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HTML化した人:
lain.
★
伸太君とドロッセル嬢の残念な日常
1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
2011/06/07(火) 03:16:38.79 ID:Gzf2CXIAO
“――貴方は普通すぎるのよ”
そんな言葉で人生初の恋人に別れを告げられて、一ヶ月半が経とうとしていた。
すなわち、新しい土地で高校生活を初めて一月。
俺、火野伸太(ひのしんた)はそこそこな毎日を送っていた。
友達もでき、周囲の地理も把握し、初めての一人暮らしもぼちぼちうまくいっている。
ささやかなものだけど、俺はそこに確かな幸せを感じていたのだ。
「はいはい今でますよー」
ゴールデンウィークの昼下がり。
突然の来客に、俺のまどろみは中断される。
響き渡った電子音は訪問者が表すことを示すものだった。
俺が住むこのマンション・メゾン大河は学校から近く家賃もかなり安いので地方から来た生徒の八割近くが暮らしている。
ゴミ捨てや買い出しの際に同じ高校の生徒に会うのは日常茶飯事で、友達といえるようなやつも何人かはいる。
だから今日も、誰かが遊びに来たのだと思っていた。
そう、俺が鍵を開け、自室のドアを開けるまでは―――
「いらっしゃい、よくきた―――え?」
そこに立っていたのは―――
「魔女ドロッセル。マスターの恋を叶えるべく、ここに参上した」
俺をマスターと呼ぶ、なんかもう突っ込みどころ満載の女の子だった。
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
2011/06/07(火) 10:31:24.65 ID:Gzf2CXIAO
「ちょっとなにいってるかわかりませんね」
魔女? 恋? 安定の青? 悪いが俺は誰とも契約する気はないぞ。
「私はこの身に魔道を宿す魔女。その力を研磨するため、マスターのもとに現れた」
艶のかかったハスキーな声でそんなことをいう少女、というか魔女。むしろ電波女だなこれは。
「なんでそれが俺なんだよ」
「必要なのはマスターの充実感。私がマスターを魔法の願望を叶えたら、マスターの充実感が私の魔法をさらに強化するの」
などと真剣な顔と口調で俺と向き合う少女。凛々しい目付きは彼女が嘘偽りのない言葉を口にしているという裏付けなのか。
というかこの電波女。電波女というわけあって、あのす巻き少女ばりに―――いや、正直なところあのす巻き少女以上の容姿をしていたりする。
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
2011/06/07(火) 12:38:03.43 ID:Gzf2CXIAO
一言で表すなら「実戦に耐えうる装飾剣」。
彼女の外見はそんな単語を俺に想像させた。
蒼氷色(アイスブルー)の瞳は、その気になればたやすく人を殺せるような強烈な眼光を放っている。つり上がった眉と上を向いた鼻、艶を感じさせないへの字の唇。 本来まともに調和しないはずであるそれらのパーツが見事に一体化して人並み以上の顔立ちになっているあたり、人間とは不思議なものだ。
身長は俺より頭半分下。俺が175センチ前後だったからだいたい160くらいか。女性の身長としてはぼちぼちだといえる。
年齢は……同い年か年上か。間違いなく年下ではないだろう。身に纏う雰囲気からはかなりの落ち着きを感じることができた。
黒い薄手のコートと細身の白いロングTシャツに包まれた身体は華奢だが、カーゴ地のホットパンツから伸びる黒タイツを身につけたしなやかな足は実に健康的だった。
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/07(火) 13:04:41.98 ID:vdU2W1WDO
元ネタなに?
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/07(火) 13:05:15.94 ID:vdU2W1WDO
元ネタなに?
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/06/07(火) 16:07:19.36 ID:M3Rt7cZ40
ドロッセルって言われてファイアボールしか思い出せない俺の知識は狭くて浅い。
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2011/06/07(火) 18:10:13.37 ID:rvEZzTlCo
てっきり[
たぬき
]の代わりに
>>6
のドロッセルがのび太くんのとこへ来た話かと思った俺は残念賞
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2011/06/07(火) 18:11:02.65 ID:rvEZzTlCo
てっきり[
たぬき
]の代わりに
>>6
のドロッセルがのび太くんのとこへ来た話かと思った俺は残念賞
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2011/06/07(火) 18:11:58.78 ID:rvEZzTlCo
二重投稿スマヌ
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
2011/06/07(火) 20:42:10.94 ID:Gzf2CXIAO
>>4-5
元ネタは一応あるけど半オリジナルといっても過言じゃないです
>>6
むしろファイアボールを知ってる人のほうがすごいと思いますよ
>>7-9
わりとニアピンだったりしますよ
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
2011/06/07(火) 21:03:09.29 ID:Gzf2CXIAO
「魔女……ね。そのわりには全然魔女らしくないな」
マントや帽子を身につけてるわけじゃないし、杖を持ってるわけじゃない。まあ今時そんなステレオタイプのやつがいてもコスプレにしか見えないけど。
「それもそうね……マスター。なにか大きくなれば助かるものはある?」
力を証明するから貸してくれるかしら、と手を出しながら尋ねてくる少女――めんどいのでドロッセル。……なんでそんなにピンポイントなんだよ。もっとこうなんかあるだろ。火を出してみる、とか。
心の中でぼやきつつ、俺は冷蔵庫の中からヤクルトを一つ取り出す。これ、うまいけど小さすぎるんだよなあ。
「ほれ」
「ありがとう」
差し出したヤクルトを左手でドロッセルが受け取る。
「一度しかしない―――ってわけじゃないけれど。まあ、よく見ててね」
ほんのわずかに唇の端をあげ―――かすかに、不敵な笑みを浮かべたドロッセルが、手にしたヤクルトに向け右手の掌を突きだした。
その瞬間―――
「蒼い―――光?」
瞳から、光が漏れだした―――
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
2011/06/07(火) 21:04:27.74 ID:Gzf2CXIAO
「刻印の魔女ドロッセルの名において命ずる―――」
トランスしたような口調で、呪文を唱え出すドロッセル。それに呼応するように、瞳から漏れた燐光が彼女の全身を包んでいく。
「古き神秘を宿す三つのルーンよ。その力をここに顕現せよ」
突きだした右手、そこに浮かぶのは直線で形成された三つの記号。よく見ればU・Th・Sの三文字とも思える。
「野牛・巨人・太陽(ウルズ・スリザズ・ソウイル)―――!」
叫ぶような詠唱。それに呼応し、ドロッセルを包む光が彼女の右手に収束していき―――
―――瞬間。溢れた蒼光が、ヤクルトに向けて照射された。
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
2011/06/07(火) 22:26:06.36 ID:Gzf2CXIAO
「な、なんだこりゃ!?」
手から放出した光。それがヤクルトに触れた瞬間―――
「で、でかくなりやがった……」
ドロッセルの手の中のヤクルトが、500mlペットボトルほどのサイズになっていた。
「どう? 私の力、わかってもらえた?」
「……ああ」
これは認めざるを得ないな。
ドロッセルは魔女で、魔術を行使できる。
そして、その力で俺に恋人を―――
「……マジかよ」
なんてこった。
渡りに船。とは違うが、本当にこんなことがあるんだな……まるで漫画みたいだ……
「わかってもらえたら結構よ。それじゃマスター。これからよろしくね。あなたをサポートするために、一緒に暮らすことになるから」
……え?
一緒に……暮らす……だと?
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
2011/06/07(火) 23:10:49.09 ID:Gzf2CXIAO
今回の魔術解説
拡大光子(ラージフォトン)
野牛・巨人・太陽(ウルズ・スリザズ・ソウイル)の三つのルーンから構成されるCランクのルーン魔術。強化を象徴する野牛(ウルズ)、力を象徴する巨人(スリザズ)、光を象徴する太陽(ソウイル)。それらが意味する能力は「触れたものを巨大化させる光線を放つ」。
元ネタは青狸のビ――ライト。
ちなみに拡大光子(ラージフォトン)という十四歳臭全開の名前はドロッセルに魔術を教えた師匠のネーミング。
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
2011/06/07(火) 23:27:53.38 ID:Gzf2CXIAO
以上が第一話「拡大光子(ラージフォトン)」になります
さて、ドロッセル嬢に同棲の旨を告げられた伸太君。極めて健全な一般高校生の伸太君は美少女のドロッセル嬢とまともな生活が送れるのか?
伸太君とドロッセル嬢の残念な日常
第二話「隠蔽外套(クリアスーツ)」
ご期待ください
質問などありましたら受け付けますよー
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/06/08(水) 01:49:22.02 ID:j8MovUQG0
俺もファイアボールかと思った
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)
[sage]:2011/06/11(土) 07:05:58.23 ID:AwJCOckSo
ファイアボールじゃないのかよクソァ!
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