睡眠不足 ◆Uq2i1ARauU<><>2011/01/06(木) 19:43:48.13 ID:5iwqi3Qo<>取りあえず立てました<>五条「願わくば、もう一度貴女をこの手に抱きたい」 VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 19:48:22.03 ID:whWWjn.0<>>>1おつ
待ってるよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 19:59:59.15 ID:CWtuyLoo<>1乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 20:01:22.56 ID:HQxw7JY0<>>>1おつ〜

とりあえずは待機か・・・
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 20:05:21.03 ID:yOS7/UDO<>やっと支援できる
待機<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/06(木) 20:19:24.25 ID:6D2GTwDO<>いちもつ待機<> sage<><>2011/01/06(木) 21:45:40.95 ID:ht2SSZU0<>さすがだね
あのままvipで続けてたら間違い無く荒れてたよ
ナイス判断>>1乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 21:56:06.31 ID:A/az7cwo<>あ、こっちに移ったのか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 21:58:27.76 ID:231zVx2o<>期待待機<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 21:59:15.56 ID:.NzKvBQo<>>>1乙です。
本編の時はメール欄に「saga」って入れると良いよ。
そうすると[ピーーー]←こうならないから。
sageたいときは「sage saga」で両方有効になるよ。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/06(木) 22:06:16.45 ID:yVyroJEo<>ほ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 22:11:10.34 ID:.s1JM4s0<>sageると「[ピーーー]」「[ピーーー]」とかがNGにならないってことか
あと保守いらない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 22:11:27.16 ID:yOS7/UDO<>ここは保守いらない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>saga<>2011/01/06(木) 22:15:01.23 ID:.s1JM4s0<>sageじゃなくてsagaだった。どれ「死ね」「殺す」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/06(木) 22:37:39.36 ID:6D2GTwDO<>とりあえず再開はまだかね?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 23:22:22.67 ID:8L9bGvko<>ギーシュはジョジョの大統領みたいのかと思ってたら全然違ってた
何あのイケメン・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/06(木) 23:22:57.35 ID:aqZPSbM0<>五條さんて本編でも強キャラなの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 23:35:35.24 ID:THJEU.ko<>強い
シグマゾーンは止められない
マジで<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 23:57:06.69 ID:Er6vgoAO<>俺の中でギーシュは髭男爵になってるからこれ読むとかっこよくみえてしまう<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<><>2011/01/07(金) 00:55:46.03 ID:Mz/9RFEo<>帰ってきました

どうやらVIPの方のスレが生き残ってるみたいなので、そちらでもう少しキリのいいところまで書いた後
こっちに移行することにします

まあなんだか2ch自体が揉めてるようなので、あれですが……


それと製作に来るのは初めてなので幾つか質問したいことがあります

こっちは保守しなくてもスレは落ちないのでしょうか?
sage進行が基本なのでしょうか?
VIPの8日ルールの様に自動的に落ちたりするのでしょうか?

もしよければ、レスが欲しいです<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/07(金) 01:09:29.52 ID:7/GrEQUo<>保守→必要ない
sage→どっちでも
8日落ち→無い<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<><>2011/01/07(金) 01:12:34.05 ID:Mz/9RFEo<>レスありがとうございます!

現在、寿命僅かなVIPの方で書いておりますのでよければそちらを<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/07(金) 01:13:30.25 ID:jKsMR72o<>作者放置数ヶ月でhtml化されるかなーくらい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/07(金) 01:50:30.60 ID:KbIh7KYo<>メル欄にsagaっていれないと[ピーーー]とか氏ねとか規制されてピーになったりするんだっけ
あと、その影響でまりょくが魔翌力ってなったり<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 03:48:22.19 ID:Mz/9RFEo<>戻りました!

続き投下しまーす<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/07(金) 03:55:03.58 ID:jO7SKDM0<>わーい<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 04:03:02.23 ID:Mz/9RFEo<>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

五条「はああっ!!」

二重となった風の刃が肉を裂いていく。
視える。
独りだった時よりもずっと鮮明に。

フーケ「ブレッドォォォォ!」

後ろに誰かがいる安心感。

ギーシュでもキュルケでもなく、『盗賊』が味方になったことは不幸中の幸いだったかもしれない。
日頃多対一を強いられる一匹狼の盗賊ということもあり、フーケは戦場にすぐに適応した。
一対一ならタバサの方がフーケよりも強い。
しかし絶え間なく敵が襲いかかってくる此処でならば、フーケは自分の知っているどの人物よりも『どうすべきか』理解している。


戦争で重要なのは戦術ではない。
戦略だ。


五条(……まあ、『戦場』には戦略も戦術も意味を成さないかもしれませんがね)


そんな御託はどうだっていい。
物を言うのは結局力なのだ。
一人でも多くの部隊を壊滅させることだけが勝利条件。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 04:06:47.39 ID:Mz/9RFEo<>
巨大な土塊が鎧を物ともせず、雑多な戦場に道を切り開く。
進むべき道を自分に示してくれる。

まだやれる。
この戦いを終わらせられる。

五条「キラー……! スライドッ!」

地面を抉り取る無骨なスパイクは目標の足を砕きながら、押し寄せてくる敵軍を押し返す。
金属が悲鳴を上げて、形を変える。
飛び散る土と額の汗が視界を遮る。

フーケ「後ろだゴジョー!」

声に即座に反応し、脳は回転を早める。
二人の兵士の剣が頭上三十サントで動きを止める。
剣があるならばそれを使わない手はない。

右足で武器を蹴り上げて攻撃手段を奪い去り、そのまま躯は虚空へと舞う。
次の目標へと視線を定める。

真空波が攻撃力を保てるのはせいぜい中距離まで。
だったら……

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 04:09:14.32 ID:Mz/9RFEo<>
クルクルと回転を続ける剣の柄頭にスパイクをミートさせると、それは綺麗な直線を空に引き、敵の密集する後方部隊に突き進む。
砲弾の数倍のスピードを得た剣は見事にスペルを詠唱していたメイジに刺さり、首を地面に落とした。

狙うべき目標は目の前にいる兵士たちではない。
常に奥。
部隊長を一人でも仕留めれば、徐々に、統率されていた部隊は崩れる。
そうしなければ、いつまでたっても肉の壁がフーケと自分の進軍を遮り、僅かな体力を削り取るのは必至。

「ブレス!!」

空からドラゴンを操る兵士の声が聞こえると、言われるがまま牙をむいた竜が火炎を自分に向かって吐きかける。

五条「ちぃ!」

空中で体の方向を変えることは不可能。
やむを得ず腕を顔の前でクロスさせ防御の体勢を取る。

耐えきれるか……?

いや、そんな事を考えるべきじゃない。
耐えなければならないのだ。
ここで致命傷を負えばフーケはこの先の戦場に残される。
それだけは避けなくてはならない。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 04:11:19.64 ID:Mz/9RFEo<>
フーケ「空からちょこまかとっ!」

ブレスから寸前のところでゴーレムの左掌が自分を捕まえる。
火炎が土の腕を掠め、地面にいる雑兵を焼く。

五条「……!」

フーケ「寝ぼけてんじゃねぇぞゴジョー!」

五条「……ヒヒヒ、睡眠は足りてないですがね」

掌の上でそんな軽口を叩く。

フーケ「しかし、クソッタレ……! あの空から悠々攻撃してくる奴らを潰さねえと……」

空を見てドラゴンに舌打ちをするフーケ。
人がひしめき合う地上と違って、空は幾らでも自由に動き回ることができる。
それがドラゴンを駆る、奴らのアドバンテージ。
こちらに隙があると思えば瞬時にブレスで攻撃してくるのに手を焼いていたのは確かだった。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 04:14:09.24 ID:Mz/9RFEo<>
跳躍では空に届かない。
翼があるわけじゃないのだ。

無いものねだりをしていてもこの戦争で得られるものは無駄な時間だけだ。
如何にして手の中にある物で、目的を成し遂げられるかにかかっている。


導き出した答え。



五条「フーケ……オレを投げてください」

フーケ「はあ!? 何いってんだ……ちっ! 欝陶しいんだよテメェらは!」

ゴーレムの足に纏わり付く雑兵を蹴りで払い飛ばしながら、フーケは答える。

五条「ドラゴンに届く方法はそれしかない……! 数がそんなに多くないなら、早めに落としておく方がいいでしょう」

フーケ「……ケッ。相変わらず無茶苦茶なこという野郎だ」

五条「グフフ……危険でも手段を選んでる余裕はないですからねぇ」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 04:16:34.91 ID:Mz/9RFEo<>
フーケ「外れても、知らねぇぞっ!」


前方から飛んできたエア・スピアーを最も硬い右拳で対応し、フーケは自分の体を潰れない程度の力で握る。


五条「よーく、狙ってくださいよ? オレが砲弾で、オマエが砲手なのですか……らっ!」

遠くからこちらに向かってきた砲弾は、全く同じ方向に蹴り返される。

爆発が大地を揺らす。

フーケ「わかってんよ……! 弾当ては得意な方だ」

五条「ヒヒヒ!」

フーケ「さっさと戻って来いよ。あたしだけで雑魚散らしすんのは嫌だからね」

五条「了解いたしました……!」

フーケ「そんじゃあ……いくぞぉぉぉ!」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 04:30:25.52 ID:Mz/9RFEo<>
ゴーレムが両手で自分を振りかぶる。
重い左足が天に向かって高々と持ち上がり、大きなモーションを取る。
何百キロもあるその体重が全て片足に乗せられ、沈み込んでもゴーレムの体幹は決してぶれない。

巨大なゴーレムの全身の力が両腕に篭められ、掌が地面スレスレまで近づいた。
これは野球のピッチャーのフォームではない。
まるで、砲丸投げだ。






フーケ「オオオオオラァァァァァァァァ!!!!」





砲手の叫び声と共に空へ放り投げられる。

放たれた躯がすさまじい勢いで雨粒を通りぬけ、濡れて張り付いていた前髪を後ろに持っていく。
不明瞭な視界は、それでも竜の巨体を失うこと無く捉えた。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 04:38:35.02 ID:Mz/9RFEo<>
「なんだと!?」

乗り手が飛んでくる『弾丸』を見て、驚きの声をあげる。

方向は的確、真っ直ぐ標的に向かっている。
このスピードだったら簡単にドラゴンまで届く。

ゴーレムを人のサイズに戻したとしたら、まさに自分は投げるのに適切な大きさの弾だろう。
全身全霊を篭めて投げられた弾には淀みなく力が伝わり、それは推進力に変換されたのだ。
百キロ超えのスピードを得た生きる砲弾。
それが自分だ。


五条「……!」


しかしそう思ったのもつかの間、自分の躯はドラゴンの真横に来ても勢いを失わない。
それどころかその傍を通り過ぎ、慣性に従うがまま遙か上空へと進ませ続ける。
止まらない躯はどこまでも風を切り、ロケットのように雲に向かう。

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/07(金) 04:44:24.02 ID:mXi6Uqgo<>追いついた。投下がんばれ<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 04:47:11.51 ID:Mz/9RFEo<>
五条「クックックッ……! 強すぎるじゃないですか……!」


されるがままの全身を脱力し、聞き取れないほどの声でそう呟く。


フーケ(あちゃー、力加減間違えちまった……)


ドラゴン部隊の三十メイル程上でゆっくりと停止した肢体は自由落下し始める。
まさに隙だらけ。
落ちていく自分は縁日の的のようなものだ。

「バカめ! 狙い撃ちだ!」

翼を上下に動かした竜が舞い上がり、大きな口を開ける。

地に足のつかぬここでは、回避は不可。


空気を震えさせる雄叫びと共に竜が竜巻を吐き出す。
踏ん張りの効かない空中での真空波……どこまで威力を出せるか。
いま出来るのは微力でも、この竜巻を小さくして次の一撃に備えること。

退っ引きならぬ状況の中、半ば自棄糞で右足を後ろに振り上げる。
無意味かもしれない。
それでもやれることは全てやっておくべきだ。

そう思い、目一杯の力で前に足をだそうとする。






その瞬間。
突然地上から自分に、黒い『球』が発射されたのを確認する。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 05:00:00.33 ID:Mz/9RFEo<>




フーケ「受け取れゴジョーオォォォ!! お得意の玉蹴りだッ!!」




フーケの大声が、ここにいる自分にまで聞こえる。

寸分の狂いもなく出されたそれを見て、一瞬だけ……
フィールドに立っているような感覚に陥る。
タイミングは自分から合わせるまでもなく、正確で『ドンピシャ』なフーケのアシスト。

一生に何度巡り逢うだろうか、こんなにも気持ちのいいボールは。


どうやら、というかやはりというか。

自分とフーケの戦いの相性はイイ……!



五条「クックックッ……! ナイスパス、ですよ。フーケ!」

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/07(金) 05:09:43.30 ID:w153HIDO<>無理しない程度に頑張ってくれ<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 05:18:28.62 ID:Mz/9RFEo<>
空中で披露する技は決まっている。

クルリと上下を反対にした身体は弧を描き、空に残像を置き去りにする。
ルーンが無くても……!
力の篭めづらい空中でも……!
この一発は、止められない。


五条「ヘェェェェェア”ッ!!!!」


腹から喉をねじ切るような叫び声が出される。
ハルケギニアで幾度目かのオーバーヘッドキック。
今までで最も乱暴で、力任せなシュート。

暴れ回る筋肉をしゃにむに押さえつけて、右足は頑強なボールの形を歪ませると同時に莫大なエネルギーを加えていく。

金属で覆われた球が甲の上で紅い光を纏い、竜巻目がけて蹴り出される。



「止められると思うか!?」


それはこちらの台詞だ。
シュートはそんなもので止められぬ。
自分はサッカープレーヤー『だった』のだ。
例え今でも、その程度の攻撃を消し去れないようでは元の世界にいる仲間たちに顔向け出来ない。


竜巻とボール。
その両方が空中で激突した。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 05:32:32.95 ID:Mz/9RFEo<>
「ずあっ!?」

何のことはなく竜巻を突き破ったボールは、素っ頓狂な声を出した操者の眼前を通り過ぎ、そのままのスピードを殺さずに、戦場に叩きつけられた。
轟音を立てた球は硬い地面にクレーターを作り出し、周囲にいた支援部隊をまとめて吹き飛ばす。


ボールの落下点はミサイルが落ちたかのように、抉り取られていた。
今の全力では、まだこの程度。
ワルドと対峙したときの力に比べれば、蚊の如き脆弱さだ。

だからこそ使いたくなかった。
大きすぎる力は身を滅ぼすの。
それを自分は身を持って思い知っている。

小さな力で、どうやって大きな力に勝ろうとするか考える事。
それこそが人間に残された『知恵』なのだから。



皆の注意がそちらに向けられている隙を突き、ドラゴンの上に着地する。

「……!? き、貴様!? 何故!!?」

五条「ヒヒヒ……何故、なんて理由はどうだっていいんですよ」

乗り手の襟元を掴み、持ち上げる。

五条「オレからオマエに言ってやる言葉は……」

「や、やめろ!」

ブラリと足が空中に投げ出される。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 05:39:57.61 ID:Mz/9RFEo<>あ、

>大きすぎる力は身を滅ぼすの。
それを自分は身を持って知っている。


ではなく

>大きすぎる力は自分を滅ぼす。
それを身を持って思い知った。

です。
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/07(金) 05:44:06.62 ID:mXi6Uqgo<>殺戮目的に技を使ったからサッカープレイヤーではなくなったのなら
悲しい
映画のオーガの面々も戦争に出てったらやっぱり磨いたサッカー技で戦いそうだけど<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 05:50:42.50 ID:Mz/9RFEo<>
五条「『落ちろ』、それだけです……!」


「や、あああああああああああ!」


手を放した瞬間、兵士はさっきまでの自分の様にどこまでも自由に落ちていく。
違うのは、着地できるかできないか。
それだけだ。

五条「さて……あまり長居は許されませんねぇ」

落下する兵士から、空を舞うドラゴン共に目を移す。
数は……残り十四。
フーケをいつまでも一人で戦わせられない。
どれだけ素早く部隊を壊滅できるかが鍵を握る。




五条「三分あれば……充分……!」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 06:02:01.32 ID:Mz/9RFEo<>
ドラゴンが暴れだす前に、目下にいる次の竜へ飛び移る。

「ひぃぃ!」

事態が飲み込めぬ兵士は泣き声をあげる。

五条「オレを潰せるチャンスだと思って、集まっていたのが運の尽きでしたね」

「がっ!?」

首を右手で締める。
躊躇いなど、とうの昔に塵箱に投げ捨てた。

人を殺すのに慣れてしまった。
慣れは人間から恐怖を奪う。
人を殺す、という事実に怯えるか弱い心を消し去っていく。

いいのか、それで?


ノイズを自分の声で塗り替える。


五条「……クックックッ! 戦場にチャンスなどない……!」

五条「あるのは『死』だけ……!」

「うご……あ……」


逃げ場のない恐怖に、口から泡を吹き出す兵士。
これが本来の人のあるべき姿なんだろう。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 06:06:21.72 ID:Mz/9RFEo<>
五条「常に好機の裏には危機が息を潜めて、待っているんですよ……!」

「い……」

五条「それを憶えておきなさい」

無造作に放り投げる。
断末魔を耳からシャットアウトする。
お喋りはお終い。


地上ではフーケが怒声を上げながら、兵士とメイジと砲弾を相手にしている。
今後フーケの魔法力がどれだけ持つかはわからない。
ここは少しでも温存したい。
後々になってフーケのゴーレムが動かなくなれば、ほぼ単騎で戦わねばならない。

それは……可能なら部隊を殲滅させた後にしたい。


残り十三匹。
一匹たりとも逃しはしない。




この数相手ならば……
『狩る』のは自分で。
『狩られる』のは奴らなのだ。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 06:21:43.39 ID:Mz/9RFEo<>
再びコマ送りの世界に、独り飛び込む。
パンクしかけている脳に鞭を容赦なく打ち込むことで、自分は戦場で誰よりも疾く動けるようになる。


もうこれ以上この技を使えば後々に障害が出るかもしれない。


長丁場の戦いには元々向いていない技だったのだ。
それは人間としての限界。
再び人を捨てぬ限りは、ショートして壊れる運命だ。




そしてそれも、承知の上。


頭が壊れたって構わない。
筋肉が切れたっていい。

この戦争が終わるのに必要であれば、自分の血と肉は幾らでも戦場の神に捧げてやる。

それが、誰かを守るための戦いならば。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/07(金) 06:28:42.50 ID:Mz/9RFEo<>
ルイズちゃん編を削ったので投下分が結構減っちゃいました。

とりあえず今日はここまでです。

寝ます。


板を変えたにも関わらず、付いてきてくださった皆様、感謝の言葉では言い表せません

ですので、物語を書き続けることでその代わりにします

ここでは保守の必要はないそうなので、少し自分の気持ちも楽になりました

次回投下は、明後日にしたいと思います

ちょっと何時に来れるか分かりませんが、極力早い時間に来れるように致します

読んでくださって本当にありがとうございます!
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/07(金) 06:36:48.12 ID:w153HIDO<>お礼を言いたいのはこっちだバカヤロー
今日も楽しく読ませてもらいました
ゼロ魔みたいなアニメ物が嫌いな俺をここまでハマらせるとは…
続きを楽しみにしてます。おやすみなさい<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/07(金) 06:43:14.34 ID:scVXtYDO<>乙ですた
これからも楽しみにしてます<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/07(金) 08:37:18.84 ID:Cm3E76DO<>両方とも原作知らないけど楽しくてここまで追いかけちまった
面白いよ乙<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/07(金) 12:50:35.71 ID:TM.BCoDO<>オイコラ無理すんじゃねーぞバカヤロー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/07(金) 13:44:10.04 ID:Nv3Fh2DO<>オイコラおもしれーぞちゃんと寝ろバカヤロー<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/07(金) 23:38:04.84 ID:JTRDuok0<>VIPでは規制されて書き込めなかったけど、ここでなら書ける
面白くて目が離せないぞバカヤロー
五条さん格好良くて素敵だぞバカヤロー
楽しみにしてるから無理せず続けてくれ!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/08(土) 00:01:35.63 ID:w0Tn7ugo<>前スレが461で途切れてしまったんでそれ以降を知りたいんだが
まとめとかってあるの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/08(土) 00:12:47.54 ID:yTb1AOMo<>ログ見ろカス<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/08(土) 00:47:40.31 ID:JA6IlgAO<>第二回人気投票に五条△の姿が無いお……
代わりに壁山さんにいれました<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/08(土) 00:52:49.81 ID:cCAuL76o<>いつも楽しみにしてる!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/08(土) 09:07:17.92 ID:gmnve7w0<>壁山さん圧倒的過ぎて吹いた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/08(土) 11:43:10.95 ID:.haMqsSO<>壁山はなんか魅力が無いわ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/08(土) 15:06:39.46 ID:KxmtydYo<>やっと書き込めるとかうれしいやないか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/08(土) 19:50:18.51 ID:4kt5zhwo<>>>1遅いな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/08(土) 21:23:55.07 ID:FCo1fX20<>>>61
>>47で明後日って言ってんだから明日だろ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/09(日) 01:17:24.11 ID:eB6JZwDO<>まだか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 01:31:22.06 ID:ISyUufwo<>
てす<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 16:49:45.56 ID:grLCyGQo<>まだかよ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 19:39:33.42 ID:Tk5t+hnwo<>待ってるぜい<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/09(日) 21:54:58.64 ID:t4IvFA8Uo<>
0時少し前から投下し始めます<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 22:03:33.74 ID:zgSD0nvyo<>キターーーーーーーーー
wwktk wwktk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 22:03:55.72 ID:XV32FGIDO<>よっしゃ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 22:04:14.18 ID:zgSD0nvyo<>キターーーーーーーーー
wwktk wwktk<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 22:12:13.01 ID:YO4ym4Kso<>待ってたよー!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 22:26:47.81 ID:nuT4PL9S0<>wwktkってなんぞ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/09(日) 22:33:51.90 ID:xMRC/Bxso<>よかろう、貴様にも説明する時が来たようだ
「だぶるわくてか」について…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 22:35:43.36 ID:mh+MUCiDO<>お待ちしておりますよ
楽しみだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 22:49:52.48 ID:C+jUGG7Lo<>おお、楽しみ
投下中はじっと大人しく見ていた方が良いのかな
それとも多少の支援した方が良いんだろうか<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/09(日) 22:51:39.99 ID:t4IvFA8Uo<>皆さんのご支援、一番の大好物です<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 22:52:25.76 ID:lyeTbvm/P<>食べてええええええええええ!!!!!!!!!!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 23:09:32.95 ID:4Jtf7HCAo<>食べるならあたしの支援を食べてえええええええ!!!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/09(日) 23:12:47.32 ID:YO4ym4Kso<>べ、別にあなたに食べてもらう為に支援してるんだからね!<> 睡眠不足 ◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/09(日) 23:50:29.86 ID:t4IvFA8Uo<>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


キュルケ「ルイズ……あんた服を仕立てに行ってたんじゃなかったの?」


キュルケは私が汗だくになりながら両手で抱えている剣を見て尋ねる。
ギーシュもキュルケも、もうレコン・キスタ兵の鎧に身を包んでいる。
タバサは読書。

ルイズ「……私が聞きたいわよ」

ギーシュ「それにしても大きな剣だ。ゴジョーさんに渡すのかい?」

キュルケ「ゴジョーが剣なんか使うとは思えないけどね」


そう言ったキュルケが剣を鞘から抜き出す。


剣「プッハー! 息ぐるしいったらありゃしねえ! どうせならいつも鞘から出しといてくれよ!」

キュルケ「きゃあ!? なに!?」

剣がカクカクと口を動かす。

タバサ「……インテリジェンス・ソード?」

ルイズ「そうよ、ホント言うとこんな大きな……いえ、五月蝿い剣、持ってくる気は無かったんだけどね」

剣「カッカッカッ! あんなとこで埃かぶってるよりゃ、お前さんたちについてくほうが幾分かマシみたいだな!」


この場にいる誰よりも大きな声でそう宣言する剣。<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/09(日) 23:56:27.66 ID:t4IvFA8Uo<>
ルイズ「て言うか剣!」

キュルケから奪い去り、指をさす。

デルフ「お嬢ちゃん、俺には立派なデルフリンガーって名前があるんだぜ?」

ルイズ「そんなのどうだっていいわ! あんた、虚無のこととかガンダールヴのこととか分かるんでしょ!?」

デルフ「いや?」

ルイズ「は!? 自分で言ってたじゃないの、ガンダールヴの左腕がどうとか!」

デルフ「うーん、そうなんだけどな。その、全然思い出せないのよ、なにしろスゲー昔の話だから」

ルイズ「……」

悪びれる様子もなく話す剣を手から離す。
金属音が夕暮れの広場に響いた。

デルフ「お、お嬢ちゃん?」

ルイズ「捨ててくわ、ここに」

冷酷に言い放つ。<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:04:49.76 ID:t4IvFA8Uo<>
デルフ「ちょ、ちょっと待ってくれよ!! 人間誰だって思い出せないことがあるじゃねぇか!」

キュルケ「あんた人間じゃないでしょ」

デルフ「そうだけど! 決断が早過ぎるだろ! せめても『ガンダールヴ』に会わせてからにしてくれよ!」


必死に弁明する剣に視線を向ける。


ルイズ「……ゴジョーに会えば思い出せるんでしょうね」

デルフ「多分……きっと。そんな気がする」


ぼそぼそと力なく返事するデルフリンガーを踵で壁際まで蹴飛ばす。


ルイズ「さよなら」

デルフ「だーーー! 思い出せるよ! あは! 絶対、確実! 余す所無く思い出すことを約束しますから捨てないで!?」

ルイズ「本当でしょうね!? 思い出せなかったら戦場のど真ん中に捨てるんだからね!」

デルフ「分かったよぉ! ……全く、とんだ奴に貰われちまったもんだぜ」

ルイズ「なにか言った?」

デルフ「いいえ」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:10:37.79 ID:t4IvFA8Uo<>
仕方がなく剣を拾い、大きな木箱に立てかけるとタバサが本を閉じた。

タバサ「話はもういい?」

ルイズ「いいわ」

タバサ「では今から私と貴女はこの木箱に入る」

コンコンと叩いたそれはあまりきれいでなく、通気性も悪そうだ。
……そうだ。
重要なことに気がつく。

ルイズ「タバサ、その、フネに乗った後の事なんだけど……」

タバサ「なに?」

ルイズ「その、催しちゃった場合はどうするの? 丸一日ぐらいはフネに隠れているんでしょ? トイレに行ける……?」

タバサ「その時はこれを使うの」

タバサが箱の中から取り出したのは、あひるの顔が間抜けに付いているオマル。

ルイズ「……じょ、冗談じゃない! 淑女としてそんなこと、プライドが許さないわ!」

タバサ「だったらやめる?」

ルイズ「うぐ……」

キュルケ「そもそも人の服の匂い嗅いでトリップしてるような女を淑女と呼べるかどうかも怪しいじゃない」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:14:04.97 ID:t4IvFA8Uo<>

思い出したくもない記憶が甦る。
バカ剣のせいで忘れていたが、私の人生で恥ずかしいランキングトップ3に入る瞬間をこの女には見られていたのだった。
ボッと顔が真っ赤になる。


ルイズ「あ、ああああんた! そのことは忘れるって言ってたじゃないのっ!」

キュルケ「フフン、アンタの態度次第ね」

ニンマリと顔を綻ばせ、私の弱みを握った優越感を隠そうとしないキュルケ。
……なんだって、こんなことに。

自分の不注意ね。
忌々しいわ!

ルイズ「ぐうううう!」

ギーシュ「ま、まあまあ。トイレに関しては……僕かキュルケが船内の様子を窺ってからなら何とかなるんじゃないか?」

キュルケ「かもね。どうしようもなくなったときだけ、このアヒル君を使いましょう」

タバサ「折角買ったのに残念」

タバサは箱の中におまるをしまった。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:18:55.66 ID:t4IvFA8Uo<>
キュルケ「じゃあまずルイズからこの中に入んなさい。あんたが持ってきた馬鹿でかい剣も入れるんだから、暴れないでよ」

ルイズ「分かってるわよ!」

キュルケ「クンカクンカ」

ルイズ「やめなさいっ!!」


ぶつくさ言いながら私は木箱の中に入る。
外から見たとおり、箱は小さな私一人が隠れるには十分な大きさで、しゃがみこめば簡単に姿は見えなくなった。
イマイチこの作戦に自信が持てなかったけれど、隠れてみれば意外に上手くいきそうな気がしてくる。


我ながら中々単純な人間だと思うが、そうとでも思わなければ心臓は飛び跳ねるほど緊張し、箱の中にじっとしていることさえ出来なさそうだった。

木箱の中に次々と物が投げ入れられる。


キュルケ「えーと、食べ物と服と、あと日用品と……」

ルイズ「痛! ちょ、バカキュルケ! 痛い! あんたもっと丁寧に!」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:25:32.43 ID:t4IvFA8Uo<>
キュルケが乱暴に放り入れたものは、一つ残らず私の頭にぶつかって底に落ちていく。
極めつけにインテリジェンス・ソードが眉間に直撃する。

ルイズ「いったぁぁぁい! いい加減に、しなさ……」

キュルケ「スーハースーハー、いい匂いだなあ!」

手に掴んでいた林檎をすんでのところで留める。
代わりに底に落ちていたハンカチを口に噛み締めて、怒りに震える心を必死で落ち着かせる。

ルイズ「ずぇる”ぶずどぉぉぉ……!!」

キュルケ「ぷくく……これ、対ルイズ最強の魔法かもしんない」


腹を抱えて笑うキュルケ。
……奥歯がギリギリと軋み、取れそうだ。


ギーシュ「……僕は後が怖いよ」

ルイズ(トリステインに帰ってきたら……コロス!)


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:28:57.24 ID:t4IvFA8Uo<>

キュルケ「じゃ、二人とも蓋閉めるわよ」

ルイズ「……」

タバサ「オッケー」

二つの箱に蓋が被さり、箱に差していた太陽の光が遮られる。
真っ暗な、何も見えない世界で釘の打つ音だけが中に聞こえ始める。
これで貨物船に運び込まれるまでは動けない。

急に身体が音を立て始める。
……暗いのは嫌だ。
ゾクリと恐怖が私の心に忍び寄った。

ついこの前までいた自分の部屋が鮮明に思い出されて、私は全身を身震いさせる。

あのときにはもう戻りたくない。

でも私の意思とは反して、脳味噌は絶望の絵を闇の中に描きはじめる。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:31:38.21 ID:t4IvFA8Uo<>
孤独。
不安。
死。

ガタガタと一点に定まらない手を何とか動かし、鞄から縫い直してもらったゴジョーの服とボールを取り出す。

息を吸う。

息を吐く。

ぎゅっとそれらを抱きしめながら深呼吸すると、身体の悪寒が和らぎ、安心感が広がっていくのを感じる。


大丈夫。
もう私はあの部屋から出たんだから。
自分で捕まえにいく為に、ここまで来たんだから。

台車の動く音と広場のタイルから来る振動で、私とタバサが動き始めたのがわかった。
静かだった箱の中が急に人の喧騒で満たされ始める。
通りに出たんだ。

手足をゴジョーの服ごと抱きしめる様に縮めた。
物で狭苦しくなった『隠れ家』でも、少しでも楽な体勢を取るために身体を横たえる。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:36:00.84 ID:t4IvFA8Uo<>
漸く声が収まったと思ったら、今度は箱が斜めに傾き始める。
……忙しいわね。
きっと乗り場に向かう道の途中なんだろう。
まとわりついてくる歯ブラシと時計を横に置き、フネに乗り込むのを待ち続ける。

急に、台車が歩みを止めた。
それと共に外から声が聞こえだす。
そっと箱に頬を寄せて、耳を済ませる。


「あー、すまないがちょっといいかい?」

「ああ? どうした?」

「このフネはアルビオン行きだろうか?」

「そうだ。だが残念ながら人は乗れないぜ」

「ああ、それは構わない。しかし、もしよかったらでいいんだがこの荷物を向こうにいる僕の戦友に届けて欲しいんだ」

「……許可は取ってあるのか?」

「い、いや……取ろうと思ったんだが、その……」

突然叩く音が聞こえる。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:45:30.73 ID:t4IvFA8Uo<>
「へへ、すみませんね、コイツ口下手で……許可を取ろうと思ったんですが、丁度締め切られちまってね……兄さん、どうかコイツで黙っててやくれませんかね……?」

「ああん……?」

「受け取ってくだせえ」

「どれ……ひ、ふ、み、よ……仕方ねえなあ……!」

「ありがとうございます、恩に切りやすぜ」


再び進み始める台車。
ギーシュから安堵のため息が聞こえてくるような。
キュルケの演技は、悔しいが上手かった。

無事に乗り込めると思い、身体を起こしたその時。






「ちょっと待て」


運搬口に差し掛かったであろうところで、さっきの男の声が二人を止める。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:48:30.98 ID:t4IvFA8Uo<>
「……なにか?」

「いや、大したことじゃあねえんだが……やっぱりその中身、確認させてもらうことにする」

「え”? そ、そそんな、何もヤバいものは」

「……ただの日用品ですが?」

「わかってる。だがな、一応の規則として確認はしなくちゃならない……それに何か気になるんだよ……箱の中身がな」

「……」

「もし『何か』良くないものが混じってたら、俺の責任になっちまうだろ?」

「そりゃ、そうですね」

「見られてマズイものが入ってるのか?」

「……いえ」

「じゃあ開けさせてもらうぜ」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:49:52.78 ID:t4IvFA8Uo<>
心臓がどんどん高鳴り、呼吸もそれに伴い短いものに変わっていく。
見つかる?
いえ、タバサの『あれ』があるから大丈夫なはず。
でももしそれに気がつかれたら……ここにいる私には逃げ場がない。

乗り場の役人が言っていたことを思い出す。

「トリステインから来たってバレたら良くて捕虜、八割殺されますよ」

殺される。

ゴジョーに会えないまま。



「釘、外すぞ」

「どうぞ……」

ガコンという音が鳴り、閉じられていた蓋が開けられる。





呼吸が止まる。


<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 00:58:08.84 ID:xMRC/Bxso<>おや<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 00:59:42.90 ID:t4IvFA8Uo<>
「……ちっ」

「いかがでしょうかね」


私の真上で物がゴソゴソとかき混ぜられる。
手があと数サント、奥に届けば私がここに横たわっていることがこの男に知られてしまう。
それを防いでいるのは……一枚の何の変哲もない板。


「ふん、確かに……インクに服に林檎、古ぼけた剣。問題はねぇな」

「こちらも開けてみますか?」

「いんやその必要はねえ。さっさと持っていけ」


つまらなそうにそう言い捨てると、止まっていたタイヤが回りだす。


良かった……
タバサの策が敵を一歩上まった。


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 01:07:43.91 ID:t4IvFA8Uo<>

私のすぐ真上にある板を指先で撫でる。
この『二重底』構造でなければ今ので私は終りだった。
大量の物で一枚目の板の存在を隠して、その下に私が潜む。
箱の深さに比べて高すぎる位置にある、最初の底板を見えなくするためにタバサはこんなにも沢山の日用品やらを買ってくるよう私たちに言ったのだ。

誤算だったのは、既に貨物船への運搬が大方終わっており、割合レコン・キスタが暇だったこと。
そうでなければ、この箱すら開けられずにフネの中に忍び込むことが出来ただろう。

外から三回ノックの音が聞こえる。
作戦成功の合図だ。
こちらからも三回ノックを返し、問題ないことを知らせる。

二重底が外され、やっと新鮮な空気が肺に取り込まれた。

ほの暗いそこはレコン・キスタ軍への支援物資で埋め尽くされ、動きまわったりしない限りバレそうにないほどだった。
キュルケの背丈よりも高く荷物が所狭しと並ぶ。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 01:18:36.63 ID:t4IvFA8Uo<>
ルイズ「ふう……」


ギーシュが周りにある荷物を移動し、壁から五メイル四方のスペースを倉庫の中に作っている。
これで荷物をずらさなければ私たちの存在は奴らに知られぬまま、アルビオンまで辿りつける。


ギーシュ「よっと……よし、これで見えないだろう」

キュルケ「ギーシュ、あんた案の定緊張し過ぎで挙動不審だったわね……」

ぎくりとした金髪はコソコソと壁際にしゃがみ込む。

ギーシュ「申し訳ない……」


もうひとつの箱からタバサが出てくる。


タバサ「終わりよければ全て良し。落ち込まないで」

ルイズ「終わってないじゃない……本当の戦いはアルビオンに着いてからでしょ」

キュルケ「まあ、その前にどうやってこのフネから降りるかって問題があるけど……どうするの?」
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 01:37:41.37 ID:t4IvFA8Uo<>
タバサ「行きと変わらない。むしろ、降りるほうがずっと楽だと思うけれど」

ギーシュ「レコン・キスタも皆同じ服装をしているんだ。そうそうバレないだろう」

キュルケ「なら大丈夫ね」


やっと……ここまで来れた。
当分は見回りも来ないだろうし、静かにしていればすぐにアルビオンに着く。

遠くの雲に消えかけていたゴジョーの影が、段々と手の届くところまで近づいてきているように感じられた。

緊張のし過ぎからか、不意に眠気が私を襲う。

キュルケ「ルイズ……?」

ギーシュ「フフ……起こさないほうがいい。彼女も部屋から出てからまだ数日しか経っていないんだ、疲れて当然さ」

キュルケ「それもそうね……コイツ、無理してた部分あったものね」

ギーシュ「ルイズはきっと今だって心の何処かは不安に苛まれてると思う……それでもここまで来れたのは、やっぱり、ゴジョーさん。君の力なんだろうね……」

キュルケ「逆も言えるわよ……ゴジョーだって、多分ルイズがいるから……今も戦ってるんでしょう」


ぼんやりと耳に入ったその言葉を最後に私は、深い眠りについた。




「「似たもの同士」」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 01:41:24.65 ID:t4IvFA8Uo<>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





振り続けていた雨が止んだ。
雲の間から一筋の光明が差し、自分の黒衣を照らす。
この光は自分たちにそそぐ希望の光か。
それとも敵に反撃の狼煙をもたらす絶望の光か。


フーケ「ゴジョー、メイジから殺せ!」

五条「……」

言われるまでもなく、一目で分かる。
レコン・キスタの主戦力は前線の兵士だが、実際に致命的な攻撃を放つのはメイジ。
さらに真空波で吹き飛ばした兵士を水の魔法で回復しているのもメイジ。
奴らを先に消さなければ、魔力が続く限り兵士たちは立ち上がってくる。


五条「フーケ!」

フーケ「おらよっ!!」

背後から飛んでくる土と金属の混じり合った球を感覚で合わせ、ボレーで弾き返す。
ワルドクラスのメイジであれば避けることは可能であろうその球筋を腹部に直撃したメイジは、後ろにいる人間も巻き込みながら地面を転がっていく。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 01:44:46.46 ID:t4IvFA8Uo<>
フーケが現れて戦況が変わったのは一目瞭然であった。
ゴーレムの雑魚散らしが、自分の動きを止める兵士をまとめて殴り飛ばし自在に動けるようになったのもさる事ながら、最も効果的だったのがほぼ無限に生み出すことが出来る土の球。
これのお陰で、敵の攻撃を跳ね返すことでしか届かなかった遠距離への攻撃と同時に、多くの敵を再起不能にしてくれる技の縛りが解き放たれた。


五条勝という人間の能力は今、十二分に、いかん無く発揮されていた。


スクウェアとまではいかないものの、フーケのスペル詠唱は時間のロスが無い。
フーケの魔力が減ることだけが懸念材料であったが、延々と僅かずつ、体力と共に無くなるよりはまだマシだ。


無尽蔵にシュートが撃てる。
これは一人では不可能なことだ。
そのため回避行動を行う以外のときは、常時自分が球を蹴り続けることで敵軍の戦力を目に見えて削れる。

さながら人間マシンガンと言ったところか。
サッカーボール程威力は出ないが、二度と立ち上がれなくするには充分すぎるほどの破壊力が出る。


人を傷つけるために使われる右足は、きっと自分を憎んでいることだろう。

だがもう手段を選んで戦っている余裕は一寸も残されておらず、只管に硬い球を蹴ることだけが勝利への方程式。

極力特殊技を使わずにいるのも、効率を追求した結果だ。

常用しているのはスキャンと脳の高速回転のみ。
それも敵位置の把握と回避のためだけだ。

ペンギンも分身も一対一ならば温存する必要はないが、戦場では体力の消費と効率を鑑みると通常攻撃のほうが速く、そして多くの戦力を削ることを優先すべきと判断した。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 01:50:45.87 ID:t4IvFA8Uo<>


>ペンギンも分身も一対一ならば温存する必要はないが、戦場では体力の消費と効率を鑑みると通常攻撃のほうが速く、そして多くの戦力を削ることを優先すべきと判断した。

じゃなく

>ペンギンも分身も一対一ならば温存する必要はないが、戦場で体力の消費を鑑みると通常のシュートのほうがより効率的。
そして多くの戦力を削ることが可能だと判断した。


ですね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/10(月) 01:51:25.71 ID:VKs5PkD90<>支援<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 01:53:18.09 ID:t4IvFA8Uo<>
フーケ「ゴジョー! 目の前の騎兵を馬ごと蹴り上げろっ!」

五条「ヒヒ……! 無茶を言いなさる……!」

しかし、考える余裕はない。
この場でのフーケの言葉はどんな哲学書の名言よりも価値を持っている。
それを本能で理解している自分は馬の真横で躯を沈める。

五条「……ふ……ん!」

馬の体重は三百キロではすまない。
せめても足への負担を軽減するために両手を地面に着いて、踵で馬の腹を蹴飛ばす。

持ち上がったとしても五メイルが限界であろう。

「うわっ!?」

衝撃をもろに受けた軍馬は本来ならばあり得ない高さで、その四足をばたつかせ、地上に落ちないように藻掻く。
そこを盗賊は見逃さず、巨大な土人形の右腕を振りかぶっていた。

フーケ「ぶっ飛びな!!」

頭に響くような、ずっしりとした音が戦場に響き渡る。
金属でコーティングされた拳が空中で馬を捉え、その重量は進行方向の直線上にいる兵士、メイジをまとめて吹き飛ばすのに好都合なブルドーザーだった。


集まっては散る。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 01:55:50.06 ID:t4IvFA8Uo<>

レコン・キスタは数が十分の一、百分の一に減っても決してバラバラに攻撃してこようとはしなかった。

それは『軍隊』としては当然の選択。
圧倒できる戦力を有してトリステインに辿り着かねば、何の意味もないからだ。
一人二人が自分とフーケの形成する防衛ラインを突破したところで、トリステイン軍に捕虜にされるのが関の山。


『全』が故に弱点。
『個』である自分たちに残された一握りのアドバンテージ。


……いや、アドバンテージではないか。

逆に不利な条件だとも言える。
全員殺さねばならぬということだ。



それならそれでいい。




<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 01:56:55.94 ID:t4IvFA8Uo<>
もうレコン・キスタ軍は援軍も全て壊滅し、残されているのは百数十人。
完全に戦いの主導権は自分とフーケが握っていた。

既にこれ以上戦いを続けてもレコン・キスタにメリットはない。
トリステインに攻め入る戦力もここにはいない。
それでも、自分を殺すためだけに兵士たちは剣を振りかざす。
命令に従うまま。
その姿は意思を失った人形と同じだ。

力のない人形に自分は殺せない。



勝ちは、手の中に入りかけていた。


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 01:59:54.97 ID:t4IvFA8Uo<>
フーケ「だらッッ!!」

ゴーレムの左足が地面の土を敵の真上に散らす。
一見無意味に見えるその行為にも、意図が隠れている。

フーケ「練金ッッッだゴラぁぁぁあ!」

中空が一瞬だけ光る。

フーケ「ぶっ放せッッ! ゴジョーォォォ!!」


黒土は渾身の力で唱えられたスペルによって、油に変わった。
降り注ぐ油の雨は湿気った空気を飲み込み、視界に入る全ての敵をべっとりとしたそれに濡らす。

簡易型爆炎、というわけか。
だったら話は早い。
右足の目標を敵の顔の高さから足元に切りかえる。
必要なのは威力じゃない。
油に火を着ける熱。


五条「ず……おおおおおおおおッ!」


テイクバックを小さく取り、爪先でボールの中心を蹴る。
遠くに飛ばすことよりも油が地面に染み込む前に打つ方が重要。
コントロールが難しいトーキックも、辺り一面敵だらけな此処でなら問題ない。

スパイクに猛打されたフーケ製の土球は地面の数サント上を走り始める。
ここが使いどころ。
単独ならせいぜい四五人しか吹き飛ばせぬこの技も、魔法が組み合わされば……





五条「分身ペンギンッ……!」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:01:24.19 ID:t4IvFA8Uo<>
何もなかったはずの球の周りに蒼い小さなペンギンが五匹、姿を現し、各々回転しながら油まみれのレコン・キスタ軍に迫っていく。
威力を小さくした分、数を増やした。




五条「『散れ』、ペンギン……!」

その声と共に、ボールの傍にいた小さな火力を秘めたペンギンたちは五方向に舞い上がり、一気に大地に向かって降下する。

五条「今度燃えるのは……オマエたちの方です……!」

刹那、爆ぜたペンギンが油に着火し、油の付着した敵兵をおしなべて焼き殺す。
トライアングルスペルの爆炎のような空気をも燃やし尽くす火力はないが、引き換えに広範囲の敵を一人残らず戦闘不能にする程度の熱は持っている。

周囲に響き渡る、多くの人間のもがき苦しむ声。
声を出したところで火は消えない。
むしろ叫ぶことによって、炎が喉を焼き、余計死期を早めるだけだ。

屍が次々に増えていく死線の上に、自分は立っている。
その人を焦がす炎が……美しいと感じてしまったオレはもう戻ってこれない。
感情に理性が取り込まれた瞬間こそ、戦場では死を意味する。
殺し合いの中に惹かれるものなどあってはならないのだ。

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 02:03:07.59 ID:zgSD0nvyo<>え? プリニー?<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:05:20.44 ID:t4IvFA8Uo<>
胸に手を当て、心臓に戒めの杭を打ち込む。

レコン・キスタにもう最初のような肉の壁は残されていなかった。
立っているのは大凡で三十人。
今の技で百人は死んだ。

漸く火がおさまったところで、フーケが口を開く。


フーケ「ハッ……! ようやく、集まった糞どもの親玉が見えてきた」

五条「その、ようですね」

フーケ「なんだ、嬉しくないのか」

五条「嬉しさなど……あるのは、躯の痛みだけですよ」


あるいは……不安か?

先の見えなかった戦いにやっと見えた希望が一縷の懸念を呼び出す。
これではまだ終わらない……?
そんな根拠もない疑心暗鬼が心に渦巻く。
何かがいる。

ここまでの戦いが霞むような、強大な何かが。


迷いを消し去る様に頭を左右に振る。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 02:06:14.75 ID:C+jUGG7Lo<>ルイズたんのクンカクンカ祭り<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:09:14.69 ID:t4IvFA8Uo<>
フーケ「まあいい。乗んな、ゴジョー」

ゴーレムの掌に立つと、その手は自身の肩まで運ばれる。

右肩にフーケ。

左肩に自分。

目の前には今の今まで自分から逃げおおせていた、臆病な司令部。


フーケ「テメェら……命乞いは聞かねえぞ」

戦場は何も答えない。

フーケ「あたしとコイツはテメェらが何処に逃げようとも追いかけて、殺す」

僅かな兵士は剣を下ろす。
メイジはその杖を地面に投げ捨てる。

勝負は決した。
その証拠に部隊長らしき男もまた、両手を天に掲げる。
諦めが戦場に広がっていく。

フーケ「投降しても無駄だ」

顔を俯かせるレコン・キスタ軍をゴーレムの足が潰そうと大きく一歩踏み出す。
汗でずれていた眼鏡を少し持ち上げ、後ろに振り向く。


視線の先には、数限りない死体。
至る所で上がる、人の肉を焼いた煙。
それがこの今回の戦いの過酷さと規模を表していた。
正確な数は分からないが、自分一人で数千人は殺した。
その事実に目を背けることは出来ない。

背負わなければならないのだ。

自分の行為の残した結果と責任を。

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/10(月) 02:09:22.30 ID:xMRC/Bxso<>いい匂いだなあ
いい匂いだなあ!!!!<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:11:48.29 ID:t4IvFA8Uo<>
ガクン、と突然ゴーレムの動きが止まった。

兵士達の頭上でその足は動かない。




フーケ「なんだ、ありゃあ……?」

フーケの見据える先には一匹のドラゴンが翼を広げてこちらに飛んできていた。
竜の手には……布に包まれた四角い物体がぶら下がっている。
この期に及んで増援?
いや、それにしては数が少なすぎる。
一匹のドラゴンで勝負が決まるのなら最初から連れてきているはず。

意図が見えない。

唖然とした自分とフーケの前に翼竜は降り立つ。

その背には一人の男が乗っていた。

見たこともない、金髪の男。
その顔には奇妙な笑いがへばりついていた。
反響する拍手。







「フ、フフフ……素晴らしいよ、ゴジョー・マサル」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:14:40.43 ID:t4IvFA8Uo<>
フーケ「テメェは……!?」


盗賊は何か知っているようであった。


五条「誰ですか……? オマエのような知り合いはいない筈……」

フーケ「ゴジョー、コイツがレコン・キスタのテッペンだ……!」

五条「……!」

フーケ「オリヴァー・クロムウェル……!」


下りてきた男はドラゴンの持つ四角い物体の横で、手を止める。


クロムウェル「フ、フ……ご紹介ありがとう、盗賊。彼女が言うとおり、私がレコン・キスタの総司令官であるオリヴァー・クロムウェルだ」

フーケ「ヒャハ……こりゃあ願ってもねぇなぁ……ゴジョー」

五条「……」

フーケ「だってよお……! 鶏がソース咥えて来たようなもんだぜ……! 探してブチ殺す手間ぁ、省けたじゃねぇか」

クロムウェル「……いけないな、君は口が悪くて」

フーケ「ハッ! 御託は地獄の閻魔に言いな……!」


ゴーレムの右足を兵士たちからクロムウェルの頭上に差し向け、踏み殺そうとするフーケ。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:16:20.20 ID:t4IvFA8Uo<>
クロムウェル「ファハハハハ、まあ待ちたまえ! いいのかな、私を殺しても……?」

フーケ「ああ!? ぼけてんのか、テメェ!?」

クロムウェル「いや、君の大事な『子供たち』が死んでも構わないのかな、と思ってね……?」

ゴーレムの動きが再び止まる。
この男……

フーケ「……テメェ、そりゃあどういう意味だ……?」

クロムウェル「ワルドが君をレコン・キスタに連れてきたとき、既に素性は調べさせてもらったよ。マチルダ・オブ・サウスゴータ」

フーケ「な!?」

クロムウェル「ついでにウェストウッド村についてもね。フ、ファハハ! 泣ける話じゃないか? 貴族を捨ててエルフのような民を守るとはね」

フーケ「テメェ……! ティファニアに……!?」

クロムウェル「安心したまえ、あのような村はいつでも焼き払えるのだ。まだ手出しはしていない」

フーケ「く……!」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:19:12.75 ID:t4IvFA8Uo<>
クロムウェル「だが……この泥人形の足をさっさと避けなければ、どうなるかは分からないがね。私が死ねば、すぐにあの村は焼き払われるぞ?」


クロムウェルは下卑た笑いを浮かべて、フーケを睨みつける。
フーケは怒る右手の杖を下ろし、唇を噛み締めた。
人質を取られた、ということか。


クロムウェル「お前のようなゴミは、そこで突っ立っているのが相応しい……」



五条「……わざわざそんな下らないことを言いに来たのですか……オマエは」



ゴーレムの肩から飛び降り、クロムウェルの前に立ち塞がる。

クロムウェル「おお、すまないな、『トリステインの黒い悪魔』。私の目的はそこにいる雑魚じゃない……君だよ」

五条「生憎ですが……お前のような下衆と話をする気はないですねぇ……!」

クロムウェル「ハハハ……! しかし、君の実力は目を見張るものがあるな」

五条「……」

クロムウェル「まさかこの軍勢を、ほぼ一人で壊滅させるとは……ぜひ我がレコン・キスタに力を貸して欲しいが……?」

五条「ヒ……! レコン・キスタの奴らはどうして皆、こんなにも愚かなんでしょうかね……? オレが本当にその話に乗るとでも思っているんでしょうか?」

クロムウェル「まあ、そうだろう。フフフ、そうだろうと思ったよ」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:29:21.93 ID:t4IvFA8Uo<>
クロムウェルは四角い物体に掛かっていた布を取り払う。
現れたのは、檻。
その奥には黒い影が蠢いている。

フーケ(……なにか、いる)

クロムウェル「……味方にならないのなら……その力は余りにも障害だ。事実、君はここひと月で我が軍の多くを壊滅させている」

クロムウェル「末おそろしい……その若さで軍と張り合う、いや、それどころか勝てる力は」

五条「……何が言いたい」

クロムウェル「『トリステインの黒い悪魔』。フ、ヒヒ……上手く言ったものだな


クロムウェルはカールした横髪を指で弾き、笑い続ける。

クロムウェル「だがね、私たちにも『悪魔』は呼び出されたんだよ……!」

五条「……悪魔、だと」

クロムウェル「君以上かもしれない、とても大きな力を持っている悪魔だ」

クロムウェル「私たちは狂喜した……この力があれば、世界を支配できると」


ワルド、いや、それ以下の思考。
ワルドはまだ自分で戦うことから逃げてはいなかった。
この男は違う。
自らの手を汚そうとはしない、屑の見本のような男。


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:32:07.07 ID:t4IvFA8Uo<>
クロムウェル「残念なことに悪魔は私たちの言う事を聞こうとはしなかったがね……それどころか、我が軍を脅かしかねないことをも言い始めてね」

クロムウェル「おとなしく従っていれば、こんな事にはならなかったのにな」


クロムウェルは檻に魔法を唱え始めた。
それに呼応して錠は外され、中から四つん這いの……





クロムウェル「さっかー、がどうとか言っていてな……元の世界に帰せ、とも言っていたよ」




そんな……


これは人違いだ。
そうじゃなければ、他人の空似だ。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:37:47.27 ID:t4IvFA8Uo<>
クロムウェル「私は魔法が使えないのでね……この『アンドバリの指輪』がなければ、殺されていた」

違う違う違う違う違う。
なんで、オマエがここにいるんですか……?

こんな異世界でどうして。

クロムウェル「なんとかコントロールをしたはいいが、この悪魔、戦いではその力を発揮しようとしない」

否定する脳。
だがその身につけるユニフォームは見間違えようもない。

クロムウェル「仕方が無いので、我々は少しばかり悪魔の心を弄った」

ドレッドヘア。
顔には大きすぎるゴーグル。

クロムウェル「効果は覿面だった……! 悪魔は一人でアルビオン軍の大半を壊滅させた……だが何かを成すには何かを犠牲にしなくてはならない」

およそその身体にはつり合わないマント。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:40:39.45 ID:t4IvFA8Uo<>
クロムウェル「……闘争に特化しすぎた結果がこのケダモノだよ」

14番。

クロムウェル「会話も成り立たない上に、敵味方の識別もつかない。要はコイツが放たれるときは、完全にその場所は『終わる』というわけだ」

口から犬のように涎を垂らし、首を振る。





鬼道有人。



五条「な……ぜ……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 02:41:14.38 ID:zgSD0nvyo<>ほんとになぜwwwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 02:42:29.54 ID:CS/CpDH+o<>最初の豪炎寺を除けば他のイナズマ選手が出んのは初めてだなwwwwwwwwww他のSSを含めても<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/10(月) 02:44:03.57 ID:gxgLOuDDO<>超展開WWWW



ところでここはさるってあるの?<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/10(月) 02:47:45.52 ID:t4IvFA8Uo<>今日はここまでっす

明日から三日間ちょっとばかし家にいないので次回投下は14日になるかと……

読んでくださる方をおまたせすることになるので大変申し訳ないです

どうかお許しください<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/10(月) 02:49:15.83 ID:gxgLOuDDO<>オイコラおもしれーぞバカヤロー!投下待ってるからなコノヤロー!<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 04:01:51.57 ID:C+jUGG7Lo<>フーケさんマジGJ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 04:03:39.92 ID:Uv78MdAG0<>おうどんがどうしてこんなことにwwwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 04:38:08.13 ID:H4S4npAAO<>乙
こりゃあ更に面白くなってきたな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 04:47:45.91 ID:F6AXekWNo<>おうどんは犠牲になったのだ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 04:49:25.51 ID:XV32FGIDO<>クロスSSで五条さん以外の超次元登場人物とか新鮮すぎてやべえwwww<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 05:08:54.08 ID:C+jUGG7Lo<>                . ‐ ´ ̄ `ヽ- 、
             // ニ 、: : : : : : : \
               / ._) ( __ ),ニ > ニ 、 : .ヽ  やったね!お兄ちゃん ☆
           / /: : `ーァィ ´: .l.(   )ヽ: l  いよいよゴーグルからおうどんビームが飛び出すよ!   
     ☆   _ /:/:/: /ヽl l: : l :|: ト`ニ ィ、>.l
        /: : : > K__ l l : .l A |: : :l : l l |
        l /: : : l /l、、 ̄ヽVヽ:j/__ \l: / : lノ  
      ィ /7ヘn-┴ 、   、   ̄ ヽ-j/ : : ヽ        三ニ〉
     / ,`ニ='´/ィ T´  (` - _┐ ``/: ハ: : : .\     \\ニ三〉
      /  _. イ人ト、: \ ` ー ′ く\/ィ_; 、、:ト. l  {三二〃三〃ニ{
    /  /     _ 、V\ト   -r<: :>、Уノ」」」ノ jノ    /〃\〃\三─ニ⌒`‐‐、_
   /   /  _ / /  「 ̄ヽT,ニ、ト、 `Zノヽ `ー、 ヽ  /三≡三〃\三/ ̄〃\=\=\`、‐、
  /    /ニ  \ l/ 」 __ ィァ、  冫  ̄ヽ \   ノ    7二彳三_/""~─ 、,‐-}、__!、,,/_,-j :i      ははは
 l     / ヽ   / /   /l ヽィ  //  l  l   l  /三二三〃_{_"~ ̄_/Fミヾ_,,    ヽ〉
 l       _ イ  /  `ヽ/ j   l l/   \ l  l  \/ ̄`、_{‖_,‐'´( ,-'{( ((;;,,;))三/{((;;,,))     いいか春奈、これは笑い事じゃないんだぞ
 ヽ -‐ `ヽ./ /j        `⌒´ /  / У  |        〉彳_,-'´iニ弋ト=三彳 弋三ノ     お前を見守ることもままならないんDA 
        ´  |     : .    Λ Λ  l    ノ        Y/ ,'⌒        ノ  }      
                                    \/、_      `、二フ /
                                     └、_〃\.       _/
                                       ヽ.! `‐------'''
                                      ,,‐─!`‐-、_   !__
                                  ,--、 i__  ̄\  `!i'  i ̄\
                                 /    ̄ ヽ   \___i!_,,, i/ i‐-、 <> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 08:50:33.55 ID:kxY8vJHno<>まさかの展開過ぎるwwwwww
鬼道をどうするかで五条さんの心がどうなっていくかも気になる<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 08:53:12.03 ID:t92P+iEAO<>やっと追いついた

ルイズのクンカクンカなんて描写あったっけ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/10(月) 11:38:51.70 ID:Gn/i/gLDo<>なんという生殺しッ…<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 14:47:04.71 ID:4yjaGwbXo<>まさかまさかですよ
次回が楽しみ過ぎる・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/10(月) 18:05:48.26 ID:Zeib3mLe0<>五条さんはフットボールフロンティア地区予選決勝戦の時にルイズに召喚されたんだよね?
それなのに向こうに呼び出されたのは、背番号14のおうどん、つまり雷門中のユニフォームを着た雷門中のおうどん(時間的にはフットボールフロンティア本戦第2回戦以降、帝国のおうどんは背番号10)ってことは、五条さんが召喚された時点より未来におうどんは召喚されたってことで
つまり現実では五条さんが召喚されてから時間が進んでるってこと?
五条さんが突然いなくなったのに現実世界はそのまま進んでるの?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 18:08:26.88 ID:5HAit4F/o<>ゼロ魔原作でもサイト召喚後リアルでも時間進んでたっぽいし別にいいんじゃね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/10(月) 22:01:27.13 ID:GCPBXkYBo<>五条さんからすると未来からきた鬼道とか?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 22:55:54.89 ID:gTLQALTJo<>鬼道wwwwwwwwwwwwww他のキャラかと思ったんだけど
なんで鬼道なんだ?<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 23:01:32.11 ID:uCSf/OnKo<>そうだよな万丈とか大野とか咲山とかいるよな<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 23:43:56.45 ID:/tNBTYxUo<>鬼道の詳細誰かよろしく<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/10(月) 23:46:35.38 ID:wKxfJmoEo<>こいつ
    \\ニ三〉
  {三二〃三〃ニ{
    /〃\〃\三─ニ⌒`‐‐、_
/三≡三〃\三/ ̄〃\=\=\`、‐、
  7二彳三_/""~─ 、,‐-}、__!、,,/_,-j :i
/三二三〃_{_"~ ̄_/Fミヾ_,,_,,,,....--―''''"'''-- .,,_
\/ ̄`、_{‖_,‐'´( ,-'{( ((              ''-,,
       〉彳_,-'´iニ弋ト=三―-- ....,,,,_         ' ,
       Y/ ,'⌒        ノ  } "''- ,,      '',_
       \/、_      `、二フ /    "',_      '
        └、_〃\.       _/      '',_     '',_
           ヽ.! `‐------'''        '',_     '',_
          ,,‐─!`‐-、_   !__         '',_     '',_
      ,--、 i__  ̄\  `!i'  i ̄\      '',_     '',_
     /    ̄ ヽ   \___i!_,,, i/ i‐-、    '',_     '',_

    へ            へ      ( ヽ       |\     <⌒l
   ( レ⌒)  |\     \ノ      \ \   l⌒l \_)    / /
|\_/  /へ_ \)     ___       \ \/ / |\    / /
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  /  / ̄~ヽ ヽ.  (___/  \ \    / /         / /
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 | |  | |   / /          |  |   |  |          / //  \
 \\ノ |  / /           / /   |  ヽ____ノヽ   /   /^\ ヽ_ノヽ
  \_ノ_/ /         _/ /    ヽ____ノ   ヽ_/    \___ノ
     ∠-''~         ∠-''~<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/11(火) 00:05:23.67 ID:1yJKZjyqo<>よけいにわからない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/11(火) 00:09:36.43 ID:PvsGQz1z0<>おうどんAAを呼び出したかっただけか…


ていうか何で鬼道がおうどんなのか知らぬ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/11(火) 00:10:23.33 ID:rby/sHxEo<>>>140
五条さんのいたチームのキャプテンのかしこいおうどん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/11(火) 01:13:38.96 ID:ytRYylMho<>3D映画でゴーグルが立体的に飛び出している
それがおうどん<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2011/01/11(火) 08:36:30.03 ID:A0XOkH+0o<>>>143
元ネタはたぶんX-MENのサイクロプス

ー-ニ _  _ヾV, --、
ニ-‐'' // ヾソ 、 !ヽ
_/,.イ / /ミ;j〃゙〉 }U }
..ノ /ハ  〔   ∠ノ乂 {
 ノノ_,,,,.... --―''''ヽ
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  |_               ''-,,
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トl、::::l   {⌒ヽr{ |:::::::::|   '',_     '',_
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    へ            へ      ( ヽ       |\     <⌒l
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  \_ノ_/ /         _/ /    ヽ____ノ   ヽ_/    \___ノ
     ∠-''~         ∠-''~
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/11(火) 12:51:07.04 ID:qvu41E17o<>          / ̄ ̄ ̄\
         /   ⌒  ⌒ ヽ
         /   ( ●)(●) |
         |    (__人__) }   うーっす
        /、.    ` ⌒´  ヽ
       /            |
       |           | /
       ヽ_|  ┌──┐ |丿
         |  ├──┤ |
         |  ├──┤ |<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage!status<>2011/01/12(水) 15:19:32.53 ID:hio7PlKn0<>楽しみだ
現在のサーバのご機嫌:普通ですー(LA:0.3037109375)<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/12(水) 19:27:19.85 ID:ZCZH+tBso<>これはオススメww
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1293698171/<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/12(水) 19:27:49.74 ID:ZCZH+tBso<>ごめん誤爆った・・・<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/12(水) 19:57:32.88 ID:tATqawqqo<>ぶー>>146が本当の事教えちゃった<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/12(水) 22:31:46.82 ID:LTZxl/HAO<>イナイレもゼロの使い魔も知らんが



五条さんに惚れた<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/12(水) 23:24:21.65 ID:H1KGELwYo<>また投票やってるけど今度は壁山さんか<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/13(木) 01:33:46.14 ID:vnZ9y7R3o<>壁山に五条さんほどの魅力は感じない<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/13(木) 04:17:11.88 ID:IB0D77NAO<>多分、五条さんにとって
鬼道は尊敬できるキャプテンだろうから戦いづらいだろう<>
言葉様は俺の嫁<>sage<>2011/01/13(木) 17:47:22.11 ID:OYVqK4kK0<>狂え、純粋に<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/13(木) 22:08:43.59 ID:KJlxaXqFP<>今日の深夜にでも来てくれないかなー
SS・小説スレは本日、移民大会議を行います。(板が新しくなります)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279375638/

<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/13(木) 22:20:57.00 ID:MIy1BQtxo<>邪魔な誘導が・・・ww

SS・小説スレは移転しました
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<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/13(木) 22:49:45.61 ID:OYVqK4kK0<>なにこれこわい
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<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2011/01/14(金) 01:38:09.06 ID:iTgsoBYao<>睡眠不足さん
■ 【必読】 SS・ノベル・やる夫板は移転しました 【案内処】
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でスレッドをぶっ飛ばして貰わないと新天地へ移転されないようなのだけど
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<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>sage<>2011/01/14(金) 02:00:00.88 ID:G8OIqCLto<>
ただいま書きため中につきもう暫し、お待ちを……今日中には投下できそうです
ちょっと見てないうちに移転になってて吃驚しました

>>160
ありがとうございます!
申請してきます




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<> 真・スレッドムーバー<><>移転<>この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>sage<>2011/01/14(金) 02:59:02.53 ID:oZ74ngZ0o<>移転しました

が、唐突だったので皆さん知っておられるでしょうか……?

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/14(金) 03:08:34.49 ID:K/jzFck7o<>睡眠不足ファンは今日もひしひしと追っかけをやっておりますので大丈夫かとww<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/14(金) 03:28:59.11 ID:V/VKgELDO<>やる夫スレ誘導からここ見つけた!
製作で検索しても見つからなかったからマジでビビったよ…<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/14(金) 05:41:49.05 ID:HPbGgZ3to<>移転乙
しっかり見させてもらってます。頑張ってください<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>sage<>2011/01/14(金) 08:54:19.52 ID:oZ74ngZ0o<>
今書き溜め終えました

しかし、中々ペンが進まずそんなに量はないです
本当にごめんなさい

午後3時くらいに投下しようと思います

三日も待たせた挙句、さらにお待たせすることになり大変申し訳ないです

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/14(金) 13:27:21.49 ID:6+sqij61o<>もしもしからだとdat落ちだし誘導もないしああもうこりゃ\(^o^)/と思ったぜ
乙!<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>sage saga<>2011/01/14(金) 16:06:42.63 ID:oZ74ngZ0o<>
唾液が、粘り気を持って喉から離れない。
確率と言う何ら参考にならない、人間が創りだした論理は今の状況が起こり得た可能性を幾つと示すのだろうか?


起きてしまった事は全て事実として歴史に刻まれる。
それが例えゼロに限りなく近い道の一つであったとしても、起こってしまった現実を塗り替える事は『絶対』に出来ない。

時間軸に僅かだけ干渉可能な自分。
それでも……時間の河を遡ることまでは及ばない。

大きな、眼に見えない力がこの戦場に鬼道を呼び出したのか。
そうだったとしたら『最悪』だ。


頭からは数多の疑問が止めどなく溢れる。

何故鬼道有人なのか?
異世界の人間が二人もハルケギニアに存在するなどあり得ることなのか?
尚且つ自分と少なからず関わり合いのある人間。
自分は試合途中でこちらに召喚されたはずだ。
彼もまた誰かに召喚された……?

鬼道は自分がこちらに飛ばされたことを知っているのか?
そもそも今、野獣のような風体の鬼道有人は自分の知っている鬼道有人なのか?
向こうの時間はどうなっている?
同じだけの時間が経っているのか?


解らないことだらけだ。


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 16:11:55.48 ID:oZ74ngZ0o<>

フーケ「……ォ……ゴジョー! 大丈夫か!?」


はっとすると、フーケが自分の肩を揺さぶっていた。
いつの間にか身体はガタガタと震え、呼吸が乱れている。

五条「……ヒ……ヒヒ……いえ、あまり……大丈夫ではないですね……」

フーケ「マジかよ……」


心底参った顔で眼鏡を持ち上げるフーケ。


クロムウェル「やはりな。ゴジョー、この男は君の知っている人物だろう?」


クロムウェルはしたり顔で鬼道を指差す。


クロムウェル「君の姿形を見てそう確信した。こいつと君の戦い方は余りにも似ているからな……」


そうだ。
他の誰でもない、鬼道有人がここにいるということは超次元サッカーの技を使える人間が二人いるということ。
考えつくプレイヤーの中でも最強クラスのこの男を、満身創痍の自分で止められるのか?

いや、止めるだけでは駄目だ。
鬼道は心を奪われている。
それを取り戻さなくては意味が無い。



<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 16:15:06.26 ID:oZ74ngZ0o<>
五条「クロムウェル……! オマエが鬼道さんを、こんな姿に……!」

怒りが黒いオーラとなって背中から吹き出すのを感じる。

クロムウェル「おお……怖い。その威圧だけで心臓が止まってしまいそうだよ」


言葉とは裏腹に、ヘラヘラとした笑いを浮かべ続けるクロムウェル。
その横で呻く鬼道は頭脳明晰な、皆を統率するリーダーシップを持つ司令塔の姿ではなかった。




クロムウェル「……悪魔対悪魔、非常に楽しみな戦いだが巻き添えをくらってはどうしようもない。私は一足先に戻ることにするよ」


「お、お待ちください! 司令官!」


ドラゴンに乗ろうとしたクロムウェルに兵士の一人が話しかける。

クロムウェル「なんだね……」


ため息を吐き出したクロムウェルは兵士の方に向き直る。


「我々はどうなるのですか!? この戦いもレコン・キスタの栄光のためと思い、必死で戦ってきました! それなのに……我々は見捨てられるのですか!?」

クロムウェル「見捨てる……?」

「そうでしょう! この檻に入った男が放たれたということは、我々が殺されても構わないということではないですか!?」

クロムウェル「……」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 16:33:54.36 ID:oZ74ngZ0o<>
「敵に殺されるのは本望です……! レコン・キスタに入った時からその覚悟はしてきました!」


クロムウェルはつまらなそうに兵士を見据える。


「ですが……! 貴方様自らがこの男を連れてきたということは……既に我々には価値がないということではないですかッッ!」


「捨て駒ですら無い……! 我々は味方に殺されるためにこの戦場に来たわけではありません!」


爆炎のように結果として味方を巻き込むわけではないのだろう。
鬼道が此処にいる人間を一人残らず殺すためにいることを知っているからこその言葉だ。






クロムウェル「……君、総司令官たる私にそこまでの啖呵を切れたことは褒めてあげよう」

クロムウェル「だが、最初から君たちは死ぬためにこの戦場に来ている」

「な……!?」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 16:37:42.04 ID:oZ74ngZ0o<>
クロムウェル「ゴジョーを君ら如きで、本当に殺せるとは露程も思っていない……まあ勝てたら儲けものかな、程度の認識だよ」

クロムウェル「この部隊は……黒い悪魔の体力と精神力を削るため、それと別部隊がトリステインに侵攻するための時間稼ぎに派兵されたのだよ」

「そ、そんな……それでは、我々は何のために……!」

クロムウェル「君は、役目を終えた道具を何時までも取っておくのか?」

「え……?」

クロムウェル「要らないんだよ、もう貴様らは。傷ついた兵士を癒すのもタダじゃないんだ、この人数ならまとめて悪魔に掃除されたほうがずっと『経済的』だ」

「あ、ああ……! じゃあ、死んでいった仲間は……!」

膝から崩れ落ちた兵士は、周りを気にすることもなく慟哭する。
唾を兵士に吐きかけてドラゴンに視線を移すクロムウェル。

クロムウェル「フン、戦争に個人的感情を持ち込むとは……バカなやつだ」

フーケ「テメェ……!!」




クロムウェル「フーケ……大方お前も『レコン・キスタが押され始めている』なんて与太話を聞いて、ノコノコ此処までやってきたんだろう?」

フーケ「……だったらなんだ」

クロムウェル「まさか本当に我々がこんな崩壊寸前の国に反撃されていると思ったのかね?」

フーケ「な……に?」

五条「……」

クロムウェル「ファ……ハッハッハッ! いや、仕方ない! それに騙されたのはお前だけじゃない、愚かなアンリエッタも同じだ!」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 16:41:40.51 ID:oZ74ngZ0o<>
クロムウェル「ゴジョー、兵を減らしていたのは君ではない。私だよ」


クロムウェル「アンリエッタとウェールズがただならぬ仲だということは薄々知っていた。だからワルドが君のところに仕向けられただろう?」


クロムウェル「もちろん奴が手紙を奪っても良かったんだがね……それは残念ながら失敗に終わった」


クロムウェル「だから早々に次の手を打ったのだよ。我々が勢力を弱めたと情報を流せば、トリステインはゲルマニアではなく、雑魚のアルビオンに手をさしのべるだろうと考えてな」


クロムウェル「まあ、それも保険のようなものだ。例えゲルマニアと同盟を結んだところでトリステインに勝ち目があるとは思えなかったが……これでより簡単にコトが進められる」


クロムウェル「……ついでに言えば、君の存在も情報操作を行う上で非常に助けになった」


クロムウェル「『最終ライン』を一人で守っている男がいる……誰だってそんな話を聞けば縋りたくなるものだよな……? 崩壊しかけている王家にもそれは大層素晴らしく聞こえただろうさ」


クロムウェル「想定外だったのは君が思いの外、粘ったことだけだよ……だからこそ私は最初に君を賞賛した」


クロムウェル「お陰で最短ルートは使えなかったが……減ったと思われていた兵は既に本拠地に集まり、他ルートでトリステインへの進軍は始めている」


五条「……!」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 16:46:28.90 ID:oZ74ngZ0o<>
クロムウェル「ファハハ……! ゴジョー、まさか此処さえ通さなければトリステインを守れると思ったのか? 本当に一人で我がレコン・キスタを壊滅できると思っていたのか?」

クロムウェル「こっちに送られていたのは囮だよ、囮! 君が本拠地にまでこれぬようにするための壁だ!」

五条「貴様……!」

クロムウェル「掌の上でのダンスパーティーはさぞ楽しかっただろう……?」

クロムウェル「でももうそれも終りだよ。この兵器でお前たちは全員『死ぬ』」

クロムウェルは鬼道の頭を軽く撫でた。

そして指輪をその顔に近づけ、耳元で何事か呟いた。

クロムウェル「それじゃあ……お前たちが骸になった頃にまた来るよ……」


逃げられる……
この男の首を胴体から刎ねることは造作も無い。
魔法も使えぬ、体術も持たぬクロムウェルはこの場の誰よりも弱い。

だがしかし、出来ない。
フーケが全てを捨てて守ってきたものを自分が壊すことは、許されない。
それ故自分もフーケも、血が流れるほど拳を握り締めているのだ。


ドラゴンが大きく羽ばたく。
その瞬間、大きな怒号が鳴り響いた。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 16:48:22.10 ID:oZ74ngZ0o<>
「……こ、ろせ! この男を殺すんだッ!! このままではどちらにしろ悪魔に殺される! それならばせめてもこの男も地獄に道連れにしてやるぞッッ!」


声に反応したレコン・キスタの残党は一斉に地面の武器を拾う。
忠誠を誓った主君に裏切られた恨みを晴らすべく。


フーケ「待て!!」

「黙れ! お前の事情など知ったことか!」


制止を聞かず、兵士とメイジはクロムウェルに攻撃を仕掛ける。
槍と剣が取り囲み、生命を奪い去ろうとする。

レコン・キスタにとってフーケの守ってきた村など紙くず以下だ。
他人には理解らない重みなのだ。
憎しみのみが彼らを支配し、クロムウェルを殺すことだけが生きる目的になっている。

それでも止めなくては。
村の安全を確認するまでクロムウェルは殺せない。
たとい腸が煮え返る相手でも。


五条「フーケ……! 土球を……!」

フーケ「分かってるッ!」


フーケがスペルを唱えだそうかという時、クロムウェルがぼそりと呟く。





クロムウェル「バカめ……! これで先に死ぬのは貴様らだ」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 16:49:28.71 ID:oZ74ngZ0o<>
「おおおおおおおおおおお!」

瞬きをする間もあっただろうか。
十人がクロムウェルに剣を振りかざし、瞼を閉じれば奴は死ぬだろうと思った矢先。

それまで動きのなかった鬼道有人が、空中を跳ねた。
比喩表現などではなく文字通り。
脳の高速回転(クロックアップ)をしていない自分にはそこまでしか認識出来ず、右足を踏み出したときには既に兵士の首から上は無かった。

時間にしてコンマゼロゼロ以下の世界。
どうやって兵士が死んだのかも分からない。
結果だけが、荒廃した戦場に残っていた。


五条「……!」

フーケ「は……!?」

続けて唸り声を上げる鬼道は、後ろで杖を構えるメイジを目標にしている。
疾すぎる。
スペルを唱えている時間など皆無。
レコン・キスタに残されているのは、戦場で最も恥ずべき行為。
しかも恐らくはこの男に通用しない。
それでも……敵だった人たちでも。



五条「逃げろッッッッ!!! 早くッ!! 死にたいのかッッッ!!」

クロムウェル「無駄だ」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 16:51:04.23 ID:oZ74ngZ0o<>
自分の声よりも速く、鬼道は残兵に跳びかかる。
瞬時に脳内スピードを高め、レコン・キスタの方向に足を進める。
遅い。
疲れのせいもある。
シグマゾーン応用、クロックアップですら鬼道のスピードには及ばない。
彼の再生速度が動画だとしたら、自分は紙芝居程度。
身体を一歩前に進めるごとに鬼道はレコン・キスタ兵を屠っていく。

五条「ぐ……!」

まるで水の中を歩いている様にすら感じられる。
思考する間にも兵士は身体を二つに裂かれている。
間に合わない。
人間の可能な行動速度をとっくに超越しているはずだ。
それでも距離は三メイルも移動していない。

もっと速く……!
動け、躯……! 
鬼道さんを力づくでも止めてみせろ……!

最後の一人が遠くで粉々になる。
敵軍がその手によって全滅する。




五条「ぐぅぅ……!」


脳の速度を緩め、ブレーキをかける。


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 16:53:20.23 ID:oZ74ngZ0o<>
クロムウェル「……余興は終わったな」

フーケ「と、止まってる……? 時間が……」



クロムウェル「あの化物には時間も距離も関係ない。言っただろう、奴は私を除いた生物を一匹残らず肉片にする」


フーケ「ふざけてやがる……」

クロムウェル「命令は二つ下してある。『全員殺せ』と『終わったらその場から動くな』だ」

五条「クロムウェル……!」


クロムウェル「早く終わりすぎても面白くない、せいぜい足掻いて見せてくれよ……トリステインの黒い悪魔」


そう言い残し、クロムウェルはドラゴンの手綱を引く。
再び翼を広げた竜はゆっくりと雲の上に舞い上がった。

フーケ「……クロムウェル! テメェだけは殺す! このまま終われると思うな!」

クロムウェル「ファハハハハハ! 実に雑魚らしい遠吠えだ! まあもし生きて延びられたなら、その時はぜひやってみろ!」

フーケ「クソッタレ……!」


傷ひとつ負うこと無く、男は消えていく。
核弾頭級の置き土産を戦場に残して。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 17:00:38.91 ID:oZ74ngZ0o<>
どうすればいい。
自分に鬼道を止められる技があるのか?

今の彼は持っている潜在能力を強引に引き出されている。
まともに正面から向かっていっても勝てない……
速さも強さも硬さも上。

あるのは、知力とフーケの援護のみ。


鬼道は動くものから殺している。
視界に入る、動くものは敵だとインプットされているのだろう。
その証拠に筋痙攣するレコン・キスタ兵の死体を一人づつ潰している。
まるで子どもが蟻を踏みつぶすような、そんな無垢さで。

感情の起伏が全く見られない。



五条「フーケ……まだその場から動いては駄目ですよ」

フーケ「……分かってる。あたしたちが動いたのをアレが認識した瞬間、ゲームオーバーだろ?」

五条「……」

フーケ「……ゴジョー、アイツぁテメェの知り合いなんだな」

鬼道を見て、フーケが聞く。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 17:02:36.31 ID:oZ74ngZ0o<>
五条「ええ……」

フーケ「テメェの知り合いってのは皆あんなバケモンみてぇな奴ばっかりなのか」

五条「いえ、彼は心を失っている。だから躊躇なく人を殺せるのでしょうし……かのような動きが出来るのでしょう」

フーケ「……」

五条「……そうでなくても、鬼道さんは互角か……それ以上の力を持っている」

フーケ「どうすんだ。あたしにゃとてもじゃないがアレの攻撃を避けれそうにない」

五条「ヒ……オレもそうですよ」

フーケ「笑えねぇ冗談だ」

五条「……鬼道さんにかかっている呪縛というのは、どんなものなのか分かりますか?」

フーケ「いんや。ただ、その辺に転がってるようなものじゃねえ事は確かだ。人の心を操る魔法は禁呪だからな」

五条「……解除方法は?」

フーケ「術者を殺すか……本人を殺すかぐらいしかこの場では思いつかねぇな。つーかそんなこと出来る余裕はねぇだろ、殺らなきゃ殺られる」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 17:04:48.27 ID:oZ74ngZ0o<>
フーケの言う事は正しい。
これまでの敵は皆自分の限界値よりはいくらか下の相手ばかりだった。
ギーシュもフーケもワルドも。
だから勝ててこれたのかもしれない。

しかし今対峙しているのは、自分より格上の実力を持つ男。
尚且つ、ただ殺せば良いというものでもない。
自分は鬼道を助けたいと思っている。

それは甘えだ。
心情的にも、実力的にも勝てる要素が出てこないのに。

それでも。
キャプテンだった人なのだ。
みすみす目の前で操られている彼を見捨てることは、自分の心が許さない。


五条「フーケ……オレは彼の心を取り戻したい」

フーケ「……正気か?」

五条「クックックッ……! 狂いそうな状況ですが、オレはまだイカれてはいないですよ……!」

フーケ「……どうやって、だよ。二人合わせたって勝てる相手じゃねぇだろ」

五条「かもしれません」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 17:08:42.35 ID:oZ74ngZ0o<>
フーケ「しれっと言いやがって……まあ、どっちにしろ逃げられるわけもねえが……」

五条「心臓を一度止めれば、鬼道さんの呪縛は解けます。そして再び心臓を動かせば……自分の心を取り戻せる」

フーケ「はあ? 根拠は?」

五条「ヒヒヒ……一サントも無いですねえ。そんな気がするだけですよ」

フーケ「……テメェにしては馬鹿げた理由だな」

五条「ですが、此処で彼を助けられる手段はそれしかない……オマエが言ったんでしょう? 出された選択肢に後悔しないように生きろ、と」


フーケは疲れた表情で杖を握り、小さく頷いた。


フーケ「99%以上、んにゃ100%の確率で死ぬな……あたしも流石にヤキが回ったかな」

五条「グフフ……死ぬ前に諦めては何も変わらないでしょう……?」

フーケ「ま、な。どうせ死ぬなら……大穴に賭けてみるのも悪くねえかもな」








五条「それに……オマエを殺させはしません……! オレの生命を使ってでも……守りきってみせます」

フーケは突然顔を赤らめて俯いた。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 17:11:30.00 ID:oZ74ngZ0o<>
五条「……?」

フーケ「ば、ばーか! そう言うのはご主人に言っとけボケ! 大体テメェこそあのピンク色にもっかい逢うまで死ねねぇだろ! アホ! メガネ!」

五条「……何を怒っているのですか……?」

フーケ「ケッ! テメェのツラだ!」

五条「まあいいでしょう……」

フーケ「で! 策はあんのか!?」


頭を振って、急に話を変えるフーケ。


五条「策の通じる相手ではないかもしれません……が。特徴として動きのあるものからターゲットにしているようです」

フーケ「それで?」

五条「いいところ、オマエの魔法で単純な土人形を生み出して、それを囮に攻撃するくらいしか有効な攻撃手段が思いつきませんねぇ……」

フーケ「……それで勝てんのかよ」

五条「勝てるか、じゃない……勝たなくては死ぬだけです」

フーケ「こっちの攻撃が当たるかも分かんねえのによく言うぜ」

五条「しかし、それもやってみなくては分かりません」

フーケ「ゴーレムは? 攻撃してみんのか?」

五条「当たらないでしょうね……ハッキリ言って多対一には向いていても、少人数相手には不向きな物ですよ、コレは」

フーケ「うるっせええ!」


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 17:39:38.90 ID:oZ74ngZ0o<>
五条「それならば、ゴーレムから作れるだけ人間大の土人形を生み出して囮に使ったほうが効果的です」

フーケ「はあ……魔法力が切れるまでが勝負だぜ? っても、あの野郎相手に長期戦なんざ望めねえか……トドメはテメェが刺すのか?」

五条「……隙あらば、オマエが直接ブレッドで」

フーケ「力加減すればこっちが殺られるからな……? もしそうなったとして、殺しちまっても文句は聞かねえぞ」

五条「大丈夫……オレが蘇生してみせます」

フーケ「ヒャハ、何が大丈夫なんだか。そこまでの奇跡を起こして、あたしたちが立ってられる保証もねぇのによ……こうなりゃヤケだ」

五条「クックックッ……さあ、話している時間ももう終りです。オレが動き出したと同時に土人形を出現させてください。その瞬間だけでいい、只管、的を増やして彼の注意を引くこと」

フーケ「分かってる……! タイミング外しゃあ終りだ……土球も一発だけ出すからな。よく見とけよ」

五条「……ありがとうございます」

フーケ「フン……敵だったテメェにこんな事言うのも癪だが……!」

五条「……」






フーケ「死ぬなよ、ゴジョー」


気恥ずかしそうにフーケはそう言った。
それに返す言葉は決まっている。












五条「クックックッ……! 死ぬのは……最後でいいですからね……!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/14(金) 17:43:56.36 ID:oZ74ngZ0o<>次回投下は明後日になります

移転先にまで来てくださった皆様、本当にありがとうございます!<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/14(金) 17:47:01.13 ID:aorV6Q7AO<>>>186
乙乙!

盛り上がってまいりました!

次回にワクテカして待ってます<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/14(金) 17:53:53.84 ID:N0XZn6duP<>移転で混乱しててやっと追いついたと思ったらちょうど終わってた
乙<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/14(金) 17:59:51.52 ID:gQqpH78Z0<>え・・・昨日やってたの?見れなかった・・・死にたい・・・<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/14(金) 18:02:48.93 ID:gQqpH78Z0<>誤爆すみません。死にたい<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/14(金) 18:18:35.74 ID:1D/K3yGho<>乙

>>190
イキロ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/15(土) 06:01:20.67 ID:JAA2jonpo<>鬼道さんマジ悪鬼<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/15(土) 18:12:07.33 ID:1yOxxISAO<>移転してたのか<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/16(日) 01:05:40.07 ID:gcV+Vb2Y0<>移転だったか
焦った<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/16(日) 12:28:16.14 ID:aE0kHaXm0<>やっと見つけた<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/17(月) 00:23:11.28 ID:5Xwr2cnDO<>やっと見つけた



移転直後は見つからなくて泣きそうになったわwwwwww<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/17(月) 15:33:24.55 ID:aP3Dnh9Ro<>おー、やっと追いついたぜー<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/17(月) 17:26:17.28 ID:C7s2Kasf0<>保守いらないけど保守<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/17(月) 22:42:49.53 ID:EfdxnDB7o<>支援って書いとけ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/17(月) 22:49:46.48 ID:4HOhVdPDO<>今日投下日だっけ?<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/17(月) 23:58:17.57 ID:EMK3qPdk0<>>>200
そろそろだろ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/18(火) 00:10:57.15 ID:CABRT2yHo<>五条さんスレでは1番だ!<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>sage<>2011/01/18(火) 00:13:40.35 ID:VSPXRpoIO<>本当にごめんなさい!
ちょっと投下出来ないので、明日の0時くらいにしても良いでしょうか……?

書き溜め分はあるのですが出先なので手元にPCがないのです

明日は必ず来ます!<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/18(火) 00:20:04.83 ID:hafcQGJDo<>一晩くらいなら全裸でも風邪は引かない<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/18(火) 00:24:49.43 ID:G1kyQ7v40<>このスレをBB2Cで見る方法って無いのか<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/18(火) 00:26:19.59 ID:cp0qGTwKP<>>>204
お前んちに湯たんぽ送っておいたよ。<>
大阪は俺の嫁<>sage<>2011/01/18(火) 00:30:24.72 ID:xIQUn5jX0<>五条△<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/18(火) 01:17:14.59 ID:Mm2JpIpIO<>>>205
BBS Menu画面の下のツールバーの左から2番めにある+アイコン(外部板を追加)からこの板追加するがよろし<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/18(火) 01:23:02.80 ID:QvjKnqOoo<>>>202
ここととある以外の五条さんスレを知っていたら教えてくれまいか?<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/18(火) 07:22:17.19 ID:Scami70so<>>>208

それは知ってたんだがread.cgiを消さないとだめだったんだな<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/18(火) 20:02:11.03 ID:mRzMV03Lo<>復活した?支援<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/18(火) 20:20:10.26 ID:J48uTNpY0<>復活したな支援<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 00:53:25.20 ID:b4uK0dAko<>……投下しても大丈夫なんですかね?

なんだか落ちて復活の繰り返しみたいですけど……<> 睡眠不足ファン<>sage<>2011/01/19(水) 01:17:07.69 ID:pLDQvTnoo<>さあどうした?まだ落ちたスレが復活しただけだぞ? かかってこい!
使い魔達を出せ!! 文体を変化させろ!! 足を再構築して立ち上がれ!! 
寝る間を縫って投下しろ!! さあ夜はこれからだ!! お楽しみはこれからだ!!
ハリー! ハリーハリー! ハリーハリーハリー!!<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/19(水) 01:20:28.57 ID:p1QplgRWP<>やっちまえ!<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/19(水) 01:27:02.09 ID:o6zrcBoX0<>待ってるぞ〜<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/19(水) 02:43:28.95 ID:Ki4NfMf8o<>         l      /    ヽ    /   ヽ \
          /     / l    ヽ /      |  \
| し な 間 〉 //  l_ , ‐、   ∨ i l  | |    \      は
| ら っ に |/ l ,-、,/レ‐r、ヽ  |   /`K ,-、 <   し
| ん て あ   / | l``i { ヽヽ l | / , '/',` //`|_/       や
| ぞ も わ    |> ヽl´、i '_   。`、llィ'。´ _/ /,) /\    ろ
| |   な   |`/\ヽ'_i ,.,.,.⌒´)_ `_⌒  /__/l  \       く
っ   |    く    |/ / l´,.-― 、l`ー一'_冫 /l l |   /   っ
!!!! |        \ ', /  /`7-、二´、,.| /// |   /
           lT´ {  /  /  ト、 |::| /// /  /    !!!!!
          l´ ヽ、 > ー    ,/ |ニ.ノ-' / / _
              i``` 、/ }    ',,,..'  |-'´,- '´     ̄/ ヽ∧  ____
           \/ ' \_  `´ノ7l´      /    // ヽ l ヽ
         / ̄ |      ̄ ̄/ ノ L___/      ★  U  |
        /   ヽ      /`ー´     /l                 |<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/19(水) 04:21:27.58 ID:SO50oBZAO<>下半身が凍ってきたで御座る<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 06:42:16.43 ID:b4uK0dAko<>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



始動した脳は世界を狂わせる。
先に動いたのは自分だったが、鬼道は自分が一挙動する間に三挙動行う。
あとは鬼道の世界にどれだけついていけるか。
それに懸かっている。

向かってくる自分に気付き、首を上げるまで一秒経たず。
と同時に鬼道の目の前に土人形が出現。
その数五体。

単純な命令しか出せぬ、腕を振り上げるだけのもの。
それでも鬼道の意識をそちらに向けさせる事は可能だ。

案の定、突っ込んでくる自分を標的から外し、刹那で一体目の人形を破壊。
振り向きざまにスパイクで人形の胴体を貫く。
最後に手刀で三体目の人形の胴体を縦に裂く。

ここまで一挙動。




先程の動きだけでわかる。
鬼道の疾さは群を抜いている。


だが……『視える』。<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 06:43:28.74 ID:b4uK0dAko<>
遅すぎる自分の脳に拍車を掛ける。
まだだ。
もっと神経伝達スピードを上げろ。
せめて、動きが二挙動になるぐらいまで……



鬼道「グガ……」

五条「鬼道さんッ……」

信頼していた人は何も答えない。
機械的に目の前にある人形を砕くだけだ。

次に目標になるのは自分。

五条「う……ぉおおおおおおおおお!」

寸前に迫る右手を左肘で弾く。
地面を踏みしめる。
筋肉が大地に噛み付く。

そのまま体重を全力で前に掛ける。
しかし、もう左腕は自分の胴体目がけて放たれている。

喰らえば……内臓まで潰れるか?



鬼道「カッ……ガ……!」



<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 06:45:15.18 ID:b4uK0dAko<>
回避できない。
防御しても右腕が折れる。
手刀が届くまであと三十サント。

だが。

ヘッドバッドが決まるまであと十サント。



五条「へ、があッ!」

懐に飛び込んだ自分の額が鬼道の鼻に直撃する。
鼻骨を砕いた衝撃が頭に響く。
『ゆっくり』と後ろに倒れていく鬼道の動きは、止まっている。
動きがどれだけ速かろうとも、直撃を受けた刹那だけは自分の意思で躯を動かせない。

鬼道「……ッッ!?」


今度はこちらが二撃放てる。

近いのはどこだ?
左足。

……否!

足では心臓を止めるどころかアバラごと……!

思考の間に、鬼道は背筋で倒れこむことを防ぐ。
そのまま両手で地面にブリッジ。
通常ではあり得ない身体能力を見せつける。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 06:48:58.30 ID:b4uK0dAko<>
迷っている時間はない!

右拳!



五条「があああッ!」



ありったけの力を篭めて放つ。
しかし心臓目がけて繰り出された拳が当たる数瞬前に、右足が顎に突き刺さった。

鬼道のそれは回避しながらの攻撃。
顎先に当たった衝撃は生命を奪うまでではない。

が。


五条「あ……が……」

ダイレクトに脳天まで届いたダメージに、意識が持っていかれる。
白目を剥いて仰け反るが、ギリギリで真後ろにいた人形がそれを支えた。

天に顔を向けたまま、小さく、笑う。



僥倖。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 06:54:03.96 ID:b4uK0dAko<>
胆力でもって吹っ飛びかけた意識を取り戻し、状況を確認。

バック転で後ろに跳び、距離を取った鬼道は土を抉りとり、次の呼吸で自分の生命を奪い去る。


一瞬の間が二人の視線を交錯させた。


地面から球体が出現する。



五条「……ッ!」



チャンスはここしかない。

超反応で鬼道はボールに目標を移す。

自我はなくとも、躯が覚えているか。


五条「グ……クックッ……!」


自分の振り上げた右脚と鬼道の右脚がほぼ同時にボールにぶつかり合う。
金属で覆われたそれは二人のプレイヤーに挟まれ、中心をスパイクの形に変形させていく。
ボールから火花が飛び散り、エネルギーが小さな球体に蓄積される。
右足が悲鳴を上げて、反対方向に曲がろうとする力に屈するのを腰の力で無理やり堪えさせる。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/19(水) 06:55:42.71 ID:iBaURtRvo<>メンタルが揺らぎやすいおうどんは自分で術を破ったりできなさそうだな<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 07:02:54.41 ID:b4uK0dAko<>
息を吸う。
酸素が満たされる。

息を吐く。

ヒビの入る感覚。

骨が限界をむかえようとしていた。


五条「おしッ……負け……られ……ないッ!」

鬼道「ウガッアアアアアアアアア!」


二人の男の咆哮が戦場に響くと、それが決着の合図であった。

破裂音と共に土球は細切れになり、エネルギーが放出される。
受身も取れぬまま身体は中空に浮き上がる。

衝撃。
身体は羽毛のように簡単に後ろに飛んでいく。
落下地点にあった小石が皮膚を擦る。

転がる。
転がる。

なにか柔らかい物体にぶつかって漸く止まる
血生臭さが鼻をつく。
瞬時に死体の山だと気がつく。


五条「ハッ、あぁ……?」


頭をブンブンと振り、現在地点を確認。

鬼道は視界に見えない。
今の衝撃で自分と同じように吹っ飛んだか。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 07:17:07.86 ID:b4uK0dAko<>
砂煙が舞い上がっている。
その向こう、十メイル程前にフーケの姿があった。
こちらに足を進めようと砂塵に背を見せている。


フーケ「お早いお帰りで……!」

五条「ク……! ジョークを言う余裕はオレにはないですね」

フーケ「ジョークでも何でもねえ感想だよ」



まだ頭の芯を衝撃が駆けまわっており眉の間を押さえて、無理やり視線を定める。
土と血が体中に付着し、手で払おうとも決して拭えない。

フーケにとっては確かに数秒間の戦いに見えたのだろう。
シグマゾーンなしであれだけの行動回数を可能にする、鬼道の潜在能力はクロムウェルの言う『悪魔』の言葉を体現していた。
リスク無しで、いや……心を失うということが何よりも大きなリスクか。
それがどれだけ心身にダメージを与えるかは誰よりも理解しているつもりだ。

ホコリまみれの眼鏡を持ち上げ、彼のいる方向を見据える。
まだ影は立ち上がってきていない。
一時的に自分とフーケを見失ったか?

違う、狙ってるのか?


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 07:22:01.98 ID:b4uK0dAko<>

フーケ「というかあたしの球ァ、役に立ったの? 速すぎて見えやしねえ」

五条「グフフ……それはまあ、バッチリと」

フーケ「にしては……あのバケモンがぶっ倒れたとは思えねえ」


半分ほどになったゴーレムの足に手を当てて、拳を握るフーケ。
感じるのだ。
鬼道の圧倒的な存在感を。


五条「ええ。残念ながら、まだ一撃しか当ててません……やはり速度が違いすぎる」

フーケ「……テメェの身体はもつのか? 脳、イカレてきてんじゃねえか?」

五条「ヒヒヒ、そんな事は承知の上……!」

フーケ「次のぶつかり合いで制さねえと……」



緑色の髪が戦場の腐った風を受けて、はためいている。
その遙か奥。
殺気と戦意の混じり合ったプレッシャーが放たれる。

オレは今、最高に冴えている。
その脳内麻薬で破裂しそうな脳味噌が危険信号を赤々と照らす。

第六感とも言うのだろうか。






光。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>age<>2011/01/19(水) 07:26:50.87 ID:fDkU1IPHo<>         ______
       ,;i|||||||||||||||||||||||||||||||ii;、         _/
     /||||||||||||||||||||||||||||||||||||||ii;、        \
  / ̄ ̄\||||||||||||||||||||||||||||||||||||ii;゙ヽ,      /
'" ̄ヽ     ヽ!!||||||||||||||||  ||||||||||!!"ヘ     <  ロマンティックageるよ
ヽ          ゙!!!||||||||||||  |||||||!!   iヽ── /
|||l            ゙゙ヽ、ll,,‐''''""     | ヽ|||||||||ロマンティックageるよ
|||l     ____   ゙l   __   \|||||||||
||!'    /ヽ、     o゙>┴<"o   /\   |'" ̄| ホントの勇気 見せてくれたら
\  /  |ミミヽ──‐'"ノ≡- ゙'──''彡| |、 |   |
   ̄|    |ミミミ/" ̄ 、,,/|l ̄"'''ヽ彡|| |、/   / ロマンティックageるよ
 ヽ、l|    |ミミミ|  |、────フヽ |彡l| |/  /_
  \/|l    |ミミミ| \_/ ̄ ̄フ_/  |彡|l/    ̄/ ロマンティックageるよ
  \ ノ   l|ミミミ|  \二二、_/  |彡|      フ
    ̄\  l|ミミミ|    ̄ ̄ ̄  |メ/       \トキメク胸に キラキラ光った
    | \ ヽ\ミヽ    ̄ ̄"'  |/        /
    /  \ヽ、ヾ''''ヽ、_____//       /_夢をageるよ
  /  ヽ ゙ヽ─、──────'/|         ̄/
. /       ゙\ \     / / \__
   ───'''" ̄ ̄ ゙゙̄ヽ、__,,/,-'''" ̄   ゙''─<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 07:34:38.08 ID:b4uK0dAko<>
五条「伏せろッ!」

フーケ「!」

声が発せられるとほぼ同タイミング。
砂埃を一閃で消し去る光線がその緑髪の向こう側から、見え始める。

咄嗟にフーケに飛びかかり、横一線に辺りを破壊するそれを紙一重で躱す。
転がり込んだ土の味が味蕾を苦々しく刺激する。

後方では崩れかけていた岩山が光線の直撃を受け、横半分に。
前方のゴーレムは膝の部分を斜めに両断され、地面を僅かに揺るがして砕けた。

腕の中のフーケの心臓の鼓動が痛いほど伝わる。
呼吸も定まっていない。


飛び道具……

破壊力も十分。
当たれば、致命傷か。



フーケ「じょ、冗談だろ……!? 接近戦であのスピード、その上何だ今のはッ!?」

伏せの姿勢を続けるフーケが怒りと戸惑いを含んだ声を上げた。

戸惑っているのは自分も同じだ。
あんな技、試合で一度も見たことがない。
超常現象は幾らでも見てきたが、それも『一応』はルールに則った技の一つであるからこそ超次元サッカーというスポーツは成り立っていた。
だが先刻の光線。
あれはボール蹴るための技ではない。
ボールを奪う技でもない。



ただ、人を傷つけるがための技。


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 07:46:58.07 ID:b4uK0dAko<>

五条「クックックッ……! 超次元サッカーに理屈は通用しないとはよく言ったものですが……流石にオレも今の光線は……」

放った本人が見えない以上憶測の域はでないが、恐らく若干のタイムラグしか無いそれを遠距離から幾度も避けられる自信はない。

フーケ「なんでもアリかよッ! クソッタレ、打つ手がねえ!」

五条「フーケ、彼を此処までおびき寄せますよ」

フーケ「ああ!?」

五条「距離のある内に……土球、真空波、拳の多段攻撃でケリをつける……!」

フーケ「んな都合よくこっちまで来るのかよ」

五条「大丈夫……一発目のシュートで位置を把握したら、必ずこっちに向かってくるはずです」



フーケ「……」

緑色は納得行かない表情でこめかみを掻く。
後ろ手でそのブラリと下ろされたフーケの右手を握りしめる。




五条「それでも……仕留められない。だからオレは右腕を捨てます」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 07:51:19.90 ID:b4uK0dAko<>

五条「彼の三挙動が終わった瞬間、オマエがブレットを撃ってください。その瞬間、きっとオレが動きを止めているはずですから」

フーケ「囮は……?」

五条「いりません。残りの魔力は全て次の一撃に注いでください」


フーケ「バカ……言ってんじゃねえ。テメェだけイイカッコしようとすんじゃねえよ」


五条「人は犠牲なしには、何も成すことは出来ないです」


フーケ「……」


犠牲が右腕一本なら安いものだ。
鬼道さんの心を取り戻せるなら。
フーケが生き残ることが出来るなら。

地面から生成されたボールが現れる。
それが無言の了承。
言葉はいらない。

湿った風が立ち上っていた煙をトリステインに運んでいく。


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/19(水) 07:53:33.14 ID:iBaURtRvo<>五条さんにやめてくれと言えたらどんなにいいだろう<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 07:53:34.13 ID:b4uK0dAko<>
フーケ「五」

五条「……」

フーケ「四」

五条「クックックッ……!」

フーケ「三」


砂の晴れた先に姿が視える。


フーケ「二!」


首を上げる、鬼道。


フーケ「一ッ!」

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 07:59:59.34 ID:b4uK0dAko<>
弾丸の如き速度で加速する鬼道に、全身全霊のシュートが飛んでいく。

五条「ペンギンッッ!」

四足移動、獣がサバンナを駆けるように距離を詰める『悪魔』はボールを認識した瞬間、空中で躯をきりもみ回転させる。


五条「爆ぜろ……!」


小さな体躯に先行していた三匹の爆弾が直撃する。
本来であれば一匹でも動きを止めることは可能なはず。
しかしその爆撃を受けても尚、鬼道のスピードは緩まない。


五条(……!)

まるで効いていない。

ローリングソバットの体勢でスパイクにボールを捉えた鬼道は、こちらが与えたエネルギーを反動に使い、着地とシュートを同時進行で行う。
紅い螺旋を纏っていたはずのボールは蹴り返された途端、蒼い炎に包まれだして自分の顔面めがけて風を切り裂いていく。


鬼道「ハッアァァァァァァッッ!」


続けて真空波。
強引に振り回された右足から空気の刃がボールに直撃。
若干速度を殺したものの、勢いは止まらない。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 08:04:44.72 ID:b4uK0dAko<>
ボール。
その後ろに鬼道。

重なりあう影。


五条「チッ!」

これだけ距離があっても相手のほうがやはり疾い。
ワルドの魔法とレイピアの同時攻撃が止まって見える。

フーケ「ゴジョー! もう一発ッッッ!」


フーケの叫びに伴って足元に生み出された土球を、二も三もなくトーキックで蹴り飛ばす。
このシュートで相殺は無理。
だがコースを少しだけずらすことなら。


蒼い土球の右側を削りとると、鬼道の左手を掠めて彼方へ消えるボール。
思惑通り、こちらの初撃であるはずの蹴り返されたボールはコースを変えた。

これで自分と相手を遮るものは無くなったのだ。


この肢体で耐え切らなければならない。
無防備な状態で手刀を受ければ、首ごと切り落とされる。
そんなリスクを背中に負ったまま。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 08:11:35.44 ID:b4uK0dAko<>
鬼道「ア”ッッッ!」

五条「ヘアアアアアアア!」


突き出された左拳が右手に抑えつけられる。
駄目だ。
自分には見えない世界が鬼道には見えている。

脇腹に一閃が襲いかかる。



視える、が。

躱せ……ない!


最も硬い右肘で対抗しようとしたものの、利き足の蹴りを堪え切ることは不可能だった。
関節が痛みと共に気味の悪い音を立てて砕ける。
圧倒的なその脚力は、自分で『右肘に当てる』という意思がなければ切り落とされかねない破壊力を持っていた。
あまりの激痛にショックで意識が吹き飛びそうになるのを、割れる骨の痛みでたたき起こす。


五条(『骨』を切らせて……『肉』を絶つとは……皮肉な)


右腕の犠牲でもって生まれた数瞬の間を攻撃には使わない。

既にフーケは真後ろにいる。
このまま鬼道の動きを止めれば……勝利条件は満たされる。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/01/19(水) 08:16:25.19 ID:b4uK0dAko<>
空中に浮く鬼道の左腕を捕まえ、二撃が生命を奪うことをギリギリで留める。
ゴーグルの向こう側の瞳は覗き込むことが出来なかった。
バランスを崩した鬼道は片足で地面に着地し、右掌を地面に付ける。
それを見逃さず、スパイクで踏みつけ完全に躯の自由を拘束する。


五条「フーケッ!!」

フーケ「直ならぶっ飛ぶぜッッッ!」


瞬間、脇の下から手が伸びる。
見えたのは杖。
黄色いユニフォームに押し付けられた先には、残る魔力が篭められている。







フーケ「ブレッドォォォォォォォォォ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/19(水) 09:37:26.26 ID:p1QplgRWP<>ゼロ距離っすか<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/19(水) 14:03:30.24 ID:kAchMXMDO<>今日は終了かな?<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/19(水) 15:53:09.76 ID:SO50oBZAO<>暖かい日差しで下半身が解凍されるのを感じます。<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/19(水) 17:55:56.31 ID:+3MzFSkno<>鬼道さん生き残ってると予想<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/19(水) 20:56:39.17 ID:5DYw5zWno<>支援

http://beebee2see.appspot.com/i/azuYq562Aww.jpg
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/20(木) 09:48:52.55 ID:lw1Gx9wDO<>まさかのおうどんビーム<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/20(木) 17:56:21.44 ID:jK97cUUDO<>五条さんが死んだら会社辞める<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/20(木) 18:55:06.70 ID:5DHBSfplo<>>>244
  `¨ − 、     __      _,. -‐' ¨´
      | `Tーて_,_` `ー<^ヽ
      |  !      `ヽ   ヽ ヽ
      r /      ヽ  ヽ  _Lj
 、    /´ \     \ \_j/ヽ
  ` ー   ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´   `¨´
           ̄ー┴'^´<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/21(金) 16:44:21.54 ID:vQp1FpUU0<>うをおおおおおおおおおおおおおお<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/21(金) 21:45:53.19 ID:OIlSndayo<>
      キ        //   /::::://O/,|      / これは……
      ュ     / |''''   |::::://O//|     /   半ば おまじない
      .ッ       \ |‐┐ |::://O/ ノ   ヾ、/
       :       |__」 |/ヾ. /    /  だが 半ば……
         ヽ /\  ヽ___ノ / . へ、,/          照準…!
        /  ×    /  { く  /
        く  /_ \   !、.ノ `ー''"
  /\        ''"  //
 | \/、/           ゙′
 |\ /|\ ̄
   \|<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/21(金) 22:11:32.41 ID:NUngi3GAO<>うわーん!!(´;Д;`)


やっと見つけたおぉぉお!!!!
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/22(土) 00:07:59.38 ID:UmZ/ui+5P<>いつからの難民だ?<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/22(土) 14:46:56.41 ID:xrMnn7iAO<>>>249
おうどん出てきたときから移転してて見つかんなかった(´;ω;`)<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/22(土) 15:55:59.00 ID:6u9l/DyBo<>遅いな・・・<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/22(土) 17:22:23.64 ID:Fc+S271po<>まだー?<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/22(土) 19:12:05.15 ID:bX8+q7q5o<>睡眠不足死亡説<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/22(土) 21:04:11.16 ID:1nAQhAFDO<>今日投下かね?<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/22(土) 23:45:55.18 ID:yBV2EW/j0<>>>254
不明<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/23(日) 00:08:57.28 ID:pxOkkwTAO<>まあまて貴重な睡眠期間だ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/23(日) 01:32:30.50 ID:Uyo6CF/AO<>やっと見つけた…… 移転前んとこでエラー出てたから焦った焦った<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/23(日) 07:59:39.17 ID:qDsNSFzZ0<>http://twitter.com/gojobot
今更だけど五条さんのまともなbotがなかったから作った。
一時間おきに何か呟く
追加して欲しい言葉があったらリプかDMで<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/23(日) 16:53:19.10 ID:gVc21T0/o<>まだか・・・<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>sage<>2011/01/23(日) 18:32:52.04 ID:ZgVhKImIO<>
お待ちの皆様、申し訳ありません。
非常に勝手な言い分なのですが現在私情が忙しくなっているので、執筆する時間が取れていません。

まーたか、とお思いになって当然のことかと思います。

しかし時間がないだけならば、少しづつでも書き溜めることで投下出来ます。

事実、昨日の時点で多少の投下量はあったのですが、自分で書いていてクォリティが落ちている様な気がしてならないので全部削除致しました。


あまり自分を卑下する事を言うのは望ましくないのでしょうが、

「おいおいこんな文章で読んでる人満足するとでも思ってんのかよwwww」

と考えてしまい、中々書き進められなくなってしまってもいるのです。


情けない話ですがもう僅かばかり、自分で納得のいくものが書けるまで待っていただけないでしょうか?

二月前には来ますので、しばし時間を貰えれば幸いです。<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/23(日) 18:39:28.73 ID:ldsh49u7o<>うんわかった。じゃあその間俺達は
サッカーやろうぜ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/23(日) 19:00:57.73 ID:eZL0IrFto<>>>396
       ,_'"゙"' 、    __ "ミ'''- 、      ,;-- 、    __  ;"ミ''、
        〉  彡 __  `ミ` ヾ 、__.}      ` ,  彡   `ミ"''ヾ、 .}
    ,ー、__,,,,,;'  《-''´. `ヽ `ー''          ,;' .,;'      ヽ_ノ `~
   ヾ、 __   ,,-− ''_´_,,,,,,.、    ;'ゝ、_,,,,.;'  '-‐-、 .'ミ'- 、
     `´ ,;' ,;' ,,-''´_   __',     ヽ、_,,.. . ,;'''''ヽ ';,   ヽ ヽ、
       ,;' ,;' 〈-''´ツ, -'"´         ./ ./.   l  l   ヽ  ヽ
     .,;' .,'  _  ´             / ,/   l  l ,, , '"_彡   l
     ,;'  ,;'  ,' .|             / ./    ,' .,' ~´  ヽ,,,ノ
    /  ,;'  { ゝ、     _      /  ;´、゙'- 、;'  ;'
    {   /    ゝ、 `""""´ `ヽ   {  ,/   ヽ   ソ
    `'''´      `''''───'''"´   `'´    ゙'''''"

   _    !'''''彡   _   , -'"゙. 、      __    __,,,, - 、
  .!  彡, !. i .,'~゙ヽ! `';´,,,,...---、!     '、`''''""´ _   ,'
  .!  !} ∨ .!,' ./´!  |            `ー ''''/  /
.   |  |.l,_._,.  レ /-、 !  |    ,.へ、           /  /
.   |  `ニニ,   ニ,-..-'|  ,ニ''''''",,,,,,,,}      /  ∠-‐‐- .、
.   |  |  /  ''' 、 . !  ! !  !     .  /  , ‐'''''''' - 、  ヽ
.   |  | ,;'   !,. ノ...|  | |  |        ,'"  /       ヽ   ',
.   |  ,/゙|  | ,>'、,;' ,;' |  |       ;__/. ,  - 、     ,'  }
.   | . '---`="'  `' ,;'  |  |         ,' , 'ヽ、 ヽ  ノ  /
.   |  l ̄ ̄ ̄`ツ ,.;'  .|  |         ゝ、`'''`   ゙'"  /
   'ー'   ,,:;'彡 '" .   !___,ノ          ` ー---‐''''"<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/23(日) 19:33:07.26 ID:kQORVlXAO<>>>260
余り無理しないで下さいよ

待ってるぜい!<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/23(日) 20:18:10.51 ID:WnRfhSnCo<>>>260
待つよ!
ここのみんながVIPのときからどれだけ保守してきたと思ってんだ、と。<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/23(日) 21:20:13.37 ID:pJbpJFTjo<>サッカーして待ってます<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/23(日) 21:30:37.09 ID:XVjgiEvK0<>>>262

帰れ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/01/23(日) 21:44:41.60 ID:TQ8PYHJK0<>1カ月ぐらいなら余裕で待つよ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/23(日) 21:52:28.85 ID:3AfEt4UQo<>123とも買ってきたから五条さん仲間にして育てながらゆっくり待ってるよー<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/23(日) 22:22:29.24 ID:ZYs3MV/DO<>把握

いつまでも待ってるよ


>>261
「超次元」サッカーな?<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/23(日) 23:18:10.26 ID:fq411M1eo<>見せてやる、これが俺の『アマノイワト』!!<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/24(月) 00:44:09.22 ID:qMI5RFUFo<>くらえ、これがネオタイガーショットだァ!!<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/01/24(月) 20:23:46.45 ID:pqranU270<>チェンジザワールド
決闘<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/24(月) 21:56:01.24 ID:cttG8//qo<>今週のライトウィング<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/24(月) 22:53:56.99 ID:KtAENh2AO<>>>260
私まーつーわ♪<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/24(月) 23:27:15.43 ID:bq05KwwQo<>いつーまでもまーつーわ♪<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/24(月) 23:31:32.69 ID:L7bu1kyh0<>たとえあなたーがふーりむいてくれなくてーもー<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/24(月) 23:36:09.72 ID:bd4dRVkt0<>まーつーわ いっつっまでもまーつーわ♪<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/24(月) 23:44:38.76 ID:mR5zwTXFo<>ほかのだれかーにあなたがふーられるひーまーでー♪<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/25(火) 05:22:52.50 ID:tebyaDwAO<>例え猛炎の中、底知り得ぬ海の底でも<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/25(火) 21:09:07.48 ID:5/k1QHD4o<>>>279
なんだお前<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/26(水) 01:16:51.29 ID:8aKTXRmDO<>わたしだ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/26(水) 01:45:29.82 ID:oL3cHfYl0<>お前だったのか<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 08:28:49.53 ID:fk9C9ETQo<>また騙されたな<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 17:20:52.94 ID:5DWyLLk+o<>暇を持て余した<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 17:36:44.46 ID:2RNPX5hxo<>神々の<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/01/26(水) 17:44:12.20 ID:VnqprOLJ0<>遊ぶな<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/26(水) 19:00:13.46 ID:8aKTXRmDO<>>>286
わたしだ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 19:11:26.81 ID:nWRE9kiwo<>お前だったのか<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 19:38:56.47 ID:7QK2gPRAO<>暇を持て余した<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/26(水) 20:11:56.61 ID:oL3cHfYl0<>神々の<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 20:23:31.44 ID:e5rezfnk0<>遊びましょ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 20:43:09.28 ID:s3UVqU0oo<>>>291
       ,_'"゙"' 、    __ "ミ'''- 、      ,;-- 、    __  ;"ミ''、
        〉  彡 __  `ミ` ヾ 、__.}      ` ,  彡   `ミ"''ヾ、 .}
    ,ー、__,,,,,;'  《-''´. `ヽ `ー''          ,;' .,;'      ヽ_ノ `~
   ヾ、 __   ,,-− ''_´_,,,,,,.、    ;'ゝ、_,,,,.;'  '-‐-、 .'ミ'- 、
     `´ ,;' ,;' ,,-''´_   __',     ヽ、_,,.. . ,;'''''ヽ ';,   ヽ ヽ、
       ,;' ,;' 〈-''´ツ, -'"´         ./ ./.   l  l   ヽ  ヽ
     .,;' .,'  _  ´             / ,/   l  l ,, , '"_彡   l
     ,;'  ,;'  ,' .|             / ./    ,' .,' ~´  ヽ,,,ノ
    /  ,;'  { ゝ、     _      /  ;´、゙'- 、;'  ;'
    {   /    ゝ、 `""""´ `ヽ   {  ,/   ヽ   ソ
    `'''´      `''''───'''"´   `'´    ゙'''''"

   _    !'''''彡   _   , -'"゙. 、      __    __,,,, - 、
  .!  彡, !. i .,'~゙ヽ! `';´,,,,...---、!     '、`''''""´ _   ,'
  .!  !} ∨ .!,' ./´!  |            `ー ''''/  /
.   |  |.l,_._,.  レ /-、 !  |    ,.へ、           /  /
.   |  `ニニ,   ニ,-..-'|  ,ニ''''''",,,,,,,,}      /  ∠-‐‐- .、
.   |  |  /  ''' 、 . !  ! !  !     .  /  , ‐'''''''' - 、  ヽ
.   |  | ,;'   !,. ノ...|  | |  |        ,'"  /       ヽ   ',
.   |  ,/゙|  | ,>'、,;' ,;' |  |       ;__/. ,  - 、     ,'  }
.   | . '---`="'  `' ,;'  |  |         ,' , 'ヽ、 ヽ  ノ  /
.   |  l ̄ ̄ ̄`ツ ,.;'  .|  |         ゝ、`'''`   ゙'"  /
   'ー'   ,,:;'彡 '" .   !___,ノ          ` ー---‐''''"<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/26(水) 21:15:57.62 ID:2Dkw4Urao<>>>274-292
お前らホント暇だなww<> VIPにかわりまして「わたしだ」がお送りします<>sage お前だったのか<>2011/01/26(水) 21:27:40.09 ID:7DzvzQmjo<>>>293
暇を持て余した<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 21:33:34.30 ID:LKqdCN+to<>無駄にレス消費すんなよ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 21:33:47.93 ID:s3UVqU0oo<>神々の<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 22:42:44.86 ID:e5rezfnk0<>まだやるのかい?<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 23:39:52.83 ID:mc6A/rz2o<>遊び<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/27(木) 07:23:19.74 ID:OUcSJd8so<>>>295
ここをどこだと思ってんの?VIPにいるつもり?<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/27(木) 07:23:59.28 ID:VGwtmi6Ho<>>>229
      γ⌒) ))
      / ⊃__
   〃/ / ⌒  ⌒\  
  γ⌒)( ⌒)  (⌒) \ ∩⌒) 
 / _ノ :::⌒(__人__)⌒ 〃/ ノ
(  <|  |   |r┬(    / / ))  関・係・ないから
( \ ヽ \ _`ー‐'  /( ⌒)
               / /


        ___(⌒ヽ
       /⌒  ⌒⊂_ ヽ
(⌒ヽ∩/( ⌒)  (⌒) |(⌒ヽ
 ヽ  ノ| :::⌒(__人__)⌒ ::| ⊂ `、
  \ \    )┬-|   / /> ) ))   関係ないから
(( (⌒ )、 ヽ_ `ー‐' ,/ / /
  \ \ /         
    ヽ_ ノ       (<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/27(木) 07:25:03.15 ID:VGwtmi6Ho<>>>300>>299に<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/27(木) 09:56:13.33 ID:V7YHiaYIO<>うわあ……<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/27(木) 12:54:16.98 ID:2SoxJkA6o<>無駄にAA貼んなゴミ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/27(木) 17:05:04.55 ID:09lclYDho<>>>303
 発 者 同         . 。_   ____           争
 生 同 .じ     .    /´ |  (ゝ___)          い
 .し 士 .レ      .__/'r-┴<ゝi,,ノ   ro、      は、
 .な で .ベ      ∠ゝ (ゝ.//`   ./`|  }⌒j     
 .い し .ル        } ⌒ /`ヽ、_∠l,ノ ・ヽ´
 .! ! か の       /  ´..:.} >、、___,  .r、 ソ、`\
             /   ..:.:.}   /   |∨ ` ̄
            /   ..:.:./    |   丶
           / _、 ..:.:.:.{    .{.:.:.   \
          {   ..:Y  .ゝ、   {.:.:.:.:.    ヽ
          |、  ..:/ 丿 .:〉   >.- ⌒  .  ヽ
          / {. ..:./ ソ ..:./  .(    ..:.:.:`  ..:}
         ./..:.:}.:.:./ ヘ、 ..:./   .\ ..:.:r_,ノ、.:.:}
        ./..:.:/|.:/   {.:./     X.:.:}.}   X X
        /..:.:/ .}.:|    }:/       .Y丶ヽ  Y.:Y
  . __/.:/ { }  《.〈、     _,,__>.:》丶   Y.:\
  /.:.:.:.:.::/   !.:.:ゝ  ゝ.:. ̄ヾ ´:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾゝ   \.: ̄><> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/28(金) 02:46:46.77 ID:PoJE8VcAO<>>>295
ここはVIPじゃないんだ自重してくれ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/01/28(金) 10:34:37.58 ID:xv46C7PD0<>SSの感想でもなくただ無駄に遊んでスレ消費するの本当うぜぇ
それこそVIPでやってろよ。「ここはVIPじゃないんだ自重してくれ」ってお前が言うなボケ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/28(金) 11:09:49.24 ID:6vvYgA9EP<>安価ミスじゃね<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/28(金) 12:19:34.74 ID:hyoYOfor0<>五条さんまだー?<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/28(金) 20:12:17.03 ID:3TbXsUvSo<>>>306
うはwwwwwかっこいいっすねwwwwwwwwww<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/29(土) 04:19:33.88 ID:iIZvqIB+o<>>>306
そういうお前も(ry<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/29(土) 16:23:53.05 ID:c6FjXUSAO<>結論:作者除いてみんなボケ<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/29(土) 17:20:26.08 ID:wBsbEg4R0<>>>311
おまえもか<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/29(土) 17:54:09.54 ID:jRVCn8nQo<>それでいいからもう書きこむなよボケ共<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/29(土) 19:45:33.91 ID:Y3UT1QjFo<> >>313
サーセンwwwwwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/30(日) 03:42:58.45 ID:fjmy8deAO<> >>313
すまんかった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/30(日) 09:39:00.93 ID:2x1Gjy6q0<> >>313>>314>>315
また無駄にレスを消費するなよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/30(日) 17:21:55.62 ID:FBjlai+DO<> >>316
オマエモナー

そして私もさ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/30(日) 17:48:15.20 ID:WA/Pp9QJP<> >>317
ほらそうやって保険かける <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/30(日) 18:38:02.56 ID:3z9krk+Mo<> 以下無限ループ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 12:11:20.87 ID:LKjnoiUIO<> 待ってる人も居るっていう事をアピールするのに少しくらい書き込んでも良いんじゃないか?とんでもない勢いなわけでもないし。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 15:11:20.28 ID:hlAVjnFAO<> そろそろかぜをひきそうです <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/31(月) 16:27:50.07 ID:xq5uSqZp0<> 五条さんこねぇw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/31(月) 16:34:38.71 ID:lUIKUcQxP<> 二月前っていつまでだっけ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 16:48:20.44 ID:SmmheWwto<> 別に今年の2月前とは言ってねえよなあ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 19:46:06.95 ID:/ZFu+rv90<> 今日はまだ2月前だ

>>324
おいやめろwwwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 20:01:02.33 ID:Cl3Yj9LQo<>      ____________
    ヾミ || || || || || || || ,l,,l,,l 川〃彡|
     V~~''-山┴''''""~   ヾニニ彡|       書く・・・・・・!
     / 二ー―''二      ヾニニ┤       書くが・・・
    <'-.,   ̄ ̄     _,,,..-‐、 〉ニニ|       今回 まだ 何年の2月前かという
   /"''-ニ,‐l   l`__ニ-‐'''""` /ニ二|       指定まではしていない
   | ===、!  `=====、  l =lべ=|
.   | `ー゚‐'/   `ー‐゚―'   l.=lへ|~|       そのことを
    |`ー‐/    `ー――  H<,〉|=|       どうか諸君らも
    |  /    、          l|__ノー|       思い出していただきたい
.   | /`ー ~ ′   \   .|ヾ.ニ|ヽ
    |l 下王l王l王l王lヲ|   | ヾ_,| \     つまり・・・・
.     |    ≡         |   `l   \__   我々がその気になれば
    !、           _,,..-'′ /l     | ~'''  SSの続きは
‐''" ̄| `iー-..,,,_,,,,,....-‐'''"    /  |      |    10年後 20年後ということも
 -―|  |\          /    |      |   可能だろう・・・・・・・・・・ということ・・・・!
    |   |  \      /      |      |
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 21:46:18.03 ID:oU7BX8tAO<> 明日は1月32日だから、まだまだ2月までは余裕あるな <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>sage<>2011/01/31(月) 22:47:05.99 ID:NoC0uXWIO<> お待たせしました

1月32日の朝方から投下します <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 22:48:23.60 ID:TvCaMQpBo<> 1月は32日まであるからな、2月前にギリギリ猶予があるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 22:56:50.45 ID:76/fAY5uo<> 32日か、ギリギリだったな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 22:58:23.88 ID:Tsv0h9r6o<> 楽しみ〜
この話完結するまでに一枚はゴジョーとルイズたんの絵描きたいけど
暇なす・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/31(月) 23:06:53.33 ID:JKMOvZ8DO<> マジレスすると1月は36日まで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 23:07:32.49 ID:DtB5RIHio<> 『話を纏めよう。"君の父親と帝国学園長は、同一人物である可能性が高い"。そして"帝国学園長である誰かであり君の父親である誰かが、サッカーの為君に認識阻害を植え付けた"ものかと思われる。その後、"君の能力を制御し切れない事が発覚したので、君を平行世界であるこの学園都市に放り込んだ"。"万一君がこの学園で認識阻害の制御を身につけたのならば、回収する事を目算として"ね』

全ての欠片を繋ぐ言葉の鎖が、次々と編みこまれていく。
……告げられた推論の群れに心が一段と悲鳴を挙げるのを感じたが、胸の痛みなど今は気にしている場合ではない。

五条「……それで」

この際、もう過去はどうでも良い。
自分のこれまで歩んだ道のりに撒き散らされていた辛苦の欠片が、偶然でなく肉親による悪意に満ちたものだった事には腹も立つが、今はそんな事はどうでも良い。

五条「……オレは、この先皆を守る為に、この世界を守る為に何をすれば良いのですか……?」

乾いた喉から言葉をひり出したが、やはり理事長の表情は綻ばない。

『考えられる方法は幾つかある。一つはこれまで通り認識阻害の力を最小限に抑えて生きて行く事だ。しかしこの方法はいつ能力が暴走してもおかしくないリスクを伴う。暴走した際に君を処分する手筈は整っているのだが、君が死亡して次元に開いた穴がどうなるのか全く予見が出来ない為、可能ならば避けておきたい方法だ』

五条「……」
今までと変わらない保留案、というところだろうか。

『次に考えられるのは、君が先の一方通行との対峙で会得した次元移動能力を行使し、ここで告げた事実を抱えて"あちら"の帝国学園長に、認識阻害の是正手段を問う方法だ。……しかし、この方法も君が押し付けられる形で"こちら"に送られた事を考えると、解決策になり得る可能性は低いだろう』

五条「……でしょうね……」
ここまでで、何となく嫌な推論が頭をよぎる。
この統括理事長の性質を考えれば、有効な策があるのならば真っ先に提示しその是非を自分に問う事だろう。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 23:08:15.86 ID:DtB5RIHio<> スマソ、誤爆しますた
楽しみにしてます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 23:09:33.42 ID:Tsv0h9r6o<> >>333-334
全力で爆笑したwwwwwwwwwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/01/31(月) 23:12:17.84 ID:lUIKUcQxP<> >>333
そっちも見てるし好きだけど言わせて貰う

紛らわしいわこの野郎wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/01/31(月) 23:25:59.38 ID:xq5uSqZp0<> >>333おいこらwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/02/01(火) 01:00:21.97 ID:o5L5mKpY0<> 誤爆流行ってンのか?www <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/01(火) 05:19:28.61 ID:BgjI/aQc0<> 五条さんはまだかっ!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/01(火) 07:59:54.29 ID:9WNbzwPB0<> 早くしないと1月33日になっちまうぞいw
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/01(火) 08:33:41.27 ID:qjXSWKLFo<>

炸裂音が耳元で轟く。

目一杯の魔力が篭められた土塊は、自分とフーケが今相手から生み出せる最大の隙を突いた。
左手を掴まれ、右掌を拘束された以上避けることは出来ない。


半ば確信を持って思う。

『殺せずに勝てた』と。

思考は次の動きを身体にプログラムし始める。
倒れた鬼道に蘇生法を行い、息を吹き返させなければならないのだ。
躊躇している時間はない。
恐らく砕けるであろう肋骨を医者に見せる必要もある。




フーケの一撃は鬼道の胸元に直撃する『はず』だった。



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/01(火) 08:35:50.68 ID:ou/kKjwAO<> まってた! <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/01(火) 08:47:45.79 ID:qjXSWKLFo<>


誤算があったとすれば、それは神が二人に微笑まなかったというだけの話だろう。

鬼道の首の可動範囲内に土塊が入らなければ。
拘束したのが右掌でなければ。
フーケの出した杖が自分の右側からでなければ。
対峙したのが『超次元サッカープレイヤー』でなければ。



勝負は決していたはずであった。


そんな不幸もこの戦いの場では無情に結果だけを残す。



土塊の放たれた一直線上に俯いた鬼道の頭があった。
目の前の男は瞬時に判断する。
この攻撃を防ぐにはヘディングしかないと。
そしてそれが可能であると。



首が後ろに倒れる。







鬼道「ガアッッッ!」


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/01(火) 08:56:28.44 ID:qjXSWKLFo<>
フーケ「!?」


固い土は自分の脇を通って術者であるフーケに跳ね返される。

左手でフーケを突き飛ばそうと思った時にはもう。

フーケは戦場の彼方に吹き飛ばされていた。


五条「フッ……!?」


拘束を解き、後ろに振り向いた瞬間。

左頬に肘打ちがめり込む。

これで二手遅れを取った。

口の中で血の味が滲んでいくのを頭の一部でぼんやりと感じる。
奥歯が二本抜けた。


倒れゆく身体を引きずり戻したのは鬼道の左腕。

二撃目、膝蹴りが腹部にねじ込まれる。

血反吐を吐く。
痛みが身体を駆け巡る。
防御も間に合わない。


三撃目、鼻っ柱に拳。
眼鏡が砕ける。

戦意はその一撃で、確かにへし折られた。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/01(火) 09:04:59.17 ID:qjXSWKLFo<>
どうしようも無い絶望感はまるで水差しに垂らした一滴の黒い絵の具のように、心の奥底に冷たい敗北を広げていく。

勝てない。

実力が均衡した相手、尚且つ鬼道はリミッターを外された状態だ。

二人相手でもこの余裕。

脳内コンピュータがたたき出した答えは『殺さずに勝つことは不可能』。

ここまでダメージが蓄積された躯では何も出来ない。






『助ける? 勝てないのに?』






……いつの間にか俯瞰の視点から自分の躯が痛めつけられているのを見ている。

血まみれになったそれはただの人形。
されるがまま。
削り取られた肉の下から純白の骨が顔を出していた。

これは自分なのだろうか?
そんな馬鹿げた疑問を頭……



いや、心が呟く。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/01(火) 09:12:08.37 ID:qjXSWKLFo<>
鬼道との戦闘からまだ数分。
しかしもうこの場に、暴れ回る鬼を止める人間はいなかった。

策の無意味さを思い知る。
小賢しい頭からはもう何の『冴えたやり方』も出てこない。


今まで真正面からぶつかって負けたこと。

記憶の限りでは、無い。

『自分自身』で負けだと判断する試合や戦いは今まで幾つもあった。

勝利条件を完璧に満たせなければ勝ったとは言えないのが自分の信条。
よくも悪くも完璧主義者な自分。

それ故成長に対して誰よりもストイックになれたんだろうと思う。


だがこんなにも。

圧倒的な。

絶対的な。

埋められない。

届かない。

敵わない。



『力量の差』を。

感じたことはなかった。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/01(火) 09:25:44.08 ID:qjXSWKLFo<>
初めて明確に突きつけられた敗北はオレの心に無力感を植えつけた。


どこか開き直りによって目を背けていたそれを鬼道の殴打は直視させる。


弱いというだけで、自分の全てが否定されたように思えてくる。
これまでの自分を支えてきた大きなものが強さだった。

自分はこうでなければならないという強迫観念にも似た理想が、音を立てて崩れていく。


認めたくない。

たったいま、岩山に打ち付けられた人間はオレじゃない。


『弱いのはオマエだろ? 吹っ飛ばされたのもオマエだ』


違う!!
オレじゃない!
オレは弱くない……!


『認めろよ。オマエは負けたんだ』


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/01(火) 09:32:54.74 ID:u51qFIWRP<> C <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/01(火) 09:39:24.96 ID:qjXSWKLFo<>
残された最後の手段。


『オレを使えよ。クックックッ……!』


甘えていた。
鬼道をできるだけ無傷で助けようという甘え。
怖がっていた。
慕っていた人を傷つけてしまうという恐怖。


『助けたいんだろ? ヒヒヒ……! まあ助けられるかどうかも分からないがな」


助けたい。
そのための覚悟が足りなかった。


『ヘブンズ・タイムなら奴のスピードも超越できる。無防備な状態でなら鬼道にだって攻撃は出来るはず』


そうだ。
時を止めれば、速さも力も全てひっくり返せる。
だが……





『足の一本や二本、へし折ってやらないと奴の動きは止まらない。オマエの言う心肺停止による呪縛解除もその方が確実だろう?』


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/01(火) 09:39:44.69 ID:6avRZtnAo<> C <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/01(火) 09:47:59.61 ID:qjXSWKLFo<>
っとすみません、短いです。

短い分明日も明後日も投下しようと思います。

……テンポが悪くなるのであまり好ましくは無いのですが


明日(1月33日)は午前三時ごろ来ると思います


一週間以上も待ってくださっていて本当に感謝です!
ありがとうございます!









後、五条ファンさんが見てくれていたことにちょっとびっくりしましたwww
一瞬「あれ、俺知らないうちに投下したっけ」とか思ったですwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/01(火) 10:08:05.29 ID:u51qFIWRP<> お疲れ!
楽しみに待ってます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/01(火) 11:57:39.97 ID:8RQyZuPVo<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/01(火) 14:58:35.36 ID:oISqLsxbo<> おつおつ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/01(火) 19:54:47.91 ID:mkmJGoxAO<> キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!!!


乙です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/01(火) 21:20:10.08 ID:AsDjxR93o<> 乙!
明日・明後日も楽しみに待ってるぜ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/02(水) 00:01:50.10 ID:dZkxGW9AO<> 守れー!

ものどもー!!


保守せよー! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/02(水) 00:02:50.39 ID:HI7krJqH0<> じゃあ俺たちは>>1来るまでサッカーしよう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/02(水) 01:16:54.94 ID:7XFlPwbAO<> じゃあ俺サードな! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/02(水) 01:22:07.27 ID:oHw4CtPCo<> じゃあ俺ラインがいい! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/02(水) 01:40:55.24 ID:HCS77ghto<> 俺クォーターバック! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2011/02/02(水) 01:56:56.33 ID:1DhUvtlG0<> 俺ジーコやるから! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/02(水) 02:51:23.49 ID:nLbtm8hAO<> ならフーケさんは貰っていきますね <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/02(水) 03:09:53.88 ID:N2+vBtH8o<>
……すみません、諸事情でちょっと投下するのが遅れそうです


今日の夕方には必ず投下しますので、お待ちの方はパンツを半分くらい履いていただければ幸いです
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/02(水) 08:17:42.12 ID:UgdF/GKaP<> 睡眠不足さんの生活サイクルの乱れが心配 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/02(水) 16:58:33.28 ID:RNKP6m9P0<> どうせ言った通りの時間に投下しないんだから
わざわざ投下予定宣言なんてしなきゃいいのに

いちいち興味を惹こうとしなくたってみんな待ってんだからさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/02(水) 17:41:20.66 ID:YAd38VLDO<> じゃあ半裸でサッカーしようぜ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/02(水) 18:02:03.70 ID:WRp/NEMAO<> >>366
無理に予告して投下してくれなくてもいいわよ。べ、別にあんたの心配してるわけじゃなくて、ただ私が続きを読みたいだけなんだから!勘違いしないでよね、約束を破ったら困るのは、心配するのはみんななんだからね!

とにかく!予告したんだからちゃんと来なさいよね!

まで読んだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/02(水) 22:05:34.73 ID:T3yZ7a5qo<> >>366
これはいいデレ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/02(水) 22:19:25.68 ID:dZkxGW9AO<> そろそろ風邪ひく <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/02(水) 22:29:44.42 ID:ABZ1N5lO0<> >>370
つーか、もうひいた。 <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/03(木) 03:03:50.18 ID:Ic/ybM86o<>
仲間だった人を傷つける。
いいのか?
それが正解なのか?

『グフフ……甘ったれるな! 良く考えてみろ、五条勝』

何を。

『答えなんて最初から出ているだろ? フーケに言われたことを思い出せ』

なんだって?

『頭の回転が鈍いんじゃないのか。答えなんて一つ、このまま何も選ばぬままオマエは死ぬってことだよ』



死ぬ。

ふと思ってみる。
助けようとする意思は既に自分のエゴじゃないだろうか?
別に鬼道に助けろと言われたわけじゃない。



鬼道は何を思っている?
助けて欲しいのか?
それとも意思なんてものはなくただ人を殺すことに快感を覚えているだけなのか?



判然言って自分には分からない。

助けるべきか、このまま放っておくべきなのか。

誰かに問うことも出来はしない。


『本当は分かっているんだろ? どうすべきかじゃなくて、どうしたいかはオマエの中でもうとっくに導きだされてる……そしてそれを邪魔しているのもオマエ自身だ』
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/03(木) 03:14:03.75 ID:Ic/ybM86o<>
そんな中決まりきっている、事実として歴史に刻まれつつあるのが。

「死」

このままぼんやり俯瞰で黙っていれば確実に自分は死ぬ。
認めたくない弱い自分を乗り越えなくては、誰かを守ることも助けることもきっと出来ない。

今すべきことが何なのか取捨選択しなければならない。
そうしなければ全てを失うことになる。

段々乱雑だった頭の中が整理されてくる。



『そうだ。それでいい』


『オマエが思うとおりに動けば、自ずと道は拓けるだろう』


『それがどんな結果になるかは分からない。責任を取るのはオマエだ』


『ただ……まだ手段が残されているのに、それを恐れて使わないのは酷く勿体ないものに思えるがな』



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/03(木) 03:14:50.95 ID:axrqWNZDO<> wwktk <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/03(木) 03:27:21.97 ID:Ic/ybM86o<>
オレは思った。
鬼道さんを見た瞬間に助けなくてはいけないと。
それは混じりけのない純粋な自分の感情だろうし……それがエゴであったとしても、そうするべきことが自分の中で大事なことを孕んでいる気がしてならない。

他人じゃないんだ。


心の声は言葉を続ける。



『クックックッ! それでも勝てるかどうかなんて保証はどこにもない。オマエは誰よりも弱い人間だからな』



認めたくないが、言うとおり。
現在の自分では到底鬼道には勝てそうにもない。
だけど。


『そうだ、動かなければ何も変わりはしない。無に還るだけだ』


嫌だ、まだ死にたくない。
人の形を捨ててでも生き残ってみせるし、鬼道を助けてみせる。
自分という犠牲を払うことを恐れはしない。

勝てなくても……

その意志だけは確かにオレの中で沸々と湧き上がり始めている。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/03(木) 03:42:52.92 ID:Ic/ybM86o<>
『クク……! 最初っからそうしていればこんなに痛い目を見ることもなかっただろうに』


声が指す方向には自分とは思えないほど、無様な状態の五条勝が『ヤラレ役』のように転がっている。

オマエには分からない。
感情の無いオマエには捨てることの怖さを。

『フン……オレは鬼道がどうなろうがなんてどうでもいい。それよりもオマエが死んでしまうことのほうがずっと都合が悪いんだ』

だからやけに協力的なのか。

『……オマエの死はオレの死と同義だ』

そういう事……か。

『さあ、もう時間がないぞ。そろそろ戻らないと……肉体のほうが使えなくなる』


声と伴なって意識は急激に揺らぎ、ノイズが二人の間に入り始める。
中空に浮いていた視点も次第に暗くなっていき、それが『夢』の終わりを告げた。



『せ……ぜい……死な……ように……しろ……』



ボソリとそんな声が聞こえた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/03(木) 04:03:51.86 ID:Ic/ybM86o<>

ボロボロの肉体に魂が戻り始める。


真っ暗な世界で最初に神経がまだ千切れていないことを教えたのは痛覚だった。
言葉にならない痛みで再び意識が飛びかけるのを、唇を噛み締めて堪える。
味覚は舌にしっかりと苦々しい鉄の味を伝えていたし、聴覚は鬼道のうめき声を脳まで伝えてくれている。
視覚が薄らぼんやりしているのはきっと眼鏡が砕かれたからだ。

嗅覚、相変わらずの鼻につく戦場の匂いと自分の血の匂い。

触覚は割れた岩が肌に突き刺さっていることを見なくても知らせてくれた。


帰ってきた、みたいだ。


五条「グ……フフ……」



薄ら笑いを浮かべることで自分を何とか取り戻そうとする。


痛い。


涙が溢れるほど痛いのは初めてだ。
この涙はもしかしたら今から鬼道と三度対峙しなければならない、ということからなのかもしれない。

結局『自分』だけの力で助けられなかった弱さに対しての恨みからかもしれない。


でもそれもすぐに無くなるだろう。



だからもう少しの間だけ、この痛みを心に刻んでおく。 <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/03(木) 04:17:10.34 ID:Ic/ybM86o<>
スーパースキャンは狂い無く鬼道の場所を自分に教えてくれる。
彼は……動かなくなった自分とフーケを確認して、二三度筋痙攣を起こす兵士を潰しにかかっている。


フーケを見やる。
かなりダメージを受けたのが、目に見えるが呼吸は続いている。
しばらくすれば意識も取り戻すだろう。

彼女には悪いが、まだそこで眠っていて欲しい。
これ以上戦えばもう死ぬことは火を見るよりも明らか。
魔力もない彼女に体術のみで鬼道と戦闘することはあまりにも大きすぎるハードルだ。

せめて……近隣の町まで逃げられるといいのだが。



五条「ゲホッ……ゲホッ……」


肺に穴が空いているのか、咳と一緒に赤い液体が口の中から吐き出される。

痛めつけられた内臓も暫しの我慢。
へし折られた右腕が柳の様に肩からぶら下がっている。

めり込んだ岩山からゆっくりと四肢を這い出し、愛しい眼鏡を地面に投げ捨てる。
真横からはボロボロと小さくなった岩が転がり落ちていく。

両の足はなんとか折れていないようで、硬い地面に立つことは可能であった。
それでもふらつく弱った脚は、さながら生まれたての子鹿のようだ。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/03(木) 04:17:41.61 ID:StVD7KQAO<> つC <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/03(木) 04:22:55.06 ID:Ic/ybM86o<>
五条「クッ……クックッ! こっぴどく……やってくれましたね」


まだ、鬼道はこちらに気付いていない。
小さく息を吸い込み、二度に分けて吐き出す。
そうすることで僅かばかり痛みが紛れる気がしたからだ。


五条「この……眼鏡を砕いたのは……二人目、ですよ……!」


動けるだけでも幸運。
生きているだけでも奇跡。
丈夫にできている鍛え抜いた躯に感謝した。


五条「オレが……愚かでしたね、鬼道さん」


五条「『アナタ』相手に……力を使い果たさないなんて事は失礼でした……!」


スパイクによって切り刻まれた黒衣を破り去る。
温い風が直接傷口の間をそっと通り抜けていく。


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/03(木) 04:47:45.83 ID:Ic/ybM86o<>
五条「人は……何かを捨てなくては、結局何も出来ない生物ですよね……鬼道さん」


小さな声で呟く言葉は簡単に風に流されていってしまう。


五条「アナタが心を捨ててまで力を得てしまったというのなら……!」


鬼道の目と自分の目が、刹那、ぶつかる。
瞳は何も語らない。
その奥に彼が感情を持っていたとしても、クロムウェルのかけた呪縛は語ることを許さない。

人として生きることを許さない。




五条「オレはアナタを止めるために……心を捨てますよ……!」


次の瞬間、光は眼前まで切迫していた。
鬼道有人の秘められた飛び道具。
ガニメデプロトン、の変化形とでも言えばいいのだろうか?
眩いそれは空中に真っ白な線を引き、動くもの全てを削り取ろうと向かってくる。

G・Pがボールに撃たれるのとは違い、これは明らかな破壊の意思を持って放たれるもの。
まともに喰らえばレーザー光線の如く、その部分だけが消失してしまう。
殺意のない攻撃ほど恐ろしいものはない。


だが。

止まった時の中では全て無駄。

これが自分に残された。



たったひとつの冴えたやりかた。







「ヘブンズ・タイム……!」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/03(木) 04:50:06.15 ID:7X6DpO9Fo<> 初遭遇紫炎 <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/03(木) 05:08:37.87 ID:Ic/ybM86o<>
あー、話全然進んでないですがここまでです


お察しのとおり投下予告しても予告通り来れないことが多くなってきたため、やめときます

本当に申し訳ないです。


読んでくれる、支援してくださる皆様。

ありがたくて仕方がないです。


頑張ります。
もうなんか睡眠不足とかどうでも良くなってきました <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/03(木) 05:45:47.66 ID:uGrqUvMIO<> クックック・・・睡眠は大事ですよ・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/03(木) 06:34:48.34 ID:QiSPzPhAO<> 寝なさい…!純粋に <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/03(木) 07:53:25.33 ID:yMbLxz7Z0<> じゃあ俺は>>1のためにヘブンズ•タイム使って睡眠時間を確保するわ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/03(木) 10:56:31.05 ID:hownPs7oo<> 乙ッ!
支援せずにはいられないッ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/03(木) 18:27:37.32 ID:To3xXloDO<> >>386
お前は睡眠不足さんがなんでこれを書いてるのかわからんのか!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/04(金) 02:12:06.24 ID:AgU+1z/AO<> 大丈夫、捨てるのはハートではなく羞恥心だ
――解き放つ。 <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 03:49:23.30 ID:TvQIUa+IO<>
光の線が眼球の五サント前で止まる。
触れただけで存在すら消滅させてしまう鬼道のレーザーは止まった時の中で、ただ静かに進行を遮られる。
暗転した空は天候を無常にも黒一色に染め上げて、心の裏側を映し出しているようだった。


一歩左に、ふらつく足を地面に進める。

届くはずの砂利の音は耳元まで伝うことはない。

時間軸に干渉した精神は視界から無慈悲に色を奪い去っていき、見つめた泥まみれの掌が一瞬鮮明に色をにじませた後、消え、三百六十度鮮明に情報が濁流になって流れこんでくる。

壊れた右腕は依然として棒切れのように肩からぶら下がっているだけだ。
動かすことはできない。
グシャグシャに潰れた内臓はさっきまでの鈍痛をやめた。



……肉体の痛みは、もう微塵も感じない。



肺に満たされぬ酸素によって思考は小さな粒に分解され、戦場に見えない雫の微かな名残を産み出していく。



それはきっと、大事だった物。


先人が言った雑念を全て捨て去った状態。
感情を廃して潜在能力を引き出す方法。

危険領域。
無我の境地。





それがヘブンズ・タイムに隠された禁忌。




<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/05(土) 03:52:50.76 ID:+m5KAJ58o<> キターーーー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/05(土) 03:56:55.01 ID:LCCrm4Vp0<> 初のリアルタイム支援 <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 03:58:41.92 ID:TvQIUa+IO<>

五条「今なら……鬼道さん……!」


色を失ったはずの世界に躯から揺蕩う蒼い闘気が、渦巻いた空気へ溶けこんでいく。
どこまでも冷たい、哀しみにも近い心が煙となって暗くなった空に問いを求めて揺らめいていった。

留めることを出来はしない。

踏み出した跡にはくっきりと焼け焦げたような灰が散った。



見なくても視える。
代償によって得た、人知を超越する力。


俯かせていた顔をゆっくりと上げる。





五条「アナタの顔も……!」





五条「動きも……!」





五条「心も……!」



踏み出した両脚。
音もなく凍りついた鬼道の真横に佇む。









五条「『視える』……!」



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/05(土) 03:59:05.50 ID:lwT//oY8o<> 今寝ようと思って新着レス確認したらコレだよ! <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:09:21.36 ID:TvQIUa+IO<>

薄れていく思考の中、憶えておきたいことだけを幾度も反芻する。
ワルドと対峙した時に発動したヘブンズ・タイムによって、バラバラになってしまっていた沢山の思い出。
消えて欲しくない想い。
蹂躙された記憶。




瞼を閉じれば遠くにある第二の故郷、トリステイン。

時が経つにつれて別け隔てなく、何者かも分からない自分と友人のように接してくれるようになった学院の人達。


最初は敵だったはずなのに、いつの間にか親友と呼べる存在になっていた……薔薇を携えた金色。

いつもルイズとぶつかっていたが、その言葉尻には確かに思いやる優しさが滲んでいた妖艶な赤色。

何も言わず本ばかり読んでいるように見せて、実のところ自分たち仲間をしっかりとつなぎ止めていた青色。


なぜだか自分の心も身体も救ってくれ、背中で戦うことを了承し、死線を共にした緑色。




そして……


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:13:46.86 ID:TvQIUa+IO<>





何よりも大事な。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:16:24.81 ID:TvQIUa+IO<>







守ると決めた。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:18:42.18 ID:TvQIUa+IO<>





ルーンが消えても。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:19:42.10 ID:TvQIUa+IO<>





貴女だけを。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:20:16.88 ID:TvQIUa+IO<>






オレの小さな主人を。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:21:39.93 ID:TvQIUa+IO<>





その瞳も、華奢な体も。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:26:05.82 ID:TvQIUa+IO<>






笑顔も。
<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:27:10.86 ID:TvQIUa+IO<>


簡単に折れてしまうまだ弱い心も。








困難に立ち向かおうとする勇気も。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:28:27.07 ID:TvQIUa+IO<>
全部。








貴女の全てを……オレは。


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:30:14.33 ID:TvQIUa+IO<>
ああ……駄目だ、消えては。

もっと刻んでおかないと……。




きっと思い出せなくなる。




今度はもう前のように取り戻せない。
必死になって思い出した以前のようには。
散り散りになったパズルは組み直せても、砂粒になった思い出を再び元の思い出の形に作り直すことは……誰にも出来ない。

だからこそ。




五条「使いたくは無かったんです……」




そして、結局使わずに鬼道を助けることが出来なかった自分が憎かった。




思いの強さに反比例して記憶も気持ちも皆、戦場に零れていく。
半分ほどに減っていた心の中身は底に穴が空いたようで、物思う間にどこかに流れていってしまう。


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:34:58.66 ID:TvQIUa+IO<>
フーケの言うとおり、選択肢は人間に有無をいわさずにその岐路を指し示した。

物言わず選ばせ、進ませ、思わせる。

道が一つしかなくても、犠牲を出すとしてもだ。



だが結果がどうなるにしても、自ら選んだ以上はそれは『オレ』が選んだ『オレ』の道だ。
自分で決めなくてはならないものだから。
後悔をしたとしても、道を選ばないよりは……ずっといい。

立ち止まることは誰にでも出来る。
それでも……例えこの後オレがオレではなくなっても、五条勝でありたいなら進むべきだ。










大事なのは選んだ道の中で、何が出来るかなんだ。






<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:38:59.37 ID:TvQIUa+IO<>
何もかも投げ打つ覚悟がまだ出来たわけじゃない。
助けるという確固たる意思で巣食っている弱さを誤魔化しているだけだ。

オレは「ゴジョー・マサル」としてハルケギニアに何も残せていない。
ルイズの傍で守ることすらできていない。
空っぽだった自分の中に沢山の物を詰め込んでくれたこの世界に、容易くお別れを告げられるほど……

まだオレは大人に『なりきれて』いない。




それでもチクチクと刺すような痛みは、段々と波打つように心の機微をおしなべて飲み込んでいく。






無くなってしまう。




<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:50:54.77 ID:TvQIUa+IO<>

暗がりが徐々に、元の曇り空の姿へ戻り始める。

誰も聞いてはくれない独りだけの世界で呟く。
それは自分でも誰に言ったかは分からない。
目の前にいる鬼道に言ったのかもしれないし、遠くにいるルイズに言ったのかもしれないし……

もしくは無慈悲な万物創世の神への懇願だったのかもしれない。





五条「何故なんですかね……?」




五条「身体は痛くないはずなのに……」



五条「全て拭い去ってくれるはずなのに……」




五条「胸の奥の痛みだけは……消し去ってくれないんでしょう?」




<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 04:51:59.07 ID:TvQIUa+IO<>

ドクンと心臓が一際強く胸を打った。
小さな桃色のペンキを僅か残して真っ白になっていく狭い自分の部屋を、どこかにふんわりと優しく感じて、モラトリアムは終焉を知らせた。

戦場で人を傷つけるときは終りなんてない様に思えたのに、何故大事な人を思う時はこんなにも早く時間は過ぎてしまうのだろう?
時間は止まっているはずなのに。


その答えは分かっている。

ヘブンズ・タイムが止められるのは五条勝が『自分』と認識している以外のあらゆる物。

心の時間が止まってくれないのは、まだオレが『心』を自分のものだと思っているからに違いなかった。



<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/05(土) 05:07:49.23 ID:TvQIUa+IO<>

五条「我が主人よ……」


最後に思うこと。
祈りにも似た小さな希望。

瞳の内側からこみ上げる何かがあった。


それが一雫、枯れた荒野に落ちた瞬間。





止まっていた時間が動き出した。













「願わくば、もう一度貴女をこの手に抱きたい」


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/05(土) 05:20:30.18 ID:X7R2/Fkxo<> タイトルキタワァ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!☆ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/05(土) 07:20:56.67 ID:KjNEJfZAO<> キテタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)━━━!!!


五条さんはどうなる!?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/05(土) 11:36:53.47 ID:vNh2Lp79o<> wktkwktk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/05(土) 15:17:59.28 ID:JDPW5hnAO<> ここでっ……次回の投下に持ち越しかよっ!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/05(土) 16:54:58.62 ID:G4MwiEa/o<> なんという仕打ち <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/05(土) 19:57:37.98 ID:/PCEcZuB0<> やっぱタイトル来ると燃えるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/05(土) 22:29:11.60 ID:RJwAW9Hbo<> >>416
最終話「ポケットの中の戦争」とかな! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/06(日) 05:46:29.86 ID:rAMRvkjAO<> 正座してた甲斐があった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/06(日) 06:57:04.93 ID:wWPHb65mo<> |      _ -―  、
|  _ /. : : : : : : : : .` 一 ァ
| \ : : : : : : : .ィ: : : : : :l、 :∠ _
| _> : : : ∠ \__ / ヽ : : /
|\ : : : : :/ , -\  /く |./   まだその手に抱けるか
|  丁 \| {'」     {'」 ノl7          決まってないけどね
|   \ 6   ー    '   /
|   , --ニ>、 (`ー -ァ/              うっしっしっし
|/     | |` ┴ァ ̄ヽ
|   /   \_ 入  ノ ))
ト-/           Λ \ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/07(月) 02:43:14.55 ID:UQ2/kN7AO<> 黙れ小僧 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/07(月) 20:32:15.21 ID:wYHEudO4o<> >>419
                               ヽ`
                              ´
                               ´.
                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
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                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
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                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/02/07(月) 22:04:03.26 ID:tbvCc1MZ0<>   _,,-‐'"ヽ.         ∧ _∧
 ノ \ ヽ ト、       /∧´・ω・)   
{ 、 ヽ. ヽ_(⌒)  _,,.. -‐'"ノ /ノ >‐个 、._
 ヽー'.ー' `7⌒/'フ  >,ノ--―‐‐' ̄ ⌒`ヽ、       木暮くん!!!
   ∀ ー {  ∨    ∨   >ミ λ二ヽ、_ )ヽ__      
   \  〉ー {     {     __ミ∧__,,.-''`ヽ `ヽ 
     ー―-ヽ、  ノ  _,,.. ‐'"´彡 'Y   `ヽ i  ̄ヽ、
          { ̄´》丶 ー- <ノ__\     {  / ∧
             { 7⌒/⌒ー-' ノ彡/∨ ノ >、._ノ  ,'  _∩
          !〉ー、―-、,ゝ┴ン ノ/ ノ  { レ ´ ヽi
          {ヽ.__,、___  '  / (´_ /  _,,..×   ヘ〈 ハ |
             /ヽ Y    '/´´    }  (_,,..、_ハ   , ノ }
          〉ミミと=‐- ┴―――〈      > ノ / .!
         ノノ  ', ̄ ̄ ̄ 不TT7´     ゝク´ ,  /
        / ' ∧   彡=  ′ ハ     ⊂´_ノ  /
         ノ   ハ   / ′     λ     `ー‐-'′
      /    {   、/        ハ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/08(火) 05:42:02.21 ID:qHOKRuWj0<> AA馬鹿イラネ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/09(水) 06:38:34.38 ID:E80UzO8D0<> 五条さんマダー?

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/10(木) 10:05:53.59 ID:VLJd1vTDO<> 五条さんは不滅 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/10(木) 20:18:20.43 ID:kFH5JDyyo<> 勝^5 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/11(金) 06:56:19.00 ID:Tc64LiN5o<> まだか・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/11(金) 22:51:09.09 ID:EsCZq6LAO<> まさか・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/11(金) 22:52:21.96 ID:GpppAQGjo<> まさし・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/11(金) 23:32:24.04 ID:0DJ2tng70<> さだまさし… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/12(土) 09:21:17.63 ID:uCCP46rpo<> またか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/12(土) 18:26:39.44 ID:384wtbCAO<> とがし…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/12(土) 20:40:11.94 ID:fYWGh4dDO<> サスケェ・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/13(日) 21:20:15.69 ID:cIe8TNj20<> まだか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/14(月) 00:45:24.25 ID:ThgTkFTXo<> マギカ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/14(月) 01:52:35.30 ID:Nu+zlCo+o<> まどか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/14(月) 07:25:11.17 ID:KUYiRBSro<> 予告無しで消えるのはやめてほしい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/14(月) 07:48:22.43 ID:UJrMlsDAO<> >>437
まだとっとこ一週間じゃないの <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/14(月) 19:46:29.12 ID:ZoESZWc6o<> >>438
まじかよ・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/14(月) 22:17:16.83 ID:cGDFMSF/o<> きっと今日はたくさんのチョコレート貰ったろうな
五条さん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/15(火) 07:28:26.26 ID:pRK71SYCo<> >>440
五条「クックック・・・気持ちだけはもらっておきましょう」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/15(火) 17:14:34.15 ID:gMGLLFEj0<> クックック、食べましょう…!純粋に <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/16(水) 00:06:46.12 ID:5husMo5a0<> まだかなぁ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/16(水) 18:38:50.89 ID:L5OwGXYAO<> まだなのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/16(水) 19:18:58.57 ID:lwkpWRzjo<> まだですー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/16(水) 20:39:21.00 ID:ewp6Lqtqo<> もーう いーいかい? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/17(木) 01:44:27.75 ID:prdcKmRGo<> ―――三日後 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/17(木) 06:59:37.05 ID:p6yeei8yo<> もうそろそろ限界だぞ・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/17(木) 07:33:46.36 ID:EvBrhZBAO<> 睡眠過多になるまで待ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/17(木) 08:52:50.94 ID://7YzPOG0<> まだ待てる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/17(木) 09:15:12.90 ID:CHEpY7KAO<> 鍛えられたNIP民にとっては瞬く間 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/17(木) 11:59:33.71 ID:H5cavBeXo<> 待ってる間にゲーム一作目で五条さんをチームに招待したぞ!
それに今放送中の分のEDの最後で五条さんのお姿を拝めるから
まだまだ我慢できるぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/18(金) 01:44:28.49 ID:f1y3WcVFo<> 二ヶ月振りに来たけどそんなに進んでなかった件 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/18(金) 07:15:26.36 ID:d1CxWjiAO<> そんなにということは
まだ反応があるということだ <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/18(金) 09:24:23.70 ID:0m9QrntIO<> 大変お待たせいたしました

今日、投下します <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/18(金) 09:33:06.93 ID:7VLWkU+Ro<> キターーーーーーーーーーー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/18(金) 17:07:19.36 ID:7kRE7k0C0<> ククク…!待っておりましたよ……! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/18(金) 19:54:31.66 ID:75XJKPJDO<>   ┏━┓┏━┓
  ┃ ┃┃ ┃
┏━┛ ┃┃ ┗━┓
┗━┓ ┃┃ ┏━┛
キタ―┃ (゚∀゚) ┃―!!!
┏━┛ ┃┃ ┃┏┓
┗━┓ ┃┃ ┗┛┃
  ┗━┛┗━━━┛ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/18(金) 20:36:31.46 ID:prBjvaaao<> 何だったんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/18(金) 21:56:04.02 ID:tup5leEf0<> 五条たんちゅっちゅ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/18(金) 22:40:20.15 ID:UIRDNrbAO<> ヒント:今日≠すぐ
一日はまだ始まったばかりだ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/18(金) 22:48:56.19 ID:zQyra5l4o<> タイムリミットは@1時間wwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/18(金) 23:32:32.39 ID:1geyGiLAO<> さて、全裸待機だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/18(金) 23:48:09.46 ID:zQyra5l4o<> そして世界は動き出すッ!! The WORLD!! <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/18(金) 23:59:52.25 ID:+k91+308o<>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


フーケの意識を取り戻させたのは、胸の奥を叩く激痛であった。

灼ける大地は気持ち、温度を下げたようで彼女の皮膚に傷を負わせることは無かった。

固い地面に頬を寄せて口の中の血と土と砕けた鉄の混じった唾を吐き出す。



フーケ(つぅ……! あの野郎、しこたまぶつけやがって……!)


まだ呆けた脳内でいつものように毒を吐く。

右腕と背中を強打したせいか、時々刺すような痛みが神経を伝わって痛みとしてシグナルを鳴らしていたが、呼吸の度にハンマーで殴られたように響く鈍痛に比べればカスリ傷だった。

瞼を閉じたままの視界に幾何学模様の残像が駆け巡る。

ヒュルヒュルと一定間隔で掠れた呼吸音が自分の体はもう戦えないと告げた。



フーケ(……アバラが腹ん中に刺さってやがる)



同時に気がつく。



生きている。



生きている?

その事実に、喜びよりも疑問が不明瞭な思考を徐々に拍車を掛ける。







フーケ(どういうことだ? 何故あたしは生きている? 戦いは……)


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/19(土) 00:00:03.84 ID:yb6U4C1AO<> 幻想………投下予告も………期待も………全てッッッ………幻想だったッッッ!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/02/19(土) 00:05:13.50 ID:YJwdhljmo<> 五条「クックックッ……! オマエが投下されなかったというのなら……オレはその幻想を『ぶち狂わす』……!」 <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/19(土) 00:10:14.48 ID:YJwdhljmo<>
当然の疑問が浮かぶと時を同じくして、唐突に轟く激突音。


フーケ「……!?」


それに体は思わず反応し、動いてはいけないという『ルール』を破ってしまう。
横たわっていた体を起こして、開かれた瞳に飛び込んできたのは二つの黒い影。

点と線。

フーケの認識できる範囲では黒い線が二本交差し、時折点滅しているようにしか見えない。



しかし、彼女はすぐに理解する。

あれが人間を超えた者同士の戦いであると。




ブラックアウトによってもたらされた頭の中の余裕、余白、余力がじわじわと侵食されていく。







フーケ「ゴ……ジョー……? なのか?」



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/19(土) 00:10:21.28 ID:CDvKmtLZo<> 8秒wwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/19(土) 00:10:38.82 ID:5dxZlby1P<> 待っていましたよ <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/19(土) 00:16:35.10 ID:YJwdhljmo<>
一瞬、空中で点が交わったかと思うとその一つが岩山にめり込んだ。

加速を止めた線は質量を持った点に戻る。

地面に着地した姿は暫し、彼女が意識を失っていた間に『違う生物』になっていた。
容姿が変わっている訳ではない。
体が大きくなっている訳でもない。

違うのは中身。

体から静かにたゆたう蒼い煙の中、棒立ちの痩躯はヒトとは一線を違えた物になっていた。




ゴジョー・マサル。




フーケ「……ッッッッ!?」


それなりの距離を隔てて触れあった目と目。

背筋を戦慄が蹂躙する。
熱いはずの戦場に身を置いている彼女はガクガクと震えだした。

必死に両手で自らの体を抱きしめるが、それは決して止まろうとはしない。

僅かな時間だったが男から発せられる『空気』は刹那で彼女の心を食い荒らした。


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/19(土) 00:20:20.64 ID:jeXuCxdZo<> なんという人外魔境 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/19(土) 00:22:51.73 ID:yb6U4C1AO<> >>467
濡れた <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/19(土) 00:22:55.10 ID:YJwdhljmo<>
彼女は自分で確固たる自信を持っている。
場数は人よりも踏んでいる。修羅場もそれなりにくぐり抜けてきた。
目を見て逃げ腰になるようでは盗賊という人の道を外れた世界では生きていけない。

そんな彼女を恐怖させたのは肉食獣のような目ではない。

それならどれほど良かっただろうか、とフーケは思う。




『穴』が空いていた。



目ではなかったのだ。
感情を映し出す瞳から毛の先ほども揺らぎが見えない。

そこには暗い穴が空いていたのだ。
視線を合わせた者を飲み込んでしまうような穴が。
空になった窪みに埋められたのは無だったのかもしれない。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/19(土) 00:30:09.83 ID:YJwdhljmo<>
フーケ(あ、れが……ゴジョー……?)


頭では理解しているつもりだった。
視線の先に立っているのはゴジョー・マサルだと。
しかし、矛盾するように心は否定する。

『アレ』は先ほどまで自分と戦っていたゴジョーではない、と。



フーケ(まさか……アイツ……!!)


蒼い影がフッと消える。


フーケ(敵と同じに……!?)


首を動かしたときには既にゴジョーは岩山にめり込むドレッドヘアーを持ち上げていた。

その動きにキドーと呼ばれた、悪魔は即座に反応する。
頭を掴まれた状態から体を捻り、ゴジョーの顎先に見えない蹴りを放つ。

二つの影は再び点になる。

認識できなくなる。

<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/19(土) 00:57:04.87 ID:YJwdhljmo<>
どういう理屈かはフーケには解らないが、ゴジョーは切ってはいけない『ジョーカー』を使ってしまったと確信を持って言えた。

それ程常軌を逸した速度で動き、圧倒されていた鬼道とほぼ互角の戦いを繰り広げている。

ぶら下がったままの右腕でだ。

この戦いを僅かだが共にした彼女には、その動きが限界を突破しているものだと肌で痛感する。




フーケ(後先を考えて使ってるモンじゃあねぇ……)



肉体的に見て、どれだけゴジョーが頑丈で頑強な躯をもっていたとしても人である以上、100%の力を出し切れば殴りつけた拳の方が悲鳴をあげる。
知らず知らずの内に脳は自分が壊れないようにセーブしているのだ。




フーケ(ゴジョーは多分、この戦いが始まってからあたしがぶっ飛ぶまでは……ギリギリのラインで留めていた)


フーケ(恐らく……98%か99%、本当に限界ギリギリの、肉体と精神が砕けない最終ライン上で力を出し切ってたはずだ)


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/19(土) 01:15:20.19 ID:ZT0VehEBo<> 支援 <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/19(土) 02:21:51.04 ID:YJwdhljmo<>
フーケも気がついてはいた。
前に対峙した時と比べ、様子が違うことを。

常人でも100%に近い力を出すことは確かに一瞬ならば可能である。
しかしながら、それはあくまでも一瞬。
俗にいう火事場の馬鹿力と言うものだ。

彼はそれをずっと、続けている。
プロのアスリートですら全力を出し切れば丸二日は動けなくなる中、ゴジョー・マサルは長い間躯を酷使し続けてきた。
いつ切れてもおかしくない細い綱の上を歩いていたのだ。



フーケ(そして……その満身創痍の躰にトドメを刺す様に……この動き。普段の二倍、いや、三倍か?)


圧倒的だったはずの力量差はもう微塵も感じられず、力関係は互角と言って差し支えない。



フーケ(だが……その代償は……)


きっと、身体は回復する。

だが心に負ったダメージは、年より大人びた彼の心を四散させてしまうだろう。

心を捨てたからこそ限界を突破した力を使っていられる。


<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/19(土) 02:26:14.72 ID:YJwdhljmo<>



フーケ「あの馬鹿……!」




なじる言葉とは裏腹にフーケは唇をきつく噛みしめる。

彼女とて分かっているのだ。


退路のない此処では戦うことしか手段が残されていなかったことを。
死んでしまっては何も成せないことを。
自分を捨ててでもやらねばならぬことがあったことを。



彼女は呪う。
何もできないことを。
闘いに参加できるレベルではない自分を。
結局『足手まとい』になった弱さを。





彼女に残されていたのは祈ることだけだった。



<> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>saga<>2011/02/19(土) 04:04:22.48 ID:YJwdhljmo<>


フーケ「死ぬな……! ゴジョー……!」



ゴジョーは戦場に叩きつけられる。



フーケ「テメエは……! 会わなくちゃならねえ奴がいるんだろ……!」




ゴジョーは虚空に投げ出される。




フーケ「だからまだ……!」











フーケ「死ぬんじゃねえ!」




<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/19(土) 04:24:21.80 ID:YZFXwWKIO<> おつ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/19(土) 06:13:51.80 ID:xXalEPzAO<> もつ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/19(土) 07:36:57.87 ID:YpiS9lZto<> キテタ――――(゚∀゚)―――― !!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/19(土) 10:25:43.01 ID:YPfrsJNAO<> 一体…………
いつ終わるんだ………? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/19(土) 18:58:04.34 ID:2JZjDRLIO<> 始まってすらいない・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/20(日) 18:55:38.30 ID:e+wsRt6Wo<> また予告無しで終わった・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/20(日) 23:37:34.74 ID:S/HGHtJvo<> >>486

>>366
>>383
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/20(日) 23:40:07.17 ID:gIAolAW1o<> 楽しみに待ってる人間はちゃんといるからファイト! ^^ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/20(日) 23:52:11.31 ID:Tw6o6iKDO<> 毎日五条さんの真似してたらペンギン出せるようになった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/21(月) 03:21:09.43 ID:lfSlKBKwo<> >>489
スッゲェー!!見せて見せて <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/21(月) 07:28:16.61 ID:fw9BAWHBo<> >>487
正直、すまんかった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/21(月) 08:01:02.60 ID:OK8qbkjAO<> 俺だってジャッジスルー出来るし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/21(月) 20:02:23.70 ID:O/fU88CA0<> 俺魔法使えるんだぜ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/21(月) 20:51:28.50 ID:6NJA9eFuo<> >>493
30過ぎた童貞か・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/22(火) 16:48:52.08 ID:nvxHXeYDO<> >>490
コツ掴めばお前らもできるってwwwwww
五条さんの威力の一割もないけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/22(火) 17:53:52.64 ID:7UC7ER7/0<> >>493
苦しいww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/22(火) 22:21:27.41 ID:qpHMPqdro<> 2/22 2:22:22:22(((o(*゚▽゚* <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/23(水) 23:16:47.42 ID:MCyjjZqAO<> >>497

なんかおかしいところに2がついてるぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/24(木) 04:23:24.38 ID:Z3BjZ+LMo<> 私のおいなりさんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/24(木) 15:11:00.96 ID:OdlH0dtdo<> >>497
一分ミスしてんじゃねーか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/26(土) 07:48:49.12 ID:W1BwliWDO<> 五条さ…ん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/26(土) 08:56:10.21 ID:2RMpQlKoo<> まだかなぁ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/27(日) 09:44:14.64 ID:cQScfwhno<> ルゥイズぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーー

に五条さんを早く再会させてあげたい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/28(月) 09:33:54.69 ID:55ZQdjdAO<> はっきり言おう

書き終わるのは何年後ですか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/02/28(月) 14:19:04.09 ID:SqpXRobIO<> >>504
未完で終わるんじゃね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/28(月) 22:52:23.92 ID:55ZQdjdAO<> はっきり言うなよ・・・
もうちょっとビブラートに包めよ・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/28(月) 23:19:07.28 ID:NvNZChPdo<> それをいうならビブラーバだろ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/28(月) 23:47:47.92 ID:g4aneenAO<> 何言ってんだ、オクラホマだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/02/28(月) 23:50:17.63 ID:tdwYP+vco<> ビルヌーブだったような <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/01(火) 00:52:37.53 ID:XnAI+l/zo<> この流れつまんないよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/01(火) 00:57:24.81 ID:PHwxnuMAO<> >>510
そのコメントがつまんないよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/01(火) 01:00:27.57 ID:4vip+ukXo<> >>511
いや、ここは俺が・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/01(火) 01:05:10.37 ID:7B26mP0No<> >>512
vipに帰れ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/01(火) 07:41:30.72 ID:QkTDfSKIo<> >>513
よく落ちるからこっち来ただけだ偉そうにすんな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/01(火) 22:29:00.56 ID:eXLBq/R0o<> IDェ・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/02(水) 06:57:29.36 ID:Cvg7iA6so<> >>512
やるじゃん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/02(水) 16:43:40.12 ID:keJZxtyGo<> >>513
あ、迷惑Deathぅー 誘導されても死臭がヒドイ!自治厨かっての <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/02(水) 17:36:46.67 ID:PxY1nGSlo<> >>513
VIPに帰れ(ドヤッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2011/03/02(水) 20:45:41.44 ID:ZPLx8Qsho<> これが理性のない世界か 感動したぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/02(水) 20:54:22.50 ID:1K814SVAO<> 俺が見たいのはしょーもないやり取りなんかじゃない


五条さんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/02(水) 22:04:23.83 ID:1Xe14DgIo<> >>513
VIPに帰れ(キリッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/02(水) 22:21:14.03 ID:5XtrtG6uo<> >>513
おいとなりの+を見落としてるぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/03(木) 15:45:38.10 ID:Bw01l7/AO<> これがNIPPERか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/03(木) 21:34:15.05 ID:Vr2SXDk+o<> >>513は>>512のIDにvipって入ってるから
VIPに帰れって書いたんだよね?
>>514,517,518,521はそれを知ったうえで弄ってるんだよね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/04(金) 06:57:29.34 ID:/29HsLwLo<> >>524=>>513 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/03/04(金) 11:14:57.78 ID:4QYO4rmD0<> >>525
お前も>>512のIDに気付かないで>>513を自治厨扱いしたアホの1人だろ?
顔真っ赤ですね^^; <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/04(金) 12:16:34.18 ID:kLhzWYDAO<> そんな事はどうでもいい
睡眠不足、無理して書く事はしないで欲しい
未完なら未完と蹴りを付ける時は付けてくれ

だが未完のまま終えてしまうのは惜しく残念
私は五条さんの勇士を先の展開を見たい
まあ無理はしてくれるなよ、こちとら初代スレからの付き合いなんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/04(金) 20:30:20.01 ID:Re17KJmIo<> >>524
>>526

かっけーっすwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/06(日) 15:37:02.47 ID:/3gZhwJUo<> 流石に間空きすぎだろ・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2011/03/06(日) 16:18:16.60 ID:2HdqFHyco<> キチガイ共が荒らし続ける限りは投下なんか一切ないから安心しろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/06(日) 23:20:47.64 ID:0U6sT3muo<> あ、迷惑Deathぅー >>1のフリされても 騙り臭がヒドイ!自演かっての <> 513<>sage<>2011/03/06(日) 23:32:39.99 ID:sIpFJ86Mo<> >>524
>>526
これは無い… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/06(日) 23:33:52.61 ID:hZvvLG+8P<> 全ては俺が悪い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/07(月) 00:27:43.49 ID:yKNFysbAO<> いつまで寝てるんだよ作者
もはや睡眠過多だろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/07(月) 01:36:42.20 ID:fF9NAVAKo<> 私まーつわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/07(月) 05:32:18.81 ID:+br3iUvuo<> http://www.primeshop.jp/goods?goods-code=29593&isession=b936f0c0b135a88faae9aa58f1932517
で帝国DFクラスになれるよう自主練しながら黙々と待ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/03/07(月) 09:56:28.67 ID:DZNUnztN0<> >>532
キモッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/08(火) 00:19:50.81 ID:hTeuN6+J0<> >>535
いつまでもまーつーわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/08(火) 05:18:01.07 ID:IHEQHwyDO<> 投下しなくていいから何か一言だけ欲しい
その一言でどれだけ安心出来ることか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/08(火) 10:25:33.75 ID:cLMH7sSa0<> お前らどんな時でも紳士な五条さんを見習っておとなしく待とうぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/08(火) 10:37:08.85 ID:3tFef8Oqo<> もう書けません
ごめんなさい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/08(火) 12:04:00.45 ID:GOUsC5fAO<> >>541
偽物乙
トリップくらいはつけておけよ <> 睡眠不足 ◇Uq2i1ARauU<><>2011/03/09(水) 08:26:41.94 ID:GIIer8a20<> もうだめぽ <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>sage<>2011/03/09(水) 08:45:43.05 ID:+7JyQc0AO<> 仕事が忙しく全くと言っていいほど時間が作れず
書き溜めも一向に進まない状態です
次の投下は早くてもゴールデンウィークになると思われます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/09(水) 09:13:00.89 ID:GIIer8a20<> >>544
おせぇぇぇえええ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 09:47:49.52 ID:Eux/VWj7o<> マ、マジかよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 09:50:23.66 ID:Eux/VWj7o<> 冷静になってもう一度見てみたらなぜかもしもしとPC使って書きこんでるんだけど
何? 酉割れた? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 09:52:02.99 ID:evhhjUxDO<> >>544
あと2ヶ月くらい余裕余裕・・・・・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 10:06:49.56 ID:1BV5R19DO<> >>544
いつまでも待つぜ!ただこれだけの大作を未完に終わらすことだけは許さねぇ…純粋に…だかんな!たまには近況報告とかの生存カキコ下さいな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 10:26:09.35 ID:rV2rJhv6o<> >>544
把握待機 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 10:47:10.91 ID:JpguG2Kho<> >>544
完結させろよ絶対 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 13:18:27.51 ID:EUBZ95qIO<> >>544
待つから完結して下さい! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 13:26:39.31 ID:8rE+lpXAO<> 年度末だし仕方ないよな
待ってるよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 14:00:00.49 ID:apEFpzH4o<> >>547
よく見ろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 14:06:31.47 ID:Wv1Y0AuAO<> 2ヶ月か、待ってるよ〜 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 14:54:08.51 ID:/g1tBzYjo<> 誰も今年のGWとは言ってないよな? <> 睡眠不足
◆Uq2i1ARauU<>sage<>2011/03/09(水) 18:27:45.24 ID:AMgVIJ7IO<> >>543-544

ん? 俺書き込みしたっけ……?





えー、トリ割れした臭いので本物と証明出来ませんが一応本物っぽい証拠として明日投下します


忙しいとは言え流石にゴールデンウイークまでは待たせませんよ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 18:33:15.22 ID:xcIY3SMJo<> >>557
本物・・・かどうかは判らんが別にゴールデンウィークまで待っても良かっ(ry
まぁどんなにゆっくりペースでもあんま気にしないよー、とにかく本物なら明日期待してるぜー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 20:08:38.84 ID://6zGq5go<> 楽しみに待ってます

>>547
やるじゃん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/03/09(水) 22:05:41.64 ID:2z7kENzh0<> 久々キターって思ったけどなんかカオスってるな
黙ってたけどキャラの名前はやめた方がいいと思う
投下内容に弊害が生じてたりしたら偽物は絶対に許さない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/09(水) 22:06:54.67 ID:GIIer8a20<> 偽物でも面白ければ問題ない <> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>sage<>2011/03/09(水) 22:16:02.96 ID:AMgVIJ7IO<> トリバレるのってとても恥ずかしいですね

昔別の作品書いた時につけたのそのまま使ってたのがまずかった


日付変わらないうちに新しいのつけときます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 22:17:19.16 ID:lirUcn8zo<> 突っ込むのも野暮かもしれんが、>>543は名前欄に直接書いただけで
トリップが判明したわけじゃないと思うんだが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/09(水) 22:18:03.97 ID:lirUcn8zo<> と思ってたらアホは俺の方だった
>>544が偽物の可能性って話だったわ……
五条さんに合わせる顔がねぇ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/09(水) 22:25:01.95 ID:+rRD+WkAO<> ゴールデンウイークじゃなくてよかった……………


本当によかった…………… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/10(木) 00:20:33.35 ID:5PAkl6F3o<> 超wwwwwwwwww
進化なさったwwwwwwwwww

これは期待 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/10(木) 08:39:35.06 ID:k3HSTHaC0<> >>562が本物なのね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/10(木) 08:43:57.85 ID:NUTshuYSO<> >>557

偽物でもいいから支援
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 21:36:11.60 ID:TSd9Ietjo<>
前回、半端なところで終わってるのでいきなり区切りから始まりますがご了承ください



投下します
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 21:52:24.82 ID:TSd9Ietjo<>
殺し合いの最中、涙を零す盗賊は端から見ればさぞかし滑稽であろう。
しかも敵だった男に対してだ。
だがその涙に呼応するように、ゴジョー・マサルは立ち上がる。

何度ねじ伏せられようとも。



恐らく彼にはフーケのことは見えている。
それでも彼女を攻撃しようとしないのは、無の海に流されて消えた心の小さな粒が許さないからであろう。

常人には決して辿り着けぬ境地にいる悪魔達は、二つの熱気で乾いた戦場の中、只管に拳の応酬を続ける。
傍観者になるしかない女は土を固く握りしめた。





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<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/10(木) 21:58:53.95 ID:J6XAFrXLo<> おおおやっときたあああ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/10(木) 21:59:02.94 ID:jdRjgbDTP<> 期待 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/10(木) 22:05:50.20 ID:d0kjXqdgo<> wwwwktk <> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 22:05:54.42 ID:TSd9Ietjo<>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あらゆる事に終りは訪れる。

永遠にも思えた戦いにも須らく終りは訪れるべきだ。

その瞬間をフーケはその目で確かに見届けた。

ざらつく風が独りだけ立つ彼女を僅かによろめかす。




「最後の瞬間は語るべくもない」


それがこの闘いに最も相応しい言葉だろう。



力の拮抗した者同士が、全身全霊を込めた拳を打ち付け合えば答えは一つしか残されていないのだから。

崩れ去ったゴジョーの元にフーケは力なくへたり込む。
そして母が子を慈しむ様にその頬を撫ぜた。

それは、無情な戦場には似つかわしくない一枚の絵画のような光景であった。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 22:09:52.78 ID:TSd9Ietjo<>

フーケ「ゴジョー、テメエはもう……戦わなくていい」




フーケ「あたしが、『アイツ』のところまで連れていってやる……」




見開いたままの彼の瞼をそっと閉じ、フーケは抱き寄せると小さな声でレビテーションを唱えた。
これで正真正銘、彼女の魔力はゼロになった。
ブレッドはおろか練金を唱えることもできはしない。

抜け殻になったゴジョーを抱え、フーケはもう一人の男の元へ歩む。

心臓が動いているにしろいないにしろ、彼女はこの男を連れて帰ることは出来ない。
傷ついていないならまだしも、彼女とて軽くはない傷を負っている。
レビテーションをゴジョーに使った以上この場に置いていくしかない。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 22:12:29.27 ID:TSd9Ietjo<>
それにもしも。

男が再び目覚めたときこの凶暴性をふるわれれば。

止める人間はクロムウェルを除き誰もいない。

力で制圧できる人間がこのハルケギニアにいるのだろうか?

まず間違い無くいない。

キドーを連れて行くことは彼女にもハルケギニアにも……大きすぎるリスクだった。


男の心臓は微かだがまだ動いている。
今この瞬間ならば彼女でも首を絞めて殺せる。

フーケは右手にあるゴジョーの体を放した。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 22:14:31.27 ID:TSd9Ietjo<>

フーケ「……」



まだ太くない、柔らかさを持った首筋にフーケは両手を向ける。

冷たく細い指はキドーの体温を感じる。

殺さなくてはならないと彼女は思う。

ここでこの男を生かしておけば、人類に大きな災いをもたらすことは明白であり、殺したとしても彼女を責める人間はいない。

生きていたとしてもクロムウェルの傀儡として本人の望まぬことを強制される。
殺すほうがキドーもこれ以上手を汚さずに済む。


フーケ(いや……コイツがどう考えているなんて関係ない)


頭を振り、思い直す。
殺さなくてはならないのだ。
他でもない、自分自身のために。

フーケは手にゆっくりと力を篭めていく。

気道の絞められていく感触がじんわりと伝わってくる。
そのやけに高い体温は彼女に小動物の姿を重ねさせた。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 22:16:21.74 ID:TSd9Ietjo<>
フーケ「……悪く思うなよ」


ゴジョーは何も言わない。
仲間だった人が、助けようとした人が殺されようとしているにも関わらず、空中のベットに音もなく横たわっている。

迷いが、彼女に渦巻いていく。
ゴジョー程の男が生命を賭してまで助けようとした人間を、自分が勝手に殺してもいいものだろうか?
結局傍観者にしかなれかった自分に生殺与奪の権などあるものなのか?

普段の彼女ならば持ち得ない迷い。



フーケ(いいんだ、これでいい……)


しかしそれでも、フーケは殺していく。

生命を奪おうとする。

後数秒、これを続ければ心臓が完全に止まる。


次第に弱まっていく心拍。


その時。
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 22:21:49.90 ID:TSd9Ietjo<>





「は……る……」



フーケはびくりと戦き、少しだけその手を緩める。



フーケ「な、に……?」


唇に耳元を近づけてみると、掠れて弱々しいが何事か呟いている


「は……る、な」





「ど……こ……だ」





「はる……」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 22:26:08.55 ID:TSd9Ietjo<>
ハルナ。
と男は呟いた。

何のことかは分からない。

ハルケギニアでは聞いたことのない単語。

そう。

『ゴジョー・マサル』と同じ。


うわ言の様に幾度も。


誰かの名前を呟く。



死の間際で呟くは、男に取ってかけがえの無い物。



自分と同じようにキドーにもあると知ってしまった。



<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 22:28:38.69 ID:TSd9Ietjo<>
脳裏に巡る、自分の『子供達』。

その姿が一瞬だけこの男に重なった。

ひとたびそう認識してしまえば、彼女にはもうこれ以上力を篭めることなど出来なかった。

元来、人殺しなど好んでするような人間ではないのだ。
本当の彼女は自分より弱いものを守る為ならば、自分が傷ついても構わないと思う人間。
盗賊の姿は彼女が生き抜くための、守るものを守れる力を積み上げる為に繕った仮面でしか無いのだから。




フーケ「クソッ……! クソッ……!」



どうしようもない感情をぶつけるようにフーケは乱暴に首から手を放した。
弱り、迷いが作っていた綻びは、その声で彼女の心に重くのしかかり、冷たい殺意を押しつぶす。




フーケ「クソッタレ……! なんで、なんだって……こんな時だけ……!」






フーケ「人間らしいこと言いやがって……!!」
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 22:33:37.30 ID:TSd9Ietjo<>
奥歯を強く噛み締めながら、彼女は震える手を握り締めて立ち上がる。

殺せない。

連れて帰ることも出来ない。

彼女には『何もせず捨て置く』という選択肢しか残されていなかった。


振り向き、ゴジョーの壊れきった身体を胸元に抱き寄せると、指輪に自分の顔が映った。

泥まみれでとてもじゃないが他人に見せられない顔。
軽くなった腕の中の男を一瞥して、語りかけた。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 22:37:39.21 ID:TSd9Ietjo<>


フーケ「なあゴジョー? あたしは選択肢なんてロクなもんじゃない……選べる選択肢なんて無いって言ったがよ」



フーケ「こんなに胸糞悪ぃ『道』は初めて選んだ」



フーケ「テメェならどうしたんだろうな……?」




帰ってくるはずもない返答を待ち、乾いた笑いを浮かべた。




フーケ「……フン、聞くまでもねえか」










フーケ「『世界も友も守ってみせますよ……』ってトコだろうな」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/10(木) 22:41:22.08 ID:TSd9Ietjo<> 明後日、たぶんもう一回きます

待たせてしまうのが癖になりそうなので、自分的締め切りです

話半分くらいで聞き流しといてください


あと完結はさせます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/10(木) 22:45:48.64 ID:dKi9n3EHo<> 乙!

なんか今回のキドーさんとスレタイがちょっと重なった気がした <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/10(木) 22:48:33.27 ID:XNG4PV1M0<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/11(金) 02:45:24.71 ID:QpzKtWYAO<> 来てたか、何と言う不意打ち・・・乙乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/11(金) 10:09:31.99 ID:rMWDZLmAO<> 投下来てたー

キドーは元に戻ったのか!? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/12(土) 15:24:35.69 ID:d988b2GYo<> それどころじゃねぇよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/12(土) 19:59:54.02 ID:fGWV+ftAO<> 睡眠不足さんは無事なのだろうか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/12(土) 23:58:04.70 ID:SOqscn0AO<> さて……………

あと2分なわけだが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/13(日) 14:48:43.44 ID:jhUlxhMzo<> 被災者か? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/13(日) 17:14:21.85 ID:S3UdOpBAO<> >>592
なるほど有り得る <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/13(日) 17:31:07.29 ID:waIVaxOao<>                   _, -――- 、
                    /: : : : : : :- 、: : : :\
              /: : : :ィ===x三ニ\: : : .\
             ィ===x=={{    }}: : : : :\:\:.ヽ
  お兄ちゃん   〃   }}: : ヾ==='く: :l: : : : : l: : : ̄: : −- 、
 ワタシはここだよヾ==='イ: : { : : :ヽ : l:卜、: : : レ‐ 、_: : : : : : : :',
            |: : : :||: : :ヽ : : : :Vl/_,,..\:/{く^ |  ̄ ̄`Tヽ!
            |: : : :|ヽ:\: :\:. :| 爪_)ハ ヘ:.\ノ: : : :ヽ: :|
            | : l: : 、'\{≧ーヽ} `¨    \|: : : : : :}V
              八: :',: : \〃  ' , -‐、    /: : : : : : /
          __\\r‐、-、くヽ⌒ヽ |  /l| ̄ ̄/`丶
       /´ ̄ ̄`\ ̄\_) _)_)人  }ノ / ∧   /   \__
      / .: : : : : : : : : :.ヽ . . . . . . . . ):.ノrく  / ̄}           〉
      ,' .: : : : : : : : : : : : :',: : : : : : /⌒)ーr く-  〈  l      /`丶、
      { : :     : : : : : : :.}: : : :∠_/   ヘ__}__{  \    /    |
        ',: :       : : :/: :/!   \  /l l  \    \__/〉   /
        ヽ       /:/ | ー{ Vl  |、\厂      ∨    /
          \..__..∠ イ     |     >、 レヘ! \     __j_   /
                  |     八 _/  \      //´,   ` /
                \__/´     /\     ヽ〈 | l イ
                       / - _      ー'ー'ー-' \
                        く                 > <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/13(日) 22:30:54.90 ID:050lH4Jc0<> 死亡フラグ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/14(月) 03:17:42.03 ID:u5eLSwEz0<> おいおい睡眠不足が永眠とかまじsyレならんしょ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/14(月) 07:39:04.23 ID:omIHZsM+0<> 超睡眠不足 ◆iWWkeimE2w → 永眠 ◆iWWkeimE2w

まずいまずい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/14(月) 18:00:15.08 ID:Ns1Q/P7vo<> 来ないな・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/14(月) 22:30:48.82 ID:f+lIZRGAO<> 完結するんだよな!?

な?な? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/14(月) 22:41:32.32 ID:PSHIK+eq0<> 無事帰ってきてくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/15(火) 16:39:09.36 ID:MWXoBYUAO<> 顔だけでも出してクダサイ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/15(火) 18:18:38.65 ID:68Eg8nbAO<> 停電してるだけだと思いたい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/15(火) 19:34:27.11 ID:0EZU0kyAO<> 願わくば、もう一度>>1とこのスレで会いたい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(0)<>sage<>2011/03/15(火) 19:56:11.51 ID:+6X8zVkeo<> これは・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)<><>2011/03/16(水) 13:13:11.06 ID:p6CQlZLf0<> 舞ってるぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/03/16(水) 18:58:57.72 ID:DdfQ80jk0<> 五条「願わくば、もう一度>>1と出会いたい」 <> 超睡眠不足 ◆iWWkeimE2w<>sage<>2011/03/17(木) 15:34:27.37 ID:E2GHAM9IO<>
ひとまずご心配かけたことを深くお詫びいたします
俺自身は大丈夫です

12日に投下予定でしたが、お察しの通り東日本大震災の影響もあり、ここまでご報告が遅れてしまいました

ごめんなさい

直接的な大きな被害にはあっていませんが、震災関係のドタバタで中々スレを覗く時間もなく見てくれている皆様に不安を与えてしまい、心苦しいかぎりです



落ち着き次第投下します

また、お待たせしてばかりで本当に申し訳ありません <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2011/03/17(木) 16:28:02.78 ID:MX3MpvK7o<> いいぞ、待ってた。生きてるっていうの、信じてた。
連絡乙! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/17(木) 16:54:50.88 ID:/H0eGMRDO<> よかったぁぁぁぁぁ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)<>sage<>2011/03/17(木) 17:58:44.61 ID:LPpJnjEEo<> 良かった!良かった! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/17(木) 18:47:32.61 ID:6PGTiZl00<> 復活 ◆iWWkeimE2w ‼‼

キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)<>sage<>2011/03/18(金) 02:50:36.02 ID:vBxtEHHAO<> ククク…………祝え、純粋に(>>1の生還を) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/03/18(金) 12:02:58.83 ID:zEjIAWJAO<> 頑張れっ!!( ゚∀゚)

頑張れっ!!( ゚∀゚) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)<><>2011/03/19(土) 00:38:05.65 ID:4q77Hr0K0<> 生きてたか! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/19(土) 01:13:57.65 ID:somrIvBAo<> 生存報告きた!!!
良かった!! <> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/19(土) 03:18:05.47 ID:sDtNiSOio<> ……投下してもいいですか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/03/19(土) 03:19:41.89 ID:4e1fylQBo<> はい <> 超睡眠不足 ◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/19(土) 03:24:13.77 ID:sDtNiSOio<> ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

船内に鳴り続けていた重低音がいつの間にか消えていた。
乗り込んだ頃には煩わしく感じてしようがなかったその音すら、耳に馴染み始めると気にならなくなる。
慣れ、というものの恐ろしさを垣間見た気がした。
なにしろ音が消えたことで沈んでいた意識がゆっくりと、海底から引き上げられるように覚醒するのだから。

三角。
丸。
楕円。

閉じた瞼の裏に幾何学模様がグンニャリと見えたかと思えば、いなくなる。



ギーシュ「ああ、お腹が空いたよ。何か食べるものないかい?」

タバサ「食べ物はさっき全部なくなった」

キュルケ「指でも食べてなさい」

ギーシュ「んな……!」


ショッキングな事実にギーシュの声が大きくなる。
少しだけ、頭が痛い。



<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/19(土) 03:36:41.00 ID:sDtNiSOio<>
キュルケ「ちょっと、ルイズが起きるでしょ。この子あんまり寝てないんだから」

ギーシュ「あ、ああ……すまない。しかし後どれくらいで着くんだろうか? タバサ、分かるかい? ここじゃ日の光も差さないものだから、どうにも」

紙の捲る音が止まった。
いつもより一サントだけ気怠そうなタバサの声が届く。

タバサ「大凡残り一時間ぐらいだと思うけれど」

ギーシュ「……もうすぐか。降りるときはどうとして、果たしてどうやってゴジョーさんを見つけたらいいんだろう」

キュルケ「ルイズの時はゴジョーがいたしねぇ。いなくなって分かるけど、やっぱり私たち、ゴジョーに頼りっぱなしだったのね」

ギーシュ「ゴジョーさんの言っていた『よく見える眼』か……せめて二人の契約が残っていれば、何らかの手がかりはあったんだろうけれど……」


今度は頭よりも胸がキリッと痛んだ。
何の気なしのギーシュの言葉が、私の胸を突き刺したからだ。

ゴジョーにルーンがあった頃には仄かに聞こえていた、心臓の音や息遣い。
……表現的には感じていたの方が近いのかもしれない。

それも今はもう何も感じないのだ。
当たり前のようで、でも酷く寂しかった。
まるで私とゴジョーが書類上の関係でしかなかったような、寂しさ。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/19(土) 03:44:48.98 ID:sDtNiSOio<>
キュルケ「一応賭けてはみたのよ、サモン・サーヴァントに……」

ギーシュ「え!? じゃあルイズはもう一度召還を?」

キュルケ「シッ! 静かに。あんたがまだベッドの上で寝ていた時の話よ」

ギーシュ「そうなのか……」

キュルケ「もちろん、私もルイズもリスクは分かっていた。もしも別の使い魔が現れたらどうしようって」

キュルケ「だけど出来ることはやっておこうって、ルイズがね。ゴジョーの時みたいに人間がきたら……ってのも考えたんだけどね」


言葉を慎重に選ぶように、キュルケは話す。


ギーシュ「結果は……?」

キュルケ「残念ながら何も起きなかったわ。爆発すら起きなかった。どういう理屈か、説明できないけれどね……そもそもルーンが消えたって言うのも初めて聞いたし」

ギーシュ「確かに……分からないことだらけだよ」


でも私は見た。
ゴジョーの足のルーンが徐々に薄く、無くなってしまうところを。



その意味は、契約者である私が一番理解っている。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/19(土) 03:49:31.47 ID:sDtNiSOio<>
タバサ「召還されないということは……まだ、ゴジョーがルイズの使い魔であると言うことの裏返しだと思う」

キュルケ「どういうこと?」


キュルケが尋ねる。


タバサ「使い魔が死ねば契約は取り消される。にもかかわらずサモン・サーヴァントを行って、何も起きないと言うことは彼との繋がりが全く消えた訳ではないという証拠。少なくとも悲観するような結果じゃないと思う……」

キュルケ「……そうよね。あのゴジョーだもの」

ギーシュ「絶対を幾度も覆してきた男だ。今度は僕らが覆さなくちゃ」


公式でも読み上げるようにすらすらと言葉を並べるタバサに、私は元気づけられた。
その内容にではなく、彼女もゴジョーとまた会いたいと願っていることを感じられたことに。
『独り』ではないことに。

ここにいる皆、誰一人として諦めていない。
それが何よりも希望になったから。






ルイズ「……ありがと」


自然に溢れた感謝の言葉。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/19(土) 03:56:17.32 ID:sDtNiSOio<>
タバサ「起きてたの?」

聞こえるか聞こえないか分からないくらいの囁きにタバサは返答する。
『誰か』が掛けた毛布を足下によけ、体を壁に寄りかけた。

硬い床の上で眠っていたせいか節々が痛む。


ルイズ「ん……さっき、ね」

キュルケ「まだ寝てなさい。心配しなくても、フネからは出られるから」

らしくない労りにクスリと笑う。
キュルケは不服そうに顔を歪める。

キュルケ「なによぉ」

ルイズ「べっつにぃ……ただ、アンタも優しいこと、言うんだなって」




言葉を短く句切って話すのはまだ頭が良く回っていないからだと思う。



<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/19(土) 04:07:55.22 ID:sDtNiSOio<>

キュルケ「フン……ここで下手に体力消費して倒れられるのが迷惑なだけよ」

いつもなら憎まれ口を返す所だけれど、やめておく。
だってさっきの言葉。

嬉しかったもん。


ふと横から出された手に水と林檎が握られていた。


ギーシュ「ほらルイズ。喉が渇いただろう? お腹の足しにならないかもしれないが、食べるんだ」

ルイズ「ありがと」

男にしては白く、細い指からそれらを受け取り、艶々した林檎に口をつけた。

キュルケ「一人で食べてたかと思ったら……全く、格好つけなんだから」

ギーシュ「いや、ハハハ……!他意はないよ。モンモランシーには、ね?」

分かるよね、と言う様に頭を掻きながらキュルケに言う。

キュルケ「て言うかアンタ、そのモンモンにはちゃんと言って出てきたの?」

ギーシュ「……」

キュルケ「バカ」

ギーシュ「だって! まともに話して彼女が許してくれると思うかい!? 彼女にはこれ以上心配かけられないよ。ついこの前だってボロボロで帰ってきたんだから」

キュルケ「そっちの方が心配でしょ。女はね、何も言わずにいなくなるよりも、ちゃんと全部話してから行ってくれた方がまだ少しは『覚悟』出来るんだから」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/19(土) 04:12:57.87 ID:sDtNiSOio<>
妙に説得力のあるキュルケの言葉に内心頷く。
そうよ。
何も言わずにいなくなるなんて、ずるい。

ちゃんと傍に居て欲しい。

勝手に『さよなら』だけ言って終わりなんて許さないんだから。

そんな奴はこっちから捕まえて、抱きしめて、もう勝手にどこにも行かないように鎖付けちゃうんだから。

私のって。


ギーシュ「……はい」

キュルケ「大体あんたは前科一犯なのよ? なんて言ったっけ? あの一年生の……」

タバサ「ケティ」

キュルケ「そう、ケティ。あの子にもちゃんとケリつけたの?」

ギーシュ「あ、え……いや……いいじゃないか! 僕より君こそ大丈夫なのかい!? ベリッソンにスティックスに」

慌てて反論するギーシュにキュルケはにべもなく返す。

キュルケ「あたしはいーの。女はいつだって追われる側なんだから」

ギーシュ「んな無茶苦茶な……」
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/19(土) 04:17:29.29 ID:sDtNiSOio<>
理論も何もあったものではない返しに頭を抱えてため息をつくギーシュ。
馬鹿なやり取りが心に落ち着きと安らぎを与えてくれる。
でも、この場に『アイツ』がいないことだけがパズルの一ピースが欠けたように、私に焦燥感をひりひりとさせる。

楽しい。
けど、足りない。

味付けし忘れた料理のように物足りなさがある。


タバサ「もう少し寝たら?」

二人を尻目にタバサが目線だけこちらに向けて話しかける。

ルイズ「え、でも……」

タバサ「寝言さえ言わなければ、大丈夫。起きる頃にはアルビオンの土を踏んでいるはず」

寝言?
私の疑問符を見透かすようにタバサは声を繋げる。

タバサ「泣きながら掠れ声で『ゴジョー、どこ?』って」

ルイズ「え”?」

真っ赤になる顔が鏡に映さなくても分かる。
そんな、嘘!
聞かれてた!?
っていうか私そんな寝言言ってたの!?


そんな私を見て、口元をちょっとだけ緩ませたタバサは眼鏡をくいっと上げて、こう言った。





タバサ「ヒヒヒ……ゴジョーだんですよ……」



<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/19(土) 04:24:33.77 ID:sDtNiSOio<> ちょっときゅうけい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/03/19(土) 07:11:16.34 ID:47wEFS6AO<> キテタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)━━━!!!
ルイズは無事に五条さんにたどり着けるか…


そして、ダバサww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)<>sage<>2011/03/19(土) 14:55:52.10 ID:S9cC3teuo<>  *     +    巛 ヽ
            〒 !   +    。     +    。     *     。
      +    。  |  |
   *     +   / /   イヤッッホォォォオオォオウ!
       ∧_∧ / /
      (´∀` / / +    。     +    。   *     。
      ,-     f
      / ュヘ    | *     +    。     +   。 +
     〈_} )   |
        /    ! +    。     +    +     *
       ./  ,ヘ  |
 ガタン ||| j  / |  | |||
―――――――――――― <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/03/19(土) 17:15:56.45 ID:/t8xhw4AO<> ゼロの使い魔読んだことないけど俺の脳内ではタバサが一番可愛い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/03/19(土) 18:37:05.69 ID:KMM9/zWko<> >>629
タバサはかわいいよ
言ってみればルリルリ、綾波、長門、銀系 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)<><>2011/03/19(土) 23:01:17.45 ID:4q77Hr0K0<> なんで県表示がこっちにもきてるんだよ!本家終わっただろ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/03/19(土) 23:01:45.17 ID:/t8xhw4AO<> >>630
大好物です>< <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<><>2011/03/20(日) 11:18:33.79 ID:mvPxnKF30<> >>1
生きててよかつた! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)<>sage<>2011/03/20(日) 15:32:33.77 ID:/48CqXLho<> >>623
頑張れ <> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 21:58:52.69 ID:R4f8eX2Vo<>
棒読みの台詞に笑っていいものか、判断のつかなくなった私は毛布にくるまって寝ることにした。


キュルケ「あら? ルイズ寝ることにしたの?」

ルイズ「そ、もう寝るの。まだ眠いの」

キュルケ「それがいいわね。次起きたときは箱の中かもしれないから、覚えておくのよ」

タバサ「怒った……」

キュルケ「え? タバサ、何か言ったの?」

タバサ「軽いジョーク」

ギーシュ「それより僕のいい訳を考えてくれよぉー」


ぼそりと呟いたタバサの声が耳に残った。
怒ってないことを伝えようとも思ったが疲れの抜けない私の身体はまだ休養を求めていて、意識を遠いどこかに連れて行く。
記憶の連続性が私であるアイデンティティならば、ここで『私』という『私』は死ぬのかもしれない。

そんな小難しいことを考えていると、既に先客でいっぱいの私の脳みそはすぐにパンクして深い泥の中に埋もれていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:00:11.51 ID:R4f8eX2Vo<>

夢を見ていたと思う。
悲しい夢を。
でも夢と言うには体験した様なリアリティがあって……それは間違いなく私が体験したことだった。

「さようなら」

手から赤い滴を零し、冷たい背中でいなくなるその影。
伸ばした手も届かない。
去っていく姿を留めることも出来なかった。

だから私は叫んだ。






『ゴジョーーーー!!』



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/03/20(日) 22:03:31.64 ID:h25ke/1fo<> うお来てた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/20(日) 22:03:52.24 ID:4sOLsNBVP<> 期待 <> 超睡眠不足 ◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:05:21.79 ID:R4f8eX2Vo<>

ギーシュ「んんんぐぐぐぐぇぇぇぇぇっ!?」

キュルケ「え!? な、なに!?」

デルフ「どわぁ!? なんだ!?」

気がつくとそこは外の世界。
廃墟となった家屋が建ち並ぶ道。
温かい背中の上で私はきょろきょろと辺りを見渡す。

トリステイン軍の紋章を胸に付けた兵士達が隊列を組みながら、同じ方向へ足を進めている。
数はそれほど多くない。



ルイズ「え? あれ? ゴジョー……は?」

キュルケ「あんた何寝ぼけてんのよ。アルビオン、着いたのよ」

ルイズ「そう……なの?」

言われてみれば一度見た光景だった。
そのときにはトリステイン兵はいなかったが。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:09:30.98 ID:R4f8eX2Vo<>

デルフ「ハッハッハッ! お嬢ちゃん、ぐっすり寝てたからなあ!」

さも当然のように話に混じるインテリジェンス・ソードのデルなんとかガーを指さす。

ルイズ「て言うかなんで剣がべらべら喋ってる訳? 私、鞘に仕舞っておいたはずなんだけど」

タバサ「話が聞きたくて鞘から抜いたら、噛みついて入ろうとしない」

デルフ「やっとこさ抜いてもらったんだ! 簡単に仕舞われる訳にはいかn」

有無を言わせず力任せに鞘に押し込む。
やっぱり捨ててきた方が良かったかしら?


ギーシュ「ちょ”……る……ず……う゛で……!」

キュルケ「どうやら先行していたトリステイン軍がここを拠点にしてるみたい。アルビオン軍がぎりぎり保っていた小さな港からこっちに来たらしいわ」

ルイズ「私……どれくらい寝てた?」

キュルケ「そうね、四時間ちょっとってとこかしら。港に着いてからはレコン・キスタが多いから歩きで来たけど、そこを抜けたらフライを使ったから意外と進んだんじゃないかしら。タバサ、距離はどのくらい?」

タバサ「港から三十〜四十リーグ」

キュルケ「だそうよ」

ギーシュ「お……し……ぬ……!!」

ルイズ「そうなの……」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:10:30.15 ID:R4f8eX2Vo<>

体感的には五分も寝てないように思えたが、よっぽど身体が悲鳴をあげていたのか熟睡していた。
しかしそのおかげか、頭痛はもうすっきり無くなっていたし節々の痛みも和らいでいた。

キュルケ「あ」

ルイズ「なに?」


ギーシュ「……」





本を片手に私の袖を引いた、タバサの視線の先には顔が真っ青になったギーシュが泡を吹いている。
まずい。起きた瞬間からずっとギーシュの首を必死で抱きしめていた。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:11:53.93 ID:R4f8eX2Vo<>
ルイズ「ほ、ほんとにごめんね、ギーシュ……」

ようやく息を整えた(吹き返した?)ギーシュはしょんぼりした顔で手を振る。

ギーシュ「フフフ……いいんだ。所詮僕は助けを求めても気づいても貰えない存在なのさ」

達観した様子で空を見つめるその姿はどこか年老いた牛を思わせた。

ルイズ「寝ぼけてて、ね」

キュルケ「ルイズは頭の中がゴジョーでパッパラパーなのよ、許してあげなさいな」

タバサ「あと数秒遅れていたら、向こうの世界に行ってたかもしれない」

ギーシュ「大きな川の先に僕のひいじいさんがビキニで手を振っていたよ! へローギーシュってね! 初メテ生で見ルことが出来てギーシュ感激! フヒッ! ヒヒ!」


どうやらギーシュは向こうの世界に大事な物を置いてきたらしい。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:17:26.84 ID:R4f8eX2Vo<>
キュルケ「まあそれはそうとして……とりあえずここらはセーフティゾーンみたいだから、色々聞いたんだけど」

ルイズ「な! なにか情報は!? それっぽい人影とか、どこで戦ってるのか、とか!」

静かに首を振る。

キュルケ「こっちの領域だから、そんなすごい味方の情報あってもいいはずなんだけど全然。それどころかここ何日かは大きな戦闘も起こってないって」

タバサ「皆、口を揃えて『トリステインの黒い悪魔は知っている。だがその姿を見たことはない』そう。死神とも言われていた」

ルイズ「そんな……」

キュルケ「ま、アイツのことだからもう大方の軍は潰しちゃったのかもしれないわ」


キュルケの言ったとおり、この一帯はアルビオン軍の管轄内のようでレコン・キスタ兵は一人も見当たらない。
まあ居たならば即座に交戦が始まっているので当たり前と言えば当たり前だが。

ひとまずここまで来られたことは良かった……でもどうやってゴジョーを見つければいいのか、はっきり言って皆目見当もつかない。

言い方は悪いが勢いで来たのも事実。
希望的観測で直接距離が近づけば何か、ゴジョーみたいに『感じる』かとも思っていたのだけれど、こんな時にすら私の鈍感で役立たずな魔力は一向にそれらしい片鱗を見せない。


雲の下の国に届くほどゴジョーは派手に戦っている。
一つくらい目撃情報があってもいいはず。



<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:22:20.04 ID:R4f8eX2Vo<>

キュルケ「やっぱりここは地道な聞き込みを積み重ねて、一つずつ情報を集めていくしかないわね。あんまり暢気している余裕もないのだけれど」

ギーシュ「帰りはアルビオン軍側の港から帰ればなんとかなりそうだし、ギリギリまで探そう。きっとゴジョーさんも君に会えることを願っているはずだよ」

我を取り戻したギーシュがまともなことを言う。

ルイズ「うん……」

キュルケ「ほとんどの兵士にはもう聞いたから、後はこの辺の酒場とか人の集まりそうな所に行くしかないわね」

ルイズ「あ、ギーシュが服を見つけたところは?」

思いついた案をそのまま口にする。
しかしその問いにギーシュは力なく答えた。

ギーシュ「もうそこには焼け野原しかなかったし……挙句残党に身ぐるみはがされた結果が、この間の僕さ……」

ルイズ「そう……あ、じゃあ剣! ちょっと! 出なさい!」


ついさっき仕舞った剣を引っ張り出して、鞘から抜く。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:25:29.00 ID:R4f8eX2Vo<>
デルフ「うおっ!? なんだ出したりしまったり忙しい奴だな」

ルイズ「アンタゴジョーの居場所分かんないの!? ガンダールヴのことなら何でも分かるって言ってたじゃない! 教えなさい! どこ!? ゴジョーはどこなの!? 近くにいるの!? それとも今も戦ってるの!?」

口から滝のように流れ出る言葉に流石のお喋り剣も気圧されて、ぱくぱくと柄の部分が上下する。

デルフ「ちょ、ちょっと待て! お嬢ちゃん!」

ルイズ「何よぉ!」

デルフ「まあとりあえず落ち着け。深呼吸しろ。そのゴジョーって奴に会いてぇのも分かるが俺の口は一つだ。そんなに急いでも一つづつしか質問には答えられねえ」

ルイズ「……わかったわよ」

仕方なく私は呼吸を落ち着け、剣の話に耳を傾ける。



デルフ「まず第一前提だ。そもそもその元?使い魔のゴジョーってのはガンダールヴで間違いねえんだな」

珍しくゆっくりとした口調で語りかける剣に私は曖昧に答える。

ルイズ「そう……だと思う」

歯切れの悪い言い方だったが剣は続ける。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:31:34.02 ID:R4f8eX2Vo<>
デルフ「ふむ、なんとも言えねえがそこはいい。お嬢ちゃんが虚無ってことは間違いねえから恐らくはガンダールヴなんだろう」

ルイズ「じゃあ!?」

デルフ「待てっての! 気のはええ奴だな、人の話は最後まで聞け」

剣に説教されて怒りマークが一つ増えたがここは大人しく話を聞こう。
続けるように促す。

デルフ「そいでだな、俺もフネん中でチラッと聞いてたがよ。お前の使い魔はルーンが消えてる訳だろう? ロシェールにいるときはもしやと思ったが、そのゴジョーってのは今宙ぶらりんの状態なのよ、多分だけどな」

デルフ「ルーンは無いがサモン・サーヴァントない。こりゃおかしい。ちゅーことはだ、もういっぺん契約の儀式をする必要があるんじゃないかと俺は睨んだ」

ルイズ「コントラクト・サーヴァントを……?」

デルフ「ああ、要は『仮契約』ってとこじゃねえのかな」

ルイズ「じゃあ、もう一度契約を結べば!」

デルフ「おーたぶんなー。っても俺だってルーンが消えたなんて聞いたことがねえ。いや、知っているかもしれないが思い出せねえ」


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:33:58.12 ID:R4f8eX2Vo<>

インテリジェンス・ソードの言うことは嘘八百、という可能性も捨てきれない。
ここで捨てられないために即興で辻褄合わせの都合のいい理由を考えたのかもしれない。
でもそれでもいい。
少なくとも私が信じられる理由が欲しい。
それがあれば私は何度でも立ち上がれる。

デルフ「で、本題だ。お前さんの使い魔の居場所だが……」

ゴクリと唾を下す。
ああ、重いうるさい邪魔くさいの三重苦とは言えここまで持ってきて良かった……
これでゴジョーの居場所が!














デルフ「わがんね」
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:36:59.76 ID:R4f8eX2Vo<>

ルイズ「さ、捨てましょ。こんなぼろ鉄、打ち直して新しい鍋にでもした方が世の中の為だわ」

デルフ「ちょぉぉぉぉぉぉおおおおお!! 待って! 聞け! て言うか当たり前だろ! 仮契約の状態でどーやって見つけろって言うんだよ! 大体俺は剣だぞ! ハナっから期待されるのがおかしいだろ!?」

ルイズ「アンタガンダールヴのことなら何でも分かるって言ったじゃない!」

デルフ「言ってねーよ! ガンダールヴに会えば色々分かるかもしれないって言っただけだ!」

ルイズ「あーもう腹が立ってきたわ! こんな剣! 捨ててやる!」

デルフ「ひぎぃぃぃぃいいいぃぃぃぃいい! たっけてぇぇぇぇぇえええええ!!」



持ち手を錐もみ状に回転させ、土にこのまま埋葬しようと企てているとき、キュルケが口を挟んだ。


キュルケ「あーそろそろいいかしら」

ルイズ「なに!? 今取り込み中!」

キュルケ「このインテリジェンス・ソードがなんなのかよく分かんないけど、こいつが多少『知っている』ことはまちがいないでしょ?」

ルイズ「まあ、それは……」

キュルケ「捨てるのはゴジョーに再会してからでもいいでしょ」

デルフ「巨乳のねえちゃん……! 俺は信じてたよ!」

キュルケ「いや、正直あたしは剣とかどうでも良くてさっさとゴジョーを見つけて帰りたいだけよ。なんか戦争も終わりが近いみたいだし」

剣の喜びをバッサリ切り捨てて爪を磨き始める。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:41:35.37 ID:R4f8eX2Vo<>

ルイズ「でも結局手がかりが……」

キュルケ「まあ、ね。期待してなかったと言えば嘘になるし」

前髪をピンと指ではねて思案顔でしゃがみ込むキュルケ。

ギーシュ「ううむ。ノーヒントというのも中々難しいな……僕の二人旅も何にもならなかった……」

二人旅?
ギーシュは一人でここまで……



はっと気がつく。


ルイズ「そうだわ! ヴェルダンデがいれば正確な場所とまではいかなくても、方向ぐらいは分かるんじゃないの!?」

嬌声を上げギーシュの肩を掴む。
しかし思いついた名案にもギーシュは浮かない顔だ。

ギーシュ「駄目なんだ、ルイズ。僕も最初にそう思って、以前は連れて来たんだが……ヴェルダンデが一番好きな物は宝石類。ゴジョーさんはそんな女々しい物、身に着けちゃいないだろう?」

ルイズ「眼鏡……じゃ駄目よね?」

ギーシュ「ああ……それにね、普通の場所ならまだしもここは戦場。さらにゴジョーさんは恐らく血と鉄と死体の中で戦っているはずだ。とてもじゃないがヴェルダンデには見つけられなかったよ」

ルイズ「そう……」

ギーシュ「すまない、ルイズ……力になれなくて」

ルイズ「ううん、いいのよ。ゴジョーのユニフォームを持ってきてくれただけでも本当に大きな収穫だわ」

キュルケ「さてここからどうしようかしらね……このままだと八方塞がりな蟻地獄に閉じ込められた蟻になっちゃうわよ」


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:47:10.41 ID:R4f8eX2Vo<>


ルイズ「……うん」


事実を突きつけられトーンの落ち込んでしまった私の声を聞いたタバサは、いつものようなウィスパーヴォイスではなく、涼やかで明瞭に宣言した。


タバサ「落胆していてもしようがない、でしょう? 必要ならばレコン・キスタ軍の中心に行くことも必要かもしれない……此処にいるみんなはその『覚悟』を持ってきたはず」

タバサ「私はもう一度ゴジョーに会いたい。彼ともっとたくさんいろんな話がしたい。彼のことをもっと深く知りたい。それは彼が特別扱いされているからじゃなくて、『ゴジョー・マサル』という彼そのものが私にとっても大事な物だからだし、その彼が独りで戦っているならば絶対に助けなければならないと思うから」


一呼吸で、言う。

タバサ「貴方たちもそうでしょう?」




タバサの初めて知った気持ちにどきっとした。
それは形は少し違うけれど、私と同じ気持ちだったから。
たぶん……たぶんだけど、タバサもゴジョーのことが「好き」なんだ。
友達とか仲間以上に。

いえ本当は前から気がついてはいたのよ。
でもタバサだって仲間だし、ゴジョーの取り合いみたいなことはしたくなかったし……


突然に、複雑な想いが私の中をぐるぐる回り始める。




<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:51:12.55 ID:R4f8eX2Vo<>


キュルケ「そうね。情報の有無に関わらずあたしたちは探さなくちゃいけないのよ」

いつもとは違うその声色にキュルケは少し俯きがちだった顔を上げる。


ギーシュ「ああ。ちょっとばかり情報がない位でへこたれてちゃ、我が親友に申し訳が立たない。草の根を分けてでも……いや、ゴジョーさんのことだ。既に雑兵は叩き潰して直接レコン・キスタの本拠地にいるのかもしれない。そして、それならば僕らもそこに行くまでだ」

ギーシュも。




ルイズ「うん……そう、そうよね。そのつもりで来たもの! たとえゴジョーが土の中に隠れていても! 見つけて! 引きずり出して! 捕まえて! 私の鎖で繋いでやるんだから!」


私も声を張り上げて宣言する。
まだ、タバサの気持ちは聞けない。
今はそのときじゃない。

もやもやした気持ちは心の底にしまい込んでおいた。
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:51:56.57 ID:R4f8eX2Vo<>
ギーシュ「フフ……じゃあ手分けして探そう。ルイズはタバサと、僕はキュルケとここらの店を聞いて回る。あまり営業している店もなさそうだ、一時間もあれば十分だろう。一時間後にまたここに集まって互いの情報を交換しよう」

キュルケ「そうね。戦地にいる訳だし単独行動よりはそっちの方が良さそう」

ルイズ「じゃあタバサ、行きましょう」



コクリと頷いたタバサの手を引いて、崩れた道を転ばないように歩き出す。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:55:48.31 ID:R4f8eX2Vo<>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



聞き込みを初めて七件目、雑貨屋の店主は悪びれるでもなく「わからねえ」と答えた。
時間は半分以上過ぎていて残す店も一つになっていた。
考えたくないことばかり頭に浮かんでくる。

タバサ「大丈夫?」

ルイズ「うん……」

タバサの気遣う声にも力なく答えるのが精一杯。
空元気も五つ目の店で無くなったみたいだ。
どうしてこんなにも、不自然なほどゴジョーの行方が出てこないのだろう。

その辺に転がっている芋の様な男ならばまだ納得できる。

しかし今探しているのは他ならぬゴジョー・マサルなのだ。
スクェアクラスのメイジにも圧倒的差を見せつけて蹂躙したアウトサイダー。
それほどの実力を持った『私の使い魔』がどうして戦場で目撃すらされないのだろう?

軒先にしゃがみ込み、大きなため息をつく。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 22:58:12.28 ID:R4f8eX2Vo<>

タバサ「気がついてる?」

しゃがみ込んだ私に、ふと疑問を投げかける。

ルイズ「うん?」

タバサ「ゴジョーの情報」

ルイズ「……」

沈黙を肯定と捉えたのか、タバサはそのまま話す。

タバサ「明らかに、誰かの介入がみえる」

ルイズ「介入? どういうこと?」

タバサ「意図した情報の操作を行って、私たち……それだけじゃなくもっと大きな……そう、国家を騙すような不可解さ。それがあるような気がしてならない」

ルイズ「……うん。何かおかしくは思ってた。だって国を揺るがす戦争よ、それを左右する力を持ったゴジョーの話が、なんにも出てこないんだもの」

口に手を当て、考える。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 23:01:36.54 ID:R4f8eX2Vo<>
タバサ「……いえ、やっぱり止めておくことにする」

ルイズ「どうして?」

タバサ「今はその事よりも、足を動かして彼を捜すことの方が大事」

私に立ち上がるように促すその手を取り、立ち上がる。
眼に入ったのは、最後のお店。

ルイズ「タバサ、あの店に入りましょう? 何のことはない話でもゴジョーに繋がるかもしれないし」


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 23:06:35.98 ID:R4f8eX2Vo<>
コクリと頷き私とタバサは『CLOSE』の提げ看板に足を進める。
外観からして、あまり裕福ではない平民の利用しそうな酒場の前に立ちノックを二つ鳴らす。

反応はない。

回ってきた店は既にもぬけの殻だった所も多かった。
戦争が始まってそれなりに時間が経つのだ。
皆安全なところに避難していてもおかしくはない。

ルイズ「誰もいない、わね」

顔を俯かせ、店から立ち去ろうとする私の袖をタバサが掴む。

タバサ「待って」

ルイズ「どうしたの?」

タバサ「誰か……いる」

戸に顔を押し当てて、聞き耳を立ててみるが何も聞こえない。

ルイズ「やっぱり誰もいないわよ」

怪訝な顔でタバサを見つめると彼女は杖を取り出した。

タバサ「ディテクト……」



スペルを唱えたタバサの杖の先から一瞬だけ光が放たれる。
ディテクト・マジック。
魔法がかけられていれば、すぐに探知できるコモンマジックだ。
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 23:08:26.96 ID:R4f8eX2Vo<>
ルイズ「分かるの?」

タバサ「ええ……店全体にサイレントがかけられている」

ルイズ「……!?」

何も言わずタバサはノブに手を当ててドアを開こうとする。
しかし、開かない。

タバサ「強力なロックも」

何の変哲もない酒場に何故サイレント? それにロックまで?
普通に見えていたおんぼろバーが急に怪しく見えてくる。

ルイズ「なにか……あるわね。開くこと、できる?」

タバサ「……」



タバサは再びスペルを唱え出す。
強力ということは、誰かが何か見つけられたくない物を隠しているということ?

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 23:13:55.62 ID:R4f8eX2Vo<>
金?
財宝?
それともただのへそくり?

ゴジョーに関係あるという確証はないが、その影も見えない状況で、尚且つ戦地のアルビオンで、魔法がかけられている店がある。
この事実だけで私たちにとって十分な理由だった。

端から見れば泥棒にしか見えないかもしれないけれど……



タバサ「アンロック」

ガチャリという音とともにドアは解錠された。
途端に店の中から声が聞こえてくる。

視線で私とタバサは互いの意志を確認しあう。




簡単に開く、ドア。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 23:18:19.47 ID:R4f8eX2Vo<>


店主「姐さーーーん!! 出来ましたってば!!」


「だーーー! うるせぇっての! わかったよ、今取りに行くからちょっと待ってろ!」


耳に響く大声といい匂い。
布を頭に巻いた若い男が両手に皿を持ち、一つため息をはき出す。

店主「ったく……いきなり押しかけておいてこれだもんなぁ」

外にいたときの緊張感が一気に抜けるとともに、訳が分からなくなる。

ルイズ「あの」


筋骨隆々の男はこちらに気がついていないようで、右手を挙げて注意を向けさせる。


店主「ん、ああ店は今やってない……って、あれ? なんで? なんか魔法をかけてたのに?」

隠し事をしている風には見えない男が受け答える。

ルイズ「あ、ごめんなさい。無理矢理開けちゃったんだけど……ここ、酒場よね?」

店主「そりゃそうだが……おかしいな、あの姐さんその辺のメイジにゃ絶対開けられねえって言ってたのに」

たぶん、タバサでなければ開けられなかっただろう。
それだけ腕の立つメイジがいるということ?

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 23:20:17.04 ID:R4f8eX2Vo<>
タバサ「なぜサイレントとロックまで?」

後ろからタバサが質問する。

店主「いや、何でって聞かれてもよ……上にいる姐さんがいきなり男引き連れて来て、勝手にかけたんだよ。まあどうせ客なんて来ないから別にいいっちゃいいんだけど」

タバサ「姐さん?」

店主「ああ、緑の髪した美人の姐さん。性格はかなりきついがな」

言う割には困った様子もなく、皿をテーブルの上に置く店主。



緑……?






いやな予感がする。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 23:22:03.27 ID:R4f8eX2Vo<>

ルイズ「どこにいるの、そいつは!?」

店主の胸ぐらを掴み、問いただす。

店主「だから二階だって。お嬢さん方も不躾だなぁ……ここは子供の来るような所じゃないんだから……」

ルイズ「ちょっと黙って!」



カウンターの奥に階段を見つけた私は一目散にそちらに走り出す。
緑色の髪?
腕の立つメイジ?
きつい性格?


ひとりしかいないじゃないの!




「ったくよぉ……今行くって言ってんだから少しぐらい待てっての。こっちだって世話してて忙しいんだからよ」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 23:26:43.65 ID:R4f8eX2Vo<>
気怠そうに下りてきた黒い影。
腕には添え木を当て、杖を持っている。
杖と言ってもメイジが使う物ではなく、足の不自由な人が使う杖。
長かった髪をバッサリと無くし、顎辺りまでのショートヘアになった女。



店主「ああ、姐さん。お客さんですよ」

「客だあ? んなもんあたしにゃあ……」


口を歪ませ、前髪を掻き上げた女。
即座に私は杖を突きつける。







ルイズ「……アンタは!」




「テメェ……!」











予想通り、幾度も私たちに煮え湯を飲ませ続けてきた盗賊。

フーケだった。




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<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/03/20(日) 23:33:10.21 ID:iiIv7dfAO<> やばい

ドキドキする <> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 23:35:03.88 ID:R4f8eX2Vo<>
ようやく辿り着いたアルビオン。

再び現れた盗賊フーケ。

相まみえる二人と収束しつつあるように見えた戦争。

絡み合う思惑。


しかしそこにあったのはただ一つ、五条すら覆せない事。





次回「ロング・グッドバイ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)<><>2011/03/20(日) 23:36:09.33 ID:TW104Pqc0<> 乙 <> 超睡眠不足 ◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/03/20(日) 23:50:26.99 ID:R4f8eX2Vo<> 今日はここまでです

やっと少しだけ話が動いたよーな

次回投下はたぶん来週になります。
いつものように半分くらいの聞き流しでお願いいたします。


読んでくれている皆様、ありがとうございます!






東北の方々は今、本当に辛い状況で出来ることが限られている自分が酷く歯がゆいです。

もしもそちらにも自分の話を読んでくれている人がいたならば、落ち着いた頃にまた読んでくれれば嬉しいです。

きっとその頃には『完結』させていると思うので。


そのためにも俺は自分の出来る最大限のことをしていきます。



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)<>sage<>2011/03/21(月) 01:01:25.96 ID:nc+e3+Exo<> ずっと楽しみにしてる

そういえば・・・もうあの騒動からこんなに経ったのか・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/03/21(月) 02:07:51.70 ID:FJWzMQOAO<> 久しぶりにガッツリ読めた(´;∀;`) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)<>sage<>2011/03/21(月) 14:24:39.06 ID:Cmvx4rQ7o<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/03/22(火) 11:01:51.51 ID:Y5mp89vAO<> 乙乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/03/22(火) 22:18:23.80 ID:9C1Ek9+Uo<> 才人ならタバサが好きと言ってもそこに恋愛感情ないだろうとか思うんだけど
五条さんだと、ああ・・・タバサ彼を好きになってしまったんですかって納得してしまう
不思議 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/03/23(水) 21:37:44.62 ID:I99fO01AO<> た、楽しみにしてるんだからねっ/// <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)<>sage<>2011/03/24(木) 20:08:02.01 ID:VjxpSCjDo<> まだか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/03/24(木) 22:00:24.56 ID:n0Bb03DAO<> >>673
来週っつってんだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/03/27(日) 23:49:11.71 ID:zJXhcpuAO<> さぁ今から来週の始まりだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/03/28(月) 00:59:12.40 ID:GqFHkfIAO<> さらに倍! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)<>sage<>2011/03/28(月) 21:08:35.60 ID:ODKjeTUoo<> 暇 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<>sage<>2011/03/28(月) 21:56:46.58 ID:QWuZ0vBx0<> 流れ的にテファは登場しないのかな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/03/29(火) 05:48:28.62 ID:FPo4BDKAO<> 森きのことパー速を何回マラソンしたことだろうか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/30(水) 00:40:38.88 ID:VcflCBXDO<> まだー? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<><>2011/04/01(金) 00:49:57.68 ID:gHm8mzQ80<> マダー? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県)<>sage<>2011/04/02(土) 03:55:24.11 ID:+hrd58S60<> さて、あと20時間程で週が変わる訳だが?
どっかの政権党と違って、ちゃんと言った事に責任持って投下するんだよな? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<>sage<>2011/04/02(土) 08:28:17.94 ID:B2CrwN4Mo<> なんで上から目線 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/04/02(土) 11:58:17.93 ID:g1TG9/ZAO<> 書いてもらうしかねぇんだから大人しく待っとけよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<><>2011/04/02(土) 22:20:56.20 ID:7oXUfv7o0<> なぜここは件名表示が残ってるんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/02(土) 23:58:46.11 ID:08QdcXpAO<> (´・ω:;.:... <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/04/04(月) 22:22:26.93 ID:9tT8boOIO<> 予告して待ってる人たくさんいると沢山いるんだからもう予告なんてしない方がいいと思うよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/04/05(火) 00:01:42.08 ID:96SYPldAO<> そろそろ………


そろそろ来るはず…………… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)<>sage<>2011/04/05(火) 06:27:22.24 ID:+HpzMnYB0<> >>687
つ>>366-369
>>383 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)<>sage<>2011/04/05(火) 14:12:34.60 ID:24k4buklo<> >>682
俺例えうめぇ天才すぎwwwww

って思ってるんだろうな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)<>sage<>2011/04/06(水) 03:53:19.19 ID:QEsvrAyL0<> >>690
他人が皆お前みたいな馬鹿と同じ感性だと思ってるんだろうな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/06(水) 08:29:58.24 ID:fLOaVEEIO<> 反応しちゃう辺り恥ずかしい栃木県民だな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)<>sage<>2011/04/06(水) 08:33:56.83 ID:zAqttIe7o<> 恥ずかしい栃木がいると聞いて <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/06(水) 09:04:58.78 ID:iM+Y68LDO<> 栃木必死だな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/06(水) 11:14:04.88 ID:LojwlL5vo<> 人気投票のノリではじめちゃったようなもんなんだし
禁書クロスのを見ても分かるとおり作者がもう飽きてんだよ
察してやれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/04/06(水) 12:59:11.72 ID:ERwUB5KAO<> >>691
よぉ栃木 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(徳島県)<>sage<>2011/04/06(水) 16:37:40.45 ID:60nXcNLFo<> 県名表示は自演のボロが出るから面白い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>age<>2011/04/06(水) 21:03:57.83 ID:DoF1DnW00<> 栃木age <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)<>sage<>2011/04/06(水) 22:22:22.09 ID:/At3LB9do<> 長崎県民少ないな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<><>2011/04/07(木) 09:59:50.10 ID:lcM7UplAO<> 700
きっと五条さんも節電してるんだろう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)<>sage<>2011/04/09(土) 14:16:10.52 ID:Vk57jaBSo<> 栃木逃げたな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 15:12:17.80 ID:nDHCMI7Vo<> いい時間つぶしになったよ
ありがとう栃木 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/04/09(土) 19:15:41.11 ID:OZrvj7wAO<> 栃木はもう飽きたわ

次は五条さんで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)<>sage<>2011/04/10(日) 18:02:16.32 ID:Ls5B1Sd/o<> マダー? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/04/12(火) 21:16:34.63 ID:4RejCU1AO<> お願いしゃっす!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/12(火) 21:38:21.37 ID:E0lt6Hjno<> lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
llllllllllllllllllllllllll/ ̄ ̄ヽlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
lllllllllllllllllllll /      ヽllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii  試 も あ .iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiii|  合 う き  |iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|  終  ら  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|  了  .め  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|  だ  ろ  |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|        |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、      /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
:. :. :. :. :. :. :. :. ‐‐--‐‐':. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,.‐- 、 : : : :
                  廴ミノ
                 ///¨' 、
                 y':;:;:;:/⌒i!
                J:;:;:;:;};:;:/;},
      ;il||||li'       t`'---‐';:;:;:l
     ,.r'"''、,┘        7;:;:;:;:;:;:;:;「
    ノ4 (⌒i        .}:;:;:;:;:;:;;/
   /..,__彡{, |         `i:;:;:;:;:;}
   (  .ミi!} l、         .」:;:;:丿
  クュ二二`Lっ)        `===' <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/04/12(火) 22:42:23.42 ID:8BRk/KXAO<> ぐぬぬ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/04/13(水) 20:36:59.75 ID:lJ2IRCrAO<> >>706
(´;д;`) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)<>sage<>2011/04/15(金) 18:44:09.26 ID:8TYoZUnLo<> >>706
お断りします
   ハハ
   (゚ω゚)
  /  \
((⊂ )  ノ\つ))
   (_⌒ヽ
   丶 ヘ |
εニ三 ノノ J <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2011/04/15(金) 21:43:35.90 ID:dJEYBQMM0<> 五条さん… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/16(土) 18:06:46.52 ID:9U9NDOHDO<> 待つのも疲れるなぁ

いつまでも待つけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/04/17(日) 23:10:29.73 ID:nqv9A1DDO<> もうすぐ一月経つんだが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)<><>2011/04/17(日) 23:45:30.72 ID:IzVIdLX80<> ちょっと遅すぎではないだろうか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/17(日) 23:59:43.72 ID:NZIlf/MRo<> パー速・NIPに移るっていうのはこういうことだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2011/04/18(月) 02:38:17.37 ID:VrAGHw8AO<> 兄ちゃん…………
このスレ終わってまうん………? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/18(月) 07:58:18.32 ID:b/JN8P/Xo<> ここじゃ半年経ってから再開したのもよくある話
たかが一ヶ月でガタガタ騒ぐ奴はVIPに帰れ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/18(月) 09:33:17.37 ID:6Bx/4n/+o<> 音沙汰無いままのときはhtml化依頼だしていいんだっけ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/18(月) 09:35:32.40 ID:LT4y3/lIO<> 栃木まだー? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/04/18(月) 21:13:57.43 ID:6ZfNgmRAO<> 本当にGWまで待つことになるとは
その時の僕たちは思ってもみなかったんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/04/18(月) 23:47:34.93 ID:adY87wJd0<> >>719
そんなこと言ってたな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/20(水) 09:48:12.09 ID:HnnIumEIO<> 自分でもよく待ち続けてると思うわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/20(水) 11:00:33.68 ID:VkTDQhGDO<> 年内に完結できるかな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/04/23(土) 18:23:59.35 ID:iVHXS7YBo<> 久々にふと思い出して「流石にもう終わってるだろう」とスレを開いたがまだ終わってなかった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/04/23(土) 22:23:55.83 ID:ye7P91J+0<> まだかよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/04/24(日) 17:08:34.16 ID:axGQrJkAO<> 増えてくのはお前らの不毛なレスばかり <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/26(火) 09:36:21.96 ID:Yy1MbUlIO<> 5JO <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)<>sage<>2011/04/26(火) 22:10:51.18 ID:rC4iTs9wo<> どうなってんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/27(水) 08:36:45.17 ID:cq38+nJDO<> おはよう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/29(金) 13:22:08.07 ID:XqtJCbGIO<> 帰って来てくれ・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/04/30(土) 00:18:31.66 ID:pUyNlXME0<> 楽しみにしています <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/05/02(月) 18:13:14.16 ID:mXQHBQZDO<> まだ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)<>sage<>2011/05/04(水) 22:20:23.10 ID:+STWUvjAO<> いつまでも待ってます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/05/05(木) 07:04:50.89 ID:JZKDbXoDO<> 俺も待ってます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国)<>sage<>2011/05/05(木) 22:54:32.37 ID:ICa3Tj1qo<> GW明けは近い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<><>2011/05/07(土) 00:50:46.88 ID:vo/XCx4v0<> テスト <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/05/07(土) 01:33:50.92 ID:5dIOBCBHo<> まだまだGW <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<><>2011/05/08(日) 12:47:21.43 ID:a0RTI0zx0<> GW最終日な訳だが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<><>2011/05/11(水) 16:59:17.69 ID:2J6l/usAO<> 俺はまだ待つぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県)<>sage<>2011/05/12(木) 04:55:41.37 ID:jqoFgmuS0<> 遅いのはいつもの事じゃん
気に入った話をタダで読ませて貰ってる立場なんだし
◆iWWkeimE2w が書いてくれるのを待つしかないんだから
大人しく待とうや
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/05/13(金) 09:19:11.61 ID:isQlMk4w0<> 保守ー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/05/16(月) 01:40:49.50 ID:jwLhDYMto<> やっと見つけたこのスレ <> 超睡眠不足 ◆iWWkeimE2w<>sage<>2011/05/16(月) 20:37:07.74 ID:CafwHjE/o<> てす <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/05/16(月) 20:48:50.94 ID:ympjz3U4o<> !? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/05/16(月) 21:00:25.13 ID:RBHsIAlgo<> うおおお!? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/05/16(月) 21:15:49.43 ID:iB3XxkKSo<> ついに酉われたか <> 超睡眠不足 ◆iWWkeimE2w<>sage<>2011/05/16(月) 21:21:32.62 ID:CafwHjE/o<> ちょっとだけ推敲するので、しばしお待ちを <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/05/16(月) 21:52:57.23 ID:JftYH4odo<> おぉ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/05/16(月) 22:29:24.62 ID:dbYMw6GFo<> 待ってたぜ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)<>sage<>2011/05/16(月) 22:48:34.26 ID:2m+Focdzo<> ・・・歓喜!・・・・・・圧倒的歓喜!! <> 超睡眠不足 ◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/16(月) 23:31:56.94 ID:CafwHjE/o<>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


奥歯が軋む。

一拍だけ空いた間に私はスペルを唱え終えた。
何のことはない只のコモンマジック。
しかしそれも私の手にかかれば爆発呪文に変わる。
遠距離ならばそれほどでない威力も、眼前に突きつけたこの位置ならば十分に殺れる。

フーケ「……」

盗賊は無言で答える。
唱えるための杖すら持ってない。
首元にナイフが添えられているのと同じ状況のはず。

しかし……


フーケ「どうした……? 撃たねぇのか?」


まるで『お食事はお済みですか?」と尋ねるメイドの如く。

口元を釣り上げる。

いやな、笑い。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/16(月) 23:40:01.89 ID:CafwHjE/o<>
ルイズ「……」

フーケ「いきなり乗り込んできて、だんまりかよ。ヒャッハッハ……!」

ルイズ「何故ここにいるの」

フーケ「フン……テメェに言う義理も義務もねえなあ?」

ルイズ「なら、その顔を潰れたトマトみたいにぶちまけてあげようかしら?」

フーケ「言う様になったねぇ」

ルイズ「そう? このぐらい、あんたみたいな下衆には言い慣れてるけれど」

フーケ「あたしゃテメェにそんなに恨まれる筋合い、有ったか?」

ルイズ「質問に答えなさい、ゴジョーについてとあんたがここにいるわけ。そうすれば……見逃してあげるわ」

自分の出せる最大限、ドスのきいた声を出してフーケを従わせようとする。

フーケ「ゴジョー、ね……ヒャハ! てんで駄目、そんな脅しじゃその辺のごろつきだって従わねぇな」

ルイズ「なら……別に耳くらい吹き飛ばしてもいいかしら?」

鼻先にあった杖を耳元まで持っていく。
しかしフーケはその魔力の篭もった杖先を無造作に掴んだ。

ルイズ「な……!」

フーケ「分かってない……成長してねぇなあ。精一杯怖がらせようとさせてるみたいだが、まるでガキのママゴト」

ルイズ「……」

フーケ「殺るつもりならあたしが階段から下りてきた時点で殺るべきだし、脅してる相手にこんなにべらべら喋らせてるってとこもマヌケ丸出し。脅すつもりなら有無を言わせず指の一本ぐらいへし折らなきゃ、なあ? ぬるいぜ、ピンク色」

ルイズ「あんたっ……!」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/16(月) 23:44:07.62 ID:CafwHjE/o<>
突発的な怒りに任せ、襟首を締め上げるが盗賊は神経を逆なでする笑いを浮かべたまま言う。

フーケ「それにどうすんだ? テメェが背中向けてる店の兄ちゃんに後ろから刺されたら」

指を指すフーケ。

ルイズ「……!?」

とっさに振り返ると、ナイフなんか持っていない店の男。
同時に硬い感触が頬に触れる。

フーケ「……少しばかり余裕見せ過ぎじゃあ、な、い、の、か?」

耳にフーケの温い吐息が当たる。
緑色は負傷しているらしい、三角巾からぶら下がった右腕を私の顔の横に押し当ていた。

フーケ「テメェはこの釣り下げられた三角巾の中に杖が隠れているかも……とは思わなかったのか?」

背筋がぞわりとした。
この一瞬のやり取りで、私とフーケの立場は逆転した。
いとも簡単に。

住んでいる世界の違い。
ぬるま湯に浸かってきた貴族の私と、常に生き死の線上を歩いてきたフーケとの格の違い。
こと戦闘に関しては、くぐり抜けてきた場数が違う。

足からカクンと力が抜けて、その場にへたり込んでしまう。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/16(月) 23:54:07.26 ID:CafwHjE/o<>
タバサ「茶番はそれくらいにして」

フーケ「あん……?」

タバサ「貴方は最初から杖など持ってはいない。松葉『杖』はついているけど」

ルイズ「え?」

フーケ「……ケッ、つまらねえチビだな。はったりってのは外野がばらしちゃいけないものだろ。せっかくビビってるピンク色の面、楽しんでるのによぉ」

ルイズ「え……?」

タバサはため息を一つ吐くと私を立ち上がらせた。

タバサ「たちの悪いジョーク」

ルイズ「じゃあ……」

大きく目を見開いた私にタバサは背ほどの杖で指し示した。

タバサ「彼女は丸腰。果物ナイフの一本も持ってない」


横目に映るのは舌を出して意地悪い顔をしたフーケと困り顔の店の男。
つまり……まんまと騙されたってわけ。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/16(月) 23:59:18.46 ID:CafwHjE/o<>
フーケ「よせよ! こっちは怪我人だぜ!?」

胸ぐらを掴み壁に寄りかかってフーケを再び締め上げる。

ルイズ「死にたいみたいね」

フーケ「命は大事だぜ? 金よりも名誉よりも……下手すりゃ世界よりもな」

ルイズ「よく言うわね……私は聞きたいことがあるの、さっきの質問に答えなさい」

フーケ「……」

フーケは親指で階段の方を。

ルイズ「こっちの要求は聞かないくせに自分の要求ばかり飲んで貰えるとでも?」

ぴしゃりと言い返した言葉に気味の悪い笑いを返す。

フーケ「フ、フフフフ。ひゃっははは、いや、全くもって何の因果か運命か。偶然とも思えねぇしな……それなりの実力ってやつか」

運命?
因果?

盗賊と巡り会うのが運命ならそんなものこちらから叩き返してやりたい。


ルイズ「先にこちらの質問に答えなさい」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:06:11.44 ID:pqSCJSgMo<>
そう、聞くことはたくさんある。
聞かなくてはならないことが。
どういうつもりでフーケが此処にいるかは……実を言うと、この女が盗賊であることを考えればある程度察しはつく。
さしずめ火事場泥棒のように、アルビオンにある金目の物を一つ残らず持ち逃げするつもりだろう。
それくらいのことこの女には容易いことだ。

でも、それだけじゃない。
見たところ数カ所の骨折をしているフーケ、この不可解な怪我が気になる。
今までのことを鑑みてもフーケは……こう言うとおかしいかもしれないがスマートだった。

少なくとも盗賊という仕事に関しては。

最初に戦ったトリステインの時も敵対したゴジョーを殺すことではなく、逃げることを選択した。
結果、無傷。
かすり傷一つ負うことなく逃げおおせた。

それがこの重傷。
自由に動くこともままならない状態にまで。

城にでも忍び込んで、見つかった?

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:08:42.22 ID:pqSCJSgMo<>
いや違う。

息を吹き返しつつあるとは言え、まだテューダー王家は城の財宝を守ることに余力を向けるほど戦況は全く思わしくないはず。
それにフーケだって何人いるかも分からない衛兵相手に真っ正面からぶつかるとは考えにくい。

動けなくなるほどの怪我をするようなリスクをフーケは負わない。
と、思う。

つまり、フーケは何らかのイレギュラーにあって今はここで療養中ということだ。
計算外の何かに巻き込まれて。
もちろんただ階段から足を滑らせて、ということも考えられなくはないが私はある確信を持って言える。

『フーケはゴジョーに関する何かを知っている』

知らなければそう答えれば良いところを、のらりくらりとはぐらかす。

ゴジョーとフーケ。
二人には赤い糸ならぬ黒い鎖がちらつく。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:16:02.48 ID:pqSCJSgMo<>
フーケ「質問に答える意味なんて無い、というか既に答えはここにあんだから逐一テメェのあーだこーだうるさい質問に答えても無駄ってこった」

フーケ「別に来たくないってなら無理強いはしねえが……あたしもあいつには命を助けてもらった借りがある。いつまでも借りは作っておかない主義でね」

わけの分からない事を言いながら階段をフーケは上がっていく。

ルイズ「ま、待ちなさい!」

しかしフーケは私の制止を聞いているのかいないのか、松葉杖を突きながら一段づつ急な階段を上っていく。いつの間にか会話の主導権を握られていることに内心毒づきつつも私とタバサはその後ろにゆっくりとついていく。

フーケ「テメェはどうやってこの店を見つけたんだ?」

ルイズ「別に……この辺にある店を虱潰しに探していただけよ」

フーケ「ゴジョーがまだアルビオンにいるって聞いてか?」

階段の床板が軋む。

ルイズ「そうよ。それで何か情報を探していたら……アンタがいたの」

フーケ「情報ね」

思案顔をしてフーケは狭い廊下で立ち止まる。
その前には戸で閉められた部屋があった。

ルイズ「あんた、ゴジョーについて何か知っていることないの? というか知っているでしょう?」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:23:05.61 ID:pqSCJSgMo<>
フーケ「そうそう都合良くお前の知りたい情報を持っているか……と言いたいところだが答えは、イエスだ」

核心をつく質問にフーケは肯定で返す。
偶然のこの邂逅もやはり理由があってのことなのだと思う。

前を歩くフーケを追い越し、正面から問いただす。

ルイズ「やっぱり! どこなの!? ゴジョーはどこにいるの!?」

フーケ「……テメェで見て確かめな」

ドアノブを叩き、私に開く様に促す。

ルイズ「ここにゴジョーが……!? まさか、罠じゃないでしょうね?」

フーケ「罠だぁ? バーカ、殺すつもりならハナからしてるし、ゴジョーのいないテメェ如き罠なんざなくたって正面からいつでも殺せるね」

ルイズ「何ですって!?」

興奮した私を制し、背中を押す。

フーケ「あたしは別に快楽殺人者じゃねぇ。仕事の邪魔になる奴を消すだけだ」

ルイズ「やっぱり殺す気じゃないの」

フーケ「今はオフだ」

ルイズ「どうだか」

フーケ「いいからサッサと開けろ」

押し問答にうんざりした顔をしたフーケは懐からパイプを取り出し火をつける。

その言葉に私より早くタバサが反応して、ドアを開いてしまう。
あ、という声を喉から吐き出す前に目の前の光景が眼に入る。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:26:14.91 ID:pqSCJSgMo<>
ベッドに腰掛けるゴジョー。
即座に私の心臓はばくばくと高鳴る。
真っ白になる頭。
信じられない光景。

突然の状況に上手く反応が出来ない。
あまりにも簡単すぎる再会。
どうしてここにゴジョーがいるの?
やっぱりわ……な?




いくつかの疑問を解決する前に私の足はかけだしていた。






ルイズ「ゴジョー!」

きつく、抱きしめる。
やっと会えた。
言葉が上手く出てこないのはゴジョーの匂いと温かさがじんわりと私の心を満たしていくからだと思う。

なんて言えばいいんだろう。

「どこいってたのよ!」

「心配したんだから!」

「ばか!」

「会いたかった!」

「もうどこにも行かないで!」


どれも違う。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:28:17.19 ID:pqSCJSgMo<>
眼鏡を付けていないゴジョーは、なんだか違う人みたいだけどこの匂いと感触は絶対に間違いようがない。
身体にはたくさんの包帯。
頭にはまだ血が滲む布が押し当てられていた。

気がつくと、ぽたぽたと滴が流れ出す。

繰り返す嗚咽。


自然に溢れた言葉はくぐもっていて、上手く言えなかった。



「お”……お”、がえ”りぃぃぃい”!!」



似合わないゴジョーのシャツを握りしめ、上目遣いでそう告げた。
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:30:21.22 ID:pqSCJSgMo<>
数秒の抱擁。

しかし言葉はいつになっても返ってこなかった。
それどころか、ゴジョーは私を自分の胸から無理やりはね飛ばした。

ルイズ「え……?」

自分の状況を飲み込めない私はこぼれる涙を袖で拭いながら、床にぺたりと座り込んだ。

どういうこと?
この人はゴジョーじゃないの?

よく似た人違い?

ううん、そんなはず無い。

コツッと靴を鳴らしフーケとタバサが部屋に入ってくる。

フーケ「ピンク色」

魔力の切れた踊り人形のように私はフーケの声を背中で受け止める。

ルイズ「……」













フーケ「ゴジョーは死んだ」




フーケはそう言った。
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:34:07.00 ID:pqSCJSgMo<>



は?



言っている意味が理解の範疇を超えている。
死んだ?
目の前にいるのはゴジョーじゃないって言うこと?


他人のそら似?

それとも魔法で作り出した人形?

だったら……


ルイズ「あんた……! やっぱり私を騙し、て……」


振り上げようとした手に力が入らない。
会えた喜びとの落差に身体は動かし方を忘れてしまったようだ。

考えてみれば、都合の良すぎる展開だった。
フーケに会うことまではどうとしても……ゴジョーがここにいるわけ、ない。


ぬか喜びと、それに対する後悔。そして怒りと憎しみ。
耐え難い悲しみ。

この仕打ちは私にとってあまりにも酷い行為だった。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:36:20.77 ID:pqSCJSgMo<>
タバサ「彼は、ゴジョーじゃない、ということ?」

冷静にタバサは尋ねる。
気持ちの整理がつかない私はその言葉がどうしようもなく冷たく感じ、憤りすら覚えた。

フーケ「いいや、アイツは確かにゴジョー・マサル『だった』人間だ」

フーケは机の横にあった椅子を自分の横に引き寄せ腰を下ろした。

フーケ「テメェらは兎にも角にも、ゴジョーの所までこうして辿り着いた。あたしとしても探す手間が省けたぜ……これで借りは返した」

鏡台に立てかけられた松葉杖。

それを見つめている私は耳を傾ける。

フーケ「誰から情報を得てここまでお前らは来たのか、まあレコン・キスタの侵攻を一人で止めている奴がいるってなところだろう? 情報は流れていたからな」

タバサが頷く。

フーケ「あたしとしてはさっさとこっちの仕事を終わらせて帰るためにも、その諦めの悪い野郎に引導を渡してやろうと思い戦場に赴いた。どんな奴か興味もあったし」

暴れ出しそうになるのを必死に抑えてフーケの声を聞き続ける。
たぶんいま言っていることはすべて事実だから。

フーケ「……半ば予想通り、戦っていたのはゴジョーだった。ちょうど敵の魔法ですっ飛ばされる寸前のな」

フーケ「ゴジョーは一人で戦っていた。うん百、うん千の兵士とメイジ相手に。ま、放っておいても良かったんだが……フン、見てるとレコン・キスタのやり方がどうにも気にくわねぇ。借りを作るためにもついつい加勢しちまったのさ」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/05/17(火) 00:41:01.39 ID:B88+mg6U0<> ?
(? <> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:45:16.73 ID:pqSCJSgMo<>
……理由は何にせよフーケはゴジョーを助けた。
嘘じゃない。この盗賊はそういうアマノジャクな事をやりかねない部分がある。

フーケ「そこが運の尽きさ。勝てるって確証なんて鳥の糞ほどもなかったが、助太刀した手前あたしもレコン・キスタのバカ共を潰してやろうと思ってね」

フーケ「ゴジョーは長ぇ事戦っていたせいか肉体的にも精神的にも相当へばってた。ま、敵はそれ以上に壊滅状態。雲霞の如くいた雑兵達の肉が焼ける臭いと腐った鉄と血の臭い。あそこを誰かが絵にでも描いたなら百人が百人、地獄を描いたと思う位のクソみてぇな場所も、ようやくおしまいだと思った」

さっきまでの感情が段々和らいでいく。
代わりに、もっと別な感情が心を包みこむ。

ゴジョーは戦っていた。
守るべき者を救うために。
見なくても視える。
傷つきながら、何度も立ち上がり戦い続けるその背中が。

フーケ「だがそれでおしまいじゃなかった」


フーケ「クロムウェル……レコン・キスタの頭だ。何しに来たかと思いきや……最悪なジョーカーを持ってきた」

フーケ「ゴジョーの知り合い……というか仲間だった奴が檻の中に入ったまま連れられてきた。精神をぶっ壊されたままな」

タバサ「どういうこと?」

タバサは少し語気を強めて問う。

フーケ「……アイツはここの世界の人間じゃないだろう? オスマンのジジイとコッパゲの話を耳に挟んだときは気にもならない与太話だったが戦場でのあの動きをみりゃ嫌でも信じずにはいられなかった」
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:48:29.78 ID:pqSCJSgMo<>
小さく頷く。
ゴジョーは『違う世界』の住人。
魔法もなく貴族もいない、ジドウシャとかいうものが町中を走り回る世界。
世界が違えば人間の能力も違う?
だからゴジョーはスクエアメイジを倒すほどの力を持っているの?

フーケ「あたしと闘ったとき……全力じゃあねえとは思っていたが、正直あれほどまでとはな。砲弾より早く動き、土の球でドラゴン共を蹴散らす人間は恐らくハルケギニア全土探してもアイツしかいねえ」

ふと、私は気がついた。
フーケの言葉の不可解さに。
この女はどうしてここにゴジョーがいるのに……『アイツ』と呼ぶんだろう。
『コイツ』じゃなくて『アイツ』。
遠くにいる人を指すような、まるでここにゴジョーがいないかのような口ぶり。

私は話それ自体よりもそんな些細なことの方が気になってしまう。

盗賊はゴジョーの顔を見つめる。
見つめてはいるが視ているのはここにいるゴジョーじゃない。

フーケ「トリステインの人間、しいてはハルケギニアの人間は幸運だったことが一つある。ゴジョー・マサルが善心を持った人間だったってことだ。大きすぎる力は時に身を滅ぼす。誰にでも言えることだが……最悪なのはその力を権力者が利用しようとしたときだ。ゴジョーの仲間だった、と言われればわかるだろ? そのイカレた野郎の実力がどれほどだったか」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 00:59:01.60 ID:pqSCJSgMo<>
フーケの言うとおりゴジョーが自分の力を欲望の赴くまま使えば、私なんかには止められない。
いくら使い魔契約に縛られていても、その気になればそんな鎖ぐらい簡単に断ち切ってしまうだろう。
ゴジョーが最初の頃、文句を一つも言わずに私みたいな『ゼロ』に従っていたのは私が私利私欲のために自分の力を使わないことを眼鏡の奥から見抜いていたからなのかもしれない。

フーケ「流石のゴジョーも動揺していたみたいだった。そりゃあそうだ。孤立無援のハルケギニアに飛ばされ、ようやく会えた自分の世界の人間が戦場に、敵として現れた挙げ句ヒトの心を持っていなかったんだからな」

フーケ「クロムウェルはその悪魔を『キドー』と呼んでいた。レコンキスタの兵士達はキドーを知っていたらしくて、顔が真っ青になってたぜ。曰く戦場にいる人間を全員を殺すよう『アンドバリの指輪』ってので命令されているみたいでな」

タバサ「アンドバリの指輪……?」

フーケ「なんだ青髪、知ってるのか」

タバサ「水の精霊の守る秘宝のはず……何故クロムウェルがそれを」

タバサは言葉を繋げながら、思案しているようだった。

フーケ「そこまでは知らねえ。あのクソ野郎のことだ、強引にかっぱらってきたんだろう」

タバサ「そういうことだったの……」

フーケ「あん?」

一人納得した顔で頷くタバサに私は視線を向ける。

タバサ「私は本来なら近いうちに、ラグドリアン湖へ水の精霊を退治しに行くはずだった」

フーケ「何故?」

タバサ「精霊が湖の水位を上げて、水害を引き起こしていた。だからそれを止めに行くため」

フーケ「……なるほどね。クロムウェルが指輪を持って行ったもんだから精霊が取り返そうとしていた訳だ。ま、あたしには関係ないことだ。話を続けるぞ」


横道に逸れつつあった会話の筋をフーケは戻した。
普段なら詳しく話を聞かなくてはならない所だけれど、今はそんなことどうでもいい。
自分勝手で最低な考えだけれどゴジョーに比べれば水の精霊の被害なんて些細で下らない事に思えてしまう。
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:02:01.35 ID:pqSCJSgMo<>
フーケ「……案の定、命惜しさかクロムウェルに反旗を翻した兵士共は檻から放たれた悪魔に殺された。瞬きする間に数十あったレコンキスタ兵の首は一つ残らず地面に転がっていた。速いとか遅いとかそんなレベルをキドーは超越してる動きをあたしとゴジョーに見せつけてくれたよ。止めに入ろうとしたゴジョーが殆ど動けねぇくらいのな」

フーケは平坦に話し続けているように見えたけれど、違った。
パイプを持つ手が小刻みに揺れているのを見て、この女の中にも未だ拭いきれない死の恐怖と生き残れた安堵感が混ざり合っているのが分かる。
盗賊として修羅場をくぐり抜けてきただろう人間をここまで恐れさせるゴジョーの仲間。

キドー。

フーケ「戦う前から死ぬ、と思ったのは生まれてきて初めてだった。なにしろあたしからすりゃ時間を止めてるのと変わらないんだからな」

タバサ「でも生きている」

急かす口ぶりでタバサは言う。

フーケ「あたしが何かしたんじゃあない。最終的にはゴジョーが全て片づけた」

タバサ「ゴジョーでも追いつけない動きをするのに?」

フーケ「……ふん、そうさ。そんな勝ちも退路もない状況。あの馬鹿ゴジョーなんて言ったと思う?」

少し笑って尋ねるフーケ。
その姿は普段の憎い盗賊ではなく、一人の女だった。

そして私には何となく分かってしまうのだ。
フーケをそんな風にしてしまうゴジョーの言葉が。

今までずっと一緒にいたんだもの。
そんなどうしようもない状況ですら、ゴジョーはこう言うはずだ。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:05:38.56 ID:pqSCJSgMo<>
ルイズ「……ける」

掠れきった声で呟く。

フーケ「あん?」

ルイズ「ゴ……ジョーは『助ける』って……言ったはずよ。あんたも……そのキドーって奴も」

正解だったようでフーケは不服そうな顔で答える。
フン、盗賊ごときにしてやられてたまるもんか。

当たり前じゃない。
ゴジョーはどんな絶望、『絶対』に助からない状況だって希望を捨てたりはしない。
理由は何にしろ味方になった人間をみすみす殺させたりはしない。
やっと会えた元の世界の人間が壊れたまま死んだりはしない。

私の中の私はこう言う。

『きっと今このゴジョーは寝ているだけよ。
そんなに強い相手と戦ったから疲れていて眠っているだけ。
ゴジョー、寝てるときは起こされるの嫌がったものね。
だからさっきも『起こすな』って私のこと引き離したの』

信じることで私は希望が持てる。

『絶対』にそう。



しかし私はこの考えが半ば虚構であることもまた、心の中で理解してしまっている。
こう思うことで目の前の現実から目を逸らしたい。
絶対なんて言葉、結局のところ自信の無さや弱々しい心を覆い隠したいが為の薄っぺらい布でしかないのだ。

私の中のもう一人の私はこう言う。

『私はフーケの話が本当であることをちゃんと分かっていてその上で、今のこのゴジョーの状態が普通じゃない事が段々と頭の中に染みこんできてるでしょう? 私が今しなくちゃいけないことは何? いつまでも安い言葉で自分を叱咤すること?』

分からない。
逃げ場のない思考に飲み込まれそうになる。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:08:29.86 ID:pqSCJSgMo<>
フーケ「アイツはこう言った。『心臓を一度止めれば、指輪はその能力の行き所をなくして呪縛は解除されるはず。そこから再び心臓を動かす』ってな。理屈も何もあったもんじゃない、馬鹿な話だ。それに乗っかったあたしも同じ馬鹿だけど」

ただ倒すのだけでももう無理なはずなのに、そこから助けてみせる?
ゴジョー以外の人が言ったのなら馬鹿げた話だと私も思うだろう。
でもゴジョーにはそれをやってのける、出来るかもしれないという希望を周りに与える。

フーケ「まあゴジョーも全くの策なしということでもなかった。アイツはちゃんと見ていた。キドーが『動いている』ものから先に殺していることに」

フーケ「あたしの土人形を囮に、隙をついてゴジョーが動きを止める。決めれりゃあたしが心臓にブレッド……あるようで無いような作戦。だがへばってるゴジョーと魔力の残り少ないあたしじゃ小細工をしても無駄だろうし、あの状況ではベストだったと思う」

パイプの葉を入れ替え、再び火を灯す。
香りが部屋に広がっていく。

フーケ「ゴジョーはあたしの人形が現れたのを見ると同時に動き出した……見えなくなったと言う方が正確か。時間にしてほんの一秒、一瞬だけ動きが止まった二人の間に土の球を出現させた。かと思った次の一秒にはボロボロのゴジョーが戻ってきたよ」

フーケの説明は所々、不明瞭な点があった。
それはたぶん動きが速すぎて認識出来ないからだ。
タバサがその場にいたとしても、二人の戦闘を捉えることは無理だろう。

フーケ「一度のぶつかりあいだったがゴジョーの疲弊具合はとっくに限界を超えていた。いよいよ打つ手が無くなってきたなと思った矢先、吹っ飛ばされたキドーから光の筋が放たれた。ギリギリでゴジョーがあたしごと伏せたからよかったものの、直撃した後ろの山は半分に削り取られていた」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:12:16.09 ID:pqSCJSgMo<>
フーケ「ゴジョーはその光線を見て覚悟したみてえだった。自分の『身体』を犠牲にしなければ致命的な、心臓を止めるような一撃は与えられないと。だから……『右腕を捨て、多段攻撃で自分が確実にキドーを不可避の状態まで持って行く』。そう言った」

タバサ「とどめは貴方が?」

フーケ「あたしからすりゃ化け物同士の戦いだ。気が気じゃなかったが、アイツはあたしに賭けた。元々敵だったあたしにだ。よっぽど手が足りなかったんだろうな」

それは違う。
ゴジョーは信頼していない人間に勝負を預けない。
勝てる勝算と共にこの女なら決めてくれるという確固たる自信を持ってフーケに賭したんだ。
フーケならやってくれると。

自分の命を賭けた。

フーケ「結果ゴジョーの作戦は成功した。キドーの動きは確かにほんの刹那の間だけ凍ったように止まった。ゴジョーの真後ろにいたあたしは心臓めがけてありったけの魔力を篭めたブレッドを放った。ここまではよかった。あたしも、恐らくゴジョーも勝ちを確信したはずだ」


フーケの言い方に怖くなる。
成功したのに『ここまでは』?
勝ったんじゃないの。
助けられたんじゃないの?


フーケ「恐るべきはキドーの戦闘に対する動物的な勘と判断。奴はとっさに土球を頭で受けた。かち割れるはずの骨は振りかぶったことで勢いを得て、術者であるあたしに球を跳ね返した……」

フーケは言葉を紡ぐのを止めた。

タバサ「……それから?」

フーケ「そこであたしの意識はなくなった」

ルイズ「どういうことよ……それじゃ……」

フーケ「ここから聞くかどうかは、テメェらに任せる」


盗賊はずっと見つめていたゴジョーから目をそらし、自分の足下に視線を移した。
言いたくない、と言うことなの?

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:18:56.96 ID:pqSCJSgMo<>
私とフーケとタバサ、そして物言わぬゴジョー。
この部屋に沈黙だけが一人、私たちを支配し始めた。
私には聞く権利がある。聞かなければならない義務がある。
そして、恐怖がある。

それはフーケが口を噤む内容に対してもだけれど、私の持つ小さな希望の光がかき消されてしまうかもしれないという恐れからだ。
話を聞いて尚、すぐにゴジョーがいつもの変な笑い顔を見せてくれると思っている。
フーケの言葉の裏にある、ゴジョーの本当の状態を理解しようとしていない。
虚勢で作り上げた自分の中の希望を壊されることが怖い。
心が痛くなるのが怖い。
自分のことばかり考えている。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:20:34.12 ID:pqSCJSgMo<>
『あんたの生き方はあんたが決めなさい。このまま部屋にこもって、死に続けるのも生き方。行動すれば起こっていたかもしれない可能性を捨てるのも止めはしない』

『ただ、あんたが『ヴァリエール』なら立ち上がってきなさい。その横に『ツェルプストー』はいるんだから』

『あんたに100のことをやれって言ってるんじゃないの。自分の出来ること、それを見極めなさい』





ふいに頭に響いたのは部屋で腐りきっていた自分を立ち上がらせた、ライバルの言葉。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:26:09.79 ID:pqSCJSgMo<>
ルイズ「話し……て」

言葉にすることで変わることもあるんだ。
私は泣くためにここに来たんじゃない、立ち上がって前に進むために来たはずだ。
たとえその途中でどんなに傷つく事があったって、前を向いて進まなくちゃ駄目だ。
ゴジョーの隣にいるために、強くなるって決意した。
もう泣いたりしない。


フーケは私の決意めいた言葉にどこか諦めたような素振りを見せた後、口を開いた。

フーケ「……正直な話、あたしもこの後の話は本当なら話したくない。だからテメェがゴジョーの帰りを待つ様な奴なら話さないつもりだった。落ち着いた頃にテメェの所にゴジョーを連れてくだけで、一応の約束は果たせるからな」

ルイズ「……うん」

フーケ「むしろその方がいいと思っていた」

フーケはどこか寂しそうな顔を見せた。

ルイズ「……」

フーケ「だがテメェはここまで来た。いつまでも誰かを待つようなことはしなかった。だから『ルイズ』、テメェは話すに値する覚悟があるとあたしは理解した」
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:28:26.07 ID:pqSCJSgMo<>
私の目をじっと見つめる。

ルイズ「……私一人の覚悟じゃない、私だけじゃ立ち上がるのも無理だった。それでも誰かが私の傍に居たから、前に進めた」

ルイズ「だけどこのことは……私一人で受け止めなくちゃならない。どんな内容でも……ゴジョーの身に起こったことは私が知らなくちゃいけないの」

見つめ返すとフーケは小さく頷いた。



タバサ「……私は二人を呼んでくる」

タバサはマントを翻し、ドアに向かって歩き出した。

ルイズ「タバサ」

背を向けたままタバサは言う。

タバサ「……私たちは貴方の口からでいい。ちゃんと、聞いてあげて。ゴジョーに何があったのか、貴方が話せるようになった時で良いから……その時教えて」

ルイズ「……うん」

タバサ「言えるまで、待ってるから」

きゅ、っと心が引き締まる。
静かな部屋に階段を下りていく音が鳴った。

ルイズ「……ありがとう」

呟きは壁に吸い込まれるように消えていった。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:29:25.22 ID:pqSCJSgMo<>
私は立ち上がり、人形のように何の反応も起こさないゴジョーの隣に腰掛ける。
そしてゴジョーの骨張った手を私の両手で包んだ。
ゴジョーはすぐに手を振りほどこうとする。
それは私が嫌いだからじゃない。

怖がっているから。

子供がお化けを怖がるのと同じ。

だから私は優しく押さえる。
『怖くないんだよ』って伝えるように。
『守ってあげる』って伝えるように。

冷たかったその手が少しだけ温もりを持ったのと一緒に、ゴジョーは振りほどくのを止めた。



ルイズ「フーケ、教えて。何があったのか……」

フーケは持っていたパイプを鏡台に置き、私とゴジョーに向き直った。

フーケ「……大……ろよ……繋……」

ルイズ「え?」

フーケは何か呟いたが私の耳までは届かなかった。

フーケ「何でもない」

その小さな声は誰に言ったか。
どんな言葉だったのかも分からない。
でも、とても大事な言葉だったんだと思う。

それ以上私は聞き返さなかった。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:33:36.65 ID:pqSCJSgMo<>
フーケ「……あたしが気がついたときには、ゴジョーは戦っていた」

ゆっくりとした口調で話し始める。

フーケ「いや、あれはもうゴジョーじゃなくなっていた。そんな訳がない、と思うかもしれねえがそうとしか言いようがない。それまで目の前で息をして、動いていたアイツとは全く違う、中身が入れ替わったかと錯覚するほど『違う生き物』になっていた」

ルイズ「……」

すぐに理解する。
ゴジョーは使ってしまったんだ。

『ヘブンズ・タイム』を。

心を捨ててでも地に伏してはならなかったから。

フーケ「何分気絶していたかはわからねえ。でもそんなに長い時間じゃない」

フーケ「その間にアイツは……ヒトじゃなくなっていた。蒼い炎が身体から出て、それが時々揺らめく無機質な動き」

思い出されるのは、あの教会。
さよならと共に燃え始める冷たい炎。

フーケ「あたしはわかった。ゴジョーが感情と心を捨てちまったことが……あれだけあった実力差はもうなくなってた。互角かそれ以上までにな」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2011/05/17(火) 01:33:42.92 ID:PLHHdk6Mo<> 五条さん… <> 超睡眠不足 ◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:35:52.76 ID:pqSCJSgMo<>
フーケ「自分の中にある潜在的な力を引き出してたんだろう……枷である心をかなぐり捨てちまってな。全く馬鹿野郎だ。馬鹿……大馬鹿野郎だ……誰かの命が大事だからって……自分を殺しちまったら……何のためにもならねえ……」

フーケの目の端が濡れている。
涙が溢れるのを必死にこらえていた。

動かないゴジョーの手を少しだけ強く握りしめる。

優しいゴジョー。
優しすぎるゴジョー。
自分がどうなっても救いたかった。
キドーが友達だから。
誰かに操られてこれ以上人を殺してしまうのが何よりも耐え難かったから。

自分のことなんていつだって後回し。
犠牲にするのは自分だけ。

可哀想でどうしようもなく優しいゴジョー。
あたしの使い魔。
あたしの……

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:42:27.85 ID:pqSCJSgMo<>
ルイズ「でも、だから……ゴジョーは」

フーケ「……ああ。時間の流れがおかしくなった戦場で、アイツは戦い続けて……キドーを倒したんだ……最後は二人とも立ち上がらなかった」

ルイズ「……」

フーケ「大きすぎる代償を払って、ゴジョーは仲間を止めた」

心臓を両手で握りしめられたような感覚。
耳を塞ぎたくなる衝動を必死で抑える。
ここで聞かなかったら、私はもうゴジョーと一緒にいられなくなる。
心の痛みを耐え続ける。
きっとゴジョーはこれ以上の痛みを味わったんだから……私がこれを耐えられなくてどうする……!

ルイズ「……う、う」

フーケ「続けるか……?」

俯いたままの私にフーケは問いかける。

ルイズ「当たり前……でしょ……! 血を吐いたって、最後まで……聞くに決まってる……」


私の言葉には黙ったまま、フーケは話を続ける。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:53:27.35 ID:pqSCJSgMo<>
フーケ「……ゴジョーを背中に背負ったまま、あたしはどうにかこの寂れた酒場に辿り着いた。今のままじゃあたしもゴジョーも動くこともままならねえと思ったからだ。下手に動き回ればレコン・キスタの奴らと鉢合わせになるかもしれないし……運が良かった」

フーケ「瀕死のあたしらを見て、店の兄ちゃんはかなり驚いていたみたいだが『怪我をしているから、落ち着くまでここにいさせて欲しい』って言ったら二つ返事で了解したよ。感謝してるよ、あいつには……絶対言わねぇけどな」


彼が居なかったら、フーケもろともゴジョーも死んでいたところだ。
その上素性もわからない人間を文句も言わず今日まで匿っていてくれた。


フーケ「私が、ゴジョーが『死んだ』と悟ったのは……その日の夜だった。その時まではあたしもまだ眠っているだけかもしれない、なんて風に思ってた」

ルイズ「……ゴジョーはずっと眠ってたって事?」

フーケは首を振る。

フーケ「様子を見に行ったら、アイツは小便を垂れ流してた。眠ったままな」

ルイズ「……え? お、おしっこ?」

フーケ「アイツは一人で便所にも行けない赤ん坊と一緒さ。トイレに行きたくなってもどうして良いか分からねぇんだ、もう。歩くことも飯を食うことも一人でじゃ出来ねぇ。言葉も理解していない。記憶も……確かめる術はないが」

フーケ「あたしは最初冗談かと思った、この男は私を茶化しているのかって。でも違った。ゴジョーは本当の意味で一人じゃ何も出来なくなってた」

ルイズ「赤ん坊って……じゃあもう喋ることも出来ないってこと……!?」

フーケ「三日前に一人で歩ける様になった。言葉も単語ぐらいなら少しだけ『覚えた』。駄々をこねない分赤ん坊よりもずっと楽なもんさ……いや、もうそんな感情も無くなっちまったのか」





覚えた?


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 01:58:04.90 ID:pqSCJSgMo<>
ルイズ「じゃ、じゃあもう少ししたら普通に会話も出来るようになるってこと?」

フーケ「ああ、多分な。赤ん坊って言っても別にまるっきりそうじゃねぇ、覚えるスピードは何倍も速い。時間が経てば会話ぐらいなら出来るとは思うが……」



フーケは何か良くないことに気がついていた。
致命的な何かに。



ルイズ「思うが……?」

フーケ「考えてもみろ。このままゴジョーを『育てて』いったとするだろ? だが考え方とか感情とか、その他諸々アイツを形成していた『心』はどうなる? 前と全く同じ人間になると思うか? アイツがあの年まで生きてきた所とは環境も違う。心まで同じスピードで成長するとも思えねぇ」


返す言葉が見つからなかった。
私もフーケも医者じゃないから詳しいことは分からないし、医者だってこんなケースを見たこともないはずだ。
もしかしたら何日かすれば元通りになるかもしれない。
でもその可能性以上にフーケの言ったとおりになる方がずっと確か。


記憶も感情もリセットされた人間を元通りにする魔法。
そんなものがあったらどれだけ良いだろう。

神様じゃなければ、人間の心を元通りになんか出来はしない。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 02:04:08.90 ID:pqSCJSgMo<>
フーケ「今後アイツの精神年齢が追いついたとしても、それはゴジョー・マサルじゃない。見た目が本人だとしても、そこにいるのは中身が違う別の人間だ」



目には見えない冷たいナイフが振りかぶられた。








フーケ「だから……ゴジョー・マサルは死んじまったんだ」





それが突き刺さったときに、私はようやくフーケの言葉の意味を理解した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 02:15:14.75 ID:pqSCJSgMo<>
暫くしてタバサがギーシュとキュルケを連れてきた。
この酒場に来るまでにタバサから、ゴジョーの状態について説明を受けていたようだった。

目に光のないゴジョーの姿を見るなり、ギーシュは人目もはばからず声を上げて泣き始めた。
二人に伝えたタバサには分かっていたんだと思う。
森の中の教会で別れたときが、長いお別れであることが。



三人を集めて、私の口から具体的にゴジョーの容態を話すとそれまでは気丈に振る舞っていたキュルケも言葉を失い、壁に寄りかかったまま俯いた。
ギーシュはひたすらに自分を責めていた。
『僕がもっと早くゴジョーさんを見つけていればこんな事にはならなかった』と。

握りしめた拳からは血が滲み出していた。

かける言葉が見つからなかった。

いえ、あったのかもしれない。
でもそんな言葉は結局の所、ギーシュの心には何も響かないだろうし私自身言いたくはなかった。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 02:19:27.30 ID:pqSCJSgMo<>
ルイズ「みんな、聞いて」

私の言葉にタバサだけが顔を上げる。
キュルケとギーシュは無反応。
はたから見ればタバサは冷たい人間だと思うかもしれない。
仲間だった人がこんな状態なのだ、悲しんで然るべきだと今までの私なら酷い罵声を浴びせてすらいたかもしれない。

でもそうじゃない。
タバサは人より気持ちの切り替えが早いだけで、きっと、胸の内では二人と同じ気持ちを抱いている。
その証拠に手は杖を強く握り過ぎて真っ白く血の気が無くなっていた。

それでも、前を向くのはタバサが強いからだと思う。
自分たちがすべきなのは悲しむ事じゃない。
これからどうやってゴジョーの心を取り戻すのか、考えることが最優先事項。


分かっているからこそ、すぐに私の声に反応してくれた。
バカな私はここまできてやっとそれが分かった。


ルイズ「私はゴジョーを連れて、トリステインに戻るわ」

タバサ「……どうして?」

ルイズ「ここにいても埒があかないわ。有効な手段を考えるにしても、アルビオンじゃ人もいないし。フーケに聞いた離れの港からトリステインへ帰る。これが第一よ」

私は言葉を続ける。

ルイズ「それに、学院に戻ればオールドオスマンがいる。あの人なら……もしかしたら何かゴジョーの記憶を取り戻す手段を知っているかもしれない」

ギーシュ「……そんな……なんの保証も無いじゃないか……」

ギーシュが小さな声で反論する。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 02:44:15.08 ID:pqSCJSgMo<>
ルイズ「ええ、そうかもしれない。でもだからと言ってここにいつまでも残っている? あれこれ想像の範疇を出ない良い予想と悪い予想を繰り返して一喜一憂する? それじゃ部屋にひきこもってた頃の私と何にも変わらないわ」

ギーシュ「……」

ルイズ「動かさなきゃいけないのはまず頭。だけど此処にいたんじゃ解決策はいつまで経っても出てきはしない。まずは頭にかかった靄を振り払うためにも最初に動かすのは足。オーケー?」

何も答えないギーシュ。
いいの。今はそれで構わない。
話を聞いてくれるだけで十分だ。

ルイズ「第二にもうすぐトリステインにレコン・キスタの兵が押し寄せてくるわ。ううん。もう来ている可能性の方が大きい。一人でも味方がいた方が良いに決まってるから、私はトリステインに戻る」

キュルケ「……どういうことよ。レコン・キスタはゴジョーが全部倒したんじゃないの……?」


キュルケもまた蚊の鳴くような声で問いかけてくる。



ルイズ「あれはトリステイン軍をこちらにおびき寄せるための餌だそうよ」


ギーシュ「……そ、んな……!」

タバサ「じゃあ……トリステインはかなり劣勢と言うこと?」

ルイズ「恐らくね……姫様はアルビオンが勝つためにかなりの兵をこっちに送ってた。それすらも仕組まれていたの。クロムウェルは率先して『トリステインへの侵攻を止めている男がいる』って情報を流していたみたい」

タバサ「だからゴジョーの顔も知らない人が多かった、ということ?」

ルイズ「そう。クロムウェルは侵略の為にゴジョーをも利用していたの……つまり実際にはもうアルビオンは陥落してて、その上で次の目標のトリステイン軍を分断させるために情報操作をした。トリステインとアルビオンに自軍の兵を分けてもレコン・キスタが勝つ算段が整ってる」

ルイズ「同盟を破棄したとは言え、攻めこむとなればかなりの時間と戦力を使うことになる。だったら向こうから攻めこませればいい。その間にがら空きになったトリステインは頂くってわけ。自国を占領されちゃったらトリステイン軍もまともに機能しなくなる……って考えからでしょうね」


クロムウェル。
キドーを操り、ゴジョーをこんな風にした男。
倒すべき悪魔はキドーじゃない。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 03:06:59.70 ID:pqSCJSgMo<>
ルイズ「第三にクロムウェルを『殺す』為……生かしておいてはいけない。クロムウェルはさっさとトリステインを堕として次の侵略に向かいたいはず。そのためにはキドーの力が必要になるでしょう? キドーを動かせるのはクロムウェルだけ……必ず奴はトリステインに来るわ」


悪魔は裏で人を操る、クロムウェル。
ゴジョーを助けるための手段を探すにはまず、こんな戦争を終わらせることが先決。


ルイズ「私はどんな方法を使ってでも、ゴジョーの心を取り戻す。そのために必要ならロバ・アル・カリイエにだって行く。お金だって惜しまない。情報を得るためなら誰でも雇うわ」


キュルケ「ルイズ……?」


キュルケが私の表情を伺うように顔を上げた。

涙はもう一滴もいらない。

時間が無限にある訳でもない。

私は皆が来るまでの少しの間、考えていた。

『どうすれば一番早くゴジョーを取り戻せるか』

見つけ出した答えはすぐ傍にあった。

ゴジョーならどうやって行動するか、真似をすればいい。
もちろん、ゴジョーのように全てそつなくこなすなんて到底無理だけれど。
それでも。
ゴジョーの様に『冷静』に。
ゴジョーの様に『的確』に。
ゴジョーの様に『機敏』に。

ゴジョーが帰ってきたときに、強くなりましたねって。
それでこそ我が主人だって言ってもらえるように。
私は強くなる。





ルイズ「ゴジョーを取り戻すためなら神だって殺してみせるわ」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 03:10:42.37 ID:pqSCJSgMo<>
私には虚無の力があると言う。
血筋? それとも才能?
でも使えない力なら持っていても宝の持ちぐされ。
だったら最初からそんなちから当てにしない。


残されているのは何?
決まってるじゃない。
前に進むための足と答えを導くための頭と血の滲むような努力の結果である爆発だけ。


いいじゃない。

むしろ十分すぎるほどだわ。
私は戦える。



クロムウェル……アンタが次に私の前に顔を見せた時がすべての終わりよ。
ゴジョーに代わって私がアンタを狂わせてあげる、純粋にね。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/05/17(火) 03:14:57.24 ID:pqSCJSgMo<> さーせん、ここまでです

次回投下未定ですが、量はこのぐらい書いてきたいと思います

おまたせして申し訳ありません
読んでくれる人の感想や待ってくれている人の言葉のお陰でなんとか続けられています

本当にありがとうございます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2011/05/17(火) 03:19:42.02 ID:PLHHdk6Mo<> 乙です! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/05/17(火) 06:10:46.77 ID:iZiVBHlMo<> 激しく乙!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/05/17(火) 06:22:17.69 ID:tV5N1P7AO<> 純粋に乙! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<><>2011/05/17(火) 06:55:57.00 ID:VUWjtieAO<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/05/17(火) 07:32:41.26 ID:YumVdajAO<> 待ってた
投下ありがとう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<><>2011/05/17(火) 09:01:09.62 ID:nhFlm//so<> 待ってたかいがありすぎる
おつ!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/05/17(火) 17:16:05.98 ID:tTNtq4Zlo<> 待っていましたよ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/05/17(火) 17:37:16.89 ID:5haiqw4AO<> また見られるんだな、五条さんを <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/05/17(火) 22:54:02.86 ID:5/Qp2u1qo<> 本当に乙!
いろいろあったけどよく帰ってきてくれた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/05/18(水) 01:04:50.38 ID:OJhVCxsSO<> 無事でよかった。
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/05/18(水) 22:29:41.12 ID:/Baaa6lAO<> 楽しみにしてる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/05/18(水) 23:14:52.80 ID:U7AqWdle0<> 待ってたぜ
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/05/18(水) 23:19:24.54 ID:LyIzQuoDO<> 乙です! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)<>sage<>2011/05/19(木) 00:47:20.26 ID:NnirGIhqo<> 待ってたよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/05/20(金) 09:41:13.44 ID:D3ApRYeAO<> 続きがきてたでござる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/05/21(土) 00:25:33.62 ID:H/PIm4XDO<> 来てた来てた来てたぁあああ見に来てよかった!乙です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/05/21(土) 02:51:20.07 ID:VoyXO5fqo<> 五条さんの顔面かなり破壊されてるはずだけどだいぶ直ったのかな
ルイズたんがあんまり動揺しないということは
でも歯までは再生しないよね。五条さんならミラクル起こしそうだけどさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中国四国)<>sage<>2011/05/22(日) 17:51:22.73 ID:zbXWgbvSo<> 覚醒したときに天使化してるんだよきっと
エンジェルスマイルだったんだよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2011/05/24(火) 20:26:41.68 ID:MBuT+uG00<> うおおお暫く見てなかったが投下来てたのか
遅れたが乙!今回も楽しめたぜ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/05/28(土) 10:40:58.26 ID:o3N5wID10<> マダー? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)<>sage<>2011/05/28(土) 23:42:36.26 ID:hJpaDGLAO<> >>809
来月の中旬〜下旬くらいじゃね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/05/31(火) 22:26:17.77 ID:miNREmhAO<> 月刊ゴジョー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)<>sage<>2011/06/01(水) 18:11:06.84 ID:riI8dumQo<> マダー? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/06/07(火) 22:40:08.49 ID:OrTiRF3AO<> ほしゅ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/06/08(水) 22:58:50.72 ID:ekgqz0eg0<> まだか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/06/10(金) 12:18:10.15 ID:xMrl/FfV0<> ほっしゅ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/06/10(金) 15:49:14.88 ID:VAOd6WZAO<> 保守はいらない下げろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/06/12(日) 20:43:47.55 ID:lYSBZFCS0<> >>816
なぜだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/06/13(月) 20:45:48.99 ID:UEM+uZyDO<> それはひょっとしてギャグで言ってるのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/06/14(火) 22:08:59.10 ID:dUBAKnNQ0<> 保守はともかく下げるのは何故だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)<><>2011/06/15(水) 01:05:11.26 ID:ZnQzTRDQ0<> >>819
sage厨が勝手にローカルルールと呼んでるだけの、
単なる「押し付け」だから疑問を持つ必要は無い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/06/16(木) 13:51:31.98 ID:0QVPg4CIO<> 以下、agesage合戦 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<>sage<>2011/06/16(木) 20:35:05.79 ID:Wl+0OwSuo<> hをつけるか否か、というのと並んで二大伝統行事
合わせて通称hage論争のはじまりはじまり <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/06/17(金) 20:49:53.88 ID:AGgXkkZUo<> >>822
なんだ、世界樹の迷宮か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/06/18(土) 00:34:34.40 ID:qBeg4sxt0<> まだか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)<>sage<>2011/06/21(火) 00:58:53.90 ID:LyPX4OFc0<> >>824
一々ウゼぇよ
まだかどうかなんて見りゃ分かるだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/06/22(水) 23:41:26.91 ID:V0wAfAvY0<> まだか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/06/23(木) 00:30:01.54 ID:ahXj4QlRo<> >>826
一々ウゼぇよ
まだかどうかなんて見りゃ分かるだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/06/24(金) 19:12:12.24 ID:JQCR+t0E0<> まだか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大分県)<>sage<>2011/06/24(金) 20:46:14.80 ID:QFmS6G+O0<> マジでウゼえんだよやめろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/06/24(金) 20:49:56.69 ID:/hqUY7BOo<> まだか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県)<>sage saga<>2011/06/24(金) 23:36:10.05 ID:WGbhgvMg0<> >>830
お前が死ぬのはまだか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<>sage<>2011/06/24(金) 23:57:52.96 ID:Ayd7Oluko<> 本人は面白いと思ってるのかね
たぶんまた何度でも書き込むんだろうな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)<><>2011/06/25(土) 07:36:41.91 ID:5EV9TjaAO<> このスレ中に再開するかな・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2011/06/28(火) 09:05:30.59 ID:4RyypvbAO<> >>833
無駄に読者がレスしなければ、な <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/06/28(火) 22:32:13.13 ID:V5ch3VKn0<> 大分・栃木・新潟の土民が騒いでおります <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/06/28(火) 22:33:30.13 ID:V5ch3VKn0<> 大分・栃木・新潟の土民が騒いでおります <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/06/28(火) 22:58:36.74 ID:6kiqi2YIo<> 3ヵ月後に投下された連載SSだってあるんだから
1年ぐらい待機しようぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/06/28(火) 23:00:38.90 ID:6kiqi2YIo<> 3ヵ月後に投下された連載SSだってあるんだから
1年ぐらい待機しようぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/10(日) 14:10:47.62 ID:mflytoiAO<> 原作者が大変みたいで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/10(日) 18:45:34.65 ID:kSHannNjo<> 病名を書いてないけど大掛かりな手術するとか
余計に心配になるよな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/12(火) 23:10:31.18 ID:oNnzstVP0<> まだか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/16(土) 00:18:27.41 ID:XOXRJHwZ0<> >>840ガンだったな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)<><>2011/07/16(土) 08:43:39.41 ID:USggSHcAO<> ゼロ魔の作者もガンだよな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/16(土) 16:19:17.94 ID:ur4soh9DO<> 久しぶりに見に来たけど再開されてなくて残念
気が向いたらでいいから続きを書いてください <> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 02:44:23.19 ID:mEfKs+XIO<> 一通り書きため終わったので、今日明日中に投下します

とんでもなくお待たせしたことをお詫びいたします <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)<>sage<>2011/07/23(土) 02:53:23.65 ID:kNBHg3ALo<> !!!!!待ってたよ!おかえり!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/07/23(土) 02:54:59.59 ID:1fIBZ3eno<> お待ちしてました <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/23(土) 10:39:44.87 ID:hmUBEya2o<> いやっほおおおおおお!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/07/23(土) 14:11:59.55 ID:gZ4fb4c4o<>               lミ′   ̄    ー-'"    '=ミニ彡彡/‐、ヽ
                  l;l  ,_-‐ 、    __,,.. - 、       彡彡彳、.//
_______∧,、_‖ `之ヽ、, i l´ _,ィ辷ァ-、、   彡彡'r ノ/_ ______
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'`'` ̄ 1     ̄フ/l l::. ヽこ~ ̄     彡彳~´/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 ヽ   ´ :l .l:::.         彡ィ-‐'′ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2011/07/23(土) 14:15:41.22 ID:gZ4fb4c4o<>               lミ′   ̄    ー-'"    '=ミニ彡彡/‐、ヽ
                  l;l  ,_-‐ 、    __,,.. - 、       彡彡彳、.//
_______∧,、_‖ `之ヽ、, i l´ _,ィ辷ァ-、、   彡彡'r ノ/_ ______
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'`'` ̄ 1     ̄フ/l l::. ヽこ~ ̄     彡彳~´/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 ヽ   ´ :l .l:::.         彡ィ-‐'′ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(佐賀県)<>sage<>2011/07/23(土) 17:55:31.88 ID:r73Gscbho<> キターーーーーーーー <> 超睡眠不足 ◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:11:03.97 ID:mEfKs+XIO<>
ルイズ「……入ってきて」



私は外にいる『協力者』に対して指を鳴らし、呼びかける。
静かに開いた戸の向こう側から長く綺麗な緑黄色の髪がなびく。

フーケ「はぁい、どーも。ピンク色に雇われた盗賊……フーケだ」

芝居がかった台詞を吐きながらフーケは部屋の中に入ってくる。
思いがけぬ協力者にもタバサは特段様子は変わらない。私の考えはお見通しだったと言うことか。
キュルケは一瞬身構えたが、私とフーケの間に感じ取れる雰囲気をみて黙ったまま。


しかし。

ギーシュだけは違った。

刹那、空気の割れる音を私は聴く。

ギーシュ「……どういうことだ、ルイズ」

ギーシュは立ち上がり、私の肩を掴んだ。

ルイズ「見ての通りよ。協力者を雇ったの」

ギーシュ「違う……! 僕の聞きたいことはそういうことじゃない。何故君が盗賊なんかを仲間にしているんだと聞きたいんだ」

ルイズ「言ったでしょう? 私は手段を選ばないって。効率的に問題をクリアするにはフーケを雇った方が早いって判断したの。裏の世界とレコン・キスタにも詳しいし、それに……ゴジョーをここまで連れてきたのもフーケよ」

ギーシュ「だからってッ! 何故フーケである必要があるんだ!? トリステインに戻ってもっと有能な人を選ぶことだってできるだろう!」

ルイズ「阿鼻叫喚のトリステインで? そんな悠長なことを言っている時間はないわ。それに時間をかければ見つかるって保証もどこにもない。これが今できる最善の策だったと言うだけの話よ」

ギーシュ「屁理屈だ……それに『雇った』だって!? 君はまさかこの女にお金を払って仲間にするつもりか? どこの世界に盗賊を引き入れる貴族がいる! まともじゃない、狂ってる!」

憤りを隠さずギーシュは言葉をぶつけてくる。
それも最もだと思う。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:12:10.50 ID:mEfKs+XIO<>
ルイズ「仲間になったわけじゃないわ」

フーケ「ヒャッハッハ! あたしに仕事を持ってくるのなんて大抵貴族だけどねぇ?」

ギーシュ「お前は黙っていろ!」

敵だった人間を雇うなんて馬鹿げている。
ギーシュはそう言いたいんだろう。
確かにフーケは私たちを殺そうとした。
それを許したつもりはない。

ルイズ「ギーシュ、落ち着いて」

私の言葉が逆にギーシュの怒りに油を注いでいる、と思う。
それほどギーシュは受け入れがたい現実に嫌悪感をあらわにしている。

ギーシュ「これが落ち着いていられるかッ! ゴジョーさんだって納得しないはずだ。二度僕らを殺そうとした上、この盗賊は!」

ルイズ「ええ、そうよ。でも今は協力者、そのゴジョーを助けるためのね」

大きなため息と共に頭を抱えたギーシュ。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:17:16.54 ID:mEfKs+XIO<>

ギーシュ「キュルケ! タバサ! 君たちはこれでいいのか? いつ後ろから刺されてもおかしくないような奴を僕らの傍において」

二人は示し合わせたように顔を見合わせた後、一つ頷きを返した。

キュルケ「……まあ、ギーシュの言うことはごもっともだと思うけど、ルイズがそうするって決めたんでしょ?」

ルイズ「ええ」

キュルケ「じゃあ仕方ないわね。私は構わないわよ」

タバサ「……」

タバサも首を縦に振り、賛成の意を示す。

ギーシュ「っく。ルイズ! 君には貴族のプライドってものがないのか?」

ルイズ「プライドでゴジョーを救えるのなら、私は爵位だってくれてあげるわ」

ギーシュ「……本気かい」

ルイズ「ゴジョーが言っていたでしょ。プライドの為に死ぬようなことはやめろって」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:18:17.46 ID:mEfKs+XIO<>
ギーシュ「それは」

ルイズ「だったら私はプライドや体裁を保つ為に誰かを救えないなんてこと、耐えられない。ゴジョーの為になら貴族だって捨てる覚悟はできてる……余裕があれば姫様に返上するわ」

ギーシュ「バカな、わからない……わからないよ、ルイズ」

ギーシュはベッドに腰掛けて、俯いてしまった。

ギーシュ「僕じゃ君の力になれないのかい?」

私を伺う目。
悲しさと戸惑いと、恐れが同じ割合で混ざり合った目。

ルイズ「それは違うわ、ギーシュ……ここまで来られたのも、立ち上がれたのも全部みんなのおかげ。きっとあなた達誰か一人でもいなければ、私はここに立っていないと思う」

ギーシュ「じゃあ! なんで……!?」

ルイズ「ギーシュ。それでも私は譲れない……譲れないのよ。ゴジョーを助けるための確率が僅かでも上がるんだとしたら、なんだってやらなくちゃならないの。誰かに頼まれたんじゃなくて、私自身がそうしたい」

キュルケとタバサも私の言葉を聞く。
これから一緒にいるのを認めた上で、真意をはかるように。

ルイズ「ワガママ、でしょうね。あなたが納得いかないのも当然。だから……無理に着いて来てとは言えないわ。キュルケもタバサも同じ。さっきは二つ返事で応えてくれたけれど、少しでも納得に値しないと思ったなら……私のことは捨てて、自分たちの大切なものを守って」

ギーシュ「捨ててって……! そういうことじゃあないだろう!」

ギーシュは拳を握りしめたまま立ち上がった。
その表情は納得にはほど遠いものだった。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:20:32.46 ID:mEfKs+XIO<>
ギーシュ「僕は……守らなくちゃいけない! ゴジョーさんにも、もう返しきれないほどの恩がある! 君が支えられたように僕もゴジョーさんに支えられてきた。助けたいのは僕も同じだ……だけど今の君がやろうとしていることはワルドやレコン・キスタと変わらないじゃないか! 目的を果たすためなら悪にだって手を染める、そういうことじゃないか!」

ルイズ「……」

返事を返さなかった。
手段を選ばないというやり方は間違っている。
そう言いたいんだ、ギーシュは。

ギーシュの言うとおり、そういうやり方は誰かを傷つけることになる。
信じてきた人たちを裏切ることになる。学院やヴァリエール家、ひいては国に対しての反逆として捉えられるかもしれない。

ギーシュ「僕はそういうやり方には、賛成できない」

きっぱりと言う。

ギーシュ「君は今まで築いてきたものを自分の手で崩そうとしてる。この世界には死ぬまで手放しちゃいけないものは確かにあるんだ。それは一度壊したらきっと取り戻せない」

ルイズ「そうだと思うわ。きっと取り返せない。でも……ゴジョーの心は? あなたの言う、壊したら取り戻せないものに含まれているの?」

ギーシュ「……!」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:22:41.64 ID:mEfKs+XIO<>
ルイズ「私は取り戻せると信じてる。ある種の自信を持ってるの。それに足る確証や物証があるんじゃないけれど、私は信じてる。『ゴジョーが横で笑いかけてくれない世界なら、そんな世界いらない』。死ぬよりもずっと辛いことだから」

私は世界を否定する。
私の生きていきたい世界はゴジョーが傍に居る世界。
たったそれすら叶えてくれない神様がいるなら、私は神を殺す。
どれだけ長くかかるかも分からないけれど、その世界を取り戻すためだったら全てを捨てる覚悟は出来ているんだから。

ルイズ「でも私が自ら死を選ばないのは、ゴジョーが必ず戻ってくると『理解ってる』からなの。奪われた心は必ず取り返すから」

ギーシュ「その結果、君が死ぬことになっても……か?」

その問いかけは最後の懇願を滲ませた、自問だったのかもしれない。
ギーシュ自身が進むべき道を決めるための。

ゴジョーの顔をふと見つめてみる。
俯いたままだったはずの顔がこちらを向いていた。
ぼんやりと遠くを見据えるかのように。
その眼は私の語りかけた。

頷く。
人生で自分の進むべき道を望むまま選べることなんて本当に少ない。
でもその中で自分の納得できるような道を選ぶしかないんだ。








ルイズ「そうよ」



<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:27:01.51 ID:mEfKs+XIO<>
ギーシュ「わかった……」


ギーシュは懐から杖を取り出した。

キュルケ「ギーシュ……?」

ギーシュ「女性に向かって杖を向けるのは最低なことだ。だがルイズ、君が手段を選ばないというなら僕も君を止めなくちゃならない。そんなやり方をしていればいつかきっと、誰かを踏みつけても知らないふりをする人間になってしまう」

真っ直ぐに杖を構え、私に語りかける。

ルイズ「戦えと言うの?」

ギーシュ「君が踏み込もうとしているのは、そういう世界なんだ。恨まれてもかまわない。杖を取るんだ、ルイズ……」

緊迫感。伝いくるギーシュの熱。
誰よりも私の事を思っていてくれてるからこそギーシュは杖を取った。
仲間に杖を向けてでも、ギーシュは止めたがっている。
覚悟があるんだ。

私はギーシュの言っていることは正しいと思う。
全く正しい。
多くの人は私のやろうとしていることを否定するだろう。
ギーシュの進もうとしている方向はまた、私の進もうとしていた道だったから、そうありたいと思っていた道に進めるギーシュが羨ましくすらある。

しかし私は知ってしまった。
『正しいということは自身の心の中にしか存在しない』。
ある一点の方向から見れば正しかったことも、裏を返せば間違ったことになり得る。
絶対の正義なんてどこにも落ちてはいない。
大多数の認める正しさは絶対の正しさじゃないんだ。

それは逆説的に、正しさは私たち自身の中にしか無いことを証明している。
他人から示された正しさをただ受け入れることは妥協でしかない。
だからこそ私は私の中にある正しさに従う。
ギーシュの正しさを肯定している上で、ギーシュの言う『間違っている正しさ』に従う。
矛盾を孕んだ私の考えは、傲慢で自分勝手で思い上がりも甚だしいかもしれない。

それでも私はそっと腰元に手を添える。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:28:14.85 ID:mEfKs+XIO<>
キュルケ「ちょっと! あんたたち、バカなことやめなさい!」

キュルケが私とギーシュの間に割って入る。

ギーシュ「バカなことじゃない。道を外そうとしている仲間を止めるのも仲間の役目だ。時として、それは痛みを伴うことでしか理解できないんだ。それが死を甘んじて受け入れようとする仲間を止めるために必要ならば」

キュルケ「それこそもっと他にやり方があるでしょ!? ここで争って何の意味があるのよ!」

訴えるキュルケの腕を私は左手で引かせる。

ルイズ「ギーシュ、立ちふさがるのなら……私も杖を取るわ。それが私の進もうとしている道で、あなたに示さなくちゃならないから」

キュルケ「タバサ! あんたも止めて!」

タバサは答えない。
ただ黙って私とギーシュを見据える視線が焼け付く太陽のように肌を焦がしていく。
理解っているんだ。
私とギーシュのやり方は互いに正しさを持ち、間違いを含んでいることに。
それでも互いが互いを思う故、決して譲れないということに。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:29:29.61 ID:mEfKs+XIO<>
ギーシュ「……」

ふっ、とギーシュの薔薇が空を舞う。
コマ送りされたかのようにゆっくり、儚げに花弁が数枚、私の眼前で舞う。
その様はギーシュの想いをそのまま花に映したようで、言葉を失ってしまった私は床に落ちるそれを傍観者のように眺めていた。

キュルケ「ルイズっ! 避けて!」

ルイズ「……くっ!」

我に返ったときには遅かった。
触手の様に伸びてくる土の腕に、私は四肢を固定される。
力任せに振りほどこうとしてもその腕は大樹のように地に根を生やし、自由を奪う。
それを見てフーケは一つ鼻で笑う。

フーケ「ピンク色、助太刀は?」

ルイズ「いらないっ……」

ギーシュが唱えたのはアースハンド。土属性のドットスペル。
魔法自体はそんなに強力じゃない。
ファイア・ボールでもエア・カッターでも簡単に千切れるだろう。
恐らく、私の爆発でも。

でも私の細腕から振り絞った力じゃびくともしない。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:32:17.21 ID:mEfKs+XIO<>
ルイズ「ちっ!」

四肢を固定されている以上満足に方向も狙えない。
狙えたとしたってこんな至近距離で爆発させれば私も只じゃ済まない。
火傷で済めばいい方だ。

私は初手で既に袋小路に追い込まれていた。

ルイズ「ギーシュ……!」

三歩あった距離から金色のメイジは、歩み寄り私の頬にそっと触れる。

ギーシュ「ルイズ……駄目なんだ。君は明るい道を進まなきゃいけないんだ。僕はゴジョーさんの代わりにはなれない。やれることの程度はしれてる。でも、友の大事だった人がみすみす暗い路地の中に落ちていくのを静観しているほど腐っちゃいない」

ルイズ「……っ!」

その優しさでかっと頭に血が上る。

ルイズ「誰もゴジョーの代わりになんかなれない!」

酷いことを言った。
でもギーシュは驚くほど優しい笑みで頷いた。

ギーシュ「そうだ。誰もゴジョーさんの代わりになれる人間なんて思ってないよ。この世にそんな人間は存在しない」

私は縛り付けられた両手を握りしめる。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:34:58.05 ID:mEfKs+XIO<>
ギーシュ「君の想いと同じように、僕の想いを分かってくれなんて言わない。それでも僕は君をここで止める……!」

痛い。
痛いほどに伝わる。

ギーシュの花びらが再び宙を舞い始めた。
音もなく床に横たわった薔薇は形を変え、急速に生長する触手から拳に姿を変えた。
ネジのように回転しながら、私の顔めがけて迫り来る。

ギーシュが女の顔を狙った。
それはギーシュが自分の中のタブーを破ることと同義であり、私の心をへし折るため。
男の覚悟の表れ。

キュルケ「ルイッ!」

キュルケが必死にその手を止めようとしているのを捉える。
でも拳は止まらない。
右の頬にめり込んだ土はそのまま風を切りながら視界から消える。

ルイズ「かっはっ……! っぐぅ」









 。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:46:18.47 ID:mEfKs+XIO<>
脳を揺さぶる。
口の中が切れたみたい。
鉄の味がする。
気持ち悪い。

キュルケ「ギーシュ!! あんたこんなやり方が正しいと思ってるの!?」

声が遠くに聞こえる。

ギーシュ「……思っていない」

キュルケ「じゃあ今すぐルイズの拘束を解きなさい!」

ギーシュ「それは、できない」

じんじんとする頬。
じんじん?
そう、結局その程度の痛みなんだ。
私は止まらない。
キュルケが杖を構える。

キュルケ「ギーシュ、これ以上やるなら私も容赦しないわよ」

ギーシュ「ああ、構わない」

敵に言い放つような声色。
ギーシュはそれ以上答えない。

ルイズ「キュ……ルケ。手を出さないで」

キュルケ「バカ! そんなこと言ってる場合じゃ!」

ルイズ「私と……ギーシュの問題なん……だから、あんた……は手を出しちゃ駄目……!」

キュルケ「ルイズ!?」

ルイズ「お願い……」

震える手をキュルケは下ろす。

気がつくと私は薄ら笑いを浮かべていた。
ギーシュは唇を噛みしめる。
折れると思っていた心が一寸もぶれないことに気味の悪さを感じている?


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:47:50.75 ID:mEfKs+XIO<>
ルイズ「ギーシュ、私を見くびらないで。一発殴られたぐらいで変わる覚悟なら最初から言っていない……!」

私が最初に越えるべき試練はギーシュ。
この場で諦めるようなら、さっさと部屋に帰って寝ているべきだ。
私は瞳でギーシュにそう伝える。

ギーシュ「わかった……」

拳が部屋を飛び交う。
三本になった土の拳は私の心を削り取ろうと殴打し続ける。
痛みが断続的に私の意識を覚醒させていく。

時々正視するに耐えなくなったキュルケがギーシュともみ合う姿を見た。

痛いのなんかちょっとでいいと思っていた。
傷つくのなんか嫌だった。
でも身体の痛みはどこか『嘘っぽさ』を含んでいて、ちゃんと私の中に危険信号を伝えてはくれない。
痛いのは確かだけれど、それは瞬間的なものに感じてしまう。

私の心を緩慢に焼き尽くしていく、疼くような痛みに比べれば。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:50:47.60 ID:mEfKs+XIO<>

時間にして30秒くらいだろうか。
目の前の拳が止まる。

顔が酷く熱い。
きっと、見れた物じゃなくなってるだろう。
口の中に溜まった血反吐を床に吐き捨てる。
私もやさぐれてしまったものだ、と心の中で笑ってしまう。

容赦を拳に持たせてしまっているギーシュの拳じゃ、私の心は折れない。

ギーシュ「……なんで」

ルイズ「……」

ギーシュ「なんで……君は……殴られてるのに、その目は僕を見続けるんだ……」

戦きがギーシュの口から漏れた。

ルイズ「……ッゲホ! なんで、でしょうね……?」

ギーシュ「僕らは、なか……」

口ごもってしまったギーシュは杖を必死に下ろさぬように堪えている。

ルイズ「……傷つくのは誰だって嫌。でも、そこから逃げたら……きっと、痛みは大きくなって自分に返ってくるわ」
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 19:55:50.73 ID:mEfKs+XIO<>
私は手首を曲げる。
多分、方向は合ってる。

ルイズ「それに……やっぱり、逃げたら二度と会えなくなる気がするから……あなたにも、ゴジョーにも」

ギーシュ「……言えばいいだろ。『やめて』って」

私は首を横に振る。



「もう、逃げない」



詠唱に時間はいらない。たかだかコモンマジックだ。
数言、唱えれば終わる。

お腹にぎゅっと力を入れ、痛みに備える。

必要なのは私のこれからの覚悟を示すこと。
言葉じゃなく、身体で。








「錬金……!」




<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:00:24.88 ID:mEfKs+XIO<>
つんざくような『爆発音』


ギーシュ「っく……!?」

瞬く瞬間より短く、閃光が部屋中に満たされる。
それは私の気持ちを体現したかのように、眩くて。
鼓膜を嬲るような音と共にやってきた。
爆風が部屋の壁を叩きつけ、とっさにゴジョーを除く部屋の全員が顔を覆い隠す。

魔法をぶつけたのはギーシュにじゃない。
爆ぜたのは。

私の腕。

弾けた土の触手が部屋中にばらまかれている。
焦げた臭いが鼻をくすぐる。

釣り上げられていた左手が拘束から解放され、だらりと落ちる。
肉の裂ける痛みが私にようやく危険信号として脳に伝える。
重力に従って血がしたたり落ちた。

キュルケ「な……!」

少しぼやけた感じにキュルケの声が聞こえる。
左手の指を動かしてみる。
反応する。
めちゃくちゃ痛いけれど、ちゃんと動く。

ルイズ「進むためなら……」

緩慢な動きで左手を掲げ、右手から杖を渡す。

唇を噛みしめれば一瞬だけ痛みが和らぐような気がした。

ルイズ「これぐらいの痛み……耐えられなくちゃ……」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:02:06.91 ID:mEfKs+XIO<>
私はさっきとは違う、引きつった笑いを浮かべ硬直するギーシュに対峙する。
昨日までの私じゃ絶対にできないだろうな。
私は自分で限界を作っていたことを知る。
確かに痛みを伴うことでしか理解できなかった。

頭のネジが幾つか外れているのかもしれない。
だからこんな『狂った』ことができる。
きっと外れたネジはゴジョーが持っていて、それをちゃんと返してもらわないとこんな風に簡単に『恐怖』とか『痛み』とかを乗り越えてしまうのだ。
それは人間として大きな欠陥だけれど、今の私にはちょうどいい箍の外れ具合だった。




『死なない程度の痛みは、私に出来ることを増やしてくれる』




<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:05:53.32 ID:mEfKs+XIO<>
キュルケ「あ、んた……」

ぎょっとした顔でキュルケが私の顔をのぞく。
言葉として漏れ出していたのかもしれない。
赤い髪と対比するように、顔色はさあっと青ざめていた。

杖を差し向け、ギーシュの瞳の奥をうかがい知ろうとする。

しかしギーシュは構えていた杖を下ろしてしまった。

ギーシュ「もう……いい」

それは自らが別の道を歩むことを肯定しているのかどうか、分からなかった。

土の蔓は私を拘束していた力を緩め、優しく床に下ろした。
まるでエスコートする紳士のように。

ギーシュは大きく息を吐き出すと、ぽつりと呟いた。

ギーシュ「結局僕は君も、ゴジョーさんも止めることはできなかったな」

ルイズ「ゴ……ジョーも?」

ギーシュ「君がワルドに連れて行かれたとき……ゴジョーさんも酷い傷を受けていてね。あのときも僕は友を止められなかった」

ルイズ「……」

ギーシュ「別に無力を嘆いているんじゃない。僕の力が小さい事なんて承知の上だ……でも君を想い留めることができなかったのは、背負った物の大きさの違い」

ギーシュ「想いの強さの違いかもしれないな……君たちが互いを思い合う気持ちに、僕が入る隙はなかったんだ」



<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:10:50.71 ID:mEfKs+XIO<>
語る姿は今にも消えてしまいそうだった。
怖い。
今ひとつ瞬く間に、目の前からギーシュがいなくなってしまいそうで。

一言、思っている言葉を伝えられたらどれだけいいだろう。


ギーシュ「それに……仲間を傷つけてしまった以上、僕は君たちとはもう一緒にいられない。本当にごめん、ルイズ」

ルイズ「謝る必要なんて……!」

ギーシュはにっこりと笑って首を振った。
そして血が流れ続ける私の手首にそっと取り出したハンカチを結んだ。

ギーシュ「さよなら、ルイズ。僕は僕なりに色々がんばってみるよ、ゴジョーさんを救うために」

今までの関係が無くなってしまったように、簡単に別れを口にする。
それは多分ギーシュが本当に言いたいことじゃない気がした。
私には分かってしまった。
こんな風に言うのは自分が離れる事に、少しでも惜しさを残さないようにするギーシュの優しさだと。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:13:22.21 ID:mEfKs+XIO<>
ルイズ「ギーシュ」

ギーシュ「……」

ルイズ「もう、会えないの?」

ギーシュ「会えるさ。なんだか喧嘩別れのようになってしまったけれど、僕は今でも君たちのことを仲間だと思ってる……勝手だけれど僕は僕なりにやるだけさ」

キュルケ「ギーシュ……!」

ギーシュ「キュルケ、タバサ……君たちがルイズを守ってやってくれ。きっと今みたいにとんでもない無茶するから、ね」

まるで冗談みたいだった。
いなくなるなんて嘘、と言われれば簡単に信じてしまいそうになる。

でもギーシュは私たちから離れていってしまう。
ふっと。
風が通りすぎるみたいに。

我慢しなくちゃならない。
ここで「行くな」なんて言っちゃいけない。
でないと、ギーシュに対して失礼だ。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:23:14.41 ID:mEfKs+XIO<>
ギーシュ「……『フーケ』」

フーケ「あん?」

金色の髪がフーケの目の前で低くなる。
壁によしかかるフーケに、ギーシュは頭を下げた。

ギーシュ「どうか、ルイズを助けてやってください……! お願いします……!」

流石のフーケもあっけにとられ、口をあんぐりと開けている。

フーケ「あ……ああ」

ギーシュ「悔しいがお前は僕よりもずっと腕の立つメイジだ。戦い方も分かってる……だから、お願いだ。ゴジョーさんの為にも、彼女の力になってくれ……!」

その言葉に二三秒、黙った後フーケは意味を受け取った。

フーケ「不器用で……馬鹿な男だね、『あんた』は」

それは貶す風ではなく、少しだけ称えるような言い方だった。

フーケ「ま、心配すんな。あたしは雇い主が死ぬようなヘマはしねぇ」

ギーシュ「ありがとう……」



引きずるようにして狭い部屋から出ていくギーシュの背中を私は最後まで見届けた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:26:01.97 ID:mEfKs+XIO<>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キュルケ「アンタ……んだから……次はない……」

タバサに軽い魔法をかけてもらった後、キュルケが左手首に包帯を巻き付けてくる。
私が自分で放った魔法の傷は軽いものじゃなかった。
止血済んでいるけれど皮膚が裂けた部分から赤い肉が見えた。
タバサ曰く、傷は多分死ぬまで残るそうだ。

それでも構わないと思えるのは、この傷には意味があるからなんだろう。
前ならこれだけの傷、三日は寝込みそうなものだけれどそんな暇は私には無い。

私はキュルケの話を半分聞き流しながら、頷きを返す。

キュルケ「ちょっとアンタ、私が何で怒ってるか分かってる?」

怒っている口ぶりと同時にキュルケは消毒液を私の頬に付ける。
ギーシュが殴った傷は比較的軽い方だった。
回復魔法のおかげで腫れも引いたけれど、一応の治療ということでガーゼも当てられる。

ルイズ「いたっ……うん?」

キュルケ「分かってないでしょ」

ルイズ「あー無茶したから?」

キュルケ「それもあるけど」

ルイズ「じゃあなんで?」

まだ頭と口が別々な方向を向いているような感覚がある。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/23(土) 20:28:21.29 ID:J9LOnw9OP<> うわああああ来てたああああああ <> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:30:23.69 ID:mEfKs+XIO<>
キュルケ「分かってると思うけど、ギーシュが一番問題にしてるのはフーケをこっちに入れたからじゃない」

ルイズ「うん」

キュルケ「あたし達があんたの傍にいたのを、あんた自身が力足らずって言ったように思ってるのよ……アイツは。頭ではアンタの言いたいこと分かってるんでしょうけど、意外と頑固なところあるし……優しすぎるのよ、ギーシュは」

ルイズ「うん……そう思う」

聞き分けが悪いとかそんな子供っぽい理由でギーシュは出て行ったんじゃない。
むしろ聞き分けが悪いのは私だ。

キュルケ「それに戦争がトリステインで始まってるんでしょ。あたしとタバサはいいわ、家族がトリステインにいないから。でもギーシュは違う。守らなきゃいけないものが幾つもあって、そのせいで仲間を守れないかもって思ってるんじゃないかしら」

守らなくちゃいけないもの。
誰にでもある。

家族。
財産。
誇り。
仲間。

私は、覚悟した。
ゴジョー以外の全てを捨てることになっても、ゴジョーだけは救ってみせると。
皆がそうである訳じゃない。
一つだけ守れるものを選べと言われて、簡単に決断できる人がこの世に何人いるのだろう。

人にたくさんの物を大切に守ることができたらどれだけいいだろう。
私は国から出て、少し広がった視野で見たときにそれを痛いほど痛感した。
「守ろうと思うこと」はできても、それが叶わない辛さを私たちは味わうようにできてるんだろうか?
大事な人を多く守ろうとすることは罪なんだろうか?

この世界を生み出した神が私たちに罰を与えていたのだとしたら、それは私たちに誰かを救う手を二つしか与えなかったことかもしれない。


<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:37:00.40 ID:mEfKs+XIO<>

キュルケ「私だって今この場でギーシュと同じ状況だったとしたら、決断なんてできない。きっと同じように出て行ったでしょうね」

私は酷いことをした。
人でなしと貶されても甘んじてそれを受け入れなくちゃならない。

それでも。

ルイズ「それでも……」

キュルケ「ええ、そうよ」

私が答えるよりも早くキュルケの頷きが答える。

キュルケ「それでもルイズ、あんたは迷っちゃ駄目。もうあんたの賽は振られてしまったんだから、賽の目にいくら文句を言ったって変わりはしない」

フーケ「……ふん」

フーケが再びパイプに火を付けた。
私はゴジョーの方を見るがゴジョーは何にも見ていない。
目を瞑っていると言う事じゃなくて、視界に入った物体を認識していないような感じがする。

視線を戻す。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:47:27.95 ID:mEfKs+XIO<>
キュルケ「少なくともあんただけは……しなくちゃならないことを決断すべきよ。例え、他全てを犠牲にすることになっても。あんただけがゴジョーを救えるんだから。誇張じゃなく、本当に」

ルイズ「うん……ありがとうキュルケ」

キュルケ「まあ、そんなに思い詰め過ぎない事ね」

ルイズ「うん」

キュルケ「ぼけっとしたあんたの顔見てたら結局何言いたいか分かんなくなっちゃったわ。さっきの半覚醒みたいのはなんだったのかしらね」

ルイズ「うん」

キュルケ「はあ……聞いてんだか聞いてないんだか。とにかく、あたし達が傍に居ることをちゃんと再確認すること。すぐこうなっちゃうんだから」

開いた両手をこめかみに当て、前後に動かす。
前しか見えないってこと?

キュルケ「あたし達はあんたを全力でサポートする。後始末は任せなさい。ギーシュはあれでも自力でここまで来て、帰ってきたんだから修羅場くぐってる。簡単に死ぬタマじゃないわ」

腕まくりをして力こぶを作る仕草で私に語りかけるキュルケに感謝する。
なんだかんだ言って……やっぱりキュルケは頼りになる。
口うるさい姉、エレオノール姉様みたいな。

キュルケ「ギーシュのこと仲間だと思ってるなら、アイツを信じなさい。ギーシュが自分なりにやるって言ったんなら、それを待つのが仲間でしょう」

ルイズ「うん……分かってる」



<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:51:18.97 ID:mEfKs+XIO<>

下からタバサが食事を持ってきて、私たちは食事をとった。

巻かれた包帯の丁寧さに少し驚きながら、私は手のひらを閉じたり開いたりしてみる。
文字を書くのは無理そうだけれど、スプーンは握れそうだ。

なら問題ない。痛かろうが関係ない。
杖を握れると言うことが一番大事。

食事を終えたところで、椅子に腰掛けたままのフーケが問いかける。

フーケ「……ピンク色、あたしはどう動けばいい? 一応テメェが雇い主だから意向は聞いておくぜ」

ルイズ「フーケ、あんたはとりあえず私たちに帯同してトリステインに来てもらうわ」

フーケ「戦えってか、またレコン・キスタ共と」

不服そうにフーケは言う。

ルイズ「それは戻ってみなくちゃ分からないけれど、そうなることも可能性の一つとして考えておいて。私たちが自由に動けるようならゴジョーを最優先に情報収集してもらうけれど、まあ多分そうはいかないでしょうね」

フーケ「フン、まあいい。報酬をもらう以上テメェの言うとおり動いてやるよ。だがこいつらが来る前に言っただろう」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:55:38.95 ID:mEfKs+XIO<>
フーケ「この戦争は勝てねぇよ」

その言葉は質量を持って私に届いた。

フーケの言ったとおり、真っ正面からぶつかってもトリステインは負ける。
物量が違いすぎる。
同盟を破棄してしまったトリステインとレコン・キスタでは軍力の差があまりにも大きすぎるとフーケは言っていた。

どれだけの兵が今のトリステインにいるか分からないが、アルビオンに派遣されたトリステイン兵を差し引くとどう考えても勝てない。
今から兵を戻してもだ。
それを計算してクロムウェルは情報操作していた。
確認する術はないが……ウェールズ皇太子も生きているかどうか。

敵の司令官を討ち取ったとしたらすぐに公表され、勝利宣言がされるはずだ。
それがされないと言うことは皇太子が生きている可能性も捨てきれないけれど、それ以上に『あえて』公表していない可能性の方が大きい。
トリステイン陥落のために。

もしかしたら……既にアルビオン城下の人々は兵も民も皆殺しにされているかもしれない。

フーケ「もうレコン・キスタからすれば出来上がってんだよ。トリステインは近いうちに占領される。完璧な計画だ、勝ち目がねぇ」

ルイズ「完璧な計画って……それでもどこかに綻びはあるはずでしょ」

フーケ「その綻びも縫い合わされた。ゴジョーがこうなった以上、どうしようもない」

ルイズ「……」

うなだれたままのゴジョーを見て、黙り込んでしまう。
ゴジョーは確かにトリステインの切り札だった。
そのゴジョーが戦えない。

フーケ「だが……気になるトコが一つある。まあだから戦況が一変するってもんじゃないが」

ルイズ「なによ」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 20:58:22.25 ID:mEfKs+XIO<>
フーケ「いや、こう言っちゃおかしいがよクロムウェルはそんなに頭の良い奴じゃなかった。あたしがレコン・キスタにいたときもはっきり言って指示系統なんてまともに出来てなかったし。小物だったよ、目先の利益を優先するような」

私はクロムウェルに会ったことがないから、フーケの言ったことが是か非か判断がつかない。
思案している私の横でタバサがぼそりと呟く。

タバサ「……指示しているのは、クロムウェルじゃない」

クロムウェルが指示をしていない?

フーケ「んんー、どっちかっつーと『クロムウェルの上に指示してる奴』がいるってとこかね。直接指示してんのはあいつだろうが、こんな緻密な作戦が立てられるとは思えねぇ」

ルイズ「じゃあそいつを見つけなきゃ駄目ってこと?」

フーケ「まあ待てピンク色。こりゃあたしの推測だし、そいつを見つけたってもう戦争は始まってるんだ。今更どうこうしようがない」

両手を天に向け、お手上げと言った表情のフーケ。




<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 21:04:28.75 ID:mEfKs+XIO<>
フーケ「それよかお前の言ってた、トリステインが逆転できるかもしれない手ってヤツを教えろ」

ルイズ「え、あ、それは……」

思わず口ごもってしまう。
フーケにこれを言うかどうか私は決めかねていた。
正直天に願うのとそう変わりないような、当てにならない力なのだ。
『アレ』がそうも都合良く使えるとは思っていたら痛い目を見ることになる。

キュルケ「ちょっと、そんなの聞いてないわよ? あんたそんなすごい作戦考えてたの!?」

タバサ「教えて」

ルイズ「ちょ、ちょっと待ちなさい、作戦てそんな確証のあるものじゃないし……賭けって言うか……! 実際一度も……」


三人にずい、と押しよられてベッドに倒れ込む。

と同時に戸の向こうからガシャンと何かの倒れる音が響いた。







デルフ「あああああああああああああああああああああ! やっと喋れる! おいお前ら! ていうか青髪のお嬢ちゃん! 人の口をひもで縛るんじゃねえよ! 死ぬかと思ったぞ! つーか何? なんでピンク色のおじょーちゃんはぼろぼろなの? 死にそうじゃねえか!」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 21:06:34.27 ID:mEfKs+XIO<>
インテリジェンス・ソードが何事か喚いている。
あまりの役の立たなさに持ってきていたことすら忘れていた。
ていうか剣のくせに死ぬってどういうことよ。

戸を開くとボロ剣がその姿に似つかわしく、床に転がっていた。

ルイズ「あ、剣。あんたいたの?」

デルフ「ふざけんじゃねええええ! 黙らしといた挙げ句存在まで忘れるってのはどういうことだ、おい!」

タバサ「忘れてた」

デルフ「忘れんな!」

キュルケ「だってあんたうるさいでしょ? ルイズ以上に」

ため息をつき、インテリジェンス・ソードを部屋に引きずり込む。
考えてみればこの剣を持ってきたのもゴジョーを見つける為だった。
ゴジョーが見つかった以上お役ご免も良いところだけれど、僅かな期待を持ってゴジョーの目の前に剣を垂直に突き立てる。

……こう見てもこの剣は古くさくてボロボロで、たとえゴジョーが戦える状態だとしても使わないだろうなと思う。
そもそもゴジョーがボールや自分の足以外を使って戦うところが想像出来ないし、ましてや剣を携えるにはゴジョーのユニフォーム姿は不格好な気がする。

ルイズ「剣、いい? よく聞きなさい。あんた本当ならゴジョーをこうやって見つけた時点でその辺に埋められておしまいなんだけれど、ロシェールで言っていたことに少しだけ期待してチャンスをあげるわ」

デルフ「あん? 見つかった? どいつだ!? お前さん方の話を聞くにゃ、相当な手練れだってんだろ。そりゃそうだろうな、あんまり覚えてないが先代のガンダールヴも屈強な男でそれはそれはいい男だったぜ。どこにいる? そのゴジョーって俺の相棒になる男は!? いやー何を隠そう俺も期待してたんだぜ、だってよ何年ぶりかも分からんガンダールヴだ。さあどこだ! こおおおおい俺のあいぼおおおおおう!」
<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 21:10:41.58 ID:mEfKs+XIO<>
黙っていたのはなんだったのか、堰を切ったようにひたすら喋り倒す駄目剣に辟易しながらも私は目の前を指さす。

ルイズ「いるでしょ、あんたの目の前に」

デルフ「あ……?」

カツンと鍔が一度鳴り響き、止まる。

ルイズ「だから目の前にいるでしょ、ゴジョーが」 

デルフ「え……? も、もしかしてこの見るからにボロボロの貧弱そうなガキ? 魂抜けちまって風が吹いたら飛んでっちまいそうな子供がガンダールヴだ?」

ルイズ「そうよ。ていうかあんたそれ以上ゴジョーを侮辱したらこの場でばらばらにするわよ」

ふざけたことを言うバカ剣を一発蹴りつけ、宣告する。

デルフ「じょ、じょ、冗談きついぜお嬢ちゃん! まあ百歩譲ってお前さんが虚無ってのはいいとしてもこのどう見ても悪役面のヤツがガンダールヴだ!? ジャイアント・モールだってもっとマシな嘘つくぞ。こいつならあの金髪の色男の方がまだガンダールヴらしいぜ」

はい、廃棄決定。

ルイズ「じゃあね、誰かいい人に拾ってもらうといいわね。あと今度拾ってもらったらもっと黙っておいた方がいいわよ」

小さな換気用の窓から剣を放り投げようとしたとき、慌てて弁明する。

デルフ「ま、待て! 悪かった! ごめんなさい! 俺が悪かったです! だから捨てるのだけは勘弁してくれ! いやー、言われてみればなかなか精悍な顔つきで歴戦の戦士って感じだよな! よく見えてなかった!」

ルイズ「次に余計なこと言うと本当に捨てるからね」

デルフ「はい……」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 21:12:17.04 ID:mEfKs+XIO<>
大人しくなったインテリジェンス・ソードを再び床に突き立て、ゴジョーと向かい合わせる。

ルイズ「で、どうなのよ」

デルフ「なにが」

ルイズ「なに? あんた聞いてなかったの? ゴジョーは今記憶と感情が無くなってるの。ガンダールヴの左腕なんでしょ? 何か分からないの?」

ひねくれた剣のことだ。
あえて漠然な質問をしなければ自分の知っていること、分かってることを話さないだろう。
わざわざ連れてきた以上情報を引き出せるだけ引き出してやる。

デルフ「……わからんね。こいつがガンダールヴってのも信じられねぇし、ましてやこんなに弱そうな野郎だとは思わなかったぜ……とはいえ、あんな寂れた仕立屋から連れ出してくれた恩もあるしな」

さっきとは打って変わって真剣な声色で答えるデルフリンガー。

デルフ「どれ、そいつに握らせてみな。あまり期待されても困るが、ちょっとくらいなら何か分かるか、も、な」

ルイズ「ええ」

弛緩しているゴジョーの手をそっと開き、剣の握りの部分に手を当てさせる。
緊張しているのか、私の手のひらはじんわり汗ばんでいた。
恥ずかしいのでブラウスの裾で拭く。

デルフ「あ、言い忘れてた! 分からなくてもポイは無しだぞ! 話し相手がいないっていうのは結構寂しいんだぜ」

デルフリンガーの表情、なんてものは全然わかりはしない。
けれどその声色は恥ずかしさと心細さが含まれていた。

ルイズ「……わかったわ」

デルフ「まあ、お前らが邪魔だって言うなら置いていってもいいけどよ……誰か引き取り手が見つかってからにしてくれねぇか? なんならこの店でもいいからよ」

ルイズ「店の人がいいって言ったらね」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 21:15:22.47 ID:mEfKs+XIO<>
言葉を続けながら私はゴジョーの傷ついた手のひらにデルフリンガーを握らせた。

途端。

剣の鍔が硬く閉じられた。

ルイズ「どう……?」

数秒の空白を置き、私は尋ねるが一向に鍔は開かない。

ルイズ「ちょっと剣? 聞いてるの? 何か分かった?」

デルフ「お、おお……すまねえ。つーか、おでれーたぜ……! こいつ、本当にガンダールヴ『だった』んだな。ふさわしいっちゅーか、歳に不相応というか……身体能力だけなら俺の知ってる中じゃ一番、すげぇ」

戸惑ったように、不規則に鍔が動く。

ルイズ「え、じゃあわかったの?」

デルフ「ああ、コイツは確かにガンダールヴだった。普通じゃ考えられねえが、契約が強引にかき消されてやがる。何か強力な力で、魔法……? いや、違ぇ。かき消されてる訳じゃねえ。お嬢ちゃんの結んだ契約の術式をばらばらにして、『上書き』されてる? そうだ、その通り上書きだ! 契約が、有りえねぇことだが別の新しい契約で上書きされてる」

ぶつぶつとデルフリンガーはうわごとを呟く。

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 21:17:29.17 ID:mEfKs+XIO<>
キュルケ「契約の上書きって……そんなこと出来るの? タバサ」

キュルケの問いにタバサは首を振る。

タバサ「基本的に一度契約がされた以上、別の契約を結ぶ事なんてできないと思う。そんなことが出来るなら皆たくさん使い魔を召還しているはずだし、ルイズのサモン・サーヴァントもコントラクト・サーヴァントも効果がなかったことから間違いない……と思う」

珍しくタバサは歯切れの悪い物言いで答えた。
それはデルフリンガーの言うことが私たちに捨てられないために言っているんじゃなくて、理屈として『有り得る』かもしれない可能性を示唆しているからだった。

事実は事実として受け止めなくちゃならない。
タバサがNOと答えると言うことは史実には多分書かれてはいない、つまりはこれまでのトリステインで起こったことはない。

でも目の前でゴジョーが記憶を失ってることは確かだし、ゴジョーがハルケギニアに召還されたこと自体が普通じゃ考えられないことなのだ。
あらゆる想像力を働かせなければ、ゴジョーを助けられない。

ルイズ「誰かの魔法でゴジョーの記憶が封じ込められてるってこと?」

デルフ「……こりゃ魔法じゃない。術式が魔法とは根本的に違う全くの別物だな。似ているとすれば、魔法より先住魔法だ。なんだってこんなもんが腹ん中に巣食ってやがんだ?」

キュルケ「先住魔法……東方の魔法」

デルフ「あくまで似てるってだけだ。お前らの使う魔法と違って向こうの奴らの魔法は無茶苦茶に強力だろう?」

強力だろう? と言われても見たことがない以上頷くしかない。

ルイズ「あんた、なんで先住魔法のことなんか分かるの?」

デルフ「え? あ、いや、なんでだろ!? 分かんねぇけど、知ってたんだろ」

ルイズ「……」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 21:19:53.15 ID:mEfKs+XIO<>
デルフ「とにかくこのがんじがらめの術式を解いた後に、もう一回術式を整えなきゃコイツの記憶ってやつも戻らんだろーな。と言っても普通の魔法じゃ無理だ、もっと強力な魔法じゃねえと」

ルイズ「先住魔法、じゃない」

ゴジョーは『チキュウ』から来た。
先住魔法にかかってるとは考えにくい。
それよりも、元々の世界で何らかの魔法をかけられたままハルケギニアに召還されたと考える方が自然だ。
ほぼ互角だったワルドを圧倒的な力で葬り、あのゴジョーでも追いつけないほどの速度と力で戦場を蹂躙したキドーを倒すほどの力。

想像の域を超えないけどゴジョーの世界にも、こっちの魔法のような普通の人間には扱えない特別な力があるんじゃないだろうか?
馬車より速く進むジドウシャや風石を使わずに空を飛ぶヒコウキもあるのだから、人間の限界を無理矢理引き出すような物があってもおかしくない。

そしてゴジョーは言っていた。
『犠牲を無くしては何も成せない』と。
ヘブンズ・タイムが鍵となって、限界以上の力を引き出す。
代償として記憶と感情を失ってしまう。

それがゴジョーの『能力』。

ルイズ「多分……ゴジョーの世界にはそういう力があるのよ。元々の能力か後から身につけたものか分からないけど」

フーケ「ま、その方が理屈として通ってるかもな。あいつがまともにそんな魔法にかかるとも思えねぇし……契約の上書き。馬鹿馬鹿しいが違う世界から来たって方が無茶苦茶だろ?」

<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 21:23:27.63 ID:mEfKs+XIO<>
それで、とフーケは続ける。

フーケ「どうすんだピンク色。この喧しいインテリジェンス・ソードの力で原因はほぼ分かった。だが結局のとこ、解除方法なんてこの世界にあるのか? これならよっぽど東方の先住魔法のがよかったぜ」

ルイズ「……わからない、けど見つける。見つけなくちゃならないの」

先住魔法なら『この世界』のものである以上、何らかの情報を持っている人間がいたと思う。ほぼ情報が無いとはいえ、それは『ゼロ』じゃない。
だけどゴジョーの世界のもので、尚且つゴジョーの封じ込められた記憶を取り戻す方法なんてあるんだろうか?

結局、原因が分かったところで袋小路からは出られない。

ルイズ「今日はとりあえずここで休みましょう。アルビオンから出ないことには何も始まらないわ。フーケ、ここにベッドは幾つあるの?」

フーケ「ベッド? あー確か、五つだったかな。言っておくがあたしのベッドは譲らねぇからな。下の兄ちゃんが一つ使って、残り三つはテメェらで勝手に分けな」


……数が足りないってことね。


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<> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/07/23(土) 21:28:18.21 ID:mEfKs+XIO<>
ここまでです。
細かい挨拶は抜きとして、また近いうちに投下します。

待ってくださる皆さんに投下時期を伝えられないのが本当に心苦しいですが、時々で良ければのぞいてやってください。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/23(土) 21:53:12.99 ID:FmBWWNVIO<> 乙です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/07/23(土) 21:57:08.80 ID:1fIBZ3eno<> 乙乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/07/24(日) 00:39:33.84 ID:kiGHmLVAO<> きっ………期待せずに待つんだからっ……………///// <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/24(日) 12:25:17.65 ID:dwpdW9QDO<> 最大級の乙! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/07/24(日) 12:31:50.60 ID:13sO7hJCo<> 乙乙

そういえばWiiのソフトの公式サイト
http://www.inazuma.jp/strikers/movie02/
動画を35万回再生させるとGOの五条さんの画像が見れるようになるらしいね
十年後の五条さんって・・・・あんまり変わっていなさそうだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<><>2011/07/24(日) 20:20:05.78 ID:Gmp9LShf0<> 最高峰の乙を贈るぜ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/24(日) 22:27:41.50 ID:dwpdW9QDO<> >>894
まぁ、半数以上のニコ厨やVIPPER達はもう五条さんのことは覚えてないだろうね……。
そのホームページ見て公式が俺らに媚びたとか言ってあいつら叩いてるんじゃね?
でも五条さんでイナイレに興味持ってアニメDVD全部借りて見たりゲームもわざわざDS本体買って全作プレイした俺がいるくらいだから間違いなく
五条さんはイナイレを盛り上げた偉大な看板キャラになったのは言うまでもないよね。
今度の新作にもし五条さんが出るならとびっきりの強キャラにしてほしい。
もとは一モブキャラだから設定の後付けはし放題だろうし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/25(月) 16:11:16.96 ID:uEvxIcuAO<> 忘れそうな頃に来てみるといい感じね
お疲れ様です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)<>sage<>2011/07/25(月) 19:04:57.04 ID:ChsocSwc0<> >>1降臨!乙です! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/26(火) 23:12:53.98 ID:mFCFHa4SO<> おつ!1大好き!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/07/28(木) 14:44:51.71 ID:orqg9Ro+0<> 超期待している 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)<>sage<>2011/07/28(木) 22:49:00.51 ID:rqyBhw+1o<> 10年後の五条さん来た
http://www.inazuma.jp/strikers/movie02/popup/images/06_img01.jpg <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(茨城県)<><>2011/07/28(木) 22:49:18.13 ID:pBVvvRbN0<> >>894
さっき見たら未来の五条さん解禁になってた
顔は殆ど変わってないけど…ちょ、五条さんwwwwロンゲwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/28(木) 22:54:37.37 ID:oocGtMNvo<> 五条さん横顔素敵過ぎる…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/28(木) 23:50:22.70 ID:4UIVMe/DO<> 大物の風格が滲み出てるな…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2011/07/29(金) 05:21:57.45 ID:CEf9t8hAo<> 何故髪伸びたしwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県)<>sage<>2011/07/29(金) 07:51:42.47 ID:W1Jjso1Q0<> 他のキャラ見ると結構みんな髪伸ばしているよ
未来じゃ髪伸ばすのが流行っているのだろうか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/30(土) 06:43:29.99 ID:qIC5ZYADO<> >>901
やだ…かっこいい…完全にボスじゃん

五条「あまり私を嘗めていると狂わせますよ…純粋に…!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/30(土) 06:53:20.93 ID:hpD/ueVYo<> >>901
なんか昭和に流行った髪形みたいだなww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2011/07/30(土) 07:00:59.30 ID:uNyApGsto<> 大人の五条さんなにか物足りないと思ったら
トレードマークともいえる前髪のくるりんが髪のボリュームアップで弱くなってるんだ

>>906
確かにみんな髪長くなったり、前より増えたりで減ったようなキャラいない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/08/01(月) 15:35:06.52 ID:RwgPZ/aAO<> 五条さん完全に脇役のそれじゃないじゃん


風格がパネェ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)<><>2011/08/01(月) 17:57:57.25 ID:p2ZxjTwA0<> 久しぶりにSS速報きたんだが五条さんが学園都市に行くSSどうなったんだ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/08/01(月) 18:44:41.13 ID:k5hLVuFDO<> >>911
今年の2月を最後に突然、失踪してしもた(:ω;)。
文章から察するに何の予兆も無くエタる人
じゃないみたいだから死亡説が…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)<>sage<>2011/08/02(火) 01:55:54.85 ID:7LKWaD+AO<> >>912
ちょうど震災辺りに音沙汰なくなったもんな・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/08/05(金) 19:12:58.02 ID:XiTq8CWIO<> >>913
辻褄が合うな
すごい好きだったんだけどなあのSS <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/08/05(金) 22:47:18.56 ID:FjPfnxjco<> 最後のレス
>889 :五条ファン ◆APKLrJzDFw[saga]:2011/02/23(水) 01:03:21.67 ID:4lAAHg7+o
>投下が遅れまして誠に申し訳ございません
>お察し頂いております通り少々私事にて多忙が続いており、疲労のせいか、筆を執ってもいまいち面白い文言が走りません
>脳が痛ェ、頭痛が痛い
>
>大変お待たせ致しますが、今週の日〜来週の月曜までには確実に投下を行えるかと思いますので、今暫しお待ち頂ければ幸いです

震災前から悩んでたみたいだから飽きて止めたor突然死のどっちかだな
脳が痛いは死亡フラグでもある <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/08/09(火) 00:26:29.02 ID:Jt0UTTIIO<> >>915
惜しい人を無くしたな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2011/08/09(火) 02:08:36.84 ID:95vaLhXAo<> 信じようよ・・・五条さんならきっとそうする <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)<>sage<>2011/08/09(火) 21:40:49.35 ID:uu9t7/Pro<> >>916
勝手に[ピーーー]な <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)<>sage<>2011/08/12(金) 16:50:17.03 ID:+EPtXJdAO<> ゼロ魔の作者ってどうなった?癌だったらしいけど。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/08/12(金) 18:42:21.97 ID:WBuVcs9/o<> 一応手術成功したらしいよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<><>2011/08/27(土) 21:56:02.41 ID:xmCBOB5ao<> 8月も終わるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2011/08/27(土) 21:57:44.39 ID:xmCBOB5ao<> sage忘れごめん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/08/31(水) 04:25:54.22 ID:V97HpTfAO<> 許しませんよヒヒヒ
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)<>sage<>2011/09/09(金) 00:15:57.41 ID:145YaWNAO<> 久々に見にきたがまだか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/09/24(土) 16:53:07.93 ID:Smh2ISHlo<> マジで作者死んでしまったん? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/09/24(土) 20:21:10.49 ID:MHj7162Zo<> 飽きたんだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/09/24(土) 22:04:26.78 ID:dvUJF1vAO<> 待ってるよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/25(日) 11:12:21.22 ID:jv26CYEho<> 久しぶりに最初から読んできたけどやっぱり面白い
飽きてしまったんならしょうがないけど、また来てくれるとうれしいな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/10/09(日) 00:26:06.12 ID:+N389enAO<> >>928
チクショウ
また全部読んじまった
明日模試だよ時間返せ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/13(木) 21:43:04.04 ID:M/DTMkESO<> まだかなまだかな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)<>sage<>2011/10/16(日) 22:43:24.94 ID:VkzcvtSt0<> やっと追いついた!
面白かったです!

次話、のんびり待ってます! <> 超睡眠不足
◆iWWkeimE2w<>saga<>2011/10/17(月) 08:32:20.17 ID:IPooQsRco<> 今月中になんとか切りの良いところまで書き終わりたいです

書く気はありますので……勝手ですがもう少々お待ち下さい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/10/17(月) 09:25:58.98 ID:EnAu8a/6o<> 待つさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<><>2011/10/17(月) 11:23:39.89 ID:vNPEfKhAO<> 待つし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/17(月) 13:33:47.67 ID:3JG6NKKko<> 待ちす <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>saga sage<>2011/10/17(月) 18:36:17.52 ID:csAl0fLAO<> ならば待つだけだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/10/18(火) 18:19:07.19 ID:UyL10AgK0<> 存分に書けえええええええええ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/10/18(火) 21:10:52.60 ID:l1OQeKfAO<> ホトトギス <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県)<>sage<>2011/10/23(日) 19:35:09.17 ID:irK0NmG7o<> 生きてた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/10/29(土) 17:57:39.37 ID:8Eg/UpA9o<> 生きてたのか! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/10/30(日) 17:35:05.40 ID:mJoAYkzAO<> 今月終了まで
あと1日と6時間25分 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/30(日) 19:15:02.23 ID:1ElEtEoyo<> >>932は成りすましだったのか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/10/31(月) 23:58:46.54 ID:gFogTrHAO<> 1分 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西・北陸)<>sage<>2011/11/02(水) 04:09:04.40 ID:JeFGDCdAO<> 俺らみたいに待つだけの暇人じゃないんだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県)<>sage<>2011/11/12(土) 16:12:00.95 ID:KilR6Q+p0<> もう950近いじゃないか  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県)<>sage<>2011/11/15(火) 22:47:56.22 ID:1k/ms6izo<> またやってるぞ
ttp://www2.inazuma-movie.jp/ranking/
俺は今回も五条さんに入れる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 22:55:31.52 ID:m7mVA6Ueo<> 1位10009票 五条勝
2位2231票 牙山道三

くっそwwwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/11/16(水) 09:48:24.05 ID:mi5hWf8fP<> 久しぶりに一日一五条がはじまるのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/16(水) 13:05:47.01 ID:vpdguOdQo<> 腐女子発狂だなwwwwww
きっとこの結果が出る頃には>>1も戻ってきてくれるさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東海)<>sage<>2011/11/16(水) 13:53:09.02 ID:fpKcAiMAO<> これでまた五条SSが増えるな
禁書クロスもかえってこないかなぁ(チラッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/16(水) 21:26:30.18 ID:ktCELO6DO<> 一日一条、五日で五条 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関西・北陸)<><>2011/11/16(水) 22:33:40.53 ID:Bk71NdbAO<> >>951
三十年近く続けたら万条か……… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関西・北陸)<>sage<>2011/11/21(月) 23:13:09.66 ID:UeI9YyAAO<> 相変わらずのランキング帝王っぷり
イケメンだな五条さん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/22(火) 03:03:59.87 ID:f6FziccNo<> >>950
まじで帰ってきて欲しい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/24(木) 23:51:13.03 ID:o2Y6BogSO<> ずっとさがしてた…!!! <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 22:43:37.71 ID:BS4UfysXo<> 五条さん強いなあ <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/18(日) 18:38:00.17 ID:FYzyoKn00<> やっと見つけた
続き待ってます <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/25(日) 15:59:10.44 ID:zOPKekzAO<> もう一年経ったのか……… <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 20:46:00.90 ID:6XO1Ev7E0<> 五条さんの声ェ…
あの声で「願わくば〜」とか言われてもな… <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/28(水) 00:17:46.59 ID:g0d8Tr+Xo<> 映画の五条さん、暗黒面に落ちててびっくりしたわwwwwww <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/28(水) 23:48:14.64 ID:DXOvH7vIO<> 五条さん貫禄の一位 <> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/02(月) 01:54:07.86 ID:0FpAqq6Zo<> あけましておめで五条さん <> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/02(月) 18:37:29.67 ID:piMtrvMFo<> ことしもよろし五条さん <> 以下、あけまして<><>2012/01/04(水) 16:35:56.44 ID:LRnoQgLAO<> あと一年でも二年でも待つよー <> 5乗鋼<><>2012/01/04(水) 17:12:24.49 ID:S91wkBZf0<> 待たされている 75kgエンジン 買えない
厚さ3.2mmよりも 3.5mm・3mmの方が賢い選択

blue eyes white dragon ☆7 At 3000 Df 2500 光属性 ドラゴン族
 最も多いノーマル・カード その暴虐は世界を蝕み 大いなる邪悪を呼ぶ <>