げた佐天に仰天する初春。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 20:33:57.61 ID:276JGPc0<>佐天(御坂さん達のこと……すっかり忘れてたぁぁぁ!! こんなことしてる場合じゃないよぉぉ!!)


初春「さ…佐天さん!? いきなりどうしたんですか!?」オロオロ


佐天「初春っ!!」クルッ

初春「は、はい!?」

佐天「御坂さん達さがすの手伝って! ほら早く!」ガシッ

初春「ふぇ? みさ―――ッッ!?」




初春の返事も待たずに手を掴んで走り出した。




初春「な、なにがどういうことなんですかーっ!?」




半ば引きずられるような体勢のまま初春は叫んだが、それは空しく響いただけだった……。




―――その数分後




垣根「――あれ? アイツら何処いった?」


一方通行「――……知るかよ。待たせ過ぎて怒っちまったンじゃねェのか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 20:36:11.07 ID:276JGPc0<>少し前まで確かに佐天と初春はここにいたのだが、佐天が御坂姉妹捜索に復帰したことなど知らない超能力者二人は無人となったクレーター
場所で佇んでいた。




一方通行「…………………」




クレーターを見て固まっている一方通行に垣根は声をかけた。




垣根「オイ、どぉした?………あぁ、それか? 多分どっかの能力者がやったヤツだろ? つっても、御坂以外でこんなことできるヤツに
   心当たりはねえけどな。……お前何か知ってんのか?」

一方通行「面倒なこと思い出しちまった……」

垣根「は?」




額に手を当てて頭痛を我慢しているように見える一方通行を垣根は当然ながら疑問に思った。




一方通行「はァ……多分さてンとか言う女もソレ思い出したンだな……」

垣根「オイ、何ひとりで納得してんだ? 訳が分からねえぞ……説明しろよ」

一方通行「ソイツは後だ。それよりオマエも手伝え」

垣根「はぁ? 何を?」

一方通行「超電磁砲をさがすンだよ。オラ、行くぞ」

垣根「へ? 御坂のヤツ来てんの? ってオイ! ちょ、ま、待てって―――!」




すでに先を歩き始めた一方通行を垣根は慌てて追った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 20:39:06.31 ID:276JGPc0<>今日はここまでです。相変わらず進めるの遅くて申し訳ない……。
続きはまた明日投下します。
今日もお付き合い頂き、ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 21:25:55.14 ID:gu3utM.0<>乙です!
毎日楽しみにしてます〜<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 00:01:37.31 ID:CCgVgBco<>乙です
明日が楽しみだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:19:37.44 ID:P6JwgoE0<>こんばんは、>>1です。
今日も僅かしか進みませんが、投下にやって参りました。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:21:44.36 ID:P6JwgoE0<>―――ちょうどその頃、館内の電気はようやく復旧した。
ゆっくりと……建物全体に光が戻る―――。




――パチッッ……




ザワザワ ガヤガヤ…




麦野「――お? ようやく電気ついたわね」


滝壺「あ……」

浜面「い……」


絹旗「あー! 二人ともなぁぁに抱き合ってんですかぁぁー!?」

フレンダ「結局、止めても無駄だった訳ね……」

麦野「オイオイはーまづらぁ……私の前でイチャつくたぁ良い度胸してんじゃーん?」

浜面「イ…イヤ! これはその…」

滝壺「はまづら……後でね?///」ボソッ

浜面「お、おう///……って、ちょっと待て! だからちが―――!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:25:38.80 ID:P6JwgoE0<>必死に否定しようとするが、三人のオーラが「無駄だ」と答えていた。





麦野絹旗フレンダ「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね(ですね)(って訳よ)♪」


浜面「」





それ以上、抗議の余地はどこにもなかった……。野次馬が見守る中、ひとりの無能力者に非情な実刑判決が下ったのだった……。





―――――――




浜面だったモノ「」シュー…



絹旗「全く……浜面の節操無しぶりには超あきれますね。滝壺さんも大変なんじゃないですか?」

滝壺「大丈夫………刺激的なのも、好きだから」

フレンダ「染まってるね……この廃人と化したキモ猿に心まで染められちゃったんだね…」

麦野「純だった滝壺が今や……はぁ、お姉さんは悲しいわ…」

滝壺「はまづらは優しいけど、ときどきオオカミになる……」

絹旗「こいつ(浜面)にトドメ刺してもいいですか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:27:52.72 ID:P6JwgoE0<>麦野「……滝壺が悲しむから今日のところはやめときなさい」

絹旗「はーい」

フレンダ「っていうか、もう必要ない気がするけど……」チラッ

麦野「さて……ちょっと化粧直しに行ってくるわ」ガタッ

絹旗「あれ? 話の続きは?」

麦野「あぁ、戻ったらね―――」

フレンダ「いってら♪」




―――麦野は席を立ち、手をヒラヒラ振りながらその場を離れて行った。




滝壺「はまづら……生きてる?」ツン ツン

浜面らしきモノ「」シュー…

絹旗「店壊さないようにやるのも超一苦労ですね」

フレンダ(麦野も丸くなったなぁ……)




―――――




―――それから数分後、幼女と少女は未だ広い館内を彷徨っていた……。
銀髪碧眼の少女は叫ぶ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:31:02.47 ID:P6JwgoE0<>禁書「やっと電気ついたのは良いけど……ここがどこだか分からないんじゃ同じことかもーっ!」




海洋生物はもうどこにもいない。代わりに周囲に映るのは、複数のレストランやゲームセンターといった…地下街などで
よく見る光景だった……。




打ち止め「……お魚さんたちもいなくなっちゃったし……これからどうしよう。ってミサカはミサカは不安になってみたり…」

禁書「よし! こーなったらひとまず腹ごしらえしよう! と言うワケで、まずはココから制圧開始ーっ!」




勢い良く真横に体を向け、ちょうどそこにあった和食系のレストランへ突撃しようとする禁書目録を打ち止めはたった一言で止めた。




打ち止め「お金あるの? ってミサカはミサカは一応訊いてみる……」

禁書「―――うっ……」




あと一歩で店のノレンをくぐる……寸前で走るポーズのまま停止した禁書目録。




禁書「…持ってないんだよ………うぅ…これじゃ休憩もできないかも…」

打ち止め「休憩=レストランって認識は間違いじゃないかな? ってミサカはミサカは指摘してみたり」

禁書「……こんなとき、あくせられーたがいればなぁ…」




そう呟きながら禁書目録はガックリと肩を落とした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:33:57.42 ID:P6JwgoE0<>打ち止め「……そう言えば……あの人もどきっとどこかにいるハズなんだけど……どこなんだろ? ってミサカはミサカは歩きながら
      目でふと周囲を探索してみぎゃ―――!?」ドン


「ったく……店内のお手洗いが満員なんてついてないわ………ん? おぉっと―――!」ドン




―――前を見ずにキョロキョロチョロチョロしていた打ち止めは、何やら愚痴りながら歩いてきた人にドンッ!と正面からぶつかった。




「――な、何!?」




突然打ち止めから体当たりを受けた麦野沈利は目線を下に向けた。
打ち止めは床に座り込んだまま麦野を見上げる。




打ち止め「――ご、ごめんなさい! ってミサカはミサカは頭を下げて謝ってみたり!」


麦野「――え、あぁ、気にしないで。お嬢ちゃんこそ大……丈………?」


打ち止め「?」


禁書「――らすとおーだー! どうしたの?」パタパタ




――駆け寄って来た禁書目録は、顔を見合わせたまま口を開かない両者に首を傾げた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:35:37.45 ID:P6JwgoE0<>禁書「?」


麦野「………………」


打ち止め「……あのぉ…ってミサカはミサカはどうかしたのかな? って尋ねてみたり」


麦野(この子って………まさか例の実験の……?)


禁書「………らすとおーだー?…このお姉さん知り合いなの?」


打ち止め「ううん。ってミサカはミサカは否定してみる」


麦野「あぁ、たまたまぶつかってね……大丈夫だった?」

打ち止め「ミサカは平気だよ! ってミサカはミサカは元気に立ち上がって丈夫なところをアピールしてみたり」スクッ

禁書「うぅ……」グウ

麦野「……なに今の音…?」

禁書「おなかへったんだよぉ……」

打ち止め「ミサカもぉ……ってミサカはミサカはひょっこりさりげなく便乗してみたり」

麦野「はぁ?」



「だから―――」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:37:47.17 ID:P6JwgoE0<>




禁書打ち止め「―――ご飯食べさせてくれると嬉しいな♪」(ってミサカはミサカは声を合わせてみたり)



麦野「へ?……………いや、何でよ?」




天使のようの目をキラキラ光らせておねだりしてくる幼女と少女に、麦野は惑わされる事なく冷静に至極もっともな
ツッコミを入れた―――。




――――――




――屋外





一方通行&垣根帝督は当てもなく歩きまわるのが非効率である事に気づいて立ち止まっていた。



御坂美琴に御坂妹、更には佐天涙子や初春飾利をも捜さなくてはならないとなると……このまま無闇に歩くのは
かなり苦だと気づいたのだ。
結局一方通行は、ひとまず垣根にもサクッと今の状況を説明する事にしたのだった―――。




垣根「―――マジかよ……そんなことになってたのか……そりゃ確かに一大事だな」

一方通行「それほど大事になるとは思えねェが……このまンまじゃアイツらの仲違いは免れねェかもなァ…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:41:51.85 ID:P6JwgoE0<>垣根「っつーかよぉ……ミサカの妹って、そんなキャラだったっけ…?」

一方通行「もォアイツもひとりの『人間』として自己を確立してるってことだろ……姉(オリジナル)に喧嘩ふっかける
     なンざァ、少し前までのアイツからは考えられねェからな」

垣根「………まぁ……話は分かったが、どぉすんだよ? もう結構時間経ってんぞ……?」

一方通行「そこでオマエの出番ってワケだ」

垣根「……へ?」




急に話が変わったかのような一方通行の調子に垣根は『?』を顔に浮かべた。




一方通行「オマエ、俺を乗せたまま空飛べるか?」

垣根「は?……どういう…」

一方通行「モノ分かり悪い野郎だなァ。このまま歩くのも手間だから、空からさがすンだよ。その方がすぐ見つかンだろォ?」

垣根「あぁ、なるほど」




――ポン、と手を打つ垣根。




一方通行「…で、出来ンのか? 出来ねェのか?」

垣根「いや、そりゃ出来ないこたぁねぇけどよ……人乗せて飛んだことはさすがにねえから何とも……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:43:36.18 ID:P6JwgoE0<>一方通行「問題ねェだろ。俺ひとり分の体重も支えられないほど、オマエの未元物質が脆いっつゥンなら話は別だけどなァ」ニヤ

垣根「(ムカッ)…ほぉ………言ってくれんじゃねぇか………よぉし上等だぁ! 俺の未元物質に不可能はねえぞぉ! 
    おぉ…りゃあ!!」――ブァサッッ!!




何故か気合のこもった声を出しながら背中から翼を生やした垣根に、一方通行は―――



一方通行(扱いやすさはガキレベルだなコイツ……)




―――と、冷めた目を向けていた。




垣根「―――っしゃ! 乗りな一方通行!」

一方通行「は? オイ待て、どこに乗れってンだよ……羽に掴まったら振り落とされンだろ?」

垣根「なんならお姫様抱っこしてやろうか?」ニヤ

一方通行「……………」スッ

垣根「ジョーク! ジョークだからな? ジョークだから無言で首のスイッチに手を掛けるな!」

一方通行「………仕方ねェ。ちと背中借りンぞ?」

垣根「へ?……ぎゅむ―――!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:45:27.19 ID:P6JwgoE0<>背後へ回った一方通行に首を腕でホールドされて息が詰まった垣根の表情は、疑問から苦痛へと一瞬で変化した。
絵的には一方通行が後ろから垣根の首に腕を回している…と言った方が分かりやすいか。




一方通行「オラ、早く飛べよメルヘン」

垣根「く、首……クビ……絞まって………ッ!」

一方通行「あン……?」




何を言っているか分からないので、一旦腕を離す一方通行。




垣根「―――ハァッ……こ…殺す気かぁっっ!?」ゲホゲホ

一方通行「……………」




「まァな」と思わず言いそうになったが、それはとりあえずやめておいた。




一方通行「……ンで、どォすりゃ良い? 肩に掴まるンじゃ不安定過ぎるから却下だぞ?」

垣根「…うーん………」

一方通行「………」イライラ




埒が明かないので、もうここは垣根だけに任せようか? と考え始めた時―――




垣根「……ったく……仕方ねぇな……ホラ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:48:40.15 ID:P6JwgoE0<>翼の生えた背中を見せながらしゃがみ込む垣根に一方通行は尋ねる。
転んだ子供や歩き疲れた子供とその保護者の場面でよく見る絵だった。




一方通行「オイ……一応訊くがよォ、ソレは何だ?」

垣根「何って……おんぶだよ、お・ん・ぶ。もうソレ以外ねえだろぉが」

一方通行「はァァ? 何で俺がオマエにおンぶされなきゃならねェンだよ!?」




当然、一方通行はごねるが……




垣根「つっても、他にはもう思いつかねえし……お前なんか良い案あるのか?」

一方通行「っ………」




そう言われては立場が悪くなる……。考えてみるが、どうやらここは一方通行が妥協しなければならないようだ。




一方通行「………はァ……やっぱソレ以外ねェのか……」




これだけ溜息を吐けば、頭が白髪交じりになってもおかしくはないのだが……その心配は要らない。
彼はすでに頭部全域が白髪(ホワイトヘアー)だ。若いうちからこれほど苦労しているなんてレベルじゃないほどに……。
今までの生き方をふと振り返るが、上条と出会ってから自分は未知の道ばかり進んでいるのではないか? と一方通行は思った。


そんな彼の思考など知ったことではない垣根は、後ろの手をクイクイと動かしながら催促した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:50:44.20 ID:P6JwgoE0<>垣根「ホラ、何してんだ? 早く乗れよ。急ぐんだろ?」

一方通行「……………」




もう抵抗するのも面倒になった一方通行は、遺憾な顔のまま……垣根の背中にその細い体を預けた。




一方通行「……なァ、これで飛べンのか?」




垣根におんぶされたまま訊く。何ともシュールな絵だ。




垣根「あぁ、これなら演算にも支障はねぇ。んじゃあ飛ぶぞ? いいか?」


一方通行「オイ、ゆっくり飛べよ? コッチは今、風のベクトル操れねェンだからな! 荒っぽく飛ンだら後で地獄見ンぞ」


垣根「へいへい……うるさい姫様だな。よし、行くぞ! しっかりつかまってろよ!―――――」ブァサァ!


一方通行「あァ!? 姫ってどォいう意味だァ!? オイコラこの――――ッ!?」




―――グオン!!!




文句の途中で二人の体は颯爽と地上に別れを告げた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:52:58.24 ID:P6JwgoE0<>―――上空




垣根「――うわぁ……お前軽いなぁ………言っちゃ悪いが、女背負ってんのとほとんど変わんねぇわ…」

一方通行「――うるせェ! 余計な感想はイイからもっとゆっくり飛べ! 落ちンだろォが! うお危ね……ッ!」

垣根「キャーキャーうっせぇなぁ……黙ってつかまってろよ。舌噛むぞ?」

一方通行「オマエ下降りたら覚えてろよォ……」

垣根「ハイハイ分かった分かった…………お?」

一方通行「ン? どォした? いたのか?」




――ひょい、と垣根の横から顔を出す一方通行に垣根はビクッとする。




垣根「お、おい! 顔近ぇんだよ! 離れろ気色悪ィ!」

一方通行「あァン!? 仕方ねェだろォが! こォしねェと下が見えねンだよ! 気色悪ィのァお互い様だボケ!」

垣根「………分かったから耳元で吠えんな。演算狂うだろ…」

一方通行「ちっ……クソが………」





垣根の背中に乗ったまま悪態をつく一方通行と、耳に指を当てて迷惑そうな顔をする垣根帝督は上空からの捜索を続行した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 19:57:21.62 ID:P6JwgoE0<>……やがて、空からひとりの『少女』の姿を確認した。




垣根「―――オイ、誰かいるぞ?」

一方通行「―――ン? あそこにいンのは……」

垣根「御坂か……それとも妹か……? どっちかは分からねえが、ひとりだな………とにかく行ってみるか」




―――ギュン!




一方通行「うおっ!………オイ! 急に角度下げンな! 危ねェだろォが!」

垣根「おぉ悪い……っつかさぁ、考えてみたらお前も空飛べんじゃん?」

一方通行「あン? さっき言わなかったかァ? もォ電池がほとンど残ってねェンだよ。これ以上能力は行使できねェ」

垣根「あぁ、そっか……どおりでさっきから震えてるワケだ」

一方通行「ンなこたァ良いから早く降りろ! つまンねェこと考えやがったら後でヒデェ事になンだからなァ!」

垣根「分かりましたよぉ……」(ったくギャアギャアうるさいウサギさんだぜ……不利なウサギほどよく吠えるってかぁ…)ヒューン




――後は口に出さずに、垣根は少女へ向けてゆっくりと下降を始めた。




常盤台制服の上に指定コートを着込んだ少女は木に体を預ける形で下を向いて立っていた。
一方通行と垣根が目の前に降りて来るまで、少女はその存在に気づく事はなかった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/22(木) 20:00:48.72 ID:P6JwgoE0<>今日は以上です。続きはまた明日投下します。
何か坦々と投下する形になってしまって申し訳ないです……。
本日もお付き合い頂いてありがとうございました!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 20:12:26.29 ID:oFqGjdI0<>乙
毎日ご苦労様です<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 23:43:33.77 ID:fsvfTwDO<>乙である。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 01:47:28.54 ID:C9y2Cq20<>乙なのよな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:23:28.91 ID:V5LOasI0<>こんばんは。
さて、この話だいぶ長く続いてますが、伏線全て回収することを考えると完結はまだ遠いです。
ですが、どうぞ飽きずにいてやってくれたら幸いです。その分、面白くなるように奮闘するつもりですので。次スレは多分余裕で行くから、その最初にでも今までのあらすじをまとめよう
と思います。
では、量はそんなにありませんが、今日もマッタリと投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:26:05.53 ID:V5LOasI0<>――――――――





浜面「――………んあぁ……?」

滝壺「あ、生き返った」

絹旗「生きてたんですか!?」

フレンダ「結局生きてたって訳ね」





目を覚ました浜面を驚いた目で見る三人の美少女。





浜面「くそう……ひどい目にあったぜ。お前らよくも…」

絹旗「浜面が超悪いんですよ!」

浜面「ざけんな! 一瞬マジでお花畑が見えたぞ!」

フレンダ「私らの前でイチャイチャするからよ」

絹旗「そうです! 何ですか? 見せつけのつもりですか? 浜面のくせに超生意気な…」

浜面「だからって、三人でフルボッコはねえだろ! 窒素パンチに一点集中ビームに………フレンダお前体分かれてなかった?」

フレンダ「へ? 分かれてないけど?」

絹旗「フレンダは浜面の超単細胞な頭踏みまくっただけですよ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:30:11.85 ID:V5LOasI0<>浜面「………おっかしいな……」

絹旗「なるほど。すでに途中で頭イってたんですね」

フレンダ「いや、元々だと思うけど?」

滝壺「ときどき…」

浜面「滝壺まで………おっまえらぁ!! 黙って聞いてりゃ調子に乗りy」

絹旗「ん? 何ですか?」ギロリ

浜面「………いえ、何でもアリマセン。……ところで麦野は?」

フレンダ「お化粧直しに言ってる訳よ」

浜面「アイツの収縮版原子崩しが一番効いたぞ……分かるか? 虫メガネで太陽光をこう……」

絹旗「超どうでもいいです!」

滝壺「はまづら……太陽に焼かれるのと麦野の能力は微妙に違うかも…」

浜面「え、いや……何ていうか……ものの例えっていうか…」

絹旗「馬鹿の浜面にマジツッコミは超かわいそうですよ」

フレンダ「しょせんスキルアウトだもんねぇ…」

浜面「うるせえな! 今は違ぇよ! ってかスキルアウト馬鹿にすんなよ!」

滝壺「はまづらは今の方がいい……」

絹旗「うわぁ……浜面! 滝壺さん泣かせたりしたら超殺しますから!」

フレンダ「全国の少年少女を敵に回すと考えた方がいい訳よ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:32:52.67 ID:V5LOasI0<>浜面「お、お前らに言われるまでもねえよ……滝壺は俺にとって何よりも大事な――」


絹旗フレンダ「ちょうしにのるなぁーーー!!!」グァッ!


浜面「何なんですかぁーーーー!!?」




そんな風に戯れている内に、我らが元リーダーがどこか重い足取りで帰ってきた。




麦野「―――ただいまぁ……」

絹旗「あ! いいところに戻ってきました! コイツ(浜面)ったらまだ懲りてないみたいなんですよ!」

浜面「あっ! テメッ…」

フレンダ「麦野、もう一度フクロにしちゃおうよ」

滝壺「ふぁいと、はまづら」

浜面「………どうした? 麦野……」

麦野「いや……」クイッ




目を気まずそうに反らして後ろを親指で示す麦野……そこからは無邪気な少女達の元気な声が聞こえてきた。




禁書「この人たちがあなたのお友だちさんかな? はじめまして! 私の名前はインデックスって言うんだよ!」


打ち止め「こんにちはー! ミサカの名前はミサカだけど、みんなはラストオーダーって呼ぶよ! ってミサカはミサカは
     自己紹介してみたり!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:36:10.55 ID:V5LOasI0<>
「………………」




声とともに麦野の後ろから姿を現した打ち止めと禁書目録。
麦野以外の面子はしばらく同じような表情で固まっていた……。




麦野「――えぇっと……ゴメン、席詰めてやってくれる?」




ペロッと舌を出しながら麦野はそう言った。




絹旗「え……あ……」

フレンダ(……このアホ毛の子……どっかで……)


禁書「わーい♪ ご飯! ご飯〜!」

打ち止め「おじゃましまーす♪ ってミサカはミサカは丁寧な言葉のワリに遠慮なく着席してみたり〜!」


浜面「……何だこの子たち……麦野、まさか誘拐してきたんじゃ?」

麦野「んな訳ないでしょ! ちょっとそこで色々あってね……腹減ってるって言うから仕方なく連れてきたのよ」


滝壺「私は滝壺理后、よろしく。ええと…」

禁書「インデックスだよ。よろしくね、りこう」




浜面・滝壺の隣りに禁書目録、絹旗・フレンダの隣りに打ち止めが着席した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:37:47.04 ID:V5LOasI0<>麦野はいわゆる『お誕生日席』に何食わぬ顔で腰を下ろすと―――。




麦野「はい、メニュー」




――と、メニュー表を渡してきた。




禁書「ホントにご馳走になっていいのかな? もう後には引けないんだよ!?」ジュル

麦野「構わないわ。好きなだけ食べなさい」

打ち止め「あ! その言葉シスターちゃんには禁句! ってミサカはミサカは忠告しようとするけど時すでに遅かったり……」




打ち止めの慌てた発言で麦野達が「?」を浮かべている間に禁書目録は早押しクイズの回答者さながらの動きで素早く注文ベルを押していた。





―――――――





――――バサァッッ………





背中の翼をはばたかせて着地した垣根帝督と一方通行。
地面に足がついたと同時に一方通行は垣根の背中から降りた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:39:32.72 ID:V5LOasI0<>
「………………」




驚いた顔で少女はコチラを見ている……。
距離は十数メートルほど離れているが、表情はよく分かった。


翼を消した垣根と一方通行はゆっくりと少女に近づいていく。
少女は木にもたれたままコッチを見ていた。逃げる気配はない……。




垣根「ゴーグルつけてるってこたぁ、妹の方か……」

一方通行「イヤ…」

垣根「――?」




確信めいた表情が否定される……。垣根は「えっ?」という顔を一方通行に向けた。




一方通行「さっき超電磁砲と妹が入れ替わった話しただろォが……あれァ超電磁砲だ」

垣根「……あぁ、そういうことか…」


美琴「……………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:42:51.63 ID:V5LOasI0<>御坂妹愛用のゴーグルをつけた御坂美琴は近づく二人を見つめて言葉を失くしていた……。




美琴(一方通行………と……?)




―――そして、会話するには充分な距離で二人は止まった。
先に口を開いたのは、一方通行だった……。




一方通行「―――よォ、オマエひとりか? 妹は?」




自然に……あくまで普段の調子で彼は話しかけた。




美琴「………知らないわよ……アイツと……一緒じゃないの…?」




コチラを見ずに、下を向いて答える美琴。




一方通行「三下……上条が来たのか?」

美琴「………」コクリ

一方通行「なら……オマエのこと探してンじゃねェのか?」

美琴「……それは……どうだろ……もしそうだとしても、どんな顔してアイツに会えばいいのか……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:48:48.09 ID:V5LOasI0<>俯いたままモジモジし出す美琴に、一方通行は……。




一方通行「いつも通りで良いンだよ。オマエが悪い訳じゃねェし、オマエがそォやって考え込む必要なンざァどこにもねェ」

美琴「で、でも! 私……アイツに……見られたの…」

一方通行「何見られたかは知らねェが、別にオマエが気にすることは何もねェだろ?」

美琴「な…何でそんなこと言えんのよ?」

一方通行「ンなの決まってンだろォが。オマエらはただ『姉妹喧嘩』してただけだろォ?」

美琴「え……?」

一方通行「ンなモン、兄弟いるヤツなら誰でも経験することじゃねェか。一体それに何の問題があるっつーンだ?」

美琴「………慰めとかのつもりなら良いのよ? 私……もう、自分が嫌で嫌で……」

一方通行「……俺から言わせりゃあ、何でオマエがそこまで悲劇のヒロイン演じてンのかが分からねェな」

美琴「………?」

一方通行「オマエも妹も、誰も悪いことをした訳じゃねェ。それでもぶつかり合うこたァあンだろ? 当たり前だ。
     二人とも自分の意志を持った立派な人間なンだからなァ」

美琴「でも……私……限度を超えて…」

一方通行「それも人間なら必ずやっちまう事だ。それでオマエが特別ってことにはならねェよ」


美琴「けど………アイツは……そう思ってないかも…」

一方通行「あ?」




美琴の言葉に首を傾げる一方通行……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:51:24.77 ID:V5LOasI0<>美琴「アイツ………私のこと見損なってるわよ……きっと…」


一方通行「……はァ? オマエ本気で言ってンのか?」


美琴「だってそうじゃない! 多分アイツの目には『私が妹を痛めつけようとしていた』部分しか見えてないのよ!?
   アイツのことだから、絶対に妹から理由を聞きだしちゃうわよ! そんなことになったら………もう駄目……
   何でそうなったのかまでアイツが知ったら……もう…全部終わりよ……」


一方通行「……………」


美琴「今ごろ……アイツは私に幻滅してるかも………下手したら……もう……顔も合わせてくれないかもね……」




―――そこまで言って再び俯き黙り込んでしまう美琴………しばらくの沈黙後、一方通行がゆっくりと美琴に問いかけた。




一方通行「……オマエ、あの三下のどこに惚れたンだ? あの野郎は、オマエを特別な目で見たりなンかしない。本当の
     御坂美琴(オマエ)をしっかり理解してくれる。だからオマエはアイツに惚れたンじゃねェのか?」


美琴「………」


一方通行「俺が言えた事じゃねェかも知れねェが、上条当麻はオマエをあっさり見損なう様な人間じゃない。むしろ、
     オマエがありのままで接してくる事をアイツは望ンでるハズだ」


美琴「………」


一方通行「人間なら誰でも汚れた部分ってのを持ってンだ。そォでなきゃ生きていけねェよォになってンだよ!」


垣根(あれ? 何コレ? 何かこいつスイッチ入ってね?)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:54:40.82 ID:V5LOasI0<>一方通行「ちょっと汚れた自分を見られたぐらいで逃げ腰になってンじゃねェよ! 俺から見れば、オマエらは全然マシな方だ!
     むしろ今どきオマエらほど輝いてるヤツのほォが珍しいくれェだ! ヒトとして生きてるンだったら、もォ少し素直に
     なってみろよ! ワガママになってみろよ! 甘えたいヤツに遠慮なく甘えてみろよォ!!」


美琴「!!……ッ」


垣根(いや、何でこいつキレてんの……?)


一方通行「俺みてェなクソッたれに代理を頼む必要なンざどこにもねェンだ! 受け止めてやった俺が言えた義理じゃねェがなァ、
     オマエには本当に甘えたい人間がちゃンといるンだろ! だったらソイツに甘えろ! 振り向いてくれないンなら振り
     向くまで当たり続けろ! オマエはまだハッキリ上条に想いを告げた訳じゃねェ! つまりまだ始まってすらいねェンだ!
     逃げ腰ンなるにァちィっと早すぎると……俺は……思うぜェ…?」


垣根(あ、失速……)


美琴「一方通行……」


一方通行「……まァ、つまりよォ……妹と喧嘩したところを三下に見られたってだけで、何もそこまで卑屈になる必要はねェンじゃねェかって
     ちっと思っただけだァ……」


垣根(えぇ!? 冷めんの早っ!)


美琴「…………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 20:56:07.34 ID:V5LOasI0<>
一方通行(クソったれがァァ!! 何言ってンだ俺はァ!? 何だァこのいかにも三下が言いそォな台詞はァ!? フザっけンなよ畜生ォ!
     何だってこンな臭すぎて屁も凍りそォな台詞が俺の口から出てきたンだよオイ!? 一体どこの熱血くンだっつのォ……。
     あァ……穴あったら埋まりてェ………こンなの絶対俺じゃねェ……時を戻してェ……)ズーン



垣根(『言った後の後悔』ってヤツを体じゅうで表現してんな………こりゃさすがに何て声かけてやったら良いのか分かんねえや……)




別の意味で黒いオーラを纏いながら現実逃避する一方通行を、心から同情した目で見る垣根。そんな彼等の様子を美琴はしばらく
あ然と見つめていたが……やがて―――。




美琴「―――フフッ……」


一方通行・垣根「………?」


美琴「―――アハハハハハハハ!!」





突然、腹を抱えて笑い出した美琴に疑問の目を向ける一方通行と垣根。
美琴の笑顔には、ドス黒さの感じられない無邪気さが戻っていた……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/23(金) 21:00:08.62 ID:V5LOasI0<>Oh……書き溜め切れた……orz
短めですが今日はこの辺で!
また明日に続き投下します。
お付き合い頂きありがとうございました。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 21:45:40.27 ID:BYq1xzw0<>アツクナレータさんが降臨された<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 23:07:19.83 ID:jqTCsnY0<>いや、アツクナレネータさんだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/23(金) 23:30:30.21 ID:8zjkZqso<>おつかれーたーさん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/23(金) 23:36:17.78 ID:hCTlbv.0<>がんばれーたーさんだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 00:27:51.96 ID:v43GNLEo<>ついに説教まで伝染wwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 02:13:06.17 ID:Rqo7GIDO<>一方通行も良い友人達を持って良い(?)影響を受けたたものだ……
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/24(土) 17:58:55.95 ID:DIvBDDU0<>ターミネーターさん穏やかになったね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 19:52:51.33 ID:wSsCnGc0<>こんばんは!
10033復活で幸せ指数30アップしたwwウホww

…では投下開始します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 19:56:23.42 ID:wSsCnGc0<>―――――――





「――それでね。とうまったらひどいんだよ! 私がおなかすかせてるのに、無視して勉強ばっかり!」プンスカ


「そう……かわいそうだね。はまづら」


「いや……俺は勉強できねえから何とも言えねえけど…」(その『とうま』ってヤツに共感しちまうのは何故だろうか…?)



「――だいたい、あの人はミサカを子供扱いしすぎなんだよー! ってミサカはミサカは愚痴を続けてみたり!」プンスカ


「どう見ても子供じゃん……」


「わかりますよ! 私もたまに超子供扱いされますから! 超腹立ちますよね〜!」


「はぁ……結局、どっちも子供って訳よ」




――ワイワイ ガヤガヤ……




すっかり、居酒屋のような雰囲気が出来上がっていた……。



料理にアルコールでも入っているのか疑いたくなる程に、二人の招かれざるゲストの愚痴はエスカレートしていった。
ちなみに、禁書目録の異常な胃袋については十分前に驚かされたばかりである……。
少しは大食いに自信のある絹旗でさえ、挑戦することが馬鹿馬鹿しく感じてしまったのがつい七分前のことだ。

未成年でなければ、とっくに酒が必要な空間だ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 19:59:23.50 ID:wSsCnGc0<>
禁書「―――ホントにとうまはぁ……ねぇ、しあげはどう思う?」

浜面「へ? いやいや……俺は…」

滝壺「しあげ……」ボソッ

禁書「オフロで寝かせるの悪いかなって思っていつもベッド空けてるのに全然来てくれないし……毎晩寝る前に準備を決めてる
   私の心を返して欲しいかも!」

浜面「し……紳士なんだよきっと…」

滝壺「はまづら。紳士と意気地なしは違う……」

浜面「い…意気地なしって……」

滝壺「以前のはまづらだね」

浜面「」

禁書「……二人はコイビトさんなのかな?」

浜面「え? あぁ……まぁ…」

滝壺「はまづら。そこはハッキリ公言するところ……」

禁書「しあげのそういう部分、とうまにちょっと似てるかも」

浜面「え、えぇ!?」

禁書「男は強引でハッキリものが言える方がいいんだよ。とうまはいざとなったらそれができるのに……普段はダメダメかも」

浜面「普段がダメでも、いざって時にできるヤツの方が俺はいいと思うけどな……」

禁書「それなら普段もしっかりして欲しいかも! 最近は補習行ったりデートに行っちゃったり『かだい』しちゃったりで、全然構
   ってもらえなかったんだよ」

滝壺「その『とうま』って人に、彼女はいるの?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:03:07.09 ID:wSsCnGc0<>
禁書「いないよ」

浜面「……もしかして、かなり女たらしなヤツか?」

禁書「それならまだいいんだけど……とうまは自覚なしに女の子を自分の世界に引き込むんだよ」

浜面「何ソレ? 能力? うはぁ……うらやまs――――ハッ!?」

滝壺「」ジロ…

浜面「オホン………そ、そりゃ厄介な性質だな。それで彼女がまだいないってのもすげぇけど…」

禁書「だからとうまには自覚がないんだよ。もし自覚しちゃったら……世の女の子は全員とうまに食べられちゃうかも…」

浜面「な!?」クルッ

滝壺「大丈夫……私は食べられないから……コッチ見なくて大丈夫」

浜面(脅威!? これはもしかして脅威ってヤツじゃないんでしょうかーー!? 絶対滝壺には会わせられん!!)




浜面が上条に驚異的な妄想を描いている中、向かいの席では―――




打ち止め「つまり、ミサカの検体番号は20001号で、実験が打ち切られちゃって製造途中に培養器から放り出されちゃったから
     こんな姿なの。ってミサカはミサカは自分の生い立ちを詳しく説明してみるんだけど、お姉ちゃん達はどうして実験
     のことを知っているのかな? ってミサカはミサカは新たに生まれた疑問をぶつけてみたり」



麦野「そりゃあ……ねぇ?」

絹旗「まぁ……直接ではないですけど……」

フレンダ「結局、実験は途中で終わったって訳ね……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:05:19.18 ID:wSsCnGc0<>
麦野「ま、私らは関係あるようで無いようなモンよ。ってことは、最終信号(ラストオーダー)以外にもう妹達の製造はされてないのね?」

打ち止め「第三次製造計画(サードシーズン)で生み出されたミサカがひとり……あとは知らないかな」

フレンダ「サード…シーズン?」

絹旗「何ですかソレ?」

打ち止め「あっ! ってミサカはミサカはうっかりクチが滑ってしまう自分を呪ってみたり!」

麦野「……まぁ良いじゃないの。んで、あなたはご飯食べたらどうするの? 呼び出しでもしてもらう?」

打ち止め「そ、それは非常にマズイかも! ってミサカはミサカは却下を申し出てみたり!」

フレンダ「なんで?」

打ち止め「迷子になったってあの人に知られたら……よく考えてみると恥ずかしいよ。ってミサカはミサカは複雑な乙女の心を
     暴露してみる」

麦野「フフ……おませさんねぇ……あのクソ生意気な小娘も、こんぐらいのガキの頃はなかなか可愛いんじゃないの」ナデナデ

打ち止め「ん……お姉さまと知り合い? ってミサカはミサカは撫でられながら訊いてみたり」

麦野「まぁね。できれば会いたくないけど……」

フレンダ「私はもう絶対会いたくないわ!」

絹旗「右に同じ!」


打ち止め(お姉さまとこの人たちとの間に何かあったのかな……? ってミサカはミサカは気になってみたり)




―――打ち止めがそんな事を考えている間にも、禁書目録の「おかわりー♪」という元気な声が店に響いていた。




麦野「いや、あんたまだ食うのかよ!?」

禁書「ふぇ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:08:21.18 ID:wSsCnGc0<>―――おそらく、御坂美琴は泣くのを我慢していたのだろう―――




涙を流しながら笑い続ける少女を見て一方通行と垣根帝督はそう思った。
そのまま涙とともにしばしの時が流れ………ようやく少女は光に満ちた顔をコチラに向けた。




「―――ふふ……あー、スッキリした」




その表情はまるで雨が振った後に晴れた空のようだった。……澄みわたる笑顔の似合う少女がそこにいた。




「……そォかい」




いつの間にか羞恥の闇に溺れかけた一方通行も復活し、垣根も空気を読んだのか…結局美琴が声をかけるまで
一言も口を開かなかった……。




美琴「らしくないトコ見せちゃったわね」

一方通行「…おォ、気にすンな」

美琴「ふふふ……けどアンタ、何で途中で照れんのよ? まるでアイツみたいだったのに…」

一方通行「あァー、頼むからソレはもォ忘れろ。思い出したくもねェ……」




目を反らす一方通行……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:10:46.80 ID:wSsCnGc0<>
美琴「アンタもずいぶんと似てきたのねぇ……アイツに」ニヤニヤ

一方通行「あ? 俺とあの三下がァ? どこがだよ……」

美琴「そういう熱いトコよ」

一方通行「ば…だからアレは違ェンだっつのォ!」

美琴「ん〜、でも途中で照れ入っちゃったのが残念かな♪ アイツへの道のりはまだまだ遠いわね」

一方通行「だァクソ! 違ェっつってンだろォが! 聞けよオマエ! だいいち俺はあンな三下なンざァこれっぽっちも
     目指してねェぞ!」

美琴「ハハハ♪ ……ねぇ、ところでさぁ…」




ある程度からかった美琴の目線がふいに方向を変える。
彼女の視線の先にはすっかり傍観者と化した垣根の姿があった……。




美琴「なんで垣根さんがここにいる訳?」ジー…


垣根「―――んなっ!!? な、なんで分かったんだよ!? 完璧な変装してんのに!?」




久方ぶりに開かれた口から出てきたのは驚きのみが含まれた言葉だった……。
美琴は突然慌てだす垣根にビクッとする。本当は背中から生えた翼を見た時に分かったのだが……敢えてそれは言わずに
呆れた顔を作って答えた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:13:52.61 ID:wSsCnGc0<>
美琴「イヤ……完璧…ではないでしょ。まるでこれからどっかの家にでも放火しに行くみたいじゃない……」

一方通行「まったくだ。オマエもォこのまま出頭しちまえよ。『指名手配されてた凶悪犯が自首してきた』って
     喜ンで出迎えてくれンだろォぜェ」

垣根「テェンメェはさっき事情説明しただろぉがゴルァァ!! 炭クズにされてぇのかぁ!?」

一方通行「あァ? 上等だァ。やれるモンならやってみr」

美琴「ね、ねぇ! 事情って? 垣根さんって今日初春さんとデートだったんじゃないの?」




何やら良くない展開に転びそうな所で慌てて割り込む美琴。冗談ではない。格上二人の喧嘩に巻き込まれるのだけは御免だった。




垣根「べ、別にデートってわけじゃ……って、俺お前に話したっけ?」

美琴「こないだ電話した時に『初春さん助けた』って言ってたでしょ? で、佐天さんって友達がいるんだけど、前にそのコから
   初春さんが誰かとデートする事聞いたのよ。相手って言ったらアンタしかいないじゃない」

垣根「なるほど………ん? …さてん……って、さっきテメェと一緒にいたコだよな?」

一方通行「あ……あァ」

美琴「そう言えば一方通行! アンタ佐天さんはどうしたのよ? 一緒じゃなかったの?」

一方通行「どォもしてねェよ。オマエら捜してた時に、このメルヘンカップルと偶然鉢合って、便所から戻ってきた時にァいなく
     なってたンだァ。多分今もオマエと妹捜してンじゃねェのか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:17:16.37 ID:wSsCnGc0<>
美琴「ってことは……佐天さんと一緒に初春さんもいるのか……」

垣根「オイちょっと待て。メルヘンカップルって何だよ? 俺のこたぁ何て言ってもいいが、かざりんの悪口だけは
   許さねえぞコラ」ギロリ

一方通行「きめェ。怒りの理由も考慮した上できめェ。総合評価してもやっぱきめェ」

垣根「さ…三回も言うことねえだろ!? 何だぁ? テメェまださっきの事気にしてんのかぁ? 大人になれよ第一位」

一方通行「うっせェンだよ味噌っカス。俺とたいして年変わンねェのに大人ぶってンじゃねェぞコラ?」

垣根「あぁ? さっきまで空でガタガタ震えてたヤツの台詞たぁ思えねえなぁ。怖がりなウサギさんは土管の下にでも潜ってろよ」

一方通行「能力使えりゃ俺も飛べンだっつーの。 大丈夫ゥ? 理解力が乏しくなってませン? なンなら介護士でもつけましょォかァ?」

垣根「……そのうざってぇクチ今すぐ永久に開けなくしてやろぉか?」

一方通行「はァ? なンか言ったァ? いくら俺の脳が優秀たァ言っても豚の言語は理解できないンですよォ。ざァンねンでしたァ」ヘラヘラw




―――プチッ!




垣根「ぶっ殺す!!!!!!!」―――ブァサァッッ!!!


一方通行「ハッ! やる気かァ? 上等上等ォ! 残り少ねェから一瞬で片付けてやンよォ!!」カチッ



美琴「………ち、ちょっとぉ!? 二人とも……」



一方・垣根「―――死ねェェええええええええ!!!!!」ウラァァァァァ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:21:16.84 ID:wSsCnGc0<>
―――ドゴッ! バキャ! ズガン! メリッッ……




美琴「わわわわ………ど、どうしたらいいってのよ……」




二人の乱闘を見慣れていない美琴はオロオロする。結局、美琴では能力開発やら実験やら暗部やらで青春に飢えた二人の怪物を
止めるのには荷が重すぎた……。

――と、そんな彼女の横にはいつの間に現れたのかもう一人の影が………




上条「テメェら………性懲りもなく……」




―――コレ(乱闘)を唯一止められる主人公(ヒーロー)の右拳は、ワナワナと怒りで震えていた。




美琴「―――!?」




美琴が隣りにいる事に気づいて声をかける前に、上条は学園都市ツートップの乱闘で巻き起こった粉塵へと足を踏み出していた。
ここから先の事はもう説明するまでもない………。




――――――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:26:11.90 ID:wSsCnGc0<>
「――しっかし……たまたまにしては出来すぎじゃねえか? ここまでカブるなんてさ……」





―――いつも通り右拳で暴動を鎮圧してからニ十分後、状況をザッと理解した上条の第一声がそれだった……。
ちなみに、美琴と御坂妹の喧嘩の原因については『食い違った意見のすれ生じた口論』とだけ説明した。
『垣根と初春の状況』『一方通行と御坂妹はショッピングデートを変更』『美琴は上条を気絶させた後に鉢合わせて口論』
『見失った姉妹を捜索している内に垣根達と鉢合わせ』
……上条が知ったのはこんなところだ。
なお、姉妹が入れ替わったことなどの面倒な話は一切省略した。
脚色は多少アリだが、上条はこの説明でとりあえず納得してくれた。咄嗟に上手く美琴の気持ちなどを隠した説明が出来る辺り、
流石は第一位だ。
内心で一方通行に精一杯感謝するものの、美琴は上条の目をまだ見れずにいた……―――。






一方通行「――俺も驚いたわ。いきなりコイツ(超電磁砲)が俺らの前に現れンだからよォ」

垣根「――けどまぁ、大事になんなくて良かったじゃねえか」

上条「………すまん、御坂。俺…誤解してたみたいだ。てっきりお前がどうかしちまったんじゃないかって……」

美琴「ううん……私こそ、ゴメン……つい熱くなっちゃって…」


一方通行「ンで、妹はどォした?」

上条「あぁ、多分まだ林の方にいるんじゃねえかな……御坂、アイツにも後で謝っとけよ?」

美琴「うん……分かってる…」




俯いたまま美琴は答えた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:28:42.74 ID:wSsCnGc0<>
一方通行「………」

垣根(何か知らねえが……上手いこと収まったみてぇだな。それは良いとして、かざりん達は結局どこ行ったんだ?)


上条「でさ……あの、後で……話があるんだけど……いいか?」

美琴「えっ……う、うん……何?」

上条「後でな。二人だけで……話したいんだ……ダメか?」

美琴「わ……わかった…」(な、何何何!? 何なの!? すごい気になる……)


一方通行「―――オイ、ところでよォ三下ァ」


上条「(ビクッ)……ハ、ハイ! 何でしょうか……?」(嫌な予感……)



一方通行「クソガキはどォしたァ?」ギロリ



上条「」




――上条には、言い訳をするための莫大な時間が必要とされたが、目の前の白き友はそれを待ってくれそうに無かった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:31:23.72 ID:wSsCnGc0<>
〜〜オマケ〜〜




※本編とは関係ねェンだよォォ!!





上条「なぁ……お前、俺とだんだんカブってきてねえか?」

一方通行「はァ? どこがだよ?」

上条「イヤ、どこがって……自分の頭見てみろよ」

一方通行「頭? 何か問題あンのか?」

上条「あるだろ! 色は白いままだけど、何で髪の毛ツンツンさせてんだ!?」

一方通行「これァ……気分だ」

上条「嘘つけ! 長さも毛量も! まんま俺の髪型と色違いじゃねえか!!」

一方通行「ンだよ。悪ィのかァ? イイじゃねェか『白ウニ』」

上条「イメチェンは良いけど……このタチ具合……どう見ても俺だよなぁ…」サワサワ

一方通行「あ!? オマ…ッ! 触ンなよ馬鹿! 潰れンだろォが!」

上条「くっそォ! 俺の十八番(オハコ)の説教スキルまで身につけやがってぇぇ……お前はどこまで俺に依存する気
   だぁぁぁ!?」

一方通行「周囲に誤解生むから言葉選ンでくンねェ? あと、身についたワケじゃねェぞ? やってはみたが……俺にァ
     無理だった。とても恥ずくて最後まで言えたモンじゃねェわ。やっぱオマエすげェよ」

上条「ほう、中身が真似れないからって外面を真似る気かぁ? だからオマエもウチの高校の制服着てんのかぁぁ!?」

一方通行「イヤ……コイツはよォ……っつか、俺はたださァ…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:34:14.47 ID:wSsCnGc0<>
上条「この上髪を黒く染めるようなことだけはすんなよ!? お前がお前じゃなくなるぞ!?」

一方通行「………ダチってのは……互いのファッション真似たりとかもすンのかなァ…って思っただけなンだがよォ…」

上条「―――え……?」

一方通行「……やっぱ……違ったみてェだな……悪り。着替えてくるわ。髪も寝かしてくっからm」

上条「ま、待て! 俺が悪かったよ! ………そうだったなんて知らなくてさ…」

一方通行「いンや、気にすンな。いくらダチって言ってもよォ。よく考えりゃこンなン気持ち悪いだけだよなァ」

上条「………イヤ……すまん。けど何で急に?」

一方通行「あァ、あのメルヘンが『真の友達ってのは互いの格好を真似r』」


上条「よし、わかった。それなら今からソイツを殴りにいこうか」




―――――三十分後




垣根「」チーン






                                  〜〜終〜〜…?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/24(土) 20:37:43.04 ID:wSsCnGc0<>今日はこの辺で。最後のニレスはちょいと気分転換に書いたものです。
意味不明になっちまった……次は上手くまとめようっと。
続きは明日か明後日に投下します。
お付き合い頂いた方にはいつも感謝です。
それでは。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 21:23:07.28 ID:QkOIM6DO<>乙である。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 21:29:59.81 ID:rmavpW6o<>髪型が原因か?wwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 22:32:43.99 ID:nFvg/8go<>乙です
相変わらずの超垣根で安心しました<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 23:25:31.91 ID:dCC4PXI0<>男性が上条さんに殴られると主人公特性(フラグ能力・土壇場の高速の思考・正しくあろうとする)が付加される。

例)一方通行・浜面・ステイルなど

ということはビアージオもいつか・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 00:44:57.30 ID:8rV50Bgo<>チャゲアスで不覚にも吹いた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 03:06:33.12 ID:nYKMmvI0<>>>581
つまり男前になるってことか?

ちょっとそげぶされてくるわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 19:34:50.12 ID:1CiqVVQ0<>こんばんは、>>1です。
今日で『姉妹喧嘩編』はひとまず終わり(?)です。
「どこから始まってたんだ?」と思うでしょうが、
そこは読者側の自由…ということでw
では、投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 19:37:16.46 ID:1CiqVVQ0<>―――上条当麻は冷や汗を悟られないように一方通行からの問いに答えた―――



上条「えーっと………その……なんと言いますか………」




―――ハズだった……。




一方通行「……まさかオマエ……クソガキとシスター放っぽり出したまンま存在忘れてましたとかほざく気じゃあねェだろォなァ?」ギロッ


上条「あ………アハハ…」




後頭部から背中まで、滝のような冷や汗で埋め尽くされる。




美琴「そう言えば……姿見ないわね……」

垣根「マジかよ……そりゃあヤバイぞ上条…」




後ろから他人事のように呟く二人……。




一方通行「―――さ・ン・し・たァァァ……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 19:39:34.31 ID:1CiqVVQ0<>
上条「も、申し訳ありm―――ぶべ!!?」




――ゴッ!




―――謝罪に入り始めた直後、上条の視界は白い右拳で塞がれた。




―――――――




一方通行「………オマエ、無責任って言葉くらい聞いた事あるよなァ?」

上条「返す言葉もございません……」




殴られた額を押さえながら反省の態度を見せる上条……。




一方通行「クソガキもそォだけどよォ、シスターから目ェ離しちまうたァどンだけ抜けてンだよ? なァ?」

上条「……………」




上条が一方通行に説教されているというこの珍しい光景を、垣根と美琴は黙って見守った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 19:43:34.30 ID:1CiqVVQ0<>
一方通行「この前シスターが拉致されたばっかなの、もォ忘れたンかァ? この上クソガキまで誘拐でもされてみろォ……
     どォだ? オマエの行き着く先が見えてきたかァ?」

上条「あの世……です」

一方通行「ン。で? あの世までの護送担当は?」

上条「一方通行……です」

一方通行「オーケェ。そこまで頭が回るンなら、ソレを回避するためにオマエが今やらなきゃならねェ事も当然分かってるよなァ?」

上条「ぜ、全力で打ち止め! 及びインデックス捜索活動に入ります!」

一方通行「……減点5」

上条「―――必ず見つけます!!」

一方通行「ン、プラス5点。……ハイ、あとクチより先に動かすのはナンでしょう?」

上条「―――足ですっっ!!」ピューーーーー




その台詞をきっかけに、上条は短距離走選手も顔負けのスタートダッシュでその場から駆け出していった……。
一方通行はそれを見送ると、美琴の方を向き―――




「オイ、三下ひとりじゃアテにならねェ。オマエも一緒に行ってやれ」




―――と、言った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 19:46:08.38 ID:1CiqVVQ0<>
美琴「ホントに……ありがと…」

一方通行「ばァか。気にすンなってさっき言ったろォ。ホラ、さっさと行けよ。三下見えなくなっちまうぞ?」

美琴「う、うん!―――」




――こうして、美琴も上条の後を追いかけていった……。残された垣根と一方通行は二人の姿が消えた直後、ゆっくり息を吐く。




垣根「やれやれ。上条もしっかりしてるようでどっか抜けてるよなぁ……ま、とりあえずは落ち着いたか…」

一方通行「オマエは何もしてねェだろォが…」

垣根「はぁ!? ひっで! お前おんぶして空から捜してやっただろぉ!?」

一方通行「あァハイハイ。感謝してやる。してやるからとっとと忘れろ」

垣根「むぅ………あ、ところでお前、バッテリーは大丈夫なのか?」

一方通行「オマエのせいでだいぶ無駄にした」

垣根「そりゃテメェが悪いんだろ?」

一方通行「オマエもな。………まァ、帰るまではもつだろ。心配ねェよ」

垣根「そっか、ならいい。テメェを背負って帰るのなんざご免だからな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 19:50:55.96 ID:1CiqVVQ0<>
一方通行「気が合うなァ。俺もオマエに背負われて帰るくらいだったら路上で野たれ死ンだ方がまだマシってモンだ」

垣根「あ?」

一方通行「おォ?」



………………。



垣根「ちっ……今はこんなことしてる場合じゃねえな」

一方通行「……あァ、そォだな」

垣根「とりあえず、俺はかざりん達を捜しに行くが…お前は?」

一方通行「……俺は妹を捜す。今日は元々アイツと約束してたンだ。放っておく訳にはいかねェよ」

垣根「んじゃ、またs――」


「――あぁー!! いましたよ!」

「――ホントだ! お〜い!!」


一方通行「……あン?」

垣根「お?」




振り向いた視線の先には、遠くからコチラに向かって走ってくる佐天と初春の姿があった。
こうして、四人は再び再会を果たす……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 19:52:35.87 ID:1CiqVVQ0<>―――――




初春「さ、捜しましたよ〜!」

一方通行「はァ? 戻って来たらオマエらがいなくなってたンだろォがよ」

佐天「いや〜、すいません。つい思い出しちゃって……」

垣根「今までどこ行ってたんだ?」

佐天「え? そりゃあ御坂さんと妹さんを全力で捜してたに決まってるじゃないですか〜」

初春「佐天さん、事情も分からない私のことグイグイ引っ張って行くんですもん……」

佐天「ゴメンゴメン。私も慌ててたからさ。けどちゃんと止まって話したじゃん」

初春「百メートルは引きずらされましたけどねっっ!!」

佐天「アハハー…」




いつもの調子でやりとりをする佐天と初春に、二人とも内心で安堵した。
プンプンと頬を膨らませる初春を適当にいなした佐天は思い出したかのように二人の方を見る。




佐天「あ! そうだ、御坂さんと妹さんは?」

一方通行「超電磁砲の方はもォ心配要らねェが、妹はまだだ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 19:54:32.78 ID:1CiqVVQ0<>
初春「え……?」

佐天「終わったんですか?」

一方通行「まァな。とりあえず安心しろ」


佐天「…………」


一方通行「ってワケだ。後は俺ひとりでアイツ捜すからオm」


佐天「じゃあ私も手伝います!」ガシッ


一方通行「……は?」




いきなり腕を掴んでそう言った佐天に一方通行の思考が止まる。




佐天「だって、私にもすこ〜しばかり責任があるじゃないですか! このまま妹さんを放っておくなんてできません!」




真剣な表情で佐天は言う……が。




一方通行「……オマエに何の罪があンだよ? 超電磁砲にも言ったが、オマエらが気にする事は何もねェ。後のフォローも
     俺がしっかりやっとくから、心配すンな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 19:58:16.43 ID:1CiqVVQ0<>
佐天「そぉいう問題じゃないんです! とにかく私も一緒に捜しますから! イヤって言っても聞きませんよ?」




言っても無駄! とばかりに佐天の腕に力が込められる……。能力オフの状態なので、若干痛い。




一方通行「はァ………っつかよォ」

佐天「そ・れ・に! 私達は恋人(嘘)なんですよ? 彼女を放って他の女の子を捜しに行くなんて感心しませんねぇ……あ〜くん♪」

一方通行「――!?」

垣根「ぷっ……」




そこで一方通行は、佐天との架空の関係を思い出した。
吹き出す垣根の方はひとまず後回しにする。




一方通行(オイィ!! それが嘘だってことは言ってねェのかよ!? このアマァァ!!)

佐天「ね♪ だから一緒に捜しましょう」

一方通行(ぐ……ちっきしょォォォ……)




―――と、その時……黙って聞いていた初春も便乗しようとする。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 20:01:07.98 ID:1CiqVVQ0<>
初春「あの…それなら私達も一緒に…」

佐天「ダーメ。初春達は初春達で楽しみなよ。『私ら』のことは心配しなくて良いからさ♪」

一方通行(この女……)

初春「でも! ここでサヨナラじゃ気になって楽しめないですよ! それに、人数多い方が早く見つかります!」

佐天「う……」



初春「ですよね? カッキーさん」



一方通行「!?」

垣根「あぁ、まぁ……って!?」

一方通行「カッキーさン……だァ?」

垣根(し、しまった…ッ!)

初春「……?」

佐天「へ…?」





一方通行の反撃タイムは思わぬところからやってきた……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 20:03:52.20 ID:1CiqVVQ0<>
一方通行「ふゥン……カッキーさン……カッキーさンねェ…」ニヤリ




その目は最高のイタズラを思いついた少年のように怪しく輝いていた。




一方通行「まァ確かに。頭数多い方が早く見つけられンのァ事実だよなァ。そうは思いませン? カッキーさァン?」

垣根(テメこのやろ……ここぞとばかりに……)




コメカミをピクピクさせるも……帽子で見えない。引きつった口元も、マスクでしっかりと隠されていた。




初春「?」

佐天(何この空気…)


一方通行「ンじゃあまァ悪いけどォ、そこまで言うンなら協力してもらおォかなァ。文句はねェよな? カッキーさンよォ」

垣根(な、殴りてぇ……こ、こいつ…)




完全に先ほどとは逆の構図となっていた……。




垣根「…オイ、あんま調子に乗ってんじゃねえぞ? あーくんよぉ」

一方通行「え? なンか言った? カッキーさン」

垣根「……ッ」ピキッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 20:07:56.13 ID:1CiqVVQ0<>
佐天「あ…あの〜……妹さん捜しに行かないんですかぁ…?」




何やらよく分からない内に一触即発の空気が生まれている中、おそるおそる佐天が発言する。
ちなみに初春は佐天の後ろで小さくなっていた。




一方通行「おっと、そォだ。こォしちゃいられねェわ。じゃあ行くか……あの馬鹿妹捜しに―――」




そう言って一歩踏み出そうとしたまさにその時―――――。




「―――それには及びません。……と、ミサカは存在を主張します」


「!!!?」




全員その声に驚いて顔を向けると……確かにそこには御坂妹が立っていた。立っていたのだが………。




御坂妹「馬鹿で悪かったですね……ってかお前に言われたかねーよ。とミサカは黒モードに移行します」


一方通行「オマエ……いつからそこにいたァ!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 20:12:50.15 ID:1CiqVVQ0<>
御坂妹「……実は、先ほどからこっそりと潜んでいました。途中からですが、会話もしっかりと聞かせていただきました。
    しかし驚きです。まさかあなたに…すでに『恋人』がいらっしゃったとは……いやちっとも知りませんでしたよ。
    とミサカは内心怒りを………クッ……残念ながら……もう抑えきれそうにありません……………ッッ!!」





いつの間に拾ってきたのか……御坂妹はさっき落としたはずの銃をコチラに向けて、指を震わせていた。
コメカミもよく見るとピクピク震えており、唇は強く噛みしめられていた……。
そんな妹の憎悪に満ちたオーラを見れば、この状況が非常にヤバイという事を理解しない者は誰一人としていなかった。




一方通行(あァ……なンかさっき見たなァこのパターン…)


佐天(……デジャブ…)


初春「ひいっ! な、な、な…」


垣根「あー……こりゃあ……」




もはや考えるまでもないと言った顔で諦めたかのように内心呟く一方通行……。

『一難去って、また一難』という言葉を表情で語る佐天涙子……。

完全に腰を抜かしていてもはや考えるどころではない初春飾利……。

ポリポリと顔を掻きながらこの先の展開を予想して言葉を失う垣根帝督……。




―――それぞれがそれぞれの反応をしている内に……『核』は投下された。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 20:15:11.24 ID:1CiqVVQ0<>
御坂妹「―――こうなったら、あなた達を殺してミサカも死んでやるゥゥううううううッッッ!!!!!!!」


「―――!!!?」ダッ




御坂妹の突然の叫びとともに、四人は一目散にその場から走り出した。(初春は垣根に抱きかかえられた)




――――ドパラタタタタ!!!




初春「――ひえぇぇ!!? う、撃ってきましたぁぁ!!!」

佐天「――あ、あれライフルじゃなかったんですかぁ!? マシンガンじゃないですかぁぁ!!」

一方通行「――知るかァ!! ンなことイイから早く逃げろォ!!」

垣根「――うわぁっ!! な、なんで俺までぇぇ!!?」


御坂妹「うわぁぁああああああああああああああ!!!!!」ドパラタタタタ…


佐天「説明しなくて良いんですかぁ!? あ、でもやっぱそれは……」チラッ

初春「な、何ですか佐天さん!? ってきゃあっ!? 危な…っ!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 20:16:47.28 ID:1CiqVVQ0<>
一方通行「どっちにしろ今は聞く耳持っちゃいねェだろォ! だァあ!? 掠ったァ!!」

佐天「ひゃああ!! こ、殺されるゥゥううう!!!」

垣根「うおぉ!? オイ一方通行ぁぁ! なんとかしろぉぉ!!」

一方通行「だからもォ電池切れ寸前だっつってンだろォがァ!! って、うわァあ――!?」


御坂妹「みんな、みんないなくなれぇぇぇえええええ!!!」ドパパパパパ……




「ーーーーーーー!!!」ドドドドド

「〜〜〜〜〜〜〜!!!」ダダダダダ




逃げる四人を滅茶苦茶に乱射しながら追い回す御坂妹……この鬼ごっこが約十分余りも続く事を想定できる程余裕のある人間は
今この場にいなかった。




―――あァ、もォ………ほンっとうにめンどくせェ―――




ちなみに、今日一日で一方通行がいちばんそう思ったのは、まさにこの時だったそうだ……。





〜『姉妹喧嘩編』・完〜<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/25(日) 20:23:54.48 ID:1CiqVVQ0<>今日はここまでです。
『姉妹喧嘩編』というより『水族館デート前編』が終わりました。
あんま区切る意味ないかも知れませんが、そこは突っ込まんでやってくれたら有難いです。
っつか…もはやデートじゃねぇww
ってくらい複雑になっちゃいましたがご勘弁を。
続きは明日投下するつもりですが、無理だったら明後日にします。
レスくれる方も暇つぶしで読んでくれてる方も本当にありがとうございます。
それでは。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 20:32:21.62 ID:xiUskGQo<>乙です
明日も楽しみにしてます<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 23:01:31.32 ID:QWGIXFIo<>一方さんとばっちりすぎるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
でも一番可哀想なのは初春だ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 09:00:50.80 ID:jVXQUHQo<>命の恩人とデートしてる最中を親友に監視された後に無理矢理鮫にえさをあげさせられたあげく
その親友に彼氏(仮)がいることを暴露され、そのあと知り合いを捜すために駆り出された後に
理不尽な理由で銃を乱射する女が現れてなんやかんやあった後、命の恩人は実は以前自分の事を殺そうとしたヤツだった


初春かわいそすぎるwwwwwwwwwwwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/26(月) 22:05:55.87 ID:VebZMiM0<>こんばんは、>>1です。 今日やっぱ無理なので、明日に投下します。
待っててくれた方、大変申し訳ありませんでした!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 23:36:20.48 ID:2j2Uc3k0<>待ってるぜ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <><>2010/07/27(火) 17:44:55.21 ID:lDp1uhU0<>>>1
感動をありがとう。これからもよろしく。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 19:36:12.72 ID:pUiQhqI0<>こんばんは。そしてお待たせしました。
今日もゆっくりしか進みませんが、投下開始します。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 19:39:41.85 ID:pUiQhqI0<>――――――


――――



「――ちょっとぉ! 待てっつってんでしょ!」




声と同時に雷撃が飛ぶ。打ち止めと禁書目録の捜索活動で頭がいっぱいになっている上条当麻の後ろ姿目がけて一直線に―――。



「――いぃっ!!?」



振り返った上条は自分に迫る雷撃に一瞬驚く。…が、もはや条件反射となっているのか……躊躇う事なく右手を翳した。



―――バシュゥゥ……



右手で正確に触れたかは定かではないが、上条を襲う筈だった雷の乱撃は跡形も無く全て消滅していた。
この一見して冷や汗モノのやりとりを、いったい何度二人は繰り返したのだろうか……。
おそらく当の本人達でも回答に困るだろう。




上条「あ…あっぶねえじゃねーか! いきなり何すんだよ!?」

美琴「『何すんだ』じゃないわよ! 人が待ってって何回も何回も言ってんのに、結局アンタは言うだけ言って後はスルー
   決め込むってかぁ!? ざけんなっつーの!」




雷を飛ばした張本人、御坂美琴も負けじと言い返す。すでにいつもの調子を取り戻した彼女がそこにいた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 19:42:02.81 ID:pUiQhqI0<>
上条「仕方ねえだろ!? 俺には今、重大な使命があるんだ! グダグダやってる内にあいつらに何かあったらどーすんだよ!?」

美琴「だからぁぁ……、私も一緒に捜すの手伝うって言ってんでしょうがぁ!!」

上条「なにっ!? それを早く言え!」

美琴「……ハァ、アンタ本当に聞いてなかったのね…」




肩透かしをくらってしまった美琴は溜息を吐く。




上条「よしっ! 俺はアッチを捜すから、お前もアッチを捜してくれ! じゃあ後で――」

美琴「落ち着けぇ! 同じ方向さしてどぉすんのよ!? ひとまず落ち着け! っていうか、何でそんな慌ててんのアンタ?」




上条が何故これほど必死に捜索活動を遂行しようとしているのか……。その理由は二つあるのだが、美琴は生憎どちらも
知らないのだ。よって、上条の異常に血走った目に疑問を抱くのも当然と言えば当然である。




上条「この捜索に上条さんの明日が懸かってるんだ。これ以上は話せん! 察してくれ」

美琴「……は?」




察してくれと言うには漠然とし過ぎている……。だが、それ以上は言ってくれそうにないのでとりあえず納得する事にした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 19:44:56.08 ID:pUiQhqI0<>
美琴「まぁ……別に良いけど、あの子たち多分外にはいないわよ?」

上条「なぬっ!?」

美琴「っていうかアンタ、人捜しのエキスパートであるこの美琴サマをスルーしてくれるなんて大したモンよね」

上条「――!?」

美琴「………忘れてたでしょ?」

上条「ははーっ! この上条さん、時代が時代なら切腹も免れないほどの過ちを犯してしまいました! ……どうか、
   どうかここは慈悲の心でお力添えをーっ!」

美琴「まったく……」




美琴を大仏のように信仰し始めた無能力者……。拝まれている方は呆れた顔をするしかなかった。




美琴「わかったからもう祈るのやめなさい。人とかもう普通に歩いてんだから、見られちゃうじゃないの…」




上条を立たせ、打ち止めの電波を探す。


……やがて、一分も経たない内に少女達の居場所が判明した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 19:48:51.21 ID:pUiQhqI0<>
美琴「―――アッチに見える建物の中にいるみたいね…」

上条「あいつら……外にいないと思ったら屋内に入ったのか」

美琴「どおりで外にいないハズだわ……アンタ何で目ぇ離したのよ?」ジトー

上条「あぁ……言い訳はしないさ……意識を狩りとられたぐらいじゃ言い訳にもならねえって事は上条さんでも
   重々承知してるさ……」

美琴「……なに低い声でボソボソ言ってんの? ホラ、とっとと行くわよ」

上条「お、おう!」




―――こうして、二人は『B館』へ……。この先、二人にとって因縁のある者達が禁書目録、打ち止めと一緒にいる
事など、上条と美琴がまだ知る筈もなかった。




――――――


―――




禁書「ごちそーさま♪」

打ち止め「ミサカはすでに食べ終わってるけど、一緒にごちそーさま♪」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 19:50:51.60 ID:pUiQhqI0<>
麦野「お粗末……なんてレベルじゃないわね……」

フレンダ「……この子……大食いのチャンピオン……?」

絹旗「超胃袋ってヤツですか…?」

滝壺「………」

浜面「オラ腹いっぱいだぞぉ……」




元アイテム勢はテーブルの上に乗った食器の山を見て各々の感想を漏らした。
浜面に至っては『某ヒーロー』が乗り移っていた……。




禁書「おなかいっぱい食べたのひっさびさ、っていうか初めてかも」




脹れていない腹を撫でてそんなことを言う禁書目録……。いつもお腹一杯食べていたら上条はとっくに今ごろはホームレス
になっていただろう……。




打ち止め「これがシスターちゃんの本気なんだね! ってミサカはミサカは超ビックリ!」

禁書「うん。いつもは半分もいけないんだけど、今日は本気出したんだよ。ちょっとおなか苦しいかな…」

絹旗「………」




いつの間にか口調を真似されていることに絹旗は気づかなかった……。その目は大量の食器に釘付けだった。
周りの客は勿論、店員も驚きを隠せずにコチラを凝視している。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 19:52:25.74 ID:pUiQhqI0<>
そして、禁書目録の『本気』を出した結果の数値は、テーブルの隅でくしゃくしゃになっていた伝票が教えてくれた。




店員「五十三万八千六百四十円に……なります……」


麦野「………これで」スッ


店員「カードでのお支払いになります。……ありがとうございましたー」




麦野沈利は、自分がレベル5である事に初めて心の底から感謝した。
周りからの視線にいたたまれなくなった一同は、そそくさと退店した。



―――――


―――




禁書「おいしかった〜♪ ありがと。しずり」

麦野「いいけど……あんた何者?」

禁書「私はインデックスだよ?」

絹旗「どう見ても日本人じゃないですよね? 留学生ですか?」

禁書「ふぇ? りゅーがくせい?……よく分かんないけど、ちょっと違うかな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 19:55:32.44 ID:pUiQhqI0<>
打ち止め「あのね、このコはシスターさんなんだよ。ってミサカはミサカは説明してみたり」

浜面「シスター?」

フレンダ「シスターって……あの教会とかにいる?」

禁書「うん」

麦野「そういう類の学生…ってこと?」

禁書「う〜ん、ごめんね。あんまり詳しくは言えないんだ」(とうまに『魔術』の事は人に言うなって言われてるし…)

絹旗「けど超うらやましいですねぇ。あれだけ食べたのにお腹出てないなんて……」

フレンダ「胃にブラックホールでも入ってんじゃないの?」サワサワ

禁書「あふっ……く、くすぐったいんだよぉ……やめ…ひゃっ!?」

麦野「……」プニプニ

絹旗「…つるつるですね。余計うらやましいです……」ナデナデ

禁書「は……あ、や…やめて……ほしいかもぉぉ……ふぅっ…///」ビクン


滝壺「………」サッ

打ち止め「わっ!? 急に目が見えなくなったのはどうして!? ってミサカはミサカはじたばたもがいてみるけどやっぱり見えないーっ!!」

滝壺「……子供は見ちゃダメ…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 19:58:39.95 ID:pUiQhqI0<>
浜面「……何なんだこのエロい光景は…」タラー…

滝壺「はまづら……」ギロッ

浜面「み、見てない! 俺は何も見てないぞ!」

滝壺「鼻血…」

浜面「こ、これは違うんだって! 興奮すると鼻血とかねーから! だいいち俺はロリコンじゃねぇ!」




必死に弁明するが、滝壺の温かく冷めた視線は浜面に突き刺さったままだった……。

そんなこんなでしばらくじゃれ合った後、元アイテム一同は禁書目録と打ち止めの保護者捜しに付き合うことにした。




――――――


―――




「――大変申し訳ありませんでした。とミサカは取り乱したことに恥を覚えつつ謝罪します」




そう言ってペコリと可愛らしく頭を下げた御坂妹。頭が冷えたのか、叫びまくってすっきりしたのか……。
いずれにしろ、ほんの数分前までバーサーカーと化していた少女の姿はとっくに消え失せていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 20:00:53.74 ID:pUiQhqI0<>
一方通行「まァ……もォ良いから、頭上げろ」

垣根「しかしよぉ……死ぬかと思ったぜホント…」




バッテリーに能力使用できるほどの電力が残されていない一方通行と、初春の前で能力使用はできない垣根帝督は
御坂妹の謝罪を受け入れるも、まだ背中の汗が乾いていなかった。




御坂妹「危うくこの手を血で染めてしまうところでした……とミサカは猛省します」


初春「…………この人が、御坂さんの妹さんですか?」

佐天「みたい……けどホントそっくりだよね…」




後ろの方でコソコソ会話する佐天涙子と初春飾利。やがて初春は御坂妹に近づき尋ねた。




初春「あの……妹さんも常盤台なんですか…?」

御坂妹「いえ。詳しくは話せません……それより、先ほどは大変失礼しました。とミサカは再度謝罪します」ペコリ

初春「あ、いえそんな……私なら大丈夫ですから…」

佐天「あの〜……わ、私は…?」




あとから近づいてきた佐天を御坂妹は睨んだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 20:03:19.03 ID:pUiQhqI0<>
御坂妹「あなたには絶対に謝りません。とミサカは敵視します」キッ

佐天「………」

初春「佐天さん……妹さんに何かしたんですか?」

佐天「い、いやぁ…さっぱり……」(マズイなぁ……完全に誤解されちゃった……妹さんの目がすごく怖い…)

御坂妹「後でツラをお借りしてもよろしいですか? とミサカは呼び出しをかけます」

佐天「お、お断りしますっ!!」(マジでヤバイかも……何とかして誤解を解かないと帰りが危ない)

初春「……?」(どうなってるのかサッパリです……佐天さんと妹さんに一体何が…?)


一方通行「オイ、そろそろ行くぞ。いつまでもここにいたって仕方ねェだろ?」

御坂妹「はい。とミサカはあなたと腕を絡めてd」

佐天「そうだね! 行こっか! あ〜くん♪」ガシッ


一方通行「―――…ン?」




右腕に御坂妹、左腕に佐天涙子、一方通行両手に花状態で棒立ち、……の図が完成した。




一方通行「………」




目の焦点が合わなくなった一方通行の真横で二人の少女が火花を散らせている…。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 20:21:22.11 ID:pUiQhqI0<>
佐天(ゴメンなさい妹さん! けど、ここは譲れないんです! 私の誇りと名誉に懸けてでも!!)

御坂妹(この人は一方通行の正式な恋人……しかし、今日、彼の相手はこのミサカです。よってここは引けません!
    とミサカは眼で威嚇します!)


一方通行(オイオイ……一体いつまで続くンだァ? この面倒極まりない状況はァァ……)




どちらも一方通行の腕を大切な宝物のように手放そうとしないで睨み合っている……。
そして、ついに佐天が口撃を仕掛けた。




佐天「……私のあ〜くんから手を離してくれません?」

御坂妹「あなたの方こそ離して下さい。恋人だか何だか知りませんが、今日はミサカがこの方と約束をしたのです。とミサカは
    反論します」


初春(え? それって……つまり、佐天さんの彼氏は二股してるってことですか!?)

垣根(やべぇ……面白くなってきた。こりゃ見ものだわ。どうする? 一方通行…)


佐天「何ですかぁそれ? あ〜くんは今日ずっと私と一緒にいるんですよ?」

御坂妹「は? あなたは何を言っているのですか? 一緒にいたのはミサカの方ですよ? とミサカは意味不明な言動に首を
    傾げます」

佐天(うっ……けど、もう後戻りはできないっ!!)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 20:23:26.03 ID:pUiQhqI0<>
佐天「馬鹿言ってんのはソッチじゃないですか? だいたいあなた、あ〜くんの何なんですか?」

御坂妹「『何』…ですか。確かにそれを言われると若干胸に痛みを感じますが、確かに今日は彼と会う約束をし、正当な
    手続きをとって一緒にこの場所まで来ました。したがって、今の彼はミサカの所有物です。とミサカは答えます」

佐天「なっ……」

一方通行「」

初春「し…所有物って……///」

垣根(一方通行よ……男はつらいな……心なしかいつもより真っ白に見えるぜ…)

御坂妹「と、言う訳です。さぁ、その手を離して下さい。これ以上食い下がるのでしたら武力をもってでも制しますよ?
    とミサカは警告します」

佐天(や…やばい……力ずくで来られたら確実に負ける……ここは何とか穏便に。って無理だよねぇ………どうしたら…)

御坂妹「………」

佐天(ええい! かくなる上はっっ!!)




思考の末、佐天は―――




佐天「あ〜くん! 私がいるのにこの人とも約束してたの!? 信じらんない!」(ごめんなさい一方通行さん!)


一方通行「………はァ?」




―――助けを一方通行(彼氏)に求めたのだった……恐るべし佐天涙子!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 20:27:32.93 ID:pUiQhqI0<>
御坂妹「……この方は本当にあなたの恋人なんですか? とミサカは呆然としているあなたに問います」

一方通行「……イヤ…これには深い訳があってよォ…」

佐天「ひどいよあ〜くん! 浮気者!」(助けて一方通行さん!)

御坂妹「仲違いはミサカにとって好都合です。さ、こんなキチガイ女は放っておいて、デートの続きをしましょう。
    とミサカはあなたの腕を引いて急かします」グイ グイ

佐天「んな……ッ! キチガイ……? ッ……言ってくれんじゃないの……いくら御坂さんの妹でも今のはちょーっと
   聞き捨てなりませんねぇ……」 

御坂妹「……お姉様もお友達に恵まれていないようですね…」

佐天「どーいう意味よっ!?」

御坂妹「そのままの意味です。あなたが彼と恋仲であることに関してミサカがとやかく言う筋合いではありませんが、
    さっきも言ったように、彼と今日会う約束をしているのはミサカなんですよ? この方があなたまで誘ったり
    するとは思えません。つまり、あなたは嘘を吐いているという事になります。違うのでしょうか?」


佐天「………ッッ」(ムカつく! 確かに悪いのは私だけどさぁ! そこまで言うことないじゃん! 何なのよこの人!?
           こんな言い方されたら御坂さんじゃなくてもキレるわ!)

一方通行(あ、語尾が無くなってやがる……こりゃまたマズイ展開に転ぶパターンだな……)

佐天「………」

御坂妹「もう言いたい事はありませんか? ではそろそろ行きましょう一方通行。全くとんだ邪魔が入ってしまいました」

一方通行「……え? あ、あァ…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 20:32:55.51 ID:pUiQhqI0<>
佐天「ダメッ!! 行かないであ〜くんっ!!」ギュッ

一方通行(なァーンなーンでーすかァー!?)

御坂妹「」イラッ

佐天(負けたくないっ!! こんな人になんか負けたくないっ!! たとえ返り討ちにあっても絶対に引くもんかッッ!!)

一方通行(どォすりゃ良いンだよォ………もォこの際メルヘンでも良い! 俺を助けろォ!)チラッ


垣根(すまん、俺には無理だ……がんばれ一方通行。応援してる)




ルームメイトに目で助けを求めるが、返ってきた答えは生暖かい目で「NO」と告げていた……。




一方通行(クッソ役立たずがァァァ!!)


御坂妹「……しつこいですね。あまりミサカを怒らせない方が賢明ですよ? とミサカは再三に渡り警告します」

佐天「あなたこそ、いい加減離れてくれません? この人は私の彼氏なんですから……ッッ!」グイッ

一方通行「――うおォ!?」

御坂妹「あっ! テメ、この……何度も言わせないで下さいとミサカ……はぁッ!」グイッ

一方通行「――ァあ!?」




右へ左へと一方通行の体が揺れる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 20:35:19.79 ID:pUiQhqI0<>
佐天「ん……離せ……このッ!」グイグイ

御坂妹「そっちこそ……ぉッ!」グイグイ

一方通行「―――痛デデデデ!! さ、裂ける裂けるゥ!! やめろォ!! ひ、引っ張ンなオマエらァァ!!!」


垣根(おぉ、アレはきつい……大岡越前かよ…)

初春(なんて言うか……醜い争いですね……)


佐天「離してくださいっ! あ〜くんが苦しんでるじゃないですかぁ!」グイグイグイッ

御坂妹「ならあなたが離せば良いでしょお!? っと、ミサカは断固拒否……ぃッ!」グイグイグイッ


一方通行「―――ストップ!! やめろ!! シャレ抜きで痛ェ!! 千切れっからァ!! オイ!?」




一方通行の悲痛な叫びは少女達に届かなかった……。
まるで綱引きのように一方通行を引っ張り合う二人の目は、激しく互いを見据えていた。
そんな彼女達の醜い争いに、一方通行の華奢な体が耐えきれるハズもなかった……。両腕を広げられたまま痛みにもがく
その姿は、垣根ですら気の毒に思うほどだ。絵的には組み体操の『三人扇』に近いが、さすがにこのままだと本当に一方
通行の体が引きちぎられかねない。その内「ボキッ!」とか言いそうだ……。




初春「痛そうですね……カッキーさん。助けなくて良いんですか?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 20:37:48.27 ID:pUiQhqI0<>
垣根「ん、おぉ……しゃあねぇ……。そろそろ助けてやるか……」




見かねた垣根が動こうとする。……が、




一方通行「―――だァクソォ!! わかったァ!! ならこォすりゃイイだろォ!! ひとまずオマエら二人とも俺から手を放せェ!!」




一方通行の唐突な叫び…というか訴えに、全員の動きが止まった―――。




垣根(お? 苦し紛れか……?)

初春(どうする……んでしょう?)


御坂妹「…………」

佐天「…………」




御坂妹と佐天は引っ張るのを止めるものの腕から手を放そうとはせずに、無言で一方通行を見上げた。
痛みで歪んでいた顔に引きつった笑みを浮かべた一方通行は、口元をピクピクさせながらこの先の流れについてこう希望した。




一方通行「今日のところはもォ喧嘩とかそンなンは一切無しでみンな一緒に仲良く楽しく愉快に遊ぶのがイイと思うンですがァ……」




これ以上の醜い争いを心から望まない男が口にした最高の本音だった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/27(火) 20:44:04.93 ID:pUiQhqI0<>今日は以上です。
一方さんが実際こんな感じのモテ状況になったら……
やっぱ「くっだらねェ」の一言で一蹴すんだろうなぁ……
それ考えると俺の書く一方さんは甘すぎるな……。まぁ戦後で穏やかに
なったってことでww
続きは明日になります。お付き合い頂きありがとうございました。
ではまた明日。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 20:48:22.96 ID:kNGNxIQ0<>女の子って怖え・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 20:59:53.96 ID:vPI2ug.o<>なんかもう全ての元凶が一方さんのような気がしてきた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 21:38:13.83 ID:72.aVAY0<>上条病の二次感染は女の子がグイグイくるのかww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 22:02:36.95 ID:xGScTUAO<>乙乙
次も待ってるぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 23:21:14.95 ID:7QUcfQDO<>乙

>>626
ちょっと上条病にかかってくる


後、セロリ。今すぐ場所変われ。主に左側<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 02:03:53.48 ID:WggRQZk0<>一方さん丸くなったな。
でもこの状況を受け入れる一方さんも
器が広くて良いと思う。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 06:52:24.52 ID:WDm.L6DO<>乙。上条病おそるべし…
不幸や説教だけでなくフラグ立てまで…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/28(水) 23:19:39.64 ID:3yEdre60<>こんばんは。
遅くなりましたが、続き投下します。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/28(水) 23:23:04.42 ID:3yEdre60<>――――――


―――




一方通行は美琴の事が好き………


美琴はおそらく……たぶん…俺の事が好き……なのかもしれない


それに対する俺の気持ちは……まだ分からない…


一方通行は面と向かって美琴を誘えないから御坂妹とデートしている……




(一方通行がもし美琴に告白でもしたら………いったいどうなるんだ?)


(仮に俺の推測が当たってるとなると、きっと美琴は断るだろうな…)


(その後、美琴が俺に……なんて事になったら、俺はどうすれば良い?)


(美琴の事は……嫌いじゃない。嫌いじゃないんだ……)


(付き合いたい気持ちが無い訳じゃない……)


(けど………それで良いのか? 一方通行は許してくれるのか?)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <><>2010/07/28(水) 23:23:48.37 ID:qM4JI/M0<>>>631
待ってました。

明日試験です。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/28(水) 23:29:23.58 ID:3yEdre60<>
(『妹達』……『ロシア』……そして『あの日』から今まで、あいつとはなんだかんだ言って上手くやってきた……)

(今は一方通行も俺の立派な『友達』だ)

(……最悪、それが全部終わっちまうかもしれないのか? 折角仲良くやって来れたのに……)

(………ふざけんな…)

(俺は……どぉすりゃ良いんだよぉぉおお!!!)



―――――


―――




「――ンタ………ちょっとアンタ!!」


「――!? へ……?」



美琴「へ?じゃないわよ! 『綺麗よねぇ……』って訊いてるのにさっきから無視してくれちゃってさぁ!」

上条「あ……あぁ、悪い」

美琴「……何考えてたの?」

上条「いや……インデックスと打ち止めは無事かなぁ。ってさ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/28(水) 23:44:26.52 ID:3yEdre60<>>>633 お待たせしてゴメンなさい! 試験ガンバ!





美琴「どこにいるかはもう分かってるんだし、そんな焦ることなんてないでしょ? ていうか、アンタこの壮大な世界に
   対して何かコメントとかない訳?」


上条「え……―――」




ここは『B館』内―――


上条と美琴は人が若干薄れた水中トンネルを歩いていた。……そこでやっと上条は周りに広がる外の光景に気づいた。




上条「―――うわぁ……すげぇ。まるで海の中歩いてるみたいだ……」




『海景色』に匹敵するもうひとつの名物『海散歩』である。
全長二百メートルは続く海中トンネルの外では、ジンベエザメやマンタなど、普段は決してお目にかかれない海洋生物達
が悠然と泳いでいた。
上条の目はトンネルの外に釘付けになる。



ジンベエザメ「………」スイー


上条「デケェ……世界で一番デカイ魚ってアレなんだろ?」

美琴「そうみたいね……顔がちょっと可愛いと思わない?」

上条「思わない」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/28(水) 23:46:19.26 ID:3yEdre60<>
美琴「ハァ……アンタって分かってないわよねぇ…」

上条「…………」




どう考えてもテメェの趣味がマニアックなだけだろ! と言いたかったのだが、水族館の中は美琴のテリトリーと言っても
過言ではない。上条の『幻想殺し』は美琴の電撃なら防げるが、それによって割れたガラスから流れ込んでくる大量の海水
には何の効果も持たないのだ。…したがって、ここで彼女を怒らせる言動を安易に口走ってしまうのはとてもマズイ事態に
なりかねない。いつになく冷静に、上条は先の展開を予測したのだった。




美琴「あ、マグロの群れ♪」

上条「……メチャクチャ速いな。アレって疲れたりしねえのか?」

美琴「マグロとかサメって泳ぐの止めると死ぬんじゃなかったっけ? 確か…」

上条「え? サメは知ってるけど……マグロもそうなのか?」

美琴「多分ね。けど辛くないのかな……死ぬまで泳ぎ続けなきゃならないのって……残酷よね」

上条「人間に直すと死ぬまで寝れないようなモンなのかな……うわ、なんか俺の不幸が可愛く思えてきた」

美琴「別に不幸とかじゃないと思うけど……」

上条「お? アッチにはマンタか。………しかしすご過ぎだろ。こんなデカイ生き物ばっかりよく飼育できるよなぁ……」

美琴「学園都市の科学力の凄さには呆れるわね」

上条「もう海中歩いてるとしか思えなくなってきたぜ。その内クジラとかも加入しそうだな……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/28(水) 23:48:59.84 ID:3yEdre60<>
美琴「それはさすがにどうかしら……」

上条「オイオイ、そう簡単に幻想を捨てんなよ。『水族館で巨大なクジラを見る』ってのは人類の夢じゃねえか」

美琴「アンタだけだっつの! ってか、人の幻想壊せるアンタが言うな!」

上条「たまに思うんだ……この右手が人の幻想を作りだせるとしたらどんなに素晴らしいんだろうってさ……」

美琴「くっだらねぇ」




美琴が発した言葉と同時に上条達の体は海中トンネル出口を潜った。




上条「お、一方通行に似てたぞ今の……」

美琴「あァ? 別に似てても嬉しくなンかねェンだよォ! ……こんな感じ?」

上条「ぶふっ……そっくり! お前才能あるんじゃねえか?」

美琴「………二度とやらないわ」




上条も美琴もいつの間にか楽しんでいた。言ってみれば『良い雰囲気』である。
シチュエーションも手伝っているせいか、二人ともデートを楽しむカップルにしか周りからは見えないだろう。
上条も、悩むのは一旦中止してこの状況を楽しむ事にした。どうせ今考えたって碌な結果が出ない。
しかし、それでも忘れてはならない事がある―――。




上条「さて……インデックスと打ち止めを早く見つけないとな。御坂、アイツら今どの辺にいるんだ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/28(水) 23:51:19.45 ID:3yEdre60<>
美琴「ん、上の方にいるみたい……どっかに移動してるわね」

上条「そうか。まったくアイツら……心配かけやがって」




二人は海洋生物達に別れを告げて、上階を目指す。
禁書目録と打ち止めが通った道を確かに二人も通っていた―――。




――――――


―――




元アイテムリーダー麦野沈利、構成員の絹旗最愛、フレンダ、滝壺理后、下っ端(パシリ)の浜面仕上。
………に、何故か禁書目録と打ち止めを交えた七人は、館内のショッピングモールをのんびりと歩いていた。
禁書目録はさっき散々弄くり回されたお腹をさすっている―――。




禁書「はぁ……何か大事なモノを失った気がするんだよ……」

フレンダ「シスターちゃんのお腹が結構良い感触だったって訳だけど……麦野はどうかn」スッ

麦野「って、さりげなく人の腹に手ぇ伸ばしてんじゃないっ!」ペシッ

フレンダ「あぅっ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/28(水) 23:53:57.51 ID:3yEdre60<>
絹旗「フレンダが一番いやらしい触り方してましたよね」

フレンダ「……もしかして私、テクニシャン?」

麦野「知らないわよそんなこと」

禁書「どうしようさいあい……私、何かに目覚めそうかも」

絹旗「超かわいそうに………汚れてしまったんですね」ナデナデ

麦野「イヤあんただって途中から胸揉もうとしたくせに、何蚊帳の外ぶってんのよ?」

絹旗「ち、違いますよ! 私はただ……自分と比べてみようかなぁって……超……じゃなくてちょっと思っただけで…」

禁書「私はシスターなんだから、汚れちゃったりしたらマズイんだよぉ……」

フレンダ「……私よりはさすがにないよね…」モミモミ

絹旗「フ、フレンダ! 何自分の揉んでるんですか!?」

麦野「自分のと比べてんだろどーせ」

フレンダ「………よし」

絹旗「何が!? コッチ見て『よし』とか超言わないで下さい!」

禁書(とうまも……胸大きい人の方が良いのかなぁ……だとしたら、しずりが大ピンチかも!)




新たな犠牲者が生まれる事に危惧する禁書目録だが……果たして?


一方、その数メートル後ろでは―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/28(水) 23:57:12.12 ID:3yEdre60<>

滝壺「―――ごめんね。痛くなかった?」

打ち止め「平気だよ。けどなんでミサカの目を塞いだのかな? ってミサカはミサカは質問してみたり」

滝壺「あなたには、まだ早いから」

打ち止め「?……よく分からないけど分かった。ってミサカはミサカはとりあえず納得してみる」

浜面「うぅ……やっと鼻血止まった。にしても、なんであんなタイミングで……っつーか前もあんなことあったよなぁ…」

滝壺「はまづら、大丈夫?」

浜面「あぁ、もう止まったよ」

打ち止め「ねぇねぇ、大人になったら分かるのかなぁ。ってミサカはミサカは訊いてみる」

浜面「は? 何が?」

滝壺「さっきの……」

浜面「あー、アレか。そうそう、大人になったら分かるから今は知らなくて良いんだよ。てか、今知っちゃったらマズイだろ……」

打ち止め「そうなの?」

浜面「おう。アイツらは君の成長の妨害になりかねんから、なるべく関わんねえ方が良いぞ」

打ち止め「でも、いつかはあの背の高いお姉さんみたいになりたい! ってミサカはミサカは熱望してみたり」

浜面「外面はそれでいい。が、内面だけは絶対に真似るな。君のためだ」

打ち止め「え? そうなんだ……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/28(水) 23:59:07.45 ID:3yEdre60<>
浜面「それにしても、ファインプレーだったぜ。滝壺」

滝壺「はまづら……」

浜面「下衆な痴女達の蛮行でこの子の目が汚れたら一大事だからな。グッジョブ滝壺!………ん? どうした?」

滝壺「……はまづら。後ろ…」

浜面「え? うし―――!?」




前を向いて歩く滝壺や打ち止めと向かい合うように後ろ歩きをしていた浜面は、滝壺の言葉で後ろ……もとい前を向く。
その直後、すぐ目の前でニンマリとしながらコチラを見る三人の女子達に浜面は戦慄した。




麦野「はーまづらぁ………」

フレンダ「結局、丸聞こえって訳よぉ……」

絹旗「……私も超含まれてるって事で良いんですよねぇ……。死刑確定です」


浜面「」


滝壺「………」サッ

打ち止め「あれ? また目が見えなくなったーっ! ってミサカはミサカは再びジタバタともがいてみたり!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 00:02:33.78 ID:1/xec6Q0<>
滝壺「これはさっきより見ちゃダメ……」


麦野「とりあえず、ここじゃアレだし……裏行こっかぁ…」ガシ

絹旗「大丈夫ですよ。時間はとらせませんから……」グワシ

フレンダ「オラ、とっとと歩けって訳よ」ゲシッ


浜面「」




怒りを通り越したような笑いを浮かべる麦野達にどこかへと連れて行かれてしまった哀れな無能力者を、残された三人は
静かに黙祷した。
次に三人が見た浜面仕上の姿が、とても文章で表せるようなモノではなかったのは言うまでもない。




―――――


―――




佐天(なんとか初春にバレなくて済んだ……一方通行さんには後で何か奢りますからね〜)

御坂妹(この方に免じて不本意ながらここは一時休戦とします。とミサカはいつものチャーミングな状態に戻ります)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 00:04:23.45 ID:1/xec6Q0<>
今の彼等には一つのルールがある。


それは、『喧嘩禁止』(無論建前だが……)



一方通行の訴えが少女達に届いた……のかは定かではないが、ひとまずは折角来たんだし、皆で仲良く行こう。という
事でまとまった。
御坂妹は「この次こそは二人きりですからね?」と一方通行に耳打ちして刀をしまい、佐天も元々初春を尾行していた
事がバレたくないがために吐いた嘘から始まっていたので特に異論は無かったが、御坂妹への悪印象は残ったままだ。
こうなるのなら、初春に本当の事を話した方が良かったんじゃないか。と佐天は思ったが、すでに後の祭りである―――。


さて、この辺りはイルカやシャチ、アシカなどのショーが行われる水族館の鉄則とも言える場所だが……人々にはショー
以外にも注目したい光景がそこにはあった。
両サイドに女二人をはべらせている男……。それが鍛え抜かれた黒人とかならまだ分からなくもないが、白人も真っ白の
痩せた少年なのだから、違和感で思わず凝視してしまう周りの人達の気持ちも分かる。
しかし忘れてはならないのが、彼がこの街で最強の男だということと、凶悪面に相応しいほどの『悪党』だということだ。
ギロリと周囲に眼光を放っただけで、人々は目を逸らした……。


そして、後ろの他人なのか仲間なのか良く分からない距離を保ったカップルも……ある意味目立ってはいた。
理由は言わずもがな……だ。




佐天「あ〜くん。シャチのショー見に行こ?」

一方通行「………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 00:08:57.46 ID:1/xec6Q0<>
御坂妹「何を言っているのでしょうか? まずはイルカから攻めるのが常識では? とミサカは異議を唱えます」

佐天「じゃあ妹さん一人で行ってくれば良いじゃないですか」

御坂妹「……あなたはこの方の意見を無視するのですか? うわ、ねーよコイツ……とミサカは鼻で笑います」フッ

佐天「ムッ………あ〜くんはシャチから見たいですよね〜?」クイ

御坂妹「いえいえ、イルカに決まってます。そうですよね? とミサカは対抗します」クイ クイ

一方通行(すげェどっちでもイイわ……)

佐天「ムムムムム……」バチバチ

御坂妹「ぐぬぬぬぬ……」バチバチ


一方通行「あァ……ンじゃあイルカで」


御坂妹「おっしゃあ! っとミサカはガッツポーズをとります」

佐天「な……なんでよ!? あ〜くんっ!」

一方通行「……どっちにしろ、同じ事じゃねェか。シャチは後で見りゃイイだろ?」

佐天「で、でもぉ!」

御坂妹「見苦しいんですよ、この負け犬。とミサカは勝ち誇ります」

佐天「!! こ、この――」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 00:10:48.87 ID:1/xec6Q0<>
一方通行「やめろ。オマエも挑発すンな。こっから行くンならイルカの方が近いからソッチ選ンだだけだっつの」

佐天「…………」ギュッ

一方通行「い!?」




佐天にいきなり足を踏まれたため、思わず痛みで顔を歪める一方通行。




一方通行「オマ……ッ! ナニすン…」

佐天「知りませんっ!」(一方通行さんの馬鹿ッ! やっぱ奢ってやんないっ!)プンプン





垣根「………なんつーか……不憫だな…」

初春「佐天さん、いつになく闘志むき出しですね……」




何故か微妙に距離をとった位置にいる垣根と初春は、温かい視線を彼等に送り続けていた。
もはや半分冷やかしである。




初春「カッキーさんは二股ってどう思いますか?」

垣根「最低。男の風上にも置けねぇ。それ以外に言い様がねえな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 00:12:59.56 ID:1/xec6Q0<>
初春「うわ……意外とまともな……」

垣根(アレ見りゃ誰でもそう思うだろうよ……)

初春「けど、私達……いいんですかねぇ…」

垣根「え? 何が?」

初春「いや……なんか尾けてるみたいになってません……?」

垣根「大丈夫だって。俺らは俺らで楽しくやろうや。たまたまアイツらと一緒の方向だったって事にしとこうぜ」

初春「……そうですね」

垣根「だいたい、かざりんはアイツらがどうなんのか気になんねえか?」

初春「そりゃあ勿論気になります」

垣根「んじゃあ何の問題もねぇ。アイツらの行く末をイルカショーと共に見物しようぜ」

初春「……はい」

垣根「いざとなったら他人のフリだ」

初春「はい」

垣根「そんじゃあ後でジンベエザメに餌をあげy」

初春「それはイヤですっ! あんまり調子に乗らないでくださいっ!」





―――そんなこんなで一方通行達ご一行(?)、まずはイルカショーへとやって来た。………この後もただでは済まなさそうな
予感がビンビンなのだが、一方通行はもう深く考えない事にした………。今日の彼はきっとグッスリ眠れるだろう。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 00:19:19.38 ID:1/xec6Q0<>とりあえず以上です。
もう日付変わったんで今日じゅうに書き溜めてまた投下しに来ます。
「自分用まとめ」にまとめられててビックリでした。スクリプトなしで見れるんで感謝です。
しかし……今も文才ねーけど、最初の頃はヒデーな……下手過ぎて読めたモンじゃねぇわww
いつもお付き合い頂きありがとうございます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 00:39:38.49 ID:qJMWs5Yo<>>次に三人が見た浜面仕上の姿が、とても文章で表せるようなモノではなかったのは言うまでもない。
色々な液体でベトベトだったんですね分かります


女って怖い・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 15:03:56.34 ID:i6oqBDMP<>主に浜面の血液とか尿とか涙とかですね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 17:08:44.59 ID:MJhmRsDO<>ここで女性陣3人の顔がツヤツヤだったら……ゴクリ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 19:27:25.11 ID:1/xec6Q0<>あんま書き溜め進まなかった……orz
少しだけですが続き投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 19:29:20.10 ID:1/xec6Q0<>―――イルカショー開始直前



ザワザワ ガヤガヤ




ショー間近ということもあってか、程よい具合に人が集まってきて席に着いていく。
一方通行は両端に二人の少女を座らせ、自分はその真ん中に座った。中央よりやや後ろの席である。
プールでは、すでに無数のイルカ達が時折ジャンプを混ぜながら元気に泳ぎ回っていた。





一方通行「―――ずいぶンと人が集まってきやがったなァ……」

御坂妹「もうすぐ始まる時間ですから。とミサカは周囲の視線に物怖じせずに相づちを打ちます」

佐天「なんか……すげぇ見られてないウチら?」




大半が準備運動(ウォームアップ)中のイルカ達に注目している中、両手に花状態の一方通行への視線も周りの至る
ところから刺さってきた。




オイオイ フタマタカ? 

カノジョナノ? ホゴシャジャネ?



一方通行「………ほっとけよ。ショーが始まりゃ皆ソッチに注目すンだろォ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 19:31:54.06 ID:1/xec6Q0<>
佐天「そ、そうですよね! さすがあ〜くん♪」

一方通行(うぜェな……)

御坂妹(うぜぇ)


一方通行「……オマエさァ、イイ加減あ〜くンって呼ぶのやめてくンない?」

佐天「………なんで?」

一方通行「イヤなンでって……俺にンな可愛いあだ名が似合うと思うか?」


御坂妹「思いません。とミサカは即答します。それより右天さんでしたっけ? もう少し離れては? 公共の場所で人目も
    気にせずにベタベタするのはどうかと思いますが」

佐天「佐天ですっ! ってか人の事言えないでしょ? 人の彼氏にあんまりくっくかないでくれます?」

御坂妹「は? そのようなつもりは全くありませんが?」ムギュ


一方通行(思いっきり胸当たってンですけどォ…)


佐天「ホント常識ないですね。御坂さんの妹とは思えません。少しは姉を見習ったらどうですか?」

御坂妹「あ?」

佐天「な……何よ。メンチなんか切って……チンピラじゃあるまいし…」

御坂妹「何を怯えているのですか? ミサカが恐いなら楯突かなければよろしいのでは? とミサカは助言します」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 19:33:51.74 ID:1/xec6Q0<>
佐天「……恐くなんかないですよ。そんなんでビビるとか思わないで下さい」ギュウウウ

一方通行「オイ、痛ェ。腕に力込めンな」

御坂妹「良い度胸ですね。では後でミサカとタイマン張りますか?」

佐天「何でも暴力で解決するのは良くないと思いま〜す」

御坂妹「暴力ではありません。粛清です」

佐天「同じです! 屁理屈女!」

御坂妹「黙りなさい貧弱狐が」


一方通行「オイ、オマエら喧嘩は…」



「「引っ込んでてくださいっっ!!」」クワッ



一方通行(こ……怖ェ。この俺が動けないだと……? これが女の怖さってヤツかよ……)ガタガタ




―――怯んだ一方通行に目もくれず、二人の少女は周囲お構いなしで口論を続けた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 19:36:45.28 ID:1/xec6Q0<>
佐天「この泥棒ネコ!」

御坂妹「ミサカはネコが好きなので褒め言葉として受け取っておきます」

佐天「魔性娘!」

御坂妹「無能少女に何を言われようとミサカに影響はありません」

佐天「む、無能って言った!?」

御坂妹「言いましたが、それが何か? ミサカはあなたのくだらない戯言とは違い、事実しか言っておりませんが?」


佐天「…………この貧乳っっ!!」


御坂妹「―――ッッッ!!!!!」ガーン


一方通行「あァ……?」

御坂妹「よくも……よくもミサカが一番気にしていることを………」プルプル

一方通行「へ?」

佐天「お♪ 手応え………ちょっとあり過ぎた?」




―――佐天涙子、まさかの逆転KO。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 19:39:10.27 ID:1/xec6Q0<>
垣根と初春はさらに後ろの席にいた。面白い様子が丸見えの場所キープに成功である。




垣根「おや?……ミサカ妹の様子が……」

初春「真っ赤になって震えてますね。なんか嫌な予感……」




会話まではさすがに聞こえなかったが、罵り合っているのはよく分かった……。



―――――




御坂妹「……ちょっとばかり成長が早いからといってイイ気にならないで下さい」

佐天「はぁ? 妬んでるんですか? 残念ですが負け犬の遠吠えにしか聞こえませんね〜」

御坂妹「この……」

一方通行(コイツの体は超電磁砲ベースで出来てるって事をこの女が知らねェとは言え……超電磁砲も悪いダチ持ったよなァ
     遠まわしにボロクソ言われてンぞ……)

佐天「あれ? もう言う事は終わりですか? さ、そろそろショー始まっちゃいますから前見よう? あ〜くん♪」

一方通行(引き際極めてやがる……この年でかよ……。っつーか、妹が怖くて凝視できねェンだが…)

御坂妹(この◆◆が……絶対に○○して×××してやる……)ゴゴゴ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 19:40:49.69 ID:1/xec6Q0<>
―――そんなこんなでショースタート




係員の元気な挨拶と共にショーは開始された。
一方通行の思惑通り全員前を向いたため、もはや周囲の目も気にならない。




御坂妹(っと。ここは怒りを静めて見物モードへ移行しましょう。ミサカの念願がついに叶うのです! ……状況にかなりの
    不満はありますが……)チラッ

佐天「わぁ! すごい! ねぇあ〜くん見て! 可愛くないですか〜!?」ヤケクソ

一方通行(一気に三倍ウザくなった……)

御坂妹(ガキみてぇにハシャイでんじゃねーよ。とミサカは侮蔑………したいですが、どうしましょう? ミサカも、ハシャギ
    たい気持ちが高まってきました……)ウズウズ


一方通行(妹は妹で崩れかけた無表情必死に保とうとしてやがるしよォ……まァ良い。俺もイルカの素敵な姿をガン見して、
     この溜まったストレスを少しでも癒すとしましょうかァ…)




イルカ、ジャンプでボールにタッチ!




佐天「うわ〜! すご〜い♪」

御坂妹「わぁぁ……とミサカは感動的シーンを目に焼き付けます」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 19:42:56.25 ID:1/xec6Q0<>
一方通行(あァ……海の生き物ってのは、何でこォも癒されンだろォな……コイツら見てっといかに人間が汚れてンのかよく
     分かるわ……)

イルカ「キュイ♪ キュイ♪」ザブーン

一方通行(オイオイ、見ろよあのイキイキとしたツラァ……何の汚れも知らない顔ってのァまさにあンな顔なンだろォなァ……)

佐天「あ〜くんホラ! 輪っか潜りますよ!?」

一方通行(…………馬鹿そォなツラしてンのに、知能が高ェときたもンだ。人間なら腹黒いってイメージしかつかねェのによォ……)

御坂妹「あ! 成功しました♪ とミサカは………どうしたのですか?」

一方通行(すげェ……すげェよイルカ………人間如きに飼われてンのが馬鹿馬鹿しくなっちまうぐれェになァ!)

御坂妹「もしもし? とミサカは硬直しているあなたの目の前で手を振ります」

佐天「……あ〜くん? 何さっきからボーッとしてるんですか?」

一方通行「……よし、逃がそォ」

佐天・御坂妹「は?」

一方通行「は?」



――――



垣根「うおー! すげえジャンプ力だなオイ! あんな高いボールによく届くなぁ」

初春「すごいですね〜! あ、コッチ見てます! 可愛い♪」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 19:43:44.77 ID:1/xec6Q0<>
垣根「ん……? 何やってんだアイツら?」

初春「彼氏さんがいきなり立ち上がったせいで後ろの人からヒンシュク買ってますよ……」

垣根「ショーの最中に立ち上がるとか……アイツどんだけ非常識なんだよ? 映画の上映中に立ち上がんのと同レベルだぞ…」

初春「あれ? 前の席に移動するんでしょうか? なんか下に降りてますけど……」

垣根「はぁ? 目の前で見てぇから前行くって……ガキかアイツぁ…」

初春「佐天さんと妹さん、和解したんでしょうか……? 力を合わせて止めてますね……。しかも息ピッタリに…」

垣根「さぁ、分かんねぇ……。あ、結局元の席に座らされてやんの。ダッセェ」

初春「彼氏さん力無さそうですもんね。ヒョロイし」

垣根(ホントたまに黒いよなこの子……)

初春「二人がかりとは言え女の子に取り押さえられるのは情けないです」

垣根(あ、まだ黒かった……)

垣根「一方通行達、なんか大人しくなったな」

初春「多分、ショーに熱中してるんじゃないですか? あっ! 輪っか潜り成功した♪」

垣根「おお! すげぇ! やるじゃねえかドルフィンよぉ!」





―――何か起こりかけた気がしなくもないが、取り敢えずショーは無事に終了した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/29(木) 19:46:51.27 ID:1/xec6Q0<>今日は以上です。
ホントに短くてサーセン!
続きは明後日になります。お付き合い頂きいつも感謝っす。
女ってのは……怖いのですよ?ww
失礼!ではまた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 19:59:21.70 ID:oTYUB3wo<>やべぇこの佐天さんムカつくwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 20:07:53.59 ID:aaKizpc0<>佐天さんw<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 20:10:08.23 ID:qJMWs5Y0<>せっかくのデートなのにぶち壊されてばかりの妹かわいそす<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 20:14:31.51 ID:YBpbaKc0<>未だ一組もカップルにならないとは…
ここまでズルズル引っ張られると、さすがに飽きてた
ちとここから去るけど、これまではマジで楽しませてもらいました
スレ主さんサンキュ!
引き続き頑張って〜<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <><>2010/07/29(木) 20:24:23.86 ID:lu8P9q.0<>>>664
焦らしプレイだと思うんだ。

憎たらしいほど優しすぎる上条さんがよく描けて、良い意味で苛立たせてくれる作品だと思うよ。ハッピーエンドwktk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 20:26:57.43 ID:GnvnScDO<>一方さんなにやらかす気wwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 20:33:37.62 ID:s0E5XXI0<>15巻だけのキャラなのに提督はおいしいなあ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 20:41:37.53 ID:uCpKUeMo<>>>667
逆に15巻にしか出なかったからおいしいキャラにできる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 23:01:20.74 ID:L3WKcV60<>>>664
ここ元々はそういうSSじゃねーから<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 23:03:51.94 ID:J9hhrhEo<>つっても自ら脱線させてgdgdにしてんのは>>1だけどな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 23:21:16.55 ID:4sRfdvI0<>面白いから何でもいいよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 00:11:51.10 ID:yg9qzfQo<>手を広げすぎ、引っ張りすぎ、ぐだぐだしすぎとは確かに思うけど、
それこそを楽しむスレだと思ってたんだが。
ラブコメ物ってそんなもんだろ。まあ主題は友情物のはずだけど。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 00:17:32.63 ID:f6SvXlU0<>くっつくキャラ決めて、
障害無しにくっつくSS程
面白くないものはない。
紆余曲折があるから面白いんだろ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 09:29:02.40 ID:shMso6Yo<>さっさとくっつけっつってんのは携帯小説よろしくどろどろNTRレイプでも期待してんじゃねーの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 18:56:12.96 ID:OVRsWcDO<>ラブコメってのはくっつくまでの過程を楽しむ物とくっついた後の物語を楽しむのがあるけど、このスレは前者だと思ってる。(メインは友情物だし)


アレだ。ときメモ派かラブプラス派みたいなもんだ。どっちも未プレイだけど<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/30(金) 19:52:45.27 ID:kdE/XG.0<>なんとなくだけど分かるわそれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <><>2010/07/30(金) 20:42:11.43 ID:6wlSWEw0<>>>675
両方になることを期待している<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 20:32:45.02 ID:Tb71plg0<>こんばんは、>>1です。
確かにかなり引っ張ってますね……まぁ長い目で見てくれたら幸いっす。
とりあえず、続き投下します。今日は結構量多めに行きますんでよろしく。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 20:34:55.83 ID:Tb71plg0<>――――――


―――




私は……やっぱりコイツの事が好き。


一方通行は、それを知ってて私のわがままに付き合ってくれた。


最低……ホントに最低じゃない。………私。


結局、妹の言う通りなんだ………。


私は……子供―――。



(コイツは、何も知らない……。私の想いにも、当然気づいてないのよね……)


(もし伝えたら、どんな反応するんだろう……)


(もう、嫌だ……。これ以上私の勝手に他の人を付き合わせるなんて……)


(でも……それも全部私のせい。コイツに……当麻に『好き』って言えなかった私のせい……)



全部私の自業自得……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 20:37:34.05 ID:Tb71plg0<>
―――デートにすら上手く誘えない。思っている事と常に裏の態度をとってしまう。
いつまで経っても自分を相手にアピールする事も出来ない。これを『お子様』ではなく、一体何と呼べば良いのでしょうか?――――



(わかってる……)



―――本当は、自分が素直になれないのをあの少年(上条)のせいにして、一方通行に逃げようとしていただけではないのですか?―――



(わかってるわよ……)



―――お姉様は現実から逃げたかっただけ………けど側には一方通行しかいなかったから……
結局は彼を都合よく利用しただけに過ぎないのです―――



(全部……アンタの言う通りよ)



―――何を思ったのかは知りませんが、彼(一方通行)を巻き込むのはやめて貰えないでしょうか?―――



(そう………私の勝手に一方通行は巻き込まれただけ……)




――――――少なくとも、今のようにフラフラしたお姉様相手では絶対にあの方は振り向いてくれませんね――――――




(………………そうよ……)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 20:41:47.28 ID:Tb71plg0<>
(たとえ受け入れてくれなかったとしても………もう、フラフラしてちゃ駄目なんだ)


(自分の気持ちは、もう分かってるんだから……)


(このままじゃ、私のわがままに振り回された一方通行にも失礼よ)





決着………つけなきゃ―――――。




〜〜〜〜〜〜





「―――御坂? 急に立ち止まったりして、どうしたんだ………?」


美琴「……………」




―――上条当麻、御坂美琴が歩いていたのは上階フロアの人工樹が並んだ屋外……。周りの空はオレンジ色に広がっていた。
つまり、もう夕方である。


美琴が無意識に立ち止まった辺りは、偶然か必然か………カップル達の憩いの場と化していた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 20:43:32.60 ID:Tb71plg0<>
上条「……御坂…?」




突然俯いて立ち止まった美琴を見て「?」を浮かべる上条。

だが、間もなく少女は顔を上げる――。

――何やら意を決した表情で。




美琴「あ……あのね」


上条「ん?」


美琴「私……アンタに………伝えたいことがあるの」


上条「?…………!!」




美琴の表情で、上条は何かを悟った……。この展開は、まさか―――



――――やめろ………まだ………まだ待ってくれ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 20:46:06.05 ID:Tb71plg0<>
そう口に出そうとしたのだが………唇が動かなかった。




美琴「わ、私………私は……ッッ!」




美琴は、上条の何か言いたそうな顔に気づいたが………コチラももう引けなかった。
目をギュッと瞑り、聞き違える事は決してありえない声で――――





「――――私は、アンタが好きっっ!!!!!」





吐き出した――――。



ずっと抱いていた想いを………たった一言に詰めて―――。



―――瞬間、その空間だけ………二人のいる空間だけ、時が止まったように感じた。




――――――



―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 20:47:59.19 ID:Tb71plg0<>
同時刻、同所付近―――




麦野「――おーいシスターちゃ〜ん? あなたのツレってのは何処にいるのかにゃ〜ん?」

絹旗「さすがに超歩きつかれました〜」

禁書「とうまたち……どこに行っちゃったのかな…」

打ち止め「むむっ! アッチにお姉さまの反応が近い気がする! ってミサカはミサカは電波を感じとってみたり!」

麦野「あんた、センサー働くの? だったらそれ最初っからやってれば良かったじゃない……」

打ち止め「う〜ん……実はさっきようやく感じとれるようになったんだよ。ってミサカはミサカは答えてみる」

絹旗「さっきの雷のせいじゃないですか?」

麦野「あ〜、なるほどね…」

フレンダ「ねぇねぇ。結局、浜面はあのままで良かった訳?」

麦野「んぁ? 心配ないでしょ。滝壺も一緒なんだし」

禁書「……しあげ、生きてるの?」

麦野「あぁ、あの馬鹿なら大丈夫。アレくらいじゃ死なないわよ」

絹旗「そうですよ。なんせゴキブリみたいに超しぶといですからね」

フレンダ「レベルは0なのに、悪運だけは強いしね」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 20:49:56.94 ID:Tb71plg0<>
禁書(どうやったらあそこまで無残な姿になるのか訊きたいけど訊けないんだよ……)

打ち止め「あ、外に出たよ! 夕やけキレイ〜♪ ってミサカはミサカは久方ぶりに外の空気でハシャイでみたり」

麦野「うわ……ってか何よここ……カップルの巣じゃないの…」

絹旗「浜面や滝壺さんと別れて超正解でしたね……」

フレンダ「うん。絶対アイツらイチャつくわ……仕方ない。麦野、ここは私らも―――へブシ!?」ボグッ

麦野「フン。何が『仕方ない』よ……」

打ち止め「あ! いた〜! ってミサカはミサカは指さしてみる〜!」




打ち止めが指さした方向に上条と美琴の姿が見えた。結構距離があるせいか、アッチは気づいていないらしい……。




禁書「ホントだー! とうまもいる〜♪」


麦野「んじゃ、私らの役目はここで終わりね……行こ。絹旗、フレンダ」

絹旗「超御意です!」

フレンダ「ささ、とっととズラかるって訳よ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 20:54:00.43 ID:Tb71plg0<>
打ち止め「ありがとう、お姉ちゃん達! ってミサカはミサカはお礼の言葉を述べてみる」

禁書「ごちそーしてくれてありがとう! あなた達の幸福を祈ってるよ。しあげやりこうにもよろしくね!」


麦野「はは、最後にシスターらしいとこ見せちゃって……とっとと行きなさい。もう迷子になんじゃないよ」

絹旗「バイバ〜イ!」

フレンダ「じゃあね〜!」




禁書目録と打ち止めは、麦野達に手を振ってお別れを告げると、真っ直ぐに上条と美琴の元へと走っていった。




麦野「……ふぅ、行ったか」

絹旗「じゃ、浜面と滝壺の様子でも超見物しに行きますか?」

麦野「いや、悪いけど私はもう帰るわ。アイツらのイチャつきぶりは精神上良くないし」

フレンダ「あ、私も〜。ってことで一緒に帰ろ? 麦野」

麦野「ひっつくなっての…」

絹旗「わ、私も超帰ります〜!」




麦野沈利、フレンダ、そして絹旗最愛は二人の元気な少女達を見送った後、仲良く家路へと着いたのだった……。
結局レストランでの話を聞きそびれた事を帰宅中指摘する少女達に麦野は―――



麦野「またの機会にね」



―――とだけ言った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 20:55:30.68 ID:Tb71plg0<>
――――――


―――




滝壺「はまづら……起きて? そろそろ帰ろ?」ツンツン

浜面「」

滝壺「もう帰らないと……時間遅くなるよ?」

浜面「」

滝壺「終点だよ? はまづら」

浜面「」

滝壺「はーまづらぁ」ユサユサ

浜面「」

滝壺「返事がない。ただのしかばねのようだ……」

浜面「」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 20:58:14.03 ID:Tb71plg0<>
――――――


―――




禁書「とぉーうーまぁーーー!!」ガキン

上条「へ?……う、おわっ!!」サッ




突然飛び掛かってきた禁書目録の『噛みつき』を辛うじて避ける上条。
禁書目録の鋭い歯が空を噛んだ。




打ち止め「お姉さまー! お久しぶり! ってミサカはミサカは再会を喜んでみちゃったり」

美琴「ア、アンタら……今まで何処行ってたのよ?」

打ち止め「お姉ちゃん達に遊んでもらってたの♪」

美琴「お姉さん達…?」


上条「インデックス! テメェいきなり何すんだ!?」

禁書「うるさいうるさい!! 人を放ったらかしにするなんてヒドイんだよとうま!! ずーっとさがしてたんだから!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 21:03:55.86 ID:Tb71plg0<>
上条「………悪かったよ。けど、無事で良かった。一体何処行ってたんだ?」

禁書「親切なお姉さん達にごちそうしてもらってたんだよ♪」

上条「……へ?」

禁書「おかげでおなかいっぱい♪ あ、けどまたおなか空いてきたかも……」

上条「…………で、その方々は?」

禁書「さっきまで一緒にさがしてくれてたんだよ。けど、もう行っちゃったみたいだね…」

上条「……そうか。……ちゃんとお礼言ったか?」

禁書「もちろん!」

上条「………」




誰だか知らないけどありがとう! そして本当にゴメンなさい! と、上条は誰もいなくなった方を向いて手を合わせた。
この少女から『おなかいっぱい』という言葉を吐かせるほどの出費を負った『親切なお姉さん達』に上条は心から敬意を
示したのだった……。




禁書「とうまとうま、もう外が暗くなってきたよ?」

上条「ん、あぁ……そうだな。んじゃあそろそろ帰りますか…良いよな美琴?」

美琴「そ、そうね……///」ジーッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 21:06:16.44 ID:Tb71plg0<>
打ち止め「……お姉さま? 何かあったの?」

禁書「なんか……様子が変かも」

美琴「う、ううん、何も! じゃ、そういう訳だから帰りましょっか!」

禁書・打ち止め「???」




少女と幼女でも分かる程に挙動不審な美琴と、たまに美琴の方をチラチラと意識している上条……。

家路の途中、打ち止めは美琴が送って行くとのことになったので、二人と別れた。しかし、意外にもあっさりと別れた事が禁書目録
的には引っかかる。




禁書(オカシイかも……いつものとうまなら……『送って行くよ』って絶対に言うハズなのに……)




これは美琴との間に何かあったな。という結論に至るまで数分とかからなかった。




禁書(帰ってご飯食べたらたっぷり『ジンモン』しなきゃ!)




返答次第で食後のデザート確定ルートが上条を待ち受けていた……。




――――――


―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 21:09:33.06 ID:Tb71plg0<>
垣根「んじゃ、俺らはこの辺で別れっから。じゃあな」

初春「えっと……さようなら。ではまた…」




イルカショー後、シャチやアシカのショーも見物してひと段落中にその言葉を残し、垣根帝督と初春飾利は去っていく……。
時計を見ると、もう夕日が見えてもおかしくない時間だった。




一方通行「ン……じゃあな」

佐天「じゃあね〜初春。仲良くやんなよ」

御坂妹「さよなら〜。とミサカは手を振ります」




垣根と初春に別れの言葉を送った後……





佐天「ふぅ………もう良っかな……」

御坂妹「……?」




突然そう言って一方通行から離れた佐天涙子に御坂妹は怪訝な顔を向ける。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 21:12:03.28 ID:Tb71plg0<>
佐天「―――ゴメンなさいっっ!!」




今度はいきなり頭を深く下げて謝罪する佐天……御坂妹はそれに対してキョトン、とするしかない。




御坂妹「???………」

佐天「実は………―――――」




こうして、やっと誤解は解けたのだった……。


佐天は全てを自供した。親友が心配でここまで尾けて来た事も、一方通行を『彼氏』として仕立て上げた事とその理由も……。




一方通行「―――……やれやれ」

佐天「ホントにすみませんでした!」ペコペコ




初春がいなくなって、もう演技の必要もなくなった佐天はとにかく二人(主に一方通行)に頭を下げる。
もっとも、途中からは違った意味で演技ではなかったのだが……それを今言う必要はない。と佐天は謝りながら判断した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 21:15:19.83 ID:Tb71plg0<>
御坂妹「事情は把握しました。つまり、あなたは一方通行と正式な恋仲ではない…という事でよろしいのですね? とミサカは
    確認を取ります」

佐天「………はい」

御坂妹「では、ミサカに異様なまでの挑発を仕掛けたのもやむを得なかった……という事ですね。とミサカは再度確認します」

佐天「はい。そうです……」(挑発したのはソッチな気がするけど……まぁ良っか)

御坂妹「……それならミサカとあなたが争う理由はもうどこにもありません。あなたさえよろしければ、和解していただけない
    でしょうか? とミサカは仲直りの握手を求めてみます」スッ

佐天「あ……はい」ギュッ




御坂妹から差し出された手に戸惑いつつも……しっかりと握手を返した佐天。しばらく手を握り合った二人の少女は、やがて
微笑みを交わしてゆっくりと手を離した。




一方通行(『雨降って字固まる』ってヤツか………イヤ、コイツらの場合『雷』かァ…)




元凶のくせに何故か蚊帳の外的な立ち位置で二人の和解を見守った一方通行は、そんな暢気な事を考えていた。




佐天「―――じゃ、私はもう行きますね。お邪魔しちゃってホントにすいませんでした」

御坂妹「いえ。ミサカの方こそ、失礼な事を言って申し訳ありませんでした」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 21:18:31.73 ID:Tb71plg0<>
佐天「ははっ、お互い様ですよ。よかったら今度……一緒にご飯でも食べにいきません?」

御坂妹「はい。喜んで」

佐天「じゃ、携帯交換しよ♪」


一方通行(さっきまで『犬猿』状態だったってのに……やっぱ女ってのァよく分っかンねェわ…)




先ほどの醜さが嘘のように笑いながら携帯交換している二人を見て、一方通行はそう思ったそうな……。





佐天「それじゃ、ミサカさん。後でメールするね!」

御坂妹「はい、お待ちしています。佐天さんはもう帰るのですか?」

佐天「はい。もう充分楽しんだから、……疲れちゃいました」

一方通行「だろォな……。ま、気ィつけて帰れよ」

佐天「はい♪ 一方通行さんも、ありがとうございました」

一方通行「ケッ、礼言われるよォな事した覚えはねェけどなァ……」

御坂妹「あ、気にしないで下さいね。この方は照れてるだけですから。とミサカは説明します」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 21:23:53.97 ID:Tb71plg0<>一方通行「照れてねェっつの」

佐天「ははは、分かってますよぉ。じゃ、またね? あ〜くん」

一方通行「オマエその呼び方イイ加減やめろ! 次呼ンだらマジで殺すぞ!」

佐天「お〜コワ……じゃ、さよなら〜♪」




―――手を振って可愛い笑顔を見せた後、佐天は二人に背を向けてその場から去っていった。




御坂妹「………また友達が増えました。とミサカは悦に浸ります」

一方通行「あァ……まァ、良かったじゃねェか」

御坂妹「はい♪ とミサカはとびきりの可愛い笑顔をあなたに向けます♪」

一方通行「は、テメェで言ってりゃ世話ねェよ…」

御坂妹「さぁ、それではデートの続き……と行きたいところですが、もう時間も遅いですし……今日のところは帰りませんか? 
    とミサカは提案します」

一方通行「……良いのか?」

御坂妹「はい、何も今日で最後という訳ではありませんし、ミサカも少し疲れました。とミサカは疲労感を漂わせます」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 21:28:08.75 ID:Tb71plg0<>
御坂妹「と言うことで、行きましょうか。あ、『約束』はまだ有効ですからね? とミサカは釘を刺しておきます」

一方通行「あァ? 服欲しいンなら帰りにでも……」

御坂妹「いえ、また今度が良いです。とミサカは希望します」

一方通行「………?」

御坂妹(あなたと会う『口実』ができないじゃないですか。馬鹿……とミサカは意外と鈍感なあなたを非難します)

一方通行「ンまァ……良いかそンでもよォ。じゃあ俺も疲れたし、今日は帰るとすっかァ」

御坂妹「はい」

一方通行(コイツ、俺のバッテリー残量に気ィ遣ってくれたってのかよ……チッ、何かくすぐってェな……)






―――――そして……二人はゆっくりと歩き出す。


夕日に照らされた二人の影は、寄り添うように……繋がっていた―――。




――――――


―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 21:29:56.65 ID:Tb71plg0<>
―――黄泉川家(19:30)





一方通行「………」ガチャ


黄泉川「おぉ、おかえり〜。遅かったじゃんか?」

芳川「おかえり。あらあら、えらく疲れてるわね……」

一方通行「おォ……」





同居人に適当な挨拶を返し、自室へ行こうとする一方通行。まずはバッテリー切れ寸前の電極を充電させねば。………しかし、それを
小さい影が阻んだ。お風呂場から飛び出してきた『それ』は濡れた髪をキラキラと輝かせて一方通行に向け、まっしぐらに飛び込んで
来た。





打ち止め「あ! やっと帰ってきた〜! おかえり〜! ってミサカはミサカは弱ったアナタならイケル♪とばかりに飛びついて
     みたりぃ!」バッ

一方通行「おっと」ヒラリ

打ち止め「……ム〜、なんで避けるかなぁ〜? この照れ屋さんはぁ……ってミサカはミサカはプンプンしてみるんだけどそんな
     アナタも可愛いって大人の対応にチャレンジしてみたり」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 21:36:57.79 ID:Tb71plg0<>
キーキーとうるさい打ち止めに構ってる暇はないが、それでも確認しなければならない事が一方通行にはあった。





一方通行「オイ、打ち止めァ」

打ち止め「ん? なに?」

一方通行「今日は、どォだった?」

打ち止め「え? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

一方通行「今日は楽しかったのか? って訊いてンだ」

打ち止め「うん! とっても楽しかったよ〜♪ ってミサカはミサカは満足気な顔で一日を振り返ってみる」

一方通行「………そォか」

打ち止め「……でもそれがどうしたの? ってミサカはミサカは生まれた疑問の解明を求めてみたり」

一方通行「イヤ、何でもねェよ」

打ち止め「変なアナタ」

一方通行「うるせェ。それよりちゃンとドライヤーで髪乾かしとけよ。風邪引くだろォが」

打ち止め「はーい、でもその前に牛乳〜♪ ってミサカはミサカはリビングへダーッシュ!」トテテテ

一方通行「………」フッ




打ち止めに見えないように口角を上げる一方通行。とりあえず、明日の予定はこの時点で決まってしまった……。
と言っても、打ち止めが楽しい思い出を一つでも増やせたのなら一方通行にとっては安いものである。上条への連絡は充電の後に
すると決めた一方通行は、ガチャリと自室のドアを開けた―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/31(土) 21:44:06.62 ID:Tb71plg0<>書き溜め量思った程多くなかった……orz
とりあえず今日は以上です。
続きはまた明日投下します。
お付き合い頂きありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 22:32:14.39 ID:o62AVUAO<>乙。頑張ってくれ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/31(土) 23:17:40.53 ID:8FDx8jI0<>乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 23:39:03.34 ID:F1eJicDO<>乙である。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 23:45:36.51 ID:IVU7dts0<>乙ですぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 01:39:48.50 ID:VFZwfIAO<>私の乙は凶暴です<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 12:57:03.46 ID:rjsChoDO<>貴方に……乙を……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 18:57:59.23 ID:7/op0qg0<>乙
あるぇ?カッキーの正体、初春にばらしたっけぇ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:22:45.00 ID:iA2vDl.0<>こんばんは、>>1です。
だいぶgdgdsしちゃいましたが、こっからガンガン進んでいく予定です。
もうしばし、お付き合い下さいな。
>>706 まだです。焦らしプレイです。悶えて下さいw
では投下します。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:25:39.86 ID:iA2vDl.0<>一方通行「…………」




自室の部屋に入って最初にする事と言えば、まず明かりを点ける事である。
一方通行も当然真っ暗だった部屋のドアを開けた後、ドア付近にあるスイッチを押して明かりを点けた。
そして蛍光灯が輝いた時、一方通行は言葉を失った……。いや、驚きを通り越して逆に反応ができなかった。

まだ帰っていないとばかり思っていたルームメイト(垣根帝督)が、足を肩幅ほど開いた三角座りで部屋の隅っこに居たからだ。
目はどこか虚ろで、憔悴しきった顔だった……。その顔は『全てが終わった』と無言で語っているように見えた。




垣根「…………」




一方通行が帰って来ても垣根は全く反応しなかった。
垣根がいつ戻って来たのかは知らないが、一方通行が帰って来るまでの間ずっと真っ暗な部屋に一人で居たという事は……。




一方通行(………あァ……やっぱ、ダメだったか……)




事情を知っている一方通行は、それだけでおおよその見当を付けた。そして、敢えて何も訊くまい…と決めて、部屋に入った。

充電器を装着し、ついでに携帯電話の充電もしておく…と、その時…隅っこに居る垣根が生気の無い声で話しかけてきた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 19:27:14.43 ID:Ukjv6hQo<>きたああああああ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:28:04.87 ID:iA2vDl.0<>
垣根「よぉ……帰ってたのか」

一方通行「…遅ェよ」




ベッドに座ったまま電極の充電完了を待つ一方通行はそれだけ答えるが、どうやら垣根の方が喋りたいらしい……。




垣根「―――どぉだった? あの後……」

一方通行「別に何もねェよ。フツーにそのまましばらく居て、妹を送って帰ってきただけだっつの……」

垣根「そぉか………妹と上手くいってんだな。……良かったじゃねえか」

一方通行「『上手く』ねェ……そォいうつもりじゃねェンだがなァ…」

垣根「で、付き合うの?」

一方通行「は? 何でそォなンだよ?」

垣根「だってよ………あのサテンってコはともかく………妹はお前にゾッコンな目してやがったぜ。気づいてんだろ?」

一方通行「ずいぶンと古い言い回しだなァオイ………っつーか、気づいてるも何もよォ……」

垣根「……何? あ、もしかしてもう告られた……?」

一方通行「……………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:30:38.68 ID:iA2vDl.0<>




―――――ミサカは………一方通行を恋愛対象として意識しています―――――




一方通行(ありゃあ……俺の聞き違いとかじゃねェよなァやっぱ……)




御坂妹は少なくとも自分に好意を持っている………。だが何故?
打ち止めの時と全く同じ……いや、それ以上に不可解だった。もはや理解が出来なかった。
何故自分なのか……本当なら、妹に…いや、『妹達』にとって自分はその対象からは一番遠い位置に居る筈だ。そうでなければオカシイ。
恨みや憎しみの対象なら分かるが、よりによって自分に対して『好意』を抱くとはどういう事なのか……。
まだその答えを理解するには時間がかかりそうだ。





一方通行(ありえねェ。ホントありえねェわ……。好意なンて向けられて良いよォな人間じゃねェだろ俺は………)



垣根「………オイ、どぉした?」

一方通行「!……イヤ…何でもねェ」

垣根「んで、妹とはどぉすんの…?」

一方通行「…さァな……分かンねェよ……今は」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:36:40.77 ID:iA2vDl.0<>
垣根「だよな……んな簡単に決めらんねえよなぁ………」




実験の事、一方通行と妹の立場を一応把握している垣根はそれ以上追及してこなかった。




一方通行「……っつーかよォ…オマエ、もォ風呂入ったのか? 俺は後で良いから、入ンならさっさと入ってこいよ」

垣根「……あぁ」




スクッと重そうな身体で立ち上がった垣根は、寝巻きとタオルを持って部屋を出ていった……。




――――――


―――



―――常盤台女子寮




美琴「……………」




ベッドにうつ伏せで横になり、枕に顎を埋めてボーッ………帰って来てからずっとこの調子である。
部屋に着いた途端気が抜けてしまったのか……。多分、今は彼女の中で時が進んでいないのだろう。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:39:34.62 ID:iA2vDl.0<>
そんな美琴の様子を見て、ルームメイトの白井黒子が放っておける筈もなかった。




黒子「………お姉様。帰ってから…いったいどうなさったんですの?」

美琴「あ……黒子、帰ってたの…」

黒子「先ほどからおりますわ。……それで、どうなされたんですの? 電気も点けないで……」

美琴「……………」




黒子が風紀委員の仕事を終えて帰宅したのはつい先ほどだが、まず彼女は部屋の明かりが消えていた事から美琴の不在を予測して
いた。ところが点けた途端、愛しのお姉様はそこに居たのだから驚きだ。思わず叫びそうにすらなった程だ。
だが、そこは美琴崇拝者代表の白井黒子、美琴の様子を常人離れした洞察力で逸早く察し、すぐに声をかけずにいた。……が、所詮
それが長く続かないのはもはや誰かが指摘するまでも無い事だった。




黒子「お姉様……わたくしで良ければ相談に乗りますわよ?」

美琴「………聞いて…くれるの?」

黒子「――!?」




意外な美琴の反応に再度驚かされる黒子。てっきり「ゴメン……少しそっとしといて。心配しなくて良いから」とか言われると思って
いたのだが……。しかし、よく見ると美琴の顔からは悲しそうな気配が感じられない。どちらかと言えば、大量の問題集を何ヶ月間も
かけてようやく終わらせた直後のような……達成感と疲労感が混ざった顔をしていた。それプラス若干の不安も感じられるが、悲しみ
で絶望している風には見えなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:42:19.35 ID:iA2vDl.0<>
黒子(これは……少なくとも、悪い話では無さそうですわね)




憧れのお姉様に何か悪い事が起きた訳では無い、そう確信した黒子は内心で胸を撫で下ろした。




美琴「実はさ―――」

黒子「はい」


美琴「私、アイツに告白したんだ」


黒子「」




即座に黒子は前言を撤回した。


確かに美琴にとって悪い話では無かったのかもしれないが、『自分』にとってはこの上ないほど最悪な話だった。




美琴「黒子……?」

黒子「へ……あ……今、なんと…?」

美琴「だから……私ね? とうとうアイツに言ったの。『好き』って……///」

黒子「………」




何度聞いても、現実は変わらなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:48:01.12 ID:iA2vDl.0<>
黒子「お…お姉様……是非続きを伺っても……」ピクピク

美琴「う…うん」(何震えてんだろ?)



―――そして、数分後




黒子「あんの猿野郎がァァァァああああああああああッッッ!!!!!」

美琴「――ひゃっ!?」ビリッ




全てを聞き終えた黒子がまず最初に発したのがこの叫び声だった……。彼女に残ったのは上条への憎しみだけだったのだが、
その感情すらも美琴が防衛本能で思わず放った電撃で意識の底へと消え去ってしまった。




黒子「bbbbbbbbbbbbbb!!!………フシュ〜…」バタッ




つまり、黒子は美琴が絶叫に驚いて咄嗟に放った電撃をもろに浴びて失神した。……ただそれだけの事である。




―――バタン!




寮監「白井ぃ……性懲りも無くまた大声を上げるとは……。御坂もぉ…寮内で能力は使用禁止だと何度言ったら……」プルプル


美琴「」

黒子「」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:51:02.39 ID:iA2vDl.0<>
寮監「フンッ!」ドスッ

黒子「―――あぎゅぼ∽Ω◆☆Δ〜〜〜!!??」

美琴「ひぃっ……」




黒子へのトドメは額に青筋をたてた寮監のハイヒールが刺してくれた。
結局、翌日の日程は寮内の罰掃除で埋まってしまったのだった………。




――――――


―――



―――上条宅




上条「あの……インデックス…………………さん?」

禁書「………」ジー

上条「………何で上条さんはぁ―――」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:53:33.85 ID:iA2vDl.0<>
「―――縛られてるんでせうか!?」




―――う〜ん……アレだ。上条さん的に今の現状を説明するとだな……。

御坂や打ち止めと別れた後、スーパーに寄って、帰って、メシ作って、インデックスの胃袋指数を何割か満たして俺もメシ食って………。
いや、そこまではいつも通りだったんだよ。
んで、メシ片付けたらインデックスが「話があるんだよ」とか言ってきたのが始まりだったんだ……――――。




禁書「とうまー、ちょっとそこに座るんだよ」

上条「んー? 何だよ、どうした? 俺今洗い物で忙s」

禁書「そんなの後でいいから早く!」

上条「そんなのって……ったく。ハイハイわかったよわかりましたよ」



仕方なく、俺は洗い物途中でリビング戻って何故か座布団にチョコン、と座っているインデックスの正面に座ったんだ……。



禁書「とうま。私の目をじっと見て!」



何だかインデックスの雰囲気が怖いので目を逸らしたら一喝されてしまった……。



上条「な、何だよ話って……?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:57:35.50 ID:iA2vDl.0<>
禁書「………とうま……正直に答えて」



と思ったら、今度はどこかしおらしい感じになって俺にこう訊いてきたんだ。



禁書「私達と離れてる間に、短髪と何があったの?」

上条「!………」



こぉいうのを蛇に睨まれた蛙…って言うのかな。インデックスの全てを見透かそうとする目に俺は動けなかった……。



禁書「とうま!」

上条「(ビクッ)な…何だよ……?」

禁書「訊いてるのは私の方なんだよ?」

上条「いや……な…何もないって――」


禁書「―――嘘だっ!!」


上条「!!?」




インデックスに………何かこう、別のキャラが乗り移ったかのような……なんとなくそんな感じがした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 19:59:45.85 ID:iA2vDl.0<>
禁書「とうま……短髪と最近妙に仲良いよね? 遊園地の時もそうだったけど……何でかな?」

上条「イ、インデックス? お前……何言ってんだよ? 御坂は友達っていうか戦友っていうか……」

禁書「どうして嘘吐くのかなぁ……?」



ホッ……もう一回「かな?」って続いてたらどうしようかと……って今はそんな場合じゃねえよな!
とにかく、今インデックスに話すのは何かマズイ気がしたんだ……。だから俺は―――



上条「嘘なんか………」



その場はひとまず誤魔化そうとした……けど―――



禁書「とうま……『また』、私に嘘吐くの?」

上条「―――!!!」



って、そうだよ……。ったく何やってんだろうな、俺は……。

ついこないだもそうやって誤魔化そうとして………そのあと後悔したばっかじゃねーか…。

また俺は、取り返しのつかない事をしそうになっていたんだ……。こんなんじゃいけねえよな……。



………よし決めた。やっぱり、正直に話そう。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:03:11.80 ID:iA2vDl.0<>
分かってもらえなくても良い。憎まれても……仕方ねぇ。そう思って俺は口を開いた。………が―――



上条「インデ―――ッ!?」




―――そこで俺の意識は途絶えたんだ。

最後に見えたのは……インデックスの見慣れた口内と白い歯だったっけ……。ハハ、どうやら出遅れちまったらしい。

覚悟を決めて正直に話そうと思った矢先に入れ違いなんて………ホント不幸だよな。


んで、その後目を覚ました俺が自分の現状に気づいて今に至ると……。

まぁそういう訳で、上条さんからは以上! あー…この後不幸な予感しかしねえ……。




――――――


―――




上条「インデックス、テメェ……。今すぐこの縄解け! っつーかお前、縛んの下手すぎ! 身体の各パーツの機動部分に
   食い込んでてすげぇ痛いんですけど!?」




一見亀甲縛りだが……よく見ると全然違う。模様が滅茶苦茶だ。おそらく、途中で適当に巻いたんだろう……。
というか、どういう縛り方をしたらこうなるのかが理解不能だった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:06:21.22 ID:iA2vDl.0<>
禁書「とうまがさっさと喋らないから悪いんだよ! 言っておくけど、ホントの事言うまでずっとそのままなんだからね!」

上条「ハァァ……」




盛大に溜息を吐く上条。これは早く喋ってしまった方が良さそうだ……。しかし、喋った後で禁書目録が許してくれるのか……。




上条(だいたい、俺をこのままにしたらお前のメシはどーすんだよ? ……やれやれ、やっぱりインデックスはインデックスだな……)

禁書「む……そこはかとなく馬鹿にした目が気に入らないかも…」

上条「……してねーよ。とにかく、これ解いてくれ。何があったのか言うからさ……」

禁書「………話が終わったら解いてあげる」

上条「……わかった」




身体を動かそうとすると痛いが、喋るだけなら問題ない。
上条は再び覚悟を決めて、禁書目録や打ち止めと離れていた間の事を話した。………と言っても、姉妹喧嘩の事は言う必要も無いので省いたが。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





美琴「――――私は、アンタが好きっっ!!!!!」

上条「……………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:10:16.18 ID:iA2vDl.0<>
いつからだろう……。


いつからこの少女は……こんな不幸な自分を好きになってくれたのだろう……。


誤魔化したり、茶化したり……そんなモノは一切許されない少女の言葉……。


驚きは、思っていた程ではなかった。


気づいて……いたから……。


いや、本当はもっと前から……無意識に気づいていたのかもしれない。


そして、今は……まだ聞きたくなかった。


意識して気づいたのが遅かったから……。


突然だったから……。


友と少女との狭間で……気持ちが揺れているから……。


いや、それ以前にこの少女への自分の気持ちが―――




――――まだ、分からないから―――――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:13:52.54 ID:iA2vDl.0<>
美琴「…………/////」




彼女が相当勇気を出したのは見れば分かる……。耳まで真っ赤にし、目は固く瞑られたまま……自分の答えを今や遅しと待っている……。




上条「………ッ……ッッ…」




言葉が―――上手く出てこない……。


待たせてはいけない……。早く何か答えなければ……その気持ちがかえって邪魔になっている。


初めての『告白』に……不幸少年は答えを必死に模索した。




上条「み……美琴…」


美琴「ッ!?///」




名前を呼ばれただけで、少女はビクッと震えてしまう……。上条はその様子を可愛らしく思った。



可愛らしい―――?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:16:15.16 ID:iA2vDl.0<>(――――そうか……)



そこでようやく……分かったのだ。



(そうか……俺も……俺も美琴が……)




強がっていても……学園都市の上位に立つ超能力者でも……中身はこんなに普通の女の子。


それでいて……強い心を持った、優しい女の子……。


すぐ怒って電撃飛ばしてくるし、自分に無茶するなって言っておきながら自分ひとりで背負い込むし……


けど、それでも……こんな不幸な自分と……笑いあってくれる。いつも素でぶつかり合える。


そして何より―――。




―――美琴と一緒にいると、心が安らぐ……。





(馬鹿野郎………俺ってヤツは、何にも気づいて無かったんじゃねえか………)


(俺は――――)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:18:20.68 ID:iA2vDl.0<>
(――――美琴の事が……こんなにも好きなんじゃねえか!!)




(なんで……今まで気づかなかったんだよ………)


(なんで……今このタイミングで気づくんだよ……)


(神ってのがいるんだとしたら……今ほど呪いたいと思った事はねえよ!)


(俺は……どうすりゃ良いんだよ……)




………長い葛藤の末、上条は―――




上条「ありがとう、美琴。……すげぇ嬉しいよ。……………けど……」

美琴「………ッ」




『けど』の言葉で美琴の表情が曇っていくのが分かったが、上条は続けた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:20:55.96 ID:iA2vDl.0<>
上条「返事は、もう少しだけ……待ってくれないか?」

美琴「え……?」

上条「いい加減な答えを出したくないんだ。…………少し、時間が欲しい。必ず返事はする―――」




美琴の開かれた目を、上条は真剣に見つめた…………。




上条「―――だから、少し……ほんの少しだけ待っててくれ!」


美琴「…………」コクリ




沈黙の後………美琴は、ゆっくりと頷いた。


これで、想いを伝える事が出来た。


まだ答えはもらっていないが……自分に出来ることはやったのだ。


今まで出来なかった事を……ついにやり遂げたのだ。



美琴は……笑った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:23:24.41 ID:iA2vDl.0<>
この少年なら……きっと真剣に考えて答えを出してくれるだろう。


たとえ結果、成就しなかったとしても―――――


―――――少女に、悔いはない。





美琴「……わかった! 待ってるから……」

上条「ありがとう……本当にゴメンな」

美琴「謝んないでよ。あ、もしダメだった場合でも、謝んないでいいからね?」

上条「あぁ……」

美琴「……あと、そんな顔もしないで。アンタはいつも通り笑ってなさいよ」

上条「あ、あぁ。……ハハハ」

美琴「フフフ…」




美琴の笑顔に連動されたのか、上条の顔にも笑顔が戻る……。今の美琴にしてやれる事はこれくらいしかないのかもしれないが、
近い内に必ず答えは出す。上条は美琴と笑いあいながら改めてそう決心した。





禁書目録の歯が上条に襲い掛かったのは、その僅か三分後の事だった―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:26:33.64 ID:iA2vDl.0<>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



上条「―――って……訳なんだ」

禁書「………」




横ヤリ一切入れる事なく、最後まで黙って上条の話を聞いていた禁書目録……。
「要するに、その場しのぎのキープ状態にしやがったなコイツ!!」と、青髪や土御門がこの場に居たら間違いなくそう言うだろうが、
禁書目録の場合は違った。




禁書「とうまは、短髪の事が好きなんだよね?」

上条「あぁ」




禁書目録の質問に、躊躇いなく答える上条だが……禁書目録は更に当然の疑問をぶつけてきた。




禁書「じゃあ……どうしてとうまは、短髪の告白にすぐ『オッケー』しなかったのかな?」

上条「…それは………」




いくら嘘は吐けないと言っても、これは絶対に言うべきではないだろう……。上条は別の理由で答える事にした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:29:33.33 ID:iA2vDl.0<>
上条「……少し、俺自身でも考えたいからだよ。即オッケーなんて軽々しく答えられるか」

禁書「…そっか……そう……だよね…」

上条「アイツは……真剣に告白してくれたんだ。俺も……すぐにパッと浮かんだ答えなんかじゃなくて、もっと真剣に考えてから
   答えを出さないと……アイツに失礼だろ」




どちらかと言えばこれは嘘じゃなく、『更なる事実を隠した』と言う方が正しいか……。上条の今言った事も嘘などでは無いのだから。




上条(あとは……一方通行との問題だ。アイツが美琴の事が好きな以上、すぐに美琴の気持ちに答える訳にはいかねぇ……。
   明日……来るよな?……っていうか、来てくれるよな……?)




心配になった上条は一方通行に連絡してみようと携帯電話を取ろうとするが――――




上条「だぁぁ!?」




―――そうだ、すっかり忘れていた。彼は今、『禁書目録オリジナル縛り』で手足を封じられて身動きが取れないのだった……。




上条「ホ、ホラ! インデックス! もう良いだろ!? 早くこの縄解いてくれよ! 手足の節々に縄が食い込んで痛みが……」

禁書「……あ! ゴ、ゴメンねとうま! すぐ解くから!」




何やらブツブツ呟いていた禁書目録だが、上条の声でハッと正気に戻って上条に駆け寄る。
そのまま縄を解こうと手をかけた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:31:18.17 ID:iA2vDl.0<>
上条(ホッ……何とか分かってくれたみたいだ……やっと自由になれる……)




―――しかし、いっこうにその時は訪れなかった……。




禁書「あれ…? コレ……どうやって………う〜ん、こうじゃないかも……あれ?」

上条「イ……インデックスさぁん………」




そのまま何の進展も無いまま三十分が経過した―――。




禁書「あぁもう! わかんないんだよ! 一体どうなってるの!?」

上条「知るか!! 俺が訊きてぇよ!! ってか縛ったのテメェだろ!?」

禁書「全然解けないんだよぉぉ……」

上条「おいおい……頼みますよインデックスさぁぁん……あぁ、さっきから進んでないどころか余計複雑になってる気が……」

禁書「おっかしいなぁ……私が一度縛った縄なんだから、解けるハズなんだけど……」

上条「お前……縛り方は覚えてても、解き方は覚えてねえとか抜かす気じゃねえだろぉな!……ッ」

禁書「あ! それそれ! 多分それで正解なんだよ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:32:34.63 ID:iA2vDl.0<>
上条「正解なんだよ♪ じゃねぇぇえええええ!!! どーすんだよ!? なんとかしろよ!! 一晩中このままなんて冗談
   じゃねえぞ!! 風呂場で寝るより十倍キツイわーー!!!」


禁書「う〜ん………あ、そうだ♪」トテテテ




何故か台所へ向かう禁書目録。




上条「ハッ! 不幸センサーが………」


禁書「これで切ればいいんだよ♪」




やがてすぐに戻ってきた禁書目録は手に包丁を持っていた。不幸センサーは本日も何の支障も無く正常に働いているようだが、上条にとって
それは何の安心にも繋がらない。




上条「ば、馬鹿な真似やめろインデックス!! 今すぐソレ(包丁)を戻してこい!!」




禁書目録の包丁捌きスキルを充分に熟知している上条からは冷や汗が止まらなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:34:36.83 ID:iA2vDl.0<>
禁書「むぅぅ……とうま、私を馬鹿にしてるね? 大丈夫なんだよ。ここは私にドーンと任せなさい!」




起伏に乏しい胸を張り、上条に包丁を向ける。向けられた刃先がキラーン、と怪しく光った。




上条「任せられるか!! ていうか、ハサミで良いだろ!? って今ハサミ家になかったっけ!? あぁもう!!」




首を振りながら逃げようと身をよじるも、所詮無駄な抵抗だ。むしろ余計に身体を痛めただけに終わった……。
結局、あっさりと禁書目録に捕まって馬乗りにされたから、いよいよ逃げ場は無い。




禁書「とうま、大人しくしててね! いい? 動いたら危ないんだよ!」チャキーン


上条「」





それから一分後、とある学生寮全域に「あぎゃぁぁぁあああああああ!!!!! 不幸だぁぁぁぁああああああああ!!!!!」
という絶叫が響くのだが、特に反応を示す者は誰もいなかった―――――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/01(日) 20:38:59.15 ID:iA2vDl.0<>ちょっと長くなりましたが、今日は以上です。
続きは明後日に投下します。
お付き合い頂きいつも感謝です。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 20:41:28.44 ID:SfUmJgQo<>乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 22:12:25.02 ID:cIdxbwDO<>乙である。
ていとくんに何があったか気になるのである。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/02(月) 01:01:57.68 ID:yc8dVjQ0<>>>735確かに気になンなァ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 01:08:33.16 ID:dla6o4.0<>乙
告白でいよいよ動いてきたなぁ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 19:19:34.74 ID:R5r2pAk0<>今日か…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/03(火) 20:33:44.37 ID:Kzbizno0<>こねェ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 20:37:14.29 ID:k6IN7sE0<>ども、お待たせしてサーセンっす。
一応この話の終わりもようやく自分の中でまとまってきました。
あとは完結に向けて突っ走るだけっす。
では、続きの投下に入ります。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 20:39:02.06 ID:k6IN7sE0<>
――――――


―――



黄泉川家・一方通行自室




一方通行「―――ちっ、三下の野郎何してやがンだ? 何故電話に出ねェ……」




携帯電話を耳に当てながら苛ついた調子で呟く一方通行。かれこれ七回目のコールをかけているのだが、上条がそれに応じる事はなかった。




一方通行「……もォ寝ちまったのか………まァ良っかァ。明日家に押しかけりゃあイイしな」




さほど電話の必要もない、と判断した一方通行は携帯電話を枕元に放り投げる。その数分後、風呂上りの垣根がスウェット姿で部屋に戻って
きた。




垣根「……お先」

一方通行「あァ」




一方通行は垣根とそれだけの言葉を交わした後、自らも浴室へと向かった―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 20:41:17.29 ID:k6IN7sE0<>

一方通行入浴中――――――




一方通行「―――ふゥ………」




風呂から上がった一方通行はいつもの寝巻き姿でリビングへ来た。風呂上りと言えば乳飲料が鉄板なのだが、彼の場合は無糖のコーヒー
なのだ。冷蔵庫から一本取り出し、グイッと飲む。リビングでテレビを見ていた黄泉川や芳川がそんな彼に話しかけてきた。




黄泉川「お、上がったか。お前メシはどうする?」

一方通行「もォ食ってきたから今日はいらねェ」

芳川「デートは楽しかった?」

一方通行「そンなンじゃねェよ。オマエは俺の母親か?」

芳川「失礼ね。まだそんな年じゃないつもりだけど?」

一方通行「あァそォですかァ。っつーか、母親でもそこまでウザくねェぞ…」

芳川「あらら、遠まわしにウザイって言われたわ……」

一方通行「どこが遠まわしなンだよ……」

黄泉川「もうすぐ冬休みも終わって、まーたこれから忙しくなるじゃんよ。一方通行、垣根のことは任せたぞ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 20:43:25.15 ID:k6IN7sE0<>
一方通行「はァ? 何だその『任せる』ってのは?」

黄泉川「一緒に学校行ってやんな。どうせ同じ学校なんだろ?」

一方通行「……あのな…俺もアイツもガキじゃねェンだよ」




そう吐いて飲み終わったコーヒーをゴミ箱に入れた後、自室へ戻ろうとする一方通行。




芳川「あら、もう寝るの?」

一方通行「あァ、今日はちィと疲れたからなァ」

黄泉川「うぃ、おやすみ〜」

一方通行「おォ」




―――バタン




一方通行「―――よォ、戻った……って、また『ソレ』かよ」




垣根はさっきと全く同じ状態で部屋の隅にいた。目は放心モードに入っている。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 20:45:28.77 ID:k6IN7sE0<>
一方通行「オイ、寝るンならベッド行けよ。今日オマエだろ?」




この二人は一日置きにベッドで寝るという意外としっかりしたルールを作っていた。今日は垣根がベッドを使う日なのだが……。




垣根「いや、いい……おまえがべっどでいいよ……」




口だけを動かしてそう返してきた。まるで喋る人形だ。




一方通行「あァーそォかい。ならソッチの方がありがてェわ」




若干挑発というか、煽りを込めて言ってやったのだが……垣根は「おぉ」とだけ返して後は無反応だった。




一方通行「……………」

垣根「……………」

一方通行「……………なァ」

垣根「………ん…?」

一方通行「………アレから何があったンだ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 20:50:12.09 ID:k6IN7sE0<>
垣根「………訊くの、遅くね?」

一方通行「だいたい想像つくから訊かねェつもりだったけどなァ……」

垣根「なら、分かんだろ……お前の想像で多分合ってるよ」

一方通行「………聞いててやっから話してみろよ」

垣根「うっわー、珍しい。明日は大雪だなこりゃ。……どういう風の吹き回しだよ?」

一方通行「るっせェな。自縛霊の住みついた部屋でグースカ寝てられるほど俺は能天気じゃねェンだよ」

垣根「……………」

一方通行「……まァ、話したくねェってンなら、無理にとは言わねェがなァ」

垣根「…………聞いて、くれんのか……?」

一方通行「……別に聞いてどォにかできるって訳でもねェが、それでも喋れば少しは楽になンじゃねェのか?……
     途中で冷やかし入れたりしねェから、喋るンならさっさと喋っちまえよ」

垣根「…悪いな………じゃ、頼むわ」

一方通行「おォ」


垣根「………あの後よぉ、――――――」



――――――


―――
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:00:24.36 ID:k6IN7sE0<>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




初春「―――そう言えばカッキーさん……」

垣根「ん? どうした?」




一方通行達と別れてしばらく二人の時間を楽しんだ後、帰り道で初春飾利は隣りを歩く垣根を見上げた。




初春「佐天さんの彼氏………第一位の超能力者さんですよね?」

垣根「なぁ!?」

初春「!――やっぱりそうなんですか!?」

垣根「あ………」




誤魔化す隙はもう無かった……。




初春「特徴や通り名でまさかなぁ、とは思ってたんですけど……」

垣根(………そう言や思いっきり『一方通行』って呼んでたわ……うげぇ失敗したぁ…)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:03:29.82 ID:k6IN7sE0<>
初春「カッキーさん、すごい人とお友達なんですね〜! 学園都市の頂点に立つ能力者ですよ!?」

垣根「ま、まぁな……」

初春「佐天さんも、そんなすごい事黙ってるなんて……ひどいなぁ…」

垣根「…………俺みてぇな無能力者が何で第一位と仲良いのかは訊かねえの?」

初春「へ?」

垣根(――うわ! アホか俺!? 何いらん事訊いてんだよ!)




気になった事がつい口から出てしまった。
初春はキョトンとしたが、すぐに答える。




初春「別に仲良くなる事にレベルとか関係ないじゃないですか〜」

垣根「へ………?」

初春「人同士が友達になるのに、理由とか必要ないと思います」

垣根(あ……そう言えばこの子、御坂(第三位)の友達だった……)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:06:21.47 ID:k6IN7sE0<>
初春の言いたい事が理解できた垣根は、一方通行関連で自分の素性がバレたのではないかと冷やした肝を戻す。

そのまま他愛の無い話をしながら夕暮れの並木道を歩く二人……。別れ(懺悔)の時は刻一刻と近づいていた。




初春「カッキーさん……」




初春が立ち止まる。遂にその時は来てしまったようだ。




初春「………私の家、ここです……」




初春の家の前まで送るのを申し出た垣根。その理由には時間稼ぎも含まれていた……。




初春「約束……」




初春は……それ以上何も言わずに垣根を見つめた。




二人の距離は僅か数メートル。垣根は道の中央に、初春は寮の入り口付近に佇んでいる……。




垣根(わかってた……この時が来るってこたぁ、初めからわかってた事じゃねぇか)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:08:36.24 ID:k6IN7sE0<>
(何を、恐れてる?)


(この子に恐怖の篭もった目で見られたくないから?)


(もう自分に対する無邪気な顔が見られないから?)




―――――は、ふざけんな……。




俺は……それだけの事をしちまったんじゃねえか……。


同じ陽の下で生きる事すら許されねぇ程に泥を踏んで…今まで生きてきたんだろぉが……。


そうだよ……


俺には……


この少女を、闇に引きずり込むなんて出来ねぇ。


俺と一緒にいたら、この少女まで汚い世界に触れちまう危険がある。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:13:35.08 ID:k6IN7sE0<>
―――そんな事は許さねぇ!


ここは……ガッカリされてもスッパリ正体明かして、俺から遠ざけた方が……この子の為なんだ――――!






(―――なのに……手が動かないのは何故だ……?)


(この俺が……『学園都市第二位の垣根帝督』ともあろう者が……未練なんか感じてるってのか…?)


(おいおい、そんな資格なんざねぇだろぉがよ……)


(帽子と……マスク外すだけじゃねぇか……ガキでも出来るぞ)


(早く……しろよ)


(………何…迷ってんだよ!!! 『垣根帝督』!!!!!)




初春「………カッキーさん…」


垣根「……ゴメン………ちょっと……待ってくれ……」




――――クソォ………情けねぇ……今ほど自分が嫌になったことはねぇわ……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:15:43.79 ID:k6IN7sE0<>
垣根「ちょっとだけ……」




―――女々しく心の準備かよ……ガラにもねぇ……




垣根「緊張してんだよ………心が落ち着いたら取るから…」




―――結局、俺もただの人間だったってか……これじゃただの『意気地なし』じゃねぇか……




初春「少し、歩きませんか…?」




踏ん切りがつかない垣根の様子を察したのか……初春は優しく笑ってそう言った。




垣根「………あぁ」




歩き出した二人は、気づいていなかった………。後を尾けられていることに――――。




―――――


―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:18:29.23 ID:k6IN7sE0<>
初春寮付近の公園―――




初春「うわぁ〜……星が綺麗ですね」




公園内を歩く二人……空を見上げた初春は無垢な顔で白い息を吐いた。




初春「まだ六時にもなってないのに、もうこんな真っ暗ですよ? 冬は陽が落ちるのって早いですよね〜」

垣根「あぁ……そうだな」




ふと、釣られるように星を見上げる垣根……。外灯の光と、無数の星が綺麗に輝いていた。




垣根「…………」


初春「あ、私このブランコで昔落ちて怪我したんですよ。いつだったかなぁ〜…」


垣根「………」フッ


―――眩しい。


暗部で生きてきた垣根にとっては、『光の世界』で生きる初春飾利という少女が何よりも眩しかった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:20:37.16 ID:k6IN7sE0<>
初春「カッキーさんは小さい頃の思い出って何かあります?」

垣根「そうだなぁ……」




言葉を交わせば交わすほど……未練は強くなっていくだけだと言うのに……。




(いや……もう手遅れかもな……)




それでも、二人の話は尽きなかった――――。




初春「カッキーさん……『約束』は、また今度でいいですよ」

垣根「え……?」

初春「カッキーさんがどんな顔してるのか……どんな人なのか知りたいですけど、もうどうでも良くなっちゃいました」

垣根「…………」

初春「どんな顔してても、カッキーさんはカッキーさんですから」ニコッ


垣根「……………」




初春の笑顔に……垣根は何も言えなかった。この少女は今日一日一緒にいただけだというのに、すっかり自分を信じている……。

かつて命を奪おうとした男だとも……知らないで……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:25:54.55 ID:k6IN7sE0<>
垣根「……………」



この純粋な少女の抱く幻想を……俺はこの手でブチ壊さなければならないのか……?


残酷だ……。あまりにも………。




(やっぱ………できねえよ………)





初春「―――じゃあ、私……そろそろ帰りますね」

垣根「……送ってくよ…」

初春「大丈夫ですよ。すぐそこですから走って帰ります」

垣根「………そう…か…」

初春「じゃ、また後で連絡しますね―――」

垣根「あ……」




垣根の返事も待たず、少女は駆け出した。おそらく、これ以上垣根を悩ませたくなかったのだろう……。優しい子だ。
胸が痛いほどに―――。




垣根(………俺、本当に最低だな…)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:30:53.83 ID:k6IN7sE0<>
遠ざかる初春の背中を見つめる事しかできなかった……。


そして、初春が公園を出ようとしたその時―――――!!!




垣根「――――!!!??」




垣根の自己嫌悪はそこで強制ストップした。目の前で何が起きたのかが一瞬分からなかった。


外で待ち伏せていた数人の男が……初春を連れ去ろうとしたのだ。




垣根「――ッッッ!!!」ダッ




すぐに駆け出す垣根。しかし、男達の行動は早く、初春の口を押さえた大柄の男が彼女を抱えて走り出した。
それに並ぶように、他の男達も走り去る。




垣根「―――ッ……!!」




垣根が公園を出た頃には、男達の姿はもうなかった……。初春の姿も―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:33:49.33 ID:k6IN7sE0<>
垣根「―――ちくしょうっっ!!!」ダッ




再び勢い良く走り出し、必死に周囲を散策する。




(―――クソったれがぁあ!!! なんで!? なんでこんな!!)


(なんであの子が狙われんだよ!?)


(俺と一緒にいたからか!? ………けどなんで……?)


(チィッ!………とにかく落ち着け。……車が走った気配はなかった。つまりヤツらはそんな遠くには行ってねえハズ……)


(かすかに見た限りじゃ、アイツらは多分スキルアウト………ソイツらが女の子を抱えて走ってたら嫌でも人目に付く……)


(こんな時、連れ込むのは人目に付かない場所が相場だ。つまり、この付近でスキルアウトでも溜まってそうな場所……)




垣根は走りながら混乱した頭を精一杯落ち着かせて初春が連れて行かれた場所を推測した―――。

と、その時―――。




垣根「――ん? アイツら……」




―――――


―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/03(火) 21:39:44.37 ID:k6IN7sE0<>半端ですいませんが今日はここまでです。
続きは明日に投下します。こっからどうなるか……もう予想ついちゃいますねww
目を通してくれる方や支援くれる方に、心から感謝します。
では、また明日。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 22:23:12.13 ID:k.I7IoAO<>乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 22:27:34.25 ID:R5r2pAk0<>乙!応援してます!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 01:56:33.41 ID:KZYjIcDO<>乙である。
つ、続きが気になるのである。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 19:34:31.56 ID:fH34UK60<>どうもこんばんは。
では、続き投下に入ります。アックアさんお待たせっすw<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 19:36:50.62 ID:fH34UK60<>

初春飾利は路灯に照らされた裏路地の行き止まりに連れ込まれていた。
彼女の両腕は手錠で柱に繋がれている。その周りを数人の男が腰を下ろしてタムロしていた。
男達が吸う煙草の紫煙が光によって照らされる。




初春「あなた達……こんな事してただで済むと思ってるんですか? 私は風紀委員ですよ? いったい目的はなんですか?」




繋がれた状態で足が震えているにも関わらず、初春は強気に質問する。男の一人がこう答えた。


「俺らは仲間に頼まれただけだよ」と……。


「え?」と初春が疑問を抱くと同時に、通路の方から更に三人の男が姿を現した……。




初春「あ……!」


「よう、嬢ちゃん。俺らのこと覚えてるかい?」




現れたのは、一週間ほど前に初春を暴行しようとしたあの三人組だった……。初春はその顔を見た途端に戦慄する。




初春「あ……あなた…たち……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 19:41:58.90 ID:fH34UK60<>
男1「へへへ……悪いな。見かけてから後を尾けさせてもらったぜ。あん時はとんだ邪魔が入ったからよ」

男2「一緒にいたダセェ男は彼氏かい? アイツ、この前邪魔したヤツと背格好が似てたからなぁ。今回は一応仲間に協力
   してもらったのよ」

男3「ソイツさっきこの辺を必死こいて走りまわってたぜ。それとなーく姿見せてやったからもうじきここに来るんじゃねぇか?」

男1「ま、来たとしてもこの人数じゃあフクロにされんのは目に見えてっけどなぁ! ぎゃははは!」




「違ぇねえや!」「ははは!」と、仲間達も一緒に笑い出す。



男1「―――さて、じゃああん時の続きといくかぁ。痛いかもしれねぇが、優しく可愛がってやるよ。へへへ…」



じりじりと、不気味に笑う男達が初春に迫った。



初春「…………ッッ」




初春の目に、うっすらと涙が浮かんだ。………その直後―――




「テメェ等……その子を離せよ」




―――怒りが込められた声が……路上に響いた……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 19:46:11.27 ID:fH34UK60<>
―――声と同時に闇から姿を見せた垣根が、ゆっくりとコッチに向かって歩いてくる。




初春「カッキーさん!! 来ちゃダメです!!」




初春は叫ぶが、垣根は止まらなかった……マスクと帽子から見える垣根の目は、怒りに満ちている。
男達は足を止めて垣根を見ると、呆れたように笑った。




男3「へっ……本当に来やがったぜ。馬鹿が」

男1「忘れねぇぜ、その目はよぉ……やっぱこないだ邪魔してくれた野郎だなテメェ」

男2「あん時はよくもやってくれたなコラ」




口々に粗野な言葉を飛ばしてくる男達だが、垣根は全く表情を変えずに、もう一度警告する。




垣根「その子を、離せ。今なら愉快な死体にならずに済むぜ……」


男1「ぎゃははは! オメェ馬鹿か!? 一人でこの人数相手にしようってか? 何の能力者か知らねえが、コッチにはレベル4の
  『風力使い(エアロシューター)』もいるんだぜ! 今度はテメェがミンチになる番なんだよボケがぁ!」




『風力使い』らしき男は、男1の後ろでニヤリと笑った……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 19:50:04.60 ID:fH34UK60<>垣根は、表情とは裏腹に冷静だった……。冷静に、脳内で思考した。




(チッ、合計八人か……能力無しで何とかなるか……?)


(いや、レベル4がいるんじゃ正直キツイ………)


(ここはいったん退いて助けを呼ぶか………)


(って馬鹿かよ!? そんな事してる間に彼女がどうなっちまうかなんて分かりきってんじゃねえか!)


(しかし……他に方法が……クソ……やっぱり『未元物質』使うしかねえのかよ……)


(彼女の……目の前で…………)グッ




………拳が震える。初春を助けるためには、やはり能力を使うしかなさそうだ。そしてそれが何を意味するのか…………。


垣根の心に、再び迷いが生まれた……が。




初春「逃げてくださいっ!! 私なら、大丈夫ですからっ!!」




初春の、力を籠めた叫びが垣根の脳に響いた―――。




「―――!!!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 19:54:43.98 ID:fH34UK60<>
初春は、自分よりも垣根の身を案じていた……。

『あの時』もそうだった……。

あの時も………自分より、打ち止めの方を彼女は優先していた。

初春は、そういう人間だ……。風紀委員として、人として、強い心を持った人間なのだ。


(……………)


(………この子は、こんな状況でも俺を心配している…)


(それに比べて、何なんだよ俺は……)


(こんな状況でも、テメェの事しか考えてねぇなんて……)




男1「ハッ、逃がすと思ってんのかよ? バーカ!」



男達は、垣根の逃げ道を塞ぐように周囲を取り囲んだ。これでもう、逃げは封じられた。



初春「…………ッッ……!!」



初春の顔が絶望に変わっていく……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 19:59:46.49 ID:fH34UK60<>しかし、垣根の選択肢に『逃げ』は存在しなかった。
一瞬閉じた目を、カッ!と力強く開く。





(……ムカつく)


(自分がこんなにムカついたのなんざ初めてだ……)


(何を迷ってたんだよ―――)


(最初っから、何も迷う必要なんて無かったんじゃねえか―――)


(……なぁに、簡単な事だったんだ―――)



垣根の手が動く……。



(俺の素顔がバレて、彼女から怯えた目で見られるか―――)



両手を……顔へと近づける。右手がマスクを、左手が帽子を掴む。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:01:37.36 ID:fH34UK60<>
(このままヤツ等が彼女に新たな傷を負わせちまうか―――)



そのまま、自らの顔を隠していたニット帽子とマスクを………



(そのどっちかを天秤にかけるなんてよぉ―――)



振り払うように―――――



(オカシイにも程があんだろうが馬鹿野郎!!!!!!!)パッ



―――――とった………。



初春「――ッッ!!!??」



初春の……目の前で………。



垣根「…………」



外されたマスクと帽子が、地面に落ちる。


素顔を晒した垣根の目から―――


―――迷いは完全に消えていた………。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:05:25.92 ID:fH34UK60<>
初春「あ………え…………?」




路灯に照らされた垣根の『素顔』を見たまま、初春は固まった……。言葉が出せていなかった……。

その初春に、垣根はチラッと目を向けると……男達を鋭い眼光で威圧した。




垣根「その子に傷の一つでも負わせてみろよ……」




「―――テメェ等全員、肉片すら残らねえ様にしてやるからな」




重く……低く……それでいて良く響いた声だった。


学園都市第二位、最強に次ぐ超能力者……垣根帝督の姿がそこにあった―――。


男達は、垣根が発する凄まじい気迫に抗うかのように………いっせいに襲い掛かった―――。


全員、自分へと向かってくる―――。『好都合』だった。




垣根「――フッ」ニヤ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:08:13.62 ID:fH34UK60<>
垣根の口端が怪しく上がると同時に、白い翼(未元物質)が背中から生えた。




垣根「来いよ、クズども―――」




「―――愉快なショータイムだ。ハハハッ」




―――――


―――



垣根の言葉を聞いてから……何分、いや……何十秒の間だっただろうか。


初春の視界に映るのは、倒れ伏したまま動かない男達……。そこに立っている人間は、誰もいなかった―――。


―――ただ、一人を除いては……。




初春「………うう……」




目の前の光景が信じられないような顔の初春。目は見開き、足の力が完全に抜けたように座り込んでいた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:12:55.11 ID:fH34UK60<>
垣根「……………」




動かない男達の中心で、翼の生えた背中を初春に向けたまま立ち尽くしていた垣根が……ゆっくりと彼女へ振り向いた。

垣根は、無表情で初春に近づく。
初春を見下ろす位置まで来た垣根は、まず声をかけた。




垣根「大丈夫か? 飾利……」


初春「あ……あぁ……」




返ってきたのは、声にならない声だった……。


―――『怯え』『恐怖』『絶望』


その全てが含まれた初春の表情……。それを見た垣根は、諦めたかのように薄く笑った。
ゆっくりと、翼を彼女に向けた。その行為で初春の表情が更に恐怖で染まっていくのが……垣根にも良く分かった。




(そう………それで、正解だよ……)

(君みたいな光の世界で生きる住人が―――)

(―――闇に汚れちまった俺なんかと……一緒にいたらいけないんだ………)




―――スパッ…と音を立てた翼の先が、初春の心を揺さぶった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:14:44.98 ID:fH34UK60<>
初春「―――ッ!?」




垣根の翼が切ったのは、柱と手を繋いでいた『手錠』だった。




初春「…………あ…」


垣根「ゴメンな………」




自由になった両手を見つめる初春に垣根はそれだけ言うと、逃げるようにその場から立ち去った―――。


悲しい目を、一瞬だけ彼女に向けて………。



初春は、去っていく垣根の後ろ姿を呆然と見送る事しか出来なかった……。



―――――


―――




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




一方通行「…………」

垣根「―――で、後はよく覚えてねえ内に……ここまで帰ってきてたんだ……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:16:31.72 ID:fH34UK60<>
垣根の話を一方通行は無表情のまま黙って聞いていた。




垣根「まぁ……やっぱお前の言う通りだったって訳だ。こうなるんなら初めっから名乗ってりゃ良かったよな。………そうすりゃ、
   アイツの傷も少しは広がらずに済んだかもしれねえのに……」


一方通行「…………」


垣根「俺がグズグズしてたせいで、余計な思い出を作らせちまった………ホント最低だわ」


一方通行「…………」


垣根「……けど、自業自得ってヤツだな。昔の事とは言えアイツを殺そうとしたのは事実だし、そんな危ねえヤツだなんて知ってたら
   普通は会いになんて行かないだろ……」


一方通行「…………」


垣根「結局、アイツを騙して弄んだあげくに絶望の底へ突き落としちまったって訳だ。ハハハハ、最っ低すぎてもう笑えてくるわ。
   ホラ、お前も笑って良いんだぜ? 遠慮すんなよ」


一方通行「…………」


垣根「つまんねえ話聞かせちまって悪かったな……。こんな時、ルームメイトがいるってのも案外悪くねえモンだわ。お前意外と聞き手
   の才能あんじゃねえか?」


一方通行「…………」


垣根「………オイ、もう黙らなくて良いから……早く笑うなり呆れるなりしろよ。怒ったりしねえからさ」



一方通行「…………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:18:27.63 ID:fH34UK60<>
垣根「………さっきから何なんだよそのツラは? 感情読まれない様に気でも遣ってるつもりかコラ?」


一方通行「…………」




一方通行は、無表情で垣根を見ているだけだった。口が開かれる気配はまだ感じられない。
そんな彼の様子に、垣根は苛立ちを治えられなかった……。




垣根「なんで何も言わねぇんだよ? 同情してるとか言う気じゃねえだろぉな……フザけんなよ。それなら笑って聞いててくれた方がまだ
   マシだぜ。なぁ、頼むから何か言えよ。同情とか以外なら何だって構わねえよ。言いたい事あんなら言えって。何かしらあるだろ?
   『腹痛くて笑いが止まンねェww』とか『馬っ鹿じゃねェのか』とか………もぉ何でも良いから何とか言えよぉぉッッ!!!」――バンッ!!




しんみりした空気を嫌うかのような声を上げて床を叩く垣根に……やっと一方通行は口を開いた。




一方通行「……オマエは何て言って欲しいンだよ?」

垣根「………知らねぇよそんなの……だから何でも良いって言ってんだろ? お前の好きな感想言や良いんだよ……」

一方通行「だったら言ってやるよ。感想は『特にナシ』だ」

垣根「ハ、何だよ……呆れてモノも言えねぇってか…?」

一方通行「そォじゃねェよ。最初に言っただろォが。『聞いたからどォにか出来るモンでもねェ』って。オマエは俺にリアクション
     を求めて、そっからどォしてェンだ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:21:18.40 ID:fH34UK60<>
垣根「……別に、そこまで考えてねえよ。………強いて言うなら気紛れかな……」

一方通行「つまり、現実逃避してェって事だよな? 生憎だがなァ、そンなのに付き合う気なンざサラサラねェよ。俺は『オマエが
     楽になるンなら話くれェは聞いてやる』とは言ったが、『オマエの現実逃避に付き合ってやる』って言った覚えはねェぞ?」

垣根「………らしくねぇ事言ってんじゃねえよ。いつもみてぇに笑い飛ばしゃ良いじゃねえか」

一方通行「今の話の何処に笑う要素があったのか是非聞きてェモンだなァ。ハッキリ言って全然笑えねェよ」

垣根「……呆れたり、しねえのかよ……?」

一方通行「オマエに呆れてンのは今に始まった事じゃねェしなァ。別に今の話でオマエに呆れたなンて事ァねェから安心しろよ」

垣根「何だよそりゃ……ホントにただ聞くだけってヤツかぁ?」

一方通行「そォ言っただろォ。ンで、どォだ? 大声まで張り上げたからには、ちったァ楽になったンだろォなァ?」

垣根「なる訳ねえよ! 普通、話に何かコメントとかつけるモンじゃねえの?」

一方通行「俺からコメントもらってどォすンだよ? その通りにでもすンのか?」

垣根「そ……そぉは言ってねぇ。……けどよ……」

一方通行「………もォ話は終わりか? なら、とっとと寝ろ」

垣根「テ、テメェ!! こっちは真剣に―――!!」


一方通行「―――俺が何言ったところで、過ぎた時間が巻き戻る訳じゃねェだろォが!!」


垣根「―――ッ!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:23:29.62 ID:fH34UK60<>
一方通行「こォなるってのは分かってたンだろ!? だったらそれで良いじゃねェか!! オマエがその女をクズどもから無事に救えた
     ってンなら、それ以上何を望むンだよ!? その女が無事に助かった事以上の結果があるってのか!? あげくにオマエは俺
     にまで一体何を求めてンだ!? 俺に慰めて欲しかったとか傷舐めて欲しかったとでも言うつもりかよ!?」


垣根「………………」


一方通行「あァ、そォだな! 確かに名乗ンのはちィっとばかし遅かったかもしンねェよ! けどなァ、オマエはそれと引き換えに大事な
     モンを守れたンだ! 何でソイツを誇れねェ!? 何でそこで満足できねェンだ!?」


垣根「そ、それは………」


一方通行「まだ未練引きずってるからかァ? そこまでふさぎ込むぐれェならずっと誤魔化し続けりゃ良かったじゃねェか! 意地でも隠し
     通してりゃあ良かったンじゃねェのかァ!? 全部覚悟の上で正体明かしたンだろォ? だったらいつまでもウジウジしてンじゃ
     ねェよ! ナニか? テメェで決めた道を三歩も進ンでねェ内に、『やっぱやめときゃ良かった』って後悔かァ? 俺はそォいう
     甘ったれたヤツ見てっと虫唾が走ンだよ!」


垣根「………わかってんだよ。……覚悟してたさ……それでも、感傷に浸るくらい良いだろ……」

一方通行「なら一人で浸れよ。俺は付き合う気はねェ。他人の傷ペロペロ舐めンのなンざ御免だからなァ」

垣根「…………覚悟、決めたんだよ。もう二度とアイツとは逢えないって覚悟したよ……」

一方通行「…………」

垣根「アイツは、『表』の人間だ。足洗ったとは言え、暗部の世界で生きてきた俺等とは住む世界が違うって事も……わかってる」

一方通行「…………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:27:00.17 ID:fH34UK60<>
垣根「だから、俺は……アイツといちゃいけない。今日、一緒にいてそれが良くわかった。アイツの無邪気な顔に……正直言って惹かれてた。
   俺には、アイツが眩しすぎるんだよ……俺の闇を照らす太陽に見えるくらいにな………」

一方通行「テメェが虫けらみてェに殺そうとした女に、すっかり毒気抜かれちまったってかァ?」

垣根「……否定はしねえよ。なんせ、別れの寸前ですら言えなかったんだからなぁ……太陽が消えて、夜になっちまうのを恐れてたんだ」

一方通行「ケッ……」

垣根「実際、恐怖に満ちた目で見られた時……すげぇ悲しくなっちまった。覚悟が甘かったとかじゃねぇ。それ以上に飾利の存在がデカく
   なってたんだ……まともに話してから丸一日も経ってないってのに……ホント不思議な子なんだよな…」

一方通行「…………」

垣根「できるんなら………もう一度逢いてぇ。あの無邪気なツラをもう一度見てぇよ……けど、それはもう叶わねえんだ」

一方通行「……オマエがそォ決めたンなら、それで正解なンだろォよ」

垣根「…………」

一方通行「オマエ以上に汚ェクソ踏ンできた俺が、これ以上どォこォ言える立場じゃねェけどなァ……」

垣根「……悪かった。もう寝るわ」




―――のそのそと、布団に横になった垣根に………一方通行は唐突に言う。




一方通行「オイ、オマエ何処で寝てンだ?」

垣根「は……?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:28:24.65 ID:fH34UK60<>
一方通行「は? じゃねェよ。さっさとどけっつってンだ。俺が寝られねェだろォが」

垣根「いや……」

一方通行「そこで寝られるとすっげェ邪魔なンですけどォ。っつー訳でオラ、早くどけよ」

垣根「……気にしなくて良いから、お前がベッドで寝ろよ」

一方通行「はァ? なァに勘違いしてンだこのボケは? 今日のベッドは何か知ンねェが、寝心地悪いンだよ。床で寝たい気分な
     だけなンだっつの」

垣根「…………悪い…」




垣根は起き上がり、ベッドで横になる。どちらの寝心地が良いのかなんて言うまでもなかった……。




一方通行「ンじゃ、電気消すぞォ」




パチッと明かりが消えて、一方通行が布団に潜り込む音がした。………それからしばらくした後、安らかな寝息だけが聞こえてきた。




垣根「………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:30:28.63 ID:fH34UK60<>
柔らかく沈むような……全てを癒す程の寝心地に、垣根の目もまどろんできた。意識を手放す前に垣根は―――



「ありがと…よ」



―――とだけ口に出した。




一方通行「……Zzz」




返事の代わりに返ってきたのは、寝息だけだった―――。



長い夜が……更けていった―――。



―――――


―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/04(水) 20:36:26.06 ID:fH34UK60<>今日は以上です。
一応今回の投下で『告白編』は終わりです。
後は告白の結果と、まとめが終わったらこの長い話もようやく終わりってトコです。
次スレは確実に入っちゃいますが……。そのスレの最初にでも各編まとめますんで。
次回は明後日に投下します。
お付き合い頂きありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/04(水) 20:51:14.83 ID:D/BihCk0<>乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 21:06:02.49 ID:vdwTDg60<>乙
一方さん甘くはないけど優しいな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 21:29:16.91 ID:s6i.k8wo<>この二人…まぶだちだ…















俺もほしかったです<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 21:53:26.96 ID:OytPqSg0<>カッキーの切ない恋か<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 22:06:11.33 ID:AvVdpAQ0<>御疲れ様でした!
二人とも本当にこう…>>783の言う通りマブダチだ…







俺だって欲しかったよチクショウ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 22:08:23.69 ID:l4BU8PEo<>なんでもう手に入らないみたいに言うんだよ!
今からだってま

上条さん的に書こうと思ったけどやっぱめんどいからやめるわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 22:08:55.20 ID:vdwTDg60<>いつのまにか第一位と第二位の友情物語と化している件

この組み合わせだと基本ていとくんはギャグキャラだからこういうのは新鮮だ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 22:10:33.25 ID:/8b8uyQ0<>俺も一方さんやていとくんやKJさんみたいなカッコいい友人が欲しい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 22:28:53.48 ID:D84H/r6o<>周りに居ないってんならお前がそうなればいい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 23:33:38.09 ID:0fkmcSwo<>厨二病+メルヘン+説教な友人か<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/05(木) 08:50:27.64 ID:8JUWCMDO<>乙である。
ていとくんはいい友人を持ったのである。
一方さんは着実に上条さんの影響を受けつつあるのである。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/05(木) 19:06:00.57 ID:eEpTghw0<>>>791アックアさン何やってンすか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/06(金) 00:58:38.48 ID:PsGFaIAO<>このていとくンストーリーは額縁に入れて飾るべき<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/06(金) 15:26:37.19 ID:yHshAwDO<>>>790
新デルタフォースの誕生だな

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:34:14.12 ID:oj5VKQc0<>こんばんは。
予定通りに書き溜め進んだので、投下に入ります。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:36:04.80 ID:oj5VKQc0<>
―――翌朝……




一方通行「…………」カツ カツ




朝の冷気に包まれた路上を一人歩く一方通行。コンクリートに杖をつく音が規則正しく響く。




一方通行「……うゥ寒ィ…」




厚着は充分にしているのだが、それでも真冬の朝は脂肪の少ない彼にとって厳しい環境だった。……と言っても、ロシアよりは
マシだが。

一方通行が朝から何故外を歩いているのか……。理由を一言で言うなら、「友達との約束」である。




一方通行(結局、三下から折り返しは無かったな……。来る前に電話しても出ねェしよォ……何してンだっつの)




内心で愚痴りながら歩いている内に、上条の住む寮が見えてきた。ここ最近で一番来慣れた場所だ。




一方通行(しっかし、なンだかンだ言ってすっかりアイツを『ダチ』って思えるよォになっちまったなァ……ホント不思議なモンだ)




口元を歪めながらふとそんな事を思い、寮の入り口へ足を進める。………が、<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:38:18.45 ID:oj5VKQc0<>
一方通行「―――ァあ?」




思わず声が出てしまったのは、寮の入り口付近のゴミ出し場に誰かいたからだ。それも、一方通行が良く知った顔の……。




土御門「ふー……寒い寒い」


一方通行「…………」




どうやらゴミを捨てに来ていたらしい土御門元春は、ゴミ袋を置いてそそくさと部屋へ戻ろうとする……。が、一方通行はそれを
許さなかった。




一方通行「おはよォ、土御門くゥン」

土御門「へ…のわっ!?」




いきなりぬっと現れた仕事仲間に流石の土御門もたじろいだようだ。




土御門「あ、一方通行か……こんな朝早くからどうしたんだ?」

一方通行「それはコッチのセリフだボケ。けど丁度良かったぜェ。後でオマエにまた電話するつもりだったンだからよォ」

土御門「仕事以外で電話するとは……以前とは比べモノにならない程コミュ力が上がってるにゃー」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:42:42.57 ID:oj5VKQc0<>
一方通行「フザけたこと抜かしてっとグラサンかち割ンぞ?」

土御門「冗談だにゃー。……それで、何だ?」

一方通行「何だ?じゃねェよ! オマエ、シスター誘拐したヤツは研究所に送ったっつったよなァ?」

土御門「……あぁ」

一方通行「例のヤツ(仕事指示者)に訊いたら『研究はとっくに終わってる』って聞いたンだよ」

土御門「………」

一方通行「っつー事は、『分かった』って事だよなァ?」

土御門「あぁ」

一方通行「『分かったら教える』とも言ったよな?」

土御門(いや、それは言ったっけ…?)

一方通行「昨日は突然切られた上にコッチもゆっくりしてる時間が無かったからなァ……今日こそ吐いてもらうぜェ」

土御門「ったく、朝っぱらから勘弁して欲しいぜい……そんなに聞きたいのか?」

一方通行「当たり前だろォが。コッチは殺されかけたンだよ」

土御門「……分かった。移動するぞ」

一方通行「……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:45:30.63 ID:oj5VKQc0<>
―――寮の一室(土御門の部屋とは別)




一方通行「―――ここも、オマエの『仕事用』に借りた部屋ってヤツかァ?」

土御門「イエス♪」


一方通行「ンで、『研究』の結果は?」

土御門「もうお前が知る必要ないんだがな………分かった。お前、中国の歴史とかって興味あるか?」

一方通行「は?……ねェよ」

土御門「じゃあ、『気』って言葉は分かるか?」

一方通行「??? オマエ何の話してンだよ?」

土御門「良いから答えろ」

一方通行「……人間なら誰しも持つ力、体内のエネルギー。って事ぐらいしか分かンねェぞ」

土御門「はい正解♪」

一方通行「オイオイ、まさかそれが『研究結果』とか言う気じゃねェだろォな?」

土御門「ん? そうだが?」

一方通行「はァ? フザけてンのかオマエ? 少年漫画じゃあるまいし、ンなモンが実際にある訳…」

土御門「前に可能性の一つとして言っただろう? 忘れたのか?」

一方通行「………けど本当にそンなモノの存在認めろってのが――」

土御門「『魔術』の存在は認めても……か?」

一方通行「………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:47:55.45 ID:oj5VKQc0<>
土御門「セリオスはすでに祖国の監獄に放り込まれた。当然だ、もう『用済み』となったからな」

一方通行「………」

土御門「ある少年漫画に沿って言うが、『気』の力はコントロールすれば空も飛べたりするらしいぞ?」

一方通行「………」

土御門「科学の街にそんな力の存在を認めろと言って、認めると思うか? 魔術もまた然り……」

一方通行「……つまり、もォ学園都市は手を引いた…」

土御門「そういう事だ。科学ではどうしようもない結果に、流石のアレイスターもサジを投げたって訳だ」

一方通行「………なンで黙ってた?」

土御門「こんな肩スカシな結果を、態々お前に言う必要も無いと思ったんだにゃー。それに、お前はそれどころじゃないくらい
    忙しいみたいだし…」

一方通行「……また余計な情報仕入れやがって………」

土御門「で、『ミサカ』ちゃんとはどうすんだ?」

一方通行「オマエにだけは死ンでも言わねェって今決めたわ。このペテン師が」

土御門「『スパイ』と呼んでくれぃ♪」

一方通行「くっだらねェ……くだらな過ぎるわ」




部屋を出ていこうとする一方通行に土御門が声をかける。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:49:48.31 ID:oj5VKQc0<>
土御門「あ、一方通行」

一方通行「ンだよ?」

土御門「アレイスターから伝言だにゃー」

一方通行「あァ?」

土御門「『幻想殺しと仲良くね♪』 だそうだにゃー」

一方通行「……アイツ俺の親にでもなったつもりかよ…」

土御門「『学園都市』の親だな」

一方通行「……俺が別に誰とツルもォが、オマエらに関係ねェだろォが」

土御門「お前が学園都市の最強でなかったらな」

一方通行「………」

土御門「諦めろ。これも頂点に君臨する者の宿命ってヤツだ。有名人は辛いにゃー」

一方通行「……チッ」




舌打ちをして、一方通行は部屋から出た。そのまま、上条部屋を目指すが……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:51:32.71 ID:oj5VKQc0<>
一方通行「………」カツ カツ

土御門「………」テク テク



一方通行「………」カツ カツ

土御門「………」テク テク


一方通行「………なァ」

土御門「ん? 何?」

一方通行「オマエどこまでついて来る気なンだよ!?」

土御門「いや……どこまでって…」




上条部屋の前まで来たところで我慢の限界を迎えた一方通行がピッタリ後ろを尾けてくる土御門に指摘するが……




土御門「俺の部屋、ココ」クイッ




当然、と言わんばかりに答えて上条部屋の隣りを指さす土御門君。一方通行は数秒ほど『一時停止』した後、自分の声とは
思えない程素っ頓狂な声を朝の学生寮に響かせたのだった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:53:22.52 ID:oj5VKQc0<>
一方通行「オォイ!! どォいう事だゴラァ!! 聞いてねェぞォ!?」

土御門「あれ? 言ってなかったっけ?」


??「朝からうるさいなー。誰だー?」ガチャ




声と同時に姿を見せたのは、妹の土御門舞夏。服装は勿論いつものメイド服。




一方通行「……あァ?」

舞夏「あ。兄貴ー、ご飯できたぞー。 この白い人は友達かー?」

一方通行「兄貴…だァ?」ジー

土御門「お、悪いな舞夏。コイツはカミやんの友達だ」

舞夏「ほー、そうなのかー」

一方通行「カミやン……だとォ…?」ピクピク

土御門「ま、今度ゆっくりお前の奢りでメシでも食いに行こうぜ。『約束』したろ?」※1スレ目>>169参照

一方通行「あァ!?」

土御門「んじゃ、俺はこれで失礼」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:55:09.67 ID:oj5VKQc0<>
一方通行「オ、オイ待て! まだ話は――」

土御門「あ、そうそう。一方通行」

一方通行「……何だよ?」

土御門「家出してカミやん家に転がり込むのは良いが、あんまり夜中に騒ぐなよ? おかげで眠れなかったぜぃ」

一方通行「………ッ!!」




カーッと一方通行が顔を赤らめている内に、土御門兄妹はドアをバタン、と閉めて部屋に戻っていった。
しばらくそのドアを見つめたまま呆然と固まっている一方通行の間抜けな姿がそこにあった。




一方通行「……あのグラサン野郎、いつかぶっ殺してやる……」ブツブツ




気を取り直し、ブツブツ言いながら上条部屋の前に立って呼び鈴を押す……が、応答はない。




一方通行「……まだ寝てンのか?」




ドアノブに手を掛けてみる。……鍵は開いていた。ガチャリとドアが開いて、真っ暗な廊下が視界に入る。

サスペンスドラマならこの後出てくるのは死体が相場だが、まさかな…と思いながら一方通行は部屋へ入った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:57:08.93 ID:oj5VKQc0<>
一方通行「…………」




リビング兼寝室に着いた一方通行は、再度の硬直を余儀なくされた。
目の前に映ったモノはある意味死体より恐ろしいかもしれない……。




一方通行「……三下………か?」




何故疑問系なのか……。答えは簡単だ。上条の顔が見えないからだ。というか全身が見えない。
いや、電気は点けたから姿は見えるのだが……。




一方通行「…………」




ぶっちゃけて言うと、上条は全身顔まで包帯でぐるぐる巻きにされた状態で床に寝かされていた。
呼吸できるように口と鼻はむき出しのままだが、かえって不気味だった……。

そして、ベッドで暢気に眠る禁書目録……。




一方通行「………何を、どォしたら良いンだよ? この場合…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 19:58:42.97 ID:oj5VKQc0<>
一方通行の質問に答えなど返ってくるハズも無い……。取り敢えず、ミイラ男……いや、上条に手を伸ばす。




一方通行「…………」




生きてはいるようだ。続いて、頭の包帯をゆっくり取っていく……。




上条「……う〜ん…」




まるで怖い夢にでも魘されているような、苦痛に満ちた上条の顔が曝け出された。何があったのかは起こして直接聞く事にする。




一方通行「オイ、三下ァ。起きろよ」ペチペチ


上条「んん……?」パチッ


一方通行「お、目ェ覚めたか?」


上条「アクセラ……レータ……?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 20:01:48.03 ID:oj5VKQc0<>
―――それから数分後




上条「―――いや〜、一方通行さんなら必ず来てくださると上条さんは信じてましたよ♪」

一方通行「当ったり前だろォ? この俺が約束を守らないとでも思ったァ?」

上条「まさかぁ。学園都市最高の男、一方通行さんに限ってそんな事思いませんの事よ♪」

一方通行「ハッハァ。そォかそォだろそォだよなァ」

上条「やっぱ持つべき者は友達だぜ」

一方通行「あァ、友達って最高だよなァ。ハハッ」

上条「まぁな! あははっ」

一方通行「ハハハハハ♪」

上条「ははははは♪」

一方通行「……ンじゃ、そろそろ三途の川でも渡ってみるゥ?」カチッ

上条「すみませんでしたホントそれだけは勘弁して下さいマジで勘弁して下さい」ドゲザ

一方通行「………ったく、マジでくたばったかと一瞬思ったじゃねェか。心配させンなっつーの。ただでさえムカついてンのによォ」ボソ…

上条「ん? 何かあったのか?」

一方通行「……気にすンな。っつーか、包丁で右腕切っただけだっつーのに何でオマエは全身ミイラ化してたンだよ?」カチッ…(戻した)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 20:06:00.00 ID:oj5VKQc0<>
上条「ベッドで無邪気に寝てる天邪鬼シスターに訊いてくれ。あ、でもホントに訊こうとすると寝ボケて噛まれるぞ?」

一方通行「……やめとく」

上条「賢明だな」

一方通行「右腕は平気か?」

上条「血は止まったし、後は包帯巻いとけば治るだろ」

一方通行「そォか。ってェか全身巻かれた時抵抗しなかったのは何故だ?」

上条「うーん………あ、そうそう! 思い出した」ポン




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




上条「―――不幸だぁぁぁあああああ!! 畜生! インデックスをホンの少しばかりは信じてみようとか思った俺が馬鹿だった!」パックリ

禁書「あわわ……と、とうま大丈夫!? 手元が狂ったんだよ! 縄を包丁で切るって意外と難しいかも…」

上条「………気づくのがちょーっとだけ遅かったね♪」ドクドク

禁書「……腕、大丈夫?」

上条「うん、大丈夫♪ なワケねぇだろォォ!! と、とりあえず血を止めないと! インデックス、救急箱取って来てくれ!」ドクドク

禁書「任せるんだよ!」



――バタバタ



禁書「とうま、まずは止血するんだよ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 20:09:06.62 ID:oj5VKQc0<>
上条「あぁ、分かってる! けどまずは縄を完全に切ってくれ!」ドクドク

禁書「その前に止血なんだよ! このホータイもらうね!」シュルシュル

上条「イ…インデックス……? そんなに使う必要ないんじゃ……? 右腕切っただけだぞ? 結構血は出てるけど……」

禁書「全身の血をまずは止めないと、腕の血も止まらないかも!」

上条「何だその新医学!? も、もういいから腕だけ包帯巻いて早くこの縄を―――」

禁書「あぁーもう! ギャーギャーうるさいんだよ! 少し大人しくしてて!」クビスジ ガブッ

上条「あっ……」カクッ




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




上条「―――ハイ、そこから記憶がありません……」

一方通行「シスターのヤツ……手刀の代わりに歯を使うなンて新技身につけてやがったのかァ……」

上条「いや、どこに感動してんだよ!?」

一方通行「だってよォ、ある意味アイツは手足拘束されても生き残る術持ってンだぜ? まるで軍人みてェになァ……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 20:11:34.49 ID:oj5VKQc0<>
上条「軍人……インデックスが………ぷっ」

一方通行「サバイバルなンかさせてみろよ。蛇百匹は食うンじゃねェか?」

上条「わ、笑わせんなよ……くくく」プルプル

一方通行「もしかしたら、アイツこそ人類初の『軍人シスター』になれるかもしンねェぞォ」

上条「ぷふっ、だははははははwwwねぇよwwwそりゃねぇってww」

一方通行「あ……」

上条「インデックスが入隊なんかしたら、それこそ食料尽きて全滅すんのがオチだっつーのwwwだはははwww」

一方通行「三下ァ……あのよォ……」

上条「www……え? 何……?」

一方通行「あァー……イヤ……後ろ……」ポリポリ

上条「へ……はっ――!?」クルッ




―――ガブッ……!!




一方通行は静かにその場で黙祷した。十分後、上条の二度寝は待ちくたびれた一方通行の蹴りと、お腹を空かせた禁書目録の
ボディプレスで妨げられる事になる―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 20:14:06.35 ID:oj5VKQc0<>
一方通行「じゃ、課題ってのをさっさと終わらせるとすっかァ」

上条「待ってました! 是非とも宜しくお願いします!」

一方通行「ンで、量はどれくらいあンだよ?」

上条「この机の問題集全部……」ズラーッ

一方通行「……………」

上条「…………」

一方通行「………ま、一日ありゃ終わンだろォ…」

上条(だいぶ間があったけど……大丈夫だよな?)

一方通行「仕方ねェ、ちィっとばかしハードに行くかァ……」ボソッ

上条「……え?」




朝食を済ませてひと段落後、ようやく二人は課題に取り組む。禁書目録は朝ドラに熱中しているので、ちょうど良かった。
これで何の邪魔も入らず、ゆっくり打ち込める。なぁに、学園都市最強の頭脳所持者が「一日あれば終わる」と言ったんだ。
よって、戦力外な上条さんは気楽に進めても全然大丈夫!

………な、ハズなのだが。




一方通行「だからァ! その問題はコッチの式から計算すンだよ! 何度言えば分かるンですかァ!?」

上条「うぅ……先生、もっと優しく…」

一方通行「甘えた目を向けてンじゃねェ! オラ、次は問ニだァ! 十秒以内で解けなかったらブチ殺す!」

上条「そ、そんなの無理ぃぃ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/06(金) 20:17:24.68 ID:eA8V1xYo<>スパルタ過ぎるwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 20:18:43.73 ID:oj5VKQc0<>
一方通行「馬鹿野郎ォォ!! そンくれェの気持ちでやンなきゃこの量を一日で終わらせンのは到底不可能なンだよォ!! 
     死ぬ気でやれェ!! 無理とかほざく前に手ェ動かせよオラァ!!」ピシィ

上条「――痛ッ!? ど、どっから鞭を……!?」

一方通行「余所見してンじゃねェぞォォ!! 三下がァァ!!」ピシャン ピシャン

上条「――ひいいいいい!!!」スラスラ




―――正直、上条さん的にはこんなハズじゃなかったんだよな……。ホラ、『手伝う』ってのは一緒に別々のをやるって
イメージじゃん?
最初はそのつもりだったんだけど………気づいたら一方通行が俺のやってる所を見ててさ、「違う! 2は引っ掛けだァ!
そンなのも分かンねェのか!?この三下がァ!」って……で、そっから始まったんだ。そう、今や一方通行は上条さんの友人兼
『とっても怖い家庭教師』と化したのさ……。
これなら確かに手は速く動くし、問題解くのも必死だからスラスラ進んでいく。そりゃそうだ。こんな状況ならどんな頭悪いヤツ
でもそうなるだろうぜ。
けど、もう一度あえて言おう。決してこんなつもりじゃなかった……。ページと共に神経がどんどん磨り減っていく……。
これは不幸………なのか?




一方通行「だからそォじゃねェっっつってンだろォがァァ!! 問題よく見てンのかァ!! あァ!? コラァ!!」ビシィ




うん、やっぱり不幸だ♪ そろそろ背中がヒリヒリしてきたぞ。



―――そう、この不幸な少年に甘い展開など…最初から用意されている筈が無かったのだった……。




禁書(うるさいなぁ、ドラマに集中できないんだよ……)




上条(のび太)と一方通行(どらえもン)の共同学習(?)は、この後数時間ほど続く事になる―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/06(金) 20:23:10.83 ID:oj5VKQc0<>ハイ、今日は以上です。正直最後は書いてて楽しかったですww
っていうか、これが書きたくてこの話始めたようなもんですww
続きは明日投下します。
お付き合い頂いてる方々に今日も心から感謝。
ではまた明日。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/06(金) 21:00:52.82 ID:gW5tBvo0<>乙です
どらえもンwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/06(金) 23:35:51.76 ID:rlT5ZpI0<>[たぬき]wwwなンでもありだけど流石にそれは無ェよwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 13:16:08.31 ID:3h7C6UDO<>乙である。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 21:35:12.31 ID:9HYHQ3o0<>こんばんは。
今日はちょっと少なめですが、続き投下します。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 21:38:14.37 ID:9HYHQ3o0<>
上条が一方通行にしごかれてヒイヒイ言っている頃―――




「…………朝か…」




ようやく目を覚ました垣根は呟きながら体を起こした。隣りの床布団で寝ていた筈の一方通行がいない事にも気づく。




「……もぉ起きたのか……早起きなヤツ……」




とは言っても、時刻は十時。普段の一方通行生活に比べれば充分垣根も早起きだった。




(……結局、アイツにまですがる様な真似しちまった………顔合わせ辛いな…)




昨夜をの事を思い出して自己嫌悪に走る垣根……。しばらくそうしていたのだが、携帯電話がふと目に入った。
……無意識の内に着信履歴を確認する。履歴の中に『初春飾利』の文字が無いことを知って思わず肩が落ちる……が、




(おい……何ガッカリしてんだ俺は? これで良いんだよ。スッパリ諦めろっての…)


(昨日、俺がそう決めたんだろぉが…)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 21:41:34.26 ID:9HYHQ3o0<>
(テメェでそぉ決めて、あの子の幻想をブチ殺したんだぜ?『カッキー』は、もうあの子の中にいないんだよ……)


(今さら連絡なんて来るワケねえじゃねぇか……。あの子のことはもう忘れろ)




――――――――




垣根「―――オーケー。じゃ、『かざりん』で」


初春「か、かかかかざりん!!?///」


垣根「あれ?友達とかからそう呼ばれねえの?」


初春「よ、呼ばれたことないですよ〜!……/////」




――――――――




(ったく……なぁに思い出してんだ馬鹿が……忘れるんだよ……)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 21:43:09.71 ID:9HYHQ3o0<>
――――――――




垣根「―――帰りに見せるよ。それまで、お楽しみってな」


初春「え〜! お預けですかぁ?」


垣根「大したツラじゃねえから、あんま期待してんなよ」


初春「でも気になるんですよぉ〜……もしかして、カッキーさん……照れ屋なんですかぁ?」ニヤニヤ


垣根「ま、まぁそういう事にしても良いぜ……」




――――――――




(………、忘れろよ………)




――――――――




初春「―――カッキーさん……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 21:44:08.24 ID:9HYHQ3o0<>
垣根「ん、何だ?」(まだホントは怒ってんのか…? やっぱ無理させちまったかな……)


初春「怖かったですけど……楽しかったです! すごく貴重な体験でした! ……ありがとうございます」ニコッ


垣根「あ、あぁ……///」




――――――――




(忘れろっつってんだろ!!)





―――――どんな顔してても、カッキーさんはカッキーさんですから―――――




「…………………ッ」


(…………ックソ! 駄目だ…)


(ひとりでいると……どうしても思い出しちまう……)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 21:46:00.67 ID:9HYHQ3o0<>
(忘れるなんて………やっぱできねえよ……)


(飾利に………逢いてぇな…)


(逢って、もう一度謝りてぇ………)


(考えてみたら、今まであんな純粋な子と触れ合った事なんて無かったんだよな……)


(って、暗部にいた俺からすりゃ当然か……一般人とあんま親しくなる事なんて、まず無いからな……)





―――――カッキーさん♪―――――




考えるのを止めようとすると、初春の顔が頭に浮かんできてしまう……。いくら押し殺そうとしても、どうにもならなかった。
昨日の今日なので、無理もないが……。




(…………やべぇ、これじゃ直に腐っちまいそうだ)


(外に出よう………)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 21:48:45.71 ID:9HYHQ3o0<>
(打ち止めでも連れて、散歩にでも行こう……)


(―――よし!)




勢いをつけて立ち上がった垣根は部屋を出た。




垣根「―――あれ……打ち止めは?」




リビングで一人朝ドラを見ていた芳川に、垣根は尋ねる。芳川は画面から目を離さずに返答した。




芳川「あぁ、愛穂と出かけたわ。用事でもあったの?」

垣根「いや……別に……一方通行は…?」

芳川「あら、いないの?」

垣根「……えぇ」




それなら仕方ない……一人で行くか、と垣根は玄関へ向かおうとするが、芳川が背中を見せたまま唐突に声をかけた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 21:50:28.37 ID:9HYHQ3o0<>
芳川「悩みなさい。まだ若いんだから、たくさん悩んだ分だけ優しい人間になれるわ。心も体も……ね」

垣根「え……?」

芳川「私みたいな甘い人間とは違う……本当の意味で優しい人間……」

垣根「芳川さん……?」

芳川「私からはこれしか言えないわ。後は、あなた次第よ」

垣根「………何で……」

芳川「後、もうひとつだけ言えるとしたら、『夜中に大声は出さないで』ってトコかしらね。子供の成長に良くないから…」

垣根「あ……」

芳川「……」クスッ




コッチを振り向いて聖母のように微笑む芳川。が、すぐに顔はまた正面に向いた。




芳川「現実は、このドラマのように甘くはないから……手遅れにならないよう祈ってるわ」


垣根「……ちょっと出てきます…」




何となくその場に居づらくなった垣根は、それだけ言って玄関へと向かった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 21:52:47.10 ID:9HYHQ3o0<>
垣根(たまに思うけど、芳川さんって……なんで無職続けてんだろぉな……)




疑問は深まるだけだったので、外に出てからは考えるのを止めた。
ブラブラと、垣根はアテもなく歩き出した。
あのまま部屋でふさぎ込んでいるよりはずっとマシだと実感しながら―――。




――――――


―――




「…………」ムクリ




同じく布団から上体を起こした初春は、カーテンから射す光に目を擦った。




「…………」




彼女の目に、光はまだ無かった……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 21:55:13.23 ID:9HYHQ3o0<>
目が覚めてしばらく経っても彼女の顔が沈んでいるのは、無論彼女が低血圧だからなどと言う理由ではない。
寝ようにも中々寝つけなかった事による寝不足の上、昨日の衝撃がまだ頭に残っていたからだった……。
『カッキー』という……自分の中で特別になりつつあった存在の『素顔』が、あまりに衝撃的だったのだ……。
彼が何故、自分に顔を見せようとしなかったのか……分かってしまった。

ショックを受けたままフラフラと自室に帰ってから、初春はずっと考えていた。

しかし、そう簡単に整理などつく筈も無かった。
彼が学園都市第二位、自分が憧れを抱くあの御坂美琴よりも上に立つ限られた存在……。
そんな人物が何故?
だいいち、彼は自分をゴミのように踏み潰そうとした……。が、その事に対してもう怒ってなどいない。
自分と他愛ない話をしたり、馬鹿みたいな事をして一緒に笑ったりしたのは紛れもなく『彼』なのだ。
その整理は一晩の内に終わった。……当然時間はかかったが。

分からないのは、超能力者である『彼』が何故自分なんかにあそこまで気を遣ってくれていたのか……だった。
垣根の心理や現状など知る由もない初春からすれば、これは当然の疑問だ。
そもそも、最後に会った時の垣根帝督は間違いなく自分の『敵』だったのだから……。
そんな彼が自分を助けた時点ですでに疑問だった。

どういう事なのか彼に電話をして訊こうとも思ったが……結局、通話ボタンを押せずにそのまま意識を手放し今に至る。
再び携帯電話を手にとるも、やっぱり指を動かせなかった。




「カッキー……さん。どうして……ですか?」




発信していない携帯の受話器から返事なんて返って来る筈もない。
なんとなく一人の空間に居たたまれなくなった初春は携帯を指で操作する。
やがて携帯画面に、良く知った人物の名前が表示された。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 21:57:50.33 ID:9HYHQ3o0<>
「………佐天さん、暇かな……」




さっきまでとは違い、今度はすぐに通話ボタンを押した―――。




――――――


―――



―――上条宅




禁書「―――……終わっちゃった……。続きが気になるんだよ。明日まで待てないかも」




テレビ画面はドラマ終了のテロップが流れている。禁書目録は熱中のあまりに上がっていた肩をゆっくりと下げた。




禁書「結局、これからどうなるって訳なんだよー!?」




昨日知り合った少女の口癖をちゃっかりパクって唸るが、次回予告で更に唸るハメになるのはもうお約束だ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 22:02:08.65 ID:9HYHQ3o0<>唸る禁書目録の後ろでは―――




一方通行「―――さァ次ィ! こりゃあサービス問題だからすぐ解けンだろォ?」

上条「はっはっは♪ 上条さんの脳を見くびってもらっちゃ困る。いくらサービス問題だからってあっさり解ける程優秀な脳は
   持っていませんのk」

一方通行「困ンのはオマエだけなンだよボケ! しのごの言ってねェでさっさと解けやゴルァ!」ビシッ ビシッ

上条「――オォウ!? す、すいませんでしたぁぁ!!」スラスラスラ…

一方通行「イイか三下ァ、所詮自分はそこまでって考えたらそこで終わりなンだよ。大事なのは『向上心』。テメェの現状に満足
     するよォじゃ駄目ってことだ。別にオマエのためって訳じゃねェンだが、オマエのこの先を考えてみりゃあ決して俺の
     してる事に間違いは(ry」クドクド

上条「すまん一方通行。ようやくコツが分かってきたんだ。少しだけ静かにしてくれないか? 集中したい」スラスラスラ

一方通行「……お……おォ、そォか………悪りィ……」

上条「…………」スラスラスラ

一方通行(……へェ、ちっとはマシなツラになってンじゃねェか。手はまだ遅いが、ミスが無くなってきてやがる。頭が悪いって
     理由で諦めるよォな野郎にはなって欲しくねェから敢えて厳しくしたンだが、どォやら無駄じゃなかったみてェだなァ……)





ひたすら課題を進める上条は、後ろで微笑みを浮かべる一方通行に気づかない程集中していた。
上条の目つきがさっきとは明らかに違う。どうやら真剣に取り組んでるらしい。
『友達とは、相手を想うなら時には厳しく』……黄泉川から請け負ったこの言葉は正解だったようだ。
直後に芳川が「あ、でも私には厳しくしないでね? 優しくして」とか言っていたが、そんなのは三秒で忘れてやった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 22:04:40.21 ID:9HYHQ3o0<>
この後は上条が行き詰った時に一方通行がヒントを与えたりと、しばらく静かな時間が続いた。




禁書「……とうまたちはまだ構ってくれそうにないし、ヒマだからお外に遊びに行こうっと♪」




トテトテと禁書目録は上条宅を後にするのだが、今の二人がそれに気づく事は無かった……。




――――――


―――




それから更に三十分後―――




一方通行「―――よォし、その辺で一旦休憩にすっかァ」

上条「ハァァ〜〜〜………」グデー

一方通行「ふン、これで半分…ってトコか。よく頑張ったじゃねェか。三下にしちゃあ上出来ってなァ」

上条「今までで一番頭使いましたよ……おかげで疲労度が……」

一方通行「だが見てみろよ。あンな馬鹿みてェにあったヤツが、もォ半分も片付いたンだぜェ? やりゃあ出来ンじゃねェかよ三下ァ」

上条「ああ……ホントだ……すげぇ。気づいたら数学と英語がもう終わってる………」

一方通行「ハッ、気づかない程集中してたってかァ? 頭ってのはなァ、そォやってちょっとずつ良くなっていくモンなンだよ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 22:06:28.62 ID:9HYHQ3o0<>
上条「お前、学校の先生とか向いてんじゃねえか? ちょっと怖いけど…」

一方通行「ケッ、そンな真っ当な道歩ける訳ねェだろォが」

上条「とにかく、ありがとうな! マジで助かったよ!」

一方通行「まだ終わってねェぞォ? 昼メシ食ったらまた続きだからな。覚悟しとけ」

上条「分かってるって。じゃあ何か食いに行こうぜ? 俺が奢るよ」

一方通行「はァ? 俺にメシ奢るなンざ百年早ェっての。俺が出してやっから気にすンな。頑張った褒美ってヤツだから遠慮s」

上条「いーや! 悪いがそこは譲らねえぞ! 今日は意地でも俺が奢る! 授業料って事にしとけって」

一方通行「……オマエ、金あンのかよ?」

上条「あるとか無いとか関係ねぇ! 俺がそうしなきゃ気が済まねえんだよ! コーヒーだけで済まそうとしたら右手で殴るからな?」

一方通行「……あァ、わァったよ。ンじゃ、そォさせてもらうわ」

上条「よし、決まりだ! じゃあ行こうぜ!」

一方通行「―――ン? オイちょっと待て三下ァ! ………シスターはどこ行った? さっきから姿が見えねェぞ……」



上条「……………へ?」




………外に出る目的がもう一つ増えてしまったようだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 22:09:11.17 ID:9HYHQ3o0<>
――――――


―――




禁書「……はぁ……出てきたのは良いけど、また迷子になっちゃったんだよ……」テクテク




呟きながら路上を彷徨う禁書目録。白いフードを被った頭の上には相棒の三毛猫も一緒だ。




禁書「歩いてたらおなか減ってきたね……スフィンクス」

スフィンクス「にゃ〜」

禁書「こんなことならとうまにお金もらっとくべきだったかも」




学園都市の地理が未だに把握できていない禁書目録は、帰り道も分からずに大通りをブラブラと歩いていた。
飲食店が視界に入る度に喉がゴクリと鳴る。ついでに腹の虫も鳴く。




禁書目録「ハァ〜……」




途方に暮れかけた時だった―ー―。




「―――あれ……インデックス?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 22:11:21.37 ID:9HYHQ3o0<>
禁書「―――!?」




突然後ろから声をかけられて振り向くと、そこには―――




垣根「……何やってんだ? こんな所で……」




―――垣根帝督が首を傾げて立っていた。




禁書「………これは」

垣根「ん?」


禁書「これは、神サマのお導きかもっっ!!」

垣根「………ハイ?」




言葉の意味を理解するのに遅れた垣根は、更に深く首を傾げざるを得なかった……。




――――――


―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 22:21:49.83 ID:qMaaS6oo<>>>829
芳川さん「甘くして」って言わずに「優しくして」とか、一方通行好き過ぎだろww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/07(土) 22:22:22.56 ID:9HYHQ3o0<>投下してみたら意外と量あった……。
今日はここで切ります。明日にまた続きを投下しますんで。
誤字がだいぶ目立ちましたが脳内補正でお願いします。
今日もお付き合いくれた方々、ありがとうございました。
それでは。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <>sage<>2010/08/07(土) 22:37:32.94 ID:hB7hc0s0<>>>834
性的ニュアンスをくみ取った俺は変態<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 23:11:01.39 ID:3h7C6UDO<>乙である。
カッキーとかざりんのその後が気になるのである。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 10:07:11.49 ID:.N0bwOw0<>>>837
アックアは私と違って早漏ですからねー。
ゆっくり待つ余裕がないようで困ります。
そんなんでは神聖の国にはとても行けませんからねー。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <>sage<>2010/08/08(日) 10:11:28.98 ID:.vZ0kG.0<>>>838
お前はもう死んでいる、のである。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/08(日) 12:59:32.40 ID:bNLd21w0<>ケンシロウ!?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:19:06.34 ID:sVcjzAY0<>こんばんは。今から投下します。
アックアさんにテッラさん、喧嘩は止めて下さい。
スレぶっ壊れますんでww
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:21:47.10 ID:sVcjzAY0<>
―――とあるファミレス




禁書「―――ぶはァ……おいしかった〜♪」ポンポン

垣根「いつ見てもすげぇな……。周りの視線が痛いぜ…」

禁書「前から訊きたかったんだけど、かきねっていつ戦艦に乗ってるの?」

垣根「……は? なんだって?」

禁書「ていとくさんって乗組員の頂点に立つ存在だから、普段は忙しいんじゃないのかな?」

垣根「…………ひとつ訂正があるんだが?」

禁書「ふぇ?」

垣根「いいか? 俺は『提督』じゃない。帝督だ」

禁書「……何言ってるのか分からないんだよ?」

垣根「だからぁ、『ていとく』ってのは俺の名前なの!」

禁書「えぇっ! そうなのぉ!? てっきり私、どこかの戦艦を仕切ってる人なんだとばっかり思ってたんだよ!」

垣根「…………」

禁書「じゃあていとく……は言いづらいからやっぱりかきねで良いや♪」

垣根「どっちでも良いけどよぉ……っつーか……それ言われたのガキん時以来だわ」

禁書「けど珍しい名前だね」

垣根「君には言われたくないな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:22:58.80 ID:sVcjzAY0<>
禁書「それでいて何か偉そうな名前かも…」

垣根「ほっとけ! っつーかさぁ、何でインデックスは一人であんなトコぶらついてた訳よ? 上条は一緒じゃねえの?」

禁書「とうまはお勉強で相手にしてくれないんだよ……。あくせられーたも一緒になって…」

垣根「……一方通行?」

禁書「うん。ふたり揃って私をのけ者にしてるんだよぉ。ひどいと思わない?」

垣根(アイツ、朝っぱらからどこ行ったかと思えば……)

禁書「つまんないから出てきたんだけど、すっかり道が分からなくなっちゃったんだよ……」

垣根「で、そこに偶々俺が通りかかったと……」

禁書「うん♪」

垣根「一応訊くが、上条たちには出かけること言ったのか?」

禁書「ううん、二人とも(主に一方通行)怖くて声がかけられなかったんだよ。だから黙って出てきたの」

垣根「………………」




しばらく考える素振りを見せた垣根は、徐に携帯電話を取り出した。
そのまま指で操作し、どこかへ電話を掛ける……。




垣根(……まだ一緒だよな…? ま、そん時は上条に掛けるか…)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:24:27.30 ID:sVcjzAY0<>
電話の相手は一方通行だった―――。




『―――何だよ?』

垣根「よう、お前今上条と一緒か?」

『あァン? 何でオマエが知ってンだ?』

垣根「いや……今インデックスと一緒にいんだけどよ」

『はァ?』ナニィィィィ!?

『―――って、うるせェぞ三下ァ!』ボカッ

垣根「両方うるせぇよ……」

『で、オマエ今どこにいンだよ?』

垣根「○○付近のファミレスだよ。街フラついてたら偶々そこで会ったんだ」

『そォか……』

垣根「どぉする? なんならソッチ送るけど?」

『イヤ、悪りィンだがよォ……しばらくオマエが面倒見ててやってくンねェか? その方が都合良ンだわ』

垣根「………まぁそれでも良いけどよ……。今上条ん家にいるのか?」

『イヤ、俺らもメシ食いに別のファミレス来てる』<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:26:19.38 ID:sVcjzAY0<>
垣根「そっか……わかった。じゃあまた後で連絡くれ。そん時送るからよ」

『おォ、悪いな。そンじゃ―――イヤちょっと待て。今三下に代わっからよォ―――』

垣根「ん? あぁ……」

『―――もしもし垣根? 俺だけど……インデックスにメシ食わせてくれたり……した?』

垣根「あぁ、相変わらずすげぇ食欲だ。店員涙目になってやがら」

『すまん! 本当にゴメン!』

垣根「おい、何謝ってんだよ?……あぁー、金のことなら心配すんな。どんだけ食おうが、しょせん飲食代なんてたかが知れてっからさ」

『……おぉ……神サマがここにも…』

垣根「あ? 何? よく聞こえなかったぞ」

『いや何でもない! ……じゃあ悪いんだけど、インデックスを半日くらい頼んでいいか?』

垣根「あぁ、別に構わねぇよ」(ってか、その方が好都合なんだがな…)




ひとりでいるより誰かと一緒にいたい気分の垣根は二つ返事で了承した。これで気分も紛れると思うと、むしろ有難いことだった。




『んじゃ、一方通行からは特に無いみたいだから切るわ』

垣根「おう、後でな。―――」




―――ピッ……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:28:21.54 ID:sVcjzAY0<>
禁書「……とうまと電話してたの?」

垣根「あぁ、一応言っとかねえとアイツら心配すんだろ?」


禁書「…………かきね」

垣根「ん……何だ?」

禁書「さっきから思ってたんだけど……顔色が悪いんだよ? 何かあったの?」

垣根「え?……いや、何もねえけど?」

禁書「嘘吐いても顔に出てるよ? それに……すごく、辛そうな顔してる……」

垣根「!?」




無意識の内に顔に出てしまっていたか……。
禁書目録は垣根の目を真顔で見つめた。
全てを見通すような瞳に、垣根は思わず目を逸らす。




(ははっ……シスターってのは、名前だけじゃねえってか……)


(けどよ、さすがにこの子にまで愚痴入れちまうのは……なんつーか…)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:30:05.30 ID:sVcjzAY0<>
禁書「気にしなくて良いんだよ。私は修道女。悩んだり苦しんだりしている人に正しい道を教えるのが私の役目なんだから」




垣根の心を見抜くかのように言い放つ禁書目録。




禁書「話してごらん。かきねが悩んでる事を私も一緒に考えたいんだよ」ニコッ




全てを許す…そんな目で微笑んだ禁書目録に、垣根は懺悔するしかなかった……。

何もかもを包み込むような広い心と胃袋を持った小さな少女は、垣根の話を最後まで聞いていてくれた。




――――――




禁書「―――話は分かったんだよ」

垣根「……ゴメンな。生々しい話聞かせちまって……」(結局、喋っちまった……つくづく嫌な野郎だな俺って……)

禁書「ううん、いいよ。かきねは何も悪くないんだから」

垣根「いや……悪いだろ。どう考えても……」

禁書「本当に悪いのは『悪い事をしている自分』に気づかない事なんだよ」

垣根「……?」

禁書「かきねはよっぽど過去の自分が許せないんだね……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:32:19.10 ID:sVcjzAY0<>
垣根「まぁ……そうかもな。けど、今更どうしようもないんだよ……」

禁書「なんでかな?」

垣根「なんでって……そりゃそうだろ? 彼女はきっと俺に会いたくなんてねぇだろぉし、俺の立場考えたらその方が良いって皆言うぜ」

禁書「かきねの立場ってのがよくわからないんだけど……」

垣根「要するに、『クソ野郎』って意味だ」

禁書「ふ〜ん……けど、かきねはそれでいいの?」

垣根「………それで良かった、ハズなんだけどな。ハハ……」

禁書「ホントはそのカノジョさんに会いたいんじゃないのかな?」

垣根「………やっぱ……そぉなんだよなぁ……」(こりゃ隠しても無駄だな……)

禁書「なら、会えばいいんだよ! 電話番号とか知ってるんならすぐ掛けるべきかも!」

垣根「無理だよ……」

禁書「なんで? その子も待ってるかもしれないんだよ?」

垣根「………いや……会っても、何言えば良いか分かんねえし……」(嘘だ……言いたい事はもう決まってる)



(ホントは……会って謝りたいんだ)


(けど、会った時の彼女の顔を見るのが……辛くて)


(彼女から掛けられるであろう言葉が………怖くて)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:33:26.66 ID:sVcjzAY0<>
(それを、躊躇わせている―――)



垣根(―――なんてことまで……流石に言えねぇよなぁ……)


禁書「かきね」

垣根「ん?」

禁書「私は、かきねが悪いなんてこれっぽっちも思わないからね」

垣根「あぁ、そう言ってくれっと嬉しい…かな」

禁書「諦めちゃ、ダメなんだよ」

垣根「……ありがとな。聞いてくれて…」

禁書「あ、当たり前なんだよ! 私はシスターなんだから!」

垣根「ハイハイ、こりゃ将来が楽しみだな」

禁書「むぅぅ……かきねまで私を馬鹿にしてぇぇ……」プクー

垣根「ははははは」

禁書「……ふふっ」ニコッ




しばらく笑っている内に、垣根の心もだいぶ落ち着いてきたようだった―――。




―――――


―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:35:02.70 ID:sVcjzAY0<>
―――その頃、別のファミレス




「―――ホントにゴメンね!」バンッ




テーブルに両手をついて頭を下げる佐天涙子……。
ちなみにここは、いつも美琴や黒子などとよく来るいつものファミレスだ。




「……オカシイと思ったんですよ。佐天さんの彼氏が学園都市の頂点だなんて…」




向かいの席で細い目をして佐天を見る初春飾利は呆れたようにホットココアを啜った。

佐天は嘘によって誰もが生じる心の痛みに耐え切れず、全てを自供したのだ。心配で後を尾けていた事も一方通行に偽りの彼を演じさせた
事も全て……。




佐天「やっぱ……怒ってるよね?」

初春「当たり前ですっ!」




覚悟して吐いたとは言え、やはり辛い……。しかし、このまま嘘をずっと吐き通す事の方がもっと辛いのだ。
今佐天にできるのは、ただ平謝りする事だけである。




初春「………もう良いですよ。心配してくれたのは、正直嬉しいですから」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:36:33.35 ID:sVcjzAY0<>
謝り続けてやっとこの言葉が聞けた佐天は胸のモヤモヤが一気に軽くなっていくのを感じた。




初春「ここは奢って下さいね?」

佐天「うん、もちろん!」




今の佐天にとっては、それくらい安いものだった。




―――――




初春「あの……佐天さん…」

佐天「ん? 何?」モグモグ




パフェを頬張る佐天に初春が言い難そうな声で尋ねた。




初春「―――私も、今日は佐天さんに聞いて欲しいことがあるんです……。いいですか?」

佐天「なぁに? まさか昨日の『カッキーさん』のことぉ?」ニヤニヤ

初春「……はい」

佐天(?―――おっと、笑って聞ける話じゃない雰囲気……)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:39:25.61 ID:sVcjzAY0<>
初春「驚かないで、聞いて下さい……」




今度は初春が……全てを自供した。

佐天のスプーンは、話の途中で動くことは一切無かったのだった……。




―――――




佐天「―――嘘……でしょ……?」

初春「私も……夢だったらどんなに良かったか……」

佐天「前に初春を殺そうとした上に、こないだ御坂さんとも衝突した学園都市第二位の超能力者が………カッキーさん!?」

初春「………」コクリ

佐天「……………」




流石に言葉が出なかった。佐天は必死に心を整理する。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:41:06.18 ID:sVcjzAY0<>
(つまり、あの場には学園都市の頂点二人が居たわけで……いや、御坂さん入れたらトップ3が揃ってた!?)

(どんな偶然よソレ!?)

(っていうか、なんでそんな大物が初春を!?)

(また……何か企んでるの…?)


(………けど―――)




ちなみに第四位も同じ施設内に居たのだが、佐天はそこまで知らなかった。

垣根がまた初春の前に現れた事は本当にただの偶然が元なのだが、話を聞いてすぐにはそうと思えず、何の目論見が彼にあったのか考えようと
する。……が、水族館での垣根と初春の雰囲気を思い返す。




(―――そんな風には……見えなかったよ……)




垣根が何か裏を持って初春に接近したとは、やはりどうしても考え難かった。




初春「佐天さんは、どう思います?」

佐天「ゴメン………私もよく分からないや」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:43:07.42 ID:sVcjzAY0<>初春「そう……ですよね」

佐天「初春はさ、カッキーさんを……やっぱりまだ恨んでる?」

初春「いえ、正直言うと……もうそんな気持ちは無いんです」

佐天「じゃあ……」

初春「分からないんです……。なんでカッキーさ……いえ、『垣根帝督さん』は…私なんかと……」

佐天「御坂さんが前に言ってた限りじゃ、一方通行さん……が倒してくれたんだよね?」

初春「レベル5の頂点に関わる話でしたから、あまり詳しくは聞けなかったですけどね……」

佐天「『第一位に助けてもらった』としか言わなかったもんね……私らがあれ以上訊ける空気でもなかったし…」

初春「それから……垣根さんに何が……」

佐天「調べて……みる?」

初春「で、でも……レベル5の情報なんて、簡単に……」

佐天「じゃあさ、もう本人に訊いちゃいなよ? 電話でもしてさ」

初春「か、簡単に言わないでくださいっ!」

佐天「……ゴメン」

初春「……いえ」

佐天「……………」

初春「……………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:46:27.92 ID:sVcjzAY0<>
佐天「……結局さ」

初春「……?」

佐天「初春は、どうしたいのかな?」

初春「どうって……?」

佐天「そりゃあ私だってさすがに驚いたけどさ。でも、やっぱりこれは初春の気持ちの問題だと思うよ?」

初春「…………」

佐天「もう会わない、会いたくない……とは思わないの?」

初春「……!」

佐天「そういう選択肢だってあるんだよ? いっそ昨日の事は『良い思い出』で割り切っちゃうとかさ」

初春「………そんな―――」

佐天「どんな人なのかも分かっちゃったんだし、ここで綺麗サッパリ忘れる……ってのは……どう?」


初春「―――そんな事ができるなら、こんなに悩まないですよぉぉぉッッ!!!」ガタン


佐天「――!?」


初春「確かに怖いと思いました!! 知らない方が良かったんじゃないかとも思いました!! 忘れようともしたんですっ!!」

佐天「う、初春。落ち着いて……」

初春「けど………けどそんなのやっぱり無理ですっっ!! だって、だって………」ポロポロ

佐天「ッッ……!」

初春「『カッキーさん』はぁ……私を……二度も助けてくれたんですよぉ。……まだ、お礼も言ってないんですよぉぉ……」グスッ

佐天「初春………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:48:29.03 ID:sVcjzAY0<>
初春「私の中では……『カッキーさん』が………グスッ………ヒーローなんですっ………うぅ」グスッ グスッ

佐天「…………逢いたいんだね?」

初春「ひくっ…………逢い…たい………」


「――――カッキーさんに………逢いたい――」



今にも消えそうな声で、初春は肯定した。



初春「忘れるなんて………できるわけないじゃないですかぁぁ……」ポロポロ


佐天「…………」スッ




黙って立ち上がった佐天は、ふわりと包み込むように………初春を抱きしめた―――。




初春「――――……う、うっ、うわぁぁあああああああああん!!!!!」ポロポロ


佐天「……………」




初春の心のダムは再び激しく崩壊した。佐天は、そんな彼女を優しく包み込む………。
店内の客が全員コッチに注目しているが……そんなの知ったことか。と佐天は思った――――。




―――――


―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:50:34.60 ID:sVcjzAY0<>―――同ファミレス内




一方通行「………………」


上条「……………」




離れた席だが会話が届かない程の距離ではない。一方通行は注文した料理を食べ終え、食後のコーヒー中……二人の見知った少女を発見した。
上条は面識が無いので特に反応は無かったのだが、一方通行の表情が変化したのを見逃さなかった。

聞き耳を立てるというのは人聞きが悪いので、『偶々聞こえただけ』と思う事にした。
上条は一方通行に「知り合いか?」と尋ねた。一方通行はコーヒーを啜りながら「あァ、超電磁砲のな……」とだけ返した。

そして、最終的に会話を聞いていた二人は黙り込んでしまった……。

特に一方通行は歯痒さ…のようなものを何故か感じていた。




一方通行「オイ、出るぞ三下」スクッ

上条「あ、あぁ……」スクッ




二人の少女に気づかれない様に一方通行と上条は会計(上条の奢りで)を終えて店を出た。




上条「………」テクテク

一方通行「………」カツカツ

上条「……なぁ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:53:12.92 ID:sVcjzAY0<>
一方通行「……何だ?」

上条「垣根のこと……なんだが…」

一方通行「…………」

上条「俺……そこまで事情に詳しい訳じゃないけど、あの子たちの話を聞くからに……ただ事じゃないのは何となく分かる」

一方通行「…………」

上条「俺の想像通りなら………何とかしてやれないのか?」

一方通行「やめとけ。今回は俺やオマエが出る幕じゃねェ」

上条「……知ってるんなら話してくれよ」

一方通行「……聞いた所で、オマエに何とかできる話………?」



―――イヤ……待てよ。コイツなら……………もしかしたら……。




何故かふとそう思ってしまった一方通行は………帰り道がてら上条に話してしまっていた。




―――――



上条「―――……そういう訳だったのか……。そりゃ辛いな………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:54:54.79 ID:sVcjzAY0<>
全てを聞いた上条は……まるで自分の事に悩むかのような顔を見せる。……まさに予想通りの反応だった。
別に巻き込むつもりはないのだが、何か良い助言が聞けるかもしれないと期待したのだ……。今までの一方通行からは絶対に有り得ない
事だが、なんだかんだ言って彼もルームメイトを心配していたのだ。とは言え、立場的には垣根寄りの自分が一人で考えて答えが導き出
せる問題でもない。ここは一人より二人で考えた方がマシな結果が生まれそうだと一方通行は判断した。それを隠すようにこう発言する。




一方通行「……俺は別にあの馬鹿がどォ苦しもォが知ったこっちゃねェンだが、最悪なことにアイツは今俺の部屋に居候してっからなァ。
     あァまで負のオーラ撒き散らされると正直言って迷惑なンだよォ」

上条「そうか。しっかし、お前も垣根を心配するとは………上条さんちょっと感動…」

一方通行「ばっ…! だからそンなンじゃねェっつってンだろォが! 部屋の空気が湿っぽくなンのがイヤなだけなンだっつーのォ! 
     勘違いしてンじゃねェよボケ」プイ

上条「あー、わかったわかった……」クスッ

一方通行「ケッ……」

上条「とりあえず、宿題終わったら作戦会議だな」

一方通行「……まァ、仕方ねェか。決してあのメルヘンのためにとかそンなンじゃねェが、このままキノコの生えた部屋に住むのはゴメン
     だからなァ。ったく、どこまでも世話の焼ける野郎だぜあンのクソったれがよォ……」ニヤニヤ

上条(表情とセリフが全く逆だが、ツッコむと宿題時にまた地獄を見そうだから黙っておこう……)




本当は上条も一方通行に訊かなければならない事があったのだが、今はとてもそんな空気では無かった……。
上条にもそれくらいの空気を読むスキルは持っていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 20:56:13.50 ID:sVcjzAY0<>
一方通行「っしゃあ! そォと決まったらさっさと戻って残りの課題終わらすぞォ! ノンストップで行くから覚悟しとけよ三下ァ!」ビシィ!

上条「あれ、コレって………どっちにしろ地獄ルート確定ってヤツですか……?」




再び鞭(どこから?)を取り出した一方通行に戦慄した上条は、足掻いてこの場で地獄に送られるか部屋に戻った後に地獄を見るかの二択を
迫られた。………当然、選んだのは後者だった―――。




―――んで、上条部屋……




一方通行「さァ早速始めンぞォ! 悪りィが、こっから先は一方通行だ! 途中の停止や引き返しは一切受け付けねェってなァ! ぎゃは」シュルッ

上条「て、停止は別にOKなのでは!? それに引き返しって何!?」

一方通行「うるせェ!! 口答えはイイからとっとと正面向けやゴルァ!!」ビシャン!!

上条「――あびいいいいいい!!??」





上条渾身のツッコミは一方通行が振るった鞭の音によってあえなく掻き消されてしまった……。

こうして、再び地獄の一方通行先生は降臨されたのだ――――。

右手に鞭(剣)を、左手に杖(盾)を持つ白い悪魔の猛威から逃れるべく、上条は幻想殺しの宿る右手を高速モードにシフトして次々と
神(紙)に書かれた幻想(問題)をブチ殺していった(解いていった)―――――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/08(日) 21:00:38.84 ID:sVcjzAY0<>今日はここまでです。
続きは明後日に投下します。
ていとくんのために二人が一肌脱ぐわけですが……あまり期待しない方が良いですww
今日もお付き合い頂きありがとうございました。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 21:25:24.63 ID:ktMdI6AO<>乙なんだよ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 21:25:25.29 ID:DYLr/too<>インさんってたまに良い仕事するよな
たまーに

鞭持った百合子先生にならしばかれたいと思ってしまった俺はもう駄目だ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 22:17:29.86 ID:.N0bwOw0<>優先する。作者乙を上位に、アックアを最下位に。

お疲れさまですねー。自家製のカフェラテをどうぞ。
安定して続けてくれる>>1はすでに、モノマネなんかをしているアックアの遙か上位ですがねー。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/09(月) 00:39:13.71 ID:EhX7qfMo<>久しぶりに可愛いインデックスが見れて感涙です乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/09(月) 01:01:24.92 ID:04TMaLgo<>インデックスさんがシスターらしいことしてると違和感ある<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/09(月) 02:34:32.89 ID:lyYSQkY0<>日頃の行いがすでにシスターじゃねェもン
そりゃ違和感あるよなァ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:26:01.16 ID:EAJMitI0<>こんばんは。お待たせしてサーセンっす。
では、続きを投下します。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:28:22.98 ID:EAJMitI0<>―――――




初春「―――……佐天さん、ごめんなさい。迷惑かけて………」

佐天「いいよそんなの。スッキリした?」

初春「はい……」




ひとしきり泣いた初春を支えるように…佐天は付近の公園まで移動した。
初春の顔は号泣の後が見てとれるが、それでもさっきよりは明るさが多少戻っていた。




初春「…………」

佐天「初春、私は……応援してるからね」

初春「へ…?」

佐天「好きなんでしょ? 垣根さんのこと……」

初春「……え……///」

佐天「確かに相手はすごい人かもしれないけどさ、好きになったらそんなのは関係ないじゃん」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:28:36.16 ID:ZajkeoU0<>クク……ハハハ……イイねイイねイイねェ!
やァっと盛り上がるってのかァ、最ッ高だねェ!!

お帰ンなさい、>>1さン<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:30:52.41 ID:EAJMitI0<>
初春「…………でも…」

佐天「じゃあ、やっぱり諦める?」

初春「そ、それはイヤです!」

佐天「うん。それでこそ初春だ♪」

初春「どれでこそなんですか!?」

佐天「言葉の代わりに顔で説明できる辺り……かな」

初春「意味わかりません!」

佐天「ははっ、ところでさ。そろそろ時間大丈夫なの?」

初春「へ?……あぁ!! もうこんな時間!?」

佐天「いってらっしゃ〜い♪」

初春「す、すいません! じゃあ私、行きますね!」スクッ

佐天「あ、初春!」

初春「はい?」


佐天「……諦めちゃ、ダメだからね」




佐天のウィンクと共にかけられた励ましの言葉に対し、初春は―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:33:41.43 ID:EAJMitI0<>
初春「……は、はい! ありがとうございました」ニコッ



元気な笑顔で答えた―――。



返事の後、初春は走っていった。今日は風紀委員の出勤日だ。
相方の白井黒子が急用で出れなくなったので、急遽初春が駆り出されたと言う訳だ。




佐天「…………」




初春が見えなくなった直後、佐天は腕を組んで思考モードに入った。




(初春………私も、何とかしてあげたい…)


(けど、私に何ができるんだろう……)


(う〜ん………垣根さんと話でもできれば良いんだけど……そんなの無理だよねぇ。……だいいち何処にいるのかも分かんないのに……)


(御坂さんは……多分知らないんだろうなぁ……)



「―――そうだ! 一方通行さんなら知ってるかも!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:36:56.84 ID:EAJMitI0<>頭の上に電球が点く。




「よし! そうと決まれば早速一方通行さんに電話電話っと……」パッ



だが、しかし………




「………って、私一方通行さんの番号知らねーじゃんよぉぉ……orz」


「うう……こんなことなら昨日訊いとけば良かったよぉ」


「けど、それも無理か……。学園都市で頂点に立つ人の連絡先なんておいそれと訊けないっつーの……」


「うーん………何か、何か初春にしてやれることってないのぉ?」


「一方通行さんとコンタクトがとれれば、垣根さんに繋がるかもしんないのに〜………」


「やっぱり……私なんかじゃ………何にもできないのかな………」


「無能力者(レベル0)の……私なんかじゃ…―――」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:38:40.75 ID:EAJMitI0<>
ベンチで膝を抱えて完全に行き詰まる佐天……。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




―――無能力者ってさ、欠陥品なのかな……?―――


『―――佐天さんは欠陥品なんかじゃありませんっ―――!』


『能力なんか使えなくたって、いつもいつも私を引っ張ってくれるじゃないですか―――』


『力があっても無くても、佐天さんは佐天さんです!』


『私の親友なんだから――――』




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「―――…………」


「そう、だよね……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:43:36.41 ID:EAJMitI0<>
「初春が、教えてくれたんだよね……」



無能だった自分を変えようと『幻想御手』に手を出した時、初春は自分を『欠陥品じゃない』って言ってくれた……。



「そうだ……」


「私は……無能なんかじゃない!」


「私にだって、きっとできることはあるはず!」


「親友のために、何もできないなんて事なんかないっ!」


「私が、今、初春のためにできることは……垣根さんを捜すこと……けど、どこにいるかが分からない…」


「一方通行さんに居場所を聞こうにも……一方通行さんの居場所すら分からない……」


「………ええい! もうこーなったら、どっちか見つかるまで捜し回って―――!」





何故か妙に気合を入れて立ち上がりかけたところで、何かに気づいた顔をする……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:46:40.35 ID:EAJMitI0<>
「…………そうだ…」


「何で気づかなかったんだろう……」


「あの人なら、一方通行さんがどこにいるか知ってるかもしんないじゃん!」




すぐさま再び携帯電話を取り出し、どこかへ掛け始めた―――。




「お願いぃ。出て……」




数秒のコール音の後、相手が電話に応じてくれた―――。




???『はい、もしもし―――』


佐天「やったっ! もしもし……あの、私……佐天です―――」




一瞬声に出した上にガッツポーズまでとった佐天は、無理矢理落ち着きを取り戻して名乗った――――。




???『………』<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:49:50.07 ID:EAJMitI0<>
――――――


―――




―――路上




垣根と禁書目録は時間潰しにブラブラと歩いていた。特にアテはない。




禁書「―――かきねー! この中から賑やかな音が聞こえてくるよ! 気になるかも!」テクテク

垣根「ん? あぁ……パチンコか」テクテク

禁書「入っていい?」

垣根「ダメ! ……ったく、学生が大半の街にどぉしてこんな施設があるんだか……」

禁書「むぅ〜、とうまと同じこと言う……」

垣根「当たり前だ! 十八歳以下は入場禁止なの!」(って、大学生や教員なんかは来るんだろーけどな……)

禁書「ううう……中で何やってるのか気になるぅ」

垣根「我慢しなさ―――ん?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 20:52:19.01 ID:J/gsAMso<>初春ってレベル0じゃなかった気が・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:53:28.96 ID:EAJMitI0<>禁書「あ……」


ハナスノデス ワタシハコドモデハナイノデスヨー!

ハイハイ オジョウチャンハハイッチャダメデス



見た目十二歳くらいの少女が店員につまみ出される現場を偶然見てしまった。
つまみ出された少女は肩を落としてコチラへ歩いて来た。




小萌「―――う〜……追い出されたのです……免許証を部屋に忘れてくるなんてとんだ不幸なのですよ〜…」トボトボ




禁書「っ! こもえ!」

小萌「ふぇ? ……あぁ! シスターちゃん!? どうしたのですかー? こんなところで……上条ちゃんは一緒じゃないのですかー?」

垣根「……インデックス。このお嬢さんは友達か?」(あれ? この子…どっかで会ったような……)

小萌「あぁー! そこの君はこの間の! 白い捜し人は見つかったのですかー?」

垣根「え?…………あぁ! あの時のお嬢さんか!」※一方通行家出編参照

禁書「ほぇ? 知り合いだったの?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:57:42.00 ID:EAJMitI0<>
垣根「知り合いっつーか……前に一回声かけただけなんだがな」

小萌「お嬢さんなんて言うからドキドキしたのですよ〜」

垣根「っていうか、ダメじゃねえか。パチンコなんて君みたいな子供が……」

小萌「む〜! だから先生は大人なんですってばぁー!」

垣根「……あ〜、あん時も確かそんなこと言ってたっけ……。なぁインデックス、このお嬢さんは何処に住んでる子なんだ?」

禁書「え? 小萌はとうまの先生だよ?」

垣根「上条とも知り合いなのか……。しかし、上条もこんな子供と何ゴッコして遊んでんだよ……。オママゴトとかか?」

禁書「いや、そうじゃなくて……学校の先生なんだよ?」

垣根「ナニ? 学校ゴッコか? だったら普通上条が先生役だろ? ハハ、お嬢さん将来は先生になりたいのかい?」

小萌「もうなってるですよ……」

垣根「………ん?」

禁書「だからぁ、小萌はとうまが通ってる学校の先生なんだってば!」

垣根「…………」

小萌「はじめましてー。上条ちゃんの担任の月詠小萌です。上条ちゃんがいつもお世話になってるのです〜」ペコリ



垣根「……………………ウソだ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 20:59:51.21 ID:EAJMitI0<>
小萌「ムキーー!! ウソじゃないのですよーっ!!」プンスカ

垣根「ぜってぇウソだ! だいたい君いくつだよ!? その格好(ナリ)で二十歳超えてる訳ないだろぉが!」

小萌「女性に年を訊くのはマナー違反ですよーっ! それに先生はれっきとした大人なのです! 君って呼ばれる覚えもないのですよ!」

垣根「はっ……またまた……勘弁してくれよ。俺の未元物質もビックリだぜオイ……そんなに言うなら証明してみせろよ。でなきゃとても
   信じられねぇ」

小萌「ぐ……こんな時に身分証明書を置いてきてしまったのが悔やまれるのですぅぅ…」

垣根「ほら! やっぱりウソだ!」

小萌「本当なのですー!」

禁書「かきね……こもえの言うこと、ホントなんだけど………」

垣根「………マジなの?」

小萌「マジですぅ!」

禁書「マジなんだよ」

垣根「…………」ジー

小萌「――そっ、そんな…まじまじと見られるとぉ……照れるのですよ〜…///」


垣根「…………やっぱウソだ」


小萌「ムキーーーーーーー!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 21:05:13.44 ID:EAJMitI0<>>>878
初春さんはレベル1で『温度を一定に保つ』能力者です。
途中の独白は佐天さんです。分かりづらくてスイマセン。




――――――




垣根「やっぱオカシイ……有り得ないっつーか……イヤないわ……」ブツブツ

小萌「どうしたのですか?」

禁書「見えない何かと戦ってるみたいかも…」

垣根「まぁ………非常識なんて慣れてるし、そういうことにしても……いいか……」

禁書「?」

垣根「………えっと、さっきは失礼しました。上条君の友人(?)の垣根です。小萌先生……で良いっすよね?」

小萌「おぉー! やっと分かってくれたのですかぁ! 先生は嬉しいのですー! ところで、垣根ちゃんは何処の学校なのですか?」

垣根「え? あぁ、長点上機っすけど……」(垣根ちゃん?)

小萌「なっ!?……ま、まさか……垣根ちゃんって……あの…」

垣根「まぁ……第二位っす」(やべぇ、しくったかな……。けど上条の担任らしいし、まぁ良いか)

禁書「こもえ? どうしたの?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 21:10:09.19 ID:EAJMitI0<>
小萌「び、びっくりですよーっ! 七人の内のナンバー2じゃないですか! なんでシスターちゃんと一緒なのですか!?」

垣根「まぁ……上条経由……かな…」

小萌「上条ちゃん……こんな凄いことを先生に黙っていたなんて……三学期始まったらお仕置きしてやるのですよ〜…」

垣根(………なんかよくわからんが、上条よ……一応すまんと言っておく…)

禁書「そうだ、こもえ。かきねの『悩み』を聞いて欲しいんだよ!」

垣根「そうそう、俺の悩みを……って、うぉぉいッッ!!??」

禁書「だいじょーぶなんだよ♪ こもえは先生なんだから、きっと良いアドバイスもらえるかも」

垣根(……見た目幼い子にばかり知られていくのは偶然? それとも必然?)

小萌「レ、レベル5の悩みなのですか……? 未元物質は専門外ですが、一生懸命頑張るのですー!」

垣根「いや……それとは全く関係ない話なんだが……」

小萌「へ?」

禁書「かきねは今、恋をしているんだよ」

垣根「そう、恋して……って、インデックス! だから勝手に明かすなってば!」

小萌「恋ですかー……青春ですねぇ〜」

垣根「うわ、セリフがもう先生っぽくなってる……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 21:14:09.22 ID:EAJMitI0<>
小萌「先生ですってばぁ! 垣根ちゃんもしつこいですね!? 先生の経験上、そんなんじゃ好きな子と上手くいかなくなるのですよ〜!」

垣根「イヤ……経験上って……」(過去の男はロリコン確定じゃねえか…)

小萌「色々あったのですよ……」トオイメ…

垣根(そのナリで男に飽きたかのような目をするのは止めて!)


禁書「かきね、早く相談した方がいいかも」

垣根「え……でもここじゃ……」キョロキョロ

小萌「なら先生の家に行くのですよー。ここからすぐですから」

垣根「……一応訊きますけど、一人暮らし…ですよね?」テクテク

小萌「いえ、違いますよ?」

垣根(だよな……自立してるようにはハッキリ言って見えねーし、きっと家族または親戚か誰かと一緒に住んでんだろ―――)

小萌「家出少女を一人養ってるのですー」テクテク

垣根「……………」




それ以上は頭が痛くなるだけなので考えるのを止めた垣根だった……。
そんなこんなでひとまず、禁書目録と共に月詠のアパートへ移動する事となった―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 21:16:01.35 ID:EAJMitI0<>
――――――


―――



―――その頃、上条家では……




一方通行「ちっがァァァう!! 未然形はさっき教えただろォがァ! 聞いてたンですかコラ? 聞いてたンですかァァ?」ピシ ピシ

上条「そ、そうか……『打ち消し』か! 俺の右手と一緒って意味だな!」スラスラ

一方通行「オマエ限定の覚え方も良いけどよォ、……なら次ンとこは分かるンだろォなァ?」

上条「えーっと……『いとをかし』………お菓子?」

一方通行「よし、フザけてンのか。そォかそォかァ。是非もォ一度言ってくれよォ。回答次第じゃそれが遺言になるかもなァ」シュルッ

上条「…………」(う、マジでわからん……)

一方通行「ホラァ、時間押してンだから早く答えろよォ。さァーン、にーィ、いィーち……」

上条「!―――わかった! 『趣あり』だ!」スラスラ

一方通行(さっきから土壇場に強すぎだろォ。コイツ………)




大量にあった課題もこんな調子で残りは三分の一にまで減っていた……。頑張れ上条よ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 21:20:02.19 ID:EAJMitI0<>今日はここまで。
あ、テッラさんカフェラテごちっす♪
続きはまた明日投下しますね。
今日もお付き合い頂いた方々ありがとうございます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/10(火) 21:27:41.48 ID:EAJMitI0<>あ、あと補足っす。
『〜〜〜〜〜』は回想を意味しています。
今回の回想シーンはアニメ『とある科学の超電磁砲』の十話参照です。
ではまた明日。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 21:51:48.51 ID:SBklpjU0<>禁書目録「かきねは今、恋をしているんだよ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <>sage<>2010/08/10(火) 22:28:55.05 ID:P46fT7A0<>ぶ ち こ ろ し か く て い なのである。

テッラはテ/ッラになるのである。

乙である。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 00:12:58.87 ID:iRSHwOU0<>おれも一通先生に勉強教わりたいわー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 02:20:48.99 ID:KIMVMcw0<>>>888
ふむふむ。つまり
垣根は初春のことが好きで飯を作りに初春の家に通ったりするけどある日初春の家に上条が居たのを運悪く見てしまって誤解して逃げ出したところを追ってきた上条と口論になりそのまま暗部もしくは魔術師と戦いになりピンチに陥るがなんやかんやで絶対能力者になって敵を倒して誤解も解けて初春を病院の屋上で待っていて初春が到着し「こんな俺でもいいのか」「いいに決まってます垣根さんがいいんです!」で結ばれて大円団と。
こういうことだね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <>sage<>2010/08/11(水) 04:23:38.22 ID:ERUL.o.0<>>>891
よし、お前スピンオフでSS書いてくれ、頼む<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 15:38:03.61 ID:5uJVeSMP<>>>891
よし、お前スレ立ててそれ書け<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 19:42:43.78 ID:KIMVMcw0<>残念だが削板ストーリーすら諦めた俺には無理だ。ぐっふぅ。
ッ…! だ、だれか…!頼みましたよ……!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 19:49:54.04 ID:jG1zopk0<>初春と垣根ぼ恋愛モノとか俺得すぎるんで誰かが書いたら全力支援。
俺にはそこまで上手く書けん。ってかコレよく考えたら友情スレでしたww
と言う訳で続き投下します。MNWネタが途中に入りますがこれで最後にするんでお許しを。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 19:51:55.69 ID:jG1zopk0<>
――――――


―――




佐天「もしもし? 妹さんですか? 私です。佐天です」

御坂妹『―――おや、久しぶりですね。とミサカは電話と分かりつつもお辞儀をして見せます』




―――佐天が電話を掛けた相手は、昨日友達になった御坂妹だった。




佐天「昨日会ったばっかりじゃないですかぁ! それにお辞儀しても見えませんって!」

御坂妹『これはこれは強烈なツッコミを喰らってしまいましたてへっ♪ とミサカは可愛らしく舌を出してk』

佐天「妹さん! 今、時間もらって平気ですか?」

御坂妹『……ミサカは先ほど調整を終えてただ今絶賛暇人中です。とミサカは寂しい胸中を明かします。』

佐天「ホントですか! ……調整って?」

御坂妹『(やべっ!)あ……いえ……ところで、ご用件は何でしょうか? とミサカは触れて欲しくないことを遠まわしに告げます』

佐天「……そうですか……。あの、訊きたいことがあるんですけど……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 19:57:27.41 ID:jG1zopk0<>
御坂妹『はい、何ですか?』



(初春、あの時の借り……返すからね―――!)




佐天は指に力を込めて勇気を振り絞るように声を出した。




佐天「一方通行さんが今どこに居るか、知ってたら教えてくれませんか?」


御坂妹『…………』




しばしの無言……。御坂妹がどう受け取ったのかが不安になる佐天。




御坂妹『………何故聞きたいのですか? とミサカは問い返します』

佐天(う……やっぱ理由言わないとダメだよねぇ。そりゃそうか……)

御坂妹『彼に会って、何をするつもりなんですか?』

佐天「ど、どうしても一方通行さんに訊きたいことがあるんです! せめて連絡先だけでも教えてくれませんか…?」

御坂妹『お断りします。とミサカはハッキリと拒否します』

佐天「!? お……お願いします! そこをなんとか……」

御坂妹『あの方の立場をお忘れですか? そうやすやすと連絡先を教える訳がないでしょう。とミサカは当然の回答を述べます』

佐天「分かってます……。けど、それでもお願いします! 他にアテが無いんです!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:02:08.02 ID:jG1zopk0<>
御坂妹『彼に、一体何を訊きたいのですか? 佐天さんは昨日ミサカと友好を結びましたが、もし彼へ気を向けようものなら今度は容赦
    しませんよ? とミサカは徹底抗戦の構えをみせます』

佐天「そういうんじゃないです! 神に誓いますから! ………私の親友を、助けたいんです」

御坂妹『……………』

佐天「お願いします……。妹さん……」




電話でなかったら土下座している程に頼み込む佐天。そんな彼女に妹は―――




御坂妹『………ミサカは残念ながら、一方通行の連絡先を把握していません。とミサカは驚きの事実を伝えます』

佐天「え!?」

御坂妹『ですが、ミサカには特殊な方法で一方通行の居場所を推定することはできます。とミサカは補足します』

佐天「じ、じゃあ……どこにいるか分かるってことですか!?」

御坂妹『……少々お待ち下さい』




御坂妹は携帯電話を耳に当てたまま接続モードへと移行した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:03:55.87 ID:jG1zopk0<>
―――MNW内


ミサカ10032がログインしました


ちょっと尋ねたいんだが…


1:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
運営様いる?

2:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
来やがったなこの泥棒猫。相変わらず良い度胸だ

3:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
>>2
まぁ落ち着けよ

4:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13481
>>運営様ならいないよ

5:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
おい>>1てめえ今すぐ屋上来いよ。愉快に素敵にバラバラにしてやっからよォ

6:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10085
>>5はずっとこの調子だから気にすんな

7:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
>>5
すまん、お前とは今度ゆっくり話そうと思う。だが今はその前に運営様もしくは一方通行様の居場所を誰か教えろください
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:05:20.43 ID:jG1zopk0<>
8:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
さりげなく『様』付けで呼んでンじゃねェぞコラァ! よほど愉快な死体になりてェと見える

9:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13577
>>8
キャラ違いwwwww

10:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12430
つーか、あの遊びたい盛りのガキがこんな昼間っからこんなトコ来るわけねぇだろww

11:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
そうそう、クソガキはお昼寝の時間ってなァ

12:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10065
今ごろあのロリコンの腕の中でグースカピーじゃねーのww?


ミサカ20001がログインしました


13:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん♪ ってミサカはミサカは華麗に登場してみたり。で、ミサカに何か用?

14:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12430
こんにちは運営様! 今日も良いお日和ですね!

15:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
ご無沙汰しておりました運営様、いや〜今日も一段と可愛いですね!

16:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10065
どうも運営様、一方通行様にもよろしくっす!


ミサカ12430・ミサカ10039・ミサカ10039がログアウトしました<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:07:18.61 ID:jG1zopk0<>
17:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
逃げたww

18:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11219
逃げたな…

19:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
クソガ…じゃなくて運営様、一方通行は今一緒ですか?

20:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
ううん、多分あのヒーローさんの家じゃないかな?

21:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
ほう…

22:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13277
何故そんなすぐに分かる!? ってか、運営様来てから14510が大人しくなったな

23:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
>>22 それは企業秘密♪ あの人が迷子になってもすぐ見つかるように手を打ったとだけ言っておく

24:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
さすが上位wwパネェ

25:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
あ、もう行くからログアウトするね!


ミサカ20001がログアウトしました<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:10:59.24 ID:jG1zopk0<>

26:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
運営様ありがとうございました

27:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
ふぅ、とんだ邪魔が入った。さて、今度はコッチの話をしようじゃないか


ミサカ10032がログアウトしました


28:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13577
撤退したwww

29:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
つーかこのスレどーすんだよ? 雑談スレなら腐るほどあんだぞ?

30:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
おいてめえ! ナニ逃げてんだゴルァ! まだ話は(ry




―――――


―――




御坂妹「―――お待たせ致しました。時に佐天さんは今どちらに居ますか? とミサカは尋ねます」

佐天『―――え? ○○の××公園ですけど……』<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:13:57.79 ID:jG1zopk0<>
御坂妹「それは好都合です。実はミサカもちょうど今その付近にいるのですぐ向かいます。そのまま動かないでお待ち下さい。
    とミサカは指示して電話を切ります」―――プツッ


御坂妹「………さて、では行きますか…」テクテク




ついこの間手に入れたばかりの携帯電話を握りながら、御坂妹は佐天が待つ公園へ向けて足を動かした―――。




―――――




佐天「―――あ、来た来た。妹さ〜ん!」




妹との電話から十分後、佐天の視界に御坂妹の姿が映った。立ち上がった佐天は声を飛ばす。




御坂妹「お待たせしました。とミサカは友人との再会に顔を歪めながら挨拶をします」ペコ

佐天「いえ、コッチこそ急にすいませんでした」

御坂妹「それでは行きましょうか」

佐天「え…行くって……?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:19:16.03 ID:jG1zopk0<>
御坂妹「あなたを一方通行の居る場所まで案内するのです。とミサカは答えます」

佐天「………い、いいんですか!?」

御坂妹「はい、あなたを友達として信用することにしました。とミサカは微笑みを浮かべます」

佐天「あ…ありがとう妹さん!」

御坂妹「いえ、……できれば道中にでも事情を説明して頂けると嬉しいのですが……。あ、でも話せない部分は伏せても構いませんので。
    とミサカは内心気になってみたりします」

佐天「うん、わかった。話すね……」(人名は伏せとこう…)




こうして歩き出した二人……。途中の話は笑い話とは程遠い内容だったが、御坂妹はいつもの無表情で聞いていた―――。




―――――


―――



―――小萌のアパート




垣根「…………ここ?」




「お邪魔しまーす」と部屋に入った垣根の第一声がそれだった。まぁ……当然の反応だ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:21:34.78 ID:jG1zopk0<>
小萌「ありゃ? 結標ちゃんはお出かけですかー………。昨日飲み過ぎちゃったから散らかってますけど、遠慮しないで座ってくださいねー♪」


垣根(………ウソでしょ?)

禁書「こもえの家久しぶりかもー! あいさも呼びたいな〜」

垣根「…………」

小萌「今お茶淹れるので、寛いでてくださいね」トテトテ

垣根(この部屋に……酒瓶や吸殻いっぱいの灰皿が散乱しているこの部屋に……あんな見た目の先生が………)ジー

禁書「かきね? どうしたの? 目が危ないんだよ?」

垣根「いや……何でも…」(もう考えるのはよそう……。頭がおかしくなりそうだ。ダークマター、ダークマター……)ブツブツ

禁書「怖い……」


小萌「お待たせですー♪」

垣根「あ…どうも」

小萌「さてと、では垣根ちゃんのお悩みを早速聞いてあげるのですよ」

垣根「はぁ……」(やっぱ言わなきゃダメか…?)

小萌「遠慮なく話してみるのですよ。先生も人生経験豊富なのですから、話して損は無いのですー」

垣根「いやぁ……かなりカッコ悪い話なんすけど…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:22:57.33 ID:jG1zopk0<>
小萌「気にすることないのですよー。若いウチは色々悩みがあって当然なのですから、どんな内容でも格好悪いことはないのです」

垣根「………じゃあ――――」




―――――


―――




小萌「……………」

垣根「―――やっぱ、呆れちゃいましたよね……」

小萌「…………うぅ…」

垣根「?」

小萌「垣根ちゃんは……とって優しい子なのですね……」ウルウル

垣根「え…?」(なんで涙ぐんでんだこの人?)

小萌「先生は……先生は、感動したのですよ〜」フキフキ




いつの間にかハンカチで潤んだ目を拭う小萌……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:26:20.35 ID:jG1zopk0<>
小萌「垣根ちゃん!」

垣根「ハ、ハイ?」

小萌「諦めるなんて寂しいこと言ったら駄目なのですよー?」

垣根「はぁ……けど」

小萌「相手の女の子さんもきっと垣根ちゃんからの連絡を待ってると思います! 先生の勘に間違いはないのですよーっ!」

禁書「私もそう思うかなぁ……」

垣根「けど、俺は前にあの子を―――」

小萌「それが何だって言うのですかぁー!?」ガタン

垣根「………?」

小萌「過去に何があったって、それを超えるほどの楽しい思い出を垣根ちゃんはその子と作ったんじゃないのですか?」

垣根「いや……そりゃあ……」

小萌「過去はこの際捨てておくのです! 大事なのは未来なのですよー! 垣根ちゃんはこれからもその子と一緒に居たいと思ってるのかが
   一番肝心なところなのです」

垣根「未来……か……」

禁書「かきねは、その女の子に逢いたいんだよね?」

垣根「そりゃまぁ……できるなら…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:28:57.56 ID:jG1zopk0<>
禁書「なら逢えばいいんだよ! どうして迷ってるのかな?」

小萌「垣根ちゃんが何で躊躇っているのかは先生には分かります……」

垣根「……分かってるんなら………」

小萌「けど、そんなモノは所詮ただの装飾品に過ぎないのです」

垣根「………?」

小萌「恋に必要なのは地位でも名声でもないのです。相手を愛する心、これだけあれば充分なのですよ」ニコッ

垣根「!………」

小萌「垣根ちゃんは確かにココ(学園都市)では特別な立場にいるかもしれません。けど、それが人を好きになってはいけない理由に
   なんかならないのですよ」

垣根「―――!」

小萌「周りから『化け物』と呼ばれても、どんなに優れた力を持っていても、『ひとりのヒト』である事には何ら変わりはないのです。
   垣根ちゃんが誰を好きになっても誰かが何かを言う資格なんてありませんし、垣根ちゃんがどんな恋愛をしようと、誰にも文句
   なんて言える立場には絶対になれないのですよー。垣根ちゃんだけではありません。上条ちゃんだってもちろんそうです。恋は
   人の成長を手助けしてくれる『人生の教科書』なのですよ」

垣根「……………先生………」

禁書(こもえ……さすがとうまの先生かも……)

小萌「迷ってもいいのです。それも成長に繋がるのですから……その上で自分が決めた道を後悔せずに進める日がいつかきっと来るのです。
   それまでは、たくさんたくさん後悔してもいいのですよ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:32:55.30 ID:jG1zopk0<>
垣根「俺……どうしたら……」

小萌「簡単です。垣根ちゃんが『こうしたい!』と素直に思った通りにすれば良いのですー。後の事を考えるのは『後』で良いのですから」

垣根「…………」

小萌「今したい事だけをして良いと思うのですよ。たくさん悩んで苦しんだんですから、それくらいワガママになっても全然オッケーなのです♪」


垣根(今……したい事……今…俺はどうしたい……?)


垣根(……そんなの……決まってる!)




―――飾利に、逢いたい!!




(そうだ……俺は………この本心を無理矢理封じ込めようとしていた……)


(俺から飾利を遠ざけることで、飾利を守ろうとしていた……)


(―――けど………そんなのはただ都合の良い理由を付けて逃げようとしていただけだった……!)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:34:58.86 ID:jG1zopk0<>
(向き合うことが……怖かったから……)


(もう一度『あの目』を向けられるのが………怖かったから)


(これ以上、悲しい思いをしたくなかったから―――)




(けど、それじゃあいけねえよな……)


(こんな『臆病』な自分を……この『俺』が許せる訳ねえよな……ッ!)


(償いとか、そんなのをあの子は求めてねぇ……)


(もしかしたら、俺のことは早く忘れようって思ってるのかもしれねぇ……)


(だが、それを気にしてこのまま何もしねぇってのか!?)




(………ざけんな)


(俺は……学園都市の超能力者、垣根帝督だ!)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:39:14.78 ID:jG1zopk0<>
(―――好きになった女の子ひとりとも向き合えねぇで、何が超能力者だよ!?)


(―――何が男だよッッ!!)


(………俺は、逃げない)


(もう一度、飾利に逢うんだ!)


(どんな目を向けられても、どんな言葉をぶつけられても……)


(正面から向き合ってやる!)


(『今更よくのこのこ顔を出せたな』って思われるだろぉな……。だが、それがどうした!? 当たって砕けるのも上等! イカレタ奴と
思われたって構やしねぇ! 何故かって? そりゃ勿論、俺がそう決めたから………。そう―――)





『―――俺の未元物質に、常識は通用しねぇ!!!』




――――――




小萌「……垣根ちゃん、さっきよりも良い顔になったのですー」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:42:02.88 ID:jG1zopk0<>
禁書「ホントだ! 顔色良いかも!」


垣根「先生、インデックス―――」



「―――ありがとう!」



小萌「ふふ♪」


禁書「応援してるんだよ」ニコッ


垣根「あぁ」(もう、迷わない………)




(……俺は――――)




(――――初春飾利が、好きだ!)





二人の天使に微笑んだ垣根の心には、決して揺るぐことのない想いが生まれた―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 20:49:37.93 ID:jG1zopk0<>今日はここまでです。
続きはまた明日に投下します。
お付き合い頂きありがとうございました。

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 22:05:55.23 ID:Xx1v3q.o<>乙!

この『―――俺の未元物質に、常識は通用しねぇ!!!』はかっこ良すぎる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 22:14:47.73 ID:/j8sEt20<>乙、てーとくまじかっこいいっす<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 23:28:28.70 ID:bgQodYU0<>なにこのていとくん惚れた

日常描写のていとくんで一番カッコいいのがこのスレのていとくんだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/11(水) 23:30:44.38 ID:bgQodYU0<>>>900

のミサカ10039号は一つが10065の間違いかな?
撤退という発想は無かった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <><>2010/08/12(木) 00:23:32.87 ID:C5XZysM0<>冷蔵庫で有名になっちゃってるけど垣根帝都君は普通にカッコイイからなぁ・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/12(木) 06:23:02.93 ID:LrbYpC20<>大抵のSSではギャグ要員だしね...<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/12(木) 17:08:47.68 ID:0lu6a.go<>小萌△<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/12(木) 18:51:58.23 ID:F0.qNsDO<>>>919
垣根「(ここでの)俺の未元物質に常識(大抵のSSでの扱い)は通用しねぇ!!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/12(木) 19:24:53.06 ID:TTKKRxA0<>でも相手は中1…いや常識が通用しないんだったな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <>sage<>2010/08/12(木) 23:45:31.05 ID:C5XZysM0<>2次元の中学生は現実と違うから<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/12(木) 23:53:04.54 ID:fwU2ENso<>確かに現実の中学生が頭に花のっけてたら嫌だもんな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:05:41.60 ID:Yc8ARsg0<>すいません、諸事情により遅れました。
今からですが続き投下します。
あ、>>917の通り、ミスりました。正しくは10065です。サーセン。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:08:03.24 ID:Yc8ARsg0<>
―――上条宅の前




御坂妹「―――着きました」

佐天「―――ここが……一方通行さんの部屋ですか?」

御坂妹「いいえ、彼の友人の部屋です。とミサカは訂正します」

佐天「…………」

御坂妹「では。とミサカは呼び鈴に手を…―――!?」




―――その時、御坂妹の携帯電話が鳴り出した。




御坂妹「…………」




無言で着信元を確認した御坂妹は、『意外』といった表情をする……。




御坂妹「お姉……様……」




―――――


―――<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:09:42.46 ID:Yc8ARsg0<>
―――数分前、常盤台女子寮




美琴「はぁ……やっと終わったわ……」

黒子「他の寮生の方々が手伝ってくれたおかげで早く終わりましたわね……」




疲れたようにベッドへ腰掛ける二人、御坂美琴と白井黒子は寮内の罰掃除をようやく終えて一息吐いていたところだった。




美琴「ホント、みんなのおかげで助かったわ。今日丸一日は潰れるの覚悟してたもん…」

黒子「これもお姉様の人望ですわね」

美琴「んー、…そういうつもりじゃないんだけどね」

黒子「ご謙遜を…」

美琴「だからぁ―――ん…?」




会話の途中で美琴の目に入ったのは……ソファーに置かれたゴーグルだった。




黒子「お姉様……?」

美琴「あぁー……いっけない、返すの忘れてたわ……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:12:16.96 ID:Yc8ARsg0<>
黒子「あのゴーグル、確か妹様の物でしたわよね?」

美琴「うん……昨日借りてそのまんまだったの」

黒子「ゴーグルが無いと、ますますお姉様と間違えそうですわ。もっとも、わたくしは別ですけれど…」

美琴「ハイハイ、分かったからすり寄って来ないの! ……ごめん、ちょっと電話するね」

黒子「えぇ、構いませんの」

美琴「……………」

黒子「お姉様? 何故、携帯電話を睨んでいるんですの? 掛けないのですか?」

美琴「……う、うん……」

黒子「妹様と…何かありましたの?」

美琴「うん……ちょっと喧嘩しちゃって……」

黒子「んまぁ、姉妹喧嘩ですの? 羨ましいですわね」

美琴「そっか……アンタは…」

黒子「ええ、わたくしに姉妹はおりませんから……一度くらいはしてみたいモノですわ」

美琴「はは、オススメはできないけどね……」




苦笑しながら答える美琴……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:14:22.65 ID:Yc8ARsg0<>
黒子「折角なのですから、ゴーグルを返すついでに仲直りを望んではいかがでしょうか?」

美琴「……でも……きっと許してくれないわよ。アイツに酷いこと言っちゃったし……」

黒子「それなら尚更お姉様から掛けるべきですわ。で、具体的にはどのようなことを申しましたの?」

美琴「私、ブチ切れちゃって………アイツのこと……『欠陥品』とか……」

黒子「………とてもお姉様から発せられた言葉とは思えませんわね…」

美琴「分かってる……。最低よね、私……」

黒子「今すぐ掛けて謝られた方がよろしいのでは? 妹様はお姉様を元に造られたのでしょう? いわば『親』とも呼べる存在のお姉様から
   そのように言われては……さぞかし傷つかれたでしょうに…」

美琴「全くその通りよ。ホント自分が嫌になるわ……。見損なった?」

黒子「は、お姉様こそ、わたくしを見損なわないで下さいな。わたくしはお姉様の『良き理解者』(兼オナペット)ですのよ? 過ちは誰でも
   犯してしまうもの……ならば、それを正しい方向へ導くのが『理解者』としての務めですの」

美琴「黒子……」

黒子「わたくしはどんな事があってもお姉様の味方で居続けますの」ニコッ

美琴「……ありがと」

黒子「で・す・が、お姉様が悪い時にはハッキリと言わせてもらいます。それが『パートナー』ですから」

美琴「……はは……敵わないなぁ、アンタには」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:16:10.63 ID:Yc8ARsg0<>
結局それから三分後、とうとう「ええい!」と、意を決したように通話ボタンを押した美琴であった……。




――purrrrr♪………




『―――はい……』ピッ


美琴「あ……もしもし? ………私だけど……」


御坂妹『………何の御用でしょうか?』

美琴(やっぱり、まだ怒ってるのかな………そりゃそうよね……)

御坂妹『用がないのでしたら切りますが?』

美琴「あ! 待って!………その…」

御坂妹『…………』

美琴「………は……めん…」ボソッ

御坂妹『聞こえませんが? とミサカは復唱を求めます』


美琴「―――昨日は……ごめんっ!」ペコッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:19:10.86 ID:Yc8ARsg0<>
黒子(お姉様……電話相手に頭を下げるのは無意味かと思いますが……)

美琴「私が悪かったわ! アンタに酷いこと……いっぱいしちゃって……本当に何て言ったら良いか……」


御坂妹『―――もう、怒っていませんよ。お姉様』


美琴「え…?」

御坂妹『ミサカの方も、少し言い過ぎました。ゴメンなさい……とミサカは電話では意味がないと分かりつつも頭を下げます』ペコッ

美琴「…アンタ……」

御坂妹『こんなミサカでも、もう一度……妹として見てくれませんか? とミサカは頼みます』

美琴「も、もちろん! っていうか、コッチのセリフよ! ……私のこと……これからも姉として、見てくれる?」

御坂妹『当然、ミサカの姉はお姉様です。とミサカは和解のエアー握手を求めます』

美琴「……ありがとう」




心で固い握手を交わした二人は、再び姉妹の絆を強めたのだった。




美琴「ねぇ、そう言えばアンタ今何処? ゴーグル返したいんだけど……」

御坂妹『あ、忘れてました。道理で今日はよくお姉様に間違えられるハズです……とミサカは納得します』<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:22:08.25 ID:Yc8ARsg0<>
美琴「ゴメンね、すぐ返しに行くから。で、今何処にいるの?」

御坂妹『それなんですが……上条宅まで来て頂ければ幸いです。とミサカは希望します』

美琴「はぁ? アイツん家? なんで……?」

御坂妹『実は今、佐天さんと一緒に上条宅まで来ているからです。おっと誤解すんなよ? 一方通行がいるから来ただけなんだからね!
    とミサカはツンデレっぽく説明します』

美琴「佐天さんも? ……分かった。それじゃあ今からソッチ行くわね」

御坂妹『お待ちしております。とミサカは部屋主の許可などお構いなしの態度で答えます』

美琴「ふふ、じゃあ後でね――」ピッ



通話を切った美琴はスッキリした表情を隠しきれていなかった。
そんな彼女に黒子は…




黒子「どうやら無事に仲直りできたようですわね。良かった…」

美琴「うん! 黒子のおかげよ! ありがとーっ!」ギュッ

黒子「―――!!?」




美琴にいきなり抱きつかれた黒子は当然パニック状態になる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:24:11.79 ID:Yc8ARsg0<>
黒子「ついに……ついにこの時が来たんですのね!? わたくしとお姉様がひとつとなる日が! 待ち続けた甲斐がありましたわぁ!
   ささ、お姉様! もっと撫で回すように! もっと抉るように、このわたくしを溺れ逝くまで壊してくだs―――」ガバッ




―――スカッ




黒子「ありゃ……?」

美琴「さて、じゃあ早速アイツん家まで……おっとその前に鏡鏡〜♪」

黒子「…………」




抱き返そうとした黒子の両腕は空を抱いた……。
避けるように黒子から離れた美琴は一瞬の内に洗面台へと移動していたからだ。




美琴「あ、そうだ。どうせなら黒子も一緒に行かない?」




ヒョイ、と顔を出して尋ねる美琴に黒子は……




黒子「え?………わたくしは……う〜ん、どうしましょうか………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:25:40.21 ID:Yc8ARsg0<>
悩むポーズをとった。美琴にはついて行きたいが、上条宅というのが問題だったのだ。




黒子(何故わたくしがあの低俗なサル野郎の住処になど……)




別に上条が悪い訳ではない、のだが……黒子の上条へのイメージは美琴の告白と共に大暴落していた。




美琴「良いじゃない、行こうよ? 佐天さんも居るし」

黒子「は? ……何故に佐天さんが?」

美琴「さぁ? それは分かんないけど、行けば分かるんじゃない? それより、来ないんなら置いてくけど?」




いつの間にか、すでに美琴は玄関のドアを開けていた。相変わらず上条が絡むと時々人外な素早さを発揮する美琴だった。




黒子「わ、わたくしも行きますのー!」ザザーッ




滑り込みで美琴と共に部屋を出た黒子。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:27:33.69 ID:Yc8ARsg0<>
黒子(お姉様のためですの! そう! これは護衛ですの! あのサルを亡き者にして今度こそお姉様をわたくし色に染め上げてみせますわ! 
   それ以外の何物でもありません!)




心で必死にそう言い訳する白井黒子だった……。こうして二人も上条宅へ―――。




―――――


―――



―――上条宅




上条「―――終わ…ったぁぁぁ」グデー




机に体を沈める上条。その横には解き終えた問題集が綺麗に積み重ねられている。
何も無い綺麗な机が全ての終わりを物語っていた……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:29:08.23 ID:Yc8ARsg0<>
一方通行「思ってた以上の早さだったぜ三下ァ。良く頑張ったな」




一方通行の顔にも微笑みが伺える。




上条「いつもの三倍は頭良かったんじゃねえか俺…?」

一方通行「そォでなきゃ、俺が居る意味なンてねェだろォがよ」

上条「上条さん一人じゃ絶対に終える事は出来なかっただろぉな……ホントにありがとう一方通行。俺の三学期はお前に救われたよ」

一方通行「大げさなンだよ。俺は分かンねェ箇所を教えただけで、殆どはオマエが解いたンじゃねェか」

上条「いや! お前が居なかったら絶対こうは行かなかった! サンキューな!」ガシッ

一方通行「オイ! 手ェ握ンなよ! 放せ気色悪りィ!」ブンブン

上条「いや、放さない! 俺、ホントにお前には感謝してるんだ……」(これでインデックスの晩飯を買う時間もできた)

一方通行「それは分かったから放せってンだよ!」ブンブンブン

上条「……ていうか、お前の手って…触り心地良いな……石鹸みたいにツルツルしてる」サワサワ

一方通行「〜〜〜〜〜!!??」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:31:43.43 ID:Yc8ARsg0<>
サーッ…と、一方通行の顔が青ざめていく……。




一方通行「オ、オイ! 何フザけた事ぬかしてンだコラァ! 早く放せェ! 変な考え起こすンじゃねェぞ!?」

上条「何こんくらいで照れてんだよ? ダチなんだから良いじゃねえか」

一方通行「オマエ普段ダチとこンな事してンのかァ!?」

上条「いや、しねえけど……何だろうな。お前だから……かな?」(反応が面白いから)

一方通行「意味分かンねェンだよ!!」

上条「俺じゃ……イヤか?」キリッ

一方通行「……………」

上条(お、固まってる固まってる……。ホント面白ぇ反応するなぁコイツ……)




ピンポーン♪………ガチャ




佐天「ちょっと! 妹さん! 勝手に上がっちゃって良いんですかぁ!?」

御坂妹「大丈夫ですよ。今のミサカは大変気分が良いので、多少の細かい事は気にしないようにします。とミサカはアポ無しの上に許可無しで
    足を踏み入れます」ズカズカ

佐天「あ、待ってくださいよぅ! って………?」



上条・一方通行「…………………………」


御坂妹・佐天「…………………………」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:33:14.16 ID:Yc8ARsg0<>
一方通行の失敗は、さっさと上条の手を振りほどかなかった事だった。




御坂妹「………これは………細かい事は気にしないと言って見逃せる状況では……ないですね。とミサカは鼻血が出そうな鼻を、押さえて……うっ」

一方通行「ま、待て! 違う! ってか、何勝手に入ってきてンだオマエらァ!」

佐天「一方通行さんって……ソッチ方面の人だったんですね……。ちょっと、いやかなり意外でした…」ジトー

一方通行「そしてなンでオマエもいンだよォ!?」

上条「あー………一方通行。あのな、こぉいう時は黙ってこぉ言うんだよ。さぁ、共に叫ぼうぜ」ポン



「せーの……―――」



上条・一方通行「―――不幸だァァああああああああッッ!!!!!」



佐天「うわ、うるさっ……」

御坂妹「実に愉快な方々ですね。とミサカは息ピッタリな二人を微笑ましく見つめます」

佐天(っつか黙ってないし……)




耳を塞ぐ佐天と若干ニヤケ顔の御坂妹は、男二人が叫び終えるのを待った。
この叫びの後に彼等の口から出た言葉が弁明の嵐であった事は言うまでもない―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 00:36:06.34 ID:Yc8ARsg0<>とりあえずここで切ります。
書き溜め終わり次第続きを投下しに来ますんで。
確かにていとくん……良く考えたらロリコンじゃんww
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 00:39:28.25 ID:eBkqggQo<>乙
一通さんがどんどん不幸になっていく…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:33:45.50 ID:Yc8ARsg0<>ども。
それでは続き投下していきます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:35:15.02 ID:Yc8ARsg0<>
―――――




―――弁明し終えてさらにそれから約十分後





一方通行「つーかよォ……オマエら結局何しに来たンだよ?」

御坂妹「はい、実は佐天さんがあなたにどうしても尋ねたいことがあると…」チラッ




後ろにいる佐天に視線を向ける御坂妹。




佐天「あ…どうも。お邪魔します。っていうかお邪魔してます」ポリポリ




考えてみれば男の部屋に入ったのが初めてだった佐天は、今更気まずそうに笑う。




上条「……今度からは勝手に入るのは遠慮してくれよ?」

御坂妹「そうですね。心臓の動悸がまだ治まりません。それにしても、プレイ前で本当に良かった。とミサカは…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:37:21.88 ID:Yc8ARsg0<>
一方通行「誤解だって何度言わせる気だァオイ? 燃やされてェのか?」

御坂妹「ジ、ジョークですよやだなぁ。とミサカは怯えて撤回しますっ」




馬鹿なやりとりをする一方通行と御坂妹を横目に佐天は上条に目を向けた。




佐天「あのぉ……」

上条「あぁ、俺は上条当麻。どこにでもいる普通の高校生ですよ」

佐天「わ、私は佐天涙子って言います。勝手に上がってすいませんでした」

上条「気にすんなよ。そんなことで怒ってなんかいないからさ」

一方通行(どこにでもいる普通の高校生ねェ……。ハッ、よく言うぜ)

佐天「……どうも。あの、上条さんって……御坂さんの知り合いなんですか?」

上条「え? そうだけど……何で?」

佐天「やっぱり! 御坂さんがよく『あのツンツン頭〜〜』とか言ってたからまさかな〜って…」

上条「うぐ……アイツめ…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:39:23.18 ID:Yc8ARsg0<>
佐天「御坂さんと仲良いんですよね?」

上条「あぁ……まぁ……」(考えてみたら、そういうのも俺に好意があったからこそなんだよな……。女の子ってのは難しいぜ…)

一方通行「ンでよォ、俺に訊きたい事ってのは何だ?」




いつの間にか御坂妹とのやりとりを切り上げて佐天を見る一方通行に、佐天は一瞬ビクッとなるがすぐに尋ねた。




佐天「あ、すいません。それでそのぉ……一方通行さん。垣根帝督さんが今何処にいるのか知ってますか?」

一方通行「………聞いてどォすンだよ?」

佐天「一方通行さんは、昨日初春……あの花を頭に咲かせた私の友達と一緒にいたのが垣根帝督さんだって分かってたんですよね?
   あの二人の『事情』も……ホントは知ってるんじゃないですか?」

一方通行「だったらどォした?」

上条「おい一方通行……」

一方通行「オマエはアイツに会って何がしてェンだ? 俺はソレを訊いてンだがなァ」




覚悟を試すかのような視線をぶつけてくる一方通行。だが、それでも佐天は物怖じしなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:41:40.43 ID:Yc8ARsg0<>

佐天「決まってるじゃないですか! 初春と会ってくれるように頼み込むんです! 初春は……垣根さんに会いたがってるんですから!」


御坂妹「…………」

一方通行「…………」

上条「…………」


佐天「初春は親友なんです! その親友が……あんなに苦しんでるのを、黙って見てなんかいられませんっ!」


一方通行「俺がンな簡単に教えるよォなお人好しに見えンのかよ?」

佐天「…見えません。だからお願いしたいんです。一方通行さん、お願いっ!」ガバッ

上条「お、おい! やめろって! なぁ一方通行! もういいだろ!?」




佐天が地面に膝をつけ、頭を屈めようとする。さすがにこれには上条が黙っていられなかった。




上条「佐天さん! 頭上げてくれ! もう分かったから……。そういうのは上条さんの専売特許ですよ」

佐天「でもぉ……」ウルウル<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:44:07.82 ID:Yc8ARsg0<>
顔を上げた佐天の目は……涙ぐんでいた。一方通行は「チッ…」と舌打ちして目を逸らす。




上条「一方通行……俺が話すぞ? 女の子を泣かせるのは感心しないからな…」


一方通行「……勝手にしろ」




目を逸らしたままそう言った一方通行。




上条「佐天さん、すまないな……。実は―――」




昼食時、ファミレスでの一部始終を見ていたことを告げる上条……。
これから二人の恋を実らせるために話し合いをする予定だったこともついでに明かした。




―――――




佐天「―――ひどいですよ一方通行さんっ! 近くにいたなら声かけてください!」

一方通行「そンな雰囲気じゃ無かったろォがよ!」

上条「まぁまぁ落ち着け二人とも。とりあえず、佐天さんと御坂妹にも一緒に考えてもらえたらありがたいんだが……。
   やっぱ女の子側の意見も欲しいし……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:45:55.73 ID:Yc8ARsg0<>
御坂妹「それは構いませんが……具体的にはどのように考えているのですか? とミサカは尋ねます」

上条「それが、まだ何も……。最終的に決めるのは当人同士だからなぁ……。俺達にできることって言ったら……何なんだろう?」

佐天「あの二人を……何とかして巡り会わせましょう」

上条「どうやって?」

佐天「初春は私が呼び出して、一方通行さんが垣根さんを呼び出すんです」

一方通行「そりゃ無駄だと思うぜ?」

佐天「な、なんでですか?」

一方通行「垣根の方は、その初春ってヤツと二度と会う気はねェだろォよ……」





『――――できるんなら………もう一度逢いてぇ。あの無邪気なツラをもう一度見てぇよ……けど、それはもう叶わねえんだ――――』




―――もう……叶わない。確かに垣根はそう言った。あの言葉には決別の意味がハッキリと感じられたのだ。





佐天「……そんな…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:49:43.54 ID:Yc8ARsg0<>
一方通行「仮に会わせたとしても、垣根はすぐ逃げちまうだろォな……。そンなことになっちまったら、初春ってヤツに
     無駄な傷が増えるだけなンじゃねェのか?」

上条「ただ偶然を装って引き会わせるだけじゃダメってことか……」

佐天「何とか……ならないんですか?」

一方通行「ソレを今考えてンだよ――」




―――ピンポーン♪




一方通行「――あン?」

上条「……誰だ?」

御坂妹「あ、多分お姉様です。とミサカはすっかり忘れてました」

一方通行「……とにかく出てやれよ」

上条「あぁ」スクッ




立ち上がって玄関へ向かう上条。




―――ガチャ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:51:44.93 ID:Yc8ARsg0<>
美琴「――お……おっす」

黒子「――こんにちは…」ムスッ

上条「お、おう。……どうした?」

美琴「妹、来てない?」

上条「あぁ、来てるぞ。とりあえず二人とも上がれよ」

美琴「う…うん。お邪魔しま〜す…」

黒子「……お邪魔致します」ツン


上条(やっぱ、美琴のことは意識しちまうよなぁ……。にしても、何で白井は不機嫌なんだ…?)トタトタ


美琴「あ、一方通行……」

一方通行「……よォ」

美琴「おっす……」

黒子「第一位様。お久しぶりですわね」

一方通行「おォ、……オマエ何か機嫌悪くねェか?」

黒子「気のせいですの。……妹様もご無沙汰ですわね」

御坂妹「おっす。とミサカはお姉様風に挨拶してみます」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:54:40.83 ID:Yc8ARsg0<>
黒子「―――そして…」

佐天「あはは〜……どうも〜」

黒子「佐天さん。どういう事ですの?」

佐天「いや〜、話すと長いですよ?」

美琴「佐天さんも、昨日はゴメンね…」

佐天「あぁ、いいですよそんなの。仲直りできて良かったですね」ニコッ

美琴「うん。あ、そうそう。ハイこれ」スッ




御坂妹にゴーグルを返す美琴……。




御坂妹「これでようやくミサカは完全なミサカに戻りました。とミサカは一日ぶりのゴーグル姿を一方通行に見せつけます」チョロチョロ

一方通行「顔の回りをチョコマカすンなうっとォしい。……わァったよ。オマエはソッチの方が似合ってっから、大人しく座れ」

御坂妹「………/////」

黒子「これは一体どういう事なんですの? お姉様」

上条「?……何かよく分からんが、御坂に白井も知恵を貸してくれるとありがたいんだが…」

美琴「は?」

黒子「???」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:56:45.08 ID:Yc8ARsg0<>
上条「実は―――」



〜〜〜美琴&黒子へ説明中〜〜〜




黒子「―――ま……まさか……そのような事になっていたとは……」

美琴「………初春さん……」




初春と垣根の事情とこれから二人のためにどうしたら良いのかを話し合っていた事を二人の常盤台生に説明した上条。
さすがに二人とも衝撃を隠せなかったようだ。特に風紀委員の相棒の上、初春との付き合いも長い黒子にとってはそのショックは
大きかった筈……。




黒子「初春め……。何故、わたくしには一言も相談しないんですの……。水くさいにも程がありますわ。頭の花抜き取るだけじゃ
   済まされませんわね……」グヌヌヌ

美琴「多分、アンタに余計な心配させたくなかったんだと思うよ。私や佐天さんはあの場で会ってたから……」

黒子「―――ですがっ!」バンッ

上条(あ、上条さんの椅子が……)

黒子「それでは、わたくしだけ蚊帳の外ではありませんか! ……初春がそんなに苦しんでるなんて知って、黙ってなどいられません!」

佐天「白井さん……」

黒子「第一位様! 今すぐ第二位の殿方を呼んで下さいまし! わたくしが直接申してやりますの!」

美琴「黒子……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 21:58:37.52 ID:Yc8ARsg0<>
一方通行「…………」

黒子「今すぐ初春に会うべきですわ! こういう場合、殿方の方から出向くのがセオリーではありませんの!?」


一方通行「……無理だ」


黒子「何故!?」

一方通行「アイツの立場をよく考えてみろよ……。俺やオマエらが直接言ったからどォにかなるって本気で思ってンのか?」

黒子「それは………」

一方通行「超電磁砲も知ってるとは思うが、超能力者(レベル5)なンてのは『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』が尋常じゃねェ。
     それこそ『頑固者』なンてレベルじゃ到底許されねェ程に我が強ェンだ。人から強制されるなンてのは有り得ねェンだよ」

美琴「………人にも寄るんじゃないかしら?」

一方通行「さっきも言った通り、垣根は花頭とは二度と会う気がねェのは間違いねェ。………昨日、本人の話しを聞いた限りじゃな……」

佐天「でも、さっき一方通行さん言ったじゃないですか! 『垣根さんも本当は初春に会いたがってる』って! それなら……会えば良いんじゃ
   ないんですか?」

一方通行「だからこそ余計にアイツの決意は固いだろォし、尚更会うのは無理だろォな……」

佐天「なんで……?」

一方通行「オマエには理解できねェかもしンねェがな……。俺には分かるンだよ」

美琴「意地張るのとは……ちょっと違うわよね……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 22:03:06.30 ID:Yc8ARsg0<>
上条「そんなレベルじゃないだろぉ……。男として覚悟決めたって言ったら聞こえは良いが…」

御坂妹「……まさにテコでも動かない意志……ですか。難しいですね。とミサカは思考を捻ります」

美琴「結局は、本人達次第だからね……。私達にできる事なんて……あるのかな……」

黒子「………ですが、このまま初春を放っておくなんて……わたくしにはできませんわ…」

上条「俺らも同じだよ白井。みんなで考えようぜ? きっと何か方法があるハズだ」

黒子「……えぇ」




上条、一方通行、美琴、黒子、御坂妹、佐天……それぞれがそれぞれの友人のためにと精一杯の思考を唸らす。

そうして出来上がった無言の空間を打ち破ったのは――――




上条「―――みんな! 聞いてくれ!」




―――上条だった。


当然、全員が上条に注目する……。




佐天「上条さん……?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 22:05:48.26 ID:Yc8ARsg0<>
一方通行「………?」

美琴「何か良い手でも浮かんだの?」


上条「あぁ、名案だ」ニヤリ




含み笑いを浮かべてハッキリそう言った上条に、周りからは期待の空気が生まれる。




上条「話す前に聞きたいんだが、この作戦には皆の力が必要不可欠だ。俺に協力してくれないか? そうすればきっと上手くいく…」


美琴「あったり前じゃないの。友達のためなら是非協力させてもらうわ!」

黒子「右に同じですの!」

御坂妹「流れに逆らう訳にはいきませんね。とミサカも協力の姿勢を見せます」

佐天「ってか、そんなの聞くまでもないじゃないですか〜!」


上条「一方通行……」チラ


一方通行「……ンな分かりきった事ァ良いから、早く話してみろよ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 22:08:28.35 ID:Yc8ARsg0<>
上条「ああ! んじゃ詳細を説明するぞ。―――――」




こうして、上条の口から垣根と初春を再び引き会わせてくっつけるための作戦が発表された―――。




―――――




一方通行「………」

上条「――どうだ? 完璧だろ?」

黒子「……類人猿にしては名案だと思いますが……ホントにそれで上手くいきますの?」

上条「絶対大丈夫だ! むしろこれ以外にあるか?」

美琴「確かに……他には考えられないけど……」

佐天「……それで、いつやるんですか?」

上条「そうだな……。できれば早い方が良いだろ。明日とか、皆空いてるか?」

黒子「当然ですわ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 22:13:32.61 ID:Yc8ARsg0<>
美琴「私もちょうど空いてるわね」

佐天「冬休み中ですからね。全然問題ないっす!」

一方通行「…………」

上条「一方通行も、いいな?」

一方通行「おォ……っつゥか、本当にソレで上手くいくのかが正直疑問だがなァ…」

上条「失敗することを考えてたら、前には進めないぜ?」

一方通行「そりゃそォだが……ぶっつけ本番でやるつもりかよ?」

上条「下手に練習入れたりしたら、アクシデントが起こった時に対応し辛くなるだろ? この作戦のテーマは『臨機応変』がカギなんだよ。」

黒子「役割は分かりましたが……果たしてどうなるか……」

上条「お前の空間移動が無いとダメなんだ。頼むぜ白井」

黒子「……初春のためですから仕方ありませんわね。乗りましたわ」ニヤリ

上条「佐天さん、初春さんの予定は大丈夫かな?」

佐天「無理矢理にでも来させます」

上条「……よろしく」

御坂妹「では、ミサカは早速準備に掛かりますので、これで失礼します。とミサカは明日に備えて骨を鳴らします」ポキポキ

上条「おう、御坂妹も悪いな。頼んだぞ?」

御坂妹「お任せ下さい。とミサカは親指を立てます」グッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 22:15:26.21 ID:Yc8ARsg0<>
美琴「それじゃ、私達も今日は帰るわね」

黒子「そうですわね。明日に備えますわ」

佐天「よし、じゃあ私も!」


上条「決行時間は明日の十時で、九時に家集合な? 御坂も佐天さんも、予定通り頼んだぜ? 白井もな」


美琴「オッケー♪」

佐天「任せてください♪」

黒子「ええ! こうなったらわたくしも腹を括りますわ! では、明日―――」




上条に向けて「任せとけ」とばかりに自信満々の笑みを返した女子達は、上条宅を後にする。



―――バタン




一方通行(……なンかすげェ事になっちまったなァ……。けど、ここまで来たら俺も腹ァ括ンねェと……元々俺が持ちかけた話だしなァ)

上条「よし、俺らも打ち合わせくらいはしときますか?」

一方通行「……そォだな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 22:16:49.44 ID:Yc8ARsg0<>
上条「……さっきからテンション低いな。どうした?」

一方通行「別に。なンでアイツらのためにそこまでしてやれンのか……ちっと疑問に思っただけだ」

上条「まだそんな事言ってんのか? お前だってもう知ってるハズだぞ?」

一方通行「……あ?」


上条「誰かを助ける事に、理由なんか要らねぇ」


一方通行「………ふン」

上条「そうだろ?」

一方通行「………あァ、そォだったな。ったく、オマエはいつもそォいうヤツだよなァ」

上条「今は『お前も』、だろ?」ニヤリ


一方通行「………チッ」


上条「フッ……」


一方通行「……あーァ、やンなるぜェ。……すっかりオマエに毒されちまった……。前の俺なら、こンなのどォでもイイとしか思え
     なかったってのによォ」ニヤリ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 22:18:27.60 ID:Yc8ARsg0<>
上条「へへへ……」


一方通行「ククク……」




上条「―――よっしゃあ!! いっちょ派手にやってやろうぜぇ!!」


一方通行「―――ったりめェだろ三下がァァ!! 足引っ張りやがったらブチ殺すからなァ!!」


上条「はん! コッチのセリフだ! ……いいぜ、アイツらがこのまま別々の道に進んじまうって言うんなら―――」グッ…


一方通行「アイツらがすれ違う想いを引きずったままこの先を生きるって言うンなら―――」グッ…






『――――まずは、そのフザけた幻想をブチ殺す!!!!!』






気合を込めて叫んだ二人の主人公(ヒーロー)は握った拳を合わせる。互いを見据える二人の顔は紛れもなく『友を認める顔』だった。
そして、それはこの作戦の『成功』をも意味している。少なくとも、今の二人の頭には『失敗』の文字は少しも見当たらなかった―――。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 22:21:12.95 ID:Yc8ARsg0<>今日はここまでです。
そろそろ次スレ建てようと思うので、ここは埋めちゃっててオーケーっす。
では、建てて来ますわ。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 22:22:32.51 ID:EmgGmLM0<>乙です!!

行ってらっしゃ〜い<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 22:24:06.96 ID:EcusiYAO<>乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 22:25:00.00 ID:Xg2wcnU0<>一方さんいきいきしてるなwwwwww
乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 22:26:08.99 ID:CF9S6k2o<>乙!

盛り上がってきたああああああああああああ!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <>sage<>2010/08/13(金) 22:31:11.64 ID:7ZbuU560<>>>1
次スレはこのスレで宣伝よろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 22:35:23.45 ID:EmgGmLM0<>美琴「とある主人公(ヒーロー)の友情物語?」2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1281705906/<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 22:37:52.19 ID:Yc8ARsg0<>建てました。次回からはアッチに投下します。コッチは埋めなり雑談なりで。

美琴「とある主人公(ヒーロー)の友情物語?」2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1281705906/l50<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 22:43:32.38 ID:Yc8ARsg0<>>>966
ありがとうございます。

余談。この話終わったら通行止め書こうと思ったのだが……
21巻読んで番外通行も書きたくなってしまったww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 22:49:01.03 ID:EmgGmLM0<>好きにしたらいいと思う

なんなら両方書いてもら(ry<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 22:49:19.03 ID:dbPARq.o<>くっつけて番外通行止めにしちゃうといいよ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 22:53:21.90 ID:TcVxNoDO<>なんという乙。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 23:00:01.31 ID:Yc8ARsg0<>>>969-970
おお! その手があったか! あざーっす! 参考参考っと…
って、まずはこの話終わらせねば…
まだ話終わってねーのに次回作の話とか馬鹿か俺は!orz
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 23:10:02.20 ID:uXOqtp6o<>煮詰まった時とかに気分転換に書きためるといいかも<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 23:11:49.34 ID:eBkqggQo<>この話はあとどれくらいなんだ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします <>sage<>2010/08/13(金) 23:21:45.03 ID:7ZbuU560<>>>966-977
乙である。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/13(金) 23:27:11.53 ID:Yc8ARsg0<>>>973
気分転換か…それもいいな。

>>974
全体的にもう終盤入ってます。
残りは四分の一?…ってところでしょうか…。
話的には言えませんが、終わりが近づいてるのは確かです。<> V1PにかわりましてGEPPERがお送りします <>sage saga<>2010/08/14(土) 00:08:24.65 ID:9LQECMw0<>上条さんの……椅子、椅子……?

ちょぷっちょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

垣根も初春も逢う覚悟はできてんだよな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/14(土) 00:33:01.92 ID:1F6NvRs0<>>>977
はい。垣根くんの覚悟が決まった事は上条さんたち知りませんからね。
上条さんなら椅子に何て名前つけるんでしょうねww
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/14(土) 00:41:18.24 ID:Kjn3rl.o<>スクライドみたいになってきたwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/14(土) 00:50:04.41 ID:1F6NvRs0<>>>975
アックアさんスルーしてゴメンなさい! 二期でのご活躍楽しみにしてます

>>979
そのレス(ツッコミ)実は待ってましたwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/14(土) 01:44:00.00 ID:awQPHPAo<>おつ!

最近一方通行がなぜか義鷹で再生される<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/14(土) 13:46:52.82 ID:ilvYZqwo<>乙です。そして埋め
スクリプトでなく平和に埋まるとほっとする<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/14(土) 14:26:57.05 ID:V6YZ9yQo<>とっとと埋めるか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/14(土) 16:53:42.16 ID:0N5JpNw0<>乙乙

こ、これはおつおつじゃなくてダブルゼータなんだから勘違いしないでよね///<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/15(日) 19:48:52.05 ID:k5MWcMAO<>まずはこっちを埋めようぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/08/15(日) 19:50:01.89 ID:IPW8i9M0<>お手数かけてすいません。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 19:53:04.69 ID:k5MWcMAO<>いつも見させて貰ってるぜ
埋め<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 19:56:09.88 ID:j2ireAA0<>umeeeeeee<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:06:08.45 ID:k5MWcMAO<>埋める<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:08:00.33 ID:k5MWcMAO<>埋め立て<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:08:00.60 ID:j2ireAA0<>埋め<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:10:20.88 ID:j2ireAA0<>埋めめめめめめめ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:11:31.67 ID:k5MWcMAO<>スレがもたん時が来ているのだ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:15:25.14 ID:j2ireAA0<>埋めなのよな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:16:34.08 ID:EgFfKooo<>うめうめ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:17:24.63 ID:k5MWcMAO<>私の埋めは凶暴です<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:21:16.12 ID:j2ireAA0<>超埋めです<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:22:59.56 ID:k5MWcMAO<>殺人的な埋めだ……!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:29:22.84 ID:WkuNhvAo<>1000なら佐天×一方<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:29:50.70 ID:jlnaeFQo<>1000ならそげぶ<> 1001<><>Over 1000 Thread<>    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
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<> 最近建ったスレッドのご案内★<><>Powered By VIP Service<>ここだけ全員焼肉店ハチロク店舗目(嫁最速伝説) @ 2010/08/15(日) 20:13:35.65 ID:IcL681MP
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幼女と二人きりなんだが @ 2010/08/15(日) 19:20:10.17 ID:6r0MsUAO
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遊撃手「幽霊部員」 @ 2010/08/15(日) 19:08:04.47 ID:5z5KLsM0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1281866884/

新人A雑民のコーヒーですよろしくおねがいします! @ 2010/08/15(日) 18:59:06.95 ID:TuymxKco
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久しぶりの休みだし雑談しようか @ 2010/08/15(日) 18:21:14.38 ID:yeWcaqQ0
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