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HTML化した人:lain.
大剣士「は、はぶられた・・・」
1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 02:00:11.75 ID:whZQwk20
大剣士「うぅううう〜・・・完全にはぶられた・・・。」

〜数時間前〜

騎士「今回の任務はこの村の防衛です。皆様は2人以上のパーティーを作り、戦闘開始時刻まで待機してください。」

任務の説明をする騎士の周りには、ギルドから派遣された傭兵が20名ほど集まっている。

大剣士(う〜・・・緊張してきた〜・・・。と、とりあえずパーティーを組んでくれる人を探さないと・・・。)

ギルドは登録された傭兵たちをまとめ、世界中から寄せられる依頼をこなす。そういった集団だ。

この背丈が160cmあるかないか、歳は16ぐらいでまだ幼さが残る顔立ちをしている少年もまた、ギルドの一員となったばかりだった。

明らかに場違いな雰囲気で少年は一人、周りから浮いていた。

その少年の背中に背負われているものが、少年をさらに目立たせる。

背丈より長く胴より幅の広い大剣を、地につくかつかないかのところで背負ってる。

大剣士(うわぁ・・・みんなパーティーで来てるんだ・・・どこか入れてくれるとこないかな・・・)

防衛戦ということもあり、ここに来ている傭兵たちは前から組んでいるパーティーばかりだった。

大剣士(これはっ!僕だけはみる!ぼっちになっちゃう!)
2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 02:01:09.38 ID:whZQwk20
大剣士「あっ、あの!ぼ、僕をパーティーに!えっと・・・その・・・」

あわてて近くにいる3人パーティーに声をかけてみる。

オッサン「なんだぁ?ボウズゥ、ここはボウズみたいなのが来る場所じゃないぜ!ガハハ!」

ありきたりなセリフだ、たぶんたいした実力もないだろう。

青年「オッサン、あまりからかうんじゃねえよ。・・・悪いね、君。いきなりメンバーが増えると連携がとりづらくなるからな・・・。ほかをあたってくれないか?」

女性「ごめんね〜」

大剣士「あ・・・はい、わかりました・・・。ありがとうございます。」

愛想笑いを浮かべながらその場を離れる。

大剣士(まいったなぁ・・・どうしよう)
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 02:04:31.13 ID:whZQwk20
〜冒頭へ戻る〜

大剣士「あれから何パーティーか声をかけたけど、全部見た目と連携の都合で断られちゃった・・・。」

???「あ、あのぅ・・・」

大剣士と歳の近い少年が大剣士に声をかける。

大剣士「・・・・・・。契約料払っちゃったから辞退できないし・・・。今更逃げるってわけにも・・・。」ブツブツブツ

しかしネガティブな自分の思考にはまっている大剣士には届かない。

???「あ、あの!すいませんス!」

大剣士「え?は、はい!戦闘始まる前に逃げようなんて思ってないです!?」

???「え?え?逃げるんスか?」

大剣士「あ・・・、ち、ちがいます!ちゃんと戦うデスヨ!?」

???「ほ、ほんとうスか・・・?じゃあよかったッス・・・。オレ、パーティー組む人いなくて・・・」

その言葉に大剣士は目を輝かせる。

大剣士「君もぼっちだったの!?よかったぁぁぁぁ!仲間がいてぇええ!」ブンブン

???の手をつかみ強く振る

???「いって!痛いス!ちょっ・・・いたぁ!」グギ

???の手首から嫌な音がなる

大剣士「あ・・・ごめん・・・。そういえば名前、聞いてなかったね。」

???「うぅう・・・。オ、オレはとうぞくって言うんス、よ、よろしくお願いしますッス。」ズキズキ

とうぞくと名乗った少年は手首を回して具合を確かめる

大剣士「僕は大剣士!よろしくねっ!とうぞく君っ!」
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 02:08:17.64 ID:whZQwk20
書き貯め終了・・・。もう寝る
アイデアは前からあったけど、文章にするの難しい・・・。

こんなんでよければ書いていきます。おやすみ
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 02:52:09.56 ID:HQam2oAO
>>4
いいね!いいねぇ!いいですねぃ!
(中尾隆聖ボイス)
続き楽しみに待ってます!

(-.-)yおやすみなさい(-.-)zzZ
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 03:10:01.69 ID:zIcQx6DO
書きため尽きるのはえぇなwwwwww
期待支援
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 12:31:21.80 ID:whZQwk20
>>5 >>6
ありがとう・・・。需要あるかどうか気になって、あんま書いてないのに書き込んじゃった^q^

出来次第書き込んでく
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 12:59:10.14 ID:whZQwk20
続き

・・・・・・・・・。

とうぞく(パーティーを組めてよかった・・・。これで戦闘に参加できる。しかしこいつの腕力・・・。俺より腕は細いっていうのに。・・・・・。)

とうぞくは大剣士に握られた手首を見る。そしてちらりと大剣士のほうを見る。

とうぞく(こいつには何かありそうだな、利用できるかもしれん・・・。)

大剣士「とうぞく君?どうしたの?」

とうぞく「あ、いや、なんでもないス!ははっ!」

できるだけ明るく振舞う・・・。何か勘付かれたかと思ったがとくに変わったところはないようだ。

大剣士「?まあいいや、そろそろ戦闘が始まるころかな・・・。」
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 13:01:05.02 ID:whZQwk20
騎士「この任務で単独行動は危険だと言っているでしょう?」

???「だーかーらー!あたしはパーティーなんて組まなくても大丈夫って言ってるでしょー!」

なにやら少女とさきほどの騎士がもめているようだ。

どうやらパーティーのことでもめているらしい。彼女もぼっちなのだろうか

そう思い、大剣士は二人に近づく

大剣士「どうかしたんですか?」

少女の肩にはフクロウがとまり、羽繕いをしている。

そのフクロウが大剣士を見て、首を傾げる。

そして同時に少女と騎士がこちらを見る。

騎士「この子が危険だと言うのに単独で任務に就くと言って聞かないんだ・・・。」

げんなりした様子で騎士が言う。

???「あたしにはこの子たちがいるんだから!大丈夫なの!!」

ホー、とフクロウが同意するかのように鳴く

よく見れば少女の足元に黒い子犬が隠れるようにして座っている

騎士「といっても・・・。そんな子たちじゃあ魔物と戦えるわけないでしょう?だからどこかのパーティーに入れてもらいなさい。」

???「そんなことないもん!!・・・。ほかの人たちはみんなあたしのことからかって、パーティーに入れてくれないし・・・。足手まといだって言われちゃうし・・・。うっ・・・ぐすっ・・・」

騎士「どうしたものか・・・。」ハァ
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 13:03:52.05 ID:whZQwk20
とうぞく「大剣士さん。」

とうぞくがちらりとこちらを見る

大剣士「うん。あ、あの・・・。じゃあ僕たちとパーティー組まない?」

???「いいの!?あたしをパーティーにいれてくれる?嘘じゃない?」じーっ

大剣士「本当だよ、さっきできたばかりのパーティーだけど・・・。それでよかったら。」

???「やったっ。あたし、魔物使いって言うの!よろしくねっ。」

大剣士「よろしくね。」

とうぞく「よろしくス〜。」

騎士「ふ〜、よかった・・・・。」

バタン!と音を立てて扉が開かれる。

偵察兵「敵襲です!魔物の群れがもうすぐ到着します!」

騎士「わかった!・・・。みなさん、これから戦闘が始まります。村の正面の門が最終防衛ラインです、では健闘を祈ります!」

イクゾーオマエラー!オォー!!ハヤクシロッテ!マッテー!

ドタドタドタ・・・・足音が遠のいていく
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 13:24:20.92 ID:OD79bb.o
ワクワク
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/03(金) 13:30:12.98 ID:whZQwk20
大剣士「じゃあ僕らもいこっか。」

とうぞく「そうスね。」

魔物使い「ごーごー!!」



〜〜前線〜〜

そこではすでに到着した傭兵たちが魔物と戦闘に入っていた。

オッサン「うおるぁっ!」

青年「はああぁっ!」

次々と悲鳴をあげて魔物たちは倒れていく。

オッサン「なんでぇ!雑魚ばっかじゃねぇかっ!!もっと骨のあるやつはいねぇのか?ガッハッハ!」

青年「油断するなよオッサン、雑魚ばかりでもこう数が多くちゃ・・・・・・!?おっと!」

いきなり飛びかかってきた魔物を避けてバランスを崩す。

オッサン「おらっ!」

オッサンの斧が魔物の体を引き裂き・・・魔物は絶命した。

女性「大丈夫?」

青年「ああ・・・だいじょう・・・ん?あの子は・・・、そうかパーティー組めたんだな、よかった。」
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 13:33:08.62 ID:whZQwk20
そこに大剣士たちがようやく前線に到着した。

大剣士「・・・・。(これが戦い・・・血の臭いがする・・・。・・・っ!大丈夫だ、敵は魔物だ僕にも倒せるっ!)」

魔物使い「どうしたの?だいじょぶ?」

大剣士「あ、ああ大丈夫だよ。ありがと。」

とうぞく「!?来るッスよ!」

とうぞくは腰に携えた短剣2本を構える。大剣士は大剣を鞘から抜き、魔物使いは鞭を取り出す。

相手はゴブリン、下級の魔物だが集団で行動をとるためなかなか厄介な魔物である。
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 13:59:10.35 ID:whZQwk20
大剣士「やあぁぁ!」

声を上げて大剣士が群れに切り込む。大剣が2匹のゴブリンを引き裂き倒す、一匹はまだ息をしているがもう一匹は完全に死んでいる。

とうぞく「はっ!」

短く息を吐き、起き上がろうとしているゴブリンに近づき確実に息の根を止める。

一瞬で2匹の仲間を失ったゴブリンたちは敵わないと悟ったのか少しずつ後退していく。

魔物使い「にっがさないよー!!」

魔物使いの鞭が残りのゴブリンたちの足を払う。

大剣士・とうぞく「「たぁっ!!」」

足を払われ地に伏せるゴブリンに次々ととどめを刺していく。グギャァアア・・・。

ゴブリンたちは全滅した・・・

15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 13:59:58.65 ID:whZQwk20
・・・・・・・・。

とうぞく(あの非力そうな体で大剣を使いこなせているとはな・・・やはり只者ではない・・・。)

グシャッブシャー!グギャァアア!ザシュッ!・・・・。

大剣士「ふぅ、この辺は片付いたみたいだね。」

魔物使い「よゆーよゆー!」

とうぞく「そ、そうスね。一旦門まで下がりましょうス。」

大剣士「だね、敵の援軍も来ないようだし・・・。?あ、あの人は・・・。」

女性と目が合い、大剣士はぺこりと頭を下げる。女性は笑顔で手を振った。
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 14:06:17.31 ID:whZQwk20
〜〜〜

青年「なんだあの子たち、強いじゃないか。」

オッサン「そ、そうだな・・・特にあの大剣使いの子・・・あそこまでやるとはな・・・。」

さっきまで威勢のよかったオッサンも疲れと大剣士との実力差によって元気をなくしている。

女性「あれならオッサンとあの子取り替えたほうがよかったんじゃない〜?」

青年「そうだな〜、惜しいことをした。」

オッサン「ちょ、ちょっ!お前等なあ!?洒落になんねぇぞ!」(涙目)

オッサンは必死になって叫ぶ。

青年「冗談だって・・・まあ俺らも戻るとしようか・・・。」
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 14:08:11.24 ID:whZQwk20
一旦ここで切ります。
見てくれてるかたはありがとう、めちゃくちゃな文だけど堪忍してね
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 14:10:36.30 ID:SFyI7iAo
がんばってください
期待してます( ´ ▽ ` )ノ
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 19:26:17.46 ID:whZQwk20
>>18
がんばります(`・ω・´)

あとキャラ設定が微妙なんでちょっとずつ変わっちゃうかもしれまてん;

少し続き書きます↓
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/03(金) 19:29:13.06 ID:whZQwk20
〜〜〜

村・・・村長宅

騎士「現在、敵勢力に動きはありません。ですがまた攻撃を再開することでしょう。」

村長「先ほどのは実力を調べるためだったのじゃろう・・・。こちらの被害はどうなっておる?」

騎士「はい、民兵4人が軽傷を負い傭兵への被害はありません。」

村長「まずまずと言ったところじゃな。民兵を村に避難させておけ。」

騎士「ですが・・・。傭兵たちへの援護は・・・。」

村長「傭兵など構わん、こちらの被害を最小限に抑えるのじゃ。」

騎士「は・・・・はい・・・。」

タッタッタッ・・・

21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/03(金) 19:29:42.40 ID:whZQwk20
〜〜〜〜〜〜

時を遡り、場所は盗賊団のアジト

そこでは盗賊たちが会議を開いていた。

盗賊B「親分・・・・本当にいいんですかい?」

盗賊親分「ああ・・・今までこの地域には魔物が攻め入ってこなかったが、その平和ももう続くまい・・・。」

盗賊親分「いまどき兵を持たぬなど自殺行為に等しい、あの村を守るためには奴を村長にするしかあるまいて・・・。」

盗賊B「で、でも俺らがそんなことしなきゃいけないなんて!おかしいっすよ!」

とうぞく「み、みんな落ち着くッス!親分が決めたことなんスから・・・。」

盗賊A「俺らは親分についていくって決めたもんな・・・、わかりやした親分の言うとおりにしやしょう。」

盗賊B「うっ・・・。仕方ないっす、俺も手伝いますよ。」

・・・・・・。

村人A「最近ぶっそうだな・・・。昨夜も強盗があったらしいぜ・・・?」

村人B「こりゃあ自警団をつくるっきゃねぇべ!それに魔物の動きも怪しいらしいべ?」

村人A「自警団か・・・。それより新しい村長、兄と弟どっちがなると思う?」

村人B「弟のほうは兵をもったほうがいいと言っているが、兄は消極的なんだべ。もしかしたら魔物との繋がりでもあるんじゃ?」

村人A「あの人がなぁ・・・。でもまあ、やっぱり俺は兵を持ったほうがいいと思うぜ・・・。」

・・・・・・・・・・・。
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/03(金) 19:30:14.14 ID:whZQwk20
兄「だから!生産にお金を回して、稼いだお金で傭兵を雇えばいいじゃろう!!村人もそこまで多くはないんじゃ、素人を戦わせるより専門のやつらに戦わせたほうがいいに決まっとるんじゃ!」

弟「兄上は盗賊団のことをお知りでしょう?このままでは村人は魔物だけではなく人にまでおびえて暮らさねばならんのです。まずは兵を集めるべきなのです。」

兄「ならば盗賊団も傭兵に退治してもらえばいいじゃろう!」

弟「今の村は盗賊団によって傭兵を雇うお金もままなりません、盗賊団を退治してからお金を集めそして傭兵を雇い、魔物に備えるべきなのです。」ニヤニヤ

兄「し、しかし!」

弟「兄上は村人を見捨てるのですか?盗賊団をこのままにしておいてよいというのですか!?」

兄「ぐぅ・・・!」

弟「実はすでに兵を徴集しておるのです。盗賊団を倒し、実績を立ててみせましょう。」
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 19:31:12.05 ID:whZQwk20
・・・・・・・・・・・・・・・。

グアアアアアア!?

人の悲鳴が聞こえる

親分「!?」

急いで悲鳴の聞こえた場所へ行く

親分「な、なんだ!いったいどうした!」

そこには血を流して倒れる盗賊Bの姿が。

盗賊B「お、おやぶ・・・ん、逃げ・・・があっ!」

地に伏せたままの盗賊Bに容赦なく槍が突き刺さる。そして盗賊Bは息絶えた

親分「お、お前等・・・っ!糞っ、どういうことだ!」

弟「くくっ・・・。よくやってくれたな親分よ、だがもう一仕事がんばってもらわねばのう?」

親分の周りを民兵が囲む。

弟「連れて行け。」
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 19:32:07.15 ID:whZQwk20
〜〜〜

とうぞく「はっ!?夢・・・スか・・・。」

とうぞくは額から流れる汗を拭う。

あの夢を見たってコトはそろそろ終わりが近いのだろう・・・。とうぞくは己がやるべきことを確認する。

バタン

とうぞく「ビクゥッ!」ササッ

突然開いた扉の音を聞き慌てて身構える。

大剣士「あ、起きた?村に戻ってから具合悪いからって寝てから2時間くらいしか経ってないけど、大丈夫?」

魔物使い「まったく!世話かけさせないでよね!」

大剣士といっしょに魔物使いも部屋に入ってくる。

魔物使い「宿、一部屋しか取れなくてベッドも一つしかなくて・・・。あたしも寝たかったのにぃ!」

大剣士「あはは・・・。」
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 19:32:40.70 ID:whZQwk20
とうぞく「それはご迷惑をおかけしたッス・・・。もう具合はよくなったスよ。」

魔物使い「うぇ?あ、ああ別にいいの、元気そうでよかった・・・。」

大剣士「それでね?魔物たちに動きがあったみたいで・・・。正面からかなりの量が来てるけど、周りの森に隠れているやつもいるかもしれない。」

魔物使い「この状態で村全体を防衛するのはきついみたいなのよ。で、あたしたちはさっきと同じように門を守って、民兵たちは村人たちを集めて村長の家付近に防衛ラインを引くんだって。」

とうぞく「それは・・・オレたちを見捨てるようなもんじゃないスか・・・。」

悔しそうに呟く。

大剣士「村を守るために戦うか、それとも依頼を放棄して逃げ出すか・・・。」

魔物使い「まあ、魔王軍の動きも活発になってきてるから、今回守り抜いてもいつかは潰されるんじゃないの?」

とうぞくは少し考えて大剣士と魔物使いを見た。

とうぞく「・・・・・。オレはこの村の出身ッス・・・。できれば村を、あの人が守りたかったこの村を守りたいんス!力を貸してくれないスか・・・?」

協力してくれるとは思ってはいなかった、これからこの人たちを利用して自分の目的を果たそうとしている。

目的のために二人を利用することにためらいはなかった。だが、このパーティーから離れるのはなぜか怖かった。

大剣士・魔物使い「「・・・・。」」

二人は顔を見合わせる。そして・・・

大剣士「わかったよっ!一度引き受けた依頼だしね、失敗しちゃったら契約料も報酬ももらえないからねwwww」

魔物使い「今更なにいってんのよ、ここまでやっておいて見捨てて逃げました〜なんてかっこつかないじゃないの!」

とうぞく「でも・・・敵の数は多いッスよ?死んじゃうかもしれないッス。」

大剣士「うーん、何でだろう。今日組んだばっかりなんだけどさ・・・。このパーティーだと負ける気がしないんだよ。」

魔物使い「そうね、ゴブリンのときも息ぴったし!だったじゃない。何とかなると思うの!」

パーティー、今日まで一人で戦い続けてきたものたちが協力しているんだ。自分ひとりじゃできないことだってできる。

とうぞく「あはは・・・。よかった・・・ッス。」

パーティーはまだ続く、そう考えるとうれしくなってきた。そして二人は自分のために戦ってくれるというのだ。

とうぞく「じゃあ・・・二人に言うことがあるんス・・・。聞いてくれるスか?」

ならばもう『利用』はできない、すべてを話してせいぜい『協力』してもらうことにしよう。
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 19:33:15.22 ID:whZQwk20
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

それはアジト襲撃のすぐ次の日に行われた

とうぞくがアジトに帰ったときにはすでに仲間は殺され、アジトは壊され、親分は捕まっていた。

村人から盗賊団団長の公開処刑が行われるといううわさを聞いて、処刑場である広場へ来ていた。

弟もとい村長「これより、最近起きていた強盗事件の首謀者である盗賊団団長の親分の公開処刑を行う!」

村人「ザワザワ」村人「カネカエセー」村人「ヤッチマエー」村人「ワーワー」

親分「・・・・・・・・。」

村長「ご機嫌はいかがかのう?」

親分「あぁ・・・・ひどく落ち着いているよ、最低な気分だ。」

村長「ほっほっほ!それはいいことじゃ!」

親分「そういえばお前の兄貴が見えないが、どうした?家に引きこもってるのか?」

村長「兄上か・・・?兄上なら昨夜、帰宅途中に『盗賊団』に襲われて死んでしまったよ。」

親分「!?お前・・・そこまでして・・・。」

村長「村を守るためじゃ、今この村を二分にされると面倒なんじゃ。だから消えてもらった、何もおかしくはなかろう?」

親分「・・・・・・。(そうか・・・無駄になったんだな・・・、不出来な団長ですまんかった・・・お前等・・・。)」

村長「もう聞きたいことはないかの?・・・・では。おい、殺れ。」

民兵「はっ!」

親分(俺もすぐそっちに行く・・・)

手錠をはめられ、足かせをつけられ、一晩中殴られ蹴られ、親分はもう抵抗する力も残っていなかった

剣を構えた民兵が近づき・・・。ごとりと重い音がした。
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 19:34:05.28 ID:whZQwk20
〜〜〜

とうぞく「村長は自分の欲望のために親分やオレらを使って、村人の信用を得たッス。本当に村を思ってのことなのかは知らないッスけど、オレは奴を許せない。」

大剣士「・・・・・。」

とうぞく「親分は村のために自警団を作る手伝いをしたんス、もちろん村人にばれるとまずいッスから始末したんでしょう。もしかしたら親分も覚悟してたんだと思うんス・・・。」

魔物使い「・・・・・・。」

とうぞく「オレは親分の村を、村人を守りたかったって気持ちを引き継ぐと同時に、村長を必ず始末しようと決めたんス。」

とうぞく「どうせこの村も長くは持たないスから、指導者を始末して村人をまとめて近くの大国へ移民させる・・・。これを二人に手伝ってもらいたいんス。」

大剣士「なるほど・・・。大国は魔物によって村を失った人々を保護しなきゃいけないって法律があるからね・・・。」

魔物使い「ふーん、で、魔物がせめて来ると警備も薄くなる。この日にしようってわけね。」

とうぞく「そうッス。」

魔物使い「でもそうすると、魔物の殲滅と村長の暗殺、どっちもしなくちゃいけないじゃないの。あたしたちがいなかったらあんた一体どうしてたのよ・・・。」

とうぞく「・・・・・・・・。」

大剣士「それは!ホラッ!何か策があったんでしょ?魔物を一網打尽にできちゃうような策が!」

とうぞく「・・・・・魔物を全部倒せるかなんて・・・考えてもなかったッス・・・。」

みんなが押し黙る・・・。

大剣士(か、考えているようで、全然考えてなかったんだね・・・。)

魔物使い(ていうかあんたが変にフォローしようとするから気まずい空気になっちゃったじゃない!」

大剣士(えぇっ!?魔物使いが言い出したんでしょ!!」

とうぞく「き、聞こえてるッスよ・・・。」
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 19:34:49.61 ID:whZQwk20
書き溜めしゅーりょー^q^
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 19:48:59.36 ID:HQam2oAO
>>18
↑上に同じく、応援していますよ!
(中尾隆聖ボイス)

次の投下はいつ頃ですか?
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 20:04:32.31 ID:whZQwk20
11時まで書き溜めして投下していくまっす。
ありがとう、ありがとう
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 20:09:09.31 ID:whZQwk20
裏話

フクロウ「ホー(ワシ等、全然出番ないな。)」

犬「わふっわふっ(そりゃあなwwwwwwwwwwww>>1もさっきまで忘れてたからなwwwwwwwwwwww)」

犬「わんわん(何で子犬とフクロウにしたんだろうなwwwwwwww魔物も糞もねぇwwwwwwwwwwww)」


やばいやばい、次の戦闘では活躍する・・・たぶん
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 20:25:50.97 ID:zIcQx6DO
焼き鳥食べたいよね
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/03(金) 21:48:59.64 ID:whZQwk20
ちょっと書き溜めできたんで投下

〜〜〜

グォオオオオオオオオ!ギャアギャア!

魔物の鳴き声が聞こえる。村の近くに来ているらしい。

騎士「・・・・・・。」

ガサガサガサ!キィキィ!

騎士「!?魔物が来ます!門や民家を利用して戦ってください!」

騎士に下された命令は門の死守、傭兵たちを使って村の被害を少なくするための命令。

しかしそんな余裕などなかった、小さくも大きくもないこの村が雇えた傭兵は20人弱

魔物の群れは第1派よりも質も量も上回っている。たかだか傭兵20人弱で抑えられるハズがない。

そして村からの援軍は無し。やむを得ず、防衛という地の利を生かして戦え、という命令を傭兵たちに告げた。

同時に魔物たちが次々と乗り込んでくる。

村に侵入してきた魔物たちと前衛の傭兵たちが衝突した・・・。民家の屋根から魔法と矢が飛ぶ。

飛び交う怒号、悲鳴そこはすでに戦場と化していた・・・。
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 21:50:20.85 ID:whZQwk20
オッサン「でやぁあああ!」ガキィイン

オッサンの一撃を鎧騎士が剣で受け止める

オッサン「くそっ!青年!」

青年「お、おう!」

オッサンの斧と鎧騎士の剣の間をくぐりぬけ、鎧の隙間を狙って剣を突き刺す

青年「!?ぐあああ!」

青年の攻撃は確実にはいった、しかし中身のない鎧騎士はそれをものともせずにオッサンを突き飛ばすと青年の肩を切り裂いた。

鎧騎士「・・・・・・。」

無言で剣を振り下ろす鎧騎士、そこに上から火炎球が飛んでくる。火炎球は鎧騎士を包み込むと鎧を溶かし鎧騎士の残骸を残して消えた。

魔術師A「なにやってんだ!しっかりしろ!・・・・ごふっ・・・!?」

その一瞬を狙ってガーゴイルが後ろから魔術師Aを突き刺した。そして魔術師Aは屋根から転げ落ち、即死だった。

女性「青年さん!いったん引いて!治療します!」

青年「ぐ・・・すまない、ありがとう」

女性が青年を治療する間、オッサンが周りを警戒する。

その間にも傭兵たちは一人また一人と命を落としていく。あれだけいた魔物も傭兵も数を減らしていく。
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 21:51:04.16 ID:whZQwk20
オッサン「くっ!またきやがった!!まだか!?」

・・・ズンズゥンズゥン

少しずつ大きくなっていく足音。そして・・・ドゴォオオオオオオン!突如、門が轟音を立てて崩壊した。

傭兵1「な、なんだありゃあ!」

傭兵2「ゴ、ゴーレムだ!何であんな奴がこんなところにっ!!」

巻き起こる砂塵のなかから全長5mを越える石の巨人が姿を現す。

グォオオオオオオ・・・・。鳴き声とも駆動音とも言えぬ音がゴーレムから発せられる。

騎士「!?引け!引いてください!!」

突然のことに動けずにいる傭兵をゴーレムが両手でつかむ。

傭兵3「う、うあ、あああああああああああああああ!?」

ゴーレムが傭兵3を引き裂いた、断末魔とともに血が飛び散る。

青年「ど、どうしろっていうんだよ・・・・あんなの・・・・。」
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 21:52:14.91 ID:whZQwk20
〜〜〜

遠くから戦闘の音が聞こえる。たぶん村人は逃げたのだろう、人気のしない道を大剣士と魔物使いは走る。

魔物使い「はぁっ・・・はぁっ・・・あぅ・・・。もー駄目・・・、今日は走ってばっかり!ゆっくり休みたい〜〜〜。」

魔物使いの横を子犬が懸命に走っている。フクロウは空を飛び、二人と一匹の前を先行する。

大剣士「はぁ・・・はぁ・・・じゃ、じゃあはやく魔物を倒さないと・・・ね・・・。」

とうぞくはいない、村長を暗[ピーーー]る機を窺うため村長宅へ向かった。

魔物使い「で、でもっ!警備が手薄になるように村長宅っへ・・・も、魔物を向かわせないといけないじゃないっ。

大剣士「魔物使いなんだからっ・・・手ごろな魔物を操って、襲わせたりできない・・・のっ?」

魔物使い「そ、そっか・・・でもっ!離れすぎると魔物が言うこと聞いてくれなくなっちゃう・・・から・・・!」

戦場が見えてきた、巨大な魔物が視界に入る。

大剣士「わかった。じゃあまずは・・・こっちを片付けよう。」
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 21:56:24.43 ID:whZQwk20
〜〜〜

ゴーレムが青年と女性を見る、やっかいなやつから潰していこうと考えたのだろう。

二人に手が伸びる・・・。

大剣士「てやぁああああ!」シャキィイン

大剣士が大きく跳躍し、空中で抜刀した。

ゴーレム「グ、グォオオオオ」ドサドサッ

大剣は弧を描いてゴーレムの腕を切り落とした。

大剣士「うぇっ!め、目にゴミが!」ゴシュ!

切り裂いた石が粉々になり大剣士の目に入った、そして着地に失敗し額を地面にぶつける。

魔物使い「なにやってんのよ!ばかぁ!」

思わぬ攻撃にひるんだゴーレムが体勢を直し、大剣士を踏み潰そうと足を振り上げる。振り上げた足を魔物使いの鞭が絡めとり、飛び掛ってきた黒い影によってバランスを崩す。
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 22:01:29.31 ID:OD79bb.o
ワクワク
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 22:15:30.66 ID:whZQwk20
犬「グルルルルル・・・」

それは馬を一回り小さくしたような大きな犬で4本の足からは絶えず炎が流れている。ヘルハウンドと呼ばれる種族の魔物だ。

いつもは子犬の姿をしているが、主従契約を結んだ魔物使いの魔翌力を食らうことで本来の姿となるのだ。

犬の攻撃でバランスを崩しているゴーレムに大剣士がさらに追い討ちをかける。

大剣士「とぉ!」

地面に付いている足を付け根から切り落とす。

ズシャアァァァ・・・・

ゴーレムはそのまま倒れこんだ・・・・。
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/03(金) 22:32:35.31 ID:whZQwk20
大剣士「ふぅ・・・。」

魔物使い「えへっ!どう?あたしがんばったでしょ?」

大剣士「あ、うん、助かった。ありがと。」

魔物使い「感謝してよね〜」ニコッ

大剣士「あはは!っと、そうだ。」

大剣士は怪我の治療が終わり剣を手にした青年に話しかける。

青年「ああ・・・大丈夫だ、すまない。」

女性「ありがとう〜!あ、大剣士君怪我してる、ちょっと待ってね。」

大剣士「あ、ほんとだ・・・。」

大剣士の頬にはゴーレムの破片で切ったであろう傷口から血が流れている。

女性の指から暖かい光が放たれる・・・。そしてポーチから小さい缶を取り出し、中に入っている軟膏のようなものを塗る。

女性「はい、これでおっけ〜。」

大剣士「あ、ありがとうございます・・・えぇっと・・・。」

女性「ん?あ〜、まだ名乗ってなかったわね、そういえば。私は薬士って言うの、回復魔法も使えるけどお薬作るのが本職よ〜。」
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/03(金) 23:12:01.34 ID:whZQwk20
大剣士「そうなんですか・・・ありがとうございます、薬師さん。・・・・ってな、なに!?」ゴゴゴゴゴ

突然ゴーレムの破片が浮かび上がり、ゴーレムの元へ集まっていく。

魔物使い「あっ!忘れてた、コア潰さないと再生しちゃうんだった〜。」

大剣士「ええっ!?忘れないでよ!」

ゴーレムはその間にも再生していく・・・。

オッサン「何だ?門の瓦礫も動いてるぞ!?」

傭兵2「瓦礫を吸収してもっと巨大化するのか!」

グオォオオオオオ・・・・低いうなり声を上げてゴーレムが立ち上がる。

完全に立ち上がったところでゴーレムの腕がぼろぼろと崩れはじめた。

傭兵2「!?崩れてやがる!早すぎたんだ!」ゴオオオオオ
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/03(金) 23:13:25.43 ID:whZQwk20
その直後、崩れ落ちる岩の下にいた傭兵2は巻き込まれ岩に押しつぶされた。

青年「オッサン!足止めすんぞ!」

オッサン「お、おう!!」

10mにまで膨れ上がった巨大なゴーレム、はやく倒さないと村が壊滅してしまう。あせりから二人は現状でもっとも危険な場所へ踏み込んでいた。

ゴーレムは巨大な体を揺さぶり始めた。

騎士「だ、だめだっ!下がれ!物陰に隠れるんだ!!」

次の瞬間、ゴーレムの体から石の矢が放たれた。

青年「!?」

石の矢が地面を抉り二人を吹き飛ばす。

オッサン「がはっ!ぁ・・・!」

空中で身をひねりなんとか避けようとするが、無数に降り注ぐ石の矢が突き刺さる。

大剣士「くっ!このままじゃ二人が・・・!」バッ

大剣を構え矢の中へ飛び出す。

魔物使い「あっ!バカ!危ないよっ。」
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/03(金) 23:23:24.33 ID:whZQwk20
微妙なとこで終わるけど、今日は寝ます・・・
おやすみ
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/04(土) 04:44:22.02 ID:89bJcmso
いいところでビクンビクン
乙乙
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/04(土) 08:00:14.39 ID:805N3oDO
乙!
メ欄にsagaで文字化け回避できるよー

殺す
魔力
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/04(土) 08:38:57.87 ID:9cI70oAO
いいね!いいねぇ!いいですねぃ!
(中尾隆聖ボイス)
ハラハラドキドキして
楽しませてもらってるさ。

>>1 が原作で漫画化、アニメ化はまだか!?
47 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 15:02:15.24 ID:v0fopCs0
>>45 sega?おk分かったありがとう

>>46 こんなうんこ文章が漫画化なんて・・・^q^

ちょっと書けたんで投下↓
48 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 15:03:28.27 ID:v0fopCs0
魔物使い「まったく・・・世話が焼けるんだから!」

大剣士「うっ!こう量が多いと、前に進めなっ・・・。」

そのとき周りの矢が方向を変え、はじき飛ばされる。

フクロウ「ホー。」

風をまとったフクロウが大剣士の上を飛んでいた。

大剣士「ありがとっ!」

そして大剣士はゴーレムに向かって駆けていく。

ゴーレムによる攻撃で傭兵はもちろん、味方であるはずの魔物の数も減っていた。

フクロウによって矢を無効化する大剣士を止められるものはいない。

大剣士「でやぁああ!」

ゴーレムの足を一息で切り落とす、バランスを崩し攻撃を中断したゴーレムに飛び乗り一気に肩まで駆け上がる。

大剣士(コアはどこっ!?)タッタッタ

ゴーレムの頭を切り落とす、それと同時にゴーレムが音を立てて再び倒れこむ。
49 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 15:04:55.05 ID:v0fopCs0
フクロウ「コアは左胸にある。再生する前にはやく壊すのじゃ!」

大剣士「!?わ、わかったよ。」

大剣士は倒れたゴーレムの左胸に剣を突き刺す。しかし

大剣士「コアまで届かない!?コアの周りだけ守りを固めているのか!」

剣はゴーレムの岩に阻まれてコアを砕くことができなかった。

薬師「大剣士君!どいて!」

大剣士「薬師さん・・・?どうしたんですか、危ないですよ!?」

薬師はビンに詰めた何かの液体をゴーレムに開いた穴に流し込む。

薬師「大剣士君、下がるわよ!急いで!」

大剣士「は、はい!」

ゴーレムの残骸が動き出す。ゴーレムが再生を開始する・・・。

薬師「あの量で大丈夫かなあ?まあなんとかなるでしょ!」ドゴォオオオオオン

薬師が何かを念じたとたん、ゴーレムの左胸から閃光と爆音が放たれた。
50 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 15:05:44.80 ID:v0fopCs0
・・・・・・・。

動いていた瓦礫は力をなくしたようにぼとぼとと落ちる・・・・。ゴーレムは完全に沈黙した。

薬師「やったわね〜、もう駄目かと思ったよ〜。」

大剣士「す、すごい・・・。」

へたり込む大剣士のもとに魔物使いがやってくる

魔物使い「だいじょぶ?怪我してない?」

心配そうな顔でこちらを見てくる。

大剣士「う、うん、大丈夫・・・。それより青年さんたちは!?」

3人は急いで青年たちのところへ駆けつける。

青年「おい!オッサン、しっかりしろ!」

そこには青年をかばうように覆いかぶさっているオッサンがいた。

石の矢がところどころに刺さり血が滲み力なく青年に体を預けている。

もう息はないだろう、青年の声にも反応しない。
51 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 15:07:03.36 ID:v0fopCs0
薬師「・・・・・・。」

大剣士「・・・・・。」

魔物使い「・・・・・。死んじゃってる・・・。」

青年「くそっ!俺が・・・。うっ・・・。」

薬師「無理しないの・・・。あなただって怪我してるのよ・・・。」

青年「まだだ・・・まだ魔物は残ってる。戦いは終わってない・・・。」

薬師「じゃあ・・・私も・・・。」

青年「お前はいい・・・。その子たちについていってくれ・・・。」

薬師「!?で、でもぉっ・・・!」

青年「パーティーはもう終わったんだ・・・。オッサンが死んで・・・このパーティーは終わっちゃったんだよ!」

青年「頼む・・・。その子たちは何かがある、最後のお願いだ・・・。」

薬師「・・・・・。わかったわ、さようなら・・・青年。」

青年に背を向けて歩き出す。大剣士は青年にぺこりと頭を下げ、薬師について行く。それにあわせ魔物使いも去る。

騎士「・・・・。いいんですか?」

騎士が歩いて青年のもとへやってくる。

青年「・・・・。もう満足に戦えないだろうし、助かりもしないだろう・・・。手足が・・・体が動かなくなるまで、魔物を倒す。」

騎士「そうですか・・・ではお供いたしましょう。」
52 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 15:08:21.74 ID:v0fopCs0
〜〜〜

とうぞく「ふぅ・・・。緊急の連絡係りとしてここまで来たのはいいんスけど・・・。」

とうぞくは民兵による防衛ラインを抜け、村長宅の庭に潜伏していた。

とうぞく「警備が厳しいッスね・・・。どうするスかねぇ・・・。」

村長宅は古いがなかなか広く庭もまた広い。

とうぞく「大剣士さんたち、大丈夫スかねー。」ガサ

民兵A「なんだ!」

とうぞく(くそっ!やばい!)

民兵A「誰も・・・いない・・・?っ・・・!?」ガサガサ

木の上からとうぞくが民兵Aの口を手で塞ぎ、首を絞める

民兵A「ぅっ・・・ぁっ・・・。」

民兵Aは気を失った・・・。

とうぞく(あぶなかったな・・・。)

気を失った民兵Aを見つからないように隠す。

とうぞく「さーって・・・本当にどうするスかねー・・・。」
53 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 15:12:27.35 ID:v0fopCs0
〜〜〜

薬師「なるほどね〜・・・。で、村長を倒して村人を大国へ誘導する、と。」

大剣士「そういうことになります。」

薬師「大国へ行くにはここから南東の北港町へ行かないといけないわね。」

魔物使い「あの辺りは魔物も活発じゃないし、民兵だけでもいけるんじゃない?」

大剣士「そうだねー。とりあえずとうぞくと合流しなきゃいけないんだけど。どうやって防衛ラインを突破するか・・・。」

魔物使い「使えそうな魔物もいなかったし・・・この子たちに荒らしてもらおっか!」

薬師「いいの?危ないんじゃない?」

魔物使い「だいじょーぶよっ!たかが民兵にやられるわけないわっ!」ホー ワンッ

薬師「それじゃあ決まりね〜。ところで気になってたんだけど・・・。」

薬師「大剣士君は何で大剣を使ってるの?体に合わないでしょ?」

大剣士「この大剣は・・・お父さんからもらった大事な剣だから・・・。」

大剣士「お父さんはすごい魔法剣士で、僕も魔法教わったんだけど・・・。能力強化の魔法しか使えなかったんだ・・・。だけどおかげでこの大剣を使えるんだ。」

魔物使い「能力強化?それってすごいの?」

薬師「詳しくは知らないけど・・・。筋力を魔力で増加させるからコントロールが難しいのと常に魔力を消費するから、なかなかすごいんじゃない?」

大剣士「そうなのかな・・・?あまり実感わかないけど。」

薬師「まあ、とりあえずとうぞく君?のところに急ぎましょう。魔物使いちゃん?お願いね。」

魔物使い「まっかせてよっ!」
54 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 15:21:22.34 ID:v0fopCs0
〜〜〜

民兵B「異常なし!」

民兵C「魔物の気配もないようだ・・・傭兵たちはどうなっているのやら・・・。」

民兵D「いくら村長の命令とは言え・・・さすがに見捨てるのは・・・。」

民兵B「・・・?なんだあれは!」ホー

突然、強烈な風が吹く。風に耐え切れずに民兵は地面を転がる。

民兵C「くっ!魔物か!村長宅へ報告しろーっ!!あの魔物は我々だけで相手にできる奴じゃあない!。」

民兵D「わ、わかった!」

〜〜〜

魔物使い「う〜ん。こんなところかな?」

大剣士「十分だよ!さぁ今のうちに行こう。」

民兵が離れたところから物陰に隠れてバリケードを突破する。
55 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 15:55:08.40 ID:v0fopCs0
〜〜〜
村長宅

民兵E「村長!防衛ラインに魔物が攻めてきたそうです!」

村長「何じゃと?ちっ・・・傭兵どもめ・・・役に立たん。」

民兵E「・・・・・・・・。」

村長「援軍を送れ、邸内の警備のものはそのままにしておくのじゃ。」

民兵E「・・・・はっ。」

〜〜〜

とうぞく「?警備が薄くなったスね・・・。魔物使いさんたちが・・・?よし、いまのうちスね!」

民兵Aの装備をはぎ、民兵になりすます。

タッタッタ

とうぞく「!?」

足音が聞こえたほうに目をやる。
56 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 15:56:40.89 ID:v0fopCs0
大剣士「あっ・・・。見つかったか・・・!」

大剣士と魔物使いと名を知らぬ女性がそこにいた。

魔物使い「しっかりしてよねっ!しょうがないわね。ここはあたしが何とかするわ!」

次の瞬間、鞭がとうぞくに襲い掛かる。

とうぞく「っ!?ちょっ!まっ!」

味方と気づいて構えを解いたとうぞくはあっさり捕まる。

魔物使い「あら?案外あっさり捕まるのね。ちょっとの間寝ててもらうわ・・・・よ・・・?」

とうぞくがかぶっていた兜が落ち、魔物使いが困惑する。

魔物使い「あれー?とうぞくだったの?」

とうぞく「ひ、ひどいスよ〜・・・。」

魔物使い「遺憾だわ・・・。まあ気を取り直して進も?」

大剣士「そう・・・だね。あはは・・・。」

とうぞくのもとに薬師が近づく。

薬師「大丈夫〜?私は薬師って言うの、あなたがとうぞく君ね?よろしく〜。」

とうぞく「あ、はいス。よろしくおねがいしますッス。」
57 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 15:57:17.69 ID:v0fopCs0
・・・・・・。

魔物使い「で?どうやって潜入するのよ。」

薬師「二手に分かれて陽動をするってのはどうかしら?」

大剣士「それがいいかも。はやくしないと魔物がいなくなったってばれちゃう。」

フクロウは魔物使いが離れると元の姿に戻ってしまうので、バリケードを突破したあとすぐに奇襲をやめた。

魔物使い「じゃあ、あたしと大剣士で陽動に行くわ。薬師ととうぞくで村長をお願い。」

とうぞく「わかったッス。じゃあ、おねがいするッス!」

大剣士「よし、じゃあ終わったら庭に来てね!」

薬師「あとでね〜。」
58 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 16:09:01.25 ID:v0fopCs0
〜〜〜

大剣士「うわぁ〜!!魔物だ〜!!魔物が来たぞぉー!!」

魔物使い「きゃー!殺される〜殺されちゃうわぁ〜!!」

犬「うはwwww食っちゃうぞwwwwwがおーwwwwww」

フクロウ「ほぉー・・・なぜわしがこんなこと・・・。」

犬「ほらおっさんwwwwwちゃんと演技しろwwwwよなwwwっうぇwww」

フクロウ「ほー、ほー。」

民兵E「な、なんだ!魔物がもうこんなところまで!おいみんな、はやく来てくれ!」
59 :ぼっち士[saga]:2010/09/04(土) 16:11:06.69 ID:v0fopCs0
〜〜〜

大剣士と魔物使いの声が聞こえてくる。

とうぞく「ははっ・・・わざとらしいスね〜。」

薬師「でも、邸内の警備も薄くなってるわ〜。いまならとうぞく君の顔もバレないでしょう?」

とうぞく「そうスね・・・。!?」ドタドタドタ

廊下の角から民兵が走ってくる

民兵F「おい!そこのお前!魔物が来てるんだぞ!なにやってんだ!」

とうぞく「あ、いやこれは・・・そのスね・・・。」

薬師「私、逃げ遅れちゃって〜。この人に助けてもらったんです〜。で〜、ここまで送ってもらってたんですよ〜。」

民兵F「そ、そうでしたか。お前っ、その人を安全なとこまで送ったらはやく援軍にこいよ!」

とうぞく「は、ひゃい!わかったス!」
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/04(土) 16:16:34.94 ID:wmEx3USO
ファンタジーっていいよな!

支援ぬ
61 :ぼっち士[saga]:2010/09/04(土) 16:26:09.23 ID:v0fopCs0
・・・・・。

とうぞく「ほわぁ・・・ばれるかと思ったスよ〜・・・。ありがとうございましたッス。」

薬師「うふふ。どういたしまして〜。」

とうぞく「ここを曲がったところが村長の部屋ッスよ。たぶん民兵がいるはずッス。」

薬師「う〜ん、こんな狭い廊下じゃどうしようもないわね〜。」

とうぞく「どうするんスか?」

薬師「ここは私に任せて〜。」

そういうと薬師はポーチからビン(あの何か中の液体を霧状にして噴射するやつ)を取り出してとうぞくに見せた。

とうぞく「それは・・・?」

薬師「ふふふ・・・ひみつ。」
62 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 16:27:23.53 ID:v0fopCs0
〜〜〜

民兵G「ふわぁぁあ・・・。暇だな・・・表には魔物が来てるらしいけど、俺は行かなくていいのかな・・・。」

トッ・・・トッ・・・トッ・・・誰かが近づいてくる。

民兵G「ん?・・・誰だ!」

それは20歳ぐらいの、どこか柔らかい雰囲気をもった綺麗な女性だった。

薬師「あの・・・すみません、村に来た途端に魔物に襲われて・・・助けてくださった方が村長に会えと・・・。」

民兵G「?そうですか・・・ちょっとお待ちください。」

民兵が扉を開けようとする。

薬師「あ、ちょっと待ってください。」

民兵G「ん?」

声をかけられ後ろを振り向く。

シュッ! 民兵Gの顔に何かが噴射され・・・気を失った。
63 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 16:43:48.87 ID:v0fopCs0
・・・・・。

薬師「うふふ〜。まだ実験してなかったけど、一瞬で意識奪えるなんて・・・大成功ね〜!」

とうぞく(なにこの人怖い)

とうぞく「それより先に進みましょうス。」

薬師「そうね〜。」

とうぞく「じゃあ・・・開けるッスよ?」

コンコン・・・ギィー

村長「誰じゃ!?・・・?民兵か、なんのようじゃ。」

とうぞく(こいつが・・・・。)

とうぞく「は、はいス!魔物の件について報告が。」

村長「ふん・・・。表まで来ているのじゃろう?捨て駒の傭兵を一部こちらの警備につけておけばよかったかのう?」

薬師「・・・・・・。」

村長「で?そちらのお嬢さんはどちらさまかのう?」

とうぞく「こ、こちらは・・・。」

薬師「私は薬師といいます。・・・・・・あなたを殺しにきたものですよ?」

最後まで言い切らないうちに村長の顔にさきほどの液体を吹きかける。

村長「なっ・・・・Zzz」

村長の意識は一瞬で奪われた
64 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 16:48:38.61 ID:v0fopCs0
〜〜〜

大剣士「くっそぉ〜!こいつら強いぞ!」

犬「ぎゃおーwwwwwwww」

フクロウ「ホー」

魔物使い「きゃあ!怖いー!」

犬「おぎゃーwwwwwwwwww」

フクロウ「ホー」

民兵F「くそっ!なんだこいつ等!攻撃があたらない!」

民兵H「手を休めるな!村長宅に近づけるんじゃないぞ!」

犬「わんわんおーwwwwwいっしょにあそぶのれすwwwwwww」

フクロウ「ホー」

大剣士「わー、もうだめだー」

魔物使い「大丈夫!?しっかりしてぇー!」

フクロウ「楽しそうじゃな・・・おぬし等・・・。」
65 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 16:50:14.24 ID:v0fopCs0
ちょっと休憩。
夜まで書き溜めてまた投下してくま。
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/04(土) 17:52:10.06 ID:9cI70oAO
犬(ヘルバウンド)楽しみ過ぎだろww
「ぼっち士」ってどんな職業(ジョブ)なんだろ…忍者みたいな?

超乙かれさまでしたm(_ _)m
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/04(土) 20:07:24.14 ID:njj1F2AO
犬wwwwww
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/04(土) 20:09:46.00 ID:cg35Kzko
>犬「わんわんおーwwwwwwwwwwいっしょにあそぶのれすwwwwwwwwwwwwww」

ってwwwwwwww
周りの民兵聞いてるんじゃないの?wwwwwwww
69 :ぼっち士[saga]:2010/09/04(土) 20:42:33.76 ID:v0fopCs0
>>66 ぼっち士はぼっちに慣れすぎて生きるのがつらくなってくる職だよ!
そして毎日ファンタジーの世界を妄想して眠ることができるんだ!

>>68 何か怖い人の「遊ぼう」は凶悪に聞こえません?そんな感じ・・・という超解釈

ちょっとしか書けてないけどつづーきー↓
70 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 20:43:57.02 ID:v0fopCs0
〜〜〜

村長「・・・・・う・・・ぐ・・。」

ぼやける頭を抑えようと手を動かす。

ガチャ。

村長「ん・・・?なんじゃこれは・・・。」

朦朧とした意識で手足が縛られていることを認識する。

薬師「あらぁ?おめざめかしら?おじいちゃん。」

柔らかな声でどこぞの悪役のようなセリフを言っている女性がいた。

柔和な笑みを浮かべて女性は続ける

薬師「はじめまして。あなたが捨て駒にしようとした傭兵の薬師、といいます〜。」

村長「傭兵が・・・なぜ・・・こんなところに・・・。」

薬師「知りたいですか〜?クスクス。」

とうぞく「なら、教えてやろう。」

村長(こ、こいつは・・・!)

薬師「あなたが、数多くの命を犠牲にしてこの村を守ろうとしたように。」

とうぞく「今度は俺たちが・・・・あんたの命を犠牲にして・・・。村人の命を救う!それだけだっ!!」
71 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 20:44:33.81 ID:v0fopCs0
・・・・・・・・・・・・・・・・。

薬師「それで、薬で楽に死なせてあげたわけですけど。」

薬師「とうぞく君はこれで満足?」

とうぞく「・・・・・。本当なら親分と同じ様に首を落としてやりたかったッス。」

とうぞく「でもオレらは・・・ただ恨みを晴らすために来た訳じゃないッスからね。」

とうぞくは弱々しい笑みを薬師に向ける。

薬師「・・・・・。とうぞく君・・・。」ギュッ

薬師はとうぞくを強く抱きしめた。

とうぞく「!?」

薬師「お疲れ様・・・・あなたはよくがんばったわ・・・。でも・・・。」

薬師「あなたの言うとおり、やることはまだ残ってるのよ。ここでぼーっとしてちゃだめなの、わかるわね?」

薬師はとうぞくを離す

とうぞく「わかってるッスよ。まずはそこの民兵に、村長が魔物に殺されたと伝えてもらわないとッスね!」
72 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 20:46:04.94 ID:v0fopCs0
〜〜〜
民兵F「くそ!あたれよ!!」

犬「そんな矢で俺様がやられ・・・・クマーwwwwwwww」

フクロウ「ホー」

大剣士「そろそろ・・・かな・・・?」

魔物使い「そろそろ異変に気づくころでしょ?」

犬「もう終わりでつか?wwwwww暴れたりねーですよwwwwフヒヒwwww」

大剣士「そうだね・・・じゃあいくよ。」

大剣士「みんな!これは囮だ!ほかの魔物が指揮官である村長を狙ってるんだ!!」

魔物使い「ここはあたしたちに任せて!みんなは村長の護衛に向かって!」

民兵F「なん・・・だと・・・?」

民兵E「おーい!魔物は防衛ラインを突破していたようだ!!もうこっちに来ているぞ!」

民兵H「今さっきまで魔物が・・・・あれ・・・?いない・・・。」

魔物使い「あ、魔物ならさっき逃げ行ったわ。」

魔物使いの腕には子犬が抱えられていた。

子犬「クゥーン・・・。」プルプル

民兵H「まさかっ!村長が危ないんじゃ!?」
73 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 20:47:33.84 ID:v0fopCs0
・・・・・。

タッタッタッタ

民兵G「お、おい!大変だ!村長が魔物にやられてっ!!」

村長の部屋を守っていた民兵Gの言葉に民兵たちの動揺が広がっていく。

民兵「まじかよ・・・。」民兵「てかどうすんだ・・・村長がいなけりゃ誰が指揮を・・・。」

民兵「こんなんで魔物に勝てるのか?」民兵「くそっ!魔物め!」

大剣士「皆さん!落ち着いてください!」

大剣士「指揮がなくなった以上、ここに留まるのは危険です。魔物と戦っても勝ち目はないでしょう。」

大剣士「一度村を捨てて、北港町へ行って大国へ避難しましょう。」

民兵「村を捨てるだと!?そんなことできるか!俺は残って戦うぞ!」

大剣士「今のままではどのみち魔物に奪われるでしょう・・・。誰が残ろうと同じです。」

大剣士「皆さんの故郷を奪われるのを見ながら死ぬか、故郷を取り戻すために生きながらえるか。」

大剣士「好きなほうを選んでください。これは僕からの一つの案です、故郷よりまず守るべき家族がいるでしょう?」

民兵「糞・・・・。今は仕方ねえよな・・・母ちゃん・・・。」

民兵「子供たちを守るためだ・・・。」

民兵「そうだよな・・・。必ず、取り戻しに来るからな!」

魔物使い「よかったわね!結構やるじゃない?」ウリウリ

大剣士「あはは・・・。うまくいってよかったよ・・・。」イテテ

大剣士「じゃあ皆さん、村人たちを護衛しながらここから南東にある北港町へ向かいます!準備をしてください!」
74 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 20:59:33.42 ID:v0fopCs0
〜〜〜

ワーワー!タッタッタッ
 イソゲー、スグシュッパツダー
   

とうぞく「大剣士さん!魔物使いさん!」

大剣士「とうぞく君!上手くいったんだね!」

薬師「えぇ。二人のおかげよ〜。」

魔物使い「うんっ!でも、この子たちもがんばったわ!」

魔物使いは腕の中で寝息を立てている子犬を見る。

フクロウ「のんきなやつじゃ・・・。わしも・・・少し休むかの・・・。」

魔物使い「お疲れ様っ!」

フクロウは魔物使いの肩にとまったまま目を閉じる。

大剣士「で・・・とうぞく君。もういいの・・・?」

とうぞく「はいス!もう踏ん切りはついたッスから。」

とうぞく「村人たちもあの様子なら、オレらが付いていかなくても大丈夫そうッスしね。」
75 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 21:01:10.94 ID:v0fopCs0
薬師「そうね〜。村長のこともあまり気にしてないみたい。」

魔物使い「あったりまえよ!あんな奴!きっとみんなに嫌われてたんだからっ!」

とうぞく「・・・・昔は真剣に村のことを考えてたんス・・・。でも兄と比べられて・・・、どっかで狂っちゃったんスね・・・。」

魔物使い「ふんっ!自分の弱さが招いた結果よ。自分だけが犠牲になればよかったのに・・・。傭兵たちが・・・あんなに・・・死んで・・・。」ウッ・・・

魔物に殺された・・・傭兵たちのことを思い出し、魔物使いは泣きそうになる。

大剣士「彼等が選んだ道なんだ・・・。仕方ないよ・・・。」ナデナデ

魔物使い「んっ・・・。だいじょぶ・・・。」

薬師「・・・・・。」

とうぞく「・・・・。そういえば、こっちまで魔物はこなかったようスね。」

黙り込んだままの薬師をちらと見つつ、とうぞくは続ける。

とうぞく「きっと・・・。青年さんたちが・・・守りきってくれたんスよ・・・。」

薬師「!?」

とうぞく「だから大丈夫ッス。きっと生きてるッスよ。」

薬師「そうね・・・。しぶとさだけが自慢って言ってたもの・・・。」

薬師は気づかれないように目をこする。
76 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 21:20:35.07 ID:v0fopCs0
魔物使いも落ち着いたようだ。

しばらく、その場に沈黙が降りる。

大剣士「あ、あの・・・みんなに話があるんだけど。」

大剣士「それでね?こ、これからのこと、なんだ・・・。」

大剣士「僕は・・・みんなと一緒に冒険をしたいんだ!」

とうぞく「・・・・。」

薬師「・・・・。」

魔物使い「・・・・。」

大剣士「だ、だから、っさ!あの・・・その・・・ええと・・・。」

魔物使い「ジーーーーーーーッ」

大剣士「う・・・。だからっ・・・!ぼ、僕と一緒にパーティー組んでくれませんか!?」

それは今まで誰からも仲間に入れてもらえず、狭い世界で過ごしてきた少年の。

確かな勇気。

魔物使い「・・・・あはははっ!もっとハキハキ言いなさいよっ。」

薬師「うふふっ!確かに〜。でも、結構男らしかったわよ?」

とうぞく「大剣士さんがそんなこと言い出すなんて思わなかったスよ!」

大剣士「え・・・その・・・駄目?かな・・・。」

大剣士は不安げにみんなの顔を見る。

とうぞく「そんなことないッスよ!オレもみんなと冒険したいスから!」

薬師「私は・・・。青年に頼まれちゃったしね〜、そう簡単に約束敗れないわ〜。」

魔物使い「まー、そこまで言われちゃ嫌なんて言えないしねー。」

大剣士「みんな・・・ありがとっ!!」
77 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 21:28:04.56 ID:v0fopCs0
〜〜〜

周りには人と魔物の死体。

崩壊した民家と門。

そして瓦礫の山。

さっきまで自分と共に動いていた騎士は魔物に剣を突き刺しそのまま息絶えている。

なぜ生きている?

青年?「ぐっ・・・!がっはぁ・・・。」

血を吐いた、そのはずだった。

しかし口からあふれ出たのは黒いドロドロした液体だった。

そして自分の胸に取り付けられた何かを見る。

青年?「なんだこれ・・・は・・・?」

機械のようなもの、しかし青年は機械すら見たことがないので何かわからない。

理解できたものは・・・。

青年「魔石・・・・・?」

そこで視界が霞む。だんだん意識が朦朧としてくる。

???「ふむ・・。生き・・・・・のは・・・けです・・・・。しかた・・・せ・・。」

???「ま・・人・・・・に、順・・・が・・い・・・。では・・・・戻・・・・・・・・・・・・・・・

______________________________第一章終わりんこ
78 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 21:30:12.61 ID:v0fopCs0
次章に続く!のか・・・?

とりあえず今日中に一章終わってよかった。ネタを考える旅に出てくる。
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/04(土) 21:32:48.61 ID:cg35Kzko
おつ
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/04(土) 21:33:37.42 ID:eCiSE.Uo
>>78 乙
続き待ってるよ
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/04(土) 22:59:00.30 ID:9cI70oAO
>>78
惜しみない乙を!
乙!乙ぅ!乙ゥァァァ!

ネタを考える旅か…
ガーゴイルには気をつけて
82 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/04(土) 23:21:11.83 ID:v0fopCs0
寝ながら考えようとしたら妄想ふくらみ過ぎておしっこちびりそう。

明日も休みだし書き溜めする。
83 :ぼっち士[saga]:2010/09/05(日) 11:17:45.78 ID:doQXlmo0
思ったより書き溜めできなかった。てか詰まった
息抜きがてらに投下↓



大剣士「・・・・・。」

魔物使い「・・・・・。」

とうぞく「・・・・・。」

薬師「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

大剣士「いや・・・依頼を失敗したのはわかってるんだけど・・・・。」

魔物使い「あれだけがんばったのに・・・・。」

薬師「村人を無事、救出できたんだから・・・。もうちょっとくれてもいいじゃない・・・。」

とうぞく「ま、まあ!報酬の半分はもらえたんスから!」

薬師「でもあの依頼、どう考えてももっとランクの高い依頼よね・・・。」

魔物使い「そうよ・・・。調査を怠ったギルドの責任でしょー!!」

ギルドカウンター「そう言われましても・・・。」

魔物使い「適当な調査のせいで何人死んだと思ってるのよっ!」
84 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 11:18:42.41 ID:doQXlmo0
・・・・。

北大陸の北西にある村。そこから来た依頼は調査内容よりも大規模で、20人弱派遣された傭兵たちは

大剣士・とうぞく・薬師・魔物使いのパーティーと2名の傭兵、そして青年を除き、死亡が確認されている。

とうぞく「でも・・・よかったスね。青年さんが生きていて・・・。」

薬師「ええ・・・そう・・・ね。」

薬師(青年はあの時、もう助からないほどのダメージを受けていたはず・・・。魔力で無理やり動かしていたようなもの・・・。)

薬師(魔力が切れた途端に青年は死ぬ・・・。だから私を行かせた。何があったの・・・?)

青年の生きていると言われるには理由が二つある。一つは遺体が残っていなかったこと、

もう一つはあの戦いを生き延びた傭兵が青年を目撃したというのだ。

傭兵はゴーレム出現後、怖気づいて逃げた。そして戦闘が終了した後に覗いてみると倒れていた青年が起き上がり、何かに導かれるようにふらふらと歩いて行ったという。

薬師(死者を蘇らせる?・・・。そんなことがあってたまるものですか!青年・・・どこにいるの・・・?)

大剣士「薬師さん?そろそろ行きますよ?」

険しい顔で考え事をしている薬師に大剣士が声をかける。

薬師「え?あぁ、ごめんなさい!今行くわ〜。」
85 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 11:19:51.81 ID:doQXlmo0
・・・・・・。

大剣士「せっかく北港町に来たんですし、ちょっと観光しません?」

とうぞく「いいスねぇ!オレ、ギルドに登録するときに来ただけでゆっくり見回れてないんスよ!」

魔物使い「ふぅ〜ん、観光ね〜。」

薬師「ん〜・・・。いいんじゃないかしら?いい息抜きになるわよ。」

大剣士「じゃあ決まりだね!それじゃ、3時間後に宿屋に集合で!」

魔物使い「ちょっと待ちなさい!・・・・。あんたねぇ、まだぼっち癖が直ってないんじゃない・・・?」

いざ行こうとした大剣士の袖を引っ張る。

魔物使い「観光って言うんなら複数人で回るものでしょ?」

大剣士「あ、あ・・・ごめんよ・・・。」シュン・・・

魔物使い「で、でも4人で回るとちょ、ちょっと観光しづらいかもね!だ、だからあああたしと行きましょ!」グイグイ

大剣士「わ、ぁっ!ちょ、ちょっと引っ張らないでこけるぅうううう!」ドタッタッ

魔物使い「じゃ、じゃあまたあとでね!」

タッタッタッ・・・・

大剣士と魔物使いの後姿を見送る。

薬師「くすっ・・・、うふふ。じゃあ私たちも行きましょうか〜。」

とうぞく「え?ちょっちょっ!」

薬師がとうぞくの手を握る。

とうぞく(あ、あ、あああ!手、手握ってる!女の人の!やらけえええ!)

こうしてパーティーで初めての休日が始まる。
86 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 11:20:57.67 ID:doQXlmo0
〜〜〜

大剣士「ちょっと待ってよぉ!」ズルッ

魔物使いに袖を引っ張られていたので受身を取ることができず、思い切り顔を打ち付けてしまう。

大剣士「いたたた・・・。」

魔物使い「あら、だいじょぶ?まったく鈍くさいんだからぁ・・・。」

魔物使いが大剣士に手を差し伸べる。

大剣士「ありがと・・・って、魔物使いが引っ張るから!」

魔物使い「ま、そんなことより・・・。どこ行くの?」

大剣士「そんなことって・・・。まあそうだね・・・。とりあえず報酬もらったんだから、お店を見てまわろっか。」

魔物使い「お買い物ね!何か買ってくれるの!?」

大剣士「あはは・・・。あまり高いものは駄目だよ・・・。」
87 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 11:21:59.54 ID:doQXlmo0
〜〜〜

とうぞく「さ〜って、オレらはどうするッスかねぇ〜。」

薬師「そうねぇ・・・。そうだわ、ちょっと行きたいところがあるんだけど、いいかしら?」

・・・・・・。

とうぞく(こ、ここは・・・・。)

街の中心からかなり歩いた薄暗い路地裏にある小汚い、いかにも怪しいお店。

とうぞく(なんだこれ!?変な臭いが漂ってるんですけどぉ!?)

薬師「うふふ・・・。大丈夫よ、怪しいお店じゃないわ・・・。」

とうぞく「い、いやこれどう見ても怪しいッスよ!」

薬師「いいから〜、はやく行くわよ〜。」

薬師はとうぞくを置いて店の中に入ってしまう。

とうぞく「あっ、あっ、待ってくださいッス・・・。」

ギィイイイイ

バタン

店主「おう!らっしゃい!」

とうぞく(普通だった・・・詰まらん・・・。)

薬師「こんにちわ〜、店長さん。」

店主「お!薬師ちゃんか!・・・・?何だ?もう男変えたのかい?」

とうぞく「どもッス・・・。」

薬師「人聞きの悪いこと言わないで欲しいわ〜。青年は行方不明になったの・・・。」

店主「そりゃまた・・・一体どうして?」
88 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 11:23:26.83 ID:doQXlmo0
・・・・・。

店主「うぅむ、なるほどなぁ・・・。んで、もう死ぬと思ってたが生きていると聞いて、何かあると踏んだんだな?」

薬師「ええ・・・そうなるわ・・・。」

店主「悪いが、魔力を回復させたり傷を癒す薬なら知ってるが、死人を生き返らせるなんてたいそうな薬は知らねえな。」

薬師「そうよね・・・。わかったわ、ありがとう。」

店主「ああ、そうだ。また新しいレシピはできたかい?」

薬師「ええ、それのついでに聞きに来たのよ。・・・・っとあったあった・・・。」ゴソゴソ

薬師がポーチから液体の入ったビンと一切れの紙を取り出した。

とうぞく「あ・・・それ・・・。あのときのスか?」

薬師「そうよ、店主さん?この薬が霧状にして相手に振り掛けると一瞬で気を失う、睡眠薬よ。」

薬師「効力は実証済み、とうぞく君も見てたわ。」

店主「ほぉ・・・これは・・・。材料は・・・・なかなか高価だな。」

薬師「即効性ってことで魔物の胞子を使ったわ。」

店主「なるほど・・・じゃあこれくらいでどうだ・・・?」

店主はカウンターの奥から袋に入った金を持ってくる。

薬師「あら?気前がいいのね。」

店主「はははっ!こんだけのもん作られちゃあな!」

とうぞく(ついていけない・・・。友達が昔の友達に偶然出会って置いてけぼりくらってる気分だ・・・。)

店主「それと何か必要なものはあるかい?

薬師「んー、じゃあそうね。爆薬の材料をいただこうかしら。」

店主「おう分かった・・・・。っとこれいいか?」

薬師「ええ、ありがとう。じゃあまた来るわ〜。」

店主「とうぞく君・・・だったか?薬師ちゃんを大切にしろよ〜。」

とうぞく「へ?あ、はい、もちろんス。」

薬師「ふふっ・・・。」
89 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 11:24:55.85 ID:doQXlmo0
おしり。

書き溜め出来次第投下
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 12:28:36.25 ID:CLBpO/Eo
とうぞくには青年は死んだことは伏せてたのに
生きてるってわかったからとうぞくに教えたのかな?
91 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 13:47:44.88 ID:doQXlmo0
>>90 そっすね^q^なんかいろいろおかしいっす・・・。
とうぞくも薬師の様子から何かおかしいなって感じてて、薬師もちゃんと教えたほうがいいかな?ってことでついでに教えた。
うーん。無理があるかなぁ・・・。
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 13:50:23.32 ID:CLBpO/Eo
ギルドカウンターで青年が生きてるって聞いて全部説明したってしたほうがしっくりくるかな
93 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 14:00:12.49 ID:doQXlmo0
投下する前にちゃんと確認しろっていうね・・・。
一番しっくり来る解釈でお願いします・・・。

次からは気をつけますね。
94 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 14:38:46.39 ID:doQXlmo0
>>84 と >>85 の間にこれを挿入してください。

・・・・。

薬師「ねえ・・・みんな聞いてくれるかしら?」

とうぞく「どうかしたんスか?」

薬師「青年のことなんだけど。」

魔物使い「あの傷で生きてたってのがすごいわよね〜。」

大剣士「でも、『何かに導かれるようにふらふらと歩いて行った』って言うがちょっと気になるかな・・・。」

薬師「そう・・・。彼はもう助からないほどの傷を負っていたのよ・・・。」

とうぞく「!?じゃ、じゃあ・・・なんで青年さんは・・・。」

薬師「わからないわ・・・。誰かがぎりぎりで助けたのかもしれないし、魔物が何かしたっていう可能性もある・・・。」

薬師「とにかく、これから青年を見つけたら注意して欲しいの。何があるかわからないから・・・。」

魔物使い「そんな・・・。」

とうぞく「・・・・・。」

大剣士「わかりました・・・。」





どや?
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 14:56:19.30 ID:CLBpO/Eo
じゃ、>>83>>84の間はこれでどうだろう?
いや、ウザいか無視してください。

とうぞく「ちょ、ちょっと待ってください…青年さんって…」

大剣士「あ…」

魔物使い「…」

藥師「…青年は死んだわ」

盗賊「そんな!?」

藥師「いえ、死んだと思ってたの」

とうぞく「…どういうことですか?」

藥師「かなりの傷を負ってね、最後にあなた達についていってやれといって、一人で魔物の群れに…」

とうぞく「そんな…他の傭兵のみんなも…」

大剣士・魔物使い・藥師「………」
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 14:59:07.01 ID:CLBpO/Eo
しまった…とうぞくが一箇所漢字になってるwwwwww
97 :ぼっち士[saga]:2010/09/05(日) 15:01:05.53 ID:doQXlmo0
おぶぁー^q^続き投下してくれすー。ちなみに青年くんは騎士くんと神風特攻しました。

>>88から↓

〜〜〜

魔物使い「何か・・・・微妙なのしかないわねー。」

大剣士「もう4件はまわったよ・・・。はやく欲しいもの決めてよー。」

魔物使い「んっ・・・・。そういわれても・・・。」

辺りはすでに暗くなりかけている。

はやく戻らないと・・・・。

大剣士「そうだっ!」

魔物使い「え?なに?」

大剣士「ちょっと待っててね。」

魔物使い「うぇ?ま、待ってよ!」

魔物使い「いっちゃった・・・。」

寂しさを紛らわせるように、子犬を抱きかかえて撫でる。
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 15:03:18.10 ID:CLBpO/Eo
騎士と神風特攻したのは藥師が去った後だから藥師は青年が一人で神風したと思ってるのかと思ってたwwwwwwww
99 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 15:04:14.65 ID:doQXlmo0
>>96 とうぞくを漢字表記してないのは別に理由ないすからね〜

・・・・・・。
大剣士「・・・これ、いいかも。すいませんーこれください。」

10分後・・・。

大剣士「ふぅ・・・決めるのに結構時間かかっちゃったな・・・。魔物使いどこだろ。」

さっきの広場で魔物使いの姿を探す。

魔物使い「・・・・・・。」

広場にあるベンチで、膝の上の子犬を撫でていた。

大剣士「お、お待たせー・・・・。」

魔物使い「・・・・・。」ジトー

何か言いたげなまなざしで大剣士を見つめる。

大剣士「うっ・・・・。」

魔物使い「いきなり置いてかれた・・・。」

大剣士「ご、ごめん・・・。」

魔物使い「寂しかったんだからっ・・・!」

大剣士「ほ、ほんとにごめん!」

魔物使い「・・・。で、どこいってたのよ。」

大剣士「ん・・・。はい、これ。」

手に持った小包を渡す。
100 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 15:04:48.26 ID:doQXlmo0
魔物使い「・・・?何これ?」ガサガサ

小包を開けて中に入っていたものを取り出す。

大剣士「かちゅーしゃ?っていうものらしいんだけど・・・。似合うかな〜って思って・・・。」

大きなリボンの付いたカチューシャだった。

魔物使い「・・・・・・・。」

大剣士「えーっと・・・・。気に入らなかったかな・・・?」

魔物使い「そ、そんなことっ・・・ない・・・うれしい・・・。」

大剣士「そっか!よかった・・・。じゃ、そろそろ宿屋に行こうか。」

魔物使い「うん・・・。ありがと。」ボソッ
101 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 15:05:35.19 ID:doQXlmo0
〜〜〜
大剣士「結局、あまり観光できなかったねー。」

魔物使い「あ、あたしのせいじゃないわよ!」

スタスタスタ

とうぞく「あ、大剣士さんたちッス。」

薬師「あら?あなたたちも今戻ってきたとこ?」

大剣士「そうです。はやく部屋を取りましょう。」

〜〜〜

薬師「どうにか二部屋取れたわね〜。」

魔物使い「そうね〜。」ニコニコ

薬師(プレゼント一つでここまで・・・。若いっていいわね〜・・・。)
102 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 15:06:52.95 ID:doQXlmo0
〜〜〜

とうぞく「結局、あまり観光はできなかったんスよ・・・。」

大剣士「あはは・・・。僕もだよ・・・。」

大剣士「ところで、そろそろ次の依頼を受けようと思うんだけど・・・・。パーティーで必要な道具とかあるかな・・・・?」

とうぞく「テントとかスかね・・・?食料も4人分で・・・。」

・・・・・。

大剣士「パーティーに慣れてる薬師さんに聞こうか・・・。」

とうぞく「そ、それがいいスね・・・。」

さすがぼっちだ!頼りないぜ!
103 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 15:10:31.03 ID:doQXlmo0
>>98 うはwwwwそっすねwwwwww一応、まだ少しは傭兵生き残ってるって思ってたけどwwww
これじゃわかんないわなwwwww。SS難すぎわろたwwwww
104 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 15:29:36.31 ID:doQXlmo0
〜〜〜翌朝〜〜〜

コンコンッ 

大剣士「薬師さーん、魔物使いー?はやく起きないと朝食片付けられちゃうよー!」

ガチャッ

魔物使い「・・・あによ・・・。うるさいわね・・・。」

寝ぼけ眼で寝巻き姿のままの魔物使いが扉を開ける。

大剣士「あはは・・・。というか薬師さんは?」

魔物使い「まだ寝てるわよ・・・。昨日は寝付けなかったんだから・・・もうちょっと寝させ・・・て・・・Zzz」

大剣士「おっと・・・。もう、仕方ないなぁ・・・。」

ふらつく魔物使いを抱え、ベッドまで運ぶ。

子犬「わふっ!」

フクロウ「ホー。」

大剣士「あ・・・。ご飯食べる?」

子犬「わんっ!」

大剣士「薬師さーん?ご飯食べに行きますか?」

薬師「んぅ・・・?むーりー・・・・起きれないぃ・・・・・。お弁当にしとい・・・てぇ・・・。」

とうぞく「ははっ・・・。じゃ、じゃあ行きましょうス・・・。」ドキドキドキ

大剣士「(いつの間に・・・)そうだね、行こっか。」
105 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 16:15:20.26 ID:doQXlmo0
〜〜〜

薬師「おはよう〜。」

大剣士「おはようございます。」

とうぞく「おはようス。」

大剣士「あ、薬師さんこれお弁当です。」

薬師「あら・・・?ありがとう〜。」

薬師のあとからまだ眠たそうな顔の魔物使いがやってくる。

魔物使い「ふぁ・・・・おあおう・・・。」

大剣士「おはよう。」

魔物使いの頭にはカチューシャが付いていた。

大剣士「あ・・・それ、つけてくれてるんだ。似合うね〜。」

魔物使い「なっ・・・あ、あたり前じゃないっ!」

薬師「朝っぱらからいちゃいちゃしちゃって・・・。」

魔物使い「そ、そんなこと・・・・。」
106 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 16:16:09.91 ID:doQXlmo0
とうぞく「コホン!ま、まぁ。それで今日のことスけど・・・。大剣士さん。」

大剣士「う・・・うん。まず薬師さんと魔物使いで、旅に必要な道具と食料を買ってきて。」

大剣士「ついでに装備も整えといてね。」

とうぞく「で、オレたちはギルドで依頼を受けてくるッス。それとオレたちも装備を整えないとスね。」

魔物使い「ふぅん・・・・。まあいいけど。」

薬師「今日中に出発・・・は無理かしら?」

大剣士「どうでしょう・・・。船に乗るなら昼までに依頼を受けないと・・・。」

とうぞく「3時間ってとこッスね。」

魔物使い「宿代も結構かさむし・・・。あまり無駄遣いはできないものね。」

大剣士「じゃあ3時間後に船着場でいい?」

薬師「そんなところね。たぶん何とかなると思うわ。」

とうぞく「それじゃあまたあとでッス。」
107 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/05(日) 16:17:38.43 ID:doQXlmo0
今日はもう投下できないかも・・・・。

ではでは〜
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 16:18:31.95 ID:CLBpO/Eo
おつ
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 16:23:38.51 ID:7OsLjMAO
超乙かれさまでした。
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/05(日) 19:35:27.72 ID:Qucue4.0
 漫画化はしないスかね?
ていうか そろそろ名前とか決めてあげる
予定はないんスか? byとうぞく
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/05(日) 19:42:35.98 ID:CLBpO/Eo
坊やは黙って半年ROMってなさい、ね?
112 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 15:16:51.61 ID:JW3QXHw0
名前は付ける予定ねーっすよ

つけたほうがいい・・・・?
まあ暇になったから続き投下↓
113 :ぼっち士[saga]:2010/09/06(月) 15:18:15.80 ID:JW3QXHw0
〜〜〜

ギルドカウンター「今来ている依頼はこのくらいですね。」

依頼の内容が簡単に書かれたリストを出す。

大剣士「うーん・・・。洞窟の調査に北西の古城に住み着いた魔物の退治・・・。この前の村の調査か・・・。」パラッ

とうぞく「青年さんの手がかりを探すなら古城か北西の村スね・・・。」

大剣士「北西の村に行っても、たぶん何もないんじゃないかな?」

大剣士「このタイミングで古城の魔物が活発化したってことは・・・。北西の村と何か関わりがあると思うんだけど・・・。」

とうぞく「そうスね〜。でもオレらのパーティーのランクより2ランク高いッスよ?」

大剣士「そりゃあ、昨日申請したからね・・・。でもこの依頼、Aランクの人がソロで引き受けてる・・・。」

とうぞく「Aランク!?この依頼は高く見てもせいぜいCランクぐらいスよ!?」

大剣士「ほかに引き受けてる人はいないみたい・・・。何とかなると思うけど・・・・?」

とうぞく「気になるッスし、この依頼を引き受けようッス。」

大剣士「じゃあ・・・。これを4人パーティーで・・・・。」

ギルドカウンター「かしこまりました。依頼は明後日の夜に作戦開始となっております。契約金のお支払いを・・・。」

大剣士はギルドカウンターに金の入った袋を差し出す。

ギルドカウンター「はい。4人分確認しました、それではお気をつけて。」

Aランクの傭兵がなぜこんな依頼を引き受けたのか・・・・。謎は多いが、青年の手がかりを得るために・・・。

パーティーは古城戦に参加することにした。
114 :ぼっち士[saga]:2010/09/06(月) 15:19:48.79 ID:JW3QXHw0
〜〜〜

魔物使い「食料はこれくらいで大丈夫よね?」

袋に詰め込んだ食料を抱えながら言う。

薬師「うーん・・・。もっと長くなるかもしれないから、干物も買っておきましょうか。」

魔物使い「干し肉も買っちゃいましょー。子犬の好物なのよね!」

子犬「わふっ!わうっ!」パタパタパタ

子犬は元気よく尻尾を振る

フクロウ「ホー・・・。」

フクロウはやれやれといった感じで首を振る。

店員「へい、らっしゃい!」

薬師「えーっと、これをくださる?」ニコニコ

店員「干し肉と干し魚だね!それなら・・・えーっとこれくらいかな・・・?」

薬師「あら、お安いんですのね。」

店員「お嬢さん綺麗だからな!サービスだよ!」

薬師「うふふ!ありがとうございます。」
115 :ぼっち士[saga]:2010/09/06(月) 15:30:58.37 ID:JW3QXHw0
〜〜〜

とうぞく「あ、これいいんじゃないスか?」

胸部につけるタイプのプレートアーマーだ。

大剣士「そうだね〜。このパーティーだと僕が壁役になるからね・・・。」

とうぞく「そうスね・・・・。オレも壁役に慣れればいいんスけど・・・。」

大剣士「あ、いや。とうぞくはすごくがんばってるよ!お金盗んだりアイテム盗んだり何か拾ったり、ダメージを負ってる魔物にとどめをさしたり・・・・。」

とうぞく「・・・・・。あまりフォローになってないス・・・・・。」ウゥッ

大剣士「え、あ・・・。そ、それよりこのグローブいいかも、僕はプレートとグローブだけで十分だよ。とうぞくも何か買ってきたら?」

とうぞく「ああ、わかったス。・・・・?あれって薬師さんたちじゃないスかね?」

大剣士「あ、ほんとだ・・・・。ていうか装備買うんだからここしかないよね!あははっ!」
116 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 15:31:41.90 ID:JW3QXHw0
〜〜〜

魔物使い「装備〜って言ったって・・・・。あたし別に必要なのないわよ?」

薬師「そうね〜。下着も買ったし〜、私も必要なものないわね〜。」

大剣士「お〜い。」

魔物使い「あれ?大剣士じゃない、あんたたちもここに来たの?」

とうぞく「そうッスよ、オレはまだかかりそうッスけど。お二人はもう買ったんスか?」

薬師「ん〜、食料とキャンプセットは買ったわ〜。装備は別に必要ないみたい。」

大剣士「そうですかー。あ、荷物持つよ。」

魔物使い「うん、ありがと。」

とうぞく「じゃあオレ、装備見てくるッスねー。」

薬師「わかったわ、じゃあそこのカフェで待ってるわね。」

とうぞく「了解ッス!」

タタタッ

大剣士「それじゃ、依頼の話もありますし・・・。行きましょうか。」

魔物使い「そうね。小腹も空いたし、何か頼んでもいい?」

薬師「いいわよ〜。軽く食事を取って港へいきましょう〜。」
117 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 16:00:16.07 ID:JW3QXHw0
・・・・・・・。

薬師「・・・・・なるほどね、確かにこのタイミングで魔物退治の依頼、何かあるでしょうね。」

魔物使い「北西に古城なんてあったかしら?」

大剣士「北西村の北東にあるんだよ、結構離れてるけど。」

魔物使い「北西村の北のほうには確か山脈があったんじゃない?」

大剣士「山脈にはトンネルがあるんだけど・・・あの辺りの魔物は強力なんだ・・・。だから船で北東村へ渡って馬車で北の村へ行く・・・・。」

魔物使い「面倒ね・・・・。」

薬師「しょうがないわ・・・。ある人がちゃんとマップを確認してなかったんだもの。」

大剣士「そういうこと。昼の船に乗れば今日の夜には付くから一泊して朝一の馬車に乗る。それで北の村で準備を済ませて、夜に古城へ向かう。」

大剣士「時間もあるし間に合うと思うけど・・・。」

薬師「船の出港にはあと1時間くらい余裕があるわね。」
118 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 16:01:08.66 ID:JW3QXHw0
タタタ

とうぞく「お待たせッス!もう食事すんだッスか?」

薬師「さっき頼んだところよ。とうぞく君も何か注文する?」

とうぞく「や、大丈夫ス。朝いっぱい食べたスから。」

ウェイトレス「失礼します・・・・。コトッコトッ。ご注文のほうは以上でよろしいでしょうか?・・・では失礼します。」

魔物使い「やっと来たわね!うん、おいしそう。」

薬師「港町なだけあってお魚が新鮮ね!」

とうぞく「やっぱ頼めばよかったス・・・。」
119 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 17:00:24.06 ID:JW3QXHw0
〜〜〜

大剣士「ふぅ・・・何とか間に合ったね・・・。」

魔物使い「はぅ・・・はぁ・・・ふぅー・・・。誰かさんが注文追加するから・・・!」

子犬「わうぅ・・・。」

とうぞく「めんぼくないッス・・・。」

薬師「おかげで一部屋になっちゃったわね・・・。悪いけど私ちょっと休ませてもらうわよ・・・。」

おぼつかない足取りで薬師が部屋へ入って行く。」

大剣士「わかりました。じゃあ僕たちは船内をぶらぶらしようかな?」

とうぞく「うぅ・・・・オレ船苦手なんスよ・・・。オレも部屋に戻っておくッス・・・。」

大剣士「大丈夫?ゆっくり休んで来てね。」

とうぞく「はいス・・・。」
120 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 17:31:20.86 ID:JW3QXHw0
〜〜〜デッキ〜〜〜

大剣士「いい風だね〜・・・。」

フクロウ「ホーホ。」

フクロウが気持ちよさそうに目を細めている。

子犬「わんっ!」

子犬は手すりの上にちょこんと座っている。

魔物使い「・・・・。今思ったんだけどね?こういう初めての船旅のときって、たいていイカとかそんな魔物が出てくるわよねー。」

大剣士「そういえばそうだねー。・・・・?魔物使いー、あれ何かなー?」

フクロウ「ほー?」

魔物使い「どうしたの?しびれクラゲでもいた?」

白くて長い足がうねうねと海面から伸びてる。

魔物使い「何かの足みたいねー。吸盤何かも付いてるわ、何か探してるのかしら?」

ズゥウウウウウン!と音を立て、急に船体が静止する。
121 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 17:35:18.55 ID:JW3QXHw0
子犬「わふぅ!」

手すりから落ちそうになる子犬。

フクロウ「ほー…。」

子犬「わうぅ…。」

間一髪のところでフクロウが子犬の首輪をくちばしでつかむ。

魔物使い「あれ?船が止まったわね、何かあったのかしら?まあすぐ出発するでしょう。」

大剣士「そんなわけないだろ!海の魔物が船を止めちゃったんだよ。ほら、退治しに行くよ!」

魔物使い「えー…めんどくさーい、ほかの人に任せときなさいよ〜。」

大剣士「はやく行かないと依頼の開始時刻に間に合わないだろ?」

大剣士「船が壊れたら一旦戻っちゃうかもしれないし、絶望的になっちゃうかもね。」

大剣士「契約金、結構取られたんだよ?」

魔物使い「も、もう!わかったわよ!いけばいいんでしょいけばぁ!」
122 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 17:36:34.03 ID:JW3QXHw0
一旦きりまっしゅ。
ではまた夜に…。
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/06(月) 17:48:28.02 ID:hjUZuZ.o
乙乙ー。
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/06(月) 18:10:21.25 ID:WHEUbsAO
>>122
「一旦きりまっしゅ。」に
和んだ。そして同時にフいたww
125 :ぼっち士[saga]:2010/09/06(月) 20:24:21.01 ID:JW3QXHw0
^q^q^q^

ちょっとずつ投下↓

〜〜〜

船員A「魔物だぁーっ!舵が効かないぞ!」

船員B「どうすんだよ!沈められちまうぞ!」

船長「帆をたため!舵は無理に動かすな!魔物の足を切り落とすんだ!」

船員「「「「サーイエッサー」」」

・・・・。

魔物使い「見事なまでにパニくってるわね。」

大剣士「そりゃあそうだよ・・・。軍艦じゃないんだから、一度振り放しても追いつかれるだろうし迎撃する武器もないからね。」

魔物使い「あたしたちがやるっきゃないってこと?」

大剣士「そうだね、でもどうやって戦うか…。」

魔物使い「んー…。あまり頭のいい魔物じゃないから、怒らせて船首に乗り上げてきたところを叩きましょ。」

大剣士「うん、それでいいかも。フクロウにやってもらってもいいんだけど、一番効果的なのは爆弾かな?」

魔物使い「そうね、薬師を連れてくるわ。」

大剣士「わかった。おねがい。」

魔物使い「ふふん。まっかせなさい!」ニコ!
126 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 20:25:47.66 ID:JW3QXHw0
〜〜〜

魔物使い「や〜くぅ〜しぃ〜!起きなさいってば!!」

薬師「うぅうん…。」

布団をつかんで放さない薬師。

魔物使い「船が襲われてるのよぉー!依頼に間に合わなくなっちゃうじゃない!。」

薬師「だいじょ〜ぶよぉ〜…、だからあとちょっと〜…。」

魔物使い「大丈夫じゃないの!!はやくしないと青年の行方がわからなくなっちゃうわよ!!」

薬師「!?」

魔物使い「契約金だって馬鹿にならないんだから!今を逃したら一生会えないかもよ?」

薬師「・・・。わかったわすぐ行くから先に行ってて。」

一息で言い終えるとポーチから空のビンと粉末の入ったビンを2本取り出した。

魔物使い「あ、うん。じゃあはやく来てよねー。」
127 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 20:26:34.24 ID:JW3QXHw0
〜〜〜

ギチギチギチ

帝王イカの足が船縁にまで伸びている。

今にも船は壊れそうだ。

大剣士「っ!船全体を足がつかんでる…。なかなか大きいんだな…。」

大剣士「足の一本や二本、たいした痛手にはならないだろうけど…。」

大剣士「はぁあ!」シャキィイイン

剣を鞘から引き抜き、船に絡みつく足を切り落とす。

大剣士「っふー…。限がない…本体を叩かないとすぐ再生しちゃうな。」

足を引っ込めたあとすぐに海面から飛び出し、大剣士の姿を探すように足が振るわれる。

大剣士「わわっと…。危ない危ない。」
128 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 20:38:11.60 ID:JW3QXHw0
トトトトト…。魔物使いがこちらに向かって駆け寄ってくる。

魔物使い「大剣士!どう?」

大剣士「う〜ん、ちょっとは反応あるけどあまり効果はないみたい。」

大剣士「薬師さんは?」

魔物使い「すぐ来るって!今、調合してるみたい。」

大剣士「そっか…。じゃあもうちょっとおちょくってみようかー。」

魔物使い「わかったわ…。フクロウ?」

フクロウ「ほーい。」

魔物使い「船を掴んでる足を片っ端から切り裂いて。お願い。」

フクロウ「ふむ、その程度なら余裕じゃて。」バサッバサッ

フクロウはそういうと羽を広げて飛び立った。

大剣士「ん…っと、じゃあ僕も行ってくるよ、魔物使いはここで薬師さんを待ってて。」

魔物使い「うんっ!気をつけてね…。」
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/06(月) 20:56:06.40 ID:kA70rgMo
定番というか王道過ぎて面白いな
とうぞくはどじっこトラブルメーカーか
130 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 21:15:41.42 ID:JW3QXHw0
とうぞっくんはそんな感じです。

どこか頼りない、現状ではあんま使えない子。
でもいつか成長します、いつか・・・。

131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/06(月) 21:27:42.33 ID:WHEUbsAO
>>130
FEの盗賊からクラスチェンジ
するとなるアレみたいな?
132 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 21:34:28.08 ID:JW3QXHw0
>>131 汚い忍者ルートはないとしてアサシンならありかもしれませんね…。

女の子だったらダンサールートも!・・・ないか
133 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 21:54:49.35 ID:JW3QXHw0
よし、ちょっと書けた続き↓

〜〜〜

船員A「船長!新たな魔物です!」

船長「なに!…。何だ…?帝王イカを攻撃しているのか。どうやらこの船にまものつかいが乗っていたようだな。」

船長「船客の避難を優先しろ!破損箇所はないな!?帆をいつでも開けるようにしろ!」

船員「「「サーイエッサー」」」

船長「魔物使いか…いまどき珍しい…。」
134 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 21:55:52.77 ID:JW3QXHw0
〜〜〜

フクロウ「ふむ…想像しておったものよりなかなかの大物の様じゃな。」

フクロウ「この姿のままでは少々手間取りそうじゃな…致し方あるまいっ!」

辺りに風が集う。

そして、フクロウの体を風が包んだかと思うと次の瞬間には妖艶な笑みを浮かべた女性が羽ばたいていた。

フクロウ?「これで引くか…それとも力の差をわきまえずに攻撃を続けるか・・・?」

周りに集った風がどんどん勢いを増していく…。

ゴバッ!っと音がした瞬間には風は放たれ、船に取り付いた足だけを切り刻んで行く。

グギャオオオオォォォ…。魔物の悲鳴が聞こえる。

回復しようと海中に足を引っ込めようとする。しかし、風はその動作をする間にも足を切り刻む。

足が完全に海中へ潜り、海面が魔物の体液で緑色に濁る…。

ザバァアッ!!一瞬の沈黙を破り再び帝王イカの足が船を捉える。

フクロウ「ほぉ…あれを食らってなお楯突こうというか…。主の意地というやつじゃな…。ほっほ。」

そこには人の姿はなく、いつもの猛禽類の姿があった。
135 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 22:01:23.05 ID:JW3QXHw0
〜〜〜同時刻〜大剣士〜〜〜

ゴバッ!!船縁の近くにいた大剣士は危うく吹き飛ばされそうになる。

大剣士「う、うわっ!」

とっさにしゃがみ、なんとか耐える。

大剣士「す、すごい…。イカの足がみじん切りにっ…!あ…あれは?フクロウなの…かな?」

風が吹いてくる方向に何か人影を見つける。

大剣士「でも、魔物使いとは離れてるし…どういうことなんだろ?」

グギャオオオオォォォ…。魔物の悲鳴が止み、そして風も止む…。

ザバァアッ!ガタン!船が揺らぐ。

大剣士「!?まだ来るのか!」
136 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 22:07:46.34 ID:JW3QXHw0
タタタタタタッ

薬師「お待たせっ!」

魔物使い「だいじょぶ!?あいつしつこいわね!!」

大剣士「なんとか・・・。それより薬師さん。」

薬師はニコッと微笑みながらビンを出す。

薬師「ええ、ばっちりよ〜。」

魔物使い「大剣士!あいつの足を切り落とすの!切られた足は一度、あいつの体内に入ってから回復するのよ!」

魔物使い「だから切り落とした足に爆薬を取り付けて、本体にダメージを与えるの!そうしたら怒って出てくるはずよ!」

大剣士「!?…。わかった、薬師さん?いけますね?」

薬師「ええ、いつでもお〜け〜よ!」
137 :ぼっち士[saga]:2010/09/06(月) 22:15:54.91 ID:JW3QXHw0
大剣士が剣を抜き、薬師をちらと見る。

互いに頷きあい、そしてイカの足を切り落とす。

薬師「今っ!」

薬師がビンをナイフに結び付けてイカの足に突き刺す。

ゲソ足は海中へ沈んでいく・・・。

薬師「う〜ん?ここらへんかなぁ。」

薬師が魔力を送る。

そして…。ドバァッ!水中で爆発し、大きな波が立つ。船が大きく傾いた。

大剣士「わわっ!っと。」ドスッ

魔物使い「きゃあっ!」

倒れる魔物使いを大剣士が支え、二人とも倒れてしまう。

薬師「な〜にこんなときにまでエロゲやってるのよ…。」

大剣士「いてて…。べ、別にそんなつもりじゃあ…。」

ちょうど魔物使いの頭が大剣士の胸に埋まるようにして倒れている。
138 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 22:23:17.80 ID:JW3QXHw0
魔物使い(ドキドキ)

しかし、違和感を覚える。

魔物使い(・・・・・・・?)

大剣士「大丈夫?はやくたってくれないと…。イカが来たときに対処できないよ…。」

魔物使い「う、うるさいわねぇ!わかってるわよそんなことぉ!」///

ざわ…ざわ…

海がうごめく。

そして…。

ザバァアアアアアア!!

大剣士「で、でか…。」

薬師「あらまぁ…。倒せるのかしら?これ。」

魔物使い「ほわぁー…首が痛くなるわね。」

子犬「ぷるぷる」
139 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 22:36:20.71 ID:JW3QXHw0
〜〜〜船室〜〜〜

とうぞく「ひ、ひぇええ!何か船止まってると思ったら…なんなんスか!あのイカは!!」

とうぞく「いつの間にか薬師さんもいないスし…。あれ…?オレ置いてかれたんスか…?」

とうぞく「そんなぁ…。そんなのってないッスよぉおおおおおおお!!」(涙目)

タタタタタタタッ…。このとき彼は生まれて初めて全力で走ったと後日告げている…。

〜〜〜

魔物使い「しょーがないわねぇ・・・、行くわよ!犬!」

子犬の体が炎に包まれ、ヘルハウンドが姿を現す。

犬「うはwwwwwおkwwwww血がwwwwたぎってくるぜえええええwwwwwww」

大剣士「薬師さんは下がっててください。」

薬師「ええ、わかったわ。」

大剣士「魔物使い!援護お願いね!」

魔物使い「まっかせなさい!」パチン!
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/06(月) 22:43:09.99 ID:WHEUbsAO
盗賊「は、はぶられた・・・」に
なっちゃったww
141 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 22:43:24.87 ID:JW3QXHw0
各々が構えたとき、イカは真っ先に薬師に向けて足を振り下ろした。」

大剣士「!?くっ…!薬師さんよけて!」

薬師「っ・・・!?」

シュバァッ!しかし、イカの足は薬師に届く前に横からの影によって切り捨てられる。

とうぞく「置いてくなんてひどいッスよ〜〜〜〜〜!」ズルッ

鼻水をすすりながらとうぞくが叫ぶ。

大剣士「あははっ…。船酔いで満足に戦えないかな〜って思って…。」

魔物使い「そ、そうよ〜。あんたを思ってのことだもの〜、あたしたちは悪くないわ〜。」

薬師「でも…助かったわ、ありがとう。とうぞく君っ。」

とうぞく「ははっ…お役に立ててうれしいス…。」

とうぞく「じゃあ…ここからがパーティーの本気ッス!いくッスよ!」

犬「おっしゃwwwwwwやったるwwwでぇwwwww」
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/06(月) 22:49:39.18 ID:kA70rgMo
とうぞくだけスペック低いよねwwwwww
143 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 23:01:00.89 ID:JW3QXHw0
>>142 俺ね、最高に格好悪いやつが最高に格好良くなる話が好きなんだ。
ダイ大のポップとか、

だからってとうぞくがそうなるとはかぎらないんだよっ!^q^
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/06(月) 23:08:27.39 ID:kA70rgMo
なるほどウソップ好きかwwwwww

イメージ的にこんなランク?
魔物使い(犬と梟含む)>>1流クラス傭兵>>大剣士≧薬師>>>>>2流クラス傭兵>>>>>>>とうぞく≧一般傭兵
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/06(月) 23:12:37.59 ID:WHEUbsAO
>>143 作者はドSなのか…!
アゲた直後に すかさず
どん底に突き落としたww

とうぞく「ひどいっス(´;ω;`)」
146 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 23:21:51.31 ID:JW3QXHw0
傭兵はS,A,Bが上位クラス。C,Dがうん・・・まあまあクラス。E,Fが「E、Fランクが許されるのは小学生までよね〜wwww」クラスなんで、1、2、一般をそれで分けると。

1流>>【越えられない壁】>>>魔物使い>>2流=大剣士≧薬師>>>盗賊>>一般

となっておりまっする
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/06(月) 23:25:40.99 ID:kA70rgMo
ケルベロスのレベルでも1流には程遠いのか…
148 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 23:31:58.83 ID:JW3QXHw0
経験と成果がものを言う世界だからね、高難易度の依頼を受けて生きていること自体がすごい、成功させたらもっとすごい。そんな感じ。

魔物使いちゃんが1流じゃないのは魔物使いちゃんがよえーからです。

んで続き↓

しかしこのイカ、よく空気を読むものである。

ちなみに、このイカの足は18本もあり、その足から繰り出される技は百八式あるという。

18本の足を自在に操り大剣士たちに攻撃をする。

大剣士「とうぞく!できる限りイカに張り付くか、足を切り落として!船が壊れちゃうからねっ!」

とうぞく「わ、わかったッス!!」

犬「もーwwwwwえwwwろwwwwもwwwえwwwろーwwwよーwww。」

犬は炎を纏いイカの足を燃やしていく。

パチパチという音とともに、香ばしい匂いが漂ってくる。

魔物使い「じゅるっ…。」

薬師「みんな!目を覆って!」

魔物使い「はっ!?」

薬師がビンをイカの目の前に投げる。

カァァァァアアアア!ビンが炸裂し鋭い閃光が放たれる

イカ「グォオオオオオオ!?」

薬師「いまよ!全力で叩き込みなさい!」
149 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 23:33:20.12 ID:JW3QXHw0
とうぞく「はあああああ!!」

とうぞくは短剣を構えイカの目に突き刺す。

イカ「グォオアアアアア!!」

大剣士「う、うあああああああ!!!」

剣を構えイカの頭に突き刺し、一気に切り下ろす。

そして後ろに飛び、距離を開ける。

大剣士の前に飛びだし、犬がとどめを…。

犬「塵も残さんっ!wwww行くぞっwwww浄破滅○闇んんんwwwwww」

犬「闇の炎に焼かれてwww馬鹿なっwwwwwww!!」

刺せなかった。犬はイカが闇雲に振り回す足に吹き飛ばされマストに衝突して気を失う。
150 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 23:37:16.25 ID:JW3QXHw0
大剣士「これでっ!止めだっ!!」

大剣を後ろに振り、腰の回転とともにイカを真横に切り裂いた。←想像しずらい人はギガスラッシュの超劣化版だと想像してくだし。

イカ「っ!?」

イカは悲鳴を上げる間もなく、真っ二つに分かれた。

・・・・・・。

とうぞく「いやー、よかったスねー…。船の損傷もあんまりない見たいらしいスし、すぐ出航するそうス。」

大剣士「それはよかった…。」

薬師(せっかくチャンスあげたのに、することはしょぼいのね…とうぞく君…。」

とうぞく「ん?呼んだスか?」

薬師「(いつのまにか心の声がっ!)い、いえ、なんでもないわ…おほほ…。」

魔物使い「・・・・。これって食べれるかなー?」

フクロウ「ほーっ!」ペシン!

魔物使い「い、いたっ!冗談よ!食べないってば!」
151 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/06(月) 23:38:53.84 ID:JW3QXHw0
>>149 うはwww訂正wwwww闇の炎に抱かれてwwwwですwwww。
そりゃやられるわwwwwww
152 :ぼっち士[saga]:2010/09/06(月) 23:46:54.58 ID:JW3QXHw0
・・・・・。

船長「いやー、助かりました!ありがとうございます!」

大剣士「あ…いえいえ、大事にいたらなくてよかったです。」

船長「そうだ!これを差し上げましょう!」

船長はポケットから4枚のカードを出した。

とうぞく「?なんスか、それ。」

船長「船の無料チケットですよ!『海の英雄』に送らせていただいてるのです!」

薬師「海の英雄だなんて…。そんな大それたことはしてませんわ…。」

船長「いえ!私たちはあなたたちに命を救われたのです。ぜひお受け取りください。」

魔物使い「いいじゃない。もらっておきましょー。」

大剣士「そうだね…。ではお言葉に甘えて…。」

船長「では、北東村には明日の朝には着くと思います、それまで客室のほうでおやすみください…。」

薬師「そうさせていただくわ…。」

とうぞく「うぅううっ…また…酔ってきたッス…。」

魔物使い(最後までだめだったわね…。)
153 :ぼっち士[sega saga]:2010/09/06(月) 23:48:12.41 ID:JW3QXHw0
明日はやいんで、これで失礼いたします。
おやすみなさいませ。
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/06(月) 23:57:20.05 ID:WHEUbsAO
>>151
その技…友人のプレイしてたゲームあった
「浄○滅焼闇(じょう○めっしょうえん)」
俺はシリーズで、A と Vしか持ってないけど、作者さんはいくつ持ってる?

>>153
超乙かれさまでした。
(-.-)ノシおやすみなさい(-.-)zzZ
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/07(火) 00:58:15.21 ID:iKiPvqUo
乙乙ー。
ダイの大冒険面懐かしい…アニメもみてたなー…ホント懐かしい…
大剣士、とうぞくに主役奪われんよう頑張れ!w
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/07(火) 01:33:14.66 ID:FFrvUjs0
大剣士は女
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/07(火) 08:54:56.71 ID:EYxoI6AO
>>155
「ダイの大冒険」で個人的に1番お気に入りのキャラって誰よ?(敵の中で)
俺は ハドラー(終盤の)だな
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/07(火) 12:47:46.10 ID:aWyqt6Y0
俺は名前忘れたけど、ポーンみたいなやつが好きだった。
159 :ぼっち士[saga]:2010/09/07(火) 20:22:57.42 ID:H/GUl960
やあ(´・ω・`)ようこそ、このスレへ。

このSSはうんこだから、まずは読んであざ笑って欲しい。

うん、今すごく疲れてるんだ。すまない

仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、この投下を見たとき、君は、

きっと言葉では言い表せない 「不安」みたいなものを感じてくれたと思う。

殺伐とした世の中でそういう気持ちを忘れないで欲しい、

そう思ってこの投下をしかけたんだ。

______________じゃあ、リロードしようか。
160 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/07(火) 20:23:58.43 ID:H/GUl960
・・・・。

船長『大変長らくお待たせしました。この船はまもなく北東村に到着します。」

大剣士「んー…、やっと着いたね。」

魔物使い「そうね…。」

薬師「ふわぁ…、何?もう着いたの?」

とうぞく「うっぷ…、やっと開放されるッス…。」
161 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/07(火) 20:25:06.07 ID:H/GUl960
〜〜〜

辺りはすでに朝日が昇り、村人たちが行き交っていた。

大剣士「うーん…ちょっと予定がずれちゃったけど、なんとかなるかなー。」

魔物使い「馬車を探すんでしょ?はやくしないと。」

薬師「そうね…。村の出口付近にあると思うわ〜。」

とうぞく「ふ、ふぁっ…。ちょっと待って欲しいス…。うまく歩けないんス…。」

大剣士「しょうがないなぁ…ほら、ちゃんとつかまって?自分の足で歩いて…。」

とうぞく「も、もうし訳ないス…。」

魔物使い「あーもー!何やってんのよ!はやく行くわよっ!」ぷー!

フクロウ「ほっほー。」

薬師「あらあら…相手が男の子でも焼きもち焼くのね…。」ボソボソ

魔物使い「そ、そんなんじゃないって!馬車に乗るんでしょ!急ぎなさいっ!」
162 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/07(火) 20:28:25.61 ID:H/GUl960
…。

ガタンッガタッガタ

小刻みなリズムを奏でながら馬車は北の村へ向かう。

大剣士「午前中にでる、最後の便に間に合ってよかったねー。」

とうぞく「まったくッス!」

薬師「とうぞく君が言える立場じゃないでしょう?」ニコォ

とうぞく「す、すいませんス…。」

魔物使い「ん…。んぃ…むにゃ…。」すぅすぅ

大剣士「魔物使い、昨日は寝れなかったのかな。」

大剣士は隣で寝息を立てる魔物使いに目をやる。

その膝の上では、子犬も丸まって眠っている。

薬師「なにか悩み事があったのかもしれないわね〜?」

とうぞく「魔物使いさんが…ねえ…。」

薬師「あら?乙女心は複雑なのよ〜。」ニコニコ

大剣士「はぁ…。」
163 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/07(火) 20:41:47.09 ID:H/GUl960
……。

パチッ!ヒヒーン…。

スト!

魔物使い「んーっ!長かったわねー!」のびのび

大剣士「そうだね。とりあえず出発の時間まであと3時間はあるね。」

薬師「微妙ね〜。準備はすぐ整いそうだけど?」

とうぞく「青年さんのこともあるッスし、村で情報を集めて早目にでましょうス。」

魔物使い「ふぅん?とうぞくの癖に少しは考えてるのね。」

とうぞく「ど、どういう意味スかそれ…。ひどいッス…。」

大剣士「それもそうだね。道具は僕が買ってくるよ、みんなは情報集めをお願いできる?」

魔物使い「あたしに見知らぬ他人に声をかけろって?無理に決まってるじゃない。あたしも買い物に行くわ。」

薬師「いばって言うことじゃないでしょ〜…。それじゃあ私ととうぞく君で情報収集ね?」

とうぞく「任せてくださいス!」

大剣士「それじゃっ!1時間後にここでねー。」
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/07(火) 20:43:32.47 ID:vwoomc2o
とうぞく「デートっすね?」
165 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/07(火) 20:52:44.97 ID:H/GUl960
すんません…。結構限界なようです、頭回んない

というわけで今日は切るねー、めんごめんごー
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/07(火) 21:38:16.28 ID:EYxoI6AO
>>165
超乙かれさまでした

あまり気にしないで
いいと思いますよ。元気でして
167 :ぼっち士[saga]:2010/09/08(水) 20:43:37.42 ID:VrDJsqA0
>>166
どもっす、あんま書けてないけど出来次第投下↓

〜〜〜

薬師「あの〜、ここから南西のほうで20歳くらいの男性をみかけませんでしたか?」

村人「いやぁ…?見てないなぁ…。南西のほうって言ったら、危険区域だからねぇ…。」

薬師「そうです…か。ありがとうございます」

ぺこりとお辞儀をする薬師。

これで5人目、いまだ確信を得た情報は見つかっていない。

とうぞく「ま、まだ諦めちゃだめスよ!きっと見つかるッス!」

薬師「諦める気なんてないわ。青年は…絶対に見つけ出してみせるから!」
168 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 20:44:29.92 ID:VrDJsqA0
…。

スタスタ

とうぞく「あのすいませんッス。ここから南西のほうで180cmくらいの男性を見かけなかったスか?」

村人「南西って言うと…、北西村のほう?」

とうぞく「そ、そうッス!なにか心辺りないスか!?」

村人「昨日かな〜…。山菜を取りに山脈のふもとまで行ったんだけど。」

村人「山脈トンネルからそのくらいの男性がふらふら〜っと歩いてたのを見たね。」

とうぞく「!?ほ、ほんとッスか!」

村人「あぁ、魔物に占領されてたトンネルから出てきたんだ、忘れもしないさ〜。

とうぞく「あ、ありがとうございましたッス!!」

ブゥン!と風を切る音がした。

村人「あ、ああ、それじゃあ。」
169 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 20:46:03.28 ID:VrDJsqA0
……。

とうぞく「やったスね!薬師さん!青年さんはきっとこの辺りにいるはずッス!」

薬師「そうね…。やっと見つけたわ、待ってなさい青年…。」

〜〜〜

大剣士「水に…ランプの油も買ったよね?」

魔物使い「ええ、リストに書いてあったものは全部買ったわ。」

二人並んで村の中を歩く。

大剣士「よかった、なんとか間に合いそうだね。」

魔物使い「そう…ね…。」

魔物使いの心に引っかかるもの、外れて欲しい予想。

もしかしたらもしかしたらもしかしたらもしかしたら……。

この少年は…?何度も繰り返した自問自答、その答えを自分で否定する。

魔物使い「ね、ねえ大剣士…?」

大剣士「なあに?」

笑みを浮かべて魔物使いの顔を見る大剣士

今の自分の顔はひどいことになってるだろう

寝不足と不安でぐちゃぐちゃになって…

そんなあたしにも笑顔をくれる

魔物使い「あの…その…。」

怖い、ただ怖かった。その問いが彼をどこまで苦しめたのか

それを知ったあたしに彼がどう接するのか

いつか…、知るときがくるだろう

それまで…あたしはこの笑顔を失いたくなかった

だから……。

魔物使い「えへへー!呼んでみただけっ!」

彼を逃がし、あたしも…逃げる
170 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 20:53:07.59 ID:VrDJsqA0
〜〜〜

大剣士「どうだった?」

とうぞく「予想通りだったスよ、青年さんはこの近くにいたらしいッス。」

魔物使い「よかったわね、薬師。手がかりがつかめて。」

薬師「ええ……。」

大剣士「準備も整ったし…、そろそろ出発するよ。」

大剣士の言葉に各々が返事をする
171 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 20:58:52.68 ID:VrDJsqA0
〜〜〜

ザッザッザ

ガサガサガサッ

魔物使い「まだ日は暮れてないってのに、なんだか気味悪いわね…。」

大剣士「はぐれないようにね…。」ハシッ

大剣士が魔物使いの手を取る

魔物使い「う、うん…。」

顔を隠すようにうつむき気味になる魔物使い

いきなり体を傾けたので肩の上でフクロウがふらつく

フクロウ「ほっ…ほっ…ほー。」

とうぞく「うーん…、魔物の気配も人影もないッスね〜。」

薬師「静か過ぎるわね…。こういう場合はこの辺りの魔物を脅かすような存在が来たときとか…。」
172 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 21:04:49.71 ID:VrDJsqA0
大剣士「Aランクの傭兵か強力な魔物、それか…青年さん…。」

薬師「青年はソロではせいぜいDランク…、あのトンネルを一人で抜けることなんてできないはずよ。」

魔物使い「トンネルを…、すでに誰かが通ってたとか?」

とうぞく「それもあるッスね。それか偶然通りかかった強いパーティーと一緒に行動してるとか…。」

薬師「どちらにせよ、誰かが関わっているわね。」

薬師「…。はやく進みましょう。」

大剣士「うん、そうだね。魔物の気配がしないって言っても、もう辺りは暗くなるから…。みんな、気をつけて!」
173 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 21:09:47.69 ID:VrDJsqA0
…。

ジジッ…ボゥッ

音にあわせて大剣士たちの周りが明るく照らされる

薬師「そろそろ依頼にあった待ち合わせの時間よ?」

大剣士「…。ここに足跡がある、さきに古城に入ってるみたい。」

腐葉土の上にくっきりとついた足跡はまだ新しいもののようだ

とうぞく「一人のようッスね…。」

魔物使い「この古城…、なんだか嫌な予感がする…。」

子犬「くぅーん…。」

大剣士「とりあえず進んで、傭兵と合流しよう。」
174 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 21:30:16.10 ID:VrDJsqA0
………。

カツッカツッ

石でできた廊下を4人は進む

廊下の端には時折、鎧が飾られていて、それがいっそう不気味さを増す

とうぞく「これは…、不気味スねえ…。」

薬師「さすがの私でも…、今すぐ帰りたいくらいだわ…。」

カツン…カツン…

誰か後ろにいる?あたしたち以外に?傭兵かしら…。と思い、魔物使いは振り返る

魔物使い「っ!?!?!?!?!?」

薬師「きゃぅ!?ど、どうしたの魔物使いちゃん?」

魔物使いは顔を真っ青にして薬師に抱きつく

魔物使い「あああああああああれ!!」
175 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 21:40:01.20 ID:VrDJsqA0
震える指で後ろを指す

とうぞく「」

薬師「」

言葉を一瞬失うとうぞくと薬師

そこには不気味に光る黒い影が一つ…

浮いていた

とうぞく「ま、魔物ッスよきっとおおおおお!あああああとは任せたッス!!」

薬師「ここここは危険だわっ!に、にげましょっ!!」

魔物使い「ちょ、ちょっと待ってよ置いてかないでっ!」

3人は大剣士を置いて走り去ってしまう
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/08(水) 21:51:00.28 ID:wx7wfoAO
作者さんがぁ〜 キタ――――ッ!!
(織田裕二の声で)
超乙です。
177 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 21:52:56.98 ID:VrDJsqA0
…。

???「ひゅ〜どろどろ〜。」ゆらゆら

大剣士「…。」

???「こわいぞ〜おばけだぞ〜。」ゆらゆら

大剣士「ふぅ、あなたが今回依頼を受けた傭兵ですね?」

スタッと地に降りる黒い影

???「おっ?よくわかったな!そのとおーり!俺様がAランク最強の傭兵よっ!!」

裾がぼろぼろになった黒いコートから頭を出して言う

銃士「俺の名前は銃士だ!よろしくたのむぜぇ?ボウズっ!!ふはははっ!」
178 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 22:01:48.14 ID:VrDJsqA0
……。

銃士「しっかしボウズ、お前だけ逃げなかったなぁ。結構自信あったんだぜ?」

銃士という男は、裾の切れた黒のコートを羽織り、長い銀髪を後ろで一まとめにし、頬に大きな傷のある…

40歳中ごろのおっさn

銃士「お兄さんだ。わかったな?ふははっ。」

大剣士「解説に割り込まないでください…、あと無理があります。ま、まあこういうのは慣れてるんで…。」

銃士「ふぅん…、でだ、お前さんのお仲間はどこへ行ったのかね?」

大剣士「知りませんよ…、さきに進めば会えると思います。」

銃士「はっはっは!そりゃあそうだ!」

そういって銃士はすこし真剣な顔をして

銃士「ところで、だ・・・。お前等はなぜこの依頼を受けた?」

探りを入れるように聞いてくる
179 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 22:07:11.86 ID:VrDJsqA0
大剣士「…。すごくお世話になった人を…、探しに来たんです。」

銃士「ほお?俺と同じか!!まあがんばれよ!」ニカッ

さきほどまでの陽気な顔に戻る

銃士「っおっし!んじゃあボウズのお仲間にもう一度ご挨拶と行こうか!」

大剣士「また驚かすのはやめてくださいね…。」
180 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/08(水) 22:23:05.44 ID:VrDJsqA0
今日はここで…。

明日もはやいんでおやすみなさい
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/08(水) 22:32:45.85 ID:wx7wfoAO
>>180
ち、ちくしょおおおおおーーーーー!!!
(セルの声で)
なんてハードな、寸止め焦らし放置プレイなんだよ…orz

(-.-)ノシおやすみなさい(-.-)zzZ
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/09(木) 00:36:30.04 ID:On0nMjI0
支援がすくねーぞ!!!11
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/09(木) 00:50:21.93 ID:LJDzIFYo
私怨
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/09(木) 00:52:52.55 ID:ndyll.AO
よくわからないが…賛同しよう。
>>1 に惜しみない乙を!
乙!乙ぅ!乙ゥァァァ!
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/09(木) 13:34:27.99 ID:.Wh5rZMo
乙乙ー。
186 :ぼっち死[sage sage]:2010/09/09(木) 22:39:27.98 ID:3v3KhBo0
こんばんわんこ、ぼっち死です。いろいろ辛いです。続きでした↓

〜〜〜

廊下の先には一際大きな扉があった

その扉の奥は広間があり2階へとあがる階段があった

広間の中央には大きな鎧が剣を床に突き刺し仁王立ちしている、といった形で飾られていた

閉めた扉へ向かい、3人はへたり込む

魔物使い「ふぅ…、ふぅ…。大剣士置いてきちゃったよ?どうするの…。」

薬師「ど、どうしましょっか〜。」

とうぞく「だ、大丈夫ッスよ!きっと無事スから!」

???「マモ…のケハい…シん…ニュウ…シャ…、ワがおうノトコロへハいかせ…ヌ」ギギギ

サビついた金属がこすれる音…

薬師「こっちが…無事じゃないようね…。」

魔物使い「攻撃が聞くって言うんなら幽霊でもかまわな…くもないけど…?」

とうぞく「(王…?魔物の親玉が奥にいるのか…?)くるみたいッスよ!?」
187 :ぼっち死[sage]:2010/09/09(木) 22:40:43.60 ID:3v3KhBo0
〜〜〜

カツッカツッ

銃士「…。ボウズ…俺のこと疑ってんな?」

大剣士「ええ…、あなたからは血の臭いがします。」

銃士「ふははっ!!面白いことを言うなぁ!俺らは死と隣り合わせ!いくつもの修羅場を乗り越えてきたんだ!」

銃士「血の臭いがするのはあたりまえだろ?」

そういって銃士は不敵な笑みを浮かべる

大剣士「普通の血じゃない、もっと汚くて…憎しみと怒りの混ざった血…。」

大剣士は銃士を睨み付ける

大剣士「あんたがどんな汚い仕事をやっていようが、どれだけの人を殺していようが構わない。」

一層強く睨み付ける

大剣士「僕の仲間に手を出そうとするなら…、僕はあんたを…。」

それ以上は言わない、だが銃士にはそれだけで十分だった

銃士「ふはっ!!面白ぇ!かわいい顔して言うことは男前だなぁ!!」

銃士「だが…、もし俺がボウズの仲間に手を出したとして…。俺を止める実力がお前にあるのかな?」ニヤニヤ

銃士は大剣士を煽るように手招きをする
188 :ぼっち死[saga]:2010/09/09(木) 22:41:49.09 ID:3v3KhBo0
大剣士「…。」

一瞬の沈黙の後、動いたのは大剣士だった

シュッ!床を蹴り大剣を抜きながら一気に間合いを詰める

しかし銃士はまったく動く様子がない

大剣士「ふっ!」

短く息を吐いて大剣の柄を銃士にたたきつける

が、攻撃はかわされ代りに銃士の拳が大剣士の腹を打ち据えようとする

予想通りの反撃に大剣士はバックステップをしながら大剣で切りつける

銃士「ふはっ!甘い甘い!」

それを銃士は身をかがめて避け、大剣士の足を払う

大剣士「!?」

大剣士の体が前に倒れる

それにあわせ、銃士が大剣士の顎をめがけてアッパーを放つ

銃士「もら…ったぁ!」
189 :ぼっち死[sage saga]:2010/09/09(木) 22:42:37.84 ID:3v3KhBo0
しかし、その攻撃は外れる

大剣士が壁に剣を刺し、無理やり体を起こしたのだ

大剣士「まだ…まだ!」

剣を軸にし銃士に向けて蹴りを放つ

銃士「くぅっ!?」

銃士はとっさにガードの体勢を取る

大剣士「受けられた…。」

銃士「なかなかやるじゃねえか…。だがっ!」

銃士の体が一瞬光り、大剣士の足を掴み投げ飛ばした

大剣士「がはっ…ぁ…。」

壁にたたきつけられ、口から血を吐く

銃士「これが…俺とお前の差だ。」
190 :ぼっち死[sage saga]:2010/09/09(木) 22:45:19.59 ID:3v3KhBo0
その場に倒れこむ大剣士の頭を掴み、壁に押し付ける

銃士「お前じゃあ俺には勝てん、だがお前とお前の仲間をどうこうしようなんて気はない。」

銃士は大剣士の顎を掴み、顔を近づける

大剣士「くっ…!かはっ…はぁ…はぁ…。」

目にうっすらと涙を浮かべ、銃士を睨む

銃士「俺の過去は信用しなくていい、だが俺の力と今の俺を信じろ…わかったな?」

大剣士(この人の強さは本物だ…、そして意志の強さも…。)

大剣士(大丈夫、信じるに値する人だ…。)

しばらくの沈黙の後、大剣士は小さく頷いた

銃士「ふははっ!素直なやつは嫌いじゃないぜ?」

そして大剣士に手を差し伸べる

銃士「ほら…、さっきは悪かったな…仲直りしようぜ?」

大剣士「…。」

スッ…。負けたことが悔しいのか若干、顔を伏せたまま銃士の手をとる

銃士「仲直り成立だなっ!ははは!!」

銃士が大剣士を引き起こそうとしたとき…

ズゥウウウウン!廊下の奥から何かが崩れるような音がする

大剣士「今の…音は…?」

銃士「くそっ!もう始まったか!」

銃士「急ぐぞ…、お前の仲間が危ないっ!」
191 :ぼっち死[sage saga]:2010/09/09(木) 23:17:47.89 ID:3v3KhBo0
〜〜〜

とうぞく「な、なんスかぁ!こいつ!」

ガキン!とうぞくを狙って振り下ろされた剣を短剣でなんとかそらす

魔物使い「わっかんないわよ!ただ…、普通の魔物じゃないってことね!」

薬師「ここは魔物の巣窟になってるハズじゃなかったの!?こいつしかいないじゃない!」

犬「やべえwwwwこいつまじつえーwwwwチートだろwwwwぱねえww」

犬の攻撃を軽く受け流す

???「ニン…げん3…、マモノ…2…はいジョ…ハイジョ…」

回避の姿勢をとっているとうぞくを無視し、犬から潰そうとする

犬「うぇええwwwwwwwwこっちくんなしwwwwww」

犬が駆け、間合いを取ろうとする

しかし鎧の魔物は犬に追いつく

犬「やっべえええwww詰んだwwwwリセットボタンどこだしwwww」

体から炎を放出し、魔物に抵抗しようと試みる
192 :ぼっち死[sage saga]:2010/09/09(木) 23:23:31.01 ID:3v3KhBo0
魔物使い「だめっ!犬!避けなさい!」

魔物使いが魔物の動きを止めるため、鞭を絡ませようとする

???「ジュツしき…、ハツドウ…。」

魔物の鎧に魔方陣が浮かび上がると床がめくりあがり尖った岩が突き出した

魔物使いの鞭は岩に阻まれ、はじかれてしまう

犬「おうふwwwwww何こいつwwwww効いてねえwwwww」

魔物は犬の炎をもろともせずに犬の体を掴む

とうぞく「これでっ!どうスか!?」

魔物の後ろに回りこんだとうぞくが鎧のわずかな隙間に短剣を突き刺す

???「負傷…タイしょ…せよ…。」

とうぞく「!!」
193 :ぼっち死[sage saga]:2010/09/09(木) 23:33:52.84 ID:3v3KhBo0
魔物は犬を思い切りとうぞくへ投げつける

犬はダメージを受けすぎて子犬の姿へ戻ってしまった

子犬「きゃうぅん。」ポシュゥ

とうぞくは犬とともに吹き飛ばされ壁に背を打ち付ける

とうぞく「がっ!あぁっ…!」

???「てき…2名…ちんモく…。」

薬師「とうぞく君っ…!ええい!これで…どう!?」

カランコロン…

薬師が液体の詰まったビンを魔物の足元へ転がした

???「ふめイ…キケン…回避…。」

ビンから魔物が離れようとする

しかしそれよりはやく、ビンが炸裂する

ドォン!

爆薬によって起こされた爆発は魔物の足を破壊した
194 :ぼっち死[sage saga]:2010/09/09(木) 23:47:13.78 ID:3v3KhBo0
???「アシ…そんしょう…まだクル…迎撃…」

魔物の鎧から魔方陣が浮かび上がる

薬師「魔物使いちゃん!」

魔物使い「わかってるわ!フクロウ!」

フクロウ「ほー!!」

???「術式…すいリュウ…」

魔方陣から大量の水が放たれる、しかし

ビュオォッ!フクロウの巻き起こす風によりはじかれる

薬師「お願い!効いてっ…!」

薬師がまた魔力を送る

ドォン!!ドォン!!

爆発は広間の柱を根元から折、爆発の衝撃によって崩れた柱はゆっくりと魔物のほうに倒れ…

ズゥウウウウン!魔物は柱の下敷きとなった

魔物使い「やった…?」

薬師「とうぞく君と犬で位置を調整し…爆発で移動を封じた。」

フクロウ「そして魔法使用時の硬直を狙って柱を落とす…か、思いつきにしてはなかなかいい作戦じゃのう。」

魔物使い「わからないわ…でもしばらくは動きを封じれるハズよ…。」
195 :ぼっち死[sage]:2010/09/09(木) 23:47:44.23 ID:3v3KhBo0
魔物使い「薬師!今のうちにとうぞくの手当てをっ!」

薬師「わかったわ…。」

薬師は壁にもたれ掛かるとうぞくと子犬のもとへ走る

とうぞく「やったんス…か?ゲホッ!」

薬師「さぁどうでしょうね…?まずは傷を治すのが先だわ、安静にして…。」

薬師の手のひらから光が溢れる

顔色の悪かったとうぞくの顔が血の気をもどしはじめた…

フクロウ「!?…くるぞ。」

瓦礫がぱらぱらと崩れ落ちる

???「修復完了、敵は負傷しているもよう。聖騎士の名の下…、侵入者を排除する。」

聖騎士と名乗った魔物は胸の前で誓いをたてるように宝剣を構える…
196 :ぼっち死[sage saga]:2010/09/09(木) 23:48:45.19 ID:3v3KhBo0
今日のノルマは終了っす、ではではおやすみなさい
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 00:06:19.09 ID:J69snr.o
おつやすみ
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 03:13:15.36 ID:S4ZF8UAO
超乙かれさま。
199 :ぼっち死[saga]:2010/09/10(金) 22:31:17.75 ID:ZBsPwOM0
うぅん…まだ200か…

できれば2スレ目まで行って完結させたいんだけどなぁ
200 :ぼっち死[sage saga]:2010/09/10(金) 22:33:46.36 ID:ZBsPwOM0
途中で書き込んだ、そこまでつなげれるかわからん…

ちょっとずつ続き↓

…。

薬師「魔物使いちゃん!もう少し足止めをっ!!」

魔物使い「やってるってば!!」

フクロウ「ほーっ…!」

フクロウが再び風を放つ

聖騎士「ぬぅん!!」

しかし聖騎士は一振りで風を切り裂く

魔物使い「なんですって!?」

フクロウ「魔方陣を使わずにこの攻撃を防ぐとはっ…!」

とうぞく「もう…大丈夫ッス!!」ヨロッ

とうぞくがやっとの思いで起き上がる

薬師「駄目よ!まだ完治してない!今行ってもとうぞく君じゃっ…!」

ハッ、と薬師が口を押さえる

とうぞく「…。悔しいけどその通りッス…、パーティーでは真っ先にやられるやられ役…。」

とうぞく「援護がなければまともに攻撃もできない…情けない奴スよね…。」

そういいながら予備の短剣をポーチから取り出す

とうぞく「でも…、それじゃ駄目なんスよ…せめて…大剣士さんが来るまで…」

とうぞく「オレがみんなを守るんス!!」

カチャッ!とうぞくが2本の短剣を構える

そして走り出す…

薬師「だめっ…!(この感じ…青年の時とっ…)」
201 :ぼっち死[sage saga]:2010/09/10(金) 22:35:13.13 ID:ZBsPwOM0
〜〜〜

フクロウ「くぅ!このままでは…。」

フクロウは飛びながら風を放つ

しかしそのたびに切り捨てられる

魔物使い「限がないわね…。」

とうぞく「大丈夫スか!?」

魔物使い「とうぞく!?あんたこそ大丈夫なの?」

とうぞく「いけるッス!」

聖騎士「次から次へと邪魔なやつらだ…。」

聖騎士がとうぞくに体を向ける

その瞬間に聖騎士の後ろから風が放たれる

フクロウ「主のあいてはワシじゃよ?」

聖騎士「っ…。損傷確認、自己修復っ…。」

またも鎧に魔方陣が浮かび上がる

とうぞく「ほんと…限がないスね…。」
202 :ぼっち死[sage saga]:2010/09/10(金) 22:36:13.60 ID:ZBsPwOM0
魔物使いがとうぞくをちらとみる

魔物使い「で、何か策でもあんの?ただやられに来たわけじゃあないんでしょ?」

とうぞく「…。あいつの厄介なところは魔方陣による魔法と、自己修復ス…。」

とうぞく「でも、あいつに刺さってる短剣…抜けばいいのに、そのままにしてるんスよ。」

魔物使い「本当ね…。どうしてなの?」

とうぞく「たぶん、抜く前に自己修復をして抜けなくなったんじゃないスかね…?」

とうぞく「ッスから、あの短剣を使って鎧の傷口を広げ…、そこに薬師さんの爆薬を入れるッス!」

魔物使い「中から爆発させれば…倒せるかもね…。」

魔物使い「あたしは薬師と犬のところへ行く、あんたとフクロウで…足止めできるわね?」

とうぞく「…。まかせるッス!」
203 :ぼっち士[saga]:2010/09/10(金) 23:00:02.12 ID:ZBsPwOM0
〜〜〜

廊下を進む大剣士と銃士の前に瓦礫の山が立ちふさがる

大剣士「!?壁が崩れて…。」

銃士「まあ、古い建物だからなっ!大方さっきの衝撃で崩れたんだろうよ。」

大剣士「急がないと…!」

シュイイィン、大剣を抜く

銃士「やめとけ、その程度じゃあまたすぐに崩れてきちまう。」

大剣士「…。」

銃士「俺に任しときなって!!」

銃士は黒いコートの中から大砲を小さくしたような筒を取り出す

大剣士「それは…?」

銃士「質問はあとだ、あぶねえから下がってろ!」

そう言い放ち、銃士の抱えた筒の先が光りだす

シュゴォアア!強烈な光とともに炎が放たれる

それはドラゴンの一撃とたとえるべきだろう

崩れた瓦礫は一瞬にしてとけ、道が開ける

大剣士「すごい…。」

銃士「はやく行くぞー、また崩れるかもだからなっ!!ふははっ!」
204 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/10(金) 23:22:13.65 ID:ZBsPwOM0
うわーん^q^一人で黙々と書き込みしてるなんて…。

僕がんばってますよね…?続けていいんですよね?
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 23:30:34.93 ID:IUbRQsAO
かまわんよ
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 23:32:24.46 ID:FhSK.Hwo
大丈夫だ、面白いから続けてくれ
製速は人少ないからレスなくても気にしないでおk
207 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/10(金) 23:39:23.30 ID:ZBsPwOM0
そだったのか…

ぼくがんばるよっ!!
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/10(金) 23:40:12.77 ID:J69snr.o
ついでに投下中は書かない方がいいかなと思ったりもする訳ですよ
209 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/10(金) 23:46:53.77 ID:ZBsPwOM0
リアルタイムでやっててレスが付くとてんそんがあがる^q^
というわけでばりばり書いてきます。
210 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/11(土) 00:55:03.86 ID:2dK/vNI0
張り切ってた割りにあんまかけてない、↓続き

…。

タッタッタッタッ

大剣士「で、さっきのですけど…。」

銃士「ん?ああ、『魔銃』っての知らねえか?」

銃士「名前の通り、俺が作った魔法を射出する道具だな。」

大剣士「…。」

銃士「ああいう『魔砲』は単に魔力を増幅させて撃つんだが…。」

大剣士「ほかにも?」

銃士「ああ、あとは弾を魔力で強化して撃つ小型の銃、魔力コントロールで精密かつ長距離の狙撃ができる魔銃、こんなもんだな。」

大剣士「そんなにどうやって持ち運んでるんですか…。」

銃士「ふははっ!秘密だぜ!これを知られちゃあ俺のお株が大暴落だ!!」

大剣士「訳わかりませんよ…。」
211 :ぼっち士[saga]:2010/09/11(土) 00:55:54.23 ID:2dK/vNI0
〜〜〜

キィイイイン!

聖騎士「効かんな…、それで足止めしているつもりか…?」

とうぞく「くぅっ!」

とうぞくが短剣で再び切りつける

それを聖騎士が腕で払う

ガキィイイン!

短剣の刃は真ん中から折れ、使い物にならなくなる

とうぞく「剣が!?ぐぅっ!」

聖騎士の二撃目を喰らい、吹き飛ばされる

フクロウ「ほーっ!!」

風でとうぞくの体を包み込む

同時に聖騎士の周りに砂煙を巻き起こした

聖騎士「小ざかしいまねをっ…。そこかっ!」

ヒュン!ガキン!!

敵の気配を察知し、剣を振る
212 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/11(土) 00:56:33.76 ID:2dK/vNI0
しかし、それはとうぞくでもフクロウでもなく折れた短剣だった

聖騎士「なに!?」

とうぞく「こっちッス!!」

残りの短剣を、聖騎士の鎧に刺さったままの短剣の場所へ突き刺す

とうぞく(やっぱり!この辺りだけ脆くなってる!)

自己修復に異物を混ぜたため、短剣が突き刺さっている箇所だけ鎧が脆くなっていた

ガキィイン!ガキン!二つの短剣を掴み、鎧の隙間を大きくあける

聖騎士「くっ…!術しk「ほーっ!!」」

フクロウが再び風を起こし、聖騎士の足を取ろうとする

聖騎士「…っ!甘い!」

何とかそれに耐えようとする聖騎士

とうぞく「まだまだスよ!」

風に耐えている聖騎士にとうぞくが足払いをかける

グラァっと聖騎士の巨体が前のめりに倒れこむ

しかし、受身を取りすぐに起き上がろうとする

フクロウ「まだ寝ていてもらわぬと困る!」

ズゥウウウン!
213 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/11(土) 00:56:59.59 ID:2dK/vNI0
聖騎士の体が完全に地面に倒される

聖騎士「!?なんだこれは!」

フクロウ「ほほっ…重かろう、空気を圧縮して主に圧をかけとるのじゃ…。」

とうぞく「薬師さん!?」

薬師「これよ!受け取って!」

薬師は2つ爆薬をとうぞくに投げ渡す

そしてその爆薬を聖騎士の鎧の中へ滑り込ませる

魔物使い「犬ゥ!君に決めたっ!!」

薬師によって回復した犬が魔物使いの掛け声に応じる

犬「かえんほうしゃwwwwwずどどどどwwwww」

犬の炎が聖騎士の傷をめがけ放たれる

聖騎士「ぬぉおおおおおおおお!!」

薬師「はぁああ!!」

魔力を送る薬師

そして、

ドゴオオオオオォオオオン!辺りを爆音と爆風が包み込む…
214 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/11(土) 00:57:46.65 ID:2dK/vNI0
…。

ガシャン

魔物使い「うそ…まだ生きてる…?」

とうぞく「どうしろっていうんスか…。」

薬師「所謂ピンチってやつね…。」

ガシャン!

3人の視線のさきには、傷一つない聖騎士の姿があった

聖騎士「…。ははは!今のはよかったぞ侵入者ども!」

フクロウ「魔方陣の多重機動じゃと…?そんなこともできるのかこやつはっ!」

聖騎士は水の魔方陣と自己修復の魔方陣を同時に発動し、ダメージ軽減と回復を瞬時に行ったのだ

ギュン!聖騎士が一瞬で間合いを詰め、フクロウを叩き落す

フクロウ「!?」

魔法使い「犬!」

犬「まかせんしゃいwwww」

犬が口から高熱の熱線を放つ

聖騎士「術式…多重機動!」

鎧に二つの魔方陣が浮き上がる

ジョワアアアアア

熱線が水流にとめられ、大量の蒸気が発生する
215 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/11(土) 00:59:06.68 ID:2dK/vNI0
ゴゴゴゴ

魔物使い「な、なに?」

とうぞく「避けるッス!魔物使いさん!」

しかし、とうぞくは間に合わず魔物使いの小さな体はめくれあがる地面に飛ばされ叩きつけられる

魔物使い「きゃああ!!」

とうぞく「くっ!!」

薬師「とうぞく君!」

蒸気の中から聖騎士が飛び出してくる

とうぞくは首を掴まれ、薬師に剣が突きつけられる

薬師「!?」

とうぞく「ぐぅっ…!がはっ…。」

聖騎士はさらに首を絞める力を強くする

聖騎士「よくもやってくれたな…、貴様等の戦いには賞賛を送る…。だが我が王の古城を荒らした罪は、とってもらわねばな。」

聖騎士「まずは…そこの女からだ。」

薬師に突きつけた剣を振り上げる

薬師「_____っ!」
216 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/11(土) 01:00:29.37 ID:2dK/vNI0
バギィイイン!

横からの攻撃によって聖騎士の剣ははじかれる

聖騎士「なにっ!?」

…。

銃士「ボウズ、援護は任せろ。思い切り暴れてきな…。」

大剣士「言われなくてもっ!!」

タッ!大剣士は剣を抜きながら駆ける



今日はここまでです、見てくれてた人はありがとう、
そしておやすみなさいませ。
217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/11(土) 01:35:50.44 ID:.mVsWZIo
おつ!
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/11(土) 02:31:38.38 ID:l1NPEFIo
おつ!
219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/11(土) 02:51:09.03 ID:xfGK93Uo
おつ!
220 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/11(土) 02:56:22.62 ID:mc4pnQAO
いつもいいとこで途切れるなwwwwww
221 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/11(土) 03:58:27.33 ID:HdMgqYAO
途中、ポケモンのネタがww

超乙かれさまでした。
222 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/11(土) 22:08:48.97 ID:2dK/vNI0
こんばんわ、今日はすでに眠いけどちょっとずつ投下していくよ!↓


…。

聖騎士「銃士…!?貴様っ!なぜ今頃!!」

銃士「やはり…お前は聖騎士だったか…。」

カチャッ!銃士は2丁の魔銃を構える

銃士「ここにはもう何もないハズだぜ!お前はこんなところで何してんだよォ!!」

銃士が魔力を込めた弾丸を撃ち出す

聖騎士「貴様は10年前に軍を辞めたものだ、例え貴様といえど我が王に合わせるわけにはいかぬっ!」

それを聖騎士が切り捨てる

銃士「話が通じねえか…、お前やっぱ…。」

大剣士(軍?そうか…ここは昔、北の大国と呼ばれた場所だったんだっけ…。そんなことより!)

大剣士「とうぞく!みんなを連れて離れて!」

とうぞく「わかったス!オレも…あとで一緒に戦うスから!!」

大剣士「!!うんっ…!」

とうぞくは薬師の手をとり、魔物使いのもとへ走る

大剣士(とうぞく…、成長したんだな…。)

大剣士(僕もっ!負けてられない!!)

剣を構えて聖騎士へ飛び掛る
223 :ぼっち士[saga]:2010/09/11(土) 22:11:12.35 ID:2dK/vNI0
聖騎士「次から次へと!私の邪魔をするなぁああああああ!!」

聖騎士の宝剣から光が伸びる

凶悪なほど白く、見るものを焼ききってしまうほどの光が…

大剣士「何だ…?この光…。」

銃士「馬鹿野郎!さがれ!死ぬぞォ!!」

銃士はコートの中に2丁の魔銃をしまうと魔砲を取り出した

聖騎士「アルテマ…ブレイドォオオオオ!!」

光が一層強くなり、聖騎士が剣を振り下ろす

剣からは光の衝撃波が生み出され、床を削りながら二人を狙う

銃士「ぐ、おぉおおおおおおお!」

ドシュゥウウ!!

銃士の持つ魔砲からも巨大な光の弾が放たれる

大剣士「うっ…!みんな伏せて!」

とうぞく「!?」

大剣士の声に反応し、薬師と魔物使いの上に覆いかぶさる
224 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/11(土) 22:15:59.76 ID:2dK/vNI0
次の瞬間、二つの光が混ざりあい…

爆ぜた_______

強烈な光が、音が、風が、衝撃が…順に5人と2匹を襲う

とうぞく「大丈夫…スか…?」

薬師「私は…だいじょう…!?」

とうぞくは頭から血を流していた

薬師「とう…ぞく君?怪我…してる…。」

薬師はとうぞくの頭に手を当て、治癒魔法を唱える

しかし血は止まらない

とうぞく「ははっ…、今回も……もう駄目みたいッス…。」

衝撃波によって飛ばされた破片から2人を守ったのだろう

とうぞくの体には無数の傷があった
225 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/11(土) 22:18:55.22 ID:2dK/vNI0
とうぞく「オレ、弱いス…ね…もっと…つよ…く…。」

薬師「血が止まらない…目を開けてよ…とうぞく君……。」

薬師は更に魔力を注ぎ込む

とまらない…もっと…

だんだん、魔力が底を付き始めるのがわかる

足りない…

薬師は一時的に魔力を高める薬を飲む

そして治癒魔法を続ける

薬師「これ…でだいじょう…ぶ…誰も…しなな…。」

血が止まり、とうぞくの容体が安定する

それを確認したあと、薬師はそのままとうぞくに覆いかぶさるように…気を失った
226 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/11(土) 22:32:51.49 ID:2dK/vNI0
〜〜〜

フクロウ「よくもワシの子を…、仲間を…。」

フクロウの周りには羽が飛び散り、赤黒い血が流れていた

ヒュォオオ…

フクロウを徐々に風が包んでいく

豊満な女性の体の細部を隠すように羽が生え、背中から翼が勢いよく生える

フクロウ?「その代償…主の命で払えるかのぅ?」

バサァッっと大きく翼を広げる
227 :ぼっち士[saga]:2010/09/12(日) 00:40:04.16 ID:2qlTHCA0
〜〜〜

大剣士「くっ…あっ…、み、みんなは…?」

大剣士は離れたところにいるとうぞくたちを見る

薬師が必死になってとうぞくを治療していた…

大剣士「とうぞく…。そ、そうだっ!あいつはっ…?」

シュウゥウウウ

砂煙の向こうには剣を携えた鎧の騎士が立っていた…

聖騎士「…。我が究極の剣をここまで弱めるとはな…。」

銃士「ぐぅっ…がはっぁ…。」

ギリギリまで聖騎士の技を食い止めていたのだろう…

銃士の足元には血がたまり、立っているのもやっとの様子だ

聖騎士「さすが、以前は私と同等の力を持っていただけはある。」

聖騎士は銃士の後ろに開いた穴を見る

聖騎士「結界を張っていたとはいえ…、城を破壊してしまうとは…。加減を間違えたかな?」

銃士「ふはっ…!お前の全力が…これかよ…!世界最強と謳われていた…北国の騎士団長が…。」

聖騎士「…。謳われていた?謳われているの間違いだろう。」
228 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 00:41:18.77 ID:2qlTHCA0
大剣士(話が通じた!?段々、正気に戻っているのか…?)

銃士「お前…本当に気づいていないのか…?もう薄ら感じてるんじゃないのか?」

聖騎士「なにが…だ…、ぐぅ…。」

銃士「今日、お前はなぜここにいた?何をしていたんだ?」

聖騎士「私は…魔王軍との決戦に向けて…、北西に…ぐっ!」

銃士「そこで何があった、なぜお前はここに戻ってきた?」

聖騎士は頭を抱える

聖騎士「あ…ぐぁ…私たちが出撃したあと…空から魔物の大群が…。」

聖騎士「急いで戻ったが…、城は…すで…にっ!ああああああああ!」

悲痛な声をあげる
229 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 00:42:57.65 ID:2qlTHCA0
聖騎士「…。王は討たれ、城は魔物に占領され…それでも私たちは戦った…、戦いきった。」

銃士「…。」

聖騎士「気がつけばここに立っていて、そして彼等がいた…。」

聖騎士「どうすればいい?王よ…貴方を失って…私は…。この怒りを、憎しみを、どこにぶつければいい!?」

銃士「…。気が済むまで…俺が相手になってやる…、お前の腐った根性をたたき直してやるよ!!!」

カチャリ、再び2丁の魔銃を取り出す

聖騎士「おお…、私をこの呪縛から解き放ってくれ…友よ…いざ!」
230 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 00:44:26.74 ID:2qlTHCA0
…。

銃士の下へ大剣士がやってくる

大剣士「銃士さん…、あなたがどう言おうと僕は戦います。」

銃士「どうしたぁ?俺の心配でもしてくれてんのか?ふはは!」

大剣士「僕の仲間を…ここまでされて黙っていられると思いますか?」

銃士「お?その仲間には俺も入ってるのか?」

大剣士「当たり前です…。せいぜい死なないように援護してくださいっ!」タッ

聖騎士へめがけ大剣を振るう

ガキィイン!大剣を宝剣で受け止め拮抗する

聖騎士「その程度では私は倒せん…、はやく!私を王の下へ!!」

大剣士「はぁああ!」

大剣をそらし、剣を滑らせる

そして聖騎士の懐へ潜り込み、腹を思いっきり蹴り飛ばす
231 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 00:46:05.62 ID:2qlTHCA0
聖騎士「ぐぅっ!」

大剣士「でゃあああ!」

思わずあとずさる聖騎士へ更に追い討ちをかける

聖騎士「甘いっ!!」

聖騎士の鎧に魔方陣が浮かび上がる

銃士「ふははっ!仲間といってもらっちゃあ助けねえわけにはいかねえよなっ!!」

ドンドン!

銃士の持つ魔銃から弾丸が発射され魔方陣の発動を妨害する

聖騎士「なに!?」

魔方陣は不発し、大剣士の剣が聖騎士の左腕を切り落とす

大剣士「切り取ってしまえば…修復は効かないハズっ!」

そしてもう一度剣を振り下ろそうとする

しかし聖騎士の剣によって阻まれ蹴りをまともに受けてしまう

大剣士「ぐはっ!!」

銃士「大剣士!くそっ!これでも喰らえ!!」

ドンドドン!
232 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 01:02:12.21 ID:2qlTHCA0
銃士が連続して弾を撃つ、しかしそれは突如生えた左腕に弾かれる

銃士「!?地属性の魔方陣を利用して腕を再生させたってのか!!」

聖騎士「ぬぅん!!」

土でできた左腕を床に突き刺す

そして再び鎧が魔方陣を浮かび上がらせ、光を放つ

床から岩が浮かび上がり聖騎士の周りを漂う

銃士「まにっ…あわねえ!」

岩を撃ち落そうとする銃士、しかし次々と岩は浮かび上がり、大きくなっていく

聖騎士「はぁああああ!!」

聖騎士が腕を振ると巨大な岩の固まりが大剣士と銃士に向かって放たれる


233 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 01:43:13.15 ID:2qlTHCA0
うーん、今日中に古城終わるかなー
俺の妄想では魔王まで行った
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 02:43:05.61 ID:OEiUTXMo
魔王まで逝っただと!?

大剣士も立派になって…
魔物使いはきっと魔物使い五行を身につけたんだな

最後の大剣士の大技、魔法五行を付加した大剣の一撃で魔王を逝ったんだな
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/12(日) 07:12:04.76 ID:ZjaeEoDO
>>234他のスレの話混ぜんのとか止めてくれないかな、気持ち悪いんですけど
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 07:23:36.77 ID:wQ0xeAAO
あれフクロウは・・・?
237 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 09:09:17.41 ID:2qlTHCA0
寝落ちしました!!
フクロウちゃんは今(# ^ω^)ビキビキッって怒ってるところです。
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 11:42:45.18 ID:OEiUTXMo
フクロウは裸なのでしまむらに服を買いに行きましたが

途中で服を買いに行く服がないことに気づいてオロオロしてます
239 :ぼっち士[saga]:2010/09/12(日) 11:58:38.96 ID:2qlTHCA0
フクロウ?「裸ぢゃないから恥ずかしくないわっ!」///

続き↓

ビュォオオオオ!放たれた岩は突如吹いた暴風によって吹き飛ばされた

銃士「…?なんだありゃあ!見たこともねえ魔物だぜ?」

大剣士「あ、れは…!フクロウ?でも魔物使いは気絶してるはずじゃ…?」

フクロウ?「ほほっ…、心配するでない…ワシはあの子とは主従契約しておらぬ。」

フクロウ?「ワシの力、意志で戦っておるのじゃからな…。」

銃士「ま、とりあえずは手助けしてくれるってわけだな?」

フクロウ?「そうなるかの?まあ、奴を殺すまでじゃがな…。」

フクロウ?から殺気が放たれる

銃士(なんだこいつの威圧感!?ただの魔物じゃねえ!!)

大剣士(船の上でちょっと見ただけだけど…ここまでなのかっ?)

フクロウ?「行くぞ…足を引っ張るでないぞ?人間。」
240 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 11:59:33.08 ID:2qlTHCA0
銃士「ふははっ!手厳しいこって!!」

3人は聖騎士に顔を向ける

聖騎士「いいぞ!それで私は救われる!はやく来い、化物ぉおお!」

シュィイイン

銃士「3つの魔方陣を多重機動だと!?いつの間にそんな力を!」

フクロウ?「ほほ…、これではどちらが化物かわからぬのぉ?」

聖騎士「ぬぅん!!」

聖騎士の掛け声とともに、2つの衝撃波が3人を襲う

フクロウ?「サービスじゃ…、これ以上の補助はしてやれんぞ?」

ヒュォオオ…、風が大剣士と銃士の体を包み込む

大剣士「体が…軽い。」

銃士「ありがたいねえ!これだけで十分さ!!」

3人は散開し衝撃波を避ける
241 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 12:00:54.85 ID:2qlTHCA0
大剣士「はぁああ!!」

大剣を構えて走り出す

聖騎士「来るか!」

大剣士の剣を受け止めようと聖騎士は剣を構える

バギィイン!しかしその剣は弾かれ、大剣は聖騎士の鎧に浮かぶ魔方陣を突き刺した

銃士「甘えっての!!」

聖騎士「ぐぁあ!!」

聖騎士はすぐさま剣を振るう

大剣士「くっ!」

大剣を引き抜き、瞬時に下がる

聖騎士「…。一番多く魔力を溜めていた魔方陣を封じてきたか…、あの小僧、なかなかやるな…。」
242 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 12:01:51.49 ID:2qlTHCA0
フクロウ?「おやぁ?人間にばかりかまけていていいのかのぅ?ワシを忘れてもらっては困るぞ!!」

いつのまにか聖騎士の後ろに回りこんでいたフクロウ?が風で生み出した剣で聖騎士の鎧を切り刻む

聖騎士「な…に…?」

鎧はいたるところに傷がつき、発動しようとしていた魔方陣が消え去る

フクロウ?「鎧の模様を消してしまえば、魔方陣の発動に支障がでるじゃろうて。」

そしてフクロウ?は一旦距離をとる

銃士「駄目だ!!攻撃の手を休めるんじゃない!!」

大剣士「!?っく!」

フクロウ?「!!」

銃士の声に反応し大剣士とフクロウ?は一斉に切りつける

聖騎士「遅いわぁっ!!」
243 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 12:02:18.99 ID:2qlTHCA0
シュィイイン

宙に描かれた魔方陣から炎と衝撃波が放たれる

大剣士「うわぁあっ!!」

フクロウ?「くぅ…!」

二人の体が熱波によって吹き飛ばされる

銃士「間に合わなかったか!!ちっ!」

銃士にも熱波が放たれる、それを寸でのところで回避する

ダァン!

銃士は転がりながら聖騎士へ弾を発射する

聖騎士「ぬぅっ!」

その弾は聖騎士の眼前で爆発し、炎が撒き散らされる
244 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 12:13:40.26 ID:2qlTHCA0
大剣士「魔方陣は封じたはずじゃあっ!?」

フクロウ?「あやつ…一瞬で魔方陣を自分で生成したんじゃ…。」

銃士「あいつは…魔道と武道を極め、北の王から大陸一の魔法剣士として認められた。」

銃士「そして聖騎士の称号を与えられたんだ…、一瞬でも気を抜けば3人でもやられちまう。」

フクロウ?「ほぅ…それで魔物化か…魔力も相当なものじゃろうな…。」

銃士「…もう人間には戻らねえのか…?完全に魔物になっちまってるのか…?」

大剣士「………。」

大剣士は人知れず大剣を握る力を強くする

聖騎士は3人の様子を伺っている
245 :ぼっち士[saga]:2010/09/12(日) 14:50:31.25 ID:2qlTHCA0
フクロウ?「残念じゃが、奴は奴の王を殺されたことを悔やんで数え切れないほどの怒りと憎悪をもち、魔物化していった。」

フクロウ?「まだ正気を保てているのは人間だったころ、一番親しかったお主の魔力に影響されとるのじゃろう。」

銃士「…。」

フクロウ?「奴を魔物の呪縛から解いてやれるのはお主だけじゃ。」

フクロウ?「人間の気持ちはわからぬが親友なら楽にさせてやるといい。」

銃士「…。」

しばらくの間黙り込む銃士

そして
246 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 14:51:33.50 ID:2qlTHCA0
銃士「ああ…わかった…。」

フクロウ?「本当にいいのだな…?では次で決着をつけるぞ?」

大剣士「わかりました…行きますっ!!」

タッ!タッ!

3人が再び聖騎士へ向かう

聖騎士「…。」

聖騎士は再び宙に魔方陣を描き出す

大剣士「やぁあああ!!」

大剣を振り下ろす

聖騎士「ぬぅ!」

それを剣で受け止める

フクロウ?「ふっ!!」

反対側からフクロウ?が攻撃を仕掛ける
247 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 14:52:18.77 ID:2qlTHCA0
聖騎士「術式!発動!」

聖騎士の周りを渦潮が巻く

突如現れた渦潮にフクロウ?は弾き飛ばされる

宙で体勢を整え、翼を広げて羽ばたく

フクロウ?「やっかいじゃな…、大剣士!離れておれ!」

フクロウ?は風を起こし、渦巻きと逆の回転を起こす

聖騎士「!?動きを止める気か!」

聖騎士はもう一つ魔方陣を描き始める

銃士「ただの水なら弾かれる心配もねえ!これ以上好きにはさせねえぜ!?」

ダァン!氷の魔法が付与された弾丸は水を凍らせ、聖騎士の腕を貫いた
248 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 14:54:04.56 ID:2qlTHCA0
聖騎士「ぐっ…!」

描いていた魔方陣は途中で切れ、消滅する

フクロウ?「よくやった!ワシは動きを止める!止めを頼んだぞ、大剣士!銃士!」

パキパキ…パキィイン!

凍った水が砕け聖騎士の上へ巨大な空気の塊が押し付けられる

聖騎士「なっ…さきほどとは比べ物に…。」

思わず片ひざを着く聖騎士

大剣士「銃士さん!行きますよ!」

銃士「おう!こっちはいつでもおっけーだぜ!!」
249 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 14:57:36.35 ID:2qlTHCA0
身動きの取れない聖騎士を肩から胴まで切り裂く

そして剣を引き抜き横へ飛ぶ

銃士「これがっ!俺の全力だぁああああああああ!!」

ドシュウウゥウウ!

魔砲から放たれた一撃は触れるだけで蒸発してしまうような

巨大な黒炎

それは聖騎士へ真っ直ぐ引き寄せられてゆく

聖騎士「ありがとう…友よ…。」

聖騎士は空気圧の中で立ち上がり…その黒炎を受け止めた
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 15:10:56.57 ID:OEiUTXMo
魔物には2種類ある

最初から魔物として産まれたモノ

後から魔物になったモノ
の2種類だ

聖騎士は後者であり、犬とフクロウは前者である

後者の場合、負から魔物化するため、人と和解してしまうと消滅してしまう
※ただし、負が解消されなければ人との共存も可能かもしれない

前者の場合、元から魔物なため、人と和解しても消滅はしない

その為、魔物使いが使役できるのは前者の魔物として産まれた魔物のみと言われている
ただ、伝説クラスの魔物使いでは、後者の後から魔物化したモノまで使役できたと言うが
その事実は定かではない
251 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 15:24:29.88 ID:2qlTHCA0
ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwww

それだと後のストーリーがゲシュタルト崩壊するんだがwwwwwwwwww
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 15:26:16.90 ID:PU9ekx.o
普通に>>1が書いた設定だと思って読んでたぞww
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 15:59:31.11 ID:OEiUTXMo
ごめんwwwwwwwwww
>>1が書いてくれると嬉しいwwwwwwww
254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 16:05:56.79 ID:OEiUTXMo
崩壊しちゃうってことはこうか


魔物には2種類ある

最初から魔物として産まれたモノ

後から魔物になったモノ
の2種類だ

さらに、後者の後から魔物になったモノは細かくは2つに分けられる
恨みなどの負の影響により魔物になったモノ

魔術など何らかの方法で意図的に魔物になったモノ
の2つだ
聖騎士は後から負の影響により魔物になったモノである

負から魔物化したものは、人と和解してしまうと消滅してしまう
※ただし、負が解消されなければ人との共存も可能かもしれない

元から魔物なモノ、術などで魔物になったモノは、人と和解しても消滅はしない

その為、魔物使いが使役できるのは魔物として産まれた魔物、または術などで魔物になったモノのみと言われている
ただ、伝説クラスの魔物使いでは、後から魔物化したモノまで使役できたと言うが
その事実は定かではない
255 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 16:37:58.80 ID:2qlTHCA0
魔物には2種類ある

最初から魔物として産まれたモノ

後から魔物になったモノ
の2種類だ

さらに、後者の後から魔物になったモノは細かくは2つに分けられる
恨みなどの負の影響により魔物になったモノ

魔術など何らかの方法で意図的に魔物になったモノ
の2つだ
聖騎士は後から負の影響により魔物になったモノである

負から魔物化したものは決してもとに戻ることはない
魔物化をとめるにはきっかけを解消する必要がある
しかし、再び負を受け入れると完全な魔物になってしまうという

ちなみに比較的知能の高い魔物は、もとは人間であったケースや生み出されたものが多い

魔物にも様々な意志を持つものもおり、場合によっては人に付き従うものもいる

その魔物との関係は互恵契約と主従契約があり、互恵契約はそれらの目的のために旅をともにする、というものであり

魔物使いからの魔力をほとんど必要としない、フクロウはこれにあたる

主従契約は主に低知能の魔物や弱い魔物と交わすことが多く、主人の魔力を使い代理で戦うのである

魔物使いには上級クラスがほとんど存在しない、魔物になつかれる素質、威厳が必要だからだ。魔物の中に魔物を扱うモノもいるらしいが確かな情報はない。


魔物使い「あたしは魔物マスターになる!!」



こんな感じだな、いまちょっと詰んでるからネタバレしない程度の質問は受け付けます!(キリ
なかったら夜までお待ちください

256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 16:42:34.47 ID:OEiUTXMo
ありがとう!!
っていうかフクロウのところ解説しちゃった・・・せっかく伏せてたのにwwwwww
まぁもうばらしてるようなものかwwwwww

これ以上はあれだからわたしは黙っときますねwwwwww
257 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 20:17:41.86 ID:2qlTHCA0
ないようですね…(´・ω・)

まあ俺の文章力がはんぱなくて説明しなくても普通にわかるぜ!!ってことですよね!!
…。すいません調子乗りました

9時くらいから投下
258 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 20:27:03.59 ID:jvgHNoDO
まじはんぱないぜ
259 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 21:03:33.02 ID:2qlTHCA0
>>249 から続き↓

…。

プシュウゥウウウ…

辺りには金属の溶けた臭いが充満し、黒煙が立ち上っている

フクロウ「ほー…?」

大剣士「終わったの…かな?」

銃士「…。」

トッ…トッ…

2人の背後で足音がする

大剣士「!?…魔物使い…?」

魔物使い「…。」

大剣士「どうしたの…?」

魔物使い「声が…聞こえたの…、助けて…って…。」
260 :ぼっち士[saga]:2010/09/12(日) 21:04:17.76 ID:2qlTHCA0
フクロウ「声じゃと…?まさか、共鳴か!」

銃士「何だそれは?」

フクロウ「魔力同士が共鳴し、相手の思いや意志を伝えるのじゃ…。」

大剣士「じゃ、じゃあ、魔物使いは聖騎士と共鳴して…?」

フクロウ「彼奴の過去…銃士によって倒されても、振り切れなかった思いが…彼奴を苦しめておるのであろう。」

そして魔物使いが溶けた鎧の姿で地に伏せる、聖騎士のもとへ歩んで行く

魔物使い「…。」

聖騎士「…。」

突如、二人の体から魔力の光が溢れ出る…

大剣士「くぅ…!何だろう…この感じ…。」
261 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 21:05:05.69 ID:2qlTHCA0
〜〜〜

大剣士「?ここは…。」

セピア色に色褪せた風景、周りを見渡すとここはどこかの城下町であることがわかる

遠くには見覚えのある城があることから、ここは記憶の中の北国であろう

大剣士「聖騎士の記憶か…、僕も共鳴できたんだね…!?」

大剣士はある異変に気づく

大剣士「あ、あれ!?な、なんで服着てないの!」

思わず周囲の様子を伺う

しかし、誰も大剣士を気にはとめず忙しそうに先を進んで行く

大剣士「記憶の中だもんね…。」

そう言い聞かせるがどこか恥ずかしそうにもじもじする

ガシャッガシャッ

鎧を着た男が2人、居酒屋らしきところから出てきた

北国騎士『だめだ!どこにもいない!』

北国騎士『ほかに心当たりはないのか!?もうすぐ王女の成人式が始まるぞ!』

北国騎士『くそ!王子!どこに行ったんだ!このままじゃ俺らやばいことになるぞ!』

北国騎士『ええい、お前はあっちを探せ!俺はこっちを探す!』

ガシャッガシャッガシャッ
262 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 21:06:41.80 ID:2qlTHCA0
大剣士「なんだったんだろう…。」

そしてもう一度辺りを見渡す

そこには

???『行ったか…、まったくうるさいんだよなー、姉上の成人式なんて私がいなくてもよかろうに…。』

ぼろぼろのマントを頭からかぶった、整った顔立ちをしている齢17くらいの男性がいた

???『…?あれは…孤児か…こんなところで…。』

孤児『…。』

???『ふむ…いい目をしている…、どうだ?お前、私と来ないか?』

孤児『…。』

孤児は男性の顔をじーっと見つめる

そして…こくんと頷いた

…。

孤児は物心付いたときから孤独だった

赤ん坊のころはせめてもの償いだろう、孤児は育てられ…そして捨てられた

親には育てられたことを感謝していない、楽に殺してもらいたかった

この日までは…
263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 21:07:02.28 ID:OEiUTXMo
北国騎士『ほかに心当たりはないのか!?もうすぐ王女の成人式が始まるぞ!』

北国騎士『くそ!王子!どこに行ったんだ!このままじゃ俺らやばいことになるぞ!』

大剣士「…」

北国騎士『…ちらっ ちっちゃ』プッ

大剣士「////」

北国騎士『ええい、お前はあっちを探せ!俺はこっちを探す!』

ガシャッガシャッガシャッ



ごめん黙ってるwwwwwwww
264 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 21:09:12.15 ID:2qlTHCA0
…。

大剣士「ここは…、城の中か…。」

中庭には一層たくましく成長した男性と10歳くらいの男の子がいた

???『おお、孤児。お前に面倒を見てもらいたいやつがいるんだ。』

孤児『王…。誰ですかそれは?』

王『まあ待て。おい、出て来い〜。」

王の声に呼ばれて、孤児と同い年くらいの少年がやってきた

銃士『よっ!俺の名前は銃士って言うんだ!よろしくたのむぜ!』
265 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 21:10:06.31 ID:2qlTHCA0
…。

時は少したち、一回り大きくなった少年たちが剣の稽古をしていた

銃士『てりゃあああああ!』ガキィイン

孤児『たぁああああああ!』ガキンッ!

銃士の剣が孤児の剣によって弾かれる

銃士『くぅ〜!また負けかよ!!弓なら負けねえのに!』

孤児『ははは!今日の掃除係りはお前だからな!サボるなよ?』

…。

時と場所は変わって玉座の間…

王『銃士!孤児!お前等の成長は目に余るほどだ!』

王『お前等ほどの腕と才があれば小隊を預けても大丈夫だろう。』

銃士『そ、それはっ…!』

孤児『私たちを…?』

王『お前等に第4小隊と第6小隊を預ける、がんばってくれよ?小隊長殿!』
266 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 21:11:41.16 ID:2qlTHCA0
…。

段々と色が鮮明になっていく…

王『孤児よ…、お前の剣の才と魔道の才は北大陸一、よってお前には『聖騎士』の称号を与える。』

孤児『はっ!ありがたき幸せ…!』

王『では…この剣を…。』

王が孤児に宝剣を差し出す

孤児『我が王…、私はこれよりあなたを守る剣となりましょう。この身が果てるまで…あなたのために戦いましょう…。』

孤児は肩ひざを付き、頭を垂れる

そして…宝剣を受け取る

聖騎士『一生…お傍に…。』
267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 21:12:12.11 ID:OEiUTXMo
誤 王『銃士!孤児!お前等の成長は目に余るほどだ!』

正 王『銃士!孤児!お前等の成長は目をみはるほどだ!』
または
正 王『銃士!孤児!お前等の成長は目を疑いたくなるほどだ!』
後者はまぁ意味は通じるなレベル
268 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 21:22:16.64 ID:2qlTHCA0
あ、はいすいません。ご指摘どうもっす

269 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 21:29:34.65 ID:2qlTHCA0
…。

聖騎士『銃士!一体どういうことだ!』

銃士『なんだようっせーなー。』

聖騎士『軍を抜ける?本気で言っているのか!?』

聖騎士は銃士の胸倉を掴む

銃士『俺は…もっと外の世界を見てえんだよ…。』

聖騎士『そんな…!わがままでっ…!王への恩は忘れたというのか!!』

ガスッ!聖騎士は銃士の頬を殴る

銃士『…。』

銃士はふらつきながらも立ち上がる

銃士『恩を忘れる…?今の俺じゃあ忘れるどころか迷惑かけるだけなんだよ!!』

聖騎士『なっ…!そんなこと…!』

銃士『俺はもっと強くなる…、お前も抜いてやる!強くなって王を守りてえんだよ!!』

聖騎士『でも!お前がいなくなったら…!王を守りきれるかっ…。』

ガスッ!!銃士は聖騎士を殴る

銃士『俺がいなくても…お前は王を守りきれる…、俺はっ!お前を信じてるから!旅に出れるんだよ!!』

聖騎士は倒れこんだまま、銃士の背中を見上げる

銃士『じゃあ…な…、いつか戻ってくる…そん時までに王を守れてなかったら…もう一回お前をぶん殴る!』

聖騎士『あ…あぁ!約束する!お前が戻ってくるまで!私が王を守りきってみせる!!』

そのまま銃士は何も言わずにさってしまう…
270 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 21:31:14.67 ID:2qlTHCA0
やべー!!いそがねーと今日中に古城おわんねーじゃねーか!!!!11


…。

聖騎士『いよいよ…このときが来ましたね…。』

王『聖戦のはじまりだ…。』

聖騎士『やはり…!私はここに残ったほうが!!』

王『…。ならん、お前は軍団長だ。お前が先頭を勤めずにどうする?』

聖騎士『しかし!』

王『お前はこの数年間、私のためによく戦ってくれた。だがもう十分だ…。』

聖騎士『なっ!?』

王『この戦いが終わったら、お前には私の補佐をしてもらいたい。』

王『一緒に…この国を守ろうじゃあないか…。』

聖騎士『王…、わかりました…!この聖戦、必ずや勝利をつかみとってまいります!』
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/12(日) 21:58:25.08 ID:ZjaeEoDO
ID:OEiUTXMo
本当に気持ち悪いからマジで黙ってくんないかな
272 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 22:23:58.64 ID:2qlTHCA0
…。

聖騎士『進めぇー!!我等が祖国のために!!魔物を打ち倒せー!!』

兵士『『『うぉおおおおおおおおおおお!!』』』

聖騎士『術式!開放!!』

ゴシャアアアア!地面がめくれ、大量の魔物が吹き飛ばされていく

兵士『聖騎士様に続けー!!』

兵士『進軍だーっ!!』

ゴォオオオオオ…

聖騎士『な、なんだ!この音は…?』

大剣士「あ…あれは…?竜…?」

兵士『し、城が!!!魔物に襲われているぞ!!』

兵士『くそ!こいつらは囮だったってわけか!!』

聖騎士『おちつけい!!これより私と第3、第4小隊が城の援護へ向かう!お前たちはここで魔物を食い止めろ!!』

聖騎士『第1小隊長…、聞いての通り私たちは城へ向かう、今からこの軍はお前が統率するのだ。』

第1小隊長『そ、そんな!私には無理です!こんな軍隊を動かすなんてっ…!』

聖騎士『いいか!お前たち!いまから軍の統率は第1小隊長が取る!…。失敗は許されない、頼んだぞ…。』

第1小隊長『い、一体どうすれば…あっ…行ってしまわれた…。』
273 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 22:41:42.56 ID:2qlTHCA0
…。

聖騎士『はぁっ…はぁっ…!王!ご無事か!?』

王『ぐぅ…聖…騎士…なぜ戻って…。』

ガーゴイル『げひひっ!まだ生き残りがいやがったか!』

聖騎士『雑魚がっ…!』

聖騎士が剣を一振りする

ガーゴイル『げひっ…。』

それだけでガーゴイルは切り裂かれ、絶命する

王『すまん…な…。』

聖騎士『王…。申し訳ありません…私がっ…私がっ…!』

王『もうよい…、この国は滅ぶ…国民は…すでに逃がした…。』

王『軍を引き…お前も…生き延び…ろ…。今ま…でありが…と…う…。』

王はゆっくりと聖騎士へ手を伸ばし…何かを伝えようと口を開き、そして

息絶えた

聖騎士『あなたのご命令とあらば…私は生きましょう…。』

聖騎士『しかし、奴等を好きにはさせて置けません、奴等を打ち倒し…必ず生き延びて見せましょう。』

聖騎士『…。さようなら…私もあなたのことを…本当に父のように…。』
274 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 22:53:39.57 ID:2qlTHCA0
>>273 聖騎士『…。さようなら…私もあなたのことを…本当『の』父のように…。』
ですすいまそん



…。

聖騎士『第4小隊!前線へ撤退命令をだせ!第3小隊は生き残りを探し、撤退せよ!』

兵士『聖騎士様は一体!』

聖騎士『私にはやるべきことが残っている…、大丈夫だ、簡単には死ねない…。』

…。

兵士『ぎゃああ!!』

兵士『駄目だ!左の前線が崩れてきてる!』

兵士『突破されるぞ!!撤退はまだか!?』

第1小隊長『あ…あぁ…あああああっ…!?』

次々と倒されていく兵士

第1小隊長の前には鎧の魔物が…

兵士『うらああああ!』

その魔物を兵士が切り捨てる

兵士『大丈夫です…がはぁっ!』

しかし新たな魔物によって兵士は動かなくなってしまった

第1小隊長『あああああああああ!』グシャア!

第1小隊長が新たな魔物を切り倒す

兵が…死んで行く…

第1小隊長『撤退だ!!全軍撤退!!』
275 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 23:02:55.40 ID:2qlTHCA0
………。

どれくらい時間が経っただろう

もう体の感覚がない

竜は役目を終えたかの様に空へ飛び立って行き

残った魔物は残党狩りのための雑魚ばかり

軍は無事に撤退しただろうか

途中で前線で見かけた魔物を見たからきっと撤退したのだろう

情けないな…銃士…私は守れなかったよ…

王の約束もお前との約束も守れなかった…

一発殴られるくらいじゃあ足りないかもな

私がここで息絶えても…お前は私を殴りに来てくれるだろうか

銃士…私は一度は王を守れなかった、だからせめて…

私は死してなお、王の死体を守り続けよう

そして…いつかお前がここに来たら…私たちを同じ墓へ…
276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/12(日) 23:03:47.53 ID:d026PUAO
お 始まってた!
超乙です 超支援だ!
277 :ぼっち士[saga]:2010/09/12(日) 23:22:29.42 ID:2qlTHCA0
支援ありがたなう!!1ぶっちぎるぜえ!!

〜〜〜

大剣士「はっ!?魔物使い!」

銃士「お前も…見てたのか…?」

大剣士「はい…銃士さんも…?」

銃士「…。」

銃士は答えない

銃士「魔物使いちゃん、だったか。あの子なら聖騎士の横に…。」

聖騎士「…なんだ…私は生きたかったんだ…、何もできなかった私に…王が…生きろと言ってくださったから…。」

聖騎士「だが…私はもう無理なんだ…自分の中が空っぽで…ただ生きてどうすればいいのか…わからないんだ…。」

魔物使い「…。」

魔物使い「あんたは生きたいんでしょ?ならあたしが生かせてあげる。」

魔物使い「魔物のあんたには居場所がない、だからあたしが居場所を作ってあげる。」
278 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 23:23:55.14 ID:2qlTHCA0
聖騎士「…。」

魔物使い「あたしはあんたを受け入れる、だからあたしを受け入れなさい?」

魔物使いの体から魔力があふれ…聖騎士の体に流れこんで行く

聖騎士「…これは…。」

暖かい、10年もの間一人で…憎しみを背負ってただ生きていた聖騎士には暖かすぎて…

流す涙もなく、流れる血もない…そんな化物の体に魔物使いの魔力は染み渡り癒して行く

スクッっと魔物使いは立ち上がり手を差し伸べた

魔物使い「ふふっ…まだまだ死にそうにないわね…。どう?あんた、あたしと一緒に来ない?」

聖騎士「あっ…あ…。」

自分はどこかで求めていたのかもしれない

自分が守るもの…そして一緒に生きてくれる人を…

聖騎士は満たされるのを感じた、ずっと空っぽだった鎧に魂が再び宿るのを感じた

そして…
279 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 23:43:27.60 ID:2qlTHCA0
そして…

カランッ…

聖騎士がいた場所には一つの宝石が落ちていた

魔物使い「…。」

それを魔物使いが大事そうに拾い上げる

バタン!

扉がいきなり開かれる

大剣士「!?」

銃士「誰だ!?」

青年?「…。大剣士君…。」

???「おやぁ?ちょっっっと遅かったですかね〜?」

魔物使い「何!?こいつ!何で青年と一緒にいるの!?」

大剣士「わからない…でも…こいつは倒さなきゃいけない…っ!」

シャキィイン

大剣を構える

銃士「それには俺も賛成だぜ?」

カチャリ
280 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/12(日) 23:45:15.95 ID:2qlTHCA0
魔銃を構える

???「お〜っと!私たちは何も殺し合いに来たわけじゃないんですよぉ〜?」

???「質のいい魔物がいる、ということで回収しにきたんですがぁ〜…。」

???「魔石の順応を見るためにこいつを動かしてたらちょっと時間かかっちゃいましてね〜?」

大剣士「魔石?っ!青年さんに付いているあれのことか…!」

???「そのとぉ〜りですよ〜!!この石はですねぇっ!おおっと!」ダァン!

銃士「ゴタクはいい、こいつらの反応を見たところ、そいつはこいつ等の仲間なんだろう?」

銃士「だったら…返してもらうぜ?」

???「まったく…短気ですねえ!これだから人間は!っと魔物のほうが短気ですけどねぇ!くくくっ!!」

スチャ!銃士が再び魔銃を向ける

???「…。残念ですがこいつはお返しできませんねえ?久々に成功したんですから!」

青年?「みんな…お願いだ…はやく…俺を殺し…。」

フワッ…青年?と魔物の体が宙に浮く

大剣士「青年さん!!」

???「それでは皆さん…ごきげんよう〜。」

シュィイン…パッ

魔物と青年?は一瞬でその場から消えた…
281 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/13(月) 00:03:24.10 ID:vs4XArw0
あかんwwwwwおわらへんwwwwwwどないしようwwwww

…。

魔物使い「逃がしちゃったみたいね…。」

大剣士「やっと見つけたと思ったのに…。」

銃士「あの青年ってやつが大剣士が探してたやつか?」

大剣士「そう…です…。」

銃士「様子がおかしかったな…考えたくはないが…。」

銃士はそこで黙り込む

魔物使い「その前に…薬師ととうぞくをどうにかしましょ?」

魔物使いは部屋の端で眠っている2人を見る

大剣士「そう…だね…。」

銃士「…。悪いが俺はちょっと用事があるんだ…手伝いはできねえ…、すぐに戻る。」

大剣士「わかりました、こっちは僕たちで何とかします。」

そういうと銃士は階段を上っていってしまう
282 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/13(月) 00:05:34.57 ID:vs4XArw0
…。

魔物使い「…こ、こいつ…!」ピクピクッ

大剣士「ま、魔物使い…顔が引きつってる…。」

魔物使い「だって!こいつ…あたしたちがあんなにがんばってたっていうのに…!」

魔物使いの怒りの原因

それはとうぞくにあった

2人を庇って怪我を負ったとうぞくは瀕死の状態に陥りながらも、薬師のおかげで一命を取りとめ

今はとうぞくが幸せそうによだれをたらしながら寝ており

その上に薬師が覆いかぶさるように寝ているのだった…

とうぞく「ぐぉー…。」

薬師「スー…スー…。」

魔物使い「あんたたち!いい加減起きなさいよぉおお!!」

薬師「な、なに…。」ムニャムニャ

とうぞく「いたっ!痛いッス!」

ギャーギャー!

…。

子犬「くぅ〜ん…。」
283 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/13(月) 00:07:51.81 ID:vs4XArw0
ごめんなさい・・・無理でした・・・
明日にはたぶんきっといつか2章終わらせる、おやすみなさいでした
284 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/13(月) 00:08:20.16 ID:5r4Jqd.o
おつ!
285 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/13(月) 00:08:36.52 ID:Al/fecAO
>>283
超乙かれさま!
(-.-)ノシおやすみ(-.-)zzZ
286 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/13(月) 00:09:40.66 ID:a2wFh6Uo
>>283
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/13(月) 00:10:57.72 ID:jHqFgAUo
>>283

おやすみ
288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/13(月) 04:31:25.14 ID:MR5rwEIo
文章は稚拙でよくありがちなんだけどだからかそ頭の中で想像しやすくてつい読んじゃう。キャラはディスガイアっぽい感じ。
289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/13(月) 07:57:42.19 ID:otKqhEc0
おつ
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/13(月) 13:54:55.05 ID:TwJLvkDO
毎回見るたび思うんだが、稚拙な文って何だ?言うからには説明できるんだろうな。できないなら言うな
291 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/13(月) 16:02:54.93 ID:qFc7yE60
みんなスルーしてんだ
落ち着け
292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/13(月) 16:59:51.13 ID:TwJLvkDO
はい
293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/13(月) 18:56:18.20 ID:Al/fecAO
>>291曹長、ありがとう
危うく 地雷を踏みそうだったぜ
294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/13(月) 22:10:40.68 ID:nHvHVfIo
>>293
足とんでますよ
295 :ぼっち士[saga]:2010/09/13(月) 22:32:49.76 ID:vs4XArw0
稚拙、ぐぐったら予想以上にボロクソで泣きそうになった

たどたどしい ・ 片言(かたこと)の(英語) ・ つたない ・ しろうとっぽい ・ 初心者の ・ 下手な ・ 幼稚な ・ 二流の ・ 洗練されない ・ 生硬な ・ 未成熟 ・ 姑息な(手段) ・ 幼い(発想) ・ (あまりに)素朴な



続きはもうちょい待ってね
296 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/13(月) 22:50:11.82 ID:pzD0nSYo
洗練されてないってのは、逆に考えれば今からいくらでも加工が可能な訳よ
297 :ぼっち士[saga]:2010/09/13(月) 23:26:13.23 ID:vs4XArw0
〜〜〜

ガタッガタッ!バタンッ

銃士「…。」

扉を開けた先は玉座の間

魔物に荒らされ、以前の面影はない

銃士「あれ…か…。」

銃士の探していたものはあっさり見つかった

玉座の上に座らされていた白骨

聖騎士が座らせたのであろう

コッコッコッ

銃士は玉座へ近づいていく

そして銃士は跪いた

銃士「王家の証・・・来るべき時まで私が預かりましょう・・・それまで・・・静かにお休みください…。」

白骨の指にはめられていた指輪を外す

次の瞬間、白骨は崩れ落ちて行った…
298 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/13(月) 23:27:34.06 ID:vs4XArw0
〜〜〜

ギャーギャー

とうぞく「ひどいッス!今回、結構がんばったんスよ!?」

魔物使い「うっさいわね!悪かったって言ってるでしょ!?」

大剣士「二人とも…怪我もちゃんと治ってないんだから…。」

薬師「そうよ〜?とうぞく君なんて傷口開いて倒れちゃうかも。」

とうぞく「はははっ!大丈夫ッスよ!そこまで・・・ごふっ!」バタッ

魔物使い「あ、倒れちゃった。」

コッコッコッ

銃士「よお!待たせたな!」

大剣士「あ、銃士さん…もういいんですか?」

銃士「ああ!ばっちりだぜ?」

薬師「ええっと…銃士さん?自己紹介がまだでしたね、私は薬師…そしてそこで寝てるのがとうぞく君です。」

銃士「おお?しっかりしたお嬢ちゃんだな!…で、青年?だったか。」

銃士「あいつに何があった?もしかすると…。」

薬師「!?青年がいたんですか!?」

銃士「お、おう…。」

大剣士「それについては僕から話すよ…あと青年さんのことも。」
299 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/13(月) 23:29:10.70 ID:vs4XArw0
…。

薬師「そう…、私が寝てた間にそんなことが…。」

銃士「ふぅん…死んだと思ってた人間が生きてた…ねえ?」

銃士「あの魔物…魔石?とか言ってたな…、あれからはとんでもねえ魔力を感じたぜ?」

薬師「魔石…。」

銃士「もし、嬢ちゃんの勘が正しかったってなら…、膨大な魔力で無理やり体を動かしてるって訳だな?」

大剣士「っ…。」

魔物使い「青年…俺を殺して欲しいって言ってた…。」

銃士「…。魔物化…か…あんだけの魔力を身に受け続けて、まだ正気でいられるのが不思議なくらいだ。」

薬師「…。」

銃士「おそらく…次に会うころには…。」

薬師「っ…!!それ…以上…言わないで…くださ…い…。」

薬師は顔を両手で覆う

銃士「…悪い。」

罰が悪そうに頭を掻く
300 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/13(月) 23:37:49.80 ID:vs4XArw0

魔物使い「薬師…。」

薬師「…、大丈夫…ごめんなさい…。」

大剣士「…そういえば依頼にあった魔物だけど…。」

銃士「あぁ…ほとんどは聖騎士が追い払ったんだろうぜ?んで魔物が出入りしてて、勘違いされたって口だな。」

銃士「周りにはちょろっといたが、俺が軽く片してやったぜ!ふははっ!!」

魔物使い「んー?じゃあ依頼はこれで完了ってわけねっ!」

とうぞく「そういうことスね!じゃあ帰りましょうッス!!」

いつのまにか回復したとうぞくが声をかける

薬師「あ、もう治ったのね…。」

魔物使い「しぶといヤツ…。」

大剣士「ははっ…じゃあ行こっか!」
301 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/13(月) 23:39:45.41 ID:vs4XArw0
>>296 俺の成長を見守っててください。

てかやっと300越えたよ…みなさんのおかげです…ありがとう!!!1
302 :ぼっち士[saga]:2010/09/13(月) 23:57:07.50 ID:vs4XArw0
…。

ザッザッザ

北の村へ戻る途中、銃士さんはいきなりこんなことを言い出した

銃士「…あのよぉ…、その…なんだ…。」

薬師「どうしたんですか?」

銃士「ほ、ほら!聖騎士が魔物使いちゃんと契約結んだじゃねえか?」

少し口ごもりながら続ける

銃士「だ、だから…よ、親友の俺が…いてやらなくちゃなあ!って…。」

銃士「ああ!もう!俺をパーティーに入れろ!お前等危なっかしいから保護者が付いてやらんとな!!」

銃士「それだけだよ!何か文句あっか!?」

魔物使い「…ふふっ!なーんかまたややこしいのが増えるわね〜!」

とうぞく「はははっ!Aクラスの傭兵が入ってくれれば安心スね!!」

銃士「ぐっ…お前等・・・俺のこと馬鹿にしてるだろ…。」

悔しそうな顔で2人を睨む

薬師「そんなことありませんって!」

大剣士「そうですよ…、じゃあこれからよろしくお願いしますね!」

魔物化…青年さん…不安なことはたくさんあるけれど…

新しい仲間が増えたこのときは…素直に喜べる気がした

――――銃士が仲間になった!!――――
303 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/14(火) 00:01:25.63 ID:unNQPuEo
どんどん増えるな
幻想水滸伝か
304 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/14(火) 00:02:20.53 ID:Agp6DUY0
〜〜〜

シュィイイン…何もない空間から突如二つの影が現れる

???「くっくっ!まさかあなたとあの劣化品たちが知り合いだったなんてねえ?」

???「いやあ、世の中何があるかわからないものです!」

青年?「劣化…品…?」

???「あなたは知らなくていいんですよぉ?」

???「まー、これであなたの利用価値が増えたわけです!」

???「これからが楽しみですねぇ…くくっ…!」

空は厚い雲に覆われていた…

___________第2章終わり
305 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/14(火) 00:03:39.39 ID:07v7oV6o
コカ読んでる?
306 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/14(火) 00:06:44.14 ID:Agp6DUY0
これで序章が終わりですね〜、次は2ルートほど決めてるんですがどっちにするかは明日てか今日決めます。

>>303 大剣士パーティーはこれ以上増えないと思います、ゲストメンバーなら知らん

ではでは、失礼いたします
307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/14(火) 21:12:11.68 ID:xygTnwAO
>>306
超乙かれさま。
俺の中での銃士のイメージは
HELLSINGのベルナドット隊長だな
308 :ぼっち士[saga]:2010/09/14(火) 21:13:46.66 ID:Agp6DUY0
>>305
ちょっと前に一気読みしました、面白いですよね
あんな風に書けたらって思うけど俺はまだまだのようっす…

(  ^ω^)次章はじまるおっお
309 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/14(火) 21:15:37.89 ID:Agp6DUY0
それは今より6年前に遡る…

…。

暗い…狭い…痛いよ…

自分の声だけが狭い部屋で響き渡る

どうしてこんな…ママ…

答えは返ってこない

…。

どれくらい時間が経っただろう

半ば諦めていたとき

若い男性の声と、しゃがれた男性の話し声が聞こえてきた

???「…、あれが…本当に現代の勇者なのか…?」

???「わかりません、予言士が言うにはこの子が選ばれし勇者…とのことです」

???「なんと…いつ魔王が攻めてくるかわからんこの時に…まだ小さな女の子が勇者とはな…」

???「まだ確証はありません…お試しになられますか…?」

???「…うむ」
310 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/14(火) 21:17:08.58 ID:Agp6DUY0
ガチャッ…

扉が開かれると同時にまばゆい光が差し込んでくる

少女「うっ…」

???「帝王様…これを…」

帝王「うむ…下がっておれ、大臣」

シャキィイン…

帝王は大臣から渡された剣を鞘から引き抜く

少女「な…なにを…や、やめてぇえええ!ああぁああ!」

その剣は真っ直ぐ少女の胸を貫く

ズブッジュブブ…

少女「あっ…がっ、あぁ………」

ブシュゥ!

帝王は一気に剣を引き抜き、血を払い鞘へ納める

シュバッ!シャキィイン…

大臣「…、やはり違ったのでしょうか…?」

帝王「…」
311 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/14(火) 21:18:48.56 ID:Agp6DUY0
パァァァァ…

少女の周りに薄い光が集まっていく

帝王「これは…やはり…」

大臣「おおおっ…」

少女の胸から溢れる血が止まる

そこへ…一際明るい光の玉が近づいて行く

光の玉が少女の胸に入ると

少女「うっ…げほっ!げほっ…!」ビクン

少女の体が大きく跳ねた

帝王「…勇者は魔王以外には完全に殺されない…」

大臣「役目を終えるまで…その命は尽きない…」

少女は生き返った、しかし咳が止まる様子はない

少女「げほっ!ごほぉ…おえぇ…」

ビチャビチャッ…ボチャッ!

少女の口から吐き出されたものは命の塊

それは二度三度痙攣すると、役目を終えたかの様にすぅ…と消えていった

少女「はー…はー…」

それを気にも留めずに

帝王「おめでとう、今日から君が世界を救う勇者だ」

その日から少女は勇者になった
312 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/14(火) 21:34:12.78 ID:07v7oV6o
面白い
313 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/14(火) 21:35:37.31 ID:Agp6DUY0

〜〜〜

少女は16歳になった

はじめは町の小さな家に住む、普通の女の子だった

両親が大好きで、友達もたくさんいて、本を読んだり歌うのが好きな女の子だった

勇者「…なんで…」

6年間、少女はずっと訓練を受け続けてきた

魔王を倒すため、世界に平和を取り戻すため

剣をまともに振ることさえできなかった少女は

命を奪う技を叩き込まれ

女であることを捨てさせられた

唯一、捨てなかったものは髪飾り

手入れをすることもなく、ボサボサになった髪を後ろでまとめポニーテールにしている

その束の根元に髪飾りを着けていた

教官には何度もはずせと言われた、しかし少女ははずすことはなかった

これ以上、自分が違う何かになってしまうのが怖かったのだ…

勇者「どうして俺が…」

逃げ出したい、自分の運命から逃れたい

でもできない、死ぬこともできない

なら…

勇者「救うしかないじゃないか…世界を…」
314 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/14(火) 22:06:33.84 ID:Agp6DUY0
〜〜〜

帝王「おお!勇者よ!いよいよ旅立つのだな…」

帝王「世界の命運はお主にかかっておる!頼んだぞ!」

帝王「そこに宝箱を用意しておる、新しい装備と微量ではあるが金も用意してある」

帝王「では行くがよい!勇者よ!」

勇者「…。」

ガチャッ…

勇者は宝箱を開ける、中には金貨が入った袋と青と銀を基調とした鎧が入っていた

兵士「勇者様!いってらっしゃいませ!あと、防具は装備しないと意味がありませんよ!」

テクテクテク

兵士の言葉を無視し、勇者は一度自室へ戻る

勇者「…あんなとこで着替えれるわけないだろ…一応、俺は女なんだから…」

ガチャッバタン

ベッドの上に鎧を放り出す

バサッ

服と下着を脱ぎ、一糸纏わぬ姿になる

性格は女らしくないとは言え、体は女性のものである

訓練で鍛え抜かれ、引き締まった体が膨らんだ大きな胸を強調させる

サラシを巻き、胸を押さえつけると

替えの下着を履き、シャツを着る

その上から新品の鎧を身につけ、鎧が目だたないように灰色のマントを羽織る

腰に剣を携え、旅の道具を詰めたバッグを背負う

これで準備は終わった

勇者「よし…、じゃあ…行くか」

そう言うと、勇者は慣れ親しんだ部屋と城を後にする…
315 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/14(火) 22:23:41.82 ID:Agp6DUY0
〜〜〜

ザッザッザ

ここは勇者の生まれた町

城のある街から少し離れたところの山のふもとにあるこの町は

大して大きくはないが農業が盛んで、農作物を求める商人たちや農家の人たちで賑わっていた

ザッザッ…ピタ

ある場所で勇者は立ち止まる

勇者「…。パパ…ママ…」

勇者が生まれ育った家、大好きだった両親がいるハズの家

お隣さん「あら?騎士さんがこの家に何か用でもあるんですか?」

隣の家から出てきた町人が声をかけてくる

勇者「!?」

勇者(おばさん…)

お隣さん「…?どこかでみた顔ねぇ…?まあ、そこの家は6年くらい前から空き家なんですよ」

お隣さん「一家でどこかへ引っ越したって話だけどねえ?」

勇者「そう…でしたか…ありがとうございますっ…!」

勇者はぺこりと頭を下げるとすぐにその場を去った

お隣さん「女の…子…?」

その疑問は晴れぬうちに少女は消えた
316 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/14(火) 23:20:07.99 ID:Agp6DUY0
〜〜〜

目的地は最初っから決まってる

魔王が住む城

それは北西の大陸、通称・魔大陸と呼ばれている場所、魔界などと呼んでいる人もいる

勇者がいた帝国は中央大陸の南東に位置している

目指すは北西

そうと決まれば…

勇者「馬車だな、それがいい、うん」

勇者「えーっと…4つくらい町を経由すれば…一週間で西の要塞には着くかな…」

旅の終わりには魔王が待っている、勝っても負けても俺はそこで終わるんだ…

…。

勇者「うぐっ!た…高いっ…!」

勇者「合計でこんなにかかるのか?」

馬主「いやー、最近さぁ魔物の動きが活発化してるんだよねえー」

馬主「しかも西の要塞までと来た!こりゃあ安いほうですぜー?」

袋の中身を確認する

勇者(食費も合わせると…2つ目の町が精一杯だな)アセアセ

勇者「じゃあ…2つ目の町まで…」

馬主「おう、任せとけ!もう出発できるけど、準備はいいのかい?」

勇者「ああ…よろしく頼むよ…」
317 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/14(火) 23:22:24.45 ID:Agp6DUY0
う〜ん、どういうストーリーにするかまだ決まってないんで
今日はおやすみです、ではでは
318 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/15(水) 18:05:26.18 ID:c72Fs5s0
http://iup.2ch-library.com/i/i0151768-1284541421.jpg
http://iup.2ch-library.com/i/i0151767-1284541421.jpg
書いてみた!遠くでみるとまあまあよかったのになあ
319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/15(水) 18:13:13.59 ID:JjcB6EDO
すごい!練習すれば上手くなれるよ!
320 :ぼっち士[saga]:2010/09/15(水) 21:06:47.20 ID:c72Fs5s0
〜〜〜大剣士パーティー〜〜〜

とうぞく「はぁ…はぁ…やぁっと着いたッス〜〜〜〜!」

ドサッ、とうぞくはベッドの上に荷物を下ろす

大剣士「お疲れ様!」

とうぞく「久しぶりにゆっくりできるスね!」

銃士「歩きっぱなしで船に乗って、そのまま中央大陸まで来たからな!」

とうぞく「拷問でしたッスよ…」

大剣士「とうぞく、ずっと船酔いだったもんねっ!あははっ!」

とうぞく「笑い事じゃないスよぉ〜…」

銃士「ま!今日はさっさと風呂はいって寝ようぜ?」

大剣士「じゃあ行こうか」

…。

ガラガラッ

銃士「湯船につかるなんて何日ぶりだろうな!」ドォーン

大剣士「僕等と出会う前はずっと一人で旅を?」チョロン

とうぞく(…。上には上が…下には下が…)

銃士「ああ!そうだな、国を抜けてギルドに登録して…ずっと一人だったな」

銃士「というわけで、お前等が記念すべき初のパーティーだな!!ふはははっ!」

とうぞく(俺もまだ成長期…!こんなもんじゃ終わらないっ…ハズ…)
321 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/15(水) 21:07:32.70 ID:c72Fs5s0
〜〜〜

魔物使い「あ〜疲れたぁ〜!!」

チャプチャプ

薬師「そうね〜、しばらくのんびりしたいわぁ〜…」

バチャバチャ

魔物使い「…。」

薬師「…?どうしたの魔物使いちゃん」

魔物使い「え?べ、別に…?」

薬師のふくよかな胸がお湯を掻くたびに微かに揺れる

そのたびに魔物使いはピクリと反応する

薬師「ふーん…」

魔物使いは視線を自分の胸に落とし、がっくりと肩を落とす

魔物使い(…、やっぱり大きいほうがいいよね…)

そろーり…がばっ!

魔物使い「ひゃううぅ!」

薬師「うっふふ〜!だいじょうぶよぉ〜!!魔物使いちゃんはまだまだ大きくなるって〜!」モニュモニュ

魔物使い「な、なにやってぇ…あ、だめ!っ…!」

バシャバシャ…

…。
322 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/15(水) 21:08:37.50 ID:c72Fs5s0
魔物使い「はぁっ…!はぁっ…!」ジロッ!

頬を朱に染め、魔物使いは薬師を睨み付ける

薬師「ご、ごめんってば〜…、ちょっと調子に乗りすぎちゃっただけで…」

魔物使い「もうっ…お嫁さんに…いけない…!」

胸を両手で隠して、薬師から距離をとる

薬師「大丈夫よ〜!いざとなったら大剣士君がもらってくれるわ〜」

魔物使い「な、なにっををををを!!」アタフタ

ザバァッ!

顔を真っ赤に染めあげ、湯船から立ち上がる

薬師「あらあら…真っ赤になっちゃって…」

魔物使い「そそんなことななないわよ!きゃっ!」ズルッ!

バチャン!

薬師「ちょ、ちょっと?大丈夫?」

魔物使い「きゅぅぅぅ…」
323 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/15(水) 21:15:20.49 ID:c72Fs5s0
…。

銃士「くっ!ちょっと遠いな…!」

とうぞく「あと…ちょっと…で見えそうスけど…!」

大剣士「あの…」

銃士「ええい!魔物使いちゃんはいい!薬師ちゃんを出せ!」

とうぞく「あっ!おしいッス!!」

大剣士「…」

ドスッドスッ

大剣士の手刀が二人の首にめり込む

銃士「ぐっ!!」

とうぞく「ぐはあ!」

ボチャン…ボチャッ…

大剣士「のぞきはよくないよ?」

ジャバジャバ…
324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/15(水) 21:28:10.88 ID:Y8S6kE6o
そして一人だけ除く大剣士
325 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/15(水) 21:50:52.33 ID:c72Fs5s0
〜〜〜

大剣士「ふぅ…、あの二人を脱衣室に置いたままだけど…大丈夫だよね…」

ガラガラッ

薬師「あ、大剣士君!ちょうどいいところに〜」

大剣士「どうしたんですか…」

薬師「うふふ〜、ちょっとこっち来てくれるかしら?」

…。

パタパタ

大剣士「どうしてこうなった」

魔物使い「くー…くー…」

パタパタパタ

大剣士「…」

魔物使い「…んぃ…」コロン

パタパタ

大剣士「…くぁいい……」

???『―――――――――――――。』

大剣士「あぐっ!?」

???『――――――――――?』

大剣士「ぐっ…だま…れ…」

???『…』

大剣士「…、どうしてだろう…魔物使いが近くにいると気持ちが揺らぐ…」

パタパタパタ

魔物使い「んっ…すぅ…すぅ・・・」
326 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/15(水) 21:54:19.43 ID:c72Fs5s0
〜〜〜

とうぞく「い…てて…はっ!!オ、オレは一体何をっ!」

銃士「ぐごー…すぴー…」

とうぞく「oh…」

とうぞく「何もなかったと信じたいスね…」

バサッシュルッ…ガラガラ…タッタッタッ

…。

銃士「んあ…?」

銃士「何で俺はこんなとこに…?」

銃士「首いてえ…とりあえず部屋に戻るか…」
327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/15(水) 22:00:04.45 ID:66cGBkAO
始まっていたか!?
超支援しかあるまい。
328 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/15(水) 22:46:02.25 ID:c72Fs5s0
〜〜〜

パタパタ

魔物使い(風…?気持ちいい…)

魔物使い(それに…柔らかい…だれ…?)

パチッ…パチパチパチ

目を開け、何度も瞬きをする

大剣士「あ、起きた?」

そこには顔を覗き込む大剣士が…

魔物使い「な、なぁっ!」ゴスッ!

大剣士「いたっ!」

魔物使い「あ、あうぅ…」ヒリヒリ

大剣士「大丈夫…?」ズイ

魔物使い「だ、大丈夫よっ…!」///

大剣士「…うん、まだちょっと顔が赤いようだけど、平気みたいだねっ!」

魔物使い「あ…うん…もうちょっと寝ててもよかったかも…」ボソッ

大剣士「ん?」

魔物使い「あ、なんでもない!なんでも…」

大剣士「そっか、じゃあ…戻ろっか!」

魔物使い「…うん」
329 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/15(水) 23:31:27.33 ID:c72Fs5s0
〜〜〜

薬師「うふふっ…!どうだった?ねえねえ〜」グリグリ

魔物使い「なっ!なんにもなかったわよ!」

薬師「…本当に何もなかったの…?おっかしいなぁ〜…」

薬師「年頃の男の子ならこっそりちゅーでもしそうなのに〜…」

魔物使い「ちゅ、ちゅー…」///

ボンッ!パサッ

薬師「あら…、あの子もだけどこの子もとことん純粋ねえ…」

薬師はベッドの上に倒れた魔物使いに優しく布団をかぶせる

薬師「ほら…あなたたちもおやすみ?」

フクロウ「ほーっ…」

犬「ウト…ウト」

魔物使い「ふふー…ちゅー・・・」

〜〜〜

大剣士(なんだろうこの空気…)

とうぞく(何か…しゃべりにくいッス…)

銃士(静かだなーこいつら、まあ眠いしどうでもいっか)
330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/16(木) 14:32:08.08 ID:mGbUulso
支援
331 :ぼっち士[saga]:2010/09/16(木) 20:00:18.89 ID:FhZJehA0
…。

チュンチュン…

魔物使い「あふぅ…」バサッ

魔物使い「なんだか…とても幸せな夢を見た気がするわ…」ポーッ

薬師「すー…すー…」

魔物使い「…、髪でも梳こうかな…」

トッ、ベッドから降り鏡の前へ向かう

魔物使い「ん…いたっ!」グシッグシッ

魔物使い「うぇえ…絡まっちゃった…」

トットッ

薬師「魔物使いちゃ〜んっ!!」ダキッ

魔物使い「あうっ!な、なに?」

薬師「おはよう〜!」スリスリ

魔物使い「お、おはよっ!」ジタバタ

薬師「なにしてたの〜?…って絡まってるじゃない…取ってあげるから動かないで〜?」

魔物使い「あ…うん、ありがと…」

…。

薬師「ん〜…痛んでるわね…せっかく髪長くて綺麗な色してるんだから…」グシグシ

薬師「もっとお手入れしなさい?」

魔物使い「うー…だってめんどくさいし…」

目を瞑り、気持ちよさそうに髪を梳かれている

薬師「手入れは大事よ〜?…あの子の視線を奪えるかもね〜!」

魔物使い「わ、わかったわよ…ちゃんとする…」

薬師「ん〜、いい子ね〜」ナデナデ

魔物使い「んっ……」
332 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/16(木) 20:01:58.73 ID:FhZJehA0
〜〜〜

とうぞく「ぐー…ぐー…」

銃士「ぐぉぉおお…ふごっ!」

大剣士「うるさい…」トッ

まだ気持ちよさそうにいびきをかいて寝てる二人を尻目に、大剣士は着替え始める

シュルッパサッ…シュルッカチャッ

大剣士「二人ともっ!起きて!朝ごはん片付けられちゃうよー!」

銃士「んごっ…げふっ!…ん?もう朝か…」ゴシゴシ

とうぞく「ぐー…」

大剣士「僕はさき行ってますんで、とうぞく起こして早く来てくださいね」

銃士「おーう…ふあっ…」ポリポリ

とうぞく「ぐー…ぐー…」

銃士「おい…起きろ…」グイッ

とうぞく「ぐーっ…!?いふぁいいふぁいっふ!!」バタバタ
333 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/16(木) 20:08:37.40 ID:FhZJehA0
〜〜〜

大剣士「…」テクテク

魔物使い「おっはよ!」トットットッ

大剣士「あ、おはよう」

二人は並んで歩き出す

大剣士「今日は早いんだね」

魔物使い「む、何よ!あたしがいつも寝坊してるみたいに言って!」

大剣士「あははっ…そういうつもりじゃないって」

タッタッタッ

薬師「ふーっ…おはよう!」

大剣士「おはようございます」

薬師「魔物使いちゃんひどいわ…、私を置いていくなんて…」

魔物使い「うっ…だってまだ着替えるのに時間かかると思ったから…」

薬師「ふ〜ん?まぁ、理由があるならしょうがないけど〜?」チラッ

大剣士「?」

魔物使い「む…」

魔物使い「そ、それよりあの二人は?」

大剣士「あー、一応起こしたけどまだみたいだね」

薬師「じゃ、さき行ってましょう?」

魔物使い「そーね!」
334 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/16(木) 20:23:32.97 ID:FhZJehA0
〜〜〜

銃士「おー、お前等はえーな!おはよう!」

薬師「おはよう〜」

魔物使い「おあよ…」モグモグ

とうぞく「おはようッス!」キリッ

大剣士「おはよう、とうぞく、ほっぺ赤いよ?」

とうぞく「うっ…大剣士が銃士さんに起こさせるから…」

大剣士「起きなかったのはとうぞくじゃない…」

銃士「ふははっ!いいじゃねえか!男前だぜ!」

とうぞく「うぅぅ…」

魔物使い「それよりはやくたべなあいよ」モグモグ

大剣士「こらっ、食べながら喋っちゃだめって言ってるだろ…?口の周りにジャム付いてるし…」フキフキ

魔物使い「んむー!」

銃士「傍からみるとまるで兄妹だな!ふははっ!」

魔物使い「あによ、まるであたしが子供みたいな言い方!」

銃士「おっと…失礼失礼…」

魔物使い「ま、まあ悪い気はしないから、許してあげるわ…」///

そして再び食べはじめる
335 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/16(木) 22:04:43.85 ID:FhZJehA0
薬師「…で、今日の予定なんだけど…」

薬師「買出しは昨日のうちに終わったから…今日は依頼を探して即出発!って感じになるのかしら?」

大剣士「そうなる…かな?まだゆっくりしてもいいと思うけど…」

とうぞく「もぐもぐ…」

魔物使い「うーん…青年と一緒にいた魔物の情報を集めたいところなんだけど…」

銃士「…、あいつは魔物化した人間を探していた、恐らく手っ取り早く質のいい戦力をそろえたいんだろうな」

薬師「…戦力…か、魔王軍が攻めてくるのも時間の問題ってわけね?」

銃士「だな、早くても1年かそこらだろ。俺らにできんのはあいつの邪魔をすることくれーかな?」

とうぞく「もぐもぐ…」

銃士「ただ…あいつとまともに戦うのは無理だろうぜ」

大剣士「僕らじゃ…勝てない…?」

銃士「単に実力の差が…って問題もあるが…」

銃士「敵はあいつだけじゃねえ、青年ってヤツがお前等と戦うことになったらお前等はちゃんと戦えんのか?」

薬師「…」

銃士「そういうこった、だがほうっておくわけにゃあいかねえ…ややこしいことになったもんだな」

とうぞく「…もぐもぐ」

魔物使い「あんたさっきから食ってばかりじゃない!みんながまじめに話してるってのに!」バシッ

とうぞく「ぶふぅっ!な、なにするんスか!」
336 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/16(木) 22:06:02.27 ID:FhZJehA0
魔物使い「真面目に考えなさいって言ってるの!」

とうぞく「そ、そうスね…まずオレら…とくにオレッスけど…経験が足りないわけスよね?」

とうぞく「修行するにも師もいなければどうしようもないス…」

とうぞく「スから、とりあえず依頼をこなしていくことが大事だと思うんスよね」

銃士「おお…こいつがまともなこと言ってら…」

薬師「雪でも降るのかしらね〜?」

とうぞく「ぐぅっ…と、というわけで、Aランクの銃士さんが入ってまあまあ高難易度の依頼を無事終わらせたんスから」

とうぞく「オレらのランクも上がってると思うんス…もしかしたら特殊な依頼や緊急の依頼、国からの依頼だって着てるかもしれないッス!」

大剣士「そう…だね、とりあえずはギルドに行ってみようか…」

魔物使い「ん!決まりね、じゃあちゃっちゃと食べて行きましょ!」
337 :ぼっち士[sage saga]:2010/09/16(木) 23:01:17.77 ID:FhZJehA0
〜〜〜中央大陸、北部ギルド〜〜〜

ギルドカウンター「大剣士パーティー様ですね?」

大剣士「はい」

ギルドカウンター「…っとありました、ええっとCランクに昇格ですね」

ギルドカウンター「それに伴い、依頼が来ております」

とうぞく「Cランク!?Dランク飛ばしていきなりCッスか…!」

銃士「まあ俺がはいったおかげだなっ!ふはは!」

魔物使い「で?その依頼ってなんなの?」

ギルドカウンター「帝国からの依頼のようです…ここから西へ行った村と何日も連絡が付かないそうです」

ギルドカウンター「その村の調査と原因の解明…これが依頼内容になります」

薬師「帝国…?何か…嫌な予感がするわねぇ〜…」

大剣士「でも…気になるね…」

とうぞく「そうスね…、何度か調査には行ってるらしいッスけど…」

とうぞく「傭兵2組と帝国からの調査団…戻ってきてないようスね…」

銃士「ふぅん…でもなんで俺たちに…?」

魔物使い「ま、いいじゃない!ほかに行くとこもないんだし」

大剣士「うん…、じゃあこの依頼を…」
338 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/16(木) 23:23:03.89 ID:gVSXGzI0
さあ、この物語は何処へ向かっているのだろうか
339 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 16:39:26.00 ID:kbMwvx2o
今さらだけど大剣士って大剣 士じゃなくて大 剣士って思っちゃうさ
大って付くぐらいだからメチャメチャ強くて有名なんだろうな…
340 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/17(金) 20:31:43.43 ID:cRXxYRk0
>>339
もし、大 剣士だったとしても威厳なんかあったもんじゃないですね
あと初期設定をなまら強くしたせいで強化しづらい

そんなことよりポケモンしようぜ!俺ツタージャなっ!!
341 :ぼっち[saga]:2010/09/17(金) 21:09:00.03 ID:cRXxYRk0
〜〜〜

辺りには濃い紫色の霧が漂っていた

勇者「さて…どうするか…」トボトボ

帝国から西へ、町を一つ抜けてしばらく進んだところにある村で勇者はぶらぶらしていた

勇者「…楽しようとしたのがいけなかったか…」

馬車は襲われ、勇者だけが生き残った

勇者「や…助けようとはしたって、てか寝てる間に襲われるとかツイてないないなぁ…」

言い訳を一人ごちる

勇者「賢者様に聞いたことはあったけど…ひどい瘴気だな…」

勇者「ま、俺には効かないんだけどね…でもこの様子じゃあ村は全滅かなー」
342 :ぼっち[sage saga]:2010/09/17(金) 21:09:44.01 ID:cRXxYRk0
ガサッ…

村人「うぐ…あぁ…」ヨロヨロ

勇者「村人?…大丈夫か?」

村人「あぁぁぁぁああ…」ガバッ

突如、村人が勇者へ襲い掛かる

勇者「聞くまでもない…か」ザブシュ

村人の首が飛ぶ、一瞬のうちに剣を振りぬき、首をちょんぱしたのだ

ブシュウゥウウウ…

村人の体から力が抜け、その場に倒れこんだ

ゲシッ…その体を蹴り、うつ伏せにする

勇者「…、この傷は…魔物にやられたのか、それで傷から瘴気がはいりこみ〜ってことか?」

勇者「魔物化はしてないみたいだけど、正気は失ってたな」

勇者「助けようはあったかな…どのみちあの傷ですぐ死んでただろうけど」

ザッ…ザッ…ザザッ…

村人「う、うぅぅぅぅ…」

勇者「これなんてホラゲー?」

勇者「いちいち相手になんかしてらんないよ、どっかにまともなやついないかな」ゲシッゲシッ

村人を蹴り倒しながら勇者は村を探索する…
343 :ぼっち[sage saga]:2010/09/17(金) 21:11:28.40 ID:cRXxYRk0
…。

神官「おぉ…神よ…」

ガチャッ…バタンッ

神官「だ、誰ですかっ!?」

勇者「ん、安心しろ。俺は勇者だ」トットット

神官「勇者様…?村をお救いにこられたのですかっ!?」

勇者「ま…仕方なくね」

勇者「それはいいとして、あの瘴気はどっから来てる?」

神官「わかりません…昨日、この村を訪れたときには…」

神官「私一人でどうにかしようとしたのですが…」

勇者「どうにもならなかったと?」

神官「ええ、殺すわけにはいきませんので、気絶させて部屋に閉じ込めたんです」

勇者「…」

神官「途中で見ませんでした?あいつら…ほうっておくと勝手に殺し合いを始めるんです」

神官「醜いですよね、神に与えられた命を…自分たちの手で奪っていくんですよ」

勇者「わかった、お前にはもう用はない…俺は行くぞ」
344 :ぼっち[sage saga]:2010/09/17(金) 21:12:04.38 ID:cRXxYRk0
勇者は踵を返し、教会から立ち去ろうとする

神官「あなたもそう思うでしょう?人の命を奪うのは神の教えに反します」ガシッ

勇者「…」

勇者は神官に掴まれた腕を見る

神官「そして…あなたからは人の血の臭いがします、いけません、いけませんね」

神官「懺悔するというのなら私が聞いてあげましょう、それとあなたに罰を与えてさしあげます…」

勇者「悪いがそんな暇もないし、罰を与えられる覚えもない」

神官「なんと…罪の意識がないと…?これはいけません、歯を食いしばりなさい粛清sてあgぇまs」

ゴスッ!と重い音がした

神官「ぅぼぁっ…」ドサッ

勇者「…もう限界だったんだな、俺がなんとかしてやる…ゆっくり寝てろ」

ガチャッ…バタンッ
345 :ぼっち[saga]:2010/09/17(金) 23:33:01.74 ID:cRXxYRk0
〜〜〜

魔物使い「えっ!?馬車もう出てないの?」

馬主「おぉ…4台の馬車が出て行ったんだが一つも帰ってこねえんだ…おかげで馬が足りなくてよ…」

大剣士「やっぱり…あの村の付近で何かが起こってるんだね」

銃士「…おかしいな、民に被害が出てるってのに国からの警告がねえ」

薬師「国民に知られちゃあまずいことでもあるのかしらね?」

銃士「まったく…気味が悪いぜ…」

とうぞく「馬車が出ないとなると…徒歩スかね?」

大剣士「歩くしかないみたいだね、一日はかかるけど?」

魔物使い「そーね…5人だけど、何とかなるかな?」

子犬「わ…わふ…」

魔物使い「おっちゃん!!5人くらい乗れる小さめの馬車ない?」

馬主「まー、あるっちゃあるが…嬢ちゃん、どうするんだ?自前の馬でもいるのかい?」

魔物使い「ん、そんなところね!いくらかかるの?」

馬主「あー…そろそろ捨てようって思ってたからな、ちょうどいい。あんたらにやるよ」

魔物使い「ほんと!?じゃあもらってくわね!どこにあんの?」

馬主「お、おお…店の裏の倉庫にある、外にだしてるのがあるからそれもってってくれ」

魔物使い「倉庫ね!ありがとっ、じゃねっ!」タッタッタ


大剣士「な、なんかすいません…それじゃあ…」

馬主「あ、おう…気をつけてな」
346 :ぼっち[sage saga]:2010/09/17(金) 23:33:29.22 ID:cRXxYRk0
…。

薬師「で、馬車なんかもらってどうするの〜?」

とうぞく「そうスよ、馬もいないのに…ハッ!もしやオレらに引かせるつもりッスか!?」ガクブル

魔物使い「なーんでそうなんのよ…まあ、当たってないわけじゃないけど…」

魔物使い「とりあえず、街中じゃあ乗れないから街の外まで運んでくれない?」

大剣士「…あぁ、なるほどね…」

銃士「ま、そういうことなら構わねーがな…おいとうぞく、はやく行くぞ」

とうぞく「え?え?ちょ、まってくださいッス!」

子犬「くぅ〜ん…」

…。

大剣士「ん、っしょ…ここまでくれば大丈夫かな?」

魔物使い「そーね、まあだいじょぶでしょ」

とうぞく「で?どうするんスか?」

魔物使い「まだ気づかないの?犬に引かせるに決まってんじゃない」

犬「おうふwwwww働きたくないでござるwwww」

ボシュウッと子犬の体が炎に包まれ、犬が姿を現す

銃士「で、犬一匹で引けるのか?魔力も消費するだろうに」

魔物使い「走るだけならよゆーよ!休み休みいけば長距離だっていけるけど、この距離なら半日走れば着くんじゃない?」

薬師「よかったわ〜、歩きじゃあ一日半くらいかかるものね」

そして次々と馬車に乗り込む大剣士たち

犬「発射おーらーいwwwwガンダムwwwwいきまぁーっすwwww」

ボシュッ、犬の足からでる炎が激しく燃え盛り、馬車は動き出す

ガラガラガラガラ…地面には焦げた跡が残った…
347 :ぼっち[sage saga]:2010/09/17(金) 23:41:07.55 ID:cRXxYRk0
SS初めてなのに長編っぽいの書くんじゃなかったな…

半分くらいは行ったと思う、見てくれてる人はがんばってみてください
348 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/17(金) 23:52:56.92 ID:R8Yqlcso
もう半分なのか
349 :ぼっち[saga]:2010/09/18(土) 01:52:05.29 ID:oB/pdt.0
〜〜〜

ザッザッザ

勇者「まいったな…ちょっとずつだけど、魔物化が進んできてる…」

勇者「こんな魔物の作り方したら…粗悪品しかできないだろうに」

村人「あ…あぁ・・・ううぅ」ガバッ

勇者「そこまで魔王は焦っているのか…なぜ?…」ガスッ

村人「ぐぁっ…」

ザッザッザ

勇者「ま、それはいいとして」

勇者「…魔王か〜、はやく会いたいな…魔王は…俺を殺してくれるのかな」

シュィイイン…

???「おやぁ?まだ生き残りが…?っと、貴方が勇者ですか…」

勇者「今までありがとうございました。勇者の来世にご期待ください!なんてね…」

???「…。魔王様のご命令ですからね〜、貴方に邪魔をされるわけには行きませんよぉ!」

勇者「お前なら魔王んとこに連れて行ってくれそうだな…、お前なんて言うんだ?」

???「私ですかぁ?くふふっ!人間だったころは呪術師…なんて呼ばれてましたねぇ〜」

勇者「そうか…やぁはじめまして呪術師君、君は俺を殺してくれるかな?」
350 :ぼっち[sage saga]:2010/09/18(土) 01:53:22.28 ID:oB/pdt.0
…。

ゴォオオオ!勇者の放つ炎が霧を吹き飛ばし、呪術師に向かって進む

呪術師「おぉっと…っ!?後ろですかっ!」

勇者「はぁっ!」

ヒュバッ!白銀に光る刀身が呪術師が先ほどまでいた空間を切り裂く

呪術師「危ない危ない…伊達に勇者なだけはありますね!」

勇者「好きで勇者になってるわけじゃあないんだけどな…」ボシュ!

会話の途中にも魔法が放たれ、防ぎ、避け…剣が振るわれる

呪術師(こいつ…強いですねぇ…!)

勇者「どうした、もうへばったのか?」ザシュゥ

一瞬の隙を狙って振るわれた勇者の剣が、呪術師の腕を切り裂いた

呪術師「くぅっ…それはっ…どうですかねえ!」

切り落とされた呪術師の腕が形を変え、勇者に絡みつく

勇者「んっ…!なんだ…これぇっ…!うあっ…」ニュルッギチギチッ

呪術師「くっくっ…いい眺めです…ではそろそろ終わりにしましょうか」

呪術師の手の平に魔力が注がれ…魔力が形質を変える

魔力の玉は熱を発し、黒い炎へと変わる

それは呪術師の手の上で圧縮され、勇者に向けて放たれる

ボシュゥウウウウウウウ!肉が焼ける臭い…

自分の腕も燃やしてしまったが、すぐに再生する

特に気にはしなかった

呪術師「あの鎧は魔法に耐えるでしょうが…中身はそうはいかないでしょう」
351 :ぼっち[sage saga]:2010/09/18(土) 01:54:25.22 ID:oB/pdt.0
そう言い、その場を離れようとする…しかし

ザッブシュゥウウウ…

呪術師「な…っ!?」

呪術師の胸から、黒い血が溢れ出た

殺せたハズだった

魔王様ほどではないとは言え、相当の実力は持っているハズだ

まともに黒炎を喰らって無事な訳がない、消し炭になるだろう

勇者「…駄目だなぁ呪術師君!君は本当に駄目駄目だ!」

勇者「やっぱ、こんなヤツじゃ俺は殺せない…」

ズブシュゥ!勇者が呪術師から剣を引き抜く

呪術師「ぐっ!がっ…はっ…」

何が…起きて…

呪術師は胸を押さえてふらふらと後退する

そして勇者に視線をやる

勇者「でも、結構いい線行ってるな、もっとがんばれば俺を殺せるかも知れない」

勇者は呪術師に向けて親指を立てる
352 :ぼっち[sage saga]:2010/09/18(土) 02:09:32.52 ID:oB/pdt.0
勇者は光に包まれていた、魔力を圧縮して身にまとっているのだ

圧縮した魔力を寸前で解き放ち、莫大なエネルギーをぶつける

呪術師の魔法を、勇者は同じ方法で相殺した

呪術師(全体を防護するように魔力をめぐらせ…相殺した…)

呪術師(これが…力の差…ですか…)

勇者「半日…だ、俺は結構急いでる」

勇者「半日で俺を殺せなかったらお前を殺す、そしてこの村を取り戻す」

呪術師「くくっ…それは困ります…」

勇者「そうだな、一つ聞いていいだろうか」

呪術師「答えられる範囲でなら…どうぞ」

勇者「なぜ…人を魔物にする…?お前等は人を嫌っているハズだろ?嫌いなやつをわざわざ仲間にしてどうする」

呪術師「くふふっ…どうする?人は愚かで醜い、反吐がでるほどにねえっ!?」

呪術師「でも魔物になれば話は別、本能のままに生き…生きるために戦う…」

呪術師「すばらしいじゃあないですか…?」

勇者「はいはいそうだね、でだ…要するに?」

呪術師「本能のままに生きる…それはすばらしいことです、ですが生きとし生けるものはすべて孤独を拒む」

勇者「ふーん…?つまり…寂しいから仲間が欲しいよ〜ってことか?」

呪術師「くくっ!!そういうことですよ!」


勇者「んー…じゃ、聞きたいこともなくなったわけだし?さっさとはじめようかっ!!」ダッ!

353 :ぼっち[sage saga]:2010/09/19(日) 22:07:19.13 ID:Q3vvjZ60
〜〜〜

ガラガラガラ…

大剣士「うっ…!」

銃士「っ…!」

遠くに黒い炎が見える…

魔物使い「誰か…戦ってるのかな?」

とうぞく「ほかに依頼受けた人いたんスかね?」

薬師「…急ぎましょう〜!」

〜〜〜

シュバッ!ボシュゥ

勇者「ほらほら!どうした!?逃げてばっかじゃあ俺は倒せないぞ!」

呪術師「くくっ!逃げてるだけじゃあないんですねぇ!」

突如、地面に魔方陣が浮かび上がり土でできた腕が勇者に振るわれる

ドゴォオ!腕は勇者を捕らえ、地面に叩きつける

その衝撃によって砂煙が巻き上がった…

呪術師「や…やりましたか…?」

砂煙が晴れ、勇者が姿を現す

勇者「やるじゃん、でもまだまだ…だね」パッパッ

呪術師「…本当に…化物みたいですねえ!貴方は!」
354 :ぼっち[sage saga]:2010/09/19(日) 22:07:48.49 ID:Q3vvjZ60
勇者「あははっ!違いない!」シュッ

呪術師に飛び掛ったはずの勇者が消える

呪術師「っ!そこですかっ!」

ボシュゥ!人の影が見えたほうへ炎を放つ

勇者を炎が貫く

呪術師「分身!?っ!」

ガシッ!剣を鞘に収めた勇者が呪術師の腕を掴む

勇者「俺の魔力を使って作り上げた分身を、一発で消し飛ばすなんてな」

勇者「やっぱお前…見所ある…よっ!」グィッ

呪術師の体が宙に浮き…地面に叩きつけられた

投げられたと判断するのに時間がかかった呪術師は受身を取る間もなく地に伏せる

呪術師「ぐぁっ…」
355 :ぼっち[sage saga]:2010/09/19(日) 22:18:09.81 ID:Q3vvjZ60
ポケモンで忙しいのでちょっとずつです
ダゲキさんかっこいい
356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/23(木) 23:26:37.27 ID:CbKcXyM0
勇者「ほら…立てよ…、まだまだ時間はあるんだぜ?」シュバッ

呪術師の喉元に剣先をつきつける

呪術師「くくっ…!立たせる気ないじゃないですかっ…!」

シュィイイン…

呪術師の体が一瞬で勇者の後ろへ移る

勇者「空間転移!?」

呪術師「はっ!!」

勇者の後ろから突風が吹き、勇者は吹き飛ばされる

勇者「かはっ!」

呪術師「………。」

呪術師の手に黒炎が宿る

勇者「ちょっ…やばいかもっ…!」

民家に叩きつけられた勇者は何とか体勢を整えようとする

呪術師「逃がしませんっ!はあっ!!」ゴォオ

勇者に迫る黒炎

しかしそれは寸でのところで軌道を変える

ドゴォン!逸れた黒炎が民家を焼き尽くす

勇者「!?」

呪術師「!?」
357 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/23(木) 23:27:44.30 ID:CbKcXyM0
銃士「ひゅぅ!あぶねえな!」カチャッ

大剣士「…、古城の時と言い。おいしいところ持って行きますよねえ…」

とうぞく「ほんとッス、オレにも活躍させてもらいたいところスよ」

魔物使い「あんたらのほうがまだましよ、あたしなんてこの子たちのほうが目立ってるんだから…」

薬師「それなら私も〜…って、そんなことより。はやく襲われてる人助けましょうよ…」

犬「………がふっ…」

…。

呪術師「また貴方たちですか…しつこいですねぇ!!」

勇者「よくわからないが…助かったようだな」

大剣士「…青年さんはいないようだね…」

銃士「そのようだ、だが警戒を怠るな?どっかで隠れてるかもしんねえ」

魔物使い「そうね…、まあちゃっちゃとやっちゃいましょ!」

呪術師「くくっ…さすがに勇者と貴方たちを相手にするのは…少々無理がありますねえ…」

勇者「おいおい…何が少々だよ…俺一人にぼろ負けだった癖に…」

呪術師「まーそうですねえ、まだ本調子じゃなかった…と言う事にしておいてください!くくっ!」

とうぞく「…?勇者…、あの人がッスか!?」

薬師「そのよう…ね、あの鎧に付いてる紋章…帝国のものだわ〜」

銃士「ふぅん、だったら何で勇者様がこんなとこにいんだ?」

スタッ!勇者が呪術師から間合い取り、大剣士たちの下へ着地する

勇者「お前たちは傭兵か…?聞いての通り、俺は勇者だ」

大剣士「僕たちは…」

大剣士たちは呪術師の様子を伺いながら、軽く自己紹介をする

勇者「国からの依頼で…ねえ?まあいい、ちょっと…手伝ってもらおうか」
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/24(金) 12:03:29.04 ID:Omx5gmgo
乙乙。支援!
359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/25(土) 17:27:00.81 ID:p1kSsmU0
…。

呪術師(さーてさて…困りましたねえ?)

敵は6人、内5人は単体ではたいしたことはない

問題は…

呪術師(あの勇者…、熟成しきっているようですねぇ)

呪術師(おそらく、魔王様と同等…人間共が何をやったのかは知りませんが)

呪術師(まあ、何にせよ…奴等をこのまま放置しておくのは…まずいですねぇ)

ジリ…場に緊張感が張り詰める…

勇者「さぁ、お遊びは終わりってことだよ。この霧を晴らすにはどうすればいい?」

呪術師「くくっ!そうですねぇ…貴方たちに下手に暴れられて、こちらの損害を増やすわけにはいきませんし」

呪術師「まぁ、そろそろ潮時でしょう…。この村の近くに洞窟があります」

大剣士「洞窟…?」

呪術師「そこに私の手下がいます、そいつを倒せれば晴れるでしょうねぇ!」

銃士「…どうだ?こいつの言うことはあてになるのか?」

勇者「どうだろうな、どの道ヤツは空間系の魔法も使う。取り押さえるのは無理だろ」

薬師「一応、この村の近くに洞窟があることは本当のようね〜」パラッ

とうぞく「また…あいつを逃がすんスか…青年さんを取り戻さないと…」

呪術師「くくくっ…貴方たちのお仲間でしたら、もう元には戻りませんよぉ?」

呪術師「私を捕まえても同じです!私ですら魔物を人間にするなんて無理ですしぃ?くくっ!」

薬師「っ…!!」
360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/25(土) 17:28:58.94 ID:p1kSsmU0
>>358 まだ支援してくれる人がいてうれしいです




大剣士「…耐えて、薬師さん」

呪術師「おぉ…最近の人間は短気で困ります」

銃士「うるせぇ…逃げるんならさっさと逃げろ…俺たちの気がかわらねえうちになぁっ!!」カチャッ

呪術師「はいはい…では失礼いたします!くくっ!」

シュィイイイン…

次の瞬間、呪術師がいた空間には濃い霧が残るだけだった…

…。

大剣士「勇者さん…でしたね」

勇者「ああ」

大剣士「女性ですよね?しかも僕と同じくらいの歳…」

勇者「…。」

とうぞく「えっ、そうだったんスか!?」

魔物使い「気づかなかったの?」

薬師「まぁ、鎧着てるし兜もつけてるし…語調から勘違いするのも仕方ないんじゃない〜?」

勇者「…まぁ、そうだな。正直、俺も男だろうが女だろうがもうどうでもいいんだ」

銃士「ふぅん。ま、いろいろあったみたいだな。で?魔王討伐の旅でもしてんのか?」

勇者「そう…なるな、魔物の動きも活発になっている。帝国をはじめ、ほかの国でも戦争の準備をしてる」

勇者「そろそろギルドにも収集がかかるだろう。それだけ切羽詰ってるんだ」

銃士「戦争…か、まあ聞いてない話でもないからな。驚きはしねえが」

とうぞく「あんまり…実感ないッスね」

勇者「…しばらくすれば、嫌でも実感するようになるさ」
361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/25(土) 17:30:26.02 ID:p1kSsmU0
ザッザッザ

勇者「…ここのようだな」

崖の下にぽっかりと開いた洞窟、その奥にはただ闇が続いている

とうぞく「ぶ、不気味ッスね…」

魔物使い「なにいってんのよ…はやく行くわよ」ザッザッザ

とうぞく「わ、わかったスよ!だから置いてかないでぇ〜!!」

…。

ギャース!

ザシュッ!ドサッ

勇者「ふぅ、意外と魔物がいるんだな…」

銃士「そうだな…っと」ドシュゥ!

洞窟内を6人の持つランプが明るく照らす

床には6人が倒した蝙蝠型の魔物の死骸が散らばっている

とうぞく「うひぃっ!」ザシュッ

とうぞく「…何体いるんスかぁ…?心臓に悪いスよぉ…」ブシュッ

とうぞくが蝙蝠の死骸から短剣を抜きながら言う

魔物使い「そんなの知んないわよ。あんた盗賊なんだから、ダンジョンの構造がわかったりする魔法ないわけ?」

とうぞく「現実はそう優しくないんスよ…、せいぜいピッキングくらいスねぇ…」

薬師「何か…名前の通りせこい職業ねぇ…」

銃士「ふははっ!だとよ?」

とうぞく「み、みんなひどいッスよ…」

大剣士「あははっ…」

勇者「ふ…ふふっ…」
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/25(土) 17:31:49.83 ID:p1kSsmU0
…。

コツッコツッ…

大剣士「あれ…?扉があるみたいだよ?」

とうぞく「ほんとスね、この先にあいつの手下が…?」

銃士「かもしれんな…、注意を怠るなよ?」

勇者「俺が先行する、後ろは任せたぞ」

ギィ…ガチャッ!

勇者「!?」

大剣士「…く、蜘蛛…?」

魔物使い「うわ…でかっ、気持ち悪い…」

扉の先には大きく開けた空洞、天井には穴が開いておりそこから瘴気が流れ出ている

大蜘蛛「…む?人間か…私を止めにきたのか?」

空洞の中にいる大蜘蛛、それの腹からは瘴気が立ち上っていた

とうぞく「その通りッス!瘴気を止めて、村人を元に戻すッスよ!」

大蜘蛛「…ふ、そういうわけにはいかんよ…」

勇者「ならっ!力ずくで止めるまでっ!」ザシュゥ

大蜘蛛「ぐぅっ!」

大蜘蛛の傷口から紫色の液体が飛び散る

勇者「くっ、なんて高濃度な瘴気…」
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/25(土) 17:32:16.06 ID:p1kSsmU0
大剣士「切断は危険です!魔法と打撃で戦うしかありません!」

とうぞく「うっ…またオレ、活躍できないじゃないスか…」

薬師「とうぞくん、これ…」

とうぞく「ば、爆薬スか…わかったス、薬師さんは離れててくださいス!」

魔物使い「よっし犬!君に決めた!」

犬「おぎゃーwwwwwww」

銃士「よし、俺と大剣士は妨害と援護だ、主力は勇者ととうぞくの爆薬だな。犬と魔物使いはその場に応じて!」

大蜘蛛「面倒な奴等だ…だが、私の役目はしっかりと果たさせてもらうぞ?」バシュゥ

大蜘蛛の口から糸が吐き出される

勇者「ちっ!」

それを剣で切り払おうとする

勇者「なっ!?」

勇者の剣は糸に絡め取られ引っ張られる

魔物使い「犬!火炎放射!」

大蜘蛛「くっ…」

大蜘蛛は糸を即座に切って、犬の火炎放射を避ける

勇者「すまん、助かった!」ドォッ

勇者も炎の魔法を大蜘蛛に向かった放つ

銃士「ちっ!意外とすばしっこいな!こいつっ」ドンドン!

大蜘蛛は洞窟の壁を走って、攻撃を避ける
364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/25(土) 17:32:24.67 ID:v3T8SLYo
勇者女だったのかwwwwwwww
365 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/25(土) 17:53:43.26 ID:p1kSsmU0
>>364 >>311辺りをごらんください…


ガラガラ…炎と弾丸が洞窟の壁を壊し、瓦礫が積み重なる

大剣士「どうにかして動きを止めないと…」

とうぞく「ここの洞窟は結構、壁が脆いみたいス。オレが足止めするッス!」タッ

とうぞく「薬師さん、合図を出したらお願いするッス!」

薬師「ええ!わかったわ」

大蜘蛛「…何か仕掛けるつもりだな」バシュ

大蜘蛛は壁を走りながら勇者に糸を吐く

勇者「っと」

それを後ろに飛ぶことで回避する

大蜘蛛「(奴がこの中で一番危険だ、呪術師様の言うとおりだな)」

銃士「おいおい、悠長に考え事してていいのか?」ドンッ!

大蜘蛛「ぐっ」ドスッ

弾丸が突き刺さった箇所から液体が吹き出る

魔物使い「犬!」

魔物使いの掛け声に合わせて、犬が大蜘蛛の足元へ炎を放出する

大蜘蛛「っ!!」

地面に降り、炎を何とかかわす

とうぞく「薬師さん!今ッス!」

薬師「わかったわ!」

薬師の魔力に反応し、とうぞくが壁に仕掛けた爆薬が爆発する

ドゴォオオン!爆発とともに、壁が崩れ瓦礫が大蜘蛛の上に降りかかる
366 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/25(土) 17:55:00.51 ID:p1kSsmU0
大蜘蛛「なっ!…ぐっ…」

とうぞく「いまッス!動きを封じるッスよ!」

大剣士「わかった!魔物使い!」ダッ

魔物使い「えぇっ!お願い…聖騎士!」

魔物使いが手にした宝石、それに魔力を送ると地面に魔法陣が浮かびあがった

聖騎士「よかろう…新たな主よ、私が力を貸そう!」ガシャッ

魔法陣から現れたのは傷が完全に癒えた聖騎士

聖騎士と大剣士は瓦礫に身動きを封じられた大蜘蛛の元へ走り

大剣士「…よいっしょ!」ブチッ

聖騎士「ふんっ!」ブチブチッ

足を引き抜いた

大蜘蛛「ぐぉおおおお!」

足の付け根から吹き出る液体を避けるように、二人は後退する

魔物使い「犬!フレアドライブ!!!」

犬「うほwwwwwwwタイプ一致弱点フレアドライブやーwwwwwwwww」

勇者「よし!叩き込むぞ!」ボシュゥウ

勇者の手から、青白い光を放つ炎が放たれた

銃士「おーっし!こいつもついでに喰らっとけぇえええ!」

銃士の魔砲からも炎が放たれる
367 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/25(土) 22:45:25.57 ID:I3RRYVgo
乙乙
気長に待ってるぜぃ
368 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/25(土) 23:04:23.70 ID:p1kSsmU0
>>367 あざーっす、ポケモンちょっと疲れてきたんで、ネタ尽きるまで書いて来ますね

大蜘蛛「ぬわー!!」



プスプス…

こげた臭いと瘴気の臭いがあたりを漂っている…

大剣士「…どうやら倒したみたいだね」

カサカサカサ…

勇者「…まだほかにいるみたいだな」

とうぞく「そのようッスね…って多いッスねえ!?」

大蜘蛛と同じくらいのサイズの蜘蛛が10匹…洞窟の天井に開いた穴から入ってきた

大剣士「こんなにっ…」

魔物使い「まんまとはめられたってわけね…」

銃士「何とかなりそうだが…さすがに骨が折れるぜ?」

呪術師「くくっ!戦う必要はありませんよっ!」パッ

6人の目の前に突如、呪術師が現れる

薬師「!?」

銃士「ちっ、戻ってきやがったのか!」

勇者「で?のこのこ戻ってきて、戦う必要がない。とはどういうことだ」
369 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/25(土) 23:06:05.96 ID:p1kSsmU0
呪術師「まあまあ、あまり突っかからないでください…」

6人の足元に見たこともないような魔法陣が浮かび上がる

魔物使い「何これ…」

聖騎士「私も見たことがない魔法陣だ…」

勇者「…おそらく空間系の魔法だろう、俺たちをどこかに飛ばすつもりか…」

呪術師「くくっ!その通りです!いやあー時間かかりましたよー!」

呪術師「ばれないように、瘴気を媒介にして魔法陣を書いて…タダでさえ難しいというのに、かなり手間取ってしまいました!」

大剣士「っ!みんな!固まって!!」

呪術師「いーい判断です!ま、私自身。どこに飛ぶかはわかりませんがっ!くふふっ!」

銃士「くそっ!どうしようもねえのか!」

洞窟の地面いっぱいに広がる魔法陣がまばゆい光を放つ

呪術師「ではでは〜。よい旅を!」

―――――――――――強引に第3章完っっっ!!!
370 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/25(土) 23:17:32.72 ID:p1kSsmU0
〜〜〜

夢を見ていた

それは夢だったのだろうか

いや、夢と自分の精神が組み込まれた世界

そこには自分ともう一つ、違う何かがいる

その世界では、過去の記憶が流れている

自分の命が突然奪われ、黒くて禍々しい何かが入ってきた日

あの日の出来事が蘇る

たくさんの人を殺した、もっとも信頼する人を傷つけた

命を奪われる予兆はなかった、これは少なくとも自分の責任ではないだろう

しかし、何かに取り付かれた。それは自分の責任であり

若さゆえの過ちというやつだ

まだ10歳だった自分は、禁忌に触れ

人々を脅かし

さらに自分も人々を襲った
371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/25(土) 23:18:14.83 ID:p1kSsmU0
???『まあずいぶんと懐かしい思い出だこと…』

大剣士「魔物…何か用事でも?」

???『用事?んなもんねーだろーよ!ひゃはははっ!』

???『あと俺のことはシャドウって呼べって言ったろ?相棒ww』

大剣士「あーうるさいなあ、これは僕の体で、僕の精神なんだ。しゃしゃり出てこないでよ…」

シャドウ『つれないねぇー!6年間も一緒なんだ、そろそろ仲良くしよーや!』

大剣士「お前のせいで…僕がどれだけの人を殺したと思ってるんだ」

シャドウ『まー…あれは悪かったと思ってるぜー。乗っ取れそうなヤツがいたから、急いで飛び込んだら』

シャドウ『思った以上に反発されて、魔力が暴走しちまったんだからな!』

大剣士「お前の言い訳なんて知らないよ…おかげで僕は…」

シャドウ『あいつ等もひでーことするよなー!お前じゃなくて俺が悪いってーのにwwwまー、そこまで気ぃ落とすなって!ひゃははっ!』

大剣士「…ブツブツ…」

シャドウ『あ、こりゃーだめだwwww』

シャドウ『…おっ、そろそろ目ぇ覚ますんじゃねえか?じゃあ…またなっ相棒!ひゃははっ!!』
372 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/26(日) 00:09:04.81 ID:iuODC3M0
〜〜〜

大剣士「んっ…」パチッ

大剣士「ここは…湖…?どこかで見覚えが…」

大剣士「って、みんなはっ!?…いない、僕だけここに飛ばされたのか…よっと」パンパン

服の汚れを掃いながら立ち上がる

大剣士「…そうだ、ここは僕の村の近くにあった…あまり遠くには飛ばされなかったのか」

大剣士の村は先ほどまで(どれくらい気を失っていたのかはわからないが)いた村から南西のほうに位置する場所にあった

それでも決して近いというわけではない。山を二つほど越えた場所だ

大剣士「とりあえず…家に戻ろう、父さん。いるかな…」
373 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/26(日) 00:09:34.61 ID:iuODC3M0
…。


村から離れたところにある森の中

そこに大剣士が育った質素な小屋がある

切り株に刺さったままの手斧と割られずに放置されている薪が置いてあった

小屋に屋根にから突き出ている煙突からは煙が出ている

大剣士「…いる…のかな」

ガチャッ…

大剣士「ただい…ま…」

見慣れた部屋。ベッドは二つある

しかし

大剣士「…?いない…のかな」

???「…なんだ、大剣士か」

大剣士「!?」ビクッ

大剣士「…脅かさないでよ、父さん」

父「ははっ、すまんな…で、どうした?この近くで依頼があったのか?」

大剣士「それが…」
374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/26(日) 00:10:00.12 ID:iuODC3M0
…。

父「ふむ、呪術師…知らんな」

父「にしても、お前に仲間ができるとはな!偉いぞ!ははは」グリグリ

大剣士「…ん」

父「そうだ、大剣士」

大剣士「何?」

父「…おかえり」

大剣士「…ただいまっ!」
375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/26(日) 00:11:24.44 ID:iuODC3M0
うおおおおおおああああああ見てる人すくねえええええ

まあいいけどね、おやすみなさいでした
376 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/26(日) 00:27:38.11 ID:0lBERewo
>>375
ここにいるぞ!乙
377 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/26(日) 01:24:12.81 ID:krGyBcDO
ちょっとROMってるだけじゃないか
きにすんなよ
378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/26(日) 04:06:31.37 ID:R0XRbA2o
ここ数日ポケモンがどうのでいなかったじゃん?
スレ埋まるのもどうかと思ってレスしない訳よ
379 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/27(月) 02:18:06.23 ID:Hi/NtI6o
乙乙なんだよ!
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/27(月) 03:51:45.46 ID:XvH7wMDO
なんか最初と大分書き方とか雰囲気変わったな
381 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/27(月) 22:29:47.83 ID:VnSEw8A0
どうも、何かいろいろすいません
初めてのSSなんで手探りで書いてます。では続き↓

〜〜〜

魔物使い「…んん」モソモソ

薬師「あら、お目覚めかしら?」

魔物使い「…ここは?…そっかあたしたち飛ばされて…」

薬師「ここがどの辺りかわからないけど、山のなかなか高いところに飛ばされたみたいね〜」

魔物使い「ほかのみんなは?」

薬師「さぁ〜?ここに飛ばされたのは私たちだけみたい」

子犬「わぅ…」

魔物使い「そう…。あ、宝石もある、フクロウは?」

薬師「辺りを見回ってくるって言ってたわ〜、そろそろ戻るんじゃないかしら?」

ガサガサッ

魔物使い「!?フクロウ…?違う、ほかの魔物!」

薬師「っ…まずいわね〜…、結構な数だわ…」

バッ!草むらから魔物が数体飛び出てくる

魔物「ガルルルルル…」

魔物使い「!?ヘルハウンドっ…!」

薬師「囲まれてるわね…」

子犬「わふぅ…」
382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/09/27(月) 22:30:36.66 ID:VnSEw8A0
魔物使い「聖騎士!お願いっ!!」

ガシャッ!魔法陣から聖騎士が飛び出る

聖騎士「…銃士たちはほかのところに飛ばされたか、それにしても…数が違いすぎるな」

魔物使い「何とかなりそう…?」

聖騎士「ふっ…主のためなら…」チャキッ

宝剣を構え、逆の手で魔法陣を浮かび上がらせる

???「…ほっほ、まあ待てい…」

薬師「人間っ?」

???「お前たちも下がれ…いやいや旅のお方、ご迷惑をおかけしましたな」

魔物「ガルゥ…」

魔物使い「…あんたは?」

???「ほっほ…山にこもっとるただの老人じゃ…」

老人「この子たちが妙に騒いでおるから、気になって調べにきたんじゃよ」

聖騎士「…ご老人、魔物を使うのですか」

老人「…長年、山に住み着いておると。なぜかなつかれてのぅ」

老人「まあ立ち話もなんじゃ、急ぎでなければわしの小屋へ寄っていくとよい」
383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/27(月) 22:31:17.14 ID:VnSEw8A0
…。

フクロウが戻ってくるまで待ち、3人は山の中を進んでいった

魔物使い「…結構歩くわね」

老人「ほっほ…もうすぐじゃて…」

ザッザッ…木々の隙間から木造の家が見えてきた

薬師「…結構大きいですね」

魔物使い「ぼろいけどねー」

老人「…誰もいなくなった宿屋を使わせてもらっとる、外見はぼろいが中身はなかなかのもんじゃぞ?」

魔物使い「…ここも魔物に?」

老人「ほほっ…ずいぶんと昔の話じゃ。なあにあの子たちは本当に大丈夫じゃよ」

ガチャッ…老人がドアノブに手をかける

老人「ようこそ…傭兵のお嬢さんたち」
384 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/27(月) 22:32:02.50 ID:VnSEw8A0
…。

コトッ、木造のテーブルの上にスープの入ったコップが置かれる

薬師「ありがとうございます」

魔物使い「ありがと…」

老人「季節の変わり目じゃし、こんな山の上じゃ。少々肌寒いじゃろう?」

薬師「…私たちがなぜあんなところにいたとか、聞かないんですか?それに私たちのこと傭兵だって…」

老人「ふむ…確かに聞いたほうがいいかの、お嬢さんたちが傭兵だと言ったのはただの勘…」

老人「いまどき、旅に出ているのは傭兵くらいじゃしな…」

魔物使い「まぁ、そうね。戦争も近いみたいだし?」

老人「戦争…、魔王軍と国軍とのか?そうか…お嬢さんたちも戦争に加わるのかね?」

薬師「多分…参加すると思います」

魔物使い「勇者も放っておけないしね…」

老人「勇者…か。おっと、話が逸れてしまっとるな…それでなぜこんなところに?」

魔物使い「それがねー…」
385 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/27(月) 22:32:43.14 ID:VnSEw8A0
…。

老人「呪術師…?ふむ、聞いたことがあるのぅ…」

老人「人の身で禁忌に触れ、数多くの失敗作の上に自分を魔物化させたものがおったと…」

薬師「自らを実験の材料に…?」

老人「厄介なヤツを追いかけておるな…」

魔物使い「でも…あいつを捕まえて青年をどうにかしないと…」

老人「…そやつのことは諦めたほうがよいじゃろう」

薬師「…っ!」

老人「戦争に参加するとのなら、自分たちの好きにはやれんじゃろうて」

老人「それに…もう遅い、呪術師を見たのじゃろう?一度進行した魔物化は、止まることはあっても治ることはない」

魔物使い「ならせめて…楽に…」

薬師「…それが…私にできることなら…」

老人「お嬢さんたちにそれができるかの?」

魔物使い「…できないかもしれない、でも…っ!」

老人「…わかった、わしのところで修行するといい」

老人「戦争が始まるにはまだ時間があるじゃろう?」

薬師「本当っ…ですかっ…?」

老人「ほっほ…明日からじゃ。久しぶりに話しつかれたわい…食料は勝手に使ってくれ」

老人「部屋も適当なところをな…おやすみ」
386 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/27(月) 22:33:13.68 ID:VnSEw8A0
〜〜〜

ザッザッザッ

   ガサガサガサ

とうぞく「ひぃいい!目が覚めた瞬間これッスかぁあああ!」

銃士「ばっか!静かにしろ!これ以上魔物が増えたらどうすんだ!!」

ガササッ!

とうぞく「おわぁっ!」ザシュッ!

回り込んできた魔物を切り落とす

銃士「…やっべぇな、囲まれる前にどっかに逃げねーとっ!」ドンドンッ

とうぞく「っ!あそこに橋があるッス!」

銃士「橋っ!?よし渡るぞ!お前が先に行け!」

とうぞく「りょ、了解ッス」

ギシッギシッギシッ!

とうぞく「魔物は…いないみたいッス!」

グゥウウウ…

銃士「よし…これでも喰らえ!」ドシュッ

ガァァァ!橋を一気に渡ろうと魔物たちが走ってくる

しかし、銃士が放った弾は橋を凍らせる…

ピキピキッ…グォオオオ…

氷に足を取られ、魔物たちが次々に谷底へ落下していく…
387 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/27(月) 23:06:47.72 ID:VnSEw8A0
とうぞく「…ふぅ、何とかなったスねぇ…」

銃士「だな…」

とうぞく「…ところで、橋凍らせちゃったスね」

銃士「だな…」

とうぞく「戻れないスね」

銃士「…」

とうぞく「ここがどこかもわからないのに、道が一つ塞がっちゃったス」

銃士「…恐らく、ここは魔大陸。…まだ端のほうだろうけどな」

とうぞく「シリアスな感じで話してごまかそうとしても無駄スよ」

銃士「ああ?うっせえな!あれ以外に方法なかったろ!」

とうぞく「一列になるんスから、一体ずつ倒していくとかでいいじゃなかったんスか!?」

銃士「ぐっ…!橋+谷と来たら落とすしかねーだろーがっ!!」

銃士「橋を落とさなかっただけでもマシだと思えっ!!」
388 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/27(月) 23:08:01.59 ID:VnSEw8A0
とうぞく「何開き直ってんスか…」

銃士「くっそ…とうぞくの癖に…お前がまともに戦えたら苦労しないんだがなぁっ!?」

とうぞく「うぐぐっ……。そりゃあオレだって迷惑かけてるとは思ってるスよ…」

とうぞく「このままじゃあ呪術師を倒すどころか、青年さんを救うことだってできやしないッス…」

銃士「…あー、うん悪かった」

とうぞく「オレはもっと強くなりたいッス…銃士さん、どうか…」

銃士「わかった…わかったって、俺でよければ訓練つけてやる」

とうぞく「本当ッスか!?」

銃士「あー、だが…俺はあんま接近戦は好きじゃねえんだ」

銃士「あと、訓練はちと厳しいからな?覚悟しとけ、時間はあるとはいえそこまで長くねーからな」

とうぞく「うっ…お手柔らかにお願いするッス…」
389 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/09/27(月) 23:09:31.90 ID:VnSEw8A0
さあ強化合宿開始です。タノシミダナー
今日はこれまで、おやすみなさいです
390 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/29(水) 22:24:05.66 ID:inAF5kAO

続き頑張ってください
391 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/09/30(木) 09:21:53.65 ID:PeSv3SU0
乙です。
392 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/03(日) 01:47:18.99 ID:rlMKPKwo
支援
393 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/10(日) 23:50:29.78 ID:vpc/Qsg0
どうも>>1です、長らく放置しておりました。申し訳ねぇ

今ちょっとづつ書いてるから明日にでも投下、でもまた忙しくなる^w^
暇を見つけて書いてきます
394 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/11(月) 00:08:39.76 ID:11bHjAoo
おk、楽しみにしてます!
395 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/11(月) 00:13:36.76 ID:kixhjPYo
待ってるぜい
396 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/11(月) 05:02:33.17 ID:PNBqpEAO
楽しみに待ってるよ〜
397 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[ saga]:2010/10/11(月) 15:00:20.33 ID:N9pMHD60
おまたー
支援ありあとう!続き↓

〜〜〜

コトッコトコトッ…

ポットの蓋が音を立てる

父「…これからどうするんだ?」

大剣士「…そうだね、一度ギルドに行って仲間がいないか確かめるよ」

父「そうか。……あとお前は聞きたくないかも知れんが…」

大剣士「幼馴染のこと…?」

父「あぁ、ちょっと前までは容体が安定していたらしいが」

父「…また発作が起こったらしい」

大剣士「やっぱり…あのとき僕が…」

父「…あれはお前のせいじゃない…だが、いつまでも逃げてばかりじゃあいられないぞ?」

大剣士「違うっ…!僕が幼馴染を!…それに父さんの腕だって…」

父「…この傷は俺が未熟だったからだ」

大剣士「…」

父「少し落ち着け…いずれにしても、自分で決めるしかない」

大剣士「…わかったよ…、ちょっと散歩してくる」

トットットッ…ガチャッパタン

父「…」スッ

自由の利く右手で、本棚から一冊の本を抜き取る

父「…魔物の力がまだ怖いか、方法はあるんだ…お前ならきっと…」パラッ…
398 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 15:01:40.61 ID:N9pMHD60
…。

ザッザッザ…

大剣士「この洞窟…」

巨大な木の根元にぽっかりと開いた洞窟

そこは何重にもロープで塞がれ、札が何枚も貼り付けてある

シャドウ『おー、ここか!ご丁寧に結界まで使いやがってwwww』

シャドウ『ここには俺しかいねーってのww』

大剣士「っ…、何で話しかけてくるんだよ…」

シャドウ『いつもはお前に押し込められてっけど、ここは俺の力を増幅させてくれる』

シャドウ『つまりはそういうこったwww』

大剣士「そっか、じゃあすぐ離れよう」

シャドウ『ちょっwwwwまったく…可愛げのないガキだぜ…』

大剣士「…」ザッザッ

シャドウ『あっ…あーっ…、悪かったってちょっと話くらいさせ…うあー………』
399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 15:02:21.96 ID:N9pMHD60
…。

ガチャッ

大剣士「…ただいま」

明かりはない

大剣士「寝ちゃった…かな…」

トットッ

大剣士のベッドへ歩いていく

大剣士「寝よ…お休み…」

〜〜〜

コトッコトコトッ

大剣士「…ん」モソッ

父「やっと起きたか…昨夜は眠れなかったのか?」

大剣士「…ちょっと、ね」

父「ああそうだ、井戸から水を汲んできてくれ。ついでに顔も洗っとけ」

大剣士「うん…」

…。

バチャッ!

大剣士「うっ…つめたっ」

チャポン…カラカラカラ…

大剣士「よいっしょ…っと」

ザバァッ…

大剣士「このくらいでいいよね…」
400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 15:02:59.39 ID:N9pMHD60
…。

大剣士「持ってきたよ」

父「おー、さんきゅう」

父「茶、飲むか?」コトッ

大剣士「うん、ありがと」

父「…今日はギルドに行くんだろ?」

大剣士「…うん、みんな無事だといいけど」

父「…」

大剣士「…」

父「なぁ、幼馴染ちゃんのこと。ちゃんと考えたか?」

大剣士「…」

父「お前が…あのときのことで、会いたくないっていうのはわかる」

父「まだ…怖いのか?」
401 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 15:03:32.48 ID:N9pMHD60
大剣士「…」

大剣士「そうだね…魔物のことは怖い。いつ理性が飛んで、また暴れるかわかんない」

父「そうなったらまた俺が…」

大剣士「無理だよ…僕が強くなれば魔物も強くなる」

大剣士「わかるんだ、もう魔物は僕と同化してる…、片腕の父さんじゃ抑えられないよ」

父「なら…あの方法が」

大剣士「…父さんが前に言ってた方法…だよね」

父「お前は強くなったんだろ?なら…できるハズだ」

大剣士「…さっき言ったけど、僕と魔物の力は対等…」

大剣士「成功する確率は五分五分」

父「どの道…いつかはその均衡は破られる、まだ手がつけられるうちにっ!」

大剣士「…わかってる!」ガタッ

父「…」

大剣士「でも…僕は、もう誰も傷つけたくないんだ」

大剣士「殺すことが楽しいだなんて…思いたくないっ!」

父「…」

大剣士「…ギルドに行って来るよ、日が暮れる前には帰ってくる」

父「…あぁ、気をつけて、な」
402 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 20:15:03.63 ID:N9pMHD60
〜〜〜

パタパタパタッ

   サッサッサッ

魔物使い「…修行つけてくれるって言ったわよね?」

老人「ほっほ…」

魔物使い「それがっ!なんで雑用なんてさせられてるのよーっ!!」

薬師「ま、まぁ、修行の一環ってことで…」

魔物使い「納得いかないわ…!」

老人「そういうな、午後からはちゃんと修行させてあげよう…ほっほ」

魔物使い「体よく扱われてるって感じね!」フンス

薬師「まぁまぁ〜…」

…。

魔物使い「やっと終わったわ…」

老人「どちらかと言うと、魔物使いちゃんは散らかしていたと思うがの…」

魔物使い「うぐっ…」

薬師「と、とりあえず、そろそろ修行のほうを…」

老人「そういえばそうじゃの…」

老人「まずは食事じゃ!薬師ちゃん、頼めるかの?」

薬師「は、はぁ…わかりました〜」

魔物使い「…こんなじじぃで大丈夫なの…?」
403 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 20:15:33.51 ID:N9pMHD60
…。

魔物使い「さぁ!!ご飯も食べ終わったことだし?さっさと修行内容を話してもらいましょうか!」

老人「…ほっほ」

薬師「まさか…考えてないとは言わせませんよ〜?」パキッポキッ

魔物使い「いいだしっぺが何も考えてないなんて…ねえ?」

老人「…まぁ、よかろう」

老人「まずは魔物使いちゃんからじゃ、ちょっと外へ出ようか」



ザッザッザ

老人「ここらでいいかの」クルッ

魔物使い「こんなところあったんだ…」

老人「ここは山の魔物たちがよく遊ぶところじゃよ」ブチッ

一枚の葉をちぎり取る

薬師「それで、どうするんですか〜?」

老人「まずは…実力を確かめさせてもらおうかの…」ピィイイイ!

老人の奏でる草笛が山へ響き渡った…

ガサガサガサッ…ズゥン…ズゥン…

魔物使い「な、なに…?」

老人「わしの友達じゃよ…ほっほ」
404 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 20:16:01.58 ID:N9pMHD60
???「よーお、じいさん。読んだかー?」

ヘルハウンド「がう!」

老人「ギガンテス、ヘルハウンド。お前たちにちょっと相手をしてもらいたいんじゃが」

ギガンテス「おお?人間か!…そっちのちっこい嬢ちゃんは魔物使いか?」

老人「うむ、頼めるか?」

ギガンテス「おう!任せとけぃ」

魔物使い「でっかいわね…聖騎士より大きい…」

薬師「こんな大きな魔物と戦わせるんですか〜?」

老人「ほっほ、力を試すにはちょうどいいじゃろう」

魔物使い「じゃあ…こっちは聖騎士と犬で行くわ!」

犬「おっしゃらーwwwww」

聖騎士「ふむ、力試しか…。よかろう」

老人「では…行くぞ!ギガンテス!!」

ギガンテス「おうよ!!」

3メートルを越す巨人の魔物が木で作られた棍棒を振り降ろす

魔物使い「よけて!犬は撹乱!聖騎士は補助と迎撃!」

聖騎士「承知した!」

犬「承り太郎wwwwww」
405 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 20:17:31.87 ID:N9pMHD60
ドゴォオオ!

ギガンテスの棍棒が地を抉り、砂塵が舞い上がる

ヘルハウンド「グォオオオ!」

砂塵から突如姿を現したヘルハウンドが犬のわき腹へ突進する

犬「わふっ!」

魔物使い「速い!?犬!炎をまとって振り払うのよ!」

シュボォオオ!犬の体が真っ赤な炎に包まれる

老人「ヘルハウンド!下がって目潰し!」

ヘルハウンド「がうぅ!」バッ

ヘルハウンドは距離をとり、迎撃をする犬に砂を振り掛ける

犬「おふぅwww」

魔物使い「犬!?聖騎士!」

聖騎士「ぬぅ!」

聖騎士が発動させた魔法陣から水流が放出され、ヘルハウンドの体を吹き飛ばす

ギガンテス「はーはっは!余所見してていいのかよ!?」ブゥン

聖騎士「がっ!」ガキィ

ギガンテスの棍棒を辛うじて剣で受け止める

ギガンテス「かかったな…」ニヤッ

聖騎士「なっ…ぐぉおお…」ズシッ

魔物使い「何っ?聖騎士が徐々に押されてるっ…」
406 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 20:17:57.92 ID:N9pMHD60
ギガンテス「そんな不安定な姿勢でこの重圧には耐えられんだろう!?」

ギガンテスの持つ棍棒が大きさをましていく

聖騎士「何だ…この棍棒は…!」

ギガンテス「これは魔物の木でできてんだ!馬鹿で魔法の使えねえ俺でも、ちょっと魔力流せば」

ギガンテス「相手の意表がつけんだよおおおおお!」ズン!!

聖騎士「ぬぅぅぅぅ…!」ベキベキッ

魔物使い「犬!」

老人「させん!ヘルハウンド!」

ゴァッ!犬とヘルハウンドから放たれた炎がギガンテスと聖騎士の周りで交わり

爆発を起こす

ドゴオオオオオ!

魔物使い「きゃあっ!」

老人「ぬっ…!」

薬師「すごいっ…爆発…!」

辺りを熱波と砂塵が襲う
407 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 20:18:26.78 ID:N9pMHD60
………

子犬「わ、わうぅぅ…」

聖騎士「ぐぅ…はぁっ…はぁっ…」

ギガンテス「ひゅう…なかなか効いたぜ…」

ヘルハウンド「がぅー」

魔物使い「犬!聖騎士!はぁっ…はぁ…」ガクッ

魔物使いはその場で肩ひざを付く

老人「ほっほ…こんなものかのぅ?」

魔物使い「はぁ…はぁ…」

薬師「大丈夫〜…?」

魔物使い「まだ…まだよ…」

老人「魔物使いちゃんの魔力と魔物の質は確かにいい」

老人「じゃが…契約もしていない魔物に負けるとは…のぅ?」

魔物使い「まだ…いけるって言ってるでしょ…!」

老人「ほっほ…そうむきになるでない。これは力量を測るだけの模擬戦じゃ」

老人「話は家に戻ってからにするかの…ほら、立てるかい?」

魔物使い「う…うん…」
408 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 20:19:48.96 ID:N9pMHD60
…。

老人「それで…じゃが」

魔物使い「…」

老人「聖騎士?と言ったか、その魔物。もとは人間じゃろう…」

魔物使い「…」コクン

老人「なるほどのぅ…魔法も使えてなかなか強い魔物じゃ」

老人「そしてその犬…」

子犬「わう…?」

老人「タダのヘルハウンドとは違うの…」

魔物使い「…どういうこと?」

老人「ヘルハウンドとは…地獄の門番犬ケルベロスの化身、眷族…」

老人「本質的には同じじゃがな。質も力もケルベロスには遠く及ばず、単体では大した力もない」

老人「しかし…この犬からはケルベロスに似た質の力を感じる…」

魔物使い「でも…普通のヘルハウンドに負けちゃったわよ?」

老人「何を言うておる?…魔物使いちゃんが制御しておるのじゃろう?」

魔物使い「えっ?」

老人「無意識のうちに…ということか」

老人「それはまあいいとしようか。今回の戦いでわかったことはいろいろあるが…」

老人「魔物使いの本質…魔物の制御…これらについて教えてあげよう」
409 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 20:20:31.36 ID:N9pMHD60
〜〜〜

薬師「…それじゃあ次は私ですね〜」

老人「うむ…」

老人「薬師ちゃんは戦闘にはあまり向いておらんのぅ…」

薬師「そ、それは…私は補助と回復…ですし〜」

薬師「罠とか、爆弾とか!そういうのも作れますよ〜?」

老人「薬師ちゃんたちのパーティーは、魔物使いちゃんの魔物と近接職が2人」

老人「そして中距離火力が一人…だったかの?」

薬師「はい…」

老人「言いたいことはわかるじゃろうが…戦う術を持たない薬師ちゃんが前衛をうろつくのは危険…」

薬師「…」

老人「近接職の一人…その子に罠を託すのなら…別に薬師ちゃんの存在は回復以外に必要ない」

老人「まあ、怪我をしても直してくれるサポーターがいるのは心強いがな!ほっほ!」

薬師「そう…ですね…」

薬師「それじゃあ…私はみんなが強くなっても…ずっと変わらないで…」

薬師「みんなが傷つくのを見るしかできないんですかっ!?」

老人「何もそこまでは言うとらん」

老人「戦闘中は皆、冷静な思考を欠いてしまうよな?」

薬師「戦うことで精一杯ですから〜…」

老人「…ならば、皆の思考を薬師ちゃんが担ってやればいい」

薬師「と、言うことは…」

老人「うむ…魔物使いちゃんが修行を積んでいる間、薬師ちゃんには戦術についてお勉強してもらう!ほっほっ」
410 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]:2010/10/11(月) 20:24:41.11 ID:N9pMHD60
ふぅ、久しぶりにいっぱい書いた

今日はさっさと寝ます、お疲れ様でした
411 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/11(月) 20:25:47.24 ID:zitqWuYo
412 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/11(月) 21:28:27.76 ID:ikfek3ko

俺もさっさと寝るか
413 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/11(月) 21:35:37.14 ID:ptGCF3Mo
孔明先生はいつ出ますか?
414 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/14(木) 08:32:38.25 ID:JtnvhUAO
支援してるよ
415 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/20(水) 22:35:15.09 ID:XiQFckoo
復活してよかった。支援
416 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/22(金) 17:11:33.30 ID:dkCrxoQ0
どうも>>1です
今日からやっと暇になったので明日から投下

11月にまた忙しくなるけど、それまでに終わらせれるようにがんばる
てか製速落ちてたんすねwwwwwwwwwwwwwwちょっと焦った
417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/23(土) 03:08:08.90 ID:DxKNgEDO
乙です。
楽しみに待ってます。
418 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga ]:2010/10/23(土) 23:22:16.09 ID:eIjaEnQ0
あうあうあ〜^q^ずっと遊んでた、ほとんどかけてないけど投下

〜〜〜

ガサガサッ

とうぞく「さぁ修行ッス!…と言いたいところスけど…」

銃士「ふはは!記念すべき初の修行は…」

グォォオ…

銃士「基礎体力作りからだな!!いくぞ、とうぞくゥ!」ダッ

とうぞく「そうなるスよねぇ!?」ダッ

ザッザッザ
  
  …ザザッザッ

銃士「にしても、ずいぶん気が立ってやがるな!」

とうぞく「…ひぃ…ひぃ…勘弁して欲しいスよ…」

銃士「よぉし!あと10分走ったら、実戦練習だな!」

とうぞく「ぜ、全力疾走スよ!?無理に決まってるッス!!」

銃士「ごちゃごちゃ言ってんじゃねー!引き受けたからには徹底的にやんぞ!!」ダダッ

とうぞく「ひ、ひえぇぇ〜…」
419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/23(土) 23:23:47.02 ID:eIjaEnQ0
…。

とうぞく「はぁっ…はぁっ…もう…無理ッスよぉお〜」

銃士「おいおい、敵さんはまだ追いかけてくるぞー?」

グァアッ!

二人を追いかけていた魔物の一体が飛び掛る

とうぞく「うわぁっ!」ガッ

とうぞくが木の根に足を取られて前のめりに倒れる

銃士「ちっ!戦うしかねえか!?」ゴスッ

咄嗟に立ち止まり、裏拳を魔物に叩き込んだ

とうぞく「いてて…」

銃士「早く立て!囲まれるぞ!」

魔物「グォオォ…」

とうぞく「囲まれちゃってるスね…す、すいませんス…」

銃士「いいから武器を構えろ、こんなとこで全滅とか洒落にならんぜ」

とうぞく「う…わかってるスよ…」チャキッ

二人は武器を構える
420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/23(土) 23:24:14.77 ID:eIjaEnQ0
魔物「グァアッ!!」

四方から魔物たちが襲い掛かる

銃士「来たぞ!」

それを受け流そうとする

???「下がって!」

しかし、魔物たちは突如現れた光の壁によって弾かれる

とうぞく「!?」

魔物「グゥッ…」

???「こっちです!はやくっ!」

銃士「あ、あぁ…行くぞとうぞく!」

とうぞく「は、はいッス!」
421 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/23(土) 23:45:47.77 ID:eIjaEnQ0
…。

銃士「撒いたようだな、ふぅ…助かったぜ」

とうぞく「ど、どうもッス…」

???「…それはいいですけど。こんなところで何してたんですか?」

二人を助けた人物は、女性とも少女とも言える風貌をしていた

それに加え、粗末な帽子を深くかぶっている

銃士「まー、その、何だ。出来の悪い弟子を鍛えてたわけだ」

とうぞく「ははは…その通りスよ」

???「ふぅん、そうなんですか」ジトー

少女は疑いのまなざしを二人に向ける…

とうぞく「うぅ…そ、そういえば自己紹介がまだッスね、オレはとうぞく。こっちは銃士さんス」

???「あ、な、名前ですね。私は…魔導士…です」

銃士「…魔導士ちゃんか、そっちこそ何であんなとこに?」

魔導士「それは…貴重な薬草を探していて、魔物たちが騒いでるから誰かいるのかなあって」

とうぞく「へぇ、…抜け道を知ってるあたり、ここら辺の地理には詳しいんスね」

魔導士「は、はい。近くに魔物が寄ってこない、安全な場所があるんですよ」

銃士「ほぅ…魔大陸にそんな場所がなぁ」

魔導士「う…私、あまり信用されてませんね?…わかりました、案内します!」
422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/24(日) 00:07:44.45 ID:gATxGYI0
キリ悪いすねえ、しかも全然進んでねーし^o^
今日からちょっとずつシコシコやるんでゆっくり見ててください///
423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/24(日) 00:10:43.93 ID:SXucZNgo

wktkしてるよ
424 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/24(日) 00:11:23.87 ID:T0MKC3Yo
>>422 乙!
まあ、のんびり待ってるよ
425 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/24(日) 00:16:35.65 ID:RaW.NwDO
乙です。
更新感謝です。
426 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/24(日) 00:19:24.70 ID:AMjnAQAO
わふぅーーーーーっ!!
超乙かれ。
427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/26(火) 00:40:26.98 ID:AkWQoQE0
やぁ(´・ω・`)夜も遅いのでひっそり投下するよ!!続き↓

…。

魔導士「そろそろ…です」

とうぞく「もうスか?あまり歩いてないような……うっ」ゾワッ

銃士「っ…、この感触は…」

魔導士「…安心してください、魔よけの結界です」

とうぞく「何か…違う世界に放り込まれた感じッスね、落ち着かないッス…」

ザワッ…

銃士「誰だっ!!」カチャ

何かの気配を察し、咄嗟に武器を構える

男1「っ…」

男2「……く、お前らこそ誰だ」

そこには、フルフェイスの兜と鎧を着た男が2人立っていた…

魔導士「銃士さん!やめてください!」

銃士「…」

無言のまま銃を下ろす銃士

男2「…ふん、お前の仕業か」

男1「そいつ等は誰だ?むやみにこの場所を教えるなと言っているだろう」

魔導士「この人たちは…魔物に襲われていたところを助けたんです」

魔導士「見たところ…怪しいところはありません…」

とうぞく「何なんスか?この人たちは」
428 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/26(火) 00:43:28.34 ID:AkWQoQE0
魔導士「…この結界の中に住んでいる人たち…です」

男1「おい、どうする」

男2「…まあいいだろう。どうせこの中では何もできんさ」

そういいのこすと、二人は踵を返して去っていく・・・

銃士「どういうことだ?」

魔導士「…この結界は、他人の悪意を敏感に察知します。何かしようとすれば彼等が全力で止めに来るでしょうね」

魔導士「それに…自動迎撃術式も組み込まれてますから…変なことしないでくださいよ?」

とうぞく「恐ろしいとこに来ちゃったみたいスねぇ…」

銃士「まぁいいじゃねえか、何もしなけりゃあ安全は確保できるんだ」

魔導士「そ、そうですね…それじゃあ行きましょうか」

魔導士が先を促す。

それにとうぞくと銃士が従う。
429 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/26(火) 00:45:36.62 ID:AkWQoQE0
…。

歩き続けること数分…

三人が目指す場所は暗い森に囲まれた、お世辞にも綺麗とは言いがたい粗末な小屋だった。

魔導士「どうぞ…」

銃士「おう、邪魔するぜー」

とうぞく「お、お邪魔するッス」

ギィ…と軋んだ音を立て、扉が開く。

魔導士「今、明かりをつけますねー」

そういうと魔導士の指先に炎がともり、それを机の上にあった蝋燭に火をつける。

その途端、小屋の壁に掛けてあるいくつかの蝋燭が明かりを放ち、薄暗い部屋を明るく照らし出した。

とうぞく「おぉぉ…すごいスね〜」

魔導士「連動術式ですよ?…割と基本な術式です」

とうぞく「そ、そうなんスか…?」

銃士「そうだ、魔術師の端くれなら使えて当たり前だな」

とうぞく「へ、へぇ〜…」
430 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/26(火) 00:48:36.02 ID:AkWQoQE0
魔導士「まぁそれはいいとして、ですね…」

魔導士「修行…続けるんですか?」

銃士「あぁもちろんだぜ!とうぞくがどうなろうが修行は続けてやる!」

とうぞく「そ、そうスね…でも死ぬのは勘弁ッスよ…」

魔導士「そう…ですか、あまり目立つことはしないでくださいね…?」

銃士「お、おう。わかったよ……チッ」

とうぞく「……何しようと考えてたんスか」

魔導士「それじゃ、わ、私はあまり戻らないですけど。自由に使ってくれていいです」

少し言いづらそうに話す

魔導士「…気をつけてくださいね?」

そう言うと、軽い身支度を整え、早足で出かけてしまった…。
431 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/26(火) 00:59:01.73 ID:AkWQoQE0
あぁ…眠いよお休みパトラ・・・
432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/26(火) 01:05:15.23 ID:y54thVso
>>431
おやすみなさい
433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/29(金) 08:08:01.68 ID:uwuoTYDO
乙です。
434 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/29(金) 20:50:31.22 ID:Fk9z2VIo
民家に入ったらまずは
タンスとツボを荒らす
それが主人公一行だな
435 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/10/30(土) 00:32:36.98 ID:OofdjkU0
>>434 仕方ないよな、だってそこに小さなメダルがあるんだから。
誰だってそーする、俺だってそーする。

というわけで>>1ですこんばんわ、軽く書き溜めたんで投下する。
そのあと寝る、お休みなさい
436 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/30(土) 00:33:24.79 ID:OofdjkU0
続き↓

…。

魔導士が小屋をでてから、二人は毛布を探し出し疲れを癒した。

とうぞく「ふぁ…ぁ」

銃士「おいこら、さっさと支度しろよ」

とうぞく「ふぁい…」

まだ寝ぼけているとうぞくは、上半身を起こしたままあいまいに頷く。

銃士「…いいから早くしろ!!」

とうぞく「いたーっ!?」スパーン!

乾いた音と短い悲鳴が静かな森へ響き渡った…。
437 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/30(土) 00:34:25.10 ID:OofdjkU0
…。



銃士「よーっし、ここらでいいか!」

小屋から歩いてすぐのところ。

木が生い茂る中にぽつんと開けた場所があった。

とうぞく「へぇ、こんなとこもあるんスねぇ…誰かが作ったようスね」

銃士「だな、まぁ都合がいい」ググッ

腕を伸ばし、ストレッチを始める。

とうぞく「お…お手柔らかに頼むッスよ?」

銃士「ふははっ!それじゃあ修行にならんぜ?」

銃士「ルールは簡単!どちらかがぶっ倒れるまで…だっ!!」ダッ

言い終えるや否や、銃士は一気に距離を詰め蹴りを繰り出す。

とうぞく「おわわっ!いきなりすぎるッス!」

とうぞくは咄嗟に後ろへ飛び、銃士の初撃を何とかかわす。
438 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/30(土) 00:35:06.99 ID:OofdjkU0
銃士「らぁっ!!」

蹴りをはずした足で地面を思い切り蹴り飛ばし、再びとうぞくへ近づく。

とうぞく「くぅっ…」

力とスピードによる連撃、とうぞくは迫る銃士に反撃を入れるがなんなく避けられてしまう。

銃士「おらぁっ!」

とうぞく「ぐぼっ…!?」

絶えず続く攻撃を避けきれず、鳩尾に重い一撃を食らう。

とうぞく「がはっ…」ドサッ

背中から地面に倒れ、殴られた衝撃も重なり一時的に息が詰まる。

銃士「もう終わりかぁっ!?」

仰向けに倒れるとうぞくの顔を目掛けて足を振り下ろす。

とうぞく「っ…!」ゴロッ

それを横に回転することによって何とかかわす。

その運動を生かし、とうぞくは一気に起き上がる。

とうぞく「はぁっ…はぁ…」

銃士「何だぁ?もうグロッキーか?」
439 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/30(土) 00:36:03.82 ID:OofdjkU0
とうぞく「まだ…まだっっスよ!」ダッ

今度はとうぞくから仕掛ける。

素早くジャブを打ち、相手の隙を狙う。

銃士「ふんっ…」

しかし、攻撃はすべて見切られ避けられる。

とうぞく「くそっ!」

力任せに拳を振るう。

銃士「っと」パシィ

銃士はとうぞくの腕を掴み、後ろへ回りこむ。

とうぞく(はやいっ…!?)

とうぞくが振りほどこうとした瞬間、とうぞくはすでに地面へ組み伏せられていた。

何とか脱出しようと心見るが、どれだけ力を入れても立ち上がることはできない。
440 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/30(土) 00:36:34.17 ID:OofdjkU0
とうぞく「くぅ…」

銃士「ふははっ!はーい、ぶっ倒れたなー?俺の勝ちだぜー!!」パッ

銃士はとうぞくの腕を放し、立ち上がる。

とうぞく「ふー…負けちゃったスね…どうでしたッスか?」パンパン

服に付いた砂を払い落としながら、銃士に評価を聞く。

銃士「まぁ…駄目駄目だなぁ…、基礎ができてねぇ」

銃士「見よう見まねの構え、手加減してやった攻撃もほとんど避けるだけで精一杯」

とうぞく「うぐぐ…」

銃士「よく今まで生きてこれたなぁ!その幸運だけは認めてやってもいーぜ?ふはははは!」

とうぞく「ぼ、ボロクソ言うんスね…?」

少し涙目になりながらも抗議の視線を送る。
441 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/10/30(土) 00:37:22.30 ID:OofdjkU0
銃士「…ま、鍛え応えがあるってもんよ!んで、次の修行を始める前にだがな…」

とうぞく「は、はいッス」

銃士「俺の動きを真似ろ、徹底的にだ」

とうぞく「真似…スかぁ…」

銃士「そ、基礎を学ぶなら真似んのが一番だぜ?」

とうぞく「それだけ…スか?」

銃士「それだけだ…あーそうそう。あとだな、」

とうぞく「?」

銃士「ぜってぇ、目を瞑るな?一瞬でも姿が見えなくなったら死ぬと思え!」

とうぞく「は、はいッス!」

銃士「返事の前と後ろにサーをつけろぉぉおお!」

とうぞく「サー!イエス、サー!」

銃士「うむうむ」

一人満足気に頷く銃士。

とうぞく「今更ッスね、てか今思い出したんスよね?」

銃士「あん?」ジロッ

とうぞく「おっ、おしゃべりはここここまでにして、は、はやくはじめましょうッス!」

銃士「しゃーなしだからな…?まったく…」
442 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/31(日) 00:32:29.00 ID:wsUBIgE0
乙です。
443 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/31(日) 00:51:16.97 ID:UbUA7Hwo
追い付いた
おもしろい私怨
444 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/11/01(月) 22:36:20.43 ID:KWUzF6I0
>>443 そのレスが俺の活力源です、ありがとう

今日は書き溜め投下し終わってからも寝るまで書いてくよ!

続き↓

…。

人通りのない小道、その先はYの字に分かれている。

大剣士「…勢いよく飛び出たはいいけど、近くにギルドがある所って」

大剣士「あの村しかないんだよなぁ…どーしよ…」

そんな大剣士の気分とは裏腹に、青空はどこまでも晴れ渡っていた…。
445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/01(月) 22:37:18.77 ID:KWUzF6I0
……

十分に考え抜いた末、フード付きのマントを羽織り、近くの村へよることにした。

帰って目立ってる気がしないでもないがそこは突っ込まないお約束。

大剣士「うぅ…はやくギルドへ急ごう…」

フードを深くかぶりなおし、足早にギルドへ向かう。

タッタッタッ

???「あいつっ…!どこへ行ったんだまったく!」

大剣士「あぶなっ!?」ドンッ

足を速めた瞬間。曲がり角から走ってきた男と衝突してしまった。

???「おうっ!?」ドサッ

その衝撃でフードで隠した顔があらわになる。

大剣士「あっ…」ガバッ

フードを慌ててかぶり直し、両手で抑える。

???「す、すまんな、急いでたもんで…大丈夫か?」

男は立ち上がり、服の汚れを掃わずに大剣士へと手を差し出した。

大剣士「…だ、大丈夫ですっ」タッ

大剣士はその手を取らず、一瞬で立ち上がるとそのまま駆け出していった…。

???「…?どうしたんだ、あの子…」

男は、マントを羽織った少年の姿を見送りながら一人ごちた…。
446 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/01(月) 22:42:06.93 ID:KWUzF6I0
…。

大剣士「さっきの…幼馴染の…何かあったのかなぁ」

ギルドへの道のりの途中、さきほどぶつかった男の顔を思い出してみる。

大剣士「とりあえずは、ギルドへ急ごう」

再び歩みを速める大剣士。

だんだんと、目的の建物が見えてくる。

…ガチャッ

築3〜4年だろうか、厚めの扉を開ける。

ギルドカウンター「ようこそ!何か御用でしょうか?」

大剣士「ええっと、大剣士っていうんですけど…パーティーとはぐれてしまいまって…」

大剣士「何か情報来てないですか?」

ギルドカウンター「大剣士…様ですね?…確認してまいります、少々お待ちください」

そういうと、ギルドカウンターは奥の部屋へと入っていった。

大剣士は床を足先で叩きながら戻ってくるのを待つ。
447 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/01(月) 22:43:29.64 ID:siNEYwAO
やっほい 投下キタ――!
試演だ
448 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/01(月) 22:48:17.26 ID:KWUzF6I0
ギルドカウンター「…ええっとですね、大剣士様のパーティーについての情報はありませんでした」

大剣士「そう…ですか」

ギルドカウンター「ほかに御用はありますでしょうか?」

大剣士「じゃあ…魔王軍討伐について、何かありませんか?」

ギルドカウンター「おや…?ギルドからの徴集はまだですが、どこでその情報を?」

大剣士「…帝国の関係者から聞きました」

ギルドカウンター「ふむ…なら大丈夫でしょう」

ギルドカウンター「民の不安を煽るので、あまり大きな声では言えませんが…」

小声で話し始めたので、大剣士はカウンターに近づく。

大剣士「…」
449 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/01(月) 22:59:38.32 ID:KWUzF6I0
ギルドカウンター「戦争のことを知っているのなら、帝国から勇者が旅立ったのもご存知ですよね?」

大剣士「はい…」

ギルドカウンター「ギルドの情報に寄れば、勇者はすでに魔大陸へ乗り込む準備をしているとか…」

大剣士「!?もう…ですか?」

ギルドカウンター「しかし、魔大陸は広大で魔物も強い…勇者と言えど、攻略するのにはかなりの時間がかかるでしょう」

ギルドカウンター「そこでです、勇者が突入してから1週間後。各国の軍を集め、軍艦を招集して一斉に乗り込むのです」

大剣士「それじゃあ…もう時間が」

ギルドカウンター「明後日、各国から正式に発表され、防衛陣も敷かれます…それにあわせギルドでも傭兵の招集があります」
450 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/01(月) 23:11:33.69 ID:KWUzF6I0
大剣士「いくら魔物が活性化してきたからって…急ぎすぎでしょうっ…。もし失敗したときのリスクが高すぎる…」

大剣士は拳を握り締める。

ギルドカウンター「実は…ギルドも国も、4年前から秘密裏に準備を進めています」

大剣士「4年も…?」

魔物の動きは4年ぐらい前からおかしくなっていた…しかしそれは些細な変化であり

それを敏感に感じ取り、各国はすでに協力関係にあったということだ…。

たったそれだけで国単位で動く道理がない…何か別に脅威があったのだろうか?

ギルドカウンター「魔物たちも殺気だってる、ここで勝負にでないともう後はない。」

ギルドカウンター「というのが上の意見だそうです」

大剣士「……ちなみに、開戦の日時は…?」

ギルドカウンター「…1ヶ月後です」

大剣士「1ヶ月!?」

思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
451 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/01(月) 23:18:20.72 ID:KWUzF6I0
ギルドカウンター「しっ、静かにっ…!」

大剣士「す、すいません…」

ギルドカウンター「これは決定事項です…遠方の傭兵や国は防衛や物資支援などに回ります」

ギルドカウンター「兎にも角にも、開戦は一ヶ月後です…参加するのならば準備は今からしっかりと進めておいてください」

大剣士「…はい、わかりました。ありがとうございます」
452 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/11/01(月) 23:25:55.84 ID:KWUzF6I0
…。

ガチャッ

ギルドに入るときと同じ扉、同じ道。

違うのは、大剣士の不安が更に増えたことくらいだろうか。

大剣士「1ヶ月かぁ…みんな散り散りになっちゃってるし、悠長なことしてらんない…かな」

…バサッバサッ

などと考え事をしている大剣士の耳に、羽ばたく音が入ってきた。

大剣士「?」

段々と近づいてくる羽音、その正体を探そうと首をひねる。

???「ほーっ!」バサッ

頭上から普通の鳥より、一回り大きい物体が大剣士の肩にとまる。

大剣士「わわっ!」ヨロッ

いきなり肩にのしかかった重圧に大剣士はよろける。

???「ほー…」

それは大きく翼を広げ、羽繕いを始めた…。
453 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/01(月) 23:38:08.03 ID:KWUzF6I0
大剣士「ふ、フクロウ?どうしてここに…てか何か大きくない?」

フクロウ「ほえがのぅ…」

大剣士「しゃ、しゃべるならちゃんとしゃべって…」

フクロウ「まったく、変なところをうろつきおって…」

フクロウ「長距離飛行なぞ久方ぶりでの…少し擬態が雑になっておる…」

大剣士「そ、そっか…お疲れ様」

フクロウ「うむ」

ザワッ…

大剣士「ん?」

ふと、周りが自分たちのほうを見ているのに気づく。

「おい…あの鳥しゃべったぞ…」 
    「なんだ?あの鳥、あんなの見たことねぇ」
  「ま、魔物じゃないか!?」
            「ま、魔物っ!?あのフードのヤツもかぁ!?」
 「お、おい、誰かはやく自警団に!」

大剣士「ま…っず!」ダッ

騒ぎが大きくなる前に駆け出す大剣士。

「魔物が逃げたぞ!追え!逃がすな!」
454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/01(月) 23:38:33.48 ID:KWUzF6I0
大剣士「ふ、フクロウ?どうしてここに…てか何か大きくない?」

フクロウ「ほえがのぅ…」

大剣士「しゃ、しゃべるならちゃんとしゃべって…」

フクロウ「まったく、変なところをうろつきおって…」

フクロウ「長距離飛行なぞ久方ぶりでの…少し擬態が雑になっておる…」

大剣士「そ、そっか…お疲れ様」

フクロウ「うむ」

ザワッ…

大剣士「ん?」

ふと、周りが自分たちのほうを見ているのに気づく。

「おい…あの鳥しゃべったぞ…」 
    「なんだ?あの鳥、あんなの見たことねぇ」
  「ま、魔物じゃないか!?」
            「ま、魔物っ!?あのフードのヤツもかぁ!?」
 「お、おい、誰かはやく自警団に!」

大剣士「ま…っず!」ダッ

騒ぎが大きくなる前に駆け出す大剣士。

「魔物が逃げたぞ!追え!逃がすな!」
455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/01(月) 23:43:45.61 ID:siNEYwAO
レス454は 犠牲になったのだ…
456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/01(月) 23:49:29.53 ID:KWUzF6I0
あれ、何か2回投下した。まあいいか



…。

フクロウ「なぜ奴等は騒いでおるのだ?」

大剣士「はぁっ…はぁっ…ここは昔、魔物に襲われたことがあって…」

フクロウ「ほう…なるほどのう…」

大剣士「ていうかっ!…お、重いんだけど!?」

フクロウ「むっ!無礼な奴じゃな…れでぃにそんな事を言うとは…」

大剣士「そ、そういえばそうだったね…」

フクロウ「ふん…まぁよい、今回は大目に見てやろう…」フワッ

肩にとまったままのフクロウは、少しずつちいさくなり、いつもの姿へと戻った。

「いたぞ!」

大剣士「もう!しつこいなぁ!」

追っ手を振り掃うべく、大剣士は角を曲がる。

???「こっちよ!来て!」

声に反応してそちらを見ると、そこには家屋の隅から手招きする、小柄な少女が…。

「待て!」

後ろからは追っ手の声。

咄嗟に判断し、大剣士は少女と共に身を隠す。
457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/01(月) 23:52:31.78 ID:KWUzF6I0
すんません、ほかのSSが更新されてるのが気になる
今日はそれ読んで寝ます、お疲れ様


いま気づいたけど >>455さんIDひどい
でも支援ありがとう、ツンデレなんだな…


458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/02(火) 00:03:56.50 ID:MugSMbco
>>457
どのSSか気になる。良かったら教えて
459 :455ッス[sage saga]:2010/11/02(火) 00:38:02.06 ID:BaRT6kAO
>>457
確かにあのIDは酷かった…
「死ねぃw」って読めるもんな
>>1 超乙かれ!
460 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/02(火) 12:08:32.65 ID:46N2AMko
>>444
なんだと!面白い紫煙
461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/02(火) 12:38:58.21 ID:GKfXPEU0
面白いなこれ

462 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/02(火) 18:21:47.16 ID:UG67lSQ0
>>458 言っていいのかわからんが、戦士募集したら勇者が〜ていうの
これ書く前から見てた、シリアス展開が俺好み
書いてる人がんばれ超がんばれ

>>459 やったね、今日は普通のIDだよっ!

>>460 >>461
うおおお!…ふぅ、おなかいっぱい
あと支援あり



久しぶりの2日連続で投下!思ったほど急がしくないかも…
まだわからんがね、まあ夜から投下していくます
463 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/11/02(火) 22:08:53.16 ID:UG67lSQ0
続き↓

…。

「どこへ行った!?」

「まだ近くにいるハズだ!とっ捕まえろ!!」

ザッザッザッ…

???「行ったみたいよ?」

少女は少し、やつれているようにも見える。

薄幸美人という感じだろうか。

大剣士「…どうして」ボソッ

顔を俯けて、その少女の顔をなるべく見ないようにする。

???「ん?ご迷惑だったかな?」

大剣士「…そうじゃ、なくて…。追われてたのに…なんで…?」

???「あははー、何でだろうね?悪い人には見えなかったから…かな」

フクロウ「ほぅ、鳥が話しておるのだぞ?魔物かもしれんというに…」
464 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/02(火) 22:09:41.25 ID:UG67lSQ0
大剣士の肩の上で黙っていたフクロウがおもむろに話しだす。

???「うぅん…魔物ならすぐ暴れるでしょ。何か妙に人間っぽかったし」

???「まあいいんじゃない?それより急いだほうがいいよー」

大剣士「…わかった、ありがとう。それと」

少し顔を上げて言う。

大剣士「お兄さんが探してたよ」

???「えぅ!?もうバレたの…?さすが私の兄…侮れん…」

大剣士「…ごめん」ダッ

???「んんっ?てか何でそれ知って…って…もういない」

少女はしばらくの間考え…大人しく見つかることにした。
465 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/02(火) 22:12:58.97 ID:UG67lSQ0
…。

最後の言葉が、彼女にきちんと届いたかどうかは知らない。

でもそれは確かに伝えたかった言葉で

不安の一つでもあった…。

大剣士(いつまでも…逃げてられないよね)

もう限界かもしれない、罪悪感と彼女が変わっていなかった嬉しさと

時間がない…という焦りがせめぎあっている。

大剣士(…もう、やるしかないか…)

そう決心する、最後くらい…一緒に笑いたい。

終わるまで…償いたい。

……い……お…い…!

フクロウ「聞いておるのかっ!ぼーっとしおってからに…」

耳元で怒鳴る声に、強制的に意識を戻させられる。
466 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/02(火) 22:26:20.34 ID:BaRT6kAO
戻ったかっ!
超支援 しえん C
大剣士の過去話が気になるな…
467 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/02(火) 22:39:59.36 ID:UG67lSQ0
大剣士「あ、あぁ…ごめん」

フクロウ「まったく…ほかに聞くことがあるのではないか?」

大剣士「…?……あっ!魔物使いたちは!?」

その反応に、少々満足気にしながらフクロウは頷く。

フクロウ「うむうむ…、その魔物使いからの手紙じゃ」

フクロウはそういうと、紙がくくり付けてある足を出す。

大剣士「ん…」

大剣士はフクロウの足から紙を取り、読み始める。

フクロウ「あの子も扱いが悪い…」ブツブツ

文句を言い始めるフクロウを尻目に、大剣士は手紙を読み進める。

大剣士「…薬師さんと魔物使いは一緒に飛ばされたんだね」

フクロウ「うむ…そう書いておるだろ」

大剣士「でもこれってさ…手紙じゃなくてフクロウが直接言ってくれたほうが早い…よね?」
468 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/02(火) 23:37:34.83 ID:UG67lSQ0
フクロウ「…」

大剣士「ま、まぁ、二人が無事だってことはわかったし、別にいいかっ!あははー…」

フクロウ「ほいで…主からは何かあるかの?」

大剣士「そうそう、ギルドで聞いたんだけど…」

…。

フクロウ「なるほどのぅ…猶予は一ヶ月…あるかないかか」

大剣士「…魔物使いたちは修行…してるんだってね」

フクロウ「うむ…ワシはすぐ出かけたからの、現状はわからんが…」

フクロウ「しかしのぅ…そんなに早いとは…」

大剣士「…とうぞくと銃士さんは?」

フクロウ「そちらはまだ見つかっておらぬな…皆が飛ばされた洞窟から、魔力を追ってここまで来たが」

フクロウ「僅かにも感じ取れぬ…相当、遠くへ飛ばされたのだろ」

鳥の表情なんてわかりはしないが、多分、心配しているのだろう。

大剣士「…あの二人のこと、任せられるかな…?」

それを聞くのは野暮というものか。現に

フクロウ「…ここまでやらせておいて、何を言う?ワシに任せておけばよい!」

やはり表情はわからないが、やる気は十分にあるようだった。
469 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/03(水) 00:13:40.45 ID:pJzPAI60
…。

フクロウ「…ふむ、伝言はしかと受け取ったぞ」

大剣士「うん、お願いね…僕はまだやることが残ってるんだ」

フクロウ「任せるがよい、ではな!来るべき時に約束の場で会おう!」バサァッ

大剣士は飛び立つフクロウに手を振り見送る。

大剣士「さあ…一旦、家に戻ろうか」
470 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/03(水) 00:17:51.30 ID:pJzPAI60
うあー…頭が回らん!
今日はここまで、過去はまだイマイチできてないので明日書きます。

おやす!
471 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/03(水) 00:22:50.37 ID:N1F5ihso
>>470
乙!おやすみなさい
472 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/03(水) 04:03:26.23 ID:ljnIkUAO
>>470
惜しみない乙を!
おやすみ ノシ
473 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/03(水) 12:41:32.65 ID:o/K24UDO
乙です。
474 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/11/03(水) 15:40:04.87 ID:pJzPAI60
ふははは…ネタが…思いつかんよ…あと…遅筆ですまんね…

ちょっとずつ続き↓

〜〜〜

老人、という人物に拾われてすぐ

大剣士と銃士、おまけにとうぞくを探すために魔物使いはフクロウに手紙を持せ、飛び立たせた。

しかし、フクロウは一日経っても戻ってこない。そこまで遠くへ飛ばされたのだろうか?

魔物使い(みんな、無事だといいけど…)

子犬「わぅ!」

魔物使いの正面にちょこんと座る子犬が、考え事を咎めるように吼える。

魔物使い「む…わかってるわよ、…集中集中っ!」

老人曰く、魔物使いの中に眠っている魔力と

魔物を従えるに足る素質が、十二分にあると言う。

…魔物の上に立つ者として、必要なものは2つ揃っている。

あとは意志の疎通と、制御。

これができなければ話にならない、などと自慢げに語るジジィを昨日見た。

今は、子犬と意志を通じ合わせる修行をしている…らしい。

魔物使い(魔力の流れを感じ、魔物を感じる…。できそうでできないわね…)

子犬「わうぅぅ…」

子犬も同じことを考えていたのだろうか、情けない声を出す。
475 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/03(水) 15:42:30.41 ID:pJzPAI60
…物心付いたときにはすでに犬とフクロウがいて

ついでに小さな、偏狭の村に家を持っていたりした。

二匹は自分の親代わりだったのだ。

フクロウは擬人化できたりするので、若者の少ない村では割かし上手くやれていたと…ハズ。

そして優しく、時に厳しく…あれは本物の愛情なんだと魔物使いは思う。

犬はどちらかと言うと…ペットというか、駄目な兄というか…。

辛いときにはそばにいてくれたし、どんなときでも一緒だった。

…二匹は私の…大切な家族。

互いに信頼しあい、気持ちも通じ合っているハズ…なんだけどなぁ。

そこまで考え、魔物使いは眠気と戦っている子犬を見つめる。
476 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/03(水) 15:43:29.67 ID:pJzPAI60
子犬「…コクッ…コクッ…」

自分が眠りかけていたことに気づき、ぱっと顔を上げ首を振る。

…じっと見つめる魔物使いと目があい、一匹と一人は見つめあう。



  
魔物使い・子犬「ぐぅぅぅぅぅ〜…」

風が囁く中、妙に間抜けな音が当たりに響く。

魔物使い「……っぷ」

子犬「わぅぅ…」

もう限界だとばかりに、子犬はその場で伏せの状態になる。

魔物使い「あはははっ!…なんとかなりそうね?」

すっきりした顔で魔物使いは続けた。

魔物使い「…じゃ、ご飯食べに行きましょ。犬」

子犬「わんっ!」

魔物であり、少女の家族である子犬は

元気な声で吼え、命より大切な少女を追いかけ走った…。
477 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/03(水) 15:44:43.05 ID:pJzPAI60
…。

一方こちらは薬師。

薬師「んんんっ…」

妙に艶っぽい声で唸り、机の上に置かれている資料を眺めている。

薬師のほかにもう一人、老人と名乗った人物が黒板のようなものを指して話していた。

老人「――つまり、臨機応変な役割分担が―」

老人「―して、求められるのはいち早く状況を判断する能力であり―」

この歳になってまで勉強するなんて思ってもみなかった…。

まだ20代なんですけど〜っ…。はぁ…

…親の仕事を手伝い、病を治す薬の魅力に引き込まれて

念のための魔道学院に通いながら親に仕事を教えてもらった。

結局、私に魔法の才能はあまりなく、平凡な一生徒として通い続けた。

…魔道学院で得たものは、魔法の知識と並程度の回復魔法

そして…ある教授との研究の成果。

その教授は両親の知りあいで、薬学にも詳しく。

私はその人の研究室でお手伝いをしていた。
478 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/03(水) 15:46:45.98 ID:pJzPAI60
薬物兵器…といえば聞こえが悪いけど、対魔物用毒物とか、爆薬とか…

暴徒鎮圧用のしびれ薬など…

魔法で戦う術を持たない私は、魅力的な研究にまた引き込まれた…。

無事、学院を卒業してから私は両親の反対を押し切り、傭兵になった

自分の力でたくさんの人を救えるんじゃないか、

そんな幻想を抱いて…。

老人「―――ここも割と大事での……薬師ちゃん?」

薬師「はい…?」ボーッ

老人「ちゃんと聞いとるかの…?」カチャッ

そういいながら老人は鼻に掛けためがねをはずす。

薬師「あ…すいません〜…ちょっとぼーっとしてて〜」

老人「そうじゃの…そろそろ休憩を取るか、もう夕方じゃしな」

いつのまにか時計は5時頃を示していた…。
479 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/03(水) 16:01:19.34 ID:BgU8L0g0
戻ったかっ!! 
wktkして待ってたぜ
480 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/03(水) 16:44:45.72 ID:ljnIkUAO
戻ったかっ!
支援試演しえん
481 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/03(水) 17:37:43.61 ID:pJzPAI60
薬師「ほんとですね〜、じゃあ私作ってきます〜」

老人「む、疲れておるようじゃし…わしが作ろう」

老人が台所へ向かおうとするのを薬師が手で制する。

薬師「ふふっ、いいんですよ〜。わざわざ教えていただいてるわけですし〜」

老人「ほほ…じゃあお言葉に甘えようかのぅ」
482 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/03(水) 17:40:16.18 ID:pJzPAI60
…。


ガチャッ!

魔物使い「ただいま!!」

子犬「わう!」

勢いよく扉が開かれ、魔物使いと子犬が入ってくる。

老人「おぉ、おかえり…して、修行のほうはどうだったかのぅ?」

宿屋の名残である、広めの食堂には老人が一人、椅子に座っていた。

魔物使い「ん〜、まぁ何とかなりそうね。薬師はっ?あたし、お腹空いちゃった」

老人「ほっほ…元気でよいよい、薬師ちゃんなら台所のほうにおるじゃろ」

魔物使い「そう、じゃあお手伝いして来るわ!」タタタ

老人「…惨事にならねばよいがの」

子犬「くぅん…」

老人「ん?ああ…お前もお腹が空いておるのじゃな?まっとれい…」

そう言うと、老人は棚から袋と牛乳の入ったビンを取り出してきた。

それらの中身を皿に移すと子犬の前に置く。

子犬「くんくん…」

小さな粒が盛られている皿を見て、匂いを嗅いでみる子犬。

老人「うぅむ、なんじゃったかの…どっぐふーど?なるものらしい、山の魔物にはなかなか好評じゃったがの」

子犬「はぐはぐ…」

危険はないと感じたのか、勢いよく食べ始めた。

老人「ほっほ…ご主人に似て素直な子たちじゃ…それともあの子が似たのかのぅ?」

そこには優しく微笑む老人がいた…。
483 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/03(水) 21:54:00.01 ID:bZVoYjg0
乙です。
484 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/06(土) 16:28:25.76 ID:3Oqskpwo
乙した。
ワクワク
485 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/06(土) 18:55:26.79 ID:82IrPMAO
>>1 マダー?
禁断症状がでてきたぞ
486 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/07(日) 00:59:29.46 ID:1Fd9tpI0
うへへ、すまんね。ゲームで忙…じゃなくてだな、結末までは決まってるんだけど
話のもって行き方がなぁ

とりあえず区切りのいいとこまで投下して、明日からがんばる

↓続き
487 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/07(日) 01:00:39.35 ID:1Fd9tpI0
…。

子犬「わうー」ゴロゴロ

空になった皿の隣で子犬がくつろいでいる。

老人「…」

魔物使い「ほら、ボーっとしてないで手伝いなさいよー」

老人「お、すまんすまん」

いつのまにか、老人の背後には魔物使いが立っている。

両手に抱えているのは大きな鍋、そこからは湯気が立ち上っていた。

老人「…ところで、その鍋の中身は本当に食べ物なんじゃろうな?」

食器棚へ向かいながら老人は、茶化す風に話しかける。

魔物使い「あっ、当たり前でしょ!?あんた、あたしを馬鹿にしすぎよ!!」

顔を真っ赤にして怒る。

老人「ほっほ…冗談じゃよ」

老人は食器棚から出してきた、深皿の皿をテーブルに並べる。

魔物使い「ふんっ………ってあれ、どうしたの?犬。こんなとこで寝ちゃって」

ふと、床へ視線を送ると、満足気に目を細めている子犬を見つける。
488 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/07(日) 01:01:29.29 ID:1Fd9tpI0
子犬「くぅん」

魔物使いが手を伸ばすと、子犬はひっくり返りお腹を晒す。

魔物使い「…お腹いっぱいになったのね?よしよし」ナデナデ

お腹を撫でられて、子犬は今にも眠りについてしまいそうになる。

老人「ほっほ…」

その様子を老人は優しく見守る。

トットッ

薬師「二人とも〜、遅くなっちゃったけど。ご飯を戴きましょ〜」

食堂の奥から、きちんと切り分けられたパンを持って、薬師が現れた。

魔物使い「うんっ、あたしもうお腹ぺこぺこ!」

老人「ほほぉ、シチューかの…うむ、美味そうじゃ」

そうして各々がテーブルへ着き、食事を始める…。




 温かな食事、温かな会話。優しい時間はあっと言う間に過ぎて行った…。
489 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/11/07(日) 22:56:54.47 ID:1Fd9tpI0
…。

とある森のとある広場。

そこは、さきほどまで己の肉体をぶつけ合…おっと、生々しい表現はやめておこう。

とにかく、そこには一人の男が仰向けに倒れていた。

とうぞく「………ふー」

まったく敵わなかった、それを仕方ないと思っている自分がいて

悔しい、と思う自分もいる。

とうぞく「こんなオレが…強くなれるんスかねぇ」

そして、ゆっくりと目を瞑る。

これでも、なかなかの強敵と渡り合ってきたわけだ

仲間がいたから、というのもあるが…

一人ではこんなにも無力なのか、改めてとうぞくは痛感する。

ザッザッ

雑草と砂を踏みしめる音が近づいてきた…。
490 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/07(日) 22:57:34.31 ID:1Fd9tpI0
とうぞく「……」

しかし、とうぞくは目を閉じたまま動かない。

銃士「なぁにいつまで寝てやがんだ」バシャッ

とうぞく「おわっぷ!?」

銃士「ほら、わざわざ水を汲んできてやったんだ、はやく起きろ」

そういうと銃士はとうぞくにコップを渡し、その場にどさっと腰を下ろす。

とうぞく「ど、どうもッス」ゴクゴク

とうぞくは上体を起こし、渡された水を美味そうに飲み干す。

銃士(にしても…こいつ、この短時間でほとんどの技を真似やがった)

銃士(まぁ、ポテンシャルは俺のが上回ってるからな。ただ真似ただけじゃどうにもならんが…)

そこで一旦、思考が途切れる。

とうぞく「今、何時ごろなんスかねえ」

あたりは常に薄暗く、今が昼なのか夜なのかもわからない。

銃士「わかんねーな…一日中こんな感じだしな、どうするよ?」

銃士は問いかける。修行をこのまま続けるかどうかを聞いているのだ。

とうぞく「…オレはまだまだ行けるッスよ」

銃士「ふはっ!!威勢のいいこった、そうこなくっちゃなあ?」

息を吐き出すように笑うと、銃士は立ち上がる。

それにあわせるようにとうぞくも立ち上がる。

とうぞく「行くッスよ!」
491 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/07(日) 23:04:52.57 ID:1Fd9tpI0
…。

あれから幾度、拳を交えただろうか。

とうぞく「はぁっ…はぁっ…」グッ

銃士「…」

とうぞくは息も絶え絶え、それに比べ銃士はまだ余裕の表情を浮かべている。

銃士「よし、そろそろいいだろう」

とうぞく「っ!?ま、まだやれるッスよ!」

銃士「そうじゃねえ、もうほとんどの動きはマスターしただろ」

銃士「次のステップにはいるぜ」

とうぞく「は、はいッス」

銃士「さっきまでやってたのは、技を手っ取りばやくモノにするためだ。次は今まで通り動いてみろ」

とうぞく「今まで…通りッスか?」

銃士「そうだ、俺とお前では技を繰り出すタイミングも使い方も違う」

とうぞく「タイミング…オレはスピードを生かす職スからね…」

銃士「おう、逆に俺は基本的には後だし型のが得意だ。本分は射撃だからな」

とうぞく「なるほど…自分の型にはめていけってことッスね」

銃士「ちゃんと理解できたみたいだな?じゃあ…いくぜっ!」

再び二人は拳を交え始める…
492 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/07(日) 23:26:05.26 ID:1Fd9tpI0
……。

魔大陸は常に厚い雲が空を覆っている。

魔王が力をつけ初めてからは、より一層暗闇が濃くなったと思う。

暗いのは嫌いじゃない、ただ…物が見えなくなるのはちょっと考え物かな。

魔導士「…っと、あれですよね。うぅん、よく見えないです」

先に見えるのは砦のような建造物。

その周りには、おどろおどろしい魔物を象った、石造まで置いてある。

魔導士「…暗視魔法」

魔導士の指がほんのりと光ると、それを瞼に当てた。

魔導士「よし…!」

まずは進入路を見つけないとね、うん。
493 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/07(日) 23:56:25.29 ID:1Fd9tpI0
…。

魔導士の小屋…

とうぞく「ぐぅ…」

あの後、一旦小屋に戻ろうということになり、帰った途端。とうぞくは倒れこむように眠り始めた。

銃士「…修行が終わった瞬間、死んだように倒れこむようにしたかったんだが」

銃士「意外とタフだな、とうぞくの癖に…ふはは」

ふと、小屋の中を見渡してみる。

…あまり戻らないとは言っていたが、本当に戻ってこないんだな

魔導士が帰ってきたらしい痕跡はまったく見当たらなかった。

銃士「…あまり考えても仕方ねーか、俺も…寝よ…」

明日からまた修行、がんばらねーとな

がんばるの、俺じゃねーけど…。

…そうして長い夜は更けていく。
494 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/07(日) 23:58:54.43 ID:1Fd9tpI0
ああああ、更新遅ええええ
毎日ぽんぽん投下できる人、頭の回転はやいよな…俺には無理だわ

今日は寝ますわぁ…おやすみ
495 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/08(月) 00:10:08.18 ID:RlXkwFMo
おつー。

みてるぜ
496 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/08(月) 00:17:02.93 ID:lh.kOgAO
超乙ゥァァァ!
禁断症状が治まったぜ。
おやすみ ノシ
497 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/08(月) 01:29:06.67 ID:ZeD9Siwo
乙乙
俺はもう少し頑張るぜ
498 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/11/08(月) 02:38:28.43 ID:uJm6Sg6o
追いついた
さっさと書けたろう
499 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/08(月) 02:45:20.66 ID:lh.kOgAO
「sage」を入力しろっ!
500 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/08(月) 12:49:59.43 ID:/13hb0U0
乙です。
マイペースでイイんだよ。
501 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/11/09(火) 23:56:02.25 ID:YNsCSLo0
えー、見ていただき誠にありがとうござい

>>496 再発しないように、気をつけないとね。

>>497 がんばれ、俺はいつでも君を応援している。

>>498 ククク…追いついてしまったか…、どうなってもしらんぞ…?

>>500 ありがとう、グリーンだよ。

ちょっと投下↓
502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/09(火) 23:56:31.43 ID:YNsCSLo0
…。

日は巡り…



とうぞく「はーっ…はーっ…」

やはり仰向けに倒れているとうぞく。

次のステップに入って、もう2日経つが…

これがなかなか難しい。

まず、トップスピードからの技が決まらない。そして見切られてしまう。

フェイントも上手く決まらない…。

とうぞく(慣れるのに時間かかりそーッス…)

にしても、結界の中は平和だなー。

相変わらず、空は雲に包まれたままだが…爽やかな風と葉擦れの音が心地よい。

……

…あれー?銃士さん帰ってこないスねー
503 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/09(火) 23:56:59.02 ID:YNsCSLo0
…。

ザッザッザッ

その頃、銃士は一人で森を進んでいた。

不出来な弟子のために、水を汲みに行っているのだ。

修行初日、ぶっ倒れたとうぞくを放置して

あたりを探索した結果、すぐに飲めそうな水を見つけたはいいが

それは結界の外にあった…。

銃士「まー、結界なんて別にどうでもいいが…」

魔大陸とは言え、このあたりで銃士にかなう魔物はいないだろう。

…こないだみたいに大量じゃなけりゃあ、余裕でぶっ倒せるんだがな。

さすがにやられはしないだろうが、少々、骨の折れる作業になるに違いない。

そんなことを考えている内に目の前の光景が歪んでくる。

銃士はその歪んだ壁に手を伸ばし、通り抜けた。

…そこから少し歩く。
504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/09(火) 23:57:41.72 ID:YNsCSLo0
だんだんと、目的の泉が見えてきた…。

バシャッ…

銃士「…?誰かいるみてーだな」チャキッ

自然と銃を構え、樹木の影に身を隠す、

結界の外に、ほとんど人はいないと聞いた…

魔物か…?

複数はいないようだ、そう判断し銃士は物陰から飛び出す。

銃士「!?」

魔導士「っ!?」

そこで銃士が目にしたものは…

大人とも子供ともつかぬ女性が、水浴びをしている姿だった。

所謂、女の人の全裸ですね。

魔導士「な…な…っ」

魔導士は両手で側頭部を押さえ硬直している。

突然のことに上手く言葉が出てこないようだ。
505 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/10(水) 00:00:02.29 ID:LiTvW160
銃士「よ、よお!魔導士ちゃん、奇遇だなーこんなところでー」

次の言葉を考え、一応の忠告をしておく。

銃士「あ。安心してくれよ!俺は子供の裸をみて欲情するほど変態じゃねーから」

魔導士「は、ははは…そうですかー」

精一杯のフォロー、それを聞いて魔導士は幾分か冷静になったようだ

色んな意味で……

魔導士「ふふふー、わたしが幼児体系で見る価値もないってことですか?」

魔導士「女性の裸を見ておいて、そのセリフは少しデリカシーに欠けるというか……いい加減、」

泉の水が渦を巻き、魔導士の元へ集まっていく。

銃士「や、あの。水汲んだらすぐ戻るから…さ、な?」

魔導士「さっさと出て行ってくださいいいいいいいいいい!!!!!」

ゴバァッ!

魔導士が両手を前に出すと、大量の水が玉となって撃ち出された。
506 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/10(水) 00:01:47.69 ID:LiTvW160
まあ、そこまで距離があるわけじゃあないので…

魔導士に注目するといろいろ見えちゃうわけで…って

銃士「ま、まてえ!これは洒落にならん!」

迫り来る水弾から逃れるように、泉から離れる。

魔力を大量に含んだ水…あれに触れると、一瞬で取り込まれ。溺れ死ぬか、水圧で圧死する。

まず抜け出せねーんじゃないか?

水の上位魔法だぞー、あんなでたらめな速度でほいほい出してんじゃねー

っと、やばいやばい。まずは逃げねーと

ベキベキベキッ

巨大な水弾が木をなぎ倒しながら銃士に近づいてくる。

銃士「のおおおっ!!」ダッ

ギリギリのヘッドスライディング、水弾は頭上を越え…少し先の地面に衝突した。

ドゴォオオオ…

すさまじい爆音を響かせ、水柱が空高くまで伸びていった…
507 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]:2010/11/10(水) 00:04:38.79 ID:LiTvW160
はい、書き溜め終わりですね

今週が一番忙しいすな、来週から資格の勉強しないとだけど…
まあ、おやすみなさいー
508 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/10(水) 00:10:45.31 ID:UC3FiwAO
超乙です。

忙しいなかの更新に感謝!
あまり無理をしないでくれよ?
禁断症状と戦いながら気長に待ってるよ
509 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/11/10(水) 00:25:53.07 ID:bviAa.DO
乙です。
勉強頑張って下さい。
510 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]:2010/11/17(水) 22:03:06.39 ID:.LCqXOE0
や、ども
息抜きで書いたのちょっと投下するね

続き↓
511 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/17(水) 22:03:51.95 ID:.LCqXOE0
…。

ポタッポタッ

銃士「ったく、ひでー目にあったぜ」

何とか避けたはいいが、おかげで全身ずぶぬれになっちまった。

コートのしたは何も着てないがな!……冗談だ

銃士「どーすっか、今行ってもまだ魔導士ちゃんいそうだしな」

そのとき

バサッバサッ

何かの羽ばたく音が聞こえてきた。

…?

フクロウ?「おうい!」
512 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/17(水) 22:04:34.56 ID:.LCqXOE0
銃士の頭上に、大きな影が被さる。

銃士「うぉっ!?フ、フクロウか?」

ヒュ…ドン!

フクロウ?「たたた…、やはり慣れんことはするでないのぅ」

着地に失敗したフクロウが、腰をさすりながら立ち上がった。

銃士「どうしたんだ、こんなところまで」

フクロウ?「む。わざわざこんな辺境まで飛んできたのだぞ?労いの言葉も掛けれぬか」

銃士「ふはは!探しに来てくれたんだよな?お疲れ。てかお前その姿…」

フクロウは人に翼が生えた様な姿をしている。それは戦闘のときにちらと見た姿だった。

フクロウ?「ん?ああ…少し、魔大陸の影響を受けたかの。まぁ気にするでない」

銃士「ふぅん…それで大剣士たちはどうなったんだ」

フクロウ?「それについて伝えるためにきたのじゃろうが」
513 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/17(水) 22:05:10.12 ID:.LCqXOE0
かくかくしかじか。うんぬんかんぬん。

フクロウは銃士にこれまでのことを説明する。

銃士「なるほどな。一応、みんな無事みたいで安心したぜ」

フクロウ?「うむ、それではワシはもう行くぞ?ほかに何かないか」

銃士「ああ…それだけ聞ければ十分だ、気をつけて帰れよ」

フクロウ?「ふん…主等も精々気をつけるんじゃな。あの結界は少々臭うぞ」

銃士「わかってるさ、そんなことくれーな!ふははっ!」

バサッバサッバサッ…

飛び立つフクロウを、銃士は黙って見送った…。
514 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/17(水) 22:05:44.46 ID:.LCqXOE0
……

再び泉に戻ってみたが、誰もいない。

いつもどおり、静けさが伴っていた。

銃士「んー…いないようだな…?」

さて、水を汲んではやく戻るか。

……そういえば魔導士ちゃんが水浴びしてたんだよなー

ま、いいか!飲むのとうぞくだしな!
515 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/17(水) 22:09:49.20 ID:.LCqXOE0
〜〜〜

あの出会いは必然だったのだろうか

あそこで出会っていなかったら、僕はまだ迷っていたかもしれない

でも、あの顔を見て、声を聞いて、僕は悠長なことはしていられないと

…感じ取れた。

生気を吸い取られたような顔、やつれた頬、元気に振舞っていたが確実に衰えていた体。

元気なあの子を知っている人が見れば

あの子のために嘆き、蝕む何かに怒りをぶつけるだろう。



…僕は責められる側だから。

だから償うしかない、それが遅すぎたとしても、償うことができなくなってしまっても

それにはまず、きちんと向き合えるようにしないと…。

ガチャッ…

ただいま、父さん、話があるんだ。
516 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/17(水) 22:10:58.40 ID:.LCqXOE0
…。

父「…いいんだな」

妙に真剣な顔で父さんは決意を再確認してきた。

大剣士「うん」

僕はそれにはっきり答える。

父「…よし、わかった。すぐに準備を始める、お前は休んでいろ」

父さんの動きは早かった、テーブルの上にあった本を引っつかみ、部屋の片隅にあった袋を開くとその中にねじ込んだ。

大剣士「?どこいくの」

僕の頭上に疑問符が浮かぶ。

父「祭壇だ、夜になったら巨木の根元へ来い」

そういうと足早に家を出て行ってしまった。

大剣士「う、うん」

…ゆっくりできるのは、今日が最後かもしれないなぁ

などと考え、自分のベッドに潜り込んだ。



ちょっと現実逃避でもしてみたり…。
517 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/17(水) 22:25:34.93 ID:.LCqXOE0
あ、終わりですすいまそ
ではまた〜
518 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/18(木) 01:35:18.88 ID:UdtWZEw0
乙です。
519 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/18(木) 02:57:12.66 ID:AXYo6tko
チュンチュンッ

大剣士「……………寝過ごした」






>>1乙!!
520 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/18(木) 16:07:30.34 ID:vz58iIDO

資格って聞いて電工一種の実技が2週間後にあるのを思い出した
ありがとう>>1
521 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/19(金) 16:28:18.72 ID:3I8mGRs0
父「…」




父「…グスン」
522 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]:2010/11/19(金) 17:30:28.66 ID:0j8kZ1w0
>>520
電工かー、俺には難しすぎたね
落ちてしまった俺の分までがんばってくれ!

>>519 >>521

うむ、いい流れだ

ちょっと続き↓夜なったらまた書く…と思う
523 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/19(金) 17:30:55.81 ID:0j8kZ1w0
…。

少女『ほらっ!いつまでもグズグズしてないで!いくよっ』

少年『ま、まってよ!おとなの人は、はいっちゃだめだって…』

少女『まーだそんなこといってんの!?ふんっ!いいもん、わたしひとりでいく!』

タタタッ

少年『あっ…、も、もう!ぼくもいくよ!』

タッタッタッ
524 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/19(金) 17:31:21.18 ID:0j8kZ1w0
…。

ガサッガサッ

少女『きたの?ふふん、しょうがないな〜』

そういいつつも、その表情はどこか嬉しげだった。

少年『はぁ…はぁ…はやすぎるって…』

少女『おとこのこでしょ?しっかりしなさい』

少年『…ふぅ。で、どうするの?いりぐちはふさがってるんじゃ?』

少女『まー、まっかせなさいって!』

二人の子供は、巨木の周りを歩いていく。

少女『ここよ。…んっしょ!』バコッ

少女が掛け声とともに、薄い板を剥ぎ取った。

少年『い、いつのまに…』

そうつぶやくと

少女『ふっふーん!けっこーたいへんだったんだよ!』

少女は誇らしげに胸を張った。

薄い板の下には、子供一人が通れそうな穴が開いていた。

少女『さ、いくよー』ゴゾゴゾ

少年『う…うぅ…』
525 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/19(金) 17:31:49.29 ID:0j8kZ1w0
…。

巨木の根元には、大きな空間があり

そこにはお祭りのときに使う祭壇がある。

5年に一度のお祭りなので、ここに入ったことがあるのは実質1回だ。

本当は2回なのだが、さすがに覚えていない。

少年『んん…あれ?ひろまにでたね』

少女『すごいでしょ?あそこからなら、だれにもみつからないよ!』

少年『そのどりょくをほかのことにつかえなかったのかな?』

少女『うっ、うるさいな〜!いいじゃない、わたしのすきにやんの!』

コツンコツン

地下の硬い地面が、二人の足音を響かせる。

少女『ふっふーん、わたしのよそうによると、さいだんのうらがあやしいのよ!』

少年『…おたからなんて、あるわけないよぉ…』

そう、少女はこの祭壇に、村のお宝があると信じこみ

ここまでやってきたのだ。

軽い冒険ごっこ、ただの宝探しだったんだ。
526 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/19(金) 17:41:47.80 ID:0j8kZ1w0



…。

少女『んんん!ここよ、きっと!』

秘密の扉(少女命名)を探し続けて数分、突如声を張り上げた少女。

少年(ほ、ほんとにあるの…)

少女『ほら、こっちよ、はやくきて!』

少女が指差すのは祭壇の中心におかれた石碑。

そこに、かすかに空洞が見えるというのだ。

少女『ね?ぜったい、このしたにあるよ!』

少年『う…うん』

二人は石碑を動かすべく、石碑の横に回りこむ。

少女『せーっの!』グイッ

少年『んっしょ…んっしょ』

ゴ、ゴゴゴ…ゴゴゴゴ…

徐々に隙間を大きくしていく。

ゴゴゴ…ズンッ

先ほどまで、石碑の下にあった階段が二人の眼前に表れた。

少女『よ、よーっし!いくよ!』

少年『う、うん』

トットットッ…

暗闇は更に深く、二人は更に地下へと降りていった…。
527 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/19(金) 17:42:46.96 ID:0j8kZ1w0
…。

少年『…うぅ、やっぱもうやめない…?』

少女『な、なにいってんの。ここまできておじけづいたわけ?』

強がってはいるが、その声は確かに震えていた。

…この下にあるものが、何か

それはとても恐ろしいもので、忌むべきものなんだと

僕等は気づいていたのに…

トットット

やがて

階段の終わりが見えてきた。

降りきったところにあった、さっきの広間よりもかなり小さな空間。

真ん中に巨大な棺おけ(子供から見たら)と、それを取り囲むように大きい燭台が置いてある。

それはさきほどまで誰もいなかったはずなのに、静かに明かりを灯していた。

その燭台のせいか、狭い空間は、大人4人がはいるのが精一杯のように見えた。

少女『…あ、あれじゃない?』

少女は、中央の棺おけを指差す。

少年『な、なんかおかしいよ。やめたほうがいいって…』

しかし、少年の制止を聞かず、少女は取り憑かれたかのように棺おけに近づいて行く。

少女『…』ガタッ

少女が、棺おけの蓋に手をかけ………

・ ・ ・ ・ ・ 。
528 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 00:03:45.51 ID:YZXrUxc0
何もなかったのか?少女は蓋をずらし、中を見つめたまま動かない。

少年『…?』

少女『あれ…なにもないよ』

ゾワッ!

少年『!?』

少女『ひゃっ!』

突如膨らんだ気配に二人は身を仰け反らせる。

スゥッ…

その隙に、棺おけから何か影のようなものが這い出していった…。

少年『え…?さ、さっきのなに?』

少女『あ……あ…』

突然のことに上手く言葉がだせないようだ。

少女『は、はやくおいかけないと!』タタッ

正気を取り戻すや否や、いきなり駆け出した。

少年『あ、まってよ!あぶないよ!』タタタッ
529 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 00:04:36.03 ID:YZXrUxc0
…。

少女『ま、まてー!』

スゥ・・・

影は音もなく階段を上っていく。

少年『はっ、はっ…』



少女『どこいったの!』

祭壇まで上がりきったが、さきほどの影はどこにもない。

???『おい!何をしている!』

少女『!』

少年『はぁ…はぁ…。ま、まってよ………?お、おとうさん!?』

少女『あ…おにいちゃんまで…』

父『この馬鹿!こんなところで何やってた!』

少年『…ご、ごめんなさい』

兄『ったく…いなくなったと思ったら、探検ごっこか?』

少女『せっきょうは、あとできくから!たいへんなのよ!』

少女は状況を説明する。

父『っ!?影が…影が逃げ出したのか!?』

少年『う、うん…』

兄『……どこへ行ったかわかるか?』

少女『わかん…ない』
530 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 00:05:26.18 ID:YZXrUxc0

兄『俺、村のみんなに伝えてきます!』

父『ああ、頼んだ』

タッタッタッ…

父『さ、お前たちもはやく逃げるんだ』

少年『おとうさんは…?』

父『ああ、父さんは影を…っ!?』ゾワッ

父は悪寒のような気配を感じ、即座に振り向いた。

???『ひゃははははー!ひ〜さしぶりの娑婆だぁ!!』

うねうねと、はっきりとした形状を持たない黒い影がそこにあった。

少女『な、なに?あいつ!』

父『とある魔物の影…いや、分身と言ったほうがいいか』

???『おうおうww久しぶりにお前の面見たなwwww元気だったか?wwww』

父『ふん…軽口を叩くのも、あの時と変わらないな』

???『言うようになったねぇwwwひゃはっ』

???『お前にはわりーが、さっさと逃げさせてもらうwww』
531 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 00:42:30.69 ID:YZXrUxc0
父『させんっ!』シャキィン

影が動き出す前に、父が背中に背負った大剣で切りつける。

???『うぉっとー!あぶねーあぶねー!』

しかし、大剣での攻撃はことごとく避けられてしまう。

父『ちっ!ちょこまかと!』

剣を横になぎ、それを避けるべくバックステップをした影に火炎球を放つ。

???『ひゃはは!当たるかよー!』

影は自らの形状を変化させて、火炎球から逃れた。

父『ふん!』

歪な形のままの影に、剣を構え突進する。

???『なっ!はえぇ!』

回避行動をとる前に剣先が影の体に突き刺さる…。

父『くっ…!』

悔しそうな声をだす父。

大剣は、影に届く前に尻尾のようなもので動きを止められていた…。
532 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]:2010/11/20(土) 00:43:14.81 ID:YZXrUxc0
???『ひゃはっ!びっくりしたぜー、前みたいにはいかねーってなぁ?』

グォォオッ!

影の一部が、竜の頭を模す。

父『うおおおお!!』

剣を掴む手を片方はずし、魔力を集中させる。

魔力は徐々に形状を変えていき、まばゆい光を放つ光の剣となった。

影の竜と光の剣が互いに衝突し、消滅する。

…。

???『ちっ…逃走失敗、てな』

影が諦めたような台詞を吐く。

兄『大丈夫ですか!?』

自警団A『助けに来たぞ!』

自警団B『大人しく摑まるんだな!』

自警団C『子供たちは無事か?さ、はやくこっちへ!』

父『あ…す、すまない、助かった』

各々に武器を構える自警団。

元は傭兵だった彼等の実力はなかなかのものである。

たとえ影でも逃げることはできないだろう。
533 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 00:54:11.55 ID:YZXrUxc0
少女『よ、よかった…ね?…あれ、どうしたの?』

少年の様子がおかしい

少年『…っあ』

胸を押さえ、少年はその場に崩れ落ちる。

少年『あぐぅっ…』

苦しそうに身悶えている…。

少女『ね、ねぇ!少年のようすがおかしいよ!?』

父『!?ど、どうした!』

父が影から離れ、少年のもとへ近寄ろうとしたとき…。

少年『うぐっ…ああああああっ!!』

突如、少年の胸から握りこぶし程度の小さな光の玉が飛び出していった…。

少年『あ…………』

目が虚ろになり、口元から涎が垂れている。

少女『ね、ねぇ!?どうしちゃったのよ!』

父『どういう…ことだ…?おい、しっかりしろ!』

???『……ぜっこーのチャーンス!!ひゃはははははははは!!』スゥ…

父に身動きを止められていた影が再び動きだした。
534 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 01:07:42.62 ID:YZXrUxc0
自警団A『そっちへ行ったぞ!』

父『!?くぅっ!』ドン

影は少年の傍らに跪く父を吹き飛ばす。

そしてそのまま…



死んだように倒れていた少年の中へ…影が吸い込まれるように入っていった。

少年『うぅ…うぁぁあああっ!!』

刹那、少年の体が大きく跳ねる。

???『な…んだぁこれ!糞っ!体が言うこと利かねぇ!?』

影にも予想外のことが起きているらしい、少年の体が黒く蝕まれていくと同時に、影の声にも悲痛な叫びが混じる。

父『ぐっ…な、にが…』

少女『ねぇ、しっかりしてよ!!ねぇってば!』

???『なんだよ!こいつ!死んでるんじゃ…っ!ま、まさかこいつ…劣化品かぁ!?ぐぉぁあああああ!』
535 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 01:09:16.95 ID:YZXrUxc0
…………………。

長い静寂…気を失うまでに覚えていたのはあそこまでだった。

目が覚めて、最初に目にしたのは片腕を失った父さんと

血だらけの少女を抱えた、やっぱり血だらけの少女の兄

……そして、助けにやってきたであろう自警団の人々が、赤い水溜りの中に倒れている

そんな風景だった。

何も覚えていないわけじゃなかったけど

それは断続的なもので

赤一色の記憶しかない

でも、僕が何をやったかはわかるんだ

なぜなら……恐怖が混じった顔を引き裂くことが

敵意を力でねじ伏せることが

とても楽しかった…それだけははっきりと覚えているから。

536 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 01:12:17.28 ID:YZXrUxc0
ひょええー、俺がんばりましたよーほめてーほめてー
今日は寝ますね、お疲れですです
537 :>>519[sage]:2010/11/20(土) 01:21:30.90 ID:xd4v6Xco
えらい!
乙!

さて、寝過ごした大剣士はどうするんだろうねwwwwwwww
538 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/20(土) 02:30:07.86 ID:VQ/8fIDO
乙です。
次回更新を楽しみに待ってます。
539 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]:2010/11/20(土) 19:54:17.25 ID:YZXrUxc0
>>537 そうはイカのきんたま

>>538 俺も楽しみだー

勉強に手がつかないから書いてた
続き↓
540 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 19:54:45.70 ID:YZXrUxc0
…。

大剣士「ふぁ…」

あたりはすっかり真っ暗だ。

現実逃避したかったのに、これでもかと現実を突きつけられちゃった。

…全くもって、非情である。

まだ寝ぼけたままの頭をどうにか働かせながら、ベッドから降りる。

大剣士「よし…いこうか」

…。

着いた、着いてしまった。

僕は何年も前から変わらない巨木を見上げる。

抜け穴はすぐに塞がれた。入り口にも結界が張られ、祭りが行われることはなくなった。

それはいい。
541 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 19:55:20.41 ID:YZXrUxc0
だけど、たくさんの人を殺してしまった僕は、父さんと一緒に村の外へ隔離された。

隔離されただけで、迫害されなかっただけマシだった。

死者は6名、重傷者が3名。


父さんは片腕を無くして

幼馴染とその兄は重症を負ったが、なんとか一命をとりとめた。

しかし、幼馴染の容体は悪くなる一方だ。と人づてに聞いた。

普段は何もなく、元気だと言っていたが

突然のように発作が起こり、段々と体が衰えていくらしいのだ。

…あのときの僕のようだと、幼馴染の兄は言った。

まぁ、いつまでも悩んでちゃあいけないよね。

大剣士「よし行こう」

シャドウ『おー?あの大剣士が腹ぁ括ってるなんてなぁ』

シャドウ『どうした?また暴れてぇのかぁ?』

やっぱり出てくるんだね。

こんなときくらい黙ってくれてていいのに。

シャドウ『うるせーwww話す機会なんてほとんどねーんだwwwちょっとくらい付き合えwwww』

ほんと。うるさい

そんなことより、父さんが待ってる。

はやくいかなきゃ
542 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 19:56:12.61 ID:YZXrUxc0
…。

あと少し…あと少しで完成する

広い空間の中で、動くものは俺一人

俺の息遣いと、チョークで文字を刻む音だけが聞こえる

久しぶりなもので精度も落ちているだろうが、頼れるのは己の腕のみ

息子が辛い思いをしたのも、俺が未熟だったからだ

あの時、何がなんでも影を封じ込めておくべきだったのだ

糞っ…またミスった…。

指で文字を消し、正しい文字を刻んでいく

うっすらと額に汗が浮かび、集中力が磨り減っていく…

カッ…カカッカッ!

完成だ。

達成感とともに、不安な気持ちも溢れてくる

大丈夫だ。間違いはない…大丈夫。

そう言い聞かせるが不安はまだ拭いきれない


543 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 19:56:52.48 ID:YZXrUxc0



大剣士「父さん」

突然声をかけられて驚いてしまう

父「!…大剣士か、ちょうどいい」

自分で呼んでおいて何を言っているのか

大剣士「これが…」

父「あぁ、さっきできたところだ……もう一度聞くぞ」

少し躊躇って

父「本当に…覚悟はできているんだな?」

間髪いれずに

大剣士「うん、大丈夫」

その顔に、迷いはなかった
544 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 19:58:29.25 ID:YZXrUxc0
・・・。

祭壇は最後にみたときとは違っていた

…祭壇の中心へ向かうように、魔法陣らしい線と文字の羅列が連なっている

何を書いてあるのかはわからない。僕に魔法陣の心得はないし

恐らく古代文字で書かれているからだ

父「祭壇の真ん中に座れ」

僕はこくんと頷くと、指示された通りに祭壇の中心へ向かう

シャドウ『お?お?何がはじまるんです?wwwwww』

そんなことを言いながら、多分わかっているんだと思う

この魔物が何を思っているのかはわからないけど



父「影とお前は完全に一つの器の中にいる。無理にはがせばお前の心も壊れる」

父「それに、今のまま影を押さえつけるのも無理だ。だから」
545 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 19:59:42.26 ID:YZXrUxc0


父「そいつを、お前の影にする」



それで…僕と影は完全に混ざり合うことになる

父「…俺からできる忠告は、絶対に自我をなくすな。それだけだ」

僕はもう一度頷く

シャドウ『……ひゃはっ!いいのか?そんなことして、もし失敗したら』

シャドウ『俺がお前を乗っ取っちまうんだぜぇ!?またあんなことになってもいいのかよ!』

大丈夫、もしお前が乗っ取ったとしても

あんなことにはならない。お前は人を殺さないよ。

シャドウ『何…言ってんだよ…そ、そうだ!あいつ等はどうすんだ?お前の仲間はどうすんだよ!!』

やっとできた…仲間なんだろ…

僕の心の中での声なのに、ひどく消えかかったように聞こえる

それでも…僕はやらなきゃいけないんだ。
546 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 22:10:58.82 ID:YZXrUxc0
父「…やるぞ」

父さんが魔力を送り始めると

同時に魔法陣が光りだし、周囲の文字が回り出す

光はどんどん大きく、強くなっていって

…僕はあまりの眩しさに、目を閉じた――――――――――
547 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 22:21:37.07 ID:YZXrUxc0
…。

う…いてぇ…

誰?

お前こそ誰だ

僕?

おう

さぁ?

…さぁ?って…

じゃあ君は?

さぁ?

君もわからないんだね

あぁ

ところで君は、何で体が半分しかないの?

じゃあお前は、何で胸に穴が開いている?

わからない

わかんねぇ

ただ…

ただ…

とても痛いんだ

とても痛ぇんだ
548 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 22:28:46.65 ID:YZXrUxc0
…。

なぁ

何?

お前、さっきより黒くなってないか?

ほんとだ

君は元から黒いんだね

そういえばそうだな

君、影みたいだね

そうだな

どうして?

ああ、俺は…引き剥がされたんだよ

痛かった?

ああ

今も?

ああ

じゃあ…おいで

どこにだ

僕も、ちょうど盗られちゃったところがあるんだよ

へぇ…心臓、か?

うん

痛かったのか?

うん

今も?

うん

じゃあ…俺が、お前の一部になるよ
549 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 22:31:29.92 ID:YZXrUxc0
…。

うぅ…

大丈夫か?

なんだか…苦しいよ

どんどん黒くなっていくな

そうだね…

おい、やっぱやめようか?

駄目だよ、それは

どうして

僕には…やりたいことがあるんだ

やりたいこと?

うん、たくさん。置いてきちゃったから

みんなに謝らないと

ふぅん

でも、お前の体、ほとんど黒くなっちまった

550 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 22:32:05.14 ID:YZXrUxc0
そうだね…あと。なんだか、眠くなって、きちゃったな

眠いのか、ちょっと休んだらどうだ?

あはは。どうしてこんなに弱いんだろうね

お前、弱いのか

うん、とっても弱いよ。ほんと、休みたくなっちゃった

駄目。なのにね

俺に…任せろ

君に?

すぐに…は無理だが

いつかきっと、お前を起こしてやる

じゃあ…ついでに頼んじゃっていいかな

何をだ

僕の代わりに、謝っておいてくれないかな

わかった、俺は、お前、だからな
551 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 23:11:33.88 ID:YZXrUxc0
…。

光が弱くなっていく

父「あ…駄目なの…か?…大剣士…」

なぜだどうして…失敗したのか…?

文字の回転が徐々に遅くなっていく

大剣士「う…」

父「大剣士!」

急いで駆けつけたときには、魔法陣はすっかり色を失っていた

父「おい、しっかりしろ!」

片ひざを立て、大剣士の肩を揺さぶる

大剣士「ここは…お前…は…?」

父「!?」

何だ…この感じは

大剣士じゃ、ない

父「お前…影、か」ガクッ

力なく両膝を着いてしまう

大剣士「ははっ…!どうしたよ、ずいぶんと元気がないな」

父「くそ…!やはり、魔法陣が失敗したのか…!」

大剣士「いんや、違うね。こいつの意思の問題だ」

そして大剣士…いや、影は頭を指で指す

大剣士「こいつは、快くてめぇの体を譲ってくれたね」
552 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]:2010/11/20(土) 23:12:23.57 ID:YZXrUxc0
父「どうする…つもりだ」

俺は、警戒するように距離を離した

大剣士「どうする…?はっ!影である俺が、人を殺すとでも?」

大剣士「期待してたんなら悪いが、俺には…約束があるんでな」

父「…お前、いや、そうか。そうだよな」

警戒を解き、影のものとなった大剣士を真っ直ぐ見据える

父「お前には聞きたいことがあるんだ、どうだ?一緒にお茶でも」

息子をお茶に誘うときが来るなんてな

大剣士「なんだ、気持ち悪いな……はははっ!まぁいいだろ」

気持ち悪いって言われた、kkkkkkkっきいっもっもおちわあああrっうぃ

ま、まぁいい。親としては誰しもが通る道…!こいつ影だけど

だがちょっと辛抱ならんな、ここは教育の一環としてだ

大剣士「おい、何してる。はやくいくぞ」

待て、父ちゃんの拳骨を食らわ…て、おい、待てって。
553 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/20(土) 23:15:55.77 ID:YZXrUxc0
まじねみーすわー俺今日全然寝てねーからなー
まじねみー11時間しか寝てねーからまじねみーわー

すいません、今日はここまでです。見てくださっている方はありがとう
最後まで見捨てずに見てくださいね

おやすみなさい
554 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/21(日) 00:09:33.28 ID:1Qk/tzEo
おい父ちゃんに萌えたぞどうしてくれんだ乙
555 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/21(日) 00:30:53.77 ID:kJbJFRA0
乙です。
556 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]:2010/11/22(月) 23:54:18.91 ID:3GgY17w0
>>554 末期やね…

明日休みだよ!やったね!続き↓
557 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/22(月) 23:54:51.77 ID:3GgY17w0
…。

父「紅茶でいいか?」

ポットを片手に、一応聞いてみる

大剣士「ほかに何があるんだ?」

ははっ、馬鹿なことを聞くな

父「紅茶しかない」

大剣士「じゃあ言うなよ…」

く…教育を間違えたか…いやこいつ影だけどな

父「ふふふ、これはいいものだ…」

このあたりではなかなか手に入らない茶葉だ

香りも然ること乍ら、味わいも深いものであり…

大剣士「いや、ほんと何でもいいからさ。聞きたいことがあるんだろ?」

おお、そうだった
558 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/22(月) 23:55:32.80 ID:3GgY17w0
父「…じゃあ聞くが、お前と…大剣士との約束ってなんだ?」

大いに気になる、息子の秘密となればなおさらだ

大剣士「はっ!んなもん内緒に決まってんだろ」

口元を下品に歪ませながらそんなことを言う

…普段のあいつなら絶対に見せない表情だからな、少し新鮮だ

父「ふっ…まぁそういうだろうと思ったさ、その内容がどんなのかもわかる気がする」

俺も口元を歪ませてそういう

大剣士「で?それだけか?」

まぁ、そう慌てるな若人よ

大剣士「俺はそこまで若くねぇ」

父「そうだな…6年前のあの日。お前が大剣士の中に逃げ込んだときだ」

父「お前は、大剣士が死んだと思い。器を奪おうとしたんだよな」

二人とも、妙に真剣な顔つきになる
559 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/22(月) 23:56:08.47 ID:3GgY17w0
大剣士「そうだな」

父「だが、お前は拒絶された。暴走するとき、劣化品がどうのこうの…と言っていたよな」

ずっと引っかかっていた

だが、同化の魔術を探しているときに見つけた書物の情報により

ある程度の察しがついてもいた

大剣士「あぁ…、人間たちの間ではすぺあ、とか、なりそこないとか言われてたな」

父「…やっぱり、か」

大剣士は、一度紅茶を啜り唇を湿らせる

大剣士「あのとき、ちょうど心臓が必要な誰かがいたんだろ」

素っ気無く、そしてつまらなさそうに呟く

父「じゃあ、幼馴染の症状があのときの大剣士と同じだったってことは…」

大剣士「そいつも、劣化品だろうな。…魔物憑きのこいつより、需要のなさそうなそいつが多用されてるって訳だ」

なんとも理不尽な…

大剣士「距離の関係もあるだろうがな」

本当にくだらなさそうに吐き捨てると、少しさめた紅茶を一気に飲み干した
560 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/22(月) 23:56:39.91 ID:3GgY17w0
父「もう、行くのか?」

大剣士「本当に聞きたかったのはそれだけだろ?」

父「そう、だな」

大剣士は立ちあがり、壁に立てかけた大剣を背負う

父「…それ、使うのか。お前を本体から引き剥がした奴だぞ」

影にとっては忌々しい得物のはずだが

大剣士「……ひゃはっ!本物の勇者様になるためには、仕方ねぇってなぁ!」

それが…お前たちの望むものなのか?

そう問いかける前に、大剣士は家を出て行った…

うぅん、これで2度目の家出

思春期の男の子を、男手一つで育てるのは難しいな!
561 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 00:24:09.53 ID:u0ByF/k0
…。

…………あれ

あいつから引き受けたはいいけど、どこにいきゃあいいんだっけ

とりあえず、近くの村行って見るか



やばい、詰んだ

どこ行けばいいんだよ

何か見張りとかいるし

いや、俺は別にやましいこととかしてないんだけどね?

こいつがさー、まったくの節操なしだからな

やれやれ、厄介な器を見つけてしまったな

…それはさておき、どうするか

とりあえず、門番の様子を伺ってみよう

???「っ!?誰だ!」

門番の一人の男が、どうやら俺を見つけたらしい
562 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 00:24:39.18 ID:u0ByF/k0
大剣士「やべっ…」

???「待てっ!」

大剣士「誰が待つかっ!…うぉっ」

あれだな、6年間一緒だったからって、扱いまで慣れてるわけがないんだよな

実際、引きこもりみたいなもんだったからな。拉致監禁といっても過言じゃあない

盛大に転んださ、あぁ

???「…あ、君は」

大剣士「いてぇ…誰だよお前…」

???「君、大剣士君だよな?」

誰だ?俺はしらねぇ………って

大剣士「あー、あのときのかー」

確か、兄とか言う。父と一緒にいたやつ

そういうと、その男は怪訝そうな顔をする

兄「?本当に大剣士君なのか」
563 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 00:25:35.87 ID:u0ByF/k0
あぁ、こいつが幼馴染の兄だったっけな。やばいやばい、あいつの真似しとかないとな

大剣士「は、はい。あの…僕、幼馴染と話がしたくて…」

兄「…そうだな、やっと会いに来てくれたんだ。是非、あいつに顔を見せてやってくれ」

…はっ、本当に逃げ回ってたんだな、こいつ

意気地のなさに限っては最高だよ、まったく

大剣士「はい、そのつもりです。…あと、道教えてもらえませんか?久しぶりなもので…」

兄「ああ、わかったよ。少し待ってくれ、ちょっと前に魔物が出てな…」

兄「交代してくれるように頼んでくる」

その男は、小走りで門へと戻っていった

ひゃはっ!おいおい、なんだかあっさり終わっちまいそうだなぁ?
564 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 00:30:21.57 ID:u0ByF/k0
ねむ ねる

ほんとははやく終わらせて、新しいの書きたいんだけどね!

これは、鬱っぽいの書きたくて考えついたんだけど、俺の腕では表現できないようだ
ではお疲れ様
565 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/23(火) 00:42:42.94 ID:ce.oTMEo
ひゃはっ!おいおい、なんだかあっさり終わっちまいそうだなぁ?
566 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/23(火) 08:49:11.00 ID:X.6.hsDO
乙です。
更新を楽しみに待ってます。
567 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]:2010/11/23(火) 14:00:32.94 ID:u0ByF/k0
…。

兄「待たせたね、じゃあ行こうか」

大剣士「はい」

しばらくして、男は戻ってきた

門の前に立ち尽くす俺を、訝しげな視線が突き刺していたのは言うまでもない

兄「…この村も、結構変わっただろう?」

道中、そんなことを聞かれる

や、俺はしらねーって

大剣士「そうですね…あれからもう何年も経ってますから」

兄「あれから…そうか、君は傭兵になったんだったな」

大剣士「はい」

まぁ、そのくらいは知ってるだろうな。父ともまだ交流があったろうし

兄「…そんなに、深く悔やむ必要はなかったんだよ。俺の妹にも、責任があったからな」
568 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 14:01:47.88 ID:u0ByF/k0
あ、先書き込んじゃったけど、ほとんど書き溜めないよ 続き↓



むしろ主犯じゃねぇの?

俺は被害者ーうぇー

大剣士「いえ…ずっと迷ってましたけど、やっぱり…ちゃんと向き合わないとって」

兄「そう、か。…あそこだ、悪いけど俺は戻るよ」

大剣士「はい、案内ありがとうございました」

ぺこりと頭を下げる俺

男は、役目は終えたとばかりに振り向きもせずに元来た道を歩いていく

はっ!まぁ、複雑だろうな

自分と妹を傷つけて、いつまでもくよくよしてた蛆虫が今更になって謝りに来たんだからよぉ

とっ掴まれてぶん殴られなかっただけ、マシってことにしとくかぁ

とりあえず、6年ぶり、感動の再開と洒落こもうじゃないか

大して大きくもない、平凡な一軒家

俺は玄関を探し、軽くノックをする

コンコンッ

…返事がない、聞こえていないようだ

取り込み中か?それとも居留守なのか
569 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 14:02:57.16 ID:u0ByF/k0
考えててもしゃあない、俺は意を決し扉を開ける

狭く、薄暗い廊下が続いていた

大剣士「お邪魔しま〜す、幼馴染〜?いる〜?」

……ん、人の気配がするな。こっちか?

廊下の角を曲がってその奥、多分ここが幼馴染の部屋だろう

コンコンッ

やはり紳士的な俺はノックを忘れない

大剣士「入るよー」ガチャッ

???「えっ…?」

ところどころはだけた寝巻き、光る白い肌

浮き出た鎖骨、長く綺麗な髪

おっと、お着替え中だったか

だがこの程度のハプニングでは俺は止められない

大剣士「やぁ、久しぶりだね。幼馴染」ニコッ

満面の笑み!例え、元魔物、現人間の俺とはいえ、再会時の礼儀くらいわきまえている

ここで握手なりハグなり…しようとして近づいた

幼馴染「アンタは何も見なかった、ね!?」バキッ

大剣士「おぶぅっ!」

残像が見えたかと思ったら、頭部に激痛が走り、世界が逆転する

  めのまえがまっくらになった!
570 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 14:12:28.94 ID:u0ByF/k0
…。

幼馴染「で?何の用なのよ」

大剣士「いきなり人の顔に回し蹴り叩き込んどいて随分な言い方だね」

まだ頭がズキズキと痛む

幼馴染「…はぁ、6年も待たせておいて…いや、あんた、何か変わったね」

む、少し気が立っていたもので、演じきれてなかったようだな

大剣士「そんなことないよ、昔から、ずっとこのまま」

幼馴染「…そう、よく考えたら。変わってないかもね」

そういって苦笑いをした

なるほど、まぁ変わってないな

まぁ早速、お約束を果たしましょうね

大剣士「幼馴染…」

幼馴染「何?」

大剣士「何度謝っても、許してもらえないかもしれないけど、ちゃんと、言っておきたくって」

こういうときくらいは、俺でもあいつの気持ちを言える
571 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 14:21:31.71 ID:u0ByF/k0
幼馴染「…」

大剣士「ごめん、君を傷つけてごめん、辛い思いをさせちゃって…本当に、ごめんなさい」

途中で口を挟まれないように、続けて言い切った

だって、あいつ一人の言葉じゃないもんな

ついでに全力で頭を下げてみた

みっともなくったっていい、俺だけの体じゃないしな

ちらと幼馴染の顔を見てみるが、その目は俺を見据えてはいなかった

そして、少し悲しそうに

幼馴染「それは…あんたの言葉?」

大剣士「違う」

そうとだけ言った

幼馴染「馬鹿よね…わたしが悪かったのに、あいつは何も悪くなかったのに」

自分の幼き頃を咎めるように呟く

…その台詞だけで分かるほど、感受性はよくないが、なんとなくは分かる
572 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 14:33:52.37 ID:u0ByF/k0
>>571訂正

× 幼馴染「それは…あんたの言葉?」
○ 幼馴染「それは…あんただけの言葉?」

ですね、影さん言ってることがしっちゃかめっちゃか
573 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/23(火) 14:39:18.91 ID:ce.oTMEo
乗っ取られてるのバレバレやんwwwwwwww
574 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 14:43:26.29 ID:u0ByF/k0
大剣士「…」

言うこともないし、約束も果たしたから。俺は素直に黙っていることにしよう

幼馴染「ねぇ…わたし、もうあいつに会えないの?」

幼馴染「…あいつに、ごめんなさいもできないの?」

大剣士「…俺ならここにいる」

本格的に泣きそうなので、気休めの言葉をかけてやる

幼馴染「あんたじゃ…駄目…。ほんと、ずるい」

大剣士「何が、駄目なんだ。あいつも、俺も、ここにいるんだ」

なぜだろうか、俺は何ともないのに…胸が痛い

幼馴染「わたしは…ちゃんと、話が…うっ…」ギュッ

泣き顔を隠したいのか、俺に抱きついてくる

おいおい、俺なんかでいいのか?

何てことは言わずに、ただされるがままに立ち尽くす
575 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 15:09:11.11 ID:u0ByF/k0
幼馴染「………」

大剣士「……」

なんと言ったらいいものか、気の利いた言葉なんて出てこないし

こんな状況になれてないこいつの口からは、空気が行き来するだけ

幼馴染「…返してよ」

やっと口を開いたと思ったら、それか

大剣士「今は、無理だ」

あー、んー、まぁあれだな

大剣士「6年間一緒にいたが…あいつは、馬鹿みたいに臆病で、どうしようもない奴だったよ」

幼馴染「…知ってる、わたしは10年間一緒にいた」

流石だな

大剣士「ずっと悩んでて、怯えていて、何かしら理由をつけて逃げてたな」

幼馴染「…」

大剣士「自分が何もかも悪いように言われ、思い、村からも人からもはぶられたんだ」

大剣士「もともとがあんな性格だ、そうとうきつかっただろうな」
576 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 15:16:03.99 ID:u0ByF/k0
だから、傭兵になる!とか言ったときには、父も目を丸くしてたよ

幼馴染「だから…わたしは、それを謝りたくて」

大剣士「今、お前に謝られたら、あいつは本格的に腑抜けるだろうな」

大剣士「正真正銘の役立たずだ」

幼馴染「じゃあ、わたしはどうしたら…」

…お使いクエは好きじゃないんだがな

大剣士「俺に、任せろ」

幼馴染「え?」

まだ目が赤いが、もう泣いてはいない

大剣士「俺は、この元凶を止める。そのあとに、お前とあいつを会わせてやる」

幼馴染「元凶…?」

大剣士「わからなくたっていい、お前の発作が治まるようにしてやるんだ」

俺も、その元凶さんには借りがあるからな

幼馴染「じゃあ、わたし、待ってるよ」

あぁ、いい子だ。お兄さんの言うことをよく聞くんだぞ?
577 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 15:17:00.06 ID:u0ByF/k0


大剣士「そうだ」

幼馴染「?」

俺はにやりと、口を歪ませて

大剣士「何で、俺があいつじゃないってわかった?」

そういうと、そいつは精一杯の笑顔で

幼馴染「帰ってきてたことも、同化の魔術のことも、聞いてたから」

…やっぱりか、あの糞野郎。綺麗にだまし切るっていう、俺の美学を邪魔しやがって

大剣士「それだけか?」

今度は、屈託のない笑みで

幼馴染「わたしは、あいつの幼馴染だからね!」
578 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 21:18:07.30 ID:q6udVego
おい早くつづきかけくそそだjふぉあsdlfかsjdlfじゃsdっふぁs
579 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/23(火) 22:05:25.88 ID:u0ByF/k0
さーせんwwwwwww

軽くスランプだわ
後日書き溜めて投下するんでゆるしてくだしあす
580 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/23(火) 22:25:03.55 ID:H1maTNw0
乙です。
楽しみに待ってます。
581 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 03:50:31.32 ID:zeU8FUAO
1日でここまできた


頑張れ超頑張れ
582 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]:2010/11/25(木) 19:07:51.16 ID:KK.TCT60

>>581 無茶しやがって…

どうも>>1です。書き溜めるって言いながら、全然溜まってない
しぼりだすからちょっとだけ溜まったものを見てお待ちください

↓続け
583 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/25(木) 19:09:09.24 ID:KK.TCT60
…。

幼馴染の家を後にしてから数時間

気の遠くなるような目的地を目指して、俺は歩き続けていた

大剣士「……ちっ」

ほんと、悪いことしちまったな

なーんて、少しでも考えた俺自身にびっくりしている

はぁ…いつからこんな、人間臭くなったんだろうなぁ?

そんなこと考えるだけ無駄だけどよ

てか、あれだよな。俺もお人よしすぎるってか

慰めるために無茶な約束して

極力したくない戦いに身を投じようとしている

何で俺ばっかがこんな目に…

あぁ不幸だ

Let's say ! HU☆KO☆U☆DAAAAAAAAAA!!!11

と、柄にもなく心の中で叫んでみたが

一緒に叫んでくれる奴もいない

…むなしくなるだけだって分かってるけどよぉ

ああ、糞

大剣士「重すぎるな」

この体も、心も…ついでに、背中に背負った、あん畜生の得物もな
584 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/25(木) 19:09:45.65 ID:KK.TCT60
〜〜〜

フクロウに手紙を預けて、かなり時間が経っている

不安は日に日に増していく

ちょっと辛い仕事押し付けちゃったかな

おかげで修業に身が入らない

別に、上手くいかないことに対しての、言い訳だとかそういうのじゃないのよ

制御なんて意識したことないし…

あー、はやく戻ってこないかなー

みんな無事だって分かったら、ちょっとは集中できるんだけど…

犬「わふっwwwwwふわふわっふwwwwwww」ペロペロ

ほら、犬もこんなに心配してる

仲間なんだから、とっても心配よね。食事もおかわりできないくらい
585 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/25(木) 19:10:46.83 ID:KK.TCT60
犬「お腹空いたおーwwwwwはやく帰るおーwwww」ペロペロ

なんかしらないけどさっきから顔舐めてくる、うざい

犬「うわらばwwwwwww」ボフッ

とりあえず蹴り飛ばして、魔力の供給を絶つ

そうすると、地面に倒れた犬は煙を出して子犬の姿になった

子犬「わふぅ…」

反省したのか、少しシュンとしている

…元気付けようとしてくれてたのよね、でも

やっていいことと悪いことがある、これは後者ね

ああもう、顔中べとべと…

お腹も空いたし、帰ろーっと!

そしてあたしは、子犬の首を掴むと

小走りで家に戻るのだった
586 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/25(木) 19:25:13.42 ID:KK.TCT60
…。

魔物使い「ただいまー」ガチャッ

家の扉を開けた先に、薬師がいた

薬師「あ!魔物使いちゃん〜!」

あたしに気づくと、薬師はパタパタと足音を立てて近寄ってきた

魔物使い「どうしたの?」

名前を呼ばれただけで、状況は理解できていない

薬師「フクロウちゃんが帰ってきたの〜!」

なんですって!

魔物使い「フクロウは?今どこにいるの」

少し慌てている程度の薬師の表情を見るに

疲れて眠っちゃったのかな

薬師「帰ってくるなり、眠っちゃったわ〜。さっきまで奥の部屋で看病してたの〜、目立った怪我はしてないわ〜」

やっぱり、何事もなくってよかった

子犬「わぅー?」

子犬がいつのまにかこちらを見上げていた

魔物使い「ふふ…ちょっと、様子見にいこっか」

子犬「わふ!」トトトト

走っていく子犬を見送り、あたしもはやる気持ちを抑えて歩き出す

薬師「もし起きたら、呼んできてね〜。ご飯も用意してるから〜」

魔物使い「うん、わかったわ」



ああ、もう。ちょっとくらい走ったっていっか!
587 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]:2010/11/25(木) 22:55:53.68 ID:KK.TCT60
…。

ふぅ、意外と広いのよね、ここ

奥の部屋はいくつかあるけど、一番綺麗な部屋はこの部屋だけ

ほかは物置になってる

だから、ここかな。扉も子犬が通れるだけ開いている

魔物使い「フクロウー?」

軽く呼びかけながら部屋へ入ってみる

返事はない、そのまま中を進んでいく

フクロウ?「くぅ…くぅ…」

少し古ぼけた毛布に包まって、ベッドに横になっている

なぜか人型のままだ、翼は綺麗に折りたたまれているが…

擬態もロクにできないほど疲れてるのかな。お疲れ様

ついでに、子犬もベッドの上で一緒に寝てたりする

何しにきたのよ…

ちょっと疲れたから、椅子を引っ張ってきてベッドの横に置いて座る

…あー、安心したら…少し眠くなってきちゃったな………
588 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]:2010/11/25(木) 23:00:38.73 ID:KK.TCT60
…。


ん…

何かに頭を撫でられている感触

それに、なんだか柔らかい

こんなこと、前にもあったよね…

あのときは……確か

はっ、となって顔をあげる

彼がいた気がしたのだ

魔物使い「あ…」

フクロウ?「ふ…ふふふ、なんじゃその顔は。ワシを見るなりがっかりしおって」

軽く苦笑いをしているフクロウと目が合った

あたしは何を期待していたんだろ

魔物使い「ううん、戻ってきてくれて、とってもうれしいわ」

嘘じゃ、ない
589 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/25(木) 23:03:35.74 ID:KK.TCT60
フクロウ?「じゃろうな…、…みんな無事じゃったよ。言伝も預かっておる」

…よかった、何事もなくって

魔物使い「…それで、言伝って?」

少し気を引き締める。いい報告だけじゃあないってことも、あるから

フクロウ?「うむ…薬師にも聞いてもらったほうがよいな、食事もまだじゃろう?」

そういえば…何時間寝てたかはわからないけど

空腹だったことも忘れていた、空になったまま胃が、鳴いている

フクロウ?「ほれ、行こうぞ」

フクロウに促され、あたしはまだ眠ったままの子犬を抱きかかえる

魔物使い「じゃあ行こっか」
590 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/25(木) 23:58:13.58 ID:KK.TCT60
…。

薬師「…戦争、ねぇ〜」

食堂に着いたときには、すでに薬師と老人は食べ終えたあとだった

今日は、野菜がたっぷりとはいったスープに、老人が焼いたくるみパンだった

ボリュームが少ない気がするけど、おいしいからよしとする。おかわり!

老人「次の継承までにはまだ1年あるらしいがの…」

魔物使い「…?継承?」

老人「知らぬか?魔物たちのトップ、魔王とて衰えはする。そしてそれに代わり新しい魔王が誕生し、継承されてゆく」

老人「ゆえに、完全に引き継がれる間に隙が生じるのだが…」

薬師「なるほど〜。普通はその隙に乗じて、魔物の勢力を抑えるんですね〜」

魔物使い「ふぅん…で、継承ってどのくらいの間隔で行われるものなの?」

老人「わからぬな…時期は星の動きと、魔物たちの動きで推測されるものらしい」

魔物使い「そんなものでわかるのね」

薬師「それで、みんなの意見は?

フクロウ?「…一応、依頼は受けると言っておったの」

魔物使い「約束の時間も…あまりないみたいね」

老人「ここから西の砦へ行くのなら、2〜3日はかかるかのぅ」

薬師「もっと…強く…」

魔物使い「そうね、あまりのんびりはできないわね」モソモソ

パンの最後の一切れを口に放り込む

老人「うむうむ…」

魔物使い「明日から本気をだすわ!ごちそうさま!!」

お粗末さまでした〜と、最初っから本気をだせぃ…なんていわれたけどあまり気には留めない

なんだかやる気が沸いてくる

今よりもっと強くなって、彼と一緒にいたいから!
591 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/25(木) 23:59:57.35 ID:KK.TCT60
やっぱりスランプ…あーんど
そろそろ気合入れて勉強しなきゃならんので、また更新落ちると思われ

それでは皆様、おつっしたー!
592 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/26(金) 00:08:05.64 ID:.S9ML7wo
おつかれ、またくるんだろ?
593 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/26(金) 01:54:23.43 ID:ByHu8YAO
勉強頑張れ超頑張れ
594 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/26(金) 09:28:06.86 ID:8MDt.cDO
乙です。
本業が落ち着くまで待ってます。
595 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/27(土) 00:19:29.15 ID:ekOWa9Eo
受験生の俺からも支援
596 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/08(水) 23:16:30.60 ID:0GVsPVQ0
12月も一週間過ぎましたな
597 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/08(水) 23:17:27.39 ID:0GVsPVQ0
ごめん上げちゃった
598 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/08(水) 23:30:03.87 ID:XKjMYEAO
>>597
気にしなさんな。よくあるよくある
599 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/09(木) 22:13:26.85 ID:a0GUCgA0
や、すまん。>>1です…今日、ようやっと終わったんだ。
一応の生存報告しときますわ。

書き始めようと思って読み直してたら、ひどいとこ多すぎてわろえない。
大丈夫だよ…ちゃんと完結させて次の書くからね…!

あと酉?だかなんだかよくわからんけど、つけたほうがいい?最初それっぽいのつけてたけど何か恥ずかしくなって消したんだけどさ。
600 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/09(木) 23:57:23.11 ID:GWQKIZ.0
乙です。
完結する迄、応援する
601 :つひち ◆T1D7nmSlmc[sage saga]:2010/12/11(土) 17:06:29.80 ID:s.zGw6Y0
テステス できてるかな。これでいいのかな

あと、少しだけ投下全然書けてないんだ。これが
>>590 から続き↓
602 :つひち ◆T1D7nmSlmc[saga]:2010/12/11(土) 17:08:54.23 ID:s.zGw6Y0
〜〜〜


魔導士「うぅ…帰りづらいですね」

夜の森を抜け、いつもの小屋に戻る途中なのだけど…

たまたまそこを貸している人にたまたま恥辱を受けたわけですが

ついカッとなってひどいことをしたのかもしれません…

魔導士「でもでも…あれは、私のせいじゃないです…」

あのくらいひどい目にあって貰わないと釣り合いが取れないって言うか

幼児体型って……。こう見えて、結構いい歳してるんですけどね

若く見えると言われるのは、いいことかもしれないけど、魅力に欠けているとも言われている気がします

…それはいいとしてですね

いえ、よくはありませんが…野宿するのはもう勘弁ですので。あまり気にせず帰りましょうか
603 :つひち ◆T1D7nmSlmc[saga]:2010/12/11(土) 17:10:33.00 ID:s.zGw6Y0
…。

とうぞく「ふぁ…今日も疲れたッスねー」

軽く欠伸をし、床に毛布を敷いただけの質素な寝床に潜り込む

銃士「ああ…何とか形にはなってきたな」

銃士さんは、大きめのランプに火をつけて机の上で銃を分解している

オレはそんな高等技術が使われている武器なんて触ったことすらないから、何をしているのかはよくわからない

多分、掃除しているんだろうなー、手入れとか大変そうだなー

とうぞく「…そうッスか?オレ、ちゃんと強くなってるんスよね」

そういいながら、オレは枕元に置いてある二つの短剣を手に取り、ナイフシースから抜いてみる

すっかり手に馴染んだ短剣の刀身は、蝋燭の明かりを受けて鈍く光っている

魔物と戦ったあとは、血を拭いたり専用の携帯砥石で手入れしたりするんだけど

最近は訓練で使ってないからな。あとで手入れしよう

銃士「まぁ、元があれだったしな!ふははー」

とうぞく「う、うぅ…」
604 :つひち ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/11(土) 17:11:16.62 ID:s.zGw6Y0

ガチャッ

そんな風に適当に駄弁っていると、小屋の扉が少しだけ開いた

こんなところに訪ねてくるのは、一人くらいしかいない

魔導士「あ…あの、ただいまです」

予想通り、この小屋の持ち主である魔導士さんが帰ってきた

初めてあったときの帽子ではなく、今日はフードを被っている

それに、なぜか所々破けて薄汚れている。今までどこに行っていたのか

銃士「お。おかえりぃ」

とうぞく「お帰りなさいッス」

銃士さんが自然な態度で返したので、自分も極めて自然に言葉を返す

魔導士「そわそわ…」

魔導士さんは妙にそわそわしながら部屋にあがる

そして、銃士さんを見ると、何かをいいたげな瞳で見つめる

そ、そんな!色恋沙汰とは無関係な銃士さんが年下の子といい雰囲気にぃいいいー!?
605 :つひち ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/11(土) 17:12:15.52 ID:s.zGw6Y0
とうぞく「銃士さん、犯罪ッスよ通風しますッス」

銃士「何言ってんだお前」

痛い子でも見るような目でこちらに視線を送ってきた

オレもちょっと何言ってるかわかんなかったッスね

魔導士(…むむ…むー)

銃士(あ、あぁ…安心しろ。とうぞくには言ってねえよ)

どうやら二人で内緒話までしているようす

くぅ…銃士さんは同類だと思ってたのにっ!

魔導士(…)

銃士(あそこで見たものは、胸の内に置いておく。気にするな)ニカッ

なぜかいい笑顔で親指を立てている

するとなぜか魔導士さんの顔が赤く染まっていく

な、なにぃ!いつのまにそこまでぇえ!?
606 :つひち ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/11(土) 17:12:56.67 ID:s.zGw6Y0
魔導士(へ…変態さんですね…)

銃士(な、何がだ…)

銃士(言わないほうがいいんだろ?あの耳のこと)

魔導士(!?あ、あれ…?そっちなんですか)

そろそろ、はぶられているのが辛くなったので言葉をはさんでみる

とうぞく「耳が、どうかしたんスか?」

銃士「あ?いや、なんでもねぇよ」

とうぞく「なんなんスか!オレだけのけ者なんてひどいッスよー」

銃士「チッ」

とうぞく「い、いま舌打ちしたッスね!」

苛立ちからか、銃士さんの目つきが危ない人の目になっている

銃士「のけ者にされてんのはいつものことだろーが、そんくらいでギャーギャー騒ぐな」

とうぞく「ひ、ひどいッス!いじめッス!」

オレの反論がしつこいせいか、銃士さんは椅子から立ち上がりこちらへ近づいてきた

とうぞく「なにするんスかー!やめるッスー!」

銃士「うるせぇええ!」

一瞬のうちに、オレは毛布によって簀巻きにされてしまった

銃士さんは背中を足で踏みつけ、尚も縄でしめつける
607 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/11(土) 17:14:54.54 ID:s.zGw6Y0
とうぞく「うぁっ…」

銃士「変な声だしてんじゃねぇええ!」ゴス

蹴りがわき腹を抉る。ぐふぅ

魔導士「あ、あの銃士さん…もう、隠さなくてもいいんです」

銃士「…そうか、じゃあ言っていいんだな。魔導士ちゃんは生えてなぐぼぉっ!」

銃士さんが何かを言おうとした瞬間、魔導士さんが水の塊を銃士さんの頭にかぶせていた

神速といっても過言ではないだろう

銃士「がぼ…もごもが…」

わー、苦しそうッスねー。お願いッスからオレの上でじたばたしないでもらいたいんスけど

銃士「むぐ…ぶはぁっ!」

何とか魔法解除を唱えて脱出。ついでに水の塊はオレの上に降ってきた

魔導士「…ジトーッ」

すごいジト目で銃士さんを見る。口で言っちゃってるあたりが怒りを感じさせるスね

銃士「うっ…悪い、もう変なこといいませんから…」

珍しく反省してる銃士さん

とうぞく「銃士さん、そろそろ好感度が最低値を越して奈落の底まで落ちるスよ」

魔導士「少し前に、もう落ちるとこまで落ちましたから。大丈夫です」

とうぞく「これはもうBADENDスかね、死亡フラグ立ったスよ。銃士さん」

先ほどのお返し。でもいい加減オレの上から降りて欲しいッス
608 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/11(土) 17:29:30.98 ID:s.zGw6Y0
銃士「お前等…言いたい放題だな。いえ…すいません」

魔導士さんに睨まれて黙る銃士さん

なぜか、オレの背中を踵でぐりぐりしてくる…うぅっ

とうぞく「と、ところで。何の話だったんスか」

それを忘れてしまってはいけない

魔導士「あ、そうですね、忘れてました」

そういうと、頭を隠しているフードに手をかけて

ばさっ

と、後ろへおろした

とうぞく「あ…」

思わず、声を失う

魔導士「私…いえ、結界内に住んでいる者たちは」

フードの中から現れたのは、ショートの銀髪と

魔導士「全員、エルフの民なんです」
609 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/11(土) 21:05:36.00 ID:XOKoQ9.0
乙です。
610 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[sage saga]:2010/12/16(木) 23:21:06.40 ID:wcqCMmQ0
…あ、なるほど。確かに耳長いッスね

とうぞく「そうなんスかー、初めてみたッスよ」

本来の人の耳でなく、尖った長い耳。珍しいもん見れたッス

魔導士「え、あ、はい…あまりみないでください…」

じろじろ見すぎちゃったようス

銃士「…まぁ、こんなことだろうと思ってたぜ」

とうぞく「でも、魔導士さんはどこか人間っぽい気がするんスよ」

とうぞく「聞いた話によれば、エルフは人嫌いだと…」

エルフは、人から差別を受け、奴隷にしたり迫害したという

だから全てのエルフは人を嫌い、遠ざけ、隠れて暮らしているのだ

昔、村に訪れた吟遊詩人からそんな物語を聞いたことがある

銃士「ふぅん、だそうだぜ。どうなんだ?魔導士ちゃん」

なぜかわざとらしく問う
611 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[sage saga]:2010/12/16(木) 23:23:16.29 ID:wcqCMmQ0
魔導士「あ…う…」

すると、魔導士さんは少し視線を泳がせるとオレの顔を見た

そして意を決するかのようにまぶたを閉じ息を吐くと、ゆっくりと口を開いた

魔導士「…私は、エルフの中でも…人とエルフのハーフ。ハーフエルフと呼ばれています」

とうぞく「人と、エルフのッスか…なんでまた」

あの吟遊詩人が妄言を吐くような輩でなければ、人とエルフは交わることのない存在のはず。魔物と人のように

魔導士「私の父は人間で、母がエルフでした。二人は、怪我をした父を母が熱心に介護したことから親密になっていきました」

銃士「よくありそうな話だな…種族を考えなければ、だが」

とうぞく「いい話じゃないッスか」

種を超えた愛、哀。この手の話は結局、悲惨なことになる

魔導士「両親は私を秘密裏に育てあげました」

魔導士「ですが、エルフは人より発育が遅いのです。私が20になったころ、徐々にみんなと差がついてしまい」

銃士「…不審に思われ、ハーフであることがバレたってわけか」

魔導士「はい…」
612 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[sage saga]:2010/12/16(木) 23:23:44.41 ID:wcqCMmQ0
20になったころって…今いくつなんスかね

とうぞく「そのあと、どうなったんスか?」

話の続きを促す

魔導士「父は村を追い出されたあと、魔物に殺されたと聞きます。エルフは血族意識が高く、ハーフである私は追い出されることはありませんでした」

魔導士「ですが、父を亡くしてから母の体調は悪化して…4年前に病気で他界しました」

銃士「それからずっと一人、だったのか」

そう銃士さんが問うと、魔導士さんは頷いた

とうぞく「大変、だったスね。そんな、ありきたりな言葉しかかけれないスけど…」

魔導士「いえ、いいんです。もう自分がハーフであることにも、一人でいることにも、慣れましたし」

精一杯強がっているのだろう。だけど、その表情の寂しさは隠せていない


613 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[sage saga]:2010/12/16(木) 23:33:53.18 ID:wcqCMmQ0
銃士「ところで…もう一つ質問なんだが」

と、そのとき

ズォオオオオ!と大きな地響きがした

とうぞく「なななな、なんッスか!?」

魔導士「…っ!あの方角からってことは…」

魔導士さんの顔は一瞬青ざめたが、すぐに気を取り直して小屋を飛び出していった

銃士「まてっ!」

その後を銃士さんが追う。解体したままの銃をどうするか悩んだが、結局そのままにして行ってしまった

とうぞく「あ、ちょっ、待ってくださいッスよ〜!」

あの…オレが簀巻き状態なの、忘れてないッスか…?
614 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/18(土) 10:30:17.59 ID:.OZlBh.0
お、きてた
615 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga]:2010/12/19(日) 00:09:38.26 ID:JYOGeiw0
…。

ズドォオ…

また地響きがする

魔導士「この感じ、魔物がっ、攻めてきてますねっ!」

恐らくは、集落のすぐ近くかそれとも、すでに…

何で。わからない

私がこそこそしてたのがバレていた?そんな…魔物に悟られた様子はなかった

兎にも角にも、急がなくちゃ

魔導士「風魔法…」

ぶわっ!と私の後ろから追い風が吹く

魔導士「肉体強化」

足に魔力を集中させ、筋力を増強させる

周りの景色が線の様になって、視界の端を横切っていく

ズドォオオ!大地の唸りが徐々に大きくなっている

ようやく林道を抜け、集落へとたどり着いた

魔導士「はぁっ…!はぁっ…!」

しかし、そこで見た景色は

あまりにもひどい有様だった
616 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 00:10:32.85 ID:JYOGeiw0
緩やかな山のふもとを利用して作られた集落は、ほぼ全壊に近い

空にはワイバーンが火を吹き、地上ではオークたちが民家を破壊している

魔導士「どうして、ですか…なんでこんなに…」

偵察隊が偶然見つけて襲ってきたのでもない

結界があるのだから、簡単に見つけられるわけがない

今日、私が後をつけられた訳でもない

計画された、魔王軍による侵略だ

魔導士「結界は…?警備兵は何をしていたんですか…っ!」

端のほうとは言え、魔大陸で暮らしているのだから、エルフにも自警団のようなものはある

結界の境にいた兵たちのことである

ガサガサッ!

魔導士「!?」バッ

背後から聞こえた音に、慌てて振り向く

男「ぅ…が…」

そこには、血まみれの男の姿が

特徴的な長く尖った耳、エルフだ
617 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 00:11:01.73 ID:JYOGeiw0
魔導士「だ、大丈夫ですかっ!?はやく、手当てを…」

今にも倒れそうな体をゆっくりと木の根元に座らせ、回復魔法をかける

男「い…い、どう、せ…助から…ん。そん…なこと、より…よく聞…け」

魔導士「喋っちゃ、駄目です…血が…」

そんな静止の言葉にも構わず、男は喋り続けた

男「結界は…駄目、だ。…機能して、いない…」

もう、目は虚ろになっている

魔導士「…うっ」

彼の言うとおり、もう助からないだろう

魔導士「……どうして、ですか」

男「騙され、てた…んだ。一部、の…奴…らが魔も…ぐぅっ…」

胸を押さえ、苦しそうに顔をしかめる

魔導士「それで、皆さんはどこに…?」

男「広場、に…退避し、た。だが…奴に捕まっ、て。たの…む…みんな、を…」

そういい残すと、男は静かに目を閉じた

魔導士「…」

私は胸の前で手を合わせて軽く祈ると、男を置いて走り出した…
618 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 00:12:03.22 ID:JYOGeiw0
…。

彼の言うことが正しければ、避難したエルフたちは広場にいるらしい

さっきの場所から広場まではそれほど遠くはない

本来の道を通らずに、草木の間を通りショートカットする

魔導士「っ…!あいつが…」

集落を襲った魔物たちの頭

巨大な体から四肢と丸太のような尻尾が伸び、巨躯に不釣合いな小さい翼が

そして全身を覆う強固な鱗、そこいらの飛竜とは桁外れだ

ドラゴン「グォオオオオ!」

ズドォオオ!とドラゴンが巨大な尾で地面を叩きつける度に、世界が大きく揺れる

その視線の先には、老人から子供まで、集落から逃げ延びたエルフが必死に抵抗している

魔導士「ドラゴン…!?相手が悪すぎますっ!」

ドラゴン「グ…グ…」

やばい、気づかれた。そう思ったときにはすでに遅く、ドラゴンの尻尾が魔導士に向かって薙ぎ振るわれる

魔導士「!?」

銃士「何ぼーっとしてんだ!」ダッ

尻尾が直撃する寸前に、私は銃士さんによって抱きかかえられる
619 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 00:13:01.65 ID:JYOGeiw0
ドラゴン「グォ…ニン…ゲン…」

銃士「何でこんなところにドラゴンが来てんだぁ!?結界とやらはどうしたよ!」

ズサァ!と地面を滑りながら着地する

???「お前は、ハーフか…!それと……!?お前は人間じゃないか!!」

私が地面に降ろされているのを見て、一人のエルフが近づいてくる

銃士「だから、何だ。邪魔すんならお前から片付けるぞ?」カチャッ

コートから銃を取り出して、エルフを黙らせる

魔導士「…落ち着いてください。すみません、ここは私たちが引き受けますから。皆さんを連れてさっさと逃げてください」

エルフ「……あ、ああ。わかった」

疑うような目を向けて、そのエルフはほかのエルフの元へさっさと行ってしまう

ドラゴン「グォ…」

突然表れた私たちの様子を見ているのか、長い首を引っ込めている

銃士「チッ…敵さんはまだ襲い掛かってこないようだぜ。状況の説明をお願いできるか?」

魔導士「はい…」
620 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 00:13:37.05 ID:JYOGeiw0
私は、中規模レベルの魔王軍が集落を攻めて来たことと、エルフの男から聞かされたことを話す

銃士「…つまり、以前から潜入していた魔物が、結界を機能停止にさせたって訳だな」

魔導士「はい。そんなに前に集落の場所がばれていたのでしょうか…」

ドラゴン「グォォォォオオオ!」

今まで様子を見ていたドラゴンが遂に動き出した

口を大きく開けている。その口からは火の粉が吹き出ている

銃士「まずい!」ドンッ

咄嗟に、水魔法の弾丸を撃ちだし銃士さんはその場から離れる

私は横っ飛びに地面を蹴り、転がる

ゴォオオオ!吐き出されたブレスによる、高温の空気をまともに受けて、思わず顔を手で覆う

さきほどまでいた場所は、雑草どころか地面までもが燃え、赤熱した土が煙を出していた

銃士さんが水魔法を撃ち込んでいなければ、辺り一帯は火の海を化していただろう

銃士「ボーっとしてんな!はやく動け!」ドンッ

一丁の銃を構え、走りながらドラゴンに銃弾を撃つ

魔導士「は、はいっ!」

返事をするや否や、ドラゴンとの距離を空ける

目の前をドラゴンの尻尾が通りすぎていく

間一髪の出来事に肝を冷やしながら、まずは敵の動作を伺う
621 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 00:15:06.03 ID:JYOGeiw0
魔導士(流石にブレスは多用できないようですね!気をつけるのべきは、尾による不意打ちです!)

魔法障壁を貼れば何とかなるだろうが、貼ったところで何になるというのか

では、攻撃魔法はどうか

銃士さんの攻撃はあまり効いていないようだ

ドラゴンの鱗を突き破るにはかなり強力な魔法がいる

魔導士(銃士さんも、それはわかっているはずです!あれは気を引くための牽制…)

魔導士(ならっ!)ヒュォッ

集中し、両手の上に一瞬で氷塊を作りあげる

最初は握りこぶし大の大きさの氷塊は、すぐに巨大化し2メートルほどの大きさに膨らむ

氷塊は細長く、先端が尖っている。氷柱の様な形だ

銃士「いまだ!」

魔導士「はあぁっ!!」

掛け声とともに、氷柱の槍は一直線にドラゴンの元へ飛んでいく

ドラゴン「グ、グォッ…!」
622 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 00:15:48.13 ID:JYOGeiw0
しかし

パキィイイン!と甲高い音を立てて氷柱の槍は砕け散る

突如、襲来した何かに破壊されたのだ

その何かは、勢いよく木にぶつかると、そのまま地面にへたりこむ

ドラゴン「グォ…オ?」

銃士「何だ!?新手か!」

魔導士「そ、そんな…」

渾身の一撃を、いとも簡単に破られてしまったことに戸惑いを隠せない

よく見ると、その何かは鎧騎士という魔物だった

兜が取れ、空洞の中身が見えている

「だ、大丈夫ッスか!?助けに来たッスよ!」

どこかで聞いたことのある口調と声が聞こえてくる

銃士「お前……」

魔導士「…………」

ドラゴン「……」

言わずもがな

とうぞく「な、なんか視線が痛いッスよ!?てかなんスかそいつ!でけぇ!!」

銃士「よし、言い残すことはないな?」カチャリ

銃士さんは拳銃をとうぞくさんに向ける

とうぞく「え、えぇ?ど、どうしちゃったんスか」

ドラゴン「グォオ…」

ドラゴンも、やれやれと言った感じに、首を左右に振っている
623 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 00:16:36.55 ID:JYOGeiw0
魔導士「大丈夫ですよ、すぐに済みますから」

とうぞく「いやいや!オレ、何かしたッスかね!?何で魔物までそんな目で見るんスかーっ!」

ガシャッガシャッ…

とうぞくさんの後ろから、鎧が擦れる音がする

銃士「お前…もしかするとだが…」

とうぞく「い、いやぁ…あはは…」

二人とも、とてつもなく引きつった笑みを浮かべている

銃士「やっぱ死ね」ドンッ

拳銃から撃ち出された弾丸を、間一髪のところで避ける

とうぞく「のわぁあ!ちょ、そんなことしてる場合じゃないッスよ!?」

魔導士「そうですよ、銃士さん。まずはとうぞくさんが死ぬ気で魔物を追い払うのが前提です」

とうぞく「魔導士さん!?」

捨てられた子犬の様な瞳でこちらに何かを訴えかけてくる。…はまりそうです
624 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 00:38:31.99 ID:JYOGeiw0
鎧騎士「……」ガシャッ…

そんなやり取りをしているうちに、鎧騎士が広場へと入ってくる

ざっと見て十数体といったところだろうか

銃士「まずいな…」

魔導士「鎧騎士自体はそこまで脅威じゃ、ありませんね」

銃士「いや、よく見ろ。こいつ等はただの鎧騎士じゃねぇ。鎧の表面に抵抗魔法がかかってるだろ?」

言われてみると、鎧騎士たちの鎧には何か古代文字が描かれている

あの文字は炎の抵抗魔法だろうか

魔導士「…なるほど、味方であるドラゴンのブレスに耐えれるようになっているんですね?」

とうぞく「それは厄介ッスね…」

魔導士「………」

とうぞく「あの、本当に申し訳ありませんでしたッス。スから、無視するのやめてほしいッス」

銃士「まったく厄介だな、ああ、まったく。あれが決まってたら簡単に追い払えたのになぁ?」

とうぞく「うっ…うっ…」
625 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 00:41:25.48 ID:JYOGeiw0
ふぅ…久しぶりにいっぱい書いた

だがしかし
一日使って書けたのが10レスだよ!
遅筆過ぎて困っちゃうねー

明日も書く気だけど、予定入ったら分からん…
あと投下するに至るほど、書き溜めれるかも分からん…

ではお疲れ休み
626 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 01:12:13.64 ID:eZqtVeo0
乙です。
627 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 14:42:02.82 ID:JYOGeiw0
魔導士「その通りです。仕方ありませんから、はやく片付けてしまいましょうか」

呪文を詠唱し、冷気を放つ

コォオオオ…

鎧の騎士たちは、為すすべなく凍りついていく

とうぞく「う、うわあああああー!!」ダッ

プレッシャーに耐えかね、とうぞくさんが凍りついた鎧騎士に向かって駆け出す

とうぞく「うおわああああー!!」バキッ

まだ完全に凍り付いていない鎧騎士の攻撃を交わし、群れの中心でまわし蹴りを放つ

パキン!と小気味よい音を立てて、3体の鎧騎士が砕け散った

ドラゴン「ガァァァアア!」

呻くような声が聞こえたかと思うと、閃光が走り、ドラゴンが炎のブレスを放つ

炎は、とうぞくさんを凍りついた鎧騎士ごと焼き尽くす、が

とうぞく「うわわっ!あっちぃッス!」

とうぞくさんは砕けた鎧を使ってブレスを防いでいた

鎧騎士「……」グワァッ

とうぞく「!?」
628 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga]:2010/12/19(日) 14:42:43.45 ID:JYOGeiw0

背後からの攻撃に対処しきれず、直撃を受け…

銃士「何やってんだ!止まるんじゃねぇぞ!」ドンッ

るかと思われた瞬間、銃士さんのアシストによって、鎧騎士は動きを止めた

魔導士「鎧騎士はブレスの中でも普通に動けるんです!油断しないでください」

とうぞく「わ、わかってるッスよー!」ドゴッ

鎧騎士に裏拳を叩き込み、倒れるのを確認せずに目の前の鎧騎士を蹴り飛ばす

魔導士「………」パキパキ…

とうぞくさんと銃士さんが時間を稼いでくれている間、再び氷柱の槍を生成する

銃士「ちっ!埒が明かないぜ!とうぞく、下がれ!」

とうぞく「は、はいッス!」

銃士「魔導士ちゃん!ドラゴンの動きを止めてくれ!」

魔導士「分かりました!」

私は氷柱の槍をもう一本作り上げる

二つの槍を投げるときには、とうぞくさんはすでに下がっていた
629 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 14:43:29.88 ID:JYOGeiw0

魔導士「はぁっ!」ブォン

一本目、少し遅れて二本目

ドラゴン「グ…」

ドラゴンがそれを、鋭い爪で叩き落そうとしたとき

最初に投げた槍に、後から投げた槍が追いつき衝突。二つは粉々に砕け散った

ドラゴン「グギャォオオオ!」

無数に砕けた氷の破片が、ドラゴンの視界を奪い。鱗を切り裂いていく

銃士「上出来だ!」バサッ

コートの中から出てきた、巨大な銃身

魔導士「な、なんですかあれは?」

銃士「ふははっ!機関銃って言うんだ、騒音注意だぜぇ!?」

銃士さんは地面に棒を差し、機関銃を固定するとレバーを思い切り引いた

ズドドドドドドド!

機関銃から大量の弾丸が吐き出され、鎧騎士を撃ち抜いてゆく
630 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 14:48:45.64 ID:JYOGeiw0

とうぞく「――――――!!」

魔導士「え!?なんですか!?」

何を言っているか、よく聞こえない

とうぞくさんは、二対の短剣をこちらに差し出して必死に何かを伝えようとしている

魔導士「ひょっとしますと…まあ、違ってたら違ってたらで別にいいですか」

魔力を練り、水の塊を作る

それを二対の短剣にくっつけ、状態変化させる

短剣は、徐々に凍りつきショートソードほどの長さに達した

とうぞく「――――!」

そして、何か言い残すと。短剣を下げて走り出した

どうやら、ちゃんとご要望にお答えできたようですね
631 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 15:11:05.01 ID:JYOGeiw0

そんなやり取りの間にも、機関銃から撃ち出された弾丸によって

確実に一体、また一体と鎧騎士が数を減らしていく

ズドドドド…ド

そして、機関銃の動きが鈍くなり…停止した

銃士「こんなもんだろ!とうぞく、任せたぜ!?」

もう立っている鎧騎士はいない。無残な姿の鎧騎士が、そこらじゅうに倒れている

ドラゴン「グォ…ガァァァア!!」

無数の破片に体を引き裂かれたドラゴンが、咆哮をあげる

そして、大きく開けた口から火が吹き出す

次の瞬間

ザシュゥッ!と、肉が切れる音がして

ドラゴン「グギャァァアアアア!?!?」

ドラゴンが悲鳴にも怒りにも近い叫び声を出す

素早く後ろに回り込んでいたとうぞくさんが、一息でドラゴンの尾を切り捨てたのだ

激しい痛みに、思わず身悶えるドラゴン

そして怒り狂い、ブレスを吐き出そうとする

とうぞく「ふっ!」

今度は、ドラゴンの首下に移動したとうぞくさんが

一気に跳躍し、ドラゴンの首を

ザブシュッ!と十字に切り裂いた

マグマの様に、燃え滾る竜の血が噴出すが

傷口は氷の剣によって凍りつき

支えを失った竜の頭が、ごとりと音を立て、地面を転がった
632 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/19(日) 22:27:54.77 ID:JYOGeiw0
げほっげほっ
あー風邪気味だわーげほげほ
頭回らないんで書けませんねーごほっごほ

すいませんっしたおやすみ
633 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 23:40:44.44 ID:eZqtVeo0
乙です。

御大事に
634 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/20(月) 10:50:28.28 ID:xrtYw9Io
分かりにくいから一応認識確認
>>622で氷柱の槍を砕いたのは
とうぞくが吹き飛ばした鎧騎士が偶然あたったってことでおk?
635 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/20(月) 20:02:50.31 ID:rucPfHw0
>>633 ありがとう、ありがとう

>>634 それで間違いないっすね。説明に不足があったこと、大変申し訳ないと思っている。

残念だけど続きはまったく書けてないんだぜ!!
また今度来るんだぜ!!
636 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/20(月) 22:43:49.18 ID:rucPfHw0
  「〜四次元コートと機関銃〜」

銃士「…あーあ、こりゃもう使えねえかもな〜、いやパーツ変えればどうにかなるか」

銃士「とりあえずしまっておこう」スッ

とうぞく「………」

とうぞく「…銃士さんのコートってすごいッスよね」

銃士「何だよ唐突に」

魔導士「そうですよ、あんな大きな得物、どうやってしまってるんですか?」

銃士「はぁ?今更かよお前等…」

とうぞく「このコートの中にはどんな秘密があるんスか!!」グイッ

銃士「うるせぇ!あと近ぇよ!」ゴスッ

とうぞく「痛いッス!」

魔導士「私も、気になります!」

銃士「な、魔導士ちゃんまで…しゃあねぇな…」

銃士「いいけどよぉ…ぜってぇ馬鹿にすんなよな」
637 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/20(月) 22:44:22.07 ID:rucPfHw0

とうぞく「もちろんッスよ!」

魔導士「はい、神に誓います」

銃士「…………よ、四次元コートだ」

とうぞく・魔導士「「はぁ?」」

銃士「やっぱり馬鹿にしたな!?くっそぉ!!」

とうぞく「いやいや、それは…ドラ○もんの見すぎッスよ」

銃士「何でんなこと知ってんだお前、世界観ぶち壊すな」

魔導士「え、ええと。大丈夫ですか?きっと、疲れてるんですよ」

銃士「うるせぇ!!じゃあ四次元コートじゃなかったら何だって言うんだよ!」

とうぞく「えぇ…と、剣を飲み込む手品あるじゃないッスか。あれ見たいに体内に収納してたり」

銃士「ねぇよ。俺は化物か」

魔導士「スモー○ライトで収納してるんじゃないですか?」

銃士「だから世界観ぶち壊すなよ!それ四次元ポケットと同等のひみつ道具だろ!」

銃士「もういいよ!そんなに疑うんならてめぇらで確かめてみろ!!」バッ

とうぞく「えぇー…いやッスよ、何か臭そうッスし」

魔導士「そんな…セクハラですよ?銃士さん」

銃士「」カチン

とうぞく「あ、あっ、銃士さん何するんスかやm」

魔導士「と、とうぞくさんがコートに吸い込まれて――」

とうぞく「ク、クッサーーーーーー!!」

銃士「ふ…ふふふはははははっ!!さぁ魔導士ちゃんおいでぇぇぇええ!!!!」バッ!ダダッ

魔導士「い、いいやぁぁぁぁああ!!そんな露出狂みたいな追い方しないでくださいぃいぃい!」
638 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/20(月) 23:55:39.34 ID:rucPfHw0
くっそwwwwwセンスなさすぎるwwっうぇwww

ちょっとこれ読んで勉強してこいやカスみたいなSSないすか?参考までに
639 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/21(火) 00:41:09.02 ID:DiGr1pco
禁書だけど

インデックス「何してるの?」一方通行「SS買いてンだ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272896134/
640 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/21(火) 20:45:05.06 ID:w1Xe3uo0
>>639 ありがとう、さっき読んできた
何かあれですね、よくわかんなかったっす^q^
でも、このSSでもう少し練習しようと思う。自分の納得の行く書き方ができたらいいな
641 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga]:2010/12/21(火) 21:27:34.13 ID:w1Xe3uo0
――――ー−‐…

魔導士「いやあぁぁぁぁあああぁ……あ、あれ…夢、ですか」

ふぅ、と一息着いて寝ぼけ眼を擦る

お、恐ろしい夢でした。まだ心臓がばくばくなってます……

とうぞく「…大丈夫スか?魔導士さん、うなされてたみたいッスけど」

心配そうに私の顔を覗き込むとうぞくさん

魔導士「だ、大丈夫です。問題ありません」

そうでした、段々と記憶が鮮明に蘇ってきます

何とかドラゴンを倒した私たちは、生き残ったエルフたちを逃がすために

攻めてくる魔物たちを防いでいたのでした

ま、まぁ……逃がすためと言いますか……

とうぞく「まったく、ひどいッスよね。何でもかんでも人のせいにして……」

そう、魔物たちが攻めて来たのは、ハーフエルフである私がエルフたちを憎んで

復讐のために情報をばらしたからだ、と一方的に決め付けられてしまったのです

これ以上、皆さんに迷惑をかけるわけにもいかないので。足止めもとい、捨て駒として私は残ることを決意しました

銃士さんは最後まで反論してくれましたが、私が説得して黙らせました。どんな方法を使ったかは、割愛します

そして、私の無茶な行動に、お二人は付き合ってやる。なんて言ってくれました

感動モノですよね、私、少しうるっときてしまいました
642 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/21(火) 21:28:40.46 ID:w1Xe3uo0

ガサッ

銃士「…っと。援軍はきてねぇみたいだぜ、休めるうちに休んどけよ」

魔導士「あ、見張りに行っていたんですね。お疲れ様です」

銃士「おー、魔導士ちゃんもういいのか?」

魔導士「え…あ、は、はい」

何を聞かれたのか一瞬分かりませんでしたが、すぐに思い出します

ずっと魔法を使い続けて、疲労で倒れていたのでした

銃士「そうか、それならいい。でももう少しゆっくりしろよ?これからもっとがんばってもらうからな!ふははっ!」

魔導士「ふふ、ふふふ……はい、わかってます」

とうぞく「ちょ、オレには労いの言葉もないんスか!?」

銃士「うるせーよちょっとまともに戦えるようになったからって調子のんな」

とうぞく「ひどいッス!!わぁぁぁん!」シャッシャッ

涙を流しながら、刃こぼれした短剣を砥石で研いでいるとうぞくさん

二人の服装はすでにぼろぼろです。足止めをはじめてから、何日が経っているのでしょう
643 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/21(火) 21:31:16.41 ID:w1Xe3uo0

銃士「そういやぁ、とうぞく」

各自、楽な体制をとり休憩に入ろうとしているときに、銃士さんがとうぞくさんに話しかけます

とうぞく「……なんすかぁ?」

素っ気無い返事を返すとうぞくさん、その声と表情には疲れの色が表れています

銃士「約束の日にちってよぉ、いつだった? てか今いつよ」

約束?

とうぞく「えぇっとッスねぇ……フクロウから手紙が届いたって言ってたのが二週間前、だったスかね」

手紙? いつのまにそんなやり取りを……

銃士「つぅことは、だ」

とうぞく「ということはスねぇ」

二人して、しばしの沈黙……

銃士「明後日じゃねぇかああああああ!!」

とうぞく「明後日ッスねぇぇぇえええ!!」

魔導士「」ビクッ

銃士「こうしちゃいられねぇ!!!」
644 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/21(火) 21:32:19.52 ID:w1Xe3uo0
とうぞく「魔大陸東の沿岸でしたッスよね!? ここからどんくらいかかるんスか!?」

魔導士「ま、まってください。約束ってなんなんですか?」

とうぞく「詳しいことは割愛するッスけど、オレたちは人を探してるんス」

魔導士「この、魔大陸で人探し、ですか」

銃士「……ま、俺の場合は復讐、なんだがな」

とうぞく「そういえば、銃士さんの祖国は魔王軍に滅ぼされたんスよね……」

魔導士「魔王でも、倒す気なんですか?」

銃士「必要であればな、っと。そんなこと言ってる場合じゃねぇんだ」

銃士「魔導士ちゃんも一緒に来るか?」

それが出来たら、本当に面白いことになりますね
ですが、せっかくのお誘いです。無下にはできません

魔導士「皆さんの足を引っ張るかもしれませんが、よろしくお願いします」

暗く厚い雲が覆う、不吉な空に
一筋の光が差し込む。ですが私にとって、それは嫌な予感に感じるのでした―――
645 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/23(木) 01:31:53.85 ID:o2dA0EDO
乙です。
646 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/26(日) 15:51:41.98 ID:KNnsKbk0
…。

魔大陸は、中央大陸に比べれば小さいが

移動にはかなりの時間がかかる

とうぞく「またッスかぁ……」

魔物の数が中央大陸の比ではないからだ

とうぞくは襲い来る魔物を短剣で捌き、亡骸を越えて歩く

銃士「お、出口が見えてきたぞ」

先頭に立つ銃士が、後ろを向いて声をかける

半日の間、とうぞく、銃士、魔導士の三人組は、魔大陸東の沿岸へ向かうため

長い森を歩き続けていたのだ

魔導士「す、すみません……あの、私、ちょっと……」

三人の真ん中を進む魔導士が、言いづらそうに声をあげる

とうぞく「どうかしましたッスか?」

魔導士「あの…ええっと…」

魔導士に追いついたとうぞくが不思議そうな顔で話しかける

とうぞく「痛いッス!?」ゴスッ
647 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/26(日) 15:52:09.95 ID:KNnsKbk0

魔導士の顔を覗き込んでいたとうぞくが、突然頭を抑えてしゃがみこんだ

銃士「ばーか、そんくらい察せっての。魔導士ちゃん、行ってこい
   付近に魔物はもういないみてぇだし、森の出口で待ってるぜ」

魔導士「は、はい」

そういうと、木々の間を通りぬけ、草むらを掻き分けて姿を隠した

とうぞく「な、なにするんスかぁ」

銃士「トイレに決まってんだろ?それを察せってことだよ」

涙目なとうぞくに対し、呆れ顔な銃士

銃士「ま、さっさと森を抜けちまおうぜ」

再び森の中を進みだす

とうぞく「待ってくださいッスよぉ……」

服に付いた草を払い落とし、前を行く銃士を追いかけようとする。そのとき

ゾワッ

とうぞく「ッ…!?」

何か嫌な予感がして、あたりを見回す

だが、何もいない……

とうぞく「……気のせいッスかね、魔物かと思ったんスけど」

何かの間違いだろうと決め付け、歩き出す

その後ろ姿を見つめているのは
魔大陸に住み着いている、鳥や小動物だけだった
648 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/26(日) 15:52:58.63 ID:KNnsKbk0
…。

銃士「ひゅぅ。なんだよ、すぐに着きそうじゃねぇか」

銃士が口笛を鳴らす

とうぞく「……まぁ、見えてはいるッスけどね」

二人が、今立っている場所は

百十数メートルはあろうかという断崖絶壁

真下にはまたも森が広がり、その森を抜けたところに海岸が見える

とうぞく「どうするんスかぁ?」

聞くのも心底嫌そうな顔をしているとうぞく

銃士「ふっはっはっ!! 飛び降りるか?」

とうぞく「それだけは勘弁ッスよ……」

銃士「まあ冗談だ。魔導士ちゃんに何か別の方法はないか聞いてみようぜ」

そうは言ったものの、当の魔導士は帰ってくる様子はない

とうぞく「そういえばッスね、さっき嫌な気配を……っ!?」

話を切り出そうとしたとき、さきほどの気配を感じる

銃士「な、なんだっ!? 地面が動いてっ……!!」ゴゴゴゴ

とうぞく「銃士さん!! はやく崖から離れるッス!」

とうぞくよりも、崖の近くにいる銃士の足元は今にも崩れ落ちようとしている

銃士は素早く離れようとしたが、崖はすでに崩れ始め、地面を踏み抜いてしまった
649 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/26(日) 15:57:26.37 ID:KNnsKbk0

銃士「くっ……!!」

何とか崖の淵に捕まる銃士

とうぞく「銃士さん!!」

その手をとり、とうぞくは必死に引き上げようとする

とうぞく「い、今引き上げるッスからね!!」

ブワッ……!!

突如、とうぞくの背後から強烈な風が襲いかかった

とうぞく「っ!?」

どうにか踏ん張ろうとするが、その努力は報われず二人の体は宙に舞う

銃士「ちっ……!! とうぞく! 離れるなよォ!?」

とうぞく「は、はいッス」

気持ち悪いほどの浮遊感、それは徐々に落下へと変わっていく
650 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/26(日) 16:08:20.44 ID:KNnsKbk0
とうぞくは銃士の足にしがみつき、落下速度はどんどん増す

十メートル…二十メートル…森は瞬きするたびに近づいている

半分は過ぎたであろうところで、銃士はコートから魔砲を取り出した

銃士「頼むぞっ……!!」

ドォン!!

銃士は真下に向かって魔砲を放つ

巨大な銃口から放たれた風となり、木々をなぎ倒して二人のもとへ戻ってくる

とうぞく「おわっぷ!!」

大きな衝撃が二人を襲い、落下速度を緩和する、が

空中で二人は引き裂かれ、散り散りになってしまう

別方向へ吹き飛ばされていく仲間を見て……気を失った
651 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/27(月) 17:43:27.95 ID:XS0nYH60
652 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga]:2010/12/31(金) 01:08:57.91 ID:y6Ph4LI0
〜〜〜

ザザァ…

もう、敵の本拠地はすぐ近くだというのに、波は割りと静かなものだ

魔物使い「……もうすぐね」

薬師「ええ〜」

幾多の荒波を越えてきた船は、着実に魔大陸へ近づいている

船首で魔物使いと薬師はどこか緊張した面持ちで

霧で霞んでいる大陸を見据えている

コッコッコッ…

そこに足音を厚い船板に響かせながら誰かが近づいてくる

船長「霧が少し濃くなってきてます。聖水を撒いているので魔物は来ないと思いますが……
   危険ですから、一旦船室にお戻りください」

魔物使い「いいのよ、何だか休みたい気分じゃないの」

薬師「いいんですよ〜。わざわざ危険なところへ送ってもらってるんですから〜
   護衛くらいさせてくださる〜?」

薬師は柔らかな微笑みを浮かべて、そう言った

船長「ははは! そうですか。では引き続きお願いしましょうかね」

何故、彼等の船に乗っているか軽く説明しておこう

二人は魔大陸へ行ける船を捜していると、古城へ行くときに乗った船の船員たちと出会った

そして、彼等に事情を話すと帝王イカを討伐した件のお礼にと、快く引き受けてくれたのだ

薬師「それにしても、前の船より立派ですね〜」

船長「そうでしょう? この船は戦争領域や魔物多発エリアを運行するための特殊装備なんですよ」

看板には固定砲台などの武装があり、船全体も通常より頑丈に作られている

小型や中型の魔物ではビクともしないだろう
653 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/31(金) 01:09:46.09 ID:y6Ph4LI0
魔物使い「それは心強いわねー……それに」

と続ける

魔物使い「なんだか凄そうなのも乗ってるしね」

その視線の先には、旅人用のマントを羽織り、フードを深くかぶった男性がいた

船の縁に持たれかかり、下を向いたままじっと動かない

その横には長剣が立てかけてある

船長「え…えぇ……、何でもSランクの傭兵だとか。証明書も見せてもらいました」

魔物使い「Sランクですって!? この船の目的地は、秘密なんでしょ?」

船長「それが……ですね」

そこまでいうと、なぜか歯切れが悪くなる

船長「どうやって知ったのかはわかりませんが、魔大陸行きだとばれてしまったんです。
   それで、ばらされたくなければ俺を乗せろ、と……」

薬師「それで仕方なく、ね〜」

Sランクともなれば、魔物に深い憎しみを持っている傭兵も少なくはない

それに、集団で戦うのを毛嫌う傭兵があらゆる手を尽くして先に到達しようというのも頷ける

魔物使い「何か裏がなければいいけどね」

薬師と魔物使いは、いまだ動かない男性を訝しげな表情で観察するのだった
654 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/31(金) 01:10:33.74 ID:y6Ph4LI0
〜〜〜

カッカッカッ

???「おや?どちらへ行かれるので?」

薄暗く、年季の入った長い廊下に調子の良い声が響く

???「呪術師か……ふん、どこでもよいだろう。貴様には関係ない」

呪術師と呼ばれた人のような魔物は、影からひょっこりと顔を出して笑う

呪術師「くくくっ……そうは行きませんよ。『魔王様』はラスボス、なんですから」

魔王と呼ばれた男…王族のマントを羽織り、顎ヒゲを蓄え、悪魔のような二本角を生やした魔物は呪術師をねめつけた

それだけでその場の空気が一気に凍りつき、重量を増す

だが、それにも構わず呪術師は邪悪な笑みを浮かべたままだ

魔王「……だから嫌だと言うたのだ。我はじっとしてなど居れぬ」

呪術師「くくっ、まぁそうおっしゃらずに……」

引きとめようとも、魔王は歩みを止めない。呪術師は致し方ないとばかりに目の前へ立ちふさがる

魔王「どけ」

ようやく止まった魔王に、満足気に笑う呪術師

呪術師「くっく! 魔王様にはお役目があるのです。魔王らしく、玉座で勇者を迎え入れるという。ね」

魔王「そのようなこと、重々承知しておる。ようはすぐに戻ればよいのだろう?
   しかし、貴様はここで油を売ってよいのか? 厄介なのは劣化品が集まることだろう」

呪術師「ま、そうなんですがねぇ……おっと」パンパン

魔王に言われて思い出した、といわんばかりに両手を打ち鳴らす
655 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/31(金) 01:13:00.23 ID:y6Ph4LI0

すると、どこからか人が姿を現す。その表情は暗く、何を考えているか察しも付かない

傍から見ると不気味な人間だが、そんなことには一切気を止めず、呪術師は語りかける

呪術師「あの小娘たちは、どうなっていますか?」

???「はい、今のところは上手くいっています。三人は散り散りに、娘は捕縛しております」

その様子を見て、魔王はぼそりと呟く

魔王「……人為的に生み出された、魔人か。いつ見ても不気味だの」

呟かれた言葉は、呪術師の耳には入らなかったのか……それとも無視されたのかはわからないが、呪術師はまたも満足気に笑った

呪術師「くっくっく! いいですねぇ……奴等を餌に、もう一人の劣化品も始末できればよいのですが……
    おっと、ご苦労さまです。引き続き監視を頑張ってください」
656 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/31(金) 01:13:31.78 ID:y6Ph4LI0

魔人「はっ……」スゥ

報告を済ませ、新たな使命を受けた魔人は闇に溶けるように消えていった

魔王「ふん……貴様も趣味が悪い」

下種を見るような目で、魔王は吐き捨てる

呪術師「くくくっ……お褒めに預かり、光栄です」

それを呪術師は笑って流した

魔王「いつもの、お気に入りはどうした?」

呪術師「えぇ、あの子でしたら大人しくお留守番ですよ? あの子もなかなか使い道がありますからねぇ」

聞いておきながら、魔王はその返事を待たずに再び歩き出した

呪術師「くくっ、駄目ですよ? 魔王様……っ!?」

一瞬、ほんの一瞬の出来事だった

魔王を止めようと動こうとした呪術師の喉元に、鋭く凶悪な光を放つ魔王の爪が突きつけられていた

魔王「我はすぐに戻ると言うておる……何度も言わせるな」

呪術師「……くっくっ、仕方ありませんね。夕飯までにはもどってくるんですよ?」

魔王はその言葉を聞いてか聞かずか、すでに歩き出していた

呪術師「大事の前の小事。今のところは順調ですよ……」

薄暗く、年季の入った長い廊下に

ただ一人取り残された呪術師は、小さく呟いた

―――――――――――――第四章・完
657 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2010/12/31(金) 01:15:37.67 ID:y6Ph4LI0
すみませんね……思いつかない上に忙しくって

あと、資格とれましたよやったー!!
電工の人どうなったかな?

あ……それだけです。おやすみなさい
658 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/31(金) 03:32:59.79 ID:bYgfKUDO
>>657
乙!気になる終わり方だ…

電工は残り時間1分で完成したけど再確認してないから1月12日の発表待ちorz
659 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/12/31(金) 03:35:27.70 ID:IzUH87ko
おめでとさん!!
無理せずにー、マイペースで!
660 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011![sage]:2011/01/01(正月) 19:52:08.82 ID:k73c61wo
あけおめ‼
661 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2011/01/02(日) 22:42:13.73 ID:mwiSkmY0
>>658 実技はなかなか時間がシビアらしいすね……きっと受かってるさ! 自信持とうぜ!!

>>659 ありがとうとオリゴ糖って似てるよね。何でもないです、オリゴ糖

>>660 遅くなりましたが!!!!あけました!!!!!!おめでとう!!!!!!!
今年も!!!!!よろしくお願いします!!!!!!!!!
662 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/02(日) 22:54:47.82 ID:Gmn/HJIo
電工で時間足りねーとかどんだけだよ
663 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011![sage]:2011/01/03(月) 00:50:04.11 ID:lKjsUBIo
おめでとう!こっちもがんばれ
664 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga]:2011/01/08(土) 01:08:18.11 ID:kv/PO2k0
>>662 電工マスターっすね……!是非教わりたいぜ!!と、筆記で落ちた俺が頼んでみる
>>663 がんばっちゃうよーうへへへ

深夜遅くの投下になります、古城んとこ読み直してたら遅くなった……
続き↓

〜〜〜

とうぞく「あいたたた……」

全身に鋭い痛みを感じながら目を覚ます

どこかで頭を打ったか知らないが、少しくらくらする

とうぞく「あ……銃士さんは……?」

散り散りになってしまった仲間のことを思い出し、とうぞくはあたりを見渡す

どうやら、針葉樹の上に落ちたらしい。枝がクッションとなり、衝撃を和らげたのだ

まぁ、森に落ちたわけだから運も糞もないわけだが

とうぞく「道理で全身が痛いわけッス。けど、助かっただけよしとするッスか」

気分を入れ替え、体を起こしてゆっくりと立ち上がる

これからどうするか

とうぞく「魔導士さんのことがきになるッスけど……
     あの崖は登れないッスね、とりあえず合流するのが先……ッスかね」

とうぞくは現在位置を調べるために、手ごろな木に登る

木の一番上に登ると、正面にさきほど落ちた崖が見えた

ということは、後ろが海岸なわけだ。だが海岸は見えない

とうぞく「あっちが東ッスね……よし、行くッスか」
665 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2011/01/08(土) 01:09:26.81 ID:kv/PO2k0
…。

ギィ……ギィ……

オールで海水を掻くたびに、小船は大陸に向かって進む

船が魔大陸の近くにたどり着くと、魔物使いと薬師は小船を出してもらった

ちなみに、あの傭兵は小船を借りると一人でどこかへ消えていった

船員「……着きました」

上陸できそうな砂浜に近づき、小船は砂浜に乗り上げた

魔物使い「んーっと、まだいないみたいね」

あたりを見回すが約束していた仲間の姿はまだ見えない

船員「それでは、私はこれで」

薬師「はい〜、ありがとうございます〜」

薬師は丁寧にお辞儀をする

すると船員は小船を押し、海に浮かべると再び乗り込みオールを漕ぎ始めた

その場で二人は船員を見送り、小船が霧の中に消えると歩き出す

小船は船と頑丈なロープでつながっているし、コンパスもあるから遭難することはないだろう

魔物使い「……どうしよっか、大剣士もとうぞくも銃士も来てないけど」

それに、魔物の姿も見えない。子犬は魔物使いの腕の中、フクロウは肩に止まり、聖騎士を召還する宝石はポケットの中

いつでも臨戦体型に入れる……が、子犬はぐっすりと眠っている
666 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2011/01/08(土) 01:11:25.08 ID:kv/PO2k0

薬師「そうねぇ〜……。もう少し待ってみましょ〜?」

二人が海岸の周辺を探索しようとしたときだった

「おぉーい!!」

森の奥から人影が現れ、それはこちらに向かって手を振りながら走ってくる

それは見覚えのある人物だった

魔物使い「あれ、とうぞくだけ? 銃士はどうしたのよ」

とうぞくは二人の元へたどり着くと、息も切らさずに事情を説明する

とうぞく「それが、はぐれちゃったんスよ。銃士さんだけじゃなくて、もう一人いた魔導士さんって人も」

薬師「はぐれちゃったの〜? それと魔導士ちゃんって誰?」

とうぞく「あん畜生に飛ばされた後、魔物に襲われてるところを助けてくれた、ハーフエルフの女の子ッス」

魔物使い「エルフ? へぇ、何ではぐれちゃったわけ」

とうぞく「あの崖、見えるスか? あそこから海岸の場所を確認していたらスね
     こう、どどーん! って地面が揺れたんスよ、そしたら崖がガラガラーって」

擬音と身振り手振りを加えて説明する

魔物使い「分かるけど、むかつく説明ね。それで? 森に落ちてはぐれちゃったわけね」

とうぞく「そうッス! あと……」

と、付け加える

とうぞく「嫌な気配を感じたんスよ、でも辺りに魔物はいなくて……
     勘違いかなって思ったんスけど、崖が崩れるときにも感じたんス」

薬師「つまり、とうぞく君はその何かの仕業って考えてるのね〜」

とうぞく「はいッス……もしそうなら、魔導士さんが危ないんス」

とうぞくは悔しそうに拳を握り締める。簡単な罠に引っかかったことが悔しいのだろう

魔物使い「でも、あの崖を登るなら……遠回りで坂道を探すしかないわね」

フクロウでも人を運んであの高さは辛い、重量的にも何往復かする必要もある

とうぞく「銃士さんがここにいないってことは多分、先に魔導士さんを探しに行ってるハズなんス
     オレらも、はやく向かいましょうッス!!」
667 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2011/01/08(土) 01:13:42.31 ID:kv/PO2k0
〜〜〜

カッカッカッ

魔導士「……」

???「ご機嫌はいかがかな?」

暗い部屋の中、灯す光は蝋燭一本。その光は黒く長い影を壁に映し出した

魔導士「どうする、つもりですか」

???「ふっ……」

何かが鋭く息を吐くと蝋燭の火がゆらゆらと揺れ、縄で縛られた魔導士の体を微かに照らす

次にその口から発せられた言葉は、魔導士が聴きたかった言葉ではなかった

???「あの二人の内、一人がお前を探しているよ……。直にこの場所も気づかれるだろうねぇ」

魔導士「……」

無言で何かをねめつける

???「おお怖い怖い……安心しな、すぐにどうこうするわけじゃあないからね」

それだけを言うと、その何かは身を翻して消えていった

魔導士「……」

再び訪れた静寂

いつまでも揺れ動く火の光が、不安をより一層掻き立てるのだった
668 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2011/01/08(土) 01:26:30.54 ID:HVVFGMAO
久しぶりにキテタ――――!!!
669 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2011/01/08(土) 01:39:10.06 ID:kv/PO2k0
〜〜〜

とうぞく「どうやらここから登れそうッスね」

森の中を抜け、崖に沿って歩くとどうにか登れそうな坂道が見えた

魔物使い「結構急ね……こんなところで襲われちゃったら、一溜まりもないわよ」

薬師「そうね〜、でもここしか道がないんじゃあ〜……」

う〜ん、と魔物使いと薬師は唸る

魔物使い「仕方ないわね……聖騎士、お願いっ」

魔物使いはポケットから宝石を取り出すと、それに魔力を送り込む

するとブゥン、と音を立て魔法陣が現れる……

その円から光り輝く篭手に包まれた手が見えたかと思うと、すぐに全身を鎧に包まれた巨体が姿を現した

とうぞく「……何か、鎧がバージョンアップしてないッスか?」

以前見たときの聖騎士とは違う、より強固に、より神々しく見える

魔物使い「ふっふーん、遊んでたわけじゃないのよ! 聖騎士、足場を作ってちょうだい」

無い胸を張り、魔物使いは聖騎士に指示を出す

聖騎士「了解した」

そういって急な坂に近づくと、巨大な魔法陣を描く

それが光り輝くと同時に地面が軽く振動し……坂道からいくつもの土が盛り上がり、階段のようになった

とうぞく「ほわぁ……すごいッスね、てかこれ向こうの崖でもできたんじゃ……?」

魔物使い「あんまり使いたくなかったのよ……ほら、行くわよ」

薬師「とうぞく君、がんばってね〜」

聖騎士は魔物使いと薬師を抱えると、地面から突き出した突起を次々飛び移っていく

とうぞく「オ、オレは置いてけぼりッスかぁ〜!?」

楽々と進んでいく魔物使いと薬師を恨めしげに見ながら、とうぞくは後に続く……
670 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2011/01/08(土) 02:01:20.53 ID:kv/PO2k0
…。

シュタッ

魔物使い「おっそいわよ!!」

とうぞく「そんなこと言ったってスねぇ……」

遅いなんていわれても到達した時間は大差ないはずッスよ……と思いつつ、とうぞくは辺りを見回す

崖の上にたどりついたときには、聖騎士の姿は消えていた

銃士の姿は見えない……まずは魔導士の痕跡を探すとこからだろうか

薬師「それで、とうぞく君。魔導士ちゃんが消えたってところはどこなの?」

とうぞく「ええっとッスね……あ、あそこッス、狭い獣道みたいなとこ通ってたんスよ」

とうぞくは指を指す

獣道に生えていた雑草は、幾度も踏まれてすっかり元気をなくしている

魔物使い「……魔物がいたような痕跡はないわね」

とうぞく「? あぁ、崖崩れはただのトラップだったスけど……
     そういえば、あの時……不自然に風が吹いたんスよ、オレ等の真後ろから」

薬師「風が……? それは魔物の仕業じゃないの〜?」

魔物使い「違うと思うわ、風を操る魔物なら周りの木々も薙ぎ倒す勢いよ」

そういわれて、とうぞくは再び辺りを観察する……木々は崖から落ちる前とまったく変わっていない様子だった

とうぞく「力を完全にコントロールできる、高位な魔物がいるってわけッスか? それともまったくの偶然だったか……」

魔物使い「わからないわ……でも、何だか嫌な予感はするの」

その視線は森の中へと向いている……

じゃあ、探しに行きましょうッスと、とうぞくが言おうとした時だ

バァンッ!!……バサバサ

鋭く、遠くまで響き渡るような銃声が鳴り、驚いた鳥達が一斉に羽ばたく

とうぞく「!? 銃声っ!」

魔物使い「もしかして銃士が……急ぎましょっ!」
671 :つひちー ◆T1D7nmSlmc[saga sage]:2011/01/08(土) 02:05:10.62 ID:kv/PO2k0
はい……これで終わりです……
あまり書けなかったよ、三連休も忙しいから……また進みませんすみません

おやすみなさいでした
672 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/08(土) 02:47:33.09 ID:jPh1RQAO



がんばってくれ
673 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2011/01/08(土) 02:50:15.43 ID:HVVFGMAO
>>671
超乙かれぃ
あまり気にせず自分のペースで頑張ってくれ
674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2011/01/17(月) 11:17:58.56 ID:ABK07om6o
追いついた
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

675 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2011/01/21(金) 23:55:01.08 ID:I/ygN3fT0
このスレ移転してないじゃねーか
移転依頼しないと削除されるよ
676 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2011/01/25(火) 02:17:42.74 ID:dE3EbYVK0
■ 【必読】 SS・ノベル・やる夫板は移転しました 【案内処】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1294924033/
677 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/02/01(火) 04:32:01.73 ID:n1jVDlOio
移ろう
678 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2011/02/14(月) 20:30:57.57 ID:Q9QEVh850
おい大丈夫かmjd
679 :lain.[sage]:2011/02/20(日) 10:24:43.24 ID:???
SS・やる夫系スレッドは、SS速報VIP【http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/】へ移転することになりました。
それに伴いこちらのスレッドをHTML化させて頂きます。
スレッドを立て直す際はSS速報VIPへお願いします。



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