VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/08/26(金) 18:44:21.78 ID:hZBHbtpSO<>このSSの注意点
・一方通行が女の子
・0930事件なんて無かった
・やたらと地の文が多い
・ツッコミ所も多い
そんな青髪ピアスと鈴科百合子、時々上条さんな話です<>青髪ピアス「アルビノ病弱美少女きたーっ!!」一方通行「はァ?」
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/08/26(金) 18:46:51.89 ID:0Y3DS/c7o<> 期待 <>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 18:46:52.60 ID:hZBHbtpSO<>
序章 物語は非日常から始まる <>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 18:48:39.61 ID:hZBHbtpSO<> 古今東西あらゆる物語の始まりというものは、日常に紛れ混んだ異物によって始まりを告げる。
それは例えば、空から落ちてくる謎の美少女だったり、起きたら布団に入り込んでた美人なお姉さんだったり、
急に親から紹介されたツンデレ婚約者だったり、ベランダに引っ掛かってた謎のシスターとの出会いだったりする。
そんな突拍子もない物じゃなくて、もっと現実的に言えば、急に転校してきた可愛い女の子とか。
「そうやって、ボクのドキっ!胸キュン恋物語も始まると思ってたんやけどなぁー……」
そうひとりごちて、ボクは殊更大きなため息をついた。
<>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 18:50:42.72 ID:hZBHbtpSO<> 二学期の始めにやって来た和風美人転校生こと姫神さんは、既に我が親友カミやんにフラグを立てられてしまっていた。
というか姫神さんだけじゃない。
クラスのほとんどの女子はカミやんにフラグを立てられてしまっている。
残る最後の砦と言えば……。
「何が胸キュン恋物語よ。学生は勉強と健康に気をつかってればいいの!」
「さすが委員長、ボクが見習いたくなるくらい真面目やなぁ」
「私は委員長じゃな、い!」
最後の一音と共にゲンコをお見舞いしたのがカミジョー属性最後の砦、吹寄さんだ。
<>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 18:51:43.40 ID:hZBHbtpSO<> 「痛い!痛いで!ツッコミにしてはちょっと力が入りすぎとる!」
「貴様がふざけた事言うのが悪いんでしょうが!
……でも確かにちょっと強すぎたかも」
「やっぱり本人も自覚あるやん……」
「う……わ、悪かったわよ」
吹寄さんはハの字に眉を下げ、少し気まずそうに何やらモゴモゴとつぶやいた。
美人はしょんぼりしとる様も可愛いわぁ。
そんな事を口に出したらまた痛い目に会うのは明らかなので、心の中に留めておく。
「そういえば吹寄さん、なんかボクに用事でもあるん?」
「え、えぇ。そうよ。でもどうして分かったの?」
「それは、ボクが実は序列第五位……って冗談や、冗談。
だからその腕下ろしてほしいんやけど」
「ちっ……」
「舌打ちってキャラ壊れとるで!」
<>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 18:53:13.91 ID:hZBHbtpSO<> 「冗談よ、冗談」
「ならええんやけど……。
理由ってのはな、吹寄さんの席ってボクの席からは遠いやん?」
言いつつ、ボクはちらりと吹寄さんの席の方を見た。
ボクと彼女の席の間には、クラスメイト数人分の隔たりがある。
「そんな吹寄さんがボクの所までわざわざ来るなんて、何かあるんかなって。
あ、告白ならいつでも受け付けとるで!返事はもちろんオーケぐへぇっ!」
「そんな訳無いでしょうが!」
相変わらず破壊力の高いゲンコだ。
吹寄さんは、今度は痛がるボクを心配するそぶりなど見せず、何やら周囲を見渡している。
<>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 18:57:43.76 ID:hZBHbtpSO<> 「カ、カミやんならまた遅刻やで……」
「馬鹿っ!だ、だれがあんな奴の事なんか……でも、遅刻が多いのは気になるわね。
私が迎えに行ってやるべきかしら」
(あかん、最後の砦も崩れそうや……)
「いや、今私が聞きたいのはそういう事ではなくて!」
吹寄さんは何かを振り切るようにブンブンと頭を左右に動かす。
そして、人目を気にしながらボクの耳元に口を寄せた。
ふわり、と女の子特有の甘い香が鼻をくすぐる。
「貴様、うちのクラスに転校生が来るって話聞いてる?」
「…………へ?」
<>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 18:58:50.81 ID:hZBHbtpSO<> 「その様子だと、貴様も知らないのね」
ボクの様子に何か納得した様子の彼女は、空いている前の席に腰を下ろした。
「転校生やと!?」
「声が大きい!」
また頭に降ってきた右を今度は教科書でガードする。
「……腕を上げたわね」
「流石に三度目は食らわへんで!
……で、さっきの話って本当なん?」
「分からないから貴様に聞いたんじゃない。
私もよく知らないけど、日直の子が小萌先生と知らない生徒と話してるのを見たらしいのよ」
「転校生かぁ……。でもなんでこんな時期なんやろな」
「その子もそれを不思議に思ってたのよね。
やっぱり、もしかしたら勘違いかもしれないって」
だから学級委員の貴様に聞いたのだけど、と吹寄さんはため息混じりで続けた。
「その様子じゃ、転校生なんていないみたいね」
<>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 19:00:00.72 ID:hZBHbtpSO<> 「分からへんで!もしかしたら深い事情を抱えてるのかも知れへんよ?」
「うーん、そうかしら」
「ところで……」
顎に手を当てて考え込む吹寄さんに、ボクは最も重要な質問をする。
勿論、ツルツルおでこをビシッと指差すオプション付きで。
「その子の性別ってどっちなん?女の子?もちろん女の子やねんな?!」
「なんでそんなに必死なのよ!」
「ボクにとっては死活問題なんや!」
「意味が分からないわ……。でも、そうね。私が聞いた性別は……」
ボクがドキドキワクワクしながら待ち望んだ答えは、軋んだ扉の音に遮られた。
「皆、席につくのですよー」
<>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 19:01:14.34 ID:hZBHbtpSO<> 「あ、先生が来たからこの話はまた後で」
その言葉を合図に、吹寄さんはしれっと話を切り上げて立ち上がる。
「え、ちょ、吹寄さん?そな殺生なぁ!」
自分の席へと戻る彼女へと伸ばした手はそのまま空を切り、机の上へと落ちた。
「肝心な事はシカトなんて放置プレイにも程があるで!」
不幸やぁ、と親友の真似をして叫び大袈裟に机に泣き伏せてみても、誰も触れてくれない。
頼みのつっちーは何だかこの前から欠席だし、カミやんはまだ学校に来ていなかった。
小萌先生に至っては「むむ、上条ちゃんはまた遅刻なのですか?」とボクをスルーしてカミやんの方ばっかり気にしている。
不在の時までフラグを建てるなんて流石一級建築士だ。
それに比べて反応してもらえないボク。あぁ、なんて可哀相なんやろうか。
<>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 19:03:03.28 ID:hZBHbtpSO<> 「しょうがないですね。
上条ちゃんには後でスケスケみるみるをしてもらうとして、」
「カミやんばっかりずるい!」
「青髪ちゃんは元気ですねー。
そんな事より、今日は皆に大事なニュースがあるのです!」
ボクの涙混じりな魂の叫びを華麗にいなした(それでも、言葉を返してくれて嬉しいけど)小萌先生は、ボク含めクラスの皆をぐるりと見回す。
ニュースってなんだろう。そんな期待の篭った皆の眼差しに満足したように頷くと、小萌先生はその小さな口から重大発表を告げた。
<>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 19:04:57.44 ID:hZBHbtpSO<> 「実はこのクラスにまた転校生がやってくる事になったのです!
そして喜べ野郎共、子猫ちゃん達はドンマイ!性別は女の子なのですよ!」
途端に男共からは野太い歓声が上がり、女の子達からは憂いを含んだため息が聞こえる。
小萌先生は両極端な反応に対して面白そうにクスクス笑うと、廊下へ向かって手招きをした。
「さぁ、鈴科ちゃん。こっちに来て下さい」
どんな子なのだろう。
姉系美人だろうか、妹系ロリっ娘なのだろうか。大人しい眼鏡ちゃんなのか、活発なスポーツ少女なのか。メイド服が似合いそうか、それともバニーちゃんの方がいいのか。
色んな思惑を込めて、ボクはじっと教室の扉を見つめた。
<>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 19:05:55.55 ID:hZBHbtpSO<> そして、その数秒後。
まず、扉の隙間からほっそりとした指先が見えた。
「この子は鈴科百合子ちゃんと言うのですよー」
初めの印象は、白だった。
まず、彼女は全身が白かった。
一度も日の光に当たった事の無さそうな、透けるような肌。
歩く度にふわりと風に舞う、雪のような色の髪。
非現実的な彼女の容貌は、まるで人形のようだった。
「本当は二学期の始めに転入する予定だったのですが、ちょっとした事故で入院していて、
やっと学校に通えるようになったのです」 <>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 19:06:51.57 ID:hZBHbtpSO<> 次に思ったのは、赤。
小萌先生の隣に立ち、ボクらを睨みつけるように見たその瞳の色。
強い意思を秘めているのが分かる、燃えるような緋色。
無機質な彼女のパーツの中で、唯一異彩を放つ色だった。
「なので、皆さん。鈴科ちゃんと仲良くしてあげて下さいね」
そして、最後に得たもの。
「ア、アルビノ病弱美少女きたーっ!!」
「はァ!?」
<>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 19:09:06.96 ID:hZBHbtpSO<> 物語は非日常から始まる。
ボクが得たのは他でも無い。
この子がボクに「非日常」をもたらしてくれる存在になるという、確かな予感だった。
……多分、だけど。 <>
>>1<>sage<>2011/08/26(金) 19:10:53.26 ID:hZBHbtpSO<> 今回はこれで投了です
また何日かしたら続き投下します <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/08/26(金) 19:11:01.34 ID:9KYoe3GS0<> 百合子と青ピとか……俺得じゃねえかチクショウ!
がんばって <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/08/26(金) 19:33:32.57 ID:ioRL+vWv0<> この2人を求めていた
期待! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)<><>2011/08/26(金) 20:07:48.85 ID:fChlhrbM0<> 俺まとめに載ったらでっかい赤文字にして貰うんだ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2011/08/26(金) 20:16:10.23 ID:JeVNdrDoo<> 乙!
期待してる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/08/26(金) 20:17:32.84 ID:k0X1XFQDO<> おつ!
青ピと一緒にキター!!って叫びそうになったわ
期待期待 <>
ラストオーダー<><>2011/08/26(金) 20:37:36.79 ID:9LLu+k/w0<> 教室でそんなこと叫ぶなよwwwwwwwwwwwwwwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2011/08/26(金) 21:38:19.90 ID:R8agzFno0<> 乙!
また後を追うスレが増えるわけか 期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/08/26(金) 22:25:35.79 ID:RlhHXj0DO<> 青ピSSだと…この日を待っていた <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)<>sage<>2011/08/26(金) 22:46:31.44 ID:BMF4OEHx0<> 青ピ×百合子が来るなんて思っても居なかった…
超俺得じゃないかッ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/08/26(金) 23:27:19.06 ID:vERqHlQZo<> 別にカップリングとはまだ書いてなくね? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/08/26(金) 23:38:49.47 ID:ZpFl9m1Vo<> 青ピが主人公なだけで胸厚 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2011/08/27(土) 00:03:23.41 ID:L9D/kvLco<> 百合子ちゃん好意の押し売りしてくるタイプに弱そうだしなー
青ピの包容力なら! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<>sage<>2011/08/27(土) 00:10:04.59 ID:dLWnhXWk0<> かみじょーなんていらねぇっ!
青髪×百合こそ俺のジャスティス!!
<>
!ninja<>sage<>2011/08/27(土) 05:34:19.94 ID:Cvmt4rLto<> 期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/08/27(土) 12:27:51.55 ID:gJnV2h8AO<> 第六位なんて幻想はいらない!
こんなほのぼの日常であり、変態な青ピがみたかった! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/08/28(日) 01:05:07.08 ID:ELke8P6nP<> はいはいブクマブクマ <>
>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:22:47.13 ID:zPMI7r2SO<> 夏の暑さにやられて書きはじめたのですが、思ったより受け入れてくれる人が多くて安心しました
それと前回の部分訂正
>>12
小萌「青髪ちゃんは元気ですねー。」→「青髪ピアスちゃんは元気ですねー。」
では、続き投下します
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/ <>
>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:24:20.19 ID:zPMI7r2SO<>
行間1
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/ <>
>>1<>saga<>2011/08/30(火) 18:26:34.68 ID:zPMI7r2SO<> その日も朝から上条当麻は不幸だった。
起きて早々にご飯をねだる一人と一匹の同居人に朝食を与え、いつもより早く家を出た所までは良い。
登校途中で課題を忘れた事に気付き、慌てて元来た道を戻る事になった。
それでも、まだ急げばHRに間に合う時間帯ではあった。
だから、ここまでも許容範囲だ。
だが、再び寮を出た直後にワイシャツへ鳥に糞を落とされ、自室に戻って着替えるハメになった。
ここまで来たらもうアウトだ。遅刻確定だ。
うなだれながら家をでる上条に対して注がれるインデックスの呆れた視線が、また彼の肩を一段落とさせた。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/ <>
>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:27:45.23 ID:zPMI7r2SO<> そして学校についたらやっぱり遅刻で小萌先生からはスケスケミルミルの刑が言い渡される、という不幸のフルコース。
不幸だ、なんてお決まりのセリフを吐きながら自分の席についた上条を待ち受けていたのは、皆さんお楽しみ本日の不幸のデザートだ。
「三下かよ……」
上条はどこかで聞いた事のある声におそるおそる首を横に向ける。
そこに居たのは苦々しく言葉を吐き出した張本人、約一月程前に上条と死闘を繰り広げた学園都市第一位だった。
思わず、上条の動きがピタリと止まる。
だが、彼の脳内はその限りではない。
なんでお前がこの学校にとか、そのチョーカーはどうしたんだとか、そもそも女だったのかとか、色々な疑問が上条の頭をグルグル駆け巡る。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:28:49.58 ID:zPMI7r2SO<> そして、混乱しながらもやっと口から出たのがこの質問だった。
「な、なんであなた様が俺の隣の席にいるのでせうか……?」
だが、その問いにも友人の青髪ピアスはニヤニヤとしているばかりで、肝心の一方通行本人は舌打ちをすると顔を背けてしまう。
ますます戸惑う上条にクラスメイトの女子がかけた言葉。
「あの子は鈴科百合子さんって言ってね、転校生なんだよ」
それを聞いて、上条はいい加減ゲシュタルト崩壊しそうなあの単語をまた呟いたのである。
「不幸だ……」
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:29:59.15 ID:zPMI7r2SO<> 〇〇〇
「何度も言うようですが、シュレディンガーの猫はですねー」
ノートを取る傍ら、上条はちらちらと隣を盗み見た。
今日からクラスメイトとなった彼女は、暇そうに指先でペンをクルクルと回している。
その机の上には白紙のノートが広げられているだけだ。
(そう、ノートだけなんだよな)
急な転校でまだ必要な物が揃えられていないのか、それとも単純に忘れただけなのかは分からない。
だが、学生に必要な物の筆頭であるはずの教科書が彼女の机の上には無かった。
それが上条には気になったのだ。
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:30:27.60 ID:zPMI7r2SO<> だから、何度も声をかけようかと思っているのだが。
(うーん、何て話しかければいいんだ?)
かける言葉が見つからないのだ。
(『やっほー、久しぶり!
元気だったか? そんな事より教科書どうしたんだ?
もしかして忘れた? 第一位って意外とドジっ子なんだな、ははっ☆』
……いやいやいや、これは無いな)
上条と彼女は殴り合った、というか色々あって上条が一方的に殴りつけた仲である。
これはちょっと気軽すぎるし、何より彼女が自分をどう思っているか分からない。
少なくとも自分に対しては好感を抱いてはいないだろう、と上条は判断している。
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:30:59.77 ID:zPMI7r2SO<> (だったら、『あの時は悪かったな。でもお互い様だし、教科書貸すから水に流そうぜ!』
……これも酷いな。
じゃあ、いっそ知らないフリしてみるか。
『初めまして、鈴科さん。教科書無いなら、俺の一緒に見るか?』
……でも、さっき「何でオマエが〜」とか言っちゃったしなぁ)
視線の先の一方通行はけだるそうに欠伸をしていた。
(やっぱり、教科書が無いと授業聞いてもわかんないもんな)
上条はそんな風に自分と第一位を同列視してしまうと、改めて彼女との会話をシミュレーションし始めた。
そんな事をする間にも小萌先生はスラスラと黒板に字を書き連ねていくのだが、その事に彼は気づいていないようだった。
そして小萌先生の字が黒板の半分までを埋める頃、彼はようやく結論を出す。
(もう面倒だから、やっぱり何も考えずに話しかけよう!)
考えるより先にまず行動!
上条当麻はそんな男なのである。
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:31:43.60 ID:zPMI7r2SO<> 「あのさ、鈴科。教科書無いなら俺と一緒に見るか?」
おずおずと話しかけると、一方通行はペンを回していた手を止めた。
そして、上条を見ると同時に小さく舌打ちをする。
「何か言いてェ事があンのかと思ったら、そンな事かよ」
「いや、でもオマエずっと暇そうだったし。教科書ってやっぱ必要だろ?」
「いらねェ」
「でも、それだと俺が気になるし。頼むから、俺と一緒に教科書見てくれないか?」
お願い、と手を合わせて頼む上条に、一方通行はまた舌打ちで返す。
だが、彼女の机は僅かに上条の方に寄せられた。
その距離は、たったの数センチ。
それでも上条は嬉しそうに感謝の言葉を言うと、自分の机を動かした。
二人の机をピッタリ合わせて、教科書をその間に置く。
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:32:09.09 ID:zPMI7r2SO<> (やっぱり、やってみればなんて事無いな)
安堵して黒板を見ると、黒板はもう端から端まで真っ白に埋め尽くされていた。
「ひいっ!」
上条は間抜けな悲鳴を上げると、慌ててそれをノートに書き写す。
焦って書いたその字が読めなくて、テスト前に苦労する事になるのはそれからまた何ヶ月か後の事だ。
そんな死に物狂いな上条を、一方通行はどこか落ち着かない様子で眺めていた。
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:32:40.87 ID:zPMI7r2SO<> ○○○
……上条だけじゃない。
彼女だって、上条に言いたい事は色々あるのだ。
それは謝罪だったり、反発だったり、困惑だったり、そして感謝でもあったりする。
だけど、何から言えばいいのか、どのように切り出せばいいのかも分からなくて、何か言いたそうな上条に対して反応する事が出来なかったのだ。
こうして机を突き合わせてる今だって、一度切り上げた会話をどうやって再開すればいいのか分からない。
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:33:11.62 ID:zPMI7r2SO<> (でも、どっちにしろコレじゃあなァ……)
一方通行の視線の先では、上条が消されていく文字を必死でノートに書き写している。
それを邪魔するのもはばかられるし、どちらにせよ彼女は彼に話しかける事が出来ない。
その事実に彼女は眉をひそめた。
(ホント、第一位が聞いて呆れる)
こんなに、他人とのコミュニケーションを取る事が難しいとは思わなかった。
(つゥか、よく考えたら打ち止めとも、アイツから話しかけるばっかりだったな)
一方通行は今まで、自分から他人に接しようとした事が無かった。
それは彼女が「無敵」を目指していた事に原因する。
だけど、もう彼女には「無敵」なんて必要無い。
それはつまり、彼女が自分の生き方を変えるという事だ。
第一位の肩書きに押し潰されず、鈴科百合子としての人生を歩むと言う事。
(言うだけなら簡単だ。でも、俺はもうあンな所に戻る気はねェ)
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:34:25.63 ID:zPMI7r2SO<> もう一度、上条を見る。
相変わらず彼の手は止まる事無く動き続けていた。
(やっぱり邪魔出来ねェ……)
どうしたものか、と視線を下ろす。
一方通行の視界に入るのは、何も書かれていない真っさらなノートだ。
彼女にとってこの授業はあまりにもレベルが低く、ノートなんて取る必要が無かったのである。
(でも、使えるかもな)
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/ <>
>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:35:48.50 ID:zPMI7r2SO<> そう考えると、彼女はおもむろにノートを一枚破いた。
そして、先程から回すだけだったペンを握り直す。
書くのは、彼女から上条に聞きたい事、伝えたい事。
といっても、たくさんありすぎるので先ずは一つだけだ。
(これならアイツが勝手に気付くの待てばいいし。
それに、頭がグチャグチャしてる時は文字にすンのがいいらしいって言ってたし……クソガキが。
……それに、これだと話しかけるのが怖いとか、シカトされたらどうしようとか、そンな心配しなくていいし)
そう自分に言い訳をしながら、一方通行は上条の方へとノートを差し出した。
たくさんの不安と、少しの希望を込めながら。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:36:19.39 ID:zPMI7r2SO<> ○○○
(やっと終わったー)
ノートを取り終えた上条は、ペンを置くと首をコキリと鳴らした。
とりあえず黒板に書かれた文字は写したし、後は皆と同じペースで授業を受ければ大丈夫、のはずだ。
疲れた手首を回してほぐしながら、上条は改めて自分のノートを見直す。
すると、乱れまくった自分の字に紛れて一枚の白い紙が視界に写った。
(何だこれ、ノート?
もしかして、俺のが破けたのか?)
そう考えた上条は、慌ててそれを手に取る。
だが、よく見るとその紙は白紙という訳ではなく、上の方に上条の筆跡とは異なる字が書かれていた。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/ <>
>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:37:17.87 ID:zPMI7r2SO<> (ん?俺のじゃない?
って事は……)
隣を見ると、一方通行はあからさまに目をそむけた。
(そんなに俺と目を合わせたくないのか……。
やっぱり嫌われてんのかな)
そう思い、上条はほんの少しだけ肩を落とす。
別に好かれてるとは思っていないが、かといってここまで嫌われるというのも、それはそれで不幸な事だ。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/ <>
>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:37:48.19 ID:zPMI7r2SO<> (でも、あれ?これって鈴科のじゃないのか?
それじゃ誰の何だ?)
上条は改めて紙を見た。
少し筆圧の薄めな、まるで見本のような整った字。
そこに書かれていたのは、たった一文だ。
『オマエは、何で平気なんだよ』
上条は改めて一方通行を見る。
上条の視線に気づいたのか、一方通行も彼の方を僅かに振り向く。
だが、視線が合うとすぐに目を反らしてしまった。
彼女のその気まずそうな様子に、上条はやっぱり、と確信する。
(鈴科のだ、コレ。
でも筆談って……まぁ、授業中に私語で注意、からの宿題追加パターンを避けられるのは上条さんにとっては願ってもない事ですが)
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/ <>
>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:38:16.32 ID:zPMI7r2SO<> 上条はペンの頭で額を掻くと、一方通行の文の下に付け加えた。
そして、紙を彼女の方へとずらす。
紙を受け取った一方通行もまた、すぐに返事を返してきた。
『平気って……何が?』
『だから、何で俺に普通に接する事ができるンだよ。
絶対能力進化実験の事、オマエも知ってンだろォが』
『いや、確かにそうだけど。
ていうか、オマエの方こそどうなんだ?
俺の事、怒ってたりしねぇの?』
今度は、一方通行から返ってくるまで少し時間がかかった。
『怒ってる。
……って言ったら、どォすンだよ』
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:40:05.93 ID:zPMI7r2SO<> 『えっと……怪我の治療費出すから、それで何とか』
『……アホか。つゥか、質問を質問で返すな』
『いや、だって俺聞いてるし』
『誰から?何を?』
『御坂妹から、8月31日の事とか』
「は……?」
そう呟いて固まった一方通行から、上条は静かに紙を取り戻す。
そして、一方通行に比べると乱雑な字で続きを書いていった。
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:40:32.32 ID:zPMI7r2SO<> 『見舞いに行ったり、見舞われたりした時に色々聞いた。
お前がどんな思いで実験してたのか。
それから、打ち止めって子を守るために闘って怪我したって事とか』
そこまで書いて、上条は一方通行へと紙を返す。
一方通行はそれを読むと、今度はすぐ上条に返事をよこした。
そこにあったのは、今までとは異なる、震えた字だ。
『でも、それは理由になってねェ。
オマエが何を聞こうと、俺の過去は変わらねェ』
その字は、最後の方へ行くにつれて消え入りそうになっていく。
上条が見た一方通行の横顔も、髪で表情こそは見れなかったが陰欝なものだ。
けれど、それは上条の考えを裏付けるものでしか無かった。
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:40:58.80 ID:zPMI7r2SO<> (でも、そんな表情をするって事はやっぱりそうだ。
……だとしたら、俺の答えは一つに決まってる)
上条はペンを握りしめた。
『確かにそうかもな。
俺も昔のお前がした事は許せないし、あの実験を中止にしたのは正解だと思ってる』
そこまで書いてノートの最後の行を埋めてしまったので、上条は紙を裏返した。
そして、今までよりも大きい字で続きを書く。
彼の気持ちを込めるように、少しでも彼女に伝わるように。
そんな意思の感じられる、強い筆圧で書き連ねる。
そして書き終えると、彼は紙を表に戻してから一方通行に渡した。
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:42:31.39 ID:zPMI7r2SO<> (やっぱりな。考えてみりゃ、当然だ)
それが、表の文を読んだ一方通行の感想だ。
そして、落胆する。
(落胆、なンて。
……俺もこいつに何か期待してたのかよ、クソッタレ。
そンな簡単に、俺みたいなのが受け入れられる訳ねェのに)
そして、最期の返事を書こうと紙を裏返す。
だが、そこは既に白紙ではなかった。
『だけど、俺はこう思う』
彼女にとって、予想外の言葉があった。
『確かに、昔のお前は許せない。
でも、今のお前は、打ち止めを助けたお前は、いい奴だと思ってる。
だから、』
なぜかその先は、一方通行には滲んで見えた。
『だから、鈴科。』
『俺は、今のお前とは友達として仲良くなりたいと思うよ』
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:43:32.34 ID:zPMI7r2SO<> 「これからよろしくな、鈴科」
読み終えた一方通行の耳に、上条からの言葉が響く。
(何だよ、何でコイツは……。
……ちくしょう)
「うるせェンだよ、馬ァ鹿」
ノートを読んだ一方通行が言ったのは、こんな可愛げの無いものだった。
けれど、上条は悪い気はしなかった。
むしろ、どこか照れ臭くて、暖かで心の奥まで染み渡るような、そんな気持ちになった。
それはきっと、その語気が言葉に反してとても弱々しかった事と。
(……色白だと、肌の変化がよく分かるんだな)
髪の隙間からのぞく彼女の耳が、真っ赤に染まっていたせいなのだろう。
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>>1<>sage<>2011/08/30(火) 18:46:22.24 ID:zPMI7r2SO<> 投了です
今回は行間という事で、、青ピの出番は無しでした
青ピも出てくる続きはまた何日かしたら投下します
最後になりますが、乙くれた方々ありがとうございました
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県)<>sage<>2011/08/30(火) 20:47:16.32 ID:PbQcdAMu0<> 百合子ちゃんなでなでしたいお
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/01(木) 14:25:22.69 ID:QAKOw5e40<> さすがの上条さん
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<>sage<>2011/09/02(金) 00:57:48.98 ID:CtrPv/Q30<> はやく青ピを・・・イケメン青ピが見たい・・・
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<><>2011/09/02(金) 20:04:15.22 ID:NG8Z/Pgb0<> >>青ピィィ!!!
青ピはどこ行ったぁぁぁ!!!
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<><>2011/09/02(金) 20:04:54.28 ID:NG8Z/Pgb0<> >>青ピィィ!!!
青ピはどこ行ったぁぁぁ!!!
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<><>2011/09/02(金) 20:05:23.73 ID:NG8Z/Pgb0<> >>青ピィィ!!!
青ピはどこ行ったぁぁぁ!!!
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<><>2011/09/02(金) 20:06:00.71 ID:NG8Z/Pgb0<> >>青ピィィ!!!
青ピはどこ行ったぁぁぁ!!!
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>>1<><>2011/09/04(日) 19:56:59.39 ID:JJlHFMESO<> 続き投下しにきました。
今回の章は長くなったので、二つに分けます。
今日は前編です。
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 19:59:28.76 ID:JJlHFMESO<>
第一章 学級委員のお仕事
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:01:16.49 ID:JJlHFMESO<>
「で、ここが保健室!
たまーに先生がおらん事もあるけど、そういう時は気にせず勝手に入っても大丈夫やで。
そんで、隣が職員室やから、あんまりサボりすぎると小萌先生に怒られるっていう特典つきや!」
「何で怒られる事が特典になンだよ。
普通は災難だろォが」
「ナイスツッコミやなぁ。
鈴科さんはアルビノで病弱でツンデレなだけでもなく、ツッコミの才能もあるんやね!」
「意味分かンねェし、うぜェ。
つか、何でオマエがついてくンだよ」
「何でって、ボク学級委員やし。
っていうか、ついてくるのは鈴科さんの方やで?
だって今、学校案内中やもん」
そう、ボクは今鈴科さんと一緒に、二人きりで(これ重要)、学校案内という名の校内デート中である。
ちなみに校内デートってのは、口に出した瞬間に鈴科さんからチョップをくらった。
鈴科さんにツンデレ属性が加わった瞬間である。
デレはまだ見てないけど。
むしろツンしか今のところ無いけど。
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:01:59.47 ID:JJlHFMESO<>
「だから、校内案内なンていらねェって言ってンだろ」
「ダメやって。転校生に学校案内するのは学級委員の大切なお仕事なんやで?
それに、ボクも鈴科さんとはお話したかったし」
「俺は話す事なンかねェ」
そう言うと鈴科さんは歩くスピードを上げた。
杖をついているというのに、中々の速さだ。
といっても。
「肉体強化のボクから、早足ごときで逃げるなんで甘いでー」
ボクにとっては気にする程じゃなかった。
能力を使って脚力を上げ、鈴科さんの前に先回りをする。
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:03:32.73 ID:JJlHFMESO<>
「……オマエ、」
「じゃーん、これがボクの能力や!
ボクから離れたいんなら、この校内を熟知するか、ボクとのおしゃべりを早く終わらせるかしかないで」
鈴科さんは怒ったように眉を潜め、ボクの事を睨み上げた。
やっぱり、美人はどんな表情でも美人である。
そんな美人さんの顔を真っ正面から見れる幸せを表情にも出してたら、鈴科さんは諦めるように目をそむけた。
「……とっとと終わらせろ」
「もっちろんやでー!
早く終わらせて教室戻らんと、お昼食べる時間もなくなってまうしな!」
と言っても、あと案内するのは売店くらいなんだけど。
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:06:11.26 ID:JJlHFMESO<>
「……で?」
そう言って、鈴科さんは再びボクを見上げた。
そこにはまだ少し警戒があるものの、さっきのような凄みは無い。
つまり、ちょっと眼力のある上目遣いだ。
「で、って?」
「話ってのは何だよ」
「うーん、そやな。
じゃ、まずは鈴科さんの能力教えて」
ビッ、と人差し指を突き立てながら言うと、鈴科さんは呆気にとられた表情をした。
「……話って、そンなのでいいのか?」
「え?もっと突っ込んだ質問の方が良かったん?
じゃあ、まずはスリーサイズ教えてくれへん?
あと、メイドとバニーならどっちを着たいのかも」
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:07:12.89 ID:JJlHFMESO<>
「そンな事は言ってねェ。というか……」
「というか?」
「いや、やっぱり何でもねェ」
鈴科さんは首を振ると、制服の胸のあたりを握りしめた。
「……そォいうのが、普通なンだよな」
(あれ……?)
「鈴科さん……?」
「あァ、悪ィな。ただの独り言だ」
そう言うと、鈴科さんは歩き出した。
ボクもそれについていく。
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:07:56.93 ID:JJlHFMESO<>
「能力はレベル3の物質反射(リフレクター)だ」
「うん?」
「さっきの質問の答えに決まってンだろォが。
スリーサイズは覚えてねェし、メイドにもバニーにも興味はねェ」
「それは残念やな。
鈴科さんならどっちも似合いそうやのに。
あ、ちなみにボクはレベル1の肉体強化やで」
「あっそォ」
「じゃ、次の質問行くで!
鈴科さんって今恋人とかおるん?」
「いねェ」
「じゃ、好きな人は?
あ、その角は右やで」
「それもいねェ。
つか、その質問意味あンのか?」
「大有りやでっ!!」
思わず大きな声が出る。
鈴科さんも耳を抑えて立ち止まってしまった。
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:08:42.14 ID:JJlHFMESO<>
「あ、ごめんな。急に大きな声出して。
でも、ボクにとって、ボクらにとっても!」
ボクら、は特に強調しておいた。
「鈴科さんが対かみじょー属性を持ってるって事は、とっても大事やねん!!」
勢いのまま鈴科さんの両肩をガシリと掴む。
鈴科さんはポカンとした表情でボクを見ていた。
「本当に良かったわー。
鈴科さんがまだカミやんにフラグ立てられる前で!」
「……対かみじょー属性とか、フラグとか何の話だ?」
そう言いながら鈴科さんはボクの手をパシリと払い、再び歩き出す。
これまた良いツンである。
「とにかく、鈴科さんがカミやんに惚れてなくて良かったっていう話や。
鈴科さんの前に転校してきた姫神さんは、もう手遅れやったし」
「ふゥン。
つか、何でいきなり俺が三下に惚れるって話になるンだよ」
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:09:43.26 ID:JJlHFMESO<>
「カミやんのフラグメイカーっぷりを舐めたらあかん!」
「だからそのフラグって何だよ。
まァどォでもいいけど。
……そこの十字路は?」
「真っ直ぐ。
だってカミやん、会った女の子にはすぐフラグ立ててしまうんやもん。
鈴科さんも、前にカミやんと何かあったんやろ?」
「……っ」
鈴科さんが僕を見る。
どうやら、図星だったらしい。
「朝のカミやんを見てたらすぐに分かるで。
……やっぱり、カミやんに何か助けてもらったん?」
「やっぱり?」
「カミやんってお人よしやからなぁ。
困ってる人みたら、すぐに助けんねん。
さっき言ってた姫神さんも、なんや前にカミやんに助けてもらってたみたいやし」
「……それなら安心しろ」
「安心?」
(あれ?また、や)
鈴科さんはまたあの表情をしていた。
『……そォいうのが、普通なンだよな』
さっきのような、とても悲しそうな表情。
「俺の場合は、そンないい話じゃねェ」
胸が締め付けられているような、そんな表情だ。
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:10:17.46 ID:JJlHFMESO<>
「鈴科さ……」
「おい、アレって売店か?」
ボクが声をかける前に、鈴科さんは売店へと先に行ってしまった。
(あれ……何やろ、これ)
鈴科さんがカミやんにフラグを立てられて無いって事は、とても嬉しいはずなのに。
(何か、モヤモヤする……)
鈴科さんのあの顔が、頭から離れなかった。
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:10:58.11 ID:JJlHFMESO<>
○○○
「おい、青髪」
ボクが売店に行くと、鈴科さんが早速声をかけてきた。
そこに、さっきの表情はかけらも無い。
少しだけぶっきらぼうな、ツンデレ鈴科さんがそこにいた。
「売店って、こンなに品数が少ないもンなのか?」
「青髪って呼び方新鮮やなぁ。
うーん、品数が少ないっていうか、これは……」
「ちょうどさっき売り切れちゃったのよねぇ。
あと10分早ければ、もうちょっと色々あったんだけど。
ごめんなさいねぇ」
ボクの代わりに説明したのは、売店のおばちゃんだ。
確かに、売店にはパンもお弁当も無く、少しのデザートと飲み物だけが残されていた。
昼休みが始まってから20分も経っていては、しょうがない事なのだろうけど。
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:11:27.37 ID:JJlHFMESO<> 「ふゥン……」
鈴科さんは軽く商品を見渡すと、350ml程の缶を手にとった。
「ここって現金だけなのか?」
「電子マネーも大丈夫だよ」
「じゃあ、それで」
鈴科さんは携帯をかざして会計をすませる。
「オマエは何か買わねェの?」
「ボクはパン持ってきてるから平気やで。
心配してくれてありがとうな」
「……そンなつもりじゃねェよ。
教室戻るぞ」
「了解!」
ボクはおばちゃんに軽く頭を下げると、手ぶらで売店を出る。
隣を歩く鈴科さんの手には、黒いボトル缶が握られていた。
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>>1<>sage<>2011/09/04(日) 20:12:46.27 ID:JJlHFMESO<> 中途半端ですが、ここまで。
続きはまた何日かしたら投下します
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<>sage<>2011/09/04(日) 20:22:10.88 ID:ph1hm7NU0<> 乙!
青髪いいよ、青髪 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/05(月) 00:29:42.73 ID:dPjVcaDS0<> 青髪って別に好きなキャラでも何でもないけどここのはなんか好感持てる <>
>>1<><>2011/09/08(木) 18:18:58.52 ID:XOxqT6pSO<> 乙ありがとうございました。
後編の投下、はじめます。 <>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:21:06.73 ID:XOxqT6pSO<>
「それ、ブラック?」
「微糖」
「鈴科さんって、甘いの苦手なん?」
「嫌いって程でもねェ。
微糖で悪ィかよ」
「悪いなんて少しも思わへんよ。
ただ、かっこえぇなって」
「カッコイイ?」
意味が分からない、というような顔で鈴科さんが僕を見上げた。
「だって凄いやん。
ボク、絶対にそんな黒い缶のコーヒーなんて飲めへんもん。
大人って感じがする」
「コーヒーごときでそンなの判断できる訳ねェだろ……」
そう言って、鈴科さんはボクに見せるように缶を左右に揺らした。
鈴科さんがボトルを振るのに合わせて、チャプチャプと水の音がする。
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:21:40.76 ID:XOxqT6pSO<>
「それもそうだけど、まぁ気分の問題や。
ところで、鈴科さんってお弁当組だったんやな。
それってやっぱり手作りだったりするんか?」
鈴科さんに料理上手属性が加わる事を期待しつつ、ボクは尋ねた。
だが、鈴科さんの答えはボクの予想を大きく外れるものだった。
「持ってきてねェ」
「えっ?」
「だから、持ってきてねェ」
「……それじゃ、お昼はどうするん?」
「一食くらい抜いても大丈夫だろ」
鈴科さんは、まるで当たり前のようにそう言った。
ボクから見たら信じられない話だ。
だってお昼食べなかったら、午後の授業でお腹が空いてお腹がグーグー鳴ってしまうし、頭がご飯の事しか考えられなくなって、せっかくの小萌先生の授業に集中できなくなってしまう。
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:22:08.43 ID:XOxqT6pSO<>
「あかんあかんあかん!
それはあかんで鈴科さん!」
「しょォがねェだろ。
売店には何も売ってなかったし、食堂は満席だったンだから」
「それでもご飯は青少年がスクスクおっきく成長するのに必須やで!
いや、ボクはそのままの鈴科さんでも十分素敵やと思うけど!」
「そのままってどォいう意味だよ」
「ありのままの鈴科さんが一番素敵って事や。
って言わせんなやもうっ、鈴科さんったら、恥ずかしいやん!」
「クネクネすンな。下手な芝居打つな」
少しボケると、すぐに狙ったツッコミが入る。
ちょっと嬉しい。
「でも、ご飯抜くって健康に悪いのは本当やで?」
「だから、それは仕方ないって言ってンだろ」
「うーん、でもなぁ……。
……あっ、そうや!」
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:22:36.11 ID:XOxqT6pSO<>
そういえば、とボクはようやく思い出す。
今日はいつもよりパンを多く持ってきてるのだった。
それと同時に、そのパンをカミやんにも分ける約束していたのも忘れてた事気付く。
カミやんの事だから、きっと今日のお昼はそれを当てにしていた事だろう。
教室でいつもの口癖を呟きながら、空腹に耐えてるカミやんが容易に想像できる。
(……ごめんなぁ、カミやん。
まぁ、でもこのくらい別にえぇか)
なんだか急に申し訳ない気持ちになるけど、いつものフラグメイカーっぷりを考えると、このくらい構わないような気もしてくる。
あと数分もすれば教室につくし、パンだってあげない訳じゃないのだ。
カミやんには、それまでちょっと我慢してもらうとしよう。
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:23:07.61 ID:XOxqT6pSO<>
「青髪?」
気付くと、鈴科さんがボクの顔の前で手をヒラヒラと振っていた。
「叫んだと思ったら、いきなり黙りやがって。
どォしたンだ?」
「ごめん、ちょっと色々思い出してたんや。
それとな、お昼の事なんやけど、大丈夫やで!」
「大丈夫?」
「ボク、実はパン屋に下宿しとるんやけどな、いつも前の日の売れ残りをお昼に食べとんねん。
で、昨日はいつもより多く売れ残りがあったんや。
だから、それを鈴科さんに分ければ全て解決や!」
セリフと一緒に、どや顔とサムズアップもおまけする。
鈴科さんも、ボクの言葉を聞いて首を振った。
ただし縦ではなく、横に。
「な、なんでなん!?カミやんやつっちーなら大喜びする事やで?」
「タダでもらうのって気が引ける。
タダより高いもンは無いって言うしなァ」
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:23:56.68 ID:XOxqT6pSO<>
「別に気にする事なんかあらへんよ。
こういうのは持ちつ持たれつやし。
もし今度ボクが弁当忘れた時に、鈴科さんが何か奢ってくれたら、それでチャラや。
それが嫌なら、スク水着てボクに耳掃除する、っていう恩の返し方もあるで」
「…………」
ボクの言葉に、鈴科さんは渋々、といった様子で頷いた。
「オマエがそォいうなら、今日はもらっておく。
でも、水着で耳掃除はしねェからな」
「ちぇー、期待しとったのに。
でも、パンもらってくれてありがとうな」
「ありがとうって……」
そう言って、鈴科さんがボクを見る。
不思議な物を見るような目だ。
でも、その戸惑ったような表情が、すごくあどけない。
鈴科さんは大人っぽいクールビューティ系だと思ってたから、ちょっと意外だった。
「何でそれをオマエが言うンだ?」
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:24:47.91 ID:XOxqT6pSO<>
「何でって……だってパンをもらってほしいって言ったのはボクやし。
それに、鈴科さんのためになるって事が嬉しいかったんや」
「意味分かンねェ。
何でオレみたいな奴相手にそンな事思えるンだよ」
「だって鈴科さんの持つ属性、ボク大好きやし」
「何だよ、その理由。
変な奴」
「全然変じゃあらへんよ。
だって、ボクぁ落下型ヒロインのみならず、義姉義妹義母義娘双子未亡人先輩後輩同級生女教師幼なじみお嬢様
金髪黒髪茶髪銀髪ロングヘアセミロングショートヘアボブ縦ロールストレートツインテールポニーテール
お下げ三つ編み二つ縛りウェーブくせっ毛アホ毛セーラーブレザー体操服柔道着弓道着保母さん看護婦さん
メイドさん婦警さん巫女さんシスターさん軍人さん秘書さんロリショタツンデレチアガールスチュワーデス
ウェイトレス白ゴス黒ゴスチャイナドレス病弱アルビノ電波系妄想癖二重人格女王様お姫様ニーソックス
ガーターベルト男装の麗人メガネ目隠し眼帯包帯スクール水着ワンピース水着ビキニ水着スリングシ」
「長ェ」
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:25:12.80 ID:XOxqT6pSO<>
「……途中で遮ったのは鈴科さんが初めてやわ」
「最後まで聞いてられるかよ。
まァ、でもよく分かったわ」
「えっ、ボクの事もう理解できちゃったん?」
「あァ、とても。
オマエって、やっぱりすげェ変な奴だ」
変な奴。
そんな風に、鈴科さんはボクを評した。
でも、二回目のその言葉は、一回目の時よりも優しい響きをはらんでいた。
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:27:01.49 ID:XOxqT6pSO<>
○○○
「青ピ……腹減った……」
教室に戻ってきたボク達を出迎えたのは、今にも死にそうな様子のカミやんだった。
「もうお腹ペコペコで上条さんいつ死んでもおかしくないですよ……。
あぁ、ダメだ……、川の向こうで死んだ婆さんが手を振ってる……
青ピ……後の事はオマエに任せた……ぜ……」
カクリ、とカミやんの全身から力が抜ける。
「カミやん!
死んだらあかん!
死んだら……っ、あぁ、もう死んどる……」
駆け寄って見たカミやんの顔は、何故か安らかなものだった。
(カミやん、後はボクに任せとき……)
ボクは目元を拭うと、決意を込めた拳を振り上げる。
「カミやん亡き後は、このボクが……っ!」
「何やってンだ、オマエら」
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:27:31.66 ID:XOxqT6pSO<>
振り返ると、鈴科さんが冷めた目でボク達を見ていた。
「ノリ悪いでー、鈴科さん。
ここは、ボクの手を取って『大丈夫、あなたは一人じゃない。私がいるわ』とか言うのがヒロインの役目やで?」
「そォいうもンか?」
「青ピ、鈴科を巻き込むなって。
今のは、ただの冗談。
腹減りすぎなのは本当だけどな」
「そォか」
鈴科さんは自分の席につくと、早速コーヒーを飲み始めた。
ボクも自分の席からパンと飲み物を取ると、空いていたカミやんの前の席に座る。
そして、カミやんの机の上にパンの袋を並べていった。
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:28:00.08 ID:XOxqT6pSO<>
「こん中から、好きなの選んでいいで」
「思ったよりも多いンだな……」
「オレも十個以上あるとは思わなかった……」
「だから言ったやん。
たくさん余ってるから気にする事あらへん、って」
ボクは「ベーコンポテトラーメンシーザーサラダサンド」を取ると、袋を開けてかぶりつく。
「やっぱり、うちのパンは最高や!
ささ、カミやんと鈴科さんも早く選んで食べようや!」
「青ピ、これ何個までもらっていいんだ?」
カミやんはハイエナのような目でパンを見ている。
空腹って怖い。貧乏って怖い。
「……ボクは三個あれば十分やで」
「俺は二個でいい」
「じゃ、残りはオレがもらっていいんだな?いいんだよな?
よっしゃーっ!ありがと青ピー!!」
小躍りしそうな様子のカミやんを、鈴科さんは呆れたような目で見る。
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:28:34.19 ID:XOxqT6pSO<>
「全部って……オマエ、どンだけ食べるつもりなンだよ」
「貧乏な上条さんには、貰える物は多い方がいいんですよ。
それに、さすがにこれ全部を今食べるのは無理だけど、残りは冷凍しておけばいいし」
カミやんは「海山川三種のカツサンド」を食べはじめた。
「くぅー、うまい!
もぐ、青ピが昼休み始まってすぐにいなくなるから、オレもう本当に腹ペコペコでさ。
吹寄や姫神にもすげぇ心配されるし、むぐ。
弁当あげようかって言われたけど、がぶ、女の子のお弁当って小さいから、貰うのは悪い気がしちゃって。
でも、こんなにパンがあるなら、やっぱり我慢して正確だったな、もぐもぐがぶり」
「オマエも苦労してンだなァ……」
鈴科さんはカミやんを哀れむような目で見ながら、パンを手に取る。
選ばれたのは「肉たっぷり肉サンド」と「某カエルもどきパン」だ。
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:29:08.36 ID:XOxqT6pSO<>
「随分とギャップのある組み合わせやな」
「ン?あァ、こっちのカエルはオレの趣味じゃねェし」
鈴科さんはカエルパンを鞄にしまった。
という事は、鈴科さんが食べるのは肉サンドの方だ。
ボクは、脳内メモの鈴科さんの欄に、肉食系属性を追加しておく。
(ん、待てよ?
自分の趣味じゃないって、それじゃあ一体誰の趣味なん?)
ボクの疑問は、口に出す前に解決された。
「鈴科のじゃないなら、打ち止めの分か?」
「ン」
カミやんの言葉に、鈴科さんは頷く。
サンドを片手に持ち、もきゅもきゅと食べる様は、そのカラーリングと相まってまるでウサギのようだ。
結論、鈴科さんはメイドよりもバニー。
でも、そんな事より、いやこれも大事ではあるけど。
今、カミやんの口から出た謎の名前(?)のほうが、ボクにとっては優先するべきだ。
なので、ボクは二人の会話に割り込む事にする。
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:29:45.49 ID:XOxqT6pSO<>
「ラストオーダーって?
鈴科さんの友達?
変わったあだ名の子やね」
「そっか、青ピは知らないんだっけ。
鈴科と仲のいい女の子の事だよ。
名前も、あだ名っていうか、あの子はクロ……」
カミやんの机が勢いよく飛び跳ねた。
「カミやん、なんで机を思いっきり蹴り上げとんねん」
「いや、これは違……」
「そォだなァ、気をつけろよ三下」
「え、だってこれオマエが……」
「あァ?」
鈴科さんがカミやんの事を睨みつけた。
相変わらず眼力が強い。
(ええなぁ、ボクもまた睨みつけられたいわぁ)
あの上目遣いは堪らなかった、と数十分前を思い出す。
「あれは堪らんかったわぁ……」
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:30:52.56 ID:XOxqT6pSO<>
「いきなり何言い出してンだよ、オマエ。
……打ち止めってのは、色々あって一緒に住ンでるガキの事だ」
「一緒に?
うちの寮って一人用だった気がするんやけど。
やっぱりレベル3だと、そういう特権とかあるんやね」
さすがレベル3は違う、と感心してしまう。
だが、カミやんはキョトンとした顔をしていた。
「え?鈴科の能力はレベル……」
またカミやんの机が飛び跳ねた。
「俺の能力はレベル3。
文句あるか?」
「イエ、ナニモナイデス……」
カミやんは何故か片言で鈴科さんに返事をする。
よっぽど膝が痛かったのだろうか?
鈴科さんはと言うと、首もとのチョーカーに手を当てながら、コーヒーに口をつけていた。
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:31:25.13 ID:XOxqT6pSO<>
「でも、鈴科ってやっぱり優しいな。
打ち止めの分もお土産に貰っておくなんて」
カミやんは跳ねて動いた机を元の位置に戻すと、鈴科さんに笑顔を向けた。
「……別に、そンなンじゃねェよ」
対する鈴科さんは、素っ気なく手に持ったパンに目を落とす。
「いや、やっぱり優しいって。
オマエにも、そういう所あったんだな。
上条さんは安心しましたよ」
そう言って、カミやんは鈴科さんの頭をポンポンと撫でる。
「うるせェ」
鈴科さんも口では嫌がるものの、その手を払おうとはしなかった。
(ボクの手は、あっさりとはねのけたのに……)
さすがカミやん、と普段なら軽い憤りと尊敬を抱く所だが、なぜか今回は違った。
売店に行く前と同じだ。
心のどこかがモヤモヤとする。
(なんや、コレ。
怒ってるのも違うし、悔しいってのも当てはまらんし……)
ボクが答えを探している間にも、二人はなんやかんやと会話を続けていた。
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:32:08.00 ID:XOxqT6pSO<>
「鈴科のパン、美味しそうだな」
「まずくはねェ」
「一口もらってもいいか?」
「ダメだ」
「何で? 友達だし、別にいいだろ?」
「友達……」
「そ、友達。だから、ちょっとだけわけてくれないか?」
「……少しだけだぞ」
「サンキュー! それじゃ、いただきます!」
気付くと、ボクの目の前で、カミやんが鈴科さんのパンを食べようとしていた。
鈴科さんが口をつけたパンを食べようとしていた。
鈴科さんの唾液付きのパンにぶりつこうとしていた。
鈴科さんの体液付きの、
「あ、あかーーーんっ!!!」
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:32:41.03 ID:XOxqT6pSO<>
鈴科さんとカミやんが、驚いたような顔でボクを見る。
二人だけじゃない、クラスの皆がボクを見ていた。
「……いきなり立ち上がって、どうしたンだ?」
「えっ?あ、あぁ……」
無意識のうちに、ボクは立っていたらしい。
「……アカーンってギャグ、昔あったなぁって思ってな」
「それを言うなら、アイーンじゃないか?」
「そや! それや、それ!
さっすがカミやん!
あー、なんかスッキリしたわ」
そう言って席につくと、また教室は元通りガヤガヤと騒がしくなり始めた。
どうやら、うまくごまかせたらしい。
<>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:33:30.09 ID:XOxqT6pSO<>
「あ、あとカミやん。
肉サンドならもう一個あるで。
鈴科さんから分けてもらうなんて、そんな卑しいマネせんでも大丈夫や」
「なんだ、それなら早く言ってくれよ。
悪かったな、鈴科」
「別に」
カミやんはパンの山からサンドを探し始め、鈴科さんも自分のパンを再び食べはじめた。
(良かった……。って何が良かったねん……)
いつもなら、あの場面はカミやんがあのまま鈴科さんのパンを食べて。
それをボクとつっちー……は今日はいないか。とにかく、ボクらがそれを非難して。
それに便乗してクラスの皆でカミやんに日頃の鬱憤を晴らして。
最後にカミやんが「不幸だー!」と叫んでおしまい。
そんな予定調和を繰り返すはずだった。
(何やっとんねん、ボクは)
でも、今日は、さっきは、それができなかった。
何故か、我慢できなかった。
(あーモヤモヤする!
なんかもう意味分からん。
本当、意味分からんわ……) <>
>>1<>sage<>2011/09/08(木) 18:35:29.60 ID:XOxqT6pSO<> 投了です。
続きはまた何日かしたら投下します。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/08(木) 19:06:30.28 ID:Z5jCqhDDO<> おつ!
微糖派百合子って新鮮だー
振り回されつつもダウナーなテンションのままってのも案外珍しい気がする
百合子かわいいよ百合子
続きも全裸待機する <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/08(木) 21:11:46.32 ID:QFHXy3MAo<> 乙!
ダウナー百合子も可愛いけど思春期青ピも可愛いよ青ピ
つっちーは出てくるのだろうかwktk <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/08(木) 23:02:36.15 ID:txqEk0Kp0<> 乙
ダウナー百合子超可愛い。青ピが可愛いとか初めてかもしれない。青春ですなー
つーか、クローンとか超能力者とか、上条さんそこまで空気読めなかったっけか… オイオイ
あと百合子と間接とか未遂でも許されんですの事よ。阻止した青ピGJ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/09/09(金) 07:15:39.21 ID:DpPQXbwDO<> 普通に上条さんとくっついて欲しいと思った乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2011/09/09(金) 23:25:41.43 ID:AtTtFaVAO<> 乙
青ピがなんか新鮮で面白い <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/13(火) 09:04:08.19 ID:mvCNytX9o<> どこが時々上条さんなんだーーーー!!!
青髮頑張れーーー!!! <>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:49:13.54 ID:SvZIFA3SO<> 乙ありがとうございました
やっぱり乙もらえると嬉しいものですね。本当にありがとうございます
>>104
上条さんは空気読めないというより、良くも悪くもクローンを隠すべき事と思ってない&朝のHRにいなかったので一方通行がレベル3を名乗ってる事を知らない、って感じです
描写不足ですみません
では、続き投下します
<>
>>1<>saga<>2011/09/16(金) 20:49:54.71 ID:SvZIFA3SO<>
「あら、おかえりなさい」
帰宅した一方通行に声をかけたのは、彼女の保護者でもある芳川だ。
同じく保護者である黄泉川とは違い、彼女が家から出る事は少ない。
打ち止めの面倒を見るため、とは本人の弁だが、それが仕事を探さない言い訳でしか無い事を一方通行は薄々感づいていた。
「初めての普通の学校はどう?」
「疲れた」
「そう」
芳川は静かに笑うと、リビングのソファに座る。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:50:38.84 ID:SvZIFA3SO<>
「あ、そこにあるリモコンとってもらえるかしら」
「その位自分で動けよ、クソニート」
「私はニートじゃないわ。
君がいない時に、代わりにあの子を守らなきゃいけないから、家にいるだけよ」
「在宅の仕事もあるだろォが」
「……そういうのって、色々と面倒な場合が多いのよね」
「やっぱり働きたくねェだけじゃねェか」
呆れつつ、一方通行は芳川に向かってリモコンを放り投げた。
それをキャッチした芳川は、堅苦しニュース番組から、明るいバラエティーの再放送へとチャンネルを変える。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:51:05.02 ID:SvZIFA3SO<>
「そォいや、クソガキはどォしたンだ?」
一方通行は辺りをキョロキョロと見回した。
普段なら、彼女が帰ってきた瞬間に真っ先に飛び付いてくるのは、あの少女のはずである。
だが、今日は飛び付く所か足音さえしない。
(まさかあのガキ、どこかの勢力に連れ去られたんじゃ……!)
一方通行の頭の中で、複数の「最悪のパターン」が導き出される。
だが、それはすぐに解決された。
「あの子なら、自分の部屋でお昼寝中よ」
「確認したのか?」
「君が帰ってくる直前に。
そんなに心配しなくても、何かあったらすぐに連絡してるわ」
「…………」
一方通行は無言で顔をしかめると、鞄を置いてキッチンへと向かう。
もちろん、冷蔵庫から缶コーヒーを取り出すためだ。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:51:44.42 ID:SvZIFA3SO<>
お目当てのものはすぐに見つかった。
朝よりも本数が減っている気がするが、足りなければ買いに行けばいいだけなので文句は無い。
(このコーヒーもそろそろ飽きてきたな……)
そんな事を考えながらコーヒーを味わう一方通行に、芳川が声をかけた。
「あら、このパンどうしたの?」
ごほっ、と一方通行は咳込んだ。
そして、慌てて振り返る。
彼女の目に入ったのは、自分の鞄を漁っている芳川だった。
「何してンだオマエ!」
そう叫び、一方通行は飛ぶようにして芳川の元へ向かう。
そして、自分の鞄を奪い返した。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:52:36.18 ID:SvZIFA3SO<>
「なに人の鞄勝手に覗いてンだよ!」
憤る一方通行に対して、芳川はとぼけた様に首をかしげる。
「あら、ここに置いてくから、てっきり見ていいものだと思っていたわ」
「ンな訳ねェだろ。どォいう思考回路持ってンだ!」
「しーっ。静かにしないと、あの子が起きるわ」
そう言って、芳川は人差し指を立て、口元に近づける。
打ち止めをダシにすれば、一方通行が大人しくなる事を彼女はよく理解していた。
(これが甘い大人の知恵なのよ)
芳川が心の中でほくそ笑む事も、一方通行は恐らく気付いていないだろう。
「……次からは勝手に見ンな」
芳川の予想通り、一方通行は声をひそめた。
計画通り……!と叫びたいのを、芳川は必死で堪える。
あくまでも、彼女は優しいのではなく甘い女なのだ。主に自分対して、だが。
「分かったわ。でも、どうしたの?
鞄くらいで君がそこまで取り乱すなんて。
見られたくない物でもあるのかしら?」
「そォいうワケじゃねェよ。プライバシーの問題だ」
そう言って、一方通行はコーヒーを飲み干すと、リビングから出ようと歩き出す。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:53:02.37 ID:SvZIFA3SO<>
「どこ行くのかしら?
それと、このパンは私が食べても?」
「疲れたから寝るンだよ。
パンはクソガキにやっとけ」
「分かったわ。おやすみなさい」
芳川は、何が面白いのか、くすくすと笑いながら一方通行を見送った。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:54:35.35 ID:SvZIFA3SO<>
〇〇〇
(疲れた……)
一方通行は部屋に入ると、すぐに制服のリボンタイに手をかけた。
するりとそれを引き抜くと、壁にかかっているハンガーにそれを掛ける。
鞄をベッドの上に放り投げると、セーラーも同様に脱ぎ、同じハンガーにかける。
スカートはまた別のハンガーに吊るしておいた。
そして、下着だけの姿になると(ちなみに今日は淡いピンクだ)、杖を置き、ベッドに倒れこむ。
横になり、素肌でリネンのさらりとした感触を味わうと、一方通行は、ほうと息をついた。
そして、そのまま手探りで鞄を探し当てると、それを手元に引き寄せる。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:55:45.25 ID:SvZIFA3SO<>
「ン……っ」
小さく声を出して、軽く上体を起こす。
そして、彼女は自分の鞄を開け、その中を確認し始めた。
家に帰ってから初めて見たその中は、パンが無い事以外は学校を出る時と変わらない。
(あのノートは見つからなかったみてェだな)
芳川が揶揄していた通り、一方通行には同居人に見られたくない物があった。
それが、あのノートの切れ端だ。
(別に、見られたって構わねェと言えば、構わねェンだけど……。
でも、何て言うか、アレだし)
アレ、が何なのかは一方通行にも分からない。
だが、少なくともあのノートを見られれば、調子の良い同居人達に彼女がからかわれる事は間違いなかった。
だから、一方通行は呟く。
「見つからなくて良かった……」
「何が良かったの? ってミサカはミサカは尋ねてみたり!」
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:56:22.19 ID:SvZIFA3SO<>
バッ、と音が出そうな勢いで一方通行は振り返る。
その先で彼女が見たのは、ピョコンと跳ねた一本のアホ毛もとい、
「打ち止め……」
妹達を束ね、一方通行の演算の制御権を持つ最終信号様だ。
「おかえりなさい! ってミサカはミサカはあなたに挨拶してみる」
「オイ」
「本当はあなたが帰ってきた瞬間に言いたかったんだけど、お昼寝してたから、
ってミサカはミサカは数十分前の行動を後悔してみる」
「オイ」
「それはそうと、何であなたは制服脱いじゃったの? ってミサカはミサカは不満だったり。
朝はゆっくり見れなかったから、帰ってきたらじっくり……みぎゅ!
チョ、チョップはやめて、ってミサカはミサカは猛抗議!」
「なァに人様の部屋に勝手に入ってくれちゃってンですかァ?」
一方通行はチョップを止めると、打ち止めを睨みつけた。
打ち止めは目に涙を浮かべ、口を尖らせる。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:56:48.60 ID:SvZIFA3SO<>
「い、一応ノックはしたよ、ってミサカはミサカは訂正してみる」
「何回?」
「一回……、ってミサカはミサカは目を泳がせてみる。
で、でも、あなたがもし寝てたとしたら、うるさくして起こすのも悪いなーって思ったからだよ、
ってミサカはミサカは慌てて言い訳してみたり」
「それはノックとは言わねェし、言い訳って自分でも分かってンじゃねェか」
「う……、でもでも、あなたに一番におかえりなさいを言いたかったのは本当だもん、
ってミサカはミサカは訴えてみる」
ハァ、と一方通行はため息をついた。
打ち止めはどうやら本当に反省しているようで、アホ毛も心なしか垂れ下がっている。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:57:15.37 ID:SvZIFA3SO<>
「……これからも、帰ってくる時間は今日と同じだ。
あと、ノックは三回が一般的だな」
「う、うん! ってミサカはミサカは大きく頷いてみる!
明日からはミサカもちゃんと起きてるね、ってミサカはミサカは宣言してみたり。
ついでにノックについても更新ー、ってミサカはミサカはネットワークに接続!」
空を見つめる打ち止めは、さっきとは異なり、満面の笑みを浮かべている。
(随分と喜怒哀楽が激しい事で……)
内心では呆れつつも、一方通行は彼女のそういう所を気に入っていた。
クルクルと変わる表情は、見ていて飽きない。
特に喜楽に関する表現は、一方通行自身があまり持たない物だ。
とは言え、一方通行も打ち止めとの生活によって、少しずつその様な感情を表に出し始めいるのだが、彼女はその事に気付いていないのだろう。
現に、打ち止めを見ている時の表情が柔らかい事を、彼女はまだ知らないのだから。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:57:56.07 ID:SvZIFA3SO<>
〇〇〇
「ふむふむ、りょーかい! ってミサカはミサカは敬礼してみる!」
数分後、その言葉と共に、打ち止めはネットワークによる妹達との会話を切り上げた。
そして、一方通行のベッドに乗り上げる。
「ネットワーク内の会議により、あなたへの最初の質問はズバリ! カミジョウとはどうだった?
に決定したのですが、回答をお願いしまーす、ってミサカはミサカはインタビュアー気取り!」
そう言って、打ち止めは右手を握り、一方通行の口元へと突き出す。
右手はマイクの代わりのようだった。
「どうだった、ってアバウトすぎンだろ」
「うーん、カミジョウの事ならなんでもいいから教えてほしいんじゃない?
ってミサカはミサカは上条派の気持ちを考えてみる。
ちなみにミサカは一方通行派だから安心してね、ってミサカはミサカは付け加えてみたり」
「なンなンですかァ、その派閥は。
つか、アイツとは別に話すような事は何も無ェよ」
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 20:59:53.93 ID:SvZIFA3SO<>
「だから、何でもいいから教えてほしいの、ってミサカはミサカはネットワークの意見を代弁してみたり」
「何でも、ねェ……」
一方通行は学校での出来事を思い返す。
もちろん、彼女の脳裏に真っ先に浮かんだのは、あのノートの切れ端だ。
正確には、その中の最後の言葉。
(友達、か……。いつ以来だろうな、そンな言葉聞いたの。
下手したら、初めてかもしれねェ)
はっきり言おう。
嬉しかったのだ、一方通行は。
「あの」上条当麻が自分を友人として認めてくれた事が。
自分にも、友達という物が出来た事が。
だけど、それを誰かに伝えるのはこそばゆくて、彼女にはまだ出来そうにも無かった。
だから、彼女は打ち止めに、こう告げる。
「普通、だった」
「普通?」
「普通に学生してた。
俺も、普通に……友……」
「とも?」
「……クラスメイトとして過ごしましたァ」
そう言うと、一方通行は顔をそむける。
これ以上は言う気が無い、と全身で示すかのようだ。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 21:01:14.31 ID:SvZIFA3SO<>
「ふぅん、ってミサカはミサカは渋々納得してみたり」
(まぁ、ミサカ自身はカミジョウに感謝してるし会いたいとも思うけど、そこまで興味は無いからいっか、
ってミサカはミサカは妥協してみる。
それに、あなたの表情を見れば、何か良いことがあったのは一目瞭然だしね、
ってミサカはミサカはあなたを観察してみたり)
「じゃあ、次の質問です! ってミサカはミサカはインタビュアー第二弾!」
ネットワークで一部の妹達が何やら騒いでいるが、打ち止めはそれを無視する。
他の妹達とは違い、彼女にとって重要なのは、次の質問の方だからだ。
「カミジョウ以外とはどうだったの? ってミサカはミサカは尋ねてみる」
「以外?」
「そうだよ、カミジョウ以外、ってミサカはミサカは強調してみる。
あなたが学校で仲良くなった人が知りたいの、ってミサカはミサカは説明してみたり」
まるで母が子に話し掛けるように、打ち止めの口調は柔らかい。
打ち止めが一方通行を見る目も、温かみのあるものだった。
<>
>>1<>sage<>2011/09/16(金) 21:03:32.60 ID:SvZIFA3SO<> 半端ですが、今回はとりあえずここまで
行間はあくまでも行間なので、青ピ本人の登場は基本的に無い予定です
続きはまた何日か後に <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県)<>sage<>2011/09/16(金) 21:12:18.56 ID:q1V9o3Pv0<> 乙
百合子ちゃんは乙女かわいい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/09/16(金) 21:39:56.97 ID:+bXRg2NAO<> ここで上条にフラグがたってしまったらまるでNTRのような後味の悪さががががが <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/09/16(金) 22:29:31.97 ID:czcZSuZu0<> 乙です。
ここの上条さんは出てくるとなんか緊張してしまうぜ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/09/18(日) 11:21:48.59 ID:nYHScvbNo<> しかし百合子たんの制服の脱ぐ描写をしっかりとしてくれるとはこの>>1はわかってるやん
次は着衣シーン、いや、入浴シーンを百合子タンのスレンダーな肢体が手に取るようにわかるようにねっとりたっぷりとたのむでー <>
>>1<>sage<>2011/09/24(土) 21:54:47.43 ID:5fI8HTKSO<> 乙ありがとうございました
タイトルを明記し忘れてましたが、前回が「行間 2」の前編となります
では、後編投下します <>
>>1<>saga<>2011/09/24(土) 21:55:48.77 ID:5fI8HTKSO<>
「…………」
「…………」
一方通行はしばらく無言を貫いたが、やがてその視線に負けたかのように一人の名前を呟いた。
それは、上条の次に彼女と話し、上条のような「お人よし」の男の名だ。
「青髪ピアス」
「アオガミピアス? 変わったお名前だね、ってミサカはミサカは自分の事を棚に上げてみたり」
「本名じゃなくてあだ名らしいけどな。
まァ、姓名揃ったあだ名ってのも確かに珍しいが」
「そうだね……、ってミサカはミサカはあえてツッこまない……」
遠い目をする打ち止めに、一方通行は首を傾げた。
「どォしたンだ?」
「な、何でもないよ、ってミサカはミサカは慌てて取り繕ってみたり。
えっと、気を取り直して、ってミサカはミサカはインタビュアー第三弾!
アオガミピアスってどんな人だったの? ってミサカはミサカは妹達よりも自分の興味を優先させてみる。
あ、でもちょっと待って、ってミサカはミサカはストップをかけてみたり」
ネットワーク内の妹達は、相変わらず青髪ピアスよりも上条当麻の事を聞くようにと叫んでいる。
あんまりにもそれがうるさいので、打ち止めは一部の妹達をアク禁すると、次のように書き込んだ。
<>
>>1<>saga<>2011/09/24(土) 21:57:43.44 ID:5fI8HTKSO<>
(まずはカミジョウの周りを知って外堀を埋める事も大事なのだ、ってミサカはミサカはこの前読んだ恋愛ハウツー本を思い出してみる。
あれ、そういえばあの本って誰のなのかな、ってミサカはミサカは持ち主が分からなかったり)
そんな事を考えている内に妹達が静かになったので、打ち止めはようやく一方通行の話に集中できるようになった。
一方通行も、打ち止めがネットワークと交信が終了した事に気付いたのか、やや呆れたように息をついた。
「終わったのか?」
「うん、ってミサカはミサカは頷いてみる。
では、回答スタート! ってミサカはミサカはマイクを再び向けてみたり」
「回答って言ってもなァ……」
一方通行は答えあぐねるが、打ち止めは右手を彼女に向けたままだ。
その瞳は期待できらめいており、無下にはできない。
一方通行は、打ち止めのこの目に滅法弱いのだ。
<>
>>1<>sage<>2011/09/24(土) 21:58:39.88 ID:5fI8HTKSO<>
(青髪ピアス、か……。
今日会ったばかりのくせに、馴れ馴れしい奴だった。
関西弁だけど、あれは確実に似非だな。
それから、女の好みがやたらと広い。穴さえあれば何でもいいのか?
あんなにでかくてガタイもいい癖に、意外と甘党。
それから……)
思い出して、一方通行は眉をひそめた。
(俺が嫌がっても睨ンでも、お構い無しだった。
今までなら、黄泉川達はともかく、他の奴らはこれで逃げ出したのに。
光の住人ってのはこォいうのばかりなのか?
おまけに、こンな俺にパンまでくれやがる。
……とンだお人よしだ)
<>
>>1<>sage<>2011/09/24(土) 21:59:11.89 ID:5fI8HTKSO<>
つまり、一方通行が青髪ピアスについて総合すると、結局は次の一言におさまる。
「変な奴、だった」
「変な人なの? ってミサカはミサカは首を傾けてみる」
「そ。顔も知らねェオマエのパンもくれるぐらい変な奴」
「あのパンはアオガミピアスからもらったのね、ってミサカはミサカはカエルパンの出所をネットワークに配信。
さっき味見したけど、すっごい美味しくて人気だよ、ってミサカはミサカはネットワークでの評判を教えてみる。
ミサカも今度会ってお礼を言いたいな、ってミサカはミサカは希望を言ってみたり」
「それはダメだ」
一方通行は顔をしかめ、手を左右に振る。
「あいつロリコンみたいだし」
「え、そうなの!? ってミサカはミサカは身の危険を感じてみたり」
打ち止めは両腕で自分の体を抱きしめると、大袈裟に震え上がった。
「あ、あなたは大丈夫だよね? 守備範囲外だもんね? ってミサカはミサカはあなたの貞操をしてみる」
言いながら、打ち止めは一方通行の手を強く握りしめる。
一方通行は痛みにわずかに眉をひそめるが、その手を振り払おうとはしなかった。
<>
>>1<>sage<>2011/09/24(土) 21:59:39.16 ID:5fI8HTKSO<>
「別に何もされてねェよ。
まァ、アルビノは嫌いじゃねェみたいだったけど」
「不純異性交遊は認めません! ってミサカはミサカは親気取り!」
「何が親だ、クソガキ」
一方通行がチョップをすると、ようやく打ち止めは手を離した。
打ち止めは呻きながら、その手を頭へと伸ばす。
「ミサカの身長が縮んだ気がする、ってミサカはミサカは今度の身体測定の結果を心配してみる」
「こンなンで人の身長が変わってたまるか。
それに、青髪はアルビノだけじゃなくて、女だったら何でもいいレベルだから大丈夫だ」
「やたらと包容力がある人なんだね、ってミサカはミサカは苦しいフォローをしてみたり。
何が大丈夫なのかも分からない、ってミサカはミサカはあなたの考えワカラナイ」
「何カタコトになってンだよ。
普通に女が好きなら、俺なンか選ぶワケないだろ」
「そんなこと無いと思うけどなー、ってミサカはミサカはあなたを褒めてみる」
<>
>>1<>sage<>2011/09/24(土) 22:00:41.64 ID:5fI8HTKSO<>
打ち止めは言葉通り、一方通行を上から下へと眺めていく。
張りのあり、透き通るように白い肌、サラサラとした質のいい髪。
胸は小さいけど、全体的に華奢な体付きは妹達全員(特に19090号)が羨むほどだ。
ただ、肝心の一方通行は、それを「女なのか男なのか分からない、気味の悪い体」と卑下している。
(いい加減、あなたも自分に自信を持ってほしいんだけどな、ってミサカはミサカは自己評価の低いあなたを心配してみる)
打ち止めの気持ちをよそに、一方通行は案の定打ち止めの言葉を否定した。
「はいはい、下手なお世辞をありがとォ。
青髪がいくらゲテ物好きでも、俺には手を出さねェよ。
だいたい、アイツが俺にパンをよこしたのも、もともとはただのお節介だしな。
校内案内も、学級委員だからって変な責任感出しやがって。
それに、追いかけてきたのも……」
<>
>>1<>sage<>2011/09/24(土) 22:01:11.79 ID:5fI8HTKSO<>
一方通行はその後も、青髪ピアスについて愚痴のような事を話し続けていた。
打ち止めはそれを聞くうちに、クスクスと笑い始める。
それに気づき、一方通行は怪訝な顔をした。
「何か笑う所あったか?」
「ううん、そうじゃなくてね、ってミサカはミサカは首を振ってみる」
笑いながら、打ち止めは頭を左右に揺らした。
アホ毛も、ワンテンポ遅れてゆらゆら揺れる。
「あなたが嬉しそうだから、ってミサカはミサカは説明してみる。
あなたがあんまりにも楽しそうだから、ミサカも何だかつられちゃったの、ってミサカはミサカはニコニコしてみたり」
なおも笑い続ける打ち止めに、一方通行は罰が悪そうに顔をそむけた。
それがまた可笑しくて、打ち止めはいっそう笑い声を上げる。
「あはは、あなたってば照れ屋さんなんだから、ってミサカはミサカは……ふふっ」
「うるせェ」
「ごめんなさい、ってミサカはミサカは、くすっ、謝ってみる」
「笑いながら謝ンな」
「だってあなたが可愛いから、ってミサカはミサカは……あ、ふて寝しないで!」
<>
>>1<>sage<>2011/09/24(土) 22:01:46.58 ID:5fI8HTKSO<>
一方通行は、とうとう打ち止めを無視して布団を被った。
鼻まで覆うと、布団からふわりと太陽のように温かい香りがする。
「ミサカの質問はまだ終わってないよ、ってミサカはミサカはあなたに眠らないでほしかったり」
「嫌だ。俺は疲れた。寝る」
「そ、そっちがその気ならこうだ! ってミサカはミサカは布団の中に不法侵入!
ミサカも一緒に寝るもん! ってミサカはミサカはあなたの隣をキープしてみたり!」
布団の中でモゾモゾと動いていた打ち止めは、しばらくすると一方通行の隣に頭を出した。
「オマエ、さっきまで昼寝してたンじゃねェのかよ」
「途中で起きちゃっただけだもん、ってミサカはミサカはまだ寝る気が満々な事をアピールしてみる」
「くっつかれると暑い」
「ミサカはあなたにくっつくのが大好きなの、ってミサカはミサカはあなたの胸元に頬をよせてみたり。
あなたのお肌ってスベスベで気持ちいいんだもん、ってミサカはミサカは理由を打ち明けてみる」
反論する気も無くなったのか、一方通行は舌打ちをした。
そして、そっと打ち止めの体を抱き寄せる。
「……寝相で蹴ったりするなよ」
「気をつける、ってミサカはミサカは宣言してみる」
「ン」
数分もすると、一方通行は静かに寝息をたてはじめた。
<>
>>1<>sage<>2011/09/24(土) 22:02:14.69 ID:5fI8HTKSO<>
〇〇〇
(もう寝ちゃったんだ、ってミサカはミサカはあの人が眠ってる事を確認してみる)
打ち止めは目だけを動かし、一方通行の様子をうかがった。
彼女は安らか、と形容するのがふさわしい寝顔をしている。
(珍しい、いつもならミサカが寝るまで起きてるのに、ってミサカはミサカは久々にあの人の寝顔が見れて嬉しかったり。
疲れてるのは本当だったんだね、ってミサカはミサカは寝る前のあの人の言葉を思い出してみる)
打ち止めから見た登校する前の一方通行は、いつになく緊張しているように見えた。
慣れないスカートをはいて、能力と名前を偽って、見ず知らずの人の中に紛れ込む。
人間関係に対して不器用な一方通行にとって、それは確かにストレスだろうな、と打ち止めは思っていたのだ。
帰るなり、似合わないと言っていた制服を脱いでしまったのも、その表れだろう、と。
<>
>>1<>sage<>2011/09/24(土) 22:02:54.04 ID:5fI8HTKSO<>
(だけど、あの人は満更でもなかったみたい、ってミサカはミサカはアオガミピアスについて話してたあの人をリピートしてみる。
ミサカが指摘した時には顔をそらしちゃったけど、顔が赤くなってたのはバレバレなんだから、
ってミサカはミサカは思い出し笑い)
つい笑い声をこぼすと、一方通行は身じろぎをした。
打ち止めは慌てて口を塞ぎ、体を強張らせる。
打ち止めがそのままじっとしていると、一方通行は再び穏やかな寝息をたてた。
(あっぶない、起こしちゃう所だった、ってミサカはミサカは冷や汗をかいてみたり)
打ち止めだって、せっかくの一方通行の眠りを妨げたくは無いのだ。
一方通行の寝顔は、普段の険しい顔とは真逆で、素直で幼い。
普段もこうだったらいいのに、とネットワークでは良く言われている。
(でも、これを見れるのはミサカ達の特権だもん、ってミサカはミサカは自慢してみる。
あれ? でも、あの人が学校で寝ちゃったらクラスの皆に見られちゃうの? ってミサカはミサカは悔しくなってみたり)
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>>1<>sage<>2011/09/24(土) 22:03:21.36 ID:5fI8HTKSO<>
学校と考え、打ち止めはある一人の事を思い描く。
(……カミジョウ、あの人の事を受け入れてくれたんだよね、ってミサカはミサカは確認してみたり。
よかった、ってミサカはミサカはホッとしてみる)
現時点で、一方通行の事を最も理解しているのは自分だと、打ち止めは自負している。
その彼女は、こう断言する。
一方通行の倫理感は、幼い。
過去によって歪められ、実験によって崩壊したそれを、彼女は今必死で作り直している所なのだ。
その彼女の指針となっているのは、実験を止めた「ヒーロー」である上条当麻。
彼が白を黒といえば、彼女は素直にそれを信じるだろう。
だから、ただでさえ「自分は悪のままなのではないか」という疑問をかかえている彼女が、上条に拒絶されたらどうなるか。
そんなの、打ち止めには簡単に想像できてしまう。
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>>1<>sage<>2011/09/24(土) 22:03:54.70 ID:5fI8HTKSO<>
(もちろんカミジョウがそんな事するわけないって思ってたけどね、
ってミサカはミサカは肩をすくめ……られないから、すくめたつもりになってみる。
それに、カミジョウだけじゃなくって、他の人もあの人と仲良くしてくれたみたいで本当に良かった、
ってミサカはミサカは安心してみたり。
これであの人に友達100人計画が一歩……じゃなくて、二歩進んだね、ってミサカはミサカは心の中でVサイン)
あの人に友達100人計画とは、打ち止めをリーダーとして、妹達の中で勝手に進められているプロジェクトだ。
(アオガミピアスかぁ……どんな人なんだろ、ってミサカはミサカは想像してみたり。
でも、あの人の様子を見る限り、きっといい人に違いないよね、ってミサカはミサカは確信してみる。
アオガミピアスがあの人と仲良くしてくれるっいいな、って……ミサカは……ふぁあ、眠くなってみたり……)
打ち止めはあくびをかみ[ピーーー]と、ゆっくりと目を閉じた。 <>
>>140訂正……する程でも無いけど訂正<>sage<>2011/09/24(土) 22:06:27.49 ID:5fI8HTKSO<>
(もちろんカミジョウがそんな事するわけないって思ってたけどね、
ってミサカはミサカは肩をすくめ……られないから、すくめたつもりになってみる。
それに、カミジョウだけじゃなくって、他の人もあの人と仲良くしてくれたみたいで本当に良かった、
ってミサカはミサカは安心してみたり。
これであの人に友達100人計画が一歩……じゃなくて、二歩進んだね、ってミサカはミサカは心の中でVサイン)
あの人に友達100人計画とは、打ち止めをリーダーとして、妹達の中で勝手に進められているプロジェクトだ。
(アオガミピアスかぁ……どんな人なんだろ、ってミサカはミサカは想像してみたり。
でも、あの人の様子を見る限り、きっといい人に違いないよね、ってミサカはミサカは確信してみる。
アオガミピアスがあの人と仲良くしてくれるっいいな、って……ミサカは……ふぁあ、眠くなってみたり……)
打ち止めはあくびをかみ[ピーーー]と、ゆっくりと目を閉じた。 <>
>>141ミスった。再訂正<>sage<>2011/09/24(土) 22:07:19.15 ID:5fI8HTKSO<>
(もちろんカミジョウがそんな事するわけないって思ってたけどね、
ってミサカはミサカは肩をすくめ……られないから、すくめたつもりになってみる。
それに、カミジョウだけじゃなくって、他の人もあの人と仲良くしてくれたみたいで本当に良かった、
ってミサカはミサカは安心してみたり。
これであの人に友達100人計画が一歩……じゃなくて、二歩進んだね、ってミサカはミサカは心の中でVサイン)
あの人に友達100人計画とは、打ち止めをリーダーとして、妹達の中で勝手に進められているプロジェクトだ。
(アオガミピアスかぁ……どんな人なんだろ、ってミサカはミサカは想像してみたり。
でも、あの人の様子を見る限り、きっといい人に違いないよね、ってミサカはミサカは確信してみる。
アオガミピアスがあの人と仲良くしてくれるっいいな、って……ミサカは……ふぁあ、眠くなってみたり……)
打ち止めはあくびをかみ[ピーーー]と、ゆっくりと目を閉じた。 <>
sagaとチェックしたsageの併用できなくなった?<>saga sage<>2011/09/24(土) 22:08:43.76 ID:5fI8HTKSO<>
(もちろんカミジョウがそんな事するわけないって思ってたけどね、
ってミサカはミサカは肩をすくめ……られないから、すくめたつもりになってみる。
それに、カミジョウだけじゃなくって、他の人もあの人と仲良くしてくれたみたいで本当に良かった、
ってミサカはミサカは安心してみたり。
これであの人に友達100人計画が一歩……じゃなくて、二歩進んだね、ってミサカはミサカは心の中でVサイン)
あの人に友達100人計画とは、打ち止めをリーダーとして、妹達の中で勝手に進められているプロジェクトだ。
(アオガミピアスかぁ……どんな人なんだろ、ってミサカはミサカは想像してみたり。
でも、あの人の様子を見る限り、きっといい人に違いないよね、ってミサカはミサカは確信してみる。
アオガミピアスがあの人と仲良くしてくれるっいいな、って……ミサカは……ふぁあ、眠くなってみたり……)
打ち止めはあくびをかみ殺すと、ゆっくりと目を閉じた。 <>
>>1<>sage<>2011/09/24(土) 22:10:57.61 ID:5fI8HTKSO<> 最後の方はすみませんでした。
sage欄にチェック入れるとメ欄の内容打ち消されるとか始めてだぜ本当。
また何日かしたら続き投下します <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/24(土) 22:51:36.91 ID:JZb6mYOLo<> 乙って訳よ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<>sage<>2011/09/24(土) 23:19:31.57 ID:EH1CmHc20<> おちゅちゅ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/09/24(土) 23:43:49.26 ID:YXEnALPQ0<> 乙でした、照れる百合子かわいいよ百合子。
打ち止めの「カミジョウ」呼びになんか違和感が。
「ヒーローさん」て呼びは二次でできたんだっけ? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/25(日) 11:13:51.40 ID:yhcfeTlp0<> 青髪ピアスってアオカミピアスじゃないの?
俺が間違えてるのか? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/25(日) 12:48:24.25 ID:E/nYzSRmo<> 打ち止めの「ヒーローさん」は今のところ2次設定
原作で上条さんを固有名詞で呼んだことはないけど、
同居人を「ヨミカワ」「ヨシカワ」と言ってるから基本的には名字をカタカナ呼びでいいんじゃない?
あと青ピはアオガミで合ってる
作者に言う前にwiki見てくるといいよ <>
>>1<>sage<>2011/10/02(日) 22:35:12.76 ID:KwQhsLsSO<> >>147
>>149さんの言う通り、打ち止めは原作では上条さんの事を一方通行のように呼んでますね
ここで打ち止めにそうさせちゃうと「あなた」や「あの人」が上条と一方通行のどっち指すかわからなくなりそうなので「カミジョウ」とする事にしました
そういえば確かにヒーローさんって呼ばせる手もありましたね……
乙やその他コメントくれた方もありがとうございました
続き投下します <>
>>1<>saga<>2011/10/02(日) 22:36:03.04 ID:KwQhsLsSO<>
第二章 アルビノ美少女の憂鬱
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:37:05.87 ID:KwQhsLsSO<>
鈴科さんが転校してきてから数日が経った。
その間にあった事と言えば、カミやんが相変わらずのフラグパワーを発揮したり、ボクがそれを防いだり防げなかったり。
それに加え、つっちーが鈴科さんを見た瞬間にどこからかメイド服を取り出し、鈴科さんに着せようとしてぶん殴られた、なんて事もあった。
「『にゃー。ひんにゅー白兎ばんざーい』、か……。
つっちー、君の最期の言葉は一生忘れへんで……」
「人を勝手に殺さないでほしいにゃー」
ボクの隣で、がっつりカツ丼弁当を買ったつっちーが顔をしかめた。
「でもあの時の鈴科のパンチはすごかったよなー」
相槌をうつのは、一番安いノリ弁を手にするカミやんだ。
「そやなー、綺麗に腹パン決まっとったもんなぁ」
「本当、誰かさんみたいだったぜい。
まぁ正直に言うと、そこまで威力は無かったんだけどにゃー」
「でも、あの時けっこう大袈裟に倒れとったやん」
「あれは思わずノッちゃっただけだぜい☆」
てへっ、とつっちーが舌を出した。
ガタイのいいマッチョメンにそれをやられても気持ち悪いだけだ。
どうやらカミやんも同じ事を考えたらしく、女の子が見たらフラグを自らぶち折るような凄まじい顔をしていた。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:37:37.38 ID:KwQhsLsSO<>
「そこまで嫌そうな表情をされると、流石のオレも傷つくぜよ……」
「自業自得だろ」
「そやな」
がっくりと肩を落とすつっちーは放っておいて、ボクはカミやんが握っているビニール袋を指差した。
「そこに入ってるコーヒー、鈴科さんの?」
「あぁ、これ?」
カミやんは軽く袋を持ち上げる。
「鈴科に買ってきてくれって頼まれたんだよ。
弁当持ってきてるのに、わざわざ売店行くのめんどくさいんだって。
お釣りもくれるっていうし、やっぱり超の……強能力者は違うな」
「そうやったんか。てっきりカミやんの物かと思っとったわ」
「まさか。ビンボー学生の上条さんは、節約のために水筒持参ですよ」
そう言って、カミやんはため息をついた。
飲み物も買えない程とは、今月のカミやんの財政は随分と厳しいようだ。
(……鈴科さんがお釣りをカミやんにあげるのも、この事を心配してるからなんかな)
相変わらずのフラグっぷりだ、と笑いたいのに、なんだか胸がチクリと痛む。
(新・最後の砦も崩壊してしまうんやろか。
……いやいや、結論を出すにはまだ早いで!)
ボクは、もう一度だけカミやんの待つ袋を見た。
そして、半透明のビニール越しに見える缶に、ボクは少し違和感を覚える。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:38:16.29 ID:KwQhsLsSO<>
「……カミやん、買うコーヒー間違えてへん?」
「え? 本当か?」
カミやんはワタワタと慌てながら、袋から缶を取り出した。
その焦げ茶色の缶は、やっぱり見慣れないデザインのものだ。
「ほら、いつものと違うやん」
「あ、なんだ。そういう事か」
カミやんは、さっきの焦った表情を安堵したものへと変える。
「なんか、前のコーヒーには飽きたらしくてさ。
新商品の買ってきてくれって言われたんだよ。
一番新しいコーヒーってこれでいいはずだよな?」
「そういう事やったんか。新しいのはそれで正確やで」
「だよな。青ピがいきなりあんな事言うから、間違えたかと思ってビックリしちまった」
「でも、前のコーヒーだって二週間くらい前に出たばっかりだぜい?」
回復したつっちーが、カミやんの持つ缶をひょい、と奪った。
「ハニーブラックって、甘いのか苦いのかわからない名前だにゃー」
「鈴科に感想聞けば分かるんじゃねぇの?」
「毒味役っちゅう事やな。つっちー、それ貸して」
ボクはつっちーから缶を受け取ると、そのパッケージを眺める。
原材料を見ると、ハチミツは入っていなかった。
ハニーブラックのハニーはどこから来たのだろう?
「こんな怪しいコーヒーよりも、前のほうが美味しそうやけどな」
「俺もそう思う。でも、本人が飽きたって言ってたし。
鈴科って缶コーヒーマニアらしくてさ、新商品を大人買いして飲みまくるんだけど、すぐに飽きるんだって」
「で、新商品を買うては同じ事を繰り返す、と」
「そんな感じ。もう趣味が缶コーヒーってレベルらしい」
「すごいにゃー。ある意味感心するぜい」
それにしても、とつっちーがにやけた顔で続ける。
「カミやんと鈴科は、いつの間にそこまで仲良くなったのかにゃー?」
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:38:45.48 ID:KwQhsLsSO<>
「仲良く、ってそれ程じゃないって」
カミやんはブンブンと頭を振って否定する。
だが、そんなのでつっちーの追撃が止むわけないのは分かりきっている事だ。
「そうかにゃー? 少なくとも、俺は鈴科とそんな話した事ないぜい?」
なぁ青ピ、とつっちーが振り返ってボクに同意を求める。
「うん、そやなぁ……」
この数日間、カミやんが鈴科さんへフラグを立てるのを、ボクは防いだり防げなかったりした。
つまり、わずかながらも鈴科さんにフラグが立ってしまっているという事になる。
鈴科さんとカミやんの席は隣同士だから、その分会話が増えるのは当たり前だ。
おまけに、二人は過去に色々あった仲らしい。
そんなこんなで、鈴科さんは誰よりもカミやんに心を開いているようだった。
(やっぱりカミやんのフラグパワーは最強やなぁ。
……でも、なんでボクはそれに対抗しようとしてるんやろ?)
カミやんにこれ以上良い目を見せたくないから。
なんとなく、他人のフラグを折りたいお年頃だったから。
新・クラス最後の砦を守りたいから。
理由は色々浮かんだが、どれもしっくりこない。
(そもそも、最後の砦を守りたいなら吹寄さんへのフラグも折るべきだったはずや。
なんでボクは今更……)
「おーい、青ピ!」
気づくと、カミやんが心配そうな顔でボクを覗き込んでいた。
顔を上げると、つっちーも神妙な顔でボクを見ている。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:39:16.81 ID:KwQhsLsSO<>
「どうしたんだ? いきなり黙り込んで」
「いやぁ、カミやんのフラグパワーに感心しとっただけやでー」
「なんだよそれ。心配して損したじゃねぇか」
カミやんは顔をしかめた。
だけど、ごめんなー、とボクが謝ると、すぐに頭を小突いて許してくれる。
つっちーも、笑いながらそれを見ていた。
「ま、カミやんは国宝級フラグ建築士だからしょうがないにゃー」
「だいたい、フラグなんか立ってねぇって」
「カミやん、嘘はいかんぜよ」
「そりゃ確かに俺と鈴科は話す機会多いけどさ。席隣だし。
だけど、仲がいいかどうかって言うと、オマエらと同じくらいだと思うぞ?」
ないない、とカミやんは改めて手を左右に振る。
だけど、ボクらからして見れば、そんなの信じられるわけがなかった。
「カミやんはいっつもそう言うからなぁ」
「だって本当だし。あいつ、俺にニコリともしないんだぜ?
いーっつも、無表情かしかめっつらでさ。もしかして嫌われてるかも、ってたまに思うもん」
しかめっつら、の部分でカミやんは眉の辺りにシワを寄せた。
鈴科さんのマネのつもりなのだろうが、本人が見たらきっと怒るだろう。
だって、本物の鈴科さんはもっと可愛い。
<>
>>1<>sage saga<>2011/10/02(日) 22:40:07.28 ID:KwQhsLsSO<>
「それでも、鈴科さんが基本的にカミやんとばっかり話すのは間違ってないやろ」
「そうそう、その内クラス中の女子が鈴科に嫉妬して『実録!女の修羅場〜鬼より怖い女の現実』が見れちゃうかもしれないぜい?」
ニヤニヤしながら冗談を言うつっちーに、カミやんはとぼけた顔で返す。
「なんでクラス中の女子が鈴科に嫉妬なんてするんだ?」
ボクとつっちーは顔を見合わせ、同時に頷く。
何も言わなくとも、お互いの言いたい事などすぐに分かる。
さすが親友、以心伝心だ。
「カミやん!」
「ええ加減にせい!」
轟っ!と威勢のいい音が、廊下に響き渡った。
<>
>>1<>sage saga<>2011/10/02(日) 22:40:42.93 ID:KwQhsLsSO<>
〇〇〇
理不尽だ、不幸だなどと呟くカミやんを連れて、ボクらは教室の前にたどり着いた。
ふざけながら歩いたから、いつもより大分時間がかかってしまった。
「鈴科に怒られる……。不幸だ」
陰欝な顔でぼやながら扉に手をかけるカミやんき向かって、すかさずつっちーが小さな声で言う。
「女の修羅場ー」
そして、ボクと目を合わせて人の悪い笑みを浮かべた。
「しつこいっての」
カミやんは疲れたように頭を振りながら、扉をガラガラと引く。
「第一、うちのクラスに限ってそんなのあるわけ……」
そんなのあるわけが、あった。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:41:34.86 ID:KwQhsLsSO<>
〇〇〇
クラス中の女子が、鈴科さんの席を取り囲むように立っている。
隙間から見える鈴科さんは、女子達から視線を斜めに外し、つまらなそうな顔で席に座っていた。
男共はというと、その迫力に負けたのか、教室の端に追いやられていた。
クラスの誰もが一言も発していない。いや、発する事が出来ない。
ピリピリとした緊張感が教室に充満していた。
「女の修羅場だにゃー……」
耐え切れないように、つっちーが呟く。
すると、女子達が一斉にボクらを睨みつけてきた。
その眼光に、ボクは思わずたじろいでしまう。
ヒィ、と近くからも小さな悲鳴がした。
だがそんな中、カミやんだけは一歩前に踏み出す。
「オマエら、何やってんだよ」
ボクも、カミやんにつられるように前に出た。
「そやそや。女子がよってたかって何してんねん」
そうだそうだ、と後ろからヤジが飛ぶ。
カミやんも大きく頷くと、女子の方へと歩き出す。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:42:43.86 ID:KwQhsLsSO<>
「鈴科がオマエらに何をしたのかは知らない。
鈴科は確かに転校してきたばっかりで、まだ学校に馴染んでないから、オマエらの気に障る事をしたかもしれない
でも、だからって、こんな風に一人に対して大勢で取り囲むなんて良くねぇだろ。
いいぜ、もしオマエらが鈴科に対して数の暴力なんて卑怯なマネをするっていうなら、まずはその幻そ「デルタうるさい」
一番外側にいた女子がぴしゃりと言い放つ。
「あと上条くん話長い」
「ていうかまだ何もしてないし」
「何かするつもりも無いし」
「想像で勝手に決めつけないで欲しいんだけど」
「上条くん、まさか私達の事そんな風に思ってたの? だとしたら超ショックゥー」
「さいてー」
「マジ無いわ……」
さっきの女子の一言を皮切りに、次々と言葉が飛んできた。
矢継ぎ早の反論に圧されるように、カミやんがじわじわとと後ずさる。
そして、最終的にボクへとぶつかった。
「カミやん……!」
ボクが声をかけると、カミやんはハッとしたように顔を上げ、再び女子達に向き直った。
「で、でも、オマエら……」
「ハァ?」
だが、語尾を上げて言われた最後の一言が、カミやんにトドメをさす。
カミやんは小さく唸りながら俯くと、ガクリと膝をついた。
「すまん、青ピ……」
「カ、カミやん……っ!」
こんな時に一番頼りになるカミやんも、女子の集団の前では無力だ。
一人ひとりならか弱くて守ってあげたくなるのに、数が集まるとなぜこんなにも恐ろしくなるのだろうか。
(でも、こうなったらボクがしっかりせんと……!)
「あ、あのなぁ、カミやんでなくてもこういうのは良くな「青髪くんもちょっと誤解してるみたいだから黙ってて」
「……はい」
無理だった。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:43:48.39 ID:KwQhsLsSO<>
ボク達が静かにしたのを確認して、女子達がまた鈴科さんに詰め寄る。
ボクはというと、確かに立ちすくんではいるものの、鈴科さんに何かあったらすぐに駆け寄るつもりではいた。
さっきのだって、別に女子の勢いに負けたんじゃなくて、場を穏便に納めるための戦略だ。
決して怖くなった訳じゃないもん。
「外野もようやく黙った事だし」
女子の輪の中から、吹寄さんが一歩前に出る。
「鈴科さん、私達あなたに言いたい事……いえ、聞きたい事があるのだけど、いいかしら」
「……なンだよ」
吹寄さんの言葉を聞いて、鈴科さんがようやく彼女に目を合わせる。
鈴科さんの眼光にも、吹寄さんは一歩も引かない。
同じくらいの強さで鈴科さんを見つめていた。
教室を重たい空気が包み込む。
一触即発、なんて言葉が頭をよぎった。
「あのね、」
最初に口火を切ったのは吹寄さんだった。
「その……
どうやったらそんなにスベスベで色白な肌になれるのかしら?」
ボクは思わずズッコケた。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:44:45.77 ID:KwQhsLsSO<>
「お勧めの日焼け止めとかある?」
「化粧水は? 乳液は?」
「あと、髪もすっごいサラサラだよね! シャンプーって何使ってるの?」
「黄泉川先生の家に住んでるって本当?」
「同じ転校生だったのに。なぜこんなに目立てるの?」
「あ、あとメアド教えてっ!」
「やっと話せたぁ。いっつもデルタフォースがいるから話しかけられなかったんだよね」
「何食べたらこんなに痩せられるのー?」
「いつも缶コーヒー飲んでるよね。私、オススメのコーヒーショップがあるの。
今度一緒に行こうよ!」
吹寄さんを皮切りに、次々と女子が鈴科さんに話しかける。
「女三人寄ればかしましい」と言うが、今回はそんな程度ではない。
何せクラスの女子のほとんどが一斉に鈴科さんへと喋りかけているのだ。
「なんか心配して損したな」
カミやんが、その騒々しさに紛れるようにして呟いた。
「そやな。全くもって同感や」
「ま、『うちのクラスに限ってそんなのあるわけ無い』んだけどにゃー」
「真っ先に『女の修羅場』とか言い出したのはどこの誰だったでせうか」
「おやー、誰だったかにゃー。青ピだった気がするぜい」
「何とぼけとんねん」
つっちーの頭を叩いてから、ボクは窓際の席へと向かう。
周りの男共も同じようにそれぞれ勝手な場所に座り、昼食を再開していた。
全く、さっきの雰囲気が嘘みたいだ。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:47:19.73 ID:KwQhsLsSO<>
「本当にさっきのは何やったんやろな」
「まぁ、何事も無くて良かったんじゃないかにゃー。
吹寄達も、鈴科に話しかけるタイミングが掴めなかっただけだぜよ。多分」
「そういや、昼飯も俺達とばっかりだったもんな」
確かに、鈴科さんは朝もギリギリで帰りも早い。
その上、休み時間は寝てるし昼休みはボクらと一緒。
これじゃ確かに一緒にお喋りする機会が無い。
おまけに鈴科さんはあの性格だから、ボクみたいにフレンドリーかつ包容力のあるイケメンタイプ(自称)じゃなきゃ話しかけ辛いだろう。
鈴科さんと話したい女の子達が集まって、でもなかなかきっかけを掴めずにいて、最終的に出来たのがあの状況なのかもしれない。
「俺達が遠慮して外で食べたりすれば良かったかな?」
「そういう問題でも無いと思うぜよ。ま、確かに今日はいい天気だけどにゃー」
つっちーの目線を追うように、外を見る。
今日は秋晴れで風も弱く過ごしやすい。
鈴科さんでなくても、うとうとしてしまいそうな気候だった。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:47:52.43 ID:KwQhsLsSO<>
「でもうちの学校って、外で食べるのに調度いい場所ってあまり無いよな」
「なんなら、屋上で食べてみたりせえへん?」
「屋上は鍵かかってるはずだぜい」
「壊すのも問題だしな。……あっ」
ふいに、カミやんが声を上げる。
見ると、彼は手にした缶コーヒーを困り顔で眺めていた。
「これ鈴科に渡さねぇと……」
「うーん、でも……」
鈴科さんの方を見ると、彼女は助けを求めるようにチラチラとボク達の事を見ていた。
「ま、しばらくは放っておいた方がええんちゃう?」
「だな」
拳を上げ、声には出さず口だけでファイトーと言ってみる。
すると、鈴科さんは目を見開き、何かを言おうと口を開くも、すぐに女子達の質問攻めを受けてしまっていた。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:48:26.99 ID:KwQhsLsSO<>
「女の子同士の絡みってええなぁ。百合サイコーやわ」
「あれがメイド服なら同意するぜよ」
「オマエはメイドなら何でもいいんだろ」
でも、とカミやんはおかずの漬物を箸でつつきながら続けた。
「良かったよな、鈴科」
「うん?」
「クラスの皆ともあんな風に話せてさ」
カミやんは、まるで自分の事のように嬉しそうだった。
ボクも、さっき見た鈴科さんの表情を思い出す。
困った顔でボク達を見ていたけど、それはあんなふうに大勢に取り囲まれるのに慣れていないだけだろう。
彼女なら、本当に嫌だったら適当に話しを切り上げようとするはずだ。成功するかどうかは別として。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:48:56.12 ID:KwQhsLsSO<>
「本当に、昔のアイツだったら考えられねぇよ。こんな事してるなんてさ」
「確かに、昨日までだったら予想できへんかったわ」
「あー、いや……。それよりもっと前かな」
歯切れの悪いカミやんの様子に首を傾げると、ガタンという大きな物音がした。
その方向を見ると、座っていたはずの鈴科さんが、机に手を当てて立ち上がっていた。
周りの女の子達も、驚いた様子で彼女の事を見ている。
「どうしたの、鈴科さん」
吹寄さんが心配そうに声をかける。
「……悪い、少し疲れた」
そう言って、鈴科さんはフラフラとした足取りで歩き出す。
見れば、その顔もいつにも増して血の気が無い。
「大丈夫? 大変なら。保健室まで一緒に行くけど」
「いや、いい。本当に疲れただけだから」
「でも」
「大丈夫だ。休めば直る」
心配して付き添おうとした姫神さんの提案を拒否し、鈴科さんは教室を出ていった。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/02(日) 22:49:45.40 ID:KwQhsLsSO<>
「大丈夫かな……」
ぽつり、と残された女の子の一人が呟く。
「私達のせいかも」
「うん……」
先程までとは一転して、女子達のテンションが急降下する。
誰もが、体の弱い鈴科さんを労れなかった自分を責めているようだった。
だけど、そんな彼女達を励ますようにカミやんが声を上げた。
「大丈夫だって。鈴科も疲れただけって言ってたし。
きっと昼休みが終わる頃には戻ってくるんじゃねぇかな。
でも、アイツもあんまり人と話すの慣れてないから、次からはもうちょっと少人数で話しかけた方がいいかもしれないけど。
ま、とりあえず今は昼飯食べようぜ」
そう言うと、カミやんは椅子に座って自ら昼飯を食べ始める。
カミやんの言葉を聞いて、女の子達も浮かない顔をしつつも、それぞれの昼飯を食べようと散らばった。
けれど、昼休みが終わっても鈴科さんは戻って来なかった。 <>
>>1<>sage<>2011/10/02(日) 22:51:17.75 ID:KwQhsLsSO<> 投了です。また何日かしたら続き投下しにきます <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県)<>sage<>2011/10/02(日) 22:55:06.71 ID:tZfb6GPd0<> 乙
百合子ちゃんは人見知りかわいい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/10/03(月) 01:51:17.71 ID:g0Ge4ZIc0<> 乙乙
不器用で人慣れてなくてぶっきらぼうなかんじがすごいかわいいな!
続き楽しみにしてる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県)<>sage<>2011/10/05(水) 00:12:46.25 ID:64a+4fVGo<> 乙乙乙 <>
>>1<>sage<>2011/10/16(日) 23:11:58.28 ID:/JgZbb/SO<> いつも乙ありがとうございます
日が空きましたが、続き投下します <>
>>1<><>2011/10/16(日) 23:13:17.33 ID:/JgZbb/SO<>
行間3 <>
>>1<>sage saga<>2011/10/16(日) 23:14:26.60 ID:/JgZbb/SO<> 一人になれる場所に行きたかった。
初めは保健室に行こうと思った。
けれど、必ずしも保健医がいないとは限らないし、あそこの隣は職員室だ。
だから行けなかった。
じゃあ、どこに行けばいいのだろう。
思いついたのは、あの場所だけだった。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/16(日) 23:15:21.17 ID:/JgZbb/SO<>
〇〇〇
能力を使って旧式のシリンダー錠を開ける。
扉を開くと、抜けるように青い空が一方通行の視界に広がった。
一歩踏み出すと、暖かな風が彼女の頬を撫でる。
陽の光も、包み込むように柔らかく彼女に降り注ぐ。
うららかな、まさに秋晴れと言うのが相応しい天気だった。
(ここなら、誰も来ねェな……)
そう判断した一方通行は、扉を後ろ手で閉め、鍵もかけた。
以前のように「壊す」のではなく「開ける」に留めたのはこのためだ。
黄泉川に怒られる、とかそんな事を考えたわけではない。
そもそも黄泉川なら、彼女がこうして「立入禁止」の屋上に踏み入れた時点でいい顔をしないはずだ。
もっとも、バレなければそれで済む話。
それに、一方通行自身もこの場所にあまり長居をするつもりは無い。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/16(日) 23:16:07.54 ID:/JgZbb/SO<>
(少し疲れたから休憩するだけ。……それだけだ)
心の中で呟くと、一方通行は南中より少し傾いた太陽を避けるように、給水塔の裏へと回りこんだ。
日なたとは違い、大きなタンクの影となるその場所は暗く、少しだけ肌寒い。
あまり汚れていない事を確認して座ると、コンクリートからひんやりとした感覚が一方通行の足に伝う。
(落ち着く……)
暗くて、寒くて、光を通す事のないそこは、一方通行がかつていた場所に少しだけ似ている。
「実験」が中止されるまで、そして打ち止めと出会うまで、彼女がいた場所に。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/16(日) 23:16:53.93 ID:/JgZbb/SO<>
(だから、なのか。ここにいるととても落ち着くのは)
逆を言えば、実験が中止されなければ、あの時に打ち止めを救えなければ彼女は今、この瞬間にも「闇」の中に留まっていたに違いない。
もしかしたら、かつてより深遠へと沈み込んでいたかもしれない。
だが現実には、上条、打ち止め、そして芳川や黄泉川によって、彼女は「陽」の当たる世界に引きずり出された。引っ張り上げられた。
生まれて始めて足を踏み入れたその場所は暖かくて優しくて、けれど居心地の悪い場所だった。
一万人以上を虐げて嬲って殺してきたような人間が居座っても良いのかと、疑問に思うような所だった。
『本当に、昔のアイツだったら考えられねぇよ。こんな事してるなんてさ』
そんな迷いを抱えた中で、一方通行の耳に届いたのがこの一言だ。
(頭が真っ白になるかと思った。つゥか、なった)
確かに、あの頃の一方通行を知るならば、一方通行が行ってきた事を知っているならば考えられない事だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一万人を殺した人間が、全て無かったかのように平然と一般人のように振る舞っているなんて。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/16(日) 23:18:17.21 ID:/JgZbb/SO<>
「くっだらねェ」
一方通行は、唾棄するかのごとく吐き捨てた。
(上条がそンなつもりで言う訳無いに決まってンだろォが。
アイツがそンな事言う訳が無い。アイツはそォいう奴じゃない。
だって、アイツは……)
「アイツらは、俺とは違うンだから」
そう呟くと、何故か胸の奥が締め付けられるような気がした。
喉に何かが詰まったやうな気がして、おまけに目元も篤くなった。
鼓動が早まり、呼吸も荒くなった。
体中がゾワゾワとして、気がつくと胸元を握り締めていた。
「何だよ、コレ」
こぼれた声は震えていて、そんな自分に無性に腹が立った。
「何なンだよ、クソ……っ」
尚も揺れる声に苛立ち歯噛みしつつ、落ち着け落ち着け、と心の中で唱えながら深呼吸を繰り返す。
自分は混乱しているだけだと、冷静になれてないだけだと、決め付けるかのように。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/16(日) 23:18:49.00 ID:/JgZbb/SO<>
〇〇〇
「一方通行。前々から思ってたけど、オマエは他人に好意を向ける事を恐れてるね」
それは、一方通行の初登校日の前日の事だった。
夜も11時を回った頃、打ち止めがとっくにベッドで眠りについているような時間帯。
リビングで明日の予定を確認している一方通行に、遅い夕飯という名の晩酌を取っていた黄泉川が告げた一言だった。
ちなみに芳川はソファーに座りながら、ポテチ片手にバラエティーを見ている。
「あァ?」
一方通行が不快そうに顔をしかめ睨みつけても、黄泉川は気にせず先を続けた。
「何となく、ね。この一ヶ月間君を見ていて思ったじゃんよ」
「酔ってンのか?」
一方通行はテーブルの上に並んだ空き缶を指差した。
黄泉川が手にしているビールはもう3本目だ。
一方通行達も、最初こそ明日の仕事はは大丈夫なのかと心配していたが、どうやら黄泉川は酔いを次の日に残さないタイプらしく、それは杞憂で終わっていた。
その代わり、すぐに酔って周囲に絡み始めるのはいただけないのだが。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/16(日) 23:19:45.19 ID:/JgZbb/SO<>
「えー、ぜぇんぜん酔ってないじゃんよー。えへへ」
今日も、黄泉川は顔を赤らめだらし無く頬を緩めている。
酔ってンじゃねェか、と一方通行は小さく呟いた。
酔っ払い程「酔っていない」という法則は、黄泉川にもやはり当てはまるようだ。
「酔っ払いの戯言なンて聞く気にならねェな」
「だぁから、酔ってないって言ってんじゃーん」
「そォいうのは素面になってから言え」
呆れながらも席を離れようとする一方通行の袖を、黄泉川が通りすがり様に引く。
そして、思わず倒れ込みそうになる一方通行を見てけらけらと笑っていた。
これだから酔っ払いはタチが悪いのだ。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/16(日) 23:20:17.86 ID:/JgZbb/SO<>
「オマエ……」
「まぁまぁ。人の話は最後まで聞くもんじゃん?」
「じゃあとっとと話せ。ついでに手も離せ」
「あ、それって話せと離せをかけてる?」
「か、け、て、ね、ェ」
苛立ちをつのらせる一方通行の眉間には、何本もしわが寄せられている。
その眉間を、黄泉川は面白そうにつんつんと突いた。
「あんまり顔をしかめてると、美人が台なしになるぞー」
「年中ジャージ女に言われたく無ェ。用件あるならさっさと言え」
「せっかちじゃん」
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/16(日) 23:20:48.47 ID:/JgZbb/SO<>
黄泉川は一方通行から手を離し、ビールを一口飲んだ。
こくり、と喉元の健康的に適度に焼けた肌が上下する。
「私が言いたいのはね、一方通行。オマエは打ち止めの好意を受け入れてはいるけど、返そうとはしてないでしょ。
いや、素直に全て受け入れてるわけでもないかな?
だって、オマエはたまに居心地が悪そうな顔をしてる」
「そンなわけ……」
「あるじゃん」
きっぱりと言い切られ、一方通行は押し黙る。
黄泉川はそれを見て、満足そうに頷いた。
「あるよ。自覚してないかもしれないけど、これは本当の事じゃん。
怖いのかな、好意を向けて拒絶されるのが。
私達はそんな事しないのに。ねー、桔梗」
えぇそうねそうかもね、と芳川が聞いていたのかいないのか分からないような返事をする。
黄泉川は、だよねー、と笑い、芳川に向けていた顔を一方通行へと戻した。
「ほらね」
そして、俯く一方通行の頭を優しく撫でる。
一方通行が顔を上げると、黄泉川は手を止め、またビールを飲み込んだ。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/16(日) 23:21:26.92 ID:/JgZbb/SO<>
「ぷはーっ、うまい。
つまり一方通行、オマエはごちゃごちゃ考えないで、素直になればいいって事じゃんよ」
「素直な意見を言うなら、酒臭いからとっとと離れろ」
「あぁもう、オマエは可愛くないじゃん! そういう所がまた可愛くもあるけど!
あー、だから、私が言いたいのはね、つまりね、その、あれじゃん。あれだよ、あれ」
黄泉川は言いながら、空に向かってクルクルと指を回した。
まるで、そうすれば求める答えが見つかると思っているかのようだ。
もちろん、一方通行はそうは思わない。
所詮は酔っ払いの戯言か、と諦めてさっさと部屋に戻ろうかと思った。
思うだけじゃなく、実際に踵を反した。
そんな一方通行の背中に、黄泉川は呼びかける。
「あ、うん。そうそう。思い出した。
あのなー、一方通行。うちの学校は、すっごい良い所でさ。オマエの言う『お人よし』がたくさんいるじゃん!
今回は色々あって名前とか能力とか嘘つかなきゃいけなくなったけど、そんなの無くてもオマエに無条件で好意を注ぐような奴らばっかじゃんよ。
だからさぁ、」
黄泉川はここで言葉を句切り、ビールを飲み干す。
そして、ぶっはぁー、とオッサン臭い息を吐き、空いた缶をテーブルの上に投げた。
「たまには素直にそれを受け入れて、余裕あったら立ち向かってみればいいと思うじゃん!」
即座に「立ち向かったらダメでしょう」と芳川が呟いた。
<>
>>1<>saga sage<>2011/10/16(日) 23:22:01.73 ID:/JgZbb/SO<>
〇〇〇
(よりによって、こンな時に思い出すのが酔っ払いの言葉かよ……)
一方通行はため息ついでに、深呼吸をする。
肺に溜め込んだ息を出し、同じ分だけ吸い込む。
そうやって、しばらく息を整えている内に、段々と落ち着いてきた。
一呼吸ごとに、脈拍やその他が「正常」に戻っていくのが分かる。
もう、大丈夫だった。何事もなかった。
「……くっだらねぇ」
一方通行は力無く呟くと、そのままズルズルとコンクリートへと倒れ込んだ。
(素直に受け入れろ、なンて。簡単にできりゃ苦労しねェよ)
一方通行はくだらねェ、ともう一度だけ呟くと、傍らに放置していた杖を抱えこむ。
杖やコンクリートから肌に伝わるヒンヤリとした感触が心地好い。
そのまま目をつむると、冷涼な空気に包まれたままどこかへと沈んでいくような感覚に陥る。
本当にこのまま沈んでいけたらいいのに、なんて事を一方通行は考えた。
<>
>>1<>sage<>2011/10/16(日) 23:23:17.48 ID:/JgZbb/SO<> 投了です
またある程度書けたら投下しにきます <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県)<>sage<>2011/10/16(日) 23:40:28.40 ID:H7zEcw5to<> おつなンだよ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/17(月) 11:44:43.82 ID:zzIJsJFX0<> おつー <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/30(日) 13:34:12.24 ID:21r7lxTZo<> おつ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/09(水) 04:30:14.30 ID:H2VtSApAO<> 舞ってる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(新潟・東北)<>sage<>2011/11/21(月) 21:06:11.62 ID:EkQITiVAO<> まだー? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/11/23(水) 12:26:05.42 ID:ELPcJFpEo<> まだか <>
>>1<><>2011/12/03(土) 17:02:20.98 ID:yevqKGBSO<> 気がついたら一ヶ月以上も経過していました
乙ありがとうございます&お待たせしてすみません
三章前半の投下始めます <>
>>1<>sage saga<>2011/12/03(土) 17:06:10.91 ID:yevqKGBSO<>
第三章 陽の当たる場所
<>
>>1<>sage saga<>2011/12/03(土) 17:06:55.37 ID:yevqKGBSO<>
最初は、彼女がそこにいるとはわからなかった。
彼女が、耳を澄ませなければ気づかぬ程に小さくむずかるような声を出すまでは。
幸運にもそれを耳にしたボクは、その方向へと足を進めた。
そして、その先で案の定白い姿を目にする。
「おった……」
給水塔から伸びる陰。その中に、隠れるように彼女はいた。
横向きに転がり動いてもいないし、多分眠っているのだろう。
いつも使っている杖をすがるように強く抱きしめている。
それを離してしまえば、きっと良くない事が起こると考えてるみたいに。
まるで何かから怯えて逃げてるようだな、と思った。
<>
>>1<>sage saga<>2011/12/03(土) 17:07:31.43 ID:yevqKGBSO<>
〇〇〇
「鈴科さーん」
小声で話しかけながら、僕はなるべく足音を立てないようにして彼女のもとへと歩いた。
なんだか矛盾してるけど、寝てる人を前にする行動は皆同じだと思う。
この程度で起きるなら起きてほしいけど、そうじゃないならゆっくりと眠っていてほしい。
子供のように素直な寝顔を晒す人を前にしたら、こう考えるのはきっと自然だ。
結局、ボクは鈴科さんを起こす事なくその近くにたどり着いた。
鈴科さんは時折小さな声を出しては身じろぎをするものの、まだしばらくは夢の世界に留まっていそうだった。
(うん、寝とる寝とる。こうやって見ると、寝顔も幼くて可愛いわぁ。
服めくれて肩とかお腹とか見えとるのも、本当に子供みたいで……。
あれ……服がめくれて?)
はた、と気づいて改めて鈴科さんの姿を見直す。
寝相のためか、鈴科さんの服は所々が乱れていた。
例えば、衿元は大きくズレていつになく首筋とそこからなだらかに続く肩のラインを晒している。
呼吸をする度に動く喉も鎖骨の窪みもきっちりバッチリよく見えた。
そして、丈の短いセーラー服の裾もめくれ上がり、肉のない薄いお腹ときゅっとくびれた細腰、さらにはかわいらしいお臍まで全開の大サービスだ。
視線を下に移すと、黒いプリーツスカートも同様にまくれており、すべすべとした白い太ももとコントラストを描いている。あともうちょっとで普段は隠されている何かが見えてしまいそうだ。
その眩しい太ももが挟みこむのは、金属製の細い杖である。
ささやかな胸の間から伸びて跨ぐらを通る杖はは、まるで鈴科さんの体から離れるまいとでもするかのように、ピッタリと彼女の体に押し付けられていた。
(これは……)
ふらふらと吸い寄せられるように近づくと、ボクの気配を感じたのか、鈴科さんがモゾモゾと動き出す。
鈴科さんの腕が前より強く杖を抱きしめ、太ももがもじもじと杖を擦るように動く。
<>
>>1<>sage saga<>2011/12/03(土) 17:08:16.23 ID:yevqKGBSO<>
「…………っ」
ごくり、と生唾を飲み込む。
これはあかん、と思った。これはヤバい、と思った。
しかし、ズボンの中で存在を主張するとある硬いモノへと、勝手に右手が伸びていく。
こんな事をしてはイケナイとは分かっている。分かっているけど、止められない。止められるはずが無い。
所詮ボクは男という生き物で、これは男の本能なのだ。この世界に本能に逆らえる人間がいるのだろうか、いや、いない。
(ゴメン、鈴科さん。キミが寝とる間に全部済ませるから……)
心の中で、そう呟く。意味など無いと知りながら。
そして、ボクは。
「……何してンだ、オマエ」
画面越しに鈴科さんと目が合った。
「鈴科さんの寝相があんまりにもエロかったもんやから、写メって今夜のおかずにでもしようかと」
「…………」
無言で杖が投げつけられた。
<>
>>1<>sage saga<>2011/12/03(土) 17:08:49.54 ID:yevqKGBSO<>
〇〇〇
「何もこんな金属の塊ぶつける事ないやんかー」
携帯をポケットにしまいつつ額をさすりながら言うと、大きな舌打ちが返ってきた。
ちなみに、鈴科さんの格好はもう整えられてしまっている。残念だ。
「タダで人の写真撮って気持ち悪ィ事に使おうとするような変態には、そンくらい別にいいだろ」
「え、お金払ったら写真撮ってもええの?」
「そォいう意味じゃねェ。もォ一度頭ぶっ叩いてやろォか?
そォすりゃいくら何でもマトモな考えになると思うンだが」
「頭なら、叩かれるよりもピンヒールで踏まれる方が好みなんやけど」
「オマエの好みなンか聞いてねェ」
杖を返すと、さっそくそれで頭を叩かれた。
と言っても、先程のように強力なものではなく、軽く小突かれた程度だ。
大袈裟に唸りながら頭をかかえると、更に突かれた。
「そ、そこは心配するとこちゃうん?」
「オマエの頭の中を? 今更だろ」
「ひどい!」
ふん、と鼻をならすと、鈴科さんは杖を引っ込め、足元に置いた。
<>
>>1<>sage saga<>2011/12/03(土) 17:09:18.70 ID:yevqKGBSO<>
ずっと立ったままは嫌なので、ボクも大人しく鈴科さんの隣にしゃがみ込む。
すると、鈴科さんはボクの事を上目遣いで見上げてきた。
「……で?」
「で、って?」
「聞かねェの? 何で俺が教室出てった理由とか?」
「理由って、具合が悪くなったからやないの?」
そう言って首を傾げると、鈴科さんは一瞬目を見開き、その後罰が悪そうに顔を背けた。
「もしかして、違うん?」
「…………」
鈴科さんは答えない。
という事は、つまり。
「図星、なんやね」
「…………」
鈴科さんは無言のまま、手の平を強く握りしめた。
指先が食い込んでいて、手の平に傷がついてしまいそうだ。
「……別に、ボクはそういう事聞くつもりはあらへんよ」
鈴科さんの手の力が、わずかに緩む。
「なン、で……」
「だって鈴科さん、きっと聞いても教えてくれへんやろ?」
「それは……」
鈴科さんの瞳が揺らぎ、再びその指先に力が篭る。
まるで叱られた子供のようだ。
言い訳をしたいけど、結局何も思い浮かばなくて、ただ目線を反らす事しか出来ない、とても幼い子供だ。
「なぁ、鈴科さん」
名前を呼ぶと、その肩がピクリと動いた。
そんな様子まで、本当の子供のみたいだ。
だから、ボクも子供に言い聞かせるように出来るだけ優しい声を出す。
「言いたくないなら言わんでもええで。ボクかて、無理に聞こうとは思わんし」
「…………」
「それに、慣れてんねん。こういう事は」
「慣れてる……?」
「うん、慣れてる」
しゃがんでいるのが辛くなったので、コンクリートの上に尻をつける。
布越しに伝わる感触は思っていたよりも冷たいものだった。
こんな場所に、鈴科さんはずっと一人でいたのだろうか。
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>>1<>sage saga<>2011/12/03(土) 17:09:54.76 ID:yevqKGBSO<>
「カミやんとつっちーとボクでデルタフォースなんて言われとるけどな、ボクらって必ずいつも一緒にいるわけやないねん。
カミやんもつっちーも、ボクに何にも言わずにいきなり何日も学校休むし。
おまけに、次に会う時はいっぱい怪我しとる。絶対何かあったに決まってるやろ?
それなのに、二人ともなんにもボクに教えてくれへんねん」
「……寂しい奴」
鈴科さんは、顔を上げないまま呟いた。ちょっと酷い。
でも、こういう皮肉を言えるのが「いつもの鈴科さん」だと思うと、少し安心もする。
「うん、寂しいで。でもな、ええねん。
確かに何にも教えてもらえんのは結構しんどいしキツイけど、ボクは二人を信じとるから」
「信じてる?」
「うん。二人が本当にボクの力が必要な時は、ボクにちゃんと話してくれるって。
ボクを信じて頼ってくれるってな。
だから、えぇねん」
「…………」
「勿論、それは鈴科さんも同じやで?」
「…………っ!」
鈴科さんは顔をあげ、大きく見開かれた目でボクを見る。
が、すぐにその目線は行き場を失ったかのように反らされた。
「俺は……」
そして、伏し目がちのその瞳は心なしか潤んでいるような気もした。
「俺は……っ」
「だから、無理して言おうとせんでえぇねんて。
ボクに言える、って思った時でえぇよ。
それに、ミステリアス系アルビノ美少女ってのも、ボクにとっては魅力的な属性やし!」
鈴科さんの指先が白くなっている事に気づき、、ボクは彼女の手を掴んだ。
触れた彼女の指先は、予想以上に冷たい。
「それに、手握るのも禁止な。せっかくすべすべな掌しとるのに、傷がついたら勿体ないやろ」
「……離せ」
震える声で告げられても、素直に従えるわけがない。
そんな「子供」を見捨てる程、ボクはクールでハードボイルドな男にはなれないし、それが向いてる性分でもない。
ボクに出来るのは、適度にごまかしておちゃらけて、そしていつもの彼女に戻るまで辛抱強く待つ事だけだ。
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>>1<>sage saga<>2011/12/03(土) 17:10:27.81 ID:yevqKGBSO<>
「もう握り込まん、って言うなら離すでー」
「分かったから離せ」
「えー、もうちょっとこの感触を味わいたいんやけど……」
「……さっきと言ってる事真逆じゃねェか」
顔をしかめながらも、無理にはボクの手を振り払おうとしない鈴科さんが何だかかわいかったので、ボクはへらりと笑った。
鈴科さんはそれに文句を言いつつも、やっぱりボクに手を預けたままだ。
最初はひんやりしていた指先も、ずっと触っていたら次第に暖まってきた。気がする。
ボクの体温が移っっているのかもしれない。
「悪趣味……」
「何が?」
「人の指触ってニヤニヤしてるオマエが」
「だって、鈴科さんの指、細くて綺麗でスベスベしとるし。
あと、段々ボクの体温移ってくのがおもしろいなぁって。
ずっとこうしとったら指先だけじゃなくて、鈴科さんとボクの体温も同じになるんかな」
指先だけじゃなくて、鈴科さんは全身が冷たくなっているのではないだろうか。
だって、掌を握りしめていた鈴科さんの表情は、寒くて凍えている時に少し似ていたから。
だから、こうして鈴科さんが温まればいいなぁ、と思ったのだ。
「ならねェよ。人体には自分の体温を一定に保つ働きがあるからな」
だけど、鈴科さんはあっさりとボクの意見を否定した。その声は、もう揺れてなどいない。
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>>1<>sage saga<>2011/12/03(土) 17:11:29.74 ID:yevqKGBSO<>
「そうなん? 残念やなぁ」
そう言って、ボクは鈴科さんの手を離した。
触れていた部分はもう温かくなったし、これ以上ボクが触っていても無意味な事が分かったからだ。
それに、鈴科さんのスベスベした肌も十分に堪能できたし。
「鈴科さん、冷え症なんやない? 養命酒飲んだ方がええでー」
「未成年に未成年が酒を勧めンなよ」
「マジメやなぁ」
「うるせェ」
鈴科さんは、確認するかのように指を曲げたり伸ばしたりしている。
時折指をもう片方の手でなぞっては、手の平を合わせたりもしていた。
白い肌の中で、指先だけがほんのりと色づいているように見える。
「なぁ、鈴科さん」
ボクが呼びかけると、鈴科さんはボクを見た。
「お昼持ってきたんだけど、一緒に食べようや。こんな陰気臭い所じゃなくて、あっちの暖かそうな方で」
そう言って、立ち上がり手を伸ばす。
指先だけじゃ足りない。ボクの力では足りない。
だったら、もっと暖かくて優しく彼女を包みこんでくれる場所へ移ればいい。
こんなに暗い影の下ではなく、明るい陽の当たる場所へと。
ためらいがちに重ねられた手を、ボクは強く握りしめた。
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>>1<>sage<>2011/12/03(土) 17:12:53.92 ID:yevqKGBSO<> 投了です
続きが書けたらまた投下しにきます <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/03(土) 17:23:39.78 ID:4ckbgdgDO<> 乙! 最近青ぴと百合子の絡みが多くて最高! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中部地方)<>sage<>2011/12/03(土) 17:34:00.98 ID:uF/n4rA5o<> GJ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(福岡県)<>sage<>2011/12/03(土) 23:01:46.33 ID:IICPrGeq0<> むっはー何このイケメン
青ピらしさ(笑)を残しつつというのがなおよし!!
本当に>>1乙です <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/04(日) 03:10:01.77 ID:ETbx7DuDO<> 来てたー!
乙! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(新潟・東北)<>sage<>2011/12/04(日) 03:43:04.33 ID:k/X7ku8AO<> 乙乙
青ピは何気に主人公属性持ちだと思うんだ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県)<>sage<>2011/12/04(日) 18:32:04.04 ID:V63v0XQfo<> 乙乙!
何この青ピ濡れる!!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(香川県)<>sage<>2011/12/04(日) 20:27:29.88 ID:u5UzB0KT0<> きてたー!
青ピの包容力マジ最高 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(滋賀県)<>sage<>2011/12/06(火) 23:03:57.85 ID:XW//SrW00<> 乙!濡れた <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 05:29:16.68 ID:zJnwD6uuo<> おいついた
百合子ちゃんにはこういう包容力あって気負わせない人がいいよなペロペロ <>
フレンダ<><>2011/12/26(月) 07:03:08.66 ID:nqR7DU/AO<> アクセラレータが可愛いってワケよ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/26(月) 21:09:44.18 ID:uIQgNrlao<> フレ/ンダ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/01/23(月) 01:56:15.62 ID:sLMmiGcs0<> まだー? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/02/05(日) 11:05:02.79 ID:3h59a4bDO<> せめて生存報告だけでも <>
>>1<>sage<>2012/03/03(土) 13:54:48.82 ID:WlSuc2sSO<> 気がついたら3ヶ月経ってました
今月中には投下したいと思います <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2012/03/03(土) 13:59:59.44 ID:xBDXZDUUo<> ここだ……ここで投下を待つ…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県)<>sage<>2012/03/07(水) 00:08:12.88 ID:o1PHNpyN0<> 待ってるからね! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2012/03/19(月) 08:19:26.04 ID:q5HW1QeAO<> 待機なう <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/03/26(月) 13:02:13.77 ID:r4RxYzFDO<> 待機 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2012/04/03(火) 15:27:02.81 ID:EVpej2mp0<> …待機なう <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)<>sage<>2012/04/05(木) 18:19:47.60 ID:ZypzyGFEo<> 待機ing <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/04/14(土) 00:14:19.47 ID:l9dFlGIDO<> 待ってるぅ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<><>2012/05/05(土) 11:05:33.25 ID:VNtEKugs0<> 私まつわー <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/05(土) 11:59:54.51 ID:Myb+OlLSO<> >>224
ageんな
…と言いたいがお前のお陰でこのスレに会えた
ありがとう <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/05/25(金) 01:55:43.78 ID:O2+n0hcx0<> 生存報告でもいいから来てほしい。俺はまだ待ってる。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/29(火) 18:05:21.01 ID:ebfOEgTDO<> いつまでもまーつーわ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/29(火) 18:05:55.80 ID:ebfOEgTDO<> いつまでもまーつーわっ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)<>sage<>2012/06/04(月) 16:26:54.30 ID:Qb9S9nok0<> 3か月経っても残ってる…だと?
待ってるからね!!!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/09(土) 16:02:14.31 ID:LWg345KCo<> あれ? <>