VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:09:19.77 ID:kPVM/zs0<>中野家近辺
梓 (ふ〜っ、こんな夜遅くにコンビニ行ってアイス買っちゃうなんて、私唯先輩に毒されてきたな)

梓「……あれ、憂?」

憂「……」スタスタ

梓「お〜い!う〜い〜!」

憂「!!」

憂 (あれは……梓ちゃん!)

梓「どうしたの?こんな時間にこんなとこで」<>憂「理由」 VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:10:40.09 ID:kPVM/zs0<>憂「うん……ちょっとね」

梓「憂、顔になんかついてるよ」

憂「!?」

梓「血……?だいじょ……」

憂「梓ちゃん!!私、急ぐから!!」

梓「え?ちょっと……!」

憂「梓ちゃん……さよなら」

梓「ちょっと、憂!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:11:23.71 ID:kPVM/zs0<>山中邸
さわ子「ふ〜っ!やっと仕事が片付いたわ〜!」

さわ子「じゃあ景気づけに一人で一杯いきますか!……一人だけど」

さわ子「……ビール持ってこようか……」

さわ子「さあ、じゃあ一人ですけど……カンパ〜イ、わた」

ピリリリリ

さわ子「ちょっと誰よ!!せっかくの私のささやかな楽しみが……」

さわ子「え〜っと……はい、山中ですけど」

さわ子「え!?……そんな……!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:12:06.79 ID:kPVM/zs0<>桜高
和「澪……来てないの?」

律「ああ……今朝澪ん家行ったけど、塞ぎこんでたよ」

紬「りっちゃん、和ちゃん……わたしっ……どうしたらいいか……」

律「ムギ……」

和「……」

紬「どうしてなの!?なんで……なんで唯ちゃんが……」

ガラッ

さわ子「おはよう、みんな……」

さわ子「朝からニュースやってるから、もうみんな知ってるかもしれないけど悲しいお知らせです」

さわ子「このクラスの平沢唯さんが昨晩亡くなりました」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:14:38.29 ID:kPVM/zs0<>律「唯……」

紬「唯ちゃん……一体なにがあったって言うの……?」

信代「先生!!なんか……聞いてないの?」

さわ子「警察の方では平沢さん、平沢さんのご両親は他殺だとほぼ断定されて、今失踪した平沢さんの妹の行方を捜査中とのことです」

紬「憂ちゃん……」

さわ子「ごめんなさい……私の口から言えることはこれだけなの」

さわ子「本当に突然で……みなさんもすごくつらいでしょうが」

和「……」

さわ子「警察から、できるだけ今回の件に関して外部に情報が漏れないようにとの要望がきました」

律「憂ちゃんが……やったのか?」

さわ子「まだわからないわ……でも、彼女が重要参考人として身柄を追われているのは確かよ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:15:38.64 ID:kPVM/zs0<>紬「憂ちゃんが……信じられないわ」

さわ子「私だって信じられない……信じたくないわ。でも、もしそうなると少年犯罪ということだから」

和「被疑者の情報が外に出るのは好ましくない……ということですよね?」

さわ子「その通りよ。それに、まだ憂ちゃんが……平沢さんの妹がやったって決まったわけじゃないから」

律「連れ去られたとか」

さわ子「田井中さん……」

律「犯人に連れ去られたとか、そういうことじゃない……のか?」


取調室
梓「はい、確かに私が昨夜会ったのは平沢憂さんでした」

刑事「平沢憂さんは、お姉さんの唯さんとすごく似ているという話ですが見間違えていたということはありませんか?」

梓「そんなことはありません……声をかけたときの反応からして……憂だったと思います」

刑事「わかりました……では校内での平沢憂さん、つきましては平沢唯さんの様子について……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:17:03.76 ID:uiiH3M6o<>宮部みゆき?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:18:58.37 ID:kPVM/zs0<>警察署
律「梓が……昨夜憂ちゃんに会ったのか?」

さわ子「どうもそうみたいなの……おそらく事件のあった後らしいわ」

律「つまりは誰かに連れ去られたわけじゃなく」

和「自分の意志で現場から立ち去り姿を消した、ということになるわね」

律「和、お前なんか知らないのか?幼馴染なんだろ?」

和「なんか知らないって言われても、分からないわ」

律「『分からないわ』って……こんなことになったっていうのによくも平然としてられるな!」

紬「やめて……りっちゃん!!和ちゃんだってつらいのよ!」

和「……」

律「ムギ……」

さわ子「そうよ、りっちゃん。つらいのはみんな同じよ。落ち着いて」

律「ごめん……和……」

和「……いいのよ」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:21:27.12 ID:kPVM/zs0<>ガチャ
刑事「中野さん、ご協力ありがとうございました。」

梓「あ、はい」

刑事「じゃあ次は真鍋さん、お願いします」

和「はい……じゃあ、行ってくるね」

さわ子「真鍋さん、無理しないでね」

和「はい……では」

梓「先生、それに先輩方……やっぱり来てたんですね」

律「ああ、話を聞かせてほしいってな……同じ軽音部の仲間だった……から」

梓「あの……澪先輩は……」

律「朝から塞ぎこんで休んでて……ちょっと取り調べを受ける以前の問題だな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:31:21.97 ID:kPVM/zs0<>さわ子「梓ちゃんも呼ばれたってことは……あの子は?」

梓「えっと、あの子って……」

さわ子「ほら、あなた達二人と一緒にいつもいる……」

梓「純ですか?」

さわ子「そう、純ちゃん」

梓「純も……だいぶショックを受けたみたいで……純と憂、私より付き合い長かったし……」

律「梓……お前は大丈夫なのか?」

梓「わたしは……」ブルブル

律「……」

梓「わたしは……わたしはっ……だいじょうぶですから……もうっ……うぅ……ぐすん」

律「悪い……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:39:48.63 ID:kPVM/zs0<>梓「なんででしょうね……どうしてこんなことになっちゃったんでしょうかね……」

梓「憂が……私の友達が……唯先輩と……ご両親を[ピーーー]なんて……」

さわ子「まだ100%そうと決まったわけじゃないわ……梓ちゃん」

梓「でも……私、見たんです……昨日の夜……憂の顔には血が……」

紬「梓ちゃん……もういいから……ね?」

梓「血が……もうあのとき憂はすでに……唯先輩を……!!」

律「梓、やめろ!!もういいから!!」

梓「なんで……なんで……分かりません!!……憂……唯先輩……!!」

さわ子「梓ちゃん落ち着いて!!」

梓「わたし……二人のそばにいたのに……何かできたかもしれないのに!!」

律紬「!!」

さわ子「梓ちゃん!!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:49:14.30 ID:kPVM/zs0<>律「唯……なんか抱えてたのかな……私たちの知らないところで……」

紬「それを隠しながらいつも笑顔で……唯ちゃん……ごめん……!!」

梓「……」

さわ子「みんな、自分を責めないで!!」

律「だって……!!」

さわ子「辛いのは分かるけど……私だって……担任として……」

律「さわちゃん……」

さわ子「なにかしてあげられたかも……もう……なにか……」

紬「先生……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 16:54:54.29 ID:kPVM/zs0<>・




斎場
律「唯の顔……きれいだったな」

澪「ああ」

律「安心した……澪が来てくれて」

澪「……最後のお別れだからな。最後くらいちゃんと向き合わないと……」

紬「本当に……お別れなのね……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 17:00:59.17 ID:kPVM/zs0<>梓「純……大丈夫?」

純「うん、大丈夫……唯先輩とそんな仲が良かったわけじゃないけど……ちゃん来なきゃって思ったから」

梓「……純」


親戚A「……唯ちゃんかわいそうにねえ……あんなかわいかったのに……」

親戚B「ほんと心が痛むね……妹は一体どこにいるんだろう?」

親戚C「実の両親と姉を殺して……あんな顔して鬼畜だよ、全く」


純「……憂」

梓「……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 17:14:11.26 ID:kPVM/zs0<>紬「梓ちゃん……ここにいたのね」

梓「あっ……ムギ先輩……それに皆さん……」

律「おっす!梓……えっとそれと……」

純「純です。鈴木純です」

律「ごめんな……まだ名前覚えられなくて」

梓「気にしないでください」

純「おい」

梓「澪先輩……大丈夫ですか?」

澪「ああ、大丈夫だ。いつまでも塞ぎこんでいるわけにはいかないから……」


親戚A「ほんと、あんな子いなければ幸せだったのにねえ……」

親戚B「そうよ……あの子さえいなければこんなこと……」


澪「……」

律「聞くな……澪」

梓「確かに……唯先輩とご両親を殺したのは憂かもしれないですけど」

純「憂のことをあんな風に言われるのは……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 17:25:45.77 ID:kPVM/zs0<>紬「憂ちゃんにも何か理由があったのかもしれないのに……」

澪「理由……か」

梓「ほんとうに、何があったんでしょうね……」

律「せめて……何があったのかさえ分かったらな……」

澪「知ってどうするんだ?」

律「それが分かったら……もっと……こう……」

澪「何があったかなんて分かったって、どうにもならないだろ……!!唯と……唯のご両親は戻ってこないんだから……」

律「でもさ……」

澪「それに……事実を知ればもっと辛いかもしれない……」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 17:43:14.31 ID:kPVM/zs0<>梓「澪先輩……私は知りたいです」

澪「梓……」

梓「憂の友だちとして……もう遅いかもしれないけど……私は彼女を理解してあげたいんです」

純「私も……そうです。それ以外、憂の友だちとしてしてあげられることはないと思います」

澪「……二人とも……」

律「あんなに仲良かった姉妹だぜ……!なんか理由があったに決まってる……まだ殺したかどうかも分かんねーし……」

律「事実が分からないと……やりきれねーよ……こんなの……自己満足かもしれないけど」

紬「でも、憂ちゃんが実際にやったかどうかは別として……憂ちゃんが今姿を現さないってことは……」

紬「その事実を憂ちゃんは知られたくない……ってことじゃないかしら?」

澪「……そういうことになるよな」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 18:00:31.19 ID:kPVM/zs0<>紬「それに……ひょっとしたら憂ちゃんは……もう……」

律「ムギ!!」

紬「ごめんなさい……」

澪「そういうことは……考えないようにしよう」

梓「そうです。憂はまだ無事だって……信じたい」

律「信じようぜ」

澪「あのさ……思うんだけど、仮に憂ちゃんが唯ちゃんとご両親を殺害したんなら…・・憂ちゃんなら逃げずに出頭しないか?」

梓「確かに……憂の性格なら、逃げずにちゃんと罪を償おうとすると思います」

澪「ひょっとしたら……だけどさ、憂ちゃんは誰かをかばってるんじゃないのか?」

純「それは……ありえますね」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 18:08:43.33 ID:kPVM/zs0<>澪「まだ分からないけどな……」

紬「一つの可能性としてはあるかもしれない……」

澪「もしくは……何らかの事情で殺さなくてはならなくなって……その事情を知られたくない」

律「……ここで考えても分かんねーな……」

梓「とにかく憂を探して……話してくれれば……」

純「それは警察の仕事だけど……」

梓「でも……何かしないでいるのは……」

律「なぁ、私たちは私たちで調べてみないか?どうだ、澪?」

澪「私は……分かった。私もこのまま何もしないでいるのは辛い」

紬「決まりね」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/02(木) 18:12:14.11 ID:kPVM/zs0<>こんな感じの重い話だけど、需要あるかな?

とりあえずここで書きながら話を進めるのはキツイ内容だと気付いたので、ちょっとずつ書き溜めて投下していこうと思います
歩みは遅くなるかもしれないけど、そんなに長くはならないと思うのでよろしくお願いします<> ◆1sey0Wx.Qo<><>2010/09/02(木) 18:19:29.24 ID:kPVM/zs0<>とりあえず酉つけとこ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/02(木) 18:35:53.83 ID:GF7NRQDO<>頑張って最後まで書ききってくれ
見守ることにする<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/02(木) 18:39:49.86 ID:T6tMdv2o<>トラックが様子を見ている<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/02(木) 23:46:45.84 ID:kfJsCDwo<>俺も見守る<>
◆1sey0Wx.Qo<><>2010/09/03(金) 08:34:43.55 ID:M4gnugDO<>てす<> ◆1sey0Wx.Qo<><>2010/09/03(金) 08:47:49.51 ID:M4gnugDO<>・





梓「では、まずは整理しませんか?」

澪「うん、そうしようか」

紬「梓ちゃんが憂ちゃんに会った夜、唯ちゃんと両親が殺された……のよね?」

純「そうなりますね」

梓「憂の顔に血がついてたことを考えると、憂が私に会ったのは……唯先輩とご両親が殺された後でしょうね」

純「その血が唯先輩かご両親の血……とは限らないないんじゃない?」

梓「それはそうかも知れないけど……」

紬「状況証拠としては不確かかもしれないけど、それでも憂ちゃんが三人の死に何らかの形で関わっているって考えるのが自然だわ」<>
◆1sey0Wx.Qo<><>2010/09/03(金) 08:59:48.43 ID:M4gnugDO<>澪「たしかにそうだな……ならどうして憂ちゃんが現場から消えたかだけ……」

律「ちょっと待った!」

澪「なんだよ律!」

律「事件のあった夜には私たちに連絡がまわってきたよな?翌日にはニュースになってたし……いくらなんでも早すぎじゃないか?」

梓「事件が発覚するが、ですか?」

律「あぁ……よく分かんないけどさ……一家皆殺しだろ?誰も警察にすぐ通報できないだろ」

紬「そのことなんだけど……その夜に匿名で通報があったらしいわ」

澪「匿名……まさか憂ちゃんか?」

紬「わからない……でもこの町の電話ボックスからだって話よ」<>
◆1sey0Wx.Qo<><>2010/09/03(金) 09:14:06.91 ID:M4gnugDO<>純「電話ボックス……ならどこかけっこう限られてきませんか?」

梓「そうだね、もうみんな携帯持ってるもん……あったやつだいたい撤去されてるからね……あ!」

澪「どうした梓?」

梓「私が憂と会った場所……その近くにあるんです!電話ボックス!」

律「じゃあ、憂ちゃんがかけた可能性が高まったな」

純「でもどうしてかけたんでしょう……逃げるんだったら事件の発覚が遅い方が都合がいいのに……」

澪「たぶん唯をそのままにしておきたくなかったんじゃないかな……早く誰かに見つけてもらいたかったんじゃ……分からないけど」

梓「……たぶん、憂ならそう思うでしょうね」

紬「問題はそれから……憂ちゃんはどこへ行ったか……だけど」

律「あてもなくどこかへ行ったのか……?」

澪「和に聞いてみないか?」<>
◆1sey0Wx.Qo<><>2010/09/03(金) 09:29:35.32 ID:M4gnugDO<>律「和か……和がかくまってるっていうことか?」

澪「そうじゃない……その可能性もないとは言えないけど……和なら二人の幼なじみだし、私たちの知らない繋がりとかも知ってるかもしれないだろ?」

紬「そうね……確かに和ちゃんに聞けばいろんな事情が分かるかもしれない……」

律「じゃあ、和の家に今から行くぞ!」

澪「待て!こんな大勢で押し掛けたら……迷惑だろ」

律「確かに」

梓「それなら私は和先輩とそれほど付き合いがあるわけじゃないし……こういう差し迫った話をしに行くならいない方がいいですよね?」

純「私も」

澪「二人ともごめんな……邪魔だって言いたいわけじゃないんだけど……その方がいいかもな」

紬「ねぇ、それなら澪ちゃん一人で行った方がいいんじゃない?」

澪「わっ、わたしが!?」

律「確かに、一番この中で和と仲がいいのは澪だしな。澪一人で行った方が気軽に和も話やすいだろ」

紬「りっちゃんの言うとおり。ここは何人かで行くよりも、澪ちゃんと和ちゃんの一対一の方がいいと思うわ」

澪「そうなるのかな……分かった、そうする」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/03(金) 14:57:29.38 ID:tgclRAwo<>憂ちゃん…
俺はやりきれない思いを抱えながらトラックのエンジンをかけた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/07(火) 20:59:21.12 ID:94dGUADO<>続きがみたいです<>