VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/05(火) 21:59:27.25 ID:JPHYKbk40<>...裕福な家庭で育ったことって結構辛いことだと思う...
大学3回生の時、ふと発展途上国を旅してみたいと思い、高校時代からの友達に声をかけてみた...
紬「ねぇ、どこか旅してみない?」
唯「へぇ〜、面白そうだね〜」
澪「イタリア、フランス、ドイツ...ヨーロッパは憧れるなぁ〜」
律「そっかぁ〜?タイとかベトナムとかインドとか生命力溢れるところも良くないか?」
梓「律先輩は現地に馴染むでしょうけど、女性だけで旅するのは恐いですよ。」
梓ちゃんは1年遅れで同じ大学に入学しました。
もちろん、憂ちゃんも...(純ちゃんは以外にも偏差値上ではワンランク上の大学に入りました。)
紬「ううん、違うのよ!!観光気分ではなくって、生活に溶けこむような...」
紬「...そうねぇ〜...」
紬「そうっ!!そこで生活するの!!ウルルンなんとかみたいに!!」
一同「................................」
一同「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
律「いやいやそれは無茶だろ!!」
紬「そっかな?文明から遠く離れた社会で生活するとかって、結構楽しそうじゃない?」
澪「わっ、私は無理!!」
梓「私もその〜....」
紬「梓ちゃん?私は無理強いをしてるわけじゃないのよ?気にしなくてもいいのよ!!」
唯「私はいっかな(wktk)」
紬「唯ちゃんは、憂ちゃんの許しがないと無理だわwww」
唯「そっかぁ〜?憂は許してくれそうもないしなぁ〜」
紬「うふふ?憂ちゃんはお姉ちゃん想いだもんね〜」
一同「......................................................」
澪「ムギ?」
紬「なあに?澪ちゃん?」
澪「そのぉ〜...まさか一人でも行くって考えてはいないよな?」
紬「...」
紬「ちょっと恐いんだけど...一人でもいくつもりなの!!」
紬「そのために車の免許も」
紬「それだけじゃなくって、大型特殊免許も、大型バイクの免許も」
紬「1級船舶免許も、軽飛行機操縦免許も取ったの」
紬「これだけ取っておけば、どんな機材でも操縦できるでしょ?」
律「いやいや!!そんな話じゃなくって!!」
梓「そうですよ!!なんでムギ先輩がそんな危険なところに行こうとしているんですか!!」
梓「ムギ先輩はおっとりぽわぽわで私たちの側にいてくれなきゃ困るんですよ!!」
梓「私たちを悪戯に不安にさせないで下さい!!」<>紬 「Get up!! Stand up!!」
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本)<>sage<>2011/07/05(火) 22:00:17.24 ID:YFEJfANwo<> ウェカピポ オッ↑オ↓ー <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/05(火) 22:11:03.62 ID:JPHYKbk40<> 紬「梓ちゃんの気持ちはうれしいけど...」
紬「私はどうしても知りたいことがあるの!!」
紬「私はお嬢様で育ってきたでしょ?」
紬「私だけじゃなくって、みんなも恵まれた環境だと思うの」
紬「そうでなきゃ、私立の女子高から私立の女子大に進めるはずがないもの」
紬「その分、恵まれない人たちが必ずいるはずなの」
紬「だから、そういった人を知って、私たちの責任とか義務を感じたいの」
一同「..........................................」
澪「...なぁムギ?それって私たちというかムギが感じることなのか?」
律「そうだよ!!たかが一女子大生が考えることなのか?」
紬「...一女子大生かぁ〜」
紬「私の場合は一女子大生で片付けられない部分もあるの」
一同「.................................................」
律「だよなぁ〜」
澪「でも、ムギが背負うものでもないだろ?自分の境遇に感謝するだけでもいいんじゃないか?」
梓「そうですよ!!感謝だけで十分ですよ!!」
唯「そうそう!!今が幸せなら未来も幸せだよ!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/05(火) 22:19:05.56 ID:/bS3M8zSO<> 新手の宗教か? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/05(火) 22:26:50.73 ID:JPHYKbk40<> 紬「唯ちゃん?私達だけが幸せならそれでいいの?」
紬「人間って私だけなの?」
唯「それは違うけど...」
紬「私はね、だれかが幸せな分、誰かが不幸になっているような気がするの」
紬「それでね?幸せな人の幸せを少しだけ不幸な人に分けられたらって思うの」
紬「綺麗ごとなのはわかってるけど、幸せな人が動かないと何も変わらないと思ってるの...」
澪「ムギ?」
紬「何?澪ちゃん?」
澪「まさか誰かにオルグされたとか...」
紬「そんなことあるわけないじゃないwww」
紬「大丈夫よ!!でも私は現実を知りたいの」
紬「平均寿命が80歳を越える日本の反対に40歳代の国もある」
紬「この不公平感が納得できないのよ」
紬「国民性とかで片付くのならそれでいいのよ。」
紬「でも、それがわからないから知りたいの!!」
紬「さいわい私には、澪ちゃん達が信じられないくらいの人的、金銭的バックボーンがあるから」
紬「私にできることは私がしないと悔しいじゃない?」
澪「................................................」
梓「で、でも...」
律「そっだよ〜、ムギがなんでそんな事をするんだよ〜」
律「今まで通り、ムギは作曲や編曲をしてキーボードを弾いているだけでいいじゃんかよ〜」
律「なんで、そんな危険を犯す必要があるんだよ〜」
紬「皆ありがとう!! でもそんなに心配しなくても大丈夫よ!!」
紬「私一人といっても、私は琴吹家の嫡男家の一人娘よ!!」
紬「かならずボディーガードがついてるもの」
紬「それに身内の嫉妬の方がよっぽど恐いわwww」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/05(火) 22:42:42.12 ID:JPHYKbk40<> といって日本を飛び出したものの...
現実は思った以上に厳しい
というか、命ってこんなにあっけないものかと痛感する。
私の回りには常にボディガードが付いている。
こればかりは仕方がないことだけど...
銃声が聞こえた瞬間、私はボディガードに囲まれる。
その体の隙間から見えるのは、明らかに「たった今命が尽きた人」が運ばれている光景だった。
最初のころはショック以外何者でもなかった。
簡単に命が消えていく。
その理由は
・ご飯が食べたいからお金が欲しい。
・気に入らない思想を持っているから。
・あいつを殺したら報酬をやる。
そんなに人間の命って軽いの?
私はとんでもないことに気がついた。
紬(なんて安直な発想だったの?)
紬(不幸な人達を知りたいって、どれだけ傲慢だったの?)
紬(でも、ここまで命が軽いって知って、どこに戻ればいいの?)
私は混乱に境地にいた。
紬(投げ出したい!!浅はかな考えを持ってた自分を投げ出したい!!)
紬(全てを無しにしたい!!暢気な学生生活に戻りたい!!)
でも、今となってはどうしようもない。
紬「ドラッグに走る理由がわかった...」
紬「手に入るんだったら、ヘロインでもコカインでもいいから現実逃避したい...
でも、幸いにも私の回りはしっかりガードされていて、安直な現実逃避はさせてもらえない。
紬「辛い!!辛いよう!!」
紬「律ちゃん!!澪ちゃん!!唯ちゃん!!梓ちゃん!!」
紬「辛いよう...苦しいよう...知らなくていいことは知らない方が良かったよう...」
紬「うぅ...」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/05(火) 22:55:48.42 ID:JPHYKbk40<> 目を閉じていても銃声があちこちで鳴り響く町にやってきたときには
私は無常観しか感じなくなっていた。
紬(日本の生活ってなんだったの?あれが普通なの?それとも特殊なの?)
そんな日々が続く中、ある朝ガードを抜けて街に出ることができた。
朝は世界各国共通なのかな?
銃声もない上、心地よい風が通りを吹抜ける。
見上げれば、まさに紺碧の空。
世界は安寧に包まれているとしか思えない時間。
でも、そこで私は現実を見てしまった。
銃を抱える少年。
日本でいえば中学生くらいか...
私は無性に悲しくなった...
紬(私はこの年齢で銃を持っていなかったし、銃を持つということは誰かに銃を向けること...)
紬(銃をむけることは命を奪うこと、もしくは命を奪われること...)
現実の重苦しさに気を失いそうになりつつも、思い切って少年に声をかけた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/05(火) 23:16:46.72 ID:JPHYKbk40<> 紬「ねぇ?ちょっと話をしていい?」
少年は警戒しつつも私が女性で、かつ丸腰ということで警戒心を緩めたようだった。
少年「なんだよ?見張りをやってるんだから難しい話はやめてくれよ!!」
紬「うん...」
私は声をかけたものの何を話していいのかわからなかった
けど...
思わず尋ねたことがあった
紬「なんで銃を持ってるの?なんで銃を打つの?」
少年「へっ?」
少年は当たり前過ぎて、逆に面食らった感じをしつつも
少年「俺が撃たなきゃ、撃たれるんだぜ?撃たなきゃ死ぬんだぜ?」
紬「でもなんで撃つの?そもそも撃たなきゃいけない理由ってなんなの?」
少年「なんでって...」
少年「そう教えられたんだよ!!俺たちが撃たなきゃ俺たちが生きていけないんだよ!!」
少年「俺だって、本当は撃ちたくないんだよ...でも...相手は撃ってくるんだよ...」
紬「でも、でも...なんで争いがあるの?」
紬「銃を撃ってまで争う理由はなんなの?」
少年「生きるため!!」
少年「そう!!生きるためなんだよ!!」
少年「俺たちはずーっと虫けらみたいにこき使われて、働けなくなったら銃殺さっ!!」
少年「この400年間ずーっと耐えてきたけど、そろそろ限界なんだよ」
少年「俺たちが立ち上がらなければ何も変わらないんだよ」
少年「たとえ、今は失敗しても、次が成功するかもしれない」
少年「俺たちはそれを400年間続けてきたんだよ」
少年「それは、未来への希望なんだよ」
少年「そして、今、俺が銃を握ってることがその証拠なんだよ」
少年「ねぇ、ねえちゃん?あんたは外国人だろ?」
少年「だったら、俺たちのことを仲間に紹介してくれないか?」
少年「俺たちみたいな境遇にいる連中はたくさんいるはずなんだ...」
少年「言葉は通じなくても、どれだけ離れていても『同じように戦っている仲間』がいることを」
少年「伝えてほしいんだ」
少年「ねえちゃんにはそのチャンスがあると思うんだ」
少年「もしそのチャンスがあったら伝えて欲しいんだ」
少年「自分の人生を自分のためにいきたいって思う連中がたくさんいることを」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/05(火) 23:21:58.96 ID:JPHYKbk40<> とんでもないことを聞いたかもしれない。
一人の少年の命をかけた伝言を聞いてしまったんだよね?
でも私にできることって何?
琴吹家でのキャンペーン?
世間はそんなものをまともに受け入れてくれないのはわかっている。
「今更人権擁護?」
なんて反応は目に見えている。
なら、私にできることは一つしかない... <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<> sage<>2011/07/05(火) 23:23:08.09 ID:JPHYKbk40<> 私はさっさと帰国した。
紬「ねぇ皆聞いて!!」
りつ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<> sage<>2011/07/05(火) 23:37:40.53 ID:JPHYKbk40<> 「なんだよ急に帰国するなり集合かけるなんて...」
紬「私たちすぐにデビューしよ!!」
紬「そして世界に名前が知れるまでになろ!!」
一同「はぁ〜?」
律「何を言い出すんだよ!!」
澪「そうだよ、なんでいきなり世界なんだよ〜」
梓「まぁ、世界を狙えなくはないとは思いますが、突然なんなんですか?」
紬「...」
私は、少年から托された言葉を皆に話した。
一同が唖然としたのは当然だと思う。
なんせ世界に発信力を持たないといけないんだから...
紬「曲に関しては私に任せて、世界に通用する曲をかいて見せる!!」
紬「澪ちゃん!!まずは日本で圧倒的な指示を受けるような詩を書いて!!」
澪「えっ!!いきなりそんなハイレベル?」
紬「大丈夫!!私がフォローするから!!」
紬「唯ちゃん!!皆に届くような声で歌ってね?」
紬「律ちゃん!!梓ちゃん!!しっかりリズム隊としてフォローしてね!!」
律・梓「はっ、はい!!」
紬「でも焦らないでね!!」
紬「なんせ400年も戦って来た人たちがいるんだから!!」
紬「私達も400年かけて伝えていきましょ!!」
...その決意から数年後...
「Get up Stand up!! Stand for your life...」
私達は世界の舞台でこの歌を歌うことができるようになった...
この気持ちが続く限り...いつかかなう日が来るに違いない!!
終わり <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<> sage<>2011/07/05(火) 23:41:36.36 ID:JPHYKbk40<> あとがき
最初はチェ・ゲバラとボブ・マーリィを紬を重ねたんですが...
なんかランディングポイントがあやふやになりました。
結局、ウェイラーズで落ちましたが、ムギはどうしてもチェ・ゲバラの雰囲気が漂います。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/06(水) 02:39:34.44 ID:B8Q7MgbRo<> おつ! <>