VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 03:04:25.12 ID:QbLUE6AO<>
姫「……漂っていたのは擬似餌であったか。まさか、私がそなたのような人間に釣られてしまうとは思いもしなかったぞ」

姫「とんだ大物が釣れた、だと? ばかもの、そなたは乙女の体重を何だと思っておるのだ」

姫「……ふふん、ほらみろ。こうして抱き上げてみれば意外と軽いであろう。これでも私は大物か? 違うであろ?」

姫「…………こら、そなたはいつまで私を抱いているつもりだ。早く降ろすがよい。これでは、まるで私とそなたが恋人同士か何かのようであろう?」

<>人魚姫「おや? 海中に何か見慣れぬものが漂っておる」 VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/03(金) 03:06:26.05 ID:HQam2oAO<>面白そう!
期待してますよ!
(生臭い人魚…じゃないよね?)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 03:06:54.52 ID:QbLUE6AO<>
姫「釣られた魚の分際で偉そうだと? ふふん、そういう台詞は獲物をまな板の上に乗せてから言うものだ」

姫「まあ、私の肉には毒があるがな。下手に口にしてみろ。そなたを史上初めてフグを食べた、最も無知で無謀な悪食と同じようにしてやろう」

姫「信じられぬなら試してみるか? 私の言葉と肉と、どちらの毒が強いかをな」

姫「しかし、からかいがいのある人間よ。そなたと親しくなりつつある人魚の姫を口へ運ぶほど、そなたの箸はつれなくあるまい?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 03:12:15.46 ID:QbLUE6AO<>
姫「人間は相当な悪食だと聞くが、そなたは本当に私を食べる気などないのだな」

姫「煮ても焼いても食えない奴に見えるから? そなた、それはどういう意味だ」

姫「……ほう、熱帯魚のように美しいから食べられない、という意味か。ふむふむ、そうかそうか、なるほど、……ふふん」

姫「嘘であろう? だが、あえて信じておこう。そなたのような食えない男の言う事であるしな?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 03:18:14.14 ID:QbLUE6AO<>
姫「こら、この水槽は狭苦しいぞばかもの。なんとかせよ」

姫「まったく、人魚をこんな粗末な部屋で水槽に閉じ込めて同居を試みるとは、そなたは少し無謀だったのではないか?」

姫「……ま、仕方がないから暫くは大人しく飼われてやるがな。私の事はきちんと人魚の姫らしく扱うのだぞ?」

姫「そうだ、苦しゅうない。ふふん、住まいこそ大海に比べて狭小なものの、陸の家来の質はなかなか悪くないようだ」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 03:24:19.55 ID:QbLUE6AO<>
姫「そなた、水槽の中が少し暑いぞ。もっと涼しくならぬのか?」

姫「……温度計の表示はまともだと? きっと器械の方が壊れているのだろう」

姫「鏡を見れば私の顔はひどく火照っているし、胸からはうるさいほど動悸の音が聞こえてくる。これが暑さのせいでなくて何だというのだ?」

姫「早く何とかせよ。そなたの部屋のこの水槽に入ってから、私は暑くて暑くてたまらぬのだぞ」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 03:31:15.97 ID:QbLUE6AO<>
姫「ばかもの。私は釣りのエサなど食べたりはせぬぞ。その虫どもはさっさと店に返して来い」

姫「私が食べる物はそなたのと同じでよい。陸のものは食べた事がないが、そなたの好みに合わせてみようと思う」

姫「楽しみだぞ、そなたの料理の腕前が。さぞや馳走を食べさせてくれるのであろうな」

姫「……ふふ、嬉しいぞ。何が出て来るにしろ、私はそなたと同じものが食べられるのであろう。むろん、そなたはこの水槽と差し向かいでな?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/03(金) 03:37:40.26 ID:ddkxtkAO<>しえぇ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 03:37:54.26 ID:QbLUE6AO<>
姫「もしも私が日焼けをしたら、一応、人間からすると焼き魚という事になるのだろうか……」

姫「……こら、笑うなばかもの」

姫「まあ、私が日焼けなど試みれば、水分がみるみる抜けて、最後には干物になってしまうのがオチだろうが」

姫「案外、女としての旨味が増すかもしれんぞ。焼き色がそなたの好みならな?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 03:44:47.02 ID:QbLUE6AO<>
姫「ほう、それがアイスという食べ物か。私は初めて見るぞ。海には氷は流氷くらいしか無かったからな」

姫「しかもこれは一個が二つに分かれる構造になっているのか、面白いな。人間の親しい二人組は、これを二つに分け合って食べるというわけだな」

姫「ふむ、なかなか美味い……。ところでそなた、接吻するのならこのような味が好みか?」

姫「こら、せっかくのアイスを噴き出すな、もったいない」

姫「これを分けて食べるという事は、つまり私たちも親しい二人組という枠に当てはまる、という事であろ?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 03:52:14.56 ID:QbLUE6AO<>
姫「こら、何も考えず金魚すくいなどしてきおって、このばかもの。どうせ私の水槽にその金魚達を入れるつもりであろう?」

姫「綺麗だとか、可愛いとかの問題ではない。迷惑だ」

姫「これは私の水槽だぞ。私的空間だ。だからそなただけの判断でどうこうするな。私が寝ている間に金魚が口や鼻にでも入ったらどうする。ばかもの」

姫「…………ふぅ。まあ、良い。明日には金魚用の水槽なり何なり買ってくるのだぞ。それまではこやつらにこの水槽を貸してやってもよい」

姫「……まったく、美しい金魚ばかりすくって来おって。そなた、この水槽に私一人だけでは不満だというのか?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 03:58:24.23 ID:QbLUE6AO<>
姫「ふむ、これは水ヨーヨーという人間の玩具か。私にくれるのか? 礼を言うぞ」

姫「ほほう、人間は縁日という祭の屋台で、このような水ヨーヨーをたくさん水に浮かべて、糸で釣って遊ぶのだな」

姫「私の水槽にも一度たくさん浮かべてみたいものだ。水ヨーヨーとはなかなか面白い模様をしている。
 たくさん浮かべたなら、私の水槽もさぞかし賑やかになる事だろう」

姫「しかし、そなたはその時に間違えて私を釣ってはならぬぞ。たとえ、そなたがこの色彩豊かなヨーヨー達より私の方を欲しくてもな?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 04:03:09.07 ID:QbLUE6AO<>
姫「のう、この遠くでドンドンと鳴っているのは一体何の音なのだ?」

姫「……なるほど、打ち上げ花火か。私も海辺の岩場に上がって鑑賞した事がある。人間はなかなか美しいものを空へ放つのだな、と感心したものだ」

姫「しかし、私の水槽の位置からでは花火が見えぬぞ。そなた、早く水槽を動かして私にも窓から花火が見えるようにせよ」

姫「早くせよ。年に何度も咲かぬ夜空の花を観るのだ。隣に年頃の娘がいた方が楽しいであろう?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 04:07:04.97 ID:QbLUE6AO<>
姫「こら、水槽に水道水をそのまま入れるな、ばかもの。横着せずにちゃんとカルキとやらを抜け」

姫「水道から出してそのままの水は泳いでいて不快であるし、健康にも悪い」

姫「それに……もしも今日、仮に私がそなたと接吻するとしてだな、私の唇がカルキの味ではそなたも興が醒めるであろう?」

姫「……ばかもの、冗談を真に受けず早く水を替えるがよい。言ったこちらが恥ずかしいではないか」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 04:13:04.68 ID:QbLUE6AO<>
姫「その琥珀色の液体は、水槽の中の私の姿態よりもそなたの顔を赤く染めるようだな」

姫「もしも、私が人間だったならそなたと一緒に杯を傾けても良いのだが、現実の私は人魚の身であるから遠慮しておこう」

姫「人間が酒に酔って歩き方を忘れるように私も泳ぎ方を忘れて、そのまま水槽の底に沈んでしまっては困るからな」

姫「……いや、仮に酒のせいで私が溺れたとしても、そなたの助け、とりわけ人工呼吸は御免こうむる」

姫「あまりにも不粋であろう、酒臭い口同士での接吻などは?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 04:19:27.55 ID:QbLUE6AO<>
姫「なんだ、そなた眠れぬのか。ならば私が歌を歌ってやろう」

姫「海に居た頃はよく歌ったものだ。不漁の歌、船乗りを惑わす歌、嵐を呼ぶ歌に津波を招く歌、海を汚す人間たちに罰を与える報復の歌」

姫「……そして、海へ投げ出された人間たちを陸地へ導く歌を」

姫「そなたの為に久しぶりに歌ってやろう。今宵は、そなたを眠りの国へいざなう歌だ」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 04:40:50.18 ID:QbLUE6AO<>
姫「なに、私が生臭いのでないかだと?」

姫「もし本当にそうならば、そなたに私の臭いを取って貰うとするか。石鹸で丁寧に、私の身体の隅々まで洗うのだぞ?」

姫「……ふふん。赤面して出来ぬと言うのなら、これからは生臭いなどという冗談は言わぬ事だ」

姫「もし私から嫌な臭いがするのなら、そなたは私を家に連れて来たりはするまい? ましてや、こまめに水槽や機械の手入れをしてくれるなどという事はな」


>>2
というわけで、多分生臭くはない筈……多分<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/03(金) 04:50:13.87 ID:zIcQx6DO<>なにこれ面白い
支援<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 06:11:01.77 ID:QbLUE6AO<>
姫「これから出掛けるそなたの為に、弁当の一つでもこしらえようと思ったのだが、人魚の身で料理をするのはなかなか難しいものだな」

姫「料理の仕方も知らぬし、この尾ヒレではそもそも台所に立つという事が出来ぬ。床もびしょ濡れになってしまう。どうやら、私はそなたの空腹を満たす事が出来ぬようだ」

姫「だから、せめてそなたは昼時には私の事を思い出しながら食事をするがよい。献立が魚料理の時以外、だが」

姫「行って来い。そなたが帰るまで、私はずっとこの部屋の、この水槽の中で待っておるぞ」

姫「……ふふん? どうした、いちいち振り返らず早く行け。何かが物足りないなら『いってらっしゃいのチュー』とやらでもオマケに付けるか?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/03(金) 08:32:18.49 ID:lNcwl6DO<>しえん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/03(金) 09:10:02.93 ID:/bWg4wSO<>構わん続けr……

いや続けてください。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/03(金) 10:09:02.89 ID:rmStkM.o<>期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/03(金) 11:02:22.45 ID:P9ukTi2o<>こりゃー良い!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/03(金) 11:28:44.94 ID:mqvLkoAO<>むろみさんまだぁ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/09/03(金) 15:33:49.59 ID:JRt4b2SO<>いいよハァハァ…人魚たんかわいいよぉ(;´д`)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 16:15:13.93 ID:QbLUE6AO<>
姫「留守番とは、ひどく退屈で寂しいものだな……」

姫「今、この部屋では私以外の生き物など、そこの金魚たちくらいしかおらん」

姫「金魚たちよ、私と遊ぶか? ……と言ったところで、泳いで遊ぶには水槽が狭すぎる。そなたたち金魚にとっては、その金魚鉢と比べ物にならぬくらい広いであろうがな」

姫「あやつめ、今頃何をしておるのか。帰ったら、いつもより意地悪くからかってやろう」

姫「この私を独りにしているのだから、それくらいは良いであろう。な、金魚たちもそう思うであろ?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/03(金) 19:04:17.28 ID:a7nAuFk0<>鬼娘を思い出した
支援<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/03(金) 19:25:31.94 ID:cL9Ol8ko<>人魚を連れて帰るというと阿部公房の「人魚伝」がよぎる・・・支援<> >>2です<>sage<>2010/09/03(金) 20:24:59.24 ID:HQam2oAO<>>>17
わざわざ オレのレスを題材にした話を書いてくれるなんて思ってもなかった…
ありがとうです(歓喜)

実は 以前に人魚がテーマのSSがあったんですけど…それが(-д-;)ウーンな感じでorz<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 21:46:47.78 ID:QbLUE6AO<>
姫「プールか。プールとは、人間たちが泳ぐ水槽だな。……意味は大体合っているであろう? で、そのプールがどうしたのだ」

姫「……そうか。ふふん、素直にデートの誘いと言うがよい。そなたもそこそこ乙女心が分かるようになって来たな。しかし……」

姫「プールとやら、一度くらいは行きたくもあるが、水には消毒薬が入っているのであろうし、近頃は猛暑であるから混雑していて、どうせ人魚などはろくに泳げぬのであろう」

姫「そんな所、私は好かぬ。まあ、そもそもプールは人ならざる者を入れてくれる場所とも思えぬしな。人々の好奇な視線に晒されるのも嫌だ」

姫「心遣いは嬉しかったが、私にはこの部屋のこの水槽で充分だ。人々でごった返しているプールと違って、そなたと繋いだ手がほどけて迷子になる事もないしな?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 22:02:16.10 ID:QbLUE6AO<>
姫「プールに懲りず、今度は海水浴に誘ってくれるのか。だが、言ったであろう。私は人々の好奇の視線には耐えられぬと」

姫「ほう、滅多に人が来ない浜を見つけたのか。そこになら行っても良いな……」

姫「……ふふん。しかし、そなたはその誰もいない浜で、私を押し倒して一気に一夏の過ちへ持ち込む気ではあるまいな?」

姫「もしそうなったとしたら、そなたにはまず私の両親に会って貰おう。なに、案ずるな。私の実家の玄関はその浜のすぐ近く、さざめく波の中にあるのだから」

姫「そうだ、もしかしたら海中から私の姉妹に見られるかもしれんな。その、……」

姫「……あ、過ちの最中を、だ」

姫「…………すまぬ、水槽に氷をありったけ入れてくれぬか。最初はそなたへの単なるからかいのつもりだったのだが、つい想像が過ぎてしまって、なんだか少し熱くなってきたのでな……」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/03(金) 23:06:22.43 ID:QbLUE6AO<>
姫「いつか、そなたと一緒に美しい海の底を見て回りたいものだ。だが、そなたが酸素ボンベやら何やらの重装備では色気も何もないだろうな」

姫「海の中というのはそれはそれは幻想的だぞ。とりわけ深海の底は、私ですら未だ名も知らぬ美しい生き物が数多く息づいている」

姫「私のような人魚が存在するのだから、この島国に伝わる物語に出て来る竜宮城とやらも、実はどこかに存在するかも知れぬな」

姫「……ん? なんだそなた、竜宮城へ行ってみたいのか。まさか、乙姫とやらが気になるのではあるまいな?」

姫「ふふん。もしそなたが乙姫に心奪われたなら、私は彼女の代わりにそなたへ玉手箱を贈ってやろう。もちろん、中身が大入りのな」

姫「もしそなたが私と深海を旅する時があれば、竜宮城が見つからぬ事を祈るがよい。乙姫も深海の光景と同じように、たいそう美しいであろうからな?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/04(土) 01:59:45.19 ID:QHjgDsDO<>おつー

エイのあそこって人間のアレとそっくりらしいな……ゴクリ

雰囲気が好きだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/04(土) 18:19:22.71 ID:9cI70oAO<>オレが魚人族(ワンピースの)だったら
プロポーズを申し込むんだがorz

わたしは 水陸両用に なりたい…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/05(日) 14:52:21.62 ID:7OsLjMAO<>さてさて
続きはまだですか?(中尾隆聖ボイス)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage saga<>2010/09/05(日) 19:27:21.95 ID:Qucue4.0<>さてさてぇ>>1は、まぁだァかァァッ!(CV:若本)
(>>35 これ楽しいな(笑)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/05(日) 21:21:16.25 ID:bse3xsAO<>
姫「なになに、今年は史上稀に見る猛暑で……」

姫「このままでは草木が枯れ、獣たちは死に、大陸はことごとく砂漠化し、大海は干上がり、この星は爆発するだと?」

姫「こら、話に人魚のような大きな尾ひれを付けるな、ばかもの。あまりにも暑いので、そのような馬鹿な法螺話でも信じてしまうではないか」

姫「……む。まさか、そなたがいつも私に言っている台詞にも尾ひれが付いているのではあるまいな? 私はその言葉を聞いて、毎日胸を高鳴らせているというのに」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/05(日) 21:32:18.66 ID:bse3xsAO<>
姫「……ちりん、ちりんと涼しげな音がする」

姫「風鈴とは、見た目も音も涼しげだな。海の中には風が無いから、このような風流な物も無かった」

姫「……そして、私の水槽の傍らでくつろぐそなたの姿もな」

姫「あまりにも安らかな気分で、思わず目を瞑りたくなる。海に昼寝の習慣が有ったか無かったかは、今は眠くて思い出す事が出来ぬな……」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/05(日) 21:44:20.13 ID:bLxJMfEo<>ktkr<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/05(日) 21:44:27.64 ID:bse3xsAO<>
姫「そなたは私を泣かせぬのだな。人魚の涙は真珠へと変わる。そなたは金の成る木の苗を手にしているようなものだというのに」

姫「人間には、同族に苦痛を与え、涙を搾り取る技術をいくつも編み出して来た歴史があるのに、何故そなたは私にそれを使わぬ?」

姫「……私の泣く姿が想像出来ぬからか。ふふん、そうだな、良い答えだ。そなたが私を暴力で泣かせようとしたなら、私は逆にそなたを返り討ちにして泣かせるだろうからな」

姫「しかし、いつか私も泣くかも知れぬぞ。例えば、そなたが自らの苦しみや悲しみをひた隠しにして、私に半分背負わせてくれなかった時などにはな?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/05(日) 21:53:33.58 ID:KBC.sIDO<>こんな人魚姫と同棲したいけど俺じゃ無理だ・・・臭いし汚いし・・・ハァ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/05(日) 21:54:06.21 ID:bse3xsAO<>
姫「そなたに問題だ。昨日の私と今日の私、違うところは果たしてどこであろう?」

姫「おや、分からぬか。ふふん、断言するがそなたの目は節穴か硝子玉だぞ。問題をやめて、直ちに眼医者へ行った方が良いのではないか?」

姫「こら、行く川の流れは絶えずして、などと言ってごまかすな。それでは問題の答えは『全て』でもある意味合っているではないか。答えはたったひとつだぞ。体の一部分だ」

姫「……いや、しかし、もしかすると『全て』というのは案外間違っていないのかも知れぬ。今日の私は、たったひとつの変化だけで昨日の私とは殆ど違うものになってしまったからな……」

姫「そうだ。昨日のそなたからの贈り物、たったひとつの髪留めのせいでな」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/05(日) 22:50:40.87 ID:7OsLjMAO<>>>41
ちゃんと毎日 歯をみがいて、風呂に入ってれば大丈夫だって!
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/05(日) 23:14:54.30 ID:KBC.sIDO<>>>43
磨いてるし入ってるよバカ
部屋の事だ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/05(日) 23:51:16.61 ID:7OsLjMAO<>>>44
部屋のこと…
マジですいせんでしたorz
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/06(月) 10:58:52.10 ID:hjUZuZ.o<>ワロタ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/06(月) 16:12:45.19 ID:WHEUbsAO<>口からご飯粒がww
どこかに飛んでいったんだがwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/07(火) 08:51:00.98 ID:EYxoI6AO<>さてさて…
作者は生きているのかね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/07(火) 12:02:28.63 ID:KwvXncoo<>いいなこれ。
結構前の吸血鬼のスレを彷彿とさせる。
吸血鬼もこんな雰囲気だった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/07(火) 15:02:28.60 ID:8t40uQDO<>確かドラゴンもあったな

全部同じ作者かな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/08(水) 02:35:51.81 ID:4vWUC.AO<>
姫「もしも『シンデレラ』の魔女が私に二本の足を生やしてくれたなら、私も灰被り姫のように硝子の靴を履いて、そなたとともに踊るであろう」

姫「たとえ私の声が枯れ、足に短剣で刺されるような痛みが走り、12時にはその足すら失い、ただ激痛という魔法の残滓だけが永遠に身を苛むとしてもな」

姫「私が硝子の靴を片方残して去っても、流石にそなたは海の中を探せまい。海はあまりに広く、それに私はそなたの姿を見ればすぐに身を隠すであろうから」

姫「それでもそなたは私を見つけたなら、やはり硝子の靴の片方を差し出してくれるのか?」

姫「……ふふん、ばかもの。靴を差し出して、その後の台詞はどうするつもりだ王子様。魔法の解けた私の尾ひれを目の前にして」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/08(水) 02:53:33.80 ID:4vWUC.AO<>
姫「ほう、魚の形をした菓子とは珍しい。なかなか美味そうだな、ひとつ貰うぞ」

姫「……むぐ、あふい。こら、ひたが、……舌が火傷したではないか。たい焼きとは危険な菓子だな。こんなに熱いのでは、海へ放したところで鮫も食べまい」

姫「…………おや、口の中が甘くなってきおった。冷ませば、うん、少し冷ませば美味い。冷ませばな」

姫「ふー、ふー。よし、私もたい焼きの美味さが分かったぞ。だが、熱かった。そなた、私の舌を火傷させた罰としてそのたい焼きも半分寄越せ。治療代だと思ってな」

姫「それとも……、ふふん、そなたが舐めて治してくれるのか、私の舌の甘い火傷を?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/08(水) 03:02:48.81 ID:4vWUC.AO<>
姫「そなた、なんだか疲れておるようだな。今日はもう休むがよい」

姫「こら、どうして無理をしようとする? 私との話や遊びの相手はもうよいというのに」

姫「……のう、もし私に足があれば、せめてそなたの家事仕事くらいは手伝ってやれるのであろうな。すまぬ」

姫「……なっ、そんなの期待しておらぬだと? こら、ばかもの。強がるな。人魚であっても姫であっても家事くらい出来る。床の上に立つ足さえあればな」

姫「それにな、足があればそなたに膝枕とやらが出来るであろう? そなたが疲れた時にいつでも貸してやれる、温かく、柔らかく、おそらくは足の痺れすら愛しい枕が」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/08(水) 03:05:08.57 ID:wx7wfoAO<>ふと 目を覚ましたら…
投下が始まってた!

>>1 に超乙を!
目を覚ました自分にも乙!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/08(水) 03:16:27.92 ID:4vWUC.AO<>
姫「そういえば、人魚の事は海の向こうではマーメイドと言うそうだな」

姫「……というわけで、今日だけ私がそなたの為にメイドになってやろう」

姫「何故メイドを知っているか、だと? そこのテレビで観たからだ。主に、オムライスとかいう料理へケチャップで文字や絵を描く仕事であろう?」

姫「それに、その他の仕事もいささか心得ておるつもりだ。とりあえず、そなたには今日の食事時にオムライスを作って貰おうか」

姫「そなたよ、心配するな。調味料で絵など描いた事はないが、私には絵心があるし、何より他人に尽くす性格であるからな。多分」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/09/08(水) 03:25:43.89 ID:4vWUC.AO<>
姫「…………」

姫「……ふぅむ」

姫「人魚の姫は口を利けぬというのが物語の定石であり、無闇に口を開かぬというのがこの島国の娘の美徳という事だが、定石も美徳も私にとっては少し窮屈なようだ」

姫「よし。そなたも私を見て心配そうな顔をしておったし、黙っているのはやめにするか」

姫「……さてと、喋るのを我慢した後はむしろ何かを叫びたくなる。果たして、何を叫ぶのが良いのであろう?」

姫「とりあえず、そなたへの愛の言葉でも叫ぶとしようか。もちろん、ありったけの大声で近所から苦情が来る程にな?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/08(水) 03:33:18.51 ID:4vWUC.AO<>ドラゴンは記憶にないなあ
鬼娘と吸血鬼は書いた事あるよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/08(水) 03:43:52.23 ID:wx7wfoAO<>>>57
やっぱり勘違いだったかorz
「卵からドラゴン生まれてきた・・・」
ってタイトルのSSがあるんですよ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/08(水) 04:29:56.08 ID:4vWUC.AO<>
姫「そなたが貴金属のカタログを私に見せるとは、珍しい事もあるものだ。どれ、そなたの財布を見せてみよ。それ相応に太っているかどうか確かめてやろう」

姫「……こら、ばかもの。無理しおって。身の丈に合わぬ贈り物をしようとするのはやめるがよい」

姫「私は多くを望まぬ。そなたが私へこれほど高価な物を贈るのは、いつか、そなたの懐がこの水槽のように潤った時でよい。……まあ、せいぜい生涯に一度かゼロといったところだろうな、ふふん」

姫「どのみち、石や金属の贈り物は生涯に一度かゼロでちょうどよい。あまり多いと私は沈んでしまうであろ? 私への、そなたの好意が重すぎてな」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/08(水) 05:09:50.03 ID:i05a9Lco<>頑張れー
支援<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/08(水) 07:26:23.30 ID:wx7wfoAO<>ホントに作者の文才とセンスは
目を見張るものがあるな…スゴい。

でも逆に、自分の語彙量(ボキャブラリ)の少なさに落ち込むんだが…orz(もうちょっと巧い褒め言葉が思いつかないorz)
とにかく >>1超乙かれさま。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/08(水) 07:30:02.96 ID:5p5eI6.o<>旧作も読みたいから探してみよう
つまり面白いって言いたい訳で、<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/08(水) 20:31:38.46 ID:49.sbADO<>>>57
前にこのSSと同じように主役(ドラゴン)のみが一人で語るSSがあったんだけどな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/08(水) 21:20:41.51 ID:pjAYgCYo<>それちがう人だろ
特定厨死滅しろ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/09(木) 02:40:18.59 ID:ndyll.AO<>さてさて…
作者はまだなのかね?まだかな…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/09(木) 18:54:47.02 ID:ad4mHQDO<>>>64
チューチュー五月蝿いな

あぼんでもしとけ

>>65
質の高さを維持するのは難しいんだろうか・・・

ネタも尽きないで凄いよ>>1<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/11(土) 08:54:34.57 ID:JfBjloAO<>
姫「鮪や鰹も哀れなものだ。死体になってから種類やら格やらによって値を付けられ、その身をバラバラにされて、陸の人々に買われていくとは」

姫「そなたも、私を寿司屋へでも売ってみるか? 珍しい魚であるから、きっと良い値が付くであろう」

姫「しかし、私の肉には毒がある。不老不死という名の猛毒が」

姫「私の肉の寿司を食べた者は永遠に生き続けるであろう。たとえ世界が滅んでも、寿を司るという料理の名とは裏腹に」

姫「……だが、そなたには時々、私の肉を少しだけ食べて欲しいと思う事もあるのだ。何故なら、人魚の寿命もまた永遠なのだから」

姫「人は必ず死ぬ。そなたも必ず死ぬ。数十年の歳月の後、私独りを置き去りにして」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/11(土) 09:06:57.97 ID:JfBjloAO<>
姫「そなたもたまにはこの水槽に入らぬか? 少なくとも、そんなにだらだらと汗をかく、水槽の外の世界よりは快適だと思うが?」

姫「ほら、そっちで早く水着に着替えよ。早く早く」

姫「……深すぎてくつろげない、だと? そういえばそうだな。いつも狭い狭いとそなたを苛めておったが、これはそなたが全財産はたいた上に値切りに値切って買った、私の為の特注の水槽であった。
 私には浅すぎるくらいだが、人間には少しばかり深すぎて、とてもくつろぐ事など出来はするまい」

姫「……よし、そなたがこの水槽の中にいる間、私がそなたを赤ん坊のように抱っこしてやろう。ふふん、遠慮するな。私とそなたの仲ではないか」

姫「ほら、なかなか気持ちが良いであろう? いつもは私だけの小さく静かな海だが、今日は鼓動がもう一つ聞こえる。私のものとよく似た、少しだけ速い旋律が」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2010/09/11(土) 09:17:41.07 ID:JfBjloAO<>
姫「改めて見れば、月というものはなかなかに美しい。思わず手中にしたくなる程にな」

姫「よし、そなたあの月を取ってまいれ。あの金色に輝く月を、私たち二人のものにしようではないか」

姫「手が届かぬ? ならば屋根の上に昇るがよい。長い竹竿も必要であろうな。……ふふん、そなたは本当にからかい甲斐のある奴だな。冗談に決まっておろう、ばかものめ」

姫「さて、本物の月も取れなかった事であるし、今宵手にするのは水槽の水面に映る月だけで我慢するとしようか」

姫「しかし、そなたが本当に屋根へ登らなくて良かったぞ。そなたなら確実に足を滑らせ、怪我を負い、病院行きであったろう」

姫「本当に良かった。すべからく、月見団子は一人より、二人で食べた方が美味いに決まっておるからな?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/11(土) 11:57:55.87 ID:CIxeWVIo<>この人魚どこで会えますか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/11(土) 12:56:50.36 ID:DMW3GMDO<>隠岐の島から200海里進んで水深700mくらい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/12(日) 17:06:49.87 ID:d026PUAO<>具体的すぎて 実際にいそうで困るwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/15(水) 22:45:02.71 ID:66cGBkAO<>さてさて…
作者は生きているのかね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/20(月) 23:46:00.03 ID:yANXKADO<>海の季節が・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/09/27(月) 05:55:24.17 ID:Z0wd.kAO<>
姫「雨風の音がざあざあごうごう、おまけに雷鳴まで響きおる。今、陸には野分が来ているようだな」

姫「もしも今の私の居場所が海ならば、私は底の底まで深く潜るだろう。豪雨も、大風も、いかづちも、波の荒れすら届かない静かな場所へ」

姫「それなのに、この水槽は浅すぎる。これでは、私はどうやってこの激しい野分の音から逃れればよいのだ?」

姫「……だから、せめて野分が去るまで、そなたはその手で私の耳に蓋をするがよい。私はそなたの手に、この自らの手を添えるとしよう」

姫「私の心臓の高鳴りが強く聴こえるのは、そなたが野分から私の耳を守ってくれているからか。……ふふ、まさか、雨、風、雷に続く新しい野分の音ではあるまい?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/27(月) 08:18:40.75 ID:1SH55s.o<>投下うれしす
支援支援<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/27(月) 17:51:08.19 ID:uvPB/eYo<>夏以外の人魚というのもオツですな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/09/28(火) 04:18:50.94 ID:CLzyKYAO<>ですな (-.-)y<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/10/03(日) 02:36:22.81 ID:rlMKPKwo<>ワクワクが止まらない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/05(火) 04:29:01.84 ID:ZCFtpQDO<>俺「おや? 製作板に何か見慣れぬものが漂っておる」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/10/05(火) 05:42:36.60 ID:rJsFCQSO<>こんなSSはやっぱ良い

>>1だからだろうけど<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/10/05(火) 19:01:59.89 ID:7L.IPZQ0<>これは凄く良い、まったりと続けていって欲しいものだねぇ
っと支援<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/10/24(日) 03:55:30.02 ID:fcCMDwco<>待ってます<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/10/27(水) 09:23:41.06 ID:x/lPg1Io<>前の作品についてkwsk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2010/10/31(日) 22:46:01.15 ID:0JAjQYAO<>
人魚姫「そなた、私に菓子を寄越せ。もし菓子をくれぬのならば、私はそなたに悪戯するぞ?」

人魚姫「ふふ。陸の上にはなかなか我々に都合の良い風習があるのだな。私のように人ならざる者達が、そなたのような人間達に菓子をねだって良い日があったとは」

人魚姫「……なに、菓子の手持ちが無い? ふふん、ならばそなたは私に悪戯されるしかあるまい。それとも、そなたは菓子よりも甘い物で私の口を満たしてくれるつもりなのか?」

人魚姫「それならば、早く歯を磨いて来るがよい。唇が乾いているのならばクリームを塗れ。そして、……覚悟せよ」

人魚姫「もしもそなたの唇の甘さが足りなかったなら、私は思案中の幾つもの悪戯で、そなたを筆舌に尽くしがたい程酷い目に合わせてやるつもりなのだからな?」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/10/31(日) 23:12:09.73 ID:0tnoiPQo<>むしろいたずらされたい派
乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/11/04(木) 09:54:44.04 ID:XxD7cWc0<>久しぶりにキテターッ!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/11/07(日) 00:31:15.23 ID:QWFG/EAO<>オワッテタ――――っ!!!…orz
続きはまだなのかorz<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/11/10(水) 16:51:34.79 ID:UC3FiwAO<>昔 女幽霊のを書いたりしてた?<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/11/24(水) 22:34:39.08 ID:1F78lsAO<>>>1マダー?<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/07(火) 17:20:15.02 ID:z2.D4Dko<>ワクワク<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 03:13:24.90 ID:5n.auX.o<>追いついた これは期待<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga sage<>2010/12/24(金) 03:17:10.25 ID:jKXhAIAO<>
人魚姫「テレビからはよく化粧品とやらの宣伝が流れて来るが、陸の女はああして顔に色々塗るのが普通なのか?」

人魚姫「ならば、私も真似して化粧をしてみるか。一対きりのそなたの視線を、他の娘達から奪い取る為にな」

人魚姫「……まあ、いくら塗り込めたところで、私自身が水槽の中にいる限り、せっかくの化粧品は水に流れて溶けていってしまうのだろうが」

人魚姫「しかしそなた、その時は必ず言うのだぞ? 『素顔も捨てたものではない』とな?」
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga sage<>2010/12/24(金) 03:20:57.52 ID:jKXhAIAO<>
人魚姫「フカのヒレを、そなたら人間は高級食材として有り難がるらしいな」

人魚姫「それならば、この私のヒレはどうだ。そなたから見て、テレビで見たフカヒレよりも旨そうに見えるか?」

人魚姫「……ふふん、冗談だ。仮にそなたが私のヒレを見て大量の涎を垂らしたとしても、そう簡単には食べさせてやらぬぞ」

人魚姫「……おや、そういえば、人間達は魚の卵もイクラやキャビア、カズノコなどと呼んで珍重するそうだな?」

人魚姫「人魚にも魚と同じく卵があって、そこから子供が生まれるのかどうか、そなたもそのうち知る機会が出来るかも知れぬぞ。勿論、食べ物としてではなく」

人魚姫「……ま、もう少し親密な間柄になってからだがな?」
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga sage<>2010/12/24(金) 03:23:19.67 ID:jKXhAIAO<>
人魚姫「体色を周りに合わせて変化させる魚がいるが、もしも私がそんな能力を持っていたなら、そなたにどんな悪戯をしてやろうか?」

人魚姫「水槽の底に隠れて、外へ逃げ出したふりをしてやろうか。そして隙を見て水槽から上がり、慌てふためいているそなたの後ろから、保護色のまま抱き付くのだ」

人魚姫「……いや、考えてみると不気味かも知れぬな。砂利や水草の色をした女というのは」

人魚姫「そなたも食指が動かぬであろう? いつもの、水槽に雅な尾をたなびかせている私でなければ」
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga sage<>2010/12/24(金) 03:25:43.60 ID:jKXhAIAO<>
人魚姫「最近、そなたは妙に怒りっぽいな」

人魚姫「いいや、確かに怒りっぽい。きっと、カルシウムとやらが足りぬのだろう」

人魚姫「どうだ、小魚にはカルシウムが豊富に含まれていると聞く。私は、小魚でこそ無いが……」

人魚姫「そなた、人魚の唇に、ほんのちょっぴりだけカルシウムを求めてみぬか?」
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga sage<>2010/12/24(金) 03:31:10.17 ID:jKXhAIAO<>
人魚姫「猫は魚が好物だ。人魚の私とて例外ではあるまいが、その辺を跳梁跋扈している野良猫などには決して歯は立たせぬ」

人魚姫「ま、頭からか尻尾からかは分からぬが、この私にかぶりつけるのは、巨大な虎くらいのものだろうな」

人魚姫「……ふふ、しかし、虎以外で私にかぶりつきそうなのがそなただ。そこの、そなたがいつも寝ているふかふかのまな板に私を押し倒して、ゆっくりと」

人魚姫「そなたよ、もし私にかじりつくのならば、ムードが無いのは嫌だぞ。それと、なるべく優しくな?」

<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/24(金) 03:38:40.60 ID:jKXhAIAO<>
人魚姫「クリスマス、か。ふふん、もし世界中にプレゼントを配って回るサンタクロースが存在したとして、本来は水中に生きる私にまで気を回すとは思わぬが……」

人魚姫「窓から見える、あのイルミネーションが少し羨ましい。この部屋や私の水槽の中も、あのように美しく飾れぬものだろうか?」

人魚姫「……ま、そなたにそれが無理なのは分かっているがな。私の本命は別だぞ、白髭の無い私のサンタクロースよ」

人魚姫「期待しても良いのだろう? 赤と白と黄、苺と生クリームとスポンジの、美しく、甘い調和を味わう事を」
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/24(金) 03:43:21.73 ID:pVwRSLIP<>久々だな待ってたぞ<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/24(金) 03:49:00.72 ID:NibhYgAO<>↑に同じく!舞ってたぞ

そして 人魚姉さんを探してくるわ ザブン<> めりーくるしみます<><>2010/12/24(クリスマス) 04:36:08.83 ID:Boviy8Mo<>久しぶりにキテマシタワーー!!<> Are you enjoying the time of eve?<>sage<>2010/12/24(クリスマスイブ) 09:16:57.45 ID:SyRZxc2o<>乙<> Are you enjoying the time of eve?<>sage<>2010/12/24(クリスマスイブ) 11:24:04.07 ID:tTRuwvco<>キテター‼<> あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!<>sage<>2011/01/01(正月) 19:53:50.53 ID:k73c61wo<>あけおめ‼<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2011/01/05(水) 04:09:44.94 ID:eTWbugAO<>
姫「荒巻人魚、か。ふふん、なかなかどうして、冗談にしても面白い思いつきだ。そうだな、それをそなたの今年のお歳暮にするが良い」

姫「しかし、そなたが塩まみれの私を誰へ贈ったとしても、送られた先で私は目一杯の我が侭を尽くして暴れてやろう。
 受取人を呆れる程困らせてやって、私が再び、そなたのこの水槽の中へ返送されるように」

姫「……そう、例えお歳暮の宛て先が、あの懐かしい海の中でもな」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga sage<>2011/01/05(水) 04:20:22.47 ID:eTWbugAO<>
姫「ところで、紅白歌合戦に人魚が一人も出ないのは一体どういうわけなのだ。
 もし出演したなら、紅組が容易く勝利をかっさらってしまうからか?」

姫「それとも、人間の格好に負けぬよう、豪華な水槽を用意せねばならぬからかな?
 無論、私のこれとは比べ物にならぬような、な」

姫「……そうだ、私も今からそなたと歌の合戦をしてみたい。迷惑であろうから、隣近所に響かぬよう、声を抑えて」

姫「ま、歌での勝ち負けなら私に軍配が上がるに決まっているが、気を落とすな。
 私の気紛れ次第で、来年は勝たせてやるかもしれんぞ?」
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/05(水) 08:20:51.24 ID:dcLeHsDO<>ktkr<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/05(水) 19:22:43.65 ID:8y63eKco<>乙乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/05(水) 21:06:51.17 ID:XC4ILP6o<>ヨッシャー*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
乙乙した。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/13(木) 23:50:42.44 ID:x0aIEkEbo<>乙いあ
何て艶っぽい文章なんだ…
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/13(木) 23:51:23.07 ID:x0aIEkEbo<>何か変な文章が…?
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/14(金) 02:12:31.66 ID:4G8VVnQio<>SSの板を分けよう云々の騒動になってる
ここで申請して移転しろってことらしい

■ 【必読】 SS・ノベル・やる夫板は移転しました 【案内処】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1294924033/
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/18(火) 20:38:04.71 ID:HquUSAFAO<>>>1 のかわり移転の申請していいかい?
でも、>>1 の許可を得ずに勝手に申請するのはやっぱりマズイよな…

本人がしてくれるのが1番望ましいが…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/19(水) 01:34:44.21 ID:LamhwiBTo<>もどかしいな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/19(水) 07:51:17.15 ID:3vqQ2kRAO<>初めて来たけど、いいねぇ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/25(火) 03:05:08.51 ID:CiBO8OsDo<>移動どうする?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 02:35:12.71 ID:v/20T1t0o<>取り合えず>>1を待とうぜ<> lain. ★<>sage<>2011/02/19(土) 22:35:44.97 ID:???<> SS・やる夫系スレッドは、SS速報VIP【http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/】へ移転することになりました。
それに伴いこちらのスレッドをHTML化させて頂きます。
スレッドを立て直す際はSS速報VIPへお願いします。 <>