カザキリ様がみてる ◆S83tyvVumI<>sage<>2010/07/20(火) 02:23:27.65 ID:Ic6YbRYo<>
「ブチコロシ」

「かくていね」


さわやかな夜の挨拶が、淀みきった黒い空にこだまする。
カザキリ様のお庭に集う乙女たちが、今日も悪夢のような残酷な笑顔で、路地裏の死線をくぐりぬけていく。
血肉にまみれた心身を包むのは黒い色のAIM拡散力場。
鮮血と臓物はまき散らさないように、死体は決して残さないように、しっかりと処分するのがここでのたしなみ。

学園都市裏通り…ここは乙女の園…


ごきげんよう。
百合の花咲き乱れる学園都市の裏路地へようこそお姉様方。
当スレをご覧になる際は以下の三点に御注意下さいませ。

・スレタイ通りの電磁崩し(麦野×御坂)です
・百合要素MAXなので苦手な方はご注意ください(男も出るので百合に男はいらん!という方も)
・エロ表現、暴力表現ありありなので気をつけてください


それでは今回もよろしくお願いいたします。
<>麦野「美琴、私のものになりなよ」【2】 VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 02:23:58.41 ID:7pKDZRw0<>No.2!!<>
◆S83tyvVumI<>sage<>2010/07/20(火) 02:28:21.63 ID:Ic6YbRYo<>
【前スレまでのあらすじ】
学園都市が誇るレベル5、麦野沈利と御坂美琴。
退屈を持て余していた2人の少女はある日突然再会してしまった。
美琴は恋愛相談をするうちに気の合う友人として麦野を慕い、信頼を置いてゆく。
一方麦野は他人を壊すことしか知らない自分が、どう美琴と触れ合えばいいのか分からずにいた。
しかし二人の関係を大きく変える事件が起きる。
美琴の想い人、上条当麻への失恋。
自暴自棄となった美琴の前に現れる麦野は、まるで心の隙間を埋めるかのように甘言で惑わし
彼女を恋人という名の所有物としたのだった。
未経験故に手探りで距離を縮めるしかない2人はやがて恋の奈落へと堕ちてゆくが……。
『原子崩し』と『超電磁砲』、2人の乙女が交差するとき、物語は始まる―――!

【前スレ】
麦野「美琴、私のものになりなよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1277566104/

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 02:32:27.57 ID:2CYBJPgo<>      // . . : : : : : : : : : : ヽ,ィ,. : : : : : : . \
    /.  . . : : : : : : : : : : : : : :.∨ァ : : : : : : .  ヽ      Y  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.   //        i       . . i ミ: . ヽ. | . . :ハ     |  よーし今のうち・・・
   i/ . . . . .ハ. :{ . .l|. ..i. . . . . . :|  ヽ: : : :V!: : : .i: i.     |
    ′ . : : : | : 、:∨ i! : | : :|: : ′  ト:.ヽ:.i| : : :||    |  一瞬>>1乙してみるだけだから・・・!
   i :,| . : .: : {. :ハ:∨|: 小.i :ハ: ;/≦  ミ:≧| : : : ∨ o O乂________________
   |.:{|..:. ハ_.|_ ト { ヽ.}/ |: }:.iイム=ミ、 // ァヽ: : .ハ
   |::|l:. :. . :i小≧ミ{.∧. }イ:}イ{ぅ:::..}リ  う i } : : :. .
   :{ ;.:.:i:..ハ{《N::心` ∨ }ノ  Vとつ  r ' /: :. : ::.∧
  ハ! V:ト.:{ハ`.rぅツ / ノ / i// ′ ,__ .イ:.:.. :.. : ::{:. '.
    |.ハ{ ヽ、.∨ i//、         ,小:.i:.:i:.:..:.|:...:.ト: ヽ
        }:i∧           .  ト、}:.:|:.:.|:l:.: 小 `\
        |ハ:.:.\    '⌒    /  ノ Vノ:.:.N:.ヽ:ト:ヽ
        | :.:.i:.:.:.≧: .. _ イ  /   `iく 廴:ト{   \
        { i..:l!..:ハ:/:.:.ノi ミ}‐≦     /   ` ー- .
        ハ }:ノィ≦ Y`i/j 「oi⌒i     ′     ,. <\
          // ー、 }ノ }' ノo ノ 八    ノ     /  >≦ヽ
       / ノ ー、 }'  /7  {   /≧ァ'      /  //   i
        ,′ } ァくノ'  }i′ / / /   i   /  //    i|<>
◆S83tyvVumI<>sage<>2010/07/20(火) 02:34:37.89 ID:Ic6YbRYo<>こんなもんでいいでしょうか。
とりあえず本日はここまでということで、また近いうちにお会いしましょう。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 02:35:31.44 ID:kkuN/sAO<>>>1乙
これで96のステップを省略出来る

とか言ってそうだな、アレイ☆<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 03:10:16.94 ID:aJOW.LE0<>>>1乙ぱい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 07:42:47.37 ID:Fzmg1MDO<>>>1乙

好き好き大好き愛してる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 09:20:26.84 ID:xgiTvASO<>>>1乙
あらすじも禁書っぽくていいね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 12:55:32.19 ID:cftQkI6o<>ああ…、>>1乙だ……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 13:04:18.33 ID:cvGeUBg0<>いちおつ!
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 13:23:03.77 ID:VTJFJBs0<>>>1乙だにゃー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 13:53:40.97 ID:ELR7b6DO<>8日目中編で麦のんが美琴を誘惑してる時って麦のんの心の中のセリフないんだよな。
内心バクバクしてたのは後編見れば分かるけど、中編見たときは麦のん超悪女に見えた。こういうとこ上手いな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 17:18:40.75 ID:NMgoVIDO<>お姉様に最大の>>1乙を<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 17:59:26.70 ID:0NvAr4E0<>>>1おつ
前スレ>>1000よくやった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 18:08:59.22 ID:Mn0gFOso<>なにこれもうすげえドキドキするんだけど美しすぎる
あと黒子が道化すぎて泣ける<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 18:29:56.89 ID:RSRi1Tg0<>>>1です
長い間、スレを放置してしまい申し訳ありませんでした。
諸事情で時間に余裕がなくなってしまったため、続ける事が困難になってしまいました。
大変残念ですが、ここで打ち切りという形にさせて頂きます。
スレ見ていただいた方どうもありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 18:55:25.71 ID:WlFCZtwo<>俺の見てる全部のスレにきててワロタ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 20:08:14.11 ID:fJuSkW.o<>美琴には失恋がよく似合う。
あぁkjはもげろや。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 20:20:16.22 ID:0NvAr4E0<>>>17
馬鹿やろう生きる希望がなくなったかと思ったぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 20:21:49.96 ID:ogFmNRQo<>こんなところで打ち切りとか軽く[ピーーー]るレベル<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 21:23:17.92 ID:gnqRLFE0<>そもそも放置してねェよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 21:41:42.75 ID:YkqhytMo<>半日も放置されてますの<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 21:44:25.33 ID:gnqRLFE0<>>>23
どんだけ待てないんだよw<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 22:27:55.90 ID:W2D.c5go<>黒子寝取られに目覚めるの巻<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 23:39:39.22 ID:NRp0sFQ0<>えろえろマダー?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/20(火) 23:46:51.10 ID:1BYcwIAO<>>>26
来るとしたら2時間後

興奮して眠れねぇよ・・・<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:09:09.22 ID:BIfS58go<>『美しければそれでいい』

某百合(?)アニメのOPですが、これが自分の中での百合のイメージソングですw
くちびる白昼夢等いろんな曲の話が出ていたのを思い出したのでなんとなく。
タイトルのセンスが素晴らしいです。
その一言にすべてが集約されていますね。美しければそれでいいのです。

遅れましたが、ごきげんようお姉様方。
今日は投下せず書きためようと思っていたのですが、新スレで何も投下されていないのもどうかと思うので、
ちょろっとだけ投下しておきます。
ここから何回かはあまりストーリー動かないので特に深く考えずに見ていただければと。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 00:11:13.08 ID:VCupqQAO<>こんばんは>>1
とりあえず俺と結婚してくれ<> あ、言い忘れましたがエロ注意です。
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:15:09.34 ID:BIfS58go<>
―麦野宅 9:00―


カチャカチャ… カチャカチャ… ジュー…


麦野「ん……」 ゴロリ

麦野(……朝か……。美琴は……) チラリ

麦野(あれ……いない……) ムクリ


コトコトコト……トントントン


御坂「あ、沈利さんおはよー。もうすぐ朝ごはん出来るからね」

麦野「……はよ。何アンタ、ほんとに作ってくれてんのね」 ファ〜ァ

御坂「沈利さんが作ってって言ったんじゃないの。顔洗って歯磨きしてきなさいよ」

麦野「はーい。シャワー浴びたいんだけど」

御坂「ご飯食べてから。私が片付けしてる間にしてね」

麦野「分かったわよ。顔洗ってくる」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 00:15:26.47 ID:tQkPxsAO<>>>29
あー!抜け駆けはずるいぞー!!

>>1
俺と幸せな日々を送りませんか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/21(水) 00:17:06.34 ID:VkgnQBo0<>麦恋、五和スレで感動して来たけどここはかなりアクが強いなw
応援してます<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:18:14.95 ID:BIfS58go<>
ガチャッ バタン

キュッ ジャー


麦野(……新妻みたいね。でも起きたとき誰かが近くにいるのは悪くないわ……) バシャバシャ

麦野(今日の朝ごはんは何かしら。この匂いはお味噌汁ね。朝から手間かけてくれてるわ) ハミガキコニュルッ シャコシャコシャコ

麦野(こいつ寮出ていっそここで暮らせばいいのに) シャコシャコシャコシャコ

麦野(でも中学生を家に連れ込んで……変な噂でも立ちそうよね) シャコシャコシャコ

麦野(いやいや、まだ手は出してないわよ? ……キスして乳は揉んだけど……ペッティングはセーフかしら?) シャコシャコ…ペッ!


キュッ ジャー


麦野(けどどうせそのうち手出すんだから一緒か……出せんのかしら私に) ガラガラガラ…ペッ!

麦野(あいつの体綺麗だったな……。私とは全然違う……こんな血にまみれた体が触れたら申し訳なくなるわね……) ガラガラ…ペッ!

麦野(でも抱きしめたいな……もっと美琴に触りたいし……触って欲しい……悶々とするわねー……) ムラムラ

麦野(一週間前までは全然そんなこと考えなかったのに……) クスッ


ガチャッ バタン

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:19:08.88 ID:BIfS58go<>
麦野「洗顔歯磨き終わったわよー」

御坂「よろしい。こっちもご飯できたわよ」

麦野「美味しそうね。今日のメニューはなにかしら」

御坂「焼き鮭と卵焼き、ほうれん草の胡麻和えに玉ねぎとジャガイモのお味噌汁」

麦野「やった、鮭だー!」 パァッ

御坂「……っ」

御坂(な、なんて可愛い反応なのかしら……。鮭大好物なのね。
    確かに冷凍庫にまる一匹入ってたし切り身も山ほどあったけど)

麦野「ハッ……コホンッ、よ、よしそれじゃ食べましょうか。いただきます」 パチッ

御坂「はいいただきます」 パチッ

麦野「鮭〜♪ 鮭〜♪」 ホグシホグシ

御坂「そんなに鮭好きなの?」

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:22:32.08 ID:BIfS58go<>
麦野「うん、大好きー♪ 
    こんなに魅力的な食べ物がこの世に他にあるかしら?いや無いわ。
    ほどよく引き締まって脂の乗った身。様々な調理法で楽しめる食卓のエース。
    美しい赤はまるでルビーを彷彿とさせる煌びやかな輝きを放っているわ。
    世の中フグだの鯛だのマグロだの言ってるけどさ、結局最後は鮭なのよね。
    だってこいつ赤い癖に白身魚なのよ? そういうひねくれたところもちょっと素敵。
    知ってる? 鮭の身の赤ってこいつらが食う餌の色なの。オキアミとかを餌にしているから、
    殻に含まれるアスタキサンチンが蓄積されて育つにつれて身が赤くなっていくのよ。
    だから稚魚の鮭は白身なんだって。すごいわよねー、食べたもんの色が体に着くなんて。
    ってことは私らがワインを毎日口にしたら肉の色がちょっと紫がかるとか?
    まるで腐った肉みたいね。ビタミン取りまくったら黄色くなるとか? ないない。
    まそんなことはどうでもよくってさ、やっぱ鮭と言えば焼き鮭よ。
    ちょっと辛口くらいの塩気たっぷりがたまらない美味しさね。ご飯何杯でもいけるっていうか、
    むしろご飯いらない。鮭をおかずに鮭を食える。
    カラッと上げて甘酢あんかけにしたり、みぞれ煮にしたり、もちろんお鍋、ムニエルやカルパッチョも
    素晴らしいわ。でもあえて私が推したいのは鮭フレーク。これね。
    この鮭フレークをかけたご飯と塩鮭があれば私は生きていける。
    毎食これでもいいくらい。いやいやほんと。これを生み出した人間は天才よ。人類最大の発明と
    言っても過言では無いくらいよ。鮭という神が生み出した奇跡の産物と、鮭フレークという人類の英知の
    集合体が食卓に揃った時そこは既にサンクチュアリなのよ。
    つまり天然の塩鮭と科学の産物鮭フレークが交差する時物語は始まるの、分かる?
    結局のところ何が言いたいかと言うと、鮭ってほんとに素敵よねってことで、大トロだのフグ刺しだのと
    言う前にもっと身近にある鮭の偉大さに人類は気付くべきなのって話なのよ。
    あなたもそう思うわよね?」

御坂「うん。沈利さんの言う通りだと思うわよ」 シレッ

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:23:56.97 ID:BIfS58go<>
麦野「よねー。あんたは話が分かる奴だと思ってたのよ」 ニコニコ

御坂(二度と鮭の話はふらないでおきましょう)

麦野「それはそうと美味しいわね。卵焼きも綺麗に焼けてるし、お味噌汁もしっかりダシが利いてるわ」 ズズッ

御坂「まあねー。昨日美味しいもん食べさせてもらったし、お礼よ。って言っても冷蔵庫の中身勝手に使っちゃったけど」

麦野「いいわよ充分充分。まさか本当に作ってくれるなんて思ってなかったし」

御坂「喜んでくれたみたいでよかった。また作りに来てあげるわよ」

麦野「あ、そか。アンタ今夜帰るんだっけ」

御坂「門限までにはね。まあ追い出されるかもしれないけど」

麦野「うちはいつ来ても構わないからね。ま、家賃代わりにアンタには色々と衣装を用意しておくけど」

御坂「はぁ? なんでよ。それなら家賃払うわよ」

麦野「私が見たいから。とりあえず裸エプロンとメイド服ね。これは家事するときは常に着てもらうから。
    あとは状況に応じて色々と用意していくわ」

御坂「あんた女なのにそんなの見て嬉しいの? 男だけじゃないの?」

麦野「好きな子のエロい姿は見たいでしょ誰だって」

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:25:18.87 ID:BIfS58go<>
御坂「好きな子……」

麦野「あら、そこに食いついてくれて嬉しいな。ま結局脱がすんだけどねー」

御坂「勘弁してよ。沈利さんが着てくれるんだったら私も考えるけど」

麦野「はぁ? 嫌よふざけんな。どうしてアンタのメイドになんかならなくちゃいけないわけ?  
    アンタが私に媚びなさいよ。無い乳寄せて必死こいて私を誘惑するアンタが見たいの」

御坂「ほんと酷い人よねあんたって」

麦野「なんとでもいいな。私はアンタのあられもない姿を見られればそれでいいんだよ」

御坂「はぁ……何でこんな人好きになっちゃったんだろ」

麦野「その言い方は心外ね」

御坂「あっそ。いいよ別に。沈利さんは私に好きだって言ってくれるもんね。
    素直に言われると嬉しいもんよ」

麦野「気付くのがちょっと遅かったわね」

御坂「遅くてよかったのよ。おかげで沈利さんと付き合えたんだもん」

麦野「あらあら可愛いこと言うじゃない」

御坂「もう言わないからね。さ、食べて片付けして遊ぼ遊ぼ」

<> 宇宙一無駄な伏線回収
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:27:24.16 ID:BIfS58go<>
―10:00―


御坂「さて、パパッと片付けも終わったわけだけど……」

麦野「今日今から何する? DVDでも見る?」

御坂「アダルトは無しよ」

麦野「さすがに持ってねえよ」

御坂「良かった。何があるの?」

麦野「んー、スプラッタ映画結構好きなんだけどね。あとは普通の洋画がそれなりに」

御坂「何でもいいわよ」

麦野「じゃあこのマキシマム・ザ・カミノウセキのDVDを……」

御坂「ちょっと待った。前も聞いたことあるわね。何なのそのバンド」

麦野「オシャレでPOPなバンドよ」 ニコッ

御坂「その笑顔は嘘をついてる顔だぜ」

麦野「ごちゃごちゃうっさい。何でもいいっつったのアンタでしょ。いいから見るわよ」 ウィーン…

御坂「ったく。まいいけど。沈利さんの好きなアーティストだからオシャレなのは当たってるかも……」

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:28:51.38 ID:BIfS58go<>
ワーワーガヤガヤ


御坂(お、始まった始まった……)

麦野「あ、美琴。ここ座りなよ」

御坂「ここって……沈利さんの脚の間じゃない」

麦野「後ろからギュッてしたげる」

御坂「い、いいわよ……」

麦野「いいから来る。アンタ抱き心地が程よいのよね」

御坂「……もう」 ポフッ

麦野「はいいらっしゃいませ。ん、アンタの髪いい匂いがする……」 スンスン

御坂「嗅がないでよ……くすぐったい」

麦野「あ、ほら始まったわよ。ちゃんと見ときなさいね」 ギュッ

御坂「聞いてないんだから……真っ暗よ?」

麦野もう出てくるわよ」

御坂(ふぅん、結構大きなとこでライブやってるのね。カミノウセキってどういう意味なのかしら)

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:31:03.87 ID:BIfS58go<>
ワァァァァァァァァァァァァッ!


御坂「お、きたきた」

御坂「何か赤青緑黄色の個性的な人たちね……」

麦野「あ、音量注意ね」

御坂「へ?」


ヴォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!


御坂「!?」 ビクゥッ

麦野「やっぱ朝一発目に聞くテッラのデスボイスはいいわねえ」

『異教徒燃やす燃やす〜♪ 異教徒燃やす燃やす〜♪』

御坂(なによこの歌。でも会場はめちゃめちゃ盛り上がってる……)

麦野「テンション上がるわよねー」

御坂(あがらないわよ)

御坂(ボーカルは緑色のトカゲみたいなオッサンがキャーキャーうるさいし、ギターボーカルは無駄に屈強だし、
    ドラムの女の人はピアスだらけでなんか怖いしベースは一人だけ涼しげな顔してる……)

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:33:21.02 ID:BIfS58go<>
『恋の国バチカンから、魔術的な手段でやってきました★(キャピッ)』


ワァァァァァアアアア!


御坂(え、何この黄色い人。顔面ピアスまみれなのにそういうキャラなの?)

麦野「あはは、ヴェントウザ可愛いわねー」

御坂(あー、そういう演出か……しかしこういっちゃなんだけど、全然オシャレ感は無いわね。そこがいいとこなのかしら?)

麦野「アンタカミノウセキ聴いたことない?」

御坂「知らないわねー。人気あるの?」

麦野「まあ好きな人は好きって感じかしら」


『ぶっ信仰する 貴様らぶっ信仰する 貴様らぶっ信仰する 貴様らぶっ信仰する!』


御坂「っていうかすごいわね、人がもみくちゃで逆さまになってるじゃない」

麦野「楽しそうよね」

御坂「そう? 痛そう。沈利さんがこういう音楽聴くのって意外。クラシックとか好きそうなのに」

麦野「私暴力的なものが好きなのよ」

御坂「なるほど。妙に納得」

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:35:01.97 ID:BIfS58go<>
麦野「アンタはどんなの聴くの?」

御坂「私あんまり音楽聴かないからねー」

麦野「ははぁん、さては例のゲコ太のテーマとかじゃないでしょうねー?」

御坂「……」 ソッポムキッ

麦野(まじかよ……)


『ギロチンアスカロン〜ギロチンアスカロン〜♪』


ワァァァァァ モミクチャモミクチャ


御坂「い、いいでしょ別に!」

麦野「カラオケとか行かないの?」

御坂「あんまり行ったことないかも。黒子達とたまにって感じかしら」

麦野「私もそんな感じね。最近の曲よくわかんないのよ」

御坂「確かに。一一一(ひとついはじめ)とか流行ってるらしいけど全然知らないわ」

麦野「わかるわかる。常盤台の子もそんなの聴くの?」

御坂「そりゃお嬢様でも年頃の女の子だからね。まあ中にはクラシックしか聴きませんって子もいるけど」

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:37:10.62 ID:BIfS58go<>
麦野「そう」

御坂「うん」

麦野「…………」

御坂「…………」

麦野「美琴……」 スッ

御坂「ぁっ……んっ……」

麦野「ちゅっ……」

御坂「んぅ……チュッ」

麦野「ちゅっ……んちゅっ……ぴちゃっ……ちゅぷっ……」

御坂「ふぁ…ぁん……ちゅぅ……ちゅぷっ……」

麦野「美琴ぉ……ちゅぷっ……」 モニュッ

御坂「ンちゅ……ぁっ……!」

麦野「ペロッ……チュッ……ちゅぅっ……」 ムニュムニュ

御坂「沈利さん……胸は……ぁんっ!」

麦野「アンタ美味しそうなんだもん…ハァ…ムラムラしてきちゃった……ハァ……」

御坂「や、やだ……ダメ……」

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:39:01.83 ID:BIfS58go<>
麦野「最後まではしないから大丈夫よ……はむっ」 ムニムニ

御坂「そういう問題じゃ……はぁんっ……!耳は駄目ぇ……!」

麦野「いちいちうるさいわねえ。大人しくしなさいよ、耳ちぎるわよ」

御坂「んぅっ……! ふあぁ……」

麦野(あー、止まらなくなりそう……)

麦野「ね、御坂こっち向いてアンタも触ってよ……」

御坂「ん……服脱がしてもいい?」

麦野「あら積極的ね。いいわよ」

御坂「じゃあ手あげて……」

麦野「はいバンザーイ」

御坂「んしょ……うわ、沈利さんノーブラじゃない……」 ヌガシヌガシ

麦野「寝るときはね。楽だし。んなことよりほら、触って……」

御坂「う、うん……」 フワフワ

御坂(すごい……手に張り付いてきて……柔らかい……) ムニュッ…

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:40:20.92 ID:BIfS58go<>
麦野「んっ……。上手よ……。もっと強くして」

御坂「……こう?」 モニュモニュ

麦野「ふぁ……うん、気持ちいい……」

御坂(沈利さんの目が潤んでる……喜んでくれてるんだ……先っぽも触っていいかな) スッ

麦野「んぁっ……! きゅ、急にそんなとこ触らないでっ……!」

御坂「ご、ごめん……! 痛かった?」

麦野「ううん……変な声でちゃうから……」

御坂「出してよ。聞きたいもん……」 キュッ

麦野「ぁあんっ……! 」 ビクンッ!

御坂(沈利さんの体が熱い……じっとりしてきたし……感じてくれてるのかな)

麦野「美琴……アンタばっかずるいわよ。私もアンタに触りたい……」

御坂(沈利さんの感じてる声もっと聞きたいわね……普段強気なだけに……) ゴクリ

御坂「……えい!」 ハムッ

麦野「なっ……何をっ……! うぁっ……! な、舐めちゃ駄目ぇっ!」

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:42:27.72 ID:BIfS58go<>
御坂「ちゅぷ……チュパッ……沈利さんの乳首綺麗よね」 チュパチュパ

麦野「そ、そんなこと……! 離しなさいよっ……はぁっ……んっ……」

御坂(エッチな声出してる……。やっぱ気持ちいいのね。よし、もっと……)

麦野「いい加減に……!」 ガッ

御坂「え……きゃっ!」 ドサッ

麦野「しなさいよね……。ほんとに我慢できなくなったらどうすんのよ……」

御坂「……それは、困るけど……」

御坂(お、押し倒されちゃった……。どうしよ……このまま……) ドキドキドキ

麦野(首細いな……このまま絞め殺してしまいたいくらい、好き……) ドキドキドキ

麦野(あーもう―――っ……!) 

麦野「アンタのせいだからねっ……! んちゅっ…!」

御坂「んっ……!」 チュゥッ

麦野「ハァ……チュプッ……ハァ……」 クチュッ

御坂「そ、そこは本当にダメっ!」

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:45:35.83 ID:BIfS58go<>
麦野「下着まで濡れてんじゃん。エッチ……」

御坂「ち、違うっ……!」

麦野「違わないよ、美琴っ!」 ガバッ

御坂「んっ……沈利さん?」

麦野「ヤバイどうしよう……すっごいアンタとしたい……」

御坂「な、何言って……!?」

麦野「だって……アンタの匂いとか、感触とか……忘れられそうにないんだ……」

御坂「そ、そんなこと言われたって……」

麦野(駄目……駄目よ……! こいつとするわけにはいかない……こいつとしたら……私としたら……。
    こんなに綺麗なこいつが……汚れちゃう……)

御坂(でも沈利さんそんなに私のこと……。どうにかしてあげたいな……じゃ、じゃあこういうのどうだろう……)

麦野「あ……けど大丈夫よ、こうして抱きしめさせてくれれば、ちょっとは気もおさまるしね」

御坂「しなさいよ」

麦野「……は?」

御坂「沈利さんがしてるとこ、見ててあげる」

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:46:46.00 ID:BIfS58go<>
麦野「…………」 ポカーン

御坂「あ、あれ……?」

麦野「はぁぁああああ!?」

御坂「え……違った?」

麦野「いやまあ……あってるっちゃあってるけど……さすがの私もそういうプレイはまだ早いかなって……」

御坂「あ……わ、私何言ってんだろ……あわわ! ち、違う! 今の無し!」 アタフタ

麦野「いや……無しって言われても聞いちゃったしねえ……」

御坂「い……」 カァァ…

麦野「えっと……」 ポリポリ

御坂「いやぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!!!!!」 バタバタ

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:48:21.53 ID:BIfS58go<>
―11:30―


『また遊ぼうぜ、マキシマム・ザ・カミノウセキでしたー』

ワァァァァァァッ! 


麦野「ふぅ、終わったわね。何回見てもテンション上がるわー」 ピッ

御坂「…………」 ズーン…

麦野「いつまで部屋の隅っこで落ち込んでんのよ」

御坂「だって……」 プゥ…

麦野「アンタの気持ちは嬉しかったわよ。その……そういう気分になったら今度は見ててもらうのも悪くないかな……なんて」

御坂「……ほんと?」 ジッ

麦野「もちろん。私もちょっと一人で先走りすぎちゃったね、ごめん」

御坂「ううん……沈利さんが私にそういう気持ちを抱いてくれるのは、嫌じゃない……」

麦野「こんなこと言うのも今更どうかと思うんだけど、私、アンタとセックスがしたいのよ?」

御坂「うん、そうね……」

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:52:01.12 ID:BIfS58go<>
麦野「アンタを抱かないって言ったのは、アンタに好きな人がいたから……。
    今のアンタは私の恋人なんだから、そういう目で見ちゃうのよ」

御坂「わかってるわよ」

麦野「本当にそれでもいいの?」

御坂「……」

麦野(矛盾してるな私……。こいつとしたくてたまらないのに……したくない。
    綺麗なままでいてほしいって気持ちと、こいつを汚したいって気持ち……どっちも私の本心だから)

御坂「……今更過ぎるじゃない。女の子のことを恋愛対象に見るっていうのは初めての経験だから、
    どうすればいいのかわからないっていうとこは確かにあるわよ?」

麦野「そうよね。私も同じ」

御坂「まあ昨日もちょろっと言ったけどね。
    だから正直なところ彼女がいるっていうことに対する実感てのはまだ無いのよ」

麦野「ええ」

御坂「けどね、今確かに自覚できることもあって。それはね……」

麦野「うん」

御坂「あんたのことが、世界中の誰より好きだってことなの」

麦野「……う、うん」 ドキッ

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:55:13.85 ID:BIfS58go<>
御坂「だからあんたが私とその……エ、エッチをしたいと思ってくれてるのは、嫌なことじゃないの。
    怖いとかそういう感情ももちろんあるんだけど、結局私は、沈利さんとゆっくりと前に進んでいけたらいいなって、
    そう思ってるだけなんだから」

麦野「……」

御坂(は、恥ずかしい……何マジになって語っちゃってんのよ私! 経験ない癖に説得力ないじゃない……)

麦野「……そうかもね」

御坂「ん?」

麦野「ううん、今の言葉でちょっとだけ楽になった。
    恋人同士のコミュニケーションなんて、裸で互いを貪り合うことしか知らないから。
    アンタにも同じように接することしかできなくて。アンタを年上としてリードしなくちゃいけないんだって
    勝手に張り切ってたアホな私に気づけたわ。ありがとね、美琴」

御坂「年なんて関係ないでしょ? 私は今はもう胸を張って堂々と、沈利さんの恋人だって宣言できる。
    誰に何て言われたって、私が自分に正直に沈利さんを選んだだもんね」

麦野「……後輩にも?」

御坂「う、うん……別の意味で怖いけど」

麦野「真剣に伝えればわかってくれるわよ」

御坂「まあ……肝心なとこではちゃんとマジメな子だから」

<> 9日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 00:57:25.30 ID:BIfS58go<>
麦野「そっか……」

麦野(こいつは私が思ってるよりずっとずっと大人なのかしら……。
    私はアンタの眩しさが怖くて、だからアンタとどう接すればいいのかをまだ掴めないのに……)

麦野「ねえ美琴」

御坂「うん?」

麦野「キスしてもいい?」

御坂「どうしてわざわざ聞くのよ」

麦野「アンタも求めてくれてるんだって証が欲しいの」

御坂「ばか、沈利」 スッ

麦野「呼び捨て……すんな」 カァッ

御坂「昨日言ったでしょ? あんたがしたいときは、私もしたいときなのよ……」

麦野「そうだったわね、美琴」

麦野(アンタは後戻りできなくなることが怖くないの? 私はまだ、ちょっとだけ―――)



<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 01:00:51.07 ID:BIfS58go<>本日は以上です。
エロエログチャグチャを期待されている方は申し訳ありません。
二人が最後までの行為に及ぶときがこのSSの終わるときだと思っています。
体の距離が二人の心の距離だと思っていただければと。

ではまた近いうちにお会いしましょう。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 01:03:05.26 ID:MLXJR1oo<>…………………………………ふぅ。
大変良かったですわ
続きも楽しみにしてますわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 01:03:28.77 ID:gEtnc2AO<>乙

もうどうしてくれんだ…色々と…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 01:04:38.74 ID:0roE6PIo<>乙だぜ
これで今週も頑張れる
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 01:08:56.75 ID:O25N7wDO<>乙
ある意味昨日までは御坂編。今日から麦野編に入った感じだな。
こういう心理描写こそ百合の真骨頂だ。
しっとりしてて実に良かったです。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 01:08:58.61 ID:dXSomMAO<>生殺しはきついぜ…ふぅ…

乙んこ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 01:11:35.64 ID:8R5BJ2Mo<>乙です
美琴の呼び捨てキマシタノー!
ああこの二人を見守れるのがこんなに幸せだなんて…<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/21(水) 01:13:12.88 ID:BIfS58go<>おっと忘れてました。

>29
>31
麦琴百合スレですので薔薇は結構ですの
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 01:31:28.39 ID:s1v..KU0<>くっそフイタww
 ↓
うぇぇぇえ!?最後までコトに及ぶより逆にエロいんですけどぉお!?
いやっほぅ!いいぞもっとやれ!
 ↓
何こいつら可愛すぎる砂糖吐く。
 ↓
麦のんの心理描写たまらんなぁ。切ない。悪い方に転がるなよ。

……ふぅ。
何か顔の筋肉が色々と忙しい9日目前編だった。結局乙って訳ですの。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 01:42:17.38 ID:jVITWdA0<>乙!
>>1はホルモン好きなの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/21(水) 02:01:04.25 ID:KL6q4Cg0<>マキシマム ザ カミノウセキを扱ったSS誰か書かないかなwwww

乙っした<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 02:07:57.34 ID:tQkPxsAO<>>>60
ごめんなさい・・・

乙でした!もう、このスレ無しでは生きていけない。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 02:28:41.24 ID:TBQojzYo<>乙
ふぅ・・・とは言わない
俺が本当に賢者になる日はまだまだ先だと思っていたい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 02:36:13.70 ID:ocl2HESO<>http://eromanga.jp/n/?nm=szCaEJ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 03:26:38.97 ID:PEj5MdEo<>「美しければそれでいい」と「かわいいは正義」は宇宙の真理<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 05:07:40.91 ID:lVtB.2DO<>乙乙
言うだけ野暮だが…何故、アクッアさんがメディア担当なんだ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/21(水) 06:42:54.20 ID:Mrohs3Ao<>マキシマム・ザ・カミノウセキのライブでデートに期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 06:59:06.78 ID:ZYh3.A2o<>>>35で吹いたww
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 07:49:53.00 ID:eeaQIMAO<>フィアンマwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 08:24:48.27 ID:jN7iVo.o<>このスレと水があれば生きていけそうだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/21(水) 08:34:50.59 ID:3a3g9Uo0<>保管庫ある?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 08:56:32.60 ID:casStUAO<>ふぅ、乙


黒子ェ……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 10:28:01.24 ID:tQkPxsAO<>>>70
無駄に長かったよなwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 12:13:13.85 ID:9XfWPgY0<>鮭について熱く語る麦のんを目の前にして
冷静に味噌汁すすりながら「そうねー」と流す美琴を想像したらハマりすぎて戦慄した
そのあとの「いやぁぁあ」といい、こんな可愛い美琴初めて見た<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 15:03:32.52 ID:355UQsDO<>麦のんは鮭好きかわいい!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 15:32:17.36 ID:VKLmJJ60<>麦のんに監禁されたい……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 16:11:37.44 ID:O25N7wDO<>メディア班はポジション的にテッラとヴェントだな。
いいともにアックア出てたけどまあ演出的にはそれが一番笑えるから正解だろw
てか宇宙一無駄な伏線回収ワロタw
五和の時のマジカルむぎのんもそうだけど使い捨てるにはあまりに惜しい小ネタばっかで贅沢だな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/21(水) 16:55:59.55 ID:3VYy2cE0<>黒子は粛々とお姉様のお帰りをお待ちしておりますの…フレンダも。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 18:53:21.08 ID:h3W8RsDO<>むぎのんに首絞められて○されたい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/07/21(水) 19:31:01.41 ID:wILe8wDO<>むぎのんに首絞められて殺されたい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 21:24:14.35 ID:UpWqvJgo<>鮭好きの麦野と蛙(ゲコ太)好きの美琴か。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 22:16:50.99 ID:wILe8wDO<>圭って名前なんだ俺<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 23:49:13.63 ID:h3W8RsDO<>今日はいらっしゃるかしら。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/21(水) 23:49:50.81 ID:O25N7wDO<>今日は来ないっぽいな。
>>1は他のSSは読んでる?

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 01:15:44.03 ID:U/VFYwAO<>むむっ!ピコン
あと30分以内に来るぞ!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 01:16:18.60 ID:tmQh0USO<>俺も受信した
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 01:39:16.69 ID:z7bw6bc0<>こんないつ逃げられなくなるかもわからないスレにいられるか!!
私は眠らせてもらうぞ!!<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 01:39:44.82 ID:SkjVoX.o<>ごきげんようお姉様方。
何か呼ばれたようなので来ましたw
明日明後日は来れない可能性が高いので、9日目を終わらせておきますね。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 01:40:53.17 ID:Kv47kRco<>↓此処で唐突に作者が登場するッ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 01:41:01.02 ID:U0hwvISO<>>>87
レベルいくつの超能力の方ですか?ww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 01:41:13.30 ID:8umw79.o<>おいねようとおもってたのに…責任とってよね///<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 01:41:29.75 ID:Kv47kRco<>ちょっ…恥ずかしい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 01:41:35.61 ID:y8f7tPUo<>>>89
28秒差とか危なかったなwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 01:41:51.44 ID:8umw79.o<>>>94
貴女が神か<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 01:43:08.92 ID:SkjVoX.o<>
―麦野宅 玄関先 16:30―



御坂「じゃあ今日のところは一旦帰るわね」

麦野「ええ、しっかり謝ってきなさい。もし追い出されたら、また戻ってきていいから」

御坂「ありがと。この家居心地よくて困るわねー」

麦野「でしょ。アンタのパジャマと歯ブラシと食器は買っておいてあげるからね」

御坂「うわそれ恋人っぽいわね! けどパジャマは自分で選ぶわよ」

麦野「なんでよ。めちゃめちゃエロいやつにしてやろうと思ってたのに」

御坂「超お断りよ!」

麦野「じゃあどんなのがいいわけ?」

御坂「……かわいいやつ……」 ボソッ

麦野「漠然としてるわねー。私のセンスで選ぶけどいいよね?」

御坂「布じゃないわよ? 服よ? いい?」 

麦野「わかってるっつの。アンタにエロ路線は似合わないもんね」

<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 01:45:03.59 ID:SkjVoX.o<>
御坂「そうそう。まあ別に私が買ってもってきてもいいけど」

麦野「それは却下」

御坂「なんで」

麦野「ここは私の城よ。つまり私がルールなんだよ。アンタは私が与えたものを着るしか選択肢は無い」

御坂「こわー……何着せられるんだか……」

麦野「なんて、うそうそ。何種類か写メで送るから」

御坂「そうして。じゃ、また来るわね」

麦野「次いつ会える?」

御坂「明日」

麦野「暇人かアンタは」

御坂「あんただって似たようなもんでしょうが」

麦野「まいいわ。暇ならおいでよ」

御坂「行く。門限までには帰らなくちゃいけないから平日は一、二時間しかいれないわよ?」

麦野「いいよ。お茶でもしましょ」

御坂「わかった。あんたも学校行きなさいよねー」

<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 01:46:10.01 ID:SkjVoX.o<>
麦野「気が向いたらね。門限間に合わないわよ、行った行った」

御坂「ん……沈利さん……」 ギュッ

麦野「ちょっと……外なんですけど?」 ギュッ ナデナデ

御坂「だって今日はもう会えないじゃない……」

麦野「さびしがり屋さんね。メールしなさいよ」 ナデナデ

御坂「する……」

麦野「ゆっくり進んでいけばいいなんて……すごく甘えてくるじゃないの」

御坂「沈利さんとのスキンシップは好きよ。あったかいし柔らかい」

麦野「人を脂肪の塊みたいに言わないでちょうだい」

御坂「褒め言葉よ」

麦野わかってるわよ……」 チュッ

御坂「ん……」 チュッ

麦野「……よし。それじゃまたね、気をつけて帰りなさいよ」

御坂「うん、じゃね!」


タッタッタッタッ

<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 01:48:52.52 ID:SkjVoX.o<>
麦野「…………」 ガチャッ バタンッ


ヘナヘナ ヘタリッ…


麦野「……」 フルフル…

麦野「彼女が……できちゃった……」 ポツリ

麦野(なんて濃い三日間だ……。久し振りにキスしちゃったし……) 

麦野(わわわ! だ、誰かに言いたい!
    あいつらに……いやいや、笑われそうだしあの超電磁砲と付き合うことになったなんて言えるわけないっつの!)

麦野(よし……! とにかく初デートの計画をたてよう! うん!) グッ


ハーナテココローニキザンダユメモミライサエオーキーザーリーニシーテー!


麦野(メールだ……なんか久しぶりな気がするわね……) カチッ

<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 01:50:12.61 ID:SkjVoX.o<>
――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:祝メール第一号!
本文:
恋人としてのメールはこれが一通目だね(*>艸<)
実は今もまだすっごくドキドキしてるの…
沈利さんとこれからどんなことが出来るんだろう。
どんなところに行けるんだろう。
そんなことばっかり、ずっと考えてるよ(∩∀`*)

ふつつかものですが、末長くよろしくお願いしま
す(*>∀<*)

           ★貴女の美琴さんより★
――――――――――――――――――――


麦野(これは当然のごとく保護ね) ピッ

麦野(あーもうっ……ムカつくっ! 嬉しくて、腹立たしいっ!) メルメルメル


――――――――――――――――――――
to:美琴
件名:うん
本文:
嬉しくて何て返せばいいのかわかんない(笑)
アンタとしたいことはいっぱいある。
行きたいとこも冗談みたいに思い浮かぶわよ。
だからアンタのしたいこと、してほしいこと、それ
全部して・あ・げ・る・(*ゝω・*)-☆キャピッ

こちらこそ。
わがままで迷惑かけると思うけど、よろしくね。
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


麦野(ああ……幸せ) フフッ

<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 01:51:14.55 ID:SkjVoX.o<>
―麦野のマンション前 16:50―


浜面「滝壺……今の見たか?」

滝壺「うん。たまたま通りかかったら……すごいもの見ちゃったね」

浜面「……き、訊くべきなんだろうか」

滝壺「はまづら、応援してる」

浜面「俺がかよ! あれってやっぱ、抱きあってたよな……」

滝壺「うん……」

浜面「キスも……してたよな……上の階だから見にくかったけど」

滝壺「そうだね」

浜面「滝壺、俺達も……」

滝壺「帰ってからね……ここじゃだめ」

浜面「わ、わかった……」

滝壺「いい子いい子」 ナデナデ

浜面(麦野……正直ビックリしたが……ゴクリッ、いいもん見させてもらいましたっ!) グッ

<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 01:53:10.26 ID:SkjVoX.o<>
―常盤台中学学生寮 寮監室 17:20―


寮監「何をしに戻ってきた」

御坂「……申し訳ありませんでした……!」

寮監「謝罪の言葉などいらん。何をしに帰ってきたんだと聞いている」

御坂「……すみませんでした! 許してください!」

寮監「御坂。貴様私を恫喝し、寮の正面玄関を吹き飛ばしたな? それについてはどう弁明するつもりだ」

御坂「どんな罰でも受けます!」

寮監「……」 ギロッ!

御坂「……」 ジッ!

御坂(こわー……麦野さんより怖い……でも負けるわけにはいかないわよね! 
    悪いのは私だもん。許してもらえるなら何だってしてやるわよ!)

寮監「……何があったのか、言い訳をせんのだな」

御坂「え?」

寮監「門限破りも寮内での能力使用も多い寮則違反常習の貴様だが、私に反抗的な態度をとったことはなかった」

御坂「それは……」

御坂(単純に怖いからよ)

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 01:54:58.99 ID:Q0aesvso<>予知能力者と>>1が降臨してるww<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 01:54:59.83 ID:SkjVoX.o<>
寮監「私も鬼ではない。何か事情があったのだろうと察するが、それでは寮の規則は守れない」

御坂「はい……」

寮監「風紀委員の活動や、申請し許可の下りた事柄を除き、一切の例外を認めるわけにはいかん。
    だがお前の身に何かがあってあのような行為に及んだのか、やんごとない事情があるなら言ってみろ」

御坂「いえ……全部私の個人的な事情です……」

寮監「ならば話は終わりだ。荷物を纏めろ。退学は免れただけ幸運だったと思え。
    次の行先は次の土日中に決めろ。それまでは待ってやる。お前ならどこの寮でも部屋を開けてくれる」

御坂「そ、そこをなんとか……!」

寮監「ダメだ」

御坂「お願いしますっ!」

寮監「頭を上げろ。もう話は終わった。私に謝る必要などない」

御坂「で、でも!」

寮監「いい加減にしろ御坂。これがお前への罰だ」

御坂「そ……そんな……」

御坂(せっかく黒子と仲直りできたのに……離れ離れなんて……)



白井「お待ちくださいましっ!」


<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 01:56:50.46 ID:SkjVoX.o<>
バターンッ!


御坂「く、黒子!?」

白井「お姉様のピンチに颯爽と参上ですわ」 ガチャリッ

寮監「なんだ白井。今は取り込み中だ、後にしろ」

白井「寮監様、どうかお姉様に寛大なご処置をお願いいたしますのっ!」

寮監「お前には関係のないことだ」

白井「関係大ありですわ! お姉様はわたくしのルームメイト。
    お姉様のいないお部屋などクリームの無いケーキ。いえ、タバスコの無いピザのようなものですわ!」

御坂「誰が刺激物よ。そもそもなくてもいいでしょそれ」

白井「嗚呼、お姉様からの久し振りのツッコミ……天にも昇る気分ですの!」 ホァァl…

寮監「わけのわからんことを言うな。お前の事情など知らん」

白井「寮監様、こちらを」


バサッ

<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 01:58:25.16 ID:SkjVoX.o<>
寮監「なんだこの紙の束は」

白井「どうぞご覧くださいまし」

寮監「……これは」

白井「それはお姉様の退寮処分を反対する常盤台の学生による署名ですの」

御坂「え……」

寮監「これを一日で……だと。だがこれがなんだというんだ。こんなもので寮則が……むっ」

白井「気づかれましたわね。この寮には、お姉様が必要なんですの」

御坂「どういうこと?」

白井「常盤台中学と言えば学園都市でも有数の名門校。普段から嫉妬と羨望の的である常盤台は
    長点上機や霧ヶ丘等と違い、中学でしかも女子校ですの。
    学舎の園の中ならいざしらず、一般的な住宅街の端に建つこの寮は様々な輩から狙われています」

寮監「……」

白井「生徒全員が高レベルの能力者集団と言えども、所詮は中学生。
    多数の人間にここに押し掛けられては面倒であることには変わりありませんの」

御坂「黒子?」

<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 02:00:29.20 ID:SkjVoX.o<>
白井「学園都市第三位のレベル5であるお姉様がこの寮にいてくださっているからこそ、
    わたくし達は毎日ベッドで健やかな安眠を得ることができるというものですわ。
    その嘆願書は、そうしたわたくし達の安眠を守って欲しいという意味が込められておりますの」

御坂(私ゃ番犬かい)

白井「いかがです、寮監様。お姉様のしたことは、確かに処罰されるべきことではあるかもしれません。
    しかし、これまでこの寮だけでなく常盤台の多くの後輩達を導いてきてくださったお姉様が、 
    ただ一度のミスで寮を追い出されるなんてあんまりですの。ここは一つ、別の罰でお姉様を
    お許しくださいませんか? この通りですの」 ペコッ

御坂「黒子……」

寮監「くだらん……安全面は私がいる。それに御坂は退学になるわけではない」

白井「お姉様にこの寮に居てほしいと望んでいるのは、わたくしだけではなく皆の総意ですの。これを御覧あそばせ!」


バターンッ!


御坂「なっ……」

寮監「……お前たち」


キャッキャウフフ ミサカサマヨミサカサマ ミサカサマガコノリョウカライナクナッテシマウナンテ…

ザワザワザワザワ…

ナントカオチカラニ…! ミサカサマキョウモオウツクシイワネ! ミサカサマハァハァ…

ザワザワザワ…
<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 02:02:01.16 ID:SkjVoX.o<>
御坂「みんな……どうしてここに」

白井「お姉様の退寮処分をお許し願おうと寮生がみな集まってくれましたの。
    余所の寮から来られた方もいらっしゃいますわよ。ざっと100名ほどですかしら」

寮監「なんのつもりだ……」

白井「わたくしたち皆、お姉様と同じ罰をお受けするためにここに参りましたの」

御坂「はぁっ!?」

寮監「なんだと?」

白井「お姉様が退寮にならなくて済むなら、わたくし達はどんなことだってしてみせますの」

御坂「そ、そんな……みんなに迷惑かけられないわよ!」

白井「違いますのお姉様」

御坂「え?」

白井「みんなそれだけお姉様にこの寮に留まっていてほしいと思っているんですの。
    みんな、お姉様のことが大好きなのですから」 

御坂「……黒子、みんな……」


キャッキャッ ミサカサマー! コッチムイテクダサイー! 

ザワザワザワザワ

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:02:38.18 ID:L7BB0gDO<>美琴「なにそれ怖い」<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 02:03:31.03 ID:SkjVoX.o<>
白井「どうか寮監様! お姉様をお許しくださいませ! 今までお姉様に助けられてばかりだったわたくし達が
    今度はお姉様をお助けしたいんですのっ!」

「「「「お願いします!」」」」

「「「「「お願いします!」」」」」

寮監「くっ!」

御坂「わ、私からもお願いしますっ! 私やっぱり、みんながいるこの寮が好きなんです!
    どうか、ここに置いてください!」

寮監「っ……」

御坂「……」 ジー

白井「……」 チラッチラッ

寮監「ふんっ……」

白井「りょ、寮監様?」

寮監「御坂」

御坂「はい……!」

寮監「白井」

白井「は、はい!」

寮監「そして全員に罰だ! 今日一晩かけてこの寮の掃除をしろ! 隅々まで徹底的に!」


ザワッ…!

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:04:09.30 ID:W7Y90EU0<>退寮でも別に問題なくね?


<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 02:04:59.77 ID:SkjVoX.o<>
白井「それでは……退寮は……?」 オソルオソル

寮監「今回だけだっ! 次はないっ!」

白井「りょ、寮監さまー!」 ダキッ


ワァァァァァ! キャァァァァァァァアアアアアアッ! ミサカサマァァァァアァアアアアアアッ! ペロペロサセテェェッ!


寮監「ええい離せ! 日ごろの行いの賜物だな。首の皮一枚繋がったようだぞ御坂」

御坂「は、はい! ありがとうございます!」

白井「みなさんお聞きになりましてー!? さっそく掃除をいたしますわよー!」


ハーイッ!!!


御坂「ま、待ってみんな!」


ザワッ…シンッ……


御坂「ありがとうね、みんな……!」 グスッ


キャァァァアアアア! ミサカサマがナイテオラレルワー! ナミダモウツクシイワネ! ミサカサマハァハァ…


寮監「チリ一つ残すなよ。さ、取り掛かれ!」

御坂「はいっ!」

<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 02:06:57.10 ID:SkjVoX.o<>
―常盤台中学学生寮 二○八号室 4:00―


アンニュイな女生徒「お疲れ様でした、御坂様」

穏和な女生徒「御坂様、おやすみなさいませ」 ペコッ

御坂「うん、ありがとね。他の子にもよろしく言っておいて」

快活な女生徒「どうかお気に無さらず。御坂様のお力になれて私達も嬉しいです」

生真面目な女生徒「はい、それでは失礼します」 ペコリッ


スタスタスタスタ…


御坂「うぁー! 終わったー!」 ボフッ!

白井「お疲れ様ですの。さすがにあの人数ですと早いですわね」

御坂「ね。まあそれでも朝方までかかったけど」 クスッ

白井(ああ……なんだか今日のお姉さまには妙に色気がありますの。これは恋を知った女の背中ですわっ!
    失恋し、恋愛のなんたるかをその身に刻みつけましたのね!) ゴクリ…

御坂「ほんとありがとね。黒子」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:07:42.40 ID:U/VFYwAO<>>>112
何か狙いがあると見た。

そして・・・ホントにキター!!実は寝ようと思ってた。でも来ると信じてた。今日は寝れそうにないぜぇ!>>1ありがとう!!<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 02:10:46.18 ID:SkjVoX.o<>
白井「構いませんの。お姉様の危機に駆けつけるのはパートナーとして当然のことですもの」

御坂「あんたがいてくれてほんとよかったわ」

白井「お姉様……」

白井(ハァハァ……素直なお姉様が素敵過ぎて生きてるのが辛いですのー!
    このしっとりと潤んだ瞳と艶やかな唇は誘っているとしか思えませんの!) ハァハァ

御坂「もう四時かー。あと二時間ちょっとしか寝られないわね」

白井「まあ一日くらい大丈夫ですの」

御坂「それもそうか。疲れたからシャワー浴びてもう寝よ」

白井「そうですわね」

御坂(そういえば今日は一人で寝るのよね……。昨日も一昨日も沈利さんに抱かれて寝てたから寂しいわ……) フゥ…

白井(お、お姉様が切なげな溜息をっ!? 失恋のショックで体を持て余していらっしゃるのね!?
    いいですわよいいですわよ! 誰も触れたことのないお姉様の文字通り処女雪のような体に最初に触れるのは
    この白井黒子ですの!)

白井「ではお姉様、シャワーをお先にどうぞ」

御坂「あ、ううん。黒子先にいいわよ。私沈利さんにお礼のメール送らないといけないし」

白井「わかりましたの。ではそうさせていただきますわね。しばしお待ちを」

白井(全身の隅々まで清めてお姉様をベッドでお迎え致しますの) ハァハァ



スタスタスタ ガチャッ パタン


<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 02:12:14.84 ID:SkjVoX.o<>
御坂(やけに御機嫌だったわね。何かいいことでもあったのかしら)

御坂(黒子とどこ行くかも考えなくちゃね。さて、沈利さんに返信しよっと)


――――――――――――――――――――
to:沈利さん
件名:遅くなってごめんね(o≧口≦)o
本文:
なんとか退寮と退学は免れたよ(*´∀`)ノ
黒子や寮の子達が助けてくれたから。
さっきまで罰としてみんなで寮の掃除してた。
ホッとしたらまた沈利さんが恋しくなっちゃった
(´ε`*)

遅くにごめんね、また明日ね(*ゝω・*)ノ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


御坂(沈利さんの寝顔可愛かったな……。黙ってたらすっごい美人なのに) クスッ

御坂(初デートどこに行こうかしら。沈利さんてどんなことするのが好きなんだろ)


メールゲコ!メールゲコ!


御坂(うそっ!? もう4時なのに起きてるの!?)

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:12:43.72 ID:L7BB0gDO<>可哀想に黒子<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 02:13:31.20 ID:SkjVoX.o<>
――――――――――――――――――――
from:沈利さん
件名:よかったじゃない
本文:
お疲れ様。可愛いこと言うわね。
そんなに寂しいなら私でオナニーしてもいいのよ
?(*ゝω・*)-☆キャピッ
――――――――――――――――――――


御坂(し、しないわよ……!) ドキドキドキ…

御坂(黒子もいるのに……できるわけないでしょ……) メルメル

御坂(く、黒子がいなくたってしないわよ!) メルメル


――――――――――――――――――――
to:沈利さん
件名:無題
本文:
しないわよ!(o≧口≦)o
沈利さんエッチだよ…(´・ω・`)
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


御坂(そんなこと言われたら眠れなくなるでしょ……) ドキドキ…

御坂(こりゃ徹夜を覚悟しないといけないかもしれないわね……)


メールゲコ!メールゲコ!


御坂(沈利さん……会いたいな) カチッ

<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 02:15:13.69 ID:SkjVoX.o<>
――――――――――――――――――――
from:沈利さん
件名:なんだ
本文:
つまんないの。おかずに私の下着姿の写メでも
あげようと思ったのに。
なんて、男じゃないんだから別に嬉しくないわよ
ね(笑)

アンタが無事寮に残れることになって一安心。
なんか眠くなってきたから今日はもう寝ましょ。
ムラムラしてるんなら、言ってくれたらいつでも気
持ちよくしてアゲル(ハァト)
おやすみ!
――――――――――――――――――――


御坂(この人エロいわね……。うー、何してくれるんだろ……知りたいような知りたくないような) ドキドキ…

御坂(……っていうか、沈利さんもしかして私のこと心配して起きててくれたのかしら……) トクンッ

御坂(ヤバ……きっとそうだ……。もっと早く送っておけばよかった……) メルメルメル

御坂(でもこれ沈利さんに直接訊いたら怒られそう……ううん、絶対認めないと思う。
    ……次から気をつけよ。沈利さん私が思ってるよりずっと私のこと気にかけてくれてるんだろうな……) メルメル

御坂(情が深い人なのよね。大事にしてくれそうで嬉しいな……) ドキドキ…

御坂(……私も、沈利さんを大切にしよう……)

<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 02:16:46.07 ID:SkjVoX.o<>
―麦野宅 4:30―


――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:ありがとう(*>艸<)
本文:
下着姿は別にね(笑)
でも沈利さんの写真はほしいから今度プリクラで
も撮りましょ(*ゝω・*)ノ

心配してくれてありがとう(*´∀`)ノ
沈利さんの部屋で暮らしたいって気持ちもちょっ
とあるけど、やっぱりここが私の家だから、出て
いかなくてよくなったのは嬉しいなヾ(*´Д`*)ノ

沈利さんのエッチo(≧ε≦o)
また明日!おやすみー
――――――――――――――――――――


麦野(うまくいったみたいでよかったわね) カチッ

麦野(……っつか、結局あいつの着てたジャージで3回もしちゃったな……。
    私ってやっぱ欲求不満だったみたいね)

麦野(あいつとのデートプラン考えるので一日終わっちゃったし……)

麦野(でもいい感じのができたし、明日あいつに提案してみよう。今週の土日だと予約とか無理だろうから来週かしらね)

麦野(うん……楽しくなってきたわ)

麦野(一緒に楽しもうね、おやすみ、美琴) クスッ

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:22:03.11 ID:tmQh0USO<>恋人の服で3回オナニーは凄いなww<> 9日目後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/22(木) 02:22:43.56 ID:SkjVoX.o<>本日は以上になります。
期待していただけるのは大変嬉しいのですが、そこまで深く考えて読むようなもんじゃないですよ?w

>86
SS書き始めた頃は結構色々と読んでいたんですが、最近はあまり読む時間がないので読めてないです。
今はラビットスレや浜面入院、バンドスレと垣根一方さんが友達になるスレの4つくらいでしょうか…。

>112
理由はあると言えばありますし、無いと言えば無いですw
麦野との同棲も捨てがたかったのですが、御坂が他を犠牲に麦野との付き合いを選んでしまうと、
そのまま暗部ルート一直線なので。
その辺りはまたいずれSS内で。

ではまた近いうちに。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:23:20.02 ID:Kv47kRco<>乙
これで今日も熟睡できるな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:24:19.18 ID:Pr7qg2w0<>乙
これで恙無く寝れる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:24:51.33 ID:L7BB0gDO<>麦野「野郎のソレとは違うんだにゃ〜ん」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:27:01.68 ID:U/VFYwAO<>乙
明々後日待ってるんだから・・・!というか明日も召喚(ry)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:32:25.38 ID:s6KR9.DO<>乙
お互い愛し合い過ぎだろw
麦のんの性欲はすごいですね^^<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:36:42.94 ID:y8f7tPUo<>女は男と違って残弾制限がないからな
体力の消耗は凄いだろうけど<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 02:43:12.03 ID:MVTu2DA0<>>>105
やんごとない事情ってなんだよwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 03:01:03.48 ID:2PzUu2DO<>超乙です!
浜面と滝壺にバレたとこで超きゅんきゅんしちゃいました<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 03:21:31.10 ID:ydq9hPw0<>支援でもないのに投下中に割り込むのはどうよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 03:33:09.73 ID:QM2ADKw0<>麦のん絶倫なのか…
時たまにある浜滝がまたいいね、バカップル可愛い<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 03:37:33.61 ID:I1Yo52A0<>超GJなんだよ!
ところで>>130は、それはネタとして言っているのか、それとも自分の語彙力不足を晒しているのか、どっちなんだろう・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 03:47:29.98 ID:W7Y90EU0<>おつ!

ああああー!!麦のんに監禁されてぇええ!!!

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 07:43:29.02 ID:YD27lGw0<>30秒後に来てただと…

>>1おつおつ
麦のん性欲ぱねぇなw
これから先麦のんの体を知ったら美琴も我慢できなくなりそうだ

>>135
フレンダおつ

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/22(木) 08:09:46.63 ID:HvoxOgso<>乙!
>>134
一応正しくは「よんどころない事情」になるんじゃないかな
確信犯の誤用くらいどうでもいいことだけれども<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 09:12:18.94 ID:0JOU1T.o<>止ん事ない(やんごとない) 1.止むを得ない。打ち捨てて置けない。 用例:蜻蛉−上「やんごとなきことありとて、出でんとするに」
2.一通りでない。重々しい、権威がある、特別である、など。 用例:源氏−若紫「人がらもやむごとなく」 
3.地位や家柄が第一流である。高貴である。 用例:伊勢−100「あるやむごとなき人の御局より」 
4.貴重である。尊い。恐れ多い。 用例:枕−七〇「やむごとなき物持たせて」 ★(「止む事無し」が一語の形容詞に転じた語。「やむごとなし」とも表記)<国語大辞典(小)>
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 09:29:13.63 ID:W.pb7Rso<>乙
ニヤニヤしすぎて頬の筋肉がおかしくなってるww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 09:44:00.46 ID:hrU6o8Ao<>黒子が暴走して墓穴掘りそうなのが心配
つか、美琴まわりの人間出てないな
ういさてと光子ぐらいはみたいが・・・人数多すぎるなww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 10:02:07.74 ID:Fiyk3IAO<>>>1超乙

このSSが終わったらまた楽しみが減るなーとふと思ってしまった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 10:03:18.72 ID:3er5/bQo<>このスレが終わった後今まで通りに生きていける自信がない……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 10:09:43.24 ID:ltMxAak0<>他にも素敵なssならいっぱいあるじゃないか。
ここの>>1もこれが終わったからってssやめるわけじゃないだろうし。
おれは今このスレが美しければそれだけで一向に構わんッッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 10:13:47.27 ID:Av.VW2.0<>>>1乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 12:21:32.53 ID:W7Y90EU0<>>>142
もう麦のんに監禁されたくてしょうがないよな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 12:22:19.91 ID:XJqHFNg0<>乙!
このスレが終わっても麦恋続編を楽しみにしている。
投下自体迷ってる口ぶりだったが、俺は待ってる。
そしてこのスレの続きも超待ってる。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 15:25:59.83 ID:2PzUu2DO<>携帯の登録名もちゃんと変わってるのな・・・
素晴らしい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 18:20:11.49 ID:P37mx6c0<>このスレは、俺達の生きる希望だ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 19:09:14.32 ID:Lx7/BOUo<>おつ
このスレのお陰で賢者タイムでいられる時間が増えました!

>>116
御坂「かぁーっ!今から寝ても2時間しか寝れないわ〜!ほら見て(ry<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/22(木) 21:58:47.05 ID:B2iLJ2AO<>>>149
地獄のミサカか

つまり、美琴がどこか間違ったアピールで麦野の気を引こうとするが
実は全て見抜かれており、不機嫌になるも
「そんなアンタも愛してるよ」
って言われて顔真っ赤になるのか

誰か書き上げてくれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 02:12:41.48 ID:YwiwSoAO<>今日は来ない感じなのかにゃ〜?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 02:24:26.33 ID:6GhyLADO<>来れない感じだな。
俺達がこうしている間もむぎのんと美琴はアホみたいに甘いメールしてるのかと思うと胸熱<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 04:44:24.28 ID:4iwUc9co<>
    /::::::─三三─\            リアルな話するとこのままだと多分俺らの理性が消し飛ぶ 
  /:::::::: ( ○)三(○)\          光速で美琴の愛情(約8.32*10^4600モル)
  |::::::::::::::::::::(__人__)::::  |  _____ が動いたら想像を絶する衝撃波が発生する
   \:::::::::   |r┬-|  ,/ .| |        ましてそれがむぎのんの愛情と激突したら理性がヤバイ
   ノ::::::::   `ー'´  \ | |        彼女らの愛情で俺らの理性がヤバイ


       ____             さらにリアルな話をすると、
     /:∪::─ニ三─ヾ          今現在の俺の理論では愛情は光速に近づくにつれ増加するので
   /:::::::: ( ○)三(○)\         二人の体が重なった瞬間にレス数=∞(1000超)となる為、
  (:::::∪:::::::::: (__人__)::::: i| ____  炎上を起こし想像を絶する鯖落ちが発生する
   \:::::::::    |r┬-| ::::ノ  | |       それが一瞬で鯖本体を飲み込み、3秒以内にインターネットを飲み込むので世界経済がヤバイ
   リ::::::::    `ー'´  ::\  | |       >>1の書く内容で世界経済がヤバイ


       ______            さらにさらにリアルな話になると、、
     /:∪::─ニjjニ─ヾ          光の速さで美琴を可愛いとレスすると、俺らはは黄色い閃光を見る
   /:::li|.:( ○)三 (○)\         俺らの後方は眩い光線が、そして俺らの進行方向には
  (:::||!.:∪::::: (__人__)):::: i| ____  先のない未来と死後の世界のみが見える。
    ):::::::::::::   |r┬-| li::::/  | |      そして、ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ねと言う言葉で俺らの意識は無くなる
  /:::::::::::::::   `ー ' ::::::ヽ  | |       俺らヤバい 麦琴可愛い シャケ弁おいしい
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 18:17:36.66 ID:J14kXew0<>今日は来ないかな〜<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 18:26:31.54 ID:wdNSQxQo<>時間的に些か早漏すぎではなかろうか
昨日今日と来れない可能性が高いと明言してんだしまったり待とうぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 22:50:58.00 ID:6GhyLADO<>今日は暑くて[ピーーー]るな。
麦のんと美琴は海水浴でも行って一つの浮き輪に2人で入っていちゃいちゃしたりかき氷をあーんしあったりしてればいいと思うよ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 23:04:35.50 ID:Pk9qT1A0<>季節的にビーフシチューがなんとかって事で秋〜初冬を想像してた。
つまり2人で温泉とか行ってくればいいと思うよ。部屋に露天風呂着いてるとこな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/23(金) 23:06:45.55 ID:zKKPm9k0<>2人のラブラブな姿を見ていると勃起が収まりません。
どうすれば直るのでしょうか。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 23:33:06.29 ID:U6gdLoDO<>女の子になればよろしいのではありませんの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 23:49:18.10 ID:J14kXew0<>レールガンの5巻読むと胸が痛くなるよな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/23(金) 23:50:15.55 ID:wdNSQxQo<>むしろあれがこうなると考えると胸熱<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 00:04:29.82 ID:/nZAhASO<>>>160
その幻想をぶち[ピーーー]<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 00:43:15.33 ID:RpijZzw0<>一日空くだけで禁断症状がヤバイ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 01:18:03.13 ID:.EWltmEo<>>>1のせいで留年します。ありがとうございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 01:28:31.74 ID:LnDzpkDO<>自分が勉強しないのを人のせいにしちゃう男の人って・・・
それはともかく今日も投下なしかな。さすがに二日お預けはつらいぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 01:43:00.16 ID:gaDNV6k0<>30分以内に来……ないかな、
センサーが反応しない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 01:56:44.47 ID:RpijZzw0<>俺も股間のセンサーはビンビンなんだがな……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 04:33:44.42 ID:a/WVP7A0<>待機してたが寝よう…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 07:01:38.37 ID:OQHvBADO<>もう…寝ても良いよね…?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 08:51:19.94 ID:/XMWYlY0<>>>169
どんだけ期待してんだよw
さて、暇だしもう一回麦恋から読み返して麦のんペロペロしてくる
こっちの話じゃフレンダは絡んでくるんだろうか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 10:09:44.58 ID:kwZDioSO<>ここでは麦野を取られた!って騒ぐ側かな?ww
彼女は別の所で幸せになることを期待してるぜ
麦恋のイケメンフレンダが報われないはずがないと思ってるんだ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 13:06:32.08 ID:1tAppdw0<>たまには昼間来てくれてないかな・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 13:50:33.90 ID:iQN7ZYc0<>ところで麦恋ってなにか無知なおれに教えてくれ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 13:51:48.19 ID:I50zU/Eo<>フレンダ「麦野は今、恋をしているんだね」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 15:09:53.39 ID:LnDzpkDO<>麦恋読むと暗部落ちした美琴がもっと見たくなる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 15:16:22.95 ID:iQN7ZYc0<>>>174
ありがとう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 15:28:13.83 ID:FRB6WR6o<>>>175
あれ以上落ちたら戻れなくなる

個人的にはあの後の上琴も気になる<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:30:54.48 ID:UHou66Io<>ごきげんようお姉様方。
お待たせして申し訳ありません。本日は投下させていただきますね。

今日からは日付が結構飛び飛びになります<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 20:32:57.89 ID:PjNo8/20<>キターーー!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 20:32:57.97 ID:d.LuFTYo<>全裸待機して待ってましたの!<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:35:54.45 ID:UHou66Io<>
14日目


―第七学区 ファミリーレストラン『ジョセフ』 16:00―


麦野(美琴と付き合い始めてもう1週間か。早いもんね……) メルメルメル


――――――――――――――――――――
to:美琴
件名:じゃあ
本文:
デートのコースは大体そんな感じで。
あとはその場その場で楽しそうなことしましょ。
いよいよ今週の土曜日だもんね。
楽しみにしてるわよ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


麦野(よし、これで初デートのコースは完璧。あとはあいつにサプライズでも用意してやろうかな)

麦野(けど最初にあまりにも気合入れすぎるのもよくないって聞くわね。デートコースもかなり削ったし)

麦野(まあ結局ほぼ毎日会ってるわけだし、ちょっとしたものならいいわよね)

麦野(この前の土日は後輩サービスとかで会えなかったし、付き合ってからは初めてまともに遊びにでかけるのか)

麦野(緊張するけど、やっぱすごい楽しみだわ。何着てこっかなぁ) フフッ

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:38:43.62 ID:UHou66Io<>
フレンダ「…………」

絹旗「…………」

滝壺「…………」

浜面「…………」

麦野「……ん? 何見てんの?」

フレンダ「いやその……なんか麦野機嫌いいなぁって」

絹旗「今も嬉しそうに携帯超見てましたよ。お相手は?」

麦野「な・い・しょ」 ウフフッ

フレンダ(キモいくらいに上機嫌……!? 何事って訳よ)

絹旗(こ、これは一体何の前触れなんでしょうか……超恐ろしいです)

浜面(最近麦野によく奢ってもらってるな……言われてみりゃ機嫌いいのか。
    や、やっぱあのときのマンションの……) アセッ

滝壺(あ、今日のごきげんようは誰がゲストだったんだろう……) ポヘー

麦野「ねえフレンダ、一個質問していい?」

フレンダ「何ー? 結局、私の性感帯は太ももの内側だよ」

麦野「じゃあ今度そこ電子線でエグったげるね」

フレンダ「うぎゃぁっ! 想像しただけで痛いっ!」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:40:46.71 ID:UHou66Io<>
絹旗「それで麦野、質問て何ですか?」

麦野「うん。女同士のセックスってどうやってすんの?」

浜面「ブボォッ!!!!!!!」 ブシャァァァァアアアアアアアアアア

滝壺「!」 ビクッ

絹旗「浜面の目と口と鼻と耳から色々な液体が……」 アセッ

麦野「きったねえな浜面ぁ。ちゃんと拭いときなさいよね。んで、知ってるのフレンダ?」

フレンダ「む、麦野……」 プルプル…

麦野「そんな100年越しの研究がようやく実を結んだ研究員みたいな目しないでくれる?
    別にちょっとした興味よ。勘違いしないで」

フレンダ「ちぇー」 ブー

浜面「ピクピク……」 グッタリ

絹旗「浜面が鼻血を出しすぎて貧血に……」

麦野「いいから、どうなのよ」

フレンダ「んー、正直私もしたことないからなー」

麦野「はぁ!? アンタあんだけ私に変態行為要求しといて経験無しかよ!?」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:43:06.32 ID:UHou66Io<>
絹旗「超同意見です。いや、熟知されててもそれはそれでリアクションに困りますけどね」

フレンダ「結局ぅ、初めてはぁ、心に決めた人に捧げるってぇ、決めてる訳よ〜。む・ぎ・の☆」 クネクネ

麦野「キモい。アンタなら知ってると思ったんだけどなー」

滝壺「むぎの、どうしてそんなに知りたいの……?」 

麦野「え、どうしてって……興味があるだけって言ったでしょ?」

麦野(あいつと付き合って1週間。キスは毎回してるけど裸はあれから一回も見てないし……色々溜まってきてるし
    って違う違う! 念のためよ念のため! あいつとはまだそんな……)

滝壺「そっか」

滝壺(マンションで女の子と抱き合ってたこと聞いちゃ駄目かな……)

フレンダ「結局、やっぱ指と舌じゃない?」

麦野「突っ込むもんないもんね。オモチャとか使うのかしら」

浜面「……!」 ブシュッ!

滝壺(オモチャ……?) ポカン

フレンダ「あー。でも結局、別に挿入しなくてもいいんじゃない? 触られるだけでも十分気持ちいいんでしょ?」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:43:53.12 ID:UHou66Io<>
麦野「まあそうね。突かれてる時より指とかで丁寧にされてる時のほうが気持ちいいよ。
    ね、滝壺?」

浜面「……!」 ビクンビクン

絹旗「浜面がもう駄目な感じに血の気が失せてますね……」

滝壺「えっと……わからない」 

麦野「分からないってことはないでしょ。どーせ浜面のことだから猿みたいに求めてくんじゃないの?」

滝壺「私、はまづらと……その、してないよ」

麦野「あァ?」

フレンダ「え、マジで?」

絹旗(身内のそういう話はなんか恥ずかしいです……)

浜面「」

麦野「いやいや、アンタ浜面が寝かせてくれないみたいなこと言われて顔真っ赤にしてたじゃない」

滝壺「え? はまづらと朝までテレビゲームしちゃったのが恥ずかしくて……」

麦野「…………」

フレンダ「…………」

絹旗「…………」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:45:16.62 ID:UHou66Io<>
麦野「なんだろ、滝壺が眩しいわ」

フレンダ「結局、私らなんてもう汚れきってる訳よ」

麦野「でもいつ性欲に我を忘れた浜面に乱暴に犯されるか分からないから適度に抜いてやんなよ」

フレンダ「滝壺のピュアさに感心した次の瞬間にそんなこと言えるなんて、麦野の精神タフすぎる訳よ」

滝壺「ぬく……?」

麦野「あーもういいや。脱線したけど、結局突っ込まないだけで普通に男女でするのと一緒なのかな」

フレンダ「そうなんじゃないの? 気持ちよければいいみたいな」

絹旗(あんまり混じりたくない会話です……。二人とも周りに人がいること超忘れてますね……)

麦野「うーん、そっかー……」

フレンダ「……?」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:48:48.53 ID:UHou66Io<>
―ファミレス前 17:00―


麦野「じゃ、私行くとこあるからここでね」

フレンダ「どこ行くのー?お買いもの?」

麦野「まあそんなとこ。浜面ぁ、アンタはいつまで貧血起こしてんのよ」 ゲシッ

浜面「いてっ! あまりに刺激的な会話に耐えきれなかったぜ……」 フラフラ

麦野「そんなんじゃ滝壺の全裸見たら心臓止まるよ」

浜面「やめろー! 毎日悶々としてる俺をこれ以上惑わせるなーっ!」

麦野「ははぁん、アンタの態度によっちゃ滝壺の乳首の色からもっと下まで精彩に教えてやってもいいんだけどねー?」

浜面「やめれー!」

滝壺「あれ? きぬはた、どうして私の耳を塞ぐの?」

絹旗「滝壺さんは聞いちゃいけません! 耳が超汚れます!」

滝壺「?」

麦野「それじゃまたねー」 ヒラヒラ

フレンダ「あ、ちょっ麦野!」

麦野「〜♪」

絹旗「鼻歌超歌いながら行っちゃいましたよ」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:50:16.58 ID:UHou66Io<>
フレンダ「おかしい……」

浜面「何が?」

フレンダ「最近麦野の付き合いが悪い訳よ」

絹旗「はあ」

浜面「そうか?」

フレンダ「いつもだったらまだ解散するには早いし、今日も珍しく女同士がどうとか言ってたし……何かあるわね」

滝壺「ねえフレンダ。私この前見ちゃったんだけど……」

フレンダ「ん、何が?」

浜面「おい滝壺」

滝壺「別に悪いことじゃないから良いと思うけど……」

フレンダ「浜面は黙ってて! なになに? 教えて教えてー」

滝壺「うん、むぎのが先週むぎのの部屋の前で女の子と抱き合ってキスしてたよ」

フレンダ「」

絹旗「見間違いじゃないんですか?」

滝壺「うん、はまづらも見たよね?」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:52:00.97 ID:UHou66Io<>
浜面「お? ああ、まあ……な」

フレンダ「がぁぁぁああ! 麦野に最初に目をつけてたのは私なのにー! 相手は!? 誰な訳よ浜面ァッ!」

浜面「お、落ち着けって。ありゃ確か……アレだ、前麦野がメールしてるっつってた常盤台の……」

フレンダ「超電磁砲(レールガン)!?」

滝壺「うん。制服は着てなかったけど、間違いないと思うよ」

フレンダ「な、なんてこと……! 麦野に限ってそのケは無いと信じてたのにー!」

絹旗「信じてたのにアプローチかけてたんですか?」

フレンダ「いつかを実を結ぶと思って」

絹旗「超哀れな……」

浜面「ああ、でもキスしてたのかはちょっと微妙だぞ。ほら、よくあるだろ、目にゴミが入ったとか」

フレンダ「あえて漫画の読み過ぎだとは突っ込まないでおく訳よ。
      確かにそのセンも十分あり得る。よし、麦野を尾行しよう!」

絹旗「は?」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:53:46.34 ID:UHou66Io<>
浜面「おいおい」

滝壺(帰ってお昼寝したいな……)

フレンダ「いいからっ! こんなこともあろうかと麦野のバッグに発信器を仕掛けといた訳よ」

絹旗「体張りますね。バレたら超死にますよ」

フレンダ「結局、盗聴器じゃないから大丈夫大丈夫。約6時間で風化する有機発信器な訳よ」

絹旗「それは何というかご都合主義的な……」

フレンダ「細かいことはいいのっ! 携帯でリアルタイムで位置情報が分かるから行くよ」 ダッ

絹旗「やれやれ、でも麦野がこの後超電磁砲と超イチャイチャするとこ見れるかもしれないのは楽しそうですね」

浜面「確かに、デレデレしてる麦野ってどんなんだ……気持ちわr……いやいや」

滝壺「むむ……かわいいかも」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:56:27.82 ID:UHou66Io<>
―第七学区 裏通り 17:30―


麦野「……」 スタスタスタ

フレンダ「結構歩いてとっくに麦野の家通りすぎちゃった訳よ」 ヒソヒソ

絹旗「常盤台の学生寮もこっちには無いですし、人気はそこそこあるものの裏通りですよ。
    なんか挙動不審な人多いですし……こんなところに超電磁砲が来るとは思えませんが」 ヒソヒソ

浜面「っつか、今日麦野が超電磁砲と会うって確証は無いだろ?」 ヒソヒソ

絹旗「確かに。けどじゃあ麦野はどうしてこんなところへ……」

フレンダ「しっ! あれ見て!」

麦野「…………」 キョロキョロ

絹旗「やばいですっ! 隠れて!」 サッ

浜面「急にキョロキョロし始めたぞ」

フレンダ「この辺りが目的地なのかも」

浜面「お、なんかでかい店に入っていくな」

絹旗「普通の本屋に見えますが……」

フレンダ「普通の本も売ってるけど、実はアダルトグッズショップな訳よ」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 20:58:12.18 ID:UHou66Io<>
浜面「!?」

絹旗「なっ……!」 カァァ

滝壺(アダルト……大人っぽい雑貨屋さんかな)

浜面「おいおい……なんで麦野がそんな店に……」

フレンダ「まさか本当に超電磁砲と使うオモチャを買いに来たんじゃ……」 ワナワナ

滝壺(大人っぽいオモチャ……難しい知恵の輪とかパズルかな)

絹旗「ま、まだそうと決まったわけでは……」 ドキドキドキ

フレンダ「そうよ! 結局、麦野が新しい自慰を楽しむためのグッズを買いに来たに違いない訳よ!
      決して超電磁砲と二人で使うものを買いに来たわけじゃないはず!」

滝壺(爺……? むぎののお祖父ちゃんにプレゼントするのかな。優しいねむぎの)

絹旗「っていうかあんなお店あったんですね……色んな意味でショックです」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:00:29.15 ID:UHou66Io<>
フレンダ「学園都市は学生の街だから多くは無いけど、繁華街にはラブホテルもある訳よ。
      一人暮らしの学生の悶々とした情熱を発散する方法も必要だからね」

絹旗「まあ浜面もエロいDVD借りてますしね」 ジトッ

浜面「こらっ! 男なんだから仕方ねえだろ! そんな汚いもの見るような眼で見るな!」
 
滝壺「……さいってー」 ボソッ

浜面「た、滝壺……」

滝壺「知らない」

浜面「ご、誤解だー!」

滝壺「知らない」

絹旗「誤解じゃないでしょう」

フレンダ「何やってんのもう。そんなことより追いかけよう」

絹旗「大丈夫ですか? 店内だと気づかれる確率上がりますよ」

フレンダ「大きい店だからだいじょぶだいじょぶ」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:03:37.49 ID:UHou66Io<>
―第七学区 本屋『諫早書店』 17:40―


ワイワイガヤガヤ……


絹旗「確かに1階は超普通の本屋ですね。学生の姿も普通にあります」

フレンダ「まあここは普通に合法的なお店だしねー」

滝壺(オモチャ屋じゃない……あ、2階3階もあるんだ。そっちなのかな) 

フレンダ「1階はね。ほら案内板見て、2階は女性向け書籍、グッズってなってる訳よ」

絹旗「や、やっぱり行くんですか?」

フレンダ「大丈夫だって。2階も手前は女の子向けの本が置いてあるだけだから。もう1個入口があって
      その中が……ゲフンゴフン、な訳よ」

浜面「やけに詳しいなお前」

フレンダ「ギクッ!」

絹旗「ま、まさか……」

フレンダ「ち、違うもん! 私なんかどう見たってミドルティーンなんだから売ってくれない訳よ!」

浜面「じゃあなんでそんな詳しいんだよ」

フレンダ「3階男性向けコーナーで百合雑誌を買いに……百合姫とか」 ボソッ

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:05:01.93 ID:UHou66Io<>
絹旗「ぬう、聞きたくなかったです」

浜面「あーもういいぞ。それより麦野は何階にいるんだ?」

フレンダ「この発信器上下は分からないからなー。うーん、とりあえず1階ずつ見ていこうか」

絹旗「入れ違いにならないよう誰か入口付近で超張っといたほうがいいんじゃないですか?」

フレンダ「だね、んじゃ浜面よろしくー」

浜面「えー、俺かよ」

フレンダ「あったりまえでしょ。女性向けエロコーナーはあんたじゃ入れないでしょ!」

絹旗「フレンダ声大きいです、周りの男の人達から視線が……」 カァァ

浜面「分かったよ。んじゃ向かいのコンビニから入口見とくわ」 スタスタスタ

フレンダ「よし、野郎ども行こうぜ」
 
絹旗「野郎は一人もいませんが。あれ、滝壺さんは?」

フレンダ「あれ、さっきまでいたのになー。えーっと……いたいた」

絹旗「滝壺さーん、何読んで……」

滝壺「……」 (*・△・*)ワクワク

絹旗「ど、どうします? コ○コロコミックなんか超読んでますよこの人……」 ヒソヒソ

フレンダ「なんでこんな店に児童向けのコロ○ロが置いてあるのよ……。
     そっとしておいてあげよ。ここから上は滝壺には刺激が強すぎるし……」 ヒソヒソ

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:08:03.60 ID:UHou66Io<>
絹旗「滝壺さん、私たちちょっと上行ってくるんでここで大人しく○ロコロ読んでてくださいね」

フレンダ「それ終わったら今度は電撃○王とかガ○ガンでも読んで時間潰しててね」

滝壺「うん、いってらっしゃい」 コクリ

滝壺「……」 ジー (*・△・*)ワクワク

フレンダ「よし、これで当分大丈夫」

絹旗「ざっと見たところ麦野はこの階にはいないようですし、やっぱ上ですか」

フレンダ「まあ麦野漫画読まないしね。この本屋基本的に普通の実用書とか文庫本は置いてないみたいだから。 
      間違いなく麦野の目的は上な訳よ」


スタスタスタ


絹旗「どっちから責めます? それとも手分けしますか?」

フレンダ「ん、ちょっと待ってあれ見て!」

絹旗「あれって……レジの店内カメラモニターですか?」

フレンダ「うん、3階のあの女の人、あれ麦野だよね?」

絹旗「えーっと……ああ、ほんとですね。あの無駄に存在感ある美人は麦野です」

フレンダ「3階……しかもあそこは私も御用達の百合ものコーナー……うう、なんか泣けてきた」

絹旗「気を超しっかり持ってください。とりあえず行きませんか?」

フレンダ「だね。はぁー、なんか片思いの人に実は彼女がいたのを知っちゃったみたいな気分な訳よ……」

絹旗「それ例えでもなんでもないですけどね。同情します……」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:09:46.39 ID:UHou66Io<>
―『諫早書店』 3階 17:50―


麦野「……」 ジー

フレンダ「お、いたいた」 ヒソヒソ

絹旗「なんか薄っぺらい本をジーッと超見つめて微動だにしませんよ」 ヒソヒソ

フレンダ「百合もの同人誌コーナーだね。私も見たいなー……」

絹旗「ゲッ、フレンダそんなものにまで手ぇ出すんですか?」

フレンダ「そんなものって何よぅ。同人誌だからって馬鹿にしないでよね。
      結局、麦野も中見ればいいのに……恥ずかしがってるのかな」 

麦野「……」 コソコソ キョロキョロ

絹旗「同人誌持ったままキョロキョロし始めましたよ」

フレンダ「万引きする中学生みたいな訳よ」

麦野「……ゴクリッ」 ペラッ

絹旗「お、開きましたよ」

フレンダ「あー、分かる分かる。私も初めて百合本の中身確認した時はあんなだったなー」

麦野「……」 ピシャッ!

絹旗「すっごい勢いで閉じましたね」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:12:11.77 ID:UHou66Io<>
フレンダ「思ったよりハードだったんじゃない? 私も初めての時は恥ずかしくて中身確認できなくてさー。
      表紙に騙されて買って帰ったやつがウンコ食べるやつだった時はさすがの私もどうしようかと……」

絹旗「正直フレンダの経験談は超どうでもいいです……今度は別のを手にとりましたね」

フレンダ「お、読んでる読んでる。あはっ、耳赤くなってる訳よかーわいい」

絹旗「笑いごとなんですか? あれきっと超電磁砲と自分を重ね合わせてますよ」

フレンダ「そ、そうだった……。はあ……死にたい」

絹旗「そこまで落ち込まなくても……あ、ほらほら、レジに持っていってますね」

フレンダ「何買ったんだろ。棚のジャンル分け見たらどこ抜けてるか分かるかな。絹旗、麦野見張っといて!」 ダッ

絹旗「見なきゃいいのに……。私にはフレンダが自虐プレイしているようにしか見えません……」 

麦野「……」 スタスタスタ

絹旗(おっと、帰るんですかね。……いや、2階で止まって……あれは入ろうか入るまいか超迷ってる感じです)

麦野「……」 クルッ スタスタスタ

絹旗(行った―――! 2階は女性向けコーナーということなのでBL本が置いてあるはず。
    麦野はそっちの趣味は無いからきっとエロいグッズコーナーです。……マジですか麦野)

フレンダ「ふぇ〜ん! 絹旗〜!」 ガバッ!

絹旗「ちょっ!なんですかフレンダこんなところで!」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:13:46.01 ID:UHou66Io<>
フレンダ「麦野が純愛もの買ってってた〜!」 ビー

絹旗「麦野のくせにどの面下げて純愛とか……まあいいでしょう。
    とりあえず離れてくれません? 超目立ってますよ」

フレンダ「グスッ……へ?」


ザワザワザワ…

オニャノコトオニャノコガ ハァハァ… ヨウジョモエー… ユリモエー… ハァハァ…


フレンダ「わわっ、麦野に勘付かれちゃまずい」 バッ

絹旗「ほんと無駄に勘がいいですからね。麦野は2階へ行きましたよ」

フレンダ「そっちも行っちゃうのかー……追いかけてみよっか」

絹旗「まだ行くんですか」

フレンダ「こうなったら麦野が超電磁砲とどんなプレイをするのか確かめてそれ想像しながら自分を慰める訳よ。
      大丈夫、私はNTRもいけるようになってみせるっ!」 グッ

絹旗「もはや偉大な人物に見えてきましたよフレンダ。超愛ですね……」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:15:25.79 ID:UHou66Io<>
―『諫早書店』 2階 18:10―


麦野「……」 コソコソ キョロキョロ

絹旗「案の定アダルトグッズコーナーの入口前でも迷ってますね」

フレンダ「けどあの感じだと行くね」

絹旗「中入ったらどうします?」

フレンダ「大丈夫でしょ。それなりに向こう側も広そうだし」

絹旗「いやそうじゃなくて。私たち18歳以上にはさすがに見えないんじゃ……」

フレンダ「いけるいける。結局、制服じゃなけりゃ入るだけなら注意されないよ」

絹旗「そんなもんですか」

フレンダ「そもそも裏通りに建ってる店だし、18禁なんてのもあって無いようなもんなんじゃない?
      買う時もさすがに絹旗じゃ無理だけど、私とかなら年齢確認されないと思う訳よ」

絹旗「なるほど。まあ学生の街ですしね。あ、見てください。麦野入りましたよ!」

フレンダ「卑猥な単語列挙することにかけちゃ学園都市一位の麦野にしては決断が遅かったね。私たちも行こう」


タッタッタッ

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:16:44.06 ID:UHou66Io<>
麦野「……」 ジー

フレンダ「あそこは何コーナーだろ、私も入るの初めてだからなー……」

絹旗「あれは……あわわ……」 カァァ

フレンダ「あ、バイブか。あれならまだ一人で使うって可能性もある訳よ」

絹旗(私こんなとこで何やってんでしょう……)

麦野「……」 スッ

絹旗「なんか箱をマジマジと見つめてますね。気に入った形でも超見つけたんでしょうか」

フレンダ「結局、どうでもいいけど麦野の自慰ってすごそうよね。ゴリゴリやってそう」

絹旗「うげ、想像したくないです……」 

麦野「……」 ポスッ

フレンダ「棚に戻したね。買わないのかな」

絹旗「本くらいなら可愛いもんですけど、あれ買われたら明日私はどんな顔して麦野を見ればいいんですか」

フレンダ「『涼しい顔してるくせに部屋ではアレ突っ込んでヒーヒー言ってんでしょこのエロメスがっ!』
      っていう目で見ればいい訳よ」

絹旗「超ヒキます」 

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:18:15.59 ID:UHou66Io<>
フレンダ「冗談冗談。私も麦野が男のモノを模したオモチャでグチュグチュやってるのは想像したくないな」

絹旗「超生々しい表現やめてください。お、今度は……な、なんですかあれ」

麦野「……ゴクリッ」 ジー

フレンダ「…………」 クラッ

絹旗「ちょちょちょ! なんですか? 貧血ですか?」 ウケトメ

フレンダ「ふぇ〜! だってあれペ○バンだよ! あ、あんなの麦野が見てるなんてー!」 ビー

絹旗「見てるだけならいいじゃないですか。ほら自分で立ってくださいよ。また目立ちますよ……」

フレンダ「そだね……グスッ、最後まで見届ける訳よ」

絹旗「けど今度は手に取るどころか目を背けてますね」

フレンダ「さすがの麦野にもちょっときつかったかな。隣には双頭ディ○ド。はぁ……やっぱそういうことなのね」

絹旗「まあまあ。ただ百合ブームが麦野の中でキテるだけかもしれませんよ」

フレンダ「ふむ、一理あるなー。そうだったらいいのに」

絹旗(まあその可能性は薄いですけど……。あの人目に敏感な麦野が私たちの視線に気づいてない。
    フリをしてるなら平静を装うはずですし、耳まで真っ赤にしてるあの感じだとかなりの緊張状態で
    店内を超物色してます。やっぱ恋ですかね、麦野)

フレンダ「でも結局何も買わないみたいだね。出口向かってるよ」

絹旗(どんなのがあるか一応参考にってとこでしょうか。まあ純愛ものから入る人ですから、
    いきなりオモチャなんて使いませんよね)

フレンダ「よし、私たちも戻ろっか」

絹旗「ですね……って、しまった滝壺さん!」

フレンダ「あっ! 漫画雑誌コーナーは入口前!」

絹旗「と、とにかく麦野を追いかけましょう!」 ダッ

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:19:53.14 ID:UHou66Io<>
―『諫早書店』 1階 18:20―


麦野「な、なんでアンタがここにいるの?」

滝壺「むぎの……」


ササッ


フレンダ「や、やばー。滝壺と麦野会っちゃった!」 ヒソヒソ

絹旗「滝壺さんの機転に超期待するしかないです! 様子を見ましょう」 ヒソヒソ

フレンダ「あーもう怖いなー。何喋ってんだろ……」 ハラハラ


麦野「ま、まさかアンタ後つけて……」

滝壺「後? どうして?」

麦野「……どうしてって……その」

滝壺「私ははまづらがこの本屋に用があるから一緒に来ただけだよ」

麦野「一緒にって……なんでわざわざこんなとこまで……」

滝壺「分からないけど、3階に用があるからここで待っててくれって言われたの」

麦野「そ、そう……」

麦野(3階って……まさかこれ買うとこ浜面に見られたりしてないわよね?
    ううん、あいつのことだからどうせ18禁コーナーよ。大丈夫大丈夫。危ないわねー……)

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:21:31.10 ID:UHou66Io<>
滝壺「むぎのも何か買ったの?」 チラッ

麦野「な、なんでもないの!」 ササッ

滝壺「え、でもそれ……」

麦野「なんでもないったら。それよりあのバカは? 彼女待たせて何やってんだか」

滝壺「そろそろ戻ってくると思うけど……」

麦野「そ、そう。じゃあ私は帰るわね。滝壺、私とここで会ったことは誰にも内緒よ!」

滝壺「どうして?」

麦野「理由は聞かないで! 黙っててくれたら今度アイス買ったげるから」

滝壺「ほんと? いいよ」

麦野「じゃ、じゃあね! また明日」 イソイソ

滝壺「うん。バイバイ」


タッタッタッ


滝壺(アイス……嬉しいな)

絹旗「イソイソ帰っていきましたね」

フレンダ「ふう、なんとか大丈夫だったみたいだね。滝壺何か言われた?」

滝壺「誰にも会ってないよ?」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:23:11.38 ID:UHou66Io<>
フレンダ「へ?」

滝壺(むぎの……私、アイスを守るよっ) グッ

絹旗「いやさっきまで麦野が……」

滝壺「誰にも会ってないよ」

フレンダ「ああ、口止めされてる訳ね……まあいいや、尾行がバレてないなら」

絹旗「しかし大した収穫はありませんでしたね。麦野が純愛百合同人誌を買っていったことくらいしか」

フレンダ「あとはまあアダルトグッズコーナーに入ったけど買わず……興味本位の可能性も捨てきれない訳よ」

滝壺(ハーゲンダッツにしようかな……でもパピコも好き。あ、スーパーカップもいいな……)

フレンダ「よし、今週の土日は朝から麦野ん家前に張りこむよ! 
      相手が超電磁砲なら土日しかデートできないだろうし、真実をこの手でつかみ取ろう!」 グッ

絹旗「もうそっとしておいてあげましょうよ。麦野がプライベートで誰と付き合おうと知ったことじゃないです。
    別に麦野が女性と超恋人関係になることが仕事に影響するわけじゃないですし」

フレンダ「むう……私には影響するもん」 ショボン

絹旗「さ、帰りましょっか。浜面はどうせコンビニでエロ本の立ち読みでもしてるんでしょうし」

滝壺「……それは許せない」 ゴゴゴ…

絹旗「滝壺さん?」 ゾワリ…

フレンダ(私はちゃんとこの目で見るまで信じないからね、麦野っ!)

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 21:23:22.95 ID:rSIk7XEo<>バカwwwwww<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:26:06.15 ID:UHou66Io<>
―麦野宅 19:00―


――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:やほ(*´∀`)ノ
本文:
いよいよ今週なんだねー(*>艸<)
いっぱい沈利さんに甘えるね(∩∀`*)

お昼はどうする?
――――――――――――――――――――


麦野(ふふっ、美琴をめちゃめちゃ甘やかしたいわ……) メルメルメル


――――――――――――――――――――
to:美琴
件名:うん
本文:
知り合いに見られても知らないわよ(笑)

お昼は微妙な時間だし家で軽く済ませてきてね。
夜は期待してていいわよ。
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


麦野「さてと……」 イソイソ

麦野(今日買った女の子×女の子の本……) スッ

麦野(中学生の時コバ○ト文庫でそんなの読んだことあるわ……マリ○てだっけ?)

麦野(ああいうのが百合?っていうのか)

麦野(ここ1週間百合?っていうのを色々調べてみたけど、なかなか奥が深いのね)

麦野「しかし百合って何だ……。レズビアンじゃ駄目なわけ? まいいや」

麦野(あいつを頑張ってエスコートしてやらなくちゃね。私のほうが年上なんだから、それくらいはしないと)

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:28:09.25 ID:UHou66Io<>
―常盤台中学学生寮 二○八号室 19:30―


――――――――――――――――――――
to:沈利さん
件名:いいの(∩∀`*)
本文:
むしろ見せつけてやればいいのよ(´ε`*)

はーい(*´∀`)ノ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


御坂(沈利さんと付き合ってもう一週間なのか、早いわねー)

白井「お姉様、今週の土曜日はお暇ですの?
   よろしければ第六学区にでも足を延ばして遊びに行きませんこと? 初春達も誘って」

御坂「ん? あー……ごめんねいつも誘ってもらってんのに。
    今回も先約有りなのよ。」

白井「別に構いませんわよ。先日は色々とご馳走していただきましたし。
    それはそうと、今回もまた麦野さんとお出かけになられますの?」

御坂「うん。第六学区の水族館にね。夜も沈利さんに泊めてもらうから帰らないけど心配しなくていいから」

白井「あら、それは楽しそうですわね」

白井(少々妬けますけれど、久しぶりにお姉様の下着チェックをするにはいい機会ですの) グヘヘ…

御坂「うん、お土産買ってきてあげるからね」

<> 14日目(火曜日)
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:31:15.16 ID:UHou66Io<>
白井「お気づかいなく。ところでよくそんなに外泊申請が通るものですわね。
    麦野さんはお姉様の御兄弟等の身内というわけでもありませんのに」

御坂「まあ沈利さんは身元もしっかりしてるしレベル5同士だからじゃない?
    許可を出すのは寮監じゃなくて常盤台の先生達だし、言うほど厳しくないわよ」

白井「なるほどですの。
    確かに常盤台の学校側としても、お姉様と麦野さんが友好的なのは喜ばしいことですものね」

御坂「そうとられると素直に喜べないわねー」

白井「まあまあ。お二人の仲がよろしいことは悪いことではありませんし」

御坂「そうだけどさー。ま、あんたに言っても仕方ないしね。さ、お風呂入ろっと」

白井「あらん、一緒に入ってもよろしくってー? お背中お流しいたしますわよ、黒子の肌で」 ウヘヘヘ

御坂「間に合ってるからいいわ」

白井「ちぃっ! それは残念ですの!」


ガチャッ パタン


白井「……ん? 間に合ってるとは?」

白井(……聞き間違いではありませんわよね……どういうことですのお姉様!)

白井(泡立てたボディソープで肌と肌を擦り合わせる素敵な遊びを間に合ってるだなんて……
    聞き捨てなりませんわー!)

白井(……そういえばここ最近お姉様ったら麦野さんのことを『沈利さん』とお呼びするようになっておられますの……)

白井(最初はちょっと仲良くなっただけだと思っておりましたが……なんだか嫌な予感がしますの)

白井(しかしわたくしが言うのも何ですがお姉様にそっちのケがあるとはとても……いえ、恋は人を変えるもの。
    これは少々確かめねばならないようですわね!) ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/24(土) 21:32:34.13 ID:UHou66Io<>本日は以上になります。
次回から何回かデート編です。
それではまた近いうちに。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 21:34:27.24 ID:q64Tf7E0<>乙なんだよ!
アイテム3人衆かわいいなオイww
フレンダ死ぬな。鯖缶買ってやるから生きろ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 21:35:11.55 ID:6KskrvYo<>うおおおおおおおおおおおお
リアルタイム遭遇とか結局超始まってる訳よ!
何時もながらGJ、次も期待してます<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 21:40:00.20 ID:bCknpkSO<>コバルト文庫で百合と言ったら楽園の魔女たち、って思った奴はおっさん。俺もおっさん。



乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 21:41:13.20 ID:1tAppdw0<>このスレが生活の1部になってきてる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 21:49:25.25 ID:y0Qza6SO<>乙です

こんな調子の麦のんが美琴にあんなエロい告白したかと思うとたまらないな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/24(土) 21:59:36.39 ID:5Q.at7w0<>>絹旗「麦野のくせにどの面下げて純愛とか……まあいいでしょう。
吹いた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 22:10:41.63 ID:Z1pjjpAo<>乙
時間的に超油断してました・・・
いちゃいちゃもいいけどこういう周囲の反応って非常に重要だと思います<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 22:22:10.23 ID:q64Tf7E0<>一瞬、絹旗×フレンダが超頭をよぎっt…いや、何でもない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 22:27:59.62 ID:n.4r.8Qo<>絹フレ……断然アリですね。
しかし、滝壺さんの驚きのピュアっぷりが凄いな。

黒子も美琴の変化に気づいたようだし、次回も楽しみだ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 22:37:39.64 ID:zxG0rvAo<>>>218が絹フレを書く聞いて<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 23:00:14.59 ID:dDbPJzso<>むしろこの展開だと失恋コンビで黒子×フレンダの方が…
でもキャラが似すぎてタチネコの判断がつかんな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/24(土) 23:03:31.95 ID:FRB6WR6o<>先に攻めた勝ちのリバありカプで<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 00:15:51.88 ID:A2l5EA6o<>総合ばりに上を取り合う黒フレ……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 00:16:54.91 ID:ZGjvdawo<>ガチ百合パンツレスリング…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 00:23:20.52 ID:EoUjxUDO<>乙
全員可愛すぎる
もう全員(浜面抜き)でくんずほぐれつぐちょぬるの関係になっちゃえばいいのに<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 00:36:36.96 ID:ijKqE0o0<>乙

恥じらう絹旗ちゃん可愛いいぃぃぃぃいい
誰か絹旗ちゃんss書いてくれお願いします
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 00:54:32.26 ID:T6VDuRI0<>絹フレと言う単語を見た後、絹ンダという単語が頭をよぎりました<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 00:58:11.84 ID:8INQrkAO<>記念だ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 01:13:04.95 ID:Qpb1R160<>ここの作者さんにはぜひとも浜面滝壺のいちゃいちゃを書いて欲しいなぁー。サイドストーリーで<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 01:39:19.19 ID:GtOVuAAO<>>>229
それに加えて絹フレも書いてほしいなってミサカはミサカは思っていたり<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 02:19:43.41 ID:pfKqcEU0<>>>229
禿同<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 02:58:39.96 ID:nYKMmvI0<>今回は滝壺可愛かったな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 03:37:06.28 ID:ganl8ig0<>乙
滝壷が天然で可愛いな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/25(日) 04:26:13.95 ID:H3bjG0E0<>>滝壺「誰にも会ってないよ」



かんわぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 05:05:09.91 ID:1LEZfvEo<>なんという滝壺回
…はーまづらぁ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 11:29:57.01 ID:EoUjxUDO<>ニコニコは嫌いだがあえて言おう。
このSSを見るたびmagnetの絵の麦琴を想像した。誰か描いてくれ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 12:42:23.63 ID:FJmGR7I0<>我慢できねえ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 14:46:45.88 ID:lTUhzgDO<>このスレが楽しみすぎて俺たちの実生活がヤバイ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 18:41:38.09 ID:8O8boYAO<>実生活なんてつまらないわ。夢を見続けられるなら、私はずっとこのスレに居ることを選ぶ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/25(日) 22:31:30.28 ID:fjYSdQAo<>久し振りにマリみてのSS書きたくなってきた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 00:10:13.48 ID:ArJVmzIo<>来るかな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 00:22:41.00 ID:bq2p42AO<>>>239
その昔、メルとレナスの百合を妄想していたことがある。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 00:48:35.06 ID:CD/qMIk0<>来てくれ〜
ほかに>>1は書いたことあるのか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 00:53:31.83 ID:DclNrRAo<>>>243
トリップでググってみるといいと思うよ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 00:54:43.00 ID:nUEi/kso<>麦恋と五恋以外にあったっけ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 01:29:34.39 ID:eCntGEAO<>来るとしたら今ぐらいの時間帯だがはたして・・・?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 01:50:26.98 ID:ERSdqbUo<>エロ本許してもらえない浜面に同情を禁じ得ない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 02:17:20.76 ID:gfe5gdg0<>>>247
その意味をよく考えてみろ
答えを導けばwktkが止まらんぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 02:32:12.12 ID:eCntGEAO<>>>247
なるほど・・・>>246は幸せだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 02:33:22.95 ID:eCntGEAO<>ダァーッ!!
安価ミスった・・・orz<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 02:43:39.20 ID:CD/qMIk0<>来ないのか?
もう寝ていいのか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 03:56:03.05 ID:FUQ/VwDO<>寝たら負けかなと思っている。
明日は来るかなあ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 06:35:55.25 ID:XJ7wR2DO<>まだだ、まだ眠らんよ!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 07:18:43.31 ID:DWXV4EAO<>寝ろ。
眠れません。
寝ろ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 13:36:41.35 ID:eCntGEAO<>来なかったか・・・眠いぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 17:00:55.64 ID:BEEoCsYo<>お前らは>>1に恋をしてるんだね…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 17:50:04.63 ID:CD/qMIk0<>俺は麦恋を読み返して来るぜ<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 19:28:50.56 ID:3J.texQo<>みなさんこんばんは。
いつも夜遅くまで待っていて下さる方ありがとうございます。
さすがに来れない日に朝方までお待ちいただくのは心苦しいので一つw
現在、書き溜めの量の兼ね合いと私生活の状況から、毎日投下するのは厳しいのが現状です。
なので、夜中2時を回っても投下が無い時はその日の投下は無いとお考え下さい。

なお、本日は21時〜22時くらいから投下していきますのでもうしばらくお待ちを。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 19:43:31.84 ID:eCntGEAO<>いええぇぇぇぇぇっす!!!!!!!!!!

了解しました!

明日ガッコだけど寝ないぜ。超wwktk(*・△・*)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 20:40:12.26 ID:R9I8.EAO<>wwktk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 20:49:46.55 ID:emqNO.Mo<>投下予告きたああああああああああああああああああああ
wwktkwwktk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/26(月) 21:04:07.42 ID:XxQSP1c0<>そろそろ来る予感がするんだよ!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/26(月) 21:07:47.68 ID:yVyY0Ooo<>21時だよ!<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:10:15.68 ID:3J.texQo<>お待たせいたしました。
ごきげんようお姉様方。
本日もお手柔らかにお願いいたします。
それでは今から投下しますね。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 21:10:54.55 ID:eCntGEAO<>キター!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:13:58.39 ID:3J.texQo<>
18日目 (土曜日)


―第七学区駅前 13:00―


御坂「〜♪」

御坂(いよいよ沈利さんと初デートね。よく考えりゃ私まともなデート自体がそもそも初めて……) ドキドキドキ

御坂(途中で私服に着替えたけど変じゃないわよね……。Tシャツに短パンってラフ過ぎないかな?)

御坂(別に沈利さん男じゃないんだからスカート穿いたって嬉しいわけじゃないだろうし、大丈夫よね。
    あ、けど好きな子のエロい格好は見たいとか言ってたような……)

御坂(沈利さん結構やらしいからなー……あんまり挑発するような格好はしないでおこう。うん)


タッタッタッ


麦野「おまたせー」

御坂「おーす。あ、今日はミニスカートなのね」

麦野「あんま見んな。太いのバレる」 ササッ

御坂「なんで穿くのよ。しかも全然細いってば。気にしすぎじゃないの?」

麦野「美脚のアンタには分からないわよ。っつかアンタこそ生足出しちゃって、誘ってんの?」

御坂「違うっつの。ほら、行きましょ」

麦野「はいはい」 スッ

御坂「あっ……手……」

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:16:17.55 ID:3J.texQo<>
麦野「嫌?」

御坂「そんなことないけど、恥ずかしいわね……」

麦野「見せつけてやろうなんて言ったやがったのはどこのどいつだっけ?」

御坂「そうだけどさ。周りの人からすりゃ別に見せつけられてもって感じじゃない?」

麦野「そうかしら、こんな可愛い女の子が二人手をつないで歩いてたら、男はそれだけで三日は抜けるわよ」

御坂「自分でそこまで言うか……」

麦野「なんて、女の子同士で手繋いで歩くのなんて別によくあることじゃない」

御坂「そうね、小学校くらいまではね」

麦野「何よ。いいだろ、誰も困らないんだし」

御坂「そりゃそうか。じゃ、今日はしっかり引っ張っていってね、沈利さん」

麦野「お姫様って柄かしら。まあいいわ、今日はたっぷり楽しみましょ」

御坂「うん!」

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:20:38.77 ID:3J.texQo<>
―駅前 同時刻―


サササッ!


白井「……見つけましてよ、お姉様」 ボソッ

白井(意気揚々と出かけて行かれたのでわざわざサングラスとトレンチコートで変装して尾けてみれば、
    これはどういうことですの……?)

白井(確かに麦野さんと第六学区へ遊びに行かれるとおっしゃってましたが、まさか手を繋ぐなんて聞いていませんの)

白井(いえいえ、早まっては駄目よ黒子! 仲の良い女性同士なら手を繋ぐことも考えられない話ではありませんの。
    小学校低学年の時まではわたくしもしていましたし……しかし、いつもわたくしが手を繋ぎたいと申しても
    絶対に繋いでくれませんのに、お姉様ったら麦野さんには随分大胆ですのね……)

白井(ハッ! ま、負けては駄目ですの! お姉様が年下だから、先輩の麦野さんの自尊心を満たして差し上げようと
    エスコートをお願いしているだけですの! 今日一日見届けさせてもらいますわよ!)


ギギギギッ!


白井「ん?」

白井(な、なんですのこの歯ぎしりの音は……)

フレンダ「……」 ギリギリギリ… ミシミシミシ

白井(な、なんですのあの金髪に帽子の方……? 一応年上に見えますけれど。 
    それにしても街灯を握り潰さんばかりの力で握っていますの……)

フレンダ(ななな! 何よこれぇっ!)

フレンダ(麦野が朝からにこにこ嬉しそうに出かけていったかと思えば……れれれ超電磁砲と手なんか繋いで―――!)

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:22:52.92 ID:3J.texQo<>
フレンダ(私だってまだ繋いだことないのにー!) ギリギリ…

フレンダ(わざわざ来る途中セブンスミストでキャップとジャージまで買って変装したんだから、
      今日はたっぷり麦野を視姦……ゲフンゲフン調査してやる訳よ!) グッ

白井(ブツブツと独り言を……。ああいう方に好かれる方は大変ですわね。ストーカー予備軍ではありませんの?)

フレンダ「ん?」

フレンダ(何な訳よあのグラサンとコートのツインテール……じっとこっち見て。……ストーカー?)

フレンダ(あーやだやだ、変態ってのはいつの世もいる訳よ。見た目中学生くらいだってのに、結局世も末って感じよね)
 
白井(まああのような非常識な方は放っておいて、お姉様達の後を尾けるとしますの)

白井(それにしても……フヒヒッ、お姉様の生足ファッション、いいですわー!
    嗚呼、その太股にお顔を挟んでフニフニしてほしいですのー!) ハァハァ

フレンダ(何あの子、ハァハァ言っててキモッ! まどうでもいい訳よ。麦野達の後を追わなくちゃ)

フレンダ(にしても結局……麦野のミニスカートキタ━━━(゜∀゜)━━━ !!!!!
      何あのエロい太股! 胸もいつになく強調しちゃって谷間丸見えな訳よ! 挟まれたい!) ハァハァ

白フレ((いい思い出になりそうですの(な訳よ)!))

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:25:46.21 ID:3J.texQo<>
―電車内 13:15―


ガタンゴトン… ガタンゴトン…


麦野「電車なんて久しぶりに乗ったわ。第六学区行くのも結構久しぶりかも」

御坂「私もそっちは滅多に行かないわねー。あ、でもこの前黒子連れて遊びに行ったわよ」

麦野「あらそう。何して遊んだの?」

御坂「えーっと、適当にアミューズメント施設はしごして、おやつ食べてって感じかな」

麦野「ふぅん」

御坂「あ、沈利さんもしかして焼きもち〜?」 ニヤニヤ

麦野「べっつにー」 プィッ

御坂「妬かない妬かない。それより今日行く水族館てどんなところなの?」

麦野「ん、今フェアやってるらしくて、泳いでる魚を調理してくれるみたいだね」

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:27:00.46 ID:3J.texQo<>
御坂「何そのエグいフェア」

麦野「さすがに水槽で泳いでる奴をその場で釣って食べるわけじゃないと思うけど」

御坂「そりゃそうでしょ……。動物園で牛の檻の前でバーベキューするようなもんよ」

麦野「水族館ってデートっぽいと思ったんだけど……」 シュン…

御坂「あ、い、いいのよ全然! 魚もお寿司も好きだし! だから落ち込まないでよ!」

麦野「べ、別に落ち込んでなんかないわよ!」

御坂「…そ、そう?」

御坂(シュンってなってたくせに……。まあ確かに水族館は定番よね。けど魚なんて見て楽しいのかしら……?)

麦野(新鮮な鮭が食べられる! あれ、でも水族館に普通鮭の水槽なんてあるか……?) ハテ

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:29:17.28 ID:3J.texQo<>
―電車内 同時刻―


白井(キィィ! なんですのなんですのなんなんですのー!? 
    座席は空いているのですからあんなに詰めて座らなくてもよろしいんじゃありませんこと!?) ガァァ

フレンダ(あぁー! 超電磁砲私の麦野にくっつきすぎ! あんなに近づいたら麦野のいい匂いを嗅ぎ放題じゃない!
      麦野はいつから女の子とそんな密着するようなエロい子になったの!?) ダァァ

白井フレンダ((しかも……)) チラッ

白井(なんでこの方この電車に乗ってますの? 第六学区なんて一人で遊びに行くようなところではありませんわよ)

フレンダ(電車の中でもサングラスって、結局アホだよね。なんか呼吸荒いし危ない人なんじゃないの?)

白井(大体電車の中でキャップって……しかも年頃の若い女性が上下ジャージで電車だなんて……)

フレンダ(チビのくせに何よロング丈のトレンチコートって。結局、コロンボでも目指してる訳?)

白井(華の休日にこういう無益な過ごし方をする方にだけはなりたくありませんわね)

フレンダ(どうせモテないから周りのカップル睨んで威嚇するような寂しい過ごし方してるんだろうなー……
      こういう人にだけはならないように気をつけよっと)

白井(そんなことより、何を話しているんでしょうかお姉様達は、随分と楽しそうですわねー)

フレンダ(ま、こんな変態に構ってるのは時間の無駄な訳よ。それより、なんか仲よさそうだなー。
      こんなこともあろうかと小型指向性集音マイクを持ってきているから問題ない訳よ) テレレッテレー!

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:32:12.71 ID:3J.texQo<>
白井(ゲェッ、な、なんですのあの方。電車の中だと言うのに何やら怪しげな機材を取り出しましたわよー!?
    これはかなりの危険人物ですの……ありえませんの……) ヒキッ

フレンダ(あの子何こっち見てんだろ。わ、私をターゲットにするのはやめてほしい訳よ!
      無視無視無視! 無線イヤホン着けてっと……どれどれ)


ガガー……ザザザ


麦野『美琴、カエルのヘアピンどうしてるの?』

御坂『沈利さんに買ってもらったアレ? 大事にとってるわよ。私の宝物だもん』

麦野『使ってよ。壊れたらまた買ってあげるからさ』


フレンダ(おーっし、感度良好!)


御坂『いや、白状すると、さすがにあれを着けて歩くのは私でもちょっと恥ずかしいかなって』

麦野『恥ずかしがってるアンタを見たいのに』

御坂『んなもん見てどうすんのよ』

麦野『おかずにする』


フレンダ「おかずぅっ!?」

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:33:31.12 ID:3J.texQo<>
ザワッ!


フレンダ(や、やばっ) コソコソッ


ザザザ……


麦野『な、何今の声……私の声大きかった?』

御坂『ううん。なんだろ、偶然じゃない?』

麦野『そうよね、いくらなんでもそんなでかい声でしゃべらないわよ。にしても今の声誰かに似てるような……』

白井(ほんとなんなんですのこの方……突然お、『犯す』だなんて意味の分からないことを叫んで……。
    そろそろ警備員(アンチスキル)を呼んだ方がいいかもしれませんわね……)

フレンダ(危ない危ない……あまりに衝撃的な言葉に我を忘れてしまった訳よ)


ザザザ…


御坂『と、ところでおかずって何よ……』

麦野『アンタのことを妄想してオナニーすることよ』

御坂『な、なななっ!』

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:35:48.36 ID:3J.texQo<>
麦野『昨日なんか朝までしてたから眠くて眠くて……ふぁ〜』

御坂『ばか……』

麦野『なんてね、冗談よ。そうやって困ってるアンタが可愛いから』 ナデナデ

御坂『どっちにしたって恥ずかしいもん……』 カァァ

フレンダ(ぐぐぐっ……血涙が止まらねえ訳よ。でも冗談か、よかったよかった。
      だけど結局、麦野に頭を撫で撫でしてもらえるなんて至上の喜びな訳よ! う、羨ましい〜!) プルプル…

白井(プルプルしていて気持ちが悪いですの……。
    それはともかく、今お姉様頭を撫でられていましたわね……まあなんてこと。
    お姉様もお姉様ですの、照れたりなんかしてわたくしがそんなことしようものなら有無を言わさず
    アルゼンチンバックブリーカーの刑ですのにぃっ! エヘッ、でもその時はお姉様に密着できるからそれも
    悪くありませんの。黒子ったらけ・な・げ) キャピッ

フレンダ(ゲッ、あいつキモッ……くねくねしちゃって、かよわい乙女の私には恐ろしい存在な訳よ)


ピロリロリーン♪


『まもなく第六学区中央駅。第六学区中央駅です』

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:36:49.73 ID:3J.texQo<>
ザザザ…


麦野『あ、もう着くね。なんかワクワクしてきた』

御坂『沈利さんでもワクワクとかするのね』

麦野『私ゃ冷血人間じゃねえんだよ。……ま、アンタと一緒だからね』

御坂『うん……私もよ』

フレンダ(くぅっ! イチャイチャしちゃってムカつくー! 超電磁砲そこ代われ! 私も麦野とデートしたいのにぃぃいい!)

白井(また手を繋いでいますの。寂しんぼうさん達ですの? う、羨ましくなんてないですわよ!)


スタスタスタ


白井フレンダ「「ん?」」 ピタッ

白井「ど、どうぞお先にですの」

フレンダ「あ、ありがとう」

白井(この方やっぱり第六学区へ……一体その格好で何しに行くつもりですの……? 怪しい、怪しすぎますのー!)

フレンダ(ほんと一人で第六学区で何する訳よこの子。怪しいなー……)

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:38:43.94 ID:3J.texQo<>
―第六学区 水族館『アドリア海の女王』 13:40―


ザワザワザワ ワイワイガヤガヤ


麦野「結構混んでるわね。晴れてるしイルカショーとかも並んでそうだな」

御坂「仕方ないわよ。むしろこれくらいのほうが休み満喫してる感じがして楽しくない?」

麦野「水槽の前で混むのは嫌よー」

御坂「ま確かにね。けどこれくらいなら大丈夫よ。さ、並びましょ」

麦野「オッケー。アンタなんか見たいやつとかある?」

御坂「んー、何がいるのかわかんないけど……可愛いやつ」

麦野「具体性の欠片も無いわね。言っとくけどカエルはいないわよ」

御坂「わ、分かってるわよ! っていうか別に魚なんか見ても可愛いとは思わないっつの」

麦野「そうねー。どちらかと言えば水槽の中で自由に泳ぐ魚達の全体像を見て綺麗だって思うのが正しい楽しみ方かしら」

御坂「そうよそうよ! 水族館に可愛いものなんて期待してないわよ!」

麦野「分かった分かった、ほら空いたわよ。纏めて買うからお金は?」

御坂「あ、今日は崩してきた」

麦野「えらいわね。イルカショーも見る?」

御坂「見たい見たい。ほんと小さい時に行ったっきりだから楽しめるかしら」

麦野「どうかしらね。私もそうだし、ま、行ってみましょ」

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:40:30.14 ID:3J.texQo<>
―水族館前 同時刻―


コソコソコソッ… 


フレンダ(結構人いっぱいな訳よ。見失わないように気をつけないと。
      指向性マイクも仕込んでっと……よしチケット売り場並ぼう)

白井(お姉様ったらあんなに麦野さんに密着して……いやらしいですの!
    チケット売り場はこちらですわね)


スタスタスタ 


フレンダ「あ」

白井「む」

フレンダ「先にどうぞ」

白井「それはどうも……」

フレンダ「……」

白井「……」

フレンダ(なんでこの子こんなとこにいる訳よ。一人で水族館て……遊園地よりマシだけどさ)

白井(一体どこまで一緒ですのこの方。一人で水族館なんて正気の沙汰とは思えませんの。
    余程お魚のお好きな方なんですの?)

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:41:53.43 ID:3J.texQo<>
フレンダ(まあそんなことより麦野達は……お、いたいた。チケット買って入ってくな、急がないと)

白井(お姉様達はあそこですわね。むう、一見仲のよいお友達のように見えますが、背中から出ているピンク色の
    オーラがどうにも腹立たしいですの)

係員「次の方どうぞー」

フレンダ「学生1枚」

係員「2000円になります」

フレンダ「はい」

係員「ではこちらが入場チケットでございます。
    入場口を入ってすぐ写真撮影を行っておりますのでよろしければどうぞ」

フレンダ「お世話さまー」

白井(ぷぷっ、寂しい方ですの。周りは家族連れや学生ばかりですのに) ニヤニヤ

フレンダ(何ニヤニヤしてんだろこの子。魚フェチ? 
      怖いなー……まあ麦野にならうなぎを服に中に入れられても嬉しいけど) ニヤニヤ

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:43:25.83 ID:3J.texQo<>
係員「次の方どうぞー」

白井「学生1枚お願いしますの」

係員「2000円になります」

白井「はいですの」

係員「ではこちらが入場チケットでございます。
    入場口入ってすぐ写真撮影を行っておりますのでよろしければどうぞ」

白井「どうもですの」

係員(なんか変な格好のお客さんだったな……)


スタスタスタ


写真係「ではでは撮りますよー! ハイチーズ!」 パシャッ

白井(ここが写真撮影の場所ですわね……。おっと、ちょうど次がお姉様達の番ですの。
    魚と戯れるお姉様の写真もコレクションに加えたいですの)

フレンダ(麦野と写真かぁ、いいなぁ……まあ麦野の写真なんていくらでも持ってるけど。
      ツーショットはまともなの無いんだよねー。額に入れて飾るのに)

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:46:53.32 ID:3J.texQo<>
写真係「ではお次の方こちらに立ってくださーい!」

フレンダ(む、麦野達の番だ!) コソッ


ザザザ…


麦野『美琴、もっとこっち来てよ』

御坂『えー、沈利さん当たってるわよ……』

麦野『ばぁか、当ててんのよ』 ギュッ


フレンダ「むぎっ……!」

白井「おねっ……!」


麦野御坂『『ん?』』

白井フレンダ((やっべぇっ!)) カクレミッ!

写真係『どうかされましたー?』

麦野『いえ何でも。すみません、もう一度お願いできますか?』

写真係「もちろん。気を取り直していきましょー! ハイチーズ!」

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:49:21.02 ID:3J.texQo<>
麦野『……』 ギュッ!

御坂『……』 ギュッ!


パシャッ!


写真係『ではこちらはお帰りの際出口にて1枚500円で販売しておりますのでよろしければどうぞ』

麦野『か、買う?』

御坂『う、うん……ほしいかも……』

麦野『ねえ今度ゲーセンでチュープリも撮ろうよ……』

御坂『い、いいわよ……』


スタスタスタ


フレンダ(な、なんてものを見てしまったんだろ……! 麦野と超電磁砲が寄り添ってツーショットなんて……!
      うぅ……ショックだなぁ。……い、いやそれより!) チラッ

白井(な、なんという写真を撮っていますのお二人ってばっ! あんなにギュッと! ギュッと!
    ああんっ! 黒子も壊れる程に愛されたいですのー! 3分の1も伝わらなくてもいいですのー!) キィィ!

フレンダ「ね、ねえ……」

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:52:17.84 ID:3J.texQo<>
白井(げぇっ! この方まだいましたの!? 一人での写真撮影なんて空気呼んで列抜けてさっさと前に進めばよろしいのに……」

フレンダ「もしかして超電磁砲の知り合いだったりする……?」

白井「!? な、何故それを……」

フレンダ「私は原子崩し……ええと、超電磁砲と一緒にいた女の子の友達なんだけど」

白井「麦野さんの!?」

フレンダ「あ、知り合いだった?」

白井「まあ少しだけ……」

白井(た、確かにそう考えてみればわたくしの行く先々にこの方がいるのも頷けるというものですの……)

フレンダ(やっぱそうだった訳よ。おかしいと思ったんだよねー、私と同じ方向見つめながらハァハァ言ってるし……)

白井(しかし認めたくはありませんが、わたくしの想像が正しければこの方……)

フレンダ(っていうか結局、この子って……)

白フレ((二人の後尾けてきたんじゃ……))

フレンダ(うひゃー、ヒクわー。いくら尊敬する先輩だからってプライベートの監視なんかしちゃう?
      超電磁砲に同情しちゃう訳よ。え、私? 私はいいのっ、麦野への愛がそうさせるんだから)

白井(何て残念なお人なのでしょう。普通知り合いのプライベートを覗き見たりしますかしら。
    麦野さんもお可哀想に。え、わたくしですの? 黒子はお姉様のパートナーですもの。
    お姉様のことは何でも知っていないといけませんの!)

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:54:04.44 ID:3J.texQo<>
フレンダ「……」 ニコッ

白井「……」 ニコッ

フレンダ「そ、そうなんだー。二人とも仲いいんだねー。ところであなたって常盤台の学生さんだよね?
      やっぱ何かすごい能力者なの?」

フレンダ(どうせ麦野のことだから超電磁砲なんてすぐ飽きてポイだよポイッ!
      そしたらこの子達とも戦うことになるかもしれないし、情報拾っておかないといけない訳よ。
      さすが麦野の頼れる相棒フレンダちゃん。麦野の頭撫で撫ではいただきよ!)

白井「いえいえ、わたくしなどお姉様に比べたら何て事ありませんの。
    空間移動(テレポート)を少々嗜んでおりますの。レベルは4ですけれど。
    それより貴女こそ、先ほどから持っておられるその機材はなんですの?」

白井(少々奇行の目立つ方ですし、お姉様に御迷惑がかからないよう確認しておかなくてはなりませんの)

フレンダ「へー! レベル4なんてすごいね! 私のこれは手製の小型指向性集音マイクだよ。
      ふふん、結構器用でしょー。他にも超小型カメラとか色々あるよー」

フレンダ(レベル4空間移動能力者(テレポーター)!? すっげぇ訳よ! 
      いいないいなー! それがあれば麦野の下着も取り放題。麦野の体内に私の体液を転移させたりも出来る!
      よし、ちょっと仲良くなってその力利用させてもらおう) フヒッ

白井「それはそれは、大したものですの」

白井(色々と犯罪じみた道具をお持ちですのね……。でもすっげぇですの! 
    その技術があればお姉様のあらゆる秘め事も24時間365日死角無しで撮影盗聴し放題ではありませんの!
    少々お近づきになって機材をお借りできませんかしら) フヒッ

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:57:43.01 ID:3J.texQo<>
フレンダ「それほどでもないけどねー。よかったら一緒に聞く? 無線イヤホンもう一個持ってるし」

白井「いいんですの?」

フレンダ「いいよ。その代わり二人に見つかりそうになったらあなたの能力で私も一緒に逃がしてね。
      あ、別に後を尾けてきたとかそんなんじゃないんだけど、なんとなく気まずいから」

白井「それくらいお安いご用ですの。わたくしこそこんな素晴らしいものをお借りしてありがとうございますの。
    いえ別にわたくしも後を尾けてきたとかそういうわけではありませんけれど、少々気恥ずかしいですものね」

フレンダ(よーし、これで私の唾液を麦野の口内に転移させる計画の第一歩が始まった訳よ!)

白井(完ッ璧ですわ。これでお姉様ドキュメンタリー『お姉様とその生態』のクランクインが近付きましたの!)

フレンダ「じゃよろしくね。私はフレンダ」 ガシッ

白井「わたくしは白井黒子と申しますの。どうぞよろしく」 ガシッ

写真係「次の方どうぞー」

白井フレンダ「「はい?」」

写真係「さ、写真をお撮りしますよ。どうぞこちらへ」

白井「い、いえ私たちはその……」

フレンダ「ま、まあいいんじゃない? せっかくだから撮ってもらおうよ」

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 21:59:21.16 ID:3J.texQo<>
白井「そうですか? では……」

フレンダ(ちょっとでも仲良くなっとかないとね。あんたの能力たっぷり利用させてもらうんだから)

白井(どういうつもりですの? けれどこの方の技術を手に入れるためなら悪くありませんわね。
    お姉様のためならこの方を欺いてみせますの!)

写真係「はいではもっと寄ってください! いきますよー! はいチーズ」 パシャッ

白井フレンダ「「……(ニコッ)」」 ウワッツラー

写真係「ではこの写真は後ほどお出口で……って、あれ?」

白井「急ぎませんと見失ってしまいますの!」 ダッ!

フレンダ「だね! 二人ともせっかちそうだからダッシュダッシュダッシュ!」 ダッ

白井「キック&ダッシュですのー!」 ダッ

写真係(変な子達だなー……)

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 22:01:01.81 ID:3J.texQo<>
―水族館館内『ラッコの水槽』 14:00―


プカプカ

ワイワイワイ… ガヤガヤ


御坂「キャ―――! 可愛い〜!」

麦野「おい、水族館に可愛いもんは期待してないんじゃなかったの?」

御坂「だってこんな可愛いのいるなんて知らなかったんだもーん! 見て見て! ぐるぐる回ってる!
    あーん、こんなのだったら一日中見てられるわ−!」

麦野「そうね。胴体長いわね」

御坂「見て見て!毛づくろいしてるわよ! 抱きしめたらプニプニもこもこで気持ちよさそう〜。
    可愛いなー、ね、沈利さん!」 パァッ

麦野「……そうね」

麦野(テメェのが兆倍可愛いっつの)

御坂「ねね、私デジカメもってきたんだ! 撮ろう撮ろう!」

麦野「あーはいはい、引っ張るな。はしゃいじゃって、ガキっぽいわよ」

御坂「沈利さんこそもっと笑って笑って! ラッコはあんま好みじゃない?」

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 22:02:56.68 ID:3J.texQo<>
麦野「楽しんでるからお構いなく。アンタ見てた方が面白いけどね」

御坂「なによぅ、私は見せもんじゃないわよー! ほら沈利さん撮るよ、もっとこっち寄って!」

麦野「背景にちゃんとラッコ入るんでしょうね?」

御坂「沈利さんとのツーショットいっぱい撮るために持ってきたんだから細かいことはいいの!
    ハイチーズ!」 パシャッ!

麦野「撮れた?」

御坂「えっと……あ! ぷぷっ! 沈利さんまばたきしたでしょ! 半眼になってるわよー」 クスクスッ

麦野「ちょっ! テメ、消せよ!」 ガッ!

御坂「やーだ。これも思い出だもん」 ヒョイッ

麦野「ふざけんなっ! 美しくない私を写真に収めることは許さないわよ!」

御坂「沈利さんはどんな表情でも美人だから大丈夫よ!」

麦野「分かりきったこと言わないで! こら貸せ!」

御坂「貸さなーい。あ、ねえねえ、あっちにはカワウソがいるわよ! 行こう行こう!」 タッタッタッ

麦野「あーもうったく! 分かったから走るなっての」 タッタッタッ

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 22:04:16.09 ID:3J.texQo<>
―同時刻―


フレンダ「」

白井「」

フレンダ「のっけから飛ばしてる訳よあの二人……」

白井「確かにレベル5の集中力は伊達ではありませんの……お互いしか見えていないような……」

フレンダ「よ、弱気になってどうするの! 結局、すっごい仲の良い友達なだけなんだから!」

白井「そ、そうですわよね! 手を繋いで歩いたり、頬が当たるくらいに寄り添って写真を撮るくらいじゃ
    まだまだ友達の域ですの!」

フレンダ「お、今度はカワウソの方に行った訳よ」

白井「お姉様ったらあんなにはしゃいで……まるで無邪気な子供のようですの」

フレンダ「麦野からすりゃ14歳なんて十分子供でしょ……」


ザザザ…


麦野『あら、この子達は結構可愛いわね』

御坂『ラッコよりこっちのほうが好き?』

麦野『どちらかと言えばね。んー、でも私早くペンギン見たいなー』

御坂『いいわね! ペンギンってヨチヨチ歩くからラブリー』

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 22:05:55.95 ID:3J.texQo<>
麦野『でもあいつら水中だとどや顔でミサイルみたく泳ぐわよ。
    失速するとプカーッて水面に浮いてくるところが間抜けでいいよね』

御坂『何それすっごい見たい! 行きましょう行きましょう!』

麦野『急がなくたって逃げないわよ。落ち着いて楽しみなさいよ』

御坂『沈利さんの口から「落ち着け」だなんて。おっかしーの』 キャッキャッ

麦野『あんまり調子こいたこと言ってると上下に引き裂くわよ?』

御坂『ご、ごめんなさい。あまりに信じられない発言につい』

麦野『よし。次言ったら3分割』

御坂『もう、細かいこと気にすんじゃないの!』

白井「会話自体は確かに仲の良い友達同士という感じもしますが……」

フレンダ「だよね。まだ核心に触れてない感じな訳よ」

フレンダ(まああの麦野があんなに楽しそうにしてること自体が異常な訳だけど)

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 22:08:08.38 ID:3J.texQo<>
―水族館館内 『ペンギンの水槽』 14:20―


麦野「こ……これは……」 ホァァ

御坂「か、かわゆい……」 ポヘー

麦野「ねね、写真撮ろ撮ろ!」

御坂「お、ノってきたわねー。よし、沈利さんそこ立って、撮ったげるから!」

麦野「うん、お願いね」

御坂「いくよーん。ハイチーズ」 パシャッ!

麦野「ありがと。帰りペンギンのぬいぐるみ買おうっと」

御坂「随分気に行ったみたいね」

麦野「次はアンタも撮ったげるからそこ立ちな」

御坂「うん、可愛く撮ってよね」

麦野「よし、なら脱げ」

御坂「なんでよ!」

麦野「アンタの裸綺麗だし。一番綺麗な姿を撮ってあげる」 キャピッ☆

御坂「そ、そんなことこんなとこで言わないでよ!」 カァァ
<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 22:10:19.28 ID:3J.texQo<>
麦野「ふふっ、ごめんごめん」 パシャッ!

御坂「なっ! 撮る前になんか言いなさいよ!」

麦野「美琴の照れ顔撮っちゃった」 バチコンッ☆

御坂「可愛くウィンクしても誤魔化されないからね! い、今すぐ消しなさい!」

麦野「消しません。携帯でも撮ったから今からこれ私の待ち受けよん」

御坂「だぁぁー! んなもん誰かに見られたらどうすんのよ! すっごい恥ずかしいじゃないのよ!」

麦野「アンタだって私の半眼撮っただろ。諦めなさい」

御坂「うう、余計なことするんじゃなかった……」

麦野「さ、次はあそこね。あ、鮫がいるみたい」

御坂「鮫かー。沈利さんっぽいよね」

麦野「あァ?!」

御坂「じょ、冗談じゃない」 ビクッ

麦野「私のどこがサメ肌だってのよ。しっとりもちもち卵肌でしょが」

御坂(そこじゃないわよ)

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 22:12:29.78 ID:3J.texQo<>
―同時刻―


フレンダ「ど、どう見てもイチャイチャしてるようにしか見えない訳よ……」

白井「お姉様の裸とか肌がどうとかおっしゃってましたわね……」

フレンダ「それにしてもペンギン可愛い訳よ」 ホワァ

白井「ですわねー。このデップリとした感じがなんとも愛らしいですのー」 ホワァ

フレンダ「あー、見て見てー! 飼育員さんが餌あげてるよー!」

白井「まあ本当。現金なものですわね、バケツの中に餌が入ってると分かっているのでしょう、
    わらわらと集まっていきますの」

フレンダ「食べてる食べてるー! あはは、お腹空いてるのかな」

白井「お魚を丸呑みですの。あら、あちらは掃除をされている飼育員の方の後をペタペタ着いていってますわよ」

フレンダ「わぁかわいい! きゃははっ、あっち行きなって押しやられてる」

白井「それでも寄って行きますの。なかなか健気な子ですわね」

フレンダ「水族館なんて久しぶりに来たけど結構楽しいねー!」

白井「悪くありませんわ。あ、あっちにはタコがいますわよ!」

フレンダ「どこどこー! うわっ! うねうねしてる! 結局、白井さんのツインテールみたいだね!」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:14:28.83 ID:xcUaz2AO<>お前らが一番可愛い(キリッ<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 22:14:46.50 ID:3J.texQo<>
白井「んまっ! それは心外ですの! 」

フレンダ「冗談だよー。タコ焼き食べたくなってきた訳よ」

白井「現在フェア期間中ですから出口で食べられますわよ」

フレンダ「そうだったね。お腹空いてきちゃったなー」

白井「仕方ありませんわねー。飴でよろしければありますからこれでも嘗めてらしたら?」

フレンダ「わーい! 黒飴って、おばあちゃんみたーい! いただきー」 パクッ

白井「誰がお婆ちゃんですの!」

フレンダ「コロコロ……美味しいからいいのいいの。ありがとね。よし、次はあっち見よう!」 ダッ

白井「まったく、仕様のない方ですの。あらま大きな水槽がありますの。あれはマンタですわね」

フレンダ「ひらひらしてて綺麗だよねー。他にもいっぱい泳いでる。小さい鮫もいるね。
      うぉっ! あの大きいの何ー!?」

白井「あれはジンベエザメですの。エイもマンタだけではなく他にも何種類か泳いでますわよ」

フレンダ「ほんとだ、微妙に違うね。白井さん詳しいね」

白井「これくらい常識ですの。そう言えば貴女お年はおいくつですの?」

フレンダ「ん? 16」

白井「私より3つも上ではありませんの。落ち着きのない方ですわねー」

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 22:16:51.66 ID:3J.texQo<>
フレンダ「うるさいなー。そんなことより結局、鯖はいないの鯖は?」

白井「鯖ですの? それでしたらあちらのようですわよ」

フレンダ「えー、いるんだ。行きたい行きたい!」

白井「鯖がお好きなんですの?」

フレンダ「正確には鯖缶がね。美味しいよねー」

白井「食べたことありませんの。でもフェアで鯖寿司とかもあるようですわよ」

フレンダ「お寿司かー。嫌いじゃないけどね。鯖に一番合うのはカレーな訳よ」

白井「あなたの舌がバカだということはよく分かりましたの」

フレンダ「失礼な! 白井さんの好物は何な訳よ!」

白井「わたくしは淑女らしく紅茶やケーキはもちろん、スコーンやブリオッシュ等が好きですの」

フレンダ「ブリ……何? 鰤の照り焼きの仲間?」

白井「魚類から離れてくださいませんこと? ブリオッシュとはパンに似たフランスの焼き菓子のことですの。
    詳しくはwikipediaをご覧になってくださいまし」

フレンダ「ふぅん、まいいや。鯖カレーの方がおいしそうだし」

<> 18日目前編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 22:20:28.90 ID:3J.texQo<>
白井「だからなんでそのメニューに挑戦しようと思ったんですの……?」

フレンダ「美味しいんだってばー。今度試して……あ」 

白井「どうしましたの?」

フレンダ「麦野と超電磁砲見失った……」

白井「あ……すっかり失念しておりましたの。あ、あなたがペンギンなどに気を取られているからですわよ!」

フレンダ「しょ、しょうがないじゃん可愛いんだもん! 白井さんだってなんだかんだ楽しんでた訳よ!」

白井「わ、わたくしは……! むぅ、確かにそれはそうですの……貴女だけを責めるのはお門違いというものですわね」

フレンダ「あはは、まあ気を取り直してがんばろ。……っと」 ブルルッ

白井「今度はなんですの? 急ぎませんと……」

フレンダ「ちょっとおしっこ行ってきてもいい? 結局、麦野達たぶん3時からのイルカショー見ると思うし大丈夫な訳よ」

白井「まったく。どうぞですの。ところで女性ならせめてお手洗いと言ってくださいましね」

フレンダ「細かいことはいいじゃない。ごめんねー。すぐ戻ってくるからー!」 タッタッタッ

白井「やれやれですの……」 フゥ…

白井(でも意外と人懐っこくて明るい方でしたわね。悪い人では無さそうですの)

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:21:08.67 ID:OkSG8Aoo<>おい変態二人なにしとる
可愛いじゃないか<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/26(月) 22:23:21.44 ID:3J.texQo<>本日はこの辺りで。
デート編は3回に分けて投下の予定です。
それではまた近いうちに


>236
元絵見ました。確かにこれは見たいw

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:24:58.80 ID:Qj9.5MDO<>超乙です
麦のんがかわいすぎて生きるのがつらすぎて幸せ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:25:17.54 ID:Aj3KLu.0<>おつおつ
まさか本当に黒ンダが見れるとは…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:25:18.65 ID:Al4a9.Y0<>結局乙な訳ですの!
鯖缶空間シンクロ率高過ぎ可愛過ぎww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:25:57.38 ID:f0oRHdMo<>乙!
変態二人が手を組んだだと・・・ゴクリ
とか思ってたらなんかかわいくてビビッた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:26:02.87 ID:uFNR1Bco<>何という可愛さ……乙です<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:26:56.19 ID:gfe5gdg0<>乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:31:09.74 ID:BEEoCsYo<>黒ンダだと…ごくり
麦野「フレンダは恋をしてるのかにゃーん」はまだですかっ!?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:40:12.48 ID:Al4a9.Y0<>>フレンダ(よーし、これで私の唾液を麦野の口内に転移させる計画の第一歩が始まった訳よ!)

黒子のは座標移動に非ず。触れているモノしか転移出来ない。
つまり…どういうことだってばよ…?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:46:35.92 ID:4z.AJng0<>その時点のフレンダには細かい違いがよくわかってないんだろう
派生とか分化が無数にある能力の効果を全部覚えている奴なんて居るまい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 22:48:18.15 ID:eCntGEAO<>美琴「黒子は恋をしてるのね、ビリビリ!」は?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 23:10:02.17 ID:1Uh/kUDO<>乙
変態2人自分のこと棚に上げすぎワロタw
相変わらず麦のんは美琴が大好きだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 23:40:57.43 ID:uWXTPnko<>乙。
似た者同士が出逢って楽しい変則ダブルデートになってきたな。
あと、アニソン歌詞をもじった小ネタが面白い。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/26(月) 23:47:30.30 ID:h1pQaMDO<>ふむ、素晴らしい
変態どもの魂の饗宴、とでも勝手に名付けるか…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/27(火) 00:14:31.52 ID:ZGZw/8g0<>1乙!

女wwwwww王wwwwww艦wwwwww隊wwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 01:34:02.75 ID:r9k3bI20<>乙
前に>>1が書いてた麦恋読んだけど
かなりよかった、大ファンだぜ‼<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 01:34:19.90 ID:AYv8iMSO<>乙
せっかく、二人が百合百合してるのに変態二人のせいで電磁崩しに集中出来なかったww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 02:05:29.32 ID:GFEL.A6o<>おかしいな…モニタから濃厚な花の香りが…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 02:07:01.98 ID:49q8W.co<>栗の花ですね分かります<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 03:44:22.05 ID:gsaZqNko<>黒フレばんざい!俺が見たかったのはコレだったんや!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 10:01:05.09 ID:rif7ccDO<>黒フレは正直必要ないだろ…今回はつまんなかった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 10:09:16.92 ID:MkvMxwAO<>いや必要だろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 10:14:59.14 ID:4ASvcH6o<>まあ人それぞれだろ
俺は・・・ノーコメントで<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 10:58:52.73 ID:j3C.8kDO<>取り巻き2人との決着は必要だろ。
面白いかどうかは人それぞれだからどうでもいいが必要無いとか言っちゃうのは痛いな。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 10:59:47.40 ID:XFPs2Fg0<>変態のおかげで麦琴が引き立つ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/27(火) 11:50:28.19 ID:7f98Ykw0<>黒フレの絡み面白すぎるwwこういうサイドストーリー的なのっていいよね。
しかしこういう水族館の会話とかも、リアルかつ楽しく書ける>>1はやっぱすごいと思う。才能だなあ。
おつ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 12:29:07.36 ID:FiWb4uA0<>黒フレきたしそろそろおれは麦のんに監禁されるべきだと思うんだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 12:50:12.35 ID:R.vO8wSO<>>>325が監禁される可能性より、美琴が麦のんを監禁する可能性の方がまだあるな

ヤンデレか……ふぅ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 13:50:38.32 ID:mXEXkGc0<>美琴を辱める麦野かわいすww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 14:30:49.74 ID:Imkm0Fo0<>順当にくっ付いていくと絹旗が微妙に気の毒だな。相手がいねえ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 15:37:14.56 ID:49q8W.co<>インさんで

そう言えば>>1の小説でインさんが出てきたのって五和の話で天草式とメシ食ってたくらいしか記憶にねぇ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/27(火) 16:00:51.59 ID:/GDdGqk0<>>>328














壁 |д・)チラッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 16:08:04.07 ID:TIcmPwAO<>>>328


















塀 |д・)コソッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 16:51:26.97 ID:iEK5xbQo<>>>326
only my meltdownerってか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 18:50:23.39 ID:FiWb4uA0<>>>326
つまりむぎのんと監禁仲間になれるの?
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 20:24:07.41 ID:7wCgHUSO<>>>319
文句あるなら見るな
もしくはテメェで書け
まぁお前みたいなクズには無理だろうけど<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 20:30:04.24 ID:xGScTUAO<>>>334
概ね同意だがわざわざ乱暴に言うことはない

それ以前に痛い子に触れるのはやめよーぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/27(火) 23:31:02.49 ID:r9k3bI20<>>>319
そげぶそげぶそげぶそげぶそげぶそげぶ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 00:43:50.34 ID:4BbVloAO<>今日は来るかなかな?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 00:44:18.67 ID:WYztsYDO<>荒らしでもないただの否定に過度に反応するのもどうかと
書いてる人が意見の一つとして捉えればいいのであって
読者が反応すべき点ではないと思う<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 00:46:28.60 ID:59xhVUw0<>俺らは>>1が来るのを楽しみに待っていよう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 00:47:19.61 ID:6AJxJOY0<>>>338
それが普遍の真理なんだろうけど。
苛烈に反応しちまうんだろうな、熱いし、夏だし。

あれ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/28(水) 02:33:43.11 ID:HWi.JCg0<>SSが妙な方向に進み始めたな(ww
もっと迷走希望<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/28(水) 04:10:46.37 ID:m8bb6gM0<>>>307
つまりはフレンダと黒子の濃厚なキスやらなんやらで、黒子の体の一部とフレンダの体液が接触

そして、それが空間移動する<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 04:49:17.83 ID:uq2wiMAO<>体液もいいが媚薬もいいな
弱った麦のんとか最強だと思うんだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/28(水) 07:28:12.67 ID:BVogiEDO<>麦琴好いわ〜<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 10:16:03.73 ID:QqnfdM.0<>デート中の麦琴の体内にに媚薬を入れてみた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 17:29:32.20 ID:uY7PvLgo<>それ、黒子フレンダが血涙流すだけだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 18:16:41.18 ID:QqhVanAo<>ttp://2d.moe.hm/index/img/index2488.jpg
これが今はベッタベタなのか…いいな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 19:15:37.16 ID:xY.vZIk0<>>>347
これもイチャイチャしてるようにしか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/28(水) 19:22:18.63 ID:g49NiVU0<>>>347
いいよなこのイラスト あごにあててる手が・・・ハァァン<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 20:05:28.99 ID:xQD8DnYo<>>347

麦野「あれー? アンタ私が昼ごはんの後ここに置いてあった鮭弁食った?」

御坂「あ、ごめーん。残してあったからもういらないのかと思って捨てるのもったいないし食べちゃったわ」

麦野「おいおい後で食べようと残してたんだよ。美琴ちゃーん、アンタはやっちゃいけないことやっちゃったわねー。
    私は今日まで私をコケにした奴と鮭弁を横取りした奴だけは生かしちゃこなかったのよ」

御坂「はぁ? 小さいこと言ってんじゃないわよ。ごめんって言ったでしょ。また新しいの買ってきてあげるから」

麦野「小さい? カッチーンときちゃった。胸まで小さいくせにゴチャゴチャ言ってんじゃねえぞ。
    私は今、あの鮭が食べたいの。腹ん中から吐かせてほしい?」

御坂「はー、そこまで言われたらさすがに頭に来たわ。鮭サケうるさいのよサーモン女。どの鮭でも同じでしょうが。
    そうやって食い意地張ってるから太るんじゃないんですかねー?」

麦野「あァ? いい度胸ね。やんのかコラ?」 アゴクィッ

御坂「お? 触らないでくれる? 上等じゃないの」 アシフミッ


※※※中略※※※


麦野「私が悪かったわ……ごめんね」 ギュッ

御坂「いいの。私も言い過ぎたもん……」 ギュッ

麦野「美琴……」 キラキラキラ

御坂「沈利さん……」 キラキラキラ


というアホな痴話喧嘩の途中にしか見えないのは麦琴SS書き続けた弊害ですね。

本日投下分も麦琴いちゃいちゃ分やや少なめなので口直しがてらに燃料を。
まだやることがあるので本日の投下は前回と同じく21時〜22時になります。
それではまた後ほど。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 20:10:08.19 ID:2oWqUuUo<>では後ほど。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 20:13:36.12 ID:LldJ7.DO<>シレッと足踏んでる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 20:22:49.91 ID:gNb5D6co<>投下wwktk。
あと1時間ぐらいか

>>347
丁度さっき見つけて速攻ブクマしたとこだわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 20:25:37.05 ID:QqhVanAo<>>>350
やだ…かわいい…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/28(水) 20:53:21.22 ID:NO2Wp3Mo<>>>347
麦野の腰の位置狂ってる<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:15:18.32 ID:xQD8DnYo<>ごきげんようお姉様方。
それでは今から投下していきますね。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 21:17:58.71 ID:ovmwScAO<>来たぁ〜〜〜〜〜゛゛゛゛<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 21:23:06.46 ID:Eivu66AO<>待ってましたぁ!!<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:23:16.51 ID:xQD8DnYo<>
―水族館館内『イルカショー会場』 14:40―


ワイワイワイ… ガヤガヤガヤ…


御坂「ふぅ。結構いい席取れてよかったわね」

麦野「前から3列目、まずまずよね。あ、喉乾いてない? お茶あるけど」

御坂「ん、今は大丈夫。ありがと。イルカショー楽しみねー」

麦野「そうね」

麦野(楽しいな。こいつと過ごすこういう何気ない時間はほんと癒される……。
    二人でゆっくりするのも好きだけど、やっぱたまには出掛けるのもいいわよね)

麦野(こいつは楽しんでくれてるのかしら。ううん、きっと同じ気持ちよね。
    アンタとの時間を守るためなら、何でもできる。心からそう思えるよ、美琴……) クスッ

御坂(なんか機嫌よさそうだな沈利さん。初めて会った時からは考えられない笑顔よね。
    この顔ずっと見てたいな……)

御坂(待てよ。アレを渡すなら今かしら……? き、緊張するわねえ……よし、一旦深呼吸を)

御坂「スー……ハー……」

<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:25:17.57 ID:xQD8DnYo<>
スタスタ…


麦野「ん?」

御坂(なんかチャラそうなのが来たわねー……)

軽薄そうな男「ねえねえ、君たち何学区の子? 学校どこ?」

女好きな男「君たち可愛いねー。女の子二人なんて寂しいよね。よかったらこれから俺達と一緒に回らない?」

麦野(くそ、こんなところにまでこのテのアホがいるとは……っつかアンタらも男二人で来てんじゃん)

御坂「悪いけど間に合ってるわ。他当たってくれる?」

御坂(じゃないと沈利さんが何するか分からないし……)

軽薄そうな男「間に合ってるって? あ、もしかして男連れ? それなら……」

麦野「残念。そうじゃなくてね」 グッ

御坂「え……ちょっ……!」


チュゥゥゥゥウウウウウウウ…


女好きな男「」

軽薄そうな男「」

<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:26:49.22 ID:xQD8DnYo<>
御坂「むー! むー!……んぅ……」 トロン…

麦野「……ぷはっ、こういうことなの、ごめんね」

御坂「…………ぁう」

軽薄そうな男「チッ、んだよそっちの趣味かよ。気持ちわりーな、いこーぜ」

女好きな男「すげー……はじめて見た」 


スタスタスタ…


麦野「気持ち悪いとはなによ。男二人で休日に水族館にナンパしに来てるテメェらのほうがキモいっつの」

御坂「…………」 ポカーン

麦野「……いつまでぼけっとしてんの?」

御坂「ハッ……ば、馬鹿じゃないの!? こんな人ごみの中であんたって人はぁぁああ!」


ザワザワザワ… ヒソヒソヒソ… ビショウジョユリモエー…


麦野「う……こっちのほうが手っとり早いんだから仕方ないでしょ!」

御坂「…………ばか、不意打ちは反則よ……」 ドキドキドキ

<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:28:19.51 ID:xQD8DnYo<>
麦野「したくなったのよ。駄目だった?」

御坂「……駄目じゃないけど……ドキドキする」

麦野「私だってしてるわよ……変な眼で見られるのもわかってたけど……でも、したかったの」

御坂「まったく……。ちょっとお花摘みに行ってくるわね」

麦野「ああ……。おしっこ?」

御坂「そうよ! なんで訊き返すかなー」

麦野「いや花摘むなんて古典的な表現初めて聞いたからなんとなくつい」

御坂「ったくもう。すぐ戻ってくるから」

麦野「ごゆっくりどうぞ。まだ始まるまでちょっとあるし」

御坂「はーい」


スタスタスタ…

<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:30:17.21 ID:xQD8DnYo<>
麦野(気持ち悪い……ね。やっぱ普通はそう見られるのか……。
    私はともかくあいつまでそんな風に言われるのは嫌だな……)

麦野(もう少し自重したほうがいいかな。こっちは普通に恋愛してるつもりだけど、他人から見ればそんなことないもんな。
    おまけに私は暗部の人間。あいつと多少の距離をとって接さないと逆恨みしたクズ共に美琴まで危害を加えられるのは
    ムカつくわ……。ま、レベル5のあいつがそれでどうにかなるなんて思わないけど……)

麦野(あいつ一途っぽいもんな……私の自惚れじゃなけりゃ、このままだとあいつ私の仕事手伝うとか言い出しかねない……。
    いや、どちらかと言えばむしろ私に仕事辞めろなんて言い出すか……?)

麦野(……後には戻れないのよ、私は。あいつと遊びで付き合ってる訳じゃないけど……ずっと一緒にいられるかって言うと
    結構厳しいのかしら……)

麦野(深みにハマっていってるのは私の方か? 学園都市に七人しかいないレベル5の、
    アレイスター直属の最重要機密組織『アイテム』のリーダーであるこの私が……
    学園都市で最も自由な人間の一人であるはずの私が……身動きを取れないなんて……)

麦野(美琴、アンタは私の足枷なのね。……とても愛しい私の鎖。私はどうすればいいのかしら……。
    ……ヤダな……アンタと離れたくないよ……)

麦野(私は学園都市やら暗部やら、わけのわからないしがらみを捨てて外に逃げ出せる程強い人間じゃないんだよ。
    ……アンタが欲しくて欲しくて……やっと手に入れたのに。
    アンタを抱き寄せたまま生きていくことに初めから限界を感じてる……)

麦野(でも絶対に手放したくない……アンタが他の誰かのものになるなんて、死んでも考えたくない……だけど)

麦野(血に汚れて、人を壊すことしか知らない私は、アンタを綺麗なまま守りきれるのかな……。
    ねえ美琴、教えてよ……私はどうしたらいい?)

<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:35:19.24 ID:xQD8DnYo<>
―水族館館内トイレ 14:50―


チョロロロロ…


フレンダ「ふぅ……トイレ探すの手間取っちゃったな」

フレンダ(これからどうしよっかなぁ。だんだん見るの怖くなってきた訳よ。
      あの二人が付き合ってるっぽいのは信じたくないけど、まあ雰囲気から感じ取れるし。
      だからって私に何の報告も無いのはちょっと悲しいなー) ガラガラ…

フレンダ(まあ最近付き合ってこれから話してくれるのかもしれないけど、
      どっちにしろ麦野の一番はもう私じゃなくて超電磁砲なんだよね……) ハァ…

フレンダ(私が一番になったことがあるかはともかく。
      ショックだなぁ……結局、白井さんもそうなのかな。ま、あの子はどうでもいいか) フキフキ

フレンダ(もう麦野に直接訊く? あーでも泣かずに聞けるかな……) クイッ 


ジャァァァァァアアア

カチャッ


フレンダ(ともかく、引き続きイルカショーで麦野の視姦を……)

御坂「……」 

フレンダ「ひっ!」

<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:37:43.11 ID:xQD8DnYo<>
バターンッ!


御坂「ん?」

フレンダ(な、なななんで超電磁砲がいる訳よ!)

御坂(気のせいかな……。どっかで見た人がいたような)

フレンダ(ドアの上の隙間から見えるかな……何してんだろ) グィッ

御坂(まいっか……。それより沈利さん、気づいてくれるかな……)

フレンダ(んー?  リップ塗ってる。お化粧直しかな。けど超電磁砲ノーメイクだったような……)

御坂(……あいつは結局ヘアピンにしか気づいてくれなかったけど、沈利さんなら……) ドキドキ

フレンダ(色気づいちゃって中学生。麦野を誘惑しようって訳!?) キィィ!

御坂(今日は……絶対コレ渡すんだ) ソッ
<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:38:29.05 ID:xQD8DnYo<>
フレンダ(ん? なんだろあの箱……まさか麦野へのプレゼント!? ……いや絶対そうだ)

御坂(受け取って……くれるかな……) カァァ…

フレンダ(むっかつくー! よぅしっ! アレをどっかで奪い取って捨ててやる訳よ! 麦野とのデートを台無しに……!)

御坂(きっと受け取ってくれるわよ……沈利さん、優しいもんね) フフッ

フレンダ(台無しに……)

御坂(おっと、そろそろ始まる時間ね。沈利さん待たせてるから急ごうっと!) ダッ


パタパタパタ…!

……ガチャッ


フレンダ「……何やってんだろう私……」

<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:42:17.83 ID:xQD8DnYo<>
―水族館館内『イルカショー会場』 15:10―


ワーワー! バッシャーン! スッゲー!


御坂(ああー! もう始まってるし……!)

御坂「ごっめーん! 遅れちゃったわね……!」

麦野「丁度始まったとこよ。あらアンタ、化粧してきたの? でもちょっとグロス塗りすぎね」

御坂「……っ!」

御坂(こ、こんな一瞬で気付くなんて……)

麦野「何驚いてんのよ。今日一日アンタの顔ばっか見てんのに気付かないわけないでしょ」

御坂「そ……そうよね……! あはは、私ったら沈利さんに分かるようにちょっと濃く塗りすぎちゃって……」

麦野「あら。私のこと大好きなのね」

御坂「うっ……うん」

麦野「正直でよろしい」

麦野(ああもう……可愛いわねえ……。こんなの手放せるわけないでしょ……) スッ

御坂「あっ……沈利さん、あの……」

<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:43:33.89 ID:xQD8DnYo<>
麦野「照れてるの……? いいじゃない見られても……キスしよ……」

御坂「ち、違うの! 沈利さんに渡したいものがあって……」 モジモジ

麦野「私に? なぁに?」

御坂「これ……もらって!」 ズイッ

麦野「ん、何よこの箱」

御坂「開けていいわよ……」 ドキドキ

麦野「どれどれ」 パリパリッ

御坂「……気に入ってもらえるか分からないけど……」

麦野「……これ」

御坂「……湯上りゲコ太ストラップ……。お揃いでどうかなって……」

麦野「……あれからまたお風呂通ってたの……?」

御坂「うん……沈利さんと一緒に着けたくて……」 

麦野「…………」

御坂(や、やっぱり駄目かしら……? 子供っぽいわよね……?)

<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:45:41.63 ID:xQD8DnYo<>
麦野「…………ぷっ!」

御坂「へ?」

麦野「あははははははっ! おっかし〜っ! あははははははっ! 
    ひぃ〜! お腹いたーい! これっ! お揃いって! カップルでゲコ太って……!
    あははははははははははっ!」 ダンダンッ!

御坂「っ!」 カァァ

麦野「あーもう! アンタってどうしてそう予想外のことしてくれんのかしら。ふふふっ! いいね、可愛い」

御坂「いいわよもう! いらないなら返して!」

麦野「やーだ。私のものだもん。くくくっ、いいよいいよ。これお揃いで着けようっと。
    うふふふっ、ゲコ太を恋人に渡す女かー。どういうセンスしてんだかねー」 ニヤニヤ

御坂「ば、バカにしてるでしょ!?」

麦野「してない。嬉しいよ、ありがと」

御坂「……うん」

麦野「じゃあお礼ってわけじゃないけど、私からも……」 ゴソゴソ

御坂「え?」

麦野「ほんとは食事の時渡そうと思ってたんだけどね。はい、サプライズでーす」

<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:47:12.68 ID:xQD8DnYo<>
御坂「あ……」

麦野「まさかアンタに先手を打たれるなんてね」

御坂「開けてもいい?」

麦野「もちろん」

御坂「…………これ、時計……?」

麦野「そ。アンタアクセサリーは学校禁止でしょ。なんか身につけるもの渡したかったから」

御坂「あんたのことだから高いもんなんじゃ……」

麦野「大したことないわよ。いちいち値段きくな。安っぽかったら気楽に受け取るわけ?」

御坂「そういうつもりじゃないわよ。でもストラップとじゃ釣り合わないし」

麦野「そんなの気にすんなっての。大事なのは気持ちでしょ?
    あんまり装飾過多なやつだと没収されたら嫌だし、シルバーのシンプルなもんにしたけど大丈夫?
    あ、もちろんアンタの能力にも耐えられるように絶縁仕様よ。特注なんだからね」

御坂「そこまで考えてくれたんだ……やだ……どうしよ、嬉しい……!」 ジワッ…

麦野「ばか、なに涙ぐんでんのよ。着けてあげるから手出して」

御坂「グスッ……はい」

麦野「よっと……。うん、似合う」

<> 19日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:49:51.89 ID:xQD8DnYo<>
御坂「ありがとう……一生大事にするからねっ!」

麦野「んな大げさな……。そんなもんより、私のことを大事にしてよね」 ツンッ

御坂「……当たり前でしょ、そんなの」

麦野「当たり前か……うん、そうよね」

御坂「ふふっ、腕時計ってあんまりしないけど、これはもうずっと着けとくわ! 寝るときも!」

麦野「寝るときは外せよ。っつか、やっぱモノあげるのって緊張するわね」 フゥ

御坂「どうして?」

麦野「気に入らないもんだったらどうしようとか考えるじゃない」

御坂「確かに……でも! 沈利さんが心をこめてくれるものだったら、何でも嬉しいに決まってるじゃない!」

麦野「……まあね。受け取る側としちゃそうだけど、渡す側はやっぱ考えちゃうよ。アンタもそうだったでしょ?」

御坂「うん……いや、ゲコ太は正直ないかなって思ってるとこだけど……」

麦野「なんで? アンタが好きなもんだろ。だったら愛せるよ」

御坂「……ずるいわねえ」

<> イルカショー会場で普通にイチャつき始めるバカップル
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:52:28.86 ID:xQD8DnYo<>
麦野「何が?」

御坂「沈利さんがかけてくれる言葉。全部嬉しいことばかりだから……」

麦野「…………」

御坂「沈利さんを好きになってよかったって、一緒にいる度に思わせてくれるのね」 クスッ

麦野「……ま、こんなこと言うだけで喜んでくれるんだったらいくらでも言ってあげるわよ」

御坂「ええ、たくさん聴かせてよね。何回言われても飽きないもん」

麦野「……ふん。ってかイルカショー全然見てないじゃない! ちゃんと見ないと……」 グッ

御坂「沈利さん……」

麦野「……な、何よ……」

御坂「……キス……して」

麦野「……さっき人前だからっつってアンタに怒られたんだけど?」

御坂「……一回したんだから何回したって一緒よ」

麦野「ふふっ、それもそうだね……―――」

<> ってか19日になってましたが、18日目です。すみません
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:56:00.65 ID:xQD8DnYo<>
―水族館館内『イルカショー会場』 15:20―


フレンダは今になってようやくイルカショーの会場前通路へと到着した。
水しぶきの上がる音が通路の向こうから聞こえてくる。
イルカショーはとっくに始まっている時間帯。こんなに時間に遅れたのには理由がある。
トイレの洗面台で御坂が丁寧に包装された小箱を見つめて頬を赤らめていた姿を目の当たりにして、
自己嫌悪に陥っていたからだ。


フレンダ(結局あれは、恋する女の横顔な訳よ……)


いかにして御坂と麦野を引き離すかを考えていた自分が恥ずかしくなったのだ。
そんなセコいことばかり考える矮小な人間だと知れば、麦野にどんな軽蔑の視線を送られるかを想像して
しばらくその場から動けなかった。


フレンダ(せめて麦野の口から……二人が付き合ってるのかどうかを聞かせてほしい訳よ)


結局のところ、麦野が愛したものを奪うなんてことが、自分にできるはずなどないのだから。
フレンダはトイレから飛び出し白井と別れた場所まで戻ると、そこに彼女の姿は無かった。
結構長い時間待たせてしまったから移動してしまっただろうか。
その場で5分ほど待っていたが、一向に現れなかったため、麦野達がいるはずの会場まで足を運んできたところだった。
フレンダはそこで、会場脇入場口に佇む白井の後姿を見つけた。


フレンダ「お、白井さんやっぱ先に来てたか。ごめんねー、ちょっと色々あって……白井さん?」

白井「……」

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 21:57:55.36 ID:xQD8DnYo<>
白井の反応がまるでない。
呆然とする視線の先にあるのは決して大きな水槽を縦横無尽に泳ぎまわるイルカなどではない。
フレンダは彼女の視線を追って客席の方を見る。
前から三列目、右端。
笑顔を浮かべ、イルカに夢中になっている観客達の中では異質な二人がそこにいた。
傍から見れば年の離れた女友達同士。だが友達同士では決してしない行為。
抱き合い、口づけを二人は交わしていた。


フレンダ「―――っ」


フレンダの中で何か一瞬で崩れ去った。
今まで積み上げてきたもの。
麦野になんと言われようと、確かに温めてきた淡い想いが今、現実という刃に切り捨てられた。


白井「……わたくし達は、とんだ道化ですわね」


ポツリと白井が呟く。
フレンダは言葉を返せなかった。
麦野が他の誰かに恋をすることなんて無いと信じていたから。
そんな根拠の無い理想を、彼女に押し付けていたから。


フレンダ「……ほんとにね」


自嘲を浮かべるフレンダ。
頬を一筋の涙が零れ落ちていく。
唇を離して見つめ合う二人の穏やかな表情に、胸が強く締め付けられた。

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:00:38.17 ID:xQD8DnYo<>
白井「麦野さんが、憎いですの」


切なげに白井が言う。
フレンダも肩をすくめて頷いた。


フレンダ「私も結局、超電磁砲が憎いよ」


麦野に愛されたのは同じ性別の人間だった。
相手が男だったら、こんな気持ちにはならなかっただろう。
仕方ないと、諦められただろう。
なのに


白井「貴女がもっと早く麦野さんをモノにしていればよかったですのに」

フレンダ「あんただって、超電磁砲と付き合ってくれてればよかった訳よ」


途轍もない悲しみかと言われれば、そんなことはない。
超電磁砲に対する憎悪が湧いてくるかと思えば、そうでもない。
愛した人が愛したものを、憎むことなんてしたくない。
だがそれを受け入れるほど大人にもなれない。
きっと眼の前の彼女も同じ気持ちだろう。
フレンダは、ぽろぽろと涙を零しながら白井の大きな瞳を見詰めた。
毅然と振る舞う白井の目にも、涙がジワリと浮かんでいた。


フレンダ「幸せそうな顔しちゃってさ……相手が女の子なんて、ばっかじゃないの……!」

白井「本当ですわよっ……! あんなにお姉様に笑顔を浮かべさせるなんて……腹立たしいですの!」

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:01:50.08 ID:xQD8DnYo<>
二人は笑い、憤り、涙を流す。
完膚無きまでの、失恋だった。


フレンダ「白井さん、これから暇? 私丁度今全部の予定がキャンセルになっちゃった訳なんだけど。
      結局、よかったらご飯でも食べに行かない?」


フレンダは指で涙をぬぐいながら、白井に問いかけた。
ハンカチで涙を拭いていた白井が、虚を突かれたような表情になりながらも、次の瞬間には頬笑み頷いた。


白井「奇遇ですわね、わたくしもたった今時間が空いてしまったんですの。ご一緒させていただきますわよ」


ふいに、白井とは良い友人になれそうだと思うフレンダ。
幸い明日は日曜日。同じ苦しみを分かち合える者同士、今日は語り明かそう。


フレンダ「でもその前に……」

白井「ですわね」


まだ麦野達の口からその事実を確認した訳ではない。
それまで上っ面の会話しかしなかったフレンダと白井の気持ちが、ここにきてようやく合致した。


フレンダ「超電磁砲に確認しなきゃな訳よ。主に麦野はどんな風に攻めてくれるのか」

白井「おっしゃる通り。麦野さんに詳しくお聞きしなくてはいけませんの。主にお姉様の肢体の具合を」


おかず採集に余念の二人。
転んでもタダでは起き上がらないところが、二人のたくましいところであった。

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:03:03.36 ID:xQD8DnYo<>
フレンダ「とりあえずイルカショー終わったら声かけよ」

白井「でもせっかくのデートのようですし、お邪魔するのも無粋ではありませんこと?」

フレンダ「さっきまであわよくば邪魔する気まんまんだったけどね。けど確かにそうだわ。また次回一緒に……」

『ではそこのお客様ー! 是非こちらに来てイルカに餌をあげてみて下さい!』


突如、二人の元に届けられる声。


白フレ「「は?」」


ステージの方を見ると、トレーナーらしき女性がマイク片手にステージからこちらを手招きしているようだった。
観客席からも、視線がこちらに向けられていることから、自分達に向かって告げられた言葉だったらしい。
パチパチという拍手が2人の元へ届けられる。


白井「ど、どうしますの……」

フレンダ「いや、だって……えー」


おろおろとしている2人の元に駆け寄ってくる水族館スタッフ。彼らに引きずられるようにして、
フレンダは白井と共にステージの方までやってきてしまった。
チラリと麦野達が座っている付近を見ると、口元を引きつらせた2人のレベル5が世にも恐ろしい顔でこちらを睨んでいる。
フレンダは隣に立つ白井と顔を見合わせ、足元の水面から顔を出す愛らしいイルカの顔を眺めて現実から逃げ去ることにしたのだった。

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:04:32.46 ID:xQD8DnYo<>
―水族館館内通路 15:50―


フレンダ「ヤバいヤバイヤバイヤバイ!」

白井「どどどどうしましょう!? お姉様がものっすごい形相でこちらを睨んでいましたわよ!?」

フレンダ「や、やっぱりここは結局一度白井さんの能力で外に出て……」

御坂「見つけたわよ!

麦野「……やっぱアンタらだったか……」

白フレ「「!!?」」 ビクゥッ!


オソルオソル…


フレンダ「あ、あはは……奇遇だねえ……麦のーん」

麦野「そうね。今日はやけにどっかで聴いたことある声の金髪を目にすると思ったら……」 ハァ…

フレンダ(あ、あれ……問答無用で原子崩しかと思ったけど……あんまり怒ってない?)

白井「お、お姉様……」

御坂「どういうつもり黒子。それからそっちの……」

麦野「フレンダだよ。私の仕事仲間の」

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:06:07.35 ID:xQD8DnYo<>
フレンダ(仕事仲間……か)

御坂「ひさしぶりねー。さっきトイレで見たのはやっぱあんただったか」

白井「お、お姉さまこれは誤解ですの! わたくしとフレンダさんはお友達なんですの!
    今日は2人でお魚を見に来ただけですわ!」

御坂「へえ〜」 ジロッ

白井(まずいですのー……これはバレてますのー……いやしかし、結局お姉様にはお訊きしなければならないことが
    あるのですから、別にバレても問題ないのでは……?)

麦野「で、アンタらの目的は? 私らの後尾けて何しよっての?」

フレンダ「そ、それは……」 チラッ

フレンダ(訊くの怖いけど……訊かないと駄目よねー……)

白井(……仕方ありません。少々予期せぬタイミングではありますが、観念するといたしましょう)

白井「お姉様、麦野さん。わたくしたち、本日は確かめたいことがあってここに参りましたの」

御坂「確かめたいこと?」 ドキッ

フレンダ「うん。麦野……答えてくれる?」 

麦野「……え、ええ」 ドキッ

白井「では単刀直入に。……お二人はお付き合いされてますの?」

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:06:58.97 ID:xQD8DnYo<>
御坂「っ……」 カァァ…

麦野「っ……」 

フレンダ「どうなの麦野? 今日一日の2人の様子を見せてもらったけど、どう見てもそういう風に見えたけど」

麦野「…………」

フレンダ(ヤダな……まだ違うって言われることを期待してる……。聴かなきゃよかったかな……)

麦野「…………うん」

フレンダ「っ!」 ズキッ

白井「……そうですの……」 ズキッ

御坂「ごめんね黒子、話すのが遅れちゃって。隠すつもりはなかったんだけど」

白井「別にそんな風には思っておりませんけど……」

フレンダ「……どうして女の子なの?」

麦野「女の子だから好きになったんじゃないわよ」

フレンダ「……じゃあどうして?」

麦野「美琴は私に無いものを持ってるから。それはもう絶対に私には手に入らないもので、
    それを持つ美琴がキラキラ輝いて見えたから、私はそこに惹かれたんだと思う」

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:08:28.92 ID:xQD8DnYo<>
御坂「し、沈利さん……」 カァァ

フレンダ「そっか……」

白井(躊躇いが一切ありませんわね……妬けますの)

フレンダ(超電磁砲にそうとう惚れてるなこれ……。あーあ……麦野はこんなに穏やかな子じゃなかったのに。
      あの触れれば切れるようなおっかない麦野はもういないんだね……寂しいけど、そういう麦野も魅力的な訳よ)

白井「そこまで素直に答えられてしまうとわたくしたちの立つ瀬はありませんわね。
    せっかくですからお姉様もお聞かせ頂けます?」

白井(そしてわたくしに完膚無きまでの敗北をお与えくださいですの……。そうすれば、わたくしも諦めがつくと言うものですの)

御坂「うっ……わ、私も?」

フレンダ「そうだよねー。結局、麦野の片思いって可能性もあるんじゃないの〜?」 ニヤニヤ

麦野「ねーよ」

フレンダ(自信満々な訳よ……そりゃそうだろうけど)

白井「さぁさぁお姉様。一思いにババーンっと吐いてくださいまし」

御坂「うう……でも」 カァァ…

麦野「私も気になるな。アンタ、私のどこが好きなの? んー?」

御坂「……か、」

白井「か?」 ニヤニヤ

フレンダ「か?」 ニヤニヤ

麦野「か〜?」 ニヤニヤ

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:09:33.33 ID:xQD8DnYo<>
御坂「かわいくて優しいとこ……かな」 ポリポリ

フレンダ「いやないないそれは無痛いっ!」 ゴッ

麦野「即否定すんな!」

フレンダ「ぶん殴らなくてもいいのに……」 ダウー

白井(可愛いとはまた微妙なことを……お姉様のセンスはよく分かりませんの。
    麦野さんは確かにお美しい方ですから、綺麗とか美人とかそういう方面なら分かりますが、可愛いとは……?)

御坂「見た目だけじゃなくって、意外とお茶目だし、なんだかんだ私のことすっごく世話焼いてくれるしね」

麦野「美琴……」 ドキドキドキ…

御坂「沈利さん……」 ドキドキドキ…

白井「な、なんですのこの空気……」 ヒソヒソ

フレンダ「し、知らない訳よ……もやだこのバカップル……」 ヒソヒソ

麦野「ハッ、コホンッ……まあそんなわけだから、普通に付き合ってるわよ。文句ある?」

フレンダ「いやもうなんかどうでもいい訳よ。そこまでイチャイチャを見せつけられると」

白井「ですわね。もう好きにしてくださいですの」

御坂「何よ張り合いないわねー。ところであんた達ってほんとに仲良かったの?」

白井「いいえ、今朝知り合ったばかりですの」

フレンダ「うんうん。でもこの後一緒にご飯な訳よ」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 22:09:54.22 ID:8VZJRkE0<>黄門さまか

かっかっかっ<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:10:51.99 ID:xQD8DnYo<>
麦野「そう。ならせっかくの機会だし晩御飯一緒に食べる? 予約してあるけど別にキャンセルしてもいいわよ。ね、美琴」

御坂「うん。私達に気ぃ遣わなくていいわよ?」

白井「いえいえ、お気持ちだけ受けとっておきますの」

フレンダ「だね。私らは私らで楽しむ訳よ。2人の邪魔は出来ないし」

麦野「遠慮すんなっつの」

フレンダ「ありがと。でもほんとにいいよ。どーせ麦野のことだから高い店とか予約してるんでしょ? 
      高級ホテルの最上階の学園都市の夜景が一望できるレストランとか」

麦野「よくわかったわね」

フレンダ「マジなのね……。パスパス。今日は安い焼酎煽りながらあんたらの悪口で盛り上がるんだからね! 
      ね、白井さん!」

白井「そうですの。散々悪態をついてやるつもりですから覚悟して下さいましね」

麦野「……そう。ならまた今度ね」

御坂「やれやれ、何言われるんだかね。黒子、門限はどうすんのよ?」

白井「そんなもの無視ですの無視無視! フレンダさんとの女の友情を取りますのよ!」

御坂「そっか。あんま飲みすぎちゃ駄目よー」

白井「淑女たるわたくしがお酒に呑まれるなどという愚行を犯すはずがありませんの。ご心配には及びませんわ」

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:11:55.81 ID:xQD8DnYo<>
フレンダ「麦野こそその無尽蔵のエロ欲で超電磁砲壊さないようにね」

麦野「しねえよ! もう帰れよ!」

御坂(壊されるって……どんなことされるんだろ……) ドキドキ

フレンダ「あはは、じゃあ私たちは行く訳よ」

白井「デートのお邪魔をして申し訳ありませんでしたの」

御坂「いいわよ。じゃあね」

麦野「気をつけて帰るのよ」

フレンダ「はーい、バイバーイ」


スタスタスタ…


白井「……」

フレンダ「……」

白井「……」

フレンダ「……」

白井「フレンダさん……」

<> 黒子とフレンダにはもう一悶着あります
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:13:37.52 ID:xQD8DnYo<>
フレンダ「ん……?」

白井「わたくし……今夜は帰りたくありませんの」 グスッ

フレンダ「……どうして?」

白井「お姉様のいない部屋で、一人でお姉様を思い出すのが辛いですの……」 ポロポロ…

フレンダ「そか、同じ部屋なんだもんね。……よしっ! 今日は朝まで飲み明かそうぜ!」 キラッ

白井「よろしいんですの?」 ジワァッ

フレンダ「あーもう泣かない泣かない……。泣きたいのは……エグッ……私の方な訳よ……グスッ……!」

白井「泣いてなんかいませんの……グスッ!……フレンダさんこそ……ヒグッ……涙がこぼれていましてよ……グスッ」

フレンダ「……気のせいだもん! エグッ……よぅし、今日はやけ食いしてやる訳よ!」

白井「……グスッ……望むところですわ! そして明日からは、お姉様達の恋路を応援できるわたくしになってみせますのー!」

フレンダ「そうだそうだ……! 麦野の馬鹿やろー……!」

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:15:10.14 ID:xQD8DnYo<>
―水族館内『お土産ショップ』 16:30―


麦野「ふう、お魚フェアなかなか良かったわね」

御坂「そうね。沈利さん鮭ばっか食べてたけど」

麦野「エイとかマンボウの刺身とか珍しくて嫌いじゃないわよ? 
    アンタこそタコ焼きだのいかそうめんだの無難なもんばっか食べてたじゃないの」

御坂「んー、泳いでるの見たあとだとどうにも食欲がねー」

麦野「確かに。でもこの後食事だから丁度よかったわ」

御坂「そっか。予約してくれてるのよね?」

麦野「ええ。第五学区のホテルにね」

御坂「また高そうなところね……」

麦野「本当は第三学区の方がランクの高いホテルやレストラン多いんだけど、まあ遠いから仕方ないわ。
    5時半にハイヤー手配してるからそれまでお土産でも見てましょ」

御坂「いいわね。何か買う?」

麦野「まずはペンギンのぬいぐるみね。あとはお菓子でも買っていこうかしら」

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:16:32.86 ID:xQD8DnYo<>
御坂「ペンギンいいわよねー、アザラシもなかなか。私も何か買おっかなぁ」

麦野「ふふっ、これ見て。このタコ。アンタこれ買いなさいよ」

御坂「えー? すっごい間抜け面なんだけど。にしてもこのタコの足が黒子の髪型に似てるわね」

麦野「そうね」

御坂「あ……」

麦野「……」

御坂「ねえ」

麦野「うん? あの子達のこと?」

御坂「うん……2人とも目が腫れてたし、やっぱり……」

麦野「やめろ」

御坂「でも……」

麦野「まあ私らの自惚れの可能性もあるけど、たぶんあいつらは私たちに対して本気だった。
    でもだから何? 結局私らの気持ちがあいつらに向いてないなら、付き合うことは出来ないんだよ」

御坂「……それは」

麦野「アンタの時と同じね。分かるでしょ」

御坂「……うん」

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:18:20.99 ID:xQD8DnYo<>
御坂「そうか。そうよね。私があいつに失恋して、泣いてたときと同じなんだ……
    それなのに、黒子にあんな辛い想いさせて私は……」

麦野「絶対に謝っちゃ駄目だよ。告白をしてこなかったことがあの子達の優しさなんだから。
    ……アンタと同じようにね」

御坂「分かってる。……でも何か出来ることはないの?」

麦野「無い。知ってるでしょ。同情や慰めの言葉を、好きだった相手からかけられることがどんなに惨めなことなのか」

御坂「…………」

麦野「気付いていても言わないことだって時には必要よ。
    あいつらだってきっと私たちとの関係が壊れてしまうのを望んじゃいないの。
    次会った時も、いつものように接してあげなさいよ」

御坂「辛いわね……」

麦野「互いにね」

御坂「けど辛いのは黒子達も同じか……体が一つじゃなかったら、黒子達の気持ちにも応えてあげられたのにって少し思った」

麦野「そんな能力が欲しいもんね。でも私は、例え体がいくつあっても、その全てでアンタを愛してあげたわよ。
    私の心は、ここに一つしか無いんだから」

御坂「……ばか」

麦野「うん、自分でもそう思う。……なんかしんみりしちゃったな。こんなのあいつらだって望んで無いはずなのに」

御坂「確かにね。よし! 気を取り直して晩御飯を楽しもー! 今日のご飯は何かしら?」

<> 18日目中編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:20:58.51 ID:xQD8DnYo<>
麦野「えーっと……確かフレンチの店だったと思うけど」

御坂「は? 何でそんな曖昧な感じなのよ。予約してくれたんでしょ?」

麦野「夜景が見えるとこがよかったの。そこしか見てなかった……」

御坂「むむ。けど、た、確かに夜景っつったらもう最上級のデートコースよねっ!」 ドキドキドキ…

麦野「まあ概ね同意しておくわ。ところでアンタの理想のデートってどんなのだよ」

御坂「えー。そうねえ……食事だとやっぱり夜景の見える展望レストランでー。
    遠くの海から2人の仲を祝福するかのように花火が上がって……ビルの壁面のろうそくが吐息で消えたり……」

麦野「あーもういいわ。お前バカだろ」

御坂「んなっ! 失礼ね! 憧れるくらいいいでしょ!」

麦野「少女趣味ここに極まるってか。ま、いいんじゃない。可愛い可愛い」 ナデコナデコ

御坂「すっごい馬鹿にされてる気が……」

麦野「馬鹿にはしてないわよ。バカだと思ってるだけ。
    さ、お土産買って行きましょ。アンタの夢を少しだけ叶えてあげるわ」

<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/28(水) 22:23:44.85 ID:xQD8DnYo<>本日は以上になります。
今日で3分の2近くが終わったというところでしょうか。
少々長丁場になっていますが、もうしばらくお付き合いください。
次回は美琴が麦のんに食われます。
それではまた近いうちに。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 22:24:06.25 ID:/wHqYFMo<>乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 22:26:30.66 ID:Jb3EV4Yo<>これで2/3…だと…?
マジ乙、まだまだ期待してるお<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 22:27:12.57 ID:UiQa1rIo<>乙
麦のんかっこよすぎる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 22:34:53.63 ID:BTvKxVYo<>乙乙
みんないいやつだなぁ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 22:41:09.57 ID:Eivu66AO<>乙!

とうとうこの時がキタか
待ち侘びたぞ、>>1
土下座をして感謝する<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 22:48:01.28 ID:59xhVUw0<>乙‼
次はいつなんだ
オナ禁にも限界があるんだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 22:50:14.48 ID:8VZJRkE0<>一方その頃かみぜうさんは…とか遭遇イベントあるん?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 22:52:26.15 ID:LldJ7.DO<>要らね爆発すればいい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 23:10:54.19 ID:xY.vZIk0<>乙!
フレンダ切ねぇ…。黒子は悲壮だけどフレンダは悲愴だな。
酒飲み友達が出来て良かったなフレンダ(´;ω;`)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/28(水) 23:23:06.25 ID:426QbaA0<>リア充爆発しろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 23:45:31.49 ID:gCPaNDg0<>おまちかね100パーセントだぁ!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/28(水) 23:54:19.58 ID:8t2UjkDO<>乙
麦のんはなんだかんだで大人だな。ちゃんと美琴の気持ち受け止めてやってるし上手いことフォローしてる。
かと言って子供扱いせずに甘えて甘えさせて。
これは惚れるわ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 00:00:50.76 ID:6tBVVbAo<>超乙です!
ついに美琴が食われちゃうのか・・・胸熱<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 00:05:40.68 ID:SNOYcLU0<>むしろそこメインにwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 00:10:49.46 ID:2RBjrr60<>乙

つ、つ、ついに、くくくく食われるのか…!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 01:11:46.95 ID:SPbKGlg0<>やべぇ。尾行中はギャグなノリで隠されてたけど
黒ンダも麦琴みたいに本気だったんだなぁと思ったら涙がでてきた。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 02:24:44.03 ID:4CJVzGs0<>黒フレが良過ぎる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 03:03:41.33 ID:Sm1MQQ60<>乙!
黒子とフレンダの身の引きっぷりに泣いて、それを受け止める黒子と麦のんの切なさにも泣けた
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 03:15:14.34 ID:sAE63Foo<>結局、失われた物のために杯を傾けたい日もある訳よ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 06:27:08.89 ID:YIlmV2ko<>乙、黒フレもいいねぇ
しかし食われるか・・・今からパンツ脱いで待機しておくか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 09:26:06.59 ID:NrCM90I0<>つネクタイ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 09:31:41.00 ID:hT3kvsAO<>つ靴下<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 11:52:51.32 ID:4vQTwEoo<>>>398
今回の件で、姫神に説教くらってブン殴られ&禁書に噛みつかれるシーン以外はイラン<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 12:21:42.35 ID:iZO1D2SO<>またもフレンダ大失恋か…
胸が痛くなるな…
今回は黒子がいてくれて良かったぜ

でも麦琴かわいよちゅっちゅ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/29(木) 14:10:35.52 ID:VKywlHM0<>黒子とフレンダ、せつねえな・・・
潔い身の引きっぷりだよ、本当にさ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 21:12:52.28 ID:v9qCiIDO<>最近2日に一回だから今日は抜かずにおこう。
明日麦琴の濃厚なエチがあると信じて<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/29(木) 21:52:19.58 ID:8QakbGE0<>ローション希望
むぎのん優しいから準備すると思うんだ
いやいやおれがみたいとかそういうくぁwwせdrftgyふじこlp<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 00:00:37.99 ID:CJo1Ekw0<>ローションはいいが、個人的に男性を彷彿させるような道具は、百合Hには不要と思ってる。アイテムなのにノーアイテムとはこれ如何に。・・・失礼しました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/30(金) 00:17:11.55 ID:FoWMHvI0<>とうとう美琴が暗部入り、いっぽうアイテム内に生きる基盤を失ったフレンダは
まさかのジャッジメント入り、5スレを消費する超バトルの末、辛くもジャッジ
メントの勝利。
美琴に手錠を掛けようとする黒子だが、どうしても手が動かない。
「やりなさい、黒子。それでいいのよ」の言葉に泣きながら拘束。

ラストは拘置所の面会室で。
「お姉さまのこと、ずっと待ってますわ。」
「ありがとう黒子。それから帰ったら私の分もお願いね」
その言葉にうなずく黒子。
バトルで命を落とした麦野とフレンダの墓参りをするのだった。

みたいな超展開希望(嘘)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 00:22:19.44 ID:Meg9YyQo<>あ、はい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 00:51:07.65 ID:aDZXGY20<>さぁーってそろそろ監禁されたいぞ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 01:25:08.05 ID:ohzB5F60<>今日は来ないか・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 01:55:36.28 ID:RmWTS2DO<>まあペースを考えれば来ないだろう。
しかし確実に終わりが近づいてるんだな…
2人がコトに及ぶときがこのSSが終わるときと言ってたからつまりそういうことなのか…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 08:10:26.98 ID:6tPFjQso<>>>419
結局、そこに愛があれこまけえ(ry<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 11:23:14.01 ID:/mCT.8go<>もう我慢できん!
俺は抜くぞ!WCで!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 18:40:54.04 ID:ohzB5F60<>今日は来る日か<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 21:20:32.87 ID:RmWTS2DO<>最近過疎ってるな。
製速全体に言えるが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 21:30:34.88 ID:shMso6Yo<>過疎とromはちげえぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 22:14:29.78 ID:Meg9YyQo<>下手に雑談が盛り上がったりしたら3スレ目突入までありえるから自重してるんじゃね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/30(金) 23:33:13.96 ID:35k82vo0<>さっきから全裸で待機してるんだがまだ来ないのかな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/31(土) 01:05:22.57 ID:Zl.HlFs0<>10分以内に>>1が来るって電波受信<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/31(土) 01:07:48.25 ID:Zl.HlFs0<>誤爆スマソ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 01:08:05.17 ID:MtIhuZ60<>>>432
俺も感じ取った<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 01:08:07.81 ID:KnssSIYo<>とみせかけて↓<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 01:15:51.60 ID:7fTKIcAO<>そこに痺れる
↓<> スマン<>sage<>2010/07/31(土) 01:16:30.64 ID:7fTKIcAO<>誤爆った<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 01:16:45.19 ID:yZYj6koo<>テクパトルゥ
↓<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 01:39:22.66 ID:YCM4ZsUo<>ごきげんようお姉様方。
学園都市、夜の路地裏へようこそ。
本日は予告通り少々では済まない程度の性的描写がございます。
苦手な方は引き返すことを強くお勧めいたします。


>430
3スレ目突入は既にあり得そうなので、書き込みを仮に自重していただけているのでしたらどうぞお気になさらずに。
既にパート化してしまったことですし、特に一スレ内で綺麗に終わらせる必要もないかと思っています。
いずれにせよ物語は間もなく佳境。そして同時に書き溜めが尽きつつありますw
がんばりますw

では投下しますね。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 01:41:08.71 ID:7fTKIcAO<>キター!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 01:42:07.33 ID:Z9/k.7go<>きたー!<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 01:45:41.44 ID:YCM4ZsUo<>
―第七学区 ファミリーレストラン『ジョセフ』 18:30―


白井「うぇっぷ……食べ過ぎましたの……気持ちが悪いですの……」 ウプッ

フレンダ「確かにー……調子に乗ってあんなに食べるんじゃなかった訳よ……」 ゲッソリ

白井「しかもわたくしとしたことがファミレスの高カロリー食品ばかりこんなに……体重計が恐ろしいですのー」

フレンダ「ハンバーグから始まりピザにポテトフライにドリアにパスタ。デザートにケーキとパフェとヨーグルト。
      おまけにドリンクバー付き。麦野だったら自己嫌悪で死んでるところだね……」

白井「ああ、お姉様のように食べてもお肉の着かない体になりたいですの……」

フレンダ「いやいや、白井さんめちゃめちゃ細い訳よ」

白井「これでも努力してますの。おかげで胸は全然大きくなりませんけれど……」

フレンダ「私も。これはあれよ。麦野に吸い取られてるからよ!
      私だって本来の胸の大きさはそれはそれはまんまるくてふっくらと……」

白井「言ってて虚しくなりませんこと?」

フレンダ「うん。なった。聞いてよ。麦野のサイズFだよF! 私なんかギリギリAなのに……」

白井(わたくしはAAですの……)

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 01:48:05.35 ID:YCM4ZsUo<>
フレンダ「大体麦野ってば完璧超人過ぎんだって。レベル5ってとこはもちろん、美人でスタイルいいし、勉強も出来るし
      タフで頑丈だしすっごい力強いし。正直超電磁砲に負けてるとこが思いつかない訳よ」

白井「……」 カチンッ

白井「それは聞き捨てなりませんわね」

フレンダ「むむ?」

白井「お姉様だって確かにお胸は慎ましくていらっしゃいますけれど、スレンダーな肉体とあどけなさの残る
    可憐なお顔立ちをしておられますの。面倒見がよくて優しくて、誰からも愛される素敵お姉様はいくら麦野さんと
    言えども負けてる気がいたしませんわね」

フレンダ「……」 カッチーン

フレンダ「そんなこと無いもん! 麦野だってたまにご飯奢ってくれたりするし、ピンチの時にはいつだって助けに来てくれる訳よ!」

白井「それはお姉様だって同じですの! わたくしとは魂の絆で結ばれたパートナーですから。
    大体原子崩しってなんですの? 要はビームを発射するだけの能力なのでしょう?
    あらゆる方面への応用力が高いお姉様の方が実力は圧倒的に上ですの」

フレンダ「ふーんだ。麦野の能力をフルパワーで出したら超電磁砲なんて秒殺よ!」

白井「威力でしか語れないとはお下品ですの! 
    そもそもお姉様の魅力はレベル5程度で収まるようなものではありませんの!
    フリフリのお洋服を2時間も迷って試着した挙句に色違いで3着も買ってくるような
    微笑ましい一面も持ち合わせていますの! こんな愛らしい真似が麦野さんにできますかしら!?」 ガターッ!

フレンダ「む、麦野だってああ見えて毎週クレヨンし○ちゃん見てるし、
      コ○ンではマジメに犯人予想しちゃったり幽○白書読んだ次の日はこっそりの霊○ポーズで
      原子崩し撃っちゃうような可愛いとこがあるんだからっ!」 ガシャーン!

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 01:49:52.62 ID:YCM4ZsUo<>
アーデモナイコーデモナイ! オネエサマデスノ! メルトダウナー!

ヒソヒソヒソ… ザワザワザワ… レベル5ッテ… アノレールガンガ… メルトダウナーガ…


店員「お、お客様、どうかなさいましたか……?!」

白井「はー……はー……な、なんでもないですの」

フレンダ「ふー……ふー……ごめんなさい、ちょっと熱くなって」

店員「そ、そうですか……他のお客様のご迷惑になりますので大声を出さないようにお願いいたしますね……」 

白井「どうやらこの際貴女とはきっちりと決着を着けなくてはならないようですわね」

フレンダ「望むところな訳よ。麦野の可愛さに腰抜かさないでよねー」 ニヤッ
 
白井「そちらこそ、お姉様のあまりの魅力に眩暈を起こしても知りませんわよ」 ニヤッ

フレンダ「よし、ここじゃ迷惑だからうち来なよ」

白井「お邪魔いたしますの。言っておきますけれど、今夜は朝までお姉様の魅力を聞かせて差し上げますから、
    覚悟しておいてくださいましね」

フレンダ「望むところよ。麦野の今日までの成長の記録を写真と映像と共に振り返ってあげる訳よ」

白井「上等ですの! すみませんですのー! お会計お願いいたしますのー!」

店員(今度はなんだ……)

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 01:51:16.48 ID:YCM4ZsUo<>
店員「はい。お会計4720円になります」

白井「今晩はお世話になるのでここはわたくしがお出ししますの」

フレンダ「いやいや! 年下に奢ってもらうなんて出来ない訳よ! ここは私がっ!」

白井「何をおっしゃってますの。手ぶらでお邪魔するというのに、そういう訳には行きませんの」

フレンダ「私の方が先輩だもん!」

白井「精神年令はわたくしのほうが上ですもの」

フレンダ「がぁぁ! 意味わかんない! 白井さん頑固過ぎ! 麦野か!」

白井「貴女こそ子供っぽい反応はおやめ下さいまし。まるでお姉様ですわよ」

フレンダ「むぅ……」

白井「ぐぐぐ……」

店員「あの……お支払いは……?」

店員(仲がいいのか悪いのかどっちなんだ……)

白フレ「「割り勘で!」」

店員「はっ、はいすみませんでした!」

店員(もう早く帰ってくれ……)

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 01:54:36.50 ID:YCM4ZsUo<>
―第五学区 スカイタワービル120階 高級フレンチレストラン『シャルル=ゴンクール』 20:00―


カチャッ…


御坂「ふぅ……美味しかった。ごちそうさま」

麦野「なかなか悪くなかったわね」

御坂「にしてもあんな長い車が来るなんてビックリしたわよ」

麦野「適当に手配したから知らなかった。っつかアレ恥ずかしいわね」

御坂「まあそれはそれとして、素敵なとこね。学園都市の夜景が一望できるわ」

麦野「思い出に残る初デートになったかしら」

御坂「うん。ありがとう。今日は一日すごく楽しかったわ」

麦野「まあ私もだけど。……素敵なストラップももらったしね」

御坂「ほんとに思ってるー?」

麦野「思ってるわよ。あーほら、なんていうのかしら。飼い犬が大好物の骨をくれたときの気持ち?」

御坂「私は犬か」

麦野「望むならバター犬にしてあげてもいいのよ?」 ククッ

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 01:56:51.14 ID:YCM4ZsUo<>
御坂「バター……犬? なにそれ。お菓子?」

麦野「アンタにゃまだ早かったみたいね。そのうち教えてあげるわ」

御坂「?」

麦野「ところで……これからどうする?」

御坂「どうするって、沈利さん家に泊めてくれるんじゃないの? 家でゆっくりしましょうよ」

麦野「えーっと……実はこのホテルに部屋とってあるんだけど……」

御坂「なっ……」

麦野「アンタさえよかったら……今日はここに泊らない……?」

御坂「よ、よかったらって言われても……寮には戻らないことになってるし……選択肢無いんだけどね」

麦野「照れること無いでしょ。家でだって一緒に寝るんだから」

御坂「だ、だって……ホテルってその……つまり」

麦野「この高級ホテルとラブホテルを同じレベルで考えるとはね……やっぱまだまだそっちはガキか」

御坂「ガキガキ言わないでよ! よ、よーし、行ってやろうじゃないの! へ、変なことしないでよね!」

麦野「今まで散々やってきたでしょが……」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 01:58:06.40 ID:YCM4ZsUo<>
御坂「それとこれとは別! 今日は健全なデートなんだから! 沈利さんすぐ触ってくるから釘刺しとかないとね!」

麦野「はいはい分かった分かった。シャンパン用意してるから、一緒に飲もう。さすがにここじゃ飲めなかったし」

御坂「だから中学生に普通にお酒を勧めないでよね……」 ハァ

麦野「飲みたい気分なのよ。それに、私アンタをもう中学生扱いしてるつもりないからね」

御坂「え……」

麦野「アンタそこらのガキより無駄に大人びてるし。っつか年誤魔化してんじゃねえの?」

御坂「いやそれは沈利さn」

麦野「あァん?」

御坂「なんでもないですごめんなさい」

麦野「とにかく。私はアンタが中学生とかそんなことはもう気にしないことにしたの。 
    アンタが早く大人になるしかなかったのは察してるつもりだけど、私はそんなアンタに惚れたんだから」

御坂「う、うん……」

麦野「だからもう中学生だからとかどうとか言わないで。私がロリコンみたいじゃないのよ」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 01:58:36.73 ID:YCM4ZsUo<>
御坂「ふふっ、そんなこと気にしてたの?」

麦野「気にしてるっていうか、なんか自分の性癖が心配というか……」

御坂「何でもいいよ。沈利さんが私のことを好きでいてくれるなら」

麦野「当然の前提でしょ。好きだから、変な不安が出てくるんだよ」

御坂「よくわかんないけど。ま、要はこの美琴センセーの可愛さにあてられちゃったわけねー?」

麦野「調子乗んな殺すぞ」

御坂「否定しないとこが沈利さんの可愛いとこよね。よし、部屋行って夜景見ながら乾杯しましょー」

麦野「なんでアンタが仕切るんだよ。それは私の役目。ほら、さっさと着いてきなさい」

御坂「はいはい。どこまでもお供しますわよ、お姉様」 クスクスッ

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:01:41.96 ID:YCM4ZsUo<>
―フレンダ宅 21:30―


フレンダ「……ん、うーん……」 


すっかり夜も更けたころ、フレンダはベッドの上でごろりと寝返りを打って目を覚ました。
どことなく寝苦しさを感じて、けだるい体を起しながら頭を押さえる。
頭痛がする。どうやら飲み過ぎたようだ。
先ほどまで白井と2人飲んでいたテーブルを見ると、数本の空のウィスキーやワインの瓶とつまみのさきイカが乗っている。
あれからフレンダの家に着くなり、2人は怒涛の勢いで酒を飲み始めた。
まるで今日の出来事を早く記憶の彼方に追いやってしまいたいと言うかのように、互いの想い人との良い思い出を
語り合って酔い潰れていったのだ。


フレンダ「いつの間に私寝て……つっ……飲みすぎたかな」


そして気付けばこうである。途中から全く記憶が無い。
ふと室内を見渡すと、一緒に飲んでいたはずの白井の姿も無かった。
それにしてもやけに体がスースーする。


フレンダ「えーっと白井さんは……って、私何で全裸な訳よ!?」 


チラリと自分の平坦な白い体を見下ろすと一糸纏わぬ姿がそこにある。
ピンク色の突起が色づく胸も、金色の茂みに覆われた秘部も全てがさらけ出されている。
その時、フレンダの視界の端に恐ろしいものが映った気がした。


フレンダ「ま、待てよ。ここはベッド……も、もしかして……」 

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:05:35.31 ID:YCM4ZsUo<>
恐る恐る視線を向けると、そこには想像通りの光景が広がっていた。


白井「…………スー……ムニャムニャ」


生まれたままの姿で可愛らしく寝息をたてている白井の姿が隣にある。
ツインテールをほどき、シーツに振り乱されたゆるいウェーブヘアが妙に煽情的で、フレンダはゴクリと
生唾を飲み込みながら理解しがたい現状に首を傾げる。


フレンダ「何が起こったの……?」

白井「…………おねえさまぁん……ムニャムニャ」

フレンダ「……し、白井さん白井さん! 起きて起きて!」 


規則正しく上下するぺったんこの胸に視線が引き寄せられるのをこらえながら、フレンダはその華奢な肩に
そっと手を添えて軽く揺すった。
このまま寝かせておいてあげたい気持ちもあるが、いかんせん状況が状況だ。
下腹部に特に痛みは感じないしシーツに血が着いているというわけでもないので、
酔った勢いでロストヴァージンということは無さそうだが、とんでもないことをやらかしてしまったのは間違いないだろう。


白井「……ぅうん……」 


細い体をくねらせて艶めかしい声をあげる白井。
不覚にも、フレンダはこの中学一年生の幼い体にドキリと胸を高鳴らせてしまった。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:07:05.93 ID:YCM4ZsUo<>
フレンダ(可愛い……) 


常盤台の学生は一般の学生と違い恐ろしい速度でカリキュラムが進められている。
故に、パッと見は中学生でもその知識と経験から滲み出る雰囲気はある種独特の大人っぽさが感じられるのだ。
普段麦野以外の同性はおろか、ロリになど到底食指が動くはずもないフレンダであっても、
思わず唸ってしまうような色気が白井の寝姿に見てとれる。


フレンダ「って違う違う! 白井さん! 何があったの?!」 


そんな自分の煩悩を振り払うように、もう一度肩をペチペチと軽く叩きながら白井に呼び掛ける。
やがて彼女は、眠たそうに眼を擦りながらムクリと体を起した。


白井「んぅ……もう、何ですのフレンダさんたら……」 


ぼんやりとした声で問いかけてくる。
フレンダはどう訊いていいか分からなかったので、とにかく単刀直入に切り出してみることにした。


フレンダ「わ、私たち……なんでこんな格好をしてる訳よ……?」


フレンダの言葉に白井は自らの姿を確認する。
驚き声を荒げるかと思ったが、まるでそんなことは無く、ごく自然なことであるかのように
白井は頬を赤らめて恥ずかしそうに微笑んだ。


白井「あら、覚えていませんの? まったくフレンダさんったら……すごかったですのに……」 

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:09:08.20 ID:YCM4ZsUo<>
唇を柔らかくほころばせ、紅潮した頬を押さえながらはにかむその様子に、フレンダは血の気が引いていくのを感じた。


フレンダ「な、何な訳よその反応!? 私白井さんに何しちゃったの!?」


色々とあらぬ妄想が膨らんでいく。
もしかすると思っている以上にとんでもないことをやらかしてしまったのかもしれない。


白井「白井さんだなんて……先ほどまでは黒子と呼んで下さっていましたのに」


ジッと黒い眼で上目づかいに見つめてくる。
酔った自分は一体どんなテクニックで彼女を虜にしてしまったのだろうか。


フレンダ(わ、私取り返しつかないことしちゃった……?)


フレンダはビクビクと震えながら必死で記憶を辿るも、とうとう思い出すことはできなかった。


フレンダ「ま、まさかねー。あはは、白井さん。私白井さんにマッサージしたとかそんなオチでしょ?」


漫画やドラマでよくある例のオチを期待しておっかなびっくり尋ねるが、白井はため息をついてやれやれと首を横に振った。
必死に他の可能性を探るも、何も思いつけずに言葉に詰まり、そしてとうとう白井はこんなことを言う。


白井「本当に覚えていませんのね。……まあ、わたくしも酔っておりましたから人のことは言えませんけれど。
    フレンダさんたら……わたくしの全身に舌を這わせて……あんなに気持ちよかったのは初めてですの……」 

フレンダ「」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:10:30.80 ID:YCM4ZsUo<>
あまりにも生々しい内容に返す言葉の無いフレンダ。
現実は想像の斜め上だったようだ。
白井の華奢でか細い体のすべてをねぶりつくし、何度も絶頂に導いたであろう自らの指先を見詰める。
そのテクを、どうして麦野に使えなかったのか。


白井「蕩けそうでしたの。正直行為中はお姉様の顔が頭から吹き飛んでしまいましたの……」


恍惚とした表情で語る白井。まだ酒が残っているのか、少々テンションも上がってしまっているようだ。


フレンダ「な……な……」


だがフレンダの体から酒気はとっくに抜けていた。
というか、先ほどの言葉で一瞬にして吹き飛んだというのが正しい。
酔っ払っている場合ではない。麦野のために大事に取っておいた純潔を、白井に捧げてしまったのだから。


白井「後半はフレンダさんも可愛かったですわよ。あんなにおねだりされたらわたくしもさすがに理性を……ってあら、
    何うなだれてますの?」


フレンダ「失恋のショックで今日会ったばかりの人と寝るなんて……私としたことが……」


白井の言葉を最後まで聴く前に、フレンダは膝から崩れ落ちていた。
どうやらもう言い逃れはできないようだ。


白井「まぁまぁ。舌で愛撫し合っただけですわよ」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:12:56.76 ID:YCM4ZsUo<>
ケロリとそんなことを言う白井。
普段麦野に色々と変態的な言葉を向けているフレンダだが、いざ自分がその当事者となると意外とも諸いものだと思う。
しかも白井は自分より3つも年下なのにこの余裕の態度だ。
同じ女として精神的敗北を感じるフレンダだった。


フレンダ「うう……処女が無事だっただけヨシとしよう……」


その一点だけは死守したことをせめてもの慰めとして、フレンダはよろよろとフラつく体で無理矢理に自ら納得させようと試みる。
すると、


白井「なーんて。冗談ですの」

フレンダ「へ?」


次の瞬間、白井はペロリと舌を出して悪戯っぽく笑いかけてきた。
虚を突かれたように口を開くフレンダ。
冗談ということは、つまり先ほどまでの発言は真実ではないというわけだろうか。
フレンダは日本語の意味を理解するのも覚束ない程度には混乱していた。


白井「まあそういう雰囲気にはなりましたけど、フレンダさんったら突然吐いて倒れてしまいましたもの」

フレンダ「マ、マジ……?」

白井「ええ。わたくしも貴女も服を汚してしまいましたから、とりあえず服を洗濯機に入れて掃除をしましたの。
    そうしたら貴女が呑気に寝てらっしゃるから、わたくしもお隣に失礼したんですの」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 02:13:22.99 ID:4V6DzhQo<>フレンダ蕩れ〜<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:14:56.49 ID:YCM4ZsUo<>
フレンダ「な、なーんだ……よかったー……」


ほっと胸を撫で下ろすフレンダ。
くすくすと笑う白井の顔を見て、全身から力が抜けていくのを感じた。


白井「ふふっ、よかったですわね。それより、シャワーを浴びてらした方がよろしいのではなくて?
    正直貴女、臭いますわよ。わたくしも先ほど勝手にお借りしましたの」


フレンダ「げっ、ご、ごめんね。ゲロぶっかけちゃったんだもんね……! すぐ行ってくる訳よ!」 


しかし白井に自らの吐しゃ物を吐きかけてしまったことは事実のようだ。
吐息も心なしか酸っぱい臭いがする気がする。
フレンダはあわてて口元を押さえ、勢いよく立ちあがって浴室の方へ向かおうと駆け出す。


白井「フレンダさん」


その背中に、先ほどまでとは打って変わって冷静な白井の声が届けられた。
とっさに振り返ったフレンダの前にあった白井の笑顔はどこか切なげで、そして優しいものだった。


フレンダ「な、何? ほんとごめん! 服は弁償するからね! 他にも何か汚しちゃったものとか……」

白井「どうせ変装用に買ったものですから結構ですの。それより、ありがとうございました」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:17:26.05 ID:YCM4ZsUo<>
ペコリと突如頭を下げる白井。


フレンダ「へ?」


またしてもポカンと口を開け放つフレンダ。


白井「貴女の温もりがあったおかげで……黒子は立ち直れそうですの」

フレンダ「白井さん……」

白井「これも何かの縁ですの。これからも、黒子とお友達でいてくださいましね」


少し遠い目で、白井は小首を傾げて微笑みを滲ませる。


フレンダ「……い、いいのかな。私で」


学校の友人とは比較的広く浅い付き合いをしているフレンダとしては、こんなに一人の人間と距離を縮めたことはなかった。
それが照れくさくて、フレンダは自慢の金髪をかきながらおずおずと尋ね返す。


白井「初対面の日の夜にゲロをブチまけられるような相手にはそうそう巡り合えませんもの」


茶化すような白井の言葉に、フレンダもどこか肩の荷が下りたような心持であった。
きっと一人で家に帰っていたら、こんな気分にはなれなかっただろう。
白井と二人楽しく飲み明かし、友人になれたことで互いに想い人への気持ちをうまい具合に発散することができたようだ。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:18:51.12 ID:YCM4ZsUo<>
フレンダ「それはずっとこの先も言われそうな訳よ。けど、こちらこそありがとね。
      何か気分がスッキリしたよ。麦野を応援しつつ超電磁砲から麦野を寝とるチャンスを待つ訳よ」


白井「奇遇ですわね。わたくしもお姉様をいかに略奪するかを考えていくつもりですの。
    わたくしは諦めが悪いんですのよー」 ゴゴゴゴ…


そしてフレンダは新たな野望を胸に白井と笑顔を交わし合う。
それはどこか新しい悪戯を思いついた少年のような口調だった。


フレンダ「あはは、よし! これからもがんばろうね、黒子!」

白井「もちろんですわ!」


ガッシリと友情の握手を交わす二人。
レベル5の取り巻きとして、フレンダは彼女に不思議な親近感を抱いていた。
これからも仲良くやっていけそうな気がする。


フレンダ「んじゃ私はお風呂入ってきまーす」 


色々なことが落着し、すっかり冷静になったフレンダは軽い足取りで洗面所の扉を開いて足を踏み入れる。


フレンダ(いやー、しかし黒子の冗談でよかった訳よ。いくら私でも記憶の無いうちに初エッチを……ん?)

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:21:15.94 ID:YCM4ZsUo<>
服は着ていないので棚からタオルを取り出し、浴室に入ろうとしたその時だった。
ふと見た鏡。白く透明感のある肌に、いくつか不可思議な場所がある。


フレンダ(あれー……? 何か私の首筋に赤い虫刺されみたいな痕が……あるような……ないような……あれー?)


首筋、まるで小さな虫に刺されたような赤い痕が、鎖骨の上や首回り、果ては胸元にいくつも着いている。
そう。
それはまるで


フレンダ「!!!?」


ハッとなってフレンダは勢いよく洗面所の扉を開いて、リビングで服を着ようとしていた白井にマジマジと視線を送る。


フレンダ「く、黒子っ!」


恐る恐る、だが確かめないわけにはいかないと、彼女の繊細な首筋付近を凝視する。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:22:58.56 ID:YCM4ZsUo<>
白井「あら、どうかなさいまして?」


小首を傾げる白井。そこには確かに、自分のそれと同じような赤い痕が残っていた。


フレンダ「黒子……あ、あんたのその首筋の赤いのは……」

白井「クスッ」


ゴクリと唾を飲み込むフレンダの問いかけに、白井はクスリと小さな笑い声を零す。


フレンダ「ま、まさか……」


その蠱惑的な微笑み思わず見入るフレンダ。
彼女は口元にそっと人指し指を当てて唇を動かす。


白井「わたくし達はお友達ですの。それ以上のことなど、何もありませんわよ?」


到底年下とは思えない小悪魔の表情でフレンダを諭すように告げた。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:26:18.95 ID:YCM4ZsUo<>
―第五学区 スカイタワービル100階 ホテル『グラストンベリ』 スイートルーム 22:00―


煌びやかな調度品の数々が並べられた高級ホテルのスイートルーム。
そこはキングサイズのベッドを部屋の中央に据え、ガラス張りの壁に囲まれた大理石の浴室や簡易キッチンを添えた
数十帖にも及ぶ巨大な部屋だった。
間接照明が上品に灯る薄暗い室内、小さなテーブルの上には一本数十万円は下らないシャンパンと、
飲みかけのグラスが二つ並んでいる。
夕食後、麦野は御坂を伴ってこの部屋を訪れた。
それからすぐ、数々の見事な装飾品になど目もくれず、あらかじめ麦野がホテルに預けていた高級シャンパンをそそくさと開けて飲み始めた。
しばらくはほろ酔い気分で会話に華を咲かせていた二人だったが、1時間程経過したところで雰囲気が変わる。
以前のように悪酔いこそしていないものの、少々酒の入った二人はふざけ合うようにして互いの体を触り合い、
気がつくと唇を合わせて抱き合っていた。
学園都市の夜景を一望できる窓の傍、二人掛けのソファで寄り添う御坂に麦野は、彼女の唇に自らのそれをあてがい、
貪るように舌を絡ませている。


御坂「ん……チュプッ……」

麦野「……んぅ……チュムッ……ピチュッ……」


静寂に包まれた空間に木霊する柔らかい水音が、麦野の脳髄を甘く蕩かせて御坂を抱きしめる腕に力を混めた。
それに反するように、御坂はトロンと瞳を潤ませて麦野に体を預けきっている。
その頭を麦野は優しく撫でながら、御坂の口内に侵入させているピンク色の舌を生き物の如く遊ばせ、
御坂の歯の一本一本を丹念になぞって愛撫する。
時折上あごをくすぐるように舌先でつついては、その度ピクンと跳ねる御坂の反応を楽しんでいた。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:28:03.21 ID:YCM4ZsUo<>
御坂「……ふぁ……ンチュ……沈利さんの……嘘つき」

麦野「……チュプッ……何が?」


熱い吐息で麦野の高い鼻先をくすぐりながら御坂は恨めしげな視線でそう言う。
麦野はその様子を満足げに眺めながら、背中に優しく手を這わせる。


御坂「何もしないって言ったくせに……」


真っ赤になった頬を膨らませて、しかしさほど嫌がるそぶりは見せずに御坂。
麦野は悪戯っぽく笑い、御坂の頬をその細い指で軽くつねった。


麦野「何もしないなんて言ってないよ。っつか、本当に何もされたくなかったわけ?」

御坂「それは……」


Tシャツの胸元をキュッと掴みながら御坂が視線を反らした。
恋人同士が二人でホテルに入り、何も起こらない方が不自然だ。
もっとも、初め麦野は今日御坂とコトに及ぶつもりはなかった。
キスをして、互いの体に触れ合うことが出来ればそれで満足だったのだ。
だが御坂は当然そんな麦野の胸中を知る由もなく、今なお落ち着かない様子で時折巨大なベッドへと視線を送っている。
やがて麦野は御坂の頭をそっと撫でてクスリと笑みを零した。


麦野「キスくらいさせてよ。今日はもうそれでいいからさ」

御坂「え……?」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 02:28:02.89 ID:KqG2hW60<>ふぃ・・・<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:31:47.82 ID:YCM4ZsUo<>
意外そうに麦野を見やる御坂。
多少の期待はしてくれていたのだろうか。
そんな反応をされると、麦野としては少々複雑だった。


麦野「他のこともしてほしいのかにゃーん?」


口元をニヤニヤと釣りあげて御坂の頬をプニプニとつっつく麦野。
その表情と裏腹に、麦野はどこか空虚で掴みどころのない不安感を抱いていた。
あるいは恐怖と呼べるものだったのかもしれない。
御坂と性行為に及ぶことは、麦野にとっては一つの覚悟のいる行為だった。
麦野が御坂とコトに及ぶことに尻込みしているのは、何も彼女が中学生だからとかそういうことではない。
麦野にとって、御坂美琴は純粋性の象徴のようなものだったから。
序列第三位という圧倒的な能力を持ちながら、暗部に堕ちず堂々と太陽の下を歩いている御坂は、
同じ女性の能力者ということもあり、麦野はかねてより良くも悪くも強く意識していた相手だった。
同質の能力を持ちながらも立場は真逆。
だからこそそこに特別な不可侵性を感じていた。
かつて戦った時は、何者にも汚されていない彼女に嫉妬にも近い感情を向けていたのかもしれない。
しかし御坂と出会った後、麦野が彼女のどんな状況に在っても輝きを失わない純粋さに惹かれ、
自分では持ち得なかった綺麗なものに憧れたのも事実だ。


御坂「……ちょっと、してほしいかも」


故に、麦野は恐れていた。彼女を抱くことで、彼女が純粋なものでなくなってしまうような気がして。
言葉を詰まらせて、御坂が振り絞るようにそう言うも、麦野の理性のタガを引きちぎるには今一つ足りない。


麦野「……」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:33:42.25 ID:YCM4ZsUo<>
顔を曇らせる麦野。
多くの人間の血を浴びたこの穢れた体で、御坂と交わることで彼女までが汚いものになってしまうのではないかという不安が拭えない。
そして同時に、御坂を自分の手で汚したいという欲望もまた沸いてくる。
誰にも触れられたことのない無垢な体を支配し、蹂躙し、調教するのはドSの麦野からすればこの上なく抗い難い快楽だろう。
頭の中で二つの意識がせめぎ合う。


麦野(美琴が求めてる……ここまで言わせてるのに、何もしないのもこいつを傷つけることになるのか……?)


最善の答えが見つからない。
御坂との距離の詰め方が分からない。
だが、それでも彼女の求めには応じてやりたかった。
御坂の体を上から眺めて行く。
綺麗な茶色い髪とガラスのヘアピン。小さな顔。大きな瞳。ピンク色の唇とそこから覗く白い歯にぬめった舌。
細い首は容易く絞め殺せそうな程に頼りなく、華奢な肩とわずかに覗く鎖骨が本能に訴えかけてくる。
わずかに膨らんだ貞淑な慎ましい胸は逆に煽情的に見えてきた。
くびれのあるしなやかなウエストに、張りのある小さめのお尻。短パンから伸びるスラリとした二本の足は、
白い太股が強調されて悩ましい。
潤んだ瞳でまっすぐにこちらを見つめる御坂のその様子に、麦野はクラクラと眩暈を起こして倒れそうになるのを必死にこらえた。


麦野(こいつにこんなに色気を感じてるのはきっと私くらいなんだろうな……)


ゴクリと生唾を飲み込み、麦野は御坂にもう一度向き直って両肩に手を添えた。
唇を少しだけ突き出して、御坂はそっと瞳を閉じた。
酒の所為にはしたくない。
真正面から、御坂の全てを手に入れる。
心臓から送り出される血液が、手を、足を、脳を巡り。顔は熱病に侵されたように赤く火照ってくる。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:36:05.85 ID:YCM4ZsUo<>
麦野(わかったよ、美琴……指でするくらいなら、いいよね……)

御坂「早く来て……沈利さん……」


熱い吐息とともに艶めかしく動いた唇に、麦野は遂に頭の中で線が一本焼き切れる音を聞いた。
御坂の唇にそっと自らのそれを近づけて、5mmの距離を開けて麦野は最後に呟く。


麦野「美琴……止まらないよ。もう、止められないからね……ごめんね」

御坂「んっ……!」


柔らかく啄ばむように御坂と口づけを交わす。
フレーバー着きのリップだったのか、ほんのり桃の香りが鼻を通り抜けていった。
こんな子供じみた可愛い香りをさせているのにと、麦野はこの背徳的な行為に言い知れぬ興奮を覚えて
御坂をソファの背もたれに乱暴に押し付けた。


御坂「んぅ!……ちゅっ……チュプッ……ンチュッ……ふぁ……」

麦野「ハァ……チュッ……んう!……ハァ……チュプッ」


勢いを増していく二人の呼吸と鼓動。
麦野はぼんやりと霞がかっていく頭の中で、ただひたすらに御坂の名前を呼び続けていた。
欲しい。欲しい。欲しい。
御坂美琴の全てが欲しい。
彼女の口内に侵入させた舌でぬるりと唾液を舐めとりながら、丹念に、そして犯すように向こう側の舌をねぶる。
ドクドクと鮮明に聞こえてくるどちらのものとも知れない心臓の音は、規則的なリズムで麦野の理性を破壊していった。
唇を少しずつ下方へと移動させ、首筋を舌先でなぞってくすぐる。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:38:37.20 ID:YCM4ZsUo<>
御坂「ぁっ……!」


ピクンッと跳ねる御坂の体。首を後ろに反らして、もっとして欲しいとねだるように体をくねらせた。
麦野は御坂の服の上から指先で全身を優しく撫でていく。 
腕から始まり、背中、脇腹、そして胸元へ。
服と下着越しに感じる柔らかい感触に、麦野は荒ぶる呼吸を押さえつけながら一度唇を首筋から離して彼女のTシャツを脱がす。
恥ずかしそうに瞳を潤ませた御坂はこちらを見ず、いそいそとされるがままに服を脱いだ。


麦野「ブラ、可愛いわね」

御坂「沈利さんに見てほしくて……この前買ったの……」

麦野「そんなに私に犯されたかったのね」

御坂「違う……も……んぅっ!」


白い肌のわずかな膨らみを守るように着用されたる薄い水色のブラ。
麦野は下着の上からゆっくりとほぐすように御坂の胸に指を食いこませて揉みこんでいく。
舌先は再び御坂の肌の上を這いまわり。
鎖骨をゆっくりと丁寧に。そして首筋に戻って今度は強く吸う。


御坂「っ……ぁっ……ぁあ……」


やがて唇を離したそこには、隠しようも無いほどくっきりと赤いキスマークが着いていた。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:41:41.97 ID:YCM4ZsUo<>
麦野「ふふっ、素敵な傷痕ね」


満足げに微笑んだ麦野は、心地良さそうに蕩けた瞳の横、形の良い耳元へと唇を近付ける。


御坂「はぁっ……んっ! 沈利…っ…さぁん……そんなとこ…ハァ…駄目ぇ……ハァ」


耳の形を確かめるようにして、そして少しわざとらしく音を立てながら、ピチャピチャと舌を蠢かせる。
同時に、背中に手をまわしてブラのホックを外し、空いた隙間から手を差し込んで御坂の乳房へと手を這わせていった。


麦野「おっぱい、小さくて可愛い……」


耳元で囁くと、吐息でくすぐったそうに身をよじらせながら御坂は嬌声をあげた。


御坂「ぅ……ん……そんなこと言わないで……ぁっ……!」

麦野「気持ちよさそうにしちゃって。ほんとはもっとしてほしいくせに」

御坂「ち…ハァ…がう……ハァ……んっ! ぁっ……!」


慎ましく、掌に軽く収まりきってしまう可愛らしい胸。
麦野は、甘い吐息を漏らして悦びの声を躊躇いがちに零す御坂の胸の感触に酔いしれていた。
小さくとも確かに柔らかく主張するそれはじっとりと汗で湿り気を帯びて麦野の掌に張り付いてくる。
上から下に掌で円を描くように押し上げて、時折指を沈みこませて絶妙に刺激を与える。
だがしかし、最も敏感なピンクの先端部にはまだ触れない。
もっともっと焦らして、御坂が涎を垂らしてモノ欲しそうな視線でこちらを見てくるまでは絶対に。
気が着くと麦野は口元に笑みを浮かべていた。
あの御坂が、自分の指と舌だけで蕩けきってしまっている。
無防備に弛緩した体には汗が滲み、濡れた瞳を懇願するように向けてくるのがたまらない。
ピンクの小さな乳輪を、指先でゆっくりとなぞりながら耳元の唇を首筋、脇腹へと下ろしてくる。
ソファの背もたれに体を預けている御坂は、虚空を見上げて声を押し殺すのが精一杯の様子だった。
左手で胸を、右手で太股をさすりながら麦野はその肢体に舌を這わせて愛撫を続ける。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:43:09.45 ID:YCM4ZsUo<>
麦野「声、我慢しなくていいんだよ? 美琴の気持ちいい声、もっと聴かせて」

御坂「やぁ……っ! 恥ずかしい……ぅっ……ぁんっ……」


上気して紅潮する肌が愛おしい。
麦野はさらに焦らすように触れるか触れないかのタッチで御坂の胸の頂点をいじめるのだった。


御坂「そ……そこは……だめぇ……んっ……はぁっ……!」

麦野「乳首立たせて言うことじゃないわねー。目が嬉しそうに蕩けちゃってるけど?」

御坂「だって……沈利さんが……」


御坂の羞恥心を煽るように囁く麦野。
快楽に身を委ねつつある自らの精神に抗うように、御坂は反抗的な視線でこちらに視線を返すが、
麦野は小悪魔的な笑顔で優しく御坂の小さな乳首を摘みあげた。


御坂「はぁんっ……! だ、駄目だったら……ひぁっ……!」

麦野「私が何? 人の所為にしてんじゃないわよ。ふふっ……こんなにしてるくせに」


段々と気分が乗って楽しくなってきた麦野。
唇を御坂の胸元に寄せ、先ほどより少し赤くなっている乳首を口に含んで舌で転がす。
それに反して御坂は奥歯を噛んで必死に甘い声が出るのをこらえようとしているらしい。


麦野「ちゅぷっ……ピチャッ……体震えてるよー? どうしたのー?」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:44:51.72 ID:YCM4ZsUo<>
わざとらしく楽しげに問いかける麦野。
御坂は両手で口元を押さえて、背中を反らしたままブルブルと首を横に振った。
その様子がたまらなくおかしくて。
麦野は右手で乳房を揉み、左手は全身をゆっくりと指先でなぞり、唇と舌でもう片方の胸を愛撫していく。


御坂「こ……こんな……の……ぁあんっ! はぁっ……んぁっ!」

麦野「処女のくせになかなか感度いいじゃない。どーせオナニーばっかしてたんだろうけど」

御坂「し……してな……ぅんっ! ぁっ! ぁっ!」


音を立ててその突起を吸い上げてやると、それに呼応するように御坂の体が跳ねた。
体温が高く、滲んだ汗と御坂の甘い匂いが混じって麦野の鼻腔を甘美に刺激してくる。
もやがかかったような視界と脳が、御坂をもっと攻め立てるようにと指示を飛ばす。
麦野は微笑んだまま御坂の太股の付け根まで指を移動した。


麦野「あれー? 上のお口は今忙しいみたいだね」


口元を歪めて心底楽しそうに言葉を繋いでいく麦野に、御坂は必死で口元を押さえて首を振る。
もうたまらない。我慢できない。


麦野「じゃ、こっちのお口はどうかにゃーん?」


麦野は舌舐めずりをすると、しなやかな指先で御坂の短パンのフロントのボタンを外した。


御坂「ひっ……!」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:47:23.78 ID:YCM4ZsUo<>
ビクリと肩を跳ね上げる御坂。それが何を意味するのか、さすがに気付いたらしい。
不安げな表情でこちらを見てくるので、麦野は柔らかく微笑を滲ませて頭を撫でてやった。


麦野「大丈夫よ。優しくしてあげる」


そう言って麦野はもう一度御坂に口づけた。
少しこわばっていた御坂の体が再び弛緩してソファに体重を預けて行く。
麦野は彼女に唇を重ねたまま、短パンを脱がそうと少しずつずり下ろしていくと、御坂も腰を浮かせてそれに
協力する素振りを見せた。
どうやら覚悟は決まったらしい。
麦野は薄く瞳を開いて御坂の顔を見ると、彼女は涙を目尻に浮かべてこちらを見つめていた。
短パンを脱がし、麦野はむせかえるような御坂の甘い匂いと、汗の匂いを鼻から肺いっぱいに吸いこんで
下着越しにデリケートな部分に触れてみた。


御坂「っ……はぁ……」


グチュリと、水気を吸ったショーツは淫靡な音を立てた。
恥ずかしそうに麦野の服の裾を掴む御坂。
構わず麦野はその部分を撫でさすっていく。不安を取り除くように丁寧な口づけと共に御坂の頭を撫でてやりながら。
右手中指と薬指に御坂の熱い愛液が付着し、ヌルヌルと下着の上を滑る。
ゆっくりとほぐしていくように円を描いて、空いたもう片方の掌で再び胸元を包み込む。


御坂「ぁっ……ぁぅ…ハァ…ハァ……んぅっ!」


硬く尖っていく胸の先端部をコリコリと指の腹で押しつけ、熱い下腹部は柔らかく麦野の指を押し返してくる。
鼻先にかかる御坂の吐息は霧のように麦野の理性を覆い隠して。
麦野は円を描く指の動きに緩急を付けて刺激していった。
口腔内を犯す舌の動きは蛇のように滑らかで、御坂の身体は先ほどから幾度となく跳ねあがっては
麦野の服を強く掴んだ。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:49:18.38 ID:YCM4ZsUo<>
麦野「濡れ過ぎでしょアンタ。何でこんな風になっちゃってんのかにゃーん?」


意地の悪い笑顔で麦野が問いかけると、御坂はキュッと唇を感じで瞳を強く閉じた。
麦野は少しだけ感動していた。


麦野(楽しい……。こんなにゾクゾクするセックス初めてだわ……)


こんな時に思い出したくもないが、今まで垣根と経験した4度の行為のどれよりも御坂を指で翻弄するこの瞬間が楽しい。


御坂「沈利さんが……ぁん……触るからぁ……はぁっ、んぅ!」


御坂がこの指で悦んでくれている。
御坂が何もかもを自分に預けてくれている。
そう思うだけで、麦野も自分の下腹部が熱を帯びてくるのを感じていた。
もっと御坂を気持ちよくしてやりたい。もっと御坂の奥へ行きたい。
欲望に後押しされるように麦野は御坂のブラと同じ水色のストライプのショーツを横にずらし、
そこにある彼女の最もデリケートな部分を覗き見た。
ピンク色にぬらぬらと煌めき蠢動するソレを目の当たりにして生唾を飲み込む麦野。
これが誰も見たことの無い御坂の最奥への入口。
黒いわずかな薄い毛に覆われて、その愛液に濡れた秘所に恐る恐る触れてみる。


御坂「ぁんっ!」


跳ねる体。
ぬるりとした熱い肉の感触に、麦野は頭がどうにかなりそうだった。
あの純真な御坂も、自分と同じ様に愛液で秘所を濡らしている。
彼女が同じ身体構造をした人間で、女であるという当然の事実を今更ながらに突きつけられて、
恐ろしい程の衝撃が体中を駆け巡っていった。
それは、強烈な違和感だった。思わず麦野の手が止まる。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:51:04.66 ID:YCM4ZsUo<>
麦野「私が男だったら……」

御坂「え……」


ポツリと呟いた麦野の言葉に、肩で息をしながら御坂が不安げに顔を覗きこむ。
麦野は御坂を強く抱きよせながら、震える声で言葉を紡ぐ。


麦野「私が男だったら、アンタと一つになれたのに……アンタの温もりを、体の全てで感じられたのに……」


麦野は泣きたいような、悔しいような不思議な気分だった。
これは女同士のセックス。
完全に一つになれなくて。
貪るように相手を求めても、その距離がゼロに縮まることは永遠に無い。
その事実を認めるのが悔しいから、麦野は御坂の身体の奥まで潜り込もうと指でなぞり、舌を這わせた。
女同士では感じられない温もりがあるかもしれないのが怖いから、麦野は永遠に縮まることの無い最後のその距離を
埋めようと必死にもがく。
二本の足の間にあるはずのものは、女同士の自分たちには持ち得ないものだったから、
麦野はその悔しさが少し可笑しくなって涙を零しながら笑った。


麦野「ぅぐっ……何泣いてんだろね私は……。こんなの当たり前だろ……当たり前なのに……」

御坂「……沈利さん……」


抱き合い、キスをして、言葉を交わしても、決して埋まらない最後のその1マスが、麦野には悔しくてならなかった。
そんなことにこだわる女々しい自分が嫌になる。
御坂と快楽を追求し合うのは楽しいのに、最後の最後に待ち受けていたその現実は受け入れ難い。
だが、嗚咽し震える麦野を御坂は優しく抱きしめた。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:52:27.72 ID:YCM4ZsUo<>
麦野「……美琴」


自分より4つも年下の、華奢な女の子の腕の中は、想像もつかない程温かく大きい。
縋るように麦野は御坂に抱きつき、その36.8度の体温をけっして逃がさぬように受け止める。
二人は互いの腕の中で、求めあうように言葉を交わした。


御坂「分かるわよ……沈利さんの気持ち。私も今きっと、同じ気持ちだから」

麦野「…………」

御坂「でも……あんたが女の子じゃなかったら、私はきっと好きにならなかったから。
    あんたが女の子だから、沈利さんがこんなに温かいんだって知ることができたんだ」


今度は力強く、願うように。
御坂の言葉はいつだって力があった。
真っ直ぐに堂々と翔けていく御坂が眩しくて、それが自分とあまりにかけ離れているのが悔しくて、憎らしくて。
だけど、そんな御坂だから、自分は恋をした。
そんな御坂美琴に、ずっとずっと憧れていたんだ。


麦野「ぅ……グスッ……そんなの……私だってそうだよ……!」

御坂「沈利さん。悲しむことなんて無いわよ。私は沈利さんの温もりを知ってるから」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:53:50.77 ID:YCM4ZsUo<>
クスリと優しく微笑む御坂。


麦野「わ、わかってるわよ……別に悲しかったわけじゃ……」


麦野はその愛しい顔を見ながら、つられるように恥ずかしげに微笑を返す。



御坂「だから続きをしよう……ねえ、沈利――――――」



麦野「っ……」


御坂が麦野の口元に唇を寄せる。
ゼロに程近い最短距離で、彼女は言った。




御坂「――――――私を、あなたのものにしてよ」



<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:55:29.12 ID:YCM4ZsUo<>
その言葉は中学生の少女が放つものとは思えない程に慈愛に満ち溢れていて、
麦野は全てをかなぐり捨てるように御坂の唇にむしゃぶりついた。
自らが着ているブラウスのボタンを興奮に震える指で外して、深い谷間を作り上げる白黒のブラを脱ぎ捨てる。
ぐにゅりと形を変える程強くFカップの大きな乳房を御坂の身体に押し付けて肌と肌を擦り合わせた。


御坂「んっ……ピチャッ……チュプッ! あっ……はぁ……んっ!」

麦野「美琴…ハァ…もっと…ハァ…ンチュッ……ちゅぅっ」


舌で口内を蹂躙し、互いの唾液を喉の奥まで流し込んでいく。
少しでも御坂に近づきたい。
永遠に埋まらない1マスをどうしても埋めたいから、麦野は少し乱暴に御坂を抱き寄せる。
ショーツをずらし、再び愛液の溢れる秘所に指を当てがう。


麦野「アンタ……毛、薄いね……」

御坂「何……言ってんのよ、ばか」


茶化すような言葉に、抱きつく力を強めて応える御坂。
黒い薄い茂みの下ヒクヒクと蠢動する秘所に隠されるように存在する小さな突起。
柔らかな肉の唇に包まれた小指のつま先よりももっと小さなソレを、麦野はそっと中指の腹で押しつけてやる。


御坂「ん―――っ!!」

麦野「いつもこれでオナニーしてんの?」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:57:05.36 ID:YCM4ZsUo<>
麦野の誘惑するような問いかけに御坂はブルブルと首を振る。
ツンツンと、軽くノックするようにそこを刺激する麦野。
御坂が正直に答えれば、いつでもそこを触ってやると言わんばかりの挑発。
それが分かっているのだろう、御坂は唇を噛んで快楽の誘惑に必死に耐えていた。


麦野「ねえねえ、最近はいつしたの?」


ねっとりと絡みつくような声で問いかける。
秘所から絶えず溢れてくる愛液をそこに塗りたくりながら、
ビクビクと身体を跳ね上げている御坂に意地悪く質問を続ける。


麦野「一つ応えるごとにどんどん気持ちよくなるよ?」

御坂「んっ……! ぁっ! ぁんっ! やっ……!」

麦野「ほらほら、いつしちゃったのー? んー?」


ぬるぬると円を描くように赤い蕾を焦らすかの如く刺激する。
その誘惑に耐えることが出来るはずもなく、御坂は顔を真っ赤にして唇を動かした。


御坂「き、昨日……!」

麦野「あらそうなのー。ふふーん、何考えながらしたの?」

御坂「ぁあんっ……! やっ! ら、らめっっ! そんなにしたら……!」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 02:59:07.39 ID:YCM4ZsUo<>
クチュクチュという水音をわざと御坂に聞こえるように鳴らして、麦野の蹂躙は続く。
足の指先をつりそうなほど反らしている御坂は、喉から声を絞り出すように応えた。


御坂「し、沈利さんに……! こ、こうされるのを想像してっ! んあぁぁっ!」

麦野「そう。アンタも期待してたんだ。ふふっ、エッチなのはいけないと思うわよー?」


その答えに麦野は満足げに微笑むと、御坂の入口からゆっくりと中指を侵入させていった。


御坂「ああぁぁっ!」


ズブズブと沈み込んでいく中指。
それを締め付けてくる御坂の狭い膣内は熱く、麦野は愛液のぬるりとした感触の気持ちよさにクラリと眩暈を起こした。
自分のものとも違う、他人の内部は、こんなにも温かく柔らかいのかと、情欲は際限なく麦野の脳髄を蕩けさせていく。


御坂「はぁ……ぅっ!」


少しだけ、御坂は顔をしかめた。
そこから先は初めての証。処女膜をはがし、貫く儀式の場所。
指一本で限界の膣内は、さらに狭くきつく麦野の指に食らいついてくる。


麦野「……いいよね、美琴」

御坂「ま、待って沈利さんっ!」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 03:00:56.39 ID:YCM4ZsUo<>
ギュッと麦野の腕に縋りついて不安げな視線を向けてくる御坂。
なだめるように口元に微笑みを滲ませ、麦野は小首を傾げる。


麦野「どした?」

御坂「い、痛くない?」


目尻に浮かんだ涙から、やはり初めてに対する恐怖心は少なからずあるようだ。
そんな様子を可愛いなと思いながら、麦野は額に軽く口づけてから自らの大きな胸元に
御坂の顔を抱え込むように押し付けた。


麦野「ちょっと痛いかもだけど、すぐ収まるから。辛いならやめてもいいけど……?」

御坂「だ、大丈夫……沈利さんに、初めてをあげたい……」

麦野「可愛いこと言うわ。好きよ、美琴」


麦野は中指に追従させるように薬指を秘所内へと侵入させる。
二本の指によって膣壁がこじ開けられ、ミチミチと奥へ奥へと突き進んでいく。


御坂「ぎっ……あぐっ……ぅぁああ……んぅ……!」


麦野の背中に爪を立てて痛みをこらえる御坂。
これだけきつければしっかり濡らしているとは言えかなり痛いだろう。
ギチリと御坂の処女をひきはがすように貫き、指が根元まで入ったことを確認して麦野は深く息を吐く。
今、御坂の処女を奪った。
麦野は背中に突き立てられる爪の痛みを心地よく感じながら御坂に囁きかける。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 03:02:02.76 ID:YCM4ZsUo<>
麦野「奥までいったよ……痛かったね。大丈夫?」

御坂「うん……なんとか……」


眉間にしわを寄せる御坂に麦野は口付ける。
痛みだけで初めての行為を終わらせてやりたくない。
ちゃんと最後まで、気持ちよくさせてやりたい。
ゆっくりと味わうように御坂の唇を啄ばみ、麦野は御坂の内部で熱く包まれている中指と薬指を巧みに動かし始めた。


御坂「んあっ……はぁ……ぁっ!」


甘い声が漏れ始める御坂。もともと潤滑油となる愛液で十分に溢れていたし、
あまり抜き差しをしなければ中の傷に触れても痛くはないだろう。
さらに麦野は親指の腹を御坂の赤い蕾に押し当てる。


御坂「ぁあっ! そ、それは……だめえっ!」


ビクンッと跳ねる体。
クニクニと優しく押しつぶすように円を描き蕾を刺激する。
同時に膣内で指動かし、腹側の壁を擦りあげてやると、御坂は口を開け放って嬌声をあげた。


御坂「ぅぁっ! ぁんっ……! ぁっ! ぁっ! ぁっ!」

麦野「チュッ……ンチュッ……チュプッ……」

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 03:03:30.95 ID:YCM4ZsUo<>
舌を絡ませ合い、右手で御坂の身体を奏でていく。
ピクピクと痙攣しはじめたその様子から、彼女の絶頂が近いこと知った。


御坂「沈利……さんっ! ぁんっ! あぁっ! わ、私もうっ……!」

麦野「うん、いいよ。イクときはちゃんとイクって言いなね」


グチュグチュという水音が室内に響く。
同時にガクガクと震える御坂の体。麦野はあくまで力を入れ過ぎず、絶妙な刺激で御坂の秘所を攻め続けた。


御坂「沈利さんっ! ああぁっ! イ、イっちゃう……っ!」

麦野「うん。美琴がイくとこ見ててあげるわ」


その言葉と同時に、麦野は赤く充血した蕾をぐっと押し潰し、膣壁に蠢く指を押し付けた。


御坂「んあああああッッ!!」


背中を反らし、麦野の腕に縋りつきながら御坂は痙攣と共に絶頂を迎えた。
ビクビクと痙攣して御坂はグッタリとソファにもたれかかる。
キュッと膣内で指を締め付けられ、麦野は満足げに笑って指を引き抜いた。
愛液でベトベトになっている指先にはわずかに赤い血液が付着している。


麦野「これで完全に、アンタは私のもんか……」


その愛液と血が混ざったものをペロリと掬い取るように舐めて、麦野は一人ごちる。
もう絶対に誰にも渡さないと言わんばかりに。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 03:04:42.31 ID:YCM4ZsUo<>
麦野「お疲れ様。大丈夫?」


上気した肌で大きく呼吸している御坂の姿を眺める。
汗で顔に張り付いた髪が煽情的だったが、意外とムラムラとした情欲は湧いてこない。
グッタリと疲れきっている御坂を見ているとゆっくり休ませてやりたいと思うからだろうか。


御坂「ハァ……ハァ……沈利……さん」


肩で息をしながら御坂が薄く目蓋を開いてこちらを見る。
その表情には満足げな笑みが浮かんでいた。


御坂「あんた…ハァ…上手過ぎ……ハァ」

麦野「そりゃどうも。女の身体だもん。私が気持ちいいとこはたぶんアンタも気持ちいいんじゃないかなって
    思ってやってただけよ」


もちろん女同士の性行為に経験などあるはずもないので、自分自身の身体をどのようにされた快楽が得られるかという
ことを念頭に置いてやっていた。
どうやらそれは御坂にも有効だったようで、腰が抜けて立てない程に感じてくれたようだ。


御坂「……沈利さんは……いいの?」


自分だけが絶頂を迎えてしまったことに後ろめたいものでもあるのか、御坂はチラチラと上目づかいで問いかけてくる。
逆に良くないと答えたら何をしてくれるのか興味はあったものの、彼女の乱れっぷりを見て満足したところもあるので、
麦野はやんわりと首を横に振って頭を撫でてやる。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 03:05:44.19 ID:YCM4ZsUo<>
麦野「私は大丈夫。アンタのイキ顔見れたしね」

御坂「うっ……だ、だって気持ちよかったんだから仕方ないでしょ……!」

麦野「冗談冗談」


御坂をなだめすかす麦野。
正直に言えば、まだ御坂に身体を舐めてもらったりするのは忍びないと思っているというのもあった。
だが御坂を満足させてやりたいという気持ちが強いも事実なので、それ以上麦野は何も言わない。


麦野「あ、ヤバ……」


少し沈黙が流れたので、麦野は何気なく今座っているソファを見る。
すると、あろうことか布張りの2人掛けソファには御坂の愛液で大きなシミができてしまっていた。


麦野「ねえこれ、アンタの能力で電気分解とかできない?」


焦ったように麦野。
別に弁償がどうとかそういうことではなく、ホテルの人間に女同士でセックスして愛液を零してしまいましたと告げるのが
恥ずかしくてたまらないからだ。


御坂「ええ? あっ、これは……」


自分の秘所から零れ出た愛液の量に、御坂は顔を真っ赤にして俯いた。
しかし、次の瞬間には麦野の手を取って苦笑いを浮かべる。

<> 18日後編
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 03:08:17.32 ID:YCM4ZsUo<>
御坂「ま、明日考えるわ。とりあえず、ベッドまで運んでくれない? 腰抜けちゃって立てないのよね……」

麦野「ビクンビクンなってたもんねー。よし、あとはベッドでいちゃいちゃしながら寝ましょ」

御坂「うん、シャワーはもう明日の朝でいいわ」

麦野「そうね。……って軽っ! アンタすごい軽い」


麦野は御坂を抱き上げると、驚愕を露わにして呟いた。
しかし、驚きの表情を浮かべているのは何も麦野だけではない。御坂もまた、驚いたように麦野を見上げていた。


御坂「沈利さん力強いわねー……」


華奢な御坂とは言え人一人を楽々細腕で抱えあげえているため、驚いている様子。
麦野は仕事柄ジムに通って身体をそこそこ鍛えているということと、生まれつきの体質から頑丈で力も強い。
ガタイを良くして女を捨てるのが死んでも嫌だった麦野は、パッと見は細身に映るので御坂の反応は当然と言えるだろう。


麦野「まあちょっとだけね。それより……美琴の処女奪っちゃった」

御坂「うん……しちゃったわね……」


麦野は御坂を見下ろしながら笑う。御坂も照れくさそうに笑みを零した
御坂にとって名実ともに初めての相手になれたのだ。
特に処女について思い入れの無い麦野も、なんとなく嬉しい気分になった。
そして


麦野「私以外を見ちゃ駄目よ? 良い子にしてたら、また気持ちいいことしてあげるからね」

御坂「うん……沈利さん、大好き!」


笑顔を向け合う二人。
互いの温もりがこんなにも心地いいものなのだと改めて再認識した夜となった。
女同士では埋まらないように思えた距離も、ほんの少しだけ縮まったような気がする。
御坂を好きになってよかったと、麦野は血の付着した指先をチラリと一瞥して考える。
そして麦野は、また一つ美琴から離れられない理由が出来てしまったなと思うのだった。

<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/07/31(土) 03:10:21.37 ID:YCM4ZsUo<>本日は以上です。
とうとう一線を超えてしまった二人とむぎのんのねちっこい愛撫でした。
フレンダと黒子に関してはこれで一応の決着となります。
彼女らがこの後どんな関係になるかはご想像にお任せするということで。
遅くまでお付き合いありがとうございます。
それではまた近いうちに。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 03:10:59.86 ID:tZ31qKAo<>超乙・・・
ああもうとりあえずもう一回読み返してくる・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 03:11:36.84 ID:yZYj6koo<>お疲れ様です

なんだろう、物凄く壮絶なものを見た気分
なんだか虚脱感というかなんというか………ふぅって感じ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 03:13:28.23 ID:.bvfK7Q0<>>>488
それが賢者だよブラザー

乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 03:13:54.31 ID:7fTKIcAO<>・・・ハッ! 理性がぶっ飛んでた。

もうあれだ。>>1様ばんざーい!大ばんざーい!!
すっかり眠気が覚めちまったし、顔が元に戻らねぇよw

ホントにGJでした!乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 03:14:52.85 ID:UNstwcDO<>乙
なんだこれは…凄すぎる。
麦のんにとって美琴はまさに「可愛すぎて生きてるのが辛い」んだな。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 03:26:42.25 ID:AcxT7Yg0<>乙
ウイスキーとワインにさきイカとはレベル高いな中高生ww とか、
フレンダいいから早くシャワー浴びてこいよww とか、
余裕のある黒子にドキッとしちまったぜ。とか、
色々とニヤニヤしてた前半。

後半?……ふぅ

いや、なんかもう寝れないんですけど!?どーしよう。
読み返せばいいんですか?読み返せばいいんですね?超読み返す!超乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 04:43:09.05 ID:DY5FeJE0<>なんちゅう・・・なんちゅうもんを読ませてくれたんや・・・
でも原子崩しさん・・・男じゃないからなんてそんな事で、自分を卑下することなんてないと思うんだぜ・・・好き合ってるならそんなの関係ねえ!ってかどうでもいいんだ、本当に・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/31(土) 04:55:51.03 ID:BV73zL6o<>                ___  _           
.         l\  /: : : : : : : : : : : : : : :`ヽ __    /\
         .|  〉// : : : : : : : : : : : : : : : : :l \ /   〉
         /|  // : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ  |7__   |
       /::ナ/: : : : : : : : : |: : : : : : : : :ヽ: : : : |  |\ヽ、.ナヽ
      // /::/: : : : |: : : ::ハ: : :仆: : : : : ヽ: : : :\l  \::ヽ_ゝ
     /: \/::/: : : :/ |/::/ |: : :| ヽ.:\: : ヽ: : : : :|:|_/: : ヽ
    /: : : :/: :l: : : //|: : / |: : :|  '、: : \ル: : : : |: : :|\: : : :}ヽ
    |: : : : {: :|: : ::/   l: :/  ヽ: :|  ヽ: ::/ |: : : : :|: : :|  |: : : |、::ヽ
.    |: : :从: !: :::/.   V    .N    V .|: : : : :|: : :|  |: : : | l: : l
     |: : :| v: : |   l||l       .l||l   |: : :/Vx: :|  |: : : | |: :|
     |: : :|  ヽ|_  l||l        l||l   レ'   }:::l  |: : :/. |: :|
     \::|   | ゝ//           О// _/\l ノ: ::/  l: :l
     lミ彡 /  ヽ 、 _ _ _l ̄ ヽ_ _ . ‐ ´      ミ三ミ/   レ
     \  \         久芥::卞、        〈  /:/
      _  丿       ,〈 | Vo .|、.>、        ゞ:し    
    //OO       .し |    |`ヽ_!
   〈 〈    ∩      7::T::T:Tヽ 
    \\ l二二二l    厶::::{::::L::!冫 
       ̄  (○) .       | ハ |
          ∪ oo      とノ r_ぅ 
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 05:23:59.16 ID:rDrz./oo<>もうどう言えばいいのか・・・・ふぅ

続きを待ってるよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 07:30:11.89 ID:nxBSyEI0<>乙!
なんか全部甘くて凄くてゴロゴロしたけど
特に美琴の「――――――私を、あなたのものにしてよ」が
麦のんに堕とされた時の台詞と対になってて超萌えた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 09:19:05.25 ID:43aeO4Q0<>ずっとニヤニヤしながら読んでる自分がすげぇキモかった。
>>1おつ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 09:48:27.15 ID:sVU7BzE0<>これは刺激が強すぎですね…
ドキドキしました
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 11:47:09.51 ID:US/WIKg0<>さっきこれ読んで居眠りしてたらすごい夢みた
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 12:16:38.32 ID:UvPBVsSO<>>>499

どんな夢をみたんだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 13:21:22.24 ID:feakfaM0<>>>496
そこで泣きそうになったわ。なんか重厚なストーリーが大きく動いた感じがして

>>499
で、どんな夢を見たんだ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 13:43:20.59 ID:7fTKIcAO<>>>497
俺もなんだぜいw
全員そうだろうけどな

>>498
俺はバクバクっていう表現の方が正しいかもしれんwww

>>499
おい、どんな夢を見たんだ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 13:47:18.20 ID:yZYj6koo<>ベビードール回の時に、ベビードールを着た美琴に電撃でアッーされる夢は見た<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 14:01:23.04 ID:p81WOQDO<>このスレのおかげで生きててよかったと思える。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 14:21:25.32 ID:UNstwcDO<>>>496
そこって美琴がようやく麦のんの歪んでいるようで真っ直ぐな愛情を受け入れたってことでいいのかな。

あと美琴が純粋性の象徴っての見てなるほどと思ったわ。
麦恋の時からそうだと思うけど>>1の書く美琴はなんか神々しいもんな。
暗部の泥の中から見上げる存在だからってことか。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 15:48:08.06 ID:Hrs./Woo<>最高や……
最高なんや……!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/31(土) 20:39:24.30 ID:ZNziN7Uo<>>>499
俺もさっき読んでる途中居眠りしたけど
何も覚えてねぇぞコラ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 00:21:55.61 ID:sNe8igDO<>ひょっとして俺たちは今すげー壮大なものを見てるんだろうかw
今さらながら麦琴なんてわけわからんジャンルでよくここまで書けるなw<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 00:56:03.27 ID:PWsiyzM0<>まだ終わらねえよな?な?な?な?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 07:23:25.35 ID:jF/xH0s0<>>>507
愛が足りないんだよ
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 11:08:56.92 ID:5NK86ks0<>覚えてられない程すごかったんだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/01(日) 20:01:00.67 ID:Y2GL4rY0<>麦琴も流石なんだけどさ、結局俺としては黒フレが気になるわけよ。
ああ、黒子とフレンダくっついて二人とも幸せになんねえかな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 20:58:15.99 ID:nBTq7I2o<>鯖缶移動か<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 21:31:58.76 ID:sNe8igDO<>しかしこれハッピーエンドになるのかな。
いまいち不安が消えないのは何故だろう。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 21:34:38.15 ID:ZB2MY4Mo<>まだ中学生なのに同性愛に目覚めちゃった時点でハッピーとは言えない
たぶん旅掛さんは死ぬ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 21:37:11.63 ID:nBTq7I2o<>学園都市なら同性の間で子供をつくる技術くらいあるはず<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 21:59:48.11 ID:JW4Ec560<>>>512
俺も黒フレ気になる。というかフレンダが。
麦恋といい>>1の書く道化フレンダは不憫過ぎて幸せを願わずにはいられない。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/01(日) 22:59:25.78 ID:VHd5HZA0<>ここんとこのペースだと今日は投下日のはず…!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 00:00:31.10 ID:PpyizwU0<>明日は平日だけど頑張るぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/02(月) 00:08:08.51 ID:l1UgHC60<>後30分で来るはず・・・っ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 00:38:48.64 ID:Jsf5QcAO<>>>520から30分経過したけど、今からさらに30分以内に来るはず…!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 00:41:11.57 ID:f3oY0d.o<>書き溜めが尽きそうってことは間隔が空くのかもしれん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 01:29:26.13 ID:8mW.KN20<>美琴の能力って麦のんとのプレイに超活用できそうですね。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 01:34:32.90 ID:.XgagDQ0<>>>516
数年以内に女同士でも子供ができるようになる
みたいな研究結果でてなかったっけ?
女一人でも だったかも<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 01:37:28.68 ID:dtNBwyMo<>こんばんは。
申し訳ありませんが今日の投下はありません。
理由としてはお察しの通り書き溜めが残り1話半ほどしかないためです。
とりあえず明日あたりに1話投下させていただきますが、その先は少々日が空くかと思われます。
と言っても残り4話程で完結となりますので、そこまで時間はかからないかと思いますが。
仮に次スレに突入することになりましたらおまけでも書ければと考えていますが、それはまた終わった時にでも。
遅くまで待ってくれていた方は申し訳ありません。
また明日お会いしましょう。

なお、ハッピーエンドかどうかという話が出ているようでしたが、
それはご覧になる人によって意見が分かれる終わり方になると思います。

>523
活用する予定ですのでお楽しみに。



<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 01:37:45.78 ID:ElUgDK.o<>自分の一人娘が遠く離れた地でレズになったらと思うと[ピーーー]るな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 01:43:25.53 ID:5I7dNUAO<>あと少しで終わるのか・・・泣けてくるぜ・・・うぅ

楽しみに待ってるんだから・・・!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 01:45:38.59 ID:Jsf5QcAO<>えっと、つまり


おまけ見たけりゃ埋めろということか?wwww<>
◆S83tyvVumI<>sage<>2010/08/02(月) 01:49:52.71 ID:dtNBwyMo<>>512
黒フレに関してはあれでほぼ終わりです。
フレンダは何か貧乏くじばっか引いてるなとちょっと可哀想ですが。

>528
いえいえ。書くかどうか全く決めていないのでむしろ無理に埋めないでくださいww
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 01:50:26.44 ID:b1PKtLMo<>>>524
メス×メスで子供をつくる技術は、マウスでならすでに実用化されている

>>525
電撃プレイに期待してるww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 01:52:25.29 ID:LPHnFbco<>そりゃ普通に埋まりそうだなww

それにしても美琴の電撃プレイ…ゴクリ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 01:58:30.12 ID:HRU19yA0<>文字通り「電気」あんまっていう
けっこうマニアックだけど…ww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 01:59:20.75 ID:QR0LiX20<>見る人によってハッピーエンドかどうか意見が分かれる終わり方って何だぁぁ!ヽ(´Д`;)ノ
投下が無いと分かっても、結局続きが気になって眠れない夜が続く訳よ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 02:26:21.41 ID:RWcksdMo<>うわああ いつかは終わるモンだけど
終わりがはっきり見えちゃうと寂しいなあああ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 03:23:33.87 ID:8mW.KN20<>電撃使うと麦のんMになっちまいそうだな。
過激でいきすぎたプレイに期待♪
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 03:46:17.72 ID:BzTvTfk0<>見る人によって変わるというと
やっぱり最後は暗部堕ちエンドなんだろうか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 07:40:04.81 ID:mfqVh2Mo<>愛の逃避行エンドで<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/02(月) 07:57:35.36 ID:l1UgHC60<>いやいや、暗部落ち(麦琴)+暗部抜け(黒フレ)だろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 08:14:20.61 ID:8NqeL.DO<>先読みやめろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 08:55:36.86 ID:PpyizwU0<>ってことは次スレまで持ってくとおまけがあるって事だよな?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 09:42:13.34 ID:h9NN6iUo<>そのプランがあったか…!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 19:16:20.84 ID:J8mw02AO<>>>540
まだわからんて言ってるじゃん

まだこのスレも半分なんだし、あと4話ってのがよほど長いとかないかぎりお前らが無駄なレスしなきゃ何かできるくらい残るんじゃね<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 22:39:07.53 ID:dtNBwyMo<>ごきげんよう。
今日で最後の書き溜め分を投下してしまいます。
ある意味最終話に向けての導入部分になるところです。
前にも申しましたが、深く考えて読むようなSSではありませんw
なんとなく百合っぽい勢いだけでここまで来ました。
なので過度の期待は肩透かしを食らう可能性がありますのでご注意をw
楽しんでいただけているようなら幸いですが。

では本日もしばしお付き合いください。<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 22:45:25.04 ID:dtNBwyMo<>19日目 (日曜日)


―第七学区大通り 12:00―


ワイワイ ガヤガヤ

スタスタスタ…


垣根「ふぁ〜あ……」

垣根(あー、暇だぜ……。モヤシ野郎でもからかって遊ぶかと思ったけど、
    あの野郎休日は家族サービスとか言って幼女に夢中でやんの) ケッ

垣根(女の家行ってもアホと会話すんの疲れるだけだしなー、無言で裸でケツ向けといてくれりゃいいのに、めんどくせえ。
    あー、何か面白そうなこと転がってねえかなー)

垣根「ん?」

御坂「……」

垣根(あれ確か超電磁砲だよな。ベンチに一人で座って何やってんだ?)

垣根(ふーん、こうして見るとなかなか可愛いじゃねえの。貧乳もたまには悪くねえな) 

垣根(なんてな。ガキにゃ興味ねえよ。っつか、沈利に手ぇ出すなって言われてるし、レベル5同士で揉めると後が面倒だ。
    もう沈利の時みたいにマンション追い出されたりすんのは勘弁だ)

御坂「……」 ファー

垣根(おーおー、欠伸なんてしちまって無防備だな。ほらほら、早速アホ面ぶら下げたナンパ野郎どもが来たぞ)

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 22:47:04.58 ID:dnPsnADO<>キター!
一方さんやら上条さんのカップリングひしめく中それらに真正面から全力で喧嘩売るかのようなSSだなw
<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 22:49:05.94 ID:dtNBwyMo<>
ゾロゾロ…


垣根(3人ぽっちとはな。くくっ、ばぁか、相手を誰だと思ってんだかな。あいつらこの街がどこだかわかってねえのかよ?
    相手の力量も推し量らねえうちに誰かれ構わず挑んでいいのは格上のいねえレベル5だけだぜ)

御坂「……」 バチバチッ!

垣根(さてさてさて、第三位は一般人相手にどこまで……ハッ!)

垣根(待てよ、ここで俺があいつを助けりゃ沈利の好感度が上がるんじゃねえか?)

垣根(別にヨリを戻したいわけじゃねえが目も見てくれねえし会う度にボロカスに罵られるのは俺でも結構凹むもんな。
    せめて恩を売っておくのも悪くねえな)

垣根(よし、悪く思うな超電磁砲。お前を踏み台にさせてもらう!)


ダッダッダッ


乱暴そうな男「へっへっへっ、お姉ちゃん。こっちは三人もいるんだぜ、大人しく着いてきた来た方が身の為だと思うよー?」

金髪の男「大丈夫だって、ちょっと俺たちと飯でも食べてくれりゃいいんだからよー」

ドレッドの男「ちょっと細過ぎるけど顔は可愛いな。たっぷり可愛がってやるぜぇ?」

御坂「そろそろ帰っといた方が身のためよ? 私なんかよりもっと怖い人が戻ってくるから」

乱暴そうな男「あァ? 何言ってんだコラ。テメェが女二人で歩いてるとこずっと見てたんだよ」

金髪の男「そうそう。だから君のお友達が戻ってくるまでこうして待ってるからねー」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 22:50:30.01 ID:dtNBwyMo<>
御坂「いやだから、そのお友達ってのが……」

ドレッドの男「ギャハハッ! まあ二人とも痛い目見ないうちに大人しくブるスコッ!」 ガッ


ズザァァァァァアアア! ドォンッ


御坂「ほーら、私もう知らな……ん?」

垣根「そこまでだ三下ども」 ガッ

御坂(だ、誰…………?)

ドレッドの男「……」 ピクピクッ

金髪の男「だ、誰だテメェは!」

乱暴そうな男「ちっ、男もいたのかよ! だがこっちは二人がかり、負けるはずがブグフォッ!」


ズシャァァァァァアアアアッッ!


垣根「俺の未元物質に常識は通用しねえ!」

金髪の男「な、なんだこいつ……! 何もしてねえのに人が吹っ飛んだ……!? 念動能力か!?」

垣根「そんなチンケなもんと一緒にするんじゃねえぜ。くらえ! 未元大炸裂弾(ダークエクスプロージョン)ッッッ!」

金髪の男「ぎゃぁぁぁぁぁああっ!」 ドーン


プスプスプス…

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 22:51:51.20 ID:dtNBwyMo<>
垣根「へっ、ここはテメェの知る場所じゃねえんだよ。大丈夫かい、君」 キリッ

御坂「……」

御坂(……ヤダ何この人。技名とか叫んでたしあんまり関わりたくないんだけど……一応お礼言っといたほうがいいのかしら)

垣根(あん? 外したか? ナンバーセブンみたいなノリでやっちまったのがまずかったのか?)

御坂「えと……なんだろ、危ないところを?」


ビシュゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッ! 


御坂(電子線!?)

垣根「うぉっ! っぶねー! 誰だ……ってまあ一人しかいねえか」

麦野「かぁぁぁきぃぃぃぃねぇぇぇぇっっっ! 誰に声かけてんのか分かってんのかしらゴミクズがぁぁッッ!」 ゴゴゴゴッ

御坂「し、沈利さん……」

御坂(完全に当てる気だったわよね今の……。ってどこかで見た顔だと思ったら沈利さんの元彼の……
    何のつもりで私に声かけてきたんだろ……)


ザワザワザワザワ… ナンダナンダ…? ノウリョクシャドウシノケンカ?


垣根「待て待て待て待て。衆人環視のこの状況で人の頭マジに吹き飛ばそうとするか普通」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 22:54:54.63 ID:dtNBwyMo<>
麦野「カァンケイねェェェんだよォォっ! 私に常識は通用死ねえェッ!」 バチバチッ

垣根「おいそれ俺の台詞。しかもより暴力的なアレンジ加えるな。っつか勘違いしてるぞ沈利。
    俺はこの子を助けようとしてだな……なあ、あんたからも説明してくれねえか? 
    沈利のやつ逆上せあがっちまってる」

御坂「え? あ、はい。あのー、沈利さん落ち着いて。この人の言ってること本当よ」

麦野「……美琴、アンタあれほどこのクズとは喋るなって言ったのに……」

御坂「いや、一言も会話してないけど」

御坂(一応お礼言おうとしたらあんたが電子線打ち込んできたからね)

麦野「え……本当?」

御坂「うん。だから落ち着きなさいよ」

麦野「……」 ジロッ

垣根「睨むな。超電磁砲の言うとおりだよ」

麦野「……分かった」

垣根「ふう。ったく相変わらず無茶苦茶しやがる」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 22:56:58.52 ID:dtNBwyMo<>
麦野「うるせえんだよゲロカス。テメェの顔1秒以上見てると虫唾が走るから苦しんで死ぬかのたうち回って死ぬかどっちかにしてよ」

垣根「怖え怖え。なあ知ってるか超電磁砲? こいつこんな口悪いけど、さっき俺がやったみたいに電子線に
    必殺技名つけてイキがってる可愛い時分もあったんだぜ?」

御坂「え、そうなの?」

麦野「な、ないわよそんなもん! 美琴、行くよ」 ガシッ

御坂「……う、うん」 

垣根「手なんか繋いでやんの。お前らやけに仲良いなぁ。ははーん、もしかしてデキてんのか?」 ニヤニヤ

麦野「あ……?」

垣根「ゲッ、冗談だ冗談。そんなマジな顔……」

御坂「っ……」 カァァ…

垣根「あン?」

麦野「テメェに関係ねえだろ……」 カァァッ

垣根「おいおい……。マ、マジか。なんつーかそりゃ……」

垣根(俺か? 俺の所為なのか? 俺の所為で沈利は男嫌いになって超電磁砲に手ぇ出す
    ロリコンビアン女になっちまったのか? さすがの俺も責任感じるぜ……)

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 22:59:03.16 ID:dtNBwyMo<>
麦野「いいよ。何とでも言えば。でもそういうことだから、もう私の前に現れるな死ね」

垣根「よし沈利……一ついいか」

麦野「あ? 死ね」

垣根「落ち着いて聴けよ。お前に一つだけ言わなくちゃいけねえことがある」

麦野「口くせぇんだよメルヘン野郎死ね。クソが腹の中から匂ってくるから一生喋んな死ね」

垣根「オーライオーライ。語尾に死ねを付けてくるとはなかなか斬新な萌え要素だな。
    だが俺は王道がいいと思うね。そんなこと言わずになあ頼む後生だ。教えてくれ」

麦野「……チッ……何よ」

垣根「女同士ってどうやってヤるんだ?」

麦野「ブチ殺すっ!!!!」 キィィィィン

垣根「おーけーおーけー。今のは無しだ。ま、あれだ。こう言っちゃなんだがテメェらお似合いだよ」

麦野「……言いたいことはそれだけ? じゃあ死ねよ」

垣根「へっ、やなこった。じゃあな超電磁砲。こいつ短気でめんどくせえだろうけど気長に付き合ってやってくれよ。
    それじゃーな」 

御坂「っ…………」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:01:21.19 ID:dtNBwyMo<>

スタスタスタ…


垣根(あー……まさかあんな面白ぇことになってるとはな。
    あの時目と目で会話してたのはやっぱ見間違いじゃなかったってわけだ)

垣根(っつか距離縮め過ぎだろ。大事にしろとは言ったけど付き合えなんて言ってねえぞ)

垣根(まいいか、距離感間違えんじゃねえぞ沈利。テメェは不器用過ぎる女だからな)

垣根(……俺もそろそろあいつのことは忘れるか)

垣根(っつか結局、あいつらどうやってヤッてんだろうなぁ。それだけは知りたかったが、無理か。残念だ) ポリポリ

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:04:00.84 ID:dtNBwyMo<>
―12:20―


麦野「ったく、何だったのよあいつ……」

御坂「ムカつく」

麦野「まったくだわ。けどあんなゴミにムカついてても疲れるだけだから気にしちゃ……って、え?」

御坂「ムカつくっ! 何よあの態度! 自分は沈利さんのこと何でも知ってるんだーって言い草!」

麦野「み、美琴……?」

御坂「沈利さんは今私の沈利さんなんだから! 短気なとこもイキがっちゃう可愛いとこも全部全部私のもんなのよ!
    それを何なのアレ! 気長に付き合ってくれなんて保護者気取りで!」

麦野「ま、まあまあ落ち着きなさいよ」 アセッ

御坂「あーもうっ腹立つー! あんたに言われなくたって沈利さんとはずっとずっと一緒なんだから!」

麦野「美琴ありがと。でも声。めっちゃ目立ってんだけど」

御坂「へ?」


ザワザワザワ… ヒソヒソヒソ… サイキンウワサガ… レールガントメルトダウナーガ… ヒソヒソヒソ…


御坂「あわわ……ま、またやっちゃった!」

麦野「っとにばかなんだから。けど今回はお金下ろしに行っててアンタを放置した私にも原因があるか。
    とりあえずここを離れましょ」 ギュッ

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 23:04:22.05 ID:PpyizwU0<>来てたのか‼ていとくgj<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:05:06.17 ID:dtNBwyMo<>
スタスタスタ…


御坂「なんか自然に手繋ぐようになったわね、私達」 ギュッ

麦野「ぅ……」

御坂「あれー? 照れてるのー?」

麦野「照れてねえよ!」

御坂「ふふん、沈利さんはほんとに可愛いわねー」 ギュゥッ

麦野「……ちょっと嬉しかったのよ」

御坂「何が?」

麦野「私とずっと一緒にいるって言ってくれて」

御坂「あ、いやそれは……はは、ちょっとくさかったって言うか、子供っぽかったかしらねー」

麦野「ううん。……嬉しい」

御坂「そう。……沈利さん、どうかしたの?」

麦野「……」

御坂「話してよ。じゃないと分からないわよ?」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:07:22.28 ID:dtNBwyMo<>
麦野「うん……。美琴……私、アンタを抱いてちょっと後悔してるんだ」

御坂「……え?」

御坂(どういうこと……? それって私とエッチしたくなかったってこと……?
    沈利さんに指でしてもらったの……嫌だったのかな……)

麦野「私、もうアンタがいないと駄目だ」

御坂「……?」

麦野「アンタを抱いて。アンタの感触や匂いや味が、私の身体に染みついてしまったのよ。
    ……それが、ちょっと悔しい」

御坂「あ……」

御坂(そ、そういうことか……。てっきり嫌だったもんだと……)

御坂「い、いいじゃないのそんなの! 沈利さんがしてくれて嬉しかったし!
    というか……あんな気持ちいいの初めてだったし……」

麦野「……どこにも行っちゃ嫌よ、美琴」 ギュッ

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:08:30.33 ID:dtNBwyMo<>
御坂「ちょっ、道の真ん中……!」

麦野「お願い美琴。さっき、垣根と話してるアンタを見てすごく不安になったの。
    ……私を不安にさせないでね……」

麦野(駄目だな私……こいつと一線越えちゃったもんだから、ますますハマっていってる……もう行くとこまで行っちゃうか?
    駄目駄目。こいつにしてもらったら……きっと一生抜け出せなさそうだ……)

御坂「ええ。何を不安に思ってるのかは分からないけど、私はあんたのもんなんだから、心配しなくていいわよ」

麦野「ありがと。ねえ、今日もしてあげよっか?」

御坂「い、いいわよ! 今日は沈利さんと買い物しに来たんだし」

麦野「そりゃ残念。アンタ見てたらすぐムラッときちゃうのよねー」

御坂「男子中学生かあんたは。知らないけど」

麦野「つまんないの。っつか、今日何買うんだっけ?」

御坂「えと、下着」

麦野「ほほー、それはそれは」 ニヤニヤ

御坂「な、何よその顔!」

麦野「べっつにー。私の好みのもんを買ってくれるのかなーって」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:09:46.86 ID:dtNBwyMo<>
御坂「エロくないやつならね」

麦野「ちっ。清純なのもそれはそれでそそるからいいけど」

御坂「あんたの頭はエロばっかなのね」

麦野「エロばっかなんじゃなくてアンタばっかなのよ」

御坂「うっ……そ、それは反則でしょ!」

麦野「反則なんて無い。アンタを最大限可愛がることが今の私の趣味なの」

御坂「喜んでいいのかしらそれ」

麦野「害は無いからいいんじゃない?」

御坂「そ、そっか」

麦野「んで、どこの下着屋行くの?」

御坂「あ、うん。すぐそこ」

麦野「よし、それじゃパパッと選んでお昼でも食べよ」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:12:12.23 ID:dtNBwyMo<>
―第七学区 ランジェリーショップ『ミーシャ』 12:30―


ワイワイワイ ガヤガヤガヤ


麦野「美琴、これはどう? 切り返しが可愛いと思うんだけど」

御坂「えー? 真っ赤な下着はちょっとねー……そんなの私似合わないわよ」

麦野「そうかしら。じゃあこっちは?」

御坂「どれ? うーん、これサイズ大きいかも。パット入れれば何とか……」

麦野「ちなみに下着もフリフリな奴がお好み?」

御坂「う、うるさいわね、いいでしょ。どうせパステルカラーばっかりよ!」

麦野「そういうのって脱がせた時は逆に興奮するから今度穿いてきてよね」

御坂「もうよくわかんない……」

麦野「あ、私これ好きかも。純白。レースとリボンが程良いフリフリ加減だし。アンタに似合いそうだよ?」

御坂「んー……」

御坂(確かに可愛いな……でもパンツは結構透けてるわねえ……これはどうなのかしら)

??「あ、私もそれ好きよー。けど美琴ちゃんにはもうちょっと活発な色の方が似合うかなーん、黄色とか」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 23:12:12.21 ID:qIbZZO.0<>ていとくんが悪役なのかと思ってたけど普通にいいやつだった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 23:14:50.82 ID:R0P6cKUo<>まさかの親バレ!?<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:15:35.26 ID:dtNBwyMo<>
麦野「一理あるわね。黄色だとこっちにストライプが……」

御坂「あ、ストライプよりボーダーの方が私は……」

麦野御坂「「ん?」」

??「こういうさわやかなのはどうかしら。ミントグリーンで清潔感あると思わない?」

御坂「ちょっと! あんた何でここにいるのよ……!」

??「やほ。大学の用事で学園都市に来たのよん。用が終わってこの辺歩いてたらお店の中に美琴ちゃん見つけたから」

御坂「来るなら来るって言いなさいよね。ビックリするじゃない」

??「ごめんねー。昨日急に教授に言われちゃったのよー。しかも約束の資料が準備出来てないとかで10日も延期よ?
   私ってば完全に無駄足。仕方ないから美琴ちゃんに電話してご飯でも食べようと思ってた所を発見したってわけなの」

御坂「そりゃ災難だったわね、ってそうじゃなくて! 急に何なのよもう」

麦野「ねえ美琴、知り合い?」

御坂「えーっと……知り合いというか……」

麦野(美琴をそのまま縦に伸ばして胸を大きくしたような人ね。年は20代後半くらいかしら……?
    大学って言ってたし美琴の姉妹とか?)

麦野(こいつ姉妹なんていたのか。まあ仮にも恋人の身内だしちゃんと挨拶を……)

??「美琴のお友達? はじめまして。私は御坂美鈴。美琴の母です」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 23:16:37.80 ID:PpyizwU0<>急転回<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:17:49.43 ID:dtNBwyMo<>
麦野「あ、私は……って、は?」

御坂「この人私の母さんなの」

麦野「は? だって……え? どう見ても20代……えっ?」

御坂「沈利さん、一旦落ち着きましょう」

美鈴「嬉しいわねー。これでもとっくに三十路よん」

麦野(母親かよ……。何だこの若々しさは……腹立つな)

御坂「急に出てくるからびっくりしてじゃないのよ」

美鈴「えー。だって美琴ちゃんを驚かせようと思ったんだもん。
    それより紹介してよ、美琴の学校の子? それにしては大人っぽいわね」

麦野「ぐっ……!」

御坂「ちょっ! それは禁句っ!」

美鈴「え、何かおかしいこと言った?」

麦野「……」

御坂「し、沈利さん……悪気は無いの。怒らずに……」

麦野「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。はじめまして、お母様。麦野沈利と申します。
    美琴さんとは年が3つ離れていますが、いつもとても仲良くさせて頂いております」 キラキラキラ

御坂(誰よあんた……)

<> あ、4つ差だったスマソ
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:20:17.04 ID:dtNBwyMo<>
美鈴「やーねー。お母様なんてむずむずするわー。美鈴さんって呼んでね、麦ちゃん」

麦野「麦っ……!?」

御坂「ぷっ……」 クスッ

麦野「……」 ジロッ

御坂「ちょ、か、母さん。麦ちゃんはさすがにちょっと」 ハラハラ

美鈴「そう? 可愛いけど。しずちゃんの方がいい?」

御坂「それじゃ国民的アニメのヒロインみたいでしょうが。沈利さんは私の先輩なんだからあんまり失礼なことは」

美鈴「うるせぇ! 私が麦ちゃんって呼びたいのよーん。駄目? 麦ちゃん?」

麦野「うっ……い、いえ私は別に構わないですけど」 ドキッ

美鈴「よっしゃー! 見たか美琴ちゃん。押しの強さってのは大事なのよ!」

御坂「あーはいはい。沈利さんが文句無いなら私から言うことはないわよ」

麦野(間違いなく親子だわ……不覚にもこいつの母親にドキッとしてしまうなんて……) ドキドキドキ…

美鈴「それよりご飯食べた? まだだったら一緒にどう? もちろんママが御馳走したげるわよん」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:22:11.47 ID:dtNBwyMo<>
御坂「まだだけど……どうする、沈利さん?」

麦野「あ、それなら私は帰ります。たまにしか会えないんだし、親子水入らずでどうぞ」

美鈴「えー。私は麦ちゃんとも食べたいなー。美人の女の子をはべらして優越感に浸りたいのー」

麦野(酔ってんのか……? まいいか、美琴の家族なら)

麦野「分かりました。ご一緒させていただきますね」

美鈴「うんうん。素直でよろしい。麦ちゃんは可愛いね。ほら、アレよ。えーっと……ツ……ツン……ツンドラ?」

麦野「誰がツンドラだ!……ハッ! す、すみません思わず……」

麦野(美琴そっくりだからついツッコんでしまう……)

美鈴「そんなに気遣わなくていいって。美琴ちゃんだって私に友達感覚なんだから、君ももっと適当でいいのよ」

御坂「このバカ母! あんまり沈利さんに迷惑かけないでよね」

美鈴「何よぅ。娘のお友達と仲良くなりたいっていう母心じゃないのよぅ。
    見てろよー。今日一日で麦ちゃんと仲良くなってやるんだからー!」

麦野(ぐいぐい来るな……。悪い気はしないけど)

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:23:21.76 ID:dtNBwyMo<>
美鈴「さてと。ここで喋っててもお店の迷惑だし、美琴ちゃん下着試着するならしてらっしゃい」

御坂「あ、そだ。買い物の途中だったのよね」

美鈴「すいませーん、お姉さーん。これ試着したいんですけどー」

店員「はーい。こちらへどうぞー」

美鈴「ありがとう。じゃ美琴ちゃん、ちゃちゃっと合わせてきなさい」

御坂「うん。ごめんね沈利さん、ちょっと待っててね」

麦野「ええ」


スタスタスタ シャッ 


麦野「……」

美鈴「〜♪」

麦野「……」

美鈴「〜♪」

麦野(気まずい……。何を話せばいいのかしら……。
    さすがに美琴の親に女同士で付き合ってるなんて言えるわけないし……)

美鈴「麦ちゃんおっぱい大きいわねー。触ってもいい?」 ムニュッ

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:24:53.16 ID:dtNBwyMo<>
麦野「うひゃっ! な、何してんのよ!?」 

美鈴「ごめんごめん。美琴ちゃんがぺったんこだから。張りがあって羨ましいぞー」 ムニムニ

御坂「誰がぺったんこよ! 沈利さん困らせてんじゃないわよ!」 シャー!

美鈴「あら、聞こえてたか」 クスクス

麦野「仲良いんですね」

美鈴「そうかな? まあたまにしか会えないからねー。麦ちゃんのご両親は?」

麦野「私は……あまり家族仲が良い方では無いので。学園都市に来てから10年以上経ちますけど、
    数えるくらいしか会ってないし連絡もとってないです」

美鈴「そうなの。たまには帰ってあげると喜ぶと思うわよー?」

麦野「……ま、そのうちに。今は学園都市で色々とやることがあって忙しいですし」

美鈴「麦ちゃんって大人っぽいねー。君みたいな子が美琴ちゃんと仲良くしてくれてると、母親としては安心よね」

麦野(仲良くってもんじゃないけど……)

美鈴「あの子麦ちゃんに迷惑かけたりしてない? すっげー生意気でしょ?」

麦野「ええ、前はそうでしたけど、最近は結構素直ですし、可愛いですよ」

美鈴「うん、麦ちゃんって何となく美琴ちゃんと似てるとこあるわよね」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 23:25:56.80 ID:kLK6VYAO<>ムギちゃんむぎゅぅぅぅ<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:26:52.50 ID:dtNBwyMo<>
麦野「はぁ? どこがですか」

美鈴「ツンドラっぽいところとか」 ククッ

麦野「それはもういいっつの。美鈴さんこそ、美琴そっくりですよ」

美鈴「そりゃ親子だもん当たり前でしょ。でも美琴ちゃんあの性格じゃ彼氏はなかなか出来ないだろうなー。
    好きな子にいじわるしちゃったりツンケンしちゃうタイプだもんねー」

麦野「そ、そうね……」

麦野(彼女はいるけどね)


コソッ


御坂「ねえねえ沈利さん、まず黄色着けてみたんだけどどうかな……?」 ヒョコッ

麦野「どれどれ……。ちょっと入るね。ん、もうちょいカップに沿って脇から肉を……よいしょ」

御坂「んっ、おお! 盛りっとなったわ!」

麦野「ね。うん、可愛い可愛い」

御坂「じゃあこれは買いで。次は白着るねー」

麦野「はいはい。また終わったら呼んで」


シャッ

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:28:58.98 ID:dtNBwyMo<>
美鈴「ふぅん」 ニヤニヤ

麦野「なんですか?」

美鈴「麦ちゃんはそれだけ美人でおっぱいも大きいし、おまけに面倒見もよさそうだからモテるでしょー。
    彼氏いないのー? んー? 私にも教えてよー、このこのー」 ニヤニヤ

麦野「いません」 キッパリ

美鈴「ちぇー、若い子の恋の話聞きたかったのに」

麦野「美鈴さんは……」

美鈴「んー? なになにー?」

麦野「美琴に恋人がいたら、どう思いますか……?」

美鈴「そりゃ嬉しいわよぅ。あの子にとって大事な人なら、私にとっても大事な人だからね」

麦野「そうなんだ……」

美鈴「あーでもちょっと寂しい気持ちもあるかなー。もうママは娘にとっての一番じゃないのねーって感じ?」

麦野「今までは一番だったのかしらね」

美鈴「グサッ! 刺さる! 刺さるわよ麦ちゃん! 麦ちゃん時々きついこと言うわね」

麦野「そんなことないです。フツーですよ」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 23:29:29.06 ID:WLxlbwDO<>なにこのハルヒ<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:30:39.91 ID:dtNBwyMo<>
美鈴「あ、そうだ。麦ちゃん電話番号とアドレス教えてくんない?」

麦野「は?」

美鈴「美琴ちゃんともしてるんでしょー。私ともしようよー」 スリスリ

麦野「は、はあ……」

美鈴「ほらほら、携帯出して。赤外線で送るわね」

麦野(まいっか。美琴のこと訊くこともあるかもしれないし……) カチャッ

美鈴「はいこれ私の番号とアドレスね。よっしゃー、若くてピチピチした女の子のアドレスゲットだぜ!」

麦野(私あいつとアドレス交換した時結構緊張したんだけどな……。普通はこんなあっけないもんよね)

美鈴「君は『友達』のカテゴリに登録しておくからね。メール送るわね、麦ちゃん」

麦野「ええ。気が向いたら返してあげますね」

美鈴「ああん、麦ちゃんのいけずー。でもそういうとこ可愛いぞー」 ツンツン

麦野「ほっぺ突かないでくれます?」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 23:31:10.54 ID:5I7dNUAO<>麦ちゃんか・・・

























なんか知らんが、Mr.2を思い出してしまったwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 23:32:27.70 ID:R0P6cKUo<>>美鈴「美琴ちゃんともしてるんでしょー。私ともしようよー」 スリスリ
これでエロいこと考えてしまったもうダメだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 23:32:32.49 ID:1tNfjLQo<>美鈴の方が麦野のより年下みたいな会話だなww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 23:33:29.10 ID:PpyizwU0<>>>575
俺もドキっとした<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:33:49.44 ID:dtNBwyMo<>
コソッ


御坂「沈利さん、白はちょっとサイズ大きかった。ミントグリーン着けてみたけどどう?」

麦野「どれ。これもピッタリね。色も似合ってるし、いいんじゃない?」

御坂「じゃあこれも買うね」

美鈴「どれどれー? 私にも見せてよー。あら、美琴ちゃんちょっとおっぱい大きくなったわね。
    よかったじゃない」

御坂「ま、まあね」

美鈴「ん? 美琴ちゃん、ここ虫刺されてるわよ」

麦野「!」

御坂「!」

美鈴「内出血してるみたいね。ひっかいたのかしら。
    しっかり薬でも塗っとかないと、これじゃまるでキスマークみたいよーん」 ケラケラ

御坂「そ、そそそそんな訳ないじゃないのー! 虫刺されに決まってるでしょ!」

美鈴「? 何慌ててんだか。逆にあやしーぞー?」 ニヤニヤ

御坂「ば、馬鹿なこと言ってんじゃないわよ! ほら着替えるんだからそこどいて!」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 23:35:23.79 ID:sidp/mMo<>>>574
お前のせいで脳内CVが矢尾一樹だ
どうしてくれるwwwwwwwwwwwwww<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:36:24.27 ID:dtNBwyMo<>
美鈴「ふふーん、ま、美琴ちゃんにはまだ早いわね。そういや例の彼とはどうなったのかなーん?」 ニヤニヤ

麦野「っ……!」

御坂「っ……!」

美鈴「あ、あれ……?」

御坂「……」

麦野「……」

美鈴「えーっと……私何か訊いちゃいけないこと訊いちゃったかしら」

御坂「……あいつのことはもういいの」

美鈴「そ、そう? ご、ごめんね」

御坂「べっつにー。気にしてないわよ」 シャッ!

美鈴「あっ……」

麦野(あの男のこと知ってたのか……。ま、これは仕方ないな)

美鈴「あ、あはは……なんかまずいこと訊いたかしら」

麦野「ちょっとだけ」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:38:33.03 ID:dtNBwyMo<>
美鈴「久しぶりに美琴ちゃんに会って嬉しくて調子に乗っちゃったみたいだわ。反省反省」

麦野「美琴も嬉しそうですけど」

美鈴「ほんと? 第三者の視点からそう言われると嬉しいわねー」

麦野「学園都市にはいつまで? 10日後に延期っておっしゃってましたけど」

美鈴「日帰りの申請しか出て無いから今日中には帰らないといけないの」

麦野「なかなかゆっくり会えないのね」

美鈴「そーなのよねー。まあでも年末は帰省してくれるだろうし、元気でやってくれてるみたいだからいいのよ。
    麦ちゃん達が仲良くしてくれているおかげね」

麦野「いや私は……。仲良くなったのはここ1カ月程だし」

美鈴「そう? 麦ちゃんと話してる時の美琴ちゃんはリラックスしてるっぽいわよ。
    麦ちゃんのことよっぽど信頼してるのね」

麦野「……そ、そんなこと……」

麦野(やだ……ちょっと嬉しいじゃないの……)    

美鈴「これからもうちの娘をよろしくお願いします。麦ちゃんも年末年始時間があれば美琴ちゃんと一緒に遊びに来てね。
    こんな可愛い女の子が来てくれたら旦那も大喜びだわぁ。くそっ、若さが忌々しいっ!」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:41:33.93 ID:dtNBwyMo<>
麦野「あーそーですかー。……ご迷惑じゃなければ」

美鈴「迷惑なわけないでしょ。遠慮しないでおいで。ほら、美琴も思春期でしょ。家族と過ごすよりお友達と
    一緒にいるほうがきっと楽しいだろうし。私も麦ちゃんとお風呂に入りたい」

麦野「ごく個人的な欲望が混じってるわよ」

美鈴「だって麦ちゃんの胸絶対私くらいあるでしょ! なのに若さの所為で張りがあるのよ!
    悔しいから若いエキスを吸い取ってやろうと思うわけ!」

麦野「美鈴さんも十分お若く見えますけどね」

美鈴「ふっ、老いは女の永遠の敵なのよ」

麦野「それは同感……。私も仲間内からしょっちゅうババァ呼ばわりされて……」 トオイメ…

美鈴「麦ちゃんがババァだったら私は一体何なんだコラー! っと冗談はさておき、マジメな話髪型とお化粧とで
    大分変わると思うわよん」

麦野「いやそれは分かるけど今更大きく変えると周りに何言われるか」

美鈴「駄目駄目。そういう停滞こそが衰えの元よ! 麦ちゃん確かに大人っぽいとこすごく魅力的だけど、
    まだまだピチピチの十代なんだし、そもそも骨格がもう超美形なんだからそんなにしっかり髪巻いたり
    がっつり化粧しなくても全然いけるんじゃない? そういうのは二十代中盤からでも余裕で出来るわよ」

麦野「あー、そういや美琴にもスッピンの方が可愛いとか言われたような……」

美鈴「何ぃっ! それは見たい! やっぱり年末はうちに来なさい! そしてスッピンを見せろ!」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:44:33.10 ID:dtNBwyMo<>
麦野「考えときます」

美鈴「絶対よ! もう美鈴さん張りきってご馳走作って待ってるからね!」

御坂「ったく盛り上がってるから何話してるかと思えば、あんまり無理強いしないでよねー。
    若い子と仲良くするのも美容に良いとか思ってんでしょうけど、傍から見てるとちょっと痛いわよー」 シャッ

美鈴「なにぃっ! 美琴ちゃんはいつからママにそんな口を利くようになったんだ!
    あんまりナマ言ってると昔の面白エピソード麦ちゃんに赤裸々に語っちゃうわよーん?」

御坂「な、何よ面白エピソードって! ふざけんじゃないわよ!」

麦野「それ是非詳しく訊きたいから早く食事に行きましょう」

御坂「ちょっ! 沈利さん、何興味示してんのよ!」

美鈴「そーかそーか。麦ちゃんにだけ特別に教えてあげましょう。ほら美琴、それ買うんでしょ? 
    せっかくだし私が支払いしたげる」

御坂「いいわよそんなの。お金ならあるし」

美鈴「まー可愛くない。聴いた麦ちゃん? 娘がせっかくの母の好意を金ならあるからいらねえって切り捨てやがったわよ。
    これだからガキんちょに大金持たせるとロクなことにならないのよねー。はぁ悲しい悲しい」

麦野「美琴ちゃんてばサイッテーね」 ボウヨミー

御坂「な、何で沈利さんはそっち側なのよ!」

麦野「なぜならその方が面白いから。そして困ってるアンタを見たいから」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:46:37.13 ID:dtNBwyMo<>
御坂「ぐぐっ、わ、わかったわよ。じゃこれお願いね」

美鈴「よし。それじゃちょっと待っててねー。そこの美人の店員さーん、これくださーい! 
    娘の勝負下着なんですー!」 スタスタスタ

御坂「あンのバカ母ぁっ! ……ご、ごめんね沈利さん。うるさかったでしょ」

麦野「超苦手なタイプだわ。でも嫌いじゃないよ。アンタのお母さんだもん。っつか似過ぎ」

御坂「そうかしら。……ってかそれより、私達のこと話さない方がいいわよね?」

麦野「さすがにちょっとねー……。まあ今回はやめときましょ。また機を見てからでも遅くないわ」

御坂「うん、うかつに話すとめちゃくちゃ興味津々な顔で色々訊いてきそうだもんね……」

麦野「想像できる……反対されなさそうではあるけど……めんどくせぇ」

美鈴「なになにー、何の話ー? 美鈴さんもまぜてよー」 ガシッ

御坂「ぎゃっ! び、びっくりさせないでよ!」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:47:43.54 ID:dtNBwyMo<>
美鈴「何がー?」

御坂「何でもない!」

美鈴「? まいいわ。それよりはいこれ」 スッ

御坂「ありがと……何か母さんと買い物なんて久しぶりね」

美鈴「そうね。またゆっくり行きましょ。さ、ご飯ご飯。何食べたーい?」

御坂「何でもいい」

麦野「お任せします」

美鈴「何よぅ、張り合いないぞー。じゃあっちにダイニングレストランあったからそこ行きましょう」

御坂「はーい」

麦野(ん? 何だ、なんか嫌な予感が……)

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:49:16.68 ID:dtNBwyMo<>
―ダイニングバー『ナイトリーダー』 13:30―


ワイワイガヤガヤ


美鈴「さ、麦ちゃん、美琴ちゃん。好きなもの何でも頼んでね。はいメニュー」 スッ

麦野「どうも」 スッ

御坂「ってちょっと! どこがダイニングレストランなのよ! バーって書いてあんじゃないの!」

美鈴「細かいことはいいの。こっちは神奈川くんだりからわざわざ長時間かけて来たのにとんぼ帰りさせられるのよ。
    飲まなきゃやってらんないっての」

麦野(中学生の娘とその友達の前で飲むか普通……)

御坂「ったくもう! ……あ、でも普通のランチもあるんだ」

美鈴「当たり前でしょ。ご飯食べに来たんだから。よし、まずはやっぱ生中よね」

御坂「セリフたった1行の中で矛盾しないでくれる? ねー沈利さん」

麦野(私は何にしよう。生中もいいけどレモンサワーとかさっぱりしたのも飲みたいわね……)

御坂「ストーップ! あんたお酒のメニュー普通に見てんじゃないわよ!」

麦野「あっ。悪い、酒の種類多いとつい目線がいっちゃうのよね」

美鈴「麦ちゃんいけるクチねー。飲んでもいいわよー」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:52:15.87 ID:dtNBwyMo<>
御坂「未成年に勧めるなバカ母。 大きな声じゃ言わないけど……」

美鈴「18つったら大学生ならみんなバカみたいに飲んでるじゃない。
    あんま褒められたことじゃないけど、まあ麦ちゃんその様子だとお酒飲み慣れてそうだし、
    とやかく言わなくたって大丈夫でしょ。あ、もちろん中学生の美琴ちゃんはジュースよん」

御坂「分かってるわよ。飲めって言われても飲まないっての」

麦野「悪いわね」

御坂「んで結局あんたも飲むんかい」

麦野(正直酒でも入れないとこの母のテンションには着いていけねぇんだよ)

美鈴「ご飯はどうする? 私はこのヘルシーランチセットにしよっと」

御坂「昼間っからビール飲んでる人がヘルシーとか付けんなっての」

麦野「私は五穀米ランチセット」

御坂「だからなんなのあんたらのその健康志向。ダイエットコーラ飲んだって痩せるわけじゃないのよ」

麦野「ごちゃごちゃうっさいわねー。アンタはどうすんの?」

御坂「私も沈利さんと同じものにする」

麦野「散々文句言ってそれか」

美鈴「よし決まりね。すいませーん! 注文いいですかー」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:53:54.78 ID:dtNBwyMo<>
店員「お待たせいたしました」

美鈴「ヘルシーランチセット1つと、五穀米ランチセットが2つ。あとは生中と……麦ちゃんは?」

麦野「レモンサワーで」

御坂「私はウーロン茶」

店員「かしこまりました。少々お待ち下さい」 ペコッ

美鈴「にしても二人ほんと仲良いわね。どこで知り合ったのー?」

御坂「んーっと、沈利さんは私と同じレベル5なのよ。その縁で色々あって……」

麦野(まあ殺し合ったなんて言えないわよね)

美鈴「へー、麦ちゃんも超能力者ってやつなのね。どんな能力なの?」

御坂「原子崩しって言って、えっと……電子を粒子と波形の中間の曖昧な状態に固定して操る……だったかしら」

美鈴「? つまりどうなるの?」

麦野「簡単に言えばどんな遮蔽物もお構いなしに貫く電子線になるのよ」

美鈴「なるほど、すごーいビームね」

麦野「……それでいいわ」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:56:58.95 ID:dtNBwyMo<>
美鈴「でもそんなのどこで使うの? 人に向けて撃てないでしょ」

麦野「もちろん。そんな危ないこと出来るわけがないです」 シレッ

御坂「!?」 

美鈴「そうよねー。レベル5って言うとやっぱりかなり凄い能力なのよね?」

御坂「そ、そりゃすごいわよ。壁なんか紙みたいに穴開くんだから」

麦野「使い道としては工業分野が主ですね。モノの加工に関する研究に応用できます」

美鈴「案外便利なのね。痴漢とかに襲われても大丈夫そうだし」

御坂「ある意味痴漢がもっとも襲ってはいけない相手よね……」

美鈴「女の子の一人暮らしって物騒だもんね。気を付けないと駄目よ」

麦野「ご心配ありがとうございます。でも大丈夫ですよ」

御坂(私が痴漢だったら沈利さんの半径1キロ以内には近寄らないわ)

店員「お待たせいたしましたー。お先にお飲みものをお持ちしました」 ゴトッゴトッ

美鈴「どうもー。それじゃまあ乾杯しましょう」

麦野(ここ最近よく酒飲んでるな。好きだからいいけど)

美鈴「それじゃ、麦ちゃんと私達親子の出会いかんぱーい!」

御坂「なんじゃそら……」 カランッ

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/02(月) 23:59:11.39 ID:dtNBwyMo<>
―店前 16:30―


美鈴「うへぇ〜い、いい気持ち〜」 フラフラ

御坂「ちょっとしっかりしなさいよ……! 調子に乗って飲みまくるから……!」

美鈴「だってー。可愛い子を二人も連れてお酒飲めるんだもーん。嬉しいに決まってるじゃなーい」

麦野「おっさんか……私もちょっと飲み過ぎたわ……」

美鈴「こらこらー、私人妻よーん。おばさん酔わせて何するつもりかなーん? 麦ちゃーん」

麦野(うぜぇ……酔い方まで親子そっくりじゃない)

御坂「ったく二人して私の小さいころの話で盛り上がってんじゃないわよ。こっちがどんだけ恥ずかしいか!」

麦野「あら、そんなことないわよ。犬にさらわれた事件なんか傑作だったけど」

美鈴「でしょー? うちに来たらアルバムも見せてあげるわよーん……グー」

御坂「私は何も覚えてないんだから。母さん寝るなー!」

美鈴「ふぇ……? あー、ヤバッ、そろそろ行かないと遅くなる! 二人ともこれからどうするの?」

御坂「どうしよっか。微妙な時間よね」

麦野「アンタの寮まで歩いてたらいい時間になるんじゃない? 酔い冷ましがてらに散歩でもしましょ」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/03(火) 00:00:52.01 ID:M9DwAoUo<>
美鈴「そっかそっか。気をつけて帰るのよ」

御坂「分かってるって」

美鈴「麦ちゃんも今日はありがとねー。手のかかる子だろうけど……美琴のことこれからもお願いね」

麦野「……はい」

美鈴「それじゃね、また10日後くらいに学園都市に来るから、時間があったら会いましょ」

御坂「あんたこそ気をつけんのよー!」

美鈴「タクシー拾うから大丈夫ー」 フラフラ スタスタスタ

麦野「大丈夫か……嵐のような人だったわ」

御坂「今日はいつもより余計にテンション高かったけど。沈利さんに会えてうれしかったんじゃない?」

麦野「あー……あんた友達少ないもんね。娘が友達と仲よさそうに歩いてたらそりゃ嬉しいか」

御坂「うるさいなー……人のこと言えないでしょ」

麦野「まあね。さ、私達も帰りましょう」

御坂「ん……」 スッ

麦野「はいはい。美琴ちゃんはお手手繋いでないと泣いちゃうんでちゅよねーん」

御坂「ち、小さい時の話はもうやめ!」

<> 19日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/03(火) 00:02:13.67 ID:M9DwAoUo<>
麦野「くくっ、そりゃ残念。……でも不思議なもんね」

御坂「ん?」

麦野「アンタは垣根のクソに私のことよろしくって言われたらムカついてたけど、
    私は美鈴さんにそう言われても嬉しいだけだった。
    当たり前と言えば当たり前だけど、なんか変な感じ」

御坂「そう? んー、私もあんたの両親に会ってみたいわねー」

麦野「別に何も言われないと思うわよ。放任過ぎて私に興味無いみたいだし」

御坂「ゲッ、そうなの?」

麦野「そうそう。まあ放っておいてくれるのは嫌じゃないけど。
    今はもう学費も生活費も全部自分で払ってるし、特にあの人たちに想うことは無いわね」

御坂「な、なんかどう返していいのか困るわね……」

麦野「別に。寂しいとか思ったことは無いから」

御坂「そう……」

麦野「今はアンタがいるしね」 キュッ

御坂「……そうね。私も同じ気持ちよ、沈利さん」 キュッ

御坂(寂しくないか……。本当にそうなの? 私を不安にさせないで、なんて言ってたのに。
    ……沈利さんは、私だけでいいのかしら……?)

<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/03(火) 00:04:53.79 ID:M9DwAoUo<>というわけでここまでとなります。
次回は少々間が空くかもしれません。
1週間以上空きそうなら報告しに来ますので。
それではまた近いうちにお会いしましょう。

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 00:06:33.74 ID:0pQTLwAO<>美鈴さんウゼェwwwwwwwwwwwwwwwwww
でも憎めない!ふしぎ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 00:06:38.52 ID:oGjHbk6o<>乙

麦野にもっと他の人とも仲良くなってもらおうとする美琴と、美琴だけいればいい麦野のすれ違いでも起きそうな予感<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 00:10:33.58 ID:snsJUYDO<>乙
ていとくんと麦のんの会話が神がかっとるw
美鈴さんと親子丼ですねわかります<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/03(火) 01:19:10.62 ID:lRQ6bF20<>美琴と勘違いしてお母様を襲ってしまう展開ですね
わかります<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 01:40:49.60 ID:snsJUYDO<>なんか今日人少ないな。

あんま話進んでないからか?
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 02:17:13.41 ID:GqctAq.0<>乙ww
今更だが、麦野×美琴ってすげぇな。ナチュラルに恋人同士な2人がすげぇww
そうそう見れる組み合わせでは無い。>>1に最大限の乙を。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 02:37:58.09 ID:B2iqudo0<>乙でしたっ やっと練られるがな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 02:44:53.44 ID:XPXulYM0<>頼むから早く見たいなぞの禁断症状に襲われてるみたい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 02:47:48.40 ID:k.I7IoAO<>ていとくんが悪役になるかと思っていたが杞憂だった




杞憂で良かった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 03:10:07.12 ID:qwqy84Ao<>てーとくんがゲスかと思ったら良いゲスだったな
そんで一方さんと仲いいのかww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/03(火) 03:17:38.56 ID:qQNRdXg0<>乙です
ついに美鈴さんが出たかw
ここからどんなオチに持ってくのか・・・見ものだぜ

しっかし一方さんは打ち止めとで安泰で、何の心配もいらないから素晴らしいw
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 19:30:50.71 ID:5EfhFeQ0<>あるぇ。今までで一番2828した<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 00:09:52.43 ID:DLfPBIDO<>急に過疎ったな。どうしたw
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 00:33:30.30 ID:jaiPHsAo<>ようやっと追いついた
麦恋といい、これといい作者さん凄すぎだろ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 00:51:01.23 ID:mXbDkOYo<>これは……もしや一方通行×垣根なんてことはないよな?
というか、一方通行を全く出さないところに何か伏線が……?
妹達編でもやるのか??

空気読めてないね、てへっ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 02:58:26.30 ID:7gw.XgQ0<>垣根「一方通行、俺のものになれよ」

こうですか?分かりません><<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 03:07:17.96 ID:DLfPBIDO<>なんという倒錯したスレだw

>>1のSS今まで(つってもこれ含めて三本だが)大して一方さん出てないからな。そのへんは特に期待はしてない。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 09:35:41.80 ID:I0cEbG.o<>>>610
そうだったのか……嫌いってわけじゃないんだよな?
SSは読んでるって言ってた気がするし。
まぁ、このスレに必要なキャラでもないかww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 13:45:35.65 ID:.s0BW5Eo<>一方さん関わったら、逃げる二人かばって死亡とか嫌な未来しか浮かばんわww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 19:12:57.26 ID:QAF3AO.0<>>>608>>609
とりあえず腐った展開にしないでくれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 19:15:39.82 ID:oEs2QbA0<>それで面白くなるならそれでも一向に構わんがな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 20:39:11.47 ID:y4RIH6AO<>この流れは荒れる……。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 20:41:09.91 ID:0DfJBpEo<>つーか垣根がヤリチン設定なのになんで一通とくっついたりするんだよ
>>608の頭が腐ってやがる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 20:42:15.58 ID:mUw2owoo<>え、ネタにマジレスとかじゃないの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 21:27:59.59 ID:mXbDkOYo<>悪い、ちょっとした冗談だったんだが……
そうか、女×女はありでも男×男はなしか。
倒錯スレではなく、百合スレだったな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/04(水) 21:40:45.24 ID:.s0BW5Eo<>>>618
どうせなら百合子×打ち止めにしとけww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/05(木) 01:32:49.94 ID:z7eUlYAO<>あ゛あ゛あ゛〜<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/05(木) 02:19:17.97 ID:wH0Eql60<>かんきん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/05(木) 03:53:01.83 ID:1zanl.U0<>のどあめ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/05(木) 04:05:50.74 ID:vRDDJIE0<>やたらフルキャスト大作化。
いるの美鈴?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/05(木) 04:28:04.09 ID:cl6cOsDO<>出したってことは要るんじゃないか。ていとくんも麦野が御坂になびくのには必要な存在だったし。
>>1は今まであんま無駄な描写をしてないから何かあるとは思ってる。

ところでフルキャストというか、むしろ限られたキャラしか出てなくね?
特に地の文パートはいい意味で百合作品っぽい閉塞感があると思うんだが。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/06(金) 00:55:32.44 ID:g0TL1lgo<>待つ身は辛いが待たせる身もまた辛いのだろう<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/06(金) 17:15:23.66 ID:HGhNr5wo<>みなさんこんにちは。
空き時間中にちょこっと連絡を。
続きが出来ましたので、本日夜中の1時半ごろからの投下となります。
しばらくお待ちください。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/06(金) 17:28:45.52 ID:ryPr1lQ0<>吉北<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/06(金) 17:36:10.44 ID:g0TL1lgo<>生きてて良かった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/06(金) 17:47:41.66 ID:H1BDSkw0<>やった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/06(金) 18:03:11.73 ID:Z/S9/MAO<>むぎのんマジ乙女<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/06(金) 21:30:24.67 ID:0OSgd.DO<>相変わらずすげぇ時間だw
もちろん起きてるがな!
見るのが若干怖いがw<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/06(金) 23:08:48.62 ID:9WhorWMo<>麦野が美琴の処女膜ぶち破ったあたりから読むのが怖くなってきた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 01:31:57.28 ID:9/NZDyUo<>そろそろか・・・<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 01:35:12.58 ID:XeQwyZko<>ごきげんよう。
お久しぶりですお姉様方。
一先ず今回の分が書きあがりましたので投下させていただきますね。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 01:35:22.39 ID:jD8WZQAO<>キター!

待ってましたぁ!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/07(土) 01:38:50.60 ID:dBY8YGko<>よし来た<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 01:39:00.68 ID:XeQwyZko<>23日目(木曜日)
    

―麦野宅 16:40―


薄桃色のカーテンの向こう側から夕焼けの光が差し込み室内を薄く照らす。
むせかえるような汗と女の匂いが混じる室内に、嬌声を押し殺す吐息と粘つく水音が木霊する。
ベッドの上で麦野と御坂が密着し、絡み合っている。
周りに散乱している常盤台中学の制服と麦野のブラウス。
一糸纏わぬ姿で全身の肌を紅潮させた御坂は、ピンク色のシーツをギュッと掴んで身体を小刻みに震わせていた。
それを後ろから抱き締めるように麦野。
御坂の背中に豊満な乳房を押し当てて、左手は御坂の慎ましい胸を弄び、右手は両足の付け根の中心部へと差し込まれている。
自らの唇を強く噛む御坂を翻弄するかのように麦野は首筋や耳に舌を這わせて時折愛の言葉を囁く。
快楽と歓びの涙を目尻に浮かべた御坂は、やがて喉の奥から湧き出てくるかのように嬌声をあげて身体を痙攣させた。


御坂「んっ……! ぁああっ!」 


耐えきれず一度だけ大きな声をあげ、やがてだらりと弛緩する御坂の肉体。
細く華奢な身体が麦野の胸に抱きとめられて、肩で息をしながら焦点の合わない視線で虚空を見上げる。


麦野「……イっちゃった?」


内緒の話をするように、耳元で少しだけ意地悪く麦野が尋ねる。
分かっていてもなお、その言葉を御坂の口から聞きたいのだ。
御坂は頬をより一層赤くし、後ろから優しく抱きしめてくる麦野の手に触れながら頷いた。


御坂「ハァ……ん……ハァ…………うん……」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 01:41:06.07 ID:XeQwyZko<>
麦野が御坂の初めてを貫いてから5日目。
美鈴に会った日を除けば二人はこうして毎日肌を重ねていた。
御坂が授業を終えて麦野の家に来るのが16時を少し回る頃。
逢瀬のために許された時間は毎日1時間程度であったものの、二人は互いを求める気持ちを抑えきれるはずもなく性行為に興じていた。
ただしあくまで麦野が御坂に奉仕をする形で。
部屋に入るなり貪るように口づけを交わし合った二人は迷いもなくベッドに倒れこむ。
引き裂くかの如く御坂の制服を取り払い、汗をシャワーで落とす時間すら惜しむようにその全身に麦野は口づけて
御坂への愛撫を開始するのがいつものスタートの合図だった


麦野「そう。よかったわね。すっかり指突っ込まれるのも慣れて、感度もあがってきてるんじゃない?」


薄く笑みを零して、耳元で囁く麦野。
くすぐったそうに目を細めた御坂も、微笑を浮かべて首を麦野の肩にコテンと預けてくる。


御坂「沈利さんが触るからよ……やだもう腰抜けて立てない……」


今日はいつにも増して麦野の技巧が冴えわたっていたようで、御坂は少し恥ずかしげにそう告げた。


麦野「門限もあるし、早く帰らないとまずいんじゃないの?」


御坂の頬に汗で張り付いた髪を後ろに流してやり、手櫛で梳きながら撫でる麦野。
言葉ではそう言うものの、急かすつもりは毛頭ない。
麦野としては、このまま泊って行ってくれることを望んでいるのだから。


御坂「もうちょっとだけ沈利さんと一緒にいたい……」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 01:43:30.45 ID:XeQwyZko<>
麦野の望む言葉を告げる御坂。御坂は腕の中から這うように抜け出てベッドに寝転がり、その腰に抱きついて力を込めた。


麦野「ふふ、甘えん坊ね。毎日のように私に指でイかされてるって知ったら、アンタを崇拝する後輩達はどんな顔をするかしら」


満足げに微笑む麦野が御坂の茶色い髪をそっと撫でてやる。
心地よい征服感、優越感。
多くの信奉者を持つ御坂のあられも無い姿を見ることが出来るのは自分だけなのだという事実は、
プライドの高い麦野にとっては背筋がゾクゾクする程の快感だった。
それこそ、行為中御坂の快楽に歪む表情を見ているだけで倒錯した情欲が湧きあがってくるほどに。


御坂「……ばか。ねえ沈利さん、そろそろ私も沈利さんを気持ちよくさせてあげたいな……」


軽くを頬を膨らませ、誰も見ていないのをいいことに御坂は年相応の無邪気な笑顔で麦野の胸に手を這わせ指を沈ませる。


麦野「生意気言うな。アンタは私に触られて悦んでりゃいいのよ」 


しかし麦野はその手を優しく制して拒絶した。
麦野はいつも上半身の服を脱ぐだけ。
それは御坂から触れられることを望んでいる訳ではなく、彼女の肌の温度を感じる以上の意味はなかった。
麦野は御坂の手で絶頂まで導かれることは望まないのだ。


御坂「あっ……もう。なによ、沈利さんばっかり楽しんじゃってずるい」

麦野「アンタだって楽しんでるでしょ。毎日股濡らして喘いでる奴が言っても説得力ないわよ」

御坂「そんな身も蓋もない。沈利さんは私に触られるのが嫌なの……?」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 01:45:54.48 ID:XeQwyZko<>
少々不安げに表情を曇らせる御坂。


麦野「……あ?」


麦野は眉を顰めて首を傾げた。


御坂「だって、最初の頃は胸とか結構触らせてくれたのに……今は全然そんなことないんだもん」


確かにそうかもしれない。
だが、御坂に依存していることを半ば自覚している麦野にとっては、これ以上彼女から離れられなくなるような行動は避けたかった。
独占欲や支配欲の塊のような自分が行きつく先は、きっと御坂を傷つけてしまうような行為が待っているから。
欲望に身を任せて御坂からの奉仕を受け入れてしまえば、この欲は結局のところ御坂の両手両足を鎖に繋いで室内で飼うというところに辿りつく。
それほどまでに、御坂美琴と言う存在が手離せないものになってしまいつつあるのだ。


麦野「……」


ムチムチとした太股を枕にしている御坂を見下ろす麦野。
自分に触れたいと思ってくれていることは嬉しい。
だがそれを許せば、恐らく自分は戻れない。
きっと二度と彼女を寮へは帰さないだろうし、さらにエスカレートすれば学校すら行かせなくなるかもしれない。
御坂のことが好きで好きでたまらないから、この感情をコントロールする術が分からない。
歪んでいることを自覚しているからこそ、麦野は最後まで狂ってしまえる覚悟が決まらなかった。
そんなことをしても、御坂が喜ぶはずが無い。
そして何より、この血まみれの穢れた身体に御坂の綺麗な舌が這うなんて、想像もしたくなかった。

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 01:47:31.49 ID:XeQwyZko<>
御坂「た、確かに私は沈利さんみたいに上手には出来ないかもしれないけど、これでも沈利さんの雑誌とか読んで
    ちょっとは勉強を……ゴニョゴニョ」


そんな麦野の胸中など知らず、御坂はブツブツと何事かを言っている。
そう言えば最近御坂に数冊雑誌を貸した。
あのテの雑誌にはSEX特集等でいわゆるテクニック的なものに関するコラムが載っていることがままある。
どうやら御坂はそんなページにもしっかり目を通しているらしい。
というか、目的はそれだったようだ。もっとも、内容はあくまで男女の性行為に関するものであるのだが。


麦野「ばぁか」 


そんなことにまで一生懸命な御坂がなんだか急におかしくなって、麦野は彼女の額をコツンと拳で軽く叩いた。


御坂「いたっ。なにすんのよもう」


額をさすりながら涙目でこちらを見上げる御坂。その仕草もたまらなく嗜虐心をくすぐる。
それを表情に出さないように注意しながら、麦野はシレッと言い放った。


麦野「私は触られるより触るほうが好きってだけよ。つまんないこと気にしないの」

御坂「つまらなくないわよ! 私ばっかりされてるの悔しいじゃない」

麦野「まあそのうちね。さ、服着て帰る準備しなよ。また寮監に怒られるわよ」

御坂「ちぇー。沈利さんてば私の身体が目当てだったのねー」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 01:50:06.20 ID:XeQwyZko<>
納得のいかなそうな口調で、御坂は口を尖らせそう言った。
奥歯を噛む麦野。その言葉がほんの軽口だというのは分かっていたが、少しだけ癇に障った。
それは麦野がわずかながら不安に感じていたことだったから。
初めて肌を重ねた日から、毎日御坂を抱いていることに対する後ろめたさが原因としてある。
御坂の身体に溺れているのは事実だし、彼女の肌を感じるのは途方もなく心地よいもので、
正直なところ御坂との性行為は好きだった。
だから御坂にそんな言い方をされると、麦野は罪悪感で胸がチクリと痛んだ。


麦野「……おい、怒るわよ」


怒気を孕みつつも、少し悲しげな麦野の表情を見て御坂はキョトンとした顔で首を傾ける。


御坂「? 冗談じゃないの。ねね、今週の土曜日はどうする?」


空気を読んだらしく、御坂はすぐにその話を切り上げて別の質問へと切り替えた。
床に落ちた制服を拾い集め、それを着ながら週末のデートの計画を立てる。


麦野「んー、特に思いつかないけど。なんか映画でも見る?」


麦野もわざわざ嫌な話を続けるつもりはないのでそれに乗る。
薄い紫色の妖艶なブラを着けて、ホックを留めながら麦野が応えた。


御坂「今何かやってるかしら。ゲコ太はこの前見たし」 

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 01:53:27.96 ID:XeQwyZko<>
学園都市の情報誌に載っていた映画のラインナップでも思いだしているのか、顎に指をあてながら御坂が唸る。


麦野「んなもん選択肢に入れんな。ホラー映画でも見るー? アンタ苦手だっけ?」


ゲコ太なんて見たくない麦野はそれを一蹴して最近公開されたはずのホラー映画を思い出す。
余談ではあるが、御坂に先日プレゼントされた湯上りゲコ太ストラップはしっかりと麦野の携帯電話にぶら下がっている。
もちろん御坂は御坂で麦野が渡した腕時計を日中夜欠かさず着けてくれているらしい。
さすがにベッドの中では外させているが。


御坂「べ、別に普通だけど」


ブラウスのボタンを留めつつ麦野の問いかけに曖昧に応える御坂。


麦野「何よ普通って」

御坂「ふ、普通は普通よ!」


その漠然とした回答を麦野は訝しむ。いまいち要領を得ない反応だ。
だがすぐに合点がいった。


麦野「ああ、普通に怖いってことか。よしよし。んじゃホラー映画にしましょう」


とんでもなく苦手ということも無さそうだが、別に好きというわけでもなく単純に怖いらしい。
隣で怖がっている御坂を見るのはなかなか楽しそうだなと思う麦野。

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 01:54:59.43 ID:XeQwyZko<>
御坂「嫌よ! なんで時間とお金使ってわざわざ怖い思いしなくちゃなんないわけ!」


案の定隠そうともせず拒否反応を見せる御坂。


麦野「なんでって、そういう娯楽だからでしょが。怖い体験をお金で買うなんて、贅沢な話だよね」

御坂「と、とにかくホラーには反対!絶対絶対ぜぇったい反対だからね!」


意外と強情に嫌がっている。もしかするとかなり苦手なのだろうか。
ホラーもスプラッタも好みである麦野としては残念だが、別段こだわるほど見たいものでもないので適当にな所で折れてやることにした。


麦野「分かったわよ。よっぽど嫌いなのね。んじゃ無難にアクション映画あたりにでもしときましょ」

御坂「う、うん。それがいい。着替えたしそろそろ帰るわね」


一応の予定が決まったところで御坂が立ち上がる。
最後に制服の乱れを確認して、腰に手を当てた御坂が名残惜しそうに笑顔を浮かべた。


麦野「はいよ。気を付けて帰るのよ。送ろうか?」


どうせ暇だしと付け加えて麦野。
だが御坂はゆっくりと首を横に振った。


御坂「いいっていいって。また明日も来るわね」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 01:56:54.13 ID:XeQwyZko<>
放課後は麦野の部屋で過ごすことが日課となっている御坂。
そろそろ合鍵でも渡してやろうかなと麦野は思った。


麦野「たまにはルームメイトの相手もしてやんなよ」


先日それが原因で喧嘩になっていたのを思い出して、麦野が言う。
本当は御坂を独り占めしたいが、彼女の周辺の人間関係を捨てさせるほど麦野は狭量な人間でもない。
恋人と友人の軋轢の中で板挟みになるのは御坂本人が何より可哀想なので、無難に日常生活をこなしてもらわないと困るのだ。
外部から自分達の関係にやいやいと文句を言われるのも鬱陶しい話ではあるし。


御坂「うーん……そうねえ。特に何も言ってこないけど……今週一日も遊んで無いし、そうするわ。
    ……ね、チューして」


御坂としてもやはり友人関係は大事にしたいようで、寂しげではあるもののその申し出をすんなり受け入れた。
そしてねだるように瞳を閉じて唇を小さく突き出す。


麦野「ええ。それじゃね」


ドキリとなる麦野。こういう仕草がたまらなく可愛いので、ごく自然に両肩に手を添えて軽く口づけた。


御坂「んっ……えへへ、やっぱりキスが一番気持ちいいわ」


照れたように唇にそっと触れて御坂が笑顔を浮かべる。
くらくらと眩暈がしそうなほど愛らしい。
それを悟られるのが癪な麦野はあくまで平静を装って、ガラスのヘアピンで飾られた茶色い髪をポンポンと撫でてやった。

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 01:59:04.18 ID:XeQwyZko<>
麦野「あらそう? そういうことなら次からはもっとしてあげないとね」


もちろん麦野も御坂とのキスは好きだった。
キスで止まらなくなるほどに。
今もまた沸々と御坂が欲しくなってきているところだが、それではラチが空かないので扉を開けて送り出す。


御坂「うん……じゃあ」


寂しげに外に出る御坂。
体温で暖まった室内から外に出れば、冬の訪れを告げるようにひんやりとした空気が二人の肌を刺激した。
間もなく冬が来る。
だが御坂と一緒にこたつの中でぬくぬくするのは悪くないなと、麦野は今年はこたつを購入しようと一人決意した。


麦野「またね」


頬笑みそう告げると、御坂はもう一度こちらを振り返り、手を小さく振ってエレベータホールの方へと去って行った。
その後ろ姿を見送り扉を閉める。
がらんとした室内の空気は未だどこか湿り気を帯びていて、乱れたシーツが先ほどまでの行為を思い出させた。


麦野「はぁ……」


余韻に浸り御坂と寄り添いピロートークに興じる暇もなく別れてしまうのがいつも心残りだ。
ため息をついて、麦野はソファに座天井を見上げる。


麦野(やれやれ、せわしないわね。学校終ってからうちに来てるから仕方ないけど。
    ……あいつ中学卒業したら一緒に暮らせないかな……なんて)

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:01:49.01 ID:XeQwyZko<>
性欲を抑えられずにコトに及んでしまうが、麦野としてはそれと同じくらい御坂とのんびりお喋りがしたかった。
自分達はまだ互いのことで知らない部分も多い。
御坂は麦野の仕事について。
麦野はかつて御坂が関連施設を潰そうとしていた一方通行の『絶対能力進化』計画について。
もっとも、麦野としてはその辺りに今はもうあまり興味は無い。
実験が頓挫したという情報は得ているし、実験の内容に関しても断片的には知っている。
御坂のDNAマップから『妹達』という2万体のクローンが作られたということもだ。
そんなことはどうだってよかった。
御坂と同じ顔をした人間が何万人いようが、自分が愛した御坂美琴は彼女一人だけなのだし、既に終わった実験の話など今更蒸し返しても仕方ない。
それよりももっと魅力的なことを今思いついてしまった。


麦野(い、一緒にってことはつまり……ど、同棲ってことよね……。
    それって毎日一緒にご飯作ったりお風呂入ったり……ゴクリッ)


妄想状態に入り、御坂との甘い同棲生活を想像して悦に入る。
だがすぐに首を横に振って額を抑えて息を吐いた。


麦野(いやいや、あんなの楽しいのは最初だけだろ……。どうせそのうち喧嘩ばっかりになるに決まってるのよ。
    うんうん、あいつとはこれくらいの距離感が丁度よくて……)


もう少し一緒にいたい。
そう思うくらいで丁度いいのかもしれない。
にやける頬を制するように麦野は自分に反論する


麦野(でも浜面と滝壺は一緒に住んでるみたいだけどわりと仲良くやってるわよね……。
    ……同棲か、ちょっと考えてみようかな)

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:03:49.93 ID:XeQwyZko<>
なんともじれったい二人を思い出して、やはり捨てがたいなと思う麦野。
もっとも、例えそんなことが起こったとしてもまだかなり先の話ではあるのだが。


麦野(ま、あいつの卒業までまだまだあるし、今そんなこと考えたって仕方ないわね。
    その時私達がどうなってるのかなんて分からないし……)


ふと、自分で想像して寒気がする麦野。
御坂のいない生活なんて、今はもう考えたくない。


麦野(おいおい、それって私達が別れてるかもしれないってこと……?
    冗談じゃないわよ。私はあいつをそう簡単に手離すつもりはないっつの)


手離したくても手離せないとも言うが。


麦野(けど結局それは私がこれから行動で示して行かなくちゃ意味の無いことなのよね。
    大丈夫よ、あいつのためなら、私は何だってできるはず……)


大仰な言い草ではなく、真剣に御坂のためなら人くらいは殺せる。
彼女が喜ぶなら、なんだってしてやりたいと思うのだ。
そして、そんな自分が麦野は嫌だった。
自分の中心に自分以外がいる。それは他でもなく当然御坂であり、彼女の一挙一動の全てがこの心を惑わせる。
そんな風になってしまった自分のことを知ったら、御坂は何と言うだろうか。


麦野(とりあえずメールしとくか……)

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:04:57.63 ID:XeQwyZko<>
思考の深みにハマり、抜け出せなくなりそうなので、麦野は気を取り直すようにテーブルの上から携帯を取ってメールを打つ。
今日来てくれたお礼と、吐き出さずにはいられない愛の言葉を添えて。

メールゲコ!メールゲコ!

だが、送信ボタンを押した次の瞬間ベッドの下で電子音が鳴った。
御坂の好きなゲコ太の声で着信を知らせている。


麦野「あん?」


ベッドの下に落ちていたのは案の定御坂の携帯電話だ。
麦野のものと同じ湯上りゲコ太ストラップがプラリと揺れている。


麦野「あの馬鹿忘れて帰ったわねー。ったく、仕方ないな」


やれやれとため息をつく。帰る前に財布と携帯の確認くらいして欲しいものだ。


麦野(携帯が無かったら連絡とれないじゃないの。追いかけたらまだ間に合うかな)


次に会う土曜日まで御坂と連絡が取れないなんて耐えられない。
麦野はお気に入りの黄色いコートを羽織り、御坂を追いかけるべく部屋を出ることに決めた。

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:07:12.01 ID:XeQwyZko<>
―第七学区 住宅街 17:15―


御坂はゆっくりとした足取りで学生寮に向かって歩いていた。
まだ17時を少し回ったところとは言え既に日は落ちかけ、間もなく暗闇に町は包まれるだろう。
なのに急ぐ素振りを見せないのは、麦野に抱かれた感触をもう少し一人で楽しみたいことと、本日の反省を行うためだった。


御坂(今日も駄目だったかー……) 


ため息をついてワシャワシャと頭をかく御坂。
何が駄目だったのか。
簡単に言えば麦野の身体に触れることができなかったということだ。
ここ最近どうも彼女の様子がおかしいことに御坂は気付いていた。
具体的に言えば麦野に処女を捧げたあの日からだ。
あれからあまり身体に触らせてくれなくなった気がする。
2週間ほど前に麦野の部屋に初めて泊ったときは、酒の勢いがあったとは言え向こうから触らせてくれたのに。
あの初夜が二人の何かを変えてしまったのだろうか。
御坂はここ最近そのことばかり考えて夜もロクに眠れずにいた。


御坂(私だって、沈利さんを気持ちよくさせてあげたいのよ!)


いつも雰囲気に流されて麦野にされるがままになっている自分が少し嫌だった。
もっと麦野を翻弄したいし、麦野の乱れる姿を見たい。
今日は御坂にしては素直に気持ちを伝えてみたが、それでもやんわりと、だがかたくなに拒絶されてしまったことを思い出す。
何か理由があるのは明白だが、それが何なのかが分からずにいた。


御坂(私が中学生ってことは気にしないって言ってたしな……ってことは別の理由?
    沈利さんちょっと変わってるからよく分からないわねー)

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:10:00.73 ID:XeQwyZko<>
さすがにそろそろ麦野の人格というものを掴めてきた御坂でも、まだまだ不明瞭な部分はある。
そこに理由が隠されているのではないかと御坂は考えていた。
そして、麦野が未だ自分に話していないのが確実なこと。
それは


御坂(……仕事のことよね、やっぱり)


学園都市暗部。
恐らく非合法な仕事なのだろうなと御坂は踏んでいる。
その辺りに何らかの後ろめたさを感じているのではないだろうか。
だがしかし根掘り葉掘り訊くわけにはいかない。
彼女は仕事に関する話題を嫌っているし、それは自分を想ってのことでもあるからだ。


御坂(隠し事があるのって別に悪いことじゃない……って沈利さんなら言いそうよね。
    でもそれが原因で私に触れられたくないってのなら放っておくわけにもいかないわよ)


もし次に尋ねる機会が来たなら、訊いてみるのも悪くないかもしれない。
麦野が不安に感じていることを取り払ってやれる可能性だってあるのだから。
御坂は納得したように頷いた。


御坂(それはそうと、私汗くさくないかしら? 沈利さんの甘い匂いは好きだけど……。
    前キスマーク付けられたときは隠すの大変だったもんね)


寮までの道のりを半分ほど歩いたところで御坂はふと襟元や袖口の匂いを嗅いでみる。
麦野が着けている甘い香水の香りが仄かに漂ってきて、まるで彼女に抱きしめられている時のような感覚に陥った。
そうやって彼女との睦み事の余韻に浸ることが出来るのはいい。
だが、学校で体育の授業の後共用のシャワールームを使うことを考えると少し気が重くなった。
体中に着けられた麦野からの施しの証。
赤い傷痕のようなそれを見られれば、何かと問題が生じてしまうかもしれない。
いくら麦野が気にしないと言っても自分は貞淑なお嬢様学校に通う中学生なのだから。

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:11:53.88 ID:XeQwyZko<>
御坂(着替えがある前の日は沈利さんに言ってやめてもらったほうがいいかしら。
    んー、でも言っても聞かないような気も……)


人の嫌がることが大好きな麦野のことだ、むしろ喜び勇んで見えるところに痕を付けてきそうですらある。
そんな可愛らしい一面も好きなのだけれどと、御坂は緩む表情を隠そうともせずに家路を歩く。
そのとき。
視界の先に映ったものに御坂の足が止まった。


御坂「あっ……」

「ん?」


前方を歩く学ランの少年の背中が見える。
ポツリと漏れた御坂の呟きに、彼はこちらを振り返った。
一瞬の沈黙と共に少年の目が見開かれる。
黒髪のツンツン頭が印象的な彼の姿に御坂は言葉を詰まらせた。
あれから会うことは愚か姿を見かけることさえ無かったのに。
かつて想い焦がれた少年、上条当麻と、
御坂は再び出会ってしまったのだった。
奇しくも、彼がよくお金を飲みこまれていた自動販売機のある公園の前で。


御坂「……」


言葉が出ない。
かつて彼と出会った時のような動悸や高揚感はもはや無く、何を話せば良いのかという戸惑いばかりが頭を駆け巡る。
気まずく思っているのは何も自分だけではないようで、上条もまた宙に視線を泳がせて言葉を探っているようだった。


上条「ひ、久しぶりだな御坂」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:13:34.96 ID:XeQwyZko<>
愛想笑いを浮かべてぎこちなくそう言う。
彼も彼なりにあの時のことを気まずく感じているのだろう。
もちろん御坂は彼を責めるつもりなど毛頭ない。
上条が後ろめたさを感じる必要などどこにもないのだから。


御坂「そうね。あんた何やってんの? 今ごろ帰り?」


ふと見ると学生鞄と一緒に牛乳やら卵やらの入ったビニール袋もぶら下げていることから、
今晩の買い出しに寄り道していたというところだろう。


上条「ああ、タイムセールがあったからな。むしろ今日は早い方ですよ。上条さんは毎日補習があるもんでね」


苦笑いをしながらビニール袋をひょいと持ち上げる仕草をする。
胸の高鳴りはもうどこにも無く、上条の笑顔を見てももはや何も感じない。
この小さな胸の中で渦巻いていたはずの感情は驚くほど穏やかで、悲しみも喜びも浮かんでは来なかった。


上条「お前こそ今頃帰りか?」

御坂「まあね」


御坂は自分でも驚いていた。
あんなに好きだったのに。
あんなに焦がれていたのに。
自分の胸の中はもう『彼』では無い『彼女』に埋め尽くされていて。
それがただ、本当に少しだけ切なく思えた。

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:14:29.17 ID:XeQwyZko<>
上条「あー……御坂」


頬をかきながら切り出す上条。
何を言いたいのかはなんとなくわかった。
ケジメとして必要なことなのかも知れないと御坂は、言い淀む上条の背中を押すようにクスリと笑みを零して
彼の向こう脛目がけてローキックを繰り出す。


上条「痛ぁっ! な、何すんだ突然! 暴力反対!」

御坂「ねー喉乾いちゃったんだけど。何か奢ってくんない?」

上条「はぁ? 上条さんがどれだけひもじいお人か知らないんですか?」

御坂「何か話があんじゃないの?」


上条にそういう空気を読むスキルは期待していない。
御坂はせっかく話をする口実を作ってやったのにと呆れながら、結局単刀直入にそう告げて公園の中へと足を踏み入れたのだった。

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:15:33.51 ID:XeQwyZko<>
―公園内 17:20―


御坂「んで? 何よ?」

上条「あー……悪かったな、御坂」

御坂「何が?」

上条「その、ほら……あの時はお前を泣かせちまって……」

御坂「…………」

上条「あれから姫神とかインデックスにも滅茶苦茶怒られてさ……俺お前にすげぇ酷いことしたんだよな……ごめんな」

御坂「…………」

上条「何て言ったらいいんだろうな……お前、俺のこと好きっていうか、そう思っててくれたんだろ?
    気付いてやれなくてごめん……」

御坂「…………」

上条「……御坂、俺にはもう彼女がいるから、お前の気持ちには応えてやれないけど。
    そう思ってくれたのは、すげぇ嬉しいよ。ありがとな」

御坂「…………ばっかじゃない」

上条「……ああ、お前の言うとおりだ」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:16:59.86 ID:XeQwyZko<>
御坂「何で私、あんたに二回も失恋しなくちゃいけないわけ?」

上条「あ……いやそんなつもりじゃねえけどさ」

御坂「ふざけんじゃないわよこの馬鹿! 今更あんたにんなこと言われなくたって私の中で整理はついてんのよ!」

上条「そ、そりゃすまんかった」

御坂「はぁ〜あ。何であんたなんか好きだったんだろ。ほんと」 クスッ

上条「御坂……」

御坂「ったく、ばっかみたい。新しい恋に生きようとする私を邪魔しに来たわけ?
    あんたなんてもう過去の男よ! 覚えときなさい!」 ビシッ

上条「お前なぁ。……あー、でもやっと笑ってくれたな」

御坂「へ?」

上条「やっぱお前はそんな顔が一番似合ってるよ」

御坂「…………ほんと、ばか」

御坂(言うのが遅いのよ……もうそんなんじゃ、靡かないんだから) ボソッ

上条「ん? 何か言ったか?」

御坂「何でもない! 私にはねえ! あんたなんかよりもっともっと素敵な恋人が出来たんだから!」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:18:02.10 ID:XeQwyZko<>
上条「そうですかそうですか。そいつは良かったな」

御坂「そうよ! 私にはあんたよりかっこよくて、頭が良くて、強くて、優しくて……可愛い人がいるんだから……」

上条「どう答えりゃいいんだよ俺は」

御坂「私、女の子と付き合ってんの」

上条「」

御坂「ビックリした?」

上条「え? マ、マジか?」

御坂「マジよ」

上条「それは……うーんと……」

御坂「何か文句あんの?」

上条「ねえよ。お前はその人のこと好きなんだろ?」

御坂「ったり前じゃないの! あんたなんかより全ッ然素敵なんだからね! ざまあみなさい!」

上条「そうかよ」

御坂「……気持ち悪くないの?」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:22:34.47 ID:XeQwyZko<>
上条「なんで? 好きな相手だったらそんなの関係ねえだろ。
    って言っても、人ごとだからそんな風に言えるのかもしれないけどな。俺は男と付き合ったりってのは無理だし……」

御坂「……そうよね。うん、そうよ!」

上条「あ?」

御坂「ありがと。なんか自信出てきた!」

上条「? よくわからんけど、そりゃよかった」

御坂(やっぱり、沈利さんにちゃんと訊こう! あいつがどんな人だって関係ない!
    私は、沈利さんが好きなんだもん。好きな人の力になりたいって思うことが、悪いことなわけないわよ!)

上条「っと、なあお前門限とかあるんじゃないのか?」

御坂「ヤバッ! そうだった! それじゃまたね!」 ダッ

上条「あ、おい! ……ったく相変わらず騒がしい奴だな。までも、調子戻ったみたいでよかったよ、御坂」

御坂(そうよ……そうなのよ!)

御坂(悩む必要なんてないじゃない! 私は沈利さんのためなら何だって出来る! 最後にもう一度だけ、ちゃんと話をしよう)

御坂(そして土曜日ちゃんと話ができたら、きっと私達、ずっと一緒にいられるよね……! 沈利さん!)

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:24:01.36 ID:XeQwyZko<>
―住宅街 17:25―


麦野は御坂の後を追いかけ、珍しく息を切らせて走っていた。
寮の中に入ってしまえば明日までは会えないだろうし、もちろん連絡も取れない。
その前に必ず彼女の携帯電話を届けなくてはならない。


麦野(ったく世話焼かせて……。 私に走らせるなんてふざけんじゃないわよ!)


体力には自信があるどころかレベル5内でなら1、2を争うと自負している麦野だが運動は特に好きではない。
汗をかいて濡れるのは嫌だし、髪は乱れて化粧も落ちる。
だがそんなことは、御坂と連絡がとれなくなることに比べれば些細なことだ。


麦野(仕方ない子ね、私がいないとほんと駄目なんだから。なんてね)


等とご機嫌なことを考えながら足を動かす。
携帯電話を渡してやった後の御坂のはにかんだ笑顔を想像すると自分まで頬が緩んでくる。
だが


麦野「ん……?」


寮までの道程の半分ほどを走り、公園の横を通り過ぎようという時、麦野の視界にとある光景が飛び込んできた。


麦野(うそでしょ……)

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:25:18.84 ID:XeQwyZko<>
血の気が引いていく。
緩んでいた表情も引きつり、眉間に皺が寄る。
御坂に寄せていたはずの信頼がほんのわずかにぶれる。
携帯を握った手に力がこもり、ミシミシと音を立てた。


麦野(何で今になって……)


眼の前の公園内。
ベンチに腰掛けた御坂と、上条が笑顔を浮かべて言葉を交わしている。
何かの間違いに決まっている。
いや、偶然会って少しだけ談笑しているのに過ぎないはず。
そう信じたいのに、彼と話す御坂の頬は赤く、幸せそうなものであるように麦野の目には映った。


麦野(駄目よ……駄目。そんなこと考えちゃ……!)


傍に寄って、携帯電話を渡して、余裕の表情で語りかければ。
御坂はきっと笑顔を浮かべて自分にすり寄ってきてくれるはず。
彼女は自分の恋人であり、誰より好きな相手であるのだから。
なのに


麦野(私はあんな風に……御坂とはなれないのかしら……)

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:27:30.53 ID:XeQwyZko<>
拳を強く握り奥歯を噛み締める。
どんなに御坂のことを信じたくても、彼女があの男に恋慕の情を抱いていたことは紛れもない事実で。
二人掛けのベンチに座る二人の姿はどう見ても恋人同士のそれで。
結局のところ女の自分が他人から彼女と恋人同士であるように見られることなどあるはずもなく、
麦野にとっては初めて御坂を抱いたあの時のような、変えようの無い現実を突きつけられた気分だった。
急速に冷めていく胸の高ぶり。
麦野は高揚していた己をどこか遠くから見下ろすような感覚に陥った。


麦野(……ううん、でも……そんな別に……)


それでも御坂が好きだから。
麦野は肩を落とし、平坦な表情で御坂の寮へ向けて再び歩きはじめる。
じき御坂は戻ってくる。
そこで事実確認すればいいだけのことだ。
麦野は言い知れぬ不安を抱えて歩む。
御坂の心変わりを疑うわけではない。
彼女の愛に偽りなど何一つ無いと、この身を以て理解できているから。
だがその光景は麦野がかねてより抱いていた疑問を強く突きつけた。


麦野(美琴……アンタは本当によかったのかしら……。  
    あの時は舞い上がっていたけれど、アンタと私の行きつく先なんて……きっと何も無いのに)


だからこそ恐ろしい。
きっとこの恋は誰にも祝福されることなんて無いもので。
彼女が自分に向ける感情が強く優しいものであるほど、自分達の関係なんて他人から見れば歪で奇妙なもの。    
御坂を想う気持ちが日に日に強くなっていくから、麦野の迷いも大きなものへと変わっていった。
なりふり構わず、他人の目も気にせず生きていくには御坂はあまりに幼い。
そして今自分と御坂が置かれている立場は遠くかけ離れたものだから。
だから麦野はその瞬間。
美琴との関係に一つの諦めを持つのだった。

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 02:27:53.43 ID:ewC85iM0<>やめて麦のん
それは誤解だよぅ<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:28:25.08 ID:XeQwyZko<>
―常盤台中学学生寮前 17:50―


タッタッタッ…


御坂(遅くなっちゃったな……沈利さんのこと考えてたらすぐ時間経つんだもん)

御坂(しかもあのバカに会っちゃうなんてね。なんか変な感じ)

御坂(けどやっぱり私は沈利さんが好きなんだな……改めて気づかされたわ)

御坂(土曜のデートも楽しみ……ん? 寮の前にいるのって……)

麦野「……」

御坂(沈利さんだ。何やってんだろ)

麦野「……」

御坂「おーい! 沈利さーん!」

麦野「!」

御坂「どしたの? こんなとこで」

麦野「……これ」 スッ

御坂「ん? あ! 携帯忘れちゃってたんだ。 ごめーん! わざわざ持ってきてくれたのね」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:30:02.66 ID:XeQwyZko<>
麦野「うん……」

御坂「沈利さんとメール出来ないの困るし、危なかったわねー!」

麦野「そうね……」

御坂(何か元気ない……? 携帯忘れたことちょっと怒ってるのかしら)

御坂「えーっと……ごめんね? 次からは忘れないように気を付けるから」

麦野「……ねえ美琴」

御坂「うん?」

麦野「随分遅かったんだね。どっか行ってたの?」 

御坂「あ……まあ……」

御坂(正直に話したほうがいいのかな。でもちょっと恥ずかしいっていうか、気まずいし……)

麦野「何してたの? 門限ギリギリだよ」

御坂「じ、実はコンビニで立ち読みしてたのよー! 時間ヤバくて急いで戻ってきたの」

御坂(わざわざ沈利さん不安にさせるようなこと言う必要無いわよね……)

麦野「……そう、気をつけなさいよ」

御坂「あ、もしかして結構待たせちゃった? ご、ごめんどうしよう……。
    本当は上がってもらいたいんだけど時間が……」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:30:58.60 ID:XeQwyZko<>
麦野「いいよそんなの。んなことよりさっさと部屋戻んなよ」

御坂(ちょっと冷たいな……そうとう待たせちゃったのかも……)

御坂「そ、そうするわ。ほんとごめん……」

麦野「気にしてないって。早くしな。怒られるよ」

御坂「ん……それじゃ」 クルッ

麦野「どうして嘘つくのよ」 ボソッ

御坂「え? 何か言った?」

麦野「別に」

御坂「そう……? あの……また土曜日楽しみにしてるから」

麦野「ん、分かった」

御坂「うん……えと……」

麦野「何してんのよ、早く戻れっつってんでしょ」

御坂「……ねえ、何か怒ってる?」

麦野「怒ってないって」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 02:31:43.19 ID:INuiJ.DO<>見るの怖いな…
<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:32:18.63 ID:XeQwyZko<>
御坂「ほんと……?」

麦野「本当よ。何かやましいことでもあんの? だからそんな風に思うんじゃないの」

御坂「そ、そんなこと……!」

麦野「……なら戻れよ」

御坂「……はい」 スタスタ

麦野「……」

御坂「……メールしてもいい?」

麦野「何で訊くの。好きにすれば」

御坂「……わかった。またね」

麦野「ええ」

御坂(……どうしたんだろ、沈利さん……。なんか怖いな……私何かしちゃったのかしら……) チラッ

麦野「……」

御坂(悲しそうな顔してるわね……。めちゃくちゃに怒ってくれればまだ……ハァ……土曜日ちゃんと謝ろう)

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:34:03.09 ID:XeQwyZko<>
―住宅街 18:15―


スタスタスタ…


麦野(結局私には言いたくないことだったわけね……)

麦野(あー……ヤバイ泣きそう)

麦野(どうして正直に言ってくれないのよバカ……。別にあんなのと喋ってたくらいで怒ったりなんか……。
    垣根じゃあるまいし……)

麦野(……私に知られたら困るってわけ……? いや御坂に限ってそんな……)

麦野(もう訳わかんない……)


ハーナテココローニキザンダユメモミライサエオーキーザーリーニシーテー!


麦野(あいつか……)


――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:あの…
本文:
ごめんね。何か怒らせちゃったのよね…。
でも私沈利さんが何に怒ってるのかが分からなく
て…。
私何かしちゃったの?お願い、教えて。
知らない間に沈利さんを傷つけちゃったんなら、
ちゃんと謝りたいから。ごめんなさい…
――――――――――――――――――――

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:35:54.34 ID:XeQwyZko<>
麦野(……心当たりも無いってわけ……?)

麦野(怒ってんじゃないわよ……ばか) メルメルメル


――――――――――――――――――――
to:美琴
件名:別に
本文:
何も無いって言ってんでしょ。しつこいわよ。
悪いけど今日はもう話したくない。それじゃね
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


麦野(私だって分かんないわよ、アンタが何考えてるかなんて。
    ……分かんないから、悩んでるんでしょ……)

麦野(あんな男のことなんて別にどうだっていいのよ……そんなことなんかじゃなくて……。
    駄目だ、自分でも整理できてない……頭グチャグチャだ)

麦野(ちょっと頭冷やそ。このままじゃあいつに当たっちゃいそうだし……)

麦野(丁度コンビニだ。久しぶりに鮭弁でも買って帰ろ)

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:36:55.09 ID:XeQwyZko<>

―コンビニ 18:25―


ラッシャセー 380エンニナリヤース 


店員「アリァトヤンシター」 ガシャーン


ウィーン…


麦野(ふぅ……買ったはいいけど食欲無いな……)

??「ん?」 スパー

麦野「あン?」

浜面「む、麦野?!」 スパー

麦野「……浜面、何やってんのよこんなとこで」

浜面「何って……買い物にだよ」

麦野「んじゃなんで店の前で一人寂しく煙草吸ってんの?」

浜面「い、いやこれはだな……! 滝壺が煙草嫌いだから……」 ササッ

麦野「……バラしちゃおっかなー」 ニヤッ

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:38:00.69 ID:XeQwyZko<>
浜面「やめてくれぇ! タダでさえ喫煙者には辛い世の中なんだぞ!」

麦野「嘘よ。んなことチクる程暇じゃねぇっつの。でもキスしたらバレんじゃないの?」

浜面「……あ」

麦野「あっじゃないわよこのバカ面ぁ」

浜面「だ、大丈夫だ。ガムも買ってある!」

麦野「あっそ。どうでもいいけど」

麦野(っつかこいつらもキスくらいはするんだな……。当たり前か、恋人なんだし。男と女が一緒に暮らしてんだし)

浜面「な、なんだよ……」 スパー

麦野「ねえ、アンタらもうエッチした?」

浜面「ぶほっ! ゲホッゴホッ! な、何言ってんだアホかお前は!」

麦野「……はぁ〜あ、その調子だとまだみたいね。もう襲っちまえよ。どうせアンタとキスしてる時には濡れてるって。
    脱がして突っ込みゃそのうち自分から腰振るんじゃない」

浜面「ば、馬鹿言うな! あっヤベ! 滝壺戻ってきた! いいか? 俺が煙草吸ってたことは内緒だぞ!」

麦野「なんだアンタ一人じゃなかったのか」

浜面「家に財布取りに戻ってたんだよ。マジでチクるなよ!」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:40:07.11 ID:XeQwyZko<>
麦野「口の利き方がなってねぇんじゃねぇのかにゃーん? はーまづらぁ」

浜面「何とぞ滝壺には黙っといてくりゃりゃんせ」

麦野「うむ。よろしい」

滝壺「お待たせ……あれ、むぎの?」

麦野「うん。たまたま会ってさ。滝壺、浜面が今煙草吸ってたよ」

浜面「おぉい! 今の俺の言葉聞いてましたかー!?」

麦野「知らなーい」

滝壺「……はまづら?」

浜面「ご、誤解だ! たまたまスキルアウトの知り合いに会っちまってさー! 無理やり押し付けてくるもんだから!」

滝壺「……私煙草の煙嫌いなの知ってるよね……」 ズズズズ…

浜面「……うぐ……も、申し訳ない」

滝壺「煙草かして」

浜面「……どうぞお納めください」 サッ

滝壺「うん。もう吸っちゃやだよ。身体にもよくないから」 グシャッ ポイッ

浜面「あぁあ……まだ結構残ってたのにー……」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:41:46.84 ID:XeQwyZko<>
滝壺「……なに?」

浜面「いえ、何でもないです。くそ麦野ー……怨むからな」

麦野「な、何よ。そんな台詞は成人してから吐けってのよ」

滝壺「むぎのは晩御飯買いに来たの?」

麦野「うん。いつもの奴ね。アンタらは?」

滝壺「お菓子とか……あっ! むぎの、この前アイス買ってくれるって言ったよね」 ワクワク

麦野「覚えてたか。いいよ。はい、200円でいい?」 スッ

滝壺「うん。ありがとう」 ギュッ

麦野「っ…………」 

滝壺「……? どうしたの?」

麦野「……いや」

麦野(……私は滝壺ともセックス出来るのか……? って何考えてんだ私は……)

麦野(でもこいつらもいずれはそういう関係になるんだろうし、恋人なんてそれが当たり前……
    筋肉なんてほとんどない柔らかそうな身体……。今の私にはもうそっちの方が自然だけど……
    やっぱり滝壺やフレンダ達とそんなことするのは気持ち悪いし考えられないな)

麦野(……じゃあ私と美琴は……? 女同士が普通じゃないことなんてハナから分かってたし覚悟の上だったけど。
    ……あいつにとって、それは本当に幸せなことなのかしら……?)

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:42:40.94 ID:XeQwyZko<>
滝壺「むぎの?」

麦野「ハッ……。ご、ごめんボーッとしてた」

滝壺「……彼女のこと考えてたの?」

麦野「!? あ、アンタ知って……」

浜面「あー悪い……ちょっと前に麦野の部屋の前でお前と超電磁砲が抱きあってるの見ちまったんだよ……」

麦野「……そっか、見られちゃったんだ」

滝壺「それじゃあやっぱり……」

麦野「ん。付き合ってるわよ。フレンダには言ったけど」

滝壺「……そっか」

麦野「おかしいって思う?」

滝壺「……分からない。私はむぎのとキスは出来ないけど……」

浜面「いやまあそれは人それぞれというか……麦野の性癖までとやかく言う権利も無いしな」

麦野「性癖とか、そんなんじゃないんだよ」

滝壺「?」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:44:25.27 ID:XeQwyZko<>
麦野「私は男が嫌いな訳じゃなくて。女の子しか好きになれない訳でもなくて。
    ……これが他人から見ればすごく奇妙でおかしなことなんだって分かってるけど、それでもあいつが好きなんだ」

滝壺「……」

麦野「だから少し困ってるの。私は傷ついたあいつの心の隙間に入り込んで上手くやっただけなのに。
    あいつは私のことを好きだって言ってくれるから。……最初はそれでもよかったのよ。
    あいつが私のことを好きでさえいてくれれば、私は他のことなんてどうだってよかったし、幸せだった」

浜面「麦野……」

麦野「ねえ滝壺……私はどうしたらいいんだろう。 私は何を第一に考えて行動すればいいの?」

滝壺「……わからない」

麦野「……ごめん、こんなこと訊かれても困るよね」

滝壺「ごめんね……上手く言えないよ。言ったらきっとむぎのを傷つけるから……」

麦野「いいよ。私の問題だし」

滝壺「……でもむぎの、私は、むぎのを応援してるから」

浜面「お、俺もだ!」

麦野「……ありがと。それじゃ」

滝壺「うん……がんばってね」

<> 23日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:45:21.60 ID:XeQwyZko<>
麦野(馬鹿だな、私は……こんな大事な決断を他人に委ねるなんて……最低だな)

麦野(……メール来てるかな) カチッ


――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:そっか…
本文:
そんな言い方しなくても…。
ごめん。また明日ね。
――――――――――――――――――――


麦野「ほんと……最低だ」

麦野(……私は、アンタとどうなりたいんだろうね……)

<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/07(土) 02:48:22.50 ID:XeQwyZko<>本日はここまでとなります。
最終話も近付いているということで、終始暗い感じになりました。
こういう精神論こそが百合の真骨頂だと思っているのですがいかがなもんでしょうか。
麦琴ほのぼのいちゃラブを期待されている方は申し訳ありません。

次回はいつになるか分かりませんが。一週間くらいで来れればいいなという感じでしょうか。
また来る時や間が空きそうな時は連絡させていただきますね。
それではまた近いうちに。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 02:51:45.14 ID:9/NZDyUo<>超乙です
二人がどういう形を迎えるのかを考えると胸が痛い・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 02:52:33.69 ID:qSLaWHwo<>乙

終わりがどうなるか分からない分、毎回ドキドキが止まらん
続きが早く見たいけど、見るのが怖いぜ

境遇に差がある百合って、明確な王道の「ハッピーエンド」ってのがないからねぇ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 02:56:03.82 ID:J5NKXJEo<>乙・・・誰かなんとかしろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 03:00:37.59 ID:HXOOa2Q0<>乙です
麦のんも美琴と一線越えて暗部の穢れとかふっ切ったと思ったらふっ切れてなかったとは…
ここからどんな風に進んでいくのか怖くもあり楽しみでもあります<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 03:01:05.07 ID:INuiJ.DO<>乙
結末がマジで見えない。
御坂を取れば女同士で偏見の目で見られるかも知れないし御坂の普通の幸せを詰むことになる。
御坂を捨てれば自分が不幸になるし御坂も傷つく。
って感じか。
なんだこれ。ハッピーエンドなんてあるのか…?
麦のんの選択に期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 03:04:14.62 ID:rMx3NtYo<>>>660の麦野が『美琴』じゃなくて『御坂』って呼んでいるのが……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 03:42:13.62 ID:m/oAf1Q0<>乙です・・・
なんかBADになりそうな気がして
今日は眠れなそう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 03:53:59.71 ID:yAh6CE20<>何かの拍子でキレた時に本当にやばいのって麦野じゃなくて美琴な気がするんだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 11:36:58.20 ID:xwTgW060<>
なんだかんだいってうまく話をまとめてくれる上条さんに期待してみる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 12:28:10.74 ID:h05Gx9U0<>ハッピーエンドに導ける可能性があるのも美琴だと思う
麦のん主導のままじゃヤバイ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 15:20:48.40 ID:u22cc6DO<>まさかのレイニー止めの再現来るか!?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 16:59:06.60 ID:9/NZDyUo<>この気持ちは何なんだろうと思ってたらレイニー止めされてたときと同じだったのか・・・
こっちも無事に誤解が解けてほしいな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/07(土) 18:18:48.90 ID:td29ciEo<>なんでこの程度のイベントでBADルートしか見えないとか抜かすんだか…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/08(日) 00:19:42.08 ID:iH0w2MSO<>>>690
ウゼェ黙ってろゴミクズ
二度と書き込むな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 01:26:30.09 ID:erXS/gDO<>なるほどレイニー止めをこんなところで見るとはw

カザキリ様がみてるというタイトル?も伏線だったんだな。

>>1マリみて好きだろw

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 02:37:41.69 ID:jjRS3YAO<>土御門兄妹みたいな救われない関係なんだよな…誰も…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 02:52:48.90 ID:aSOdH5so<>自分はバイなんだと割り切れないもんなのか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 03:00:18.52 ID:DgVWb32o<>上条さんへの気持ちが落ち着いちゃったあたりで、なんか切なくなった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 03:07:07.30 ID:Ebfqq8Uo<>                 弋´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.フ     ニ=上 そ -=
                 <:.:.:.:.::.:.:/^.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>    ニ= 条 れ =ニ
                <:.:.:./:.:..:/!:.:.:.:ハ:.:.:.:.:.:..!.::.:.:.>   =- さ で -=
                厶:.:.:.!:/V┼!:.:| ┼!、!:.:.|:.:.:.:...>   =- ん も -=
                 厶小 rャ‐ !V rャ‐ぃ小::..::之    ニ な    ニ
                  八,!  ̄ ,!   ̄ |f .}.:.::ト、    =-. ら    ニ
  、、 l | /, ,           ハ   ` '    ムィ.:|ヽ!      r :   ヽ`
 .ヽ     ´´,           \  - 、  ,イWV        ´/小ヽ`
.ヽ し き 上 ニ           ム|` -  W
=  て っ 条  =ニ         __i     {
ニ く. と さ   -=      ,. -<ヽ `ー―― 予-、_
=  れ何.ん  -=    /       ̄ ̄ ̄ ̄ / >、
ニ る と な  =ニ   ∧                  \
/,  : .か ら  ヽ    / !                  / ハ
 /,     ヽ    /  V           ◇    /  !:|
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/08(日) 09:22:01.47 ID:MaqlNKg0<>ああ、黒子とフレンダがそれぞれの相談に乗ってくれないかな
それで連絡を取り合って全体像を把握後二人にそれとなく伝える、みたいな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 09:27:37.09 ID:SvT.CUDO<>その案は良いと思うが、なぜあげた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 21:27:20.00 ID:UkqqdrI0<>「この街全部に喧嘩売ってまで報いたいと思えるような奴が、
 中学生のガキに自分のためにクソ溜めに落ちていかれて喜ぶような人間なのかよ!?
 


「だって…当麻がいないんだよ…」


泣いた、もう無理切ない
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/08(日) 22:16:45.82 ID:AgGG1OQ0<>700!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/09(月) 00:19:04.74 ID:fQVGMEs0<>>>699
麦恋か・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/09(月) 19:47:48.04 ID:emJmIOc0<>むぎのん今こんな気分か
http://2d.moe.hm/index/img/index2396.jpg<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/09(月) 20:02:53.82 ID:7z4ZMe6o<>よくやった!wwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/09(月) 20:57:21.19 ID:BzrlINoo<>上条さん逃げてwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 00:16:21.43 ID:PzNAfDAo<>これは上手いww

てかレイニー止めでまさか3ヶ月放置とかないよね…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 00:20:29.09 ID:VK8i682o<>これは賞賛せざるを得ないwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 00:47:05.96 ID:Y58ukoDO<>初めて投下された作品がこれとかwww
麦のん美琴を奪い取れ「<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 15:19:19.55 ID:A6/KXQAO<><> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 01:50:05.92 ID:Qxbt9wDO<>続きは…続きはまだか…
麦のんは盆休みに帰省する美琴に着いていって夜中寝床の客間で声を押し殺してイチャイチャしてればいいと思うよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/12(木) 02:10:23.17 ID:U4OcyoDO<>こんな美人と美少女が手繋いでラブラブしながら歩いてるとこ見かけたら勃起する。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/12(木) 03:31:34.70 ID:14UjNQAO<>来てないのに上げんなよ
期待して開いたのに…<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/12(木) 15:55:40.33 ID:Hrmm0Wso<>みなさんこんにちは。
今回は報告だけ少し。
今日まで3日ほど盆休みと言うことで旅行というものに行って参りました。
今帰ってきたところなので今からまた続きを書き溜めていきます。
ということで、投下まではもう2、3日お待ち下さい。
完成次第また連絡させていただきますので。

ところでまさかここでレイニー止めという単語を目にするとは思いませんでした。
レイニー止めが何のことか分からない方のために簡単に説明しますと、

コバルト文庫『マリア様がみてる』シリーズから発生したファン用語です。
このマリみての十巻『レイニーブルー』から十一巻『パラソルをさして』が前後編のような形になっており、
『レイニーブルー』発売から『パラソルをさして』発売までの3カ月間続きが気になって仕方ないやきもきした状態のことを
指して『レイニー止め』と呼ばれるようになりました。。

※以下転載
「レイニー止め」とは単に「読者に苦痛を与える」だけの行為ではない。
穏やかな日常を送る登場人物達に生じた不協和音に煩悶し、その解決を心から待ち望む事を経て、
読者が「パラソルをさして」以降の物語をより楽しめるというカタルシス効果こそが「レイニー止め」の本質なのである。
待つ間は苦しくとも、その期間を経たからこそ得られたものは大きい、という時間と結果があってこその言葉とも言えるだろう。

以上です。
自分もこのレイニー止めにリアルタイムで遭遇してやきもきしてました。
百合系のスレにいるとよく目にする言葉ですが、もちろん本SSをご覧いただくにあたって知らなくても何一つ問題ありません。
当然ですが3カ月も間が空くということも有り得ませんのでw
それではまた近いうちにお会いしましょう。


>702
上条さんデッドエンドですねw

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/12(木) 17:23:29.67 ID:tuq1gsDO<>お姉様!お待ちしておりました!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/12(木) 17:41:40.91 ID:TfFeesY0<>あれね。空腹は最大の調味料的な。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/12(木) 18:17:06.72 ID:GI1gVj.o<>むしろ麻薬劇薬てんこ盛りのせいで禁断症状的な<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/12(木) 19:01:57.01 ID:SzoEXYAO<>22巻の表紙ですね わかります<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/12(木) 21:21:59.75 ID:mZFtcQc0<>やったぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 10:47:05.42 ID:FdYER2DO<>このスレ見ながら寝落ちしたら、真心シスターズverミサカ達が踊ってる夢を見た<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/14(土) 02:51:45.16 ID:OKNm4H20<>レイニー止めって言うなら最後はハッピーエンドなんだぜ
瞳子の役目をやってくれるのは誰なんだろうな・・・

待ってるぜ<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/14(土) 23:30:17.70 ID:JTJpM9ko<>みなさんこんばんは。
本日続きを投下できそうです。
まだ調整中ですのであと1時間程お待ちください。
それではまた後ほど。

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/14(土) 23:32:02.80 ID:vIvZ2C6o<>明日模試なのになんてことを
期待して待ってるお!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/14(土) 23:46:07.37 ID:hd3i.UDO<>お姉様あああああ!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/14(土) 23:49:07.02 ID:SsFdWPIo<>あ、ヤバイ。最近は平和な夜を過ごしてたのに。
結局続きが来ると分かったら急に胃がキリキリする訳よ。

イヤッホウ!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/14(土) 23:57:39.81 ID:e1mO6M2o<>>>722
>>723

おまいらの今後も大いに気になるわけだが<> カザキリ様なんていない
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:14:31.05 ID:amU8MCUo<>ごきげんよう。
ごきげんよう。
本SSも残すところ恐らくあと2話。
最終話が余程長くならない限りは次回で終了でございます。
本日はある意味で最後の山場。
淡々と、淑女の様に投下させて頂きましょう。
最後には夏の夜に合わせて少々のホラーテイストをご用意致しております。
尻すぼみと捉えるも、グダグダと捉えるもお姉様方のよろしいように。
ここまでお付き合い頂いたお姉様方、本当にありがとうございます。

本当のレイニー止めはここからだ

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 00:16:02.79 ID:cbUp/2.o<>きたー!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 00:17:44.66 ID:ygfdB6DO<>タイトルといい既に怖すぎw
思わず後ろ見たぞ<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:20:07.83 ID:amU8MCUo<>―25日目(土曜日)―


―麦野宅 10:00―


麦野は陰鬱な気分で目を覚ました。
本日は土曜日。御坂とのデートの日である。
本来なら心躍る休日なのに、なんだか頭も重く気分も沈んでいた。
それもそのはず。一昨日御坂と少々険悪な感じになってしまっていたから。
昨日は表向き普通にメールのやりとりをしたが、麦野は未だ気まずい雰囲気を感じ取っていた。


麦野(はぁ……行くのヤダな……。あいつの顔見てちゃんと笑えるかしら……)


もぞもぞとベッドから身体を起こして外を見る。
麦野の心と相反するような快晴。なのにどこか心を裂くような晩秋の寒空。
既に何度も御坂と愛し合ったベッドのシーツをさらりと撫でる。


麦野(けどこのままじゃ駄目だし……仕方ない、準備するか)


温かい布団の中から抜け出ると、ひんやりとした冷たい空気がベビードール姿の麦野の肌を突き刺す。


麦野(そろそろジャージにしとくか。風邪引くし。……ふふ、そういやあいつこれ見て顔赤くしてたっけ、可愛いな)


ふと思い出す御坂の顔はいつも笑顔で、優しいものだった。
結局なんだかんだで御坂と会えるのが楽しみになってくる麦野。
白い肌をさすって温めながら、洗面所へと向かって朝の身支度を開始した。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:22:02.74 ID:amU8MCUo<>
それから程なくして、洗顔や歯磨き、着替えを終える。
コートが黄色なので中に着るものは白やアースカラーを基調とした無難なものだ。
白いフリル付きの薄手のブラウスのボタンを留めながら、御坂のことを考える。
食欲が無いため、朝食は取らずサプリメントで栄養補給だけしておくことにした。


麦野(やっぱあいつに仕事のことちゃんと話して、その上であいつに決めてもらったほうがいいのかな……)


この二日で麦野は大分煮詰まっていた。
どう転んでも自分達の関係には発展性が無く、将来性も無い。
確かに同性愛は社会的にも認知されてきているとは言えマイノリティであることに変わりなく、
時に心無い言葉や侮蔑の視線を向けられることもあるだろう。
麦野にとってそれはさほど問題としていなかった。
所詮自分は社会のつまはじきもので、同じ女性を愛してしまったことなどまるで比較にならないほど罪深い人間だ。
だが、御坂はどうか。
清廉潔白な人間であるはずの彼女もきっと同じことを言う。
麦野が好きで、麦野に好かれているという事実があればそれでいいとのたまう。


麦野(私だってそれでいいと思うわよ……でも……)


しかしだ。
御坂は所詮は思春期の中学生。
多感な年ごろの少女をこの道に引きずりこむことが正しいことと言えるだろうか。
否、正しいかどうかなど個人の主観にすぎない。
問題なのは、御坂にとっての選択肢を狭め、別の道の可能性を摘んでしまうことにある。


麦野(あの子の母親は……美鈴さんって言ったっけ。あの人はきっとアンタにそんな辛い道を選ばせたいなんて思わない……。
    表向きは応援してくれるかもしれないけどね……私と一緒じゃ、アンタは幸せにはなれないんだよ……)

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:23:46.17 ID:amU8MCUo<>
御坂が欲しくて。手に入れた。
彼女と言葉を交わす程に想いは募り。焦がれ。深まる。
そうして経過していく時の流れが、麦野の心境にゆっくりとした変化を与えてきた。
気づかされたのは、あの時御坂と上条が話している場面を見た時だ。


麦野(あれが自然な形だろ……結局私達ってやっぱどっかおかしいんだよ……)


障害は何も性別に限ったことではない。それだけなら上手くやっていく自信もあるし、こんなに迷うことなど無かっただろう。
彼女に告白をしたあの日、御坂と身体を重ねることの抵抗が無いことは既に確認しているのだから。


麦野(けど私がレズビアンに目覚めたとか、実はバイだったとか、そんなことは今はどうでもいいのよ……。
    誰もそんな他人のことなんて気にしないもんね。だから私が考えなくちゃいけないのはそこじゃないんだ……)


最大の懸念は、自分の仕事。その一点に尽きる。
学園都市暗部として裏路地に君臨する麦野だ。
こんな仕事をいつまでも続けていけるわけが無いが、終わる目処も特に立っていない。
もちろん辞めたいと言って辞められるわけもない。
そんなことをすれば次から次に追手がかかって死ぬまで追いつめられることになる。
事実、足抜けを図った連中を皆殺しにする仕事をさせられたこともあった。
もっとも、それは暗部で得た情報を外部に漏らそうとした相手に否があったのであるが。


麦野(どちらにせよリスクが高すぎる……。美琴に危害が及ぶのは避けたい)


もっと真っ当に生きてくれば結果は違ったのだろうかと一瞬後悔が脳裏をかすめるが、すぐに首を振ってそれを否定した。
こんな仕事をしていなければ、自分は御坂には出会えなかったのだから。
もしもの話なんてしても仕方が無い。
麦野は鏡の前に立ち、険しい顔の自分を叱咤するかのようにわざとらしい笑顔を浮かべた。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:25:40.77 ID:amU8MCUo<>
麦野(どう転んでも私達に未来は無いな……。アンタの望みを受け入れる方がいいの?)


いや、それも一筋縄ではいかない。
なにせ御坂は良くも悪くも極端で迷いが無い。
自分と共に暗部に落ちるか、もしくは自分を救いだそうと暗部に首を突っ込んでくる可能性が高い。
つまり、何をどうやっても暗部組織との関わりを避けられないのだ。


麦野(八方塞がりってやつか……。現実は厳しいね……けど、私が深刻に考えすぎってことも否定出来ない)


言動こそ豪快だが思考はネガティヴな麦野である。
ぐずぐずと思考しているとどうしても考えが悪い方に行きがちだった。
今取れる最良の選択を必死に模索する。
何を犠牲にし、何を欲するのか。
その秤の均衡点を探りながら、麦野は鏡台の前に移動して化粧を始めた。


麦野(……さしあたって、あいつに言うべきことは……)


慎重な選択が迫られている。
一歩間違えば何もかもを失う事態へと転がって行くのだから。


麦野(……あいつは私が暗部の人間ってことは一応知ってる。
    ある程度は話しても大丈夫だな。具体的な内容に触れるとアウトか……)


学園都市第三位がよもや消されるということは無いだろうが、無用なトラブルから御坂を守らなくてはならない。
しかし御坂は学園都市第一位である一方通行の実験を阻止しようと動いていた女だ。
あるいはもっと深いところに関わっているのだろうか?

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:27:25.94 ID:amU8MCUo<>
麦野(めんどくせぇな、美琴。ほんと普通の学生として出会いたかったよ……)


ついついそんな愚痴が零れてしまう。
誰も傷つかず、悲しまない。そんな結末はどこにもないのか。
そんな虫の良いことは言わない。
御坂が傷つかず、幸せになる方法があるなら、どうかそれで構わない。
だから麦野は、自分の幸せという条件をリストから外した。
ただ、御坂と共に在るというたった一つの願いだけを残して。


麦野(ああ……辛いな……。どこか誰もいない遠くへ行けたらいいのに……なんて。
    アンタには何も捨てさせないわよ……アンタを引きずりこんだ、それが私の責任だ)


程なくメイクを終えて、いつも以上に大きくなった瞳で鏡の中の自分を睨みつける。
ただ普通に、二人で生きていきたいだけなのに。
それがどんなに困難で、過酷なことかまざまざと見せつけられている気分だ。
彼女にとっての幸せとは何だろうか。自分が彼女のためにしてやれることは何なのだろうか。
麦野は額に手を当て、俯き思考の奥へと潜る。
学園都市第四位の演算能力を以てしてもなお、その答えは見つかることは無く。
誰かがその答えをくれることは無く。
麦野はただ一人暗く深いゆるやかな絶望の海へと沈んでいった。
そろそろ家を出なければならないが、どうにも気分が重い。
こんな日は、きっとロクなことが起こらない予感がした。
面倒事や嫌な事は、立て続けに起こるものだと相場は決まっている。


麦野(せめてアンタの笑顔が見られることを望んでもいいでしょ……それくらい、いいわよね)


自嘲するように吐息を零して御坂にもらったヘアクリップで髪を纏め立ちあがる。
足取りは重い。
待ち合わせ場所で待つ御坂の無垢な笑顔を見られるなら、この気持ちも少しは軽くなるだろうか。
麦野はどうあがいても御坂の顔が頭から消えないことを心苦しく思いながらも、それが己の最後の支えとなっていることを自覚するのだった。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:29:06.88 ID:amU8MCUo<>
―第七学区大通り 12:00―


第七学区大通り。
学生がよく待ち合わせに利用する噴水の傍で、麦野は不安げな面持ちで立ちつくしていた。
何度も腕時計で時間を確認する。
待ち合わせの時間は十二時。今まさに時計の短針と長身が十二の位置で重なった。


麦野(そろそろ時間ね。ちゃんと来てくれるかしら……)


不安で鼓動は加速する。
御坂に限って無断ですっぽかすなどと言うことはまず有り得ないが、少々喧嘩気味な別れ方をして以来会うのはこれが初めてなので緊張してくる。
休日の昼間ということもあって、広場では制服や私服問わず学生が連れ添い賑やかな様相をを呈していた。
しかし、そんな喧騒は麦野の耳には届かない。
人ごみの向こうから、駆け寄ってくる人影に目を奪われたためだった。


麦野「あっ……」


おもわず吐息が漏れて心臓は跳ね上がる。
常盤台中学の制服に身を包んだ御坂が、焦りを表情に浮かべて肩で息をしながら寄って来た。


御坂「ごっめん! ちょっと授業で遅れちゃった。待った?」


額の汗をぬぐいながら笑みを零す御坂。
麦野もそれにつられるように、やや不自然な笑みを顔に張り付けて平静を装う。


麦野「いや……別に。そっか、アンタ今日学校だったんだね」

御坂「はぁ? 土曜日だからそりゃそうでしょ。急いで来たんだから」

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:31:00.30 ID:amU8MCUo<>
御坂のことを考えてばかりだったので、基本的なことを失念していたようだ。
12時という待ち合わせ時間はもしかするとかなり無茶をしたのかもしれない。
それこそ早退ということも有り得るが、御坂はケロリとした様子なのでそれ以上深くは触れずにおく。


麦野「ごめんごめん。忘れてたよ。お腹減ってる? 何か食べよっか」


いずれにせよ丁度お昼時。麦野も朝食を抜いているので空腹が今頃になってやってきたところだ。
今日は映画でも見るという漠然とした予定しか立てていなかったので、手近な店にでも入ろうと提案すると、
御坂も二つ返事で頷いた。


御坂「うん、お腹減ったー! 何にしよっかなー」

麦野(……意外に普通ね。そう振る舞ってくれてるの?)


もっと重苦しい雰囲気になるかと思ったがそうでもなかった。
御坂が気を使って一昨日のことに触れないようにしてくれているのだろう。
身構えていたので、麦野は少しだけ肩透かしを食らったような気分になりながら御坂の顔をじっと見る。


御坂「ん? 私の顔に何かついてる?」

麦野「ううん……えっと、何食べたい?」


わざわざ険悪な雰囲気にする必要は無い。
一日は長いのだし、話はじっくりと進めていこうと麦野も微笑んで御坂に問いかけた。
その質問に、御坂は辺りをキョロキョロと見まわして店を探し始めた

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:32:21.54 ID:amU8MCUo<>
御坂「んー、何でもいいけど……あ、たまにはファーストフードとかどう?
    何だかんだで今まで一回も行ってないし、学生のデートの定番でしょ」


好みのものが見つからなかったのか、余程お腹が空いているのか、御坂は「もうあれでいいや」とでも言いたげに
少し投げやりな口調で赤と黄色のどこにでもあるファーストフード店の看板を指差した。
ジャンクフードは対して好きではないが、ファミレスで食べるものを考えれば対して変わりないなと、
肩を竦めてそちらに向かって歩きはじめた。


麦野「無理に定番を抑える必要なんてあるのかしらね。まあいいけど」

御坂「沈利さんがハンバーガー食べてるのなんてちょっと面白いじゃない。
    たまにはいいでしょ、行こ行こ」

麦野「ちょっ、引っ張らないでよね」


そう言って御坂は麦野の腕に手を絡ませる。
ドキリとする麦野を引っ張り、御坂は楽しげな顔でファーストフード店まで先導していった。
店内は昼時と言うこともありやや混みあってはいたものの、十分な席が用意されており、
二人は注文した品を持って3階の窓際席を陣取る。
大通りを歩く人々の姿がそこから一望出来た。
常盤台中学の学生はやはり珍しいようで、周囲の学生達から好奇の視線が寄せられているが
御坂は特に気にする様子も無くお絞りで手を拭いている。


麦野「っつか私からすりゃアンタがそんなもんにかぶりつく姿の方が意外なんだけどね」


御坂が大きく口を開けてハンバーガーを頬張っている姿は小動物的で愛らしい。
しかし忘れがちだが、彼女はあくまでお嬢様学校の生徒である。
そんな少女が、はしたなくも大口を開いているのはなかなかに愉快な光景だった。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:33:54.00 ID:amU8MCUo<>
御坂「そう? むぐむぐ……ホットドッグとかも好きよ」

麦野「ふーん。小さいお口で懸命に大きなソーセージを頬張る訳ね。ふふぅん」

御坂「げほっ! やらしい言い方しないでくれる?!」


ニヤニヤと笑う麦野に、御坂がむせて顔を赤くする。


麦野「あれー? やらしいって何のことかにゃーん? 美琴ちゃんは何を想像しちゃったのかにゃーん?」


ポテトを齧りながらくつくつと笑う麦野。
より一層顔を真っ赤にさせた御坂が頬を膨らませて視線を反らした。


御坂「もういいわよ! 沈利さんの意地悪! エッチ!」

麦野「今更何言ってんだか。いい加減慣れろっつの。私がエロいのなんて今に始まったことじゃないでしょ。
    大体、アンタがそうやって無防備に……何見てんの?」


拗ねて窓の外を向いていた御坂。
ふと見ると、麦野は彼女の視線が何かを捉えていることに気がついた。
大通りを歩く学生達。その中の一点を切なげに見据えている。


麦野「……あれって……アンタ」


麦野の声色が低く変化した。
我に返った御坂は慌ててこちらに視線を引き戻す。
普通に話せていたと思ったのに。
麦野は歯噛みする。
沸々と怒りや悲しみが胸の奥底から湧き上がってくるのを感じていた。
彼女の視線の先にあったのは、仲睦まじく手を繋いで歩く上条とその恋人姫神の姿だったのだ。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:35:11.11 ID:amU8MCUo<>
御坂「ご、ごめん。ボーっとしてた!」

麦野「……アンタは……まだ私の彼女なんでしょ……」


麦野は悲しげに呟く。
上条と姫神を見つめる御坂の視線がとても切なそうに見えたのがやけに気に障った。
場の空気が凍りつく。
異変を感じ取った周りの席の学生達がチラチラとこちらに視線を送ってくるが、麦野は一切気に留めない。


御坂「ま、まだって……どういうことよ……。ち、ちがうわよ! あいつを見てたのはそんなんじゃなくて……!」

麦野「だったら……あんな顔で他の奴なんて見てんじゃないわよ……!」


もはや怒りを隠そうともせずに麦野は拳をテーブルに叩きつけた。
3階フロア全てが静寂に包まれる。
周りからの好奇の視線が一斉に集まってくる。


御坂「何勘違いしてんのか知らないけど、私あんたが思ってるような意味であいつを見てたんじゃないからね」

麦野「……嘘」

御坂「はぁ?」

麦野「アンタ一昨日だってあの男とベンチで一緒に喋ってたじゃないの……」


麦野は目尻に涙を浮かべながら引き絞るようにそう言った。
ベンチに並んで幸せそうな顔つきで言葉を交わしていた二人の姿を思い出す。
悲しいような、悔しいような言葉では言い表しがたい複雑な感情だった。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:36:46.42 ID:amU8MCUo<>
御坂「なっ……! あんた見てたわけ!?」


驚いたように御坂。
その態度がまたも麦野の癇に障った。
見ていたことを責めるような口調に聞こえたためだ。


麦野「アンタまだあの男のことが好きなの?」


頭の中が混乱でグチャグチャにかき乱されていく。
彼女との今後のことや、自分たちの立場のこと。
麦野の両肩にストレスとなってのしかかっていたそれらの問題は、まるでパンパンに膨れ上がっていた風船のようになっていた。
そしてそこに今、ほんの些細な気がかりが針となって突き刺される。弾け飛ぶように、麦野の怒りが炸裂したのだった。
そんなことは無いと半ば自分でも分かっていることだったのに、怒りが後押しして思わず口を衝いて出る。
御坂が前の恋をそう簡単に割り切れないというのも初めから了承済みだったはずなのに、麦野はポロポロと涙を零しながら御坂を問い詰めた。


御坂「馬鹿なこと言わないで!」


御坂もまた麦野から言われた言葉が信じられなかったのか、テーブルを同じ様に殴りつけて立ちあがった。
ビクリと肩を跳ね上げる麦野。
御坂の表情を見て、少しだけ頭が冷えた。
それはとても哀しげな顔だった。
麦野は理解する。今自分は、御坂の信頼を裏切るような最低の言葉を口にしたのだと。
俯き、麦野は唇を血が滲むほどに噛み締めた。


麦野(何やってんだよ私は……。美琴に話しなくちゃいけないのに……)

御坂「グスッ……沈利さんを不安にさせたくないから黙ってただけなのに……」

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:38:57.92 ID:amU8MCUo<>
御坂のすすり泣く声に顔を上げると、耳を赤くし、目には涙を浮かべて彼女も俯いていた。


御坂「あいつとは帰り道にたまたま会っただけよ……沈利さんと付き合ってることもちゃんと言ったもん……。
    凄く素敵な人だって、のろけてやったわよ。それなのに……何でそんな言い方されなくちゃいけないのよ……」


徐々に感情が高ぶってきたのだろう。
御坂は最後の方は顔を手で覆って嗚咽と共にテーブルに涙の水たまりを作り上げていた。


麦野「ごめん……カッとなっちゃって……」


その様子を見て罪悪感がこみ上げてくる。
心底自分のこんな性格が嫌になる麦野。


御坂「……もういいわよ」


次の瞬間、御坂は平坦な口調でそう告げた。
顔をあげた御坂は、涙を拭いながら麦野を真っ直ぐに見据えてくる。


麦野「え?」

御坂「もう帰ろ……何かそんな気分じゃ無くなっちゃった……」

麦野「で、でも……」


せっかくのデートに加え、今日は色々と話さなくてはいけないこともあるのにと、麦野は言葉を探る。
原因は当然自分にある。
一昨日のことも案の定誤解だったようだし、喧嘩する理由などもはや無いというのに、
どうしてこうも話がこじれてしまったのだろうか。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:40:51.00 ID:amU8MCUo<>
御坂「私沈利さんに信用されてないみたいだし……」

麦野「違う! そんなことない……!」


寂しそうに告げた御坂の言葉を、麦野は慌てて否定する。


御坂「説得力無いわよ……」

麦野「そんな……」


御坂の言葉はもっともだった。
事実疑うような発言をしてしまったのは自分なのだから。
御坂は睨むような眼差しで麦野を見詰めたまま言葉を続ける。


御坂「……ごめん、今沈利さんの顔見たくないの……。なんか、すごくイライラするから」

麦野「…………」


とりつくしまも無い。
麦野のはその言葉を合図とするように、無言で立ち上がってその場を去ろうと御坂に背を向ける。


御坂「ごめん……」


投げかけられた言葉。
涙声であることに申し訳ない気持ちが湧きあがってきた。
泣きたいのはこちらも同じだ。何も喧嘩などする必要なんて無かったのに。
ギュッと掌に爪が食い込むほど拳を握り、麦野は立ち止まって振り返らずに言った。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:43:12.14 ID:amU8MCUo<>
麦野「……いいよ」

御坂「…………夜メールする」

麦野「ん……待ってる……」


頭が冷えればちゃんと話も出来るだろう。
せっかくのデートが潰れてしまうのは残念だが、今回は仕方ない。


麦野「じゃあね」


未だ背後で鼻をすすっている御坂に最後にそう告げて麦野は周りからの視線を振り切るように速足で階段へ向かい、下る。
涙が溢れてきそうなのを必死にこらえながら、良くないことは冗談のように続くものだと実感する。
涙目になっている姿を他人に見られないよう、俯きながら麦野は急いで階段を下りて逃げるように店を出た。
笑顔で大通りを歩く人々が腹立たしい。
麦野はそんな何気ない日常の風景すらも忌々しく思いながら、数歩を歩く。
その時だった


怪しい男「お、お前……麦野沈利だな! アイテムの!」


麦野の眼前にやせ細り土気色の肌をした研究員風の男が躍り出る。
怯えや焦りを骸骨のような顔いっぱいに浮かべながら、彼はそう叫ぶとこちらの反応を待たずに黒光りする拳銃の銃口を突き付けてきた。


麦野「……!」


応戦しようと身構える暇も無く、男はカタカタと震える手で引き金を強く引いた。
乾いた銃声が大通りに木霊する。
ざわめく人の波。数瞬の間を置いて女学生の悲鳴が聞こえた。
咄嗟に身をよじって致命傷を避けたものの、麦野の脇腹はコートを貫通してわずかだが抉り取られた。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:45:12.27 ID:amU8MCUo<>
麦野「テメ……ェ……! うぐっ……!」


激痛が走り脇腹を押さええると、ぬるりとした感触が掌に触れた。
思わず蹲った麦野に男はもう一度銃口を構えた。


怪しい男「は……はは! ざまあみろ! お前が悪いんだぞ!
      お前が俺達の邪魔をして……おまけにあんなムゴいことしやがるからっ!」


何の話をしているかは分からないが、どうせ自分に恨みを持つ人間だろう。
心当たりがあり過ぎる麦野は男の引き金が引かれる前に痛む身体に鞭を打って横に飛ぶ。
麦野が1秒前まで居た位置に向かって銃弾が数発撃ちこまれた。


怪しい男「ちっ!」


麦野が攻撃をかわしたことで焦ったか、それとも『原子崩し』の演算を始めたことに気付いたのか、
男は舌打ちをして手近な細道へと入って裏路地へと逃げ込んでいった。
その様子を見てブチブチと頭の血管が切れる音を聞く。
遠巻きに見守っていた周りの人々が心配する声をかけてくるのが遠くに聞こえた。


麦野「逃がすわけ……ねぇだろうがぁぁぁあっ!」


痛みが怒りとなって増幅される。
アドレナリンが激痛を和らげる。
美麗な顔立ちを凶悪に歪ませて、麦野はコートに赤いシミを作る傷痕のことなど気にもせずにその後を追いかけた。
まったくもって最悪な日だなとぼんやりと思う。
つくづく、悪いことというのは続くものらしい。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:47:30.86 ID:amU8MCUo<>
―ファーストフード店 3階 12:50―


御坂(あー……やっちゃった……)


御坂は麦野の去った客席で一人自己嫌悪に陥っていた。
あんな喧嘩になるようなことを言うんじゃなかったと後悔する。
上条と会ったことを麦野に内緒にしていた自分にも非が無い訳ではない。


御坂(沈利さんに仕事のこと訊こうと思ってたんだけどなぁ……)


先日から少々機嫌も悪かった麦野のことを想い、少しでも話しやすい雰囲気を作るために
朝から明るく振る舞っていたのが無駄になってしまったようだ。
この調子では当分話を聞けそうに無い。
おまけに今回はこちらから麦野を家に帰すという暴挙に出てしまったのだ。
関係の修復は容易なことではないだろう。


御坂(沈利さんとこんな喧嘩するの初めてだからどうしたらいいかわかんないな……。
    少し落ち着いたら謝ろう……)


麦野の封を開けてすらいない包装されたチキンレタスバーガーをぼんやりと見つめる。
ジャンクフードを食べる麦野の姿なんてそうそうお目にかかれるものではないというのに。
ため息をつく御坂。
捨てるのももったいないので、仕方なくそれを食べてしまおうと手に取る。


御坂(食欲無くなっちゃった……。袋もらって持って帰ろうかしら)

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:49:04.28 ID:amU8MCUo<>
一度持ち上げたもののどうにも食べる気がせず、御坂はもう一度それをトレーの上に戻して窓の外に視線を送る。


御坂(あ、沈利さん……)


丁度麦野が店を出るところが眼下に見える。
心なしか肩を落として寂しげな背中だった。
チクリと罪悪感で胸が痛む御坂。
このままじゃ良くないなと思いながらぼんやりと彼女の背中に視線を送っていると、そこに近づく人影があった。
細長い体の白衣の男。
研究員風のその男はふらふらと覚束ない足取りで麦野の傍まで寄ってくると、突如彼女に向けて銃を突きつけた。


御坂「え……?」


次の瞬間。窓越しに確かに乾いた音が一つ聞こえた。
咄嗟にかわそうとしたのか身を捩った麦野だが、脇腹を撃たれたようで、手で押さえながら身体を揺らしている。
さらに男は再度銃口を麦野に向けて引き金を引いた。


御坂「な、なんなのよそれ……」


麦野も今度は勢いよく横に飛んでなんとかそれを回避する。
すると男は、躊躇い無く銃を下ろして路地裏に駆け込んでいった。
麦野のコートに血が滲んでいるのがここからでも分かる。
御坂はハラハラとその様子を見ていたが、麦野が鬼のような形相で男を追いかけて行ったのを見て我に返り、
居ても立ってもいられず勢いよく席を立つのだった。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:52:26.30 ID:amU8MCUo<>
―第七学区裏通り 13:00―


麦野は自らの身体に銃弾をぶち込んでくれた研究員風の怪しい男を追いかけて、路地裏を彷徨っていた。
大通りは多くの人々でごった返していても、そこから一つ道を外れるだけで昼間でも薄暗く退廃的な雰囲気を放っている。
年頃の女子学生が一人で入るなど言語道断な人気の無い狭苦しい路地裏は、まるで現世とは隔離されているかのような錯覚を抱かせた。
この時間帯ならスキルアウトの一人や二人いてもおかしくはなさそうだったが、気温も低いためか人影はまるで見当たらず、
背の高い廃ビルに囲まれた道の真ん中で麦野は肩で息をしながら辺りに視線を走らせ立ち止まった。


麦野「ハァ……ハァ……くそっ!」


茶色いパンプスのヒールを荒れたアスファルトの地面に打ちつける。
男はあらかじめ逃走経路の確保もしていたのだろうか、入り組んだ路地裏にその背中を見つけることは出来なかった。
黄色いコートに赤いシミを作る脇腹の傷を抑えて麦野が奥歯をギリリと噛む。


麦野(痛ぇな……。結構深くえぐられたか……?)


致命傷になるような傷ではないものの、先ほどから血がドクドクとあふれ出てきてコートを染め上げる赤いシミは大きくなっていた。
麦野は先ほどの男の言葉を思い返す。
自分が彼らの何らかの行動を邪魔した挙句に、何やら惨たらしいこともやってのけたらしいが、未だに何のことか分からずにいた。
仕事で関わったことのある相手であることは間違いないだろうが、何せこの仕事を始めて数年。
殺した人間は星の数程いるし、自分の所為で計画が頓挫したであろう組織も相当な数に上っているはずだ。
ズキズキという痛みをこらえながら、麦野の頭に一つの候補が上がった。


麦野(例の能力開発関連データ流出を目論んでた奴ら……アレのくたばり損ないか……)


つい先日までの一連の事件に関する仕事を思い出す。
学園都市上層部が、学園都市の外に能力開発の研究データを漏らそうとする連中を始末するよう依頼してきた内容だった。
相手が研究員風の男だったということと、例の事件前後、少々情緒不安定だった麦野はいつもより残酷に相手を
追いつめ殺害していたことを加味すればその線は濃厚なものとなってくる。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:55:50.07 ID:amU8MCUo<>
麦野(逆恨みかよ…………いや、そうでもないか。
    あの男の同僚をダルマに変えたかビルの下敷きにしてぶっ殺したのは私なんだし。
    どちらにせよこの私の身体に銃弾ぶち込んで生かしておくわけはいかねぇだろ)


またしても怒りがこみ上げてくる。
ただでさえ御坂と喧嘩をして最悪な気分のところにこの事態だ。
あの男を肉片一つ残さずこの世から消す。
麦野は口元を歪ませて大きく息を吸った。
脳内に酸素を行き渡らせ、感覚を研ぎ澄ませる。
仕事の時のような命の取り合いに興じるために意識を集中させる。
その時だった。
路地の角から、麦野の眼前に、二人の男が飛び出て来た。
全身を黒っぽい装備に包んだ軍人風の二人は、携えていたライフルを構え、麦野に向けて引き金を引き絞る。


麦野「……なるほど、そういうことか」


麦野はその常人離れした脚力と瞬発力ですぐに建物の中に飛び込んで銃弾から身をかわす。
少しずつこの状況が理解出来てきた。
というより、今眼の前に飛び出てきた軍人風の男二人を見てピンときた。


麦野(データの流出先……買い手側から派遣されてきた奴らか。
    あの男が手引きして学園都市内に侵入させたな。
    ……外の組織の連中が計画頓挫の主犯である私に報復に来たってとこか。
    よし読めてきた……)


建物の中に身を隠し、外の様子を伺いながら麦野は考える。
だが学園都市内への侵入は容易なことではない。
人数などたかが知れているだろうし、それをカバーするために路地裏に自分を誘い込んだのだろう。
麦野は口を引き裂いて笑う。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 00:58:49.84 ID:amU8MCUo<>
麦野(いいねェ……ストレス解消にはもってこいの相手だわ。
   最近仕事も無くて、おまけに美琴ともなんかギクシャクして……溜まりに溜まってるこのもやもやを
   死ぬまで叩きつけてやるから覚悟しとけコラ)


建物の入口に向かってジリジリと忍び寄ってくる男二人の足音。
麦野は命のやり取りのさ中、心地よい高揚感にさらされて壁に掌をピタリと付ける。
一連の仕事、番外編の始まりを告げるように、麦野は笑みを零した。
堅牢な建造物に囲まれた狭い路地は、天然の防壁となって彼らの身を守るものであっただろう。
時に盾となり、時に遮蔽物となり。
様々なメリットを与えるはずのその分厚いコンクリートの壁がひんやりと麦野にその存在を主張する。
彼らは勘違いをしている。
いくら彼らにとってこれが天然の城塞となり得るものであったとしても。
こんなもの、自分にとってはただの。
紙だ。


麦野「テメェら全員潰れたカエルのように死ね!」


青白い光が辺りを照らしだす。
学園都市暗部において、原子崩しの名を少しでも聞いたことがある者であったなら、彼らのような行動はとらなかったろう。
遮蔽物の一切合切を貫く原子崩しを前に、壁際を歩くなどとと言う愚行は。


「な、なn」

「お、おい! どうした……!」


一人にクリーンヒット。
消滅した壁の向こうでは身体の半身を無くした男の一人が自らの血の海の中でビクビクと痙攣して絶命していた。
一瞬にして肉塊と化した仲間に残されたもう一人が怯む。
そして麦野にとってそれは、これまでに幾度となく見て来た光景だった。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:01:38.74 ID:amU8MCUo<>
麦野「おいおい。路地裏のチンピラでももう少しマシなリアクションするわよ?」

「ば、化けm」


身体半分がミートソースと化した仲間の死体を目にして、戦意を失いかけていた男は、
それでもなお銃口を麦野に突きつけ引き金を引き絞る。
だが、麦野は既に電子線の発射態勢は万全だった。
男に捨て台詞を口にする間も与えず、青白い電子線がその顔面を赤い華を咲かせるように吹き飛ばした。


麦野「遅ぇんだよ。化け物退治のつもりで来たんじゃないの?」


どうやら原子崩しがどんなものなのかを理解出来ずに戦いに赴いてきたようだ。
それで勝てると思われていることが腹立たしい。
麦野は鼻歌交じりに顔面を吹き飛ばされた男の死体踏みつけて駆け出す。
どうやら彼らはここで自分を仕留めるつもりだったようだ。
となれば、そうとう自分に恨みを持っているであろうあの男も自分の死に顔を一目見ようと
この場に留まっている可能性が高い。
作戦中止を決定して撤退する前に皆殺しにしてやらなくてはいけないなと、麦野は細い路地裏の
地形を変えるつもりで四方八方に電子線をまき散らすように放った。


麦野「オラオラ! 逃げんじゃねえぞチンカス共ッッ! ここで私を仕留めなきゃテメェら一生逃亡生活だ!
    地の果てまで追いかけて死ぬまでブチ殺してやるから気張れクソがぁっ!」


声高らかに叫ぶほどにブチブチと頭の血管が切れていく。
興奮と絶頂。
これから殺し合い、否、殺戮に赴く者としてはある意味理想的な精神状態。
先ほどの電子線の乱射で数人仕留めたか、辺りに飛び散った血肉を踏みにじって麦野は人影を探して路地裏を走り回る。
やがて思い出したようにコートのポケットから赤い携帯電話を取り出して数件前の通話履歴からある人物に電話をかけた。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:04:01.83 ID:amU8MCUo<>
『もしもし? 麦野か?』


2コールの後に電話に出たのは浜面だった。
仕事前後の迎えの連絡以外で電話をかけることなどないので、少々驚いているようだ。
しかし麦野はそんな彼の意外そうな言葉の響きには構わず、辺りに視線をやりながら口を動かす。


麦野「はーまづらぁっ! 死体の処理と後始末の手配だっ! 第七学区の裏路地D、E地区周辺一体を封鎖させろ!
    今すぐにっ! 5分でやんな! それからアンタは車を用意して私を迎えに来い!」

浜面『は、はぁっ!? 何だ急に! ま、まさかお前ついに喧嘩で人殺しちまったか!?』


矢継ぎ早に注文する麦野の言葉を受け止めきれなかったらしい浜面。
大層失礼な勘違いをしてくれているようだが、あながち間違ってもいないなと、
麦野はイライラとこめかみに血管を浮かび上がらせながら駆け回る。
瞬間、麦野の眼前に3人の黒い防弾ジャケットに身を包んだ男が拳銃を構えて躍り出る。


麦野「はっ! まあそんなとこよ! 急ぎなよ、清掃班も呼ばないと学園都市に新しい心霊スポットが出来ちまう」


原子崩しは奇襲に弱い。
誰が言ったか、それは紛れも無い事実だ。


麦野「タイトルは赤い路地裏ってのはどうよ? ぎゃははははははははははははぁっ!!」


しかし。
それは麦野の眼前に出る前に限った話。
飛び出し、銃を構え、引き金を引く。
遅い、遅すぎる。
先ほどと違い今は頭を切り替えている。
荒事に慣れきっている麦野にとって、欠伸が出る程の時間だ。
男たちが飛び出て1秒と経たず、彼らは真っ赤な血肉の塊となって瓦礫にへばり付いた。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:06:55.10 ID:amU8MCUo<>
浜面『お、おい麦野大丈夫か!?』

麦野「ごちゃごちゃ言ってる暇あんなら私が言ったこと全部やれっつの! 電話切るよ!」

浜面『ちょ、待て麦』


プツリと電話を切る。麦野は足を止める事無く上方に視線を移す。
人気の少ないビル街。上階でキラリと何かが光る。
スナイパーを配置しているらしい。麦野の足元に鋭く銃弾が突き刺さるが、さほど手練では無い様子。
動き回る標的を一撃で仕留められない三流に、易々と殺される程死線をくぐってはいない。


麦野「無駄だ蠅共。私とまともにやり合いたいならまず距離を詰めるとこから始めなよ!」


距離も遮蔽物も一切関係ない。その麦野にとってある意味死角と言えるのは超接近戦。
ビル6階と別のビル屋上に配置されていたスナイパーを同時に屠って麦野は残酷に嘲る。
そして、その死角すらも無駄だと嗤う。


麦野「ただし馬鹿正直に眼の前に出てくるのは駄目だ」


示し合わせたようなタイミングで、ナイフを手にした男が麦野を突き飛ばす勢いで陰から飛び出す。
それを横目に捉えて、麦野が獰猛な肉食獣のように牙を見せた。


麦野「私に肉弾戦挑むなんて5世紀ばっかし早いんだよ!」


ナイフを腰に構えて真っ直ぐに麦野に突撃してくる屈強な男。
連携の仕方は悪くない。
しかし、その程度、麦野にとっては幾度となくくぐり抜けた修羅場の焼き直しに過ぎない。
青白い光球を周囲に形成し、男に向けて乱雑に降り注がせる。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:10:33.77 ID:amU8MCUo<>
先ほど麦野にとって死角は接近戦にあると言った。
確かに、この距離では複数の電子線の精密な照準合わせは自らに当たる可能性を考慮すると少々時間がかかる。
だがそれは、あくまで爆弾などによる広い加害範囲を有した対象を狙う場合に限る。
単調な点での攻撃など、麦野にとっては格好の標的でしかない。
そして


男「化け物め! やはり学園都市に技術独占をさせうぐっ!」


電子線をかろうじてくぐりぬけた男が麦野の柔らかな身体に刃を突き立てようと腕に力を込めるも、
その刀身は白い柔肌に突き立てられることなく男の手から零れ落ちた。
男の腹部には、麦野の長い脚による蹴りが叩きこまれている。


麦野「知らねぇの? レベル5が化け物なのは当然だろうが」

男「ま、待て! やめt」


麦野は自らに向かってくる刃を寸前でかわし、すれ違いざまにひざ蹴りを叩きこんだのだった。


麦野「駄目だ。中学生のガキでももうちょっと善戦したけどそこんとこどうよ?」


崩れ落ちる男の頭上から容赦なく降り注ぐ青い断罪。
血の華を大地に咲かせて麦野は鉄の匂いが鼻腔をくすぐるのを感じ、さらに神経を研ぎ澄ませていった。
麦野がアイテムというたった4人の少女を率いて、学園都市内部の不穏分子の抹消などという荒事への対応を任されている理由はここにある。
それは何も彼女がレベル5という圧倒的な力を持っているからだけではない。
相性の悪い能力者がいようと、迂闊に能力を発動出来ない状況に追い込まれようと。
能力が十二分に使用出来ない状況下に在ってなお戦闘を継続、もしくは回避出来るこの恐るべき
身体能力と標的を確実に抹殺しようとする執念が麦野を長きに渡って路地裏の女王として君臨せしめてきた。
長時間駆け回ってきた麦野は多少肩で息をしているとは言えまだまだ体力的にも十分ということからもそれが窺い知れる。

これが。
これこそが学園都市第四位『原子崩し(メルトダウナー)』麦野沈利の真の恐ろしさである。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:12:28.12 ID:amU8MCUo<>
麦野(……気配が消えた……今ので最後か。となれば残りは……)


先ほどまでのピリピリとした空気が穏やかなものへと変わっていくのを感じていた。
自分を殺そうとする敵は今ので全て仕留めたらしい。
残るのはあの研究員風の男。
その時。
瓦礫の山と化していく建物の向こう側に、その研究員風の男の姿が見えた。


研究員「く、来るな!」


こちらの姿を見た男は土気色の不健康な肌からますます血の気を引かせて麦野に懇願するような眼差しを向けた。


研究員「わ、分かった! 私が悪かった! もうお前達には関わらない! だから見逃してくれ!」


お決まりの命乞い。
こんな状況、もう何度目になるだろう。
麦野は無表情のままゆっくりと男に近づいていく。


麦野「……私のドテッ腹に銃弾くれやがったのはテメェだろうが。……楽しいのはこっからじゃない」

研究員「た、頼む! 何でもする! 学園都市からも出て行く! だから頼む!」


泣きそうな顔で懇願する男。
急速に熱が冷めていく。
感情の高ぶりが収まり、突然この状況がつまらないものに思えて来た。
仕事の終わりはいつもこんなものだ。
あっけなさすぎる幕切れ。不毛な殺戮。
それでも殺さなければ終われない無情。
麦野はもうさっさと終わらせようと、男に憐れみにも似た視線を向けて掌をかざした。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:13:47.35 ID:amU8MCUo<>
御坂「あ、沈利さん! こんなところにいた!」


その時、男のすぐ近くの路地からひょっこりと御坂が顔を出した。
ギリリと奥歯を噛む麦野の一瞬の表情の変化を見逃さず、男は御坂に飛び付いた。
首に腕をまわし、そのこめかみに銃口を突き付ける。


御坂「え? え!? 何よこれ!」

研究員「形勢逆転だな!」


勝ち誇ったような表情をする男だが、麦野にはそんなことどうでもよかった。
問題なのは、この状況を御坂に見られてしまったと言うこと。


麦野「美琴……なんで……追っかけてくるのよ……!」

御坂「だ、だって……! 麦野さんが撃たれるの見て……!」


御坂と視線を交わす。
それはきっと彼女にとっても同じこと。
眼の前に突如突きつけられた現実を受け入れたくないと叫ぶように、
首を横に振って辺りの光景を拒絶する。
溢れた血肉。バラバラに飛び散った人体のパーツ。
瓦礫にこびりつくかつて人であったもの。
麦野は血の気が引いていくのを感じながら、胸に絶望が生まれる静かな音を聞いていた。


研究員「き、貴様ら私を無視するな! 大人しく死ん……!」

御坂「うるさい!」

研究員「ぎゃぁぁぁあああああ!!!」

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:15:39.22 ID:amU8MCUo<>
御坂が身体から電撃を放出する。
ビクビクと身体を痙攣させて、男はプスプスと黒い煙を上げながら倒れて行く。
御坂のことだからきっと殺していないのだろう。
麦野は混乱した頭をすぐさま切り替え一つのことを考えた。

ここらが潮時

彼女と出会った頃始まった一連の事件の幕引きが、彼女との別れの時だというなら、

それも悪くない

麦野は自嘲し、無言で御坂の傍に倒れゆく男の身体に青白い光の槍を叩きつけた。


御坂「沈利さん待っ!」


御坂の声がこちらに届くよりも早く。
研究員風の男の身体は真っ赤な肉の破片となって辺りに飛び散った。
御坂の半身に汚い肉がこびりつく。
麦野の頬にも、血なのか肉なのかわからないドロリとした感触がへばりついた。
男への仕打ちの迷いの無さこそが、麦野の決断の速さ。
瞬き一つの間で殺し合いに踏み切る麦野だからこその引き際。


御坂「……沈利……さん?」

麦野「これが私。

    はじめまして、美琴―――」


思っていたよりは声は震えなかった。
心をこそぎ落とすように。
真黒な穴をほじくり返すように。
だが決して痛みは伴わない。
麦野は半ば諦めにも似た心持で言葉を紡いでゆく。



麦野「―――そしてさようなら。

    見られたからには、アンタとはもう一緒にはいられない」

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:19:50.09 ID:amU8MCUo<>
御坂「……あ……ぁ……」


言葉にならない悲鳴をあげている御坂。
人が弾けとぶ瞬間を見せたのはやり過ぎだっただろうか。
彼女の心に要らぬ傷を残したそれだけが少しだけ心残りだ。

だがそれはそれで悪くない。

一瞬にして彼女を地獄に叩き落として、苦痛に歪む顔を見るのも、それはそれでそれすらも

―――悪くない。

これが彼女への愛によって成せる業だというなら、自分もまた業の深い生き物だ。
御坂の喜ぶ顔も、楽しそうな顔も、哀しそうな顔も、苦しそうな顔も、全てを自分のものにしたいと思えるのだから。


麦野「安心しなよ。アンタの命を奪うような真似はしないから」


惨めに泣きわめくような女にはなりたくない。
そんなものは、彼女にだけは見せたく無い。
麦野は言い逃れの出来ないこの状況に追い込まれたことで、ようやく自らが取るべき行動を理解するのに至った。


御坂「何……言ってんのよ……こ、こんなの……平気よ。うぷっ……わ、忘れたの? 私はアンタと殺し合った仲なのよ……?
    こ、こんなの、想定の範囲内に決まってるじゃない……ォエッ!」


カタカタと震える手で胃の奥からこみあげてくるものを必死にこらえている御坂。
彼女が眩しく、純粋なものだとするなら、こうなってしまうことをあらゆる手を講じて回避するべきだった。
逆に言えば、ここが分水嶺。最後の防衛線。
自分が言い訳の仕様も無い殺戮の中に在る存在だと知られた以上は、もはや迷うことさえ許されない。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:22:05.47 ID:amU8MCUo<>
麦野「別れよう」

御坂「え……」


麦野は薄く微笑み、御坂に告げた。
こうならないために悩み、苦しんできたというのに。
後悔があるとすれば一つ。
彼女を疑うような真似をしてしまったことだった。
彼女と同じ所に立って同じものを見られないことが悔しくて、女同士の恋路の果てには何も無いなどと理由を付けて納得をしようとした。
そんなこと、理屈で考えるようなことではないと分かっていたはずなのに。
御坂が好きだから、好きになった。
ただそれだけで良かったのに。


麦野「どうしてアンタを好きになったんだろ。もう分かんない。
    ……遊びは終わりよ。アンタと私のいる場所は、違いすぎるんだよ」


踵を返して路地裏を後にしようと御坂に背を向ける。
立場の違い。性別の壁。彼女には綺麗なままでいて欲しい。
結局のところ、そんなものは、全部全部詭弁だ。
体の良い理由を付けて、これ以上自分が傷つきたくないだけだ。
しかしこの世界に御坂を関わらせるわけにはいかないというのも事実で。
色々な言い訳や理由がない混ぜになって、もう麦野自身にも何故彼女を手離さなくてはいけないのかが分からなくなっていた。
しかし、それでも自分にはやらなくてはならないことがある。
最後の最後で得た彼女の為に出来ることは、ただ単純に、彼女の未来を守ることなのだから。


御坂「…………じゃないわよ……」


ふと、御坂が何事かを呟いているのを耳にした。
立ち止まり、チラリと彼女の様子を伺う。
砕け散った死体の横で、両手の拳を握りプルプルと震わせている。
ギチギチと歯噛みし、やがて御坂はありったけの怒りを込めた視線を麦野にぶつけた。


御坂「ふざけんじゃないわよ……っ!!!!」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 01:23:13.13 ID:/XMTMeoo<>BGM:小田和正「さよなら」<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:23:44.09 ID:amU8MCUo<>
瞬間。
大気が震え、大地が脈動する。
空気がうねり、ビリビリと落雷のように御坂の身体から雷が迸った。
アスファルトは黒く焼け焦げ、御坂の半身を濡らしていた血液は一瞬にして蒸発する。
そしてこちらに向けられている視線の中には、殺意とすらとれる圧倒的な怒りがあった。


御坂「何なのよそれはっ! そんな一方的な理由で、私が納得するとでも思ってんの!?」

麦野「落ち着きなさい。確かに一方的なのは謝るよ。でも……」

御坂「うっさい! 大体めんどくさいのよあんたはっ! ウジウジウジウジウジウジウジウジウジウジウジウジ!
    カビ生えるわ! 何をそんなに悩む必要があんのか分かんないわよ! 辛気臭いったら!」


激昂し、吠え猛る御坂。
とうとう堪忍袋の緒が切れたと言わんばかりに。
彼女はまだ子供だから、事の重大さがきっとよく分かっていないに違いない。
そうで無くては、こんな風に怒り狂ったりはしない。
そんなことを考えていると、御坂はさらに勢いづいて言葉を続ける。


御坂「どーせガキだから分かんないとでも思ってんでしょ!
    私から言わせりゃあんたのそういう無駄にナイーブでネチネチした所の方がガキっぽくてやんなるわ!」

麦野「あァ? 私はねぇ、アンタの為を思って……!」


図星を突かれてカチンとくる麦野。
次の瞬間、麦野に向けて一筋の電撃が放たれた。
当たれば直撃を免れない軌道。
麦野は慌てて能力によって弾き、軌道を反らす

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:25:40.52 ID:amU8MCUo<>
麦野「ちょっと……当たったらどうすんのよ。アンタ私を殺す気?」

御坂「……私のものにならないなら……いっそ死ねば?」

麦野「なっ……!」


およそ御坂らしくない発言に虚をつかれる麦野。
ここまでの御坂のリアクションは全てが麦野にとって予想外だった。
泣いたり、怒ったり、虚勢を張ったり。
麦野の思い描いていた御坂の反応は全て自らの掌を出ないものだと思っていたから。
それは彼女が一個の意思を持つ人間だと理解するには程遠いものだったのだと、たった今気づかされた。
『私のもの』という言葉をいつしか額面通り受け取り、自分にとって都合のいいもののように扱っていたのか。
御坂は空を裂くような鋭い視線を麦野に突きつける。


御坂「なんてね。そんなベタなこと言わないわよ。 
    私は、あんたが私のものにならないって言うなら、力づくであんたを手に入れる!」


喧嘩を売る相手に向けているとは思えないほどの爽快な力強さ。
いっそこのまま彼女に身を預けてしまうのも悪くないかという考えが一瞬脳内に浮かぶが、それをあえて振り切る。
人の考えに流されるのが麦野沈利という女だろうか?
いや違う。
彼女がこんな世界に関わることがロクでもないことだというのは残念ながら紛れも無い事実。
御坂と同じところから、同じものを見たかったから、別れを告げた自らの気持ちに嘘はつかない。
御坂が眩しいものであったから憧れたのではない。
御坂と同じ眩しいものに、自分もなりたかったのだ。
されどそれは叶わぬ夢と成り果てた。
だからせめて

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:26:57.07 ID:amU8MCUo<>
麦野「クソがっ……人の気も知らないで! 私の所有物の分際で噛みつくとはいい度胸だわ。
    お仕置きしてあげなくちゃいけないみたいだね!」


御坂を力づくで説き伏せる。
女だからとか、好きだからとかは関係ない。
彼女と共に堕ちていく気は初めから毛頭ないのだから。


御坂「あんたの所有物はたった今卒業よ。あんたが、私のもんになりなさいよ! そうすりゃ万事解決でしょ。
    これからのことは私に任せてあんたはこのしょーもない仕事辞めることと私のことだけ考えてりゃいいじゃないの!?」

麦野「この分からず屋がぁあっ!!」


麦野はもまた青白い光を操り電子線を御坂目がけて放つ。
当然の如くそれは弾かれるも、その行動は彼女の言い分を真っ向から受けて立つことを意味していた。
睨みあう双眸。薄暗い路地裏に電子の光が輝く。
かくしてここに、学園都市史上最悪の痴話喧嘩が幕を開けた。


<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:29:00.47 ID:amU8MCUo<>
―第七学区大通り 13:30―


スタスタスタ…


垣根「ふぁ〜あ……暇だなオイ……」


カツッカツッ…


一方通行「…………ォイコラ」

垣根「あン? んだよモヤシ」

一方「俺をわざわざ呼び出しといて暇だってのはどォいう了見だクソメルヘン。
    オマエ用も無く俺を朝っぱらから連れ出したンじゃねェだろォな?」

垣根「んだコラ。休日は幼女と戯れるしかやることのねぇロリコンモヤシは黙って俺の暇つぶしに付き合ってりゃいいんだよ。
    むしろテメェのような孤高(笑)の一匹狼(爆笑)は俺のようなイケメンリア充に誘ってもらえたことを心から喜べ」

一方「あァそォですかァ、用がねぇならもう帰ンぞ」

垣根「おいおい冗談だろ。っつかお前何? ガキと遊んでてそんなに楽しい?
    同世代の奴と馬鹿やるとかそういう発想ねぇのかよ? 老けこんでんのは頭だけにしろよ若白髪」

一方「楽しいとかそンなンじゃねェよあのクソガキは。オマエにゃ関係ねェだろォが」

垣根「これだからロリコンは……。いいか、俺は同じレベル5としてテメェのことを心配して言ってやってんだ。
    ただでさえ近寄りがたいツラしてやがんのに自分から壁作ってどうすんだ。敵無駄に増やしたっていいこと無いぜ?」

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:31:32.96 ID:amU8MCUo<>
一方「…………」

垣根「だからこの俺がテメェにも人並みの日常って奴を提供してやろうとこうしてわざわざ第七学区まで出てきて
    誘ってやったんじゃねえか。つれないこと言うなよ、一方通行」 キリッ

一方「ンで? 本音は?」

垣根「テメェをダシにナンパに決まってんだろカス」

一方「死ねクソ虫メルヘン。羽もぐぞ」 カチッ

垣根「待て待て待て! 今のナシ! 冗談だって!」

一方「ンだよ離せよ出荷前の羽毛」

垣根「お前らほんと俺に容赦無いのね。今のは言い過ぎだった。一旦言い訳させてくれ」

一方「まだ何かあンなら早く吐けよ虫」

垣根「もう羽関係ねえのな。つまりだな、テメェみたいなちょっと見た目イタいV系の小イケメンがいれば
    新しいジャンルを開拓できるかもしれねぇっていう俺の深淵かつ壮大な計画の一端に加えてやるって言ってんだよ」

一方「オマエの何言われてもこれっっっぽっちも凹まないとこだけは素直に尊敬してやンよ。
    ってかそもそもその水溜まり並に浅い計画は前提からして俺ありきじゃねェか」

垣根「ごちゃごちゃ御託並べやがってうるっせえモヤシだな。
    いいから黙って着いてこいよ虚弱体質。それともアレか? 歩くの疲れちゃったんですかぁ?」

一方「一々癇に障るゴミ虫だ。そンなに死にてェなら手伝ってやンよ」 ビキビキッ

垣根「上ッ等だコラ。 その真っ白けっけの白髪刈り上げりゃ少しは社会に溶け込めるんじゃねぇかぁ?」 ビキビキッ

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:33:13.17 ID:amU8MCUo<>
ドォォォォォォォォォォォォオオオオオオンンンンッッ!!!!


一方垣根「「あ?」」


ザワザワザワ…


通行人A「な、何だ?」

通行人B「能力者同士の喧嘩じゃねえの?」

通行人C「お、おい……あそこ見ろよ……建物倒れてくぞ……」

通行人D「マジかよ……レベル4以上は確定だな、巻き込まれないうちに帰るか……」


ドタドタドタ… ザワザワザワザワ…


一方「アホ共が。昼間っから何やってンだかな」

垣根「まさか……」 アセッ

一方「あン?」

垣根「……な、なあ。今一瞬あの煙出てるとこで雷落ちなかったか?」

一方「はァ? 何言ってンですかァオマエ。頭湧いてンのは分かってンよ。妄想はその辺にしとけクソメルヘン。天気は概ね晴れだボケ」

垣根「違ぇよ! 能力者同士の喧嘩だっつってたろうが!」

一方「雷ってオマエ……オイオイ」

垣根「シャレで済む限度超えてんぞアレ。よし、ちょっと行ってみようぜ」 ダッ!

一方「オイっ!……クソッタレ。俺はまだ行くなンて言ってねェぞ」

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:35:31.66 ID:amU8MCUo<>
―第七学区裏路地 13:40―


浜面は麦野に言われ、フレンダや絹旗にも協力してもらい、要求通りの手配をやってのけた。
あの麦野が緊急で電話をかけてきて、しかも急げと言うということは、よほどのことをやらかしたに違いない。
ハンドルを握る手には汗がじっとりと滲み、背筋にうすら寒いものを感じながら、アイテムの下部組織が上層部と連携して封鎖した
第七学区の裏路地へとこうして辿りついた。
そして浜面は、自分の想像力がいかに陳腐なものであったのかを理解することになる。


浜面「なんだこりゃ……」


大慌ての行動でもなお30分程を弄して到着した裏路地は、見るも無残な有様だった。
倒壊して土煙をあげるビル群。その端々に見え隠れする人間のパーツと真っ赤な血液。
もはや封鎖とかそういうレベルの話ではない惨状のその奥に、張本人である麦野の姿はあった。
煤けた黄色いコート。ボサボサの栗毛。脇腹からは服の下からじっとりと血が滲み赤いシミを作っている。
肌のそこかしこに傷を作り、ビリビリに破れたストッキングから覗く生足は不覚にも生唾を飲み込むほど生々しい。


麦野「……分かんない奴! この状況が見えないわけじゃないでしょね!」


怒りを露わにして叫ぶ麦野。だがいつもよりは少し控え目。もっと下品で歯に衣着せぬ物言いで相手を詰る麦野にしては、
少しばかりの気遣いがそこからは見てとれた。
だが浜面にとって、最も意外だったのはそこではない。
それは麦野の眼前にいる相手。


御坂「そりゃこっちの台詞だっつーの! 確かにあんたが何してる人でも良いって言ったわよ?!
    けどモノには限度ってもんがあるでしょうがっ!」


それは御坂美琴だった。
つい先日に付き合っていることを告白されたはずの彼女が、何故か麦野と同じように傷を作って二人で殺し合いをしている。
浜面と共に駆けつけた滝壺、絹旗、フレンダの三人も、一体何が起こっているのかまるで掴めていないようだった。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:37:40.04 ID:amU8MCUo<>
麦野「ああそうだよ! だからここでアンタとは別れようって話してんだろうが!」

御坂「ふざけてんじゃないわよ! あんたは私が更生させてあげるわよ!
    はっきり言うわ、こんな仕事今日で辞めなさい! 人をあんな風に………くっ! 
    バラバラにして殺すなんて仕事、ロクな死に方しないわよ!」

麦野「私にはこれしかねぇんだよぉっ!! だからアンタには黙ってたんだ! 詮索すんなって私は何度も言った!
    アンタと距離を詰め過ぎないことが大事だったのに! アンタはそんな私の気持ちも知らないで知ったような口を利くなっ!」

フレンダ「ちょちょちょっ! お、落ち着きなって二人とも!」

絹旗「そ、そうですよ! これ超ヤバイです! 人払いとかそういうレベルじゃないです!」


何の音か、空気が鳴動する音が先ほどから鳴りやまないのが気にかかる。
電子を操る能力者同士が、互いに周囲の電子を支配し合う見えない攻防でも行われているというのか。
レベル5同士の戦いなどスケールが大きすぎて何がどう転がってこの学区ごと吹き飛ぶか分かったものではないので、
まだ呆然としている浜面の横から絹旗とフレンダが飛び出して二人に掴みかかった。


麦野「離せ絹旗! だったら思い知らせてあげる! 身を以て後悔すりゃあいいじゃない!」


麦野は羽交い締めにしようとする絹旗を力づくで振りほどく。


絹旗「いった……! どこまでモンスターですか麦野っ」

浜面(おいおい……絹旗の『窒素装甲』を腕力で振りほどくって……)


そんなことをぼんやりと考えることしかできない。
チラリと隣の滝壺を見やると、ハラハラとした様子で二人の成り行きを見守っていた。
生憎と体晶の管理は麦野が行っており、今は手元には無いのだ。
さらに御坂の方にも動きがあった。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:40:09.63 ID:amU8MCUo<>
フレンダ「超電磁砲もやめなって! そんなの結局、ここで議論してましてや殴り合ったって解決しない訳よ!」

御坂「うるさいっ! この我儘女に分からせてやらなくちゃなんないのよっ!」


御坂と大して体型は変わらないフレンダも、いとも簡単に振りほどかれた。
そして当然の如く同時に手をかざす二人のレベル5。
辺りを警護する屈強な暗部の男達の顔にさえ、焦りと恐怖の色が浮かび上がった。
その中心は、まさにグラウンドゼロ。
迸る超電磁砲と電子線。
慌てて頭を抱えて大地に伏せる周りの一同。
吹き飛んだ瓦礫と爆風が空気ごと辺りを抉り取る。
もはやこんな中で立っていられる人間などいるはずもない。
しかし、そこでふと浜面は思った。
いくら超電磁砲と原子崩しが強力だからと言って、それが正面からぶつかり合ってこんな瓦礫混じりの爆風を巻き起こすだろうか。
これはまるで、真ん中に立つ堅牢な建造物に炸裂して吹き飛ばしたかのようではないか。
周りの何人かもこの事態を不審に思い、チラチラと顔をあげて粉塵のさ中で雄々しく立ちはだかっているはずの超雌達をうつ伏せの状態から仰ぎ見る。


麦野「……何しに来やがったのよ……クソメルヘン」

御坂「あ……あんた……なんでこんなとこに……!」


その場にいる誰もが息を飲んだ。
歯噛みする二人の少女の真ん中に立ち塞がったのは、彼女らの上に二人しかいないはずの、
その二人であったから。


垣根「テメェこそ何やってんだよ、沈利」

一方「何も言うな超電磁砲……俺だって分かンねェよ」


純白の翼を背中にたたえ、顔をしかめた学園都市第二位の超能力者、垣根提督。
そして天然のしかめっ面、垣根の翼よりもさらに白い少年、学園都市第一位、一方通行がそこにいた。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:42:19.38 ID:amU8MCUo<>
麦野「邪魔すんじゃねぇよ。今大事な話してんの」

垣根「そうはいかねえな。どうすんだよこの事態。一応一般人の被害はゼロみたいだが、このトラブルは高くついちまうぜ?」

御坂「……あんたには色々言いたいこともあるけど……今はどうでもいいのよ。
    そこどきなさいよ……」

一方「俺もすぐにでも帰りてェな」


いよいよ収拾がつかなくなってきたと浜面は口を開け放ったまま眩暈がするのを感じた。
学園都市の頂点4人が集結して、こんな何てことない路地裏で喧嘩を始められたら、今度は誰がそれを止めるというのか。
ふと視線を感じた浜面が、周りを見渡すと、渦中の4人以外の視線が全て自分に向けられているのを感じた。
彼らの視線や口元の動きをよーく見ると、確かにそれは浜面に無茶な注文をつけていた。
目を擦り、もう一度凝視する。

オマエが行け


浜面「な、何で俺――――――!?」

フレンダ「いやー……だってほらねぇ?」

絹旗「私達超かよわい女の子ですし。麦野に事態の収拾付けるように頼まれたの浜面じゃないですか」

滝壺「超応援してる」


絶対こんな組織辞めてやると、浜面はその時初めて決意した。
もう投げやり気味な滝壺にまで見放された浜面が、意を決してパンデモニウムと化しつつある4人の周囲に近づく。
そこは地獄の最下層。
怒り狂った3位4位と、それを全力で止めようする1位2位の構図。
この世の果てがあるなら、きっとこんな所なのだろうと、浜面は命を捨てる覚悟を決めた。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:44:39.61 ID:amU8MCUo<>
浜面「あ、あのー……」

「「「「あ?」」」」


ギロリと怖すぎる視線を向けてくる4人。
3位は中学生ということでまだ可愛い方で、1、2、4位は迫力も貫禄も在り過ぎて尿意を催してきたくらいだ。
もっとも、浜面にとって一番怖いのは誰あろう麦野だが。顔も一番怖い。


浜面「うぐっ……! 一斉にこっち見んなお前ら! いいからちょっと落ちつけよ!」


麦野に知られたらブチコロシカクテイ間違い無しの胸中で、浜面は後には引かぬ覚悟で言葉を放つ。
少なくとも第七学区が地図上から消えてなくなるか否かは、紛れも無く浜面の双肩にかかっていると言える。


麦野「はーまづらぁ。テメェは誰にモノ言ってんだ、あァ!? 
    私と美琴のことは気にしないでその辺の掃除ちゃっちゃと始めさせてくんない?」

浜面「馬鹿言うな! 真昼間からこんな人通りに近いところで大騒ぎしてたらそれどころじゃねえってお前なら分かるだろ!
    

浜面の言葉に迷わず反論してきたのはやはり麦野だった。
垣根は浜面と同意見のようで、うんうんと頷いて背中の翼をいつの間にか消滅させている。
一方通行は事態そのものに興味がないらしく、ポリポリと頭をかいて何やら首元のチョーカーに触れた後に気がつくと杖を着いていた。
そして御坂は


御坂「……沈利さん……」

麦野「あ?」

御坂「本当に……辞める気はないの?」

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:46:11.64 ID:amU8MCUo<>
御坂は先ほどまでと違い、覇気の無い声で寂しそうに言った。
浜面には願うような言葉にも聞こえた。
何があったのかはもういい。ただ御坂は、きっと麦野に暗部の仕事から足を洗って欲しいのだろう。
恋人がこんな仕事に関わっていると知れば辞めて欲しいと思うのが普通だ。
しかし浜面は、その願いが叶わぬものだということも知っていた。
暗部の奥底まで食い込んでしまった麦野が、そこから再び表舞台に舞い戻ることなど、出来るはずもない。
そうするには、麦野はあまりに色々なことを知り過ぎた。色々なものを壊しすぎた。
きっと、御坂以外の誰もがそのことに気付いている。
だが、誰一人として彼女達に声をかけることはしなかった。


麦野「……無理だよ。本当は今日、アンタに仕事のこと話すつもりだったんだ……」

絹旗「ちょっ! 麦野」

滝壺「しっ、きぬはた、待って」

麦野「もちろん、アンタを私らの仕事に関わらせないように、大事なことは伏せてね。
    アンタは私と仕事で一度会ってるし、ギリギリ大丈夫なラインも見極めてた……なのに……」


麦野は拳を強く握る。
歯痒く思っているのか。何がこじれてこんな事態を招いたというのか。
麦野の中では、それなりに上手くやっていくプランが出来ていたのかもしれないが、
今現在、そのプランが崩れきってしまっているのは明らかだった。
そして麦野は、ギリギリと歯を噛みならし、御坂を見据えて言葉を叩きつける。


麦野「何で来た! こんな姿だけは、アンタに見せたくなかったのに! こんな私だけは見られたくなかったのにっ!」


御坂の肩を縋るように掴む。
嗚咽すら聞こえてきそうな悲痛な叫びだった。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:48:33.55 ID:amU8MCUo<>
御坂「……沈利さん……私は……!」

麦野「美琴」


御坂を見つめる麦野の視線は驚くほど冷徹なものだった。
それは予定調和の文を読み上げるような、単調で無感情な声色。
麦野の決心は、彼女にこの有様を見られたときに、すでについていたのだろうから。


麦野「アンタを巻き込んだ私の責任を果たさなくちゃ。
    お別れだよ。さよなら御坂」


御坂の肩から手を話し、麦野はその横を通り過ぎて滝壺達の元へと近付いていった。
そこに声をかける者はいない。
麦野の瞳は、あらゆる介入を許さない絶対的な意思が宿っていた。


御坂「沈利さん!」

垣根「やめとけ超電磁砲! 今は何言っても無駄だ。これはお前の為でもある。
    俺達が一堂に会するのは色々とまずい。特に、お綺麗なままのお前にとっちゃな。
    暗部への余計な介入は止せ」


麦野を追いかけようとする御坂の声が聞こえる。
垣根に制止され、麦野に伸ばした手が届くことは叶わない。
浜面もその様子を少しだけ歯がゆく思った。
彼女が同じ側にいたならこんなことにはならなかったのではないか。
だが、それを麦野は望まない。
垣根に引っぱられるようにして真逆の路地に消えていく御坂。
その様子を淡々と見つめ、やがて垣根に続いて杖をつき歩いていく一方通行。
御坂が何度か電撃を放ち彼を振り切ろうとするも、第二位の能力の前には無力だった。
そして麦野もまた御坂に背を向けたまま、迎えの車の中へ応急処置のために消えて行った。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:50:26.52 ID:amU8MCUo<>
御坂「沈利さん! お願い沈利さん! あんたまでいなくならないで!」


悲痛な叫びが路地の向こうから聞こえてくる。
浜面は耐えきれず目を反らして唇を噛んだ。


滝壺「はまづら……」

浜面「滝壺、絹旗……なんとかなんねえもんかな?」

絹旗「難しいですね……正直、麦野も上からの追求を超受ける可能性がありますし……」


寄り添うように傍らに近づいてくる滝壺と絹旗。
絹旗が言い辛そうに首を横に振る。
滝壺は浜面の手を優しく取り握り締めた。


滝壺「……かなしいね」

浜面「超電磁砲のことは俺は分からねえけど……麦野には何をしてやればいいんだ」


その問いには、誰も答えなかった。
これが学園都市の裏と表。決して交わってはいけない二人が出会い、互いを求めたなら、
共に歩くにはこの日陰へと堕ちてくる他に道は無い。
浜面は無言で麦野の乗るキャンピングカーに向けて問いかける。
もはや麦野が揺らぐことは無いのか。
彼女の心が変わることは無いのだろうか。
きっといつか、あるはずの無いその日が来ることを、浜面はせめて麦野のために願うことにした。

<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:51:45.71 ID:amU8MCUo<>
―麦野宅 22:00―


電話の女『まったくこいつときたらー!! 真昼間っからビル壊すわ重要な情報源皆殺すわ何してくれてんのー!?』

麦野「……っさいな。ちょっとムシャクシャしてたのよ」

電話の女『キレやすい若者かアンタはー! ってそのまんまだったわねー、ふはははっ!』

麦野「うぜぇな……んで? 私には何か処分とかあるわけ?」

電話の女『ん? ないよー』

麦野「……そう、意外ね」

電話の女『死体の身につけてたものから色々と特定できそうだし、不可抗力だもん☆
       アンタにはまだまだ精力的に頑張ってもらわないといけないしね?
       私はむしろアンタの爽快な戦いっぷりに惚れ惚れしたぜー!』

麦野「あっそ」

麦野(こいつ……どこから監視してやがったんだ……) ゾクッ

電話の女『あ、ところでー!』

麦野「……?」




    『アンタまさかアイテム辞めるなんて言い出さないわよね?』



<> 25日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 01:53:39.58 ID:amU8MCUo<>
麦野「!」 ビクッ

電話の女『小耳に挟んじゃった☆ くっだらない話よねー! うちのエースに何てこと言うのかしらっ!』

麦野「……馬鹿言ってんじゃないわよ」

電話の女『だよねー! アンタら「アイテム」の活躍にこれからも期待してるわよー』

麦野「はっ、何おだてて……」




   『ね、女同士のエッチって気持ちい?』




麦野「!」 ゾワッ

麦野(こ……いつ……! どこまで……?)

麦野「……何意味わかんないこと言ってんの?」

電話の女『なんとなくよ! それじゃ、またお仕事よろしくねーん! バーイ!』


プツッ……ツー…


麦野「……逃げられない……ごめんね、美琴」






<> カザキリ様なんていない
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/15(日) 02:00:28.07 ID:amU8MCUo<>というわけで本日は以上です。
唐突に出て来た一方さんですが、一方さんが出なかったことに特に意味があるわけではないことを表すためですw
ゲスト出演みたいなもんと思ってもらえればと思います。出番もこれで終わりです。
イチャイチャ成分が足りないのは最終回1話前ということでお許しを。

そして『恐らく』ですが、次回で終わりです。

ではまた近いうちにお会いしましょう。

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 02:02:14.26 ID:G74msgAO<>>>1
乙なんだよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 02:02:46.63 ID:uUb34Qko<>乙

oi
おい
ベッドでのたうちまわって妹に「キモイ」って言われたんだがどうすればいい

美琴も麦のんも可愛い
落とし所がすっげー気になる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 02:03:27.50 ID:BhLXwkAO<>乙!
もうね、ドキドキやらズキズキやらで胸がヤバイね。

しかし、次が最後か……。
さ、寂しくなんかないんだからね!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 02:05:33.25 ID:dmaDp5oo<>何が暗部だよ・・・愛撫しろコラァァァァ・・・・

どうにかハッピーエンドにならないもんかね・・・乙っした<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 02:10:10.01 ID:nigUYWUo<>超乙
1の裁量次第でどうにでもなりそうな気がしないでもないが・・・
本当のレイニー止めはここからだ……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 02:11:27.02 ID:ygfdB6DO<>乙
お前さんの暗部はマジで怖いグロい重い
電話の女は夢に出るレベル
暗部書かせたら異様な面白さだな。最終回期待してる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 02:20:12.89 ID:W0Of9ego<>(゚д゚ )乙 これは乙じゃなくて砂鉄剣なんたらかんたら

ああもう!胃に穴が空きそうだよ!
分水嶺?カァンケイねェェんだよォォォ!!
二人で歩いていけばいいだろちくしょう!(´;ω;`)ブワッ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 02:26:41.75 ID:vazhzoDO<>乙
ふむ、これが暗部というものか…
この冷たくて、乾いてて、不安定な感じが心地いいな
こういう感じのを読みたかった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 02:34:52.75 ID:uUb34Qko<>このままだと美琴さんがまた疑似幻想殺しを持ちだしかねん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 02:48:57.84 ID:0INpmsAO<>全てぶち壊せるのは上条さんだけですが
その上条さんはいないも同然です<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 02:56:11.90 ID:J6zdtq6o<>超乙です

これは マジで ヤバイ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 04:04:17.60 ID:yVv45sDO<>正直、野郎二人が出てきたとこが一番濡れた
砂ぼこりのが徐々に晴れてきて、野郎二人背中合わせで
それぞれ視線を合わせているシーンが脳内アニメーションで流れた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 06:12:30.68 ID:mqOttQDO<>ハッピーエンドを期待しつつ寝る

おつ!


ハッピーエンドを期待しつつ寝る<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 09:12:42.75 ID:dTYZDe2o<>超乙です。
終わりが近いということで悲しよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 13:09:20.83 ID:VzS/NcDO<>乙
見てるこっちも歯痒い…
暗部麦のんもかわいい!!とかのんきに言ってる場合じゃないな…
どうか二人が幸せになりますように<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/16(月) 00:54:22.80 ID:/biJewYo<>今回もすごいなー

一方物質いいわぁ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/16(月) 01:33:39.88 ID:hVn44MDO<>確かに>>1のSSは「面白い」とか「上手い」とかもあるけど、一番しっくり来るのは「すごい」だな。
麦恋のスーパー麦のん化とか浜面に告白の時に感じた鬼気迫る勢いが久しぶりに見れて嬉しい。前スレのスレタイ回収の時も思ったが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/16(月) 03:38:03.32 ID:Gn.gH9w0<>正直垣根は嫌いだけど一方通行との距離感は好きだな
百合SSなのに褒めるところ間違ってる気はするがww

本編は良い意味でもうどうなっても良いよ。ちゃんと納得できる気がする<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/16(月) 05:55:57.50 ID:uz0NM/Io<>793ゲットだぜ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/16(月) 11:14:44.71 ID:1WtVQoYo<>最近ギャグキャラじゃないクズカッコイイ暗部垣根がちらほらでてきてうれしい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/16(月) 18:38:16.21 ID:aZILlgAO<>ぴったりな表現だなクズカッコイイ
何にせよ作者GJだな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/16(月) 20:42:11.58 ID:aoK9PGY0<>はーまづらぁ。今日から仕事だぁ!











今日は暑かったからパンツ1枚で待ってるんだよ!
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/16(月) 21:54:18.88 ID:XBPzLF20<>難しい作品だな…
ただの単純なハッピーエンドじゃ納得出来んぞ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/17(火) 03:27:00.58 ID:blNkZMDO<>798<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/18(水) 06:09:28.68 ID:YZYtCMAO<>気体<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/18(水) 18:38:04.06 ID:IRzUOMAO<>超窒素<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/18(水) 21:20:23.37 ID:/9sVTroo<>たいしょう…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/18(水) 22:37:12.06 ID:xNs5xYAO<>しょうわ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/18(水) 23:34:01.77 ID:LoBcu2DO<>無駄にスレ消費すんなよ…
このSS終わったら麦恋の続きくるのかな?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/19(木) 00:31:24.59 ID:qh0encUo<>麦恋続編と並行してイタいカップルがその後どうなったかも書いて欲しい
特に美琴<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/19(木) 00:51:53.09 ID:p.rQXJUo<>どうせ×××につっこんでるだけだからもういいお…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/19(木) 01:00:03.29 ID:x/4vIlko<>このスレ終ったらオマケがあるって言ってなかったっけ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/19(木) 01:13:22.62 ID:CAQhRpUo<>まぁこのスレで完結しそうだし無理矢理埋めて次スレとかはやめようぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/20(金) 23:46:04.32 ID:lW0FYIoo<>そろそろこないかな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/21(土) 20:50:34.49 ID:pko5R960<>ぼちぼち1週間。何らかのアナウンスがある筈。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/21(土) 23:09:21.91 ID:5w73wrIo<>まさかのレイニー止め突入か…<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/21(土) 23:42:26.72 ID:Ji65ZxMo<>どうも。なんとか日付が変わる前に来られました。
一週間たちましたが、結論から言うと今日の投下は無理そうです。
書き溜めが難航しているのではなく、単純に長くなってしまっていてまだ書き終えてないんですw
ただもう8割がた出来ているので、3ヶ月レイニー止めはありませんからご安心を。
最後なのでちょっと気合入れます。
ではまた出来あがりましたら報告に来ますね。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/21(土) 23:44:37.84 ID:780e6EAO<>報告乙!

楽しみに待ってるんだから…!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/21(土) 23:45:10.11 ID:5w73wrIo<>読み応えのある結末を期待してるぜ

またなんか胸の中がキリキリしてきた
ちょっとベッドの上で美琴とごろんごろんしてくる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/21(土) 23:57:53.70 ID:IkCNlIAo<>正座して待ってる!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 00:03:01.03 ID:MdUgFfIo<>超楽しみにしてます!
しかしこの作品のせいで麦琴のハードル上がりすぎてやべーなww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 04:28:42.40 ID:k4Lg58oo<>亀だが麦野銃で撃たれてから最後まで無治療だぜ
明らか人間じゃねえだろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 04:36:48.45 ID:xbrkpcDO<>美しければ(ryと言うわりに2人の心情や行動は人間くさくていいよな。
もう近いうちに終わっちゃうんだろうけど>>1の書く特に麦のんはテンプレに当てはめたようなキャラじゃなくて、
厚みを感じられる凄く魅力的なキャラに昇華されてるからもっと見たかった。
と思ったが>>1のSSには毎回麦のん出てるからまだまだこれからも楽しめそうだw
麦琴がこれで見納めなのは残念だけど<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 04:43:14.83 ID:Toyh1DUo<>その人間臭さこそが美しい。
もうね、>>1が気合入れて長いエンディング書いてるとかwktkすぎて涙出てきたんだけど<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 07:37:48.57 ID:VBG9tQDO<>やっと最終回を読む覚悟が出来た
待ってる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 11:21:36.99 ID:gxZKtSsP<>>>816
原作よりマシ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 13:48:17.44 ID:rx9o1NIo<>銃で撃たれても爆発に巻き込まれて腕と右目なくなっても高いところから飛び降りても生きてるし
知り合いの彼女に変装してもバレなかった

すごく化け物です<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/22(日) 14:52:37.99 ID:S4dpXzEo<>みなさんこんにちは。
ようやく完成しました。今から私用なので、今夜1時半頃からの投下になります。
なんか普段の倍くらいの長さになっちゃいましたが、ご了承下さい。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 14:58:08.54 ID:n5oQsmso<>>>822
報告乙です
腰を据えて読もうと思います
投下に備え昼寝でもするか…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 16:02:26.19 ID:MdUgFfIo<>ついに最終回か……
楽しみなんだけど終わって欲しくない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 16:39:54.03 ID:IGA1DoDO<>麦野、最終的には俺のものになりなよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 16:43:44.95 ID:25IOwcAO<>>>825
そげぶ

…覚悟を決めるとしよう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 17:38:45.31 ID:a5QiLQAO<>美琴も麦のんも好きなキャラだから、表の世界で幸せになってほしいぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 18:18:58.69 ID:7Mb0U..o<>ようやく終わると思ってもそれはそれで胸が痛くなる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 21:47:28.78 ID:t5P2JeIo<>遂にか・・・風呂でちゃんとアソコ丁寧に洗って(いつもだが)
裸に靴下履いてネクタイ締めて待ってる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/22(日) 23:57:38.03 ID:g1GbCmso<>1時頃ってちょうど夜勤始まる時間じゃねぇか・・・帰ったら終わってるってことか
腹括っとくか・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 00:12:33.03 ID:d2r79Wko<>あと一時間半か
wwktkが止まらなさ過ぎて書き途中の自分のSSがゴミに見えてきた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 00:32:36.53 ID:0udtSc6o<>>>831
期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 01:05:57.41 ID:VqRkMtco<>さぁ寝たぞ。いつでも恋<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 01:18:19.38 ID:d2r79Wko<>心臓がどきどきしてきた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 01:18:51.52 ID:erbJuEAO<>あんまり埋めるなよ?<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 01:35:33.54 ID:jYXueioo<>ごきげんよう。
ごきげんよう。

本日で最終回でございます。
普段の倍程の長さになってしまいましたが、スレの残りを考えれば妥当な量でしょうか。
最後は切なく、馬鹿馬鹿しく、そして淡々と。
投下させていただきますね。

エロ注意でよろしくお願いします。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 01:36:17.37 ID:oOvE26AO<>覚悟はできた
よろしくたのむ<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 01:39:56.53 ID:jYXueioo<>

30日目(木曜日)


―第七学区 常盤台中学屋上 12:00―


御坂「はぁ……」


御坂は一つため息をつき、空を流れる雲の動きを見つめていた。
時刻は正午。昼休み、御坂は常盤台中学の屋上でベンチに座り一人空を見上げて佇んでいた。
麦野に別れを告げられてから本日で五日が経つ。
自分の心の中での整理はまるでつかないまま、麦野には幾度メールを送っても返事は返ってはこなかった。
今朝も一通送ったが、まだ返事は無い。
数日前のことを御坂は思い出す。
あの日自分は麦野とも間の踏みこんではいけない領域に足を踏み入れてしまった。
学園都市暗部。
それは自分が想像しているよりもずっと、生々しくて冷たいものだった。
垣根に連れられ裏路地から出た後、くれぐれも見たことを他言するなと念を押された。
彼や傍らにいた一方通行もまた暗部に関わる人間なのだろう。
妹達(シスターズ)と呼ばれる自分のクローンの件でそれは嫌というほど味わったことだったはずなのに。
もしかしすると、未だ表舞台を歩いていられることは奇跡にも近いことなのだろうか。
だとするなら、その奇跡を起こしてくれたのはきっとあの上条だったのだろう。
だが自分は麦野にその奇跡を起こしてやることが出来なかった。
今になって、事の重大さが御坂の肩に重圧となってのしかかってくる。


御坂(……沈利さん……このまま終わりなの……?
    ……私はあんたがそんなに悪い人だなんて思えない……)


学園都市暗部というものが何者かの個人の利益ではなく、学園都市全体の利益のために存在するものだとしたら、
麦野の仕事を一概に悪と断ずることは出来ないのかもしれない。
しかし、人間をバラバラの引き肉に変える所業が正しいことであるはずはなく、
ましてそれを大好きな麦野が行っている事実は未だに御坂にとって受け入れ難い事実であった。


御坂「……ふぅ……」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 01:43:02.02 ID:jYXueioo<>
深くため息をつき、ポケットから携帯電話を取り出してディスプレイを覗きこむ。
メールも電話も着信は無し。
麦野からのメールはもう随分前から止まっていた。
一日に幾度となくそれを確認しては肩を落とす。
いい加減疲れてきたが、それでも麦野に未だに期待をしてしまっている自分がいた。


「お姉様、こんなところにいらっしゃいましたの」


そんな御坂にゆっくりと近寄ってくる足音。
ツインテールを揺らし、いつもより少しだけ心配そうに笑顔を浮かべた白井は、御坂の隣に腰掛けてそう言った。


御坂「黒子……」

白井「お姉様、ここ数日元気がありませんわね。麦野さんと喧嘩でもしましたの?」

御坂「まあね、そんなとこ」


暗部の話など出来るわけないので、御坂は曖昧に微笑みかえして携帯をポケットへとしまう。


白井「……そうですの。黒子にお力になれることはありませんの?」


きっと白井は分かっていて訊いている。
踏み込んではいけない話なのだと分かっていてなお、自分の力になりたいと言ってくれているのだ。
しかし、御坂は首を横に振る。


御坂「ごめんね黒子。私にもどうすりゃいいのか分からなくてさ」

白井「仲直りは出来ませんの?」


仲直り、というのは少し表現が違う気がした。
どちらかと言えば復縁? いや、それも違う。
あえて言うなら、解決だろうか。
いずれにせよ、これはもう自分達で解決する以外に道は残されていないことが歯痒く思えた。

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 01:48:20.98 ID:jYXueioo<>
御坂「まあ連絡も通じないしねー。私嫌われちゃったみたい」

白井「お姉様をお嫌いになるなんて、奇特な方ですわね」


せめて御坂を元気づけようとしているのか、白井は肩を竦めて冗談めかしてそう言った。
そもそも麦野と元の鞘に戻るためには何が必要なのだろう。
一つ、麦野が暗部を抜ける。
二つ、麦野が暗部の人間であるということを許容する。
三つ、二人でどこか遠くへ逃げる。
四つ、自分が暗部の人間となる。
こんなところだろうか。
この中でやはり現実的なのは一つ目か二つ目だ。
三つ目と四つ目は根本的な解決になっていない。
だが


御坂(沈利さんは仕事を辞めないって言ったし、私がそれを許してもきっと駄目だ……)


何故なら、麦野は自分を暗部に関わらせないために別れを告げたのだから。
つまり現状解決の目処は立たないということになる。
空を眺めながら、御坂はぼんやりと考えていた。


白井「なんとかお話になったほうがよろしいのでは?
    ご自宅もご存じなのでしょう? でしたら……」

御坂「家にも実は何回か足を運んだんだけど、留守だった」

白井「そうですの……」


それが居留守なのか、本当にいないのかどうかは分からなかった。
表札に麦野という名前は書かれていないので、現在もあの高級マンションの一室に住んでいるかどうかさえ分からない。
彼女の部屋の郵便受けが玄関ロビーにあるので外から覗いたが、そこにはまるであれから家に帰ってきていないかのようにチラシが溢れていた。

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 01:50:21.42 ID:jYXueioo<>
白井「お姉様はまだあの方のことを……?」

御坂「好きだよ……うん、大好き。どうしてこんなことになっちゃったんだろうな……」


彼女と一緒にいたいというただそれだけの願いなのに、どうしてこうも上手くいかないのか。
御坂は頭を抱えてポツリと呟いた。


白井「でしたら、諦めるわけには参りませんわよね」

御坂「え?」

白井「案外麦野さんも頭を冷やす時間を設けておられるのかもしれませんし、
    お姉様が根気よくアプローチをとっていればお話する機会もあるかもしれませんの」


ポジティブで魅力的な考え方だ。
確かに、頭に血の上りやすい麦野には冷静になる時間が必要だというのは分かる。
しかし、そんなに上手くいくとは御坂には到底思えなかった。


白井「あら? でも麦野さんはお姉様の電話やメールを拒否しているわけではないのでしょう?
    でしたら、きっと麦野さんもまだ迷っておられるのではありませんかしら。
    そしてお姉様としっかりとお話する機会を待ち望んでおられるかもしれませんの」

御坂「それは……」


あながち的外れな意見でもないなと思う御坂。
確かに麦野は自分からのメール等を着信拒否にしていない。
暗部との関わりを断つために関係を終わらせようとするなら、そうするのが一番手っ取り早いはずなのにだ。
麦野にはまだそこまでの踏ん切りがついていないのだろうか。

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 01:51:26.42 ID:jYXueioo<>
御坂「そっか……そうよね……」


腑に落ちない点はあるが、理屈は通っている。
何かきっかけと作ってやればと、御坂は考えた。
まだちゃんと別れを承諾したわけでもない。
麦野だってあんな終わり方を望んでいたわけじゃないはずだ。
御坂はまだチャンスはあるのではないかと思いはじめていた。。
何か、何か理由を探そう。
麦野としっかりと話すことのできるタイミングを。


御坂「ありがと黒子。もうちょっと頑張ってみるわね」


御坂は白井に力無く笑いかけた。
何一つとして解決策は思い浮かばない。
だがせめてちゃんと話がしたい。
それはまるで勝利の無い戦のようで。
薄く微笑む白井の頭を撫でてやり、とにかく彼女と話す機会を作ろうと一人思考を巡らせるのだった。

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 01:53:15.48 ID:jYXueioo<>
―第七学区 『アイテム』隠れ家 12:30―


ガチャッ…


絹旗「あ、滝壺さん、麦野の様子どうでした?」

滝壺「……だめ。心ここに在らずって感じかな」 スタスタ

浜面「もう五日も寝室で携帯睨んで考え事か……」

フレンダ「ご飯もあんまり食べてないみたいで心配な訳よ……」

滝壺「そうとうショックだったみたいだね」

浜面「超電磁砲と路地裏で喧嘩してたアレだよな」

絹旗「二人は別れちゃったみたいですしね」

滝壺「……そうみたいだね」

フレンダ「わっかんないなー」

絹旗「何がです?」

フレンダ「いやだって結局、別にあんなの見られたって別れる必要なくない?
      よっぽどのことしない限り危害加えられたりしないと思う訳よ」

浜面「まーそうだな。こんな仕事だからいつ死ぬか分からねえってとこはあるけどさ。
    お前らだって今週はずっとサボッてるけど一応普段は学校言ってフツーに友達と遊んでんだろ?
    だったら恋人がいたって別に問題ねえと思うんだけどなー」

滝壺「それはたぶんむぎのも分かってるよ。私達がアイテムだからってだけじゃ、
    むぎのもあの子と別れたりはしなかったと思う……」

絹旗「……ま、確かにそれならそもそも超付き合ったりしないでしょうしね」

フレンダ「そっか……麦野は、見られたくなかった訳ね」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 01:57:53.33 ID:jYXueioo<>
滝壺「うん。それにやっぱり実際に仕事をしているところを知られるのはまずかったのかも」

絹旗「あれ仕事じゃないですけどね」

フレンダ「麦野には麦野なりに色々葛藤があったのかな」

絹旗「と言うより、今も葛藤の超真っ最中でしょうね。
    超電磁砲とどの程度の距離を保って付き合っていくのかは麦野の中では決まっていたようですから」

滝壺「仕事のこと、話すって言ってたもんね」

フレンダ「どこまで話すつもりだったのかなー……」

麦野「私が人殺しってとこまでよ」

フレンダ「ぎゃぁぁ!!」 ガタガタッ!

麦野「驚き過ぎ。失礼ね、私ゃ化け物かよ」

浜面「なんつー自虐ネタだ……」

麦野「っさいはーまづらぁ! 殺すぞ」

浜面「おっと聞こえてたか」

絹旗「あ、麦野。体調はどうです?」

麦野「体調? そんなもん始めっから悪くないわよ。撃たれたとこももう痛くないし」

浜面「っつかどうしたんだ麦野、腹でも減ったか?」

麦野「ちょっとね。みんなに訊きたいことがあって」

滝壺「なに、むぎの」

フレンダ「超電磁砲とのこと? いいよいいよ訊いて訊いて」

麦野「うん。ねえ、もし私がアイテム辞めるっつったらどうする?」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 01:59:33.97 ID:jYXueioo<>

「「「「!?」」」」


浜面「お、おいおい……」

絹旗「マジで言ってんですか麦野……」

麦野「いや訊いてるだけ」

滝壺「むぎの、それは……」

麦野「そんな深刻な顔しないでよ。もしもだっつってんでしょ」

フレンダ「そ、そりゃまあ……応援はしてあげたいけどさ」

絹旗「それはなかなか超難しいんじゃないでしょうか。特に麦野みたいな人は立場的にも」

麦野「…………だよね」

滝壺「むぎの、それがどうかしたの?」

麦野「いやあいつも簡単に言ってくれたなぁって」

滝壺「むぎの……」

麦野「そう。出来る訳ねえんだよ……そんなこと……」

フレンダ「うーん……」

滝壺「…………どうして?」

絹旗「滝壺さん?」

麦野「……あ?」

滝壺「どうして出来る訳が無いの?」

麦野「どうしてって滝壺……。そりゃ……」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:01:26.78 ID:jYXueioo<>
滝壺「本当に……出来ないの?」

麦野「だって……無理だろ……」

滝壺「この中の誰も試したことが無いのに?」

浜面「滝壺、お前何を……」

滝壺「諦めるのは早いよ……。むぎのはあの子のために何かをしようとしたの?」

麦野「アンタ、何が言いたいの?」

滝壺「むぎの。あの子泣いてたよ。……むぎのはそれでいいの? 好きなのに、どうしてそんなに簡単に諦めるの?」

麦野「…………」

フレンダ「た、確かに……案外ちゃんと話せばすんなり止められたりとか出来ないかなーなんて……あははは」

浜面「そ、そうだ! 寿退社するぜー! みたいな感じでどうにかならねえか?
    麦野の熱意が伝われば上の連中だって……!」

麦野「無理。んなもんでどうにかなるなら悩んでる私はアホ過ぎるだろ。アホ」

浜面「うっ……だよな……」 ハァ…

フレンダ「……そう……かな?」

麦野「ったり前でしょ。私を誰だと思ってんの? 困ったことに代えの利かないレベル5なのよ。
    そんな簡単に上手くいくなら悩んだりしないっつの」

滝壺「でもむぎの、それじゃあの子が……」

麦野「……私だって、別れたくないよ……。
    けど考えりゃ考えるほどに、私があいつを幸せにしてやる方法なんて見当たらなくて……
    あいつと同じところを歩いていくことが、どれだけ困難な道なのか……」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:03:42.20 ID:jYXueioo<>
滝壺「それでもむぎの、やっぱりむぎのはあの子が好きなら、あの子と歩いていくべきだと思う」

麦野「…………」

滝壺「どれだけ時間がかかっても……むぎのがあの子の為に選んだことなら、私は応援するよ」

フレンダ「わ、私も! 麦野がどうしてもアイテム辞めたいってのなら、協力する!」

絹旗「……ま、簡単に結果が出るとは思えないですが、全員で超ボイコットすれば何とかなるんじゃないですかね?」

浜面「お、おう俺も! 全員の協力が必要だってんならやってやる! 人殺しに比べりゃこんなの何てことない仕事だ!」

麦野「……アンタ達……バカね」

フレンダ「麦野! 麦野が好きな子のために行動を起こすっていうのを、私達は後押しすることしか出来ないけど、
      それでも、麦野には幸せになって欲しい訳よ!」

絹旗「麦野、あの日からもう5日です。そろそろ答えを出すべきなんじゃないですか……?」

滝壺「……むぎの、やろう。みんなで協力すれば……出来るよ」

麦野「ありがとう」

滝壺「……」

麦野「でも、私の考えは変わらない」

フレンダ「!」

麦野「これが私の選んだ答えなんだ。あいつとは別れる。それは変わらないよ」

絹旗「麦野! あなたはそれでいいんですか!?」

麦野「……構わない。でもね、これで終わりにするつもりもない」

フレンダ「……え?」

麦野「私はやっぱり、アイテムを辞める」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:06:20.06 ID:jYXueioo<>
滝壺「むぎの……?」

麦野「アンタ達がそう言ってくれるなら、いつの日になるか分からないけど。辞めたい。
    そうしていつか、今より少しはマシな私に戻れたら。そしたらその時は……もう一度あいつのところに行くよ」

絹旗「そ、それじゃ何も別れる必要なんて……」

麦野「時間がどれだけかかるか分からないから。あいつを縛りたくないの。
    あいつはただの女の子だから、普通に恋人を作って、幸せになってくれるなら、それはそれで私の望むところ」

フレンダ「嘘! 麦野が! あの独占欲の塊の麦野がそんなこと望む訳ない!」

麦野「あのね。あいつを振り回した、せめてもののお詫びだってことにしてちょうだい」

滝壺「むぎの、それをあの子に伝えなくていいの?」

麦野「必要ある? それを伝えたら、あいつ、私を待ち続けるかもしれないでしょ。
    それじゃ意味ないよ。私はあいつの前から潔く消える」

浜面「本当にそれでいいのかよ……」

麦野「しつこいな。ここ数日アンタ達にも迷惑かけたね。でもおかげで考えがまとまったよ。
    ……そろそろ私自分の部屋戻るわ。引っ越しの準備しないと」

滝壺「引っ越し?」

麦野「第七学区にいたんじゃあいつと顔合わせる機会もあるでしょ。
    ……どこか別の学区に部屋借りる」

フレンダ「麦野、やっぱりちゃんと超電磁砲と話したほうがいい訳よ。
      ……いつか戻ってくるなんて言わなくていいから……あんな別れ方、あの子を傷つけるだけじゃない」

麦野「…………」

絹旗「あまりにも超一方的過ぎます。麦野は彼女に悪いと思ってないんですか?」

麦野「思ってるわよ……」

フレンダ「じゃあせめて一度、話す機会をちゃんと作りなよ。
      恨みごとの一つぐらい聞いてあげないと、超電磁砲だっていつまでも前に進めない訳よ」

麦野「そりゃそうかも知れないけど。私は別にあいつと話すことなんて無いわ」

フレンダ「あんたに無くても向こうにはある訳よ」

浜面「ケジメは大事だろ。後腐れ無く……っていうのは無理でも、言いたいこと言って別れた方がスッキリするだろうしな」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:07:59.08 ID:jYXueioo<>
麦野「…………」

フレンダ「ね、麦野? せめてそれだけでも……あの子のために!」

麦野「……考えとく」 スッ

絹旗「麦野、どこへ?」

麦野「言ったでしょ。帰るって……アンタ達私を迷わせるようなことばっかり言うから……またね」


ガチャッ… バタン…


絹旗「……どう思います?」

滝壺「フレンダ、むぎのに話す機会を作れって言ったのは大正解だね。
    少し時間に猶予ができたよ」

フレンダ「こんな簡単に別れられたら私は失恋損な訳よ」

浜面「え? え? どういうことだ?」

絹旗「だぁー、これだから超浜面は。私達がグダグダ言うより、後は当人同士で解決してもらう方がいいってことですよ」

浜面「か、解決できるのか?」

絹旗「そんなの分かりません。けど、浜面も言ったじゃないですか。
    言いたいこと言いあった方が、後腐れ無くスッキリするはずです。
    そこで麦野になんらかの心境の変化があれば超儲けもんでしょう」

フレンダ「でも結局、麦野頑固だからなー……迷ってるみたいだし、ちゃんとやってくれるかな」

滝壺「大丈夫。……任せて、迷ってる今なら、チャンスはあるよ」

浜面「チャンスって……ヨリを戻させるってことか?」

滝壺「正直そこまでは期待できない……。でも、二人を仲直りさせることは出来るかもしれない」

フレンダ「後はもう超電磁砲次第って訳ね」

絹旗「まったく超世話の焼けるリーダーですね。
    浜面も麦野にぶん殴られる覚悟くらいはしといた方がいいですよ」

浜面「お前ら何するつもりだよ……」

滝壺「大丈夫だよ、はまづらは黙って見てて」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:09:36.64 ID:jYXueioo<>
―第七学区大通り 13:00―


スタスタスタ…


麦野(……はぁ……あいつらってばほんとお節介なんだから……)

麦野(ちゃんと話する機会作れだなんて……大きなお世話よ。大体この後に及んでこれ以上何話せっての?)

麦野(私は伝えたいことは全部伝えたわよ……いや、そんなことないか……。
    あいつはきっと私に嫌われたと思ってるんだろうな……あいつへの気持ちは何も変わってないのに) ハァ…

麦野(だったらやっぱりちゃんと伝えておいた方がいいのかしら。……でもそんなことしたらあいつを余計に傷つけるんじゃない?
    ……嫌われたと思ってくれてるんならむしろそのほうが好都合。私を憎んでもそれはそれで別れる決心をつけてくれるでしょ)

麦野(……まあそれで私はめでたくあいつのところには戻れなくなるわけだけど、そんな来るかどうかも分からない未来を
    あいつに期待させるわけにもいかないし、仕方ないわよね……)

麦野(これが最良の選択。私達は相いれない存在だったってことが今回でよく分かったわ。
    たまたま交わってしまった私達の不幸。……結局元通りの生活に戻るだけじゃないの……)

麦野(……なのに……) ピタッ…

麦野(なのにどうして……こんなに……) グッ…

麦野(はぁ……やめよ。考えれば考える程に不毛だわ……。結局こうするしか方法なんて無いんだから……)


タッタッタッ…


麦野(でもせめてあと一回だけ……あいつの声が……) ケイタイカチッ


タッタッタッ


「むー……!」

麦野「ん?」

「……ぎちゃんっ!」 ガバッ

麦野「うわっ!」 ポロッ ガチャーン

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:11:24.09 ID:jYXueioo<>
「ヤッベ! ごめーん、携帯落としちゃったね。壊れてないかな?
 おっと、そういやこのストラップ美琴ちゃんとおそろなのよね。仲いいなー」

麦野「……美鈴さん」

美鈴「そうよーん。1週間ぶりね! 相変わらず腹立つくらい美人よね君は。
    でもしかめっ面は皺の元よーん?」

麦野「はぁ……何か用ですか?」

美鈴「あら冷たい。麦ちゃんこの前までメールちゃんと返してくれてたのに最近パッタリだもん。寂しいなー」

麦野「忙しかっただけです。そういや学園都市に来るって言ってたの今日だったわね」

美鈴「そうよ。今さっき用事終わったんだけど、美琴学校だからさ。
    終わるまで待とうと思ってたら麦ちゃん発見して走って追いかけてきたわけよ」

麦野(こんな時に面倒だな……。美琴の件があるから何か気まずいし……)

美鈴「そんなあからさまに嫌そうな顔されると凹むわぁー。どした? 美琴と何かあった?」

麦野「!」

麦野(何で分かるんだよ……)

美鈴「おっと、図星だったか。どれ、相談に乗ってあげましょう」

麦野「結構です」 プイッ

美鈴「んだとー? ははぁん、さては美琴と喧嘩したなー?」

麦野「……っ」

美鈴「何で分かるのって顔してるわね。何年あの子の母親やってると思ってんのよ」

麦野「14年でしょ」

美鈴「そりゃそうだ。なんてね、ほんとは昨日美琴に電話したとき麦ちゃんと仲良くやってる?って訊いたのよ。
    そしたら今の君と同じような反応してたから何かあったなってピンと来たの」

麦野「…………」

美鈴「喧嘩するほど仲が良いって言葉もあるし、そんなに心配はしてないけどね。
    美琴って無駄に気が強いから麦ちゃんに何かわーっと言っちゃったんじゃない?」

麦野「そんなことは……」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:12:59.92 ID:jYXueioo<>
美鈴「……大丈夫? 麦ちゃん辛そうよ。うちのバカ娘が何か言った?」

麦野「……いや、むしろ私の方が一方的に……」

美鈴「そっか。ま、どんな仲の良い友達でも喧嘩くらいするわよね。そだ、よかったら今からご飯でも……」

麦野「そんなんじゃないのよ」

美鈴「……ん?」

麦野「友達とか、あいつはそんなんじゃない」

美鈴「え……そ、そうなの? 仲良さそうだったからてっきり。そりゃそうよね……年4つも離れてるし、どちらかと言えば」

麦野「あいつは……私の恋人だから」

美鈴「…………え?」

麦野「この前も、あいつと朝まで一緒にいたし……美鈴さんならそれがどういうことか分かりますよね」

美鈴「えっと……ちょっと待ってね。さすがに頭が追いつかない。
    うーんっと……つまりその……美琴は麦野ちゃんの彼女だったってこと?」

麦野「ええ」

美鈴「それは何と言うか……衝撃的ね」

麦野「…………だから、友達同士の喧嘩じゃないんです。
    私があいつを一方的に傷つけて、別れを告げただけのことだから……。
    だからもう私に構わないで……」

美鈴「……あ、えーっと……」

麦野「それじゃ、失礼します」

美鈴「待って麦ちゃん!」 ガシッ

麦野「……離して」

美鈴「離さないわ。君は嘘をついているもの」

麦野「……嘘?」

美鈴「傷ついてるのは君もそうなんでしょ? 麦ちゃん、美琴と何があったの」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:14:21.67 ID:jYXueioo<>
麦野「話せません」

美鈴「それは私があの子の親だから? それとも外部の人間だから?」

麦野「両方です。私はあいつと付き合えない理由が出来たの。だから別れただけ」

美鈴「……そう」

麦野「……もういい? ご心配なく、もうアンタの娘には近付かないから」

美鈴「ま、確かに正直驚いたわね」

麦野「…………」

美鈴「……でも嬉しいな」

麦野「嬉しい?」

美鈴「だって君は美琴のことを、そんな風に真剣に悩んでくれるくらい、大事に思ってくれていたんでしょ?」

麦野「……」

美鈴「美琴を好きになってくれて、私は嬉しいの。本当よ。
    君達の関係はきっと万人に祝福されるものではないのかもしれないけど……私は、二人が互いを大事に想いあってくれてるなら、
    それは素敵なことだって思うわ」

麦野「……もう、終わったのよ」

美鈴「それってどうしようもないことなの?」

麦野「……ええ」

美鈴「麦ちゃんは、美琴のことが今でも……」

麦野「好き」

美鈴「そっか。君達がどんな障害にぶつかって別れてしまうのか分からずに、無責任なことは言えないけれど。
    でも、私は君達よりも大人だから、あえて言うわ」

麦野「……」

美鈴「もっと自分の気持ちに正直に生きなさい。
    そして、相手に気持ちをぶつけることを怖がらないで。
    君たちが二人してそんなに辛そうにしてるのは、きっと互いのことを強く想ってるからなのよね。
    でもね……だったら……」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:15:52.85 ID:jYXueioo<>
麦野「……」

美鈴「相手にもっと求めたっていいじゃない。
    君がして欲しいと思っていることを、素直にぶつけたっていいはずなのよ」

麦野「っ……!」

美鈴「……君達はお互いのことが大好きなのね。   
    想い合ってるから、想い過ぎてるから、見えないこともあるんじゃない? 
    君達が二人で考えた結果ならそれでいいと思うわ。
    だからもう一度、よく考えてみて。そんな辛そうな顔、綺麗な顔には似合わないわよ?」

麦野「……余計なお世話です……」

美鈴「全くだわ。でも君が義理の娘になるなんて、考えただけでも楽しそう。
    だから茶々入れさせてもらうわよ。
    なんなら、美琴をさらって行ってくれてもいいのよ?」

麦野「そんなこと……できるわけないでしょ」

美鈴「だったら、美琴にさらっていってもらえば?」

麦野「!」

美鈴「なんてね。また君に会えることを期待してるわよん。
    ふふ、さっきよりは良い顔になったわ」

麦野「は?」

美鈴「ふふーん、学園都市じゃ女だけでも子供が産めるんでしょ?
    孫は超絶美人間違い無しね。うへー、楽しみー」

麦野「ちょっ! 何勝手なこと!」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:17:59.35 ID:jYXueioo<>
美鈴「へへーん、期待するのは私の勝手だもん。なんか今日は忙しそうだしご飯はやめときましょ。
    君にはまだやることがあるんでしょ?」

麦野「別に何も……」

美鈴「んじゃがんばってねー」 ヒラヒラ

麦野「あっ…………行っちゃった。何て勝手な……」

麦野(……でも考えてみりゃ私……あいつに彼女としてこうして欲しいなんて言ったことなかったな……。
    いつも自分のことで精一杯で、あいつがそこにいてくれるだけでよかったもん……)

麦野(……くそっ……何期待してんだよ……でも)

麦野(……期待するのは勝手……か)

麦野(言わなきゃいけないことは……まだあるのかもな)

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:20:07.46 ID:jYXueioo<>
―第七学区河川敷 16:30―


御坂(……はぁ……沈利さんに何てメール送ろうかな……)

御坂(何か会う理由を作らなくちゃ……メールが届くうちに、沈利さんの話をもう一度ちゃんと聞こう)

御坂(でもどうすればいいのかしら……何か、何か理由は……)

「よう、超電磁砲」 ガサッ

御坂「ん……? げっ、あんたは……垣根、だっけ?」

垣根「どいつもこいつも同じような反応しやがってムカつくな。ここ座るぞ」

御坂「……何か用? 私あんたと喋るなって沈利さんに言われてんのよ」

垣根「可愛げのねえガキだな。それに当の沈利さんと喋れねえのはテメェじゃねえのかよ?」

御坂「……っ」

垣根「冗談だ。んな泣きそうな顔すんなよ」

御坂「泣くわけないでしょ! 用が無いなら帰って。今忙しいのよ」

垣根「まあそう邪険にすんなよ。一人で煮詰まってるみてーだからこうして手伝ってやろうと来てやったんじゃねえか」

御坂「……はぁ?」 ヒキッ

垣根「おい、遠ざかるな。ウゼェから最初に言っとくが、俺はテメェなんざにこれっぽっちも興味ねぇ。
    正直ロリに目覚めた沈利の嗜好を心配してるところだ」

御坂「誰がロリですってぇ!」 バチバチッ

垣根「っとやめろ。携帯壊れたらどうすんだよ。それに静電気で髪が乱れんだろ。
    大丈夫だ、俺は沈利のもんとったりしねえよ。怖ぇし」 ササッ

御坂「……何が目的なの」

垣根「あのままテメェらが終わっちまうのは胸糞わりぃ」

御坂「……嘘ね。そんな奴には見えないわよ」

垣根「よく知ってんじゃねえの。まあ面白そうだからってのが大半の理由だ」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:22:55.43 ID:jYXueioo<>
御坂「他にもあるわけ?」

垣根「中学生の、それも女に目覚めさせちまった責任をちょっとばかし感じてる。これは本当だ」

御坂「浮気だってね。最っ低だわあんた。沈利さんきっとあんたのこと好きだったのに、可哀想」

垣根「性分だ。それにテメェにゃ関係ねえ。第一、そのおかげでテメェは沈利の身体を堪能できたわけだろ?
    むしろ俺に感謝しろよ小娘」

御坂「ふざけんじゃないわよ何で私が。……ま、結果的に言えばそうなるけど」

垣根「だろ? 今になってあんな上玉手離したことすっげー後悔してるよ」

御坂「二度とあんたのものにはならないけどね。あんな柔らかくて良い匂いのする沈利さんを他の誰にも渡すわけないでしょ」

垣根「へぇ、言うね中学生。あー……っつかそれでいけよ」

御坂「は?」

垣根「だからそれ言ってやれよ。口じゃ『ばっかじゃないの!』とか言うだろうけど、内心すげー喜ぶからさ」

御坂「沈利さんの真似? 似て無さ過ぎて気持ち悪」

垣根「俺レベル5に嫌われ過ぎだろ。俺にも分け隔てなく接してくれるのなんてナンバーセブンくらいだぜ。 
    たまに根性以外の日本語通じねえのが問題だがな」

御坂「知らないわよ。あんたの日ごろの行いでしょ」

垣根「違いねえな。テメェも取りかえしつかなくなる前に沈利をどうにかしてやれ」

御坂「……何よそれ」

垣根「あいつはビビッてんだよ。テメェを暗部に関わらせちまった挙句に、テメェに何か危害が加わるんじゃねぇかってな」

御坂「それは……なんとなく分かるけど……」

垣根「それだけじゃねえ。あいつはたぶん、テメェに憧れてんだ」

御坂「は? 何言ってんのよ……あの沈利さんが私にそんな……」

垣根「テメェの周りのアホ共と同じに考えるな。
    もっと根本的なもんだ。この前も言ったろ? お綺麗なままのテメェが好きなんだよ、沈利は。
    あー、ほらアレだ。清純派ってやつ? テメェは俺らみたいにクソ溜めの中にゃいねぇからな」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:24:33.31 ID:jYXueioo<>
御坂「そんな……」

垣根「ショックか?」

御坂「だって……私は沈利さんが思ってるような人間じゃないわよ……。
    私だって色々……いや、それ以前に沈利さんが汚いわけじゃないし……」

垣根「残念だがな。俺達はそう簡単には暗部って奴からは抜け出せねえ。ま俺は性に合ってるからいいが。
    だからあいつにとっちゃテメェの立場にどれだけの価値があるかよく分かってんだ」

御坂「だからって……私がそんな理想を押し付けられても……困るわよ」

垣根「だな。けど、気持ちは汲んでやれ。一度堕ちりゃ這いあがるのは困難。
    お前にその選択肢を取らせまいと別れることを決めたあいつの決意もな」

御坂「……でも」

垣根「ただな、あいつはちょっとビビリ過ぎだ。まだそこまで深刻に考えるような所には来てねぇ」

御坂「私はどうすればいいの?」

垣根「お前、沈利が好きか?」

御坂「……当たり前でしょ」

垣根「その意気だ。だったら、奪っちまえよ。この街から」

御坂「……それって、学園都市から出て行けってこと?」

垣根「解釈はテメェの自由だ。それが最善だと思うならそうすりゃいい。手助けはしねえがな。
    ただ、たまにはあの女のケツを引っ叩いてやんのもいいんじゃねえか?」

御坂「どういう意味なのよ。具体的に言って」

垣根「俺が言ったことをそのまま実行に移したって意味ねえだろ。
    結局テお前と沈利のことはテメェら二人にしか分かんねえんだから」

御坂「……っ」

垣根「俺から言えることは一つ。あいつの思い通りにさせるな。
    このままじゃ結果はお前との未来を諦めてるあいつの思惑通りにしかならねえんだ」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:25:49.87 ID:jYXueioo<>
御坂「戦えってこと……?」

垣根「そうだ。喧嘩してんだろ? とことんやっちまえよ。
    沈利にもう一度牙を剥いてやれ。そうすりゃ最悪の結末だけは回避できる。
    落とし所は自分達で考えな」

御坂「……何でそんなこと」

垣根「信用できねぇって面だな。まあ確かに俺には何のリスクもねえ話だ。どう解釈するもお前の自由さ。
    だが理由をつけるなら……そうだな、俺はあいつにもこんなクソッタレな世界は似合わねぇって思うからだな」

御坂「…………」

垣根「駄目だぜ超電磁砲。俺みたいな人間の言うことを真に受けちゃいけねぇ。
    くくっ、理由なんかねぇよ。テメェの眼の前で起こったトラブルの結末が気になるだけだ」

御坂「別に真に受けてなんか……」

垣根「……っと、俺の話はここまでのようだぜ」

御坂「え?」

滝壺「…………」

御坂「あ……あんた確か……」

滝壺「会うのは三度目かな。滝壺だよ、みさか」

垣根「『能力追跡』滝壺理后だな。そんなに睨むなよ」

滝壺「睨んでない……。でも、あんまり二人を惑わせるようなことを言わないでほしい」

垣根「はっ、とことん信用ねえな」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:27:10.93 ID:jYXueioo<>
御坂「あ、違うのよ滝壺さん。こいつ一応私にアドバイスを……」

垣根「気にすんな超電磁砲。俺も全く気にしてねぇ。
    間違ったことは言ったつもりもねぇしな。後はお前で考えな。丁度いいじゃねえの。
    こいつは俺とは真逆の意見をくれるかもしれねぇぞ? そのために来たんだろ? 世話焼きなこった」

滝壺「……違うよ」

垣根「あ? 違うのか。たまたま通りかかったとでも言うつもりか」

滝壺「違う」

垣根「んじゃなんだよ」

滝壺「私も、あなたと同じことを言おうと思って来たんだよ」

御坂「え……」

垣根「へえ、そりゃまた」

滝壺「周りの人が言うことじゃないのかもしれないけど……今日まであなたと楽しそうにメールをするむぎのを見てきたから、
    みさか、私にも少しだけ協力させて」

御坂「えっと……私はどう受け取ればいいのかしら」

滝壺「この人と同じ。最後にどうするかを決めるのはみさかだから。
    でも私の言いたいことはこの人がほとんど言ってくれたし、私がみさかに言いたいことは一つだけだけど」

御坂「……何?」

滝壺「難しいことじゃないよ。きっかけを作るだけ。それはね―――」

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:28:42.41 ID:jYXueioo<>
―麦野宅 18:00―


麦野は美鈴と別れた後、室内で特にすることもなくベッドの上でゴロゴロと横になってこれからのことを考えていた。
もはや御坂と別れるという考えを変えるつもりは無い。
だが、麦野の中で徐々にその意味が変化しつつあった。


麦野(……このまま別れたら……あいつはきっと傷ついたままなのよね……)


御坂のような世界に憧れて。御坂と同じ所から同じものが見たかった。
しかしそれが無理だと分かり、自分は彼女に別れを切り出した。
御坂をこんな世界に関わらせたくないからと、彼女を手離す決心を付けた。
だが、本当にそれでいいのだろうか。
いや、麦野の中ではもう答えは決まっている。
まだ御坂に伝えなくてはならないことがあるはずなのだ。
自分が彼女に何を望み、どう在って欲しいのか。
麦野に必要なのは、あとはただのきっかけ。
どんな些細なことでもいい。彼女と話す場を設けることを、麦野は今考えているところだった。


ハーナテココローニキザンダユメモミライサエオーキーザーリーニシーテー!


テーブルの上に置いた携帯から着信音が室内に響き渡る。
今まではその音を聞くと少し気分が滅入る麦野だったが、現在の心境から咄嗟にそれに飛びついた。
恐る恐る携帯を開き、着信メールを確認する。

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:29:46.06 ID:jYXueioo<>
――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:沈利さん
本文:
何回もメールしてごめんね。
私から送るメールはこれで最後にします。
だからお願い…沈利さんの返事が欲しい。

来週で私達付き合って1ヶ月だね。
せめてもの区切りに、1ヶ月記念のお祝いをしま
せんか?
出来れば沈利さんの家で。
本当にささやかでいいの。
二人でケーキを食べて話をしよう。
沈利さんが飲みたいならお酒も少しだけ。
何だっていいの。沈利さんと最後に一緒にいら
れるなら。


ねえ沈利さん。会いたいよ。
沈利さんに触れたい。抱きしめて欲しい。
沈利さんとキスがしたい。好きだって言いたい。
お願い、これで本当に最後で構わないから。
沈利さんにさよならを言う時間を下さい。
――――――――――――――――――――


その文面を見て、麦野は胸の奥からこみあげてくるものがあった。
それが形となって眦(まなじり)に浮かぶ前に、唇を強く噛み締めてこらえる。
こんなことで泣くわけにはいかない。
御坂の気持ちを全て受け止めて、そうして別れを告げる機会を彼女がくれたことを、
今は喜ばなくてはいけないのだから。
滲む視界を振り払い、無理やりに口角を吊りあげて薄く微笑む。
鼻をすすりあげながら、麦野はもう一度メールを読みかえしていった。


麦野(……滝壺のやつ、余計なことして)

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:32:33.03 ID:jYXueioo<>
麦野には、きっと御坂に滝壺の入れ知恵があったのだろうということが分かっていた。
一ヶ月の記念というところを見て、先日滝壺が浜面と共に祝った話を思い出したのだ。
しかし悪い気はしない。
これが正真正銘最後の別れ。
その機会がこうしてやってきてくれたことは、麦野にとっても少しの救いとなった。
そして麦野はメールの返事を打つ。


――――――――――――――――――――
to:美琴
件名:美琴へ
本文:
まずは今まで返事を返さなくてごめん。
アンタとのことを色々と考えてた。
今日やっと全部に決心が着いたから、私もアンタ
にそれを伝える時間が欲しかったの。
だから、うん。
お祝いしよう。私達の1ヶ月間の全てを。

来週金曜日の夜が丁度一ヶ月だね。
その日、学校が終わったらおいで。
それまでに言いたいことまとめとく。だからアンタ
もそうしてくれる?
来週、待ってるから。

私も、アンタの顔が見たいな
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


送信ボタンを押す。
本当はもっと送りたい文面があった。
自分だってもっと御坂に触れたかったし、好きだって言ってやりたかった。
けれどそれは後に未練を残すだけだから。
麦野は携帯を握りしめたままベッドで身を丸くする。
まるで自らを抱きしめるように。
これから待つのは、御坂のいない空虚な日々。
だけど、御坂とせめて想いを伝えあって別れを告げることができたなら、自分はもうそれでいい。
ひと時御坂は傷つき胸を痛めるかもしれないが、思春期の恋の記憶の一つとして彼女の記憶からは薄れて行くだろう。


麦野(お礼言わなきゃね……アンタに……)

<> 30日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:33:47.67 ID:jYXueioo<>
ハーナテココローニキザンダユメモミライサエオーキーザーリーニシーテー!


鳴動する携帯電話。
御坂からの返事が返ってきたようだ。
それをそっと開き、内容を確認する。


――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:はい
本文:
分かった。ありがとう。

また来週、きっと笑顔で沈利さんのところへ行く
から。
沈利さんも、とびきりの笑顔で私を迎えてよね
――――――――――――――――――――


麦野(……あいつの笑った顔、もう随分と見てないな……)


麦野はそれに返信しない。
彼女との繋がりを意識すればするほどにこの胸が狂おしい。
地獄のような一週間が今から始まろうとしている。
だが、麦野にとってそれは辛くも心地よい時間になりそうだという予感があった。
彼女を想う日々は愛おしく、今日まで流れて来た記憶はどれもこれもが甘美なもので。
彼女から向けられる全ての感情が、自分にとって大切なものだった。
だから麦野は、この一週間。
あらん限りの力を込めて苦しもうと心に決める。
自らの一部となった彼女を切り離す痛みもまた自分だけのものなのだから。

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:36:01.66 ID:jYXueioo<>
38日目


―麦野宅 18:00―


麦野(あれから一週間か……意味があるっちゃあるし、無いっちゃ無かったわね)

麦野(ここまで来たらもう考えることなんてない。
    あいつに伝えるべきことを伝えて、それでお別れよ)

麦野(あいつを笑顔で出迎える……ちゃんとできるかしら……うん、できるわよ。
    美琴がそれを望んでるなら、大丈夫)


ピンポーン… 


麦野「来たか」


スタスタスタ…


麦野(この向こうに御坂がいる……。こうして出迎えるのも今日で終わりだと思うと、感慨深いものがあるわね)


ガチャッ 


御坂「よ、久しぶり」

麦野「…………」

御坂「……沈利さん?」

麦野「わ、悪い。ボーっとしてた。入りなよ、遅かったね」

御坂「ん。これ作ってた」

麦野「……何よこの箱」

御坂「ほら、一ヶ月のお祝いだから。ケーキ作ってみたのよ。ま、味は保証しないけどね」

麦野「……ありがと」 カパッ

麦野(ショートケーキ1ホール……。スポンジから作ったんならきっと朝から準備してたんだろうな……)

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:37:33.31 ID:jYXueioo<>
麦野「冷蔵庫入れとくね」

御坂「はーい。喉乾いちゃった、何かもらってもいい?」

麦野「お茶淹れるね。お腹空いてる? カレーあるけど」

御坂「んー、もうちょっとしてからもらう」

麦野「分かった。……はいお茶」 コトッ

御坂「……ありがと」 

麦野「……」

御坂「……」 ズズッ…

麦野「……」 ズズッ…

御坂「……」

御坂「……ねぇ」

麦野「ん?」 ドキッ

御坂「えと……ひ、久しぶりにこの部屋来るわねー」

麦野「え、ええ」

御坂「んっと、沈利さん最近は何してたの?」

麦野「何って……特に何も……。あー、掃除くらいはしたけど。
    後は部屋でテレビ見たりとか……」

御坂「やだもう何よそれー。沈利さんったら私いないとやることないの?」

麦野「るっさいわね。アンタこそ何してたのよ」

御坂「私? んー、黒子達と遊んだり、コンビニで立ち読みしたり……」

麦野「人のこと言えねーだろ。アンタだって私がいないと……」

御坂「……うん、そうね」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:38:20.59 ID:jYXueioo<>
麦野「……」

御坂「あ、沈利さん、もう一杯お茶もらっていい?」

麦野「仕方ないわね」 スッ

御坂「……うん」

麦野「……ちょっと待ってな」

御坂「や、やっぱりご飯にしよっか。お腹空いちゃった」

麦野「……? いいけど」 スタスタ…

御坂「沈利さんっ!」 ガバッ

麦野「きゃっ! な、何よ急に抱きついてきて……。カップ落としたらどうすんの」

御坂「ごめん……でも、ずっとこうしたかったから……」 ギュッ

麦野「……久しぶりだもんね」 スッ

御坂「そうよ……寂しかった」

麦野「……ま、私も」

御坂「沈利さん……良い匂いがするわね……」 スゥ…

麦野「エッチ。……匂い嗅ぐな」

御坂「ね、ねぇ沈利さん……やっぱり私達……」

麦野「……美琴」

御坂「……」

麦野「カレー温めるから、離してくれる? 向こうで待ってな」

御坂「…………はい」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:39:10.19 ID:jYXueioo<>
―19:00―


麦野「じゃ、いただきます」

御坂「いただきます……」


カチャッ…モグモグ…

カチャカチャッ…


御坂「……ん、おいしいね」

麦野「そりゃよかった」

御坂「……モグモグ」

麦野「……」

御坂「こ、これってルーは何使ってるの?」

麦野「別に決めてないわよ。適当に何種類か混ぜてる」

御坂「あう……あー、沈利さんってカレ―好きなの?」

麦野「私が好きなのは鮭弁よ。知ってるでしょ」

御坂「そだね……」

麦野「……モグモグ」

御坂「そ、そういや初めて沈利さん家泊ったときはシチューだったわよねー。あれも美味しかったなー」

麦野「…………」

御坂「あ、だ、大根サラダ私作ったわよねー。あれまた作ってあげよっか? 台所ちょっと借りて……」

麦野「アンタそんなこと言いにここに来たわけ?」

御坂「……」

麦野「……楽しく食事したいって気持ち分かるけど……やっぱ私にゃ無理だわ……。
    先に話しよ……美琴、ちょっとそこ座んな」

御坂「…………ヤダ」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:41:07.10 ID:jYXueioo<>
麦野「はぁ?」

御坂「座ったら沈利さんと、お別れの話をしなくちゃいけないもん……」

麦野「……分かるでしょ。今日は何のために会ってるのか」

御坂「ずるいわよ……沈利さん」

麦野「あァ?」

御坂「あの日あんた言ったわよね。私のものになれって、私だけを見てろって……」

麦野「ええ」

御坂「だから私は約束通りあんたのことだけ見てたし、あんたのことを何より第一に考えてた。
    ……誤解させちゃったこともあったけど」

麦野「……それはもういいのよ」

御坂「うん……私、本当にいつだって沈利さんのことだけを考えてたわよ。
    ……寝るときだってお風呂に入ってるときだって……」

麦野「…………」

御坂「時間なんて、いくらだってあると思ってた……。
    冬が来たら、一緒に温泉に行ったり、クリスマスにケーキを食べて過ごしたり。
    春にはお花見をして、大学生になった沈利さんのお祝いをしたり。
    夏は海に行って花火を見たり……そんな日が、当たり前のように来るんだって期待してたのよ……」

麦野「っ……」

御坂「……なのにどうしてそんな簡単に私のことを捨てるの……?
    ずっと一緒にいてくれるんだって思ってたのに……。
    あいつとの恋は駄目だったけど、あんたが……沈利さんがいればそれでいいんだって思わせてくれたのに!」

麦野「……ごめん」

御坂「そんなんじゃ分かんないわよ!
    何!? 何がいけないの!? 私とあんたの何が違うって言うのよ!」

麦野「わかった、ごめん。とにかく座りなさい。順を追ってもう一度話してあげるから……」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:42:31.73 ID:jYXueioo<>
御坂「いらない! そんなの何回聞いたって納得なんか出来っこない!
    暗部って何!? だから何なの!?
    私が暗部じゃないから?! だからあんたは私を捨てるの!?」

麦野「違うよ。……アンタはこんなロクでも無い世界に関わるべきじゃないんだ……。
    アンタと私の世界は相いれないものだから……綺麗なアンタを守りたいから私は……」

御坂「私はあんたが思ってるような人間じゃない!」

麦野「……っ」

御坂「何なのよどいつもこいつも……綺麗な私って何なのよ、意味分かんない……!
    誰だって、生きてりゃ少しくらい後ろ暗いことくらいあんでしょ……。
    私にだって、あんたと出会ったあの時は……学園都市全部に喧嘩売ってまでやりたいことがあったわよ……。
    それとあんたがしてることって何が違うのよ……。
    結局人に言えないことなんだったら、一緒でしょ……」

麦野「……」

御坂「……何か言うことないの……」

麦野「……そうかもね」

御坂「…………ごめん。こんなこと言いたくて来たんじゃないのにね……。
    でも、どうしても納得できない……沈利さんと別れなくちゃいけない理由が、私には全然分かんない……」

麦野「……分かんなくていいんだよ。一方的な私の我儘に振りまわしてるだけなんだから……。
    恨んでくれていいし、もっと酷いこと言ってもいいのよ。アンタにはその権利があるわ」

御坂「……どうしても、駄目なのよね?」

麦野「…………」

御坂「沈利さん……?」

麦野(伝えても……いいの……? 本当は、待ってて欲しいって……。
    私が誰に恥じることのない世界に戻って来られたなら、その時はもう一度……私を彼女にして欲しいって……)

麦野(……本当にいいの……? そんな甘えが……私に許されるって言うの?)

御坂「……言いなさいよ……」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:44:21.97 ID:jYXueioo<>
麦野「え……?」

御坂「何で言わないのよ! あんたはその暗部って奴から足を洗うつもりなんでしょ!  
    だったら言いなさいよ! それまで待ってろって! 私のものでいろって!
    そうすれば……!」

麦野(滝壺のやつ……ほんと余計なこと)

御坂「そうすりゃ私は何ヶ月でも、何年でもあんたのこと待っててあげるわよ!」

麦野「……」

麦野(……分かったよ、アンタは酷い奴だな、滝壺)

御坂「言いなさいよ! その一言だけで私は何年だって耐えられるから!
    お願い沈利さん! 言って! 言ってよ―――っ!!」

麦野「…………私は、アンタを縛りたくなかった……」

御坂「……!」

麦野「次に会うことがもしあって、その時に私が暗部の人間じゃなかったとして、それが今の私だとは限らないんだよ」

御坂「……そんなの……沈利さんだったら私は……」

麦野「目玉の一つくらいは無くなってるかもしれない。腕の一本くらいは奪われてるかもしれない。
    ……もしかしたら……死んでいるかもしれない」

御坂「……それは、ヤダ」

麦野「……アンタはまだ中学生なのに、こんな私のために時間を費やしちゃ駄目だよ。
    素敵な彼氏が出来て、街中を腕を組んで歩くような、普通の女の子になる選択肢を、
    アンタから奪いたくなかったんだ。だから私はあのままアンタと別れようとした」

御坂「……自分だけを見てろって言ったのは、沈利さんよ」

麦野「そうだね……私は絶対にアンタを大切に、幸せにしようって、そう思ってたんだ」

御坂「……私は沈利さんがいてくれたら、それで幸せなのよ……?」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:46:25.69 ID:jYXueioo<>
麦野「……今の私は、アンタと先には進めない。
    私の存在がアンタの未来に影を落とすことになるって、アンタのことが好きになればなるほど、
    嫌でも気づかされた」

御坂「……」

麦野「……だから私はアンタとの関係を続けることが怖くなって、それを断とうとしたの」

御坂「……」

麦野「でもね、今日までアンタに会わずにいて、凄く苦しくて、寂しかった。
    それもアンタのためだと思って自分を納得させようとしたけど、駄目だ……」

御坂「沈利さん……?」

麦野「美琴、もし……もしもだよ……」

御坂「う、うん……」

麦野「……アンタはまだ中学生で、これからきっとたくさんの恋をして、大人になっていく。
    だけどいつか、アンタがその中で私を選んでくれたなら……その時は―――」

御坂「―――っ」



麦野「―――もう一度、私のものになってくれる?」



御坂「……そ、それって……えと……わ、分かりやすく言って……。
    だからつまり……あの……」



麦野「また出会えたら、もう一度恋をしよう。次はもう、二度とアンタを離さないから」


<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:47:35.10 ID:jYXueioo<>
麦野「だからそれまでお別れだよ。これだけは譲れないの。
    私が真正面からアンタに向き合うためには、絶対に必要なことなの。私を忘れても構わない。
    会える保証なんて無いし、アンタに約束もしてあげられない。そんな私を、許してくれなくてもいい」

御坂「沈利さん……」

麦野「でも、アンタのために、がんばってみるよ」

御坂「沈利さんっ!!」 ギュッ

麦野「バカだね……こんなこと言うつもりなかったのに……。
    アンタを見たら、やっぱりそう簡単に手離せないよ……。
    これがアンタを縛りつけることになるかもしれないのに、許して……」

御坂「いいよ! いいよそんなの! 沈利さんの気持ちが聞けて嬉しい!」

麦野「……美琴」

御坂「私、待ってるからね! あんたともう一度出会えるのを、どれだけだって待ってみせるから!」

麦野「…………うん」

御坂「えへへ……お別れなのに……次に会えるのが楽しみで仕方ないわね……」

麦野「……そうね。……ふふ、さ、ご飯終わらせてケーキ食べよ。お酒もちゃんと用意してあるからね」

御坂「…………」 グッ

麦野「……美琴?」




御坂「―――なんてね」



<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:49:53.04 ID:jYXueioo<>
麦野「……?」

御坂「こんな甘っちょろい結末で、私が納得すると思った?」

麦野「なっ……」

御坂「私はね、沈利さん。今日ここに、あんたを奪いに来たのよ」

麦野「!」

御坂「……あんたが絶対に私のところに戻ってくるように、身体に私を刻みつけてあげるためにね」

麦野「アンタ何を……っ! か、身体が……動かな……きゃっ!」 ボフッ

御坂「ふふっ、ずっとこうしたかった」 ドサッ

麦野「っ…………ちょっとアンタ、何してんの? 本気?」

御坂「本気じゃなきゃこんなことしないわよ」 

麦野「……何するつもりよ」

御坂「あんたが今まで私にしてくれたこと」 

麦野「アンタふざけんじゃ……っ、身体が動かない……何したのよ!」

御坂「ふふん、動かないでしょ。体に微弱な電流流して筋肉麻痺させたのよ。
    ……今日は一晩中、沈利さんを可愛がってあげるわね」

麦野「テメ……! あとで酷いわよ……!」

御坂「……いいよ、沈利さんになら壊されたっていいの……んっ」 チュッ

麦野「ンっ……んぅっ! むむー!」 

御坂「チュプッ……ほら口開けて舌出しなさいよ。ま、最初はちょっと反抗してくれた方が興奮するからいいけど」

麦野「アンタ何考え……チュゥッ! ンぅっ!」

御坂「沈利さん、夜はこれからよ。……言っとくけど、あんたが私をこんなにしたんだからね」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:53:09.69 ID:jYXueioo<>
―20:00―


麦野に牙を剥けば、最悪の結末だけは回避できる。
この部屋を訪れる前、御坂が垣根から与えられた助言は、彼女に力づくで言うことを聞かせるようなものだと考えていた。
確かに、徹底的に麦野と抗戦し、実力行使で落とし所を探るという手法は悪くは無い。
だが、それでは駄目だということも垣根は助言してくれていた。
御坂が今ここにいるその価値。堕ちて這いあがることの困難さ。
それを分かっているからこそ、麦野は御坂に表舞台にいることを望んだのだ。
だから御坂は、麦野の言い分を素直に受け入れることに決めた。
垣根のくれた助言の中で最も重要な部分は、麦野が自分との未来を諦めているということだ。
そこさえ改めさせることが出来たなら、例え今この関係が終ろうとも、麦野が全てを終えた後自分の所へ戻ってきてくれる。
そう考えた。

結果、御坂は決死の訴えにより、麦野の心をわずかに動かすことに成功した。
彼女は御坂のためを想い、心の奥底に仕舞い込んでいた自分の願望を吐きだしてくれたのだ。
狂おしい程に望み、苦しみ、悩み、期待したはずのたったその一言を、もう一度告げてくれた。
だからこそ今、御坂はそれに応えるべく、麦野に牙を剥く。
彼女へ全身全霊の愛を捧ぐために、彼女が二度と自分を手離そうなどと思わぬように。
御坂は麦野がかつて自分にそうしたような蠱惑的な頬笑みで、彼女を馬乗りになって見下ろしていた。


御坂「……綺麗ね、沈利さん」


食事もデザートも、何もかもを放り出して麦野をベッドの上に引きずり上げた御坂は、部屋の電気をオレンジ色の間接照明に切り替え、
彼女が着ていたシャツのボタンを一つ一つ丁寧に外していきながらその姿に見とれていた。
微弱な電撃により四肢の筋肉を麻痺させられ、身動きをとれない麦野は、御坂の成すがままに衣服を脱がされ
ゆっくりともったいぶるような仕草で下着だけの姿にさせられている。
濃密な女の匂いが室内に充満していく。麦野の髪や体から薫る甘い香が御坂の理性を少しずつ溶かしていく。
頬を赤らめて御坂に抗議の視線を送るも、それはもはや御坂の情欲を煽るものでしかなく、
およそ中学生とは思えぬ大人びた顔つきで舌舐めずりをするのだった。


麦野「やめてよ……こんなことしなくたって……私……」


濡れた瞳で力なくそう呟く麦野の耳元に顔を寄せて、吐息と共に御坂は囁き返す。


御坂「それじゃ駄目なの、沈利さん。言ったでしょ、私は今日あんたを奪いに来たんだって。

    ―――いつまで勘違いしてんの? 

    たった今から、あんたが私のものになるのよ」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:54:53.83 ID:jYXueioo<>
言葉や行動とは裏腹に、御坂の鼓動は早足を告げる。
ドクドクと脈打つ心臓の音を聞かれたら、麦野にバカにされるだろうか。
そんな少しの不安と、麦野を自由に出来る征服感に、御坂は言い知れぬ興奮を覚えた。


麦野「んっ……アンタいつからそんな口……!」


耳に吹きかかる吐息がくすぐったいのか、麦野はピクリと身体を跳ね上げて熱い息を吐いた。
強気な彼女が身体の自由を奪われしおらしくなっていくその様子に、御坂の背中をゾクゾクとした感覚が這いあがっていく。
こんな楽しいことを、自分は今まで知らずに彼女に任せていたのかと思うと、悔しさにも似た感情が湧きあがってきた。


御坂「可愛いね、沈利さん……ねえねえどんな気持ち? あんたに何するのも私の自由なのよ?
    ……ねえ、どうされたい?」


指先をゆっくりと脇腹に這わせて、ねっとりと絡みつくような声で麦野のあるかどうか分からない被虐心を煽る。
どこからどう見ても筋金入りのドSの麦野が、実はいじめられるのが大好きなマゾ気質だった、などという都合のいい展開を期待はしていない。
御坂なりの力づくで、麦野を屈服させていくことこそに意味があるのだから。
だが、麦野もまた大好きな御坂に抱かれるということに抵抗は感じていないらしい。
御坂が危惧していたよりはずっとしおらしく可愛げのある態度で、震える唇を動かしてねだるように言った。


麦野「……優しくして」


その言葉に、御坂のなけなしの良心は吹き飛んだ。
普段強気で高飛車な麦野の弱弱しくも艶めかしいその態度は御坂の本能に鋭く訴えかけてくる。
上質なロイヤルブルーのブラに包まれた胸を小さな手で掴み、やわやわと揉みながら、笑顔を浮かべて麦野を見詰めた。


御坂「嫌よ。乱暴にしたい。沈利さんをめちゃくちゃにしてやりたい」

麦野「ひどいわね……いいよ、好きにしなさいよ……」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:57:02.35 ID:jYXueioo<>
自分が自分でないかのような錯覚。
麦野に対して突きつけた言葉は、御坂の胸中とは真逆のものだった。
うんと優しくしてあげよう。麦野が自分にそうしてくれたように。
そう思っている自分と、麦野の弱弱しい姿をもっと見たい自分とが同居し、彼女の反応見たさにあえてそんな意地悪を言ってしまった。
だが後悔は無い。御坂は微笑を浮かべることで応え、ゆっくりと掌に力を込めていく。
掌を沈ませた乳房はこの世のものとは思えないほど柔らかく、下着越しにもその存在を強烈に主張してくる。
ジットリと汗が滲むその双丘の感触に、一瞬にして御坂は酔いしれた。


麦野「あっ……んぅっ! ふぁっ……ぁ……あん!」

御坂「柔らかいわね。沈利さん胸の開いた服はもう着ちゃ駄目よ。コレも、私だけのもんなんだから」


ぐにぐにと、揉むというよりはこねくりまわすような強さで指を沈みこませる。
官能的に形を変える胸の感触を楽しみつつ、少しの痛みと湧き上がってくる快楽に顔を歪ませる麦野の顔を
じっと見つめる御坂。


麦野「痛いっ……もうちょっと優しくっ……ぅあっ! ぁうっ!」

御坂「あっ、ごめんごめん……。さすがに痛かったか。えーと……こんなもん?」


少し力を入れ過ぎたようで、顔をしかめた麦野の胸から慌てて手を離してもう一度優しく揉みこむ。


御坂(えっと……次はどうすればいいのかしら……?)

麦野「はぁ……ん……上手よ……」

御坂(キスしてもいいかな……)

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 02:58:51.91 ID:jYXueioo<>
胸をずっと同じ調子で触っていても麦野の反応にこれ以上の変化が無いことに気付いた御坂は、
一先ず間を繋ごうと彼女に口付ける。
濡れた舌先を彼女の口内に侵入させ、いつもしてもらっているような具合でゆっくりと唾液と唾液を絡め合い、
舌で歯の付け根を一本一本ねぶっていく。


御坂(カレーの味……。あ、でも……気持ちよくなってきた……)


時たま口腔内を舌先で突きながら、手は胸に添えて。
御坂は必死で麦野からの奉仕を思い出してそれを実行に移していった。


麦野「んちゅっ……んぅ……ちゅぷっ……」

御坂「んっ……チュプッ……ちゅぅっ……」

麦野「……ん……美琴……?」

御坂「んっと……えと……」


自分の主導で麦野に奉仕をするのはこれが初めてだ。
口で麦野に色々言ってもどういう手順で行えばいいのかは分からない。
なんとなく麦野の身体で触ってみたいと思っていたところに手を這わせていくも、当然テクニックなど持ち合わせていない御坂は
すぐに次に何をすればいいのか戸惑ってしまった。
ずっと胸ばかり触っていてもいいのだろうか?
いつ下着を外せばいいのだろうか?
上手くやらなくてはという想いばかりが先行して、御坂は半ば涙目になりながら麦野への奉仕を続けようとする。
その様子を見て何を思ったか、麦野はふっと息を吐いて微笑み、囁くような声で唇を動かした。


麦野「……もっと胸触って……。ブラも外してよ……」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:01:00.21 ID:jYXueioo<>
ねだるような甘ったるい声で、麦野が御坂に懇願し笑いかけてくる。
そこで主導権を奪ったりするようなことはしない。
あくまで麦野は御坂に攻められているのだという体(てい)を守るような言葉で告げて来た。
もちろん御坂にもそれは伝わった。
だが自分を傷つけまいとするそんな彼女の気遣いが嬉しくて、笑顔で肯定すると、御坂はもう一度麦野に顔を近付け口づけた。
薄桃色の唇を優しく啄ばみ、舌で弄ぶように舐めながら片手を麦野の背中に回す。
手慣れていないと言っても下着は自分も毎日着けているものだ。
ホックを外すのに手間取るようなことは無く、パチリという音と共に弾けるように麦野の胸が零れた。
ぷるんと揺れるその大きな塊と、先端部のピンク色の蕾を目の当たりにし、御坂はゴクリと唾を飲み込む。


御坂「なんか久しぶりね……相変わらずすごいわ……」

麦野「あんま見ないでよ……ね、早く……して」

御坂「ふふっ、早くしてだなんて、沈利さんてばエッチよねぇ」

麦野「ばか……んっ!」


掌にジットリと張り付く柔らかい感触を楽しみながら、御坂はピンクの突起をパクリと唇で啄ばんだ。
チロチロと舌先で突いたり、舌の腹で押しつぶしたり、思いつくままに弄んでいると、麦野の嬌声も
徐々に熱を含んだものへと変化していく。


麦野「はぁ……んっ! ぁ! あっ! んぁぁあっ!」

御坂「チュプッ……チュッ気持ちいい? 沈利さん?」

麦野「……ばかっ! んっ! ぅうんっ!」


チュウチュウとわざとらしく音を立てて麦野の乳首を吸ってやると、ピクピクと上気した身体を跳ね上げて
麦野は応えてくれた。
麦野ほど上手くは出来ないが、彼女なりに悦んでくれているようだ。
少しずつ硬さを帯びてくる先端部を唇で挟みつつ、御坂は自分の胸の中が満たされてくるのを感じていた。

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:03:13.54 ID:jYXueioo<>
御坂(あったかいな……沈利さん……)


熱を帯びて、ほんのり汗を滲ませる艶めかしい麦野の肌に触れて、頭がぼんやりとしてくる。
脳髄を蕩かしていく蜜のような香り、汗とシャンプーの匂いが混じり、紅く火照った身体が御坂の嗜虐心を突く。
まるで霞がかかったように麦野の周囲から音や景色が消えて行き。
一糸纏わない麦野の姿は今自分だけのもので、自分だけが知っている彼女の痴態が思考能力をどんどん奪っていった。
ただ、彼女が欲しい。それ以外のことなどどうでもいい。
御坂はショーツ一枚隔てた先にある麦野の秘所に視線を送り、熱く息を吐いてそっと手を伸ばした。


麦野「まって……」

御坂「……無理、止まんない……沈利さんだって我慢できないでしょ……」


眉を顰めて乞う麦野に、御坂は荒い息遣いで首を振って見せた。
麦野はもう下着の上からでも分かるくらいにグショグショに濡れている。
室内を仄かに照らす間接照明が、テラテラと濡れた太股の付け根を官能的に照らし出していた。


麦野「待って美琴……」

御坂「やらしい下着……こんなの見せられてどうしろってのよ……」


その大人っぽいレースがあしらわれたロイヤルブルーのショーツは偶然にも、
四肢が動かせず腰を浮かせたりすることのできない状態の麦野であってもすぐ脱がすことが出来る
サイドが紐状になっているものだった。
自分では買ったこともないような色っぽいその下着の紐に手をかけて、御坂は一度だけチラリと彼女の瞳に視線を送る。
そこでは、真っ赤な顔と潤んだ瞳に少しだけ困惑の表情をこちらに向けていた。


麦野「……お願い……美琴、聞いて」


恥ずかしそうに唇を引き結び、麦野は御坂に懇願してくる。
その必死な表情に、御坂はようやく手を止め首を傾げる。


麦野「アンタも脱いでよ……美琴の身体が見たい……」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:05:28.79 ID:jYXueioo<>
御坂「……そっか」


そう言えばまだ自分は制服姿のままだった。
彼女の体温を感じるなら、自分も服は脱ぐべきだろう。
御坂は麦野の下着から手を離し、少し乱暴な手つきでニットとシャツを脱ぎ、一度ベッドから降りてスカートもその辺に放りだした。
瞬く間にパステル調の下着姿になった自分の姿を、麦野は優しげな視線で見つめてくる。


麦野「ん、アンタも綺麗よ……。ね、来て……」


麦野に言われた通り、御坂は彼女の隣に寄り添うように横になる。


御坂「行くね……沈利さん」


見つめ合う濡れた双眸。
わずかに吊りあがった猫のように挑発的な眼も今は甘えるような色を帯びて御坂に訴えかける。
麦野の栗色の髪を撫でながら、ゆっくりと彼女に唇に自らのそれを重ねた。
柔らかな唇の感触を感じながら、御坂の手は誘われるようにして麦野の下腹部へと移動していく。
下着の紐をシュルリとほどいて、ハラリと崩れた布の向こう側から、麦野の秘部を隠す茂みが現れた。
黒く薄いその先、足の付け根の間へと指を沈みこませていく。
閉じられた麦野の瞳。その眉間にわずかな皺が寄った。


麦野「はぅっ……んっ!」

御坂(すご……熱くて……溶けちゃいそう……)


ふわふわの髪を撫で、水音と立てる唇の動きを止めないまま、御坂の指先は麦野の秘部へと触れた。
トロトロに溢れた愛液が指先に絡みつき、体温よりもさらに熱く柔らかなその感触に御坂は驚いた。
なんとなく自分のそれとも感触が違う気がする。
指先でゆっくりとかき回し、たっぷりと愛液を絡め取って、少しずつ奥へ奥へと歩を進めて行く。


麦野「ぁっ……はぁ……ぁあっ!」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:07:38.06 ID:jYXueioo<>
ずぶずぶと麦野の中へと飲みこまれていく中指。
熱く柔らかな肉壁。
こちらを飲みこもうとヒクヒクと蠢動する膣内は自らのそれに比べれば幾分かは緩く、
だがそれでいて指をしっかりと締め付けてくるのも感じ取ることが出来た。


御坂(これが沈利さんの中なんだ……柔らかくて熱い……何これ、気持ちいいな……)


中指にまとわりつくヌルリとした温かな感覚に、御坂は口づけによる快感も相まって指ごと頭が蕩けてしまいそうだった。
もっとこの感覚を味わっていたい。
御坂は指を優しく腹側の膣壁に押し付けると、ゆっくりとした動きでそこを擦ってみる。


麦野「やっ! んぁぁっ!!」


ビクビクと跳ねる麦野の身体。
なるほど、気持ちいいらしい。麦野らしからぬ甲高い声は確実に先ほど以上の快感を露わにしていた
今度はもう少し奥の方を触ってみようと、指を伸ばし再び壁を擦り上げると、同時に麦野の身体が痙攣した。


麦野「ひっ! ぐっ……! あ、アンタ遊んでるでしょ……!」

御坂「……へへっ」

麦野「テメ……んぅぁっ! あっ! ぁっ! ぁあっ!」


麦野が悪態をつこうと視線を鋭くさせたので、御坂は中指に追従するように薬指も膣内へとねじ込んだ。
二本だと少々きつかったが、何とか動かせそうだったので別々にウネウネと動かしてみると、麦野は汗でジットリと身体を
湿らせて甘い声をあげた。


御坂「ヤダ何これ……楽し……。ね、沈利さん気持ちい? 気持ちいの?」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:10:10.77 ID:jYXueioo<>
ニヤニヤといやらしい笑みを口元に浮かべ、麦野の眼前で問いかける御坂。
気丈な麦野も膣内はデリケートなのだなと、御坂は当たり前のことを今更ながらに知って異様な興奮を覚えた。


麦野「あン……ひっ……タねぇ! ぁぐっ! ふざけんじゃ……ぁあんっ!」

御坂「あーんもう沈利さん何言ってるか分かんないわよー?
    ここはどうかなー?」


グチュグチュと指をかきまわす度に嬌声をあげて足の指を吊りそうなほどに反らせて跳ねあがる麦野。
御坂は耳元でねっとりと囁きながら、入口上部の突起に親指の腹を押し当てる。
そこをグリグリとこねてやると、麦野は一際大きな声をあげて仰け反った。


麦野「んぁぁぁあああっっ! そ、そこは……だめぇっ!」

御坂「へぇ、沈利さんここが弱いんだ……」


強すぎる刺激はよくないだろうと、細心の注意を払いながらも大胆に指の腹で赤い肉芽を押しつぶす。
すると、明確過ぎる仕草で麦野は艶めかしく身をよじった。


麦野「はぁんっ! やめっ……ぁぁっ! 駄目えぇっ!」

御坂「すっごい濡れてるわよ。沈利さんの匂いがするね……おっぱいも触っていい?」


一応尋ねはするが応えを聞く気は無い、御坂は弾けるような瑞々しさの豊満な乳房を空いた手で鷲掴みにし、
指先で乳首を擦りながら膣内と肉芽への愛撫を続ける。


麦野「はっ! あっ! あっ! んぅぅっ!!」

御坂「気持ちよさそうね。沈利さんって感じやすいんだ」

麦野「そんな……ことっ……! はぁっ!」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:12:20.91 ID:jYXueioo<>
自分も自慰をするときはここを触ってするが、彼女も同じのようだ。
この反応は明らかに先ほどまでとは違う。
抗い難い快楽が全身に走り、口の端から涎を垂らして悦んでいる。
あの麦野が、こんなにだらしない顔で喘いでいるのかと思うと、御坂の興奮はいよいよ絶頂に達した。
それが御坂は少しだけ嬉しくて、指を内部から抜いて中指でこねくりまわす。
まるで自分で自分を慰めるかのように、麦野のそこを優しく丁寧に愛撫して快楽を与えていった。
しかし、その時だ。


麦野「いい加減に……んぅっ……しなさいよ……!」


ガシリと、麦野の秘部をまさぐる右手が掴まれた。
今までの刺激のせいか、時間が経ったためかは知らないが、麦野の筋肉の麻痺が解けてしまったらしい。
いいようにされっぱなしだった麦野はさすがに憤った様子で、ジロリとこちらを睨みつけてくる。


御坂「やばっ……そ、そんなに怒らないでよ。気持ちよかったでしょ?」

麦野「ふざけんな下手くそっ! 調子こいてんじゃないわよ!
    アンタばっかずるい! 私にも触らせなさい!」

御坂「えー……」


せっかく麦野を好き勝手に弄ぶ楽しさに目覚めてきたところなのにと御坂は唇と尖らせる。
ふとその時、御坂の頭にとんでもない考えが過ぎってしまった。
これもきっと麦野と普段から一緒に行動していた賜物だろう。
こんなこと、以前の自分だったら思いつくはずもないから。
未だ麦野の下腹部に差し込まれていたままの手はガッチリと彼女に握られて動かせずにいる。
しかし。
御坂はニヤリと口元に楽しげな笑みを浮かべた。


麦野「な、なによ……」


御坂の反応が気に食わなかったのか、怪訝そうな表情になる。
次の瞬間。


麦野「と、とにかk……ひぎっあぁぁあああああああっ!!!!!!」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:13:48.61 ID:jYXueioo<>
ビクビクと今まで以上に身体を痙攣させて、足の指をこれ以上なく反らせて悲鳴にも似た嬌声をあげた。
そしてプシッという水音と同時に御坂の手に吹きだした愛液が噴きかかる。
御坂の能力による微弱な電撃。
人体に害を与えない範囲でのギリギリの刺激を麦野の秘部へと与えたのだった。
それはもはや彼女の想像を遥かに凌駕した快感だったのだろう。
瞳孔を開き、こんなものに誰が逆らえるのかというような絶叫をあげて麦野の身体がダラリとベッドに沈み込んだ。
精密な調整を可能とするレベル5の発電能力者だからこその攻め手。
御坂の能力は性行為にも応用可能だということがここに証明された。


麦野「ハァ……ハァ……あ、アンタねぇ! バ、バカじゃ……んぁぁぁぁあああっっっ!!!」

御坂「下手くそは酷いわよねー。私なりにがんばったんだからね!」

麦野「わ、分かった! 謝るから! だからそれはあぁああああああ! こ、こんなのら目ぇぇぇぇぇええええええっっ!!!」


もちろん麦野もそれにはすぐに気付いたようだった。
一瞬にして絶頂に導かれ、強制的に愛液を吹かされる屈辱に顔を真っ赤にさせて
御坂に詰め寄るも、再び同じ攻撃によって何度も果てた。
グッタリとベッドに寝転がる麦野を見下ろし、御坂は勝ち誇ったような笑顔を浮かべる。
その時、主導権は完全に御坂の掌に移ったのだった。

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:15:42.52 ID:jYXueioo<>
―24:00―


麦野「……ハァ……ハァ……もう無理、許して……苦し……ゼェ……ゼェ……」

御坂「どうだった? 沈利さん何回イっちゃったのー?」

麦野「……るさい。 ハァ……もう……どうしてくれんのよシーツ……びっちゃびちゃじゃないの……」

御坂「全部沈利さんのよ?」

麦野「あれはズルでしょ……あんなの……どうしようもない」 プィッ

御坂「あれー? 拗ねてんの? ねぇねぇん、こっち向いてよー」 ギュッ

麦野「……だって、アンタじゃないともう満足できない体に開発されちゃったんだよ……責任とれっつの」

御坂「とるわよ」

麦野「…………」 チラッ

御坂「へへっ、沈利さんが早く戻って来たくなるように、サービスしてあげたのよ」 ギュッ

麦野「…………ばっかじゃないの」

御坂「……あー、そんなこと言うんだ。まだまだ調教が足りてないみたいねー」

麦野「テメェ……今度は原子崩しでハードなSMに目覚めさせてやってもいいんだけどねぇ?」

御坂「うっ……痛いのは勘弁」

麦野「ふん、アンタが能力使って無理やりイカせてくるド変態だとは知らなかったわよ」

御坂「ごめんごめん、怒ってる……?」 オソルオソル

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:16:41.52 ID:jYXueioo<>
麦野「ったり前でしょ!」 プィッ

御坂「……ごめん」 シュン…

麦野「…………」

御坂「……」 シュン…
    
麦野「……」 チラッ

御坂「……」 シュン…

麦野「……だーもう! 分かったよ! 怒ってない!」

御坂「ほんと……!?」 パァッ

麦野「うっ……も、もういいわよ……確かに気持ちよかったし……」

御坂「やった、沈利さん大好きっ!」 ギュッ

麦野「その代わり……」 ガバッ

御坂「きゃっ……!」 

麦野「……今度は私の番、でしょ?」

御坂「えっ、えー……」

麦野「私はね、攻められるより攻める方が好きなの」

御坂「……ん、じゃあ」

麦野「……あれ、素直だね。そういう態度は嫌いじゃ……」

御坂「……めちゃくちゃにして……」 ボソッ

麦野「…………」 ブチッ

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:17:53.85 ID:jYXueioo<>
―26:00―


クチュクチュッ…チュプッ


御坂「あっ! あっ! ぁぁあっっ!!」 ビクビクッ

麦野「……ハァ……ハァ……ふふっ、これできっちり私の分、25回イカせてあげたわよね?」

御坂「も……もう駄目……ハァ……ハァ……」

麦野「あらあら。だらしないな。まだ夜中の2時だよ? これからが楽しいんじゃない」

御坂「ハァ……エッチ始めてもう6時間くらい経つわよ……あんたの体力と性欲どうなってんのよ……化け物か。
    ハァ……ハァ……そんなんで私いなくて大丈夫なわけ……?」 グッタリ

麦野「……大丈夫じゃないっつの。どうしてくれんの」 ゴロリ

御坂「ハァ……し、知らないわよ……あんたがエロいのは元々でしょ。自分で言ってたじゃない……」

麦野「まーね。自分で色々処理するから大丈夫よ」

御坂「ちょ……ちょっと、身体だけの相手とか作ったりしないでよ……?」

麦野「へぇ、駄目なんだ?」

御坂「だ、駄目に決まってんでしょ」 ジワッ…

麦野「な、泣かないでよ冗談でしょ……あんなの、アンタしか無理よ……」

御坂「じゃあ……浮気しちゃ嫌よ?」

麦野「別れんのに浮気も何もねーだろ……」

御坂「うぅ……」 ジワッ…

麦野「分かった分かった! しない。約束するわよ……っつかするわけないだろそんなの……」 ボソッ

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:19:40.63 ID:jYXueioo<>
御坂「え、何?」

麦野「何でもないっ!」 フンッ

御坂「よかったぁ……」 ホッ

麦野「その代わりアンタ次会ったら覚悟しときなさいよ。
    溜まりに溜まった私の欲求全部ぶつけてぶっ壊してやるから!」

御坂「えっ……次って……」

麦野「ん……次は、次よ。知らないからね!」

御坂「……ふふ、いいわよ……沈利さんの好きにしてちょうだい」

麦野「ふんっ」

御坂「……沈利さん」 ギュッ

麦野「っ……! な、何よ」

御坂「えへへ、呼んでみただけ」

麦野「……ばっかみたい」

御坂「いいもん。馬鹿で」

麦野「あっそ」

御坂「ふふ。ってかケーキどうしよ。お祝いとか言って何にもしてないわよね」

麦野「あー……ほんとだ。明日食べよ」

御坂「そうね。今日はもう動けない」

麦野「ずっとヤリまくってたもんね」

御坂「ほんとよ……喉乾く……水ー」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:21:05.21 ID:jYXueioo<>
麦野「そこにご飯の時のお茶あるよ」

御坂「ん……ゴクゴク……ぷはっ。ぬるいな。沈利さんも飲む?」

麦野「ん。……ゴクッゴクッ……あー、生き返る」

御坂「おっさんくさいわよ」

麦野「黙れ。はぁん、じゃあわかめ酒でもしたげよっか? あ、この場合麦茶だけど」

御坂「え、何それ?」

麦野「……いや、いいわ」

御坂「……? ま、どうせエロいことなんでしょうけど」

麦野「う、うるさいわね! 変なとこで知識の足りないやつよねアンタって」

御坂「ふふーん、そんなもんなくたって指一本あれば沈利さんをグチャグチャにできるもーん」

麦野「そ、それは反則!」

御坂「へへ、沈利さーん」 ギュッ

麦野「何よ!」

御坂「呼んだだけー」

麦野「テメェ……」 ピキッ

御坂「そこはこいつぅってほっぺたをツンッてするとこでしょ」

麦野「するか。アホか」

御坂「……沈利さん」

麦野「しつっこい。いい加減ウザ」


御坂「好きだよ」 キュッ

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:22:19.98 ID:jYXueioo<>
麦野「……っ」

御坂「……世界で一番、好きだよ」

麦野「……子供かよ」 プィッ

御坂「いいじゃん。っていうか子供だし一応」

麦野「それもそうか」

御坂「んで、その子供にひーひー言わされちゃった気分はどんなもん?」

麦野「テメェ殺すっ!」 ガバチョッ!

御坂「きゃっ! 沈利さんのエッチー」

麦野「何がよ。……ったく、甘えてんじゃないわよ」

御坂「えー、嫌なの?」

麦野「……嫌じゃないけど」

御坂「へへ。……ね、沈利さんは私のこと好き?」

麦野「……アンタねぇ……」

御坂「教えてよ。いいじゃん」

麦野「……はいはい、好きですよ」

御坂「愛がないぞー。ほら、もっと心を込めて。こっち向いて」

麦野「…………」 チラッ

御坂「……はやくはやくぅ……」

麦野「……一回しか言わないわよ」

<> 38日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:22:51.51 ID:jYXueioo<>
御坂「ん。いつでもいいわよ」

麦野「目、閉じて……」

御坂「?……はい……」 スッ

麦野「……美琴」

御坂「はい、沈利さん」

麦野「…………」

御坂「……」 ドキドキドキ…

麦野「生意気っ!」 ギュッ

御坂「ふがっ!?」

麦野「なーにが『私のこと好き?』だよ! 脳味噌湧いてんのかばぁか」 ギュゥゥ

御坂「ふがふがっ! ひょっろ! 鼻ふままないれよ!」

麦野「っるっさい! 好きよ馬鹿っ!」

御坂「ふぇっ……!」




麦野「―――アンタはずーっと! 私のもんなんだからね!」



<> 39日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:24:38.16 ID:jYXueioo<>
39日目


―麦野宅 17:00―


麦野は御坂との別れの時を迎えようとしていた。
昨晩はあれからまた三回ほど肌を重ね合い、力尽きるようにして眠りについたのは空が白んできてからのことだった。
まるでこれからの長い別れの寂しさを埋めるように、そしてこれまでの思い出を確かめ合うように
互いの身体を求めあった二人の首筋から鎖骨付近には、いくつもの愛の証が見え隠れしている。
次に目覚めた時、時刻はとうに昼を回っていた。
まだ鍋に残っていた煮詰まったカレーを二人で食べ、その後御坂の作ってきてくれたケーキでお茶をして
気がつけばもう彼女の門限の時間が差し迫っている。
玄関先、靴を履いている御坂の背中を見下ろしながら、麦野はこれからの日々に想いを馳せた。
御坂がいない。
彼女はもう笑いかけてはくれない。


麦野(それはきっと……とても……途方も無く辛い日々……けど)


だが、麦野はもう何も心配などしていなかった。
立ちあがった御坂がこちらを振り返り、名残惜しそうに薄く微笑む。
再び彼女に出会う日のことを想えば、何一つ、恐れることなどない。


麦野(……また会えたら、もう一度恋をしよう。
    何ヶ月、何年先かは分からない。
    でも、アンタが待っててくれるんだもんね……)


それは遠く、遠く、果てしない未来の話であるのかもしれない。
しかし、麦野にとってそれは紛れもなく希望。
彼女と出会い、過ごしたこの濃密な一月は自分の中で何者に代え難い愛しい日々だった。
もう一度それを手に入れるために、自分は旅に出る。
相手は学園都市という巨大な闇。
それはもう、麦野にとってはただの通過点に過ぎないものだった。

<> 39日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:26:04.59 ID:jYXueioo<>
麦野(私には待っててくれる人がいる……力を貸してくれる人がいる……。
    ……らしくないかな、でも―――)


きっと自分を変えてくれたのは、他でもない、目の前で微笑んでいる彼女に違いないから。
麦野は、何かを待つように佇む御坂に近づきそっと抱きしめた。


麦野「それじゃあね。またいつか、どこかで」

御坂「うん、沈利さんも。元気でね」


御坂は爽快な笑顔を満面に浮かべて麦野を抱きしめ返す。
もう涙は流さない。
次に泣くのは、彼女と再会を果たした時だ。
身体を離し、互いに見つめ合う。
一度だけ触れ合うように口づけて、御坂は玄関の外に出た。
こちらを振り返らず、彼女は言う。


御坂「……あんまり遅いと、さらいに行っちゃうんだからね」

麦野「……お生憎。アンタを奪い去るのは、私の特権なのよ。
    次に会うときは……二度と離さないからね」


その言葉に、御坂はこちらを振り返って華が咲くような頬笑みを浮かべた。


御坂「こっちの台詞。私は、あんたがどんな闇の中にいたって、見つけてみせるわよ」

麦野「……ありがと」

<> 39日目
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:26:42.87 ID:jYXueioo<>
御坂の微笑みは、まるで自分の行く先を照らし出してくれるかのように眩しく輝いていて。
憧れていた御坂の眩しさ。彼女と同じ景色を見るためにそこへ行くのだと麦野は誓う。


麦野「さようなら……」

御坂「……さようなら」


だから麦野は、彼女との別れの言葉を微笑みに託すことに何の躊躇もしなかった。
遠ざかっていく背中。
閉まって行く扉。
振り返らず去って行く高潔な少女の後姿を見るのはこれで最後。
次に会うときは。
自分はその隣に立っているのだから。
かくして、彼女とのたった一月の恋物語は幕を閉じる。


ハーナテココローニキザンダユメモミライサエオーキーザーリーニシーテー!


そして終わりを告げる鐘のように、最後の着信音が鳴った。

<> エピローグ
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:31:00.54 ID:jYXueioo<>

4年後(1422日目)


今年もまた、寒い季節がやって来る。
夕刻のにぎわいを見せる街並み。その中を歩く数人の人影の中に、少女はいた。
ここ数年で人々の与かり知らぬところで学園都市は大きく変化を遂げた。
世界を巻き込む大きな戦争。この街の仕組みそのものを変えるような出来事。
そんな動乱を越えてなお、外面上この街は大きな変化を見せてはいない。
学生たちは今日も冬の訪れを告げるような冷たい空の下を下校し、放課後のささやかな時間にそれぞれの
青春を捧げて笑顔を浮かべている。
そんな中、少女、御坂美琴もまた時の流れと共に高校三年生の冬を迎えようとしていた。
背中まで届く長い髪と、ガラス製のヘアピンが陽光に煌めく。
整った顔立ちと薄桃色の唇をわずかに緩ませて、スラリと長い手足がすれ違う学生たちを振り返らせるような、
そんな健康的な美人へと御坂は成長していた。
今日も淡い色のブレザーに濃紺のプリーツスカートを翻し、制服の上からでも分かる大きな胸を張って堂々とした姿勢で
友人数人と共に談笑しながら家路を歩いていた。


「じゃ、また明日ねー」

「お疲れー」

「うん、バイバーイ」


分かれ道で友人に手を振って別れ、その背中を見送った後御坂は再び歩きはじめる。
静かな住宅街をゆっくりとした足取りで踏みしめていると、ふとある場所で足を止めてその建物を見上げた。


「……久しぶりだな、ここ通るの」

<> エピローグ
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:33:56.13 ID:jYXueioo<>
何となくいつもと違う道のりで帰ろうと思い立ったのはどうしてだろうか。
見上げた視線の先にあるのは、かつて大好きだった人が住んでいたマンション。
べらぼうに高い家賃と暴力的に広い内装が特徴的な高級学生寮だった。
受験も推薦で秋口には早々に進路が決定してしまい、帰っても特にすることの無い御坂は
しばらくそのマンションを見上げてあの日の記憶を思い返していた。
彼女と最後の別れを交わしてから、しばらくは御坂もその寂しさに胸を痛めて眠れぬ夜を過ごした。
彼女の温もりが欲しくて、優しい声が聞きたくて、何日か後にたまらず訪れたその部屋には、もう彼女の姿は無かった。
行き先を知る者は無く、電話もメールも番号は使用されていないと出た。
まるで彼女は最初からいなかったかのように痕跡を消して自分の前から消えてしまったのだ。
あの時は胸を痛めたものだが、今思えばそれが彼女の覚悟だったのだろう。


「…………もうこんな気持ちには慣れちゃったな……そろそろさらいに行こうかしら。
 ……なんてね」


御坂は彼女がかつて住んでいた部屋を見つめてクスリと微笑む。
あれから少しは大人っぽくなれただろうか。
彼女の瞳に、自分はどんな風に移るだろうか。
背は伸び、胸も随分と大きくなった。化粧も少しは上手くなったと思うし、友達もあの時よりは増えたと思う。
男子に告白される回数だって年を追うごとに増えていく。
彼女に語り聞かせても、恥じることない4年間を送ってきたと胸を張って言える。
御坂の胸の中には変わらず彼女の姿が鮮明なまま残っている。
あれから4年も経てば、彼女もあの時以上に美しくなっていることだろう。
トクトクと心地よい胸の鼓動を感じながら、御坂は少しだけ寂しげにもう一度彼女の部屋を見つめて踵を返した。


「たまには学舎の園でも行ってみようかな……」

<> エピローグ
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:35:50.57 ID:jYXueioo<>
何故そんなことを考えたのかは分からない。
ふと昔のことを思い出して懐古の情にかられたのか、それとも天啓に導かれるようなものだったのか。
中学生の時ほどではないにしろ直情的で思い立ったら即行動に移すことを信条としている御坂は、
自宅に鞄を置きに戻る時間すらも惜しいと言うように先ほどよりも早い足取りでかつて自らが通っていた学校のある
その場所へと向かうのだった。
常盤台に通っていたころの後輩である白井とは当然のように今でも親交がある。
別々の学校に進み、あの時のように毎日一緒にいるということは無くなったが、週末の休みにはよく遊びに出掛けるし、
時折部屋に押し掛けてきてはセクハラまがいの言動をして自分に殴られる。
身長も体型も中学の時からほとんど変わらない白井の姿を想い浮かべながら、御坂は小さく笑みを零して
スカートのプリーツを乱して最後には地を蹴り駆け出していた。
急がなくてはいけない。そう思った。
まるで約束の時間に間に合わせるような急ぎ足で、何事かと振り向く学生達の視線も跳ね飛ばして、御坂はただ前だけを見つめて駆け抜ける。
やがて辿り着いた巨大な門の前。
24時間警備員の張り付いた入場ゲート。高いレンガ造りの壁に囲まれた純粋培養のお嬢様達が生活する区画。
『学舎の園』の前で、御坂は肩で息をしながら佇んでいた。


(……アホくさ、何で私こんな慌てて来たんだろ。OBだからってちゃんと前もって申請しないと中なんか入れないっつーの)


長い髪をガシガシとかきながら、自分の行動に疑問符を浮かべる。
特に用があるわけでもないのに何を急いでいたのだろうか。
無駄な汗をかいてしまったし、帰ってシャワーでも浴びて夕食の準備をしようと思い、最後に一度だけ門を見上げて呟く。


「「懐かしいわね……」」


毎日のようにくぐっていた背の高い門も、地中海沿岸風の街並みも、ついこの間のようでもう随分と遠い記憶だ。
しかし、御坂は少しの違和感を感じた。
今、自らの口で発した呟きは、ピッタリと誰かと重なった気がしたから。


「え……」

<> エピローグ
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:37:36.11 ID:jYXueioo<>
チラリと横に視線を移す。
栗色の長い髪が、冷たい風に柔らかく揺れていた。
こちらに向けられた圧倒的な存在感を示すその視線。
少しだけ吊りあがった大きな瞳が驚きに見開かれ、やがて慈愛に満ちた微笑を滲ませる。
彫刻品のように整った顔立ちも、女性らしい大きな胸も、スラリとしたモデルのような肢体も、
堂々とした貫禄のあるその佇まいも。
何もかもがあの頃のままで、それでいて何かが違う。
まるであの日から止まっていた時が今動き出したかのように、あの時の頬笑みをこちらに向けてくれた。


「―――おかえり、沈利さん」


けれど、彼女はあの時よりずっと気高く、美しくて。
そこに彼女が存在してくれていることが何より嬉しくて。
止めどない喜びと強い鼓動を刻む心臓が後押しするように、御坂の眼から一筋の涙が零れ落ちた。
表情にはこれ以上無い、とびきりの笑顔を浮かべて。
そして相対する彼女は呆れたように息をつき、だがどこか優しさを内包した視線を向けて、両手をこちらに向けて差し出した。


「―――ただいま、美琴」


柔らかく動かされる桜色の唇が綻び、彼女の頬にも滴が通り過ぎた。


  約束だよ―――


そして輝くような笑顔。ずっとずっと見たかったもの。
自分だけに向けられた、最上の感情。
そこに自分が望んだものがある。
だから御坂は、何の憂いも躊躇いも無くその腕の中へと飛び込んで強く抱きしめる。


       ―――私のものになりなよ


眠りについていた恋の芽吹く音が聞こえた。






 ―おしまい―

<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 03:40:08.73 ID:jYXueioo<>
これにて彼女達の物語は終了となります。最後のスレタイ回収はあえてどちらの台詞か分からないようにしてみました。
どちらが言う方が面白いか、お好きな方をお選びください。
いつか美しければそれでいいと申しましたが、そういう綺麗すぎる百合はあまり好きではないので、
女同士であることを最大の障害とするようなことは避けるようにしました。
結局好きになった子がただ女の子なだけだったという麦野の話です。

余談ですが、このSSを始めた当初は麦野と御坂学園都市脱出エンドで、脱出寸前で嫉妬に狂ったフレンダに二人とも爆殺されるという
デッドエンドを予定してましたが、「ねーよw」と思ってすぐ修正しましたw

とにもかくにも、麦野×美琴なんて訳の分からないウルトラマイナージャンルのSSを2スレも続けて見て下さった皆さん、
ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございます。
2ヶ月もモチベーション保っていられたのは紛れもなく皆さんの感想、声援のおかげです。

あれから麦野がどうやって暗部を抜け出たのか、その辺りは皆さんのご想像にお任せします。
もしかしたら学園都市の仕組みが変わる方が早かったのかもしれませんね。
二人の今度についても同様で。
特に障害の無くなった二人は見てられないくらいイチャイチャしっぱなしでしょう。
初夜で美琴が麦のんにぶっ壊されないかだけ心配ですw

タイトルを付けるならやはり麦野の着信音『only my railgun』でどうでしょうか。
スレタイはこの曲から思いついたので。
『私だけの超電磁砲』。麦野の答えは最初から最後まで変わりませんでしたね。

長くなりましたが、最後のご挨拶はこれくらいに。
また近からず遠からずお会いしましょう。
そしてもしよろしければ、感想等お聞かせ頂ければ幸いです。
それではまたお会いできる日までごきげんよう、お姉様方。

麦琴スレ、増えたらいいな

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:41:37.33 ID:KVE6S3co<>俺は誰よりも先に>>1乙って言うんだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:42:02.94 ID:xAWBIZ2o<>じゃあ俺が2番手だ乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:43:01.10 ID:gKcqY9Io<>先越されたw
乙‼
次回作も楽しみにしてる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:43:01.96 ID:lrabKMo0<>初めてリアルタイムで最後まで追ったスレが遂に……!
全身全霊の乙を、ほんとに素晴らしい物語をありがとう!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/23(月) 03:43:02.27 ID:Tyt8pmk0<>乙でした!
ハッピーエンドで終わってくれてよかったですww

ごきげんようお姉さま<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:43:12.63 ID:d2r79Wko<>乙
美琴も麦野も終始可愛かったぜ
あなたの書く作品大好きなんで次の力作も期待して全裸待機してます


ところであと二時間で普段の起床すべき時間なんだが……<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:43:43.53 ID:0HnfSwDO<>いちおつ(`・ω・´)たのしくいつも見ていました有り難う!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:44:23.83 ID:HfEJisQo<>最後、リアルタイムに乙と言えた事を嬉しく思う
>>1、乙でした!!
デッドエンドも少し気になる…ww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:46:13.22 ID:pKGOqSwo<>乙!
すごくよかったぜ!
姫神好きとしては少しあの展開は嬉しかったりwwww
次回作待ってるぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/23(月) 03:47:58.14 ID:8rnx.YAO<>乙です

まじよかった!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:48:13.29 ID:B68KvsDO<>1にあらん限りの超乙を!

ここまで生活を狂わされるほどのSSは初めてだった。
麦恋も相当だったが間違いなく今まで読んできた中で最高のSSだと断言できる。
2ヵ月も本当に超乙でした!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:48:46.59 ID:Pf5UBMDO<>乙なんだよ!
何故か最後はVガンのラストシーンを思い出した<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:49:04.50 ID:xAWBIZ2o<>次回作の告知は?
つか麦恋の続編は??<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:49:14.76 ID:We8xSgI0<>素晴らしい物語をありがとう、お疲れ様でした<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:50:53.81 ID:vIu/GKA0<>リアルタイムで最後を迎えられてよかった
>>1 乙でした<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:51:32.16 ID:kd9auzwo<>乙、とにかく乙でした!
もう目から原子崩しが…
ラストの再会、脳裏に幸せそうな二人がハッキリ浮かんだよ
本当に最高でした、ありがとうありがとう<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:52:18.50 ID:HfEJisQo<>二人が抱き合ってる止め絵にonly my railgunが被さって、
エンディングのスタッフロールが流れるところまで幻視した<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:52:26.38 ID:bAzH9J.o<>乙。
なんだろう、この脱力感というかなんというか。
良作の映画を見終わった後にエンドロールが流れてるけど立ち上がれない感じ。
素晴らしい作品をありがとう。

ところで次回作は麦恋続編なんだろうか。>>1の書くフレンダに幸せが訪れるのをいつか見てみたい訳よ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:53:19.70 ID:0udtSc6o<>>>1乙
さて、寝るか…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:55:24.78 ID:SUDnn.DO<>超乙
凄まじいとしか言いようが無い。
明るくて、だけど切ない何とも百合ものらしい終わり方だったな。

肉欲やら生々しい感情に焦点を当てたのは綺麗な百合が好きじゃないからかな。
これ意外と斬新か?
正統派のようで正統派じゃない。やっぱ>>1すげえわ。
つか最後ちょっと泣いた
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:55:41.72 ID:jdMu4cDO<>視界がぼやけて前が見えない
お疲れ様でした、お姉様<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:56:01.03 ID:.lA/vf6o<>乙!
ログ保存しました
次回作も超期待してる!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:56:46.19 ID:guA1y2AO<>>>1乙!

さて、レポートがががが<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 03:59:08.54 ID:CHzsZbk0<>乙!
すごく綺麗な終わり方に感動しました
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 04:02:33.27 ID:EKKIRIg0<>乙!
寝るのはあきらめて読み返してくる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 04:03:08.59 ID:EIaJdWEo<>乙でした!
構成力が半端ネェ…また1日目から読み直します<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 04:03:35.57 ID:ddp1qtgo<>乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 04:05:46.97 ID:25ggwPYo<>大作完結乙でした
最終回に向けてのここ何回かの更新は胸が痛くて辛かった分
最後のハッピーエンドは感極まるものがありました

俺の2010年夏は麦琴とともにありました
お疲れ様
ありがとう<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 04:10:06.34 ID:jYXueioo<>皆さん4時ですよw
いつもスレ終わるたびにこんなに見てくれてる人いたのかと驚いてます。
ありがとうございます。

質問頂いているようなので次回作の話を。
結論としては、未定です。
例の続編ですが、これ書いてた所為で全然進んでないので、書き終えたら投下するのもいいかなと思ってます。
もうあとちょっとで書き上がるんですが…。
フレンダとヴェントがメインなので、どっちも好きなキャラだから書いてて楽しいけど何せ地の文は時間がかかると言い訳をさせて下さいw
そういう訳なので気長にお待ちくださいね。

俺の夏も麦琴で終わってしまったぜw<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 04:20:18.06 ID:jycXhMwo<>お疲れ様!
麦野は原作では悲しいことになってるから
見ててすごくうれしかった;;<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 05:44:50.89 ID:DLGWDH2o<>超乙です
面白かった

ちょっとフレンダ爆殺エンドも見たかったかもww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 07:04:05.40 ID:NbEIAb.0<>乙!超乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 07:54:34.50 ID:d7nhOm.o<>乙・・・素晴らしかった・・・麦琴って初めて見たけどハマりそうだわ

最後も感動したがあとがきのフレンダ爆殺エンドで吹いたwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 08:14:36.40 ID:jdMu4cDO<>ヴェント…だと…?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 08:40:52.46 ID:erbJuEAO<>超絶に乙!
貯まってから読む派なのにこのスレはリアルタイムで追ってしまった
つまりは超素晴らしかった!

もう一度乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 08:47:58.34 ID:/gddXQDO<>乙ー

gdgdになるだろうが、敢えて言おう!!

後日談を希望します<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 08:52:36.67 ID:7GU2jHAo<>起きてもう一度読んだ超乙!
このスレで上がりに上がったハードルを下げるべく麦琴書いてるわ
1も言ってるけど麦琴書く人増えて欲しいな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/23(月) 09:05:40.32 ID:bDjwEuo0<>乙!浜滝が好きだけど、麦琴も素晴らしいwwww

4年後には浜滝も結婚しているのだろうか・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 09:12:00.30 ID:8pEj4zEo<>超乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 09:17:33.50 ID:Srr3cjg0<>乙!
普通に泣いたぞ
水分不足で倒れたらどうしてくれる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 10:09:30.52 ID:UQLXv7Uo<>乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 10:44:32.94 ID:WQ86nQAO<>乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 10:59:51.15 ID:TbwHTMg0<>乙! 

次回作も期待してます<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/23(月) 11:22:05.11 ID:5y.GRTIo<>おつおつ 実に楽しかった
次回作も待ってる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 11:33:09.02 ID:3D7I3C6o<>完結乙
まあ、いい感じで纏まって良かったGJ!
しかし、ここ見て美琴×禁書を思いついたはいいが、プロットで詰まる無能な俺ww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 12:11:31.47 ID:DDxP4yMo<>>>1乙長い間の楽しみがあってよかったよ
次も期待してますよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 12:18:33.01 ID:5CqDjRIo<>おつおつ!




乙!乙ぅぅぅぅぅ!!!!
2ヶ月もやってたのか。随分早く感じたな。
ほんと楽しかった。事が思うように進まないタイプのシリアスは苦手なんだけど
>>1の書くストーリーは読んでよかったと思える。

次回作ゆっくりお待ちしてます<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 12:32:40.10 ID:gKcqY9Io<>白ンダその後も気になる<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/23(月) 12:43:02.52 ID:jYXueioo<>後日談か……。
正直どうしようかなと昨日投下する前からずっと考えてたんです。
ここで終わるのが綺麗だとは思いますが、自分の中でまだ書き足りないこともいくつかあるので。
いずれにせよこのスレではもう投下は出来ません。
新スレを立てたとしてもすぐ終了するつもりです。
たぶん1、2話で終わります。まだ文章に起こしていないのでどうなるか分かりませんが、
あまり期待せずにお待ち下さい。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 12:50:08.10 ID:Pf5UBMDO<>了解しました
まあ、気楽に自分のペースで書いて行けばいいさー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/23(月) 13:16:42.62 ID:ce9haCg0<>乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 13:17:44.04 ID:bAzH9J.o<>ヴェント…だと?
フレンダとヴェントがメインだと?よし、いつまでも待ってる。

つーかマキシマム・ザ・カミノウセキを思い出してしまったwwww

後日談も、超楽しみに待ってます。
4年も経ったら滝壺はキレイになってそうだが、
フレンダと絹旗は変わってなさそうww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 14:31:23.71 ID:We8xSgI0<>一つのスレを後日談集にしていろんな作品の後日談落とせばいいんじゃないでしょうか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 15:02:02.70 ID:YM1gQxso<>フレンダも絹旗も化ける要素満載だと思うけどなー特に絹旗。
というかアイテム連中は麦野との関わりがない期間でえらく変わりそうな気がする<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 15:44:05.12 ID:DCLfL.DO<>乙!眠っていた百合熱を揺り動かされたSSでした。
読めて幸せだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 15:54:33.35 ID:KxP2Mtso<>完走乙
このスレが終るのが嫌で一日置いて気力をためてからじゃないと見れなかった
2か月間もずっとこのスレに張り付いてられたのも結局は>>1の話が面白かったからな訳ですよ
次も期待してます
あと電気攻めぱねぇwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 16:29:53.55 ID:L11QIjUo<>超乙
楽しませてもらった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 17:16:09.08 ID:9syU26AO<>よかったわ…本当によかった…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 18:55:54.20 ID:UtqaP2AO<>完結乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 19:01:56.57 ID:KdmPu6AO<>終わってた……乙乙
次回作も期待してる<> sage<><>2010/08/23(月) 19:10:48.49 ID:k9Ak6RE0<>作者さん乙でした。

久しぶりにまともなSS読ませて頂きました。
地の文がしっかりしているので安心して読めました。
このSSに触発されて自分も書き始めてしまいました。
とっても励みになるお話、有り難うございました。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/23(月) 19:33:41.83 ID:qC8qIoAO<>結局超乙なわけな>>1を応援してる。

個人的にはSEXシーンに「二人で絶頂にかけあがる」みたいなシーンがほしかったけど。あくまで個人の嗜好です。
自分が今まで書いた百合エロ小説に必ず○合わせを入れてきた奴の。
次回作or短編も期待してます。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 00:10:33.74 ID:/uUjGBE0<>なんと次回作は鯖缶弁当とな…!?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 00:13:31.83 ID:zCu2CwAO<>結局、超乙って訳なんだよってミサカはミサカh(ry

良かった!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 00:55:35.46 ID:D6Zahf6o<>マジ乙超乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 01:04:20.60 ID:XUORHYDO<>何度見返しても麦琴なんてありえないのに可愛いすぎ違和感無さすぎだなw
これ読んだ後に超電磁砲5巻読むと、「こいつらも今はこんなだけどその内イチャイチャしちゃう仲になるんだな」
ってシリアスなはずなのにに微笑ましいシーンにしか見えなくなった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 01:06:09.05 ID:mJVF1Mgo<>乙でした
面白かったです
次回作もたのしみにしてます<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 01:06:38.50 ID:eI3VDUEo<>>>1乙

またこうして良作SSがなくなったことに心痛くなりますが
同時に素晴らしいSSだったという感動がこみ上げます。
お疲れ様でした。

あー誰か絵にしてくれないかな ←他人任せ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 03:18:38.83 ID:Nzxk4cAO<>一日遅れたけど超乙!
今まで見てきた中で一番良かったと言える、とても素晴らしいssでした。
>>1ありがとう。
そして次回作も超期待しています。
麦琴最高!
最後に>>1本当にお疲れ様でした!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 08:33:19.23 ID:Th8.d2AO<>>>1乙
このSSのおかげで夏を乗り切れた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 15:40:29.90 ID:FZt.BVU0<>>>1乙としか言いようがない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 16:55:08.57 ID:Uv2K0IIo<>>>1はすごいよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 20:11:39.39 ID:oPzHNWUo<>腕とか・・・もげてないよな・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/24(火) 21:10:16.06 ID:q40Os6Io<>両手をこちらにって書いてるから大丈夫。
義手かもしらんけど。
個人的には描写のないどこかしらが不自由になって帰ってきた上で
この再会を果たしてたらそれはそれで熱い。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/25(水) 00:44:04.31 ID:L9WjQ2DO<>地味に垣根がいい狂言回ししてたな
麦恋のときから麦のんと垣根の動かし方はほんとに上手い。
あと今最初から読み返してるんだけど、伏線というか前振りのちりばめ方が尋常じゃないな。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/25(水) 06:20:20.86 ID:aLLd1QDO<>>>1乙。さて寝るか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/25(水) 11:40:20.47 ID:Ig5FqSw0<>乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/25(水) 18:13:32.70 ID:fIHsxMAO<>うわああああああああああああ>>1乙うわあああああああああ
ここのおかげで麦琴好きになったよ(`・ω・´)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/25(水) 21:41:59.26 ID:kGtFjyIo<>ついに完結したか…。
某「幸せであり続ける物語」を思わせるほろ苦くて甘い〆に泣きかけたんだぜ。

乙でした。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/25(水) 23:16:37.02 ID:z5Q6yroo<>乙

百合もいいもんだね。
でも麦野はやっぱりはまづらといちゃいちゃして欲しいかなぁ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/25(水) 23:48:56.19 ID:ARDMz0.o<>>>1は最高ってことだ<> おまけ
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/26(木) 00:50:40.28 ID:5c8VIl.o<>40日目(木曜日)

―第七学区 御坂宅 17:00―


ガチャッ 


御坂「はい、どうぞ」

麦野「お邪魔ー」

御坂「恥ずかしながらちょっと散らかってるけど」

麦野「そんなことないわよ。充分片付いてるって、下着部屋に欲しっぱなしだけど」

御坂「あはは……ね、座ってて。今お茶淹れるから」

麦野「ありがと。……にしてもアンタも一人暮らしするような年になったのねー……」

御坂「しみじみ言わないでよ。沈利さんは今どこに住んでるの?」

麦野「今は十八学区。大学の近くよ」

御坂「ふぅん……」

麦野「あら、何か言いたいことでもあるの?」

御坂「……あーっと」

麦野「遠慮せずにどうぞ」

御坂「……一緒に住みたい」

麦野「おいおい……」

御坂「だって……やっと会えたんだもん。私が今日まで4年間どれだけ寂しかったか……!」

麦野「……ったく」 スッ スタスタ

御坂「え……?」

麦野「私もだよ、ばか」 ギュッ

御坂「んっ……久しぶりだな……あったかい」

麦野「髪伸びたね」

御坂「沈利さんの真似と、ゲンかつぎ。でも会えたし、また切ろうかな」
<> おまけ
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/26(木) 00:51:42.50 ID:5c8VIl.o<>
麦野「えー、しばらくこのままでいてよ」

御坂「何で? 長いの好き?」

麦野「上に乗られた時髪が当たって気持ち良さそう」

御坂「沈利さんのエロス」

麦野「そうね。……ふふーん、こっちもおっきくなったじゃない」 ムギュッ

御坂「ぁんっもう! えいっお返し!」

麦野「こら……何かこの感触慣れないな」

御坂「えへへ、私は沈利さんのおっぱい好きだよ」

麦野「エロ中学……っと、今は高校生か。このエロJK!
    随分とまあいやらしく成長しちゃって。誰にも触らせてないでしょね」

御坂「だーれも見たことありません! ふふっ、沈利さん、見たい?」

麦野「……ん、見てあげてもいいわよ」

御坂「素直じゃないな。……今日泊ってく?」

麦野「どうしよっかな」

御坂「何か用事?」

麦野「いや無いけど……今日の下着あんま可愛くないし……」

御坂「どうせ脱ぐんだから一緒一緒!」

麦野「アンタも言うようになったわね……誘ってんの?」

御坂「誘ってるわよ」

麦野「っ……!」

御坂「4年間、あんたを想い続けて溜まりに溜まったもの……そろそろ発散させなきゃね」

麦野「……言っとくけど、私も自分の中ですごいことになってるよ……。
    この禁欲的な4年間をアンタに一個一個説明してあげたいくらいだもん。
    ……知らないよ、アンタに優しくしてあげる自信も無いし……」

御坂「私だってそうよ。ふふ、私も18歳になったし、爛れきった生活送ってみる?」

<> おまけ
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/26(木) 00:52:38.46 ID:5c8VIl.o<>
麦野「アンタしばらく見ないうちにエロくなったよね」

御坂「そりゃあんときよりは年とったし。成長と言ってくれるかしら?」

麦野「じゃ、どれくらい成長したのか診てあげないとねー」

御坂「あ・と・で。ほら、お茶入ったわよ。沈利さん、もう少しゆっくりしようよ」
    
麦野「やだ。その前に……いいでしょ?」 ゴソゴソ 

御坂「ちょっと……4年ぶりの再会をもうちょっと喜ぶとかできないの?」

麦野「無理……誘ったのもアンタだし、抱きついてきたのもアンタだ……」 チュッ

御坂「んっ……仕方ないな……優しくしてね」

麦野「……うん」

御坂「……ほら、ベッド行こ」

麦野「はやく……我慢できない」


スタスタ… ドサッ


御坂「きゃっ! もう、沈利さん興奮しすぎ」

麦野「あのね……まいいや、その通りだし」

御坂「脱がせてあげる」

麦野「……エッチ」

御坂「どっちがよ。でも私もドキドキして……え」 プチップチッ シュルシュル

麦野「……ん?」

御坂「……な、何よこの傷……」

麦野「傷?……ああこれか。ごめんごめん、見てて気持ちいもんじゃないよね。電気消そっか」 

御坂「そ、そうじゃなくて……! それもやっぱ……仕事辞めるために……」
<> おまけ
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/26(木) 00:53:22.16 ID:5c8VIl.o<>
麦野「まあそんなとこ」

御坂「…………」

麦野「って何て顔してんのよ。こんなの別に……」

御坂「沈利さんっ!」 ギュッ

麦野「……っ。アンタが気にすることじゃないでしょ」

御坂「だって……沈利さんの4年間を思ったら……私……」

麦野「……馬鹿ね。確かにちょっとばっか傷残っちゃったけどさ」

御坂「…………」

麦野「でも、生きてる」

御坂「……沈利さん」

麦野「こんなカスリ傷だけで、アンタの所に帰ってこれたんだよ。だから泣くな」

御坂「な、泣いてなんか……ないわよ……」

麦野「……こんな傷モノの私でも、愛してくれる?」

御坂「……当たり前じゃない……」

麦野「嬉しいよ、美琴」

御坂「沈利さん……」

麦野「さぁ……4年分ドロッドロに溜まった私の欲望……全部ぶつけてやるからね」


<> おまけ
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/26(木) 00:54:24.45 ID:5c8VIl.o<>
―22:00―


御坂「……はぁ……疲れた……」 グッタリ

麦野「もうこんな時間か……」

御坂「……はぁ……まいっか。明日は学校サボろ」

麦野「アンタの口からそんな言葉が聞けるなんて……っつかアンタ高校卒業したらどうすんの?」

御坂「あ、もう大学決まってる」

麦野「へぇ、どこ?」

御坂「霧ヶ丘女子」

麦野「んだよ後輩かよ」

御坂「そうよ。沈利さんと同じとこ行きたかったの。あ、でも沈利さん卒業しちゃうのよね」

麦野「いや、私は院に進むしまだしばらくはいるつもりよ」

御坂「じゃ、じゃあやっぱり一緒に……」

麦野「ふーん、どうしよっかにゃー」

御坂「う、うぅ……」 ジワッ

麦野「アンタそれ嘘泣きだろ。……いいよ」

御坂「バレた? ……え?」

麦野「うん、一緒に暮らそう」

御坂「ず、随分あっさりなのね」

麦野「別に断る理由無いし。言っとくけど、私のルームメイトはやること多いわよー」

御坂「な、何するの?」

麦野「まず私の性欲処理ね」

御坂「ちょっ! 身も蓋も無い……」

<> おまけ
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/26(木) 00:55:42.76 ID:5c8VIl.o<>
麦野「寝る前と起きた時、出掛ける時と帰って来た時は必ずキスをすること。出掛ける時は手を繋ぐこと」

御坂「し、沈利さん……?」

麦野「同じベッドで寝ること。毎日とは言わないけど、一緒にお風呂に入ること。
    私におはようと言うこと。私におやすみと言うこと。
    それから……―――」

御坂「……う、うん」


麦野「―――毎日私に好きって言うこと」


御坂「―――っ!」

麦野「それが守れるなら、明日からでも家に来ていいよ」

御坂「……あ、えと……その」

麦野「ん?」

御坂「……全部守るから、傍にいてもいいのよね?」

麦野「……いてくれるの?」

御坂「うん……。うん! もう1秒だって離れたくない! この4年間を沈利さんが埋めてくれるまで、
    私、絶対沈利さんから離れない!」

麦野「……4年分だけでいいの?」

御坂「…………」

麦野「?」

御坂「駄目よ、あんたはずっと、私のものなんだから!
    ずっとずっと! ずーっと! 一緒なんだからね!」

麦野「はいはい……アンタの気の済むまで、一緒にいてあげるわよ」

御坂「うん! じゃあ早速明日デートするわよ!」

麦野「分かった分かった。で、どこ行くの?」

御坂「そうね、それじゃまずは―――――」



<>
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/26(木) 00:57:15.47 ID:5c8VIl.o<>ちょっとスレが余ってたので息抜きがてらおまけその1を。
たまには突然投下してみました。
おまけ用に一応もう一つ話用意してあったのですが、そのためにスレ立てるかはまた考えます。
それでは。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/26(木) 00:59:05.86 ID:.HzjaD.0<>キャー!
リアルタイム遭遇ktkr!
ああもう二人ともかあいいよぅえろいよぅ
乙です!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/26(木) 00:59:47.39 ID:6T3RRwYo<>二人ともドエロエロすなぁ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/26(木) 01:00:20.46 ID:GqGBkOko<>うおおおお!! 乙ぅ!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/26(木) 01:06:33.41 ID:0F3/sFMo<>乙! 起きててよかった!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/26(木) 01:15:52.44 ID:0jKnlbso<>乙!!!!!!!
40日目ってのはいつ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/26(木) 01:16:02.28 ID:5Qnb3eko<>乙なんだよ!
不意打ち心臓に悪いww もうそのトリップ見ただけで動悸がww <> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/26(木) 01:54:00.27 ID:Uery.R.o<>伸びてると思ったらお姉さま!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/26(木) 01:54:08.22 ID:Ceimq/60<>キテターーー! 乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/26(木) 02:40:45.04 ID:GP6hm2Ao<>涙がでそうなくらい嬉しいよこのまま行けば次スレだね!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage <>2010/08/26(木) 02:59:30.73 ID:TG9Of5.0<>サプライズとはやってくれるな…
ぽっかり空いてた穴が一気に埋まったぜ! <> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/26(木) 03:39:31.63 ID:Esd5JISO<>最後は>>1に締めてもらいたいな<> カザキリ様がみてる
◆S83tyvVumI<>saga<>2010/08/26(木) 03:40:38.02 ID:5c8VIl.o<>1000なら麦のんと美琴が結婚する。
それではお姉様、ごきげんよう<> 1001<><>Over 1000 Thread<>    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
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      .〔:::::l     l:::l   凵                  http://ex14.vip2ch.com/news4gep/
      ヽ;;;>     \;;>

<> 最近建ったスレッドのご案内★<><>Powered By VIP Service<>アニメ版みつどもえは鉄板だからもういいとして生徒会役員共と学園黙示録に期待〜桜才学園生徒会会計萩村スズはペドじゃないロリと言え〜 @ 2010/08/26(木) 03:35:56.23 ID:vi8TukgP
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1282761356/

とある真夏の超電磁砲 @ 2010/08/26(木) 03:02:23.52 ID:U4rL4lM0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282759343/

【A雑】けいおん!キャラで雑談 5時間目【けいおん!】 @ 2010/08/26(木) 01:36:26.58 ID:Ao3/lMso
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1282754186/

ここがサンパウロ州だったら、お前さんの頭にサンバのリズムを刻んでたぜ @ 2010/08/26(木) 01:27:07.67 ID:I.yOF5go
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1282753627/

メルアド知っている女に片っ端から安価メールその38 @ 2010/08/26(木) 01:07:24.20 ID:GdQEeyU0
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