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HTML化した人:lain.
とある未来の通行止め
1 :ブラジャーの人2011/07/14(木) 23:57:45.75 ID:w3/+8O0b0
一方さんと打ち止めの未来設定です。
よそで投下したものを再構成、改稿、加筆しています。
少女漫画を目指したはずだったんですが…
2 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/14(木) 23:59:46.40 ID:w3/+8O0b0
一方通行は眠っていた。昨夜ベッドに入ってからほとんど変わらない態勢で。
カーテンから漏れてくる明かりと鳥のさえずりが、まだ(彼にとっては)
睡眠時間の真最中であることを物語っている。
しかしこのマンションに住む住人は、彼の安眠を優先させてはくれない。

「一方通行―、起きろー、もう朝じゃんよ。朝食もできてるぞ」
「……」

「起きなさい一方通行。ちょっと、聞こえているんでしょう?……まったく」
「……」

保護者二人の呼びかけに完全無視を貫いた一方通行。本当に寝ているのか、
聞こえているのに返事をしないのか。
結局いつもどおり、アホ毛を揺らしながら一人の少女がノックもせずに入室。
元気な声で目覚まし役を務めることになった。

3 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:00:43.86 ID:WdcBs0Va0
「あなたーおきてー!もう朝ですよご飯できてますよ聞こえてるクセに
返事くらいしてよ、ってミサカはミサカは呼びかけてみる」

返事こそ無かったものの、一方通行の布団が大きく上下して、息を
吐き出した。その様子を見て打ち止めがトコトコとベッドへ近寄る。

「ほらほら、今年から火曜日は一時限目あるんでしょ?もう起きないと
遅刻しちゃうよ。ねぇ、目開けて?」

打ち止めは枕元に膝をつくと、瞼をつんつんとつついたり、白い髪を梳いて
額をあらわにしたりとちょっかいをかけて覚醒を促す。さすがに一方通行の瞼が
ゆっくりと上がって、赤い瞳がギロリと打ち止めを睨む。

「なァンでオマエが俺の時間割を把握してるンだ…」
「さてなんででしょう?教えてほしかったらミサカと一緒に朝ご飯食べて、って
ミサカはミサカは交換条件を提示してみたり」

一方通行の寝起きで掠れた声に少しもひるむ様子はなく、打ち止めはさらに
彼の肩を揺さぶった。あくびをしながら一方通行が起き上がる。

「どォせ番外個体から聞いたンだろうが。別にあんなモン出席しなくても
いいンだよ。寝かせろよ…」
「最初の授業くらいはちゃんと出るべきだよ。あなた、そんな風でよく
進学できたね、ってミサカはミサカは呆れつつも結局起きてくれるから嬉しかったり」

この家で、というか学園都市でこれほど簡単に一方通行を朝に起こせるのは
打ち止めをおいて他にいない。
じゃあコーヒー淹れて待ってるからね、と部屋を出て行った打ち止めを
見送りながら、一方通行は寝間着用のシャツを脱いだ。
ここ数年の能力無しの日常生活のせいか、一方通行の体にもうっすらと筋肉が付いた。
杖は必要だが、以前よりは不自由さも軽減されている。
家の中ではほとんど使用しなくなって久しい。
窓を開ければ、朝はまだひんやりと冬の面影を残す四月の空気。
適当に厚手の長袖シャツとジャケットを選び、少女が待つキッチンへ向かった。

4 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:06:50.59 ID:WdcBs0Va0
「あらやっと起きたのね。愛穂はもう出たわよ。君もはやく食べて
真面目に授業を受けていらっしゃい」
「はい、ミサカの特製ブラックコーヒーです、ってまだ眠そうなあなたに
愛情たっぷりを進呈」

芳川と打ち止めに相槌をうちながら椅子に座る。打ち止めの「いただきまーす」
に消されそうになるが、一方通行も同じように呟いて用意された朝食を食べる。
二人より先に食べ終わっていた芳川が鞄を肩にかけて出勤の支度を整え、
玄関へと歩きなが二人に軽く手を振った。

「それじゃあ私も先に行くわね。今日は愛穂も私も遅くなるから、
夕飯は君たちだけで済ませてちょうだい」
「はーい、いってらっしゃいヨシカワ!」
「おォ」

見送りの挨拶と了承の返事を二文字で終わらせる一方通行。とはいえ、
彼の昔をよく知る者にしたら、これでも目を見張る光景だ。
彼らは家族同然として、こうして自然に毎日を送っている。

打ち止めは手早く片づけを済ませ、玄関で待っていた一方通行と共に外へ
出る。マンションから数分歩いたところで、それぞれの学校へ向かう別れ道となった。

「じゃあミサカもいってきます、ってミサカはミサカは一緒に登校できて嬉しかったな。
毎日こうならいいのに。あなたも気をつけていってらっしゃーい!」
「気をつけろ、は俺が言いたいセリフだクソガキ、じゃ後でな」

「また後で」という約束が、今は簡単に口にできる一方通行と打ち止め。
文字通り、血の滲む思いでそれを得たふたりの日常は今日も続いている。
毎日毎日、小さな変化、大きな変化を含みながら。


5 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:09:38.93 ID:WdcBs0Va0
一方通行は大学の講義一限だけ受けた後、リビングで大して興味もないテレビをぼんやりと
見ていた。ふと携帯に黄泉川から着信が入る。ソファに寝転がったまま通話ボタンを押す。

「なンだよ」
「あ、一歩通行今ウチにいるか!?」
「あァ、いるが。どォした?」
「洗濯物!雨!もうすぐに降ってきそうじゃん!」

あわてた黄泉川の声につられて外を見ると、確かに厚く黒い雲が立ちこめている。

「降りそうだな」
「なに落ち着いてるじゃんよ!すぐに取り込んでくれ。頼んだぞ!」

やらないと今日の晩ご飯は君だけ肉抜きにするからな、と脅されて、
一方通行は溜息をつきながらベランダへの窓を開けた。

外の空気は多分に湿気を含んでいて、とりあえず一番近くに干してあった自分のシャツから
無造作にカゴに放り込んでいった。
これで濡らしては、同居人からどんな嫌味を言われるか容易に想像がつく。

黄泉川が、まさか本当に肉抜きなどするとは思わないが、ここ数年で
自分でも驚くほどに丸くなったもんだと実感する。

(アイツらのために…ってほど大げさなことじゃねェが、俺が素直に洗濯物をなァ…)

ひょいひょいと作業を続けていた彼の手は、可愛らしいピンクの花柄と
レースで構成された「ソレ」を前に停止した。
6 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:12:32.78 ID:WdcBs0Va0
「これって…」
その ブラジャー は、明らかに黄泉川のものでも、芳川のものでもなかった。

二人のものに比べてアンダー部分がやけに短く、何よりもこんな可愛らしい
デザインの衣類をあの二人が所持しているわけがない。

と、いうことはだ。

「クソガキのか…?」

今さらブラジャーのひとつやふたつ、何とも思ったりはしない。
しかし目の前のソレは、短いアンダーや肩ひもに比べてカップのサイズが
やけに、…大きいのではないか?
一方通行はカゴを足元に置くと、ブラジャーを手に取ってサイズを確認する。

(……D…、60の)

「D」
「A B C の次がD。その次はE」

声に出してみた。

(Dィィィ!?うっそだろォ!?いや、成長してるのは知ってるけどよォ!D!?
ちょっと前まで 無い胸 だったじゃねェか、急すぎンだろ)

そういえば、最近は打ち止めが自分に抱きついてくることが減った気がする。
加えて、初夏に入ろうかという頃なのに、異常気象なのか肌寒い日が続いていて、
学園都市の人々は、いまだ春物の衣服をほぼ誰もまとっていない。

もちろん打ち止めも。
だから気付かなかったのだろうか。
打ち止めの胸が、いつの間にか急成長していたことに。

(じゃァここ半年足らずで?)

ピンクのブラジャーを握りしめ、それを見つめながら深い思考に沈む一方通行は、
不覚にも玄関のドアが開いた音に気づけなかった。
7 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:17:15.22 ID:WdcBs0Va0
「わぁ〜濡れちゃう濡れちゃうってミサカはミサっ…」
「うォ!?」

この曇天を見て大急ぎで帰宅したのだろう。洗濯物を取り込むために。
いつもの「たっだいま〜」も言わず学生カバンを持ったまま、打ち止めが
タオルと緑のジャージの間から突然現れた。

「……」
「………オカエリィ…」
「ただいま…ってミサカはミサカはそれよりもあなたが持ってるミサカの下着が
気になるんだけど」

「あっ、いやっ、悪ィ」

ぱっと手のひらをゆるめ、一方通行は銃を突きつけられた人質のようなお手上げポーズをとる。
そのまま落下したブラジャーはぱさりと音をたてて、自分の裸足の足の甲にかぶさった。
彼にしては本当に珍しく赤い頬でうろたえている。

「わわっ、とミサカはミサカは急いで回収!」

彼の足から拾ったブラジャーを背中に隠して、打ち止めは一方通行と
目を合わせられなくて床ばかりを見ている。

(うぅ〜〜ちょっと恥ずかしいなぁ。なんであなたはミサカのブラジャーを
じっと見てたのぉ!?)

状況を見れば一方通行が洗濯物を取り込んでいたのは分かるが、なぜあんな風に、
明らかに自分のブラジャーを凝視されていたのか。
打ち止めも年頃の乙女なわけで、恥ずかしくてどんな反応をすればいいのかわからない。
彼が何か言葉を発してくれるのを待っていたのだが、一向にその気配がない。

「??」
「……」

不思議に思って顔を上げると、一方通行は真剣な表情で打ち止めを見つめていた。
いや、正確には、打ち止めの胸を。

「ななな、…なに?」
 
思わず両の手で胸元を隠す打ち止めだったが、
その手にブラジャーを持ったままだったことを思い出し、またすぐに背中に手をやる。

「!な、ンでもねェ」

フッと視線を手すりの外に移動させる一方通行。
二人の間に沈黙が漂う。

(アホかァ俺はっ!!なにじっと見てンだよ!そンでもっと気のきいたこと
言えよォォ!気まずいにもほどがあンだろォがァァァァ!)

(今この人ミサカの胸見てたよね?えぇっと、ひょっとしてミサカの
胸が要チェックなの!?やっぱり男の人だから、大きい胸がいいのかなって
ミサカはミサカはほっぺたが赤いあなたの顔を覗きこんだりっ)
8 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:19:46.16 ID:WdcBs0Va0
一方通行は瞳をキラキラ輝かせてこちらを見ている打ち止めに気付いて
困惑の表情を浮かべる。

(なンでこのガキはこンな嬉しそうな顔して俺を見てンだァ…?)

正直「変態!」とか言われたり、軽蔑の眼差しを浴びるのではないかと
心配していたので、そこに関しては安心した第一位だった。

「ねぇねぇあなたって…」

「おゥ…」

「やっぱりおっぱい大きい方が好きだよね?」

「っぐ!??ハァァ!?」

思わず奇声が出ちゃった第一位だった。


「ミサカね、最近急に胸が大きくなったんだよ!先月もサイズが合わなくなって
新しいブラジャーにしたの!ってミサカはミサカは将来有望株なのを
アピール!他の下位個体やお姉さまより大きいんだよ?」

突然何を言いだすのかこのクソガキは。
ぐいぐいと迫ってきて、自分の胸について聞いてもいないのに語りだす打ち止め。
一方通行は慌てて彼女を制した。
とにかく今は打ち止めの口を閉じさせることを優先させなければ。

「ば、ばかやろォ!言うな!それ以上言うなァ!」

今こそ自分を売り込むチャンス!と見極めた打ち止めだったが、
どうやらそれは違ったらしい。
9 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:21:56.38 ID:WdcBs0Va0
「え?…あなたってもしかして小さい方がよかったの!?
どうしよう、ミサカもうDカップになっちゃったよぉ」

「違ェ!いやだからヤメロっつってンだろォが!!オマエはもう喋るな!」

一方通行はカゴを打ち止めに押しつけると、あとはやっとけ、と
ズカズカと不機嫌そうにベランダから姿を消した。

「あれー?ってミサカはミサカはなんであの人が怒ったのか分かんないや」


眉間にいつもより深い皺を刻んで、一方通行は自室に向かおうとする。
しかし、足を止めてベランダを振り返った。

打ち止めが洗濯物を取り込んでいる。

いつの間にか伸びた背は、難なく吊るされたハンガーに手が届く(顔が近かったよなァ)
スカートからスラリと伸びた足(スカート短いだろアレ…)
髪は肩よりも随分長く伸びて、自重のせいか昔のように跳ねることなく
打ち止めの動きに合わせてサラサラと波打っている(さっきイイ匂いしたよな、
アホ毛は相変わらずだが)

意識して見ると、打ち止めは随分変わった。

(…急に、大人っぽくなった)

なぜだか目が離せない。
もうすぐ打ち止めが、全ての洗濯物を仕舞って部屋に戻ってくるのに。
何を話せばいいのか分からないから、自室に引っ込もうと思ったのに。

彼女から、目が離せない。
頭が妙にざわめいている。


結局一方通行は、黄泉川からの電話を受け取る前以上に興味を失った
テレビ画面の前に、再び陣取ったのだった。

10 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:24:53.92 ID:WdcBs0Va0
ベランダでのブラジャー握りしめ事件から二週間ほどが経った。
一方通行はあれからというもの、自分の感情がコントロールできず、戸惑いの日々を送っていた。
ついつい、いや、どうしても気になるのだ。打ち止めが。

もう少し正確に表現するならば、打ち止めの胸にいつの間にか視線が行ってしまうのだ。
この学園都市第一位を擁護すると、あくまで急に大人っぽくなった打ち止めを意識して
見つめてしまう時、最も『女性』を感じさせる分かりやすい部分が胸なわけであって

(だから決して俺が胸が好きだからってことじゃねェよ。うン)
(そうだったら黄泉川や番外個体にも反応するハズじゃねェか。クソガキが
急に変わったから戸惑ってるだけだ。それだけなンだ落ち着け俺)

「何ぶつぶつ言ってるのー?ってミサカはミサカはお風呂あいたよって報告してみる。
お先でした!」

「ン、わかった」

なんでもない態度をとるのは上手くなった。

一方通行はキッチンへと離れていく打ち止めを見送りながら溜息をついて立ちあがる。
自室から着替えを持って風呂場へと向かう途中、
打ち止めが嬉しそうな声を出して駆け寄ってきた。

「ねぇねぇ!黄泉川がアイス買ってきてくれたんだって!
あなたもお風呂出たらミサカと一緒に食べようよ!」

跳ねるようにして一方通行の傍ではしゃいでいる。ちなみに肌寒かった気候は、
本来の暦を思い出したかのように夏へ向けて気温を上げてきていた。
よって、ここ黄泉川家でも三日ほど前からやっと春、夏物の衣服が着用されている。

当然、打ち止めのパジャマも。
11 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:26:19.06 ID:WdcBs0Va0
(おいおいおいおいおいィ!!やめろ跳ぶンじゃねェ走るンじゃねェ!)

打ち止めのDカップが、黄色いパジャマの中で揺れている。
さらにそれはパジャマというよりは、露出の高い私服を寝る時用に着用しているだけなので、
鎖骨も二の腕もむき出しだ。おまけに身体にフィットしているから
ブラジャーを着けていない打ち止めの胸の様子が丸分かりになってしまっている。

「はいはい後でなァ。オラどけ。」

最近必要に迫られて身につけた技を最大限に活用し、一方通行はなんとか脱衣所まで移動すると

「っはあァァ〜……もォ勘弁しろよ…」

その場に座り込んでしまった。

12 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:29:32.94 ID:WdcBs0Va0
一方通行が新技のスキルアップに(不本意ながら)励む日々が続いたある日、
芳川から話があると言われてテーブルに座らされた。

「授業参観?」

「そうよ。明日打ち止めの学校であるんだけど、愛穂は自分の高校があるし、
私が行こうと思ってたんだけど、どうしても外せない用事ができてしまったのよ」

「で、俺が代わりに参観してこいってか。ふざけンな。似合わねェ光景にもほどがある」

「ふざけてなんかいないわよ。その授業参観の後には、保護者に対しての進学説明会があるから
毎年外からほとんんどの親がやって来るのですって。むしろこっちがメインね」

「……」

「その説明会までになら、なんとか用事も終わるから私が出席するわ。
君は授業参観だけでいいの。クラスで打ち止めだけ家から誰も来ないんじゃ
寂しい思いをさせちゃうでしょ?」


かくして一方通行は明日、打ち止めの通う中学校へとスーツを着て行くこととなった。


「うわー!うわー!あしたあなたが来てくれるの!?ってミサカはミサカは
嬉しくってテンションがとどまることなくグングンとぉ〜!!」

芳川から経緯を聞いた打ち止めはアホ毛をこれでもかと跳ねさせて喜ぶ。

「騒がしすぎンだろ。ちょっと落ち着けよ…」

「だってだって本当に嬉しいんだもん!あなたってば入学式にも来てくれなかったから、
まさか授業参観に出席してくれるなんて…」

「アホ。あンときゃ俺も大学の入学式だっただろォが。」

「そうでした。ってミサカはミサカは思い出したり。もーっ、とにかく明日が楽しみだよー!」

「そンなに嬉しいンかよ?」

「こーんなに嬉しいの!!」

「おォい!?」

ソファに座っていた一方通行の頭は、背後から伸ばされた打ち止めの腕に抱きしめられた。
口元にあったコーヒーの缶ごと。

13 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:32:33.50 ID:WdcBs0Va0
(あー…居心地悪ィ…)

一方通行は、なんとも落ち着かない心境だった。
まず周りには中年以上の父兄ばかり。我が子の授業参観なだけあって、
皆フォーマルファッションだ。
もちろん一方通行だってスーツでネクタイを締めている。慣れないそれが
益々違和感に拍車をかけているのだが。

もともと目立つ容姿の彼がそんな格好をしているものだから、注目度はかなり高い。
どう見ても若すぎるあの白髪の赤眼は一体誰だろうと、教室の机に座る生徒たちもチラチラと
後ろを振り返っては一方通行を見ている。

打ち止めは窓際の列、後ろから三番目に座っており、
クラスメイトやその保護者たちの反応を見ながら、終始満足そうな表情だ。

一度だけくるりと体ごと一方通行の方へ振り返ると、にっこりとほほ笑んで手を振った。
声は出さなかったが、口を アリガトウ と動かす。

それを見て内心はともかく、いたって堂々となんでもない態度を発動していた
一方通行の体がわずかに揺れて、肩と眉をすくめた。無意識に口角が上がる。

その様子を目撃した一部の生徒と保護者が、どうやら彼はあの娘の関係者らしい、
と見当をつけた。
さっそく一人の女子生徒が打ち止めの席へと身を乗り出して
話を聞き出そうとするも、教師が入ってきたために断念したようだ。


始まった授業は、外からの保護者を招いての授業参観なだけあって、超能力とか、
発達した科学技術を紹介するような「学園都市初心者」には興味深い内容である。

もちろん一方通行がそんなもの耳に入れるわけなく、
目はうち止めばかりを追ってしまう。
授業が始まれば、当然生徒たちは後ろを向くことはできない。
こんなにも彼女をずっと見つめているのは初めてかもしれない。

一方通行は視界に打ち止めをとらえながら、今朝のリビングでの会話を思い出していた。
14 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:34:35.29 ID:WdcBs0Va0
「おぉ〜。あなたのスーツ姿って初めて見た、ってミサカはミサカは…」

「あれ?コイツの入学式で着てたじゃん。打ち止め見てないのか?」

「なンか文句あるかよ」

「だってあなたってば、ミサカよりも後に出かけたのに、ミサカよりも先に帰ってたんだもん!
だからあの時は貴重なスーツのあなたを心のアルバムに保存できなくて
どれほど悔しい思いをしたか…っ」

「心のアルバム…って、ネットワークのことでしょう?大げさね、打ち止めったら」

「ちょっと待てクソガキ、オマエまさかこの恰好ネットワークに流してンじゃねェだろうな?」

「んー、流そうと思ってたんだけど」「オイこら」

「でも止めたの。だってビックリした。あなたのスーツ姿、すっごく素敵だよ!」

「!?お、おィ」

「うん…、本当にかっこいいよ。他のミサカに見せたくないぐらい」

「……っ」

うっとりと一方通行を見上げる打ち止め。
その様子をニヤニヤと眺める黄泉川と芳川。そんな保護者たちの様子に気づかないほどに、
彼は動揺してしまった。

15 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:37:27.18 ID:WdcBs0Va0
(素敵、かっこいい、か…。なンなンだろうな、妙に浮ついてるよなァ)

今の慣れない姿と慣れない状況に、ドンと構えて(いるように見える)のも、
打ち止めの素直で一直線な賛辞があったればこそだ。
彼女がそう言うなら、それが真実なのだろう。今の自分におかしいところはない。
堂々としていればいいのだ。

思考の半分で朝のやり取りと、いくらか頬を染めた打ち止めの顔を思い出し、
もう半分で今の黒板に向かう彼女の姿をとらえる。

何分そうしていただろうか。一方通行は自分以外にも、
同じような視線を打ち止めに送る者がいることに気づく。

何人かの男子生徒が、打ち止めを見ている。

後ろから三番目の席なのだから、授業中に彼女を見られる生徒は限られている。
にも関わらず、厳しい表情に早変わりした一方通行がざっと見渡しただけでも
三人の男子生徒が、恒常的に打ち止めに視線を向けていた。

(なンだァ?アイツら…。クソガキばっかり見てるじゃねェか)

一方通行の表情が先ほどと打って変わって険悪に、また漂う雰囲気が禍々しいものに
変わったことで、傍にいた数人の保護者たちが驚いて彼から身を離す。
そのざわめきに最後列の生徒数人が、何事だろうと後ろを気にする素振りを見せるが、
彼はそんな様子にはおかまいなしだ。

結局一方通行の周囲だけ壁があるかのように無人地帯ができたまま、ようやく授業は終了した。

16 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:41:09.77 ID:WdcBs0Va0
チャイムが鳴ると、すぐさま打ち止めは一方通行に駆け寄ってきた。

(だから走るなって…)

始業前に打ち止めに話しかけようとした女子生徒や、気に食わない数人の男子生徒が
彼女を引きとめる間もなく、輝く笑顔で自分に近づいてくる。
それだけなのに、一方通行の顔が元に戻る。
最初はあんなに居心地が悪かった周囲の視線も、なぜか今は胸のすく思いだ。

「ちゃんと来てくれたんだね、ってミサカはミサカは大感激っ」
「来ねェわけねェだろ。こンな恰好までさせといてよォ」

親しげに、穏やかに会話する二人を見て無人地帯を形成していた数人がまたも驚く。
打ち止めのクラスメイトたちは興味深々といった様子でこちらを窺っていた。

「どうだった?ミサカの雄姿は?こうして日々勉学に励んでいるのだよ、
ってミサカはミサカはあなたの感想が聞きたいな」
「ばァーか、なにが勉学だ。ありゃ授業ってよりも観光客向けのガイドみたいなモンだろ」

「あっははー、やっぱりあなたにはつまらなかったよね。でも外の人たちは
楽しんでくれたんじゃないかな?ってミサカはミサカはみんなのパパさんや
ママさんの様子を…ってあれ?」

打ち止めが周囲を見回すと、保護者たちがゾロゾロと教室から出ていく最中だった。

「あァ、確かこの後、進学説明会があるンだろ?それがメインだって芳川が言ってたな」
「そういえばそうだった。あ、ヨシカワからメールが来てる。
…もう会場の講堂に入ってるんだって。」

「ふゥン、だったら俺はもういいな。オマエはこの後どうするンだ?説明会に行くのか?」
「ううん。今日のは保護者向けだから、別に出なくてもいいんだよ。
午後からは部活か、帰宅してもいいんだって、ってミサカはミサカは
先生のセリフを思い出してきた」

自分たちの父親、母親が教室から出て行ったことで、それまで二人に注意を払っていなかった生徒たちも、残っている一方通行に好奇心を隠しきれない様子だ。
もちろん『気に入らない男子たち』も、こちらの会話に耳を傾けているのが分かる。

なぜそんな気が起きたのかは自身でも分からないが、
打ち止めのクラスメイトたちの注目を集めていることを理解すると
一方通行の心の内に妙な高翌揚感が生まれてくる。
17 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:43:09.18 ID:WdcBs0Va0
一方通行は打ち止めに一歩近づき、今までよりも少し大き目な声を出しながら
左手を彼女の頭に置いた。

「じゃァ昼飯食って帰るかァ?オマエの食いたいもンでいいぜ」

指でアホ毛をぴょんぴょんと弄った後、さらにこめかみから髪を梳くようにして
耳や頬にもするすると手のひらを滑らせた。


その一方通行の行動に、教室がどよめく。


「ひゃ、な、なんだかあなた、機嫌がいいみたい?」
「さァてなァ。こんなカッコしてるからじゃねェの?」
「じゃあ、じゃあね!ミサカね、あなたと学食でご飯を食べたい!って…
だ、だめかな……?もう帰りたい?」

一方通行は一瞬だけで教室の反応を読み取り、満足げにうなずいて了解した。

「別にかまわねェよ。ほら、さっさと行こうぜ」
「いいの!?やったー!学食は外の体育館の横にあるの。結構安くて美味しいんだから!」

こっちこっちと、はしゃぐ打ち止めが一方通行の手を引いて教室から出ようとする。
背後で、女子生徒たちはこちらを見て華やかな噂話、数人の男子生徒は嘆きの声を。
浮かれている打ち止めはその様子に気づいていないようだが、それこそに神経を張っていた一方通行は、『妙な高翌揚感』が、純度を増して高まっていくのを感じていた。

それは今まで生きて、初めて味わう不思議な感覚だった。とてもイイ気分だ。


「あ、いけない。鞄持ってくるの忘れた、ってミサカはミサカはあわてんぼ」

教室を出たところで、打ち止めがちょっと待ってて、と引き返す。数秒してから
大勢の女子生徒に取り囲まれて驚愕、困惑する打ち止めの悲鳴が響く。

一方通行は思わず下を向いて口元を押さえたのだった。

18 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:46:39.62 ID:WdcBs0Va0
「うぅ〜。お、驚いた。ミサカの友達が、まるでこの前見たゾンビの映画のようにミサカに……
ビックリしすぎて逃げてきちゃった」

揉みくちゃにされて乱れた髪を手櫛で整えながら、打ち止めは力なく一方通行の横を歩く。
アホ毛も、今は元気がなく下降気味だ。

それに比べて

「本当に今日はどうしたの?ってミサカはミサカは
ご機嫌MAXなあなたに不審の眼差し。じー…」
「別にィ、機嫌悪い方が良かったか?」


他愛無い会話を交わしながら、昇降口までやってきた。

打ち止めが自分のロッカーを開け、たと思ったら、バン!と音を立てて
勢いよく閉める。もちろん荷物など出し入れできていない。

「あ?何やってンだオマエ」
「え、えと、あの」

明らかに様子がおかしい少女。一方通行はすぐに反応した。
慌てる彼女をロッカーの前から押しのけ、だめぇー、と手を伸ばす打ち止めに構わず扉を開く。

そこには、白い封筒が落ちていた。

扉の隙間からそっと差し込んだのだろう。打ち止めの私物の上に無造作に
裏向きとなっていて、差出人のクラスと名前が読み取れる。

いくら一般的な常識や生活から遠ざかっていた一方通行にだって分かる。

これがラブレターだということは。

しかも、先ほどの打ち止めの反応は…

(…一瞬でこれが何なのか理解したみてェだな。見慣れた光景かよ)

どうやらこういったものを貰うのは初めてではないらしいことは、容易に想像がつく。
ロッカーの前で、二人はいつかのベランダで味わったような気不味い沈黙を、再び噛みしめた。

19 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:49:02.90 ID:WdcBs0Va0
一方通行と打ち止めは今、校内の学食で向かい会って食事を取っている。
予期せず訪れた突然の沈黙を破ったのは打ち止めだった。

「お腹すいたし…早くお昼に行こうよ?」
「…そォだな、案内しろ。コッチか?」

少しもさりげなくない様子の打ち止めとは対照的に、
一方通行はすぐに得意技と化した、なんでもない態度を復活させる。
二人とも、もう一度このロッカーを開ける気はなく、
打ち止めはいつもより多い荷物を持ったまま歩きだした。



「ね?ウチの学食けっこうイケるでしょ?ってミサカはミサカは学校で
あなたと一緒なのが不思議で嬉しくて楽しいな!」
「食べながら喋ンなクソガキ。まァまァだな」
「この安さでこのクオリティ、ミサカのおさいふの強い味方なのっ」
「なンだよ、小遣い足りねェのか?」

打ち止めが最近身に着けるようになったアクセサリーや、風呂上がりに
肌につけている化粧品などを思い出して一方通行が訊く。

(コイツもお年頃ってやつかねェ…?欲しいモンがあるなら言えばいいのに)

「う、だ、大丈夫…だよ?ってミサカはミサカはやりくりできる良い子だと見栄を張りたい」
「だから口に出てるっつゥの」

20 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:51:43.76 ID:WdcBs0Va0
示し合わせたように、先ほどのラブレターの件は頭の隅に追いやることにした二人。
小一時間前の記憶にだけフタをして、和やかに昼食を楽しむ。
周囲には遅れてやってきた打ち止めのクラスメイトの姿が、チラホラと確認できた。
箸を動かしながら二、三人でヒソヒソとこちらを気にしている。
これから部活なのだろう、ジャージを着た他のクラスや学年の生徒も、
二人を見るや昼食のトレイを持ったままポカンと足を止める者までいた。

打ち止めはさして周りの反応を気にしていないようだったが、
一方通行は逐一それらを把握している。 
そしてニヤリと笑う。なんだか急に、打ち止めを甘やかしたくなった。とても。

「おいオマエ、この後予定ないンだろ?」
「ん?うんないよ、ってミサカはミサカはうなずいてみる」
「よォし、感謝しろよォ?やりくりできないクソガキのために、第一位が一肌脱いでやる。
セブンスミストでいいか」
「??え?え?なにそれって一緒にお買い物に行ってくれるってこと!?
しかもミサカのおさいふ宣言!?」
「まァそういうことだな」
「やったあー!ってミサカはミサカは我慢できなくて、
もう食べ終わったから片付けちゃうね!」

打ち止めはテキパキと二人分の食器を返却スペースに運んでいく。
戻るなり、また一方通行の左手を掴んで立ちあがらせた。

「早く行こうよ!ああでもミサカ制服だ、全然おしゃれしてないぃ〜」
「アホ。向こうで好きなモン選ンで着りゃいいだろうが」
「あそっか、ってミサカはミサカは本当に今日のあなたの優しさにびっくり」
「ふン。せいぜいこの機会を有効活用するンだな」
「ハーイ!ってミサカはミサカは元気にお返事してみたり」

仲良く学食を去る二人を、多くの生徒が見送った。一方通行の心は弾んでいる。
柄じゃないのは分かっているが、こうしたい、これでいいと
肯定する気持ちの方が勝っていることを自覚していた。
21 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 00:53:54.36 ID:WdcBs0Va0
バスで移動しセブンスミストへ着くと、打ち止めはさっそく
好みの洋服が置いてあるテナントへ入る。
何着か服を選び、それらを一方通行の前に突き出してどれがいい?と
瞳をきらきらさせてきた。

(なンでどれもこれも…)

打ち止めが持ってきた服は一様に露出度が高かった、と一方通行は思っている。
以前ならばどれでもいいと、投げやりな対応を取っていただろうが、今は状況が違うのだ。
どれが似合うかなんて考えず、とにかく布地面積が一番多いワンピースを指さした。
本当はすぐ横にディスプレイされている、首元まできっちりボタンがついた服を
あてがいたいくらいだ。しかしそれをやれば、
ここ数週間の自分の苦悩を、打ち止めに感づかれるかもしれない。
彼女の胸が気になっていたなんて、絶対知られたくない。

打ち止めは珍しく一方通行が積極的に選んでくれたことが嬉しくて、
すぐに試着室へと駆けこんだ。
会計を先に済ませた一方通行は、近くのベンチで彼女を待つ。

座った瞬間、番外個体が脇の植え込みから姿を現した。

「やっほう第一位」
22 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:00:57.85 ID:WdcBs0Va0
「……なンでオマエがここにいるンだ?大学はどうした」
「今日は一、二限だけだよ。ていうか全然学校に来ない第一位に言われたくないんだけど」
「ちゃンと単位は取ってる。問題ねェよ」
「なにさ、あんな論文でちやほやされちゃってさー。ムカつく」

番外個体はわざとらしく舌を出して一方通行をからかい、隣にどかりと腰を下ろした。

「で、なンの用だ」

このタイミングで番外個体が現れたということは、何か自分に話があるからだろう。
それも、打ち止めのことで。
早くしろ、と顎をしゃくって番外個体を促す。

「さっきさー、ラブレターを見つけたとき」

ピクリと一方通行の肩が揺れる。番外個体はそれに気づきつつ話を続けた。

「よっぽどだったんだろうね。ネットワークにものすごい負荷が掛かったよ。
しかも恥ずかしいとか、後悔とか、最終信号の感情がミサカに流れてきて
すっごい迷惑だった。どうしてくれるわけ?」
「…俺は関係ないだろう」
「何言ってんの?その場に第一位がいたからあんな事態になったんでしょうが」
「……」
「それほど第一位に知られたくなかったんだろーねー。まぁ結局時間の問題だったと思うけど。
あんだけ各方面から猛アタックかけられてりゃさぁ」
「猛アタック…?」

気になる単語に一方通行が眉をひそめる。

23 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:03:17.27 ID:WdcBs0Va0
番外個体は、ことさらに嘲笑を全面に押し出した表情でニヤァっと顔を歪ませた。

「最終信号ってさ、最近可愛くなったでしょ?」
「……」
「可愛くなったでしょ?」
「早く言え」
「ぎゃは!照れんなよ親御さん。 でさ、あっちこっちから
付き合ってぇー、恋人になってぇーって告白の嵐なんだよ」

番外個体とは逆に、一方通行の表情は険しく固まっていく。

「最終信号は全部断ってるんだけどさ、中には強引な馬鹿もいてね。
能力をカサにきて迫ってくるヤツが時々、ね」

一方通行が歯を噛みしめた。その音は番外個体にも届く。

「相手がレベル4の時は、ミサカが助っ人を頼まれたんだよ。安心して?
愉快なオブジェ・生きてるバージョンにしといたから」
「…ふン」
「おっともうすぐ最終信号が戻ってくるかな。つまりミサカが第一位に
何を言いたいかなんだけど、今日みたいなことで、いちいちミサカに
とばっちり食らわせないでほしいんだよね」
「どォしろってンだよ、俺に…」
「別にどんな方法でもいいし?もしもミサカが期末テスト中なんかに
同じ負荷が掛かるかと思うと、ちょっとシャレにならないから」
「……」
「じゃ言いたいこと言ったし、ミサカもう行くね。ほらほらぁ
、なんつー顔してんのよ第一位。せっかく今はネットワークが平和なんだから、
お姉ちゃんをガッカリさせないでよー?」
「うるせェさっさと行け」

ニヤつく番外個体が去った少し後、入れ替わるように打ち止めが戻ってきた。

24 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:04:56.56 ID:WdcBs0Va0
「お待たせしましたー!ってミサカはミサカはおニューな姿で一回転!どうかな?似合う?」
「制服はどうした」
「荷物と一緒に預けてきました、って感想は!?」
「……よくオニアイで」

(丈が短ェンだよ。それで走ンなよォ…)

「なんか心がこもってない気がするけどまぁいいや。
さて次はどこを見ようかなー?」

打ち止めは一方通行の横に寄り添うと、彼の左腕に自分の両手を絡めた。

「おい」
「腕を組むのはプライスレスです。おさいふさんの意見は受け付けません、って
ミサカはミサカは離す気がないことをお伝えするね」
「歩きにくいンですけどォー」

一方通行の表情はすでに穏やかなものに戻っていた。
ネットワークは今、とても平和である。
しかし一方通行の頭の中は、半身に感じる打ち止めの体の柔らかさに
意識を集中しすぎないよう努めることに忙しかった。

25 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:08:21.47 ID:WdcBs0Va0
太陽がビルの隙間に姿を隠す頃、ようやく二人はマンションに帰ってきた。
どさどさと床に置かれたショップ袋に、黄泉川と芳川が目を丸くする。

「随分遅かったじゃん。それに何その大量の荷物は」
「あら、かわいいわね打ち止め。似合っているわよ、そのワンピース」
「えへへ、ただいま!ヨミカワ、ヨシカワ。この人に選んでもらったんだよ、
ってミサカはミサカは自慢してくてもう一回転!」
「ほぅ…」
「まぁ、君が?珍しいわね」

保護者二人に、あらあら、へぇ〜という顔をされ一方通行は舌打ちする。

「選べっつゥから選ンだだけだろ。その顔やめろ」
「あのね、ヨミカワとヨシカワにもおみやげがあるの、
ってミサカはミサカはお得情報をお伝えしてみる」
「ありがとう打ち止め。それに君もね」
「俺は別に…、クソガキが勝手にやったことだ」
「照れるな照れるな、どうせお会計はアンタじゃん?ありがとうな打ち止め!一方通行!」
「っチ…」
「それじゃご飯にするか。二人とも手洗ってこい。今日は暑かったから冷やし中華にしたじゃん」

26 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:10:45.22 ID:WdcBs0Va0
夕食は、今日一日を報告する打ち止めの笑い声が絶えない、楽しい時間となった。
慣れないことをした一方通行は少々気恥かしい思いをしたわけだが。

(昔はワガママばっかり言ってたクセになァ…)

彼女の弾む声を聞きながら、一方通行も今日の記憶をよみがえらせる。
打ち止めは自分の欲しいものはもちろんだったが、黄泉川と芳川への
お土産も楽しそうに選んでいた。
さらに行く先々で一方通行に欲しいものはないか尋ねてきたのだ。
打ち止めが投げてくる質問に答えていたら、いつの間にか自分の物が購入されてしまっていた。
ショップ袋の中には、買う気もなかった自分用の服や小物が入っている。
それらを自室のクーロゼットや棚に収めるのを面倒だと思う一方で、
保護者たちや自分に気を配っていた打ち止めの成長、変化を実感する一方通行だった。


27 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:12:44.48 ID:WdcBs0Va0
夕食、風呂と終わらせて、リビングの明かりも消された黄泉川家。
一方通行はまだ濡れたままの髪で、自室のベッドに横になっていた。
一人になると、どうしても今日知ってしまった事実が頭の中を巡る。
打ち止めのロッカーに入っていたラブレター。何よりも番外個体から告げられたこと。

(なンで俺に言わねェンだ)

知らなかった。打ち止めがそんなにモテていたとは。
番外個体は全部断っていると言った。
しかし打ち止めも学校に通うようになり、自分とは違う場所で新たな人間関係を築いている。
教室で見た『気に入らない男子生徒たち』の顔が脳裏にちらつく。

もしも打ち止めに恋人ができたら…?

(そンなこと、あるわけねェだろ)

なぜか根拠のない自信があるにはあるが、まるでシーソーのように、
でも、まさか…という不安が浮き沈みする。
今日心に湧きあがった『妙な高翌揚感』はそのままに、ドロドロ、イライラした
感情が自分を満たす。
思考がぐちゃぐちゃにかき混ぜられていく。
こんな苦しみは初めてだ。

打ち止めを守るため、何度も死線をくぐり抜けてきた一方通行だったが、
そのとき味わった辛さや苦悩とは、種類が違うように思う。

「っ…クソっ」

ついにベッドから起き上がったとき、ドアがノックされた。

「あなた、起きてるー?」

28 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:15:15.59 ID:WdcBs0Va0
一方通行は打ち止めの声を聞くやいなや、返事も忘れて素早くドアに近づき勢いよく扉を開けた。
無性に打ち止めの顔が見たい、と、抗いがたい衝動が一瞬で彼を支配したからだ。

「わっ、びっくりした。あのね、ミサカの方の袋にあなたの服が紛れ込んでたの、
って…どうしたの?」

様子がおかしい一方通行に、打ち止めが少し戸惑っている。

「いや…、どうもしてねェよ」
「?…、あーっ、あなたってば何あれ!開けてもいないの?」

一方通行の部屋の床に、今日買った物達が入っているショップ袋が
無造作に転がされている。それを見咎められたのだ。
もーっ、と憤慨の声を上げながら、打ち止めは持ってきた服を手渡しつつ一方通行を押しのけ、
ずんずんと部屋に入ってきた。

「せっかく買ったのに…」

包装紙を広げていく打ち止めを見ながら、一方通行は、ドアを、閉める。
ガチャリ、という音がやけに大きく聞こえた。


29 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:18:37.81 ID:WdcBs0Va0
仕方ない、どうしようもない。イラつくンだ。
こんな不快な思考のままではいられない、耐えられない。
この状況を打破する方法は簡単だ。
だから一方通行は打ち止めに訊いた。ド直球に。


「オマエ、そンなに告白されまくってンのか?」

打ち止めの手がピタリと止まった。ギギギと音がしそうな仕草で振りかえる。

「な、な、なん…」
「番外個体に聞いた。危ないこともあったようだな。なンで俺を呼ばねェンだよ」

目を泳がせつつ、打ち止めは座ったまま一方通行に体を向けた。
彼の厳しい眼差しは、ヘタな言い訳を許してくれそうにない。
彼女は今日も例の黄色いパジャマ(用の服。露出度高し)を着ている。
打ち止めを見下ろしていた一方通行は、この位置はよくないと思ってベッドへ腰を下ろす。
その動きに合わせて、打ち止めもすりすりと90度ほど体を回転させた。

「だって、あなたに知られるのは恥ずかしかったし、なんかイヤだったんだもん」
「なンで嫌だったンだ」
「……」
「答えろよ」

一方通行の声が不機嫌さを増していく。
そんなつもりではなかったのに、これではまるで彼女を脅しているみたいだ。
しかし、感情の抑制は、今は効きそうにない。うつむく打ち止めを急かすように
半分声を出しながら大きく溜息をつく。
やがて打ち止めは両手を握りしめると、ぐいと顔を上げて一方通行と目を合わせた。

30 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:21:35.14 ID:WdcBs0Va0
「あなたがね、ミサカがあなたから離れちゃうかもしれない、と思うことがイヤだったの」

一方通行の心臓がドクンと鳴る。さっき、まさにそう考えていた。

「それに…もしかしてあなたが、ミサカが他の誰かと付き合うのを、
いいと思ってしまうかもしれないって考えるのが、こわ、かったから…」

最後の方は尻すぼみになってしまったが、打ち止めは素直な気持ちを伝えた。
一方通行は息を詰まらせ、思わず握った手には汗がにじむ。
打ち止めの泣きそうな目が、自分を捕える。立場はあっという間に逆転した。
その潤んだ眼差しを前にして、ヘタな返答は許されない。

ミサカは話したよ?だから今度はあなたの番。
彼女のまばたきが、彼を急かす。


「そンなこと…俺が考えるわけねェだろうが…」

すごく言い辛そうだったが、学園都市第一位はなんとか素直に答えることに成功した。
彼の言葉を聞いて、打ち止めの目が丸くなる。

「ほ、本当に?」
「嘘ついてどォすンだよ」
「ミサカが他の男の人についていっちゃうのが、あなたはイヤなのね、
ってミサカはミサカは確認を」
「くどいぞ」
「んふふふふ〜」

もういいだろうと、一方通行は舌打ちをして目をそらす。
打ち止めは今日一番の笑顔を浮かべると、こらえきれなかった笑い声を
喉の奥からこぼれさせる。そして勢いよく立ちあがり、ベッドに座る一方通行の膝に飛び乗った。

「!?おいっ、こら!」

慌てた一方通行の叱責を無視し、にこやかな打ち止めは足をバタつかせる。
ベッドのスプリングがギシギシと音を出すので、仕方なく彼は打ち止めの肩を支えた。
手の平からも、彼女の温かい体温が伝わってくる。
さすがになんでもない態度はその力を発揮しなかった。
それに、不器用ながらもお互いの心の内を確かめ合った今、
以前のようにとり繕う必要を感じなかったから。

31 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:23:27.12 ID:WdcBs0Va0
戸惑い顔の一方通行を背後に見上げて、打ち止めは弾んだ声で訊く。

「ねえねぇ、ミサカがモテモテだって聞いてどうだった?ヤキモチ妬いた?」
「ハァ!?」
「ヤキモチ妬いてくれたから不機嫌だったんじゃないの、って
ミサカはミサカは分かりきったことを訊いてみる」
「……」
「えへへー、安心してね!告白されても、ミサカにはもう将来を誓い合った
ヒトがいます、って一刀両断におことわりしてるんだから」
「待てクソガキ。誰がいつ将来を誓っただと?」
「ミサカとずっと一緒にいたいんだよね?って、ミサカはミサカは
あのときのこと、はっきり覚えてるのよ」

あの雪の中で交わした会話は、一方通行だってもちろん覚えている。
しかし、あんな昔のこと。打ち止めがまだ幼かったときのことだ。
今でも彼女はその思い出を拠り所にして、こうして自分の傍で、
その大きな瞳に俺を映して幸せそうに笑うのか。

一方通行の心に、打ち止めの体温と一緒に温かい感情が流れ込んでいく。
それが一般的には『愛しさ』と表現するものだと、さすがの彼も認めるしかない。
32 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:25:38.79 ID:WdcBs0Va0
もう片方の手が、自然と動く。
こうして打ち止めを自分の腕の中に抱くのはどれくらいぶりだろうか。
打ち止めも、彼の腕が自分を包み込むのに合わせて背中を一方通行の胸に預ける。

「……」
「……」

気不味くない、心地よい沈黙もあるンだな、と一方通行は目を閉じた。

数十秒後、打ち止めがもぞりと動く。彼女は眉をひそめ、顔を膨らまして自分を見上げている。
なンだよ?と視線だけで問いかけると、これみよがしにハァと溜息をつかれた。

打ち止めは身をよじらせて体を少しだけ持ち上げると、桜色の唇を一方通行の頬に押しつけた。

「!!」

落ち着いていた心臓が、また早鐘を打つ。

「ここはキスするところだと思うの、ってミサカはミサカはあなたの
恋愛スキルの低さに安心したりガッカリしたり」
「そりゃスイマセンでしたねェ…」

(マセガキが…)

仕方ない、どうしようもない。他の男に渡すなんて選択肢はあってはならないのだ。
だったらやることは簡単だ。

「ラストオーダー」
「!は、はい!」
「目を閉じろ」

一方通行は打ち止めの腰を抱く左腕に、一層力を込める。
見る間に首筋まで朱に染まった打ち止めは目をしばたかせると、
喉をゴクリとさせて、ゆっくりと瞼をおろした。

33 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:28:29.97 ID:WdcBs0Va0
一方通行は右手で打ち止めの顎を持ち上げ、自分の唇を彼女のそれに重ね合わせた。

(唇まで温かいンだな…)

触れ合ったところから伝わる柔らかさと温もりがもっと欲しくて
顎にかけた手を、うなじを這わせて後頭部に移動させた。
ぐいと自分の方に引いて、より強くキスをする。

「ん」

打ち止めがぶるりと身体を震わせたが、
きゅっと自分の手を握ってきたので構わず続けた。

やがて彼女が苦しそうなうめき声を上げたので、名残惜しいが唇を離す。

「…はぁ…」

打ち止めは大きく息をして呼吸を整えると、一方通行の膝の上で体を動かした。
完全に真正面に向かい合い、太ももで彼の細い腰を挟んでしまう。

打ち止めが態勢を整えるのを待ってから、一方通行はいつかのように
腕を背中にまわして、強く抱きしめた。
打ち止めも同じようにして、彼を抱きしめ返す。

「ありがとう。ミサカはあなたのことが大好きよ、って何度も言ってるけど改めて告白するね」
「そりゃどォもォ」
(何度も言われてたっけか…?)

「あなたは、ミサカが思っていたよりミサカのことが好きみたいだね、って
今日はそれがよく分かりました」
「…否定はしないでおいてやる」
「素直じゃないんだから、ってミサカはミサカはあきれちゃう」
「……」
「でもいいよ。分かってるから…」

素直じゃないのは性分だ。今さら変えようがない。
だから返事の代わりに行動で示す。
密着させていた体をわずかに離し、さっきよりも長い口づけを交わした。

自分の気持ちが、熱と一緒に打ち止めに伝わるようにと



34 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:29:59.10 ID:WdcBs0Va0
二度目の、少し長いキスの後、二人は相変わらずお互いを抱きしめ合っていた。
一方通行はベッドに座り、打ち止めはその彼の膝の上に。
言葉はなかったが、お互いの鼓動を交換するだけで溶け合うような幸福感が胸を満たす。

どれくらいそうしていただろうか、ベッドサイドの置時計がピっと鳴った。
深夜十二時を知らせる音だ。一方通行の意識がまどろみの中から浮上する。

自分の腰を挟み込む太もも。背中に回された腕。首筋にかかる吐息。
いい匂いのする髪。なによりも、押し付けられている柔らかい胸が。

「……」
(これはヤバイだろ…)

一方通行は唾を飲み込みながら腕をゆるめる。それでもまだ自分に抱きついている
打ち止めの肩を掴み、ゆっくりと体を離した。

「あれ…?」

抱擁が解かれたことにやっと気づいた打ち止めは不満そうに彼を見上げ、
もっとくっついていたい、と表情で訴える。

35 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:31:56.36 ID:WdcBs0Va0
(こっちの気も知らねェでそンな顔しやがって)

「重い、いいかげンどけ」
「えー、なにソレ!?ロマンチックが音速で飛んでちゃった、って
ミサカはミサカはあなたのデリカシーの無さに驚きだよ!」

一方通行は動こうとしない打ち止めの脇を持ち上げて、
強引に自分の横に放り投げるように座らせる。

「あーあ、さっきの甘々なあなたは一体どこに行ったのかしら、って
ミサカはミサカはがっかりしてみる」

「もう遅い。部屋に帰って寝ろ」
「明日はお休みです。夜更かししてもへいきだもん、って
ミサカはミサカは戻る気がないことを表明してみたり」

「寝ろ」
「イ・ヤ」

しかめ面であさっての方向を見る一方通行と、余裕の笑顔の打ち止め。
彼女はツンツンと一方通行のシャツの袖口を引っ張り

「今日はまだ戻りたくない。もっとあなたと一緒にいたいよ」
「!!!…」

これ以上このフワフワした感覚に身を任せていれば、
己の理性が限界を迎えるようなことになりはしないか、という危機感。
それと、自分だって打ち止めと二人きりで過ごしたいという欲求。
両者が今、学園都市第一位の頭の中でせめぎ合っている。

その結果、一方通行は己の理性を信用することにした。

36 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:35:59.54 ID:WdcBs0Va0
「それでね、番外個体が相手の人が泣いちゃってるのに、
ビリビリって足元から服を焦がしていったの」
「ふゥン…」
「焦がす場所と焦がさない場所を等間隔にしてね、
虫食いスーツ似合ってるねぇヒャハハ、ってすっごく楽しそうだった」
「その光景がリアルに思い浮かぶわ」
「ミサカがもうやめて、って止めなきゃどうなっていたことか…番外個体は、
同じことがあったらまたすぐに呼び出すんだよ、ってミサカをなでなでしてくれたんだよ」
「……」
「頼れる妹を持ってミサカは幸せ者ね、って実感してみる」

「…次からは俺を呼べ」
「!うんっ」


打ち止めは滞在の許可をもらうなり、今まで内緒にしていた秘密を語りだした。
一方通行が自分に隠されていたことを不服に思っていたようなので、
今のうちに一切合財打ち明けてしまおうとしているのだ。

そんな打ち止めの気遣いに思い至ることはなく、
一方通行はすべての思考を彼女の話に傾けてはいられなかった。

(どうも心配するような事態にはならねェよな…コレさえ耐えれば)

無理やり膝から下ろした打ち止めだったが、
今は自分の左腕を抱きかかえてしな垂れかかっている。

「あなたがヤキモチ妬いてくれたから、今こうしてラブラブしてるんだよね。
だから迷惑だと思ってフリまくった人たちにちょっと感謝かも、って
ミサカはミサカは心を入れ替えてみる」
「らぶらぶねェ…?」
「ぎゅってしてちゅーしてまたぎゅうっとしてちゅう、
これをラブラブといわずしてなんというの?ってミサカはミサカは問いただしてみる」

(否定できンのが辛ェなァ)

「とにかく結果オーライなんだけど、これまでは本当に困ってたんだから。
急に色んな人がミサカに告白告白告白。あなたより年上の人からもされたことがあったなぁ、
ってミサカはミサカは苦労を思い出してため息…」
「俺より年上ェ?」
「だから、全部一刀両断って言ってるでしょ?ミサカはあなただけ
なんだから安心してほしいな、って怖い顔やめてください」

困ったときはちゃんとあなたを呼ぶから、と諭されて一方通行は溜飲を下げた。
さすがに大人げなかったか、と自戒もする。
37 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:37:26.63 ID:WdcBs0Va0
「ふぅ、モテモテってやっぱり大変なのね。なんで急に
こうなっちゃったんだろう?」
「……」
「そういえば、番外個体とお姉さまが、胸が大きくなったせいだって言ってたかな」


なんだか雲行きが怪しくなってきた。

「特にお姉さまの力説ぶりはすごかった、って今思い出しても
ミサカはミサカはあの鬼気迫る表情を思い出してぶるぶるしてみる」

その話題は避けてほしい。全力で回避したい。

「バストは男性を惹きつける最大と言っても過言ではない強力な
武器なのよ手段なのよ少し私にわけなさいよぉ〜!ってミサカに
襲いかかるお姉さまを番外個体が押さえてくれたの。大変だった…」

やばい、どんどんマズイ方へ話が進んでいく。あと何やってンだ超電磁砲。

「だから、せっかく念願の大きな胸も考えものだなー、って
ミサカはミサカは少し後悔してみたり。無いものねだりね」

打ち止めは前触れなく、ひょいっと屈んで一方通行の顔を覗き込んだ。

「で、あなたはどうなの?」
38 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:41:11.87 ID:WdcBs0Va0
一方通行の息がまた止まる。今日は(日付は変わったが)呼吸や鼓動に
急激な変動が起こりすぎだ。もう身がもたない。

「ミサカの胸が大きくなって嬉しい?それとも小さいままの方がよかった?って
ミサカはミサカは以前訊きそびれたことを確認してみる」

(な、なンて答えりゃいいンだよォ!?つーかなンつー質問してくるンだこのクソガキは!
俺にデリカシーが無いだと?その言葉そっくりそのまま脳天にお返ししてやりてェよ!)

「ねぇ、どっちなの…?やっぱり……」

打ち止めの表情が曇る。お姉さまは大きい方が有利だと言ったが、
必ずしもそれが一方通行にあてはまるとは限らない。もしも彼の好みと自分の胸の大きさが
一致しないのなら、これに一体なんの価値があるというのか。
まぁその心配は杞憂なのだが。

(どォすンだどォすンだ俺ェェ!?そンな顔すンなよっ。大きい方がいいって言うか!?
それじゃあクソガキの同級生どもと俺が同レベルだって認めるようなもンだよな!?
でも小さい方がいいって答えたらコイツ泣くだろ絶対!いやもォ泣きそうだし!
あ、やべェ泣く)

打ち止めに泣かれるのは困る。
どんな犠牲を払ってでも、それは避けなければならない最優先事項だ。
だから一方通行は進むべき道を選んだ。それが学園都市第一位である自分を、
打ち止めに群がったクソったれどもの位置にまで、おとしめることになろうとも。

39 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 01:42:27.18 ID:WdcBs0Va0
「……ぃい」
「え?」

「大きい、方が、いいンじゃねェの?普通…。そう思うぜ、俺も…」

打ち止めの表情がみるみる明るくなっていく。
そうだ、この顔のためなら、どンなことだって耐えてみせる。

「よかった…、えへへへへ…あなたがそう思ってくれるならとっても嬉しい、って
ミサカはミサカは一安心」
「おォ、いらねェ心配してンなよ」
「あなたもやっぱり大きいお胸が好きなんだったら」
「ああ、もォそれでいいわ、なンだっていい」

「触ってみる?ってミサカはミサカはよっこいしょ…」

打ち止めは一方通行に向き直り、両手で自分の胸を持ち上げた。
所有者によっていびつな変形をとげた魅惑のDカップは、鎖骨の真下にまで
深い谷間を出現させる。

「はいどうぞ、ってミ」

その直後、一方通行の久かたぶり連続本気チョップが振り下ろされた


40 :ブラジャーの人2011/07/15(金) 01:45:00.65 ID:WdcBs0Va0

「ううう…」

打ち止めは頭を押さえて唸っている。痛すぎて文句の言葉も出ない。
あまりのことについ力加減を忘れた一方通行は、ようやくやりすぎたことに気づく。

「あなたのチョップを貰うのは久しぶり…、ってミサカはミサカは、
いった〜。そんなに怒らなくても…」
「うるせェマセガキ、今のはオマエが悪い。
あのな、大体オマエには恥じらいってモンがないのか?もっと発想と言動に気を遣え。
いきなり男に胸を触らせようとするな」

一方通行は血圧が上昇したまま、さらにお説教を続ける。
なぜ自分が年頃の少女の心構えを説いて聞かせなければならないのか。
これは本来同居している保護者たちの役目だろう。
彼女のオリジナル、超電磁砲でもいい。あ、無理か。

想い、想われ合っている男女の仲なのに、本当になぜ。

しかし、今ここでよく言い聞かせなければ後々非常にマズイことになると判断し、
一方通行の小言は続く。

「まったく、昔は寝込みを襲うのはNGだとか言ってたろォがよ。なンで成長してそうなるンだ」
「え?今だってNGに決まってるでしょ?」

両手を揃え、行儀よく座って叱られていた打ち止めがキョトンと訊き返す。

「いや、だから、起きてりゃ、意識があればいいってモンじゃねェだろ」
「??別にミサカがいいよ、って言ってるんだし…。
胸くらいなら構わないんじゃないかな、ってミサカそんなに悪い子だった?」

「………」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]:2011/07/15(金) 02:03:29.64 ID:Nm8RivSmo
理性との戦いか……
つC
42 :ブラジャーの人2011/07/15(金) 02:04:21.65 ID:WdcBs0Va0
ここにきて、両者の意識にいささか隔たりがあることが判明した。
一方通行は今日押し寄せた怒涛の体験、打ち止めとの接触で、
自分の理性の限界を心配している。
こんなにすぐに、万が一にも一線を越えてしまわぬようヒヤヒヤしているというのに。
目の前の少女、彼の苦悩の元ときたらどうだ。
一方通行が危惧する事態を、まったく想定していないとみえる。

だんだんと、いや、益々腹が立ってきた。

「なンだそりゃ。俺が生殺しじゃねェか」
「はい!?なまごろし?」

(こいつは男を、俺を何だと思ってるンだ…こりゃちっと痛い目に遭わせねェと気がすまねェ)

打ち止めの奔放で無邪気で罪なアプローチは、自分を信頼しているからなのかも
知れないが、まるで男扱いされていないようで、沸々と怒りが湧いてくる。
ちなみに一方通行自身が、長年打ち止めを女扱いせずに彼女をヤキモキ
させたことは、高い高い棚に放り上げた。

打ち止めをいじめてやろう、と思い至ったところで、
久しく忘れていた本来の調子を取り戻した第一位。今なら感情も理性もキープできそうだ。

胸を触れ?上等だ。

好きな娘をイジメちゃうというのが未熟で幼い男子の特性だと、
彼は気づいているのか、いないのか。

43 :ブラジャーの人2011/07/15(金) 02:10:10.06 ID:WdcBs0Va0
「そォかそォか、そこまで言うならオコトバに甘えようじゃねェの」

久しぶりに見た一方通行の凶悪な笑みに、やっと打ち止めも何かを察したようだ。
彼と自分の認識に大きくズレがあったこと。そして、今訪れようとしている危機に。

「あの、やっぱり夜更かしはお肌に悪いので、ってミサカはミサカはお部屋に帰ろうかな〜と」
「待て」
「きゃっ」

一方通行はそそくさと立ち去ろうとする打ち止めの腕を掴み、乱暴に引っ張った。
最初彼女からそうしてきたようにもう一度膝の上に乗せ、背後から抱きすくめる。
さらに足を打ち止めのすねに絡めて、逃げられないよう拘束。

「せっかくのお申し出だ。断っちゃ悪いよなァ…」
「あのあのあなた、さっきと言ってることが全然ちがうよ!?って
ミサカはミサカは、…動けない、ちょっ」
「うるせェ黙ってろ」

何の前触れもなく、打ち止めの胸に触れた。

(やっわらけェ……)

想像以上の柔らかさだった。打ち止めがおとなしくなったので、
拘束のために使っていたもう片方の手も参戦させる。
両手を押しつぶすようにあてがえば、瑞々しい弾力で跳ねかえってくる。
手の平で持ち上げてみる。重い。(肩が凝るってェのも納得だなこれじゃ)
左右から寄せてみる。深くなった胸の谷間に、黄色のパジャマが挟まれてしまう。
わし掴むように指を埋めてみる。第一関節までも見えなくなった。

44 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 02:13:22.48 ID:WdcBs0Va0
「ねぇ、も、もういいんじゃない?って
ミサカはミサカはそろそろ離してほしいとお願いしてみる」
「あ?あァ…もうちょっと」

しまった、つい夢中になってしまった。こうじゃなくて、
もっと打ち止めが焦るようなダメージを与えたいと思う。

一方通行は打ち止めの膝裏に腕を差し込むと、自身ごと完全にベッドの上に引き上げ移動する。
スプリングが大きく軋んだ。
背中を壁に預け、両足はさらに打ち止めの太ももや膝に絡めた。

「よし」
「何がよしなの!?ねぇ何なの!?」

打ち止めの質問には答えず、また手の動きを再開させる。
先ほどとは違い、明らかに彼女の性感を高めようとする触り方だ。

おまけに真っ赤になった頬や耳に口を寄せ、息を吹きかけつつ舌を這わせる。
びくびくと震える打ち止めは体を丸めようとするも
、一方通行の手が胸をまさぐっているのでそれも叶わない。
彼の唇が、舌がぬるりと温かく首やうなじを滑っていった。
その直後、濡れた個所が空気に晒されてひんやりする。

「っ…く、ん…」

ついに打ち止めの口から、たまらずに声が漏れた。一方通行がニヤリと笑う。
してやったりだ。やはりやられっぱなしは性に合わない。

45 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 02:16:43.69 ID:WdcBs0Va0
「なァ…」

打ち止めからの返事はない。今は口を開けられないからだ。
一方通行は唇を彼女の頬に付けたまま、優しい声で囁いた。
指は打ち止めの黄色いパジャマの裾を引っ張っている。


「コレ脱がしていいか?」

「なぁ!?だだダメ!!それは絶対ダメ!」
「なンでだよ。胸は触ってもいいのに脱がすのはだめなのか?オマエの基準がよく分からねェ」

正確には、打ち止めは『こんな風』に触ってもいいとは言っていない。
さらに全身を抱きすくめられ、いやらしく口と舌で舐めまわされているではないか。
これは話が違う、約束(していない)が違う。
しかし、とてもじゃないが冷静になれない打ち止めの口からは、
同じようなセリフしか出てこない。

「ダメだよ!?ダメだからね!やったら怒るからね!?」

そんな打ち止めからは、充分に焦りと羞恥が伺い知れる。それが第一の目的、だった…はずだ。

ただ、一方通行は 見たい と思った。視覚でも堪能したい、と。

だから出るはずのない了承など待たず、強引に服の中に手を入れて脱がしにかかる。
打ち止めの素肌はしっとりと汗ばんでいて、手に吸いつくようだった。
普段は衣服に隠されているため、首や腕よりもさらにキメ細かく白い。

「!!っやーー!ちょっと!ダメって言ってるのにぃー!」

一方通行を止めようと、打ち止めは彼の手に自分の手を重ねる。
しかし彼はそんなことおかまいなし。
乱暴な動作で、ついに打ち止めのパジャマは顎のすぐ下までたくし上げられてしまった。

(あ、こンなところにほくろがあるンだな)


そう思った直後、一方通行の意識が途絶えた。


46 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/15(金) 02:25:26.52 ID:WdcBs0Va0
とりあえず過去投下分(編集済み)と書きあがってるところまで。
ぜんぜん少女漫画になってませんが。目標は「君に届け」だったのに。
数日以内に続きを書きにきます。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/15(金) 03:01:01.88 ID:E3Inf8NB0
一方通行さん
中学生にないやってんですかwwww
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/07/15(金) 03:14:52.00 ID:FpmmdnQAO

やはり通行止めのイチャイチャは至高
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/15(金) 05:11:38.91 ID:Rnf8ezh00
アホ毛に届け
もっとおっぱいを揉め
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/15(金) 09:09:25.02 ID:vFn+wuDdo
通行止めはやはりいいものだ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/15(金) 09:48:32.22 ID:eThuboDDO
いつもはウザいと思う地の文がスラスラ入ってくる不思議
おっぱいってすげぇな
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/15(金) 11:54:46.16 ID:k/kbC8Kb0
なんという良質なおっぱい、じゃね、通行止めスレ
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/07/15(金) 16:11:34.50 ID:Y3X+6bTAO
>>51
地の文がウザイ…!?

これくらいの日本語の文章が辛い 在日は帰れ
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/15(金) 17:17:46.05 ID:F2pxejL30
ふむ。ぞんぶんに続けたまえ。
55 :へんける[sage]:2011/07/15(金) 18:00:15.23 ID:gQistt+9o
ふう。存分にry
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage]:2011/07/15(金) 18:00:57.37 ID:gQistt+9o
名前は見なかったことにしてね!
ごめんなさい
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/07/15(金) 20:39:16.59 ID:LPMTcLalo
一方さん公共交通機関ちゃんと使えるのねwwww
なんか一方さんマセラティとかアストン・マーティンとかの高級GTカーを足代わりにしてるイメージなんだが
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/07/15(金) 21:20:11.00 ID:0eGj+I4z0
今まで打ち止めに興奮したこと無かったが、これは期待できる
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/15(金) 23:40:58.96 ID:81XaiohA0
すごいニヤニヤした乙乙
やっぱり通行止めはよいものだ
60 :ブラジャーの人2011/07/16(土) 00:18:45.77 ID:8kd3Xn8r0
こんばんは。数日以内って言ったのに、翌日来てしまいました。
レスにつられたアホが今日も投下します。
61 :ブラジャーの人2011/07/16(土) 00:26:45.77 ID:8kd3Xn8r0
打ち止めは一方通行の代理演算を切って、彼の魔の手から逃げ出してきた。
大きな音にもかまわず自室のドアをバタンと閉める。
そしてズルズルとその場にしゃがみ込んだ。

「はぁ〜〜」

いつまで続くの?と心配になるほど息を吐き続ける。すごくドキドキしている。
彼に触られた全身が熱い。
舌と口で舐められた首や頬。特に揉みしだかれた胸の感覚がリアルに残っていた。
まだ一方通行の手や舌が触れているようで、思わずその場所をゴシゴシと撫でさする。

…全然効果がない。
打ち止めはついに膝の間に顔を埋め、そのまま動かなくなってしまった。
ショックで泣いて……いるわけではない。
数十秒後、パっと上を向いた少女の目は、意外にも爛々と輝いていた。
62 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/16(土) 00:30:21.12 ID:8kd3Xn8r0
(ビックリした!ビックリした!ってミサカはミサカはとにかくビックリした!
あの人がミサカにあんな、あんなえっちなことするなんて…、驚いたけど、でも)

ショックはショックだったようだが、打ち止めは率直に 嬉しい、と感じていた。
長年の想い人である、一方通行に女性として見てもらえたこと、
強引に求められたこと(正確にはいじめられた、が正しい)
いつも心の奥で願っていたことだった。長らく子供扱いされることに慣れてしまったせいで、
つい「触ってみる?」とけしかけてしまったのだが、
今になって、一方通行にはなんて酷なことをしてしまっただろうと反省する。

(でもでも、いきなりすぎるっ、急すぎる!ってミサカはミサカは男女の仲には
ちゃんと順番があるべきだと思う!さっき初ちゅーしたばっかりだよ!?
それなのに……キモチよかったけどぉ〜〜っ)

ぶんぶんと頭を振りつつ立ち上がり、鏡の前に行って自分の全身を映す。
いつもと同じに見えるが、心臓はお祭り騒ぎだし顔はまだ赤い。

ふと、いつもパジャマ代わりに着ている黄色の服に意識が向いた。
よく伸びる素材で通気性が良く、暑くなってきたこの季節にぴったりだと思っていたのだが、
胸元は大きく開いているし、体のラインもよく見える。

(とりあえず着替えようかな、ってミサカはミサカは恥じらいのある乙女だし)

63 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/16(土) 00:35:37.23 ID:8kd3Xn8r0
クローゼットからえり付きのシャツを取り出して着替え、第二ボタンまでしっかりと留めた。

(よし、これで大丈夫だもん、ってミサカはミサカは、あ)

ナニが大丈夫なのか深く考えるのは避けて鏡で自分の姿を確認したのだが、
全然大丈夫ではなかった。

いまだ違和感がぬぐえないDカップが、内側からシャツを押し上げている。
肩も腰も大丈夫なのに、胸部分の生地だけがピンと張りつめて、
ボタンとボタンの間から肌を覗かせてしまっていた。

「うそ!?これもう着れないの!?」

胸が大きくなるとはそういうことだ。

仕方なくボタンの無い他の服を選んでシャツを脱ぐ。鏡に上半身裸の自分が映った。
打ち止めは、まじまじと自身を観察する。

(あの人…、ミサカのおっぱいすごく見たそうだったなぁ…。演算切らずに
見せてあげればよかったのかも、ってミサカはミサカは今更思ったり)

両手で、ここ半年のうちに急成長した自分の胸を支えてみる。
寄せてみる。押さえてみる。掴んでみる。

いろいろ試してみたが、どうも違うのだ。
一方通行から与えられた刺激には遠く及ばない。

否が応にも思い出してしまう。一方通行の手を、唇を、舌を。
全身を預けた彼の腕。キスされるとき、舐められるときに肌をくすぐった白い髪、彼の吐息。

64 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/16(土) 00:38:11.55 ID:8kd3Xn8r0
「!!〜〜〜〜っっ!うぅ〜〜!にゃぁあああああああ!!」

おさまりかけていた頬の赤色は、ふたたび耳や首にまで浸食した。
打ち止めは奇声をあげながらベッドへ倒れこみ、
そのままゴロンゴロンとまくらを抱えながら転がって悶える。

(やぁ〜もう恥ずかしい恥ずかしい!思い出すだけでこんなになっちゃうなんて!
やっぱりあの人には悪いけど、見せることなんて出来るかな!?ってミサカはミサカは
これからどうしよう)

いくら考えても答えは出ない。仕方がない。なるようになるだろう。
『乙女の恥じらいを意識した服』に着替えて、すぅはぁ、と深呼吸。

「うん、もう寝よう!」

ベッドに横になる前に、ドアに視線を送る。

「寝込みはNGなんだもんね。あなたも分かってるでしょ?」

打ち止めは切断していた一方通行の代理演算を戻す。

鍵は、かけなかった。



65 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/16(土) 00:49:04.52 ID:8kd3Xn8r0
今日の投下は以上です。
もうだめだ、さようなら少女漫画。さようなら、爽子。さようなら風早君。
無理やり彼女の服を脱がす風早君なんて、そんなの「君に届け」じゃない。よく考えなくても。
なんで目指そうと思ったんだろ。

次回は一方さんサイドかな…
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/16(土) 00:58:15.66 ID:43gMIgSno
乙ー
しかし一方、このロリコンめ!(褒め言葉)

この一方さん車持ってないの?一方さんの財力ならアストンマーティンとかマセラティとかブガッティとかいくらでも所有できそうだが
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/16(土) 01:14:23.76 ID:I0rE4Ldk0
おっぱいに届け
とりあえず揉め
68 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/16(土) 01:19:46.71 ID:8kd3Xn8r0
>>66
一方さんの車はいつか登場します。
黄泉川家レジャーのために強制購入させられた大型SUVか。
はたまた足をかばって、ブレーキも手で制御できる学園都市製の特別仕様車か。
もしスポーツカーだとしても、国産じゃないと私が詳しくない。
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/16(土) 02:14:52.05 ID:MhtWV+QQo
>>68
そうは言ってもアストンマーティンぐらいは知ってんでしょ〜(暗黒微笑)

次回更新全裸待機してます
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]:2011/07/16(土) 02:20:59.07 ID:lnNvmMxWo
>>68
あえてミニクーパーとかフォルクスワーゲンビートル、ワーゲンバスとかに
乗っていてもらいたいwwwwww
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/07/16(土) 03:30:03.20 ID:QGC4RcGAO
>>68
外車の洒落たのを買おうとしたのに、黄泉川にトヨタかどっかのファミリーカーを勧められるパパセラレータが見える
しかし二台は楽に買えるか
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/16(土) 04:15:40.33 ID:gOA5DxpDO
勘弁してくれ辺りが風早ぽかったな

沢山の初めてをくれてやれよ乙
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/16(土) 04:48:03.19 ID:+PfIIfyIO
安かったと言いつつブガッティヴェイロンに乗る一方さんか
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/16(土) 12:39:22.38 ID:MDSHj275o
一介の研究者の木山さんがランボルギーニ(見た目は)に乗れるぐらいだからなあ

趣味用:マセラティなどのスポーツカー×1

街乗り用:アウディやジャグなどの高級サルーン×1

黄泉川家用:SUV×1

位は買えそうwwww
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/16(土) 15:21:02.85 ID:Di8ryY5Ko
もうタイトルおっぱいに届けで良くね?
乙!これはいい通行止め
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/16(土) 16:05:24.04 ID:fZKnqr1Vo
>>73
某スレのていとくんはマイバッハに乗ってるからなwwありそうだwwww
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/16(土) 16:05:58.78 ID:fZKnqr1Vo
>>73
某スレのていとくんはマイバッハに乗ってるからなwwありそうだwwww
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/16(土) 16:06:44.46 ID:fZKnqr1Vo
うわ連投になってるなんだこれ
すまん
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/16(土) 18:30:25.03 ID:yzTBoSEDO
お前らやけに車に詳しいのなwww

通行止め=素晴らしい
おっぱい=素晴らしい
つまり通行止め=おっぱい
…あれ?
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/16(土) 19:55:16.71 ID:0Ufin5Pfo
クローンなのに打ち止めとオリジナルなぜ差がついたのか…慢心、環境の違い
てかクローンとオリジナルの体型違ったらある意味クローンとして失敗じゃないのかwwww

個人的には一方さんの愛車はメルセデス尽くしが良いかとww

愛車はメルセデスSLS AMG
黄泉川家用はメルセデス V-Classでwwww
81 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/16(土) 20:35:34.60 ID:hszjP0AF0
>>69
英国車ということしか知らないやwwww そんだけ知ってりゃOKなの?
一方さんに、もしくは禁書キャラに乗ってもらいたい車でスレ立ててもいいかもしれませんね。

>>67 >>75
おっぱいに届けは勘弁してください。だから少女漫画(泣)←まだ言う

>>80
いつその疑問をつっこまれるだろうと思っていました。
ギャグで答えるなら、成長期に黄泉川先生の乳パワーを浴びてるから。
マジメに答えるなら、一方さんの愛の力。一方さんへの愛の力。その相乗効果です。

では、一時間後くらいに投下できると思いますので…


82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]:2011/07/16(土) 20:45:40.90 ID:0Ufin5Pfo
つまり、打ち止めはオナニーしまくって大きくさせた、と…?
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/07/16(土) 21:01:10.00 ID:ROXqbWkH0
なんて素晴らしいSSなんだ
未だかつて、こんな人間らしい一方さんは見たこと無いな
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/16(土) 21:15:42.33 ID:kI/w/uHvo
>>82
[田島「チ○コ破裂するっ!」]をすると、性別に応じたホルモンが分泌される。
ちなみに、イった場合は分泌量が落ち着くため、寸止めを繰り返すと分泌量が一定以上を保つ訳だ。
そして女性ホルモンが出続ければ胸は成長する。

あとはわかるな?
85 :ブラジャーの人2011/07/16(土) 22:18:28.05 ID:hszjP0AF0
演算が再開され、正常な思考を取り戻した一方通行。
ガバリと身を起こし、部屋に打ち止めがいないことを確認する。

「あ〜……」

やり場のない手を腰に当てたり、頭を掻いたり。その表情が、しまった、と物語っている。
演算を切って自分から逃げ出すほどに驚かせてしまったのか。
時計を見れば『あの最中』から二十分も経っていない。打ち止めがこんなにすぐに
演算を戻すということは、それほど怒っていないのだろう、多分、という希望的観測。

いや、怒っているぐらいならまだいい。一方通行は自分の行動を改めて思い返す。

打ち止めを抱きしめた。そしてキスをした。ここまではOKだ。
その後『そんなつもりではなかった』少女を逃げられぬように押さえ込み、
その胸を揉みまくった。さらに赤くほてった耳やうなじにもキスして舐め回した。
さらにさらに、激しく嫌がる打ち止めの制止を無視して無理やり服を脱がせる。
そして、じたばた暴れる打ち止めの動きに合わせて揺れる乳房の脇に、
ほくろを発見したところで演算を切られたのだった。
86 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/16(土) 22:22:05.29 ID:hszjP0AF0
やりすぎだ、さすがに。
まさか今頃、戸惑いと混乱に苛まれて泣いてやしないだろうか。

(やっべェな、アイツから誘ってきたからって悪ノリしすぎちまったか…)

代理演算切断なんて久しぶりすぎる。
そうだった、打ち止めにはいざとなったらその手段があるではないか。
一方通行は、自分の理性が限界を迎えた時が、打ち止めと一線を越える時と
勝手に解釈していた。でも打ち止めが嫌と思うなら、こうして自分を止めればいいのだ。
必然的に、二人の合意がなければそういう行為に及べない、及びようがないことになる。
つまり一方通行が危惧していた案件は、完全にとはいかないまでも、
かなり解決したということだ。

(くだらねェ、心配する必要無かったじゃねェかそういえば)

それなのに何だろうか、この、胸にじわじわと広がる感情は。
後悔、焦燥、未練、いろんなモノがぐるぐると…もやもやと…

認めざるをえない。一方通行は今ショックを受けている。
打ち止めには何をしても受け入れてもらえるだろうと思いあがっていたのだ。さすがの第一位も、年頃の小女の心の機微までは把握しきれなかったようである。

87 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/16(土) 22:24:23.30 ID:hszjP0AF0
(明日、どンな顔してアイツに会えばいいンだ…。それ以前に避けられるかもしンねェな)


まさか、もしかして、自分のことを怖がるようになったり、軽蔑されたり、
…嫌われたりしたら。
もっと恥じらいを持って俺を警戒しやがれ、という目的は、やりすぎなほどに達成したようだが、それで嫌われてしまったら本末転倒だ。

絶望。その言葉が脳裏をよぎる。色白の顔から血の気が引き、ますます白く、青くなる。

(どォすりゃいいンだ、そンなことになったら…、想像しただけで吐きそォ)

昔から打ち止めとケンカすることはよくあった。
どちらかといえば打ち止めが一方的に怒っていただけだったが。
そんなときは、彼女の我儘をきいてやったり、頭を撫でてやれば大抵は元どおり。

しかし今回は、頭を撫でようものなら最悪手を振り払われてしまうかもしれない。

一方通行の苦悩は深い。
それに比べて、当の打ち止めは今、幸せな夢の世界へ旅立とうとしている。
しかも、彼の一連の行動を実は喜んでいるなどと、一方通行は知る由もない。

一方通行はベッドに座り、ついに両手で顔を覆ってしまった。
ショックで泣いて……いるわけではない。泣きそうだが。

88 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/16(土) 22:27:10.13 ID:hszjP0AF0
溜息をついて目を開ければ、そこには自分の手の平。
この手でまさぐった、打ち止めの柔らかな胸を。
髪と肌から香ってくる、甘い匂いに酔いながらキスした首筋や頬。
無理やり脱がして(一瞬だけ)見た素肌。

単純なものだ。絶望とか後悔とか反省は隅に追いやられ、
さっきまでの濃密な触れ合いの記憶が頭を占めていく。

(馬鹿か俺は、こンなこと考えてる場合じゃねェだろうが……だめだ。
頭から離れねェ、どうやっても思い出しちまう。大体なンであんな柔らかいンだよ。
あったけェしスベスベだし、イイ匂いまでするし)

一方通行の体温が上昇していく。
あの感触をもう一度味わいたくて、無意識に手を握りこすり合わせる。

全然足りない、記憶だけでは。

違う意味での後悔が湧き上がってきた。
惜しいことをした、もうこんな機会はいつ訪れるかわからない。
もし次があるのなら、その時は慎重に慎重を重ねて、打ち止めが許容してくれるところまで、
いけるとこまでいこうと思う。
89 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/16(土) 22:28:48.60 ID:hszjP0AF0
(失敗したなァ…、あそこで脱がそうとしなけりゃもっと楽しめたのかもなァ、
それまでは大人しかったし。それにアイツだって声出してたしよォ)

正直、あの声は良かった。打ち止めからあんな声が出るとは。
独占欲、征服欲を大いに刺激された。
もっと鳴かせたい。あの可愛い、泣いてるような声をもっとあげさせたい、聴きたい。

打ち止めが許してくれるのなら、いつか…

そのためにもまずは明日、彼女のご機嫌伺いをしなければ。持てる力のすべてを賭けよう。
避けられませんように、と祈りながら寝る支度をする。

眠れるかどうかは分からないが。


90 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/16(土) 22:35:52.68 ID:hszjP0AF0
とりあえず一段落です。

よく漫画家さんが、キャラが勝手に一人歩きをすると言ってますが、
その気持ちよく分かる。
一方さんが、ただの中学生男子に…

>>82
ウチの打ち止めはそんな子じゃないじゃん
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[sage]:2011/07/17(日) 00:03:32.26 ID:DzvPkTki0
ありがとうおっぱいマン!続き待ってます
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/17(日) 07:37:54.99 ID:sJO03pgDO
今までにこれ程健全男子な一方さんがいただろうか、いやいない
乙です
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/07/17(日) 12:18:20.50 ID:7Y23QpZ0o
これは原作何年後設定なんだろうか
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/17(日) 18:40:55.48 ID:z4vETbh9o
やべえ
健全な男の子の一方さんとか考えた事もなかったがすげえ可愛いなオイ
乙です続き待ってる
95 :ブラジャーの人2011/07/17(日) 22:12:35.57 ID:RJCHX+Lf0
>>93
打ち止めが中三。一方さんが大学三年のつもりです。
えー、5年後かな…(てきとー)

では今日の投下いきまっせ。
96 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/17(日) 22:15:14.64 ID:RJCHX+Lf0
一方通行がリビングでくつろいでいると、いつものように打ち止めがコーヒーを淹れてくれた。

「はい、どうぞ、ってミサカはミサカはコーヒーを差し出してみる」
「ン」

カップを受け取って一口啜る。美味い。昔よりずっと腕前を上げた。
打ち止めが立ち去ることなく、お盆を抱えたままこちらを見つめている。
その顔は暗く沈んでいるではないか。

「どうしたンだ?」
「…もう、あなたにコーヒーを淹れてあげられなくなっちゃったの、ってミサカはミサカは
悲しい事実をお伝えしてみたり」
「はァ?」
「あなたがあんな狼さんだったなんて。ミサカはミサカの貞操を守るために
寮に入ろうと思うの」
「え、おい、ちょっと待て」
「せっかくあなたとヨミカワがこの家から通えるようにしてくれたけど、この間みたいに
怖い思いはもうしたくないから仕方ないの、ってミサカはミサカは…」

一方通行は口をポカンと開けて打ち止めを見上げるしかない。まさかあの事件が彼女に
この家から離れる決意をさせていたなんて。
一緒にいたい、俺のことを好きとあれほど言っていたのに。
その願いを曲げさせてしまったのは自分だ。なんと愚かなことをしてしまったのだろう。
今更打ち止めと離れて暮らすなんて…、いや、離れるだけじゃない。
軽率な行動でこの少女を脅えさせ、信頼を失ってしまったという事実が重くのしかかる。

「マジで言ってンのかよ…」(俺は離れたくない)
「もうオマエが嫌がることはしねェから」(だから出て行くなンて言うな)

打ち止めは、伸ばしたいのを必死に抑える一方通行の震える手に気づいた。
しかし彼女の決心は固い。

「ごめんね、あなた……」
97 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/17(日) 22:26:10.10 ID:RJCHX+Lf0
一方通行は握りしめた自身の手の痛みで覚醒した。
なんて恐ろしい夢を見てしまったのだろう。昨夜の苦悩と心配がこんな夢になって
現われるとは。
冷や汗で濡れた額に張り付いた髪をかき上げる。昨夜はなかなか寝付けなっかので
寝不足だ。まだ起き上がれそうにない。

打ち止めはどうしているだろう。怖い夢など見ていなければいいが。
そもそも眠れてなかったりして…

枕に伏せたまま、大きな溜息を吐く。今日、どんな風に話しかけようか。
目を合わせてくれるだろうか。 
俺を嫌いになっていたら… 、どうしよォ。

壁を向いていた体を寝返らせる。また溜息。

「はあー、やべェー…」

「大丈夫?うなされてたよ?ってミサカはミサカはあなたが心配」

「………」

「具合悪いの?お熱はかる?水持ってこようか」

「……なンで…、ココにいるンですかァー」
「え?来ちゃダメだったの?」
「そォいう意味じゃねェ」
98 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/17(日) 22:31:10.01 ID:RJCHX+Lf0
目の前に打ち止めがいた。枕元にしゃがみ込み、心配そうな顔でこちらを見ている。
体はだるいが、さすがに寝てはいられないので上半身だけ起こした。

一方通行は混乱する。昨夜演算を切らせてしまうほど脅えさせた男の元に、
なぜこうして平然と近づいてこれるのか?

「ミサカね、あなたに早く会いたくて早起きしちゃったの」
(は?俺に会いたかった?)

「それに昨日のこともあやまりたいし…」
(いやいや、謝るのは俺だろ?何言ってンだ)

「いきなり演算切っちゃってごめんなさい、ってミサカはミサカはぺこり。
でもあなたもいけないんだからね!急にあんなことするなんて、ビックリしたんだから」
(あれ?怒ってない?怖がってない?)
99 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/17(日) 22:41:48.77 ID:RJCHX+Lf0
打ち止めは唇を尖らせて一方通行を非難するも、その口調や雰囲気はいつもどおりだ。

「ずっとミサカのこと子供扱いしてきたクセに、いきなりそんな……なんて。
ミサカにも心の準備というものが必要なのよ、ってミサカはミサカは自己弁護してみる」

「びっくりしただけか?」
「ん?」
「だから、昨日だよ…、びっくりしただけなのか?他になンか思うことはねェのかよ」

怖くなかったか?あの後泣いたりしなかったのか?俺のこと…

「あと驚いた」
「同義語だそりゃァ… 他には?」
「恥ずかしかった、ってミサカはミサカはあなたを睨んでみたり」
「スイマセンでしたァ。あとは?」
 
えぇまだ言うの!?と打ち止めの顔が困っている。しかし今ここでしっかり確かめて
おかなければ安心できない。瞬きもせずにじぃっと見つめてプレッシャーをかける。
打ち止めは手をもじもじさせながら、だんだんとうつ向いてしまう。

どうした、言いにくいことなのか。

一方通行の不安がいや増す。

「き、モチよかった、…よ」
「あ?」
「だからぁ!キモチよかったの!ってミサカはミサカは、
恥ずかしいこと何度も言わせないで!もぉっ」

「……」

安堵と放心で力が抜けた一方通行。ぱたりとベッドに仰向けに倒れてしまった。
100 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/17(日) 22:47:00.72 ID:RJCHX+Lf0
(よかった…本当によかった……!)

「やだあなた本当にどうしたの!?さっきから変だよ!?」

膝立ちとなって心配そうに覗き込む打ち止めを、一方通行は顔を覆った腕の隙間から
睨みつけた。

「あれ?なんだか怒ってる、ってミサカはミサカは言ってはいけないこと言っちゃった?」

返事はない。その代わり指をチョイチョイと動かす『コッチ来い』
というジェスチャーが返ってきた。
怒ってはいないらしいことにほっとしつつ、打ち止めは、なになに?と身を乗り出す。

「もっとだ」

はいはい?とベッドに上がって、彼の腰あたりに正座する。一方通行は、ふぅと息を吐き出して、仰向けのまま両手を打ち止めに差し出した。
意味はわからないけど反射的に彼の手を取る少女。一方通行は軽く握り返すと、
優しい微かな力で引っ張った。打ち止めの体が少しだけ傾く。

「ん?なに?」

それでもやっぱり彼は黙ったままで、さっきより強く手をくいくいと引かれるのみ。

「あ、ぎゅってするのね?ってミサカはミサカはあなたの言いたいことがやっと分かった」

一方通行はまだ何も言わない。うんうんと頷くだけ。打ち止めは嬉しそうに彼に覆いかぶさる。
手は背中に回せないので、彼の両肩にかけた。頭を顎の下に埋めて、猫の仔のように頬を
すり寄せる。少女のアホ毛が一方通行の鼻先をくすぐった。
一方通行は打ち止めの笑顔を見てから、ようやく両腕を彼女の背中に置いた。

101 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/17(日) 22:49:30.68 ID:RJCHX+Lf0
「くすぐってェな、じっとしてろ」
「えへへ、ねぇ今日のあなたはなんだか様子がおかしいけど、どうしたの?って
ミサカはミサカは…ん?」

打ち止めの唇に一方通行の指が触れてセリフを止めた。突然のことに寄り目になって
その白い指を見つめる。

「…いいか?」
「え、あ、うん。い、いいよ…」

(ちゅーってするのね?ってミサカはミサカは
今度はあなたの言いたいこすぐに分かっちゃった!)

二人が口づけを交わすのは三度目だ(あんなことしておいて)
仰向けになっている彼の唇まで、よいしょよいしょと自分の顔を近付ける打ち止め。
気恥ずかしさと嬉しさで頬はかすかに赤い。そんな彼女を穏やかな表情で見つめる一方通行。
今度は彼の方が先に目を閉じた。

102 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/17(日) 22:51:45.56 ID:RJCHX+Lf0
ちょっと書いてますまっててごめンなさい。
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/07/17(日) 22:56:51.48 ID:HQmBf5pGo
やぺぇ、なんか血中糖分が上昇する
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/07/17(日) 23:27:01.64 ID:RyN3piPoo
とりあえず参考画像をだな…
105 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/17(日) 23:28:43.31 ID:RJCHX+Lf0
「それで、ミサカは今日のあなたが変な理由を知りたいな」

唇が離れた直後、打ち止めからの質問が再開された。

「……」
「知りたいよー」

一方通行は舌打ちしてから、渋々語りだした。

「これでもなァ、一応反省してンだよ。悪かったな昨日は。やりすぎた」
「おぉ、まさかあなたからそんな言葉が聞けるなんて、ってミサカはミサカは
あまりの珍しさに驚愕してみる」
「演算切られるなンざ久しぶりだったからな。俺ァてっきりオマエが
怖がったり脅えてンじゃねェかと思ってたンだよ」
「なーんだ、だからさっきからミサカに色々訊いてたのね?ってミサカはミサカは
心配症なあなたに安心してほしいな」

打ち止めは、わざとぶっきらぼうに話す一方通行の肩をあやすように叩く。
そしてもう一度首を伸ばして、一瞬だけ触れるキスを落とした。

「…、おい」
「このミサカは、何度も言ってるけどあなたが大好きなので、あれくらいでは
あなたを嫌いになったりしません」

一方通行はあえて「嫌い」という言葉を避けて話したというのに、この少女には
彼が何を心配し恐れていたのかお見通しのようだ。

「でもね、この際だから今言うけど」
「なンだ」
「いきなりはダメ!いいよって言ってないのに脱がすのもダメ!」
「…ハイ」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/17(日) 23:59:15.27 ID:WRrK5BLU0
砂糖吐いた
107 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/17(日) 23:59:42.21 ID:RJCHX+Lf0
そこでふと疑問がよぎる。

「そうだ、不思議に思ってたンだが、オマエの中では触るのはOKで、脱がすのは
NGなンだよな?それはどういう基準でそうなンだよ」

それは暗に、脱がさないからまた触ってもいいよな?いいンだろ?
と言っているようにも聞こえる。
事実、打ち止めにもそう思われたようだ。

「ばっ、ちが、触られるのだって恥ずかしいに決まってるでしょっ、って
ミサカはミサカは、あなたが大きいお胸が好きだから我慢してたの!」
「おいおいおい、オマエ、それ…おィ」

そうだった…打ち止めの中では、一方通行は巨乳好きと認識されているのだった。
まぁそう思われても仕方ないことをやっている。実際また触らせろ、というような
ことも言ってしまっているし。

(柔らかくて具合がイイのは確かだしなァ…、ここは反論しないでおいてやるか)

「だから触りたいほうだいじゃないんだよ!?寝込みじゃなくても
急にえっちなことするのは禁止です!ってミサカはミサカは釘を刺してみる!」
「わかったわかった、わかってるって。だから今気を使ってこうしてるンじゃねェか」

傍に寄らせるのも、抱きしめるのも、キスをするのも
ちゃんと打ち止めに了解(と言えなくはない)を取ってやった。
これなら彼女が驚くことも、必要以上に恥ずかしがることもないだろう。
108 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/18(月) 00:47:08.28 ID:bAe+73Xc0
「まったく俺のために我慢してくれちゃって申し訳ありませんねェー。
こりゃ何かお礼をしなけりゃならねェよなァ?」
「お礼?」
「そォだ。……きもちよかったンだろ?次は昨日よりもっとよくしてやる。
…だから触ってほしくなったら遠慮なく言え」

一方通行は自分の胸の上に顎をつく打ち止めの頭を、アホ毛ごとよしよしと撫でた。
まるで、昔幼かった彼女にしてやったような仕草だったが、
言ってることはものすごく恥ずかしい。意地悪そうにニヤニヤしている。
打ち止めはすべての動きを止めて全身を赤くする。

確かに告げた。キモチよかったと。だって彼が真剣に「思うことはなかったのか」
と訊いてきたから。

昨日から振り回されっぱなしの一方通行のささやかな復讐だったのだが、打ち止めには
刺激が強すぎた。

「〜〜〜!!!」

打ち止めは一方通行の上から飛び起きると、手近にあった時計やら本やらを投げつけた。
しまいには彼の頭から枕を引き抜いてその顔に押し付ける。

「なななな、なんてこと言うの!??信じられない!えっち!いじわる!」
「くはははっ慌てすぎだばァーか。期待してンのかァ?」

「もぉ〜〜!!っあ、」
「いいよな?」

一方通行は打ち止めの攻撃をかわして身を起こす。先ほどと同じように彼女の唇に
触れて黙らせた。これは了解を得ているように見えるだろうか?
打ち止めはまだまだ暴れ足りない両腕を下ろして、頬を膨らませている。
しかし結局許してしまうのだ。出会ったときからそうだった。
彼女は一方通行に我儘は言うけれど、とても優しい。


二人同時に目を閉じた五度目のキスは、調子に乗った一方通行が舌を入れてきたため、
打ち止めに肩と背中をつねられた彼が、悲鳴をあげて終わるという色気のないものだった。
109 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/18(月) 00:50:07.23 ID:bAe+73Xc0
……

もう何も言わない。
書いてる本人もコンデンスミルク吐きそうだった。
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/07/18(月) 01:03:25.75 ID:YHiT5yUAO
GJ!
俺もコンデンスミルク出そうだ。
下関から。
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/07/18(月) 01:08:14.58 ID:ssZbgpLo0
えンだァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/18(月) 05:56:27.65 ID:GAdjrr8DO
3ヒーロー全部やってくれ
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)2011/07/18(月) 09:02:27.75 ID:X2ZU0JaAO
ありがとう!寝不足だ!
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/18(月) 10:17:15.20 ID:i6clvvQho
砂糖吐きすぎて血糖値が下がり過ぎた
訴訟
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage]:2011/07/18(月) 10:35:11.69 ID:rzATqlD10
くそあめえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ






いいぞもっとやれ
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/07/18(月) 11:55:12.77 ID:ssZbgpLo0
中3の打ち止め(Dカップ)に、大学3年の一方さん(21)がせまってんのか?犯罪だろww
一方さんは高校男子並な童貞っぷりだな
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/18(月) 15:07:26.45 ID:oS/fhc6Bo
コンデンスミルクが量産されるスレはここですか
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[sage]:2011/07/18(月) 17:59:55.70 ID:lSWMntsr0
童貞臭丸出しの一方さんに萌えたの初めて…w メンタルがまるっきり中学生w
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2011/07/18(月) 18:54:12.17 ID:AJh7WLL60
これはやばいな
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2011/07/18(月) 21:44:03.45 ID:3D4+9j+80
早く続き読みてぇー!
121 :ブラジャーの人2011/07/18(月) 21:56:53.82 ID:OvKu2vmx0
こんばんは。
昨日の更新でキリがいいとこまで来たので、ちょっと気合いを入れて書き溜めしよう
と思ってます。なので今日は小話的なものを投下します。

明日は来ないかもしれないので、服を脱いでいる人は速やかに着てください。

一方さんが可愛いと言われたり、萌えられたりしてるようで嬉しい限りですよ…
おかしいな、こんな予定ではなかったのに。
122 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/18(月) 22:03:08.43 ID:OvKu2vmx0
夏祭り通行止め

打ち止め「あなたー!はーやーくー!」
一方通行「このクソガキ、こっちは杖ついてンだよ、無茶言うなバカ」
打ち止め「だってだって楽しみでミサカの足が勝手に
進んじゃうのぉ〜、ってミサカはミサカはこらえきれないっ」
一方通行「そンなに急がなくても逃げねェよ祭りはァ…ハァ…」

夏祭りにやってきた打ち止めと一方通行。少女は浴衣の裾を翻しながらはしゃいでいる。
打ち止めは一体どうやって彼を連れ出そうかと思案していたが、
意外にも一方通行は、わずかに沈黙しただけで付き添いを了承した。
さすがに浴衣の着用は拒まれたが。

いろいろとイケナイことをいたしてしまったあの日から、一方通行はよく打ち止めの
我儘をきいてやるようになった。そもそも彼女の我儘とは、大抵が
「あなたと一緒にいたい、お出掛けしたい」というようなものばかりである。
如何に自分が彼女を様々な意味で大切にしているか思い知った一方通行にとっても、
それは願ったり叶ったりであった。口には出さないが。

打ち止め「わぁー、すごいすごい、たくさん人がいるね、って…わ」
一方通行「おい離れるな。迷子になるぞ、手ェ出せ」
打ち止め「あ、うん。ありがとう、ってミサカはミサカは
あなたから人前で手を繋いでくれるなんて珍しいなと驚いてみる」
一方通行「オマエが迷子になる手間と天秤にかけりゃ当然の選択だ」
打ち止め「むー、ミサカはもうそんな子供じゃないのに、って不服を表してみる。
それに迷子が得意なのはあなたでしょ?」
一方通行「へらず口叩きやがって…、このまま家まで引き摺って帰ってやろうかァ?」
打ち止め「いーやー、ご機嫌直して?ってミサカはミサカは
かわいく上目づかいであなたを誘惑!」
一方通行「言ってろクソガキ」


123 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/18(月) 22:07:14.43 ID:OvKu2vmx0
〈わたあめ〉

打ち止め「ふわふわー。そして真っ白―!ってミサカはミサカはあなたと
そっくりだって嬉しくなったり」
一方通行「ハイハイ、落とすなよ」
打ち止め「おいしい…、あなたも食べる?」
一方通行「ンな甘いモン俺が食うわけないだろォが」
打ち止め「まぁまぁそう言わないで、ちょっとだけでも、ほら、って
ミサカはミサカはあなたにわたあめを差し出してみる」

打ち止めは少しだけわたあめを千切りとり、一方通行の口元に手を近付けた。

一方通行「…しょォがねェな…」

眉間に皺を浮かべながら、一方通行は口を開けた。舌の上に乗せた
瞬間から甘い味が広がる。彼の顔が(うえ、甘ェ)と言っている。
打ち止めは嬉しそうにそれを見つめている。そして自分の指にまだ残るわたあめを、
無理やりその指ごと一方通行の口に押し込んだ。

一方通行「っン!」
打ち止め「これも食べて、ってミサカはミサカはキャ!」

一方通行が、無遠慮に侵入してきた打ち止めの指に噛みついた。

打ち止め「もぉ、なにするの、ってミサカはミサカは、歯形が
ついた指をなでなで、いたたた」
一方通行「なにするのは俺のセリフだバカ野郎が!」

テキ屋のおっちゃん「お二人さーん、よそでイチャついてくれよ。他のお客さんが近寄れねえよ」

一方通行「……」
打ち止め「あ、あなたの顔が赤くなったね、ってミサカはミサカは
実況中継してみたり」

124 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/18(月) 22:10:26.90 ID:OvKu2vmx0
〈金魚すくい〉

一方通行「もう諦めろよ、金がもったいねェから言ってンじゃねェぞ。
無理だから言ってるンだぜ」
打ち止め「ぐ、く〜悔しいぃぃ。なんでどうしてすぐやぶれちゃうの、って
ミサカはミサカは金魚ちゃん欲しいよぅ」
一方通行「はァ…、仕方ねェ。なンで俺がこンな似合わないこと…」
打ち止め「あ、やってくれるのね!ミサカの代わりにっ」

十五分後

打ち止め「ねぇ…もういいよ?ミサカ金魚ちゃん我慢するから…」
一方通行「うるせェ…ここまでやって諦められるかよォ…」

できなかった。すくえなかった。人生で初めて挑戦する金魚すくい。
たかが紙に小魚を乗せるだけだろう、楽勝だぜ、と思っていたのに。
水が滴るポイを握りしめる手が怒りと悔しさ(と恥ずかしさ)で震えている。
大見栄切ってこれじゃ示しがつかない。

テキ屋のおじちゃん「もう好きなん三匹えらびな。それやるから…」

二人「……」


打ち止め「金魚ちゃん可愛いなー、ってミサカはミサカはあなたに
水槽もお願いしたいの。今度…」
一方通行「水槽だけじゃ足りねェぞ」
打ち止め「あ、うん餌も」
一方通行「あとポンプとフィルターも要るな。それとこれから夏は
水温も上がって雑菌が湧きやすいから薬浴用の薬に、冬に備えて水槽用の
ヒーターもどォせだから揃えちまおう」
打ち止め「なんでそんなに詳しいの!?」
一方通行「だってオマエ出掛ける前から金魚金魚うるさかったじゃねェか」
打ち止め「…それでわざわざ調べてくれたのね、ってミサカはミサカは
金魚マスターなあなたにありがとう」

125 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/18(月) 22:13:28.74 ID:OvKu2vmx0
〈射的〉

「きゃー!あなたすごいすごい!ねぇアレもとって!ってミサカはミサカは大興奮!」

一方通行は返事もせず、実に面倒くさそうに左手一本で次々に
的を射落としていった。彼が引き金を引く度に打ち止めの歓喜の雄叫びが響く。

一方通行(昔取った杵柄だなァ…)

パンっ!「やったーっゲコ太人形!うれしー!」

パンっ!「いぃえーい!うまい棒十本セット!なんと言ってもめんたいこ!」

パンっ!「あらカワイイ髪留め。あとであなたがミサカにつけてね!」

一定の間隔で迷いなく鳴り続ける発砲音と打ち止めの元気な声につられて、
二人の周囲にはギャラリーが集まってきている。

一方通行「やかましィ、もォいいだろ…あのオッサン涙目だぞ」

テキ屋のオッサン「……へへ、ぐす」

打ち止め「もうおしまいなの?ってミサカはミサカはつまんない。
じゃあミサカにもやらせて!やってみたい!」
一方通行「……」
打ち止め「どうしたの…?」
一方通行「ダメだ」
打ち止め「えぇ?なんでぇ?」
一方通行「オマエには…たとえオモチャでも、あンまり持ってほしくねェンだよ、
こういうモンはな…。まァくだらねェこだわりだが。
俺がいくらでもとってやるからそれでいいだろ」
打ち止め「あ、あう。あ…」
 
一方通行「あァ?今度はオマエの顔が赤いなァ」


126 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/18(月) 22:19:11.86 ID:OvKu2vmx0
はいはい馬鹿っ夫流。

もうそろそろ夏祭りの季節なので、通行止めを行かせてみました。

では、脳汁絞り出しながら書き溜めてきます。
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/18(月) 22:21:37.79 ID:pdxJIPn5o


そして、甘ぁーいww甘過ぎるよwwwwこれはww
まともな食生活してるのに糖尿になった
訴訟
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/18(月) 22:27:33.23 ID:rgaC6oif0
馬鹿っ夫流www
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/18(月) 22:32:22.21 ID:a0cU9KVf0
なんだこのコンデスミルクのハチミツ煮
けしからんもっとやれ乙
それと>>1余計なお世話かもしれないがメール欄にsageの他にsagaも入れた方が安全かも
たまに思いもよらない単語がフィルターに引っかかるからさ

>>116
本来の性欲ピーク時にそれどころじゃなかったから仕方ない
童貞をこじらせた(21)はちょっと違うぜ?
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/18(月) 22:33:58.85 ID:6d6ObeWIO
よし。
正装してまってるわ!

131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/18(月) 23:14:56.86 ID:GSX0doCSO
以前投下してたとこから見てたが相変わらずいい通行止め書きやがる…GJ
未来設定はおいしすぎる
このままコンデンスミルク量産してもらおうか
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/18(月) 23:18:01.79 ID:wLYCzBUB0
甘ェ甘過ぎる
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/19(火) 00:35:09.61 ID:tvvlNHgDO
打ち止めのコンデンミルクと聞いて
134 :ブラジャーの人2011/07/20(水) 02:16:03.46 ID:Gv8eBzH70
さて、来ないかもなどと言っておいて、こんな時間にアホが降臨しました。
だって書けてしまいましたもんで。いや、書きたかったものとは違うんですが…

>>112
一応断っておきますが、無理ですよ?ナニ言うてはるんですかww

>>129
分からないけど分かりました。いろいろ気をつけることがあるんだね。
129がそう言うなら早速実行してみます。縄文人でごめんなさいだよ。
あと1って呼んでくれてあんがとう!実はそう呼ばれるの憧れてたからww

>>131
わー…、ありがとうだけどめっちゃ恥ずかしいです。いまだにワードが難しいよ…


では、投下開始。

135 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/20(水) 02:18:40.27 ID:Gv8eBzH70
「アレ」から一週間後、一方通行と打ち止めは「ソレ」以上の行為に及ぶことはなく
今までどおりに過ごしていた。以前と違うところといえば、
打ち止めがやたらと一方通行の部屋を訪れるようになり、他愛無いおしゃべりをしていくことだ。
保護者達の手前、なんとなく一方通行からは彼女の部屋を訪問しにくい。
また、リビングでは落ち着いてくつろげない。
万が一くっついていたり、キスしているところを目撃されたら
気まずいことこの上ないではないか。
なので必然的に打ち止めが一方通行の部屋へやってくるようになったのだ。
ただ、打ち止めは日付が変わる前には自室へ戻るし、思うことがあったのだろう、
例の黄色いパジャマ(用の服)は封印され、夜は露出の少ない本当の寝具用の
パジャマを着用するようになった。あとブラジャーもちゃんと着けている。

「どう?このパジャマ。あなたにとっては残念だったかな、って
ミサカはミサカはあなたをからかってみたり」
「あァ、すげェがっかりしてる」
「やっぱりぃ?」
「冗談だアホ」
136 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/20(水) 02:23:08.85 ID:Gv8eBzH70
お互い分かっていてこの距離を保っている。一方通行はあの夜、
こんな調子ではいつ打ち止めを押し倒してしまうのかと、不安と期待が混ざった
複雑な心境だったが、いざ一週間が経っても自分の理性がキープされていることに
内心拍手を送っていた。
もっとも、保護者と同居していること、打ち止めから刺された釘が効いていることが
助けとなっている。
しかし、彼を押し留めている最大の要因は『嫌ではなかった』とはいえ、
打ち止めに演算を切られたことだ。翌日には誤解が解けたというのに、
どんな理由にせよ彼女に拒絶されたことが心の底で足かせとなっている。
つまりはトラウマだ。

(だからって、なかなかちゅーもしてくれないなんて、ってミサカはミサカは……寂しい。
せっかくラブラブになれたのに)

やはりあの夜、我慢して彼のなすがまま服を脱がされておくべきだっただろうか。
いやいや、さすがに色々とすっ飛ばし過ぎだっただろう。
しかし演算切断はやりすぎだったかな?でもそれ以外に方法は無かったし…

というわけで、情けないことに第一位は(胸以外は)まだいたいけなこの少女に、
似合わない悩みを抱かせるに至っている。

(うーん。あの人は昔からネガティブ思考だったけど、まさか演算を切っただけで
こんなことになるなんて、ってミサカはミサカは予想外。
ちょっと前までは女の子扱いされないことが悩みだったのに、
今ではある意味、女の子扱いされすぎて困ってるなぁ…
どう転んでも結局手がかかるのね、あの人って)

さて、この状況をどう改善しようか。打ち止めは本格的に打開策を検討することにした。

自室に籠ってわずか二分、妙案が浮かんだ。
137 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 02:27:44.21 ID:Gv8eBzH70
また恥ずかしい声を出してしまうようなことは、まだ早いと思う。
かといってキスもしてくれないんじゃ寂しすぎる。
彼の足かせを、ほんの少しだけゆるめたいのだ。

(ぜんぶ取っちゃうのは絶対よくないと思うの、ってミサカはミサカは
そこのバランスが重要だと策士ぶってみる)

なんとも自分に都合のいい解釈で、さっそく打ち止めは作戦を実行することにした。


一方通行は二日ぶりに登校し、講義をひとつだけ受けて(寝てた)帰ってきた。
夕暮れ前のリビングは、夏の日差しが少しだけオレンジ色を落としている。

「おかえりなさーい!暑かったでしょ?コーヒー飲む?」
「おォ、飲む。冷たいのな」
「はーい」

打ち止めはキッチンでコーヒを淹れつつも、ソファにて待つ彼の
一挙一動が気になってしょうがない。
新聞を手に取る。置く。テレビをつける。ソファに座りなおす。
これから行う『作戦』のことを考えるとドキドキする。一方通行を見てるだけでソワソワする。

(わ〜、わ〜、緊張してきた!どうやって切りだそう)

「はいどうぞ、ってミサカはミサカは愛情たっぷりを差し出してみる」
「ン」

打ち止めはおぼんを抱えたまま立ち去らず、一方通行を見つめている。
彼女は知る由もないが、奇しくもそれは「寮に入ります」と打ち止めに告げられた
一方通行の悪夢を彷彿とさせるシチュエーションだった。

138 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 02:30:23.93 ID:Gv8eBzH70
嫌な夢を思い出して内心脂汗をかく青年、グラスに口をつけつつ怪訝な表情で問いかけた。

「どうした、ぼーっとつっ立って」
(エーなンだよこのデジャヴはァ…。心臓に悪すぎンだろォ)

「あ、ううん、なんでもない…」
(いけないいけない、自然なカンジで、自然なカンジで…)

打ち止めはおぼんをテーブルに置いて彼の隣に腰掛けた。
いつもどおりのその近い距離に、少しほっとする一方通行。

「どう?、そのアイスコーヒー。氷もコーヒーを凍らせて作ってあるんだよ、って
ミサカはミサカは覚えたてのテクニックを褒めてもらいたいな」
「ン?あァ、なるほど。まァ悪くねェよ」
「気に入ってもらえたみたいで何よりです、ってミサカはミサカは
素直においしいと言えないあなたに呆れてみる」

(なンだ、普通じゃねェか…、いやいや当然だろ。実際あンなことあるわけねェンだから)

肩の力が抜けて、グラスを傾ける手の動きが滑らかになる。
打ち止めはどんどん減っていくコーヒーに満足げな様子だ。じっとその様子をうかがっていた。
おかわりをもらおうかな、と一方通行が思ったとき、
打ち止めが彼の足に手をつきながら身を乗り出してきた。

「ねぇあなた、お願いがあるんだけど」
「っ、な、なンだ…?」

意味深な声音と表情の打ち止めに、一方通行の心臓が跳ねる。悪夢再びか!?


「キスして」
139 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 02:32:49.97 ID:Gv8eBzH70
残り少ないコーヒーを、なんとか噴出さないことに成功した一方通行。
口元をぬぐいながら隣の少女に目をやった。

(あれー?なんか全然自然なカンジで言えなかったなぁ、ってミサカはミサカは
さっそくつまづいちゃった。でもまだ作戦はここからだもん!)

「どォした急に…」
「いいでしょ。ミサカとあなた、まだ十二回しかキスしてないんだよ?ね?
はいほらちゅー、ってミサカはミサカは、ちゅー?」
「数えてたのかよ?呆れたヤツだな」

かわいらしく唇をとがらせてくる打ち止め。
一方通行は悪夢が彼方に吹き飛んだことに安心する。まだ保護者達の帰宅時間には
程遠いことを確認し、大した疑問も抱けずに少女の顎に手をかけた。

いつものように、ゆっくりゆっくり押し付けて、体温の低い自分に彼女の熱を分けてもらう。
何秒かして離れようとしたとき、それが何か一瞬で理解できたが驚かずにはいられない。
打ち止めが、離れる直前の一方通行の唇をぺろりと舐めたのだ。

舐めたことはあるが舐められたのは初めてで、青年はつい困惑の表情を浮かべてしまった。
140 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 02:35:44.71 ID:Gv8eBzH70
「今日変だぞ絶対…」
「もう、ムードがないなぁ。大丈夫だから、はい続き…」

打ち止めはソファの上に正座して、「ん?」とわずかに舌を出して
一方通行に目で語りかけた。ようやく鈍い彼も理解する。

ディープキス。

遠慮気味になっている一方通行に業を煮やしてなのか、ただ単純にしてみたくなったのか、
おそらく自分を気遣っての行動でもあるのだろう。
この少女は「オトナのキスをしよう」と言っているのだ。

実は何回か舌を入れようかと思ったことがある一方通行だったが、
最初につねられて怒られたので、これまたなんとなくしないままだった。

しかし今日は違う。許可が下りている。大丈夫だと言っている。
遠慮はいらない。

一方通行は自分も打ち止めに向き直り、少女の腰と背中に手を回した。
こうして強く抱きしめるのも一週間ぶりだ。髪に指を通して顔を埋める。
下校してから着替えていない打ち止めのセーラー服越しだが、
柔らかな胸の感触を自分の固い胸板で確かめる。本当は手で触りたいけど我慢した。

(あー、やっぱり柔らかいしイイ匂いがすンなァ…)

彼女が苦しいと言いいだしそうな手前まで腕に力を込める。
そして薄く開く唇を、固く尖らせた舌でさらに割り開かせて入っていった。

141 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/20(水) 02:38:58.17 ID:Gv8eBzH70
彼の舌は、自分よりも少しだけ冷たいかな?と思ったのは最初だけ。
すぐに混ざり合って、こすれ合って同じ温度になった。
下唇を、彼の唇で挟まれる。一本一本確認されるように歯を舐め上げられた。
強く吸い上げられて彼の口内に導かれてしまった自分の舌を、鋭い犬歯で柔らかく噛まれる。
二人の口と口の間から唾液がこぼれていくがそんなことは気にならない。
気にしていられない。

(えー!?えー!?えぇーー!??ってミサカはミサカは!!こんな、こんな。
うそー…うそ、………あ、あ)

打ち止めは、良く言えば天真爛漫。悪く言えば能天気。
そんな少女がたった二分で考えた作戦など、所詮こんなものだった。

アレ以上はちょっと、裸をみせるのもちょっと。でもディープキスなら大丈夫だろう。
この間は反省の色が伺えない彼を反射的につねって叱ってしまったので、
ほとんどその感触を覚えていなかった。

まさかこんな、思考が湖の底に沈んでしまうような心地になるとは。

…キモチいい。

142 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 02:43:04.00 ID:Gv8eBzH70
うまく息継ぎできない打ち止めのために、一方通行は時々口を離して呼吸させてやる。
その度に彼女の口から引き抜いた舌に銀糸が伝って顎にわずかな冷たさをもたらす。
それは自分の顎だったり、彼女の顎だったり、同時に両方に垂れることもあった。
唇を離している間に見る少女の顔が、一方通行の気分を盛り上げていく。

(うっとりした顔しちゃってまァ…、声が出てンぞ声が…)

打ち止めはまったく自覚がなかったが、漏れ出る吐息に
確かに恥ずかしい声が混ざっている。それが彼の耳には心地いい。
今はこの少女は自分だけのものだ。自分のことしか考えられない。
その証明の合図のようだった。

やがて自分の服を掴んでいた打ち止めの手が、力なくぽとりぽとりと落ちていく。
完全に放心状態だ。一方通行はようやく舌をあるべき個所に戻し、
口内に残る唾液を喉の奥に流し込む。打ち止めの濡れた顎や唇を指でぬぐってやった。

「よかったか?」

「…」

打ち止めは瞼を半分おろしたまま、こっくりと頷く。
唾を飲み込むことも忘れた彼女の口から、つつ、と残っていた唾液がこぼれる。

「こらこら」

手の届く範囲に拭くものがない。一方通行は急いでもう一度打ち止めの顎を持ち上げ、
チュー、と音をさせて彼女の口内からそれを吸い取った。

打ち止めはまだ何も言えない。ただ彼の腰にゆっくりと抱きつくと、
そのまましがみついて動かなくなった。

一方通行はつけっぱなしだったテレビの電源を切り、打ち止めの肩と背中を支える。


とっぷり日がくれて保護者たちが帰ってくるまで、二人はずっとそのままだった。


143 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 02:54:20.53 ID:Gv8eBzH70
通行止め、オトナのキスに挑戦するの巻 完

本当はですね、日常パート、っていうんですか?普通にデートさせたり
黄泉川先生や芳川さん、番外ちゃんを出そうと思ってたんですよ。
おかしいですねww 打ち止めが可愛すぎるのがいけないんだきっと。

もう訴訟はしないでください…

144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/20(水) 03:30:49.67 ID:/ggHtFbG0
一方さん、我慢は良くないぞ
さあ揉め
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/07/20(水) 09:24:24.05 ID:N29IMErL0
童貞の癖に手慣れてやがる……
さすがだな
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/07/20(水) 09:46:20.37 ID:KeYbLGJAO
第一位故に童帝…か…砂糖製造<シュガーメイド>とか通り名付きそうだ
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/20(水) 10:47:28.37 ID:SY3cb/TDO
>>1の書く一方さんがすごく好きだ
どんどんコンデンスミルク量産してくれ
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/20(水) 13:40:32.17 ID:mj+RbZXP0
そのうち黄泉川と芳川が気付いたりして
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/20(水) 15:38:18.86 ID:oO9wULPDO
>>148
激しくウェルカムな展開
150 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 17:08:18.57 ID:swKieuoN0
>>148
やめて、先にネタばらしするのはやめて
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/20(水) 18:47:33.63 ID:S8OHf6Pdo

打ち止め「アイスコーヒーしかないけど、いいかな?ってミサカはミサカは聞いてみる(迫真)」

一方通行「あァ〜いいねェ(棒読み)」

読んでる途中にこんなこと思いつく俺って…(反省)
152 :ブラジャーの人2011/07/20(水) 19:50:39.99 ID:swKieuoN0
こんな時間に書き込みするのって初めてかもしれません。
いつも深夜でしたから。
需要が無いかもしれんけど、書きたかった日常話ができたのでそれ投下。
153 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 19:55:23.21 ID:swKieuoN0
一方通行は、以前よりも大学に顔を出すようになった。
打ち止めと『そういう関係』になってからというもの、なぜか登校するのが
あまり億劫に感じなくなったからだ。
けして、家に居てもまじめに学校に通う打ち止めが
午後まで帰ってこなくてつまらないから、とか。
一人でいるとつい彼女のことを想像して精神が疲れるから大学に居たほうが、
気が楽とかいう理由ではない。

午前中からの講義にも顔を出しているし、寝ている(ように見える)ことも大分減った。
あまり使っていなかった学食も利用するようになり、そこのステーキセットが
意外に美味しいことも知った。三年目にして。惜しいことをした。

そうなると、必然的に対人関係に変化が起こる。
学園都市第一位である彼に気安く話かけられる度胸の大きい者は中々いなかったのだが、
最近はそうでもない。
もともとこの大学を選んだのだって、黄泉川と芳川に「とりあえず行っておきなさい」
と言われて「じゃあ一番近いところでいいわ」と適当に決めたのだった。
特別に偏差値が高いとか、高能力者が多く集まる一流大学というわけではない。

入学式の後、あっという間に彼が第一位の一方通行だと知れ渡り、
なんでこんなトコにいるんですか!?という疑問が構内を吹き荒れた。
しかしそれを直接訊ける勇気のある人間は少なかったし、そもそも一方通行があまりに
自主休講が多いので、学友など出来るはずもない。
たまに番外個体と立ち話したり、構内のカフェで捕まって嫌みの効いた雑談をするくらいだった。
それがどうだ、今、学食でいつものメニューを食べている自分が、
数人の男女と席を共にしているではないか。
横には番外個体が座っていてカルボナーラを堪能している。
154 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/20(水) 19:58:53.32 ID:swKieuoN0
「ねぇ、第一位さまの能力って具体的にはどんななの?」
「ンなことぺらぺら喋るかアホ」
「じゃあ一人暮らしじゃないのね。どんな人と一緒に住んでるの?」
「お節介教師と科学者とクソガキ」
「頼むよ一方通行、俺と同じ講義のノート写させてくれ」
「ノートはとってねェよ。諦めて留年しろボケ……、オイ番外個体、このうっとォしい
野次馬どもをどうにかしろ、落ち着いて飯が食えねェ。オマエが連れてきたンだから責任とれ」
「ミサカが連れてきたんじゃないよ。みんなが勝手についてきちゃったの。
きひひ、第一位はオトコにもオンナにも大人気で羨ましいなー」

こうして、まずは番外個体のクラスメイトや友人が、彼女を伝って一方通行に親しげに
接触を持つようになった。
それからよく顔を合わせる同じゼミの数人もやたらと話かけてくる
。慣れないことだが、これも『日常』だ。受け入れていくべきものだろう。
一方通行はそう思っている。


「第一位とミサカちゃんって、付き合ってるんじゃないんだね。
てっきりそうなのかなーって思ってたよ」
「やめろ」「やめて」
「ハモってるよ二人とも…アヤシイ」
「だいたいこの白もやしにはすでにカワイイ最終信号が」
「よけいなこと言うンじゃねェよこのくそったれがァ…」
「らすと?なに?」
「え、まさか彼女?これは聞き捨てならないわ」

155 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 20:01:50.72 ID:swKieuoN0
前の席に座る男女がガタガタと椅子や机を鳴らして身を乗り出してきた。
その目は興奮と好奇心で輝いている。
当然だ。今まで謎のベール(笑)に包まれていた学園都市第一位の素顔が、
在籍三年目にしてようやく少しあらわになってきたのだ。
そこに、若い彼らが最も注目すべき恋愛話となれば、その食い付きっぷりは凄まじい。

(おォなンだよ急にコイツら!?もう目の色がさっきと違うじゃねェかよ。
クソガキ×6ってところだな…)

「教えて教えて、彼女なの?年上?年下?」
「ウチに通ってる娘なの?」

次々押し寄せる怒涛の質問。あまりの迫力に一方通行は後ろにのけぞった。
それでも伸ばしたフォークでステーキの最後の一切れを口にし、
そのまま勢いよくそれをテーブルに振り下ろした。

ゴォン!という音がして、学食中が何事かと異常の発信源を探る。
いつの間にか一方通行の電極がONになっている。振り下ろされたフォークは、
まるで粘土に突き刺したかのようにテーブルに埋まっていた。

「ちょっとあなた大人げないよ、どうすんのよこれ」
「やかましい、俺はもう帰る」

一方通行は乱暴に椅子から立って出口に向かった、と思ったら、
ツカツカと戻ってきて置き忘れた鞄を引っつかみ、今度こそ立ち去った。


「…びっくりしたー。すごいねこのフォーク」
「能力でやったんだよね?いったいどうなってんの?
なんでこの力でフォークが折れてないんだろ」
「おぉ、本当だすげぇ。見てみろよ、そのまんま下に突き抜けてるぜ」
「ミサカちゃんアレって照れ隠し?さすが第一位はやることぶっ飛んでるね」

一方通行言うところの野次馬たちは、驚いたものの平然といつもの『第一位談義』を始めた。
脅しを効かせたつもりの一方通行だったが、突き刺さったフォーク以外はその顔も雰囲気も、
あまりに普通の青年のものだったので効果は少なかったようだ。

「ミサカは知ってるんでしょ?第一位さまの彼女。教えてよー」
「えー、勝手に教えたら絶対怒るからなぁ…、ま、そのうち機会もあるんじゃない?
そのうちね」

156 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 20:08:17.69 ID:swKieuoN0
一方通行はそのままの早い足取りで、裏門から出て行こうとしていた。

(まったく性に合わねェ…、むかつく。とっとと帰って昼寝するか)

もうすぐ午後の講義が始まる時間だ。ここは利用者の少ない裏門近くだし人気はない。
しかし、きれいに刈り込まれた植木の陰から彼を呼び止める者がいた。

「あの、あの一方通行さん、待ってください!お話があるんですっ」

「……」(またかよ…)

最近一方通行を困らせている現象がこれだ。なぜだか急に告白されるようになったのだ。
彼を呼び止めた女性は、緊張を隠せない表情で、赤い頬で。
震える手を胸の前で握り合わせている。


告げられた告白の言葉は、前にも言われたことと良く似ているものだった。
どうも自分の見ためは、若い女性にはウケがいいらしい。そして学園都市において
第一位であることは十分に『憧れる』要素なのは無理もないことなのだろう。

一方通行はいつものように付き合う気がないと断り、がっくりと肩を落とす相手に
「すまねェな」と去り際に小さく呟いた。
相手は少し驚いた様子で潤んだ目を丸くすると、歩きだした彼に頭を下げて見送った。


(なンで急にこの俺がモテてるンだ?前よりよく学校に出てるからってだけじゃねェだろコレ。
打ち止めじゃねェが、たしかにこりゃ苦労するなァ…)

そもそも、まず告白なんてされることがなかった。
一方通行は変わったのだ。彼の表情も、雰囲気も。打ち止めに触れて抱きしめて、
愛しさを実感するたびに、周囲が近寄り難かった彼自身を変えて。
結果、人が集まってくるようになっていた。
当の本人はそれにまったく気づいてないが。

慣れ、というのもおかしい表現だが、告白されるたびに打ち止めの顔、声、感触を思い出す。
そうすると、緊張して一大決心を実行している相手に対して、無碍な態度はどうしてもとれない。「すまない」なんて言葉が自然と出てくるなんて自分でも驚きだ。
以前の彼ならば、こんな時には相手の話さえ最後まで聞かずに立ち去っていただろう。

打ち止めの顔が見たい。

そう強い欲求が湧きあがり、一方通行はますます足早に岐路についた。


157 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 20:10:33.44 ID:swKieuoN0
とりあえず以上です。
打ち止め登場しなくて自分欲求不満。
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/20(水) 20:28:09.80 ID:SHv1RuD20
乙!
確かに整った顔立ちとか原作でも言われてるし社交性が身につけばもてるかも
そして番外さんと同じ大学なのか・・・番外さんも大分落ち着いてきたのかな
もっと悪意全開ではっちゃけても良い気もするけどこれはこれでなかなかに良いキャラしてた!

次の投下は打ち止めとの甘々いちゃつきか・・・(バッ
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/07/20(水) 20:38:40.49 ID:kPcNYBzu0
乙! 前のとこからずっと見てるよー
通行止め未来設定は色々あるけど、この一方さんのキャラは新しいなww
コンデンスミルクで溺死する覚悟は出来てるので、続きも楽しみにしています
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/07/20(水) 21:13:52.79 ID:ixXApJrAo
こんなリア充なんてセロリたんじゃない!
ああああああセロリたんのコンデンスミルクぺろぺろしたいお!!!!
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/20(水) 21:48:37.78 ID:Dw5zb8X/o
20000号はお兄さんと一緒に良いところに行こうね。
はーい、こっちだよ。
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/07/20(水) 22:27:51.09 ID:qn0v/d190
通行止めに需要が無いわけがない!!

>>160 モチツケ チョット ジブンノカオヲ カガミデミナガラ オナジセリフヲイッテミロ
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/07/20(水) 22:32:51.17 ID:qn0v/d190
通行止めに需要が無いわけがない!!

>>160 モチツケ チョット ジブンノカオヲ カガミデミナガラ オナジセリフヲイッテミロ
164 :岐路じゃねぇよ帰路だよ馬鹿[sage]:2011/07/20(水) 23:06:47.82 ID:swKieuoN0
>>160
まさかの20000号さん登場にテンションあがったので、もう一本投下。
165 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/20(水) 23:20:58.98 ID:swKieuoN0
「いってきまーす、ってミサカはミサカは元気にしゅっぱーつ!」
「走ンなクソガキ…」

今日は黄泉川愛穂も芳川桔梗も、一方通行と打ち止めより出勤が遅い。
一時限目の講義があるため、打ち止めと共に玄関を出る一方通行の二人を見送る保護者達。

「はいよ、いってらっしゃいじゃん二人とも。
昼までにメールくれれば夕飯のリクエストに応えられるからな」
「じゃあ煮込みハンバーグがいい、ってミサカはミサカは先手必勝!」
「あら、もう今日のメニューが決まったわね。いってらっしゃい、
一方通行、打ち止め。車に気をつけてね」

軽く手を挙げて「いってきます」の意を現わし、一方通行は少女と一緒にドアの向こうに消えた。

いつもの光景、いつもの日常。
しばらくしたら黄泉川も芳川も、普段通りに出掛けるはずだったのだが。

先にサイを投げたのは芳川だった。


「ねえ愛穂、あなた気づいているかしら?あの二人って…」
「お、やっぱり桔梗も感づいてたか?ちょっと前からおかしいと思ってたじゃん」
「ふふ、気づかないわけないでしょ。ずっと一緒にいるんですもの」
「まぁ、いずれはこうなると思ってたけどねー。でもなー」
「そうね、やっぱり私たちの立場から、言うだけ言っておかなければいけないわよね」


一方通行と同じ大学に通う人間にだって、彼が変わったことによって接触を図ってきているのだ。数年を一緒に過ごしてきた保護者達に、それが分からないはずはなかった。
別に二人の交際をどうこう言うつもりなど、黄泉川も芳川も微塵もない。
むしろ、いつかそうなるだろう、そうなってほしい、と歓迎する親の心境だ。

だが、親だからこそ、やっておかなければならないことがある。
それは、男親ではなく女親ならばなおさらのことだった。
166 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 23:25:11.02 ID:swKieuoN0
その夜、打ち止めのリクエストである煮込みハンバーグを
美味しく仲良く平らげた黄泉川家の四人。
一方通行はリビングで新聞を読んでいる。打ち止めは彼の傍でテレビを見ていた。
黄泉川と芳川は、じゃあそろそろ…、とキッチンで目配せを交わす。

「一方通行、打ち止め、二人ともちょっとこっちへいらっしゃい」

「、…」
「んー?なーに?ヨシカワ」

新聞を持つ一方通行の手がビクリと震えるのを、芳川は見逃さなかった。

「はいはい、ここに座るじゃん。おい一方通行、君も早く」
「………」

なんの疑問もなくキッチンテーブルの席に座る打ち止めと、できるだけゆっくり
新聞を閉じて、さらに四つ折りにまでして中々立ち上がろうともしない一方通行。
しかし彼の他三人は、すでに所定の位置についてシラー、っと冷ややかな視線を
送ってきている(打ち止め以外)
仕方なく、渋々と、面倒ォくせェな、といった様子で一方通行も席に座に着く。

打ち止めとその横に座る一方通行に向かい合っている黄泉川と芳川。
二人はもう一度目を合わせて頷き合う。
その様子を見てキョトンとアホ毛を揺らす少女と、忌々しげな表情を隠しきれない一方通行。
この男、分かっているのだ。今から保護者達に何を言われるのかを…
167 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 23:30:09.45 ID:swKieuoN0
「単刀直入に言うわ。君たち、付き合っているんでしょう?」

「…、え、え!ヨ、ヨシカワ…っ」
「なんだ打ち止め、私達が気づいてないと思ってたのか?悪いけどそこまで鈍くないじゃん」
「一方通行、君は分かっていたみたいね」
「うそ!本当!?」
「……まァな」

そう、一方通行は保護者達が自分達の関係に気づいていることを知っていた。
ただこんな風に四人で、対面切って話し合いの場を持たれるとは思っていなかったが。

「な、なんだそうなのー。ミサカだけ何も知らなかったんだね、ってミサカはミサカは
内緒にしてたわけじゃないけど、何だか恥ずかしくって…。ごめんね?ヨミカワ、ヨシカワ」
「謝ることないじゃん、打ち止め。別に悪いことなんてしてないんだから」
「そうよ。むしろ私も愛穂も、君たちがそういう風になってくれたことを嬉しく思っているのよ」

(なンだよこれは。めちゃくちゃ気まずい。ものすっげェイタタマレナイ…)

ほんわかな女性陣三人に対して、黒一点の一方通行の精神は過度のストレスに晒されている。
この耐えがたい空気から、一刻も早く抜け出したい。

「文句がねェンならもういいだろ。こんな茶番にこれ以上付き合ってられるか」

有無を言わさず席を立とうとする青年を、芳川の冷たい声が引きとめる。

「待ちなさい。本題はこれからよ」
168 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/20(水) 23:41:31.83 ID:swKieuoN0
これ以上なにを言うことがあるというのだ。
一方通行の顔がもう解放してくれ、とげんなりする。
まだ手を出すなと釘を刺されるのか?
(言われるまでもねェよクソ)
いつからそういう仲になったのか根掘り葉掘り訊かれるのか?
(言えるかそンなこと)
まさか責任取って結婚とか言い出したりしないだろうな?
(だからセキニン取るようなことシテねェンだよまだ)

様々な予想が一方通行の頭を駆け巡る。しかし保護者達から投げかけられた言葉は、
彼の予想の遥か上空をロケットでぶち抜いていくものだった。

いや、正確には言葉ではなくて、テーブルにそっと置かれた小さな箱なのだが。

「はい、これ」

黄泉川がそう言って、年若い一組のカップルの目の前に置いたもの。
一方通行の思考がフリーズする。別に演算は止められてない。
打ち止めは「これ何?」という表情でまじまじとその箱を観察している。


幸せ家族計画。

つまりそれは、ごくごく一般的な避妊具だった。
169 :しまった白一点だった[sage]:2011/07/20(水) 23:49:48.79 ID:swKieuoN0
予想外だ。まさかこんなスーパーストレートな方法でくるとは。
一方通行はテーブルに顔をどんどん近付けて、『ソレ』を手に取ろうとする打ち止めに
チョップをくらわす。彼女にそんなモノ見せるのはやめてほしい。
恥ずかしさと(まだしてないのに)罪悪感がこみ上げてくる。

「これだけはしっかりしておいてちょうだい。
君はなんだかその辺の意識が薄そうだから心配なのよね」
「まさか打ち止めに薬を飲ませるようなマネはしてないだろうな?」

一方通行は動けない。膝の上で両手が震えていた。打ち止めは「これ」とか
「その辺」とか「薬」の意味がいまいち分からなくて、三人の顔をキョロキョロと見回す。

「ちょっと聞いているの?打ち止めを泣かせるようなことにでもなったら」
「え!?ミサカが泣く?」
「あと時と場所はちゃんと考えてするじゃん。
恥ずかしい思いをするのは打ち止めなんだから」
「恥ずかしいの?ミサカが?」

だからはい、ちゃんと使うのよ、とわざわざ立ち上がった芳川によって
ソレを握らされた一方通行。

ついに限界を迎えた青年は、神速でチョーカーのスイッチを切り替える。
170 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 00:17:50.32 ID:unqWomsn0
耳をつん裂くような破裂音と風圧によって、軽い家具は揺れて、花瓶やコップが倒れる。
女性陣三人の髪は大きく乱れてはためいた。

一方通行の手の中には僅かに粉微塵とかしたアレの破片が残るのみ。
俯いて肩で息する青年に、黄泉川と芳川は少しも動じていない。

「ちょっと何すんの、せっかく買ってきたのにもったいないじゃん」
「急に大きな音出さないでちょうだい。びっくりしたわ」

(あァァー!!なンなンだよコイツらは一体ィィ!?どンな話されるかと思ったら
コレはねェだろ!打ち止めがこンな風に育ったのも絶対コイツらのせいだ!間違いねェ!)

「恥ずかしいかもしれないけど、私達の心配も分かって」
「…るせェ…だよ」
「ん?」

「うるせェ!ってンだよ!いらねェよこンなモン!もう用意してあるわボケ!
この行き遅れどもちょっとは包み隠して言えねェのかァァァ!!」

一方通行はドアをけり破るように出て行った。その白い顔は、赤く染まっていた。

残された三人は顔を見合す。
黄泉川と芳川は、今日何度めになるだろうか、うん、と頷き合う。

「まだしてなかったみたいね…」
「あちゃー、悪いことしちゃったじゃん」
「でもまぁこれで安易な行動は慎んでくれるでしょう。
結果的には良かったんじゃないかしら?」

「あのあの、ミサカは何がどうしてこうなったのかよく分らないんだけど、って
さっきあの人が吹き飛ばしちゃった箱はなんなの?」

ひとり事態についていけない打ち止め。
さきほどの箱の中身の正体を保護者達から詳細に教えられた少女の焦る悲鳴は、
部屋でベッドにうずくまる一方通行の耳にもしっかり届いた。
171 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 00:24:34.50 ID:unqWomsn0
黄泉川先生と芳川さんにバレてるの巻 完

いちゃいちゃじゃなくてごめんね!
さりげにアレを用意してある一方さん紳士ですね。
そしてこの一方さんは、やっと能力使ったと思ったら照れ隠しでフォークをぶッ刺したり、
近藤さんを消し飛ばしたり。あまりにがっかりな使用方法でした…
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/07/21(木) 00:37:21.62 ID:Jg+rwTwso
わろたwwwwww
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/07/21(木) 00:42:00.81 ID:yZYxRQtAO
一方通行さんテラ紳士wwwwwwww
さすが童帝だなwwwwwwww
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/21(木) 02:35:52.50 ID:TqGzQINL0
冷蔵庫「何故か呼ばれた気がする……」
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[sage]:2011/07/21(木) 03:14:46.98 ID:m8aauJ410
一方さんの股間のベクトルが早く解放されますように
176 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 19:12:39.63 ID:w6D7QS/H0
いやー、先に言っときっますけど、後で投下するんですが、
念のため水分と甘いものを補給しておいてください。
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/21(木) 19:13:53.89 ID:MBbhpim2o
>>176
一方「ブラックコーヒーしかないけど、いいのかァ?(迫真)」
178 :ブラジャーの人2011/07/21(木) 20:12:36.94 ID:w6D7QS/H0
>>177
できれば砂糖も入れた方がいいと思うけど、一方さんならまぁ大丈夫でしょう。

では、やれ投下ー、それ投下ー。
179 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/21(木) 20:15:01.99 ID:w6D7QS/H0
その日は朝から凄まじい暑さだった。ニュースは各地で今年の最高気温を更新したこと、
熱中症への注意をひっきりなしに伝えている。
一方通行は今日大学を自主休講して、涼しい室内で昼寝を楽しんでいた。
休講の理由はもちろん「暑いから」だ。羨ましいかぎりであるこのやろう。

同居人たちはもちろん普段通りに出掛けていて、今このマンションには彼一人きりだ。
非常に落ち着く…

黄泉川と芳川に「幸せ家族計画」を渡されて羞恥の極みを味わってから数日、
あまりの気まずさにロクに打ち止めに触れることができなかった。
あれ以来キスもしてない。
保護者達は「え、そんなことあったっけ」というように、今までと同じ態度で暮らしている。
そこはさすがに大人の女性だ、空気を読んでいる。
というか多分本当に何とも思ってないのだろう。
心配していた打ち止めも、露骨に彼を避けるようなことはしなかった。
次の日にちょっと顔を赤くして、照れ笑いを浮かべていただけだ。
(心底ほっとした)
180 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 20:18:24.55 ID:w6D7QS/H0
むしろ一方通行だけが普通でいられないのだ。

(なンでもう俺と打ち止めがやってる前提だったンだよ、しかも生で。
そンなに信用ねェのか?よく考えると失礼すぎるぞオイ。
さらにあンなモン渡してきて気をつけてヤレと言ってくるなンて、どォいう神経してンだ。
打ち止めも別に大して気にしてる様子がねェしよォ…、オンナってすげェな)

こんなことをどうしても考えてしまうので、特に黄泉川と芳川が家に居るときは
なんとも居心地が悪かった。一方通行だって表面上は普通にしているが、
内心は頭を抱えてゴロゴロと悶えている。
数日経って、ようやく少し落ち着いてきたが、こうして一人でいるときの方が
精神的に楽だと感じる。平常に戻れる気がしない。

(大体まだやってねェのがバレたのが痛い。
まァもうやってました、って思われたままでも痛いンだが)

というわけで、自ら打ち止めと距離を置いて数日、そろそろ…

「あーァ…」

欲求不満である。

181 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 20:21:24.50 ID:w6D7QS/H0
その夜、暗くなっても気温は僅かしか下がらなかった。
打ち止めは風呂から上がった後、火照る体を冷やしながら部屋で寝る支度を整えていた。
四人で話し合い?の場が持たれてからは、彼の部屋を訪れるのを控えている。
一方通行が気まずそうにしているのを分かっていたからだ。

(別にミサカはヨミカワとヨシカワにバレたってかまわないのになぁ。
二人ともミサカたちのこと「嬉しい」って言ってくれてたし。気にすることないのに)

まあ、彼は自分より年上だし、何より男だし、色々考え方が違うのだろう、と思う。
打ち止めは美容液の入った小瓶を手に取り、目元にちょんちょんとつける。
授業参観の日に、彼に買ってもらったものだ。もう中身は半分以下になっている。

(濃厚な一日だったな、ってミサカはミサカはあの日を思い出してみたり。
初めてちゅーして、あの人がミサカのおっぱいを揉んだり首や耳をナメナメしたり。
それに比べて今のこの状況は一体どういうことなの?もう四日もキスしてない…)

つまるところ彼女も

「はぁ〜つまんない、さみしーよーあなたー」

欲求不満である。

182 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/21(木) 20:25:07.00 ID:w6D7QS/H0
その時、床を見つめる打ち止めの視界の隅を小さな黒い物体が横切った。
足を宙に浮かせたまま、びくりと体を震わせる少女。
それはすべての乙女の天敵、黒い彗星、恐怖の象徴である。

打ち止めはゆっくりゆっくり立ち上がり、少しの物音も出さないように
すり足でドアに近づき、またゆっくりと扉を開けて部屋を出た。


一方通行はすでにベッドに横になっている。明かりを消しているがまだ眠ってはいない。
大体昼間に惰眠をむさぼったので全然眠くない。
明日は暑くても大学へ行くか…、そうぼんやりと思っていた時、打ち止めが部屋を訪ねてきた。

「あなた、もう寝ちゃった?」

一気に心が跳ねる。彼女が自分の部屋にやってきた、夜中に。

「いや、まだ起きてる。どォした」
「た、助けてぇ…」

ドアの向こうから打ち止めの泣きそうな声が聞こえて、何事かと急いで起き上がる。
打ち止めは両手を胸の前で組み合わせて縮こまり、実際に目に涙を浮かべていた。

「あれが出たのぉミサカの部屋に早く早くお願い…っ」

一気に力が抜けた一方通行。

しかし彼女は本気で脅えている。とりあえずなんとかしてやらねばなるまい。
打ち止めに手を引かれるまま、彼女の部屋へ向かう。ドアを開けて中を確認しても、
例の黒い昆虫は見当たらない。
183 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 20:28:19.29 ID:w6D7QS/H0
「いねェぞ?どの辺だ?」
「そんなハズないもん、絶対見たもん。まだここにいるよ、って
ミサカはミサカは恐る恐る覗きこ」

打ち止めの周りにバチバチと電気が発生した。
恐怖の象徴が彼女の目の前を彗星よろしく羽ばたいて飛んだからだ。
悲鳴を上げることさえできず反射的に放った電撃は、焦っていたこともあり弱いものだった。
しかし例の昆虫を仕留めるのには充分だったし、
エアコンからぷすぷすと黒い煙を出させるのにも充分だった。

「あー…、やっちまったなァ」
「…どうしよう」

今日は熱帯夜だ。エアコンなしでは正直辛い。
打ち止めの部屋は大きくもない出窓が一つしかないので、
それを開けたって大して涼は得られないだろう。大体危ないから窓は開けて寝るなと、
一方通行と保護者達にきつく言われている。

今日は熱帯夜だ。

「…」
「…」

「暑いな…。オマエ、こっちに来るか?」
「うん…。そうしようかな」

別にエアコンは黄泉川の部屋にも芳川の部屋にも、リビングにだってある。
布団さえ持っていけばどこでだって寝られる。
しかしその選択肢はあえて言葉に出さなかった。

野暮は言うまい。二人は、欲求不満なのだ。

184 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 20:42:09.31 ID:w6D7QS/H0
一方通行の部屋は暗いままだった。急いで出たので明かりを点ける間もなかっのだ。
彼の後ろについてきた打ち止めは、
暗い部屋に浮かび上がる青年の白い背中を見るともなしに見てしまう。

「ね、なんで服着てないの?」
「ン?暑かったからなァ…」

一方通行は電灯のスイッチを押そうとして…(まァいいか)
代わりにベッドサイドの簡易照明を点けた。部屋が微かにオレンジ色に染まる。
何か上に着ようかと思いクローゼットに手をかけて…(まァいいか)
そのままベッドにドスンと腰掛けた。
そんな彼の行動をいちいち見守っていた打ち止めも隣に座る。

「あなたの部屋に来るのなんだか久しぶりだね」
(暗いのは初めてだなぁ)

「そうだな。正直黄泉川と芳川のせいでオマエと話しづらかったけどよ」
(四日ぶりだ。オマエが俺の部屋に来るのは)

「やっぱり気にしてたのね、ってミサカはミサカは恥ずかしがり屋さんなあなたを
可笑しく思ってみたり。二人とも別にダメなんて言ってないのに」
「気にするなってのが無理な話だろ普通…。オマエはよく平気でいられるよなァ」

打ち止めの笑顔が薄暗い部屋に浮かんでいる。
しかし彼女はそのまま一方通行の肩にもたれ掛かってきたので、
彼からはその表情はすぐ見えなくなった。でもまだ笑っているのは分かる。

「あーやっとあなたにくっつけた、ってミサカはミサカはけっこう我慢してたんだよ?」
「やばいこと言うなよ、クソガキ」
「あなたも?」
「まァな…」
「お、珍しく正直者ですなー、ってミサカはミサカは感心しちゃう」

一方通行も小さく笑う。
右手を打ち止めの腰に回し、こちらに顔を向けた彼女にキスをした。
185 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 20:45:56.86 ID:w6D7QS/H0
彼の舌を迎え入れるのにもだいぶ慣れた。
ときにはこちらからも差し入れて、一方通行の歯や頬の内側を舐める。
負けんと彼の舌を押し返す。息継ぎも上手になった。

糸を引かせながら唇が離れ、そのかわり二人はお互いの背中に腕を回してきつく抱きしめ合った。
走りこんだ後の水が美味しいように、疲れ切った後の睡眠が心地いいように、
我慢を重ねた後の触れ合いは、二人に今までの接触よりも大きな幸福感をもたらした。

もっと、実感したい。

「触って、いいか?」

「いいよ…」

自分よりもさらに細い打ち止めの体は、抱きしめても腕に大きく余裕が残る。
背中に回した左手で、そのまま彼女の脇腹に這わせてからゆっくり胸まで登らせた。
いつかのような柔らかさを期待していたのに、
少女が夜も着用するようになったブラジャーが邪魔をする。

「…これ取っていいか?」
「………」

(まさか、だめなンて言うなよ…)

「今日は、脱がしてもいいよ、く、暗いし…、ってミサカはミサカは
恥ずかしいけど勇気を出して大サービス」
「なンだよ、大胆じゃねェの」

軽口を叩いているが、一方通行の心は今、かつてないほどの期待と興奮で踊っている。
まさに黒い彗星さまさまであった。
186 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 20:49:39.75 ID:w6D7QS/H0
きちんと留められたパジャマのボタンを上から外し、するりと腕を通らせて床に落とす。
今日は白いレースの刺繍柄だった。暗い部屋ではよく映える。
背中のホックを外そうと手を伸ばすが、それらしいものが発見できない。

「あ、これ前についてるの」
「へェ、…いい。俺がやる」

打ち止めが自分ではずそうと胸元に持ってきた手を押しとどめて、
さっさと両手でフロントホックを外す。自然と喉が鳴る。

肩のストラップを掴んで、これも腕を通させて床に放り投げた。
現われた白い双丘をまじまじと見る。
打ち止めは暗い部屋でも分かりすぎるほど顔を真っ赤にさせて壁に視線をやる。
恥ずかしくて、彼も自分の体も見ることができない。

一方通行は打ち止めの肩を掴んで、ゆっくりとベッドへ押し倒す。
彼女からの抵抗はない。
裸を隠したいのを我慢して力の込められた細い腕が、
長い髪と同じようにシーツの上に広がった。
一方通行は打ち止めの腿の上にまたがり、両手で胸を下からすくうようにして寄せあげる。
仰向けになっているのに右と左の乳房に谷間ができて、両者が触れ合った。

(ほンとにでっかくなったよなァ…)
187 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 21:05:39.45 ID:w6D7QS/H0
柔らかな感触を楽しみ、片方の手で脇腹、鎖骨、首、臍の周りを撫でまわした。
滑らかな感触だったが、やがてしっとりと汗ばんで摩擦をより強くする。
打ち止めはぎゅっと目を閉じたままだ。手から彼女の早すぎる心臓の鼓動が伝わってくる。
自分の鼓動も激しい。

肌をまさぐりながら、彼女に覆いかぶさりキスをする。
二人とも自然と息が上がっていたので大きく息継ぎをしながら。
彼女の吐息に微かに声が混ざってきた。自分も出しているような気がする。

そのまま打ち止めの唇から、顎、首へと舌を滑らせた。
柔らかい胸は吸い上げれば口内に含むことができた。どうせ服を着れば見えない場所だ。
遠慮なく赤い痕をつける。
両手で乳房を揉みながら頂上の突起に噛みついた。

「ん!いっ」
「悪ィ、痛かったか?」
「ちが、大丈夫」
「そォかきもちいいか」
「っ、もう、あ、うぅ」

もっともっと声を出させようと、一方通行は打ち止めの反応を確認しつつ、
一番効果的な触り方、舐め方、噛み方を模索していく。
彼の熱い息を吹きかけられながら翻弄される少女。

ちょっと余裕がほしくて自分の胸の上で蠢く一方通行の頭を抱える。
彼女の意志を理解できないのか、分かっていて無視しているのか、
彼の愛撫は止むことはなかった。
188 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 21:17:13.79 ID:w6D7QS/H0
打ち止めの可愛い鳴き声がだんだんと大きく、絶え間なくなってきたころ、

(もう今日はこのまま終わりまでいくか。鞄の中に隠してある『アレ』もあるしな…)

そう彼が思い至ったとき、ふと忘れていた出来事がよみがえる。


『はい、これ』
『これだけはしっかりしておいてちょうだい』
『時と場所は考えてするじゃん』
『ちゃんと使うのよ?』

忌々しい、保護者達の声と姿が、否応なく思い出される。

あの二人がもう寝ているかは分からない。
大体壊れたエアコンを見て、打ち止めがどこで寝たのか疑問に思わないわけがないだろう。

(…………)

見下ろせば、涙を浮かべて、荒い息を吐いて、
赤い痕がたくさんついた胸をおおきく上下させる組み敷いた少女。

自分の限界も近い。……シたい。


「あー!クソっ!!」

一方通行は(保護者達の部屋には聞こえない程度の)大声で悪態をつく。
心底嫌そうに、大仰そうにチョーカーのスイッチを切り替えた。

ボスっと打ち止めの横のシーツに顔を埋めながら、非常に不本意だがその能力を行使する。
血流、脳内分泌物そのた諸々、ベクトル操作ベクトル操作…
打ち止めは急に大声を出して情事を止めてしまった彼に驚いて起きようとするも
その体で圧迫されているので動けない。
彼が能力を使っているのは分かるが、何をしているかまでは見当がつかなかった。

数十秒後、むくりと体を打ち止めの上からどかした哀れな青年。
はぁー、と大きく溜息を吐いた。無理やり衝動を抑えつけることに成功したのだ。

(成功と言っていいのかこれは…ちくしょォ…)
189 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/21(木) 21:32:58.35 ID:w6D7QS/H0
「どうしたの、ってミサカはミサカは急に止めちゃったあなたに疑問のまなざし」
「…、すっっげェ不本意だが、今ベクトル操作で我慢したところだ」
「なんで?」
「あの二人がまだ起きてるかもしンねェし…、今日は、な」

打ち止めはほっとしたような、ちょっと残念なような複雑な表情を浮かべた。
シーツで裸を隠しながら自分も身を起こす。

「そっか、ってミサカはミサカは、なーんだ。ほっとしたなぁ…」

手櫛で乱れた髪を整え、自分のパジャマはどこだろうとベッドの下を覗き込んだ。
ところが、伸ばされた白い腕に強引にシーツをはぎ取られ、
すぐまた先程とおなじように押し倒された。

「安心しろ。俺は我慢するがオマエはしなくてイイぞ」
「え!?やめるんでしょ!?しないんでしょ!?」
「あァしねェよ。でもオマエなァ…、あンながっかりした顔しやがって。
そンなに期待してたのにイケねェわヤらないわじゃ辛いだろォが」

一方通行は打ち止めの足首あたりのパジャマズボンを掴むと、
ぐいと引き下ろしてあっという間に脱がせてしまった。

「!や、いきなり脱がすのはダメだって」
「大丈夫だよ、これ以上は脱がさねェから」
190 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 21:40:50.92 ID:w6D7QS/H0
これも白いレースの刺繍柄のショーツの中にそっと手を忍ばせる。
少女はいつかのように暴れたりはしなかった。演算も止めたりしない。

期待…しているのだろうか。

指を少し埋めれば、そこはもうぬるぬると潤っている。
細かく動かして全体に潤滑がいき渡るように塗りこんだ。

「すげェなこれ…、おい、どう触ってほしい?どこがイイ?」
「〜〜!あ!ちょ、ヒ!?」

そんな恥ずかしいこと答えられない。


数十分後、力なくぐったりと自分に体を預ける打ち止めを抱きしめて、
第一位は安らかな眠りについた。

191 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 21:47:50.64 ID:w6D7QS/H0
通行止め、欲求不満の巻 完

だからまたそのスッゴイ能力をなんてことに使うのこの第一位は…
いつか、かっこいいベクトル操作を、いつか。

いちゃいちゃさせてあげましたが、結局一方さんはガマンの子だし、
かえって可哀そうだったかもしれませんね。

192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/07/21(木) 21:54:13.31 ID:aqyDCJxr0
乙乙! 2828が止まらん!
しかし、肝心な所が省略されているようだが……?
わっふるわっふる
193 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 22:49:20.70 ID:w6D7QS/H0
>>192
ごめン。
このシリーズはあくまで胸がひとつのテーマなので、そこだけは描写しました。
肝心な所は各自脳内補完してください…
と、もっともらしく言い訳してみます。

初夜どうしようと本気で悩む自分がいる。
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/21(木) 22:56:44.65 ID:MBbhpim2o
>>193
場面転換でいきなり朝チュンも素敵やん?
195 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/21(木) 23:01:23.15 ID:w6D7QS/H0
>>194
それも候補のひとつですよな。
まあ次回からは日常パートにしようと思ってるし、
とりあえず問題は先延ばしだー。
みんな大好き、あのライダーが登場するよ!こうご期待!
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/21(木) 23:25:10.81 ID:Qu6SqitD0
へえ胸げテーマですか
パイズリだァ!
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/22(金) 00:37:39.73 ID:aHrN3Y/DO
一方さん何だかんだ楽しそうだなwwwwww

あのライダー…だと…
よし、爆発しろの準備はできているぞ
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/22(金) 02:21:14.37 ID:b6UVVOYDO
ふぅ

前もってティッシュの準備を言って欲しかった
手がベタベタだ
199 :ブラジャーの人2011/07/22(金) 23:52:24.31 ID:B2fL0kZr0
先に謝ります。
あのライダーまだ出てこんかった。
でもいいよね別に。

>>196
最大テーマは純愛ですからね?純愛。
200 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/23(土) 00:00:16.18 ID:x1SjRprD0
腕の中に抱いた少女が身動きしたため、眠りが浅かった一方通行は目を覚ました。
打ち止めも目を覚ましたのかと思ったが、すやすやと気持よさそうな寝息が聞こえ、
彼女が起きないようにそっと腕をほどく。
結局ショーツも脱がしたので、打ち止めはすっぽんぽんだった。

つまりは今、見放題である。

早朝の光がカーテンを透かしてくるので、昨夜と違って
彼女の体を視覚的にしっかり堪能できる。
二人一緒に被っていたシーツをするすると引っ張った。見えた…が、
打ち止めは右脇腹を下にして縮こまるようにしているので、
よりによって特に見たい所が隠れている。
起きませんように…、と祈りつつ肩と腰を掴んで少女の体を仰向かせた。

(おォ、まったく起きる気配がねェな。
無理もないか、昨日のあれで大分疲れてンだろうなァ…)

白いけど血色の良いキメ細かい肌。そのいたる所に昨夜つけた赤い痕がちらばっている。
特に念入りに愛撫した胸がひどい。いや、良い。
昨夜、結局自分を発散させることは見送ったが、替わりに指と舌でこの体を思う存分慈しんだ。
自分の腕や肩に爪を立てながら体を震わせて、未知の感覚に翻弄される少女の様は
彼の男としての矜持を大いに満足させた。

昨夜とは違う、ただ優しく、優しく打ち止めの体を撫でる。
滲んだ涙の跡を舐めてキスしながら。

「あ…」

さすがに打ち止めの意識が覚醒してきたようだ。一方通行は素早くシーツを彼女の体に掛ける。
201 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/23(土) 00:06:21.86 ID:x1SjRprD0
「ん、あなた…?あれ?」
「よォ、おはよォさン」

もぞもぞ動いていた打ち止めだったが、一方通行の赤い瞳と目を合わせているうちに
、記憶が甦ってきたらしい。どこまでいくんだ?とばかりに顔や首を真っ赤に染めて行く。

「うっわぁ〜…、ちょっとこれはさすがのミサカも恥ずかしさで死にそう…、って
ミサカはミサカは隠れたくて、あ!?」

全身をシーツの中に隠そうとしていた打ち止めだったが、驚きの声を上げたとたんに飛び起き、
ベッドの上をよじよじと壁際いっぱいまで移動して、一方通行から距離を取る。
さっき舐め取ったばかりの目元にまた涙が浮かんできていた。

「やぁぁ〜ミサカなんでパンツ履いてないの?なんで裸なの?やだぁ〜ぁ〜」
「覚えてねェのか?汚れそうだったから、オマエの了解とってから脱がせたンだけど」
「…そういえばそう言われたような…?」
「あと安心しろよ。まだちゃンと処女だからな。血も出てなかったし」
「しょっ!?」

打ち止めが目を白黒させて大声を出す前に、青年がシーツごと彼女を抱きかかえて黙らせた。

「大声出すなって。何のために俺が昨日我慢したと思ってンだよ…」
「うぅ、だってあなたがそんな恥ずかしいこと言うから」
「いや、大事なことだと思って言ったンだが」
「確かに大事だけど…、もう少し言い方があると思う、ってミサカはミサカは
あなたのデリカシーレベルが相変わらずなのを嘆いてみる。えっと…」

打ち止めがシーツの裏から彼の拘束を解こうと、手で一方通行の胸を押す。
彼は逆らわずに離してやった。

「あの、ミサカのパジャマどこ?着たいんだけど…、ちょっとあっち向いててほしいな」
「はァ?今更だな」
「いいでしょっ。大体今は明るいし、恥ずかしいものは恥ずかしいの!って
ミサカはミサカは言うこときいてくれないと怒っちゃうからね」
「……」

さっきしっかりと裸を目に焼き付けたことは黙っておこう。バレなくてよかったぜ。
そう思って素直に背を向ける一方通行だった。

202 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/23(土) 00:10:40.53 ID:x1SjRprD0
さて、嵐のような一夜からまた数日。
二人に次のチャンスが訪れたかというと、そうでもない。
打ち止めも、まさかあんな声が出てしまうような行為だと実感すると、家では遂行し辛いなぁ、
と思うようになった。別にやましいことをしていなくても、
彼の部屋で二人っきりで過ごすだけでソワソワしてしまう。
一方通行にしてみればようやく俺の気持ちが分かったか、という思いである。
分かったからといって、何の解決にもならないのだが。

(それに外で会ってても、やけに人目を引いちまうし。
イマイチどこにも二人で落ち着く場所がねェンだよなァ…)

とりあえず、もう少し落ち着ける空間が、場所が、時間が欲しい。
打ち止めと二人で過ごせる方法を、何か…


……



そうだ、車を買おう。


(そうだよ、そうだ。足があれば遠出だって気楽に出来るし、
バスや電車での移動中のことを思えば、その時間も有効活用できるじゃねェか。
大体この家は俺の大学も打ち止めの中学も近すぎるンだよな。
俺たちの面があまり割れてない学区に行けるのはイイな…)
203 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/23(土) 00:15:59.99 ID:x1SjRprD0
というわけで、とある休日。

「おい打ち止め、車買いに行くからオマエも来い」
「え?」
「なんだ?一方通行車買うのか?」
「あら、急にどうしたの」

なんだどうした、車?えー私も行く。何買うか決めてるの?外車?
デカイのがいいじゃん!私もついていっていいわよね?

なぜか黄泉川愛穂と芳川桔梗の二人が盛り上がっている。
あれよあれよという間に、四人は仲良く車屋さンの玄関をくぐることとなった。

学園都市に海外ディーラーはあまり出店できないため、あらゆるメーカーを
代理で一手に取り扱う業者がある。
外で所有していた車を持ち込む方が割安なので
、あまり需要がないからか店舗数は片手より少ない。

店構えは立派だが今日も閑古鳥が鳴くその店に、
騒がしい四人組が来店したのはちょうどお昼頃だった。

さあこれから昼飯にしようかな、と考えていた男性営業マン。
自動ドアの開閉音に向かって、顔は笑って心で舌打ち。

「いらっしゃいませー」
(……。変なお客だな…。緑のジャージとTシャツジーパンの女二人?
ウチに来るタイプとは思えないけど?後ろの子供二人は…、どちらかの娘?息子?
んなわけないよな。兄妹か?)

「えー、どのようなお車をお探しでしょうか?」

とりあえず黄泉川に的しぼって話しかける営業マン。

「ん?あぁ、買うのは私じゃないじゃん。
おい一方通行、あんた何買うか決めてきたのか?」
「一応な…」

「、失礼しました。こちらにカタログ一覧がございますので、どうぞ…」
(エー、こんな子供が?いや、この街はたしかに子供でも能力者ならお金があるって
知ってるけど!でもうちの主力商品下から三百万だよ!?マジで!?)

「えーと、なンだっけ」
「どれにするのー?ってミサカはミサカは興味津津!」

(あ、あの二人恋人同士か畜生。じゃあこっちのジャージとジーパンは何なの?)

ショールームの中央にズラリと並べられたカタログたち
。分かりやすいように国別で区切られている。フランスのスペースの前で
しばし考え込む一方通行。その彼の周りを、打ち止めがちょろちょろとまとわりついている。

「ちょっと静かにしてろォ、今探して…、お、これだ。確か」

そう言って青年が手に取ったカタログのページを見て、営業マンの営業スマイルが固まった。
204 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/23(土) 00:24:04.53 ID:x1SjRprD0
はい、今日の更新は短めで、しかもいい所で終わってすみません。
さて一方さんは一体なにを買うんでしょうね〜?
ってバレバレかww?

恋人とイチャコラしたいから車を買う第一位。うン、普通の動機。

205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/23(土) 01:26:47.13 ID:4gxVOxIb0

ところでパイズリは純愛の極みってばあちゃんが言ってた
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/23(土) 02:18:45.00 ID:yUH52GA9o
誰かこの打ち止めの参考画像をだな・・・
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/23(土) 10:36:13.29 ID:nQZyUbhU0
つpixivで「通行止め+5」タイトル・キャプション検索

208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/23(土) 12:39:03.61 ID:CbvNnJ0X0
支部に「通行止め未来設定」のタグあるぜ
どれもこれも素敵で2828する
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/07/23(土) 13:07:58.57 ID:48z/9GPfo
タグで見ると、余計なモノまで見えてウザいのね。
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/23(土) 13:10:50.25 ID:axYWcmdno
通行止めタグに余計なもんなんてあったか?
標識?
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/07/23(土) 14:53:33.87 ID:T8IW6HIlo
ドライブ中にここから先は一方通行ですという標識を見てテンションが上がる一方通行
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/23(土) 21:46:20.13 ID:Q7l/pqR6o
さて一方さんはなにを買うのかねェ…
カーセックス用にメルセデスのVクラスみたいなライトバンにするのか、4ドアセダンタイプの高級サルーンか、はたまたマセラティやフェラーリみたいなGTカー買うのか…
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/07/23(土) 21:48:49.74 ID:ZEDcEcdI0
車を買うと聞いて、「初体験がカーセ○クスとは……」
と思ったのは俺だけでいい
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/07/24(日) 01:05:52.78 ID:WaQnECpAO
>>213
おまおれすぎてフイタwwwwww
一方さんのDT臭がいけないんだ、きっと
215 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/24(日) 02:14:59.85 ID:iOjZLLBq0
いやぁーー!!恥ずかしい!!このスレ立てて初めての大失敗をやらかしてしまい、
もう給油口があったら入りたい!
ちょっと>>203やり直し!ちぬ!もう!

だってしょうがないじゃん、ポルナレフってフランス人じゃん、
そりゃ間違えるって。

>>205
お前のばあちゃん何人だww
216 :ブラジャーの人2011/07/24(日) 02:17:51.44 ID:iOjZLLBq0
というわけで、とある休日。

「おい打ち止め、車買いに行くからオマエも来い」
「え?」
「なんだ?一方通行車買うのか?」
「あら、急にどうしたの」

なんだどうした、車?えー私も行く。何買うか決めてるの?外車?
デカイのがいいじゃん!私もついていっていいわよね?

なぜか黄泉川愛穂と芳川桔梗の二人が盛り上がっている。
あれよあれよという間に、四人は仲良く車屋さンの玄関をくぐることとなった。

学園都市に海外ディーラーはあまり出店できないため、あらゆるメーカーを
代理で一手に取り扱う業者がある。
外で所有していた車を持ち込む方が割安なので
、あまり需要がないからか店舗数は片手より少ない。

店構えは立派だが今日も閑古鳥が鳴くその店に、
騒がしい四人組が来店したのはちょうどお昼頃だった。

さあこれから昼飯にしようかな、と考えていた男性営業マン。
自動ドアの開閉音に向かって、顔で笑って心で舌打ち。

「いらっしゃいませー」
(……。変なお客だな…。緑のジャージとTシャツジーパンの女二人?
ウチに来るタイプとは思えないけど?後ろの子供二人は…、どちらかの娘?息子?
んなわけないよな。兄妹か?)

「えー、どのようなお車をお探しでしょうか?」

とりあえず黄泉川に的しぼって話しかける営業マン。

「ん?あぁ、買うのは私じゃないじゃん。
おい一方通行、あんた何買うか決めてきたのか?」
「一応な…」

「、失礼しました。こちらにカタログ一覧がございますので、どうぞ…」
(エー、こんな子供が?いや、この街はたしかに子供でも能力者ならお金があるって
知ってるけど!でもうちの主力商品下から三百万だよ!?マジで!?)

「えーと、なンだっけ」
「どれにするのー?ってミサカはミサカは興味津津!」

(あ、あの二人恋人同士か畜生。じゃあこっちのジャージとジーパンは何なの?)

ショールームの中央にズラリと並べられたカタログたち
。分かりやすいように国別で区切られている。ドイツのスペースの前で
しばし考え込む一方通行。その彼の周りを、打ち止めがちょろちょろとまとわりついている。

「ちょっと静かにしてろォ、今探して…、お、これだ。確か」

そう言って青年が手に取ったカタログのページを見て、営業マンの営業スマイルが固まった。

ポルシェ 977 カレラS  3600CC 7速PDK 総額約1400万円

「どォだ?」
「わー!カッコイイね!スポーツカーだよね、ってミサカはミサカはワクワクしてみたり!」

打ち止めの嬉しそうな賛辞を受けて、一方通行は満足そうに頷き営業マンに向き直った。

「コレくれ」
217 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/24(日) 02:20:26.48 ID:iOjZLLBq0
その直後、営業マンが何か答える前にジャージとジーパンが割り込んでくるではないか。
ずいずいと一方通行に迫って、打ち止めはサンドイッチ状態になってしまった。

「ぎゅっ、ってミサ」
「えーこれ!?2ドアじゃん!」
「ほぼ二人乗りじゃないの。他のにしなさいよ」
「な、なンだよオマエら…。どれだっていいだろォ別に」
「よくないわ」
「よくないじゃん」
「くるし…」

打ち止めを具にしたまま、保護者達の熱弁は続く。
一方通行はカタログが鎮座した棚に背中をつけて困惑の表情を浮かべるしかない。
ちなみに営業マンは安全地帯へ避難中だ。

「あのね一方通行、車を買うっていうのはね?家族の一大イベントなのよ?
全員の意見をすり合わせて相応しい車種を選ぶのがあるべき姿なの」
「あんたはただ打ち止めとドライブできりゃいいなんて思ってるかもしんないけど、
私達だってたまには乗せてほしいじゃんよ。せめて4ドア!五人乗り!」

実は一方通行は、わざわざ黄泉川と芳川がついてきたのは、
自分の下心を見透かした上での牽制かと勘繰っていた。しかし実際は何のことはない。
この二人、単に自分達の好みの車を彼に買わせようとしてついてきたのだ。
218 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/24(日) 02:23:39.16 ID:iOjZLLBq0
それをようやく理解した一方通行。呆れてぽかんと口を開けていたが、
もぞもぞと助けを求める少女を脇に脱出させてから反論を試みた。

「オ、っマエら、何で一緒に来たのかと思えばそれが目的かよォ!図々しいぞマジで!
俺が何買おうが勝手だろうが。絶対コレにするからな!聞かねェからな!」

それでも二人の要求は止まらない。ますます声高に叫んで棚がグラグラ揺れるほど
彼に詰め寄っていく。何事かと、整備場から奥の事務所から店員達が集まってくる始末だ。
ついに面倒くさいゲージが限界を超えた一方通行も叫ぶ。

「あーもォうるせェよ!分かったもういい!買えばいいンだろォが買えばァ!
オマエらにも買ってやる、何でもいいから選べ!ただしっ、一台だけだからなァ!!」

その白い髪を逆立てんばかりの怒声に周囲がどよめくが、
黄泉川と芳川は年甲斐もなく大はしゃぎである。

「やったー!さすが第一位じゃん!細いけど太っ腹!」
「嬉しいわ、何にしようかしら…。大丈夫よ、五百万以下のにするから」

二人は青年の頭をぐりんぐりんと撫で回し、あーでもないこーでもないと
カタログを開き始める。終戦の気配を読み取った営業マンが
げっそりした一方通行に近寄ってきた。

「あの、こちらがオススメのオプションを含めたお見積りでございますが…」
「あァ…、もうこれでいいわ。さっさと契約したいンだが」
「っ、ありがとうございます。少々お待ちください。お支払いの方法はどうされますか?」
「車ってカード使えンのか?」
「!?だ、大丈夫です!」
(ブラック…!さっきの第一位ってやっぱり聞き間違いじゃないんだ!)

「じゃあ、あそこのうるせェ女どもに預けとく。アイツらが選んだ車と一緒に払うから。
あと、出来るだけ早く用意してくれ」

そう言い残し、酸欠気味の少女を支えながら青年は、
いつの間にか傍に控えていた店長以下数名に見送られて去っていった。
219 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/24(日) 02:25:53.08 ID:iOjZLLBq0
ところで当然だが、一方通行はまだ自動車運転免許証を持っていない。
持ってないんだったら教習所に通って取得すればいいのだが、そこは彼の十八番、
面倒くせェ…である。
しかし、どんな人だって面倒くさいのを我慢して取っているのだ。
如何に彼が第一位だからって、無免許で車を運転するのは良くない。
運転は知識だけじゃない、経験が最も大切なのだ。やはり真面目に教習所に通うべきだろうが、

「って仕上は仕上は思ってみたり」
「ミサカのまねっこ?ってミサカはミサカはちょっぴりショック」
「うぜェこと言ってンじゃねェよ殴るぞ」
「え!?ミサカうざい!?」
「オマエはいいンだよ」
「よくねぇよ。同じセリフでこの扱いの差は何なんだよ。
つーかいきなり運転教えろってお前が頼んできたクセにあんまりじゃね?」

ある日、浜面仕上は第一位・一方通行に呼び出され、とある公園駐車場にやってきた。
何事かと思えば、いきなり「車買ったから運転教えやがれ」とお願いされたわけである。
しかし一方通行は無免許なのだ。昔ならいざ知らず、
今そんな危ないことには関わりたくない。だって来年には

「人聞き悪ィなこの野郎。ちゃんと特別許可は出させてあンだよ。
学園都市内なら免許がなくても大丈夫、ってやつをよォ」
「はぁ?そんなの聞いたことねぇぞ。どこで取れるんだ?」
「どこでも取れねェと思うぞ。前例は無いそォだ」
「………第一位、恐ろしい子…っ」
「なンか久しぶりに誰かを思いっきり投げ飛したくなってきましたァ。星にしてやろうか」
「落ち着けよ。大体車買ったって、どこにあんだよ」
「もうすぐここに届けられるんだよって、って…、ほらあなた来たよ!」

220 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/24(日) 02:30:08.74 ID:iOjZLLBq0
積載車に乗せられて、銀色のボディを鈍く光らせたポルシェ977カレラSが
駐車場に入ってきた。なぜかすぐ後ろを一台のセダンがつけてきている。
三人の目の前でやかましいモーター音を鳴らしながら、
ゆっくりとポルシェが地面に下ろされた。

上品なスーツに身を包んだ中年男性がセダンから降りてきて、
うやうやしく一方通行の前でおじぎする。

「お待たせしました、一方通行様。ようやくお届けに上がることができました。
こちらがメインキーでございます。どうぞ」
「おォ、ごくろうさン」

浜面はポルシェとその光景を交互に見ている。

(えー…、ちょっと前に一方通行が、「車って何がいいンだ?」って聞いてくるから
ポルシェって答えたんだよな俺。んで、やけに細かくグレードとか質問してきて、
カレラSぐらいがいいんじゃね?って答えたんだよな俺。)

……

(なんだよ、あん時俺がそう言ったから本当に買っちまったのかよ…。
あ、やべぇ。一方通行がちょっとかわいい…)

にやにやと自分を見ている浜面に気づき、一方通行がギロリと睨み返した。

「なァに気色悪い顔してンだよ。やっぱり彗星になりたいンだな?」
「何でもねぇって。やけに車のこと聞いてきたと思ったら、こういうことかよ。
でもあれから二週間くらいしか経ってないよな?これ新車だろ、
よくこんなに早く納車できたな」
「なンか国内の在庫を搬入するより早いからって、店長がドイツに飛ンだらしい。
それで一緒に船で帰ってきたンだとよ」

浜面は中年スーツの胸のネームプレートを見る、そこには店長の文字。

「店長ぉ…!お互い苦労しますねレベル5には…っ」

浜面は、戦場を共にくぐり抜けた兵士のような顔で店長の手を握り、
うんうんと頷きながら握手を続けた。
その頭を、一方通行の杖で殴られるまで。
221 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/24(日) 02:33:16.38 ID:iOjZLLBq0
苦笑いの店長を見送ったあと、残された三人は早速ピッカピッカのボディに乗り込んだ。
しかし

「えー、ミサカは乗っちゃダメなの?ここで待てなの?ハマヅラはいいのに?ずるーい」
「ばかやろォ、俺は今日初めて運転すンだぞ。万が一のことがあったら危ねェだろうが」
「そうだぜ、打ち止め。それにポルシェのリアシートなんてただの飾りだ。
狭くってお前でもとても乗れたもんじゃねぇよ」
「ぶーぶー、ってミサカはミサカは不満を表してみたり!でも分かった。
気をつけてね?あなた」
「ン、とりあえず少し流して戻ってくるからな」
「おう。じゃあ一方通行、基本動作をとりあえず教えるからエンジンかけてくれ。
左ハンドルだし、日本の道路では特に右折に注意しろよ?全然見えねぇぞきっと」
「わっかてンよそれくらい。第一位舐めてンのかオマエは。スペース[ピザ]リになりてェのか」
「だから扱いの差が激しすぎるんだよ!
俺にも打ち止めの十分の一でもいいから優しくしろよ!」


浜面は一応の基礎を一方通行に教え、駐車場から出発させた。
さすがにレベル5の第一位、浜面の説明を一度聞いただけですんなり覚えてしまったようだ。
そもそも

「説明書だけ先に貰って読ンどいたからな」

だそうだ。

(コイツがそう言うってことは、たぶん一言一句暗記してるんだろうな…、
しかもきっとその説明書ドイツ語だろ…)

今のところ順調に走行している。初心者の運転とは思えない。
一方通行も非常に落ち着いていて、緊張している様子は見られなかった。
222 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/24(日) 02:35:19.13 ID:iOjZLLBq0
(ていうか、なんか、…楽しそうじゃね?目ぇきらっきらしてね?)

そう、一方通行は今、とても楽しかった。
今までの移動手段といえば、誰かが操縦する乗り物か、自らの足。
そして能力を使ってというのがほとんどだった。
自分の手と足で機械を操り走行する行為が、なんだかすごく新鮮で面白い。
アクセルを踏んだらエンジンがそれに応えて唸って加速、
ステアリングを切れば切った分だけタイヤホイールに動力が伝わって曲がる。

(あれ?けっこう…面白いンじゃねェかコレ)

浜面はそんな一方通行を見てまた思う。かわいいなコイツ、と。

「なぁ一方通行」
「なンだよ」
「楽しいだろ?運転するのって」
「…まァまァ」
「へへ、だろー?いい車だしなぁ!羨ましいぜ、これで打ち止めとドライブするんだろ?
絵に描いたようなデートじゃねぇかよ」
「な、」

今日初めて、とういか普段まったく聞かない第一位の焦った声と顔を見て、
浜面がキョトンとする。

「え?打ち止めと付き合ってんだろ?さっき見ててそう思ったけど」
「……っチ」
「おいおい、まさか、あんだけいちゃついてて分かんねぇとでも思ったのか?」
「あァ!?誰がイチャついてるってェェ!?ヅラァ!」
「ヅラじゃねぇよ地毛だよ!お前全然自覚ないんだな…」

気まずいのか、一方通行のアクセルワークが激しくなる。彼に自覚は本当に無い。
打ち止めと恋人関係になってからというもの、
雰囲気や目つきが以前より柔らかくなってきていることに。
昔なじみの浜面が見ればそれは一目瞭然だった。
223 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/24(日) 02:39:41.12 ID:iOjZLLBq0
「あの、第一位さん?ちょっとスピード出し過ぎですよ?ブレーキブレーキ」
「ふン」
「まぁ、気持はわかるぜ。可愛くなったよな、打ち止め。
実はさっき久しぶりに会ってびっくりしたもんよ。急成長だよなぁ…特に胸が」
「…、なに見てンだよ」
「そう言うなって。オトコはみんな結局女の子の胸に弱いんだよ。そういう宿命なんだ…」
「馬鹿じゃねェのかオマエ。いや、馬鹿だな」
「滝壺もなぁ…中々だぞ。いい勝負だと思う。
そうだ、俺来年結婚するんだよ。だから御祝儀くれ」
「はァ!?急に何言ってンだこの宇宙ゴミは」
「まだ上条にも言ってないんだぜ。俺、結婚する、滝壺と。御祝儀、ちょうだい」
「はァ…、まァオメデトォー」

浜面と一方通行は話に夢中になってしまい、つい本線から外れて有料道路の入り口に
入ってしまった。眼下には学園都市の街並みが一望できる。

「あちゃーしまったなぁ…次の出口でUターンして戻ろう。
打ち止めにはちょっと遅くなるって俺から電話しとくな」

(結婚…、コイツがねェ…。でも別にありえねェ話じゃないよな、俺らの年なら。
……でも打ち止めはまだ中三だから…。おい、何まじめに考えてンだ俺は)

そんな未来の光景をつい思い浮かべてしまっていて気がつかなかった。
助手席で浜面がとんでもないことを喋っている。
握った携帯電話の通話相手は、もちろん打ち止めだろう。

「そうそう、いつから付き合ってんの?まじで?…すげぇ積極的じゃん。
へー、へー、じゃあ今度バニースーツ着てみなよ。え?いやいや、
男はみんな例外なくバニーが好きだから問題ないさ、ホントホント。
その胸を最大限に活かせる衣装だよ。一方通行も絶対よろこ」

「浜面ァァァァァァァァああああ!!何言ってンだ貴様ああァァァ!!」
224 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/24(日) 02:41:51.86 ID:iOjZLLBq0
一方通行の右手がステアリングから離れ、浜面の髪を掴んで振り回す。
その拍子に、ポルシェは対向車線に大きくはみ出した
。幸か不幸か、中央分離帯がない場所だったので、何にもぶつかる事は無い。
しかしすぐ目の前には対向車が迫ってきている。

「わぁぁぁ!?ア、アク、前!前!前ぇぇぇ!」
「あ、やべ」

一方通行は首のチョーカーに触れて能力を使用モードにする。
そして何を思ったかさらにアクセルを踏み込み、左足で床をドンと蹴った。
彼の左足から伝わったわずかな衝撃が増幅されてタイヤに届く。
本来ならばありえない方向に力が加わり、
ポルシェは発射台から飛び出したミサイルのように宙へ飛びだした。
地面から離れる瞬間に、衝撃はすべてアスファルトへ伝わるように演算したので
大きく抉れて飛び散ったその破片が僅かに下回りにぶつかった音が聞こえる。

「飛んだぁぁぁぁぁぁ!ポルシェが飛んだぁぁぁぁぁ!!?」
「うるせェな、横で叫ぶなよ」
「叫ばずにおれるかぁ!どうすんだよこれから!死にたくねぇよちくしょおお!
滝壺ぉぉぉぉ愛してるよぉーーー!!」
「馬鹿が。えーと…お、あそこでいいかァ」
225 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/24(日) 02:45:39.88 ID:iOjZLLBq0
ポルシェはそのままゆっくりと放物線を描きながら落ちて行く。
一方通行が車体の周りの気流も操作しているのだ。
そして一般道の脇に立っている照明用街灯に運転席下のタイヤを狙い澄まして接着させる。
突然のことに、そこを走っていたドライバー達が驚いてブレーキを踏んで唖然としていた。
一方通行は周囲の交通がストップしたのを見計らって、
静止させていた車体を地面に降ろしていく。
街灯に一本だけタイヤの乗せたままの状態で、彼が膝を指でトントン、トントンと叩く度に、
街灯がズズ、ズズ、と地面に飲み込まれていく。
じわじわと車体が下がってきて、やがて何事もなかったかのように、
ポルシェは再び四輪全てを地につけた。

「うっわ、みんな超こっち見てるよ…。俺こんなシーン魔女の宅急便で見たなぁ…」

覚悟していたような衝撃がなかなか訪れないので、しばらく前から浜面も冷静を取り戻していた。ハっと握りっぱなしだった携帯電話を見れば、通話口から打ち止めの慌てた声が聞こえている。

「打ち止め?あ、ああ、大丈夫だって、ちょっと空飛んだだけで。怪我なんか」

浜面も慌てて電話に耳をあてて無事を知らせる。
ところがまたも伸びてきた一方通行の右手によって、浜面の手から携帯が奪い取られた。

「悪ィな遅くなって。今から戻るからもう少し待ってろ。あァ、なんでもねェよ。じゃあな」

そして公園駐車から出発してきたのと同じように、
カレラSは颯爽とその場から走り去ったのだった。

打ち止めが待つ公園へ向かう車内で、恨みがましく浜面が呟く。

「御祝儀、はずめよな…、まじで」

「………」

226 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/24(日) 02:57:33.84 ID:iOjZLLBq0
一方通行、車を買うの巻 完

はい。もうマフラーがあったら入りたい!
ドイツ車じゃポルポル君はぁぁぁ!!
というわけで、一方さんの愛車はポルシェカレラSです。
レスにポルシェのポの字もなくて意外性があるのか?と思った事、
近所にポルシェ大好き・車を愛して40年のオッサンがいたことでこうなりました。

本当はセミオートマじゃなくて、6速MTでさ、藤原豆腐店よろしく
クン、クン、シャキーンてシフトチェンジする一方さんが見たいですよね。
あんよが悪くなければなァ…

このネタ考えてる時に、愛車で高速道路から落下する夢見たよ。


227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/24(日) 02:58:47.99 ID:yZaJgzWi0
乙!
ところで滝壺もパイズリ出来そうだな、浜面爆発しろ
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)[sage]:2011/07/24(日) 07:02:19.12 ID:zrMFVS/AO
パイズリはF位無いと挟めないよ
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/24(日) 08:41:24.26 ID:Dbk5xNRb0
滝壺は大体Dくらいか……
乳首を摘まんでいれば出来なくもないかな
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/24(日) 10:52:25.40 ID:2LHbOuFL0

やだこの読者たち…ちっとも車の話してない…
おっぱいおっぱい

>>1
フィルター無効はメール欄に[saga](さが)だぜ
入れないと>>221のようになる
例)デ/ブ→[ピザ] オ/ナ/ニー→[田島「チ○コ破裂するっ!」] 殺/す→[ピーーー] 魔/法→魔法
231 :212[sage]:2011/07/24(日) 10:59:26.98 ID:OQDQ9/rYo
おまえら車にはふれずおっぱい談義とは……
素晴らしいじゃないかwwwwww

>>1乙です、何色の買ったんだろ?白か黒は確定だな
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/07/24(日) 12:43:30.42 ID:tNfAm/C+0
車の色のことなんかどうでもいい。
打ち止めが着るのが白バニーか黒バニーか赤バニーか、、、それが問題だ。
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/24(日) 13:12:58.41 ID:u5DTMx9Ko
ポルシェ買ったか〜
ポルシェは全然壊れなかったからいい車だゾ〜
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/24(日) 13:27:37.75 ID:G5bGMwO6o
車シルバーって書いてあるがな
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/24(日) 18:40:48.56 ID:4HobW/gOo
一方さんが仕立ての良いスーツ着て、ポルシェ911カレラSで打ち止めの送り迎えするのか  胸熱
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/24(日) 18:52:51.10 ID:Y8DDfJcDO
一方さん相変わらず能力を無駄遣…有効活用しすぎだろwwwwww
俺は赤バニーがいいデス
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/24(日) 21:46:19.32 ID:PhGHkdpM0
打ち止めが黒バニーで、番外個体が白バニーがいいです
元々おっぱいが大きい番外個体ならこの世界観ではEくらいになったろう?
ダブルパイズリもなかなか乙な物よのう
238 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/24(日) 23:07:46.96 ID:rhtucTvI0
打ち止め白バニーで「これでミサカも白ウサギだよ?あなたとおそろいだね!」
が可愛いと思います。

ポルナレ、ポルシェのボディカラーは「白だろやっぱ」と思ったけど、
浜面が、ポルシェは銀に決まっとる!って言うから…
ナショナルカラー(だっけ?)ってのがあるらしいです。フェラーリなら赤とか。

>>230 なるほぅ、ありがとう!これで飛鳥時代に進めたよ。

じゃ、短いけど今日の投下。


239 :ブラジャーの人2011/07/24(日) 23:16:42.28 ID:rhtucTvI0
一方通行は今、よく晴れた夏の太陽の下を家路についていた。とても疲れた様子である。

(あー暑っちィ…、やっぱ車出した方が良かったかァ?
でも今運転すンのはどう考えても危ねェ)

なぜ彼が運転をためらうほどに疲れているのかというと、
昨夜は納車されて間もない愛車で深夜のドライブに出掛けたはいいが、
楽しくてついつい朝日が顔を見せるまで走ってしまったのだ。

そしてようやく家に戻ってシャワーを浴び、ひと眠りしようとしたところで
今日提出する約束だった論文があることを思い出した。慌てて大学まで行き、
図書館に籠って壊れそうな勢いでパソコンのキーボードを八万回ほど叩く。
そのまま担当教授にデータを渡してきた帰りである。

バスの時間にも中途半端だったので歩いてきたが、朝と違ってこの暑さ。
タクシー呼べばよかった、と後悔してる内にマンションが見えてくる。
早く涼しい屋内へ…そう足を急がせてエントランスをくぐると、後ろから誰かに抱きつかれた。
自分にこんなことをしてくるのが誰かなんて決まっている。打ち止めだ。

「おかえりなさーい!」
「なァンでこンな時間にオマエがここにいるンだよ」
「言ったでしょ?明日から夏休みだから今日は午前中で終わりなの、って
ミサカはミサカは忘れんぼなあなたに再告知」

(そォいえばそうだっけ)

「ねー、だからねー?ミサカといっぱい遊んでよね?って今からお願いしてみたり。
さっそく今から映画かお昼ご飯食べに行くのってどうでしょう?」

打ち止めは学校が休みに入ることにより、一方通行と長い時間を共にできることが
心底うれしいようだ。彼もじきに夏休みが始まる。その長い期間を彼女とどう過ごそうか、
と考えてはいた。しかし、とりあえず今はちょっと…
240 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/24(日) 23:20:12.33 ID:rhtucTvI0
「あー、悪い。俺今疲れてンだよ…。朝まで走って、寝ないで学校行ったからなァ…」
「えー!?ミサカを置いて出て行ってそんなに走ってたの?
もう昨日から全然構ってもらってないんですけど!ってミサカはミサカはがっかり」

こんなやり取りをしながら部屋へ帰ってきた。
打ち止めは怒りながらも一方通行のためにアイスコーヒーを淹れてあげて、
ソファにぐったりと身を沈める彼にグラスを渡して隣に腰掛けた。

「明日はミサカとお出掛けしてね?って予約させてもらうんだから」
「はいはい了ォ解」

暑さに参った体にアイスコーヒーの冷たさが気持ちよくて、あっという間に飲み干す。
打ち止めは頬を染めてその光景を見ている。

「こうしてると、初めて大人のちゅーした日のこと思い出すね。
あなたはこのソファでコーヒーを飲んでて、ミサカは隣でそれを見てるの」

空になったグラスをテーブルに置いて、一方通行が打ち止めと目を合わせる。
もう一杯淹れてもらおうと思ったが、あの日と同じようにそれは諦めねばなるまい。

「なに思い出してンだか。したいのか?」
「あなたこそ、したいんじゃないの?ってミサカはミサカは質問返し」
「したくない、ことはない」
「ミサカも」

二人は同時に顔を寄せ合った。

あとは初めてディープキスをした日の繰り返しだ。また、コーヒーの味がする。
241 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/24(日) 23:24:41.32 ID:rhtucTvI0
はい、一旦終了です。
HAMADUライダーによって彼方に吹き飛んだ甘さを取り返そうと思って。

次回、打ち止めのターン。
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/25(月) 00:53:41.94 ID:EL7pxQ/DO
甘ぇ…
練乳に砂糖と蜂蜜かけたものより甘ぇ…
打ち止めのターン全裸待機
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)[sage]:2011/07/25(月) 01:31:11.75 ID:lAtjlE430
ここまで一気に読んだ
しかし、ネットワークで繋がってる姉妹達は大変だなw
特に番外個体とか通行止めがじゃれてるときに劣情が増幅されて伝わるだろうしw
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/25(月) 03:30:19.26 ID:DmhPrWoG0
我等が運営様はきっとログアウトしたに違い無し
ところで運営様、フェラチオって御存知ですかとミサカは良からぬ知識を吹き込みます
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/25(月) 17:53:27.19 ID:hFonTPmvo
次はポルシェでドライブ→パークハイアットか帝国ホテルでディナー→スイートルームで初夜→朝チュンですねwwww
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/25(月) 18:03:51.94 ID:uhFUtrnBo
レベル5の性格が歪んでんのは金いっぱい持ってるせいもあるよな
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/25(月) 19:02:15.47 ID:NOQpuGx6o
まあその金は文字通り身体張って稼いだもんだけどな
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/25(月) 19:03:31.15 ID:hFonTPmvo
というか第三位と第七位以外、暗部だとかえげつない実験ばっかやらされてるじゃん
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/25(月) 21:44:20.05 ID:rb9YXT+No
それに対して一般人のレベル4は多額の奨学金貰えて平和に暮らせるとか勝ち組だな
250 :ブラジャーの人2011/07/25(月) 23:44:08.80 ID:C6LSLmdn0
さあ、みんなお待ちかねの打ち止めのターンだよ。

251 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/25(月) 23:45:54.84 ID:C6LSLmdn0
熱を交わしながら、一方通行が後ろに倒れていく。
打ち止めも彼の腕に抱かれたまま、一緒になって倒れこんだ。

「ふゥ…」
「ん…、あなたとってもお疲れなのね、ってミサカはミサカはちょっと心配。お昼寝する?」
「あァ…、眠いことは眠いンだが、こりゃどっちかってェと運転疲れだなァ。足と腰がヤバイ」
「もう、朝までなんていくらなんでもやりすぎだよ。ミサカを連れていけば
こんなことにならなかったのに、ってミサカはミサカは嫌みを言ってみる〜」
「反省してますゥ」

目を閉じたままの一方通行の顔は、確かに疲労で少しやつれている。
打ち止めは大好きな彼の役に立ちたくて、喜んでほしくて、ごく普通に思ったことを言った。

「お疲れなあなたのために、ミサカがいいことして癒してあげよっか?」

「……は?」

ゆっくり開かれた赤い瞳に危険な揺らぎを感じ、打ち止めは精一杯に眉を吊り上げて釘を刺す。

「言っとくけど、えっちなことじゃないからね!」
「そォですか…」

252 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/25(月) 23:49:04.73 ID:C6LSLmdn0
少女は一方通行のベッドを指さして、後ろで佇む青年に言う。

「はい、寝て」

「……」

一方通行は言われるままに、いつものようにベッドへ寝そべろうとしたが、
打ち止めがそれをさえぎった。

「違うの、そうじゃなくって、うつ伏せになって」

そこでようやく彼女が何をしようとしているのか見当がつき、
青年からほっとしたような声出る。

「もしかして、マッサージでもするつもりか?」
「ピンポンあたりー!ってミサカはミサカは正解の御褒美をあげる!ほら早く寝てったら」
「ハイハイ」
「よろしい。じゃあ失礼しまーす」

打ち止めは一方通行の腰辺りに跨り、そこへ手をつく。
むしろその柔らかい少女の太ももに集中してしまいそうな青年だったが、
そんなこと気にしない彼女は、さっそく親指で指圧を開始した。
ぐ、ぐ、と押してみる。ぐぐー…と押し続けてみる。

枕に顎を乗せていた一方通行だったが、自然とシーツに顔を埋めて眉を寄せ、
歯をかみしめてしまう。

これは…

(…お、ク、…効く。…マジか)

「どう?キモチいい?ってミサカはミサカはあなたに感想を求めてみる」
「…悪くねェ」
「どうやら気に入ってもらえたみたいだね」
253 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/25(月) 23:52:06.19 ID:C6LSLmdn0
ひととおり腰をほぐし終えて、打ち止めは一方通行の背中へ移動する。
今度は背骨の両脇に手の平全体で圧力をかけた。

これも

(あーきもちィ…)

「これはどう?」
「もう少し、強くできねェか?」
「ん、やってみるね」

軽すぎる打ち止めでは力が足りなかったようだ。彼女はもっと体重をかけるべく、
体を浮かせて手に力を込めた。せっかくの柔らかい太ももが離れてしまうが、
青年に最早それを気にしている余裕はない。ついに声が出てしまった。

「うァ」
「あ、ごめん痛かった?」

打ち止めが勘違いをして手を止めてしまい、一方通行はそれは困ると慌てて弁解する。

「いや、大丈夫だ。続けろ」
「でも」
「いいから」
「……ひょっとして、もしかして、かなり気に入ってもらえたみたい?」
「……」
「やめちゃおっかな」
「…、気に入った。効く」

254 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/25(月) 23:55:38.65 ID:C6LSLmdn0
とうとう観念した一方通行。
自分の背中の上で打ち止めがニンマリしているのが手に取るように分かった。
少女は嬉しそうに体を揺らし、気合い(?)を入れて態勢を立て直す。

「ふふふ〜、よーし、ミサカ頑張っちゃうからねー。えいえい、ぎゅうー〜」
「う、く、…っはァー…」
「わぁ、すっごい。今あなたの体がふわーって膨らんだよ、おもしろーい」

一方通行は心地いい刺激をより良く享受するため、左頬だけをシーツに押し付けて
大きく呼吸した。これでは打ち止めに顔を見られてしまうが、…もういいや。
今はこの快感を素直に受け入れよう。
そう吹っ切れてしまえば、ああだこうだと注文が出てくる。

「もうちょっと上」
「はいはい、この辺?」
「そこ、指だけで押してくれ」
「ん〜〜、ふぅ。もっと強いほうがいい?ってミサカはミサカは
まだ力に余裕があることをアピール。うりゃ〜」
「頼む」

やがて打ち止めの手が肩甲骨から肩へ登ってきたとき、
一方通行から驚きの声が上がると同時に体がびくりと震えた。

「っ!おわ!か、肩はいい!くすぐってェ」
「そうなの。あなたって肩は凝らないのね?」
「あァ、時々能力使って血行とか操作してるからなァ」
「なるほど、あなたの能力にそんな活用方法が。だからお肌もスベスベなのね、って
ミサカはミサカは羨ましい…、
あれ?じゃあミサカがマッサージしなくても大丈夫なんじゃないの」
「それとこれとは別だ」
「えへへ…、あなたはミサカにこうしてもらう方がいいのね?」
「そう解釈したけりゃそうしろ。次、足」
「そういう風に解釈します、ってミサカはミサカは得意になっちゃうな。どこからやる?」
「ン…、ふくらはぎ」
255 :ブラジャーの人[saga]:2011/07/25(月) 23:58:30.20 ID:C6LSLmdn0
打ち止めは体を逆に向けて、一方通行の太ももの裏に座り、手の平を片足ずつにあてがう。

「いかが?」
「もう少し下だなァ」
「はーい。えい」
「いったァ!いてっ、ちょ、強すぎる!」

打ち止めは彼の腰や背中にしたように、親指でふくらはぎをつかむように押しあてたのだが、
長時間のアクセルワーク、ブレーキングで疲れた青年の足には痛すぎたようだ。
バタバタと足を跳ねさせて抗議された。

「ごめんごめん、もっと優しくゆっくりするから、って
ミサカはミサカは暴れるあなたの足を押さえつけてみる」
「ったく…」
「こうかな?……これならいい?」

指で一点集中に力を加えるのは痛すぎるらしいので、人差し指と親指のカーブしたラインを
押しつけて滑らせる。摩擦しながら、ふくらはぎ全体に優しい力が加わるように気をつけた。

「……あァ、それなら大丈夫」
(すげェじわっとくる…、打ち止めが乗ってる腿の裏もジンジンしてンなァ…)

しばらく続けて、少しずつ力を強めていく。
先ほどと同じように親指で指圧してみたが、一方通行から抗議は出なかった。

「痛くない?」
「…平気」
「おぉ、ほぐれたねぇ。ミサカすごーい」
「ほぐれたなァ…、もう一回腰やってくれ」
「ふふ、あなた、すっかりマッサージ師なミサカの虜ね?って
ミサカはミサカは小悪魔のほほ笑み」
「…早く、腰」
256 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/26(火) 00:02:26.87 ID:IufvjwSf0
打ち止めが再度彼の腰を揉みほぐしていると、ふと一方通行の口数が減ってきたことに気づく。
青年の表情を覗きこめば、それはいつになく穏やかなものだった。

「あなた?」
「……ン……」
「寝ちゃいそう?」
「…あァ、もう…寝る」
「そう。ミサカどうだった?キモチよかったよね?」
「あァ、気持ちよかった」
「またしてあげるね」
「…そうしてくれ」
「えへ…おやすみなさい」
「……」

もう返事はなかった。打ち止めは一方通行の上から身をどかし、
くしゃくしゃになった彼のシャツを申し訳程度に整える。
そして自分もベッドに横になって、一緒にお昼寝の態勢に入った。
まだ制服のままだったが、どうせ明日からは夏休みなんだから、皺になったってかまわない。
別に打ち止めは寝不足ではなかったが、そう時間が経たないうちに、
安らかな寝息は二人分に増えて、静かな部屋を満たしていった。

257 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/26(火) 00:08:39.62 ID:IufvjwSf0
打ち止め、一方通行をマッサージするの巻 完

さて、また第一位の能力のアホな使い道が判明しましたね。
ベクトル操作で血行促進、これで肩コリ、腰痛ともさようなら!

ただ、疲れているときに揉まれりゃ一方さんも気持ちいいだろうと思って、
打ち止めにやってもらいました。


258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県)[sage]:2011/07/26(火) 00:17:22.10 ID:GbluGE65o
なんかマッサージしてほしくなった
いや打ち止めさんにしてほしいとかそういうのじゃなくて
ただ普通にマッサージしてほしくなった
いやまあ打ち止めさんにしてほしいけどね
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/07/26(火) 00:47:49.96 ID:eqrNd71AO
>>258
おいお前の後ろになんか白いものががががが

>>1
マッサージいいな
………べ、別に会話がエロいなあとか思ってないんだから!
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/26(火) 04:09:27.91 ID:IU8XTHNDO
…ふぅ

全裸で待った甲斐があったぜ
>>1
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/26(火) 06:53:33.08 ID:+RzYgtUDO
一方さん血行促進して下さいわりとマジで
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/26(火) 09:17:12.83 ID:2zptcQRqo
支部の黄泉川に肩凝り解消ベクトルマッサージ施す母の日漫画を思い出した
263 :ブラジャーの人2011/07/26(火) 23:02:41.73 ID:UZa3IkAV0
しまった。母の日ネタやればよかった…

悔みつつ今日の投下開始。
264 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/26(火) 23:08:01.82 ID:UZa3IkAV0
ある夏の夕暮れ、一方通行はソファに横になってウトウトとまどろんでいた。
時々髪の毛や額を打ち止めの手が撫でていって非常に気持いい。ふぅと息を吐きながら、
彼女の膝に乗せている頭を身じろぎさせて、もっと撫でてくれと催促してみる。
その度に、打ち止めがかすかに笑う気配とともに、
望んでいた温かい手が今までよりも長い時間自分に触れてくれた。

しかし、少し経つとそれは離れていってしまう。
どうやら催促し続けないとおあずけになるらしい。だから眠れない。
打ち止めの目的はまさにそれだった。自分だけ残して眠ってしまわないでほしい。
青年の要求にずっと応えていたら、たぶん彼はこのまま遅目の昼寝に入ってしまうだろう。
今日はまだ一緒に起きていてほしい気分なのだ。
それにこうして意地悪しておけば、少女にたくさんおねだりしてしまった証拠が
積み重なっていく。
いつかこの借金は利息をつけて返してもらうつもりだ。

「ねぇ、どこなでなでしてほしい?」
「……その辺…」

髪を梳かれるのが特に好きらしい。
質問に答えさせることによって、睡眠を遠ざける思考の必要が生じ、
さらにリクエストに応じてもらうという、ますます高い買い物をさせる。

「これでいい?ってミサカはミサカは両手で大サービス。あなたの髪はさらさらでキモチいいね」
「あと…、手」

一方通行がテーブル側になっている手を、重たそうに持ち上げて差し出す。
打ち止めはそれに指をからめて、支えるように握りしめた。
手をキャッチしてもらえた瞬間一気に力を抜けば、
手は重力に従って自分の胸の上にどさりと落ちる。
ただ二人の指はからまったままで、
少女の指が、きゅっ、きゅっ、とやさしく握る、緩めるを繰り返す。
これも心地いい。

そのあたりで、一方通行の意識はついに途切れてしまった。

起きた時も、少女の膝の上にいたらいいのに。最後にそう思って幸せな眠りにつく。

265 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/26(火) 23:11:21.28 ID:UZa3IkAV0
結果から言うと、一方通行は打ち止めの膝枕のままで目覚めることができた。
しかし気分はあまりよろしくない。
なぜなら番外個体が目の前にいて、自分の鼻をつまんで呼吸をさまたげていたからだ。

「おはよー第一位。最終信号のすべすべ生足の感触はいかが?
すっげぇ気持よさそうだったよぉ〜ひゃっははははは」
「このやろォ…」(鼻声)

打ち止めはどうしたのかと思い、上を見上げてみれば
彼女もいつに間にかスヤスヤと寝息をたてている。背もたれに預けた体が今にもずり落ちそうだ。
一方通行はそっと身を起こし、傾いた打ち止めの体を支えてやった。
できれば寝かせたままでいたかったが、もともと眠りが浅かったのだろう。
すぐに少女の目が開いた。

「ん…、あれ?番外個体?早かったねぇ、ってミサカはミサカはいらっしゃい。待ってたよ」

「はぁい、最終信号。膝枕ごくろうさま。バイトが早めに終わったから来ちゃったよ。
お昼寝タイム邪魔してごめん…、とは言わないよ。どう?体ばっきばきじゃない?」
「え?…、あいたっ!ってミサカはミサカは、イタタタ」
「当然だよ、こんな重いもん乗っけられて身動き封じられてりゃ
体中凝っちゃうに決まってるでしょ」

番外個体は一方通行の頭をツンツンとつついて、この考えなし、という非難の視線を送った。
彼も、痛がる打ち止めを見て後ろめたいのか反論はしない。

「大丈夫だよ、ちょっと痺れただけだから。それにミサカが勝手に寝ちゃったんだから、
別にこの人が無理強いしたわけじゃないの。だからあんまりいじめないでね、って
ミサカはミサカはお願いしてみる」
「はいはい、最終信号に免じて許してあげるよ」
「そりゃどォも…」
266 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/26(火) 23:13:40.84 ID:UZa3IkAV0
今日は番外個体が黄泉川家に泊まりにくる日だ。
大学進学とともに一人暮らしを開始した彼女だったが、こうして時々遊びにくる。
もっとも最初は強制的に黄泉川や打ち止めに連行されていたが。
どうあがいても連れてこられることが分かったので、最近は自主的に訪れるようになっている。

「あ、なんだかいい匂い!ってミサカはミサカはくんくんしてみたり」
「お、もう気づいたの?さーすが成長期。よく食べるんだから。
今日はオーソドックスにクッキーだよ」
「どこがオーソドックスだ。炊飯器で作ってるクセによォ」

以外にも番外個体は料理が趣味となった。腕前も中々である。
しかし調理方法は黄泉川直伝なので、彼女の部屋には今、炊飯器が三個ある。
とりわけお菓子作りが特に好きらしく、こうして手作りの品をよく持参してくる。
もっとも、べらぼうに甘いので、一方通行にとっては苦痛のイベントだが。

嫌なら食べなければいい、と思うが、なぜか自分以外の同居人たちの
「もちろん君も食べるわよね?せっかく作ってくれたものを拒否するなんて礼儀知らずじゃん」
という非難を浴びてしまい、結局いつも強制味見するハメになっていた。

「わー、美味しそー!ってミサカはミサカはさっそくいただきます!おいしーよ番外個体!」
「うわ…甘過ぎるンだよ番外個体ォ…」
「あー、第一位のそのウンザリした顔を見るだけで落ち着く。作った甲斐があったなぁ、ぎゃは」



267 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/26(火) 23:17:12.23 ID:UZa3IkAV0
すごくキリが悪いけど、一旦終了です。
打ち止めの膝枕か…、羨ましいですね、くそ。
よく眠れそう…
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/26(火) 23:18:39.93 ID:nPff8Unoo
打ち止めに膝枕してもらってるんだぞ?眠れるわけがないだろう
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/26(火) 23:24:44.84 ID:xopJafnQ0
>>1乙!
膝枕とかなにそれ羨ましい

そして番外個体の趣味=お菓子作り=一方通行への嫌がらせとしか思えな…ゲフンゲフン
意外性があって可愛いと思うぜ!
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 01:25:34.90 ID:ls8oSYJn0
えるしってるか
巨乳に膝枕してもらう時に眺めるおっぱいが最高だ
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 03:35:58.71 ID:RdW1yxCo0
えるしってるか
アクセラはメロンしか食べない(性的な意味で)
272 :ブラジャーの人2011/07/27(水) 22:37:54.80 ID:7uFP+zx70
メロンしか食べない一方さんか…
かわいい。性的な意味じゃなければですけど。

今日の投下も短めですが、どうぞ。
273 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/27(水) 22:39:59.47 ID:7uFP+zx70
番外個体と打ち止めは、これも恒例だがゲームを始めた。対戦型ゲームは良い勝負だったが、
番外個体が優勢なのは数年間変わらない。

「もぉ〜番外個体には何でどうしていつまでたっても勝てないの、ってミサカはミサカは悔しい!
でも今度こそ…っ」
「ふふん、まだまだ天真爛漫お子ちゃまな最終信号に負けるなんてできないからね。
ほらほらほらほらぁ、はいオワリー」
「やぁー!あと少しだったのにぃ!」
「やかましィ…、もう少し静かに遊べねェのか。オマエら成長しねェなァ」
「はぁ…、やっぱり今日もあなたにお願いするしかないのね、って
ミサカはミサカはコントローラーを、はいどうぞ」
「またか…」

仲良くじゃれあう姉妹のそばでソファに寝転がっていた一方通行に、
コントローラーが手渡される。こうして打ち止めの仇討ちを任されるのも恒例だった。

「お、やっと第一位の登場?でもこれは新作だからやったことないでしょ。
ミサカのが有利なんだからね」
「まァ見てたから大体分かる」
「あなたがんばれー!ミサカの無念を晴らしてね!ってミサカはミサカは後ろから応援」

果たして勝敗は…
274 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/27(水) 22:41:24.24 ID:7uFP+zx70
「むっっかつく…、最終信号、コイツの演算止めちゃってよ、三分でいいから。
その間に顔に落書きしてやる、油性ペンで」

最初の一戦は番外個体が勝利したものの、後の五戦はすべて一方通行に軍配が上がった。
番外個体は非常に不機嫌、不愉快、不快感な様子だった
。その手には嘘か本気か、ペンが握られている。しかも既にキャップは外されて。

「それはちょっと、それにミサカの仇討ちだったんだし」
「最終信号も第一位にいろいろイタズラすればいいじゃん。
パンツ脱がして写真でも撮って、手帳に入れておきなよ」
「えっ、そんな…、えーでも」
「オマエら、冗談でもそれくらいにしておけ。怒るぞ」
「冗談じゃないよ、ミサカ本気だもん」
「タチ悪ィな」

(ミサカもほんのちょっと本気でした、って言ったらこの人どんな顔するかなぁ、って
ミサカはミサカはイケナイ子。でもやっぱり少〜〜し興味ある。きゃー)
275 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/27(水) 23:16:25.93 ID:7uFP+zx70
こうして過ごしているうちに、黄泉川愛穂と芳川桔梗が帰宅した。
番外個体は黄泉川と共に台所に立って夕飯の支度を始め、師匠に修行の成果を披露している。
しかし、いまいち彼女達以外には理解しがたい世界である。
黄泉川は炊飯器クッキングの後継者ができたことを大変喜んでいて、
この番外個体のお泊りには新しい技の伝授に余念がない。

「さぁーできたぞみんな、席につけー。今日は番外個体が手伝ってくれたから豪勢じゃん!」
「あら本当ね、ありがとう番外個体。ますます腕を上げてる…のよね?私達には分からないけど」
「うんうん!日々の努力が伺える上達っぷりだったじゃん」
「へっへー、さぁ遠慮はいらぬ。皆の者、ミサカの手料理、食べるがよいよい」
「はーい!いっただっきまーす!ってミサカはミサカはさっそくかぼちゃに突撃っ」
「オマエさっきあンだけクソ甘ェクッキー食って、よくまァ…。太るぞ」
「!!うぅっ、…、大丈夫だもん。ミサカはまだせいちょうき、だもん」

打ち止めの箸の動きがいっきに鈍くなった。あ、ひょっとして気にしてたのか?
女性陣の厳しい目が一方通行にそそがれる。しまった、と思った時にはもう遅い。
芳川達が打ち止めに優しい声をかけて励まし始めた。代わりに一方通行には冷たい視線が。


「大丈夫よ打ち止め、あなたの身体データは毎月ちゃんと正常の範囲内に伸びてるわ」
「そうじゃん、くれぐれも無理なダイエットなんてしちゃだめだぞ?
かえって肌が荒れたり、体調を壊したりするからな」
「まったくデリカシーがないね、第一位は。お姉ちゃんになんてこと言うのさ。
あとで仕返しに、クッキー口の中に押し込んでやるから覚悟しなよ」
276 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/27(水) 23:37:18.93 ID:7uFP+zx70
この、体重に関する女性達の結束力は何なのか。
過去何度か同じような過ちを繰り返してきた一方通行だったが、
どうやら今夜も地雷を踏んだらしい。ちくちく、ざくっと視線が突き刺さる。
もうよけいな事は喋らないでおこう…

「そうそう、さっき食べたクッキーも美味しかったわ。先月のプリンとゼリーも…、
あなたが来てくれるたびに御馳走になっているわね。ありがとう。
一方通行、あなたもちゃんと食べたの?
「食いましたよォ」
「ねーねー番外個体、ミサカ今度はケーキがいいな、ってリクエストしてみる」
「いいよー、生クリームたっぷりのあまーいの持ってくるね。
第一位も楽しみにしてなよひゃひゃひゃひゃひゃ」
「………」
「打ち止めも料理覚えるか?私が手とり足とり教えてやるじゃん。
そろそろ花嫁修業してもいい頃じゃんか」

よけいなことは喋らない、そう誓った一方通行だったが、これは言わずにはいられない。
打ち止めにはこの珍妙な調理方法はマスターしないでほしいと思う。

「やめろ、言っておくがすげェ変だからなこの料理。味は置いといて。
打ち止めも覚えるンなら普通のやり方で覚えろよ」
「え、う、うん…」

その瞬間、黄泉川、芳川、番外個体の箸の動きが止まった。
打ち止めは頬を染めて俯きながら口をもぐもぐさせている。

突然雰囲気が変わって(また地雷踏ンだ!?)と身構えた一方通行だったが、
芳川の言葉を聞いて、自分も動きが止まった。

「一方通行、あなたこの流れでそのセリフ。まるで打ち止めは自分の花嫁なんだから、
自分好みの料理を作ってもらうんだって言ってるようなものよ?」

青年の箸から鳥の空揚げが転がり落ちたのを見て、黄泉川と番外個体の大爆笑が食卓に響いた。

277 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/27(水) 23:40:45.47 ID:7uFP+zx70
今日は以上です。
さて、夕食の後はお風呂ですよね!
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 23:48:52.08 ID:rhWbf+hJ0
その後は『夜のドライブ』ですね
わかります
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/07/28(木) 00:35:56.04 ID:Lv3k19hXo
|, ,_
|∀゚)
|⊂ノ


|, ,_  ∩
|∀゚) 彡 < おっぱい!おっぱい!
|⊂彡


|
| ミ
|  ピャッ
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/07/28(木) 01:06:57.38 ID:PgZkBaRpo
通行止めやっふうううううう
おっぱいおっぱい
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/28(木) 01:46:48.15 ID:ttzvM3Ta0
運転手は誰かによっては内容が大きく変わるよね
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/28(木) 05:10:41.54 ID:1ufXe5iIO
運転手はこの私20000号がbbbb
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/28(木) 08:32:22.38 ID:Z9oifgJJo
風呂…つまり一緒にお風呂フラグだよな風呂場でタオル越しのおっぱいだよな
期待しかなかった
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/28(木) 13:47:19.66 ID:47V56GDio
あのひょろい体にモードな服着て、以上に若い女を助手席に乗っけてポルシェを駆る一方さんかww
なんかIT長者のニューリッチっぽいなwwww
285 :ブラジャーの人2011/07/28(木) 17:48:36.88 ID:ZAWSvV6B0

お風呂の時間です。
286 :ブラジャーの人2011/07/28(木) 17:51:35.78 ID:ZAWSvV6B0
夕食の後、いつもどおりにリビングで新聞を読んでいる一方通行と、
その横でファッション雑誌を一緒に眺める打ち止めと番外個体。
そこに風呂からあがった芳川が髪を拭きながら戻ってきた。

「君達もお風呂に入りなさい。もう遅いわよ」
「あれ、ほんとだもうこんな時間だね、ってミサカはミサカは時計を見てビックリしてみる。
じゃあ番外個体、ミサカと一緒に入ろっか。いい?あなた」
「おォ、俺は別に遅くなってもかまわねェから先に行けよ」
「ミサカのかぐわしい残り湯に第一位をつからせるのはシャクだけど、
最終信号がそう言うなら入ってあげるよ」
「アホが。とっとと行け」

二人が浴室へ入ってから数分後、あることに気づいた一方通行は新聞を持つ手を握りしめた。
グシャリと紙面が歪む。芳川と黄泉川はキッチンにてビール片手に晩酌中で、
一方通行の様子に気づいていない。

(しまった…、うっかりアイツらを一緒に風呂に行かせちまったが、
あの痕がまだ残ってるンじゃねェか…?)
287 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/28(木) 17:53:19.80 ID:ZAWSvV6B0
二日前の夜だった。おやすみのちゅーをしに来た打ち止めに、
少々エスカレートしてしまった一方通行は、パジャマとブラジャーのストラップをはだけさせて、
ついつい彼女の胸元に赤い痕をつけてしまったのだ。
もしかしたらその痕がまだ残っているかもしれない。
そして番外個体がそれに気づいたら…?

(……多分すっげェからかわれるな)

二人が風呂に行く時に、一人づつ入れ、なんて命令するのは不自然すぎたし、
どの道この事態は回避できなかっただろう。打ち止めとの仲はとっくに周知の事実なので、
気にする必要は無いといえば無いのだが、相手はあの番外個体である。
せめて彼女がキスマークに気づくのか否か、それだけでも先に情報を得て、
対策を取りたいところだ。

一方通行はキッチンで順調に酔っ払う保護者達を確認してから、そっとリビングを出て行った。

288 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/28(木) 17:57:02.08 ID:ZAWSvV6B0
「はぁ〜良い湯ですなぁー、ってミサカはミサカは定番のセリフを言ってみたり」
「確かにこの家のお風呂はでかくて気持いいよね。二人で入ってもそんなに窮屈じゃないもん。
ミサカの部屋ももう少し広かったらいいのに」
「ふふふ、じゃあ番外個体がもっとここに泊まりにくればいいじゃない、って
ミサカはミサカはナイスアイディアを披露してみる」
「やだよ、これ以上第一位のしかめっ面見てらんない。」
「もう、あの人も番外個体も素直じゃないのね」

湯船に浸かる打ち止めと、洗い場でシャンプーをする番外個体。
その声は脱衣所の前で耳を澄ます一方通行にもしっかり聞こえていた。

(今の時点ではセーフか?もう痕は消えてンのかもしれねェな…)

「はーさっぱりした。最終信号ちょっとつめて、ミサカも入る」
「はーい、おーすごいお湯が増えたー」
「ミサカの体積が異様に大きいみたいな発言は控えてくれる?」
「ははははーごめーん。でも番外個体の方がミサカよりいろいろ大きいのは本当だよ。
ねぇちょっとお胸触らせてくれる?」
「自分の触ればいいじゃないの」
「違うのー、他人と自分のじゃなんか違うのー。いいでしょ?
ミサカのも触らせてあげるから、ってミサカはミサカは交換条件を提示」
「そんな許可いらないよ。……勝手に揉んでやるぅぅぅぅ!!ホレホレどうだ感じるかぁ!?」
「きゃあー!やぁん!いやぁっもう!ずるいミサカも揉む!」

バシャバシャと湯が飛び散る音と、かしましくも微笑ましい姉妹の裸の触れ合い。
脱衣所の外でその一部始終を聞いていた第一位は、ただ茫然と立ち尽くしていた。

(……なにやってンだコイツら)
289 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/28(木) 18:00:21.50 ID:ZAWSvV6B0
ひととおり仲良く揉みっこが終わった後も、二人の話題は中々変わらない。
むしろお年頃の娘達が一緒の風呂に入っているのだから、このテの話題にならない方が少ない。
しかしそんなことに思い及ばない一方通行は、知ってはいけない世界の秘密を
覗き込んでしまった罪人のようにその場に立ちすくんでいた。

「そこを十回ぐりぐり押して、そう。次は五本の指全部で掴むんだよ。これも左右十回ずつ」
「ちょっと痛いね、ってミサカはミサカは弱音をはいてみる」
「慣れだよ慣れ。慣れれば一セットやるのに二分もかからなくなるから。
最終信号はたった半年ちょっとでこんなに胸が大きくなったから、まだきっと成長するよ。
今のうちからちゃんとお手入れしとかないと、早くから垂れちゃうぞぉ〜?」
「えー嘘、やだぁそんなの。あの人のためにもミサカ頑張る!次はどうするの?」
「そうそう、第一位のためってのがむかつくけど、その心意気だぜ。
次は両手で下から持って、右手左手右手左手…もっと早くてもいいよ」

(そこで俺の名前を出すなよォ…っ、ほンとなにしてンだコイツらァ…!)


さっきから同じようなツッコミしか思い浮かばない一方通行。
どのようなことをしてるのか、ぺちぺちと、おそらく手の平と乳房が触れる音まで聞こえる。
なんだかすごく気まずい、でもここから動き難い。
けして、「見たい」とか「俺もやりたい」から動けないのではなく、
目的は番外個体が打ち止めのキスマークに気づくかどうかを確かめることなのだ。

290 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/28(木) 18:05:26.79 ID:ZAWSvV6B0
「はいこれで終わり、できれば毎日やること」
「ふぅ、ちょっと痛かったけど、なんだかすっきりしたみたい。
番外個体はこれどこで覚えてきたの?」
「お姉さまに教えてもらったんだけど」

(それ効果あるのか?)

「でも最終信号に教えたってバレたら、きっとお姉さま怒るからね。内緒だよ」
「うん、分かってる、ってミサカはミサカは
お姉さまの鬼の貌がまだトラウマでぶるぶるしてみる」
「お姉さまもあんまり気にすることねぇのに。足も腰もミサカ達より細くて羨ましいよね」
「それに背も高いもんねー、ってミサカはミサカはまだ身長が伸びることを望んでみたり」
(あの人とちゅーしやすくなるし、えへ)

しばらく二人の会話を盗み聞きしていた一方通行だったが、
どうやら危惧した事態はさけられたようだ。きっとこの二日で打ち止めにつけたキスマークも
消えたのだろう。ほっと一息はいてから、青年はリビングへ戻って行った。

「でもね最終信号、結局男は細いよりむちむちのぷるぷるが好きなんだ。
第一位なんて絶対そうだね。だから黄泉川も言ってたけど、
必要無いダイエットはしちゃだめだからね。やり方間違えると胸から減ることもあるから」
「むむ…、確かにあの人も大きいお胸の方がいいって言ってた。
ミサカは恵まれてるのね、って天の采配に感謝してみる」
「何正直にぶっちゃけてんのよ第一位…。思ってた以上にムッツリかよ。
……ふーん、だからこーんなアトつけられちゃってるのねー?最終信号ってばぁ、ひひひひひ」
「え?」
291 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/28(木) 18:09:01.19 ID:ZAWSvV6B0
番外個体が湯にたぷたぷと浮かぶ打ち止めの胸を、何ヶ所か人差し指でつつく。
その意味が分からなくてつつかれたところを凝視していた打ち止めだったが、
やがてぽっと頬を染めた。うっすらと、かすかにだが、彼につけられたキスマークが見える。

「わぁっ、わー、あのそのこれはぁ…」
「照れんなよぉ、ねぇどうなの実際?第一位のって大きい?小さい?普通?
週に何回ぐらいヤってんの?黄泉川と芳川がいると難しくない?やっぱホテル行ってる?」
「ばっ!ちょっ、なんてコト言うの!?番外個体はしたない!お姉ちゃんは悲しい!」

まだ一方通行とシてないとも、もう経験済みとも言うことができなくて、
打ち止めは真っ赤になって胸を隠す。しかし勘が鋭い番外個体には通用しなかったようだ。
焦る打ち止めを数秒間じぃっと見つめ、顔を覗き込む。
その表情は珍しく困惑というか、怪訝というか、つまりはマジで?と言っている。

「もしかして、……最終信号ってまだバージンなの?」

背を向けていた打ち止めが、そのままゆっくり頷いた。
嘘をついてもバレるだろうし、どっちみち恥ずかしいことに変わりはない。

「え…なんで?」
「タイミングというか、いろいろありまして。でももう少しで、っていう場面もあったんだよ!?
それ以外にもこうしてミサカにたくさんちゅーしてくれるしっ」
「いやいやいや、男なんて出さなきゃ意味ないんだから、それ変だよ…。第一位大丈夫かよ」

ついに俯きすぎてアホ毛が湯に浸ってしまった打ち止め。
番外個体はあれやこれやと、誘惑の仕方を説いて聞かせるのだった。

292 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/28(木) 18:17:23.34 ID:ZAWSvV6B0
番外個体、お泊りにくるの巻 完

一方さんと打ち止めの進捗状況が黄泉川ファミリーに筒抜けに…
ところで一方さんと打ち止めの混浴を期待した人はどれくらいいるんだろうか。
番外ちゃんと打ち止めの姉妹風呂でした。
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/28(木) 18:28:54.14 ID:f4UZ42QX0
混浴ではなくお風呂でばったりかと思ってた俺が通りますよ
だが姉妹風呂もまた良し!
姉妹だからこそ出来るじゃれ合いだよな

そして広い風呂が羨ましいwwww
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/28(木) 19:18:00.22 ID:KZNBmpJk0
乙〜

混浴に姉妹風呂、姉妹丼。いい響きだなァ
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/28(木) 20:20:23.69 ID:47V56GDio
>>294
ひょろくて目つきの悪いアルビノ青年が何語ともわからない言葉吐きながら倒れてるんだけど
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/28(木) 23:38:30.92 ID:ta/9OrBh0
>>295
ほっとけぜよ
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/29(金) 00:29:57.04 ID:rUZZjdQA0
>>294
こんな所で寝ると風邪ひくじゃん
298 :ブラジャーの人2011/07/29(金) 20:40:52.59 ID:XrQScCxw0
いつもどおりの通行止めです。

関係ないけど、アクセラレータのアクセルワークって、なんかなぁ…
アクセラレータがブレーキを踏むってのも、なんかなぁ…
299 :ブラジャーの人2011/07/29(金) 20:43:12.96 ID:XrQScCxw0
番外個体が泊まりにきた翌日、一方通行は非常に不機嫌な様子であった。
打ち止めが淹れてくれたコーヒーを受け取るときも返事さえせずに、
見てもいないテレビ画面から視線を動かさない。
打ち止めはいつもより少しだけ離れてソファの隣に座っている。
彼女も見ていないが、顔はテレビを向いていた。
ちらちらと一方通行のことを気にしている。

午前中に番外個体が帰るとき、ちょっとちょっと、と一方通行を手招きして
とんでもないことを言っていった。

「ねぇ、あなたってインポなの?だから最終信号とヤらないの?医者にはかかった?」

何がむかつくかというと、番外個体が本当に心配した様子だったことだ。
バレたことはもちろんだが、それが一番こたえる。
とりあえず彼女には特大チョップを食らわせて追い出した。

一方通行は打ち止めに何も言わなかった。その場面を傍で見ていた打ち止めは、
昨日のお風呂での一件が彼に知られたことを悟り、怒られる…っ、と戦々恐々としていたが、
いつまでたってもチョップも無いし小言もない。
ただとっても不機嫌な事だけは確かで、こうして気まずい時間を過ごしているわけだ。
300 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/29(金) 20:45:11.06 ID:XrQScCxw0
別に一方通行は打ち止めに対して怒っているのではない。
恥ずかしい勘違いをした番外個体には少し怒っていたが。
彼がうんざりしているのはこの状況である。保護者達にも番外個体にも、自分達の状況がなぜか
バレバレなことが、気まずくて、恥ずかしくて、いたたまれない。
こうなると、打ち止めと一線を越えてもバレバレになるような気がする。
こんなに近くにいるのに、ましてやお互い夏休みで長い時間を二人きりで
過ごしているというのに…

(ますます手ェ出しにくい状況に追い込まれてねェか…?)


「ねぇあなた…」

おそるおそるといった感じで打ち止めが話かける。二人の距離はまだいつもより遠い。

「なンだよ」
「ご機嫌直して、ってミサカはミサカはお願いしてみる」
「……別にオマエに怒ってる訳じゃねェぞ」
「あなたのご機嫌が悪いと、つまんないし、怖いし、寂しいし…」
「…あー、」

ついつい不機嫌オーラを全開にしてしまっていたが、打ち止めは何も悪くないのだ。
悪いのは黄泉川と芳川と番外個体と自分である。それなのに彼女の前でこんな態度はない。
ようやくいつもより距離を置かれていることに気づき、一方通行は反省する。

「分かった、直す。だからこっち来い」
「っ、うん!」
301 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/29(金) 20:49:14.45 ID:XrQScCxw0
あっという間に笑顔になった打ち止めが、一方通行に抱きつくようにくっついた。
離れていた反動だろうか、いつもより近い。
悪いことをした、と思い彼女の頭をヨシヨシと撫でる。ついでに昨日のことも
清算しようと思って、一方通行は打ち止めの肩と腰を抱いて体を倒させた。

「わ、急になに?」
「昨日のオカエシ。悪かったなァ、体まだ痛いか?」

打ち止めはソファに座る一方通行に膝枕されていた。
実は、番外個体に鼻をつままれて起こされた後、凝り固まった体を痛がる打ち止めを見て
ずっと済まなかったと思っていたのだ。確かに華奢な少女が、同じく細いとはいえ男の自分を
膝枕したまま数時間も動けないというのは苦痛だったろう。
一方通行だけイイ思いをして、打ち止めだけアレじゃ申し訳ない。
というわけで、俺もやってやる、という結論らしい。

「なーんだ、気にしてたの。ミサカが好きでやってたんだから別にいいのに、って
ミサカはミサカは、それでも嬉しかったり」
「そりゃよかった。固い膝で物足りないかもしンねェがな」
「そんなことないよー、丁度いい高さです」
「そォか」

つまらないこと(でもないのだが)はひとまず頭の端っこに追いやって、
今はこうして二人のときを満喫しよう。それが最も有効な時間の使い方だ。
打ち止めは足をパタパタさせて上機嫌である。

「大人しくしてろよォ、落ちるぞ」
「だってうれしーんだもん。実はミサカもしてほしいなって思ってたんだから」
「してほしかったなら言えばよかっただろォが」
「そこは遠慮というか、謙虚なミサカなの。
いじらしいでしょ?ってミサカはミサカは乙女らしさをアピール」
「自分で言って謙虚もクソもねェだろ。オマエは遠慮するべきところを間違えてる」
「それって、遠慮しないでもっともーっと甘えてこいって意味?」
「やっぱり全然謙虚じゃねェな…」
302 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/29(金) 20:52:20.20 ID:XrQScCxw0
昨日してもらったように打ち止めの額を撫で、髪を梳いてやった。少女の顔は緩みっぱなしだ。
ん、と手を差し出され、これも昨日のように握って構ってやる。

「確か俺はこの辺で眠っちまったンだよな」
「そうだよ。ミサカになでなでされて、あまりのキモチよさに夢の世界へ旅立ってしまったのよ、
ってミサカはミサカのテクニシャンぶりに、我ながらアッパレと言ってみる」
「いろいろとツッコミてェことはあるがまァいい。舐めンなよ、
俺だってオマエを眠らせることくらいできる」

一方通行は握っていた手を離し、打ち止めの体をくるんと反転させた。
そしてうつ伏せになった彼女の背中を、右手の中指と薬指の二本でぎゅうっと押す。
これも普段からのオカエシのつもりだった。最近覚えた新しい楽しみ、
打ち止めにマッサージをしてもらうことへの。

「うう、また今日はあなた大サービスじゃない?どうしてミサカが
してほしかったこと分かるのぉ、あ、ちょっと痛い。ん」
「こうか?」
「そこは親指で…っ、ハーいいカンジです、ってミサカはミサカはうっとり」
「チョロイな」
「む、マッサージに関してはミサカの方が先生…、っ……、くぅ」
「背中より腰かァ」
「肩…、肩やってぇ…。お願い…」
「……」
303 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/29(金) 20:56:29.70 ID:XrQScCxw0
一方通行は肩コリはしないので、打ち止めにも肩を揉んでもらったことはない。
背中と腰はいつもやってもらっているから、今のはそれをマネただけだ。
なので肩はどうやってしてやればよいか、正直わからない。
ただ肩の方が自分の膝すぐ近くに位置しているので、やり易くはある。
とりあえず、右手の親指以外の四本で打ち止めの右肩を押してみた。

「あぁー…」
「…なンだよ」
「もっと」
「おゥ…」

気に入ってくれたようだ。

やはり急に胸が大きくなってからというもの、打ち止めも肩が凝るようになったらしい。
普段は気にしていないが、こうして揉んでもらうと、じんわりほぐれていくのを実感する。
打ち止めはこうして、ああして、もっと強くそこは弱く。もう両肩いっぺんに揉んで、
と遠慮なくリクエストの嵐だった。
とうとう膝枕も中断され、一方通行は今、床に膝をついて甲斐甲斐しく彼女の肩を揉んでいる。
今はもう肩だけではなく、肩甲骨や背中の上部あたりにまで揉む範囲が広がっていた。
打ち止めは悠々とソファに寝そべったまま、天国気分である。

(どこが謙虚なンだか…)
304 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/29(金) 20:59:37.09 ID:XrQScCxw0
「はぁっ、ふぅ、…あーキモチいい、あなた大好き…」
「なンて安い言葉だよ、肩揉んで好きってオマエなァ」
「ほんとにキモチいいんだもん。マッサージしてもらうのって
こんなに素晴らしいことなのね、ってミサカはミサカは真理のひとつに辿り着いた、あぁ」
「まァいつもやってもらってる身で、うるせェことは言わねェけどよ…」

打ち止めのうっとりした表情や、ついつい漏れてしまう声を聞いているのはかなり気分がいい。
彼女に喜んでもらっていることを実感できる。
打ち止めも、いつもこんな気分だったのだろうか?一方通行がマッサージしてほしいな、
というそぶりを見せると、たいていは彼女から「揉んであげよっか?」と言ってくれていたから。

「ん?あれー…なんか変、ぽかぽかする…」
「今能力使ってオマエの血行操作しながら揉ンでンだよ」
「あ、本当だいつの間に。おー…これすごい…!今ミサカ流れてるっ、じわじわしてるぅ」
「多分、欠陥電気でも同じようなこと出来ンじゃねェか?」
「できると思うけど…、はぁ、でもあなたにやってもらった方が絶対キモチいいと思うか、ら、
今後ともよろしくお願いします、ってミサカはミサカはぁ、あん先に予約を…」
「何だよそりゃァ…、一応挑戦してみろ」
「そうじゃなくって、あなたにしてもらい、う、たいの。
それを言ったら、あなただってミサカがやらなくたって自分でできる、でしょ」
「………」
305 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/29(金) 21:04:41.04 ID:XrQScCxw0
確かに。他の誰かに、打ち止めにしてもらうのは気持ちいい。だからいつも頼んでしまうのだ。
ひとりだけでは知ることが無かった幸福。知らなくても生きていけるであろう感情。
でも知ってしまったら二度と手放せない。それらはすべて彼女が一方通行に教えてくれたことだ。
昨日と普段のお返しどころではない。
この少女には莫大な借金をしてしまっている、しかも無利子無期限の。


打ち止めはやがて、いつかの一方通行のように眠ってしまった。とても幸せそうな寝顔だった。

(そら見ろ、俺にだって出来ンじゃねェか)

電極をONのままに、打ち止めを抱きかかえてベッドへ運ぼうかと思ったが、
リビングへ引き返す。そして先程と同じように膝枕をしてやった。
これはあくまで昨日のオカエシなのだから、もう少しするべきだろうと思って。


数十分後、彼も打ち止め同様眠ってしまい、結局体がばきばきになってしまった。

その夜は打ち止めが「お礼だよ」と言って、固まった体をいつものように
マッサージしてくれたので、まだまだ一方通行の借金は減る気配がない。
306 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/29(金) 21:15:04.26 ID:XrQScCxw0
一方通行、打ち止めにお返しをするの巻 完

揉まれたら揉み返すのが礼儀です。
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/29(金) 21:25:30.37 ID:JYt9B5zn0
乙〜 一方通行の借金がたまっていくな

次回は『アクセラin堕天使メイド服』だぜい
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/29(金) 22:47:27.41 ID:Ma92g2WR0
何か学生寮に白い羽根の生えた人間が向かっていったけどあれなんだ?
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/29(金) 22:51:33.09 ID:BTxWLElDO
乙乙
揉まれた借りは二倍にして返すべきだってばっちゃんが言ってた
310 :ブラジャーの人2011/07/31(日) 00:37:09.40 ID:9sV81Lqa0
温泉行きたい。
311 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/31(日) 00:44:51.29 ID:9sV81Lqa0
八月に入って間もないある朝早く、一方通行は同居する女性達全員によって起こされた。

「起きろー一方通行!出掛けるぞ!」
「起きなさい一方通行。早く支度して」
「あなたー起きてー!ってミサカはミサカはゆさゆさ揺さぶってみたり!」
「あー…?」

何が何やら分からぬまま、寝ぼけた顔で車に乗せられた。
黄泉川の運転で走る車内の後部座席にて、打ち止めからコーヒーを受け取る。

(なンで水筒持ってるンだ?)

半分寝た状態で、水筒のフタに口をつけ、隣に座る打ち止めに目で疑問を投げかける。

「あ、これね、出掛けるっていうから急いで作ったの。
やっぱりあなたはミサカのコーヒーを飲まないといられない体かなと思って」
「…そォじゃなくて、あーどこ行くって?」
「え、あなたも知らなかったの?ってミサカはミサカはビックリしてみる」
「知らねェよ、俺まだ眠いンだが」
「そういえば一方通行にも言ってなかったじゃん」
「あらそうなの。まぁもういいのだけど」

どうやら自分以外の三人は目的地を知っているらしい。
一方通行は前の席に座る黄泉川、芳川にも聞こえるように声を張り上げた。

「だァから、どこに行くンだよ、いいかげン教えろ!」
「温泉じゃん」
「温泉よ」
「温泉なんだって、ってミサカはミサカはわくわくするぅ〜!」

「は?」

312 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/31(日) 00:49:18.39 ID:9sV81Lqa0
家族は夏休みには旅行に出掛けるものらしい。そういえば去年は
強制的に海へ連れ出されたのだった。あれも家族旅行だったのだろうか。
気をつけていたのに、極端に日光に弱い肌が焼けてひどい目にあったことを思い出す一方通行。

「そうそう、だから今年は温泉にしたじゃん。しかも一泊だぞ!露天もあるし、
料理も美味しいって評判の旅館、あー楽しみ」
「去年は君に申し訳ないことをしたから、愛穂と相談して決めたの。
おかしいわね、一昨日あたりに打ち止めと一緒に伝えたと思っていたのだけれど」
「あァそォ…見事に伝わってねェよ。ン?一泊?俺着替えなンて持ってきてねェぞ」
「大丈夫だよ、ミサカがあなたの服と、それに財布と携帯とコーヒー持ってきてるから、って
ミサカはミサカは有能ぶりを発揮」
「…オマエいつ知った?」
「あなたと変わらないよ?今朝だけど」
「すげェ適応能力だな」

その後渋滞もなく順調に車は走り続け、とある山奥の温泉旅館に着いた。
黄泉川も芳川も、シーズンオフを狙って休みを取ってこの旅行に臨んだそうで、
駐車場はガラガラだ。
一方通行は打ち止めに鞄と杖を受け取って、はしゃいで先行した保護者達を追いかけた。
普段目にしない純和風の建物に、打ち止めは「ほぇー」と口を開けて立ち止まっていて、
一方通行は彼女の背中を押して旅館の玄関をくぐった。

案内された部屋からは、目の前の山がよく見え、眼下には急流の川。夏だというのに
とても涼しく、女性陣は、おー、わー、すごーいと感嘆の声をあげている。
荷物をどさりと床に置いて一息ついた青年。慣れない畳にようやく遠出した実感が湧いてきた。

(温泉ねェ…、ま、海でヤケドするよりいいかァ…、打ち止めも喜ンでるしな)

そのまま畳に仰向けに寝そべってさらに一休み、しようと思ったら、右手を打ち止めに、
左手を黄泉川に引き上げられ強制的に起こされた。さらに芳川には
「はい、あなたの分よ」と浴衣を押しつけられる。

「さっそく行くぞ、何はともあれ温泉じゃん!」
「早く起きて。あ、貴重品は金庫にいれなさいね」
「露天風呂―露天風呂―、早く行こうよあなた!」
「はァ?もう風呂いくのか?」
「当たり前でしょ、ここは温泉旅館なのよ。温泉に入るための宿なんだから、
最低三回はつかりたいわ」
「そォいうモンなのか…」
「そういうもんだ。だからほら行くぞ!」

313 :ブラジャーの人[sage]:2011/07/31(日) 00:53:32.24 ID:9sV81Lqa0
短いですが、今日は以上です。
というわけで、温泉旅行の黄泉川家。いいなーいいなー温泉いいなー。

>>307 
それ需要あるのかにゃー?
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/31(日) 01:17:02.87 ID:BRm+4W9DO
浴衣ってすばらしいよね
男女問わず
てなわけで>>1
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/31(日) 02:51:44.69 ID:4uXp0Q/90
乙〜 

次回は『およしになってェお代官様ァ』なんだよ
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/31(日) 04:01:37.42 ID:0wAeWqkJ0
はねるアホ毛にぷるんぷるんおっぱいー
むっつりセロリが揉むんだろうなー
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[sage]:2011/07/31(日) 16:14:59.98 ID:fgBwKhFh0
え!?これは「よいではないかよいではないか」フラグ!?
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[sage]:2011/07/31(日) 16:16:19.66 ID:fgBwKhFh0
え!?これは「よいではないかよいではないか」フラグ!?
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/07/31(日) 17:37:47.16 ID:gMbtVHyX0
家族風呂じゃね?
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/31(日) 19:11:41.71 ID:lhG5nJMho
浴衣プレイか…よろしい、続けたまえ
321 :ブラジャーの人2011/07/31(日) 23:58:38.60 ID:yXJtu+Xe0
>>315
それはアリですね。

さあ、まだまだ浴衣と温泉です。
322 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/01(月) 00:03:26.65 ID:fMw+edZ20
(湯が白い……)

引きずられるようにして温泉まで連れてこられた一方通行。
しかし、もちろん男湯の方は彼一人だ。淵で佇んでいると、
それを見越したかのような芳川の声が仕切りの向こう、女湯から聞こえてきた。

「大丈夫よ、これはにごり湯といって、もともとこういう色なのよ」
「そうそう、だからさっさと入るじゃん。ちょっとぬるめでいい感じだぞ」
「白いお湯に白いあなたがつかって真っ白になるねー、ってミサカはミサカは
想像して笑ってみたり」

一方通行は軽く湯をすくって体にかけてみる。別に熱すぎることはない。
ゆっくり、足からつかっていく。

「どうだ?気持いいだろー?」
「疲れが取れる気がするわよね」
「じわーっとしみますなぁ、ってミサカはミサカはのんびり」

だからなぜ見えているかのようなタイミングで声を掛けられるのか。
とにかく彼の人生初の温泉は…

「まァまァ…いいンじゃねェの…」

「おー、あなたも気に入った?ミサカも気持よくてただいま顔しかお湯から出ていません」
「打ち止めー、おっぱいも出てるじゃーん?この成長期め」
「いやね愛穂ったら。どこかの中年オヤジみたいなこと言わないでちょうだい」
「そうだそうだー!だいたいヨミカワの方がびっぐでらーじでぽよんぽよんなんだからね!って
ミサカはミサカは一緒にやろうと誘ってみる」
「こういう所じゃ泳ぐのは良くないんだけど…、他に人も居ないし、いっか!」
「子供ね二人とも…」

(………)

賑やかな同居人達の声をBGMに、ゆったりと足を伸ばす青年だった。
323 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/01(月) 00:07:16.96 ID:fMw+edZ20
女湯の方は三人だけらしいが、男湯には少し経ってから二人づれの客が入ってきた。
彼らは女湯から聞こえるあられもない会話を気にして、苦笑いで顔を見合わせている。
チラチラと仕切りに視線を向けていたが、赤い瞳と白い髪の青年が
自分達を射殺しそうなほど睨んでいるのに気づき、ぎょっとしてその場から移動した。

「ふン…」

「あなたーそろそろ上がりましょうだってー」
「おォ」

隅で縮こまっていた二人づれが、
女湯から聞こえてきた打ち止めの「あなた」にぴくりと反応した。

(嫁さん?)
(あの若さで…、でも声もえらい若かったなぁ?)

ごく小さな内緒話で二人は聞こえていないものと思っていたが、
それは一方通行の耳にしっかり届いている。
しかし、彼はもう二人の方を見ることもなく湯から上がって出て行った。

「おぉ、ちゃんと浴衣着られたじゃん。合わせが逆とか、
帯がリボン結びだったら面白かったのに」
「空気を読みなさいよ一方通行。男はあなた一人なんだから、
家族旅行においてはその役割は重要なのよ?」
「きゃーきゃーあなたの浴衣姿だーきゃー!ってミサカはミサカはハイテンションっ」
「うるせェ…、特に芳川は俺に間違った常識を刷りこもうとしてンなよ」
324 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/01(月) 00:09:33.80 ID:fMw+edZ20
合流した四人は庭園や旅館の周囲を散策したり、土産物屋で買い物をして
夕食までの時を過ごした。打ち止めは大きな池の鯉に餌をあげて、
「ウチの金魚ちゃんもここまで大きくさせる」と言っていた。

土産物屋では、何に使うのかさっぱり分からない小物やお菓子、おつまみを買い漁る保護者達に、
しばし圧倒される一方通行。杖をついている彼に、容赦なく荷物が手渡される。
ふと打ち止めが赤い髪飾りを手に取ってじっと見ているのに気づく。
赤と金の細かい細工が施され、揺らすと飾りどうしが触れ合ってシャラシャラと音が鳴った。
学園都市ではあまり目にしないデザインだ。一方通行は彼女の傍に近寄り、
無言で髪飾りを手から拾い上げてレジへ向かう。
包装を断って戻ってくると、打ち止めの右耳の上あたりにきゅっとつけてやった。

「あ、ありがとう…、似合うかな?」
「それなりにな」
「えへへ…、嬉しいな、ってミサカはミサカは宝物にさせていただきます」
「大げさなやつだなァ…」
325 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/01(月) 00:12:37.29 ID:fMw+edZ20
夕焼けが迫ってきたころ部屋に戻ると、テーブルには所狭しと豪勢な夕食が並べられていた。
簡単な準備だけ仲居にやってもらうと、水入らずで楽しみたいからと断って退席してもらう。
黄泉川の音頭でいただきますの合掌を終え、四人はさっそく箸を手に取った。
もっとも、黄泉川と芳川はなにはともあれビールだったが。
いや、ビールだけではない。日本酒、焼酎も瓶で何本か用意されていた。

「なンだよこの大量の酒はァ…、いくら何でも飲みきれねェだろ…」
「あははは、ついつい頼みすぎちゃったじゃん」
「大丈夫よ、君も手伝ってくれれば片づくわ。飲めないことないんでしょ?」
「……、別にいいけどよ」
「ミサカもちょっと欲しいなー…」
「絶対だめだ」
「やっぱりぃ?」

季節の山菜と海の幸、珍しい雉や鹿の肉。そして、酔っぱらう保護者達。

「打ち止め…、ピーマン食べられるようになったんだな…、あんなに嫌いだったのに、
うぅ、大きくなったじゃん。本当に成長したじゃん」
「ヨミカワ、これそら豆だよ?ピーマンじゃないよ。大丈夫?」
「ふふふ、ははははは、そら豆でもないわよ。それはグリーンピーシュよ。
愛穂の馬鹿、大馬鹿はははふふ」
「……、あなた、なんか二人ともいつもより変だよ、ってミサカはミサカはちょっと怖い」
「旅行っつぅことで普段より盛り上がってるだけだろ。相手にしなくていいぞ」
326 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/01(月) 00:15:09.95 ID:fMw+edZ20
黄泉川と芳川の手は休まることがない。
料理も酒も順調に消費されていき、酔いも順調に進んでいった。
打ち止めはちょっと怖くなってきた二人から離れて、一方通行の隣に座る。
保護者達ほどではないが、彼もグラスに焼酎を注いでは傾けるのを見て、
不安定ながらも瓶を持ってグラスに足してみた。

「気をつけろよ」
「ん…、ミサカお酌ってやってみたかったんだ。おいし?」
「まずくはない」
「やっぱりちょっとだけ欲しいよ、ってミサカはミサカはおねだり」
「…、一口だけな」

一方通行の飲みかけを、大仰に両手で受け取る打ち止め。
ゆっくりと、恐る恐る口に含んでごくりと飲みこんだ。

「どォだ?」
「…まずくは、ないね」
「ククっ、無理すンな、顔がブサイクになってンぞォ?」
「喉が熱い〜、お、お水…」

その後も、ちょくちょくと青年のグラスにお酌をする打ち止めは、
この行為が大人っぽくて、恋人っぽくて楽しかった。
だから手にした一升瓶が、いつの間にかだいぶ軽くなっていたことにようやく気がついたのは
一方通行の腕が肩に回されたそのときだった。

327 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/01(月) 00:15:09.96 ID:fMw+edZ20
黄泉川と芳川の手は休まることがない。
料理も酒も順調に消費されていき、酔いも順調に進んでいった。
打ち止めはちょっと怖くなってきた二人から離れて、一方通行の隣に座る。
保護者達ほどではないが、彼もグラスに焼酎を注いでは傾けるのを見て、
不安定ながらも瓶を持ってグラスに足してみた。

「気をつけろよ」
「ん…、ミサカお酌ってやってみたかったんだ。おいし?」
「まずくはない」
「やっぱりちょっとだけ欲しいよ、ってミサカはミサカはおねだり」
「…、一口だけな」

一方通行の飲みかけを、大仰に両手で受け取る打ち止め。
ゆっくりと、恐る恐る口に含んでごくりと飲みこんだ。

「どォだ?」
「…まずくは、ないね」
「ククっ、無理すンな、顔がブサイクになってンぞォ?」
「喉が熱い〜、お、お水…」

その後も、ちょくちょくと青年のグラスにお酌をする打ち止めは、
この行為が大人っぽくて、恋人っぽくて楽しかった。
だから手にした一升瓶が、いつの間にかだいぶ軽くなっていたことにようやく気がついたのは
一方通行の腕が肩に回されたそのときだった。

328 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/01(月) 00:18:29.03 ID:fMw+edZ20
「打ち止め」
「な、なに?わぁ!?」

一方通行は何も言わず、両手で彼女の腕を掴んで引きよせながら畳に倒れこんだ。
手と足でがっしりと少女を抱え込み、あろうことか浴衣の前合わせの部分に顔を押しつける。
打ち止めはじたばたと暴れたつもりだったが、あまりに強く抱きしめられていて、
実際は大して動けていない。

「あらぁ?愛穂、ウチの子が二人とも消えちゃったわよ。
事件よ、アンチスキルの出動よ」
「助けてヨシカワ!この人も酔っちゃったみたわぁぁぁやっぱり来ないで
助けなくていいです!ってちょっとー!?」
「なにどうしたじゃん打ち止め……あははー」

一方通行は打ち止めの浴衣に噛みつき、ぐいぐいと引っ張り、
あらわになった素肌にさらに顔を埋めていた。そんなことをすれば呼吸が苦しくなるのは当然で、
だからといって離すこともなく、深呼吸のように吸っては吐いて…、
打ち止めの胸は彼の息で湿っていく。

「もーもー離してぇ!って言ってるのに!二人とも見てるよ!?」
「ラストオーダァ…」
「だからなに!?」
「……」
「もおぉぉー…」

329 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/01(月) 00:22:56.30 ID:fMw+edZ20
一方通行は打ち止めを抱き枕にしたまま離す気配がない。
保護者達も笑いながら見ているだけだ。
この場で正気なのは自分だけなんだ、そう思うと無性に寂しくなってくる少女。

「誰でもいいからミサカをたすけてよぉっ」
「わーん、つー、すりー、いっぽーん!一方通行の勝ち〜」
「ふふ、こらこら愛穂、これはプロレスでも柔道でもないのよ。
待ってて打ち止め、今一方通行をどうにかしてみるから」
「ヨ、ヨシカワぁ…お願い〜」

芳川が一方通行の背中の帯を両手で引っ張る。びくともしない…
頭をバシバシとはたいてみる。無反応。

「だめねぇ…、もうこのままでいいのじゃないかしら、はははうふふふふ」
「いやー!もうちょっと頑張って!ってミサカはミサカは諦めが早すぎるヨシカワを応援!
あ、あなた頭動かさないで…っ」
「仕方ないわね。ほら愛穂手伝って」
「えーせっかく面白いのに〜」

黄泉川が渋々、よろけながらも先ほどの芳川のように一方通行の帯を引っ張ると、
腕も足も打ち止めから離れることなくズルズルと畳の上を二人一緒に引きずられていく。
帯は解けかけ、浴衣も畳に擦れてほとんど脱げている。
それなのに一方通行は打ち止めを離さない。それを見て黄泉川、芳川はさらに爆笑。

「うふふふふ愛穂、こっちよこっち。ふふ、もうここに寝かせておきましょう」
「あいよー、…よいしょっと!はい、ちゃんと布団で寝るじゃん」

くっついたままの二人は、既に敷布団が敷かれた隣の寝室まで引きずられて放りこまれた。
そして無情にもふすまは芳川によってぴしゃりと閉められる。
打ち止めは引きずられている間に、いろいろと諦めていたのでもう何も言わなかった。
隣からは酒盛りを再開する大人二人の声が聞こえてくるのみ。

「ふふふふふ、やっぱりお酒は心の内をさらけ出すものね。
今日は面白いものが見られたわぁ。あれでこそ家族旅行の男ね、よくやってくれたわ」
「あはははは桔梗写真撮ったか?後で見せてほしいじゃん!」

(心の内……)

「あなた?」
「……」
「ミサカどこにも行かないよ?」
「ン」
「うん……」

330 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/01(月) 00:31:34.10 ID:fMw+edZ20
次回もまだ温泉です。
打ち止めにお酌されて嬉しい一方さんは、ついつい飲みすぎてしまいました。
浴衣のー君ーはーススキのーかんざーしー
もう一杯いかがなんてー妙ーぉにー色っぽいねー
331 :嘘次回予告の人()[sage]:2011/08/01(月) 00:39:29.47 ID:YZqEUPFJ0
乙〜 ネタ潰しになってたらいつでもやめるで言ってね

次回は『女二人の甘い蜜月』だよってミサカはミサカは(ry
332 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/01(月) 00:43:04.96 ID:fMw+edZ20
>>331
こええ〜…ww

333 :嘘次回予告の人[sage]:2011/08/01(月) 01:01:29.26 ID:YZqEUPFJ0
蜜月。親密な関係にあること

>>332 何も。問題は無いはず
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/01(月) 01:34:19.39 ID:rimwb52DO
乙乙
コンデンスミルク吐いた

>>331
>>1以外はあんま名前欄使わない方がいいと思うぞ
おせっかいだったらすまんが
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/01(月) 02:43:26.96 ID:reDbwsYyo
おつ!
くそっ羨ましい...!

>>1以外の名前欄は止めとけと俺も思うぜ
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/08/01(月) 18:12:10.88 ID:pO+FJE/ro
>>330
ぼくはすっかり〜酔っちまって〜
きみのおっぱい枕にィ〜うっとり〜

>>1乙杯
打ち止めにお酌されたり、おっぱいに顔埋めて寝たり……
一方さん爆発しろ
打ち止め抱き枕は安眠できそうでいいなァ
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/01(月) 22:03:19.72 ID:sJS8eDu60
甘いなぁ。。久々にこんなんに純粋な純情SSみたよ。番外通行も好きだったけど、やっぱ本妻は格が違うな。

>>331 名前欄は辞めとけ。荒れる元になるぞ
338 :ブラジャーの人2011/08/02(火) 00:09:23.22 ID:uFJEIPk+0
純粋で純情…!?まじで嬉しい。まだ少女漫画あきらめなくていいのか?

>>336
拓郎にノってくれて嬉しいよ。果たして禁書ユーザーに「旅の宿」が通用するのか不安でしたからね。乙杯かァ…、上手いこと言うわぁ…
そろそろ一方さんも爆発しろって言われるかな、とは思ってた。

>>331>>315がさ、微妙に当たってるんですよ。
「妖怪さとり」かと思ってびびったww というわけで、過去最高のイチャイチャ投下。蜜月蜜月
339 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/02(火) 00:15:04.25 ID:uFJEIPk+0
青年は暗闇の中、目を覚ます。体が異様にだるくてすぐには起きられない。
何度か深呼吸して周囲の状況を確認しようとした時、腕の中に打ち止めがいることを知った。
今日は黄泉川も芳川も同じ部屋にいるというのに自分は何をやっているのか。
吸いこんだ息を注意深く吐き出し、闇に慣れた目を配れば二人とも布団など関係なく無造作に転がって眠っていた。
黄泉川に至っては一升瓶が枕である。
だんだんと記憶が甦ってきた一方通行は、打ち止めを起こさないようにそっと体を持ち上げた。

(……何やってンだ俺は…、この二人も酔っぱらっててくれて助かったぜ…)

振った頭がフラフラする、グラスが空になる度に打ち止めが酒を注いでくるので、
つい飲み過ぎてしまったらしい。体調はご覧のあり様だし、酒臭い…。
脱げかけた浴衣を整え、電極のスイッチをONにして急速にアルコールの分解を行う。
一分ほどしてスイッチを切り、三人が起きないように気をつけてふすまを開けた。
アルコールはまだ残っているようだが、これくらいなら問題ないだろう。
夕食を取った部屋に転がったままの杖を拾い、時計を確認すると時刻は深夜二時過ぎだった。

(確か露天は二十四時間入れるンだったな…)
340 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/02(火) 00:21:31.66 ID:uFJEIPk+0
「はァー…」
きっと、打ち止めを抱きしめたまま何時間もあの姿勢でいたのだろう。
この間の膝枕の反省は少しも活かされていない。薄暗い露天風呂の中で、自然石に背を預けて体をほぐす。
目を閉じた直後、脱衣所への引き戸がカラカラと開かれる音がした。

(っチ、誰だよこンな夜中に入ってくるヤツは。他の客はかなり少ねェはずなのに、よりによって…)

せっかく一人でゆっくりしようと思っていたのに、と一方通行は
さらに奥へと身を隠すように移動した。今は誰の顔も見ないでいたい。

湯の中に人が入ってくる気配がしたが、どうもおかしい。
パシャパシャという水音が途切れることなく移動し続けている。
そしてそれ以外のある音が耳に入ったとき、思わず目を開いた。
シャラシャラと、金属が触れ合うような音がする。これには聞き覚えがあった。
今日、土産物屋で買った髪飾りの音ではないか?

「打ち止め?」

「あ、いたいた。こんな隅っこにいたのね、ってミサカはミサカはこっちは広いし暗いし、ちょっと怖かったよ」
「……何してンだオマエ」

入ってきたのは他の宿泊客などではなく、なんと打ち止めだった。
彼女は両手を底につけて、泳ぐように近づいてきて一方通行の隣に身を落ち着けた。
髪は買ってやった髪飾りで器用に纏め上げられていて、
白い湯に隠れているとはいえ、体にはタオルのひとつも着けていないことが分かる。

「あなたのあとを追っかけてきたの」
「ここは男湯だぞ?」
「大丈夫だよ、あなたの他には男の人のお客さんは四人しかいないんだって、って
ミサカはミサカは仲居さんから聞いてた情報を公開してみる」
「そォいう問題じゃねェ」
「今日はミサカね、あなたの傍にいたい気分なの。一緒のお風呂に入るのはすごく久ぶりだね」
「………」

341 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/02(火) 00:29:17.45 ID:uFJEIPk+0
一方通行の頭に、意識を手放す前に聞いた言葉がよみがえる。


『ミサカどこにも行かないよ?』


もしかしてこの少女は……

「俺に気を使ってこンなことしてるンじゃねェだろうな」
「んー…、使ってないと言ったらウソになるけど、本当に、普通に、あなたと一緒にいたいのも
ウソじゃないからね、ってミサカはミサカは正直な気持ちを伝えてみる」

「…そォかよ」

お互い、そう思っているのなら、別にいい。
こうして近くにいたいと願うのは自然なことだろう。しかし…

「ちょっと大胆すぎたかなぁ…」
「ちょっとどころじゃねェなァ…」

随分と思いきった行動だ。何度も言うが、ここは男湯である。
真夜中とはいえ、一方通行以外の男性が入ってくる可能性はゼロではない。
夜の露天風呂は照明が少なく薄暗いのと、にごり湯であることが幸いしている…と言っていいのか、
打ち止めの体は肩までしか見えないが、全裸は全裸だ。


「あんまり、じっと見ないでほしいんだけど…」
「見せるために入って来たンじゃないのか?どうせ湯につかってりゃ見えねェけど」
「そりゃ絶対見せません、というわけじゃないけど、ってミサカはミサカは複雑な乙女心に、我ながら苦労してみたり」

ますます体をかがめて、少女は顎までも湯につかってしまった。
一方通行は手を伸ばして打ち止めの頭に触れ、シャリシャリと指先で赤と金の飾りを弄った。
これで髪を纏めているため、普段は隠れているうなじや耳がよく見える。

「ああ、髪を濡らしたくなかったから…」
「ふゥン…」

青年は体の向きを変え、顔を彼女の頬に寄せて、そっと触れるだけのキスを首や耳、うなじに落としていく。
いつも鼻先をくすぐる髪の香りが遠いことや、それを手ですくってよける必要がないのが新鮮だ。
ついつい強く吸ってしまいそうになる。

「あなた…、ねぇ」
「なンだ」
「くち…、普通のちゅーも、キスもして…」
「ン…」
342 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/02(火) 00:33:58.48 ID:uFJEIPk+0
口づけを交わしながら肩を抱き寄せると、湯の中で軽くなった打ち止めの体はふわりと簡単に浮いた。
お互いの手が背中や腰に触れる直前、かき回された湯が揺らめいて体を撫でていく。
不思議な感覚だ、こんな広い風呂で、お湯の中で、誰かとこうして抱きしめ合うのは。
ゆらゆらと、たゆたうお互いの体を安定させるため、
一方通行はさっきまでもたれていた岩に、今度は打ち止めの背を押しあてた。
さらに打ち止めの腰をつかんで持ち上げ、お腹あたりまでをお湯から上に出す。
滑らかな肌の上を、水滴がしたたっていった。
今まで隠していた所が急にあらわにされて、少女の頬は赤くなったが、両手は一方通行の肩に置かれて抵抗はない。

「声、あンまり出すなよ…」
「っ……」

期待は…、していないわけなかった。

また、以前のように気持よくしてほしいという下心があったからこそ、こうして裸で彼を追いかけてきたのだから。
343 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/02(火) 00:39:48.69 ID:uFJEIPk+0
膝立ちとなった打ち止めの体を下から見上げる。
こうして視界のきく場所で彼女の裸を見るのは二度目だ。
一度目はベッドで仰向けに横たわる体を、朝日に照らして見たのだった。
今のように仰向けになっていない打ち止めの胸はより一層丸みを帯びていて、
肩を除けば体のどこよりも早く水が滑り落ちて、早くに乾きそうだった。

一方通行は、自分も身を乗り出して打ち止めの腹に舌を這わせ、そのまま胸へ向かって登らせていく。
打ち止めがその舌の感触に気を取られているうちに、両手で乳房をわし掴んだ。
覚悟していたのよりも早く、異質な感触を与えられ、少女の体がぴくりと跳ねる。髪飾りも震えてシャランと鳴った。

指で様々な刺激を与え、少女の息がだんだんと上がっていくのを実感する。
こうして自分の愛撫が効果的に作用していることを純粋に嬉しいと思う。もっと、彼女を喜ばせたい。
親指、人差し指、中指で両胸の突起をこね回す。
分かりやすい性感帯を集中的に責められ、打ち止めはたまらず声を漏らす。
ただここは露天の、しかも男風呂だ。彼の言い付けを素直に守って、くぐもった吐息に混じらせた。

「!…ん、ん、ふ…は、ぁ」

反射的に体は前かがみになろうとするが、一方通行が指の動きはそのままに、少女を岩に押し戻す。

「ぁっ、〜〜」
「そォそォ、声…我慢な…。じっとしてろよ…」

やがてすぐに舌も胸までやってきて、指と一緒になって乳首を可愛がった。
一方通行の肩に置かれた打ち止めの手が、震えて強く握られる。

いい気分だ。
彼女は今、自分が与える快感に支配されている。そう思うと、言い知れぬ満足感が彼を満たす。
344 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/02(火) 00:44:32.09 ID:uFJEIPk+0
口だけ離して、どんな表情をしているのか見てやった。
打ち止めは顔を背けて目をぎゅっと閉じていたが、胸から彼の口が離れたのに気づいて、そっとまぶたを上げる。
一方通行と視線が合い、カっと頬が熱くなった。
打ち止めの顔からは、恥ずかしさ、喜び、快感、色んな感情が読み取れる。
目は「恥ずかしいから顔を見ないで」と語っていたが。

「こっち向け」
「や、あ、んん」

一方通行は打ち止めの顎を持って強引に正面を向かせ、最初から舌を差し入れるキスをした。
今度は口内を這いまわる舌に少女が気をとられている隙に、
するりと右手を湯の中に戻して、彼女の足の付け根に潜り込ませる。

「あっ」
「こら足閉じンな」
「だって」
「ほら…、湯の中なのにすげェなァ?ほら」
「っ…はぁ、は、はぁはぁぁ…ぁっ」

ぴっちりとくっつけられた太ももに挟まれた一方通行の手だったが、
あきらかに湯とは違う、ぬめる液体を湛えた少女の秘所は、指を動かせば簡単に滑らせることができた。
打ち止めは、これから訪れる快感の記憶を思い出してしまい、心と体が期待に膨らむのを抑えられない。
彼の指がぬるぬると蠢く度に出てしまう声を、大きくしないように呼吸を急がせた。

ゆるゆると下半身に込めた力を抜けば、見計らったように左手も忍び込んでくる。
キスされながら、胸や腹を舐められながら、
彼の両手はせわしなく、時にゆっくりと、そこを責めることを止めない。
少女の体が一層大きく跳ねて一方通行の胸に倒れこむまで、前回よりも時間はかからなかった。
345 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/02(火) 00:50:49.84 ID:uFJEIPk+0
大人の階段(途中まで)のーぼるー

大変申し訳ありませんが、次回もまだ温泉という…



346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 00:54:09.27 ID:+idZ2tyc0
名前欄の件は誠に申し訳ないです、反省してます
乙〜
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 04:54:05.32 ID:2ZTID2gDO
…ふぅ

>>1
温泉を最大限満喫してるな
うらやまけしからん
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 13:31:29.15 ID:viGnDCJ2o
この一方さんマジ爆発しねえかな
うらやましすぎてちくしょうこのリア充!
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/02(火) 14:42:31.16 ID:mRNUPkKCo
おいおい公衆の露天風呂で何してんだかwwwwマナー違反ですぞww厳重注意でござるwwww
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 21:02:40.16 ID:BXmfF1KIO
>>349
よし、ちょっと露天風呂まで注意してくる
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage]:2011/08/02(火) 21:36:42.97 ID:WXBrFWx+0
おい、肉片が落ちてるけど何かあったのか?
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 22:53:10.63 ID:XSZFshlF0


おいこいつら…まだ童貞と処女なんだぜ…
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 23:24:33.73 ID:j8nBUrVQo
>>345
君はまだ〜シンデレラっさっ

>>1乙。純愛いいなァ
一方さんが打ち止めの大事な所さわる時にいつも、テンション上がり気味で「すげェなコレ」
みたいな事言うのが笑えるw
354 :ブラジャーの人2011/08/03(水) 01:43:23.40 ID:A2kxXXXi0
>>350
あ、まだ来ちゃだめ…と思ったけど、ベクトルセコムが反応したみたいですね。

>>353
自分でもうわけわからなくなってまったんですが、これは純愛してるんでしょうか。

では、打ち止めの総攻撃開始。
355 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/03(水) 01:58:08.30 ID:A2kxXXXi0
大きな波が去った後、打ち止めは一方通行の腕に抱かれて呼吸を整えていた。
彼の手が気遣うように背中を撫でてくれて心地いい。ときどき余韻が不意に訪れて、まだ体が震えてしまう。
どうしようもないのだが、彼が見ていると思うと恥ずかしさがぶり返す。
それを振り払うように荒い息を吐きながら顔を上げれば、赤い瞳と目が合った。

「大丈夫か?」
「…はい、だ、いじょうぶデス…」

可愛らしい鳴き声を我慢しながら自分の指で達した少女は、直後、体を支えることも出来ずに倒れこんできた。
纏めあげた髪がほつれて、いくらか湯にひたっている。
ドクドクと早い鼓動が胸から胸に伝わってくる。
時々小さく体が震え、それを恥ずかしそうにして顔を俯かせる。
その様子、仕草すべてが、一方通行の心をくすぐった。

くすぐったのだが、ここはいつ誰が来るとも知れない旅館の露天風呂で、しかも男湯である。
こんな夜空の下で、あられもない、我慢しきれないであろう声が響く場所では、これ以上どうしようもなかった。

(ゴムもねェしなァ…、またかよ…)

泣く泣く、突き上がってきた欲望を無理やり押さえ込めるため、
打ち止めの背中から右手を離してチョーカーに触れようとした時、彼女がそれをさえぎった。
あらかじめ彼の行動を予測していなければ不可能だったろう、
まだ力が戻らない腕をよろよろと伸ばして、青年の手を掴んだ。
356 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/03(水) 02:02:19.83 ID:A2kxXXXi0
「…?、オイ」
「…待って、ってミサカはミサカは、あなたに」

打ち止めの表情が、さっきまでとガラリと変わっている。
切ないような、責めるような、求められているような、こんな不思議な表情は初めて見る。
思わず目を丸くして見つめてしまう。
だんだんと、打ち止めが近づいてくるのに、一方通行は動けなかった。

「目開けたままなの…?」
「!……」

言われるままに瞼を下ろすと同時に、彼女からキスされた。
両手で頬を挟まれて、いつになく積極的に舌が入ってくる。
様子が変なことは分かるが、どう対応するべきなのか判断がつかない。
少女にいいようにされて、情けないことに一方通行はそのまま流されてしまいそうになる。
打ち止めの舌が与えてくる快感に意識を集中させ、もう右手はチョーカーに触れようとはしなかった。
いつもと違う打ち止め。たった今見た彼女の裸と痴態、それらが一方通行の頭の中を駆け巡る。
打ち止めは彼の頬を押さえていた手を、その白い肌をなぞりながらするすると、ゆっくり降ろしていく。
白く濁った湯の中に入っても、その動きは止まらなかった。

まさかと思い、青年はのけぞってキスを終わらせ、少女の顔を凝視する。
目を開けた打ち止めは、彼を動揺させた表情のまま見つめ返してきた。

「オマエ」
「お願い…あなた」

357 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/03(水) 02:04:39.58 ID:A2kxXXXi0
その声はもはや、ほとんど息にかすれてようやく聞き取れるものだった。
いつもより低い、艶のある響きにどきりとする。
ついに彼女のちいさな手が青年の下腹部を通りすぎて、すでに興奮で昂っているモノに触れた。

(まさか、打ち止めが…!?おい…!?)
(すごい…、お湯より熱い気がする…)

(止めろよ、コイツの肩を掴んで引き離すだけだろォが)
(止められない…。いいんだよね?あなた、このまま触っててもいいんだよね?)

(!!っ、両手…っ)
(こんな太いの!?長いの!?どうやってこんなのパンツにしまってるの…?)

温泉の端で向かい合って目を合わせていた二人だが、ついに一方通行が眉を寄せて俯いた。

(痛そう?違う?もしかしてキモチいいの?)
(確かに、顔は見られたくねェ…、うわっ)

打ち止めは初めて触るそれの形や硬さ、手触りをよく確かめようと、根元から先端までをなぞって握る。
どくどくと脈打って、別の不思議な生き物のようだが、
時々びくりと跳ねるのと同時に肩も震えるので、間違いなく彼のものなんだと思う。

(どうしてこんな形になってるの?こんなの、本当にミサカの中に入るかな!?
……えー?なんかさっきより、太くなってる?硬い?)
(やばい、これはやばい。…やばいってェェェ!)
358 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/03(水) 02:08:04.80 ID:A2kxXXXi0
打ち止めは好奇心旺盛な少女だ。長年思い続けてきた最愛の人と恋人同士になれて、
体を弄られて全てを見られ、それなのにまだ最後の一線を越えられていないこの現状。
怖いことは確かなので、どこかで安心もしているのだが、心の底の方で
「知りたい」「実感したい」「あの人のこと、ミサカもさわりたい」という欲求があるのも偽りない真実だった。
そこに来てこの温泉旅行、そしてアルコールの力を借りてあらわになった一方通行の、願いとも言える抱擁。
保護者達の前だというのに、なりふり構わず抱きしめられて、
分かってはいたが、彼が自分を強く求めていることを実感した。
普通とは縁遠い日々を送ってきた二人だったが、
好きな異性をもっと知りたいと思う本能は、学ばなくても普通に持っていた。
特に打ち止めは、好奇心旺盛、なのだから。

「あなた、どう?…キモチいい…?」
「っ…」

(言えるかァァ!)

「びっくりした…。こんなになるんだね、ってミサカはミサカは興味深々で触ってるんだけど、大丈夫?痛く、ないですか…?」

何も言えないし、顔も見せられない一方通行は、両手を握りしめてガバっと打ち止めの肩をかき抱いた。

「あっ。……あの、もっと強く握った方がいい…?」

青年は何も答えなかったが、代わりに腕に力を込めた。それを肯定の合図と受け取って、
打ち止めは両手の動きをより強く早くすろ、さっき彼がしてくれたのをお手本に。
そうすれば、きっとキモチよくなってくれるだろうと思って。
359 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/03(水) 02:10:10.46 ID:A2kxXXXi0
打ち止めからは一方通行の顔は見えないが、息遣いや歯を噛みしめる音から、彼の様子が読み取れる。
何よりも、両手で摩擦を与えているものの反応が素直で分かりやすい。
それらに神経を配り、この行為を続けてどれくらい経っただろうか。
一方通行が大きく息を吸い込み、ぐいっと打ち止めを引き離した。温泉の湯が大きく揺らめく。

「?」
「はァ…はァ…はァ、ちょっと…はァ、あっち、向いてろ……っ!」
「え?わっ」

向いてろ、と命令した割には結局自分で彼女の腕と肩を掴んで、投げるよう体ごと反転させた。
そして能力を使用モードにして、すごい勢いで湯の中を駆けて出て行った。
途中からもう湯の上を走っている。
打ち止めが振りむいた時には、ガラガラバン!と脱衣所への引き戸が開けられる音が響いた後で、
上から、辺り一面に彼が巻き上げたお湯が大粒の雨のように降り注ぐのみだった。

360 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/03(水) 02:13:52.65 ID:A2kxXXXi0
『男なんて出さなきゃ意味ないんだから』

以前聞いた番外個体のセリフを思い出す打ち止め。湯から手をだしてじっと見てしまう。
思いだしてしまう、形とか、硬さとか、大きさとか。
あと苦しそうな呼吸や、びくりと震える一方通行の様子とか。

(だ、だして、るのかな?今…)

ここは温泉の中だし、打ち止めの前ではこういうことの弱みを見せたがらない彼のことだから、
ここでこんな風に果てるのは回避したかったのだろう。

とりあえず、待っていることにした。

三分、五分……

………

…………

(帰ってこないっ、ってミサカはミサカはもしかして待ちぼうけ決定!?)

どうしよう、お湯から出て彼を探すべきだろうか。
しかし、男湯に入ってくる時は脱衣所に置いてある浴衣と杖で、中に一方通行しかいないことを把握できたが、
でも出る時は違う。もしも他の男性客と鉢合わせしてしまったら…

そう逡巡しているうちに引き戸が開く音がして、ドキっとして岩の陰に身を隠す。
湯の中ををばしゃばしゃと歩く音は、まっすぐ打ち止めの方へ向かってくる。

「あっ、……おかえりなさい…」
「……」

「遅かったから心配してたの」
「……」

一方通行は何も答えずに少女の隣に腰を下ろした。ちなみにタオルを巻いている。
超高速で露天風呂から出た後、すぐに然るべき場所で然るべき処置を施した。
限界ギリギリだったのですぐに済んだのだが、どんな顔で打ち止めのもとに戻ればいいのか。
それに胸に込み上げてくるこの罪悪感、やるせなさ、そして興奮と高翌揚感。
その場にうずくまって頭を抱えていたら、いつの間にか時間が過ぎてしまっていたのだ。
さっきは焦るあまりに大きな音を出してしまった、。
男湯に中に打ち止めをいつまでも一人にしておけないので、とりあえずこうして戻ってきたのだ。
361 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/03(水) 02:16:57.63 ID:A2kxXXXi0
「あのぉ…お、怒ってる…?」

目も合わせてくれない一方通行が、自分に怒っているものと勘違いして、打ち止めが恐る恐る訊いてくる。
その声がいつもどおりで、一方通行は内心ほっとした。

「いや…、怒ってねェよ」
「なら、よかったんだけど、ってミサカはミサカは元気がなさすぎるあなたを心配してみる」

打ち止めは一方通行の腕にしがみついて体を浮かし、彼が湯の中でしていたあぐらの上に座った。
底が浅くなったせいで、際どいところまで胸が出てしまうが、さすがに今日は今更だと彼女も思う。
青年の両手が、湯の中で彼女の背中と足を支えれば、いわゆるお姫様だっこの状態だ。

「おぉ、そうかこういう水の中なら、あなたに軽々と抱っこしてもらえるのね、って
ミサカはミサカはいいこと発見した」
「しょっちゅうあってたまるか、…、こンなこと」
「あ、やっとミサカを見て喋ってくれたね」
「実は気まずいのを我慢してるンだが」
「ミサカも実は自分の行動にびっくりしてるの」
「…、まァ余裕しゃくしゃくでいられるよりマシだな…」
「まだ、どきどきしてるよ。だって…、熱くてお」
「やめろ、その話はするンじゃねェ」
「はーい」

しばらく他愛無い会話をして、お互い疲れてしまった体を休めていた。
打ち止めは一方通行の胸に顔を埋めて、背中や足を撫でてもらってリラックスしている。
だんだんと、いつもの調子を取り戻した一方通行も珍しく饒舌だった。

そろそろ戻るか、そう言われてがっかりした表情の打ち止めだったが、
「俺だってまだ戻りたくねェけど、そろそろまずいだろォが」と一方通行に苦笑いされて、すぐに笑顔になった。

「いつかまた二人で温泉はいろうね、ってミサカはミサカは約束してみる」
「いつか、な」
362 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/03(水) 02:20:34.42 ID:A2kxXXXi0
黄泉川家の温泉旅行の巻 完

これで通行止めの新婚旅行は世界温泉巡りに決定ですね。
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/08/03(水) 04:43:32.21 ID:WicVOFzAO
うっ……ふぅ……

>>1乙!
>>352
おいおい冗談はよしてくれよ……あれ?
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 05:05:03.85 ID:M8YfMbHo0
ここまでパイズリ無し
よーしパパ怒っちゃうぞー
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 14:49:43.40 ID:ywUnmMODO
>>1乙!

今のうちに童貞処女ライフを満喫しとけばいいと思うのね
どうせなくなるんだから
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 15:24:30.92 ID:7I0lt3FNo
自然に童貞扱いされてるが童貞なんだろうか
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 15:39:02.72 ID:iZag6OLz0
乙〜 このお湯は濁り湯。さすが>>1わかってる
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/08/03(水) 21:54:16.83 ID:Ss+Eqa9n0
さすが第1位 ものすごい然るべき処置が出来るんだろうな
369 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/03(水) 23:02:00.66 ID:p5jZiypL0
>>366
ははは、そこに気づきましたか。
童貞って明言されてないもんね。どうなんだろうね。
370 :ブラジャーの人2011/08/04(木) 00:39:48.62 ID:Tqt2NIHJ0
第一位せっかく車買ったのに全然乗ってねぇと思って、久しぶりにポルシェが登場します。
371 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/04(木) 00:41:31.14 ID:Tqt2NIHJ0
ある夏の夜、一方通行はいつものようにポルシェのキーを持って玄関へ向かった。
チャリチャリとキーを鳴らして靴を履いていると、背後から不満を隠そうともしない少女の声がする。

「また一人でドライブ行っちゃうの?ってミサカはミサカは一緒に連れてってよとお願いしてみる」
「まだ起きてたのか。オマエは明日学校があるだろォ?もう寝ないと起きれねェぞ」
「ちょっとだけなら大丈夫だよ」
「俺はちょっとで戻るつもりじゃねェンだよ。夜の方が他の車がいなくて走りやすいからなァ」
「ぶーぶー、ってミサカはミサカは連れてってくれないあなたに非難のまなざしを送ってみる」
「そう言うな。明日はオマエと一緒に行く。学校終わったら電話しろよ、迎えに行くから」
「うー…、じゃあ許してあげる、あとね…」

行ってきますのちゅうをしなさい、と命令されて、
一方通行は保護者達の気配がないことを確認してからそれを遂行した。
372 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/04(木) 00:44:52.25 ID:Tqt2NIHJ0
打ち止めも一方通行も、今は長い夏休みの真っ最中だ。
ただ打ち止めは中学三年生なので、受験のために夏期講習が行われるので、こうして休み中も学校に行かなければならなかった。
二人が特別な関係になってから初めての夏休みなのだが、二十四時間ずっと一緒に居られるわけではないのである。
それに、一方通行はこうして度々打ち止めを置いて、一人でドライブへ出掛ける。
だいたい彼女と二人ですごしたいがために買った車だったが、純粋に走らせる面白さに目覚めてしまったらしい。

打ち止めが部屋に戻って窓を開くと、彼が運転するポルシェがエンジンと四本のマフラーから、
やかましい音を出して道路を走り去っていくのが見えた。
無機質なはずのそのボディから楽しそうなオーラというか、雰囲気が伝わってくる。

(あの人ったら、本当にドライブが好きなのね、ってミサカはミサカはポルシェちゃんにちょっとヤキモチやいちゃう。
明日はミサカたくさんワガママ言ってやるんだから)

そう思いつつも、打ち止めはハンドルを握る一方通行が好きだった。
楽しそうだし、車内という狭いところに邪魔されないで二人きりでいられるし。

(それに、運転中のあの人は、カッコイイし…。でも抱きつけないのがタマにキズ。
……そうだ。うっふっふ〜ミサカいいこと思いついちゃった!そうとなったらすぐ寝よう、さぁ寝よう!)


この少女は一体なにを思いついたのか。
いそいそとベッドに入って明かりを消し、今頃はどこを走っているのか分からない恋人におやすみの挨拶をしてから眠りについた。

373 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/04(木) 00:49:02.78 ID:Tqt2NIHJ0
次の日、約束どおり一方通行は夏期講習を終えた打ち止めを迎えにやってきた。
昇降口まであのうるさいエンジン音を轟かせるのはさすがに目立つので、校門を出た道路の路肩で待ち合わせをする。
左ハンドルのポルシェは車道側が助手席になるので、一方通行の合図を待ってから急いで乗り込んだ。

「さて、どこに行きたいンだ?」
「んーとね、そうだなぁ…そうだ、まずお昼ごはんにしようよ。あなたはもう食べちゃった?」
「いや、どうせオマエがそう言うと思ってまだだ」
「いやーん、あなたってばミサカのこと考えすぎよ、ってミサカはミサカは照れちゃう」
「アホ。どこで食うかなァ…」
「…番外個体のお店に行こうよ!ミサカあそこのサンドイッチ好きだもん」
「エー…」
「そんな顔しないで、さぁさぁしゅっぱーつ!」


「おや第一位とお姉ちゃんじゃないの。仲良くデートぉ?」
「わーい番外個体いたーっ、てミサカはミサカはいつものサンドイッチが食べたいよー」
「俺もそれでいいわ」

二人は番外個体がアルバイトしているカフェへとやってきた。打ち止めはここの常連客である。
屋外にテラス席もあるが、暑いので室内のテーブルへ座ると、番外個体がまず水を持ってやってくる。

「運がよかったね、さっきまでランチのお客さんで混んでたんだ。最終信号は制服だけど、学校だったの?」
「うん、夏期講習。さっき終わってこの人に迎えにきてもらったところだよ」
「へぇー、そういえば受験生だもんね。…せっかくの夏休みなのに寂しいねぇぇ?」
「……さっさと仕事してろよ、さぼってンな」
「ね、ね、番外個体、今はお店大丈夫なんだよね、ってミサカはミサカはちょっとお話があって、こっちこっち…」
「ん?ちょ、最終信号?」

打ち止めは番外個体の手を引いてこそこそとカウンターの向こうへ消えていき、
後に残された一方通行は、グラスに口をつけながらその光景を見送った。
374 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/04(木) 00:51:13.10 ID:Tqt2NIHJ0
(……そォいえば、打ち止めのヤツ、番外個体に俺達のこと喋ってねェだろうな…?
あっちが勘づくのは仕方ないとしても、まさか自分からイロイロと教えるようなマネしてたりとか…)

最近覚えたマッサージとか、この間の温泉旅館での出来事とか、
その他諸々の、イロイロなことが頭をよぎる一方通行であった。

サンドイッチが運ばれてくる頃、打ち止めがニコニコしながら戻ってきた。
美味しそうにそれを食べながら、一方通行に次の行き先を提案している。
その様子からは、彼が心配していた情報の漏洩は感じられなかったので、一安心というところだ。
やがて番外個体がデザートを運んできて、二人の前にクリームたっぷりのケーキを置いていく。

「俺は頼ンでねェだろ」
「さ・あ・び・す。ぎゃはっ」
「…だからここには来たくなかったンだよなァ」

しぶしぶとケーキにフォークを刺す第一位。文句を言いながらも結局食べるのでサービスされるというのに。
打ち止めが可笑しそうに一方通行を見て笑っていた。
375 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/04(木) 00:55:11.78 ID:Tqt2NIHJ0
とりあえず以上です。
ナチュラルにいってきますのキスをする一方さん。
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 01:11:31.37 ID:2i+HB0cV0
乙〜 『ブラックコーヒー、滅びました』
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 01:49:53.70 ID:uSEkcgNdo
おつ!
個人的には童貞じゃねえほうがいいかな打ち止めの負担的に考えて!!
んで車のなかでのアレコレはまだなの?
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/08/04(木) 02:21:10.77 ID:7K/JqTqAO
乙ー
……まじかそうか一方さん童貞じゃないのか
まあ確かになんかこなれてるしなあ
個人的には童貞処女の初々でもいいと思うけどまあそれは>>1次第で
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(秋田県)[sage]:2011/08/04(木) 12:29:15.58 ID:r5fQQAPN0

バッカ>>1はどっちでもとれるようにぼかしてんだから泳がせろよ
どう転んでもおいしいようにネタを料理しているはずだ
おとなしくいただきますの準備してようぜ
380 :ブラジャーの人2011/08/05(金) 00:04:05.35 ID:qbgwZJPk0
さぁ、どっちなんでしょうね?作中で明かされるのかどうかもわかりませぬ。

じゃ続きいきます。
381 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 00:07:44.17 ID:qbgwZJPk0
昼食後、一方通行と打ち止めの二人は適当に街中をドライブし、そして人気のない森林公園の池を望むベンチで休憩となった。
以前一度来たことがあって、気に入ったのか打ち止めがまた行きたいとリクエストしたからだ。
三メートル四方を柱とベンチが囲っていて、屋根もあって薄暗い。さらに植え込みが周囲からの視線を遮ってくれる。
小さな滝が落ちる音、木々がざわめく音が響いて、近づかなければ会話が難しい。
すぐ見える所に車を置いておけるのもいい。駐車してあるのが知れれば、ここに人がいると思われて、ますます他人が近寄らないからだ。

「やっぱりここはキモチいいね、ってミサカはミサカは池の傍は涼しくて快適!」
「あと周りに木が多いからな、夏でもあまり気温が上がらないンだろ」

打ち止めは手すりから身を乗り出し、池を覗き込んで鯉を見ている。夏祭りで金魚をすくって(貰って)からというもの、
どうも魚類を愛でる傾向があるようだ。
ベンチに座る一方通行に背を向けて、じーっと水面に釘付けである。青年の行き場のない腕が、そわそわと膝の上で動いていた。

(あー…カワイイっ、餌用意してくればよかったな、ってミサカはミサカは悔やんでみたり)
(コイツまさか鯉が見たくてここに連れてこさせたんじゃねェだろうな?)

「…打ち止め」

一方通行がそっぽを向きながら人差し指でベンチをトントンと叩く。鯉ばっか見てねェで座れ、という意味だ。
打ち止めは、あ、という顔をしてから、いそいそと彼に駆け寄って隣に腰掛ける。嬉しそうに笑って、彷徨っていた腕をつかまえた。

「ごめんねーあなた、ついつい大きな金魚ちゃんに見とれちゃったの」
「何が面白いンだ、あンな魚の」
「いまいち説明しにくいけど、なぜか好きなの、ってミサカはミサカは言い表せないもどかしさを味わってみる」
「まァいい」
382 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 00:16:02.18 ID:qbgwZJPk0
一方通行が、捉えられていた腕を少女の肩に回そうとすれば、引き寄せる前に打ち止め自身が胸にすり寄ってきた。

(……落ち着く)
(落ち着くなぁ、ってミサカはミサカはここが定位置になるつつある幸せを実感してみたり)

周囲は木々と、水の音。誰もいない昼でも薄暗い公園のベンチ。自宅からは遠く離れたこの場所で、二人きりでゆっくりと過ごす。
車を買って、本当に良かった。一方通行がそう思う瞬間だった。

「ねぇ、ここでこうしてると…」
「…こォしてると?」
「露天風呂でのこと思い出しちゃわない?」
「………まァな」

確かに、雰囲気は似てると思う。しかしあの温泉(しかも男湯)での出来事は一方通行にとって良い思いでばかりではない。
いささか気まずく、情けないエピソードとして心の底にずっと仕舞っておきたいものだ。

打ち止めが、普段は見せない類の笑顔で青年を見上げてきた。それはあの露天風呂での表情を彷彿とさせる。
最近分かったことだが、この妖しい笑顔はいけない、と学んだ一方通行は内心あせって話題の転換を図った。

「そォいやオマエ、その温泉のこととか番外個体に言ったりしてねェだろうな?」
(しまった、あンまり話がそれてねェ…)

「な、言うわけないでしょっ、あ、あんな、恥ずかしいことぉ〜。どうしてそんな事思ってるの!?」

しかし少女にとっては有効だったようだ。頬を赤く膨らまして抗議の視線が向けられ、例の笑顔はとりあえずなりを潜めてくれた。

「あ、いや、言ってねェならいい。さっきオマエが番外個体とコソコソ話してたから」
「違うよ、あれは直接会って話した方がいいことがあったから…、
だいたい内緒話ならネットワークにつないでした方がいいに決まってるでしょ、ってミサカはミサカはこれで疑いが晴れたよね?」
「分かった分かった。ちょっと心配しただけだろォが、そンなに怒ンなよ」
「ならよろしい。あのこと、そのこと、例のことは、ミサカとあなただけの秘密なんだからね!
あなたこそハマヅラやカミジョーに言っちゃだめよ?」

話題の転換には成功したが、思いがけず怒られてしまった一方通行であった。
383 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 00:19:36.85 ID:qbgwZJPk0
「で?」
「なぁに?」
「番外個体に直接話した方がいいことってなンだよ?」
「……、秘密」
「……教えろ」
「怖い顔してもダメだからね、ってミサカはミサカは脅しには屈しない強い子なんだから」
「ッチ」
「拗ねないでよー」

しばらくこのベンチでおしゃべりした後、二人してポルシェに戻ってきたが、一方通行が助手席が半ドアになっていることに気づく。
窓から車内を覗き込むと、案の定ルームライトがつきっぱなしになっていた。
キーを回すと、あとちょっとというところでエンジンが掛からず、打ち止めがオロオロと一方通行とボンネットを交互に見る。

「どぉしよう、ごめんなさい、ミサカのせいだね…。しっかりドア閉めなかったから」
「落ち込むなよ、コイツのドア重いからなァ。ただのバッテリー上がりだ、気にすンな」
「バッテリー換えれば大丈夫なの?」
「いや、換えるまでもねェと思う。ここにいいバッテリーがいるし」

そう言って一方通行が打ち止めを指さした。

「え?ミサカ?……あ、そっか」
「そォそォ、ほらボンネット開けるからどけ」

打ち止めがボンネットを開けたポルシェのバッテリーに両手をかざす。
すでにパチパチと電気を纏って準備万端の状態だ。
384 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 00:21:38.42 ID:qbgwZJPk0
「いいか?12ボルトだぞ。こっちがプラスで、こっちがマイナスだ」
「りょーかいりょーかい!12ボルトだね、ってミサカはミサカはオトシマエつけることができて一安心…」
「回すぞ」

見事エンジンは掛かった。打ち止めは一方通行に頭を撫でられてご満悦である。
帰りの車内でもその話題で盛り上がる少女。よほど能力で役に、というか責任が取れたことが嬉しかったようだ。

「えへへー、ミサカ役に立ててよかった!やっぱりミサカを連れてくるのに限りますなぁ、ねぇあなた?」
「そもそもオマエが半ドアにしたのが原因なンだがな…。まァ一人で走ってるときにもあり得ない話じゃねェけど」
「そうそう、そんな時はミサカが」
「そン時は自分で車持って飛んで帰ってくるわ」
「……なるほど」

385 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 00:25:49.34 ID:qbgwZJPk0
次の日、一方通行が朝目覚めると、打ち止めはすでに居なかった。今日は夏期講習はないはずなのにどこへ行ったのだろうか。
ケータイを確認すると彼女からメールが届いていた。

『今日は友達と遊んでくるね!ごはんは冷蔵庫に入ってるのでチンして食べて、いってきまーす』

実際にはハートや賑やかな絵文字がふんだんに使われているそのメールを見て、一方通行はどうしたものかと頭をかく。
たまには打ち止めだって友達と遊びたいこともあるだろう。しかし、休みの日に彼女がいないだけで
この手持無沙汰の有り余った時間はどうだ。春まではいつもこんな生活のはずだったのに、物足りないにもほどがある。
こんな時は……

「寝るか」


また次の日、打ち止めは午前中はいつもどおり家で過ごしていたが、昼になるとお姉さまと買い物に行くといって
また一方通行を残して出て行ってしまった。

(まァこンなこともあるだろ…)

さすがに昨日たっぷりと寝たので、今日はどこかに出掛けようと思い車を出した。
ついでと思ってポルシェを買った業者にバッテリーの点検をしてもらうが、
まったく問題は無いとのことで、店長と整備士に不思議がられた。
おとといの出来事を話すと、能力でバッテリーを充電するという発想が無かったらしく大層驚かれたのが愉快である。
もともとわずかな需要を受けて、外から学園都市に出店している業者である。
ここに住んでいても、能力に対しての考え方が柔軟ではないようだ。

「社員に電気使いはいねェのか?やらせてみろよ。多分機械でやるより早くて確実かもな」

とアドバイスしておいた。
386 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 00:29:24.64 ID:qbgwZJPk0
またまた次の日、今日は打ち止めはずっと家にいるようだ。
一緒に映画に行って、いつもは寝てしまう恋愛映画も最後まで起きていたので彼女に感心される。
もっとも内容は大して頭に入っていないのだけど。

しかしその夜。

「今日は番外個体のお家にミサカがお泊りに行くので、あなたに送って欲しいなとお願いしてみる」
「はァ?…いいけどよォ別に。オマエが泊まりに行くなンて珍しいな」
「たまには姉妹水入らずで絆を深めようと思って」
「そォかよ。でェ?迎えはどうするンだ?」
「あー、えっと、お迎えは大丈夫だよ。たぶん夜遅くなるかもしれないから…。
番外個体に送ってもらうと思う、ってミサカはミサカはあなたのお気づかいにありがとうなの」
「だから、遅くなるなら尚更だ。アイツ足ねェじゃねェか」
「いいのいいの、大丈夫だから。はい、ミサカもうお泊りセットの用意できてるの、さっそくタクシー一方通行お願いします!」


強引に押し切られて、迎えの約束は取り付けることなく番外個体が住むアパートへと着いた。
打ち止めは笑顔でまたね、と手を振って確かに番外個体の部屋に入っていく。
それを確認してから、一方通行は帰路についた。
車内で考えるのは、最近様子がおかしい打ち止めのことばかり。

(アイツ一体どうしたってンだ?ここ二、三日、夏期講習も無いのに家に全然いねェ。さっきも態度がおかしかったしよォ…)

結局、つまらないし、心配だし、寂しい第一位なのだ。

(明日は、ちょっと打ち止めが何やってンのか探りを入れてみっかな…)
387 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 00:35:32.06 ID:qbgwZJPk0
とりあえず以上です。

第一位ストーカー発言来ましたね、元同僚の影響でしょうか。

想像してごらん?もし君の車がバッテリー上がりを起こしてしまって、ロードサービスを呼んだとする。
そしたら打ち止めがやってきて、能力で充電してくれる…
最高だと思いませんか…
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/05(金) 00:49:37.78 ID:xZp3ypyDO
あぁ…最高だな…
ってことで>>1
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/05(金) 00:54:58.95 ID:CWolNPqfo
>そして人気のない森林公園の池を望むベンチで休憩となった。

ここで不埒なこと考えたのは俺だけじゃない筈
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/08/05(金) 09:41:29.15 ID:BdE/YQHU0
ちょっとバッテリー上げてくる
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage]:2011/08/05(金) 13:17:20.74 ID:JsxjysNc0
>>389
安心しろ俺もだ
392 :ブラジャーの人2011/08/05(金) 19:33:45.00 ID:qbgwZJPk0
>>389 >>391
そうそういつもけしからんことしてるわけじゃないのです。…説得力ねぇな我ながら。

さあ、続きです。果たして一方さんのストーカー行為は上手くいくのでしょうか。
393 :ブラジャーの人2011/08/05(金) 19:37:44.07 ID:qbgwZJPk0
翌日、一方通行はポルシェを番外個体のアパート三百メートルほど手前で停めて、あとは徒歩で彼女の部屋の前までやってきた。
中の様子を伺うと、誰もいないのかしんと静まりかえっているし、もちろんドアもロックされている。
外からは窓にカーテンがかかっているのが見えたので、おそらく二人はどこかに出掛けたのだろう。
時刻は朝の十時である。もっと早くに来るべきだったと後悔する一方通行。

行き先を知りたいのなら、番外個体か打ち止めの携帯電話にでもかけて直接訊けばいいのだが、なんとなく気づかれないで探りたいと思う。
しかし二人がどこに行くかなんて皆目見当がつかないため、仕方なく携帯を取り出してアドレス帳を開き始めた。

ほどなくして目的の番号を見つけ、ためらいながらもコールする。数秒後、興奮した声で相手が通話に出た。

「第一位さま!!?」
「ちょっと訊きてェことがあるンだが」
「いやーっ、まさか第一位さまからかけてくれるなんてぇ、アタシドキドキしちゃうんだけど!」
「おいきけコラ」
394 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 19:40:38.12 ID:qbgwZJPk0
それは番外個体の大学での友人の一人で、一方通行を第一位さまと呼ぶ女性だった。
もっとも呼称だけは丁寧だが、その他の態度は周りの数人と大差なく、むしろなれなれしい方である。
以前無理やりに携帯にアドレスを登録されたことを思い出し、彼女が特に番外個体と親しくしているので、
何か手掛かりがないものかと思って電話してみたのだ。

「え、一方通行から?」
「おい代われ、後期の物理学の講義を選択するようにお願いするんだ」
「ちょっと、アンタらうるさいっ、第一位さまはアタシをお求めなんだから邪魔するんじゃねぇわよ!」

どうやらいつもの野次馬連中と一緒にいるようで、通話口からあの賑やかな声がする。そこである可能性に気づき、
一方通行は思わず声を低くして尋ねた。
コイツらが一緒にいるということは、番外個体も同席しているのではないか?彼女が複雑な事情の姉を伴っているとは思えない。

「…そこに、…ミサカはいるか?」
「ん?ミサカ?ううん今日は一緒にいないよ。なーんだー、第一位さまミサカに用があってアタシにかけてきたのー?やっぱりアヤシイ…」
「やかましい、いないならいいンだ、そうか…。アイツが今日どこに行ってるか知らねェか」
「えーと…ちょっと待ってて、みんなー今日ミサカの予定知らないー?」
「ミサカちゃんなら今日のボーリング断られたんだよな」
「誘ったの誰だっけ?」
「俺。今日は朝からバイトって言ってたぜ」
「ふんふん了解、あのね第一位さま、ミサカ今日は」
「聞こえてる、もォいい分かった」
「あー待って切らないでアタシ達と一緒にボーリング大会をっ」

相手の話を最後まで聞くことなく、一方通行は通話を終わらせた。
395 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 19:43:56.11 ID:qbgwZJPk0
(てっきり打ち止めは番外個体と別行動を取ってるンじゃねェかと思ったが、やっぱり二人で一緒にいるのか?しかし…)

番外個体が野次馬達と一緒にいないなら、やはり昨夜二人でここに泊まった後、打ち止めとどこかへ出掛けたと考えるのが妥当だ。
だが番外個体は遊びの誘いをバイトだと言って断ったというではないか。そうなると打ち止めはどこにいるというのか。

考えていても仕方がない。とりあえず番外個体のバイト先のカフェへ行ってみることにした。
駐車スペースに車を停めてそのカフェの前まで来ると、あっさり番外個体が見つかった。
テラス席の空いた食器を片づけているところで、電話で聞いたとおり普通にバイトをしているようだ。

一方通行は、できれば彼女がバイトをしていないで欲しいと思っていた。
適当に遊びの誘いを断るための常套句として言っただけだと望みを持って来たのだ。今頃は打ち止めと二人で、
買い物やゲームセンターにでも繰り出していればいいと。
そうじゃなければ、打ち止めの行動が理解できない。

打ち止めは番外個体の部屋に泊まってくると言った。
今日は遅くなるから、迎えはいらないと断られた、番外個体に送ってもらうから、と。

(どォいうことだ。打ち止めは俺に嘘をついて、一人でどこかへ行ってるのか?)

焦燥が彼を襲う。最近様子がおかしかったこと、嘘をつかれて単独行動を取られていること。
一方通行はいてもたってもいられず、体裁など考えずに番外個体に早足で詰め寄った。
396 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 19:45:39.06 ID:qbgwZJPk0
「おい番外個体ォ!」
「ありゃー第一位じゃないの。やっぱり来たんだね。ひゃははははは、あーおもしれぇ、なにその焦ったカオ」
「……やっぱり、だとォ…?」

彼女の態度は、まるで一方通行がここへ来ると分かっていたというようなものだった。
出足をくじかれた青年は舌打ちして、とにかく訊きたいことを質問する。

「今日は打ち止めと一緒なンじゃねェのかよ。アイツ今日はオマエに送ってもらうと言っていたぞ。なンでバイトしてンだ」

番外個体は何も答えず、ただニヤニヤといつもの笑みを浮かべるのみ。
食器をテーブルに戻すと、イライラして今にもつっかかりそうな一方通行の手を取って屋内席への入り口へと引っ張っていく。


「ちょ…」
「いいから、静かにしなよ。愛しの最終信号がどこにいるか教えてあげる、っつってんだよ」
「……さっさと教えやがれ」

ずっとニヤついたままの番外個体は、壁の陰に隠れて一方通行を手招きしている。
仕方なく彼女に近づくと、今度はクイクイと店内の方を指さされたた。

(まさか…)
397 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 19:50:18.80 ID:qbgwZJPk0
「オレンジジュースとコーラ、八番テーブルだよ〜、妹ちゃんお願いねー」
「はーい、ってミサカはミサカはおぼん持ってダッシュ」


いた。打ち止めが。


番外個体と同じウェイトレスの制服を着て、厨房とテーブルを行き来している。
ときどき客の注文を聞いたり、空いた食器を片づけたりしながら、そこそこ忙しそうに働いていた。

「何やってンだアイツ」
「見りゃ分かるでしょ。アルバイトしてるの、ここで」
「妹?」
「ややこしいから、最終信号がこのミサカの妹ってことにしてんの」
「で、なンでバイトしてるンだ?」
「本人に訊けばいいと思う」

一方通行は番外個体を押しのけ、杖の音をわざと消して歩き打ち止めの背後に立つ。

「ちょっといいですかァ」
「はーいただいま、ッ……い、いらっしゃいませぇ、えへへへ…」
「おォ来てやったぜ。まずは理由を教えろ」
「あのー、でもー、そのー、ってミサカはミサカは困ってみたり」

振り向いたら明らかに不機嫌な恋人の顔があって、打ち止めはもじもじとおぼんを弄りながら目を背けた。
その様子を見ていた他のバイト店員が、打ち止めがからまれていると勘違いしたのか、三人も厳しい表情で駆けつけてきて、
それが全員若い男なのが一方通行の神経を逆なでる。

「ちょっとアンタ何やってんですか」
「うちのコに…」
「あれ?お客さんもしかして」
「あァ?なンだオマエら」
「待って待ってあなた、ケンカしちゃダメだったらっ」

一人は客としてこのカフェに数回連れてこられた一方通行のことを覚えていたようだが、あとの二人はそれを知らず、
青年の鋭い赤い目にびびりながらもその場から引かない。
打ち止めがオロオロしていると番外個体がやってきて、睨み合う男達の間に割って入った。
少女の顔がそれでほっとしたものだから、一方通行はますます不機嫌になる。

「はいはい、そこまで。この白くてヒョロイのはミサカ達の知り合いなの。君たちさっさと仕事に戻った戻った。
あなたもっ、お客でもない人は迷惑なんでなんか注文してくれますぅ?」
「おい、番外個体…」
「本当なの?妹ちゃん」
「う、うん本当だよ。だから…」
「そうなんだ、ごめん勘違いしたね」
「なんでミサカが言うことをすぐに信じないわけ」
398 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 20:19:56.93 ID:qbgwZJPk0
なんとか番外個体のとりなしで事なきを得た打ち止めは、一方通行が案内された端のテーブルを気にしながら仕事に戻る。
番外個体が特大のケーキを持って彼に差し出していたので、急いでブラックコーヒーを用意して持っていった。
彼にジロリと睨まれ怯んだが、そっとグラスを置けば飲んでくれたのでちょっと気が楽になる。

「ごめんね、アルバイトのこと内緒にしてて…。
もう少しで休憩時間だから、それまで待っててくれる?ってミサカはミサカはお願いしてみる」
「……分かった」


一方通行がコーヒーの助けを借りてケーキを処理している間も、打ち止めはくるくると動き回っていた。
店員たちからは、妹ちゃんと呼ばれて親しげに話しかけられ、客ウケもいいようだ。……おもに男の。

打ち止めの学校では授業参観の時に一方通行の存在が明らかになり、
校内での告白ブームは落ち着いたと彼女から聞いていたが、外ではこれだ。
久しぶりに、認めざるをえない。嫉妬が一方通行の胸に湧き上がってくる。

(だいたい打ち止めだけ異常にスカートが短いのはなンでだよ…)

やがて打ち止めがエプロンを外して、自分用のドリンクが入ったグラスを持って一方通行の前に座った。やっと休憩時間になったらしい。

399 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 20:26:17.21 ID:qbgwZJPk0
「お待たせしましたー、ってミサカはミサカは待ちぼうけなあなたにもコーヒーのおかわりをあげるね」
「さァ聞かせろ。なンで急にアルバイトなンか始めたンだ」

二人の様子を、例の若いバイト店員達がチラチラと覗いてくる。あの娘と仲良さそうな一方通行がどうしても気になるのだろう。
しかし番外個体が料理でふさがった手の代わりに、足で店員達の尻をはたいて仕事しろと叱り飛ばしたため、
やがて視線は感じられなくなった。

「なんでと言われれば、もちろんお給料が欲しいからに決まってます」
「俺に内緒にしてたのは?」
「あなたに言ったら、絶対許してくれないだろうな、ってミサカはミサカは分かってましたから」
「……何か欲しいモンがあるなら」
「いいの、あなたはミサカをすぐ甘やかすんだから。嬉しいのでぜひ続けてほしいと思うけど」
「なンだそりゃァ…」

そこへ、同じく飲み物を持った番外個体も二人に同席する。彼女も休憩を取ったらしい。

「ちょっと前にあなたと最終信号がランチしに来た時、急にこの子がここででバイトしたいって言いだしてさぁ」
「あァ…、アレか」
「そうそう。うちの常連だし、人手も足りなかったし、ミサカの姉だけど妹ってことで通ってたし、店長もその場で採用決めたわけ」
「次の日から、さっそく働かせてもらってたの、ってミサカはミサカは正直に白状してみる…」
「第一位にはすぐにバレると思ってたら、案の定だったねぇ。
でもあの焦った顔ぉぷぷぷ、期待以上に面白いものが見られてミサカは大満足」
「うるせェ」
「そうだったの、あなたに心配かけちゃったんだね…」
「……」

400 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 20:29:12.09 ID:qbgwZJPk0
打ち止めの済まなさそうな、でもどこか嬉しそうな顔が照れくさくて、そっぽを向く一方通行。

「安心しなよ、第一位。最終信号は今日でバイト終わりだから」
「はァ?」
「うん、もともと最初からそういう約束でやらせてもらってたの。来週から夏期講習も再開するし」
「そうそう、だからこの色っぽいミニスカートも今日でオシマイ。惜しいでしょ?ミサカのコーディネイトだよこれ」
「あー!ひどい番外個体っ、急だったからこれしか制服が無いって嘘だったの、ってミサカはミサカはまたもしてやられた!」
「そォいうことかよ…」


打ち止め達の休憩時間が終わる前に、一方通行は駐車させてある車まで戻ってきた。当然のように打ち止めがついてくる。

「じゃあね、また後で。もうバレちゃったし…、やっぱり今日はお迎えに来てくれる?」
「どうすっかなァ…」
「いじわる言わないで、ってミサカはミサカは結局来てくれるあなたに期待してみたり」
「電話かメールしろ」
「うん!」

シートに座ってエンジンをかけると、打ち止めがコンコンと窓をノックして、開けて、と催促してきた。
窓が下がりきらないうちに彼女が車内に頭を突っ込んできて、その意図を察していた一方通行は顔を寄せてやる。

「…今度はミサカがいってきますのちゅうをしてみました」
「…おォ、イッテラッシャイ」

ポルシェが見えなくなっても、打ち止めは赤い頬のまま彼が走り去った方向を見つめていた。

401 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 20:32:53.02 ID:qbgwZJPk0
夕方すぎ、打ち止めからの連絡を受け取った一方通行は番外個体のアパート前に車をつけた。
外で彼を待っていた打ち止めがさっそく助手席に乗り込み、一方通行は自宅に向けて発進する。

「待って、ちょっと寄り道しようよ、ってミサカはミサカはデートのお誘いをしてみる」
「あ?別にいいけどよォ。オマエ今日はずっとバイトだったンだろ、疲れてンじゃねェのか?」
「平気だよ、またあの公園に行きたいな」

寄り道にしては少し遠い場所だが、一方通行にしてもここ数日は彼女に飢えていたこともあり、快諾し進路を変えた。

昼でも薄暗いその森林公園のベンチは、夕暮れ時を過ぎてオレンジ色の照明がつけられている。
ぼんやりとした視界の中で、いつもの場所に座った二人はどちらともなく肩を寄せ合った。

「ちょっと久しぶりかな?こうして二人でゆっくりするのって」
「そォだな…」
「ふぅ、やっぱり疲れた…」
「だからいいのか、って聞いただろォが」
「いいの、こうして不足してるあなた成分を補給した方が元気出るの、ってミサカはミサカはもっとくっついてみたり」

(なンだ、コイツも同じかよ…)

一方通行は彼女のご要望に応えて、肩を抱く手に力を入れた。
そうなると、なぜ彼女がそこまでして自分に内緒でアルバイトなどしていたのか気になる。
402 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 20:35:30.86 ID:qbgwZJPk0
「なァ、オマエはバイト代で何が欲しかったンだ?」

自分には言いにくい買い物でもあったのだろうか?教えてもらえるか不安だったが、一応訊いてみた。
打ち止めは意味深な笑顔を向けてきて、知りたい?と焦らす。

「知りたい。今度こそ教えろよ」
「なんのためにあなたに内緒にしてたと思ってるの。はいこれ」
「は?」

打ち止めは鞄から手の平より少し大きいぐらいの箱を取り出し、一方通行に手渡した。
それを見つめたまま彼が動かなくなってしまったので、ちょっとちょっと、と打ち止めが足をたたく。

「ミサカからのプレゼントだよ。早く開けてみて、ってミサカはミサカはあなたの反応にわくわくしてみる」
「あァ…」

まさか自分へのプレゼントがくるなんて思っていなかった一方通行は、呆気にとられながらも箱を開ける。
リボンなどの包装がないのは、彼の性格を熟知した打ち止めらしいところだ。
 
箱にはさらにプラスチックのケースが入っていて、それをあけると中には…

403 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 20:38:12.90 ID:qbgwZJPk0
「サングラス?」
「そう。あなたドライブ好きでしょ?これ、専門店のドライビング用サングラスなの」

ポルシェと同じシルバー縁のサングラスを打ち止めが持って、彼の顔にそっと掛ける。
一方通行は、やりやすいように下を向いて目を伏せてやった。

「おぉ、かっこいい!すごく似合ってるよ!ミサカのセンス最高だね、ってミサカはミサカは自画自賛」
「……」
「あとね、ここを指で触ると…、ほら凄いでしょ!レンズの濃さが変えられるから、夜でも掛けられるんだって。
エアコンの風から目を守ってくれるのです」

少女が嬉しそうに一方通行が掛けているサングラスを構う。
レンズの色がほぼ透明になった時、薄暗い中で彼の赤い瞳にじっと見つめられているのに気づいて、もはや反射のように目を閉じた。

キスのあとは苦しいほどに抱きしめられて、彼が予想以上に喜んでくれているのが分かった。
十秒…二十秒…三十秒…

「あなた、ちょっとそろそろ息が…」
「あ、悪ィ」

腕を弛めてもらったが、相変わらず抱きしめられたままで、打ち止めは一方通行の顔が見られないままだった。

(やべェ…。めちゃくちゃ嬉しい…)

「打ち止め…」
「なぁに?」
「ありがとな」
「どういたしまして」
404 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 20:47:00.36 ID:qbgwZJPk0
やっと抱擁を解き、一方通行は慣れないサングラスを弄って色を変えたり鼻あての位置を確認したり。
打ち止めはニコニコとそれを見守っている。

「よかった、気に入ってもらえて。いつも色々買ってもらってるから、たまにはミサカが素敵なプレゼントをしようと思って」
「オマエにしちゃいいサプライズだ」
「だからってますますミサカを置いて一人でドライブ行っちゃイヤだよ?」
「分かってるって。ところでコレなァ……」
「な、なにか?ってミサカはミサカはドキっとしてみる」
「キスするときは邪魔だよな」

クレームでもつけられるのかと身構えた打ち止めだったが、苦笑いで彼の顔からサングラスを外してあげた。

あとは再び長い長い口づけと、水音と木々のざわめきの中で、二人はしばらく抱きしめ合っていた。
405 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/05(金) 20:50:22.17 ID:qbgwZJPk0
通行止めのデートと、打ち止めのアルバイトの巻 完

二人のまともなデートがやっと書けた。いろいろ順番間違ってますね。
打ち止めのプレゼントは自分も欲しいと思ってる。超便利そうです。
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/08/05(金) 20:53:10.43 ID:VIsWu26So


>>番外個体が料理でふさがった手の代わりに、足で店員達の尻をはたいて仕事しろと叱り飛ばした

このバイト、特別ご褒美まで出るのか……
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/06(土) 00:27:42.01 ID:RFbp86yL0

順番、なにそれ? 二人が幸せならいいンだよ
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/08/06(土) 01:18:20.21 ID:N5cb3nlLo
順番とか最初から狂ってるからむしろ正常だろ

路上全裸視姦→お泊り→ロシア新婚旅行→同棲だぞ
409 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/06(土) 21:52:52.63 ID:OEGl5GGZ0
>>407
>>408
なるほど。励まされましたよ。

本格的にネタ切れなので、数日更新ないかもしれません。
血ヘド吐いて書いてきます。しばらくお待ちください。
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/07(日) 11:36:34.10 ID:38Uw3YVAO
乙!
全裸で待ってるよ
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/07(日) 21:06:09.45 ID:A7GSSKHDO
乙ー
今まで連日だったもんな
無理せず続けてくれ
412 :ブラジャーの人2011/08/07(日) 23:45:02.27 ID:w9y+6xjl0
>>410
>>411
ありがとね。でもごめん。ちょっと考えたらすぐネタ湧いてきまして。どこが数日なんだか…
通行止めホント凄い。愛が止まらない。
413 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/07(日) 23:47:11.35 ID:w9y+6xjl0
八月も半ばを過ぎ、夏休みも残り少なくなってきたある日、打ち止めが

「今日はミサカのお友達が来るの、ってミサカはミサカはあなたとお出掛けできないことをお伝えしておくね」

と言うので、彼女がこの家に招く人物は限られているが、果たして誰だろうと一方通行は考えていた。
打ち止めはお茶の用意を始めていて、グラスが三つということは二人来るのだろうと予想はつく。
一緒に一方通行のコーヒーも淹れてくれたらしく、それを受け取る時に誰が来るのか訊いてみたが「秘密」と言われてしまった。

昼前に玄関のチャイムが鳴って待ち人が訪ねてきたことを知るが、丁度彼女はお菓子を取り出すために、
椅子の上に立って棚をあさっていたところだったので、リビングのソファでくつろいでいる一方通行に声がかかる。

「あなたー、ちょっとお出迎えしててー、ミサカ今手が離せないのー」
「…めンどくせェなァ……」

一方通行は本当に面倒臭そうに玄関まで行きドアを開けるが、そこに立っていた人物を見るなり無言で静かにガチャンと閉めた。

「おぉぉい!!何か言えよぉ!こっちは呼ばれて来てんだぞ!どうしてお前は俺だけ扱いがヒドイんだ相変わらずだなもぉ!」
414 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/07(日) 23:49:59.83 ID:w9y+6xjl0
「はまづら、落ち着いて。…あくせられーた、今日はらすとおーだーに遊ぼうって言われて来たんだよ。開けて」
「なんだオマエがいるのかよ。馬鹿がでかくて見えなかったぜ」

訪ねてきたのは浜面仕上と滝壺理后だった。
滝壺の声が聞こえたので、一方通行はドアを開ける。浜面はかなり不服そうな顔だったが、
もう何も言わずに靴を脱いで部屋に上がった。

「あーっ、タキツボ久しぶりだね、ってミサカはミサカは再開の喜びを表すために抱きついてみたり!」
「ひさしぶり、らすとおーだー。また背が伸びた?」
「ほんと?そう見える?うれしーな。はまづらもいらっしゃい!この間はこの人が怖い思いさせちゃってごめんね?」
「いいよ別に、ポルシェで空飛ぶくらい人生で一回は起こることだ。良い子だなあ、打ち止めは…、それにくらべてお前はなぁ」
「こっち見ンな」
「これだもんな」

一方通行は、打ち止めがこの二人をわざわざ招くなんて珍しいな、と思いながら、またソファの定位置に座ってテレビをつけた。
あとは三人でどうにかして過ごすのだろう。自分はのんびりとうたた寝でもしようかと考えていた。

「おっと、立ちっぱなしだったね。
外暑かったでしょ?ってミサカはミサカはお部屋へ案内してみたり。冷たいお茶もあるから、早く早く」
「嬉しい。喉が渇いてたから」

打ち止めが滝壺の手を引いて自室へ向かうのを見て、一方通行が腰を浮かせる。

(オイオイ、打ち止めの部屋に行くのかよ、滝壺は問題ねェが、この馬鹿まで入れる気かァ!?)

一瞬、不安に思った一方通行だったがリビングから出ていったのは女性陣だけで、
浜面はソファの端に座ってお茶を飲んで「ぷはー」とやっていた。

415 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/07(日) 23:51:58.12 ID:w9y+6xjl0
「……何やってンのオマエ」
「え?お茶飲んでるんだけど」
「質問を変えてやる。オマエは今日ウチに何しに来たンだ?」
「え?だから遊びに来たんだろ?」
「打ち止めに呼ばれて来たンだよな?」
「おう。でも正確には滝壺に連絡があってな、あいつが俺にもついてきて欲しいって言うから来たんだよ。
打ち止めも喜んでたみたいだったけど?」
「でェ?なのに何でここに一人でくつろぐ態勢になってるンですかァ?」
「一人じゃねぇだろ。お前がいるじゃん」
「は?」

同じソファに座りながら、噛み合わない会話を続ける青年二人。
浜面のお茶は最初から当然のようにリビングに置いてあったので、
打ち止めも彼を自室へ伴う予定ではなかったことは、一方通行も理解した。

「打ち止めが、たまにはあの人と遊んであげて、って仕上は仕上はお願いされていってぇ!」
「だから気持悪いマネしてンじゃねェよ…、どォいうつもりだ?打ち止めのヤツ」
「くそ、手加減しろよな…、別にお前が嫌なら俺も滝壺のとこ行くからいいけど」
「死にたいのか」
「だろ?だから…、お、けっこうゲーム揃ってんじゃねーか!」
「……はァ」
416 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/07(日) 23:55:37.51 ID:w9y+6xjl0
「はい、ここにどうぞ、ってミサカはミサカはクッションを差し出してみたり」
「ありがとう。おかしおいしそう、食べてもいい?」
「うん、ミサカも食べようっと」

女の子二人組は、リビングの二人と違って実に和やかだった。お茶とお菓子をつまみながら、さっそくおしゃべりに花が咲く。
滝壺がテーブルの菓子皿に手を伸ばしたとき、打ち止めが彼女の左手薬指にはめられた指輪に目をとめる。
なんとなくグラスを両手で握りしめて、今日の本題と決めていた話題を振った。

「ねぇタキツボ。あの人から聞いたんだけど、ハマヅラと結婚…するんだよね?」
「そうだよ、来年だけど」
「わぁ!おめでとう!ってミサカはミサカは心からのお祝いを伝えてみる」
「ふふ、ありがとう。らすとおーだーもあくせられーたと付き合えたんだよね?おめでとう、よかったね」
「えへへ…うん、そうなんだ。ミサカも今幸せなの」

打ち止めはとろけそうな笑顔を浮かべたが、すぐにそれを引っ込めてしまう。
そして床に座ったまま滝壺ににじり寄って、小声で呟いた。

「でね、それでね、年上で人生の先輩なタキツボに色々訊きたいことがあるの、ってミサカはミサカは打ち明けてみたり…」
「うん、何を訊きたいの?」

「あのね?……初めてした時って、どうだった?やっぱり痛いよね…」

今日、打ち止めは男子禁制のガールズトークをするために滝壺をお招きしたのであった。
417 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/07(日) 23:59:22.44 ID:w9y+6xjl0
とりあえずここまで。
ちなみに、浜滝はできちゃった婚ではありませんよ。
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 01:20:05.82 ID:gbok4A8DO
さっすがはまづら!計画的だぜ!結婚おめでとう!
だが礼儀として言っておこう…爆発しろ!

それにしても>>1戻ってくるの本当早ぇなwwww
いい通行止めが毎日見れて幸せだぜ
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/08/08(月) 01:20:54.34 ID:qvgVH/N8o
今日は更新ないかと思ってたから嬉しいぜ乙

とりあえず浜面爆発しろ
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 01:21:30.23 ID:cI2174tz0

浜面爆発しろ
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県)[sage]:2011/08/08(月) 09:30:47.44 ID:lFdlcuIlo

読みながら浜面と滝壷が打ち止めの部屋に入っていって中から不自然な物音が…
みたいな妄想して鬱おっきした
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/08(月) 11:18:23.90 ID:14lqfnin0

更新あって嬉しいけどあんま無理はすんなよ!

とりあえず色々な気持ちを込めて…
浜面末永く爆発しろ
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 00:08:35.99 ID:ZjqVCzZl0

相変わらずの甘さ。だが、浜面は爆発しろ
424 :ブラジャーの人2011/08/09(火) 00:42:43.72 ID:IdBzOhtS0
浜面愛されすぎww
楽しみにしてくれてる人もいるんだなぁ。がんばんべ。
>>418
我ながら早かった。このテの予告が本当になったことがない(いい意味で)
>>422
ありがとう、大丈夫です。心はとても充実してる。

では続き。
425 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/09(火) 00:48:14.23 ID:IdBzOhtS0
打ち止めの質問の意味が分からなくて、滝壺はもぐもぐと口を動かしながら天井を見ること十秒。
打ち止めはその間ずっと下を向いて同じ姿勢を取っていた。

「はじめて…って、せっくすのこと?」
「せ、そ、そう。痛い、でしょ」
「……もぐ、らすとおーだーはまだあくせられーたとしてないんだね。不安なの?」
「っ、秘密!…ごめん、ミサカだけ教えてなんてズルイよね、ってミサカはミサカは反省…」
「いいよ、そんなこと思ってないから」
(ばればれだよ?あくせられーた…)

滝壺は打ち止めの頭を落ち着かせるように数回なで、正面を向いて語りだした。打ち止めは聞き漏らすまいと真剣な面持ちである。

「はじめてかぁ…、うん、すごく痛かったよ」
「すごく…」
「でも平気だったな。はまづらだったから」
「すごく、なのに平気?」
「うん。きっと好きな人なら大丈夫なんだね。女の子はそういう風にできてるんだと思う」
「そっか、そうなんだ。そうだよね…そうできてるんだ…」

うんうんと頷いて納得した様子の少女を、滝壺は微笑ましそうに見ていたが、
珍しく彼女も少しだけ頬を染めて打ち止めの耳に顔を寄せた。
内緒話の姿勢である。

「それにね、痛いのは最初の数回だけで、今は、すごくきもちいいんだよ…」
「え…、そんなに?」
「うん」
「どんな?どんな感じ?ってミサカはミサカは興味深々…」
426 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/09(火) 00:51:35.69 ID:IdBzOhtS0
女子二人は、もはやお菓子にさえ手をつけないで恥ずかしい話に夢中となっていた。
その頃リビングでは、まさか自分の夜の営みが恋人によって暴露されているなどとは知らない浜面と、
またも打ち止めとの進捗状況が広まってしまった一方通行がテレビゲームに興じていた。

「…おい、おいおい、どういうことだこりゃ。勝てねぇにもほどがあるだろ…」
「何回かやってるとクセとかパターンが見えてくるンだよ。俺に勝てる気でいたのか?ばァーか。
でもまァ番外個体とはいい勝負じゃねェの?」
「っかー、腹立つなー!そのつまんなそうな顔で、全然興味ありませんな態度でプレイしてるクセによぉ…。
あーもうヤメだヤメ。格闘系じゃないヤツやろうぜ。」
「何系やっても対戦型なら結果は見えてンぞ」
「…もういっそ協力して同じ敵を倒して世界に平和をもたらすゲームにしようぜ…。俺がつまんなすぎるだろ」
「プライド無さ過ぎねェか?」
「うるせぇ、レベル5を相手にプライドなんてこだわってられるか。…よし、コレにしよう。
一方通行、俺トイレ行ってくるからセットしといてくれな」
「しょォがねェな…」

なんだかんだいって、一方通行と浜面は仲良く遊んでいるではないか。
素直にゲームソフトを入れ替える第一位を見て、浜面は見えないように小さく笑う。

(やっぱりコイツ時々かわいいんだよな。レベル5ってそういうもんなのか?)


用をたした後、足早にリビングへ戻ろうと廊下を歩く浜面の耳に、打ち止めの悲鳴のような声が聞こえてきた。
たが緊急性は感じられない楽しそうな声なので、慌てることはない。
そっちも二人して仲良くしてんだな、程度に思ったくらいだ。しかしそれも一瞬のことである。
427 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/09(火) 00:54:17.25 ID:IdBzOhtS0
「やーっきゃー!そんな恥ずかしいことするの!?怖くない?」
「大丈夫。慣れるから」
「でもでもぉ、体が痛くなったりしない?」
「終わると痛い時もあるけど、そんなの気にならないくらい」
「きゃあ、ミサカには刺激が強すぎる!ってミサカはミサカはベッドへダイブっ」
「もうこの話おしまいにする?」
「まだするー!」

(な、な、なに、なに言っちゃってんの滝壺ぉぉぉー!?そんなコトよその人に言っちゃいけませんよぉ!?
しかもお前アレいつも嫌がってる風だったのに実は気に入ってたんだな!そうかいいこと聞いた、ってそうじゃねぇぇー!)

男子禁制の部屋の前で、出せない声を心に轟かせて音もなく悶える浜面。
まさか滝壺と打ち止めがこんな話で盛り上がっていたとは…
知ったところで、この部屋のドアを開けて注意することなんて不可能だ。いっそ知らないままでいたかった。
重い足取りでリビングへ戻る。
すでに一方通行はゲームを始めていて、浜面の方を見ることもなくコントローラーを操作していた。

「遅かったなァ、オマエもさっさと」
「一方通行」
「…なンだよ」

(今この家で、俺だけがこんなに恥ずかしくて辛い思いをしている。
滝壺も、打ち止めも楽しそうにしやがって、コイツはのほほんとゲーム。腑に落ちん…、俺だって)

428 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/09(火) 00:56:39.33 ID:IdBzOhtS0
「なぁ、お前打ち止めとどんな風にヤってんの?」
「…急にどォした」
「いいじゃねぇか、俺も教えてやっから、お前もぶっちゃけろよ」
「いや、聞きたくねェから言わねェ」
「滝壺ってさぁ、着痩せするタイプなんだよな。脱ぐとすごい。
あの胸を活用しないわけにはいかねぇ、おっぱいに対する冒涜だからな」
「コラ、なに勝手に語り始めてンだ馬鹿。オマエが喋ったところで俺はなにも言わねェぞ」

浜面が出した答えは、俺も男どうしで恥ずかしい話して盛り上がる!だった。

テレビの液晶画面に映る敵を次々と倒しながら、一方通行は浜面の話に意識を集中するしかなかった。
手はただの流れ作業のようにコントローラーを叩いているだけだ。
実際の話で、しかも知り合いの赤裸々なエピソードの数々に、顔にも態度にも出さないが、内心穏やかではない。

(この阿呆がァ…、こっちは据え膳耐えてるってのに、どうしてオマエのエロい実体験を聞かなきゃならねェンだよ。
でも無理に遮ると打ち止めとまだしてねェってバレるよなァ…。コイツもなぜか俺達がしてるという大前提で話振ってきたし)

429 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/09(火) 01:00:38.45 ID:IdBzOhtS0
思い出すかのように、浜面は目を閉じて話し続ける。
その数々の痴態に無意識に打ち止めの顔や体を当てはめてしまい、一方通行はこれはいけないと思って語りを中断させる。

「はァ…、もォいい。どうしていきなりこンな話になったンだ?盛ってるなら滝壺連れて今日は帰れよ、この万年発情期が」
「……それがな、さっきトイレから戻ってくる時に聞こえちまったんだけどよ……」
「…なにが」

突然俯いてしまった浜面に、ただならぬ雰囲気を感じ取った一方通行。
相手は手で顔を覆って、ボソボソと呟いくだけでよく聞き取れない。

「あ?聞こえねェ」
「滝壺と、…ダーが、俺…エッチを」
「は?え?」
「猥談してたんだよ、あの二人で!それはそれは楽しそうになぁっ。
まさに今俺が話してた内容と丸被りだよ、だって当事者だもん!俺が一方通行みたいな男と語り合うのとは違うんだよ、
なにこのダメージ!打ち止めにアレもばらしちゃうなんて!滝壺のばかっ、エロいお前も好きだけどっ!」

「………」

「マジか」
「マジよ」

(打ち止め…、俺にはさんざん他言すンなって言ってたクセによォ…
いや、でも浜面は俺達が経験済みって勘違いしてるよな?どンな状況だ?)

ゲームはさすがに続けていられない。一方通行はコントローラーを浜面に押し付け、件の部屋へ自分も偵察に行く。

「あんまり長く聞き耳立てるなよ。心に重傷負うから。気をつけろ」

一方通行に代わり世界の平和を守りはじめた浜面から、激励の言葉が背中に投げかけられた。

430 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/09(火) 01:08:06.48 ID:IdBzOhtS0
とりあえずここまで。
誰かが、下ネタは女子の方がエグい、って言ってた。
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/08/09(火) 01:14:35.48 ID:DYDMnnwpo
わーおつ!
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 01:16:08.64 ID:ZjqVCzZl0
乙〜 男性の幻想を[ピーーー]から生半可で聞くと死ぬよ

次回も、エロぃよ
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/08/09(火) 03:13:41.55 ID:Voiy2Sfjo
EDF乙
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2011/08/09(火) 15:14:11.73 ID:1+40VSov0
乙、女子の猥談ってそんなにひどいのか?
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 17:15:21.94 ID:7fJdeNcc0
おい、馬面てめえ何した?
パイズリか?イラマか?両方同時か?縛ったか?縛ってレイプレイか?バニーで強姦ごっこか?
死にたいか?死ぬか?爆発させてやろうか?
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 17:20:45.66 ID:kHy4bWzDO
お互いの相手のチンコの長さとか
舐めさせられるけど舐めてくれないとか
感じすぎて失神+失禁とか
ワンパターンでマンネリとか
セクロスの内容を事細かにとか
そんな話をしてると聞いたことがある
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2011/08/10(水) 00:57:44.80 ID:FZr7m33s0
>>436うそだろ?
438 :ブラジャーの人2011/08/10(水) 03:21:31.61 ID:nWXOigWT0
>>435
ちょっと本気っぽくて怖い。

わー、明日に備えて早く寝ようと思ったのに。
439 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 03:23:56.00 ID:nWXOigWT0
「あードキドキしちゃった、ってミサカはミサカはまだ落ち着かなかったり。
タキツボはよく平気そうな顔してるねぇ?オトナだなー…」
「そんなことないよ。私もどきどきした。でも」
「えへへ、楽しかったね」
「うん。らすとおーだーが恥ずかしがってるのが可愛かった」
「もう、だってタキツボが恥ずかしくなるようなことばっかり言うんだもん」
「だって、ラストオーダーがそういうのばかり聞きたがるんだもん」

そして同時に漏れる笑い声。それは平和の象徴、守るべき光。

話の内容にさえ目をつぶれば。

番外個体と打ち止めの風呂を監視した時を彷彿とさせるシチュエーションだった。
一方通行はここ最近の己の行動に溜息を吐きつつ、気配を消して部屋の中の様子を探る。

(……どォやら猥談はひと段落か。聞き逃しちまったなァ。良かったような、良くないような。
しかし、滝壺の話を聞くばっかだったようだな、打ち止めは。
それが聞きたくて滝壺を呼んだのか?で、浜面は俺に押し付けて…と)
440 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/10(水) 03:26:06.05 ID:nWXOigWT0
『そういうこと』に興味があるのは無理もない。
エアコンを壊した夜も、露天風呂でも、一方通行は打ち止めに女の喜びを教えてやった。
そこまで連れていかれながら、今なお処女である打ち止めに、はしたないマネするな、とは叱れない。
ほとんど一方通行自身の責任と言えるだろう。

(打ち止めがセックスに興味を持ってて、馬鹿のエロ話と同じ内容を聞いて知識だけ豊富になったわけだよな。
そう思うと、なンか…こう、くるモンがある)

さきほど浜面が勝手に語っていったことで、思い浮かべてしまった打ち止めのいかがわしい姿や、色っぽいポーズやらセリフ。
その他にもアレやコレやがリピート再生されてしまい、ドアの前で耳を澄ます青年は頭を振った。
丁度女子二人も次の話題に移ったようだし、それに意識を集中して妄想を払拭しようと試みる。

「その指輪って、婚約指輪だよね、ってミサカはミサカは今度はプロポーズのこと教えてほしかったり」
「…うん。婚約指輪……」
「どうしたの?」
「ちょっと、恥ずかしい」
「え、これは恥ずかしいんだ…、タキツボって…」

441 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 03:29:30.02 ID:nWXOigWT0
(そうだった。普通、結婚するためにはプロポーズってのを男がするンだった。似合わねェな、浜面よォ…)

打ち止めによって強制視聴させられた恋愛ドラマのシーンが思い出される。
シラフでは、とても口にできそうもないセリフのオンパレードだった。
打ち止めは真剣な表情でのめりこんでいたが。

「浜面がお休みの日にね、怖い顔して机に座れっていうから、なにか怒られるのかなと思ったの」
「うんうん、それでっ?」
「でもずっともじもじしてて、私がお腹すいたって言ったら机に箱を置いて、開けてって言われた」
「おぉ!」
「お菓子が入ってると思ったのに指輪だったから、変だなと思ってコレ何って訊いたら浜面が真っ青になって、だめかぁぁえーん」
「泣かせちゃったの?」
「ちょっとだけだよ。俺は滝壺と結婚するのが夢だったんだ、って言ってくれたから、私も浜面と結婚したいって答えた」
「ふぉぉ…っ」

(全然ドラマと違うンだが。打ち止めは楽しそォだけど)

「浜面、すごく嬉しそうだった。指輪をはめてくれて、ずっと…」
「ずっと?」
「俺のこと、好きでいてくれ、俺はもう滝壺のことを愛しつづけていくと決めてる、って」
「っきゃー!素敵!ロマンンチック!」

(気まずゥ…、女二人とも少し顔合わせ辛いと思ってたのに、馬鹿とも気まずくなっちまったぞ。
それにしても打ち止めの声が浮かれまくってンな)

イケナイ妄想は彼方に飛んで行ってくれたが、浜面とは違う理由でリビングに戻る足が重くなりはじめた一方通行だった。
442 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 03:31:30.67 ID:nWXOigWT0
「指輪、もう少し近くで見せて、ってミサカはミサカはお願いしてみる」
「はい」
「……いいなぁ…ミサカも…」

打ち止めが、滝壺が浜面から送られた婚約指輪を見て切なそうに、羨ましそうにしている。
姿は目にできなくても、この声音だけで今打ち止めがどんな顔をしているのか簡単に想像できて、一方通行の胸が苦しくなった。

(やめろ、そンな声…)

「大丈夫だよ。らすとおーだーも」
「贅沢になっちゃったな、ってミサカはミサカは自己嫌悪」
「贅沢?」
「前は一緒に居るだけで満足だったの。でも最近はもっといろいろ欲しくて困っちゃう」
「…それは当たり前のこと。もっともっと、贅沢になっていいんだよ?きっとあくせられーたもそう思ってる」
「いいの、かな?」
「いいよ。それが普通」

(そォいや、指輪はねだられた覚えがねェ…、コイツはホントに変なところで遠慮するヤツだなァ…。
もしかしなくても、指輪をすっげェ意識してたのか?)

ネックレスも、ブレスレットも、アンクレットもイヤリングもおねだりされたことがあるのに。
一方通行は、今まで打ち止めに買ってやった品々を思い返しながらそっとドアの前から離れた。


443 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 03:35:12.80 ID:nWXOigWT0
「よお、どうだったよ、秘密の花園は。大丈夫か?精神的に」

リビングでは、順調に世界を守り続ける浜面が一方通行の帰りを待っていて、ソファに座るなりもうひとつのコントローラーを手渡される。

「あー、まァ…」
「元気出せよ第一位。俺達は同じ傷を持っちまったんだな。よりによってお互いの彼女が原因で。
もう俺打ち止めと話すの怖ぇよ。アレも知ってるんだぜ?バレちゃったんだぜ?」
「自業自得だな」
「ちくしょー、いい思いしたあとでこんなしっぺ返しが待ってるなんてよ…
ところでいいかげん一方通行も教えてくれよ、正直めちゃ興味ある」
「まだ諦めてなかったのか」

浜面はゲームを静止させ、一方通行に向き直るが、殴られないように距離を保っているところが彼らしい。
おそらく滝壺には、打ち止めがまだ処女であることを感づかれていると思う。だが彼女はそれを浜面にわざわざ言ったりしないだろう。
ここで浜面をやり込めば、とりあえず自分達の状況を把握する人物の増殖を防ぐことができるはずだ。

一方通行は顔だけを浜面に向けて目を合わせる。お、ついに喋るのか?という期待の眼差しに嘲笑の笑みを返して、
棒読みでこう言ってやった。

「オレハモウ滝壺ノコトヲアイシツヅケテイクトキメテル」

テレビの液晶画面のように、今度は浜面が静止した。一方通行は、フンと鼻を鳴らしてゲームを再開する。
浜面が操るキャラクターが、敵のモンスターに無抵抗で攻撃されているが、知ったことか。
ソファの端で膝を抱えた浜面は、また同じ文句を呟いていた。

「滝壺のばかぁ……」

444 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 03:38:16.23 ID:nWXOigWT0
肩をがっくりと落とした浜面と、終始普段通りの滝壺が帰っていってから二日後、
一方通行と打ち止めは、いつものドライブに出掛けた先で昼食をとった。
ショッピングモール内にあるそのレストランから駐車場に戻る途中で青年が足を止めたので、
傍らの少女も立ち止まって、どうかしたのかと彼の様子をうかがう。
一方通行はちらりと打ち止めを見たあと、スタスタと目の前の店舗の中へ入って行ってしまった。

「え?あれ?待ってあなたっ」

打ち止めは店の看板と、彼の背中を交互に確認しながら小走りで後を追っていく。自動ドアのすぐ内側で一方通行が待っていた。
品の良い女性店員たちのいらっしゃいませの声に出迎えられ、打ち止めは店内を見回す。

看板はアルファベットが羅列してあるだけだったので確信は無かったが、予想どおりここはジュエリーショップだった。

「急にどうしたの?ってミサカはミサカはあなたに質問してみる」

一方通行は何も言わず打ち止めの手を引き、あるショーケースの前まで連れて行った。
握ったその手が、たまたま鞄で塞がっていた右手をよけただけ、とは言い訳しない。
左手を選んだのは、意識してのことだ。

「指輪……」
「買ってやる。好きなの選べ」
「……」
445 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 03:40:59.30 ID:nWXOigWT0
打ち止めが強く手を握り返してきた。
一方通行は気恥ずかしくてそっぽを向いていたが、彼女の顔を見ると唇を噛みしめて、頬を少し染めている。
これは驚きと喜びが同時に起きた時の表情だ。
ショーケースの中に並んだ色とりどりのリングを見つめていた少女が、はにかみながら一方通行を見上げる。
うっかり視線を合わせてしまい、内心でしまった、とまだ少し往生際が悪い第一位。
あれからずっと打ち止めが滝壺の指輪を羨む、切ない声が頭から離れなかったので、
たまたま見つけたこの宝石店に衝動的に飛び込んでしまったのだ。
今だって失礼がない程度に、微笑ましくこちらを見守る店員達の目がくすぐったい。

「あなたが、…あなたに選んでもらいたいな、ってミサカはミサカはお願いしてみる」
「あァ?俺が?」
「お願い…」
「……文句言うなよ」
「あなたが選んでくれたのがいいの」

一方通行は、指輪を端から順にひとつひとつ吟味していく。
あまりに真剣な表情で選んでくれるものだから、打ち止めも恥ずかしくなって視線を彼からショーケースに戻した。

「これ…だな」

何の石かも知らないし、値段ももちろん確認してない。ただ、メインではまっているオレンジの石と、
その周りとリングにも散らばる緑の石が、彼女の茶色い髪と目に似合うと思っただけだ。

「きれい…、ありがとう」

446 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 03:43:53.49 ID:nWXOigWT0
見計らったように一人の女性店員が近づいてきたので、サイズを確認しその場でカードで会計を済ませる。
すぐさま、つないだままの手を引いてドアをくぐり、歩道のベンチに腰を下ろした。

「開けていい?」
「おゥ」

打ち止めはじれったくなるようなほどに、ゆっくり丁寧にリボンを解き箱を開ける。
ケースの中に収まっていた指輪を左手で取り出したのを見て、一方通行が彼女の手からそれを奪い取り、
ちょっと乱暴な動作で指にはめてやった。
打ち止めは驚いた顔で、左手と一方通行を何度も見比べている。

「口、あいてンぞ」
「だって、嬉しい…」
「嬉しいと口が開くのか」
「うん、開いちゃうの」
「ほォ…」

ポルシェまで戻る道中も、打ち止めは薬指にはまった指輪をうっとりと眺めているので通行人や物にぶつかりそうになって危ない。
一方通行は仕方なく彼女の鞄と杖を一緒に持って、左手で打ち止めの右手と組んで歩くことになった。

447 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 03:50:57.37 ID:nWXOigWT0
浜面、滝壺の来訪と打ち止めの指輪の巻 完

ブラックカードに動じない店員。一方さん、いくらの指輪買ったの。
あと打ち止めにピアスホールはありません。そんな気がする。
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/10(水) 07:45:52.96 ID:IsN7tZxIO
うわぁ………甘い甘い
最高だ……

>>1
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2011/08/10(水) 10:51:29.17 ID:FZr7m33s0
乙。
もうだめだ。甘い……死ぬ
450 :ブラジャーの人2011/08/10(水) 21:52:57.29 ID:gqpyKVWN0
八月十日だけど普通に更新します。
今日に合わせて仕事や学校休んだ悪い子はいねが。
少なくとも一人はいるだろう。
451 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 21:55:48.86 ID:gqpyKVWN0
珍しく昼近くになっても打ち止めが起きてこない。
一方通行はさすがにおかしいと思って彼女の部屋をノックするが、返事はない。

「入るぞ」

一応声をかけてから入室。打ち止めはベッドではなく、机に伏せていた。
ぎょっとして駆け寄り少女の状態を確認するが、どうも眠っているだけのようだ。
一応チョーカーのスイッチを切り替え、能力を使って本当に体に異常がないかも確かめたが、問題は見当たらない。
ほっとして、よくよく机の上を見ると問題集が広げられたまま、打ち止めはシャーペンを握った状態で、
その表情は苦しそうに歪められている。

「おい、起きろ」
「んー…」
「寝るならベッドに行けよ」
「あ、れ?あなたおはよー、ってミサカはミサカは朝の挨拶をしてみたり」
「もう昼だ。どォしたんだ、勉強してたのか?」
「はう!?しまったいつの間に!?」

打ち止めがシャーペンを握ったままガバっと起き上がったので、それに刺されそうになった一方通行が身を避ける。

「危ねェなァ、お勉強は感心だが力尽きるまでやるこたァねェだろ」
「あははは、ごめん。でもこれ別に勉強してたわけじゃないよ?夏休みの宿題をあ」
「宿題?」
「ミサカも受験生だし?ここはしっかりと学生の本分を全うしようという見上げた心意気の表れ、ってミサカはミサカは真面目な子」
「宿題…」

452 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 21:58:56.65 ID:gqpyKVWN0
机の上にあるのは広げたままの問題集だけではない。折り目が一切つけられていないものが何冊も積み上げられている。

「オマエ、まさか」
「うう、うっかりだったの、ぼんやりしてたの…」
「全然やってなかったのか?」
「だって、だってだって、毎日あなたと遊んだりお出掛けしてたら楽しくって、この辛い現実を忘れさせてくれてたからぁー」
「俺のせいにすンな…」
「さすがにまずいかな?とゆうべから取り組んでみたのですが、
この量を終わらせるためにはちょっと無理しないといけないかな、って危機感を募らせていたところです…」
「それで徹夜したってわけかよ」
「最初はね、ミサカネットワークで協力してもらおうと思ってたんだけど」
「コラ」
「怒らないで。どのミサカも、甘えてんじゃねーよ、自分の力でやってこその宿題だろーが、毎日遊んでるからだザマ―ミロとか…、
ちっとも協力してくれなかった、ってミサカはミサカはしょせん名ばかりの上位個体なのさ……」

一方通行は机の上から一冊の問題集を手に取り、ぱらぱらとページをめくる。
打ち止めは成績はいい方なのだが、さすがにこの量を二学期が始まるまでに終わらせるのは難しいかもしれない。
これは一応彼女の監督責任を、多少なりとも持つ自分としても望ましい事態ではない。
というのはタテマエだ。要は、残りの夏休みを宿題なんぞに奪われてなるものか、という手前勝手な理由で彼は宣言する。

453 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 22:01:34.90 ID:gqpyKVWN0
「とりあえず飯を食え。それから宿題やるぞ。五日だ、それだけで終わらせる」

打ち止めはシャーペンを振り回して頬を膨らませていたが、そこからぷしゅーと息を絞りだして青年を見上げた。

「手伝って、くれるの?」
「俺がやるわけじゃねェからな。あくまでオマエが全部やるンだ」
「わーそれでもいいの!ありがとう、ってミサカはミサカはあなたにぎゅうって」

腰に抱きつこうとした打ち止めの額に青年の手が伸び、その行動を押しとどめた。

「あれ?あなた?」
「宿題が終わるまでは、俺にひっつくの禁止」
「え?何そのおあずけ作戦」
「そうでもしねェとオマエ本気出さねェだろ」
「……そんなぁ、ちゅうはぁ?」
「だめに決まってンだろォが」
「いやぁー!」

こうして二重の意味での苦行が始まった。

食事を取ったあとは机に向かって、ひたすら問題集に取り組む打ち止め。
一方通行も自室から椅子を持ち込んで隣に座り、彼女の手が止まると横から口を出してサポートしてやる。
彼女はそれを真剣に聞いて、順調に課題を消化していった。

(もっと駄々をこねるかと思ったが、意外と真面目にやってンな…)
454 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 22:04:01.51 ID:gqpyKVWN0
一方通行が時計を確認すると、始めてから既に三時間を経過していた。
そろそろ休憩をとった方がいいだろうと思い、打ち止めに声をかける。

「ちょっと休むか」
「まだ大丈夫…」
「休憩はさんだ方が効率いいンだ。自覚が無いかもしれねェが、こんだけやってて疲れてないはずないからな」
「ん…分かった、ってミサカはミサカは、のびーと体を伸ばしてみる…」

打ち止めは手を置くと、机から椅子を離して体をほぐし始めた。一方通行も首や肩を回してそれにならう。
彼もずっと宿題に付き合っていたため、体が固まっていた。その様子を打ち止めが済まなさそうに見ている。

「ごめんなさい、ミサカのせいであなたに迷惑かけちゃったね。
これ終わったらいっぱいマッサージしてあげるから、ってミサカはミサカは恩返しするつもりです」
「…別に気にする必要はねェ。俺と遊び呆けて宿題に手を着けられてないってのは事実だしなァ」
「はぁ〜…」
「なンだ?」
「今すごくあなたに抱きつきたいのに」
「…そう思うなら、さっさと終わらせようぜ」
「はーい」

一方通行が用意してくれたお茶を飲み、リフレッシュした打ち止めは再び宿題に取りかかった。

455 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/10(水) 22:07:22.20 ID:gqpyKVWN0
とりあえずここまで。
夏休みなのに宿題してる様子がない打ち止めに、試練を与えてみました。
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/10(水) 22:24:55.37 ID:Owa6EHNDo
>>1

ミサカ遺伝子の爆乳中学生と一緒に暮すだけでも罪深いのに、指輪を買い、一緒に夏休みの宿題をやるという年に一度のイベントまで堪能するとは…
一方通行め…許せませんねこれは
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/08/10(水) 22:38:27.44 ID:stVRv3q5o
>>456
落ち着け、皮かむり
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/11(木) 00:13:22.82 ID:2sgPeHUDO
浜面以外にこれを言う事があるとは

一方通行爆発しろ
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2011/08/11(木) 01:31:32.92 ID:g+lInOnm0
打ち止めが上目使いでちゅーは?
とかいってんだろ?
俺なら断れねー
とりあえず>>1乙
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/11(木) 22:38:45.71 ID:Zw5C/hxI0
打ち止めが我慢してるのに、我慢の出来ない一方さん
461 :ブラジャーの人2011/08/11(木) 22:43:39.53 ID:lvD/O1u30
>>456
あぁ海原さんですか?後ろでショチトルがナイフ持って睨んでますけど。

では、続きいきます。

462 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/11(木) 22:47:18.72 ID:lvD/O1u30
その夜、夕食の席で宿題強化週間であることを話題に出すと、黄泉川と芳川がそういえば、しまった、という反応を示した。

「うっかりしてたわ…、夏休みには宿題というものがあったのよね。
愛穂、あなた高校教師なんだからその辺は特に注意すべきところじゃないかしら?」
「う、しょうがないじゃん。毎年夏休みはバカやらかすのがたくさんいるから、アンチスキルの方が忙しいんだって」

保護者としての責任をなすりつけ合う二人。
理由はどうあれ、彼女を手伝っている一方通行は自分の方がよっぽどよくやっていると思う。

「大丈夫だよヨミカワ、ヨシカワ。この人が手伝ってくれてるし、
今日一日ですごく進んだの、ってミサカはミサカは二人を安心させてみたり」
「うん!頑張るじゃん!明日はなにか精のつくご飯を作って応援するからな」
「私は目が疲れたときのアイマスク貸してあげるわ。スッキリして気持いいわよ、休憩の時に使ってみてね」
「ありがとー、二人のためにもミサカはやるよ!」

今日は昼から勉強し通しだというのに、打ち止めはそんなこと微塵も感じさせない元気さを見せた。次々と料理をたいらげていく。

「それにしても去年はこんな切羽詰まったことにならなかったのに、どうして今年はちゃんと宿題やってなかったんだ?」
「そういえば……ああ、なるほど。そういうことね」
「桔梗?」

一方通行は一足先に食事を終わらせ、小さく「ごちそォさン」と呟いて食器をシンクへ運ぶ。そしてリビングへ避難である。

「打ち止め、だめよ?彼氏ができたからって他の義務をないがしろにするのは、一人前の女性とはいえないわ」
「あーそれで。だったら一方通行が先生やるのは当然じゃん。責任はアイツにもある」
「えへへー、反省してます」

(無視無視…)

三人の会話は、リビングで新聞を読む一方通行にも届いていたが、全力で聞こえないふりをした。
何か言っても、益々からかわれるのは分かっている。
463 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/11(木) 22:49:50.78 ID:lvD/O1u30
入浴を済ませた後も就寝まで宿題を片付ける。
風呂上がりの打ち止めから漂ってくる良い香りが一方通行の鼻をくすぐるが、そこはぐっと我慢だ。
昼間よりも若干椅子を離して家庭教師を務めた。

「あれ?なんか変?」
「…ここで間違えてる」
「おお、なるほど」
「次の問題も同じパターンだから気をつけろ」
「了解です先生!」
「先生ェ…」
「勉強を教えてくれる人は先生だよね?それでミサカは優秀な生徒なの」
「優秀な生徒は宿題ため込ンだりしませン。馬鹿言ってないでほら、手ェ止まってンぞ」
「うー、この先生ちょっと厳しい、ってミサカはミサカはでも頑張るー」
「ハイハイ、この問題児が」

一度休憩を取り、日付が変わる近くまで二人は順調に宿題をこなしていった。キリがいいとこまで進んだので、初日はこれで終了となる。

「ふぅ、だいぶ片付いたよね。これもあなたのおかげだね!」
「明日もやるからな、寝坊するなよ」
「はーい、じゃあおやすみなさい、ってミサカは…」

「……」
「……」
464 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/11(木) 22:52:12.02 ID:lvD/O1u30
こんな時はいつも、打ち止めが一方通行の腰に抱きついてお休みのキスをねだるのが常だった。
一方通行も身長差をうめるべく身をかがめてやって、少女のかかとが浮くほどに抱きしめてやるのに。
今日はできない。今日どころか、明日も明後日もできないだろう、打ち止めの宿題が終わるまでは。

「じゃ、もう寝ろよ…」
「うん…」
青年が静かにドアを開けて出て行った。打ち止めはそのドアをしばらく見つめたあと、ふらっとベッドへ倒れこむ。

「…こんなの厳しすぎるよぅ、先生のいじわる」

自室に戻った一方通行は、大きく息を吐いてこちらもベッドに横になった。
思い出すのは、自分に飛び付こうとするのを耐え、寂しそうな目をした打ち止め。

「あンなこと言うンじゃなかった…」



翌日も、二人は同じように宿題漬けの一日をすごした。

さらに翌日、二人は普通に会話するものの、お互い意識して目を合わせようとはしない。
そして、雰囲気がどこか刺々しい。
その日の夕食の席で、二人の様子がおかしいことに気づいた保護者達が心配する。
465 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/11(木) 22:54:07.86 ID:lvD/O1u30
「ねぇあなたたち、ちょっと根を詰め過ぎなんじゃない?まだ夏休みはあるんだから適度に力を抜いたらどう?」
「そうじゃん。心なしか二人ともやつれてるっていうか、生気がないっていうか…」

「大丈夫だ」
「大丈夫だよ」

息はぴったりだがやはり視線は合わせない。
黄泉川と芳川は顔を見合わせたが、もう何も言うことはなく、黄泉川家にしては珍しく静かな食事となった。

入浴後、打ち止めは一度も休憩を取らず、ひたすら問題集に意識を集中させた。
一方通行も「休め」と勧めることはなく、彼女が効率よく正解を導き出すための助けとなること以外は喋らない。

そして時刻はついに深夜三時。目標の五日を大きく早回るにも関わらず、すべての問題集を片づけることができた。
シャーペンを握りつづけて痺れた右手を下ろし、震える声で打ち止めが呟いた。久しぶりに出した声はかすれている。

「終わった…、やった…っ。あなた終わった、よぉ!?」
466 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/11(木) 22:56:42.75 ID:lvD/O1u30
打ち止めが彼の方を振り向く前に、一方通行が少女の椅子をグルンと回転させて自分と向かい合わせにし、有無を言わさず抱きしめた。

「あなた…」
「終わったな」
「うん、終わりましたぁ…」
「よくこンなに早くできたなァ」
「だってあなたにくっつけないなんて、そんなの辛すぎるもん、ってミサカはミサカはだから頑張ったの」

お互い椅子に座ったままでは、しっかりと触れ合うことは難しい。
一方通行は一度体を離すと、打ち止めの腰を持ち上げるようにして自分の方へ導いた。
その意思をすぐに理解した打ち止めが、スリッパを放り出して彼の膝に横座りとなる。

一方通行は床を蹴って椅子のキャスターを転がし、忌々しい宿題の山から少し距離を取る。
二人分の体重が乗っているため、床からいつもより大きな音がする。

彼の膝に乗った打ち止めが早く、と催促する前に顎を掴まれて、目を閉じる間もなく口づけされた。
467 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/11(木) 23:01:03.08 ID:lvD/O1u30
(ああ、この人とのちゅうも久しぶり。くっつくのも久しぶり。もうこの瞬間をどれだけ待っていたことか…)
(はァ、やっと……。軽はずみで禁止なンて言っちまうモンじゃねェな。これほど辛いとは思ってなかったぜ…)

打ち止めが一方通行の首に手を回そうとしたが、その動きがぎこちなく、彼が唇を離す。
それを追うように、打ち止めが首を伸ばすが届かない。

「あ、ダメまだ…」
「右手、大丈夫か?」
「ん、痺れて動かしにくいだけ」

少女の右手を手に取って注意深く診察する。腕全体も力が入らないようで、シャーペンを握っていた部分が赤くなっていた。
この禁欲生活が耐えられなくて彼女に無理をさせてしまったと思うと、
打ち止め自身も望んでやったことだと分かってはいるが、罪悪感がこみ上げてくる。
気遣うように打ち止めの右手を摩り、それに甘えてやりやすいように腕を差し出す少女。

「大丈夫だよ、少し休ませればすぐ痺れもとれると思うから、ってミサカはミサカはあなたに心配ないと伝えてみる」
「……」
「確かにちょっと無理したけど、これ以上あなたを我慢する方が絶対体に悪いもん」
「途中でな」
「はい?」
「もう接触禁止なンて反故にしようかと、何度か思った」
「してくれればよかったのに」
「オマエも頑張ってたし、ここまで来たからには、なァ」
「ふふ、辛かったけど、でもこれで残りの夏休みは、気がねなくあなたと一緒にいられるよね!ってミサカはミサカは楽しみだー」
468 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/11(木) 23:05:06.57 ID:lvD/O1u30
打ち止めは青年の胸に頬をすり寄せ、左手も握って、とアピール。それが叶うと今度は上を向いて目を閉じた。

一方通行は椅子に座ったまま、打ち止めはその膝の上に抱きかかえられたまま、何度も何度もキスをした。
そのうち彼女がだんだんと静かになり眠ってしまったので、椅子をベッドの脇まで移動させて、そっと寝かせる。
今日は朝から深夜三時まで宿題ばかりやっていたのだ、無理もない。
自室へ戻ろうかと思ったが、どうしても打ち止めの傍を離れがたく、もォいいかと開き直って自分も彼女の隣で寝ることにした。
保護者達に目撃されるのは嫌なので、鍵をかけてからベッドに上がる。
打ち止めのベッドは一方通行の物より小さいが、今日のような時にはこちらの方が好都合というものだ。

枕は自分が使用して、彼女には腕を提供した。
これで目覚めた時には今度は自分の腕が痺れているだろうが、別にかまわない。抱きしめて眠るにはこの態勢が最もいい。

469 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/11(木) 23:08:14.94 ID:lvD/O1u30
翌朝、一方通行は腕の中の打ち止めに胸やら頬やらをつつかれて目を覚ました。まだ眠い。
彼女だって自分以上に眠いはずなのにどうしたのだろうか?

「なンだよ…。トイレか?」
「ち、違う!……あの、大変申し上げにくいのですが」
「……おォ」

打ち止めがもじもじと体を動かして、目も合わせられないのか胸に顔を埋めてくる。

「あのね」
「早く言え」
「まだ自由研究が残ってました、ってミサカはミサカは思い出してみたり…」
「……」

一方通行は枕になっていない左手を、ぽんと打ち止めの頭に置いて髪をグシャグシャに撫で回した。

「もう明日にしよォぜ……眠いし」
「そうだね…。えっとじゃあ、おやすみのちゅうを」
「顔上げろ」
「んー」

二人は昼過ぎまで、せまいベッドで安らかな睡眠を楽しんだ。
470 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/11(木) 23:15:16.49 ID:lvD/O1u30
夏休みの宿題と通行止めの我慢の巻 完

どこが試練か。結局甘さが後から追いかけてくるじゃないか。

それでは今日はこれで、さよ海原←流行らせたい
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/12(金) 00:53:14.07 ID:VDc/ezuDO
>>1
甘すぎる…誰か助けてくれ…
さよ海原wwww
新約に出てきたし流行らせるなら今だぞ
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/12(金) 01:02:13.37 ID:4WYK/iTDO
さよ海原に全部もっていかれたわwwwwww
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/08/12(金) 02:08:28.80 ID:hRShI+IAO
乙!!変わらない甘さで安心したぜ!
さよ海原ワロタwwwwww
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/12(金) 06:54:47.43 ID:6de+4hmDO
乙!くっそいちゃいちゃしやがっていいぞもっとやれ!
そしてさよ海原の破壊力wwwwww
475 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/12(金) 15:39:25.03 ID:SUAhpCGc0
ええー何このさよ海原フィーバー… 意外なんですけど。
そっか、流行ってほしいなぁ。

他にいいネタないかな…

476 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/12(金) 20:25:37.63 ID:SUAhpCGc0
お盆など関係なく更新します。
今回やっとあの人が登場。
477 :ブラジャーの人2011/08/12(金) 20:28:48.00 ID:SUAhpCGc0
今度は芳川が起きてこない。

ちなみに黄泉川は昨夜から、夏休みのためヤンチャにはしゃぐな若者を取り締まるため帰ってきていない。
もう出勤時間を過ぎているのに、どうしたのだろうか。
打ち止めが芳川の靴が玄関にあるままで、さらにキッチンで朝食などを取った様子もないのを不審に思って彼女の部屋をノックした。

「ら、ラスト、オーダー…?」

部屋の中から芳川の弱々しい返事が。打ち止めは慌ててドアを開けてベッドに駆け寄った。

「ヨシカワ!?どうしたの!?具合悪いの!?」
「ごほっ!ええ…朝起きたら…。ちょっと、病院に今日は休むって連絡しておいてくれないかしら…」
「それどころじゃないよっ、今日はヨシカワが患者で病院に行くべきだよ、ってミサカはミサカは
自分を顧みないヨシカワを呆れてみたり!」

打ち止めは一方通行の部屋に飛び込むと、当然まだ寝ている彼を揺り起こした。

「あなた起きて起きて!ヨシカワが大変なのおーきーてーうわっ」

一方通行の腕が少女の後頭部を掴んで、自分の胸に押し付けた。

「あーうるせェ…。芳川が?何だって?」
「うー、むー、ヨ、ヨシカワが具合悪いって…。すごく辛そうなのどうしよう、ってミサカはミサカは心配で…」
「……」
478 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/12(金) 20:31:37.28 ID:SUAhpCGc0
一方通行は欠伸をしながら起き上がり、ドアが開けっぱなしの芳川の部屋に入って行く。後から打ち止めもついてきた。
芳川はさっきのままの状態で、荒い息と赤い顔で苦しそうにしている。
一方通行は能力を使用モードにし、手を芳川の額に当ててバイタルをチェック。
数秒してスイッチを切り、後ろで見守る打ち止めに指示を出す。

「熱が高い。こりゃさっさと病院連れていった方がいい。着替えてくるから、オマエちょっと芳川の準備手伝ってやれ」
「…ア、一方通行?」
「ヨシカワ起きた?今から病院行くから着替えよう、ってミサカはミサカはお手伝いの準備をしてみたり」

打ち止めはクローゼットを開けて、適当に服を選び始めた。
それをうっすらと開いた目で見ていた芳川が、部屋を出て行こうとした青年を呼び止める。

「だめ、一方通行、すぐ打ち止めをこの部屋から出してちょうだい」
「あ?オマエの今の状態じゃ一人で着替えなンて無理」
「インフルエンザかもしれないの…、昨日病院でインフルエンザの患者と接触したわ…」
「インフルエンザ?この真夏にかァ?」
「夏バテで抵抗力が弱ってる人には、ゴホっ、たまにあるのよ…。打ち止めに万が一感染させるわけにはいかないわ…」

「……」

迷いに迷ったが打ち止めが頑なに主張するので、着替えだけ手伝わせてすぐに手などを殺菌消毒させることにした。
用意を終えて芳川を抱きかかえ、打ち止めに病院に連絡を入れるよう頼んだ。

479 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/12(金) 20:36:39.07 ID:SUAhpCGc0
「オマエはこれ以上近づくな。診察終わったらとりあえず連絡するからそれまで待ってろ」
「わ、私の部屋にも入っちゃだめよ…、早くうがいしてきなさい」
「うん…、いってらっしゃい。あなた、ヨシカワ…」
「ふふふ…、そんな顔しないの。君、後で打ち止めもだっこしてあげて…、けほ」
「大丈夫そォじゃねェか。このまま病院まで飛んで運んでやってもいいンだぜェ?」
「もう、あなた!ヨシカワは病気なんだから!ってミサカはミサカは怒ってみたり。でもだっこはしてほしい!」
「やかましい」

ポルシェは狭く、病人には体の負担になる。さらに後で打ち止めを乗せるかもしれない事を考慮して別の車を出した。
病院に着いて玄関をくぐれば、すぐにカエル顔の医者が出迎えてくれた。

「やぁ、今日は君が患者だね?打ち止めから連絡はもらっているよ」
「本人はインフルエンザかもしれねェと言っているが」
「僕もおそらくそうだと思うがね、とりあえずは診察しようか。ここで立ちっぱなしもいけない、さぁこっちに運んでくれ」
「ごほっ、ごめんなさい。…迷惑かけるわね」
「黙ってろ、俺にうつす気か」
「君もありがとう、ふふふ…今反射してるくせに」
「チっ」

芳川が診察を受けている間、一方通行は待合室でこれからのことを考えていた。
打ち止めの体は、だいぶ安定しているとはいえ普通の健常者とはまだ違う。
なんなら芳川をこのまま入院させようとも思うのだが、ベクトル操作で免疫力を高めてやれば、
おそらく彼女の回復は早いと期待できるだろう。その間だけ打ち止めを家から離しておきたいのだが…

「あンまり、頼みたくねェけど…」

一方通行は携帯を持って外に出て、とある番号を呼び出す。コール音が続くが、相手はなかなか通話に出ない。
頼みたくない、とは思っていたものの、出ないとなると腹が立つ。
480 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/12(金) 20:42:34.26 ID:SUAhpCGc0
「クソ、何やってンだこの三下はァ…」
「悪い悪い、丁度お前がいるのが見えてたからさ、電話に出るより直接話しかけた方が早いと思って」

「……」

「俺に何の用?」

上条当麻が、着信音が鳴るままの携帯電話を持って一方通行の目の前に立っていた。
一方通行が呼び出しを中断すると、上条の携帯も同時に鳴り止む。

「俺さっきまでここに入院しててさ、丁度受付やってたらお前からの電話だろ?
一応病院だし、急いで外行こうと思ってたら一方通行が見えたから」
「そうかよ…、相変わらずだなァオマエ」

二人は再度待合室に戻って隅の席に腰を下ろした。

「で、一体どうしたんだ?一方通行から俺に連絡してくるなんて珍しいよな」
「芳川がインフルエンザにかかった」
「えぇ!?あのお姉さんが?大丈夫なのか?あ、だから病院にいるのか。…ん?でもそれで俺に何で電話を?」
「抗生物質と、俺がベクトル操作で治療してやりゃすぐ治ると思う」
「へぇー、やっぱ便利だなぁお前の能力。で、何で俺?」
「問題は打ち止めだ。あいつをウィルスに晒すわけにはいかねェからな」
「過保護…あ、睨まないでこわい」
「というわけで打ち止めを預かれ。一日でいい」
「いいよ」
「即答だなオイ」
「前インデックス預かってくれたじゃないか。お互い様だろ」
「あれは預かったンじゃねェ、押しかけてきたンだ。まァいい…」
「ご飯が美味かったって喜んでたよ、ありがとな」
「ウチの冷蔵庫空にしてったぜ」
「スミマセンです」

481 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/12(金) 20:45:06.38 ID:SUAhpCGc0
診察を終えた芳川が、カエル顔の医者に支えられながらやってきた。
一方通行がまたチョーカーのスイッチを切り替えて彼女を運ぼうとしたが、上条が彼に代わって芳川を背負った。

「…あら?上条君…?」
「こんにちは芳川さん、お久しぶりです」
「なんだ、君達会ってたのかい。一方通行、やはり芳川君はインフルエンザだったよ。
薬も渡しておくけど、これ以上熱が上がらなければ使わなくてもいい。抗生物質を打って、点滴をしておいた。あとは安静にするんだね?」
「分かった。急に世話かけたな」
「どうってことないよ。芳川君には早く良くなってもらわないとこっちも困るから」

芳川を背負った上条と一方通行は、車内でこれからの予定を芳川に説明し彼女もそれに納得したようだ。

「…、そうね、それがベストだと思うわ。ごほ、ありがとう、上条君」
「いえいえ、こんなのお宅の冷蔵庫を空にしたことを思えばちっとも…」
「先に上条を寮に送ってく。その後で打ち止めを連れていくから、明日までな」
「おう。打ち止めと会うのも久しぶりだなぁ」

482 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/12(金) 21:13:06.71 ID:SUAhpCGc0
マンションに帰ってくると、打ち止めが廊下の向こうで出迎えた。言い付けを守ってこちらに近づかない。

「おかえりなさい、ヨシカワどうだった?連絡無いから心配してたんだよ?」
「そォいやバタバタしてて忘れてた。ちょっと待ってろ…」

一方通行は芳川を部屋に寝かし、リビングで待つ打ち止めにこれから上条当麻宅に預けることを説明した。
打ち止めは、じゃあお泊りだ!とはしゃいでみせる。

「芳川のことは心配するな。治療も受けたし、俺もベクトル操作で診てやるつもりだ」
「それなら安心だね、ってミサカはミサカはあなたを信頼してみたり。すぐ行くの?」
「あァ、一泊でいいから、準備してこい」
「はーい」

ポルシェに乗り込み、二人は上条の待つ寮に向かう。途中で暴食シスターのために、しこたま食料を買い込んだが、
一方通行も打ち止めも一日で無くなるかもしれないことは分かっていた。
上条当麻の寮の玄関に着き、チャイムを鳴らすとすぐに住人が出迎えてくれた。

「よぉ!待ってたぜ打ち止め。久しぶりだな。俺今日やけにこればっか言ってる気がする」
「こんにちはカミジョー!明日までお世話になります、ってミサカはミサカは行儀よくお辞儀してみたり」
「これ、シスターに食わせてやれ」

一方通行が買ってきた食糧を見せたとたん、上条の瞳が冗談ではなく潤みはじめた。

「え!?マジで!?いいのか?嬉しい、上条さんは今猛烈に感動してますよ!」
「こっちにもあるよ、ってミサカはミサカは更なる感動に誘ってみたり。インデックスはどこにいるの?」
「あぁ…夢みたいだ…。インデックスは今出掛けてるよ。夕方には帰ってくるから」
「大げさな野郎だな、じゃあ俺はもう行くぜ」
「ゆっくりしていけと言いたいところだが、早く戻って芳川さんの看病しなきゃいけないもんな」
483 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/12(金) 21:45:14.10 ID:SUAhpCGc0
玄関に買い物袋を置き、一方通行が戻って行く。打ち止めが「お見送りする!」とその後を追っていった。
上条は贈り物をせっせと冷蔵庫にしまっており、その姿からは幸福がにじみ出ていたという。

ポルシェを前に、打ち止めはしばしの別れを惜しんでいる。このお泊りはもちろん楽しいと思っているのだが、
それはそれ、これはこれとして彼と離れるのが寂しいのだ。
一方通行の左手を握って、もう少しだけ、と彼をその場に押しとどめていた。

「黄泉川もまだ帰れない、って言ってたよ。あなた一人で大丈夫なの?ってミサカはミサカはあなたも心配なの」
「病人っつってもただのインフルエンザだろォ?安静にさせとくだけでいいンだ」
「そうだけど…。困ったことがあったら電話してね?」
「ハイハイ、もう行くぞ…」

そろそろ一方通行が話を切り上げて帰る素振りを見せる。だが打ち止めはさらに青年に近づいて服を掴んだ。

「あなたにはこうして近づいてもいいんだよね?」
「…まァ、反射してたから大丈夫だ」
「ミサカから電話してもいいでしょ?っていうか、するからよろしくね、と予告してみる」
「誰が電話代払ってると思ってンだ。長電話するなよ」
484 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/12(金) 21:57:33.15 ID:SUAhpCGc0
だんだんと、一方通行の腕が打ち止めの背中に回っていき、彼女が背伸びする。

「そう思うならあなたから切ればいいのに、って」
「もう黙ってろ…」

一方通行が唇を離そうとする気配がしたら、打ち止めがクイと彼の背中に回した手で服を引っ張る。
その度に応えてしまうのは、一方通行自身にも打ち止めと同じ気持があるからだ。


ぼと

なにかが地面に落ちる音がして一方通行が、ゆっくり振り向く。予想はついていた。

笑顔をぎこちなく張り付けた上条が、あわあわと落し物を拾って数歩後ずさりしている。

「あの、俺な、冷凍庫に保冷剤あったからさ、これ熱出した時にいいんだ。
今落としちゃったけどさ、良かったら芳川さんに使ってもらおうと思ってねぇ何で杖振りかぶってるんでせうか?」

「ホントに相変わらずだなァ!?この三下ァァァ!」
「ぎゃぁぁぁ!」
「おぉ…、これが噂の不幸体質なんだね!ってミサカはミサカは感心してみたり」
485 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/12(金) 22:04:35.71 ID:SUAhpCGc0
とりあえずここまで。
さすがの上条さんは、激レアシーンを軽々と目撃してしまいました。
一方さんの看病を受ける芳川さんの運命やいかに?たぶんどうもしないんだろうけど。

486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県)[sage]:2011/08/12(金) 22:19:54.62 ID:LcGmdmH5o
>>1

さすが上条さんブレないな
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/12(金) 23:05:52.35 ID:O4ITOCK30
芳川の汗を拭くために裸にしたり…、ないな ベクトル操作で終わりか

ひとつだけ、どうしても言いたいんだが、、、ブラジャー分が足らn
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/12(金) 23:52:48.29 ID:VDc/ezuDO
>>1
上条さんェ…
489 :ブラジャーの人2011/08/13(土) 17:23:37.74 ID:0I7/TJr30
>>487
素直ですね、とてもいいことだと思います。
だが今回も期待には応えられない…
490 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/13(土) 17:26:03.76 ID:0I7/TJr30
「イタタタ…、一方通行もあんな見事な投擲ができるようになったんだな…。昔はヒョロヒョロだったのに」
「カミジョー大丈夫?ってミサカはミサカはあの人に代わってごめんなさい」

上条と打ち止めは無言でポルシェに乗って走り去った一方通行を見送ったあと、二人で部屋に戻る最中である。

「浜面から聞いてたけど、お前ら本当に付き合ってたんだな」
「えへへ…、そうなのー。でもあの人の前ではあまり話題にしないであげてね。恥ずかしがり屋さんだから…」
「分かってる、それはみぞおちに突き刺さった杖の痛みの分だけ分かってるよ…」

部屋のドアを開ければ、どたどたと騒がしい足音が近づいてくる。

「とうまとうま!冷蔵庫の中がいっぱいだよ!?どうしたのかな!?食べてもいい!?もう食べてるけどっ」
「インデックス……、まぁいっか。お礼言えよ、一方通行と打ち止めが買ってきてくれたんだ。随分帰ってくるの早かったな?」
「わーい、インデックスだー!ってミサカミサカはお邪魔しまーす」
「もぐらすとおーだー?久しぶりかも!美味しいものくれてありがとうなんだよもぐもぐも。
スフィンクスが家に帰りたいっていうから戻ってきたのもぐ」
「食べながら喋っちゃいけません!何度同じこと言わせるんだ」

(カミジョーがあの人と同じこと言ってる、ってミサカはミサカは笑ってみたり)
491 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/13(土) 17:28:27.19 ID:0I7/TJr30
上条はインデックスに、今日一日打ち止めを預かることになった経緯を説明した。
打ち止めはその間に持って来た荷物を鞄から出して整理している。インデックスは(食べながら)説明を聞き終わると大喜びで万歳した。

「やったー、じゃあこの食べ物はらすとおーだー達が私のために用意してくれたんだよね!?すっっごく嬉しいかも!」
「そこが注目するべき所じゃないだろ!?」
「そうだよ、明日までよろしくね、インデックス」

少女二人はお菓子や、どうみても夕食のメインディッシュですよね?という串カツや空揚げ、
おにぎりなどを(主にインデックスが)食べながら楽しそうにおしゃべりしている。
上条はそれをBGMにしながらお昼の用意を始めた。食材はもちろん一方通行から差し入れられたものを使う。

「まさか米までくれるとは…。ありがとう一方通行…っ。美味しく炊いてみせるからな!」

(それにしても、まるで打ち止めの方がインデックスよりも年上みたいだな。急に背も伸びてるし、胸も)

そこで恐ろしい赤い瞳が自分を睨む映像が頭に浮かび、上条はぶんぶんと頭を振った。

(浜面も言ってたけど、たしかに可愛くなったよなぁ。何で御坂より胸が大きいんだろ?クローンなのに。
一方通行も普通に男だったんだな、上条さんは何だか親近感湧いちゃいますよ…)

「とうまー、今日のお昼ご飯は何かな?もぐ」
「串カツ食いながら聞いてくる質問じゃねぇだろ。
エビピラフですぅー、食べたかったらお皿出して冷蔵庫からエビと野菜出してくださいな」
「了解なんだよ!」
「ミサカもお手伝いする!ってミサカはミサカは実はお料理に興味があったり」

打ち止めが来たことにより、上条家は食事内容も雰囲気も、普段よりとても賑やかになったのであった。

492 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/13(土) 17:31:14.60 ID:0I7/TJr30
「芳川、入るぞ」

一方通行は芳川の部屋をノックし、返事はないがドアを開けて中へ入る。
芳川は起きているようで、顔をこっちに向け、すこし笑っているようだ。

「熱を出すなんて久しぶりだわ…。しかも君に看病してもらうなんてね」
「大したことはできねェよ、あまり期待するな」

そうは言いつつも、一方通行は持って来た袋からスポーツドリンク、それを飲みやすくするためのストロー、
タオル、そして何だかんだ上条から受け取った保冷剤を取り出した。
保冷剤をタオルで巻き、芳川の頭を持ち上げて首の下に敷く。

芳川の机から椅子を持ってきてベッド脇に置き、そして彼女の腕を掴み、首のチョーカーのスイッチを切り替えた。

「今からベクトル操作で免疫力を活性化させる」
「まぁ…至れり尽くせりじゃないの。大したことどころじゃないわ」

芳川がペットボトルのストローに口をつけた後で益々笑う。それを受け取りながら、一方通行も口角を上げた。

「クソガキの面倒見てたら、嫌でも身に着いちまったンだよ」
「ふふ、あなたもこうして、誰かを看病するのは久しぶりということね」
「本当にインフルエンザかオマエ。もう寝てろよ」

芳川は顔を天井に向き直し、目を閉じたが、その表情はまだ笑っているように見えた。
493 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/13(土) 17:33:12.37 ID:0I7/TJr30
やがてバッテリーの残量が乏しくなってきたので、充電するために立ち上がり部屋を出る。
ついでに自分でコーヒーを淹れようと思ったが、結局冷蔵庫から缶コーヒーを取り出して飲んだ。
ここ数年で缶のコーヒーを飲むことはめっきり減った。

(打ち止めは今頃どうしてンだか…)

そこで、先程上条に打ち止めとキスしている場面を目撃されたことを思い出し、握った缶がベコリとへこむ。

(やっぱ外でアレコレするのは控えるべきか…?いや、三下の体質が問題だったンだろォなあれは)

それに、打ち止めにねだられて断ることを想像できない。いつの間にか、こんなにも彼女に溺れてしまっている自分を自覚する。
昔から大切な少女だったが、最近はその気持ちがさらに強くなってきている。

(まァ…、それでいい……。これで)
494 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/13(土) 17:35:08.79 ID:0I7/TJr30
充電が完了し、芳川の部屋に戻った。寝ているものと思ってノックはせずに入り、また手を掴んで能力を使用モードにする。
もう一度治療すれば大丈夫だろうと思っていた。

「一方通行…」
「…何だ、起きてたのか」
「こんな…、私がインフルエンザにかかっただけで、打ち止めをよそに預けなくてはならないのよね、まだ…」
「……」
「だいぶ丈夫に、元気になったわ、あの子」
「…あァ」

目を開いた芳川が、また一方通行の方を向いて笑う。
一方通行は逆に目を閉じ、組んだ足にもう片方の肘をついて、まるで眠っているような風体だった。

「別に言う必要もないし君だって充分承知しているのは分かってるけど、打ち止めのこと、ちゃんと守ってあげてね」

「……」

「その代わり君のことは私と愛穂が心配してあげるわ」
「そりゃどォも」
「あら、意外に素直ね、ふふ…一方通行?」
「ンだよ」
「お腹が空いたわ」

「……ちょっと、待ってろ…」


食欲が出てきたのは回復の兆しだ。一方通行は棚の奥深くにしまい込まれた鍋を引っ張り出し、卵を落としたお粥を作ってやった。
芳川には、「美味しいわ、でもここで不味いのを持ってきてくれれば面白いのに」と言われ、
さらに打ち止めにも作ってやりなさい、とからかわれるのだった。
495 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/13(土) 17:38:57.56 ID:0I7/TJr30
まだ続くよ!
作中で出てくる料理は、だいたい自分が食べたいものです。
一方さんの料理か、何でもできる人だから、きっと美味いんだろうな…
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/13(土) 18:25:07.29 ID:vEu8Pd/IO
圧力鍋で豚肉を圧縮圧縮ゥ
とか言いながら角煮を作る一方さん
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/13(土) 18:41:59.33 ID:jC/pL2jgo
ベクトル操作使えば、何でもできるからな…チョコレート作りから羊の解体まで
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/08/13(土) 22:53:10.64 ID:ngt06iFeo
おっと、レモン石鹸で解体した羊を洗ってしまう一方通行さんの話はそこまでだ

ところでここのインデックスさんがこの数年で吸収したであろう大量の栄養はちゃんと胸にいったのかね?
499 :ブラジャーの人2011/08/14(日) 15:37:23.84 ID:GkKfii4m0
ジンギスカンも松坂牛も大好きです!
>>498
インさんは、BかCのイメージ。
でも腰も足もお尻も首も指もお腹も背中も完璧なんだぜきっと。

では続きを投下します。
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/14(日) 15:40:28.88 ID:Z0UwQWiDO
背中もお腹もってWWWWWW少しはインドックスも愛してあげろWWWWWW
501 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/14(日) 15:42:32.30 ID:GkKfii4m0
「おいしかったー!ってミサカはミサカはカミジョーのお料理の腕に恐れ入ってみたり」
「おそまつさまでした。気に入ってもらえて良かったよ」
「はーこんなに美味しいもの沢山食べたの久しぶりかも…。とうま、らすとおーだー、ありがとうなんだよ」

上条家では三人が、特にインデックスが幸せな食後のひと時を味わっていた。
上条がテーブルの食器を片づけはじめたので、打ち止めがそれを静止させる。

「いいよ、ミサカがお世話になるんだからお片づけはまかせて、ってミサカはミサカは申し出てみたり」
「あ、私だってやるもん!」
「そうか?じゃあ頼もうかな」

少女二人は食器をシンクに運び洗い始める。そのやかましい音に、割らないでね?と心配になる上条だった。
テーブルに残っていたコップを取りに再度打ち止めが戻ってきたとき、彼女が上条の横に膝をついた。

「?どうしたんだ、打ち止め」
「えーと、カミジョーにお願いがあるの」
「俺に?できることなら何でもいいよ、何?」
「ミサカに、普通の料理教えてください!ってミサカはミサカはさっき食べたピラフの味に確信を持った!」
「へ?料理?」
502 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/14(日) 15:45:30.67 ID:GkKfii4m0
そこに、手を泡だらけにしたインデックスも戻ってきて、打ち止めが握りっぱなしだったコップを横から取っていく。

「らすとおーだー、あくせられーたに手料理食べさせてあげたいんでしょ?」
「えー、インデックス何で分かるの!?」
「だってさっきから、あくせられーたの話ばっかり聞かされてたもん」
「そうだっけ?ってミサカはミサカは無自覚にノロケていた自分が恥ずかしかったり…」

インデックスがニコニコしながら台所に引き上げて行き、そのやり取りを眺めていた上条も、なるほど、と納得顔でほほ笑んでいた。

「ウチはヨミカワがお料理上手なんだけど、何でも炊飯器で作るから…。あの人は普通の鍋やフライパン使ったヤツがいいみたいなの」
「そっかー…。確かにあの炊飯器の群れには俺もびびったもんなぁ。ウマかったけど。
よし、いいよ。凄ぇウマイの作ってあいつを唸らせてやろうぜ!」
「ありがとう!さっそくだけど、さっきのエビピラフがいいな、美味しかったし」
「んー、でもエビを全部使っちまったからなぁ…。チャーハンにしようぜ。あと日本人の心、お味噌汁だな」

上条が冷蔵庫を開けて、中に入っている食材を確認する。その横からインデックスも声援を送ってくれた。

「頑張ってね!あくせられーたに、一生君の作った味噌汁を飲みたいって言わせてみてほしいかも」
「おー、プロポーズの定番だな!インデックスどこで覚えてきたんだ?」

洗い物を終えたインデックスと上条が、その光景を想像して大声で笑っていたが、打ち止めだけは控えめだった。

(実はすでに、『あなたのコーヒーはミサカがずーっと淹れてあげるからね!』と宣言しているとは恥ずかしくて言えない…。
あれってプロポーズになるのかな?ってミサカはミサカはこっそり悶えてみたり)
503 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/14(日) 15:47:26.13 ID:GkKfii4m0
夜になって、黄泉川が急ぎ足で帰ってきた。ガサガサと袋を持って、どうやらスーパーで買い物をしてきたようだ。

「た、ただいまじゃん!一方通行、桔梗は!?」
「落ち着けよ、もう熱もほとンど下がってる。今は部屋で寝てるぜ」
「はぁ、そうか…。打ち止めからインフルエンザだって聞いたから慌てた…良かった〜」

黄泉川は買ってきたものも手早く冷蔵庫に詰め込み、そのうちの幾つかを抱えて芳川の部屋にそっと入っていった。
それらが一方通行自身が昼に用意したものとほぼ同じだったので、何となく彼は見ていたテレビの音量を上げる。
黄泉川はすぐにリビングに戻ってきて、持って行ったはずのスポーツドリンクをゴクゴクと飲み干した。

「っふー、私がすること何も無かったじゃん…。桔梗も気持よさそうに眠ってたし、お粥を食べた跡まであったな。
あれ一方通行が作ったのか?」
「…そォだ。芳川が腹減ったって言うからな」

黄泉川は一方通行と同じソファにどっかと座り、ペットボトルを持っていない方の手で彼の頭をわしわしと撫で回した。
一方通行が身をよじり、その手から逃れようとするが、黄泉川が立ち上がってそれを追う。
そうなると彼女から逃げられるはずもなく、一方通行は諦めてされるがままの体となった。

「…おい、いつまでやってンだ」
「あははははーっ、もう!ウチの子達は本当にイイコばっかじゃん!嬉しいからもう少し撫でさせろ」
「あーもォマジでやめろって!」

504 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/14(日) 15:50:30.90 ID:GkKfii4m0
ひとしきり一方通行を弄り倒した黄泉川がキッチンへ行き、青年はぐしゃぐしゃになった髪の毛を、頭を振って元に戻した。
テレビの音量をさらに大きくする。
そこへ鍋を持った黄泉川が戻ってきて、

「お粥残ってるじゃん、これ私が食べてもいい?」
「…好きにすりゃいいだろ」
「やったー、あ、でも」
「なンだよ」
「打ち止めにも食べさせてやりたいなぁ…、せっかくだし」

保護者二人、揃って同じことを言う。
一方通行は呆れるような、面白がっているような、どちらともとれる表情でこう返事した。

「食っちまえよ、明日あいつが帰ってきたらまた作ればいいンだからよ」
「!……そうだな、作りたての方が打ち止めも喜ぶじゃん!」

黄泉川は温め直したお粥を、美味しいと食べながら絶賛した。しかもわざわざ一方通行の横に持ってきて。
悪い気はしないが、いかんせん恥ずかしい彼はテレビの音量をまた上げるが、
そんな心理など思い至らない黄泉川に、やかましすぎると元に戻されてしまうのだった。

505 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/14(日) 15:53:40.49 ID:GkKfii4m0
翌朝、一方通行が様子を見に行こうと芳川の部屋へ向かおうとしたら、芳川が自分で起きてこちらへ歩いてくるところだった。

「あらおはよう。昨日はありがとう、もうすっかり体調いいみたいよ」

一方通行がチョーカーのスイッチを入れたのを見て、芳川が自分から手を彼の方に差し出す。
一方通行はそれに触れて彼女のバイタルを再度チェックし、完全に熱が下がったことを確認した。

「そうだな、もういいとは思うが、まだウィルスは体内に残ってるかもしンねェから今日も病院は休んで寝てろ」
「はいはい、愛穂も帰ってきてるわね?寝てる?」
「あァ、おとといから出ずっぱりだったからなァ。今日は休みだとよ」
「そう…、ほら何してるの、早く打ち止めを迎えに行ったら?」

一方通行は舌打ちしながら、足で床をトンと蹴った。
すると眠っている黄泉川の部屋以外のドア、玄関、窓が全て空いて、風が家じゅうを吹き抜けた。
朝の気持のいい空気がさらさらと芳川の髪を揺らす。

「空気の入れ替えってわけね。これで打ち止めが感染なんてことはないでしょう。さ、いってらっしゃい」
「うるせェ、とっとと寝てろ…」

一方通行がまた床を蹴れば、今度は玄関以外の全てがバタバタと閉まり、彼は携帯を耳に当てながら出掛けていった。
姿が見えなくなる前に、打ち止めであろう通話相手に「今から行く…」と話しているのが聞こえる。

芳川が冷蔵庫の中のやけに大量にあるスポーツドリンクを飲んでいるときに気づいたことだが、
鍋に出来たてと見えるお粥が作られていた。昨日自分が食べたものより具沢山で豪勢だ。しかも大鍋、小鍋二つに分けられている。

「あらあら…、わざわざ早起きしてあの子のために作ったのね。こっちの大きい方は私達用かしら」

芳川はありがたく朝食として頂く。そして軽くシャワーを浴びてから再び自室へ戻り、一方通行の言い付けどおり寝ることにした。
506 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/14(日) 15:57:01.27 ID:GkKfii4m0
上条家では、一方通行からの電話を受け取った打ち止めが嬉しそうに帰宅の準備をしていた。
上条とインデックスはそれぞれ、昨夜打ち止めが一方通行のために作った料理を容器に詰めてお手伝いをしている。

「まさかこんなに早く迎えに来るとはなぁ、相変わらず過保護だなあいつ…」
「違うよ、とうま。あくせられーたは、早くらすとおーだーに会いたいから来るに決まってるでしょ。まったく鈍いんだから」
「いやいや、ご迷惑をお掛けしております、ってミサカはミサカは二人にあやまってみる」
「そんなことないんだよ!こんなに美味しいもに食べさせてくれて迷惑なことないもん。
それに昨夜はいっぱいおしゃべりできて楽しかったし」
「そうだぜ、今度は一方通行と二人で遊びに来いよな!」
「うん!ありがとう、カミジョー、インデックス!」

そうこうしてるうちに、打ち止めんの耳にポルシェのエンジン音が聞こえてきた。
特徴的なその音を聞き分けて、彼女は「来たみたい!」と慌てて玄関に向かう。

「やれやれ、まるで犬みたいだな」
「失礼だよ。彼氏の車の音でお出迎えに飛び出すなんて、乙女の憧れのシチュエーションなんだからね」
「ぐ、悪かったなぁ。どうせ貧乏学生の上条さんは車なんて所有できませんよ」
「あ、拗ねた?とうま拗ねた?大丈夫なんだよ、とうまはそんなの持ってなくても十分カッコイイから!」
「そ、そう…?」
「うん!ねぇ私達もらすとおーだーのお見送り行こう?」

そして二人も打ち止めを追って部屋をあとにする。
507 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/14(日) 16:00:44.19 ID:GkKfii4m0
「おはよーあなたー!ってミサカはミサカは飛び付きたいけど荷物が多くて断念!」
「朝からやかましいなァ。今トランク開けるから」

打ち止めが鞄を積んでいるときに、出発の時にはなかったバスケットが助手席にあることに気づき、
一方通行がこれも、と思って持とうとした。

「あ、それはいいの。ミサカがお膝の上に持つから」
「ふゥン、これ何だ?」
「いいものですー、ってミサカはミサカは後で見せてあげるとあなたを焦らしてみたり」

そこへ追いついた上条とインデックスがやってきた。

「おーい、久しぶりなんだよーあくせられーたー!」
「おはよう、昨日は悪かったな」
「…なにがァ?」

凍りつきそうな視線を浴びて、上条の背筋に冷や汗が伝う。打ち止めに隠れるように平行移動するヒーロー。

「あ、えっと、そう。食い物土産にくれたじゃねーか。すげぇ助かったからよ…」
「ふン…」
「あなたってば…、カミジョーは別に悪くないでしょ」

三人が、睨んだり睨まれたり宥めたりしているのをよそに、インデックス一人だけが、くんくんと鼻をならしてポルシェに近づいていく。
一方通行がそれを見て、打ち止め以外は珍しいと驚くであろう苦笑を浮かべた。
508 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/14(日) 16:03:15.48 ID:GkKfii4m0
「なんか…、いい匂いがするかも」
「オマエも大概相変わらずだなァ?ちょっと待て…。ほらよ」

一方通行がドアを開けて、リヤシートからコンビニ袋を二つ取り出した。
中にはフライヤーの空揚げやホットドック。お菓子やおにぎりが詰まっている。

「わー!いいの!?」
「おいおい、昨日も貰って今日もこれじゃさすがに悪いだろ…」
「とうま、人の行為は素直に受けるべきなんだよ!ありがとうあくせられーた!
らすとおーだーもいつでも、いや毎日お泊りに来てほしいかもー!」

インデックスがビニール袋を両手にぶら下げたまま、一方通行の背中に抱きついた。

「あー!インデックスずるい!ミサカが我慢したのになんでー?ってミサカもアタック!」
「うォ!?ちょ、こらクソガキどもォ!」

なんとか両手で杖にしがみつき、転倒を免れている青年。
少女二人(とコンビニ袋二つ)をぶら下げてぶるぶる震えている様を、上条が懐かしむような表情で眺めていた。

「あ、なんかデジャヴ…」
「この三下ァっ、なに静観してンだァ!こりゃどう考えてもオマエが近くにいるせいだろうがさっさとこいつらどかせェ!」
「えぇーさすがに上条さんもそれは濡れ衣だと主張したい…」

509 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/14(日) 16:09:43.04 ID:GkKfii4m0
上条とインデックスに見送られ、一方通行と打ち止めは我が家であるマンションへ帰ってきた。
おそらく黄泉川も芳川も寝ているであろうことを告げられていた打ち止めは、小さな声で「ただいまー」と挨拶する。

「たった一日の外泊なのに、やっぱり我が家一番だね、ってミサカはミサカはしみじみしてみたり」
「…オマエ、朝飯食ったか?」

リビングのソファで足を伸ばす打ち止めに、キッチンから一方通行の声がかかる。
ウチ止めはチャンスと思って、バスケットに入った料理を抱えて彼の元に駆け寄った。

「まだだよ、あなたもこれからでしょ?ってミサカは…あれ?」

彼が、この家では珍しい鍋なんていうものの前に立って、器やおたまを手にしている。

「それ…」
「昨日芳川に粥作ってやったら、あいつも黄泉川もオマエも食わせてやれって言うからな」
「……」

バスケットを抱えたまま、自分をポカンと見つめる少女。一方通行が怪訝な顔をしたので、打ち止めはつい吹き出してしまった。

「なーんだー、あなたも?」
「はァ?どォいうことだ」

はい、と打ち止めがバスケットの中身を見せ、今度は一方通行が呆ける番だった。
510 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/14(日) 16:11:47.37 ID:GkKfii4m0
二人はお互いに作った料理を温め直し、テーブルに座って遅めの朝食を食べる。
一方通行はチャーハンを、打ち止めはお粥を。味噌汁は水筒に入れてあったのをお椀に移し、二人とも飲んだ。

「これは最早お粥というより、和風リゾットなのでは?とミサカはミサカはあなたのお料理スキルに驚愕してみたり」
「米が水分過剰で煮てあれば、それは全て粥だ」
「何でもいいや、すごく美味しいね!ミサカのチャーハンとお味噌汁はいかがかな?って感想を求めてみる…」
「…うまい」

今は黄泉川も芳川もいないため、向かい合う形で席についている。
一方通行は視線を皿の上から動かすことは無かったが、目の前の打ち止めが嬉しそうに頬を染めるのは分かった。

「ミサカ、もっともっとお料理覚えるからね」
「…あァ」
「あなたは何食べたい?何が好き?あ、アバウトに肉っていう回答は無しだからね、ってミサカはミサカは先手を打ってみたり」
「何でもいい」
「もっとアバウトじゃないの、もぉ…」

(オマエが作ったものなら)

511 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/14(日) 16:21:58.00 ID:GkKfii4m0
芳川の病気と通行止めのお料理の巻 完

今回はちょっとパパセラレータでしたね。能力も今までで一番役に立ってた。
パパでありながら、保護者にとっては子供はいつまでも子供っていうか。
最近は、黄泉川先生と結婚して、通行止めのお義父さンになるのが
最強ポジションなんじゃないかと思ってる。
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/14(日) 16:57:57.46 ID:eqHDfTPio


そしてこれを貼れという御告げが…



・口調がおかしい
・服装がおかしい
・ネーミングセンスがおかしい
・笑い声もおかしい
・顔が怖い
・常識知らず
・友達がいない
・ロリコン
・いつまでも中2病(※黒い翼が生えます)
・借金八兆円
・詩の才能がある
・初恋の相手にフラれる
・羊肉をイエローレモンソープ
・女装したらミサカ達よりべっぴん
・盗んだトラックで走り出す
・しり取りを強制終了させるKY
・片腕消し飛んで射精
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/08/14(日) 17:01:42.42 ID:q75l8BcJo
>>512
他スレの設定混ぜたコピペはんのやめろ
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/14(日) 17:25:16.05 ID:PAB1Cj/Do
>>512
つまんねぇよ
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/14(日) 18:29:43.75 ID:MjQLvaJDO
乙!

何でもいいっていうから色々作ってみた!とお子さまランチ的なものを作る打ち止めを幻視した
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/14(日) 19:11:03.05 ID:Xzk4BJ/Co
去年ぐらいまではよく一方通行スレで見たけどな
最近は貼られなくなったのか?
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/08/14(日) 19:13:19.89 ID:q75l8BcJo
>>516
上5行までなら昔からあった
そっからしたは別SSの設定加えた改悪コピペ
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/15(月) 05:05:44.69 ID:MZouzuHIO
精々借金までだな
519 :ブラジャーの人2011/08/15(月) 12:44:24.73 ID:hZcuBRCF0
ミサカのミサカの彼ーは〜 第一位〜
520 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 12:51:06.94 ID:hZcuBRCF0
夏休みは終わった。
連日長い時間を一方通行と過ごしていた打ち止めは、果たして休みに入る以前の生活に戻れるのだろうかと不安だった。
しかし、始まってみれば意外になんとかなるもので、家に帰れば一方通行がいる、もうすぐ一方通行が帰ってくる、
と胸をときめかせるのもまた一興なのであった。

とある平日の学校が終わって間もなく、今日、恋人は大学の講義の四限目を受けていることを思い出す。

(今からあの人の大学に行けば、一緒に街を歩いて帰れるかもしれない!ってミサカはミサカは
あわよくばそのままデートに持ち込みたいと企んでみたり!)

セーラー服を晩夏の風になびかせて、打ち止めは小走りに一方通行の通う大学へ向かった。
彼がいつも人気の少ない裏門を利用していることも知っていたし、今日は車で行っていないことも
昼間にやりとりしていたメールで把握済みだ。

裏門の陰に隠れて、そっと構内の様子を伺う。通路と植木、遠くに立っている建物意外は何も見えない。
五分ほど待ってみたが、さすがに無謀だったかと諦めて携帯電話を取り出す。

(いきなりミサカが現われて、ビックリするあの人の顔が見たかったのになぁ、ってミサカはミサカはちょっと残念)

その場で彼へのメールを打っている時、意中のその人が曲がり角を折れてこちらに向かってくるのが見えた。
百メートル以上も離れていたが、杖と白い髪を間違えようはずもない。
打ち止めは大慌てで、さらに体を門柱に隠した。

(わー!キタキタ!これも二人の運命のなせるワザね!ってドキドキ…っ)
521 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 12:53:43.03 ID:hZcuBRCF0
自分を見つけた時の一方通行を想像して、打ち止めはにんまりと目を細め、だんだんと近づいてくる彼を見つめている。
ところが、あと三十メートルという所で彼がピタリと足を止めた。
不審に思っていると、植木の中から同じ大学の学生と思われる女性が出てきて、一方通行に近寄っていくではないか。

(あ…れ?ってミサカは)

すごく、身に覚えのある光景だった。それはどう見ても告白シーンである。
ここ最近は落ち着いていたが、学校の生徒達に一方通行という彼氏がいるらしいと知られるまで、
打ち止めもさんざん今のようにして愛を告げられてきたのだ。
声など聞こえなくても、今あの女性が、大好きな一方通行に何を言っているのか容易に想像がつく。

(え?え?何これ)

その女性は、おそらく手紙であろう物を彼に差し出しながら、非常に緊張した様子で何かを喋っている。
一方通行はそれを黙って聞き終え、二言三言彼女に告げてからその場を離れて再び歩き出した。
手紙も受け取っていないし、二人の様子からもちろん告白が断られたことが分かる。
打ち止めは弾かれるように駆けだした。門の前を横切ると一方通行に自分の姿を見られてしまうかもしれないので、
家とは逆方向になるが壁に沿うように走り、街の雑踏に飛び込んだ。

とにかく頭が混乱して、動くままに足まかせに走ってきたはずなのに、いつの間にか番外個体がアルバイトしているカフェまで来ていた。
522 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 12:56:46.93 ID:hZcuBRCF0
(番外個体……いるかな…)

「あれ、妹ちゃんどうしたの?」

顔なじみのバイト店員が打ち止めに気づいて声をかけてきた。打ち止めが、番外個体が出勤しているか訪ねようとする前に、

「ラストオォォダァぁぁぁぁぁぁ!ちょっとぉぉぉ今のなんじゃこらぁぁあああっ!!」

怒りの形相で、打ち止め唯一の妹が自分に向かって突進してきた。
普段なら逃げ出すような状況なのに、打ち止めはその番外個体に自分も駆け寄り胸に飛び込んだ。

「ぐぇっ」
「番外個体ぉ〜…」

番外個体は衝撃でせき込みながら、まだ自分より小さな姉を見おろした。
先ほど何の予告もなしにネットワークを吹き荒れた異常な、嵐ともいうべき感情の流出。
あまりのことに運んでいたジュースをぶちまけ、その場にゴロンゴロンと転がった番外個体は、
今丁度汚れた制服から着替えたところだった。
最近はそういうものを打ち止め自身がコントロールできるようになっていたので、番外個体は平和な日々を送っていたのだが…
いきなりどうしたのだろうか。

「ちょっと、最終信号?どうしたっていうの…」
「え…、分かってるんじゃないの…?」
「いや、とにかくもうグチャグチャだったから訳わかんねぇって。もう、こっち来な」

番外個体は店に今日は早退すると告げる。たった今救急車を呼ぶ勢いでぶっ倒れたおかげで、
むしろ歓迎するように、早く帰って休みなさいと店長に言われてしまった。
523 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/15(月) 12:58:25.73 ID:hZcuBRCF0
二人は静かな喫茶店のボックス席に陣取り、それぞれの飲み物が届くまで無言だった。
運ばれてきたジュースを一口啜り、番外個体が切りだす。

「どうせあの人絡みなんだろうけど、一体なにがあったの?襲われた?自家発電でも目撃しちゃった?」
「あはは…違うよ、いやーごめん。急なことだったからミサカ驚いちゃって…。
というか、今まで気づかなかった自分の鈍さにもビックリ」

打ち止めも、走りに走って乾いた喉を潤す。グラスの中身はいっきに半分ほどになった。

「あー、もしかして…、お姉ちゃんたら、今日うちの大学に行った?」
「うん行った。そして驚愕のシーンを目撃しちゃった、ってミサカはミサカは番外個体は知ってたんだな、と睨んでみたり」
「やっぱりかい…、怒らないでよ。だって絶対報告する義務があるわけでもないしさ。
そもそも最終信号が告白されてることだって、ミサカが自分からバラしたんじゃないよ?」
「むぅ、そういえばそうだった…ってミサカはミサカは反論できなかったり」
「ま、今回もバレるべくしてバレたんだし、いいよ。教えてあげようじゃない」
524 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 13:01:24.63 ID:hZcuBRCF0
番外個体は、ここ最近急に一方通行が大学内でモテはじめたことを語った。
三年生になってから登校日数、在学時間が増えたこと。人当たりが前より良くなったことが原因ではないかと考察している、と。

「大体さー、忘れがちだけど第一位って、学園都市第一位なんだよね。むかつくけど全能力者の憧れって言っても過言じゃないし。」
「そう、だよね…それにあの人かっこいいし…」
「それは同意しかねるけど、まぁとにかくウケはいいかな。
その裏門への道が、あの人への告白ロードとして定着しちゃってるらしいよ。告白ロードってぶはだっせぇぇぇぇって笑った」

だんだんと落ち着いてきた打ち止めだったが、予想以上に多くの女性が自分の恋人を狙っている状況に暗澹たる気分になってしまった。

「ねぇ、番外個体たちの大学って、何人通ってるんだっけ?」
「んーと、ざっと四千人くらいっだったかな」
「半分は、女の子だよね、ってミサカはミサカは当たり前のことをさらに確認してみる」
「当たり前だけど……女全員が第一位に惚れるわけないじゃん。しっかりしなよ、あの人は最終信号と同じで全部断ってんだってば」

大事にされてんでしょ?と励まされて、どうにかアホ毛の角度をいつもどおりの高さにまで持ってくることができた。
そうだ、あの人の恋人はミサカだもんね!と返事して、迷惑をかけてしまったお詫びにこの店のお茶代を奢り、打ち止めは家路についた。
525 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 13:05:15.50 ID:hZcuBRCF0
(大丈夫大丈夫、だってほら思いだしてみなさいよミサカ。アレとかコレとか、指輪とか。
あんなにぎゅうって、ちゅうって……だから大丈夫だもん!ってミサカはミサカは
この心配は史上最大級の無駄なんだって自分に言い気かせてみる)

家に戻ってからも呪文のようにそう心の中で唱え続けて、風呂上がりに彼の部屋を訪れた。
いつもと同じ、他愛無い話をしてからドアの前でお休みのキスをする。
そろそろ唇を離そうと思ったのだが、今日は珍しく一方通行にそのつもりがないらしい。
かかとを浮かしたままでは辛く、ゆっくり体の力を抜いてようやく離してもらった。しかし相変わらず腕の中に閉じ込められたままだ。

「今日…オマエ帰ってくるの遅かったなァ?」
「え、あぁ、友達とお喋りに夢中になっちゃ」
「嘘だな」
「あっ」

打ち止めが言い切らないうちに、彼の唇がまるで噛みつくように首にあてがわれた。いや、実際に噛んでいる。

「教えたくないなら、別にいいけどな…」

(えーその代わりオシオキですか!?ってミサカはミサカはあなたのせいでつきたくない嘘ついてるのにぃっ。
でも何ですぐバレちゃうの!?)
526 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 13:08:39.02 ID:hZcuBRCF0
ドアに打ち止めの背中を押しつけて、一方通行の口はだんだんと鎖骨へと降りてくる。
左手はパジャマの裾から侵入して腹を撫で回し、右手はぷちぷちぷちとボタンを三つ外していった。

「ちょ」
「コレは取りゃしねェから」

今日のブラジャーは薄いピンクに赤で花の刺繍がしてある。その肩にかかっているストラップを、一方通行はクイと引っ張ってから離す。
ゴムの力で引き戻ったそれが打ち止めの肌にぶつかり、ペチっと音を鳴らせた。

(ほうほう、つまりそれぐらいで許してやらァ、という意味ですな…え、いきなり?)

「んっ」

一方通行はブラジャーごと打ち止めの胸を両手で押し上げ、深く刻まれた谷間に舌を差し入れてから、
服の上からは見えない場所に次々と痕をつけていく。打ち止めが肩をすくめても手はまさぐるのを止めないので、
結局ストラップは肩からずり落ちた。

ひととおりオシオキが済むと、ブラジャーとパジャマを一方通行が元にもどす。
ずっと中腰だったのがこたえたのか、少し体を伸ばしてから少女の頭をポンポンと叩いた。

「じゃァな、オヤスミ。あまり悪いコトすンじゃねェぞ」
「…うー、ミサカはいつでもイイコです!ってミサカはミサカはあなたに反撃してみたり」
527 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/15(月) 13:12:03.10 ID:hZcuBRCF0
まったく、誰のせいでオシオキされるはめになったと思っているのか。
自分のことを心配してくれているから、今日の帰宅が遅いことを問いただされたのは分かっている。しかし

(あなたのことも、心配なんだからね!)

打ち止めはいささか乱暴な手つきで青年のシャツのボタンも三つ外す。彼のようにはできないので、両手を使って。
一方通行は、彼女の珍しい行動に内心驚きながらも、それを止めようとはしなかった。
打ち止めは彼の胸の中心に唇を寄せ、チュウっと吸う。

「………」

(むぅ、あまりアトが残ってない…)

人一倍色白の肌なのに、慣れない打ち止めには上手にキスマークがつけられない。もう一度と思って、すぐ横に口を移動させる。
一方通行が少女の意図に気づいて、やり易いように胸をそらし腰を抱き寄せてやった。
四度目の挑戦で満足のいく赤色が出たので、打ち止めは「うん」と頷き、笑顔でおやすみと手を振ってから部屋を出て行った。

(ちょっとあの人にやつあたりしちゃったな。でもいいもん!これぐらい当然だもん!ってミサカはミサカは
意外と楽しかったことを正当化してみる。あの人がいつもミサカにアト残す気持が分かちゃった)

その後風呂に入った一方通行は、自分の胸につけられたキスマークを見つめながら、一人湯船の中でニヤついていた。
存外に、嬉しかったらしい。
528 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 13:29:02.72 ID:hZcuBRCF0
とりあえずここまで。

ヒーローもヒロインもモテモテか。少女漫画の王道だよね。
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2011/08/15(月) 13:52:50.41 ID:34WXnwQX0

まさか昼間に投下とは、のぞいてみて良かった。
530 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 14:03:19.88 ID:hZcuBRCF0
>>529
お盆だかんね。というか、昼間に投下しただけで「まさか」と言われる自分oh…
夜また来る「かも」しれません。
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/15(月) 14:08:01.04 ID:tmgsGoNNo

セロリ爆発しろ
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/15(月) 14:31:18.47 ID:yBzInqqDO
バカップル乙このやろう
番外個体かわいいよ番外個体
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/15(月) 14:39:06.12 ID:s4tlYBbS0

つい通行止めのオシオキより番外止めのなかよし姉妹にニヤニヤしたなんて言えない
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/08/15(月) 15:26:20.70 ID:IZRvMcico
いちおつ
打ち止めァ健気かわいい

>>1は懐メロマニアなのか
やたら古い歌知ってるな
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/08/15(月) 15:46:49.21 ID:IZRvMcico
いちおつ
打ち止めァ健気かわいい

>>1は懐メロマニアなのか
やたら古い歌知ってるな
536 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 16:00:25.58 ID:hZcuBRCF0
>>534
そういうわけじゃないけど、同年代よりは詳しい方。最近の歌もいけるぜ。
「なんじゃこりゃぁぁぁ」(ジーパン)とか
「お、この社員番号(000009)てジョーみたいでカッコイイですね!」
と言って理解されなかったことはある。

なんか今日はレスするなー、お盆だからか。
537 :ブラジャーの人2011/08/15(月) 18:33:14.65 ID:hZcuBRCF0
それもういっちょ投下。夜ですらねぇわ…

538 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 18:36:09.05 ID:hZcuBRCF0
それから数日、大丈夫と唱えつづける打ち止めだったが、心の底で燻る不安の炎は、鎮火どころか今や蝋燭大にまで成長した。
一方通行に抱きついても、キスしても、あの日彼に告白していた女性の姿が頭から離れない。

(うぁー…もう頭も胸の中もモヤモヤでぐるぐる〜)

今日も、あの裏門への道で誰かに呼び止められているのではないか。
人気のない実験室や教室、はたまた論文を書くときに入り浸るという図書館とか…

自分より背が高くて、大人で、化粧もばっちりな彼と同じ年の女のひと達が、
一方通行に「好きです」「付き合ってください」「憧れてたんです」と告白している。
しばらく前から、そして今も…

打ち止めは大切に仕舞ってある指輪を取り出して、左手の薬指にはめた。
最初に右手にはめようとしたのを、一方通行が自らこの指につけろ、とやってくれたのだ。

(ミサカはあの人のことが好き…。あの人も、指輪をここにはめてくれたもん…)

でも、だめだった。ベッドに寝転がって、天井を背景に指輪を見つめていたのだが、視界がじわりと滲む。

(あっ)

ついに涙が出てきてしまった。慌てて起き上がり雫を拭う。
完全に情緒不安定だ。またネットワークに迷惑がかからぬように気をつけなければ…
ゆっくりと深呼吸して、ひたすら心を落ち着かせる。

「はぁ、恋する乙女は大変なのね、ってミサカはミサカは溜息をついてみる」

こんな時はアレだ。彼に特製愛情たっぷりコーヒーを飲んでもらって、美味しいと褒めてもらって、抱きついて甘えるに限る。
打ち止めはリビングにいるであろう一方通行の元へ足を急がせた。
539 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 18:38:51.54 ID:hZcuBRCF0
自分にべったりとしがみ付いてくる打ち止めの様子が、ここ数日変だ。
もうすぐ保護者達も帰宅する時間なのに、一方通行は「彼女にそろそろ離れろ」と言うことを躊躇ってしまう。
首をかがめて少女の顔を注意深く観察する。
自分の腕を抱えこんで目をつむり、寝ているように見えるが呼吸からそうでないと判断できる。

(ン?瞼が…赤くねェか?)

コーヒーの入ったグラスを置き、水滴がついたままの冷えた指で彼女の目元に触れた。

「なに?」
「どォしたンだ…」

(ありゃ、泣いたのバレちゃったかな?ってミサカはミサカはもっと注意するべきだったと後悔してみる)

アイスコーヒーによって冷やされた指が、少し腫れた目に気持ちいい。
こんなにも自分を心配してくれる一方通行。わずかな異変にも気づいて、こうして労わってくれる。

(…うん。だい、じょうぶ)

「ありがと……あなた…」

打ち止めは腕を離したと思ったら、今度は無理やり背中に手を回してきて胸に顔を埋めてきた。
その表情が幸せそうに笑っているので、一方通行はそれ以上何も訊かない。
ただ、本当にタイムリミットが近い。首の電極をONにして、彼女を抱きかかえると、少女の部屋へと移動した。
いつ保護者に目撃されるかわからない今のリビングでは、キスもできない。
540 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 18:40:31.82 ID:hZcuBRCF0
二日後、相変わらず不安定な心理から抜け出せない打ち止めは、ある決心をする。
一方通行には怒られるかもしれないが、このままの状態が続く方が、お互いに悪いと判断した。
明日は午前中だけで学校が終わるというのも、彼女の決断の後押しをする。

協力者が必要なのだが、あまり直接連絡を取る人では無かったので、まずは滝壺理后の携帯電話にコールする。
滝壺は快くお願いを聞き入れてくれた。その場で予定も立てて、明日会うことになる。

(ふー、これでもう後戻りはできなくなっちゃったぞ、とミサカはミサカは少しわくわくしてみたり)
541 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 18:42:35.31 ID:hZcuBRCF0
打ち止めが何やら計画を立てているその日、一方通行は大学内の学食で昼食を取るために構内の道路を歩いていた。
横には番外個体と、いつもの野次馬連中がぞろぞろとくっついてきている。

(何で俺はこいつらと飯を食うのが恒常化しちまってンだ…)

目当てのステーキセットがある学食まであと少しという所で、ここで耳にするはずのない声が聞こえてきた。
そのとたん一方通行はぐるりと進行方向を変え、走るような速さでスタスタと行ってしまった。

「あれ、おい一方通行?」
「第一位さま?」

呼び止められたが、そんなこと構っていられない。目標まであと数十メートル。
番外個体もキョトンとした顔をしていたが、彼が進む方向に何があるのか分かり

「あ…っちゃー…。ちょっとちょっと、無茶しないでよー」

小走りで彼のあとを追う。それに続いて野次馬達も番外個体に倣った。
542 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 18:45:07.78 ID:hZcuBRCF0
(むむ、うかつでした。まさか学食が三つもあるなんて。
一体あの人はどこでお昼ごはんを食べるのかな?ってミサカはミサカは構内地図を前に悩んでみたり)

打ち止めは午前だけの授業を終えた足で滝壺との待ち合わせ場所に赴き、準備を整えてから一方通行が通うこの大学へやってきた。
今頃は学食で昼食のはずなので簡単に発見できると思ったのだが、地図によると馬鹿広い構内にそれが三つもあるではないか。
久しぶりにビビビ、とアホ毛を震わせてあの人の居所を探ってみて、
ここかな?と見当をつけた第二食堂へとやってきたつもりだったのだが…

歩き慣れない大学の敷地内、周りに立つ建物や学生達に気を取られていたら、いまいち道が分からなくなってしまったのだ。
道行く三人連れに「第二食堂はどこですか?」と聞いたら

「え?すぐそこに建ってるじゃん」
「え?あ?あれ、なんだすぐ近くまで来てたのね、ってミサカはミサカは恥ずかしかったり」

お礼を言ってそそくさと立ち去ろうとしたが、その彼らに呼び止められてしまった。

「ねぇ、君うちの学生じゃないの?あの、三年のミサカさんに似てるけど、…家族?」
「あ、そう。そうですミサカワ、は、このミ、私のお姉ちゃんです」
「おーやっぱり。じゃ第一位とも仲良い?」
「!……はい、すっごく!」
543 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/15(月) 18:48:39.59 ID:hZcuBRCF0
ちょっとした立ち話をしていただけだ。あの人や番外個体の話を知らない人から聞くのは、非常に面白かったから。
それだけなのだが、

どん

どん

どん

おかしな、不自然な振動が近づいてくる。

「地震か?」
「いや、何か変よこれ」

どん!

「はあ!しまった先に発見された!ってミサカはミサカは大失敗!」

「ラァーストオーダー…、オマエ何やってンだァ…っ」

どっん!

一方通行が、恐ろしい貌で打ち止めの後ろに立っていた。
少女に対してだけ怒っているように見えたが、一際強く地面を踏みしめたその衝撃は、
打ち止めと話していた男子学生二人にだけ伝わって彼らをふらつかせた。一緒にいた女学生には何の被害もない。
そろそろ〜と振り向く打ち止め。

「あ、あなた…テヘ、怒らないでね?」
「あ?なンだそのカッコ」
544 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 18:54:11.93 ID:hZcuBRCF0
向かい合った二人。うおぉなんか第一位怒ってる!?とその場から後ずさる不幸な三人連れ。
そこへ一方通行を追いかけてきた番外個体達も合流した。
周囲も、今の変な地震は?あそこの第一位がまたなんかしたんじゃね?とこちらに注目している。

「あーあーあーあなたってば、足跡がこんなにくっきり…。ちょっとぉ」
「わースゲー!これで突き刺さるフォークに続いてまた第一位名所ができるな!」
「よっしゃすぐに学生課に申請出そうぜ!」
「ミサカ、あのやけにアンタにそっくりなコは何?なんで第一位さまと空気築いちゃってるわけ?」

一方通行が地面に刻んだ足跡を、文句を言いながら確認していた番外個体はそう訊かれて、面白そうにニヤリと笑った。
第一位は諦めたように溜息をつく。

「ミサカの妹だよーん、カワユイでしょ?そんで、あんたらが噂してたらすとちゃん本人」

一瞬静まりかえったあと、

「「「えぇぇぇぇぇぇーーー!!??」」」

打ち止めは、「らすとちゃん」というのが何なのか分からず、一方通行と番外個体達を眺めるばかりだった。
彼らが一斉に自分を凝視してきたものだから、驚いて一方通行の背中にしがみついて隠れる。

らすとちゃんというのは、以前この野次馬たちと一方通行がランチの最中に、
番外個体がポロっとこぼした第一位の彼女かもしれない人の通称だった。
真実を知る番外個体と一方通行は、周囲がいくら尋ねても口を割らないので、
野次馬達の中では伝説の人物として、度々話題に上がっていたのである。
545 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 18:58:12.50 ID:hZcuBRCF0
「ま、じでー…?」
「おー…まさかミサカちゃんの妹だったとは…」
「はー…えー、かわいいやんけー」
「ちぇっ、ブラフじゃなかったのね。ミサカも人が悪いんだからー」

(あれあれ?ミサカ何だか有名人?もしかしてミサカはちゃんとこの人のカノジョとして認定済み?)

打ち止めがしがみつく一方通行の顔を見上げた。青年も彼女を見降ろしていたのだが、
かけられた言葉は彼女の思っていることとは若干違った。

「…その、格好はなンだよ」
「!」

違うのだが、それも打ち止め偉大なる計画の主要項目の一つだった。
今日のミサカは一味違うんだぜ、と一歩下がって胸を反らす。

「似合う?ってミサカはミサカはあなたのために変身してきたのー、どう?」

髪はかすかにクルリと巻かれている。一房をあの温泉旅館で買った髪飾りで留め、顔にうっすらと化粧。
ヒールの高いミュールを履いて、スカートはいつもより長いが代わりに胸はかなり大胆なデザインだ。
そのワンピースは普段彼女が好んで着る鮮やかな色ではなく、ブラウンと白、黒が基調である。
左手薬指には、もちろん彼に買ってもらったリングが光っていた。

「あー、おォ似合う似合う」
「投げやり!って予想の範囲内だけど!」

頬を膨らませる打ち止めの頭に、一方通行の手がぽんと置かれる。
もっとも右側は髪飾りがつけられているため、左の耳辺りを撫でるような形になってしまった。
546 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 19:00:34.19 ID:hZcuBRCF0
「………」

「アレ誰?」
「アレ一方通行?」
「どう見ても第一位と、そのラブラブらぶりーらすとちゃんですごちそうさま」
「なにあの顔。第一位さまの知られざる一面発見すぎる」

野次馬達の視線に気づき、一方通行は一気に眉をしかめる。打ち止めから手を引き、彼らに向き直ってジロリと睨みつけた。
その迫力に、さすがに「う」と、たじろぐが、この大チャンスを逃すわけにはいかない。なんとかその場に留まる。
呆れたように手を上げた番外個体が、学食に向かって歩きだした。

「もー、とりあえずご飯にしようよ。第一位も諦めなって、こうなったら」
「……おら、行くぞ」
「ミサカもいいの?」
「置いていくわけにいかねェだろォが」
「わーい」

第二学食を目指す三人に、野次馬達も当然のようについていった。
547 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/15(月) 19:05:42.10 ID:hZcuBRCF0
とりあえずここまで。

オトナっぽくおめかしした打ち止め。一方さんの大学に突撃作戦。
そろそろ野次馬達にも固有名詞を与えるべきか…
まぁいっか。
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/15(月) 19:29:19.95 ID:s4tlYBbS0
乙!
野次馬たちが愛しく感じてきたわ
その二人かなりのバカップルだから野次馬諸君あてられないよう気をつけろよ
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/08/15(月) 19:47:32.72 ID:i7f0xQ++o
これでロリコン説が定着してしまう訳か…第一位乙
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/15(月) 19:52:37.75 ID:OLSnKOUDO
ちょっと野次馬に混ざってくる
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/15(月) 20:17:11.94 ID:RxYvRn2No
大学生が爆乳中学生に手を出すとか…アグネス、出番だぞ…
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage]:2011/08/15(月) 21:40:11.28 ID:jHWgcyx70
ガラッ(AAry
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本)[sage]:2011/08/16(火) 02:01:35.85 ID:vm6mEQN8o
未だに巨乳の打ち止めが脳内に構築できないんだが
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/16(火) 03:22:37.32 ID:M+30LoSoo
巨乳しか想像できない俺が来ましたよ
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/16(火) 10:42:53.62 ID:HSA4xmL40
>>529
ちょっと前に本スレで
「さくら荘の5.5巻表紙が巨乳打ち止めに見える」
って書き込みがあったからそれ見てイメージしてみるとか
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/16(火) 12:57:39.42 ID:HSA4xmL40
ごめんアンカミスった
>>555>>553宛てです
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/16(火) 12:59:13.14 ID:i0PoWmo0o
クローン→巨乳
オリジナル→貧乳
母親→巨乳

どうしてこうなった…ミサカ遺伝子ェ…
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県)[sage]:2011/08/16(火) 20:46:07.88 ID:PsqTXSFyo
>>557
発展途上、もしくはレベルに反比例するのかもしれないな
559 :ブラジャーの人2011/08/17(水) 00:07:09.96 ID:k1ysWu2N0
おぉ、野次馬わりと受け入れられてる?よかったー、オリジナルキャラはSSでは
どうだろうと思ってたから。しかもこいつら今回フィーバーしてます。

>>551 >>552
一方さんならアグネスも反射してくれる、きっと。

>>553
ピクシブにも巨乳の打ち止めイラストあったような?一様に着衣ですが。

お姉様の胸はなぜかあまり成長しない気がする不思議。
やはり黄泉川先生の力か…?

じゃ、今日の分いきます。
560 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/17(水) 00:16:13.21 ID:k1ysWu2N0
野次馬四人と一方通行、番外個体、打ち止めは学食のテーブルに座っている。
それぞれの目の前には既に昼食が用意されていたが、食べ始めているのは一方通行と番外個体だけだった。
一方通行と打ち止めが隣合って座り、その他の五人は二人に対面している。
野次馬は興味と好奇と興奮と憧れの眼差しを打ち止めに浴びせ、彼らのご飯はどんどん冷めていく。
ちなみに打ち止めはもう軽く済ませてきたということで、一方通行がケーキとジュースを用意してやった。

「さて…まず何から訊くか」
「ウチら勝手にらすとちゃんて噂してたけど、なんて呼べばいいかな?」

打ち止めはジュースを置き、両手を揃えてかしこまる。

「ミ、周りからは打ち止め(ラストオーダー)って呼ばれてます。よろしくお願いします」

そしてペコっと頭を下げた。今日のワンピースは胸元が開放的で、野次馬の男三人から感心の唸り声が。

「さすがミサカちゃんの妹だわぁ…」
「ああ…」
「その格好で一方通行にノートを取るようにお願いしてくんねぇかな…」

ガンッ

一方通行がステーキを咀嚼しながらテーブルを蹴り上げ、男三人は慌てて水が入ったコップや、
背の高いビンに入った調味料が倒れないように押さえる。
その甲斐あって、どれもこぼれることは無かったが、テーブルの中心に刺さったフォークが振動の余韻を受けて、ビー…ンと震えた。

「あの、このフォークってあなたがやったの?」
「おーっ分かる?やっぱ分かる?そう、このフォークこそウチのガッコが誇る第一位名所その一」

一方通行が答える前に、野次馬が嬉しそうに打ち止めに教えてくれる。
561 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/17(水) 00:20:23.97 ID:k1ysWu2N0
「えーと、…ラストちゃんて呼んでもいいよね、俺らそれに慣れちゃってるし。
そして君のおかげで、ついさっき名所その二が作られたんだぜ!」
「名前どうすっか」
「怒りの足跡(そくせき)」
「いいね。それで学生課に申請出しとくわ」

そこで、トントンとテーブルを叩く赤い爪。
今日の野次馬紅一点が、話を元に戻す。

「このアホども、そんなことはどーでもいいのよっ。ラストちゃんに注目なのよっ。
こんなチャンスは滅多にないのよっ。第一位さまの真実にまた一歩近づくのよ!」
「お、おうすまん」

打ち止めは何を訊かれてもいいように、ジュースで喉を潤して準備を整えた。
一方通行も番外個体も、何も言わずにもくもくと食べ続けている。

(この人には悪いけど、今日は皆様にミサカのことをばっちり紹介してやるもん。
第一位には、もう打ち止めっていう素敵な彼女がいるって知らしめてやるんだから…!ってミサカはミサカは一大決心!…そうすれば)

あなたのこと、とられないで済むよね……

一方通行が打ち止めの中学に授業参観に来てからというもの、彼女への校内での告白はめっきり減った。
それは既に彼氏がいると知れ渡ったのが大きな要因で、年上であること、
遠慮なく振りまいていった、その異様な雰囲気や魅力的(だと打ち止めは思ってる)な容姿も味方したからだ。

つまり打ち止めも一方通行を授業(?)参観して、彼を狙う女性達を牽制しようという企みである。
しかし、自分はまだ所詮中学三年生だ。今日は精一杯のおしゃれと、大きな武器である胸を際立たせて乗り込んで来たのだった。
562 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/17(水) 00:23:48.87 ID:k1ysWu2N0
「えーと、まずやっぱ年よね。何歳?」
「じゅ…」
「十五歳だ」

打ち止めが口に出す前に、今までひたすら食べていたはずの一方通行が、ナイフとフォークを置いて答えた。

(え?ってミサカはミサカは……)

「うそぉ、見えない!十八歳くらいかと…」
「ん?十五?…ひょっとしてまだ中学生?」
「なンか文句あンのか」
「イヤ、ヤバ、…俺の彼女も十七歳だし、いい…のか?」

今日はなんでか知らんけど、第一位が喋ってくれる雰囲気かも?訊いてもいい雰囲気かも?とあたりをつけた野次馬達。
次々と質問を投げかけていく。

「いつ?いつ知り合ったの?やっぱミサカの紹介!?」
「えーと、お姉ちゃんよりミ、私の方が先」
「五年前にな、ちょっとしたことで関わったンだよ。それ以来アンチスキルのトコで一緒に世話になってる」
「ミサカが学園都市に来たのはその後だよ。一時期ミサカも同じマンションに居たけど、今はご存知自立中」

番外個体はカルボナーラを水で流し込むと、この場で初めて声を発したが、それだけで彼女はデザートを取りに席を立ってしまう。

「あー、前言ってた一緒に住んでる三人のうちの一人だったのーってマジかよ」
「五年前って当然ラストちゃん十歳だよな!?」
「ロリコン?」
「でも今はたわわわーんだし、いいんじゃないか?」
563 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/17(水) 00:27:39.01 ID:k1ysWu2N0
この野次馬達、非常に失礼である。
打ち止めは一方通行にあらぬ汚名がかからぬよう、フォローに乗り出そうとしたのだが…

「ばァーか。俺は学園都市第一位だぜ?色々しがらみとか厄介な事情があったンだよォ。
オマエらの軽くてスカスカの頭じゃ思い至らないンだろォけどな」
「そ、そうっ、ってミサカはミサカはこの人を悪く言っちゃダメだと……っ、言わないでクダサイ…」

またしても打ち止めが何か言う前に、一方通行が全て答えてしまった。焦ってついつい我慢していた口癖が出てしまう。

(しまった、全然大人っぽくない…っ、ってミサカはミサカは上手くいかないなぁと嘆いてみたり)

しかし、野次馬達はそんなこと気にならなかったようだ。
しょんぼりと俯く打ち止め。
再びステーキを切り分けはじめた彼氏をチラチラ見やりながら、ジュースのストローにチュっと吸いついた。

「……」
「……」
「おい、カワイイぞ…」
「ねぇ、想像以上にカワイイわ…」
「…かわいいなにこのコ」
「これに第一位はしてやられたってことだな…かっわぇぇ」

この娘を励まさなければ。
野次馬紅一点が、手をひらひらとさせ明るく言う。
564 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/17(水) 00:33:06.50 ID:k1ysWu2N0
「つまりはこーよ。第一位さまは光源氏なの!幼いラストちゃんを保護して守ってきた光る君ね!」
「なぁる。ラストちゃんが紫の上ってことだな、いとをかし!」
「なぁでもそれじゃあ、一方通行が次から次へと女とっかえひっかえの超絶節操無し下半身の種まき野郎になっちまわねぇか?
しかも紫ちゃん十四歳で手ごイタァっ!?」
「空気読め死ね!誰よ第一位さまを側室通い婚上等時代のタラシに例えるやつは!」

野次馬達が何やら自分達を褒めてくれてるようなので、ぐぐぐ、とアホ毛と共に笑顔を取り戻しかけた打ち止めだったが、
すぐさまその表情が暗くなった。
今、彼女にそのテの話題はタブーである。
一方通行は、若干眉がつり上がってきているものの、この記者会見のような、取り調べのような茶番に黙って付き合っていた。
そろそろ彼の皿の中身も少ない。そしてきっと心の許容も残り少ない。

「あー違う違う、丘の上の王子様だよ!」
「そうよアンドレのように一途なんだから!」
「ラストちゃんみたいな可愛いコは自信持って!」
「そうだよ!ミサカちゃんの妹って嘘だろ?って思っちゃうくらい!」
「あんたら、まーた髪の毛焦がされたいわけぇ?いいけどミサカは別にぃ?最近放電してなくてイロイロ溜まってたからー」

打ち止めと同じケーキを持った番外個体が、野次馬達が座る椅子を小突いた。

「いやいやいや、そっくりな妹さんです」
「そしてカワイイです」
「さすがミサカちゃんです」
「だからそのパリパリ早くやめて」
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/17(水) 00:33:46.19 ID:3z4hSltV0
                          .ィ´三三三三三三ミ`ヽ
                         ..ィ{L三三三三三三三ミ」}}
                       /V.:.:.7.:.7.:.:.:/.:.:./.:.:ヘニヽ三ト、
                         |:ノ.:.:./:._/.:.:i/:/.:/.:./.:.{⌒Y.:.:.:.:!
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                      イ.:{ ヘ 弋少    込少 /.:.:.ハj
                       /:!.:.ヽ.j  """   ,.  """ ,' `):|
                   /:∧.:.:/ヘ.          /.イ.:|
                     /}/ i.::ハ.:.:.\    ̄   . イ.:.:.八|
                    |/ ノ人ノ `  __ イ.:.:ノ.:从
                      γ  ̄         レ=  ̄  ヽ
                   {            マ= <: ヽ     v
                 |    ';    イフ    ` 、   l
                     l      !    人イ   _   v. |
                    l:    |   イ: : \r: :ハ   v  l
                  |    |  ,.': : : : : : : : :∧   ,. !
                      l    | /: : : : : : : : : : : ハ   , |
                    !     |!: : : : : : : : : : : : ∧   丶;
                      l     |: : : : : : : : : : : : : ハ     :}
                   l:     |: : : : : : : : : : : : : :∧     |
                       〉   l: : ヽ: : : : : : : : : : : ∧   j
                     ハ     V: :丶: : : : : : : : V   ̄
                         ',    V: : ヾ: : : : : : V
                     λ    V: : : \: : : :〈
                        /: ヘ    v: : : : :ヾ: : :ハ_
                  イ: : : .ヽ    v: : : : : : : : : {
                 ノ: : : ヾ: :.ヘ   V: : ー-: : : : :ヽュ、
                /: : : : : : : \ハ   V: : : : : : : : : /: : :フト、
               .イ: : : : : : : : : : : ∧   V: : : : : : /: :/: /   <
                  V: : : :/ ̄ ̄ ̄ ̄ ‐-  V: :ミ: : : :/: :; '        <
              γ  ̄ 〈: : ; '            ヘ: : : : : : : ; '            <
        _ /    V/   _  -─-  _       </                ヽ
     r =´         ̄ ̄         丶       丶                    }
       `ー 、                    ̄        ト -- ___        イ
             ≧ ---  __                    ∧         ̄  ─ "
                       ‐-  _            イ
                         ̄  ───  ̄
566 :ブラジャーの人[sage ]:2011/08/17(水) 00:39:37.82 ID:k1ysWu2N0
番外個体は一際大きな音で、ばちっと紫電を閃かせてから席についた。
ザクザクとケーキを大雑把に切り分け、メインの苺から大口開けて放りこむ。
食べながら一方通行と打ち止めの様子を見、そして野次馬達にこう言った。

「んで?他に訊きたいことあんの?もうすぐ三限目始まるし、その冷めきったご飯をいいかげん腹に入れろってぇの」

あ、しまった、と野次馬達は慌てて箸やらスプーンを動かし始めた。

一方通行は食べ終えた皿をそのままに席を立つ。え?どこに行くの?と見上げた打ち止めに顎で指図して

「行くぞ」

ただ一言告げて学食を出ていこうとする。打ち止めは結局手をつけられなかったケーキを残し、
野次馬達にまたペコっと頭を下げて彼を追いかけた。

「あー!?一方通行次の物理学はぁー!?」


悲痛な呼びかけを無視して、一方通行は打ち止めが駆け出してからドアを閉め、車が置いてある駐車場とは逆へと歩き出した。
567 :ブラジャーの人[sage ]:2011/08/17(水) 01:00:03.56 ID:k1ysWu2N0
補足説明 
・野次馬その1 一方通行を「第一位さま」と呼ぶ女。番外個体と気が合う性格 「さま呼び」と命名 サマンサでも可
・野次馬その2 一方通行の頭脳に頼って、ノートのコピーや同じ講義の選択に余念がない男 「単位」と命名
・野次馬その3 一方通行の能力に興味深々で、もっと大学内に第一位名所を作りたい男 「名所」と命名

他に男が二人、女が一人いるはずだが、命名できるほど個性がない。


とりあえずここまで。
アンドレはともかく、丘の上の王子様はちとやりすぎたか…
君は光、僕は影って、通行止めっぽいと思います。
すして、それ以上に一方さんは光源氏だと思ってた。拾った幼女を育てて嫁にするとか…まじ一方=光る君
ただ浮気症なんだよな。そこがだめだ、このマザコンが。一方さんを見習え、一途が過ぎて天使になったぞ。
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/17(水) 01:40:30.55 ID:3LA69+zDO
>>1はちょっと古い歌謡から古典まで色々知ってるなwwww
今回も面白かった
続き楽しみにしてる
野次馬ーズ好きだぜー
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2011/08/17(水) 10:28:39.00 ID:DjY45y700
次も楽しみにしてる!乙!
570 :ブラジャーの人2011/08/17(水) 16:56:59.18 ID:kFweLQTl0
>>568 一方さんがラノベ界の光源氏だと、広く宣伝したいです。

では続き、いくぜ!!
571 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/17(水) 17:00:40.71 ID:kFweLQTl0
一方通行は歩き続ける。後ろからついてくる打ち止めが時々小走りになり、髪飾りがシャラシャラ音を鳴らした。
どうも慣れない高いヒールが枷になって、いつもの早さで歩けないようだ。
それに気づき、一方通行はさらにスピードを落とした。

十分ほど経って大学の敷地のはずれにあるベンチに辿り着いた。
周囲の建物には丁度窓がなく、天井には葉が茂った藤棚に覆われて涼しくて人気もない。

一方通行がそこに座ったとき、三限目の開始を知らせるチャイムが響いた。

「…っはァー!ったく…。あのクソボケども…、好き放題言いやがって。オマエもなァ…」
「ご、ごめんなさい…。ミサカのせいで…」

(でも、後悔はしてないの、ってミサカはミサカは悪い子だな…)

打ち止めはチョップを食らう覚悟で彼の隣に腰を下ろした。香水だろうか、いつもと違う香りが一方通行の鼻に届く。

「…気は済ンだかよ」
「……え?」
「オマエが何でこンなことやってるのか、一応分かってるつもりなンだがな」

打ち止めが目を丸くして隣の青年を見つめた。無意識に、右手で指輪を弄ってしまう。

「あ…、だから、ミサカが言う前にみんなに色々答えてくれたの…?」
「アレで、よかったンだよな?」

当初さすがに驚いてしまった一方通行だったが、すぐに打ち止めが何を思ってこんな姿で大学へ押し掛けてきたのか察しがついた。
なぜなら身に覚えがあったから。
572 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/17(水) 17:03:46.09 ID:kFweLQTl0
まだ初夏の頃、打ち止めの中学へ授業参観に行った自分の姿と、今の彼女が重なって見えた。
今にして思えば、あの時味わった高翌揚感や胸のすく思いは、
周囲に彼女への所有権や独占欲というものを誇示した子供っぽい行動の結果だった。
しかしそれで二人の中が進展したのも事実で、
打ち止めにしてみれば第三者に自分達の特別な関係をアピールしたい欲求があるのは無理からぬことだろう。

(俺だってアレは面白かったしな。打ち止めにも付き合ってやってもかまわねェだろ…)

これでこの少女も満足したハズだ。自分はかなりの疲労と羞恥をこうむったがかまわない。
後は軽く、足の負担にならない程度に構内を案内してやって帰ればいい。一方通行はそう思っていた。
なのに、打ち止めの顔がだんだんと歪むではないか。

「!?お、おい打ち止め?」
「あっ、ごめん、ってミサカは、う」

焦った。一方通行はかなり焦った。
なぜ泣く?自分のしたことは見当違いだったのか?
打ち止めは彼の困った様子に気づいて、あわてて涙をぬぐって笑った。今日は化粧をしているので、注意深く。

「嬉しいの。あなたがミサカをちゃんと紹介してくれたのが…。
もしかしたら怒られて追い返されるかもしれないと思ってたから、ってミサカはミサカは予想以上の結果にビックリしてみたり」
「おォ、そうかよ…」
(今頃になってすげェ恥ずかしくなってきやがった…、まァ打ち止めも喜んでる、ンだよな?でもよォ…)

「なにも泣くほどのことじゃねェだろ…?オマエ最近ちょっとおかしいぞ」
「ん、うん…。最近ちょっと情緒不安定っていうか…」
「あァ、ここ数日変だとは思っていたが…、何があった」

打ち止めは彼の方へさらに身を寄せ、肩にそっともたれる。
573 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/17(水) 17:06:33.86 ID:kFweLQTl0
「一週間ぐらい前だったかなぁ…。ミサカ、四限目が終わったあなたに会えるかもしれないと思って、
裏門までお迎えに行ったの、ってミサカはミサカは秘密を打ち明けてみる」

一方通行の体がピクリと震えた。一週間前、四限目後、裏門といえば…

「……」
「あなたが告白されてる衝撃のシーンを目撃しちゃってから、ミサカ不安で不安で…。
番外個体からあなたが急に女の子に人気花丸急上昇!って聞いたら余計に」

(番外個体にバラされるとこまで同じかよォ…、なンつう似たもの同士なンだ俺達は…)

「だから、分かってるのに、大丈夫なのに…。もういても立ってもいられなくなって…。あなたには、色々してもらってるのにね…」

打ち止めが一方通行から貰った指輪に目を落とし、それを愛おしそうに撫でた。

それを見て、一方通行の胸が苦しくなる。

打ち止めが告白されまくっていると知って、自分はすぐに嫉妬にかられて彼女に詰め寄った。

どォして俺に言わなかったンだ、と。
打ち止めはそんな自分に笑顔で言ってくれたではないか。
「あなただけ」「あなたのことが大好きよ」「いいよ、分かってるから」

(打ち止め…)

彼女は一週間悩んで、苦しんで、こんな指輪にすがって耐えていたのか…?

「こうして指輪も貰ったし、最近はちゃんとミサカのこと打ち止めって呼んでくれるし、いつもミサカのこと心配してくれてるし…」
「打ち止め…」

打ち止めが益々一方通行の肩に体を預けてきた。彼の手が、少女の腰に自然に回される。
574 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/17(水) 17:14:48.68 ID:kFweLQTl0
「どんなカンジどんなカンジ!?」
「押すなもぉっ、狭ぇんだよ」
「イタっ、アンタは物理学に行ってきなさいよ」
「いいんだ、こっちの方が重要だから。どうせ一方通行には試験のヤマ教えてもらうつもりだもんね」

野次馬達は結局二人を探し出して、こうして出歯亀している次第である。よほど一方通行のことが好きなようだ。

「上から見えればいいんだけどなー」
「ミサカちゃん、これ以上いい場所ないの?」

三歩ほど下がった所で番、外個体が打ち止めの残したケーキを食べながら面倒くさそうに答えた。
彼女は野次馬たちに急かされて、こうして皿とフォークを持ったまま学食から連れ出されたのである。
そして気は進まないものの、二人の居場所を案内させられ、覗きスポットまで指定してやったのだ。

「…無理だね、あの人はミサカ以上に勘が鋭いから。これ以上近づいたら絶対バレる」

「あ!?ラストちゃん泣いてる!?」
「うそっ」
「ひぇードラマチックが超特急でこの駅には停車しません」
「いや、大丈夫みたいだぜ…、あ!くっついた!」
「いやーん第一位さまがっ青春っ」
「……お!腰に手が!手が!」
「キスいきますか!?」

野次馬改め、出歯亀たちが盛り上がるあまりに身を壁から乗り出す。一方通行達までの距離は三十メートルだ。

「あ、ちょっとアンタたち」

番外個体が注意を促そうとフォークを亀達に向けるが、その体はすでに一歩も二歩も下がっている。

「きゃ」
「わ!?」


ごぉっ、と突風が吹いた。
しかしその風は亀四匹の頭上にだけ吹き荒れ、垂直に彼らを押しつぶす。

「あーあ…、バレた。ひひっ、第一位今どんな顔してんのかにゃー?」

番外個体は目を回す四人の前に、まるでお供えをするかのようにケーキの皿を置き、スキップでその場をあとにした。
575 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/17(水) 17:16:22.91 ID:kFweLQTl0
「?どうしたの、ってミサカはミサカは急に能力を使うあなたに問いかけてみる」
「なンでもねェ、なァ打ち止め…」

一方通行は電極のスイッチを切りながら、少女の腰をさらに抱きよせて軽くキスをした。
まさか、人気はないとはいえ彼が通う大学の中でキスされるとは思わなかった打ち止めは驚いた。
でもこれはさっき友達(?)に自分をしっかりと紹介してくれたのと同じように、
打ち止めという個人を「大切だ」と宣言してもらっているようで嬉しくなる。

でも、その直後耳元で囁かれた言葉が少女の頬を限界まで赤くさせた。

「え、あ、……」
「じゃ、行くか…」
「は、い…」

駐車場までの道のりを、一方通行は真っ赤なままの彼女に合わせてゆっくり歩いた。
二人が手をつないでいる姿は、授業中とはいえ構内にいた沢山の学生達に目撃され、
翌日さっそく掲示板に写真と記事が貼られたのであった。
576 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/17(水) 17:23:16.86 ID:kFweLQTl0
打ち止め、一方通行の学校訪問に行くの巻 完

この話は一ヶ月ほど前からやりたっかんです実は。
ちなみに打ち止めの変身を担当したスタイリストは麦野さんだよ。

577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/17(水) 18:28:51.09 ID:Oaxu6yLO0
>>1乙!
番外個体も野次馬たちも麦のんもGJ!
学校内の有名人の恋愛スキャンダルはネタにされて騒がれてからかわれてナンボだよね
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/08/17(水) 18:58:41.37 ID:3O9LR/sOo
乙! 歯ぁ磨こうとしたら砂糖がでてきtシュガァァアァァッァァアアアアア!!
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/17(水) 19:38:51.02 ID:LrAOrRweo

しかし、一方さんが通うような高ランクの大学なのになんで野次馬がww
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/08/17(水) 21:31:44.60 ID:bytjkhV00
一方さんは高ランク大学じゃなくて、近所の大学に入学したんじゃなかったっけか?
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/17(水) 21:38:18.17 ID:zJUfbMdTo
さすがむぎのんだ!たよりになるぜ!年の功ってやつだな!
582 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/17(水) 21:40:32.75 ID:s+dtrGdP0
>>580
そーそー、とにかく近さで選んびました。

保護者がとにかくどっか入れっていうからよォ。
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage]:2011/08/17(水) 23:10:16.13 ID:voA9sEf/0
>>851
そっちにビーム飛んでいったけど大丈夫か
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/08/17(水) 23:21:33.81 ID:ZOiLt+LEo
むぎのん、えらく長距離も撃てるようになったんだな
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/18(木) 01:07:31.33 ID:0XuPsarAO
今俺の隣にいるからそんなに離れたとこから撃ったんじゃないよ
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)[sage]:2011/08/18(木) 08:40:34.95 ID:DX1meupAO
>>851に第一位がいたぞ
で、ビームが反射されて>>581に向きを変えてった
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/18(木) 13:56:36.70 ID:89p6bzIDO

一方さんそろそろ一回位爆発したらどうだろう
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/08/18(木) 15:49:51.60 ID:GJ4jc2IXo
>>1
『ラストちゃん』って呼び方がなんか可愛い
一方さん打ち止めの耳元で愛を囁くとか体中の毛穴から樹液出て来るんでやめてください
カブトムシ寄ってくるんでやめてください
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/18(木) 18:13:04.90 ID:lx9ZD3qfo
>>588
クヌギ乙
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/18(木) 18:35:09.45 ID:N7FCP8mXo
一方通行は万死に値しますね、これは^^
591 :ブラジャーの人2011/08/18(木) 23:28:10.33 ID:PscRFPRA0
>>586 おいおい、まるで851まで続けないかんようなこと言わないで頂きたい。いとわろし。

>>588 すみません。寄ってくるのカブトムシどころじゃないんです。
囁いたのは、愛っていうか、まぁ愛だけど。

>>589 いとワロスW


よし… 
では、今日の投下、いきまーす! オトコはオオカミな・の・よ、気をつけなさいマジで。
592 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/18(木) 23:30:13.99 ID:PscRFPRA0
一方通行に手を引かれ、駐車場の車に乗り込むまで、いや、乗り込んだ後も打ち止めの顔は赤いままだった。
それどころか益々ひどくなってきているようだ。
高いヒールが心もとなくて、そわそわと足を動かしてしまう。心臓は家が近づくほどに、その鼓動を速めた。
彼女は今日、一方通行の大学に押し掛け、何人かの学生に紹介され、藤棚の下で不安だった気持を打ち明けた。
そしたら彼が、学校の中だというのにキスしてくれて、その後こう言ったのだ。


『今すぐ帰ってオマエとセックスしたい…』


両手をぎゅうっと握りしめ、左手の指輪を確かめた。もともとマンションと彼の大学は近い。
車なら五分もかからず着いてしまうため、一方通行は毎日車で通学しているわけではなかった。

(それなのに、今日に限ってなんでポルシェちゃんで来てるのあなたぁ〜、あぁもう着いちゃう!ってミサカはミサカは心の準備がっ!)

方や一方通行はというと

(あー今日車で来といて本当に良かったぜ)

と思っていた。
593 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/18(木) 23:32:52.61 ID:PscRFPRA0
打ち止めが、そんなことあるわけないと彼女自身も分かっていながら、一方通行との関係に不安を持ち、
この一週間を悩んで過ごしていたという。
指輪なんかを撫でて、今まで一方通行が与えてきた思い出を噛みしめて耐えていたのを知って、彼はこう吹っ切れたのだ。

もう抱いてしまおう。どれほど大切に思っているか、傷をつけてもいいから刻もう。
打ち止めだけなんだと、もう不安に思わないでいいぞ、と。
そこに、純粋に彼女とシたいという欲望が湧きあがったことは否定しない。
どれだけ我慢したことか、よくここまでもったと称賛してほしいぐらいだった。

(まァ急ではあったな…、打ち止めのやつ、隣ですげェ顔してるし)

(うわぁ、着いた!帰ってきちゃったどうしよう)

ポルシェはいつもどおりに駐車場に停まった。一方通行がシートから降りるが、隣の打ち止めが動かない。

(あーあー、緊張しすぎだろォがよ…今まで散々あれやこれやしておいて)

「おい」
「う、うん」

打ち止めがもたもたとシートベルトを外している間に、一方通行が首の電極をONに切り替え、助手席側に回り込んだ。
そして、ドアが開けられるまで、彼の動きに気づかなかった打ち止めを抱きかかえて、行儀の悪いことに足でドアを閉める。

「おぉ、なんか恋愛映画みたいなカンジ?ってミサカはミサカはロマンチックな演出にドキドキしてみる…」
「アホ、このままじゃいつまで経っても部屋に辿りつけねェと思って仕方なくだ」
「そ、そんな、に…」
「あァ、割と焦ってるかもしれねェ」

打ち止めは一方通行の背中に腕を回して、彼の服を握りしめた。顔は肩に埋める。
今はこうして体を密着させるのは恥ずかしいが、顔を見られる方が耐えられなかったし、彼の顔を見られそうにもなかった。
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)[sage]:2011/08/18(木) 23:34:52.86 ID:zSfpJunZo
リアルタイム遭遇ktkr
595 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/18(木) 23:35:35.14 ID:PscRFPRA0
「そンなにしがみつくな…」
「…今日のあなたは、ちょっと、強引で大胆すぎる…あれ?どこ行くの…?」

てっきりエレベーターに向かうと思っていた打ち止めだったが、青年は彼女を抱き上げたまま空の下へ。

「舌を噛まないように、口を閉じてろ」

そう言うや、腰をかがめて地面を蹴る。人に見られることなど気にしない。
数秒後には自分達の洗濯物が干される、我が家のベランダに降り立った。

(うそー!部屋に上がるまであと三分はあると思ってたのに、ってミサカはミサカはこの人の本気ぶりを実感してみたり)

吊り下がるタオルや服を掻き分け、またしても足で、今度は窓をコンと蹴って鍵を開けた。
解錠された窓の外に靴を置き、玄関まで行くと靴箱の上に打ち止めを座らせる。

(どうしてこんなトコに?)
「あの」

一方通行は打ち止めの足を掴み上げ、ミュールを脱がして踵や爪先の状態を確認した。
彼女が歩きにくそうにしていたので、足を痛めていないか心配だったのだ。

「大丈夫みてェだな」

そう言ってミュールをポイと玄関に放り投げたら、打ち止めから非難の声が。

「あーダメ乱暴にしちゃ!それムギノからの借り物なんだよ!ってミサカはミサカはあなたを叱ってみたりっ」
「はァ!?むぎのって……、原子崩しかよォ?まさかオマエ、今日の化粧は…」
「うん、タキツボにお願いして、ムギノにやってもらったの」
「…はァ……」
「髪もクルクルしてもらったし、ムギノも楽しいって言ってたよ」

一方通行は素直にミュールを揃え直し、打ち止めをフローリングの上に降ろしてやるのと同時に、チョーカーに触れてスイッチを切った。
596 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/18(木) 23:37:18.54 ID:PscRFPRA0
「ね、ミサカこのカッコ、正直自分でも驚くぐらいにイイと思うんだけど、あなたはどう?
今度はちゃんと答えてほしいな、ってミサカはミサカはあなたの感想を求めてみる」

ワンピースの裾を持って、もう片方の手で巻いた髪を撫でつける打ち止め。
一方通行は彼女ににじり寄り、壁に押し付けるようにキスをした。藤棚の下で交わした、触れるだけのものではない濃厚なヤツを。


「ん…あの、感想は…?」
「…よく似合ってる。でももォ少し……」

一方通行の指が打ち止めの首に触れ、だんだんと下がってくる。胸元が大きく開かれたワンピースの生地を中指に引っかけ、

「露出は少ない方がいい」
「ん…分かった。…あは、口紅ついてる、ってミサカはミサカはごしごししてあげる」
「あァ、どおりでなンか変な味がすると思ったぜ。…オマエも口からはみ出してンぞ」

二人はお互いの唇に指を滑らせ、ピンク色を拭い取った。打ち止めは普段こんなに濃い口紅をつけないので、
この行為が非日常をより強調させる。
でも、不快感などもちろん無い。特別な儀式のようだと感じた。
597 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/18(木) 23:38:25.77 ID:PscRFPRA0
「さて、そンじゃあ…」

打ち止めがビクリと緊張を走らせる。一方通行はそんな少女の頭を優しく撫で、ついでに髪飾りを抜き取った。
纏められていた一房が、彼女の肩にぱさりと落ちる。

「安心しろ。オマエにシャワーを浴びさせる余裕ぐらいある。いいならこのまま俺の部屋まで直行だけどな」
「〜〜あ、ぁ、浴びてくる!」

打ち止めがバスルームに駆け込んでいく。
一方通行は、家の中ではほとんど使わなくなった杖をついてキッチンに向かった。
冷蔵庫の中から黄泉川のビールを一本失敬し、それを三、四回に分けて飲み干した。
その後、打ち止めが作り置きしてくれているアイスコーヒーも一杯飲む。これで酒の匂いはごまかせるだろうか?

テーブルに両手をつき、大きく息を吐いた。

(俺も、緊張してンな…酒が欲しくなるぐらいに)

598 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/18(木) 23:41:21.93 ID:PscRFPRA0
打ち止めは泡にまみれた体を洗い流し、曇る鏡に自分を映した。
五年前、一方通行と出会ってから、自分はかなり成長したと思う。
ずっと好きだった人。心の中で泣いていたのに、自分のために何度も何度も苦しんで、血を吐いてまで助けてくれた人。
昔と今では、彼を慕う思いに変化が起きている。体の成長と共に、以前は無かったしがらみや不安も持つようになった。

(ミサカも大人に近づいたってこと…?)

正直苦しいこともあるし、辛いと感じることもある。実際、この数日は何度泣いたことだろう。
でも、

(あの人が守ってくれたから、ミサカはここまで成長できたんだよね、ってミサカはミサカは
この苦しみは在って良いことなんだと言い聞かせてみる)

そしてこれから、思い続けた人が待つ部屋へ抱かれに行く。そう思うと足が震えた。
怖さからじゃない。万感の想いに心が打ち震え、それが足に出ただけだ。

鏡に映る瞳はしっかりと一直線に自分を見つめ返して、わずかに残っていた迷いをさらに削り取ってくれた。

(でも、緊張はするし、少し怖いのは仕方がないよね、無理もないよね、しょうがないよね、。
だってミサカ初めてだもん!あー!!きゃー!!)
599 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/18(木) 23:43:19.98 ID:PscRFPRA0
(おっせェェ…っ!いつまでシャワー浴びてンだよ、これじゃアルコール抜けちまうぞ)

女性の仕度は時間がかかるものだ。そんな決まり文句、常識は一方通行だって知っている。
しかし打ち止めは、そういったことで彼を特別に待たせたことはなかったので…

(怖気づいて膝でも抱えてンじゃねェだろうな…)

ベッドに座って打ち止めを待っていた一方通行だったが、中々彼女が来ないので、そんな心配が胸中をよぎる。
打ち止めがバスルームに行ってから二十分が経過していた。
『初めて』に臨む少女のシャワータイムが、それだけで済むはずないのだが、
はやる心を押さえきれなくなってきた一方通行には、とても長いおあずけに思われた。

さらに数分後。

(……来た!)

打ち止めの忍ぶような足音が聞こえてきた。全神経を耳に集中させていた一方通行には、裸足で歩く彼女の歩みも聞き分けられる。
ところが、

(あ?何で通り過ぎるンだ?)

打ち止めは一方通行の部屋の前を通り過ぎ、どうやら自室へ入っていったらしい。しかしすぐに戻ってきて、

(!……?………オイ)

足音はまたバスルームへ。

(何してンだよォ…)

それでも彼は待った。待った。待った。待った。

実際には三分しか経ってないのに、ついに待ちきれなくなった一方通行は立ち上り部屋を出た。
そして脱衣所への扉の前に立ち、躊躇なくその引き戸を開ける。

「んきゃ!?」
「遅ェ!」
600 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/18(木) 23:46:39.89 ID:PscRFPRA0
丁度出てくるところだったのだろうか、打ち止めが目の前に立っていた。体には白いバスタオル一枚だけを巻き付けている。

「な、余裕あるんじゃなかったの!?ってミサカはミサカはいきなり入ってくるあなたに憤慨してみたり!」
「遅すぎるンだよ!どれだけ待ったと思ってンだ!今更どこ洗っても何も変わらねェよ、ほら行くぞもう!」

一方通行は打ち止めを抱きあげ、自分の部屋へと連れて行く。今日は電極のスイッチのON、OFFが頻繁だ。

「わぁまた!?でも全然ロマンチックじゃない!ってミサカはミサカはさっきとの差に驚いてみる!」
「はい到ォ着ー。観念しろォ」
「観念は最初からしてたもん!今丁度行くところだったもん!せっかく!ミサカがせっかくあーもう!?」

余裕を使い果たした青年は、少女をベッドに転がしてタオルをひん剥いた。
うつ伏せになっていたので、まず打ち止めの背中があらわになり…

「はァ?何でこンなモン履いてるンだ?」

打ち止めのショーツのゴムを伸ばしたり戻したりする一方通行。今日は珍しく黒だ。

「こ、これは乙女の最後の恥じらいなのっ。でも大人っぽく黒でキメて、あなたを喜ばせようというミサカの作戦で」
「ふーン、俺も脱がすのは嫌いじゃねェから別にいいけど」
「うひゃ…」

一方通行は打ち止めの腿の裏に座り、緩やかなカーブを描く背中に指を這わせ、それに舌を追従させた。

「う、まずちゅうだと思う、ってミサカはミサカは、背中はあんまりされたことないからぁ、」
「こっち向けるか?」
「うん…」

一方通行は僅かに体を浮かし、その隙間で打ち止めは身をよじらせ後ろを向いた。
ぴったりと唇を合わせたキスの後、ギラギラ揺れる赤い目と、僅かに潤む茶色の瞳が交錯した。

「そォだ、言い忘れてた」
「なに…?」
「優しくするからな…」
「あなたの言うことが信用できない日が来るなんて…、ってミサカはミサカは、それでもヨロシクオネガイシマス…」
601 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/18(木) 23:49:05.38 ID:PscRFPRA0
一抹の不安を抱いた打ち止めだったが、一方通行は本当に優しかった。今まで触れられたどの夜よりも。
おかげで少女は、昼日中の薄暗い部屋の中のため、全てが見られているというのに、大いに乱れてしまった。
指が、爪が、手が、口が、舌が、歯が、肌を滑る白い髪までも、全て心地よかった。
いつもは体温低目な彼の体が熱い。息が荒い。目が怪しく光っている。
それなのに、必死に優しくされているのが分かり、打ち止めは申し訳ない気持ちになった。
とっくの前に、パンツはもう脱がされている。

「あ、な、たもう、もう」
「もう、いいか?大丈夫か?」

こくこくこくと、五回も六回も頷き、打ち止めはシーツを握って目を瞑った。
景気よく首を振ったが、先月の、露天風呂で触った彼のアレを思い出すと、どうしても身構えてしまう。

(大丈夫……女の子は、好きな人なら大丈夫なように出来てるんだから)

一方通行が膝の裏を持ち上げ、体を足の間に割り込ませてきた。
直後あてがわれた塊は、彼の体のどの部分よりも熱を持っている。湯の中で触れたときよりも、熱い気がした。

今まで絶えることの無かった青年の荒い呼吸が、一瞬止まった。打ち止めもまた、想像以上の激痛に息も動きも止まった。

(〜〜〜あ、い!!痛い!痛い!痛いぃ〜〜やぁー!痛いよ…っ!あなた…っ)
602 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/18(木) 23:50:35.83 ID:PscRFPRA0
部屋に響いていた少女の嬌声は消え、代わりに一方通行の呻き声が僅かに漏れ出ていた。

「う…、ァ…ァ…」
(熱い…、気持ちいい…、もっと入れたい……!)

自分の両腕の間で、打ち止めは体を小刻みに震わせ、息も吸えずに痛みを我慢している。
痛がるだろうと分かっていたので、努めて前戯に時間と労力を掛けたのだが、やはり痛いらしい。
その表情は、見ているだけで自分にも伝播する。

「…〜ク、……」

(あなた、大好き、大好き、痛い痛い痛い…好き…)

打ち止めは涙も、声も我慢して、ただ耐える。耐えられないなんて、絶対にそんなことはできない。
彼を受け入れられないことなど、ありえなかった。

(そンなに痛いのか…。どうして泣かないンだよ)

切なくなる。
この少女はどこまで…。

一方通行は体を屈めた。動かれれば痛みはいや増し、打ち止めの眉がさらに歪む。
それでも、顔を彼女の胸に近付けて、気づけば一方通行は、こう呟いていた。
603 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/18(木) 23:54:29.54 ID:PscRFPRA0
「好きだ…っラストオーダー…っ!」

打ち止めの、涙を零すまいと、きつく閉じられた目が見開かれた。

今なんて言われた…?

(好きって言ったの?)

「愛してる…」

(愛してる?この人がそう言ってるの?)

シーツを握るばかりだった打ち止めの手が、そっと開く。

(ああ、あぁ…)

「あ、あぁ…あぁ〜〜〜、あ、うぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、あなた、ミサカもっミサカも!」

一気に涙が溢れだし、幾筋も幾筋も頬を垂れていく。しゃくりあげた拍子に、こめかみを伝って髪の中まで濡らした。

「っ、打ち止め…」

驚いた。これほど泣かれるとは。そんなに望まれていたのかと。

「うあ、あぁぁ、ふ、はぁ、あぁぁぁ〜」
「泣くなよ…っ」
「あぅ、嬉しい!嬉しいよ…!ミサカも好き、愛してます…っ、あなたのこと、ずっと、あぁ」

打ち止めの腕が、一方通行の首に回された。
泣いていることで弛緩した体は、動いても先程までのような激痛を伴わない。
ぎゅうぅっとしがみつけば又、夢の中だけだと、貰えるとしてもずっと先だと思っていた言葉が降ってきた。

彼が、もっともっと奥に入ってくる。

「あなた、あなたぁ、ミサカね、ずっと」
「分かってる、もォ喋るな…、悪かった……」
「ぅ、うぅ謝らないで、謝らないで…」


一方通行の体が、自分の上に力なく落ちてくるまで、打ち止めの涙は止まらなかった。

二人の心は満たされている。今までよりもずっと。
604 :ブラジャーの人2011/08/18(木) 23:58:29.93 ID:PscRFPRA0
一方通行と打ち止めのはじめての巻 完

昔っからな、男はほろ酔い、女は湯上りって言ってなぁもぉぉ恥ずかすぅぅ!
誰じゃい、朝チュンが候補のひとつです、なんて言ってたのは!

では追記です…↓
605 :ブラジャーの人2011/08/19(金) 00:01:54.51 ID:UdXoIVdH0
さて…このスレを立ててから一カ月とちょっと。
初夜どうしようなどと言っておいて、結局これか。ガッツリか。
思えば、来る日も来る日も、天敵のように嫌ったパソコンの前に座り続け、連日更新という荒行を…。
これまでの投下字数は、多分、十五万文字に近いかと思います。
だから間抜けな誤字脱字は許してほしいの。

友人間では死亡説が囁かれ、買い物もドライブも、娯楽とはほとんど距離を置いていました。
金は溜まりました。心も、心だけは潤っていまいた。

しかし、先日のお盆で、ついに無理が祟ったわたくしの体は……



みんな!オラにボラギノールを分けてくれ!!



という所まで来てしまったのです。
通行止め、恐ろしいですね。愛はとどまることを知りません。愛ーをーとめないでー

でも今日の更新で、大きな山を越えたはず。


あ、終わるって思った?えーって思った?

もしそう感じて頂けたなら、こんなに嬉しいことはありません。多分まだ終わりません。
でも、いかんせん尻とか、体とか、視力落ちまくったであろう目を、少し休ませたいと思っております。
あと人間関係やばい。

そういうわけなので、明日は来ない。明後日もきっと来ない。三日後はどうか分からない。
一週間後かもしれない。

……常連の方は、この予告がまったくアテにならんことは既に重々ご承知でしょう。
自分でも全然予想がつきませんわ。

しかし、少しの間は本当にお休みです。質問があれば、答えられることならお返事しますね。

それでは皆様、また投下する日まで、   


さよ海原!!  ←これ流行らせてよマジで。方々で拡散してほしい。
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/19(金) 00:07:08.04 ID:f2RQpzzA0
まってるぜ、いつまでも
ハンター×ハンターぐらいにな・・・!
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県)[sage]:2011/08/19(金) 00:07:51.90 ID:+9qEct59o
>>605
超乙!めちゃくちゃよかった!!
充分休んでまた続き書いてくれ
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/08/19(金) 00:11:20.90 ID:JaNxw2aHo
しばしの間、さよ海原!!
>>1乙!!!!
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/08/19(金) 00:12:39.73 ID:PQgS4vPn0
乙乙!
毎日本当に楽しく見させてもらってるよ!

一線超えてさらにゲロ甘な話、楽しみにしてる!!
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/19(金) 00:17:25.45 ID:C0qvqa3h0
>>1乙!!
大丈夫だずっと連日で投下してたんだし、無理に投下しようとすることないさ
気の向いた時に顔出してみるかな〜くらいでいいよ

ありがとう!さよ海原!!
体大切にしなね!
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/19(金) 00:22:52.58 ID:eIRYTHz/o
一方通行ァァァ!!ついに…ついにやってしまいましたね…!御坂さんの大事な妹をその毒牙にかけるとは…
私は怒ってます…猛烈に怒ってますよ…フフフ…その罪どうやって贖ってもらいましょうかねぇ…
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/08/19(金) 00:31:36.67 ID:9em3LXRAO
うおおお!!!乙!!
いつまでも待ってんぜ!!!!
あとこれ つボラギノール
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/08/19(金) 00:48:52.53 ID:9UEMqpuoo
めっちゃ乙!激しく乙!禿げ上がるほど(1の頭が)乙!

多分このスレ的には新参者な俺だけど、待ってるよ!
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 01:06:41.80 ID:PTLUa7SDO
うああああああ…通行止めが幸せすぎてこっちまで泣けてきたわ
>>1乙!ゆっくり休んでくれ
その間に俺も糖分補給してくる
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 01:21:04.65 ID:aXw3dI9DO
ハンカチと胸どっちがいい?泣いたなら貸すぜ


616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/08/19(金) 02:24:40.54 ID:86rJCCbIo
愛が、愛が伝わってくる!
ゆっくり休んでまた激甘な通行止めを頼む

それまでさよ海原だ!
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 08:58:25.86 ID:WExU6WnP0
浜面と一方通行の爆発。そして、番外個体の幸せをを願って
激しく 乙
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)[sage]:2011/08/19(金) 11:00:55.28 ID:yi6F1DTAO
俺に通行止めの良さを再認識させた>>1とこのスレに惜しみない賞賛を!
また会う日まで、さよ海原!
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/19(金) 15:11:50.28 ID:8dhUsPico
>>611
落ちつけアステカの魔術師
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 15:47:41.56 ID:IDxupFWC0
さよ海原 語呂が悪すぎる… しかもゲシュタルト崩壊しそうだ
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 18:40:37.77 ID:BjBXTq39o
         <●> <●>

このスレはアステカの魔術師に監視されています
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 19:45:27.66 ID:tchlazdDO
日々の生き甲斐として毎日楽しみに見てた
こんなにたくさん書くの大変だったろうに
これからもよろしく頼むぜ!
ありがとうなばら!
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 21:56:30.95 ID:PuzLM+0R0
通行止めは原作で絶妙なバランスで完成されてる関係だからこそ
二次創作でガッツリ書くのって意外と難しいカップリングだと思うんだ
マジで頑張った!素晴らしいよ>>1乙!これからも応援してる!
624 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/19(金) 22:06:10.03 ID:gHnVCGFc0
おお…
たくさんのレスと乙と、あとボラギノールをありがとう…感涙
自分、不器用ですから(渡)言ってませんでしたけど、レスめっちゃ嬉しかったいつも。

>>606 そこまでは待たせないw

>>609>>616 これ以上は甘くならないw 今までどおりのコンデンスミルクでいくよ。

>>611 ショチトルー、こっちおいでー

>>612 ありがたく使うよー。皆、座り過ぎには本当に気をつけて!

>>613 このスレ立ったの、2011.7.14だよ。全員新参みたいなもんだべ。

>>614 実は書いてる本人も、特に打ち止めが可愛すぎて切なかったw 全投下文の中で、最も短時間で書けた部分。愛の力だな…

>>617 最早「爆発しろ」はステータスですw

>>620 こんにち湾内 と、どっちがいい?

>>622 うまい!木原クン猟犬部隊二つ持ってきて!

乙くれたみんな、あんがとね!!

625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/08/19(金) 23:07:47.59 ID:8ukm6OMu0
誰が何と言おうと「こんにち湾内」一択だろ
http://blog-imgs-37.fc2.com/d/a/n/danceofeternity/20100110225139ebf.jpg
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=8076773

今日は疲れたしもう寝るわ  おやす美琴
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/08/20(土) 02:08:16.52 ID:WktWsVk50
>>1乙です。
お尻をいたわりつつ、十分に鋭気を養って下さい。
お戻りをお待ち申し上げます。
ちなみに、自分が不器用だと告白していたのは、
渡哲也さんではなく、高倉健さんだったような。
間違えてたらすみません。
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/20(土) 10:57:35.45 ID:ZyrXZYu9o
鋼盾「自分、不器量ですから」
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/20(土) 19:20:35.43 ID:S53qAMaN0
浜面夫婦の情事も見たいですの
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/20(土) 19:44:32.06 ID:7TiM7VwGo
そういえばポルシェの新型が雑誌に載ってたな…
一方さんポルシェいいなぁ
630 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/20(土) 21:17:06.27 ID:nPtSLMwh0
>>626 ……… いや、実はブラジャー改め渡辺だから。あながち間違いでもない、…よ?……ポルシェ仏車と、いい勝負でした(泣)

>>628 ご想像にお任せしますの。あんなの通行止めでしかできませんの。

>>629 しかし、あの車は尻の負担が激しかった… 
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/08/21(日) 18:42:08.04 ID:XReRk+1Fo
今更ですが>>1乙でした
ちくしょう。良かった。本当に良かった…ッ!!
体や人間関係ヤバくなってまで
毎日更新で良質な通行止めをありがとう
面白かったっす。ゆっくり休んで下さい
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/08/21(日) 18:43:17.93 ID:XReRk+1Fo
今更ですが>>1乙でした
ちくしょう。良かった。本当に良かった…ッ!!
体や人間関係ヤバくなってまで
毎日更新で良質な通行止めをありがとう
面白かったっす。ゆっくり休んで下さい
633 :渡辺2011/08/21(日) 20:23:05.33 ID:/4G1HCK70
オッス、オラ渡辺!不器用だぞ!

あれから一週間経った(ような気がする)ので、更新……する。

>>631 に対しては、非常に申し訳ないと思います。「ゆっくり休め」と言った二時間後に更新とは…

でもする。

634 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/21(日) 20:26:56.32 ID:/4G1HCK70
早く、彼女の上からどかねば…
そう思いながら、中々実行できない一方通行。最後の方はもう余裕など欠片もなくて、ただ本能のままに突き動かされてしまった。
自分も打ち止めも、まるで走り続けたあとのように息切れしている。

首に巻きついた少女の腕がかすかに動き、その細い指が、自分の髪と頬を撫でた。
けだるい体に喝を入れ、肘を立てて打ち止めの顔を見る。
彼女は目を閉じたままで、頬や髪が涙でベタベタしている。当然のことだ、あれほど泣かせたのだから。
そう、ついうっかり、恥ずかしいことを口走ってしまった。

(しょォがねェ…、しょォがねェだろありゃァ…!)

「打ち止め、大丈夫か?」

少女の瞼が、うっすら開かれる。うつろな眼差しに一方通行の胆が冷えた。

「!……っ、痛かっただろ。悪い…、水持ってくるから…、抜くぞ、いいな?」
「んんっあっ…」

また、かすかに眉間に皺がよる。よく耐えた、本当にありがたかった……

腰を引いて、彼女の中から自分を抜く。とろとろと血が垂れてきて、既に赤い染みを作っていたシーツにさらに零れていった。

(お、いおい…、こンなに血が出るモンなのかよ…)
635 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/21(日) 20:29:56.21 ID:/4G1HCK70
愛しい人の、あたたかい体温が遠ざかってしまう。
打ち止めは強引に目の焦点を合わせ、薄闇の中に光る赤い瞳に手を伸ばした。

「イヤ…」

一方通行は慌ててそれを握り返し、体を起こそうとさえした打ち止めを、再度ベッドへ横たわらせる。

「大丈夫だ…。ちょっと…、血がすげェから風呂いくぞ。そのまま寝てろ」
「…平気…、起きれるよ、ってミサカはミサカはそんなに心配しないでと、あなたを安心させてみたり…」

打ち止めはまずうつ伏せになり、そこから猫が背中を伸ばすような動作で、どうにかベッドの上に座った。
もそもそと、端に放り投げられていたバスタオルで恥ずかしい場所を隠す。
少女の意識がしっかりしていそうなのを確認し、一方通行もとりあえず自分の方の後始末を済ませることにした。
さっさとズボンまでを身に着け、ティッシュに手を伸ばそうとする彼女に、それを渡してやる。
気恥ずかしいので、打ち止めに背を向けて座った。

(さて…、なンて話しかけりゃいいンだ…)

ここも男の俺がリードしてやらないとな、と思案していると、背後の少女の方から喋りかけてくれた。

「あの、あなた…」
「、…なンだ」

甘いピロートークでも求められるのだろうか?すごく柄じゃないし、いたたまれないけど、打ち止めの気が済むまで付き合ってやろう。


「血が、止まらないんだけど、ってミサカはミサカはどうしようコレ」

「……なに?」

ピロートークどころでは無かった。
636 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/21(日) 20:36:02.83 ID:/4G1HCK70
振り向けば、血まみれのティッシュの塊がベッドの上に数個転がっている。
破瓜の血の量に個人差があるのはもちろんだが、これは多すぎだ。
ただでさえ、たった今彼女に激痛を与えてしまってイイ思いをした青年は、それを見て焦った。

「こりゃ、…やべェだろ。おい、ちょっと見せてみろ」
「は!?みみみ、み見せろ!?」
「ほれ足ィ開け」

バスタオルは一方通行によって再度ひん剥かれる。そして彼は彼女の両膝に手をかけ、

「いやぁーっ!!」
「っぐァ!」

顎を蹴りあげられ、あわや、ベッドから落ちそうになるのをこらえた。

「いってェなァ!何すンだァ!」
「ミサカのセリフそれ!えっち!ばか!変態!」
「はァァ?今俺がさんざん弄くり」
「きゃー!言わないでもぉー!」

打ち止めは枕を抱きかかえ、彼から離れるために膝でベッドの端へと逃げる。
しかし、急に下腹部に走った痛みに襲われ、顔をしかめてうずくまった。移動した跡には、点々と鮮血が滴り落ちている。

「あァもォ分かったから動くな!」

一方通行はバスタオルを肩から掛けてやり、腰を撫でさすって彼女を落ち着かせる。
存外に元気があるのにはほっとしたが、今はとにかくこの出血をどうにかしたい。

「う、うぅ…まだ止まらないよ〜」
「あーオマエ、体起こせ」

「……」

「違ェよ!見せろとは言ってねェだろォ!?」
637 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/21(日) 20:38:04.30 ID:/4G1HCK70
じとー、と睨まれた青年は、半ば怒りながら少女の肩を掴んで持ち上げたが、声音と違ってとても丁寧な手つきだった。
彼女が恥ずかしがって暴れないように、掛け布団をかぶせ、腰の下にタオルを敷く。
打ち止めを後ろから抱き、布団の上から彼女の下腹に右手を置いた。同時に左手は首の電極のスイッチを切り替える。

「……どうするの?ってミサカはミサカは不安であなたに質問してみる…」
「細胞の修復を促進させてキズを塞ぐ」
「何もそこまで…」
「しょォがねェだろ、見せたくもねェし逃げようとするしよォ。それに一番手っ取り早い方法だ。
貧血なンて起こされたらコッチが困るンだよ」
「うん…分かった。お任せするね」

数分後。

「よし、もういいか…」
「あ…、すごい、止まったみたい」
「まだ無理するなよ。急に動くとまた出るかもしれねェ」
「はーい。あのね、ついでと言ってはなんですが、もういっこあなたにお願いがあるんだけど」

打ち止めが、背後の一方通行を見上げて、ほぼいつもと同じ笑顔を見せ、それが彼の心を落ち着かせてくれた。

「どンな?」
「ミサカにもう一回『愛してる』って言ってぇー」
「………」
638 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/21(日) 20:47:28.29 ID:/4G1HCK70
あまりにしつこいので、喉の奥から魂を絞り出す勢いで挑戦してみたのだが……

「ァ…、……あ、」

一方通行の正面で、打ち止めが目を輝かせて、手を胸の前で組んで待っている。しかも正座で。

「あ………、はァ……無理」

打ち止めは、やっぱりなぁ、と苦笑を浮かべて許してあげた。
ダメもとで言ってみたお願いだったので、それほど残念じゃない。

「それにさっきいっぱい言ってもらったし」

(そンなに言いまくってたのかァ俺……)

打ち止めは正座し続けていたので、、しばらく足の痺れをとることに専念する。
彼女に大人しくしてもらいたい一方通行としては、頑張った甲斐が多少はあったというものだ。


痺れがとれた後、少女はこの部屋に運ばれてきた時と同じように、タオルを巻き付け風呂へ向かう。
若干ガニ股になってしまうのが痛々しい。

「やっぱり運んでやる…」
「大丈夫だってば。今のあなたはさらに、洗ってやる、って言いそうだし…」
「洗ってほしいなら洗う」
「結構です、ってミサカはミサカはどちらかというと、シーツとかの後始末をお願いしたいと突き放してみたり」
「ハイハイ」

639 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/21(日) 20:54:56.59 ID:/4G1HCK70
夕方過ぎになって帰って来た保護者達。その二人の前ではなんともないフリをした一方通行と打ち止めだったが、
しかし後ろめたいような、気まずい思いがあったので、今日のお部屋訪問は自然と行われなかった。

深夜、眠れなかった一方通行は、たまたま目にとまったポルシェのキーリングに指をひっかけ、
それをくるくる回しながら、ぼんやりと部屋の床を眺めている。
思い出すのは今日の事、打ち止めのことばかり。

自分が今座るこのベッドで抱いた、ついに…

「はァ…」
(打ち止めも、もォ寝てるか…)

無性に彼女の顔が見たい。寝ているかもしれないが、…寝顔だけでもいい。
部屋のドアを開け暗い廊下に出ると、今会いにいこうと思っていた少女が、枕を持ってこちらに歩いてくるところだった。

(なンだ、コイツもか)

「こんばんはー…、ってミサカはミサカは小声で挨拶してみたり」

何も言わずとも、一方通行は自然と部屋に招き入れてやり、打ち止めもそれが当然のことのように躊躇いもしなかった。

「ふー、眠れません」
(俺も)
「どうせ眠れないなら、その時間を有効活用するべきだと思って参りました次第です、ってミサカはミサカは一応枕も装備してきたけど」
「オマエは明日普通に学校だからなァ…、とりあえず寝ろ」
「ミサカだって寝たいよ。でも眠くならないんだもん」

一方通行は、ベッドの隣に座った打ち止めを引き倒し、強制的に寝る態勢を取らせた。

「ぶーぶー、って……腕枕」
「…ほらよ」

自分も彼女の横に寝そべって腕を貸し出せば、打ち止めは嬉しそうに頭を乗せてきた。
結局枕は必要なかったようである。

そのまま、普段通りの他愛無い会話を続けていたら、三十分ほどして打ち止めは眠ってしまった。
一方通行も、いつの間にか瞼が重い。あれほど目が冴えていたというのに…
彼もやっと眠ることができそうだ。
640 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/21(日) 20:57:55.30 ID:/4G1HCK70
翌日の夕食は、黄泉川家一同で一方通行の奢りで焼肉屋に繰り出した。
早々にビールで保護者二人を酔わせた後は、一方通行によってレバーが次々に注文される。

「ミサカもカルビ…」
「オマエの今日の主食はレバーだ」
「タン…」
「お、このサラダブロッコリー入ってるな、これも全部食え」
「わーい…、鉄分とビタミンタップリ、ってミサカはミサカは喜んでみる…」

(あなたそんなに心配しなくても大丈夫だってば…)
(やかましい、昨日は血ィ出し過ぎだ。大人しく食え、どんどん食え)

641 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/21(日) 21:03:27.62 ID:/4G1HCK70
はじめて直後の二人の巻 完

いやぁ、お久しぶりですの。久しぶりったら久しぶり。

他に貧血に良いとされる食べ物は、主に肉全般、魚、ホウレンソウやコマツナだよ。
鉄の包丁やフライパンで調理すると効果UP。

次回の更新は未定です(と言っておこう…)

642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/21(日) 21:45:57.98 ID:FwC1mEbDO
どうせすぐ戻ってくるんだろうなと思ってたけど、ホントに早かったwwwwおいコラwwww

乙!そしてお帰りィ!
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/21(日) 22:59:38.86 ID:tXYGtElD0
乙!復活はええええ!!
流石は>>1だぜ…
だが体調にはホント気をつけろよ?

初夜も終わりバカップルが更にバカップルになっていくのか…
ちょっと無糖のコーヒー買って全裸待機するわ
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/08/21(日) 23:14:30.58 ID:38cx8tPD0
初めての女の子の日かと思ったww
>>1の出血もウッホのせいなんだろうか
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/08/22(月) 02:27:12.45 ID:Nxoj5FzAO
うわーんお帰りなさいいいい!!!
でもあんま無理すんなよ!!
また差し入れしとくぜ!!
つ ボラギノール
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/08/22(月) 02:39:12.79 ID:J/htY0e5o
違う時空に生きてるレベルで早い帰還乙wwww

ぬるめの風呂の中で*を揉むようにしてあげると治りやすくなるぞ(^ー^)b
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/22(月) 02:52:58.06 ID:cUSWynxDO
ふぅ…
この一週間待ちくたびれたぜ!
おかえり>>1
これからも頼む!
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/08/22(月) 03:02:52.47 ID:Vb9VxXRGo
おかえりなさーい
一方さんは相変わらず過保護なのねww
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/22(月) 08:12:03.49 ID:Q0L0rQL90
おかえ理后
どうせすぐに更新するんだろうな(次の更新待ってるぜ)
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/22(月) 08:57:48.44 ID:I/2wgp4Yo
いやあ一週間長かったなー
待ちわびたぜ!
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/22(月) 20:59:48.87 ID:JIG6ZML50
ボラギノールの人、じゃね、ブラジャーの人「帰ったか!」
上条さん並の帰還の速さだなwwwwww乙wwwwww
652 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/23(火) 01:48:12.90 ID:yPWuA0zM0
すぐに帰ってきて本当にごめんなさい。たくさんの「お帰り」「待ってた」コメントをありがとうございます。
でも本当に一週間経った気分だったんです。

>>644 幸い出血はしてません、てなんでこんなこと報告するハメに…

>>645 二本目ゲットだぜ。ありがとうございます。

>>646 へぇ、あまりかまわない方が良いイメージだったなぁ…。
しかしこのレスをもらったことで、私が尻を揉む人として全国に認知されてしまったも同然なのでは…滝涙

>>649 ただい舞夏ー。うん、たぶんあまりお待たせしない気がします。

>>651 「久しぶり」 なんちゅう名前つけてくれたんや… 


えーと、すべては自分のせいなのですが、私の体、というか尻を心配されすぎで笑えませんwwww
ここはバカップル通行止めスレなのに、このカオスぶりは何なのか…
大丈夫、大丈夫ですよ?
あんね、いい方法考え付いたの。
まずコロコロしない椅子を二つ用意して、十センチ弱の隙間をあけて置く。
右の椅子には右尻を。左の椅子には左尻を乗せるのよ。
どうだ、画期的だと思うでしょう?

と思っていたのに、よく考えるとこれはスケベ椅子ではないか?と気づき、落ち込みつつ、それでも実行してしまう快適さよ…
真似したい人はいませんか?超おすすめです。
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/23(火) 02:54:20.95 ID:bTAkmfPDO
大丈夫だよ>>1
私はスケベ椅子に座りながら通行止めを生み出す、そんな>>1を応援してる
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/08/23(火) 12:21:29.25 ID:lMWR5Cq4o
すけべいす? なんなんだろうなぁいったい…

655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)[sage]:2011/08/23(火) 14:36:30.70 ID:fOZAIPRAO
>>654
一方通行「スケベしようや……(迫真)」
656 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/23(火) 21:15:37.33 ID:2waOuT3y0
語りたいことが、あるんだ。禁書のことが、好きだから。

おかげさまで(短時間だけど)ドライブに行きました。久しぶりすぎて危うくエンストしそうになった。
カラオケにも行きました。そう、カラオケ、といえば明日のアーカイブスですよ。
どんなキャラソンで我々を悶えさせてくれるのでしょうね…

本題
私的通行止めテーマソングがありましてな、まず、 尾崎豊の 「Oh My Little Girl」
このスレの馬鹿っぷる一方通行のテーマソングすぎて、先日のカラオケでは笑えて歌えなかった。

さらに、このスレの馬鹿っぷる通行止めテーマソング→B’zの 「となりでねむらせて」
これも上に同じ。笑え過ぎて歌えなかったOh My God!
あまり良くないんだろうけど、上記の尾崎さんの歌より認知度低そうだから、ちと歌詞抜粋させて。

『君のとなりで眠らせて 帰るところは1つだけ ぐっと涙をこらえきれずに震える肩を抱きしめたい 
baby どうか何でも言っておくれ Oh My God! 
その胸で夢見させて 柔らかなやさしさは magic ずっと男は女に借りを作ってばかりいたのだろう 
lady明日はきっと二人で出かけよう』
 
Hahahahahaha!そのまんますぎだった。

打ち止めのテーマソングはイマイチ決まりきってないんですよ。パフュームか、相対性理論なんかが似合う気がするなぁ(リズムが)
相対性理論の『バーモント・キッス』なんかカワユイかも。
広末さんの とっても×6だーい好きよ もイイねェ…

あとな、あとな、私的公式通行止めのテーマソングも、これまた偶然B’zです→「月光」
これは笑わず歌えました。
あー、明日楽しみどすなぁ…

語りはどーでもいいで更新しろやボケと思われた方、更新もあるよ。
657 :ブラジャーの人2011/08/23(火) 21:26:19.39 ID:2waOuT3y0
>>654>>653の滝壺さんに訊いてごらん?知ってるみたいだよ。でも麦野さんには気をつけて。

>>655 ここの一方さんは打ち止めオンリーさ。しっかしなァ… また「妖怪さとり」か?
そう、今日はそういう話です。


(打ち止めのことが)すきすきすきすきすきっすき 愛してる すきすきすきすきすきっすき 一方さん
アー、アー、 へ・ん・た・い だー!! とンちンかンちンとンちンかンちン 気っにっし・ない  

この替え歌は使い古されてっかな…

658 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/23(火) 21:30:45.99 ID:2waOuT3y0
一方通行が大学から帰ってくると、リビングで打ち止めが寝ていた。
まだ制服のままで、クッションを抱きかかえてソファに沈み込んでいる。
寝ている間にズルズルとずり下がったからだろう、スカートがきわどいところまでめくれ上がっていた。

(アホ。もとから短すぎンだよ)

それを見ていたら、ムラムラと来てしまったので、忍びないが彼女を起こすことにした。
なにせ寝込みはNGなので。

隣に座って顔を覗きこんだら、打ち止めの目が開いていて驚く。

「なンだ、起きてたのかよ…」
「うん、起きてたよ。おかえりなさい、あなた。
コーヒー入れてあげるね、ってミサカはミサカはアイスとホット、どっちがいいか訊いてみる」

青年は、ソファから立とうとする少女の腕を掴んで、自分の方へ引き寄せた。今はコーヒーより欲しいものがある。
時計を確認すると、まだ四時台だった。保護者達が帰ってくるまでにはじゅうぶん時間があり、
これからのオタノシミに思いを馳せ、つい口角が上がってしまう。
659 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/23(火) 21:37:00.29 ID:2waOuT3y0
「後でいい。それより、…部屋に行こォぜ。あ、シャワー浴びてェか?」
「え、あのでも」

すこし前、初めて肌を合わせてからというもの、こうして気分がノれば事に及ぶ。
打ち止めももう痛いことはないらしく、一方通行から求めて嫌と言われたことはない。もちろん今だって。
そう思って、キスしながらセーラー服のリボンをするりと抜き取った。だが…

「ん、ダメ、今日はダメ!」

初めてだ、彼女から否と言われたのは。

「…なンで」

そう訊きつつも、青年の手は自然と少女の柔らかい部分に伸びてしまう。
打ち止めは容赦なくその手を掴み、「もう!」と怒りながら彼の胸に押し返した。

「そんな顔してもダメだからね、ってミサカはミサカは毅然とした態度であなたに告げてみたり」

一方通行は、自分が一体どんな顔をしているか気になったが、それよりも何故「ダメ」なのかが重要事項だ。
何か怒らせるようなことをしたか?昨夜打ち止めをおいてドライブに行ったことを根に持たれているのだろうか。
それとも前回シャワーを浴びさせなかったのがいけなかったのか?

さまざまな予想を巡らせながら、一方通行はとりあえず両手を自分の膝に落ち着けた。
とりあえずだ。納得できなければ、いつでも行動再開可能である。
660 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/23(火) 21:39:39.80 ID:2waOuT3y0
「だから、何でだめなンだよォ?」
「……」

打ち止めは再度クッションを抱き、それに顎を乗せて黙りこくった。じり、っと一方通行との間に隙間をあける。

(あ、本当にヤれそうにねェ…)

「生理中……なの」
「……せいり…」
「あなたの口からその言葉は聞きたくないな、ってミサカはミサカはなぜか恥ずかしくなってみたり…」

忘れていた。一方通行はすっかり忘れていた。女性にはそういう現象があるということを。

「あー…、なるほど」
「そう、だからあと二日ほどお待ちください…」
「二日……」

一方通行が、あからさまにがっくりと肩を落として俯く。よっぽど楽しみにしていたのだな、と思い、打ち止めは吹き出してしまった。

「ぷぷ、ちょっとあなた落ち込みすぎ…。もう、ミサカのこと好きすぎよ、ってミ」
「別にいいンじゃねェ?」
「はい?」

真剣な眼差しで、青年は赤い瞳を少女に向けた。そのまっすぐな視線に、つい「うん」と言わされてしまいそうだ。

「最初にした時だって血は出たじゃねェか。同じことだろ」
「あな、た何言ってるか分かってるの…?」

打ち止めはクッションを抱く腕に力を込めた。そして目を合わせたままゆっくりと立ち上がる。

「俺は別に気にしない」
「ぜっっったいダ!メ!」

それでも一方通行は、なんとか少女の了解を得ようと粘った。
怒った打ち止めは彼にクッションを投げつけ、ついには一方通行の代理演算を切って部屋に閉じこもってしまう。

その夜、一方通行はケーキやらプリンやら、彼女の好物を持ってご機嫌伺いに訪れた。
しかし、まず部屋に入れてもらうまでに数分を要したのであった。
661 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/23(火) 21:44:53.08 ID:2waOuT3y0
我慢できない一方通行の巻 完 

だれか、木原クン…いや、エイワス持ってきて。これはイカンわ。

次回の更新は(略)

662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県)[sage]:2011/08/23(火) 21:51:32.63 ID:sF/l4Dygo
乙!
一方さん…最低だな……

つーかホントに>>1はかまちーもびっくりの筆の速さだ
悪化しないようにな!
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/23(火) 22:03:23.16 ID:bCF+Y7zy0
ちょっと引くくらい最低です……一方
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]:2011/08/23(火) 22:20:16.76 ID:smYygygz0
かンとンちンちン かンとンちンちン 気っにっし・ない?

いや、部屋に入れてもらうのに数分で済んだのか・・・ 打ち止めは優しいな
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/23(火) 22:21:02.47 ID:EWPjJ7gTo
ホラ、一方さんて一度枷が外れると我慢できない子だから仕方ねえんだよ…
もう二度と会わないって誓ってたくせに次の登場時に電話でいちゃいちゃしたりしてたろ…
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/08/23(火) 22:30:23.21 ID:bYUkbDcSo
>>664
病院行きなさい
保険下りるから
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/24(水) 00:08:50.32 ID:pKWTa8jDO
ここは手でとか口でとかおっぱいでとかそういう流れかと思ったら違った…
ちょっと先走りすぎたようだ
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/08/24(水) 00:15:38.75 ID:aaxcQSKAO
>>1乙!
一方さんェ……某誠もびっくりの性欲だな
そうか打ち止めだからかじゃあしょうがないな……うん
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)[sage]:2011/08/24(水) 00:21:34.70 ID:9Y0I8CFEo


そしてまさかのB'zwwww
個人的にはDo meも合ってる気がするww
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/24(水) 02:19:03.71 ID:yyF/lYPfo
どうしてこうなった…
生理中に求めてくる男って女にとっちゃ気色悪いの一言だ
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/24(水) 17:57:32.46 ID:RpjtrrOAO
このままだと一方さんが体目当ての最低男に見えるが、そこはここの>>1だし考えてるよな
ハタチ越えるまで童貞だったなら致し方ないさ。童貞だったならな
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/24(水) 19:42:11.07 ID:cRJEPN6Ko
そこまで言うほどの事かwww
今までの過程見てたらそうじゃないのは明白じゃねーか
打ち止めにきっちりお仕置きも食らってるしよ...
そういや一方さん代理演算剥奪されて凹んだとこからラブストーリー始まってんだよなー懐かしいなオイ
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/24(水) 20:11:11.14 ID:MKRZLcDAO
授業参観の時とか今までここの一方さんは精神的に幼い部分が見え隠れしてたしな

初めてのセックスで猿になるのもいたしかたあるまい
674 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/24(水) 22:18:27.95 ID:5xX3y6dj0
一方通行株最安値更新しまくりで笑えるww いや、笑えないな…
まぁあとは上がるしかないからな…

>>662 かまちーはこんなこと何年も続けてるんだよね… マジすごいなぁと思いました。
 
>>664 広東陳々

>>669 Do Meか、どれどれ…(聴) いいやんいいやん。打ち止めに手ェ引っ張られ、怒りながらも嬉しい一方さんが街歩いてるカンジ。
一方さんは打ち止めの大ファンだもんね。だいたいタイトル「どめ」だしね。

>>672 >>673 昔(?)を懐かしんでくれて嬉しいな。
この作中で、一方さんが打ち止めの乳を初めて揉んだのは五月中旬。今は九月下旬ぐらいかな。

さーて、株上げるための書き溜めしてくるわ…
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/24(水) 22:33:08.74 ID:QZu3BRhDO
すみません、株価爆下げどころかその…
萌えました…
676 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/24(水) 23:38:44.17 ID:5xX3y6dj0
他に萌えた人がいたら、正直に挙手しなさい。

今が買い時一方通行株。インサイダー取引しようぜ。
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/24(水) 23:42:43.38 ID:ZphUNLwXo
女の子の恥ずかしがることをわざとやるプレイってあるよね
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/24(水) 23:44:35.27 ID:ZphUNLwXo
女の子の恥ずかしがることをわざとやるプレイってあるよね
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/25(木) 02:45:52.65 ID:tCflNdjno
正直食い下がる一方さんに結構笑った
イメージとのギャップにはある意味萌えた
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/25(木) 05:37:51.26 ID:rSbTELkDO
大事に思ってる様子がしっかり書かれてきているのに体目当て扱いは可哀想だろwwww
若いんだから少しくらい暴走してもいいじゃない
人間だもの
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/25(木) 13:14:53.57 ID:QE9rryWDO
我慢のきかないわがままな一方さんに萌えるとこなんじゃないの?
682 :ブラジャーの人2011/08/25(木) 21:52:18.95 ID:McueMHRC0
一方通行株の大暴落を受けて、政府は今日、市場介入を決定しました。
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/25(木) 21:54:13.75 ID:lkYyUQ8bo
そう言えば、キャラソンがすごかったんだっけか 一方さん
684 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/25(木) 21:54:50.76 ID:McueMHRC0
「お茶が欲しいな、ってミサカはミサカはあなたにリクエストしてみる」
「おゥ…」

ようやく打ち止めの部屋に入れてもらった一方通行は、彼女のためにお茶を用意しに退室。
三分後、彼女のお気に入りの銘柄のお茶を持って再入室。

「どォぞ…」
「わーい、楽ちん楽ちん」

テーブルにケーキを並べて、打ち止めは美味しそうにそれをいただいていた。今日の昼間のお詫びに、一方通行が買ってきたものだ。
二人はテーブルに向かい合っているが、食べているのは少女だけで、青年はあぐらをかいてニコニコ顔の打ち止めを見つめるのみ。

(もう…、怒ってねェ、か…?)

今が頃合いと見て、一方通行が本題を切りだした。

「今日は、悪かった…。あンなに嫌がるとは思わなかったからよォ…」

ザクっ、かん。

打ち止めの握るフォークが、乱暴にケーキに刺さる。それは皿にもぶつかって金属的な音を出した。
一方通行は思わず肩を震わせる。あれ?まだ、だめだったか?

打ち止めは切り分けたケーキをフォークに乗せて

「はい、あーん」
「いや、俺はい」
「あーん」
「……」

どうやらまだしっかり怒っているらしい。一方通行は観念して口を開けた。

「おいし?」
「甘い」
「よしよし」
「だァから悪かったって…」

打ち止めは最後の一切れを食べ終え、彼が持って来たお茶を飲んで居ずまいを正す。
それにつられて一方通行も、彼女に体を向けて手を膝の上に置いた。

「あのね、あなた」
「おゥ」
「生理中はダメ」
「…分かった」
685 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/25(木) 21:58:55.40 ID:McueMHRC0
そこから打ち止めによる保健体育の授業が開始された。そういう常識を学校や集団生活で学ばなかった一方通行にとって、
まさか打ち止めにご教授願うことになるとは想定外だったが、興味深くはあった。
月経中の女性、パートナーに対しての気遣いとか、注意点を教えられ、

「女って大変なンだなァ」

と、当たり前の感想を述べた。

「長い人はきっかり一週間続くし、始まる一週間以上前からお腹が痛くなる子もいるのよ」
「へェ」
「特に二日目が痛い。でも個人差があって、ミサカの友達は痛みで気絶した。軽い子は体育やっても大丈夫って子もいるの」
「いろいろだな。オマエは?あまり痛そォにしてる様子は無かったと思うが」

打ち止めは、ちょっと頬を赤くして躊躇ったが、今ここでしっかり教育しておかなければ、
また生理中に迫ってくるかもしれないので、正直に教えることにした。

「ミサカは…、標準?だと思う…。薬飲んでるからそんなに辛くないけど、ってミサカはミサカは恥ずかしいのを正直に…」
「ふゥン。一週間くらいか?」
「え?あぁ、ミサカは短い方。五日で終わるの」

(よし…っ)

顔には絶対に出さないが、一方通行は心の中でグっと手を握った。

「も、もういいでしょ。あなたも分かったよね?ってミサカはミサカは最終確認を取ってみたり」
「ン、分かった」
「よろしい、それじゃあ…」

打ち止めは四つん這いになって一方通行の隣まで来ると、その腕に抱きついた。

「にへへへへ」
「どォしたンだよ…、おィっ」
686 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/25(木) 22:00:33.62 ID:McueMHRC0
打ち止めは青年の肩に手をかけて、容赦なく体を乗せて押し倒す。
さらに彼の腹の上に跨って、驚いて目を見開いたままの恋人にキスをした。二人はもう完全にクッションからはみ出している。

「んー…。はい、ぎゅってして」
「急に何だ」

今日は分が悪い一方通行は、言われるままに彼女の背中に腕をまわし、右手は腰をさすった。
さっきココが痛くなる、と教えてもらったからだ。

「あ、それあったかくてキモチいい…」
「重い…」
「む、反省の色が見えない!ってミサカはミサカは更なる試練をあなたに授けてみたり」
「はァ?試練?」

打ち止めは、息をして上下する青年の硬い胸板に頬を埋めながら、今晩の予定を発表した。

「お風呂のあとであなたの部屋に行くから、そしたらずっとこんな風にミサカのこと抱きしめて、また腕枕してね。で、それだけなの」
「ほォ、なるほど試練ねェ。キスは?」
「もちろん、決まってるでしょ」

なんと優しいオシオキがあったものだ。一方通行は左手を彼女の後頭部にかけて、自分の唇へと引き寄せた。
687 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/25(木) 22:07:02.37 ID:McueMHRC0
翌早朝、打ち止めは自分を抱きしめて眠る一方通行を起こし、その腕から脱出した。

「あなたも今日は一限目があるでしょ。このまま起きてた方がいいよ、ってミサカはミサカはまた寝そうなあなたにアドバイスしてみたり」
「あー…」
 
半分瞼が下がったまま返事をする彼を残し、
打ち止めは能力を使って黄泉川と芳川もまだ部屋から出てきていないことを確認してから、そっと自室へ戻る。

(昨日はあの人にちょっとイジワルしちゃったなぁ…。
かわいそうだったかも?ってミサカはミサカはしょんぼりだけど、優しかった昨夜のあの人を思い出してみる)

打ち止めは部屋で着替えながら、何か彼に「よくできました」の御褒美をあげようと考えていた。

(んーと、明日は学校がお休みだから…。そうだなぁ…、よし決めた!)

先日の日曜日は学校行事のために通学したので、明日は平日だけど休みになる。彼は大学へ行くだろうから、実行するならその時だ。

(大したことじゃないけど、きっとあの人喜んでくれるよね!ってミサカはミサカは想像してワクワクしてみたり)

家族の朝食の準備をして、保護者二人を送り出す。その後、やはり二度寝してしまった青年を叩き起こし、
一緒にご飯を食べてからそろって登校となる。

「もう目、覚めた?」
「ンー」
「はい、じゃ出発しましょー。もうそれほど暑くないし、あなたもあんまりポルシェちゃんで通学しないほうがいいよ?
筋肉つけるんでしょ?ってミサカはミサカは能力無しで抱っこしてもらえるのを楽しみにしてるからね」
「分かってらァ、じゃ行くか…」

それぞれの学校への分かれ道、彼に手を振って別れたあと、打ち止めは明日の計画のためにやることを、頭の中で整理する。

(まだお小遣いは充分あるし、今日の放課後お買いもの行って、明日の昼間に実行する。
で、あの人が帰ってきたら褒めてもらおー!ってミサカはミサカはそれが楽しみっ)
688 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/25(木) 22:11:14.48 ID:McueMHRC0
とある計画を実行するその日、一方通行が大学へ行ったあと、打ち止めは必要な道具を持って玄関を出る。かなりの大荷物だ。
バケツと、新品のタオルと、じょうろ。あと昨日買ってきた物が入っている袋。
その中身には洗車用のワックスと、専用拭き取りクロスが入っている。
そう、打ち止めは彼の愛車を洗ってあげようとしているのだ。

「あ、あと脚立…、う、ちょっと重い…」

打ち止めはヨロヨロとよろけながら、エレベーターを使ってポルシェが駐車してある場所までやってくる。
大荷物をその場に置き、まずバケツとじょうろに水を汲む。

「よーし、まずは水をまんべんなくかけまーす、じゃ〜」

本当はホースで水をかけたいのだが、水道が遠いのでじょうろで対応。その後絞ったタオルで丁寧に水気を拭き取っていく。
車高はわずか百三十センチの車だが、それでも脚立に乗らなければ屋根の中心まではしっかり手が届かない。
打ち止めは自分の膝ほどの脚立の上に立ち、ボディを拭いていく。

「ふぅ、こうして拭いてるとポルシェちゃんが結構大きいことがわかりますなぁ、ってミサカはミサカは
いつも乗せてもらってるお礼だと思って頑張るぞー」

拭いては絞り、また拭く。タオルを絞って滴った水が、脚立に垂れていく。
そして、打ち止めが脚立の上で体の向きを変えたとき

「っ、きゃ」

足をすべらせた打ち止めは、そのまま地面に落ちてしまった。
689 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/25(木) 22:14:02.53 ID:McueMHRC0
その頃一方通行は、大学の講義室でいつもどおり授業を受けていた。眠そうなのはいつものことだ。
一応目を開けて前を向いている。それに机にはノートが広げられて…

「おい一方通行、せっかくノートプレゼントしたんだからちゃんと板書してくれよ」
「うるせェ…、まさかこンなモン貰うとは、さすがの俺も驚いてるところだ。黙ってろォボケ」
「あ、消しゴムとシャーペンも要る?」
「俺にノートをとらせよォと努力をするより、最初からマジメに授業受けろよ…」

野次馬にちょっかいを掛けられながら、講義の終わりを待つ。
耳で聞いたことは必要ならば忘れないためノートを取る習慣は無かったが、このうっとうしい男を黙らせるためなら、
やってもいいかと思い始めていた。

その時、マナーモードにしていた携帯電話が着信を告げ、一方通行は肘をつきながら待ち受け画面を開く。
電話してきたのは番外個体だった。

講義室の最後列に座っていたし、何より相手が番外個体だったので通話ボタンを押して携帯を耳に当てる。

『今すぐマンションに戻って』

何も言わずに通話を開始したのだが、番外個体もいきなり話を切り出した。声は普段より一層緊張を含んでいる。

「どォした」
『最終信号に何かあった。さっきネットワークに一瞬だけ助けを求める声が流れて、今は応答がない。携帯もつながらない』
「!…分かった」

一方通行はそれだけで番外個体との電話を終え、野次馬から押し付けられたノートを鞄に突っ込んだ。

「おい、どうしたんだよ急に」
「帰る」
「え、まじで?明日の物理学は出るよな?」

その質問には答えずに、すでに電極のスイッチを切り替えて廊下に出る。
そして窓を開け放したまま、サッシに足をかけてマンションの方へと飛び出していった。

「あーあ、行っちまった…。ま、ノート持っていったしいいか。進歩進歩」
690 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/25(木) 22:17:22.95 ID:McueMHRC0
僅か一分足らずでマンション上空に辿り着いた一方通行。打ち止めはすぐに見つかった。
自分の車のすぐ傍に倒れている。

「!!」
(打ち止め…!ちくしょォ何が……っ)

大急ぎで彼女の傍に降り立ち、その体をそっと起こして状況を確認する。
こんな風に倒れている打ち止めを見るのは久しぶりで、昔の嫌な思い出が甦ってきて彼の心を焦らせる。
少女の左足ふくらはぎがザックリと裂かれていて、そこから赤い血が心臓の鼓動に合わせて、トクトクと流れ出していた。

「打ち止め!」

ベクトル操作でまずその傷からの出血を止める。同時に脈拍や脳波をチェックし、重大な異常がないか調べる。

(……、気絶してるだけ、か…)

とのかく病院に運ぼうと思って少女を抱きあげる。ポルシェのキーは持ち歩いていたが、
このまま飛んで行った方が早いので、衝撃を与えないよう細心の注意を払って地面を蹴る。
駐車場を離れる前に、チラと見たその場の状況ですぐに分かった。

散らばるタオルや脚立、そしてワックス。足は割れたバケツにぶつけて切ったのだろう。

「ばァーか…。ドジなクセして余計な気ィ効かせてンじゃねェよ…」

意識の無い少女をぎゅっと抱きしめて、一方通行は病院へと向かった。

691 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/25(木) 22:22:49.98 ID:McueMHRC0
とりあえずここまで。
さて、これで一方通行株に反発が起きるといいのですが…

それにしても、一部ではウケたんだな、迫る一方さん…
まぁ好みや、注視する点は人それぞれですからね。

キャラソンの是非も人それぞれです。私は全然かまわないぜェェェ
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/25(木) 22:26:44.85 ID:7mzWoqhDO

どんだけ物理学苦手なんだよww
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/25(木) 23:03:45.96 ID:F97m0xFDO
確かにwwwwww

とりあえず乙!
大事はないだろうし、このあとが楽しみだなー
694 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/26(金) 00:34:51.35 ID:pBG2T+8b0
物理学には個人的に恨みがある…
あと英語にも。
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/26(金) 00:46:20.65 ID:q7+wLTApo
物理は面白いよ!!
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/26(金) 00:48:41.25 ID:XFxZBgoC0
物理学乙
あんたとは美味い酒が飲めそうだ
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/26(金) 09:45:02.95 ID:jJy7D6Dp0
乙!
物理学の人気に嫉妬wwww

てか先生哀れ…
まあ学園都市第一位の頭だし、いまさら習う必要もないのか
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/26(金) 10:05:44.90 ID:ORLISKDM0
物理学は単位系だけ合わせれば楽勝!!!

……そう思っていた時期が自分にもありました……

699 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/26(金) 22:45:43.16 ID:Wu20K7Oe0
胸とか尻でレスが埋まることはありましたが、まさか物理でも埋まるとは…
数学も敵。

>>693 ただひたすら通行止めがイチャイチャするのが、このスレの存在理由ですから。

>>696 書いてる人は下戸でつまらん。人生損してる気がする。黄泉川家と飲めたら楽しそうですね。

きっと明日の夜続き投下できます。お待ちくだされ。
700 :ブラジャーの人2011/08/27(土) 21:20:10.10 ID:4q6gP/Rm0
過保護炸裂
701 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/27(土) 21:22:49.32 ID:4q6gP/Rm0
とあるいつもの病院の廊下、一方通行は壁際に置かれた椅子に座っていた。
ふと視線を落とせば、自分の手に打ち止めの血がついている。

(打ち止め…)

ぐったりとした体、流れる血。大した怪我ではない、足の傷も重傷ではない。
それでも彼の気持ちは、心配や焦燥で落ち着かなかった。

「一方通行、もういいですよ、とミサカはあなたを招き入れます」

すぐ近くの病室から、一九〇九〇号が顔だけ出して彼を呼んだ。

「軽い脳震盪です。しばらくすれば目を覚ますでしょう。足の傷は、あなたが能力で止血と同時に治療もしていましたね?」
「あァ…」

血と零れた水で汚れた衣服は、一九〇九〇号が着替えさせたのだろう。
ピンク色の入院患者用の服を纏い、打ち止めが白いベッドに寝かされていた。
この光景も、あまり見たくない…

「傷口は本来なら縫うほどのものでしたが、それよりもあなたの能力で治療した方が完治は早く、
また跡が残らないと思い施術はしていません、とミサカは上司の体とあなたを気遣ってナイス判断を下したことをアピールします」
「あァ…」

「……」
702 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/27(土) 21:25:13.94 ID:4q6gP/Rm0
一九〇九〇号は打ち止めをぼんやり見つめるばかりの一方通行の手を取り、濡らしたガーゼで血を拭いた。

「あ?」
「これは上司の血ですか。一方通行ともあろう人がよっぽど慌てていたのですね。
屋上のドアをぶち壊したことは大目に見てあげます、とミサカはネットワークでウワサの過保護ぶりを
この目で確認できてラッキーぷークスクス」
「あァ!?噂だとォ?おいオマエら一体どンな」

一九〇九〇号は語気を荒げる一方通行から身を離し、打ち止めに掛かっている布団をめくった。細い足に、痛々しい包帯が巻かれている。

「消毒薬と替えの包帯、あと歩行補助の松葉杖を用意しておきます。
言っておきますが、この子の体に傷跡を残したら末妹を含めた全ミサカが、あなたに報復の不幸の手紙を送りつけますので
胆に銘じてください、とミサカはあなたに懇願します」
「どォこが懇願だァ…、言われなくても分かってる…」
「ならば結構です。あとは任せたぞ、こっちは忙しいので、とミサカは上司のめんどうをあなたに押し付けて仕事に戻ります」
「あァ…」

一方通行は、病室を出ていく一九〇九〇号を振り返ることもなく返事をした。
すでに椅子を打ち止めの枕元に持ってきて腰掛けるところであり、彼女から視線を動かさない。

「……」
(本当に過保護ですね。さっきの姫抱っこ乱入と合わせて、この光景もネットワークに流しておきましょう)
703 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/27(土) 21:28:38.84 ID:4q6gP/Rm0
一方通行は、打ち止めの前髪を梳きながら、能力を使って左足の治療をする。
バッテリーを残量数分まで使い、スイッチを切ったしばらく後、少女が目を覚ました。

「?……」
「起きたか…」
「あ、ミサカ…、落ちて…」

打ち止めは意識を失う前の事を思い出し、自分の頭を撫でる青年の手に触れた。

「また心配かけちゃったね…。ポルシェちゃん洗おうと思って…、ってミサカは、あっ、どうしよう…」
「なンだ」

一方通行の手を両手で握り、打ち止めの目にじわりと涙が…

「ポルシェちゃん、キズつけちゃったかも…」

(そンなこと…)

「大丈夫だ、ついてなかったぜ…」

実際は車体など確認してなかったが、一方通行はそう答える。自分の物を大切に扱う彼女が可愛くて、もどかしかった。

「そう…、よかった、ってミサカはミサカは一安心してみる」
「もう少し寝てろよ」
「うん、ここ病院だよね?今日家に帰れる?」
「あァ、軽い脳震盪だからな。だが、足の方がなァ…」

打ち止めはそう言われて、ベッドの中で、違和感を感じていた左足を動かしてみた。鈍い痛みが走り、顔が歪む。

「少しの間、松葉杖だとよ」
「あは…あなたとおそろいだね、ってミサカはミサカはこんな時にも嬉しいことを発見してみたり。杖のつき方教えてね?」
「俺のと大分勝手が違うだろォ?それに、ベクトル操作で治療してやっから、すぐ杖なンて必要なくなる」
「あなたの能力で病気を治してもらったり、怪我を治してもらったり…、ミサカ達はあなたのお世話になりっぱなしなのね」

(これぐらい、全然だ…。まだ…)

一方通行は何も言わなかったが、腰を浮かして彼女の額にキスをする。
滅多にされない場所だ。打ち止めは彼が「気にするな」と言っているのだと思った。

「一回家に帰って、オマエの着替えと車を持ってくる。それまで大人しくしてろよ」
「着替え…。あの、この服着せたのあなたじゃないよね?ってミサカはミサカは一応確認…」
「オマエはまだそンな事心配するンだな…、一九〇九〇号がやった。じゃ、後でまた来る」

打ち止めは一方通行が出て行った後、頭まで布団を被って赤い頬を隠した。誰もいないのに。

704 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/27(土) 21:36:54.38 ID:4q6gP/Rm0
(ぶ、ブラジャーまである…っ!ってミサカはミサカはあの人が持ってきてくれた服の中に、
当然のように下着があることに驚愕してみる…)

バケツから零れた水は、下着にも浸透したらしく脱がされていて、
それを知っていたからこそ、一方通行はわざわざコレを持ってきたのだろう。
ショーツは一九〇九〇号が病院で販売されているものを履かせたのだと、ネットワークで確認を取った。
自分の部屋のクローゼットからワンピースを、箪笥からブラジャーを取り出す一方通行の姿を想像し、打ち止めの顔はまた赤くなる。

「おい、まだかァ?」
「はっ、あ、あと少し…」

一方通行が病室の隅で待っている。打ち止めはベッドの周りにカーテンを引き、その上で着替えていた。
彼を待たせぬよう急ごうとしたのだが、背中や腕も打ちつけたらしく、痛くてブラジャーのホックが上手くとめられない。

(ん、いた…。もういいや。せっかく持ってきてもらったけど着けないでおこう…)

ワンピースだけを身に着けカーテンを開けると、一方通行が近づいてきて、あっという間に抱きあげられた。

「っ、ミサカの杖は?このまま車まで行くの?絶対見られるよ?ってミサカはミサカは恥ずかしがってみたり」
「杖はもう受け取って車に積ンである。あとはオマエだけだ。この方が早い」

打ち止めの言うとおり、ポルシェに着くまで病院の職員や見舞客、患者達の注目を一身に浴びた二人。
そういう好奇の視線をあまり好まない彼が、それを顧みず自分を気遣ってくれるのが、打ち止めは嬉しかった。

705 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/27(土) 21:39:15.25 ID:4q6gP/Rm0
マンションに帰ってきた後も、荷物は打ち止めが一方通行の背中に回した手で持ち、彼女自身は青年が抱いて運ぶ。
そしてようやくリビングのソファに座らされて、少女の両足は久しぶりに床に触れるのだった。

「大げさだよ…、ミサカ別に杖が無くても歩けるくらいなのに、ってミサカはミサカは、でも優しいあなたが嬉しかったり」
「切った場所が悪ィ。出来るだけかばって過ごせ」

青年も彼女の隣に腰を下ろし、そっと肩を抱く。いつもより控えめなその腕を安心させようと、
打ち止めは一方通行の胸に顔を埋めて抱きついた。もっと強くしても大丈夫だよ、という意思表示のつもりで。

それは上手く伝わったのだろう、一方通行は両手を少女の背中に回した。

「ン?」

彼の手が、打ち止めの背中を確かめるように撫でた。自分の腹に触れる打ち止めの胸が普段より柔らかく感じたからだ。

「着けてねェのか?俺ちゃンと持ってったよなァ?」
「あ、背中も打ったみたいで、上手く着けられなかったから」
「…そォか……」

一方通行は打ち止めの背中全体を、上から下、下から上へとさする。そして電極のスイッチを入れ、彼女の足の治療を始めた。
着替えを打ち止めに届ける前に、充電は完了させてある。今度は時間いっぱいまでやるつもりだった。

「今、足の傷治してるからな。じっとしてろよ」
「うん…。本当にごめん。ポルシェちゃんがキレイになったら、あなたが喜んでくれると思ったから…」
「あー、それなァ」
「?」
「あの車、買う時にガラスコートってのがかけてあってよォ。ワックスはやっちゃいけねェンだよ、何年間は」
「えっ」
「でも水洗いならOKだ。…きれいになってたな」

お礼のつもりだろう、一方通行が打ち止めの背中をぽんぽんと優しく叩いた。
一瞬顔を青くした打ち止めだったが、幸いワックスはまだかけていなかったので、ほっと息をつく。

「よかったぁ、ワックスやる前に落ちて、ってミサカはミサカはギリギリセーフ…」
「アホ、全然セーフじゃねェだろォが。このありさまは何だってンだ」
「面目ございません…、ってミサカはミサカは殊勝にあやまってみる」
「自分で言うな」

706 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/27(土) 21:42:06.75 ID:4q6gP/Rm0
その夜、帰ってきた黄泉川は打ち止めの足の包帯を見て大層心配した。芳川は病院が職場なこともあり、
打ち止めが運ばれてきていたことは把握していたので、大したことはないと打ち止めと共に黄泉川を安心させる。

「足だから、念のための松葉杖なのよ。骨に異常は無いんだし、一方通行が能力で治療していくからすぐ治るわ」
「そ、そうか、でも傷が残ったらどうするじゃんよ…」
「大丈夫だよ、この人がキレイに治してくれるんだって!
できなかったら不幸の手紙が一万通ぐらい届くから絶対やってくれるよ、ってミサカはミサカはヨミカワの不安を取り除いてみる!」
「不幸の手紙?」

女性陣三人の横でテレビを見ていた一方通行の眉が跳ねあがった。
芳川は不幸の手紙の詳細を一九〇九〇号から聞いているのだろう、かすかに笑い声を吹き出している。

「オマエ何でそれ…、ネットワークかよォ…っ」
「あなたが焦ってミサカをお姫様抱っこで運んでくれてるとこ、すごく素敵だったよ、ってミサカはミサカはうっとりしてみたり…」
「こォのクソガキィ…!今すぐネットワークの情報止めろ!オマエならできンだろォ!?」
「やー!怒ったー!ってミサカはミサカは逃亡を図ってみるぅー」

一方通行がソファの端に座る打ち止めに手を伸ばしてきたので、彼女は右足だけで立ってぴょんぴょんと跳ねて逃げる。

「っだァー!じっとしてろォ!」

『不幸の手紙』の説明を芳川から受けていた黄泉川は、元気そうな打ち止めを見て、ようやく安堵の表情を浮かべた。

「おいおい、さすがに下の階に響くじゃん、二人とも大人しくしなって」
「だってこの人が追いかけてくるんだもーん!」

ドタドタとやかましい音を立てて、一方通行と打ち止めはリビングから姿を消した。
707 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/27(土) 22:01:18.33 ID:4q6gP/Rm0
「おらァっ、あれほど言ったのにオマエはなァ!」
「きゃぁ!能力使ってるズルイ、ルール違反!ってミサカはミサカは今日はよく抱っこされる日だから諦めてみる」
「いつ作ったルールだよ…、ったく…」

廊下で打ち止めの捕獲に成功した青年は、そのまま自分の部屋へと彼女を連行する。
そしてそっとベッドへ寝かせ、自分もその隣に横になった。
痛めた体に負担がかからぬよう、少女を優しく包み込む。

「打ち止め…、あまり危ねェことすンなよ」
「ふふ」
「何笑ってンだ」
「あなたがミサカのこと大切にしてくれてるんだなぁ、ってミサカはミサカは実感してみたり…ふぐっ」

一方通行の指が、打ち止めの鼻をつまんだ。

「反省してンのかァ?」
「ひてまふ」



ベッドに寝転がる打ち止めの左足は、今は一方通行の膝の上に乗せられ、今日何度目かのベクトル操作にて細胞の修復促進中である。

「明日学校休めよ。そうすりゃもう完治に近いだろ」
「松葉杖使ってみたかったんだけどなぁ」
「よせよせ、何もイイことねェぞ」
「う、ん……」

打ち止めの声が一気に沈んだ。しまったと思い、一方通行は電極のスイッチを切り、暗い顔をした少女の頬を撫でた。

「そォいう意味じゃねェ…。分かってンだろ?俺はこれで満足なンだからな」

打ち止めも、目の前にある彼の頬に手を滑らせた。少女に自然と笑顔が甦る。

「…ありがとう、あなた。いつもいつも、ありがとうね」

(そりゃ俺のセリフだ…)

唇に優しく降ってきた口づけ。今度はこの人も「ありがとう」と言っているのかな。打ち止めにはそう感じられた。


708 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/27(土) 22:05:45.84 ID:4q6gP/Rm0
打ち止め、怪我をするの巻 完

打ち止め抱っこ祭り開催してみました。

二日に一度、もしくは三日に一度の更新ペースでいきたい所存。
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/08/27(土) 22:08:57.86 ID:T5BkJKPjo
おひゅおおおおおおおおぉぉぉぉおおお
!!
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/27(土) 22:25:51.99 ID:IIDzkrc40
乙!
ブラ着けれないって見たときノーブラおんぶを期待したのは俺だけじゃないはず

MNWいいなぁ
通行止め映像覗き見た…もとい見守りたいわ
711 :ブラジャーの人2011/08/29(月) 20:55:09.54 ID:m/nZ1lT70
>>710 どっちかっていうと、揉ませようかな、と思っていました。

さて、今日もいつもどおりの通行止めです。

712 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/29(月) 20:57:24.42 ID:m/nZ1lT70
打ち止めが足を怪我してから数日後の、とある週末。彼女の足は傷跡も分からないくらいに回復した。
それで全快祝い…というわけではないが、一方通行と打ち止めは、ちょっとお高いレストランでディナーを楽しむことにする。
その日芳川は病院に泊まり込み、黄泉川は同僚達と飲み会だというので、
丁度いいなんて言ったら保護者達のヒンシュクを買うかもしれない。
しかし、打ち止めが怪我をしてからというもの、ほとんど外でデートをしていなかった二人にとっては、まさに良い機会だった。

「うっふっふ〜。今日は気合い入れてオシャレしてみた!ってミサカはミサカはムギノ直伝のメイクであなたを悩殺してみたり」
「ハイハイ、きれェだねェ」

打ち止めは今日、いつかのように髪を巻き、彼が希望したとおりの露出の少ないワンピースにスカーフまでしている。
それに、そろそろ季節は秋に近く、一方通行もジャケットを羽織り、ネクタイまで締めていた。

「もう、素直にメロメロしてくれればいいのに。あなたも今日はネクタイなんてして素敵よ、ってミサカはミサカはお手本を見せてみる」
「ドレスコードがあるほどのトコじゃねェが、今日行く店でシャツだけってのは流石に浮くぜ」
「おぉ、オトナのデートだね…っ」
「そンなこと言ってるうちはだめだなァ…、そろそろ行くぞ」
713 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/29(月) 21:00:34.65 ID:m/nZ1lT70
打ち止めは彼について、意気揚々と玄関を出る。
高いヒールも、自分の足にピッタリのものを手に入れたので、練習の甲斐もありスムーズな足運びだ。
一方通行の顔が普段よりも近く、今彼女の胸は期待と喜びに満ちていた。

予約したレストランが入っているビルの地下駐車場にポルシェを停めて、二人はエレベーターに向かう。
打ち止めは一方通行の傍らに寄り添い、彼の左腕に手を絡めた。
道すがらの鏡やショーウィンドウに映った自分達の姿が、テレビや映画の中の恋人同士のようで、とても嬉しくなる。

「えへへ…」

テナントが立ち並ぶビル中にはもちろん人が居て、少々恥ずかしいと思う一方通行だったが、
あまりに打ち止めの顔が喜んでいること、店までたかだか数百メートルの距離であることを考慮し、そのまま歩き続けた。

「いらっしゃいませ」
「予約していた一方通行だが」
「…お待ちしておりました。光栄でございます、ようこそ当店へ」

(ふわー!なんか本当に映画みたい、ドラマみたい!本当にドレスコードないの?この店)

豪勢な店構えと、丁寧な従業員の対応に面食らってしまった打ち止め。ますます青年の腕にすがり付く。

「…おい、口ィ……」
「あぅっ」

うっかりと口が開きっぱなしになっていた。さっそくオトナのデートにつまずいてしまった打ち止めである。
714 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/29(月) 21:04:57.60 ID:m/nZ1lT70
案内された席からは、眼下に灯り始めた学園都市の夜景が輝いて見えた。
店側は一方通行が学園都市第一位であることを考慮して、半個室になっているようなこの席を宛がってくれたらしい。

「わぁー、この辺は夜景がキレイだね、ってミサカはミサカはうっとり眺めてみる…」
「窓、手ェつけンじゃねェぞ」

二人とも席を立ち、一面ガラス張りの窓際にてしばし下界の美しさを堪能する。
実は一方通行だって、この久しぶりのデートは普段より特別な物にしようと意気込んでいる。
何より、自分との年の差を気にしている打ち止めが喜ぶ趣向を、と思ってこういう店をチョイスした。

「お料理の前にお飲み物はいかがですか。こちらからお好きなものをお選びください」

店員がそう言ってメニューを持ってきたので、席に戻る。打ち止めは馴染みの無い名称のドリンク達に、眉を潜めてしまった。

「俺は車があるから水だけでいい」
「かしこまりました」

(えーと、ミサカは……、あ、このピーチナントカでいいや。桃好きだもん)

「これ下さい」

打ち止めは指でメニュー表をなぞり、店員に注文する。

「はい。ではお料理もすぐに運ばせていただきます」


さっきまでロマンチックに夜景なんて眺めていたが、料理がテーブルの上に並べば、打ち止めは典型的な花より団子状態になってしまった。

「おいしー、おいしーねあなた!」
「おいおい、声がでけェよ。オトナはどこ行ったンだ」
「だっておいしー。おいしいに罪はないのだ、ってミサカはミサカはまたこの世の心理に辿りついてしまったと、しみじみしてみたり…」

食事の間に日はとっぷりと暮れ、完全な夜が訪れていた。
街の灯はますますその光を強めていたが、もはや打ち止めの視線が窓に向くことはない。

(あーァ、ま、喜ンでるしこれはこれでいいか…)
715 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/29(月) 21:12:21.59 ID:m/nZ1lT70
もう、純粋に美味しい食事を二人でただ堪能することにした。これだって充分楽しい。
打ち止めも、もう笑いっぱなしだ。

(……?)

「あーおいしかったね、ふふふ」
「あ、あァ…」
「えへへへへ」
「打ち止め?」

打ち止めは、軽やかに笑いながら席を立ち、一方通行の横にまでやってくる。
そして、あろうことか腰をかがめて彼女を見上げていた一方通行に、躊躇うことなくキスをした。

「!?」
「んーふふふ、ちゅ、ん」

ここは周りから見えにくい位置にある席とは言っても、普通のレストランの中だ。
呆気にとられて三回もついばまれてしまった一方通行は、慌てて彼女を引き剥がした。

「っ、おいこら…」
「あぁ、もうなんで?ってミサカはミサカはあなたにぶーたれてみる」
「何でって…ン?」

打ち止めから微かなアルコールの匂い。まさかと思い、彼女の席に置いてあるジュースが入っていたグラスを手に取る。

(やっぱり、これ酒じゃねェかよ。コイツおかわりしてたな確か…。もしかして打ち止めが未成年に見えなかったのか?)

店側は、どうやら打ち止めを成年と勘違いしてアルコールを提供したらしい。
彼女もジュースのように甘いお酒を、酒と気づかず飲んでしまったのだろう。
そうこうする間も少女は青年の腰に抱きついてくる。
人の目を気にしながら、またも打ち止めの肩を掴んで、今度は椅子に押し付けるように座らせた。

「オマエなァ酒飲ンだンだ。分かるか?もう今日は帰るぞ。会計して来っから、このまま、座って待ってろよォ?いいな?」
「うん」

そう素直に頷いたくせに…
わざわざレジに来た学園都市第一位に従業員が焦って会計をしている所に、フラフラと打ち止めがついてきてしまった。

「あ、オマエ待ってろって…」
「待ちくたびれたー」

遠慮なく第一位にタックルをかます彼女を見て、店員が驚きの表情を浮かべる。
一方通行は差し出されていたカードを乱暴に引っ掴み、足早に店を後にした。もちろん仕方なく、電極はONにして。
716 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/29(月) 21:15:31.40 ID:m/nZ1lT70
エレベーターに着くまで、地下駐車場の車に戻るまでも、数人が二人に視線を向けていた。
無理もない、一方通行は打ち止めを引きずるようにして歩いていたので。
とにかく一刻も早く車へ…、そう考えていた一方通行はようやく一息ついた。

(エレベーターの中、誰もいなくて助かった…)

今、周囲には他に人はいない。青年はニヤケ顔で体をすり寄せてくる打ち止めを、何とか車のシートに乗せようとする。

「こら、言うこと聞けェ酔っ払い」
「やーん、いやー、ってミサカはミサカはちゅー」
「ン、」

打ち止めは首を絞めるように一方通行にぶら下がり、そのまま濃厚なキスを仕掛けてきた。その手は彼の髪の中を蠢いて乱しながら。
やがて手は一方通行のネクタイをゆるめ、はだけさせた鎖骨に唇を移動させて吸いつく。
高いヒールが、その行為を容易にさせていた。

(おいおいおい、コイツまさか…)

ソノ気になっている?

さっさと帰って、能力を使いアルコールを分解してやろうと思っていた一方通行だったが、

(気が変わったぜ…)

月のものが訪れている打ち止めに迫って、代理演算を剥奪された数日前に、抱いて以来だったから。
打ち止めが怪我をして、足以外にも何ヶ所か打ち身を患っていたから。
ずっと我慢していたから。

一方通行は、このビルにホテルが入っていることを知っていた。
717 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/29(月) 21:20:05.95 ID:m/nZ1lT70
はい、とりあえず以上です。

いいところで中断しちゃったぜ。

これだけは言っておきますが、飲酒は二十歳になってからですぞ!



718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/29(月) 21:25:04.57 ID:HhAya5qGo


そして一方通行め…モゲロでは足りませんねこれは…
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県)[sage]:2011/08/29(月) 21:25:20.28 ID:AhWU9uBMo
乙!
おいおい続き気になるじゃねーかよ
こんないいとこでおあずけとかマジ焦らしプレイ
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/08/29(月) 21:31:48.79 ID:446OKXtio
乙ー

もげて爆発して凍っちまえ…(´・ω・`)
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/29(月) 22:07:18.44 ID:cLsF/Y7bo
この話の打ち止めって確かまだ中学生なんだよな・・・
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/29(月) 23:57:17.93 ID:fMzwGUMP0
JCに酒飲ませて酔っ払ったところでホテルに連れ込みか…
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/30(火) 01:08:21.58 ID:ger1nnuZ0
また一方株の大暴落がきそうだ
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/30(火) 01:25:37.19 ID:sUwlSvh2o
故意に飲ませた訳でもねーし
その気の彼女をホテルに連れ込んで何が悪いのかと問いたい
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage]:2011/08/30(火) 07:51:08.35 ID:fGeytG/F0
一方さんなにやってるんですか
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726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/30(火) 08:21:18.91 ID:zDkCsgtDO
この犯罪チックなとこがいいんだろ!!
わからんかね!?
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727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/30(火) 10:39:19.30 ID:eHz/Ket80
中学生相手だもん。どう言い訳したって
ゲス野郎に違いないっすよ白い人ww
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728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/30(火) 15:09:13.61 ID:waW78pYF0
お前らひでえwwww
いいじゃない、一方さんだって男だもの
お前らだって巨乳のかわいい彼女が迫ってきたらグラッとくるだろ?
むしろ据え膳食わぬは男の恥ってやつだよ
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729 :ブラジャーの人2011/08/31(水) 17:13:06.73 ID:kKCpHH5E0
すっっかり失念していましたが、そうか、今日は八月三十一日でしたか……
かなり記念日とか誕生日に無頓着なタチのため、このスレでは何事もなく九月に突入してたんでした。
しかし、三次元では各地で祭りですな。甘甘ですな。
そんな日に、謀らずもこんなモノを投下しようとしている自分…
一体どこへ向かいたいんだ、もうわからねぇ。
しかし、今日のこの私が更新する話ほど、随一ゲロ甘であることは疑いようがない。それだけは確信を持っている。

青少年たちよ、婚前交渉は、控えたほうがいいんですよ本当に(説得力ないわーまじないわー)
もし及ぶ場合は、添い遂げる覚悟でお行きなさい。

では、投下するか…







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730 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/31(水) 17:16:57.97 ID:kKCpHH5E0
一方通行は、打ち止めの息がつまりそうになるほど抱きしめて、さっきのお返しとばかりにキスをする。
片手で耳や首をくすぐってやれば、青年が自分の期待に応えてくれると分かって安心したのだろう、打ち止めは大人しくなった。
開けっぱなしだったポルシェのドアを閉め、二人は再びエレベーターへと向かう。

最上階から下三階がホテルになっている。
カウンターでチェックインしている間も、大人しくなったとはいえ、打ち止めは一方通行のジャケットの裾を握って離さない。
時々ブンブンとそれを振り回して「早く」と彼を急かす。

(酒のせいとはいえ、こりゃ今日はどうなるンだァ…?)

自分の目がぎらついているかもしれないと思い、一方通行は打ち止めから貰ったサングラスの色を薄くしてかけていた。
受付の人間の好奇の視線(そう見える)はもう仕方ない。もうそれどころじゃない。手早く済ませ、カードキーを受け取って部屋に向かう。

「うふふ〜、ミサカが一番乗りなのだっ、ってミサカはミサカはゴー〜」

打ち止めは青年の手からキーをかすめ取り、部屋番号を確認してそこへ先行して駆け足。
しかしさすがに酒が効いた状態でヒールは難しく、廊下の途中でポイポイと脱ぎ散らかしていった。

「あーあー…」

それを屈んで拾った一方通行は、体を起こしてぎょっとした。

(おォい!?オマエはここで全部脱ぐつもりかァ!?)

打ち止めはスカーフも放り投げて、なんとワンピースの背中のチャックに手を伸ばそうとしている。
一方通行は能力を使い廊下を疾駆して、打ち止めを肩に抱え上げて部屋へ飛び込んだ。
そして薄暗いままの部屋の床に彼女を降ろし、廊下からヒールの片方とスカーフを回収して打ち止めの待つ部屋へ戻るが、
彼女が見当たらない。

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731 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/31(水) 17:19:51.74 ID:kKCpHH5E0





「打ち止め?どこだ?」

ベッドに拾ってきたものを置いた時、背後から裸足の足音が…

「突撃ぃあなたー!」
「おォ!?」

振り返った一方通行の胸に打ち止めが飛び込んできて、二人はベッドへとなだれ込んだ。
スプリングが軋み、しばらくふわふわと揺れる。

「おい、いつの間に脱いだんだオマエ。出掛ける前に俺に背中のチャック上げさせたじゃねェかよ…」

一方通行を押し倒した打ち止めは、もうブラジャーとショーツしか身に着けていなかった。
白い生地に黒のレースが刺繍され、照明が点いていないこの部屋では、まるで肌に黒い花が描いてあるように見えた。

「あなたも脱いで?」

打ち止めは一方通行の顔からサングラスを外し、ベッドサイドのテーブルにひょいと投げて置いた。

「あ、あァ…。脱ぐからちょっとどけ」
「ミサカが脱がしてあげるね」
「は?いや、こら待て」

ネクタイは既に駐車場で彼女に外されている。シャツのボタンに手を掛けようとした一方通行の手は、
細い少女の手に掴まれ、シーツの上に縫いつけられた。

「じっとしててぇ」
「だからま」

打ち止めは彼の手を押さえ込んだまま覆いかぶさり、喋っている最中だというのにキスをして黙らせた。

(立場逆じゃねェかよォ…)





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732 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/31(水) 17:21:41.40 ID:kKCpHH5E0





溢れた唾液が、一方通行の頬を伝っていく。組み敷かれるというのはこういう感じなのだと、彼は初めて知った。
打ち止めの柔らかな胸が、自分の胸に押し付けられている。手で触りたいのに、叶わない…
別に打ち止めの細い腕などすぐに振り払えるのだが、なぜかそうし難い。いつもと違い積極的な彼女に期待しているのだろうか?

口を離した打ち止めは、一方通行のジャケットの襟を両手で握り、無理やり脱がせにかかる。

「こらァ、やぶれるゥ」
「うー…」

一方通行は上体をわずかに浮かし、腕は万歳してやった。

「やったぁ、脱げた!ってミサカはミサカは今度はコレもぬぎぬぎさせてみたり」
「ボタンちぎるなよ…」
「だいじょーぶだいじょーぶ」

ぷちぷちちちちと、打ち止めは今までにないほどの速さで、一方通行のシャツのボタンをはずして、肌をあらわにさせた。

(はえェ…、俺より速いかも…。いつの間にそんな風に出来るようになったンだ)

「はぁ、あなたの肌は真っ白ね。しかも無駄なお肉が無い!ってミサカはミサカは羨ましくてなでなでしてみたり…」

なでなで、と言うわりには、唇が一等先に触れてきた。指先まで柔らかい彼女。その手が脇腹やへその周りを滑っていく。

「はァ…」
「キモチい?」
「ン…」







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733 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/31(水) 17:24:04.34 ID:kKCpHH5E0








一方通行は自分の体に跨って、口と手で優しく触れてくる少女の頭を両手で撫でる。
単にこの小さな恋人を可愛いと思って自然とそうしたのだが、彼女は気に入らなかったようだ。

「もう、ミサカのこと子供扱いしないでほしいな、ってミサカはミサカは更なる大胆攻撃を仕掛けてみる!」

打ち止めがグルっと体を反転させた。青年の腹の上に、容赦なく打ち止めのお尻がドスンと乗っかる。

「っ!ちょ、重ォ…」

青年が息を詰まらせている僅かな間に、少女は一方通行のベルトを、これも早業で外してしまった。

「!あっおい」
「あれー?いつもより小さいよ?」

まだ下着の中に収まっているソレを握るようにして、男に対してとても失礼なことを言う打ち止め。

「…っ、ったりめェだろ、まだ勃ってねェよ!」
「わかってますぅーだからミサカが頑張るんですぅー。きゃー、えいっ」
「うァ」

打ち止めは一方通行の下着の中に両手を突っ込み、下着をずりおろしながらソレを取り出し優しく握った。
露天風呂での経験を活かし、まだ硬くなりきっていないが、同じように刺激を与えていく。
一方通行の腹の上で、打ち止めのお尻が揺れている。彼の視界には今それしか映らない。

「わぁ、わぁー…、大きくなってきたぁ」

(何かもォすげェ…)






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734 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/31(水) 17:27:38.09 ID:kKCpHH5E0





悔しいので打ち止めのショーツも脱がしてやろうと思い、両手で引っ張ってみたが、なにぶん自分に跨っている最中なのでうまくいかない。

「むむ、往生際悪くミサカにいたずらしようとしているな!?ってミサカはミサカはあなたに最後のとどめを刺してみる!」
「ぐェ」

お尻に反動をつけて、よいしょぉっと飛び上がった打ち止め。下では恋人が腹を押さえて呼吸困難を起こしているが気にしない。
一方通行の足元に移動し、彼のズボンの裾を掴んでグイー、と一気に抜き去った。
立っている打ち止めに引っ張られたので、彼の足も上に引き上げられ、直後またベッドに墜落した。

「では、…どきどきするけど、い、いきます…」
「げェっほ、えほっ、待て」

彼女を一旦止めようと、上半身を起こした一方通行だったが、その時にはすでに打ち止めは自分の腰の横に正座していた。

「あ」
「ア」

「…ん…ふ」
「お、…い、…は、ァ…」

止めようと思っていたのに、我慢を重ねていた一方通行は、結局彼女が与えてくれる心地よさに即流されてしまった。

(どうなるンだと期待してたが、まさかこンなことになるとは思ってなかった…)

打ち止めは口に彼のモノを含みながら、右手でずるずると、腿まで下ろしていた一方通行の下着をさらに脱がしていった。
青年も、打ち止めの手の動きに合わせて足を持ち上げてやり、膝下まできたところで最早邪魔にしかならなくなった布地を
蹴ってベッドの下へと放り投げた。着ている、と表現するには無理があるシャツが、滲んできた汗に湿っていく。

「う、…く…ら、ラスト、オーダー…」
「…チュ、…」






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735 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/31(水) 17:30:39.08 ID:kKCpHH5E0





拙い舌の動きだったが、艶めかしい背中に背骨と鎖骨を浮かび上がらせ、長い髪を自分の腰と太ももに流し、
一生懸命にそれに没頭している打ち止め。髪が肌を滑るくすぐったさなど、今は気にならなかった。
いくつもの快感が、本流となって高まっていくのに抗えない。それどころか「もっと」と思う。

青年がさっきのように少女の頭を右手で撫でると、さらに喉の奥へと吸い込まれた。

「っ!……」

息がどんどん荒くなっていく。やはり悔しい一方通行は、打ち止めの頭から首筋をなぞって背中に手を這わせていった。
背骨の両脇を何往復かさせて、障害物となるブラジャーのアンダーに指を突っ込み、
そのままクイと引っ張り上げ、親指、人差し指、中指の三本で二つのホックを外す。これも今では片手で簡単にできるようになっていた。

その時、打ち止めが不意に顔を上げ、唾液が糸となって一方通行と彼女の唇に一瞬の橋を作った。

(なンで…、あと少し…っ)

今日、自分は何もしてはいけない日なのだろうか?それともいつもの仕返しか?
せっかくイイところまで登りつめていた一方通行は、恨めし気に少女を見やった。

「………っ」
「おい、どォした…」

「うぇ」

打ち止めが、ぱし、と音が出るほどに両手を口に宛がった。


「!!?ま」
「おぅええぇぇっぇぇっぇえぇぇげほっぉ」
「あああァァァァァ!?っこの馬鹿まじかよォォォォォォおお!!」






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736 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/31(水) 17:38:50.45 ID:kKCpHH5E0




「………」

たった今「おいしー」と食べた料理たちが、桃の香りの酒にまじって、すべて一方通行の一物の上にぶちまけられた。
あまりのことに、茫然自失の青年。
しかし苦しそうにえづく打ち止めの声に、すぐに我を取り戻して電極のスイッチを切り替えた。

「もォ信じらンねェ…、何だってンだこれはよォ…っ、打ち止め、大丈夫か?」

手を振って、部屋中の全ての照明を点ける、もちろんバスルームも。
そして青い顔をした打ち止めを抱え、そこに駆け込んだ。
まず反射を利用して、お互いの体についた吐しゃ物を吹き飛ばす。
シャワーでそれを洗い流して、取れかけていた打ち止めのブラジャーを脱衣所に放り、ぬるくしたお湯で彼女の口をゆすいだ。

「ほら、気持ち悪ィだろ、口洗え」
「ん…」

言われるままに、打ち止めは数回口にお湯を含み、手でぬぐった。

「はぁ、はぁ、ごめん、ごめんねぇあなた…、うぅ、う〜、ぇぇぇん」
「……、気にするな、もう吐きたくないか?」

泣きそうな気分の一方通行だったが、打ち止めは本当に泣いていた。
気持ち悪さからなのか、苦しさからなのか、はたまた恋人に対して、申し訳なさすぎるからか…

打ち止めに触れながら、彼女の体内のアルコールを分解処理していく。初めてあんなに慣れない酒を飲んだのだから無理もない。
欲望に任せて少女の体調をないがしろにしたことを、一方通行は大いに反省する。
打ち止めの体をさすっているうちに、自分の分身はひとまず落ち着きを取り戻していた。

濡れた体を、また反射で一気に乾かす。部屋のクローゼットから備え付けのガウンを羽織り、打ち止めをソファに寝かせた。
ベッドから汚れたシーツを引っぺがし、これもバスルームに持って行って、能力を使い綺麗にしてからベッドルームへ戻る。

「打ち止め、どうだ?」
「うん…、能力使って何かしてくれたんでしょ…?もう平気、ってミサカはミサカは元気をアピール…」

シーツを剥がしたベッドに少女を運び、ガウンの上から優しく体を撫で、まだ青い頬にも手を伸ばす。

「嘘言うな、気にしてねェからゆっくり寝てろ…」
「……っぁなた…」

打ち止めは一方通行にしがみ付き、顔を彼の胸に押し付けて鳴き声を殺している。
青年はもう少し強く背中を撫で続け、数分後、また手を振って照明を落とし電極のスイッチを切った。






自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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737 :ブラジャーの人[saga]:2011/08/31(水) 17:41:01.15 ID:kKCpHH5E0





翌朝のまだ薄暗い頃、一方通行は打ち止めに体を揺らされて目を覚ました。
彼女の体調はすっかり良くなったらしく、いつもの血色の良い頬で彼を安心させてくれた。

「泊まっちゃったね…、ヨミカワ達に怒られるかな?」
「さァてな…、もうどうでもいい気がするけどなァ」

体を起こしてあくびをする一方通行に、打ち止めが抱きついてくる。
彼女のガウンは前がゆるめられていて、柔らかい胸が直接押し付けられた。

「そうだよね、今さらだよね?じゃあ、だから…ね」
「打ち止め…」

打ち止めは彼の首に腕を回し、自分の方へと引き寄せた。長い髪が、今度はベッドの上に広がって波打つ。

「…無理してねェか?」
「してないもん」

やはり押し倒されるより、押し倒す方が性に合っている。
昨夜、更なる我慢を強いられた一方通行は久しぶりの恋人とのひと時に、大層熱を持って取り組んだ。


日がすっかり高くなってしまった中、若干緊張しながらマンションの玄関を開けた二人。
視界に飛び込んできたものは、靴を履いたままそこで眠る黄泉川だった。

「すげェとこで寝てるなコイツ」
「う、お酒くさい…、ってミサカはミサカはトラウマを思い出しちゃう…」
「芳川はまだ病院から帰ってきてねェようだな、靴がない」
「なーんだ、怒られそうにないね?」
「そォみたいだな」

無断外泊を叱られ、昨夜のことを感づかれるという恥ずかしい思いはしなくて済みそうだ。
二人は顔を見合わせて笑った。

「ねぇあなた」
「なンだ」
「…、ま、また行こうよ…、ね?」
「…ン」







自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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738 :ブラジャーの人[sage]:2011/08/31(水) 17:46:32.97 ID:kKCpHH5E0


打ち止め、飲酒するの巻 完

一方さんが株下げまくってるので、打ち止めの株も下げないとこりゃバランス悪いな、と思って。
読者がさざ波のように引いて戻ってこない悪寒…。

次回の更新は(略)


自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2011/08/31(水) 17:51:11.96 ID:GFyCa1fe0
ま、まぁ、ほら、最初に色々吐き出した方が楽っていうじゃないか!
>>1
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740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/31(水) 17:52:48.07 ID:pvljxzHDO
乙!
初リアルタイム遭遇。
こんな失態もよくあるよくある。ないか?
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741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/31(水) 18:04:40.39 ID:0md1cvGP0
>>1
ま、まあ酔ってない時に誘ってくれた方が嬉しいよな!うん!

0831、通行止めの出会いに感謝と祝福を
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742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県)[sage]:2011/08/31(水) 18:34:48.91 ID:yF5cnwLho

こういうのは打ち止めがもっと大人になってからだな!
つーか酔っ払い打ち止めエロス
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743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/31(水) 19:01:41.12 ID:4j+rQnAAO
乙!
自分のを舐めてもらってる時に吐かれたら、俺なら立ち直れないな…(二重の意味で)
一方さんさすがやでェ
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744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/31(水) 19:54:56.42 ID:ochk/MDDO
今日も乙!
>>1が書いた通行止めならなんでも萌えるから
読み手の反応気にせず>>1の好きにやっちゃってくれ
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745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/31(水) 19:56:05.03 ID:U1K8Guemo
oh…乙
ゲ○野郎×ゲ○止めになっちゃったんか
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746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/31(水) 20:40:36.17 ID:H7nRNJAJ0
乙なのですよー
体位や飲酒量にもよりますが、飲酒後に突っ込まれて激しくガクガクやられると女の子はマジで吐いちゃうんですよ?
体を折り曲げたり、お腹や喉を圧迫するんだから当然ですよね?
愛と気遣いをもってお付き合いするんですよー?恋人もお酒も
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747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/08/31(水) 20:41:47.82 ID:Q0cRbVVAO
乙!
どうしよう一方さんの時は一方さんェ…ってなったのに
なんだろ打ち止めだと許せる
いや激しく萌えた
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748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/31(水) 21:04:33.99 ID:EzfQPQNio
一方さんの能力マジ便利...
乙!!
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749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/31(水) 21:14:06.53 ID:OSkgnpAno
一方さんの飲む打ち止めのコーヒーは 甘 い 
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750 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/01(木) 21:19:03.91 ID:nc0IqfYt0

みんな心広いなァ…
こっちは頭抱えて「これ投下していいんかいな…」と悩んでましたのに、安心しましたぞ。

>>735 で「鎖骨」と「肩甲骨」を間違えてたのに、心の中だけでつっこんでくれたんでしょう?ありがとう、優しい人たち。
イチャエロが一気にエコエコアザラクエクソシストに…。怖いよね、背中に鎖骨。

>>739 >>741 投下直後のフォローが嬉しかった、ほっとしましたww

>>740 投下に要する時間は一時間掛かりませんからね、リアルタイム遭遇は希少かな?きっといいことあるYO!

>>742 ねぇ、書いてて自分もヤバイと思いましたもん、エロ止め。

>>743 一方さんの心も(打ち止め限定で)海より広いんですな。

>>744 なんと心強い言葉だろう…、感涙です。

>>745 すげぇお似合いカップルですやんなー?

>>746 小萌先生の、大人の保健体育でした。わかったか?君たち。 一方通行「へェへェ」 打ち止め「はーい!」

>>747 それは打ち止め補正ですね。

>>748 最強ベクトル操作なのに、医療と家事で活躍の場が多いこのスレ…

>>749 貴殿のレスが、深読みした結果最もエロいでしょう。

じゃ、明日か、明後日来ます。


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751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/01(木) 23:53:36.85 ID:BN/ROoXDO
最初から読み返したら初めの頃の二人がなんとも初々しくてなんか笑っちまったwwww
二人とも大人になったな!
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752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/02(金) 16:19:51.41 ID:t+MLp9X70
ここまで打ち止めのゲロはご褒美レスがない件
打ち止めのゲロはご褒美だろjk
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753 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/03(土) 00:06:43.49 ID:wS2ZkLMD0
>>751 うほっ、最初から?超嬉しいってわけよ。しかし、自分で言うのもアレですが、大変では?  
「初々しい」といっても、最初から乳揉んでたなぁ… 流石に少女漫画はもう諦めてます。

>>752 人生いろいろ、男もいろいろ、変態だっていろいろ咲き乱れるの

さて、短いけど今日の投下です。


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754 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/03(土) 00:15:56.98 ID:wS2ZkLMD0




一方通行は、打ち止めが妊娠する、という夢を見た。しかも二回も。
夢の中で打ち止めに「妊娠したの」と告げられて、自分はどんな反応を示したのか定かではないが、
次の瞬間には病院で打ち止めが分娩中、という場面だった。

二回目の夢では、出産を終えた打ち止めに、自分の子を手渡され、恐る恐る抱いていた。
実際に赤子など触ったことはないので、夢の中での感触は覚えていない。自分の感情もイマイチ記憶にない。
しかし、二回も夢に見るということは…

(俺は打ち止めに子供を産んで欲しいと思ってンのか……?)

この俺が?と、二回目の夢を見た後、つまり昨日から青年はそのことばかり考えていた。

(打ち止めとセックスするからには、そォいう可能性が無いわけじゃねェ…。ただ早すぎるだろ。アイツまだ中三だぜ…。避妊もしてるし)

だからこそ、こんな夢を見るのだろうか。妊娠しないように気をつけているから、叶わない願いが夢となって深層心理に表れたのでは?

(家族…かァ)

とある平日の夕食後、リビングのソファでぼんやりと天井を見ながらそんなことを考えていた一方通行は、
打ち止めに呼ばれる声で思考を中断された。

「あなた、ねぇねぇちょっと、ってミサカはミサカはこっそりあなたを招き寄せてみる…」

風呂から上がった打ち止めが、薄く開けたドアから顔と手だけを出して一方通行を手招きしている。

(何やってンだアイツ)

芳川は自室に居るし、黄泉川はアンチスキルの仕事が入って家から出て行ったので、別にリビングでも内緒話は出来るだろうに。

(……、もしかして誘われてンのか)

彼女に「早く来てよ」と睨まれて、若干期待しながら腰を上げた。
声や物音に気をつければ、ヤれないことはない。不自由なはずの足が、気分だけ軽やかに動いた。





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755 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/03(土) 00:20:53.81 ID:wS2ZkLMD0




「なンだ」
「…、ココじゃダメなの。こっち…」

打ち止めは青年の手を掴み、足早に自室の方へと廊下を急ぐ。その様子に、いよいよ予想的中か、と口角が上がってしまう一方通行。

「おいおい、早すぎる。も少しゆっくり歩けよ、今は杖ねェンだ」
「……」

黙ったままの打ち止めに背中を押され、彼女の部屋に押し込められた。
打ち止めはベッドに座り、立ったままの一方通行を見ながら自分の横をぽすぽすと叩いて「座って」と促す。
その表情は真剣で、どうも青年が抱いた期待とは、少々趣きが違うような…

一方通行は素直に彼女の横に座り、何をするつもりだろうと様子を伺う。
打ち止めは俯いて、両手を腹の前、胸の前で組んでもじもじしている。

(…ま、さか)

『妊娠したの』

夢の中で聞いた打ち止めの声がこだまする。
コンドームの避妊は百パーセントではない。ごく稀に、失敗することがある。それは知っていた。

「あのね、ミサカね」

胸の前でもじもじしていた打ち止めの手が、下腹の上に落ち着いている。

(妊娠、子供、俺と打ち止めの)

一方通行の全身に力が入り、握りしめた両手に爪が食い込む。額に油汗が浮き出てきた。
正夢、三度目の正直、仏の顔も三度まで…これは違う。三三九度…これもちょっと違う。

(その腹に居るのか?こ、子供…?)

心臓が早鐘を打ち、少女の腹部を凝視する一方通行。

「あなたは喜んでくれるかなぁ…?」

打ち止めが、隣の青年を見上げる。
一方通行は自分の表情が知りたかったが、彼女の反応からして、顔には何も出ていないようだった。

(喜ぶ?嬉しいのか俺は…?子供、結婚、父親……俺がァ!?)



「またおっぱい大きくなったの」

「………」

「Eカップだよ?ってミサカはミサカは胸を張ってあなたに成長を報告してみる」

「………胸?」
「嬉しい?」


打ち止めがEカップになった。
一方通行は放心して、思考回路が一時中断した。

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756 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/03(土) 00:25:38.33 ID:wS2ZkLMD0
とりあえずここまで。
この話は、このスレを立てる前からやりたかった、悲願ともいうべきエピソード…
やっと、やっと打ち止めが……っ!
長かったなぁ!そのためにここまで頑張った!と言っても過言ではない、本当に。
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757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/09/03(土) 00:57:11.77 ID:y513KhlAO
乙!
通行止めの子ども見てみたい。
何故かお父さんスイッチで遊ばれる一方通行が脳裏に浮かんできたよwwwwww
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758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県)[sage]:2011/09/03(土) 01:06:08.85 ID:xxDTi+pqo
乙!
子供ネタは微笑ましいとともに見てて不安になるな
投薬や電極、クローンに強制成長。。。
幸せになって欲しいな
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759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県)[sage]:2011/09/03(土) 23:20:52.82 ID:dOHPMhF90
打ち止めは巨乳(成長中)なのに
なんでオリジナルは... 
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760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/04(日) 20:38:50.90 ID:bNekTqBx0
Eか……
やはり黄泉川家には何か秘密があるな
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/05(月) 00:33:09.65 ID:BuOEhh4DO
いや…そこは一方さんが揉んだからじゃね?
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/05(月) 00:59:22.75 ID:RVVsgsPz0
炊飯器の力か…
763 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/05(月) 21:59:35.46 ID:O9nAmdS50
>>757 本当にスイッチあるし。迂闊に押せないスイッチが。

さて、続きでございます。
764 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/05(月) 22:03:51.81 ID:O9nAmdS50
一方通行は長すぎる溜息をこれでもかと吐いたあと、がっくりと、膝に頭が触れんばかりに俯いた。
そして今度は息を大きく吸いこみながら後ろに倒れ、どさりとベッドに仰向けになる。芯から脱力していた。
残念だったのか、ほっとしたのかは彼自身も分からない……

「はァー…、おどかすンじゃねェよ…、俺の心臓止める気ですかァ?」

てっきり打ち止めが自分の子供を身籠ったと早とちりした青年は、ジロリと隣の少女を睨んだ。

「えぇー?あなた嬉しくないの?Eカップだよ?ってミサカはミサカは期待はずれでしょんぼりしてみたり…」
「へェすごいねェ。……ン?…E?ナニ?」
「Eカップだってば、ミサカのお胸が!さっきから言ってるでしょ」

一方通行は天井から自分を見降ろす少女……の胸に視線を移した。彼女は彼の反応にいたく不満げだ。

「むー…、あなたは喜んでくれると思ったのに」
「……E…」

一方通行はおもむろに彼女の柔らかな膨らみに手を伸ばした。

「っ、ちょ、いきなり……」
「どこまで成長すンだよオマエは」

青年は体を起こし、身をのけぞらせようとする少女を捕まえて腕の中に閉じ込めた。

「やーんこれちょっと懐かしいんですけど!」
「大人しくしてろォ、ブラジャー着けてねェな?」
「う、うん、だってサイズが…ん」
「あー、言われてみれば春より…」
765 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/05(月) 22:06:38.60 ID:O9nAmdS50
一方通行は打ち止めを背後から抱きしめ、わしっとその胸を掴んだ。懐かしい、初めて彼女の胸を触った時の再演だ。
同じ条件を揃えれば、その違いがはっきり分かるだろうと思ってこうした。
両手で押しつぶしてみても、手の平で持ち上げてみても、左右から寄せてみても、春に揉んだ時より大きくて更に柔らかい気がする。

「っ、ふふふ…あはは」
「あァ?何笑ってやがる」

恋人に抱きしめられて、豊かな胸を揉みしだかれているというのに、打ち止めは堪えきれないという様子で声をあげた。

「だってぇ、あの時あなたってば、ミサカがダメって言ってるのに無理やり脱がそうとして…」
「……あン時ゃァよくも演算切ってくれやがったなァ?」
「当然の仕打ちだと思う、ってミサカはミサカは自分の正当性を主張してみる」
「なァこれ本当にEなのか?」
「サラっと話題を逸らされた!ってミサカはミサカはそのスキルを覚えたいものだと羨んでみたり。本当にEだもーん、ちゃんとお店の人に測ってもらったんだから」
「店?新しいサイズの買ってこなかったのか?いつも風呂上がりにも着けてンだろォ?」

打ち止めは一方通行の手を取って頭上に持ち上げ、その腕の中から脱出した。そして彼の方に正座で向き直る。

「それです」
「どれだ」
「ミサカのサイズのブラ…、普通のお店にあんまり置いてないの」
「……はァ」
「あっても全然可愛くないの」
「……ほォ」
「なのにすっごく高いの!」
「……へェ」
「責任とって!」
「…エー」
766 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/05(月) 22:09:24.83 ID:O9nAmdS50
打ち止めのようにEカップという、日本人女性の平均よりだいぶ大きいサイズになると、
需要と供給の観点からあまり商品数が豊富ではなく、さらにデザインも限られている。
彼女はアンダーも細いため、それは特に顕著だった。
大量生産されない製品は値段も高く、お小遣いだけで数着揃えるのはとても無理だったし、
やはり可愛く、自分が気に入ったランジェリーを着けたいものだ、年頃の少女ならば。

「責任ってオマエ…」
「だってどう考えてもあなたがミサカの胸をモミモミしたせいでしょ?
ここは男らしくミサカに可愛いブラジャーを買ってくれるべき、ってミサカはミサカは持論を展開」
「俺のせいなのか…。しっかし、無いものをどォやって買えっつーンだ。オーダーメイドか?」
「違う違う。大きいランジェリー専門店があるから、ミサカをそこに連れてって!けっこう遠くにあるの」

「……」

想像してみた。打ち止めにショッピングへ連れていかれるのはいつものことだ。しかし、下着専門店?
いつもこの少女が着けていたような、カラフルな花柄やレースのアレで溢れかえっているであろう、
男にとって居心地悪さ満点の店に一緒に…?

「すげェ嫌だ…、カードやるから一人で行ってくれ」
「ダメー。だって遠いし……。あ、あなたが、ミサカにどんなの着けてほしいか聞きながら選びたいしぃ……」
「俺は何も着けてなくても構わねェよ」

そう言った瞬間、べちっと、打ち止めに両頬を両手で挟むようにはたかれた。

一方通行、ランジェリー専門店に強制連行決定。
767 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/05(月) 22:12:26.29 ID:O9nAmdS50
(たかが下着で、この店のデカさは異常だろ…)

打ち止めの案内で着いたその店は、とても大きかった。三階建のこの建物全てが店舗だという。
駐車場にポルシェを置き、せっかくの休日だというのに、一方通行は重い足取りでスキップしそうな少女のあとを追っていく。

「あなた早くー。ココ凄いらしいよ?バストアップのエステやカウンセリングもあるの!
あとオーダーメイドもやってて、それのデザインも決められるんだってー!」
「スゴイスゴイ。なァ、カフェもあるじゃねェか。まずはあそこで一休みしよォぜ…」

カフェには自分と同じような理由だろうか、数人の男性の姿があった。
一人で居る者は、おそらく連れの女性が買い物を終えるのを待っているのではないか?
できれば自分もそうしたいと、一方通行はまだ往生際悪く逃げ道を模索していた。

「何言ってるの。こんなに大きなお店なんだよ?早く回っていっぱい見たい!ってミサカはミサカは
セキニン取る人に権利はないのだ、と強気に出てみたり」

一方通行は溜息をつき、上着の内ポケットからいつものサングラスを取り出して掛ける。レンズの色は濃い目に設定した。
こっそりと緊張しながら店内へ入ると、意外なことに男も普通に歩いていた。
それもそのはず、ここは男性用の下着も取り扱っているのだ。もちろん女性用の商品より売り場はかなり少ないが。

(こンなに赤の他人を心強く思ったのは、初めてかもしンねェ…)

多くの男性は、彼女か妻だと思われる女性と歩いていたが、
一人でショップ袋を持って歩いている強者(だと一方通行は思う)までいるではないか。
くじけそうな心を奮い立たせ、青年はウキウキとしている少女の隣に足を進めた。

768 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/05(月) 22:15:52.81 ID:O9nAmdS50
(あ、やっぱだめだ。すっげェ居づらい。なンか大事なモンが流れ出ていってる気がする)

「どっち?このデザインなら水色?ピンク?ってミサカはミサカはさっそくあなたにアンケート!」

打ち止めは自分のサイズに合うブラジャーが豊富に揃っているのが嬉しくて、大いにはしゃいでいる。
さっそく一着購入し、ピッタリ合うものを試着室で着けたばかりである。
華やかすぎる売り場を練り歩き、打ち止めは手に取るもの全てを彼の目の前に突き付けてくる。
男の一方通行の姿を見て、さっと移動する女性客もいれば、全然動じない女性もいる。
たまに自分と同じように、恋人に引っ張られている哀れな男性客ともすれ違った。

「…、水色……」

とりあえず早く買い物を終えて、この拷問も終わらせたい。
いちいち目の前のブラジャーを着けた打ち止めを脳内に作りだして答えるこの作業…

(おかしい、これ絶対おかしいだろ…。俺は今何してンだ?打ち止めのブラジャーを責任取って買うために、
下着専門店でブラジャーに囲まれて選ばされて色をしっかり見るためにサングラスの色も薄くされて)

そろそろ思考が混乱してきた第一位。

「もう、何か投げやりだよ?ちゃんと見て選んでくれてる?ってミサカはミサカは不満を訴えてみたり」
「うるせェ、俺はもォ色々と限界超えてンだ。色々越えてンのに色なンて見られるわけねェだろォが」
「おぉ…、あなたがおもしろいことになってる…!ってミサカはミサカは慈悲の心で休憩を許可してあげようと思います」
「ありがとよォ。でも帰るンじゃねェンだな、休憩後はまだ付き合うンだな俺…」
769 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/05(月) 22:18:59.87 ID:O9nAmdS50
おめがねに叶ったモノを買い、袋を抱えてご満悦の打ち止め。少しフラフラしている一方通行。
二人はポルシェが停めてある駐車場の近くにあったカフェで休憩しようと、店内を出口に向かって歩いている。
打ち止めはその間もきょろきょろと、周りの様子を楽しそうに観察していた。

「あ、あそこだよ、バストアップのトコ。へぇーへー…」
「オイ、何見てンだよ。オマエはもう充分ごりっぱだろうが、必要ねェだろうが」
「もー、だからこそなの!形が崩れないようにお手入れしないといけないし、
自分に本当に合ったブラつけないとワイヤーで肌を痛めたりするのよ。そういうレッスンもしてくれるの」
「あっそォ」

すりガラスで仕分けられたそのブースを覗き込む少女。
一方通行は、まさかここにも寄るハメになるのでは?と危機感を抱き、さっさとカフェに向かおうとした。
しかし自分の手を掴んだ打ち止めの足は、その場の床にくっついて離れそうもない。

「やっぱりもっとお胸のこと大事にしなきゃ、ってミサカはミサカは決心してみる。ねぇねぇ、後でここにも行きたい」

やっぱりか。苦虫を噛み潰したような表情の一方通行である。

「クソ、いいかげンにしろよォ?さすがにそこまで付き合ってられるか」
「わ、分かってるよ。だからあなたはどこか別の場所で待っててほしいの。この中にあなたが入っていったら警備員呼ばれるし」
「……なら、まァ…」
「ミサカはあなたのために頑張ろうとしてるんだから、スポンサーとしてちゃんと応援してほしいな、ってミサカはミサカは
非協力的なあなたを責めてみたり」
「俺のためェ?」
770 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/05(月) 22:21:06.63 ID:O9nAmdS50
この拷問に神経すり減らして耐えてやってるのに、自分のためと言われた青年は、ついオウム返しに応えてしまう。

「またまたぁ、あなたってば」

打ち止めはツツツ、と彼の体に身をすり寄せ、芝居がかった動作で一方通行の耳元で囁いた。

「ミサカの大きいお胸好きでしょぉ?あなたにためにも、ずーっと素敵バストでいることを目指すからね!」

一方通行は久しぶりにチョップを恋人の頭に振り下ろした。が、全然痛くなかったので打ち止めは笑顔のままだった。


「ったく、とりあえずコーヒーだ、コーヒー。行くぞ」
「はーい」

打ち止めの足はやっと動くようになったらしく、二人は再び歩きだした。
その時、丁度すりガラスの壁の一角のドアが開いて、中から人が出てきた。

「ん?」
「あァ?」
「!!あっ!?」

その人は、打ち止めにとてもよく似た女性だった。
ただ彼女よりいくつか年上に見える。肩の上で切り揃えられた茶色い髪。打ち止めよりも高い身長、そして、控えめなバスト……

「…アンタ達、こんなとこでなぁーにやってるのかなー?」
「お、お姉さま…」
「げェっ、超電磁砲…」

御坂美琴が、仁王立ちで二人の前に居た。
771 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/05(月) 22:23:49.22 ID:O9nAmdS50
とりあえずここまで。

さぁ、レスでも話題の御坂さんがやっと登場しましたねぇ。
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/09/05(月) 22:28:47.33 ID:7EwpliN9o


御坂さんェ……
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/09/05(月) 22:30:58.47 ID:rg//LxyCo

打ち止めにふりまわされる一方通行に同情......はできないな
そして美琴ェ...
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/05(月) 22:36:11.94 ID:tdoHJFz3o

おねいさま……
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/09/05(月) 22:48:44.98 ID:OBCDf3y00
乙!
散々いい思いしてんだからこんくらい耐えろ第一位!wwwwww

おねえさまは確実にバストアップ講座ですね、分かります
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/09/05(月) 22:49:02.84 ID:+CaNIKuu0
>>1
なんというお互いに気まず過ぎる遭遇…
あと「なンか大事なモン」って言葉にちょっと笑ったわww
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/09/05(月) 22:49:44.96 ID:+CaNIKuu0
>>1
なんというお互いに気まず過ぎる遭遇…
あと「なンか大事なモン」って言葉にちょっと笑ったわww
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/05(月) 23:44:36.08 ID:8S/0erVU0
乙〜
そんなことより番外固体のサイズが気になる
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/06(火) 13:58:38.19 ID:jQBkOCLAO
美琴さんブラなんて必要ないじゃないすか
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 14:55:39.85 ID:gJn+VGOV0
>>779ひでぇwwwww
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 15:00:04.78 ID:pT6ZeMGbo
しかし下着売り場に付き合わされるって苦痛以外の何者でもないよな
何故そのへんの配慮をしてくれないヤツが多いのか俺にはわからん
デリカシーを下さい

打ち止めは可愛いけどな……
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 23:14:22.31 ID:9HG+Y7yv0
>>779
パッド入れるから必要なんだよ
783 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/07(水) 18:46:11.90 ID:R20xNf2P0
>>778 番外ちゃんもEのイメージ。しかし、乳とは奥深いものよ…
おなじカップでも、その体積によって受ける大きさの印象がかなり変わる。鳩胸の、又は胸板が厚い女子のEと、
そうではない女子のDが同じように見えたりな。いかんいかん、語ってしまった。

>>781 下着売り場へ引っ張って行ってくれる彼女がいる死合わせを噛みしめるべき。

では続きの投下です。
784 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/07(水) 18:48:29.97 ID:R20xNf2P0
「あ、お、わぉ…奇遇だねお姉様、ってミサカはミサカは平静を装って自然に挨拶してみたり」

(全然自然じゃねェよ…)

「全然自然じゃないわよ」

打ち止めは一方通行の背中に隠れながら、さらにショップ袋を自分の後手に持った。
できれば一方通行こそ、打ち止めの後ろに隠れたい思いだったが、そこは男のプライドで我慢した。
昔の負い目があるので、できるだけ御坂美琴には会いたくないのだ。

御坂は明らかに挙動不審の打ち止めに近づく。少女は青年の右側から覗いて来た姉から逃げるように、左側へぐるりと移動する。
御坂も妹を追いかけて一方通行の周りを走った。

「こらこら、なんで逃げるのよ打ち止め」
「なんで追っかけるのお姉様」
「やめろオマエら、不審者丸出しだぞオイ」

まるで衛星のように、一方通行を恒星として回っていた姉妹だったが、不利なヒールを履いている打ち止めはすぐに捕まってしまった。

「はい捕まえたわよ」
「あーん、あわわわわ…」

打ち止めが腕に抱え込んでいる袋を、御坂がひょいと掴んで持ち上げる。
小さな妹は取り返そうとして手を伸ばすが、ヒールを履いているというのに届かない。

「か、返してお姉様っ、それミサカのだもん。あなたも見てないで何とかしてぇ」

打ち止めは佇む青年に助けを求め、その視線を受けて足を動かそうとした一方通行だったが、御坂に一睨みされて「う」と詰まった。

「打ち止め連れてこんな店に来るなんて、何考えてるの。いやらしいわね」
「な、俺は無理やり引っ張られて来てンだよ!拷問に耐えてたところだアホ!」
「拷問!?ひどいあなたっ、ミサカはあな」
「黙ってろ、余計なことは言うンじゃねェ」

一方通行が打ち止めの口を塞いでいる隙に、御坂は袋の中身に目を移す。

「まったく、打ち止めったら相変わらずこんな大人っぽいデザインばっか…」
「あっ…」
「?」

打ち止めがさぁっと顔を青くし、その様子を見ていた一方通行は意味が分からなくて、きょとんとしている。

「た、大変あなた、逃げよう!ってミサカはミサカは…っ」
「はァ?そりゃ逃げてェけど」

「何なのよこれ。打ち止め?何でEなの?」
「ひぃっ」
「…!?レ、超電磁砲…?」
785 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/07(水) 18:52:00.81 ID:R20xNf2P0
御坂の纏う雰囲気が一変した。その迫力に、一方通行さえ打ち止めと共に後ずさった。
「鬼気迫る」
打ち止めから、御坂がバストに対して並々ならぬ執念を燃やしていることは聞いていたが、
まさかここまでとは思っていなかった第一位は、第三位の脅威に易々と陥落してしまう。
そもそも過去の過ちが、ただでさえ分を悪くしているのだ。

「おい…、急にどォした超電磁砲…」
「なんで」
「きゃ!?」

なんという身のこなしだろうか、
あっという間に二人に接近した御坂は、一方通行を盾にしていた打ち止めを引っ張り出し、その胸に両手を押しつけた。

「なんでなんで!?私がこんなに努力して頑張ってお金もかけてやっとCが目前だっていうのに!どうして打ち止めがEカップなの!?」
「ややや、やめてお姉様みんな見てるよ!?ってミサカはミサカはこのままじゃ警備員が来ちゃうのではと心配してみたりーっ!」
「あぁーむかつくわ羨ましいわ柔らかいわー!これがEかEなのね、このぉ〜」

打ち止めはぐいぐいと迫ってくる姉に押され、すりガラスにぶつかった。逃げ場がなくなり、御坂は存分に未知の領域に手を這わせる。
(身長と胸が)大小のそっくりな女性が、方や襲い、方や襲われ、買い物客達が何事かと注目し始めていた。

「……」

一方通行は床に落ちていたショップ袋を拾い上げ、どうやってこの混乱を収拾するべきか頭を悩ませていた。
とりあえず場所を移動しようと思い、姉妹に近づく。

「あー、ちょっと落ち着けオリジナル。このままじゃ婦女暴行で前科一犯だぞオマエ」
「うるさいわね!姉と妹の和やかなスキンシップよ!」
「ミサカ達カフェで休憩しようとしてたのっ、とりあえずそこに行こうよお姉様、ってミサカはミサカは
この人の意思を汲んでお姉様を宥めてみたりぃ〜」
「二人して私から逃げようとしてない!?」
「逃げたいの我慢して付き合ってやるっつってンだよ!大人げねェな第三位!」
「大人げないのはこの子の胸でしょお!?」
「そりゃそうだがとにかく落ち着けェェェ!」

一方通行は仕方なく能力を使って、打ち止めから興奮状態の御坂を引き剥がした。
786 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/07(水) 18:55:26.58 ID:R20xNf2P0
目的地のカフェに着き、三人は隅の席に腰を下ろす。
御坂美琴の鋭い視線をちくちく感じ、一方通行と打ち止めは大変居心地悪かった。
一方通行のサングラスは「あなただけズルイ」と、打ち止めによって没収されている。

(なんでよりによって超電磁砲に会っちまうンだよ…、こンな店でよォ…)

「さて…、どういうことなの打ち止め。なんで妹達の中でもっとも幼いアンタがEカップなのかしら?」
「えー…、なんでと言われましてもミサカが何かしたわけでもなく、去年辺りから急に…」
「アヤシイわ…。大体エステコーナーの前に居たのは、それ以上を目論んでたからじゃないの!?」
「ちが、それはお手入れとかマッサージのレッスンに興味があって…」
「くぅ〜、強者故の余裕か!?この店のこと打ち止めに教えるんじゃなかったわ!」

(打ち止めのやつ、ここのことオリジナルから教えられたのかよ…。そンな危険な店に俺を連れてきやがって)

「お姉様こわい、ってミサカはミサカは黙りっぱなしのあなたに助けを求めてみたり」
「俺を巻き込むな」

如何に大切な少女の頼みとはいえ、この問題に一方通行が口を挟みようがない。
可哀そうだが、コーヒーの入ったカップを持って目を逸らした。

「うぅ…、ねぇお姉様、そんなにお胸のことで悩んでるなら、ここは学園都市だよ?
豊胸手術とか、矯正下着の技術も外より大分進んでるんだし…」
「私は、まがいものじゃない、真実が欲しいのよ…」
「お姉様…」
「お願いよ、打ち止め…。私を助けてよ…」
「助けてあげたい、ミサカも助けてあげたいよ…!でも…っ」

(何やってンだこの姉妹は)

「馬鹿じゃねェのオマエら」

つい心の声が口から滑り出てしまった一方通行。御坂は妹から彼に厳しい顔を向けた。

「ちょっと…、一方通行。アンタ何『俺は関係ない』みたいにしてんのよさっきから」
「あァ?まじで関係ェねェだろォが」
「…、私、実は疑ってることがあるのよね…」
「どうしたのお姉様…?」
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/07(水) 19:00:21.49 ID:OTy/cmLGo
Cが目前って大分育ってるな、もう十分じゃないか?
788 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/07(水) 19:00:22.66 ID:R20xNf2P0
御坂はジュースを一口飲み、真剣な表情で一方通行を見据えた。
ズキ、と彼の胸が痛む。御坂にこういう目で見られると、振り切ったはずの迷いや、取り返せない罪の思い出がじわりと心に滲んでくる。
例え御坂にその気がなくても。

「アンタが打ち止めの胸に能力で何かしてるんじゃないの?」

一方通行のシリアスな苦悩に対して、投げかけられた質問は実に対極的なものだった。
うっかり口の中のコーヒーを飲み込むことを忘れてしまった第一位。
代わりに打ち止めが御坂に反論してくれた。

「ちょちょちょ、…お姉様、そんなことするわけないじゃない…、ってミサカはミサカはあり得ない仮説を苦笑いで否定してみたり」
「だってどう考えても打ち止めの胸の急成長は異常でしょ?それに番外個体だって…。
一方通行の近くにいる妹達二人だけ巨乳なんて、疑いたくもなるわよ」
「なるほど言われてみれば…!?」

あっさりと姉に言いくるめられた打ち止め。
自分の胸が大きくなったのは、知らない間に彼が能力を使って、
自分好みに成長させてくれていたからなのかも?と、驚愕の表情で隣の青年を見つめた。

「この阿呆ォ!」

今度のチョップはしっかり痛かった。

「オマエが流されてどォすンだ。あのなァ超電磁砲、俺は何もしてねェよ(Dまでは)その変態的な発想はどこから出てくるンだ」
「だってアンタはムッツリなイメージが…。ベクトル操作でなんでもできそうだし…」
「どうしてそういうレッテルが貼られてるンだ俺は…?」

思えば保護者達、番外個体、浜面にまで、一方通行はとっくに打ち止めに手を出してるに決まってるよね、と勘違いされていた。
自分はあんなに耐えていたというのに。
そして今度は御坂に「あんたはムッツリでしょ」という評価を下された。
第一位の能力をもって、恋人の豊胸までやってる変態じゃないの?と。
これが御坂じゃなかったら遠慮なくぶん殴るところである。
空になったカップを置き、ついに額に手を当てて項垂れる青年。この暴走する長女をどうやってあしらおうか…?

「私にもやってよ」

「………」

「今なンか言ったか?」
「私もベクトル操作で胸大きくしたい。やって」
789 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/07(水) 19:03:26.54 ID:R20xNf2P0
第三位とんでもないこと言いだした。打ち止めはオレンジジュースのグラスを握って、姉と恋人とを緊張した面持ちで見比べている。

「オマエがここまで馬鹿だとは知らなかったぜ。
そして俺を勝手に変態にしてンじゃねェよ…。ンなことやってねェって言ってンだろォがァァ!」
「もうどっちでもいいのよ!やってようがいまいが、とにかく私の胸に能力使ってみなさいってことよ!」
「よくねェよ、やってねェンだからなァ!?」

ヒートアップしてきた二人。こんな所でレベル5同士のケンカなんかされたらたまったもんじゃない。
打ち止めは隣の青年の肩に手をかけて押しとどめた。

「あ、あなたダメだよケンカしちゃ…?」
「俺よりオマエの馬鹿姉をどォにかしろォっ」
「打ち止め、アンタは引っ込んでなさい…、これは私と一方通行の交渉よ」
「お姉様も落ち着いて、この人本当にそんなことやってないの、ってミサカはミサカは恐怖に耐えて仲裁を試みてみるぅ…」

最年少の少女に震える声で諭された二人は、どうにかまた椅子に座りなおした。と思ったのは束の間だった。

「どうして…?」

御坂も声が震えている。いや、声だけではない、肩も…。
俯いた顔を上げ、その目にはなんと涙が滲んでいるではないか。

「!」

(うそぉ!?お姉様泣いた!?)
(げェっ、泣きやがったぞコイツ!?)

「いいじゃない!ものは試しよやってみなさいよ一方通行!減るもんじゃなし。
むしろ増える前提じゃない!打ち止めはEだからそんな余裕があるだけ!私の身になって考えてみてよぉっ」
「おい声がでけェ…」
「お姉様電気漏れてる電気…」
790 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/07(水) 19:07:19.06 ID:R20xNf2P0
できるだけ他の客から離れたテーブルを選んだのだが、さすがに騒ぎ過ぎだ。三人はここでも周囲の注目を集めはじめていた。
まさかあの御坂美琴が、こんなことで泣くとは思わなかった打ち止めと一方通行は焦った。
それほどまでに彼女の悩みは根深いものだったのかと、面食らってしまう二人。

「早く…」

おたおたする二人にも、ざわざわする周りの一般客達も構わない様子で、御坂は席を立って一方通行の前に移動した。
そして彼の両手を掴み、自らの胸元へと導く。

「おォォおい!?正気かオマエェ!?」
「真剣なのよこっちはぁぁぁぁ!ほらやんなさいよ!」
「ダメぇぇ!あなたはミサカのお胸以外さわっっちゃダメぇ!」
「やっぱりムッツリじゃない!この子まだ中学生よ!?」
「っあァァァァうるせェェェ!この馬鹿姉妹!!離せ一等馬鹿ァ!」

一方通行は何とか御坂の手を振りほどき、首のチョーカーのスイッチを切り替える。最強の能力を発揮して何をするのかといえば

「行くぞ打ち止めァ!」

もう付き合っていられない、とっとと退散だ。
打ち止めはすかさず新品のブラジャーが入っている袋を握った。
一方通行は少女を小脇に抱え、伝票と一緒にポケットから掴み出した何枚かの現金札をカフェのレジへ放り投げ、
ピタリとこちらを見ている店員の目の前に落とす。
それを最後まで確認せず、一方通行はすぐ傍に駐車させてあるポルシェまで走った。
打ち止めが助手席に身を滑り込ませている間にエンジンをかけようとして

バチぃ!

後ろのエンジンルームから不吉な音が…。キーを回してもキュルキュル音が鳴るだけで掛からない。
791 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/07(水) 19:12:30.45 ID:R20xNf2P0
「あはははは、所詮エンジンなんて電気の力で始動するのよ。イグナイター…だっけ?
えへ、壊しちゃった。私の目の前で車で逃げようなんて馬鹿ねアンタ」
「っ!しっンじらンねェコイツ…!暗部でもなかったクセになンてことに手慣れてンだァ…!?」
「ポルシェちゃん動かないの!?」

余裕の表情でこちらに近づいてくる御坂。一方通行は仕方なく車から降り、助手席の打ち止めを抱きあげた。
もう車を乗り捨てて飛んで逃げるしかない。

「待ちなさい…!」

御坂が手を差し出す前に、一方通行が風を操り、彼女にだけ風圧を浴びせる。
ほんの少しの隙が出来たところで、打ち止めが同行していることを考慮した上の全速力で、その場から空高くへと飛び去った。

「もぉ、逃げられた…!まさかなんの躊躇もなく車を置いていくなんて。これポルシェよね?そんなに私から逃げたかったのかアイツ…」

御坂は開けっぱなしのポルシェのドアを閉め、

「アニメのシールでも貼って痛車ってヤツにしてやろうかしら」

つんつん、とタイヤを足で小突いた。
792 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/07(水) 19:15:03.40 ID:R20xNf2P0
「つ、疲れたァ…」
「怖かったぁ…」

一方通行と打ち止めは、またマンションのベランダから帰宅した。行儀が悪いが今はさっさと部屋で休みたい。

「あらあら、すごい所から帰ってきたわね二人とも。なんだか疲れてるみたいだし、何があったの?」

のんびりとテレビを見て、休日をだらけて過ごす芳川が、様子のおかしい二人を出迎えた。

「ただいまヨシカワ…。ちょっと、お姉様と会っちゃって…」
「……御坂さんと…?ちょっと一方通行……」

芳川も、昔に行われた絶対能力者計画の主要人物の一人だ。御坂美琴には本当にすまないことをしたと思っている。
一方通行がオリジナルと会い、このような状態で家に帰ってくるものだから、何かひと悶着あったのでは、と心配になってしまう。

「……安心しろ、そんな顔するよォな理由じゃねェ…。すっげェばかばかしいやり取りがあったンだよ…」

一方通行はそう言い捨てて自室に引っ込む。打ち止めは彼の靴を玄関に運びながら、その背中を寂しそうに見送った。

「…ヨシカワ、心配しないで。ミサカもあの人も、お姉様だって大丈夫だよ。もちろんヨシカワだって……」
「打ち止め…、そうね。そうだったわね、ごめんなさい。雰囲気暗くしちゃったわ。早く一方通行の所に行ってあげて」
「うん!でもね、その前にね、ヨシカワに相談があるの、ってミサカはミサカはそもそもの原因を解決するために、
科学者の意見を仰いでみる」
「あら…、何かしら?」

なんでミサカと番外個体だけ、同じ妹達なのに胸が大きいのか?
そう問われても、芳川だって知りたいぐらいだ。明確な回答はしようがなかった。特に打ち止めについては、番外個体以上に説明できない。

「どうして急にそんなこと聞くの?」

先程起こった第三位と第一位の、あわや超能力者対決かと思われた一幕の一部始終を聞き、
芳川は彼女にしてはめずらしく大きな声を出して笑ってしまうのだった。
793 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/07(水) 19:18:37.02 ID:R20xNf2P0
数日後の昼間、一方通行はマンションの前で再び御坂美琴と相対していた。ただし二人きりではない。
ポルシェを買った業者の店長と、整備士が数人居て、積載車から彼の愛車が降ろされているところだった。

「では一方通行様、修理は完了しましたので。料金はこちらの御坂様から頂いております…」

店長はそう言って鍵を彼に手渡した。第一位と第三位に挟まれて、いたく恐縮している。

「当ォ然だな」
「悪かったわよ。だから反省して弁償の上、こうして立ち会ってるんじゃないの」
「反省してるように見えねェンだが」

あのカフェで一方通行と打ち止めを取り逃がした後、ちょっと冷静になった御坂は自分でレッカーを手配し、
リヤガラスに貼ってあるステッカーを元に、この業者へとポルシェを運んで修理の依頼をかけた。
突然、顧客である第一位の愛車を伴って現れたのが第三位と分かり、この店がまた、大いに騒がしい事態となったのは余談だ。

店長達も去り、一方通行は御坂に背を向けて戻ろうとする。打ち止めが学校から帰ってくる前に御坂と別れていたかった、なんとなく。

「待ってよ、一方通行」

なのに、御坂が彼を呼び止める。青年は無言だったが、足を止めて振り向いた。

「相変わらず無愛想ね。打ち止めから聞いてるのとやっぱり違うじゃない」
「……」

一体あの少女は、自分の事を姉になんと話しているのだろうか?今度もっと徹底的に、プライバシー保護について教育してやらなければ。
そんな苦い顔の一方通行には構わず、御坂は喋り続ける。

「あの後ねぇ、私、打ち止めに叱られちゃったのよ」
「はァ?」
「あの人はミサカの彼氏なんだから、誘惑するようなことしちゃダメ!だって」
「……ぐ…」

自分は打ち止めの彼氏だし、打ち止めは自分の彼女だろう、どう考えても。
しかし、それをよりによって御坂美琴に面と向かって言われるとなると、気まずいと表現するには甘過ぎる心苦しさがこみ上げてくる。

「ヘンな顔…」
「何だとォ?」
「別に、私の前でも笑っていいのよ?」
「!!……」
「アンタのことは許せないし、アンタだって許されたいわけじゃないんでしょうけど…
それでも、私の前でそんな辛そうな顔し続けること、ないんだからね」
「……そォかよ」
「そうよ」

「こっちの気分が悪くなるんだから」最後にそう言って、御坂は一方通行の前から立ち去った。
794 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/07(水) 19:20:56.26 ID:R20xNf2P0
「たっだいまー!あなた居るー?
ポルシェちゃん帰って来てるね!ってミサカはミサカはさっそくドライブに行こうとデートのお誘いをしてみたり!」

夕方になって、賑やかな声がリビングへと近づいてくる。
一方通行は少女が扉を開ける前にこちらから接近し、廊下で打ち止めを抱きしめた。

「…どうしたのあなた……」
「……」

青年は口、耳、首へと情熱的なキスをして、少女がどうかその気になってくれるように促す。

「ん……あなた」

実は、打ち止めが妊娠する夢を見てからというもの、彼女を抱いていない。
だからだろうか、今、ものすごく欲しい。
打ち止めもそんな青年の心を汲んでくれたらしく、優しく背中に手を回してくれた。

「今日は…、シャワー無しな…」
「仕方ないなぁ…」

その日以来、一方通行は彼女が妊娠するという夢は見ていない。
795 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/07(水) 19:29:14.49 ID:R20xNf2P0
打ち止め、Eカップになるの巻 完

めんどくせェから、一方さんの苦悩や迷いは全てなんとか乗り切りました、という脳内設定で始めたこのスレですが、
御坂さんを登場させるとなると、ちょっとシリアスにせざるをえない(シリアスだったよね?)

なぜ打ち止めが妊娠する夢を見たか、という一方さんの複雑な胸の内と
打ち止めの胸が念願のE!!ひゃっほォォォォーという話でした。

次回の更新は(略)
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/09/07(水) 20:21:33.70 ID:2zqvk5X+0
乙!

おwwねwwえwwさwwまwwwwwwww
とか思ったけど、最後かっこよかくて安心した
仲良し御坂姉妹は二次限定だけど、やっぱり好きだわ
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/09/07(水) 20:55:36.89 ID:B9aJhoS5o
お姉様アホすぎワロタwwwwww
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/07(水) 22:13:46.40 ID:1BJko9VDO
乙乙!
お姉様暴走し過ぎで、お腹痛い

799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/07(水) 23:45:47.63 ID:iXeGQ6tL0
御坂……、なんて可哀想な子wwww
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県)[sage]:2011/09/08(木) 01:02:16.42 ID:QeNYghx5o
第三位だったら自力の生体電流操作でホルモンバランスの操作や自力アブトロニックなどなどして
バストサイズどころかダイエット不要の完璧ボディを実現できそうだけどな
出来てたらこんなに必死になってないかw
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/08(木) 07:44:57.06 ID:7UKmvd+DO
遅レスだけど、彼氏を下着選びに連れていくのは、デリカシーがないんじゃなくて、恥ずかしがらせるプレイだと思うの!!
打ち止めは狙ってやってるハズ!
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/09/08(木) 14:50:32.82 ID:rxtnu+mwo
美琴はCカップだと言っていたが、カップ数は所詮バストのトップとアンダーの差だから、見た目や触って感じる大きさの印象と実際のカップ数って結構大きな乖離があるんだよなあ(童貞魔法使いの意見)
803 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/08(木) 23:50:39.84 ID:znT0sK3k0
お姉様大人気! …ですよね!?

>>801 そんな打ち止めは嫌なり。

>>802 そのとおりだと思います。つまり乳とは、見て、触れて初めてその価値が分かるのですね。女子の体格と乳の相対評価でも印象変わるかな。華奢で巨乳って凄いもの。これもう乳学。

明日の夜投下するッス。
804 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/09(金) 21:55:04.91 ID:LKrtMwBn0
ちょっと胸から離れた話をしよう。

よーし。投下するぞ。
805 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/09(金) 21:56:54.26 ID:LKrtMwBn0
一方通行はリビングでコーヒーを飲みながらテレビを見ている、わけではない。
打ち止めが床にクッションを敷いてそれを見ているので、なんとなく自分も視線を向けているだけだ。
あまりテレビから流れてくる情報に意識が向かないのは、同じソファに座る客人が話し掛けてくるせいもあるだろう。

「いやぁー悪いな、いきなり押し掛けて。それにまたこの家の食糧が…。上条さんは恐縮しちゃいますよ」
「…ま、別にかまわねェよ。慣れてるといえば慣れてる」
「本当にごめん。こんなこと慣れさせてごめん」

打ち止めの横では、まったく同じ姿勢でインデックスがテレビを見ていた。
違うところといえば、彼女の前に置かれたおぼんの上には大量のおにぎりと、卵焼きやタコさんウィンナーなどの
簡単なおかずが山と積まれていることだ。しかもキッチンでは、新たなご飯を黄泉川の愛器三台が絶賛炊飯中である。


休日をまったり過ごしていた一方通行と打ち止めだったが、彼女が近くのコンビニに出掛けて帰ってきたら、
そこで会った上条当麻とインデックスがひっついてきたというわけだ。

「おじゃましまーす!」
「お、お邪魔しますです。ごめん来ちゃった一方通行」
「ただいまあなたー!素敵なお土産があるのよ!ってミサカはミサカはカミジョーとインデックスをお招きしちゃった」
「……はァ」

そうやって一方通行が、今日一回目の溜息をついたのが二時間ほど前。

806 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/09(金) 21:59:04.12 ID:LKrtMwBn0
黄泉川は早速、魔の胃袋を持つインデックスのために大量のごはんを拵えた後、アンチスキルの仕事に出掛けた。
ちなみに芳川は、昨夜徹夜したので部屋で爆睡している。なので、もうすぐ炊きあがるご飯を誰がおにぎりにするのかといえば

「アレが炊けたらオマエがなンとかしろよ」
「はいそれはもう」

一方通行におにぎりを作らせるなんて恐ろしいこと、上条は考えてもいなかった。

「とうま、あくせられーた、出来れば私、おにぎり以外が食べたいかも」
「あー、随分そればっかりだったもんね、ってミサカはミサカは空になりそうなおぼんを見て驚愕してみる」

両手に花…ではなく、おにぎりを持ったインデックスが、遠慮なく青年二人に振り向いてリクエストする。

「……キッチンと冷蔵庫好きに使っていいから、オマエがなンとかしろよ」
「はい、はいそれはもう…、ありがとう」

しかし高い棚の奥や食器棚の上に、フライパンや鍋等の一般的な調理器具が押し込まれていたため、
それを取り出してやった一方通行も、なし崩し的に手伝うハメになってしまった。上条は戦々恐々である。

「ったく。結局俺もかよォ…」

(この一方通行に料理させるなんて、インデックスってすげぇな。そんで一方通行の手際の良さもすげぇな)

やがて、丼物やチャーハン、リゾットなど、ご飯を中心とした腹にたまるメニューが完成した。
さすがにこれらをリビングで食べさせるのは行儀が悪いので、一方通行がインンデックスを呼びに顔を出す。

(暴食シスターのことだから、てっきり匂いを嗅ぎつけてキッチンに突入してくると思ったンだがなァ…)

「オイ、出来たぞシスター。打ち止めもついでだから昼飯…」
「うん…」
「わかった、ってミサカはミサカは…」

二人の少女は、テレビに釘付けだった。
青年が何を見ているのかと画面を確認すると、先程までやっていたバラエティー番組ではなく、別のドラマが始まっていた。

「おい上条」
「あーちょっと待っててもうすぐ全部皿に」
「アイツら面倒臭ェこと言いだしたぞォ」
「んー?ステーキ食いたいとか?」
「もっと厄介だな」
807 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/09(金) 22:01:07.96 ID:LKrtMwBn0
その日、打ち止めとインデックスが見ていたドラマは、数人の男女が山でキャンプをして大いに笑い、
アクシデントに襲われつつ交遊を深めるという内容だった。
再放送とはいえ、秋がすぐそこまで来ているというのに、なんと季節外れな番組だろうか。
まぁつまりは、そのドラマが面白かったので

「私も(ミサカも)キャンプ行きたい!」

とのことだった。

「キャンプかぁ…、楽しそうだけど季節外れだし、諦めろよインデックス」
「えー…もぐ」
「だいたい道具が要るんだぞ?テントや、アウトドア用の調理器具も無いし」
「うー…もぐもぐ」

四人は今、キッチンで昼食中である。もっともテーブルに並ぶ大量の料理は、主にインデックスのための物だったが。
打ち止めは彼女と共にキャンプに行きたいと訴えていたが、上条の話を聞いていると諦めないといけない気になってくる。

(やっぱり急に無理かなぁ、ってミサカはミサカは残念がってみたり)

先程のドラマで見た楽しそうな光景が甦り、リゾットをすくったスプーンを咥えてしまう。

808 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/09(金) 22:04:19.82 ID:LKrtMwBn0
「……」

一方通行は、テレビ画面を見つめていたさっきの打ち止めの様子を思い出し、また、今隣でスプーンを咥える彼女を観察していた。
この少女は昔に比べると、こういったわがままで彼を困らせることがめっきり減った。
気を遣えるようになったし、周囲に合わせる協調性も身に着けた。大人になったんだな、と喜ぶべきことなのだが…

「打ち止め、行きてェか?」
「え?」
「キャンプだよ」

複雑なものだ。打ち止めには、わがまま言ってもらいたい、なんて。
一方通行の赤い瞳に見つめられて、打ち止めはスプーンを口から離して笑顔を浮かべた。
彼が「連れてってやるから、遠慮すンな」と言ってくれていると理解したからだ。

「行きたい!ってミサカはミサカは優しいあなたに感謝の気持ちを表してみたりー!」

すでに食事を終えてテーブルに肘をついている青年に少女が抱きついた。
一方通行の目の前で、上条とインデックスが「あらあら、オアツイことウフフ」という顔をしているが、予想の範囲内なので我慢。
一方通行、本日二回目の溜息である。

「みんな一緒だよ?インデックス達もだよ?」
「分かってる分かってる。俺もドラマは少し見た…」

オマエ達も行けよ?という一方通行の視線を受けて、今度はインデックスが喜ぶ番だった。

「やったぁ!キャンプ行けるんだね!とうま!」
「お、おう良かったなインデックス!」

インデックスも打ち止めを真似して上条に抱きつこうと立ち上がる。
それを察知して上条が照れながらも体をよじらせて両手を差し出したのだが…
インデックスが手の一部のように持ちっぱなしだった箸が、容赦なく彼の背中に刺さった。
上条の悲痛な叫び声を聞き、一方通行は久しぶりに大声を出して笑った。
809 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/09(金) 22:08:54.05 ID:LKrtMwBn0
とりあえずここまで。
秋のキャンプも、なかなかオツなのよ?
寒いけどな…
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/09/09(金) 22:14:13.12 ID:2tmHDecFo

まあ暑苦しくないだけいいじゃん?じゃん?
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/10(土) 00:11:50.65 ID:QsUO+rdS0

キャンプか。お外だな
812 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/10(土) 00:19:01.45 ID:jsm10xd80
>>810 夏山でだらだら汗をかく一方さん。似合わないわぁ。

>>811 なんかその言い方イヤラシイと思ってしまう。心が汚れているからか…
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/09/10(土) 00:44:28.47 ID:mFYqwvbOo
>>1乙です

ちなみに
A→あーあ
B→微妙
C→ちょうどいい
D→でかい
E→いいねェ
F→ふォおおお!!
G→GREAT!!!

だと思っている
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県)[sage]:2011/09/10(土) 01:31:10.56 ID:/qODFnHjo
>>1
これはまさかの青かn(自主規制

>>813
あれ、俺いつ書き込んだっけ
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/10(土) 06:23:24.50 ID:+haIOA1IO
Aは安心感
Bはベスト
じゃないのか……!
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/10(土) 06:51:47.04 ID:DyqXXlMMo
Gカップにお目にかかった事がねえんだが実際のとこどうなん?
たまらん?
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/10(土) 15:11:27.10 ID:E/w3ChxDO
まあなんだ・・・
胸は小さくてもいいが形大事だよね・・・
ビーチクさんとか大事だよね
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/09/10(土) 17:41:58.48 ID:Ec3f2eJOo
御坂さんの良さは胸の大きさでは計れませんよ^^
819 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/12(月) 21:52:53.71 ID:6zoTgGwM0
>>813 すげぇぇぇ。目からウロコが!

>>815 貧乳派はそっちですね。

>>816 どうなんだろうか…。Fまでしか見たことないなぁ。

では続きです。

820 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/12(月) 21:55:41.47 ID:6zoTgGwM0
一方通行はパソコンの前に座り、一体どこにキャンプへ行くべきか検索していた。
この時期テントで寝るのはさすがに寒いだろうと、コテージがある所を探していたが、これがなかなか見つからない。

(ま、夏でも打ち止めを地面の上で寝かすなンてのは許さねェけどな)

キャンプはさっそく次の連休に行くことにした。打ち止め、上条、インデックスは必要な道具を買いに出掛けている。
「これで何でもとにかく買ってこい」と言って、一応年長者である上条にカードを渡そうとしたら、

「…いやいや、一方通行さん、黒いじゃないかこのカード」
「あ?黒いがどォした」
「怖くて触れない」
「……じゃ、打ち止め、オマエが持ってろ…」
「はーい、ってミサカはミサカは無駄遣いの誘惑と戦いながら行ってきまーす、と手を振ってみる」
「シスターの好きにはさせるなよォ?」
「む、それどういう意味?」

すでに玄関の外で待っていたインデックスが、耳ざとく会話に割り込んできた。

「食い物ばっか買うなってことだろ…」

いつもどおりインデックスに噛みつかれた上条達を送り出し、
一方通行はスポンサーとして、(打ち止めが)楽しく快適に過ごせるキャンプ地を探しているというわけだ。

「…お、ここがいいかァ……?」

釣りができる川がある。電気も通っている。水道も引かれている。コテージも新しく綺麗そうな写真が載っていた。
ここまでくると、もはやキャンプとは言えそうにないが、そこはスポンサーの強みで押し切るつもりだ。

(電気があるってェのが心強いな。よし、決めちまうかァ。大体打ち止めも、とりあえず大勢で騒げりゃ満足だろ)

ネットで予約できるようなので、そのまま手続きをした。あとは買い物に出掛けた三人をのんびり待とう。
携帯電話を手に取りながら、一方通行はソファに寝転んだ。
821 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/12(月) 21:57:53.71 ID:6zoTgGwM0
「やっぱキャンプといえばバーベキューかカレーだよな。…この時期にバーベキューはないか。よしカレーを作ろう」

打ち止め達三人は、大きなショッピングッセンターに来ていた。
上条の先導で、打ち止めとインデックスは買い物カートに次々とアウトドアグッズや調理器具を入れていく。

「ねーとうま、肝心の食べ物は?」

インデックスが大鍋を抱えて不安そうに聞いてきた。ちなみに目につくモノの中で、一番大きな鍋を勝手に選んだのは彼女自身である。

「食糧は今買ってもなぁ…。肉や野菜が痛むかもしれないぞ。出発する前日か、道中に買った方が新鮮だろ?」
「おぉ、さすがカミジョウだね。ミサカもあの人もキャンプなんてしたことないから、いまいち何をどう買えばいいか分からなくて…」
「いやー、さすがなんて言われるようなことじゃないし、これくらい」
「あー、楽しみだな!早く行きたいな!ってミサカはミサカは待ちきれない衝動をスキップという行動で表現してみたり」

嬉しそうな打ち止めに対して、ちょっとつまらなさそうなインデックス。上条はそんな彼女の背中を軽く叩いて微笑んだ。

「カレーは夜のメインだけど、朝食なんかは簡単なインスタントにしようと思ってるんだ。
あと、おやつも欲しいだろ?それは今買ってこうな」
「…うん!」

彼に背中を押されるようにして、インデックが食糧品売り場に駆け出す。上条と打ち止めも彼女の後についていった。

822 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/12(月) 22:00:49.93 ID:6zoTgGwM0
手に持ちきれない荷物は宅配を依頼した。軽いものだけ持って、一方通行が待つマンションに戻ってきた打ち止め達。
エレベーターを降り、通路に出ると、我が家の玄関の前に誰かが立っていたので、
打ち止めが足を止めて背後の上条とインデックスを振り返った。二人もその人物に気づいて顔を見合わせる。
その誰かは携帯電話らしきものを手にしながら、玄関の前をせわしなくウロウロし、頭を掻いたり、腰に手を当てたり。
近づいて行くうちに上条が「なんだ」と気安い様子で駆け寄っていった。

「おーい!浜面―!」

それは浜面仕上だった。彼は上条達に気づき、こちらからも近寄る。

「よぉーっ、上条久しぶりだなぁ!打ち止めにインデックスも…」
「あれー?ハマヅラうちの前でなにしてたの?ってミサカはミサカは不審者じゃなくて良かったと安堵してみる」
「一方通行に呼び出されたんだよ!それなのにアイツ居ねぇのか?誰も出てきてくれないし、アイツの携帯もつながらねぇし…。
今打ち止めに電話しようかと思ってたとこ」
「あくせられーた、出掛けたのかな?」

インデックスが、途中で買ってきたホットドッグを頬張りながら玄関を覗き込む。

「あの人が何も言わずにお出掛けなんてしないと思うけど…」

打ち止めがロックを開けて部屋に入っていく。一行の最後尾となった浜面が、前を歩く上条に問いかけた。

「なぁ、お前らぞろぞろ何してたんだ?それに大荷物だし。…俺、なんで一方通行に呼ばれたか知ってる?」
「一方通行お前に何も言わなかったのか?」
「あいつはいっっっつもそうだぜ…」
「あはは、まぁ今回は悪い話じゃないと思うから、そう機嫌悪そうな顔すんなよ」

二人がリビングに辿りつくと、ソファの周りに少女達が集まって、眠りこける一方通行を見降ろしていた。
打ち止めに頬をつつかれ、インデックスには足の裏をくすぐられている第一位。浜面の不機嫌顔は、さらに険しさを増した。

「ン…、あー?なンだァ?」
「なんだ、じゃねえだろぉ!人を呼び出しておいて優雅にお昼寝とか!俺が不審者になるとこだったんだからな!」
「……、そォだっけか…」
「もう第一位キライ!」
823 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/12(月) 22:05:09.32 ID:6zoTgGwM0
打ち止めに淹れてもらったコーヒーを飲み、ようやく一方通行の意識がはっきりしてきた。
その頃には浜面も他の面々にキャンプの計画を聞き、その楽しそうなレジャーに自分も誘われたことを知る。

「何だよぉ、そうなら電話で先に言えよ一方通行、このぉ」
「タキツボも連れて来てね!ってミサカはミサカはハマヅラにお願いしてみる!」
「おう、もちろんだぜ。いいなぁ、青春してる感じがする…」
「はまづら達も誘ってあげるんだね。やっぱり口は悪いけどあくせられーたは優しいなぁ、ね?とうま」
「そうだな。でもそう言うのはもうやめてくれ。一方通行がなぜか俺を睨んでくるんだ…」

一方通行はカップの中身を飲み干してテーブルに置く。プリントアウトした資料もその隣に並べ、まず上条が手に取った。

「行き先はそこだ。もう予約した」
「へぇ…、いたれりつくせりだな。サバイバル的な事は出来なさそうだけど、キャンプ初体験者もいるし丁度いいよ。でも随分遠いな」
「おォ、だから浜面呼ンだ」
「え?それどういう意味?」

友情っていいな、と噛みしめていた浜面が、滝壺へのメール作成を中断する。

「オマエが運転手」

一方通行は学園都市内でしか車を運転できない。上条も免許を持っていない。

「あそっかー、だからはまづらに運転してもらうんだ」

交通手段を考えていなかったメンバー達が、がうんうんと頷いた。

「……やっぱり第一位キライ!行くけど!」

824 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/12(月) 22:09:45.70 ID:6zoTgGwM0
とりあえずここまで。

なんかー、九月は けっさん ってのがあってぇ、忙しいって感じ。
なので、更新頻度が下がるかもしれません。作中の季節とリアルの季節が合致しそうだ。
通行止めと共に秋の足音を実感するのも、いいんじゃないか…
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/12(月) 22:14:59.25 ID:4PXWbxay0
乙〜
浜面夫妻は確実にお外で<自主規制>
あと物理の単位落としたwwww
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/09/12(月) 22:44:10.37 ID:lNBUYLLAO
乙!やっぱ浜面はこんな扱いかww
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/13(火) 18:37:09.95 ID:O8DrXwbU0
乙!


まぁ、ぶっちゃけ青姦もいいからね、やっぱり、思い出になるし。
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/13(火) 22:02:20.61 ID:Ea7oF2300
夏場の青姦は虫にさされるし冬場は寒いしそんないいものじゃない
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/14(水) 00:03:51.98 ID:kxv5BMDSO
浜面カワイイじゃないか

しかしふと思ったんだけど、美琴の胸が小さいのってやっぱりお転婆過ぎたせいなのかねぇ?

遺伝子的には本来巨乳になれるはずだった(番外個体が証明済)→小さい頃から暴れ回ってたせいで脂肪が燃焼しやすい体質に→ペタ胸に…

だとしたら、「美琴に合わせて成長させられた」妹達が哀れ過ぎるな…

…妹達の心の平穏の為にも、やはり番外個体と打ち止めがバグってただけ、って事にしといた方が良さそうだww
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/14(水) 00:09:13.38 ID:mbXjv+LLo
番外は戦闘用の特別な調整をされてるからまた違うって自分で言ってたぞ
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/14(水) 00:15:59.03 ID:kxv5BMDSO
ゴメン下げ忘れてた

あれってやっぱ胸もなの?
単純に身長や筋力的なものだとばかり思ってたわ

てか原作でも大きいとは言え、巨乳って言う程までは行ってなかったなwwスマン
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/14(水) 00:24:21.25 ID:jZXVpJySo
胸の話してるときの発言だしそうじゃね?
833 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/15(木) 03:32:27.15 ID:j5fGotIi0
>>825 ご愁傷さまww

>>828 じゃあやっぱ春が最適ですか?

なんで野外性交渉フラグがにょきにょき立ってるんだろう…
そうか、自分のせいか。

なんとなーく、打ち止めと番外ちゃんだけ胸が大きくなる妄想が止まらない。番外ちゃんは前述のとおりの理由で、もとから大き目。
打ち止めは…、やっぱり一方さんの愛と、黄泉川先生の力で。>>829の言うとおり、妹達の中でも特殊な個体の二人だし、ってことで。

ではこんな深夜だけど、続きいくべ。
834 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/15(木) 03:36:28.30 ID:j5fGotIi0
出発の日、八人乗りのレンタカーの前に一行は集合した。荷物はすでに男連中(除く一方通行)によって積み込まれている。
インデックスはいつもの白い修道服ではなく、動き易いパンツルックだった。
打ち止めも同じようにジーンズを履き、髪をポニーテールにしての張り切りようだった。

「二人ともやっぱりいつもと違うカッコでやる気満々だな。ほら、滝壺も張り切ってるだろ?」

浜面が連れてきた滝壺の背に手を添えて、少女達に挨拶する。
他の男性陣達も、その様子を見ていたが、普段通りのピンクのジャージを着た滝壺に首を傾げるばかりだった。

「いつもとおんなじに見えるんだけど?ってミサカはミサカは疑問の眼差し…」
「よく見ろよ。濃いだろ?ジャージの色が」
「ぶい」

浜面に紹介されて、滝壺はビシィっとブイサインをかました。言われてみれば、ピンクはピンクでも色が若干濃い気がする。

「………」
「……じゃ、行くかァ…」
「そ、うだな。早く出発して、その分遊ぼうぜ。浜面、運転よろしく」
「おう、一人であそこまではキッツイけど、しょうがねぇからな…」
835 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/15(木) 03:38:20.84 ID:j5fGotIi0
六人は車に乗り込み、ナビを見ながらの浜面の運転で、順調に目的地に向かった。後部座席では、トランプに興じる男女四人。
そう、滝壺だけは助手席で運転手の恋人の横に居てあげたのだった。

「はまづら、お茶飲む?」
「あぁ…、ありがとな滝壺。後ろの四人と違ってお前はほ」
「たきつぼ、一緒にババぬきやろう!さっきからあくせられーたばっかり勝って悔しいんだよ!」
「顔に出過ぎンだよ、どいつもこいつも…」
「わかった。私にまかせてインデックス。ぽーかーふぇいすには定評がある」
「どこ評だそれ!?っつーか白コンビに俺の嫁さんあっさり攫われたし!」

孤独に耐えるしかない浜面の安全運転のおかげで、予定より早くにキャンプ場に着いた。
受付でコテージの鍵を受け取り、まずは荷物を置きに行く。
上条は男部屋のクローゼットにてきぱきと荷物を入れ、足の悪い一方通行の物も代わりに彼の荷物もしまってやった。

「二部屋取ったんだな。俺はてっきり一つのコテージに六人泊まるんだと思ってたよ」

(上条はまぁいいとして、浜面を打ち止めと同じ部屋に寝かせる気にはならねェ)

「なんで一方通行は俺を無言で睨んでるんだろう。言わんとしてることは分かってるけど、あえてそう疑問を口にしてみる俺」

それは浜面を知る者には常識であること、彼がバインバイン派だからである。

836 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/15(木) 03:41:36.47 ID:j5fGotIi0
「よーし、晩飯のカレー作りにはだいぶ時間があるからな。なんかして遊ぼうぜ」
「えーと…、パンフレットによるとアスレチックがあるらしいけど、九月までで閉鎖だとよ。
池とかの水に濡れると寒いからか?いやん濡れちゃったぁっていう女子が見られるのは夏だけかぁ…」

キャンプを経験したことがある上条と浜面。自然と引率の先生のような役割を買って出ていた。
集合した六人は、さてこれから何をしようかと相談中である。

「アスレチックはこの人の足じゃ出来ないから、どっちみち却下だったもん、ってミサカはミサカは
閉鎖してて良かったといろんな意味で安心してみる」
「…能力使えばブッチギリですけどォ」
「あくせられーたが能力の無駄使い出来なくて良かったんだよ。
さっき看板に山の中を歩ける遊歩道があるって書いてあったし、そこはどうかな?」
「それもコイツの足にゃ負担だろ。そういえばキャンプなんて動いてなんぼな遊びしかないな」

そう浜面に言われて、打ち止めはハタと気づく。一方通行は足が悪いのだった。
忘れたわけでは無かったが、楽しみにしていたキャンプのために、うっかりしていた。
この元気すぎるメンバーで、大自然の中、一緒に何をして遊べるというのか。
分かりやすくしょんぼりした打ち止めの頭を、一方通行がおなじみにポンポンと撫でる。

「釣り」
「はい?おつり?」
「すぐそこの川で釣り出来ンだとよ。竿もレンタルやってる」
「お、ホントだ。パンフにも書いてあるぜ」
「釣りなンてシロウトで何の保証もないけどな。オマエらはシスターと一緒に行ってこいよ。俺は河原でノンビリさせてもらう」

滝壺も、打ち止めの頭を撫でた。

「ラストオーダーもアクセラレータと一緒に釣りする?」
「…そうしてもいい?」

打ち止めは他の面々を見回し、最後に一方通行の顔色をうかがう。みんなニコニコしていたが、彼はどうだろうか?

「別にいいけど、オマエ魚好きなクセにいいのかよ?」
「ん?ミサカは金魚ちゃんや大きい金魚ちゃん(鯉)が好きなわけであって、
海や川の魚はおいしく食べるものだと思ってるよ?ってミサカはミサカは情報を訂正してみる」
「なンだその区分け…。初めて知ったぞ」

(あなたの方がもーっと大切で大好きだし!)
837 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/15(木) 03:45:11.04 ID:j5fGotIi0
そういうわけで、一方通行と打ち止めの二人は、河原の大きな岩の上に座って、初めての釣りに挑戦していた。
釣り針につけるグロテスクな餌は、打ち止めに代わって一方通行が付けてやった。彼もあまり気持ちのいいものではなかったので、
何度もやるのは勘弁してほしいと密かに思っていたのだが、それは杞憂で終わりそうだった。

「ぜんっぜん釣れないねぇ…ってミサカはミサカは釣りの難しさを実感してみる」
「だァから所詮シロウトだってンだ…。諦めろ」
「でもでも、カミジョウが、釣りたての川魚はめちゃめちゃ美味しいんだって言ってたよ?
ミサカはそれをインデックスに食べさせてあげたいの。あ、あなたにもだからね?」
「おまけみたいに言われてもなァ…。俺肉のがイイし」
「魚だって立派な魚肉…、ちょっと、あなたってば…。ここで?」

一方通行は石で釣り竿を固定し、少し強引に打ち止めの太ももに頭を乗せてきた。
彼女も戸惑いの声をあげつつも、結局青年が良い具合になるように態勢を整えてあげる。
かなりシーズンオフということで、このキャンプ場には客はほとんどいないようだったし、
目撃される危険性がある上条当麻は、今は山の中。岩場の陰になっているようなこの場所で、こうしてくつろいでも支障はないだろう。

「大丈夫?背中痛くない?」
「平ェ気」

そういうつもりで用意した訳ではなかったが、一方通行はコテージのベッドから毛布を持ってきて、それを岩の上に折って敷いていた。
汚れたら川で洗濯すればいいと思って、遠慮なく有効活用させてもらっている。
ベクトル操作が洗濯にも大いに効果を発揮するのは、打ち止めのおかげで証明済みであった。
838 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/15(木) 03:49:10.95 ID:j5fGotIi0
「毛布、汚れちゃうかな」
「汚れたら洗うし、浜面に使わせるから気にすンな…、それより…」
「はいはい分かってますぅ、ってミサカはミサカは釣りを放棄してみたり」
「ただ川を睨むより、こっちの方がいいだろォ?」

打ち止めも石で竿を固定し、足の上から自分を見上げてくる青年の前髪を指で梳いた。
確かに硬い釣り竿より、この触り心地のよい髪を撫でている方が楽しいかもしれない。どうせ釣れてないし。
せせらぎ、というには大きな川の流れの音。鳥のさえずりと虫の声。
気温は高くないが、よく晴れた空からの温かい日差しが、木々の隙間から降ってきている。
こんな自然の中で、好きな人とのんびり、くっついて過ごせるなんて…。来て良かった、と打ち止めは満足していた。

(あなたもそう思ってるよね?ってミサカはミサカはキモチよさそうなあなたの顔をじっと見つめてみる…)


一時間近くたっても、二人の竿に釣果はなかった。別に釣れなくても、充分楽しい思いはしているが。
膝枕される人と、する人が交代して、今は打ち止めが彼の足に頭を預けている。
ただ、脇腹を下にして川に顔を向け、ついつい糸が垂れ下がる辺りを見ずにはいられなかった。

「いくら見てもしょォがねェだろ…」
「でもぉ、いつパクってするか分からないじゃない」

一方通行にしてみれば、もっと自分に意識を向けてほしいと主張したい。しかしそんな事は言えない。
つくづく魚類には良い思い出がないな、と、魚にとっては迷惑な逆恨みまで抱いてしまう。

(確かに、やっぱり釣れなかったなって、あの三下どもに呆れられるのはしゃくかもしれねェがなァ…。
そォだ、これ…いいンじゃねェか…?)

そこで、ふと素晴らしい思いつきが浮かび、コテージに戻る前に実行してみることにした。
しばらく少女のまとめられた髪や耳を弄っていたが、そろそろ戻る時間が近づいてきたので彼女を起こす。
バサバサと毛布についた砂や葉っぱを振るい落とし、帰り仕度を整えた打ち止めを、川の水に触れられる場所から呼んだ。

「おい、ちょっとこっち来い」
「?なぁに」
「いいから…。水に手ェ漬けてみな」
「?」
839 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/15(木) 03:51:02.45 ID:j5fGotIi0
彼が何をしたいのか良く分からないが、打ち止めは言われるままに右手の先を水にひたした。
一方通行はしゃがんだ少女の肩に手を置き、もう片方でチョーカーのスイッチを切り替える。

「!?あぁーっ?」

一方通行は打ち止めに流れる微弱な電気を操作し、それを強力に増幅させて水の中に流した。
なんの音もしなかったが、すぐにプカ…プカ…と魚が腹を向けて水面に浮かんでくる。
青年がこんこんと足元を蹴るたびに、それらが打ち止めの頭上を越えてバケツの辺りに落ちていった。

「え?え?もしかして電気で?」
「そォそォ。すげェうまくいったなァ?こンだけありゃァシスターも喜ぶンじゃねェの?」
「おぉ〜、何か釣りってカンジがしないけど、ここは素直に大漁だー!ってミサカはミサカは万歳してみる!」

バケツ一杯の、腹を見せて気絶、昇天した魚たちを見せられ、インデックスはとても喜んでくれたのだが…

「それはビリっていう禁止漁だぁぁぁ!しかも打ち止めにやらせるなんて何考えてんだよ!
少し考えればヤバイ方法だって分かるだろぉぉ!?」

一方通行はかなり久しぶりに上条に説教されてしまうのだった。
840 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/15(木) 03:56:10.84 ID:j5fGotIi0
とりあえずここまで。

つりキチ一方。

インデックスに、たくさん食わしてやりたいんです…。大きな口を開ける雛に、餌をあげてしまう親鳥の心境。
そういえば、インデックスって、浜面は「しあげ」 滝壺は「りこう」って呼ぶかな。と思ったけどまぁいっか。
なんか浜面は浜面であって他の何者でもない気がするんだよ。
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/15(木) 06:19:37.16 ID:F7THb78AO


りこうはともかく浜面がだれかにしあげと呼ばれる場面が想像できない
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/09/15(木) 20:31:50.16 ID:okBgsPRC0
乙!

インデックスは上条さん以外の男性を名前で呼ばないから別にいいと思う
滝壺のことは「りこう」って呼びそうだけど
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/15(木) 21:28:22.09 ID:TlUMu7ho0
乙〜

インさんは「はなぴあす」とか呼びそう
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/15(木) 23:16:41.05 ID:eLCtToSEo
鼻ピアスとか魔術師には珍しくなさそう なんとなく
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/16(金) 06:45:46.95 ID:XHhCr7hSO
そういやインさんは下の名前でしか呼ばなかったなぁ

ふと思ったが、この一通さんて能力で性欲コントロール出来るって事は、誰であろうと触れるだけで強制的に「その気」にさせられるんだよな…
しかも電気信号のベクトルを何とかして、あえて感覚を鈍くする事で擬似的な絶倫状態にも出来る訳で…


紳士でよかった!本当によかった!!
てかこんなんじゃ、能力開発に勤しんだあげく夜空のお星様になった木原君が浮かばれねぇww
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/16(金) 11:33:14.60 ID:Zzf2OraVo
まさに昨日キャンプで釣りして帰ってきた俺となんというシンクロ…
847 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/17(土) 22:16:18.25 ID:fjCD/fXC0
>>841 だよねだよね。

二人称は気にせずいこう、そうしよう。

>>845 紳士はそもそも、そのような発想はしないのである。

>>846 あらまぁ、おかえりんこ。通行止めのキャンプはもう少し続きます。
848 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/17(土) 22:21:14.98 ID:fjCD/fXC0
「……怒られちゃったね、ってミサカはミサカはカミジョウのお説教にぐったりしてるあなたを励ましてみたり」

コテージに一番近い炊事場の椅子に座り、一方通行は両手両足を投げ出している。
隣に打ち止めも腰を下ろしていた。自分が魚を釣りたいと駄々をこねるようなことを言ったせいだと、少し責任を感じているのだ。
こうして彼女に慰められるのはカッコ悪いので、彼も早々に立ち直りたいと思っているのだが、
上条の説教によって受けたダメージがまだ抜けない。

(クソォ…、あンなに怒らなくてもいいじゃねェかよ…。ビリ、だっけか?知らねェっての)

やがて他女性陣二人もやってきて、細くて白いのの周囲はハーレムと化す。

「元気出して、あくせられーた。私はすっごく嬉しいんだよ。魚たくさん取って来てくれてありがとう」
「今日の夕飯が豪勢になったね、楽しみにしてるから。かみじょうとはまづらも、美味しく料理するために今かまどを作ってる」
「ンだよ…、結局食うンだな?」
「だっていくら違法でも、もうそうするしかないじゃない、ってミサカはミサカは
食べ物を粗末にしちゃだめだという黄泉川の教えを思い出してみる」

一方通行は調理台に預けていた体を起こし、少し離れた場所でコンクリートブロックと自然石を組み合わせている野郎どもを眺めた。
一方通行曰く体力馬鹿の彼らは、それぞれテキパキと作業をこなしている。
ごはんとカレー、さらに魚のために、かまどひとつでは足りないのだろう。
849 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/17(土) 22:25:41.34 ID:fjCD/fXC0
「やっぱこの量を焼いて煮るには、火元が一個じゃ足りねェよな」
「ああ、アレは…コレもあるから。焼いて食べよう。カレーにも入れてほしいな」

そう言って滝壺がどさっと台の上に乗せたビニール袋。その中にはキノコがぎゅうぎゅうに詰め込まれている。
さらにインデックスも同様の袋を置く。

「うっわぁー…、スゴイねこのキノコ。キノコのこのこ…。どうしたのこれ」
「…、あァ、オマエら山で採って来たンかよ」
「そうそう。つってもほとんどそこのシスターが一人で見つけたんだけどな…」

土木作業に一区切りつけた浜面が汗を拭き拭きやってきて、袋から無造作に一掴み取り出し、打ち止めの前の台にコロコロと並べた。
その様子をじとりと見ていた一方通行に、一応断っておく。

「言っとくけど、これは違法じゃねぇからな?
山歩いてる途中で会ったここの従業員が、採ってもいいっつーからキノコ狩りしてきたの。合法なの」
「ふン」
「でな、採ってもいいけど、毒キノコにあたっても責任はとれないってことで、打ち止めさんの出番です」
「え?ミサカ?」

毒キノコと食べられるキノコ、ミサカネットワークで調べてもらおう、という上条の提案により、
山組の四人はインデックスの誘導のもと、手当たりしだい採って採って採りまくってきたのであった。

「なるほど、えーとちょっと待っててね。キノコ…、菌類に詳しいミサカはいるかな?あ、いたいた……。
では今から鑑定を始めまーす」
「何でもアリだなァ、ミサカネットワーク。何号か知らねェけど」
「何でもアリなのはあなたもじゃないの、ってミサカはミサカはベクトル操作の万能性を論じてみたいけど、
高知のミサカが早くしろとうるさいから諦めてみる」

目の前に差し出されるキノコを次々に鑑定していく打ち止め以外の四人は、
「可」「不可」という打ち止め(高知ミサカ)の判断でそれらを選り分けていく……はずだった。

850 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/17(土) 22:29:25.18 ID:fjCD/fXC0
「可、可、可、可、可、可、可、可……もーかーかーかー」
「すごい…、さっきから可しかないよはまづら。今日はキノコパーティーだね」
「えぇー、コレえぇー…?怖くねぇ?本当かよ、テキトーに鑑定してるんじゃ…」
「いや…、このシスターならあり得るだろォな…」
「このミサカも他のミサカ達も今衝撃を受けてるところ…。数人のミサカによる多重判定の結果だよ」

「可」しかないキノコの山にが調理台の上に築きあげられていき、ついに最後のキノコも「可」で鑑定は終了。
一応「不可」のために新品のビニール袋を用意していたが、それは無用の長物となる。
その成果に「どうだ」と鼻が高いインデックスと、半ば茫然とするその他。そこへ軍手を持った上条も合流した。

「お、やっぱりキノコは全部食えるみたいだな。エライぞー、インデックス。よくやった!」
「でしょ?わーい、褒められちゃった」
「まるでこの結果が分かってたような言い草だなァ?」
「ん?まぁこういうことにかけて、インデックスの能力は間違いは犯さねぇと思う」
「能力者じゃねェだろォが」

つんつん、と滝壺が一方通行の背中の服を引っ張る。振り向いた彼に、彼女は大まじめな顔でこう言った。

「茸追跡…!(マッシュルームストーカー…!)」

「………」
851 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/17(土) 22:32:57.53 ID:fjCD/fXC0
秋の山の夕暮れは早い。かまどが出来たので、六人はそれぞれ夕食のために調理を始めた。
上条はカレーのダシ取りに、浜面は、はんごうで飯炊きに…

「なぁ、何で炊飯器があるんだよ」
「はんごうだけじゃ足りないかもしれないから、あの人が心配して持ってきたんだよ、ってミサカはミサカは浜面に教えてみたり。
コテージのコンセントに刺してくるね」
「なんであの第一位は、インデックスの胃を満たすことに一生懸命なの?」

かまどの前で灰をかぶりながら、浜面は慣れないはんごう飯に臨む。
しかしコテージの中では学園都市製の炊飯器が、美味しいに決まっている銀シャリを全自動で作っていると思うと、なにか腑に落ちない。


女性陣と一方通行は、炊事場の屋根の下で肉、野菜やキノコを洗って切っていた。時々「大きさを揃えろォ」等の、先生の指導が入る。

「私は魚焼いてくるね。ラストオーダー、火点けてくれる?」
「はーい、ってミサカはミサカは大活躍!」

滝壺が魚を持って浜面の横のかまどに歩いていく。打ち止めもその後を追いかけ、電気で燃料と薪に点火して、すぐに戻ってきた。

「二人の邪魔しちゃ悪いからさっさと退散してきた、ってミサカはミサカは気を使ってみたり」
「…それって、もしかして私に言ってるのかな?」

たった今先生に包丁を取り上げられ、ふてくされたインデックスが、もっと頬を膨らませる。
一方通行は眉を片方歪ませただけだったが、打ち止めは慌てて弁解を始めた。

「違うってば。ハマヅラとタキツボが仲良さそうにしてたから」
「だから何言ってもそう聞こえるんだよ。いいもん、もうカレーの具は切れたから、私はとうまのトコにこれ持ってこうっと」

ザルにどっさりと具を乗せて、インデックスも炊事場から立ち去った。
上条に駆け寄って行く彼女の足取りは楽しそうで、打ち止めはホっと胸を撫で下ろす。

「結局カミジョウの傍に行く口実だったのかな?ってミサカはミサカは女優なインデックスにからかわれたのかと思ってみる」
「単に早くカレー食いたいだけじゃねェか?」
「そんなわけないじゃない、って自信満々に反論できない…」


一方通行がデザートに用意した果物をつまみ食いして、使った調理器具を洗っている。
キャンプ場へ向かう道中のパーキングエリアで昼食を取って以来、ほとんど何も食べてないので空腹だった。
打ち止めも、彼の隣で洗い物を手伝うフリをしてリンゴを頂く。

「ミサカ達は向こうのテーブルでお皿の準備してよっか」
「ン…、その前に俺もリンゴよこせ」
「はいどーぞ」

一方通行は、かまどの前のメンバーがこちらを向いてないことを確かめてから口を開けた。
丁度今、手に泡がついてるから仕方ないのだ。
852 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/17(土) 22:35:52.38 ID:fjCD/fXC0
炊事場の周囲には、丸太の椅子が置かれた食事用のテーブルが点在している。
屋根が無い物もあったが、すでに辺りは薄闇が迫ってきていたので、電灯のある屋根付きのテーブルを選ぶ。

「はぁーい、お待たせー。メインディッシュのカレーですよー」
「わーいわーいわーいわーいわー」
「やかましィィ!静かに待ってろォ」

上条が大鍋を抱えて、既に魚とキノコ、サラダ等が並べられているテーブルにやってきた。
インデックスがご飯の乗った皿を持ってカレー(上条)の周りをスキップで周回している。

「煮込む時間は少なかったけど、しっかりダシ取ったからウマイぞー。はい皆お皿出してちょうだい」
「上条が食堂の給食おばさんみてぇだ。あ、俺大盛りにして」
「ミサカもー」
「よしよし、たくさんあるから遠慮すんなよ。一方通行も大盛りでいいな?」
「おォ」

全員の前にカレーが行き渡ったところで、上条の号令により夕食がはじまった。
若い彼らとインデックスによって、山と積まれた料理がどんどん減っていく。

「はまづら、はんごうのご飯上手に出来たね。全然焦げてないよ」
「滝壺が食べてるのは実は炊飯器で炊いたヤツなんだ…。でも俺が炊いたのも別に焦げてねぇぞ?ほら」
「この魚ってお塩しか振ってないんでしょ?カミジョウの言ったとおりだ!おいしい〜。
海の魚と違うんだね!ってミサカはミサカは法を犯しておきながらも後悔はしない」
「キノコもイケるんだよ。醤油つけてるだけだけど美味しい!」
「それに関してはシスターが合法で活躍したからなァ。ホレ、こっちはバター醤油味だ、食え」
853 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/17(土) 22:39:09.03 ID:fjCD/fXC0
鍋の中身が半分くらいになった頃、浜面が席を立って、コテージの中から小さなクーラーボックスを持ってきた。
その中から缶飲料を取り出しテーブルに並べていく。

「やべぇ、キノコと魚のせいだ。今飲もう」
「おい馬鹿。これビールじゃねェか」
「チューハイもあるよ?」
「酒には変わりねェだろ」
「一方通行は飲まないのか?」

当然のように上条がビールを手に取り、いい音させて封を切る。彼もアルコールが持ち込まれていたことを知っていたようだ。
未成年のインデックスと打ち止めの前にはジュースが配られた。もちろん一方通行にはビールが。

「まァ…、飲む…」
「あなた飲み過ぎないでね?ってミサカはミサカはいつかの浴衣で拘束事件を思い出してみる」
「今なんかすごいフレーズ言わなかった?」
「気に、す、ン、な」

一方通行に睨まれて、まだ飲んでないのに体の芯を冷やした浜面であった。


「はぁ〜…お腹いっぱい。外で食べるごはんって結構いいかも」
「インデックスがこんなに幸せそうな顔してる…。一方通行、違法だけど魚といい、そもそもこのキャンプの企画自体、ありがとな」
「別に、シスターを満足させるためだけに来たわけじゃねェぞ」

(いいや、お前はかなりそこに力をかけてる、どう見ても)

さっき睨まれたばかりなので、浜面は心の中だけでツッコミを入れた。
その彼の肩を、滝壺がポンと叩く。

「ん?どした?」
「ここって、お風呂はどうなってるの?無いわけじゃないよね。パンフに書いてあった?」
「あァ、風呂なら…、コテージの鍵受け取った近くに個室のシャワーが」
「温泉だよ」
「はァ?」
「温泉があるの!?ってミサカはミサカは耳より情報に食いついてみたり!」


854 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/17(土) 22:41:20.15 ID:fjCD/fXC0
とりあえずここまで。

また温泉かよ…
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/17(土) 22:45:37.12 ID:6WxjeX7s0


面白ければいいんだよ
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/09/17(土) 23:02:29.99 ID:xF+xo5FCo
乙です

温泉・・・だと・・・

性人なってアスカロン磨いて待機してる
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/17(土) 23:22:58.49 ID:t7Gk/WWDO


また温泉だと!?
期待しかできない
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県)[sage]:2011/09/18(日) 02:19:34.53 ID:YLjno+X7o


しかし酒のツマミにキノコはダメだろう……

調理して食べるのは問題ないが酒と合わせると毒、なんてキノコもあったはずだ
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/18(日) 06:30:16.95 ID:kqMG15DAO
混浴か…


混浴かッ!!
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/09/18(日) 13:49:10.26 ID:nYHScvbNo
コテージに温泉だなんて…
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/19(月) 11:33:47.63 ID:u/SJ5UlSO
>>858仮に有ったとしてもあたるのは上条さんだけだろうし、あたったとしても中の人補正の回復力ですぐ復活するだろうから問題無いよ…たぶん
862 :VIPにかわりまして統括理事会がお送りします[sage]:2011/09/19(月) 12:53:05.72 ID:xxM2oI4b0
茸追跡(マッシュルームストーカー)wwwwwwwwww
863 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/20(火) 13:50:04.21 ID:pps1sSyS0
>>858 まじでございますの!? 菌類ラヴだから、教えてもらって良かった!あ、でも下戸だった。
インデックスなら、たぶんそういうキノコもよけてストーカーできるってことで…ww

では続きです。
温泉大好きふふっふーん 露天が最高ららんらーん でも行けないから代わりにオマエら入ってこいよぉ…

864 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/20(火) 13:56:08.07 ID:pps1sSyS0
温泉。それは一方通行と打ち止めにとって、特別な思い出として心に残っている。
まだ二人が一線を越えていない夏の日、一線を半分くらい踏んで、かなり大胆で赤裸々な行為をしてしまったあの秘め事。
打ち止めは、素敵な楽しい二人の愛のメモリーだと思っているが、一方通行にしてみれば、封印するべき恥ずかしい黒歴史である。

「この馬鹿、温泉なンてどこにあンだよ」
「ここにはねぇけど、ほら、キャンプ場に登ってくる途中の坂にあったじゃん」

あったっけ?と頭をひねる浜面以外の五人。

「そりゃそうだろうなー!お前らその時ウノに夢中だったもんね!俺が、『あ、温泉があるなぁ』って話しかけても総無視だったもんね!」
「ごめんね、はまづら…。寂しかったんだね」
「お前だけはいいんだよ、滝壺…」

滝壺が彼の背中をよしよしと撫でる。他の面々は温泉がすぐ近くにあることを知り、今日の汗を流す楽しいイベントに思いを馳せた。
一方通行だけは、無邪気にはしゃぐ打ち止めを不機嫌そうに横目で見ていたが。
865 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/20(火) 13:58:45.49 ID:pps1sSyS0
「そっか、そんなに近くに温泉があるなら行くか。インデックス達も別にいいよな」
「温泉なんて面白そう!行くー!」
「温泉は最高にキモチいいのだ、ってミサカはミサカは行くに決まってると挙手してみたり!」
「おい、浜面、そこまでどれくらい距離あるンだ?」
「んー、二キロくらいか」
「運転手ゥー、今ビール飲ンでたよな?」
「散歩と思って歩いても平気だよ。アクセラレータは飛んでくればいいんじゃない?」

もちろん滝壺も浜面達に賛成だ。なんとか温泉を回避したい一方通行はそれでも反論を試みる。

「こンな暗い山道…、絶対転ぶぞ。特に打ち止め、オマエはなァ」
「平気だもん。もう昔のようなおチビじゃないんだから」
「あと三下は崖とかガードレールの下に落ちる」
「え?断言?俺転落すること必至なの?」
「だーいじょうぶだって。ビール一本なんて二時間もありゃ抜けて運転できるって。どうせ今は胃が爆発しそうで風呂に入る気はしねぇし」
「そうだね。食べてすぐお風呂に入るのは体に良くないって、こもえが言ってたもん。さすがに私も、今日はお腹を休憩させたいんだよ」

五対一で、明らかに分が悪い。
しまいには打ち止めの「あなたがハマヅラに能力使ってアルコール分解してあげれば車で行けると思うの」発言で温泉行きは決定となる。

(こォのクソガキィ…、誰のせいで俺が反対してやってるか分かってねェな…)
866 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/20(火) 14:01:46.07 ID:pps1sSyS0
今、六人は女子部屋と男子部屋に分かれて、食後の休憩と温泉への準備をするために過ごしている。
ポーチにお風呂セットや着替えの下着を詰めていた打ち止めの携帯電話が鳴り、確認すると一方通行からメールが届いていた。

(??『ちょっと外に出てこい』?直接入って来てミサカのこと呼べばいいのに、ってミサカはミサカはあの人の行動を不審がってみたり)

「あれ?らすとおーだー、どこに行くのかな?」
「あの人が呼んでるからちょっとお外に行くだけー」
「ふーん」

一方通行は、誰にも知られたくない事情があったので、わざわざメールで恋人を誘い出したというのに、
打ち止めはそんな彼の心理を少しも分かっていなかった。
しかしそれを知ったからといって、黄色い声を上げてはやし立てるようなインデックスと滝壺でもなかったのである。


「いたいた。どうしたのあなた…」
「いいから…コッチ来い…」

コテージの壁に隠れるように立っていた一方通行に手を引かれ、ただでさえ少ない宿泊客の気配が、さらに遠い隅の一角まで連れていかれた。そこのコテージの鍵を、一方通行が能力を使い開ける。電気を点け、打ち止めを部屋の中に入れてから扉を施錠した。
部屋の間取りはまったく一緒だが、当然無人なはずのこの部屋のベッドはマットレスだけで、布団はない。
867 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/20(火) 14:08:33.18 ID:WWvJIgRO0
「もう、いいかげん何をしたいか教えてほしいな、ってミサカはミサカは黙りっぱなしのあなたに問いかけてみたり」
「分かれよ…」
「えー…」

バツが悪そうな青年の顔と、すぐ横のベッドの間で視線が踊り、打ち止めの頬がポっと赤くなる。

「…っ、い、今!?ここで!?ダメダメ!昨日シたじゃないっ。もうあなたってば狼さんなんだから、」
「違ァう!」

打ち止めがチョップの振り落ちた頭をさすっている隙に、一方通行によって彼女の服はあっという間に前をはだけられてしまった。

「あ!違わないじゃないっ、やっぱりそうじゃない!」
「このアホ!昨日のこと覚えてて、どォしてコレは覚えてねェンだよ!?」
「……おぉ。…これはいけませんどうしよう」
「ったく…」

一方通行が指さした個所、つまり打ち止めの柔らかな胸に、昨日の行為の証が色濃くバッチリと残っていた。
先ほど心中で『誰のせいで…』と悪態ついていたクセに、結局は自分のせいだったわけである。
このキャンプ場の入浴施設は、個室のシャワールームしか無いことを調べていたので、
昨日は遠慮なく彼女の肌を存分に味わったのが裏目に出た。何より浜面が裏目すぎた。

「あとココとか、コッチも…」
「や、ちょっと」

バナナの皮でも剥くようにして脱がされ、打ち止めはもう腕に服を引っかけているだけの状態だ。
いつものセーラー服やワンピースと違い、ボタンで留められたシャツと、ファスナーのパーカーは脱がせやすい。
さらに肩をトンと押され、打ち止めはマットレスの上に座らされた。
868 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/20(火) 14:12:39.01 ID:WWvJIgRO0
「足の方もつけたなァ確か…」
「えぇー、ジーパンも脱ぐの?明るいしちょっと恥ずかしいんですけど」
「明るくないと見えねェンだよ」
「見てどうするの、えっちぃ」

もちろん二回目のチョップをくれてやった。

「キスマークなんて所詮は毛細血管からの出血だ。ンなモン、ベクトル操作ですぐ消せる」
「なんてムードのない言い方。でも、なーんだ、そういうつもりだったのね、ってミサカはミサカは狼さん疑惑を抱いたことを反省してみる。
よかったぁ、これで安心して温泉入れるよ…」

青年は電極のスイッチを能力使用モードに切り替え、とりあえず胸元の痕から処置していく。
指を何回か肌の上に滑らせるだけで、ほとんど色が消えていった。

「これも外せ」
「…ブラも?」
「……この下が一番ひどいンだ」

一方通行に言われたわけではないが、何故か自然とベッドに寝転がってしまう打ち止め。
わざわざ夜に、煌々と電灯を点けて情事に及んだことはなく、思いがけず裸を晒すことになってしまった。
しかも理由が、せっかく(?)つけたキスマークを消す、という、普段と逆の行いで違和感満載だ。

(あら?別にベッドに寝なくてもよかったんじゃない?ってミサカはミサカは、これも一種の条件反射なのかと自己分析してみる)
(お、寝たな。よォしこれでジーパン脱がせやすくなったぜ)

服からはみ出すような場所には、痕をつけないように気を付けている。だから決して純粋な欲望で、とか、
趣向が偏っているから胸に最も痕が多い、というわけではない。首やうなじにできない分、どうしてもここにつけてしまうのだ。
そう言い訳しながら、一方通行は両手で作業を進めていく。

作業というには、あまりに官能的で、扇情的で……そそられる。

「クソ…、オマエ…、キャンプから戻ったらなァ…おい」
「…、うん…」
(やっぱり狼さんでしたぁ…っ)
869 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/20(火) 14:21:50.48 ID:WWvJIgRO0
とりあえずここまで。

まだ入浴までいかなかった。次回こそ湯につかりたい…のですが、
大雨の影響しだいでは、いつ温泉の話を投下できるか保証できませんね…
普通に二、三日中に投下できることを祈ります。
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/20(火) 14:40:11.63 ID:L5+2FPnAO
乙! そこはかとなくエロいぜ…
定番の覗きイベント期待

>>1は台風来る地域在住か?
気を付けてな!
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 16:10:44.90 ID:7rDzIF650

インさんの胸ってどのくらいあるの?
インさんハートブレイクしない?
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/20(火) 20:28:59.01 ID:VbeggBIAO
バイン
ボイン
ペタン
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[sage]:2011/09/21(水) 00:23:41.00 ID:PZvWfJ4r0
乙ー
インさんはパツキンジンガイさんなんだからおっぱいお化けが出るくらいだってばっちゃがいってた!
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/22(木) 08:39:17.82 ID:wSyd6J0IO
虚数胸区か……
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)2011/09/22(木) 16:32:36.74 ID:jbKnef+P0
乙―
虚数胸区より虚数胸囲じゃね?
876 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/23(金) 00:53:16.45 ID:/nAryvtw0
台風怖かったぁ…っ。しかし超無事です。

>>871 ま、このメンバーでキャンプに来てるくらいだし…。そういう事なんだと思います。
サイズは今日の更新のとおり。

それにしても、胸じゃない話を…と思ってキャンプに行かせたのに、話もレスも胸ばっかですわ。
さぁ、今日も…
877 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/23(金) 01:00:52.26 ID:/nAryvtw0
「よし、じゃあやってくれ一方通行。い、痛くしないでね?」
「……ろしてェ…」

レンタカーの前に集まった六人。
一方通行は浜面の体内に残るアルコールを分解するために、電極のスイッチを切り替え、ガシィっと彼の顔にアイアンクローをかました。

「きゃぁぁぁあああ!痛くしちゃイヤって言ったのにぃぃぃぃぃ第一位のいじわるぅぅぅ!上条コイツ止めてぇぇー!」
「うるせェェ!」
(オマエのせいでオマエのせいでェェェ!)

もちろんアルコールを分解してやるのにアイアンクローをする必要はない。
一方通行は個人的な恨みを込めて、ギリギリと浜面のこめかみに圧力をかけた。

「ごめんな浜面。やっぱり飲酒運転は良くないし、万が一事故しちゃシャレになんねぇから耐えてくれよ」

頼みの幻想殺しは出番を拒否した。殺したい幻想でもなかったし。

「という訳だおらァァァ!」
「いたいいたい本当にイタイって第一位のドSぅぅぅ!」

悲痛な叫び声がこだまするが、いつものことなので心優しき乙女たちは平然と落ち着き払っていた。
滝壺は「はまづら頑張れ」という視線で彼を応援し、インデックスに至っては車内に荷物を積み始めている。

(この人はよくSって思われがちだし、まぁ実際Sっぽいんだけど、ミサカにはめちゃくちゃ優しいんだよねー。
ミサカが痛がること、嫌がること絶対しないし、ってミサカはミサカは心中でノロケてみたり)

878 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/23(金) 01:04:15.43 ID:/nAryvtw0
浜面の運転する車で坂を下ること数分、来る時にはまったく気づかなかったが、確かに温泉の看板がある。駐車場へ車を停め、入口に立った六人だったが…

「誰もいないみたい…、営業してるのかな?」
「電気は点いてるけど、く、暗いし…ちょっと怖い、ってミサカはミサカは怖気づいてみたり」

他に車は停まっていなくて、人の気配もしないが、照明が点いてるからには営業しているのだろう。
じゃりじゃりと敷石を踏みしめ、竹製の柵で拵えられた入口を進んでいく。すると『入湯料一人700円』の看板と小さな現金投入機があり、上条が説明書きを読む。

「…これにお金を入れるみたいだな」
「もしかして無人かここ。監視カメラがあるとも思えねぇし、タダで入っちゃうヤツいるだろコレじゃ」
「だめだよはまづら、ちゃんと払わないと」
「分かってるって、六人で四千二百円…、五千円札しかねぇな」

とりあえず浜面が五千円札を機械に入れる。上条が「あ」という顔をして彼を止めるような素振りをし、一方通行は「あーァ」という表情を浮かべた。

「ん?アレ!?釣りが出てこねぇぞ!?」

釣り銭を出すレバーをいくら動かしても八百円が出てこない。

「上条が一緒にいるからもしかしてとは思っていたがなァ…。釣りはオマエ持ちってことでェ」
「そんなような気はしてたんだ。止めるのちょっと遅かったな、ごめん…」
「俺、今日はなんだかアイアンクローされたり、機械にぼったくられたり散々だなチクショー…」
879 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/23(金) 01:09:06.77 ID:/nAryvtw0
一行はコンクリートで固められた幅一メートル強の通路を歩く。足元をぽつぽつと照明が照らすのみで薄暗い。
周囲に迫る山肌と生い茂る草木に気押され、打ち止めは右手に通路の手すり、左手は一方通行の服を握っていた。

「歩きにくいンですけどォー」
「だって暗いし怖い!」
「ンなこと力一杯宣言すンなよ…」
「あれ、見てとうま、道が別れてるよ?」
「どれどれ…、右が女湯で左が男湯だってさ、打ち止め怖がってるけど大丈夫か?」

無人だし、照明は最低限だし、大自然からハミ出してきた葉っぱが、チクチクと体を刺してくるほどだし、どうもここはいわゆる秘湯らしい。
男湯と女湯を分ける際、こうして大地の形状にならった通路になってしまったのだろう。

「えーーー、混浴じゃないのか?」
「この馬鹿野郎ォっ」
「そういうつもりで来たのかよお前はっ」
「いやらしいんだよ!」
「そんなはまづらは応援できない」

打ち止め以外の四人から総スカンを食らう浜面。男二人には足と頭をはたかれた。
しかし打ち止めは下衆な浜面の下心より、一方通行とここで離れなければならないことが心細いようだ。
薄暗い中に、かすかに見える脱衣所らしき二つの扉は、二十メートルも距離があるように見えた。

「男湯と女湯ってあんなに遠いの?」
「温泉温泉はしゃいでたヤツが情けねェなァ…」
「大丈夫だよラストオーダー、私とインデックスが一緒だから」
「そうそう、ほら早く行こう?」

お姉さんぶった二人に背中を押され、打ち止めは右の通路へと足を進める。ちらと恋人を振り返り、寂しそうな顔で手を振った。

「あー…、さようなら天国。こんにちはむさくるしい男だらけのポロリもあるよってか…」
「いつまで言ってんだよ。お前も、は、や、く、行、け!」

上条に背中を全力で叩かれ、男達も脱衣所へと歩きはじめる。
一方通行は電極のスイッチをONにして辺り一帯の状況を確認したが、自分達以外に人間の存在は確認されなかった。

(ま、滝壺とインデックスもいるし大丈夫だろ…)

「おーい、一方通行も早く来いよ。こいつ全然進まなくてうっとうしいんだ、手伝ってくれ」
「もォ引きずってけよ」
「ヤだよこんな重いの」
880 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/23(金) 01:12:42.71 ID:/nAryvtw0
滝壺が開ける引き戸を、インデックスの後ろから覗く打ち止め。脱衣所の中も暗い…。滝壺は躊躇なく入っていき「ぱち」と音をさせて電灯を点けた。

「良かったね、電気があったよ。ほら明るくなった」
「おぉ、ありがとータキツボ。やっぱり電気は素晴らしい、ってミサカはミサカは実感してみる」
「さすがにここはちゃんと明るくて良かったんだよ。お風呂の方はどうなってるのかな…」

脱衣所の床は通路と同じようにコンクリート製だが、脱衣籠が置かれた棚の側だけは、
水気が残らない木製の板(三人は知らないが、すのこである)が敷かれていた。インデックスが向かい側の、おそらくは湯船があるであろう方を見に行く。

「わぁー、来て来て二人とも!」

驚きと興奮の声に、滝壺と打ち止めもいざ温泉へ。
目の前は断崖絶壁がそびえていた。そして絶壁の前は幅十メートルほどの川が流れていて、これはキャンプ場で釣りをした川につながっているように思われた。
肝心の湯船はさらに川の手前にあり、自然石で出来ているようだが、縁の上の方だけは木で囲われている。
足元には『大雨などで川が増水中には入浴しないで下さい』の防水性のプレートに書かれた注意書きがあって、いささかぎょっとするが、それよりも

「すごい!早く入ろう!ってミサカはミサカはもうここで脱ぎ始めちゃえ!」
「こらこら、はしたないんだよ、らすとおーだー」
「そう言うインデックスだってもう脱いでるくせに」
「たきつぼこそ…」

結局、はしたない女子三人だった。ぽぽぽーい、とおざなりに籠に脱いだ服を突っ込み、彼女達は温泉へ突撃する。

881 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/23(金) 01:18:07.58 ID:/nAryvtw0
「わぁ、ここ急に深いよ気をつけて!ってミサカはミサカは二人に注意を促してみる」
「さすが大自然の中のお風呂なんだよ。ワイルドに出来てる」
「…暗いから底の方があんまり見えないね…。あ、ここ、椅子みたいになってる。ここに座ろう?」

湯の中は、浅い所は五十センチ、深い所は一メートル以上にもなった。広さは十畳ほどあるだろうか。
滝壺と打ち止めは、うまい具合に椅子状になっている場所を見つけ、そこに身を落ち着けた。
背後は岩と、さらにその後ろは竹藪になっていて、まさに秘湯といった趣。

「私はまだこっちでいいもーん」

インデックスは長い髪を打ち止めに縛り上げてもらい、底が深いスペースで、バシャバシャ、スイスイと泳ぐように温泉を彼女なりに堪能している。
その姿を見ていた打ち止めから溜息が洩れた。

「はー、あー、はぁーぁ」
「……、な、何かな?らすとおーだーから負の感情がこもった視線を感じる…」
「ほっそい足…、ほっそい腕…、首も長くてスラー…って……腰のくびれ!!」
「はいぃ!?」
「なんか、ほくろさえ見当たらないんですけど、実はぴちぴち全身スーツを着ているのでは?ってミサカはミサカは疑ってみたり」
「ら、らす…?」
「髪もサラサラだった…、あの人といい勝負かも……そしてくびれ!!」

打ち止めは、インデックスのプロポーションが羨ましいらしい。特にウエストがかなり羨ましいらしい。

「ミサカは、ありえないし絶対大丈夫なんだけど万が一のこともあるし、あの人よりウエストが太くならないように努力とドキドキで過ごしているというのに。
どうしてあんなにフリーダムに食べてて、そんなにくびれてるの?羨ましい!」

泳ぎを止めて、あっけに取られていたインデックス。打ち止めの羨望と嫉妬のマシンガントークを聞くうちに、顔を赤らめて腕で体を隠し始めた。

「な、な、それなら私だって言わせてもらうけど!そんな特大肉まんみたいなおっぱいプカプカさせてるらすとおーだーにだけは羨ましがられたくないんだよ!」
「ミサカはくびれも欲しいの!もう少し足も細くしたいの!あの人とつりあい取れたラブラブお似合いカップルになりたいのっ」
「贅沢!贅沢なんだよらすとおーだー!ソイツは敵だってとうまが言ってた!私だっておっぱい欲しいのに!」

熱く語りあう二人から、少し距離を取る滝壺。元気な少女達の声と川のせせらぎを聞きながら、雲間に覗く星を見上げた。

「ふぅ、気持ちいいな…、はまづらはどうしてるんだろう…」

882 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/23(金) 01:24:46.40 ID:/nAryvtw0
その頃、しっとりしどけない恋人に、星空を背景に思い出されていた浜面は

「この温泉作ったヤツ天才だな…」
「……」
「……」

「そっか…、インデックスは美肌でくびれか…。よかったな上条」
「……え、いや、まぁ…」
「……」

「打ち止めが一番年下なのにアレだもんなぁ、インデックスがああ言うのも無理はねぇ。それにしても愛されすぎだろ一方通行。ちょっと太れば?」
「……」
「……黙らねェと川に流すぞこのボケ」

「あー、楽しぃー。温泉最高ぉー。滝壺は大人しく静かにしてるみたいだな、さすが俺の滝壺。でも何かぶっちゃけトーク聞きたいなー」

脱衣所の入り口は二十メートルも離れていたくせに、湯の場所はわずか二メートルほどしか離れていないというこの温泉。
いかに岩と竹藪で阻まれていようとも、女湯からの甲高い彼女達の声は、男湯までしっかり聞こえていた。

(キスマーク消しといて本当に良かった…)

883 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/23(金) 01:31:17.68 ID:/nAryvtw0
とりあえずここまで

うわぁぁぁ入浴できたけど終わらなかった。六人もいると長いんだな。
長いと言えば、最近「2スレ目いくのコレ?」という疑問が。
そして最近、一方さんも初夜以降パンツ脱ぐシーンがあるけど、ブリーフなの?トランクスなの?ボクサータイプなの?ブーメランなの?って疑問が。
どうでもいいから考えてないし描写もしないけどさ。

884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 01:52:23.19 ID:wu9+RcHK0
乙!

この間このスレ見つけました
一気読みしたせいで仕事が全然はかどりませんでした
どうしてくれるんですか
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 02:06:40.97 ID:zFfyyzpDO
インさんはスレンダーなのか…
夢があるB位なのか?

あ、>>1乙ぱい
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/09/23(金) 02:32:46.61 ID:7JNNkDcFo
>>886知ってるよ
美肌でスレンダーなインデックスさんが将来的に一番の勝ち組だってこと
そして、このあと男湯と女湯の間の柵が偶然壊れて混浴になっちゃうってこと
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/23(金) 06:46:54.01 ID:a2f2OpOAO
おっつん

インデックスと上条さんは付き合ってるの?
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/09/23(金) 08:14:45.64 ID:d7h59cQAO
できれば2スレ目といわずずっと続いて欲しいな……ここの通行止めほんと大好きだ
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 13:57:58.37 ID:rhpnf1BDO


2スレ目行っちゃえばいいじゃない
1の通行止めは理想のいちゃいちゃなのでずっと見てたい
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 22:33:16.47 ID:ZZkGOvS00

しかし、滝壺はくびれも胸も持っている

浜面爆発しろ
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)2011/09/25(日) 10:34:22.44 ID:IBfK6jd80
一方さん達の身長ってどうなってるんですの?
ちょっと知りたいんですの!
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)2011/09/25(日) 10:34:56.34 ID:IBfK6jd80
一方さん達の身長ってどうなってるんですの?
ちょっと知りたいんですの!
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)2011/09/25(日) 10:35:22.16 ID:IBfK6jd80
一方さん達の身長ってどうなってるんですの?
ちょっと知りたいんですの!
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)2011/09/25(日) 10:36:24.07 ID:IBfK6jd80
一方さん達の身長ってどうなってるんですの?
ちょっと知りたいんですの!
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/09/25(日) 11:11:33.87 ID:KB3rssSAO
知りたいのは分かったからちょっと落ち着きなさい
そしてsageなさい
>>1が来たのかと全力で期待した俺のドキドキを返しなさい
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/25(日) 11:49:07.31 ID:o+NxUU9SO
白井さ〜ん何故一方通行さん達に興味持ったかわかりませんけど、今は風紀委員の仕事中なんですから、後にしてください。

固法先輩に怒られるの白井さん自身ですよ?
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/09/25(日) 12:06:04.62 ID:IjS0xBNco
ああこのスレは2スレ目行くよ。
898 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/26(月) 06:09:11.39 ID:nll9EBb90
>>884 それはすみませんでした…。お給料が下がりませんように。

>>885 そうですね、Bくらいでしょう。

>>887 純情プラトニック。「俺達付き合おうぜ」「うん」というやりとりはないが、お互い唯一無二なんじゃないかな…

>>888 >>889 …照れます。でも嬉しいです。ありがとう。

>>891 身長か…。打ち止めの胸のことばかり考えてて、その辺ちっとも…
打ち止めは160センチにわずかに届かないくらい。一方さんはそれより15センチぐらい高い。上条さんも同じ身長。
インデックスは打ち止めより三センチ背が高い。浜面は男三人の中では一番長身か?一方さん・上条さんより高い。滝壺は変わらず。
全ての基準が打ち止めだな…

では、なんか外明るいけど、続きいきます。
899 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/26(月) 06:12:46.24 ID:nll9EBb90
「うぅ、このすべすべお肌…。ほら見て!お湯から出すと水が粒になってつるつるーって!
腕だろうが背中だろうがつるー!ってミサカはミサカはインデックスのお肌の凄さをタキツボに訴えてみる」
「うん。すべすべだなぁ」
「らすとおーだーのおっぱいの方が絶対凄い!柔らかい!マシュマロなのにプリン!」
「うん。ラストオーダーが一番年下なのに凄いよね」

何故か審査員のような役割を求められてしまった滝壺。大して困っている様子でもなく、自分より幼い二人の相手をしてやっていた。


「すべすべつるつるだとよ…」
「……」
「マシュマロプリンかぁ。さっきからインデックスは食いもんばっかに例えてるな。素でやってんだろうけど、…かえってヤバイよなぁ」
「……」

賑やかな女湯にくらべて男湯ときたら。浜面以外の二人は、複雑な思いでただ静かに湯につかっているのみ。
この岩と茂る竹の向こうから響いてくる、若く健康で可愛らしい女の子達の赤裸々トークに耳を澄ましてしまう以外過ごしようがなかった。
交わす会話は、意識しなくても小声になってしまう。

「…ははは…、まさかこんなに女湯と近いとはなぁ。あの通路すげぇフェイントだ」
「上条もそう思う?これ絶対狙って作られてるぜ。俺は礼を言いたい」
「………」
「一方通行も何か言えよ、プリン大好きィとかさぁ」
「随分楽しそォだなこの馬鹿は」
「おう、猛烈に楽しいぜ。これぞ青春。生きてる喜び。おっぱいは正義」
「……」
「ナニその目…。いまだかつて、一方通行にそんなに悲しそうな目で見られたことない」
「無理もねぇよ浜面…。今のお前は最高にバカだよ」

上条は、一方通行が浜面にベクトル正拳突きでも食らわすかと危惧したが、思った以上に彼の対応は大人びていた。
今まで体験してきた打ち止めとの日々が、彼を押しとどめているのだ。
保護者に幸せ家族計画を渡されたことや、彼女達と番外個体に、自分達の夜の生活進捗状況がバレてしまったことや、
大学の野次馬どもにロリコン扱いされたことが、一方通行をある意味我慢強い男に成長させたらしい。単に慣れた、とも言う。

900 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/26(月) 06:15:51.25 ID:nll9EBb90
(思えば、番外個体にキスマークを気づかれた経験があるからこそ、今最悪の事態を回避できてるンだよな。
特にインデックスには見られたくねェ、なンとなく)

彼の言う最悪の事態とは、能天気な打ち止めが自身のキスマークに気づかず滝壺とインデックスに発見され、はやし立てられて騒がれて、
隣の上条や馬鹿に「へぇ〜」とか「え、あの、気にしなくてもいいんじゃねぇ?」とか「お盛んだなぁ」とか
「悪いな、インデックスがやかましくして…」とか言われることだ。
もしそんなことになっていたら、自分は一体どんな心境で何を喋っただろう。

(恐ろしくて想像もできねェな)



「まったく、らすとおーだーはそんなに胸が大きいのに、他にもまだ欲しいなんて一体どういうつもり?
あくせられーたに甘やかされすぎなんじゃない?」
「ミサカはただあの人のために素敵なレディになりたいだけだもん。
それにタキツボだって、『もっと贅沢になっていい』ってこの前言ってたもん。その方があの人も喜ぶって!」

(ちょっと意味が違う気がするけど…、別にいいか。アクセラレータは幸せ者だね)



(俺はどっちかってェと柔らかい方がいい…、痩せられてもなァ)

打ち止めを抱きしめるときや、膝枕してもらうとき、マッサージのときに背にのった彼女の太ももの感触を思い出し、
一方通行は伝わらないけど男湯からそう強く希望した。
901 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/26(月) 06:21:56.19 ID:nll9EBb90
「ねぇ、そのくびれとお肌や髪とか…、どうやったらミサカも手に入れられるのかなぁ…」
「知らないよ。らすとおーだーこそ、私に胸を大きくする方法教えてほしいんだよ…」

滝壺を真ん中にして、打ち止めとインデックスはようやく大人しくなった。湯の中でばっしゃばっしゃ暴れたので、疲れたせいもある。

「ミサカだって知らないもん…。去年ぐらいから勝手に大きくなりだしたの」
「はぁ…、とうまもやっぱり巨乳が好きだよね…」
「どうだろうね。はまづらは、男はみんな胸が好きって言ってたけど」
「あの人も大きいお胸が好きだよ、ってミサカはミサカは、暗にあの人はミサカのことが好きなんだよ、とノロケてみる」


その時男湯では

「そのとおりだ滝壺…。な!一方通行!上条!」
「いやでも俺別にそんな大きさばかりにこだわるつもりは…」
「あのな、打ち止めが言ってることを全て真にうけるなよ?」
「じゃ嫌いなの?」
「はァ?」
「打ち止めの巨乳だけど、嫌じゃねぇだろ?いいだろ?」

そう聞いてくる浜面の顔も声も、すごく普通だった。
まるで明日布団を干すつもりだからさぁ、と天気の話でもするかのような雰囲気だ。なので殴りにくい。
上条は、一方通行が何と答えるのか興味があるのか、耳を澄ましている。

「……、まァ…悪くはねェと思ってるけどよ」
(…あ、…答えちまった)

「やっぱり一方通行もそう思うんだな…。上条さんまた親近感湧いた」
「だよなー。俺たち男の子」

(そうか。…俺も、普通か…)

902 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/26(月) 06:28:17.17 ID:nll9EBb90
「そうだ、インデックスもカミジョウに揉んでもらいなよ!ってミサカはミサカはナイスアイディアを披露してみる!」
「うえぇ!?」
「きっと大きくなるよ!」
「そ、そんな恥ずかしいこと…!ら、らすとおーだーのエッチ!」


(今、インデックス『も』って言ったよな打ち止め…。っていうか、俺に揉めって?オイオイ何言ってるのあの子…)
(あ、一方通行が目ぇ逸らした。第一位のこんなシーン中々お目にかかれねぇ)
(打ち止め…、もう少し中身も成長しろよォ…)



「……そういえば、ラストオーダー…。前より胸大きくなってない?」

滝壺が、湯の中でいつもより軽くなった打ち止めの胸に視線を落とした。

「ん?…えへへー分かりますぅ?実はちょっと前にEカップになったのー、ってミサカはミサカは成長を自慢してみたり」
「Eかぁ、はまづらが喜びそうだな…」
「やっぱりらすとおーだーの方が凄くてずるいんだよ…」

インデックスは鼻までつかって、ブクブクと羨望がつまった気泡を生んだ。
逆に男湯では浜面が腰を浮かし、一方通行の肩をつかんでガクガク揺らしている。

「ちょっとちょっとちょっと一方通行さんどういうことですかEって何ですか」
「聞いたまンまだろ。おい揺らすな。あンまりデカい声出すと向こうに聞こえるだろォが」
「すげぇな…。他の妹達はそんなことないのに、何でなんだ?」

上条が興奮した浜面を取り押さえ、一方通行は頭を振って濡れた髪から雫を飛ばす。
浜面も、上条によって湯に沈められそうになったので頭が濡れているが、そんなこと気にもしない。

「一方通行は幸せ者だな…。彼女がEカップって、そんな幸福…っ」
「ほら落ち着けって。滝壺にチクるぞ」
「それは勘弁して。……なぁ一方通行、ひょっとしてお前ベクトル操作で打ち止めの胸を成長させてんじゃないだろうな?」
「浜面しっかりして。死にたいの?殺されたいの?すげぇ睨まれてるぞ。もう尊敬するぜお前」

馬鹿がどっかで聞いたようなこと言いだした。このアホらしい疑惑を持たれるのは、驚くことに二度目だ。

(…まじかよ。超電磁砲やべェ。浜面と発想が同じって相当じゃねェか。いや、むしろ浜面がすごいのか…?)

903 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/26(月) 06:33:14.37 ID:nll9EBb90
女子たちの赤裸々トークはひと段落し、今は正しい方法で温泉を満喫している三人。
インデックスが湯から乗り出して、脱衣所の近くに設けられた洗い場の方を見た。

「…ね、あそこに椅子と桶があるよ」
「さすがにシャワーはないけど、排水はしっかり整備されてるみたいだね」
「じゃあ!みんなで背中の洗いっこしようよ!」
「いいですなぁ、ってミサカはミサカは賛成を表明してみたり!」


「よし、覗きに行こう」

洗いっこ、と聞いて浜面が強い意志を込めて立ち上がった(タオル装備)

「どうして浜面はここに俺と一方通行もいるのに、そういうこと言うんだ?」
「浜面だからだろォ?」
「は?あの三人がキャアウフフって背中ゴシゴシきゅっきゅってやるんだぞ?二人とも見たくねぇの?それでも男かよ」
「オマエが正しい男の姿だってェなら、俺は男じゃなくてもかまわねェよ。大体滝壺の裸を俺と上条が見てもいいのか?」
「だめ。お前達はインデックスと打ち止めだけ見るように」
「あぁ、コイツもうだめだな。どうしようか一方通行?」

浜面は、立ち上がろうとしない非男達を置いて、一人岩によじ登ろうと手と足を掛けた。
この向こうには天国があるんだ、俺は行くんだ。と目が燃えている。しかし天国へは亡者が溢れぬように、恐ろしい門番が見張りをしている。

「上条そこどけ」
「あいよ」

「ぶぎゃ!?」

一方通行の手元から、大量の湯が噴射されて浜面に直撃した。彼は水圧によって数秒岩に押し付けられた後、
朦朧とした意識のまま湯の中に墜落し、大きなしぶきをあげて、ゆらゆらとたゆたっている。
904 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/26(月) 06:36:15.76 ID:nll9EBb90
「すげー。何いまの」
「ベクトル水鉄砲ォ」
「あれが水鉄砲かよ。消防車みたいだ」

昔、打ち止めがどこからか『水鉄砲』を覚えてきて、得意げにご教授たれてくれたことがある。
彼女の危機は、彼女自身の過去の行いによって守られたわけだ。
今の水音は、きっと女湯にもしっかり届いただろうが、もう気にしないことにした。一方通行は湯が浅い場所に移動して、ゆったりと足を伸ばす。


「なに?今の音…ってミサカはミサカは忘れていた怖さが蘇ってきたり…」
「男湯の方でとうま達が遊んでる音じゃないかな?」
「……あ」

洗い場で一列に座っていた女湯の三人は、突然の大きな水音、に洗いっこの手を止めて顔を見合わせた。
先頭の滝壺はその能力故だろう、意外と男湯が近かったことに、ただ一人今気づく。

「インデックスの言うとおりじゃない?あっちも温泉ではしゃいでるんだと思うよ」

(アクセラレータ、ごめんね…)

赤裸々トークによって、一番ダメージを受けたのは間違いなく一方通行だろう。滝壺は心の中で謝った。

905 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/26(月) 06:41:58.14 ID:nll9EBb90
温泉からあがってほかほかになった五人と、いささかのぼせ気味の浜面。
キャンプ場へ戻ってくると夜の十時近くで、夜更かしする気満々のメンバーは、女子の方のコテージに集まってトランプ大会を行っている。
なぜトランプなのかというと


「どうせみんな帰りはまた俺のことほっぽって、後部座席で楽しむんだろ?俺だってトランプとウノやりてぇよ。今やらせてくれよ」
「お願い、はまづらにも遊ばせてあげて?」

という、滝壺の申し出があったからだ。

三つのベッドをずらして合体させ、その上で全員が車座になってゲームを楽しむ。
たまにペアになって争ったが、本気の一方通行と組んだ打ち止めは負け知らずだった。


やがて日付も変わる頃、まず車を長距離運転してきた浜面がダウン。
続いてインデックス、上条も船を漕ぎ始めてきたので、本日はこれでお開きとする。

「もうみんなこっちで寝ちゃってもいいんじゃない?ってミサカはミサカはそれも合宿の定番だという情報を元に進言してみる」
「だめだ。こいつらはちゃンと向こうの部屋で寝かせる」

一方通行はドアの前でお見送りをする打ち止めの提案をすっぱり却下した。左手には不本意ながら浜面を抱えている。
滝壺の手前、足を持って引きずるのは自重してやった。先にフラフラと歩いていった上条の後を追おうとしたら、打ち止めに呼び止められる。

「あなた」
「ン?」
「おやすみ。あと…キャンプ連れてきてくれてありがとう、ってミサカはミサカは優しいあなたにお礼を言ってみる」
「……気にすンな。じゃあな、オヤスミ…」

自分達の部屋に戻って来た時、小脇に抱えたヤツがぼそりと喋る。

「そこはおやすみのキスだろ」

ベッドに向けて浜面をブン投げたら、可哀そうなことに丁度自分の寝床に入ろうと、前を横切った上条と激突してしまった。
男二人の悲鳴が響き、一方通行は宿泊客が少なくて良かったと胸を撫で下ろした。



「うーん、帰りも仲間はずれにされるかと思ってたんだが、これも寂しいもんだな」

翌日、学園都市へと戻る車内は最初こそ活気があったものの、一時間もしないうちに運転手の浜面以外全員が、気持ちの良い寝息を立てていた。

「ま、行きのことを思えばこっちのがいいや」

助手席では、滝壺が穏やかな寝顔を彼に向けていた。浜面はよそ見をしないよう、安全運転に必至である。
後方確認のために覗くルームミラーには、上条とインデックスの足、それと、
寝顔はあどけない一方通行、その膝を枕にする打ち止めの姿が映っている。幸せそうな表情をしていた。

(次のパーキングで写真撮っとこー)


学園都市まで、もうしばらく。


906 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/26(月) 06:46:25.60 ID:nll9EBb90
みんなでキャンプ!の巻 完

あー長かった。
断っておきますが、浜面のこと、すきですよ?応援してますよ?

もう、どんな話を書こうとも胸は外せないんだな。諦めよう…

907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 06:59:16.56 ID:4I0Wmlkco
乙です。リア充爆発すれば良いのに

> 「どうせみんな帰りはまた俺のことほっぽって、後部座席で楽しむんだろ?俺だってトランプとウノやりてぇよ。今やらせてくれよ」
> 「お願い、はまづらにも遊ばせてあげて?」
>
> という、滝壺の申し出があったからだ。

滝壺が言わなきゃ浜面が騒いでるだけで終わったんだろうなきっと
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 08:00:25.37 ID:RuM60MHDO
乙!
滝壺さんが大人だー

そんな子を彼女にできたハマヅラ爆発しろ!!
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/26(月) 08:11:51.45 ID:jHwUEQ9AO
プリン大好きィ!!!
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/09/26(月) 09:58:29.52 ID:28Dw+C7AO
プリン大好きィ!!!
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/26(月) 12:10:12.78 ID:ZVVMloSSO

kskst
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/26(月) 12:10:41.94 ID:ZVVMloSSO


キョン「あぁ」

朝倉「くんに?」

キョン「あぁ」

朝倉「そう」

キョン「あぁ」

朝倉「って言ってるわよ?」

国木田「へぇ、僕と…」

キョン「あぁ」

朝倉「じゃあ外見張ってるから2人で頑張って」

キョン「あぁ」

国木田「行っちゃったね」

キョン「あぁ」

国木田「さて始めようか」

キョン「あぁ」

国木田「いいよ」

キョン「あぁ」



長門「………何故塞ぐ」

朝倉「2人の恋路は邪魔させないわ!」

長門「ホモプレイに興味はない」

朝倉「へ?」

長門「国木田は男」

朝倉「なんですってぇ!?」



部室「いやぁぁぁあぁ」

長門「彼が国木田の肛門に挿入した模様」

朝倉「」

長門「さて、本を読もう」



SS(ショート・ストーリー)

913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage saga ]:2011/09/26(月) 12:56:43.04 ID:08t65Vkf0
お前らが浜面爆発しろとかいうから本当に誤爆が来たじゃんよ
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/09/26(月) 17:21:22.64 ID:wMPFdUpj0
初春うるさいですの!

一方さん達の身長にまぎれて
打ち止めさんの3サイズとか気になったわけではないですのよ?
ぜんっぜん気にしてないですわよ!
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 21:23:58.22 ID:Xnqs4UYSO
白井さん早く仕事に戻りなさい!
御坂さん関連になると周りが見えなくなるのは、どうにかならないのかしら?
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/09/26(月) 22:38:14.56 ID:wMPFdUpj0
ここここ…固法先輩っ!?

こ・・これはあの・・・サボってたわけじゃないんですのよ?
打ち止めさんの安全を思って監視してただけなんですの!
残り香を楽しむなんて真似、わたくしはしませんの!(キリッ
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage]:2011/09/26(月) 23:43:15.17 ID:XWuao7pw0
はいはーい、白井さんも固法先輩も他所でやりましょーねー
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 01:26:10.23 ID:OoYNde7r0
3主人公3ヒロインがそれぞれイチャイチャしてるssって以外とないから、>>1には2スレ目と言わず、何スレでも書いてほしい。

まぁその前にキャンプ後の一方さんの狼化と、『いつも嫌がってる風だったのに実は気に入ってた』夜の営みと、禁書さんのおっぱいをおっきくする上条さんを書いてくれると信じている。
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 04:41:17.82 ID:E1TwCIrUo
俺はそっちに行数を割くよりは通行止めにイチャイチャしててほしいかなあ
今くらいのみんなでワイワイが丁度いい

まあ>>1が書くならなんでもいいんだけど!
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/09/27(火) 16:59:41.62 ID:EjTliWQs0
2スレ目(←これ重要!)では、一方さん家族絡みの
ほのぼのがみてみたいんですの!

無理にとは言いませんが・・・・
出来ればやってほしいなぁと黒子は・・・・
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 21:34:37.58 ID:rWXayKca0
乙、胸の話ならどんな話でも期待してる

あと>>920、ちょっと自重しようか
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/09/27(火) 21:45:17.99 ID:LnHbaTSKo
一方さんが家族を作るのは30スレ目ぐらいかなぁ。
楽しみに待ってますよ!
923 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/27(火) 23:26:14.58 ID:K/d3y97g0
>>907 うん。そうですよ。

>>909 >>910 プリン最高ォ!!!

>>918 >>919 なんといいますかね、通行止め『しか』書けない。愛が深すぎて、他に割けない……泣。ごめんっつーか、安心してっていうか。
それにしても『いつも嫌がってる〜』なんて、古いの覚えてますねww

>>922 え?    え?


ねぇ、黒子が来た。初春が来た。固法先輩が来た。
佐天さんは? ねぇ。
924 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/27(火) 23:31:48.99 ID:K/d3y97g0
ミサカちゃンはね ラストォーダーっていうンだホントはね
だーけーどーシスターズだから 自分のこーとー ミーサカっていうンだよ
可愛いィィねェェェ!!LOVEずっきゅゥゥゥゥゥゥンンン!!

ミサカの歌を きけぇぇぇぇぇ!!と、投下します。
925 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/27(火) 23:35:16.51 ID:K/d3y97g0
一方通行と打ち止めは、よく晴れた休日にドライブへ出かけた。
昼食を出先のカフェで取っていると、打ち止めが店の向かいにある建物を指さしてこう言った。

「ごはん食べたら、あそこに行こう、ってミサカはミサカは次なる目的地を提案してみる」
「……」

そこはよくある普通のカラオケルームだった。別にこれからの明確な行き先があったわけではない。二人でドライブへ行くと時は大抵いつもこうだ。
目についた所で時を潰したり、行きつけの公園などで休んだり、ただ道路を流したり。こうして行きあたりばったりに目的地が決まることも多い。

「いいけど、俺は歌わねェぞ」
「分かってるよ。ただミサカが歌いたいだけなの。あなたはミサカの美声に酔いしれてメロメロになっててね」
「アホ」

カラオケには、保護者達と夕飯を外食した後などに連れていかれたりするので、馴染みが無いわけではない。
それに打ち止めによくテレビドラマを強制視聴させられたり、映画館へ一緒に行くので流行りの歌は知っていた。
だから彼女の歌う曲は、一方通行の耳にも覚えがあるものばかりである。打ち止めが車に持ち込み、たった今聞いていたCDの曲もあった。

「さぁ、次はどんな歌がいい?あなたのリクエストなら何でも応えちゃうよ!ってミサカはミサカはあなたのアイドルだもん」
「自分で言ってて恥ずかしくねェのオマエ」
「そうですか、ラブラブラブソングがいいのね、ってミサカはミサカはあなたの言葉の裏を読んでみたり」
「好きにしろォ」
926 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/27(火) 23:39:16.77 ID:K/d3y97g0
一方通行は打ち止めの声に耳を傾け、彼女が歌っていない時には画面に流れるCMを一緒に見て、二人で他愛無い世間話をして過ごした。
やがて指定した二時間が近づいてきたので、打ち止めが最後の曲を厳選し始める。

「んーどれにしよう…。カラオケなんてあまり来ないから悔いのないようにしないと」
「カラオケなンざいつでも来れるだろ。どれでもいいじゃねェか」
「だってあなたは歌わないし、ここはやっぱり気合いを入れて…」

どうやら打ち止めは、自分も一緒に楽しめるレジャーでないと気が引ける、と思っているらしい。
実は彼女の歌声を聞いているのは、とても気分がいいのだ。こうしてとにかく狭い場所で、二人きりで過ごせていられるのも好きである。
しかしそれを正直に言える一方通行ではなく、所在なく足を組みかえて黙ってしまった。


「あ、あった」
「良かったな見つかって」
「しかし問題が…」
「なンだよ」
「これデュエット曲なの」
「……」
「……ねー。…ねーってば」
「…他のにしろ」
「今から選び直してたら時間が無くなっちゃう。あなたも知ってる曲だよ?ほら」

一緒に歌って?という願いの込められた視線を、にべもなく突き放したが、打ち止めは諦めない。彼女が選んだ曲は確かに知っていた。
以前黄泉川、芳川と一緒に行ったカラオケで、彼女達がノリノリでノっていたからだ。しかも男声パートと女声パートを交換して二回も。
古い曲で覚えやすいメロディーだったので、一方通行も歌おうと思えば歌えるだろう。
しかしデュエット曲ならではの、どっぷりのラブソングである。

(ンなこっ恥ずかしいことできるかよ…)
927 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/27(火) 23:41:56.88 ID:K/d3y97g0
だめだ、ねー、お願い、しつこい、と押し問答を繰り返したが、ここはやはり打ち止めが一枚上手だった。
ぷくーっと膨らませた頬から吐いた息を青年の肩にかけ、さらにそのまま耳元に口を寄せ、何事かを囁く。

「……だから、ね?いいでしょ?」
「……分かった」

いったいこの少女は何を告げたのだろう。あれほど嫌がっていたのに、一方通行はあっさりと承諾した。

携帯などで記録しないこと、もちろんミサカネットワークにも流さないことを注意して、嬉しそうな彼女からマイクを受け取った。
打ち止めは彼の左手に腕を絡め、限界まですり寄る。保護者達を真似ているのか、自然とそうしているのか。
この格好でラブソングを歌うなんて柄じゃないにもほどがある第一位だったが、提示されたご褒美のために文句は言わないし言えない。

ほどなく部屋に流れはじめたイントロ。まずは打ち止めのパートだ。女声パートの方が多いのも、快諾した理由のひとつである。

(どうってことねェ…、たかが五分程度のことだ)
928 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/27(火) 23:46:59.29 ID:K/d3y97g0
打ち止め『恋人よ 今受け止めて 溢れる思い あなたの両手で』
(やーん、まさにミサカの心そのまま!ってミサカはミサカは期待と興奮で顔がニヤけちゃう!)

一方通行『…恋人よ 今目を閉じて 高鳴る胸が二人の言葉』
(あーー…、歯が浮くゥ…)

打ち止め『あなたがいれば 生きていける』
(むしろあなたがいないと生きていけない)

一方通行『君とだったら 生きていける』
(まァ…確かに…)

一方通行『恋人よ この腕の中 悲しみさえも打ち寄せないだろう』
(……俺は、守れてきたよな?オマエのこと)

打ち止め・一方通行『恋人よ もし嵐でも 二人は同じ入江の小舟』
(ずっと一緒にいようね。いつもありがとう、あなた…)

打ち止め『天窓の星より近くが美しい 世界で一番輝く過去を』二人『過ごしている』
(ロマンチックここに極まれり!粘って良かった!ってミサカはミサカはこの瞬間を心のフォルダに永久保存してみる!)

打ち止め・一方通行『愛が生まれた日 この時に永遠がはじまるよ…… めぐり会えた(ァ)…』
(お、終わった…クソ。なンつー歌だ)

長いような短いような五分間が終わった。
打ち止めはマイクを放り出すと、両手で一方通行にしがみついた。顔のニヤけ具合は最高潮に達している。
対して一方通行はマイクを握ったまま固まっていた。恥ずかしさと、ほんのちょっとの感動で動けない。
歌詞の意味が打ち止めとの関係にトレースされて、色々と思うこともあるのだ、彼だって。
929 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/27(火) 23:53:36.15 ID:K/d3y97g0
「えへへへへへへ、にへへへ…」
「気持ち悪ィ声出すなよ…」
「あぁーん、だって嬉しいんだもん、勝手に声が出ちゃうんだもん。あなたがあんなの歌ってくれるなんてぇ〜」
「……」

とっくに男女のアレコレは済ましているが、一方通行が言葉で思いを伝えたことはほとんどない。
以前一度だけ、過去最高に盛り上がった時に「愛してる」と口を滑らせた時には、打ち止めは大泣きに泣いて彼を仰天させたものだ。

(やっぱりコイツもドラマみてェにして欲しいのか?歌ぐらいでこンなにはしゃいじまってよォ…)

普段の言動を改めて思い返した一方通行は、握りっぱなしだったマイクを置いて、こちらからも打ち止めを抱き寄せた。
そして先程の彼女のようにして、今度は自分がそっと囁く。

「!!!……っ」

その直後、打ち止めは表情も動きも呼吸もフリーズした。

「?おい、打ち止め?」

せっかく多大な労力を振り絞ったというのに、彼女からのリアクションがない。
初めて彼女を抱く前にも似たようなことがあったが、それでもまだ、まともな反応があったはずだ。
一方通行は腕を緩めて打ち止めの様子を確認しようとした。

「あなたぁー!!」
「うォ」

少女の体当たりを食らい、一方通行は椅子に押し倒された。
すりすりすりすりと、胸に顔をこすりつける打ち止めによって、シャツはぐしゃぐしゃになる。

「おいおいおいこらこらこらァ」
「だってだってだってもーもー不意打ちすぎる!ってミサカはミサカはあなたの大サービスに悶えてみたりっ」

頑張った甲斐以上に喜んでもらえたらしい。
一方通行が打ち止めの背中を撫で、きつく抱きしめると、ますます鼻先のアホ毛が揺れてくしゃみが出た。
930 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/27(火) 23:59:31.00 ID:K/d3y97g0
一方通行、ラブソングを歌うの巻 完

おい、選曲が古い!!
でもいい曲でしょ?ね?

………何の歌か分からない人なんて、いないですよね?超有名ですよ。

あ、ちなみにご褒美は大したことじゃないです。
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/09/28(水) 00:36:49.08 ID:Y3/p4qLAO
>>1乙!
>>924で腹筋崩壊して本編で顔面が崩壊したじゃないかどうしてくれる!打ち止めも一方通行も可愛すぎるだろちくしょー!
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/28(水) 06:08:39.13 ID:/P39P9ZDO
>>1乙、佐天さんは犠牲になったのだ…(>>1の欲望的な意味で)

一方タンには尾崎が似合いそうだなとか言ってみる
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/28(水) 06:34:29.89 ID:/P39P9ZDO
>>1乙、佐天さんは犠牲になったのだ…(>>1の欲望的な意味で)

一方タンには尾崎が似合いそうだなとか言ってみる
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/28(水) 09:36:13.23 ID:KPRmU0a+0
勝手に犠牲にしないで下さいよ〜

どーも、呼ばれて飛び出る佐天涙子でーすっ!
えーと・・・。
一方さん、打ち止めさん、黄泉川先生、芳川さんの
ほのぼのが見たかっただけなんですよぅ・・・・。
935 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/28(水) 21:26:49.63 ID:GiOLcO7n0
>>931 そっかー!みんなの腹筋と表情筋を鍛えさせるのが目的だから、そう言ってもらえると本望です。

>>932 そんなことせんわい。遠目から愛でるだけですゥ。
尾崎!ですよね!ここの一方さんテーマソングは「Oh My Little Girl」
(自転から)盗んだベクトルでパンチするー

>>934 偶然にも、次の更新はそんなカンジだよ。よかったね! 久しぶりに番外ちゃんさ。

 
さて…、次のエピソードが終わったら2スレ目ですかね。
ひとつ聞きたいのですが、初見じゃない話を、違う場所(ここ)で投下し直してもいい…ですかね?
話の構成上そうしたいと思っていますが。

936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/28(水) 21:38:59.34 ID:KPRmU0a+0
>>935
ホントですかぁ!
うはは〜、楽しみだな〜

>>1さんがやりたければいいと思いまーすっ!
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/28(水) 22:31:01.34 ID:Qg//ND/i0


むしろ気になるのでやってほしいです
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/09/28(水) 22:37:15.01 ID:2ieW90zfo


どんどん書いちゃってー
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/09/28(水) 22:42:39.30 ID:n0GzDs0U0
>>1
ピク○ブ?
似た設定の小説があって、>>1さんなのかなーって思ってたんだけど
940 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/29(木) 00:01:19.74 ID:mc14b5IW0
そうかー、気にせずいきます。よかった。

>>939 キャンプの話が長すぎてね、なのに他の小話がポロポロ湧いてきてね、どこでもいいから発表したかったの。でもメインはここですから。
941 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/29(木) 00:39:20.19 ID:mc14b5IW0
言い忘れてたけど、明日の夜以降に投下します。このスレ最終話かぁ…
感慨深いです。
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/29(木) 04:48:32.86 ID:dGfxv9ADO
「Oh My Little Girl」!
>>1とはいい乳が呑めそうだ、明日が楽しみ

後I love youなんか割と出会った頃とか思い出したりとかしてハマると思う
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/29(木) 09:21:53.99 ID:qrbAaijAO
キャラになりきってるやつはなんなの?

正直気持ち悪くて見てられない
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/29(木) 09:31:02.44 ID:J+q5fCQHo
やっぱあれ>>1だったのか
だと思った。ポルシェちゃんっていってたし
向こうもGJした!
945 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/29(木) 23:14:49.97 ID:VdvAmin80
>>下戸でゴメ…と思ったら乳ですか。 I love you…イイね…。逃れ逃れ…とか。

さて、特に普段と変わったことはありません。いつもどおりに、いつものような話を投下します。

946 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/29(木) 23:17:34.12 ID:VdvAmin80
今日はドライブへ出掛けた一方通行と打ち止めだったが、まだ昼間だというのに家に帰ってきた。
一方通行は部屋へと一直線でベッドに寝転がる。打ち止めも後からついてきていると思ったのに、なかなかやってこない。

「…おい、…打ち止めァー、早くしろォー」
「はいはーい、もー、着替えてたの。あんなカッコでできるワケないでしょ?ってミサカはミサカはワガママなあなたを可愛く思ってみたり」
「うるせェ。今日はオマエの我儘に付き合ってやったンだから当然だろォが」

たった今、打ち止めにしつこくねだられてラブソングをデュエットするという似合わないことをやらされてきた一方通行。
その代わりに彼女が提示したご褒美を、これからもらうというわけだ。

「分かってますって。ほら寝て寝て」
「ン…」
「じゃ、失礼しまーす」

改めてベッドへ横になった一方通行はうつ伏せだ。打ち止めは彼の腰の上に跨って、両手を背中に押し当てた。
デート用のワンピースを脱ぎ、打ち止めは部屋着の簡素なものを着用している。
それでも剥きだしの柔らかい太ももが一方通行の腰を心地良く圧迫するが、今は彼女の手の方が重要だ。この、二人の定番のマッサージでは。

「アー…」
「いかがですかー?」
「……いい」
「肩はやらないんだよね?」
「おゥ。次は足ィ」
「肩コリしないなんてホント羨ましい…、ってミサカはミサカはあなたの背中をぎゅーってイジメてみるっ」
「おォ、もっとやれ。遠慮すンな」

『一緒に歌ってくれたら、あなたが満足するまでずーっとモミモミしてあげる』
そう言われて、ラブソングを歌い切った一方通行。頑張ったんだから、存分に堪能してやる。
あと、足裏と腕と手の平と頭もやってもらうつもりだ。
一方通行は、すっかり打ち止めのマッサージに心酔してしまっている。彼女の腕前は時を経るごとに、回数を重ねるごとに上達していった。
素直に「気持ちいい」と告げてしまうほどに。
947 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/29(木) 23:19:35.10 ID:VdvAmin80
「っ…ぐゥ…、なンだ、そりゃァ…っ」
「…っふふふミサカの、新技、だよ〜」

打ち止めは一方通行の右足を持ち上げ、膝を折り曲げつつ爪先は脛側に反らせる。左手は足裏のツボを指圧しながら。

「左…足も…、」
「…ん、了ぉ、解…」

いつのまにこんな技を身に着けたのか。彼女が益々こうして素人離れしてくれるなら、協力は惜しまない。

「あ、うゥ、そこキツ…」
「おっとと、失礼。…こぉ?」
「あァ…」(あー…歌った甲斐が…あったぜ…)

打ち止めは膝を一方通行の太ももの裏に乗せ、裸足の指で彼のふくらはぎを圧迫。さらに両手の親指は腰や背中を指圧。
なんと一人で六点ものポイントを押さえる荒技を繰り出した。

(俺は今どンな状態なンだ…、めちゃくちゃ、効く…)

本当に、こんな実験なら喜んでいくらでも付き合おう。


そうして一時間ぐらい過ぎただろうか。すっかりほぐされた一方通行の瞼は、半分閉じかけている。最終的には眠ってしまうのも定番だ。
打ち止めはさすがに疲れたのか、彼の上で腕を上げて体を伸ばしたあと、その背中にかぶさった。

(すげェ当たってる…けどだめだな。もォ眠い…)

打ち止めのEカップが背中に感じられるが、どんどん押し寄せてくる睡魔に勝てそうもない。
せっかく保護者達も不在で好都合のシチュエーションだったが、そっちのご褒美はまた次回にしよう。

948 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/29(木) 23:21:35.30 ID:VdvAmin80
青年はそのままベッドでうつ伏せになって、やはり眠ってしまった。
さらに彼の上には、打ち止めが背中面積の半分以上に覆いかぶさって、これまた眠っている。
心ゆくまでマッサージしてもらった青年はそのまま寝落ち。テクニシャンな少女も、揉み疲れたので一緒に昼寝、というわけだ。
平和である。

しかしそんな二人に忍びよる怪しい影が…

「……フ。いいモンめっけたぁ〜」

番外個体はベッドの上を舐めるように見つめて、吹き出しそうになる声をこらえた。一方通行は勘がするどいから静かにしないと。

(ここは起きられる前に、コッチから起こしちゃうのがいいよね)


一方通行は眠りに落ちる前、背中の少女もおそらく一緒に寝てしまうだろうと分かっていた。
こうしたことは初めてではなかったし、今更保護者達に目撃されても、お互いどうということはなかったので構わない。
一方通行だけはつい最近までいたたまれない恥ずかしさを(少しだけ)感じていたが。
しかし、それが番外個体だとちょっと話が違ってくる。

(コイツは全力でからかってくるからなァ…。畜生、油断したぜ…)

「おはよ〜第一位。最終信号の巨乳布団の感触はいかがぁ〜?」
「この野郎ォ…、またかよ…」(鼻声)
949 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/29(木) 23:23:41.15 ID:VdvAmin80
番外個体は青年が完全に覚醒したことを確認して、鼻から指を離した。

だんだん息が苦しくなってきて、ゆるゆると目が覚める途中から、青年は嫌な予感を感じていた。たぶん番外個体がまた目の前にいるだろうな、と。

「いやぁ、ポルシェが停まってたからさぁ。休みなのにあなた達がいるんだと思ってコッソリ入ってきたら、案の定面白かった。ひゃはははは」
「……あァそォかよ。喜ンでもらえて何よりだ。でェ?何か用かよ」
「そんなに睨んでも、背中にお姉ちゃん乗せたまま寝っ転がってんじゃ迫力無ぇって」
「……」

背中ですやすやと夢の世界の打ち止めを起こすのが忍びなくて、目を覚ましても敷布団の態勢をキープしていた一方通行だったが、
さすがにこのままでいることはできない。
彼は打ち止めが圧し掛かっていない方の手を背中に回し、ぺしぺしと少女の脇腹を叩いた。

「んぅ、ん、ん、……」

起きない、もう一回。今度は声も掛ける。

「おい、起きろ打ち止め」
「うー…んふ、……」
「だめだねコリャ。よーし、ミサカが起こしてあげるぅ!」

950 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/29(木) 23:25:26.78 ID:VdvAmin80
番外個体は一方通行が止める間もなく両手を振りかぶってベッドへ突撃する。わきわきと指を動かし、遠慮なく姉の全身をくすぐった。

「うひゃあぁあ!?あぁやめてあなたいやーんもぉあはははははははは!」
「うりゃぁぁぁぁぁぁぁ寝ぼけてる時までノロケやがって!この色ボケ上位個体めぇ!ほらほらええか!ええのんかぁ!?」
「うがァァァああァァこっの馬鹿どもォ!いってェなクソ!人の上でおご!あば、暴れてンじゃねェェェェ!!」

寝ているところを急にくすぐられ、びっくりした打ち止めは、自分がどこに居るのかも忘れて体をよじらせ、魔の手から逃れようとした。
大体にして、恋人にくすぐられていると勘違いしているようである。番外個体は容赦なくそんな姉の体を追い詰めていく。
一方通行の上であることなど考慮しない彼女は、せっかくほぐれた彼の背中を、腰を、お尻を、ふくらはぎを、果ては頭までをも踏んで、乗って、姉妹でじゃれあう。
やがてベッドから、ほうほうの体で這い出てきた青年が床に転がり落ちる頃、打ち止めはようやく状況を把握した。

「……いらっしゃい番外個体…、おはよー。もう少しソフトな起こし方だと嬉しいな、ってミサカはミサカは息も絶え絶え…」
「死に、そうなのは、こっちだァ…」
「っふー。いい汗かいたぁー!」
951 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/29(木) 23:28:04.81 ID:VdvAmin80
三人はリビングのソファでくつろいでいる。秋の夕暮れは早く、外は暗くなり始めていたが、まだ保護者たちは帰ってこない。
打ち止めは一方通行にブラックコーヒーを、自分と番外個体には甘いカフェオレを拵えた。
それぞれのカップに口を付け、一息ついた所で一方通行が番外個体に再度訊く。

「用事は何だったンだよ?今日は泊まりにくる日じゃなかったよな?」
「ナニその顔。せっかく愛しの最終信号とイチャコラしてたの邪魔したのは、悪かったと思ってないけど、誰のせいで来てやったと思ってんのさ」
「ん?今、日本語おかしくなかった?ってミサカはミサカは番外個体のイタズラは激しすぎだと、改めて怒ってみたり!」
「だって全然起きないんだもん。ああするしかなかったもん」
「そんなわけないでしょ!番外個体はただこの人を踏み踏みしたかっただけじゃないの?」
「否定はしない」
「やかましいわオマエら。おい、…早く、要件を言え」

ひどい目に会った上に、一向に話が進まない。いい加減我慢の限界も近かった青年は、本気の不機嫌オーラを滲ませた。
最近は色々な許容範囲が大きくなった彼をこうさせるとは、さすが番外個体というところか。

「大した用事じゃないよ。はいコレ」

全然動じていない番外個体が、上着のポケットから小指ほどの大きさのプラスチック製に見えるケースを取り出した。

「第一位、きのう四限目の政治学サボったでしょ。
教授がこのデータ渡そうと思ってたのに来なかったから、ミサカに託されたんだよ。明日も学校休みだしさ」
「…、あァ、そォいや次の論文の資料がどうとか…」
「まったくいいメイワクだっての。貸しひとつだからね」

一方通行が舌打ちしながらそれを受け取ったら、横からその手を打ち止めがパシっとキャッチする。

「あなた…、昨日の四限目は休講って言ってたじゃない…」

めずらしく厳しい視線が注がれ、一方通行は反対側を向いた。これはいけない。

「……自主休講ォ…」
「ぶはははは!もしかして最終信号に嘘ついてデートにでも行ったの!?」
「もー!最近はまじめに学校行ってると思ったのにっ。嘘つくことないでしょ!ってミサカはミサカはお母さんかっ」

打ち止めは掴みっぱなしだった青年の手をブンブンと振って叱責する。
ますますそっぽを向いた一方通行。リビングには番外個体の笑い声が、耳に痛いほどに響き続けた。
やっぱり平和である。
952 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/29(木) 23:30:37.71 ID:VdvAmin80
「はひー、ひ―…くるひぃ…ひひひ、面白すぎんでしょ第一位…。小学生かよ…」

番外個体は五分間ほど笑いっぱなしだった。
最初は苦々しい顔をしていた一方通行も、ここまでくると、一体いつまでこの状態でいるのか、興味と感心が湧いてくる。

「大丈夫かオマエ、酸欠起こしてるぞ」
「だい、だいじょーぶにゃにゃい…」
「番外個体、顔色が…。はい、お水飲んで」
「あんがと、お母さん…」

カラカラになった喉に水分を流し込み、無理やりに呼吸を落ち着ける。
ソファの背もたれに顔を伏せ、一方通行を見ないように気をつけなければ、壊れてしまった笑いのツボが、またぶり返しそうだ。

「はー…、笑い死にとか勘弁してほしい。危うくあなたに殺されるところだった」
「オマエはちょっと性格の悪さをあの世に捨ててきた方がいい」
「そもそもなんであんな変なカッコで寝てたの?いくら最終信号の胸が好きっつっても、重いでしょあれじゃ」
「わざとあの格好にしたわけじゃないんだよ?マッサージし」
「おい、他に反論することがあるンじゃねェのか。俺はあるぞ」

一方通行の意見はあっさり聞き流され、番外個体はこの二人が『マッサージ』という健康的な行為を頻繁に行っていることを知った。
一方通行は、自分が打ち止めに揉まれてほぐされていいようにされて、ついには寝落ちしてしまうほどだということが、
よりによって番外個体にバレてしまい非常にこの場に居づらい。実は黄泉川と芳川にも見られないように、一応は気をつけていたというのに。
953 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/29(木) 23:33:55.72 ID:VdvAmin80
「へぇ〜、マッサージ」
「……」
「最終信号の小さなおててでモミモミってか」
「……」
「ちょっと、それぐらいにしないと怒るよ、ってミサカはミサカは羨ましいなら番外個体もやってあげようか?とお姉さんらしい優しさを見せてみる」

もはや不機嫌を隠そうともしない一方通行と、彼をいじる番外個体。
それを見かねた打ち止めが、妹の関心を逸らそうと誘惑する。
うっかり喋ってしまったが、彼がこのマッサージを秘密にしておきたかったらしいのを感じ、責任を取ろうと思ってのことだったのだが

(……馬鹿か俺は。他のヤツを揉むな、なンてよォ…。ホントにガキじゃねェか)

どうにも一方通行の心、打ち止め知らずである。少女の試みは、ガキっぽい青年にとってあまり嬉しいものではなかった。

「別に羨ましくなんてないもん」
「…、……おい、番外個体」

反撃のポイント発見、と見極めた一方通行。子供じみた嫉妬は頭の隅にしまい込む。
否定の返事をしようとした番外個体を制止し、指でチョイチョイと合図した。

「…なに、気色悪いんだけど」
「コイツのマッサージなァ…、まじで、すげェンだ」
「………」
(はぅぅこの人がミサカのことすごいって褒めてるぅぅぅ!やっぱりミサカの魔法の手にメロメロなのね!)

青年は一転してニヤニヤと余裕の表情を浮かべる。足を組み、肘をついて全身で優越感をアピール。

「やってもらえばァ?オマエも……」

「味わってみたいだろォ?眠っちまう程の気持ちよさってヤツを…」そう言われて、番外個体は渋々と首を縦に振った。
一方通行は(勝った…)と確信する。同じ場所まで落ちれば、彼女はもう自分を馬鹿にできない。いや、この場合「昇る」という表現が正しいだろうか。
954 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/29(木) 23:38:03.16 ID:VdvAmin80
打ち止めはクッションを二つリビングの床に置く。さらにその上に、部屋から持って来た毛布を敷いた。
人が寝れば、丁度クッションが膝と腰に宛がわれる形になっている。
番外個体は言われるままにそこに腹をつけたが、面白そうに見ている一方通行のことが気になるらしい。

「変態…。姉妹の触れ合いを、そうやって視姦してオカズにするつもりなの?」
「減らず口叩いてられンのも今のうちだぜ」
「そうそう、ほら、早くしっかりゴロンして、ってミサカはミサカは番外個体の上に乗ってみたり」
「もう、お手柔らかに頼むよ?」
(床だとベッドの上と違って硬ェから、余計に押される力が加わって効くンだよなァ…。俺もさっき床でやりゃあ良かったか…)

打ち止めはいつもどおりに腰の上に跨ると、まずは、さわさわと背中を撫でるように押さえた。相手はいつもの硬い男性ではなく、女の子である。
気を付けなければ痛い思いをさせるかもしれない。しかし、すぐにツボや力加減に当たりをつけた少女が、容赦なく本領を発揮。

一方通行は見た。毛布の上で番外個体の手がぎゅうっと握りしめられていくのを。
おそらくは声も我慢しているだろうし、歯を噛みしめて眉を寄せているに違いない。

(懐かしィなァ…、最初は俺もあンな風だった)

しかし、今の打ち止めはあの頃のままではない。愛する人に尽くすため、満足してもらうため、日々そのテクニックを磨き続けた彼女である。
ほどなくして、番外個体の口から吐息とも、喘ぎ声ともつかないものが漏れ始めた。

「ふぅ、ん。はぁ、あん、そこぉ…、すごい…最終信号すごい…!」
「腰だねー?ってミサカはミサカはご希望のポイントをうりうりしてみる。腰は床の方が効くんだよー」
(そォなンだよな。ベッドだと沈むから、腰をやるにはあンまり適してねェ)
「っ…んーー…効くぅぅ、ううう、…うわ、何、乗ってるの!?最終信号が全部乗ってるの!?」
(お、さっきの新技その二か。ハタから見るとすげェな)
「ふふふ、どうかね、お姉ちゃんは偉大だろう」
「はぁ、あー…、はー…」

とうとう番外個体から、まともな言葉が出なくなってきた。「あー」とか「うー」になってきた。
あまり聞いていてよいものではないと思ったので、一方通行は一人そそくさと退室…
955 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/29(木) 23:39:32.20 ID:VdvAmin80
一方通行が自分の部屋で暇を潰すこと半時間。打ち止めが彼の元にやってきた。

「あなた、番外個体寝ちゃったよ。ミサカの部屋に運んであげて」
「やっぱりなァ…」
二人でリビングへ戻ると、はしたないことに番外個体はいささかガニ股の態勢で毛布に突っ伏していた。しかも

「こいつヨダレ垂らしてンぞ」
「あぁぁ…ミサカの毛布がぁぁ…」

とりあえず、彼に運んでもらう前に、妹の口からだらしなく垂れている涎を拭く打ち止め。起こさないように、そうっと。

「もう、毛布にまで付けちゃって。仕方ない子ね…ってミサカはミサカはまたもお母さんかっ」(小声)

打ち止めが大きな子供の世話をやいている時、玄関のドアが開いた。黄泉川と芳川が帰ってきたのだ。二人はそろって出掛けていたらしい。

「ただいま」
「ただいまじゃーん…あれ、番外個体?」
「しぃー、番外個体が寝てるから静かにしてね。お帰り、ヨミカワ、ヨシカワ」

リビングの様子を見て、保護者達の顔がほころんだ。子供達がそろって、なにやら遊んでいたのかと思ったからだ。
956 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/29(木) 23:43:09.17 ID:VdvAmin80
「あらあら。この子がこんな風に寝てるなんて珍しいわね」
「毛布なんか持ってきて何してたじゃん?」

当然そう訊かれるだろう。打ち止めは何と答えていいものか迷い、ソファに腰掛ける青年の顔色を伺った。
一方通行は顎と目で、言っていい、と合図する。
これで自分が打ち止めにマッサージしてもらっていることを、大っぴらに公表するのも同然となってしまった。
こうしてだんだんと、近しい者達に自分達の事が明らかになっていくのだろうと思う。

「ミサカがマッサージしてあげたの。そしたら天国気分で眠っちゃったんだよ」
「ほぉー、よっぽど気持ちよかったんだな…。見てこの顔」
「へぇー、打ち止め上手なのねぇ…。あら、本当にうっとりした顔しているわ」

黄泉川と芳川が、番外個体の様子を覗き込むついでに、一方通行の方を見たような気がするが、彼は素知らぬ態度を貫いた。

(番外個体を揉ませる段階で、予想してたことだ…、こォなりゃ…)

「おい、いつまでソイツを床に寝かしとく気だ。運ぶからどけ」

一方通行は電極のスイッチを切り替え、毛布ごと番外個体の抱えあげる。
起こさぬように気をつけているからか、違う理由があるからか、いやにゆっくりとした動作だった。
女性達の視線を集めているのを確認すると、わざとらしくこう言った。

「あァ、たしかに天国って顔だな。全然起きる気配がねェし、よっぽどイイ感じだったわけだ。打ち止め…すげェなオマエ」

意味深な微笑みを残し、彼はリビングを後にした。
その後、黄泉川と芳川がどうしたのかというと、呆れたことに自分達の毛布を部屋から引っ張ってきて「私もやって」と、この家最年少の少女におねだりである。
どうしたって、味わってみたくなったのだろう。あの番外個体を無防備に眠らせ、一方通行をして「すごい」と言わせる、魔法の手を。

一方通行がキッチンから様子を覗けば、芳川がほぐされているのを、傍で黄泉川が行儀よく座って順番待ち、という状況であった。
呆れるような、笑えるような…

957 :ブラジャーの人[saga]:2011/09/29(木) 23:46:41.98 ID:VdvAmin80
「ふー、さすがに今日は疲れたよ…、まさか四人も天国送りにするハメになるなんて、ってミサカはミサカはぐったりしてみる…」

同じように寝落ちしてしまった保護者二人を、一方通行が部屋に運び終えてリビングに戻ってくると、打ち止めがソファに座り疲労を訴えている。
黄泉川と芳川にも打ち止めのマッサージを体験させ、彼女の手を求めるのも無理はない、と思わせることには成功したようだが、
少女はすっかりお疲れになってしまったようだ。
自分の体裁を取り繕うために労働をさせてしまったようなもので、一方通行は済まない事をした、とちょっと反省する。

「…、飯どうすっか…」
「適当でいいんじゃないかな、みんな寝てるし。お出掛けする気にもならないし…」
「じゃ、その後でなァ……」

青年は少女の背後に回り、肩に手を置いてキュっと摘まんでやった。

「っ…はぁ、キモチいー…」
「久しぶりに、俺がやってやろうか」
「わお、ホント?うれしー!ってミサカはミサカはそう聞いて、にわかに元気が出てきちゃった」

現金なもので急に生気をみなぎらせた打ち止めは、足をパタパタさせて喜ぶ。一方通行は、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、とリズムをつけてさらに揉む。

「ついでに、風呂も先に、入っちまえ。どォせ、オマエの、ベッドは、先客が、いるンだから、よ…」
「うん、そう、…するー!わー、いぃ」

つまり、気持ちよくしてやるから、今夜はずっと俺の部屋にいろよ、という意味である。
958 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/29(木) 23:58:48.16 ID:VdvAmin80
一方通行と打ち止めと黄泉川家の日常の巻 完

↑打ち止めモミモミ天国 というタイトルにしようかと悩んだ。AVみたいなのでやめました。
政治学と宗教学は面白かったです。アレと違って。
微妙にレスが残ってるけど、話が途切れる恐れがあるので、近いうちに2スレ目を立てますね。
ここは適当に埋めていければ…と思います。

さぁこれで この1スレ目からの、卒業 です。


959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/30(金) 00:05:00.95 ID:WVRj1FTZ0
乙、なんて桃色空間

面白かった、次スレでも期待してる
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/09/30(金) 00:21:16.35 ID:9xELJ6SYo
乙乙、次も期待してる
消費早かったなあ
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/30(金) 00:54:23.52 ID:h2gPEfODO
乙です
打ち止めちゃんにモミモミしてもらうにはどうしたらいいですか?
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/30(金) 07:08:08.14 ID:t2G24+vDO
>>1
ちょっと壁殴り代行に夜の校舎の窓ガラスオプション頼んでくる

「打ち止めのモミモミ天国」…俺も黄泉川家の住人になりたいぜ…
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/30(金) 08:30:17.09 ID:frMf1u3DO
>>962
殴る壁ないから地面殴りますね





フンッ!


うわ、なんだこれ!熱っ!
マグマ!?マグマだ!
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/30(金) 09:32:55.88 ID:RxvpdUVAO
審議中
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/30(金) 12:27:29.84 ID:HgUtkqrIO
打ち止めの毛布は俺が責任持って洗っとくわ
966 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/30(金) 17:40:29.78 ID:27hx1wyS0
>>959 >>956 ありがとう。桃色目指してがんばります。ここまで二カ月半でしたね…

>>961 妄想力全開で夢を見るしかありません。

>>962 黄泉川先生と結婚できればいいのにね。

>>963 地球割り?懐かしいなぁ。

>>965 そういやこの毛布、打ち止めの香りに番外ちゃんのヨダレオプションだ。お好きな人にはたまらない毛布になってしまった。
967 :ブラジャーの人[sage]:2011/09/30(金) 17:59:44.32 ID:27hx1wyS0
おう、間違えた。前レス一行目は956ではなく、>>960宛てです。

〈駄文〉
>>929 で、一方さんが囁いたセリフを考えてみよう!

@「こンな歌じゃ足りねェよ。俺のオマエに対する想いは…。ずっと、そばにいてくれ」

A「よくも恥ずかしい歌うたわせてくれやがったなァ。言ってやるから、もう勘弁しろよ?…打ち止め、あいしてる…」

B「俺にカラオケなンてやらせることができるのはオマエだけだな。好きになる女も、オマエだけだ」

あー…、歯が浮くゥ。
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/01(土) 08:00:10.19 ID:dsxHbtRSO
>>967
「打ち止め、愛してる」
みたいな単純な一言かもなww
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/01(土) 08:01:10.63 ID:dsxHbtRSO
ageて申し訳ないorz
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/01(土) 10:26:48.19 ID:zTwrBOJDO
「君の瞳にラストオーダー」


これ思い出しちゃった瞬間、他が思い浮かばなく……orz
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/01(土) 13:13:42.31 ID:A9DIK1PDO
>>970のおかげで他の台詞が思い付かなくなった
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/01(土) 16:07:25.33 ID:crowNK2To
君の瞳にラストオーダーってみんなは今だとあの伝説のスレでなくてえれっとさんの薄い本が浮かぶのかな……
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/01(土) 17:49:28.46 ID:K5R+vdNDO
>>970のせいで他の台詞が思い浮かばなくなった
訴訟
974 :ブラジャーの人[sage]:2011/10/01(土) 20:51:43.24 ID:Ix6t3TU00
>>968 私はBがイチオシだったんですが… >>970のファインプレーでww

>>972 スレの方が思い浮かんだ人ですハーイ

>>971 >>973 他にもたくさん同じような人がいそうですね。
センスが古いため「君の瞳は10000ボルト〜地上に降りた最後の天使ィー」も一方さんに歌わせたいと思った。
975 :ブラジャーの人[sage]:2011/10/01(土) 21:14:18.98 ID:Ix6t3TU00
〈駄文〉

一方通行と打ち止めが、またカラオケに来たようです。

打ち止め『あーなーたーに おーんなのーこーの 一番、大切なぁ〜 ものをあげるわー』

一方通行「こらァ、そンなはしたねェ歌、歌うンじゃねェ」
打ち止め「……、いらなかった?」
一方通行「そ、そういう話じゃねェだろ」
打ち止め「いらなかったの?」
一方通行「……欲しかったけどよォ…」
打ち止め「ふふふふ…」



一方通行と打ち止めが、またデュエットをするようです。

一方通行『三年目ェーの浮気ぐらァい 大目に見ィろよォー』
打ち止め「……」フルフルウル
一方通行「おい、歌わねェのか?」
打ち止め「うぅー」ウルフル
一方通行『しねェよ!浮気なンかァ!』アァーァーァ…←エコー
打ち止め「うん…、選曲失敗したね」


懐メロか、歌謡曲でしかネタが浮かばない不思議
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[sage]:2011/10/02(日) 00:15:17.42 ID:ysAsIxQL0
2スレ目立て乙ー
→とある未来の通行止め その2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1317481213/

2スレ目でも期待してる(乳的な意味で
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 00:53:48.17 ID:Q+VuArZDO
>>972
むしろスレの方しか知らない


後、他思いつかなくなった人すまんかったww
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 00:55:57.54 ID:/KF7PF5DO
>>976リンクサンクス
とうとう2スレ目か…あっという間だったな…
2スレ目でもラブラブな通行止めを楽しみにしてる

懐メロなら俺は打ち止めに「Angel Night〜天使のいる場所〜」歌ってほしい
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[sagesaga]:2011/10/02(日) 01:00:47.15 ID:ysAsIxQL0
>>978
x
y
z
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 07:32:00.04 ID:XOhQZKwDO
「どうしようもない僕に天使が降りてきた」とかいいんじゃないか
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 11:37:40.52 ID:aGQqqgEIO
        まもなくここは 乂1000取り合戦場乂 となります。

      \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < 1000取り合戦、いくぞゴルァ!!       ,,、,、,,,
    /三√ ゚Д゚) /   \____________  ,,、,、,,,
     /三/| ゚U゚|\      ,,、,、,,,                       ,,、,、,,,
 ,,、,、,,, U (:::::::::::)  ,,、,、,,,         \オーーーーーーーッ!!/
      //三/|三|\     ∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ∪  ∪       (    )    (     )   (    )    )
 ,,、,、,,,       ,,、,、,,,  ∧_∧∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ,,、,、,,,       (    )    (    )    (    )    (    )
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 16:02:53.78 ID:qlX8QTaS0


えるしってるか、「君の瞳にラストオーダー」実はスレよりえれっとさんの薄い本が先なんだぜ
えれっとさんの薄い本が元祖なんやで
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/10/02(日) 16:56:42.59 ID:duvWExMbo
ピクシブで絵として出たのが先だな
薄い本タイトルとしてはどっちが先だったか忘れたが
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/10/02(日) 17:08:44.79 ID:PGScGgDAO
>>1000なら打ち止めは俺の妹
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/10/02(日) 18:26:19.30 ID:wj9vTtGco
埋め代わりに雑談ネタでも
書き手さん達はSS書こうと思った切っ掛けとかあるんかね?
読み手から書き手になったとか
986 :ブラジャーの人[sage]:2011/10/02(日) 21:30:12.42 ID:zW6g0JDo0
>>978 いいですな。なかなかハマりそうな…

>>980 知らない… 今度しらべてみます。

>>982 えれっとさんに向かって最敬礼。

>>985 去年、通行止めに出会いハマる。こんなにメジャーな作品にハマるのは初めて。こんなに二次創作が豊富な作品にハマるのも初めて。
歓喜、充実、生きる喜び… しかし、新約二巻のあらすじ詐欺により、世の中の通行止め作者さん達の筆が止まる→燃料不足→禁断症状。

ええい、もういい自分で書く!! 今に至る。
987 :ブラジャーの人[sage]:2011/10/03(月) 14:27:56.76 ID:PJww4/WS0
〈駄文〉

一方さんの洗車風景  

まずボディに水をかけます。そして、周りに他人の財物がない場所に移動します。
そのまま車内で電極ON。水が汚れと一緒に吹き飛びます。ホイールまでピカピカ。
完了

打ち止め「ミサカの出番がない!」
一方通行「また怪我されちゃ、かなわねェンだよ」
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/10/03(月) 21:06:57.05 ID:U2/VaHORo
打ち止めさんマジ天使

せめて遠くからそのワガママ☆ボディーを見守っていたい・・・
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/10/03(月) 23:22:13.86 ID:WnKuwHiAO
>>975
ひと夏の経験/山口百恵 かな?

打ち止めならコレだな
 invitation/柴咲コウ
 DIAMOND/水瀬伊織
990 :VIPにかわりまして統括理事会がお送りします[sage]:2011/10/04(火) 13:17:55.02 ID:Wa4fqn7h0
とある魔術の禁書目録劇場版公開決定!!!!!
更に新約とある魔術の禁書目録3巻は12月10日に発売決定!!!
劇場版の詳細は10月11日発売の電撃文庫マガジンで!
991 :ブラジャーの人[sage]:2011/10/04(火) 13:46:48.52 ID:EbOiXCL00
>>989  そうです。百恵ちゃんです。 柴崎さんに、水瀬さんですか? し、しらべておきます…

>>990 わーい!待ち遠しいですね!

<駄文>

一方さんが童貞か否か、本気出して考えてみた。
実は… 

考えてなかったんです。打ち止めさえ処女ならばどうでもいいや、と。

しかし、初夜を過ぎてからは、そうでもないなと思い直し、今真剣に考えています。
ここの一方さんは、果たして…

考えています。真剣ジャー……
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 14:04:05.09 ID:09QwmJIIO
チャンチャンバr(ry
次スレまっとります
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2011/10/04(火) 18:28:57.24 ID:3KoJLvgAO
>>1000なら次スレはエロ二割り増し
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 18:39:27.89 ID:TRyxeYTIO
>>10000ならエロさ10倍
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 18:49:57.38 ID:UXewts8IO
>>993
996 :ブラジャーの人[sage]:2011/10/04(火) 21:39:28.62 ID:icdvGcYs0
やべぇ流れです。

〈駄文〉

打ち止め「ヨミカワー!はいこれ!」
番外個体「ミサカ達からのプレゼントだよ」
一方通行「………」

黄泉川「…は?え?」

打ち止め「もう、今日は母の日でしょ?ってミサカはミサカはカレンダーを指さしてみる」
番外個体「ひひひ、びっくりしたー?」
一方通行「……はァ…」

黄泉川「あ、あんた達…」ウルウル

打ち止め「ほら、あなた早く…」
番外個体「恨みっこナシでじゃんけんOKって言ったでしょ。男らしくないなぁ」

一方通行「……クソ。お、お母さン、いつも、ありがとうございますゥ!」顔赤火

黄泉川「……」ポカーン

一方通行「…おい」
黄泉川「あ、ありがとうじゃん…、めちゃめちゃ嬉しいじゃん。でも」
一方通行「?」

黄泉川「お姉さんパンチ!!」
一方通行「ごはァっ!」


できなかった母の日ネタ



997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/10/04(火) 21:56:54.78 ID:uFlUm1CAO
>>994
桁違いのエロさってことか
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/10/05(水) 07:46:13.56 ID:VtykWj8AO
埋め
>>1000なら打ち止めがちょっと小悪魔になる
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/05(水) 08:01:18.32 ID:sdMpZIcIO
>>997
だれうま
>>1000なら大人の余裕というものをミサカはミサカは学んでみたり!
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/05(水) 09:18:56.96 ID:FqeH4kUVo


>>1000なら次スレで打ち止めがおめでた
1001 :1001Over 1000 Thread
     ,.ィ'",ィ    `' 、                 
 .  /_ / __,,,     ',                 
   //..、 ̄.,、、ゝ     .',                 
   i.F‐'゙  `'ー‐',.     l      
   !|       `‐、  ,.、 ',        
   ||,,,,_ ,  _,,,,,,  | |7}. ',     久々にわろうた  
   ||. ̄ ,'  ´ ̄   リ!|/  ',       げにいみじきすれのたつのも今はむかし 
   !.',  i,_っ     l!|   ヽ       
 . l ',  _,,_      | l    \   あたらしき人まいりこれりども 
   | ヽ `゙´     , ヽヽ       程しらぬものばかりなりて いとこうじけり 
   ヽ. ヽ、    ,.ィ   ヽ,
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【怪しい噂が集まる図書館】泉ピン子は創価学会員なの?【都市伝説】 @ 2011/10/05(水) 08:15:02.69
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ししお「鉢金を仕込んでおいた(ドヤ」 @ 2011/10/05(水) 07:49:10.45 ID:HCLxL1rJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1317768549/

↑と↓のスレタイを合わせたうえに「石原」をつけると新たな石原スレが爆誕 @ 2011/10/05(水) 05:19:37.96
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1317759577/

主「ムフフ、俺の右手が疼くぜ」 @ 2011/10/05(水) 01:19:19.86 ID:SHYAiEzx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1317745159/

■ 管理人からお知らせ @ 2011/10/05(水) 00:58:15.08 ID:iVebz9CSO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1317743893/

■ 管理人からお知らせ @ 2011/10/05(水) 00:55:16.16
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1317743715/

まどか☆マギカのチート男オリ主SS @ 2011/10/05(水) 00:50:30.13 ID:CjZvZL/Y0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1317743429/

野球総合'11CS〜日本シリーズ …'12シーズンへ @ 2011/10/05(水) 00:43:04.38 ID:ipbnKiz2o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1317742984/


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