VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<><>2011/10/02(日) 03:34:26.49 ID:gHXN8gFCo<>男「やっぱりオリジナルなんて受けないんだろうか……」
男「といっても、二次創作は苦手だしなぁ……はぁ」
男「……」
カチカチ
男「……やっぱりないか」
男「前のスレも結局まとめにも載らなかったしな……」
男「何が悪いんだろうか……」<>男「俺のSSにレスがつかない」
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:35:10.19 ID:gHXN8gFCo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「……」カタカタ
友「おーす。何やってんだ?」
男「お、おす。いや別に。はは」
友「ふぅん……何だそれ?珍しいな」
男「……これ?ポメラっていう奴だよ」
友「……ピコラ?」
男「それはお菓子。俺は好きだけど。これはポメラ。デジタルメモだよ」
友「……デジタルメモ?」
男「そう。テキストを書くことしかできない。ただのメモ帳」
友「……えぇ?何に使うんだよそんなもん」
男「ノートとったりにも使えて、色々便利だぜ」
友「ふーん……やっぱ俺は手書きでいいかな。そこまでするほどじゃねぇや」
男「まぁな。こんなの使ってる奴も少ないだろうしな」
友「そりゃそうだ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:35:51.34 ID:gHXN8gFCo<> 男「……ところでさ」
友「どうした?」
男「お前マンガ好きだったよな?」
友「ああ好きだぜ?三度の飯の間も漫画だ」
男「お前はさ、どんな作品が好きなんだよ」
友「……そりゃ、面白い作品だろ」
男「……また曖昧だな」
友「バクマンで編集長も言ってたろ?漫画は面白ければ良いんだ。
まぁ漫画に限ったことじゃねーがな」
男「……ふーむ。お前相変わらずバクマン好きだな」
友「まぁな。あれは久々に当たりだと思ったわ。
だってジャンプでジャンプに連載する話って発想がそもそも面白いじゃん」
男「たしかにな……」
友「ありゃージャンプだからできることだと思ったね。まぁ出オチ感が強かったからこれからどう転がすかが見ものかねぇ」
男「なるほどなぁ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:37:15.23 ID:D519l3SL0<> まさに俺の事だ。
期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:38:13.24 ID:gHXN8gFCo<> 友「どうしたんだよ。今日なんか変じゃね?」
男「そうか?」
友「そうだよ」
男「……腹が減ってるんだ」
友「この講義終わったら飯じゃねぇか……少しは待てよ」
男「頑張るわ」
キーンコーン……
友「あ、教授来たぞ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:38:57.89 ID:gHXN8gFCo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
テクテク
男「(面白い作品かぁ……)」
女「やっほ。どうしたの神妙な顔して」
男「ん?ああやっほ。そんな顔してた?」
女「してたしてた。もう何かすごく考えこんでたよ」
男「マジかぁ……」
女「どうしたの?何か悩み事?」
男「悩み事っていうかなー……」
女「微妙なんだ」
男「まぁ」
女「私に言えることだったらなんでも言ってよ。言いたくなかったらいいけどさ」
男「じゃあ聞くけど」
女「うん!」
男「ついつい読みたくなる作品ってどんなのだと思う?」
女「……はい?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:39:49.48 ID:gHXN8gFCo<> 男「小説漫画ライトノベル……なんでもいいんだ。ついついタイトルで手に取って、ついつい内容で読み進めちゃうようなの」
女「うーん……。内容は面白いに越したことないけど、タイトルは、気になるのかなぁ」
男「……気になるって、例えば?」
女「最近気になったタイトルは、『女子がやると男子っぽいこと』ってやつ。mixiニュースのコラムだけどね」
男「……それは確かに気になるな」
女「でしょ?漫画とかじゃなくてゴメンだけど、なんとなく見ちゃうでしょ?」
男「まぁなぁ……俺もなんとなく気になる」
女「内容はまぁ……普通だったんだけどね。でもランキング一位だったよ」
男「はー……」
女「やっぱり女の子としては男の子にどう見られてるかって興味があるし、女の子らしいとか可愛いとかは思われたいのって皆一緒だしね」
男「なるほど……」
女「参考になった?」
男「かなり」
女「そ。なら良かったよ!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:42:37.88 ID:gHXN8gFCo<> 男「ありがとう!今度飯奢るよ」
女「わざわざそこまでしてもらわなくても」
男「うーむ、じゃあ、ジュース?」
女「うーん。じゃあうちにご飯食べにきなよ」
男「いやそれ逆じゃん」
女「最近料理にこっててさぁ、誰かに食べてもらいたいの。君もどうせ似たようなもんでしょ?」
男「おおう」
女「何してるのかは知らないけど……感想が欲しいなら、いつでも受け付けてるよ」
男「……いや、それはちょっと恥ずかしいかな」
女「ならいいや。じゃ、約束ね!いつにする?」
男「決定なんだな」
女「自分の作ったものがどう評価されるか、気になる気持ちはわかるでしょ?」
男「料理も一緒ってことか……」
女「そ」
男「ふーむ……わかった。今度予定あけとくよ」
女「おっけー!またメールするね」
男「おう」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:43:06.48 ID:gHXN8gFCo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「(……面白い作品)」
男「(つい気になっちゃうタイトル……)」
男「(誰もが思うこと……)」
男「(皆が興味のあることで、皆一緒で……)」
男「(……でかかってはいるんだよなぁ。何か)」
ゴハンヨー
男「(ついつい興味を引いてしまうような、誰もが読みたくなるようなタイトル……)」
男「(読者の気持ちを……読者が気にしてることを……)」
ガチャーン!
母「ごはんだって言ってるでしょーがこのボンクラ!!」
男「わわ!ごめん!すぐ行くよ!」
母「さっさと来なさい!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:43:45.92 ID:gHXN8gFCo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「……」モグモグ
男「(やっぱり、突拍子もないようなタイトルの方が……)」モグモグ
男「(いや、それで共感を呼べるかと聞かれると……)」モグモグ
男「(かといって皆が共感できるような内容でSS……?夢も希望もなくなりそうだな)」モグモグ
母「……ねぇ」
男「……あ、何?」モグモグ
母「さっきからアンタなにボーっとしてんの?たまにお箸スカってるじゃない」
男「あー……ちょっと考え事」
母「悩み?」
男「近いけど……そうじゃない」
母「意味わかんないわね……言ってみなさいよ。楽になるわよ?」
男「じゃあさ」
母「うん」
男「母さんはどんなものが面白いと思う?」
母「……は?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:44:20.57 ID:gHXN8gFCo<> 男「一個人として母さんの意見が聞きたいんだ」
母「意味がわかんないけど……そりゃ感性の合うものでしょ」
男「……感性の合うもの?」
母「そーよ。例えば私昼ドラみたいなドロドロした愛憎劇見るけど、アンタ全然好きじゃないじゃない」
男「そりゃそうだろ」
母「でも名作だと言われる昼ドラだってたくさんあるのよ?なんでだと思う?」
男「……えっと、有名だから?」
母「違うわよ。感性の合う人が多いからよ」
男「……どういうこと?」
母「もともとね、何が面白くて何が面白くないかなんて、自分が勝手に決めることで、その作品は関係ないのよ」
男「は、はぁ!?」
母「だって私からすればあの昼ドラは面白い。でも貴方からすればつまらない。これはどっちが正しいと思う?
どっちも正しいのよ」
男「どっちも正しい……」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:45:15.31 ID:gHXN8gFCo<> 母「つまり有名や人気な作品なんてのはね、要は万人受けする作品ってだけで、その作品自体がどうとかはぶっちゃけどうでもいいのよ」
男「それはなんというか……横暴な理論じゃない?」
母「そんなことないわよ。アカデミー賞の何がすごいって世界で面白いと言われるからよ。日本だけでも様々な感性の違いがあって、
面白いという人がいれば面白くないという人までいるってのに、この賞とかは海外の人も日本の人も面白いっていうの。こんなに万人受けする作品を作るだけでもすごいのよ」
男「はー……」
母「たとえば勧善懲悪の平凡のストーリーでも、伏線がすごかったり、セリフ回しが心に来るものだったらそれは名作なの。
何故かというと、伏線やセリフ回しが良いっていうのは、皆が共通して好きなことだから。アンタも好きでしょ?」
男「そりゃあ」
母「でもね、皆好きだからって誰でもそんなお話は作れないの。ある程度の経験と、ある程度の実力。それとある程度の才能があって初めて、万人受けするものがつくれるのよ」
男「……」
母「たとえば貴方が今お話しをつくれー、って言われて、万人受けするものができる?」
男「え、で、できるんじゃないかな……」
母「やってみなさい?」
男「あるところに平民の男がいて……森にいったらモンスターがいてそいつを倒してお姫様と結婚っていう感じの……」
母「典型的なファンタジーね。確かに好きな人は多いわ。でも合わない人だっているのよ?」
男「ええ?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:48:20.11 ID:gHXN8gFCo<> 母「きっとアンタは『万人受け』の意味をはき違えてるのよ。今のお話だったら、たとえば、理屈っぽい人は『なぜモンスターを倒したから姫と結婚するんだ』というし、
動物が好きな人は『モンスターを倒さなくても……』って言うし、ミステリ好きな人は『単調すぎてつまらない』って言うわ」
男「そ、そんな事言われたって……」
母「そ。勧善懲悪でシンデレラストーリーで理に適ってて奥が深く動物愛護の精神もあり伏線が豊かで表現に富んでいるお話……。
こんなものを作れっていう方が無茶よ。でももしできたら物凄く万人受けする話じゃない?だから万人受けするってすごいのよ」
男「なるほど……」
母「今売れてる作品だって、『何でこんなものが売れるんだ』って言う人もいるわ。所謂アンチって奴ね。でもそれはただ感性が合わないだけ。
実際にお話がつまらないのかもしれないけど、そこは関係ないの。有名で、たくさん買う人がいる。それだけで商品としては十分なのよ」
男「……何か難しいな」
母「そりゃあね。アンタはまだ学生なんだから。こういう流通とか集団心理みたいなのは……そっち方面に就職でもしないと、ちゃんと考える機会も少ないものね」
男「うーん……でも、なんとなく参考にはなったよ。ありがとう」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:48:50.34 ID:gHXN8gFCo<> 母「そ。なら良かったわ。貴方も何かを考えて、発表する機会が来たのね。
それはとっても良い事よ」
男「……良いことなのか?」
母「自分の作品を見てもらうっていうのは、それだけで人との感性のふれあいができるの。合わない人もいれば、合う人もいる……それがわかるってだけでも、有意義なことよ」
男「……奥が深いなぁ」
母「貴方はもっと、自分に自信を持ちなさい」
男「……頑張ってみるよ」
母「おっけい。じゃあ、今日はさっさと部屋に帰りなさい。
あんまり夜更かしするんじゃないよ」
男「おう!」
母「(元気ねぇ)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:49:32.52 ID:gHXN8gFCo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「……人とのふれあい」
男「感性の違い、か……」
男「確かに、自分が面白いって思って書いてても、他人から面白いとは限らないんだよな」
男「逆に考えれば……自分も他人も面白いと思えるものなら……人気になるし、有名にもなる」
男「……万人受け」
男「……ほ、本当に難しいよなぁ」
男「あ、そうだ」
男「今人気の作品を読んでみよう」
男「……」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:50:15.47 ID:gHXN8gFCo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「……はぁ」
男「色々読んでみたけど、やっぱり共通点はあるよな……」
男「主人公が成長する……最後には勝つ」
男「もしくは恋愛……恋の悩み。人間関係のもつれ……」
男「漫画とかだと極端に書かれるけど、人間の成長って……俺たちにとっては凄く身近なことなんだよな」
男「……とくに体の成長が著しい小中学生には」
男「……そっか、だから小中学生にはバトルが人気なんだ」
男「成長してカッコ良くなる主人公。悪いものをやっつける……」
男「自分の理想を、思い描いていけるんだ……」
男「高校生くらいには……恋愛とか、ひねくれたのが人気だよな」
男「やっぱり複雑な年頃で……自分とか社会のことも考え始める」
男「テンプレートな発言をする教師にもうんざりしてる……
斜に構えた考え方になってしまう……」
男「もしくは、人間関係が辛かったり……」
男「恋愛にも興味のある年頃だし、『こんな恋愛、してみたい!』っていう、理想を描けたり……」
男「大人向けには……もっとイロモノがあるよな」
男「社会の構造だったり、すごくリアルな設定の、後味の悪い漫画とか……」
男「社会が甘くないって、人生が甘くないって、よくわかってるから、共感できるんだ……」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:50:52.81 ID:gHXN8gFCo<> 男「バトル漫画のような成長は終わって、ラブコメの様な思春期の甘い恋はできない……」
男「……金や権力が絡む、そんな世界に生きてるから……」
男「……でも」
男「意外な層に人気な作品ってのもあるよなぁ。それは……?」
男「……あっ」
男「……それが、万人受けか」
男「……ターゲットの層はもちろん、他の層をも連れてこられる」
男「そいうのが、万人受けする、って言うんだ」
男「……はぁ、また一つ賢くなった気分だ」
ドサッ
男「……今日は考えすぎたかな。疲れた」
男「……ゆっくり、寝るか」
男「そういえば……眠る時の安らぎって、皆……きょう、つ……」
男「……」
スピー <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/02(日) 03:52:11.83 ID:gHXN8gFCo<> 一回目終了です。
あれ・・・?短かったかな?まぁ1レスが長いので……それなりにはボリュームも……あるのかな?
明日起きたら書き溜めて投稿する予定です。では。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/10/02(日) 04:24:25.87 ID:sTq6U5wAO<> なにこれためになる
当たり前のようで忘れがちな事を思い出したぜ…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/02(日) 07:30:00.94 ID:pS+pDycDO<> おつ
わかってた事だけど改めて見ると難しいな…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/10/02(日) 07:53:16.59 ID:b2GfeRdMo<> 「母」は何者なんだ…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/02(日) 11:52:30.83 ID:R15efvyO0<> 俺……、今書いてるスレが完結したらこのスレを参考にするんだ…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/10/02(日) 13:55:17.09 ID:lHm/X3r9o<> こういう題材は好きです
乙だ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2011/10/02(日) 23:03:46.16 ID:sNJBZAdZo<> これはいいスレに出会えた。続き期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:42:35.78 ID:XWOY7PRlo<> 再開します <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:43:04.50 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「面白い作品を作る……」
男「様々な人の感性に合う、『万人受け』するものか……」
男「……あー、やっぱ難しいよなぁ!」
男「……ニュースサイトでも巡ってみるか」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:43:59.82 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
カチカチ
男「……面白い」
男「どれもこれも、面白いニュースばっかりだ……」
男「……何でだ?」
男「俺の感性と……合う?」
男「……いや」
男「……万人受けするニュースなんだ」
男「誰にでも、共感できる……」
男「有名な、芸能人の話……」
男「男女の疑問についての話……」
男「……だから有名な作品の二次創作ラブコメってのは受けがいいのか」
男「それが『共通認識』ってやつか……」
男「(共感できるテーマでなくてはならない)」
男「(伏線や凝った演出などがあるとなお良い)」
男「……まずは、伏線とかをどう作るかだよなぁ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:44:28.73 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
友「代表的な伏線?」
男「おう。何か参考になるものはないかなって」
友「……うーん。難しいな。
伏線ってのは内容よりも見せ方が重要だしなぁ」
男「……内容よりも見せ方?」
友「……おう。例えば『逆転裁判』っていうゲームでは、最初にでてきた妙な時計が凶器だったんだよ」
男「……わけわからん」
友「……説明が面倒くせぇなぁ。その時計はさ、パッと見時計に見えないんだよ」
男「ほうほうそれでそれで?」
友「犯人は、初見のはずなのにそれを「時計」と断定したんだ。これが決め手だった」
男「ほー……」
友「伏線っていうのは、派手にしておけばしておくほど良いんだよ。
ただし、気づかれないようにな」
男「……ふむ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:45:17.74 ID:XWOY7PRlo<> 友「たとえば、一話でチラって出てきた人が『伏線でしたー』って言われても、『誰?』ってなるだろ?」
男「まぁな」
友「それが、飛び飛びで三話くらいには出てる店の親父が実は敵だったってのほうが盛り上がるんだよ」
男「はー……」
友「もちろん、伏線になるセリフを入れて……かつ分かりづらくする。これが難しいんだな」
男「やっぱそうだよな……」
友「伏線ってのはバレちゃいけない。さりげなく見せておいて、あとで『こうだったのか!』っていう驚きがあってこそ成功なんだ」
男「奥が深いなぁ……」
友「そりゃそうだ。伏線は奥が深い。何が面白いかって、メディアによって様々であり、かつ、技量があればあるだけ、素晴らしい伏線が張れる。伏線に限界はないんだ」
男「伏線に……ってことは、他には限界があるのか?」
友「ある。話も確かに限界は無いに近いが、素晴らしい高尚なお話を作りすぎると……観る側が付いていけなくなる。作品を作る側が東大レベルでも、観る側は老若男女様々なんだから」
男「ほう……」
友「絵もそれと近い、あまりに上手い絵を描いたところで、評価は、『絵が上手い』止まりだ。絵画として売るわけでもなければな。マンガだってアニメだって、ある程度の絵があればそれで十分なんだよ。
無茶苦茶時間をかけて作るメリットがない」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:48:32.41 ID:XWOY7PRlo<> 男「あくまで、『ビジネス』なんだもんなぁ……」
友「あぁ。だが伏線はそもそも作るのが難しい。アニメでもマンガでも、その伏線はいつでも張れるしいつでも回収できる。
タイミングは無限。内容も無限。さらに最初にヒントを出して最後にネタばらしをするんだ。高尚すぎて理解できないなんてことはない」
男「な、なるほどな……」
友「漫画等だったら、重要なキーワードを最初から明かしておいて……気にせず使っていたらそれが後に大変重要な鍵となる……ありきたりだが熱い展開だぜ!」
男「それは……いいな」
友「だろ!?いかにさりげなく盛り込むか、それがポイントだぜ!」
男「さりげなく、か……。ありがとう!参考になったわ!」
友「どうした?お前もついに漫画家デビューか?」
男「いや、それだけは絶対にないなww」
友「そうか、まぁ頑張れよ!」
男「おう!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:54:15.28 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「伏線か……」
男「(確かに伏線は自由度が高い。ミステリやSFには必ずと言っていいほど必要だが、
恋愛ラブコメギャグマンガ、バトルものにだって使用可能だ。もちろんその可能性は無限大……)」
男「(有用な伏線、特に主人公の最終決定に関わるような……)」
男「(そんなものを、『さりげなく』か……)」
男「(そりゃ、難しい訳だ)」
女「や」
男「あ、おう」
女「また考え事?」
男「まぁな」
女「……うーん、何悩んでるのか知らないけど、あんまり悩みすぎるのもよくないよ?」
男「いや、そんなに悩んでる訳でもないんだけどな」
女「そうなの?ならいいけど」
男「悩んでると言うより、考えてるに近いんだよな。やっぱ」
女「よくわかんないけど、まぁわかるよ」
男「どっちだよ」
女「わかってるってことだよ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:54:57.27 ID:XWOY7PRlo<> 男「ならいいけど」
女「ちょっとパクらないでよー」
男「パクってねーよwwならいいけどくらい誰でも言うだろwww」
女「まーそうだけどさー」
男「話は変わるけどさ」
女「何?」
男「最近観たもんで『すごい!』ってなった伏線ってある?」
女「……ほんとに話変わるね。最近そういうのにハマってるんだ?」
男「まぁな。考えごともそのこと」
女「面白そうなことしてるねぇ。うーん……最近の伏線かぁ」
男「うむ」
女「伏線かどうかわからないけど、ブラッディマンディのはすごかったなぁ」
男「映画?」
女「映画の話を聞いて、漫画買ったの。主人公の後輩がラスボスだったって伏線」
男「ほほー……。ありがちだが、難しい伏線だなぁ……唐突に『実はラスボスでしたー』って言っても、『は?』ってなるしな」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:55:36.86 ID:XWOY7PRlo<> 女「結構よくできてたよ。主人公の過去の出来事とも関連してて、最初の方のセリフとか、途中の展開も、後でそれを知って『あーっ!』ってなったもん」
男「ラスボスが後輩っていう、ダイナミックな伏線だけに、露骨に魅せることはできないもんな……
読者に予測されたら、その時点でキッツイ。まぁでもラスボスが身近な人物ってのは、使い尽くされた手だよな」
女「敵の幹部とか、敵になっちゃうとかよくあるよねー。そういうの結構好きだけどね」
男「まぁ俺も、敵が味方になったり、味方が敵になったりするのって、結構好きだけどな」
女「いいよねー。ドキドキハラハラしちゃうよ」
男「確かに。ん……?」
女「どうしたの?」
男「……そういうのってさ、善の人間も悪になるとか、悪の人間も善になるとか、性善説とか性悪説のテーマもはらんでたりするのかな?」
女「む、難しいこと考えるんだね……」
男「いや、つい……でも流石に、普通の漫画でそんなテーマをはらむとかは……ないか」
女「そうだと思うけど……うーん、私はちょっと哲学とかもあると思うよ、漫画にも」
男「……そうか?」
女「うん。だってそもそも漫画の始まりって、小説なんかに絵をつけたものじゃなかったっけ?
ってことは、社会風刺や哲学等の、深いテーマを漫画にしたものも、過去のはあるんじゃないかなって」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:56:06.12 ID:XWOY7PRlo<> 男「それは過去の話であって、今は関係ないだろ?」
女「でもさ、漫画って大体昔のお話を踏襲してるじゃない?」
男「そうか?」
女「そうだよ。例えば義理の親に育てられた主人公が仲間を見つけて強大な悪に立ち向かう話って……桃太郎じゃん」
男「あ!」
女「そんな風にさ、昔のお話をインスパイアしたお話も今はたくさんあると思うの。
だから風刺や哲学の深いテーマをインスパイアした作品も、色々あるんじゃないかなぁって」
男「そうか……今の漫画や小説等の多くには、昔話をインスパイアしたようなものがいっぱいあるよな!」
女「うん。斬新な発想や設定……わかりやすいストーリー展開。お話の雛形にはぴったりだよ」
男「インスパイアか……考えてみようかな」
女「まぁ、やりつくされてはいるから……難しいかもね。よくベタって言われるけど、あれはBetter(より良い)が語源だしね」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:56:35.18 ID:XWOY7PRlo<> 男「いまじゃあなんか『よくあるパターン』って感じだもんな」
女「良いものだから、よくあるっていうのは、なんとなくわかるんだけどね。でも私も、斬新なのが好きかな」
男「うーん……ベタなのか、斬新なのか。色々悩むところはあるな」
女「どっちでもいいと思うよ。自分の書きたいものを書けばいいんじゃない?」
男「そうだよな。……あれ?俺言ったっけ?」
女「なんとなくわかるよー。小説かなにか?」
男「……ま、そんなもんかな」
女「詮索はしないけど、応援はしてるよ」
男「……知ってる」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:57:35.66 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「うーむ」
母「いつまで仏頂面してんのよ。ご飯が不味くなるじゃない」
男「あ、ごめん」
母「また何かやってるの?」
男「まぁねぇ。母さん」
母「何よ?」
男「やっぱり『万人受け』ってどうも難しいわ……どうすれば、『万人受け』する作品を作れるようになるんだ?」
母「……アンタ私の話聞いてなかったの?万人受けするものは、それなりの技量がないと作れないわよ?」
男「そうだよなぁ……」
母「まずは技量をつけるか……万人受けしないものを作ればいいじゃない?」
男「万人受けしないもの?」
母「そうよ。マイナー、邪道、呼び方は色々あるけど、万人受けするものができないのなら、万人受けしないものを作ったらいいじゃない」
男「そんなものを作ってどうするのさ」
母「糧にするのよ」
男「……かて?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:58:39.09 ID:XWOY7PRlo<> 母「たとえば、猫好きの為だけのお話とか、零細企業のお話とか……
よくあるありがちなお話とはぜんぜん違うものだけど、それを書くことによって、そのニーズは喜ぶじゃない?」
男「……まぁ、そうだよな」
母「それを少しずつ続けていって、色々なお話を考えて行けば、色々なニーズに受けるものがわかってくるんじゃない?」
男「あー……そうか」
母「誰もが最初っから世界中に大受けするようなものが作れるわけないのよ。
最初は身内レベルの、人の少ないところから初めて、少しづつ共感者の多いお話にシフトしていくのよ。誰だってそうしてるわよ」
男「なるほど……」
母「まぁ希に、マイナーや邪道で成功する人もいるけどね。
ただし、それは例外であって、凡例ではないわよ?」
男「はー……」
母「わかった?わかったのなら万人受けなんてさっさと諦めて、邪道やマイナーの制作にとりかかりなさい。それも無理なら、まぁ諦めることね」
男「……おっけ。がんばってみる」
母「よし。じゃあさっさとご飯を食べなさい。洗えないのよ」
男「りょーかい」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 22:59:10.18 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
女「もう少しだから、待っててね」
男「お、おう」
男「(女の子の家って何故か緊張するなぁ)」
男「……(いい匂いがする)」
カタッ
カチャカチャ……
女「……」
女「よし、できたー」
男「お、できた?」
女「うん。運ぶからちょっと待ってて」
男「手伝うよ」
女「ううん?全部やって初めて『私の料理』なの。だから座ってて?」
男「あ、おう」
男「(こういう言い方をされると弱い)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:00:01.10 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「……ん、美味い!」
女「そう?良かった〜」
男「正直ビーフストロガノフをパスタにかけたのなんて食べたことなかったからさぁ」
女「そうなの?最近は結構あるよ。クックパッドにも載ってるし」
男「あそこは何でもあるだろ……」
女「あはは。まぁそうかな。でも色々参考になることも多くて、ついついお世話になっちゃうよ」
男「まぁ料理が趣味の奴が集まって作るサイトだしなぁ。細かい指定とかもあって、分かりやすいんだろうな」
女「人によって濃いのが好きだったり、薄いのが好きだったりして、色々あるけど、それにも対応してるしねぇ〜」
女「うふふふ」ニコニコ
男「……やけに楽しそうだな、どした?」
女「そりゃ、美味しいって言ってもらえたもの。うれしくもなるよ」
男「これだけ美味いんだから……そう心配することでもないと思うがなぁ」
女「そんなことないよ〜。私別にそんなに上手い訳でもないし、やっぱり自信のあるメニューでも、
実際に食べてもらうまではわからないもの。美味しいって言われるだけで、私すっごく嬉しいよ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:00:45.13 ID:XWOY7PRlo<> 男「そんなもんなのか……じゃあ美味しいって連呼したほうがいい?」
女「あはは。それじゃ意味ないじゃない。一人でも美味しいって言ってもらえるのは嬉しいけど、
一人が何回も言ったって結局は変わらないよ。たくさんの人に一回ずつ言ってもらえるのが一番幸せだよ」
男「……確かにな」
男「(たとえ名作であっても、一人で祭り上げるのはまた違う……)」
男「(たくさんの人に受けた方が、良いに決まってる)」
女「……まぁ、貴方からなら、何回でも嬉しいけどね」
男「(発表するまで不安な事は、俺も同じだ……)」
男「……ん?なんか言った?」
女「べ、別に!」
男「そっか」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:01:28.28 ID:XWOY7PRlo<> 男「(やっぱり自信があるのと、実際にやるのは違うんだな)」
男「(きっと俺が面白いと思うSSを書いても……面白がられるかどうかは別だ)」
男「(だが好き嫌いがあるように……俺のSSを気に入ってくれる人もいるはず)」
男「(その人たちに発信する……そんな作品がいいな)」
女「……どうかしたの?」
男「あ、変な顔してた?」
女「ううん……?結構スッキリしてる顔してたような」
男「まぁ、それはあるな……。
今日は本当にありがとう。ガチで何かお礼がしたいんだが……、駄目か?」
女「う〜ん……お礼をしてもらうような事はしてないしね。
また、食べに来てよ」
男「……それでいいなら、喜んで食べに行かせてもらうぜ」
女「うん!是非来てね!」
男「(やはり、自分の作品の評価が気になるのは……どこでも共通なんだな)」
女「(やた!一歩前進……かな?)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:02:04.14 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「(何でも……漫画でも、ゲームでも、アニメでも、SSでも……)」カタカタ
男「(ニーズ、ってものは必ずある。問題は、俺が、どのニーズに対してSSを書くべきか……)」カタカタ
教授「君」
男「はいっ!?」
教授「……この機械は、なんだね?」
男「これですか?メモです。デジタルメモ」
教授「ほほう。これでノートがとれるわけか……面白いねぇ」
男「は、はは」
教授「では33ページに戻るが――」
友(講義中くらいやめとけばいいのに)
男(何となく集中できるんだよ)
教授「そこ、私語は控えるように」
男「すみません……」
友「すんません……」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:02:53.66 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
友「お前のせいで怒られたぞ……」
男「俺のせいか……まぁそうだな。ごめんて」
友「なーにをカタカタやってんだ?小説でも書いてんのか?」
男「まぁ近いな」
友「おお、まさかお前小説家デビューか」
男「それはないな」
友「じゃあ何でやってんだよ」
男「何でって……」
男「(……あれ?俺何でSS書いてるんだっけ?)」
男「(確か最初はアニメの展開が気に入らなくて……)」
男「(主人公を自分勝手に動かして……)」
男「(クロスオーバーとかも書いたっけ……)」
男「(それで、だんだんSS書くのが日常になってきて……)」
男「(まとめブログとかの存在を知って……)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:03:22.80 ID:XWOY7PRlo<> 友「おい、どうした?」
男「いや、そういえば何でだったかなー、と思って」
友「考えてなかったのかよ」
男「おう。気がついてたら書いてた」
友「まぁ、理由なんて大したもんじゃないしなぁ。
でも理由があった方が、いいものは作れると思うぜ」
男「……まぁ、そうなんだろうな」
友「今からでも遅くないんじゃないか?
やる意味とか、決めてみたら?」
男「……今から?」
友「例えば何かを伝えたい、例えば何かを発信したい……。
色々あるじゃねぇか。お前なりに何か考えたら、作品も作りやすくなるんじゃね?」
男「何かを発信したい……」
友「まぁ無理にとは言わんがな。考えるのも決めるのもお前だし」
男「……あぁ。でもなんか参考になったわ」
友「……そーか。ならいいんだ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:03:53.68 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「(……俺が発信したいこと)」
男「(……なんだろうか?)」
男「(特に伝えたい事もないし、常日頃から考えている思想なんてものはない)」
男「(強いて言うなら……俺のSSが、誰かのためになれば良い)」
男「(誰かが……俺のSSを気に入ってくれる、ごくわずかな誰かが――)」
ゴハンヨー
男「あ、はーい」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:04:40.48 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「(うーむ……)」
母「……まだ悩んでるの?」
男「え、あ、うん」
母「全く。今度は何よ」
男「書く意義も決めたし、書くジャンルも決めた……
でも具体的に何を書くかが、全く決まらなくて……」
母「ふぅん」
男「ふぅんって……」
母「逆に聞くけどさ、アンタ何が書けるの?」
男「何がって?」
母「たとえばSF書くならSFの知識がいるじゃない。ラブコメ書くならラブコメの経験があったほうが楽よね。
バトル書くなら躍動感とか大事だけど、それは表現できるの?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:05:09.38 ID:XWOY7PRlo<> 男「あ……」
母「やっぱり作品ってのはね、自分に身近であればあるほど楽よ。
まぁ絶対にそうしろとは言わないけど、最初はそうするのが一番良いんじゃない?」
男「……確かに」
母「作品は、いつでも作れるじゃない。もちろん何個でも作れるし、作ったからって減るものじゃない。クリエイティブな行為だからね。
だから、自分が詳しくないものは、後でもいいんじゃない?」
男「……おう、なんか掴めそうだ。ありがとう!」
母「……どういたしまして」
母「(素直な子に育ったわねぇ)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:05:45.77 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「(俺が作ることのできる話……)」
女「……」モグモグ
男「(俺の身近なもの……といえば)」
女「……」モグモグ
男「(料理に奮闘する女性の話か……まぁありがちではあるが、身近なだけに書きやすくもあるだろうな)」
女「……」モグモグ
男「(見た目も……おそらくかなり綺麗な部類に入る。このまま使用しても問題はない……)」
女「……」モグモグ
男「(だがしかしどのニーズに向けて発信するか……料理をするだけでは普通すぎて……)」
女「……ね、ねぇ」
男「……あ、ごめん。何?」
女「そ、その……じーっと見られると、流石に食べにくいんだけど……」
男「……あ、ごめん。つい」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:06:15.13 ID:XWOY7PRlo<> 女「えっ(ついって?ついって何!?)」
男「悪いな。考えごとしててさ」
女「う、ううん。見られるのが嫌なワケじゃないから(何を考えてたの!?)」
男「(……逆に、聞いてみようかな)」
女「……(な、なんか恥ずかしいなぁ)」モグモグ
男「……な、なぁ」
女「は、はひ?(声裏がえった!)」
男「(何だ今の)ちょっと、変なこと聞いていいか?」
女「(へへ、変なこと!?)う、うん。い、いいよ!」
男「……俺はどんな作品が作れると思う?」
女「……へ?」
男「客観的に見て、俺が作品を作るなら、どんなものかかな……って。
変なこと聞いてるのは重々承知なんだけどさ」
女「……うーん」
男「……」ゴクリ
女「私も変な返しになっちゃうけど……」
男「お、おう」
女「いつも何か考えてたじゃん?それじゃ駄目なの?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:06:44.42 ID:XWOY7PRlo<> 男「へ?」
女「いやほら、今日もだけど、いっつも何かを考えこんでるじゃん。それはさ、貴方にしかないものなんじゃないかなって。
だから、それについて描いたら……って、駄目、かな?」
男「……」
女「……あぁ、ご、ごめん!変だよね!
違うってのはわかってるんだけど」
男「……いや」
女「……え?」
男「……アリかもしれない。考えたこともなかった」
女「逆に、それだけ考えてるんだから……きっといいものになるんじゃないかな?わ、わからないけどさ」
男「……そうか、そうだよ。ありがとう!俺が求めていたのはこれだったんだ!本当にありがとう!」
女「ちょ!しょ、食堂では静かに!」
男「……お礼がしたいって言っても、拒否られるんだろうか。
飯を食べるだけでいいんだったら毎日行ってもいいくらいだ」
女「……ま、毎日!?」
男「……いや流石に迷惑なのはわかってるし、そ」
女「い、いいよ!是非来て!都合があうなら!是非来て!」
男「え……?あ、あぁ。わかった」
女「やたっ!」
男「(本当に料理に対してストイックなんだな……見習わないと)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:07:23.16 ID:XWOY7PRlo<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――
男「(俺の今までの経験……)」
男「(SSについて考えたこと……)」
男「(作品としての、ニーズ、伏線、発信先……)」
男「(様々な事を……あとは、どう伝えるかだけだ!)」
男「(主人公……舞台設定……)」
男「(時代背景……どうするかな)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:07:52.26 ID:XWOY7PRlo<> バサッ
男「……ん?」
男「……バクマン」
男「……流石にこれは、どうかと思うが」
男「……やってみるか」
男「何番煎じかもわからない、俺自身の話……」
男「SSにレスがつかない男が、そのSSのために悪戦苦闘する話……」
男「よし……これでいこう!」
男「タイトルは――」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:09:01.54 ID:XWOY7PRlo<>
その後、彼のSSがどうなったかは知らない。
ただ、それは彼にとって、非常な大きな一歩になっただろう。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:09:36.71 ID:XWOY7PRlo<>
※この物語はフィクションです。
実在の人物、団体とは一切関係ありません
<>
◆ZWAJnJ4q9E<><>2011/10/03(月) 23:12:12.24 ID:XWOY7PRlo<> これでこの物語はお終いです。
彼の思いが、果たして読者に伝わったのか?それはいまだにわかりません。
ただきっと、彼がそう思ったように、自分の伝えたいことを理解し、共感してくれる人は……必ずいるはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
またどこかでお会いできれば光栄です。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/03(月) 23:17:03.04 ID:2P6I4ErZo<> これは小説を書くための話であってSSを書くための話じゃなかったな
小説とSSは違うけど、これは最低限どちらでも必要程度だったかな
乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>saga sage<>2011/10/03(月) 23:17:17.15 ID:WZnmNxzxo<> 乙です。
為になったし読後感爽やかで良かったよ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2011/10/03(月) 23:20:52.40 ID:hHI5ud5Oo<> あれ?終わり?もっと続けてよー <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/03(月) 23:32:59.90 ID:9w4+4aIIO<> なるほどなるほど <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/10/04(火) 01:09:56.02 ID:Z7THP//Uo<> くそっ、男と女の成り行きが気になるぜ!
いろいろためになったしおもしろかった
乙だ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/04(火) 16:19:28.89 ID:VKHRyhwIO<> これはなかなか面白かったな。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)<>sage<>2011/10/04(火) 16:44:21.37 ID:4J6aXAmSo<> 乙でした
「母」がやたら説得力のある人なもんだから
実は伝説の小説家でいずれ対立する……みたいな伏線かと期待してたんだが
「なぜSSを書くのか」という問いが印象的だった
俺は読み専だけど、書き手の人らってどうして書いてるんだろう? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/08(土) 23:33:25.62 ID:r9reZIcIo<> 書きたいから書いてるに決まってるじゃないか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/14(金) 18:42:44.24 ID:CcxIRN3U0<> HTML依頼もできない奴が自分の伝えたい事とか共感とか言ってんじゃねえよ <>