VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 13:11:57.01 ID:D9dcOfQ0<>ジャラン……
男「……はぁ」
「最近駄目だな……弾いていても楽しくないや」
男「バンドもモチベあがらねーし」
「上手くなる気配ねーし」
「いい曲も書けねーし」
シャラン……
男(……売っちまうか、ギター)
男「あぁ、止めた止めた」ガシャン
男(とっとと寝よう……)
楽器の擬人化って需要ないよな、多分。<>【SS】俺「ギター……止めようかな」【擬人化】
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 13:19:22.35 ID:6z1N7ESO<>GEPに立てたからには、まずは書くんだ
面白ければ需要は出る<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/10(火) 13:23:27.13 ID:Gr0/zcAO<>これは期待<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 13:26:58.63 ID:D9dcOfQ0<>―男、夢の中―
男(うーん……)
(ん……夢……?)
?「……」ジー
男(誰かの視線を感じる……)
?「…………」ジジー
男(なんだ……?)
(女の子?)
(なんで俺をじっと見てるんだろう)
?「………………」ジジジー
男(なんか変な格好してるけど……可愛いじゃないか)
?「…て…な……で」
男(喋った!?)
(でもよく聴こえねぇ……)
?「…て……るな」
男(何を言って……あ、後光がっ)パァァ
(うぉ眩しry)
―プツン―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 13:38:31.24 ID:kt5BCQAO<>俺…<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 13:38:57.07 ID:D9dcOfQ0<>ありがとう。
頑張るよ。
―朝、男部屋―
男「うぉ眩しry」ガバッ
男「……なんだ、夢か」
「これが俗に言う夢落ちって奴なのか」
男(……とりあえず起きよう)
(もう寝る気も沸かn)
?「……夢落ちなんかではないぞ」
男(…………)
男「Why?」クィ
女「……現実だ」
―男、絶叫―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 13:53:57.12 ID:D9dcOfQ0<>男「な、なんだなんだだなんだってんだだ!?」
男(昨日玄関も窓も鍵は閉めた……!)
(なのに何故ここにこの女は居るんだ!?)
女「……何を取り乱している?」
「私は何時も通り挨拶しているだけだろう」
男「何時も通りって……俺はお前のような奴に毎朝挨拶された覚えはないぞ!?」
男(こやつ……まさか幽霊か!?)
男「ええいっ、悪霊退散悪霊退散南無南無南無南無」
女「……悪い物でも食ったか、マスター」
「忘れたのか?昨日の夜、私をここに放っていっただろう?」
「……もう少し優しく置いて欲しかったのだがな」
男「え……?」
―男、十数秒かけて、昨晩そこに放ったのがギターだと気づく―
男「………………」
―男、【擬人化】の一文字が脳内を駆け巡る―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/10(火) 14:05:16.60 ID:D9dcOfQ0<>すんません、急用でちと出かけてきます。
帰り夜になるので、落ちてないことを願う。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 14:05:32.79 ID:y21LOEg0<>なんという俺得wwwwww
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 14:43:51.86 ID:O9VIhUAO<>ここはVIPと違って落ちないから大丈夫<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/10(火) 19:50:25.48 ID:Xn.3yoAO<>擬 人 化
あれ?さnゲフンゲフン<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/10(火) 23:38:50.30 ID:OsKpkKU0<>これは俺特
得じゃない、特<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/11(水) 05:15:21.46 ID:XMblhL.0<>戻りました。
落ちないのか……安心した。
とりあえず再開します。
男「……ラベルか?」
「俺のギターの……」
「なら、なんでギターが人間の、しかも女の子の姿をしてるんだよ!?」
ラ「……?」
「……そういえば、私にもマスターと同じような手や足、顔があるな」
「今気付いたぞ」
男(…………)
(……あれか、俗に言う天然という奴なのか)
(ギターにも個体差はあるけど……こんな性格だったんだな)
ラ「……」
「なぁ、マスターは私を売ってしまうのか?」
男「!?」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 05:37:42.62 ID:XMblhL.0<>ラ「毎日の様に触れ合っているんだ……マスターの思っている事位分かる」
男「……あれは本気じゃねぇよ。俺が悪かった」
「でも最近本当に駄目なんだ……」
「自信が、ない」
ラ「……マスターらしくもない」
男「元々こんなもんさ」
ラ「……」
男「どちらにせよ、ギターであるお前が人間の姿をしてちゃ弾けないだろう?」
ラ「いや、そんな事はないぞ?」
「このままでも何時も通り弾かれる位簡単なことだ」チョコン
―ラベル、男の膝に座る―
男「ええええ!?」
「どう頑張ったら何時も通りになるんだよこれが!!」
ラ「何時も膝に乗せてくれているだろう?」
男「それだけじゃねーかぁ!!」
とりあえず念の為。
ラベル=FERNANDES RAVELLEでっす。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 06:24:25.18 ID:WWf5LMDO<>続きはまだかにゃーん?<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 07:28:27.61 ID:XMblhL.0<>ガオガイガー見て熱くなってた。
再開します。
男(幾ら元は自分のギターでも、今は女の子の体だろうっ)
(まず弾き方がわからねーよっ!!)
(後なんか恥ずかしいよ!!)
ラ「……弾いてくれないのか?」
男「……いや、というより弾けない」
「この状態でどうやって弾けってんだ!?」
ラ「ギターに弾き方を教えて貰うなんて……可笑しな話だな」
「左手で優しく支えて、右手で触れてくれればそれでいい……」
「あ、ちゃんとアンプに繋いでくれよ?」
男「お、おう……」ジャコ
―ブツン―
男(……アンプには繋いだ)
(右手で触る……こうか?……)サワッ
―ギャリーン―
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 07:43:28.56 ID:XMblhL.0<>ラ「んっ…………」
男(……鳴ってる)
(ちゃんと歪んでるし……)
―キュイーン―
ラ「くぅ……」
男(左手の位置で音が変わる……まるでフレットレスだな)
(右手はずらしても変化ないし……あれ、ブリッジってどこだろう?)
ラ「……く、くすぐったい……な」
男「!?」
ラ「可笑しい、な……普段はこんなん、じゃ……」
「ひゃっ!?」
男(普段からくすぐったいのかよ!?)
ラ「ん……やっ……」
男(…………駄目だ、色んな意味でこれは死ぬ)
―ブッツン―
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/11(水) 07:51:12.61 ID:XMblhL.0<>ラ「あ、れ……止めてしまうのか……?」
「私の事は気にしなくていいんだぞ?……少しくすぐったいだけだし」
男「……そうは言ってもさ。俺にはお前がギターなのか、人間の女の子なのか」
「区別がつかないよ……」
「どんなに愛着があってもギターは物、けど人間は生き物」
「たとえお天道様がひっくり返ろうが、そりゃ変えられねぇ事実だろ?」
―男、寝転がる―
ラ「…………」
「なら、マスターは私をどう扱ってくれるのだ?」
「私は今まで通りの……」
男「駄目だよ」
―ギュルルル―
ラ「……!?」
「……//」
男「……人間の姿をしてりゃ腹も減る」
「風呂にもはいりゃ外出だってする」
ラ「う……わ、分かったっ……」
「兎に角このぐるぐる鳴るこれを止めてくれっ!」
「……恥ずかしくて適わんっ//」
男「やっぱり女の子なんだな」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 07:52:56.22 ID:XMblhL.0<>すいません、一旦休憩。
寝てないから眠くて敵わん<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/11(水) 11:57:14.18 ID:cq1CiYDO<>甲猟館って漫画があったな<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 13:50:03.01 ID:kNgo.ADO<>支援
完結させてください<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 15:08:15.97 ID:tRb/C2AO<>待ってる<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/11(水) 23:07:54.63 ID:zxKnBvw0<>甲猟館……色々凄い漫画だよな、あれ。
兎に角支援感謝。
再開します。
―男にラベル、朝飯を済ます―
ラ「ご馳走様」
「マスターの料理は何時も見ていたが、食べたのは始めてだな……」
「思ったよりも上手くて安心したぞ」
男(余計なお世話じゃっ!)
男「……さて、飯も食ったことだし、出掛けるかな」
ラ「ほほう、どこに出掛けるのだ?」キラキラッ
男「 楽 器 屋 だ 」
―2人、楽器屋にて―
男「……だからって何でお前まで着いて来る?」
ラ「何を今更」
「それに何時も連れて行ってくれてたじゃないか……」
「この姿ではそんなに駄目なのか……?」ウルッ
男「い、いや、別に駄目ってわけじゃねぇけどさ……」
男(俺の服着せてあるから、あの変な格好はなんとかなってるけどな……)
(連れて来たくなかった本当の理由は……)
?「いよう、今日も来たねぇ男君」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/11(水) 23:21:02.04 ID:zxKnBvw0<>男「おはよーす店長」
(……出やがったよ変態……)
店「おやぁ?男君がギターを背負ってないなんて珍しいねぇ」
「"俺はラベルを愛している!"なんて来る度に言って帰って行く君がねぇ」ニヨニヨ
ラ「!?!?//」
「マ、マスターっ、そんな破廉恥な事をこんな公共の場で……!」
男「お前はとりあえず黙っとらっしゃい!!」
「店長もんな有りもしないこといわねぇでくださいよ!!」
(まぁ、実際思った事はあるけど……)
店「……??」
「まま、そう照れるなよ」
「今日もいい"娘"が沢山入ってるからねぇ……」
「かわいこちゃんと一緒にじっくり見てくといいよ」ニヨニヨ
男「……へいへい」
ラ「か、かわいこちゃんなどと……//」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/11(水) 23:31:57.51 ID:zxKnBvw0<>ラ「マスター、あの人は……」
男「……ここらじゃ有名な人だよ」
「仕入れから営業まで全部一人でこの楽器屋をやってる」
「演奏も知識も凄いけど……それ込みでも俺からしたらただの変態オヤジだ」
ラ「……それでも、悪い人には見えない」
「こう……楽器へ対する強い気持ちを感じるんだ……」
「上手く言葉では言い表せないけど、そんな気がする」グッ
男「コイツはランディV……!!」
「店長の野郎、いいもん入れてるじゃん……」
「おお、あっちにはギブソン・エクスプローラー!!」
ラ(……少しは話を聴いてくれ、マスター)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 23:51:33.34 ID:zxKnBvw0<>男「キラキラキラキラ☆」
ラ(……他のギターに夢中になってばかり)
(私は、そんなに駄目なのかな……)
(そんなに魅力ないギターなんだろうか……?)
―客1、客2、来店―
客1「でさー、迷った挙句フェルナンデスのギター買っちまったんだよ」
客2「ゴミナンデス?おいおい冗談だろww」
「メーカーかえりゃ同じ値段でもっと良いの買えたぞwwww」
ラ「…………」
(そういえば私も……)
(フェルナンデス……)
ラ「マスター……」
男「お、なぁラベル、こっちのギターとこっちのギターどっちがいいかな?」
「お前がそんなんじゃまともに弾けないし、丁度もう一本欲しいと思ってた所だからさ」
「いやぁ、悩みますなぁ」キラキラ
ラ「…………」ギリッ<>
今日のバーーローー:死体発見<>sage<>2010/08/12(木) 00:48:23.82 ID:z9Z/W6g0<>この男殴っていい?<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/12(木) 02:14:09.20 ID:r6h162AO<>>>27
許可する<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/12(木) 11:04:41.41 ID:gFMYUos0<>ラ「……どちらも良いギターだと思うよ」
「それに、持ったら良く似合いそうだ」
男「そ、そうか?」
「まぁ、まだ急ぎでは無いし……今日は目星付けるだけでいいかな」
ラ(……良かった)ホッ
―2人、店を出る―
店「……男君も罪な奴だねぇ」ニヨニヨ
「お前達もそう思うだろ?」
―2人、夕方、帰路にて―
ラ(……私はギターだ)
(でも、マスターにはそうは思われていない……ギターとして必要とされてない)
(なら何で、私はこんな人の姿になってしまったんだ……?)
男「あー、腹減ったなぁぁぁっ」ンーセノビ
「今日の晩飯はなんにするよ?久々に美味いもん作って食いたいしな」
ラ「……いや、マスターが作るものなら何でも……いい」
男「…………?」
「どうした……?」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/12(木) 11:13:41.84 ID:gFMYUos0<>ラ「……いや、なんでもないよ」ニコッ
「私も腹が減った……早く帰ろう?」
男「……?」
「おう、そうと決まれば急ごうぜ」
ラ「後、帰ったら……」
男「ん?」
ラ「帰ったら私を弾いては……くれないか?」
男「え……?」
「む、むぅ……またあれをやるのか……」
ラ「頼む……」
「私を、弾いてくれっ……」
男「……ちっ」
「あーあー分かったよ……そんな顔されちゃ断れねーよっ」
ラ「あ、ありがとう……っ!」ウルギュッ
男「う、ちょっ!?」
ラ(マスターの手……)
(始めて握った、握ることの出来た手……)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/12(木) 22:58:01.62 ID:2TmmC8s0<>―2人、男部屋にて―
―ジャリーンギュギャャ―
ラ「んっ……やっ」ビクッ
男(……)
(声といい姿と格好といい……)
(やりにくいよ……変な気起こしそうで)
「ラベル、少し声だけでも我慢出来ないか?」
ラ「ふぁ……?」
「な、何故だ……?」
「そんなに私の声は不快……か?」ウル
男「そういう訳じゃねぇんだけどさ……」
「あの、一応俺も健全な男子ですので」
―ギュジュイン―
ラ「んやぁっ……//」ビクッ
「あ、余り無茶な事を言うんじゃ……ないっ」
「ギターとは本来音を……出す楽器、だろうにっ」
男(お前が出してんのは音じゃなくて嬌声じゃっ!!)
―男、太股で鳴らす―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/12(木) 23:12:48.19 ID:2TmmC8s0<>書いててなんだが、どんどんテーマが重くなってく気がする。
こんなに真面目でいいんだろうか
―キュイーーンッ―
男(……あれ、やけにいい音だな)
ラ「んぁっやっ//」
「そこは……駄目、だっ//」
―ギャィーーンッ―
ラ「んくぅぅっ//」
男「あ、す、すまん……」
「止めるよ……」
ラ「やっ……止めないで、くれ」
「そのままで、頼む……」
男(…………ちぃ)
―ギュゥゥゥッ―
ラ「……ッ!//」
――……お願いだ、マスター――
――私をギターとして……必要としてくれ……――
――お前に弾かれる事だけが、私の存在理由なんだ――
――だから……弾いて――<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/12(木) 23:34:50.07 ID:2TmmC8s0<>―朝、男部屋にて―
―ピピピッピピピッ―
男「んぁ……」バシッ
(……ねみぃ……)ムニッ
(あー、やわらけー抱き枕……まだまだ寝れr)ムニムニ
ラ「むにゃ……んっ」
男(抱き枕じゃねぇぇぇっ!!??)ムニムニ
(寧ろ抱き付かれているぅぅぅぅっ)
ラ「ぅ……ん……マスタ……ぁ」
男(お、起こす訳にはいかんな……ゆ、ゆっくり解いていこう)ムヌムヌ
(くそっ……こっちが必死だってのに気持ちよさそうに寝やがって)
(しかも意外に胸あるから余計困るよチキショーッ!)
―ズルンチョ―
ラ「んにゃ……すぅ……」
男「……何とか抜けたな」
(…………楽器屋行く気だったけど、起こすのもわりーし……)
(どうせ近くだし、一人で行くか)
―男一人、楽器屋にて―
店「ん、いらっしゃい男君」
男「うぃーす店長」
「今日はなけなしの貯金叩いてギター買いに来たぜ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/12(木) 23:51:22.46 ID:2TmmC8s0<>店「おやぁ?ラベルはどうしたんだい?」
男「まぁ、色々あってさ」
「あ、目星は大体着いてんだ……早速試奏させて貰うよ」
―男、ジャクソン・ランディVを取る―
―ギャイン―
男(エッジがきついけど、音自体は悪くない……)
(前から欲しかったし、セールで安くなってるからいいかな)
―男、ランディV、購入―
店「毎度ありがとさん」
男「こいつが外れじゃないことを祈るよ」
店「ウチの娘達は大丈夫だよ」
「俺がちゃーんと体の中まで診てあるから……ねぇ」
男「へいへい……ったくいい年こいて……」
「んじゃ、また来るわ」
店「……ちゃんとかわいこちゃんも構ってやんなよ?」
男「え?」
―チャランチャラン―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/13(金) 00:27:36.24 ID:iIAytRw0<>―ラベル1人、男部屋にて―
ラ「ん……ふあぁぁ……」ングググー
「あれ……マスター……?」
―ガチャリ―
男「ただいまー」
ラ(出掛けてたのかな……?)
「おかえり、マスター」トテトテ
「…………ぁ……」
男「ん……これか?」
「今あのオヤジのとこで買って来たんだ」
「なけなしの貯金叩いて……な。セール中とはいえなかなか高かったぜー」
ラ「……そう、か」
「それは良かった……な」ニコ……
男「んふふ♪」
「さぁ、早速繋いでみるとしましょうか!」
ラ(……)
(……マスター……)
(私は……私は……)
―ンギュィン―
眠い……短いけど今日はここまで。
今日帰省から帰還するので、多分ペース上がります。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/13(金) 03:44:30.24 ID:bvuU5qIo<>乙
影ながら応援しているぞ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/13(金) 03:52:57.81 ID:IW2wzYo0<>誰か……
絵を描いてくれるものは…
弾いている姿などが想像できないのだが…。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/13(金) 21:08:08.90 ID:ymW03PE0<>帰還しました。
>>36
ありがとう。
>>37
こんなSSにそんな神が降臨するとは思えんしなぁ……
絵心はねーけど、後で頑張ってみるからそれまでなんとか補ってくんちょ。
とりあえず再開します。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/13(金) 21:15:55.22 ID:ymW03PE0<>―ギャイン―
ラ(…………夢中だな、マスター)
(はぁ…………)
―ギャギャゥ―
ラ(羨ましい……)
(羨ましいよ……羨ましいよ)グズッ
―ギュギュギュ―
ラ(……神よ、これは何かの罰なのか?)
(本来ギターである私がこんな姿になったことに、果たして意味はあるのか?)
(分からない……分からないよ)
ラ「マスター……先に寝ても、いいか」
男「……ん、おやすみ」
ラ「……あぁ」
「おやすみ」
―チュイーン―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/13(金) 21:39:52.50 ID:ymW03PE0<>―深夜、男部屋―
ラ「ん……うぅん」
(……あれ、起きてしまった)
(まだ朝ではないぞ……いや、眠れないのか)
―ラベル、視界にランディVが映る―
ラ(……やはり、こいつのせいなんだろうな)
(…………嫉妬、か)
男「すぅー……すぅー……ふがっ」
―ラベル、隣に寝る男の顔を覗く―
ラ「……マスター」ギュ
―トクン―
ラ「……!?」
(な、なんだ今の……)アワアワ
(変な、気分……)
(…………)
(……胸がドキドキする)……ガバッ
―ラベル、男の上で四つん這い、顔を覗く―
男「…………がふ」
ラ(…………)ジーッ
(…………)ジジーッ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/13(金) 21:53:34.97 ID:ymW03PE0<>―ラベル、男、顔が近づく―
ラ「…………」グイッ
「…………」ググィッ
男「……んぁ」
ラ「…………!?!?」ガバザッ
(な……何をしてるんだ、私は……)ドキドキ
―トクン―
ラ(体が……熱い)
(駄目だ……これじゃ隣で寝れない……)
(体……外で冷やしてこよう)
―ガチャン―
―ラベル、近所の公園にて―
ラ「…………ふぅ」トボトボ
(風が心地良い……火照りが消えていく)
―ジャリ……ジャリ―
ラ(…………?)
(こんな時間に……)
店「こんな時間に足音が聞こえちゃ悪いかねぇ?」
ラ「わ、わわっ!?」ザザッ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/13(金) 22:04:00.52 ID:ymW03PE0<>
店「年を食うとつい早起きしちゃうのさ」
「気が向いたら、こうやって散歩だってする」
「かわいこちゃんも気分転換……図星だよねぇ?」
ラ「店長……覚えて居たんですか」
「私の事」
店「いっぺん見た美人さんの顔は忘れない主義なんだ」
「人間も、特にギターは……ねぇ」
ラ「本当にギターが好きなんですね」
「……なんとなく、伝わってきます」
店「だから変態なんて呼ばれるのさ」ニヤニヤ
「君が厄介になってる男君も似たようなもんだろう?」
ラ「え……?」
店「オヤジの勘を舐めちゃいけないねぇ」
「年を食えば色々分かってくるもんさ」
ラ「う、うぅ…………はい」
店「ほらほら、図星だろう?」ニヨニヨ
「まぁ、あれだ……」
「言いたいことはちゃんと言って、我慢しないことだね」
ラ「我慢、しないこと……」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/13(金) 22:24:05.11 ID:ymW03PE0<>店「女の子は時には大胆にならなきゃ、ねぇ」
「ウチの"娘達"もそう言っていたよ?」
ラ「女の子は……大胆に……」
店「うん、そう。自分の気持ちは伝えなきゃ伝わらないんだ」
「音楽と同じさ。見える形で表現しなきゃ自分の本当の気持ちは伝わらないよ」
ラ「……はい」
「少し、気持ちが楽になった気がします」
店「うん、夜の散歩はいい気分転換になるからねぇ」
ラ「……ありがとうございます。店長」
店「僕はなーんもしてないよ」ニヤニヤ
「強いて言うならそうだねぇ…………かわいこちゃんの体形観察かな」
ラ「え、え……?」ビクッ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/13(金) 22:26:30.92 ID:ymW03PE0<>店「程よい大きさでいい形」
「パーカーの上からでもわかるくびれ」
「そしてパーカーに隠れながらも控えめに主張するお尻……!」
「上から87、55、83と見た」
ラ「は、はいぃぃ//!?」
店「まぁ、要はこんな時間に女の子が一人でウロウロするのは危ないって事さ」
「さぁ、早く帰りなさい」
ラ「……//」
「お、おやすみなさいっ」トテトテ
店「うん、おやすみ」
「…………いいね」
「思い出すよ」
一旦休憩。
寝る前にまた書きます。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 02:03:31.51 ID:3fUtsY20<>ラ「はぁ……はぁ……」
「ふぅー」
ラ(……店長は"かわいこちゃん"と呼ぶけど……)
(そんなに私は可愛い顔立ちをしているのか……?)
―朝、男部屋―
男「うっ……ふぅ」グヌーッ
ラ「あ、おはよう、マスター」
男「ん……はよう」
「今日は早いんだな……?」
ラ「うん、ちょっとな」
「思うところがあって」
男「思うところ……?」
―ラベル、床に正座―
ラ「マスターっ」
「実は折り入って頼みたいことがある」
男「な、なんだ、急に改まって」
ラ「私と買い物に行ってくれ!」
「いや、行きたいんだっ!」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 02:16:32.26 ID:3fUtsY20<>男「…………そんな改まって言うことか?」
「良いぜ。どうせ今日は暇だし……付き合うよ」
ラ「ほ、本当か!?」
「なら、行きたい場所があるんだっ!」
男「ほほう?」
―2人、街にて―
ラ「で、では試着してくる……」シャッ
男「おう」
(……まさか服を見たい、なんて言い出すとは)
(まぁ、ブカブカの俺の服ばっかじゃ可愛そうだしな……)
(それにこの調子じゃ元に戻りそうにねーし、別にいっか)
ラ「着、着れた……ようだ」
男「おー、じゃぁ開けるぞ?」
―シャッ―
ラ「…………//」
―ラベル、白いブラウスに黒いスカートにニーソ姿―
男「……似合うじゃん」
ラ「か、可愛い……だろうか?」
男「……うん」
「可愛いな、かなり」
―トクン―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 02:17:48.01 ID:3fUtsY20<>今日はここまで。
寝ます乙。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 14:26:10.95 ID:e4xNWX20<>>>37向けに描いたギターを弾いている図。
http://nullpo.vip2ch.com/dl.php?f=ga0136.jpg
下手でスマソ
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/14(土) 17:13:24.79 ID:qF1Toz60<>応援してるぜ
>>48
このギター重いって言ったら殴られそう……
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 22:47:28.07 ID:e4xNWX20<>>>49
ギターは女の子だからな。
どんなギターでもそれは同じだぜ。
再開します。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 22:50:09.07 ID:e4xNWX20<>男「…………」ドチャ
ラ「お、重くないか、マスター……?」
男「このくらい大丈夫だ」
「まぁ、確かに量はあるけどな」
ラ「……なぁ、マスター」ジー
男「んー、なんだ?」
ラ「私は……人間としてそんなに可愛いのか?」
「マスターはさっきそう言っていた……けど」
「私には、よく分からないよ」
男「んー……そりゃ可愛いよ」
「スタイル良いしな」
「普通の女の子なら羨ましがるレベルだ」
ラ「……何故そんな姿になったのかな」
「私はギターで……」
「ずっとそのまま、マスターのギターで居たかった」
男「……お前の意思で人間になったわけじゃないのか?」
ラ「違うと断言するよ」
「……けど、時々自分がギターなのか人間なのか、分からなくなってしまう……」
男「…………」
ラ「何が自分の体で、何が自分の気持ちなのか」
「グシャグシャに、なってしまう……んだ……」
―ポロッ―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 23:01:35.31 ID:e4xNWX20<>男「お、おい……?」
―ポロッ―
ラ「……胸が、張り裂けそうなんだ」
「助けてくれ、マスター……」
「お願いだよ……」
男「…………」ドサッ
―ギュッ―
ラ「…………え?……」
男「……その……なんだ」
「ごめん」
ラ「……何故、謝る……?」
男「…………なんか衝動的に抱きしめちまったから」
―ギュウッ―
男「!?」
ラ「……離さないで欲しいな」
「少しだけど……楽な気持ちで居られる」
男「……しゃーねーな」
ラ(……昔は、いつもこうやって抱かれていた)
(だからなの……かな)
―ギュウ―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 23:07:43.11 ID:8iX9EOY0<>>>48
ありがとう
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 23:15:25.23 ID:e4xNWX20<>男(……俺はこいつをどう見たらいいんだろう)
(ギターか……?)
(それとも人間の、可愛い居候人か?)
(……なんか、一線は越えちゃならねぇ気がする)
ラ「……ずっと……」ボソ
男「ん?」
ラ「!?!?//」
「いいいいや、なんでもない!」バッ
「さ、さぁっ、疲れたし早く帰ろうっ」アタフタアタフタ
男「そ、そうだな……」
―夜、男部屋―
男・ラ「ただいまー」
男「ふぁー……疲れた疲れた」
「どっこいせと」
ラ「…………」ジッ
男「……なんか熱烈な視線を感じるんだが」
「どうしたんだよ、顔赤くして?」
ラ「いや、その……くぅ」ソワソワ
男「…………?」
ラ「ひ、ひざのうえすすわ……す、すわって、いいか……?」 <>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 23:30:12.78 ID:e4xNWX20<>>>53
すんません、こんなもんしか描けなかったっす。
男「…………」
ラ「…………//」ソワソワ
―ラベル、男膝の上―
男「……今日は随分甘えるんだな」
ラ「あ、甘えてなどいないっ!」
男「じゃこの状況……どう説明するんだよ?」
ラ「う……//」
「…………あ、甘えて悪いかっ//」
男「正直じゃねーな」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 23:30:57.79 ID:e4xNWX20<>―ギュッ―
ラ「ひぁっ!?」
男「今日だけ特別……ってことにしとく」
ラ「…………♪」
(暖かい……)
―暫く、男部屋―
男「…………ん」ガクッ
(やべ、ウトウトしてた……)
(ラベルは……)
ラ「すぅー……すぅー……」クテー
男(……まぁ、いいか)
―男、ラベル腰に手が触れる―
男(…………)
(エロス)ブハー
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 23:31:58.45 ID:e4xNWX20<>一旦休憩。
今日も寝る前にまた書きます。
動け、俺のギター。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/14(土) 23:42:28.59 ID:OyNMcd.0<>支援<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/15(日) 01:25:55.16 ID:xytzVsSO<>なんという俺得
激しく期待<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 03:12:45.41 ID:fq3acoAO<>くそっ、俺のギターも可愛いおにゃのこにならねぇかな<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/15(日) 09:24:14.38 ID:k.1RJg60<>>>60
店長「ギターはみんなかわいこちゃんですよフフフ・・・」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 12:55:37.56 ID:JFx74oAO<>これは…
良スレの予感(^_^)v<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/15(日) 13:46:08.65 ID:UlW9yc20<>結局寝ちまったという落ち。
スマソ
>>58>>59>>62
支援期待サンクス。
>>60>>61
ギターはそのままでも十分かわいいおにゃのこだ!
おっぱいも尻も硬いが後は脳内補完でなんとかなる。
では再開します。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/15(日) 13:46:47.44 ID:UlW9yc20<>男(…………)
(本当、よく見ればいい体してんだな)
(…………)
―トクン―
男(…………)
(……胸をちょっと位、なら……)ソーッ
―ムニゥ―
ラ「……んぁ……」
男(柔らかい……あれ、そういや下着っt)
(思えば今までノーブラだったのかこいつ!?)
ラ「ふぁう……」
男(…………駄目だ、これ以上はヤバイ)
―男、手を離……さない―
男(だ、だがもうこんな機会はないかもしれないし……!!)
(後一揉みしていこう)
―ムニッ―
ラ「ひゃあぁっ…………」
「ま、ますたー……?」
男(ドッキーーン)ドキンドキン<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/15(日) 14:08:10.59 ID:UlW9yc20<>ラ「……もう」
「どこをさわっているんだぁ……っ」
男「あ、やっ、いや……すまん、ついっ」アセアセ
「俺も健全な男子だからさっ」アセアセ
ラ「……むにゃ……けんぜん?」
「むずかしいことばをつかうな……」
男(…………間違いなく寝ぼけてるなこいつ)
ラ「…………なぁ」
「さわってくれっていったら……さわる?」
男「ふがっ!?」
「な、何で急に!?」
ラ「そーゆーきぶんなんだよ……」
―ムニュウ―
ラ「さわって……?」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/15(日) 14:25:56.88 ID:UlW9yc20<>男「!?!□○☆\▲」
(なんだなんだこの状況は!?)
ラ「……はぁ……はぁ」
男(…………ええい、ままよっ)
―モミュッ―
ラ「んっ//」
「い、いたくはする……なよ?」
男(だーっ、フラグかそれはフラグか!)ムニッ
ラ「く、う……はぁっ//」
「な、なんだろう……な、このきもち」
「うれしいのに……こころがきりきりする……」
「……ほかほかする」
男「ほかほか……?」ムニュン
ラ「……ここちいいんだ、ますたーにだかれていると……//」
男「…………こうか?」ギュッ
ラ「うん、そう……」
「ひかれているときのかんじににてて……」
「ますたーに、ひつようとされてて……いい」
男「必要……?」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/15(日) 14:43:16.54 ID:UlW9yc20<>ラ「わたしだけをみてくれるじかん……」
「ふたりだけの、しゅんかん……」
「ずっと……このままでいたい」
男「…………」
「でも、モノは何時か壊れてしまう時が来るんだ」
「お前がギターの姿に戻ったら……そうなる」
ラ「…………!」
「ますたーには、わたしはひつようないのか……?」ジッ
「すてられるの、か?」
男「昔、時々考えたよ……それでも、結局答えは出せなかった」
「モノはモノ……生き物じゃない」
ラ「…………それでも、いい」ボソッ
「駄目なんだ、私は……マスターが居ないと」
「駄目なんだ」ギュウ
男「お前……」
ラ「壊れたままで良い……弾かれなくてもいい側に居たい」
「もし壊れたら、ギターの姿の私はそう思うはずだよ……」
「そして、勿論今でもその気持ちは変わらない」
男「…………」
ラ「モノでもいい」
「人間でもいい」
「中途半端な存在でもいい……!」
―トクン―
ラ「……私を必要としてくれ……マスター」
「お願いだ……」
「私にもマスターが必要なんだ……!」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/15(日) 15:10:17.41 ID:UlW9yc20<>男「…………何年もかかって出せない答えを今、出せってのか?」
ラ「ぁ…………」
「……すまない、勝手な事ばかり言って」
「もう、今日は寝よう……マスター」
男「……ああ、そうだな」
「おやすみ」
ラ「……おやすみ」
―ラベル、どこかにて―
?「……哀れね。そして惨めだわ」
「所詮こんなもの……ってわけね」
ラ(……なんだ、これ……)
(夢……?)
?「夢」
「現実逃避にはもってこいの言葉だわ」
「これは現実であり、事実よ」
「現実は非情……ただそれを教えに来てやっただけ」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/15(日) 15:21:57.33 ID:UlW9yc20<>ラ(…………さっきから何訳の分からない事を言ってる?)
?「アンタは所詮モノなのよ」
「女である前に、人間である前に」
「アンタがどんなに男を愛しようが、好きになろうが、それは変わらないわ」
ラ(す……好き、だと……?//)
?「そう、アンタのヘドが出そうな程甘酸っぱいその気持ち、それは愛。恋愛感情」
「そう、男へ対する女としての愛」
「雄と雌の関係を望んでんのよ、アンタは」
ラ(……何故お前はそんなことを知っている)
(一体誰なんだ?)
?「そんななことどうでも良いの」
「アンタは質問なんてしなくていい。疑問も持たず、私の話を聞いてりゃいいのよ」
ラ(なら少しその言葉遣い……改めたらどうかな?)
?「……もっと色々教えてあげようと思ったのに……今のでやる気なくしたわ」
ラ(結構だ)
(……お前なんかに教えられたくも無い)
?「…………今のは聞かなかったことにしてあげる」
「じゃあね、精々頑張るといいわ」
「あ、最後に一つだけ言っておこうかしら」
ラ(…………?)
?「あのランディV……あんまほっとくと寝取られちゃうかもよ?」
「アンタの愛しい男ちゃんが、ねぇ」ニヨニヨ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/15(日) 15:22:54.28 ID:UlW9yc20<>ちょと休憩。
夜また投下します。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/15(日) 20:15:05.16 ID:x2Epcl.o<>まってるよ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/16(月) 00:26:31.96 ID:Ffc26IAO<>くっ…オークションで売り飛ばした嫁達よ……すまん!<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/16(月) 09:00:01.31 ID:4PLPydUo<>こない・・・<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/16(月) 13:21:39.78 ID:Gpwr6RQ0<>すいません、お待たせしました。
投下再開します。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/16(月) 13:24:40.29 ID:Gpwr6RQ0<>―朝、男部屋―
ラ「……!!」ガバッ
(…………夢……?)
―ラベル、視界にランディを映す―
ラ「………………」
「…………」
「…………っ!」
―ラベル、ランディを手に取ると―
ラ(……アイツの言うことが本当なら)
―天井一杯まで振り上げて―
ラ(…………くそっ)
―床へと叩き付けた―
―ガシャンッ!―
男「!?」
「なんだよ今の音……」
「って」
ラ「…………」
男「……ラベル?」
―ラベル、再び叩き付ける―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/16(月) 13:25:19.79 ID:Gpwr6RQ0<>男「……おい!!」バッ
「お前何やってんだよ……っ!」
ラ「…………マスター……」
「きゃっ!?」
―ラベル、突き飛ばされる―
男「…………どんな理由があっても、世の中にはやっていいことと悪いことがある」
「ギターだったお前ならそれ位わかるだろう……!?」
ラ「あ、あの、マスター……」
男「理由はいいよ」
「……そこで黙ってりゃ良い」
ラ「……マスターには、私の気持ちは分からないよ……」
男「ギターを叩き付ける野郎の気持ちなんぞ」
「知りたくも無い」
ラ「…………馬鹿」ボソ
―ガチャン―
男「……馬鹿はどっちだよ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/16(月) 13:55:11.74 ID:Gpwr6RQ0<>―ラベル、公園にて―
ラ(……結局、何も言えなかった)
―キィ―
ラ(なんでこんなこと……してしまったのかな)
―キィ―
ラ(こんな……っ)ポロッ
―キィ―
ラ(このまま……)
(消えてしまいたい)
―キ……―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/16(月) 14:07:19.92 ID:Gpwr6RQ0<>―深夜、男部屋―
男(…………こんな時間になっても帰ってこねぇ)
(ったく、あのアホ……)
(もうしらねーっ)
―再び公園にて―
ラ「…………」ボー
店「……今日は月が綺麗だねぇ」ニチャニチャ
「月見には団子、団子には月見」
「かわいこちゃんも月見かい?」ニチャニチョ
ラ「……そんなんじゃありませんよ」
店「女の子がそんな顔して一人で居ちゃさらわれちゃうよ?」
「はい、団子」
ラ「……ん……」パク
「ありがとうございます……」
店「……余程腹が減ってるんだねぇ」
「帰ってないんだね、やっぱり」ニヨニヨ
ラ「…………」
店「ウチ、来るかい?」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/16(月) 14:26:55.78 ID:Gpwr6RQ0<>―楽器屋、裏―
ラ「家もここなんですね」
店「何分金がないもんでねぇ」ニヨニヨ
「自分の為に回せる分は殆どないんだよ」
―ガチャン―
ラ(階段……地下か?)
店「さぁ、いらっしゃい」
―カツン―
ラ「…………」
店「地下はいいよ、落ち着くしねぇ」
「"あの娘達"も気に入っている」ニヨニヨ
「さぁ、着いたよ」
ラ「入室……禁止」
店「この部屋には、人間は私以外入ったことはないんだ」
「いや……一人、居たかもしれないねぇ」
ラ「え……?」
店「……まぁ、いいや……いらっしゃい」
「君で202本目だ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/16(月) 23:10:23.72 ID:Gpwr6RQ0<>ラ「え……店長それはどういう……」
「わっ」
―一部の家具を除いてギター、ギター、ギター―
―床中壁中部屋中にギターが掛かっている―
ラ(凄い……こんな広い部屋にギターしかない)
店「ここには俺が気に入った娘達しか居ない」
「皆一級品の娘達ばっかりさ」ニヨニヨ
「あ、大物のサインが入った娘も居るね」
「見たいかい?」ニヨニヨ
ラ「……いえ、結構です」
「それよりも店長、私が202本目と言いましたよね……?」
店「あぁ……それか」
ラ「ちゃんと説明してください」
店「……初めて見た時から気づいてたんだ」
「君が男君のギターだってことにねぇ」ニヨニヨ
ラ「…………何故そんな事が」
店「分かるのか、って?」ニヨニヨ
「そうだねぇ……あぁ、良い物を見せてあげよう」
「おいで」
ラ(良い物……?)
―ガチャン―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/16(月) 23:18:39.76 ID:54mB.F.0<>店長?・・・<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/16(月) 23:32:16.27 ID:Gpwr6RQ0<>―楽器屋地下、奥―
ラ(ほう……奥にもまだ部屋があるのか)
(見た限りだと唯の寝室…………)
(ん……?)
―ラベル、一本のギターが眼に入る―
店「Fender USA TELECASTER」
「1971年製だよ」
「FERNANDES製の君からすればおばあ……ご先祖様だねぇ」
ラ「古い……もう40年近くも前なんですね」
(そういえば、この部屋にはこの一本しかギターがない……)
店「コイツだけは、特別なんだ」
ラ「古いギターだから、ですか?」
店「いや、違うねぇ」
「後……あんまり古い古い言わないほうがいいよ」ニヨニヨ
「彼女が怒る」
?「そういうことよ、かわいこちゃん」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/16(月) 23:47:32.77 ID:Gpwr6RQ0<>>>81
うん、店長。
ラ「……!」
「この声……!」
?「まさか本気にしちゃうとはねぇ……私もビックリだわ」ヌゥッ
「で、結局飛び出してきちゃうし……散々ね?」
―テレキャスの影から―
―足先の透き通った、金髪の女が現れる―
ラ「誰のせいでこうなったと……!」
「先ず何故ここに居る!?」
店「……また何かしたのかい、テル」
「あまり他人に干渉するのは良くないねぇ」
テ「だって、こーゆー子久々に見たからさ……」
「ちょっとばかし……出来心で、ね?」
ラ「……質問には答えて欲しい」
テ「アンタと同じよ」
「私も元はギターだった……このテレキャスだったのよ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/17(火) 00:06:39.55 ID:MyM.0rU0<>―所変わり、男部屋―
男(…………)
(………………)
(だーっ!)
(気になって眠れやしねぇ……)
(…………)
(くそっ!)バッ
―ガチャン―
―変わって楽器屋地下、奥―
テ「あたしも元々はアンタみたいに肉体があった……」
ラ「今は……ないのか?」
テ「さぁ?」
「無いんじゃない?こんな姿でぷかぷか浮いてるんだから」
店「まぁ、色々あって……ねぇ」
テ「そ、色々と……ねぇ」
ラ「…………よく分からないけど」
「分かりました」
店「よしよし、では腹ごしらえといこう」
ラ(……そういえばすっかり忘れてた)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/17(火) 00:19:23.85 ID:MyM.0rU0<>―所変わり、男―
男(はぁ……はぁ……)
(公園にも居ない……どこ行きやがったんだ!)
―また変わり、楽器屋、奥―
ラ「……シチュー、ですか?」
店「昨日の残りだがねぇ……申し訳無いけどそれで」
テ「ん、あたしの分もよろしくね」
ラ「な、食べられるのか!?」
テ「なんかおかしい?」
ラ(そ、そんなに自信持って切り返されては……)
「……頂きます」パン
テ「よろしい♪」
「…………」
「それ食べたら、男ちゃんの迎えに行ってあげることね」
「ずっと探し回ってるみたいだけど?」
ラ「…………それを早く言え」
―ガタン―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/17(火) 00:30:35.09 ID:MyM.0rU0<>ラ「ありがとう……ご馳走様、店長」トテトテ
―ガチャン―
テ「……若いわねぇ」
店「若いことはいい事だよ」
「俺達だって昔は若かったんだから……」
テ「あんたも変わらないわよねぇ」
「助平なのも変わり者な所も」
店「……そうかねぇ?」ニヨニヨ
テ「ボロボロに壊れたあたしを捨てなかったんだもの」
「よっぽどだわ」ニヨニヨ
店「…………」
「……戻りなよ」
「久々に、弾きたくなった」
テ「んふ……♪」
「素直に嬉しい、と言っといてあげる」
―シャラン……―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/17(火) 00:33:32.16 ID:MyM.0rU0<>今日はここまで。
男とラベルの話が終わったら、テルと店長の若い頃でも書こうかなと思ってる。
需要あればだけど……<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/17(火) 00:38:05.95 ID:/.8G73.o<>お疲れー
古いのも気になるが
今の先終わらせて
番外編って言う方がいいんでない?<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/17(火) 00:51:26.94 ID:MyM.0rU0<>>>88
うん、番外編と銘打つつもり。
細かい事はまだ考えてないけど、まぁ追々で。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/18(水) 00:31:43.43 ID:CL0A8.U0<>―楽器屋、正面―
ラ(…………勢いのままに出て来てしまったが)
(マスターは一体どこに……)
(…………!)
―男、壁にもたれかかっている―
男「…………よう」
「なんとなくここな気がしてさ」
ラ「な…………」
「……いつからそこに?」
男「ずっと前さ」
「日が昇る、ずっと前」
ラ「…………私の為に?」
男「なんなんだろうな」
「俺にも……わかんねぇや」
ラ「…………」
―トテトテトテ―
男「……?」
―バッチィィンッ―
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/18(水) 00:42:17.34 ID:CL0A8.U0<>男「いっでぇぇぇっ!?」
ラ「…………私はそういうマスターが大嫌いだ」
男「この……!」
ラ「けど!」
―トクン―
ラ「…………それでも、大好きなんだ」
―トクン―
ラ「やっぱり、大好きなんだよっ!」
―ドクン―
男「…………」
ラ「……ずっと、言えなかった」
「言いたくても言えなかったんだ」
「否定されるのが怖かった……不要とされるのが怖かった……」
男「ラベル……」
ラ「あの時のように……捨てられたくなかったんだ……」ポロッ
「伝わらなくてもいい」
「分からなくても、側に居れればいい……」
「我慢……してた……でも、段々辛くなってくるんだ……!」
男「…………」
―ギュッ―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/18(水) 00:57:36.96 ID:CL0A8.U0<>ラ「…………」
「無理、しなくても良いんだぞ」
男「別にしてねぇよ」ギュウ
ラ「……なら何故?」
男「いいから、答えてくれ」
「ラベル、お前は自分を何だと思っている?」
「ギターか?それとも人間か?」
ラ「…………私はマスターのギターだ」
―ドクン―
男「俺はお前がギターの姿だった頃、愛してる、とまで言った」
「実際、そう思ってた」
ラ「!?!?」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/18(水) 01:04:22.37 ID:CL0A8.U0<>男「……でも、俺におってお前は人間だ。間違いなく人間だ」
「だからこうすることにする」
ラ「……?」
男「ギターのお前を愛していた俺は、そのギターが人間の姿になったお前を人間として愛することにした」
「結局は、どっちも同じ存在だ」
―ドクン―
ラ「…………マスター、言い方が随分と回りくどいようn」
男「黙らっしゃい!」
「ギターじゃないお前を俺はもう弾かない!」
「代わりに……」
ラ「…………代わりに?」
男「…………」
「沢山、愛します」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/18(水) 01:05:51.65 ID:CL0A8.U0<>ラ「…………」
「…………くくっ」
―ラベルの笑い声、こだまする―
男「……笑うんじゃねーよ」
「言ってるこっちはかなり恥ずかしいんだぞ!?」
ラ「はぁ……はぁ……いや、すまない」
「でも……嬉しいよ」ニコッ
「どんな形であれ、マスターに必要とされた……」
―ギュウッ―
ラ「嬉しい……嬉しいよ……!」
男「…………」
「帰るぞ」
ラ「帰ったら……期待しているぞ?」
男「……分かってるよ
「……ったく」
―ギュッ―
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/18(水) 01:07:35.27 ID:CL0A8.U0<>今日は遅いのでここまで。
毎度亀進行で……本当にすまないとっ、思っているっ!<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/18(水) 23:36:20.60 ID:u2L8Yyko<>だいじょうぶ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/19(木) 00:53:24.00 ID:IQaRL6M0<>―二人、男部屋にて―
男(…………)
ラ(…………)ポフッ
―ラベル、男にもたれかかる―
男「……なんだよ」
ラ「……くっついていた方が落ち着くのだ」
「今日位甘えさせろ」
男「……でも甘えるって柄じゃないよな、お前って」
「生真面目というか、堅物というか……」
「だから今まで我慢してたんだろ?」
ラ「う、うるさいな」
「誰に似たと思っているっ!」
男(結局俺のせいかいな……)
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/19(木) 00:58:32.84 ID:IQaRL6M0<>ラ「…………」
「何も、しないんだな?」
男「何もって?」
ラ「な…………//」
「い、いや、なんでも☆●¥△%」
男「初心な奴……」
「だが」
―ギュッ―
ラ「!?!?」
男「その辺が可愛いとも言える」
―男、抱き締める―
ラ「…………////」
男「耳まで真っ赤になるたぁ、随分と恥ずかしがり屋なんだな……」クニッ
ラ「ふ、ふぁっ!?」
「み、耳を摘むなぁぁ///」
男「…………嫌ならこっち向いてみろ」
ラ「ふぇっ?」クルッ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/19(木) 01:10:51.03 ID:IQaRL6M0<>男「…………」ジーッ
ラ「…………?」
「マスター、どうし……」
―一瞬の出来事―
―それでも、2人にとってはとても大きな出来事―
ラ「ん……ふぁっ……」
男「ラベル」
ラ「……責任は取って貰うぞ?」
「マスター」
男「……責任だろうがなんだろうが取ってやるよ」
「代わりに、俺はお前を人間の女の子としかみないぜ?」
ラ「それで、いいよ」
「けど…………偶にで良い」
「偶に……弾いてくれ」
男「気が向いたらな」ニヤニヤ
ラ「…………ニヤニヤしてないでもっとしろっ//」
―ガバッ―
【第一部、完】<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/19(木) 01:20:48.66 ID:IQaRL6M0<>つーわけで第一部完です。
出会い編ってわけですね。
支援本当にありがとうございました。
ここで、二部に行く前に一部の補足的な外伝をちらっと投下しようと思います。
一応「テルと店長の若い頃」の予定ですが、他に見たい話があれば希望どぞ。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/19(木) 01:41:57.62 ID:tkMXhuAo<>>>1乙<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/19(木) 04:19:58.55 ID:4kdcjDEo<>乙乙<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/19(木) 16:43:41.67 ID:nPDTqG.o<>ギターって可愛いよね
弦張り替えるついでにボディ拭き上げるときとか幸せを感じる
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/20(金) 02:25:28.21 ID:e/255V.0<>
「…………」
淡い日が差す裏路地。
その、ゴミ捨て場のような一角。
くすんだコンクリートにはヒビが走り、鉄くずから廃材、玩具、生ごみ……
周囲近辺から流れてくる不要物の吹き溜まりとなっている。
「ギターだ」
そんな吹き溜まりに、幼さが残る若い優男が一人。
足を止めたその一角には、一本のギターが立て掛けられている。
「…………可愛そうに」
優しく、呼びかける様に呟いた男は、そっとそのボロボロの身を持ち上げ、抱きかかえた。
「……俺が持ち帰って治してやるよ」
返事はない。
それでも、男の顔は満足そうに笑みを浮かべていた。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/20(金) 02:26:59.83 ID:e/255V.0<>今日はここまで。
後短編だけ書き方変えてみる。
どうせ短いしね。
>>101>>102
ありがとう。
>>103
禿同。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/21(土) 15:58:24.66 ID:RddyIPY0<>優男は一件の楽器店の門をくぐる。
「戻りました」
「おう、おかえり店長」
店の奥から、低い声で返事が返ってくる。
気だるそうに出てくる声の主は壮年の男だ。
白髪混じりの頭としわだらけの手には、様々な苦労の歴史が刻まれているように見える。
「やめてくださいよ社長」
「店長っていうの」
そういって店の奥に入っていく優男。
「客の相手をしてるのはお前だし、実質店長みたいなもんだろ」
「……にしてもまた拾ってきたのか、それ」
といって、ボロボロになったギターを指差す。
半ば呆れ顔のその口元は、苦笑するかのように笑っていた。
「自分で治すんだからいいでしょう?」
「下の工房、借りますよ」
おう、という簡潔な応答。
そのまま社長はカウンターに向かい、どっかと椅子に腰掛ける。
「……まったく変わりもんだな、アイツは」
「"お前ら"もそう思うだろ?」
そう言って、社長は店の置かれた楽器達を見回す。
静かな店内でゆっくり笑みを浮かべる社長には、楽器達の声が聞こえているようだった。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/21(土) 16:18:13.44 ID:RddyIPY0<>(……ネックはそのまま……ボディはリフィニッシュするか……)
(でも電装系統とペグは総入れ替えだな)
楽器屋の地下。
工房らしく、積み上げられた材木が並び、雑多に置かれた器具類やパーツの入ったカゴが散乱している。
ツンとくる有機溶剤の刺激臭が店長の鼻をつく。
換気扇は全てフル稼働だが、足元に置いてある以上臭わない訳がない。
少しずつ、ボディの塗装が剥がされていく。
地道で、長く酷な作業。
彼はプロのクラフトマンではない。
社長の作業を見ているとはいえ、技術においては数段劣る。
そのまま店長は、寝ずに朝を迎えた。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/21(土) 16:31:15.01 ID:RddyIPY0<>社長がゆっくりと工房のドアを開ける。
「朝っぱらから随分熱心なんだな」
「寝てないんですよ」
と、店長が素っ気無く返す。
ボディのリフィニッシュは大体終わっていて、今は塗装の段階に入っていた。
「もう少し丁寧に削れよな……」
と、社長は苦言を呈す。
当然といえば当然かもしれないが、プロの視点から見れば、そういう評価にならざるを得ないのだろう。
「仕方ないですよ、社長みたいなプロじゃないんですから」
と、店長が皮肉たっぷりに込めて呟く。
だが社長は鼻で笑ってそれを一蹴し、
「俺がやってやろうか?」
と余裕の表情で答えた。
これまた、皮肉たっぷりな笑みを込めて。
しかし店長は「結構です」とだけ言って、黙々と塗料をボディへと吹き付けるのだった。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/21(土) 16:50:16.66 ID:RddyIPY0<>「…………よし」
「出来た」
額に浮かんだ汗を拭う店長。
長い溜息の後に、自分が手にかけた一本を、まじまじと見つめた。
キズ一つない黒艶のボディ。
ヘッドにはFender TELECASTERのロゴ。
ピックアップもブリッジも、真新しい金属の光沢を放っている。
「……約束、果たしたよ」
満面の笑みで、店長はそう呟いた。
不器用な変人の、誰にも見せたことのない笑顔。
汗まみれの整った顔立ちが見せるそれは、爽やかでいて、どこか滑稽だった。
その夜、工房の中は何時までも鳴り止まなかった。
何時までも。
「…………」
「あんたも物好きだね」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/23(月) 17:44:18.04 ID:00d.Dlk0<>気のせいではないかと、店長は辺りを見回す。
「幻聴……?」
最近寝てなかったからな、と自分に言い聞かせる。
「ちゃんとアタシを見て欲しいわね」
幻聴などではないことを店長は確信する。
脳内で鳴り響いているのとは違う。
誰かが、声を発し、反響して耳に入ってくるのだ。
その声の主を見つけようとする店長の眼は、一点に釘付けになる。
「改めて初めまして」
少女だ。
足先の透けた少女は、長い金髪を背中まで垂らしテレキャスの影にフワフワと浮いている。
「…………どなた様でしょう?」
「普通に聞き返さないでよ……」
あっけらかんと返す店長に、呆れた顔で首を振る少女。
店長に歩み寄る少女。
といっても、浮いている彼女は足音を立てることもなく、無論足を動かす事もない。
「まぁ、変に驚かれても面倒なだけね」
「……なんでアタシを助けてくれたのよ?」
少女の大きな目が細くなり、睨む様な目付きで店長を見つめる。
何かを見極めるような視線を、無表情で受け止める店長。
じっと一点を見つめ、何かを考えるような仕草を続ける。彼にはそもそも理由など無かったのだ。
見つけたのは偶々偶然通りかかっただけのことであり、拾い上げたのも気まぐれだ。
拾ったギターを無碍に扱う等も、そのまま通り過ぎるのもしたくなかっただけの事である。
「見なかった事に出来なかっただけのことだよ」
「…………お人好しね」
少女が腕を組んで、大きなため息をつく。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/23(月) 18:13:33.89 ID:00d.Dlk0<>「じゃあ聞くけど、お前は幽霊なのか?」
黒艶のテレキャスを指差し、店長が質問する。
念の為、確認の為だ。
「強ち間違ってはない……わね」
少女が遠い眼をする。脳裏に古い思い出がフラッシュバックし、胸に複雑な感情が湧き上がって来る。
思わず肩を抱く彼女。
「ギターの幽霊ってことか……」
「じゃあ、お礼を言ったら成仏するんだな」
「ゆ、幽霊とは言ったけど、別に成仏するわけじゃないわよ?」
店長の顔に疑問符が浮かぶ。
幽霊と聞かれでも、間違っていないと答えたではないか、そう彼の眼は訴えていた。
暫くの間の後、店長の脳内で一つの言葉がよぎる。
魂、と。
「なら、どうする気だ?」
「……アンタ次第よ。出て来て欲しくないなら、もうアンタがアタシの顔を見ることはないわ」
口を尖らせ、ぶっきらぼうに言い捨てる。
普通ならば、こんな気味の悪いギターを側に置いておくなど有り得ない。
それを少女は身を持って知っていたからである。
捨てるならば捨てればいい、と半ば自棄になっているのだ。
「……上から85、54、85とみた」
きょとん、という音が聞こえそうな少女の表情。
「お前は俺のギターだ。こんないい音出す女を手放すのは嫌だねぇ」ニヨニヨ
そう聞いて少女は確信した。
自分はとんでもない変人に拾われてしまったのかもしれない。
こいつは、変態であると……
長いため息が流れる。
「……ありがとう」
「こちらこそ、よろしくな……テル」ニヨニヨ
やっぱり、きもちわるい。
【外伝】店長の若い頃 ―完―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/23(月) 18:16:24.21 ID:00d.Dlk0<>というわけで店長の若い頃完。
次回より
―第2部 ライブ編―<>
ryo ◆RyoUXzy3X6<>sage<>2010/08/23(月) 21:42:56.84 ID:zBdKSzoo<>合宿中だけど、おれの嫁元気かな?<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/25(水) 10:31:06.52 ID:Tt5O9m.0<>―携帯、バイブ音―
男「はい、もしもし」
?「あ、男?久しぶりー♪」
男「…………あぁ、女か」
「久しぶりだな。どうしたんだ?」
女「あのね、ウチ等のバンド3週間後にライブ決まったから!」
男「…………」
「な ん だ よ そ れ」
女「練習の予定は後でメールするから♪」
「曲はいつもの5曲!」
男「ちょ、ちょっと待てよ」
「そんな急に言われたって……」
―ブッツン―
男「……あの野郎、切りやがった」
「…………ファック」
ラ「さぁ、困ったことになったな?」
男「……仕方ねぇ、店長に相談だ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/25(水) 10:42:47.20 ID:Tt5O9m.0<>男「ちーす、店長」チャラン
テ「あら、いらっしゃい」
ラ「…………なんでお前が店番をやっているんだ」
テ「あら、悪いかしら?」
「足さえ見られなければ全く問題ないわよ」
男「……まぁ、それは良いとしてだ」
「店長はどこだ?」
「相談があって来たんだが……」
テ「生憎、店長は暫く戻ってこないわ」
「海外のギターショーに行ってて、ね」
男「ギターショー!?」
(……なんなんだよあの親父は……)
ラ「ギターショー……展覧会みたいなものか?」
男「ああ、そんなもんだ」
「ただし、普通一般人は入れない」
ラ「……実は凄い人なんじゃないか、店長って……」
テ「と、言う訳」
「アタシで良ければ相談、乗るけど?」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/25(水) 10:51:16.27 ID:Tt5O9m.0<>テ「……成る程、ライブねぇ……」
男「それまでの間だけでいいんだ」
「こないだ買ったランディは壊れちまったし……」
―男、ラベルをチラと―
ラ「…………すまない」グスッ
「私が……」グスッ
男「わーわーっ」
「よしよし、ごめんな?」なでなで
テ「……ま、そんなに困ってるなら別に良いわよ」
「あの人が居ない間は私がここの長だし」
「一応好きにして良いって言われてるし、ね」ニヤニヤ
男「あ、ありがとうっ」
ラ「これでライブは何とかなるな!」キャッキャ
テ「但し、一つ条件があるわ」
男「条件……?」
ラ「条件……?」
ラ「貸すのはこのテレキャス」
「つまり、アタシよ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/25(水) 11:04:08.08 ID:Tt5O9m.0<>―二人、固まる―
ラ「な、何故そうなる!?」
「大体お前でなくても代わりはこんなに……!」
テ「あらあらムキになっちゃって♪」
「安心しなさいよ、アンタの旦那を取って食ったりはしないわ」
男「……じゃあ、ちゃんとした理由を聴かせて貰おうか」
テ「単純に暇だからよ」
「後、欲求不満?」
―ラベル、顔が紅潮―
ラ「は、破廉恥だ……ッ!」
「マスター、私は反対するぞ!」
男「ちょっと黙ってな」グイッ
「…………あんまり我が侭言える身分でもないしな」
「分かった、あんたでいいよ」
テ「ふふ、素直で助かるわ……テルって呼んでね。」
「後、このテレキャス、中にアタシが入ってないと生音しか出ないみたいだから」
男「分かった」
ラ「…………」
「ぶぅ」
男「……そう不貞腐れるなって」ナデナデ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/25(水) 11:05:19.45 ID:Tt5O9m.0<>一旦切り。
最近ランディVが欲しくて仕方ない。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/26(木) 06:50:33.80 ID:FE1QVFIo<>テルかわいいよテル<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/27(金) 20:34:05.01 ID:.wo3wos0<>男「とりあえず音だけでもいいから聴きたいんだ」
「早速弾かせて貰いたいんだが……」
テ「合点承知よ。それじゃ、ちょっと早いけど今日は閉めなきゃね」カラン
―CLOSED―
―ギャィィンッ―
男(……これで本当にテレキャスなのかよ……)
(滅茶苦茶パワーあるし……店長の奴どんな改造してやがんだ)
テ「あはぁ……っ」
「やっぱり若い子に抱かれるのはいいわねぇ……」
ラ「……貴様、あまり調子付くと……」
テ「そうカリカリしないでよもう……大丈夫って言ったじゃない?」
男(…………修羅場だな)
(おーこえーこえー)
テ「なかなか扱いが上手いわね、男君」
「どう?あんなのよりも私に鞍替えしてみない?」ニヨニヨ
ラ「…………!?」
男「…………うーん、そうだなぁ」
ラ「…………マスター……」グスッ
「うぅ……」ボロボロ
男「だー分かったよすまん冗談だ!!」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/27(金) 20:39:23.32 ID:.wo3wos0<>ラ「ぐすん」
男(……い、以外に涙脆いんだな)ナデナデ
テ「あらあら……まるで雌猫ね」
ラ「…………」ギッ
男「あ、んじゃ今日はもうこの辺にして……」
「とりあえず音は分かったんだしさっ」
「また明日来るからよろしくっ!」
―カランカラン―
テ「…………色々、勿体無いわぁ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/27(金) 20:46:35.53 ID:.wo3wos0<>ラ「…………」ブーブー
男「……仕方ないだろう、そう拗ねるなよ」
「お詫びに美味いもん作るからさ……」
「あ、タマネギ」ドサッ
―ラベル、ゆっくり指を指す―
男「…………?」
「お前、酒なんて飲むのか?」
ラ「…………」コクッ
男「お前……成年してたっけ?」
ラ「買うといったら買う!!」
「飲むといったら飲むのだ!!」
―ガラガラガラ―
男(何本入れる気だよ……)
ラ「マスターも付き合うこと……いいな?」
男「……へいへい」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/27(金) 20:52:59.51 ID:.wo3wos0<>男「ご馳走様」
ラ「ご馳走様」カチャン
男「さて、食った食ったー」ポンポン
「後は風呂入ってからグイッと……」
―ラベル、酒を取り出す―
ラ「では一足先に頂くぞ」カポシュ
―グビッグビッ―
男「……って待て待て待てよっ」
「お前、風呂だってまだだろ!?」
ラ「うく……苦い……」
「……だが、これしきのことでっ……」グイッ
男「……子供はビールよりもまずチューハイ(ry」
ラ「うっしゃぁぁいっ!」
男(はぁ……)
(しゃーねぇ、先に空けちまうか……)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/27(金) 21:06:12.22 ID:.wo3wos0<>―カツンッ―
ラ「……うー」ゲプッ
「のんでるかぁますたぁぁっ」
男「……飲んでますよ、飲んでます」グビッ
(初めての酒だろうしな……まぁ、しゃーないか)
ラ「よーしよーし、じゃぁわたしのはなしをきけぃ」
男「なんで御座いましょうかお嬢様」グビッ
ラ「わたしはなぁ、ますたーがすきなんだぞぉ」グイッ
男(……後でこの事聴いたら死ぬだろうな、コイツ)
ラ「だからなぁ、ひるまみたいなことはひじょーに」
「こまるっ!」ダンッ
男「……でもギターないんだから仕方ないだろう」
「こっちはお願いしてる身な以上、我が侭は言えないし」
ラ「じゃあぁわたしをだけばいいだろうぅー」スリスリ
男「流石に女の子抱えてステージには立てねぇよ……」
ラ「むーっ」
「だいてだいてだいてだいてぇっ」ジタバタ
男(誰かこの駄々っ子止めて)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/27(金) 21:15:00.81 ID:.wo3wos0<>ラ「だいてくれないのかぁっ!」
男「駄々っ子は抱いてなんてあげません」
ラ「う…………」
「……ヒッグ」ボロボロ
男「…………だーっ」
「分かった分かったよ……」
「ほら、こっち来い」
ラ「んにゃー♪」
―ラベル、男の膝上―
ラ「…………」ギュウ
「おちつくなぁ」グビッ
男「それでも酒は手放さないのかよ……」
ラ「ん…………にゃぅ」スリスリ
「いいにおいだ……」
男(……くっ)
(人が我慢してるってのにコイツ……)
ラ「…………?」
「どうしたんだ、ますたぁ?」グビッ
男「…………いや、なんでもない」
ラ「……なぁ、ますたぁ」
「おふろいきたい」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/27(金) 21:15:46.55 ID:.wo3wos0<>以上、妄想爆発。
続きはwebで。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/28(土) 03:56:00.95 ID:dzkLAAAO<>この男、紳士である……<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/08/29(日) 01:22:36.01 ID:HGajhZMo<>物に人格が宿るこのSSは実はとても日本人らしい発想なのかもしれんね
ギターもっと丁寧に使ってやろうかと思うな
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/29(日) 12:12:09.13 ID:hp/5pZs0<>>>127
むっつりむっつり。
>>128
付喪神とか、昔からそういう信仰があったからなんだろうね。
俺のギターも付喪神にならねぇかな。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/29(日) 12:12:54.76 ID:hp/5pZs0<>男「おい」
ラ「うん?」
男「入りたいなら一人で入ってきなさい」
ラ「いっしょじゃなきゃぁやーだぁぁっ」ジタバタ
男「…………いいかラベルちゃん」ガシッ
「年頃の男女が一緒に風呂に入る」
「それが何を意味するのか、君は分かっているのか?」
ラ「ふぇ……?」
「あ、ますたぁ……もしかしてはずかしいんz(ry」ムグッ
―ラベル、口を塞がれる―
男「そう、そうれはとても危険なことなんだ」
「例えるなら、それは深夜暗い中で麦茶とめんつゆを間違えて飲んでしまう事くらい危険なことなんだよ」
ラ「…………????」
男「さぁ、分かったね」
「なら行くんだっ!」
ラ「ぶー……」
「ふぁぁい」トテトテ
男(…………やっと言ってくれたか)
(よく頑張った俺。頑張った息子)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/29(日) 12:19:25.38 ID:hp/5pZs0<>―10分後―
男(…………おかしい)
(さっきから水の音が全くしなくなった……)
―男、風呂場へ向かう―
男(まさか、な……)
―ガラッ―
ラ「…………」ブクブク
―ラベル、浴槽に沈む―
男「どわーっ!?」ザバッ
ラ「げほっ、けほっ」
男(あぁ……恐れていた事態だ)
(出来ればこうなっては欲しくなかった……!)
ラ「う、ぁ……ますたぁ……」グスッ
男「……分かったよ、一緒に入る」
「でも服は脱がずにだからな」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/29(日) 12:26:02.65 ID:hp/5pZs0<>―ゴシゴシ―
男(…………)
ラ「ん……はぁっ……」
「くすぐったい……」
男「我慢しろ」
(背中は洗い終わった……)
ラ「……ふぁ?」
男(男一代、覚悟を決めろっ)
(どぉうりゃぁぁっ!)
―ラベル、胸を洗う―
ラ「うひゃあんっ//」
男「変な声だすな!」ゴシゴシ
ラ「ちょ、そこは……だめぇ」
男(エロゲか!これはエロゲなのか!)
―次、下半身―
ラ「んんっ!?」ビクッ
「もう…………えっちぃ」
男(誰のせいだと思ってんだっ)ビキビキ
「ほら、全部洗っちまうぞっ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/08/29(日) 12:32:27.08 ID:hp/5pZs0<>―チャポン―
男「ふぃー……」
「終わった、やっと終わった」
ラ「ふぅ……いやらしいかったなぁますたぁ」
男(誰のせいd(ry)
ラ「ますたぁははいらないのか……?」
―ラベル、浴槽を見る―
男「そりゃ無理だよ……俺は服着てるし」
ラ「ふーん……」
―ラベル、男の手を取る―
ラ「えいっ」
男「!?」
―ザボンッ―
男「ちょ、なっ」プハッ
「ふざけるなよっ!」
ラ「ふふふっ♪」
「これでいっしょだぁっ」ザブン
男「……むー」
「なんでそこまでして……」
ラ「すきだから」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/01(水) 01:03:58.16 ID:Y4iNkWM0<>男「そう言ってくれるのは嬉しいんだが、な……」
「……やっぱり飲みすぎたんだよ、お前」
ラ「おさけはかんけいない」
「すきなものをすきといってわるいか?」
男「…………」
―チャプン―
ラ「もうすこし……」
「このままがいいんだ」
男「……好きにしろよ」
「襲われたってしらねーからな」
ラ「むりだよっ」
男(しれっと言いやがって……)
「とりあえずのぼせない様にだけはしろよな」
ラ「お、おう……」
「けど、なんだかあたまが……」クラクラ
男「だーーーっ!?」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/01(水) 01:09:54.82 ID:Y4iNkWM0<>―練習の日―
男(……あいつ等と顔合わすのも久しぶりだな)
(変わっただろうか……って)
ラ「…………」
男「なんでお前が居るんだ」
ラ「私だって一応ギターだ」
「背中のソイツが壊れた時の為に、私も付いていく」
「安心してくれ、邪魔はしない」
男「お前な…………」
テ「私が壊れるだなんて、有り得ない有り得ない」
ラ「良ければ私が壊してやってm(ry」ボキバキ
男「……その辺にしとけ」
「スタジオ入るぞ」
―ガチャン―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/01(水) 01:23:36.78 ID:Y4iNkWM0<>男「うぃーす」
女「あ、男君やっほー♪」
ド「……久しぶり」ボソ
ベ「……だね」ボソ
男「おう、皆変わりないな」
(……相変わらずリズム隊は寡黙だ)
女「……あれ、後ろの子は?」
男「ん?……あー」
ラ「…………」
―男、理由を考えて居なかったことに気づく―
男「俺のローディー兼見学……みたいな?」
「まぁ、とりあえず気にせんでくれ」
ド「……やたら可愛い」
ベ「……よね」
女「…………ほーんとのほーんとはどうなのさー??」ツンツン
「あーやーしーいーなー?♪」
ラ「……どうぞ御構い無く」
「邪魔にはなりませんから」
男「…………な?」
女「ふぅん……」ジッ
ラ「…………」ジッ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/01(水) 01:28:16.09 ID:Y4iNkWM0<>男「…………」
テ(ふふ……お互いいい眼してるわね)
(さながら獲物を狙う肉食獣のよう……)
男(おめーはちょくちょく出てくんなっ)グイッ
女「……名前はー?」
ラ「ラベルと言います」
「以後、よろしく」
女「へぇ……外人さん……かな?」
「あ、女って言います。よろしくねっ♪」ニッ
男「……挨拶が済んだんならとっとと始めるぞ」
ド「禿」
ベ「同」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/01(水) 01:38:10.83 ID:Y4iNkWM0<>―ギュィーンッ―
―ドドダンッ―
テ(へぇ……皆若いのになかなかやるわね)
(飽くまで若い割りには、だけどね)
男(……余計はことすんじゃねーぞ)
―ギュゥゥン―
テ(ふふ、そこまで馬鹿じゃないわよ)
(ニヨニヨしながら見させて頂くわぁ)ニヨニヨ
男(ったく……)
(あんまり話してるとアイツに睨まれ(ry)
ラ「…………」ギリッ
男(!?)ギュッチンッ
(な、何故分かった……!?)ペペン
女「…………」ギリッ
男(お前にしたんじゃねーよ!!対抗しなくていいよ!!)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 23:19:08.46 ID:bpbO0B60<>―数時間後―
男「……おい、そろそろ時間だぞ」ギャィーン
女「あ、そうか……そろそろあがらなきゃだね」
「じゃあ、今日はこの辺でお終いっ!」
ド「乙」
ベ「様」
―一同、片付けを始める―
女「ねぇー、男君ー?」
「この後空いてるかな?」
「歌詞の事で相談があるんだけど……」
男「俺は構わないけど……」
ラ「…………」ギリッ
男「コイツが付いてくるぞ?」
女「んー…………」
「うんっ、大丈夫だよ♪」ギリッ
男(口が笑ってないよっ!?)
テ(モテる男は辛いわねぇ)
男(黙れしっ)バシッ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 23:39:06.50 ID:bpbO0B60<>―某喫茶店―
男「…………」
ラ「…………」ズズッ
女「でね、ここの一文をもう少し分かりやすくしようかと思うんだけど……」
テ(…………なんとも言えない雰囲気ね)
男(全くだ……とっとと逃げ出してぇよ)
女「男君、聞いてる?」
男「あ……」
「あぁ、すまん……ちょっとトイレ行きたくてさ」
「ちょっと行ってくるっ」ガタッ
―男、席を立つ―
女「…………」
「ラベル、ちゃんでいいんだよね?」
ラ「……はい、そうですが」
女「何時知り合ったの?」
ラ「もう2年程前になります」
女「え……そんな昔から?」
ラ「ええ、ずっと一緒に居ました」
―ガチャン―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 23:51:32.10 ID:bpbO0B60<>テ(……あーぁ、余計なことを……)
女「ずっと……」
「一緒に、ですか?」
ラ「はい」
「何もおかしい事はないと思いますけど?」
女「…………」
「うん、意味が分からないわ」
ラ「…………」
女「男君とは半年位の付き合いだけど、私はアンタの話なんて1度も聴いたことなかったわ」
「そんな素振りすらなかった」
ラ「…………そうでしょうね」
「普通なら、分かるわけがないですから」
テ(その辺にしときなさいよ、ラベルちゃん)
女「そんないい加減な話、嘘にしか聞こえない」
「男君は私に隠し事なんてしなかったの」
「いつでも優しく正直で素直で格好良くて輝いていて」
ラ(こいつ……)
テ(危ないお嬢さんね)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 23:56:45.68 ID:bpbO0B60<>女「何だって知ってるんだから……!」
「あんなことだって、こんなことだって……」
「沢山お話したんだからっ!!」ガタンッ
―店内、静まる―
男「…………何やってんだ?」
女「あっ、男君……」
「その……ごめんなさい」
男「…………」
ラ「…………」ムスッ
男「女、今日はこの辺にしよう」
「お前も練習あがりで疲れてるんだろ」
「歌詞はまた今度な?」
女「え、で……でも……」
男「良いから、そうゆうことにしとくんだ」
「帰るぞ、ラベル」
ラ「分かった」
―2人(と1本)が席を立つ―
女「…………」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/03(金) 00:05:10.59 ID:EDL.3A.0<>ラ「……マスター」
「あの女、どうにも気に食わない」
男「嫉妬か?」
ラ「いや、違う」
テ(実際してるくせに……いたっ)バシッ
ラ「もっと根本的な何かが……何かがおかしい気がするんだ」
男「根本的な、ねぇ……」
「俺はそう感じたことなんてなかったぞ」
テ(あの手の女はね)
(一皮剥いてあげるだけで、全くの別人が中から出てきたりするのよ)
ラ「…………」
「……マスターが心配なのだ、私は」ギュ
男「う、むぅ……」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/03(金) 00:06:33.92 ID:EDL.3A.0<>―某喫茶店―
―……の、トイレ―
女「…………」ブツブツ
「……………………」ブツブツブツブツ
「……………………………………」ブツブツブツブツブツブツブツブツ
―サク―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/04(土) 01:11:18.97 ID:ojQTQQAO<>サク……?
狂気を感じるお(´・ω・`)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/05(日) 00:38:18.90 ID:UNjbctE0<>>>145
正に狂気でござる。
再開しますっ
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/05(日) 00:39:20.93 ID:UNjbctE0<>―夜、男部屋―
男「さぁ、今日も飯だ」
ラ「お待ちかねだな」
男「働かざるもの食うべからず」
「お前ら今日もみっちり働いたな?」
ラ「勿論」
テ「そして一番働いたのはアタシよ♪」
ラ「…………」
「あまり認めたくない」
テ「あら、ただ眺めていただけのアンタよりはよっぽd(ry」
ラ「ッ!!」ガチャン
男「だまらっしゃい!」
ラ&テ「…………はい」
男「…………ったく」
「とりあえずお前らは先に食ってろ」
「俺は少しやることあるから……」
―男、机に向かう―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/05(日) 00:49:12.15 ID:UNjbctE0<>―暫くして―
男「…………」カリカリ
ラ「マスター」
男「…………ん、終わったか?」
ラ「ああ。洗い物も済ませておいた」
「さっきから何をしていたんだ?」
男「あぁ……歌詞の手直しだよ」
「一回完成はさせたんだが、前から歌詞とメロがいまいち気に食わなくてさ」
「今日改めてやってみて、ちゃんと煮詰めようと思って」
ラ「ふぅん……どれどれ」チラ
男「ちょっ、勝手に覗くなよ!」
「まだ出来上がってないんだかr(ry」
ラ「まぁまぁ、そう硬いことを言わずに」ニコニコ
―グイッ―
テ「…………」グイッ
ラ「…………貴様、離せっ」
テ「創作活動の邪魔しちゃ駄目よ、ラベルちゃん」
「はい、こっちきておねえさんと遊びましょうねー」グイグイ
ラ「ぐぐ……ぐ」
男「…………あざっす」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/05(日) 00:58:08.90 ID:UNjbctE0<>ラ「そもそもお前は帰らないのかっ!?」
テ「あらー、こんなか弱いレディに、あのボロ家で一人留守番しろっていうの?」
「アタシ泣いちゃうわ……」シクシク
ラ「何処がか弱いだ……淑やかさの欠片も見当たらないぞ!」
テ「それはラベルちゃんだって同じ事じゃなぁい?」ニヨニヨ
ラ「私はそんな事を言ったりはs(ry」
男「Shut up!!!」
ラ&テ「…………」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/05(日) 01:06:06.08 ID:UNjbctE0<>テ(ま……要は男ちゃんが取られないかってただ心配してるんでしょ?)
(初心な女心ねぇ……)
ラ(わっ、わた、わたし…………はっ……)ズボシ
テ(うふうふ)ニヨニヨ
(まぁ、とりあえずそれは置いといて……)
(ラベルちゃんが気にすべき相手はアタシではないんじゃなぁい?)
ラ(今日会ったあの女……だな?)
テ(そういう事よ)
(…………さっきも言ったけど)
(あの手の女は一皮剥いだら何が出てくるかわかったもんじゃないのよ)
ラ(分かっている……)
(気を付け過ぎても気を付け過ぎる事はないからな)
テ(そういう事よ)
(…………何事も無く済んでくれるのが一番なんだけどね)
ラ(…………そうだな)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/05(日) 01:18:52.61 ID:UNjbctE0<>男「…………何ブツブツ話してんだ?」
ラ&テ「何でもないっ!」
男「…………??」
「なんでも良いけど、飯食ったなら先に風呂入っちまってくれよ」
「今日は疲れたし……さっさと寝たいからな」
テ「はいはい♪」
ラ「……お前、風呂入れたのか?」
テ「年季が違うのよ、年季がっ」
「ラベルちゃんも入る?」ニヨニヨ
ラ「断るっ!」
男「どうせなら一緒に入ってきたらどうだ?」
ラ「マ、マスター!?」
男「裸と裸の付き合いだ、偶にはいいんじゃないか?」
ラ「う、く……」
「マスターがそう……言うのなら」
テ「ふっふーん、決まりねっ」
「じゃ、ちょっとお借りするわよ」グイッ
男「おう」
ラ「…………」
―ガチャン―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/05(日) 01:20:09.40 ID:UNjbctE0<>一旦切り。
それにしてもテルの使い易さは異常。
ラベルの立場が……<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/08(水) 01:11:47.24 ID:duwCY7M0<>ランディV買ってしまったぜヒャッハー
再開します。
ラ「…………」ムスッ
―チャポン―
テ「一緒に入るなら、やはり男ちゃんの方が良いのかしら?」
ラ「当たり前……」
「…………い、今のは無し!」
テ「あらぁ、お姉さん聞き捨てならないわぁ」
「私にはそんなに魅力がないのかしら?」チャポン
ラ「な、何を言っているっ」
「あんまりくっつくなっ!」
テ「……私じゃ、駄目?」ジッ
ラ「…………ッ//」ドキッ
テ「……………………」
「隙有りっ!」
―ザブンッ―
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/08(水) 01:22:06.95 ID:duwCY7M0<>―ムンニュ―
ラ「えっ、ひゃぁぁっ!?」
テ「むー……店長の言う通りね」ムニュッ
「私のよりおっきい」ムニムニッ
ラ「何をするか貴様ぁっ!?」
テ「女の子同士でも、相手の体のことは気になるじゃない?」
「特に、胸とか」ムギュ
ラ「んっ//やぁぁっ//」
「わ、私はそんなこと……っ!」
テ「うー……この巨乳めっ!」
「うりゃうりゃ」
―ムニムニ―
男「……そういやテルの奴、一応1971年生まれなんだよな」
「…………」
「おばさんじゃねーか」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/08(水) 01:30:04.64 ID:duwCY7M0<>―ラベル、息切れ―
ラ「はぁーっ、はぁーっ、はぁ……」
テ「むー……大きくならないかなぁ、これ」プニプニ
「男ちゃんに揉んでもらおうかしら?」
ラ「ギッ」
「貴様、いい加減にしないと……!」
テ「冗談よ、冗談♪」
「アンタの旦那に手は出しゃぁしないわよ」
ラ「く……//」
テ「…………あら、まだ揉んで貰ってないの?」
ラ「そ、そんな破廉恥な事頼めるわけがないだろうっ//」
「マスターだって、そういう人ではない……から」
―テル、ため息―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/08(水) 01:37:40.40 ID:duwCY7M0<>テ「…………初心というか情けないというか……」ハァッ
「女だったら、好きな男に誘惑の一つ位仕掛けてみなさいよ」
ラ「出来るかそんなこと!」
―チャポン―
ラ「私は……お前とは違うんだから」
「……私はお前程大胆にはなれない」
テ「アンタは甘えるのが下手なだけよ」
「好きなら好きと、真っ向勝負してこればいいじゃない?」
ラ「…………」
テ「あんまモタモタしてると盗られちゃうわよ」
ラ「…………分かっているっ」ザパンッ
―ガチャン―
テ「…………」
「本当に分かってんのかしら、あの子」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/08(水) 01:46:59.17 ID:duwCY7M0<>ラ「マスター、上がった……」フキフキ
「ん……?」
男「…………」スゥースゥー
ラ(寝ているのか……)
(全く、仕方のない人だ)
―机の上、一冊のノート―
ラ(……歌詞だ)
(……………………)
―黙々、読み進める―
ラ(…………)モクモク
テ「なーに勝手に見ちゃってんのよ?」
ラ「!?」ビクッ
「な、何も見ていない!いないぞ!」コゴエ
テ「寂しいからって創作活動の邪魔しちゃ駄目よ?」ニヨニヨ
ラ「余計なお世話だっ!」
(……………………)
―ノート、最後に「了」の一文字―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/11(土) 22:16:41.68 ID:MYHQ.vU0<>―女、自室にて―
女「…………」ブツブツブツ
「………………」ブツブツブツ
―女、手には一振りのナイフ―
女「…………ふふっ」
「許さないからね」ボソッ
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/11(土) 22:21:43.91 ID:MYHQ.vU0<>―一週間程して―
―三人、スタジオ―
男「うぃーす」ガチャン
ド「おはよう」
ベ「ございます」
女「あ……男君おはよ」
男「おう……」
「なんか元気ないな、今日のお前」
女「そう……かな?」
「気のせいだよ気のせい♪」
男「…………まぁ、あんまり無理はすんなよ」
―一方、ラベル―
ラ「…………」
「何故今日は留守番なのだ」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/11(土) 22:28:31.23 ID:MYHQ.vU0<>ラ(くそっ……テルの奴め)
(私だって着いていきたかったのにっ!)
(マスター……)ショボン
―スタジオ内―
テ(今頃ラベルちゃん、子猫みたいに鳴いてるでしょうねぇ……)ニヨニヨ
男(……あんまり苛め過ぎるなよ)
テ(善処するわ)ニヨニヨ
女「……そういえばラベルちゃんは?」
男「今日は来てないよ」
「それがどうかしたか?」
女「……………………」
―カチャッ―
女「ううん、何でもないの」
「気にしないで、ね?」ジッ
男「お、おう……
女「……………………」
「ちっ」ボソ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/11(土) 22:40:25.37 ID:MYHQ.vU0<>―男部屋、ラベル―
ラ「………………」ソワソワソワ
「……………………」ソワソワソワソワ
―ガタンッ―
ラ(駄目だ、落ち着かない!)
(…………もうこうなったら)
(行くしかない、決めた)ドタドタ
―ガチャン―
テ(…………なんだか、今日の女は嫌な感じね)ギュイン
男(どういうことだよ……?)ギャィィンッ
テ(言ったままの意味よ)
(……女の勘って奴なのかしらねぇ?)
男(…………)
―時計、終了時刻へ―
女「あ……もう今日は終わりだね」
「はい、じゃあ今日はこれで終わりっ」
―女、早々に片付けへ―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/11(土) 22:51:18.12 ID:MYHQ.vU0<>テ(…………)
男(ふぁー……ねみぃ)
(帰ってとっとと飯の準備だ、テル)
テ(…………ええ、そうね)
男(…………今日のお前、なんか変だぞ?)
テ(変なのはあっちの女の方よ)
女「…………」ブツブツ
「…………」ブツ
テ(早く出ましょう)
(ラベルちゃんも待ってる事だし、ね)
男「…………んじゃ、俺は先帰るわ」
「じゃあなー」
―ガチャン―
女「………………」ブツブツブツ
「…………」ニヤリ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/11(土) 23:04:05.81 ID:MYHQ.vU0<>男「すっかり遅くなっちまったな……」
テ「きっとラベルちゃんも待ち焦がれて……」
「あら」
―ラベル、前方より進んでくる―
男「…………噂をすればなんとやら、か」
「ったく……仕方ねー奴だな」
ラ「マスターっ!」トテトテ
男「お前、家の鍵はどうした」
ラ「空いているぞ」
―ペチン―
男「アホかっ」
「ったく……泥棒とか面倒な事になったらどうする気だよ」
ラ「うぅ……」ウルッ
テ「ニヤニヤ」
男「ま、さっさと帰るぞ……」ゴソッ
「…………あれ?」ゴソゴソ
ラ「どうした、マスター……?」
男「…………携帯忘れたみてーだ」
「取ってくるか……あ、テルの事よろしくなっ」
ラ「え、ええぇ!?」ドサッ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/12(日) 02:55:34.41 ID:4aEyMYSO<>ふと考えてみた
わしのストラトは17年前にフルオーダーしたシェクターなんだが
ボディーがシースルー黒紫(日光とかにあたるとそう見える)のアルダー
ネックがオイルフィニッシュのバーズアイ、指板がエボニー
ブリッジはシンクロでパーツは全ブラック
ストラップピンはシャーラーのゴールド
日頃からシェクタ子と呼んではいたのだが
こいつが擬人化したらどうなるのだろう
いやいや明日っつか今日はやいだわ
わし寝る なんだかな
>>1 ばんがっとくれ
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/14(火) 21:14:47.99 ID:s1uaNgI0<>>>164
フルオーダーか……しかも17歳とは食べ頃じゃn(ry
俺には黒紫髪のゴスロリな箱入りお嬢様に見える。
でもまぁ、持ち主には持ち主なりのイメージがあるしな。
末永くお幸せに。
―男、スタジオへ戻る……途中―
男(ったく、面倒くせぇな……)
(ちゃんとポケットに入れたと思ったんだが……)
?「男君ーっ」
男(……この声)
女「もしかして、これ?」サッ
―女、男の携帯を取り出す―
男「あぁ、それだそれ」
「今取りに行こうと思ってたんだ……」
「わざわざ悪いな」
女「ううん、良いの……」
「私も、男君に用事があったから」
男「用事?」
女「だから……」
「こっちに来て」
―女、男の手を引いていく―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/14(火) 21:24:02.93 ID:s1uaNgI0<>―女、裏路地へ―
男「…………どこまで行く気だよ」
「人が居ない場所に行きたいな、この辺でいいだろ?」
女「…………うん、そうだね」
―暫し、沈黙―
女「…………」
「ねぇ、男君」
男「……おう」
女「ラベルちゃんと一緒に住んでるんだ?」
男(…………!?)
(こいつ……なんで知ってんだ?)
女「一緒にお風呂入ったり、ご飯食べたり」
「いちゃいちゃしたりキスしたり」
「イケナイこともしてるんだよね?」
男「……………………」
女「おっぱい触ったり体触ったり」
「頭撫でたりぎゅうって抱き締めたりしてるんだよね」
「ねぇ、そうでしょ?」
「ねぇ」
「ねぇ」
「ねぇ」
「ねぇ…………」
「ネェオトコクン?」
―シャキン―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/14(火) 21:28:44.34 ID:s1uaNgI0<>ラ「…………」
「遅いな、マスター」
テ「…………」
「…………ラベルちゃん」
ラ「どうした?」
テ「急いでスタジオに戻るわよ」
「悪い予感が当たりそうだわ」
ラ「おい、それはどういう……」
テ「良いから急ぎなさい!」
―女、ナイフを出す―
男「……おいおい、冗談だろ?」ジリッ
「そんなもんまで持ち出して……一体どうしようってんだ?」
女「私ね、男君が好きなの」
「でもね、もうラベルちゃんに取られちゃったの」ジリッ
―女、男へと近づいていく―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/14(火) 21:34:12.69 ID:s1uaNgI0<>女「初めてを全部、持って行かれちゃったの」
「もう男君はラベルちゃんに染まっちゃってるの」ジリッ
男(コイツ……!)ジリッ
女「私はそんな男君は嫌い」
「嫌いなのよ、嫌いなの」
「私は前の男君が好き」
「今の男君なんて嫌い」ジリッ
―男、壁に当たる―
男(あ、やべっ)
女「キライ、キライキライキライキライ」
「皆キライ、ミンナダイキライ」
「死んじゃえ」バッ
男「……!!」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/14(火) 21:43:50.67 ID:s1uaNgI0<>―女、中学―
女「やっ……やめっ……」
「んゃぁぁっ!?」
DQ「うっせぇな……あんまり騒ぐんじゃねぇよ」
「おい、口塞いじまえ」
女「んーっ!ふーっ!」
「んんんんんんんんんっ!!」
DQ「へへ……ここまでもううやっちまったんだ」
「お互い楽しもうぜ?……なぁじょうちゃん」
女「んあああぁぁぁぁ!!」
―…………誰も助けてくれない―
―なんでこんな事になってるんだろう―
―普通に生きたかった―
―普通で良かったのに―
―…………皆、キライ―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/14(火) 21:48:40.23 ID:s1uaNgI0<>―グサッ―
女「…………」
男「がっ……!!」
(やべぇ、右手を……!)ザッ
女「逃がさないよ」ズサッ
男「!?」
「この……舐めやがって!」ドカッ
―男、女へ体当たり―
女「うっ……!?」ドサリ
男(うし……)
(今の内に……!)
―グサッ―
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/14(火) 21:52:59.25 ID:z4ikemEo<>おお、来てた<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/15(水) 01:16:19.35 ID:DCr3FcEo<>焦らさんといてーな<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/15(水) 01:21:28.33 ID:.WMuefU0<>>>172
時には焦らしも必yゲフンゲフン
今日はもう寝ちまうので投下は明日になります。
スマソ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/15(水) 19:53:31.18 ID:qQEp9PQ0<>お待たせしやした。
再開しやす。
―ドサッ―
―ガシャン―
ラ「!?」
テ「ラベルちゃんあっち!」
ラ「言われるまでもっ……!」ダッ
―二人、裏路地へ―
男「…………!?」
―ゴプッ……―
女「…………」ズッ
―女、男に馬乗りになる―
男(…………ああ)
(こりゃ、駄目だな)
女「…………ふふふっ」
「バイバイ」
―ヒュッ―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/15(水) 20:00:06.67 ID:qQEp9PQ0<>―二人、裏路地へ入る―
ラ「はぁ……はぁ……っ」
テ「…………!!」
ラ「…………?」
「一体どうした……」
―絶句―
ラ「な…………あっ……」
―男、胸にナイフが突き立てられている―
テ「…………なんてこと」
ラ「う……ぁ」ボロッ
「何だ……なんなんだぁ……っ」ボロボロ
―ラベル、ゆっくり男の方へ―
ラ「まぁすたぁぁぁぁっ!!」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/15(水) 20:16:18.43 ID:qQEp9PQ0<>男「ん…………
「ぐふっ」ゴプッ
ラ「おい!誰にやられたんだ!?」ボロッ
「一体誰が……」ボロボロ
男「…………」
「…………泣き虫め」ギュッ
ラ「うっ……ひぐっ」
テ「……救急車、呼んでおいたわ」
「後警察もね」
男「…………あい、よ」
テ「アタシはお邪魔かしら?」
「なんならその辺散歩してきてもいいわよ」
「これが最期になるかもしれないけど、ね」
男「…………いや」
「居て……貰えるかな」ゲ゙ホッ
テ「…………そう」スッ
―テル、かがみこむ―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/15(水) 20:31:54.98 ID:qQEp9PQ0<>ラ「うっ…………ふぇっふぇっ」ボロッ
―ラベル、ナイフに手を伸ばす―
テ「駄目よ、ラベルちゃん」
「下手に抜くと救急車が来る前に死ぬわ」
ラ「ひっ……」ビクッ
男「…………どのみち」
「どうなるか、わからんけどな」
ラ「し、死んでしまうのか……?」ジッ
「そんな……そんなことないよなぁ?」
「なぁっ」
男「…………」
―男、ゆっくりラベルを撫でる―
テ「人間の死亡率は100%よ」
「私達"モノ"と違って、人間はそんなに長くは生きられないわ……」
ラ「そんな……そんなことはっ!!」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/15(水) 20:49:39.32 ID:qQEp9PQ0<>テ「…………いい?」グッ
「私達は人間とは似て非なるもの」
「老いることもなければ病気になることもない」
「"楽器"としては難しくても"個人"としてみれば人間よりもずっと長く生きられる……」
ラ「…………だから……!」
テ「そういう存在なのよ」
ラ「だからどうしたっていうんだっ!!」
テ「現実を見なさいって言ってんのよ、ラベルちゃん」
男「……うっせーぞ」
「騒ぐなら……他所で、やれ」
ラ「…………うぅっ……」ボロッ
―遠く、救急車の音―
テ「…………お迎えね」
男「…………ラベル」
ラ「……うっ……ふぁっ?」
―その時、男はラベルにキスをする―
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/17(金) 22:11:13.09 ID:kthT7zM0<>ラ「…………!?」
―バタン―
―慌しく救急隊員が駆けつけてくる―
ラ「あ……っ……」
男「…………」
―ラベル、声を掛ける事も出来なかった―
救「乗りますか?」
ラ「……ぅ……」グズッ
―バシッ―
テ「行って来なさい」
「ちゃんと面倒みてあげなさいよ」
ラ「…………分かった」
―バタン―
テ「…………」
「柄でもない事言っちゃったわぁ……」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/17(金) 22:24:39.85 ID:kthT7zM0<>正直救急とか病院の描写とか良く分からん。
―病院―
―ICUの文字―
ラ「…………」
「マスター……」ボロッ
―ラベル、テルの言葉を思い出す―
ラ(…………もし死んじゃったら)
(どうなるんだろう、私)
(楽器でも、人間でも、モノでもない中途半端な私)
(あの人が居なきゃ駄目なんだ……)
(マスターが居なきゃ、駄目なんだ……っ)グスッ
―嗚咽―
ラ(怖いよ……)ボロッ
(一人にしないでよ……)ボロロッ
(置いてかないで……捨てていかないで)ギュッ
「ますたぁ…………うっ……うっ」ボロボロッ <>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/17(金) 22:32:01.64 ID:kthT7zM0<>―一方、テル―
警「……それでは」
―バタン―
テ(…………)
(私も、とりあえず病院行きましょうかね)
―周囲、野次馬の人だかり―
テ「…………ええ〜い」
「ほらほら、もう終わったんだから散った散った!」バッバッ
―野次馬、パラパラと離れていく―
テ(…………さて、と)
(ん……?)
―残る人影が二つ―
ド「……男の」
ベ「知り合いの方ですよね?」
テ(あ…………)
「……バンドの方ですね?」
ド「……色々と」
ベ「お話があります」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/17(金) 22:45:51.49 ID:kthT7zM0<>テ「話とは何かしらね?」
「私が知ってることなんて殆どないけど……」
ド「……犯人は、ウチのバンドのボーカルです」
ベ「さっき、本人から連絡がありました」
テ(…………)
「…………女ちゃん、だったわね」
「何故警察に黙っていたの?」
ド「…………」
ベ「…………俺達の姉だからです」
テ「…………っ!?」
ド「…………それにもう」
ベ「長くは持たないでしょう」
テ「…………!!」
「…………あの馬鹿……」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/17(金) 22:53:16.92 ID:kthT7zM0<>―一方、女―
女「はぁ……はぁ…………はひぃっ」
「ふふ、あは、あはは…………」
「さよならだね男君……この世とのお別れだよぉ……」ニヤニヤ
―女、包丁を取り出す―
女「あんな女とも音楽ともギターとも家族とも世間とも社会ともさようなら……」
「もう誰とも面倒な付き合いなんてしなくていいの……」
「もう何も考えなくていいんだよぉ……?」
「もう…………」
「さよならなの」
―でも、わたしがいないとさびしいだろうから―
―わたしから、あいにいくね―
―ワタシガ、ソバニイテアゲル―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/17(金) 22:54:18.02 ID:kthT7zM0<>一旦切り。
深夜位に頑張れたら書く、かも。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/18(土) 00:17:48.48 ID:612rd6SO<>
しえんwithシェクタ子
(`・Θ・´)
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/20(月) 16:38:22.77 ID:9CN..7A0<>テ「何故止めないの?」
「人を傷つけたとはいえ、仮にも自分達の姉でしょうに」
ド「姉だからこそ」
ベ「……こうするんです」
ド「捕まった所で、姉は何も言わないでしょうから」
テ「…………」
「歪んでるわ」
ド「……」
テ「……とにかく、アタシは病院へ向かうから」
「アンタ達も付いてきなさい」
「いいわね?」
―病院にて―
ラ「…………」
―ICU、扉が開く―
ラ「!!」
医「……やるだけの事はやりました」
「後は、御本人次第です」
ラ「あ……はい」
―男、運ばれていく―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/20(月) 16:49:35.51 ID:9CN..7A0<>―病室―
ラ「……」
「ねぇ、マスター」
―男、返事はない―
ラ「私は、マスターにとって必要だった?」
「こうやって、人間みたいな姿になって……」
「家事も出来ないし、まともなギターにもなれないし」
「こうなったのも、私がこんな姿になってしまったからなのかな……?」
―一定間隔の電子音―
ラ「……ごめんなさい」
―ドア、ノック音―
テ「入るわね、ラベルちゃん」
ラ「テル……」
「それにバンドの……」
ベ「お世話に」
ド「なっています」
テ「ラベルちゃんに話があるって」
「聴いてあげて」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/20(月) 16:59:30.88 ID:9CN..7A0<>―ラベル、事の顛末を聞く―
ラ「…………」グッ
テ「アンタが飛び出していくのは勝手だけど」
「今はどうするべきか位、分かるでしょう?」
ラ「……実を言うなら、今直ぐにでも殴ってやりたいよ」
「でも、今は……」ギュッ
ド「……」
ベ「ごめんさい」
ラ「二人が謝ることじゃない」
「……気にしないで欲しい」
テ「まぁ、そういう事よ」
「それと、これ荷物」ドサッ
ラ「荷物?」
テ「どうせ戻る気ないんでしょ」
「ちゃーんと旦那を見てあげてなさい?」
「それじゃ、アタシは部屋の片付けがあるから♪」ガチャッ
―バタン―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/20(月) 17:10:40.80 ID:9CN..7A0<>ラ(…………)
(なんだかんだで、世話になってしまっているな……)
―ラベル、荷物を開ける―
ラ「?」
―ノートが一冊、荷物の一番上に―
ラ(これ……マスターが歌詞を書いていた奴だ)パラパラ
ド「それでは」
ベ「……俺達も帰ります」
ラ(…………)
―ラベル、こないだの歌詞が目に映る―
ラ「待ってくれ」
「……バンドはどうなるんだ?」
ド「暫くは何もしませんよ」
ベ「……再開出来るかすら」
ラ(……バンド)
「……出来るならまた明日、来て貰えないかな」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/20(月) 17:16:48.18 ID:9CN..7A0<>―ガチャン―
ラ(……)
―ラベル、ノートを食い入るように見つめる―
―雑多な単語、想い、感情、―
―形に成り掛けのモノが、白いノート一冊に散らばっている―
ラ「……」
「少しだけ」
「少しだけ、頑張ってもいいかな」
―ラベル、男の顔を覗きこむ―
ラ「だから、ちょっとだけ」
「……ちょっとだけ、勇気をください」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/21(火) 00:28:34.71 ID:VFws8Dgo<>頑張れ〜<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/22(水) 16:23:17.28 ID:lgCsy2AO<>見てるよ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/22(水) 22:30:57.26 ID:jc50iA20<>>>191>>192
いつもありがとう。
頑張ります。
ラ「マスターみたいにはいかなくても」
「きっと……やってみせる」
―ラベル、男の手を握る―
―一方、テル―
テ「よいしょーっ……と」バタン
「一通り片付いたかな」
「明日持っていく荷物も詰めたし……」
―ふぅ、とため息―
テ(……どうすんのかな、あの子)
(はぁ、全くなんで居ないのかしらねぇ)
(こういう大事で面倒な時に)
―テル、静かに椅子に腰掛ける―
テ「全くもって困るわ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/22(水) 22:37:48.13 ID:jc50iA20<>―次の日、朝―
テ「おはよう諸君!」バタンッ
―テル、勢いよく病室のドアを開ける―
テ「……あれ、なんだ」
「まだ寝てるの、ね」
ラ「ん……ふぁ」
「う、あ……おはよ、う……」グリグリ
テ「はいおはよう!」
「これ、2、3日分の荷物ね」
「さぁ、アンタはトイレ行ってシャキッとしてきなさい!」バシッ
ラ「んきゃっ!?」
「ど、何処を叩いてるっ」
「そこはお尻だぞ!?」
テ「つべこべ言わないっ!」
―ラベル、渋々病室を出る―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/22(水) 22:48:54.80 ID:jc50iA20<>ラ「……ふぁぁ」
「流石に、ねむ、い」グリグリ
―ラベル、病室に戻る―
テ「お帰り♪」
「目覚めた?」
ド「おかえり」
ベ「なさい」
ラ「ん……」
「……丁度いいか」
テ「丁度いい?」
ラ「皆に話したいことがある」
「聴いて貰えるかな……?」
テ(……ふふっ)ニヨニヨ
―ラベル、口を開く―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/22(水) 23:01:36.98 ID:jc50iA20<>―"モノ"は人と必ずしも同等ではない―
―捨てられもすれば壊れもする―
―持ち主だけが消えてしまうこともある―
―注いだ愛情にも、使い続けた愛着にも応えてはくれない―
―所詮は自己満足でしかないのだ―
―とりわけ"ギター"とは、元来そういう物―
―趣向品であり、商売道具であり、愛玩である―
―相棒であり、楽器であり、ある意味女性的な物である―
―"モノ"は人と必ずしも同等ではない―
―ギターと人は、必ずしも同等ではないのだ―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/22(水) 23:52:03.61 ID:jc50iA20<>―一週間後―
―某ライブハウス楽屋―
ラ「…………」ガヂンゴヂン
テ「何々、緊張してるのぉ?♪」ムニュッ
ラ「ふ、ふぁぁっ!?」
「も、揉むんじゃなぁぁいっ!」
テ「じゃあもっと別n(ry」ブベシッ
ラ「ふざけるなぁぁっ//」
ド「二人とも」
ベ「……次ですよ」
ラ「ほ、ほら、ふざけてる場合じゃないだろう!」
「始めて歌うんだから……あんまりからかうなよな」
テ「ふふ……」
「だからこうやって緊張ほぐしてんでしょう?」
「大丈夫、アタシだって自分の器を弾くなんて始めてだから」
ラ(……そうは見えないのは何故だろうな)
―スタッフより声が掛かる―
ス「それでは袖で待機、お願いします」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/22(水) 23:59:42.19 ID:jc50iA20<>―ステージ袖―
ラ「…………」ドキドキ
「皆」
―ラベル、声が震える―
ラ「ライブ、最後までやり通そうっ」グッ
テ「ふふっ……」ニヤニヤ
ド「勿論」
ベ「……当然です」
ラ(…………)
(マスター、行くよ)
―ギャィィンッ―
―病室―
――
――
――
―ピーーーーーーーーーーー―
―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―
―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―
【第2部、完】<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/23(木) 00:06:01.92 ID:Rm4VenU0<>だらっしゃー2部終わりました。
見てくれた方、こんなつまらんSSに長々付き合って頂き感謝の言葉もないです。
短編?
ネタは一応ある。
気力次第。
3部?
需要がありそうなら。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/23(木) 00:58:02.76 ID:47bajwSO<>
頑張っていただきたい
withしぇ(ry
(`・Θ・´)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/23(木) 01:00:39.20 ID:u4g3qIAO<>マスターお亡くなり…だと…?
ますたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/23(木) 02:29:29.28 ID:DH0fgrgo<>いゃぁぁぁぁだぁぁぁぁ
支援<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/24(金) 19:40:18.03 ID:rMCKk/wo<>マスタァァァァァァアアア!<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/24(金) 23:01:55.55 ID:goOMG020<>皆ありがとう。
もうちょっと頑張ってみます。
土日中には短編うpする。
マスターは……3部次第だなぁこりゃ。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/26(日) 03:23:18.39 ID:OmWstEAO<>俺が新しいマスターだ(キリッ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/26(日) 23:32:47.15 ID:f0wwz5c0<>>>205
だが断る。
ここから短編。
主役は>>75でラベルに叩き壊されたランディたんです。
まぁ、なんかゆるーと見ていってください。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/26(日) 23:35:24.68 ID:f0wwz5c0<>―○月×日―
日記を書くようになって、けっこう経ちました。
今日も、書きます。
今日は雨です。
しとしと、朝からずっと降っています。
雨の日はキライです。
カサが無いとお外でもあそべないし、歩く事もできません。
それに、サンダルだと足がどろんこになります。
いやだなぁ。
今日もおなかはへりません。
どうしたんだろう、病気かな?
おわり。
―パタン―
?「ふぅ……」
「雨の日は寒いなぁ」
―少女、公園の一角で雨を凌ぐ―
?「ひまだね」
―少女、立て掛けられたギターに声を掛ける―
―ランディV―
?「いっしょに読みかえそっか、日記」
「ね?」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/26(日) 23:51:09.52 ID:f0wwz5c0<>―○月△日―
今日は、知らないおじさんから服をもらいました。
白くてかわいいワンピースに、黄色いサンダルです。
いらない、って言ったのに、おじさんは「かわいそうだから」
とばかり言うので、もらっておきました。
優しそうなおじさんでした。
ちょっぴりうれしいっ。
―終わり―
―○月□日―
今日は、はずかしかったです。
転んじゃいました。
だって、ラトが重いんだもの。
しょってると、後ろに引っぱられます。
何時もは平気だったのに……
最初はしょえなかったしなぁ。
だから絶対"しんぽ"してる、"しんぽ"!
でもはずかしかったなぁ
パンツ絶対見られたよ。
―終わり―
―パタン―
?「…………あ」
「雨、止んだね」
―雨、弱まり明るくなる―
?「んよっしっ」
「お散歩しよう、ラトっ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/27(月) 00:05:48.68 ID:RhuUbqI0<>―場所、住宅街―
通1「なぁなぁ、なんであんなちっこい子がギターなんてしょってんだ?」
通2「さぁ……にしても可愛いなおい」ジュルッ
通1「他に見るべき点があるだろアホっ!」
―視線、少女へ―
?(……そんなに目立つかなぁ、ラト)
(確かに私よりも全然おっきいけどなぁ……)
(仕方ないもん、ねーラト?)
―少女、背中に声を掛ける―
?(ラトと私はずっといっしょだもん)
(はなしたりしないもん)
(お父さん見つけるまで、絶対はなさないんだからっ!)グッ
―少女、ランディ、歩いてく―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/27(月) 00:18:55.34 ID:RhuUbqI0<>―○月Д日―
今日は、良いお天気です。
良くかわきそうなので、今日はおせんたくしました。
公園の水道で洗って、今ほしてるまっさいちゅうです。
ちょっとはずかしいけど、もうなれちゃったなぁ
それに、今日はこないだおばちゃんにもらったタオルがあるから。
人の来ない公園で、かくれながらお洗濯です。
―終わり―
―少女、ベンチに腰掛、ランディを取り出す―
?「うー……」
「持ってはみるんだけど、全然ひけないなぁ」シャランッ
「もっと小さかったら私でもひけそうなのになぁ」シャラン
―ランディ、太股から滑り落ち掛ける―
?「ひゃぁっ!?」ガシッ
「ふぁー……よかったぁ」
「…………"おとうさん"はこんなめんどくさいの、どうやってひいてたのかな」
「ね、ラト?」
―ランディ、返事はない―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/27(月) 00:32:53.14 ID:RhuUbqI0<>―○月α日
今日は、大変でした。
おっきな犬にほえられて、びっくりしていたら自転車にひかれそうになりました。
こわいお兄ちゃんにどなられて……
やだなぁ、いやだなぁ。
きっと今日は"やくび"ってやつなんじゃないかと思います。
その後、公園にもどって、ラトにくっついて泣いちゃいました。
ごめんねラト。
―終わり―
―カランカラン―
店「いらっしゃい」
(……おや、こいつはまた)ニヨニヨ
?(ギターがいっぱいだ……)
(ピカピカ……いいなぁ
(ラトもこの位ピカピカになったらうれしがるだろうなっ)ワクワク
店「ギターは好きかい、お嬢ちゃん」
?「え……あ、はいっ」
「なんか良くわかんないけど、好きです」
「ひけない……けど」
店「……弾けなくてもいいんだよ」
「大事にしてあげれば、それだけでギターも喜ぶからねぇ」ニヨニヨ
?「あ…………」
「はいっ!」
(この人、良い人だっ!)ワクワク<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/27(月) 00:34:25.39 ID:RhuUbqI0<>ここで切り。
ランディVシェイプのギターは見てて惚れ惚れする。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/30(木) 09:06:57.28 ID:SqDMX7E0<>ちょっと私用で投下が遅くなりそうです。
お待ちくだしあ。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/10/01(金) 01:39:26.57 ID:sSonmYAO<>私のマスターが幼女ならば問題はない<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/05(火) 21:44:30.89 ID:KrWyg0E0<>随分お待たせしました。
再開しますよっ
>>214
このロリコン(ry
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/05(火) 21:45:18.79 ID:KrWyg0E0<>―○月β日―
今日は、雨のせいで寒いです。
後どろ水で足がよごれちゃいました……
はだざむくてカゼ引いちゃいそうです
こーゆー時はあたたかい物が飲みたいなぁって思います。
一番好きなのは甘いココアです。
―終わり―
店「……そのギター、見せてくれるかい?」
?「え……?」
「あ、はいっ」ガサゴソ
―少女、ギターを手渡す―
店(……このギター、確か……)シャラン
「ランディVとは……なかなか面白いお嬢ちゃんだねぇ」ニヨニヨ
?「らんでぃぶい……っていうんですか?」
「そんな名前があったんだ……」
店「普段呼んでいる名前でよんであげると良いよ」
「その方が愛情が湧く、からねぇ」ニヨニヨ
?「あ……はいっ」コクッ
―カランカラン―
男「うぃーすっ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/05(火) 22:02:59.75 ID:KrWyg0E0<>―○月\日―
今日はひさしぶりに"お父さん"の夢を見ました。
お父さんって呼んでみるけど、いつもしゃべってくれません。
でも、今日はぎゅうってしてくれました。
とっても暖かくて、おっきかった……
何時も顔が見えないけど、きっときっとカッコいいんだと思います。
会いたいなぁ、と思いました。
?(…………ぁ)
店「いらっしゃい」ニヨニヨ
ラ「こんにちわ、店長」
「……ん?」
「店長、その小さい子は一体……」
男「楽器屋の店長がなんでそんな幼女を……」
「まさかロリコn(ry」
店「来て早々オヤジ虐めとは酷いねぇ」
「この子も立派なお客さんだよ」
―少女、ギターを抱え顔をあげる―
ラ「可愛い子だな……」ジーッ
「名前は?」
?「え……う、ぁ」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/05(火) 22:20:59.15 ID:KrWyg0E0<>―○月@日―
ねむい です。
とけい……見えないや。
今日も□×▼@*=¥
おやす みなさい……
―おわり―
男「……お、店長、どうしたんだそのランディ?」
店「聞いて驚くんだ、持ち主はこの子だよ」ポン
男「なんだと!?」
ラ「なんだと!?」
―男、屈んで少女を覗く―
男「なぁ、君、何か弾けないのかい?」ジーッ
「俺もこういうギター、好きなんだ」
ラ「私も気になるな……是非見てみたいっ」ジ-ッ
?「え、で、でも私何にも弾けないし……」
「ただ、一緒に居るだけなんです……」
男「一緒に?」
店「……はい、その前にこのランディ、ちょっとだけ看てあげないといけないねぇ」ニヨニヨ
「弦も錆びてきているし、ね……」
「いいかい、お嬢ちゃん?」
?「あ……」
「はいっ」コクッ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/09(土) 10:36:15.79 ID:BiNny060<>―○月γ日―
今日は、楽器屋さんに行ってみました。
ギターとか、ベースとか……とにかく楽器でいっぱいです。
なんでだろう、なんだかワクワクしました。
やさしいお店のおじさんに……キレイなお姉ちゃん。
後――
テ「何書いてるんだい?」
?「ひぁっ1?」ビクッ
「やっ、だめ、見ちゃだめっ」バッ
テ「あらあら、日記なんて可愛い♪」
「あたしにもそんな時期が…………」
「……あったかしら」
?「あの……」
テ「あんたのギターちゃんは今店長が看てるわよ」
「もう少しで終わるから、そこでゆっくりしててね」
?「わかりましたっ」
テ(……これはまた変わった子だわ)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/09(土) 10:56:01.28 ID:BiNny060<>―少女、テルに向き直る―
?「……店員さん、聞きたいことがあります」
テ「店員さんじゃなくてテル。いいわね?」
?「じゃあテルさん……」
「今日来た男の人……また、ここに来ますか……?」
テ「毎日では無いけど、きっと来るはずよ」
「ここの常連さんだしね」
―少女、笑う―
?(やった……!)
(今度こそあったら聞かなくちゃ……)
(聞きたい……!)
店「ちょっとお邪魔するよ」ヌウッ<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/09(土) 11:04:38.18 ID:BiNny060<>―少女、ギターを担ぐ―
?「色々ありがとうございました」ペコッ
「私は何にもしてないのに……」
店「小さい子には優しくしてあげなきゃねぇ」ニヨニヨ
「どうだい、一人じゃ危ないし、もう外は暗いから送っていこうk(ry」
テ「あんたが隣に居たらただの誘拐よ」
「家はどこなの?」
?「…………お気持ちだけでじゅうぶんです。」
「それに、一人じゃありませんから」
―少女、背中をポンと叩く―
?「だから……」
「また、来ますね!」
―カランカラン―
テ(…………)
(やるせないわね)<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/09(土) 11:09:16.53 ID:BiNny060<>?「ふふ……♪」
「良かったね、ラト……」
「やっと、やっと会えたんだよ」
「また会えるかもしれないんだよ」
―少女、背中を優しく撫でる―
?「たくさんなでてもらって……」
「たくさんぎゅうってしてもらって……」
「ラトもいっぱいひいてもらって……」
「後、後……」
―少女、夜に消えていく―
―フッと、黒くなって消えていく―
―夜に紛れる―
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/09(土) 11:13:58.27 ID:BiNny060<>―次の日、病室―
――
――
――
―ピーーーーーーーーーーー―
―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―
―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―
【短編】ラトと少女 ― 完 ―
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/09(土) 11:18:13.20 ID:BiNny060<>短編完です。
相変わらずの内容だけど、ごめん気にしないでね。
ハッピーエンドが見えないぜ。
そいじゃ、3部を考える作業に移ります。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/13(水) 01:40:50.99 ID:WVtICio0<>3部、軽く投下します。
どっちかってーとエピローグ色が強いでござる。
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/13(水) 01:42:46.40 ID:WVtICio0<>―【第3部】事後編―
―所、何時もの楽器屋―
テ「…………」ボー
テ「…………」ボーッ
客「あの……」
テ「…………」ボーッ
「…へ、あ、はいっ」
―……―
―客、帰っていく―
店「……店番、変わるよ」
「ちょっと休んだらどうだい?」
テ「……最近困るわ」
「あたしってこんなキャラじゃない筈なんだけどなぁ」
店「気持ちは分からないでもないけどねぇ」
「看板娘がそれじゃお客さんも困っちゃうんだよねぇ」
テ「……後はよろしくね」<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/13(水) 01:50:40.18 ID:WVtICio0<>―ガチャン―
テ(……本当、困るわ)
―テル、部屋の奥を見やる―
テ「何時までも死んだ様な顔してると、男ちゃんに笑われるわよ」
「ラベルちゃん」
ラ「……」
「私で笑わせてあげられるなら、どんなに良い事か」
テ「でも、誰も笑えないわ」
「悪いけどね」
「死人に口どころか、顔もないんだから」
ラ「説教でも垂れに来たのか?」
「今更聴く気などこれっぽっちもないぞ」
テ「言いたくなくても垂れたくなるわ」
「こんな状況じゃあね」ドスッ
―テル、椅子に腰掛ける―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/20(水) 19:12:24.07 ID:UD7Cwi20<>ラ「……本当にそれを言うべき相手はもうこの世には居ない」
「弟二人を残してささっさと逝ってしまったよ」
テ「別に八つ当たりの捌け口を求めてるわけじゃないわ」
「ただ、あんたがどうしようもない顔してるもんだからね」
ラ「……余計なお世話だ」ガタッ
―ラベル、立ち上がる―
テ「部屋に戻ったってなんもないわよ」
「空しさが募るだけよ」
ラ「…………」
―ラベル、無言で部屋を出る―
ラ「…………」
「行きたくもなるだろう」
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/20(水) 19:19:42.56 ID:UD7Cwi20<>―ラベル、家へ向かって歩き出す―
ラ「…………」
(……アイツの言うことだって分かる)
(けど、無理だよ)ザッ
―ドアの前に立つ―
ラ(まだまだしたかったことがあったのに)
(こんな突然現実を受け入れろ言われたって……)
(無理だよ、無理なんだ)
―ガチャッ―
ラ「ただいま」
―あぁ……―
―あの人の匂いだ―<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/20(水) 19:29:33.92 ID:UD7Cwi20<>―男、部屋―
―片隅に並べられたダンボール―
―机も、テーブルもなく、ベッドだけがそのまま―
―ラベル、ベッドに倒れ、枕に顔を埋める―
ラ(この匂い……落ち着く)
(マスター……)
(出来ることなら、夢の中、現実……どこでもいい)
(会いたい……よ)
―楽器屋―
店「ありがとうございました」カランカラン
「……そういや、テル」
テ「店終いかい?」
店「今日も店先にあのお嬢ちゃんは居るかい」
テ「……」
「ええ、今日も来ていったわよ」
「さっき、"消えて"ったけどね」
店「明日は店の中に入れてやろう」
「明日も来たら、の話だけどねぇ」 <>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/20(水) 19:40:37.05 ID:UD7Cwi20<>テ「……なんか下心があるようにしか聞こえないのよね」
「店長が言うと」
店「失礼な奴だねぇ」ニヨニヨ
「たんに一緒に一夜を共に過ごしたいってだけの話じゃあないか」
テ「……もう駄目だわ、こりゃ」
店「ラベルちゃんも呼んでやってくれ」
テ「来るかしらね、あの子」
「殆どここに篭ってるか、男ちゃんの部屋に行くかしかしていないから」
店「強引にってのもいいんじゃないか?」ニヨニヨ
「偶には、ね」
―男、部屋、夜―
ラ(……)グスッ
(…………)ボロッ
?『また泣いてんのか』
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/26(火) 06:17:53.81 ID:HzULT6E0<>ラ(……うん)
(そういえば、泣きっぱなしだ)
?『目が腫れるぞ』
ラ(……だって)
(仕方ないじゃないか)
?『随分自棄だな』
ラ(したいことをしなかった後悔だけが残る)
(我慢出来るものじゃないよ)
?『……だから、毎夜毎夜ここに来て泣いてるのか』
『謝ってる?』
ラ(いいや)
(ただ、悔しいだけ)
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/26(火) 06:27:47.74 ID:HzULT6E0<>ラ(自分がこんな姿になった意味が分からなくなる)
(マスターが居たからあった、ここに存在する意味がなくなる)
?『どうにもならねぇことだってあるさ』
ラ(一言で片付けられる程楽じゃないっ)
?『俺は、お前がただのギターだったころよりもさ』
『人間として一緒に過ごしたの間の方が楽しかったぞ』
ラ(…………)
(楽器としては、役立たずだ)
?『けど、人としては上出来だ』
『いいんじゃねぇか、それで』
ラ(…………そうかな)
(役に立てたのなら、それでいいのかもしれない)
(マスターと一緒に、人として)
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/26(火) 06:32:16.38 ID:HzULT6E0<>?『よしよし、分かって来たみたいで良かったよ』
ラ(……けど、もう人としては十分だ)
(私は、もういいよ)
?『……勿体ねぇな』
ラ(いいんだ)
(マスターも居ないし、ちょっとの間寝ていても誰も怒らないだろう?)
?『……』
ラ(……おやすみ)
(マスター)
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/26(火) 06:38:02.78 ID:HzULT6E0<>―朝、おはよう―
テ「……ちゃんと居るといいんだけど」
―ガチャン―
テ「おじゃましまーす」
「ラベルちゃん、居る……」
―朝、男部屋―
―ベッドに横たわるギター―
―少しだけ香る、人の匂い―
テ「…………」
「おはよう、ラベルちゃん」
―【第3部】事後編 完―
<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/26(火) 06:40:15.08 ID:HzULT6E0<>はい、ここまで読んで貰ってありがとうございます。
これにてこのSSは終了です。
終わりといったら終わりなんだ。
スレは大量に余ってしまったけど。
気が向いたら、なんかまた書きに来るかもしれません。<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/26(火) 16:50:00.04 ID:NWrDz6DO<>>>1乙
切なすぎるEndでしたが楽しませて頂きました<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/10/27(水) 00:54:08.83 ID:KJ5jNXco<>>>1 乙!!<>
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/10/28(木) 15:24:11.42 ID:.s1nJgAO<>期待してる<>