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HTML化した人:lain.
女「レズだけど引っ越したら隣人がMtFだった」
1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/13(金) 16:44:19.25 ID:FyNA2RUAO
★はじめに
このSSの登場人物はレズビアンの女と、MtFの男のオリジナルSSになります。

★補足
【レズビアン】
女性の同性愛者

【MtF】
生物学的性別が男性で、性の自己意識が女性である人のこと(逆に女性の場合はFtMという)。
心は女性であるためホモとは違います。
※登場人物の隣人については身体は男ですが、心理的な描写を重視するのでFと表記します。

【性同一性障害】
心と身体の性が一致しない状態の人のこと。
同性愛とはまた違います。

【GID】
gender identityの略。
性同一性障害のことです。



と、少々小難しいことを書きましたが内容は読んでるうちに理解してもらえたらいいかなと。
理解していただけない部分は気軽に質問していただけると『設定の範囲内』で補足します。

※SS内での設定、表現は実際問題とは異なる部分があります。
また、性の意識も様々なので実際問題との混同はしないようにご注意お願いします。
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/13(金) 16:48:07.19 ID:FyNA2RUAO
私が初めて人を好きになったのは幼稚園のとき。
同じクラスの女の子だった。
おままごとでは自分から父親役を選び、行ってきますのキスと称して母親役の女の子にキスをしまくっていた。

なんでそうなのかハッキリとした理由は分からない。
でも私が好きになるのは必ず同性なのだ。

私は レズビアンだ。



小学校低学年の時は男子とスカートめくりに興じたりもしたけれど、段々と馬鹿みたいに思えてあいつらよりは結構早いうちに辞めた。
男女の仕組みの違いが分かるようになってからはどの女子グループにも入ることはなかったし、修学旅行の時なんかは無理矢理に好きな人の名前を強要されて適当な男子の名を挙げて誤魔化した。
女子はこんな時ホント面倒臭い。

中学生の時にそこそこに可愛い女子と仲良くなり、性格も良い子だったのでのぼせ上がり、うっかり自分の思いを伝えたこともある。
翌日から私は、彼女をはじめとする思春期の男女達に異物を見るような目で見られた。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/13(金) 16:49:28.01 ID:FyNA2RUAO
なので私は学校の人間が誰も受けなかった女子高を受験し入学。

無難かつウハウハな女子高生ライフを3年ほど満喫し、その間地道に稼いでいたお金で今日、一人暮らしを始める。

私は枯渇した人生にそろそろ彼女が欲しいと心から望んでいる。


引越業者「では、これで作業を終わらせていただきます。」

女「ご苦労様。」

引越業者「もし家具やお荷物に不備がありましたらすぐにご連絡ください!」

女「ども、ありがとー」


さて、引越は無事に終わった。
隣近所にあいさつするんだっけか、最近の女の一人暮らしはあいさつしたら危ないと言うけど、レズの場合はどうなるんだろう。

もし何かあった時に「私はレズだ」なんて言ったら相手はどんな反応をするんだろう。
あの思春期のフツーの男女共のように、異物を見るような目で見るのだろうか。
まあ、何かやらかしてくる時点で犯人も充分異物だ。
案外気があったりして…。
なんかくだらない妄想をしすぎて思わず吹き出してしまった。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/13(金) 16:53:25.38 ID:FyNA2RUAO
?「あっ ひょっとして今引っ越してきたお隣さん?」


中性的な顔立ちに服装、腰まで伸ばした黒い髪。
ぱっと見た感じと喋り方では男か女か分からない。
身長も私と変わらないくらいだし、ほっそりした正直男らしくないなよなよした身体つき。

女「あっ…そうです。私、女って言います。18歳です。」

?「そうなんだ、同い年だぁ。しかもこっちも、昨日引っ越してきたばかりなんだよね。」

なんとなく喋りに違和感を感じるのは私だけだろうか?
仕草は女の子みたいだけれど…。


F「隣の住人のFです、よろしくね。」


…残念なことに、名前まで中性的だ。
そこで私は正直に聞くことにした。


女「えぇと…Fさんって…男?女?」

F「男だよ。名前も格好もこんなだから、身近な人はFちゃんって呼ぶかな。」

あぁ、男なのか…。
Fは男性らしからぬ笑顔を浮かべて「じゃ、またね」と家に入っていった。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/13(金) 16:54:29.90 ID:FyNA2RUAO
こんな感じなのですがどうでしょうか…。
続けて書いても大丈夫かな…。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/13(金) 17:08:52.42 ID:IjKDr2Od0
大歓迎
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/05/13(金) 17:32:10.63 ID:KjwxqRDH0
続けてくれ
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/13(金) 17:40:21.41 ID:6rpzJowSO
期待
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/13(金) 17:45:01.72 ID:q9gsRoSDO
スイーツ(笑)小説にならない事を祈ります。支援
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/05/13(金) 17:51:16.34 ID:FyNA2RUAO
ありがとうございます。
じゃあちょっと続き書いてきますぬ
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/13(金) 19:20:42.00 ID:UDAHKJIIO
期待
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/13(金) 19:22:26.58 ID:PlHkaiYbo
マウント フジかとおもった
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/05/13(金) 20:15:44.41 ID:iA7f47k8o
期待するぜ
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/13(金) 20:21:23.74 ID:aHPgOycUo
期待
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/13(金) 23:16:22.12 ID:FyNA2RUAO
隣人のFさんをはじめとするご近所さんとはあまり関わりのないまま1ヶ月くらいが過ぎた。
Fさんの家によく遊びにくる2人の男女の女の方が可愛かった。
ある日バイトが休みでゆっくりしていた晩のこと、雑誌を読んでいたらいきなりチャイムが鳴った。


女友「女さーーーーーーん!うちらと一緒に飲みませんかーーーーー?」


インターホンに出る前にFさんの女友達らしき人の声がした。
この様子だとこの人は既に酔っているのだろうか…。
暫くして隣から残りの二人が出てきたような物音と、「おい他人に迷惑かけんなよ」などと聞こえてきた。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/13(金) 23:18:21.15 ID:FyNA2RUAO
なんだか陽気そうな女友達につられて私はドアを開けた。

女「こんばんはー」
F「どうもすみません」
女「いえいえ、楽しそうで羨ましい限りです」
女友「ねー!飲みましょうよー!」
男友「こら女友ー」

ぐいぐいと半ば強制的に、私は女友にFさん宅へ連れて行かれる。
すでに開きっぱなしの惣菜や空き缶が何本か転がっていた。

女友「まあまあ狭いワンルームですがまずはグイッと一杯…」
私も同じ間取りに住んでるんだけど、しかもFさんの家だし、なんて心の中で突っ込んだ。
酔った女友さんは何でもお構いなし、という感じで呼ばれたのが私で良かったかもしれないと思うほど。

女「私未成年だからお酒はまだ…」
女友「えー!女さんも飲めないの?つまんなーい」

F「ホントすみません、こちらの2人はサークルの先輩で…


Fさんは簡単に女友さんと男友さんです、と名前だけ紹介した。

男友「俺、下戸だから飲めないんだよ。ホントすまない…。」

男友さんはすまなさそうに言う。
Fさんは本当に肩身が狭そうにした。
大学の先輩とよく知らない隣人に囲まれたらそりゃそうなって当然な気もする…。

女「いえいえ、独り身なんで楽しませてもらいます。」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/13(金) 23:21:54.01 ID:FyNA2RUAO
>>16
コピペ失敗してしまったので修正投下します少しお待ちを
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/13(金) 23:27:53.96 ID:FyNA2RUAO
>>16失敗したので訂正版です


なんだか陽気そうな女友達につられて私はドアを開けた。

女「こんばんはー」
F「どうもすみません」
女「いえいえ、楽しそうで羨ましい限りです」
女友「ねー!飲みましょうよー!」
男友「こら女友ー」

ぐいぐいと半ば強制的に、私は女友にFさん宅へ連れて行かれる。
すでに開きっぱなしの惣菜や空き缶が何本か転がっていた。


女友「まあまあ狭いワンルームですがまずはグイッと一杯…」
私も同じ間取りに住んでるんだけど、しかもFさんの家だし、なんて心の中で突っ込んだ。
酔った女友さんは何でもお構いなし、という感じで呼ばれたのが私で良かったかもしれないと思うほど。

女「私未成年だからお酒はまだ…」
女友「えー!女さんも飲めないの?つまんなーい」

F「ホントすみません、こちらの2人はサークルの先輩で…


Fさんは簡単に女友さんと男友さんです、と名前だけ紹介した。

男友「俺、下戸だから飲めないんだよ。ホントすまない…。」
男友さんはすまなさそうに言う。口下手そうな印象。

Fさんも未成年だし、女友さんは一緒に飲める人を探していたんだろう。
二人はどうやら2リットルの烏龍茶を飲んでいたようだ。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/13(金) 23:29:37.77 ID:FyNA2RUAO

女友「じゃあお酒はいいからコンビニいこうよー!女さんの好きなの買いにいこー!」

男友「バカ、おめーが酒欲しいだけなんだろ!」

女友さんはアハハハハ、と陽気に笑う。
男友さんは怒っているというわけでもなく、漫才でいうところのツッコミみたいな空気。

F「なんだかすみません…ホント…」

Fさんは本当に肩身が狭そうにした。
大学の先輩とよく知らない隣人に囲まれたらそりゃそうなって当然な気もする…。

女「いえいえ、独り身なんで楽しませてもらいます。」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/14(土) 00:22:26.07 ID:i1TQ07SAO
番外編 彼女サイドはおしまいです。


【補足解説】
1日の行動がほとんどない人物のため心理描写だけになってしまいました。

彼女の精神的なトラウマは幼い頃に飼っていた文鳥のサクラの死です。
そして両親に「サクラにとって、サクラのこと忘れないでいてあげることが幸せなのだ」と言われました。
彼女にとっての平穏な日常や恋人の存在は幸せとは考えず「大切な人に忘れないでいてもらうこと」つまり「死」を幸せと考えたわけです。

人形についてですが、人形は生きてはいませんが、貰ったのは幼い頃なので生き物と同じような情が湧きます。
彼女は人形をサクラと同じように愛してしまうこと、そして失うことを恐れて自分と同じ名をつけたのです。
そうすることで自分と人形を混同してしまい、引きこもりに通じてしまいました。

そして白い食べ物についてですが、人形用のミルク(幼児用人形のメルちゃんやぽぽちゃんのようなものに付属しているミルクがわかりやすいかと思います)と同じ要領で、白い物しか食べなくなったわけです。


彼女は「幸せ」を得るために人形と共に「死」を選びました(本編の彼女の死ぬ前?、人形の破壊と首吊りが人形の死とお考えください)。

というお話なのでした。



というわけで後輩編もSSにしようかなと思ってるとこです。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/14(土) 00:23:13.73 ID:i1TQ07SAO
ごめんなさい、ナチュラルに誤爆してしまいました…
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/14(土) 10:46:07.21 ID:5x9sOe+SO
私の機体…受けとれェェェッ!!!
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/14(土) 15:31:04.91 ID:i1TQ07SAO
私はそこにあった新製品のチョコを食べながら、女友さんをまじまじ見つめる。

女友「なにー?なんかついてるー?」

慌てて鏡を見る女友さん。
酔っ払っててもそういうところに気を遣うような女性って素敵だと思う。
まぁ私はルックスや服装なんかを見てたわけなんだけど。

女「いえいえ、女友さん可愛らしくて羨ましいなって」
女友「やだもー!女ちゃんも可愛いよー!」
男友「女友が可愛いとかどこが…」
女友「うるさーい!」

いわゆるリア充というやつなのか?
一人暮らしを始めてこんなに楽しいのは初めてだな…となんだか幸せな気分になりながら私はコーラを開けた。

F「うるさくないですか?最近ずっと二人が来てて…」

Fさんは私に聞いてくる。

女「全然気になったことないよ!羨ましいなと思ったことはあるけど」
女友「じゃあこれからもここ来たらいいんだよ!隣なんだし!」

私もいるんだからー、と女友さんはヘラヘラ笑った。
ってかここFさんち…。

F「よかったら気軽に来てくださいね」
女「じゃあまたこういう時はお邪魔させてもらいますー」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/14(土) 15:38:11.96 ID:i1TQ07SAO
女友「そうだ!」

チャラララ〜と某猫型ロボットの効果音を口真似する女友さん。

女友「メアドこうかんー!」

新機種の携帯をちらつかせるので、私も携帯をポケットから出して赤外線。

女友「ほら男友もFも!赤外線!」
男友「お前、俺のアドレス知ってんじゃん」
女友「馬鹿!女ちゃんと交換すんの!」
F「こっちはお隣さんだしあんまり意味ない気が…」

そんなやりとりをしながら強制的にFさんと男友さんともアドレス交換をする。
女友さんはその光景を満足そうな顔をして…寝てしまった。

男友「やっと寝たか…」
F「あっ、毛布取ってきます」

Fは立ち上がってクローゼットを開ける。

男友「馬鹿だから風邪ひかねーだろ…」

唯一の酒豪兼おしゃべり要因が寝てしまったため、なんだか気まずい沈黙が流れる。
私は黙々と先ほどのチョコレートを食い荒らすことに徹底した。
25 :名無し丸2011/05/17(火) 01:13:41.41 ID:WiiXnqjAO
時めく気持ちで読んじゃった。
イロイロ気になります。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/05/17(火) 01:34:07.86 ID:cKl95ta6o

昔真面目な同性愛物書こうと思って色々調べたの思い出した
ブログとか読むと自分の考えとか書いてる人も居て、結構色々勉強になったな
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/17(火) 02:17:30.53 ID:k6T/d8wDO
期待しちゃう
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/18(水) 17:55:56.85 ID:uM02inNAO
仕事が忙しいんでちょっと休止します;;
ある程度書きためたらまた投下します
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)2011/05/22(日) 12:02:01.02 ID:uPw35cbX0
まだー?
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/22(日) 19:49:32.02 ID:f+Vp37T3o
MtFがマウントフジに見えた
31 :名無し丸2011/05/23(月) 22:45:15.13 ID:m2cDmNuAO
続ききになる(;_;)
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/05/24(火) 21:05:08.50 ID:WpiOSLWAO
>>12
顔面が富士山とかギャグ過ぎるだろww百合要素要るのかよww


面白そうなのでwktk
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/27(金) 17:31:17.41 ID:pSyeu8nAO
遅くなりました、投下します
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/27(金) 17:33:21.43 ID:pSyeu8nAO
あの夜以来、週に一回は私やFの家で飲むというのが定例になった。
メアドを交換したものの男友からは連絡はないし、Fは隣人なので会って立話、女友からのメールのみという感じ。
女友も可愛くてタイプではあるけれど、どうやらFに気があるようだ。

【今日飲みに行くよ!】
みたいなメールからはじまり
【F君って彼女とかいないのかなぁ?】
【F君って可愛いよねーっ】
と始終私にFについての詮索をしてくる。
私は
【男友や女友ちゃんしか家に来る人見たことないなぁ】
と自分が見たことしか話してはいない。

男友は女友の保護者的な位置にあるような空気なのであまり心配はないけれど、何だか嫌な予感を感じながらも何度か飲み会を開いた。

その日は私の家で飲み会をすることになった。
私の家はFの家とは違って相手もいないのに雀卓があったり、花札や株札やらWiiがあったりするのでまぁ、盛り上がると言えば盛り上がるかなという感じ。
どちらかといえば最近は私の家で飲んでいる。

女友がやけに大きなブランド物の紙袋を下げてやって来た。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/27(金) 17:33:52.04 ID:pSyeu8nAO
女友「やほーっ!」
女「大荷物だね!どうかしたの?」
女友「えへへ、ちょっとね!女ちゃん後で化粧品貸してくんない?」
女「いいよー」

女友はドサッと紙袋を置いて、携帯を触りながら男友とFの到着を待った。

女友「今日はねーF君が可愛すぎるから、私の服を着せてみたいなあって思ってんの!」

待ちきれずにビールを開けた女友が言う。
確かにFは女の子に見間違えるくらい可愛い。
体格も男としては貧相な感じだし…とはいうものの、あの人はそれを了承するのか。
まぁ世の中には女装男子や男の娘って言葉もあるし、私も正直興味はあった。

女「それで化粧品とその荷物かぁ…でも大丈夫なのかな?」
女友「酔ったノリなら大丈夫じゃない?それにF君可愛いもん!」

なんだか支離滅裂だけど大丈夫なのか…酔っているというか、今日の計画にワクワクして舞い上がっているようだ。
インターフォンが鳴り、Fと男友が来た。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/27(金) 17:59:36.66 ID:pSyeu8nAO
いつものように飲み会を始め、ある程度みんなのテンションも上がってきた頃に女友は待ってましたと言わんばかりに紙袋を取り出した。

女友「今日はね!F君にこれ着てほしいなと思って!」

取り出したのは流行りのブランド物の、ふわりとしたワンピース。
女友には似合わなさそうな、パステルピンクの落ち着いたデザインだ。

F「えっ…罰ゲーム…?」

やはりというか苦笑するF。

女友「ちーがーうーよ!似合いそうだなと思って!大丈夫だよ、化粧はしてあげるし!」

ニコニコと上機嫌な女友。
男友は少し難しそうな顔をしながら口を開いた。

男友「外に出るというわけじゃないんだろ?」
女友「靴まだ買ってないしねー!家だけでいいかな」
F「化粧…かぁ…」
女「まぁ、メイク落としもあるし家の中だけってことなら良いんじゃない?家も隣だし。」

女友の勢いに負け、Fは大人しくメイクを施してもらう。
正直女友のメイクは上手すぎて、Fはみるみるうちに女らしい顔つきになった。
まず眉毛を綺麗に整えてから洗顔、頬はチークでほんのりとしたピンクに染められる。
瞼には流行りのブラウンベースのアイシャドウに、黒いアイラインで目を囲む。
睫毛にはFの目元に似合ったつけまつげを付けて、ボリュームを出すためにマスカラを塗ってカールされた。
綺麗な黒髪は丁寧にカールされて、正直言って上出来だ。
Fは自分ではない自分を見て嬉しそうな、不思議そうな顔をして、女友も満足した顔で頷いた。

女友「じゃあ次はこれを着てみようー!」
自分の持ってきた服を着せようとFの服を引っ張る。
メイクの余韻に浸る間もなくFは女友を制止した。
F「自分で着替える!女さん脱衣場貸して!」
女「えっ!あ、どうぞどうぞ」
女友「男なんだからここで着替えりゃいいじゃん!」
F「それは嫌!!絶対覗かないでね」

Fは脱衣場に入って扉を閉めた。
女友は待ちきれずに扉を開けたがったが、男友がそれを制止した。
男友「覗かないでって言ってたろ?」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/27(金) 18:30:40.77 ID:pSyeu8nAO
少ししてから脱衣場からすっかり女の子になったFが姿を現した。
正直そこらの女の子よりずっと可愛い。
私達3人は声を揃えて「かわいい…」と呟いた。

女友「かわいいいいよ!写メ撮ろう!写メっ!」
私達も酔った勢いにまけて写メを撮りあったりした。
女友は近所のゲーセンにプリクラを撮りに行きたい!とせがんだが流石にFは拒否したので写メだけになった。

その日も女友の爆睡でおひらきになり、男友が女友を背負って帰っていった。
私はFにクレンジングオイルを渡して使い方を教える。
Fはメイクを落としながら言った。

F「ちょっと楽しかったなー」
女「またやりたい?」
F「それはちょっとね」
女「そっかぁ」

ちょっとがっかりしてしまった自分に疑問を抱きながら、私はFを見送った。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/05/27(金) 18:49:18.88 ID:HM9HDuZe0
Fは俺の中でふたなりで補完してるけど問題ある?
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/27(金) 19:17:11.22 ID:pSyeu8nAO
1だけど、登場人物の設定画があるんだけどうpとかはしない方が良いのかな?
良いならうpしたいけど皆さんの脳内保管に留めたほうがいいならやめときます。

SSあまり書かないので画像うpとかまずいのか教えてくださればありがたいです、
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/05/27(金) 19:22:21.49 ID:3Qk3UIeZo
>>38
ふたなりとは違うだろう
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/27(金) 21:44:45.12 ID:pSyeu8nAO
そんなことのあった次の日曜日、昼過ぎに女友が私の家へやってきた。

女友「女ちゃーん!遊びに来たよっ!」
女「どうしたの、いきなり」
女友が一人で家に来るのは初めてで、意外だった。
元々バイトは休みで断る理由もないし招き入れ、少し余分に作ってしまったカルボナーラをご馳走した。

女友「女ちゃん料理んまーい!うらやましー!」
女「そうかな?えへへ…」
女の子に誉められるとなんというか、嬉しくてふわふわとした気分になる。
女友はパスタをくるくると巻きながらスープに絡めて、言う。
女友「あのね、私Fくんにコクろうと思ってんの!」
女「そうなんだ」

なんだかモヤモヤした。
女友がタイプというのは正直あったし、先日のFも正直言って可愛かった。
そんな二人が付き合うとしたら…私はこんな風にずっとモヤモヤしてるんだろうか?
ちょっと大人気ないかもしれないけれど、この計画が上手くいかなければいいなぁと思った。

女友「女ちゃんはさ、Fくんのこと好きじゃないよね?」
女「うーん、今は彼氏はいらないなぁ」
今は、というよりこの先ずっといらないけどね。
心の中で補足をする。
女友「よかった!今日ね、Fくんと約束してるんだー!」
女「そっか!頑張ってね!」
女の子ってこんなもんだよな…何度か味わったことのある何とも言えない感情を久しぶりに味わう。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/27(金) 21:57:15.59 ID:pSyeu8nAO
待ち合わせ、というか家が隣なので約束の時間まで私の家で時間を潰す私と女友。
このメイクは変じゃないかとか、髪の毛を念入りにセットしたり、準備を終えたらテレビを見ながらドキドキするとか。
私だってドキドキするわ。とは言いたかったけど言えなかった。
いつもよりずっと女らしい女友が可愛くて、それでもそれを壊してはいけない気がしたのでグッとこらえる。

約束の時間とやらがやってきたので女友は退散していった。

女友「あーっ!緊張する!」
女「頑張ってね!結果報告待ってるから」
女友「なんか安心するよー!行ってくる!」


それから一時間も経たないうちにバタン!というドアが乱暴に閉められる音と、続いてバタバタと誰かが走り去る音が聞こえた。
ああ、おそらく失敗したんだな、と私は悟って内心ホッとした。
そのあと30分くらいしてインターフォンが鳴ったので出てみると、少し不安そうなFが立っていた。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/27(金) 22:06:36.76 ID:pSyeu8nAO
F「今大丈夫?」
女「あー…うん。女友ちゃんも来てないし、平気。」
Fはホッとした様子で部屋に入ってきた。
私はFのためにコーヒーを入れてやり、自分のために買っておいたが気が気でなくて食べられなかったクッキーを出した。

女「大体は知ってるから、喋れるようになってからでいいよ」
F「ありがとう…」

Fはコーヒーを飲んで深くため息をつき、私のクマのぬいぐるみに顔をうずめた。
5分くらい沈黙が続いた後、Fは口を開いた。

F「困ったなぁ…」
女「そんなにマズいことしたの?」
F「女友さんに告白されて、迫られた…」
女「ありゃ」
F「それだけじゃないんだよね…」
女「どうしたの?」
F「女友には話せない事情があるから…どう断ろうか困ってる」

事情とやらを話すのを遮るように、私の携帯が鳴る。
相手は女友からだった。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/27(金) 22:25:37.10 ID:pSyeu8nAO
女友『マジ有り得ない!振られた…』
ヒクヒクと嗚咽混じりに女友は喋る。
女「うーんと…」
言葉に詰まっていると女友は続けた
女友『女ちゃんも協力して…私、Fくんが好きっ…えぐっ…』
女「ちょっと方法考えるからさ…待ってて…」
私はプツンと電源ボタンを押した。

音声が大きくて会話の一部始終を聞いていたFは、こちらをじっと見つめていた。
女「大丈夫、ちゃんと方法考えよう」
F「うん…」
女「私にも言えない事情、とか?」
Fはまた暫く沈黙する。
体系や容姿からなんとなくピンとはきているけど、そけから突っ込んでいいのかどうか…。

女「…身体の事情?」
F「まぁ…そんなとこ…」
言葉を濁すF。自分の事情とやらを話すにはまだ、たまらなく不安なんだろう。
身体や心の問題が複雑なのは私だって分かる。
リラックスさせるために何を言えばいいのか…。

女「あのね、私レズなんだ」

思わず言ってしまった。
リラックスにも何にもならないかもしれないし、下手したら笑われる?軽蔑される?
そんなことはどうでもよかった…焦って目線をFに向けると、驚いて目をまるくしている。

F「え…」

45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/05/27(金) 22:44:18.12 ID:pSyeu8nAO
女「変なこと言ってゴメン…なんか喋りやすくなるかなーなんて思って…アハハ」
F「んー…ビックリはした…」
女「こんなだからさ、私は。だから迫ったりはしないし、安心して話してよ」
笑いながら私は言った。
なんでこのタイミングで言ったんだろう。
安心させるため…ではあるけど。
コーヒーを一口飲みながら、私はちょっと落ち着かない気分だった。

F「えっとね…」

Fは遠慮がちに口を開く。

F「女友ちゃんには言わない…よね」
女「うん、もし私が女友ちゃんに言うようなことがあったら、私のことも話しちゃっていいよ」
Fはホッとしたようで続けた。

F「女の子になりたくて…中学校くらいから…」
Fはぽろぽろと涙を流しながら続ける。
F「おかしい、よね…心は女の子だ、なんてさ…信じてくれる人、いないよね…」

F「女の子のこと、好きになれない…友達でしか、いられないよ…」

これはやはり、とても女友には喋れない事情だ。
Fは私に、将来的にはホルモンを打ったり、手術をしたいという話を続けた。
私は頷いて、Fの話だけに耳を傾ける。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/06(水) 22:22:19.91 ID:oPwBdek1o
まだかしら
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/08/28(日) 13:12:43.65 ID:0FI+hrkvo
まだなのかしら
48 :なすーん[なすーん]:なすーん
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自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/



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