VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:14:29.93 ID:+RvW7VRAO<>古泉「……これはこれは、どうやってここに?」

渡橋「とある有力筋からの情報ですっ」

古泉「はい?」

渡橋「というのは冗談でっ、実は昨日帰り際に先輩、うーっと、古泉先輩を見かけましてっ」

古泉「尾行したというわけですか?」

渡橋「違います違いますっ! あたしの家がこちらのうーんと、三軒先なのです!」

古泉「……なるほど」
<>渡橋「勉強教えてくださいっ」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:15:58.39 ID:+RvW7VRAO<> 古泉「しかしまた、何故また僕に勉強を?」

渡橋「それは来年あたしが北高に行くためなのですっ」

古泉「なるほど……ですが渡橋さん、あなたは既に北高に来るには十分な成績なのでは無いのですか?」

渡橋「ヤスミ、と呼んでいただけると嬉しいです。 いえっ、何と呼んでいただいても良いのですけど」

古泉「では、ヤスミさん。で、よろしいですか?」

渡橋「はいっ。それで、あたしの成績の話でしたね、全然そんなことないです、はい! 残念ながら授業はつまらないので、あんまり聞いてないのです!」

古泉「そうなのですか? 意外ですね」

渡橋「そうですか?」

古泉「ヤスミさんは、授業を聞かなくても成績は良いといったタイプの人間かと思っていました」

渡橋「そんなそんなっ、買いかぶりですよ」

古泉「そうですか……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:16:58.82 ID:+RvW7VRAO<> 渡橋「それで、勉強はみてもらえるのでしょうか?」

古泉「そうですね……別に構いませんよ。こちらにもいくつか聞きたいことがありますからね」

渡橋「本当ですか!?」

古泉「ええ、ですが、僕の家ではちょっと……ですので、場所を変えましょうか」

渡橋「はいっ、どこでもどこまでも着いていきますよ!!」

古泉「……」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:17:46.41 ID:+RvW7VRAO<> 古泉「……ということがあったんですよ」
キョン「本当か? 実はデート中だったとかでは無いんだろうな?」
渡橋「はいっ」
キョン「……一つ聞かせてくれ」
古泉「はい?」
キョン「こいつは、消えたんじゃなかったのか?」
渡橋「消えてませんよ! あたしはここにいますっ」
キョン「店で飛び跳ねるな。……で?」
古泉「いえ、あれはあくまで僕の推測でして、現にヤスミさんはここにいますから、それは外れていたということでしょう」
キョン「……そうかい、 んじゃ、ハルヒが作り出した分身ってのは本当なのか?」
古泉「ですから、それを聞こうと思っていたところなのです。」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:18:49.66 ID:+RvW7VRAO<> キョン「で、どうなんだ?」

渡橋「それは、あたしにも解りません!」

キョン「どういうことだ?」

渡橋「あたしは、わたぁしなのです。他の誰でもありません」

古泉「……成る程」

キョン「……解りやすく教えてくれないか?」

古泉「つまり、ヤスミさんはヤスミさんである、ということですよ。そういうことにしておきましょう」

キョン「……」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:20:02.33 ID:+RvW7VRAO<> 古泉「そうだ、折角ですのであなたも協力してあげませんか?」

キョン「何をだ? まさか、勉強とか言い出すんじゃないだろうな?」

古泉「今の会話で、他に何かあるとお思いで?」

キョン「さあな、まだ聞いてない何かがあるかもしれないしな」

渡橋「ええっ、先輩にも教えていただけるんですか!?」

キョン「……悪いが、今日は少し用事があるんでな。それに、どの一つの教科をとっても、お前より良く教えられる物はないと思うしな」

古泉「そうですか」

キョン「じゃあ、またな、邪魔して悪かったな」

渡橋「はいっ! ではまた、ぜひぜひまたの機会に!」

キョン「……ああ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:21:43.58 ID:+RvW7VRAO<> 古泉「さて、そろそろ始めましょうか」

渡橋「よろしくお願いします!」

古泉「とはいえ、急に出てきたのでこちらは何も用意していませんが」

渡橋「はい、大丈夫です! ばっちり用意してきましたっ!」

古泉「 ……」

渡橋「はっ、呆れていますね? でもでも、あたしはそんな視線には負けないのです! 北高に入るためにはっ」

古泉「いえ、呆れてはいませんよ。ただ、随分準備が良いと思っただけです」

渡橋「ふふふっ」

古泉「それで、具体的にどの科目を教えて欲しいのです?」

渡橋「数学と、英語です!」

古泉「……」

渡橋「あれっ、何かあたし可笑しいこといいましたぁ?」

古泉「いえ、予想外の科目を言われたので」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)<>sage<>2011/07/08(金) 02:21:52.38 ID:mEkw35v30<> まさかの渡橋×古泉 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:22:48.00 ID:+RvW7VRAO<> 古泉「学校ではどの程度まで習いました?」

渡橋「わかりません」

古泉「……今、中学三年生ですよね? では、中学二年生の範囲から問題を出すので、解いてみてください」

渡橋「はいっ、了解です。がんばります!」

古泉「良い返事です」

……

渡橋「できましたぁっ!」

古泉「では、ちょっと見せてください」

渡橋「どきどきですよっ」

古泉「……」

渡橋「どうですか?」

古泉「答えは合っていますね。すみませんが計算したノートも見せてもらえませんか?」

渡橋「え?」

古泉「途中式を書いた紙は無いのですか?」

渡橋「無いですよ?」

古泉「……そうですか」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:23:55.39 ID:+RvW7VRAO<> 古泉「では、次はもう少し難しめの問題を」

渡橋「はぁい!」

古泉「……」

渡橋「……♪」

……

渡橋「できましたぁっ!」

古泉「やはり答えだけですか?」

渡橋「え?」

古泉「いえ、何でもありません。では次は……」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:26:15.83 ID:+RvW7VRAO<> ……

古泉「……これで、こことここの長さが等しくなることが示せる、というわけです」

渡橋「はいっ、解りました!」

古泉「いったん休憩にしましょうか、そろそろ疲れてきませんか?」

渡橋「大丈夫ですっ、まったく、元気ですよ!」

古泉「そうみたいですね」

渡橋「はいっ」

古泉「まあ、どちらにしてもそろそろ休憩という頃合いでしょう」

渡橋「ですか? そういうことならっ、はい!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:27:01.24 ID:+RvW7VRAO<> 古泉「……一つ聞いて良いですか?」

渡橋「何でもどうそ」

古泉「普段から説明を要しない文章題を暗算で解いているのですか?」

渡橋「んー。そうですそうですっ! 頑張って考えてますよっ」

古泉「何故ですか? 問題が簡単過ぎるということでも無いようですし」

渡橋「書いたら余計に解らなくなってしまうのです! もうカンペキに!」

古泉「先生に何か言われたりしないのですか?」

渡橋「え? はいっ、いえ、何も言われたことはないです。たぶんっ」

古泉「そうですか……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:27:57.70 ID:+RvW7VRAO<> 渡橋「あっ、すみません! 今何時ですか?」

古泉「もうすぐ五時になるところですね」

渡橋「ごめんなさいっ! もう帰らなくてはいけないのです。どうしてもやらなくてはならないことがあるのを忘れていました! 申し訳ありません、帰ります!」

古泉「送りましょうか?」

渡橋「そんなっ、悪いですよわざわざっ、あたしのためにそんなっ」

古泉「いえ、どうせ同じ方向ですし。無理にとは言いませんが」

渡橋「うー、それならよろしくお願いします」

古泉「かしこまりました」

渡橋「はいっ」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:29:29.20 ID:+RvW7VRAO<> 帰途

古泉「そういえば、今後はどうするのですか? ヤスミさんがそうしたいと言うのであれば、勉強を教えるというのも吝かではありませんが」

渡橋「本当ですかっ!? それなら、ぜひぜひっ、今後ともよろしくお願いします! 不束者ですがっ!」

古泉「では、携帯電話はお持ちですか? いつも家に突然訪ねてくるという訳にはいかないですし」

渡橋「すみませんっ、持っていないのです。欲しいのですけど、お父さんが駄目だって。でもっ、今度お姉ちゃんが味方になってくれるはずなのです!」

古泉「そうですか。少しお待ちください。……これが僕の携帯電話の番号とメールアドレスです。ここに連絡してください」

渡橋「解りましたっ」

古泉「そういえばお姉さんがおられるのですね」

渡橋「はいっ、五つ上に一人!」

古泉「四人家族ですか?」

渡橋「その通りです!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:30:53.15 ID:+RvW7VRAO<> 渡橋「あ、ここです!」

古泉「確かに、三軒向こうですね。こんなところに住んでいたのですか」

ピンポーン

?「はい?」

渡橋「あたしです!」

?「……」

ガチャ

?「遅いわよ。それに鍵はどうしたの?」
渡橋「ごめんなさいっ、忘れちゃったのです!」

?「……あら?」

古泉「どうも」

?「もしかして、デートだったの?」

渡橋「ちょっと、お姉ちゃん!」

古泉「いえ、少し勉強を見ていただけですよ」

渡橋姉「そうなの? ちょっと、そんなの私に聞きなさいよ」

渡橋「この間数学なんて言葉聞くのすらいやだって言ってたじゃん!」

渡橋姉「数学かぁ。ならよし。……じゃなくて、どなたかご存知ないけど面倒見てくださってありがとうございます。後はこの子に根ほり葉ほり聞いておくので」

古泉「はい。では、ヤスミさん、さようなら」

渡橋「はいっ、ありがとうございました。古泉先輩!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:31:39.79 ID:+RvW7VRAO<> 翌日、部室

古泉「……こんなところでしょうか」

朝比奈「いいなぁ、古泉くん。ヤスミちゃんに会ったんですね!」

古泉「そういえば、ヤスミさんのことを随分気に入ってましたね」

朝比奈「はい。本当に可愛かったんですよぉ」

キョン「しかしまあ、こんな形で繋がりが残るとはな」

古泉「そうですね。僕自身も全く予期していなかったことです」

キョン「だが、お前も満更でもない感じじゃないか」

古泉「否定はしませんよ。可愛い未来の後輩のために勉強を教えるというのもあまり経験できるものではありませんし」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:32:52.21 ID:+RvW7VRAO<> ハルヒ「遅れてごっめーん! ん? 何の話してたの?」

朝比奈「古泉くんが、ヤスミちゃんの御近所さんだったんですって」

ハルヒ「それ本当?」

古泉「はい、少し勉強を見てほしいと訪ねてきまして。お姉さんともお会いしましたよ」

ハルヒ「へえー、どんな人だったの?」

古泉「ヤスミさんと良く似ていましたね、癖毛で……ですが、子供っぽいという印象は感じられませんでした。むしろしっかり者のような印象を受けました」

ハルヒ「ふーん。……うん、そうね、古泉くん。今度の不思議探索の日、ヤスミちゃんを連れてきなさい。
一度は入団したんですもの、一回くらいは参加させてあげないと可哀想よね!」

古泉「解りました。では、連絡があれば聞いておきます」

ハルヒ「よろしくね」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2011/07/08(金) 02:40:35.32 ID:+RvW7VRAO<> とりあえず最初はこんな感じで

驚愕で格好良かった古泉と、驚愕で可愛かったヤスミちゃんのSSです

ですがSOS団のみんなとそれなりに絡みます
特に朝比奈さんと絡ませたいです

今更ですが、このSSには多分な都合の良い独自解釈が含まれますので、反りがあわないと思ったら舌打ちをしながらお引き返しください

のんびり、かつ時間を空けすぎないように書いていこうと思います <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)<>sage<>2011/07/08(金) 03:47:56.31 ID:25kh7igAO<> 期待
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岩手県)<>sage<>2011/07/08(金) 07:36:43.90 ID:P1IbH9Dro<> 期待 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/07/08(金) 13:36:06.17 ID:GRK+SCqpo<> ハルヒSSが微妙に増えてきて嬉しい限りだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:26:22.47 ID:haB+IT/AO<> 古泉 自宅

Trrrr

古泉「知らない番号ですね……はい」
?「もしもし、古泉さんの携帯電話ですかっ?」

古泉「はい、その通りですが、あなたは」?「あたしは、わたぁしですっ」

古泉「ああ、ヤスミさんですね」

渡橋「大正解ですっ、よく解りましたねっ!」

古泉「電話が掛かってきた時点で予測していましたけどね」

渡橋「なるほどぉ、フフ、あっ、今お時間大丈夫ですかっ?」

古泉「ええ、大丈夫ですよ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:27:10.67 ID:haB+IT/AO<> 渡橋「ありがとうございますっ、それでそれで、次はいつなら都合が良いですかっ?」

古泉「そうですね……団活に支障が出ない程度にはそちらに付き合っても良いと涼宮さんから言ってもらったので、いつでも構いませんよ」

渡橋「本当ですかっ!? 団長がそんなことを?」

古泉「ええ。存外にヤスミさんのことを気にかけていたようですよ。団長としてというよりは一個人として」

渡橋「ええっ!? 本当本当ですかっ? 本当なら、えへへ、すごくすごく嬉しいです!」

古泉「はい、というわけなので、そちらの都合の合う日で構いませんよ」

渡橋「それならっ、うーんと、金曜日です! 金曜日なら大丈夫ですか!?」

古泉「はい、解りました。金曜日ですね。学校が終わったら……そういえば携帯電話は持っていないのですよね。どうしましょうか」

渡橋「うふふ、大丈夫ですっ。古泉先輩は普段通り真っ直ぐ家に帰って構わないです」

古泉「それは普段通りではないのですが、そう言われるのならそうしましょう」

渡橋「はいっ! では、また。」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:27:53.61 ID:haB+IT/AO<> 木曜日 部室

古泉「ということですので、明日はお休みさせて頂きたいのですが」

ハルヒ「良いわよ。ヤスミちゃんによろしくね」

古泉「ありがとうございます」

キョン「しかし、随分肩入れするんだな、古泉」

古泉「意外ですか?」

キョン「まあな」

ハルヒ「古泉くんはヤスミちゃんみたいな人材を入試なんていうツマラナいことで逃がしちゃったら勿体無いのが解ってるのよ」

キョン「はいはい」

古泉「では、そういうことにしておきましょう」

キョン「……」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:28:38.41 ID:haB+IT/AO<> 古泉「そういえば、少しこれを見て頂けますか?」

キョン「何だ?」

古泉「食塩水の濃度の問題です。あなたも中学二年生の頃にやったのではありませんか?」

キョン「ああ、結構苦労した覚えがあるな」

古泉「あなたは、これを全て暗算で解けますか?」

キョン「ふむ……そうだな……まあ、やって出来ないことはないんじゃないか?」

古泉「まあ、そうでしょうね。ですが、やろうとは思わないでしょう?」

キョン「どうしてもというのでもなければやる意味が無いからな」

古泉「ええ。普通はそうでしょう。増してや、数学が苦手だと自称する中学生が暗算で解こうとするのでしょうか」

キョン「それは、ヤスミのことか? 奴なら、まあ、そういうこともあるんじゃないか?」

古泉「……そうですね。余計なことに気を回すことはあまり無いでしょう」

キョン「だが、俺にはあいつが数学が苦手だとは思えないが」

古泉「……」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:29:27.41 ID:haB+IT/AO<> 金曜日 放課後

古泉(普通に帰れと言われても、一体どうするつもりなのでしょう。家で待ち伏せとかでしょうか?)

古泉「……あ、そういうことですか」

渡橋「せんぱーいっ、先輩! 古泉先輩!」

古泉「まさか学校で待ち伏せてるとは思いませんでしたよ。ヤスミさん」

渡橋「学校が終わった後、いったん家に帰ってダッシュで来ちゃいました! それはもう全力でっ!」

古泉「今日も元気ですね」

渡橋「はいっ、あたしはいつでも全開ですよ! 雨にも風にも怪我にも風邪にも負けません!」

古泉「そのようですね、良いことです」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:30:13.60 ID:haB+IT/AO<> 古泉「そういえば、今日は手ぶらですね。一旦家に取りに行くのですか?」

渡橋「いえっ、あの! 今日からは家でやれと言われたのです。古泉先輩がイヤでなければ家にいらっしゃいませんか?」

古泉「はあ……よろしいんですか?」

渡橋「はいっ、というより、何でも家でやるのが一番安心できるとお姉ちゃんやお母さんに言われたのでっ、はい!」

古泉「……まあ僕は構わないのですが」

渡橋「それにそれにっ、先輩の家に訪れるというのも良いものですけど、やっぱり先輩をお家に招き入れるのも経験したいですよねっ」

古泉「……そんなものでしょうか」

渡橋「はいっ、っというわけで自宅に直進ですよ、先輩!」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:31:11.72 ID:haB+IT/AO<> 渡橋「とうちゃくっ。ただいまー!」

古泉「……」

渡橋「あ、入ってください、お母さんの了承済みですから。でもでもお父さんには言ってません! 内緒ですっ」

古泉「お邪魔します」

渡橋「ただいまーっ、あれ、誰もいませんね。買い物にでも行っているみたいです。」

古泉(安心だなんだというのは何だったんでしょう)

渡橋「先輩? とりあえず上がっちゃってください。洗面所はこっちです。」

古泉「あ、ありがとうございます」

渡橋「そしてあたしの部屋はあっちです。お姉ちゃんの部屋の隣ですけど、間違えてお姉ちゃんの部屋に入ったら駄目ですよ? すごくすごく怒られます。あたしもとばっちりを受けます!」

古泉「はい、気をつけますよ」

渡橋「ではまず手洗いうがいですっ。風邪を引いては人生が勿体無いですからっ、そう思いませんか?」

古泉「そうでしょうか。風邪も経験にはなると思いますが」

渡橋「まあ、異論は認めましょう。我が家は民主主義ですから!」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:32:00.82 ID:haB+IT/AO<> ヤスミの部屋

渡橋「どうぞっ、こちらがあたしの部屋です。少し狭いかもしれませんが、昨日掃除をしたところなのできっと綺麗ですっ」

古泉「お邪魔します」

渡橋「どうですか? あたしの部屋は?」

古泉「そうですね……可愛らしい感じで良いと思いますよ」

渡橋「ありがとうございますっ、可愛らしい部屋ですか。それは何だかとてもとても嬉しい感想かもしれません!」

古泉「……」

渡橋「はっ、すみません! 気が利かなくて! すぐにお飲み物をとってきます! きっとお茶か何かが冷えているはずですっ、少々お待ちください!」

古泉「はぁ……一体どこからあの元気が出ているのでしょう」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:33:07.87 ID:haB+IT/AO<> 渡橋「麦茶が冷えていました! 我が家は大抵は麦茶か烏龍茶なのです。たまに蕎麦茶、あるいはさんぴん茶だったりしますけど」

古泉「あ、わざわざありがとうございます。」

渡橋「あの、えっとその……」

古泉「どうかされましたか?」

渡橋「もしかしてあたし、五月蠅いですか? 相手をするのが疲れるというのなら、あの、頑張って落ち着きますから」

古泉「ははは、いえいえ。少なくとも僕は五月蝿いと感じてませんよ。その元気なところがヤスミさんらしい、良いところだと思っていますしね。」

渡橋「……そ、そうですか。ふふ、それなら良かったです! ちょっとちょっとですけど、不安になったので」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:33:48.95 ID:haB+IT/AO<> 古泉「勉強を始めましょうか。とりあえず小テストみたいなものを作ってきたので、やってみてください。計算の過程もみたいので、苦手でも途中式を書いてみてください」

渡橋「はいっ、わかりました! 頑張ります。」

古泉「それと、ちょっとずつ単元も先に進めていこうと思います。北高は内申書も比較的重視されるので」

渡橋「はいっ」

古泉「20分計りますよ。初めてください」

渡橋「……」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:34:42.11 ID:haB+IT/AO<> 10分後

?「ただいまー……ん?」

カチャ

渡橋姉「例の先輩ー? ってうわ、本当にべんきょうしてるよ。あ、いらっしゃい」
古泉「あ、お邪魔しています」

渡橋姉「んー、ねえキミちょっとこっち来て」
古泉「はい?」

渡橋「変なこと吹き込んじゃだめだよー」

渡橋姉「はいはい」

カチャ

渡橋姉「……で、キミは妹とどういうおシリアイ?」

古泉「北高の二年生です。彼女が高校に入り込んでいたときに知り合いました」

渡橋姉「ふーん。ってことはあなたが例の『先輩』なのかしら?」

古泉「……いえ、多分それは違う人物です。心当たりが一人います」

渡橋姉「そうなの? でも……まあ良いわ、そういうことにしておきましょ。じゃあ、ごゆっくり」

古泉「……はい、ありがとうございます」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:35:28.47 ID:haB+IT/AO<> ……勉強タイムはカットされました……

古泉「とりあえず、今日はこんなところでしょうか」

渡橋「はいっ、ありがとうございました」

古泉「……あ、そういえば、ヤスミさん。明日は空いていますか」

渡橋「明日ですか? ……空いてます空いてます! 何かあるんですか!?」

古泉「SOS団恒例の不思議探索があるのですが、参加されますか?」

渡橋「えっ? え、えー!? 参加しても良いんですか!? 行きます行きます! 絶対行きます!」


古泉「そう言うと思いましたよ。では、明日朝9時に北口駅前に来てください。来なかったら、『死刑』だそうですよ」

渡橋「死刑ですかっ。解りました。心して行きます!」

古泉「では、この辺りで僕はお暇させていただきますね」

渡橋「では、お見送りしましょうっ」

……

古泉「では、また明日」

渡橋「はいっ、明日明日ですっ」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 01:39:18.74 ID:haB+IT/AO<> とりあえずここまで書きました

次は不思議探索回になります。

どのように組み分けするかですが

午前
3:3
午後
2:2:2
で分けようと思っています
というわけで、ヤスミがそれぞれ誰と組んで欲しいか。
早い者勝ちで適当にあげてもらえると嬉しいです <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)<>sage<>2011/07/09(土) 01:52:14.73 ID:5vRElCgjo<> ヤスミメインのSSはうれしい期待!
今ある内の独自解釈も全然気にならないし続き楽しみだ

早い者勝ちいいのかなw次の人のも残したいので午前だけww
ハルヒ、ヤスミ、みくるの何も考えず遊ぶトリオと残り三人考察トリオ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 02:51:38.89 ID:haB+IT/AO<> 断じて適当たるおまけ(思い浮かんだけど入れる部分が無くてボツにしたネタ)

@
渡橋「できましたっ」

古泉「ちゃんと途中式も書きましたか?」

渡橋「はいっ」

古泉「……『30パーセントの食塩水というのはナンセンスですっ。溶けきらなくて残った食塩に謝りましょう』」

渡橋「どうでした?」

古泉「……正解ですよ」

A
渡橋姉「あら、もう帰っちゃったの?」

渡橋「うん」

渡橋姉「それにしても、真面目そうな子ね。五月蝿いと思われてない?」

渡橋「大丈夫! 元気な方が良いって言ってました! それに、今日も色々褒めてくれたし!」

渡橋姉「優しい先輩ね」

渡橋「まったくです」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 22:49:54.85 ID:haB+IT/AO<> 投下します。
午前中、出発直前まで。



翌朝
駅前

渡橋「おはようございますっ!」

長門「……」

渡橋「まだ、長門先輩だけですか?」

長門「そう」

渡橋「じゃあ、あたしが二番ですねっ! でもでも、本当は一番を狙ってたんですけどっ! 上には上が、というわけですねっ」

長門「……そう」

渡橋「でもでも、でもっこれだけ早く来ているのはやっぱり長門先輩もすっごく楽しみにしてるということですかっ? そうですよねっ」

長門「……」

渡橋「あれっ、違いましたか?」

長門「……違ってはいない」

渡橋「え?」

長門「多分、そう」

渡橋「……! ですよね! あたしも凄く凄く楽しみで、昨日からわくわくが止められませんでした!」

長門「……」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 22:50:38.49 ID:haB+IT/AO<> 古泉「おはようございます、長門さん。ヤスミさんも既に来ていましたか」

渡橋「おはようございますっ!」

古泉「何を話していたんですか?」

渡橋「不思議探索、楽しみだから早く来ちゃうっていう感情を共有していたのですっ!」

古泉「それはそれは」

長門「……」

古泉「言われてみれば確かにいつも一番最初ですからね、そういう一面もあるのかもしれません」

渡橋「古泉先輩は楽しみじゃなかったんですか?」

古泉「いえ、僕も当然楽しみにしていましたよ。休日に友人と集まるなんて平和で良いじゃないですか」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 22:52:54.18 ID:haB+IT/AO<> 朝比奈「お、おはようございます。あぁ、ヤスミさん! お久しぶりです!」

渡橋「ししょーっ! こちらこそこちらこそ! お久しぶりです!」

朝比奈「中学生って聞いたときはショックだったんですよぉ! また会えて嬉しいです」

渡橋「あう…… その節は申し訳ありませんでしたっ。でもあたし、どうしてもどうしてもSOS団に入りたくてっ」

朝比奈「ううん、別に怒ってるわけじゃないんですよ? 今日は一緒に頑張りましょう?」

渡橋「はいっ! あたしは具体的には何をするのか知らないのですけど、精一杯頑張りますので、びしびし指導してください!」

朝比奈「はいっ」

古泉「改めて見るとあれだけの期間でよくもそんなに気が合いますね」

朝比奈「そうですか? うふっ、でも古泉くんには負けちゃうかなあ」

渡橋「あたし的にはもっともっと仲良くなりたいですけど。長門先輩ともっ」

長門「……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 22:53:44.35 ID:haB+IT/AO<> ハルヒ「おはよう、みんな来てるわね?」
渡橋「おはようございます団長!」

ハルヒ「うん、ちゃんと新人候補生も来てるわね、偉いわ」

渡橋「ありがとうございます団長!」

ハルヒ「うん、良い返事ね。今日は研修の一環として特別に参加許可したけど、今日の働き如何では幹部候補生として更なる権利が与えられるから頑張りなさい」

渡橋「本当ですか!? はいっ、もちろんがんばりますますっ、きっと団長のお眼鏡に適う物を見つけてみます!」

ハルヒ「その意気よ。あ、もちろん駄目だったら格下げの可能性もあるからそのつもりでいるのよ」

渡橋「はいっ」

ハルヒ「それで、キョンはまだ来てないわけ? 毎回毎回団長を待たすんだから。ヤスミちゃんはあんな風になっちゃ駄目よ?」

渡橋「了解ですっ、あっ噂をすれば、ですよ!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 22:55:19.24 ID:haB+IT/AO<> ハルヒ「遅い、罰金!」

キョン「はいはい……ったく、お、ヤスミも来てるのか」

渡橋「おはようございます!」

ハルヒ「あんた以外は全員来てるわよ。まったく」

キョン「全員集まったんだからさっさと移動するぞ」

ハルヒ「ちょっと、話聞いてる!?」

……喫茶店

ハルヒ「というわけで、今日の活動なんだけど、午前中は狭く深く、三対三に分かれて不思議を探すわよ」

キョン「午後は違うのか?」

ハルヒ「午後は二人組を3つ作るわ。広く浅くよ。本当は広く深くがいいんだけど、六人だとたかが知れてるわ。二兎を追うものは、よ。」

渡橋「なるほどですっ」

ハルヒ「ありがと。それで、午前中の組み分けなんだけど、まず、新人候補生であるヤスミちゃんはあたしが直接指導したいから、一緒ね。もう一人はくじ引きで決めましょう」

古泉「解りました」

朝比奈「はぁい」

渡橋「あたし、団長と一緒ですか!」


結果>>35 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 22:57:45.06 ID:haB+IT/AO<> 短いですね
申し訳ありません

>>35ありがとうございます

後でもう一度来れたら来ます

なお、午後の組み分けは今だに募集中です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/09(土) 23:19:05.51 ID:haB+IT/AO<> そういえば、SS速報って、書きながら投下はマナー違反でしたっけ?

よく考えたら安価スレは書きながらやってますよね

一応聞いてみる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/09(土) 23:45:12.52 ID:GOOQFETIO<> 結局ある程度の長さ(スレを3/4使われる程度)と物語が完結するということがなされれば文句は言われない。

書きながら投下するならその旨書いておけば、こっちはまとめて見るために後で読みに来る事も多くなる。ついでに反応がリアルに返ってこないことも多くなる。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/10(日) 01:47:08.56 ID:Q5eMmz+zo<> とりあえずPCに移行しました
>>44成る程
教えていただきありがとうございます

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/07/10(日) 02:04:53.14 ID:Z0sRtDApo<> じゃあ午後は
・古泉、みくる
・キョン、渡橋
・ハルヒ、長門
で。

理由?純然たる気分の問題さ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)<>sage<>2011/07/10(日) 05:25:23.51 ID:7S2XWMfUo<> 乙
午後も決まったようでw続き楽しみにしてます。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 03:14:25.25 ID:Fv8ibbNAO<> 昨日はこれなくてすみません
今日朝十時までに投下します <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:28:40.25 ID:Fv8ibbNAO<> 古泉、キョン、長門組

キョン「さて、どうするか」

古泉「いつもと同じで良いんじゃないでしょうか? 僕たち自体はいつもと何ら変わらない構成ですし」

キョン「まあ、そうだな。長門はどこか行きたい所はあるか?」

長門「……特には」

キョン「そうかい」

古泉「取りあえず、歩き出しましょうか。歩いているうちに、何かが見付かるかも知れませんよ。」

キョン「何も無い方が嬉しいけどな」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:30:26.68 ID:Fv8ibbNAO<> キョン「……そういえば、気付いたことがある」

古泉「はて、何でしょう?」

キョン「ハルヒのことだ」

古泉「涼宮さんですか?」

キョン「ああ。」

古泉「気になりますね」

キョン「あいつは……、ヤスミというイレギュラーを本心から快く受け止めていたわけでは無かった気がしていたんだが」

古泉「新入生歓迎の時期のことですか?」

キョン「ああ、そのころだ」

古泉「確かに、そうだったかもしれませんね」

キョン「だが、今のアイツはむしろ積極的にヤスミに関わろうとしている。これはどういうことだ? 奴の脳内でどういう変化が発生したんだと思う?」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:32:25.13 ID:Fv8ibbNAO<> 古泉「涼宮さんは気まぐれですから……という答えではあなたは納得しないのでしょうね」

キョン「いや、それならそれで構わないんだ。ただ、それに気付いたってだけだ」

古泉「……そうですね、これは何の裏付けも無いただの推測なのですが」

キョン「……言ってみろ」

古泉「彼女は……おっと、彼女というのはヤスミさんのことですが、涼宮さんから独立したのではないでしょうか?」

キョン「独立だ? むしろベタベタしたそうな勢いだったが」

古泉「そういう意味ではありませんよ。僕が言っているのは、役割として、です」

キョン「役割?」

古泉「彼女は、分身としての役割を終え、涼宮さんとは無関係に行動を取れるようになったのではないでしょうか?」

キョン「ほう。それで、それがハルヒの言動とどう関係有るんだ?」

古泉「彼女が独立したことにより、涼宮さんは、無意識としても、意識的にも彼女を客観的に、あるいは主観的に他人として見ることができるようになったんでしょう」

キョン「……」

古泉「そして、涼宮さんは心優しく、聡明な方です。たとえ、どのような目的で行った試験だったにせよ、
それを突破したヤスミさんを認めてあげたい、あげるべきだと考えたのでは無いでしょうか」

キョン「……そんなものか?」

古泉「先ほども言ったとおり、ただの推測ですよ」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:36:41.31 ID:Fv8ibbNAO<> 古泉「それよりも、新たに考えたことが有るのですが、聞いてもらえますか? 長門さんも」

キョン「なんだ?」

長門「……」

古泉「僕は彼女を涼宮さんが生み出した者、つまり新しく作られた者だと考えて居たのですが、今の彼女を見る限り、そうは思えないのです。
いえ、彼女が涼宮さんの分身としての役割を持っていたのは間違いないでしょうが」

キョン「どういうことだ?」

古泉「『機関』の調査で、ヤスミさんの出自はハッキリしているという話はしましたよね?」

キョン「ああ、覚えがある」

古泉「あの当時は確かにそうだったのです。彼女が涼宮さんから生まれ出た存在だという状況証拠が多々残されていましたからね。」

キョン「それがどうかしたのか?」

古泉「ですが、結果として『機関』は彼女が僕の家の近くに家族四人で暮らしていることすら突き止められていなかったのです」

キョン「それでハッキリしてるなんて言ってたのか? 適当なもんだな」

古泉「いえ、あの時点で、僕たちの誰1人として、『そんなことを気にも留めていなかった』のです。今思えば、思考回路が制限されていたようにも思えます」

キョン「情報統制みたいだな」

古泉「まさに、ですよ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:37:29.49 ID:Fv8ibbNAO<> 古泉「そして、今度はまぎれもなく、彼女たちの家庭は一般家庭であるという結論に達しています。再度の調査でね」

キョン「……」

古泉「長門さんはどう思います?」

長門「……情報統合思念体は、渡橋泰水に興味を示していない。今までのどの時点においても、渡橋泰水と前回の事件の因果関係は、存在しないと考えている」

古泉「ほう」

長門「……それ自体が隠蔽で有る可能性も、否定をしてはいない」

古泉「涼宮さんの力の影響が及んでいる、ということですか」

長門「可能性はある」

古泉「なるほど」

長門「……私自身は、情報統合思念体の意志と必ずしも同意見ではない」

古泉「はい? ヤスミさんに興味があるということですか?」

長門「……少しだけ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:38:47.57 ID:Fv8ibbNAO<> 古泉「結局、解らずじまいですか」

キョン「別に、今更解ったところで、何が変わるわけでも無いんだろ? それより、古泉、お前に確認したいことがある」

古泉「何ですか?」

キョン「結局のところ、お前は渡橋に懐かれててどう思ってるんだ?」

古泉「僕がですか? そんなに懐かれているとは思っていないのですが」

キョン「……お前以外の誰がいる」

古泉「……そうですね、前にも言ったとおり、可愛らしい後輩だと思いますよ、元気もある」

キョン「……そういうことじゃなくてだな」

古泉「いえ、今回は『そういうこと』にしておいてくださいませんか?」

キョン「……わかったよ。お前には貸しもあるからな、その位は構わん」

古泉「ありがとうございます」

……
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:40:26.48 ID:Fv8ibbNAO<> ハルヒ、ヤスミ、みくる組


ハルヒ「さあ、今日はこのくたびれた商店街よ! 前にも来たことあるけど、その時は何も見つけられなかったから、今回こそ何かみつけるわよ!」

渡橋「はいっ! 団長!」

朝比奈「はぁーい」

ハルヒ「まずは入り口にあるリサイクルショップよ! 何かお宝的なものが眠っているかも知れないわっ、念入りに探すのよ」

渡橋「了解であります! どんどん探します」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:42:47.69 ID:Fv8ibbNAO<> リサイクルショップ

渡橋「団長団長!」

ハルヒ「あら、早速何か見つけたの?」

渡橋「この髪飾りの怒ってる版を見つけましたっ!! 人目見たとたんとてもとても何か気になったんです! ちょっと運命的ですよ?」

ハルヒ「……う、うーん、そうかしら」

朝比奈(涼宮さんが困ってる……)「でもそれ、怒っていても可愛いですね」


渡橋「ですよねですよねっ。あたしが怒っているときにはコレを着けますね? これで、人目で怒ってるかどうか解るようになりますよ!」

ハルヒ「ヤスミちゃん、あなたは感情が表に現れるタイプだからその方法は不向きよ。有希なら良さそうだけど」

渡橋「長門先輩ですか!? それもちょっと趣深いですが、これは譲れません。あたしのトレード的なマークはものにします!」

ハルヒ「うん、良いんじゃない?」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:45:34.85 ID:Fv8ibbNAO<> 露天商
ハルヒ「こんな朝早くから既にシャッターの前を陣取ってる露天商に掘り出し物が転がっているものかもしれないわ!」

渡橋「はい!」


……

渡橋「ここはアクセサリーの店ですか?」

露天商「ああ、見りゃわかるでしょ」

朝比奈「そ、そうですね。すみません」

渡橋「……うーん、中々目に見えて怪しいものはありませんねぇ」

ハルヒ「当たり前じゃない。目に見えて怪しいものがあれば苦労しないわ」

渡橋「そ、そうですか! 勉強になります団長!」

露天商(一個も買わないのならどっかいけ)


朝比奈「……そ、そろそろ次に行きませんか?」

ハルヒ「そうね、何も無かったものね」

露天商「今度は買ってくださいね」

渡橋「はい、ぜひぜひっ!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:47:50.52 ID:Fv8ibbNAO<> 古本屋

ハルヒ「前は時間が無かったからあんまり見れなかったけど、こここそ本命よ。2人とも、心してかかるのよ」

渡橋「はっ」

朝比奈「はいっ」

……

渡橋「小さな古本屋というのも良い物ですねっ! 大型店とは違って風情があります!」

朝比奈「はい、わたしも紙媒体の書物は好きですよ。長門さんに比べたらまだまだですけど」

渡橋「それに、古本というのは良い匂いがするので、だぁい好きなんですよ!」

朝比奈「そうなんですかぁ?」

渡橋「フフ、伊達に学校では古本ますたぁと呼ばれてなくないですよ」

ハルヒ「ちょっと、2人ともちゃんと探してる?」

渡橋「はいっ! 口と同時に体もばりばり動かしてます!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:50:04.76 ID:Fv8ibbNAO<> 渡橋「団長団長、面白い物を見つけましたっ」

ハルヒ「本当? 何?」

渡橋「これです! 地図みたいなのなんですけど、裏が暗号みたいになってるんです」

ハルヒ「え? ……凄いわよヤスミちゃん! 良くこんなの見つけてきたわね、何処にあったの?」

渡橋「あの棚のてっぺんです!」

ハルヒ「よく届いたわね」

渡橋「上から降ってきました! 奇跡的にキャッチできたんですけどっ!」

ハルヒ「へえ、何にせよ、コレは見逃せない代物よ! おじいさん、これ、幾ら?」

渡橋「幾らでも買いますよっ いくらでも!」

朝比奈「え? え? 何があったんですかぁ?」

渡橋「宝の地図を見つけたんですよっ」

朝比奈「ええっ、またですか?」

渡橋「また? はい、でもでもっ、その通りです! きっと」

……
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:51:38.93 ID:Fv8ibbNAO<> 古泉「おっと、そろそろ時間ですね、集合場所に戻らなければ」

キョン「ああ、そうだな。」

長門「……」



朝比奈「涼宮さん、時間大丈夫ですか?」

涼宮「いっけない、興奮してて忘れてたわ。2人とも、戻るわよ!」

渡橋「はーい!」

…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 09:52:57.00 ID:Fv8ibbNAO<> 待ち合わせ場所

キョン「お、ほぼ同時だな」

古泉「お疲れ様です、首尾はどうでした」

渡橋「えへへ、秘密です古泉先輩っ! とりあえず今は!」

古泉「おや、その髪飾り、今日は怒っているように見えますが、どうかしたのですか?」

渡橋「おおっ、すごくすごく早く気付きましたねっ これはですね、実はあたしの感情を表していて!」

古泉「ほう、つまり今は怒っているのですか?」

渡橋「そうなんですよ! 実は」

古泉「嘘ですね」

渡橋「フフ、どうでしょう」

ハルヒ「ほら、立ち話してないで、まずはお昼ご飯食べにいきましょ」

午前の部、終了 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)<><>2011/07/12(火) 10:00:26.62 ID:Fv8ibbNAO<> おわりです

長門と朝比奈さんが若干空気になってしまった……

なかなか進展が起こりませんが、コレからです。多分

午後の部はまた今夜にでもこれたら良いな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)<>sage<>2011/07/12(火) 18:43:28.81 ID:nFYsbu4bo<> 乙
考察組とハルヒ組の温度差がいいなw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/15(金) 01:29:15.44 ID:pl7dkbBwo<> ハルヒ「そっちは午前中は何か見つかったの?」

キョン「おお、そうだな。……なんかあったか、古泉?」

古泉「そうですね……何人か大道芸人を見かけましたが、超能力者だったのかもしれませんね」

長門「超能力ではなかった」

古泉「……だそうです」

ハルヒ「駄目じゃない、しっかりしなさいよ」

キョン「そういうそっちはどうなんだ?」

ハルヒ「もちろん見つけたわ! なんと、新人候補生の渡橋ヤスミちゃんがね! ほら、見せつけてやりなさい!」

渡橋「はいっ! なんとなんと! この髪飾りの泣き顔バージョンを見つけてしまったんです! ほらっ」

キョン・古泉・長門「………………」

朝比奈「……え?」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/15(金) 01:30:00.09 ID:pl7dkbBwo<>
ハルヒ「……って違うでしょヤスミちゃん! ほら、もう一つの方出しなさい」

渡橋「あ、こっちですか! はいっ、なんとなんと、地図です!」

古泉「地図?」

キョン「まさか、また宝の地図とか言い出すんじゃないよな」

ハルヒ「よく解ったわね。でも、暗号みたいになってて直ぐには解らないわ。今度部室で考えましょう」

渡橋「あ……そうですよね」

ハルヒ「……安心しなさい。全体図も写真撮って送ったげるし、経過は、古泉くんが教えてくれるわよ。宝探しに行くときは一緒に行きましょ。
……ヤスミちゃんが見つけたものなんだからどうしてもというなら持ち帰ってもいいけど」

渡橋「いえっ、みなさんに託します。宝探しのときはぜひとも!」

ハルヒ「そ。任せなさい。 というわけで今は午後の組み分けをするわよ。みんな引きなさい!」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/15(金) 01:31:02.67 ID:pl7dkbBwo<> ……

古泉「僕と朝比奈さん、ですか」

渡橋「……あっ、先輩とです!」

ハルヒ「ということはあたしと有希ね。これで決まりね! キョンはヤスミちゃんを見てもう一度自分を振り返りなさい」

キョン「へいへい」

ハルヒ「もう。……この調子で午後も頑張るわよ! というわけでいったん解散!」

渡橋「はいっ、団長!」

ハルヒ「集合時間には遅れないようにね!」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/15(金) 01:31:30.85 ID:pl7dkbBwo<> ハルヒ・長門組

ハルヒ「有希、どこが怪しいとかある?」

長門「……図書館」

ハルヒ「図書館? 本当に? 本を読みたいだけとかじゃないわよね?」

長門「……」

ハルヒ「まったく、もう。有希も言うようになったわね。でも図書館か……うん、もしかしたら図書館にも怪しい本があるかも知れないわね! せっかくの有希からの意見だし行きましょ」

長門「……」

ハルヒ「……有希はもうちょっと元気が必要ね。だから風邪なんか引くのよ。」

長門「わかった」

ハルヒ「うん、それでよし!」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/15(金) 01:31:58.12 ID:pl7dkbBwo<> ハルヒ「有希と会ってから大体一年くらいかしら? うん、有希はこの一年で凄く変わったわよね」

長門「……」

ハルヒ「SOS団の中で一番変わったんじゃない?」

長門「……本当に?」

ハルヒ「うん、そう思うわ。だって今みたいに聞き返してくれるみたいなことも全然無かったし」

長門「……」

ハルヒ「表情も増えたわ。あ、でもそれはあたしが解るようになっただけかも。」

長門「……」

ハルヒ「でも一番の変化はあれね。自分の意見を持つようになったわよね。あんまり主張しないのは変わらないんだけど、うーん」

長門「……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/15(金) 01:32:23.87 ID:pl7dkbBwo<> ハルヒ「そう、ちょっと変なんだけど、前は自分の意見を言うんじゃなくて、全部誰かに言われて動いてるようだったわ。あたしたちの誰かじゃなくて、違う誰か」

長門「……そう」

ハルヒ「ごめん、気を悪くしちゃった? でも、そういう風に感じてたのよ。今はもちろん違うわ、さっきの図書館だってそうだしね」

長門「……ありがとう」

ハルヒ「え? 急にどうしたのよ」

長門「……彼や、あなたのおかげ」

ハルヒ「……な、何言ってるのよ。全部有希自身が変わろうとしたから変わったのよ、あたしたちのおかげじゃないわ」

長門「それでも、私はそう思う」

ハルヒ「そ、そう。勝手にしなさい!」

長門「……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/15(金) 01:33:04.59 ID:pl7dkbBwo<> 図書館

ハルヒ「それじゃ、あたしは開架を廻りながら探すから、有希はパソコン使って書庫からも良さそうなのを探してくれる?」

長門「わかった」

ハルヒ「それじゃ、頼んだわよ」

長門「……」

……

ハルヒ「どう? 何か見つかった?」

長門「……」

ハルヒ「これ? 『暗号のパターンと解析学(民明書房)』? 有希、意外とやる気満々ね?」

長門「……あなたも、読むべき」

ハルヒ「そうね、みんなにも読んでもらった方がいいかも。」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/15(金) 01:33:32.16 ID:pl7dkbBwo<> ハルヒ「とりあえずあたしはこれを借りてくるわ。有希は自分の借りたい本でも探しておいたら? でも、早く決めなさいよ。それに、十冊までだからね?」

長門「……」

……

ハルヒ「ただいま。あら、もう集めてきたの? って、明らかに十冊より多いじゃない。どうするの?」

長門「読む」

ハルヒ「今から? あたしはそろそろ次に行きたいんだけど……」

長門「……」

ハルヒ「あー、解ったわよ。あたしはまだ借りれるし、代わりに借りてあげるから、それで行かない?」

長門「……わかった」

ハルヒ「まったく」

…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/07/15(金) 01:34:59.04 ID:pl7dkbBwo<> 短いですが、ここまで書きました

昨日は何故か異様に重くて入れませんでしたね

落ちてたんでしょうか

ハルヒと長門の組み合わせは、何かハルヒが長門のことを気にかけていて、幾分優しい感じなので結構好きです
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)<>sage<>2011/07/15(金) 18:03:50.17 ID:w4oGch/go<> 乙
>ハルヒと長門の組み合わせ
すごくわかります。お姉さんしてる所良いよねw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/19(月) 00:45:17.74 ID:CQX1FRfb0<> ヤスミいいね!
せっかく驚愕出版されたんだからもっとヤスミss増えて欲しいよ <>