VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:22:53.07 ID:uBd5kQAO<>「待て、待つんだッッ!!」
制止の声を振り切りアスファルトを駆ける。
前屈した姿勢、血走った眼。
跳躍すると、背丈をも越す塀を難なく飛び越えた。
<>それを、人はキメラと呼んだ。 VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:23:56.52 ID:uBd5kQAO<>やべ、うっかり書き込んでしまった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:26:05.76 ID:uBd5kQAO<>しかも連投になっとる。携帯が不調なのかね。
まあせっかくだし書くか。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/17(土) 23:59:35.28 ID:uBd5kQAO<>「待て、止まらないと…」
人気の無い市街地、制止の声も虚しく宙を舞い、やがて“それ“は見えなくなる。
拳銃を構えたスーツの男たちは足を止め、それが居なくなった方向を呆然と見つめる。
「…ダメか」
「ああ」
「…こちら第5班、東エリアでC-4759を見失った。正確な場所はGPSで確認してくれ…」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 00:03:50.16 ID:VkEjEwAO<>期待していいのかね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/18(日) 23:58:17.45 ID:Fe13gEAO<>近未来。
地球環境悪化、資源不足、海抜上昇―。
様々な問題を抱えた人類が破滅への一途を辿る中、ついに人類滅亡まであと数十年と想定された。
防げない破滅。
そんな危機に際し、人類は「ヒトの進化」に望みを託した。
砂漠化が進むならば砂漠に適応すればいい。陸が海に沈むなら海で生きられればいい。
人が、劣悪な環境でも生きてゆける“デミヒューマン構想“を掲げ、数千年守られてきた禁忌、人体実験と遺伝子操作に乗り出した。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/19(月) 10:19:16.75 ID:mEQ8daoo<>期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/20(火) 13:57:23.05 ID:7evOpYAO<>旧アジアのとある島国。
に、そびえ立つ茶色い岩壁。
地上から数千メートル、傾斜の一切無いそれを、無謀にもよじ昇る少年がいた。
「はぁ、はぁ…きっつー」

手の置き場、足場を確認し、体を持ち上げる。手の置き場、足場を確認し、体を持ち上げる。
その繰り返し。
照り付ける日射しが背中を焼いていく。
「…だめだ疲れた。暑い。だるい。死ぬ…」
「まーくん、さっきからそればっかじゃん」
「うるせー」
少年は少女に向かって吐き捨てた。
以降、黙々とよじ昇ること数時間。疲労が溜まった体を休めるべく、腰をかけられそうな岩の上で体を休めた。
「あーだりぃ。何で登ってみようと思ったんだろうなぁ俺ぁ」
「“そこに山があるから“って、登る前にまーくんは言ってたよ」
「山じゃねえよこれは…」
地上から不自然に盛り上がった断崖絶壁を見上げる。
遥か先にあるであろうゴールは、未だ見えなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 19:22:47.26 ID:7evOpYAO<>「…なぁ知ってるか。ここって元々は平地だったんだぜ」
「そうなの?」
まーくんと呼ばれた少年は少女に呟いた。
少女はそれを合図に少年の隣に座り込む。
「ほら、今の壁面と最初の頃と壁面の色が違うだろ。地層が違うんだ」
「うん」
「数千年前の地殻変動で地割れが起きてさ。片側は地面に飲まれて片側だけが盛り上がったんだと」
「ふうん」
「すげえよなあ自然の力って」
「そうだねえ」
知識を披露したが生返事で返された。
「まあな、俺が何を言いたいかってえとな。そこを登りきった時の達成感っていうのがなあってな」
「あそう」
「自然に勝利した感慨深さというか人類はかくも偉大だと思えたりして…」
「はいはい」
「…」
「…」
「…まあ飛んでるだけのアホウ鳥のお前にゃ分からねえか」
ピキッ
「あ・の・ねえ、ずっと飛ぶのだって疲れるんだよ?」
「登るよりは楽だろ」
「あーあー! まーくんはぜんっぜん分かってない。それは大きな間違いなんだよ!」
「じゃあその疲れとやらを四字熟語で例えてみろよ」
「よ…四字熟語? え、えっと…」
「早くしろよアホウ鳥」
「もお、あたしはアホウ鳥じゃなくて“鷹“だもんっ!」
少女は背中の翼をはためかせた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 20:19:27.00 ID:RT4j.Mso<>ktkr<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/20(火) 21:00:12.70 ID:7evOpYAO<>世の中にはヒトと他生物の遺伝子を掛け合わせた“デミヒューマン“がいる。
毛で覆われたヒト、ウロコで覆われたヒト、馬の四肢を持つヒト。
姿形、神話さながらのデミヒューマンたちは数千年前に生まれ、今では全人口の9割を越すほどとなった。
背中に翼の生えた彼女もまた、そのデミヒューマンの1人である。
「だいたいさ、何の準備もせずいきなり岩に登りだして。誰が食べ物とか水とか必要なもの持って来てると思ってるの?」
「リリさんです」
「でしょお?感謝してよね」
リリと呼ばれた少女は得意げに胸を張った。
何か言い返したい気分だったが、今後を考えると岩壁にいる間は彼女に頭が上がらなさそうだった。
「でもこれだけは言わせてくれ。生肉はどうかと思うんですよ」
「え、美味しいじゃん」
「ネズミ丸ごと持って来られても困る」
「そうかな」
そう言いながら腰袋からネズミを取り出し、口に放り込む。
平然とかみ砕く彼女。
口から溢れる赤い液体を見て血の気が引いた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/22(木) 18:22:14.40 ID:nQu1SgAO<>そこからまた岩登りを再開。
登るにつれて山肌が土っぽくなり、進行は困難を極めた。
「足場が崩れるな」
足に力を込めるたび、小石がパラパラと地上に吸い込まれていく。
リリもそれを見て何かを想像したのか、心配そうに声を上げる。
「ねえ、もうやめたら?」
静止に耳を貸さず、黙々と登り続ける。
「意地っ張りなんだから」
「…」
「あたし疲れたからちょっと休むよ」
「ああ」
先刻の彼女の言う通り、ずっと飛び続けるのは想像以上に疲れるのだろう。
彼女の額には汗が浮かんでいた。
「じゃ」
そのまま風に乗り下降すると、瞬く間に見えなくなった。
「…良いなあ、みんな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 23:16:32.85 ID:dqWu3Z2o<>がんばれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 22:56:36.12 ID:qFxukcAO<>がんばる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 23:01:39.84 ID:qFxukcAO<>「はぁはぁ…きつ…」
壁面に体を預け、汗を拭う。
最初に比べ明らかに休憩の回数は増えていった。
それもそのはず。
朝から登り始め、すでに日が傾き始めていた。
「ずいぶん登ったな…」
下を見れば地上との距離をずいぶん感じる。
だが上を見上げると、頂上は見えなかった。
「今日でこのぐらいだから―」
「…」
「…無理だ無理。諦めよう」
先刻から、頭の中では翼を持った少女にロープを持って来てもらい、それで降りる事を考えていた。
それと同時に言い訳も。
「とりあえず次の休憩ポイントで待つか…」
数十メートル先に出っ張りが見える。
当面の目標、いや最終目標としてそこを目指し再度足に力を込める。
が。
バラッ
不意に、足場が崩れた。
「しまっ…!」
次の瞬間体が壁から離れていた。
壁面に必死で手を伸ばす。
足を突っ掛ける。
だが、弾かれるようにして、落下を続ける。
「うっ、うわあああああああああ!!!」
為す術無く視界は地上を目前とする。
その、今際に思ったのは。
『俺にも翼があれば』<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 00:22:45.54 ID:V9q0UGIo<>きてたか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/31(土) 01:28:36.36 ID:GoRX4wAO<>遥か昔、高度文明を誇った人類は抗うことすら出来ない危機に、度々晒されてきた。
海抜上昇、地殻変動、第五氷河期…。
いくつもの国が海に沈み、大都市は崩壊し、難民は増え、食糧難に陥った。
文明に頼り文明と共に栄えてきた人類であったが、いつ頃からか―。
どんな危機に際し人は文明に依存するのではなく、諦めるのでなく、自身たちがより環境に適応した進化を遂げようと考えたのである。
それが「デミヒューマン構想」であった。
しかし人が簡単に進化出来るわけもない。
奇しくも、文明が発達した事により可能となった“人為的な進化“によってデミヒューマン構想は成し遂げられる事になる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 01:37:23.22 ID:GoRX4wAO<>「…と歴史は語る」
本を閉じ、包帯で巻かれた自身を見ながら呟いた。

ここは旧東アジアの島国。
に、ある農村の一軒家。
少年はここに1人で住んでいた。
「…無茶だったのかなあ」
先日ロッククライミングに挑戦した少年は、もれなく失敗した。
その結果が全身打撲と骨折。
しかし遅かれ早かれ落下してたならあの地点で落ちて正解だったかもしれない。
とにかく、そこまで後悔はしていなかった。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/31(土) 22:21:09.40 ID:xe0Ksp.0<>
おお!来てる!!
がんばれ、応援してる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/04(土) 12:04:45.96 ID:WvwJvlEo<>書き手のレスがないまま”1ヶ月”以上が経過したのでHTML化のご案内です

続ける意思がなくなった場合は以下のスレでHTML化依頼をお願いします
■ HTML化依頼スレ Part1
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1190564438/

続ける意思がある場合は2週間に1度ぐらいでいいので生存報告をよろしくお願いします
住み良い製作速報を作るため放置スレの削減にご協力お願いします<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/12(日) 00:39:53.05 ID:3uCBuAEo<>1週間の間に書き込みが全くなかったので、放置スレと判断してHTML依頼してきます
おつかれさまでした
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/22(水) 06:16:35.59 ID:w19a0Yso<>使わないんだったら貰っていいですかね、ここ。
あ、返事は欲しいけどageないでください、超ひっそりやりたいです。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/22(水) 14:44:11.14 ID:/FFN7Mo0<>いいよ。
見切り発車だったから。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/22(水) 21:39:53.75 ID:w19a0Yso<>ありがとう、じゃあちょっとネタ練ってきます。スレタイと全然関係ない話だけど・・・<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/29(水) 10:30:08.69 ID:0j8SNAgo<>もうちょっと時間がかかりそうです・・・
知識のないおれにはキメラとか出せねーよ、もうモンハンで作るよ!<> あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!<>sage<>2011/01/05(水) 01:27:24.56 ID:Ae3/.gAO<>まあ落ちない程度に気長にやればいいと思うよ。
<> あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!<>sage<>2011/01/05(水) 01:44:32.67 ID:Ae3/.gAO<>俺もキメラとかよくわからないんだけどね。
別にモンスター的なのを出すつもりじゃなかったんだけど
最初はずば抜けた身体能力、頭脳、電撃を出せたり相手の心が読めたり特殊能力等々がまさしく神にも等しい少女、通称「キメラ」が生まれて
その少女の遺伝子構造やなんちゃらを研究したがってる悪い秘密結社さんたちから、ただの人間である主人公が救うみたいなよくある話を考えていた。かもしれない。
今となってはよく分からない。

まあ話が進めばライオンみたいなモンスター的なのを出して戦わせたかもしれない。
まあ終わっちまった事だけどさ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/22(土) 20:57:20.76 ID:t7mlLuPeo<>キメラといえば重音テト<> lain. ★<>sage<>2011/02/18(金) 23:13:18.66 ID:???<> SSスレッドは、SS速報VIP【http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/】へ移転することになりました。
それに伴いこちらのスレッドをHTML化させて頂きます。
スレッドを立て直す際はSS速報VIPへお願いします。 <>