◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/18(金) 22:09:04.49 ID:t9Ghw2KNo<>

このSSは、とある魔術の禁書目録に出てくるキャラクター、一方通行(アクセラレータ)を中心とした
もうあまりほのぼのとは言えない感じの二次創作物です。



一方通行「フラグ･･･ねェ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285654962/

↓

一方通行「フラグ･･････なのかァ？」　　風斬「そうですよ！」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1289310136/

↓

一方通行「フラグ･･････じゃねェだろ」　　エイワス「まだそんな事を言っているのか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294928027/

↓

一方通行「フラグ･･････だろォな」　　垣根「ち･･････くしょ･･････う」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1295564748/

↓

一方通行「フラグだと？　って事ァ」　　レッサー「私はあなたが好きって事です♪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298041227/




上記のスレからの続きとなっています。もしお暇でしたら、ご一読を。


以下、留意点など。


・投下は基本的に三日おきです、多分。そしてかなり気まぐれに投下するので質悪いです。
・第三次世界大戦は終結。その後のお話です。
・キャラ崩壊しまくりな上に、設定も弄りまくっています　←これ一番重要、ご注意ください。
・地の文が多めになってきました。
・書き溜めはありますが恐らく速攻で尽きます･･････


<>一方通行「そンなフラグはヘシ折ってやる」　　ヴェント「･･････あ？」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<><>2011/03/18(金) 22:10:04.52 ID:O1JFlc0Oo<> 次スレキターーーー <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/18(金) 22:10:07.34 ID:t9Ghw2KNo<>

Q.　この二次創作はどんなジャンル？

A.　独自の解釈にお任せします


Q.　このキャラの組み合わせは需要がない！

A.　需要とは求めるものじゃない、育むものだ


Q.　>>1の他の作品も読んでみたい

A.　これが初めての二次創作。　だが実は一方通行×白井黒子のSSを書くだけか書いてお蔵入りにしてる


Q.　>>1にとってこれを読んでくれている人、覗いてきてくれる人とは？

A.　神ならぬ身にて天上の意志に辿り着くもの


Q.　あのキャラ出てこないの？　このキャラ出てこないの？

A.　主要キャラ以外の科学サイドキャラはそこまで出ないかもしれない･･････


Q.　エロシーンは無いの？　もっと濡れ場を！

A.　この文章力で書くエロが見たいのかと


Q.　矛盾多過ぎ、無茶設定多過ぎ

A.　初SSなのでそこは見逃してください･･････

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/18(金) 22:10:42.50 ID:iDhelYfDO<> 2getォォォォォォォォォ！！！！！！！！！！！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/18(金) 22:12:06.96 ID:re3UkOnPo<> いィィィィィィィィィィち乙ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン！！！！！！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/18(金) 22:13:20.84 ID:t9Ghw2KNo<> と、いうわけで前スレの垣根帝督サイドのお話はここまでです。

エイワスみたいなチート野郎に『殺す』とか言われたら逆に生存フラグですよね。
これは垣根帝督、今回は死亡フラグを建てずに済んだのではないでしょうか？


さて、次回は一方通行サイドなんですが･･････････････････。


非常に見苦しいキャラ崩壊が盛りだくさんです、ご注意ください！

それでは、早いもので6スレ目ですがよろしくお願いいたします。

ありがとうございました！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2011/03/18(金) 22:16:26.88 ID:47M1rwOj0<> この一方通行さンって人はすげェかっこいい人なンだなァ <> ＶＩＰにかわりましてＮＩＰＰＥＲがお送りします<>sage<>2011/03/18(金) 22:16:54.78 ID:ZzZuldL60<> 1000取りにだれもいかねえｗｗｗｗ <> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/18(金) 22:17:26.29 ID:t9Ghw2KNo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『え、なに。　アンタらキスとかしてんの･･････？』
―――――――――――ローマ正教、禁断の組織『神の右席』の元一員・『前方』のヴェント




『してねェェェェェェェええええええええええええええええ！！！！！
　断じて、神に誓って、ガブリエルに誓って言うがしてねェよ！！！』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




『何言ってるんですか♪　プレッシャーキスでもキスはキスですよ』
―――――――――――魔術結社予備軍『新たなる光』の構成員・レッサー




『ぷ、ぷれっしゃ･･････？　何、それ、重圧接吻って何･･････？』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・風斬氷華




『プレッシャーキスの検索結果、約 312,000 件 （0.16 秒）』
―――――――――――元『殲滅白書』の魔術師・サーシャ＝クロイツェフ



<> ＶＩＰにかわりましてＮＩＰＰＥＲがお送りします<>sage<>2011/03/18(金) 22:19:19.00 ID:ZzZuldL60<> 次回予告が相変わらずの面白さｗｗｗｗ
そして・・・前スレ>>1000!!　よくやった!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/18(金) 22:21:36.01 ID:aPU1+YSf0<> 前スレ>>1000
ワシリーサの悲願が……ｗｗ

プレッシャーキスの検索結果、約 473,000 件 （0.04 秒）
google調べ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/03/18(金) 22:24:28.24 ID:Kcl/FCXko<> 乙

何時何処で検索したんだよサーシャｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/18(金) 22:32:09.59 ID:Qq1kqGVuP<> 乙
スレタイワロタｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/03/18(金) 22:43:17.09 ID:P2lD+D8Z0<> プレッシャーキスと聞いて罰ゲームを想像したが、違うのか
衆人環視の無言の圧力の中ムリヤリキスをさせられるような、そんなのかと思ったぜ

風斬「……」
レッサー「……」
サーシャ「……」
オルソラ「……」

一方通行(ﾉ_-;)ﾊｱ…
ヴェント(#ﾟﾛﾟ#) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/03/19(土) 00:17:06.82 ID:eh1i8FzC0<> オルソラさんは初めてだったらしいが一方さんの初めては誰なんだろ？

バキュームキスってキスに含めていいもんなんだろうか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県)<>sage<>2011/03/19(土) 00:34:00.22 ID:vtwzobQa0<> >>1乙なんだよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2011/03/19(土) 03:58:50.86 ID:VPsjzrlRo<> 折ってええんか！もやし！

>>1乙 <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 18:55:20.81 ID:8Z7zxcVeo<> こんばんわ、>>1です。
今日は投下できないと思ってたのですが時間が少し空きましたので投下します。

新スレ最初の投下は一方通行サイド、ショッピングですね。
ていうかあんまりショッピングしませんけどねｗｗ申し訳ないことに･･････


今回は本当にキャラが崩壊しまくりですので苦手な方は注意を！
とはいえこのSS、初っ端でミーシャがキャラ崩壊してますから今更感ありますけど

一方通行とヴェントはジェットコースターを楽しんだ後、三人が待つ飲食店へ戻ってきたのでした。


それでは、いきましょう。よろしくお願いいたします。 <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 18:56:32.69 ID:8Z7zxcVeo<>

――ロシア東部の原野　実験都市　ショッピングセンター　とある飲食店


店員「いらっしゃいませ〜。　何名様でしょうか？」

一方通行「何名サマっつーか、連れがここに来てるはずだ。
　　　　　頭悪そォなガキとメガネの女と金髪のチビ」

店員「･･････。　ああ、失礼いたしました。　こちらです、どうぞ」ｽﾀｽﾀ

ヴェント（今ので通じんのかよ･･････）ｽﾀｽﾀ



レッサー「おっそーーーーーい！！！」ﾄﾞｷﾞｬｰ

一方通行「うるせェよマセガキ。　いい子にお留守番してたかァ？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

レッサー「･･････頭撫でてごまかそうとしないでください」ﾎﾝﾜｰ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 18:57:47.66 ID:8Z7zxcVeo<>

サーシャ（と、言ってる割にはご満悦な表情･･････）

風斬「あの･･････荷物、ありがとうございました」ﾍﾟｺ

一方通行「構わねェ。　荷物は全部郵送サービスで独立国同盟に送っといたからな。　明日には届くだろ」

サーシャ「第一の解答ですが、了解しました」

ヴェント「ちょっと寄ってよ」

風斬「あ、ごめんなさい･･････」ｽﾞｲｯ

一方通行「はァ〜疲れた･･････」ﾄﾞｶｯ

サーシャ「第一の質問ですが、ずいぶん時間を掛けてますね。
　　　　　何かあったのですか？」

ヴェント「････････････」


<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 18:58:29.90 ID:8Z7zxcVeo<>

一方通行「あァ？　別に何もねェよ。　俺ァ杖ついてるからな、それで時間食っただけだ」

レッサー「杖ついててもこんなに時間掛かるような距離じゃないはずなんですがねえ〜･･････。
　　　　　な・ぜ・か、ヴェントさんも同行してるしい･･････」ｼﾞﾄｰ

ヴェント「チッ･･････」

一方通行「何詮索してやがンだボケ。　別にどォだっていいだろォが」

風斬「そういえば何でヴェントさんも着いていったんですか？
　　　急に居なくなっちゃうからびっくりしちゃって･･････」

ヴェント「いや･･････別に、」ｵﾛｵﾛ

一方通行「何言ってやがる、コイツは俺に着いてきてねェぞ？」

ヴェント「！」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 18:59:39.35 ID:8Z7zxcVeo<>

レッサー「え？」

一方通行「俺は一人で荷物預けに行ったンだ。　ンでここに戻る時にヴェントと合流したっつー事。
　　　　　そォいやオマエどこ行ってたンだよ？」

ヴェント「え、･･････････････････。　べ、別にどこでもいいでしょ」

レッサー「ホントですかぁ？　なーんか怪しいですねえ」ｼﾞﾛｼﾞﾛ

一方通行「俺を疑ってンのか？」

レッサー「いえいえ！　ただ一方通行さんがヴェントさんに浮気してどっかで遊んできた、
　　　　　なんて可能性も無いわけではないですからね」ﾆﾋﾋﾋ

ヴェント「は、･･････はぁ？　浮気ってどういう意味よ？」ｶﾞﾀｯ

風斬「？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:00:27.56 ID:8Z7zxcVeo<>

サーシャ「第一の私見ですが、説明を要求します」

レッサー「そんな畏まって話すようなことでもないですよ？　ね、ダーリン」ﾊｧﾄ

一方通行「」

ヴェント「だ･･････、」

風斬「ダーリン･･････だと･･････？」

サーシャ「･･････？　第二の質問ですが、お二人はそういう関係で？」

レッサー「そうですよ？　あれ、言いませんでしたっけ？　ていうか見てればわかるでしょ？　ほらほら」ｽﾘｽﾘ

一方通行「頬をなすりつけてくンな･･････！！」ｺﾞﾂﾝ

レッサー「ぐへっ」ﾄﾞｻｯ

風斬（こ、これは･･････レッサーからの宣戦布告とみなしていいのかな･･････）ｷｭｲｲｲｲﾝ

サーシャ「風斬氷華、目が虹色に輝いていますが」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:01:08.42 ID:8Z7zxcVeo<>

一方通行「オイ、こンなアホの戯言を真に受けてンじゃねェぞ」

レッサー「いたたた････････････」

風斬「（やっぱり冗談･･････だよね？）　そ、そうですよね。　もう、驚かさないでくださいよ」ﾎｯ

レッサー「戯言！？　私の唇を、ファーストキスを奪っておいてー！」ﾑｷｰ

一方通行「」

風斬「！？！！？」ｶﾞﾀｯ

ヴェント「き、キス･･････？///」

サーシャ「わーお･･････」

一方通行「ふっざけてンじゃねェぞこのクソガキがァ！！　あれはオマエからしてきた事だろォが！！」

風斬「！！！！！？？？？？？？？！！！！！！！？？？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:01:45.19 ID:8Z7zxcVeo<>

一方通行「･･････あ、いや違う、そォじゃなかった。　よつばまちがえた」

サーシャ「あなたはよつばではなく、一方通行では？」

一方通行「あァ、そォ･･････いや、そォいうンじゃなくて」

ヴェント「え、なに。　アンタらキスとかしてんの･･････？」

一方通行「してねェェェェェェェええええええええええええええええ！！！！！
　　　　　断じて、神に誓って、ガブリエルに誓って言うがしてねェよ！！！」

レッサー「何言ってるんですか♪　プレッシャーキスでもキスはキスですよ」

風斬「ぷ、ぷれっしゃ･･････？　何、それ、重圧接吻って何･･････？」

一方通行「オマエマジでふざけンな本気でブチ殺されてェかァ！！！？」ｶﾞﾀｰﾝ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:02:32.03 ID:8Z7zxcVeo<>

ヴェント「････････････あ、アンタ。　さっき彼女とかはいないって私に言ったわよね？」

一方通行「あァいねェよキスもしてねェよ俺の言ってる事に嘘偽りは一切ねェと断言出来る！！！」

サーシャ「プレッシャーキスの検索結果、約 312,000 件 （0.16 秒）」ﾋﾟﾋﾟｯ　ﾋﾟｯ

一方通行「オマエ何半公開型ARでググってンだよ！？」

風斬「ど、どういう事なんですか･･････？　どっちが本当の事を言ってるの･･････？」ﾜﾅﾜﾅ

一方通行「！！（クソ、この手の話題になると風斬は『なぜか』激しく動揺しちまう！！
　　　　　このままじゃ昨晩の二の舞だぞ一方通行ァァァァァァ！！！！！！！！）」

一方通行「バカ野郎、風斬！！」ﾄﾞﾝ

風斬「ひっ」ﾋﾞｸｯ

一方通行「この腐れメスガキの性格考えろ！！　コイツはいっつもこンな風に冗談言って
　　　　　俺たちをからかうよォな女だろォが！！　考えろ！！！」

サーシャ（何でこんなに必死になって否定するのだろう･･････）

ヴェント「キス･･････、キス･･････///」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:03:31.96 ID:8Z7zxcVeo<>

風斬「え、えと･･････でも････････････」ｵﾛｵﾛ

一方通行「このバカは俺をどォにかして陥れてからかってやろォって算段なンだよ！！
　　　　　だから真に受けるンじゃねェ！！（泣くなよ、泣くなよ頼むからァァァ）」

風斬「そうなんですかレッサー･･････？」

レッサー「ち、違いますよ。　私は本当に――――」

一方通行「オマエもう喋ンな頼むから！！！　ていうかいい加減に白状しろォ！！
　　　　　俺とオマエにそンな接点ねェだろォが！！」ｾﾞｰﾊｰ


店員「あ、あのお客様･･････、他のお客様のご迷惑になりますので･･････」

一方通行「黙ってろ！！　オマエも愉快なオブジェに変えてやろォか！！？」

店員「すんませんっした」ﾋﾟｭｰﾝ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:04:11.47 ID:8Z7zxcVeo<>

サーシャ「第三の質問ですが、どうかしましたかヴェント？　顔が真っ赤ですよ？」

ヴェント「う、うるさい。　今ちょっと話しかけないで･･････///」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

一方通行「つかそンなに言うなら証拠見せろ証拠！！　物的証拠をよォ！！
　　　　　それが無い＝俺とオマエにそンな関係は無い、ほらこれで『Q.E.D.』だァ！！」ﾄﾞﾄﾞｰﾝ

風斬「あ、一方通行さん、ちょっと落ち着いて･･････」

一方通行「ぜェ･･････ぜェ･･････、はァ･･････（よ、よし･･････とりあえず泣き出す気配はねェな）」

サーシャ「第二の私見ですが、とりあえず冷たいドリンクでも飲んで落ち着いてはどうでしょう」

一方通行「あ、あァ･･････そォだな。　すまねェ･･････つい取り乱しちまった･･････」ｾﾞｪｾﾞｪ

風斬「････････････。　･･････、？　レッサー･･････？」

一方通行「あァ？　マセガキ、まだ何か言いてェ事が――――」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:04:44.90 ID:8Z7zxcVeo<>



レッサー「････････････ひっく。　ぐすっ、うううう････････････」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ




一方通行「」

サーシャ「れ、レッサー？」

風斬「レッサー、どうしたんですか･･････！？」

一方通行（おいいいいいいいいいいィィィィィィィ！！！？　今度はこっちかよォォォォォ！！！？）

ヴェント「････････････」ﾎﾞｰｾﾞﾝ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:05:22.84 ID:8Z7zxcVeo<>

レッサー「うぅ、うううう･･････。　そんなに･･････ひっく、否定しなくてもいいじゃないですかぁ･･････」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

一方通行「ひ･･････、ひ、･･････」←『泣く女』がすっかりトラウマになった男

サーシャ「一方通行･･････？（なぜ怯えてる？）」

風斬「レッサー、大丈夫ですよ。　ほら、これで涙を･･････」ｽｯ

レッサー「･･････うっく、ぐす。　ずびばぜん･･････うゆ、うぅぅぅ･･････」ﾌﾞﾋﾞｰ

一方通行「お、オイ･･････大丈夫か･･････？」ｵﾄﾞｵﾄﾞ

レッサー「私は･･････、っく。　真剣に･･････あなたが好きで･･････ひっく、うう･･････」ｸﾞｽｯ

一方通行「い、いやでもあれはよォ･･････（か、垣根。　エイワス、三下、浜面、だ、誰でもいい、
　　　　　誰か俺を導いてくれ･･････ララァ･･････！！）」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:06:44.41 ID:8Z7zxcVeo<>

レッサー「そんなに･･････私のこと、嫌いですか･･････？」ﾁﾗｯ

サーシャ（見事な上目遣い･･････、涙目効果も重なり効果は抜群といったところ･･････）

一方通行「う、ぐ･･････！！　そ、そォは言ってねェだろ･･････」

レッサー「じゃあ好きなんですか？」ｹﾛｯ

一方通行「いやそォでもないっつーか･･････」

レッサー「･･････ぐすっ、うああああああああん････････････」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

一方通行「うゥ･･････！！（まずい･･････周囲の視線もかなり痛くなってきやがった･･････！！
　　　　　風斬も『どうなんだよ？　あ？』みてェな顔してやがるし･･････なンでだよ･･････）」

風斬「あ、一方通行さん･･････」ｵﾛｵﾛ

ヴェント「･･････････････････（こういう時、どういう顔をすればいいか分からない･･････）」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:07:45.71 ID:8Z7zxcVeo<>

一方通行（落ち着け･･････『KOOL』になれ、前ば･･････じゃねェ、一方通行･･････！！
　　　　　多分、恐らくだが今回もこの件は俺に非があるンだ･･････。
　　　　　風斬の時はどォした？　確か『オマエの側から離れねェ』的な事を言ったはずだ。
　　　　　ンで頭撫でてやって･･････。　･･････しかし今回もそれで乗りきれるとは思えねェ･･････！！
　　　　　クッソ、どォしてこォなった！！？　俺はどォしたらいいンだ打ち止め･･････！！！？）



？？？『大丈夫だよ、あなた。　ってミサカはミサカは励ましてみる』



一方通行「！！？　（頭に声が･･････！？　いや、心に･･････！？　こ、これは･･････）」

？？？『あなたが思ったとおりにすれば、きっと終わりが見えてくるよってミサカはミサカは応援してみたり！』

一方通行（ら･･････、打ち止め(ラストオーダー)･･････か･･････！！？）

？？？『ううん、違うよ。　ミサカは打ち止めじゃないよってミサカはミサカは否定してみる』

一方通行（なンだと！？　しかしその口調、その声は間違いなく･･････！！）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:08:41.29 ID:8Z7zxcVeo<>


打ち切り『ミサカは「打ち切り(ジ・エンド)」っていうの、ってミサカはミサカは自己紹介してみる！
　　　　　もうこんなめんどくさい修羅場なんか放っておいて、どこか遠いお国に高飛びしちゃえ
　　　　　ってミサカはミサカはあなたにアドバイスを送ってみたり！』



一方通行「それ一番やっちゃダメだろこの偽物がァァァァァァァァァァァァァ！！！！！！！！！！！！」ｶﾞｼｬｰﾝ

風斬「！？」ﾋﾞｸｯ

レッサー「！？」

サーシャ「！？」

ヴェント「な、何よ急に！？」

一方通行「･･････ハッ！！？　はァ･･････はァ、･･････げ、幻聴･･････いや幻想か･･････」ｾﾞｪｾﾞｪ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:09:53.12 ID:8Z7zxcVeo<>

風斬「び、びっくりした･･････」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

一方通行（やべェ、本格的に頭おかしくなってきた俺）

レッサー「･･････････････････」

サーシャ「第三の私見ですが、とりあえず座ってください」

一方通行「･･････････････････」ﾍﾟﾀﾝ

ヴェント「････････････で、どうなのよ？」

一方通行「･･････あ？」

ヴェント「き、き･･････キス、したの？　してないの？///」

一方通行「･･････････････････････････････」


　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　ﾌﾟﾂﾝ




一方通行「今夜のご注文はドッチ？　ってかァ？　ひひ、ひゃはははははははははははは！！！！！！！」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:10:59.69 ID:8Z7zxcVeo<>

風斬「あ、一方通行さん･･････？」

一方通行「く、ひひ、ぎゃは、ひゃはは、カカ、コカキ、コココココ････････････」ｶﾞｸﾝｶﾞｸﾝ

サーシャ「第四の私見ですが、どう見ても壊れていますね」

ヴェント「壊れる前にさっさとゲロしろテメェ！　どっちなのよ！？」

一方通行「したよ」

風斬「」

レッサー「！」

ヴェント「･･････ほ、ホントに･･････」

一方通行（もうどォにでもなァーれ）ｼｬﾗﾝﾗｰ

レッサー「ふっふっふ！　やっと認めてくれましたね！　それでこそ第一位です！」ｹﾛｰﾝ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:11:40.72 ID:8Z7zxcVeo<>

風斬「え、本当にしたんですか･･････？」

レッサー「まぁ、このままではさすがに一方通行さんが可哀想ですのでネタばらしをしますが、
　　　　　彼の言う通り私が一方的にチューしただけですよ♪」

風斬「それ結局同じことじゃないですかー！！！」ｶﾞﾀｰﾝ

レッサー「だから風斬さんには先に忠告したじゃないです･･････、ふにゅ！？」

風斬「うー･･････！　うー！　うーうー！！」ｳﾙｳﾙ

一方通行「風斬ィ、そのうーうー言うのをやめなさいっていつも言ってるでしょ、ってかァ？
　　　　　ひ、ひひひひひひひひひひ････････････！！！」ﾌﾗﾌﾗ

レッサー「ほ、ほっぺたひっふぁらないで･･････」ｸﾞｲｸﾞｲ

風斬「レッサーのバカ･･････！！　バカバカバカバカ！！！！」ｸﾞﾆｭｸﾞﾆｭ

一方通行「バカバカ言わないでください！　なンつって･･････くっくく･･････」ｶﾞｸｶﾞｸ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:12:53.40 ID:8Z7zxcVeo<>

レッサー「だ、大丈夫れふよ･･････！！　まだ付き合ってるわけじゃないでふかりゃ･･････いひゃいいひゃい！！！」

ヴェント「････････････した、のかよ･･････」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

サーシャ「？」

ヴェント「･･････したのかよ･･････き、キス･･････」

サーシャ「ヴェント？」

風斬「ううううう･･････どれだけ後手に回ればいいんですか私は･･････！！」ｶﾞｸｯ

レッサー「ぷはっ！　いててて･･････。　これで私が一歩リードですね」ｳｹｹｹｹ

風斬「むぅー･･････！」

レッサー「ふふっ」ﾆｺｯ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:13:38.08 ID:8Z7zxcVeo<>

ヴェント「････････････どうすりゃいいのよこれ･･････」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

一方通行「あァ･･････最後にもう一度、打ち止めの顔が見たかったなァ･･････」ｷﾗｷﾗ

サーシャ（･･････私の空気化が著しくないだろうか。　ここは誰か一人でも正気に戻さないと･･････）

サーシャ「･･････････････････」ｳｰﾝ

一方通行「垣根ェ･･････、『天使同盟(アライアンス)』はオマエに託した･･････。
　　　　　俺ァ先に地獄で木原クンと再会の喜びを分かち合ってくるぜェ･･････」ﾌﾗﾌﾗ

サーシャ「うーん･･････。　･･････あ、そういえば･･････一方通行」

一方通行「はァーい･･････一方通行さンですよォ･･････」ﾌﾗﾘ

サーシャ「第四の質問ですが、先ほどのヴェントのセリフを復唱させていただいてもよろしいですか？」

一方通行「はァー･･････？」

ヴェント「は？　何？」

風斬「？」

レッサー「？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:14:38.60 ID:8Z7zxcVeo<>

サーシャ「先ほどヴェントは『あ、アンタ。　さっき彼女とかはいないって私に言ったわよね？』と、
　　　　　このように話していたはずです。　この『さっき』とは一方通行の話から考えると
　　　　　荷物を預けてこの店に戻ってくる時にヴェントと合流した時の事を言っているのだと思いますが、
　　　　　そのわずかな時間に一方通行は彼氏だの彼女だのというお話をされていたのでしょうか？」


一方通行「」

ヴェント「」

風斬「え？　え？」

レッサー「････････････！！」

サーシャ「補足説明させていただきますと、失礼ながらお二人の場合、その短時間でそんな濃い話題で語り合える
　　　　　ような性格はしてないかと思われます。　もちろん、長時間会話をすれば、もしくは、
　　　　　『二人の間の距離がある程度親密になるような出来事』が起きているのでしたら話は別ですが」

一方通行「エイワスゥゥゥゥゥゥ！！！！！　出てこいコラァ！！　オマエサーシャを操ってンだろ！？
　　　　　なンかコイツ急に探偵みてェなキャラになってンぞォォォ！！！？」ｷｮﾛｷｮﾛ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:15:33.23 ID:8Z7zxcVeo<>

風斬「あ･･････元に戻った」

サーシャ「第二の解答ですが、エイワスは今この場にいませんし、私は操作などされていません。
　　　　　それとも何か、よくない話題を振ってしまったのでしょうか･･････？」

ヴェント「サーシャ･･････て、テメェ･･････！！！///」

サーシャ「さ、さらに補足説明しますと、なぜかヴェントは一方通行の話題になると
　　　　　顔を紅潮させてますよね･･････。　昨日までそんなことはなかったはずなのに。
　　　　　ただ疑問がここに存在するだけで。　サーシャ＝クロイツェフはこの程度の推理が可能です。
　　　　　･･････如何でしょうか、皆様方？」

風斬「！？」ｶﾞﾀｯ

レッサー「！？」ｶﾞﾀｯ

一方通行（サーシャの野郎･･････完全にキャラが崩壊してやがる･･････！！）

ヴェント「な･･････な･･････！！？///」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:16:25.99 ID:8Z7zxcVeo<>

一方通行（チィ･･････！！　このままだとヴェントのヤツの過去までゲロしちまうハメに･･････！！
　　　　　いくらこンな雰囲気でもそれだけはやっちゃダメだ、愚鈍の俺でもそれは分かる！！）

一方通行「（落ち着け･･････俺･･････）オイ、違うぞサーシャ、それはだなァ―――」

レッサー「ヴェントさん！　今度はあなたが白状する番ですよ！！」ｽﾞｲｯ

ヴェント「な、何がよ･･････！？　私は何もしてないっ！！」

風斬「うう･･････頭痛くなってきた･･････」ﾌﾗ

サーシャ（･･････私は取り返しのつかない話題を出してしまったのかもしれない）

レッサー「サーシャさんの言う通りですよ！　いくらなんでも店に戻るまでのわずかな間に
　　　　　そんな彼女がいるとかいないとかいう会話しますかねぇ！？」

ヴェント「あ、あれよ･･････！！　ARの掲示板にそんな事が表示されてたから･･････！！
　　　　　そ、そう！　最近、トップアイドルの『一一一（ひとついはじめ）』に
　　　　　彼女が出来たって噂が出てるってニュースがやってたのよ！！
　　　　　その流れでコイツにも彼女とかいるのか聞いてみただけで･･････！！」

一方通行（コイツ･･････言い訳上手すぎンだろ･････）

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/19(土) 19:17:04.90 ID:/GoxkX5G0<> いえ、サーシャちゃんは最初から冷静かつ冷徹に分析してましたｗｗｗｗｗｗ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:17:42.58 ID:8Z7zxcVeo<>

風斬「一一一は知ってますけど･･････あの人、そういう浮ついた噂なんてありましたっけ･･････？」

レッサー「サーシャさん！！」

サーシャ「らじゃ」ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ

一方通行「もォ誰なンだよオマエは。　俺の知ってるサーシャはどこ行ったンだよ」

サーシャ「･･････第三の解答ですが、数年前に某人気女優に手を出し、そこを週刊誌にすっぱ抜かれた経歴があります。
　　　　　補足説明しますと、その事実を深く反省した彼は『これからはファン一筋で活動していく』とインタビューで
　　　　　発言しており、そこから現在まで女性に関する妙な噂は一切報道されていません」

ヴェント（んだそりゃああああああああ！！？　アイドルならそんな噂くらい山ほどあんだろうがあああ！！！）

レッサー「ふふ･･････、残念でしたねヴェントさん。　一一一は実直にアイドルしてるそうですよ･･････？」

ヴェント「ぐ、く･･････！！！」ｷﾞﾘﾘ

風斬「べ、ヴェントさん････････････」ﾌﾗﾌﾗ

一方通行（なンで風斬のヤツ、具合悪そォなンだ？）

レッサー「別に責めてるわけじゃないんです。　ただ一方通行さんとの間に起きた事を、
　　　　　ありのままに話していただければそれで結構なんですよ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:18:56.78 ID:8Z7zxcVeo<>

一方通行（クソ･･････レッサーの野郎、調子に乗りすぎじゃねェのか！？）

ヴェント（こ、このヴェントがこんなガキに･･････！！）

レッサー「さあ･･････！」ｽﾞｽﾞｲｯ

風斬「･･････････････････」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

サーシャ「････････････（あとでちゃんと謝ろう）」

一方通行（限界だ･･････！　俺がフォローしねェと！！）

一方通行「オイ待てマセガキ、これはなァ―――」

ヴェント「･･････いいわよ」

レッサー「！」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:19:41.36 ID:8Z7zxcVeo<>

風斬（もう嫌な予感しかしない･･････。　あんなノート、見るんじゃなかった･･････）

ヴェント「話せばいいんでしょ･･････、話せば満足するんだろうがこのクソメスが･･････！！」

レッサー「･･････お願いします」ｺﾞｸﾘ

一方通行「待て！！　こればっかりはその場のノリで話していい事じゃねェ！！」

ヴェント「私、白いのと一緒に荷物を預けにいったわ」

レッサー（やはり･･････）

サーシャ（本当だったんだ･･････）

一方通行「ヴェント･･････！！（こ、コイツ･･････自分の過去と向きあって･･････？）」

レッサー「そ、それで･･････？」

ヴェント「それで、その･･････。　･･････て、手･･････///」ｶｧｧ

サーシャ「手？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:21:02.59 ID:8Z7zxcVeo<>

一方通行「？」

風斬「？」

ヴェント「手、繋いで･･････、その。　あの託児所あるでしょ･･････、
　　　　　そこのジェットコースターに一緒に乗ってきた」

風斬「はは」

一方通行（そこ！？　ピックアップするとこ、そこなのかよ！！？
　　　　　つか『手ェ繋いで』のくだりいらねェだろォが！！）

レッサー「や、やはり店に戻ってくるのが遅かったのはデートをしていたからなんですか･･････！！」ﾌﾙﾌﾙ

サーシャ（一方通行はやたら女性に好かれてますね。　ミーシャもそうでしたし）

ヴェント「で、デートじゃねぇだろ！！　あんなガキ向けのアトラクション乗ったくらいで
　　　　　デートになるわけねぇだろうが！！！」

一方通行（もォワケわかンねェ･･････、一体全体何がどォなってやがンだ）

レッサー「いやいや！　十分すぎるほどですよ！　男女二人で仲良くジェットコースターなんて
　　　　　ばりばりテンプレの典型的デートパターンじゃないですか！！」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:21:58.44 ID:8Z7zxcVeo<>

ヴェント「テメェの主観を押し付けてんじゃねぇよ！！（そ、そうなのか･･････？　デートだったのかあれは･･････？）」

風斬「もうダメです･･････もう終わった･･････」ｼｭﾝ

一方通行「なンでしおれてンだオマエ･･････しおれてェのは俺の方だ」

サーシャ「あの、一方通行」ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ

一方通行「ンだよ･･････」

サーシャ「第五の私見ですが、こういう雰囲気の事を『修羅場』というそうですよ。
　　　　　ほら、このARの画面にそう―――――」

一方通行「ガキは大人しくメシでも食ってろォ！！！」ﾄﾞｷﾞｬｰﾝ

サーシャ「第六の私見ですが、それもそうですね。
　　　　　みなさんも、そろそろ食事を摂りましょう。　一旦落ち着いて」

風斬「･･････････････････」

レッサー「･･････････････････」

ヴェント「･･････････････････」

一方通行「･･････････････････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:22:44.22 ID:8Z7zxcVeo<>

サーシャ（何だか通夜のような空気になっている･･････）


ﾃｨﾛﾘﾛﾘﾝ♪　ﾃｨﾛﾘﾛﾘﾝ♪


サーシャ「････････････ん？」

一方通行「どォした？」

サーシャ「･･････ARにニュース速報が流れて来ていますね。
　　　　　どうやら･･････、他のARにも全て」ﾋﾟﾋﾟｯ

風斬「？」ﾋﾟｯ

レッサー「何かあったんですかね？」ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

ヴェント「････････････」




一方通行「････････････各国諜報機関のデータベースに、大規模な『ハッキング』が起きただァ？」



<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:29:05.19 ID:8Z7zxcVeo<>
･･････はい、今回はここまでです。
おふざけが過ぎましたか。しかしたまにはこんなノリでもいいかなと思って書いてみました。

しかし最後の最後で、何やら嫌な予感溢れる速報が流れましたね。
はてさてどうなることやら


次回は『行間』？というか、一方通行サイドとか垣根帝督サイドとかそういうのは終わって、
エリザリーナが主役で立ちまわるお話です。需要？あるだろ

では、今回もここまで読んでくださった方に感謝の気持ちを込めて祈りを。

次回更新は三日以内という決め台詞を吐きながらお別れです。

ありがとうございました！
<> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/19(土) 19:29:44.66 ID:8Z7zxcVeo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『gphkvfmfegfj難儀lnpdocfdnifafgnlgnosk』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・ミーシャ＝クロイツェフ




『（天使が人間に気を遣う･･････。　人間が天使を心配する･･････。
　普通に考えたら、いえ、普通には考えられない事だけど･･････）』
―――――――――――エリザリーナ独立国同盟の中心的人物・エリザリーナ



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/19(土) 19:30:21.02 ID:aCwWfE/xo<> ミーシャ久しぶりだなミーシャ！！
乙です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2011/03/19(土) 19:31:18.26 ID:U7wRypALo<> サーシャちゃんマジ天使 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/19(土) 19:31:57.84 ID:TCxT8eu8P<> 乙
全員混乱しすぎだろｗｗｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)<>sage<>2011/03/19(土) 19:33:13.93 ID:q9cZ50XF0<> >>1乙です
久しぶりのリアルタイムでした

前スレ1000のサーシャの生着替え期待してます！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/03/19(土) 19:35:40.45 ID:euvaPK8d0<> これが最終決戦……ッ!!
ここにオルソラがいないのが悔やまれるな！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2011/03/19(土) 19:59:12.69 ID:KRlZuQb60<> 俺はまだ風斬がメインヒロインだと信じている
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/19(土) 20:04:06.63 ID:RbmFG7ajo<> ヒーローは遅れてやってくる
つまり <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/19(土) 20:11:46.25 ID:6RYx6G5E0<> >>57　つまり、どういうことだってばよ？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/19(土) 20:12:30.44 ID:6RYx6G5E0<> 下げ忘れた､スマン <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/19(土) 20:26:44.97 ID:9EQaB+RQ0<> 乙です！声出して笑ったｗｗサーシャその猫箱は開けたらだめだｗｗｗｗ
みんな可愛いなもう……とりあえずヴェント株は買い占めておきますね

支援絵投下します！前スレ687のダイナミック浣腸の場面です。
ていとくんが第二の主人公してて胸熱
ttp://convini.ddo.jp/imguploader/src/up8031.jpg <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/03/19(土) 20:31:18.05 ID:KAXx3C//o<> >>60
このエイワス殴りてぇｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/19(土) 20:38:53.15 ID:WXfKyDvDO<> >>1フラグ乙
打ち切り(ジ・エンド)、第三次製造計画で原作にも出てきたりして <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2011/03/19(土) 20:41:01.69 ID:kL3EZgpeo<> >>58
今は高みの見物 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/19(土) 20:48:46.00 ID:/GoxkX5G0<> やばい、元ネタは分からんがサーシャが可愛すぎるｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/03/19(土) 20:56:57.37 ID:syG+jaQAO<> 堪えようとしたけどアクセラローザで腹筋やられたｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/03/19(土) 21:56:05.36 ID:P7coiRlAO<> >>60乙

打ち切り(ｼﾞ･ｴﾝﾄﾞ)で腹筋崩壊したw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/19(土) 22:01:22.34 ID:yyzbTSpF0<> 一方さんはそろそろ天に召されといた方が色々楽だと思うの
どォせホルスがどうのこうので天使化しても今とそう変わらないさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県)<>sage<>2011/03/19(土) 22:28:29.39 ID:XTIusLCK0<> もうキャラ崩壊とかそういうレベルじゃねぇｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/03/19(土) 22:39:08.38 ID:euvaPK8d0<> >>60
そういえばていとくんワシリーサに三連敗中じゃないか！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/03/19(土) 22:43:25.48 ID:/y/BkOuMo<> ジ・エンドとか、なんか全滅した部隊にいそうな名前だなぁオイ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/19(土) 22:50:11.05 ID:RbmFG7ajo<> 狙撃の名手で光合成できんのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/20(日) 00:07:46.22 ID:qdJbDtUSO<> 厄介事フラグが立てばとりあえずエイワスの仕業と思ってしまうな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/03/20(日) 00:39:21.75 ID:NoKXuCNE0<> 垣根「これも全部エイワスって奴の仕業なんだ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/20(日) 00:43:00.15 ID:lT+qLKxSO<> 打ち切りｗｗｗｗワロタｗｗｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/03/20(日) 01:01:18.00 ID:jhsS7w3Qo<> なんだコレw
何だこれwww

一方通行、やましいことなら最初からやらなきゃいいんだよ
清く正しく生きていこうぜ！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/20(日) 02:11:24.25 ID:mufbiRtd0<> >>62
案外打ち止めの代わりとして製…生み出されてたかもしれないよな
原作でミサワが「旧シリーズは消す」見たいな事言ってたし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/03/20(日) 08:55:52.26 ID:9awDgVlAO<> >>60
すげえｗｗｗｗｗｗ
ワシリーサかわいいよオオオォォォォ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/03/20(日) 10:36:44.44 ID:bSOkCh2AO<> ひぐらしうみねこブレイブルーか。ネタが豊富だなw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/20(日) 11:25:03.28 ID:X0ZG4M2Ko<> サーシャがぼくのヱリカちゃんになってるうううううううううう
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/20(日) 20:14:11.70 ID:oO15+gVfo<> 新スレ初投下なのにカオスすぎるｗｗｗｗ
サーシャも正気じゃねぇｗｗ

>>60
いつもの挿絵の人かな？うめぇｗｗおつ！！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/03/20(日) 22:45:38.33 ID:Um5dwK+AO<> このレッサーにはキツいお仕置が必要だと思う <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/03/21(月) 00:46:08.18 ID:8GbRlnaf0<> レッサーも>>60みたいなことになるべきだな
ベクトルカンチョーで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/03/21(月) 00:50:12.61 ID:v3+4LhHWo<> 仕方ないから俺がやってくる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/21(月) 01:44:48.36 ID:IFrMQKkb0<>
おらよ

>>83

自転カンチョー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/21(月) 01:46:31.99 ID:kZvZBLM/0<> >>80
イギリスに帰ればベイロープがやってくれるさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/21(月) 01:59:52.89 ID:bE4KZB4IO<> よつばとだと？
ネタが豊富すぎだろww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2011/03/21(月) 02:04:58.91 ID:A6jZ+nsAO<> なんで>>1来てないのにこんなに伸びてんだよ…
お前らちょっと落ち着け <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/21(月) 15:08:20.28 ID:Wy5+5kva0<> 逆に考えるんだ
こんな楽しい修羅場にエイワスが居ないとなると
よっぽど垣根の魔術免許皆伝は重要案件なんだと考えるんだ

……未元物質だけで大抵なんでもありだと思うんだけどなあ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/21(月) 15:24:56.61 ID:cGirzPrIO<> やつは……どこにもいないし、どこにでもいるのさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2011/03/21(月) 16:05:47.46 ID:a2ttGmrEo<> もしもし

わたしエイワス

今あなたの後ろにいるの <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/21(月) 17:02:06.58 ID:kZvZBLM/0<> >>89
それなんてシュレディンガー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/21(月) 20:59:59.13 ID:e9l7kQLT0<> >>90
ドラコなら歓迎する

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:01:16.96 ID:PzQmgiLeo<> >>60
相変わらず高クオリティな挿絵をありがとうございます！
エイワスの嫌な奴っぷりが如実に表現されてていい感じですね、素晴らしいです！

某イラストサイトにも嬉しいことに絵を書いてくれてる方がいらっしゃるのですが、
その方の絵ももっと見てみたいな･･････エイワス通行とかすごい綺麗でした


そして沢山の支援レスをありがとうございます！
今回のお話は前みたいに楽しい話ではないのですが、それでも見ていただけたら嬉しいです。


それでは投下します。 <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:02:22.10 ID:PzQmgiLeo<>

――――――――――――――――――――――


エリザリーナは独立国同盟の市街地に鎮座する巨大クルーザー『アライアンス』号で
民間人達と今後の船の取り扱いについて話し合った後、軍事施設のオフィスルームへと戻っていた。


（とりあえず、船にある食料の運び出しは彼らに任せるとして･･････、
　残りはどうしようかしら。　船に備え付けてある客室を、住居を失った民間人達に
　貸し与えるとしても･･････、部屋の数から考えて何人かは共同で入居してもらう必要があるわね）


エリザリーナはオフィスに到着すると、パソコンの電源を立ち上げて
『天使同盟(アライアンス)』が船で突っ込んできた際の被害の詳細をデータにまとめる作業を始めた。

何もそうして『天使同盟』の面々を責め立てようというわけではない。
エリザリーナにそんな気はないし、仮にそんなことをしても『天使同盟』には厄介な構成員が存在する。
というか、厄介な構成員しか存在しない。

だがそうではなく、単に船の衝突によって住居を失った民間人たちの総人数と、
一方通行から――正確にはエイワスから――贈呈されたクルーザーにある客室の数を照らし合わせ、
被害者全員を収容出来るかどうかを計算しているだけだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:03:31.86 ID:PzQmgiLeo<>

（それにしても･･････冷静に考えると無茶苦茶してくれたわね･･････彼ら。
　もし船で入国してきたときに民間人の中から死者でも出ていたらどうするつもりだったのかしら）


それについては、彼女は知る由もないが心配は無い。
民間人に被害が降りかからないようエイワスが入国の際に説明不可能な計算をしている。
そのおかげで民間人の中から死者が出る事はなかったのだ。


エリザリーナはカタカタとキーボードを打ち込みながら、チラリと側のソファに目をやる。


「gphkvfmfegfj難儀lnpdocfdnifafgnlgnosk」


そこには、水の属性を司る本物の大天使。『神の力(ガブリエル)』、ミーシャ＝クロイツェフが
ロシアの子供向け番組を見ながら妙な動きをしていた。
どうやらその子供向け番組でやっているコーナーの、体操を見て真似ているようだ。全く真似出来ていないが。

とても天使のやることとは思えないその無邪気な行為を見て、エリザリーナはクスっと笑う。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:04:30.24 ID:PzQmgiLeo<>

ミーシャは今朝、原因不明の体調不良でひどく衰弱しており、ついさっきまで
体を休めるためにソファで横になっていた。

エリザリーナがオフィスに戻るとミーシャは起床していて、自身が所持しているノートに
何かを書いていたのだが、エリザリーナが帰ってきた途端素早くそれを隠してしまった。


（今は何ともないようだけど･･････、どうなのかしら。
　またさっきみたいに倒れたりしたらどう対処すればいいのか･･････）


今朝は倒れているミーシャを見て、とりあえず天使に詳しそうなエイワスを呼ぼうとしたのだが
ミーシャにそれを制止された。彼女は自分が衰弱している事を誰にも知られたくないらしい。


（天使が人間に気を遣う･･････。　人間が天使を心配する･･････。
　普通に考えたら、いえ、普通には考えられない事だけど･･････）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:05:14.28 ID:PzQmgiLeo<>

それが彼ら、『天使同盟(アライアンス)』なのだ。
一方通行や風斬氷華、垣根帝督はミーシャのために国から国へ渡り歩いている。
エイワスの心中はわからないが･･････、それでも彼らは天使のために行動をしている。


確か活動理由は、『なぜミーシャがこの世界に顕現し続けているのか』、『ミーシャがこの世界でしたい事とは何なのか』。
主にこの二つだっただろうか。『天使同盟』のリーダーはあまり意欲的ではない様子だったが。


それと、もう一つ。


（･･････････････････星の欠片）


エリザリーナはもう一度、ミーシャの方に目を向ける。
彼女は依然、子供向け番組を夢中で見ており、エリザリーナの存在など気にも留めてないといったご様子だ。

今やっているのはどうやら東洋の島国ではポピュラーらしい、『オリガミ』の紹介だ。
ミーシャはその辺に落ちていたエリザリーナが整理した書類を手に取り、グシャグシャに折りまくっている。
あの書類は後でロシア政府に提出しなければならない物なのだが･･････。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:06:13.73 ID:PzQmgiLeo<>

（････････････････････････アメリカ国家偵察局）


エリザリーナは無邪気な子供のようにキャッキャと遊ぶミーシャから視線を逸らし、
マウスとキーボードを慣れた手捌きで操作する。


彼女はまず、ロシア政府の諜報機関『GRU』の極秘サイトにアクセスし、
そこから情報総局長が個人で運営しているページへ飛んだ。

そのページから情報総局長にダイレクトメールを送る。


ちなみに、この情報総局長は前代のプライベーティアを極秘裏に動かしていた
情報総局長ではなく、新たに就任した情報総局長だ。

前情報総局長はエイワスにより完全に精神崩壊を起こしてしまい、
現在は精神病院で廃人同然のままベッドで横たわるだけの生活を送っているらしい。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:09:13.59 ID:PzQmgiLeo<>

（情報総局長へ送るメールの内容は･･････、回りくどい内容ではダメね。
　単刀直入にこちらの要望を伝えればあるいは･･････）


エリザリーナはキーボードを打ち込み、メールの文章を作っていった。


『アメリカ国家偵察局から打ち上げられた偵察衛星の現在の状況が知りたい。
　NROが所有する偵察衛星のリアルタイムの映像の閲覧許可が欲しい』


アメリカ国家偵察局『NRO』は、現在までに多種多様の偵察衛星を宇宙空間へ打ち上げている。
エリザリーナはその中の『早期警戒衛星』が観測する映像をリアルタイムで送って欲しいとロシアの情報総局長に要求した。

偵察衛星を打ち上げているのはアメリカだけでなく、例えば日本も宇宙で偵察衛星を作動させている。
代表的な衛星は情報収集衛星『IGS』と呼ばれる衛星だ。

実は学園都市からも『ひこぼし�U号』と呼ばれる"スパイ衛星"が打ち上げられているのだが、
『ひこぼし�U号』がスパイ衛星だと知る者は学園都市の中のほんの一握りだけであり、
エリザリーナ他、各国は単なる気象衛星としか捉えていない。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:11:04.69 ID:PzQmgiLeo<>

エリザリーナはこの独立国同盟の長であり、政府にも顔がきくそれなりの権限を持ちあわせているが
さすがに各国の偵察衛星の映像を直接要求出来るほどの力は持っていない。

そこで彼女はロシアの『GRU』の情報総局長を通してアメリカの偵察衛星の映像を送るよう要求したのだ。
『GRU』はエリザリーナ独立国同盟に大きな『借り』がある。
先日に発生したロシアの非公式軍『プライベーティア』による抗争。それを解決し、
結果的にロシア政府の汚職を世間に公表することに成功しているのだ。


正確にはプライベーティア崩壊を成し遂げたのは『天使同盟(アライアンス)』という
国家も政府も法律も通用しない超非常識組織なのだが、その構成員の一人、エイワスは
その手柄を全てエリザリーナに譲渡している。


彼女はその『借り』は使いはしないと決めていたが、ここへ来てその切り札を切った。
『借り』を利用すればアメリカ国家偵察局の情報を得られるかも知れない。

利用、などという手段を取りたくはなかったが、そうまでしてでもエリザリーナには
確かめたい事があた。


（来た。　さすがに早いわね）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:12:25.41 ID:PzQmgiLeo<>

数分も経たず、ロシアの情報総局長から返信メールが届いた。
無論、彼女と情報総局長の間でやり取りされているメールは完全プライベート体制、
相応の権限を持ちあわせていなければ覗き見たりすることは出来ないようになっている。


（このメールを開ければ、答えが････････････）


しかしなぜ、エリザリーナはそんな大掛かりな手順を踏んでまで偵察衛星の映像を欲しがるのか？


もちろん、その映像からあらゆる情報を盗み見て独立国同盟を国家間で優位な立場にしようとか、
そういうスパイまがいな事をするためにしているのではない。


それは、今もすぐ側にいる大天使、ミーシャ＝クロイツェフの奇妙な行動を見たからだった。


（彼女が空を見上げているのでは無いとしたら）


ミーシャは今朝、倒れているところをエリザリーナに介抱されてこのオフィスに連れられて来ている。
しかしその時、オフィスに向かう際にミーシャは妙な行動をとった。


彼女は天井を、いや、空をジーッと見つめて動かなくなったのだ。


最初はただ単に天井にぶら下がっている質素な電球に興味を持ったのかと、大して考えなかった。
しかしエリザリーナは聡明な女性である。ミーシャが天井を見上げているのではないと気付いたのはその後すぐだった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:13:37.67 ID:PzQmgiLeo<>

エリザリーナは『ミーシャが見上げているのは天井ではなく、"空"なのだ』と考えた。
そしてその推測は見事に的中している。

『天使同盟』の構成員、一方通行や風斬氷華らもミーシャが『上』をジッと見つめる行為を
度々目撃している。そこから推察するとエリザリーナの考えも間違ってはいない。

そう、的中しているのだが、あと『もう一歩』、答えに及んでいないのだ。
一方通行達も『空を見上げている』という考えまでには至ったが、そこから先は無理だった。


しかし、エリザリーナはさらにその頭脳明晰さを発揮し、考察する。


（彼女が見上げているものが、空ですらないとしたら･･････？）


昨晩、夕食の時間に『天使同盟』も招き、そこで彼らのこれまでの経緯を彼女は聞いている。
彼らは『星の欠片』という、ベツレヘムの星の欠片を探し求めているらしい。


星の欠片にはミーシャ＝クロイツェフの召喚に利用された儀式場があるのでは、と彼らは考えていた。
食事の席に同席していた元『殲滅白書』のシスター、ワシリーサもその意見に同意していた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:14:29.48 ID:PzQmgiLeo<>

エリザリーナ自身も、そうだと思った。でなければミーシャが未だにこの世に存在出来る理由が無い。


が、『天使同盟』は未だに星の欠片にはたどり着いていなかった。
星の欠片の情報を得るために彼らはロシアの地へ趣き、かつてその身に天使を宿していた魔術師の少女、
サーシャ＝クロイツェフとの接触を図っていたらしく、ロシア訪問はそのためだったのだと言う。


結局、その時は誰も星の欠片の在り処についての答えを出すことが出来なかったが、
現在、エリザリーナは新たな可能性を見つけている。

そのために、わざわざロシアの情報総局長とのコネクションを利用して
世界最大国家のアメリカの偵察衛星の情報を得ようとしているのだ。


（私の予想は当たっているのか、外れているのか･･････）


エリザリーナはふぅ、っと息を短く吐いてメールを開封するためにマウスを一度クリックした。


メールの内容を見て、エリザリーナは呼吸が止まった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:15:40.56 ID:PzQmgiLeo<>



『NROに問い合せてみたが、信じられん答えが返ってきた。
　現在、各国が打ち上げている全ての人工衛星に原因不明の不具合が発生しているらしい。
　各国諜報機関全て、衛星の映像取得が不可能な状況になっている』




「･･････なんですって」


思わず声が出た。
どっと全身から嫌な汗が吹き出て、開いた口も塞がらなかった。


エリザリーナの要求は叶わなかった。
それ以前に、応じることすら出来なかった。各国の衛星が『全て』原因不明の故障を起こしているという。
それは仕方がないどころか、どうしようもない事だ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:16:30.56 ID:PzQmgiLeo<>

しかしこれはどういう事なのか？


（･･････このアドレスは）


情報総局長からの返信メールの本文画面を下にスクロールすると、
そこには数種類のアドレスが貼りつけられてあった。


（これは･･････！）


アドレスを見ただけでエリザリーナはそのリンク先がどこなのかを理解する。
そのアドレスのリンク先は、全て各国が打ち上げている偵察衛星の映像へのアドレスだった。

しかも直リンク、そのアドレスをクリックするだけで映像が見放題ということだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:17:49.07 ID:PzQmgiLeo<>

（･･････よくこんな物が･･････、感謝するわ）


これは完全に越権行為だ。
恐らく情報総局長は各国諜報機関にハッキングを仕掛け、偵察衛星のアドレスを抽出してきたのだろう。
新たに就任した情報総局長はかなりのヤリ手のようだ。

エリザリーナはプライベーティア一斉摘発の事後処理のために何度かロシアの情報総局に
足を運んでおり、そこで現情報総局長と何度か顔を合わせただけだった。

そのためまずメール返事自体返ってくる保証が無かったのだが、情報総局長は予想と反してあっさりと
メールを返してくれた。だがその理由もこれでハッキリ分かった、まさかこのような状況に陥っているとは。


（諜報機関へのハッキングなんてそう簡単に出来るものではない。
　恐らく、現在各国全ての諜報機関のセキュリティがガタガタになっているんだわ･･････）


と、言うことは各国諜報機関は何者かの手によってハッキングされたという事だ。
いや、これはもうクラッキングと言っても過言ではないかもしれない。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:18:44.94 ID:PzQmgiLeo<>

諜報機関のデータベースに不正な理由で侵入したのかどうかは定かではないが、
十中八九、その何者かは諜報機関へ侵入するとともに各国偵察衛星にもハッキングしている。
情報総局長が容易に偵察衛星の映像のリンクを入手出来た事が確たる証拠だ。


（とりあえずは、アメリカの『ラクロス』へアクセスを･･････）


メールによれば現在、偵察衛星の映像の取得、閲覧は不可能となっているようだが、
それならばわざわざ映像のリンクを危険を冒してまで入手したりはしないだろう。

しかもそのリンクを情報総局長はエリザリーナに提供している。
『とりあえずアクセスしてみろ』、と暗に示しているのだ。


エリザリーナは震える手で画面のカーソルをリンク先のアドレスへと動かしていく。
カーソルはアメリカが所有する合成開口レーダー(SAR)の『ラクロス』の映像リンクアドレスで動きを止めた。


（････････････、！）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:20:29.87 ID:PzQmgiLeo<>

エリザリーナはゴクリと生唾を飲み込み、意を決してマウスをクリックした。

その瞬間、








ビーッ！！！　ビーッ！！！　ビーッ！！！と、
けたたましいエラー音がオフィスの室内を駆け巡った。







<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:21:26.64 ID:PzQmgiLeo<>

「な！！？」


エリザリーナは心臓が止まるかと思った。思わず間抜けな声が出てしまう。


騒音レベルで鳴り響くエラー音は、エリザリーナのパソコンには入っていない音声データだった。
聞いたこともない警告音を至近距離で受けた彼女はパニックに陥りかける。
だがそこで彼女は冷静になるよう自分に言い聞かせ、そのエラーメッセージが表示されたウィンドウを閉じた。

するとそれに呼応するように、エラー音もピタリと止んだ。

ハァ･･････、と安堵の息を吐くエリザリーナ。あの状況でもパニックにならなかった
彼女の強い精神は賞賛ものだ。さすがに一国を率いる『聖女』だけのことはある。

しかし、それでもやはり動揺はしたのだろう。彼女は気付いていなかった。




さっきまで子供向け番組を見てはしゃいでいたミーシャが、まるで固まった石のように動かなくなっている事に。
そして、ジッと･･････エリザリーナの方を無言で見ている事に。



<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:22:47.09 ID:PzQmgiLeo<>

その後、エリザリーナは情報総局長から送られた各リンク先にアクセスしてみたが
結果はどれも同じだった。

耳を塞ぎたくなるほどの警告音と、他のリンク先と全く同じエラー画面とメッセージ。
これらがアクセスを容赦なく拒否し、映像の閲覧は不可能となっていた。


（全世界でこんな事になっているなんて･･････、ニュースは！？）


エリザリーナはパソコンを操作し、ディスプレイでテレビ番組が見られるようにする。
そしてニュース番組を見ると、案の定どこの局でも各国諜報機関がハックされたという内容のニュースで持ちきりになっていた。


（公になるまでの時間が遅すぎる･･････！！　一体どんな方法でハッキングを･･････！？）


しばらく呆然とエラー画面を見つめていると、エリザリーナの目に何かが映った。
それはいわゆる『エラーメッセージ』のようなものなのだが、そのメッセージはとても無視できるような物ではなかった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:23:37.73 ID:PzQmgiLeo<>



『"天使同盟(アライアンス)をよろしく！"』




どう考えても、どう楽観的に推察しても、エリザリーナは"とある組織"の事しか考えられなかった。


『天使同盟(アライアンス)』。


（まさか･･････彼らの仕業？）


しかしエリザリーナは一方通行達がこんな大規模のハッキングを行うとは思えなかった。

彼女は詳しく知らないが、例えば『天使同盟』のリーダーである一方通行は学園都市最高の頭脳の持ち主だ。
仮に一方通行が本気で各国の諜報機関のデータベースに不正侵入しようと思えば、それは容易に実行出来るだろう。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/03/21(月) 21:24:56.29 ID:N9ohUufAO<> ま　た　お　ま　え　か　 <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:28:33.29 ID:PzQmgiLeo<>

しかし今回の件は、少なくとも一方通行の仕業ではない。無論、風斬氷華でも、垣根帝督でもなければ、
ミーシャ＝クロイツェフでもない。


（･･････と、なると）


エリザリーナの脳裏にはあの金髪の怪物が浮かんでいた。
あの怪物なら根拠はないがこんな事くらい平気で出来そうな気がなぜかするのだ。


と、ロシアの情報総局長から新たに一通のメールが届いた。
彼女は迷いなくそのメールを開封する。


『各国が混乱状態に陥りつつある状況だ。　皆が皆、互いに協力し合い解決策を練っている。
　君も是非協力して欲しい。　････････････正直既に絶望的な状況ではあるが。
　あの学園都市からも協力要請が入ってきている。　「守護神(ゴールキーパー)」と呼ばれる
　ハッカーを知っているか？　彼、ないしは彼女へ君のアドレスを提示しても構わないだろうか。
　少しでも助力が欲しいとの事だ』


しばし逡巡した後、エリザリーナは返信メールに一言、『よろしく』と打ち込んで素早くメールを送る。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:30:28.47 ID:PzQmgiLeo<>

『守護神(ゴールキーパー)』。


学園都市には、学園都市の治安を守るために超一流の天才ハッカーが存在すると言われている。
男か女かも分からないその人物の実力は本物よりも本物で、『守護神』が築き上げたセキュリティは
学園都市でも十指に入るほどだと言われている。


･･････と、言う噂だけはエリザリーナも立場上、少しだけ耳にしたことがあるのだが、
まさか本当に存在していたとは思わず、さらに『GRU』の現情報総局長とのコネクションを持っており、
その上、その『守護神』が協力して欲しいと言ってきているらしい。

一度も会ったことがないため信用しにくいし、信用されても困ると思ったエリザリーナだったが、
今はとにかく情報が必要だ。彼女はただただ、『宇宙』の様子が知りたいだけだ。


エリザリーナ自身はハッキングに関する知識は乏しいが、それでも全く出来ないことはない。
しかもこうしてアクセス拒否などをされてしまうと余計に情報が欲しくなるというのが人間の性というものだ。

そして今、エリザリーナには『GRU』という強力な後ろ盾と、学園都市の『守護神』が味方についている。
エリザリーナは間もなく送られてくるであろう『守護神』からのメールを待った。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/03/21(月) 21:31:55.36 ID:W0Kx/nB+o<> エイワスをひっ捕らえろｗｗｗｗ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:40:23.63 ID:PzQmgiLeo<>
すみません、ちょっと不具合でキーボードで文字が打ち込めなくなってましたｗｗ
私のパソコンも何かされたのかと少し心配になりました、今回の話が話だけに･･････焦った


さて、今回はここまでです。
なんか色々おかしいところがあるかもしれませんが、どうか寛大な精神でスルーしてあげてください。
それと『ゴールキーパー』なのか『ゲートキーパー』なのか、よく思い出せなかったのですが
ゴールキーパーで合ってますよね･･････？


次回は一方通行にカメラが向かいます。
どうやら今回の事件について情報を得るためにある人物と連絡をとるそうですが･･････はてさて

次回更新は三日以内。

今日もここまで読んでくださった方々に感謝します。

では、失礼します。ありがとうございました。 <> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/21(月) 21:40:59.35 ID:PzQmgiLeo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『オマエは今どこにいる？』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




『あー･･････、今は第七学区のカフェにいるぞ。　つかお前今何時だと思ってんだ。
　こんな朝っぱらから電話してくんなよ･･････そんな時間にカフェに『無理やり連れてかれてる』俺も俺だけど』
―――――――――――新生『アイテム』構成員・無能力者(レベル0)・浜面仕上



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<><>2011/03/21(月) 21:42:20.33 ID:n4iV9ti/0<> 乙ー

初めてリアルタイム遭遇できたー
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/21(月) 21:42:38.92 ID:XNcdGrmGo<> 乙
はーまずらぁ大変だな……ｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/21(月) 21:43:16.76 ID:A5ZK4a9cP<> 乙
守護神何やってんだよｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/21(月) 21:49:37.71 ID:YYvR/iMB0<> 乙
ゴールキーパーであってるはず
そしてはまづらと一通さんのハーレム同士の会話か･･･胸熱 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/21(月) 21:58:28.58 ID:e9l7kQLT0<> 乙!
これは……超電磁組の再登場フラグか……? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/03/21(月) 22:03:09.50 ID:VfY53yTl0<> 一方・浜面コンビはいいよな
原作だとお互い「携帯の番号を交換する仲に見えるか？」とか言ってたけど
ここではしっかり繋がってるようで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/21(月) 22:24:38.06 ID:vD0KXqdSO<> 守護神が出てくるだけで胸熱だな！！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/03/21(月) 23:17:48.79 ID:8GbRlnaf0<> そうだよな……あの街の中でも有数のハッカーってもう普通にワールドクラスだよな…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/03/21(月) 23:31:48.36 ID:W0Kx/nB+o<> 科学の最先端の最高峰なんだからワールドクラスでもトップ余裕だろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)<>sage<>2011/03/21(月) 23:59:30.18 ID:DucviinC0<> >>123
イギリス行くときに交換したんだよな
あと、滝壺とも・・・ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:32:57.62 ID:g0dmyzM9o<> 意外と皆さん『守護神』に食いつきますね･･････何だか申し訳ない事をしてしまったような気がする

というわけでこんばんわ。今日はゴールデンタイムの投下となります。

まず最初にエリザリーナvs謎のハッキングの続きをちょこっとやって、
そこから一方通行へとカメラが切り替わる、といった感じになります。


それでは参りましょう。世界規模のハッキングが発生し、人々はどのような反応を見せるのか。
大して描写もないですけど･･････ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:34:55.37 ID:g0dmyzM9o<>

数分後、エリザリーナのパソコンから新着メールの通知音が申し訳程度に鳴った。
彼女はすかさずメールボックスを開き、新着メールを確認する。

そのメールのアドレスはやはり、見たこともない英数字で作られていた。
恐らく使い捨て、あるいは本メールアドレスを隠蔽するための擬似アドレスなのだろう。


内容は以下の通りだ。


『初めまして、「定温保存(Thermal hand)」です。
　あなたの個人情報は私には一切伝わっていませんのでご安心ください。
　それと、非常に申し訳ないことに既にこちらのデータベースも乗っ取られつつあります。
　メールのやり取りもあと数回も出来ないでしょう。　ですので今のうちに得ることが出来た情報を
　まとめてあなたに送ります』


（さーまる･･････はんど？）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:36:03.21 ID:g0dmyzM9o<>

この人物の異名か何かだろうか？しかし異名と言うなら『守護神』こそ異名なのではないか。


しかしそんな瑣末事は今はどうでもいい。『守護神』こと『定温保存』から送られる情報を元に
エリザリーナもこの謎のセキュリティロックを解除するために奮闘しなければならない。
彼女は早速、エラー音対策のため音量設定を最小にして偵察衛星の映像のリンク先へアクセスする。

すると相変わらず、例のエラーメッセージが表示された画面が映し出された。
まずはここをどうにかしなければ話は始まらない。

それにしてもメールの文面を見る限りでは、既に『定温保存』側、つまり学園都市の
セキュリティでも乗っ取られてしまっているという。一体ハッキングを仕掛けた者はどんな技術を使っているのか。


『定温保存』からメールが届く。


『大音量の警告音はハッタリですね。　大きな音を発することでアクセスした人間の集中力を削ごうと考えているのだと思います。
　音量設定を最小にすれば解決する陳腐なトラップでした。　多分あなたも既に実行していることかと思います。
　次にこのエラーメッセージですが、私には何の事だか理解できません。　『同盟』という言葉について
　あなたは何か心当たりがありませんか？　あるのでしたら是非情報の提供をお願いします。　私からの情報提供は
　このエラーメッセージ画面から抜け出し、とりあえずですが諜報機関のデータベースへアクセスする方法です。
　まず･･････････････････』

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:37:30.55 ID:g0dmyzM9o<>

エリザリーナは文面を全て目に通し、頭に叩き込み、『定温保存』の指示通りにパソコンを操作する。


すると、見事にエラーメッセージから抜け出すことが出来、偵察衛星の映像リンクへたどり着くことが出来た。
しかしその画面には、テレビの『砂嵐』のような映像が延々と流れるだけで、エリザリーナの求める映像ではなかった。

『定温保存』は『同盟』については何も知らないらしい。
『同盟』とはほぼ間違いなく、『天使同盟(アライアンス)』の事だろう。なぜ彼らの組織名がここで出てくるかは分からない。
関連があるとすればやはり、星の欠片についてなのだろうが･･････、『定温保存』にそんな事を説明しても無意味だろう。


エリザリーナは『天使同盟』の情報は『定温保存』に伝えない事を決め、自分にも心当たりはない旨の内容を打ち込み、
『定温保存』に送信した。


次にこの『砂嵐』だが、恐らく諜報機関のデータベースをハッキングした者の仕業だろう。
ここを修復すれば一応は解決の目処が立つのだが、ここからが厄介だった。

『定温保存』からのメールによると、他の一流ハッカーも『砂嵐』の復旧作業で心を折られるらしい。
ハッカー特有の専門用語がふんだんに使用された文面であったためあまり理解出来なかったが、
どうやら学園都市の知識と技術、そして『定温保存』の頭脳をフルに活かしても『核』に至れないのだという。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:38:33.83 ID:g0dmyzM9o<>

情報を提供すると言っておきながらこの有り様で申し訳ない、という意味の文が最後にあった。
どうやら『守護神』と呼ばれる『定温保存』でもお手上げ寸前の様子だ。


（『守護神』でも･･････、学園都市全ての技術をフル活動させても全くダメとは･･････）


ますますあの金髪の怪物がきな臭くなる。
今回のこのハッキング、ハッカーの目的は恐らく『宇宙空間の映像を他者に見られないようにする』事だ。

そこまで分かるのはエリザリーナが『天使同盟』についての知識が一通りあるからだ。
しかしなぜそんな事をするのかは分からない。


気がつくと、定期的に送られていた『定温保存』からのメールがピタリと止まっていた。
どうしたのだろうと思っていると、新着メールを伝える通知音が鳴った。ロシアの情報総局長からだ。


『今すぐパソコンの電源を切り、ケーブルを全て抜けとの指示が「守護神」から送られた。
　この「Alliance」に深入りすると逆ハックをかけられてしまうらしい。
　君も今すぐ実行してくれ。　報告は後日、メールで伝える』

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:39:31.92 ID:g0dmyzM9o<>

エリザリーナの背筋が凍った。
この文面から察するに、『守護神』こと『定温保存』は逆ハックを仕掛けられ、
『定温保存』程の腕を持つハッカーでも対処出来なくなり、恐らくはパソコンを乗っ取られたのだろう。
メールの返事が来ない理由もそれで説明がつく。


このわずかな時間で、学園都市の最強ハッカーは撃破されてしまった。


（ここまできたのに･･････！！）


しかしこちらも逆ハックをされてはたまらない。
エリザリーナは直ぐ様パソコンの電源を落とそうとしたところで、

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:39:59.05 ID:g0dmyzM9o<>

ブツッ、とスクリーンがブラックアウトした。


「？」


エリザリーナは何度かマウスをクリックし、電源ボタンを押してみるが何の反応も無い。
自分の足元を見てみると電源ケーブルが全て引っこ抜かれていた。


そして、


「･･････み、ミーシャ･･････？」


エリザリーナの視界には、ケーブルを握ってこちらを無言で見つめてくる大天使の姿があった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:40:50.31 ID:g0dmyzM9o<>

――――――――――――――――――――――


一方通行、風斬氷華、レッサー、サーシャ＝クロイツェフ、『前方』のヴェントの五人は
黙々と食事を摂った後、各自自由行動となった。


自分たちは少し頭を冷やしたほうがいい、というサーシャの意見に全員が同意し、
飲食店から出てそれぞれ別の方向に散っていった。


（さて･･････、どォすっかな）


一通り必要な買い物を済ませた一方通行は――ミーシャやエリザリーナへの土産、垣根に頼まれた漫画や服、打ち止め達への土産等――、
ショッピングセンターの入り口近くにある休憩所を兼ねた広場に移動し、そこにあるベンチに座ってARを適当に操作していた。

片手でキーボードを操作し、もう片方の手に持っている缶コーヒーをグイッと一口飲む。
さっきまで女性陣の買い物袋を大量に背負い込んでいたため、コーヒーすら飲めなかったのだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:41:53.40 ID:g0dmyzM9o<>

食後の一服を堪能し、一方通行はARのウィンドウを切り替えてテレビ番組が見れるARを表示させた。
適当にチャンネルを変え、一通りのニュース番組に目を通す。


（･･････諜報機関のデータベースへのハッキング自体は二、三日前には既に実行されており、
　ハッカーがそれを悟られぬよう巧妙に隠蔽していた可能性が考えられる。　･･････ハッ）


喉を鳴らしてコーヒーを一飲みした彼はニュースを見て鼻で笑った。
セキュリティが杜撰だからこンな事になったンだろ、と適当に感想を漏らす。
顔を上げて周りを見渡してみるが、どいつもこいつもハッキング事件のニュースに釘付けになっていた。


無論、各国に存在する諜報機関のセキュリティは並ではない。
あらゆる技術が惜しみなく導入されており、ハッカーでも容易に侵入できないようなシステムは当然組まれている。

だが一方通行は長く学園都市に住んでいるせいか、学園都市より技術が数十年遅れている『外』のセキュリティなど
全くアテになりゃしないと考えているようだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:42:44.38 ID:g0dmyzM9o<>

（こンなモン、学園都市に協力を要請すりゃあっさりと解決出来るモンじゃねェのか）


一方通行は新しいタブを開き、学園都市のデータベースへの侵入を試みようとした。
各国の諜報機関がハッキングされているという話だが、まさか学園都市まで乗っ取られているという事はあるまい。

学園都市が組んでいる各機関のデータベースのセキュリティは『外』の比ではないほど強力に構成されているが、
この一方通行という少年は学園都市最高の頭脳を誇る超能力者だ。
彼がその気になれば、学園都市の機関へ侵入することなど朝飯前である。


（とりあえず･･････『風紀委員(ジャッジメント)』か？）


別に本気で学園都市のデータベースにハッキングをするわけではないのでどの機関でもいいのだが、
一方通行はとある『噂』をチラリと思い出していた。


『守護神(ゴールキーパー)』と呼ばれる、学園都市に存在する天才ハッカーだ。


本当に噂程度でしか聞いたことがないが、あのおかしな街ならそんな漫画じみた存在がいても不思議ではない。
学園都市のデータベースへハッキングを実行するという事は、『守護神』と真っ向からぶつかりあうという事にもなる。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:44:16.75 ID:g0dmyzM9o<>

（覗き見るくらいなら『守護神』とやらにも接触する事ァねェだろ）


とりあえず、と一方通行は風紀委員のデータベースへ無断でアクセスしてみた。


が、


「･･････あァ！？」


突然、ARが謎のエラー画面を表示し、サイレンのような警告音を発し始めた。
周りにいる買い物客の視線が一斉に白髪の少年へと向けられる。


（クッソ、くだらねェ小細工かましやがって！！）


一方通行はARの音量設定を弄り、ひとまずその警告音を抑える。そしてエラー画面を確認もせずにウィンドウを閉じた。
その後、カタカタとキーボードを素早く操作して侵入を試みてみるが、学園都市最高の頭脳を以てしてでも
ハッカーの仕掛けた強力な防壁を崩すことは出来なかった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:46:27.36 ID:g0dmyzM9o<>

（野郎･･････、コイツは『守護神』ってヤツの仕業か？　それとも例のハッカーか？）


自分の頭脳をフル回転させてもこの状況を打破できず、イライラしながらエラー画面を睨みつける。
彼が見ているエラー画面は、ただ赤と黒のストライプ模様が延々と表示されるだけの、『何も無い画面』だ。


（少なくともコイツはコンピュータの技術だけで実行出来るよォなハッキングじゃねェな･･････。
　でなきゃとっくに俺が、もしくはアレイスターのクソ野郎が解決してる）


もしくは一方通行の携帯電話に『暗部』からの仕事の連絡が入っているだろう。
そんな電話に出るつもりは彼にはさらさら無いが。


（それか、その『守護神』とかいう野郎が解決の糸口を見つけてるンだろォが･･････、
　この様子じゃ恐らく学園都市もやられてやがるな）


ついさっきまで全く関心が無かった今回のこの事件。
しかし一方通行は妙な胸騒ぎを感じていた。どう考えても自分はこのハッキング事件とは関係ないのだが、
それでもなぜか、ほんの少し『関連性』を感じ始めている。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:48:08.36 ID:g0dmyzM9o<>

（情報を手に入れねェと、････････････。　誰か適当に電話してみるか）


一方通行は忌々しいエラー画面が表示されているARを乱暴に叩きつけて閉じ、
携帯電話を取り出して学園都市にいる――数少ない――知り合いに連絡をとる事にした。


（黄泉川と芳川･･････は駄目だな、芳川は役に立ちゃしねェし、黄泉川はどォせ今回の事で
　『警備員(アンチスキル)』に呼ばれてるだろ。　クソガキや番外個体(ミサカワースト)が妥当か？）


まさかとは思うが、ミサカネットワークすら乗っ取られているという事はあるまい。
もうそこまでいくとさすがに事が大きすぎる。エイワスや風斬氷華がミサカネットワークの異変に気付き、
自分に連絡を入れているはずだ。


（･･････コイツでいいや。　今の学園都市の状況くらいならこの『バカ』でも把握してンだろ。
　暗部の仕事で呼ばれてる可能性もあるが･･････）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:49:00.97 ID:g0dmyzM9o<>

一方通行は電話帳からその人物の番号に電話をかけた。
プルルルルルル･･････、と無機質な呼び出し音が一方通行の耳に入ってくる。

ここはロシアで、学園都市は日本にあるため何かの原因で電話が繋がらない可能性も考慮したが、
そんな考えは無駄に終わり、数秒で相手は電話に出てきた。


『くあぁ･･････眠。　･･････もしもし？』

「はーまづらァ」

『うおっ、一方通行か？　不気味な声出してんじゃねぇよ･･････』


電話先の相手は、浜面仕上だった。


彼は第三次世界大戦後、ロシアで入手した『素養格付(パラメータリスト)』という公になれば学園都市を根本から揺るがしかねない
情報を交渉材料にし、新生『アイテム』として学園都市で活動を再開している。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:51:37.53 ID:g0dmyzM9o<>

今回のハッキング事件で暗部として仕事をしているため電話には出ないと一方通行は踏んでいたが、
意外にもあちらは呑気な声で返事をしてきた。


「オマエは今どこにいる？」

『あー･･････、今は第七学区のカフェにいるぞ。　つかお前今何時だと思ってんだ。
　こんな朝っぱらから電話してくんなよ･･････そんな時間にカフェに『無理やり連れてかれてる』俺も俺だけど』


ロシアは現在正午を回った頃だ。時差の影響で日本は今、早朝といったところだろう。
電話先から聞こえる浜面の声はとても眠たそうだった。


「オマエと世間話をするほど俺も暇じゃねェンだ。　こっちの質問に素直に答えろ。
　まず、『アイテム』他、暗部に何らかの仕事の連絡が来てる話とか聞いてねェか？」

『暗部の仕事？　お前には言ってなかったか？　「アイテム」はもう学園都市の暗部から「卒業」しちまってんだよ。
　んでまあそれとは関係ないけど、何か今、学園都市が騒がしくてな。
　俺もそろそろ仕事来るかなーってひやひやしてたんだけどさ』

「何･･････？」


学園都市が騒がしい、と浜面は言う。やはり何か事件が起こっているのか。
そして『アイテム』が学園都市の暗部との関連性を絶ったというのも初耳だ。
どこかで聞いたかもしれないが、今の一方通行にはとりあえず関係はない。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:52:48.94 ID:g0dmyzM9o<>

「詳細を話せ、何が起きてンだ？」

『お前ニュース見た？　ハッキングがどうこうってヤツ』

「見ねェよォにする事が難しい状況だろォが。　どこもかしこもハッキングの話題で持ちきりだ」

『だよな。　学園都市もそんな感じなんだけどよ･･････、っていうかお前こそ今どこにいんの？』

「ロシア」

『ああ、ロシア･･････ロシア！！？　何だってまたそんなとこ行ってんだよ！？』


浜面は大袈裟にリアクションをしてみせた。一方通行は会話が逸れそうな事にイライラしながら
本題の続きを促した。


「俺の事なンざどォだっていい。　学園都市の状況を教えろクズ」

『クズとか言うなー！！　･･････ったく。　で、なんかそのハッキングがさ、
　風紀委員や警備員のデータベースにも及んでるらしくて、あちこちで機関の人員が対応に追われてるんだと。
　もちろんこれは極秘情報だぞ？　この事実が学園都市に広まったらスキルアウトのバカ共が
　チャンスとばかりに犯罪起こしまくりかねねぇからな』

「････････････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:55:07.02 ID:g0dmyzM9o<>

風紀委員と警備員がやられた。


一方通行はそれを聞いても冷静だったが、これは学園都市にとってはとんでもない大損害だろう。
恐らく警備用ロボットや人工衛星やらのデータベースも全てハッキングされているに違いない。
風紀委員や警備員を潰せるほどの規模だ、そうでなければ不自然である。


「暗部に動きは？」

『サクっと調べたところだと、ちらほらと暗部の組織も動いてるみたいだぞ。　俺たちにゃ関係ないけどな。
　･･････お前ってまだ暗部だよな？　もしかして仕事の連絡が入ってんのか？』

「入ってねェし、来ても動きよォがねェよ。　･･････それで、活動してる暗部の情報とか
　風紀委員や警備員の対応の詳細とか、なんか情報を得てねェのかオマエは」

『無茶言うなよ、『闇』から足洗ったっつってんだろ。　そんな簡単に情報は手に入らねえよ。
　･･････あー、ただな。　風紀委員と警備員に関しては大したダメージは負ってねえらしい。
　復旧は今んとこ不可能だけど、あそこらは動かせる人員が多いからな。
　人海戦術で何とか街の治安は維持出来てるらしいぜ』


さすがにハッキング程度で折れるよォな組織じゃなかったか、と一方通行は興味無さげに感想を抱く。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:56:00.74 ID:g0dmyzM9o<>

「以上か？」

『いや、まだある。　これはまぁ･･････お前に言ってもしょうがねえかもしんねえけどさ』

「いいから話せ」




『第二三学区ってあるだろ？　一般学生は立ち入り禁止の区域。　あそこの通信施設とか
　実験空港、学園都市の宇宙開発研究所関連の施設は軒並みやられてるんだとよ。
　他の学区は被害が少ねえんだけど、二三学区、なぜか宇宙関連のデータベースは
　研究者が首を括りかねないほど壊滅的な状況になってるみたいだぞ』




第二三学区。
ここは一学区丸ごと航空・宇宙開発分野の施設などが占領している特殊な学区だ。
樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)情報送受信センターといった、学園都市にとって極めて重要な
施設なども存在している。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:57:10.17 ID:g0dmyzM9o<>

その第二三学区の、特に宇宙開発関連施設が壊滅的なダメージを受けているらしい、と浜面は言う。


（どォいうこった･･････？　狙うなら普通、学園都市の監視システムとかそォいうベタな所じゃねェのか？
　いや、このハッキング野郎は学園都市も『ついで』で考えてやがる。　じゃねェと全世界の諜報機関の
　ハッキングなンて祭りみてェな事はしねェはずだ････････････）


『なんか、まず最初にハッキングされたのが世界各国で打ち上げた偵察衛星関連のデータベースみたいなんだけど、』

「偵察衛星だと？　･･････ひこぼし�U号もやられてンのか？」

『は？　ひこぼし？　あれってただの気象衛星じゃなかったっけ？』


どうやら当時下っ端構成員だった浜面には、ひこぼし�U号がスパイ衛星であるという情報は
入ってこなかったようだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:58:02.78 ID:g0dmyzM9o<>

とにかく、そんな元下っ端構成員の情報によればまずハッカーが最優先でハッキングを仕掛けたのが
各国が打ち上げている偵察衛星のデータベースだという事。


（･･････意味がわからねェ。　なンのためにそンな事をしてやがるンだ？）


一方通行には全く関係の無いこの事件、本来の彼ならここらで情報収集を打ち切りにしているだろう。
しかし、なぜか胸のもやもやが拭えない。関係ないのに、関係ないとは思えない妙な違和感を感じる。


「オマエのその情報、間違いはねェンだな？」

『自信は無いけど、絹旗にも確認してもらったから大丈夫だと思う』


絹旗、と言われても一方通行には誰の事だか分からないが、恐らく『アイテム』の一員なのだろう。
ならばこれは学園都市暗部からの確たる情報という事になる。一方通行の収穫は小さい物ではなかった。

<> 暗部じゃねえってのに･･････すんません　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 19:59:39.78 ID:g0dmyzM9o<>



『小耳に挟んだだけだから真偽はわからないけど、学園都市が
　放っている気象衛星が結構前から何らかの不具合を起こしているらしいわよ』




昨晩の食事の時、エリザリーナがチラリと漏らしていた言葉を思い出す。
彼女がプライベーティアとのいざこざでロシア政府に足を運んだ時に耳にしたと言っていたはずだ。


（クソッ･･････こンな事になるンならエリザリーナからもっと話を聞いときゃよかったな。
　こォなるとあの女が言っていた『結構前』ってのが具体的には何日前なのか気になる）


「下っ端、聞いてるか？」

『下っ端言うな、聞いてるよ。　なんだ？』

「学園都市のひこぼし�U号が前から不具合を起こしてるらしいンだが、
　オマエそれについて何か知ってる事はねェのか」

『ひこぼし�U号って、だからあれってただの気象衛星だから―――』

「いいからオマエは雑魚らしくせっせと情報集めりゃいいンだよクソボケ」

『それが人に物を頼む態度かよ！？』

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 20:00:51.10 ID:g0dmyzM9o<>

だー、ちょっと待ってろ！！と、憤慨しながら浜面は会話口から離れた。
どうやら彼が今いるカフェにはパソコン利用サービスがあるらしい。

小さな声でよく聞こえないが、近くにいる誰かと話をしているようだ。さっき言っていた絹旗とかいう人物だろうか？
一方通行は会話を聞き取ろうと聴覚を集中させると、あっちから例の大音量警告音が鳴り響いた。どうやら浜面達もアレに引っかかったらしい。

そして一分も経たない内に、浜面は声をかけてきた。


『ひこぼし�U号が不具合起こしてたって噂は少しだけあったみたいだけど、
　詳しくは調べられなかった。　なんかそういう衛星とか「宇宙関連」の情報を調べようとすると
　変なエラー画面が出るんだよ。　お前知らないのか？　バカみてえにデカいエラー音が鳴るヤツ。
　学園都市でもあっちこっちで鳴ってたんだぞさっきまで。　ていうか今のも聞こえたろ？』

「俺もそれは見たし聞いてる。　音は設定弄りゃどォにでもなるチンケなトラップだ。
　････････････なら、ひこぼし�U号が具体的に何日前から不具合起こしてたかはわからねェンだな？」

『ああ、皆目見当もつかねえよ。　「衛星」はもう絶望的だ、復旧の目処も全く無い。
　どんな方法で調べようとも必ずあの「変なメッセージ」が出て先に進めねえんだとよ。
　小耳に挟んだだけだけど、あの「守護神」もノックアウトされたらしいぞ』

「････････････『変なメッセージ』？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 20:02:47.74 ID:g0dmyzM9o<>

浜面が放った妙なワードに、一方通行は眉をひそめた。
確かに自分も例の大音量トラップを喰らいはしたが、エラーメッセージは見ていない。
なぜならエラー画面など見向きもせずにウィンドウを閉じていたからだ。


「････････････オイ、オマエが見てるエラー画面にゃ何かメッセージがあンのか？」

『はぁ？　そりゃお前、こんだけ堂々と表示されりゃ見ざるを得ねえだろうよ。
　本当にニュース見たのか？　"コイツら"が何者なのか、今のニュースはその話題でも盛り上がってんぞ？
　ネットの巨大掲示板とかも"コイツら"の話題で持ちきりだ』

「･･････････････････････････････」


『コイツら』、と浜面は言う。
複数形という事は、そのメッセージには何人かの言葉でも表示されているのだろうか。
一方通行はさっきチラッとニュースを見ただけだ、そんなエラー画面のメッセージの事など知らない。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 20:04:27.31 ID:g0dmyzM9o<>

「･･････俺が見てるエラー画面は、ただ赤と黒の縞模様が表示されてるだけだぞ」


言いながら、試しにARで適当に『衛星』について情報を検索するが、
もはや『衛星の関連情報』ですらハッキングされ、乗っ取られてしまっている。

そして、一方通行の目の前に表示されるのは赤黒のストライプ模様だけだった。


『そうそう、その赤と黒のシマシマ画面の中央に、ドーンと挑発するようなメッセージがあんだろ。
　なんか数分くらい待ってたら表示されるヤツ』

「･･････数分待てば、だと？」

『ああ。　学園都市でも既に多数目撃証言が出てるんだけど』


聞いちゃいけない気がする。
絶対に聞いたら後悔する気がする。いや、気がするではなく、これは確信だ。

しかし、ここまで深く関わってしまった以上、一方通行も後には退けなかった。
絶対に後悔するとしても、"自分は聞かなければいけない気がしたのだ"。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 20:06:23.37 ID:g0dmyzM9o<>

「･･････教えろ。　エラー画面には、何が書いてある？」


胸の鼓動がだんだん早くなっていくのが分かる。
心なしか、呼吸も荒くなっているような気がする。
嫌な予感しかしない。嫌な悪寒が全身を駆け巡る。

それでも一方通行は浜面に質問した。エラーメッセージの正体を。

でも、なぜ。どうして、


どうしてこんな時ですら、あの水の大天使の顔が思い浮かぶ？


『えっと、････････････』


浜面は少しだけ閉口した後、恐らく画面を確認しながらこう言った。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 20:08:11.16 ID:g0dmyzM9o<>




『「"天使同盟をよろしく！"」、だってよ。　Allianceだから･･････「アライアンス」、か？
　天使同盟なんて聞いた事もない名前だけど、お前知ってるか？
　ネットとかで色々憶測が飛び交ってるけど、何か"どこかの組織の名前"じゃないかって
　仮説が一番濃厚なんだとさ。　お前心当たりとかないの？　ていうか天使って言えばお前確かロシアの天使と―――』





もはや浜面の言葉など耳に入って来なかった。


一方通行はこの時、間違いなく呼吸が止まっていた。

知っているどころの話ではない。
心当たりがある、どころの騒ぎではない。
『組織の名前』説が濃厚になっているらしいが、濃厚どころではない。


ドンピシャリ。正確。的確。言い得て妙。的を射ている。


『天使同盟(アライアンス)』の名は、全世界のネットワークを介して大勢の人間に知れ渡っていた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 20:10:21.76 ID:g0dmyzM9o<>

（･･････････････････････････････、夢かなンかだろ、これ）


現実を素直に受け止める事が出来ない。
一体全体、何がどうしてこうなった？


『おい、一方通行。　聞いてるのか？　ああ、ちなみに「天使同盟」については
　今のところ全く情報無し。　調べてもエラーどころか、何一つヒットしないんだと。
　でもよ、天使って言葉･･････何か嫌な感じだよな』


その"嫌な感じ"を今、自分は必死で守ろうとしていると知ったら、浜面仕上はどう反応するだろうか。
浜面は以前、一方通行に偽造パスポートの作成依頼を受けた時に『天使』の顔を写真で見ているし、
その天使と自分が一緒に行動していることもしっている。

浜面が一方通行と『天使同盟』の関係に辿り着くのは時間の問題かもしれない。


（何が起こるってンだ･･････。　クソったれ、こォいう嫌な予感だけは的中しやがる･･････！！）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 20:11:27.95 ID:g0dmyzM9o<>

何かが起ころうとしている。具体的に何が起ころうとしているのかは分からないが、
漠然と、これから先に自分たちに何かとてつもない事態が発生しようとしている事だけは分かる。


『おい、一方通行？』

「･･････なンでもねェよ。　とにかく分かった、オマエはもォこれ以上この件に関わンな」

『は？　何言ってんだ？　お前やっぱり今回の事件について何か知って――――』


浜面が何か言っていたが、それを無視して一方通行は電話を切った。


（･･････とにかく、もォ帰った方がいいな。　風斬はこの状況を全て把握してンのか？
　垣根は？　他の連中はどォだ？　魔術サイドにゃもォ『天使同盟』として
　かなりの人間と関わっちまったぞ･･････。　････････････それと、）


一方通行はARのウィンドウを全て閉じ、空になった缶コーヒーをゴミ箱に投げ捨てた。
そして周囲の人間たちの様子を確認し、ゆっくりと、自然にベンチから立ち上がる。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 20:12:32.18 ID:g0dmyzM9o<>

（こォいう時、やっぱ一番怪しいのはあの"クソ野郎"なンだ。　アイツから話を聞いてみねェ事には
　何も進展しねェ。　･･････買い物なンかしてる場合じゃなかったか）


現在、時刻は正午を少し過ぎた辺りだった。
今帰れば、夕方前にはエリザリーナ独立国同盟に到着出来るだろう。


（慌てる事ァねェ。　世界が『俺達』に気付く事はあり得ねェンだ。
　とにかく帰って、冷静に状況を把握していけばいい）


一方通行は踵を返して四人の女性陣と合流しに向かう。
とりあえず独立国同盟に帰って、あの金髪の天使を問い詰めなければならない。


だが、彼はまだ気付いていなかった。


今この瞬間も、刻一刻と『茶会へのタイムリミット』が近付いている事に。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 20:18:39.92 ID:g0dmyzM9o<>
Q.第三次世界大戦終結後、一方通行との取引で暗部は全て解体されたはずでは？

A.このSSでは未だ健在です。『グループ』も活動しています。
　『アイテム』は暗部とは関係なく動いているのですが、どうしてもクセで暗部扱いしてしまう･･････


そんなわけで、本日の投下は終了します。
一方通行はどうやらこの事件の犯人に心当たりがあるようですね、誰なんでしょうか。

次回は再びエリザリーナにカメラが切り替わります。
エリザリーナの行動を阻害するミーシャの真意とは･･････。

なんて書くと壮大なストーリーっぽくなりますが、実際大したことありませんねｗｗ

次回更新は三日以内。

それでは今日もお付き合いいただきありがとうございました！ <> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/22(火) 20:19:08.25 ID:g0dmyzM9o<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『もう。　遅い。　消失。　許容。　魔術師。　敵。　彼。　皆。　守る。
　準備。　完了。　待機。　待機。　待機。　････････････』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・ミーシャ＝クロイツェフ




『何が遅いの、まだ何も起きていないわ！！　彼らは諦めずにあなたと共に行動しているというのに、
　あなた自身が諦めてどうするのよッ！？』
―――――――――――エリザリーナ独立国同盟の中心的人物・エリザリーナ




『ハッキング？　首謀者？　何の事です？』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・エイワス



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/03/22(火) 20:19:43.95 ID:l7q4HmVAO<> 最速の一乙ッ!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/22(火) 20:21:43.03 ID:Gf6X/Q/Y0<> >>1乙ー

エイワス絶対棒読みだろｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/22(火) 20:23:24.84 ID:QPzAa9oO0<> エイワスｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/03/22(火) 20:23:32.86 ID:jpdMMn+oo<> 乙
エイワスじゃないなら誰なんだろーなー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県)<>sage<>2011/03/22(火) 20:25:39.31 ID:3G1ShNT30<> >>1乙

次回も楽しみで仕方がない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/22(火) 20:26:02.62 ID:YEWMVLrSO<> これは犯人が予想できないぞー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/03/22(火) 20:31:20.98 ID:v2W7l8u2o<> エイワスこの野郎？ｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/03/22(火) 20:32:42.54 ID:YxRK/2DE0<> あれれー？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2011/03/22(火) 20:33:15.13 ID:FYLcinvIo<> しゅごしんのうえのひとがあやしいんじゃないかなー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/03/22(火) 20:35:59.47 ID:v2W7l8u2o<> まああんぶにしれいがとばないということはかんでるよねー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/03/22(火) 20:36:07.44 ID:+wGjtXcQ0<> 予告に重大なヒントが隠されている気がしてならないな。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/22(火) 20:44:17.02 ID:4+Tw+jTDO<> このスレの読者のノリの良さは異常

それより絹旗ちゃんが名前だけ出てるんだけど、出番期待していいんですかね！？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県)<>sage<>2011/03/22(火) 21:22:48.42 ID:2Hai8nML0<> これだけの大規模ハッキングをやらかすとは……一体犯人は誰なんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/03/22(火) 21:42:29.54 ID:YxRK/2DE0<> >>170
なんだと？！　犯人が気になって重要なことを見過ごしていた
絹旗もしくは、守護神とのフラグなフラグってことか！！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/03/22(火) 21:58:39.74 ID:knIsF/s70<> このエイワスからはアステカのにおいがする <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/22(火) 22:09:23.09 ID:GOswIpu3o<> ガブリエルが日記書いてるってことはガブリエル消失フラグだよな…
想像するだけで胸が痛い

そして乙！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/23(水) 10:08:43.33 ID:9SbnjC4X0<> >>172
電子戦で窒素を操る能力がどう役に立つと <> 木原くン<>sage<>2011/03/23(水) 20:51:05.75 ID:+ae2UJaAO<> 最近、一方通行から木原くンの話題が出てるからまさかの復活のフラグは………無いか(-o-;) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/24(木) 00:17:16.79 ID:FyyBNSNSO<> 禁書に守護神より凄いハッカーとかいたっけなー？
だれなんだろうなー？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/24(木) 00:17:49.68 ID:FyyBNSNSO<> 禁書に守護神より凄いハッカーとかいたっけなー？
だれなんだろうなー？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)<>sage<>2011/03/24(木) 01:18:07.48 ID:LedSHAWE0<> わたしだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/03/24(木) 01:20:04.55 ID:k6gIZjZbo<> おまえだったのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2011/03/24(木) 01:36:52.61 ID:iPgOuwmno<> 暇を持て余した天使同盟の遊び <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/24(木) 01:50:37.07 ID:yi4b4ddo0<> 遊びそうなのが一人しかいない件について <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/03/24(木) 02:07:09.58 ID:Xhclvs6oo<> ミーシャの事ですね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/03/24(木) 07:22:33.64 ID:soM8xF3AO<> ワシリーサと毎日ｷｬｯｷｬｳﾌﾌしてる垣根じゃね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/03/24(木) 12:42:29.56 ID:9qTFnBXLo<> 命懸けのｷｬｯｷｬｳﾌﾌ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)<>sage<>2011/03/24(木) 15:19:05.46 ID:LedSHAWE0<> >>184
×　ワシリーサ
○　バーバ・ヤーガ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)<>sage<>2011/03/24(木) 16:04:55.58 ID:qELnGMr+o<> どっちにしろ死亡フラグ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/24(木) 16:13:16.87 ID:oK+tW5Loo<> 俺の未元物質にフラグは通用しねえ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/03/24(木) 17:25:33.86 ID:IXQ4spz/0<> あんた一度死んでるじゃないか <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 21:52:21.78 ID:oEEprUTlo<> お、おかしいですねえ･･････皆さんのその口ぶりからして
これはもしかしたら犯人が誰だかバレているのでは･･････どういう事なんだ


てなわけでこんばんわ。今日も投下していきたいと思います。


今回はエリザリーナとエイワスのシャベリ場をお送りします。
さりげなくですがこのお話の重要なポイント、『星の欠片』についての話です。
もう読者の皆様には大体予想がついているでしょうが･･････


それでは参りましょう <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 21:53:21.93 ID:oEEprUTlo<>

――――――――――――――――――――――


エリザリーナは、パソコンのケーブルを握ってただこちらを無言で見つめてくるミーシャに対して、
どうアクションを起こせばいいのか分からなかった。


「ミーシャ････････････」

「――――――――――」


水を司る大天使、ミーシャは手に持っていたケーブルを床に放り投げ、
そしてまたエリザリーナの顔を、瞳を黙って見つめてくる。

こうしていても何も事態は進展しないと判断したエリザリーナは、とりあえず話しかけてみることにした。


「ミーシャ、どうしてこんな事を･･････？　私はまだ仕事をしなければならないの。
　だからパソコンが使えなくなると困るのだけれど･･････」

「pefjng無駄vngrg」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 21:54:10.24 ID:oEEprUTlo<>

ノイズの混じった声で短く何かを言うミーシャだが、エリザリーナにはその言葉が理解出来ない。


「まったく･･････意外とおてんばなのね、あなた。　もうお昼を回っているし、
　そろそろ昼食なのだけれど･･････どうかしら？　あなたも食べるでしょう？」


そう言いながらエリザリーナは椅子から腰を上げ、ミーシャが放ったケーブルを拾い上げる。
そして再びパソコンに繋げようとするのだが、


パシッと、ミーシャは軽くエリザリーナの手を叩いて阻害してきた。
エリザリーナの頬にツツー･･････と、冷や汗が流れる。


「････････････ミーシャ･･････」

「駄目」


次の言葉は理解できた。ノイズが混じっていなかったのだ。
ノイズがあったり無かったりと、やはりミーシャはどこか不安定な状態にあるようだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 21:55:47.17 ID:oEEprUTlo<>

「だ、駄目って･･････何が？　私はただ―――――」

「――――――――、」

「？」


ミーシャはゆっくりと首を横に振り、『上』に指を立てる。
エリザリーナは釣られて上を見るが、そこには石で出来た無機質な天井しか広がっていない。

ただ、エリザリーナにはミーシャの仕草が何を意味しているのかが分かった。


「････････････空？　いえ、あなたは･･････」

「調査。　無駄。　lsaw駄目jfer。　無意味。　遅い」

「･･････ではやはり、ベツレヘムの星の欠片は････････････」


出来れば当たってほしくない推理だったが、どうやら見事に的中してしまったようだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 21:56:58.53 ID:oEEprUTlo<>

エリザリーナは『天使同盟』よりも早く、『星の欠片』の居場所を突き止めることが出来た。
しかしそれで素直に喜べるような状況ではない事を、エリザリーナも、そして誰よりもミーシャは分かっていた。


「でも、だったらどうして･･････なぜ邪魔をするの？　詳しい原因は分からないけど、
　多分『星の欠片』は間もなく消滅してしまうわ。　あなたの儀式場もろとも！！
　それなら今のうちに対策を整えて実行しなければ、あなたはこの世界から消えてしまうのよ！？」


口調が徐々に荒々しくなってきた彼女の言葉に、ミーシャは黙って頷いた。


「分かっているのなら邪魔しないで！！　あなたはこの世から消えたくはないのでしょう！！？
　自分で言っていたじゃない！！　　ここから消えるのは嫌だって、彼らと、『天使同盟』の
　皆と別れるのは嫌だって、そう言ったのはあなたでしょ！？　今からでも行動すれば間に合うはずだわ！
　一方通行達だって、あなたのために今まで行動してきたのよ！？　それを―――――――」

「もう。　遅い。　消失。　許容。　魔術師。　敵。　彼。　皆。　守る。
　準備。　完了。　待機。　待機。　待機。　････････････」

「何が遅いの、まだ何も起きていないわ！！　彼らは諦めずにあなたと共に行動しているというのに、
　あなた自身が諦めてどうするのよ！？　･･････、準備って････････････！！」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 21:57:56.43 ID:oEEprUTlo<>

気付けばエリザリーナは肩で息をしながら激昂していた。それはミーシャの諦めに対する怒りでもあれば、
呆れるほどの無力な自分に対する怒りでもあった。


「準備って･･････何の準備よ。　あなたは一体何を考えているの････････････？
　『神の力(ガブリエル)』は伝達の御使いでしょう･･････？　だったら、私に何を考えているのか教えて･･････」




『教えるも何も、ミーシャ＝クロイツェフはこれ以上事を歪ませるなと言っているだけだよ、エリザリーナ』




突然の虚空からの声に、エリザリーナはビクン！！、と体を強ばらせた。
ドッと吹き出る汗が頬から顎へと渡り、床にぽたりと落ちる。

その真実も嘘も考慮させない、美しすぎるほど美しい声は、聞き間違えようがない。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 21:59:20.62 ID:oEEprUTlo<>

「エイワス･･････！！」

「そう、みんなのエイワスだよ」


まるっきりふざけた口調で虚空より顕現せしは、クロウリーにあらゆる知識を授けた聖守護天使エイワスだった。
エイワスはエリザリーナの真後ろに、まるで最初からそこにいたかのように佇んでいた。

エリザリーナは後ろを振り向くこともせず、エイワスに問いかける。


「今回のハッキング事件、首謀者はあなたね？　エイワス･･････」

「ハッキング？　首謀者？　何の事です？」

「とぼけないでッ！！！」


エリザリーナの喝に、エイワスはただ微笑するだけだった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:00:16.15 ID:oEEprUTlo<>

「証拠も何も無いというのに、いきなり私を疑うとはひどいじゃないか、エリザリーナ」

「どの口がそんな事を言うのかしら･･････、こんな事が出来るのは現時点であなたしかいないでしょう。
　あのわざとらしいエラーメッセージが動かぬ証拠よ」

「ふはははは、バレちゃあしょうがねえぜ、白状しちまいますよ名探偵さん♪」


こんな雰囲気の中でもふざけた口調で喋るエイワスに、エリザリーナの苛立ちは募るばかりだ。
この時点でエリザリーナは完全にエイワスの術中にハマっていた。


コホン、とエイワスは咳をして言う。


「その通り、今回のハッキング事件は私が起こした。　ただ一つ訂正するならば･･････、
　私は首謀者ではないよ。　これは私一人による単独犯だからね」

「あなた一人で･･････？　呆れるわね、信じられないわ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:00:58.55 ID:oEEprUTlo<>

だが本当にたった一人でそんな事をやってのけてしまうのがエイワスという存在だ。
エイワスはロシア到着からちょくちょく姿を消していたが、この事件を引き起こすための
下準備でもしていたのだろうか。


「そんな大した事をしているつもりはないのだがね。　もちろん、事が済めば私が掌握した
　データベース等は全て元通りにするつもりだし、何もこのまま世界を混乱の渦に巻き込もうと
　しているわけではない。　そんな事をしてもつまらない世界はつまらないままだからな」

「この事態が大した事じゃないですって･･････？　あなた一体何をしようとしているの？」

「ミーシャ＝クロイツェフ、君は私の部屋で休んでいたまえ。　私は少し彼女と話がある」


言われて、ミーシャは黙ってエイワスの言葉に従いエリザリーナのオフィスから出て行く。


「あ、待ってミーシャ！！　あなたは、」

「pvhyg謝々krpogj」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:01:46.38 ID:oEEprUTlo<>

のっぺりとした顔にある、口に当たる凹凸をもごもごと動かして何かを言ってきたミーシャは、
エリザリーナの制止を無視してオフィスを後にした。


そしてオフィスに残っているのは、エリザリーナとエイワスのみ。


エイワスという未知なる存在と二人きりで対峙するという事が、こんなにも恐ろしいとは思わなかった。
傍にいるだけでこんな得体の知れない重圧がのしかかってくるこの怪物と、今までずっと行動を共にしてきた
一方通行達もやはり只者ではないのだなと痛感した。


「楽にしたまえエリザリーナ、私は君に何かをしようと企んでいるわけではないのだから。
　そうだな、まずは君に称賛の言葉を送りたい。　おめでとう、エリザリーナ。
　君は見事、『星の欠片』に辿り着く事ができたようだな」


パチパチパチ、と全く心が込められていない拍手をエリザリーナに送る。
しかしそんな事よりも、エリザリーナはエイワスの言葉に驚愕していた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:03:07.15 ID:oEEprUTlo<>

「『星の欠片』･･････、じゃあやはり『星の欠片』は」

「うむ、君の推理通りだ」


エイワスは大袈裟に両腕を広げ、まるで空をその身で受け止めるようなポーズをとって言った。






「『天使同盟(アライアンス)』が探し求めていた『ベツレヘムの星の欠片』は、宇宙空間を漂っている」





<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:04:08.47 ID:oEEprUTlo<>

分かっていても、予想は出来ていても、やはりこうしてハッキリと答えを提示されると
驚嘆してしまうものだ。
実際、エリザリーナは目を皿のように広げてその場に固まってしまった。


『ベツレヘムの星の欠片』は現在、宇宙空間にある。


一方通行と出会ってから、ミーシャは度々空を見上げていた。
そんな天使の様子を見て一方通行達は『星の欠片は上空を漂っている』、というところまでは推理出来ていた。

しかしさすがに、まさか宇宙空間にまで飛び出しているとは予想出来なかったのだろう。
実際に答えに辿り着いたエリザリーナですら、自分の推論に半信半疑だったのだから。


「それにしても、本当に驚いたよ。　イレギュラーとはこういう事を言うのではないかね？
　まさか一方通行よりも、風斬氷華よりも、垣根帝督よりも、他の人間よりも。
　先にエリザリーナ、君が『星の欠片』を発見してしまうとはね」


エイワスはスッと腕を降ろし、エリザリーナに向かって微笑みながら続けた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:09:28.67 ID:oEEprUTlo<>

「これは私でも予想出来なかった事態だ。　これこそ『大事』ではないかな？
　君にとってはそうでなくとも、私にとってこの事態は大きなサプライズだ。
　『事』の大小と価値観は、個によって多種多様だからね」


エリザリーナが『星の欠片』に辿り着く事を、果たして本当に予想出来なかったのかどうか怪しいところだが、
エイワスはさも本当に驚いているかのような仕草をとってみせた。


「やはりさすがに科学サイドの人間には予想し難い事だったかな、これは。
　たかが空中要塞が、宇宙にまで飛んでいくとは思えなかったのだろうね。
　かくいう私も、アレイスターに遅れをとってしまったのだが･･････、ふむ。
　やはり君は聡明な人間だよエリザリーナ、褒美でもとらせようか？」

「･･････そうね、なら甘んじて授かろうかしら、その褒美を。
　けど、何を貰うかは私に決めさせてちょうだい」

「何なりと。　何が欲しいのかな？　金？　地位？　名誉？　ふふ、ありきたり過ぎるか」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:10:21.26 ID:oEEprUTlo<>

エイワスの言葉など無視して、エリザリーナは褒美の内容を注文した。


「･･････私の質問に『正直』に答えてちょうだい」

「そんなものでいいのかね？　欲が無いのだな」

「あなたから貰える真実ほど価値がある物なんてないかも知れないわよ。
　だからお願い、正直に答えて。　私の質問と、あなたの考えている事と、ミーシャの考えていること」

「さりげなく注文が増えているが･･････、まぁいいだろう。　拝聴しようか」


エリザリーナは質問の内容を頭にまとめていき、しばらくの間無言で佇んでいた。
そんな彼女の様子を冷笑を浮かべながら見つめるエイワスの、なんと余裕綽々な事か。
どんな事を聞かれても、全て正直に答えようとも、全く問題ないと言いたげな佇まいだ。


一分が経った頃だろうか、エリザリーナが口を開いて最初の質問を投げかけた。


「･･････まず一つ。　なぜ各国諜報機関の、いえ、『衛星』のコントロールを掌握するなんていう
　大それた事をしたの？」

「当然の疑問、といったところだな」


どう答えたものか･･････、とエイワスは演技臭く指を顎に当て、解答内容を考える。
もっとも、こうやってわざと焦らしてイライラするエリザリーナの姿を見て愉しもうとしているだけかもしれないが。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:11:49.28 ID:oEEprUTlo<>

やがて、エイワスはエリザリーナに答えた。


「宇宙にあんな物がふわふわと漂っていたら、誰だって驚くだろう？　ベツレヘムの星を知らない者が見ても、
　知っている者が見ても、必ず驚く。　そして各国は持ちうる技術を使って『星の欠片』の争奪戦だ。
　宇宙に浮かぶモノリスだのUFOだの未知の惑星の一部分だのとのたまってな。
　そうなってしまっては困る。　あれを乱暴に扱われでもしたら、ミーシャの存在維持に関わってしまうからね。
　我々『天使同盟』の目的は『天使の保護』だ。　その邪魔立てはさせるわけにはいかないのだよ」

「････････････本当に、それだけなのかしら？」

「疑うかね？　疑ったところで、ならば君は真実を提示することが出来るのか？
　提示した上で、そが真実だと立証させ、私を論破する事が出来るのか？
　私は正直に答えろと言われたから答えているまでだが」

「･･････････････････」

「無知なら与えられた知識を受け入れろ。　それこそ、甘んじてな。　ふふ･･････」


馬鹿にするように笑うエイワスだが、しかしその通りだ。
今のエイワスの解答が虚偽だとしてもそれを確証付ける物は何も無いし、言葉だけで論破出来るほど材料も無い。

何より今、エイワスが言った事は真実味がある。確かに未だ世界は宇宙についての情報が不足している。
そんな時に宇宙空間を漂う『星の欠片』を発見すれば、あっという間に各国での争奪戦が始まってしまうだろう。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:19:18.40 ID:oEEprUTlo<>

それに一つの国だけが秘密裏に『星の欠片』を発見したとしても、それを回収出来なければどうしようもない。
恐らくだが、『星の欠片』は欠片とはいえ元は空中要塞。その大きさは繊細な宇宙空間専用回収マシン等では
とても回収出来ないものだろう。


「･･････ただ、」

「？」


と、ここでエイワスがまたしてもエリザリーナを困惑させるような発言をする。


「『衛星』のコントロール掌握に関しては、世界の目から『星の欠片』を隠すためだけに
　行った事ではない。　いわば、これは『カモフラージュ』だ」

「カモフラージュ･･････？」

「詳細は時が来たら話す。　そうだな･･････、明日にでも、全員を招集して話すことになるだろう。
　そうせざるを得ない事態が発生するはずだ、私の予想だとね」


相変わらずこの金髪の怪物は言っている事がよくわからない。
明日になれば全てを話すことになるとはどういうことなのか。しかもそうせざるを得ない事態が発生するとは、
これ以上何が起こるというのか。エリザリーナは頭に鈍痛のようなものを感じた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:20:21.45 ID:oEEprUTlo<>

「･･････今、ここで私に全てを説明する気はないの？」

「君という人間個人にそんな価値は無い。　同じ説明を何度もするのは苦手でね。
　それなら皆を集めて一回で説明した方が楽だろう？」


ならば今ここでエリザリーナがエイワスに質問をぶつけても、結局全ての答えは提示されないのではないだろうか。
なんだか狐につままれたような錯覚を覚えつつも、エリザリーナは質問を続けた。


「･･････あのエラーメッセージは何？　『天使同盟をよろしく』とかいう、あのメッセージは」

「遊び心だよ。　それにほら、ハッキングによって生じたエラー画面にあんな意味深なメッセージが表示されたら、
　何だかワクワクしてこないかね？　謎の組織が世界を混沌で満たそうとしているんだ、とかな。
　ちょっと地球を混乱させてみようかなと、ほんの悪戯心で行ったことだ」


結局、エイワスにとって世界とは。この惑星とは。そんなものでしかないらしい。

いわばこの地球という惑星は、エイワスにとっては大きなおもちゃ箱なのだ。
いや、ゲーム盤と言った方が正しいだろうか？人間という駒を好きなときに好きなだけ動かすことが出来、
飽きたら『ひっくり返して』またやり直し。それはまさに神の所業だ。


「今頃、大慌てで一方通行達がこちらへ向かっているところだろうね。
　やれやれ、また怒られるのかな私は････････････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:21:13.07 ID:oEEprUTlo<>

当たり前だろう。エイワスに好き放題振り回されて黙っている第一位ではない。


「いつまで『衛星』のコントロールを手中に収め続けるの？」

「事が済めば、と言ったはずだが」

「その『事』とは何？　それはいつ終わるの？」

「『事』の詳細は君には関係無いことだ。　終焉は･･････明日だろうがな」


明日。


今までのエイワスの言葉から考察すると、明日に何かが起きて、それは同日に終焉を迎えるという。
その『事』の為に『衛星』のコントロールを掌握するという大規模な『下準備』を行い、
それがミーシャ＝クロイツェフを守る事に繋がるのだという事だろう。


「その『事』は、あくまであなた達の中にしか及ばない事態なのかしら？
　それともまさか、世界全体に関わる事？」

「難しい質問だな。　答えによっては君が余計な行動を起こしかねない」


その言葉だけで既に行動を起こしかねないのだが、エリザリーナはジッと堪えて答えを待った。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:25:05.33 ID:oEEprUTlo<>

「全世界に影響を及ぼさないように尽力するつもりではあるが･･････、
　そこまで心配しなくてもいいのではないかな。　私もついているし、
　一方通行達も全力で取り組んでくれるだろう。　事は天使に関わるからな」


ただ、とエイワスは意味深な笑みを浮かべて続ける。


「この物語にはいくつか分岐ルートがあるが･･････、もし私が予想しうる『最悪のバッドエンド』に
　辿り着いてしまった場合は、"少なくとも十字教は崩壊する"。　これはバッドエンド時の確定事項だな」


もうエリザリーナは声も出せなかった。
十字教が終わるということは、魔術サイドがこれまで築きあげてきた輝かしい歴史も、汚らわしい過去も、
全てが綺麗サッパリ無くなるという事だ。


第三次世界大戦が終結し、魔術結社は復旧・改善が進み、各宗教の信徒に
ようやく平和な日々がやって来つつあるというのに。


「それはあなたのデタラメな発言であって欲しいのだけれど･･････」

「言っただろう、『最悪のバッドエンド』を迎えた場合のみに起こる確定事項だ。
　そんな事は"させない"から、これからも君たち人間は安心して安息の日々を謳歌したまえ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:26:20.42 ID:oEEprUTlo<>

「させない･･････？　十字教の崩壊は自然現象ではなく、誰かが起こすものなの？」

「時代が変われば、自ずと前時代に蔓延んでいた文化や宗教は消えてなくなるだろう。
　それは自然に起こる場合もあれば、人の手によって起こる場合もある。
　明日が時代の変わる日だというなら、それは十中八九人間の手で起きるものだ」

「･･････誰がそんな事を？」

「さあ？　それも明日になってみなければ分からない。　私はオシリスも嫌いではないから
　そこまでの事は起こさないが、それでも二人ほど候補はいるぞ？　くく･･････」

「････････････････････････」


自身が知らない間に、世界はいつの間にか危機的な状況に陥っていたという事か。
第三次世界大戦が終結し、それぞれの人間の気が緩んでいるところにこれだ。

エリザリーナからすれば、『ごめんけど明日、十字教が終わっちゃうかもしれないのでよろしく』、
と唐突に言われたようなものだ。


そう簡単に、この現実を受け入れられるわけがなかった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:27:13.34 ID:oEEprUTlo<>

「･･････あなたの言っている事が本当なら、今からでも何か対策を講じたほうが･･････！！」

「エリザリーナ」


さっきまでとは少し違う、気持ち強い口調でエイワスに名を呼ばれ、
エリザリーナは言葉を紡げなくなってしまう。


「これ以上、邪魔をしないでほしい」

「邪魔･･････！？　わ、私はただあなた達とミーシャの事を想って･･････！！」

「想うだけなら結構。　しかしそれを行動に移されると我々にとって君はただの障害でしかなくなるのだよ。
　もはやレールは敷かれている。　あとは我々がそのレールを辿って進むだけという段階まで来ているのだ。
　君がそのレールを歪ませるような事をすれば、我々は『脱線』してしまい大変な『事故』を起こしてしまう可能性がある。
　あまり不安要素を残したくはないのでね。　君に出来ることなど、もう何も無いよ」


それは、あまりに冷たく、あまりに的確な指摘だった。


自分に出来ることなど、もう何も無い。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:28:14.93 ID:oEEprUTlo<>

その通りだった。エイワスがそう言うのだから間違いないとか、そういう事ではなく、
エリザリーナも心の奥底では理解していた。
これ以上自分が何かをしたところで、この状況を打破する解決策など出てこない、と。


「･･････自身の無力さを自覚しろ、と言いたいのね？」

「そこまで言うつもりはないが、とにかくもう君の出番は無いと言いたいだけだ。
　我々の事を本気で想ってくれている事が本当なのは分かっている。
　だが、それなら尚の事、君には何もしないでほしいのだ」

「ここまで来て･･････、ここまであなた達の事が理解出来てきたというのに･･････。
　あとは黙って傍観しているだなんて･･････」

「そこまで卑下に考えなくてもいい。　逆に問うが、なぜそこまで我々に肩入れをする？」


それはエイワスにも分からない事だった。

確かに『天使同盟』はエリザリーナ独立国同盟に多大な迷惑をかけ、その上でその迷惑を
完全に帳消しに出来るほどの詫びを送ったのだが、しかしそんな事だけでここまで動こうとしてくれる
エリザリーナの心中が、エイワスには分からなかった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:29:51.80 ID:oEEprUTlo<>

エリザリーナは自嘲気味な笑みを見せ、パソコンデスクの椅子に腰をかけて言った。


「分からないわ･･････、私自身のことなのに、私にも分からない。
　なぜここまであなた達に助力しようとするのか･･････いえ、助力にもならないのだったわね」

「････････････」

「あなた達の近況を聞いて、目的を聞いて、それで･･････『天使同盟』を立ち上げた
　一方通行と話をして･･････彼の一面を知って･･････。
　･･････気がついたら私もあなた達の力になりたいと。　そう思ってたのよ」


それを聞いてエイワスはニヤリと意地の悪そうな笑顔を作った。
やはり、彼女をここまで掻き立てたのはあの白髪の少年だったのだ。


（私の目に狂いは無いようだ、アレイスター。　やはり一方通行は
　上条当麻とはまた『質』が違う価値を秘めている）


『天使同盟(アライアンス)』とは、つまりそういう事なのだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:31:18.60 ID:oEEprUTlo<>

ミーシャ＝クロイツェフが基となり、一方通行が行動し、周りを惹きつけ、
そこに風斬氷華や垣根帝督、その他多くの人間たちがいつの間にか着いて回る。


そしてエイワスはそれを観客席から観賞し、時に観客席から舞台へ移るという掟破りを実行する者。


そんなサイクルで物語を展開していくのが、一方通行率いる『天使同盟』だ。


「君も、彼に惹かれたか」

「え？　･･････あ、いや、わ、私は別にそういうわけじゃ」


言葉では否定しても、その挙動で真偽は見破れる。
エイワスに嘘偽り、ごまかしなど通用しない。エリザリーナもサイクルに巻き込まれている。

上条当麻とまた違う物語の展開方法。上条当麻も魅力的だが、今回は一方通行が主演の舞台だ。
『幻想殺し(イマジンブレイカー)』は今は拱手傍観。中心は『一方通行(アクセラレータ)』。


エイワスは『自身が描くシナリオ』に狂いが無いことを再確認すると、くつくつと笑ってみせた。
一方通行が主演なら、エイワスは総指揮・総監督だ。ただし気まぐれで仕事を放棄する悪い癖のある監督だが。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:32:09.41 ID:oEEprUTlo<>

「･･････ミーシャもそれが分かってて、私を止めたのかしら」

「だろうな。　彼女は侮れないぞ？　あれでも天界が誇る大天使様だ。
　人間などという劣等種が好き勝手に振り回していい存在ではない」

「私に、私たち人間に出来る事は、ただ明日を待つことだけ･･････」

「分かってもらえて助かるよ。　まぁ、『茶会』の特別に招待した人間が何人かいてね。
　その人間たちにはしっかりと踊り狂ってもらおうと考えている」

「？」

「ふふ、明日が待ち遠しいよ、本当に。　君は遠足前日の夜に眠れなくなるタイプかな？
　私はそうではないと自覚していたのだが、どうやら違うらしい」


ふふふ、と笑うエイワスの姿は、本当に楽しい遠足当日を待ちわびる無垢な子供のようだった。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/24(木) 22:32:49.90 ID:yi4b4ddo0<> おい、いつのまにかエリザリーナにまでフラグ建ててたぞ通行さン <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:33:26.34 ID:oEEprUTlo<>

下準備は整った。
自分が動かす『駒』も全て掌の中にある。
ゲーム盤も『対戦相手』が用意してくれているだろう。


それを自分はゆったりと眺める。最高級の紅茶を手に、ゲーム盤の上で踊り狂う愚かな駒たちを。


おやおや、これでは『茶会』ではなくなってしまう。
ただ自分だけが茶を楽しみ、自動進行で進んでいくだけのゲームを眺めているだけだ。


それではいけない、それでは興が冷めるというもの。


だったら、『新たな客』を招き入れよう。


それは人間ごときでは務まらない。人間は全て駒なのだから。


（ならば）


"ならば人間よりも高尚な、しかし時に人間より下賤な存在を招く他あるまい"。
もしそれが実現出来たなら、明日の『茶会』はさぞ愉快な催し物になるだろう。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/03/24(木) 22:37:08.09 ID:hANPrua40<> 誰を…まさか他の大天使か? <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:39:20.91 ID:oEEprUTlo<>
今回はここまでです。


そして今回で、最終章への下準備が全て整いました。
あとはただ明日、ロシア編の三日目を待つのみとなります。


宇宙にある『星の欠片』を『天体制御(アストロインハンド)』でどうにか出来るのではと思われるかもしれませんが、
もう今のミーシャではそれも無理です。理由はいずれ明かされると思います。


次回は一方通行が女性陣の回収へと向かいます。
ここでようやく、一方通行とサーシャの会話パートが繰り広げられますので、どうかお楽しみに。


次回更新は三日以内。

それでは、今回もありがとうございました！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/24(木) 22:39:58.77 ID:oEEprUTlo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『木原･･････？　･･････、もしかしてですが、木原とは顔にタトゥーを刻んだ学園都市の研究員では？』
―――――――――――元『殲滅白書』の魔術師・サーシャ＝クロイツェフ




『あァ！！？　なンでオマエが木原を知ってンだァ！？』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/24(木) 22:40:53.28 ID:yi4b4ddo0<> 乙
なんか「うみねこ」に出てても違和感ねえなエイワス <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/03/24(木) 22:44:50.31 ID:i6t2B2rAO<> 乙
木原くンは逆はやぶさしたからねぇ…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/24(木) 22:45:58.73 ID:yi4b4ddo0<> 次回予告読んでなかった





オイ木原、お前サーシャに何しやがった
内容次第じゃ……………………………… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)<>sage<>2011/03/24(木) 22:46:34.51 ID:qELnGMr+o<> おつおつ

ロシア編てまだ2日しかたってないのか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県)<>sage<>2011/03/24(木) 22:54:28.63 ID:z/oDI5oc0<> おいおい。
2日間で色々起こりすぎだろ。
そして一方さんは2日間でフラグ立てすぎだろ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/24(木) 22:57:54.90 ID:uwTe7m6Ao<> 最終章か…　寂しくなるなぁ　
ガブリエルの幸せを祈るばかりです
乙！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/24(木) 22:59:22.45 ID:oK+tW5Loo<> 乙

まさかの木ィィィィィィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン・・・だと・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/24(木) 23:57:06.66 ID:UiSDi3DS0<> ベツレヘムは宇宙空間にまで到達する機能がなかった
ただそれだけの事が、この世のあらゆる叡智の間隙に陥ったのか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/25(金) 01:16:25.16 ID:lg2U1v5k0<>
気象衛星の不具合とか言ってた時点で、ベツレヘムの星が気象衛星にめり込んでるんじゃないかと思ってたが、そこまで安直じゃなかったか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(青森県)<><>2011/03/25(金) 05:51:47.48 ID:QHbfJIF6o<> 代わりに木原君がめり込んでます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/03/25(金) 06:59:54.32 ID:YbwRWgGAO<> 月にめり込んだかとｵﾓﾀ <> 木原くン<>sage<>2011/03/25(金) 07:56:02.56 ID:V1wGjyKAO<> 木原くンの出番だぁー！！！！

ちょいさー！！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/25(金) 14:36:42.49 ID:jdYXcEvP0<> 木原クン、セクハラするならサーシャじゃなくアニェーゼにしなさい
OO的な意味で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/03/25(金) 14:52:42.97 ID:JLsSymhlo<> そういやゲームでサーシャは木原に会ってたな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)<>sage<>2011/03/26(土) 05:40:42.15 ID:KguCDBZno<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/26(土) 07:55:38.10 ID:V7zA+8GJ0<> >>232と>>233が分からん
誰か教えてくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)<>sage<>2011/03/26(土) 10:32:05.52 ID:KguCDBZno<> >>235
>>232は中の人ネタ。藤原さん（木原）とくぎゅ（アニェーゼ）が同陣営だったり少し因縁があったり
>>233はそのままの意味じゃね？PSP禁書やってないからわからんけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/03/26(土) 12:20:35.13 ID:rHyac10AO<> OOだと木原くン（サーシェスCV藤原啓治）が兄弟殺しちゃたし

OO小説だとアニェーゼ（ネーナCV釘宮理恵）をレイプ的な事をしたって書いてあった気がする…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<><>2011/03/26(土) 13:42:19.03 ID:3tKNsMUb0<> >>236
感謝する、ありがとう

>>237
感謝…………





木原くんがアニェーゼをレイプ…だと……！？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<><>2011/03/26(土) 13:44:30.14 ID:3tKNsMUb0<> あ、ＩＤ違うけど>>238は>>235です
答えてくれた2人には改めてありがとうと言いたい <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:47:09.32 ID:GOv13aIRo<> >>224
ま、まあでも原作でも一日の間に色んなことが起きてますし、これもそんな感じで見ていただければ･･････
いや、言い訳に過ぎませんけどね。申し訳ないです。


そんなこんなでこんばんわ。もうだいぶ夜遅い時間になりましたけど投下します。
時間が時間なので、起床したら暇潰しにでも見ていただけたらと思います。

今回は一方通行とサーシャのターン。
またしても一方通行はフラグを立ててしまうのか、それとも。


それではいきまーす <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:48:50.72 ID:GOv13aIRo<>

――――――――――――――――――――――


一方通行はロシア東部の原野にあるショッピングセンターを歩き回っていた。
風斬氷華、レッサー、サーシャ＝クロイツェフ、ヴェントを呼び戻して帰路に着くためだ。


依然として周囲の様子は変わらなかった。例のハッキング事件で買い物客は盛り上がっている。
どの客を見ても半公開型ARを操作してニュース番組をチェックしていたり、面白半分で『衛星』関連のサイトにアクセスして、
あのエラー画面を表示させてみたりとやりたい放題だ。


（クソったれが･･････。　だが『天使同盟』の名が認知されただけでまだ俺達に影響はねェ。
　世間の目に晒されたのが『キーワード』だけならまだ余裕で俺達は行動できる。
　･･････それにしてもあのクソ金髪野郎、一体何が目的でこンな事しやがった？）


一方通行の表情はハッキリと『怒』の色が反映されていた。
杖をつくその動作も乱暴になり、ガツガツと床にあるARを叩きつけるかのようだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:49:52.43 ID:GOv13aIRo<>

とにかく、女性陣を回収してさっさと独立国同盟に帰らなければならない。
その後はロシアを発ってもいいのだが、そこから先の予定はまだぼんやりとしか決まっていないため
とりあえずエイワスにこの騒ぎについて言及するしかない。


と、そこで彼の視界に昔懐かしい所謂『駄菓子屋』を彷彿とさせる店で
商品を物色している見慣れた拘束具と赤い外套を着込んだ魔術師が入ってきた。


「サーシャ！」

「むぐむぐ。　おや、一方通行じゃないですか」


元『殲滅白書』の魔術師、サーシャ＝クロイツェフは一方通行から事前に渡されていたお小遣い――二〇万くらい――で
購入したのだろう『きなこ棒』をもむもむと口の中で堪能していた。


「第一の私見ですが、日本にはこのような風情のある店が存在するのですね。
　ダガシヤ･･････と呼ばれているそうで、もうあまり営業されていない古めかしい店なのだとか」

「ンな事ァどォでもいい、もォ十分買い物は楽しンだだろ？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:50:49.91 ID:GOv13aIRo<>

「第一の解答ですが、まだこれから立ち寄ろうと考えている店があります。
　補足説明しますと飲食店が立ち並ぶエリアに『立ち食いそば』なる店がありまして、
　少し興味が湧いたので今から寄ってみようかと――――、」

「また今度連れてってやるから、行くぞ」

「え、あ。　ちょっと･･････」


まだまだ回ってみたい店が沢山あるサーシャの意志などガン無視で、一方通行は彼女の手を強引に引っ張り
駄菓子屋から遠ざかっていった。


「第一の質問ですが、どうしたというのですか？」

「オマエ、周囲の様子がおかしくなってる事に気がついてねェのか」

「？　･･････第二の私見ですが、確かに買い物客がどこかざわめいていますね。
　皆が皆、ARを操作して何かを閲覧しているようですが、これは一体？」

「さっきメシ食ってる時に流れたニュース速報があっただろ」

「第二の解答ですが、各国の諜報機関が大規模なハッキングを喰らったというアレですよね。
　補足説明しますと、さっきの駄菓子屋でも店主がそのニュースを見ていたような気がします」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:51:37.84 ID:GOv13aIRo<>

「エイワスの仕業だ」

「･･････････････････え？」


一方通行はようやくサーシャの手を放し、それに釣られてサーシャは転びそうになってしまう。
前屈みの体勢になったサーシャの目の前にあるARには、変わらずハッキング事件の続報が流れていた。


「今から他のヤツらも全員集めて帰るぞ。　エイワスのクソ野郎を問い詰める」

「だ、第三の質問ですがそれなら別に帰らなくても電話一本で済むのでは･･････？」

「出るわけねェだろォがこンな状況で。　かといってアイツも逃げたりはしねェだろォから、
　独立国同盟に戻ってるエイワスに話を聞くンだよ」

「第四の質問ですが、なぜこのハッキングがエイワスの手によるものだと･･････？」

「･･････････････････いいから行くぞ」


なぜエイワスの仕業だと決めつけているのか、と言われたら答えようがないが、
エラーメッセージの『天使同盟』という名を知っている存在などたかが知れているし、
その中でもこんな馬鹿な事をしでかすヤツと言えば十中八九、疑いようもなくあの金髪の霊的存在しかあり得ないのだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:52:31.55 ID:GOv13aIRo<>

一方通行がチラリとサーシャの様子を見ると、彼女はどこかションボリとしていた。
前髪で目元が隠れているため断言は出来ないが、さっきより少し元気がないことは分かる。


「･･････なンだよ」

「あ、いえ････････････」


何か言いたそうにしながら、しかし何も言わないサーシャの様子に舌打ちをして、
一方通行は再度尋ねた。


「言いたい事があンなら言えよ」

「･･････、第三の私見ですが、その･･････もう少しだけ買い物したかったな、と」


サーシャは俯きながら両手の人差し指をこねこねと動かし、小さな声で本音を吐いた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:53:20.69 ID:GOv13aIRo<>

「オマエ･･････、出発前は嫌々だったじゃねェか」

「第三の解答ですが、こうしてショッピングというものを楽しむのは初めてでして･･････。
　いざ来てみたら意外と楽しくて、その･･････」

「･･････」

「さっきの飲食店でも、あんなに仲睦まじく皆さんとお喋り出来て･･････すごく、楽しかったですし。
　あなたもあなたで私に衣服を買い与えてくれたりして･･････嬉しかったですし」


決して一方通行の目を見て言ったりはしないが、それでもサーシャは頑張って言葉を紡いだ。


「私としては、もう少しショッピングを楽しみたいなという･･････ワガママな気持ちがあります」

「････････････そォかよ」


サーシャはコクン、と小さく頷いた。


それは一方通行でも予想がつく事だった。

サーシャ＝クロイツェフは今までの人生でこんなに平和でのんびりと買い物を楽しんだ事など無いのだろう。
そんな事例も、それが初めてなら多少の抵抗や遠慮が出てしまうのが人間という生き物だ。
だから最初にレッサーが買い物へ誘った時も、頑なに拒否したのだろう。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:54:21.73 ID:GOv13aIRo<>

今のサーシャはまるでデパートのおもちゃ売り場から離れたくないと駄々をこねる子供のようだった。
一方通行はそんなサーシャの姿にあのクソガキの影が重なって――――。


「････････････オマエの気持ちは分かったが、･･････すまねェ。
　コイツはあのアホ天使にも関わってる事かもしれねェンだ」

「はい･･････」

「だから今回はここで打ち切りだ。　やっぱり今は独立国同盟へ帰る事が
　正しい選択肢なンだと俺は考える」

「はい、･･････」


ますますサーシャの表情から元気が無くなっていく。
さすがにミーシャの事となれば、自分のワガママでそれを放っておくわけにはいかないが、

それでも彼女は皆と楽しく買い物がしたいのだろう。


だから、


「だから、また今度買い物するぞ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:55:26.28 ID:GOv13aIRo<>

「え･･････？」

「今回の買い物はここまでだが、何もこれでこの先の買い物も出来なくなるってワケじゃねェだろ。
　別に俺達はいつだって買い物出来るンだ。　誰だっていい、誰を連れてっても出来るンだよ。
　その辺のコンビニでも、セレブですら近寄らねェよォな高級ブランド街でも、どこだっていい。
　俺ならどこにでも連れていける。　ていうか無理でも連れてってやろォか」

「一方通行･･････」

「･･････、約束だ」


どこか照れくさそうに、一方通行は膝をついてサーシャに自分の小指を向けた。
サーシャは困惑しながらも、その動作の意味が分かっているようだ。


「なンか無理やり言いくるめてるみてェで悪いがな。　また今度、必ず買い物に連れて行ってやる。
　なンなら学園都市に来てもいいンだぞ。　あそこにゃこことはまた違ったモンが売ってあったりするからなァ。
　次こそはオマエを満足させてやるよ。　だから、約束だ」

「･･････････････････」


サーシャは耳まで真っ赤になって、うぅ･･････と小さく呻く。
こういう時、一方通行は急に男前な事を言い出すからタチが悪いのだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:56:59.60 ID:GOv13aIRo<>

「だ、第四の私見ですが･･････了解しました」


しばし逡巡していたサーシャだったが、やがて一方通行の真剣な気持ちを受け取ると
その小さな手をキュッと握り、小指をちょんと出して一方通行の小指に絡ませた。


「すみませんでした、私のワガママでこんな事までさせてしまって･･････」

「俺が好きでやってンだ。　気にすンじゃねェよ」


二人はゆっくりと互いの小指を解き、改めて残りの三人を捜すことにした。


一方通行は立ち上がり、ARを操作して三人の行方を捜す。
半公開型ARを使用する際にはアカウントが必要となる。三人がアカウントを使用して
ARを使用した痕跡を辿れば、居場所を掴む事は容易い。


「風斬は生活必需品エリアの薬局か･･････、アイツそンな所で何やってンだ？
　マセガキは･･････ゲーセンかこりゃ？　ショッピングセンターにありがちなショボいゲーセンだな。
　あとはヴェントだが、･･････チッ。　コイツまたあの『託児所』にいやがる」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/26(土) 23:57:19.09 ID:3tKNsMUb0<> オイ、ワシリーサ





サーシャちゃんが今まさに口説かれている件について <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:58:20.12 ID:GOv13aIRo<>

三人はそれぞれ全く別の方向にいた。一人一人当たって回収していくしかない。
一方通行とサーシャは並んで歩き始めた。


「･･････ところで一方通行。　天使の事に関する話なんですが」

「あ？　ンだよ薮から棒に。　ガブリエルの事か？」


ハッキング云々の話題を一八〇度変え、サーシャは天使についての話を切り出してきた。




「第五の質問ですが、一方通行は『天使の涙』をご存知ですか？」



<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/26(土) 23:59:19.28 ID:GOv13aIRo<>

天使の涙。
そのワードだけ聞くと非常に神々しい響きだが、一方通行はしかめっ面になって唸った。
どこかで聞いたことがあるが、ハッキリとは思い出せないといった様子だ。


「･･････学園都市が保有してたっつゥ石･･････宝石？　結晶とかだったかァ？」

「やはり、聞いた事くらいはありましたか。　さすがに学園都市に関わっている事は
　『天使の涙』などという秘匿情報扱いの代物でもあなたならご存知なのですね」

「俺がまだ木原のクソ野郎ンとこの研究所にいた時に、木原がなンかそンな石を使って実験しよォと
　してるとかなンとか言ってた覚えがあるが･･････。　もォ詳細は覚えてねェな。
　つかよく考えりゃあンな昔っから学園都市は天使に着手してやがったのか･･････胸糞悪ィ」



「木原･･････？　･･････、もしかしてですが、木原とは顔にタトゥーを刻んだ学園都市の研究員では？」



「あァ･･････、あァ！！？　なンでオマエが木原を知ってンだァ！？」


一方通行は驚愕を隠す事も忘れて間抜けな声をあげてしまった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/27(日) 00:01:25.66 ID:LL+U+477o<>

木原数多。


学園都市の一部で有名な『木原一族』の研究員の一人であり、『一方通行(アクセラレータ)』の能力発現に
最も大きく貢献した天才学者だ。


かの『0930』事件時、木原数多は一方通行の前に立ち塞がり、アレイスターの命によって
『猟犬部隊(ハウンドドッグ)』のリーダーとして打ち止め(ラストオーダー)の捕獲作戦を実行。
当然、一方通行はそれを食い止めようとするのだが、木原は『一方通行の「反射」が適応される前に拳を引き戻し、
戻るベクトルを反射させ、一方通行に打撃攻撃を与える』というぶっ飛び理論で一方通行を終始圧倒した。


「やはりそうでしたか。　いえ、私はその木原という研究員については全く詳しくは無いのですが、
　顔のタトゥーと、彼が抱える大規模な野望がやたら印象的だったので、もしかしたらと思って」

「オマエ･･････木原の野郎に会った事があンのか･･････！？」


一方通行とサーシャは歩く速度を緩め、かつて一方通行を極限にまで追い詰めた研究員の話題で盛り上がった。


打ち止めを取り戻すために木原との決着をつけようと彼のアジトに乗り込んだ一方通行は、
それでも『対一方通行のスペシャリスト』である木原に一方的に攻め続けられ、
最後には能力使用のための電極チョーカーのバッテリーが切れてしまう。


しかし、それによってレベル0になった一方通行は逆に木原数多を圧倒。
思考能力と超能力を失い、予測不可能な行動に出る一方通行に必勝法が適用できなくなったためだ。

最後は突如として発現した一方通行の黒翼の力によって、木原数多は夜空を流れる星となった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/27(日) 00:02:44.61 ID:LL+U+477o<>

そんな、二度と思い出したくないようなクソったれの野郎と、サーシャは接触したことがあるという。
『天使の涙』とサーシャ、そして木原数多の関係とは。


「一体どォいう経緯がありゃオマエみてェな魔術師と木原に接点が生まれるってンだ？」

「第四の解答ですが、私は自身の肉体に宿った原因不明の『天使の力(テレズマ)』を解消するため、
　学園都市で保有されているという『天使の涙』を入手しに学園都市へ潜入した過去があります」


一方通行はハッとした。
確かに昔、学園都市に謎の侵入者が現れたという情報を耳にしたことがある。
その情報を聞いたときはまだ木原数多は健在だったため、恐らくそれがサーシャなのだろうと一方通行は簡単に推測してみる。


「･･････夏休みが終わる頃、だったか？　いやそれよりちょっと前か･･････。
　夏休み最後の日は俺ァ頭に銃弾ぶち込まれてぶっ倒れてたからなァ」


さりげなくとんでもない発言をする一方通行にギョッとしたが、サーシャは話を進めた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/27(日) 00:04:44.99 ID:LL+U+477o<>

「日付はよく覚えていませんが、『御使堕し(エンゼルフォール)』後の事です。
　その日、私はロシア成教によって派遣されたオリアナ＝トムソンという魔術師と共に
　『天使の涙』が保管されているという学園都市の研究所へと向かいました」


オリアナ＝トムソン。

一方通行もこれまで色んな魔術師に出会ってきたが、そのオリアナという魔術師には
まだ出会ってないな、と軽く思い返しながら考えた。


「そこで木原と接触したのか？」

「第五の解答ですが、その通りです。　彼は私の知りえない『誰か』を器にし、
　人工的に私と同じような『天使の力』を内に秘めた体質の人間を作り出そうとしましたが、
　私とオリアナ＝トムソンでそれを阻止しました。　結局、木原という研究員を捕える事は叶わなかったのですが」

「待て、その『天使の涙』とかいう代物は人間の身体に『天使の力』をぶち込むために
　作られたモンなのか？　『天使の涙』って名前にしちゃァ思いっきり人工物じゃねェか」

「第六の解答ですが、学園都市の研究ではそのように扱われていたようです。　さすがに『天使の力』という
　認識までは持っていなかったようですが、学園都市は『天使の涙』を人工的に量産していました」

「なら本来、『天使の涙』ってのはどォいうモンなンだよ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/27(日) 00:05:54.05 ID:LL+U+477o<>

「第七の解答ですが、『正しく利用すれば天使との対話が可能になる』宝石です。
　失敗したら使用者は死に至るようなのですが、詳しい事は結局分かっていません」

「･･････天使と対話が出来るだァ？」


『天使の涙』。それは正しい使用方法で使用すれば天使との会話が出来るという曰くつきの石。

その組成はサファイアやルビーに似通っており、結晶構造にサファイアやルビーとは異なる何らかの組織が
織り込まれているため、全体的に透明なのだが、その中心部は黄金に輝いているという宝石だ。


そんな宝石が本当に今も存在しているのなら、『天使同盟』としては喉から手が出るほど欲しい一品なのだが･･････。


「胡散臭ェことこの上ねェな。　実際、今もその石は学園都市にあンのかよ？」

「第八の解答ですが、『天使の涙』の回収任務は打ち切りとなってしまったため、
　ロシア成教は『天使の涙』の行方については把握していません。
　私もその時は木原の計画を食い止めただけで、大した成果は残せませんでした」

「ふン･･････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/27(日) 00:07:02.68 ID:LL+U+477o<>

さっきサーシャは、学園都市は既に『天使の涙』を量産していたと言っていたが、
今日まで一方通行はその量産された『天使の涙』に関する情報は聞いていない。

暗部として活動していた時、もしそんな石が現在も学園都市にあるというのなら
それに関する情報や仕事が一方通行の元に転がり込んできてもおかしくはないはずだ。


「･･････第五の私見ですが、あの木原という研究員は、どこか空恐ろしい男でした･･････。
　補足説明しますと、心の奥底にどうしようもないほどの『闇』を秘めているというか･･････、
　あんな男がまだ学園都市にいるとなると、さっき約束した学園都市へのお買い物も
　少し抵抗感が生まれてしまいかねませんね･･････」

「心配すンな。　木原はもォこの世にはいねェよ」

「え？」

「俺が満点の星空の一部にしてやったからなァ」

「･･････････････････」


ポカン、とサーシャは横に並んで歩く一方通行の横顔を見つめた。
さっき一緒にまた買い物へ行くと約束してくれたこの白髪の少年が、木原という男を
星にしてしまったのだという。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/27(日) 00:08:01.73 ID:LL+U+477o<>

あんな男を殺してしまうだなんて、あんな男に関わらなければならない事情が過去にあったなんて。
一方通行という少年は、一体学園都市ではどのような人生を送ってきたのだろうか。

サーシャはそんな一方通行に、畏怖よりまずこの少年に対する興味がさらに湧き上がるのを感じた。


「･･････第六の私見ですが、やはりあなたはまだ、私程度の器では計り知れない存在ですね」

「あァ？」

「いえ、何でもないです。　･･････あ、ここが風斬氷華のいる薬局じゃないですか？」


ARの追跡によって風斬氷華がいる薬局へと辿り着いた二人は、そのまま店内へと入っていった。


様々な人間に好かれ、それを鬱陶しそうにあしらい、しかし自分とまたいつか買い物へ連れて行ってやると
律儀な約束をしてくれ、果ては天使であるミーシャと共に過ごし、しかし木原数多という学園都市に潜んでいた
『闇』と関わらなければならない事情があった、学園都市最強の超能力者。


一方通行とは実に不思議で、近寄り難い部分もあり、それでいてどこか魅力的な一面もある男なんだな、とサーシャは漠然と思った。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/27(日) 00:19:03.29 ID:LL+U+477o<> Q.『天使の涙』事件が起きてたなら、サーシャは一方通行やヒューズ＝カザキリと接触してなきゃおかしくね？
　　ロシアで初対面じゃなくね？

A.このSSでの『天使の涙』事件は、サーシャとオリアナが学園都市へ潜入→一方通行や土御門、神裂やステイルと接触すること無く
　研究所に潜入する→木原数多と接触、戦闘→打ち止めを器にしようとしていた木原の実験を阻止、木原逃亡→
　結局『天使の涙』は入手できず、ワシリーサから帰還命令。

こんな感じになってます。都合良すぎですけど目をつぶっていただけたらな･･････と思ってます。


というわけで今回はここまでです。

次回は原作でいう行間？でしょうか。その頃学園都市ではみたいなのをちょこっとだけやります。

次回更新は三日以内。

では今回もお付き合いいただきありがとうございました！ <> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/27(日) 00:20:03.55 ID:LL+U+477o<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『だーっ。　やっぱ全ッッ然わからん。　俺にはこれは無理だわ。
　こんなん滝壺とか麦野とかにやらせりゃいいじゃねえか。　なんで俺なわけ？』
―――――――――――新生『アイテム』構成員・無能力者(レベル0)・浜面仕上




『私だって超役にも立たない浜面より滝壺さんや麦野を呼びたかったですけど、
　あの二人は連絡しても電話に出なかったんで超仕方なく浜面を
　呼んだだけです。　もしかしてデートのお誘いかもって超期待しました？』
―――――――――――新生『アイテム』構成員・大能力者(レベル4)『窒素装甲(オフェンスアーマー)』・絹旗最愛




『･･････とにかく、ミサカ達に出来る事は何もないかもってミサカはミサカは少しションボリしてみる』
―――――――――――『妹達(シスターズ)』の司令塔、検体番号二〇〇〇一号・打ち止め(ラストオーダー)




『わかりやすくアホ毛まで萎れさせちゃって。　でもミサカ達の出る幕なんか無いってのには同意かな。
　大体状況が把握出来ないし、問題の『天使同盟(アライアンス)』は･･････今どこにいるんだっけ』
―――――――――――『妹達』第三次製造計画(サードシーズン)で作られた御坂美琴のクローン・番外個体(ミサカワースト)



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/27(日) 00:24:00.00 ID:qeLVkfs3o<> 乙

ワシリーサの居ぬ間にサーシャにまでフラグを立てるなんて・・・恐ろしい子！
にしても風斬は薬局でナニを(ry <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/03/27(日) 00:27:32.40 ID:+sAu1vRAO<> 乙

≫261時間すげぇ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/27(日) 00:32:17.50 ID:KJBr/EPDO<> あいうえおつ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/27(日) 00:33:13.84 ID:UMO+wgVC0<> サーシャは恋愛感情ではなく純粋な興味本位で接していると思う
それと、>>259に気になる記述が
　・・・・
＞打ち止めを器にしようとしていた木原の実験を阻止


！？





長くなりましたが、>>1乙!!
　 <> ◆3dKAx7itpI<>sage<>2011/03/27(日) 00:33:57.95 ID:LL+U+477o<> ごめんなさい、ちょっと補足を。


Q.そもそも『天使の涙』事件って何よ？

A.PSP版『とある魔術の禁書目録』のストーリーモード、サーシャ＝クロイツェフ編のお話です。


Q.結局、一方通行はサーシャとフラグ立っちゃったの？

A.厳密には立ってません。サーシャにとって一方通行とは『何だか不思議な人』レベルです。
　あともう少し買い物してれば立ってたかもしれませんが、どっかの誰かがハッキングなんて事を
　起こしたためそれどころではなくなってしまいました。


では、失礼しました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/27(日) 00:35:35.71 ID:ICiG+zBDO<> >>1乙〜
補足なかったら天使の涙はポカーンだわｗｗｗｗｗｗ <> ◆3dKAx7itpI<>sage<>2011/03/27(日) 00:49:48.48 ID:LL+U+477o<> >>264
ああ〜ごめんなさい！！これじゃ木原数多が何だか変態みたいになっちゃいますね。
正しくは"打ち止めを(天使の涙の効力をぶち込む)器にしようとしていた木原の実験を阻止"、です。
木原くン、すまない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/03/27(日) 01:54:38.21 ID:Md/AEYR90<> >>1乙。
なるほどゲームか。補足さんくす <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/03/27(日) 07:38:06.20 ID:kHWY/WgAO<> 木原くンの出番だぁー………と思ったら、出番終了なのか出番のフラグなのか分からないが……

木原くン貴方の事は一生忘れないよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/03/27(日) 09:25:36.23 ID:3UxnX63AO<> >>261
明るい家族計画に決まってンだろォ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/03/27(日) 10:41:53.69 ID:+hqjuWQ50<> なに･･･！？　　人工天使も妊娠するだと･･･ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/27(日) 14:12:10.30 ID:6drkhoQDO<> >>271
ボテ腹風斬か…股間が熱くなるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/03/28(月) 09:32:03.63 ID:oMfo+VNAO<> そしてあのアへ顔である <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)<>sage<>2011/03/28(月) 09:39:21.00 ID:skAnoyszo<> 繋がったな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/28(月) 10:39:02.24 ID:cVzshYTSO<> 何を繋げてんだよｗｗｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)<>sage<>2011/03/28(月) 12:37:58.88 ID:uWuONm5w0<> そして生まれたのが……あのいたずら坊やか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/28(月) 12:54:47.50 ID:3VzGvpfIO<> 　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　 ＼　　丶　　　　 　 i.　　 |　　　　　 /　　 　 ./　　　　 　 ／
　　　　＼　　ヽ　　　　　i. 　 .|　　　　　/　　　 /　　　　　 ／
　　　　　 ＼　　ヽ　　　　i　　|　　　　 /　　　/　　　　　／
　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐
　　ー
　_＿　　　　　　　　　　わ　た　し　で　す　　　　　　　　　　　　--
　　　　　二　　　　　　　 　　／￣＼　　　　　　　　　　　＝　二
　　￣　　　　　　　　　　　　|　＾o＾　|　　　　　　　　　　　　　　　　￣
　　　　-‐　　　　　　　　　　 ＼＿／ 　　　　　　　　　　　　　　　‐-

　　　　／
　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 ＼
　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　　　　 ＼
　　 ／　　　/　　　 /　　　　　　|　　　i,　　　 　 丶　　　　　＼
　／　　　 /　　　　/　　　　　　 |　　　 i,　　　　　　丶　　　　　＼　　

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/28(月) 16:48:07.06 ID:aE+Kt+ow0<> やっと追いついた!>>１乙!
第一位の建築力マジパネェｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/28(月) 18:25:16.29 ID:cZKKve9IO<> 1スレ目から読んできたのか？ご苦労様だったな <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 19:55:50.09 ID:wisq+uGNo<> 皆さんこんばんわ、いつも沢山の支援レスをありがとうございます。
投下しにきました。

･･････薬局は色々まずかったかｗｗそこまで深く考えてなかったからなぁ･･････

>>278
ありがとうございます、お疲れ様です！
長ったらしくてうんざりしたでしょうが、まだもうしばらくこの物語は続きます。
それでもよければどうかお付き合いください。


さて、今日は行間･･････というかオマケというか。
あんまりやんなくてもいいようなお話です。『プチあの人は今』といったところでしょうか。


それでは、いきましょう


<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 19:57:18.50 ID:wisq+uGNo<>

――――――――――――――――――――――


日本時間の早朝六時頃。
学園都市の第七学区。そこのとあるカフェに浜面仕上はいた。


「なんだったんだ･･････？　一方通行のヤツ･･････」


彼がいるカフェにはパソコンが常備されており、利用客はいつでもインターネットを使用できるようになっている。
いわゆるネットカフェに似ているが、ここはネットカフェのように個室やシャワールーム、漫画雑誌などは無く、
本当にのんびりと一杯のコーヒーとネットを楽しむ客が利用するようなカフェだ。

ちなみにこのカフェは二四時間営業で、完全下校時刻後も教員などが利用出来るようになっている。


その一席で、浜面仕上は自分の持つ携帯電話のディスプレイを眉をひそめながら見つめていた。
彼の出で立ちはいかにもその辺で屯している不良Aですと言わんばかりの服装で、
パーカーの裾からはだらしなくインナーがはみ出て、チャラいズボンにはチェーンがじゃらりと付けられている。

このオシャレなカフェでは浜面の服装はひどく浮いていたが本人もそれは自覚しているようで、
携帯を閉じた後も彼は周りを見ながら居づらそうな様子を見せていた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 19:58:50.96 ID:wisq+uGNo<>

だが実際、浜面以外の利用客の中でそんな浮きまくった彼を異端視するような人は一人も存在しなかった。
皆、例のハッキング事件のに注目しており、パソコンの操作に夢中になっている。


浜面は本来このような店にはまず赴くことがない。そして今回も浜面は自分の意志で
ここに来たわけではないのだ。ではなぜ彼がこのカフェにいるのかというと、


「さっきから超落ち着きがないですね。　別に誰も超キモい浜面の事なんか見てませんから、
　あなたも超少しは情報収集に励んでくださいよ」

「超少しってどっちだよ･･････、つかキモい言うな。　なあ、もういい加減切り上げねえ？
　これ以上探り入れたって無駄だとおもうんだけどなぁ俺。　それに眠いし･･････」

「これだから超浜面はいつまで経っても村人Aなんですよ。　今回のこのハッキング事件、
　どう考えたって学園都市が絡んでるに超決まってます」


と、浜面の隣の席で超難しい顔をしながら手元のキーボードを超忙しなく操作しているこの超茶髪の少女は
絹旗最愛という、浜面と同じ『アイテム』の構成員だ。


『アイテム』の中で唯一の中学生――自己申告――にして最年少の構成員。
彼女は浜面とは違い能力者で、レベル4の『窒素装甲(オフェンスアーマー)』という能力を持っている。
窒素を自在に操り、それを用いて強力な攻撃力や鉄壁の防御力を生み出せるのだが面倒なので詳細は超割愛。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 19:59:56.28 ID:wisq+uGNo<>

「超端折らないでください」

「は？」

「超独り言です。　とにかく浜面ももっと超意欲的に情報収集に取り組んでください」


浜面は早朝、ちょうど『衛星』のデータベースが何者かに掌握された事が公になった頃にに絹旗から連絡を受け、
嫌々ながらもこのカフェに足を運んだのだ。

理由は勿論、このハッキング事件の詳細を追うためなのだが、浜面はそういうハッキングとか
パソコンがどうとかは得意な分野ではなく、適当に情報収集をするふりをしてエロサイト巡りなどを
していた。　が、それを絹旗に見つかり超粛清された後は渋々ハッキングの情報収集を行っている。


しかし、


「だーっ。　やっぱ全ッッ然わからん。　俺にはこれは無理だわ。
　こんなん滝壺とか麦野とかにやらせりゃいいじゃねえか。　なんで俺なわけ？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:00:49.71 ID:wisq+uGNo<>

「私だって超役にも立たない浜面より滝壺さんや麦野を呼びたかったですけど、
　あの二人は連絡しても電話に出なかったんで超仕方なく浜面を
　呼んだだけです。　もしかしてデートのお誘いかもって超期待しました？」

「してねーよ！！　つか俺にゃ滝壺がいることくらい知ってんだろうがお前･･････」

「滝壺さんも、どうしてこんなのを超選んだのだか。　弱みでも超浜面に握られましたか」

「無理やり人をここまで引きずっといてその言い草はねえだろコラ･･････」


こめかみに青筋をビキビキと浮かべる浜面を無視して、絹旗は尚もハッキング事件の詳細を追う。


「しっかし、この『天使同盟(アライアンス)』というのは何なんでしょうか。
　やはりネットでも噂されているとおり、どっかの超組織団体とか･･････？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:01:40.92 ID:wisq+uGNo<>

「んなマフィア映画とかじゃあるまいし･･････秘密結社とか？　そんなのあるわけねえだろ」

「学園都市の超暗部に所属してた浜面が言えるセリフじゃないですよねそれ」


それもそうだなぁ･･････、と浜面は相変わらず眠たそうに目を擦り、
そのまま机の上に突っ伏してしまう。


「天使･･････ねえ」


浜面仕上は知っている。
一方通行たちが、かの第三次世界大戦時に出現した大天使、ミーシャ＝クロイツェフと共に行動していると。

浜面仕上は知っている。
一方通行がミーシャだけでなくホログラム映像のような少女、風斬氷華と、レベル5第二位の垣根帝督。
そしてあの得体の知れない『ドラコ』と名乗る『少女』と共に過ごしている事を。


（････････････『天使同盟』）


そのキーワードと一方通行達を繋げてもいいのだろうか。
浜面は熟考するも、答えに辿り着くことは出来なかった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:03:28.03 ID:wisq+uGNo<>

そんな浜面をギロッと睨み、絹旗は気になっていることを尋ねた。


「ところで浜面、さっきの超電話は誰からですか？」

「んー･･････？　ああ、何か一方通行からだった」

「･･････一方通行？」

「第一位だよ。　確か『グループ』の。　あ、今はもう違うんだっけ？
　よく覚えてねえな･･････。　･･････、どうした？」


視線だけ動かして隣の絹旗を見てみると、彼女はどこか複雑そうな表情を浮かべていた。
さっきまで情報収集に躍起になっていたのだが、心なしか雰囲気が暗くなっている。


「･･････第一位、ですか」

「何でだよ？　一方通行のヤツがどうかしたのか？」

「･･････、･･････"なンで浜面がそンなヤツと超関わってンですか"？」

「･･････？　なんでって･･････別に、なんか成り行きで」

「そォですか」

「？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:04:33.10 ID:wisq+uGNo<>

素っ気なく返事をした絹旗は再びキーボードを叩き情報収集を再開した。
浜面は頭に『？』を何個か浮かばせる。彼女と一方通行の間に何かあったのだろうか？
一瞬、絹旗の口調がおかしくなった気がするが･･････。

だが浜面はそれ以上詮索する事はしなかった。


ガラス張りの壁から外を眺めると、既に学校へ登校する学生たちの姿がちらほらと見え始めていた。
女子学生が何やら談笑している、恐らく件のハッキング事件についての話をしているのだろう。
もうすぐ『一端覧祭』が開催されるというのに、今の学生達の間で流行りの話題はなんとも暗い話題だった。


「････････････････････････」


何なんだ、と浜面は漠然と思う。
確かに今回のハッキング事件は非常に大きな事件だ。全世界の諜報機関、そして宇宙空間に浮かぶ
全ての『衛星』が何者かの手によって掌握されてしまったのだ、浜面でも事の重大さは理解できる。

しかしその他にも大きな事件が起きていないわけではない。
先の第三次世界大戦だって、終結からまだ一ヶ月も経っていないというのに、もうあまり世間の話題には
なっていなかった。

今は皆、ハッキング事件の話題で持ちきりだ。浜面も最初に知ったときは多少驚いたが、
しかしここまで大勢の人間を虜にしてしまうような事件だろうか？

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:05:33.81 ID:wisq+uGNo<>

（･･････一方通行のあの反応。　やっぱ『天使同盟』について何か知ってんのか･･････？）


否、恐らく皆の興味はハッキング事件そのものよりも、あのエラーメッセージに表示される
『天使同盟』に向いているのだろう。
さっき一方通行にも『天使同盟』の事を伝えたら急に黙りこんでしまっていたような気がする。
あの第一位ですらも興味を持つような存在なのだろうか。それとも『天使同盟』とは、彼に深く関わるキーワードなのか。


何かおかしい。何がおかしいのか分からないが、それでもどこか霧がかった違和感が浜面の頭をぐるぐると回る。
隣にいる絹旗もそうなのだろうか。
この違和感は所謂、嵐の前の静けさに似ているなと思った。


そんな事をボーッと考えていると、突然店内の天井にぶら下がっているマイクから放送の報せを伝える音が流れた。


「ん？」

「？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:06:26.05 ID:wisq+uGNo<>

二人は同時に声を上げ、それぞれ別の方向へ視線を向けた。
絹旗はガラス張りの窓から空を見上げ、浜面はカフェの天井にある店内放送用のマイクを見上げる。

絹旗が見上げている空には、学園都市に浮かぶ『飛行船』があった。
その腹には大型のテレビ画面が搭載されており、天気予報などを街中に報せるための太陽光発電で駆動している飛行船。
つまりは空飛ぶ街頭テレビである。


しかしその飛行船が流しているのは天気予報ではなく、学園都市の『緊急伝達事項』だった。
店内にも飛行船と全く同じ放送が流れている。


緊急伝達事項の放送はこんな内容だった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:07:17.87 ID:wisq+uGNo<>



『学園都市の全学区の生徒、及び職員にお知らせします。　只今より、学園都市第一九学区への立ち入りを
　禁止すると共に、第一九学区に全面的な封鎖工事を行います。
　第四、第六、第一四、第一九学区にいる生徒、教員、研究員等の方々は直ちに他の学区へ移動するようお願い申し上げます。
　繰り返し、お伝え申し上げます。　只今より、学園都市第一九学区への立ち入りを････････････』




<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:08:31.61 ID:wisq+uGNo<>

飛行船の大画面に学園都市のマップが表示される。その第一九学区に当たるエリアが赤く点滅していた。
隣接する学区の境界線に×マークがどんどん現れる。既に封鎖工事が始まっているのだろうか。


「･･････な、なんだよ急に。　第一九学区の立ち入りが禁止？
　あそこって取り立てて目立ったもんは無かったよな？」

「第一九学区は学園都市で最も寂れた学区ですね。　街並みも他と比べて超前時代的ですし、
　蒸気機関や真空管とかを調べる超研究機関がちょこっとだけあったような気がします。
　それと、･･････八月の超上旬頃に起きた『乱雑開放(ポルターガイスト)』事件とか？」

「じゃあまたその『乱雑開放』事件が起きたとか？」

「『乱雑開放』事件で第一九学区の封鎖は超行われてませんよ。
　大体、学区の封鎖なんて超よほどの事が起きない限りあり得ないと思いますが」

「じゃ、じゃあよほどの事が起きたって事かよ･･････？」

「今のところはそんな様子は超ありませんし、･･････"これから起こる"んじゃないんですか？
　私には全く超予想もつきませんけど」


嫌な予感がする。

胸騒ぎがする。


浜面仕上はなぜか、この嫌な予感と『天使同盟』という謎のキーワードが繋がっている気がした。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:09:55.91 ID:wisq+uGNo<>

――――――――――――――――――――――


同時刻。
第七学区のファミリーサイドのマンションの一室。


『妹達(シスターズ)』の司令塔、製造番号二〇〇〇一号『打ち止め(ラストオーダー)』と
その第三次製造計画(サードシーズン)によって生まれた『番外個体(ミサカワースト)』は、
学園都市に浮かぶ飛行船から第一九学区の封鎖を報せる放送を聞いていた。


「･･････学区の封鎖って、何があったのかなってミサカはミサカは首を傾げてみる」


現在、この部屋には打ち止めと番外個体しか居ない。
部屋の主である黄泉川愛穂は昨日から例のハッキング事件の調査で警備員(アンチスキル)として呼ばれており、
芳川桔梗は珍しく朝の散歩のために外出していた。黄泉川に『たまには外で運動でもしろ』と叱咤されたためだ。


飛行船の放送を聞いてうーむ？と唸る打ち止めに番外個体は尋ねた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:11:58.05 ID:wisq+uGNo<>

「なんか派手な祭事でもやるんじゃないかな？　ひひっ、血生臭い事ならミサカも参加したいとこだったけど、
　どうやら一歩出遅れちゃたみたいだね。　ミサカネットワークで何が起きてるのか調べたらどう？」

「さっきから通信してるんだけど、原因不明の電波障害で連絡がとれないの、ってミサカはミサカは困り顔を浮かべてみたり。
　･･････でもなんとなく、予想がつくかなーってミサカはミサカは『あの人』の顔を思い浮かべてみる」

「第一位が第一九学区の封鎖に関わってるってこと？」

「それもあるし、今話題に取り上げられてるハッキング事件。　あれのエラーメッセージは
　とても無視できるものじゃないかもってミサカはミサカは胸騒ぎを感じてみる」

「･･････まあ、『天使同盟』だしねえ」


打ち止めと番外個体は『天使同盟』の存在を知っている。
彼らが最初のイギリス訪問から帰国してきたときに全員でここを訪れており、一緒に食卓を囲んだのだ。
その時に『天使同盟』という組織を一方通行が結成したという話を聞いた。無論、黄泉川も芳川も同じだ。


「朝っぱらから騒がしいと思ったら、今度はこれだもん。
　ハッキング事件の騒ぎといい、少しはミサカにも安息の時間ってのが欲しいね」

「番外個体は安息とかそういうのあまり好まないと思ってたけどってミサカはミサカは疑問に思ってみたり」

「あひゃひゃ、まあね」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:13:10.42 ID:wisq+uGNo<>

そして打ち止めは一方通行からのイギリス土産で貰ったウサ耳バンドを頭に乗せ、ぴょこぴょこと耳を揺らしながら
再びうんうんと唸り始めた。再度ミサカネットワークとの通信を試みているようだ。


「第一位に電話して状況とか聞いたりしないの？」

「うーん･･････。　多分、ミサカがあの人に電話して聞いても、何も教えてくれないと思うの
　ってミサカはミサカは予想してみる。　あの人、こういう事はすぐ隠そうとするから」

「まあ、あんなのでもお人好しだしねえ。　なんたってミサカみたいなクローンでも
　その身を挺して守ってくれるような馬鹿なんだから」


番外個体は表情をグシャっと悪意一色に染めて一方通行を嘲笑う。
そんな彼女を見て打ち止めはムスーっと頬を膨らませながらも、番外個体に言った。


「･･････とにかく、ミサカ達に出来る事は何もないかもってミサカはミサカは少しションボリしてみる」

「わかりやすくアホ毛まで萎れさせちゃって。　でもミサカ達の出る幕なんか無いってのには同意かな。
　大体状況が把握出来ないし、問題の『天使同盟』は･･････今どこにいるんだっけ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:14:03.43 ID:wisq+uGNo<>

そう、自分たちクローンに出来る事など何も無い。
出来る出来ない以前に、まだ何も大した事は起きてない上に、ハッキング事件と『天使同盟』が
そう関わっているのかもいまいち分からない。関係が無いということはまず無いだろうが。

二人はただ、彼らの帰りをただひたすら待つ事しか出来ない。


「みんなでまた、一緒にご飯食べるって約束したもんねってミサカはミサカはその時をワクワクしながら待ってみる」

「あんなバケモノ達と食事するのが楽しみなんて、アホ毛サマも趣味がいいですなあ。
　･･････あー、でもあのクソチャラ男からゲーム返してもらわないといけないし、帰ってきてもらわなきゃ
　困るのは間違いないかもね」


そんな風に、二人が適当に談笑していると打ち止めの表情に変化があった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:15:05.54 ID:wisq+uGNo<>

「むむっ！　ってミサカはミサカは電波をキャッチ！　ミサカネットワークと繋がったかも！」

「お、ご苦労さん。　なんか異変起きてんの？」

「････････････、･･････。　････････････････････････んー？」

「？」


打ち止めは眉間に皺を寄せ、両手の人差し指でこめかみをギュッと押さえる。


「どうしたの？　まさかミサカネットワークまでハッキングされちった☆　とか？」

「ううん、そうじゃないけど････････････。　なんかどの個体も忙しそうで
　なかなか会話が出来ないってミサカはミサカは不思議がってみたり。　あれー？」


結局この日は、世界各地の『妹達』との連絡はとれなかった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:19:15.97 ID:wisq+uGNo<>

――――――――――――――――――――――


学園都市の第一九学区は、街の中で最も寂れた学区である。


学園都市での再開発に失敗し、今や半ば放置状態になっていると言っても過言ではないこの街は、
今でも一応小さな研究機関や学園都市の住人達が少数ながらも生活していたりするのだが、
発展の最先端を走る他の学区と比べると明らかに街並みは古く、今時の若者はあまり立ち寄らなそうな学区だった。

何年も前からシャッターが閉まったままの店も多く見られ、その様子はさながら荒んだ商店街そのものだ。


そんな第一九学区は現在、突然の封鎖が決定されて全面的に人の立ち入りが禁止されてしまっていた。
といっても元々ここに住んでいる住人は少なかったため、住人たちの他学区への移動は
警備員や風紀委員の的確な指示に対応によって速やかに行われ、完了していた。

なので今、第一九学区では生活音というものが皆無な状態になっており、
半ばゴーストタウンと化してしまっている。人など見当たるわけもなく、儚く寂しい風だけが街を流れていく。


そんな無人の第一九学区に、たった一つだけ人影が立っていた。
誰もいないはずのこの学区に、その人影だけはまるで最初からそこに縫い付けられていたかのようだった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:20:37.08 ID:wisq+uGNo<>

「･･････舞台としては華やかさが足りないが、まぁ我儘は言うまい。
　恐らく一番"私"への被害を最小限に抑えられる場所がここだからな」


その人影はゆっくりと歩き出しながら独り言を呟いている。
いや、もしかしたら常人には知りえない何かと会話をしているのかも知れない。

その人影はそんな風に思わせるような、どこか不思議で不気味な雰囲気を纏っていた。


「『ファイブオーバー』の配置も滞りなく完了。　･･････あとは『客』が来るのをただ待つのみ、か。
　いつ以来だ。　こんなにも特別な日が来るのを待ちわび、緊張し、恐怖し、そして愉快な気持ちになったのは」


人影は空を見上げる。
天気はあまり良くない、この様子だと『当日』も曇り空に覆われているだろう。


一陣の風が第一九学区の大通りを駆け、その人影が身に纏う『緑色の手術衣』がゆらりと靡いた。


その人影は、男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える、紛れもない『人間』。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:21:41.29 ID:wisq+uGNo<>



学園都市統括理事長、アレイスター=クロウリー。




彼は第七学区の『窓のないビル』から外へ出て、この第一九学区という舞台を下見していた。
しかし『窓のないビル』の中にある生命維持槽には、依然としてアレイスター・クロウリーは存在する。
生命維持槽の中で弱アルカリ性の培養液に浸りながら逆さまの状態で、今も外界の様子を伺っている。

彼の存在はもはや〇と一だけでは表現できない、次元の違う頂点の領域に達しており、
こうして生命維持槽の中にいながらも同時に他の場所に存在できるという『矛盾』を行っているのだ。


そんな、現在『二つ』存在しているアレイスターの表情がわずかに変化した。


「･･････やはり『衛星』の復旧の目処は立てられないか。　エイワスめ、手の込んだ事をしてくれる。
　今更宇宙空間を漂う『星の欠片』を保護することなど出来はしないとわかっているだろうに」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:23:00.18 ID:wisq+uGNo<>

どうやらこうしている今も、エイワスと『衛星』の掌握権の争奪戦を繰り広げているらしい。
どこで彼らが戦いを繰り広げているのかは、彼らの領域に立って初めて理解出来るのだろう。


（まあいい。　明日の展開次第では『プラン』の前倒しもやむを得まい。
　『界』の安定がまだ済んではいないが、一方通行とエイワスがあれば『神浄』への到達も可能かもしれない。
　『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が無くとも、な。　そうでなくともホルスの時代の幕を開けることは出来る。
　･･････明日の結果がどう転ぼうと、私の『プラン』は大幅に進行する）


神浄。アレイスターが語るには、それは『幻想殺し』に秘められた真の意味。
そしてホルスの時代の開幕は、同時に十字教の終焉を意味する。


アレイスターの企んでいる事が本当に成されてしまえば、彼の『プラン』の目的の大半が達成される事になる。


「ともあれ、まずは『天使同盟』」


アレイスターはうっすらと笑みを浮かべて、空を見上げたまま言った。


「どう足掻いてでも存続してみせるというのなら、私は君たちをせいぜい利用させてもらうだけだ」


世界最強最悪と呼ばれる魔術師は、くつくつと邪悪に笑いながら第一九学区の街並みへと姿を消した。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:30:04.56 ID:wisq+uGNo<> Q.　絹旗、少し超超言いすぎじゃね？

A.　このSSで絹旗最愛の出番はこれだけですから、ちょっとふんだんに使ってみました。


そんなわけで今日はここまでです。
やんなくてもいいような話とか言いながら結構重大なことが起きてますね。
第一九学区が封鎖されました。これには何の意味があるのでしょうか･･････と。こんなもんですかね。


次回は一方通行一同が独立国同盟に帰ってエイワスを尋問します。
･･････出来ればの話ですけどね


次回予告は三日以内。


それでは、今日もありがとうございました！ <> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/28(月) 20:30:41.35 ID:wisq+uGNo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『もしかしてエイワスさん、こんな調子で世界征服を企んでたり･･････。　な、なんちゃって･･････』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・風斬氷華




『エイワスの場合、そのなンちゃってを平気で実行しやがるからタチが悪いンだ。
　もし仮にそォだとしたらアイツとは手を切る。　ンな少年漫画の悪の組織みてェな真似に付き合ってられるかよ』
―――――――――――『天使同盟』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




『おやおや、次回の買い物の約束を一方通行さんと交わしたサーシャさんは大人な対応ですなあ。
　胸はまだちんちくりんのお子ちゃまのクセに！　にひひひひひひ』
―――――――――――魔術結社予備軍『新たなる光』の構成員・レッサー




『ちょ、胸は関係な―――ひゃうっ！？』
―――――――――――元『殲滅白書』の魔術師・サーシャ＝クロイツェフ




『百合はいいね。　百合は心を潤してくれる。　リリンが生み出した文化の極みだよ。
　そう感じないか？　一方通行くん』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・エイワス

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2011/03/28(月) 20:32:07.14 ID:6ZiPmilVo<> エイワス何言ってんだよwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2011/03/28(月) 20:37:47.48 ID:ZrnB+ame0<> はィ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/28(月) 20:41:01.30 ID:UjwUWsj4o<> 君が何を言っているのかわからないよエイワス君！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage　<>2011/03/28(月) 20:49:30.85 ID:Y3GXZek80<> エイワスが相変わらずでワロタｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/03/28(月) 21:10:28.79 ID:FCHkaOvXo<> (ﾟдﾟ )乙
エイワスは正しい、異論は認めない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/03/28(月) 21:40:19.37 ID:MdIZ87PC0<> エイワスの好感度が５スレ通して最高になった

でもその百合の中にお前は含まねえぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/03/28(月) 21:56:35.31 ID:d1XRAQIV0<> エイワスとカヲル君って意外と似てるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/28(月) 22:35:31.07 ID:9P1ptdAIO<> そこにいたンだねェ・・・。エイワスくゥゥゥゥゥゥゥン！！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/28(月) 23:24:34.72 ID:3412T1USo<> なんだろう…… すっごい脱力してるアレイスターの姿が目に浮かぶ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/29(火) 00:57:28.64 ID:B2jqNKCBo<> エイワスの意見に納得したのは初めてだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/03/29(火) 01:24:32.26 ID:CZWQXv/AO<> 初めて エイワスの言葉を疑わないで聞けた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/29(火) 04:51:53.34 ID:r18qmbDd0<> サーシャ可愛い夜サーシャ
以前は「味方とは思えない」とか言ったけど、今ならこう思える





エイワスは、紛れも無く我々の同士だと <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/29(火) 05:30:18.02 ID:62gKDaASO<> エイワス×ガブリエルでも百合なんだよな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/03/29(火) 08:46:18.01 ID:gOnITN5AO<> 乙
てかサラっとファイブオーバー出てきてるがどうするつもりだｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/03/29(火) 08:57:41.11 ID:AZVZkVMo0<> >>301
A.　このSSで絹旗最愛の出番はこれだけですから、ちょっとふんだんに使ってみました。

orz <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)<>sage<>2011/03/29(火) 10:02:10.32 ID:xd01BmEE0<> 百合は認めない！！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/03/29(火) 10:53:11.72 ID:N/5poH7b0<> >そして打ち止めは一方通行からのイギリス土産で貰ったウサ耳バンドを頭に乗せ、ぴょこぴょこと耳を揺らしながら 再びうんうんと唸り始めた
！？

絵師さァァァァァァン！！！！！至急書イてくれェェェェェェェ！！！！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2011/03/29(火) 12:58:13.03 ID:HYYKsv9z0<> >>319
興奮しすぎだ..
けど..

絵師さァン..!!!頼みます....!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/29(火) 14:08:59.14 ID:r18qmbDd0<> それもいいけど、早く前スレ>>1000の光景をお願いします！！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/29(火) 15:06:32.42 ID:xnsMXNuIO<> 前にも言ったがなァ、催促なンてのは三下のすることだぜェ？
絵師さンが描きたいもンを書く。オレらはそれを美味しく頂く。
それが紳士の嗜みってもンだろォ？

>>314
夜サーシャとな…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/30(水) 03:02:19.58 ID:5C/gg0fb0<> このスレ第一位多すぎだろ…まさか量産通行計画は完遂してたのか？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/30(水) 16:38:07.54 ID:k15EUBNw0<> >>323
え、なにそれどこで買えんの？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2011/03/30(水) 18:46:16.54 ID:mDTntApVo<> プライスレス <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:23:23.29 ID:m/ACHlQUo<> >>317
このSSが一段落ついたら絹旗メインでも書いてみようかなとか考えてますので、
もしあれでしたら待っていてもらえれば･･････ｗｗいつになるやら

ていうか皆さんもっと食いつくところあるんじゃ･･････エイワスが全部持っていっちゃいましたね
いやまぁ、百合は良いものですよね


というわけでこんばんわ。今日も投下していきます。
いつも沢山の支援を本当にありがとうございます。

ではさっそく参りましょう <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:24:43.29 ID:m/ACHlQUo<>

――――――――――――――――――――――


一方通行とサーシャはショッピングセンターの薬局で風斬氷華と合流した後、
続けざまにレッサー、ヴェントも回収してさっさと帰路についていた。


突然の帰還発言に三者は驚いていたが、そんなリアクションは無視して
一方通行は女性陣の新たな買い物袋を荷物配送サービスで独立国同盟へ送り、そのまま空港に
停めていた個人所有の飛行機に乗ってショッピングセンターから飛び去っていく。

レッサーがなぜ突然帰るのかとかなんとかゴチャゴチャ文句を言っていたがゲンコツで黙らせ、
女性陣に『ハッキング事件は恐らくエイワスの仕業』、と適当に説明して無理やり納得させた。


そして一向はモスクワ空港に到着。一方通行は買い物へ行く際にこの空港で男からこの飛行機を購入したのだが、
これから先、この飛行機が必要になることはないだろうと判断して着陸後に『乗り捨てた』。

そのまま駐車場に向かい、独立国同盟のクルーザーから乗ってきた偽装トラックに乗り込んで
独立国同盟まで規定速度ギリギリのスピードまでトラックを走らせた。


独立国同盟まであとわずか。その頃にはロシアの空はもう既に真っ暗闇となっていた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:26:18.01 ID:m/ACHlQUo<>

一方通行は運転席に、助手席には風斬を乗せて残りの三人は後ろの荷台へとぶち込んだ。
道中、垣根帝督により改造された『運転席から荷台へ通じる扉』を開けてレッサーが尚も抗議してきた。


「せっかく夜のナイトレジャーを楽しみにしていたのに〜･･････。
　あそこ、夜でも結構楽しいんですよ？　カジノとかあって」

「それなら独立国同盟に突っ込ンであるあのクソクルーザーにもあンだろ。
　ちゃちい賭け事がしたけりゃそこで死ぬまでやってろ」

「そうじゃなくても私はまだ買い物したかったー！」

「うっせェな！！　埋め合わせはいつか必ずするっつっただろ！
　『天使同盟』名乗ってる立場上、もォあンなARまみれのショッピングセンターなンざ
　居辛ェだけなンだよ！」

「本当に埋め合わせしてくれるんでしょうね〜？」

「クドいぞマセガキ。　サーシャとも約束してンだ、嘘じゃねェよ」

「んまぁ！？　一方通行さん、ついにサーシャさんとまでフラグをぉぉ！！？」

「口にモノぶち込まなきゃ黙れねェかなァクソガキ！？」

「あ、一方通行さん！　前見て、前･･････！」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:27:31.01 ID:m/ACHlQUo<>

助手席の風斬に注意され、舌打ちしながら運転に集中し直す一方通行。
『ま、そんじゃまたデートしてくださいよ、二人っきりでね〜♪』と、レッサーがなんか言いながら荷台へ引っ込んでいった。

風斬はどこか不安そうな表情で一方通行に尋ねる。


「･･････でも、今起こってるハッキング事件がエイワスさんの仕業だなんて･･････。
　どうしてそう思ったんですか･･････？　あの人なら確かにやりかねませんけど･･････」

「そォいうこった。　昼飯食った後にハッキング事件の詳細を調べてたンだがよォ。
　妙なウイルスかなンかなのか、『天使同盟』ってキーワードが含まれるエラーメッセージが出てくるンだとよ。
　今この瞬間も、ネットじゃ『天使同盟』の正体についての話題で持ちきりらしい。
　『天使同盟』の事はニュースにゃなってねェがな。　ここまで説明聞いて、思い当たる犯人なンざあのクソ金髪くらいだろ？」

「ね、ネットで私たちの事が･･････！？　それってもう世界中に私たちの存在が知られてるんじゃ･･････」

「それはねェはずだ。　それならショッピングセンターにいた時点で俺達は捕まってるし、
　エイワスも馬鹿じゃねェ、そォならねェと判断した上でこンな手の込ンだ祭りを起こしてンだろォよ」

「そ、そうですか･･････、よかった･･････」


ほっと息を吐き、風斬は心の底から安堵した。
こんな世界規模のハッキングが行われた上、それをやったのが『天使同盟』で、構成員までバレていたら
本当に自分たちの居場所が無くなってしまうところだった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:28:16.20 ID:m/ACHlQUo<>

「でもそれじゃあ･･････なんでエイワスさんはこんな事を･･････？」

「それを聞き出しに今戻ってるンだろォが。　あのクソ野郎の考えてることはさっぱり分かンねェが、
　････････････クソッ、どォも嫌な予感しかしやがらねェ」

「もしかしてエイワスさん、こんな調子で世界征服を企んでたり･･････。　な、なんちゃって･･････」

「エイワスの場合、そのなンちゃってを平気で実行しやがるからタチが悪いンだ。
　もし仮にそォだとしたらアイツとは手を切る。　ンな少年漫画の悪の組織みてェな真似に付き合ってられるかよ」


そんな感じの話を風斬としている内に、一向はエリザリーナ独立国同盟の国境へと辿り着いた。
近くにいた兵士が一方通行達の乗るトラックに停止するよう合図を送る。

その兵士がコンコン、と窓をノックしてきたため、一方通行は舌打ちをして窓を降ろした。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:29:07.70 ID:m/ACHlQUo<>

「おや、君だったか･･････失礼した。　船の件、どうもありがとな。
　こんな夜遅くに帰ってくるなんて。　ずいぶんとデートが長引いたんだな、はは」


この兵士はどうやら朝のレッサーによる船の船内放送を聞いていたのだろう。
ギロリと鬼のような顔で睨むと、陽気に笑っていた兵士の顔が途端に真っ青になった。


「ンな事ァどォでもいい。　さっさと通せ。　それと、エイワスのクソったれがどこにいるか知ってるか？
　全身が淡く輝いてる金髪の冗談みてェな『女』の事だ」

「えと･･････あぁ、彼女か。　さっきエリザリーナ様と一緒にいたところを見かけたよ。
　今は多分オフィスにいるんじゃないか？　エリザリーナ様は基本的にそこにいるから」

「そォか」


一方通行は軽く手を振ってトラックを走らせた。独立国同盟へ入国していく。


とりあえずは軍事施設のオフィスに直行し、エイワスから事情を説明してもらわなければ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:30:14.62 ID:m/ACHlQUo<>

――――――――――――――――――――――


一方通行はクルーザーにトラックを戻し、そのままズンズンと早歩きでオフィスに向かった。
後ろのほうで女性陣の中にいる風斬の『ま、待ってくださぁ〜い･･････！！』という声が聞こえたが無視する。

そしてオフィスの前までやってくると、ノックもせずにドン！！、と乱暴に扉を開け放った。


「エイワスくゥゥゥゥゥン！！！　分かってンよなァ！？　さァ、説明してもらお――――」


室内の光景を見て、一方通行の呼吸が止まった。そしてすぐに自分に対して叱咤する。『油断した』、と。
彼の脳裏にありとあらゆる『デジャヴ』が流れこんできた。自分はいくつか、このような光景を目にしたことがある。
最初のイベントは確か黄泉川の家で起きたのだったか。




オフィスではエリザリーナがちょうど着替えをしている途中で、
上下の質素な下着だけというこれまたベタな格好でこちらを見たままフリーズしていた。



<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:31:17.59 ID:m/ACHlQUo<>

確かにその下着姿は艶めかしいものではあったのだが、それ以上に彼女は非常に痩せ型の身体なため、
興奮するよりも前にせめてもう少しふっくらしていたら･･････と思えてしまう。

だが一方通行はそんな感想すら抱く事もなく、しかし明らかに自分の失態である事も重々理解して
コホン、と咳払いをして目を閉じたままエリザリーナに尋ねた。


「･･････あー。　悪ィ悪ィ。　それで、エイワスはどこに―――」

「で、出ていきなさい！！！」


エリザリーナは側にあった水の入ったグラスに、菓子を包むための青い半透明のセロファンを貼りつけた。
第三次世界大戦時に対フィアンマ戦でも見せた即席の霊装だ。
しかしその時より彼女が霊装を作る速度は凄まじく速かった。


ゴオッ！！！、と唸る水が一方通行に襲いかかり、彼はそのまま木の葉のように廊下へ流されてしまった。
それとほぼ同時に、エリザリーナが胸を隠しながら真っ赤な顔でオフィスの扉をバタン、と閉める。


「ゲホッ･･････ゲホッ･･････！！　クッソ、久々にきやがったなこのクソイベント･･････。
　完全に油断してた･･････、まだまだ甘ェ証拠だなァ･･････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:32:29.68 ID:m/ACHlQUo<>

極寒の地で冷水を思いっきりぶっかけられた一方通行はガタガタと震えながら扉の前で
エリザリーナが着替えるのを待った。


（いや･･････つーか今ここにエイワスいなかったよなァ？）

「ん？　私を探しているのかね一方通行」

「！？」


突然廊下の向こう側から声がしたので慌てて振り向くと、そこには今回のハッキング事件の犯人であろう
聖守護天使エイワスが、女性陣の四人を連れてのんびりとこちらに歩いてくるところだった。


「え、エイワス･･････！！」

「おやおや･･････、これは可哀想に。　こんな真冬にそんなに濡れてしまって･･････。
　『こんな時に』風邪をひかれても困る。　どれ、ここは私の抱擁で温めて―――痛ッ」


エイワスのふくらはぎ辺りに、ヴェントによるローキックが炸裂した。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:33:33.47 ID:m/ACHlQUo<>

「何をする、ヴェント。　それなら君が温めてあげてはどうかな？」

「寝言は死んでから言えよ。　･･････つかアンタなんでそんなびしょ濡れになってんの？　この短時間で」

「ううううるせェ･･････、っくしゅ！！　あーちきしょう･･････」


目の前にいるこの金髪の怪物に物申したい事が山ほどあるというのに、
自身の失態のせいで体を濡らしてしまい、寒すぎてまともに会話することも出来ない。


「え、エイワス･･････オマエ。　･･････オマエうううう、オマエどォなってンだよ」

「質問内容の定義が広すぎるんだが。　私が何か？」

「あ、一方通行さん･･････これを･･････」


怯える子犬のようにプルプルと震える一方通行を見かねた風斬が、自分の着ていたコートを
脱いで一方通行の体に被せた。これほど『温かみ』に感謝したことなど今までの人生でも数えるほどしかないと思った。


「すまねェ風斬･･････、おォ、こいつはマジで温けェ･･････」

「ふふ」


一方通行に喜んでもらえて嬉しくなった風斬の無垢な笑顔が可愛すぎるのだが、
今はそれどころではない。こんなびしょ濡れになったのもエイワスのせいだと一方通行は心の中で
責任転嫁してエイワスに怒鳴る。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:34:23.53 ID:m/ACHlQUo<>

「エイワス！！　オマエ例のハッキングのヤツ、ありゃ一体どォいうこった！！　あァ！？」

「何のことかな」

「とぼけてンじゃねェぞ！！　あンな事出来るのはオマエしかいねェだろォが！！
　エラーメッセージの『天使同盟』が動かぬ証拠だクソボケ！！」

「ていうか、とりあえずエリザリーナさんのオフィスに入りません？　外寒いんですけど」


こっちは必死で抗議しているというのに、空気も読まずにレッサーはマイペースに
オフィスの扉を開けて中へ入っていった。ヴェントとサーシャもそれに続く。


「一方通行さん、私たちも中に入りましょう･･････。　そんなずぶ濡れじゃ風邪ひいちゃいますよ」

「そうだよ一方通行。　『風邪は万病の元』とよく言うじゃないか。　さ、話は中で聞くから」

「ぐぬぬ･･････！！！」


どうも自分の思うように話が進展しないことにイライラする一方通行だが、
確かに彼女たちの言う通りこのままだと本気で風邪をひいてしまいそうだったのでおとなしく中に入ることにした。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:35:37.71 ID:m/ACHlQUo<>

「おかえりみんな。　買い物は楽しかった？」


エリザリーナは既に衣服を身に纏い、普段どおりの様子で皆を迎え入れてきた。
ただし一方通行に送る視線だけ、どこかジトーっと軽蔑の意が含まれているような気がする。


とりあえず一方通行はオフィスにあるファンヒーターの前に陣取り、
芯まで冷え切った体に暖を与えていった。


「買い物は楽しかったですけど、どうも物足りませんでしたよ。
　急に一方通行さんが帰ろう帰ろう言い出しちゃってさー」

「第一の私見ですが、買い物ならまたいつでもいけるじゃないですか」

「おやおや、次回の買い物の約束を一方通行さんと交わしたサーシャさんは大人な対応ですなあ。
　胸はまだちんちくりんのお子ちゃまのクセに！　にひひひひひひ」

「ちょ、胸は関係な―――ひゃうっ！？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:36:25.94 ID:m/ACHlQUo<>

小悪魔という存在が本当にあるのだとしたら、それはこのレッサーという名の少女の事なのだろうと
言えるくらい意地悪な笑顔を浮かべたレッサーは、サーシャの着ている拘束具の隙間に指を潜り込ませ
そのまま『何か』をクニュクニュとつまみだした。


「ちょ、ちょっと･･････！！　どこ触って、･･････んっ」

「うへへへ、ここか？　ここがええのんか？　ん？　いーっひっひっひ！」

「･･････やめなさい馬鹿」


コツン、と少年誌にギリギリ掲載出来るかどうかのセクハラを働くレッサーにエリザリーナはチョップを入れた。
てへっ☆、とわざとらしく舌を出すレッサーから避難するように、サーシャはヴェントの背中に隠れる。


「百合はいいね。　百合は心を潤してくれる。　リリンが生み出した文化の極みだよ。
　そう感じないか？　一方通行くん」

「死ね」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:37:34.32 ID:m/ACHlQUo<>

最後のシ者のような物言いをするエイワスに、ファンヒーターで暖をとりながら一方通行は毒づく。
が、そんな場合ではない。胸の内にあるエイワスへの怒りが冷めないうちにとっととハッキングについて糾弾しなければ。


「それで、先ほど君は私に何かを問うていたようだが？」

「あァ･･････、あのハッキング事件だよ。　知りませンじゃ通らねェぞこの野郎。
　一体なンであンな馬鹿な事しでかしやがったンだオマエ」


一方通行の言葉に反応したのは、エイワスではなくパソコンデスクの椅子に座っているエリザリーナだった。


やはり彼もハッキング事件を、そしてそれを実行した犯人が分かっていたから早急に帰ってきたのか、と。
無理もない、あれはエイワスが自分から気付いてくださいと言っているようなものだ。
『天使同盟』ではないエリザリーナですら、直感的にエイワスの仕業だと思ったくらいなのだから。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:38:44.00 ID:m/ACHlQUo<>

一方通行の問いに、今度はとぼけたりせずエイワスは何を考えているのか分からない笑みを浮かべて答えた。


「うむ、あれは確かに私の仕業だ。　君の推理に間違いはない」

「ほざいてンじゃねェよクソ野郎、こンなモン推理の内に入るわきゃねェだろォが。
　犯人の名前の所に全部マルが囲ってある推理小説みてェなモンだ、答えなンざ丸分かりなンだよ」

「酷い言われようじゃないか。　それでは私が普段からこんな事をやってるような存在だと勘違いされてしまう」

「イヤやってンだろォがいつもいつも癖みてェによォ！！　ハッキリ答えてもらうぞ、
　こンな事をした理由はなンなンだ！！？」


普通ならここでオフィス内に緊迫した空気が流れるのだろうが、どうもそんな雰囲気ではなかった。
だが無理もない、ハッキング事件に『天使同盟』が関わっている事を知っているのは一方通行と犯人であるエイワス、
そして風斬氷華とエリザリーナだけだからだ。

レッサーとサーシャ、ヴェントはエイワスの仕業である事は聞かされているが『天使同盟』のエラーメッセージについては
聞かされていない。だから一方通行がなぜあそこまでムキになっているのかいまいち分からず空気にも馴染めないため、
三人はソファに座り込んで買い物の時に買ったスナック菓子をバリボリと食べながら彼らの様子を眺めるだけだった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:40:00.82 ID:m/ACHlQUo<>

エイワスは相変わらず意味のわからない、得体の知れない笑顔を見せながらゆっくりと答えた。


「必要な事だからだ」

「あァ？」

「･･････？」


一方通行にはその言葉の意味がさっぱり分からなかったが、同時にエリザリーナも
眉をひそめた。


（･･････なぜエイワスは『星の欠片』が宇宙にある事を一方通行達に教えないの？）


てっきりエイワスはここで全ての真実を暴露するつもりなのだとエリザリーナは思っていたが、
どうやらこの金髪の怪物は『星の欠片』の事をギリギリまで伝える気が無いらしい。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:40:51.97 ID:m/ACHlQUo<>

「各国諜報機関へのハッキング･･････いや、厳密には『衛星』のコントロールの掌握か。
　それは私に、我々にとって必要な事だから実行したまでの事」

「言ってる意味がわかンねェな。　ハッキングが俺達にとって何か有益な事態を運んでくれンのかよ？」

「上手くいけば、な」

「･･････あの、具体的に説明してもらえませんか･･････？」


一方通行が聞こうとした事を、代わりに風斬が質問した。


「具体的に？」

「は、はい･･････。　どうして私たちの事を公にしてしまいかねないような、
　あんな事をしたのか･･････。　どうしてあれが私たちに必要な事なのか、
　具体的に教えて欲しいんですけど･･････」

「そォいうこった。　俺達が納得するような説明をしてくださるンだろォなァ？」

「････････････････････････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:41:33.00 ID:m/ACHlQUo<>

エイワスは人差し指を顎に当て、腹がたつほどわざとらしくうーん･･････と考える素振りを見せつけてきた。
ムカつく事に、そんな臭すぎる演技でもどこか美しく見えてしまうからこのバケモノは手に負えない。
レッサーとサーシャとヴェントも、そんなエイワスの様子をジュースを飲みながらのんびりと見つめていた。


「･･････明日まで待ってもらえないか？」

「なンだと？」

「明日になれば全てが分かる。　恐らく、君たちの求める具体的な説明をせざるを得なくなる事態が起こるはずだ。
　だからその時まで待って欲しい。　今ここで全てを説明しても、余計に混乱を招くだけだからね」

「･･････････････････それは『本当』なンだろォな？」

「『本当』だ。　明日になれば必ず分かる。　私の組んでいる『スケジュール』でも、
　君たちに全てを明かすのは明日という事になっている。　だからそれまで待っていてくれないか」


それは、エイワスがエリザリーナを納得させるためにした説明とほぼ同じ内容だった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:42:41.32 ID:m/ACHlQUo<>

とにかく、明日になるまで待て。


現在、時刻は午後の九時を回ったところだ。エイワスの言う『明日』まであと三時間も無い。
もっとも、〇時を回った瞬間何かが起こるとも限らないのだが。


（･･････やはり一方通行達に全てを説明しないのも、それをやっては『予定』が狂うから？
　『敷かれたレール』が歪んでしまうからという事･･････？）


エリザリーナは困惑する。
自分とは違い、一方通行と風斬は『天使同盟』の構成員だ。自分には『星の欠片』について説明し――自力で辿り着いたとはいえ――、
一方通行達に説明をしないというのはなぜなのか。一方通行達はまだ『敷かれたレール』の上に立っていないとでも言うのだろうか。


『聖女』とはいえ『魔導師』とはいえ、人間であるエリザリーナにエイワスの真意は理解出来なかった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:43:49.67 ID:m/ACHlQUo<>

一方通行はしばらくエイワスの顔を穴が空くんじゃないかというほど睨みつけていたが、
それに全く動じないエイワスの雰囲気を悟って視線を逸らし、言った。


「････････････そォかよ。　クソッ、好きにしやがれ」

「ありがとう、一方通行」

「･･････一方通行、それでいいの？」


尋ねたのはエリザリーナだ。彼女は一方通行は噛み付いてでもエイワスに説明させると思っていたのだが、
意外にも彼はエイワスの黙秘を許容した。


「･･････なンでオマエがそンな事聞いてくンだよ」


言われてギクっとしてしまうが、エリザリーナは努めて冷静になり返事をする。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:44:48.98 ID:m/ACHlQUo<>

「いえ･･････私もこういう立場だし、あのエラーメッセージの事は知っているわ。
　だからもっと詳しく聞かなくてもいいのかと思って･･････」

「こォなったらもォ無理だ。　コイツの意地っ張り具合は世界でも一、二位を張れるくらいだからな」

「･･････あなたもそれでいいの？」


エリザリーナに聞かれ、風斬はぎこちない笑顔を見せながらも答えた。


「･･････あ、一方通行さんがそう言うなら私もそれでいいです。
　明日になれば説明してくれるってエイワスさんも言っていますし、信じてます」

「なんと優しき心の持ち主か･･････。　エイワス、感激ィ」


およよ･･････とどこから取り出したのか、エイワスは黄金に輝くハンカチで目尻を拭った。
このわざとらしい仕草も演技なのだろうから、本当、手に負えないヤツである。


しかし一方通行はまだ納得出来ていない部分があった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:45:37.66 ID:m/ACHlQUo<>

「･･････ところでよォ。　『衛星』云々よりあのエラーメッセージはなンなンですかァ？
　いや俺は見たわけじゃねェけど、なンでわざわざ『天使同盟』の名前を使うンだよ！
　別にエイワスでもドラコでもいいだろォがオマエがやった事なンだからよォ」

「いやあ、なんかああいうのっていいじゃない。　いかにも謎の組織が世界征服を企んでいる陳腐な感じが。
　ああいうの、前から少しやってみたくてね。　個人名じゃあの胡散臭さは出せんよ」

「そンな事で『天使同盟』の名を使いやがったってのかァ！！？」

「別に商標登録とかしているわけではないのだろう？　『天使同盟』の名に」

「そォだけどそォいう問題じゃねェだろ！！　俺達はもォ『天使同盟』としてかなりの数の人間と
　接触してンだぞ！？　特に魔術サイドの連中となァ！　そいつらの中の誰かが今回のハッキング事件の犯人に俺達を思い浮かべて
　奇襲でも仕掛けて来やがったらどォすンだよ！　オマエが全部片付けンのかァ！？　そしたらオマエ、
　今度は敵討ちの名目で他の魔術結社が俺達に挑ンでくるわな！　ンでそれをまた片付けて！？　また敵討ちに他の魔術結社が
　やってくる！！　はい瞬殺！　また来る、瞬殺、また来る、瞬殺･･････！！　結果的には世界征服と相違ねェだろォが！！
　こンな事すンならせめて一言俺に相談してからだなァガミガミギャーギャーペーラペラ･･････！！！」

「････････････････････････」


ガトリングガンのようにエイワスに対する不満をぶつけまくってくる一方通行。
エイワスは大袈裟に肩をすくめて『やれやれ･･････』と微笑を浮かべながらファンヒーターの前で
怒鳴りまくりながら説教をする一方通行にゆっくりと歩み寄った。

そして彼と同じ顔に高さになるよう自身も膝をついて一方通行に寄ってくる。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:47:08.41 ID:m/ACHlQUo<>

「そもそもオマエは何から何まで自分勝手なンだよ！！　ロシアに着いたと思えばいつの間にか消えてあちこちフラつくわ、
　そンでもってオマエあのロシアの『GRU』の件でロシア政府は今大混乱状態に陥ってンだぞ！？　やりすぎなンだよ！！
　ハッキング事件の発生でうやむやになってるが、あれはあれでとンでもねェ大事件だ！！　オマエその辺についての自覚は･･････！！」

「･･････一方通行」

「あァ！？　つかオマエ顔が近ェンだよ！！　俺の話聞いてンのか！？　いい加減俺達を振り回して
　オモチャみてェに扱うのはやめろ！！　あのクソデート計画の時も言っただろ、オマエは――――」


と、


あれだけ一方通行が放っていた怒号が、急にピタリと止んだ。


「･･････････････････。　え」


風斬がアストロンを喰らったかのようにピキリと固まってしまう。
エリザリーナも、レッサーもサーシャもヴェントも、皆同じように鋼鉄のようになってしまった。


無理もない。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:47:54.46 ID:m/ACHlQUo<>




エイワスは一方通行の顔を強引に手で引き寄せ、そのまま思いっきり豪快で濃厚なキスをぶちかましてしまったのだ。





「〜〜〜〜〜〜〜〜〜んンンンッッッ！？！！！！？！！？！？！！？」

「―――――――――――――、」


さっき一方通行が言ったクソデート計画の時にもエイワスは彼にキスをしているが、
あれは頬に軽く触れただけだ。それでも当時の一方通行には耐え難いものだったのだが。


しかし今行われているキスは、それとは比にならないくらい『マジ』だった。
互いの唇と唇は見惚れてしまうくらい見事に密着しており、あろうことか舌まで入っている。
エイワスは目を閉じており、その行為がまた甘い雰囲気作りに貢献していた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:48:41.14 ID:m/ACHlQUo<>

「んンっ、ン･･････！！　ン･･････ぐ･･････」

「･･････」


当然、一方通行は顔を引き寄せられた時点で電極チョーカーのスイッチをオンに切り替えている。
今の一方通行は世界の軍隊が束になっても埃一つつけられない最強の超能力者だ。

にも関わらず、一方通行はされるがままだった。
最初は腕を伸ばして引き剥がそうとしたり首を全力で締め上げてみたり腕を引きちぎろうとしたりと
色々な手段で抵抗していたが、いつの間にやらだらりと全身の力を抜き、エイワスに身体を預けるような状態に陥っている。


超至近距離にいるエイワスの髪や身体から香る、頭が蕩けてしまいそうなフェロモンに変な作用でも含まれているのか、
終いには一方通行の意識すら朦朧としてきてしまっていた。
優しく頬をさすりながら尚も唇を離そうとしないエイワスに、もはや一方通行は為す術が無くなっていた。


そして不思議なことに、エイワスの奇行を誰も止めようとはしなかった。
あまりにも、あまりにも突然に、サプライズというにはあまりに衝撃的なその行為に皆が皆圧倒されており、
頭では分かっていても体が、いや、もはや頭でも理解が追いついていないかもしれない。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:49:32.79 ID:m/ACHlQUo<>

･･････ていうか、長い。二人の唇の密着時間がやたら長い。
一時間くらいは経っているんじゃないだろうかという錯覚に襲われるほどに長い。


やがて一方通行の目がヤバいクスリでもキメたように据わった頃、エイワスはゆっくりと
彼の唇を開放した。唇と唇の間に淫靡な糸がうっすらと引いている。


そして、一方通行は受身を取ることもなく、そのまま無抵抗に頭から倒れて動かなくなった。


「････････････ハッ。　あ、一方通行さん･･････！！！」


最初に我に返った風斬はエイワスにどうこう言うよりも先に痙攣している一方通行を介抱した。
彼はまるで魂を抜かれたかのような虚ろな目をしており、風斬が呼びかけてもうんともすんとも言わない。
エイワスはそんな彼を上から見下ろしながらジュルリ、と舌舐めずりをする。これがまたとんでもなくエロい。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:50:27.77 ID:m/ACHlQUo<>

続けて目を覚ましたサーシャもとりあえず、と一方通行の元へ駆け寄った。
エリザリーナは机に突っ伏して再度真っ赤になってしまった顔を無理やり隠している。
ヴェントは完全にオフィスに飾られた石像と化しており、レッサーはエイワスを
親の仇に向けるような視線で思いっきり睨みつけていた。


「え、え、エイワスぅ〜〜〜〜〜〜〜････････････！！！！」

「ふふ、何がプレッシャーキスだ。　そんな生温いアプローチで一方通行が振り向いてくれるとでも？
　これがキス、接吻というものだ。　しっかりと学習し、せいぜい精進したまえ」


そんなエイワスの纏う雰囲気は、聖守護天使というよりは魔女に近かった。
一方通行の身も心も魂も骨抜きにしてしまうその魔力、案外こいつサキュバスとかその辺の種族なんじゃなかろうか。


「むっきーーーーーーーー！！！　こんの悪女がぁ！！　そんな強引に手で一方通行さんが
　オトせるとでも思ってんですかぁ！？　冗談じゃないですよこのバケモノめええ！！！」

「別に？　オトそうと思えばいつでもオトせるが？　ただ君たちがあんまりにも奥手なんで
　私が先に仕掛けさせてもらったまでの事･･････」

「こ、このレッサーがお、おお、奥手だとぉ〜〜！！？　ぐぬ、ちくしょう････････････！！！」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:51:41.30 ID:m/ACHlQUo<>

レッサーはありったけの声を振り絞って叫んだ。


「ちきしょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！！！！」

「ふふふ、このエイワス。　何時までも茶番を観賞出来るほど完成された観測者でもないものでね。
　繰り広げられるショーがつまらなければ、私が舞台に乗り込んで脚本を『正してやるまで』だよ」

「あ、一方通行さん！！　しっかりしてください･･････！！　一方通行さん！！」

「第一の私見ですがここは一つ、風斬氷華による人工呼吸を･･････」

「じ、じじ、人工呼吸･･････！！？　い、いやでも一方通行さん、息はしてますし･･････！！
　どうやってそんな事すれば･･････！！　そ、そうか、一方通行さんの息の根を止めれば出来ますね！！」

「第二の私見ですが冗談ですよ。　･･････いや冗談ですってば風斬氷華、だから彼の首から手を･･････」


････････････何なのだろうか、この光景は。
とても世界規模の惨劇が起きる前日の夜とは思えない光景だった。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/30(水) 20:55:57.26 ID:VCWYWbK2o<> なンてこったァ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/30(水) 20:56:49.65 ID:MWc4bI0Ko<> やったッ！流石エイワス！
俺達にできない事を平然とやってのける！
そこにシビれるあこがれるゥ！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:59:02.70 ID:m/ACHlQUo<> 反省します、悪ふざけが過ぎました。


そんな感じで、今日の投下を終了させていただきます。
まぁちょっとやりすぎなくらいがちょうどいいかなと思って今回の話を書きました。


で、次回はショッピングセンターの飲食店くらいのギャグパートがしばらく続きます。
もう99％ギャグでお送りいたしますのでどうかよろしくお願いします。

次回更新は三日以内。


それでは、今日もお付き合いいただきありがとうございました。 <> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/03/30(水) 20:59:51.84 ID:m/ACHlQUo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『ねえ、今日はみんなでお風呂入らない？　ほら、居住区から少し離れたところに浴場が
　あったでしょ。　確か･･････ジャパニーズ"ロテンブロ"ってのが』
―――――――――――元『殲滅白書』のシスター・ワシリーサ




『だ、第二の私見ですが、私は露天風呂は遠慮しておきます』
―――――――――――元『殲滅白書』の魔術師・サーシャ＝クロイツェフ




『･･････私も。　なんでアンタらと一緒に風呂入らなきゃいけないのよ。
　拷問にも限度ってモンがあんでしょうが』
―――――――――――ローマ正教、禁断の組織『神の右席』の元一員・『前方』のヴェント




『ちょっと恥ずかしいけど･･････少し興味あるんです、露天風呂って･･････///』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・風斬氷華




『ダメダメ、ここは民主主義の体制でいきますよ。　はい多数決！　露天風呂に入りたい人は挙手！』
―――――――――――魔術結社予備軍『新たなる光』の構成員・レッサー



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/03/30(水) 21:04:35.30 ID:2ruRc+oL0<> ﾏｯﾃﾀｾﾞ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/30(水) 21:06:31.76 ID:p7RimUZzP<> 乙
一方さん後ろから刺されろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2011/03/30(水) 21:09:34.69 ID:2ICzSDnQo<> エイワスのキスとか羨ましすぎる故に一方通行爆裂しろ！
次も楽しみにしてます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/30(水) 21:10:08.87 ID:MWc4bI0Ko<> 乙

お楽しみの風呂シーンか
ていとくんの股間のダークマターが・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/30(水) 21:23:10.90 ID:4KXFu+yi0<> 乙
さらっと世界規模の惨劇とか書かれてるがスルーだ！
未来のシリアスより目先のサービスシーンだってじっちゃんが言ってた！

ノーメイクヴェントに期待して待ってるぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/03/30(水) 21:31:02.26 ID:iz7VNHGzo<> 乙
ワシリーサさんと一緒にお風呂入りたいでござるｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)<>sage<>2011/03/30(水) 21:55:55.05 ID:Yp6Qr7zAO<> 乙!
そっか
ヴェント素顔フラグか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/30(水) 22:08:48.85 ID:tvYR40Nz0<> >>359
『背中刺す刃』こと俺に任せるぜよ！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/30(水) 22:34:07.79 ID:tdtMbzuSO<> まさかエイワスが犯人だったとわ〜
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/03/30(水) 22:44:11.61 ID:gsERfASi0<> そういえばかっきーはどうしたかっきーは
音沙汰ないぞあの子 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/31(木) 00:44:57.44 ID:3GmLpiUDO<> オレの…セロリタンが… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/03/31(木) 01:36:51.56 ID:gcjbr9tW0<> >エリザリーナも、レッサーもサーシャもヴェントも、皆同じように鋼鉄のようになってしまった。

ここを「鉄網のようになってしまった」と読んでしまった
自分も動揺を隠せなかったんだな･･･きっと

ともあれ>>1乙です!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/31(木) 01:38:34.69 ID:gcjbr9tW0<> うわ、ageてしまったorz
すまんかった･･･ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/03/31(木) 02:26:12.92 ID:rbJGzOuGo<> >>365
あくまで後ろからであって、背中では無いのである <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)<>sage<>2011/03/31(木) 02:33:24.01 ID:xHOQ9Omt0<> 露天風呂といったら混浴 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/03/31(木) 04:12:03.70 ID:zZye3vhJ0<> >>359、>>365、>>371の流れでアーッな光景しか思い浮かばなかった俺は
風斬に甲斐甲斐しい介護と人工呼吸してもらいに行ってくる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/03/31(木) 09:08:05.82 ID:NLmUjC2l0<> ＞そ、そうか、一方通行さんの息の根を止めれば出来ますね！！

やっぱこの属性過多娘、天然危険物だわｗｗｗｗｗｗ
一方さんェ…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/03/31(木) 10:41:21.00 ID:F5RVK03I0<> 今回の一方通行のデレ

一方通行「エイワスが世界征服とか企ンでたら手を切る」（>>330）
↓
一方通行「（結果的に世界征服と相違ねェ）こンな事すンなら一言俺に相談してからだなァ」（>>347）

これを若干意訳すると
一方通行「エイワスが何企んでても、もう手を切るつもりなンかねェよ」

ふむ、エイワス通行こそ至高だと考えるのが妥当と言えるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/31(木) 15:24:57.89 ID:xbbUKwxGo<> >>375
アクセラレータはツンデレ

分かるな？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/31(木) 18:42:29.95 ID:YnOWi8rU0<> >>326
まじか！超楽しみだけど、このＳＳが終わるなんて・・・
きっとその日には俺の涙で世界が沈むなｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/03/31(木) 18:54:36.44 ID:iHtzag5W0<> すいません、そろそろメインヒロインのガブリエルのターンが着ても良いころだとおもうんですけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/03/31(木) 19:18:39.24 ID:KV4FhriJo<> >>378
まぁまぁ、そう急かすなって
真打はここぞという時に遅れて登場するものと相場が決まっている。早漏は嫌われるわよ？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/03/31(木) 22:05:48.94 ID:gKw9fAWSO<> >>378
急かす男子は嫌われるぞっ☆
エイワスマジ天使 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2011/03/31(木) 23:14:51.09 ID:T0A5eGB7o<> まあ最後は本妻の可愛らしい天使幼女とくっつくんだけどね！ってミ……ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2011/04/01(金) 00:54:54.21 ID:rKWGxKmr0<> みんな風斬を忘れてるのか…
じゃあひとりで風斬のターンが来ることを祈っていようっと <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/04/01(金) 00:55:26.02 ID:AUo2XM1Wo<> ってミスズはミスズは言ってみるっ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<><>2011/04/01(金) 13:39:11.76 ID:Qo7gI5E80<> >>383
ババァなンぞに興味はねェ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/01(金) 13:45:36.74 ID:8PBOqAQ2o<> あ、ミスズか……
実はミミズに見えてたのは内緒 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/01(金) 14:16:06.50 ID:V4m134Aw0<> 結局、一方さんのファーストキスの相手ってオルソラなのか？
いや、じつはミミズさんにも手を出してるかも・・・
風斬さんガンバｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/01(金) 16:06:03.61 ID:snq8EsHDO<> >>386
期待しちまったじゃねーか
sageろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/01(金) 16:07:03.63 ID:snq8EsHDO<> >>386ｽﾏﾇ間違えた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/01(金) 16:19:23.92 ID:Qo7gI5E80<> >>387
すまぬ･･･すまぬ･･･ <> ３８６<>sage<>2011/04/01(金) 19:17:06.48 ID:V4m134Aw0<> >>387、>>388、>>389
流れがよくわからないんだが
sageになってなかったのかな・・？
期待させてごめんな・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/01(金) 19:42:49.22 ID:8PBOqAQ2o<> いや>>384に安価打とうとしたら>>386になってたんだろう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします <>sage<>2011/04/01(金) 20:47:14.34 ID:V4m134Aw0<> ナルホド!ちょっとどきどきしたｗｗ
お騒がせしましたー <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:14:53.16 ID:PBRjjy/uo<> ども、こんばんわ。投下しに来ました。
なんだか今日は暖かいような気がしますが気のせいでしょうか。


さて、今回は露天風呂に皆で入らないかという変態修道女のお誘いに
他の女性陣の反応は･･････？みたいな話です。

なんか久々ですね、お風呂とかそういうストレートなお色気話は。
イギリス(一度目)の時以来でしたっけ。


では行きましょう！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:16:28.57 ID:PBRjjy/uo<>

――エリザリーナ独立国同盟・とある軍事施設のオフィスルーム


ワシリーサ「いやっほぉぉぉぉい！　エリザリーナ、ちょいとお話が〜♪」ｶﾞﾁｬｰﾝ

エリザリーナ「ワシリーサ、･･････乱暴に扉を開けないでよ」ﾊｧ

風斬「一方通行さ〜ん･･････！　しっかりしてください･･････」

一方通行「」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

サーシャ「第一の私見ですが、これはもう手遅れかもしれませんね」

ワシリーサ「むむむ！？　この私の心をくすぐるような甘〜い声は･･････サーシャちゅわん！！？」

サーシャ「げ･･････」

ワシリーサ「サーシャちゃあああああああああん！！！　会いたかったわぁ♪
　　　　　　帰って来たなら真っ先に連絡してよ私にぃ！！」ﾀﾞｯ

サーシャ「うわ、ちょ、こっち来ん･･････」

ワシリーサ「むっぎゅー♪　サーシャちゃんゲットだぜ！！」ﾑｷﾞｭｰ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:17:47.84 ID:PBRjjy/uo<>

サーシャ「〜〜〜〜〜〜ッ！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

ワシリーサ「んふふふふ、サーシャちゃん成分補給〜♪　････････････、ん？
　　　　　　何よこの部屋の空気、なんかおかしくない？」

エイワス「相変わらずだな、君は」

ワシリーサ「うん？　･･････、あ！　一方通行、貴様よくも私のサーシャちゃんをぉぉ！！！」ｶﾞﾙﾙﾙ

一方通行「」ｼｰﾝ

ワシリーサ「･･････って、ありゃりゃ？　どしたのこのウサぴょん君、既にノビてんじゃないのよさ」

エイワス「ああ、それは私がさっき―――」

風斬「説明しなくていいですっ！！」

ワシリーサ「なんかあったのかにゃん？　レッサーちゃんとヴェントちゃんの様子もヘンだし」

ヴェント「････････････またキス･･････また･･････なんなのよこれは･･････」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

レッサー「ぢぐじょ〜･･････悔しい･･････」ｸﾞｸﾞｸﾞ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:18:30.15 ID:PBRjjy/uo<>

エリザリーナ「別に何でもないわ･･････。　それよりどうしたの？
　　　　　　　何か話が会って来たんじゃないのかしら？」

ワシリーサ「ああ、そうそう。　サーシャちゃんを前にしてすっかり失念してたわ」ｷﾞｭｳｳｳ

サーシャ「離･･････せ･･････」



ワシリーサ「ねえ、今日はみんなでお風呂入らない？　ほら、居住区から少し離れたところに浴場が
　　　　　　あったでしょ。　確か･･････ジャパニーズ"ロテンブロ"ってのが」



風斬「ろ、露天風呂･･････？　ロシアにそんなのがあるんですか？」

エリザリーナ「そういえばあったわねそんなの･･････。　あまり馴染みがないから
　　　　　　　民間人はほとんど使用していないけど」

レッサー「ほほー。　いいですねえ露天風呂！　そんなのあるなら昨日にでも言ってくれればいいのに」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:19:26.99 ID:PBRjjy/uo<>

エイワス「うむ、悪くない提案だ。　私も一度でいいから入ってみたかったのだよ」

ヴェント「･･････････････････風呂？」ﾋﾟｸ

サーシャ「ちょ、ちょっと･･････」ﾊﾞｼﾊﾞｼ

ワシリーサ「あら、ごめんなさいサーシャちゃん♪　私の胸が苦しかった？」ﾊﾟｯ

サーシャ「はぁ･･････はぁ･･････。　だ、第二の私見ですが、私は露天風呂は遠慮しておきます」

ワシリーサ「あ･･････？　あ･･････？」

ヴェント「･･････私も。　なんでアンタらと一緒に風呂入らなきゃいけないのよ。
　　　　　拷問にも限度ってモンがあんでしょうが」

レッサー「ちょっとちょっと！　この流れで辞退ってのはないんじゃないです？
　　　　　風斬さんはもちろん入りますよね？　露天風呂」

風斬「え、と･･････どうしようかな･･････」

レッサー「じゃ決定ですね！　そのクソ憎たらしいくらいデカい乳を自慢しちゃってくださいよ！」

風斬「ま、まだ私何にも言ってないのに･･････。　あと胸は関係ないです！///」ｻｻｯ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:20:43.27 ID:PBRjjy/uo<>

ワシリーサ「サーシャちゃんも行こうよぉ･･････お願いだからさぁ･･････」ｳﾙｳﾙ

サーシャ「第一の解答ですが行かないって言ってるじゃないですか。
　　　　　あとあなたが涙目で懇願してきても鬱陶しいだけです」

ワシリーサ（ヤベェ･･････相変わらずドSモードのサーシャちゃんは可愛い･･････）ﾊｧﾊｧ

ヴェント「アンタらで勝手に入って来ればいいだろ」

エイワス「そう言うなヴェント。　ここは一つ、裸の付き合いと洒落込まないか？」

レッサー「そうですよ。　女同士なんだし、恥ずかしがってないでいきましょ！」

ヴェント「は、恥ずかしがってるわけじゃねえよクソガキが･･････！！///」ｶｧｧ

風斬「こ、こうなったら勢いですよヴェントさん･･････。　一緒に入りませんか？」

ヴェント「ちょ、マジで言ってんの？　嫌よ私は」

レッサー「ダメダメ、ここは民主主義の体制でいきますよ。　はい多数決！
　　　　　露天風呂に入りたい人は挙手！」ﾉ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:21:33.67 ID:PBRjjy/uo<>

エイワス「ロシアの白銀風景を眺めながら浸かる湯船も悪くはないだろう。
　　　　　私は興味深々なのだが」ﾉ

ワシリーサ「当然よ！！　今日は一日中サーシャちゃんに触れられなかったんだから。
　　　　　　禁断症状起こしそうになったわよまったく！！」ﾉ

風斬「みんながそう言うので･･････」ﾉ

サーシャ「か、風斬氷華･･････あなたの意志はどうなんですか」ｼﾞﾄｰ

風斬「ちょっと恥ずかしいけど･･････少し興味あるんです、露天風呂って･･････///」

エイワス「やはり同じ製造ラインで生まれた存在故、興味の対象も私と似通うのだな風斬氷華」

風斬「あなたとは違うんです」

ヴェント「ふざけやがってテメェらぁ･･････！！　これじゃ半強制的に決定じゃねえかよ･･････。
　　　　　大体ロシアは民主主義じゃねえだろうが･･････」

レッサー「厳密にはここはロシアではなく、エリザリーナ独立国同盟です！
　　　　　エリザリーナさん、同盟内ではどのような体制になっているんですか？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:22:36.61 ID:PBRjjy/uo<>

エリザリーナ「え？　まぁ･･････民主主義に近いわね」ﾃｷﾄｰ

レッサー「そういう事です」ﾌﾌﾝ

ヴェント「クソったれがぁぁ･･････！！　エリザリーナ、アンタはどうすんのよ？」

エリザリーナ「･･････せっかくだし、ここは思い切ってみんなで入らない？」ｸｽｯ

レッサー「リーダーからのお許しが出たぞ〜！　これで決まりですね！」

サーシャ「嫌だ･･････激しく拒否します･･････」

ワシリーサ「大丈夫よサーシャちゃん！　乱暴に洗ったりしないから♪」ｸﾞﾍﾍﾍ

サーシャ「第一の質問ですが、なぜ既に私の体をあなたが洗う前提なんですか！？」ｶﾞﾋﾞｰﾝ

風斬「あ、あの･･････天使さんも誘っていいですか？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:23:59.05 ID:PBRjjy/uo<>

エイワス「いいだろう。　彼女もきっと喜ぶよ」

エイワス（下手をすれば最期の思い出として、ね）ｸｸｸ

レッサー「じゃあ風斬さん、ミーシャに声をかけてきましょう。　私も同行します」

風斬「わかりました。　あの、天使さんはどこに･･････？」

エイワス「私の部屋で休ませてある。　場所は分かるだろう？　君がノートを手にしたあの部屋だ」

レッサー「ノート？」

風斬「な、何でもないですよ！？　じゃあ行きましょうか･･････（あんな言い方しなくても･･････）」ｶﾞﾁｬ

レッサー「あ、露天風呂ってどこにあるんですか？　私たち先に行ってますんで」

エリザリーナ「正直日本の露天風呂よりは雰囲気無いけど･･････居住区から出たら雪山が見えるでしょう？
　　　　　　　あの辺をうろついてたら辿りつけるはずだわ。　日本の銭湯みたいな建物があるの」

ヴェント「エリザリーナ、アンタさっきから適当すぎない？」

レッサー「りょーかいです！　みんなも早く来てくださいね〜」ﾊﾞﾀﾝ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:24:50.15 ID:PBRjjy/uo<>

ワシリーサ「んじゃ、私たちも向かいましょうかサーシャちゅわん♪」ｸﾞｲｯ

サーシャ「いやだ〜･･････！！　離せぇ････････････」ｽﾞﾙｽﾞﾙ


　　　　　　　　　　ﾊﾞﾀﾝ


エイワス「おっと、すっかり一方通行と垣根帝督の事を失念していたよ。
　　　　　ガールズトークに華を咲かせすぎたな」ｸｸ

ヴェント「テメェのどこが『ガール』なんだよ･･････」

エリザリーナ「･･････それじゃ、私も準備してこようかしら。
　　　　　　　さっきは簡潔に説明したけど、場所は分かる？」

エイワス「把握している。　確かに日本ほど風情は見受けられないが、
　　　　　それでもよく出来ているじゃないか。　これはミーシャも喜ぶだろう」

エリザリーナ「････････････。　それじゃ、先に行ってるわよ」

エイワス「待て、エリザリーナ。　そこの屍も連れて行ってやってくれ」

エリザリーナ「屍？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:25:28.52 ID:PBRjjy/uo<>

一方通行「」


エリザリーナ「仕方ないわねまったく･･････」ﾖｲｼｮ

エイワス「男性用の脱衣室にでも放りこんでおいてくれればいい」

エリザリーナ「分かったわ、それじゃあね」ﾊﾞﾀﾝ

エイワス「･･････で、君はどうするのかね？　どうしてもと言うなら辞退してもいいのだよ？」

ヴェント「･･････クソが。　行きゃいいんだろうが行きゃ」

エイワス「無理して同行する必要も無いと思うのだがな。　しかしなぜそこまで頑なに拒む？」

ヴェント「････････････ねえんだよ」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

エイワス「？」

ヴェント「･･････あの、あれよ。　誰かと風呂なんか入った事ないのよちくしょう･･････///」ﾌﾟｲｯ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:26:30.52 ID:PBRjjy/uo<>

エイワス「あらやだ可愛い･･････」

ヴェント「殺すぞテメェ･･････！！」

エイワス「ふふ･･････。　ああ、そうだ。　そういえば君にプレゼントがあるんだ」ｺﾞｿｺﾞｿ

ヴェント「プレゼント･･････？」

エイワス「･･････ほら。　見覚えがあるんじゃないか？」ｽｯ

ヴェント「･･････････････････。　････････････な･･････！！？」ｷﾞｮｯ

エイワス「喜んでもらえると嬉しいのだが。　まあ暇つぶしに作っただけなんだけどね」



ヴェント「･･････『天罰術式』の･･････霊装･･････！！？　どうしてそれが･･････！！」




<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:27:23.18 ID:PBRjjy/uo<>

エイワス「だから暇潰しに私が作ったのだと言っている。　持っていけ」ﾎﾟｲｯ

ヴェント「あ、･･････」ﾊﾟｼｯ

エイワス「第三次世界大戦時に『右方』のフィアンマによって四大属性の歪みが修正され、
　　　　　『天罰術式』は『神の薬(ラファエル)』が対応属性になってしまっているが･･････
　　　　　君でも扱える、いや"誰にでも"扱えるよう私が少し改良を加えている」

ヴェント「『天罰術式』を属性無視で使用出来るだと･･････？」

エイワス「私が作ったその霊装だけの限定特典だがな。　使いたければ自由に使うがいい」


<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:27:50.90 ID:PBRjjy/uo<>

ヴェント「･･････どうしてこんなモンを私に？」

エイワス「んん？　必要だろう、今の君には」ｶﾞﾁｬ



エイワス「それがあれば、或いは一方通行の真意を確かめる事ができるんじゃないのか？」



ヴェント「！！　･･････テメェ」

エイワス「ふふ。　では、浴場でまた会おう」ﾊﾞﾀﾝ

ヴェント「･･････････････････」

ヴェント「･･････、確かにこれがあれば、或いは･･････」

ヴェント「････････････クソ」ｶﾞﾁｬ

ヴェント（･･････なんなのよ、この気持ちは）


　　　　　　　　　　ﾊﾞﾀﾝ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:29:40.59 ID:PBRjjy/uo<>

近頃はこうして一人でいることが多くなってきた気がする。
いや･･････、それは過ぎた考えか。周りには愉快な人間たちが私の事を考えてくれてるのだから。


でも、ロシアに来てから私はあまり楽しい時間を過ごせていない。
もちろん、それは皆のせいではなく、私自身が原因だ。
『星の欠片』、と皆は呼んでいる。あの『門』の消滅が刻一刻と迫っている。


せっかくこの世界とも波長があってきたというのに、まったくタイミングの悪いことだ。
どうせなら『彼』にもっと我儘を言って色んな国を回れば良かったかな。

･･････いや、よそう。『彼』は私のために世界中を駆け巡ってくれているのだから。
『彼』だけじゃない、私にはもう、大勢の仲間がいる。味方がいる。


少しずつだが、私の中に生まれていた自我というものが無くなっていってるのが分かる。
この自我が消えてしまう前に、せっかくのロシアをもっと満喫したいものだ。


でも、大丈夫。楽しい時間はきっとやってくるはず。
『天使同盟(アライアンス)』は、期待を裏切らず何かを運んできてくれるはず。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:30:28.92 ID:PBRjjy/uo<>

私の居る部屋の扉が勢い良く開かれた。


「チョリーッス！！　ミーシャ、ご機嫌はいかがかね！」

「こんばんわ天使さん、突然すみません」


ほら、来た。


楽しい時間が。


やって来たのは氷華とレッサーだった。


「ミーシャ、今から皆で露天風呂へ行きますよ！」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:32:02.80 ID:PBRjjy/uo<>

？


露天風呂･･････。『風呂』の部分は理解できる。イギリスで王族の人間と一緒に楽しんだ湯浴みの事だ。
しかし『露天』とはなんだろうか？天が露出している･･････、もしかして浴室ではなく外で湯浴みをするのだろうか。


「お外でお風呂に入るんですよ。　ちょっと恥ずかしいけど･･････天使さんも一緒にいこ？」


氷華が照れくさそうに笑顔で私を誘ってきた。
嬉しい。でもそこに、『彼』はいるのかな？


「多分、一方通行さんも垣根さんも来ますから、早いとこ向かわないと
　あの野蛮人二人に覗き見されちゃいますよ〜」

「一方通行さんはそんな事するような人じゃ、･･････ないと思います」

「今ちょっと考えたでしょ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:32:51.72 ID:PBRjjy/uo<>

じゃあ帝督はどうなんだ、とツッコミを入れたくなるが、それは叶わない。
でも、本当に皆が来るというのなら、それは素敵な時間を過ごせるのだろう。


「行きますよね？」

「prtiavn勿論asadyfvn」

「良かった。　じゃあ行きましょう！」


氷華が手を差し伸べてきた。私はそっとその手を握って二人と一緒に部屋を出る。


露天風呂か･･････。


もう、時間は無いのだ。思いっきり楽しんでいかないと損をするだろうな。


うん、楽しもう。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:34:32.57 ID:PBRjjy/uo<>

――――――――――――――――――――――


『･･････････････････と、いうわけだ。　それでは待っているよ』

「･･････人が寝てる時に何かと思えば、ずいぶんと愉快な状況になってんじゃねえか」


垣根帝督は突然頭に響いてきたエイワスの念波によって叩き起された。
彼は『明日の決着』に備えて今日はもうゆっくり熟睡するつもりだったのだが、これではとても二度寝は出来ない。


「クソ･･････。　風呂なんて勝手に入ってりゃいいじゃねえか。
　････････････あー、頭ボーッとする」


垣根は現在、居住区から見える一つの雪山に向かって歩いていた。
エイワスからの連絡によれば女性陣は先に向かっているらしく、一方通行も脱衣所で『寝ている』から
垣根も準備が出来次第、浴場へ向かうようにとの事だ。


（･･････一方通行の野郎が脱衣所で寝てるってのはどういう意味なんだ。　つかアイツら買い物行ってたんだよな？
　ちゃんと俺が頼んだ物も買って来てんだろうな･･････）

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします <>sage<>2011/04/01(金) 21:35:33.14 ID:V4m134Aw0<> (｡´Д⊂) <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:35:43.94 ID:PBRjjy/uo<>

ロシアの夜空と鋭く突き刺さる冷たい風に晒されながら垣根は浴場に向かって歩いて行く。
その風のせいで身体の節々にズキズキとした痛みが走り、彼の脳裏にワシリーサと行った訓練を無理やり思い出させた。

今の所はエイワスから受け取ったインチキ臭い魔術の札で身体へのダメージは事なきを得ているが、
これがなければ垣根は本来歩行すら困難なほどの状態なのだ。

しかし痛みはある程度引いているとはいえ、やはり体の動きはぎこちなくなる。
一方通行と一緒に湯船に浸かる事になるだろう事を考え、垣根はどうにか一方通行に自分が魔術を使っている事を
悟られまいと努力することを決めた。


（･･････これが最期の風呂になるかもしれねえと考えると、まあ露天風呂も悪くはねえか）


白い息を吐きながら垣根は薄く笑った。


垣根は明日の朝にワシリーサとの三度目の魔術訓練を控えている。
そしてその訓練で『魔術による攻撃でワシリーサにダメージを与える』という目標を達成出来なかった場合、


垣根帝督はエイワスの手によって殺められる、という事になっている。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:36:56.70 ID:PBRjjy/uo<>

あまりにも理不尽なこの提案を、垣根帝督は受け止めた。
彼は理解していた。一方通行と比べて、風斬氷華と比べて、エイワスと比べて、ミーシャ＝クロイツェフと比べて、

自分は『普通』過ぎる、と。


『未元物質(ダークマター)』というその反則的な能力を身に秘めていながら、しかし『天使同盟(アライアンス)』の中では
それではステータスにならないというのだから恐ろしい話である。
そんな自分の思いを一方通行に、風斬氷華に、或いはミーシャに伝えたら、三者とも同様に口を開くだろう。


『そんな瑣末な事は気にするな』。恐らくはこんな事を。


だが周りがどう言おうと垣根自身がコンプレックスを抱いているのだからどうしようもない。
『未元物質』だけでは足りない、自分にはまだ『力』が必要だ。

それが、魔術。


（絶対にものにしてやる･･････）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:37:59.05 ID:PBRjjy/uo<>

一人、静かに決意を固める垣根帝督。
そしてそのまましばらく原野を適当に歩いていると、雪山の麓にポツンと古めかしい雰囲気の建物が見えた。
銭湯よろしく、大きく伸びた煙突からモクモクと煙が立ち上がっているのが確認できる。


「あれか･･････。　なんだよありゃ、思いっきり日本にある銭湯じゃねえか。
　学園都市にも似たようなもんがあったよな確か･･････」


ともあれ、玄関入り口から中へ入っていく。
入ってすぐにいわゆる『番台』が目に飛び込んできた。こんなところまで日本っぽく作ってある。
そして両脇には『男』、『女』とだけ書かれた青と赤の暖簾が垂れ下がっていた。
思わずここは日本なんじゃないかと錯覚してしまう光景に、垣根はどこか懐かしさを感じる。


「･･････でも番台に人がいねえんじゃ意味ないよな。　商売目的で建てられたってわけじゃねえのか」


女性用の脱衣所から何やらキャッキャと楽しげな声と悲鳴が聞こえる。恐らく女性陣が着替えているのだろう。
さて、と垣根は女性用の脱衣所に入り込むといったベタなボケはかまさず、『男』と書かれた暖簾を押しのけて脱衣所へ入った。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:48:21.31 ID:PBRjjy/uo<> Q.　露天風呂の話でうやむやになってるけど、ヴェントが貰った
　　誰でも使える『天罰術式』の霊装っていくらなんでも無茶すぎね？

A.　確かにそうですね。あの霊装についてはいずれ明らかにあるのでお楽しみに。


というわけで今回はここまでです。
『風呂入ってねえじゃん！！　馬鹿なの？』と文句を言われてもしょうがない終わり方です。
入浴シーンはまた次回の投下ということで。

･･････今書きため見直してみたら、この露天風呂編とかいうギャグパート無駄に長いよ･･････


次回更新は三日以内。

それでは皆さん、今回もありがとうございました！

今回は大量に次回予告があるため、分割しています。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:48:49.16 ID:PBRjjy/uo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『一方通行･･････俺達、友達だよな？』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督




『ワケわかンねェ･･････』
―――――――――――『天使同盟』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)



<> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/01(金) 21:49:32.69 ID:PBRjjy/uo<>




『なんなんですかその歩くたびにたゆんたゆん揺れるデカ乳は！！』
―――――――――――魔術結社予備軍『新たなる光』の構成員・レッサー




『あ、あんまり見ないでください･･････///』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・風斬氷華




『iwqdvj突入mcdvwyg』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・ミーシャ＝クロイツェフ




『しかし素晴らしいな。　ロシアの風景を眺めながら入る露天風呂とは。
　日本とはまた違った美しさが窺える。　露天風呂入った事ないけど』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・エイワス




『痩せてるだけよ。　自慢できる体型じゃないわ』
―――――――――――エリザリーナ独立国同盟の中心的人物・エリザリーナ




『せめて･･････せめてタオルを巻かせてください･･････！！』
―――――――――――元『殲滅白書』の魔術師・サーシャ＝クロイツェフ




『女同士なんだからそんなもの必要ないの！　ふひひひｗｗｗｗ』
―――――――――――元『殲滅白書』のシスター・ワシリーサ




『スッピンで何が悪いのよ』
―――――――――――ローマ正教、禁断の組織『神の右席』の元一員・『前方』のヴェント



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/01(金) 21:52:50.25 ID:CWzVfcNw0<> 乙！
入浴は次回か……氷華のたゆんたゆん＆ヴェントのスッピン発言頂きましたー

って言うか帝督ン覗くつもりだろ絶対ｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/04/01(金) 21:55:49.34 ID:RcjbIo0AO<> 垣根「俺の覗きテクに常識は通用しねえ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/01(金) 21:58:53.41 ID:dFjDvOSfo<> 天使と人工天使と神の右席とワシリーサとエイワスがいる風呂とか覗きたくないなぁｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)<>sage<>2011/04/01(金) 22:00:51.24 ID:3MaFv1IAO<> ていとくんの台詞は
確実に一方さんを覗きに誘ってるｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします <>sage<>2011/04/01(金) 22:03:12.19 ID:V4m134Aw0<> 乙！
初めてリアルタイム遭遇できた!

ていとクン変態すぐるｗｗｗｗ
あのメンバーを覗くなんて・・・
れ・い・ぞ・う・庫確定ねｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/01(金) 22:18:04.64 ID:fBErHWoDO<> 乙〜

「もう一度ここで絶望しろコラ」注：女性陣からていとくんへ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/01(金) 22:38:12.21 ID:l4QBdAn60<> 乙です!!
覗いたらホントに命の保障が出来ないメンバーだよなｗｗ

垣根帝督。
彼は、二度目の『死』を迎える事となる。

という状態になるかもしれないという･･･ｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/04/01(金) 22:40:53.73 ID:Azg0kKWAO<> ＺＥＮＲＡ！サーシャちゃんのＺＥＮＲＡ！！
ふひひひｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/01(金) 22:52:15.37 ID:dFjDvOSfo<> >>425
垣根「久しぶり」

こうですねわかります <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/01(金) 23:22:09.43 ID:NKeK6rlAO<> いやこうだろう

冷蔵庫｢久しぶり｣
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<><>2011/04/01(金) 23:45:25.13 ID:KSZxnnHU0<> 乙です
俺だけのヴェントちゃんちゅっちゅ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/01(金) 23:49:29.34 ID:l4QBdAn60<> >>429
そげぶ

ヴェントちゃンは皆のものだろォが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします <>sage<>2011/04/01(金) 23:58:16.23 ID:V4m134Aw0<> >>429
自転パンチ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/02(土) 00:24:12.42 ID:1VUAYXcDO<> >>429ガトリングレールガン <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします <>sage<>2011/04/02(土) 00:29:43.49 ID:qr9R9L3W0<> >>429
なら俺の打ち止めのあほ毛ドリル攻撃ぃ！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/02(土) 00:43:12.98 ID:KYRrxQoR0<> 恥ずかしがるサーシャちゃんこそ至高
サーシャ可愛い夜サーシャ
よもや前スレ>>1000がこんな所で……！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/02(土) 00:44:08.94 ID:zDVx0A2IO<> アホ毛ドリル……あれか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/02(土) 00:50:29.04 ID:1NlncafTo<> カッキー君マジカッキー。ガブリエルちゃんマジ天使
乙です！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)<>sage<>2011/04/02(土) 00:56:06.50 ID:neY0l6Qjo<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/02(土) 02:52:41.49 ID:kawML7XF0<> >>429
命名、「神よ、何故私を見捨てたのですか(エリ・エリ・レマ・サバクタニ)」
完全発動まで十二秒 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<><>2011/04/02(土) 12:17:29.38 ID:sZKVt3Gx0<> みんなどんだけ>>429 に殺意抱いてんだよww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/02(土) 14:17:58.07 ID:qr9R9L3W0<> そりゃあヴェントちゃンはみんなのアイドルでかわいくてツンデレで
ちょっぴり泣き虫で少女でギャップがたまらなくて叫び声も可愛くて
ウブで弟思いで裏の女王で男気があってかっこよくて照れ屋さんで素
顔も超かわいくてみんなと一緒にお風呂入るのが初めてでライバルが
出ただけですごい気にしちゃったりジェットコースターが苦手だった
りなんか小悪魔ピアスかってみられて恥ずかしがっちゃったり気にな
る彼の気持ちを知りたくなっちゃったりなんだかんだで乙女だったり
マジ天使だったりするからだよ！

というわけで>>429にグレートトルネードぽぽぽぽーん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/02(土) 14:31:25.61 ID:xpx5nmpio<> >>429
ドラゴンライダーでファイナルベント(龍騎サバイブ)な <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/02(土) 14:35:13.15 ID:0F2pTZgB0<> >>429

すごいパーンチ


と、言うことでこの隙にエリザリーナは貰っていきますね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/04/02(土) 15:01:30.47 ID:V77mgbmG0<> 俺、実は前スレ1000なんだ
……ありがとう、>>１よ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/02(土) 16:18:29.72 ID:Q5hu+64AO<> >>443
おめでとう！良かったな！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/02(土) 18:59:24.01 ID:KYRrxQoR0<> >>443
おめでとう、そして1000取ってくれて本当にありがとう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/02(土) 19:14:34.44 ID:kawML7XF0<> >>442
あ？オリジナルで全次元切断すっぞコラ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/02(土) 22:13:19.87 ID:hxDzIElW0<> >>442
窒素爆槍をケツから突っ込んでやろうか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/04/02(土) 22:55:08.67 ID:b+tenDdvo<> >>442
圧死せよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/02(土) 23:51:16.03 ID:L4Z519Bl0<> >>442
アスカロンもケツに突っ込んでやろう

というわけで風斬はもらっていきますね <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/02(土) 23:58:28.98 ID:uAuF5Iyco<> >>449
そっちに頭が真っ白髪の毛の人が向かっていったぞ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/02(土) 23:59:38.59 ID:uAuF5Iyco<> と、いうわけで今日も投下しに来ました

さて、今日は露天風呂編ということで、ギャグ満載でお送りします。
少し投下に間が空くでしょうがご勘弁を

それではいきます！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:02:07.72 ID:sxhoyzcpo<> だー、すみません。ちょっと急用が入ってしまった･･････。

三十分後に投下しますので今暫お待ちください、申し訳ないです <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/04/03(日) 00:10:37.45 ID:iISoTpaAO<> >>452大丈夫全身ピカピカ光ってる人がそっちに全力で向かったぐらいだから気にしない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県)<>sage<>2011/04/03(日) 00:12:41.18 ID:3tZSZvDq0<> 最近は暖かくなってきたからな。
30分といわず1時間でも全裸で待ってられるぜ。 <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:22:28.37 ID:sxhoyzcpo<> >>453
それが私だ


お待たせしました。電話だったのですが割と早めに切り上げる事が出来ました。
ではさっそくですが投下します。さっきも言いましたが露天風呂編です。

では、いきます。 <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:23:40.98 ID:sxhoyzcpo<>

――エリザリーナ独立国同盟・外れにある銭湯　女性用脱衣所


風斬「わぁ･･････銭湯ってこんな風になってるんですね」ｷｮﾛｷｮﾛ

エリザリーナ「私は日本の銭湯は行ったことがないから内装がちゃんと
　　　　　　　日本のそれと似ているかは分からないけれど･･････」

ガブリエル「jofocg興味bxade深々dgaysgu」ｷｮﾛｷｮﾛ

エイワス「抜群の再現度だと思うよ。　ここの建設を立案した者は相当の日本通とみた」

レッサー「それじゃ、さっそく脱ぎますか！」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

サーシャ「第一の私見ですが、せめてもう少し羞恥心を持っていただけませんか」

レッサー「女性用脱衣所で何を言ってるんですかあなたは」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

ヴェント「････････････････････････」

風斬「ヴェントさん？　どうしたんですか？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:24:44.21 ID:sxhoyzcpo<>

ヴェント「別に」

レッサー「なんでそんなにコソコソしてるんですか。　さっさと脱いで行きましょうよ」ｽｯﾎﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ヴェント「私はちょっと時間掛かるから、化粧とかピアス落としていきたいし。
　　　　　だからアンタらは先に行ってなさいよ」

ガブリエル「nltypjih助力cbwehf」

ヴェント「いいから、こっちこなくていいから」ｼｯｼｯ

エリザリーナ「ところでワシリーサはどうしたの？　見当たらないけど」

サーシャ「第一の解答ですが、ロッカーに閉じ込めています。
　　　　　あれと一緒に脱衣するとなると面倒事が起きそうなので」


＞んー！！　んーんーんー！！！


風斬「ああ･･････だからロッカーがさっきからガタガタいってるんですね･･････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:25:50.69 ID:sxhoyzcpo<>

レッサー「ところでサーシャさん、その服ってどうやって脱ぐんですか？」

サーシャ「第二の解答ですが、こうして肩の留め具を外して･･････」ﾌﾟﾁﾝ

風斬「そういう構造になってたんですねー･･････」

サーシャ「ここを外したら後は簡単にスルリと･･････、あ」ｽﾙﾘ

レッサー「うっひゃー！　つるぺたつるぺた、つるぺた幼女ｗｗｗｗｗｗｗ」


＞んんんん！！？　んっふぅ、んんっふううう！！！！！


エリザリーナ「ワシリーサ、うるさいわよ」

エイワス「早いところ浴場に向かわなければ、ワシリーサはあの程度の拘束術式など自力で解いてしまうぞ」

サーシャ「わ、分かりましたからあまりこちらを見ないでください///
　　　　　ていうか何であなたが私の拘束術式の事を･･････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:26:48.56 ID:sxhoyzcpo<>

風斬（･･････この隙に颯爽と服を脱いでタオルを巻いた私に資格はない･･････）

ガブリエル「――――――――」ｼﾞｰ

風斬「はっ！　て、天使さん･･････。　･･････そ、それじゃ早速行きましょうか！」ｱｾｱｾ

ガブリエル「ehithu御意cbfru」

エリザリーナ「レッサー、あなたせめてタオルくらい巻いたら？」

レッサー「だーかーら、女性同士なのにそんなの気にする皆さんがおかしいんですよ」

エイワス「禿同」

サーシャ「うおお･･････（え、エイワスって脱いだらこんなにすごいのか･･････）」

ワシリーサ「うおらああああああああああああああああああ！！！！！！！！」ﾄﾞｶｧｧｧｧﾝ

サーシャ「げ･･････！！？」

ワシリーサ「うはｗｗｗｗｗｗサーシャちゃんのバスタオル姿ｗｗｗｗｗｗ
　　　　　　不覚にも拙者、勃――――」

エリザリーナ「それ以上言ったら投下が中止されるわよ」

エイワス「さりげにメタ発言をするエリザリーナも、そろそろこの空気に馴染んできたな」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:27:59.98 ID:sxhoyzcpo<>

――エリザリーナ独立国同盟・外れにある銭湯　男性用脱衣所


垣根「思えば銭湯なんざいつ以来だ？　ガキの時分に行った記憶があるくらいだな･･････」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

垣根「････････････。　･･････あ？」


一方通行「」


垣根「んだテメェ、先に来てたのかよ」

一方通行「」ｼｰﾝ

垣根「オイ、無視してんじゃねえ。　裸に剥いちまうぞ」

一方通行「」

垣根「なんだコイツ･･････魂でも抜かれちまってんのか。　こら」ｹﾞｼｯ

一方通行「う」ｺﾞﾛﾝ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:28:48.90 ID:sxhoyzcpo<>

垣根「ハハッ、こりゃいいな。　おら、おら」ｹﾞｼｯ　ｽﾞｷﾞｬｯ

一方通行「ぐふっ、ごはっ。　････････････う、ゥ」ﾊﾟﾁｯ

垣根「チッ、生きてやがったか」

一方通行「あ、あ･･････？　ていとくゥゥンじゃねェか･･････。
　　　　　ンだここ、オマエがいるって事は俺まさか死ンだのか？」

垣根「なんでお前の中じゃ俺は死んだことになってんだよクソボケ。
　　　ここは居住区から少し歩いたとこにある銭湯だよ」

一方通行「は？　銭湯？　風呂？」

垣根「そうだよ、露天風呂だとよ。　ったく、呑気なもんだよな」

一方通行「帰る」ｽﾀｽﾀ

垣根「勝手にしろ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:29:51.03 ID:sxhoyzcpo<>


＞おいいいいいいィィィィ！！！？　ここのドア、ビクともしねェンですけどォオ！！？



垣根「やっぱりな･･････。　多分エイワスがなんか封でもしたんじゃねえのー！！？」

＞ふざっけンなあのクソ金髪！！　そォいやアイツ、さっきも俺に･･････！！

垣根「諦めて戻って来いよクソもやし！！　こうなったらなるようになれだ」

一方通行「クッソ、わざわざ俺の着替えも用意してやがるし･･････」ｽﾀｽﾀ

垣根「あ、これ俺達のか？　なんで俺達の着替えが甚平なんだ。
　　　どこまで日本気取りなんだよここは」ｺﾞｿｺﾞｿ

一方通行「オマエ先入れよ」

垣根「あ？　んな面倒な事しなくても一緒に入ればいいだろ」

一方通行「何が悲しくてオマエと一緒に湯船に浸からなきゃなンねェンだ」

垣根「じゃあ女湯に行って来ればいいだろ。　･･････ん？　なんだこれ」ｺﾞｿｺﾞｿ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:30:40.93 ID:sxhoyzcpo<>

一方通行「遠回しに死ねっつってンのかそりゃ」

垣根「････････････カメラ、か？　なんで着替えの中にこんなもんが」

一方通行「結構いいデザインのデジイチじゃねェか。　これオマエのか？」

垣根「違えよ。　なんだこれ･･････手紙か？」ｶﾞｻｯ


『今のうちに"アレ"を撮っておいた方がいいんじゃないかね？
　　　　　　　　　　　　　by　ドラコ＝アイワズ』


垣根「･･････････････････････････････」ｸﾞｼｬ

一方通行「オイ、なンて書いてあったンだよクソメルヘン」

垣根「･･････一方通行」

一方通行「あ？」

垣根「･･････俺達、友達だよな？」

一方通行「はァ？」

垣根「とりあえずさっさと入るぞ」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

一方通行「ワケわかンねェ･･････」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:32:05.33 ID:sxhoyzcpo<>

――エリザリーナ独立国同盟・外れにある銭湯　露天風呂　女性サイド


レッサー「うっひゃーーーー！！　絶景ですなー！！」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

風斬「ちょっとレッサー･･････！　タオル巻いてから入ってくださいよ･･････」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

レッサー「何度言わせれば気が済むんですか、女同士なのにタオルなんか必要ないでしょ、･･････チッ。　でけえなぁ」ｼﾞﾛ

風斬「え？」

レッサー「え？　じゃないでしょ！　なんなんですかその歩くたびにたゆんたゆん揺れるデカ乳は！！」

風斬「あ、あんまり見ないでください･･････///」ﾀﾕｰﾝ

ガブリエル「pvjsdbdg露天mbddsarj」

レッサー「さすが天使･･････風呂入る時も入らない時も格好は変わらないんですね･･････」

ガブリエル「iwqdvj突入mcdvwyg」ﾊﾞｯ


　　　　　　　　　ｻﾞｯﾊﾟｰﾝ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:33:04.41 ID:sxhoyzcpo<>

風斬「きゃあっ！」

レッサー「こらー！　あんまりはしゃがないでください！」

エイワス「こうして皆で入浴するのはバッキンガム宮殿以来だからな、
　　　　　ミーシャも嬉しいのだろう。　私はその時いなかったが」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

エリザリーナ「私たち以外に利用客はいないようね。
　　　　　　　客といってもここは営業しているわけではないけれど･･････」

風斬「うわー･･････、エリザリーナさん、すっごい体の線が細いですね。　モデルみたい･･････」

エリザリーナ「痩せてるだけよ。　自慢できる体型じゃないわ」

レッサー「ダイエットに励んでいる全国の女性を敵に回す発言ですね」

エイワス「しかし素晴らしいな。　ロシアの風景を眺めながら入る露天風呂とは。
　　　　　日本とはまた違った美しさが窺える。　露天風呂入った事ないけど」

エリザリーナ「悪くないでしょう？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:34:38.27 ID:sxhoyzcpo<>

エイワス「そしてこの風斬氷華の見事なボディライン･･････存在が犯罪だな君は」

風斬「そんな事ないです･･････///　というかエイワスさんだって私と大差ないじゃないですか」

エリザリーナ「くす、羨ましいわね」

風斬「からかわないでください///」ｶｧｧ


サーシャ「せめて･･････せめてタオルを巻かせてください･･････！！」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

ワシリーサ「女同士なんだからそんなもの必要ないの！　ふひひひｗｗｗｗ」ｽﾀｽﾀ

風斬（あ･･････タオル奪われちゃったんだ･･････）

レッサー「おお！！？　サーシャさん、全裸で引きずられるその姿はなんとも犯罪的ですね。
　　　　　しかも金髪ロリときたか、これは全国で放送出来ない絵面ですよ･･････」

サーシャ「見るなー！！///」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:35:36.24 ID:sxhoyzcpo<>

ワシリーサ「ふひひひｗｗｗ　拙者、もうさっきから涎が止まらんですたいｗｗ　ｵｳﾌｗｗ」ｼﾞｭﾙﾘ

サーシャ「た、助けてミーシャ･･････」

ガブリエル「ofbng御意zxzafjk」ﾊﾞｯ


　　　　　　　　　　　ﾋｭﾝ　ﾊﾞﾁｬｧ


ワシリーサ「ぶわー！！？　なんて強力な水属性魔術！！」ﾄﾞｻｯ

サーシャ「あ、ありがとうございます･･････！！」ﾀﾀﾀｯ　ﾊﾞｯｼｬｰﾝ

レッサー「ちょっとサーシャさん！　ミーシャも！　湯船の前にまず体を流さないと！」

エリザリーナ「最初に浸かっておくのもいいんじゃないかしら。　このままだとすごく寒いし」

サーシャ「第一の私見ですが、もうこのまま出たくありません･･････」ﾌﾞｸﾌﾞｸ

レッサー「だめだめ、ほら、さっさと上がってそのロリロリな全裸の肢体を見せつけんかーい！」ｸﾞｲｯ

サーシャ「もうやだぁ････････････///」ｻﾞﾊﾞｧ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:37:10.10 ID:sxhoyzcpo<>

風斬「あれ･･････？　ヴェントさんは？」ｷｮﾛｷｮﾛ

エリザリーナ「まだ脱衣所にいるんじゃない？　皆が着替えるの待ってたみたいだし」


　　　　　　　　ｶﾞﾗｶﾞﾗ･･････


風斬「ん･･････？」

ヴェント「････････････････････････」ｺｿｺｿ

風斬「ヴェントさん、こっちですよこっち」

ヴェント「う･･････」ｷﾞｸ

風斬「あ･･････、本当にピアス全部外してるんですね。　お化粧も落としてるし」

ヴェント「み、見んな･･････///」ﾌﾟｲｯ

レッサー「おおー、なかなかレアですね。　ヴェントさんのスッピンなんて」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:37:43.37 ID:sxhoyzcpo<>

ヴェント「スッピンで何が悪いのよ」ｺｿｺｿ

レッサー「いや、普通にスッピンの方が可愛いなって」

ヴェント「････････････そ、そう」

エイワス「うーむ･･････」

エリザリーナ「どうしたの？」

エイワス「ミーシャ＝クロイツェフよ」

ガブリエル「gosqgq何pvmdqdug」ｼﾞｬﾊﾞｼﾞｬﾊﾞ


エイワス「せっかくの銭湯だというのに、皆が皆タオルを着用していては興が冷めると思わんかね？」


風斬「！？」

ヴェント「！？」

エリザリーナ「！？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:38:24.80 ID:sxhoyzcpo<>

ワシリーサ「激しく同意！！！」ﾊｧﾊｧ

レッサー「同じく同意します！！」

ガブリエル「yugbnnhr同意cfyefryu」ｺｸﾝ

風斬「ちょ、ちょっとエイワスさん･･････！？」ｺﾞｸﾘ

サーシャ「第二の私見ですが、私も同意します。　なんで私だけ醜態を晒さなければいけないのですか･･････」ｸﾞｽﾝ

エイワス「多数決により、この場においてのタオルの着用を禁ずる」

ヴェント「おいテメェふざけた事言ってんじゃねえぞ！！？　やめろ馬鹿マジやめてお願―――」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:38:57.76 ID:sxhoyzcpo<>

エイワス「レッツ、ドラコ☆マジック♪」ｼｬﾗﾝﾗｰ


　　　　　　　ﾎﾟﾌﾝ　ﾎﾟﾌﾝ　ﾎﾟﾌﾝ


レッサー「おお、タオルが煙のように消えた･･････」

エリザリーナ「ちょっと･･････！　やめなさいエイワス！///」

風斬「きゃー！！　きゃー！！」ﾀﾀﾀｯ

レッサー「逃がすかっ！」ﾀﾞｷｯ

風斬「いやー！　離してくださいレッサー！！」

レッサー「にひひひひ。　こりゃ最高の揉み心地ですぜ♪　すっげえ柔らかいんですけど」ﾓﾐﾓﾐﾓﾐﾓﾐﾓﾐ

風斬「ひゃあああああああ！！！？　どこ触ってんですかー！！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:39:45.35 ID:sxhoyzcpo<>

ヴェント「クッソ･･････！！！///」ﾀﾀﾀｯ

レッサー「あ！　ヴェントさんが脱衣所に逃げこもうとしてます！」

エイワス「逃がさん。　ドラコ☆マジック♪」ｼｬﾗﾝﾗｰ


　　　　　　　ｶﾞﾁｬﾝ!!!


ヴェント「！？　あぁ！？　なんでだ、ドアが開かねえ！！？」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

エイワス「ほほう･･････ヴェント、なかなか良い尻を持っているではないか」

ヴェント「見るなああああああああああああああ！！！！」ｻｻｻｯ

エイワス「むしゃぶりつきたくなるようないい形をしている。　実に興味深い」ﾌﾌﾌ

ヴェント「見るな見るな見るなああああああああああああああ！！！//////////」

エリザリーナ「まったく･･････こんな騒がしい入浴は初めてだわ･･････」

風斬「なんでエリザリーナさんはそんなに余裕なんですか･･････」ｸﾞｽﾝ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:40:34.49 ID:sxhoyzcpo<>

レッサー「あれが大人の余裕というもんです。　まぁしゃがみ込んで胸隠してる格好が可愛いですけど♪」

エリザリーナ「ほ、放っといてちょうだい･･････///」


サーシャ「･･････私たちは湯船でのんびりくつろぎましょう、ミーシャ。
　　　　　私の味方はあなただけです･･････」ﾌﾞｸﾌﾞｸ

ガブリエル「icmguiergh了解clfrugh」ｻﾞﾊﾞｻﾞﾊﾞ

サーシャ「第三の私見ですが、あまり湯船で泳がないでください。　体隠すの大変なんですから･･････」

ガブリエル「kdghdnu最高laivgfrgdsi」ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

サーシャ「････････････、あれ。　ワシリーサは･･････？」ｷｮﾛｷｮﾛ

ガブリエル「pjbnvbmnth眼下otcb2qdsm,vm」

サーシャ「？」ﾁﾗｯ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:41:22.04 ID:sxhoyzcpo<>

ミーシャが足元を指差すので見てみると、そこには湯船の底でサーシャの股下をジーッと見上げながら
鼻血をどくどくと噴出しまくっているワシリーサの姿があった。


サーシャ「どこガン見してんだこのクソ変態シスターがあああああああああ！！！！」ﾎﾞｸﾞｼｬｧ

ワシリーサ「ごっぱぁっ！！？」ｻﾞｯﾊﾞｧ

レッサー「人間って蹴り上げられただけで数十メートルも飛ぶモンなんですね･･････」

風斬「もうみんなはしゃぎ過ぎです･･････」

エイワス「つーかまえた♪」ｶﾞｼｨ

ヴェント「殺す！！　テメェ絶対殺すマジ殺すうわあああああああん！！！！　離せゴラァ！！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:42:06.31 ID:sxhoyzcpo<>

エイワス「こらこら、暴れると余計に丸見えになるぞ。　ふむ･･････胸も結構あるな君は」ﾓﾆｭﾓﾆｭ

ヴェント「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す触んな揉むな見るんじゃねええええええええ！！！！」

エリザリーナ「頭痛くなってきたわ･･････先に体洗ってるわね」

ガブリエル「背中」ｻﾞﾊﾞｯ

エリザリーナ「？　背中？　あ、･･････流してくれるの？」

ガブリエル「xnkig肯定yuoxbgfh」ｺｸﾝ

エリザリーナ「ありがとう。　じゃあお願いしようかしら。　あなただけはおとなしくていい子ね」

ガブリエル「bgjeighk確認lsjgfrgh」ﾓﾐｭﾓﾐｭ

エリザリーナ「揉まんでよろしい」ｺﾞﾂﾝ

レッサー「なんだか混沌として来ましたねえ。　あっちもこっちも揉みまくりの触れまくりですよ」

風斬「お願いですから普通に露天風呂を満喫しましょうよ･･････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:46:56.03 ID:sxhoyzcpo<>

Q.　サーシャが風呂入っちゃったから垣根はもう生着替え写真撮れなくね？

A.　垣根帝督には最悪の結末が待ち構えています、お楽しみに。


というわけで今回はここまでなのですが･･････これ酷過ぎるよなぁ。大丈夫だろうか？


さて、混沌となっている女性サイドですが、男性サイドはどうなのでしょうか。
次回はそちらも覗いてみましょう。

次回更新は三日以内。

それでは、今回もありがとうございました！ <> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/03(日) 00:47:21.89 ID:sxhoyzcpo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『ガブリエル、あれから調子はどォだ？　気分悪くなってたりしねェか？』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




『vndgugh平気xbadighjl』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・ミーシャ＝クロイツェフ




『俺の『未元物質(ダークマター)』に常識は通用し･･････ぎゃあああああああああああああああああ』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・垣根帝督



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/04/03(日) 00:48:54.94 ID:GupbBflAO<> 初遭遇

>>1乙


エイワスは貰っていきますね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/03(日) 00:49:45.71 ID:AK8a9bds0<> おおお初めてのリアルタイム！てか予告のていとくん言わせてやれよｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 00:50:41.28 ID:NTTUrBju0<> >>1乙です
最悪の結末ってマジか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 00:57:01.20 ID:fLNNH+X7P<> 乙
股間のフルンティングがテレズマした <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/03(日) 00:57:29.53 ID:dKrW2z4mo<> 最悪の結末・・・最終局面前に一人脱落か
寂しくなるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 00:58:05.86 ID:3tHSTwa90<> 乙です
もう次回予告で最悪の結末が予想できるｗｗ


女性一同「そもそも、何で露天風呂が女湯と男湯に分けられているか知ってるか」


　　　　「その間に絶対的な壁があるからだ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 01:01:34.21 ID:qqrhpxOm0<> >>483
垣根「まずはそのふざけた障壁をぶち壊す！！！」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)<>sage<>2011/04/03(日) 01:01:39.30 ID:vTBKlu4AO<> ていとくんまた死んだか...


すっぴんヴェントたんは貰っていきますね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/03(日) 01:04:36.44 ID:S3Hm/zg10<> ここのていとくんは地味に死にまくってるな。
乙。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 01:04:59.65 ID:3tHSTwa90<> >>485
そげぶ

まったく1日1回そげぶしないといけないなんて･･･

夜サーシャはもらっていきますねｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 01:19:15.35 ID:ATkxKtULo<> そういえば写真約束してたな…忘れてた
風呂話好きだぜ、男風呂にはアックアさんと騎士団長が何故かいないものか
乙ー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<><>2011/04/03(日) 02:35:31.69 ID:XU55Gm7h0<> ていとくんは毎回王大人を呼び出さないと気が済まないのかｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/03(日) 02:41:50.44 ID:VxbtpMgP0<> >>485
今日は明けの明星が綺麗だとは思わんかね？
そう、絶好のトラウィスカルパンテクウトリの槍日和だよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)<>sage <>2011/04/03(日) 03:19:44.76 ID:UBTQlJEz0<> エイワスは発言がVIPPERだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/03(日) 05:43:44.84 ID:jBo/xXu8o<> 常識は通用しない超能力者<<<非常識存在 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 07:07:14.03 ID:ODEa6U1DO<> 俺のドラゴンブレスが一方通行 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(USA)<>sage<>2011/04/03(日) 07:46:43.84 ID:88Jc1J5j0<> 風斬氷華は能力者たちの愛の結晶
異論は認めない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 11:20:12.52 ID:Zew8iFEy0<> >>1乙!
本当にていとくんって死亡フラグしか経てないよなｗｗｗｗ
じゃあみんなが風呂シーンに夢中になっているすきに>>1はもらっていくｗｗｗｗ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2011/04/03(日) 11:38:47.37 ID:qIfHG9c10<> >>487
サーシャ可愛い夜サー……おいちょっとまてや、絶対渡さんぞ
（誤字とはいえ）俺が先駆者だ、夜サーシャはお前なんぞに渡さん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 11:41:03.38 ID:qIfHG9c10<> >>487
サーシャ可愛い夜サー……おいちょっとまてや、絶対渡さんぞ
（誤字とはいえ）俺が先駆者だ、夜サーシャはお前なんぞに渡さん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/03(日) 12:46:56.26 ID:ZMeJ9YSAO<> >>495
お前はこのスレに集う日本各地の猛者達を敵に回した……… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 13:35:35.87 ID:3KCcoRbao<> と、とりあえず風斬のおっぱいに顔うずめていいですかハァハァ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/03(日) 13:37:35.62 ID:dKrW2z4mo<> アックアのなら許可する <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 13:42:04.01 ID:Sh03WS5go<> 今更だが一方通行メインの話でここまで上条が出てこないのは珍しいな
大概は絡んでくるもんだが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/04/03(日) 17:23:54.57 ID:N32lFhAAO<> 追いついた

>>501
上条さんなら、インデックスの隣で寝てるよ <> 以下、名無しにかわりましてＶＩＰがお送りします<><>2011/04/03(日) 21:13:11.22 ID:qIfHG9c10<> >>500
第三王女が涙目で訴えてきてるぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/03(日) 22:37:44.62 ID:SF9/IndDo<> >>503
涙目で「どうせなら私のにしてください」とかいやー参ったなちょっといってくるわ <> 以下、名無しにかわりましてＶＩＰがお送りします<><>2011/04/04(月) 00:09:44.39 ID:COPuJqL+0<> >>504
お前>>499でも>>500でもないだろ
いや、この二人も駄目だろうけどさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/04(月) 00:57:45.28 ID:83KY4be70<> >>504
騎士団長が「どうせなら私のにしてください」って涙目で言ってるから行ってやれよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/04(月) 21:37:04.87 ID:+CfVUfKDO<> 絵師様期待大だな。
あっ、男湯じゃないですよ、もちろん。 <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:00:59.87 ID:QBShV9c8o<> こんばんわ、今日も投下しに来ました。
最近忙しくてなかなか毎日投下が出来ません･･････できるだけ更新ペースを上げようとは思っているのですが。


さて、今回も引き続き露天風呂よりお送りいたします。


それでは、レッツゴー <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:01:26.85 ID:QBShV9c8o<>

――エリザリーナ独立国同盟・外れにある銭湯　露天風呂　男性サイド




ｷｬｰｷｬｰ!!　ｻﾜﾙﾝｼﾞｬﾈｴｴｴｴ!!!　ﾀﾞｲｲﾁﾉｼｹﾝﾃﾞｽｶﾞｲﾏｽｸﾞｼﾈｴｴｴｴ!!!!　ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ!!!!!




一方通行「･･････黙って風呂にも入れねェのかあのクソメス共」ｼﾞｬﾊﾞｰ

垣根「でもよ、悪くねえよな？　風呂のあっち側から聞こえる黄色い声って」ｺﾞｼｺﾞｼ

一方通行「何がどォ悪くねェンだよ･･････うるせェだけだ」

垣根「お前本当に女嫌いなんだな。　買い物云々の時もそうだったけど」

一方通行「別に嫌いじゃねェよ」

垣根「よく言えるなそんな事。　じゃあお前今回の買い物で誰かとフラグ立てたりしなかったのかよ？」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/04/04(月) 23:01:41.00 ID:QX/0erNAO<> 脱いだ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:02:51.04 ID:QBShV9c8o<>

一方通行「････････････そンなイベントは起こらなかったがなァ」

垣根「お前がそう思ってるだけで、あっちは意外とお前の事意識してたりするもんだぞ？」

一方通行「ンな勘違い野郎みてェな思考回路は持ち合わせてねェンだよ」

垣根「相変わらずの鈍感っぷりだなテメェは。　いつか酷い目に遭うぞ」

一方通行「女関連で酷い目ならもォ散々遭ってきた。　そォいうイベントが起きるたびに五セント貰ってたら
　　　　　俺は今頃大富豪に仲間入りしてンぞ」

垣根「比喩表現古くねそれ？　銃を向けられる度にどうこうってヤツだろ？」

一方通行「放っとけ」

垣根「とりあえず湯船浸かろうぜ。　寒くてしょうがねえ」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

一方通行「あァ」ｶﾂｯ　ｶﾂｯ

垣根「お前風呂ん時も杖つかなきゃ駄目なの？」

一方通行「風呂入る度に能力なンざ使ってられるか」ｶﾂｯ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:03:59.32 ID:QBShV9c8o<>

垣根「雰囲気ブチ壊しだな･･････。　･･････熱ッ！」ﾁｬﾌﾟ

一方通行「･･････確かにかなりの熱湯だな。　温度調整とかしてねェンか」ﾁｬﾌﾟ

垣根「五〇度くらいあるぞこれ。　コントじゃねえんだから」

一方通行「早く入れよ」ｹﾞｼｯ

垣根「！？」ｻﾞｯﾊﾞｰﾝ

一方通行「うお、あっつ！」

垣根「あああああ熱ッッあ゛あ゛！！！？」ｼﾞｬﾊﾞｼﾞｬﾊﾞ

一方通行「メルヘン野郎のボイル一丁上がりってなァ」ｷﾞｬﾊﾊﾊ

垣根「ぶはぁっ！！　はああああ･･････テメェぶち殺すぞコラァ！！」ｻﾞﾊﾞｯ

一方通行「つかこれじゃ入れなくね？」

垣根「俺にいい考えがある。　ミーシャ、ちょっとこっち来い！！！」ｵｰｲ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:04:49.99 ID:QBShV9c8o<>

ガブリエル「bjdegr颯爽cvnxbkght登場fnewj」ｼｭﾀ


一方通行「普通に飛ンできやがった･･････」

垣根「お前の力でここの湯の温度下げてくれよ。　出来るだろ？」

ガブリエル「―――――――――」ﾁﾗｯ

一方通行「いちいち俺の確認とらなくてもいいンだよ。　やってくれ」

垣根「冷水にしたりするオチは無しな」

ガブリエル「lcnvhf楽勝gxvhrghi」ﾋｭｳｳｳｳﾝ

一方通行「････････････。　･･････おォ、かなりいい感じの湯加減だ」ﾁｬﾌﾟ

垣根「せっかく天使様がこの世にご降臨してくださってんだ。
　　　使える力は有効に使わねえとな」

一方通行「ガブリエルを道具みてェに言うンじゃねェよクソボケ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:05:50.38 ID:QBShV9c8o<>

　　　　　　　　　　ｻﾞﾊﾞｰﾝ


一方通行「おォ･･････」ｼﾞｰﾝ

垣根「あー、きくわこれ。　たまんねえな」ｱｰ

一方通行「おっさンかオマエは」

ガブリエル「――――――――――」ｿﾜｿﾜ

垣根「あん？　なんだよお前、あっち戻らねえのか？」

一方通行「だったら来いよ。　イギリスの時とはまた違う心地良さが味わえるぜ」

ガブリエル「jfeougt御意wodfvhbb」ﾁｬﾌﾟﾝ

垣根「･･････あのなあ、一応だけどコイツも女なんだぞ？　多分」

一方通行「別にいいだろ。　混浴だと思えば」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:06:51.74 ID:QBShV9c8o<>

一方通行「いや、無い。　つか銭湯自体入ったことねェ」

垣根「いやイギリス行った時云々ってさっき言ってたじゃねえか」

一方通行「バッキンガム宮殿のは露天風呂とか銭湯とかじゃなかった」

ガブリエル「ocfheufg極楽cbefuytg」ﾌｲｰ

一方通行「ガブリエル、あれから調子はどォだ？　気分悪くなってたりしねェか？」

ガブリエル「vndgugh平気xbadighjl」

垣根「なに？　コイツどっか悪いのか？」

一方通行「俺もよくわかンねェけど、コイツ朝倒れてたらしいンだ」

垣根「ああ？　それヤバくねえか？　医者に診てもらえよ」

一方通行「どこの世界に天使の容態が分かる医者がいるンだよ」

垣根「エイワスならわかるだろ」

一方通行「アイツそン時いなかったンだと。　ていうか呼ぼォとしたら――――」

<> >>515の一番最初に"垣根「お前混浴とか入った事あんの？」"が入ります。　申し訳ない ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:08:40.92 ID:QBShV9c8o<>

ガブリエル「vmerhide攻撃ytdmvnhug」ﾊﾞｼｬ

一方通行「ぷあっ！！？　何すンだよこのクソエンジェル！！！」

垣根「やっぱミーシャにはこの世界は合わねえんじゃねえの？　よく知らねえけどよ」

一方通行「･･････さァな。　あ、ところでエイワスといえばオマエ、」

垣根「？」

一方通行「今日の昼頃に世界各国の諜報機関と宇宙の『衛星』がハッキングされてんだけど、
　　　　　ニュースとか見たか？」

垣根「はぁ？　ハッキング？　知らねえ、俺昼前からさっきまで寝てたし」

一方通行「そォいう事があったンだよ。　エイワスのヤツが何か『必要な事だ』とかほざいてな。
　　　　　しかも『天使同盟』の名が世界中に広まっちまってる」

垣根「･･････俺達やミーシャの事もか？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:09:51.22 ID:QBShV9c8o<>

一方通行「いや、あくまで『天使同盟』って名前だけが独り歩きしてる状況だ。
　　　　　そこに俺達が関わってるてのは発覚してねェ」

垣根「じゃあ問題はねえって事か。　･･････しかしエイワスの野郎、マジで頭沸いてんのか？」

一方通行「･･････俺は『衛星』まで乗っ取ってるって点がどォも引っかかってる」

垣根「なんで『衛星』なんだろうな。　どの『衛星』だ？」

一方通行「全部」

垣根「･･････っつー事は『ひこぼし�U号』もか。　レーザー爆撃でも仕掛けようとしてんのかもな」

一方通行「･･････それならまだいいンだがな」

垣根「？」

一方通行「･･････もしかしたらの話だが、俺――――」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:10:20.33 ID:QBShV9c8o<>

ガブリエル「fjggvn連射cnghge」ﾊﾞｼｬ　ﾄﾞﾊﾞｯ

一方通行「ぶっ」ﾊﾟｼｬ

垣根「うおっ！？」ﾊﾟｼｬ

ガブリエル「aqiofhb命中amaoffhjk」ｹﾗｹﾗｹﾗ

一方通行「･･････････････････いいねェいいねェ最ッッ高だねェ」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

垣根「いい度胸してんじゃねえかこの天使。　そしてムカついた」ﾜﾅﾜﾅ

ガブリエル「bawgjh逃走vbfbcwgph」ｻﾞﾊﾞｯ


「「待てゴラァッ！！！」」ﾊﾞｯｼｬｰﾝ


ガブリエル「tuids楽fg愉快mfjefhjeg」ｷｬｯｷｬｯ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:11:28.77 ID:QBShV9c8o<>

――エリザリーナ独立国同盟・外れにある銭湯　露天風呂　女性サイド


＞俺の『未元物質』に常識は通用し･･････ぎゃあああああああああああああああああ

＞垣根ェェェェェェェえええええええええええええ！！！！　まーた死ンだよコイツ




レッサー「････････････なんだか向こうは騒がしいですね。
　　　　　せっかくのお風呂を優雅に満喫出来ないもんなんでしょうか」ﾔﾚﾔﾚ

風斬「私たち、全っ然人のこと言えないですよね･･････」ﾁｬﾌﾟ

エイワス「うーむ･･････素晴らしい湯加減だ。　感極まるな」ｺﾞｸﾗｸｰ

ヴェント（堕天使とエイワスの野郎･･････胸が湯に浮かんでやがる･･････）ｼﾞｰ

エリザリーナ「たまにはこうやってゆっくり羽を伸ばすのも悪くないわね･･････」

レッサー「サーシャさんとワシリーサさんはいつまで体洗ってるんですかー？
　　　　　そろそろ浸からないと風邪引いちゃいますよー？」

<> ◆3dKAx7itpI<><>2011/04/04(月) 23:13:21.04 ID:QBShV9c8o<>

＞んふふふ･･････もうちょっと、ミーシャがいない内に好きなことやっちゃいたいのぉ♪

＞だ、第一の懇願ですが誰か助けて･･････

風斬（あの二人、すごい事してるなぁ････････････///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ



ワシリーサ「どぉお？　サーシャちゃん、私の体で直接ゴシゴシされる気分、は♪　あっふ･･････」ｺﾞｼｺﾞｼ

サーシャ「第一の解答ですが非常に不愉快です･･････ていうか何の真似ですかこれは。
　　　　　どうしてあなたにがっちりホールドされて体擦りつけられなきゃならないのですか･･････」

ワシリーサ「奉仕よ奉仕。　今日も一日頑張ったサーシャちゃんへのご褒美よん。
　　　　　　ああー･･････気持ちいい」ｺﾞｯｼｺﾞｯｼ

サーシャ「あなた一人で満足してだけじゃないですかぁぁ･･････」

ワシリーサ「ほらほら、次は仰向けになって♪　体の前側をゴシゴシしまちゅよ〜」ｸﾞｲｯ

サーシャ「ちょ、ちょ、お腹の上に乗っからないで･･････冷たっ！
　　　　　な、なぜ私の体に直接ボディソープを･･････！！？」ﾄﾛｰﾘ

ワシリーサ「ひひひひひ･･････、ああ･･････いよいよ夢にまで見た『[ﾋﾟｰｰｰ]でゴシゴシ』が出来る･････。
　　　　　　今日と言う日をどれほど待ちわびたか･･････うけけけけけけけけ」ｼﾞｭﾙﾘｿ

サーシャ「な、な、何をする気ですか･･････！！？」ｶﾞｸﾌﾞﾙ

<> ◆3dKAx7itpI<><>2011/04/04(月) 23:14:11.19 ID:QBShV9c8o<>

レッサー「･･････あれ止めたほうがよくないですか？　ワシリーサさん完全に暴走してますよ」

ヴェント「知らねえよ、放っとけ」ﾌﾞｸﾌﾞｸ

エイワス（非常に美しい騎乗位だ･･････やるな、ワシリーサ）

エリザリーナ（というかなぜ誰もサーシャを助けてあげないのかしら･･････）

風斬「･･････････････････。　････････････ん？」

ヴェント「････････････････････････」ｼﾞｰ

風斬「？」

ヴェント「････････････････････････」ｽｽｰ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:14:49.43 ID:QBShV9c8o<>

風斬（なんだろ･･････？　こっちに来た･･････）

ヴェント「････････････ねえ」ﾎﾞｿｯ

風斬「（なんで小声･･････？）　は、はい、なんですか？」

ヴェント「･･････････････････きくなるの？」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

風斬「え？　な、なんです？」

ヴェント「ど、ど･･････///」

風斬「？」

ヴェント「･･････ど、どうやったら胸って大きくなるの？///」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

風斬「え、胸を大きくする方法ですか･･････？」

ヴェント「復唱すんじゃねえよこの堕天使がああっ！！！」

風斬「ひいいいいいい！！　ご、ごめんなさいごめんなさい！！」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:15:48.95 ID:QBShV9c8o<>

レッサー「む？　なんだか今面白いワードが聞こえましたねえ？」ﾆﾔﾘ

ヴェント「な、何でもねえよ」

エイワス「うむ、聞こえたぞ。　『しゃぶりつきたくなるような胸にするにはどうしたらいい？』とな」

ヴェント「そこまで飛躍した話はしてねえよ！！」

エリザリーナ「あなた、胸を大きくしたいの？」

ヴェント「べ、別にそういうんじゃないけど･･････」

風斬「すみません･･････」ｼｭﾝ

ヴェント「こうなったらもういいわ･･････。　で、どうすりゃいいのよ？」

風斬「どうって言われても･･････私、生まれた時からこの大きさでしたし･･････///」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:16:43.19 ID:QBShV9c8o<>

ヴェント「！！？」

レッサー「！？」

エリザリーナ「う、生まれた時から･･････！？」

風斬（え･･････私なんか変な事言っちゃったかな･･････？）ｱｾｱｾ

エイワス「風斬氷華、君がそんな事を言ったら誤解を招くだけだろう。
　　　　　君に赤子時代など存在しないのだから」

風斬「･･････？　あ、そ、そうでした･･････！　ごめんなさい」

レッサー「んー？　あ、そういえば風斬さんは人工天使でしたね」

エリザリーナ「それは聞いたけど、それでも赤ん坊の頃が『無い』というのはどういう意味？」

エイワス「風斬氷華は学園都市に集まる･･････何と説明したものか。
　　　　　そうだな、魔術サイド風に説明すると『アストラル』の集合体か」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:17:52.19 ID:QBShV9c8o<>

ヴェント「･･････早い話が『幽霊』って事？」

エイワス「魔術的にはそれでも間違いではないな。　『スピリット』･･････『精妙体』。
　　　　　･･････まぁ解釈は十人十色だ」

風斬「幽霊･･････ですか」ｼｮﾎﾞﾝ

レッサー「こんな巨乳の美少女幽霊なんて居たら、例えテレビ画面から出てきても
　　　　　世の狼は大喜びでしょうね」ﾆﾋﾋ

エリザリーナ「なるほどね。　でもここではみんなあなたを『人間』として接するから、
　　　　　　　安心していいわよ」

風斬「あ、ありがとうございます･･････！」ﾊﾟｧｧ

ヴェント「ていうかそんな話はどうでもいいのよ」

レッサー「そんなに胸を大きくしたいんですか」ﾆﾔﾆﾔ

ヴェント「う、うるせえな･･････///」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:18:29.67 ID:QBShV9c8o<>

風斬「私にはどうしたらいいかわからないですね･･････そんな大きいと思ったことはないですし」ﾎﾟﾖｰﾝ

レッサー（ムカつく）

ヴェント（ムカつく）

エイワス「とりあえず定番の方法があるのだが」

ヴェント「ど、どんなの？」

エイワス「『男性に胸を揉み込んでもらう』、諸説の一つだがそうすると大きくなると言われているよ」

エリザリーナ（言うと思った）

ヴェント「は、はあ！！？」

レッサー「まあ言いますよね」

風斬「お、男の人に･･････///」ｶｧｧ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:19:44.07 ID:QBShV9c8o<>

ヴェント「そんなの出来るわけねえだろ！！」

エイワス「他にも色々あるぞ？　無難なところで豊胸手術、あとは専用のサプリメントとか。
　　　　　胸を大きくするための器具などもあるがあまりオススメはしない。
　　　　　それとマッサージも効果的だと聞くな。　筋力トレーニングも簡単に出来る方法の一つだ」

ヴェント「い、色々あるのね･･････」

レッサー「牛乳飲めば大きくなるって言いません？」

エリザリーナ「それは背を伸ばす方法じゃないかしら？　あれは嘘らしいけど」

風斬「空気とか入れたら大きくなるんじゃないですかね･･････？」

レッサー「風斬さんってたまに面白いこと言いますよね」

エイワス「そうだな･･････とりあえず手っ取り早くバストアップ出来る裏技があるんだが･･････」

ヴェント「も、勿体ぶらないで早く言いなさいよ･･････」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

エイワス「一方通行に揉んでもらうのが一番じゃないかと私は考える」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:20:37.32 ID:QBShV9c8o<>

ヴェント「ど、どうしてそこであの白いのが出てくるのよ！！？」

風斬「それってどういう事ですか･･････？」

エイワス「いや、簡単な話だよ。　『ベクトル操作』で胸の成長作用を促進してもらえばいい」

レッサー「よくわかりませんけど、それ実行した前例とかあったりします？」

エイワス「あったら一方通行は今頃ブタ箱行きになっているだろうね」

風斬（無いのか･･････良かった）ﾎｯ

エリザリーナ「彼にそんな事が出来るの？」

エイワス「出来ない事はないと思うが･･････どうだろうな。　適当に言ってみただけなのでな」

レッサー「どれ、ここはいっちょ私がモミモミして確かめてみましょうか」

ヴェント「やれるもんならな･･････？」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

レッサー「じ、冗談ですよ冗談･･････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:21:31.30 ID:QBShV9c8o<>

サーシャ「いやあの皆さん！　そんな話題で盛り上がってないで助けてくださいよ･･････！」

ワシリーサ「さぁ〜って･･････そろそろハッスルしちゃおっか？　サーシャちゃあん･･････」ｳﾍﾍﾍ

サーシャ「ひいい･･････。　み、ミーシャ！　ミーシャ＝クロイツェフ！　た、助けてええええ！！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ



ガブリエル「cufgjhc見参mcvfeigh」ｼｭﾀｯ

サーシャ「み、ミーシャ････････････！！」ｳﾙｳﾙ

ワシリーサ「来たなお邪魔虫め･･････。　いいわ、『殲滅白書』最強であるこの私、
　　　　　　ワシリーサが愛の力で天使を倒せる事をここで証明してくれるわー！！！」ｼｭﾊﾞ

ガブリエル「nveigif成敗obifhgerig」

ワシリーサ「一本足の家の人喰い婆さん――――――」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

ガブリエル「vmergjvd瞬殺pxjbwdvf」ｽﾞﾄﾞｷﾞｬｱ

ワシリーサ「ば、婆さああああああああああん！！！？」

ガブリエル「psgbbhk覚悟uyscfjmb」ﾄﾞﾝｯ

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/04(月) 23:22:31.51 ID:COPuJqL+0<> サーシャ可愛い夜サーシャ
というわけでワシリーサ、嫌がる事はやめ（ﾀｰﾝ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/04(月) 23:24:07.65 ID:COPuJqL+0<> って、バーバ・ヤガー瞬殺かよ！？
垣根ェ………… <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:27:31.11 ID:QBShV9c8o<> はい、今回はここまでです。
男性サイドの描写が少ねーぞこら！！、なんて思ってる方ももしかしたらいるかもしれないので
ここで謝っときます、ごめんなさい。

しかし次回は結構男性サイドのシーンが多くなるはずですのでお楽しみに(？)。


次回は、ついに･･････ついに垣根帝督が男の一大決心をします！
学園都市第二位が断腸の思いで実行する事とは･･････！？震えて待て！次回更新！


次回更新は三日以内。


それでは皆さん、あまり長湯し過ぎないようお気をつけて！
ありがとうございました。

<> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/04(月) 23:28:18.78 ID:QBShV9c8o<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『･･････今からコイツで、向こうにいるサーシャの全裸写真を盗撮してくる』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督




『･･････････････････垣根ェ』
―――――――――――『天使同盟』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/04(月) 23:28:50.84 ID:k6dh1pae0<> 乙！
超面白かった！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/04(月) 23:29:52.06 ID:l+x+/sXuP<> 乙
垣根ェｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/04(月) 23:30:24.11 ID:guuSsyjDO<> 乙
垣根ェ……… <> 乙<>sage<>2011/04/04(月) 23:30:24.75 ID:3EBmYThAO<> ･･････････････････垣根ェ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/04(月) 23:31:06.24 ID:83KY4be70<> >>1乙です
なんというか垣根ェ…

ヴェント可愛いよヴェント
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/04(月) 23:31:07.70 ID:Y3mo8ppF0<> 乙
垣根ェ……ｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/04(月) 23:31:08.59 ID:JFedq4t9o<> 乙
垣根ェ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/04/04(月) 23:33:25.31 ID:Xt0HNM+fo<> (ﾟдﾟ )乙
垣根ェ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/04(月) 23:34:10.78 ID:+SUWyb0Z0<> 乙！
なんていうか……垣根ェ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/04(月) 23:34:55.80 ID:Vl4VXccSO<> 垣根ェ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/04(月) 23:37:32.52 ID:0HvFMmPso<> ガブリエル可愛いよガブリエル。混浴も微笑ましいぜ
胸を気にするヴェントも良いなぁ
そして垣根ェ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<><>2011/04/04(月) 23:41:39.51 ID:JmOjcWuc0<> 誰も言わないだろうし可哀想だから言っといてやる
ワシリーサェ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2011/04/05(火) 00:03:43.88 ID:wwhqdWfF0<> 垣リーサェ・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/05(火) 00:20:58.10 ID:p5VR7Zexo<> 我らが大天使は圧倒的ではないか
劣化してるとはいえあらゆる意味で格が違うわな……
垣根ェ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<><>2011/04/05(火) 00:44:42.37 ID:D/NtMusV0<> 垣根ェ…
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/04/05(火) 01:01:58.28 ID:sIxqseAWo<> そォいうイベントが起きるたびに五セント（ｒｙ
まさか…銭湯と掛けてるのか？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)<>sage<>2011/04/05(火) 01:02:09.23 ID:0QZtP71AO<> 乙!
垣根ェ…


よし
ヴェントたんのおっぱい揉んで大きくしてくるわ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)<>sage<>2011/04/05(火) 01:06:45.95 ID:Vnv6L1K+o<> >>550
絶対に許さない

乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/05(火) 01:38:32.53 ID:F5X+eaTb0<> 乙カレータ
ワシリーサはここまでしておいてまだ全裸写真をご所望なのか･･･

>>550
災誤先生がそっち行ったよ、頑張って逃げてね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/05(火) 01:40:20.08 ID:bbD+8DSDO<> 垣根は犠牲になったのだ……遥か太古からDNAに刻み込まれている有性生殖体の雄としての普遍的衝動……その犠牲にな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/04/05(火) 03:38:03.43 ID:s1z1XYiAO<> 垣根ェ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/05(火) 06:45:19.06 ID:jD7GmjPn0<> サーシャ可愛い夜サーシャ

垣根ェ……うん、氏んでよし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/05(火) 13:18:13.18 ID:ur1XQGMSO<> 垣根ェ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/05(火) 14:37:43.20 ID:WYrGYJt50<> 垣根ェ…
また冷蔵庫なのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/05(火) 17:48:16.92 ID:7lFityVw0<> 乙！垣根ェ…
っていうかもうワシリーサ裸見たんだし写真必要ないだろｗｗ

>>550　まったく…いったい何人の男がヴェントを狙っているのやら…
　　　コレあげるからやめときな　つ一本足の家の人喰い婆さん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)<>sage<>2011/04/05(火) 22:35:39.17 ID:65y11cdU0<> 乙、相変わらずヴェントは可愛いな


垣根ェ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/04/05(火) 22:42:11.19 ID:aMDtur/f0<> 垣根工･･･　 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/04/05(火) 22:55:36.70 ID:2vlCvCs/o<> 垣根工場… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/06(水) 00:48:56.79 ID:JTOgzDkSO<> 未元物質工場か
なんという地球への優しさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<><>2011/04/06(水) 11:03:04.23 ID:SMuZ8PBQ0<> ミ×サの関係がどんどん進行していて何よりです <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/06(水) 11:13:53.33 ID:Y/xRqZISO<> >>558
お前は一度お風呂イベントがあれば
その後の欲望をその時の記憶だけで納められるか？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/04/06(水) 12:16:54.88 ID:yWX4DrfAO<> >>563
× ミ×サ
○ ミ×サ←ワ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2011/04/06(水) 19:54:12.66 ID:GyCXpFzP0<> 番外個体さんのことかと思ったが、文脈からすると
ミーシャ×サーシャ←ワシリーサ
のことか。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/04/06(水) 20:28:19.98 ID:GmzPuLiAO<> なにその奇妙な一致 <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:32:25.13 ID:xNTmDeugo<> 皆さんこんばんわェ･･････いつも沢山の支援レスをありがとうございます。

･･････っていうかほとんどのレスが垣根ェ、じゃないですかこれどうなってんですか
説明してくれキバヤシ。そうか、次回予告が原因だったのか･･････

さて、今日も露天風呂パートなのですが、あらすじは説明するまでもありませんねｗｗ


それでは、レッツ盗撮！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:33:41.36 ID:xNTmDeugo<>

――エリザリーナ独立国同盟・外れにある銭湯　露天風呂　男性サイド


＞ちくしょう･･････！！　サーシャちゃんは永遠に私の物なのごっ、がああああああああああ！！！？

＞や、やった！　あのワシリーサを秒殺･･････！　ミーシャ、そのまま彼女を大気圏外まで吹き飛ばしてください！！




一方通行「また騒がしくなりやがった･･････。　ン、なンだ･･････？　全裸の女が空へ･･････」


垣根「････････････ぐ、う･･････」ﾖﾛﾖﾛ


一方通行「オマエも難儀だなァ」

垣根「クソったれ･･････ミーシャの野郎、なんのつもりだ」ﾌﾗﾌﾗ　ﾁｬﾌﾟﾝ

一方通行「とりあえず湯船でゆっくり休もォぜ」ﾁｬﾌﾟﾝ

垣根「ああ････････････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:34:48.12 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「･･････オマエよォ」

垣根「？」

一方通行「脱衣所で着替えてた時も思ったが、体のあちこちが青あざだらけじゃねェか。　見てて痛々しいわ」

垣根「････････････ッ」ｷﾞｸｯ

垣根「見てんじゃねえよ」

一方通行「こそこそと何やってンだか･･････。　ン？」

垣根「今度は何だ」

一方通行「そこに置いてあンの、脱衣所にあったカメラかァ？」

垣根「ああ、これか。　････････････持ってきたんだよ」

一方通行「ていうかオマエのじゃなきゃ誰のなンだそれ？」

垣根「･･････さあな。　ちょっと電源入れてみるぞ」ｶﾁｯ

一方通行「･･････････････････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:35:49.22 ID:xNTmDeugo<>

垣根「･･････なんだこりゃ、既に五〇〇枚以上写真が撮られてるぞ」ﾋﾟｯ　ﾋﾟﾋﾟｯ

一方通行「はァ？　どンな写真だよ？」

垣根「待て。　･･････あ、これか。　････････････、･･････うおっ！！？」ﾋﾞｸｯ

一方通行「ど、どォした？」

垣根「なんだよこれ！？　全部女の全裸写真じゃねえか！！」ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯ

一方通行「な･･････に･･････？　まさかあっちにいるヤツらの誰かか！？」ｻﾞﾊﾞｯ

垣根「･･････････････････いや、違う。　エイワスかと思って吐きそうになったが、これ誰だ？」ﾋﾟｯ

一方通行「俺にも見せろ」ﾁﾗｯ

垣根「ほらコイツ。　クソ長え金髪の女。　あーあー･･････無修正写真もいいとこだなこれ」

一方通行「誰だこの女･･････もしかしてこの写真、とンでもねェ変態が持ち主なンじゃねェの？」

垣根「ワシリーサとか？」

一方通行「あのアホのカメラならサーシャの写真で埋まってンだろ。
　　　　　････････････一人、非常に心当たりがあるヤツが居る」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:37:13.61 ID:xNTmDeugo<>

垣根「･･････････････････････････････」


「「エイワスだろう(ォ)な･･････」」


垣根「何考えてんだあの馬鹿」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

一方通行「･･････これ多分超連写で撮影されてンな、高速スライドショーに設定すると
　　　　　パラパラ漫画みてェになってこの女が暴れてるのが分かる」

垣根「ハハッ、見ろよこれなんか。　股思いっきり開いてヤバい部分が丸見えじゃねえか」

一方通行「･･････なんでこんなモンがオマエの着替えのとこに？」ｼﾞﾄｰ

垣根「あ･･････ああ！？　俺を疑ってんじゃねえだろうな！！？
　　　これはエイワスのヤツが置いてったんだよ！！！！」

一方通行「なンで断言出来る？　俺は予想しただけだが、今のオマエの発言は明らかに断言してる」

垣根「･･････チッ、手紙だよ。　さっき俺が丸めて捨てたやつ」

一方通行「あれエイワスからだったのか。　今度は一体何を企ンでンだ？」

垣根「････････････････････････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:38:00.12 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「オイ、黙ってねェでなンとか言えよ」

垣根「･･････一方通行」

一方通行「あ？」

垣根「俺達、友達だよな？」

一方通行「またそれか！　一体なンだってンだァ？」

垣根「答えろよ、俺達は友達だろ？　仲間だろ？」

一方通行「･･････マジで聞いてンのか？」

垣根「ああ、マジで聞いてる」

一方通行「･･････････････････」

垣根「･･････････････････」

一方通行「････････････あァ、そォだな。　まァ友達･･････なンじゃねェの」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:38:37.43 ID:xNTmDeugo<>

垣根「まさかお前の口からそんな言葉が聞けるとはな･･････」ﾌﾟﾌﾟｯ

一方通行「うっせェ。　マジで聞いてきたからマジで答えただけだ」

垣根「だが、それを聞いて安心した」

一方通行「どォすンだ？」

垣根「･･････いいか、よく聞け一方通行。　これは俺の命に関わることだ」

一方通行「また死亡フラグがどォこォ言い出すンじゃねェだろォな」

垣根「いいから聞け。　･･････俺はこのカメラである事をする」

一方通行「はァ？　何をすンだよ」



垣根「･･････今からコイツで、向こうにいるサーシャの全裸写真を盗撮してくる」


<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:39:20.28 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「････････････････････････････････････････････････････････････････････････」

垣根「俺も男だ。　一度交わした約束を無下には出来ねえ。　･･････やるしかねえんだ」

一方通行「･･････････････････垣根ェ」

垣根「わかってんだよお前の言いたい事は。　そんな事したらワシリーサにぶっ殺されるとか、
　　　また死亡フラグ立てる気かとか、そういう事が言いたいんだろ？」

一方通行「いやそォじゃなくて･･････」

垣根「だがその点は心配ねえよ。　何たってこれはワシリーサ本人に頼まれたんだからな」

一方通行「だからそォじゃねェ」

垣根「アイツが所望してるのは生着替え写真だが、この際シチュエーションなんざどうだっていい。
　　　とにかくサーシャをカメラに収めればいいんだ。　一〇枚くらい撮りゃ満足すんだろ」

一方通行「･･････････････････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:40:15.09 ID:xNTmDeugo<>

垣根「そこでだ、一方通行。　どうやってアイツらに悟られずに写真を撮るか作戦を････････････、
　　　って、何だよその性的犯罪者を見るような目は」

一方通行「見るよォなっていうか、現在進行形で見てるよ、性的犯罪者を」

垣根「誰が性的犯罪者だ！！　俺はやりたくてやってるんじゃ――――」

一方通行「いやオマエ･･････マジで、心の底から、心の深層の最奥部から見損なったわ」ﾊｧ･･････

垣根「なんでだよ！！？　聞け、俺はマジでやりたくてやるんじゃねえんだよ！！」

一方通行「でも普通･･････そンな事で覚悟決めたりするかァ？」

垣根「そんな事だと！？　俺が心でどんだけ葛藤したかお前にわかるのかよ！！」

一方通行「さっきの友達発言は取り消させてもらうわ･･････」

垣根「見捨てんなよ！　ホントにマジで頼むから！　後生だ、この通り！」ﾊﾟﾝｯ

一方通行「必死すぎてキモいンだけど･･････」

垣根「必死にもなるわそりゃ！！　やらなきゃワシリーサの野郎に何されるかわからねえんだからなぁ！！」

一方通行「大体成功するわけねェってこンなの･･････あっちにゃエイワスがいるンだぞ？
　　　　　もォ既に今の会話も聞かれてるンだろォし、オマエの企みは見抜かれてる」

垣根「いやまず俺の企みじゃねえし、エイワスもワシリーサも了承済みなんだよ。
　　　あとの連中は至ってマヌケな女しかいねえから大丈夫だ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:41:12.50 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「ヴェントとかサーシャ本人は気付きそォだがな」

垣根「大丈夫だろ。　そいつらも気配を完全に抹殺した俺には気付けねえ」

一方通行「まさかあっちに忍びこむつもりか？」

垣根「男湯と女湯を遮ってる壁は薄いが高すぎる。　ここは無難に脱衣所から女湯へ突撃だ」

一方通行「･･････本気なのか？」

垣根「ミーシャを呼んでカメラ持たせて撮らせるって手も考えたが、信用できねえ。
　　　サーシャだけを重点的に撮ってくれるとは限らねえし、何よりすぐ壊しそうだ」

一方通行「そのカメラ防水仕様じゃねェのか？」

垣根「いや防水仕様だけど、ミーシャの場合は変に弄って壊しそう」

一方通行「『未元物質』を上手く利用すりゃもっと簡単に出来るンじゃね？」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/06(水) 21:41:43.68 ID:QR4q6+cE0<> ローラさぁーーーん！？ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:41:58.33 ID:xNTmDeugo<>

垣根「『未元物質』はそこまで便利なもんじゃねえよ。　あんな派手なの使ったら速攻でバレる。
　　　ていうかなんでお前俺の盗撮に肯定的になってきてんだよ････････････」

一方通行「結局バレてオマエが粉々にされるのが楽しみだから」

垣根「死ね。　つかお前も来るんだよ」

一方通行「オマエが死ね。　なンで俺まで行かなくちゃならねェンだ？」

垣根「最悪、盗撮がバレてもオマエなら多分許される。　そしてお前が許されてる間に俺が逃げるって寸法だ」

一方通行「オマエ本当に第二位か？　頭悪すぎンだろ･･････大体なンで俺なら許されるンだ」

垣根「あっちにゃお前にお熱な女が何人かいるからな。　少なくとも風斬やミーシャは間違いねえ。
　　　レッサーも多分そうだし、あとは知らねえが･･････まぁお前なら大丈夫だ」

一方通行「なンでこンな可哀想な子になっちゃったンだろコイツ･･････。
　　　　　脳に異常が発生してるとしか思えねェ根拠ゼロの発言だな」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:42:54.34 ID:xNTmDeugo<>

垣根「頼む、今度なんか奢るから」

一方通行「いやまず盗撮の前に診察に行った方がいいンじゃねェの･･････？
　　　　　俺、結構真面目にオマエの頭が心配だわ･･････」

垣根「頭は正常だから余計な心配してねえでさっさと首を縦に振れよ！」

一方通行「それで正常とかオマエマジで終わってるぞ･･････」

垣根「今回のこの作戦にお前へのデメリットは全く無えんだよ。
　　　バレてもお前はきっと許されるし、俺の仕業だって暴露しなきゃ大丈夫だ。
　　　それにもしかしたらエイワスが面白がってサポートしてくれるかもしれねえ」

一方通行「････････････････････････」

垣根「サーシャにも配慮してそんなヤバい写真を撮ったりはしねえと考えてる、普通に後ろ姿とかでもいいと思ってる。
　　　だから行くぞ！　あいつらが何時までも風呂に入ってるとは限らねえからな」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:43:40.37 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「･･････しゃァねェ、今回だけだぞ」ｻﾞﾊﾞｯ

垣根（え、マジで了承してくれた･･････。　コイツもコイツで女の裸に興味あんのかな･･････）ｻﾞﾊﾞｯ

一方通行「なンだよ」

垣根「い、いや。　何でもねえ、助かるぜ。　礼は必ずするからな」

一方通行「容量不足や電池切れで撮れませンでしたってオチは無しだぞ」

垣根「問題ねえ、電池は満タンだし容量はどういう訳か『∞』って表示されてる」ﾋﾟｯ

一方通行「なンだよ『∞』って･･････さすがエイワスの私物ってかァ？」

垣根「･･････よし、シャッター音が出ねえように設定した。　･･････おお、本当に出ねえ」ﾎﾟﾁｯ　ﾎﾟﾁｯ

一方通行「デジカメとかってそォいうの出来ねェよォになってンじゃねェの？
　　　　　今お前がしよォとしてる盗撮対策やらなンやらで」

垣根「普通に消せたぞ？　まぁこれエイワスのだからな」ｽﾀｽﾀ

一方通行「カスタムしすぎだろアイツ･･････」ｶﾂｯ　ｶﾂｯ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:45:31.34 ID:xNTmDeugo<>

――エリザリーナ独立国同盟・外れにある銭湯　男性用脱衣所→番台のある玄関→女性用脱衣所


一方通行「さっむ･･････」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

垣根「うおーすげえ。　俺達の体から湯気出てるぞ」ﾓｸﾓｸ

一方通行「つかマジでやるのかよ･･････引き返すなら今のうちだぞ？」

垣根「ここまで来たらやるしかねえだろ。　後には退けねえ」

一方通行「男二人がタオル一枚でカメラ持って何やってンだか･･････」

垣根「心配するな。　自覚はある」

一方通行「他に客が来たらどォすンだよ」

垣根「来ねえんじゃねえの？　その辺はエイワスが手ぇ回してんだろ」

一方通行「エイワスに頼りすぎだろオマエ･･････俺も人の事言えねェけど」

垣根「よし、入るぞ」ｶﾞﾗﾗﾗ

一方通行「クソが･･････どォにでもなれ」ｶﾂｯ　ｶﾂｯ

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/06(水) 21:46:23.13 ID:QR4q6+cE0<> 何だこの展開ｗｗｗｗｗｗｗｗ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:46:24.37 ID:xNTmDeugo<>


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



垣根「ここが女用の脱衣所だ」

一方通行「なンで説明してンだよ」

垣根「ああ･･････聞こえる聞こえる。　女どもの黄色い声が･･････」

一方通行（コイツマジでやべェ･･････）

垣根「おお･･････！！？」ｺﾞｸﾘ

一方通行「ど、どォした･･････？」

垣根「見ろ、一方通行。　･･････女どもの下着があるぞ！」

一方通行（恨むぜ神様･･････垣根をこンなにしちまいやがって）ﾊｧ

一方通行「脱衣所なンだから下着ぐらいあるだろそりゃ･･････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:47:44.09 ID:xNTmDeugo<>

垣根「これ多分風斬のじゃね？　アイツが付けてる髪留めがあるし･･････。
　　　･･････この下着まだ生温か―――――――」

一方通行「触れてンじゃねェよミンチにすっぞこの三下がァ！！！」ﾄﾞｺﾞｫ

垣根「ごほっ！！？　･･････テメェ、マジのパンチだろ今の･･････」ｹﾞﾎｯ

一方通行「今後風斬の衣服に指一本でも触れてみろ･･････本気で殺す」

垣根「あ、ああ･･････悪かったよ、ちょっと俺どうかしてたわ。
　　　相変わらず風斬には優しいんだなあお前･･････」

一方通行（女の邪気に当てられやがって･･････つか下着なンかで興奮してンじゃねェよコイツ･･････）

垣根「･･････サーシャの服はこれか？」

一方通行「オイ」

垣根「いや待て、こればっかりは見逃してくれ。　サーシャの下着が必要なんだよ」

一方通行「なァ、真剣に聞くけどオマエ大丈夫か？」

垣根「俺が必要なんじゃねえよ。　ワシリーサが確か欲しがってた気がする。
　　　････････････････････････あれ？」ｺﾞｿｺﾞｿ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:48:44.92 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「どォした」



垣根「････････････サーシャのヤツ、下着着けてねえじゃん･･････」



一方通行「･･････『下』も？」

垣根「ああ、上下共に無えよ･･････あいつノーブラノーパンかよ」

一方通行「････････････････････････」

垣根「････････････････････････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:49:19.74 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「･･････つかこンな事してる場合じゃなくね？」

垣根「そ、そうだな。　俺達には本来の目的があるんだ」

一方通行「俺『達』って言い方やめてもらえますゥ？」

垣根「行くぞ･･････浴場はこっちだな」ｽﾀｽﾀ

一方通行「もォさっさと終わらせてくれ･･････」ｶﾂｯ

垣根「ここが扉だな」

一方通行「･･････型板ガラスだな。　でも一応屈ンだ方がいい」ｻｯ

垣根「なんかMGSみてえでワクワクしてきたな」ｻｯ

一方通行「これをゲーム感覚で実行出来るとかオマエある意味大物だな」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:50:07.31 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「さっさと扉を開けろよ」

垣根「催促すんな。　･･････････････････」ｸﾞｯ　ｸﾞｲｯ

一方通行「･･････どォした」

垣根「開かねえ･･････鍵でもかかってんのか？　クソッ」ｸﾞｯ　ｸﾞｯ

一方通行「やっぱ神ってのは盗撮なンかしよォとしてるヤツには微笑まねェって事だ」

垣根「だからしたくてしてるわけじゃねえっつってんだろ」ｸﾞｲｲｲｯ



　　　　　　　　　　　　　ｼｬﾗﾝﾗｰ


<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:50:54.00 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「あ？　なンだ今の･･････」

垣根「ん？　･･････オイ、一方通行」

一方通行「？」

垣根「（どうやら盗撮の神は俺に微笑んだらしいぞ。　見ろ）」ﾋｿﾋｿ

一方通行「（盗撮の神って･･････そンな歪みまくった神がいてたまるか）」ﾎﾞｿﾎﾞｿ


　　　　　　　　　　　　ｶﾞﾗﾗﾗﾗ･･････


一方通行「！」

垣根「（多分金具の具合が悪かったんだろ。　ここからは全方位に意識を集中させろよ）」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:51:33.11 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「（チッ･･････）」

垣根「････････････････････････」ｿﾛｿﾛ

一方通行「（･･････オイ、扉は閉めといた方がいいンじゃねェか？）」

垣根「（頼む）」

一方通行「（客観的に自分を見ると本当に馬鹿丸出しだよなァ俺･･････）」ｶﾞﾗﾗﾗﾗ･･････ﾋﾟｼｬﾝ



＞それで、ヴェントさんはどうして胸を大きくしたいんです？

＞･･････別に何でもねえよ、この話はもうオシマイ



一方通行「！」

垣根「！」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:52:23.64 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「（････････････耳に届いた今の会話の音量から計測するに･･････、アイツら今湯船の中だな）」

垣根「（それも全員だ。　ますますツイてやがる、絶好の好機だ）」ﾋﾀﾋﾀ



＞cpigbvkn砲撃bndepfjg　　　ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

＞あん、ちょっとやめなさいミーシャ

＞･･････第一の私見ですが、本当に胸大きいですよね

＞あ、あんまりそういう事言わないでください･･････///



一方通行「（で、どォすンだ）」

垣根「（とりあえずサーシャの位置情報を把握しておきたい。
　　　　･･････ここの露天風呂、無駄に広いから状況が把握しにくいんだよなー）」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:53:02.97 ID:xNTmDeugo<>

一方通行「（少しだけ顔を覗かせて湯船の状況を掴ンどけよ）」

垣根「（言われなくても分かってる。　････････････チッ、湯気が立ち込めててよくわかんねえ）」



＞････････････････････････　ｼｬﾗﾝﾗｰ

＞どうかしました？　エイワスさん

＞ん？　いや････････････何でもないよ、ふふ



垣根「････････････？」

一方通行「（オイ、こりゃ一体･･････）」

垣根「（気付いたか）」

一方通行「（湯気が不自然に晴れていきやがる･･････どォいう現象だ？
　　　　　　風なンざ吹いてねェぞ）」

垣根「（考えるのは後だ。　そこの蛇口やシャワーがあるゾーンに身を隠すぞ）」ｺｿｺｿ

一方通行「（どォ楽観的に考えてもロクなオチになりそォもねェな･･････）」ｺｿｺｿ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:58:58.98 ID:xNTmDeugo<>
そうですね、ろくなオチにならないでしょうね。


というわけで今回はここまでです。なんだか焦らしているみたいですみません。
勿体ぶるほど面白い話でもないのに･･････露天風呂編ムダに長いよ･･････

次回で露天風呂編は終わると思います。
あと、非常に申し上げにくいのですが多分これが本編最後のギャグパートになります。
皆様どうか、ごゆっくりとお楽しみください。


ではまた三日以内に。ありがとうございました！


※今回の一方通行と垣根帝督の行為は犯罪行為です。　絶対に真似しないでください

<> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/06(水) 21:59:45.02 ID:xNTmDeugo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『そ、そうだな。　素数を数えよう････････････A、B･･････C･･････』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督




『落ち着けェェェェえええ、それは数字ですらねェだろォが！！』
―――――――――――『天使同盟』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




『え！？　だ、誰かいるんですか･･････！！？////』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・風斬氷華




『もしかしていわゆる覗きですか･･････？』
―――――――――――魔術結社予備軍『新たなる光』の構成員・レッサー




『（さあ･･････この展開をどう乗り切る？）』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・エイワス



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/04/06(水) 22:00:27.81 ID:gs25mus30<> >>1
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/06(水) 22:00:39.08 ID:lbspdLyTo<> 乙

解っていた事だがエイワスにはバレバレである
そして頭の心配すべきは一方通行お前もだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/06(水) 22:06:01.91 ID:/eQ74nCDO<> 乙〜
どうして……二人とも、こんなヘンタイになっちゃったんだろうね……？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)<>sage<>2011/04/06(水) 22:07:20.62 ID:TGKtOydg0<> 乙

学園都市の第１位と第２位が覗きか・・・もうダメだな色々と <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/06(水) 22:10:12.21 ID:lisvStMAO<> 乙
垣根がなんかどんどん可哀想な子になってる… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/04/06(水) 22:16:07.41 ID:HAJ/Ly1Oo<> あれ？一方通行のせいじゃね？
(ﾟдﾟ )乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/06(水) 22:19:50.42 ID:QR4q6+cE0<> さ、最期のギャグとな？
乙です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/04/06(水) 22:20:14.34 ID:/2kcNUMAO<> 言いたい事が多すぎてなんも言えねえ……
とりあえず乙…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/06(水) 22:33:00.68 ID:sl4RYvzh0<> 乙
ワシリーサが秒殺された時のはしゃぎ様といったら……サーシャ可愛い夜サーシャ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/06(水) 22:33:03.22 ID:XXLuIENJ0<> 乙
垣根……復活の過程でエイワスの何かが混じったんじゃね？

最後のギャグパートとは名残惜しい
物語はクライマックスへ向けてアクセルベタ踏みか…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/06(水) 22:52:47.94 ID:8551vhtMo<> 次回予告ｸｿﾜﾛﾀｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/04/06(水) 23:00:40.79 ID:Zxh85zI90<> まさか大気圏外まで飛ばされたワシリーサが、ベツレヘムの星の欠片の回収してくるなんて･･･
さすがのエイワスも予想外だったろうな


･･･、そんなわけ無いか･･･。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/06(水) 23:06:04.77 ID:r/7S8BBAO<> 乙

だーめだこいつらwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/06(水) 23:12:54.40 ID:ELN/PA43P<> 乙
やべぇこれは面白いｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/06(水) 23:41:54.81 ID:QlJsNSHDO<> 一方さんは光のベクトルやら何やら操作すれば姿消せそう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/06(水) 23:50:06.13 ID:lbspdLyTo<> 流石に演算処理が追いつかないんじゃねーかな
全方向全距離からの反射光の同時制御だろ
しかも本来通過する位置まで体伝いに這わせてからの再変換が必要と <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/04/06(水) 23:55:32.14 ID:REcNLS+wo<> 垣根君もステルス性の未元物質まとえばバレなそうだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)<>sage<>2011/04/06(水) 23:56:33.08 ID:xCfN7l6AO<> 乙

俺もヴェントたんの裸を盗撮しにいきたい
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/07(木) 00:00:23.39 ID:wZD4wiXIO<> 最後のギャグってのは名残惜しいがシリアスも楽しみすぎて困る。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/07(木) 00:29:40.23 ID:3sSukG7IO<> 俺は垣根を応援してる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/04/07(木) 00:38:36.85 ID:W56BtrjAO<> >>610
通常の反射でも、それくらいの演算はしてるんじゃね
目についての問題も、処理の仕方によってどうにでもなりそうだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/04/07(木) 00:43:16.36 ID:I4jwN2SBo<> 反射はベクトル×-1するだけだぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/04/07(木) 00:49:09.90 ID:Q718urybo<> ヤバいところが見えてる写真はいくらですか？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/07(木) 00:59:58.55 ID:sp9PLpGgP<> っていうか偏光能力の人がいたじゃん
あれの3倍ぐらいはできそう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/07(木) 01:35:53.59 ID:KUNh7B520<> 垣根… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/07(木) 01:58:52.32 ID:buai4Rc30<> てか偏光能力使って堂々と近づいてたらミーシャにバレそうではある
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/07(木) 02:16:24.42 ID:e1AhXSQc0<> そもそも未元物質って「天使の住む世界の片鱗」だったよな
ミーシャには普通に見えてもおかしくないと思うのは俺だけか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/07(木) 02:21:11.28 ID:Mxb7hzKR0<> この話を読んだおかげで薄いローラ本が見たくなっちゃったじゃないか、どうしてくれる
ローラの薄い本なんかあったか……？いやここは天使同盟の薄いh……ん？誰か来たようだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/07(木) 02:23:06.03 ID:5gK5wCIDO<> 垣根くんとセロリたんかあいいよ(*´Д`)ﾊｧﾊｧ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2011/04/07(木) 03:10:36.53 ID:x9uuh5N80<> 乙です〜
このSSで風斬通行に目覚めた自分は脱衣所シーンで充分萌えた。ありがとうございます。
ギャグパート最後ですか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(USA)<>sage<>2011/04/07(木) 04:39:42.54 ID:7fQE6hSX0<> 風斬通行のSSってホント少ないよね
このSSを発見するまで番外通行止め以上のものを俺は知らなかった
>>1乙です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)<>sage<>2011/04/07(木) 04:58:09.09 ID:6ydlbMd70<> >>606
ネタバレやめろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/04/07(木) 13:57:13.41 ID:NjxGTClH0<> すげぇ展開だな
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/07(木) 18:16:26.53 ID:/JXbQbQG0<> >>1乙〜!
どうしてこうなった・・・ｗｗｗｗ
しかしこんなダメなやつらでも最後のギャグパートかと思うと・・

・・あれェなんだか口がしょッぱいなァ・・？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/04/07(木) 23:44:30.50 ID:MAHai/kE0<> >>611
ステイル性に見えた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/07(木) 23:56:01.04 ID:vAfKsKLl0<> お前ら、>>1、地震大丈夫だった？
またエイワスの仕業か
･･･いや、シャレになってないな。マジ大丈夫か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)<>sage<>2011/04/08(金) 00:56:57.62 ID:XIhN5caAO<> いや本編最後のギャグパートって言ってるだけで
番外編とか後日談のギャグパートがあるんじゃね？

…とかって期待してみたり <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/08(金) 18:04:03.27 ID:2fsBJbXD0<> ということはつまり・・・! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/08(金) 18:48:59.53 ID:QnIWQso30<> つまり･･･どういうことだってばよ！？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/08(金) 20:18:08.71 ID:Fbx7/be/0<> ハッピーエンドを期待してても全然オッケー！
という事だろう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/08(金) 20:46:57.50 ID:WBwf6axA0<> >>633
番外編のR−１８風斬通行祭りが残ってるって事だよ言わせんなよ恥ずかしい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/08(金) 22:31:03.77 ID:WEF/D4IAO<> >>615

お前
八九寺「あなたのことがきらいです」一方通行「はァ？」

読んだだろ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:26:18.26 ID:/dXNIOG7o<> >>624-625

うし･･････！　うし･･････！　風斬通行の需要も微弱ながら増えているらしい･･････！
いつか風斬通行単体のSSでも書いたろかこんちきしょう･･････もっと供給したい･･････


そんな>>1は今日も投下をしに来ましたよ。
今日で露天風呂編はお終いでしょう。こんな馬鹿すぎる話に長い間お付き合いいただきありがとうございました。


では、男二人のバカ劇場をどうぞ御覧ください。
<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:27:28.50 ID:/dXNIOG7o<>

レッサー「いやーしかし極楽ですなあ。　温かい湯に浸かりながら
　　　　　ロシアの雪山を眺めるのもなかなか風情があるじゃないですか」ﾌﾋｰ

風斬「なんだか贅沢ですよねー･･････。　本当にタダでいいんですか？」

エリザリーナ「営業しているわけじゃないから構わないわよ。　ここの民間人の中に
　　　　　　　日本通の人がいるの。　その人が日本の露天風呂の素晴らしさを延々と語ってたら
　　　　　　　周りも感化されてきちゃったらしくて、それでこの銭湯を建てたのよ」

ヴェント「暇な同盟国ねアンタら･･････」

サーシャ「見てくださいミーシャ、温泉ではこうやって走るヒヨコのオモチャを浮かばせて
　　　　　遊ぶのが一般的なのだそうですよ」ﾊﾟｼｬｼｬｼｬｼｬ

ガブリエル「ohgvbv素敵nc,xpwgg」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:28:50.31 ID:/dXNIOG7o<>

垣根「ッッ！！？」ｶﾞﾀｯ

一方通行「（オイ馬鹿かオマエ！　声出すなよ！！）」ﾋｿﾋｿ

垣根「（お前こそ馬鹿か！？　見ろよあれを！　あの状況を！！）」

一方通行「（あン？）」ﾁﾗｯ

垣根「（なんでアイツらタオル巻いてねえんだ！？　全員生まれた時の姿になってんぞ！）」

一方通行「（･･････風呂だからだろ）」

垣根「（す、すげえ･･････見ろよ、風斬なんか胸が浮いてんぞオイオイオイ双子山かっての）」

一方通行「（そォだな）」

垣根「（お前なんでそんな冷静でいられるんだ？　男としてここは興奮する場面だぞ？）」

一方通行「（まァ･･････そォだけどよォ）」

垣根「（テメェの股間にぶら下がってる息子が死んでるんじゃねえのか？　おかしいぞお前･･････）」

一方通行「（うるせェよ）」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:29:49.64 ID:/dXNIOG7o<>

垣根「（･･････待て）」

一方通行「（今度はなンだ）」

垣根「（････････････なんかミーシャがおかしい）」



ガブリエル「―――――――――、」ﾋﾟｸﾝ

エイワス「む、」

サーシャ「第一の質問ですが、どうしましたミーシャ？」

ガブリエル「jgrgh貴方lxfhie」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

サーシャ「わぷっ･･････どうしたんですか急に腕突き出して･･････」

ガブリエル「fkgjqs貴方urrg貴方pkajhrg」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

風斬「･･････？　どうしたんですか天使さん」

サーシャ「だ、第一の解答ですが急に落ち着きがなくなって･･････ぷはっ」ｻﾞﾊﾞｯ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:30:43.75 ID:/dXNIOG7o<>

レッサー「ミーシャ、子供じゃないんですから大人しくしてなきゃダメですよ」

ヴェント（え、コイツ大人なの･･････？）

ガブリエル「rugvbs貴方jfhewgf0irh」



垣根「（やべええええええええええええええ）」

一方通行「（クッソ！！　ガブリエルのヤツ、俺達に気付いてやがるな！？）」

垣根「（テメェらこんな時に赤い糸引っ張り合ってんじゃねえよボケがぁ！！）」

一方通行「（いきなりなンの話だ！？　錯乱してねェで落ち着け！！）」

垣根「（そ、そうだな。　素数を数えよう････････････A、B･･････C･･････）」

一方通行「（落ち着けェェェェえええ、それは数字ですらねェだろォが！！）」

垣根「（クソ、もういつミーシャの野郎がこっち飛んでくるかわかんねえぞ）」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:31:35.74 ID:/dXNIOG7o<>

一方通行「（とりあえず接近だ。　斜め左前の積雪を盾にするぞ）」ｻｻｻｯ

垣根（コイツ度胸あるな･･････普通ならここで退散するべきなんだが）ｼｭﾊﾞｯ



エリザリーナ「ところで、あなた達はいつまでロシアに滞在する予定なの？」

風斬「えーっと･･････とりあえず一方通行さんは漠然と次の目的地を決めているみたいですけど」

レッサー「え、初耳ですよそれ」

エイワス「どうやら『右方』のフィアンマとの接触を図っているようだね」

ヴェント「フィアンマ･･････！？」

サーシャ「第二の質問ですが、なぜ今更第三次世界大戦の首謀者との接触を？」

エリザリーナ「･･････ミーシャ＝クロイツェフを召喚した張本人、だから」

エイワス「恐らくはそうだろうな。　フィアンマに『星の欠片』の行方を聞き出そうとしているのかもしれない」

エリザリーナ「･･････････････････････････････（白々しい事を･･････）」

レッサー「じゃ、じゃあもうすぐここを離れるんですか･･････？」

風斬「それはわかりません、一方通行さん次第というか･･････」

ヴェント「さっさとロシアから出ていきなさいよ」ﾎﾞｿｯ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:32:56.99 ID:/dXNIOG7o<>

一方通行「（死ぬほど寒ィ･･････）」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

垣根「（ガマンしろ、ここが正念場だ。　サーシャは今、ミーシャの傍にいる。　俺達に気付いてる天使を
　　　　上手く利用すれば写真が撮れるかもしれねえ。　･･････よし）」

垣根「（･･････ミーシャ！　ミーシャ！）」

一方通行「（！？　オマエ何考えて――――）」

垣根「（ミーシャが少し場所をずらしてくれればサーシャがバッチリ映るんだよ。
　　　　ここは少し勇気を出して呼びかけるんだ。　･･････ミーシャ！）」

一方通行「（クソ･･････こォなったらヤケだ。　･･････ガブリエル！）」



ガブリエル「――――――――、」ｸﾙｯ


<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:34:14.94 ID:/dXNIOG7o<>

垣根「（よし！　おいミーシャ、ちょっと横にずれろ横に！）」ｼｯｼｯ

一方通行「（オマエはカメラ構えてろ、俺が指示を出す！）」

垣根「（ああ、任せたぞ！）」ｻｯ

一方通行「（ガブリエル、少しでいいから横にズレてくれ･･････）」ｽｯ



ガブリエル「―――――――――、」ｷｮﾄﾝ



一方通行（クソ、首を傾げてやがる･･････ジェスチャーの意図が通じてねェのか？）

一方通行「（ガブリエル･･････あっちだ、右、少し右に移動しろ･･････！）」ｽｲｯ　ｽｲｯ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:35:21.81 ID:/dXNIOG7o<>

垣根（･･････････････････さっむ）ｶﾞﾀｶﾞﾀ

一方通行「（バカ違う、手前じゃねェ！　俺達の方に来てどォする！　右だ！　箸持つ方！）」

垣根「･･････････････････････････････」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

一方通行「（よし！　そォだ、･･････って少しにもほどがあンだろ！　もォちょい右！）」

垣根「････････････････････････ふぇっ」ﾑｽﾞｯ

一方通行「（いいねェいいねェ最ッッ高だねェ、その調子だ！　よォしいいぞ･･････）」

垣根「･･････････････････ふぇっ、へっ、」

一方通行「（ストップ！　よォォしベストポジションだァ、よくやったぞガブリエル。
　　　　　　サーシャのヤツがバッチリ見えるぜ。　オイ、垣根――――――――）」ｸﾙｯ






垣根「ぶええええええええええええええええっくしょおおおおおおおおおおおおおおおおい！！！！！！！」ﾌﾞﾎｧｯ





<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:36:54.63 ID:/dXNIOG7o<>

風斬「！」

レッサー「！」

エリザリーナ「！」

サーシャ「！」

ヴェント「！」

エイワス「ぷぷっｗｗ」

ガブリエル「ruvhink貴方mchjthi」



一方通行「」

垣根「･･････っくしょおおい！　うううう、････････････。　････････････あ、」ｽﾞｽﾞｯ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:37:38.95 ID:/dXNIOG7o<>

一方通行「･･････････････････」

垣根「（ハハッ、なんかベタなオチになっちまったな）」ｴﾍﾍﾍ

一方通行「（今更声潜めても遅ェよていとくゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン！！！！！？！？！？）」



風斬「え！？　だ、誰かいるんですか･･････！！？////」ｻﾞﾊﾞｯ

サーシャ「まさかワシリーサ･･････？　彼女は宇宙まで飛ばしたはず･･････！」ｻｻｯ

レッサー「もしかしていわゆる覗きですか･･････？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:38:18.36 ID:/dXNIOG7o<>

エリザリーナ「････････････････････････」ｻｯ

エイワス（さあ･･････この展開をどう乗り切る？）

ヴェント「チッ。　おい天使」

ガブリエル「oefjgj何mfefi」

ヴェント「そこに積もってる雪、ちょっと吹き飛ばしてみろ」

一方通行「」

垣根「」

ガブリエル「fkgug御意cnwetrfg」ﾌﾞｵﾝｯ


　　　　　　　　　　　　　ﾄﾞｯﾊﾟｧｧｧｧｧﾝ


一方通行「あ、待て･･････！」

垣根「くっ！！！」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:39:07.97 ID:/dXNIOG7o<>

風斬「きゃあああああああああ！！？//////」ｻｯ

レッサー「あ、一方通行さんに垣根さん･･････！！？」

エリザリーナ「あなた達･･････！！」

サーシャ「はわわわわ･･････///」ｻｻｯ

ヴェント「て、テメェらぁぁぁ･･････！！！　何のつもりだコラァ！！」ｻｻｯ

エイワス「万事休すとはこの状況の事を言うのかな。　というかなぜ皆、私の背中に隠れてるんだ？」

一方通行「ま、待てオマエら！！　これは全部――――」



垣根「一方通行の企みだあああああああああああああ！！！！！」ﾄﾞﾝｯ!


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/08(金) 23:41:15.00 ID:Fbx7/be/0<> ていとくんｗｗｗｗ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:41:26.68 ID:/dXNIOG7o<>

風斬「ええ･･････！？　あ、一方通行さんが･･････？」ﾋｮｺ

垣根「一方通行の仕業だ！！　一方通行の計画だ！！　一方通行の陰謀だ！！
　　　俺は第一位に脅されて仕方なくここに来ただけなんだあああああ！！！」

一方通行「てェェいとくゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン！！？　ついに頭トチ狂っちゃったのかなァァ！？」

レッサー「ちょ、これは一体どういう･･････！！」

エリザリーナ「え、エイワス。　とりあえずタオルを返してちょうだい！///」

エイワス「有を無に還す事は容易い。　だが無から有を創り出すことは容易ではない、わかるね？」

エリザリーナ「なにを悠長な事を･･････！！」

ガブリエル「gtrgjovs射影機,ckjgheri」

エイワス「おや、垣根帝督。　その手に持っているカメラは何かね？」

垣根「ハッ！　い、いやこれは･･････！！」ｻｻｯ

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/08(金) 23:41:35.85 ID:2QldUMp8o<> 垣根ェ・・・ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:42:34.35 ID:/dXNIOG7o<>

レッサー「あ、あんにゃろ〜まさかそれで私たちのせくしぃなヌード写真を！？」

一方通行「因果応報自縄自縛ってなァ！！　人に責任転嫁しやがるからそォなるンだよクソボケェ！！！」ｹｹｹｹ

ヴェント「テメェも人の事言えねえだろうが白いのぉ！！」

一方通行「あァ！？　だから俺は違うって、」ｸﾙｯ

ヴェント「こ、こっち見るなバカ･･････！///」ｻｯ

一方通行「チッ！」

エリザリーナ「････････････説明してもらえるかしら？　垣根」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

垣根（くっそ･･････！！　こんなとこで･･････）

サーシャ「釈明の言葉があるというのならこの場で拝聴させていただきます･･････」ｷﾞﾛｯ

垣根（こんな所で俺は死ぬわけには･･････！！！）

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/08(金) 23:43:35.82 ID:BJvfTdaqP<> 垣根ェ･･･ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:43:40.80 ID:/dXNIOG7o<>

ガブリエル「――――――、上空」

一方通行「あァ？　上空？」ﾁﾗｯ


「････････････････････････ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」


風斬「ん･･････？」

ヴェント「何よこの声･･････」

サーシャ「････････････････････････まさか」ﾁﾗｯ




ワシリーサ「サーシャちゅわああああああああああああああああああああん！！！！！！！！！！！」ｺﾞｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵ



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2011/04/08(金) 23:43:52.51 ID:i4aizVOh0<> 垣根ェ・・・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/08(金) 23:44:14.66 ID:2QldUMp8o<> 親方！空から変態が！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2011/04/08(金) 23:44:56.33 ID:i4aizVOh0<> 帰ってきた変態 <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:45:06.95 ID:/dXNIOG7o<>

サーシャ「ぎゃああああああああああああああああああああああ！！！？」

エリザリーナ「わ、ワシリーサ！？」

風斬「こ、ここに落ちてきますよ！！(全裸で）」


　　　　　　　　　　　　　　　ｻﾞｯﾊﾟｧｧｧｧｧｧｧｧﾝ!!!!!


一方通行「ぐおっ！！」ﾊﾞｼｬｧ

垣根（い、今しか逃げるチャンスはねえ！！）ﾀﾞｯ

レッサー「ぶはっ、げほっ･･････！　あ、垣根さんが逃走してますよ！！」

エリザリーナ「エイワス！」

エイワス「ホルス使いが荒いなまったく･･････」ｽｯ


　　　　　　　　　　　　　　　ｼｬﾗﾝﾗｰ


垣根「･･････あ！？　扉が開かねえ！？」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:46:44.92 ID:/dXNIOG7o<>

ワシリーサ「高度一〇〇〇〇メートルは寒かったよサーシャちゃん暖めてぇぇぇぇぇん♪」ﾑｷﾞｭｰ

サーシャ「ちくしょう･･････コイツどうやってあんな高さから生き延びて･･････ぐ、ぐるじ･･････」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

垣根（もうこうなりゃ逃走は無理だ！　･･････ならば残された選択肢は一つしかねえよなぁ！！）ｻﾞｯ

レッサー「垣根さん、覚悟してもらいますよ〜！」

垣根「ほざいてろ雑魚ども！！　全裸じゃ湯船からも出れねえクセしやがってよお！！」

一方通行「うわァ･･････開き直ってる」

垣根「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ！！！！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

風斬「は、走ってきた･･････！！？」

垣根「･･････っく！！」ｷｷｰｯ

レッサー「そ、そして急停止しましたよ！？」

一方通行「頭おかしくなってるわコイツ」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/08(金) 23:47:16.84 ID:Fbx7/be/0<> サーシャちゃん、ぎゃあああああああって……気持ちは分かるが <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:47:58.79 ID:/dXNIOG7o<>

垣根「どけえワシリーサ！！！」

ワシリーサ「うゆ？」


垣根「テメェのお望みのもんを撮ってやる。　サーシャの全裸姿の写真をなぁ！！」


サーシャ「」

ヴェント「なんかヤバいクスリでも決めてんのかこのクズ･･････」

風斬「え、でも、それなら垣根さんはワシリーサさんに頼まれてここに忍びこんで･･････？」

垣根「この状況で最後まで話を聞いてくれるお前の器のデカさに感謝するぜ風斬。
　　　つまりはそういう事、元凶はそこにいる変態シスターなんだよぉ！！」

エイワス（この実直さ溢れる行動があえて功を奏するか･･････？）




ワシリーサ「いらにゃい」



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/08(金) 23:48:51.93 ID:2QldUMp8o<> うんまぁそうだよなｗｗｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/08(金) 23:48:59.09 ID:B+ggYiLJo<> マジで大気圏まで行ってたのか、そして帰ってきたのかよｗｗ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:49:03.19 ID:/dXNIOG7o<>

垣根「あ･･････？　あ･･････?」

ワシリーサ「だってもう目の前に裸のサーシャちゃんがいるし、写真はもういらにゃいのだ。
　　　　　　うふふふ、さぁーってサーシャちゃん、さっきの続きといこうかしらぁ？」

サーシャ「もうやだこの星･･････」

垣根「････････････な、なにを････････言っ････」ﾊﾟｯ


　　　　　　　　　　ｶﾀｰﾝｯ


風斬「あ、カメラが･･････」

レッサー「さっそくチェックしてみましょう！　もしかしたらさりげなく私たちも撮られてるかも」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

エリザリーナ「私にも見せてちょうだい」ﾁﾗｯ

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/08(金) 23:49:50.34 ID:Fbx7/be/0<> おいまて、確か今そのカメラには・・・・・・・・！！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:50:03.25 ID:/dXNIOG7o<>

ヴェント「･･････････････････」ﾁﾗｯ

垣根「じゃあ俺は一体なんのためにここまで････････････」ｶﾞｼｬｱｱｱｱｱｱｱ　ｶﾞｸｯ

一方通行（もォ哀れすぎてかける言葉が見つからねェよ･･････）ﾎﾛﾘ

風斬「････････････な、こ、これは！？」

垣根「？」

レッサー「こ、この写真は････････････」

垣根（え？　写真はまだ一枚も撮ってねえぞ･･････？）

一方通行（･･････まさか）

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/08(金) 23:50:15.86 ID:B+ggYiLJo<> エイワスが逆にピンチにｗｗ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:51:04.01 ID:/dXNIOG7o<>



ヴェント「･･････これ、『清教派』のトップの女じゃねえか。　ローラとかいうイギリス清教の」




垣根「」

一方通行（これ死亡フラグとかそォいうレベルじゃなくなってンだろｗｗｗ）

レッサー「垣根さん、これはとんでもない大犯罪ですよ！？　あろうことか『清教派』のトップの
　　　　　こんなあられもない姿を写真に撮るだなんて･･････うひゃー///」ﾋﾟｯ　ﾋﾟﾋﾟｯ

垣根「い、いや、それは俺じゃな――――――」


エイワス「これはいくらなんでもやりすぎだよ垣根帝督、冗談の域を逸脱し過ぎている」ｷﾘｯ


垣根「！？」

一方通行「こ、コイツ白々と･･････」

エリザリーナ「垣根･･････残念だけど、あなたはここまでだわ」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/08(金) 23:51:19.25 ID:Fbx7/be/0<> >>668
この状況で一番に疑われるのは誰だ？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/04/08(金) 23:52:01.58 ID:98/wY5wAO<> 騎士団長がアップしました <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:52:16.90 ID:/dXNIOG7o<>

垣根「な、なにが」

エリザリーナ「これをイギリス清教に報告する事はしないわ。　ローラ＝スチュアートの
　　　　　　　立場も考えると、それは得策じゃない。　･･････でもね、」

垣根「だからそれは俺じゃ―――」

レッサー「･･････ここで制裁しなきゃ、ですね」

垣根「ま、待て」

風斬「か、垣根さん････････････」ｸﾞｽｯ

エリザリーナ「エイワス、何でもいいから体を隠す物をちょうだい」

エイワス「全裸では制裁も加えられないものな」ｼｬﾗﾝﾗｰ

エリザリーナ（やっぱり出せるんじゃない･･････）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:53:18.52 ID:/dXNIOG7o<>

レッサー「よっし、これでバッチグー(死語)です！」

一方通行（今どこからタオルが出てきたンだ？）

垣根「ち、ちくしょう･･････もう抵抗する気力すら起きねえ･･････」ｶﾞｸﾝ

一方通行「今回ばかりは同情するぜ･･････、じゃあな垣根」ﾎﾟﾝｯ


ヴェント「オイ待てや白いの･･････」ｺﾞｺﾞｺﾞ


一方通行「あ･･････？」

レッサー「どこへ行くんですか一方通行さん？　いくらフラグを立てまくってるあなたとは言っても、
　　　　　許される事と許されない事はあるんですよ？」

一方通行「俺が何したってンだ？」

ヴェント「普通に女湯に忍びこんでおきながらその発言はねえだろ･･････！？」

エイワス「垣根帝督の犯罪に助力しているものな君は」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/08(金) 23:53:40.24 ID:B+ggYiLJo<> >>670
そうか、エイワスめ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/08(金) 23:54:41.16 ID:Fbx7/be/0<> 「どうやって録ったか」に誰も考えが行かないのが凄え
というかエイワス…………お前こそ冗談の域過ぎたぞ………… <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:54:42.30 ID:/dXNIOG7o<>

一方通行「な、なンで･･････俺こそ潔白だろォ！？　俺は何もしてねェじゃねェか！！」

エイワス「何もしていないと言う君が今ここにいるのはおかしな話ではないかね？」

一方通行「ぐ･･････う･･････」

風斬「あ、一方通行さん･･････」

ワシリーサ「どうしたのみんな？　何だか怖い顔してるけど」

サーシャ（元はといえばあなたのせいですよワシリーサ･･････）

垣根「･･････一方通行」

一方通行「な、なンだ･･････」

垣根「もうこうなったらヤケだ。　コイツら全員ここでぶっ潰す」ﾊﾞｻｧ

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/04/08(金) 23:56:29.08 ID:M8vVyFvAO<> 死亡フラグ入りましたー <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:56:30.31 ID:/dXNIOG7o<>

風斬「だ、『未元物質(ダークマター)』･･････！！」ﾋﾞｸｯ

一方通行「正気か？」

垣根「このまま黙ってやられるなんて受け入れられるか！！」」

レッサー「ついに本性を現しましたね･･････！？　上等です！」ｻﾞﾊﾞｯ

一方通行「が、ガブリエル、オマエからコイツらを説得してくれ！！」

ガブリエル「―――――――――――、」ﾊﾞｼｬｼｬｼｬｼｬｼｬ

一方通行（ダメだ、ヒヨコの玩具に夢中になってやがる･･････）

ヴェント「ブチ殺される覚悟は出来たかしら？」

一方通行（な、なンで俺にまで死亡フラグなンてモンが････････････！！
　　　　　クソ･･････ふざけてンじゃねェぞ）

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/04/08(金) 23:57:26.36 ID:98/wY5wAO<> まさか…… <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/08(金) 23:57:57.36 ID:/dXNIOG7o<>

一方通行（な、なンで俺にまで死亡フラグなンてモンが････････････！！
　　　　　クソ･･････ふざけてンじゃねェぞ）

エイワス「もう終わりだ、学園都市のトップ2も愚かさが極まったな」

一方通行「死亡フラグだかなンだか知らねェが･･････」

垣根「？」

一方通行「そンなフラグはヘシ折ってやる」ｶﾁｯ

ヴェント「･･････あ？」

レッサー「何を言っているのか分かりませんが、覚悟しろこのケダモノがー！！」ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

ヴェント「このハンマーの露払いくらいには役立ってくれよなぁ！！」ｺﾞｫｯ

風斬（･･････も、もう知らない･･････）

垣根「ここをテメェらの墓場にしてやんよ！！」ﾌﾞﾜｯｻｰ

一方通行「どォにでもなりやがれ、クソったれがァァァァ！！！」ｷﾞｭｵｵｵｵ



　　　　　　　　　　　　　ﾁｭﾄﾞｰﾝ


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/04/08(金) 23:58:01.91 ID:HS4AjexT0<> これは挿絵期待だわ。
絵師さんお願いします！！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/08(金) 23:58:31.26 ID:2QldUMp8o<> 酷いタイトル回収だｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/04/08(金) 23:58:44.24 ID:98/wY5wAO<> タイトル入りましたｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県)<>sage<>2011/04/08(金) 23:59:17.05 ID:IFLbXfX00<> この回収はないだろｗｗｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/08(金) 23:59:53.65 ID:Fbx7/be/0<> 酷いのはエイワスだろ
いくらなんでも今度ばかりはやりすぎだ <> オ・マ・ケ　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/09(土) 00:00:33.36 ID:MZ69PvRqo<>

――エリザリーナ独立国同盟・外れにある銭湯　女性用脱衣所


サーシャ「････････････････････････」ｺﾞｿｺﾞｿ

サーシャ「････････････、･･････あれ？」

レッサー「どうかしましたかサーシャさん？　さっさと着替えて帰りましょうよ」

サーシャ「あ、･･････いや、第一の私見ですが皆さんは先に帰っててください。
　　　　　ちょっと急用を思い出したので･･････」

風斬「？　じゃあ、お先に失礼しますね･･････」ｽﾀｽﾀ

レッサー「垣根さん、あれ多分一〇回くらいは死んでましたよねえｗｗｗ」ｽﾀｽﾀ

エリザリーナ「一方通行も、襲いかかってきたかと思ったら急に昏倒して･･････。
　　　　　　　バッテリー制限だったわね？　どうして急に電極が切れたのかしらね」

<> オ・マ・ケ　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/09(土) 00:01:38.70 ID:MZ69PvRqo<>

ガブリエル「oevmbn部屋cafghj待機wgjhs」

ワシリーサ「･･････････････････」ｽﾀｽﾀ

サーシャ「お、おやすみなさい皆さん。　･･････って、ヴェントは帰らないのですか」

ヴェント「放っとけ、私もちょっと用事があるのよ。　つかアンタどうしたの？」

サーシャ「いえ･･････別に」ｺﾞｿｺﾞｿ



サーシャ（････････････なんで？　私のパンツが無くなってる･･････どうしよう）ｺﾞｿｺﾞｿ



――――――――――――――――――――――


ワシリーサ（･･････ふひひひｗｗ誰だか知らないけどサーシャちゃんの生下着を
　　　　　　私にプレゼントしてくれるだなんて気の利いたサプライズを披露してくれるじゃない）ﾆﾔﾘ

ワシリーサ（今日は朝までクンカクンカしよっと♪　ふっひゅｗｗｗｗｗｗｗｗｗ）

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/04/09(土) 00:05:21.02 ID:3eaYNMlK0<> 誰かなんて分かりきってるだろうがああああああ！！
エイワスてめえサーシャにまで手え出しやがってマジ許せん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/09(土) 00:06:31.07 ID:EoukBcle0<> >>685
迂闊にエイワスにキレたら興味持たれて大変なことになるぞ
もしくは変態なことになるぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)<>sage<>2011/04/09(土) 00:06:39.46 ID:hYtrN3BAO<> ひどいスレタイ回収を見たｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 00:07:39.43 ID:qX41lmDDO<> ワシリーサが20000号に見えてきた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/09(土) 00:07:40.21 ID:LLndJ4LVo<> 急募：エイワスをボコす方法 <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/09(土) 00:07:46.23 ID:MZ69PvRqo<>

･･････････････････。何も言うまい。もう何も言うことはない。私はやり抜いたのだ･･････。


いやー本当、酷過ぎるとかそういうレベルの話じゃなくなってますね。
さて、一番悪いのは結局誰だったのでしょうか。考えたら答えが見つかるやも知れません。

そんで>>631-635、需要あれば考えてますが、普通に考えたらそれは無いと思います･･････。


さて、次回は雰囲気一転フラグパート。前方通行の『トドメ』となります。
ちょっとやりすぎた感のある前方通行をお楽しみください！！

次回更新は三日以内。

それでは皆さん、今日もありがとうございました！

<> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/09(土) 00:08:22.98 ID:MZ69PvRqo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『しっかしオマエが浴衣とはなァ･･････、どォやって着付けたンだよ？』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




『レッサーのヤツにやってもらったのよ。　私は別に着たくなかったんだけど』
―――――――――――ローマ正教、禁断の組織『神の右席』の元一員・『前方』のヴェント



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県)<>sage<>2011/04/09(土) 00:08:39.29 ID:r/P6ioaP0<> >>1
おつ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/04/09(土) 00:09:46.06 ID:3XK+zDLD0<> 乙ゥゥゥ！！
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/09(土) 00:10:15.35 ID:XiH5M0hto<> 久々のおつ！
ガブリエルが素敵！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/09(土) 00:10:52.54 ID:AZxr5vfCo<> 乙！

ギャグパートの次はフラグパートとな・・・やってくれる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/04/09(土) 00:10:52.53 ID:+HlvBT6AO<> 前方通行期待
ちなみに需要はもちろんあります <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 00:11:47.07 ID:zXrKurhr0<> >>1乙です

一番悪いのは可愛すぎる女の子達だと思います <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 00:22:39.16 ID:3eaYNMlK0<> 乙！サーシャ可愛い夜はわわサーシャ
エイワスは下着ドロと冤罪着せた罪で極刑に処すべき、そうすべき

というか>>1よ、>>693は風斬通行のR18もハッピーエンドも無いという事か………orz <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 00:24:27.14 ID:8myoKMDDO<> >>1乙

ていとくん、前に失敗したら死んでもらうとかエイワスに言われてたけどこうゆう事だったのねｗｗ
・・・・・・・垣根ェ <> ◆3dKAx7itpI<>sage<>2011/04/09(土) 00:31:15.11 ID:MZ69PvRqo<> >>701
ごめんなさい、誤解を招くような物言いになっていました。
R-18はともかく風斬通行単体SSは書いてみたいなとは思っていますよ！
そしてこのSSにハッピーエンドが無いということはありません。辿り着くかどうかはともかく、ですが。

失礼しました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/09(土) 00:33:55.67 ID:riiAHigO0<> ていとくんほどの実力があればあいつらくらい一掃出来そうなんだけどなぁ
ヴェントはもう神の右席じゃないし、ワシリーサと風斬とガブリエルは参戦しないだろうし
やっぱりエイワスがなんかしたのか。レッサーは着付けが出来るのか。浴衣ヴェントか。貰った。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/09(土) 00:40:34.39 ID:d2ayN7+Go<> ガブリエル可愛すぎる…
ワシリーサんの一人勝ちでしたな乙！

>>700
うむ。美しさは罪だな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)<>sage<>2011/04/09(土) 00:43:05.52 ID:hYtrN3BAO<> >>704

馬鹿め
浴衣ヴェントたんは既に俺の横で寝ているというのに
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<><>2011/04/09(土) 00:43:24.97 ID:bIU/lytb0<> みんながごちゃごちゃやってる間にオルソラはもらって行きますね☆ｂ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 00:47:37.77 ID:3eaYNMlK0<> ならば、はわわ夜サーシャは俺が養子にもらう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/09(土) 01:07:39.45 ID:EoukBcle0<> >>704
神の右席でないとはいえヴェントは超一流の魔術師だし、エリザリーナだって同じ。レッサーにしてもプロだ。
そしてなにより、このスレの風斬は怒らせると恐いぞ……？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2011/04/09(土) 01:10:41.58 ID:u4ThMitA0<> 乙です！
裸の女の子目の前にして平然としてられる一方通行さんはいったいどうなってるんだ…？
風斬通行大好物です！是非書いて頂きたい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 01:21:04.79 ID:zXr6xrWxo<> >>704
垣根はワシリーサの特訓でボロボロでさらに直前にミーシャにもボコられてる満身創痍状態だし…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 01:33:25.25 ID:3XJBijZSO<> まぁギャグに実力が関係ないのはシティーハンターからの様式美みたいなもんだろｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 01:35:07.62 ID:3eaYNMlK0<> >>711
おい、そうなると最後のワシリーサ戦やばいんじゃねえかていとくん
確か負けたら帝凍庫二逆戻りじゃなかったっけ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/04/09(土) 01:42:34.67 ID:+HlvBT6AO<> >>704
一方通行暴走→ミーシャ「わーい、遊ぼー」→＼(^o^)／
じゃね
一方通行はすぐにダウンしたから、その分ていとくんが… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2011/04/09(土) 02:14:13.21 ID:A4SDMbpCo<> ★エイワス殴り挑戦者急募★
この度垣根帝督様の依頼を受けエイワスに制裁を加える仲間を募集しております！
壁殴りで鍛えたスタッフたちが一生懸命あなたと一緒に戦ってくれます！
頑丈さと打たれ強さに自身のある方一緒にエイワスをフルボッコにしませんか！？万一のときもあなたの屍はスタッフが必ず実家にお届けします！
1発につき\250000〜　※死亡時に備えて生命保険に入っておくことをお勧めします！　24時間営業　年中無休！

　　　　　　　　　∧＿∧　
　　　　 　　　　(´・ω・｀) _､_,,_,,,　　 　　
　　　　 /´`''" '"´｀`Y'""｀`'j 　 ヽ　　　一方通行さまからの推薦により上条当麻様の協力を得ることができました！
　　　　{　,ﾉ' i|　,. ,､ ,,|,,. ､_/´ ,-,,.;;l　　　　また参加者には発条包帯または駆動鎧が支給されます。
　　　　'､ ヾ ,`''-‐‐'''"￣_{　,ﾉi,､;;;ﾉ　　　さらに敵戦力を削ぐ為、ファイブオーバーが3体支援に入ります。
　　　　 ヽ､,　　,.-　,.,'／`''｀,,_　,,/　　　　
　　　　　　`''ゞ-‐'"　`'ヽ､,,､,､,,r'　　　
　　　　　　　 ,ﾉ　 ヾ　 ,,　''";l　
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 02:17:56.08 ID:gbQmPxDIO<> 後日談、切にお願いしたいなぁ。
ヒロインデッドエンディングやった後パラレルとしてず〜っとほのぼのイチャコラしてるスレもあるんだよ！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/09(土) 02:39:01.06 ID:kKcyHSiw0<> >>715
なんという万全のサポート体制
だがまるで太刀打ち出来る気がしねえｗｗｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/09(土) 02:42:39.69 ID:LLndJ4LVo<> 上条さんを如何にして当てるかが肝要だな
上条さん以外では防壁を超えられんし策を弄したところで殴る瞬間に一蹴されてしまう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 02:48:22.63 ID:UqmBBqkro<> エイワス「みんな消しクズになれ〜」ｼｬﾗﾝﾗｰ
これで終わるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(USA)<>sage<>2011/04/09(土) 02:56:24.52 ID:hms5N3vy0<> なんだかんだで結局矛先は全部ていとくんｗｗｗｗｗｗ
楽しみに待ってるぜぃ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/04/09(土) 08:16:43.86 ID:nGZVQ8Rf0<> 乙なんです。
こんなにひどいフラグ回収は初めてだｗｗ　予想外過ぎるｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県)<>sage<>2011/04/09(土) 09:21:16.16 ID:qjHH1O8Q0<> フラグメーカー一方さんのフラグがついに消滅の危機を迎えたｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/04/09(土) 09:34:26.56 ID:Ho8cJNHTo<> 一方さんが全員のフラグを回収して、もう一度最初からやり直してトゥルーエンドだろ？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/09(土) 10:00:02.61 ID:0Tzje2Ur0<> >>715
上条さんではな……最低でも☆の協力が必要だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 13:50:03.29 ID:Tvh9DoWGo<> 垣根ェ…
不憫過ぎるな
ていとくんをまともに心配してくれてのはルチアくらいじゃね？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/09(土) 17:24:49.81 ID:riiAHigO0<> >>715
オッレルスが興味を示したようです <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/09(土) 20:21:09.31 ID:0Tzje2Ur0<> >>715
旅掛さんも興味を示したようです（後方支援的な意味で） <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 22:01:18.71 ID:Bi0utB0X0<> >>1超乙!!
しかし自分に魔術を教えてくれたエイワスが今頃下着ドロをしていることを知ったら…
☆はどう思うのだろうな・・・ｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/04/09(土) 22:15:11.12 ID:nGZVQ8Rf0<> >>1のキャラがどんどんエイワス化してる気がするんだが･･･

この作品は、オシリスの終焉をエイワスが綴っている歴史書なんだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2011/04/09(土) 22:19:52.29 ID:MvVJzSbNo<> 昔の話になるが、>>1が番外編で、
天使同盟が参加する大覇星祭を書きたいとか言ってたが、
あれは結局やらないのかな？

密かに期待して待ってるんだが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/09(土) 22:50:12.49 ID:fZOQNYgIO<> >>729
あれ、知らなかったのか？>>1はエ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/04/09(土) 22:52:13.35 ID:vFve1vXWo<> ガシラ２：４５ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)<>sage<>2011/04/09(土) 23:18:02.52 ID:d2Be5N0Wo<> ΩΩΩ<な、なんだってー!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/10(日) 14:10:36.48 ID:h6fDbor70<> >>731
おい、今そっちに蒼ざめた輝きのプラチナの翼を持った聖守護天使が飛んでったけど大丈夫か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/10(日) 19:56:05.47 ID:6CQTMY0w0<> >>715
よし、俺も行く
そして、帰ってきたらはわわ夜サーシャを養子にするんだ…… <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 22:57:06.48 ID:IZhpGLRdo<> >>716
なるほど･･････そういうのもあるんですね。
ただこのSSでパラレル書いたら信じられない量になりそうだ･･････ｗｗ


と、いうわけで今日も投下していきます。
いよいよ二日目も大詰め。露天風呂で散々な目に遭った男子二人のギャグパートも終わり、

そして今回で前方通行も一応終局･･････になるのかな。


それでは行きます！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 22:57:58.68 ID:IZhpGLRdo<>

――――――――――――――――――――――


エリザリーナ独立国同盟の居住区から少し離れた場所にある銭湯。
そこの男性用脱衣所で一方通行は予め用意されていた着替え用の甚平に着替えていた。
こうしているとここがロシアである事を失念してしまう感覚に陥りそうだ。


結局、女風呂での死闘で一方通行と垣根帝督という学園都市最強のトップ2は完膚なきまでに叩きのめされた。


なにしろ女性陣にはあのエイワスが敵として立ちはだかっているのだ、二人に勝機など万に一つも無かった。
一方通行は速攻で電極チョーカーのバッテリーをどういうワケか強制的にゼロにされ、垣根帝督の『未元物質』も
あっという間に消し飛ばされ、その後は女性陣の皆様に八つ裂きにされた。

垣根帝督は銭湯から鳴り響いた爆音により駆けつけた民間人によって担架で運ばれていった。
電極チョーカーの電源をオフにされ演算能力が無くなった一方通行は気がついたら男湯に一人取り残されて
いたので、今はこうして一人で黙々と着替えているというわけである。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 22:59:12.08 ID:IZhpGLRdo<>

（･･････ちくしょう、体のあちこちが悲鳴をあげてやがる。　とンだとばっちりだ･･････）


向こう側の脱衣所から物音がしない辺り、どうやら女性陣は既に全員居住区に戻っているようだ。
覗き、及び盗撮補助という目も当てられない行為を働いた後にこの静けさだ、
より一層の悲壮感が脱衣所の一方通行から漂ってきている。


（疲れた･･････今日はもォさっさと寝よ）


着替えを終え、杖をつきながらトボトボと歩く一方通行。
そして玄関へ続く扉を開けると、


「あン？」

「あ、･･････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:01:00.03 ID:IZhpGLRdo<>

そこにはポカポカと湯気を体から立たせながら頬をうっすらと赤く染め、
休憩所のソファに座りながら牛乳瓶を片手に団扇を仰いでいる浴衣姿のヴェントがいた。

その彼女の姿はさながら『湯上がり美人』な雰囲気を醸し出しており、
顔の必要以上に濃い化粧も魔術的効果を得るために留めていたピアスも耳に二つ付いているだけ。
珍しく全て曝け出している亜麻色のショートヘアの頭髪はまだ微妙に乾ききってなく、どこか色っぽい。

首にペンダントがぶら下がっていたが、その先に何が付いているのかは懐に隠れていて見えなかった。

一方通行はそんな彼女の姿を見て少し驚いた。
ショッピングの時も思ったが、やはり『神の右席』仕様ではないヴェントはきちんと女の子らしさが窺えた。


「一応聞くが･･････オマエ、ヴェントだよな？」

「うるさいわねこの覗き魔」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:02:35.21 ID:IZhpGLRdo<>

つい先程の騒動の事を思い出したのか、ヴェントは湯上がりで薄く染まっていた頬を更に紅潮させ、
プイッと一方通行から目線を離し牛乳をくぴくぴと飲む。その光景はますますロシアのイメージとかけ離れたものだった。


「風呂の後の牛乳か･･････たまには悪くねェなそォいうのも。　自販機どこだ？」

「････････････あっち」


目を合わせないまま指を差すヴェントに従い一方通行も自販機に硬貨を投入しコーヒー牛乳を購入する。
ここは日本通の民間人の発案で建てられた銭湯らしいが、その民間人はよほど日本の銭湯が好きなのだろう。
でなければこんなビン牛乳自販機など設置するわけがない。日本円でも購入できる仕様になっているし。

一方通行はそのまま写真に撮ったら温泉の宣伝ポスターにでも使えそうな艶やかな姿のヴェントを見て言う。


「オイ、日本じゃ温泉で牛乳飲むときはこォ飲むンだ、やってみろ」

「あ？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:03:30.99 ID:IZhpGLRdo<>

壁に背を預けながらそう言うと、一方通行は足を少しだけ左右に広げて左手を腰に当て、
そのままコーヒー牛乳をグイっと豪快に飲んでいった。
日本人なら誰もが知っている格好での飲み方だが、別にこうやって飲まなきゃいけない決まりはない。


「ぷっはー、ってなァ。　ま、これは黄泉川の受け売りだが」

「･･････バカじゃないの？」

「いいからやってみろよ」


ヴェントはしばらくジト目で一方通行を睨んだが、やがて立ち上がり渋々と一方通行の飲み方を真似する。
正直これは浴衣姿でやってもあまりサマにはならないが、ヴェントはそれでもやってくれた。


「ぷ、ぷっはー･･････」

「この牛乳日本製かよ、わざわざ輸入してきてンだなこの銭湯のためだけに･･････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:04:26.63 ID:IZhpGLRdo<>

「･･････この覗き魔が」

「うっせェな。　そンなつもりじゃねェって言ってンだろォが。
　ありゃ完全に垣根に非がある。　俺は無実だ」


どうやらヴェントはまだ一方通行達が女湯に忍びこんできたことを根に持っているようだ。
当たり前といえば当たり前なのだが、タオル一枚で暴れまくった彼女たちも彼女たちである。
湯船でおとなしくしていた風斬とエリザリーナは賢い選択だと言えるだろう。


と、ここで一方通行はキョロキョロと首を動かした。


（････････････なンだ？）


ふと、一方通行はこの空間に妙な違和感を感じた。
気のせいだろうと無視できる程度のものだったが、それでも胸を微かに圧迫されるような感覚を覚える。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:07:07.97 ID:IZhpGLRdo<>

番台のある休憩所を一通り見回したが、どうやらここには一方通行とヴェントしかいないようだ。
他の女性陣は先に帰っているのだろう。違和感の正体も休憩所を見渡すだけではわからなかった。

だとすると、なぜヴェントだけがここに残っているのか疑問に思うのは当然だ。


「オマエこンなところで何やってンだ？　他のヤツらはもォ帰ったンだろ？
　そンな格好で一人寂しく牛乳飲むよォなキャラには見えねェンだがな」

「･･････････････････」


一方通行に質問され、ヴェントは押し黙る。
彼の声が聞こえていないのではなくここに一人で残っている理由を言おうか言うまいか悩んでいるようだ。
一方通行もコーヒー牛乳を飲みながら彼女が口を開くのを待っていた。


（･･････暑っちィなここ･･････）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:08:38.73 ID:IZhpGLRdo<>

甚平の胸元をパタパタと扇ぎながら一方通行は顔をしかめた。
どうやらこの休憩所は暖房がきいているらしく、天井にあるエアコンから稼動音が鳴り響いていた。
ヴェントが喋らないため沈黙に包まれた休憩所ではその稼動音がやたらと存在を主張している。
多分、外の極寒を考慮して暖房は常時稼働しているのだろう。

しかも番台の側には扇風機が稼働していた。暖房がきいている側で扇風機とは何とも奇妙な状況だ。
恐らくはヴェントが扇風機をつけたのだろうが、団扇まで扇いでいるところを見ると相当暑いらしい。


ならば外に出てしまえば涼を得られるのだが――ここはロシアなので涼どころではないが――、
依然として彼女は休憩所に留まっている。


そんなヴェントがようやく口を開いた。


「･･････アンタを待ってたのよ」

「あァ？　なンでだよ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:09:29.48 ID:IZhpGLRdo<>

ヴェントは一方通行が風呂から出てくるのをずっと待っていたらしい。
自分がどのくらい男湯で気絶していたのかは分からないが、彼女の様子からして
そこまで待たせている感じではなかった。


「別に、ただちょっと話がしたかっただけ。　･･････都合悪いの？」

「･･････いいや」


ヴェントは瓶牛乳の中身を飲み干し、斜め後ろに置いてあるビン専用ゴミ箱へ適当に放り投げた。
そして座っているソファから少しだけ横へずれる。『座れ』と暗に示しているのだろうか。

一方通行は少し躊躇したが、ヴェントが放つ鋭い視線に押し負けて渋々彼女の隣へ腰掛けた。
隣にいる彼女から微かに香る風呂上がり独特の甘い匂いが一方通行の鼻腔を刺激する。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:10:25.12 ID:IZhpGLRdo<>

「しっかしオマエが浴衣とはなァ･･････、どォやって着付けたンだよ？」

「レッサーのヤツにやってもらったのよ。　私は別に着たくなかったんだけど」

「ふーン。　まァ、結構似合ってるけどな。　和服ってのもアリだったか･･････
　買い物の時に買っときゃ良かったなァ。　また今度行くか」

「え。　う、うん･･････」


そっぽを向いてパタパタと団扇を扇ぐヴェント。やはり相当暑いのだろうか。


風呂上がりの女の子が浴衣姿で、しかも誰もいなくなった銭湯で二人きりで話がしたい
というシチュエーションは、思春期の男ならあらぬ妄想を掻き立てられるというものだが、
どうもこの雰囲気はそんな良いものではないように思える。

どちらかというと甘いイベントよりは、何か大事な話があってヴェントは彼を待っていたと考えられる。


「･･････ンで、話ってなンだよ？」


このままでは何時まで経っても事が進展しないと判断した一方通行は、
コーヒー牛乳の瓶を目の前の机に置き、肘置きに寄りかかりながら話題を切り出した。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:13:14.71 ID:IZhpGLRdo<>

ヴェントは俯いてまたしばらく押し黙った。よほど言い出しにくい話題なのだろうか。
しかしこれは彼女から持ちかけてきた事。一方通行が風呂から出てくるのを待つほどだ、
やはりどうしても話したい事なのだろう。

一方通行も待たされる事は嫌いではない。話したい、だが話しにくいという迷いは
彼もよく分かる。なので一方通行は無理に急かしたりせず彼女の言葉を待った。


「･･････アンタさ、私の部屋で言ったよね」

「？」

「私が胸に抱えてる過去の"しがらみ"も何もかも一緒に支えてやるって」

（またその話か･･････）


一方通行はうんざりとした表情を浮かべかけたが、なんとか堪えた。

<> ＶＩＰにかわりましてＮＩＰＰＥＲがお送りします<>sage<>2011/04/10(日) 23:13:47.07 ID:6CQTMY0w0<> あ、天罰術式使ってるなこれ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:15:36.19 ID:IZhpGLRdo<>

これはヴェントにとっては大事な案件だ、露骨に嫌な素振りを見せるわけにはいかない。
そしてこの件については、もう一方通行も他人事ではないのだ。彼はヴェントが抱える『闇』を
一緒に抱えていくと誓ったのだから。

その約束は守っているつもりの一方通行だが、ヴェントは何が言いたいのだろうか。


「あァ、言った。　それがどォした？」

「･･････それって、どこまで本気なの？」

「は？」

「どこまで本気で言ったのかって聞いてるのよ」


どこまで本気だったのか、と聞かれても。一方通行は言葉に迷った。
あの時は適当にあんな約束をしたわけではないし、例えば今日のショッピングだって
彼女のトラウマと言っていい機械仕掛けのアトラクションへ一緒に搭乗したくらいだ。

だから正真正銘、嘘偽り無く、本気で誓ったとしか言い様がないのだが、

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:18:39.77 ID:IZhpGLRdo<>



「･･････私、まだアンタの言葉を信用していない」




そう言われてしまうと一方通行も閉口せざるを得ない。
特に信用してもらうよう努めていたわけではないが、それでも信用してないと言われると
わずかにだが凹んでしまう気持ちになる。


「･･････そォかよ。　そりゃ残念だなァ」

「アンタが適当に、何の気無しにあんなコト言ったんじゃないってのは分かってる。
　だからジェットコースターに乗るときもアンタを誘ったわけだし、アンタとなら乗れるかもって思った」

「ちと過大評価が過ぎるけどな。　まァ光栄なこった」

「でもやっぱり、まだどこかで私はアンタを信用してない」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:21:08.45 ID:IZhpGLRdo<>

ヴェントはローマ正教の暗部、『神の右席』に入って以来、他人の事など信用せず
自分の力だけで自分のためだけに戦ってきた魔術師だ。
その点を考慮すると、出会って数日の"他人"の事を心の底から信じる事が出来ないのも納得出来る。

だが一方通行は疑問を感じた。なぜそんな自分の気持ちをわざわざ一方通行本人に吐露するのか？
もっと彼を信じてみたいという決意の表れなのだろうか、それともこれ以上彼を信じることは出来ないから
自分に関わるなとでも言いたいのだろうか。


「･･････それを言われて、俺はどォ答えたらいいンだ？　ここでオマエへの信頼を勝ち取ればいいのか。
　俺の言葉がどこまで本気だったか、行動でオマエに示してやりゃ満足すンのか？」

「･･････例えば、アンタが途中で面倒になって、約束を放棄するとか」

「ねェよ。　買い被られてると思ったらオマエ、そりゃ幾ら何でも俺を見くびり過ぎだ。
　そンなつまンねェ事をするほど俺は堕ちてねェつもりだ」

「･･････例えば、私がアンタを科学に対する憤怒と憎悪の捌け口にするとか」

「したきゃそォしろよ。　生憎、罵詈雑言の雨は浴び飽きててなァ、そォいうのにゃ慣れてンだ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:25:11.77 ID:IZhpGLRdo<>

「私にそんな事言われたら、アンタは私に対してどう思う？」

「さっきから質問の内容が支離滅裂じゃねェか？　別に何も思わねェよ、慣れてるっつってンだろ。
　俺を対象にストレス発散してェンならいくらでもすりゃいいだろ」


それが、一方通行があの部屋で交わした約束の本意。
彼女が吐き出す『闇』を、憎悪を、怒りを、全て受け入れてやるという彼の決意だ。
今の一方通行なら例えヴェントに理不尽な暴力を振るわれても、それが科学に対する怒りや憎悪から
来ているというのであれば、甘んじて受け入れるだろう。

しかし、


「そう、そこがまだ信じられないのよ」

「･･････？」


いよいよヴェントの言っている事が理解不能になってきた一方通行。
彼女は質問しているというより、一方通行の反応を確かめているといった様子だ。
しかし一体、一方通行にどんな反応を求めているのか、それが分からない。

だが一方通行はこれだけは確信できた。


（コイツ･･････何か『試してやがるな』？）


何を試しているのかまでは分からないが、ヴェントは間違いなく今現在、一方通行に対して
何かを『試している』。それを悟られまいとヴェントは巧妙に隠しているようだが、一方通行は感じ取ることが出来た。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:28:25.03 ID:IZhpGLRdo<>

机の上に置いたコーヒー牛乳の瓶に雫が流れていく。
休憩所の暖房と風呂から上がったばかりの二人が隣接しているためか、蒸し暑さを感じる。
申し訳程度の風力で稼動している扇風機の意味が無くなっていた。

とりあえず近くに扇風機を持ってこようかと一方通行が考えていると、


「･･････例えば。　例えばの話だけど、」

「････････････なンだよ」


ヴェントが一方通行を引き止めるように言葉を発した。
ソファから立ち上がりかけた一方通行は改めて座り直す。

そして、彼女は言った。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:29:56.48 ID:IZhpGLRdo<>



「例えば、『使用者に悪意や敵意を向けただけで昏倒してしまう魔術』があったとして、
　それを私が使ったらアンタはどうするのよ？」




一方通行は開いた口を塞ぐことも忘れ、ただ睨みつけてくるヴェントの顔を凝視していた。
急に魔術の話をされて、一方通行は理解を追いつかせるのに若干のタイムラグが生じてしまう。


そして同時に、さっきからこの空間で感じている『違和感』の正体にも気付いた。


「･･････････････････オマエ」

「気付いた？　まぁ、ここまで言えばアンタなら分かるわよね」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:34:01.19 ID:IZhpGLRdo<>

『天罰術式』。


ヴェントは一方通行が風呂から上がってくる間に天罰術式を発動していた。
エイワスから貰った特注の天罰術式専用霊装。それは従来の天罰術式と違い、
舌につける鎖も必要なければ『神の右席』としての属性も無しで使用できるという
とんでもなく強力で凶悪な、いわゆる『誰でも天罰術式が使える霊装』である。

ヴェントはかつて使っていた天罰術式と同じ要領で霊装に魔力を送り、発動した。
もちろんその様子を見られないよう、他の女性陣が全て居住区に帰った後にひっそりと行っている。


「私は天罰術式を武器に、今まで沢山の敵と戦ってきたわ。　この能力を十二分に活かすために
　わざと相手に嫌悪感を抱かせるような服装、顔、言動、仕草を使いこなしてきた。
　･･････そんな事をしてたら、いつの間にか私の周りから人は離れていったけどね。
　私の側にいたヤツなんて、他の『神の右席』の連中とローマ正教の極一部くらいよ」


そう語るヴェントの表情は、どこか哀愁が漂っていた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:37:21.30 ID:IZhpGLRdo<>

「･･････その天罰術式ってのを今ここで使ってンのか」

「そうよ。　今も絶賛発動中。　どう？　怖くなってきたかしら」


相手を挑発するようなこの発言も、『前方』のヴェントとしての名残なのだろうか。
こういう性格の女だとばかり思っていた一方通行は虚を突かれたような感覚に襲われる。

これこそ、ヴェントが一方通行の本当の気持ちを知るための方法。
天罰術式を使用して尚、一方通行は昨日や今日のショッピングの時のように自分と過ごしてくれるのかどうか、
過ごすことが出来るのかどうか、確かめる方法だった。


「私がアンタを科学に対する憎悪の捌け口にするって言ったら、アンタは構わないって言ったわよね？
　でも、これならどうかしら？　アンタはそれでもこの私と一緒に『闇』を抱えて生きてくれるの？
　無理でしょう、嫌でしょう。　そもそも、これを発動すればアンタはそんな生き方は出来なくなる。
　常に天罰術式を発動させる必要はないけど･･････そうね、これは私からアンタへの最上級の『意地悪』よ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:40:23.43 ID:IZhpGLRdo<>

それもそうだ。相手から常日頃罵詈雑言を浴びせられ続けたら、どんな善人だってその相手に多少なりとも
嫌悪感を抱いてしまう。そしてそうなればアウト、天罰術式は嫌悪感を抱いた人間を無力化させてしまうのだ。


「結局、そういうコトよ。　私はアンタを信じきるコトが出来ない。　こんな霊装が無ければ或いは
　自分をごまかして過ごしていけたかもしれないけど、私は真意を確かめる『手段』を手に入れてしまった。
　･･････アンタのとこの金髪の怪物を恨みなさい。　これはそいつがくれたんだから」


そう言ってヴェントは胸元に手を入れ、首にぶら下がっているペンダントの先を取り出した。
そこには如何にもな十字架が取り付けてあり、淡く発光していた。それが天罰術式の霊装なのだろう。

そしてそれをヴェントに渡したのはエイワスだという。本当にあの野郎はいつどこで誰にちょっかいを出しているか分からない。


「やっぱり、そう簡単に生き方を変えるコトは出来ないのよ。　ジェットコースターに乗った時は
　弟の分までちゃんと楽しもうと思ったけど、そんな気持ちも短時間で霧散してしまった･･････。
　疑心暗鬼に近いのかもね、私は自ら周りの人間を遠ざけていく愚かな女よ」


自身を蔑んでいる現状に呆れたのか、ヴェントは自嘲気味に笑みを浮かべていた。
苛立っているような、しかし今にも泣きそうな、そんな曖昧な彼女の表情を
一方通行は黙って隣で見つめていた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:47:12.84 ID:IZhpGLRdo<> ちょっと中途半端ですが今日はここまでになります。


ていうかですね、やたら書き込みエラーが発生して全然投下出来なかったんですけど
これは私の専ブラに問題があるのでしょうか･･････？明日には修繕されていればいいのですが


さて、次回は前方通行の〆。


そして･･････『天使同盟』運命の日(笑)が訪れます。
次回予告も久々(初めて？)の全員集合です。


明日、投下します。


ではまた！ありがとうございました！ <> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/10(日) 23:48:27.02 ID:IZhpGLRdo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『今までのオマエのおべンちゃらも、俺をその天罰術式でおネンネさせちまおうって魂胆だったンか？
　甘ェ甘ェ、そンなンで嫌悪感を抱くほど、俺の心はヤワじゃねェンだわ』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




『･･････明日、か。　何があるんだろう』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・風斬氷華




『･･････････････････、明日か』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・垣根帝督




『･･････さてさて、明日が本当に楽しみだよ。　なあ？　アレイスター＝クロウリー』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・エイワス




『それじゃあ、また"明日"』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・ミーシャ＝クロイツェフ



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/04/10(日) 23:50:28.67 ID:pdB7wTTAO<> 乙
ミーシャァァァァァァァァァァァ!!!!!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/04/10(日) 23:50:49.09 ID:AuUzVHYAO<> >>1(*'乙`)

ミーシャがまともにしゃべっただと……!? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/10(日) 23:51:01.91 ID:siPDKLAr0<> 乙
ミーシャノイズが… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/10(日) 23:51:23.15 ID:D83oobgi0<> 乙です

え？ミーシャ？ミーシャが･･･ミーシャが喋ってる･･･!!
やっぱラストが近いのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/10(日) 23:52:12.72 ID:cJAJh3Zi0<> ここで止めてくるか、乙！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/10(日) 23:53:49.38 ID:CzFqRFFzo<> 乙！
ガブリエル！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/10(日) 23:58:51.33 ID:p67PomISO<> >>748

ROMってろ生ゴミ <> ＶＩＰにかわりましてＮＩＰＰＥＲがお送りします<>sage<>2011/04/10(日) 23:59:24.34 ID:6CQTMY0w0<> ミーシャのノイズがサーバーにきたのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/11(月) 00:09:39.00 ID:rdVCGNBAO<> 乙

ミーシャァァァァァァ!!!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/11(月) 01:40:58.79 ID:e+8Dy7Of0<> 乙！ミーシャ喋ったか･･･本当に最期が近いんだな。寂しくなってきたわ･･･ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/11(月) 08:48:59.59 ID:YISBoAPN0<> 乙
ガブリエルがしゃべりよる！
･･･マジごめん

☆がどうなるか、どう出るかが楽しみで不安で仕方ない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/11(月) 16:20:40.82 ID:irOLXH0DO<> >>748
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/11(月) 18:09:03.04 ID:7SGAHjXIO<> >>1おつ

>>736
信じられない量を書ききって伝説になればいいじゃないか
いや、まぁ>>1が書きたいものを書いてくれればそれを黙って美味しく頂くんですけどね
パラレルで色々な伏線やら設定から解放されて無責任にｷｬｯｷｬｳﾌﾌを垂れ流すのも楽しいよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/11(月) 19:43:56.15 ID:7JNi4tUSO<> ミーシャ… <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:44:28.19 ID:G99XD6ioo<> 誰も前方通行パートに触れねえ･･････これが天使の力か、さすがは大天使ミーシャ＝クロイツェフ。

そんなわけでこんばんわ。相変わらず沢山の支援レスをありがとうございます。

では予告通り、今日も続きを投下していきますね。
今日で前方通行が終わり、そしてロシア編二日目も終了します。

ようやく最終章が見えてきました。頑張ります。


では、レッツラゴー！


今日は順調に投下出来るかなぁ･･････ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:45:25.83 ID:G99XD6ioo<>

『神の右席』を抜けてようやく普通の女の子として生きていけるチャンスを得たというのに、
ヴェントは再び天罰術式という無慈悲で凶悪な魔術を手に入れ、『前方』のヴェントに戻ってしまいかけていた。


もうそんな魔術は使うな。君はもう『神の右席』じゃない。天罰術式なんてものにすがる必要はない。


例えそんな言葉を投げかけても、励ましにもならないだろう。
ヴェントは『神の右席』としての時間が長すぎたのだ。もう普通の女の子として振る舞うのは難しいのかもしれない。

ショッピングの時に見せた女の子らしい一面も、先のように皆で楽しく温泉に入る事も、
彼女にとってはほんの一瞬の『幻想』でしかない。

『幻想』ならばあのツンツン頭の少年の、この世で最も不可解な右手で消せるのだろうか？
否、それは不可能だろう。これはヴェント自身が心の奥深くに抱いている『想い』なのだから。

あまりにも常軌を逸した自己嫌悪っぷりに、ヴェントは自身が天罰術式にかからないのが不思議でたまらなかった。
天罰術式にそんな効果はないが、いっそのこと自己嫌悪で永遠に昏倒していたいとすら思った。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:46:50.10 ID:G99XD6ioo<>

「悪いけど、私のコトはもう放っておいて。　アンタの『偽善』はもうお腹いっぱいなのよ」

「････････････････････････」


これも天罰術式を喰らわせるための発言なのだろうか。
ショッピングや風呂で見せた『本来』の彼女の面影は、どこにも残っていない。


しかし、




「････････････ハッ。　なンだそりゃ、笑えてくるな」



<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:48:10.52 ID:G99XD6ioo<>

一方通行は倒れない。天罰術式の効果で昏倒したりすることは無かった。
即ち、それは彼がヴェントに対して悪意や敵意を抱いていないという事実に繋がる。


「今までのオマエのおべンちゃらも、俺をその天罰術式でおネンネさせちまおうって魂胆だったンか？
　甘ェ甘ェ、そンなンで嫌悪感を抱くほど、俺の心はヤワじゃねェンだわ」

「････････････話聞いてた？　今はそうでもこのまま私と『闇』を抱えていけば
　いずれアンタも天罰術式の包囲網に引っ――――――」

「今もいずれも同じだクソボケ。　俺はずっと、一生『俺』のままなンだよ。
　そして今、俺は倒れてねェ。　ならこれからも俺が天罰術式を喰らうって事はねェってこった。
　惜しかったな、俺にそンな魔術の知識を吹きこまなきゃ或いは俺を倒せたかもしンねェのによォ」


ゲラゲラと悪ガキのように笑う一方通行は、やがて驚愕で見開かれたヴェントの目を真っ直ぐ見つめる。
そんな彼の視線に耐え切れず、ヴェントは慌てて視線をよそに投げた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:48:58.76 ID:G99XD6ioo<>

「使いたきゃ使えよ、これからも、その天罰術式ってマヌケな魔術をよォ。
　言っておくが俺にはもォ一切通じねェから、その事実だけはその愉快な構造の頭にぶち込ンどけ」

「な、なんでそんなコトが言えるのよ･･････？　天罰術式を甘く見すぎてるんじゃない？
　この魔術に有効範囲なんて概念は存在しない。　アンタが地球の裏側にいようが
　銀河の果てにいようが、私に対して嫌悪感を抱けばそれでオシマイなのよ！！
　ボヤけた写真とか映像でもダメ。　それをどうやって突破するって言うの？」

「マジで言ってンですかァ？　てかオマエ自分で言ってて気付かねェの？
　こンなンガキ向けのなぞなぞ問題集にも載ってそォな簡単な打開策じゃねェか」

「ど、･･････どういう意味よ」

「その天罰術式ってのは『敵意』や『悪意』、つまるところ嫌悪感に対して
　効果が発動するンだろ？　ならその逆、『好意』を抱けば通じねェじゃねェか」


ドクン、と一層大きな音を立てて鼓動が脈打つヴェントを無視して一方通行は言ってのけた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:50:03.60 ID:G99XD6ioo<>



「オマエがこれからも天罰術式を使うってンなら、俺はもォオマエに好意しか向けねェ」




生まれて初めてそんな事を言われた、というような表情を浮かべたままヴェントは固まってしまった。
ただし、その顔だけは食べごろのリンゴのように紅潮してしまっている。

ただただ、ヴェントに対して好意を向ける。好意的に接する。
なるほど、確かにそれなら天罰術式は何の意味も持たなくなってしまうだろう。
この魔術は相手の敵意や悪意にしか効果が働かないのだから。

しかし人間を相手に好意だけを向け続けるというのは容易いことではない。
どんな仲の良い恋人だって、親友だって、兄弟だって、親子だって、相手に対して嫌悪感を抱く瞬間は必ず存在する。

だがなぜか、この隣に座ってからからと笑っている一方通行という男なら、そんな事もやってのけそうな気がした。
なにせあのミーシャ＝クロイツェフという天使の面倒をこれまで見続けてきた男なのだ。
人間相手にそのような感情を抱き続ける事くらい、彼にとっては容易なのかもしれない。

もっとも、『大昔』の彼ならそれは不可能だっただろうが。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:51:32.62 ID:G99XD6ioo<>

短く息を吐き、一方通行は固まったままのヴェントの方をジロリと見る。
そしてズイっと彼女の顔に自分を顔を近付けると、そこでようやく彼女はビクンと体の硬直を解いた。


「な、なな、何よ･･････？」

「口だけの野郎じゃねェってとこを見せてやろォか？」


突然そんな事を至近距離で言われ、ヴェントはまともに呼吸をすることが困難になってしまう。
さっきから短い間隔で脈打つ自分の心臓の音がうるさくてしょうがない。

目と鼻の先まで一方通行はヴェントに顔を近づける。彼女は何も言えず、何の行動も起こせない。
ただ自然と、自身の瞳を閉じてしまうだけだった。


そして、


「"俺はそのオマエのクソ忌々しい顔なンざ、正直もォ見たくねェンだわ"」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:52:09.43 ID:G99XD6ioo<>

一方通行はヴェントに向かって、そんな事を言った。
あまりに出し抜けな発言に、ヴェントは思わず目を開いてぱちくりさせてしまう。


「ほォら、な？　倒れねェ」

「え･･････？」


一瞬彼が何を言っているのか分からなかったが、ヴェントは胸元にぶら下がっているペンダントを見て理解する。
天罰術式の特注霊装は変わり無く発光を続けており、魔術が発動中であることを示している。
今の一方通行の発言は明らかに『悪意』が見て取れたが、彼は健在だ。

つまり、本音ではないという事になる。


「楽勝だな、『神の右席』。　まァ九月三〇日の俺に対してこれ使われてたら正直ヤバかったかもしンねェけど」

「･･････････････････」

「今はもォ違う。　俺に天罰術式は通用しねェ。　完全に信用しろとは言わねェが、
　それでも少しは信用してくれりゃこれから先もオマエに対して接しやすくなるンだが･･････」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:53:02.22 ID:G99XD6ioo<>

うーン･･････と、一方通行は何かを考え始めた。
これから先、天罰術式を使用し続ける彼女に具体的にどう接しようかと悩んでいるようだ。

休憩所の蒸し暑さも相まってヴェントは全身がしっとりと汗ばんでいた。
その理由に彼の発言と、彼の真意が分かった現状もあるのだが。

チラリ、と真っ赤になった自分の顔を見る一方通行に対して、ヴェントは団扇を扇ぎながら慌てて取り繕った。


「こ、これはあれよ！？　暑いから！　ここちょっと蒸し暑いでしょ！？
　だからその･･････顔が赤くなるのも無理はないってコトよ、わかる！？」

「いやわかってるけど･･････」

「････････････わかってないわよ」


しばし沈黙が続いた。一方通行はボケーッと天井を仰いだまま微動だにしないし、
ヴェントもヴェントで俯いたままパタパタと忙しなく団扇を扇ぎ続けるだけだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:53:48.01 ID:G99XD6ioo<>

もうこれはごまかせないな、とヴェントは心中で静かに諦めた。


彼に対する、今の自分の想いを。


「････････････アンタの言い分は分かったわ」

「あン？」

「とりあえず、信じてみる。　それでも完全にとは言えないけど、
　これから少しずつ、ゆっくりと時間をかけてアンタのコト信じてみる。
　････････････それで、いい？」

「あァ、好きにしろ。　俺もたまには努力してやっからよ」

「う、うん。　･･････じゃあ、その、これから･･････よろしくね」

「はいはい」


もうまともに一方通行の顔を見ることが出来なくなってしまったヴェントは、
ひたすらに団扇を扇ぐことしかしなかった。

しかしその顔には、年相応の少女の無垢な笑みが浮かんでいた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:55:11.63 ID:G99XD6ioo<>

しばらく沈黙が続いた後、一方通行が不意にこんな事を言ってきた。


「･･････そォいや、その天罰術式の霊装ってのは『女王艦隊』とは違って首にぶら下げるモンなンだな。
　俺ァてっきりその十字架も舌先の鎖に付けるモンだと思ってたわ」


これは公式の天罰術式の霊装ではないため、鎖に繋げる必要が無いだけなのだが
ヴェントはあえて説明しなかった。


「それにオマエ今『女王艦隊』の霊装も付けてねェみてェだが、やっぱ風呂や寝るときは外すモンなのか？
　魔術にゃ詳しくねェからその辺は俺には分からねェンだけどよ」

「そりゃそうよ。　あんな物、常住坐臥ってわけにはいかないもの」

「そォいやメシ食ってる時も外してたっけか」

「い、いちいち人が食事してる時に口なんか見てんじゃねえよ･･････」

「･･････にしても、やっぱよく考えりゃ厄介な魔術だなァ天罰術式ってのは。
　俺がオマエに気ィ遣うって事はしねェが、それでも他のヤツらがオマエに嫌悪感を抱いて昏倒するよォな事が
　あったらどォ対処すりゃいいンだ･･････その辺も考慮していかねェとなァ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:56:14.43 ID:G99XD6ioo<>

手を顎に添えてうんうんと唸り出す一方通行。
その様子からしてどうやら本気で、真剣にヴェントの事を考えてくれているようだった。


本当に、何でも背負い込む男だなとヴェントは隣で再び考え込んでいる一方通行を見て思った。


ここまで自分の事を考えてくれる人間など、自分に好意を向けてくれた男など、
人生でたった一人、自分の弟くらいのものだっただろう。

ヴェントはそれが複雑で、でも素直に嬉しくて、


「･･････もういいわよ。　そんな事考えなくても」

「何？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:57:17.23 ID:G99XD6ioo<>

ヴェントは淡く発光し続ける天罰術式の霊装をペンダントから取り外すとそれを籐製の床に置き、
どこに持っていたのか銀色のピアスを一つ耳に追加して、


虚空から有刺鉄線付きのハンマーを取り出して霊装を叩き割ってしまった。


床に蜘蛛の巣のような亀裂が走り、エイワスお手製の霊装は見るも無残に砕け散っている。
そしてどこからか緩い風が吹き、ヴェントの手からハンマーが煙のように消え去った。


「トチ狂ったか？」

「もういらないのよ、私に天罰術式なんて。　･･････アンタが私の事を想ってくれてるから」

「････････････そォかい」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:58:26.73 ID:G99XD6ioo<>

「･･････これでも、アンタは私に変わらず好意を向けてくれる？」

「悪ィが、"こっから先は"一方通行だ。　･･････って言いてェとこだがなァ。　
　ったく、進入禁止だってのにズカズカと土足で入り込ンで来やがって。
　俺にここまで考えさせるよォな話を持ち込ンできたのはオマエだ。　
　もォ好意だけに留まらねェかも知れねェぞ。　俺の領域に入った以上、逃しはしねェ」


そう言って、学園都市最強の超能力者は照れ臭そうに頬をポリポリと掻いた。
そんな人間臭い仕草をする白い化物の様子を見てヴェントはクスっと笑い、


「･･････そういえばさっき、『女王艦隊』の霊装は付けないのかって聞いたわよね」

「あ？　あァ、四六時中も付けてられるかっつゥ話だろ？」

「そうね、それもあるけど―――――」


と、ヴェントはダルそうにソファに腰掛けている一方通行の首に腕を回して言った。




「―――――舌に鎖なんて付けてたら･･････、"やりにくい"でしょ？」

「あン？　何が――――」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:59:08.10 ID:G99XD6ioo<>




こうして、一方通行はロシアでの二日目を過ごしていった。

明日に何かが起きるとエイワスから聞かされているが、一方通行はどんな試練が待ち受けようとも
エイワスの気疲れするようなサプライズが開催されようとも、それを乗り越えられる自信があった。




明日。




人生で最も大きな挫折が彼を容赦なく襲い、その心がへし折れてしまう事も知らずに。



<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 19:59:49.32 ID:G99XD6ioo<>

――――――――――――――――――――――


風斬氷華は居住区で借りている自分の部屋へ戻っていた。
彼女は鼻歌交じりに学園都市から持ってきていた自分の衣服類を整理していた。

さっきの露天風呂の一件で風斬は大変恥ずかしい思いをしたが、今となってはそれも良い思い出だ。


「いっぱい服買ってもらっちゃったな･･････。　明日、一方通行さんにちゃんとお礼を言わないと」


ショッピングで一方通行に買ってもらった衣服等の到着を楽しみにしながら彼女は言う。
彼と二人きりで、とはいかなかったがそれでも彼女は満足していた。
レッサーやサーシャ、そしてヴェントらと楽しく交流出来た事が風斬にとっては何よりも嬉しかった。

･･････ショッピングの途中、一方通行が様々な女性と関係を持っている事が明らかになったが、
別に風斬は一方通行を束縛し、自分だけの物にしたいという願望は全く無いのでそれは問題ない。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:00:52.14 ID:G99XD6ioo<>

（･･････ちょっと嫉妬しちゃうけど）


時計を見る。間もなく午前〇時を回ろうかというところだった。
そろそろ寝ないと、明日の生活を元気に送れなくなってしまう。
もっとも、AIM拡散力場の集合体である風斬氷華に睡眠は必要ないが、これも人間として振る舞うための習慣だ。


（･･････明日、か。　何があるんだろう）


エイワスは言っていた。明日には全てが明らかになる、と。


あの金髪の言うことはいつもロクな事ではないが、それでも風斬は少しだけワクワクしていた。
なんだかんだでエイワスが用意するサプライズは、最終的には皆が楽しんでいる例が多いからだ。


不安6、期待4の割合で胸を高鳴らせながら、荷物の整理を終えた風斬は可愛らしいデザインの寝間着に"フォームチェンジし、
ベッドの布団に潜り込んだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:01:27.60 ID:G99XD6ioo<>


明日は、どんな風に皆と楽しく過ごそうか。そんな事を考えながら、風斬は静かに寝息を立てて眠る。




明日。




最も大切な存在である『彼』と、ずっと一緒にいたいという願いが打ち砕かれてしまうとも知らずに。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:02:35.51 ID:G99XD6ioo<>

――――――――――――――――――――――


垣根帝督もまた、居住区で借りている一室のベッドの上に寝転がっていた。
顔には強烈な平手打ちを喰らったような所謂『椛』の痕がついていたり、体中に青アザが出来ていたりと
散々な状態だったが、彼はそれに対して不満を抱くということは無かった。反省してるのだろうか。


（･･････････････････、明日か）


垣根はその手に自作のルーンの札を持ち、それをしげしげと眺めていた。
最近、こうして過ごす時間が増えてきた気がする。


垣根帝督はエイワスが明日に全てを明らかにする事を知らない。
だが例え知ったとしても、彼はそこまで興味を持ったりはしないだろう。

垣根が待つ明日は、一方通行達とはまた違う明日なのだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:03:38.87 ID:G99XD6ioo<>

元『殲滅白書』の最強のシスター、ワシリーサとの最後の魔術訓練。
そこで『ワシリーサに魔術による攻撃を当てる』という目標を達成することが出来なければ、
垣根帝督はエイワスによって学園都市へ『送還』される。

もちろん、五体満足で送還されるわけがない。垣根にとって明日の訓練の失敗は死を意味するのだ。


しかし、垣根帝督は物怖じをしたりはしない。彼はこれまでの人生で何度も命の危機に脅かされており、
実際に一度、学園都市最強の超能力者によって『死』を体験している。

それでも彼はその幾多の死地を乗り越えてきた。途中、余計な死亡フラグを何度も立ててきたが、
現にこうして彼は生きている。垣根帝督に死亡フラグなどという常識は通用しない。


そして何より、垣根はかつて自分を『虐殺』した超能力者にこんな事を言われている。


『"オマエがこそこそと何をしよォとしてンのかは知らねェが"、勝手に死ンだりするンじゃねェぞ。
　それと勝手にどっか消えたりしても許さねェ。　これだけは肝に銘じとけアホ』

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:04:24.73 ID:G99XD6ioo<>


なんて自分勝手なヤツだ、と垣根は思った。
学園都市で起きた暗部抗争の際、自分をあんな目に遭わせておきながらそんな事言ってきた一方通行に、
しかし垣根は不思議な感情を抱いていた。


「････････････言われなくても死なねえよ。　お節介野郎が」


ふん、と鼻で笑って不貞腐れたように垣根はごろんと寝返りをうち、そのまま眠りについた。
明日、ワシリーサに対してどうやって一撃を喰らわせてやろうかと算段を立てながら。




明日。




垣根帝督がとった行動で、とある銀髪のシスターが悲痛の涙を流してしまうとも知らずに。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:05:18.93 ID:G99XD6ioo<>

――――――――――――――――――――――


エイワスは居住区の――勝手に借りた――一室で、どこから持ってきたのかパソコンを弄っていた。
指先一つで何でもこなしてしまうこの金髪の悪魔が人間が産み出した文明の利器を利用するとどこか違和感を覚えてしまう。


エイワスは他の面々とは対照的に、ただ明日が来るのを純粋に楽しみにしていた。
この聖守護天使にとって明日とは、単純に大きな祭りが行われる日に等しいからだ。
明日の結果がどういう方向に転ぼうと、エイワスにとってはそれは愉しいことでしかない。
人間、そういう立場になれば皆が皆エイワスのようになってしまうのだろうか。


（･･････なるほど、一方通行は結局、ヴェントの『闇』をも背負いこむことにしたというわけだ。
　やはりあの"似非霊装"を作り上げた価値はあったか）


似非霊装。
それはエイワスが露天風呂に向かう前、ヴェントに手渡した天罰術式の霊装。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:06:23.90 ID:G99XD6ioo<>

実はヴェントがエイワスから受け取った霊装はただの『照明用低級魔術』の霊装であり、
あの十字架で天罰術式を使用することは不可能だった。
ヴェントが十字架に魔力を送った際に淡く発光したのはそのためだ。

つまり、属性を無視して天罰術式を使用できるというエイワスの言葉は、全くのデタラメ。
なので一方通行が銭湯の休憩所で昏倒する可能性など皆無だったという事だ。


ならばあの時、一方通行の胸中にヴェントに対する嫌悪感がわずかでもあったのかと言うと、


（それにしてもさすがは第一位。　天罰術式の効果を知った上であの対応か･･････。
　君はやはりいつでも私を愉しませてくれる。　どこまでも興味が尽きない対象だな）


そう。あの霊装が本物であろうが偽物であろうが、ヴェントに対する一方通行の想いは変わらなかった。
あの時の一方通行の胸中には、ただ純粋にヴェントへ向けられた好意しかなかった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:07:35.73 ID:G99XD6ioo<>

エイワスがその気になれば本物の霊装を作ることなど恐らく造作も無いだろうが、エイワスはあえて
偽物の霊装を作り、手渡し、結果を観察した。


一方通行とヴェントの心が通じ合うことでエイワスが得られるメリットなど存在しないが、
エイワスがそんな物を求めることはない。

エイワスはただ『観察』し、愉しい見世物を観賞出来ればそれで満足なのだから。


（･･････ミサカネットワークへの干渉はギリギリまで避けたほうが無難か。
　アレイスターに勘づかれては面倒だからな）


エイワスはパソコンの電源を落とし、軽く手を振る。それだけでそこにあったパソコンやキーボード、
ケーブル類は全て音もなく闇に消えた。


そして窓から見える夜空の月を、どこか憂いげな表情で見やる。
普段はフラットな表情か怪しい笑みを浮かべているだけのエイワスがこんな表情を見せるのは非常に珍しい。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:08:13.91 ID:G99XD6ioo<>

月。
それはホルスの『右目』に位置する、夜の主役。


（懸念すべきは『右目』ではなく『左目』･･････。　『星の欠片』とて、『歳月の船』の進行を妨げれば葬られるだけだ。
　･･････さてさて、明日が本当に楽しみだよ。　なあ？　アレイスター・クロウリー）


この日の夜、エイワスはずっと月を眺めて一夜を過ごした。




明日。




自身の目論見が思わぬところで躓き、全ての計画が破綻してしまったとしても、最後に笑うのは自分だと確信して。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:09:30.83 ID:G99XD6ioo<>

――――――――――――――――――――――


――十一月某日。


この日記を記すのも最早何度目だろうか。
最初の方に比べると、だいぶ文字も上手く書けるようになってきた。


ついにここまでやってきた。


まもなく、『位階』へ通じる門はこの世から綺麗さっぱり消失してしまう。
そうなれば自身の存在を支えている力は無くなり私は消滅、否、『還る』事になるだろう。

結局、私がこの世でやり残した事は果たせなかった。
でも、もういい。私は我儘が過ぎた。私は本来、この世に顕現し続けてはならない存在。


窓から空を眺める。数多の星が美しく輝きを放っている。
これだけを見ると明日に起こるであろう事が本当に起きるのか疑問に思ってしまう。
それくらい、今夜の星は綺麗だ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:11:34.76 ID:G99XD6ioo<>

今日は本当に楽しかった。

『天使同盟』とレッサー、サーシャ、ヴェント、ワシリーサ、エリザリーナの皆で露天風呂という風呂に入った。
ただ、男と女で浴場が別れているのはちょっと気に入らなかった。皆で一緒に入れる方が楽しいに決まっているのに。

『タオル』というものを体に巻きつけて皆は湯浴みをしていた。
誰かが言っていたが、なぜ同性しかしないのに羞恥心を抱くのだろう？体を見られる事自体が恥ずかしいのだろうか。

私はそのまま湯浴みをした。すると、エイワスが『魔法』を用いて皆が使用していたタオルを消失させてしまった。
（厳密には『魔法』という表現は正しくないのだが、この世界には該当する言葉が存在しないため『魔法』と記述する）

その時の大騒ぎぶりときたら、これがまた楽しい。やはりエイワスはそういうところはきちんと心得ている(笑)
(笑)、とは感情を簡略化して表現する方法らしい。なぜだか私には嘲笑の意にも思える。

その後にていとくん(親しみを込めてこう記すことにする、本人はなぜか嫌がっているが）と一方通行がやって来て
皆で大騒ぎした。最高に楽しかった。なぜか皆、二人を追い返そうとしていた。なぜだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:13:20.10 ID:G99XD6ioo<>

今日は皆が寝静まった後にエイワスが私のところに来ることはなかった。もう来る必要は無いということなのだろう。
今までは真夜中にこっそりと私のところへ来て色々な事を教えてくれたものだ。
私に必要な言葉や知識を教えてくれたり、彼らが話していた話の内容を詳しく説明してくれたり、

他にも、学園都市の今の現状という私にとってはあまり有益でない情報も教えてくれた。
なんでも学園都市では今新たなる『闇』が暗躍しているのだとか。意味はよくわからないが。

そして彼、一方通行の事も毎日のように教えてくれた。
彼は過去に犯した過失を胸に、日々葛藤しながら生きているらしい。過去の詳細は聞かなかった。


彼。


一方通行とは結局、通じ合うことは出来なかった。いや、交流するという意味では十分に解り合えたのだが、
私の真意は伝えられなかった。伝達の御使い失格だ(-_-;)　記号で表情を表す方法らしい。面白い。

でも、それでもいいと私は考える。前述の通り、私はあまりに我儘が過ぎる。
彼と、『天使同盟』と永遠に生きていきたいなど、立場をわきまえていないにも程がある。

本音を言えば、これからも彼らと、旅で知り合った魔術師やシスターとも一緒に過ごしたい。
還りたくないという気持ちが生まれたのは初めてだ。これも全て、彼と接触してからの『感情』だ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:14:46.69 ID:G99XD6ioo<>

でもあの魔術師、アレイスター・クロウリーがそうはさせてくれない。
あの魔術師は如何なる方法を用いてでも私を『位階』へ還そうとするだろう。
それに対して怒りを感じたりはしない。アレイスター・クロウリーが行おうとしている事は正しいのだから。

しかしあの魔術師は、あろうことか彼らにまで牙を剥こうとしている。
それは許せない、それだけは止めなければならない。


私の身に宿る力は徐々に取り戻されつつある。もうすぐ消えてしまうという事実を前に焦燥する私の感情と呼応しているのか、
まもなく私は本来持ちうる全ての力を取り戻す。いや、新たに力を生み出しつつあるのか。


もう、やめよう。
これ以上記し続けると、この世界に留まりたくなる気持ちが爆発し、耐え切れなくなってしまう。

ここから位階へ戻る時にはこの日記帳を持っては還れないだろうから、今ここで記しておく。


氷華、ていとくん、エイワス。これからも楽しく人生を謳歌してください。
風邪には気をつけて。

そして旅で出会った数多くの人間達。私のことは記憶の片隅でもいいから覚えておいてくれると嬉しい。
ロシアでの争いの際にはあんなに大勢の人間に迷惑をかけてしまった事をここで詫びる。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:16:13.48 ID:G99XD6ioo<>


それから、





一方通行。





やっぱり、これは自分の口から、自分の言葉で伝えたいのでここには記さないでおく。
いつの日か、誰かが私の日記を読んでくれたりするのかなぁ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:16:48.33 ID:G99XD6ioo<>

――――――――――――――――――――――


ミーシャ＝クロイツェフは静かに日記帳のページを閉じ、腰の布の中に収めた。


そして、誰に言うでもなくポツリと、窓から見える夜空を見上げながら呟いた。






「それじゃあ、また"明日"」





<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:17:22.91 ID:G99XD6ioo<>






この日以降、ミーシャ＝クロイツェフの日記帳が更新される事はなかった。






<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:21:38.38 ID:G99XD6ioo<> はい、今日は以上となります。

前半の前方通行パートはやりすぎじゃないか、と思われる方もいらっしゃると思いますが、
実は書きため時はこれより甘い展開になっていました。が、さすがにひどすぎたので修正したわけですが･･････
いかがだったでしょうか？

ロシア編二日目も無事に終了し、次回からはいよいよ運命の三日目。

まず最初に動き始めたのは･･････もちろんあの男です。


次回更新は三日以内。


それでは、今日もここまで読んでくれた方に感謝しながらお別れします。
ありがとうございました！

<> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/11(月) 20:22:07.55 ID:G99XD6ioo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『･･････さて、と。　んじゃ、行くとしようか。　面倒事はさっさと片付けるに限る』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督




『は〜ろろん♪　垣根の坊や、待ってたわよん』
―――――――――――元『殲滅白書』のシスター・ワシリーサ



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/11(月) 20:29:31.20 ID:2RGd0vNT0<> 乙！

前方通行パートのヴェントちゃんに2828が止まらなかったが
クライマックスへ向けての不吉な文でそんな気持ちが吹っ飛んじまったぜ…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2011/04/11(月) 20:32:38.54 ID:G7kxJ3h/o<> 乙！
何というか、もう最終章なんだな……
ていとくんがかっこよく見えるのは何故なんだぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/11(月) 20:57:42.97 ID:ld0H97Bk0<> ＞「オマエがこれからも天罰術式を使うってンなら、俺はもォオマエに好意しか向けねェ」
そういう意味だと捉えればもう物凄いこと言ってるよねこの第一位。
もはや天然タラシ以外の何者でも無いよね。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2011/04/11(月) 21:21:55.57 ID:8f2XhXc30<> 時々、
一方通行「そンなブラクラヘシ折ってやる」
に見える。
頭のブラがブラウザかブラックかは皆さんの想像にお任せ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/04/11(月) 21:30:25.59 ID:2QtddtyAO<> >>811を読んでブラがあっちのブラしか考えられなかったのでここでヴェントたんの下着は貰っていきますねﾊｧﾊｧ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/11(月) 21:37:03.29 ID:mcl3WsFK0<> 一通さんの心がへし折れるだと？
…………ハッピーエンドで終わりますように <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/11(月) 21:49:03.72 ID:TrkDYZ2Ho<> もうガブリエルしか見えない！
乙！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/04/11(月) 22:00:30.29 ID:Z8w14l/S0<> >>実は書きため時はこれより甘い展開になっていました。

没ネタ書きこんでもいいのよ。むしろプリーズ！
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/11(月) 22:01:30.97 ID:rdVCGNBAO<> 乙
俺達に出来ることは、ただハッピーエンドを祈る事だけだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2011/04/11(月) 22:54:14.84 ID:Zo72gE3Bo<> 改めてヒロインがガブリエルだと思った話だった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/11(月) 23:05:57.42 ID:njiCNeU0o<> 乙

なんか全員不吉なフラグが立ってる
天使同盟が破砕されかもしれないなんてどれだけの戦力が投入されるのやら…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/11(月) 23:14:33.70 ID:hgkvi+BAO<> >>1乙
魅せるねぇ <> ＶＩＰにかわりましてＮＩＰＰＥＲがお送りします<>sage<>2011/04/11(月) 23:48:13.85 ID:D42sAI9+0<> 乙
ミーシャからもていとくんって呼ばれてたのか……ってか、銀髪のシスターって誰だ？
サーシャは金髪だし…………？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/11(月) 23:52:49.07 ID:mcl3WsFK0<> インデックス…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/04/12(火) 00:30:59.63 ID:bpwyd1WAO<> 一方さん何気に告白してるし！
これ完全に（攻略に）入ってるよね

不吉なフラグ？
大丈夫だろ、そんなフラグは我らがリーダーがへし折ってくれる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/12(火) 00:50:44.42 ID:hc1JFKQ80<> 前方通行パートごちそうさまでした。
このSSを読んで初めて、風斬通行に萌えさせられ前方通行に目覚めさせられ、エイワス通行が何気に大好きにさせられてしまったが
今はもうただ明日を乗り越えて、天使同盟や関わった皆が幸せで居てほしいと切に願うわ

ミーシャたんまじ天使 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/12(火) 01:57:13.89 ID:BmQAZXZDO<> >>806
〉甘い

ふむ、一見の価値はあるようだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/04/12(火) 05:02:10.94 ID:3EIalwiz0<> 上条さん視点で見たらふぐ鍋食ってたらいきなり最終決戦か
何処行っても不幸だな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/12(火) 09:36:49.22 ID:k/tcZTbSO<> >>825
上条さんの最後の晩餐はきっとひもじいやつなんだろうよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/12(火) 11:09:47.75 ID:Ak0DduR90<> フラグというよりも「実際に起こります」って書かれちゃったからなあ
我々はフラグという言葉に甘えすぎているのだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/12(火) 16:38:37.49 ID:b7Oa1KNM0<> 乙
我らがリーダーの心がへし折れて、それで終わりであるとは誰も言っておらん！
そんなことを言えば、エイワスとのキスや学芸都市での一件で一通の心は何度もへし折れておる！
ここまで「心が折れる」というの連呼するのは、逆にハッピーエンドへのフラグであるとは思わんかね！？

･･･真面目な話、ここまで強調されてると「フラグ」ってのはなんかの霊装やシステムのことなんじゃないかと思い始めてきた。
旗っぽい意味を持つ霊装･･･使途十字的な何か？
フラグに始まりフラグに終わる感じがするんだ俺 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)<>sage<>2011/04/12(火) 21:24:23.52 ID:lTbZv4CE0<> 確率変動霊装<<フラグ>> <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/12(火) 22:44:03.88 ID:Pado3A/IO<> 「この気持ち、まさしく愛だ！！」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/04/12(火) 23:33:05.43 ID:bpwyd1WAO<> 一方通行〈ﾌﾗｸﾞｵﾚｰﾀ〉
死亡フラグ、恋愛フラグ、生存フラグを自由に折ることができる。

旗折術式
対象に好意を持った人物を昏倒させて強制的にフラグを折る。
ヤンデレ専用。

バカなこと考えた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/13(水) 01:14:47.27 ID:+lheq66j0<> フラグブレイカーに通ずる物を感じるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/13(水) 02:26:00.23 ID:hjEg7r0K0<> >>830
一瞬何のことかと思ったが、そりゃフラッグファイターだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/13(水) 19:11:46.04 ID:+lheq66j0<> >>833
わかりにくくてごめん、上条さんの事なんだ
フラグを乱立する割には本人が鈍感な為
女共の幻想（フラグ）をぶち[ﾋﾟｰｰｰ]、という意味で幻想殺し（フラグブレイカー） <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/13(水) 19:26:40.82 ID:V45My/0Yo<> >>834
安価が自分に向いてるかどうかぐらい見分けろよ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/04/13(水) 21:00:32.56 ID:Y1/V3x8AO<> >>834
あちゃー <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:41:11.11 ID:lg6sPMUxo<> こんばんわ、今回もたくさんの支援レスをありがとうございます。
今日も投下しに参りました。

こんなにもハッピーエンドを望まれてたなんて･･････嬉しいです。
ただどう終わるかは別として最終章はあまり期待しない方がいいかと･･････ｗｗ


さて、今回はロシア編三日目。長かったですねここまで来るの。
三日目のスタート飾るのは『天使同盟』のミスター死亡フラグ、さてどうなることやら


では行きます。 <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:42:02.69 ID:lg6sPMUxo<>

――――――――――――――――――――――


『天使同盟(アライアンス)』がロシアに滞在してから三日目の朝。


垣根帝督は静かに起床した。


「････････････････････････もう朝かよ。　一瞬だなホント」


昨晩は全く夢を見なかった垣根にとっては朝の太陽は張り切り過ぎなんじゃないかと思った。
ベッドに寝転がって少し目を閉じ、ふと気がつけば朝だった。

カーテンを開ける。垣根の寝ぼけた頭の覚醒を促進するように容赦なく太陽の光が差し込んでくる。
垣根はそんな太陽に向かって思いっきりガンを飛ばし、反抗するように乱暴にカーテンを閉めた。

枕元に視線を向けると、そこには自分で作成したルーンの札が乱雑に散らばっていた。
垣根は面倒臭がりながらもそれらをかき集め、一つの束にしていく。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:43:05.09 ID:lg6sPMUxo<>

いよいよ、この時がやってきた。


今日は元『殲滅白書』最強のシスター、ワシリーサとの最後の魔術訓練が予定されている。
今まで二度垣根帝督は彼女に挑み、その都度ボッコボコにされてきた。
二度目はかなり惜しいところまで迫ったのだが、結局彼女が発動した新たな魔術の前に敗北してしまった。

そして、今日が三度目。
これでワシリーサが提示してきた目標、『ワシリーサに魔術による攻撃を当てる』が達成出来なかった場合、
垣根帝督は『死』を迎えることになる。

正確には『死』ではなく、アレイスターの実験材料として学園都市へ送還されるだけなのだが、
垣根帝督にとってはそれは死よりも残酷な結末だ。


垣根は普段どおりの調子で顔を洗い、歯を磨き、冷蔵庫にあった食料を適当に胃に詰め込み、
服を着替え、ルーンのデッキホルダーを忍ばせたジャケットを上から羽織る。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:43:53.83 ID:lg6sPMUxo<>

「･･････さて、と。　んじゃ、行くとしようか。　面倒事はさっさと片付けるに限る」


『死』を突きつけられても気負う事なく、恐れる事なく、垣根は軽い足取りで外へと出た。
居住区にはあまり人が居なかった。今はまだ午前五時を少し過ぎた辺りだ、当然といえば当然だろう。

訓練場はもちろん、例の地下防空壕跡地。
とくに待ち合わせ場所の指定はしていないが、そこで待っていればワシリーサもやってくるだろう。
そして、あの金髪の怪物も。


くああ･･････と、垣根は大あくびをしながらのんびりと歩を進める。
これからちょっとした『殺し合い』に向かう人間とは思えないほど彼はリラックスしていた。


別に垣根帝督は自信があるわけではない。

そもそも、ヘタをすればこれから行う特訓で彼は死んでしまうかもしれない。
そうでなくとも結局は失敗し、アレイスターの玩具に舞い戻る可能性だって十分にある。
だが彼は失敗を恐れ、この先起こり得る不幸から目を背けているわけでもない。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:44:43.90 ID:lg6sPMUxo<>

垣根帝督は、ただありのままの現実を受け止めるだけだ。


しかし、


（･･････ま、やっぱ死ぬわけにはいかねえんだよな。　あのクソ白髪がうるせえし）


昨日、一方通行に言われた『勝手に死ぬな』という言葉。
自分を死に追い込んだ張本人からそう言われるのもおかしいし癇に障るが、その言葉を胸に
垣根は悠然と地下防空壕跡地に向かった。


死ぬなと言われた。じゃあ死なない。

簡単な話だ。


「じゃ、暴れてくるか」


垣根は周りに人の気配が無い事を確認すると、マンホールの蓋のような四角い鉄の板を横にずらし
魔術訓練に使用している地下空間へと降りていった。

果たして、彼がここから五体満足で出てくる事はあるのだろうか。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:45:47.18 ID:lg6sPMUxo<>

「は〜ろろん♪　垣根の坊や、待ってたわよん」


開口一番、ワシリーサは相変わらず意味不明の掛け声と共に垣根帝督を迎えた。
しんと静まり返った地下空間で、彼女はいつもの赤い修道服を着こなし、腰に手を当てて堂々と佇んでいる。


「先に来てたのかよ、珍しいな。　いつもの『サーシャちゅわ〜〜ん』はどうした？」

「ま、サーシャちゃんエネルギーは昨日のお風呂でたっぷり補給したしね☆
　それに今回ばかりは私も面倒臭がってらんないかにゃ〜んと思って」


垣根が地下空間に到着した時には既にワシリーサがいた。
一体いつから待っていたのか、彼女から漂う雰囲気からしてもう戦闘準備はバッチリといった様子だ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:46:35.03 ID:lg6sPMUxo<>

「確か今日は『未元物質(ダークマター)』の使用制限が解除するって話だったよな。
　あれはエイワスが勝手に決めた事だけど。　俺も『未元物質』で試してえ事があんだ。
　悪いが遠慮無く使わせてもらうぞ？」

「私にゃその『未元物質』ってのが何なのかサパーリ分かんにゃいけど、
　今日はもう縛りプレイ無しでガンガン突いちゃってちょうだいな♪」


今日は垣根帝督が所有する第二位の超能力、『未元物質』が使い放題だ。
これさえあれば恐らくワシリーサ相手にも余裕で善戦出来るだろうが、あくまでも目標は、


「『私に"魔術による攻撃を当てる事"』、忘れないでよねん」

「わかってる、エイワスはまだ来てねえが待つ必要はねえな」

「うん」


それじゃ･･････、と垣根がジャケットの懐に手を入れたところで―――――、

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:47:38.29 ID:lg6sPMUxo<>

「一本足の家の人喰い婆さん―――――」

「さっそくかよ！！　まあ実戦になりゃ相手が待ってくれるわけねえし･･････なぁ！！」


――――――――垣根帝督とワシリーサの最後の魔術訓練がいきなり幕を開けた。


「幸薄く誠実な娘のために力を貸してくださいな♪」


前回と変わらず、ワシリーサは童女のような歌声で『バーバ・ヤーガ』と呼ばれる妖婆を召喚した。


が、


「遅えよ」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:48:20.33 ID:lg6sPMUxo<>

バオッッ！！！という轟音と共にどこからともかく暴風が巻き起こり、
ワシリーサの前方に現れた妖婆は紙くずのように宙高く巻き上げられてしまった。


「わぁお！？」


本当に心から驚いたらしいワシリーサはそのまま自分にも向かってくる暴風をサイドステップで避け、
"既に地上から姿を消していた"垣根の姿を忙しなく視線を泳がせながら捜す。

ワシリーサが上空に目を向けると、そこには垣根帝督の姿があった。
しかし、それはワシリーサがいつも見てきた垣根の姿ではなかった。


「あんびりーばぼー･･････垣根の坊やってマジもんの天使ちゃんだったの？　似合ってねえ〜」

「心配するな、自覚はある」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:49:23.53 ID:lg6sPMUxo<>

垣根は背から無機質な純白の翼を複数枚生やして空を舞っていた。
その翼は眩しくない程度に発光しており、現出した際に無数の羽根を地下空間に撒き散らしていた。


「ていうか空飛ぶのってズルくね？」

「戯言ぬかしてんじゃねえ、いくぞ」


ドチャッ！と、バーバ・ヤーガが地面に不自然な体勢で墜落するのと同時、
垣根帝督は『未元物質』の翼を大きく肥大化させ、ワシリーサを取り囲むような形状に変化させた。
ワシリーサが翼の包囲網から抜け出す猶予も無いくらい、その展開速度は恐ろしいスピードだった。


（や、ば。　逃げ場無いじゃんこれ――――）


バーバ・ヤーガに指示を出す前にそれは放たれた。


四方八方、あらゆる角度から容赦なく襲いかかってくる暴風のオールレンジ攻撃。
ズギャギャギャギャギャ！！！、とワシリーサは何度も地面に叩きつけられ無様に地面を転がっていく。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:50:51.34 ID:lg6sPMUxo<>

そこで攻撃の手を休めるほど第二位は甘くない。
地面に転がり込むワシリーサに向けて、垣根は『未元物質』の翼による斬撃を実行する。
これまたほぼ死角なしのオールレンジであり、このまま喰らえばワシリーサの肉体は細切れになってしまうだろう。


が、やはりワシリーサもそこまで甘くはなかった。


（チッ）


垣根が心の中だけで舌打ちをする。
ワシリーサは腕の力だけで地面を思い切り叩き、白い翼の包囲網のわずかな穴に向かって跳ねた。
彼女が叩いた地面が勢い良く陥没する。どれほどの怪力を秘めていればそんな事が起こるのか。


包囲網から抜けだしたワシリーサは素早く体勢を立て直す。
そんな彼女の顔からは既にいつもの余裕の笑みは消えていた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:52:25.92 ID:lg6sPMUxo<>

「おっけーおっけー」


ワシリーサの赤い修道服には所々に破れた箇所がある。そこから見える若々しい素肌からはじわりと鮮血が滲んでいた。
彼女の唇の端からも血が流れている。ワシリーサはそれを妖艶に舌を動かして舐めとり、


「やっと"追いついたわ"。　こっからは私もエンジン全開でいかせてもらうわよん」


瞬間、ワシリーサは地下空間から消え去った。それに呼応するように妖婆も垣根に向かって
信じられない速度で跳躍してくる。


（･･････ワシリーサはカエルになりやがったか？　ともかく今は――――）


バーバ・ヤーガの攻撃に備えなければ、と垣根は瞬時に翼を縮小させて自身の体を覆うようにした。
ゴゴガガガッ！！！、と鈍い音が何度も垣根の鼓膜を揺さぶる。妖婆が『未元物質』に連撃を繰り出しているようだ。


（こ、のババア･･････！！！　俺の『未元物質』に衝撃を！？）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:53:52.75 ID:lg6sPMUxo<>

この時、垣根は自身の身を守る『未元物質』に『物理的現象による衝撃が伝わらない法則』を組み込んでいた。
にも関わらず、バーバ・ヤーガは容赦なく白い翼を凄まじい攻撃力で揺さぶる。

物理法則だけでは説明できない、不可思議の法則。
バーバ・ヤーガの攻撃には明らかにそれが含まれており、それを未だ把握しきれていない垣根は
徐々に徐々に連撃の波に押されていく。


垣根は複数の内の一枚の翼を斬撃用の形状に変えて妖婆に向かって突く。
だが妖婆はあり得ないほどの反応速度でそれを難なく避け、地面に着地した。

そしてもちろん、垣根はこの時もワシリーサに対する警戒を怠らない。
その証拠に、


「上だろ？」

「む、」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:55:03.55 ID:lg6sPMUxo<>

遙か上空には飛び蹴り体勢をとっているワシリーサの姿があった。
それに気付いた垣根は正面を見据えたまま、上空から奇襲をかけようとしていたワシリーサに烈風を放った。
ワシリーサはその風をまともに浴びてしまう。


だが、


「ふっ！！！！」


いつから手にしていたのか、ワシリーサは例の『髑髏のランプ』を風に向かって突き出し、
そのままランプを爆散させた。『未元物質』の暴風がかき消される。
その衝撃と熱で垣根はバランスを崩し、身を覆わせていた翼が乱れて隙間が出来てしまう。


（しまっ―――――）


自らの油断を悔いる前に垣根の頭に鈍痛が走った。
ワシリーサによる上空から落ちる速度と体重の威力を重ねた空中かかと落としがまともに直撃した。
ヒュン、という空気を切る音と共に垣根はそのまま尋常ではない速度で地面に叩きつけられる。


土煙が立ちこもる。垣根の姿が見えなくなったがワシリーサはお構いなしに追撃の飛び蹴りを食らわせようとする。

しかし手応えを感じた瞬間、ゴキィン！！というとてつもなく硬度が高い鉱石に当たったような音が響いた。
飛び蹴りを放ったワシリーサの足がじんじんと痺れる。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:56:20.26 ID:lg6sPMUxo<>

ワシリーサの足に当たったのは垣根が展開した『未元物質』だった。
頭上を覆うようにドーム状に展開させている。


（･･････なんなのあの羽根？　今の蹴りは七階建てのビルくらいなら一撃で真っ二つに出来る
　威力だったんだけどにゃー）


そんな馬鹿げた威力の蹴りを垣根にぶちかまそうとするワシリーサもいよいよ本気だが、
彼女は初めて見る未知の物質に眉をひそめるだけだった。


ワシリーサはドーム状に展開された翼の頂上を踏み台にし、くるりと軽やかに飛んで綺麗に地面へ着地する。
ここにきてようやく空白の時間が生まれた。土煙が晴れ、垣根帝督が姿を現す。


「･･････痛ッてえな」

「それはこっちのセリフ。　足がへし折れるとこだったじゃない」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:58:00.18 ID:lg6sPMUxo<>

展開させていた翼を元に戻す垣根。　頭からは目を覆いたくなるような量の血が吹き出ていた。
ワシリーサのかかと落としを喰らった時に頭が割れてしまったのだろう。中身が出てないのが幸いである。

しかしそんな大怪我を負っても垣根の表情に変化はない。
これよりも酷い怪我を、ワシリーサから、そして一方通行から負わされている経験が活きているのだろう。


垣根帝督は背後の気配を察知する。彼の背後にはバーバ・ヤーガが不気味に佇んでいた。
そして前方にはワシリーサ。彼女の表情は真剣そのもので、おちゃらけた様子はもはや微塵も感じられない。

ワシリーサが軽くバーバ・ヤーガに視線を送る。それだけで妖婆の手には『杵』が握られていた。
初めての魔術訓練の際、垣根の頭を叩き割った木製のボロい杵だ。
後ろに目を向けていない垣根は妖婆が杵を握っている事に気がついていない。


そして激闘は再開された。


垣根は前方にも後方にも向かわず、『未元物質』の力で再び二〇メートル程上空へ舞い上がった。
ワシリーサとバーバ・ヤーガの動きが把握できる位置取り、最適の選択肢だ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 21:59:34.85 ID:lg6sPMUxo<>

しかし垣根はそこで目を見開く。上空には既に複数の髑髏のランプが彼を歓迎するようにふわふわと漂っていた。
さっき体験してわかったが、この髑髏のランプの爆破攻撃はなぜか『未元物質』では防げない。
ワシリーサによる爆風攻撃の時、垣根はしっかりと衝撃と熱を感じているのでそれは分かっていた。


すかさず垣根は翼を振るって大量に浮いている髑髏のランプを薙ぎ払っていく。
ドドドドドガガガガガガガガッッッ！！！！！と、爆音が連続して地下空間に轟いた。

下の方でバガンッ！！と地面が砕ける音が聞こえた。妖婆が杵を構え、垣根に向かってミサイルのように
飛んでくる音だった。垣根は慌てず翼をバーバ・ヤーガに向けて突き出す。

するとまたしても地面を踏み砕く音が聞こえた。今度はワシリーサが跳躍してきたのだ。
空を飛ぶのはズルいと言っていたが、ここまでジャンプ出来るならそう変わらないだろうと
垣根は口には出さず呆れる。

そして翼の一部の形状を変化させ、バーバ・ヤーガと同じようにワシリーサにも照準を向ける。


そこで垣根はハッとした。辺りを見ると数十、いや数百個程の髑髏のランプが
いつの間にか垣根を取り囲むように空中を漂っているではないか。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 22:00:39.56 ID:lg6sPMUxo<>

「多角的攻撃。　さっきのお返しだべ〜♪」


地下空間を埋め尽くさんと髑髏のランプはうじゃうじゃと沸いていた。
空中にいる垣根から遙か遠く、全く関係の無いところにまで髑髏のランプは出現している。
どうあっても垣根を逃がさないつもりらしい。


（恐らくこのランプにゃ触れただけで爆破する性質が備わってるはずだ。
　だったらこのランプを出したヤツ、今こっちに飛んできてるワシリーサの野郎の
　軌道線にゃランプは存在しねえ！！！）


垣根はワシリーサと妖婆に照準を向けていた翼を素早く元に戻し、
現出させている全ての翼を全身に纏った。
そしてそのまま、白い巨大な弾丸となった垣根は飛んでくるワシリーサに向かって真正面から突撃する。
ロシア突入時、対プライベーティア戦で用いた攻撃方法だ。


それを見たワシリーサがバーバ・ヤーガに指示を送る。
すると空中で飛んでいる妖婆の側にふわり、とやたら胴の長い『臼』と、くたびれた『箒』が出現した。

妖婆が臼に乗り箒を掴んで、騎手が馬に指示を送るようにパシンと臼を叩くと、
それに応じて妖婆を乗せた臼がビュン！！と『Uの字』に方向転換をして地面に降りていった。
宙に浮いている髑髏のランプが妖婆に道を開けるように素早く移動する。

それはまるで、空を変則的な動きで自由自在に飛び回るUFOのようだった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 22:02:44.41 ID:lg6sPMUxo<>

垣根は妖婆がそんな行動をとっている事に気付かず、そのままワシリーサに突っ込んでいく。
垣根の推測通り、ワシリーサの軌道線には髑髏のランプは一つも無かった。
ランプはワシリーサの邪魔にならないよう、自然に道を作っていた。

このまま激突すればワシリーサはただでは済まない。
音速寸前の移動速度で突撃する『未元物質』の弾丸をまともに喰らってしまえば
彼女の全身の骨が粉々に砕けてしまうだろう。


しかしワシリーサは、


「おいで、垣根の坊や」


こちらに向かって笑顔で走ってくる子供を抱擁して迎え入れようとする母親のように、
柔和な笑みを浮かべながら両腕を大きく広げるポーズをとった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 22:03:48.76 ID:lg6sPMUxo<>

明らかに、何かを企んでいる。
しかし彼女と激突するまであと数秒もない。無理に軌道を修正すれば周りに浮かぶ
髑髏のランプの餌食となってしまう。


そして、白い弾丸とワシリーサは接触した。
最高速度の戦闘機が人体と衝突すればこんな音がなるかも、というような聞いたこともない衝撃音が鳴り響く。


「ハイ捕まえたァァァァあああああああああああああああああ！！！！！！！！！！」

「！！！？」


ビキビキビキ！！！と、何かが千切れるような音がした。

それは音速並の速度で激突してきた白い弾丸の垣根帝督を二本の腕で強引に抱き止めたため、
筋肉繊維が千切れていくワシリーサの腕から発せられた音だった。


ゴホッ、と咳き込むワシリーサの口から鮮血が飛び散る。垣根を受け止めた際に
肋骨か内蔵を痛めたのだろう。しかし、

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 22:06:08.38 ID:lg6sPMUxo<>

（ウソだろコイツ！！？　･･････ッッ！！　翼が広げられねえ！？）


ギシッ、ギシッ、と『未元物質』を展開させようとする垣根だが、ワシリーサの
人外的な怪力のせいで広げることが出来ない。身動きが取れなくなってしまった。
ワシリーサはその辺に浮いていた髑髏のランプを足場にして着地する。

触れただけで爆発するはずのランプに足を乗せても爆破しないところを見ると、
どうやら先程の垣根帝督の推測は外れていたらしい。

垣根はすぐさま『未元物質』に『人肉が焼け爛れる程の高熱を発する法則』を組み込む。
すると『未元物質』を抱き抱えているワシリーサの腕と胸がジュジュ〜、と音を立て容赦なく焼かれていった。
しかしワシリーサはそんな事で動じたりするような修道女ではなかった。


ならば、と垣根は『未元物質』を解除し一旦消失させようとしたのだが、
それを読んでいたワシリーサの方が一歩早かった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 22:07:19.17 ID:lg6sPMUxo<>

「ワシリーサ投手、最初の第一球を･･････振りかぶって。　･･････ん投げたァァァあああああ！！！！」


ボギュッッ！！！という轟音を響かせながら、あろうことかワシリーサは
『未元物質』に包まれた垣根帝督を思い切り地面に向かって投擲してしまった。

地面に向かっていく『白球』は軌道線上に浮かぶ髑髏のランプを次々と爆破させながら
空を切って地面に突貫していく。
そのランプの爆破の衝撃と炎が容赦なく中身の垣根を襲った。


「ぐ、く･･････ッ！！」


こうなってしまってはヘタに『未元物質』を解除するわけにもいかない。
この速度で生身で地面に激突してしまえば垣根は勢い良く割れた水風船のようになってしまう。

なんとか地面に接触する前に翼を広げて飛翔しようと試みるが、そこでワシリーサの声が聞こえた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 22:10:27.04 ID:lg6sPMUxo<>

「さぁ！！　バッターのバーバ・ヤーガ選手、打球をよーく見極めてぇ〜〜〜〜･･････」


垣根はギョッとした。バッターとは何だ？バーバ・ヤーガはさっきまで自分に向かって飛んでいたはず。


しかしそんな垣根の予想はあっさり裏切られる。バーバ・ヤーガはとっくに地面に降り立っており、
プロ野球選手も感心するような綺麗な打撃フォームをとっていた。その手にはあの杵が握られている。

『未元物質』の性質をどう変えればこの窮地を乗り越えられるか。
第二位の能力の応用性は非常に高い。冷静に演算をすればいくらでも対応出来るはずなのだが、
今の彼にそこまでの余裕は無かった。


激しく焦燥する垣根を無視し、その杵はビュバッ！！！と鼓膜を劈くような音を立て、


「打ったァァァァああああああああああああああ！！！！！」


ワシリーサ投手の渾身のストレート球を見事に捉え、垣根帝督を観客席まで吹き飛ばした。
打撃音など垣根の耳には届かなかった。インパクトの瞬間、既に垣根の意識が断たれていた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 22:17:40.67 ID:lg6sPMUxo<> 『未元物質』だけで戦って散々弱らせたあとにゆっくり魔術でいたぶるなんてのもアリですが、
それじゃ訓練の意味が無いですね。

というわけで、こんな感じで始まった三日目なのですが･･････
この訓練、書きためを見直してみたらすごく長かった･･････。

しばらくは垣根くんの頑張りに皆さんを付き合わせてしまう事になりそうです。
もしよろしければ応援してやってください。


次回更新は三日以内。


それでは、今回もここまで読んでくださった方に感謝しながら一旦お別れです。
ありがとうございました！

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/13(水) 22:18:43.16 ID:lg6sPMUxo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『―――――――、まさか』
―――――――――――元『殲滅白書』のシスター・ワシリーサ




『以上の二つは『布石』だマヌケ。　いい感じの"ウェルダン"になれよババア』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督




『私にとってはこれも非常に愉快な見世物だからね』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・エイワス



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県)<>sage<>2011/04/13(水) 22:19:16.88 ID:Tf+wL5OQ0<> 乙―
さきに香典置いときますね　つ日 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/13(水) 22:19:33.22 ID:8B27j/7v0<> 乙
まさに一本足打法 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/13(水) 22:21:55.49 ID:9nbdjACVo<> 乙

確かにていとくんも第二位だから学園都市ではトップクラスの演算力と頭脳なんだよな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/13(水) 22:27:24.24 ID:1CoMeExDo<> >>864
メインの代わりを務められるからスペアって言うんだぜ
一方通行の代わりを務められる唯一の存在 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/13(水) 22:33:58.48 ID:t6f5MBUy0<> 乙
第一位は恋愛フラグ、第二位は死亡フラグか。今回の予告もフラグに見えちまうわ
でも、ていとくんがフラグをヘシ折る事を願ってるよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/13(水) 22:35:28.63 ID:hjEg7r0K0<> 乙
ていとくんほどの才能があればパーソナルリアリティに魔術法則を組み込んだ
アクセラ式魔術も使いこなせると信じてる、俺信じてるから！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/04/13(水) 22:40:37.99 ID:JljRKoLSO<> ていとくんガンバレ
マジガンバレ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/13(水) 22:48:22.57 ID:A9ydSuheo<> >>865
かませだからあまり思わんけどそうなんだよな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/13(水) 23:05:28.41 ID:+lheq66j0<> >>835-836

うわ、凄い恥ずかしい……orz <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/13(水) 23:40:04.75 ID:6BLLcQ/oo<> 乙乙

頑張れていとくん
なんか君、日常パートではあんまりいいことないから戦闘シーンくらい決めて見せろw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/14(木) 02:38:25.25 ID:FYuv9gTO0<> しかしワシリーサ本当バケモンだな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/14(木) 04:15:55.66 ID:6Ty5b2XMo<> 何だかこの垣根は振り切れたとき、パピヨンの如く「いっぺん死を臨んでみろ！」とか言い出しそうだ
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/14(木) 11:36:13.59 ID:XpZ9TF4IO<> 垣根は頑張って欲しい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/14(木) 19:48:36.05 ID:gNt0lVKv0<> ワシリーサの身体能力が聖人並な件について <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/14(木) 20:00:02.68 ID:GnTr4vCAO<> >>875
せいぜいヤムチャぐらいだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/14(木) 20:14:07.45 ID:IfXm9y8U0<> >>876
どの時点の？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県)<>sage<>2011/04/14(木) 20:19:43.63 ID:pmaPYmJoo<> そういえば魔法と未元物質はどちらも普通の物理法則から外れた能力なんだよな
そんなわけわからない法則同士をかけ合わせるとか無茶にも程があるな

魔法の上位の力や能力がテレズマ(天使の力)で天界に通じているし、
未元物質も別世界である天界から粒子や法則を取り出しているから、
実は未元物質を通して魔法を使うと副作用は生じないか軽くなったりするのかも <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/14(木) 20:25:20.86 ID:QKueNDeIO<> 魔法と魔術は別物じゃないのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/14(木) 20:43:07.48 ID:aoKW6VdIO<> 神話や伝承、民話、民謡に沿って行使されるのが魔術。
超自然的な現象を起こすのが魔法、

だと俺は思っている。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/14(木) 20:47:03.03 ID:QH7XPyXIO<> >>880
俺が三十過ぎても童貞なのは超自然的な現象だったんだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/04/14(木) 21:53:26.36 ID:/e2AxJP/o<> >>881
まあ普通の生物は一生の半分近くを終える頃には子孫残してるからな
ある意味超自然的な現象かもしれない

俺も今年で２４か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)<>sage<>2011/04/15(金) 05:19:26.49 ID:CJe0aSGR0<> 俺も今年で７９か、早いものだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/15(金) 12:22:04.70 ID:yo9wJ+cAO<> >>877
VSサイバイマン <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/04/15(金) 16:25:55.70 ID:nrWy/bfW0<> あの時点で聖人並のフィジカル持ってる気がするんだが… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/04/15(金) 16:26:45.17 ID:hw/jXt8n0<> >>884
あの時点で聖人並のフィジカルを持ってる気がするんだが… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/15(金) 18:58:09.61 ID:O+u9Xaem0<> まぁ上位の奴がちょっと本気を出しただけで惑星が崩壊するという世界観のドラゴンボールのキャラと強さ比べするのが間違ってるよな。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/04/15(金) 19:08:29.15 ID:gO1Dfn2Vo<> 神戮ぶっぱの天使より俺強いとか言ってた奴いるし、上位が地球破壊余裕なのは変わらなくね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/04/15(金) 19:17:02.19 ID:wFWDL1DBo<> そもそも神がデｎ
スレチだろ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:19:01.74 ID:zNlfPOrPo<> ワシリーサは原作でもむちゃくちゃな強さだった覚えがあるので
やりすぎくらいがちょうどいいかなと思ってこんな感じにしました。
むしろワシリーサ相手に渡り合えてる垣根がおかしいくらいかも･･････。

こんばんわ、>>1です。投下しにきました。
今回も最後の訓練をお送りします。未元物質を前にしても余裕のワシリーサ相手に垣根は･･････。


それでは、いきます！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:20:03.20 ID:zNlfPOrPo<>

『未元物質』ごと垣根帝督は勢い良く防空壕の壁に激突する。壁には芸術的と言ってもいいほどの
綺麗な亀裂があらゆる方向に走っていた。
壁にぶつかった衝撃でパラパラと遥か上の天井から砂埃が落ちてきた。
これほどの衝撃だ、『未元物質』を解除していたら垣根の肉体はぐずぐずのミンチになっていたかもしれない。


『白い弾丸』は地面から七〇メートル程離れた高さの壁にめり込み、そのまま音もなく落下していく。
垣根の意識が断絶されたままならここで勝負アリなのだが――――、

落下途中、『未元物質』の翼が元の飛行状態へと展開されていった。
垣根は既に意識を取り戻していたのだ。
そのまま彼は空中に停滞する。そして地面にいる『バーバ・ヤーガ』の方をジロリと睨みつけた。


そして妖婆もそれに応えるように、歯が大量に抜け落ちている口を三日月型にニマァっと裂き、
骨だけの両足で臼に飛び乗り、片手に杵、片手に箒をしっかりと握って空中の垣根を
窪んだ眼でギロっと見やった。そして、

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:20:54.80 ID:zNlfPOrPo<>

「一本足の家の人喰い婆さん―――――」


ワシリーサの歌を合図に、垣根と妖婆は空中で激突した。
妖婆の振るう杵が垣根の『未元物質』を容赦なくへし折っていく。
垣根の振るう『未元物質』が妖婆の肢体を容赦なく斬り刻んでいく。

両者の激しい攻防は地下空間を不気味に震えさせ、聴覚器官がイカレてしまうのではないかと
思わせるほどの轟音を奏でる。


やがて、垣根の『未元物質』は全て粉々に砕かれ、彼は空中から叩き落とされてしまった。
約三メートルの高度から落とされたため命に別状は無いが、それでもすぐに体勢を立て直すことは出来ない。

全身をズタボロに斬られ、もはや人の形を成していないバーバ・ヤーガは
それでも構わず残った一本の腕にある杵を構え、臼に乗ったまま地面に倒れ伏す垣根に猛スピードで突進した。

口からボタボタと赤黒い液体を吐き出している垣根は、うつ伏せのまま首だけ動かして
バーバ・ヤーガの姿を確認する。と、同時に背中から『未元物質』の純白の翼を現出させた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:21:49.24 ID:zNlfPOrPo<>

（いい加減飽きたわよん、そのパターンは）


ゴバァッ！！！とその翼がバーバ・ヤーガを包み込むように大きく形状を変えて捕える。
しかしワシリーサは冷静に妖婆に指示を与え、それを受けた妖婆は急激に飛行角度を変更して
『未元物質』の包囲網から抜けだした。

そのまま妖婆はミサイルのように垣根へと照準を定め、再び突貫していく。
この速度では『未元物質』の展開は間に合わないだろう。
位置的な関係で翼から暴風を発生させても妖婆には当たらない。


そんな絶体絶命の状況下で、垣根は笑みを浮かべながら言った。


「あんな高さから叩き落とされたって、口から吐血はしねえっての」


その声を聞いても妖婆が突進を止めたりするような事は無かったが、ワシリーサは眉をひそめた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:22:28.15 ID:zNlfPOrPo<>

「ついさっき翼の包囲網展開は抜けられてんだ。　もう通用しねえのは重々承知だ」

「―――――――、まさか」


ワシリーサは垣根の狙いに気付くが、コンマ数秒遅かった。
既に勢い良く突進している妖婆を止めることは出来なかった。


垣根は口の端を歪ませて笑みを作り、右腕を素早く妖婆に向かって突き出した。
その手には『ルーン』の札がある。




「以上の二つは『布石』だマヌケ。　いい感じの"ウェルダン"になれよババア」




瞬間、


垣根にとどめを一撃を喰らわせようと突進していたバーバ・ヤーガの体が、突然勢い良く燃え始めた。
どこに力を入れればそんな声が出るのかという悍ましい悲鳴をあげて妖婆は地面に落下する。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:23:55.11 ID:zNlfPOrPo<>

魔術。


垣根帝督はこの訓練で初めて、ようやく魔術による攻撃を執行した。
その攻撃をまともに喰らった妖婆は激しく燃え上がり、バタバタと地面を跳ね回る。

やがて妖婆は動かなくなり、だらりと全身の力が抜けていき、そのまま灰となって散っていった。

初の訓練で煮え湯を飲まされた妖婆を相手に、垣根帝督はついに逆襲を果たすことに成功した。
彼はバーバ・ヤーガが燃え尽きた事を確認するとゆっくりとした動作で立ち上がる。
その隙にワシリーサに攻撃される恐れがあったが、彼女は何も仕掛けてはこなかった。

代わりに、ワシリーサから言葉を投げかけられる。


「ぶらぼーぶらぼー。　いやマジ完璧に油断してたわ」

「まだ勝負はついてねえだろうが。　気ィ抜いてんじゃねえぞ」


そう、バーバ・ヤーガを撃破したところでこの訓練は終了ではない。
バーバ・ヤーガを呼び出した張本人であるワシリーサに魔術攻撃を当てないとならないのだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:25:12.41 ID:zNlfPOrPo<>

と、ここで新たな声が地下空間に響く。


「いやいや、それでも素晴らしいよ垣根帝督。　まさか自力でバーバ・ヤーガを仕留めてしまうとは。
　この点については素直に賞賛を贈りたい。　やはり君にもある程度の価値が見受けられるようだな」


垣根とワシリーサが同時に声のした方向へ振り向くと、そこには『天使同盟』の疫病神、
エイワスが乾いた拍手をしながら防空壕の壁に背を預けていた。
一体いつから地下空間に来ていたのか、しかしエイワスにそれを聞く事ほど無駄な行いもないだろう。


「テメェに褒められても吐き気がするだけなんだよ。
　そんでもってまだ訓練は終わってねえ、邪魔すんじゃねえぞ」

「言われるまでもない。　私にとってこれは非常に愉快な見世物だからね。
　さあ、続きを始めたまえ。　熱は冷めぬうちに発散させたほうが派手で見栄えも良い」


エイワスの言葉に思わず唾を吐く垣根。
とりあえず金髪の怪物の事は無視して訓練を再開すべきだろう。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:26:35.64 ID:zNlfPOrPo<>

「じゃ、そろそろメインイベントでもやっちゃおっか？」

「来いよ」


再び二人は戦闘モードへ気持ちを切り替える。二人の周辺には清々しいほどの『殺意』が蠢いていた。
ワシリーサがパチン！と指を鳴らす。すると地下空間に浮いていた大量の髑髏のランプが全て一瞬で消え去った。


「さすがにあんだけ呼び出してると体に堪えるのよね〜。
　それにランプはその"だーくまたー"の前じゃ役に立たないだろうし」

「助かるぜ、『未元物質』で害虫駆除をする手間が省けた」

「さて、それじゃ―――――」


と、


不意に垣根の視界が全て『闇』で塗り潰された。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:27:35.73 ID:zNlfPOrPo<>

しかしそれは垣根が急に原因不明の失明に陥ってしまったわけではない。
垣根は即座に理解する。そう、これは、


（あん時の『夜』、黒騎士野郎か･･････！！）


二度目の訓練でワシリーサをいいところまで追い詰めた時、
急に現れたあの黒い騎士と黒い馬。その黒騎士にぶった斬られたところで前回の訓練は終了している。

垣根が聴覚に意識を集中させると、馬が歩いた時に鳴るあの蹄の音が聞こえた。
ぶるり、と身震いが起きる。全身から冷や汗が流れていくのがわかる。


あの黒い騎士は、既にこの地下空間に現出している。


暗闇で垣根に狙いを定めているあの黒騎士がいると認識しただけでこれだ。
この状況で黒騎士にどう立ち向かえばいいのか。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:28:46.35 ID:zNlfPOrPo<>

垣根はひとまず『未元物質』の翼を全身を囲うように広げた。
この状況で警戒しなければならない『敵』は三体。

ワシリーサ。『黒』の騎士。そして黒い馬。


『黒騎士』と黒い馬は二体一セットで考えないほうがいいと判断した。
例え『黒騎士』が馬から下馬しても、馬単体で垣根に攻撃する事は恐らく可能だ。
いや、そう考えて戦ったほうが良い。

そしてこれも憶測だが、ワシリーサと『黒騎士』は垣根の姿がこの暗闇の中でも見えているはずだ。
でなければわざわざこの地下空間を『夜』にする意味が分からなくなる。


（･･････俺だけ『鳥目』状態ってのは面白くねえな。　モノは試しだ）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:30:04.05 ID:zNlfPOrPo<>

垣根はトン、と地を蹴って空中にゆっくりと浮かび、そして、


『未元物質』の翼を最大出力で発光させた。


元々『未元物質』に備わっている『発光』の性質を最大限に高めたのだ。
相手の眼を潰したり視力を失わせたりという事は出来ないが、これで『夜』を消し飛ばそうと考えた。

しかし、


（嘘だろちくしょう･･････全く闇が晴れてねえじゃねえか！！）


『何もかもが黒い騎士』によって訪れた『夜』は、未知なる元素の光を用いても
晴らす事は敵わなかった。依然として地下空間は黒一色に染まっている。


『闇』は人の心を惑わせ、怯えさせ、恐怖させ、終いには自我を保てなくなるほどに
その心を折ってしまう性質を持つ。
長時間地下で生き埋めになった人間が発狂してしまうという話くらいは聞いたことがあるだろう。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:31:16.33 ID:zNlfPOrPo<>

更に今の垣根の場合、いつ、どこから、どれほどの威力の攻撃が闇から飛んでくるか分からない状況だ。
バーバ・ヤーガとの激闘で負った傷の痛みをグッと堪えながら垣根は息を潜ませる。
とにかく自分もワシリーサと『何もかもが黒い騎士』の位置を把握出来なければ戦いようがない。


（･･････不可思議の法則。　未知の法則。　･･････把握しろ、捉えろ。　俺はもうその法則を見てる。
　その法則を知ってる。　知っててそれを『使ってる』。　･･････試すなら今しかねえんだ、
　俺のこの『未元物質』であの法則を捉えられるのか･･････！！）


生唾をゴクリと飲み込んだ垣根はゆっくりと瞼を閉じ、そして全意識を『未元物質』に集中させた。
垣根帝督がこの訓練で試してみたかった事。


それはこの『未元物質(ダークマター)』という超能力に、『魔術』という不可思議の法則を組み込めるのかということ。


本来の自分ならそんな事は考えもつかなかっただろう、なぜなら『天使同盟』として行動するまで
垣根は魔術という科学以外の法則など知りもしなかったのだから。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:32:41.80 ID:zNlfPOrPo<>

垣根は目を閉じ、ただひたすらに『未元物質』の翼に意識を集中させた。


彼は今、『未元物質』の翼の一枚を『超音波を発して相手の位置や動きを捉える』という物質に変化させている。
コウモリという哺乳類の動物をご存知だろうか。あの翼手目の動物は『エコーロケーション』という、超音波を発して
そのエコー(反響)で闇の中でも非常に精度の高い狩りを行って生きている。

垣根が行っているのはそれとほぼ同じで、『未元物質』から超音波を発し、返ってきたエコーから
ワシリーサと『黒騎士』の位置や距離を特定しようとしているのだ。
例え人間がエコーロケーションを使用できたとしても暗闇の中で超音波を発して生物の位置を確認するなど
不可能だろうが、垣根の第二位としての頭脳を最大限に活用すれば容易ではないが不可能でもない。


（･･････････････････。　俺を中心点として北西、約一一〇メートル先にワシリーサがいやがるな。
　なぜ仕掛けてこねえ･･････？　傷を回復してんのか？　･･････それで、問題は黒騎士だが･･････）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:33:32.25 ID:zNlfPOrPo<>

魔術師とはいえワシリーサも人間だ、エコーロケーションを行えば必ず人間特有の反応が返って来る。
ワシリーサの現在位置は特定出来た。なぜ攻撃してこないのかは分からないが、何か動きがあれば
垣根にもそれはすぐに伝わるので問題はない。

しかし懸念すべきは『何もかもが黒い騎士』の方だ。あれは明らかに人間ではない。
かといって『駆動鎧(パワードスーツ)』のように分かりやすい物体でもなければただの動物、植物でもない。


未知。未知なる元素を用いる垣根ですら、あれは未知の存在だった。
しかし垣根はその未知が『魔術』という名の概念である事を理解している。


問題は『理解』は出来てもそれを『応用』出来るかどうかという点。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:34:56.12 ID:zNlfPOrPo<>

ワシリーサによって現出した『何もかもが黒い騎士』は緩慢に、しかし確実に垣根の下へ馬を歩かせていた。
蹄の音や、自らが着込む西洋風の黒い鎧が軋む音を完全に消し去り獲物に近付くことなどこの化物にとっては容易いことだ。
『夜』で視覚を失った相手が聴覚を頼りにこちらの位置を補足してくる点に対しての対抗策。


本来、『何もかもが黒い騎士』の役割はあくまでもワシリーサがいる周辺に限定的な『夜』をもたらす事だ。
こうして自分がワシリーサの指示を受けて獲物を狩るなど滅多にあることではない。
騎士は『夜』を生み出し、敵から視力を奪ってワシリーサが狩る。これがセオリーなのだ。

しかし今回は騎士の単独戦闘。イレギュラー。変則的。相手がよほどの手練だからこそだろう。

『何もかもが黒い騎士』に人間や動物のような感情はない。
ワシリーサから送られる指示に従って動くだけの人形だ。故に垣根に対する慈悲など持ち合わせていない。


しん･･････と地下の防空壕に沈黙が続く。
この静けさが逆に耳障りなほどに地下空間には物音ひとつ生じなかった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:36:18.03 ID:zNlfPOrPo<>

そして、『何もかもが黒い騎士』は垣根帝督をいつでも攻撃できる射程内に辿り着く。
あとはその手に握っている禍々しい黒のオーラを放つ剣を振ればそれで終わりだ。

黒騎士は人形だ。ここで『最期に何か言い残すことはあるか？』などという
気の利いた言葉を投げかけてきてくれたりはしない。


―――――――――ッッ、と。


剣を振る音は無かった。無音。この『夜』の中、風を切る音すら消せるというのは驚異でしかない。
そしてその攻撃には躊躇いというものが無かった。何の慈悲もなく、容赦もなく、
垣根帝督の肉体を真っ二つに叩き割るためにその切れ味の悪そうな傷んだ刃の剣を一直線に振るう。


それでお終い。二度目の訓練のリプレイだ。垣根の体からは鮮血が噴水のように吹き出て、
力無く倒れ、誰が言うでもなく訓練は終了。


少なくとも、現時点でのワシリーサの頭に描かれていたシナリオではそうなるはずだった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:37:47.50 ID:zNlfPOrPo<>



ガキィィィィィィィンッッ！！！と、刃と刃が交錯する甲高い音が地下空間を駆け巡った。




キリキリキリ･･････と鍔迫り合いの音が続いて聞こえてきた。
考えられる事として、最も可能性が高いのは誰かが黒騎士の剣を受け止め、力比べをしているという事だ。


そしてそれが誰なのか、考察するまでもない。


「･･････あぶねーあぶねー、結構ギリギリだったなぁオイ！！」


垣根帝督。
彼は見事に自身が魔術で生み出した武器で黒騎士の剣を受け止め、しっかりと身を守っていた。
腕に渾身の力を込めて押し勝とうと、見えもしない黒騎士の顔を睨みつけながら。

しかし相手は規格外の化物。単純な力比べでは人間である垣根帝督に勝ち目はない。
その証拠に、こうしている今でも黒騎士の剣は垣根の顔に近付きつつある。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:38:40.85 ID:zNlfPOrPo<>

しかしそんな優勢な状況であるにも関わらず、遠くからその状況を見る
ワシリーサは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。


そう。
他に隠し玉も無い黒騎士はともかく、垣根帝督はわざわざこんな化物との力比べに付き合う必要はない。


垣根は恐ろしい速度で超音波用の翼以外の『未元物質』を斬撃用形態に変化させると、
間髪入れず黒騎士とそれが乗っている馬に抵抗の余地なく攻撃を喰らわせていった。

出血は見られなかった。黒騎士から断末魔が漏れる事もなかった。
ただ黒騎士はぐらりと落馬し、そのまま動かなくなるだけだった。
黒い馬は致命傷を免れており、垣根に突進攻撃を仕掛けようとしたがあっさりと回避され、
横から伸びてきた無機質な白い翼によって輪切りにされてしまった。


無残な姿になった黒い馬と『何もかもが黒い騎士』は、そのまま黒い塵となって姿を消していった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:41:52.87 ID:zNlfPOrPo<>

「『反響定位』･･････っつっても分かんねえか？　はぁ･･････慣れねえ事はするもんじゃねえな」


肩で息をしながら、武器の現出によるものと、『もう一つの理由』で生じた口からの出血を拭いながら、
垣根はワシリーサの繰り出す『何もかもが黒い騎士』相手にもリベンジを果たすことに成功した。


彼はまず超音波を発しエコーロケーションを利用する事でワシリーサから返ってきた特有の波をキャッチ、把握した。
次に問題の『黒い騎士』だが、垣根の予想通り『黒い騎士』は生物が放つ波はおろか、まず超音波が当たっても『反響』現象が起きなかった。

そこで垣根は『黒い騎士』を生物としてではなく、『魔術の塊』という曖昧な定義で演算し直し、『魔術という法則を練り込んだ』超音波を発信。
その超音波に自身の魔力を加えるという『未元物質』ありきの荒業を実行した。
本来存在する『サーチ術式』を即席で完成させ、使用したということだ。

そして見事、彼は『黒い騎士』の正確な位置、動きを把握するに至ったというわけだ。

魔力を超音波に変換出来るのか。変換は出来てもその超音波が『黒い騎士』に当たり反響はするのか。
そして何より一番の懸案事項は『「未元物質」に魔力を加えることで、「未元物質」の応用性を高めることが出来るのか？』、
これに尽きた。

結果的には成功したが、やはりかなりの精神力を必要とする事が分かった上に、
『未元物質』に不可思議の法則、つまり魔術を加えて使用してもやはり身体に負担が掛かるようだ。
これが出血のもう一つの理由だ。


ともあれ、垣根は見事に『何もかもが黒い騎士』を討伐する事が出来たのだった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:49:14.62 ID:zNlfPOrPo<> まぁなんかごちゃごちゃとワケの分からん解説とかしてますが、
あまり気になさらないほうが身のためです･･････はい。

魔力→未元物質の経由で負担が軽くなるのか、という件については、負担は軽減されないという形にしました。
魔術も未元物質も『未知』ではありますが、『未知の種類』が違うので背負う負担はやはりそう簡単には
変えられないかな･･････ということで。まぁ細かい事ぁいいんだよでお願いします。


さて、見事にバーバ・ヤーガと黒騎士を撃破した垣根くんですが、
次回はちょっとヤバい感じになりそうです。


･･････ところで、最近ここの更新が二日に一度が当たり前になってますが、
こんな感じのペースで大丈夫でしょうか？まぁこれ以上ペース速めるのは難しいのですが･･････。


次回更新は三日以内。

それでは今回もお付き合いいただき、ありがとうございました！

<> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/15(金) 21:49:58.75 ID:zNlfPOrPo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『･･････あの白い羽根、どう考えてもこの世にある物質で構成されているとは思えない。
　『三騎士』に対応出来るような『物質』なんてそもそもこの世には存在しないもの』
―――――――――――元『殲滅白書』のシスター・ワシリーサ




『･･････『白い騎士』を消しやがったな？　アレを俺に差し向けても意味がねえと判断したか？』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/04/15(金) 21:54:21.33 ID:f+G4NR+g0<> 乙！
ていとくんがカッキーぜ！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/15(金) 22:16:42.33 ID:QgyeoE6c0<> 乙
なんとなくすごいのは分かった！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/04/15(金) 22:59:48.42 ID:9asNYAlq0<> どうイメージしても最後に「おつかれさま」と言われて心理定規の膝で死ぬていとくしかイメージできない・・・・
そしてそのうち某ていとく君主役スレみたいに本当の天使の羽を手に入れるんじゃないかと期待している。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/15(金) 23:20:57.34 ID:tFpUJl+SO<> >>913
なんて名前？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/15(金) 23:27:16.40 ID:icrR+Zq6o<> 乙

とりあえず高レベルの超能力と魔術を組み合わせ、ある意味前人未到の位置に到達したってことでいいんですかねー！
やったね、ていとくん！
エイワスもできそうだけど人間じゃないから当然無視だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/04/16(土) 05:49:25.73 ID:lgkNuBDAO<> ワシリーサの引き出しが多すぎてまるで勝てる気がしない。
今回は傷一つ付けるだけだけど。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/16(土) 07:28:08.64 ID:v4mOUf4g0<> なんたってロシア成教のトップにタメ口だからな･･･
軽く聖人並の実力は持ってるだろうな
なんか数百年生きてるみたいな描写もあるし･･･
使いこなす魔術の数とかもう考えたくもないな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/04/16(土) 09:14:53.33 ID:czi3j18w0<> >>914
上条「その幻想に」垣根「常識は通用しねえ」
ttp://punpunpun.blog107.fc2.com/blog-entry-2052.html
垣根「まずはそのふざけた常識をぶち殺す」
ttp://punpunpun.blog107.fc2.com/blog-entry-2123.html

個人的にはお勧め <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/04/16(土) 09:24:29.41 ID:f1urK4xAO<> 本編で人の身でありながら天使を降ろしていたあのキャラがこのＳＳにまだ出ていない。
俺はずっと待っている。火野さんの出番を <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/04/16(土) 10:57:54.81 ID:snH0Ntfq0<> >>919
ああ、「神浄」「神裂」「神の右席」「神上」ときたら
そろそろ「神作」がでてこないとおかしい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/16(土) 11:46:28.58 ID:v4mOUf4g0<> 火野と言われてロックマンEXEの火野ケンイチしか思い浮かばなかった俺は禁書ファン失格だろうか
だとしたらこの世は理不尽だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/04/16(土) 18:32:54.98 ID:jsJ9EfJ90<> >>921
火野たんファンクラブ会員としては失格だ
貴様にエンジェル様のお言葉は聞かせられん。ガブリエルに鯖折りでもされるがいい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)<>sage<>2011/04/16(土) 19:10:40.31 ID:zsXxhyqH0<> 乙！残った刻の三騎士も出てくるみたいで楽しみです！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:31:19.78 ID:Gr7rakXxo<> >>919

学園都市最強の超能力者、一方通行。
学園都市第二位の超能力者、垣根帝督。
AIM拡散力場で構成された人工天使、風斬氷華。
クロウリーに全ての知識を授けた霊的存在、エイワス。
『水』えを司る大天使、ミーシャ＝クロイツェフ。


『エンゼルさま』をその身に宿した二重人格者、火野神作。


おかしいでしょ･･････おかしすぎるでしょこれｗｗｗ
こんなん誰が読むんですかｗｗ1〜2レスくらいなら小ネタで書けますけどもｗｗ


はい、そんなわけで今日も投下しにきました。皆様、いつも沢山の支援を本当にありがとうございます。
今回も相変わらず、垣根帝督vsワシリーサでお送り致します。

それでは行きます！

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:32:39.07 ID:Gr7rakXxo<>

『何もかもが黒い騎士』を撃破した事で地下空間に広がっていた『夜』が徐々に晴れていく。
倒した瞬間にパッと消えてくれたら助かったのだが、これではまだ気を抜くことも出来ない。

と、遠くの方にワシリーサの姿がぼんやりとだが見えてきた。
垣根は魔術によって生み出した武器をサッと構えて警戒する。


いつワシリーサが仕掛けてきてもいいように、垣根は睨みつけるように目を凝らして彼女の姿を視界に収めていた。


「････････････何？」


そして、ようやくハッキリと見えてきたワシリーサの姿に驚愕した。
少し前に垣根の『未元物質』によってドロドロに"焼け溶けて"いたはずの両腕と胸がしっかりと再生されていたのだ。
おまけにその真っ赤な修道服までもが完璧に修復されている。

いや、火傷の痕だけではない。訓練開始時に喰らった暴風の怪我も治っているように見えた。
つまり彼女は今、完全無傷の状態で垣根の前に君臨しているという事になる。


「『命の水』」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:33:29.26 ID:Gr7rakXxo<>

と、ワシリーサは聞いてもいないのにどうやって怪我を治したのか説明し始めた。
別にそんな解説をしなくてもこの化物修道女なら、なんか理屈抜きで肉体再生ぐらい出来そうなものだと
思っていた垣根からしたらご親切にどうもとしか言い様がない。


「一本足の家の人喰い婆さんのエピソードに『命の水』と『死の水』ってのを人喰い魔女が管理してるってお話があってねー。
　まぁ不老不死なんて大袈裟なモンでもないけど、あの程度の傷なら簡単に再生出来ちゃうんだにゃーこれが♪」

「へえ」


心底興味無さそうに返事をする垣根。
方法や過程など垣根にとってはどうでもよかった。ワシリーサが例え粉々の状態からビデオの巻き戻しのように
復活、再生しようがそれもまたどうでもいい。

とにかく垣根の目的はワシリーサに魔術のよる攻撃を当てることなのだから、
逆に『未元物質』の攻撃によって再起不能になってなくて良かったと安堵してもいいかもしれない。


「で？　あの真っ黒クロスケは俺がぶちのめしてやったわけだが･･････今度は何が出てくんだ？
　もうネタがねえなら一気に片をつけさせてもらうんだがな」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:35:06.17 ID:Gr7rakXxo<>

「そうねぇ。　･･････正直お姉さん、結構手詰まりだったりするんだけど」

「おいおいマジか？　本当にネタ切れなのかよ」

「だってその白い羽根、意味分かんないもん。　反則よ反則！」

「テメェにだけは反則どうこう言われたくねえな。　―――――――って、あれ！？」


気がつくとワシリーサは垣根の視界から姿を消していた。
すかさずエコーロケーションで彼女の位置を探索するが、意外にもあっさりと見つかった。


ただし、ワシリーサの姿は二度目の訓練の時に見たあの『カエル』の姿だったが。


『けーろけろけろ。　油断大敵て前にも言ったけろ？』

「あああああああああクッソまたそれかよ面倒くせえなあああああああああああ！！！！！！！」


垣根はこの"カエル"に姿を"変える"ワシリーサの魔術を非常に苦手としていた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:35:57.35 ID:Gr7rakXxo<>

体長わずか三、四センチほどしかないそのあまりにも小さな赤いカエルには魔術による攻撃が当てにくいといったらない。
『未元物質』の烈風で薙ぎ払おうと実行してみたが、やはりまず動きが素早すぎて捉える事すら出来ない。

おまけにその風が原因で大量の砂埃が舞ってしまい、またしてもワシリーサの姿を見失ってしまった。
エコーロケーションで探索したってまた同じ轍を踏むことは容易に想像できる。


（とにかく一発ッッ！！　一発あのクソガエルにぶち当てねえと･･････！！！）


垣根は『未元物質』の力を使って飛翔する。あまり高く飛びすぎると地上にいるであろうカエルを
発見することが難しくなるため、いつでも相手からの奇襲に対応でき、かつカエルの姿を確認出来るような、
そんな絶妙な高度を保ちながら彼は宙を舞う。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:36:39.80 ID:Gr7rakXxo<>

と、


「―――――――ねえ、一本足の家の人喰い婆さん？」


どこからともなくワシリーサの声が聞こえてきた。
そして垣根は瞬時に理解する。『ねえ、』から始まるバーバ・ヤーガへの問いかけが意味するもの。


「クソッッ！！！」


キョロキョロと忙しなく視線と首を動かしてワシリーサを捜す。
垣根の首の動きが止まった。ワシリーサを発見したのだ。垣根は背中の無機質な純白の翼を勢い良く羽ばたかせ、
四〇メートル程の距離がある彼女と一気に距離を詰めようとした。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:37:38.64 ID:Gr7rakXxo<>

しかし、ワシリーサの一手の方がわずかに早かった。




「貴女が外へ出かけるとやって来る、あの『白い騎士』はなぁに？」




幸薄く、誠実な娘はバーバ・ヤーガに尋ねた。眠りから覚め起床して、
バーバ・ヤーガが外へ出かける時に通る『何もかもが白い騎士』はなんなの？と。


猛スピードで突っ込んでくる垣根を見て、ワシリーサは無垢な少女のような笑顔を浮かべた。
その時、音もなく垣根の視界が全て『白』で塗り潰される。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:38:34.94 ID:Gr7rakXxo<>

この地下防空壕内に、『朝』が訪れた瞬間だった。


垣根は視界が『白』になる前に、確かに見た。
ワシリーサの後ろに堂々と現出している、その手に目が潰れるほど燦爛たる白銀の剣を持った『何もかもが白い騎士』と、
童話で出てくる王子が乗っていそうな白い白い、ただ純粋に白い馬を。


垣根はワシリーサとの距離が残り約三メートルになるであろうところで急停止した。
ブワッと大きく翼を動かし、ふわふわと低空で停滞する。

垣根は首を動かしながら辺りを見回す。彼の眼球は頼りなくあちこちに動いており、
すぐ目の前にいるワシリーサを捕らえていなかった。


そんな光景を遠目で見ているエイワスは、地下空間の壁に背を預け、腕を組み微笑していた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:39:49.57 ID:Gr7rakXxo<>

（『何もかもが黒い騎士』が齎す現象が無差別な『夜』なら、『何もかもが白い騎士』が齎す現象は
　特定の対象だけを迎える『朝』の日差し。　･･････ふふ、ただその日差しは少しばかり眼に毒だがね）


エイワスやワシリーサには普通に垣根帝督の姿と地下空間の風景が見えている。
ただ同じ場所にいるはずの垣根帝督だけが、ワシリーサはおろかその風景すら見ること叶わず、
呆然と宙に留まっているだけだった。


『何もかもが白い騎士』が招くは、『朝』。
垣根帝督はこの時、視力を完全に失ってしまっていた。




「････････････････････････････････････････････････････････、」



<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:41:10.03 ID:Gr7rakXxo<>

だが視力を失ったという点では先程までの『夜』と大差ない。
この訓練が終わった後の事を少し考えるが、何らかの治療法があるのならそれで視力を回復させればいいし、
無いのならそれはそれだ。視力を失ったって生きている人間は沢山いる。

垣根は物事の優先順位を整理した。結論付けるまでもない。
ワシリーサという修道女に一刻も早く魔術を当てなければ。


とりあえず垣根は『未元物質』から生み出した暴風をワシリーサがさっきまでいた位置に叩きつけてみた。
手応えなし。ワシリーサはとっくにその場から移動していた。

垣根は慌てることなくエコーロケーション用の翼の一枚に意識を向ける。
例え眼を潰されようともこの力があれば相手の位置はすぐに特定できる。あまりにも距離が離れていたら話は別だが。

しかしここで垣根は妙な音を聞いた。
親指と中指を擦り合わせて鳴らすような、あのパチンッという音を。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:41:56.17 ID:Gr7rakXxo<>

（･･････『白い騎士』を消しやがったな？　アレを俺に差し向けても意味がねえと判断したか？）


垣根は超音波のエコーを感知し、状況を把握する。
今のは恐らくワシリーサが現出させた『白い騎士』を消したのだ。
地下空間全体に超音波を巡らせるも、あの独特の反響が返ってこない。


しかも『白い騎士』の消失によって地下空間から『朝』が消え去り、通常の風景に戻ったが
それで垣根の視力が回復するということはなかった。


（ババアと騎士の二人がかりで来ねえのはなぜだ？　自分ひとりでやった方が早いって判断か。
　まぁこっちとしては騎士と二人がかりで攻められる方がキツかったからいいけどよ）


魔力込みの反響定位を行ったため脇腹辺りからじわりと血が滲み、垣根の来ている白のカッターシャツが赤黒く染まる。
その傷口を抑えながら垣根は通常のエコーロケーションを行いワシリーサの位置を特定した。


（それじゃあ･･････こっちから行かせてもらうぞ）


ドンッッ！！！と、垣根は常に超音波を発する翼を一枚保持しつつ、ワシリーサの下へ正確に飛んでいく。
もはや『未元物質』の応用性は学園都市の研究者を以てしても計り知れないほどに『進化』していた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:43:33.60 ID:Gr7rakXxo<>

垣根帝督がこちらの位置をつかみ、突進してくる少し前。
ワシリーサは垣根が生み出す白い羽根について考察していた。


（･･････あの白い羽根、どう考えてもこの世にある物質で構成されているとは思えない。
　『三騎士』に対応出来るような『物質』なんてそもそもこの世には存在しないもの）


『黒い騎士』による『夜』の闇でも、彼は黒騎士の振るった剣を受け止めていた。
音はない、聴覚を頼りに黒騎士の攻撃に対応出来るはずがない。
どう考えたって、あの謎の白い羽根が何らかの補助を行っているとしか思えなかった。


（『反響定位』とか言ってたわね。　コウモリや鯨なんかが発する超音波･･････だったかしら。
　もしかしたらその超音波を利用して騎士の行動を把握していた？
　ならばあの羽根は超音波を生み出す物質？　違う、そんなわけない。　恐らく"それもある"けど、
　それだけじゃ私の身体を焼いたあの発熱やさっきから頻繁に撃ってくる風の説明がつかない。　つまり、）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:44:29.71 ID:Gr7rakXxo<>

ワシリーサが出した白い羽根に対する結論は、『その状況に応じて様々な現象を起こせる物質』というものだった。

遠距離から攻撃したい時には暴風を吹き出し、接近されたら超高温の熱を発して追い払う。
相手との距離を確実にとるためにその身を浮かせる性質に変化させ、視界を奪われれば超音波で敵を索敵する。


彼女が今までに見た『未元物質』から考察し推理すると、あの白い羽根はいわゆる『便利屋』みたいな
力を有する物質だという結論が出るわけだ。

実際には、厳密にはワシリーサの推理は違っていた。『未元物質』はそこまで便利なものではない。

本当に垣根の望むままの性質に変化させることの出来る物質なら、例えば
『この羽根に触れた対象の生命活動を即座に停止させる物質』という法則を組み込めばそれで戦いは終わる。
例えば『対象の繰り出す魔術の効果を全て無効に出来る』という法則を組み込めば、
ワシリーサは一切の魔術を封じられるわけで、そもそも勝負にならなかっただろう。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:45:29.24 ID:Gr7rakXxo<>

しかし『未元物質(ダークマター)』の能力はあくまでも『この世に存在しない素粒子を生み出し、操作する』というもの。
この世の物理法則には従わないとはいえ、その応用性にも限界はある。
何でも出来るスーパーマンのような能力ではなく、その応用性は垣根帝督の頭脳から弾き出される演算によって左右される。

『未元物質』を初めてその目で見て体験したワシリーサに分かるはずもないが、
つまりこの時点ではまだワシリーサは圧倒的に垣根帝督を追い詰めていた。


だが、垣根帝督がその『未元物質』に『魔術の法則』を組み込むことに成功しつつある現状では話は違ってくる。


（『白の騎士』は結局、何の意味もなかったわね。　視力を失っても超音波でこっちの動きを完全にサーチ出来る。
　『蛙の王女』で逃げまわっても時間稼ぎにしかならないし、『フィニストの羽根』も白い羽根で防がれるだけ･･････）


ワシリーサは他にもロシア民謡を題材にした魔術を多数有しているが、『未元物質』の未知なる力が把握できない以上、
ヘタに手の内を晒すわけにはいかないと考えた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:46:54.01 ID:Gr7rakXxo<>

ほんの少し前の垣根なら魔術による攻撃も有効だっただろう。だが今の彼は魔術攻撃でも血反吐を吐いて防ぐだろうし、
そもそも『回避』される恐れだってある。

『未知』という概念がこれほど恐ろしいものだということを、ワシリーサは知っている。
しかし知ってはいても実際に対峙するのとしないのとではまるで違う。
ワシリーサは自分で自分を追い詰めている状況にあった。


（やるじゃん、垣根の坊や。　なんかムカつくけど、でもなぜかちょっと嬉しいわ）


垣根帝督がこちらの位置を特定し、翼を羽ばたかせて突進してきた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:47:43.48 ID:Gr7rakXxo<>

彼女は不敵に笑う。まさか学園都市からやってきた『無知』なガキがこれほどの好敵手に成長しようとは。
垣根という少年がこうなってしまったのもワシリーサという化物クラスの魔術師と二度も戦ってきたためというのもあり、
自分で育てた子供が立派に成長し、それを喜ぶ母親の心境が少しだけ理解出来るような気さえした。


だからこそ、


（叩き潰したくなっちゃうんだにゃーん♪　これで『トドメ』よ）


ワシリーサはその喉から童女のような声を出し、ミュージカルの舞台に立つヒロインのように楽しげに謳って、唄って、歌った。




「――――――――――ねえ、一本足の家の人喰い婆さん」



<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:55:23.46 ID:Gr7rakXxo<>

Q.　『黒い騎士』と『白い騎士』の違いがわかんねえぞ下手くそ

A.　『黒い騎士』→超広範囲に渡って闇が溢れ、視界を遮る。（視力はそのままなので、黒騎士が消えたら景色は見える）
　　『白い騎士』→凶悪な光が炸裂して、視力を奪う。（ガチで視力がなくなるので白騎士が消えても二度と視力は戻らない）


･･････なんにせよ、ちょっとネタかぶってますよね。ごめんなさい。

てなわけで少し短いですが今回はここまでです。
話全っっ然進んでないですね、申し訳ない･･････もう少しで終わりますのでご勘弁を。


次回はワシリーサがマジで垣根を殺しにかかります。
幾度と無く死亡フラグを乗り越えた垣根は一体･･････的なお話です。

次回更新は三日以内。

それでは、ありがとうございました！

<> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/16(土) 23:56:12.68 ID:Gr7rakXxo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『私と『人形』がお仕事をしている時にやってくる、あの『赤い騎士』はなぁに？』
―――――――――――元『殲滅白書』のシスター・ワシリーサ




『（死･･････！！？　死！？　死ぬのか！？　俺は･･････ここで、死･･････！！！）』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督




『やはり。　やはり君を『天使同盟(アライアンス)』に勧誘して正解だった』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・エイワス



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<>sage<>2011/04/17(日) 00:01:23.70 ID:GzXDPI9F0<> 乙　
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/17(日) 00:07:43.62 ID:grkNirQU0<> 乙
黒騎士は消えた後は戻るけど防げない、白騎士は防げるけど食らったら消えた後も見えないまま、か

かっけーかっきーの大攻勢が続くな……ｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/17(日) 00:08:10.35 ID:KBL6vOWE0<> やだ…ていとくんカッコいい/// <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/17(日) 00:27:35.94 ID:CcausYu10<> 乙！
ついに最後の「夕方」の赤い騎士か……ってあれ？
白の騎士って「昼」じゃなかったっけ？ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/17(日) 00:36:12.19 ID:NJub2jaMo<> 乙！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)<>sage<>2011/04/17(日) 03:25:14.96 ID:3+TOFqu60<> ＞二度と視力は戻らない
……垣根ェ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/17(日) 03:26:58.95 ID:mknD7UnAo<> まぁ、ｼｬﾗﾝﾗｰで全部解決だろうけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/17(日) 04:56:09.72 ID:IvVfFjxSO<> はたして気まぐれエイワス君がｼｬﾗﾝﾗｰしてくれるかどうか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(USA)<>sage<>2011/04/17(日) 07:41:06.66 ID:dA6Aci9s0<> 盲目の戦士ですね、分かります <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<>sage<>2011/04/17(日) 08:09:11.06 ID:GKmCJiTAO<> ワシリーサって理屈では死の水も使えて当たり前だよな。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/17(日) 09:30:36.63 ID:CI/yFZ6O0<> 霊装としてならニコライでも使えたんだしな。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/17(日) 09:35:51.80 ID:mSqt/Ym60<> 【次回予告】に抜けがあったので

『やはり。　やはり君を『天使同盟(アライアンス)』に勧誘して正解だった』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・エイワス
　
『エンゼルさま。これで私は助かるんですね？』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・火野神作 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/17(日) 09:44:31.41 ID:IfnJSo+SO<> >>918
ありがとうございます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/17(日) 10:19:03.08 ID:lGB+4n7IO<> >>953
そういうのは、いらないです <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/17(日) 11:52:42.61 ID:CI/yFZ6O0<> >>953
火野さんwwww
いや、確かにそこそこ心理戦は強いはずなんだがレッサーでさえ雑魚に分類されるこの話の中ではwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/17(日) 12:50:57.24 ID:Q8BBcdmSO<> >>953
つまんね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/17(日) 13:12:38.87 ID:kIkVexkQ0<> みんな火野さん大好きだなｗｗｗｗ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/17(日) 15:13:47.16 ID:YLH9G737o<> >>947
未元物質で眼球くらい作れるさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/17(日) 15:54:10.02 ID:06TXNfZ9o<> エイワスたんもいるしな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/17(日) 22:15:17.68 ID:+p/pGM/Ko<> 乙
ともかく頑張れ垣根！
勝たなきゃ視力も戻してもらえないぞ！
勝っても戻してもらえないかもしれないけど！ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/04/18(月) 01:46:53.04 ID:2N1YX5BQ0<> 乙
イケメルヘンの目なら大丈夫
いざとなったら我らがリーダーが学園都市脅してハイテク麦のん義眼を奪取してくるさ！
「30000メートル先に魔術師がいる」
とか言っちゃってお前はどこのシステム以前の密使だってなるかもだけど
･･･マイナーだね、ごめんね

やっぱすげえなワシリーサ、第2位だぜ第2位
アレイスターの虎の子の予備だぜ
それをなぁ･･･ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)<>sage<>2011/04/18(月) 05:46:32.20 ID:NXeIVnSX0<> 変態だからなぁ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/18(月) 12:11:26.07 ID:XDhh2keIO<> そろそろ次スレの季節なのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/18(月) 16:09:11.31 ID:wM48wnxo0<> いいねいいねぇ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<><>2011/04/18(月) 16:42:41.94 ID:apKQdiue0<> 最っ高だねェ！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:24:46.64 ID:dNiEP72yo<> >>945
そうでしたっけ･･････？と、とにかくこのSSでは『白い騎士』は朝、『黒い騎士』は夜でお願いします。
すみません


こんばんわ、今日も投下しにきました。
はい、そろそろ次スレですね。このスレでの投下はこれが最後になる･･････かな？


今回も話の流れは特に変わらず。しかし決着の時が見えてきた感じですね。
べらぼーに強いワシリーサ相手に垣根がひたすら頑張ります。


それでは、いきます。
<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:25:53.72 ID:dNiEP72yo<>

垣根帝督は冷静になれ、と自身の脳に言い聞かせた。


ワシリーサが純粋無垢な笑顔であろう表情で口走っているあの言葉は、間違いなく『騎士』の現出。
彼女に向かって今まさに突撃している垣根にも、その声は聞こえた。


嫌な予感が拭えなかった。


『黒』、『白』と撃破していった垣根の心に、しかし余裕は生まれなかった。


本能が呼びかける。
この騎士召喚魔術だけは"絶対に止めなければならない"、と。
恐らくワシリーサは"これでケリをつけるつもりなのだ"、と。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:26:42.81 ID:dNiEP72yo<>

一瞬の油断。


「ぐっ！！？」


ドゴンッッ！！！という鈍い音が鳴り、咄嗟に前方へ展開した『未元物質』の翼にビリビリと衝撃が走っていく。
後ろへ吹き飛ばされる感覚を覚えた。
視力を失った垣根には見えていないが、ワシリーサは自分と激突する寸前の距離まで接近した垣根に強烈な前蹴りを放ったのだ。


時速一〇〇キロは超えていただろう突進を蹴りだけで押し返すワシリーサの脚力も大概イカレているが、
やはりそこまで大きく後退させられたわけではないようだ。
垣根は一〇メートルくらい後退したところで一度体勢を整える。


しかし彼は激しく焦燥していた。
この隙が、この隙こそが、ワシリーサに騎士を召喚させてしまう最大のミスだということに気付いているからだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:27:33.27 ID:dNiEP72yo<>

『黒』、『白』と来れば次は何だ？
『闇』、『光』と来れば次は何だ？
『夜』、『朝』と来れば次は何だ？


その答えは、ワシリーサの歌によって提示された。




「私と『人形』がお仕事をしている時にやってくる、あの『赤い騎士』はなぁに？」




肌にチリッとした痛みを感じた気がした。
視力を失った事で真っ白に染まったはずの視界が、『赤』の染められていくような気がした。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:28:42.76 ID:dNiEP72yo<>

否、どちらも気のせいではなかった。




「か、はっ･･････････････････ぁ････････････････････････！？」




人間の喉から、空気が抜けていく風船のような音がした。


両手で顔を押さえ、痛みと苦しみのあまりそのまま爪でガリガリと皮膚を抉りとりながら地面へ落ちた垣根の喉から、
叫びにならない叫びが漏れていく。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:29:53.36 ID:dNiEP72yo<>

「が、かっ、　ひゅ･･････ッッ！！　は、はっ･･････！！！！
　････････････ッッ！！　ひ、ひゅっ･･････は、かはっ･･････！！」


呼吸が出来ない。正しく酸素を取り込むことが出来ない。口の中の水分が一瞬で蒸発してしまっている。
比較的水分の多い眼球も、完全に蒸発し一部が眼窩からどろりと零れ出しているのが分かる。
顔を押さえている両手の皮膚にも驚嘆に値するほどの痛みがある。指先から妙な匂いがした。爪が焦げている匂いだった。


視力のない垣根には何が起きているのか全く理解できなかった。視力があったとしても理解出来るとは思えなかった。
ただもがき苦しみ地面をのた打ち回る垣根が漠然と抱いた感想は、


熱い。暑い。


『熱』だった。一瞬でこの地下空間が灼熱の炎に包まれ蒸し釜状態になっているんじゃないかとさえ思えた。

だが現実は、さらに凄惨たる状況にあった。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:31:12.00 ID:dNiEP72yo<>

死。


垣根帝督は過去に"二度"、本物の『死』を体験したことがある。


一度目は、一方通行。十月九日の学園都市独立記念日に、垣根は彼によって『虐殺』された過去を持つ。
あの時垣根は自分に訪れる死をリアルに体感した。


そして今回の『コレ』が二度目。ワシリーサが行使する『何もかもが赤い騎士』によって
垣根は本気で死を感じた。


（死･･････！！？　死！？　死ぬのか！？　俺は･･････ここで、死･･････！！！）


突如発生した謎の『熱風』に身を焼き、地面を陸に上がった魚のように跳ね回りながら、
垣根は自身の寿命がも間もなく尽きるのだと悟った。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:32:12.83 ID:dNiEP72yo<>

悟った、のだが。


『勝手に死ンだりするンじゃねェぞ』


一方通行が放ったその言葉が、何度も何度も頭の中に響く。


（死んでる場合じゃねえ････････････）


『天使同盟(アライアンス)』という訳の分からない集団に出会ってからの垣根は、何もかもが初めてな事だらけだった。

魔術という、今の自分の存在意義を支えてくれている力。イギリスで出会った、個性豊かなシスターと魔術師共。
ロシアで出会った、自分とは本来全く縁遠い魔術師や民間人達。

AIM拡散力場の集合体というふざけた存在の風斬氷華。それよりもぶっ飛んでいる疫病神のエイワス。
天界から降りてきた本物の天使だというミーシャ＝クロイツェフ。

学園都市の『闇』の奥深くまで沈み込んだ自分を受け入れてくれた白髪のクソ野郎。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:32:50.98 ID:dNiEP72yo<>

―――――――そして、そんなヤツらの笑顔。


（死んでる場合じゃねえッッ！！！！）


死の淵に追いやられ半ば諦めかけていた垣根の眼に、再び光が宿る。
『闇』に浸っていた自分に差し込んできた、出会ってきた人間や化物たちの『笑顔』という光。

捨てられない。諦められない。まだ彼らの笑顔を見ていたい。

こんなクソったれの熱風ごときに焼かれて死んでいる場合ではない。


（俺の頭ん中にあるゴミみてえな脳ミソをフル稼働させろ。　この熱さえ『遮断』出来れば俺は戦える！！
　あのクソシスターに一発ぶちかますことが出来る！！　ありきたりな法則なんざ捨てちまえ、
　この世に存在するルールなんざ跳ね除けちまえッ！！！　･･････そうだろ『テメェ』、）

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:34:00.64 ID:dNiEP72yo<>

垣根はこの狂ったような温度の熱風で容赦なく身体を干からびさせていく『熱』への対処法を、
第二位が誇る天才的頭脳がオーバーヒートしてしまうんじゃないかというほどにひたすら考えた。


その結果、『無茶』で『無謀』だが『無理』ではない、とある一つの答えを弾き出す。




（俺の『未元物質(ダークマター)』に･･････常識は通用しねえんだろうがあああッッ！！！）




垣根帝督は背中にある六枚の翼を勢い良く振るった。


その標的は、『自身の身体』―――――。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:35:27.98 ID:dNiEP72yo<>

ワシリーサは少し離れた位置から地面を無様に転がり続ける垣根帝督を無表情で眺めていた。
彼女の傍らには、垣根の予想通り例の騎士が君臨している。


色は『赤』。ワシリーサが呼び出したのは『三騎士』の属性の一つである『何もかもが赤い騎士』だった。
その手には狂ったように燃え盛る赤き炎の剣。『赤い騎士』が跨るは、その鬣が炎のようにも見える『赤い馬』。


司る力は『昼』。昼とは、つまり地球という星の頂点に太陽が昇った時の時間帯の事。


現在、この地下防空壕跡地のちょうど頂上には『太陽』がさんさんと輝いていた。
大きさは一般的な熱気球のバルーンの部分とほぼ同じ。本物の太陽と比べるとあまりにも小さいが、
この魔術の場合大きさなどはあまり重要ではない。

『何もかもが赤い騎士』の驚異はその擬似太陽から発せられる『熱』にあった。

もちろんこれも本物の太陽と比べると、表面温度も中心温度もコロナ温度も輝度も微々たるものだが、
人間に対して使用するのであれば十分すぎるほどの殺傷力がある。
今の垣根の惨状を見れば一目瞭然だろう。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:36:34.26 ID:dNiEP72yo<>

（『黒』でも『白』でも相手が倒れなかった時に使うこの『赤』。　･･････いつ以来かしら。
　よく頑張ったわ垣根の坊や。　もうこれで終わりだから、安心しなさい）


設定温度を間違えすぎたサウナの室内みたいになっている地下空間で、しかしあの化物だけは違った。
平然たる様子でただ二人の訓練を静かに見守るエイワスの方を見て、ワシリーサは言う。


「ハイこれまで。　訓練は終了よん。　手加減は絶対にするなという垣根の坊やの意志は汲み取ったけど･･････
　さすがにこれ以上やると本気で死んじゃうわ。　早いとこ垣根の坊やを治療してやってちょうだい、出来るっしょ？」


何時になく真剣な表情を浮かべているワシリーサは訓練の終了をエイワスに宣言した。
当然の判断だろう、これはもう訓練という領域を逸脱し過ぎている。
このまま続行すれば、それはもう単なる殺し合い。いや、一方的な虐殺となってしまう。


そう考えていたからこそ、ワシリーサはエイワスの言葉に驚愕するしかなかった。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/18(月) 21:36:38.85 ID:BKo3zRezo<> ていとくんかっこいい！
これは帝督と呼ばざるを得ない <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:37:28.53 ID:dNiEP72yo<>



「んん？　終了とは、何故またそんな事を急に？　君がやめたがっていても、"彼はまだやる気のようだが"？」




何を言っているのか理解できなかった。地下空間の頂上で轟々と燃える擬似太陽の音に遮られて聞こえなかったのではない。
聞こえていたからこそ、ワシリーサは悠然とした佇まいでそんな事を言うエイワスを見つめるしかなかった。


そして、


「････････････っが、は･･････！！　ううぅ、うぅ、」


呻き声と、何かが『起き上がる』ような音が聞こえた。
魔術使用者であるため擬似太陽の熱の影響を一切受けないワシリーサの頬に、ツツーっと冷や汗が一筋流れる。


恐る恐る音のした方に向き変えると、そこにはふらふらと立ち上がっている垣根帝督の姿があった。
熱のせいでまるで蜃気楼のように地下空間の風景は揺れているが、それでもソレが垣根だという事は理解できた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:40:02.97 ID:dNiEP72yo<>

しかしワシリーサが驚いたのは垣根帝督が立ち上がってきた事ではない。
蜃気楼の壁の向こうに見える、その少年のシルエットを見て驚いたのだ。

否、驚いたというより、疑問、困惑を覚えた。


「な、･･････に？　あれは･･････？」


そのシルエットはひどく歪な形をしていた。人の形をしているのでそれが人間、垣根だということは分かるが、
それにしてもおかしい。

まずその両腕、垣根の腕はあんなに刺々しい形をしていただろうか？
ワシリーサは目を細め、よく凝らしながらその腕に注目してみる。


ギョッとした。
垣根の腕が、正確には垣根の腕の皮膚が、"無数の白い物質で隙間無く覆われていたのだ"。
皮膚を熱から守るように覆われているそれは、まるで魚の鱗、否、竜の鱗のように均等に並んでおり、
一つ一つの白い物質からは鋭い棘のような物が生えている。

それが垣根の両腕に、手の先から肩まで流れるようにびっしりと張り付いている、"ように見えた"。

よく見るとその白い物質は張り付いているのではなく、垣根の皮膚から突き破るように直接生えていた。
人の皮を被った怪物がその姿を現す瞬間に皮膚から怪物の歪な体表が突き出てくるような、そんなニュアンスだ。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:42:09.48 ID:dNiEP72yo<>


当然、皮膚を突き破って出てきているわけだからその際に負う傷から出血はする。
事実、その白い鱗の鎧の僅かな隙間からどろりとした赤黒い血糊が垂れてきている。
そしてその血はすぐに熱によって蒸発していった。

白い鱗の鎧は両腕の手先から肩まで、そして首元、身体、両足、つまり全身にまで及んでいた。
顔も耳の下から顎の先の部分だけ白い物質に覆われている。顔の白い物質は他とは違い、
鱗ではなく綺麗なフェイスマスクのようにツルツルとした表面だった。
腰には何かボロ布のような物が巻かれている。あれは確か垣根が着ていたルーンを忍ばせているジャケットだったか。


全身を刺々しい白の鱗の鎧で覆い、血液の蒸発によって体から赤い霧を絶えず発生させているその姿は
もはや人間と呼ぶには不自然なほどになっていた。


「････････････は、はは。　ビューティフル♪　スンゴイわねその、『だーくまたー』だっけ？　ってヤツは」


あのワシリーサが若干ながらも『引き笑い』をしていた。
どんな状況でもどんな相手でも余裕を崩さなかったワシリーサという元『殲滅白書』最強のシスターが、
表情を引きつらせ、その美しい顔には冷や汗がドッと吹き出ている。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:43:41.80 ID:dNiEP72yo<>

しかしなぜ急にこんな現象が起きたのか？なぜ急にあのような姿に『変貌』したのか？
『未元物質』の性質を知らないワシリーサには。否、例え『未元物質』を専門に研究をしていた
科学者でさえも、今の垣根の現象について説明することは出来ないだろう。

唯一、この現象を説明できる存在がこの地下空間に居た。言わずもがな、それはエイワスだった。


「････････････ふふ、素晴らしいよ垣根帝督。　まさか自身の可能性をここまで開拓させるとはね。
　やはり。　やはり君を『天使同盟(アライアンス)』に勧誘して正解だった。
　･･････ワシリーサ、彼の背中に目を向けてみたまえ」

「せ、背中？」


垣根の背中といえば今回の訓練中、あの『未元物質』の翼が常に六枚ほど生えているのが当たり前な状態だったが、
今改めて見ていると少し様子がおかしい。


「あれは･･････？　羽根の先端を身体の各部に突き刺している？」

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:45:36.51 ID:dNiEP72yo<>

垣根の背中から現出している『未元物質』の白い翼はクルッと中央で折れ曲がり、その先端が
両腕、両足、背中の中央、そして"うなじ"付近に『点滴チューブ』のように突き刺さっていた。


「ああする事で『未元物質』を体内へ侵入させ、そこから『未元物質』の先端部分を複雑に肥大化。
　全身に通っている血管をイメージしたまえ、あれと同じように垣根帝督は『未元物質』を
　細いチューブ状に変化させ全身に巡らせる、そしてそのチューブをあの鱗のような鎧の形に
　変形させて、直接皮膚を『食い破って』体表面を覆わせた、と･･････。　簡潔に説明するならこんなところか」

「･･････それで『赤い騎士』の熱風を遮断しているというの？　とてもじゃないけど信じられないわ」

「白い鎧にも恐らく『魔術の法則』を組み込んでいる。　今までずっと魔術に入り浸っていた経験の賜物だな。
　魔術の法則を組み込んだことと、全身の体内に走る『未元物質』のチューブによる激痛で普通ならショック死しても
　おかしくないのだが･･････。　ほら、よく週刊少年漫画であるじゃないか、『精神が肉体を凌駕する』？
　今の垣根は概ね、そのような状態に陥っているのではないかな」


もちろんそんな事をしてしまえば全身の血管や筋肉繊維、各神経、細胞組織がチューブ状の『未元物質』で
ズタズタになってしまうのだが、今の垣根はそんな瑣末事に意識を向けたりはしない。
彼は全身に『未元物質』の鎧が行き渡った事を確認すると、ワシリーサの顔を一点に見つめた。


それを受けてワシリーサは表情を引き締め、その肢体を白く発光させている垣根に問いかけた。

<> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:46:57.01 ID:dNiEP72yo<>

「････････････やるのね？」


返事はなかった。ただゆっくりと、垣根は首を縦に振るだけだった。
灼熱の太陽熱と激痛による絶叫で喉が完全に潰れているのが原因でもう声がほとんど出せないのだろう。

『未元物質』の鎧を全身に巡らせる前に短時間だが擬似太陽の熱を浴びている垣根の皮膚は、
今は見えないが身体中がひどく焼け爛れていた。

『未元物質』で火傷の治療はできない。つまり垣根に残された戦闘時間はもう長くはない。


ワシリーサは地面を強く踏みしめ、戦闘態勢へ移行する。垣根の純粋な想いをしかと受け止めた証拠だ。
それを見て垣根もふわ･･････、と少しだけ地面から浮き、戦闘態勢に入った。

腕を少しだけ曲げる。無機質に白く、お伽話に出てくるドラゴンの鱗のように並ぶその刺々しい鎧の各パーツが
ギシギシと人間から発せられるはずのない音を立てる。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/18(月) 21:47:10.50 ID:nIqZdo1p0<> うおおおおおおお帝督超かっけぇ！！ <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:48:07.28 ID:dNiEP72yo<>

そして、


ボンッ！！という爆音と共に垣根の背中が弾けた。
六枚の翼の間から、さらに六枚、新たに戦闘用の『未元物質』の翼が現出した音だった。
その衝撃でパラパラと空間内に羽根が散らばっていく。

先端がチューブ状になっている翼が六枚、新たな翼が六枚で計一二枚の翼が彼の背中から生えている。
そんな姿を見て、ワシリーサはポツリと呟く。


「････････････おいで、『熾天使』」

「―――――ッ」


掠れきった声で垣根が何かを言う。そして二人は同時にその場から姿を消した。


垣根帝督最後の魔術訓練の終局は、すぐそこまで迫ってきていた。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/04/18(月) 21:48:59.69 ID:qIgcajwYo<> 訓練ってレベルじゃねェよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2011/04/18(月) 21:53:08.48 ID:lj7XYki8o<> クソシスターで思い出したがワシリーサも一応シスターなんだよな…… <> ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:54:11.70 ID:dNiEP72yo<> ･･････でもよく考えたら『未元物質』は翼なしでもその効力を発揮出来るんですよね。
原作のvs絹旗最愛戦でそんな描写がありましたし。

つまりこんな皮膚の下から突き破る鱗の鎧なんて無茶な事しなくてもよかったのかな･･････。
まぁそこは見た目重視ってことで見逃してください･･････ｗｗ

そんなわけで、今回はここまでです。
いよいよ次回、ワシリーサと決着がつきます。
結果がわかりきってるのに無駄に長い話ほど苦痛なものはありませんが、どうか次回もよろしくお願いします。

次回更新は三日以内。

それでは、今回もお付き合いいただきありがとうございました！


あ、次スレは頃合いを見て私が勝手に立てますので、しばしお待ちを。

<> 次回予告はここまでです。　 ◆3dKAx7itpI<>saga<>2011/04/18(月) 21:55:03.90 ID:dNiEP72yo<>


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【次回予告】



『これが「未元物質(ダークマター)」と魔術の応用だ･･････クソ野郎』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督




『さ、サーシャちゃ〜〜〜〜〜〜〜ん･･････････････････････････････』
―――――――――――元『殲滅白書』のシスター・ワシリーサ



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/18(月) 21:59:30.72 ID:NR72VMYD0<> 乙！

正直「これなんてBLEACH？」と思ってしまったサーセン
いやだって虚化とか帰刃とかさ……

ともあれ格好良かったぜ帝督ン
次スレも楽しみにしてる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県)<>sage<>2011/04/18(月) 21:59:30.84 ID:SCf9P0Ruo<> 　　　　　　　　　　　　　　 ＿-^-~　　　　　　`-ー__
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　￣＼_
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　~}
　　　　　　　　　|_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 ヽ
　　　　　　　　　|::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ~>　　　　俺の未元物質に常識は通用しねぇ
　　　　　　　　　|:ヽ　　　　　　　　　　ー､__　　　　/　　　 「
　　　　　　　　　|::|　　　　　　　　　　＼ﾍ::..λ　　 ｌ　　　 /
　　　　　　　　　|:::|　　　　　　　　　　　￣￣　　 ﾉ_-__　 1
　　　　　　　　　|::|　　　　　　　　　　　　　　　　 |Lﾍ)　/
　　　　　　　　　|::V 　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　/
　　　　　　　　　|::::i 　　　　　　　　　　　　　　　 i　　 /
　　　　　　　　 |:::::ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　/　　 /
　　　　　　　　 |:-^　　 i　　　　　　　　　　　　/　　./
　　　　　　　　 {::!　　　＼　　　　　　　　　　 /　　/
　　　　　　　　 l:/　　　　l::＼　　　　　　　　/　 /
　　　　　　　　　|　　　　 ^|:::::＼　　　　　 /　 /
　　　　　　　　　ヽ　　　　 ^|::::::::＼_　　　「　/
　　　　　　　　　 |　　　　　 (::::::::::::::＼＿j　/:|
　　　　　　　　　L　　　　　　＼------i￣i:/ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2011/04/18(月) 21:59:58.43 ID:qIgcajwYo<> 乙
結果がわかりきってる…だと？

なあみんな、垣根っていい奴だったよな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/04/18(月) 22:05:23.78 ID:VIkjQUJ9o<> 乙です
あぁ垣根は最高にいい奴だったよ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/04/18(月) 22:06:54.59 ID:SsNwz8gRo<> 乙
いやぁ垣根はいい奴でしたね・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2011/04/18(月) 22:11:16.62 ID:lj7XYki8o<> 乙乙
垣根ェ…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/18(月) 22:22:32.11 ID:ljD9RTEoo<> 1000なら垣根生存 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/04/18(月) 22:23:58.63 ID:cQCsbxsW0<> 乙です
垣根、今までひどいこと言ってごめんな
お前のこと嫌いじゃなかったぜ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/04/18(月) 22:26:07.83 ID:zl7OSjfPo<> ワシリーサに垣根がこの様だと魔術サイドの方が強いのかな。 <> 1001<><>Over 1000 Thread<>　　　　´⌒(⌒(⌒｀⌒,⌒ヽ
　　　(（)＠（ヽノ(＠)ノ（ﾉヽ）
　　　（ｏ)ゝノ｀ｰ'ゝーヽ-' /8)
　　　ゝｰ '_ Ｗ　　　（9)ﾉ（@)
　　　「￣ ・| 「￣￣|─-r ヽ
　　　｀､＿ﾉｏl・＿_ﾉ　　　 ﾉ　　　
　　　ノ　　　　　　　　　 /　　　　　
　　　ヽ⌒ｰ⌒ｰ⌒ｰ　ノ　　　　　　
　　　　｀ー─┬─　l´-､ 　　　
　　　　　　　 /:::::::::::::::::l 　 /７7
　　　　　　　/::::::::::i:i:::::::i,../ / |
　　　　　　 l:::/::::::::i:i:::､:::/ /　|
　　　　　　 l;;ﾉ:::::::::::::::l l;.,.,.!　 |
　　 　　　　 /::::::::::::::::l/ /　　冂
　　 　　　 /:::::::;へ:::::::l~　　　|ﾇ|
　　 　　　/:::::/´ 　ヽ:::l　　　.|ﾇ| 　　　　　　　　SS速報VIP＠VipService
　　 　　 .〔:::::l　　 　 l:::l　　　凵 　　　　　　　　http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/　　　　　　　
　　 　　　ヽ;;;> 　 　 ＼;;>

<> 最近建ったスレッドのご案内★<><>Powered By VIP Service<>鹿目まどか「魔法少女の力量を超えて，その日みる夢」 ＠ 2011/04/18(月) 22:23:25.09 ID:Z+ztrCdX0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303133004/

一方通行「いいか、フラグってのはなァ」　ガブリエル「vbhti素敵apfrgt」 ＠ 2011/04/18(月) 22:23:13.40 ID:dNiEP72yo
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303132992/

嫁がウザいから安価メールする ＠ 2011/04/18(月) 22:22:55.23 ID:WOCwIlt9o
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1303132975/

こじはる誕生日前夜祭AKBSKEスレ ＠ 2011/04/18(月) 21:58:51.48 ID:k/6uvjsDO
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1303131531/

A雑なんだしAAつかおうぜ！こうむくんスレ！！ ＠ 2011/04/18(月) 21:47:06.73 ID:LZebtP8ao
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1303130826/

【無料FPS】VIPのみんなでWolfenstein:EnemyTerritory　避難所 ＠ 2011/04/18(月) 21:29:51.81 ID:Gp8bqUFM0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1303129791/

お勧めの禁書・超電磁砲SSを教えろください7 ＠ 2011/04/18(月) 21:09:34.89 ID:X58R4jINo
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303128574/

（＾o＾） ＠ 2011/04/18(月) 20:45:03.31 ID:M/iBSzA+o
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1303127103/


Powered By VIPService http://vip2ch.com/

<>