おっぱい大好きさん ◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:03:29.05 ID:wY4.s4k0<>・既に書き上がっています。凡そ100byte
・とにかく原作に近づけたい一心で書きました。
・上記のため、地の文が非常に多い作品となっております。ご了承を。
・冒頭は御坂美琴視点ですが他のキャラも多数出ます。『こういう企画』なので最初は御坂美琴が一番動かしやすいかな、と思った次第です。
・スレタイからも分かる通り、上条当麻が誰かを選ぶエンディングです。こちらもご了承を。
・荒らし、アンチは無視してください。特にヒロイン系統などのそれは、即NGユーザーへ。最近は対立派を蹴落とすためにあえて対立派に成り済まし風紀を乱す質の悪い輩もいます。
・リクエスト・バレ質問などは一切受け付けませんが、文体や台詞の違和感・間違い(例:インデックスが上条当麻の事を『当麻』と呼ぶ。正しくは『とうま』。御坂美琴が『〜だよ』と言う。正しくは『〜わよ』。等々)に気付いたらどんどん、そして即座に仰ってください。出来る限り対応します。
・誤字は大きな間違いでなければスルーしてください。
 (例)セーフライン:○イギリス清教×イギリス聖教。アウトライン:○ステイル=マグヌス×ステイル=アイマス。
・基本的に週に一回の投下ペースです。<>上条「ああ、お前は俺が幸せにしてやる」 おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:06:15.39 ID:wY4.s4k0<> ガヤガヤパシャパシャと騒々しい音が飛び交う、学園都市から特別に用意された『会場』。
 そこはかつて、世界中に中継している中、大覇星祭で御坂美琴が上条当麻に押し倒された場所だった。
 あの時から考えると、本当に『遠い所』まで来たなぁと、地面から二メートル程の段差がある『巨大ステージ』の特別席に座る美琴はしみじみ思う。
 白いテーブルクロスをのけて足元を見る。そこにはいつものローファーではなく、ちょっぴりオシャレなブーツを履いてる自分の足。服は常盤台の制服―――ではなく。紺のオックスシャツワンピースに、ロシブというブランドメーカーの黒ズボン。娘の晴れ舞台、という事で母・御坂美鈴が特注した物だ。
 そしてステージの下を見れば、きれいなグリーンシートで覆われている会場の地面。大勢の人。大量の料理を置くために、一〇〇〇は配置されているであろう、円卓型のテーブル。
 これはまるで、規模を超拡大した、
(け、けけけけけ結婚式じゃないの……っ!)
 と、隣に座る上条を見て、一人頬を染める。


 今回は、能力の測定を行う訳でもまして命がけの運動会をする訳でもない。
 地面が整備されているのは『これだけの人数が一斉に土を蹴ったら全員土埃塗れになってしまうだろう』と案じた学園都市からの囁かな配慮だ。実際会場の地面が土だったのなら、この宴は台なしとなるに違いない。


 ―――そう、これは『宴』なのだ。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:07:25.25 ID:wY4.s4k0<>

「ほ、ほら。どしっと座ってなさいって。主役なのにだらしない。皆見てるわよ」
 御坂美琴は、スーツ姿の上条当麻に耳打ちした。
 上条は服の尺が微妙に合っていないようでネクタイの結び目を弄りながら、
「『主役』だぁ? 嫌味でも言ってんのかお前。実質的に考えて、俺はあんま関係ねーと思うぞ」
「どんな形であろうと『一位』は『一位』じゃない。それにアンタは『去年』もいい所まで『上がってた』でしょ?」
「……うーん」
 多分去年も今年と同じで……と上条はブサクサ呟き、オレンジジュースを一気に飲み込んだ。
 と、美琴はハンカチで口を拭き時計を見て、
「そろそろ挨拶してもいいかしらね?」
「ん。もう二一時か。時間はこっちに任せるって言ってたしいいんじゃねーの?」
「そうね」
 じゃあ代表者だからと美琴は、テーブルにセットされているマイクを右手で取って席を立つ。
 その刹那だった。


 シーンと、
 会場全体が一気に静寂に包まれた。


 ガチャガチャと食器を小突く音も。
 カメラの起動音やフラッシュも。
 ひそひそと『ああ、御坂様……』『スーツ姿の上条君……』と感嘆する小さな声も。
 そのどれもが今は御法度。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:08:05.27 ID:wY4.s4k0<> いきなりの厳粛な空気に美琴は『お、おう……?』と声にならぬ声を漏らした。
 行ったれ行ったれとまるで他人事のように笑う上条の耳たぶを抓って心を落ち着かせる。
 肝を据え、
『あー、えーと。こ、この度は私達のためにこのような盛大な式を上げていただき真に有難うございます』
 一息置くためごくりと生唾を飲みこむ。
 スピーカーの音量が思いのほか大きく、会場全体に響く己の声に若干ビビりながら、
『このような偉大な成果を挙げられたのは、一重に皆様の御尽力による賜物だと思っております。このツンツ―――じゃなくて上条当麻共々、感無量です』
 うわ堅苦しッと隣から聞こえるが気にしない気にしない。
『短くはありますが私からは以上です。それでは最後にこの式の代表者として、正式に開催を宣言いたします。ご着席の方もお手元のコップを持って御起立をお願いいたします』
 ガタガタカチャカチャと立ち上がったりコップを取ったりする音で会場が満たされた。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:08:57.68 ID:wY4.s4k0<> 美琴はマイクで片手が塞がっているので代わりに上条が、上条自身と美琴の分のグラスを持って立ち上がる。
『皆様コップをお持ちになりましたようなので……』
 それでは、と。
 御坂美琴はすぅうううぅぅ……と息を吸って、


『とある魔術の禁書目録、「このライトノベルがすごい! 二〇一一」全部門一位達成おめでとうパーティ、かんぱーい!』


 かんぱーい! かんぱーい! おめでとう! 流石お姉様ですの! 御坂様ー! 上条君ー! カミやんちくしょー! うらやましいにゃー! と再び会場が雑音で騒がしくなった。


 ――――『このライトノベルがすごい!』。


 それは年に一度、ライトノベルの凄さ・面白さを投票によって競うランキングの事だ。
 数あるライトノベルの中から自分に合った作品を見つけるのは困難。そこで作品宣伝の意味も込めて二〇〇五年から出版されたのが同書、という訳である。
 作品・絵師部門についてもっと詳しく知りたい人は今すぐ本屋さんへダッシュダッシュ。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:10:15.87 ID:wY4.s4k0<> パチパチパチ! と街全体に響いてそうな大きな拍手喝采。
 それが落ち着いた頃、美琴と上条は席に座って、
「いやー流石御坂。女性部門・初の二年連続一位達成、改めておめでとう。やっぱお前はすげーよ」
「え、え? い、いいいいいいや。あ、アンタだって一位じゃないの。というか総合ではアンタの方が票数多いのよ?」
「いやいや。野郎ランキングは競争するキャラクター自体が少ねーからレートが低くて票が集中しやすいんだよ。逆に女の方は人数が多いから競争率がハンパなかったみてーだぞ。そんな中お前は、二位と五倍近く票数離して御坂たん萌えーな訳よ」
「御坂たんて言うな。つか五倍って……。自分で言うのもあれだけどほとんどチートキャラじゃないの、私。それだけアニメ超電磁砲が成功したって事なんでしょーけど……これはあくまで『ライトノベル』の面白さを競う戦いなのに。メディアの広さで勝利した感じというか何というか……」
「まぁまぁ。お前は超電磁砲始まる前からトップテンには入ってたじゃねーの。それに超電磁砲だって元々、お前が人気だったから始まったもんだ。OVAの方も圧倒的な売上数みてーだしよ。おまけにレールガンのBD・DVDまで快調らしいじゃねーか。確か平均で禁書一期の三ば―――」
「それ以上言うと消されるわよアンタ」
 わーってるって、と苦笑いする上条。
「まぁ兎にも角にも、最初からお前には魅力があったって事だ。なるべくしての二冠だったんだよ。お前こそどしっと構えてろって」
 ぶっ!? と美琴は飲みかけたオレンジジュースを盛大に吹いた。
 彼女は慌ててハンカチで口を拭いた後、
「な、ななななななななナニ口走ってんのよアンタ!?」
「いや。別に周知の事実だろ。何を今更という感じなんですが?」
 と、その時だ。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:11:09.14 ID:wY4.s4k0<>「おうおうおう、早速いちゃいちゃかにゃー? くー羨ましい限りだぜい」
「カミやんが女の子を褒めるだなんて、珍しい所見てもーたわ」
 右が青髪ピヤス、左が土御門元春。
 共に上条のクラスメイトだ。
 うわ……と上条は『これ絶対茶化されるわー』とウンザリ思いつつも起立し彼らに近づいて、
「……お前らかよ。共に圏が――――」
 い、と告げようとした瞬間に。
 上条のこめかみは、土御門と青髪ピヤスに右と左の両サイドから正拳突きを受けて万力っぽく押しつぶされた。
 グシャア!! という壮絶な音が響く。
 見た目ぎゃああああ! 内心ぬぎゃわああああああああ!! の上条は半端じゃない痛みに堪えつつ、
「ばっ、にゃにすんれすかーっ!?」
 くわんくわん、と頭を振りながら質問を放つが、それに対して土御門はサングラスの奥にある瞳をギラリと輝かせてこう言う。
「……にゃー。テメェ、総合で一位になっただけにあきたらず第二位にこんな可愛い娘を置くとはいい根性してるじゃねーカヨ。しかも超高学歴の、常盤台のお嬢様・超電磁砲」
「この娘夏休みの最後にカミやんにタックルしてきた娘やん。あれ学園都市第三位の御坂美琴だったんかい! ……ああそうや、お前はいつもそうや。ボクらが暇を持て余してる間にカミやんはバンバンフラグ立てていきおる! しかも本人は無自覚という質の悪さ!!」
 相変わらず訳の分からない事ばかり言う連中だが、悪気はない。
 今日は宴なのだ。
 多少浮かれたくなったり、ストレスを何処かにぶつけたくもなるだろう。
 その的がなんで俺なんだと思うと、やっぱり悪気がある連中に思えてくるからあら不思議。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:12:05.59 ID:wY4.s4k0<> まぁとりあえず。
 二人の『超電磁砲』『第三位』『御坂美琴』発言は、今日に限ってNGワードだったりする。
 美琴が不機嫌なるからだ。
 どうやら彼女はこういうシュチュエーションで目立つのがあまり好きではないらしい。
 流石にいきなり電撃で攻撃するのは俺にだけか、と泣ける事実に耐えながらもホッとした上条は苦笑いして、
「たまたま同じ年に同時一位になっただけだろ。俺は来年には消えると思うし、御坂は俺の事嫌いみたいだしさ、そこをあんま啄かないでくれよ。周りの連中から『夫婦で一位おめでとう』とか意味の分かんねー事叫ばれるたびに気ぃ遣わないとなんねーからこっちだって大変なんだ。俺の右手がなけりゃ今頃発電機関全滅してパーティどころじゃ―――って御坂、なぜそこで渋い顔すんだよ?」
 一万円札に印刷されている福沢諭吉レベルに渋い表情をしている美琴。
 彼女は少し黙り込んだ後、何かを切り替えたような表情で、
「ね、ねえ? 『夫婦で一位おめでとう!』なんて私聞いてないんだけど……。く、くく詳しく聞かせてよ、それ」
「ああ? お前さっきそれ野次馬に言われて『にゃにゃにゃんでコイツと私が!!』って怒りまくって電撃ぶっ放してじゃねーかよ。覚えてねーのか?」<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:13:08.90 ID:wY4.s4k0<>「あ、あれー? そうだったかしらー? ……わ、私覚えてないー。あ、あああアンタの口からもう一度聞きたいなぁ、なーんて……。……ダメ?」
 その時だった。


 パツン! と。
 上条のズボンの中から何かが切れた音が。


「うわ!? パンツのゴム切れた!? ケツの所まで下がってやがる!? ど、どうしよう。とりあえず代え買ってくるか……。悪りぃ御坂、ちょっくらコンビニで代え買ってくるから、しばらく野次馬の処理は任せた! 電撃は使うんじゃねーぞ!」
 ドタタタタタタタ! とすごい勢いで走っていく上条。
 ……えー今日くらいおいしい思いさせてよー、と半べそ寸前の美琴を見て、土御門と青髪ピヤスは、
「(なぁなぁ、今のメチャ不自然やん? いつもだったらゴムが切れるんは女の子の方やん。それでカミやんがむっふぁー! 不幸だー!! ってラッキーになるんが常やん? なんでー?)」
「(言われてみれば確かにそうだな。長い事カミやんのハーレム見てるけど一切餌食になってないのは御坂美琴だけだ。……禁書目録にねーちんに吹寄、姫神、アニェーゼ、オルソラ、妹達、運び人候補の白井黒子。あと小萌センセー、アンジェレネもか。どれも裸を見られるか下着を見られるパターンでことごとく上条体質の餌食に……。雲川は……まぁアレはちょっと別か。……五和はどうだっけ。あ、ブラ見られたりおっぱいダイブされたとかいう報告があったか)」
「(あああああ!? アイツそない女性の裸見とるんかい!! なんてうらやまゲフンゲフン、け、けしからん! 一発……一発ぶん殴らんと気が済まへんわ!!)」
「(……。逆を言うと、カミやんにとって御坂美琴以外のお色気は、本当に不幸という事か?)」<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:14:02.92 ID:wY4.s4k0<>「(あー? どういう意味やねん? それ)」
「(どうにもこうにも、アイツが『超電磁砲の裸を見たい』と思ってるから逆に超電磁砲は剥かれてねーんじゃね、って事だにゃー。ま、真偽は知らねーけど)」
「(まっさかー。あの鈍感王カミやんが誰かを好きになるとか、マジありえへんわー)」
「(……そうだにゃ。あるとしてもいつもアイツの隣にいる禁書目録辺りだ。……それよりもさっき滅茶苦茶ウマいローストビーフがあったんだけどそっちに行かないかにゃー? 多分あれ、舞夏が作ったやつだわ。味で分かる)」
 おー、おーきにと青髪ピヤスは答え、二人は外野の中に消えていった。
 このパーティには騒ぎたいだけで来ている者も大勢いる。
 結局、彼らもそのうちの一組というだけだった。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:15:01.85 ID:wY4.s4k0<>



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




「♪」
 軽快なリズムを取りながら会場を歩く、身長二メートル近い男がいた。
 イギリス清教の使者・ステイル=マグヌスである。
 彼は煙草を吸いながらタップを踏み、鼻歌を歌い、たまにリズムを取って体を揺らしながら歩いている。
 殺し屋だ。
 一仕事終えてタールとニコチンを口に含む危ない人だ。
 ヒソヒソ、と。
『超危険な臭いがします。滝壺、私の後ろへ。浜面は私の盾に』『何でだよ!? 俺も怖えよ!』『大丈夫だよ、はまづら。私はそんなはまづらが好きだから』『む、妬かせるわね』『むー、あの人と同じ危ない臭いがしたのに、ってミサカはミサカはあの人の現在地が分からなかったり』『こらーっ! 会場内は全面喫煙禁止ですーっ! あ、こら待つのです! うわああ!?』という非難の声。


 しかしそれが全く気にならない程、
 今日のステイルはとんでもなく気分が良かった。


「わー、このローストビーフすっごい良い匂いがするんだよ!」白い少女は小さな鼻をもう一度クンクンして、「あ、これ、まいかが作った物だ! いつも隣から流れてくる匂いと同じ。食べてもいいかないいかな!?」
「♪ ……とすまないインデックス。何か言ったかい?」<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:15:49.79 ID:wY4.s4k0<>「だから、これ食べていいのかな!? とうまはこういうのはお金を払えば食べられるって言ってたんだよ!」
 ぶはーとステイルは、煙草の副流煙をインデックスに吸わせないため、煙を頭上に吐き出し、
「それは売り物じゃないんだ。お金を払って食べるものじゃない」
「えッ!? じゃあ食べられないの!?」
 そ、そんなー! 目の前にあるのに! と銀髪少女は両手を口の前でわたわたと振り回した。
 ステイルはインデックスの頭を優しく撫で、
「逆。ただで食べていいんだ。ここにあるもの全てね。今日はめでたい事があったからそのパーティ。大覇星祭の時みたくお金を払う必要はないんだよ」


 ステイルの気分が良い理由。
 そう。
 インデックスだ。


 彼女が輝かしい功績を上げたのだ。
 ステイルはむふふふと、まるで取引相手の弱みを握ったような邪悪な(本人としてはこの上ない純粋な)笑みで、会場の入口でもらった『このライトノベルがすごい! 二〇一一』のパンフレットの、インデックスが乗っているページを開いて、
(『このライトノベルがすごい! 二〇一一』……その女性部門で第三位。あぁ、いつ見てもこの素晴らしき輝き……)
 残念ながらパーティはあくまで『全部門一位』という名目なので、第三位の彼女がスポットライトを浴びる事はない。
 それでも、三位は三位だ。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:16:34.78 ID:wY4.s4k0<> 総キャラクター数特定不能の圧倒的な人数中の、その第三位。
 ちらほら周りの者から『い、いいいいいインデックスさんだァ!! 綺麗な髪の毛!』『む、上条の隣によくいるシスター。確かに言われてみると可愛いな』『必然。圧倒的な可憐さ』と静かな視線を集める程。
 ステイルの気分は最高潮だった。
 目の前の、今まで散々な人生を送ってきた少女が、一人の魅力ある女性として認められている。
 そしてステイル個人として、大切で大切で大切なものが、皆に認められているという喜び。
 彼は思い切りの全力全開で、すぅううううううううううぅぅぅぅぅぅぅ……とニコチンを全身に摂取し、天にも昇るような表情で、


(最・高)


 ぶはァあああああああああと再び天に副流煙を吐き出した。
 しかしただ一つ気になる事がある。
 それはさっきまで『巨大ステージ』で、女性部門第一位の女と食っちゃべっていた上条当麻だ。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:17:37.89 ID:wY4.s4k0<> 有り体に言ってしまえば、ステイルはインデックス信者。
 よって彼女の幸せを拒むものがあれば、誰であろうと迷う事なく焼き[ピーーー]。
 逆に。
 彼女にとびっきりの笑顔を与えられるのは、
 ステイルではない。
(上条当麻ァァ……。インデックスというものがありながらミサカミコトとかいう女子中学生に鼻の下を伸ばしやがって……ッッ!! あれさえなけりゃ全部完璧だったのに……ッッッ!!)
 プゥェアッ!! という壮絶な音と共に、半分も吸ってない煙草を吐き捨てる。怖い。ちなみ上条は美琴に鼻の下なんぞ伸ばしていないが、彼にはそう見えて仕方なかった。
 ステイルは、食べていいとは分かったもののどう食べていいのか分からなくそわそわしているインデックスに、
「ほらインデックス。さっき入り口で貰った小皿と割り箸があるだろう?」<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:18:32.84 ID:wY4.s4k0<> 自分の小皿・割り箸セットを出して説明を加え始める。
 会場の入り口では、インデックスは『入賞者(スーパーゲスト)』として特別扱いされ、物凄く長い列に並ばずに済み、あまつさえ、一般客用の食セットとは違い、黄金で塗装された皿と箸(というより黄金の塊)を貰っていた。
 しかし。
 インデックスはピタリと動きを止め、
「あ、あれ? ……その、どこかに落としたみたいで無いんだよ……。も、もしかしてあれがないと食べられないの?」
 周りの者が小皿に料理を乗せ美味そうに食べている光景を見て、物欲しそうに右人差し指を口に加えた。
「え。あ、あれをなくしたのかい? あの黄金の皿と箸を?」
「うん……。重かったし、無意識の内に持つ事を放棄してたのかも……」
 しゅん、と縮こまる銀髪少女。


 インデックスの笑顔は、絶対に曇らせない。


 ずっと昔、ステイル=マグヌスが己に誓った戒めだ。
 彼はわざとらしくハァ……と溜息をつくと、
「ボクのを使うといいよ。……普通の小皿になるけどね。無いよりはマシだろう? ボクは食べてきてるから勝手に使うといい」
 やや強引に、インデックスに割り箸と小皿を渡した。
 パァーと。
 大切な少女は満面の笑みを見せて、
「あ、ありがとうすている! ありがとう! これでまいかの料理がいっぱい食べられる!」
「そ、それは良かったね」
 ステイル=マグヌス。
 彼の人生はインデックスの笑顔のためにある。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/11/26(金) 01:19:55.49 ID:uWK7cCwo<>>>1
100byteじゃ全角50文字……<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:21:16.70 ID:wY4.s4k0<>以上です。
また来週。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/26(金) 01:22:16.32 ID:wY4.s4k0<>>>16 失礼。100kbでした。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/11/26(金) 01:29:11.63 ID:ZztD7jQo<>期待!

絹旗は滝壺のことは、滝壺さんって呼んでるはず<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/11/26(金) 01:31:33.57 ID:dFz6PyUo<>面白いけど、とっても見づらい<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/11/26(金) 03:00:46.14 ID:5Z0/v2DO<>面白い<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/11/26(金) 07:28:34.76 ID:82ny6sAO<>「おっぱい大好きさん」って…ウーン
俺も大好きだけどな。超乙。C<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/11/26(金) 22:18:05.95 ID:5XmhzHEo<>面白いけど、もうちょっと行間空けて欲しいかな…

見にくい…
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/11/27(土) 03:55:59.16 ID:REgAdbU0<>期待してますよ<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/11/27(土) 05:02:09.13 ID:MnuAAgs0<>これ美琴ルートだよな?
若干インデックスルートのような気も・・・
どうしようかね<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage saga<>2010/11/28(日) 00:19:45.06 ID:9FiPTH.0<>期待!

ステイル=アイマスはやらねぇだろ<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/28(日) 04:27:24.52 ID:MmLacT20<>なんだか眠れぬ夜なので。

地の文、というより『文と文の間』の件ですが色々考えた末、変更はしない事にしました。
製作というカテゴリーでは地の文が一切ない台詞だけの、
それこそ『ライトな』ノベルの方が多いですが、
このやり方を外すと強調したい部分が強調しきれないのです。

それに私個人としてもこの文体を変えるのには抵抗があったり。

願わくば。
そう遠くないうちに皆様の目がこの醜いssに慣れてくれればいいのですが……

投下します。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/28(日) 04:30:39.78 ID:MmLacT20<> ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 上条のパンツの紐が切れたハプニングのせいで一人になってしまった御坂美琴は、特別席に用意された超高級料理をやけ食いしていた。
(なんで私とアイツってこんなに相性が悪いのよ!? 罰ゲームの時は訳の分からない事件に巻き込まれるしメールした時もスパム扱いになったり電話の時は電波が悪くなったとか何とかでー!!)
 ががっががっががっがガガガ!! ともの凄い勢いで料理が消えていく。
 本来、特別席の食事は今日の主役である美琴と上条のためだけに作られた会場内でも特に高級なものだが、今の美琴にとってはその辺のポテチを食べているのと大差ない。味なんて今はどうでもいいのだ。
(折角アイツと一緒に一位になれて、今日くらいは問題なく喋れると思ってたのに……。やっぱ私の期待は裏切られんのね……)
 ナイフとフォークをカタッと置いて食べるのを中止する。美琴は食が細いので、やけ食いだろうがなんだろうが、一人分の料理を食べてしまえばそこまでだ。
 ポケットからカエルの携帯を取り出し、それに付いているゲコ太ストラップを見つめる。


 ……本当の本当に、楽しみにしてたのに。
 ……出来ればもっと喋りたかったのに。
 ……出来ればもっと褒めて欲しかったのに。
 ……そして出来れば―――。


 まぁ。
 多くは望まない。
 告白する勇気もない女が、運良く空から落ちて来た牡丹餅(こううん)にケチを付けるなんて、わがままにも程がある。
 ただ、同時一位ともなればいつもよりは話は弾むだろうと、正直美琴はかなりドキドキしていた。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/28(日) 04:34:20.36 ID:MmLacT20<>『夫婦で一位おめでとう!』と叫ばれた時も、本当はこれ以上無いくらいにすごく嬉しかった。放電したのは嬉しすぎて漏電したからだ。
 ともかく結論としては、御坂美琴はまだその願いを諦めきれていない。
 よって、知り合いの所にも行かず、一人、ここであの馬鹿を待機している。
 と、
 トトトントントトントンと階段を登って来る音がして、
「やー御坂さん。このラノ一位おめでとうございまーす。挨拶に参りましたー」
「さすが御坂さんです! やっぱり私達庶民とは違うんですねぇ、わー」
「こら初春。お姉様はそういう褒め方がお気に召されないからくれぐれも口には気を配るよう、さっき申したばかりではありませんの。……お姉様ぁ、貴女の奴隷、白井黒子の参上ですのよー」
 右から佐天涙子、初春飾利、白井黒子の三人。
 共に美琴の友達だった。
「あら皆。どうしたのよ?」
「どうしたもこうしたもありませんの。お姉様がこのような偉大な功績を残したのですから挨拶の一つや二つ、あって当たり前でしょう?」
 美琴はやや黙った。
 能力以外の事で褒められるのには、あまり慣れていないからだ。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/28(日) 04:37:57.03 ID:MmLacT20<> それが身近な友達ともなれば、なんだか距離があいてしまったようで余計に接しにくい。
 そんな美琴の心中に全く感づいていない、大きな花飾りを乗せた少女は、
「私、御坂さんが友達で本っ当に誇らしいです!! すごいですよ!」
 美琴の両手を握って、ぶんぶんと上下に振り始めた。
「飛ばし過ぎだよ初春……。御坂さん困ってるじゃん」
「あ、いや、私は別にいいのよ? ちょうど話し相手が欲しかった所でさ。来てくれてありがとう。こういう場で一人飯するのは流石の私でも結構来るものがあんのよね」
 へ? と初春は美琴の手を離して、
「一人……? あれ、一位の男の人はどこへ行ったんです?」
「そういえばお見えになりませんわね。今日ばかりはお姉様の隣にいるのを許してあげましたのに。本当に不躾な類人猿ですこと」
「というか御坂さん、あの人誰なんですか? 確か、かみ、じょう……? でしたっけ。なんか知り合いみたいでしたけど……」<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/28(日) 04:41:52.75 ID:MmLacT20<>「あーアイツ? アイツは上条当麻って言って、単なる無能力者よ。……右手に能力を打ち消す能力が備わってる事を除けばね」
 え!? と佐天と初春が声を上げた。
「そ、それって! 以前都市伝説になってた『どんな能力も打ち消す能力を持つ男』じゃないですか! 実在してたんですか!?」
 リュックサックから驚くほど流動的にノートパソコンを取り出し起動した初春は、
「わわわわー! ありました『上条当麻』!! 異常なまでの不幸体質を科学の最前線を行く学園都市に解析してもらうため小学一年生の時より学園都市に移住!! ……ってあれ? 肝心の能力の観覧レベルがSランクになってる……? なんででしょう? これって国家レベルの機密事項につけられるものなんじゃ?」
 うーんよく分かりませんが解析するのにこの機材では力不足みたいですね……とカーソルを適当に動かしていく。
 余談ではあるが、美琴は能力を使って『書庫(バンク)』にハッキングした事が多々ある。
 例えば、九月の第三金曜日。
 ある情報を引き出すために書庫にハッキングを仕掛けたのだがトチ狂った門番にオメガシークレットを使用されて失敗に終わってしまった。それを除けばハッキング戦において美琴は全戦全勝だ。


『オメガシークレット』って何ー? な人は今すぐ『とある魔術の禁書目録SS2』を購入だ。
『オメガシークレット』って何ー? な人は今すぐ『とある魔術の禁書目録SS2』を購入だ。


 そしてその『門番』とは今目の前にいる初春飾利(ゴールキーパー)だったりする。
 美琴はあの時の守護神(キーパー)が初春だとは知らない。
 初春もあの時の侵入者(ハッカー)が美琴だとは知らない。
 それよりも、<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/28(日) 04:46:02.48 ID:MmLacT20<>(……ふうん。アイツ、そんな理由でこっちに来てたんだ)
 その時引き出したかった情報は『上条当麻』に関するものだった。
 ……ただ、
「あのね初春さん。アイツの能力についてはあまり深追いしない方がいいわよ。友達の友達の彼氏の友達の従兄弟からの情報なんだけど、なんでもそのSランクっていうのは本当みたいなの。本当に重要な事柄だから『S』になってるみたい。……だからあんまり首を突っ込むと、」
 こわーい猟犬部隊(ハウンドドッグ)さん達が初春さんの家に! と美琴はにょきにょき手をくねらせて、表面上は面白半分に初春を脅した。
 だが、それはあながち冗談ではないだろう。
 第三次世界大戦において美琴は、上条当麻―――と言うより彼の能力・幻想殺し(イマジンブレイカー)に関する学園都市の『対応』を知った。
 無理にでも観覧しようものなら花飾の少女は学園都市の真実を一つ、知る事になってしまう。
 何も知らない一般人を、巻き込みたくない。
「ひゃわ!? み、御坂さん!? 何ですかそのいやらしい手つきは!? まるで佐天さんみたいですよ!」
「初春は失礼だなーっ。私だってこんないやらしい手つきはしないよ。……うわー、この中指のクネリ具合がエッチだなぁ」
 だから、こういう風に脅しておくのが一番だと美琴は考える。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/28(日) 04:48:05.82 ID:MmLacT20<>「お、おおおおおお姉様!? なんですのその気持ちよさそゲフンゲフン、け、けしからん手つきは!! そ、その指を、その指を今すぐ黒子の中にーっ!!」
「はぁ? 何訳分かんない事言ってんのよアンタ。……とにかく初春さん? あの馬鹿の能力を軽はずみな気持ちで検索しちゃ絶対にダメよ。いい?」
「え、あ。は、はい。分かりました。Sランクなんて危険臭がプンプンする事には関わりたくないですしもう開きません」
 ありがと、と美琴はどこか明後日の方向に流れを持って行き、場を濁す。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/11/28(日) 04:51:18.87 ID:MmLacT20<>以上です。
今日は夜中テンションだったので気まぐれに投下しましたが、基本スタイルはやはり週一です。

間違いなどを指摘してくれた方はどうも有難うございます。

また来週。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/11/28(日) 15:52:37.90 ID:D5NX/lIo<>乙でした
とりあえず会話文の間を一行空けると見やすくなると思います<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/11/28(日) 19:47:45.71 ID:qfEx0HIo<>やっぱり
みことは
かわいい
な<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/12/03(金) 23:43:32.23 ID:RgxV99Q0<>投下するのでございまっするよ<> おっぱい大好きさん ◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/12/03(金) 23:48:38.81 ID:RgxV99Q0<> ☆ ☆ ☆ ☆ ☆





 コンビニでダサいボクサーパンツを買った後トイレでそれに履き替えた上条当麻は会場に戻っている所だった。
「……やれやれ、」
 疲れたと溜息をする上条。
 彼は、ロシアから帰還した時に『馬鹿ぁ! 馬鹿ァ!!』と泣きながら叫んできた美琴に無理やりゲコ太ストラップを付けられた携帯を取り出して、
「二一時三〇分か」
 もう一度、溜息をした。
 美琴の奴怒ってねーよなと、会場の中へ。
 無駄に長い廊下を通り抜け、今は使用されていない保健室――その角を左に曲がればステージはもうすぐだ。
 少々暗く人気が少ないが、この道が一番の近道なのである。
 と、
 普段なら喫煙所などに使用されているだろう、一〇畳くらいの広さのガラス張りの休憩コーナーの中の青白い光を発する自動販売機のすぐ横だ。


 誰かいる。


 なんだこんな暗い所で? と上条は足を止めた。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/12/03(金) 23:51:02.88 ID:RgxV99Q0<> ジュースが飲みたいなら会場内に無料のジュースが腐るほどある。
 電話をするため席を外しているとしても妙だ。ここは電気がほとんど付いていないし、明かりといえば自動販売機のそれくらい。電話なんてトイレ辺りですればいい。わざわざこんな場所でする必要もないだろう。
 にも拘らず、そこには誰かいた。
(んー……?)
 上条は目を凝らして、ジーとその人物を覗き込む。
 やがて、網膜が暗闇と逆光に慣れ始め、
 そして。


 半端じゃなく嫌な予感がしてきた。


 思わず、上条は左足を一歩引いてしまう。
 ゆっくり、ゆーっくり。
 光と闇に慣れていく己の瞳。
「嘘だろ……」
 そこにいた人物を見て、上条は思わず呻き声を上げた。<> おっぱい大好きさん
◆Fjq6xmvvF.<>sage<>2010/12/03(金) 23:52:25.72 ID:RgxV99Q0<>と、短いけどここまでです。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/05(日) 02:29:01.86 ID:TAbloSM0<>セロリ登場か<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/05(日) 22:40:46.43 ID:U9YdzGIo<>>>27で言いたいことは凄くよくわかるんだけど。

少なくとも、セリフと地の文の間の一行開けは、したほうがいいんじゃないかな。
実際の小説みたいに、「で一文字文のスペースを取る訳じゃないので、画面上だと見づらいんだわ。
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 00:58:45.14 ID:tJRwCkE0<>乙 
最近一番更新が楽しみなのがここだったりする俺です<> lain.
<>sage<>2011/02/18(金) 23:35:07.26 ID:???<> SSスレッドは、SS速報VIP【http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/】へ移転することになりました。
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