VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/11/24(木) 17:15:21.23 ID:XdfF1DMSo<>┏━ ノ ー‐ j ji |l| _,,,,,_ ji ji i i! ,_,,xz .|l| |l| ┃
┃ -イ.ー┬‐ | ーチ‐ || |! ーナ ̄| ト-、 | |! / || || ┃
┃. │ _| レ _ノ `"⌒) o ,__,,」 ノ´ 、ノ .| 丿 /^\ .o .o ━┛
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――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代……
幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である……。
――かもしれない……。
〜前回までのあらすじ〜
世界でも有数の使い手となった召喚士、王の落胤でもあり
心優しき気丈な魔道士。本国最強の槍使いの父を持つ、
抜群なセンスと強さを兼ねた戦士。東方の忍でもあり
寡黙ながら心技体と美貌に優れた盗賊。4人の冒険はまだ続く。
ついに西の魔王イブリースと対峙した4人。その結末とは……。
◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html
◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
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◆専用あぷろだ(支援ありがとうございます!)
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◆雑談スレ(オマケみたいなSSがあったりするとかしないとか)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301828985/
◆前スレ(その33)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318927989/<>召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その34
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/11/24(木) 17:16:05.84 ID:XdfF1DMSo<> ◆過去ログ(その1〜32)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285213402/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1292945466/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294929946/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297002187/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298556181/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300871942/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303216728/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305623043/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308493316/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312161458/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1315821180/ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:16:36.74 ID:XdfF1DMSo<> 魔王イブリース。特質な魔王の中でも、更に特質な存在である。
その力は単体において強大であり、イブリース自身も好戦的であった。
他の魔王が持つ支配欲や優劣の概念はなく、ただ強さのみを求めている。
力こそが絶対。強い者が支配者。それが正義。善悪の区別など一切ない。
故に危うい。至ってシンプルなその思考と発想は長きに渡り、変わる事はなかった。
仮に敗れたとしても、その命ある限り再び立ち上がる事が出来る。敗北に恥はない。
いや、敗北さえ時には快感を得ていた。戦う事に生き甲斐を感じ、それを糧としてきた。
そうして今日まで存在し続けてきた異質の魔王。その概念は人間にも近しい部分がある。
天才「さぁて、いくぜ」
イブリース「くるがいい。この俺様を楽しませてみろ!」
部下や仲間など1人も居らず、信じるものは己の力のみ。己の信念のみ。
例え目の前で剣を構える人間が、一瞬で灰となろうとも、それもまた勝負。
イブリースは他の魔王の持たぬ経験を持っている。完全消滅は至極困難。
天才「でっりゃああぁぁぁぁ!!」
イブリース「ハーッハッハッハッハァァ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:17:29.04 ID:XdfF1DMSo<> ドオオォォォォン
戦士「何だっ!?」
召喚士「……始まった」
盗賊「……こっちだな、行こう」
魔道士「はいっ」
ズザッ…タッタッタッタッタ
戦士「しっかし、本当に魔物の1匹も居ないんだな」
盗賊「ああ。全く気配を感じぬ」
召喚士「魔王が単体で待ち構えているなんて……」
魔道士「今までの事を考えたら、信じられないですね」
戦士「それだけ自信があるって事かよ」
タッタッタ…ソワッ
盗賊「――!?」
戦士「……きたきたっ、とんでもねぇ威圧だ……っ」
召喚士「この丘の向こう側だ。……行こう!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:18:22.45 ID:XdfF1DMSo<> 天才「っりゃああぁぁ」
魔王の眼前へと迫り来るツヴァイハンダーが突如視界から消える。
イブリース「……!?」
ガッキイイィィィィン!!
天才「な……っ!?」
イブリース「高速で背後に回りこみ、振り下ろしの一撃。悪くはない攻撃だな」
ギュルッ!!…ガシィ
イブリース「だが、あまりにも非力。その程度ではかすり傷すら付ける事など出来ぬわ!」
天才「が……は……っ」
グググッ…
イブリース「芸はないが、このまま首の骨を折り、絞め殺してやろうか」
天才「く……そが……ぁ」
キュイイィィィィ…ドドオオォォォォン!!
イブリース「ぬっ?」
天才「がはっ、はぁ……っ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:19:01.73 ID:XdfF1DMSo<> クルクルクルッ…スタッ
イブリース「……魔法。今のは火行か。ダメージはないが衝撃で思わず手を離してしまったわ」
ズザッ
イブリース「むしろ、今の一撃で貴様が被弾しているではないか。自爆技か? ハッハッハ!」
天才「はぁ……はぁ……はぁっ。くそがっ、ナメやがって」
キュイイィィィィ
天才「五行……水っ! 金!」
ゴゴゴゴゴゴ…ダァンッ!!
イブリース「ほぉ、今度は魔法剣か。しかも2行」
天才「おああぁぁぁぁ!!」
ザシュッ!!…ガギギギギイイィィ!!
天才「――!?」
イブリース「人間にしては大した威力だな。そこらの軍団長など数撃で倒せるのではないか?」
天才「効いてねぇ……だとぉ!?」
ホッ…ボ゙ボボッ…ゴウッ!! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:19:38.87 ID:XdfF1DMSo<> イブリース「俺様の最も得意とする魔法は火と風。よーく頭に叩き込んでおくんだな!」
ギュアッ!!
天才「中和……っ!? ちぃっ!!」
イブリース「もう遅い。死ね!!」
バッゴオオォォォォン!!…ドシャッ
イブリース「……ふっ飛ばしすぎたか? 本当に死んでしまったかもしれんな」
タッタッタッタ…ザザッ
召喚士「て……天才……さんっ!?」
戦士「お前が……魔王イブリースか!!」
イブリース「いかにも。この俺様が魔王イブリース様だ。宜しくな」
戦士「随分と丁寧だなおい」
イブリース「そりゃそうだ。これから貴様等を地獄へ送ってやるのだからな」
盗賊「……っ」
イブリース「地獄で俺様に殺された事をとくと吹聴して、名を馳せておいてくれや!」
戦士「なめやがってぇ……っ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:20:13.38 ID:XdfF1DMSo<> ジャキッ
召喚士「戦士、待つんだ」
戦士「……?」
召喚士「行けっ、シービショップ」
シュイイィィィィン
召喚士「……天才さんがたったの数分でこんな目に遭ってるんだ。合流を待ったほうがいい!」
戦士「んな事言ってる場合かよっ」
イブリース「そこの召喚士が言う通りだ。少人数では他愛ないわ」
魔道士「……っ」
戦士「言わせておけばてめぇ。召喚士、悪いが俺はいくぞ」
ザッ
戦士「!?」
イブリース「むっ!?」
ドドドドドド…
スフィンクス「うしろから……ふいうちだぶるぱーんちっ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:20:44.18 ID:XdfF1DMSo<> ドゴッシャアアァァァァ!!
イブリース「ぐおぉ……っ!!」
ドシャッ!!…ズッズウウゥゥゥゥン
戦士「てんめぇ、人の事……散々諌めておきながら!」
召喚士「ごめんっ、利用させて貰った」
シュウウゥゥゥゥ
魔道士「あ……っ」
ムクッ…ドシャッ
イブリース「悪くない。悪くない攻撃だが、やはり非力――」
西方司令「見つけたああぁぁぁぁ!! 死ねやおらああぁぁぁぁ!!」
イブリース「――ッ!?」
ゴシャッ!!…ズッドオオォォォォン!!
起き上がるイブリースを再び地面へと寝かしつけた西方司令の巨剣による一撃。
土煙の巻き起こる中、西方軍の面々が合流。戦闘を開始した。
西方参謀「手を休めんなぁ! 追い討ちだ追い討ちぃ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:21:11.10 ID:XdfF1DMSo<> 西方副司令「接近は禁物っ! 後方から攻撃してっ!」
西方魔道長「やれやれだねぇ」
ドドオオォォォォン…ズガガガガガッ!!
天才「ぐく……っ」
召喚士「天才さんっ、大丈夫……」
天才「ボサっとしてんじゃねぇ……っ。てめぇらも……行けっ」
召喚士「……っ」
天才「回復なんざ、自分で出来る。いいから行け!」
召喚士「は、はい……っ!」
天才「アレは厄介なんてモンじゃねぇぞ。油断してっと大被害確定だ」
魔道士「でもっ、予言では……」
天才「死なねぇとしか出てねーだろ! 無傷だなんざ誰が言った!」
魔道士「っ!!」
天才「無傷で無事帰りてぇだろ……だったら戦え。ハナっから全力で総攻撃すんぞ」
魔道士「は、はいっ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:21:40.69 ID:XdfF1DMSo<> ドドドドドド…
青年兵「既に皆も合流している……っ!」
サモナー「攻撃中みたいだ。僕らも参加しよう」
青年兵「はいっ! 出でよ、ワイバーン!」
シュイイィィィィン…バッシュウウゥゥゥゥ!!
西方副司令「あれは副司令のワイバーン!」
西方参謀「おーし、反撃の隙を与えんなよぉ……ヒック」
西方魔道長「しかし派手にやり過ぎじゃあないかい? 煙幕でなんにも見えやしないよ」
西方司令「ウザってぇな、どけえぇ!! このままブチ殺してやんぜええぇぇ!!」
グアッ…ブオォッ!!
西方司令「死んねええええぇぇぇぇ!!」
粉塵の中に超巨大な剣を振り上げて飛び込む西方司令。
しかし、その白煙の中より突如、拳が飛び出し、その得物と激しく衝突する。
バッギャアアァァァァ!!
西方司令「なああぁぁにいいぃぃぃぃ!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:22:17.98 ID:XdfF1DMSo<> ボワッ!!
イブリース「貴様等の力ぁ……そんなものかあぁーッ!!」
ググググッ
西方司令「――っ!!」
イブリース「ガアアァァァァーッ!!」
ドゴォッ!!…ゴッシャアアァァ!!
西方副司令「まさか西方司令を……っ」
青年兵「押し返した……!?」
ブオンブオンブオンッ…ドッスウウゥゥン
イブリース「……なかなか良い剣だな。俺様にピッタリのサイズじゃないか」
ザスッ…ガシッ
西方司令「痛いいいいぃぃぃぃ!! しっ、死んだああぁぁ!!」
西方副司令「生きてますから早く退いてっ!!」
イブリース「これ程の剣を軽々と振り回す力は褒めてやる。だが……」
ジャキッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:22:46.58 ID:XdfF1DMSo<> 隊長「させるかよっ!!」
イブリース「!?」
隊長の奇襲はイブリースの頬をその剣で削り、魔王に対し、初めてダメージらしきものを与えた。
更に奇襲は続く。イブリースの足元からは格闘家が渾身の突きを打ち放った。
格闘家「はあぁーっ!!」
ズドンッ!!…グラァ…
イブリース「おっ、おぉ……」
女隊員「その剣は西方司令のものッス! 返すッスよおぉ!」
バランスを崩したイブリースの肩口に女隊員の思い一撃が命中した。
ドッズウウゥゥゥゥン!!…メキャッ
イブリース「ぐぬおぉ……っ!」
青年兵「出でよっ、アンフィスバエナ!」
召喚士「行けっ、ペガサス!!」
シュイイィィィィン
ペガサス「燃えろっ、俺の――」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:23:19.14 ID:XdfF1DMSo<> アンフィスバエナ「グゴオオォォォォ!!」
ズドドドドドッ…ドドオオォォォォン!!
男隊員「負傷者はいるかぁ!?」
召喚士「天才さんが!」
盗賊「……大丈夫か?」
西方司令「ひっ、ひえぇ! お助けええぇぇ!」
戦士「ったく、俺が連れてく。盗賊も一旦退がれ!」
盗賊「ああ、頼む!」
シュバッ
西方参謀「さぁて、どうだい……魔王イブリース様よぉ……ヒック」
格闘家「……?」
ブワッ…ゴゴゴゴゴゴ
男隊員「う……そだろ」
女隊員「まさかあれで……無傷ッスかぁ!?」
イブリース「うぅむ、俺様を2度も地に付けるとは、久々に活きのいい人間ではないか!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:23:44.94 ID:XdfF1DMSo<> ズゴゴゴゴゴ…
戦士「……ちっ」
イブリース「どれ、今度はこっちからいくぞ」
戦士「――!?」
ドウンッ!!…ビュオォッ!!
戦士「ぐぉ――」
イブリース「ハーッハッハッハアァ!!」
戦士は咄嗟に雷切を抜き、イブリースの一撃に対応するも、西方司令の剣を手にした
イブリースの力強い一撃は、石柱を突き破り、戦士の体を軽々と後方の建物へと叩き付けた。
ズギャッ!!…ドカッ!!…バゴォッ!!…ゴッシャアアァァ
召喚士「戦……士っ!?」
天才「ボサっとしてんじゃねぇっつったろ!!」
イブリース「次は貴様かぁ!?」
ギュオッ!!
召喚士「――!? 行けっ、ゴーレム!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/24(木) 17:24:25.25 ID:XdfF1DMSo<> シュイイィィィィ…
イブリース「防げるものなら……防いでみせろおぉーッ!!」
ズッガアアァァァァ!!
盗賊「一撃……っ!?」
サモナー「ゴ、ゴーレムが……」
ドシャッ…ゴロゴロゴロッ
魔道士「召喚士さんっ、大丈――」
召喚士「大丈夫です……っ。直撃したわけじゃないっ」
イブリース「貧弱な召喚獣よ。この程度で俺様に挑もうなんざ、片腹痛いにも程があるわ!」
たったの一振りでゴーレムを消滅させたイブリースは、剣を持ち上げ不敵に言い放った。
天才「しゃーねぇなぁ。どれ、ちょっと休んだし、2回戦といこうかね」
イブリース「つい今しがたやられたってのにまだ挑もうとは死ぬ気か? とんだ馬鹿者だな」
天才「バカは死ななきゃ直らねぇんだよ!」
イブリース「ハーッハッハッハ! 良かろう、ならば来い! 馬鹿を治してやる!」
天才「テメーこそ地獄へ送り返してやんぜ、ハーッハッハッハ!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/11/24(木) 18:12:51.64 ID:XdfF1DMSo<> 前スレも埋まったので今日はここまでにて!
新たなスレでも何卒、宜しくお願いしまっす!それでは!ノシ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県)<>sage<>2011/11/24(木) 18:28:29.47 ID:pR/B2FLLo<> ペガサスはやはり人型か <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸)<>sage<>2011/11/24(木) 20:05:06.56 ID:O0LLuHmAO<> >>1乙ー! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/24(木) 20:44:04.74 ID:8jDYFtwIO<> イブリースつぇ… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/24(木) 20:48:50.06 ID:+Noy5MgDO<> 1乙
天才とイブリースは仲良くやれそうだなww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/24(木) 21:55:42.51 ID:CCj+y1jJ0<> イブリースさんやべぇ
>>1乙
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/24(木) 22:09:12.20 ID:69hOGByOo<> イブリースみたいな敵って良いよな
うまくいえないけど <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 00:15:33.84 ID:kUAb7eU6o<> ネクロマンサーとは正反対の心地良さだな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 00:49:06.36 ID:iVBbvC6vo<> それだとネクロマンサーも心地よいことになるが <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 00:49:24.74 ID:1WCBVUl/o<> 作中で誰も触れてないけど隊長はまだ謎の剣つかってんの <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 00:50:41.67 ID:6qwPlMXPo<> ネクロマンサーはもっと汚くてもいいと思う <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 00:54:44.06 ID:olEeHMAko<> ネクロマンサー・・・ザボエラ
イブリース・・・超魔ハドラー
のイメージ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<>sage<>2011/11/25(金) 01:14:23.68 ID:Bsf35lTXo<> 指図すんなよ
1のやりたいようにさせな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 01:48:42.14 ID:ZQWZTGQSO<> >>1乙
ここじゃなくてもう一つのスレで話しましょうよ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/11/25(金) 03:26:11.98 ID:a3gCPS4j0<> >>1 おつ
いつもあり!
王子が来るまでにぼろぼろになりそうだな
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 07:55:45.30 ID:kUAb7eU6o<> >>25
正反対の、心地良さ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<><>2011/11/25(金) 08:43:16.18 ID:WKOng3q7o<> オマケクッソワロタwww <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:14:10.30 ID:UEw22Gt/o<> バシュッ!!
天才「はああぁぁぁぁ!!」
ガキキキキィンッ…キィンッ…チュインッ!!
イブリース「どうしたどうした? 貴様の力はこんなものかあぁ!」
ズガガガガガッ…ガキイイィィッ!!
男隊員「あいつ……楽しんでやがる……っ」
隊長「あいつってのはどっちだ?」
格闘家「どちらもですかね」
天才「だあありゃああぁぁ!!」
イブリース「ハァーッハッハッハ!!」
バチィッ!!…ズザザザザアァ
天才「五行……火、風……土ぃ!!」
ゴアッ!!…ザッシュウウゥゥ
イブリース「水と雷が中和なら、同属性は相殺するまでよ!」
天才「んな――」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:15:10.69 ID:UEw22Gt/o<> ジュッ…シュウウゥゥゥゥ
サモナー「魔法が効かない!?」
西方参謀「いんや、イブリースは火と風を使うみたいだが、それをうまくコントロールしてやがるな」
西方魔道長「相反する属性には中和、同属性は相殺。力一辺倒かと思ったけれど……」
青年兵「うまく使いこなしている。やはり他の魔王とは勝手が違う……っ」
イブリース「その程度の小細工で、俺様に通用するものかよ!」
天才「言ってろ……ボケ」
キュイイィィィィ
召喚士「あれはっ!!」
天才「五行……聖!!」
イブリース「ヌッ!?」
天才「はああぁぁぁぁ……っ!!」
ブシュウウゥゥゥゥ…ゴゴゴゴゴゴ
天才「――りゃっ!!」
イブリース「早いっ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:15:51.21 ID:UEw22Gt/o<> ザッシュウウゥゥゥゥ!!
戦士「よっしゃ! 腹を一突きぃ!」
イブリース「おう……ッ」
天才「このまま……死ね!」
イブリース「……クッ、ククッ」
天才「……?」
ズブブッ…シュウウゥゥゥゥ
隊長「どういう事だ!? 五行が発動しない……っ!?」
青年兵「馬……鹿なっ!!」
イブリース「五行ってのが1番厄介だよな。こいつに聖行やら魔行を重ねられると防ぎようがない」
天才「勤勉だな……っ」
イブリース「まぁな。五行にゃ何度も痛い目遭わされたからなあぁ!!」
ブオォッ!!…ズッガアアァァァァン!!
天才「がふ……っ!」
ズシャッ…ザンッ…ザンッ…ズザザァ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:16:47.64 ID:UEw22Gt/o<> 格闘家「師匠っ!」
サモナー「治癒は僕が行く!」
召喚士「すみません……っ」
イブリース「次はどいつだぁ!!」
隊長「でりゃあぁ!!」
女隊員「おいっしょおおぉぉぉぉ!!」
ズッドオオォォォォン
格闘家「師匠……師匠っ!」
天才「こ、こんだけ防御固めて……アバラヘシ折られ……ごほごほっ!」
サモナー「おいで、シービショップ」
パアアァァァァ
青年兵「司令……っ」
サモナー「五行が効かないなんて、そんな事……」
天才「……効かないなんてこたねぇ。効きにくいだけ……っだ」
格闘家「……つまり?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:17:13.78 ID:UEw22Gt/o<> 天才「アイツの動き、よく見てろ……っ」
隊長「うっりゃああぁぁ!!」
イブリース「そんな刃毀れしたナマクラ如きいぃ!!」
隊長「俺のはこれで……いいんだよっ!!」
ガキイイィィン!!
天才「見かけは人型だが、アレの中身は全然違う」
青年兵「!?」
天才「中身は空、いや……空っつーか煙みてぇなカンジか」
格闘家「っ!?」
天才「掴みどころのねぇ変幻自在ってとこだろうな」
サモナー「な、なんと……っ」
天才「見てみ。攻撃のモーションをよ」
イブリース「ハーッハッハッハアァ!! さぁ、火だるまと化すがいい!!」
ギュオッ!!…ゴアアアアァァァァ!!
天才「見えたか? ヤローの右手が一瞬で炎へと形状を変えた」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:18:07.74 ID:UEw22Gt/o<> 格闘家「ええ、確かに」
サモナー「見……えた?」
青年兵「いえ……」
天才「つまり、攻撃の瞬間も狙えないわけだ……ごほっ。じゃあ、どうする?」
青年兵「固めるしかありませんね」
サモナー「……コカトリス」
天才「やる事は分かったな? んじゃ行け」
格闘家「師匠……」
天才「あ?」
格闘家「五行、まだ撃てますか?」
天才「……どうするつもりだよ」
格闘家「私なら奴の動きが見えました。コカトリスとの連携攻撃で五行を叩き込みます」
天才「生身の拳に五行付加したら、腕が消し飛ぶぞ?」
格闘家「死にはしません」
天才「……ちっ、予言も酷なモンだぜ……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:19:02.04 ID:UEw22Gt/o<> ズゴゴゴゴゴッ
イブリース「燃えろ燃えろもえろおおぉぉ!!」
隊長「ぬ……うぅっ!」
女隊員「隊長!」
隊長「相殺出来るのは……てめぇだけじゃねぇ!!」
ゴワッ!!…ゴガガガガッ!!
イブリース「……土行かッ!」
隊長「どうした? 嫌な思い出でも蘇ったかい?」
イブリース「……言ってくれるねぇ!!」
フオンッ…ゴゴゴゴゴゴ
イブリース「燃え尽きろおぉ!!」
戦士「!?」
魔道士「け、形状が……っ」
イブリース「業火……イフリートオオォォ!!」
まるで魔物のような姿へと変えた炎がイブリースの右腕より放たれ、隊長の身を包み込んだ。 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:19:45.31 ID:UEw22Gt/o<> 隊長「――っ!!」
ゴアァッ!!…トッ゙ゴオオォォォォ!!
女知音「隊長ぉ!!」
隊長「ぐっ、おぉ……っ」
ブスブスッ…ジュウウゥゥゥゥ
男隊員「ちぃーっ! 水だっ、援護しろぉ!」
魔道士「はいっ!」
ドッドオオォォォォン!!…ドザアアァァァァ
西方魔道長「この人数で……押されるってかい……っ」
イブリース「ハァーッハッハッハ!! このままでは貴様等も燃え尽きて死ぬぞぉ!!」
魔道士「そうは……させないっ!!」
ドドンッ!!…ズオオォォッ!!
イブリース「何……? まさか……押し返しているのか?」
魔道士「やああぁぁーっ!!」
イブリース「クッ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:20:36.38 ID:UEw22Gt/o<> ババッ
戦士「あいつ、両手で防御に回ったぞ!」
イブリース「暴風……ジン!!」
サモナー「今度は左腕がっ!」
盗賊「……風か」
イブリース「オオォォォォ!!」
男隊員「このまま……押っせぇ!!」
魔道士「やああぁぁーっ!!」
ドッドオオォォォォン!!…ズガガガガガッ!!
戦士「吹き飛ばしたっ!!」
召喚士「違うっ! 形状を変えて逃れたんだっ!」
イブリース「やるじゃねぇか人間ッ!!」
魔道士「っ!!」
イブリース「こっちも手加減無用ッ! 全開でいくぜえぇ!」
バシンッ…ギュオオォォォォ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:22:57.91 ID:UEw22Gt/o<> 男隊員「回避ぃーっ!!」
召喚士「召喚――」
戦士「間に合わねぇ!!」
イブリース「イフリートオォ!! ジンッ!!」
キュイイィィィィ…
イブリース「消えろオオォォォォ!!」
ズザッ
イブリース「――ッ!?」
マーマン「させっかよおぉ!!」
ドッドオオォォォォン!!…ザッパアアァァァン!!
魔道士「つ、津波っ!?」
イブリース「ヌウオオォォォォ!!」
マーマン「もおぉ……一丁おおぉぉ!!」
ドッパアアァァァァン!!…ズガアアァァ!!
イブリース「ま……さかっ、この俺様が――」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:23:30.50 ID:UEw22Gt/o<> ドザザザザアアァァ…
マーマン「はぁ、はぁ……どうでぇ、ザマーミロってんだ」
男隊員「何をチンタラしてたんだよ!」
マーマン「うっせぇ! こっちも色々と忙しいんだよ!」
ググッ
女隊員「隊長っ! 大丈夫ッスか!?」
隊長「ぐっ、くく……っ」
西方参謀「あれだけの攻撃を食らいながら出血もねぇとは……奇跡だな」
西方副司令「それよりもチャンスよっ! 両手で防御に回ったから司令の剣が!」
戦士「おぉっ!? あっちに刺さってるぞ!」
盗賊「西方司令は!?」
西方司令「うっ、うう……ううぅぅ……うっ、うっ、うっ」
西方魔道長「おやまぁ、死にかけてるねぇ」
戦士「……しゃーねぇ、強引だが俺が連れてく! 来いっ!」
西方司令「ええええぇぇぇぇ!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:24:12.66 ID:UEw22Gt/o<> グイッ…ザザザッ
戦士「おらっ! しっかり握れよぉ!」
ブンッ!!
西方司令「死ぬううううぅぅぅぅ!!」
クルクルッ…ガシィ!!
西方司令「死ねええええぇぇぇぇ!!」
戦士「ナイスキャッチ!」
イブリース「生意気なァ!!」
ブオッ!!
西方司令「てめぇの突きなんざぁ、1度見てんだよおおぉぉぉぉ!!」
巨大な剣は斬り降ろしから突きの態勢へと移り変わり、イブリースの拳と激しく衝突する。
ガッゴオオォォォォン!!
イブリース「ヌウッ!?」
西方司令「このまま死ねええぇぇぇぇ!!」
イブリース「馬鹿めがっ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:25:21.08 ID:UEw22Gt/o<> ボシュウウゥゥゥゥ!!
青年兵「またしても……っ」
サモナー「やはりあの変幻自在な力を防がない事には、手の打ちようがないな」
召喚士「……行きます」
天才「やれんのか?」
召喚士「ゴーレムでだいぶ魔力を失いましたが……」
シュイイィィィィン…バッサァ
召喚士「今日は満月。召喚獣へ行き渡る力もフルパワーですから」
天才「頼もしい限りだ事。よし、行ってこい」
召喚士「はいっ!」
青年兵「援護致します」
サモナー「マーメイド、僕らも行くよ」
マーメイド「はい……っ」
ザッザッザッザ…
天才「頼んだぜ、こうなった以上……てめぇら召喚士が頼りだ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:31:28.25 ID:UEw22Gt/o<> ジャキン!!…グオォッ
西方司令「だったらああぁぁ、死ぬまで叩き込んでやらああぁぁぁぁ!!」
イブリース「ハァーッハッハ! 無駄だと言っただろ、何度も言わせるなぁ!」
ズザッ
マーマン「おらよぉ!!」
ドッドオオォォォォン…ザバアアァァァァ
イブリース「勢いあろうがただの水うぅ!!」
魔道士「だったら……っ!!」
ドドオオォォォォン…ガガキイイィィィィン!!
イブリース「――ッ!?」
西方副司令「凍らせたっ!?」
西方司令「どおおりゃああぁぁぁぁ!!」
ズガッシャアアァァァァ!!
男隊員「いよっしゃあ!」
西方参謀「へっ、腕1本もいだって……どうせすぐ再生すんだろ? ヒック」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:32:24.40 ID:UEw22Gt/o<> イブリース「ご名答よ!」
ボフッ…゙ズズズッ
戦士「キリねぇな全く……痛っつ!」
盗賊「戦士、無理するな。先程の攻撃で負傷しておるのだろう?」
戦士「んな事言ってる場合かよ……っ」
盗賊「今は力を溜めておけ。きっと……好機は訪れる」
戦士「……?」
ザッザッザッ…
召喚士「……」
イブリース「おぉ、さっき不意打ちくれた召喚士か」
召喚士「次は正面からいくよ」
イブリース「来な。捻り潰して、喰ってやるわ!」
コカトリス「残念だったな」
イブリース「――――ッ!?」
背後から突如現れたコカトリスは、イブリースめがけ石化の冷たい吐息を撃ち放った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/11/25(金) 18:33:58.30 ID:UEw22Gt/o<> 寒くなってきましたね。風邪など引かれぬようご注意下さいませ!
それでは失礼致します!ご支援多謝!ノシ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県)<>sage<>2011/11/25(金) 18:35:13.80 ID:fb2goH7co<> >>1乙
燻りーすってことか、なるほどな・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(石川県)<>sage<>2011/11/25(金) 18:50:48.50 ID:RJapAUdho<> >>1乙!
風邪気味なんだ・・・
魔導士ちゃんが看病に来てくれると治るような気がする・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 18:55:45.60 ID:HEa4bn/DO<> >>1乙
女知音さんふぁいとぉ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 18:57:23.54 ID:k9wzA4WDO<> >>51
いっしゅんあいつが戻ってきたのかと思ったが違ったか…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 18:58:02.31 ID:M2VexyIDO<> 燻ります <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/11/25(金) 20:32:07.02 ID:kzgFySfCo<> >>1乙!
>西方司令「死ぬううううぅぅぅぅ!!」
>クルクルッ…ガシィ!!
>西方司令「[ピーーー]ええええぇぇぇぇ!!」
最近の西方司令面白すぎだろ・・・場面はシリアスなのに・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 20:44:28.12 ID:uxdJ7KkDO<> >>1乙
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 21:54:37.29 ID:K2pKK/vIO<> >>53
違ったみたいだね。戻って来ないかな〜 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/25(金) 22:10:41.03 ID:DCPPZEv80<> >>1乙!
>>53
南方参謀『看病に来たわよ〜』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/26(土) 00:02:43.60 ID:YnzxArbJ0<> すまん>>51だった <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州)<>sage<>2011/11/26(土) 00:03:34.50 ID:Pz1wkzCAO<> 最近召喚士がすごく強かになったな
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸)<>sage<>2011/11/26(土) 00:54:07.57 ID:y3AQ1WEAO<> 武道家の手…なくなってしまうん…? <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/26(土) 01:04:25.26 ID:EbRFX1GWo<> ゴッゴオオォォォォ!!
イブリース「何ィーッ!?」
ゴガガッ…ベキベキベキィ!!
戦士「おっしゃあ!!」
西方参謀「今度は正攻法とみせて再び奇策か。やるじゃねぇかガハハッ! ヒック」
召喚士「そのまま押し切ってくれぇ……っ」
ベキベキッ…ビキィ!!
サモナー「全身を石化したっ!」
青年兵「よし……っ、総攻撃――」
格闘家「待って下さい」
青年兵「!?」
格闘家「俺が……行きます」
青年兵「……っ」
ザッザッザ
格闘家「師匠、援護願います!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/11/26(土) 01:04:25.47 ID:WEyVGnaAO<> >>1乙
西指令好きだわwwピッコロポジションなんて馬鹿にしてごめんよ
>>53
あの魔導師の人は震災後ぱったり来なくなった気がして心配でならない
まぁアンチも湧きそうだから今の平和な感じも良いけど <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/26(土) 01:05:34.30 ID:EbRFX1GWo<> シュバッ…ザザザザッ
青年兵「し、司令……っ」
天才「アイツの望んだ事だ。覚悟の上だろ」
タンッ
格闘家「はあぁーっ!」
イブリース(……捨て身か? 馬鹿な奴だ)
天才「五行……聖っ!」
キュイイィィィィ…
戦士「あいつ、何するつもり――」
隊長「す、素手で五行を……? やめろ……ぉ!」
石化したイブリースめがけ猛突進する格闘家。その背後を天才が追い、
ツヴァイハンダー片手に五行を唱え、高く跳んだ。
格闘家「ああぁぁぁぁ!!」
ピシッ
イブリース「馬鹿めがぁーッ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/26(土) 01:06:06.58 ID:EbRFX1GWo<> 天才「バカはテメーだ」
イブリース「――ッ!?」
天才は急降下の後、格闘家を素通りし、イブリースの背後に回りこんだ。
格闘家「……っ」
バッゴオオォォン!!
格闘家の正拳突きが当たると同時に、背後から五行輝く大剣が魔王を襲う。
ズッシャアアァァ!!…ドパアアァァン!!
イブリース「グウゥ……ッ!」
ゴシャッ…ゴロゴロゴロッ
男隊員「真っ二つ……っ」
女隊員「司令……やったッス!」
スタッ
天才「ハーッハッハ! ざまぁみろ……ごほごほっ」
西方参謀「ったく、どいつもこいつも奇策奇襲、必死じゃねぇかよ……ヒック」
天才「そうでもしねーと、勝ち目なくなってっからな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/26(土) 01:07:01.09 ID:EbRFX1GWo<> ドドオオォォォォ
イブリース「……ぬかったわ」
ボフンッ…シュウウゥゥゥゥ
魔道士「ま、また元通りに……っ」
天才「五行でも駄目ってか。タフにも程があんぜイブちゃんよぉ」
隊長「だが、確実に奴の魔力は削られているはずだ」
女隊員「隊長、大丈夫なんスか?」
隊長「ああ。さぁ、攻撃を再開するぞ」
ザッザッザ
西方司令「おうおうおう。足引っ張るんじゃねぇぞこらああぁぁ!!」
格闘家「師匠……何故……っ」
天才「テメーが非力で情けねぇから、俺様がやってやったまでだ!」
西方参謀「こう見えてお優しいんだもんなぁ……ヒック」
天才「下らねぇ事ベラベラ言ってねぇで集中しろ! いくぞ!」
格闘家「はい!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/26(土) 01:23:12.32 ID:EbRFX1GWo<> ズシャッ
イブリース「ヌウゥ、なかなか楽しませてくれる奴等よ」
男隊員「余裕かましやがってくそ……っ」
イブリース「しかしいい加減、多勢を相手にするのも面倒」
盗賊「!?」
ビキビキッ
イブリース「まとめて何匹か、始末してくれるわ!!」
ズズズッ…ググッ
戦士「な、何だぁ!?」
魔道士「獣型に……っ」
イブリース「ガアアアァァァァ!!」
西方参謀「くるぞぉ!!」
ドッゴオオォォォォン
女隊員「きゃあぁっ!!」
イブリース「ブハハハアァ、こうなっては今までのようにはいかぬぞオォ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/26(土) 01:26:43.11 ID:EbRFX1GWo<> ドラゴンのようなトカゲのような凶悪な姿へと形を変えた魔王イブリース。
その口から吐き出された業火によって、前線の数名が一気に吹き飛ばされる。
ゴガアアァァァァ!!
盗賊「くうっ!」
戦士「……こちとらっ、盾で炎は防げるんだよぉ!」
西方司令「よくやたぜええぇぇ!! 身代わり役っ!!」
グアッ!!
隊長「挟撃だ!!」
天才「バカヤロウ! 尻尾があんだろ!」
バチィッ!!…ドザザッ
隊長「まだ……まだぁ!」
格闘家「はあぁーっ!」
イブリース「hァーッハッハッハ!! その程度……何するものぞオォ!!」
バッゴオオォォォォン!!
青年兵「くっ、流石は……魔王!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/26(土) 01:30:28.54 ID:EbRFX1GWo<> 召喚士「青年兵くん」
青年兵「……いきますか」
召喚士「行けっ、コカトリス! ワルキューレ!」
青年兵「出でよっ! バハムート!」
シュイイィィィィン
サモナー「おいで、ケルピー」
シュイイィィィィン
サモナー「がはっ、ごほ……っ」
マーメイド「サモナー!」
サモナー「構うなっ、マーメイドも攻撃に転じてくれっ!」
マーメイド「……っ」
戦士「魔道士、こっちも付加だ。俺に全力でな」
隊長「てめーもだ。最低でも3行はくっつけろ」
男隊員「本当に……大丈夫なのかよ……っ?」
隊長「人の心配してる場合か? このままでは無傷とはいかんぞ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/26(土) 01:33:42.04 ID:EbRFX1GWo<> 男隊員「……ちっ」
西方参謀「おう、司令。こっちもいくぜ」
西方魔道長「あんたは2行かましなっ」
キュイイィィィィ
西方司令「来い来い来い来い!! 滾るぜ燃えるぜ昂るぜええぇぇぇぇ!!」
ドウンッ!!
西方司令「死いぃね死ね死ねええぇぇぇぇ!!」
西方副司令「死ね死ね連呼しないで下さいっ! 教育に悪いです!」
隊長「でっりゃああぁぁ!!」
ズガシュウウゥゥ!!
イブリース「いい連携攻撃だ。しかーし!」
ゴウッ!!
イブリース「ジン!!」
ゴアアアァァァァ!!
イブリース「俺様の風はァ、そう簡単に破れまい!! ハーッハッハッハアァ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/26(土) 01:36:18.99 ID:EbRFX1GWo<> 〜西方、砂漠西側〜
ドドドドドドド…
踊り子「ねぇ、まだなの〜?」
男「あのなぁ、もう結構ヤバイくらい近づいてんだぞっ!」
ダンサー「……っ」
ガラガラガラッ…ドドォ
踊り子「ちょっと! 何止まってんのよっ!」
男「お、おい……っ、あれ……」
ダンサー「あれって……戦争!?」
男「ひっ、ひいぃ!!」
踊り子「あっ、こらぁ!」
ダダッ!!
ダンサー「逃げちゃった……」
踊り子「……まっ、いっか。お代浮いちゃった。さぁ、行きましょう!」
ダンサー「な、何だか急に怖くなってきちゃったぁ……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/26(土) 01:38:34.24 ID:EbRFX1GWo<> 〜西方、砂漠東側〜
ドドッドドッドドッ
西国兵「陛下っ! あまり飛ばしすぎると……」
王子「これでも遅いくらいだ。もっと飛ばせんか!」
西国兵「無茶ですっ、これ以上は馬が潰れてしまいます」
王子「……」
ドドッッドドッドドッ…ドドォ
西国兵「……陛下?」
スタッ…ザッザッザ
王子「分かるぞ神官、お前が残してくれたんだな」
シュイイィィィィン
王子「我に力を貸したまえ、セクメト!!」
ドッズウウゥゥゥゥン
西国兵「こっ、これは……神官様のセクメト!?」
王子「先に行く。各々、後から続け!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/11/26(土) 01:42:26.26 ID:EbRFX1GWo<> 眠くなってきてしまったのでこれにてすみませぬ…
〜オマケ〜
女隊員「やったッスやったッス!!」
男隊員「あ?」
女隊員「私の名前『知音』に決まったッス!」
格闘家「ともね……ですか?」
隊長「そういうのはやったとは言わん。やらかした、と言うのだ」
男隊員「すげぇどうでもいいわ……ヒャハハ!」
女隊員「ははぁ、さては妬んでるッスね?」
男隊員「何でだよ!!」
格闘家「でも、少し羨ましいじゃないですか」
男隊員「そんじゃお前、リュウね」
格闘家「な、何故っ!? 嫌ですよ、安直な感じがするし」
隊長「下らない事言ってないで、任務に集中すんぞ」
女隊員「了解〜ッス!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/26(土) 04:38:29.23 ID:NwDsbbRDO<> >>1乙
サモナーさんだけは職業じゃなくて名前に感じるから不思議 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/11/26(土) 05:32:06.22 ID:d++byVJ90<> いちおつ
絶対悪ってわりにはすがすがしいな
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/26(土) 07:22:33.54 ID:OkOjXJxPo<> 格闘家が名前のせいで両手から気弾を打ったり回し蹴りで飛んだり殺意に目覚めたりするイメージになったww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/11/26(土) 08:25:48.07 ID:WEyVGnaAO<> アッパー技は二段構えか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/26(土) 13:47:50.32 ID:WVLh7YAAO<> 格闘家「覇王翔吼拳を使わざるを得ない」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/26(土) 14:24:39.71 ID:GH/fqZADO<> 深夜まで更新して、>>1乙
( ・∀・)っ旦~ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<>sage<>2011/11/26(土) 14:37:43.20 ID:3LfzT0GGo<> 予言に志望者0って出てるのに…
サモナーが生き延びる気がしない… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/26(土) 17:38:53.69 ID:YnzxArbJ0<> 天才はもう死ぬまで寝ないんだよね?
いつ死ぬかハラハラするんだけど。。。。。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県)<>sage<>2011/11/26(土) 18:21:22.00 ID:1swbNcQo0<> サモナー玄武式の召喚獣呼び出し「おいで」にサモナーの優しさが詰まってる気がする
一乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/26(土) 18:56:44.10 ID:ZFepIVDDO<> 戦闘では死なないだけで寿命のサモナーは別 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/11/26(土) 21:28:55.72 ID:S+W/UagAO<> 死んだも同然でも生きてりゃ死んでないしな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/26(土) 22:53:04.07 ID:eViWG1tWo<> もうケルピー程度しか呼べないなんて…
(´;ω;`)ブワッ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/27(日) 02:09:16.34 ID:iGjEDREAO<> マーメイドと出会わなけりゃ青年兵クラスの召喚士だったろうに <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/27(日) 07:05:58.63 ID:hmHlbFjQo<> >>86
女は魔性、だがそれがいいニィ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 22:55:19.75 ID:oriGYG7oo<> ドドドドドドオオォォ…
盗賊「……くっ」
ザシャッ
戦士「あの姿になってから、近づく事すら困難だぞくそ……っ」
天才「だがデカくなったって事は、そんだけ力も拡散してるって事だ」
西方司令「どういう意味だこらああぁぁ!! はっきり言わんかいいぃぃ!!」
西方参謀「煙みてぇな存在なら、デカくなれば密度が薄くなるってこった」
戦士「なるほどな……」
魔道士「でもっ、近づけないんじゃ……どうするんですか!?」
格闘家「どうするんです?」
天才「召喚士連中も頑張ってる事だし、アレでいくか」
魔道士「アレ……ですか?」
天才「そう。伝説の奥義と言われるアレだ」
女隊員「……っ」
西方司令「いいじゃねぇかああぁぁ!! ドンと来いやおらああぁぁぁぁ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 22:56:44.84 ID:oriGYG7oo<> …
男隊員「……んで、何だこれは?」
天才「何だって、国軍でもやんだろ。前へ〜ならえっ! ってやつだよ」
隊長「分かってるよそんな事は。それが何の意味だって言ってんだ」
天才「簡単だろ。前から順番に盾だよ盾」
戦士「はぁ!?」
盗賊「前って……魔道士や西方魔道長……が?」
天才「いいか? 敵に近づけば近づくほど攻撃力は増す」
女隊員「ま、まぁ……そうッスね」
天才「最初は魔法でイブちゃんの風やら炎を防いで特攻する」
男隊員「やれやれ……シャレにならんわこりゃ……ヒャハハ!」
天才「んで中軸、ギリギリまで進んで、殿の前進をサポート」
盗賊「……分かった」
格闘家「やれる限りやってみます」
天才「んでいよいよ殿。開いた道を真っ直ぐ突っ込んで……あとはやるだけだ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 22:57:23.53 ID:oriGYG7oo<> 戦士「おう」
西方司令「任しとけやああぁぁ!! てめぇらが死んでも俺様は生きる!!」
天才「そんじゃ行くぞ。縦1列、1歩も横にはみ出すんじゃねぇぞ」
西方副司令「はみ出すなって……」
魔道士「先頭は、私達魔道士ですか……」
西方参謀「みてぇだわな……ヒック」
西方魔道長「そんな最前列だなんて、あたしゃ嫌だよ」
男隊員「……ちっ、しゃーねえ。先頭は俺が行くよ」
隊長「中軸は俺達か」
格闘家「ならば、その先頭は俺が」
盗賊「……いや、私が行く」
女隊員「私が行くッス!」
隊長「いや、ここは俺が行こう」
一同「どうぞどうぞ」
隊長「!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 22:57:58.69 ID:oriGYG7oo<> 戦士「んで、ケツの俺らは?」
天才「俺様が真打ちだな」
西方司令「はああぁぁ!? 俺様だろうがああぁぁ!!」
戦士「どっちでもいいよ……」
天才「テメーは最後の盾役だ。分かってんな?」
戦士「ああ。ハナっからそのつもりだ」
西方司令「謙虚じゃねぇか!! いい心がけだぞ脇役!!」
戦士「まぁな。俺にしか出来ねぇ仕事だ」
天才「ハーッハッハ! かっこいいぜお前。そんじゃ並ぶぞー」
ザッザッザ
魔道士「うー前衛なんて初めてで……緊張します……っ」
隊長「召喚士連中の攻撃が止んだ隙に仕掛けるぞ。タイミングを間違えるなよ」
戦士「なぁ、伝説の奥義って……そんなに凄げぇのか?」
天才「知らん、初めてだしな。成功すりゃ伝説にでもなんだろ……ハーッハッハ!」
戦士「何ぃ!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 22:58:42.03 ID:oriGYG7oo<> ズアァッ!!
召喚士「いっけぇーっ!」
青年兵「りゃああぁぁーっ!!」
ドッドオオォォォォン!!
イブリース「甘い甘い甘い甘いいーッ!! この程度の召喚獣でええぇぇ!!」
隊長「今だぁ!!」
天才「いくぞおらあぁ!!」
ザッ…ダダッ!!
召喚士「な、何だ……っ!?」
サモナー「特攻……!?」
天才「いいかぁ、分かってると思うがもう1度言う。油断したら死ぬからな!」
縦1列に並んだ一同の先頭を走るのは男隊員。
男隊員「くらええぇぇーっ!!」
撃ち放たれる魔法は火。彼の得意魔法の1つである。
イブリース「何だそれはぁ!! そんなものが炎かッ、打ち消してくれるわ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 22:59:23.81 ID:oriGYG7oo<> 魔王の放つ地獄の業火、イフリート。当然ながら男隊員の炎など容易くかき消される。
西方参謀「ご苦労さん……ヒック」
男隊員の魔法は効かぬと分かっていて、あえて出したもの。魔王の炎を引き出す為に。
イブリース「再び炎か!! 幾ら放とうと無駄な努力よ!!」
西方参謀の放つ炎は2つの意味を持つ。1つはイブリースの炎を計る為。
青年兵「駄目だっ、やはり一瞬でかき消されたっ!」
もう1つは、自身とその前を駆る男隊員の逃走経路を作る為。
西方参謀「引き出しは開けた。あとは頼んだぜ……ヒック」
男隊員「もういっちょオマケだ!!」
ドドオオォォォォン!!…ガカアアァァ!!
互いの炎がぶつかり合う煙幕と、雷魔法で破裂する地面の岩石が2人の逃走を可能にする。
西方魔道長「さぁ、次はうちらだよっ」
魔道士「はいっ! 撃ちます……っ!」
ドッドオオォォォォン!!…ゴアアアァァァァ!!
コカトリス「凄まじい風だな……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 22:59:58.16 ID:oriGYG7oo<> ワイバーン「1度、上空に避難するか」
ゴッゴオオォォォォ!!
イブリース「炎を押そうてかぁ!! させんぞオオォォ!!」
魔道士「やあぁーっ!」
イブリース「多少はやるようじゃあないか。だがな……」
魔道士「やああぁぁぁぁーっ!!」
ゴッゴオオォォォォ
イブリース「何……ッ!?」
盗賊「魔王が怯んだっ!」
戦士「押し切れええぇぇ!!」
イブリース「……この程度でぇ、粋がるなああぁぁ!!」
隊長「来るぞぉーっ!」
イブリース「暴風ううぅぅ……ジンッ!!」
ドッゴオオォォォォン!!
魔道士「くあぁっ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 23:00:34.32 ID:oriGYG7oo<> 西方魔道長「2人がかりなのに……なんて魔法の威力だい……っ」
天才「中軸ぅ!!」
隊長「行くぞ!」
ズザッ…ザザザザッ
隊長「はあぁーっ!」
ドドオオォォォォン…ボゴォッ!!…ズズズズズズッ
サモナー「土の壁で暴風壁を! うまい……っ!」
イブリース「小細工を……ッ」
隊長「さぁ行けぇ!!」
格闘家「正面から全力の一撃を……」
イブリース「ハァーッハッハッハ! ここまで届くと思うてかああぁぁ!」
格闘家「……放つ!」
グアッ…バッゴオオォォォォン!!
イブリース「地面……だとぉ!?」
盗賊「そうだ。私達の仕事は次へ繋ぐ事」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 23:01:24.61 ID:oriGYG7oo<> 女隊員「後ろの仲間達を信じるッスよぉ!」
グイィッ…ドッズウウゥゥン!!
召喚士「地面だけを徹底的に……っ」
盗賊「これだけやれば……体勢もくずせるであろうっ!」
ジャラジャラッ…ビュオッ!!
イブリース「甘いわこの非力がああぁぁ!!」
盗賊「何っ!?」
ガシィ…ブンッ!!
盗賊「……っ!!」
戦士「盗賊!!」
コカトリス「ちぃっ」
バシュウウゥゥゥゥ…ドサッ
コカトリス「……間に合ったか。無事か?」
盗賊「あ、ありがとう……っ」
ドッズウウゥゥゥゥ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 23:02:15.42 ID:oriGYG7oo<> イブリース「ブハァ!! もう手は尽きたか!」
戦士「アホかっ、こっからが本番だ!」
青年兵「道はほぼ開けましたっ、行けますよ!」
イブリース「だったらまた……塞ぐのみよ!!」
ドッドオオォォォォン!!…ゴアオオォォォォ
戦士「だから何度も言わすな! こっちは炎の盾なんだっつーの!」
シュゴオオォォォォ…ゴガアアァァァァ
イブリース「炎の盾だか何だか知らんが、そのまま焼き殺してくれるわ!」
戦士「ぐお……っ、流石は魔王……」
ゴオオォォォォ
戦士「けどなぁ、そう簡単に殺されてたまるかよぉ!!」
天才「よく言った」
西方司令「耐えたなああぁぁ、盾ええぇぇ!! 死んでも褒めてやんぜええぇぇぇぇ!!」
戦士「だから死んでたまるかってんだよおぉ!」
ガシィッ!! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 23:02:51.18 ID:oriGYG7oo<> サモナー「あれは……っ!?」
召喚士「ゾディアック!!」
戦士「切り裂けええぇぇぇぇ!!」
ググッ……バッシュウウゥゥゥゥ
イブリース「――――ッ!?」
ズグッ…ドズン
戦士「……ぐっ、よぉし……っ」
イブリース「な……ん……」
天才「真打ち譲ったんだ。決めなかったら腹切って詫びろよ!」
西方司令「うーるせええぇぇぇぇ!!」
イブリース「この……程度でええぇぇぇぇ!!」
天才「五行……聖!」
キュイイィィィィ
西方司令「来た来た来た来たああぁぁぁぁ!!」
天才「残り少ねぇ五行なんだ。無駄にすんなよ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 23:03:42.66 ID:oriGYG7oo<> ズッシイイィィン
西方司令「任しとけやああぁぁ!!」
ググッ
イブリース「な、何だこの槍は……抜け――」
西方司令「くたばれこの腐れボケカスがああぁぁぁぁ!!」
ヴヴヴヴヴヴ…グアッ!!
イブリース「――――ッ!!」
ゴワッシャアアァァァァ!!
男隊員「いった……ぁ!!」
女隊員「やったッス!」
イブリース「グ……グク……ッ」
ズドッ…ガクン
西方司令「ざまぁみろやハーッハッハッハ――」
イブリース「ヌ……ウゥッ、ハーッハッハッハァ!!」
西方司令「!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/27(日) 23:04:40.49 ID:oriGYG7oo<> ガシッ
イブリース「……良い。実に良い一撃であったわぁ」
西方司令「こるぁ!! 俺様の剣にふれるんじゃね――」
イブリース「ウオオオオォォォォーッ!!」
ガシュッ!!…バッキイイィィィィン!!
戦士「んなっ!?」
隊長「あの剣を……へし折っただとぉ!?」
西方司令「ガアアアアァァァァーッ!!」
バッゴオオォォォォン!!…ドシャアアァァ
天才「ぐ……っ」
西方副司令「し、司令……っ」
西方司令「し……死ん……だっ」
西方参謀「大丈夫、生きてるわ……ヒック」
召喚士「あの攻撃を食らっても……何ともないのか……っ」
魔道士「……っ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/27(日) 23:16:00.34 ID:MU6s252G0<> 終わり?
終わりなら>>1おつんつん
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/28(月) 00:06:54.49 ID:2FAMM18wo<> おちんつん <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/28(月) 01:03:10.15 ID:a4yncqVAO<> >>1おつ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸)<>sage<>2011/11/28(月) 01:38:54.92 ID:FYrYmH8AO<> >>1乙
司令の武器、速攻壊れてしまったな… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/11/28(月) 04:43:39.68 ID:+9q8XGf50<> いちおつ
西方副司令は攻撃に参加してないね
<>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:02:55.96 ID:BmSSuEqbo<> ズズッ…シュウウゥゥゥゥ
男隊員「あ、あれだけの攻撃で……」
隊長「化物が……っ!」
イブリース「……クッ、ククッ……ククク……ッ」
召喚士「!?」
イブリース「ハァーッハッハッハ!!」
戦士「余裕かましやがって」
天才「いや、違う。今まで纏ってた空気と別モンだ」
戦士「……?」
イブリース「無傷……無傷か。そう思えるなら、貴様等……己を過小評価しているぞ」
西方参謀「何ぃ?」
イブリース「いや恐れ入ったわ。やはり人間は徒党を組むと厄介。まぁそうでなくば手応えもないがな」
サモナー「何か……嫌な予感がする……っ」
青年兵「ええ……っ」
召喚士「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:03:29.78 ID:BmSSuEqbo<> ザッ
イブリー-ス「龍脈が途切れ、魔力の流れが乏しいからなぁ。温存の為にと思ったが……」
ググッ
イブリース「攻撃を食らって魔力を消費してるんじゃあ意味ねぇわなぁ!」
ブシュウウゥゥゥゥ!!
西方魔道長「何事だいっ!?」
盗賊「……縮んでいる」
天才「いよいよか……っ」
戦士「何がだよ!?」
天才「考えてみろ。デカイ分、密度は薄く力は分散してた。まぁその分、魔力はセーブ出来てた」
戦士「……っ」
天才「だが、形状を縮めれば密度は濃く、魔力消費も大きいが力もグンと増す」
戦士「まさか……っ!」
シュウウウゥゥゥゥ
天才「魔王イブリースの……真の姿ってとこだろうな。くそっ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:03:58.45 ID:BmSSuEqbo<> 〜西方、最西端〜
傭兵「っりゃああぁぁ!!」
ザシュウウゥゥ
親衛隊「さぁ来いサンドワーム共! ここから先へは1匹たりとも進ませぬぞ!」
サンドワーム「グルウウゥゥゥゥ」
傭兵「にしても、流石に数が多くなってきやがった」
親衛隊「風が収まったからな。再び集まってきたのだろう」
西国兵「本国の魔道兵も疲労が激しいみたいですね」
魔道兵「はぁはぁ……っ、くそっ」
サンドワーム「ゴアアァァァァ!!」
親衛隊「くっ!」
ザシュッ!!
傭兵「大丈夫かぁ!?」
親衛隊「かすり傷……と言いたいところだが、なぁに……まだいけるさ!」
西国兵「お、おいっ! あれは何だ……!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:04:30.80 ID:BmSSuEqbo<> 傭兵「……ん? 人影が見えるが……援軍か!?」
親衛隊「王子が戻ってきたかっ!」
ザッザッザッザッザ
踊り子「居たわよっ!」
ダンサー「ちょっとぉ! 戦闘中じゃないの!?」
傭兵「女ぁ!? な、何だアイツらは……っ」
タタッ…ザッザッザ
親衛隊「おいっ! こんな所で何をしてる!?」
踊り子「アタイ達も手伝いに来たのさっ」
西国兵「手伝いだぁ!? バカヤロー! 一般人が戦場に出るなんて自殺行為だぞっ!」
踊り子「バカにしないでよねっ! アタイ達にだって出来る事……あるんだから!」
傭兵「はぁ!?」
踊り子「見てなさいっ、アタイ達の踊りを!」
ダンサー「いくわよぉーっ!」
〜♪ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:05:20.46 ID:BmSSuEqbo<> 傭兵「踊りだぁ……? んな事してる場合か!!」
親衛隊「いや待てっ! 魔物の動きがおかしい……っ」
傭兵「!?」
サンドワーム「……グウウゥゥゥゥ」
西国兵「ターゲットが変わった……?」
親衛隊「しかしあれでは踊り子連中が危うい……」
傭兵「だが魔物も戸惑ってる。殺るなら今がチャンスだぞ!」
西国兵「本国連中は動けない、西国軍だけでやりましょう!」
ザザッ
西国兵「……えっ?」
魔道兵「な、何だこれ……っ。魔力が戻って……いやっ、流れ込んでくる!?」
傭兵「どういう事だぁ!? 急に魔道兵どもが元気になったぞ!?」
親衛隊「……お、俺もだ」
傭兵「あ?」
親衛隊「傷はともかく、痛みが薄れていってる……っ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:06:52.47 ID:BmSSuEqbo<> 〜♪
踊り子「さぁどうだっ! アタイ達の踊りにはパワーがあるのよっ!」
ダンサー「何たって、陛下のお墨付きだからねぇ〜♪」
親衛隊「よ、よく分からないが……彼女らの踊りにはやはり特殊な何かが……っ」
傭兵「ともかくっ、考察は後でいい! 魔物を蹴散らすぞ!」
魔道兵「魔法援護は任せておけ!」
西国兵「魔道隊がいりゃあ話は別っ! 一気に殲滅するぞぉ!」
ドドオオォォォォン!!…ザシュウウゥゥ!!
サンドワーム「グッギャアアァァァァ!!」
傭兵「テメェら、今のうちにこっちきやがれ!!」
踊り子「はいなっ!」
親衛隊「痛みさえ消えれば、剣を振るって戦える!」
西国兵「いっけぇ! 押し出して、陣形を立て直すぞぉ!」
踊り子「アタイ達の踊り、役に立った……?」
傭兵「……ああ。大したもんだ。だがな、二度とこんな危険な真似はすんなよ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:07:43.09 ID:BmSSuEqbo<> 〜最西端、古代遺跡〜
シュウウゥゥゥゥ…
魔道士「う……うぅっ」
西方参謀「どうした?」
魔道士「大気が圧縮されて……何か、凄い嫌な感じです……っ」
盗賊「……凄い威圧だ……っ」
戦士「ああ、押し潰されそうになるぜ……」
バシュウウゥゥゥゥ
コカトリス「これ程のものとはな」
召喚士「うん。流石は魔王、イブリース」
ゴウッ!!
召喚士「!?」
イブリース「……お待たせした。さぁ、死合い再会といこうかァ!!」
ボフッ…シュウウゥゥゥゥ
召喚士「く……うぅ……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:08:25.09 ID:BmSSuEqbo<> 煙が徐々に薄れていくと、その中より満月に照らされた魔王イブリースが姿を再び見せる。
その身は人間よりやや大きい程度と形を変えており。先程のような凶悪さは感じない。
しかしながら、密度の濃くなったその内側は明らかに今井までとは異質であり、
既に対峙する者達の精神を圧倒、士気や戦意を徐々に削り取っていた。
ザッザッザッザ
イブリース「すまんが見ての通りの大きさだ。まとめて始末は出来ん。1人ずつ殺すとする」
男隊員「んだとぉ!」
イブリース「さぁ、誰からいくかね」
グッグッ
格闘家「……はあぁ!!」
天才「バカヤロ……」
ドガッ……ゴッシャアアァァァァ!!
格闘家「…………ぅ」
戦士「何が……起きた……っ?」
天才「ただの蹴りだ。超高速ゆえに見えなかったけどな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:08:58.64 ID:BmSSuEqbo<> ガラガラガラッ…ゴトッ
青年兵「格闘家さんが……い、いきなり後方に……」
イブリース「すまんなぁ。このナリでは加減が分からん」
戦士「て……んめぇ!!」
天才「落ち着け。サシでやりあったら二の舞だぞ」
戦士「……っ」
天才「自分で言ってたろ。あの姿じゃ複数の相手は難しい。だったら多対一に持ち込むのが道理」
戦士「……分かったよ」
西方司令「頭痛いいぃぃ!! しっ、死ぬううぅぅぅぅ!!」
天才「ゴチャゴチャうるせぇんだよテメーは! これでも持ってろ!」
戦士「おいっ、それゾディアック……」
パシィッ
西方司令「……ふーっ、落ち着いた。さて、我が力……とくとお見せ致そうか」
スッ…チャキッ
西方司令「この戦……勝てる。神聖なる大地においての生業、神よお許し下され」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:09:41.25 ID:BmSSuEqbo<> ズオオォォォォ
イブリース「さと、次は貴様か?」
クルッ…ジロリ
イブリース「それとも貴様にするか?」
隊長「ふざけやがって……」
男隊員「隊長、行くぞ。部下がやられて黙ってろって方が無理だ」
隊長「無論だ。特遊の意地、見せてやるぞ!」
女隊員「おぉッス!!」
ザザッ…ダダダッ
イブリース「次は貴様等かっ、よかろう……来るがいい!!」
隊長「でりゃああぁぁ!!」
西方参謀「援護しろぉ! 魔力の続く限り撃てぇ!」
ドンッ!!…ドンッ!!…ドウンッ!!
魔道士「当……たらないっ!」
召喚士「ワルキューレ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:10:32.71 ID:BmSSuEqbo<> ブリュンヒルデ「はああぁぁーっ!!」
イブリース「小生意気だぞ召喚獣ウウゥゥ!!」
チッ……ガシィ!!
ブリュンヒルデ「――っ!!」
イブリース「ハァーッハッハッハッハ!!」
ゴシャアアァァァァ!!
オルトリンデ「ブリュンヒルデ!」
ロスヴァイセ「来るえあよぉ!」
イブリース「どけどけどけどけええぇぇぇぇーッ!!」
ドゴォッ!!…ズッシャアアァァァァ!!
イブリース「あと4匹ッ! 3匹ぃ! 2匹いいぃぃ!」
サモナー「召喚士くんっ! 解除だっ、召喚解除を!」
召喚士「く……っ」
シュイイィィィィン
イブリース「さぁ、戯れは終いだ。食らえいぃ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:11:04.23 ID:BmSSuEqbo<> シュイイィィィィン
青年兵「食らうのは貴様だっ!」
バハムート「ゴガアアァァァァ!!」
イブリース「バハムートかッ、やるじゃあないか!」
ガシィ!!
青年兵「なっ!?」
イブリース「空の覇者でも気取るか? しばし地上で寝転んでいるがいい……ハッハッハッハァ!!」
グオォッ……ドグッシャアアァァァァ!!
マーマン「掴んでそのまま……叩きつけただとぉ!?」
バハムート「グッゴオオォォォォ……ッ」
青年兵「バ……ハムートを……片手で一撃……?」
ドサッ
召喚士「青年兵くんっ!」
サモナー「彼は僕が看る、召喚士くんは他の援護にあたってくれ」
召喚士「……り、了解です」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:12:10.74 ID:BmSSuEqbo<> ズダンッ
イブリース「さぁ、行くぞおおぉぉぉぉ!!」
ゴアッ…ゴゴゴゴゴゴ
イブリース「ウラアアァァァァーッ!!」
男隊員「迎撃ぃ!!」
女隊員「いよぉいっしょおおぉぉぉぉ!!」
グワッ!!…ドッズウウゥゥゥゥン
女隊員「かわしたっ!?」
ズギャッ
イブリース「かわしたつもりはない。ただ、近づいただけだ」
女隊員「――――っ!?」
ガシッ……ボキィッ!!
女隊員「うああぁぁぁぁ!!」
隊長「女隊員っ!!」
イブリース「ハァーッハッハッハ! 人間は本当に脆い生物だな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:15:15.88 ID:BmSSuEqbo<> 男隊員「てんめぇ……っ!!」
ダッ!!
イブリース「ハーッハッハッハッハッハッハァ!!」
バギャッ!!…ズガアアァァン…ゴトッ
男隊員「が……ふっ」
隊長「貴様ああぁぁ!!」
イブリース「もう少し楽しめるかと思ったが……」
ザスッ…グググッ
隊長「……ぐ……くっ」
イブリース「この程度か」
西方参謀「何でだ……何で魔法が当たらない……っ」
魔道士「ううぅぅ……っ!」
イブリース「……貴様、変わった奴だな」
隊長「……っぐ」
イブリース「腹を貫かれて、血も出さぬとは」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:15:51.54 ID:BmSSuEqbo<> 隊長「筋肉締めりゃ……んな事……容易なんだ……よっ」
イブリース「……フンッ」
ブンッ…ドシャアアァァ
魔道士「うぅ……っ!」
天才「魔道士共は合体五行だ」
西方参謀「効く相手か!?」
天才「やるだけやれ。魔力ぐらい削げんだろ」
ザッザッザ
西方司令「行きますかね、師匠」
天才「ふーっ。どうやら……東方戦には参加出来そうもねぇわな。ハーッハッハ!」
西方副司令「全身全霊を込めて……援護しますっ!」
天才「いくぞおぉ!!」
西方司令「神よっ、お導きあれ!」
ズダッ…ヒュオッ
天才「五行おおぉぉぉぉ……聖!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:16:51.34 ID:BmSSuEqbo<> 西方司令「神聖なる槍の力、味わうが良いっ!」
ズガシュウウゥゥゥゥ
イブリース「この槍だ……この槍が厄介なものよ」
天才「今だ撃てええぇぇ!!」
西方参謀「いいんだなっ? ちっ、合体五行いくぞ!」
マーマン「おうよ!」
西方魔道長「もう残り僅かだけども……やるしかないねぇ!」
魔道士「やああぁぁーっ!!」
西方副司令「いっけええぇぇ!」
ドッドオオオオォォォォン!!
イブリース「ヌウゥッ!!」
ゴガガガガッ…パアアァァァァ…
サモナー「頼む……っ、これで大人しくなってくれ……」
盗賊「もう……手はないんだ……っ」
イブリース「グオアアァァァァ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:17:21.69 ID:BmSSuEqbo<> バッシイイィィィィン!!
召喚士「――っ!?」
シュウウゥゥゥゥ…
イブリース「ガッハアアァァッ、ハァーッ、ハァーッ、ハアアァァァァ……ッ」
西方副司令「これでも……駄目……なの……」
ヨロッ…ドサッ
西方魔道長「すまないねぇ……もう、魔力枯渇だよ……っ」
西方司令「化物め……っ。神は……救いはないのか……」
ドシャッ
天才「イブちゃんよぉ、言うだけあって……アンタ強えぇわ」
ガシッ…ブラブラ
イブリース「残念だったな人間共。だが光栄に思え、この俺様もなかなか追い詰められたぞ」
ドゴォッ!!…パラパラパラッ…ドサッ
魔道士「天才さんっ!!」
天才「…………」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:17:58.34 ID:BmSSuEqbo<> イブリース「残るは貴様等と……」
マーマン「……っ」
マーメイド「……マーマンっ」
サモナー「マーメイド、距離を取るんだ」
イブリース「あとは……貴様等か」
戦士「結局、俺ら4人は一緒みてぇだな」
盗賊「……だが、死ぬわけにはいかぬ」
魔道士「もちろんです。最後まで……戦いましょう!」
召喚士「ええ。みんなを救う為に。そして王子が来るまでは絶対、やられるわけにはいかない!」
イブリース「まだ戦意を失わないとは。大した度胸! 褒めてやるぞ!」
戦士「盗賊、行くぞ」
盗賊「ああっ!」
ヒュバッ!!
イブリース「甘いわああぁぁ!!」
ドッドオオォォォォン!! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:19:34.13 ID:BmSSuEqbo<> イブリース「!?」
マーマン「俺っち達も居る事っ、忘れんじゃねぇぞ!」
マーメイド「サモナー、こっちの魔力はいいから皆の回復に費やしてっ」
サモナー「ああ、すまない!」
イブリース「たかが水程度で俺様が怯むかよおおぉぉ!!」
魔道士「だったらあぁ!!」
ドッドオオォォォォン…ガガキイイィィン!!
戦士「凍りついた!」
盗賊「今だ!」
シュバッ!!…ガキイイィィン!!
盗賊「……ちっ、やはり効かぬか」
戦士「任しとけ」
ググッ
イブリース「……オオ……オオォォォォ!!」
サモナー「まずいっ、氷が砕かれるぞ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:20:22.71 ID:BmSSuEqbo<> 盗賊「戦士、構わず居合いに集中せよっ」
戦士「!?」
盗賊「私が……盾になるっ」
魔道士「盗賊さんっ!」
召喚士「いや、大丈夫です。盗賊さんなら……」
盗賊「し……っ! はあぁーっ!」
バキイイィィィィン!!
イブリース「一瞬、間に合わなかったな……ハーッハッハッハァ!!」
ブオォッ…バシャッ!!
イブリース「――ッ!?」
盗賊「水遁……霧隠れ」
イブリース「小賢しいわああぁぁーッ!!」
ブオンッ…ビシャアッ!!…バシャッ!!
イブリース「えぇい、なれば……本物にブチ当たるまで殴り続けるのみだああぁぁ!!」
盗賊「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:21:00.31 ID:BmSSuEqbo<> マーマン「戦士まだかよっ、盗賊ちゃんの魔力もそろそろ限界だぞっ!」
戦士「……いいぜ、いける」
ザッ……タァンッ!!
戦士「おおぉぉぉぉーっ!!」
魔道士「雷付加……いきますっ!!」
ズッザアアァァァァ!!
戦士「新生雷切……居合いいぃぃ!!」
イブリース「――ッ!!」
ズッガアアアアァァァァ!!
戦士「っりゃああぁぁ!!」
イブリース「グ……ックヌウウゥゥ!!」
ザザザザアアァァ…スタッ
マーマン「ど、どうだ……っ?」
イブリース「……ハッ、ハァーハッハッハッハ!」
戦士「……ぐうぅ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:21:32.10 ID:BmSSuEqbo<> ズダッ
マーマン「な、何が……」
戦士「ぐああぁぁ……っ!」
ガクンッ…ドシャッ
イブリース「今の一撃は良いっ! 見事だったわ! だが到底、俺様には及ばぬ」
召喚士「すれ違いざまにカウンターを……っ」
イブリース「殴り飛ばすのは無理だったがな。剣筋が分かりやうい分、対策も容易いものよ」
サモナー「戦士くんは超一流の使い手だ。彼の居合いを見破るなんて……不可能に近いのに」
イブリース「攻撃を受ける場所にイフリートを予め配置するだけ」
ザッザッザ
イブリース「それで斬った奴は体内に灼熱を浴びる羽目に遭う。ハァーッハッハッハ!」
ザッザッザ…ガシッ
イブリース「体中が燃えるように熱く苦しかろう。楽にしてやるぞ」
戦士「……っ」
召喚士「その手を離せ、イブリース!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:22:03.01 ID:BmSSuEqbo<> イブリース「……んー?」
召喚士「まだ、俺が残っている。負けたわけじゃない!」
イブリース「貴様には見えぬのか? この絶望的な景色が」
召喚士「……っ」
イブリース「四方に転がる貴様の仲間。もはや全員が虫の息ではないか」
召喚士「まだ死んだわけじゃない。活きている限り……勝ち目はあるんだ!」
イブリース「……ハァーッハッハッハ!! よかろう、ならば見せてみよ」
ブンッ…ドシャアアァァ
イブリース「貴様が死ねばここに居る全員にトドメをさす」
召喚士「……」
イブリース「救いたくば、貴様が行き続け、そして戦い続ければ良い」
召喚士「やってやるさ……!」
イブリース「そうだ、かかってこい! 力こそが他者をねじ伏せられる唯一の手段!」
召喚士「違う! そんな考えだから魔物は悪に走るんだ!」
イブリース「強き者が弱き者を支配して何が悪い!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:22:48.41 ID:BmSSuEqbo<> 召喚士「だったらお前もっ、負ければ支配されるんだぞ!」
イブリース「そうだ! この俺様を支配してみせろ! 力でねじ伏せてみせよ!」
召喚士「行けぇーっ! コカトリス!!」
イブリース「それが出来れば、貴様等人間の勝利ぞ!!」
ゴウッ!!…バッシュウウゥゥゥゥ!!
イブリース「たかが石化アアァァ! 俺様のジンで自ら浴びるが良いわアアァァ!!」
召喚士「コカトリス……俺の魔力を全て……つぎ込む!!」
コカトリス「ああ、全力を出せ。そして……奴を止めるのだ!」
イブリース「食らええええぇぇぇぇーッ!!」
召喚士「いっけええぇぇ!! 真……コカトリス!!」
ギュオッ!!…ドドドドドドオオォォォォ
マーマン「何だぁ!? コカトリスの吐息が逆風に……!?」
サモナー「あれは先日の……っ!」
ゴッゴオオォォォォ!!
召喚士「ああああぁぁぁぁ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:23:18.31 ID:BmSSuEqbo<> イブリース「こ……んなものおおぉぉぉぉ!!」
ガシュッ!!…ズゴゴゴゴゴッ
マーメイド「まずいっ、捕まったわ!」
イブリース「グ……クククッ! このまま……握りつぶしてくれよ――」
ドドオオォォォォン!!…ガカアアァァァァ!!
イブリース「――ッ!?」
魔道士「くっ、はぁ……はぁ……はぁっ」
召喚士「今だああぁぁ!! 貫けええぇぇぇぇ!!」
コカトリス「おおぉぉぉぉ!!」
イブリース「――――ッ!!」
ボンッ!!……ボッゴオオオオォォォォ!!
イブリース「んな……っ」
マーマン「やった……!!」
ベキビキッ…ビキィッ!!
サモナー「イブリースが……石化しているっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:23:45.96 ID:BmSSuEqbo<> イブリース「ヌ……オオ……オオォォ!!」
ベキビキビキッ…ミシィッ!!
召喚士「が……っはぁ、あ……っ」
コカトリス「振れるものを全て石と化す我が一撃だ。その威力、とくと味わうがよい」
イブリース「ヌオオォォォォ……グッガアアァァ!!」
ビキビキビキィ!!…ガキンッ
召喚士「イ、イブリース……お前の言う通り……力でっ、ねじ伏せてや……ったぞ」
ドシャッ
魔道士「召喚士さんっ!」
マーマン「すげぇ……っ、あいつ……やりやがったぞ!」
ピシッ
魔道士「え……っ?」
ピシピシッ…パリッ
サモナー「そ、そんなまさか……っ」
イブリース「ウ……オオオオォォォォ……アアァァァァ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:24:30.43 ID:BmSSuEqbo<> バキバキビシィッ!!…バッギイイイイィィィィン!!
マーマン「うおああぁぁ!!」
魔道士「きゃあぁっ!」
ゴトゴトゴトッ…ズドンッ…ガシャッ
イブリース「…………」
召喚士「そん……な……」
シュウウゥゥゥゥ
コカトリス「枯渇……時間切れか……」
バスンッ…シュイイィィィィン
イブリース「力でねじ伏せる事は出来なかったな。貴様等の敗北だ」
召喚士「……ま……だだっ」
イブリース「立ち上がる力も残されていないというのに、強がるな」
バキィッ!!…ドサッ…ゴロゴロッ
イブリース「さぁ、まとめて地獄へ送り届けてくれるわ!!」
魔道士「……くうぅっ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:25:02.25 ID:BmSSuEqbo<> ザッ
イブリース「焦るなよ。まとめて地獄へ行けるチャンスなのだぞ?」
マーマン「何をぬかしやがるっ!」
イブリース「せめてもの慈悲じゃあないか。それとも、個別に地獄へ行くか?」
マーマン「んだとぉ!!」
イブリース「ハァーッハッハッハ! 大人しくしていろ!」
マーマン「ぐあ……っ!」
バチィッ!!
イブリース「さぁ、俺様の奥義を今こそ見せてくれようかッ!!」
バシイィッ!!
イブリース「イフリートオオォォ……ジンッ!!」
ゴアァッ!!…ゴゴゴゴゴゴッ!!
魔道士「かっ、風が逆流してる……っ」
サモナー「周辺の大気を……自身に取り込んでいるのかっ!」
イブリース「火と風が凝縮して集まり……爆発すればどうなるか、想像してみるがいい!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:26:15.67 ID:BmSSuEqbo<> 〜西方、最西端〜
傭兵「おっりゃああぁぁ!!」
ザシュッ…ズザァ
親衛隊「くそっ、王子はまだなのかよ……っ」
踊り子「みんな頑張って! アタイ達も頑張って踊り続けるからさぁ!」
西国兵「ありがとよっ。お前さんらが踊ってると本当に力が湧いてくるよ!」
ダンサー「戦いが終わったら……もっとサービスしちゃうわよんっ♪」
西国兵「……ごくっ」
フワァッ
魔道兵「……ん?」
親衛隊「何だ? 風が吹き始めたか……?」
傭兵「だがおかしい。今までと違って、西に風が流れてるぞ!?」
ゴアァッ!!
踊り子「な、何……きゃああぁぁーっ!!」
親衛隊「ふ、吹き飛ばされ――」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:26:54.20 ID:BmSSuEqbo<> ゴアアアアァァァァ!!
西国兵「……う……うっ」
傭兵「……いっつぅ」
踊り子「な、何なのよ……もう……っ」
フラッ…ノソッ
親衛隊「……な、なん――!?」
ドドオオォォォォ
イブリース「ハァーッハッハッハッハッハ!!」
傭兵「しまったぁ!! 魔王の……」
イブリース「……まだ人間が居たのか」
戦士「ぐっ、ま……まずい……っ」
天才「!?」
踊り子「なっ、何!? 魔王……えっ!?」
天才(何で民間人がいるんだよ……くそがぁ!!)
親衛隊「それよりもっ、皆が……そんな……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:27:35.22 ID:BmSSuEqbo<> ズダッ
マーマン「ボーっとしてんじゃねぇ! 逃げろ!」
傭兵「あぁ!?」
サモナー「魔王の攻撃がくるっ! 早く逃げるんだ!」
魔道兵「しかしっ、し……司令や皆まで……っ」
魔道士「やあぁっ!」
ドドオオォォォォン!!…バシィッ!!
イブリース「もう無駄だ。貴様の残り魔力じゃ、俺様には遠く及ばんよ!」
踊り子「ま、魔道士ちゃん……?」
魔道士「――!? な、何でここに……っ!!」
イブリース「さぁ、せっかく来たんだ。貴様等もまとめて地獄へ送ってくれるわぁ!!」
傭兵「こうなったら逃げるとか言ってらんねーだろっ! 俺は……戦うぜ!」
親衛隊「もちろんだ!」
西国兵「本国の魔道隊は負傷者の救助を!」
魔道兵「り、了解っ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:28:04.88 ID:BmSSuEqbo<> ズゴゴゴゴゴゴッ
マーマン「バカどもがっ! 仕方ねぇ……やるだけやってみっか」
傭兵「どうすりゃいい?」
マーマン「魔法は?」
傭兵「からっきしだ」
マーマン「なんだよ……っ! しゃーねぇ、とにかくイブリースの動きを牽制してくれ!」
親衛隊「心得た!」
西国兵「もうすぐ王子が帰ってくる! それまで踏ん張るぞ!」
ダダッ
踊り子「よーし、アタイ達もやるよっ!」
ダンサー「おーっ!」
マーマン「な、何だお前ら!? 何するつもり――」
〜♪
踊り子「まぁ見ててよっ! アタイ達の踊りで……みんなを元気にするんだからっ!」
マーマン「はあぁ!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:28:36.50 ID:BmSSuEqbo<> 傭兵「不思議な事にな、こいつらの踊りにゃあ本当に力があるんだよ」
マーマン「どうなっても……知らねぇぞっ」
〜♪
踊り子「さぁみんなっ! 諦めちゃ駄目! 絶対に生きて帰るんだからねっ!」
フワァッ…パアアァァァァ
イブリース「……?」
ピクッ
女隊員「……ぅ」
隊長「ぐ……っ」
ググッ
西方副司令「……ま、魔力が……っ」
戦士「何だ……これっ、身体が……痛みが……っ!」
イブリース「何だこれは……っ!? 何が起きている……どういう事だああぁぁ!?」
魔道士「凄……いっ、凄い! 凄いっ! 踊り子ちゃん達の踊りでみんなが……っ」
召喚士「魔力が戻ってくる。何が起きているんだ……?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:29:20.20 ID:BmSSuEqbo<> 元来、踊りには神秘的な力があると言われている。
それは太古の昔より、神々へ向けた祈祷などにも看て分かるように、
音楽と踊りはただのエンターテイメントではなく、時に不思議な力を醸し出す。
踊り子達の踊りにはそれがあった。いや、彼女らの力がそれを為し得た。
踊りにより発せられる魔力が他者へと流れ込み、それが魔力の回復、及び
身体の治癒へと当てられ、不思議な力として現象化しているのだ。
今この時において、彼女らは無論の事、一同にすらそこまで考える余地はなかった。
ただ奇跡として、魔王の奥義を切り抜けられる一抹の好機として捉えていたのみである。
〜♪
イブリース「人間とは時に不可思議な真似をするわ」
踊り子「さぁ、みんな〜まだまだイケるわよぉ!!」
イブリース「余計な真似をしおってええぇぇ……ッ!」
スゴゴゴゴッ
イブリース「まずは貴様等から……死ねええぇぇーッ!!」
踊り子「――っ!?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/11/28(月) 18:30:31.48 ID:BmSSuEqbo<> 今日はここまで!ご支援ありがとうございましたー!
それでは失礼致します!また明日ー!ノシ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/28(月) 18:41:25.28 ID:dtKPYAM6o<> うわああああああ続きはやくううううううう
>>1乙! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/28(月) 19:23:16.57 ID:g8mgSW6DO<> >>1のばかああああああ
乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/28(月) 20:19:16.85 ID:42A/cnPDO<> びっくりするほどユートピア? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/28(月) 21:26:05.06 ID:KSMQAQaDO<> ちょwwww
そこで切るのかww
ちょっと涙滲みかけてたのに>>1がドS過ぎて噴いて涙乾いたじゃねーかwwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<>sage<>2011/11/28(月) 22:41:21.43 ID:Eu4egk7lo<> 大量更新だったから我が儘は言わな。い一乙
…はあああやくぅぅうううう <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸)<>sage<>2011/11/28(月) 22:47:06.97 ID:FYrYmH8AO<> うわああ゛あ゛あ゛あ゛あ
>>1のドS…乙!
踊り子たちも吟遊詩人と似たようなものなのか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<>sage<>2011/11/28(月) 23:33:00.28 ID:AYxsRSYdo<> でもさすがに踊りはねーわ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州)<>sage<>2011/11/28(月) 23:39:24.68 ID:S/xoxeiAO<> ハッスルダンスでHPが回復するのと同じ原理なんじゃね?
どういう原理かは知らんけど <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(徳島県)<><>2011/11/29(火) 00:01:36.59 ID:KEy/cpNP0<> イブリース「スピキュール!うおー、あっちーッ!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/29(火) 01:57:20.49 ID:Y1N4RIBAO<> 露出高い服で乳が弾みまくってるの見れば股間(魔翌力)もみなぎるってもんよ。魔道士はレズっ毛あるしな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/11/29(火) 04:43:25.36 ID:HuvItaNi0<> いちおつ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 05:12:24.53 ID:kXemwxGjo<> いちもつ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 06:54:31.16 ID:pYlzIYYO0<> >>1のばかやろおおおおおおおおおおおおおお!
>>1おつんつん <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 11:29:09.34 ID:VeEp3pFto<> >>149
お前のせいでミカエルにしか見えなくなった <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 17:47:31.04 ID:5Ymp56yD0<> 確かに踊りで回復は解釈し難い
しかしパフパフならば回復の見込みは高い、そう思わないかい? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 17:48:03.54 ID:5Ymp56yD0<> 確かに踊りで回復は解釈し難い
しかしパフパフならば回復の見込みは高い、そう思わないかい? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 17:53:37.78 ID:+g7MRXHDO<> いちおつ!じらすなぁ…ww
踊り云々は結局そういう世界なんだよ!ってことじゃないの? <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:02:19.32 ID:2H7KjXkEo<> ズッギャアアァァ!!…ドッドオオォォォォン!!
踊り子「……っ」
シュウウゥゥゥゥ
踊り子「……!?」
マーマン「大丈夫かよ……っ」
グゴゴゴゴゴッ
マーマン「炎は俺っちでも防げるけどよぉ……っ、風は無理ッ!」
バチィッ!!…ジジジジッ
マーマン「早く……逃げてくれっ!」
踊り子「……くっ」
タタッ
イブリース「逃がすかよぉ!!」
ザザッ!!…バシィッ!!
マーマン「か弱い少女追っかけまわして……しつこい魔族は嫌われるぜ? 魔王さんよ」
イブリース「……ハーッハッハッハァ! 良かろう、貴様から相手してやる!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:02:59.16 ID:2H7KjXkEo<> ドッゴオオォォォォン!!
マーマン「ガアアァァーッ」
イブリース「威勢の割りに大した事もないな……ハァーッハッハッハ!!」
マーマン「うるせぇ!!」
タッタッタ…ズザッ
踊り子「魔物さん……っ」
イブリース「ハァーッハッハッハ!! 水の勢いもそろそろ限界のようだなああぁぁ!!」
マーマン「うるせぇって……言ってんだろうがっ!!」
ドッドオオォォォォン!!
マーマン「うっがああぁぁーッ!」
イブリース「無理はするな。我ら魔族は龍脈なき今……」
マーマン「ぐううぅぅぅぅ……ッ」
イブリース「魔力を放出すればする程、自身が弱体化するのだぞ」
マーマン「てめぇらと一緒にすんじゃねぇや……っ」
イブリース「……?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:03:30.64 ID:2H7KjXkEo<> マーマン「俺っちはなぁ……誇り高き、召喚獣様だああぁぁ!!」
キュイイィィィィ…ドッドオオォォォォン
イブリース「まだこれ程の力があるとは・本当に恐れ入るわ」
マーマン「誰も……死なせやしねぇ……っ」
踊り子「魔物さんっ!!」
マーマン「もっと離れろ……ぉ! さっきも言ったろ、炎は防げても風は……」
ザッ
マーマン「!?」
踊り子「風ぐらい何て事ないうわよっ。アタイの舞いにはねっ!」
〜♪
隊長「あ……いつら……っ」
天才(……止めろ……っ)
隊長「……?」
天才(あいつらを……止めろっ、民間人はまずい……予言に出ていない……っ)
隊長「司令……っ。了解した」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:04:00.41 ID:2H7KjXkEo<> 〜♪
ダンサー「踊り子1人に任せてられないわっ!」
踊り子「みんな……っ!」
イブリース「この期に及んで踊りとは……呑気な奴等よ」
踊り子「何よっ!」
イブリース「だがその信念……悪くはない。己の意思を貫く姿は称えるに値するぞ!」
マーマン「だったら見逃してくれよ、イブリースさんよぉ」
イブリース「そうはいかぬ。これは互いの誇りを賭けた戦いなのだ」
マーマン「……っ」
イブリース「どちらが地上の支配者に相応しいか、力のぶつかり合いなのだよ!」
マーマン「アンタも人間と、もっと深く接してみなよ。見えないものが見えてくるぜ」
イブリース「ハァーッハッハッハ! 笑わせるな! 魔王は何者にも屈せず、心を許さぬ!」
マーマン「……」
イブリース「それが魔王たる所以。俺様は生ある限り、支配者であり続けねばならぬのだ!」
マーマン「流石だよ。まさに純粋な悪ってやつだな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:04:29.14 ID:2H7KjXkEo<> ズゴゴゴゴゴッ
イブリース「俺様は貴様等を……力で制する! 力をもって排除する!」
バッゴオオォォォォ!!
踊り子「きゃあぁーっ!!」
魔道士「お、踊り子ちゃん……っ!」
ドサッ…ゴロゴロッ
踊り子「う……っ」
ヨロッ…フラフラ
踊り子「アタイには……これしかないんだよ……っ」
〜♪
踊り子「躍る事しか……舞う事しか出来ないんだよぉーっ!」
イブリース「……ヌウゥ」
踊り子「アタイがどうなってもいいっ。でも、アタイ達の踊りでみんなが元気になるんなら……」
ゴゴゴゴゴゴ…
踊り子「最後の最後まで……踊り続けてやるんだからあぁーっ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:05:00.56 ID:2H7KjXkEo<> フラッ
天才「……」
ヨロヨロ…スクッ
西方司令「……」
男隊員「……」
グググッ…ザッ
戦士「……」
盗賊「……」
ザッ…ザッ…ザッ…
イブリース「――!?」
青年兵「僕達は……負け……ない」
召喚士「絶対に……お前を……」
イブリース「な、何と……っ!」
ザッザッ…ザッ…ザッ…
イブリース「瀕死であったというのに……何という……ッ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:05:41.73 ID:2H7KjXkEo<> ザッザッザッ…
イブリース「意識もままならぬような状態で、向かってくるのか……ッ」
〜♪
イブリース「!?」
踊り子「さぁみんなっ! アタイ達の全部を……受け取ってぇ!」
ゴアッ!!…ゴゴゴゴゴゴ…
イブリース「……クッ、こんな事が」
マーマン「どうしたよ? 焦りかい?」
イブリース「この俺様が焦り……? 笑わせるなああぁぁ!!」
キュイイィィィィ…
イブリース「消し飛べええぇぇーッ!!」
ドッグオオォォォォ…ゴゴゴゴゴゴ
イブリース「――ッ!?」
男隊員「……寝坊……しちまったが、何とか間に合ったみてぇだな……っ」
西方副司令「微々たる魔力だけど……無いよりマシ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:06:14.88 ID:2H7KjXkEo<> 西方魔道長「不思議なもんだね……枯渇したはずなのにさ」
ゴゴゴゴゴゴ
イブリース「きっ、貴様等……ッ!」
ドンッ!!…グサアアァァァァ!!
イブリース「――ッ!!」
西方司令「……これで貴様は動けまい」
イブリース「貴様ッ、槍を――」
ザシュッ!!…グサアァァ!!
天才「五行……聖……っ!」
ドドオオォォォォン!!…キュイイィィィィン
天才「ゾディアックと五行のツヴァイハンダー。両足に突き刺し……これでテメーは動け――」
ドサッ
イブリース「ハーッハッハッハッハッハァ!!」
盗賊「……」
イブリース「久々に味わうわ、緊迫感をな!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:06:47.41 ID:2H7KjXkEo<> ズゴゴゴゴゴゴッ
イブリース「今度こそ見せてやるぞおおぉぉ!! 奥義……ッ!!」
女隊員「させるかああぁぁーッス!!」
戦士「んのやろおおぉぉ!!」
ズガシュウウゥゥ!!
盗賊「はあぁっ!」
格闘家「ああぁぁーっ!!」
バギャアッ!!
イブリース「効かぬ効かぬ効かぬウウゥゥ! そんなもの……効かぬわああぁぁ!」
青年兵「くっそおおぉぉーっ!!」
召喚士「コカトリスーッ!!」
イブリース「ヌアアアアァァァァーッ!!」
カァッ!!…ドッグアオオオオォォォォン!!
イブリース「……」
ゴゴゴゴゴゴ…ゴトゴトッ…ガシャッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:07:14.09 ID:2H7KjXkEo<> イブリース「…………」
踊り子「……ぅ」
隊長「大丈……夫……かっ?」
踊り子「アタイ……踊り続け……」
イブリース「…………」
戦士「盗賊……っ」
盗賊「……ぐ……くっ」
イブリース「…………」
青年兵「さ……っすが……です」
召喚士「あと少し……なんだけどね……っ」
ビキビキビキィ…パキッ
イブリース「コカトリス風情が……ッ」
コカトリス「攻撃の瞬間は貴様とて、体内の密度は下がる。その隙を狙えば……」
イブリース「胴体の石化程度、容易いか? フン、まぁよくやったと称えてやる」
コカトリス「残念だ。あと1撃、放つ力があればな――」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:08:33.68 ID:2H7KjXkEo<> シュイイィィィィン
イブリース「肉体を消滅された事は幾度かあったが、奥義を食い止められたのは初めてだな」
ゴゴゴゴゴゴ…
イブリース「しかし不発に終わったわけではない。今もここに燻っておるわ!!」
西方参謀「な……んだと……ぉ!」
イブリース「少し漏れて威力は落ちたが、まぁ瀕死の貴様等を葬るには十分過ぎる程だな」
ゴゴゴゴゴゴ…ズゴゴゴッ
イブリース「今度こそ灼熱と暴風の餌食となり、その肉体を滅ぼすがいいッ!!」
ズオォッ!!
魔道士「……っ」
踊り子「ア……タイ……踊……」
マーマン「――ッ」
召喚士「駄……目か……っ」
イブリース「ハァーッハッハッハッハ!! 死ねいッ!!」
マーマン「……しゃーねぇわな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:09:43.40 ID:2H7KjXkEo<> タンッ…シュタッ
イブリース「……?」
マーマン「ふーっ。イブリースさんよ、あんたの負けだぁ」
イブリース「何……?」
マーマン「うおおおおぉぉぉぉーっ!!」
ゴッゴオオオオォォォォ!!…ズッギャアアァァァァ!!
イブリース「――ッ!?」
マーマン「……どうだい、この大竜巻はよ」
イブリース「何のつもりだ……ッ!」
マーマン「何のつもりも何も、見ての通りよ。俺っちとアンタ、ともに閉じ込められたってわけさ」
イブリース「だからどうだと言うのだ! それで貴様は何が出来るッ!」
マーマン「なーんも出来ねぇさ」
イブリース「何ィ?」
マーマン「動けないアンタは奥義を放つ以外に手はない。俺っちはアンタを攻撃する手段がない」
イブリース「……貴様、まさか……ッ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:11:18.22 ID:2H7KjXkEo<> マーマン「そうさ。俺っちの全魔力を費やしたこの大竜巻の水壁」
イブリース「グ……ヌウウゥゥゥゥ!!」
マーマン「アンタの全力じゃねぇ奥義くらいは、外部に漏らす事なく……防げるハズだぜ」
イブリース「元より死ぬつもりかああぁぁ!!」
マーマン「いいじゃないの、多数の命を救えるんだ。安っすい安っすい命だぜ」
イブリース「ヌウウゥゥゥゥ……ッ!」
マーマン「ほれ、早く撃たんと暴発すんぞ?」
イブリース「……良かろうッ! ならば俺様の扇と貴様の水壁、どちらが勝るか試してくれるわぁ!」
マーマン「ヘッ、そんくらいは俺っちでも計れるさ。イブリースさん、アンタの負けだよ」
イブリース「ナメるなああぁぁ!! 俺様は……魔王イブリース様だああぁぁ!!」
マーマン「俺っちは、名前も忘れた召喚獣……魔族としちゃあ流れ者のマーマンさ」
イブリース「誇りに思うが良いマーマン!! 奥義は貴様のみの為に……爆発するのだからなぁ!」
マーマン「さぁ……後は任せたぜ……」
カッ!!…ズゴゴゴゴオオォォォォ…
マーマン「俺っちの道に……間違いはなかった……よな――――」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:12:56.54 ID:2H7KjXkEo<> ……――
オーク「…………」
チョンチョン
マーマン「おーい、いつまで寝てんだ! 起きろっ!」
オーク「……ん」
モゾッ
マーマン「起きろって言ってんだろこのっ!」
ゲシゲシッ…ドカッ
オーク「……うぅん……痛いなぁ」
マーマン「おら、何寝ぼけてんだこのブタ野郎ッ!」
オーク「……ん〜っ?」
ゴシゴシ
オーク「……んーっ!!!!」
マーマン「起きたかオーク?」
オーク「マーマン……マーマン!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:13:44.79 ID:2H7KjXkEo<> ダキッ
マーマン「お、おい……っ、暑苦しい!」
オーク「だって、久々じゃねぇですか!」
マーマン「久々って……お前が寝てたんだよ!」
ゲシゲシッ
オーク「えっ? オラが寝てた……ですか?」
マーマン「覚えてねーのか? 魔王ラーヴァナとの戦いの事をよ」
オーク「ラーヴァナ……あぁっ!!」
マーマン「そうさ。お前さんはヴァーリンとの戦いで……」
オーク「そ、そうです……オラ、スグリーヴァ様を守れなかったぁ……っ」
マーマン「そりゃあ違うぜオーク」
オーク「……?」
マーマン「スグリーヴァ様が生きてたのは、ヴァーリンとの決着をつける為だ」
オーク「……っ」
マーマン「あの人はきっちり、役目を終えて逝った。だからお前さんが悔やむ必要もねぇ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:15:09.98 ID:2H7KjXkEo<> オーク「……でもぉ」
マーマン「お前にはこれから先、もっとでっけぇ仕事がある。だから寝てる場合じゃねぇぞ」
オーク「でっけぇ……仕事……」
マーマン「ああそうさ。お前さんはハヌマーンや法師様と一緒に、道を作ってくのさ!」
オーク「道……?」
マーマン「道だっ。魔族と人間と……そして召喚獣や生物全てが1つに生きる世界の道さ!」
オーク「……マーマンは? マーマンは一緒じゃねぇですか!?」
マーマン「ハハッ! 俺っちの仕事はどうやら別みてぇなんだわ」
オーク「別ってなんです!? マーマンも一緒に……」
マーマン「俺っちの仕事はもう……終わったのさ」
オーク「――ッ!?」
マーマン「オーク、お前さんは強い。そんで真っ直ぐで……素直で、利口だ」
オーク「マーマン!! どこに行くです!? 行かねぇでくれですっ!!」
マーマン「そんじゃ……またな。先に行って……待ってるぜ!」
オーク「マーマンッ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:15:40.30 ID:2H7KjXkEo<> ――……
〜南方、スグリーヴァの居城跡〜
オーク「……」
ピクンッ
ラクシャーサ「……ん?」
ピクッ…ピクッ
ラクシャーサ「!?」
オーク「……マ……マン」
ラクシャーサ「お、おいっ!! ハヌマーンさんと法師様を呼んで来い!!」
ガタッ
ラクシャーサ「お、おうっ!!」
タッタッタッタッタ
ラクシャーサ「ハヌマーンさんっ! 法師様っ、オークが目覚めたぞぉ!!」
タタタタッ
ハヌマーン「まことかっ!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:16:09.68 ID:2H7KjXkEo<> パチッ
オーク「…………」
ハヌマーン「オーク! オーク!」
タッタッタッタッタ
法師「オークっ!!」
オーク「マーマン……は?」
ハヌマーン「彼奴なら今は、旅に出ておるぞ」
法師「ええ……っ。貴方の無事を祈りながら、新たな同志を探す為にね……!」
ハヌマーン「お主の事を1番心配しておったのだぞ、マーマンは」
オーク「……う……っ」
ハヌマーン「どうした? どこか……痛むのか?」
オーク「う……うぅ……っ! ぐううぅぅ……っ!」
法師「オーク……どうしたと言うのです?」
オーク「マーマンは……マーマンはきっと、帰ってくるよね……っ!」
ハヌマーン「無論だ。マーマンの奴、きっと大はしゃぎで喜ぶだろうな。ハハハッ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:16:36.42 ID:2H7KjXkEo<> …
魔王イブリースの奥義は、炎と風を凝縮させ、一気にそれを放出する。
業火が暴風に煽られ、熱風と大爆発を巻き起こし、周囲を無と化す。
たった今その奥義が放たれた。しかし、周囲に変化は無く、瀕死でありながらも、
魔王討伐軍の一同は、無事生きていた。
凄まじい轟音と共に、大竜巻の内部から衝撃と火柱が起き、夜空を照らす。
マーマンによる命を賭した、最後の防壁が、魔王の奥義を完全に防いだのだ。
徐々に音は止み、光も闇の中へと解けてゆく。
火柱が細く、小さくなると、それを見届けたように、水流激しい竜巻も力を失う。
やがて全てが漆黒と無音に包まれた時、中より姿を現したのは、魔王イブリース。
コカトリスの石化は解けたが、ゾディアックと大剣は依然、両足に突き刺さり地面へ貫通していた。
魔王の表情に笑顔や怒りは一切無い。ただ無表情、呆然としたものである。
そして、そこにマーマンの姿はなかった。この世に生きた痕跡の一切が消え去った。
しばし、周囲に無言が続いた。魔王然り、召喚士ら然り。
やがて蒸発した水が雨となって降り注いだ。マーマンの死を嘆くかのように……。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/11/29(火) 18:17:39.69 ID:2H7KjXkEo<> 今日はキリ良く、ひとまずここまでにて!
ご支援ありがとうございますです!それでは失礼します!ノシ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 18:28:08.89 ID:vGaBE9vDO<> 主人公のマーマンたんを[ピーーー]とは
>>1め許すまじ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(山梨県)<>sage<>2011/11/29(火) 18:28:48.35 ID:HuLrVx2ro<> >>1おつんつん!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 18:38:32.68 ID:6ixFTHjpo<> >>1乙
ぐぬぬぬ・・・ぐぬうううう <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 18:39:39.73 ID:w0uC+sDSO<> マーマンさぁぁぁぁあん!!
踊り子達は踊りを媒介として魔翌力を放ったのかな
ステップと腰の動きと強い気持ちでっ!キラリンッ☆
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 18:48:33.23 ID:JZ8RlowE0<> トンガリ「マーマン…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 19:01:23.03 ID:lY0lMggIO<> マーマンさんマジかっこいいっす…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 19:07:15.50 ID:5+rLNKTDO<> うわあああああああああああ
まあああああまあああああああああああん
>>1乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 21:03:35.40 ID:D5Yj/PUDO<> >>1乙…
マーマンも乙… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)<>sage<>2011/11/29(火) 21:08:07.10 ID:1M8/xOI3o<> ぽっと出の変なモンスターがここまで活躍するとは思わなかった
オークも頑張ったけどこりゃ勝てねえわ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 21:10:22.27 ID:kXemwxGjo<> 沙悟浄たんがああぁぁ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 21:11:13.41 ID:VzeOog/fo<> マーマンは西国軍でも国軍でもなかったから予言は外れてないのか
西国は白虎以外ロストしてるとはいえ召喚術の発祥の地だし踊りによる魔翌力・体力回復以外にも
探せば特殊な技術が見つかるかもわからんね <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 21:13:30.25 ID:NhP5T5dDO<> >>1乙
ままん(´;ω;`)
布団に潜って泣いてくる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/29(火) 21:45:47.25 ID:uLj8HXDAO<> >>182
くそwwwwwwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/29(火) 23:26:22.06 ID:vGaBE9vDO<> マーマンさんなら再度召喚獣として蘇ってくるはず
きっとそうだ(;ω;) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/11/30(水) 00:26:54.03 ID:+CWBLdfAO<> >>1乙
みんな死んじゃうな
短髪も師匠も侍も雷もいつも訳わかんないくらい悲しくなるな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)<>sage<>2011/11/30(水) 00:32:02.78 ID:f5i22y5io<> サムライなんて死んだっけ
武士はいいよね <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/30(水) 01:44:02.13 ID:VcmAL2lAO<> 侍は武蔵風の奴が片腕切られながら壮絶な死を迎えたじゃんか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/11/30(水) 05:42:21.31 ID:hTDZMyit0<> マーマン……泣いた
いちおつ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 07:14:52.19 ID:rNGXKiry0<> マーマン『>>1乙!』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)<><>2011/11/30(水) 10:27:46.75 ID:SAIZD8kB0<> マーマンはしんでないよ
ちょっと水が干上がっただけだよな
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 11:59:16.86 ID:vB+NexFDO<> マーマンはまだ第一形態
あと二回変身する <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:12:42.11 ID:UhalqTkVo<> ザアアァァァァ…
天才「……」
盗賊「……っ」
サモナー「……」
魔道士「マーマン……さん……?」
イブリース「命懸けこの俺様から勝利を奪うとはな。フッ、大した奴であったわ」
青年兵「そ……んな……っ」
召喚士「マーマンさんが死んだ……? ふざけるなっ!」
イブリース「死んださ。俺様の奥義を至近距離で浴びてな。跡形も残らず消え去ったわ」
召喚士「……マーマンさんがやられたりなんて……するものか!」
イブリース「貴様も見ていただろう? 奴は死んだ。その証拠に水壁は存在せぬ」
召喚士「マーマンさんは各地を回って、同じような境遇の仲間を救うって言ってた……」
イブリース「認めよ。命を賭けた力で、この俺様をねじ伏せ、貴様等の命を救ったのだ」
召喚士「神官さんやハヌマーンさんだって、マーマンさんの帰りを待ってるんだ……なのにっ!」
ズギャッ!!…ゴゴゴゴゴゴ… <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:13:10.24 ID:UhalqTkVo<> 召喚士「こんな所で……死んだりするもんかよぉ!!」
イブリース「な、んだコイツは……!?」
ゴゴゴゴゴゴ
イブリース「小僧……ッ、大した魔力もないくせに貴様ァ」
青年兵「召喚士さん……っ」
サモナー「彼を止めるんだっ! あれは……あの魔力は……っ」
召喚士「イブリース……!」
イブリース「来いッ! 貴様もこの俺様を力でねじ伏せて見せよッ!」
サモナー「あの魔力は……命を燃やして捻出しているものだっ!」
青年兵「!?」
サモナー「ああ、僕と同じさ。止めないと召喚士くんの身に影響を及ぼすぞっ」
青年兵「召喚士さんっ!!」
召喚士「……行けっ、コカトリスーっ!!」
イブリース「ハァーッハッハッハ! 来いッ! この俺様を――」
ツツーッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:13:36.92 ID:UhalqTkVo<> イブリース「……?」
召喚士「おああぁぁぁぁ!!」
イブリース(この俺様が……汗だとぉ……!?)
天才「う、腕を狙え! 自分の両足を切り落として……逃げるつもりだぞ!」
イブリース「ヌウゥッ!」
召喚士「ああああぁぁーっ!!」
戦士「駄目だっ、聞こえてねぇ……っ!」
ドッグウゥッ!!…ズズズッ…ズズッ
イブリース「…………」
召喚士「悪いけど、わざわざ腕なんか狙う必要ないですから」
イブリース「……貴様……何をしたッ」
召喚士「……」
イブリース「まさかこんな……小さなコカトリス如きにィ……ッ」
召喚士「あなたが教えてくれた事だろう」
ピキッ…ビシビシッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:14:03.38 ID:UhalqTkVo<> 召喚士「奥義を放ち、数度の五行を浴びたあなたは、魔力もおちているはずだ」
イブリース「……ッ」
召喚士「その証拠にあなたは、足を封じられているというのに、姿を変えようとはしなかった」
ビキビキビキッ…
召喚士「最初から足を捨てて、再び姿を変える事で脱出出来たはずだ」
男隊員「アイツ……そこまで……っ」
召喚士「そして、密度の薄くなったイブリースになら……」
ビキキッ…ピシィ
召喚士「コカトリス代の能力で、石化も可能なはずだ」
イブリース「ヌ……ウウゥゥゥッ」
召喚士「コカトリスの身を小さくしたのは、人間サイズになったあなたに合わせての事と……」
イブリース「オ……オオォォォォ……ッ!」
召喚士「密度を濃くすれば威力が増す。それが貴方から教わった事だ!」
盗賊「体内から……石化している……っ」
イブリース「な、なんと言う事カアアァァーッ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:15:04.42 ID:UhalqTkVo<> ザッ
召喚士「あなたの負けだ、イブリース」
イブリース「フッ、フフ……ッ。ハァーッハッハッハッハッハ!!」
召喚士「……」
イブリース「この俺様が、拘束されるとはなぁ!!」
魔道士「……っ」
イブリース「両足には特殊な武器が刺さり、胴体は石化。動くは頭部だけよッ!!」
戦士「……いい加減、諦めろよ」
イブリース「力で敗北を喫する事はあろうとも、身を拘束された経験は始めてだわぁ」
召喚士「これでもう、勝ち目はないはずだ。潔く諦めるんだな」
イブリース「諦める? 貴様等とて最早、何も出来まいッ!」
召喚士「いいや、俺達にはまだ切り札がある」
イブリース「切り札……?」
召喚士「もうじき分かるさ。もうじき――」
ゾクゥッ!! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:15:39.01 ID:UhalqTkVo<> 召喚士「……!!」
クルッ…バッ!!
盗賊「威圧……!?」
戦士「大きくはねぇが、なんつう不気味な威圧なんだ……っ」
傭兵「もしかして……王子っ、王子か!」
天才「……」
ゴゴゴゴゴゴ…
イブリース「こ……れは……ッ」
ドウッ!!…ズッドオオォォォォン
西国兵「あれはセクメト!? という事は……っ」
親衛隊「王子と……神官様が帰ってきたんだっ!」
傭兵「王子っ、王子!!」
バッ…ズダッ
王子「……」
傭兵「お、王子……?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:16:19.91 ID:UhalqTkVo<> ザッザッザッザッ…
王子「軽々しく王子などと呼ぶでない。私は西国、即ち西方の王であるぞ」
親衛隊「……!?」
王子「気を付けよ。次は厳罰に処すぞ」
西国兵「は、はは……っ」
親衛隊「どうしちまったんだ……っ?」
傭兵「さ、さぁ……」
ザッザッザ
魔道士「王……子?」
王子「遅くなって申し訳御座いません、朱雀先生」
召喚士「……っ」
イブリース「このガキが……切り札だとおぉ!?」
王子「貴様が魔王イブリース、だな?」
イブリース「……」
王子「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:16:56.71 ID:UhalqTkVo<> イブリース(大した魔力も持たぬ非力そうなガキではあるが……確かに何だこれは……)
王子「……ふむ、最早とどめを待つといったところか」
イブリース(このガキの奥底に眠る、恐ろしき何かは……ッ)
召喚士「へ、陛下……」
王子「ご心配には及ばず。さて皆様、少しお退がり下さい」
ザッ
王子「……ふうぅーっ」
ドドドドドド
王子「我に……力を貸したまえっ!! アヌビス!!」
ガカアアァァァァ!!…ゴウッ!!
戦士「ぐおっ!」
女隊員「すっ、凄い光……ッス」
パアアァァァァ!!
西方参謀「こ、こいつぁ……五行みてぇな……」
召喚士「……っ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:17:29.49 ID:UhalqTkVo<> シュウウゥゥゥゥ
盗賊「……あ……っ」
サモナー「あれが……召喚獣、アヌビス……っ」
イブリース「……初見なる召喚獣だな」
王子「そうなのか。それでは、最初で最後だな」
イブリース「何……?」
王子「アヌビス、魔王イブリースを審判せよ」
ズズッ
アヌビス「……」
イブリース「審判……だとぉ!?」
ドクンッ
イブリース「――ッ!?」
アヌビス「……我は世の境界に在りし者。イブリース、貴様が正しき世か我が審判を下す」
イブリース「グ……ウオ……オオォォォォ!!」
アヌビス「見えるか? これが貴様の命。さぁ、相応しき場所へ還るが良い」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:17:58.98 ID:UhalqTkVo<> イブリース「ヌッ……グオオォォォォ!!」
バッシュウウウウゥゥゥゥ!!
召喚士「!?」
ドドオオオオォォォォ…
盗賊「な、何が起きたのだ……?」
戦士「魔王が真っ白になって……止まっちまった……っ」
アヌビス「……これが我が私の力……能力だ……なのです」
パアアァァァァ
サモナー「あれは……っ」
魔道士「し、神官さんっ!!」
アヌビス「我が力は、対象者の精神を審判し、正しき道へと
導くもの也」
神官「アヌビスの能力は、対象者の精神を審判し、正しき道へと導くのです」
王子「……っ」
アヌビス「これにより魔王イブリースは、地上界より消え去った。残るは抜け殻のみよ」
神官「私の命を生贄とし、魔王イブリースはこの世界より消滅致しました」
召喚士「神官さん……っ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:18:29.07 ID:UhalqTkVo<> アヌビス「我が主、王子よ。これにて我の役目は終えた。もし再び我を欲するものならば……」
神官「召喚士殿、これにて私の役目は完了致しました。後の事は王子、いや……」
アヌビス「再び生贄を我に差し出し、我を呼び出すが良い」
神官「西国筆頭召喚士である陛下に、全てを託します」
シュイイィィィィ…
王子「……ご苦労であった……っ」
神官「まだ未熟ゆえ、陛下を頼みます。召喚士殿――」
召喚士「神官さんっ!」
神官「今までの恩義、大変感謝致します。そして……恩義を返せぬ事、お詫び致します」
召喚士「こちらこそっ、神官さんには……うっぐ……!」
神官「陛下や召喚士殿達が居るからこそ、私は安心して逝けるのです」
召喚士「……っ!」
神官「どうかこれからも、互いに手を取りあい……この世界の為に……人々の為に……」
王子「……っ」
召喚士「神官さああぁぁん!!」
神官「ありがとう……そして、さようなら――――」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 16:19:11.97 ID:UhalqTkVo<> 俺は、この日の事を絶対に忘れない。忘れる事なんて出来ないだろう。
あの日の出会い、この日の別れ。そしてこの人との出会いがあって、
共に戦ったからこそ今の俺がある。多少なりとも、いっぱしの召喚士としての自信が持てたんだ。
召喚士「ありがとう神官さん。そして……さようなら」
また会う日まで――。
ゴオオォォォォ…
王子「……わ、私は泣かぬぞ」
召喚士「泣いても……いいんですよ」
王子「いや、泣かぬ。それが神官との約束だからな」
召喚士「……強いですね陛下は。俺は……涙がっ、止まりません……っ!」
王子「王は人前で涙を流さぬ! 神官はそう言った! だから、私の分も泣いてくれ!」
召喚士「……は……いっ」
魔王イブリースの命を審判の名の下に葬った、召喚獣アヌビスがゆっくりと消えていった。
そのアヌビスの消滅と共に、西国を支え続けた、西国に全てを注いだ神官もまた、消えて逝った。
神官の魂は完全にアヌビスへと吸収され、男は全てを託し、この地上より姿を消した……。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 16:34:26.68 ID:QYJ1PGiIO<> 乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(石川県)<>sage<>2011/11/30(水) 17:00:10.45 ID:iePK5eteo<> 王子!!昔、ひどいこと言ってゴメン!
俺も涙が止まりません! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 17:36:09.44 ID:vB+NexFDO<> 神ーマンさん… <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 17:52:26.32 ID:UhalqTkVo<> オオォォォォ…
サモナー「神官……さん……っ」
魔道士「うっ、うぅ……ぐう……っ!」
戦士「……っ」
男隊員「これで、助かったんだよな……俺達……」
西方副司令「終わった……のね」
隊長「……っつう。だ、大丈夫か……?」
踊り子「……う、うん……大丈夫」
ピクッ
天才「……?」
盗賊「……な、何だ……っ!?」
戦士「どうした?」
盗賊「後ろ……っ、何か……居る!?」
天才「よけろおおぉぉ!!」
隊長「―−!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 17:53:26.16 ID:UhalqTkVo<> 〜北方、山間部〜
参謀「北方軍は東側へ展開! 大軍師殿の別働隊を救援せよっ」
副官「参謀様、北方司令部からの伝令です。バリスタの準備完了との事」
参謀「うむ。了解した」
北方兵「ご報告致しますっ! 北側よりオーガ隊600程度を確認! こちらへ迫っております」
参謀「……ここにきてやってくれる。別働隊へ伝令を出せ!」
北方兵「はっ」
参謀「……本体はこれより北上致します。ここの防衛、お願い出来ますか?」
眼鏡「了解。此処は重要拠点になるからね。死守するよ」
参謀「頼みます」
魔法剣士「しかし、ネクロマンサーの奴……姿を見せないな」
賢者「……まだ、西に居るんじゃないか? ふぅ」
ジュニア「あれから何日経つと思ってんだ。とっくに逃げたんだろうよ」
魔法剣士「……だと、いいがな」
眼鏡「とにかく今は、ここの防衛が最優先。任務にあたろう」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 17:54:09.11 ID:UhalqTkVo<> 〜最西端、古代遺跡〜
それは本当に刹那の刻であった。
天才「……っ」
気配に気付いた天才ですら動けなかった。
それは負傷している影響もあったが、死角からの一撃は余りにも不意打ちすぎたのだ。
青年兵「な……っ」
鋭利な針のような、黒く細い触手は、踊り子を庇う隊長の背中へと深く突き刺さる。
魔道士「――っ!!」
そして、その先端は隊長の腹を突き抜け、
隊長「う……ぐおあ……ぁ!!」
腕の中へ抱きかかえられた踊り子の腹部へと、
踊り子「ぐ……うぅっ」
突き刺さった。
そして、攻撃を放った触手の主は漆黒の空で高らかに笑う。
ネクロマンサー「……ククッ、いやはやご苦労様です」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 17:54:47.77 ID:UhalqTkVo<> 戦士「て……んめえぇ!!」
ズルゥ……ボトッ
女隊員「隊長おぉーっ!!」
召喚士「ネクロマンサーっ!!」
ネクロマンサー「来るかね、召喚士ィ!!」
ゴウッ!!
サモナー「無茶だっ! さっきので力を使い過ぎているっ、このままでは君が……」
召喚士「おおぉぉぉぉ!!」
ネクロマンサー「ククッ、残り少ない魔力で……何が出来るかぁ!」
ガクンッ
召喚士「――!?」
コカトリス「召喚士、もう無理だ。魔力――」
シュイイィィィィン
ネクロマンサー「クククッ! 大人しく寝ていなさいッ!」
バシィッ!!…ドシャアァ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 17:55:20.46 ID:UhalqTkVo<> 召喚士「がっは……ぁ!!」」
ヒュンッ…スタッ
ネクロマンサー「……魔王イブリース」
イブリース「…………」
ネクロマンサー「惨めなものですねぇ。ククッ」
格闘家「隊長っ!」
隊長「…………ぁ」
男隊員「しっかりしろぉ!!」
隊長「……は」
男隊員「……?」
隊長「あ……のっ、娘……は?」
男隊員「無事なのか!?」
女隊員「……」
格闘家「なんとか……息はありますが……」
踊り子「…ひ……ひゅうぅ……ごふっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 17:55:49.43 ID:UhalqTkVo<> 魔道士「――!?」
男隊員「回復役っ! 誰でもいいっ! 早く!!」
戦士「天才いぃ!! あんた回復魔法使えんだろ!!」
天才「……ああ。今……行く――」
ドサッ
西方参謀「……無理だ。司令はとっくに限界をむかえてる」
戦士「召喚士ぃ!!」
召喚士「…………ぅ」
青年兵「召喚士さんっ!」
召喚士「……行か……なくっちゃ。助けに……行かなくちゃ」
サモナー「召喚士くん、君の魔力ではもう無理だ」
召喚士「い、行か……な……っ」
サモナー「僕が行く。ごほごほっ」
ズズッ…ザッザッザッ…
ネクロマンサー「クククッ、なかなか感動的ではありませんか」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 17:56:20.84 ID:UhalqTkVo<> 魔道士「……」
踊り子「……ひゅ……ぅ……っ」
女隊員「まずいッスよぉ! 早くっ!」
サモナー「ごほっ、今……行くからっ」
マーメイド「サモナー……っ」
サモナー「すまないマーメイド。手を……貸してくれないか?」
魔道士「あ……ああ……ぁ」
サモナー「シー……ビショップ……」
シュイイィィィィン
踊り子「こ……ひゅ……ぅ」
魔道士「踊り……子……ちゃん」
ゾワッ
天才「……!?」
魔道士「いやああああぁぁぁぁーっ!!」
ズドドドドドドオオォォォォ!! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 17:56:48.03 ID:UhalqTkVo<> 戦士「な……っ!?」
盗賊「魔道士っ!」
魔道士「ああああぁぁぁぁーっ!!」
ゴッゴオオオオォォォォ!!
ネクロマンサー「何です……ッ?」
天才「魔道士を止めろぉ!!」
召喚士「!?」
天才「それは五行だっ!! 魔道士が死ぬぞ!!」
魔道士「ああぁぁぁぁ!!」
盗賊「くっ!」
シュバッ
盗賊「すまぬっ、魔道士!」
ドズッ!!
魔道士「あ……っ」
ドサッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 17:57:42.65 ID:UhalqTkVo<> 西方参謀「気を……失ったか……っ」
天才「バカが……っ、我を忘れて暴走しやがって……」
戦士「盗賊、魔道士を連れて退がってろ」
盗賊「ああ、すまぬっ」
タタッ
戦士「さーて、サモナーさんの邪魔はさせねぇぜ」
ネクロマンサー「険しい表情ですが、戦う気力など残っているのですか?」
戦士「そういう問題じゃねぇんだよ」
女隊員「そうッス。ここまできたら、力尽きるまで戦う所存ッス」
男隊員「だよなぁ。魔物や民間人にばっかり、かっこいいとこ譲るわけにはいかねぇよ」
格闘家「俺は……貴様を許さん」
ネクロマンサー「ククッ、いいでしょう。大した力も残されていない貴方達がどれ程の――」
グオオォォッ!!……ドッグオオオオォォォォン!!
ネクロマンサー「な、何イイィィ――!?」
戦士「だ、誰が……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 17:59:22.44 ID:UhalqTkVo<> シュウウウウゥゥゥゥ…
天才「バ、バカな……っ」
ネクロマンサー「ウ……ググッ、何と言う……力か……ッ」
召喚士「ど、どうして……」
ネクロマンサー「……何の真似ですか、イブリースさん!!」
イブリース「…………」
シュウウゥゥゥゥ…ズッ…ズズズッ
イブリース「……オ、オォ」
王子「くっ、まだ生きて――」
召喚士「待って!」
王子「!?」
召喚士「イブリースは……ネクロマンサーを攻撃した……」
ネクロマンサー「何の真似だと言っているのですッ!!」
召喚士「偶然なんかじゃない……っ、確かに……攻撃したんだっ」
王子「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 17:59:59.04 ID:UhalqTkVo<> ズズズズッ…ドズンッ
イブリース「……余計な真似を……スルナ」
ネクロマンサー「……何ですって?」
イブリース「これハ……俺様ト……コイツ等の戦イだ…!!」
ネクロマンサー「消滅したと思えば……まだ抜け殻に残りカスがありましたか」
イブリース「余計な真似ヲ……スるナアアアアァァァァ!!」
グワッ!!…ガシイイィィィィ!!
ネクロマンサー「……チッ、これは予想外ですね」
戦士「ど、どうして……魔王が……っ」
イブリース「ハァ……ッハッハッハ!! 勘違イはスルなよオォ」
グググッ
ネクロマンサー「ヌグアァ……ッ! チィ……これまでですね」
イブリース「これはナァ……決シテ己の信念ヲ曲ゲズ、恐れなカッタ……ソの娘とオォ」
踊り子「…………」
イブリース「全身全霊ヲ以ッテ……俺様ト対峙シタァ……マーマンヘノ手向ケデアル!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 18:00:31.11 ID:UhalqTkVo<> ネクロマンサー「……ククッ、まぁ良い。また会うと致しましょう」
ググググッ
ネクロマンサー「次は人形ではなく、本体で戦ってあげますよ……クククッ――」
ゴッシャアアァァァァ!!
イブリース「見事ダアアァァ!! 人間共ヨオオォォ!!」
ボゴォッ!!…ピシッ…ピシシッ
西方副司令「まるで……石膏が割れるように……っ」
盗賊「……砕けてゆく」
イブリース「この俺様ニイイィィ……力デェ、勝利シタノダカラナアアァァ!!」
天才「テメーも強かったぜ、イブちゃんよ……」
イブリース「力デ俺様ヲ支配シテ見セタノダアァァ!! 称エテヤルゾ!!」
ボロボロッ…ゴトッ!!
イブリース「ハァーッハッハッハ!! 為シ得テ見セヨ!!」
召喚士「……?」
イブリース「俺様ヲ倒シタノダ!! 残ルサタンヤベルゼバブヲモ倒シ……支配シテ見セヨ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/11/30(水) 18:01:04.98 ID:UhalqTkVo<> ドゴォッ…ゴトッ…パアアァァァァ
イブリース「人間ヨ……貴様等ハ強カッタゾ!! 力デ敗北シタ俺様ニ悔イハ無イ!!」
親衛隊「ま、魔王が……溶けてく……」
イブリース「ハァーッハッハッハ!! 地獄デ待ッテイルゾ!! 貴様等ガ来ル日ヲナアアァァ!!」
ズッシャアアアアァァァ
イブリース「地獄ヘ来タ刻ニハ……マタ死合オウゾ!! 次コソハ俺様ガ勝ツ!!」
アアァァァァ…
イブリース「ハァーッハッハッハッハッハッハッハ――――」
耳をつんざくような、それでいてどこか清々しいような魔王の豪快な笑い声。
それが徐々に小さくなり、夜空の中へと消えていった。
最西端の古代遺跡は漆黒の中で、白く。力強く存在し、消えゆく魔王を
更に神秘的な情景へと彩る為の背景と化す。
静寂が戻った満月の夜に、一同は無言で空を見上げていた。
満月は段々と薄くなり、周囲の夜空も明るみを帯び始めていた。
魔王イブリース討伐とい言う一夜の物語は、朝日と共に終わりを告げたのであった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/11/30(水) 18:05:24.93 ID:UhalqTkVo<> ひとまずここまでー。ご支援ありがとです!
いっつも戦闘で無駄に費やすので、今回はサクサクっと…
もうちょいで五十四部も完!致しますので!
それでは失礼致します!ノシ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 18:41:48.22 ID:QmBn48xAo<> 乙!
イブリースさんでなんかわろた <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 18:43:57.74 ID:QpwsR2mIO<> 乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 18:45:05.90 ID:oov3/AR20<> 1乙
イブリースの武人っぷりかっこよすぎる
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(山梨県)<>sage<>2011/11/30(水) 18:49:12.19 ID:mAEt2NQyo<> 鳥肌たったわ
>>1おつ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)<>sage<>2011/11/30(水) 18:54:24.17 ID:IHYjQcH4o<> イブさん敵ながら天晴で、清々しいな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)<>sage<>2011/11/30(水) 18:58:30.26 ID:3aefqZe8o<> 乙
イブリース△ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/11/30(水) 19:18:11.53 ID:gPvqwenko<> イブちゃんかっこよすぎ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 19:46:31.81 ID:RLtvVL8DO<> >>1乙っす
イブとは対照的にネクロはほんとカスみてーな野郎だな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 20:02:14.14 ID:fWxW5RiDO<> >>1乙
二日連続で泣いた
イブさんかっこよかったよ!
好感もてる魔王だった! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)<>sage<>2011/11/30(水) 20:16:59.54 ID:f5i22y5io<> 変わり種はいい奴の法則 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 20:38:19.75 ID:RZkezPVSO<> イブリースさん…。
遠い未来に寓話や絵本になりそうな程の好漢。
>>1GJ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/11/30(水) 20:55:01.18 ID:+CWBLdfAO<> >>1乙
もうリセッシュからファブリーズに切り替えるわ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/11/30(水) 20:57:26.24 ID:YOOmltKDO<> 神官さんの国、王子への愛情が良かったな! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<>sage<>2011/11/30(水) 21:05:04.12 ID:ezfDO6zLo<> お前らちょっとは命燃やした召喚士にも触れてやれよ・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(富山県)<>sage<>2011/11/30(水) 21:27:57.67 ID:ibWYtD9n0<> >>1おつ!
>>241脇役にしてはかっこいいよな! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/11/30(水) 21:32:58.46 ID:/m45eRYIO<> 魔王イブリースは風になった--このスレの住人が無意識にのうちにとっていたのは“敬礼”の姿であった--。涙は流さなかったが、無言の男の詩(うた)があった--奇妙な友情があった
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 21:39:43.30 ID:EkdFwBF70<> お前らもうちょっとアヌビスの語尾が萌えるシーンがあったことにも触れてやれよ…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(徳島県)<><>2011/11/30(水) 22:16:55.74 ID:Fh7lt6dO0<> >>1乙!
イブリース「我が生涯に一片の悔い無し!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank)<>sage<>2011/11/30(水) 22:22:16.90 ID:lrb5Wy1ho<> イブリースは召喚士達がピンチになったら
「召喚士は俺が倒す!」とかいって現れるパターン <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/30(水) 22:35:26.80 ID:rjVND5CIO<> つまりベジータですね <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/11/30(水) 23:22:17.54 ID:EnBTR3CAO<> イブリース「オラ!走り込みの後は打ち込みだ!付いて来いよォ!!」ダッダッダッ
戦士「おうッ!」ダッダッダッ
ガバッ
戦士「……夢か」
こうですか解りません <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/01(木) 00:20:53.18 ID:ngRwolMj0<> イブリース『べ、別に1乙なんて思ってないんだからね!///』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/12/01(木) 00:57:20.36 ID:uvYoqO/AO<> イブリース人気だな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/01(木) 01:24:17.66 ID:vWJRcirJo<> ホモが多いからな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/12/01(木) 01:59:36.24 ID:VmpF1C6AO<> >>1おつ
信念を持った悪は好きだな。ハガレンのキンブリーみたいな
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/01(木) 02:28:22.53 ID:XcyMvclVo<> ハドラーとキルバーンみたいだったな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/12/01(木) 02:43:46.25 ID:1UQ0cb5C0<> いちおつ
魔王かっこよかった
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/01(木) 10:14:12.92 ID:zm/pCmh5o<> >>246-247
そのへんは紅孩児の仕事 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:19:54.87 ID:OaPKCoQmo<> …
召喚士「……っつ!」
格闘家「傷口は広くありませんが、打撲箇所が多いです。しばらくは安静に」
召喚士「ありがとう」
男隊員「おーい、そっちに応急薬余ってねぇか?」
格闘家「こちらの分は、全て使い切ってしまいました」
男隊員「くそっ、全然足りねぇ……。救急隊はまだなのかよ……っ」
王子「先程、手配はかけた。直ぐにとは言わんが、駆けつけてくれるはずだ」
男隊員「そ、それはどうも……」
王子「……」
戦士「なぁ、少し……背伸びたか?」
王子「……いえ、背伸びしているだけですよ。今は」
戦士「そっか」
王子「西の砦へ戻れば、薬や応急処置も可能です。……戻りましょう」
戦士「ああ、そうだな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:20:26.76 ID:OaPKCoQmo<> ザッ…ググッ
西国兵「せぇのっ!」
魔道兵「司令っ、痛みはどうです?」
天才「愚痴ったところでどうにもならねぇだろ。いいよ、運んでくれ」
魔道兵「もっと、担架の代わりになる物でもあれば良いのですが……」
天才「マントってのはな、タンカや包帯代わりに使うのも兼ねてんだよ。いいから運……っぐ!」
ザッザッザ
西方参謀「左手首骨折、右鎖骨骨折、左脇腹骨折、右大腿骨骨折、右足首骨折……」
西方副司令「それに加えて、打撲と挫傷が多数。流石に司令と言えど……」
西方参謀「ま、次の戦闘……つぅか、しばらくは戦闘不能だわな」
西方副司令「それで、西方軍は?」
西方参謀「西方司令、右腕複雑骨折。んで、西方魔道長とお前と俺が魔力枯渇」
西方副司令「……っ」
西方参謀「暗い顔すんなよ。魔道兵含めて、死者は0なんだからよ」
西方副司令「……そう……ね」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:22:25.28 ID:OaPKCoQmo<> …
女隊員「隊長っ、無理して起きない方がいいッスよ……っ」
隊長「……不思議なモンだ」
女隊員「……?」
隊長「あれだけの攻撃を食らって起きながら、生き長らえてんだからな」
青年兵「運が良かったんですかね……僕達は」
隊長「運も実力のうちってな。それに、助けられたんだよ俺達は」
青年兵「……ええ。犠牲はあまりにも大きいですがね」
隊長「……」
女隊員「隊長のせいじゃないッスよ……っ。隊長は、命がけで守ったッスよ!」
隊長「だったら尚更皮肉なもんだ。庇った俺が生き残って、庇ったはずの相手が……」
女隊員「……っ」
青年兵「……傷は、本当に大丈夫なのですか?」
隊長「ああ、大丈夫だ。俺の事はいい、他の連中の救護にあたってくれ」
青年兵「了解です」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:24:28.39 ID:OaPKCoQmo<> …
ザッ
魔道士「うっ、うっ、ひぐ……っ!!」
盗賊「……魔道士」
魔道士「言ったじゃん……っ! 世界一のダンサーになるって……」
踊り子「…………」
魔道士「なのに……ひぐっ、何で……何で……っ!」
西国兵「そろそろ、遺体を運ばせて頂きます。宜しいでしょうか?」
魔道士「何でよおおぉぉ!! 踊り子ちゃん!!」
踊り子「…………」
魔道士「ねぇっ! また笑って……笑顔で……踊ってよおおぉぉ!!」
盗賊「魔道士、もう……」
魔道士「踊り子ちゃああぁぁん!!」
西国兵「では、失礼致します」
魔道士「ううっ、ひっく……ひぐ……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:25:53.02 ID:OaPKCoQmo<> …
サモナー「もうじき、馬車が来るみたいだよ」
召喚士「サモナーさん……」
サモナー「……すまない。僕がもっと早く動いていれば、彼女は助かったかもしれない」
召喚士「サモナーさんのせいじゃありませんよ。俺だって、力不足でした」
サモナー「……」
召喚士「誰が、とか……そんなんじゃないんです。ただただ強かった……」
サモナー「……うん。イブリースは本当に強かった」
召喚士「……っ」
サモナー「不安かい?」
召喚士「……不安はいつもですよ」
サモナー「でも、やってこれている」
召喚士「それは……そうかもしれませんけど……」
サモナー「僕は思うんだ。戦いっていうのは勝つか負けるか、生きるか死ぬかしかない」
召喚士「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:34:25.96 ID:OaPKCoQmo<> サモナー「自分が行き続けたければ、勝つしかない。もしくは……」
召喚士「戦いを……やめるしかない」
サモナー「そう。でもやめれば、誰かが代わりにやらなくちゃいけない」
召喚士「……っ」
サモナー「そして死んで、また誰かが代わり、また死んでゆく。戦いとはそういうものなんだ」
召喚士「……」
サモナー「召喚士くんは今、戦いという渦中の中心にいるんだ」
召喚士「中心……」
サモナー「もちろんやめる事は容易い。でも、君の代わりが務まる人間はそう居ないと思う」
召喚士「……」
サモナー「過酷かもしれないけれど、君は行き続けなくちゃいけないんだ」
召喚士「だからって、誰かが死ぬのは……犠牲になるとはもう……」
サモナー「君が居て、それでも救えなかった者達は、きっと宿命なんだよ」
召喚士「……?」
サモナー「召喚士くんは世界の救世主となる人間だ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:36:26.19 ID:OaPKCoQmo<> 召喚士「そんな事っ……」
サモナー「いや、僕はそう思う。だから救世主にすら救えなかった者は、死ぬ宿命なんだよ」
召喚士「……そんなの……詭弁ですよ」
サモナー「そうかもしれない。でも、君1人が背負うには重過ぎるだろう?」
召喚士「……っ」
サモナー「背負い過ぎては身動きも取れなくなってしまうよ?」
召喚士「……ありがとうございます」
ザッザッ…
サモナー「召喚士くん?」
召喚士「少し、歩いてきます。すぐ……戻りますから」
サモナー「……っ」
ザッザッザッ…
サモナー「……ごほっ! ごほごほっ!」
ツツーッ
サモナー「……ふふっ、僕も……宿命なんだろうね」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:37:06.76 ID:OaPKCoQmo<> …
西国兵「西の砦から馬車が来たぞっ! まずは怪我人から乗せるんだ!」
魔道兵「それでは、失礼します」
天才「……っ」
西方副司令「司令、先に乗って下さい」
西方司令「痛……たいぃ……っ」
女隊員「隊長も先に……」
隊長「戦後処理は特遊の仕事だ。そうはいかん」
男隊員「んな事言ったってだな……」
隊長「怪我をしているのは皆、同じだ。大小で区別するな」
格闘家「……」
隊長「いいぞ、先に馬車を出してくれ」
西国兵「り、了解であります!」
ガガッ…パッカパッカパッカ…
隊長「他の連中も順次、馬車で西の砦へ向かってくれ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:37:37.68 ID:OaPKCoQmo<> …
ザッザッザッ…
戦士「ここにいたのか。探しちまったぜ」
召喚士「戦士……」
戦士「ん? 何だここ?」
召喚士「遺跡の西側で、街外れみたいになってるんだよね」
戦士「やっぱこれ、街の跡なのかねぇ」
召喚士「どうなんだろうね。でも、そう見えるよ」
戦士「この先は霧で何も見えねぇな。ちょっと行ってみるか」
召喚士「西の果てって……何があるんだろうね」
戦士「さぁな〜。まさか人が住んでるとも思えないしな」
テクテクテク…ピチャッ
戦士「おわぁっ!!」
召喚士「な、何!?」
戦士「す、すまん……っ。急に足元が水場に……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:38:12.53 ID:OaPKCoQmo<> 召喚士「ほんとだ……」
戦士「この先は……オアシスか何かなのか?」
召喚士「……いやっ、ちょっと待って!!」
戦士「……?」
召喚士「ねぇ戦士! この場所……おかしくない!?」
戦士「おかしいって……何がだ?」
召喚士「さっきまでの建物と明らかに形が違うんだ! これって……」
戦士「……た、確かに! もしかしてこれ……」
召喚士「……うんっ。間違いない、これは……港だよ!」
戦士「つー事は……この先は海!?」
召喚士「水があるって事は、その可能性は高いよっ」
戦士「……ちょっと行ってみないか?」
召喚士「えぇっ!?」
戦士「いや、無理はしねぇよ。それにもう魔王は倒したんだ」
召喚士「……う、うん」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:39:07.57 ID:OaPKCoQmo<> 戦士「何か……浮くものはと……」
バシャッ…ズズズズッ
戦士「!?」
召喚士「ど、どうしたの!?」
戦士「な、何だこりゃあ……!!」
召喚士「!?」
タッタッタッ…ザバッ
戦士「見ろっ! この先……真っ暗で何もねぇ!!」
召喚士「……ほ、本当だ……っ」
戦士「ど、どうなってやがんだ……!?」
召喚士「ここが、世界の果てって事か……」
戦士「なるほどな……っ」
召喚士(でも妙だぞ、だったら何故……)
ザッザッザ
隊長「おい、何をしてるんだ。西の砦へ帰るぞ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:40:00.71 ID:OaPKCoQmo<> 召喚士「あっ、隊長……っ」
戦士「すまねぇ。ちょっと……な」
隊長「……?」
ザッザッザ
隊長「こんな所で何してんだよ」
戦士「見てくれよほらっ、世界の果てだぜ!?」
隊長「……!?」
戦士「この闇の向こうって、何があるんだろうな」
召喚士「ちょっと、戦士!」
戦士「行こうだなんて思わねぇって。流石に今は、な」
隊長「この向こうは、地獄かもしれないな」
戦士「えっ!?」
隊長「魔王がずっと君臨していたんだ。その先は人間に立ち入られたくないのかもしれん」
戦士「地獄か……。もうあんなとこは勘弁だよ」
隊長「地獄へ行ったのか!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:40:40.78 ID:OaPKCoQmo<> 戦士「ん、あぁ……。こないだちょっとな」
召喚士「地獄……。サタンが封印されているんだっけ?」
戦士「天才の話じゃ、そう言ってたぞ?」
召喚士「そっか」
戦士「でも、あん時は物凄い威圧っつーか、胸が押し潰されるような感じがあったなぁ」
隊長「……」
戦士「でもこの闇からは何も感じない。場所によって、何かあるのかねぇ」
召喚士「どうなんだろうね」
隊長「まぁ、魔王を全て倒した時に分かるかもしれんな」
戦士「そうだなぁ」
召喚士「うん」
隊長「さて、話はこれぐらいにして戻るぞ。皆が待っている」
戦士「へいへい、すんません」
スタスタスタ…
召喚士「……地獄か」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:41:31.42 ID:OaPKCoQmo<> …
スタスタスタスタ
隊長「そんじゃ、また後でな」
戦士「特遊は行かねーのか?」
隊長「戦後処理だ。ああ、ついでにそこの2本も持って行ってくれ」
戦士「!?」
隊長「お前の槍と総司令の剣だ。頼むぜ」
スタスタスタ…
戦士「自分のモンだしな。しゃーねぇか。……ふんっ!」
召喚士「あとは天才さんのツヴァイハンダー」
戦士「よっと」
ズボッ…ズシイィン
戦士「ぐ、ぐおっ! こんな……重てぇのかよ……っ」
召喚士「だ、大丈夫!?」
戦士「あ、ああ。アイツら……っ、こんな剣をずっと振り回してたのかよ……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:45:37.15 ID:OaPKCoQmo<> …
ザッ
西国兵「それでは、出発致します」
戦士「ん? 盗賊と魔道士は?」
青年兵「先の馬車で、既に西の砦へ向かわれましたよ」
戦士そっか」
青年兵「最後まで、踊り子さんと共に居たい……と」
召喚士「……っ」
戦士「あいつらにとっちゃ、出会って親しくなって……すぐの別れだもんな」
青年兵「つらいと思いますよ」
召喚士「うん……」
戦士「俺もしんどいけどさ、慣れってのは怖いよな……」
召喚士「うん……そうだね」
青年兵「段々と冷静でいられる自分に、恐怖を感じますよ」
思い足取りの中、召喚士らを乗せた馬車は、西の砦へと戻っていった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/12/01(木) 18:46:29.80 ID:OaPKCoQmo<> それではひとまずここまでにて失礼をば…
本日も多数のご支援、まことに感謝っ!それではー!ノシ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/12/01(木) 19:31:04.46 ID:uvYoqO/AO<> >>1乙
結局死んでしまったな
マーマンさんと踊り子 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<>sage<>2011/12/01(木) 22:05:39.40 ID:awUyfIl6o<> 水の鉱石でもあるのかと思ったら違ったか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/01(木) 22:50:36.52 ID:dp1rKyP+0<> >>1乙とか言おうと思ったけどやっぱりちょっとためらってそしてまた言おうとしたら声が出なくってだから>>1乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/01(木) 23:59:48.84 ID:MGfp2eiDO<> 水の中から召喚獣のマーマンが出てきて召喚士と契約するのかと思ってしまった…(;_;) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/12/02(金) 01:16:50.10 ID:FiwdWfvAO<> >>1おつ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/12/02(金) 03:56:38.99 ID:f+44alDF0<> いちおつ
結局 踊り子だめだったか…人形にされなきゃいいけど
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<>sage<>2011/12/02(金) 12:28:01.44 ID:o3zj/Qquo<> 初出では踊り子=イブリースとか考えててすみませんでした <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:36:16.78 ID:kU5YH41Mo<> 〜西の砦〜
ガラガラガラッ…タッタッタ
西国兵「急げっ! 衛生兵は準備出来ているかっ!?」
衛生兵「出来てますっ! 早く!」
天才「……っ」
衛生兵「う……っ、これはひどい……」
西国兵「とにかく急いでくれっ! これから怪我人が続々と来るんだっ!」
衛生兵「わ、分かった……っ!」
ガチャガチャガチャッ…タッタッタ
傭兵「魔王を倒したってのに、てんやわんやだな……」
親衛隊「まぁ、被害は最小限と言えるかもしれないが……これだけの被害だしな」
傭兵「西国軍も重軽傷者が10数名。そう簡単にはいかないもんだな」
親衛隊「この結果の善し悪しは、後世が評価してくれるさ」
傭兵「……まぁな。ところで王子……もとい、陛下は?」
親衛隊「先程までいたが、既に部屋へ戻ったのかもな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:37:22.79 ID:kU5YH41Mo<> …
召喚士「……」
テクテクテク…
召喚士「魔道士さん……」
魔道士「……」
召喚士「隣……いいですか?」
魔道士「……」
召喚士「……あ、そうだ。何か食べます? キャンディーとか……」
魔道士「大丈夫です」
召喚士「……そうですか」
魔道士「……」
召喚士「踊り子さん、凄いですよね」
魔道士「…………」
召喚士「世界一どころか、あの魔王をも恐れさせ、称えさせたんですから……」
魔道士「――っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:38:23.92 ID:kU5YH41Mo<> ガバッ!!…ギュウウゥゥ
魔道士「うっ……あぁっ、ああぁぁぁぁ!!」
召喚士「……」
魔道士「私っ、もうどうしたらいいか分からないっ!」
召喚士「魔道士さん……っ」
魔道士「みんな一生懸命でっ、頑張ってて……なのに……っ!」
召喚士「でも、魔道士さんが頑張ったお陰で、生きる事が出来た人も大勢いると思いますよ」
魔道士「……っ」
召喚士「俺だって、何度も魔道士さんに命を助けて貰いました」
魔道士「うっ、うぅ……うぐ……っ」
召喚士「サモナーさんが言ってました。どんなに頑張ったって、救えない人もいるって」
魔道士「……っ」
召喚士「それは宿命だって、そう言ってました」
魔道士「そんなのって――」
召喚士「ええ、言い訳とか慰めにしか聞こえません。俺もそう感じました」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:39:17.12 ID:kU5YH41Mo<> 魔道士「……」
召喚士「でも、そう思わないと前に進めませんから」
魔道士「もう……嫌だよぉっ、誰も……失いたくない……っ」
召喚士「もちろんです。俺だって、誰1人失いたくない」
魔道士「じゃあ……っ!!」
カツカツカツ
王子「召喚士さんの言う通りですよ、魔道士さん」
魔道士「王子……っ」
王子「各人の死に、無駄など決してないのです」
召喚士「……」
王子「此度の戦い、踊り子とそして、マーマンの死があったからこそ、勝利を得た」
召喚士ええ」
王子「だからそれは、召喚士さんの言う通り……宿命であると私も思います」
魔道士「……うっ、うぐ……うああぁぁ!!」
召喚士「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:40:29.02 ID:kU5YH41Mo<> …
戦士「戻ってきたぜ」
テクテクテク
召喚士「……な、何?」
戦士「ん、ああ」
西方参謀「これから遺体の火葬に入ろうと思ってな」
王子「西国までそのまま帰してやる事はならぬのか?」
西方副司令「結論としては、魔族化を防ぐ為に、早急に火葬すべしと」
王子「成程」
召喚士「確かにネクロマンサーが再び現れる可能性もありますしね」
盗賊「魔道士、良い……な?」
魔道士「……っ」
召喚士「魔道士さん……」
戦士「いいか? 死んだ人間は……」
魔道士「私が、やります……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:41:15.11 ID:kU5YH41Mo<> …
ダンサー「うえぇっ、ひぐっ! ひっぐ!」
魔道士「……」
西方参謀「最後の別れだ。遺品や入れたい物を棺桶に……」
盗賊「……花、詰んできたから」
青年兵「西方の砂漠にも、花は咲くんですね」
王子「ああ。どのような地でも花は咲くものさ。彼女もまたそうであったようにな」
ガバッ!!
魔道士「うあああぁぁっ!! ごめんねっ、ごめんね……踊り子ちゃん!!」
盗賊「……っ」
魔道士「私……ごめ……んねぇ……っ!!」
ダンサー「ふえぇ!! ひっぐひぐ……っ!!」
西方副司令「それじゃ、お願い」
西方参謀「んじゃ離れよう。頼んだぞ?」
魔道士「ひっぐ……んく……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:41:44.42 ID:kU5YH41Mo<> …
魔道士「撃ち……ます」
召喚士「……」
ドォン!!…ゴオオォォォォ…
魔道士「……う……うあぁ……っ」
サモナー「これで彼女も、解放されたね」
王子「うむ。今度は今まで以上に舞う事だろう。星となってな」
魔道士「う……っぐ! ううぅぅぅぅ!」
ダンサー「踊り子ちゃああぁぁん! うわああぁぁん!」
召喚士「魔道士さん、踊り子さんもきっと喜んでいますよ」
魔道士「…………っ」
戦士「最後の最後まで、お前が付いていてやったんだからな」
盗賊「……ああ」
炎はゆらゆらと煙を吐き出しながら、青空の中へと吸い込まれてゆく。
それは踊り子が舞うかののように、絶えず左右へと踊っていた。 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:42:42.92 ID:kU5YH41Mo<> 〜夜〜
ドドッドドッドドッ…
西国兵「ご苦労様ですっ!」
隊長「こちらは異常ないか?」
西国兵「ありません! イブリースが倒された為か、魔物も姿を見せないようです」
男隊員「引き続き、監視ヨロシクな。ヒャハハ」
ドドッドドッドドッ…ザザァ
青年兵「ご苦労様です」
隊長「怪我人の容態は?」
青年兵「治療を施し、今は安静にしております。皆様は大丈夫ですか?」
女隊員「私は軽傷だから問題ないッス。でも、格闘家くんは……」
格闘家「脇腹ですから。少し痛むだけです。問題ありません」
男隊員「問題ありませんってお前、骨折か最低でもヒビいってんだろ」
格闘家「問題ありません」
隊長「いいからこいつも診てやってくれ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:43:33.58 ID:kU5YH41Mo<> 青年兵「はい。格闘家さん、こちらへ」
格闘家「……はい」
ザッザッザ
隊長「……んで、司令は?」
青年兵「医務室で西国陛下と話しておりますよ」
隊長「ったく、大人しく寝ていればいいものを」
青年兵「休んでいる暇なんかねぇんだよバカ!」
隊長「……?」
青年兵「……そう言って、一蹴されました」
隊長「だろうな。それで、帰国の手筈は?」
青年兵「明朝、西方軍が出発。続いて負傷者より順次、帰国致します」
隊長「お前らはどうするんだ?」
青年兵「司令と召喚士さん達が残るとの事なので。私もここで待機致します」
男隊員「残る? 何かまだ任務があるのか?」
青年兵「……みたいですね」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:44:23.68 ID:kU5YH41Mo<> 〜西の砦、北側〜
マーメイド「…………」
サアアァァァァ
マーメイド「……?」
マーマン『俺っちはさ、自分の生き方に後悔はしてねぇぜ?』
マーメイド「……ええ」
マーマン『召喚主を殺し、召喚界を追放されて、地上に堕とされた』
マーメイド「……ええ」
マーマン『そっから色んな人間を見てきた。もちろn悪い奴もいた』
マーメイド「……ええ」
マーマン『でも、人間は優しかった。こんな俺っちでも慕ってくれた』
マーメイド「……ええ」
マーマン『もっと早く自分にケリを付けるべきだった。でも、地べた這いながら生き続けて良かったよ』
マーメイド「…………ええ」
マーマン『お陰で人の役に立って死ねた。これ以上の喜びはねぇよ。恩返し出来たんだ』 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:44:56.93 ID:kU5YH41Mo<> マーメイド「ええ……っ」
マーマン『でもなぁ、やっぱりもっと早く死ぬべきだったのかもな』
マーメイド「…………」
マーマン『まさか、別れがこれ程つらいとは思わなかった』
マーメイド「マーマン……っ」
マーマン『もし再び召喚獣として生まれる事があるならば……』
サアアァァァァ…
マーマン『俺っちも……お前の主や、あいつみたいな主が……いいな』
マーメイド「マーマン!!」
ザッ
召喚士「……マ、マーメイドさん」
マーメイド「召喚士くん……あ、ごめんなさい」
召喚士「……いえ」
マーメイド「どうしたの? こんな所に……」
召喚士「いえ、何だか……マーマンさんがいるような、そんな気がしてつい……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:45:45.01 ID:kU5YH41Mo<> マーメイド「……」
召喚士「はは……っ、馬鹿ですよね……そんなのって」
マーメイド「ううん、きっと居たのよ……彼が」
召喚士「マーメイドさん……」
マーメイド「貴方にお礼が言いたくて……感謝をつたえたくて……っ!」
召喚士「……っ」
マーメイド「ごめんなさい、召喚獣が泣くなんて……それこそ馬鹿みたいよね……」
召喚士「……う……くっ」
マーメイド「ごめんね……ごめんなさい……っ」
召喚士「ついこの間、ここで話をしたばかりだったのに……」
ボロボロボロッ…
召喚士「マーマンさんが……自分の事話してっ、それで……っ」
マーメイド「……っ」
召喚士「これから……っ、沢山の仲間を救うって……!!」
マーメイド「召喚士くんに重い口を開いたのは、きっと彼自身が気付いていたのかもね」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/02(金) 16:47:02.27 ID:kU5YH41Mo<> 召喚士「……ぐっ」
マーメイド「自分が近い将来、死ぬって事……」
召喚士「……いつの日か、絶対にやってみせます」
マーメイド「召喚士くん?」
召喚士「俺、マーマンさんを絶対に召喚してみせますから……っ!!」
マーメイド「……うんっ、貴方ならきっと……きっと出来るわ……っ」
召喚士「マーマンさんっ、ありがとうございました!!」
マーメイド「……」
召喚士「……それじゃ、失礼しま……っす!」
ザッ…タッタッタッタッタ…
マーメイド「マーマン、聞こえた……?」
サアアァァァァ
マーメイド「貴方は間違ってなかったわ。間違いなんて全然、なかったわよ」
アアァァァァ…
マーメイド「……また、ね」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/02(金) 17:41:10.90 ID:4569v3fDO<> ママーンたん… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/12/02(金) 18:00:12.07 ID:kU5YH41Mo<> いま書き溜めてるんですが、ちょっと外出の為、
あとでまとめて投下致します。ごめんなさい!
ご支援どうもでございます!それではまた後ほど!ノシ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/02(金) 18:15:49.93 ID:FrjddV8SO<> >>1おつ!
サモナーはあとどれぐらい生きていけるんだろう
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/02(金) 18:24:37.80 ID:SHQlF1EDO<> >>1乙
サモナーマンの誕生も近いか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/12/02(金) 19:34:25.02 ID:1JOVpZYAO<> >>1乙
神官は白虎の父のように召喚獣に転生してずっと存在するのかと思ったら
一発で消えちゃったのか… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/12/02(金) 20:33:56.58 ID:zeKGRerDO<> 乙
踊り子ちゃん、好きだったな! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/02(金) 20:39:46.09 ID:aSopsYWDO<> >>1乙
電車の中なのにちょっと泣いてしまった…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)<>sage<>2011/12/02(金) 20:41:51.88 ID:drcNkxBio<> サモナーって召喚獣になるんだよな?
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/02(金) 22:10:16.58 ID:I+a8ZSs90<> 男泣きしてしまった。。。。。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/12/03(土) 02:04:27.41 ID:6qXOK8mAO<> >>1おつ
神官は転生というより生け贄だからな。転生するならサモナーさんくらいだがどうなるやら
いっそのこと天才を召喚獣にすりゃ最強の召喚獣ができあがる <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:38:52.61 ID:hGuwR1sgo<> 〜次の日〜
戦士「おはようさん」
召喚士「……おはよう」
魔道士「……おはようございます」
戦士「2人揃って、ひでぇ顔してんなぁ」
盗賊「……」
戦士「まぁ仕方ないか。さてと、天才様がお呼びだ。医務室に行こうぜ」
盗賊「……ああ」
テクテクテクテク…
戦士「ういーす」
天才「おーう」
召喚士「……大丈夫なんですか?」
天才「何がだよ、この通り無事だ」
召喚士「無事……って。包帯だらけに車椅子じゃないですか……」
天才「だが生きてる。生きてる限りは無事なんだよ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:39:34.11 ID:hGuwR1sgo<> 魔道士「……」
戦士「んで、用ってのは何だ?」
天才「これから古代遺跡に行く。お前ら付き合え」
戦士「はぁ!?」
盗賊「……まだ、何かあるのか?」
天才「お前らの報告が気になったんでな」
召喚士「報告って、遺跡の港の話……ですか?」
天才「決まってんだろ」
戦士「何も今日じゃなくてもだな……」
天才「もう西方に来る事はねぇだろうからな」
盗賊「……そうなのか?」
天才「残りは北と、東だけだ」
盗賊「……東」
天才「そういう事で付き合って貰うぜ。ハーッハッハ――痛っ!」
召喚士「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:40:01.35 ID:hGuwR1sgo<> …
青年兵「本当に行かれるのですか?」
天才「魔物ちゃんいねぇんだろ? 好都合じゃねぇか」
青年兵「……馬車の手配を」
西国兵「はっ!」
青年兵「司令、無茶をすると容態が悪化します。決して……」
天才「んな事、お前に言われんでも分かってんだよ。いいからさっさと西方軍の見送りでもしてろ!」
青年兵「それじゃ召喚士さん、宜しくお願い致します」
召喚士「うん。行ってきます」
戦士「んじゃ車椅子持ち上げんぞー」
グイッ
天才「痛ってぇな!!」
戦士「文句言うな! 平気なんだろ?」
天才「ちっ」
戦士「ったく、何で俺達がこんな事……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:40:30.79 ID:hGuwR1sgo<> 天才「いいのか?」
戦士「あ?」
天才「テメーにとっても朗報があんだぞ?」
戦士「な、何だよ朗報って……」
天才「お前よ、俺様の武器持って返ってくる時、重いって言ってたよな?」
戦士「あ、あぁ。それが何だよ」
天才「あれが武器の重さに思えるか?」
戦士「まさか。あんな重てぇモン振り回してたらすぐにバテ……」
魔道士「……何ですか?」
戦士「まさかっ、何か……あるってのか!?」
天才「ありゃ魔王とマーマンから付着した魔力の重さだ」
召喚士「!?」
戦士「そ、それがどういう……」
天才「拡散する事なくその場に留まる事が出来る。それは何故だ?」
魔道士「え……っと」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:41:01.08 ID:hGuwR1sgo<> 召喚士「結界石や鉱石で……留めて置く事が出来るからです……っ!」
天才「んでだ、魔王様が鎮座する場所ってのは……」
盗賊「鉱石が……ある!!」
戦士「お、おいおいっ!!マジかよ!?」
天才「どうだ? 行く気になったか?」
戦士「おう!! ぜひお供します!!」
天才「……けっ、都合のいいヤローだ」
戦士「そうと決まりゃ、急ぐぜっ!」
ダダッ
魔道士「ちょっと……もうっ」
召喚士「はは……っ」
天才「それによ」
召喚士「……?」
天才「お前らには今後の事、じっくり話しておかにゃならんからよ」
召喚士「えっ? 天才さん……?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:41:30.22 ID:hGuwR1sgo<> …
ガラガラガラガラッ…
召喚士「あの、天才さん……」
天才「んー?」
召喚士「さっき言ってた……話っていうのは……」
天才「ああ、いいかよく聞けお前ら」
盗賊「……」
天才「俺様は見ての通り、このザマだ」
魔道士「……っ」
天才「次のマーラちゃんにゃあ、到底間に合いそうもねぇ」
戦士「マジ……かよ……っ」
天才「それに北での戦いは文字通り、総力戦になる」
召喚士「……はい」
天才「俺様は北での戦いまでに完治する為に、東方は捨てる」
盗賊「!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:42:00.98 ID:hGuwR1sgo<> 天才「そこでお前らに頼みだ。東方戦にはお前らが先頭に立って、戦ってくれ」
召喚士「――っ!?」
戦士「お、俺達がか……っ!?」
天才「ああ。悪いが東方に関しちゃ、本国は西方以上に関与してねぇ」
盗賊「……確かに」
天才「可能な限りの支援は無論、行うが……本国が中心になってってのは無理な話だ」
召喚士「いくら同盟を結んだからとて、政治的なものもありますしね」
天才「そうだ。それにお前らは東方に詳しい。何より、東方の姫もいる事だしなぁ」
盗賊「……っ」
天才「勝手な話なのは百も承知だが、頼まれてくれるか?」
魔道士「……」
戦士「まぁ俺は……構わんぜ」
盗賊「……無論だ」
召喚士「魔道士さんは……」
魔道士「……やるしかないって……分かってますから」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:42:29.74 ID:hGuwR1sgo<> 天才「んじゃ決まりだな。ヨロシク頼むぜ」
戦士「んで、その東方戦てのはいつから何だ?」
天才「別にいつでもいいぜ。東方の連中さえ良ければ、だけどな」
戦士「もう休んでる暇は本当にねぇって事か……」
天才「五ヵ年計画完了まであと2ヶ月程度。そういう事だ」
魔道士「……っ」
天才「もう次の戦いは始まってんのさ」
戦士「やれやれだぜ」
盗賊「……東方は私の故郷だ。願ってもない事」
天才「それだけ分かってりゃいいさ。お前らに余計な心配はしてねぇよ」
魔道士「……」
天才「精神的なモンが克服されりゃあな」
召喚士「えっ?」
天才「いんや、何でもねぇ。さてもう着く頃だろ」
召喚士「ええ、見えてきましたよ……古代遺跡が」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:44:18.91 ID:hGuwR1sgo<> 〜最西端、古代遺跡〜
ザッ
戦士「んで、まずは?」
天才「俺様は朱雀と港ってのを見に行ってくる」
盗賊「私達は?」
天才「鉱石を探してくれ」
魔道士「どこに……あるんです?」
天才「だからそれを探せって言ってんだよ。この地にあるのは間違いねぇ」
戦士「おいおい……っ、この遺跡をくまなく探せってか!?」
天才「まーそういう事だな。あくまで鉱石が欲しければ、の話だがな」
戦士「……ちっ」
盗賊「それじゃ……行くか」
魔道士「何かあったら、すぐに言ってくださいね」
召喚士「ええ、魔道士さん達も」
天才「さぁ、出発〜っと」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:45:04.23 ID:hGuwR1sgo<> ガラガラガラッ
天才「ふふんふーん」
ガラガラッ…ガツン!!
天才「痛ってぇ!! てめぇ、段差に気をつけろ!!」
召喚士「す、すみません……っ!」
天才「ったく」
召喚士「……天才さん」
天才「あん?」
召喚士「それで、何の話です?」
天才「……」
召喚士「俺に話があって、わざわざ2人きりの状況をつくったんですよね?」
天才「……お前も成長したモンだなぁ。国軍にいりゃ、青年兵や大軍師とタメ線を張れんぜ」
召喚士「ありがとうございます。それで、何ですか?」
天才「忙しいヤローだな。ま、いいや。今回の戦い……ちょいとした収穫があった」
召喚士「……?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:45:40.21 ID:hGuwR1sgo<> 天才「魔道士の事だ」
召喚士「魔道士さん……ですか?」
天才「ああ。あいつ、踊り子が死んでキレただろ」
召喚士「……あ、ああ。はい」
天才「盗賊が気絶させて事無きを得たが、ありゃ五行だ」
召喚士「みたい……ですね」
天才「それもただの五行じゃねぇ。全魔力開放の上での五行だ」
召喚士「――っ!?」
天才「何が言いたいか分かるか?」
召喚士「……っ」
天才「あのまま放ってたら、魔道士は死んでたぞ」
召喚士「…………」
天才「まずお前に言いたい事の1つは、今後も同じような状況があり得るって事だ」
召喚士「ええ……」
天才「必ず止めろ。でなくば、魔道士は死ぬぞ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:46:09.81 ID:hGuwR1sgo<> 召喚士「……はい」
天才「それほどに強烈な魔力だった。おそらくあれを放てばイブリースは消滅してたよ」
召喚士「そ、それ程にですか……っ」
天才「人の死ってのは、周りを強くする」
召喚士「……」
天才「人の死による怒りや悲しみで魔力が開放される」
召喚士「それが魔道士さんの……」
天才「だが所詮、それはその場限りの事だ」
召喚士「ええ」
天才「それを受け入れ、乗り越えて初めて自分のものになる。人間ってのはそうやって生きてくのさ」
召喚士「……はい」
天才「魔道士を支えてやれんのは、お前しかしねぇ」
召喚士「……っ」
天才「王家の血は必ず、最後の戦いに役立つ。頼むぜ」
召喚士「……はい」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:46:49.92 ID:hGuwR1sgo<> 〜高台〜
戦士「まずはこっからだな」
盗賊「……ここは」
戦士「爆発の中心地だ。それに剣はここに刺さってたわけだしな」
魔道士「……」
戦士「……さて、問題はどうやって掘るかだ」
盗賊「かなりの労力だな」
戦士「なぁ魔道士、ちょっと魔法でド−ンと――」
ドドオオォォォォン!!…ゴゴゴゴゴゴ…
盗賊「……」
魔道士「これでいいですか?」
戦士「お、おう……っ」
魔道士「それじゃ早速、探しましょう」
戦士「……なんかあいつ、変わったよな」
盗賊「……うん」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:47:18.27 ID:hGuwR1sgo<> …
天才「ここか」
召喚士「霧がかってますけど、この先に海のようなものがあるみたいなんです」
天才「進めるか?」
召喚士「えぇと、ちょっと待って下さい。あ、こっちからなら何とか……」
キィッ…ガラガラガラッ
召喚士「……っと、下見えますか?」
天才「確かに水が染み出してんな」
召喚士「……」
天才「ちょっと舐めてみろよ」
召喚士「えぇ!?」
天才「しょっぱかったら海だろ。ほれっ、早く!」
召喚士「……だ、大丈夫かなぁ」
チョンチョン…ペロッ
召喚士「こ、これは……っ!?」 <>
寒すぎるので寝ます…おやすみなさい ◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/03(土) 02:48:06.67 ID:hGuwR1sgo<> 天才「勿体ぶってねぇで早く言えよ」
召喚士「……間違いなく海です!」
天才「やっぱりそうか。これで、見えてきたな」
召喚士「え……っ?」
天才「お前、この先に何があると思う?」
召喚士「えっと……海だから、島とか陸とか……ですかね」
天才「半分正解。半分アホ」
召喚士「!?」
天才「そりゃ海なんだから何もねぇなんて事は有り得ねぇだろ」
召喚士「じゃあ、何があるんですか? まさか魔王の……」
天才「そうじゃねぇよ。この先には間違いなく、人の住む陸地がある」
召喚士「えっ!?」
天才「それもお前がよーく知ってる場所だよ」
召喚士「……っ」
天才「……東方だ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸)<>sage<>2011/12/03(土) 03:54:51.26 ID:6wQA9XMAO<> >>1乙!!
風邪引かないようにな!
やっぱり世界は丸かったのか… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(石川県)<>sage<>2011/12/03(土) 08:20:21.96 ID:PKLMG2SHo<> >>309
jojoがいるwwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/03(土) 09:42:36.90 ID:hfm0So1SO<> 鬼丸さんがアップはじめますた <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/03(土) 10:18:20.07 ID:gWyvfnyIO<> 乙
召喚獣を使えば一日で一周できそうだな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/12/03(土) 10:24:58.09 ID:Z1gnGiMq0<> いちおつ
魔道士の魔翌力すごいことになってきたな
さすが王家の魔翌力
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/12/03(土) 12:28:16.59 ID:1Vaj0CqDO<> 踊り子ちゃん
魔道士、盗賊とまた違った魅力的なキャラだったのに、悲しいな! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)<>sage<>2011/12/03(土) 13:48:08.25 ID:20uq3V4Zo<> 召ナン「ペロッ…こ、これは!…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/12/03(土) 20:58:53.29 ID:HSoRTgmP0<> 魔道士さんのた、体液……! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/03(土) 21:14:06.96 ID:WJ4VkzNn0<> >>324
なんで俺の汗舐めてんの? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/03(土) 23:34:17.02 ID:mw98iQBx0<> 雑談むこう行けよ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/12/04(日) 03:04:21.59 ID:yB5D3DmAO<> >>1乙
魅力的な女の子がことごとく死んでいく…
料理の出来る優しいプリーストちゃんに華やかな踊り子ちゃん
師匠、これ以上快適な天国生活おくってどうするんすか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/04(日) 14:46:06.83 ID:+JDoragno<> ネクロさん「行けっ!踊り子!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/04(日) 18:01:00.01 ID:xDD5ocST0<> >>328
やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(奈良県)<>sage<>2011/12/04(日) 18:08:18.71 ID:riGWaPIco<> 武士さんの活躍はまだかね <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:08:24.87 ID:NsBDCG6Do<> 召喚士「……え……っ?」
天才「聞こえなかったのか? 東方だっつったんだよ」
召喚士「と、東方……!?」
天才「だからそうだって言ってんだろ」
召喚士「いや……でもっ、東方って東の果ての……」
天才「テメーは本当に頭いいんだかわるいんだか分からねぇな」
召喚士「す、すみません……」
天才「しゃーねぇ、分かり易く説明してやっか。お前、何か紙持ってるか?」
召喚士「えっと……こんなのでいいですか?」
天才「きったねぇ紙だな。まぁいいや、んじゃこれに……」
キュッ…カキカキッ
召喚士「……これ……なんですか?」
天才「世界地図だよ。うまく書けてんだろ」
召喚士「えっ? あ、ええ……っ」
天才「……なんだよ、文句でもあんのか?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:09:42.41 ID:NsBDCG6Do<> …
天才「まずこれが、俺様達も知ってる世界。平面な状態だ」
召喚士「はい」
天才「さっき見た霧の奥の暗闇。無の世界。それは世界の果てと呼ばれている」
召喚士「世界の果て……」
天才「これが世界の通説であり、この地図と全く同じ状態だわな」
召喚士「ですね。でもそれが何か……?」
天才「……遥か昔からそう言われているし、そうであった」
召喚士「……?」
天才「だがいつの時代も異端児ってのはいるもんでな」
カサッ
天才「この説を真っ向から全否定した学者がかつていたそーだ」
召喚士「……!?」
天才「そいつはこう言った。世界は丸いんだ……とな」
召喚士「っ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:10:36.78 ID:NsBDCG6Do<> 天才「それがどういう意味か分かるか?」
クルクルッ…カサッ
天才「こういう意味だ」
召喚士「地図を……丸めた……っ?」
天才「まぁこの状態だと正確には円柱だがな」
召喚士「た、確かにこうすれば、西と東が……」
天才「1つになんだろ? 西の果ての西は東って事になるんだよ」
召喚士「でもそれじゃあ、あの暗闇は一体……?」
天才「そこが本題だ」
召喚士「……?」
天才「結局その学者も、それを証明する事が出来ず、無念ながらに死んだ」
召喚士「……っ」
天才「それから数百年、そんな説は戯言の1つとして闇に葬られた」
召喚士「それをどうして……天才さんが?」
天才「あれはいつだったっけかなぁ、本部の騎士団長に任命された時だったか……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:11:25.72 ID:NsBDCG6Do<> カサッ
天才「たまたま資料室の整理をしてた時だ。その学者の資料を見つけた」
召喚士「!?」
天才「確かにバカげてた。俺様も普通なら、全否定してその辺に放ってただろうな」
召喚士「でも、なぜ……」
天才「ちょうどそん時は、魔王に関する資料を集めててな」
召喚士「もしかして……五ヵ年計画の為、ですか?」
天才「そこまでキッチリはしてねぇよ。もうちょい漠然としたモンだったけどな」
召喚士「その魔王と関係が?」
天才「ああ。聞いた事あるよな、魔王の配置の謎ってのを」
召喚士「え、ええ。確か……六芒星になっていると」
天才「配置の意味するものと、龍脈の違和感がどうしても気になってな」
召喚士「龍脈の違和感……? どういう事ですか?」
天才「魔王の配置については、まぁそれ程不思議でも何でもねぇんだ」
召喚士「周囲から人間を包囲しているわけですからね」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:12:34.75 ID:NsBDCG6Do<> 天才「ところがだ。龍脈だけは何故か東方に存在してた」
召喚士「ん? 確かにそうですね。普通であれば、中央にあった方が……」
天才「魔力の根源になってんなら、魔物にとってはその方が楽だろ」
召喚士「そうですよね。均等に行き渡るわけですし……」
天才「龍脈の存在は古くから分かってた。だが、誰も位置までは気にしなかった」
召喚士「そこにあるものだと思ってましたから……」
天才「……んで、話は地図に戻る。1人の学者が残した謎の説」
召喚士「……あ……っ!!」
天才「もし、世界が本来は丸いものであり、東西が繋がっていたのならば……」
召喚士「こ、この地図の……」
トントン
天才「そうだ。この繋がった部分。ここに龍脈があった。んでここを……」
パサッ…パラッ
天才「縦に切り取ると、どうだ?」
召喚士「さっきの地図と同じです!! 東西が切り取られて……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:13:05.29 ID:NsBDCG6Do<> 天才「まぁここまでじゃ理論だけであって、何の解決にもなってねぇ」
召喚士「……ええ」
天才「ここから魔王は各地に別れ、配置についた」
召喚士「……っ」
天才「魔王の中でも大将と思われるサタンを世界の中心に……」
トンッ…トンッ…トンッ
天才「北と南に1体ずつ。東と西に2対ずつ」
召喚士「上からみると、そのような配置になってますよね」
天才「どんなものにも意味のないモンなんてのはねぇ」
召喚士「天才さんは、それで何か掴んだんですね」
天才「……まぁな」
ガサッ
天才「丸い世界から平面の世界と変えられたこの地上……」
召喚士「……っ」
天才「外側より無が迫り、世界がどんどん真ん中へと縮んでるんだ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:13:36.56 ID:NsBDCG6Do<> 召喚士「――っ!?」
天才「まぁこれは俺様の勝手な解釈であって、まだそうと決まったわけじゃない」
召喚士「世界が……真ん中に縮んでいる……!?」
天才「魔王軍の連中が言う、世界を地獄に変える」
召喚士「……っ」
天才「そう考えると、その意味も全く別のモンになってくるわけだ」
召喚士「ど、どういう事です?」
天才「殺戮と蹂躙で世界を地獄の様に変える」
召喚士「そ、そうですね」
天才「そうじゃなく、文字通りの地獄に変えるって意味もあるとしたら?」
召喚士「……えっ?」
天才「地獄の存在はお前も把握してるよな?」
召喚士「ええ……。この前戦士が言ってました。シャレになんねーって」
天才「地獄とこの地上の存在は言わば表裏」
召喚士「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:14:31.14 ID:NsBDCG6Do<> 天才「地獄に変える。その本質が表裏であるならば……」
バサッ
召喚士「っ!?」
天才「ひっくり返した地図の裏面。これが地獄」
召喚士「ま、まさか……っ」
天才「あの無は地獄だ。魔王どもの狙いは、文字通り地上を地獄へと変える事だ」
召喚士「……っ!!」
天才「それなら魔王の配置も分かる。切り取り線を入れた東方から」
ススーッ
天才「中央へ縮めるように、世界を無に……地獄へと変えてゆく」
召喚士「そんな事を……魔王が……」
天才「何百年もかけて、世界を縮めてやがんのさ」
召喚士「でもっ、やっぱりそんな事……信じがたいですよ……っ」
天才「だろうな。俺様だってそう思うさ。確証は全くねぇんだし」
召喚士「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:15:13.55 ID:NsBDCG6Do<> 天才「古代の学者もそうだったんだろうな。たった1人でもがいてたわけだ」
召喚士「何か、手がかりになりそうなものはないんですか?」
天才「小さな違和感をかき集めりゃあ、無くもない。決定打にはならんがな」
召喚士「た、例えば……?」
天才「1つ気になる事は、昔の地図がやたら少ねぇって事だ」
召喚士「地図……?」
天才「軍や民間含め、古い地図ってのがあまり残ってねぇ」
召喚士「!?」
天才「まぁ今ほど航海術も測量技術もなかったから、当然っちゃ当然なんだろうけど」
召喚士「でも、少ないっていうのはおかしいですよね?」
天才「だろ? 魔物が多かった昔は、今以上に地図の重要性があったはずだ」
召喚士「そうですよねっ!」
天才「民間に少ないってのはまぁ分からんでもねぇんだ。だがなぁ……」
召喚士「軍に残っていないというのは、不思議ですよね」
天才「今みてーなユルイ軍や国ならいざ知らず、古くはモロ帝政だったんだ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:15:54.02 ID:NsBDCG6Do<> 召喚士「……っ」
天才「そんな中で地図がねぇのは危険性を高める愚考だ」
召喚士「つまり、かつては間違いなくあった……という事ですよね」
天才「そう。何者かが意図的に抹消したって事だ」
召喚士「……あっ! まさか副司令が……!?」
天才「いーや、さっきも言ったが、俺様ですらようやくたどり着いた結論だ」
召喚士「あ、そっか……。古くにも学者1人しか言ってなかったですもんね」
天才「つまり、これは個人的な話じゃねぇ。都合の悪い連中がそうさせてたんだよ」
召喚士「……っ」
天才「魔物に加担する内通者だよ。それも歴代ずーっとだ」
召喚士「っ!!」
天才「あと1つは、世界の果てを目指したものは……その大半が行方不明になってる」
召喚士「!?」
天才「つまり無の中へ入ったものは帰ってこないわけさ」
召喚士「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:16:27.77 ID:NsBDCG6Do<> 天才「そう考えると、全ての辻褄が合うんだよ。歴史と世界のな」
召喚士「確かに……っ」
天才「この地図みてぇにひっくり返されたら、世界は終わりだ」
召喚士「無が……訪れる……」
天才「ま、これが俺様の説だ。信じるか信じないかはテメー次第」
召喚士「確かに信じ難いです。でも……」
天才「……」
召喚士「でも、信憑性があると思います。説得力があるっていうか……」
天才「……ほぉ」
召喚士「でも何より、天才さんの説だから信じたい。俺はそう思います」
天才「……ハーッハッハッハ!! まぁな」
召喚士「ははっ」
天才「真実が明らかになるには、マーラ討伐が必須だ」
召喚士「……はいっ」
天才「俺様が生きているうちに、証明できるように頼むぜ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 19:17:05.43 ID:NsBDCG6Do<> 召喚士「……っ」
天才「そんじゃ、行くか」
召喚士「は、はい……っ」
カラカラカラッ
召喚士「あの、天才さん?」
天才「あーん?」
召喚士「天才さんはどうして、その学者を信じようと思ったんですか?」
天才「別に。だって可哀想じゃねぇか」
召喚士「……?」
天才「大昔から誰にも相手にされず、しまいにゃ埃かぶって本棚の片隅だぜ?」
召喚士「……」
天才「1人ぐらいは誰かが信じてやってもいいんじゃねぇかな」
召喚士「天才さん……っ」
天才「ま、俺様だって似たようなもんさ。ほれ、行くぞ」
召喚士「……はいっ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/04(日) 20:40:27.12 ID:6CRL1LE3o<> 天才と召喚士の組み合わせいいな
天才かっこよすぎやろ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/04(日) 21:00:02.90 ID:zbO3GR1s0<> 天才さんマジ主人公 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/12/04(日) 21:59:26.68 ID:OIIydxr00<> いちおつ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/04(日) 23:22:34.65 ID:Igktu17ao<> こういう世界観の説明は好きだな <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 23:49:05.95 ID:NsBDCG6Do<> …
戦士「くっそ……。何にもねぇな」
盗賊「……うん」
戦士「本当にあるんだろうなぁ」
盗賊「まぁ、今までの感じからすれば……な」
戦士「天才が嘘つくとは思えないし、気長に探すしかね……」
タッタッタッタッタ
戦士「ん?」
魔道士「戦士さん、ちょっといいですか?」
戦士「あったのか!?」
魔道士「いいから」
スタスタスタ
戦士「……な、何だ?」
盗賊「さ、さぁ。とにかく行ってみよう」
戦士「お、おう」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 23:49:44.83 ID:NsBDCG6Do<> テクテクテクテク
戦士「んで、何だってんだ?」
魔道士「ここ、見てください」
盗賊「……宮殿か?」
魔道士「あの中央のとこ、大きな穴から風が出ています」
盗賊「……風穴か」
戦士「風? も、もしかして……っ」
タッタッタッタ
戦士「……うっ、すっげぇ風!」
盗賊「……これは、降りるのは難しそう――」
魔道士「さがってて」
盗賊「……?」
キュイイィィィィ…
戦士「お、おいおいっ!!」
魔道士「撃ちます」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 23:50:16.07 ID:NsBDCG6Do<> ドッドオオォォォォン!!…ゴッシャアアァァァァ!!
盗賊「……っ」
パラパラパラッ…ゴトッ
魔道士「……これで、進めますね」
戦士「……無茶すんなぁ」
魔道士「行ってみましょうか」
盗賊「あ、あぁ」
戦士「待て待て。何かあったらどうすんだ。俺が先頭で行く」
魔道士「はい」
戦士「んじゃ、行くぞ」
テクテクテク…スタッ
盗賊「魔道士、足場が悪いから気を付けてな」
魔道士「はい」
盗賊「……」
戦士「……お、底が見えてきたぞ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 23:50:51.21 ID:NsBDCG6Do<> ズダッ…テクテクテク
戦士「……おぉーっ!!」
盗賊「こ……れは……っ」
魔道士「どうやら当たりみたいですね」
戦士「……ああっ。こいつは間違いない、鉱石だ」
盗賊「しかしでかいな。どうする?」
戦士「うーん」
コンコンコン
戦士「一部だけ削り取るにも……いけっかなぁ」
魔道士「戦士さんならいけるんじゃないですか?」
戦士「あん?」
魔道士「風の鉱石なら、雷切は相反する属性です」
盗賊「そうかっ。雷の攻撃なら風を打ち破れるかも……」
戦士「なるほどな」
魔道士「でも、この風より力が上回る事が条件ですけどね」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 23:51:21.66 ID:NsBDCG6Do<> 戦士「そうなのか?」
魔道士「相反する属性は交わる事はありませんから」
盗賊「つまり……下回ればその威力は……」
戦士「自分に跳ね返ってくる……って事か」
魔道士「そうです」
戦士「……やるしかねぇわな」
盗賊「大丈夫なのか……?」
戦士「死にゃしねーだろ。な、魔道士?」
魔道士「……さぁ」
戦士「おいおい、冷てぇな」
魔道士「頑張って下さい」
盗賊「……」
戦士「へいへい。どれ、いっちょやってみっか」
スタスタスタ…チャキッ
戦士「……ふーっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 23:52:00.37 ID:NsBDCG6Do<> スススッ
魔道士「…………」
盗賊「…………」
戦士「……でりゃああぁぁぁぁ!!」
ヒュオンッ!!…カシンッ
戦士「……」
盗賊「……ど、どうだ?」
魔道士「……っ」
ゴウッ!!
盗賊「くっ!!」
魔道士「きゃあ!!」
戦士「まずったか!?」
盗賊「戦士っ!!」
ドゴオオォォォォ!!
戦士「う、おおぉぉぉーっ!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/04(日) 23:52:34.35 ID:NsBDCG6Do<> ドッガアアァァ!!…ガラガラガラッ
盗賊「だ、大丈夫か!?」
戦士「いってぇ……っ。思いっきり弾き飛ばされたぜ……くそっ」
盗賊「……失敗、か」
魔道士「いえ、待ってください」
戦士「……?」
魔道士「風が……逆風に。鉱石に吸い込まれています」
盗賊「何……っ!?」
ピシッ…ピキピキッ…ボッゴオオォォ!!
盗賊「く、砕けたぞっ!」
戦士「お、おぉ……っ」
ドッズウウゥゥゥゥン…ゴトゴトンッ
盗賊「居合いで一閃した部分が、綺麗に……」
戦士「……ふーっ。何とかうまくいったみたいだな」
魔道士「良かったじゃないで……すね、戦士さん」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/12/05(月) 00:08:20.42 ID:dNnmyKnMo<> 今日はここまでにておやすみなさいです!ノシ
明日か明後日中にはイブちゃん編終わらせまっする!
〜オマケ、三日月島のとある夜〜
魔道士「でもほんと、踊り子ちゃんのくびれ……すっごいね〜」
踊り子「え〜っ? こんなの誰でもなれるって〜。もっと細い子とかだっているし〜」
盗賊「……ほ、本当かっ!?」ムニムニッ
魔道士「つままないで下さいよ……」
踊り子「毎日ねっ、お風呂上りにこうやって〜」
クネクネクネクネ
盗賊「……なんだそれは?」
踊り子「クネクネダンスー! へへ〜っ!」
魔道士「おぉーっ! クネクネダンス!」
踊り子「これを毎日15分やれば、くびれちゃうんだよぉ〜」
魔道士「本当っ!? 踊り子ちゃんありがとーっ!!」
踊り子「いいのいいのっ! これオゴって貰ったお礼っ! ギブアーンドテイクッ! えへへ〜!」
盗賊「ギブアンドテイク……最高」
魔道士「踊り子ちゃ〜ん! 本当にありがとねぇ〜」
踊り子「今度さんっ、是非劇場まで踊り観に来てよねっ!」
魔道士「絶対行くっ!!」
踊り子「2人が来たら、もう気合いマックスで踊っちゃうんだからっ!」
盗賊「うん、楽しみにしてるよ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/12/05(月) 01:05:08.62 ID:ahwKkdQAO<> >>1乙
魔導師… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(山梨県)<>sage<>2011/12/05(月) 01:19:36.94 ID:uJwKP565o<> >>1おつ
魔道士がどうなっていくのか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<>sage<>2011/12/05(月) 01:20:30.46 ID:q5Ia+AXZo<> だから童貞なんだよ召喚士は・・・ちゃんと支えてやれよ・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸)<>sage<>2011/12/05(月) 04:20:11.74 ID:X2ek++rAO<> 魔道師 ヤンデレ資質◎ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県)<>sage<>2011/12/05(月) 07:01:59.95 ID:b6wFt31oo<> 魔道士ちゃん怖いよぅ・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 10:02:26.82 ID:/sLwNY6do<> だから主人公(笑)なんだよ召喚士はよぅ・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/12/05(月) 14:08:30.75 ID:wQTxUv7AO<> 魔導師ちゃん(黒)に…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 17:27:38.37 ID:j/Apdk/SO<> ようやく自他共に認める召喚術士になったんだから
その股についてるレイピアで男になれよ召喚士! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:12:17.22 ID:j2Ndd/Soo<> …
戦士「さーて、これをどうやって引き揚げるか……」
盗賊「……私の鎖で持ち上げようか」
戦士「やってみっか」
ガチャガチャッ…シュルッ
盗賊「……よし、いいぞ」
戦士「そんじゃ上に戻るぞ」
魔道士「はい」
トットットッ…ガクンッ
魔道士「きゃ――」
ガシッ!!
召喚士「だ、大丈夫ですか……!?」
魔道士「召喚士さん……っ。ありがとうございます」
召喚士「しっかり捉まってて……下さいっ!」
魔道士「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:12:44.38 ID:j2Ndd/Soo<> ググッ…スタッ
召喚士「……ふーっ。びっくりした」
魔道士「すみません……」
召喚士「いえ、無事で良かったです」
スタッ
盗賊「魔道士っ! 大丈夫か!?」
魔道士「はい。すみません」
盗賊「気を付けろと言ったであろう」
魔道士「……」
スタッ
戦士「おう、召喚士も来てたのか」
召喚士「うん。何だか物凄い音が聞こえたから、何かと思って」
戦士「なるほどな。大丈夫、無事にゲットしたぜ!」
召喚士「本当っ!?」
盗賊「風の鉱石だ。かなり大きい」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:14:02.50 ID:j2Ndd/Soo<> カラカラカラッ
天才「ここがイブリースの寝床だったわけだな」
戦士「みてぇだな」
召喚士「どう? 使えそう?」
戦士「ああ。あとは鎖に巻きつけた鉱石を引き揚げるだけだ」
召喚士「それなら召喚獣の力を借りて、一気に引き揚げよっか」
戦士「おぉっ! そいつは助かる!」
天才「枯渇してんじゃねぇのかお前?」
召喚士「このくらいなら大丈夫です。見てて下さい」
魔道士「……」
召喚士「行けっ! コカトリス!!」
シュイイィィィィン
戦士「小っさ……」
召喚士「コカトリス、これを引き揚げて欲しいんだけど」
コカトリス「ふむ、やってみよう」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:14:30.48 ID:j2Ndd/Soo<> バサァッ…グググッ
コカトリス「……いくぞ」
召喚士「うんっ!」
グイィッ!!
コカトリス「……おいっ、もっと魔力を送らんか」
召喚士「でもぉ……っ、これが限界……ぃ!」
コカトリス「ぬぐっ!」
ズズズッ…ゴトンッ!!
天才「ほれ見ろこのバカ。強がりやガって」
召喚士「いけると思ったんですけど……すみません……」
魔道士「いいですよ、私やりますから」
召喚士「へ……っ?」
魔道士「土行と風行を組み合わせれば、この程度……」
キュイイィィィィ…
天才「バカ……っ!! 退がれぇ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:15:00.71 ID:j2Ndd/Soo<> ドッドオオォォォォン!!…ゴガガガガガガッ!!
盗賊「う……おっ!」
戦士「あっぶねぇなおい!!」
ドッガアアァァァァン…ゴトンッ!!
魔道士「これでオッケーですね」
盗賊「……」
天才「ハーッハッハ! 朱雀先生の面目丸潰れだな!」
召喚士「天才さん……」
盗賊「……ところで、そちらはどうだったのだ?」
召喚士「あ、えぇとですね……」
チラッ
天才「休憩にすっか。休みながら話してやるよ」
召喚士「そうしましょうか」
戦士「んじゃひとまず、どっか休めそうな場所に移るか」
盗賊「あっちに広場があったぞ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:15:27.61 ID:j2Ndd/Soo<> …
テクテクテクテク
盗賊「ここでどうだろうか」
召喚士「いいと思いますよ!」
戦士「よ……っと。どれ、そんじゃ早速お聞かせ頂こうかね」
召喚士「魔道士さん、何か飲み物は……」
魔道士「大丈夫です」
天才「また1から話すのはメンドクセーな。おい朱雀、お前が説明しろ」
召喚士「えぇっ?」
天才「さっき話したんだからいいだろ。ほれ早くしろ」
召喚士「えぇと、実は天才さんが世紀の大発見を致しまして……」
天才「何言ってんだてめぇ!!」
召喚士「そ、そんな照れなくても……」
天才「そうじゃねぇ! 世紀のじゃねぇだろ、人類史上最大の発見にしろ!」
召喚士「……天才さんが、人類史上最大の発見を致しました……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:16:03.48 ID:j2Ndd/Soo<> …
盗賊「ほ、本当……なのか?」
天才「だから言ってんだろ。あくまで俺様、個人の意見だって」
魔道士「……っ」
戦士「でもよ、そう考えると……魔物の布陣にも説明がつくよな……」
召喚士「うん。そうだよね」
魔道士「どういう事ですか?」
戦士「龍脈から一番遠い西方にイブリースっつー強い魔王を配置してる」
召喚士「しかも魔物が少ない。これは龍脈との距離を考慮してなのかもしれないね」
盗賊「確かに……合点がいくな」
魔道士「その点、龍脈に近い東方は、魔物の姿も独特という事ですか?」
戦士「なるほど……っ!」
天才「んで中央にサタン。南北には大軍を擁するベルゼブブとラーヴァナ」
召喚士「そこは万が一、東西が破られても。影響は少ないですからね」
戦士「はぁ、よく考えてやがんぜ魔王様がたはよぉ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:16:33.33 ID:j2Ndd/Soo<> 魔道士「それで、もし魔王マーラを倒したら、世界はどうなるんですか?」
天才「元通り、グーンと伸びる」
盗賊「世界が広がる……と言う事か」
天才「ま、それは人それぞれだろうな」
盗賊「……?」
天才「本国の連中にとっちゃ広がるし、東方や西方にとっちゃ近くなるからな」
召喚士「西方と東方の移動は物凄く近くなりますもんね」
戦士「でもなぁ、やっぱりにわかには信じられないよなぁ……」
天才「まーな。俺様だって胸張って言える説じゃねぇからな。だったらいいなって理想だ」
召喚士「でも俺は、天才さんを信じたいです」
魔道士「私もです」
戦士「そりゃもちろんだよ」
盗賊「でも、確かに……」
魔道士「……?」
盗賊「些細な事を思い返せば……やはりあながち……可能性は大いにある、よな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:17:00.36 ID:j2Ndd/Soo<> 戦士「例えば?」
盗賊「……言語」
天才「いいところに気付くな。確かにそうだ」
戦士「どういう事だ?」
天才「東の果てと西の果て、交わる事もなさそうな場所で、何故か基本言語は同じ」
魔道士「あ……っ」
天才「若干、固有名詞やニュアンスの違いに不自由はあるが、あんまり困らないだろ?」
召喚士「文化は全く違うのに、そういえばそうですよね……」
天才「考えうる可能性として、世界が繋がっていた時点で地盤の言語が形成されていた」
召喚士「そして世界が平面に別れ、それぞれが独自の進化を遂げていった……と?」
天才「まぁそう考えると、割としっくりくるよな」
召喚士「そう考えると、五行の存在や召喚獣ももしかして……っ」
戦士「何か分かるのか?」
召喚士「龍脈が出来たのは、魔王が世界を切り取ってからですよね?」
天才「そうなるな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:17:37.84 ID:j2Ndd/Soo<> 召喚士「そして人間の魔力も確か……」
天才「龍脈の影響、それを利用する事で魔法や召喚獣の餌を捻出できてる」
魔道士「つまり、魔法や召喚術が確立したのは……」
盗賊「……龍脈が出来てからか」
召喚士「だとすれば、東方の式神が独特な事も、召喚術が統一されていない事も説明がつく」
天才「だから言語や進化は大差なくとも、文化や術、武具の違いがはっきり出てるわけだな」
戦士「おいおい……っ、そこまできたらもう信じるしかないぜ」
魔道士「確かに、これだけ立証出来れば、空論ではないですよっ!」
天才「ま、これを述べたところでどれだけの奴が信じるかって話だわな」
召喚士「きっと信じて貰えますよ!」
天才「仮に信じて貰ったところで、今更だから何だって話だ」
盗賊「……」
天才「そうだろ? それが何の解決になる? 結局は魔王を倒すしかねぇんだよ」
召喚士「……だから、天才さんはこの事を誰にも話さなかったと?」
天才「それも一理あるけどな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:18:05.92 ID:j2Ndd/Soo<> 戦士「他に何があるんだよ?」
天才「もし本国としてんな事を公式に発表してみろ。どうなる?」
魔道士「……さ、さぁ」
召喚士「おそらく……人々は混乱し、本国へ押し寄せてくるでしょう……っ」
戦士「そうなのか?」
召喚士「世界が外側から徐々に、地獄が近づいているんだ……っ」
魔道士「……っ」
天才「正解。東西南北問わず、本国へわんさか押し寄せてくるだろうな」
召喚士「仮にこなくとも、混乱は必死ですね……」
天才「結局は確証があっても、あんまり公には出来ねぇのさ」
戦士「じゃあ何でそんな事、俺達に話したんだ?」
天才「俺様は東へは行けん。北での最終決戦に備え、治療に専念する」
戦士「やっぱり……駄目なのか……」
天才「メインはお前らだ。お前らが自らの手で道を切り拓いて……」
盗賊「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:18:32.00 ID:j2Ndd/Soo<> 天才「そして自らの目で、真実を見てくれ。そして、伝えてくれ」
魔道士「天才さん……」
天才「さーてと、んじゃぼちぼち行くとするか。日が暮れる前にな」
戦士「おいおいっ、この鉱石はどうすんだよ?」
天才「持って帰るにも大きすぎる。後で西国の連中に頼むとしよう」
盗賊「……それしか……ないか」
戦士「ちっ、まぁ仕方ないわな」
召喚士「それじゃ、行きましょうか」
天才「おう、先に行って馬車の準備しといてくれ」
戦士「んだよ、一緒に行かねーのか?」
天才「魔道士」
魔道士「……?」
天才「俺様と残れ。つーか車椅子押してけ」
召喚士「あっ、それなら俺が……」
天才「お前ヘタクソだからクビ。役立たずは早く行け」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:19:00.09 ID:j2Ndd/Soo<> …
カラカラカラッ
天才「そうそう! うまいじゃねぇか、ハーッハッハッハ!」
魔道士「はぁ……」
天才「あのクソ朱雀は全く人の心ってモンが分かってねぇ。そう思わんか?」
魔道士「……どうなんでしょうね」
天才「……なぁ」
魔道士「はい?」
天才「いつまでそうやって、突っ張ってるつもりだ?」
カラカラッ…ピタッ
魔道士「…………」
天才「お前が痩せ我慢したって何にも変わりゃしないぜ」
魔道士「……っ」
天才「別にいいけどよ。だが、お前の仲間は逆に心配すんぞ?」
魔道士「私だって……嫌なんです」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:19:27.43 ID:j2Ndd/Soo<> 天才「……」
魔道士「大切な人が亡くなって……なのにっ、自分だけ笑って過ごすなんて……」
天才「んじゃお前は、一生暗いまま行き続けるってのか?」
魔道士「そうじゃないですけど……」
天才「忘れたのか? この地で伝説を残した魔道士の事をよ」
魔道士「……」
天才「サンドウィッチは、怨み、怒り、憎しみを溜めて土行とし、イブリースを倒した」
魔道士「……」
天才「その勝利の先に、幸せがあったと思うか?」
魔道士「……っ」
天才「それにな、お前の笑顔が皆の力になる事だって、もちろんあるんだ」
魔道士「笑顔……」
天才「人は怒りや悲しみだけじゃ強くなれん。喜びや楽しみがあって、相乗効果を為す」
魔道士「喜怒……哀楽……」
天才「お前は怒りと悲しみを覚えた。それを、喜楽で乗り越えるんだよ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:19:58.43 ID:j2Ndd/Soo<> 魔道士「……私」
天才「もういいだろ。早く進んでくれ、仲間が待ってんぞ」
魔道士「……はい」
スッ…カラカラカラ…
魔道士「あの、天才さん」
天才「あん?」
魔道士「あなたは……何者なんですか?」
天才「……随分とアバウトな質問だな」
魔道士「前に、夢魔の時……助けてくれましたよね?」
天才「ああー。んな事もあったなぁ」
魔道士「憑依を解く為に、確か私の中へ入りましたよね?」
天才「そうだったな」
魔道士「どうしてですか?」
天才「……」
魔道士「身内でないと、出来ないって聞きました」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:20:27.69 ID:j2Ndd/Soo<> 天才「……ふーん」
魔道士「それとも、天才さんだから出来たんですか?」
天才「あーそうかもなぁ」
魔道士「……じゃあ、出来ます?」
天才「あ?」
魔道士「知り合いに夢魔で苦しんでいる人がいるんです。助けてあげて貰えませんか?」
天才「おう、いいぜ。任せておけ」
魔道士「それじゃ早速行きましょうか。西国に居るんで」
天才「……」
魔道士「ほら、やっぱり嘘だ」
天才「……嘘つきはお前だろ」
魔道士「……ごめんなさい」
天才「俺様はいつでも話す。話すが、包み隠して話す事は出来ない」
魔道士「……」
天才「お前は全てを知る事になる。その覚悟が出来ているなら、聞け」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:20:59.13 ID:j2Ndd/Soo<> …
戦士「お、来た来た。何してたんだよ全く……」
天才「足場が悪いんだよ、うるせーな」
魔道士「お待たせしました」
召喚士「それじゃ、行きましょうか」
魔道士「……はいっ! えへへ!」
盗賊「……おぉ」
魔道士「何ですか〜盗賊さーん」
盗賊「いや、魔道士だな……って」
魔道士「意味分かりませんよもうっ。えいっ!」
モミモミッ
盗賊「ひやあぁっ! やめ……っ! あんっ!」
魔道士「えへへ〜っ」
召喚士「あ、あの……行きましょう……」
天才「ハーッハッハッハ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:21:31.24 ID:j2Ndd/Soo<> 〜北方司令部〜
左翼長「何ぃーっ!? 本当なんだろうな!?」
伝令「もちろんです!」
騎士長「そうか……っ、イブリースを倒したか……!!」
左翼長「これで残るは東のマーラと……」
カツカツカツ
大軍師「北のベルゼブブですね。そしてそれが終わればいよいよ……魔王サタンです」
左翼長「大軍師、戻ってたのか」
大軍師「一先ずは迎撃に成功致しましたので、補給です」
騎士長「他に何か報告はないのか?」
伝令「えぇとそうですね……。死者は1人も居ないものの、重軽傷者が多数との事です」
左翼長「西国か?」
伝令「双方ですね。特に総司令と西方司令が重傷との事です」
左翼長「何っ!?」
大軍師「……詳細確認の為、本国へ戻ります」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:21:59.18 ID:j2Ndd/Soo<> 〜西方、西の砦〜
女隊員「おかえりなさいッス」
隊長「司令、大丈夫ですか?」
天才「心配すんな。死にゃしねーよ」
隊長「今にも死にそうじゃねぇか……。どれ、肩につかまって下さい」
天才「ハーッハッハ、てめぇこそ死にかけたくせに言いやがるぜ」
ガシッ…ピキイイィィン!!
天才「……っ」
隊長「どうしました?」
天才「……いや、何でもねぇ。いいぞ」
隊長「……?」
テクテク…カツカツカツ
女隊員「さぁ、みんなも休むッスよ! 食事もあるッス!」
盗賊「……腹減った」
戦士「先にメシ食おうぜ、俺も限界だわ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:22:32.41 ID:j2Ndd/Soo<> 召喚士「うん。じゃあそうしようか」
テクテクテクテク
魔道士「……天才さん」
天才「あん?」
魔道士「私、やっぱり今は聞きません。やっぱり、そんな気になれないです」
天才「……」
魔道士「前もそうでしたけど、私の父母は、大商家ですから」
天才「……ああ、そうだな」
魔道士「それじゃ、失礼しますっ!」
タッタッタッタッタ…
隊長「何だ?」
天才「何でもねぇよ。ほれ、はよ連れてけ」
隊長「……」
カツカツカツカツ…
天才「似てきたのは、外見だけじゃあねぇ……か。ハーッハッハ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:22:59.18 ID:j2Ndd/Soo<> 〜次の日〜
青年兵「それでは、本国軍は西の砦より引き揚げます」
傭兵「ご苦労さんでした」
親衛隊「お世話になりましたっ!」
隊長「なぁに、そりゃこっちの台詞さ。共闘、感謝致します」
ザザッ…バッ!!
王子「私も共に西国へ行く。再び戻るまで、しっかりと監視を頼むぞ」
親衛隊「了解であります! 陛下!」
傭兵「お気を付けて、陛ー下」
王子「それでは、出発!」
ドドォッ…ガラガラガラッ
戦士「ようやく、終わったって感じだな」
盗賊「ああ」
魔道士「辛い事もあったけど……っ」
召喚士「さようなら、西方……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:23:29.41 ID:j2Ndd/Soo<> 〜夜、西国の城〜
男隊員「着いた着いた。ああダリィ、早く酒飲んで爆睡してぇわ……ヒャハハ!」
女隊員「その前に、きちんと締めないとッスよ」
格闘家「一同、整列」
ザザッ
王子「司令、今回の戦いでは、本国に無理強いさせてしまったな」
天才「なぁに、神官殿の事を考えれば、俺様なんぞマシな方さ」
王子「……皆も良くやってくれた。心より礼を申し上げる」
隊長「一同……敬礼っ!!」
ザザッ!!
青年兵「以上を以って、イブリース討伐戦を完遂とみなす!!」
ザッ!!
天才「……ふーっ。ごくろーさん、帰国は明朝、それまでは各自、自由行動だ」
男隊員「おっしゃ! 飲みに行くぞーっ!」
女隊員「あっ、こら! ……行っちゃったッス」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:24:00.76 ID:j2Ndd/Soo<> 隊長「好きにさせとけ。俺達はこっから先、連戦だ」
格闘家「と、言う事は……東方にも?」
天才「ああ、すまんが頼むぜ」
隊長「司令が帰ってくるまでは、青年兵にもしっかり頑張って貰わんとな」
天才「いんや、それはちょっと違うな」
青年兵「え……っ?」
天才「俺様はおそらく、これで指揮官としての務めは終わりだ」
青年兵「!?」
天才「理由はそのうち分かる。今後はお前と大軍師達で、しっかりと飲むぜ」
青年兵「し、司令……?」
天才「ハーッハッハ! 自信持て! テメーならソツなくこなせるよ」
カラカラカラッ
格闘家「どういう事でしょうか……?」
隊長「さぁな。でもまぁ、あの人の事だから、考えがあっての発言だろう」
青年兵「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:24:29.36 ID:j2Ndd/Soo<> テクテクテク
召喚士「サモナーさん……?」
サモナー「召喚士くん、お疲れ様」
召喚士「もう、行かれるんですか?」
サモナー「うん。1度、自宅へ戻るとするよ」
召喚士「そうですか……」
サモナー「マーマンの事、残念だったね……」
召喚士「……」
サモナー「ごめん、それじゃまた」
召喚士「あの……っ」
サモナー「大丈夫、また必ず……共に戦おう」
召喚士「……はいっ」
マーメイド「それじゃ、またね」
召喚士「はい。サモナーさんを、宜しくお願いします」
マーメイド「……うん」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:25:01.00 ID:j2Ndd/Soo<> ススッ…スタスタスタ…
魔道士「サモナーさん、もう行っちゃったんですか?」
召喚士「ええ」
戦士「俺らはどうする? 一応、王子が部屋を用意してくれてっけど……」
召喚士「うん……」
テクテクテク
ダンサー「それじゃ、私達もこれで」
盗賊「……うん」
召喚士「王宮へは行かれないんですか?」
ダンサー「まだ劇場での仕事があるので……」
戦士「そっか。急にはやめらんないもんな」
ダンサー「昨日と一昨日とやすんじゃったから、残った皆にも迷惑かけたし……」
魔道士「……」
ダンサー「それに……踊り子……ちゃんの事……っ」
魔道士「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:25:29.13 ID:j2Ndd/Soo<> 〜劇場〜
戦士「へぇ、ここが劇場か」
召喚士「煌びやかだね」
ダンサー「こっち、関係者用の所だから」
魔道士「本当に……いいの?」
ダンサー「うんっ。劇場も陛下が買い取ったものだから、大丈夫よ」
戦士「そっか」
ダンサー「じゃあもうすぐ始まるから、楽しんで行ってね!」
盗賊「ありがと」
タッタッタッタッタ…
戦士「本当に良かったのか?」
魔道士「……けじめです。自分にとっても」
召喚士「……」
ブーッ…ザワザワザワッ
戦士「おっ、始まるみてぇだぞ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:26:00.18 ID:j2Ndd/Soo<> ダンサー「本日は西国王宮劇団のショーへ、ようこそおいで下さいました〜!」
男「いよっ! ダンサーちゃんの事何日も待ってたんだぞ〜!」
青年「……くっ、今日も踊り子ちゃんは休みか……っ」
ダンサー「……さ、さぁ! 思いっきり楽しんでいってねぇ〜っ!」
〜♪
踊り子不在のダンスタイムは、賑やかな音楽と装飾で彩られてはいたが、
どこか儚く、そして弱々しさを感じさせるものであった。
召喚士「……」
戦士「……」
盗賊「……っ」
魔道士「……えっ、えぐ……っ!」
4人はいつの間にか泣いていた。ダンサーもまた泣いていた。それでも躍り続けていた。
次の日、劇場が開く事はなかった。劇団は突如、解散となった。
後に分かった事であったが、踊り子抜きではどうにもショーにならなかったのだ。
踊り子の舞いは確かに、人々や仲間に力を与えていた。 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:26:31.20 ID:j2Ndd/Soo<> 〜西国の城〜
王女「お帰りなさいませ。お疲れになられたでしょう?」
盗賊「……大丈夫」
王女「入浴のご準備、出来ておりますよ」
魔道士「ありがとう……ございます」
女王「……?」
王女「さぁ、参りましょう」
魔道士「……っ」
スタスタスタスタ…
戦士「ったく、元気になったと思ったらまた落ち込みやがって……」
召喚士「仕方ないよ。今は……ね」
戦士「まぁな。自力で立ち直るまで、待つしかねぇか」
召喚士「うん……」
カツカツカツ
王子「朱雀先生」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:26:59.44 ID:j2Ndd/Soo<> 召喚士「陛下……っ」
王子「少し、宜しいか?」
召喚士「ええ」
王子「こちらへ」
戦士「……?」
テクテクテク
王子「実は渡したいものがありましてね」
召喚士「何でしょう?」
王子「……神官の残した遺書です。召喚士さん達へ」
召喚士「!?」
王子「受け取って、頂けますか?」
召喚士「……もちろんです」
カサッ
戦士「……神官さん、最後の最後までしっかりしてるよ」
王子「ええ、本当に……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:27:32.74 ID:j2Ndd/Soo<> パラッ
召喚士「…………」
王子「私宛には長文で、事後の西国に関する政務の詳細が書かれておりましたよ」
召喚士「……神官……さんっ」
戦士「……王子を頼む、か」
王子「私も未熟ではありますが、召喚士となりました」
召喚士「う……んっ」
王子「これからも宜しく、ご指導、ご鞭撻の程」
召喚士「……うん……っ!」
戦士「泣いてもいいんだぞ?」
召喚士「……いやっ、もう泣いている場合じゃないんだ。そうだよね、陛下」
王子「……ええ。前に進むしか、道はありませんから」
戦士「だよな」
王子「共に進みましょう、前へ」
召喚士「うんっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:28:11.75 ID:j2Ndd/Soo<> …
召喚士「それじゃ、おやすみなさい」
王子「明日は早朝から西の砦へ戻りますので。見送り出来ず申し訳ありません」
戦士「気にしないでくれ。こっちこそありがとうな」
王子「北での決戦には、西国も総力をもって駆けつけますので」
召喚士「うん。次は北で……会おう!」
王子「鉱石は三日月島へ送り届けておきますので!」
戦士「おう! 助かるぜ……サンキュ!!」
スタスタスタスタ…
王子「……」
クルッ…カツカツカツ…パタンッ
王子「……皆の前では、泣かぬのだ……っ」
ツツーッ…ポタッ
王子「でも……っ、くそっ! 止まれよ……涙っ!」
ポタポタポタッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:29:43.71 ID:j2Ndd/Soo<> 王子「くそっ、くそっ! くっそぉ……っ!!」
ヘタッ
王子「人前では泣かないさ……そうだろっ、神官……っ!」
グググッ
王子「でも今は……ごめん……っ」
西国の王とは言え、まだ齢15の少年にとって、神官の死は余りにも大きかった。
問いかけても、返答する相手はもう居ない。今後は孤独な戦いである。
しかし王子は確かに、変わりつつあった。神官の死を境に大きく成長した。
天才が言う、怒りや悲しみを乗り越え、喜楽とはまた違う、王者の風格としての自覚、
それをもって、人の為、国の為、そして自分と神官の為に、乗り越えた。
王子の成長は西国にとって、大きな変化を与える事と相成った。
それはこの先に待ち受ける北での最終決戦において、絶大な影響を与える事となる。
これより数週間後、西国は西方の魔物掃討を完了したと本国へ報告した。
更には全軍を北上、北方での戦いに備え、西高原国跡地にそびえる、
西国拠点の着手へ一層の力を入れ、その要塞を完成させる至った。 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:30:29.72 ID:j2Ndd/Soo<> 〜次の日の夜、本国〜
ザザーン…ドッドオオォォ
海兵「入港完了ぉ! 搬出にかかれぇ!」
戦士「やっと帰ってきたぜ……本国」
魔道士「長かったですね……」
盗賊「……こっちは更に、寒いな」
召喚士「ええ……」
テクテクテク
青年兵「まずは司令を」
国軍兵「了解であります!」
ザザッ…カラカラカラッ
戦士「しっかし、あの天才が車椅子姿ってのがどうも違和感あるよなぁ」
魔道士「不死身な感じですもんね」
盗賊「それだけ、強かったって事だな」
召喚士「……ん?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:31:07.71 ID:j2Ndd/Soo<> ザワザワザワ
ジャーナリスト「司令っ! 此度の西方戦についてですが!」
青年兵「見ての通り怪我をしております。後ほどに……」
ジャーナリスト「一言だけっ! 何でも、西国の民間人が巻き込まれて亡くなったという情報が」
青年兵「――っ!!」
ジャーナリスト「もし真実ならば、本国の指揮官として西国に対し――」
青年兵「失礼ではありませんか!」
ジャーナリスト「しっ、しかし……」
青年兵「指揮官は私です。それについては追って……」
天才「20時より本部正門前で会見する。聞きたい奴らは集まれ」
青年兵「司令……っ!?」
ジャーナリスト「22時ですねっ、分かりました!」
ゾロゾロゾロ
青年兵「司令っ、何も今すぐに会見を開かなくとも」
天才「俺様の事ぁいいんだよ。こんな身体でも会見ぐらいは出来る」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:32:45.01 ID:j2Ndd/Soo<> カラカラカラッ
戦士「何だか、騒ぎになっちまったな……」
召喚士「うん……っ」
タッタッタッタッタ
記者「朱雀先生ーっ!」
召喚士「記者さん!」
記者「民間人の情報、本当なんですか?」
戦士「いや、あれはだな……」
召喚士「戦士っ、俺らの口からは何も言えませんよ。会見を待って下さい」
記者「そ、そうですよね……」
召喚士「でもこれだけは分かってて下さい。戦いに、誰の責任とかそんな事はありませんから」
記者「もちろん分かってますよ。それでも私達は、真実を伝えなくてはならないのです」
盗賊「……」
記者「では、失礼しました」
タッタッタッタッタ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:33:17.85 ID:j2Ndd/Soo<> 戦士「やれやれ……」
魔道士「踊り子ちゃんだって、そんなつもりじゃなかったのに……っ!」
盗賊「……召喚士の言う通りさ。誰のせいでもない」
戦士「宿命ってやつか?」
盗賊「……ああ」
召喚士「もし責任があるとすれば、全員にあるさ」
魔道士「そうですよっ!」
召喚士「でも原因は……あいつだ」
戦士「ネクロマンサーか」
召喚士「絶対に許さない……ネクロマンサーだけは、必ず倒す!」
盗賊「……ああ。踊り子だけじゃない。兄様の怨みもある」
戦士「お父さんや、剣士さんのパーティー仲間もそうだ」
魔道士「……ええ」
召喚士「相手が不死だろうと、必ず倒す手段はあるはずだ」
4人は軍港を出ると、ひとまず宿を取り、22時になると国軍本部へと向かった。 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:35:28.23 ID:j2Ndd/Soo<> 〜22時、国軍本部正門前〜
ザワザワザワザワ
ジャーナリスト「来たぞっ!」
天才「それでは会見を始める」
青年兵「……」
ジャーナリスト「早速ですが、まず……西国の民間人が犠牲になったという情報の真偽を」
天才「……本当だ」
ドヨッ…ザワザワザワッ
記者「や、やはりそうなのか……っ」
天才「予言にて本国と西国の死者は0と出ていた。しかし、これは軍人のみの事であった」
ジャーナリスト「つまり、読み違えたと?」
天才「結果的にはそうなる」
ジャーナリスト「ではやはり、指揮に問題があったと言っても過言ではないのでしょうか?」
天才「ま、そうなるな」
ジャーナリスト「ちなみに今回の戦い、指揮官は……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:35:59.50 ID:j2Ndd/Soo<> 天才「俺様だ」
ジャーナリスト「総司令ですか?」
天才「ああ。魔王討伐においては、俺様が指揮を執った」
ザワザワザワッ
天才「前哨戦については青年兵が指揮を執った。これについては何ら問題もない」
青年兵「……っ」
天才「魔王討伐戦においては俺様が適任と判断したわけだが、結果的にはこうなった」
ジャーナリスト「総司令はこの件について、いかがお考えですか?」
青年兵「っ!!」
天才「……責任は取るつもりだ」
記者「……っ」
天才「民間人を死なせるなど軍人として言語道断の行為。指揮官を降りる」
ジャーナリスト「つ、つまり……っ?」
天才「指揮権を放棄すする。俺様は総司令を辞任……つまりは軍を抜ける」
青年兵「――っ!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:36:41.12 ID:j2Ndd/Soo<> ドヨドヨッ!!
ジャーナリスト「退役……という事ですか!?」
天才「そうだ」
ジャーナリスト「しかし、それでは逃げる事にもなるのでは?」
青年兵「質問が無礼……」
スッ
青年兵「!?」
天才「そうかもしれん。だから今後は、いちワーカーとして死地に赴く」
記者「ワ……ワーカーとして、ですか?」
天才「本日をもってもク軍総司令は辞任。今後はトップランカー、天才として動く」
ザワザワザワッ!!
ジャーナリスト「な、何てこった……!!」
天才「後任はなし。しばらく総司令の席は空くが、代理として副司令である青年兵」
青年兵「っ!?」
天才「及び、参謀役の大軍師が最高責任者となる。以上だ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:37:15.05 ID:j2Ndd/Soo<> カラカラカラッ…
記者「……っ」
ジャーナリスト「よしっ、早速朝刊の1面でいくぞっ!」
タッタッタッタッタ
青年兵「司令……っ」
カラカラカラ…
隊長「……良かったんですか?」
天才「ああ。丁度いい時期だったしな」
隊長「死者0。不審に思って、予防線を張っておいたわけだ」
天才「ハーッハッハ! 考えすぎだバカ」
隊長「……総司令は2度蘇る。そう言ってましたが?」
天才「下らねぇ事覚えてんなぁ。ああ、確かにそう言ったよ」
隊長「あと1度、帰ってくるんですよね?」
天才「……へっ、楽しみにしときな」
隊長「ご苦労様でした、総司令殿」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:37:48.67 ID:j2Ndd/Soo<> 〜???〜
ヒュオオォォォォ…
ネクロマンサー「……魔王イブリースも、消滅しましたか」
魔剣士「……」
ネクロマンサー「いよいよ残る魔王もマーラ、ベルゼブブ……そして、サタン」
お父「……」
ネクロマンサー「さて、東ではどういう結果が待っている事やら……ククッ」
東方司令「……」
ネクロマンサー「次は貴方達も、本体で戦って貰いますか」
ウィッチ「……」
ネクロマンサー「しかし新しい施術はどうやら失敗ですか。期待していたのですが……」
フワッ
ネクロマンサー「それとも、あの男の精神が勝ったとでも言うのでしょうかねぇ……クククッ」
ヒュオオォォォォ…
ネクロマンサー「北で待っていますよ、人間の皆さん……そして、召喚士クン!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:38:27.41 ID:j2Ndd/Soo<> 〜最北端、魔王城〜
ベルゼブブ「……ほぉ、イブリースがやられたのか」
アスタロス「……はい」
ベルゼブブ「人間もなかなか、油断出来ぬものよ」
アスタロス「……」
ベルゼブブ「ここまで押し込まれたのは初めてではないか?」
アスタロス「如何にも」
ベルゼブブ「残るは居眠り中のサタンに、マーラか」
パタン
ベルゼブブ「どれ、余が手を貸してやるとするか」
アスタロス「なりませぬ、我が君」
ベルゼブブ「……あのマーラがやられるとは思わぬが、こうも好き勝手やられては、な」
アスタロス「なれば、私が」
ベルゼブブ「ほぉ……貴様自ら出るか、面白い。良かろう、手土産……期待しておるぞ」
アスタロス「御意に」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:38:58.67 ID:j2Ndd/Soo<> 西方の魔王、イブリースは消滅した。神官、マーマン、そして踊り子の命と引き換えに。
また、天才や西方司令、格闘家など負傷者も多く、改めて魔王の強さを思い知った。
この戦いにおいて、西方にはひとまずの平和が訪れた事は間違いない。
南方、西方と、その地を取り戻した人々は、次に東方の奪還を目指す。
天才の説は本当なのか。そして、魔王マーラの実力とは……。
しかし4人はまだ知らなかった。西方以上に悲しい別れが待っている事を。
そして東方における絶望への戦いが今、始まろうとしていた。
〜最東端、竜宮城〜
ヤタガラス「魔王イブリースが死んだらしいで」
夜行「……ヒヒッ、関係ないねぇ、そんな事わよぉ」
ヤタガラス「せやけどなぁぁ、次はきっと魔羅様の命を狙ってくるんちゃうか?」
夜行「魔羅様が負けると思っているのかい? むしろ……辿り着けるかねぇ……ヒヒッ」
ヤタガラス「それもそうやなっ。ハハハッ」
ゴゴゴゴゴゴ…
マーラ「…………」
〜第五十四部、完〜 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/12/05(月) 18:39:41.04 ID:j2Ndd/Soo<> 何とか終わったぁ!本日ここまで!
ご支援ありがとうございましたっ、感謝感謝!
それでは失礼致しまするー!ノシ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<>sage<>2011/12/05(月) 18:40:49.24 ID:ZGNdaQ+no<> 神速で一乙! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<>sage<>2011/12/05(月) 18:44:44.99 ID:q5Ia+AXZo<> 魔翌羅様がなんか卑猥でワロタ
>>1乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 19:40:30.08 ID:deAqoMbDO<> 20時だっつってんのにジャーナリスト耳悪すぎワロタwwwwww
いちおつ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 20:32:43.53 ID:HYWky5tDO<> マーラ様、竜宮城にいるのかよ…想像してふいたわww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 20:35:35.88 ID:v2QftzrX0<> 1乙
大量更新も乙! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 20:48:02.30 ID:94KKOxQC0<> 乙
20時が22時になってて思わず何度も見返してしまった <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 20:58:09.80 ID:j/Apdk/SO<> すんごく乙!
世界の広さと言語をRPG方式って事で済まさない>>1さんに脱帽
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/12/05(月) 21:08:28.57 ID:jn/2r0Cd0<> >>1 大量更新乙!
隊長の肩につかまったとき天才は何に気付いたんだろ…?
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 22:05:30.27 ID:Y8/yHh9DO<> とうとう隊長も死ぬか… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県)<>sage<>2011/12/05(月) 22:27:16.89 ID:PldOyMIn0<> 王子討伐完了報告数週間後とか遅過ぎワロタwww
それはそうと天才イケメン過ぎるだろ… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 22:31:36.91 ID:MKWf1U2C0<> >>415
隊長じゃなくて天才じゃね?
>>1乙! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県)<>sage<>2011/12/05(月) 22:42:56.42 ID:b6wFt31oo<> 魔王全部討伐する頃には名前付きのキャラが全員死んでそうな勢い <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 22:48:27.66 ID:LZw+RQch0<> 駄目だ、やっぱり王子のコトは好きになれん…
ってかネクロ先輩恐ろしいわー、メガテンのネビロスで再生中 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 23:01:05.38 ID:wSE1UcfIO<> >>416
ワームなどの完全討伐の報告だと自分は受け取ってるよ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 23:03:53.65 ID:/sLwNY6do<> 東方司令なぜそこにwwwwww
北方司令の間違いかな?何はともあれ>>1乙! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 23:06:48.64 ID:5i9j5aZDO<> >>417
天才が隊長に触った時になんらかの予言が出たのかもってことじゃない? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/05(月) 23:15:50.16 ID:/JEbIvn3o<> 隊長のフラグが強化フラグなのか死亡フラグなのか…ぐぬぬ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<>sage<>2011/12/06(火) 07:57:54.89 ID:51dGfdxMo<> ネクロマンサーの新しい施術ってやつで隊長は生きたまま操られるのか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/12/06(火) 08:24:59.16 ID:nnSx8MRAO<> >>1乙
王子いっきに成長したなぁ
それでも許さないが <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:29:35.05 ID:UTa3v5lpo<> とんとんからりっ……しゃんしゃんしゃんっ
サル「……かーっ! 美味いっ!」
女侍「だろぉ? これが東方の酒ってやつさね」
サル「また夜景がすんばらしいツマミだ事〜」
イヌ「お頭の故郷もいい所ね」
キジ「そうさー。東方はとってもいい所さー」
サル「お前、知ってんのか?」
キジ「おーれの故郷は東方の南の島さー」
サル「そうだったのかよ!」
女侍「アンタは華国だっけ?」
イヌ「そうね。華国もいい所ね」
サル「な〜んだよ、みんな帰る所があんのかよぉ」
キジ「サルにはないのか?」
サル「俺はねーなぁ。帰る所なんてのわよぉ〜」
女侍「……そういやアンタは、あんまり素性明かさないからねぇ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:30:07.90 ID:UTa3v5lpo<> サル「みーんなそうだろ。でなきゃー泥棒なんざやってないんじゃないのかい?」
イヌ「それもそうね」
キジ「サルは、本国生まれさ?」
サル「……まぁ、な」グビッ
女侍「ワケアリってかい?」
サル「ワケアリって程じゃーねぇよ。俺は生まれた時から泥棒なのさ」
キジ「泥棒一家って事さ?」
サル「大泥棒って聞いた事あるかい?」
イヌ「そりゃモチロンね。盗みを生業にしている輩なら伝説の男ね」
サル「そっ。俺のジーサンのジーサンがかの有名な大泥棒ってワケよ」
キジ「!?」
サル「んで俺のジーサンが、弓と剣の達人とトリオ組んでた、かの有名な三世」
女侍「大泥棒の一族であの三世の孫って事かい」
サル「そ〜いう事なのよ。分かってくれた?」
イヌ「でも、どうしてここにいるね?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:30:40.08 ID:UTa3v5lpo<> サル「あぁ?」
女侍「そんな家柄なら、アタイ達とみたいなのと一緒じゃなくてもいいだろうに」
サル「色々事情があるんだよ」
キジ「へぇ」
サル「それによ、俺はお頭達が好きで、一緒に組んでんだ!」
女侍「……ははっ! そいつはありがたいねぇ」
ピクッ
キジ「……」
イヌ「……」
サル「……」チャキッ
女侍「……誰だい?」
カラカラッ…カシャン
――「先客が居たのか。これは失礼した」
サル「何だい、脅かすなよ……っ」
女侍「あんた、忍かい?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:31:09.21 ID:UTa3v5lpo<> ザッザッザッ
影忍「……ああ。主等は賊か?」
サル「まーな。んで、こんな廃れたお寺さんに何の用だ?」
影忍「すまんな、人との待ち合わせに使いたい」
女侍「……いい寝床だったんだけどね」
イヌ「お頭、おいここを離れるね?」
女侍「仕方ないだろ? このお兄さんが使いたいって言うんだからさ」
影忍「すまん。侘びと言っては何だが、酒代くらいにはなるだろう」スッ
サル「……金かっ!」
イヌ「これだけ貰えれば上等ね。ここは譲るね」
影忍「助かる」
女侍「そんじゃ、失礼するよ」スタスタ
影忍「お主、東方の者のようだが、本国の者もいるな」
女侍「それがどうかしたかい?」
影忍「間もなくこの地は戦場と化す。離れられるなら離れたほうが良い」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:31:39.11 ID:UTa3v5lpo<>
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
〜第五十五部〜 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:32:09.15 ID:UTa3v5lpo<> …
スタスタスタ
サル「戦い……東方でか?」
キジ「さっきの男はそう言ってたさー」
イヌ「お頭、どう思うね?」
女侍「……」
サル「本国の連中がとうとう、東にも出張ってくるって事か……」
女侍「かと言って、そそくさと本国に帰られる立場じゃあないしねぇ……」
スタスタスタ
キジ「ん……っ?」
スタスタスタ
女剣士「……」
くの一「……」
スタスタスタ
サル「かーわいいじゃないの。まさか今のがニンジャの兄ちゃんが言ってた客?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:32:41.57 ID:UTa3v5lpo<> イヌ「……あれ? お頭?」
キジ「どっか行っちゃったさー」
サル「こんばんは。これからデートかい? んーふふふっ」
女剣士「……」
くの一「……」
スタスタスタ
サル「ちぇっ、見向きもしてくれなかったぜ……」
イヌ「今の武器持った子、お頭みたいだったね」
キジ「お頭の方が強そうさ。それに野蛮――」
シュタッ
女侍「何か言ったかい?」
キジ「……な、何でもないさー」
サル「ってか、どこ行ってたんだ? トイレか?」
女侍「野暮な事は聞くもんじゃないよ、ふふっ。そいじゃ行くよ」
サル「へいへい……っと」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:33:10.01 ID:UTa3v5lpo<> スタスタスタ…カラッ
女剣士「……影忍、いるか?」
スタッ
影忍「ああ」
くの一「頭領……っ」
影忍「久しぶりだな。東方へ来てからはどうだ?」
くの一「……はい、女剣士様のお陰で不自由なく」
女剣士「様はよしてくれと言っているだろう……っ」
くの一「しかし……っ」
女剣士「それで、今日は何の用だ?」
影忍「くの一を連れて行きたい所があってな」
くの一「連れて行きたい所……ですか?」
影忍「体調を見てと思ったが、これなら問題はあるまい」
女剣士「私も共に行こう」
影忍「元よりそのつもりだ。助かる」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:33:40.89 ID:UTa3v5lpo<> 〜本国、国軍本部司令室〜
秘書官「司令、大軍師様がお見えです」
天才「あいよ」
カツカツカツカツ
天才「よう、どうした? 心配で様子でも見に来たか?」
大軍師「思ったより元気そうで」
天才「ハーッハッハ! まぁ全身包帯だらけだけどな」
大軍師「しかし、宜しかったのですか?」
天才「あん?」
大軍師「先程の会見です。その……総司令を辞任さなると……」
天才「見ての通りだ。今、片付けてる最中だよ。不自由なんでな、お前も手伝え」
大軍師「……っ」
天才「次は東だ。本国からは特遊と青年兵、それに各司令部から若干の部隊を出す」
大軍師「私は北より動けませんよ?」
天才「分かってる。指揮は青年兵に託すつもりだ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:34:10.69 ID:UTa3v5lpo<> 大軍師「申し訳ありません。来たの連中、流石に静観とはいかぬようです」
天才「だろうな。ベルゼブブが直々に動くとは思えないが、兵は動かしてくるだろ」
大軍師「大半のワーカーが北に常駐しているお陰で、何とか凌ぎきれております」
天才「もうじき最強のワーカーも参戦すんぜ?」
大軍師「成程、そういう事でしたか」
天才「そういう事」
大軍師「今回の予言、死者0の違和感を不審に思い、
いざという時はご自身で責任を取れる形の布石を打っておられました」
天才「……」
大軍師「しかしその先には、北での決戦においてご自身が自由に動ける為の
布石でもあった、というわけですね。お見それ致しました」
天才「深読みしすぎだよ」
大軍師「して、今回の予言は……?」
天才「まだ聞いてねぇ。それどころじゃなかったんでな」
大軍師「左様でいしたか。それでは後ほど、私が確認しておきましょう」
天才「悪いな。ついでに青年兵と、遠征させる兵のピックアップもしといてくれ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:34:40.72 ID:UTa3v5lpo<> 大軍師「畏まりました」
天才「3日後」
大軍師「……?」
天才「俺様の辞任と同時に、作戦開始だ」
大軍師「……はい」
天才「ハーッハッハッハ! 暗い顔すんなっつーの」
大軍師「不思議なものです」
天才「あ?」
大軍師「最近はどうも、感情が緩くなってしまいましてね……」
天才「……ああ、俺様もだ」
大軍師「それでは、失礼致します」
クルッ…カツカツカツ…
天才「あ、そうそう。こいつを預かっといてくれ」ポイッ
大軍師「……仮面……ですか?」パシッ
天才「ああ。総司令はあと1度、復活する。必ずな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:35:10.24 ID:UTa3v5lpo<> 〜次の日、国軍本部受付〜
召喚士「おはようございます。あの、青年兵く……国軍副司令殿に呼ばれまして」
本国兵「お待ちしておりました。ささっ、どうぞ」
魔道士「失礼します!」
テクテクテク…コンコン
本国兵「失礼致します! 朱雀先生ご一行、ご到着なされました」
青年兵「召喚士さん、急にお呼び立てして申し訳ありません」
召喚士「お気にせず。こっちも東方での件を打ち合わせしたいと思ってたから」
戦士「んっ? あれ……?」
大軍師「どうも、西でのご活躍は北方にも届いておりますよ」
召喚士「大軍師さん!」
隊長「今回の戦いには不参加だが、司令がああなった以上、指揮権はこの2人にある」
青年兵「皆様には東方での案内役も含め、主力として戦って頂きます」
盗賊「願ってもいない話だ」
戦士「ああ。東方には思い入れもある。メインでやらせて貰うぜ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:35:44.93 ID:UTa3v5lpo<> 隊長「東方には偵察を務められる者がいるからな。特遊も戦闘特化で行かせて貰う」
青年兵「本国は主力として前線で戦うつもりです。お願い致します」
魔道士「東方の皆さんには、既に話はしてあるんですか?」
青年兵「ええ。右大臣様が交渉役となり、既に詰めております」
大軍師「後は各地からの編成ですね」
青年兵「北方司令部からは出せますか?」
大軍師「……正直な話をすれば、難しいですね」
隊長「あまり無理する必要もあるまい。北ばかりは多いに越した事はないからな」
大軍師「南方司令部の戦後処理が完了すれば、
北進してくれる手筈にはなっているのですが、早急に片付く事でもありませんからね」
戦士「と、なると……他から出すしかねぇって事か」
召喚士「でも、西方司令部もこの前の戦いで……」
青年兵「ええ。司令を始め、かなり被害が出ましたからね」
隊長「使えそうなのは西方参謀くらいのもんか」
大軍師「あとは東方司令部ですか」
青年兵「そういえば東方司令が行方不明との話を伺いましたが……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:36:14.87 ID:UTa3v5lpo<> 大軍師「まぁ、海峡方面の遊撃が仕事なので、支障はありませんが」
召喚士「無事なんですか?」
大軍師「定期報告は上がっております。まぁ、東方参謀殿は頭の痛いところでしょうが」
青年兵「東方司令部からは、東方参謀を出して頂くしかありませんね」
隊長「各部から参謀役ばかりだな」
大軍師「ふっふ……それも面白いですね。南方からも参謀に参加して頂きますか」
隊長「いいかもな。お前は不参加だし、青年兵も総指揮に回らにゃならん」
青年兵「あとは各司令部より歩兵、魔道兵、プリースト兵を選出し、
本国軍は総勢、500名程度を送り込むつもりです」
戦士「500で足りるのか?」
青年兵「メインはあくまで東方ですし、何より行軍が困難のようですからね」
盗賊「……ああ。北はこの時期……雪が凄い」
青年兵「それに土地を考えても、大軍は控えていないでしょうからね」
召喚士「確かに島国だから、南のような大軍がいる可能性は低いよね」
魔道士「なるほど〜っ」
大軍師「一先ずは以上の事を軸に、編成すると致しましょうか」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 18:36:45.04 ID:UTa3v5lpo<> …
青年兵「大方はまとまったと思います」
召喚士「うん。問題ないと思うよ」
隊長「朱雀パーティーはどうする?」
戦士「んっ?」
隊長「先に東方入りするか? こっちは3日後に出発するが……」
魔道士「どうします?」
召喚士「盗賊さんは、藤蔵へ立ち寄ったりしたいですよね?」
盗賊「……私はどちらでも」
魔道士「行きましょう!」
盗賊「……?」
戦士「そうだよな、それがいいよな!」
召喚士「俺達は先に東方で待ってます!」
青年兵「分かりました。それでは東方でお会い致しましょう」
召喚士「うん!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/06(火) 19:13:56.05 ID:JnBlc1/DO<> お、おつ? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(富山県)<>sage<>2011/12/06(火) 19:46:07.67 ID:q85u75YD0<> >>1乙
帝さまに届けこの思い <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)<>sage<>2011/12/06(火) 20:10:49.02 ID:nnSx8MRAO<> >>1乙
もういやだぁまた魔王戦で誰か死ぬんだ
無名ワーカーもっと当たって砕けてこい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/12/06(火) 20:13:32.83 ID:Z6dXgbwAO<> 盗賊は戦士のこと御館様にどんな報告するんだろ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/06(火) 21:32:58.81 ID:bT+b2gl/0<> ルパン6世か。
どんな伏線か、はたまた>>1の思いつきか、全く見当がつかん。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/06(火) 21:38:16.20 ID:hBn/uPqto<> このあいだルパンの新キャストでの新シリーズ始まったからな!
>>1おつ!東方司令いつの間に・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/06(火) 22:15:45.05 ID:/JeZzKu/o<> >>445
5世じゃね?www <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 22:16:37.43 ID:UTa3v5lpo<> 〜夜。東方のとある森〜
ザザッ…ザザザザッ
女剣士「まだ着かぬのか?」
影忍「もうすぐだ」
くの一「ここって……もしかして……」
影忍「その岩場を抜けたら到着だ」
くの一「……っ」
ザザザッ…スタッ
女剣士「ここは……?」
影忍「此処は――」
くの一「……影の……里ですっ」
女剣士「影の里?」
影忍「我ら、影の拠点であった所さ」
女剣士「あった所……?」
影忍「見ての通りよ。既に、影は滅んだ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 22:17:15.25 ID:UTa3v5lpo<> くの一「嘘だっ!」
影忍「くの一……」
くの一「影が滅んだなどと……そんなのっ!」
影忍「事実だ」
くの一「頭領っ! 私は……」
影忍「受け入れよ。受け入れる事も大切だ」
くの一「……っ」
影忍「お前も分かってはいたはずだ。こうなる運命だったという事はな」
くの一「……信じたくはなかった」ダンッ
女剣士「……っ」
影忍「これをお前に見せた理由が分かるか?」
くの一「…………」
影忍「けじめだ。もう影はこの世に存在しない。改めて分かったな?」
くの一「どうしろと言うのですっ!」
影忍「これから、藤蔵へ行く」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 22:17:52.67 ID:UTa3v5lpo<> くの一「――――っ!?」
女剣士「藤蔵って……」
くの一「藤蔵へ行き何をするというのですっ! まさか仇討ちでもするというのですかっ!」
影忍「……行けば分かる」
くの一「嫌です」
影忍「……」
くの一「藤蔵は影を見捨てた。だから影は滅んだのです!」
影忍「ああ、そうかもしれんな」
くの一「頭領っ!!」
影忍「いいから付いてこい。これは命令だ」
くの一「……っ」
影忍「藤蔵へ行けば、全てが分かるさ」
女剣士「くの一、私は行くぞ。お前も一緒に行くんだ」
くの一「……私の生まれ育った……なのに……っ」
影忍「盛者必衰。それが此度は影だったまでの事よ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 22:18:29.95 ID:UTa3v5lpo<> 〜本国、国軍本部図書室〜
大軍師「どうぞ」
召喚士「失礼します」
占い師「あら、みんなしてどうしたの?」
大軍師「間もなく、東での戦いがある事はご存知ですよね?」
占い師「……ええ。司令もやめるそうね」
大軍師「はい」
占い師「それで、予言を聞きに来たの?」
大軍師「宜しいですか?」
占い師「宜しくなくても、それが私の仕事だから」
魔道士「……っ」
占い師「いいわ。それで、誰を見ればいいのかしら?」
大軍師「盗賊さん、宜しいですか?」
盗賊「……私?」
大軍師「貴女が最も、東方に近しいですからね」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 22:19:06.41 ID:UTa3v5lpo<> 盗賊「……分かった。頼む」テクテク
占い師「じゃあ、そこに座って目を瞑って」
盗賊「……はい」スッ
占い師「それじゃ始めるわよ」
盗賊「…………」
戦士「さて、どう出るか」
占い師「…………」
盗賊「…………」
占い師「……っ!!」バッ!!
魔道士「!?」
占い師「はぁっ、はぁっ、はぁ……っ」
大軍師「どうしました?」
占い師「…………っ」
召喚士「な、何か……不吉な事でも……?」
占い師「……ご、ごめん。何でもないのっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 22:19:38.05 ID:UTa3v5lpo<> 盗賊「……」
占い師「予言は後で、伝えるわ」
魔道士「あ、あの……」
盗賊「言えぬ様な事でも……見えたのか?」
占い師「……」
盗賊「……いいよ。覚悟は出来ているから」
占い師「どんな……結果だとしても……?」
盗賊「……ああ」
占い師「……」
大軍師「だ、そうですが」
占い師「死ぬ、わ」
戦士「やっぱり誰かが犠牲になんのかよっ、くそ!」
召喚士「誰かまでは見えたんですか?」
盗賊「……」
占い師「死ぬのは……あなたよ、盗賊ちゃん……っ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/12/06(火) 22:21:06.20 ID:UTa3v5lpo<> ごめんなさい>>403の東方司令は北方司令の誤りです!
東方司令は無事です!行方不明なだけです!ほんとすみません… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/06(火) 22:22:23.30 ID:1XvkU9Ev0<> >>1乙!
次元って弓使えるんだな。。。。。胸熱。。。。。。。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/12/06(火) 22:38:42.88 ID:QbX1eLxN0<> >>1乙!
っておおおおおおおおおぉぉぉいいいいいいいいいぃぃ!!!!
盗賊ちゃんが… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/06(火) 22:40:31.85 ID:K/c3oW1IO<> 盗賊(´;ω;`) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県)<>sage<>2011/12/06(火) 22:53:19.51 ID:aVLnl7mio<> えっ
えっ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/06(火) 22:57:02.30 ID:3E8p1Y2Wo<> ちょっとフェニックスの尾集めに行ってくる <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 23:26:52.44 ID:UTa3v5lpo<> ガタッ!!
戦士「盗賊が……死ぬだとぉ!?」
大軍師「戦士殿、落ち着いて下さい」
魔道士「嘘ですよねっ、そんな事!!」
占い師「……」
召喚士「盗賊さんが……そんな……っ」
盗賊「……いいんだ」スクッ
魔道士「盗賊さん?」
盗賊「人はいつか死ぬ。遅かれ早かれ、な」
召喚士「……っ」
盗賊「盛者必衰と言ったところだろう。いや……因果応報、か」
戦士「俺は、信じねぇぞ!!」
盗賊「戦士……」
戦士「そうだろ占い師さんよぉ! 何か、手はあるんだろ!?」
占い師「…………」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 23:27:40.84 ID:UTa3v5lpo<> 戦士「何とか言えよ!!」
占い師「前にもあったわよね」
召喚士「……?」
占い師「北での戦いで、少女が死ぬ予言があったわ」
召喚士「……幼女ちゃんとお父さんの!」
占い師「あの時だって運命は変えられた。私の予言はあくまで運命の道標」
大軍師「宿命でなくば、その運命は変えられる……と仰りたいわけですね?」
占い師「司令の予言は宿命だから変える事は出来ないわ。
でも私の予言なら、強い意志を持っていれば、きっと変えられるわ」
魔道士「そうですよっ! 盗賊さんが……しっ、死ぬだなんて有り得ませんっ!」
戦士「当たり前だ。誰が信じるかってんだよ、そんなもん」
占い師「あなた達の強さなら、きっと運命を変える事が出来るわ」
召喚士「やってみせますよ、何が何でも」
戦士「もちろんだ。誰が……死なせるもんかよ」
盗賊「戦士……」
戦士「安心しろ。俺が必ず、お前を守る」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 23:28:17.27 ID:UTa3v5lpo<> …
占い師「彼らは、帰ったの?」
大軍師「ええ」
占い師「ごめんなさいね、私が……」
大軍師「貴女のせいではありませんよ。予言の結果ですから」
占い師「……」
大軍師「それに、いつかはこのような結果が出る日も来るのではと、思っておりました」
占い師「まだ若いのに、あの4人は過酷なものを背負わせてしまっているのね……」
大軍師「本当に申し訳ないと思います。ですが、彼らの強さは必要なのです」
占い師「まぁ、ね」
大軍師「それ程までにあの4人はお強い。心よりそう思います」
占い師「運命、変えられるわよね」
大軍師「無論です。しかし、変えた運命の結末が幸せなものだとは限りませんよ」
占い師「……そうね。1つの犠牲を防げば、他の犠牲が生じる事にもなるわ」
大軍師「今度の戦いも、過酷なものになってしまうのでしょうか……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 23:28:52.88 ID:UTa3v5lpo<> 〜東方、藤蔵〜
女剣士「ここが藤蔵……」
くの一「……」
影忍「どうした、行くぞ」
ザッザッザッザッ…
くの一「……っ」
影忍「くの一、お前をここへ連れてきた本当の意味を――」
ピクッ
影忍「……」
ザザザザッ…チャキッ
影忍「……流石だな」
土忍「何者かは知らんが、早急に立ち去るが良い」
風忍「中央の男、人間ではないな? さては妖か?」
土忍「その布を剥いで、顔を見せて貰おうか」
影忍「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 23:29:33.28 ID:UTa3v5lpo<> 土忍「どうした、やましい事がないのならば、出来るであろう?」
くの一「と、頭領……っ」
影忍「下がっていろ」テクテクテク
シュルッ…パサッ
影忍「これで良いか?」
土忍「……っ!!」
風忍「ば……馬鹿なっ!!」
影忍「久しぶりだな、土……風」
風忍「わ……若っ!!」
土忍「待て、本当に……本物の若……なのか?」
影忍「土よ、妻子は元気か?」
土忍「!?」
影忍「確か娘は、もう18になるのか。最後に会ったのは15年も前になるな」
土忍「――っ!!」
影忍「風、お主も少しは歌の腕を上げたか?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 23:30:30.71 ID:UTa3v5lpo<> 風忍「な、な……っ」
影忍「風の読む歌は全く風情がないからな」ザッザッザッ
風忍「そ、そんな事まで存じているとはやはり……」
土忍「わ、若なのか……っ」
ザザッ…スタッ
水忍「何を騒いでおる?」
火忍「……んっ?」
影忍「水に火か。お主らも変わらんな」
火忍「若ぁ!?」
水忍「こ、これはどういう事か……っ」
影忍「それにもう1人……」
スタッ
侍女「……っ!?」
影忍「ふっ、まるで迎えにきてくれたかのような賑わいだな」
侍女「わ……若っ!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/06(火) 23:31:07.29 ID:UTa3v5lpo<> 火忍「待てっ、若なはずがない! 若は死んだ! そして、妖の手に……」
影忍「火よ、お主は相変わらず、盗賊の尻を追い回しているのか?」
火忍「!?」
影忍「昔よく相談された事を思い出すな。盗賊の好きな物などをこっそりと――」
火忍「わっ、わーわー!!」
水忍「誑かすのは止めにして頂きましょうか」
影忍「お主の思慮深さは昔から変わらんな」
水忍「くっ」
影忍「しかし、かねてからの夢は叶ったのか?」
水忍「夢? 戯言は止めて頂こうか、偽者――」
影忍「ふむ、まだ叶ってはいないようだな」チラリ
侍女「……へっ?」
水忍「若っ! 本物の若だ!!」
侍女「本当に……若……なのねっ!?」
兄様「ああ、ただいま」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/12/06(火) 23:37:47.10 ID:UTa3v5lpo<> それでは本日ここまでにて失礼致します!
誤字で混乱を招いてしまい、ご迷惑をお掛け致しました…
それではまた明日!おやすみなさい!ノシ
〜オマケ〜
出番のないお父さんズは嘆いていた。
戦士父「めっきり出番が減った」
御館様「良いではないか。私に比べれば出番がある」
大商家「非戦闘員は辛いですよ」
白虎次男「生きてるんだからいいでしょう! 私なんか死んじゃったんですから」
大商家「はぁ、イヌですらお父さんとして大活躍なご時世に……」
白虎次男「ワーカーとしてなら活躍してますよ?」
大商家「そういう話ではないです!」
御館様「むっ!?」
戦士父「どうなさった?」
御館様「出番の臭いがする……それでは失礼」
大商家「くうぅ!! 羨ましい!! 私なんて最近、会ってすら居ないのにいぃ!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)<>sage<>2011/12/06(火) 23:39:18.05 ID:RiwhvVQUo<> 乙wwwwwwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/06(火) 23:42:31.36 ID:b6tfQjJDO<> しかしこの場合御館様にはもれなく死亡フラグが…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/07(水) 00:35:42.05 ID:IbLjDMdP0<> お父さんズかwwwわwwwいwwwそwwwすwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)<>sage<>2011/12/07(水) 00:57:56.01 ID:4mcCaB8ko<> 「死なせるもんか」なんて台詞はいたのに
他のキャラに盗賊守らせて代わり死なせるなんてかっこ悪いマネしませんよね、戦士さん <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸)<>sage<>2011/12/07(水) 01:57:47.20 ID:VBto6OWAO<> 戦士はパーティーの中でも飛び抜けてお子様な気がする… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/12/07(水) 02:04:37.54 ID:xZNFzxeX0<> いちおつ
武士道とは死ぬ事と見つけたり…
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(山梨県)<>sage<>2011/12/07(水) 02:46:52.89 ID:yQWZ03YEo<> >>472
それが戦士のいいところでもある <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<>sage<>2011/12/07(水) 06:34:55.90 ID:FhAjM5MHo<> >>472
主人公だからいいよ、それくらいで <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/07(水) 07:45:59.31 ID:/oTuEpdIO<> 盗賊はパーティ一番のお荷物だから仕方ない <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/07(水) 08:49:59.53 ID:4EDOqO9IO<> それは言わない約束よおじいさんwwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<>sage<>2011/12/07(水) 12:14:33.75 ID:t1cfAWIxo<> >>476
こんなとこで斬殺死体の石像燃やしたのは誰だ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/12/07(水) 15:25:28.74 ID:fw7nAp9AO<> 死ぬならおっぱいぐらい揉ませてください <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/07(水) 15:41:06.28 ID:FgJKEQcIO<> >>478
ごめんついやっちまった
<>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:25:43.75 ID:E6ey+zHVo<> …
風忍「お連れの方々は此方へ。部屋をご用意致しまする」
女剣士「あ、あの……」
兄様「2人は休んでおれ。今日は泊まるとしよう」
くの一「……」
兄様「くの一、お主も……」
バシッ
くの一「……っ」
火忍「こらこら、若をはたくとは何事か!」
くの一「五月蝿いっ、馬鹿!」
火忍「なん……このっ」
兄様「火、下がっておれ」
火忍「若っ」
兄様「良いから下がっておれ。くの一、少し話をしようか」
くの一「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:27:27.18 ID:E6ey+zHVo<> …
火忍「……ちっ、せっかく若も帰ってきたっていうのによ」
水忍「だからとて、深い詮索も出来まい」
火忍「何でだよ」
水忍「何かあれば、若がご自身で話して頂けるはずだ」
火忍「……くそ」
土忍「今は若君を信じるしかあるまい」
風忍「伺いたいのだが、あの女子……影の者ではないのか?」
女剣士「そのようだ」
侍女「影……!?」
風忍「やはりそうか……」
土忍「影は滅びた。よもや、生き残りがおったとはな」
水忍「しかもまだ若い。姫と年端も変わらぬ程度ではないか?」
火忍「一体なんの為に藤蔵へ連れてきたんだ?」
風忍「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:28:33.22 ID:E6ey+zHVo<> …
ザッザッザ…
兄様「……」
くの一「お聞きしたい事がございます」ピタッ
兄様「藤蔵の事か? 俺の事か?」
くの一「両方です」
兄様「私は、藤蔵の者だ」
くの一「……噂は……本当でしたか」
兄様「ああ、本当だ」
くの一「信じたくはなかった……っ。頭領があの、憎き藤蔵の者だなどと……」
兄様「俺はな、あえて藤蔵を抜け、影へとやってきたのだ」
くの一「間諜の為ですか」
兄様「それは違う。影を変えたかった、藤蔵を変えたかったのだ」
くの一「何を言うっ! 影は滅びた! それは藤蔵のせいではないかっ!」
兄様「……そうかもしれぬ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:30:50.86 ID:E6ey+zHVo<> くの一「私の全てを奪った……藤蔵が憎い」
兄様「藤蔵は今の当主になってから、大名になった事は存じておるな?」
くの一「……無論です。それで影はますます、虐げられる事になったと聞きます……っ」
兄様「だが、藤蔵は影をも救おうとしていた。本当だ」
くの一「……信じられませぬ」
兄様「15年前、俺は藤蔵を抜け、影へと移った。全ては両家の為にな」
くの一「……」
兄様「光や影などという隔たりなく、1つの血族として、今後暮らしてゆける事を目指してな」
くの一「だったら……っ」
兄様「だがな、影にも自尊はある。そう簡単にいくものではなかった」
くの一「……っ」
兄様「それでも俺は耐えたさ。耐えて、ついには副頭領にまで上りつめた」
くの一「……」
兄様「しかし影の内部は、俺の想像を遥かに超えたものであったのだ」
くの一「何です」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:31:23.61 ID:E6ey+zHVo<> 兄様「影は……妖と結託しておったのだ」
くの一「――――っ!?」
兄様「それに気付いた俺は、頭領の首を刎ね、事態を収拾させた……はずだった」
くの一「……?」
兄様「しかし影は、もう止める事は出来なかった」
くの一「……」
兄様「俺が頭領になってからというもの、それを良く思わぬ連中が、更に妖を呼び寄せ、
ついには俺の命を狙い、血で血を争う事態を招いてしまったのだ」
くの一「そ……んな……っ」
兄様「そして俺は、殺された」
くの一「――っ!!」
兄様「あとは周知の通りだ。ネクロマンサーの手によって不死の妖と化し、今に至る」
くの一「じゃあ……頭領は……」
兄様「幼い連中を逃がす事が出来たのは、不幸中の幸いであったな」
くの一「……くっ」
兄様「信じられなくばしんじなくとも良い。だが、これだけは信じて欲しい」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:31:55.27 ID:E6ey+zHVo<> くの一「…………」
兄様「藤蔵は影の事を、本当に考慮しておったのだ」
くの一「……」
兄様「同じ一族でありながら、陽の目を浴びぬ影を、どう救うかとな」
くの一「う……っく」
兄様「その為には大名となり、地盤を固める必要がどうしてもあったのだ」
くの一「頭領は何故っ、そこまで影の事を――」
兄様「藤蔵の長兄だからさ」
くの一「……え……っ?」
兄様「次期当主であったからこそ、現状すら放ってはおけなかった。それだけだ」
くの一「と、頭領が……藤蔵の次期……?」
兄様「くの一、お前は影の大切な生き残りだ」
くの一「……っ」
兄様「どうか俺の願いを聞き、一族として……藤蔵へ迎え入れさせてはくれぬか?」
くの一「――っ!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:32:30.11 ID:E6ey+zHVo<> 兄様「藤蔵にはお前を暖かく迎え入れてくれる仲間が沢山居る。だから――」
くの一「私はっ!」
兄様「……」
くの一「そんな事言われても私は、易々とは……受け入れられませぬ……っ」
兄様「何れ、時が解決してくれる」
くの一「……」
兄様「今すぐに、とは言わぬ。今後は藤蔵を頼るが良い。俺からの最後の命令だ」
くの一「……ずるいですよ、そんなの」
兄様「ああ、そうかもしれんな」
くの一「……っ」
兄様「忍とは汚いものだ。さて、戻るぞ」スタスタ
くの一「……卑怯です」
ザッザッザ…
火忍「おっ、戻ってきたぜ!」
兄様「くの一、女剣士と共に部屋へ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:33:23.26 ID:E6ey+zHVo<> くの一「……っ」
女剣士「行くぞ、くの一」
風忍「では、ご案内致しまする」
くの一「…………」
ザッザッザ
水忍「若、あの者……影だそうですね」
兄様「ああ、影の生き残りだ。本国で拾った」
土忍「如何にするおつもりで?」
兄様「藤蔵で面倒を見てやってくれ」
火忍「なっ!?」
兄様「それが藤蔵の責任であろう? 頼むぞ」
ザッザッザ
水忍「ど、どちらへ?」
兄様「父上は自室か?」
水忍「御館様と面会なさるので……!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:33:58.61 ID:E6ey+zHVo<> 土忍「なれば、お供を」
兄様「無用。侍女、お前だけ付いて参れ」
侍女「は、はいっ!」タタッ
兄様「お前達は下がってて良いぞ」
火忍「しかし……っ」
兄様「心配するな。喧嘩をしに来たわけではないのだ」
ザッザッザッザッザ
水忍「若……」
火忍「若は、一体どういうおつもりなんだ?」
土忍「さぁな。だが、考えあっての事には違いあるまい」
火忍「そりゃ……そうだけどよ」
水忍「信じるしかあるまい。妖であろうがなかろうが、若には変わりないのだ」
火忍「ちぇっ、分かったよ」
土忍「若が戻るのを待つとしよう。話はそれからだ」
水忍「……ああ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:34:40.16 ID:E6ey+zHVo<> 〜御館様の部屋〜
御館様「……どこの妖かと思えば」
兄様「襖越しであると言うのに、流石ですね父上」
御館様「察知させるお主が未熟だと言う事だ、このたわけが」
兄様「相変わらず手厳しいですな」
御館様「それで、妖に成り果ててまで、何しに来た」
兄様「間もなく、東方にて戦が起きまする」
侍女「……っ!!」
兄様「藤蔵も何卒、上様や本国にお力を……」
御館様「藤蔵が何も知らぬとでも思っておるのか?」
兄様「……」
御館様「既に手筈など整っておるわ。今か今かと待っておったぐらいだ」
兄様「……流石ですね」
御館様「何時でも構わぬ。そう伝えておけ」
兄様「残念ですが、私は誰とも組んではおりませぬ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:35:34.07 ID:E6ey+zHVo<> 御館様「……左様か」
兄様「近いうちに、本国の者らが訪ねて来る事でしょう。盗賊も」
御館様「……」
兄様「それでは、これにて」
御館様「お前はどうするつもりだ?」
兄様「妖となった今、藤蔵に留まる事も出来ませぬ」
御館様「そうだな」
侍女「……っ」
兄様「私は私で、やるべき事をやるだけです」
御館様「そうか。ご苦労であった」
兄様「……では」
侍女「若っ!」
兄様「侍女よ、くの一の事……頼んだぞ」
侍女「……っ」
兄様「彼女は孤独だ。一族として、暖かく迎え入れてやってくれ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:36:18.54 ID:E6ey+zHVo<> 侍女「若……っ」
兄様「父上、宜しいですな?」
御館様「影は藤蔵、無論だ」
兄様「良かった。これで悔いは無し」
侍女「悔いだなんて……申さないで下さい……っ」
兄様「……お前も強くなったな。そして、美しくなった」シュルシュルッ…ギュッ
侍女「……っ!」
影忍「さらばだ」シュバッ!!
侍女「若っ!!」
御館様「……」
サアアァァァァ
侍女「……っ」
御館様「行ったか」
侍女「御館様っ、若は……」
御館様「言うな。奴はもう死んだのだ。それ以上も以下も無しよ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:36:44.23 ID:E6ey+zHVo<> …
水忍「……んっ?」
テクテクテク
侍女「……」
火忍「終わったのか? 若は?」
侍女「……もう、行ったわ」
火忍「何ぃ!?」
土忍「どういう事だ? 帰ってきたのでは……?」
侍女「ううん。若はもう……居ないのよ」
水忍「どういう事だ!?」
侍女「若はもう……この世には居ないのよっ」
土忍「妖となった今、共に歩む事は無理と言う事か」
火忍「何だよそれっ!! 一言くらい言ってくれてもいいじゃねぇかよ!!」
水「やめておけ。一番辛いのは……若、本人なのだからな」
侍女「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:37:28.48 ID:E6ey+zHVo<> 〜客間〜
くの一「……」
女剣士「ふーっ、良い湯であった……ん?」テクテク
くの一「……おかえり」
女剣士「どうした? 外など眺めて」
くの一「別に。ただ、風にあたっていたいだけ」
女剣士「冷えるぞ。くの一も風呂に浸かってくるが良い」
くの一「……」
女剣士「あの男が心配か? それとも、藤蔵に留まる事が……」
スクッ
くの一「風呂へ入ってくる」
女剣士「それが良い。しっかりと暖まって、洗い流してくるが良いさ」
くの一「洗い流せるなら……流したいよ……」テクテクテク
女剣士「……くの一」
くの一「それじゃ、行ってくる」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:38:00.55 ID:E6ey+zHVo<> 〜次の日、本国の港〜
召喚士「それじゃ直行便で、東方まで行きたいと思います」
魔道士「……」
戦士「……」
盗賊「……どうした?」
召喚士「そ、そうですよ。久々の東方なんですから」
魔道士「分かってますよ……」
召喚士「戦士も……」
戦士「……ああ」スタスタスタ
魔道士「戦士さん、昨日からずっとあんな調子ですね」
召喚士「まぁ、仕方ないですけれど……」
盗賊「……」
魔道士「励ますにも、何て声をかけたらいいのか……」
盗賊「放っておけばいいさ。自分で立ち直るよ、戦士なら」
召喚士「……ええ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:38:32.25 ID:E6ey+zHVo<> ボーッ…ボーッ
戦士「……」
召喚士「ひえぇっ、寒い!」テクテクテク
戦士「召喚士」
召喚士「お酒でも、と思ったけど……甲板は冷えるねぇ」
戦士「……ああ」
召喚士「はい、戦士の分」
戦士「サンキュ」
召喚士「……いよいよだね」
戦士「……」グイッ
召喚士「戦士は、どう思う?」
戦士「ん?」
召喚士「盗賊さんの事」
戦士「…………」
召喚士「俺は、絶対に大丈夫だと思うよ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:38:59.48 ID:E6ey+zHVo<> 戦士「……」
召喚士「まぁ根拠はないけれど、盗賊さんが死ぬだなんて、絶対に想像出来ないもん」
戦士「当たり前だ」
召喚士「それに戦士が『絶対に俺が守る!』って言ってたし」
戦士「っ!?」
召喚士「ごめんごめん、冗談」
戦士「……ったく」
召喚士「本当にそうなら、天才さんが動いてるはずなんだ」
戦士「……?」
召喚士「前に天才さんは言ってた。俺らの力は五ヵ年計画には絶対に必要不可欠だって」
戦士「召喚士……」
召喚士「ここまで計画的に進めてきたあの人が、予言で出たからって何もしないわけないもん」
戦士「そうかねぇ」
召喚士「それに、東方の人達は強い人ばかりだし」
戦士「……でも、ヤマタノオロチん時は雷忍が死んだ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:39:26.88 ID:E6ey+zHVo<> 召喚士「……」
戦士「陰陽頭や老中相手の時は、武士さんが死んだんだ」
召喚士「あの時は、俺らも弱かった。でも今は違う。戦える力がある」
戦士「最悪、盗賊は前線から外そうぜ」
召喚士「それは駄目だよ」
戦士「盗賊に死ねって言うのかよ!」
召喚士「そうじゃないっ! 盗賊さんの性格からして、納得するとは思えない」
戦士「……」
召喚士「外したら逆に、単独行動をして……危険な目に遭う可能性がある」
戦士「……ちっ」グビッ
召喚士「盗賊さんは前線に配置する。だから戦士、君が守ってくれ」
戦士「……」
召喚士「一時も離れず、盗賊さんを守ってくれ」
戦士「召喚士……」
召喚士「戦いになれば、多分行き届かないだろうから……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:40:02.00 ID:E6ey+zHVo<> 戦士「……はっははは!!」
召喚士「……?」
戦士「そうだよな、守るっつったんだ。俺が守れば盗賊は死なねぇんだ」
召喚士「そうそうっ」
戦士「よし、盗賊の事は任しとけ!」
召喚士「うんっ!」
戦士「お前はしっかりと、魔道士の事……頼んだぜ!」バシッ!!
召喚士「!?」
戦士「戦いの最中でも、そんくらいは行き届くだろ?」
召喚士「そ、そんな事一言も言ってな――」
戦士「ありがとな」
召喚士「……戦士」
戦士「一番つらいのは盗賊なのに、俺がヘコんでてどーすんだって話だよな」
召喚士「うん、戦士らしくないもの」
戦士「だよなっ! んじゃ早速、盗賊の事からかってくるわ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:40:32.98 ID:E6ey+zHVo<> 〜東方、藤蔵〜
くの一「え……っ?」
侍女「若はもう、藤蔵より去ったわ」
くの一「どういう事っ!? 頭領は……」
女剣士「あの人はお前をここに託し、死地へと戻っていったのだ」
くの一「……っ」
女剣士「分かるであろう? あの人はもうアンデッドなのだ」
くの一「だからって……何なのよ……っ」
侍女「そういうわけで貴女の面倒を見るよう、若に頼まれました。侍女ですっ、宜しくね!」
くの一「……」
侍女「……ふふっ。さて、お腹空いたかしら? ご飯にしましょうか」
くの一「要らない。空いてな――」グーギュルギュルッ
女剣士「……ぷっ、ふふ!! ははははははっ!!」
侍女「さっ、ご飯にしましょ! ふふふっ」
くの一「……うぅ」アセアセッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:41:01.04 ID:E6ey+zHVo<> 〜東方、都〜
帝「はっああぁぁぁぁー!!」
バシッ…バシッ…ブンッ!!
東方司令「もっと踏み込んでっ! そうっ!」
帝「くっぬううぅぅ!!」
東方司令「競り合う時は懐へ潜り込んで下から押すようにっ!」
帝「ぬっぐぐぐ……っ!!」
東方司令「押し負けてますよ!」(はあぁ〜流れる汗! 飛び散る汗! 滴る汗!!)
帝「負けぬ……ぞぉ!!」
東方司令「もっと強く! それでははじき返されますよ!」(もっと密着してぇ〜はあんっ!)
帝「……っりゃああぁぁ!!」
東方司令「!?」
バシィッ!!…カラカランッ
帝「……はぁ、はぁ。私の負けだな」
東方司令「日に日に上達しておりますよ、上様」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:41:27.97 ID:E6ey+zHVo<> ザッザッザッザッ
名代「朝から精が出ますな」
帝「名代。おはよう」
名代「しかし、仮にも一国の主。お陰でもされた日には……」
東方司令「おいおい、ボクが望んでやっている事ではないぞ?」
帝「そうだ。私が望んで稽古して貰っておるのじゃ。文句なら私に言え」
名代「文句など言うつもりはありませぬ。しかし加減をですね……」
帝「加減などしては稽古にならぬ。行くぞ、東方司令」
東方司令「ど、どちらへ!?」
帝「風呂じゃ。背中を流せ」
東方司令「ふひぃーっ!!」ブシュッ…バタン
帝「ぬっ!? どうした? 鼻血を出して卒倒したぞ!?」
名代「稽古の打ち所が悪かったやもしれませぬな。医務室へ運びましょう」
帝「大事なければ良いがの」
名代「ご入浴後、天守までおいで下さいませ。お話が御座いまする」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:41:58.51 ID:E6ey+zHVo<> 〜本国、国軍本部〜
大軍師「ご足労、まことに感謝致します」
西方参謀「ったく、西へ東へ……人使い荒すぎんぜ……ヒック」
南方参謀「全くよ、こっちもまだ片付いてないのよぉ」
東方参謀「それで、東方での戦闘に参加せよとの事だったが?」
青年兵「皆様のお力を是非、お借りしあちのです」
天才「人手不足なのは百も承知の上だ。悪いが頼むぜ」
西方参謀「しかも明日だなんて急すぎやしねぇか?」
大軍師「これまでの戦況からして、魔王軍に悟られるのも厄介ですからね」
南方参謀「仕方ないわねぇ」
大軍師「各参謀殿にはこのまま東方へ向かって頂きます」
天才「その上で各司令部より100名ずつ、増援を送る」
青年兵「本国軍100名、本部100名を加えて計500の兵で、援軍と致します」
東方参謀「足りるのか?」
青年兵「それはぬかりなく。ですよね?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:42:28.49 ID:E6ey+zHVo<> カツカツカツカツ
エリート「東方かにおける兵力は既に5000を超えると聞きます」
南方参謀「エリ……右大臣様」
エリート「本国の兵はあくまで支援。問題はないかと」
天才「そーいう事だ」
東方参謀「ふむ」
青年兵「明日、軍船にて直に東方へ向かいます」
西方参謀「船を使うのか?」
青年兵「はい。マーラの居城は東方の北にある島と聞きますから」
大軍師「最新鋭の船を4隻ご用意致しました。それを輸送願います」
南方参謀「1人1隻ずつって事ね……」
エリート「本国の軍船は無許可で入港出来るよう、話をつけてある」
青年兵「明日、日の出と共に出港し、夜には本国の都へ入港致します」
大軍師「今日中に立案を終わらせ、手筈を整えますので」
天才「慌しいが頼むぞ。テメーらには俺様の代理を務めて貰うんだからな! ハーッハッハッハ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:42:58.92 ID:E6ey+zHVo<> 〜南方、スグリーヴァの城〜
法師「今……何と申した……?」
伝令「で、ですから……マーマン殿が戦死――」
グイッ!!
ラクシャーサ「フザケタ事ぬかしてんじゃねぇぞ!!」
伝令「お、俺は言われた事を伝えに来ただけで……っ」
ハヌマーン「やめぬか」
ラクシャーサ「……ちっ!」バッ
ハヌマーン「オーク、お主には……分かっていたのか?」
オーク「……マーマンがさ、来てくれたんだ」
法師「……っ」
オーク「オラを起こしに……っ、それで……お、お別れをきっと……」
法師「マーマン……」
ハヌマーン「マーマンは、最後までお主の身を案じておったのだろうな」
オーク「……ッ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage saga<>2011/12/07(水) 18:43:45.19 ID:E6ey+zHVo<> 全然進まなかった…ひとまずこれにて失礼します
今日もご支援ありがとうございますっ、えへへ!
それではまた!!ノシ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/07(水) 19:04:10.39 ID:zI1utmyDO<> マーマンたん…(;ω;) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/07(水) 19:35:06.12 ID:HlIHvXzD0<> トンガリ「マーマン…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(秋田県)<>sage<>2011/12/07(水) 22:41:58.80 ID:r3tqDd2A0<> やっと追いついた…
いちおつ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<><>2011/12/08(木) 01:41:57.86 ID:THrYrUgv0<> いちおつ
天才がいないと さすがに苦戦するだろうな
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県)<>sage<>2011/12/08(木) 02:27:18.48 ID:dfaG7pJ/0<> 東方司令、前のおまけの東方移動からギャグ扱いになってて流してたけど
帝に稽古つけてるってことは、女剣士の元々の目的が達成できてるわけだな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/08(木) 02:59:15.31 ID:CBRTHaTV0<> ラクシャーサ『ママーンたん、、、、何で死んじまったんだよ!』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/12/08(木) 03:17:32.03 ID:v4B7tx2AO<> >>1おつ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 09:04:03.42 ID:crN9nkJYo<> くの一「汚い流石忍者汚い」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 13:24:27.67 ID:3ns7l5WSO<> >>443短髮のことだな?
てめぇ…鬼畜やな
<>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:23:48.96 ID:JYbXvhUlo<> …
法師「オークは?」
ハヌマーン「外に行くと申していた。1人になりたいのであろう」
法師「そうですか……」
ハヌマーン「法師殿、私は……どうしたら良いのだ……」
法師「マーマンの願いは、種族の隔てなく暮らせる、そんな世の中です」
ハヌマーン「……」
法師「私達がマーマンの意思を継いで、彼の夢を叶えましょう」
ハヌマーン「その為には、この戦いに終止符を打たねばな」
法師「ええ。南も落ち着きを見せ始めています」
ハヌマーン「いつまでも傍観しているだけにはいかぬな」
法師「無益な争いは禁物ですよ?」
ハヌマーンあ「分かっておる。マーマンとスグリーヴァ様もそうであったように……」
法師「ええ」
ハヌマーン「我らも行こうではないか、北へ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:24:27.77 ID:JYbXvhUlo<> 〜東方、都〜
帝「して、わざわざ天守にて何用じゃ?」
名代「本国より開戦の旨を記した文が届きました」
帝「ほう、いよいよか」
名代「数日内には、本国の方々と軍船が到着すると書かれております」
帝「こちらもぬかりはないな? 自国が遅れるなど恥であるぞ」
名代「それはご心配なく。各地、何時でも動ける様、備えておりまする」
帝「うむ、それならば良い」
名代「本国の皆々にお会いするのも、久方振りでございますね」
帝「お主も嬉しいであろう?」
名代「ええ、召喚士殿がどれ程までにお強くなられたのか、楽しみで仕方がありませぬ」
帝「そうだな」
名代「上様はそれよりも、本国からの土産物が待ち遠しいのでは?」
帝「な、何を言うかっ! そんな事はない……ぞっ」
名代「ふふっ。まぁ到着を楽しみに致しましょう」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:24:58.69 ID:JYbXvhUlo<> 〜夜、ターミナル〜
戦士「1時間後にここを出て、そのまま東方の都に入港するみてぇだ」
魔道士「じゃあ、ターミナルで少し休憩ですね」
召喚士「今のうちに食事を済ませておきましょう」
盗賊「……ああ」
戦士「いよいよ、東方だな」
盗賊「うん」
戦士「お前の故郷だ。何としても勝とうぜ」
盗賊「……うん」
戦士「まだ北方も残ってる。絶対に……帰ってくるぞ」
盗賊「ああ、もちろんだ」
召喚士「……」
魔道士「きっと……大丈夫ですよね」
召喚士「ええ。戦士には守れって言いましたけど、最悪、どんな手を使ってでも死なせはしません」
魔道士「……?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:25:27.95 ID:JYbXvhUlo<> 〜国軍本部、司令室〜
コンコン…カチャッ
天才「……おう、何だよ」
占い師「今日で最後……でしょ?」
天才「何だ? 慰めにでも来たのか? 生憎この身体だ、相手は出来ねぇぜ」
占い師「違うわよ……っ」
天才「ハーッハッハ! 予言の事だろ? 聞いたよ、大軍師と青年兵にな」
占い師「……」
天才「んで、心配になって、改めて見に来たってとこか」
占い師「あなたさえ良ければ」
天才「このナリ見て言うんだから大したモンだよテメーは」
占い師「……ごめんなさい」
天才「まーいい。秘書官、居るんだろ?」
秘書官「はい」
天才「衛星兵と包帯の代え、用意しとけ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:26:15.45 ID:JYbXvhUlo<> …
占い師「……それで、何でバルコニーなの?」
天才「部屋ん中汚したら、次期総司令に申し訳ねぇだろ」
占い師「……っ」
天才「んじゃ頭出せ」
占い師「ん……」スッ
天才「さて、吉と出るか凶と出るか……」ピトッ
占い師「…………」
天才「…………っ」
ピキイイイイィィィィ
占い師「!?」
天才「――っ!?」バッ!!
ブシュウウゥゥゥゥ…ボタボタボタッ
占い師「っ!!」
天才「……かはっ、すっげぇ……反動……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:26:29.79 ID:JYbXvhUlo<> …
衛生兵「……全身の血管から流血してます」
天才「言わんでも分かるっての」
衛生兵「無茶しないで下さい! まだ骨もくっ付いてない箇所だって……」
天才「うるせーな。明日から無職だ。ゆっくり養生する」
衛生兵「……っ」
天才「予言の結果はお前にも見えたか?」
占い師「……全部じゃ……ないけど」
天才「伝えるも伝えないもお前に任せる。伝える内容も、相手もな」
占い師「嫌な事、押し付けるわね……っ」
天才「お前が望んで見にきた事だろ。俺様は知らねーよ」
占い師「……分かってるわよ」
天才「東方の事はともかく、朱雀の件は伝えとけ。役に立つだろ」
占い師「うん……。青年兵くんに伝言を頼んでおくわ」
天才「ああ、そうしろ。東から帰ってきた頃にゃあ……最強の召喚士が誕生だ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:27:04.09 ID:JYbXvhUlo<> 〜東方、都〜
サル「思わぬ大金が手に入って、こうして寝床も出来た」
キジ「美味い酒もたらふくあるさー!」
イヌ「しかも、宿のオーナーは美人さんね」
女将「うふっ、有難う御座います〜」
サル「そーいや、お頭はどこ行った? 風呂か?」
キジ「風呂から帰ってきて、夜風にあたるって出て行ったさ」
サル「……ふーん。久々の故郷だしな、思うところでもあんのかねぇ……」グビッ
とんとんからりっ……しゃんしゃんしゃんっ
女侍「……」スタスタスタ
――「よう姉ちゃん、1人かい? お前さん……いい匂いがするねぇ」
女侍「おやおや、アタイも捨てたもんじゃないね。声かけられるなんてさ」
――「あんたイイ女だよ。東方のもんに見えるが、東方とは違う懐かしい匂いがする。魅力的だ」
女侍「ははっ、アタイもあんたみたいな人間離れした男、嫌いじゃないよぉ?」
鬼丸「グハハッ! そりゃあいい、1杯オゴるぜ。付き合いな!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:27:40.38 ID:JYbXvhUlo<> 〜次の日、海上〜
魔道士「……ん」モゾッ
盗賊「…………」スヤスヤ
魔道士「……盗賊さんっ、起きて起きて!」
盗賊「……んーっ」
魔道士「見て下さいっ! もう見えてきましたよ!」
盗賊「……おぉ」
魔道士「東方に……到着〜っ!」
盗賊「意外と早かったな」
魔道士「でも珍しいですね」
盗賊「ん?」
魔道士「盗賊さんが熟睡だなんて」
盗賊「……疲れが出たのかな」
魔道士「普段あんまり休んでないんですから、休めるうちに休んでおいた方がいいですよ〜」
盗賊「ああ、そうだな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:27:59.49 ID:JYbXvhUlo<> 〜本国、国軍本部軍港〜
青年兵「それでは、行って参ります」
大軍師「朗報、お待ちしておりますよ」
騎士団長「本国兵と本部の連中、乗船完了したぞ」
青年兵「ありがとうございます」
隊長「2番艦は西方参謀、3番艦は南方参謀、4番艦は東方先生に任せる」
東方参謀「うむ。無事、東方で会おうぞ」
南方参謀「それじゃ3番艦、出るわよっ!」
男隊員「特遊は1番艦で待機してるぜ……ヒャハハ」
女隊員「よーし、やってやるッスよぉ!」
格闘家「……ふーっ」
カラカラカラッ
天才「傷の具合は?」
格闘家「いけます。とは言っても、主力は難しいかもしれません」
天才「まぁ無理すんな。お前らはあくまで引き立て役だからな。ハーッハッハ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:28:32.47 ID:JYbXvhUlo<> 青年兵「……では、1番艦も準備を」
天才「なぁ」
青年兵「はい」
天才「無事、生きて帰って来いよ」
青年兵「勿論です」
天才「生きて帰ったら、待ってんぞ」
青年兵「……?」
天才「大元帥の座、だよ」
青年兵「――――っ!?」
大軍師「これまでの戦果を考慮すれば、不思議ではありませんよ。ふふっ」
青年兵「……あ、ありがとう……ございますっ」
天才「占い師から予言は聞いたな?」
青年兵「……はい」
天才「宿命なんだ。ヘタに関与すんなよ? ヘタすりゃマーラを倒す宿命も失うかもしれんぞ」
青年兵「分かって……おります」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:29:00.04 ID:JYbXvhUlo<> 〜東方、港〜
戦士「到着!」
召喚士「おぉ、何だか久し振りな感じ!」
魔道士「やっぱいいですよね〜東方!」
盗賊「ああ」
召喚士「さて、まずは……宿ですね」
魔道士「もちろん、あそこですよねっ!?」
召喚士「ええ。そのつもりです」
戦士「おっしゃ! さっそく行くぞー!」
魔道士「お〜っ!」テクテクテクテク
盗賊「……」
戦士「どした?」
盗賊「都も魔物が近づかなくなり、皆が幸せそうな顔をしている」
戦士「ああ、そうだな。そしてもうすぐ、東方全部が幸せになるんだぜ」
盗賊「……ああ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:29:32.71 ID:JYbXvhUlo<> 〜女将の宿〜
ガラガラッ
召喚士「こんにちはー」
パタパタパタッ
女将「いらっしゃいまし〜」
魔道士「女将さんっ、こんにちは!」
戦士「俺らの事、覚えてます?」
女将「あらぁ〜! まぁまぁ、久し振りじゃないっ」
召喚士「すみません、またお世話になります」
女将「ようこそおいでませ。何でも、大きな戦があるらしいわねぇ」
盗賊「うん」
女将「皆様もそれでいらしたん?」
召喚士「そうなんです」
女将「若いのに大変ねぇ。さ、お役に立てるか分からないけど……ゆっくりしていってねぇ」
魔道士「お世話になりますっ。えへへ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:30:02.65 ID:JYbXvhUlo<> …
テクテクテク
戦士「やっぱいいよな。この、なんだっけ……畳?」
盗賊「うん、畳」
魔道士「草の匂いが心地良いですねぇ。えへへ〜」
ワイワイワイ
召喚士「隣にも宿泊客がいるんだね。何だか賑やかだなぁ」
戦士「ほんとだ。もしかしてワーカーだったりしてな!」
魔道士「皆さんっ! 早速、街へ繰り出しましょうよ!」
戦士「気が早いなおい」
魔道士「鬼丸さんにも挨拶しないと。会いたくないんですかぁ〜?」
戦士「……いや、行こう」
魔道士「えへへっ。それじゃ早速〜」
カラッ…テクテクテク
魔道士「……あっ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:30:29.04 ID:JYbXvhUlo<> サル「お?」
盗賊「へっ?」
キジ「ん?」
戦士「えっ?」
イヌ「む?」
召喚士「女侍さんっ!?」
女侍「おやおや、誰かと思えば……あんたらかい」
魔道士「こ、こんな所で何してるんですかぁ!?」
女侍「ナニって言われても……ここはアタイの故郷だしねぇ」
盗賊「里帰り?」
サル「本国に居ずらくなっちまって……逃げてきたってわけよっ」
女侍「サル!」
サル「……っと」
女侍「それで、あんたらこそどうしたっていうんだい?」
召喚士「実は、近々……大きな戦いがありまして……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:31:23.43 ID:JYbXvhUlo<> 女侍「へぇ〜」
戦士「知らねーのか?」
サル「知らん知らん。そりゃ怖いね、ん〜ふふふふ!」
盗賊「……」
サル「な、何だよ?」
盗賊「……別に」
女侍「それにしても、なかなか立派になったじゃあないかい」
戦士「そ、そうか――」
モミモミ
盗賊「――っ!?」
女侍「そろそろ、アタイよりデカくなるんじゃないかい? んふふっ」
盗賊「や、やめ――」
女侍「それに比べこっちは……もうちょい頑張りが必要だねぇ」
サワサワ
魔道士「ひっ、ひあぁーっ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:31:58.04 ID:JYbXvhUlo<> …
女侍「悪かったって。そうすねる事ないじゃないか」
魔道士「知りませんっ!」プンプン
戦士「なぁ、あんたらしばらく東方にいるのか?」
キジ「それは分からないさー」
イヌ「そうね。戦乱に巻き込まれたくはないね」
女侍「何かあるのかい?」
戦士「いや、なんつーか……」
女侍「ほぉ〜っ。夜伽の相手かい。まぁ金さえ貰えれば考えてやらん事もないけどねぇ」
戦士「夜伽って何だ?」
盗賊「た、たわけっ!」
戦士「……?」
女侍「冗談はおいといて、もしかして剣術の事かい?」
戦士「ん、ああ」
魔道士「剣術……ですか?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:32:33.08 ID:JYbXvhUlo<> …
女侍「なるほどねぇ〜。居合いをねぇ」
戦士「ああ。もっと精度を上げてーんだ」
女侍「……」
戦士「無理にとは言わん。出来れば……」
女侍「まぁいいよ。稽古つkてやろうじゃあないか」
サル「おいおい。どういう風の吹き回しだ?」
女侍「別に。こんなイイ男、むざむざ死なせるのも勿体無いと思ってさ」
盗賊「……」ブスッ
女侍「今日はアタイもヤボ用があるんでね。明日からなら少しみてやるよ」
戦士「本当かっ!? ありがてぇ! 助かるっ」
女侍「あははっ、そんじゃ報酬は身体で前払い……」
盗賊「……」ジーッ
女侍「冗談だよ冗談、あはははっ!」
盗賊「……はぁ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:33:22.56 ID:JYbXvhUlo<> 〜都、大橋〜
戦士「ここいらに居るはずだよな」テクテクテク
召喚士「うん。まぁ居なかったら、先に名代さんの所へ挨拶に行こうか」
魔道士「ですねっ」
盗賊「ん、あれ?」
戦士「あの大男、鬼丸くらいあるな」
魔道士「ですねぇ。大っきぃ〜」
召喚士「ていうか、あれ……鬼丸さんじゃないの!?」
戦士「おいおい、あいつがあんな顔してっか――」
スタスタスタ
鬼丸「おいおい……っ、懐かしい匂いがすると思ったら! やっぱりお前らかよっ!」
戦士「鬼丸!?」
鬼丸「おぉ! グハハッ、久し振りだなぁ!」
盗賊「あ、あの……顔が変わってる……」
鬼丸「はぁ? 俺は俺だ。変わらんだろ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:33:59.85 ID:JYbXvhUlo<> …
鬼丸「なるほどな。でけぇ戦が起きるってのか」
戦士「知らなかったのか?」
鬼丸「何も聞いてねぇぞ。最近、名代の奴も冷てぇんだよな」
召喚士「そうなんですか?」
鬼丸「ああ。戦があってもダンマリだ。教えちゃくんねー」
魔道士「鬼丸さんにはここの守りに専念して貰いたいんじゃないですか?」
鬼丸「どうなんだかなぁ」
盗賊「これ、お土産。食うか?」スッ
鬼丸「おう、ありがとよ……んむっ!? おっ、うんめぇ!!」
戦士「お前の口にも合うのか……?」
鬼丸「何だこりゃあ……初めて食ったぜ!」
魔道士「フィナンシェですっ!」
鬼丸「ふっ、ふぃ……なんだって?」
召喚士「あはははっ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 17:34:34.16 ID:JYbXvhUlo<> …
鬼丸「んじゃ、またあとでな!」
戦士「おうっ!」
スタスタスタ
魔道士「何だか、鬼丸さん……明るくなりましたよね」
戦士「そうか? 前からあんなノリだぞあいつは」
魔道士「そうですけど、何て言うか……以前と雰囲気が違うというか」
召喚士「確かにそうかもしれないですね」
盗賊「うん。魔物臭さが抜けた感じ」
戦士「……確かに、菓子なんぞ食うような奴じゃなかったもんなぁ」
魔道士「でも、良い事ですよねっ?」
召喚士「ええ。きっと人間と共に暮らして、自身も慣れてきたんでしょうね」
戦士「……おっ、見えてきたぜ。名代さんの屋敷だ」
魔道士「あっ、本当ですね!」
召喚士「名代さんとも久し振りですね。元気かなぁ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 18:08:47.04 ID:JYbXvhUlo<> 〜名代の屋敷〜
召喚士「こんにちはー」
小姓「はい、おや……これはこれは」
召喚士「ご無沙汰してます。名代さんはいらっしゃいますか?」
小姓「おりますよ。さぁ、どうぞお入り下さいませ」
魔道士「失礼しまーす!」
小姓「お迎えでございますか?」
召喚士「お迎え?」
小姓「ああ、別件でございましたか」
戦士「お迎えって何だ?」
盗賊「さぁ」
小姓「ではこちらでお待ち下さいませ。すぐに読んで参ります」スッ
魔道士「お庭が綺麗ですねぇ」
盗賊「ああ。雪が積もるとまた景色も変わるであろう?」
召喚士「本当ですね。風情がありますよ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 18:09:18.09 ID:JYbXvhUlo<> スタスタスタ…カラッ
名代「召喚士殿、お待ちしておりましたぞ」
召喚士「名代さん! お久し振りです」
名代「お噂は東方にも届いておりますよ」
召喚士「えっ!?」
名代「各地で魔王を撃破し、それはまるで破竹の勢いだとか」
召喚士「俺の事じゃないですってそれ!」
名代「いやいや、その中心には必ず、貴方達が居ると伺っておりますよ」
召喚士「……っ」
名代「それで、召喚術の事は如何です?」
召喚士「色々と進展もありました。ようやく、全てが見えようとしています」
名代「そうですか、それは良かった。ずっときになっていたものですから」
召喚士「すみません、ご心配を……」
名代「いえいえ。では食事など交えて、是非にもお聞かせ頂けませぬか?」
召喚士「はいっ、喜んで!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 18:09:49.34 ID:JYbXvhUlo<> …
魔道士「おぉーっ」
戦士「おー」
小姓「足りねば気軽にお申し付け下さいませ。すぐにお持ち致します」
名代「そうだ小姓、彼女も呼んで参れ」
小姓「はっ」
戦士「彼女? 誰だ?」
名代「先日からこの屋敷で世話をさせて頂いておりましてね」
盗賊「客人か?」
名代「はい。本国の方ですよ。確か名は――」
カラッ
召喚士「……あっ」
東方司令「朱雀?」
戦士「な、何で東方司令部の司令がこんな所にいるんだよ……っ」
東方司令「…ふ、ふっふ。ボクはマーラ戦に備えて、東方の下調べをしていたのさ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 18:10:38.59 ID:JYbXvhUlo<> …
名代「成程。召喚獣も妖も、同じ生物である……と」
召喚士「はい。人間も含め、住む世界は違えど、共通した何かがあると思うんです」
盗賊「……もぐもぐ」
召喚士「それに、かつて召喚獣であった者が、魔物になった例も……ありました」
東方司令「……ふぅん。もぐもぐ」
召喚士「俺の父も、人間から召喚獣になったり、とにかく繋がりはあるんです」
名代「すると式神も召喚獣と……いや、妖とですらつながりがあると思えますね」
戦士「……もぐもぐ」
召喚士「ええ。もしその謎さえ解ければ、召喚術の五行も……」
名代「召喚士殿にも式神を使役する力が、身に付けられる」
召喚士「そういう事になります」
魔道士「……待って下さい。じゃあ、鬼丸さんも……?」
召喚士「理論上はそういう事に……」
戦士「あ、そうそう。鬼丸の事で名代さんに聞きたかったんだ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/08(木) 18:11:23.88 ID:JYbXvhUlo<> 名代「何でしょうか?」
戦士「あいつ、なんか以前と様子が違うように思えたんだが……」
名代「そうでしょう?」
戦士「えっ?」
名代「鬼丸はね、人と共に歩む事で、自身も人へ近づいておるのですよ」
魔道士「へ……っ!?」
名代「もう久しく、人間や魔物など食してはおりません」
召喚士「じ……じゃあ……」
名代「人間と同じく、穀物や野菜を食し、ヒビを過ごしておりまする」
盗賊「何と……っ」
名代「それだけではありません。殺生も今は全くしておりませんよ」
召喚士「そうか……っ、名代さんが鬼丸さんを戦いに参加させない意味は……」
名代「ええ。鬼丸の変化を考慮し、いかなる殺生にも触れさせぬようにしております」
戦士「そういう事だったのか……っ」
名代「あやつも変わったでしょう? 表情などまるで、人と変わりないのですから」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/08(木) 18:17:11.97 ID:JYbXvhUlo<> ひえー風邪引いた…ペース落ちてすみませんです…
ひとまず退散…ご支援ありがとうです!みんなも風邪には気を付けてね!
それではまた!ノシ
>>509
うひょー!いらっしゃいませ&ありがとうございますー!ノシ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 18:22:33.15 ID:HuxPtw7r0<> >>1乙
風邪にはきをつけるんだー <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 18:37:48.19 ID:/7UdQE2DO<> >>1乙
お大事に! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 18:37:58.46 ID:mUXi0m6DO<> おっつんぽ! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 19:20:23.80 ID:k84dOITo0<> 1乙
お大事にね
召喚獣と魔物と式神の関係とかわくわくするな! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 19:47:06.96 ID:AX+lmmpao<> ペースがペニスに見えちまった <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 21:03:16.78 ID:cTCHdWZDO<> いちおつ!
このペースで謝ってたりしたら俺なんか切腹ものだよ…ww <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 21:14:18.16 ID:k/v6NqFm0<> 7×から追って来たが…
ここの>>1の精神力ってどうなってんだ?
変態か?
これからも頑張れー <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 21:27:19.61 ID:BZOqdDd40<> いちおつ!
>>509だが返事くれるとはおもっとらんかったww感謝
お大事に <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 22:08:44.77 ID:EZLbC7Gy0<> >>1おつんつん
俺が一緒に寝てやればきっと治rうわなにするんだやm <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/08(木) 22:39:18.80 ID:U8ZmtM+W0<> >>1 おつ
お大事に
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 22:47:41.51 ID:iLW0Mz/no<> 女侍一行が本国にいられない理由ってなんかあったっけ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 22:52:48.25 ID:6cxmtjoko<> >>552
東方司令部だか最北村だかで盗みして、大軍師が免罪符だすぜ!っていったけど
うけとれねーぜーヒャッハーって逃げたんじゃなかったっけ? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/08(木) 23:07:37.63 ID:iLW0Mz/no<> >>553
ありがとう
読み返してきた <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 00:14:47.10 ID:/Cx8UUtTo<> >>497
>出来ないもん
あれ?
召喚士がかわいい……? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 08:06:18.51 ID:ovFavslAO<> >>1乙
相変わらず名代とかとは白熱するなこのモブは <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 08:15:46.26 ID:TOvkEct1o<> 西の神官、東の名代
…ウッ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 14:09:33.11 ID:yhGBhrkSO<> 第36部より
嫌な予感がする(´;ω;`)…
432 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/14(月) 17:23:58.19 ID:6p13LX+Do
…
紅孩児『……ちっ!』
戦士『悪いな!』
…
鬼丸『これが俺の……役目だろ』
戦士『お前……』
…
火忍『……おい』
戦士『……何だよ』
…
戦士父『……!?』
戦士『これで……』
…
盗賊『……戦士、私は――』
…
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 14:55:00.06 ID:CMisRa9To<> 占い師に触られた時のイメージだね <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/09(金) 16:59:24.41 ID:fGxCAZsIO<> >>558
死ね <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 17:44:54.48 ID:u8TPGzLDO<> >>568
この頃の伏線回収とかすごいね
10ヶ月経っているわけだし
すっかり回収したもんだと思ってたけど覚えてるほうもすごいわ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 17:50:06.10 ID:nG4Kb2OLo<> …
名代「つまり、かつては世界が繋がっており、召喚術と陰陽道も同様である、と?」
召喚士「はい。龍脈の影響や土地柄で、多少の違いは生じますが」
名代「成程……」チャッチャッチャッチャッ
召喚士「西方には西方独自の召喚獣が居ますし、地域によって違いが生じる事は分かってます」
名代「問題は、それをどう会得するか……」
コトッ
名代「どうぞ」
召喚士「あ、いただきます」
盗賊「……」コクッコクッ
魔道士「苦い。けど、美味しい」
盗賊「結構なお手前で」
名代「有難うございます。それで、何か手掛かりはあるのですか?」
召喚士「それがさっぱり……」
名代「うぅむ……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 17:50:38.74 ID:nG4Kb2OLo<> 召喚士「宜しければ、名代さんの式神をまた、見せて頂く事は出来ますか?」
名代「それは勿論です。喜んで」
召喚士「ありがとうございます」
名代「では明日、改めてに致しましょう」
戦士「丁度いいんじゃねぇか? 俺も女侍に剣術の指導をして貰う予定だし」
召喚士「そうだね」
名代「この後はひとまず、城へ向かいましょう」
召喚士「助かります」
東方司令「なぁ、本国の連中はいつ来るのだ?」
召喚士「今日には出発しているはずなので、夜には着くと思いますよ」
東方司令「指揮官は?」
召喚士「確か、青年兵くんかと思いますけど」
東方司令「良かった」
戦士「良かったってどういう意味だ?」
東方司令「い、いや……別に」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 17:51:07.90 ID:nG4Kb2OLo<> 〜帝の城〜
門番壱「……んっ、あぁ!?」
門番弐「藤蔵の姫様ご一行!!」
名代「これ、早く開けぬか」
門番弐「失礼致しましたっ!」ササッ
盗賊「どうも……」
名代「さ、参りましょう」
魔道士「久々でなんだか、ドキドキしてきちゃった……」
戦士「久々たって、何年も会ってないわけじゃないrだろ」
魔道士「それはそうですけど〜」
名代「上様もさぞかしお喜びになる事でしょう」
スタスタスタ
家老「名代殿、客人かね?」
召喚士「こんにちは」
家老「おぉっ! そなたらは……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 17:51:34.71 ID:nG4Kb2OLo<> 〜大広間〜
家老「では上様が来るまで、しばしお待ち下され」
盗賊「ありがとうございまする」
名代「楽になさって下され」
戦士「そんじゃお言葉に甘えて」
魔道士「戦士さんっ」
名代「構いませぬ。上様も堅苦しい事は嫌だと、常々申しております故」
バタバタバタッ…ススス
家老「ご、ごほん……っ。上様のおなーりー!」
シズシズシズ…スッ
帝「皆の者、よう来たな」
名代「上様、城内は走るなと申しておるでしょう?」
帝「走ってなどおらぬぞ」
名代「慌しい足音がここまで響いておりましたぞ、全く」
帝「う……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 17:52:01.07 ID:nG4Kb2OLo<> …
盗賊「御久しゅう御座りまする。上様もお変わりなく、何よりに御座いまする」
帝「うむ。堅苦しい挨拶は抜きじゃ。楽にしてくれ」
魔道士「上様っ、これ……本国のお土産です!」
帝「おぉっ!」ゴクリ
名代「後で頂くと致しましょうか」
帝「そ、そうだな」
魔道士「それにしても上様……」
帝「何じゃ?」
魔道士「なんだか、大人っぽくなられましたね」
帝「そうか? あまり気にした事はないがの」
盗賊「背も伸びたように見えまするぞ」
帝「確かに、それはあるな」スクッ
戦士「盗賊と魔道士よりでかいな……」
魔道士「……うっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 17:52:42.52 ID:nG4Kb2OLo<> ポヨンポヨン
魔道士「か、身体つきも大人っぽく……」
帝「女子である事を隠す必要もなくなったからな。それにもう、年も15じゃ」
魔道士「15で……15……」
召喚士「そ、それよりもっ、上様も魔王討伐戦のお話は聞かれてますよね?」
帝「無論じゃ。東方の首尾は全て、名代へ任せてあるがの」
名代「我らもこの刻を待っておりました」
召喚士「ええ……」
帝「南や西では、被害も多く出たと聞く。ここ東方では被害が出ぬよう、務めたいものじゃな」
戦士「……もちろんすよ。防いでみせます、絶対に」
盗賊「……」
名代「明日には本国の皆様方が到着なさるようです。戦の話はそれからと致しましょう」
帝「うむ、心得た」
名代「今宵は会食と言う事で宜しいですかな?」
帝「それが良い。是非そうしようではないか」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 17:53:15.57 ID:nG4Kb2OLo<> 召喚士「何だか、すみません……」
帝「その代わり、是非とも皆の話を聞かせてくれ」
魔道士「喜んでっ!」
名代「明日の面会も夜からで宜しいですかな?」
帝「何かあるのか?」
名代「召喚士殿と私は、召喚術と陰陽道の件で少し……」
戦士「俺もちょっと、別件で」
帝「ふむ、それならば仕方ない」
名代「上様は夜まで城にて待機なさっていて下さい」
帝「つまらんのう」
盗賊「それでしたら上様、私達と共におりませぬか?」
帝「ほう、良いのか?」
魔道士「もpちろんですっ! 上様さえ宜しければ、私達こそ大歓迎ですよっ!」
帝「……だそうだが」
名代「構いませんよ。気を遣って頂きありがとうございます」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 17:53:44.91 ID:nG4Kb2OLo<> …
名代「私は政務があります故、これにて失礼を。ではまた、夜に」
帝「とは申しても、夜までまだ時間もあるからなぁ」
家老「それまではご自由になされれば良い。城内も案内致しまするぞ?」
盗賊「それならば、私は少し関を外させて頂きまする」
戦士「どっか行くのか?」
盗賊「ああ、西門へ」
召喚士「西門って……」
名代「藤蔵の詰所がある場所です。案内を付けまするか?」
盗賊「いえ結構。自分で行けますので」
帝「では我々は、茶にでもしようか。折角、頂戴した洋菓子だ。早めに頂くとしよう」
魔道士「そうしましょうっ!」
盗賊「……」
魔道士「大丈夫ですよ! 盗賊さんの分はちゃーんと取っておきますからっ」
盗賊「……行ってくる!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 17:54:16.04 ID:nG4Kb2OLo<> 〜西門〜
火忍「……」ボーッ
盗賊「何をぼけっとしている」ヒョコッ
火忍「姫か。水の返送か幻術か……」
盗賊「たわけ」
火忍「はたまた……本物ぉ!?」
ガバッ!!
火忍「姫っ!!」
盗賊「何だ、もっと驚くかと思ったんだがな」
火忍「いえ、来る事は分かっておりましたから」
盗賊「藤蔵の耳にも入っておったか」
火忍「先日、若……」
盗賊「……?」
火忍「……いえ、何でもないです」
盗賊「もう交代か?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 17:54:44.92 ID:nG4Kb2OLo<> 火忍「明日の昼までっす。何かご用でもありましたか?」
盗賊「いや、ちょうど時間が空いてたのでな」
火忍「――!? 姫っ、姫っ! 明日っ、明日なら空いてます!」
盗賊「すまんな。明日は上様と約束事があるのだ」
火忍「――っ!!」
盗賊「任務中にすまぬ、邪魔したな」スッ
火忍「姫ええぇぇ!!」
盗賊「戦には出るのであろう?」
火忍「え、あ……そりゃあもちろん……」
盗賊「藤蔵にも立ち寄るさ。また……その時に、な」
火忍「……姫」
盗賊「それじゃ、頑張って」スタスタスタ
火忍「ついてねぇ……なんてついてねぇんだ俺はよぉ」
ピクッ
火忍「……待てよ? また、な……って! 俺にもまだ希望の光が残っていたぁ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 18:30:51.40 ID:nG4Kb2OLo<> 〜夜〜
とんとんからりっ……しゃんしゃんしゃんっ
魔道士「夜はほんと……綺麗ですねぇ。あっ、お昼ももちろん綺麗ですけど!」
戦士「東方独特の音楽に賑わい。それにほんのり灯る明かりがまたいいよな」
召喚士「ねっ。こんなお城の上からだと余計に綺麗だね」
テクテクテク
家老「ささっ、皆様方お待たせ致しました」
戦士「おぉっ、待ってました!」
家老「上様、早うこちらへおいでなされ」
チラッ
帝「変……じゃない?」ススッ
盗賊「着物……っ!?」
召喚士「……っ」
戦士「……」
魔道士「き、綺麗……というか、美しすぎる……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 18:31:21.63 ID:nG4Kb2OLo<> 帝「た、たまにはな――」
家老「馬子にも衣装ですな!」
スタスタスタ
名代「おや上様、どうなされました? そのような格好をして、何か心境の変化ですかな?」
帝「……もういい」ブスー
家老「わははっ、冗談で御座いますよ。とてもお美しゅう御座います」
名代「ええ。立派に育ち、亡き先代もさぞお喜びの事でしょう」
家老「……ううっ、やめぬか名代。先代の話は出すでない……ぐすっ」
帝「……全く、からかうのも程々にせぬか」
テクテクテク
東方司令「ぶふっ!!」ボタボタボタッ
魔道士「東方司令さんっ!?」
東方司令「こ……れは……致死っ」バタンッ
戦士「すっごい勢いで鼻血出してぶっ倒れたけど、大丈夫か?」
召喚士「シービショップ……出そっか」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/09(金) 18:32:02.83 ID:nG4Kb2OLo<> …
魔道士「いただきまーす!」
戦士「これは何だ?」
盗賊「……ふむ、鮟鱇鍋だな」
戦士「アンコウ?」
召喚士「美味しい!なんだかお酒に合いそうな味……」
戦士「それを早く言え。どれ……美味いっ!!」バクバクッ
家老「ほれっ、酒もたーんと用意してあるぞ」トクトクトク
戦士「おぉっ、これはこれはかたじけない!」ゴクッゴクッ
東方司令「……うーん」
帝「大丈夫か?」ヒョコッ
東方司令「――――っ!!」バタン!!
帝「……また倒れてしまった」
戦士「もういいから放っておこうぜ」
召喚士「は、はは……っ」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/09(金) 18:37:57.18 ID:nG4Kb2OLo<> 鼻水が止まらないいぃぃ…
それではひとまずこれにて失礼します!
>>548
変態……です
>>558
よく引っ張ってきましたね!お見事です!
本人も忘れるところでした…
ご心配&ご支援ありがとうです!それでは!ノシ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 18:39:00.21 ID:0wC4LOQAO<> 帝さんと結婚したいです… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 18:49:38.54 ID:Umq5FSpDO<> 背が伸びて もう15か
こりゃ帝いらねーな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 19:12:24.89 ID:kb7xmp3D0<> >>1おつ!
>>577まじ帝さまに無礼な言葉つかってんじゃないわよ! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 19:16:56.23 ID:SxBJCcy3o<> >>577
申し訳ないがロリコンはNG <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 20:00:22.36 ID:XkSodV/DO<> >>1乙っす
そろそろ例のなぞのランキングも更新時だな…… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 21:48:22.58 ID:iC7bRsIKo<> >>1乙巨New!! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/09(金) 22:13:11.10 ID:13GnOaEI0<> >>1乙!
鼻水が止まらないを鼻血が止まらないと呼んでしまったorz
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/09(金) 23:37:51.89 ID:415HGh1wo<> / ̄ヽ、
/ あ l /\
ハ| あ |/ ヽ
. / | | ヽ /|
| そ | |/ |
| う | |
ヽ : | |
\ ∧ /\ ∧ /__
∨ ヽ、/ ヽ/ | /
∧/ ̄ ̄  ̄ ̄`| /
/ヽ| ≡≡ / ≡≡ |-、/
〈(^l.| | |^/
ヽ '゛ 〉 レ'
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ヽ| \ /
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 ̄丶、:__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_/ `'ー-、_
 ̄ ̄ ̄ `'ー-、_
●
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 01:20:05.85 ID:SVc3GtWAO<> >>1おつ
どこで読んだかは忘れたが、とりあえず伏線になりそうなのを放り込んで後で回収するみたいな書き方をする作者もいるみたいだけど>>1はそのやり方なのかな?それとも計算してやってたらすごいんだが <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/10(土) 02:17:46.65 ID:ECCndTdC0<> いちおつ
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 11:27:14.18 ID:adQkHiGko<> アンチのいないスレ
信者だけのスレ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 14:26:49.65 ID:074lUiIAO<> >>586そうでもなければ二年も続かないだろ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 14:29:26.39 ID:a6jijWA8o<> アンチいるけど>>1が辛抱強いからすぐ去っていくんでしょ
そんなことも分からないのか <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 14:39:49.54 ID:h9pJvueJo<> 俺が…俺たちがアンチだ! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 14:41:37.91 ID:zXnRTFLTo<> アンチ!
セックsしよ! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 14:47:55.33 ID:MWWas2j5o<> アンチおちつけwwwwww <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 14:48:48.10 ID:UPhToFCBo<> SSは好きだけど信者が気持ち悪いから>>1のトリップ以外NGにしてたけどな
でも>>1がトリップ忘れたら飛んじゃうから解除してしまった <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 14:51:01.17 ID:074lUiIAO<> >>588アンチが去る→愛読者が残る
そんなことも分からないのか(キリッ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 14:53:31.73 ID:a6jijWA8o<> きも
さすがに信者の民度は低いわな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 15:38:32.11 ID:Rq0vc49Eo<> >>594
2年も追い続けてるアンチの方がキモいですぅ〜 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 15:43:30.49 ID:2wNP/GW1o<> 現在、このスレでスルー検定5級の試験を実施しています <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 15:56:40.65 ID:EsDJ50VDo<> 醜い嫉妬だなぁ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 16:00:07.51 ID:tCtnBSgW0<> 俺の中で帝のランクが3上がった <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 16:46:23.82 ID:5qPyUpbDO<> >>1乙
頼むからスルーしてくれ
ここまで続いてみっともない
あっちでやれよ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 17:00:09.38 ID:L4juNQAEo<> スルースキルのなさも一級品だな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 18:07:39.06 ID:pvsZFkaAO<> 帝が出てきてみんなテンションが上がってんなwww
東方って忍以外に特に戦力になりそうなやついないから心配だわ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 18:45:23.52 ID:x7Pn0qtDO<> 後は名代に鬼丸に棒術の僧侶たちくらいか確かに少ないかな? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 19:42:52.25 ID:074lUiIAO<> 東方には俺の嫁の帝たんがいるから魔王とか秒殺だろjk <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 20:59:54.71 ID:bierjkCAO<> >>1乙
占い師の予知は覚えてるぞ!
紅ガイジが助っ人に来るのか楽しみだなぁ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 21:38:05.15 ID:X1SCuvlX0<> いい加減向こう行けよクズ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/10(土) 22:14:20.14 ID:UPhToFCBo<> (´・ω・`)・ω・`) キャーコワイ
/ つ⊂ \
<>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/10(土) 23:58:24.38 ID:whfbkKKVo<> 〜都の港〜
ドドオオォォォォ
足軽「梯子を船に!」ダダッ!!
ザッザッザッ…ザッ
南方参謀「ここが東方ね……」
西方参謀「ああ。久々の香りだ。美味い酒の香りだ……ヒック」
東方参謀「ふん」
青年兵「……」
旗本「本国の皆様方ですな? お待ち致しておりました」
青年兵「あなたは?」
旗本「これは失礼致しました。旗本と申します。上様の側近で御座います」
青年兵「そうでしたか。本国国軍本部副司令官、青年兵と申します」
旗本「上様が城にてお待ちで御座います。早速、ご案内致しましょう」
青年兵「宜しくお願い致します」
旗本「では、参りましょう」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/10(土) 23:58:52.67 ID:whfbkKKVo<> …
ザッザッザ
南方参謀「ふーん。なかなかイイ感じじゃない」
西方参謀「お……あの宿は……」
東方参謀「どうした?」
西方参謀「いんや、今は任務に集中集中っと……ヒック」グビッ
旗本「以前お越しになられた事が?」
西方参謀「ええ、まぁね」
旗本「青年兵殿もで御座いますか?」
青年兵「いえ、我らは初めて訪れます」
旗本「そうでしたか。本国と違い、何かと不便とは思いますが……」
青年兵「そんな事は……」
旗本「いえいえ。某も本国へは幾度か訪れた事が御座いまするが、あまりの違いに驚きました」
青年兵「本国へですか? 使者か何かで……?」
旗本「いえ、上様のお使いで御座いまする」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/10(土) 23:59:32.07 ID:whfbkKKVo<> …
とんとんからりっ……しゃんしゃんしゃんっ
旗本「あの大橋を越えた建物が、上様の城に御座いまする」
東方参謀「あれが噂に名高き、東方の城か」
南方参謀「本国のものとは形状が違うけれど、なかなか強固な造りね」
青年兵「……?」
旗本「どうなさいました?」
青年兵「いえ、何か……見られているような気配がしまして」
旗本「本国の武人が珍しいのかもしれませんね」
青年兵「なるほど……」
スタスタスタ…
鬼丸「行ったぞ、もう出てきていいぜ」
女侍「助かったよ」
鬼丸「あんたワケありかい。ますますイイ女じゃねぇか」
女侍「ははっ、まぁね。さぁて、酒の続きといこうかねぇ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/10(土) 23:59:57.82 ID:whfbkKKVo<> 〜帝の城〜
酔っ払い「……うぃ〜っと」フラフラ
門番壱「ここは上様の城ぞ。不用意に近づくでない」
酔っ払い「上様ぁ? ヒヒッ、さぞかしお美しい上様だ。下様もお綺麗なんだろうなぁ〜ひっく」
門番弐「この酔っ払いめが! 向こうへ行け!」
酔っ払い「へいへい〜っと。しっかしアンタら、いっつもいっつもいるねぇ〜」
門番壱「それが仕事だ」
酔っ払い「交代しね〜のか? 毎日毎日、門番やってんじゃねぇか」
門番弐「それが……約束だからな」
酔っ払い「約束〜?」
門番壱「そうだ。我らはかの名高き、武士様に――」
ザッザッザッ
旗本「何を騒いでおる。早く道を開けぬかっ」
門番壱「こ、これは旗本様!」
酔っ払い「いぃっ!?」ソソクサッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/11(日) 00:00:27.64 ID:y7YNHHcSo<> 門番弐「あ、あの……後ろにいらっしゃる方々はもしや……」
青年兵「どうも。本国から参りました」
旗本「これより上様へ面会致す。早よう通せ」
門番壱「しっ、失礼致しました!」ササッ
旗本「それでは参りましょう」
東方参謀「うむ」
ザッザッザッザッザ…
火忍「ん……? あれが本国の連中か?」
ザッザッザッ…ピタッ
青年兵「……?」
南方参謀「どうしたの?」
青年兵「いえっ、今……屋根の上に人がいませんでしたか?」
西方参謀「そんなわけあるかよ、がははっ! ほれ、行くぞ……ヒック」
青年兵「いや……っ、でも……って待って下さいよ!」
火忍「……ふぅん、見かけによらず……やるじゃんか」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/11(日) 00:00:57.12 ID:y7YNHHcSo<> …
家老「いやはや、良い飲みっぷりではないかっ!」
戦士「おうっ! まだまだいけるぜ!」
魔道士「もう、戦士さん……」
帝「良いではないか、戦の前の宴じゃ。それに誘ったのはうちの老中のようだしな」
家老「わははははっ!」
老中「……」
カラッ
奥女中「失礼致します。家老様、旗本様がお戻りで……」
家老「わはははははっ!」
旗本「ご家老! 本国からのお客人を連れて参りましたぞ!」
家老「わははは――んっ?」
名代「早速、通せ。丁度良いではないか」
奥女中「畏まりました。それでは、お通し致しまする」
召喚士「本国……って、もしかして!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/11(日) 00:01:28.96 ID:y7YNHHcSo<> …
奥女中「どうぞ、こちらで御座います」
青年兵「失礼致します」ススッ
魔道士「青年兵さんっ!」
召喚士「やっぱり! それに皆さんも!」
南方参謀「召喚士くん……!?」
西方参謀「いやはや、ご無沙汰しとります」
東方参謀「本国より助太刀に参った。しばし、世話になりますぞ」
帝「初めてお目にかかる。東方を収めておる、帝……と申す」
名代「同じく上様の補佐を務めております、名代と申します」
帝「そなたとは以前、一度会っておるな」
西方参謀「覚えていて頂き、光栄に御座いまする」
南方参謀「は、初めてこんな真面目な顔……見たわ……っ」
名代「皆様も交えて食事の再開と致しましょう」
青年兵「えっ? あ、あの……ありがとうございます」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/11(日) 00:02:00.33 ID:y7YNHHcSo<> …
帝「それでは本国と東方、両国の無事を祈り、乾杯とする」
盗賊「乾杯」
名代「さ、どうぞ」トクトクッ
青年兵「あえりがとうございます」
名代「宴の席で申し訳ありませんが、早速今回の戦についてお聞かせ願いたいのですが」
青年兵「もちろんです。私達はその為に来たのですから」
西方参謀「まずは東方の現状を伺わせて頂きたいのですがね」
名代「畏まりました。旗本殿、そこの地図をこちらに掛けては貰えぬか」
旗本「ふむ。承知仕った」スクッ
召喚士「これは東方の地図ですか?」
名代「そうです。まずこの赤印がここ、都に御座いまする」
東方参謀「ふむ」
名代「更にはここが対、魔王の拠点となる北の城」
戦士「……ああ、あの城だよな……武士さんの眠る」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/11(日) 00:02:29.53 ID:y7YNHHcSo<> 名代「左様。そしてこちらが先日制圧した東の城です」
南方参謀「そちらには何があるんですか?」
名代「城としての昨日は特に現在はありません」
東方参謀「つまり、別の目的が?」
名代「軍港です」
青年兵「なるほどっ! 本国の軍船をそちらに移し、そこから出航すると」
名代「その通りです。東方統一した今、東側の海路も使用可能となりましたから」
戦士「そういう事か」
召喚士「でも、北の城だって使うわけですよね……?」
名代「左様。陸路と海路、二手に分かれて進軍致します」
青年兵「それは魔王軍の目を欺く為ですか?」
名代「それもありますが、確率論の問題でしょうか」
召喚士「え……っ?」
名代「無事に辿り着けるとは限りませんから。最北んへの航海はそれだけ危険なものですから」
召喚士「……っ」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 00:40:21.99 ID:ziAdUMdSO<> >>1は変態的天才だからな
おまえらの忘れてる伏線を散りばめてるぞ
俺が最近気になってるのは…
オーク …オルクス…
の辺りかな(´・ω・`)
ただのオークがヴァーリンや眷族とやり合えるはずがないし <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 01:09:47.50 ID:hW8d0zVDO<> >>1乙っす <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 01:15:31.32 ID:XxU+OAUe0<> >>1乙!
>>616
オークって実は、、、、、、、おっと誰か来たようだ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/11(日) 01:54:43.04 ID:qm1ko2l/0<> いちおつ
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/11(日) 02:29:38.73 ID:NAlgVLnSO<> >>1おつ
雑談はむこうのスレでしようよ
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 03:01:27.83 ID:4cplYK0AO<> >>1乙
フラグリストとかメモ帳に作ってたりするのかな
雑談雑談うるさい奴らは毎回毎回誘導先貼るなり根気よく活動しなよ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 09:28:06.62 ID:xGa8FXrg0<> とんとんからりしゃんしゃんしゃんって何の音? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 09:56:15.78 ID:nry/WIpTo<> だからあっちで聞け <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 17:54:40.60 ID:gt+LUb0DO<> 誘導
◆雑談スレ(オマケみたいなSSがあったりするとかしないとか)
ex14.vip2ch.com
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 17:55:00.64 ID:mhsjowjBo<> テンプレにあるんだけどね <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 18:42:01.12 ID:qNNk/oPD0<> ほんとだwwww
スマン
あっちで雑談するわ
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 18:47:51.93 ID:gKse4lNDO<> いちおつ!
体調には気をつけてください… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 19:21:21.25 ID:Ra6j4zr3o<> あっちのスレがテンプレに雑談スレとして入ってるけど
もう本スレじゃ雑談しちゃいけないような堅いスレになったの?
そうなら残念だけどここでさよならだ
今まで楽しませてくれてありがとう <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/11(日) 19:22:29.98 ID:A6ztaH2xo<> 黙って消えろや <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/11(日) 19:24:49.93 ID:WREbTvrXo<> なんかクソワロタ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 00:00:44.19 ID:TfsJe7Weo<> 盗賊「つまり、北の城からの陸路と……」
戦士「東からの海路に分かれるわけだな」
名代「左様」
青年兵「内訳はお決まりで?」
名代「東方側については、既に考えておりまする」
東方参謀「聞かせて頂きたいな」
名代「主力は東側より海路にて北進致したい考えておりまする」
青年兵「同感です。その為に私達も船を用意したわけですから」
南方参謀「船は最新鋭の大型艦を4隻」
家老「おぉ……っ!」
名代「感謝致しまするぞ」
西方参謀「それで、北の城からはどうするんで……?」
名代「陸路は降雪により行軍が困難な為、少人数での編成とし、進みたいと考えております」
盗賊「確かにあの辺りは、厳しい道のりであった……」
青年兵「少人数の編成というのは……?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 00:01:12.94 ID:TfsJe7Weo<> トントン
名代「北と東以外に、こちらから陸路の援軍が参ります」
召喚士「そ、そこって……」
盗賊「……藤蔵」
名代「左様。こちらから北進し、北の砦を目指します」
召喚士「先日、ヤマタノオロチ戦で訪れた場所ですね」
戦士「しかし、それなら全員で東から行けばいいんじゃないのか?」
名代「先程も申したように、冬の海路はかなり険しいものがあります」
東方参謀「本国の船をもってしてもか……」
名代「ええ。それに妖どもはおそらく、海路という発想はないはずですからね」
南方参謀「そうなんですか?」
帝「東方の船は脆弱ゆえ、今まで開戦の経験など皆無であるからな」
西方参謀「つまり魔王軍は陸路に集中してるって事?」
名代「居れば、ですがね。ここ最近の動向からすれば、可能性は低いと思われますが」
帝「かと言って、楽観視は出来ぬがな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 00:01:39.61 ID:TfsJe7Weo<> 戦士「そういう事だったら俺らも陸路から進もうぜ」
盗賊「藤蔵が絡んでおるのなら、むしろ望むところよ」
名代「良いのですか? 今、上様が申した通り、危険を伴う可能性も……」
戦士「どこにいたって危険は危険ってもんだ。それが戦いだろ?」
名代「……確かに」
東方参謀「それで、進軍はいつから行うのだ?」
名代「我らはいつでも構いません」
帝「しかし本国の皆も着たばかり。疲れも癒えておらぬであろう」
青年兵「いえ、私達は問題ありません。いつでも構……」
召喚士「……?」
青年兵「申し訳ありません。やはり、数日頂いても宜しいでしょうか?」
帝「此方の都合は気にせずとも良い。好きにし給え」
青年兵「ありがとうございます」
南方参謀「何かあるの?」
青年兵「特遊の到着もまだですし、ちょっと気になる事が……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 00:02:12.39 ID:TfsJe7Weo<> 召喚士「気になる事?」
青年兵「あ、ええ。後でお話致します」
召喚士「……?」
名代「具体的な日程は明日以降、慎重に決めていきましょう」
西方参謀「限られた時間の中だが、焦りはミスを生みますからなぁ……ヒック」
帝「難しい話はこれくらいにして、後の時間は楽しく――」
カラッ
魔道士「……あれ? もう終わっちゃいました……?」
青年兵「魔道士さんっ!?」
魔道士「あ、青年兵さんに……本国の皆さん……っ」
南方参謀「さっきから見かけないと思ったら……どこか行ってたの?」
魔道士「あ、えっと……看病……」
スタスタスタ
東方司令「……いやいや、先程は失礼し――」
東方参謀「……き、貴様は!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 00:02:58.94 ID:TfsJe7Weo<> …
東方司令「……いや、だからボクも悪かったと謝っているだろ」
東方参謀「何をぬかすか! いくら遊撃を任されたからとはいえ東方に来るなど」
東方司令「こ……これはだなっ、来るべき決戦に備えてだな……」
戦士「なんつう言い訳だ……」
青年兵「……」
帝「すまぬ。私が剣術の稽古で引き止めてしまったのだ。罪は私にある」
東方参謀「いやいやっ、そんな滅相もない」
帝「どうか許してやっては貰えぬだろうか」
東方参謀「……ええい、帝陛下に言われては仕方あるまい」
帝「良かったの」
東方司令「ええ、良かった良かった!」
東方参謀「貴様は反省というものを知るが良い!」
召喚士「あははははっ!」
青年兵「召喚士さん、ちょっと……宜しいですか?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 00:03:27.98 ID:TfsJe7Weo<> 召喚士「ん?」
青年兵「じつはその、予言の事で」
召喚士「!?」
盗賊「……」
青年兵「……ちょっと場所を移しましょうか」
召喚士「……そうだね」スクゥ
戦士「何だ? 連れションか?」
召喚士「戦士……」
戦士「……冗談だよ。難しい話なんだろ? 行ってきな」グビッ
召喚士「……もう」
スタスタスタスタ…
召喚士「あぁ〜っ。外の風が気持ちいいねぇ」
青年兵「東方の夜景、実に素晴らしいですよね」
召喚士「やっぱりそう思う? 俺もいっつも思うんだよね」
青年兵「この美しい景色を、絶対に壊したくないです」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 00:05:14.22 ID:TfsJe7Weo<> 召喚士「うん……。あ、ごめん、。話があるんだよね?」
青年兵「はい」
召喚士「もしかして……予言の事?」
青年兵「気付いてましたか」
召喚士「うん……。重たい表情してたから……」
青年兵「す、すみません」
召喚士「いや、こっちこそごめん。それで……盗賊さんの……事?」
青年兵「それもありますが、別件です」
召喚士「別件?」
青年兵「盗賊さんの事は伺いましたが、やっぱり心配ですか?」
召喚士「それはもちろん……。でも、戦士に任せておけば大丈夫だと思うんだ」
青年兵「……」
召喚士「もちろん確証はないよ、ないけど……言ったんだ、絶対に守るって」
青年兵「おそらく大丈夫だと思いますよ」
召喚士「青年兵くんもそう思う?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 00:06:05.16 ID:TfsJe7Weo<> 青年兵「占い師さんや司令が、絶対に止めるはずですから」
召喚士「そ、そうだよね……」
青年兵「以前、司令も仰ってました。召喚士さん達は五ヶ年計画に不可欠だと」
召喚士「……」
青年兵「魔王を倒せるからと言って、犠牲にするなんて絶対に考えられません」
召喚士「……うん」
青年兵「あ、その! 駒という意味ではなくてっ! ……すみません」
召喚士「大丈夫。そんな事は思ってないよ」
青年兵「でも絶対に大丈夫です。僕が指揮するわけですし、死なせたりなんかしません」
召喚士「ありがとう。青年兵くんに言われると本当にそう思えるよ」
青年兵「……。あっと、それでですね、予言の事なんですが……司令からの伝言でして」
召喚士「天才さんから?」
青年兵「ええ。ぜひ伝えて欲しいと」
召喚士「何の予言……?」
青年兵「召喚術についてです」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 00:07:32.12 ID:TfsJe7Weo<> 召喚士「……っ」
青年兵「東方での戦いが終われば、最強の召喚士が誕生すると……言っておりました」
召喚士「!?」
青年兵「その意味を僕は考えましたが…・・・1つしか浮かびませんでした」
召喚士「…………」
青年兵「即ちそれは、五行召喚の完成」
召喚士「――っ!!」
青年兵「召喚士さん、あなたはここで……5つ目の召喚術を会得するのです」
召喚士「そ、そんな予言が……っ?」
青年兵「その鍵を伝言として預かってきました。宜しいですか?」
召喚士「……お、お願いしますっ!」
青年兵「司令が仰っていた言葉は……不死の山の双子」
召喚士「!?」
青年兵「鍵はそこにあると。意味は……お分かりですか?」
召喚士「不死の山……もしかして……」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/12(月) 00:23:08.16 ID:TfsJe7Weo<> 一応あっちのスレは雑談用も含めて作ってくださったスレで、
テンプレにも要望があって今の形となりました
個人的にはこっちでも雑談も全然おkというか、とにかくみんなで
楽しくワイワイ出来ればそれで良いので!楽しんでいきまっしょい!
偉そうな事言ってすみませんねほんともう…
これからも和気藹々、ゆるーい幹事でいきましょー!
それではおやすみなさい!ノシ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/12(月) 00:24:32.90 ID:TfsJe7Weo<> ぐああぁぁ締めなきゃいけないとこで誤字った…
× 幹事
○ 感じ
それではお休みなさい… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 00:34:43.95 ID:7kGJgCvro<> 波平「左様」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/12(月) 02:01:23.42 ID:cbQpn/5V0<> いちおつ
ついに五行召喚完成か
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 02:21:55.77 ID:Qv9iSbQEo<> >>636-637
召喚士と青年兵どうしちゃったの <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 06:53:06.23 ID:+iwQrXYOo<> でも我が身可愛さに黙って投下して叩かれてる人を見捨ててたよね
それで楽しくワイワイ出来るわけないし、支援してた人も大分減ったんじゃないかな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 07:00:25.62 ID:30OS24LSO<> >>1乙
ついに主人公ぽさを出してきたなー <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 07:13:14.31 ID:oHCN2/YDO<> >>1乙っす
召喚士もついに主人公になるのか……胸熱 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 08:19:02.31 ID:zGDcx1SAO<> >>1乙
何だか荒れるなぁ
それでも気にせず俺は支援 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 08:51:36.93 ID:J0GmPsVAO<> >>1乙〜
流石にすんなり討伐という流れにはならないなwww <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 15:39:16.18 ID:NL/jE8yDO<> >>1乙!
青年兵と召喚士とか、特遊と戦士のようににパーティー以外にも信頼関係みたいなのが出来て来てるのがいいね
東方編も楽しみにしています。 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:43:40.61 ID:pLfomXBVo<> 青年兵「ご存知ですか?」
召喚士「うん。東方で1番大きな山で、そこに……そこ……」
青年兵「……」
召喚士「待……てよ……?」
青年兵「何か、ありましたか?」
召喚士「そこにあったものは……総本山と……双子山、影不死」
青年兵「不死の山の双子。予言の意味は場所を示すもののようですね」
召喚士「……っ」
青年兵「召喚士さん?」
召喚士「いたんだ。そこに……」
青年兵「いた? まさか召喚士ですか!?」
召喚士「いや、魔物。しかも……南東国を破滅に追いやったあの……夫人が」
青年兵「――っ!?」
召喚士「あの時感じた違和感は……やっぱり何か鍵があったんだ……っ」
かつて不死の山を訪れた際の事を、召喚士はぼんやりと思い出していた。 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:44:07.24 ID:pLfomXBVo<> ……――
召喚士『…はぁ……はぁ』
魔道士『召喚士さん、大丈夫ですか…?』
召喚士『……はい』
どれ程歩いたか。景色は相も変わらず変わらないが、
いつの間にか寒さはなくなっていた。
戦士父『……!?』
盗賊『……視界が…開ける』
大雪の影響で真っ白だった視界。それが突如真っ白な視界へと変わる。
同じ白い景色でもそれは全く別物であり、雪も他の景色もない完全なる白。
戦士『なんだ……ここは…っ!?』
魔道士『い、一体どういう事なんでしょうか…?』
パーティーの中で唯一人、かつて似たような景色を経験した覚えがあった。
召喚士『……召喚獣の世界みたいだな』
五人はその先へ吸い込まれるように、ゆっくりと前進した。 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:44:33.61 ID:pLfomXBVo<> ――……
青年兵「召喚獣の世界の様な感覚、ですか?」
召喚士「うん。いきなり景色が変わって、夫人は棲み処だって言ってた……」
青年兵「ど、どういう事なんでしょう? それって……」
召喚士「分からない。分からないけれど、行ってみるしか方法はないよね」
青年兵「……っ」
召喚士「大丈夫。夫人も戦う気はなさそうだったし、むしろ危険なのは登山かも……」
青年兵「登山……。雪ですか?」
召喚士「前の時は猛吹雪だったからね……。ましてやこの時期じゃ……」
青年兵「危険が伴いますね」
召喚士「クジャタである程度は軽減出来るけど、メインは討伐戦だし、これで怪我でもしたら……」
青年兵「でも、単身で乗り込むのは自殺行為ですよ」
召喚士「……うん。せめて1人、道案内が可能であれば……」
ザッザッザ
名代「御二方、如何なされました? 間もなく宴も終えようかと思いまするが?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:45:00.30 ID:pLfomXBVo<> 召喚士「名代さん、すみません。今、戻ります」
青年兵「いっその事、名代様に相談してみてはどうです?」
召喚士「……うん」
名代「……?」
テクテクテクテク
戦士「やっと戻ってきた。随分と長かったなぁ」
魔道士「トイレ……じゃないですよね? 怪しい……」
東方司令「!?」
南方参謀「よく分からないけれど、あなた達の発想力が怪しいわ……」
帝「今宵はそろそろお開きと致したいが、宜しいか?」
青年兵「はい。私達はお呼び頂いた身なのですから」
帝「それでは明日、改めて話をさせて頂こう」スクッ
西方参謀「本日はお招き、誠に有難う御座いました」
帝「うむ、苦しゅうない。それでは先に退がらせて頂くぞ」
青年兵「それではまた明日」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:45:29.84 ID:pLfomXBVo<> スタスタスタスタ
家老「申し訳御座らぬ。上様はまだ子供ゆえ、どうにも睡魔が襲ってきたようじゃ」
青年兵「そ、それならば仕方ないですね……」
東方参謀「さて、我らも引き揚げるとするか」
西方参謀「宿は俺に決めさせろ!」
南方参謀「……?」
名代「今宵は遅い。城に泊まられては?」
西方参謀「いえっ、結構!」
名代「……?」
戦士「んじゃ、俺らも宿に戻るとしようかね」
魔道士「そうですねっ」
召喚士「あの、名代さん」
名代「はい」
召喚士「少しお話を、宜しいでしょうか?」
名代「……ええ。なれば場所を、私の屋敷へと移しましょう」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:45:58.75 ID:pLfomXBVo<> …
テクテクテクテク
魔道士「それで結局、召喚士さんと青年兵さんは名代さんの所へ?」
盗賊「ああ、そのようだな」
戦士「……ってか、何であんたらが付いてくるんだよ」
西方参謀「方向が一緒なだけだ……ヒック」
南方参謀「ねぇ、どこまで行くのよ?」
西方参謀「もうじき見えてくる。そこの角を曲がった所だ」
戦士「……おいおい、まさか」
西方参謀「あったあった! ここ!」
魔道士「えっ!? 女将さんの宿に止まるんですか!?」
西方参謀「おう。前回もここで世話になったし……まぁあれだ、色々あれなんだよ……ヒック」
盗賊「あれ?」
カラッ
女将「あれ?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:46:29.25 ID:pLfomXBVo<> 〜旅籠〜
女将「外が騒がしいと思ったら、ようこそ大勢さんで」コポコポッ
スッ
女将「寒かったでしょう? お茶、温まりますわよ」
東方参謀「ふむ、頂こう」
西方参謀「いやぁ女将さん、相変わらずお美しい……」
女将「あらやだっ、お上手です事っ」
西方参謀「いや、本当に…・・・あ、そうそう。これ……土産です。つまらんものですが」
女将「あらあら、わざわざ気を遣って頂いて……」
カサッ
女将「あらっ、これは……?」
西方参謀「エプロンです。調理なんかの時に服を汚さないように遣うんですよ」
女将「割烹着のようなものかしら? なんや照れるわぁ〜」
東方参謀「いい年してフリルのエプロンとはな」ゴクゴク
西方参謀「バカヤロウ! フリルのエプロンは男のロマンだ……ヒック!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:46:59.55 ID:pLfomXBVo<> テクテクテク
サル「ん〜ふふふふっ。女将〜っ、風呂上がりのミル……ク……」
盗賊「あ……」
サル「――っ!?」ササッ
南方参謀「あら? 他のお客さんもいらっしゃるのね。それなら静かにしないと」
魔道士「そっ、そうみたいですねー! あはははー!」
サル(あ……あの軍服は国軍!? 何でこんな所にっ!!)
西方参謀「なんなら一緒に一杯どうだい? ガハハハッ……ヒック」
サル(まさか捕まえに!? いや、それはない。だがとにかく、お頭に知らせね〜となっ)
ササッ
戦士「い、行っちゃったみてーだな! 残念!」
魔道士「で、ですね〜! あはははー!」
西方参謀「……?」
女将「さぁさぁ、風呂も空いたようですし、まずは身体を流されてはどうです?」
南方参謀「いいわねぇ〜。そうしましょっか!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:47:29.06 ID:pLfomXBVo<> 〜名代の屋敷〜
青年兵「ここが名代様のお屋敷ですか……」
名代「手狭な屋敷で申し訳ありません」
青年兵「い、いえ……。十分大きいです」
名代「さ、どうぞ。お入り下さいませ」
青年兵「お邪魔致します」
召喚士「失礼します」
テクテクテク
小姓「お帰りなさいませ。おや、召喚士様と……」
青年兵「始めまして。本国より参りました、青年兵と申します」
小姓「これはご丁寧に。名代家に仕えております、小姓……と申します」
名代「茶の用意をしてくれ。離れの道場に居る」
小姓「畏まりました」
名代「それでは参りましょう。此方です」
召喚士「はい」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:48:32.90 ID:pLfomXBVo<> 〜道場〜
名代「どうぞ」カタッ
召喚士「失礼します」
青年兵「ここは……?」
名代「私の稽古場おでも申しましょうか。まぁ気楽になさって下さい」
青年兵「これは、魔方陣ですか?」
名代「召喚術で言うそのようなものですね。さて、早速ではありますがお話を聞かせて頂けますか?」
召喚士「あ、はい。実は……ですね……」
青年兵より伝言をうけた予言の話を、自身の経験に交え、召喚士は名代へと説明を始めた。
召喚士「つまり、不死の山に陰陽道と召喚術を繋ぐ何かがあるのではないかと」
名代「……成程」
召喚士「手掛かりがない以上、それ以外の方法はやっぱり難しいと思います」
名代「同感ですね。しかし、この時期、不死山への登山は非常に困難ですよ?」
召喚士「ええ……っ。流石に地理も分からず1人で行くのは無謀だと思います」
青年兵「どなたか、案内役になりそうな方はいらっしゃいませんか?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:49:07.07 ID:pLfomXBVo<> 名代「……ただですら行く者は限られますからね。ましてやこの時期となると……」
召喚士「やっぱり、居ませんか?」
名代「ええ。せいぜい総本山の僧侶達くらいではないでしょうか」
召喚士「……そっかぁ」
名代「お力になれず、申し訳ありません」
召喚士「いえっ、こっちこそ無理を言ってしまい……すみません」
名代「……」
召喚士「……」
青年兵「あ、あの。もし宜しければ、もう1度、式神を見せて頂く事は出来ませんか?」
名代「え、ええ。構いませんよ。喜んで」スクッ
青年兵「……」
名代「では手っ取り早く、札から使役させて頂きます。……はっ!」
ヒュンッ……ボンッ!!
猫又「あっ、名代さまだ!」
名代「猫又、来客中だ。静かに――」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:49:33.55 ID:pLfomXBVo<> トットットッ…ピョコン
猫又「……ふにゅううぅぅ」
名代「……式神……猫又に御座います……っ」
青年兵「おぉ、先日の毘沙門天といい……やはり召喚獣そっくりですね」
召喚士「うん。だからこそ式神こそが五行目の召喚獣だと俺は思ってるんだ」
青年兵「名代様はどのようにして、この式神を入手なさったのですか?」
名代「ええ。陰陽道は代々、限られた一族のみに受け継がれております」
青年兵「なるほど……」
名代「私も父や叔父、そして父らは祖父より、代々受け継がれておるのです」
召喚士「何か、会得には条件が?」
名代「特には。ただ生まれながらにして後継者と決められるようです」
召喚士「……?」
名代「生後間もないうちより、陰陽道を施されるようです」
青年兵「施される!? 術か何かですか?」
名代「左様。太極図と呼ばれる特殊な図円に赤子を寝かせ、術を施すそうです」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:50:33.38 ID:pLfomXBVo<> 召喚士「……似てる」
名代「……?」
召喚士「召喚術で言う、召喚界へ行く行為と似ているんです」
名代「何と……っ」
召喚士「もしかして、それは満月の夜に行うのでは!?」
名代「えぇと……しばしお待ちを」
スクッ…スタスタスタ
猫又「ふわぁ〜」
青年兵「こ、こんばんは」
猫又「すんすんっ。初めて嗅ぐ匂いだな。誰っ?」
青年兵「青年兵って言います。宜しくね」
猫又「興味ないのじゃ。ぷいっ」
青年兵「…………」
スタスタスタ
名代「お待たせ致しました。……どうかなさいましたか?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:51:02.90 ID:pLfomXBVo<> …
召喚士「これは?」
名代「陰陽道を記した書です。と申しても、代々受け継いだ手記ですが」
パラッ…パラパラ
名代「ちなみに門外不出ですので、何卒、口外無用と言う事で」
召喚士「わ、分かりました」
名代「……ありました。やはり召喚士殿の申す通り、満月の夜に限るようですね」
召喚士「やっぱり! これで1つ、道は繋がった!」
青年兵「召喚獣も式神も、同じような別の世界が存在し、そこに住んでいる……」
召喚士「サモナーさんが言っていた、生物は等しいという説……」
青年兵「……っ」
召喚士「それに、マーマンさんが言っていた……魔物と召喚獣の関係……」
名代「つまり、妖は式神であり、式神は妖。召喚術も陰陽道でありその逆も然り……ですか?」
召喚士「え……っ?」
青年兵「あ……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:51:29.59 ID:pLfomXBVo<> 名代「……?」
召喚士「……そ、そうだよ。何で……気付かなかったんだ……っ」
青年兵「マーマンさんは召喚獣から……魔物になったんだ……」
召喚士「俺の父は人間から召喚獣に……」
青年兵「ネクロマンサーや左大臣は……人間から魔物に……」
召喚士「じゃあ……魔物だって……召喚獣に……」
青年兵「なってもおかしく……ありませんよ!」
名代「ど、どういう事でしょうか……?」
召喚士「不死の山に居た夫人。そして、別の世界……繋がった……っ!」
青年兵「つまり召喚獣と魔物。東方で言えば、式神と妖は密な関係にあるという事です」
名代「密……っ、しかしそれでは……」
召喚士「確かに両者は住む世界も違う。召喚界と地獄……」
青年兵「何かしらの条件や理由で、区別されるという事でしょうかね」
名代「陰と陽は表裏一体。陰陽とはまさに光と影を表す言葉です」
召喚士「光あれば影がある。表裏……それが、召喚獣と魔物?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:51:59.18 ID:pLfomXBVo<> 青年兵「確かにそれならば、マーマンさんが魔物になった理由も説明がつきますね!」
召喚士「じゃあ俺が式神を手に入れるには……」
青年兵「不死の山にある、別世界というのが……式神の棲む場所」
召喚士「式神かどうかはまだ分からないけれどね」
名代「ついに、掴めてきましたな!」
召喚士「ありがとうございます! 名代さんのお陰ですよ……いや……」
青年兵「……?」
召喚士「名代さんだけじゃない。青年兵くんやサモナーさん、マーマンさん……そして」
名代「……」
召喚士「師匠、父さん。みんなのお陰で……真実に辿り着けそうなんだ」
青年兵「でも、ここまで来られたのは、召喚士さんの力があったからです」
名代「これは召喚士殿に託された宿命。生まれもってのものなのかもしれませぬ」
召喚士「……」
名代「あとは不死山へさえ行く事が出来れば……」
トントントン…カタッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:52:29.73 ID:pLfomXBVo<> 小姓「失礼致します。茶をお持ちいたしました」
名代「有難う。そこへ置いてくれ」
小姓「それと、客人がお見せになられておりますが」
名代「こんな時間にか?」
小姓「早朝より城へ行かれるとの事で、事前に挨拶をと申されまして……」
名代「城へ? 一体何者だ」
小姓「例の、総本山の槍侶殿です。戦が近日中と聞きつけ、打ち合わせに参られたと」
名代「何っ!?」
召喚士「総本山の……槍侶さんって……!」
名代「はーっはっはっはっは!!」
小姓「……み、名代様?」
名代「これは何と言う機運かっ! 召喚士殿、貴方はやはり宿命を背負っておられるようですな」
青年兵「も、もしかして……っ」
名代「槍侶殿の帰路に共すれば、不死山を登る事が出来まするな」
召喚士「……っ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:52:59.38 ID:pLfomXBVo<> 〜旅籠、風呂〜
カポーン
西方参謀「い〜い湯だなぁ〜ヒック」
戦士「浸かりながら飲むと酔いが回ってぶっ倒れるぞ?」
西方参謀「バカヤロー。本国1の酒呑みナメんなぁ〜ヒック」
東方参謀「放っておけ。こやつは酒でなど倒れたりはせん」ムキッ
戦士「……はぁ」ムキッ
南方参謀「たまらないわねぇ〜。もう最っ高!!」ムキッ
戦士「……暑苦しいからもう少し離れてくんねーか? こんだけ広いんだからよ」
南方参謀「だって夜中よ〜? 怖いじゃないっ」
戦士「怖いのはその二の腕だよ……」
カサッ
南方参謀「きゃーっ!! 覗きぃー!!」
ギュバッ…バキィ!!
東方参謀「何か落ちて行ったな。本当に覗きだったのか?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:53:36.99 ID:pLfomXBVo<> ガサガサッ…ドサッ
サル「ってぇ〜。な、何だってんだちっくしょー」
テクテクテク
イヌ「何してるね。早く行くね」
サル「ったく、何もこんな急にでてかなくてもよぉ〜」
キジ「仕方ないさー。国軍の連中と同じ宿だなんて、ただの度胸試しさ」
サル「ちっくしょー! カワイ子ちゃん達がいんのによぉ〜」
ザッザッザ
女侍「何だい、その青アザは?」
サル「知らん! 草むらに隠れてたらいきなり何かが飛んできたんだよっ!」
女侍「あははっ! 大方、除きでもしようと思って返り討ちにあったんだろう?」
サル「う、うるせーっ!」
女侍「ほら、日の出が近いよ。暗い内に都を離れようじゃあないか」
イヌ「さっさと起きるね」
サル「へいへい……。行きますよっ、けっ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:54:04.64 ID:pLfomXBVo<> 〜部屋〜
魔道士「召喚士さん達、遅いですねぇ」
盗賊「召喚術について、話し込んでおるのだろう」
魔道士「うまくいくといいですね」
盗賊「そうだな」
魔道士「えへへ〜。あ、どうですかこれっ? 浴衣に合わせて髪の毛上げてみたんですけど」クルッ
盗賊「よく似合ってるよ。可愛い」
魔道士「……えへへ〜っ! 盗賊さんもやってみましょうか!」
盗賊「い、いいよっ!」
魔道士「やりましょうよ〜! ねぇ〜っ」ドタバタ
盗賊「い、いいいってばぁ!」ドタバタ
魔道士「逃がしません……っよぉ!」フニッ
盗賊「んあぁ! ちょっ、どこ触って……こらっ!」サワッ
魔道士「ふあっ! と、盗賊さんこそ……あっ、やん!」
盗賊「は、離……っくぅ! んんーっ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:54:31.31 ID:pLfomXBVo<> …
魔道士「はぁ……はぁ……はぁ……っ」
盗賊「……はぁ……はぁはぁっ」
魔道士「……寝ましょっか」
盗賊「……ああ」
魔道士「盗賊さん」
盗賊「ん?」
魔道士「次も、頑張りましょうね」
盗賊「ああ」
魔道士「4人で、絶対にまた本国に帰りましょうね」
盗賊「もちろんだ」
魔道士「約束ですよ? はい、指きり」ギュッ
盗賊「うん。約束だ」ギュッ
魔道士「それじゃ盗賊さん、お休みなさい」
盗賊「おやすみ……魔道士」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:55:00.38 ID:pLfomXBVo<> 〜名代の屋敷。居間〜
スタスタスタ…カラッ
名代「お待たせ致しました」
槍侶「此方こそ急な訪問、誠に申し訳御座いません」
名代「構いませんよ。ただ、居間は来客中でしてな」
槍侶「先客がいらっしゃいましたか。これは失礼を。では日を改めて……」スッ
名代「いやいやお待ち下され。槍侶殿にも是非、会って頂きたいのです」
槍侶「わ、私に……ですか?」
名代「ええ。お1人は以前、お目にかかってると伺いましたがね」スッ
テクテクテク
召喚士「以前、総本山を訪ねた事がありました。覚えておいでですか?」
槍侶「……? あ、あぁ!! 思い出しました! 確かお手合わせを……っ」
召喚士「はい。あの時の1人です。召喚士と言います。改めて宜しくお願いします」
槍侶「そうでしたか……っ、いやいやその節はご無礼を」
召喚士「い、いえいえ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:55:35.18 ID:pLfomXBVo<> 名代「それと、こちらの青年兵殿は、次の戦の指揮官であられる」
槍侶「な、何と……っ、これは失礼を。槍侶と申します。以後、お見知りおきを!」
青年兵「青年兵と申します。魔王討伐戦ではお世話になります」
名代「総本山の耳にも、戦の事は届いておられたか」
槍侶「ええ。飛脚の話で港に本国の軍船が来たと、偉い騒いでおりましたのでもしやと……」
名代「全く、あまり騒いで欲しくはない事なのだがなぁ」
槍侶「申し訳ありません」
名代「いやいや、総本山が悪いわけではありません。しかし一介の飛脚にまで話が出ておるとは」
召喚士「魔王軍に悟られると厄介ですね……」
青年兵「やはりそれほど悠長には構えていられそうもありませんね」
名代「ええ。ところで槍侶殿、この後、城に行かれると聞きましたが」
槍侶「はい。大僧正より預かった文と、我らの意思を上様へお伝えにあがります」
名代「総本山はお力添え頂けるという事で、宜しいですかな?」
槍侶「無論です。無益な殺生は致しませぬが、我らの東方を守るのは当然の務めですから」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:56:31.00 ID:pLfomXBVo<> 召喚士「……」
名代「在り難き事。総本山の武力が加われば、さぞかし頼もしい事でしょう」
槍侶「お役に立てるか分かりませんが、精一杯やるつもりです」
名代「ちなみに帰路へは何時頃に?」
槍侶「上様の面会が終われば、すぐにでもと考えておりますが」
名代「ほほぅ、それは何より」
槍侶「えっ?」
名代「召喚士殿、思ったより早く……辿り着く事が出来そうですよ」
槍侶「……あ、あの」
召喚士「槍侶さん! 俺を道中お供させて頂けませんか!?」
槍侶「お供……ですか? えぇと、入山したいと?」
召喚士「違いますっ! ちょっと……不死の山に用がありまして」
名代「この時期の不死山は登山も困難。槍侶殿に案内役を務めて頂きたいのです」
槍侶「ああ、そういう事でしたか。それならば問題ありませんよ。共に参りましょう」
召喚士「ありがとうございますっ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:57:07.96 ID:pLfomXBVo<> 青年兵「やりましたね、召喚士さん!」
召喚士「うんっ! 何とか手掛かりを手に入れられそうだよ!」
青年兵「いやっ、場合によってはそのまま会得にも繋がるかも……」
名代「左様ですね。その式神が棲むと言う世界で、交渉出来ればですが」
召喚士「……うん。とにかく行ってみます。まずはそれからですもんね」
名代「それでは槍侶殿、宜しくお願い致しまする」
槍侶「はい。あ、登山の身支度のみ済ませておいて下さい。単身で来たもので予備がなく……」
名代「承知仕った。では召喚士殿、街にて下準備といきましょうか」
召喚士「はい!」
青年兵「魔道士さんや国軍の連中には僕から伝えておきます」
召喚士「ありがとう」
青年兵「ちなみに、何日程度かかりますか?」
槍侶「そうですね。登山経験もあるようですし、登山に1日、下山に1日あれば十分かと」
名代「あとは式神の棲み処次第。一応、五日程度は見ておくと致しましょうか」
青年兵「開戦目標は1週間から10日程度。時間はまだ十分にあります」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:57:48.93 ID:pLfomXBVo<> …
青年兵「では、お世話になりました。また後ほど」
召喚士「色々とありがとう、青年兵くん」
青年兵「こちらこそ。それでは」
名代「何かあれば城に居りますゆえ、お訊ね下さいませ」
スタスタスタ
槍侶「それでは拙僧もこれにて」
名代「我らも直ぐに、しろへ向かいますので」
スタスタスタ
名代「それでは早速、身支度を整えると致しましょうか」
召喚士「助かります。ありがとうございます」
名代「此方こそ。召喚術と陰陽道が繋がれば、私にとってもまた道が開けるやもしれません」
召喚士「ええ、必ず」
名代「……では着替えだけ済ませて参ります。しばしお待ち下さいませ」
召喚士「はいっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:58:29.74 ID:pLfomXBVo<> 〜大橋〜
鬼丸「……おっ?」
スタスタスタ
女侍「昨晩は世話になったねぇ」
鬼丸「なぁに、こっちこそイイ女と飲めて最高だ」
女侍「ふふっ、ありがとうよ」
サル「イイ女……?」
女侍「何か文句あるのかい?」
サル「……別に」
鬼丸「何だ、もう行っちまうのか?」
女侍「ちょっと急な用件でねぇ。あ、そうそう。アンタ本国の連中と縁があったよね?」
鬼丸「本国? 限られた奴だけだぜ?」
女侍「刀を持った本国の男がもし、アタイを訪ねるような事があったら……」スッ
鬼丸「何だこりゃ? 地図か?」
女侍「ここで待つって伝えとくれ。それじゃまた、会えるといいね」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:58:59.18 ID:pLfomXBVo<> スタスタスタスタ…
サル「ま〜たな〜っ!」
鬼丸「刀を持った本国の奴って、戦士くらいしか知らねぇぞ?」
カサッ
鬼丸「一応、戦士にも伝えてみっか。グハハッ!」
スタスタスタスタ…
イヌ「それでお頭、どこに行くね」
女侍「んー? ちょいと西の方にねぇ」
キジ「西? 何かあるさー?」
女侍「あっちは田舎で人も少ないし、隠れるには好都合さ」
サル「ふぅん」
女侍「それに……」
サル「あん?」
女侍「いんや、何でもないよ。ほれっ、さっさと歩きな」
サル「……へいへい」スタスタ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:59:29.06 ID:pLfomXBVo<> 〜旅籠〜
戦士「何ぃ!? 不死の山に行くだぁ!?」
盗賊「この時期に……大丈夫なのか?」
青年兵「槍侶さんという総本山の方が案内役を務めてくれる事になりました」
戦士「槍侶……槍侶……って、あの親父と戦った坊主か!」
魔道士「でも、言ってくれれば一緒に行ったのに……」
青年兵「盗賊さんも仰られた通り、登山は命懸けになります」
盗賊「ああ。むしろ少ない方が楽に行けるであろう」
魔道士「むぅ〜。それなら仕方ないかぁ……」
戦士「それに召喚士にはクジャタもあるしな。いざとなれば吹雪を弱める事も出来るだろ」
魔道士「あ、そうですよねっ」
テクテクテク…
西方参謀「あ〜昨日は飲みすぎた。おっ、青年兵殿! 朝帰りかいっ? ヒック」
青年兵「……おはようございます。西方参謀殿は迎え酒ですか?」
西方参謀「迎え酒? いやいや、朝の一杯ですわ……ヒック」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 17:59:58.70 ID:pLfomXBVo<> …
南方参謀「ふぅん、召喚獣と魔物の関連性ねぇ……」
東方参謀「信じられぬな」
西方参謀「学会で発表すりゃあ本国勲章モンだぞ! ガハハッ!」
青年兵「確かに信じがたい話です。しかし、そうとしか説明がつかないんですよ」
戦士「うーん……難しい話はよく分からんが、召喚士がそう言ったんだろ?」
青年兵「はい」
戦士「だったら俺は信じるぜ。あいつが言った事で間違いは1つもないからな」
魔道士「そうですよねっ! 召喚士さんはずーっと研究してきたわけですし」
盗賊「……ああ」
南方参謀「ともかく、召喚士くんが帰ってくるまで待つしかないわけね」
東方参謀「そういえば今日辺り、特遊も着くのではないか?」
青年兵「ええ。だと思います」
西方参謀「だと思いますってなぁ……ヒック」
青年兵「隊長が東方の事は俺に任せておけと、独自行動なもので……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:00:30.82 ID:pLfomXBVo<> 〜海上〜
ザザーン
女隊員「おぉっ!? 陸地が見えてきたッスよ!」
男隊員「あれが東方か? いや、違うようにも見えるな……ま、どっちでもいいか。ヒャハハ」
格闘家「隊長、まずはどうなさるので?」
隊長「まずは宿の確保だな」
女隊員「野宿で良くないッスか?」
隊長「宿の確保が最優先だ」
女隊員「いっつも野宿じゃないッスか。何で今回に限って……」
隊長「宿の確保が最重要なんだ! いいから上陸準備しとけ!」
女隊員「何で怒ってんスか?」
男隊員「知らん。マーラ戦に関しちゃ、やたら気合い入ってんだよなぁ」
格闘家「やはり我らの不甲斐なさに腹が立っているのでしょうかね……」
隊長(……待っていろよ東方、マーラ。そして……女将さん!)
ザッパーン!! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:01:00.89 ID:pLfomXBVo<> 〜帝の城〜
槍侶「……」ソワソワ
家老「もう間もなく上様がお見えになられる。しばしお待ちを」
槍侶「は、はい!」ソワソワ
奥女中「震えていらっしゃいますが、お寒いですか? 何か掛ける物をお持ちに……」
槍侶「い、いえっ! 大丈夫であります!」
奥女中「……はぁ」
家老「上様のおなーり〜!」
ススッ…テクテクテク
帝「総本山の者だな、苦しゅうないぞ。面を上げよ」
槍侶「は、ははーっ!!」
スッ
槍侶「――――っ!?」
帝「ど、どうかしたか?」
槍侶「……あ、あの……あの……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:01:27.07 ID:pLfomXBVo<> 帝「……?」
槍侶「そそそ総本山は総本山であり、総本山でありまするううぅぅ――」カクン
帝「……何を申しておるのだ?」
家老「よく分かりませぬが、気を失っておりまするぞ!?」
帝「何? それはいかん。直ぐに介抱せい」
奥女中「これ、直ぐに医者を連れて参れ」
家老「男女問わず、上様は凶器で御座いまするからなぁ」
帝「凶器!? 無礼な奴じゃな」
家老「ともかく、これでは話になりませぬ。回復を待つと致しましょう」
帝「そうだな。東方司令、居るか?」
ササッ
東方司令「はい」
帝「時間が空いてしまった。剣術の稽古を致そうか」
東方司令「御意に」
帝「ふふっ。今日こそは負けぬぞ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:01:59.23 ID:pLfomXBVo<> 〜旅籠〜
戦士「なぁ、女将さん」
女将「はいはい?」
戦士「女侍達……見なかったか?」ヒソヒソ
女将「女侍さん……ですか?」
戦士「シーッ! どこにも見当たらないんだよ」
女将「さぁ、うちは見てないけれど……。なぁ、4人組のお客さん、どうなさったか知ってはる?」
仲居「2階の端部屋ですか? それなら日の出前に出発なさりましたけれど」
戦士「何ぃ!?」
仲居「え、えぇと……何か問題でも?」
戦士「あ、いや……気にしないでくれ。何でもないっす」
女将「はぁ」
テクテクテク
魔道士「あれ、戦士さんどうしたんですか?」
戦士「……ちょっとこっち来い」グイッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:02:28.08 ID:pLfomXBVo<> …
盗賊「!?」
魔道士「女侍さん達が居なくなった!?」
戦士「ああ。おそらく青年兵達に気付かれまいと、逃走したんだろう」
盗賊「……剣術の稽古はどうするのだ?」
戦士「ったく、すっぽかしやがって」
魔道士「私達はこれから、上様の所に行きますけど……」
戦士「あーそういや出かけるって言ってたな」
盗賊「戦士も行くか?」
戦士「いいよ、女だけで楽しんできな」
魔道士「……じゃあ、お言葉に甘えて」
盗賊「行ってくる」
戦士「あいよー」
スタスタスタスタ…
戦士「仕方ねぇ。とにかくまずは……メシだっメシ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:02:59.75 ID:pLfomXBVo<> 〜帝の城〜
槍侶「……っ」
奥女中「お気付きですか?」
槍侶「わあぁーっ!」ガバッ
奥女中「ご、ご気分は……」
槍侶「だっ、大丈夫……ですっ!」
スタスタスタ
家老「ふむ。これは上様というよりは……流石は女人の近寄らぬ総本山、か」
槍侶「し、失礼を致しました!」
家老「いやいや。上様は庭にて、剣術の稽古に励まれておられる」
槍侶「剣術……ですか?」
家老「なんならご覧になられるかな?」
槍侶「……是非」
家老「ほう、目つきが変わりましたな。それでは参りましょうか」
槍侶「はい」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:03:30.66 ID:pLfomXBVo<> 〜庭〜
帝「っりゃああぁぁぁぁ!!」ビュオッ!!
東方司令「甘いっ! もっと水平に振りぬく……そうっ!」カシンッ
ザッザッザッ
家老「居た居た。全く、女子とは思えぬ勇ましさ」
槍侶「……おぉっ」
ズザザッ…ヒュオンッ
帝「はあぁーっ!」
東方司令「どうしました? その程度ですか!?」
帝「くぬ……っ!」
東方司令「隙ありっ!」
バシッ!!…カランッ
帝「……くっ、今日も勝てなかったか」
東方司令「先日も言った通り、上様は日々、腕を上げておられますよ」
帝「だがこれでは到底……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:04:06.86 ID:pLfomXBVo<> パチパチパチパチ
帝「……?」
槍侶「お、お見事な……腕前っ!」
帝「おぉ、目が覚めたか」ジーッ
槍侶「さ、先程は失礼致しまし致したた!!」ササッ
東方司令「誰だ?」
家老「総本山。東方一高い山の頂上にある寺でな。そこの僧兵じゃ」
東方司令「なんだ、僧侶か」
家老「ちなみに、槍の総本山と呼ばれておる」
東方司令「何……っ?」
帝「お主も槍を使うのか?」
槍侶「ははは、はひぃ!」
帝「ふむ、それは是非一度……拝見してみたいものよの」
東方司令「なぁ君、ボクと戦ってみないか?」
槍侶「へっ、へぇ?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:04:46.71 ID:pLfomXBVo<> …
家老「本当に宜しいのか?」
帝「本当は私が戦いたいところだが、かの名高き槍の総本山。到底勝てるとは思えぬ」
東方司令「さぁ、ボクはいつでもいいぞ」ブンッ
奥女中「棒とは、このような物で宜しいですか?」
槍侶「ああ、ありがとう御座います!」パシッ
帝「槍の総本山、はたしてどれ程のものか」
家老「……っ」
東方司令「ふんっ。そちらから来ないならボクから――」
ゴゴゴゴゴゴ
槍侶「…………」スッ
東方司令(気配が変わった。コイツ……これ程とは……っ)
帝「す、凄いものだな……っ」
家老「……?」
帝「お主には感じぬであろう、この……威圧が」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:05:19.78 ID:pLfomXBVo<> 槍侶「……はあぁーっ!!」ブオッ!!
東方司令「――っ!?」
ヒュオッ!!…ガキイイィィ!!
東方司令「な、なかなか早いじゃないか……っ」
槍侶「……ふーっ」ザザッ
ググググッ
帝「東方司令が力押しされている!?」
東方司令(身長差を生かして上を取られたか。やり慣れているな……っ)
槍侶「……はっ!」
ブンッ…カシッ!!…カツンッ!!…ガカッ!!
家老「両者一歩も引かぬっ! こ、これは……見事っ」
帝「……いや、少しずつではあるが……東方司令が押されているっ」
槍侶「はああぁぁ!!」ズババババッ!!
東方司令「……っ」ヒュオッ…ブンッ
槍侶「お見事っ! しかしこれならば……どうか!」ババッ!! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:05:57.95 ID:pLfomXBVo<> 家老「飛んだ!?」
チカッ
東方司令(しまった! 逆行か……っ!)
槍侶「はあぁーっ!!」
東方司令「こ……のぉ!!」
ビュオッ!!…バッギャアアァァ!!
槍侶「……いやはや、お見事」
スタッ
東方司令「いや、キミの棒が折れてなければ、ボクがやられていたかも」
カラン…ポトッ
家老「た、互いの木刀と棒が……粉々に……っ」
帝「この勝負は引き分けか。いや、実に見事であった」
東方司令「このボクをここまで本気にさせたのは久し振りだよ、キミ……やるね」ズイッ
槍侶「――!?」フラァ…カクン
帝「また……気を失ったぞ」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/12(月) 18:06:53.04 ID:pLfomXBVo<> それではここまでにて失礼致します!
ご支援ありがとうございました!それではまた明日!ノシ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 18:33:12.03 ID:Txo3Gvb2o<> >>1乙
槍侶だめすぎるwwwwww
が、これはこれで主人公的要素もあるな!>>1の書くキャラは魅力的すぎる! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 18:38:54.36 ID:dTjai0cXo<> >>1乙
こりゃ登山中にワルキューレは呼べないなwwww <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 19:10:15.01 ID:J0GmPsVAO<> >>1乙
いいなぁ〜 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 20:05:46.81 ID:/FYwK3fg0<> よっしゃあっ夫人クルー!? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 20:41:39.63 ID:WNiH+r3DO<> 魔王戦よりも召喚探求のほうがワクワクするのは何故だ… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 20:48:21.60 ID:jqMYWkOSO<> 1おつ!
召喚術の4行であれだけなんだから、5行なんてちびっちゃうな
さらに悪魔召喚、召喚7行なんて事になったら俺はバッファローマンになる! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 21:48:33.05 ID:cHvRGttQo<> >>1乙
槍侶って戦士父ともいい勝負したしかなりの強キャラだな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/12(月) 22:39:00.90 ID:uBmUmB6f0<> >>1 大量更新乙
登山に魔道士たちが来なくてよかったな
しかし魔道士は怪しいとか何を想像したんだww
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/12(月) 22:56:52.45 ID:R+Iat/Z50<> 槍侶に萌えた俺っていったい。。。。。。。
あ、>>1乙!
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 00:17:53.11 ID:IUz/GGhAO<> >>1乙
武蔵にやられちゃえ僧侶 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:43:26.80 ID:TjyfZ0Gzo<> …
槍侶「…………ん」
奥女中「大丈夫で御座いますか?」
東方司令「すまぬ。どこか痛めてしまったか?」
帝「無理をせず、しばし安静にしていると良い」
槍侶「はんっ!? はああぁぁ!!」ガバッ!!
家老「皆があまり近づかなければ……おそらく大丈夫じゃろうよ」
帝「何か申したか?」
家老「いえいえ。槍侶殿も無事なようですし、本題へ入りましょう」
帝「大丈夫……か?」
槍侶「だだだっ、大丈夫ですっますっ!」ササッ
帝「……ふむ。ではそうするかの」
家老「上様、早くお着替えになられて下さい」
帝「分かった。先に待っておるが良い」
槍侶「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:43:59.83 ID:TjyfZ0Gzo<> …
テクテクテク
帝「待たせた。それでは始めると致そうか」
家老「して槍侶殿。総本山のご意思を改めて確認したいのだが」
槍侶「はっ! ここに大僧正より預かりました、文が御座いまする!」スッ
家老「ふむ、拝見させて頂く」カサカサッ
帝「……」
家老「成程、総本山の意思は間違いなく、受け取りましたぞ」
帝「何と申しておるのだ?」
家老「お声がけ頂ければ、今すぐにでも下山致す、と」
帝「それは頼もしい限り」
槍侶「僧兵三百余りではありますが、上様のお力になれればとっ!」
帝「ふふっ。楽しみにしておるぞ」
槍侶「は、はひぃ!!」
家老「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:44:29.44 ID:TjyfZ0Gzo<> …
奥女中「上様、名代様と召喚士様がお見えで御座います」
帝「丁度良いな、通せ」
奥女中「はい」
スタスタスタ
名代「お早う御座います。おや槍侶殿。まだお話中で御座いましたか」
槍侶「先程はどうも」
召喚士「こちらこそ」
帝「ん? 既に顔見知りであったか?」
名代「先程、屋敷までご挨拶に来て下さったんですよ」
家老「そうであったか。律儀だのう」
名代「して、お話は終わりましたかな?」
家老「うむ。総本山の援軍も取り付けたし、これで備えは万全よな」
名代「そうですね。槍の総本山が助力してくれるなど、頼もしい限りです」
槍侶「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:44:58.51 ID:TjyfZ0Gzo<> 帝「出兵日時については今晩、青年兵殿との会合で決めたいと考えておる」
槍侶「は、はっ!」
名代「下山には一日あれば事足りるのであったな?」
槍侶「総本山の者らであれば、半日もあれば宜しいかと」
名代「ほお、それならば念の為、出兵二日前には連絡すると致そうか」
槍侶「五合目まで飛脚が出せます。そこからは、我らが取り次ぎますので」
家老「承知した。そうさせて頂こう」
槍侶「はっ! どうか宜しくお願い致しまする!」ザザッ
帝「そなた等の武功、楽しみにしておるぞ」
槍侶「ひっ、はいぃ!!」
名代「槍侶殿、それでは召喚士殿を宜しくお願い致しますぞ」
槍侶「か、畏まりました!」
召喚士「宜しくお願いします」
帝「……どこか行くのか?」
名代「ええ、ちょっと不死山まで」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:45:28.45 ID:TjyfZ0Gzo<> …
帝「ほぉ、不死山にそのような所があるのか」
名代「そのようですね。私も拝見した事は御座いませぬが」
帝「お前も行きたいのではないか?」
名代「本心を申せば。しかし私は一介の陰陽師ではありませんので」
帝「もっと早ければ、良かったの」
名代「いえ。上様や東方を守る事が出来る力さえあれば、それ以上の物は無用」
帝「そうか」
名代「召喚士殿は全世界の人々を背負っておるのです。規模が違いまする」
帝「……無事に戻ってくれば良いな」
名代「はい。心配無用とは思いますが」
帝「……さて。私もそろそろ出かける準備をせねばな」
名代「どちらかにお出かけで?」
帝「うむ。でえと、というやつじゃ」
名代「……?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:45:58.91 ID:TjyfZ0Gzo<> …
槍侶「都より街道沿いに進めば、おそらく三刻以内には不死山へ着くでしょう」テクテクテク
召喚士「三刻……6時間……ですか?」テクテクテク
槍侶「はい。しかし体力も温存しておきたいところですから、海路で参りましょう」
召喚士「不死の山まで船で行けるんですか?」
槍侶「東の大名が滅亡した事で、弊害はなくなりましたから」
召喚士「あ、そっか。確かにそうですよね」
槍侶「それでは港まで急ぎましょう」
召喚士「はい、宜しくお願いします!」
スタスタスタスタ…
男隊員「東方に……上陸!」
女隊員「な〜んか、いい感じじゃないッスか!」
隊長「さぁまずは宿だ、何が何でも宿。最優先任務。失敗は断じて許されん」
格闘家「あれ? 今の……召喚士さん?」
隊長「おらっ、何してやがる! さっさと行くぞ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:46:28.87 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜旅籠〜
戦士「……」ボケー
仲居「きゃああぁぁ!!」
戦士「!?」ガバッ
タッタッタッタッタ
戦士「ど、どうした!?」
仲居「あ……あぁ……っ」
戦士「!?」
鬼丸「そんなに驚く事ねーだろ。グハハッ!」
戦士「鬼丸!! ど、どうしてここに……っ!?」
鬼丸「お前に会いに来たんだが、やっぱり日が出ているうちは目立ちすぎるわな。グハハッ!」
東方参謀「……んっ、何だそやつは? 知り合いか?」
戦士「えっ!? あ、あぁ……まぁなっ! はははっ」
東方参謀「むっ!? もしやそやつ……」
戦士「ち、違うんだ! 魔物みたいだけど魔物じゃ――」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:46:59.82 ID:TjyfZ0Gzo<> 東方参謀「かなりいい筋肉をしているな。ならばっ、腕相撲ファイトォー、レディー……」バサッ
西方参謀「朝っぱらから暑苦しいんだよ。脱ぐなっつーの……ヒック」
鬼丸「な、何だぁ?」
戦士「いいからほっとけ! こっち来いっ!」グイッ
スタスタスタ
戦士「んで、どうしたってんだよ?」
鬼丸「ああそうそう。お前よ、男3人引き連れた刀持ちのイイ女、知ってるか?」
戦士「……とりあえず、該当一件だな」
鬼丸「おぉ、やっぱそうか! 刀持ってる本国の男に渡してくれって頼まれたんだ!」
バサッ
戦士「何だこりゃ? 地図か?」
鬼丸「ワケありでよ、何でも西に行くって行ってたぜ」
戦士「西!? そうか……追えば剣術の稽古をしてくれるってか!」
鬼丸「稽古?」
戦士「他の連中も独自で動いてるわけだし……よーし、ここは1つ……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:47:28.23 ID:TjyfZ0Gzo<> …
テクテクテク
南方参謀「急に飛び出してって、何かあったの?」
戦士「いやすまん。ちょっと東方の知人と出かける事になってな」
西方参謀「知人て……さっきのバケモンか?」
戦士「ああ」
西方参謀「特異な友人が多い事ですわな……ヒック」
南方参謀「何しに行くの?」
戦士「……観光。あとは、ムシャシュギョウデゴザル!」
南方参謀「そうは言われてもねぇ……」
スタスタスタ
青年兵「構いませんよ。皆には僕から伝えておきますから」
戦士「さすが青年兵っ!!」
青年兵「但し、どんなに遅くとも、1週間以内には戻ってきて下さい」
戦士「……分かった。約束する!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:48:05.45 ID:TjyfZ0Gzo<> …
南方参謀「それじゃ、気を付けてね」
戦士「おーう。行ってくらぁ!」
スタスタスタ
戦士「……おっ?」
女隊員「戦士くん!?」
男隊員「何だぁ? お前らも一緒かよ……ヒャハハ!」
格闘家「隊長の言ってた宿って、ここですか?」
隊長「ちっ、余計な連中が……」
西方参謀「よぉ、随分と遅かったなぁ?」
隊長「貴様……」
西方参謀「いやいや、女将さんとは宜しくさせて貰ってるぜ? ガハハッ……ヒック!」
隊長「殺す」ゴゴゴゴゴゴ
格闘家「隊長!?」
女隊員「あれっ? 戦士くん、どこか行くんスか?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:48:32.01 ID:TjyfZ0Gzo<> 戦士「あ、ああ。ちょっと色々となっ!」
男隊員「ふーん。ま、気を付けてな」
戦士「んじゃ、またな!」
タッタッタッタッタ
南方参謀「なーんか怪しいわねぇ」
東方参謀「うむ。先の者もあれはおそらく……魔物であろう」
西方参謀「かと言って、アイツが何かするタマかい。信じて待とうじゃないの……ヒック」
青年兵「ご苦労様です」
隊長「おう。特遊、ただいま到着――」
女将「あらぁ、またお客さんかしら?」カランコロン
隊長「――っ!!」
女将「あらっ、以前……お会いした事ありましたわよねぇ?」
隊長「覚えていてくれましたかっ!!」
女将「もちろんですわ〜。良い男の顔はうち、忘れませんもの〜うふふっ」
隊長「い、いやぁ〜あっははははは!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:48:58.09 ID:TjyfZ0Gzo<> タッタッタッタッタ
戦士「ふーっ、何とか無事脱出成功だ」
鬼丸「んじゃ行くか!」
戦士「おう。まさお前と2人旅するハメにあうとはなぁ」
鬼丸「文句あっか?」
戦士「ねぇよ。はははっ!」
鬼丸「ところでよ、道は分かるか? 俺ぁさっぱりだぞ?」
戦士「俺だってわかんねーよ。ま、地図見ながら行きゃ何とかなんだろ」
鬼丸「だなっ! 地図があんだから迷うわけねぇわ! グハハハッ!」
戦士「そうそうっ、ちゃっちゃと言ってちゃっちゃと帰ってくる。楽勝よ! ははははっ!」
鬼丸「だなっ! お前がいりゃあ……鬼に金棒だぜっ!」
戦士「おいおい俺は金棒かよっ!?」
鬼丸「言われてみりゃ俺が鬼だったわな……グハハッ!」
戦士「さーてさて、そんじゃいざ……西へ出発!」
鬼丸「おうよ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:49:35.59 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜旅籠〜
隊長「……」
西方参謀「……」
テクテクテク
女将「はい、お茶が入りまし――」
隊長「いただきますっ!」
西方参謀「いただきますっ!」
隊長「てめぇは酒でも飲んでろこら!」
西方参謀「緑茶割りだこら!」
隊長「んな飲み物はねぇ!」
西方参謀「俺が開発した! 西方司令部ナメんな!」
女将「あらあら……」
南方参謀「気にしないでいいわよ、女将さん」
男隊員「んで、朱雀連中は全員出払ってるってわけかい」
女隊員「隊長〜。私達も観光してきていいッスかぁ?」
隊長「勝手にしろ! あっ、こら酔っ払いてめぇ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:50:10.02 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜帝の城〜
魔道士「こんにちはー」
門番壱「あっ!」ササッ
門番弐「さっ、どうぞ!」
盗賊「えっ? あ、どうも…」
魔道士「盗賊さんが居ると、顔パスですね〜」
盗賊「そういわけではないと思うけど」
テクテクテクテク
火忍「ぬおぉ!! 姫ーっ!!」
盗賊「火か」
魔道士「こんにちは〜」
火忍「おぉ、えーと確か……」
盗賊「魔道士」
火忍「そうそう魔道士さん! これから上様の所へ?」
盗賊「うん」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:50:37.77 ID:TjyfZ0Gzo<> 火忍「成程、それでは俺が案内致しまする」
盗賊「いいよ、任務中だろ?」
火忍「ところがどっこい、もう交代! 終わりました!」
盗賊「そうなのか。それじゃあ……」
ザッザッザッ
旗本「お二方、お見えになられましたか。ささ、上様がお待ちですぞ。此方へどうぞ」
火忍「お、おいっ! 俺が案内――」
旗本「藤蔵の手をわざわざ借りるなど失礼に値する。お気遣いなく」
火忍「いや、だから俺が上様の――」
旗本「さて、それでは参りましょうか」
盗賊「……じゃあな、火」
ザッザッザッ…
魔道士「そ、それじゃあまた……っ」
ヒュウウゥゥゥゥ
火忍「……北風が……冷たいぜ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:51:07.83 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜庭〜
魔道士「……あの木、何でしたっけ? 松?」
盗賊「何だこの折れた木刀は……」
スタスタスタ
帝「おーっ、待たせたのう」
魔道士「上様っ! 可愛い〜っ」
帝「そ、そうか?」ヒラッ
家老「ではお二方、宜しくお願い致しますぞ」
盗賊「はっ。この命に代えても上様をお守り申し上げまする」
魔道士「不吉な事、言わないで下さいよ……っ」
東方司令「そうだぞ。ボクがいる限り、安心するがよい」スタスタ
魔道士「あれ? 東方司令さんもご一緒ですか?」
東方司令「何だ、ボクがいるとまずい事でもあるのか?」
魔道士「違いますよ〜! 一緒で嬉しいですっ、えへへ!」
東方司令「ふ、ふん!」(……はああぁぁ、最っ高だー! 東方来て良かったぁ!) <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:51:45.37 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜海上〜
槍侶「如何ですか、東方は」
召喚士「ええ、凄くいい所ですよね」
槍侶「いつか、本国へ行ったみたいものです」
召喚士「ぜひ来て下さいよ! お待ちしてます」
槍侶「その為にはまず、東方と本国に巣食う妖を成敗せねばなりませんね」
召喚士「ええ。あっ、不死の山がここからでも見える……っ」
槍侶「東方の象徴ですからね」
召喚士「険しい山ですよね。槍侶さん達はずっと、あの頂上で生活しているんですよね」
槍侶「はい。煩悩を断ち切り、腕に磨きをかける為に日々、精進致しております」
召喚士「凄いですよ。とてもまね出来ない……っ」
槍侶「しかし召喚士様の行き方も、我らにとっては到底、真似の出来ぬものでございます」
召喚士「まぁ、そうかもしれないですけど……つらくはないですか?」
槍侶「下界は誘惑が多過ぎます故、私には……し、刺激が強く……っ」
召喚士「……な、なるほど」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:52:17.58 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜都〜
魔道士「まずはどこへ行きましょっか?」
盗賊「そうだな……」
ギュッ
魔道士「へっ?」
盗賊「!?」
帝「でえと……とは、手を繋ぐものと聞いたぞ?」ギュウッ
盗賊「そそ、そんな上様が私の手などと……っ、滅相もないっ!」
魔道士「上様……っ!」キューン
帝「や、やはり何か不味かったか……?」
魔道士「きゃああぁぁ!!」
盗賊「ど、どうし――」
魔道士「東方司令さんっ!?」
東方司令「……血が……足りない」ガクガクガク
帝「……だ、大丈夫か?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:53:08.74 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜不死の山付近〜
召喚士「あっ、陸地が見えてきた!」
槍侶「あの砂浜から上陸致します」
召喚士「もう不死の山が目の前だね」
槍侶「まだ時間も早いですし、問題なければこのまま登山へと入りましょうか」
召喚士「そうだね。いくら時間があるとはいえ、あまり悠長にはしていられないですから」
ザザーン…ドシャアァ
槍侶「登山道まではすぐです。このまま向かいましょう」
召喚士「了解っ」
槍侶「防寒具なども五合目までは無用ですので」
召喚士「とりあえずこのまま登るって事だね」
槍侶「はい。他にご質問がなくば、出発致します」
召喚士「大丈夫。お任せします」
槍侶「それでは参りましょう」
召喚士「うん!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:53:48.53 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜都〜
東方司令「食ったー!」
魔道士「食ったー!」
盗賊「さっきまで鼻血出して倒れてたくせに……」
帝「食ったー」
盗賊「上様っ!?」
魔道士「次はどうしましょうか?」
帝「この先にな、私が大好物の御汁粉があるぞ」
東方司令「行きましょう!」
魔道士「行きましょう!」
盗賊「先程から食べてばかり……」
帝「盗賊はもう、食べるのは嫌か?」
盗賊「……行きましょう!!」
東方司令「さぁ早くしないと日が暮れてしまいますぞ!」
魔道士「へへい、親分っ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:54:22.86 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜五合目〜
召喚士「もう夕方ですね」
槍侶「ええ。どう致しますか? ここで一夜越す事も可能ではありますが」
召喚士「槍侶さんはこのまま行けますか?」
槍侶「無論です。昼夜問わず、何百と往復してきた道のりですから」
召喚士「だったら行きましょう」
槍侶「宜しいので?」
召喚士「俺の身勝手で遅れさせるわけにはいきませんよ」
槍侶「いえ、私は別に……」
召喚士「……行きましょう!」
槍侶「は、はいっ。なれば、此処から先は防寒具等を……」
ゴソゴソッ…ザッ
召喚士「これでいいですか?」
槍侶「……流石です。では、行きましょう」
召喚士「ええ、行きましょう!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:54:53.89 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜都の西〜
テクテクテクテク
戦士「しっかし、こっちは人が少ねぇなー」
鬼丸「妖はいっぱいいるぜ?」
戦士「それは遠慮願いたい……ってか、お前道知らねぇって……」
鬼丸「道は知らんが、何度も来た事はあるぞ」
戦士「そうなのかよ」
鬼丸「ずーっと昔は、道なんてなかったしな」
戦士「ああ、そっか」
鬼丸「人間の村を襲ってはよく喰ったもんだ。グハハッ」
戦士「……」
鬼丸「安心しろって。もう喰ったりしねーからよ」
戦士「……分かってるよ」
鬼丸「もうじき日が暮れるな。妖どもも姿を見せ始めるぜ」
戦士「ちっ、面倒にならなきゃいいけどな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:55:25.33 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜都〜
とんとんからりっ……しゃんしゃんしゃんっ
帝「むぅーっ。もう夜になってしまったか」
盗賊「残念ですが、今日はここまでのようですね」
魔道士「楽しかったですっ。上様、今日は本当にありがとございました」
帝「いやいや、此方こそ礼を言いたいくらいじゃ。感謝するぞ」
魔道士「くぅ〜。上様〜っ!」ギュッ
盗賊「こ、こらっ! 無礼者!」
帝「良い良い。私とて今日くらいは、一人の少女で居たいのじゃ」ギュッ
魔道士「上様……っ」
帝「盗賊、東方司令、そなた達にも感謝するぞ。有難う」
盗賊「い、いえっ。私はその……ありがとうございます」
東方司令「今は……耐えるのだ東方司令よ……ぶつぶつ」トントントン
帝「さて、城へ戻ると致そうか」
魔道士「……は、はいっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:56:03.83 ID:TjyfZ0Gzo<> 〜旅籠〜
隊長「な、何か手伝いましょうか!?」
女将「お客人なんですから、ゆっくりなさってて下さいな〜」
女隊員「隊長ー。下調べとかいいんスかぁ?」
隊長「うっせ。勝手にやってろ」
女隊員「……はぁ。東方hに来てからどうも隊長の様子がおかしいッス」
男隊員「そうかぁ? 普段からあんなモンだろ。幻影だよ幻影。誇大妄想。拡張――」
ゴンッ!!…カラカラカラ
男隊員「……」ドタッ
格闘家「お鍋の……蓋」
隊長「特遊足るもの、どんな物でも武器として扱うが当然の事」
女将「まぁ、凄いですけど……部下はん、大丈夫?」
隊長「はっはっは。そんなヤワには鍛えておりませんよ!」
女隊員「あ、分かった!! 隊長……女将さんが好きなんスね!?」
隊長「ぶっ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:56:27.82 ID:TjyfZ0Gzo<> 女将「へぇ……っ?」
隊長「あ、いやあのっ! お、女隊員クン! 何を言っておるのかね!?」
男隊員「はっはーん……そういう事か……いっちち」ナデナデ
格闘家「そうかっ、それで宿の話に繋がるわけか」
女隊員「そうならそうと言ってくれればいいッスのに」
隊長「この単細胞女が……べらべらと……ぐっ」
女将「あ、あの……あのぉ」
隊長「ええい! 恥のかきついでだ! 女将さんっ!」
女将「は、はいぃ!?」
隊長「……そのっ、一目見た時から何と言うか……その」
男隊員「おら頑張れ隊長!」
隊長「やかましい!」
ズザァ!!
西方参謀「ちょーっと待ったぁ!!」
隊長「!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:56:58.07 ID:TjyfZ0Gzo<> 西方参謀「抜け駆けとはいい度胸じゃねぇか……ヒック」スタスタ
女将「……?」
西方参謀「第一印象から決めてましたっ! 東方に住む覚悟だって出来てます!」ビシッ
男隊員「おぉーっと、ここで西方参謀が1歩リードか!?」
女隊員「隊長……」
隊長「ぶ、不器用な人間ですがっ、こんな酔っ払いに負けるつもりはありません!」
女将「……っ」
隊長「魔王を倒したら……い、一緒に東方で暮らしましょう!」ビシッ
女将「…………」
男隊員「さぁ、女将はどちえらを選ぶ!? それとも……!?」
女隊員「声が大きいッスよバカ!」
女将「あ、あの……っ」
隊長「……」
西方参謀「……」
女将「あのっ、うち……一人を選ぶ事は出来ないわぁ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:57:37.62 ID:TjyfZ0Gzo<> 男隊員「おっとぉ!? まさかの多夫一妻制!?」
女隊員「あんたはさっきから何を言ってるんスか?」
格闘家「……」
女将「うちな、自分で言うのもあれやけど……昔は都一の太夫やったんです」
南方参謀「太夫?」
東方参謀「東方一のスーパーモデルと言ったところだ」
南方参謀「まぁっ、ステキ!」
女将「幾人もの殿方が慕ってくれはって、結局……帰ってこなかった」
隊長「……」
女将「もう待つのは限界。うちを欲するなら……刀を置く覚悟が出来ますか?」
隊長「……そいつは、いくら女将の頼みでも無理だな」
西方参謀「ああ」
女将「……そうでしょうね」
隊長「すまない。俺達にはどうしても、この軍服を脱ぐ事は出来ないんだ」
西方参謀「残念……だけどな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:58:23.14 ID:TjyfZ0Gzo<> 女将「……振られてしまいましたなぁ」
隊長「いや、きっと帰ってくる。俺は必ず帰ります! だからその時には……」
西方参謀「俺もだ。その時にはどちらか2人、ハッキリ決めて貰いましょうか!」
女将「……ふふっ、勝ってやわぁ。待っているとは限りませんよ……?」
隊長「ぬぐっ」
西方参謀「……五ヵ年だか何だか知らねーが、一瞬で片付けてやる!」
南方参謀「おぉ暑い暑い……」
東方参謀「思わぬところで士気も上がったし、良いのではないか?」
女将「あー恥ずかしっ。顔真っ赤やわぁ……」
南方参謀「女将さん、夕飯にしましょ。手伝うわよっ!」
男隊員「残念だったな隊長。ヒャハハ!」
女隊員「何が何でも死ねないッスね!」
格闘家「隊長……漢ですね」
隊長「やめろ。元はと言えば誰のせいだと思ってやがるっ!!」
女隊員「ひぇーっ!」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/13(火) 18:58:59.72 ID:TjyfZ0Gzo<> それではここまでにて失礼致します!
今日もご支援ありがとうございます!それでは!ノシ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 19:04:59.02 ID:rHkC0pqY0<> >>1乙
隊長からなんかフラグがみえかくれしてるきがする・・・・ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 19:31:43.27 ID:IUz/GGhAO<> >>1乙
隊長その後おかわりなくで良かった良かった <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 19:38:46.34 ID:likJlnUO0<> 1年ぶりに見たわ…
お疲れさん
つまんねーSSだけどまぁがんばれよ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 19:49:57.79 ID:GbR2k+vIO<> いちおつ
縦読みとは分かるがそういうのはやめとけよ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 20:53:02.54 ID:Ck4oHNuDO<> >>1乙っす <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/13(火) 21:27:19.54 ID:id3xGAm70<> いちおつ
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 22:01:45.20 ID:TgUb56oDO<> >>1乙
ほのぼのしてていいなー <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 22:19:08.46 ID:N9K1IRfDO<> >>1乙!
隊長と西方参謀のくだりでニヤニヤしてしまったww
日常パートも良いよね! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 22:23:43.24 ID:DefhxufDO<> 日常パートいらなくね?
つまんねぇだろ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/13(火) 22:32:01.80 ID:dUYg6f9SO<> いちおつ
日常パートほのぼのしてていいね <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 23:14:54.69 ID:Wsg0pbRDO<> むしろ戦闘パートがいらない <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 23:23:39.70 ID:r2yVdoLHo<> 戦闘パートがあるから日常、修業パートが映える
逆もまたしか然り <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 23:27:25.84 ID:n2aT/6a9o<> 乙
>>743
わかってらっしゃる <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 23:44:31.92 ID:4fjpLaJAO<> 和むwww
>>1の書く日常パート大好きだ
>>1乙!! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 00:14:26.34 ID:leyecU620<> >>1乙!
今度は隊長に萌えた俺っていったい。。。。。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 07:36:38.46 ID:jqasMKqto<> ふじさん近いんだな。 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:06:30.46 ID:KwPg8L5Ho<> 〜帝の城〜
門番壱「お帰りなさいませ!」
門番弐「ご無事なようで何より」
帝「そんな遠出するわけでもあるまい。心配は要らぬ」
魔道士「上様、今日は本当にありがとうございましたっ!」
帝「此方こそ、二人には礼を言うぞ。有難う」
盗賊「勿体無きお言葉に御座いまする」
東方司令「それでは上様、行きましょう」
帝「明日からは城を出られぬ。それでも構わなければ、いつでも待っておるぞ」
魔道士「はいっ!」
スタスタスタ
盗賊「上様、楽しんでくれて良かったな」
魔道士「本当は、色々と遊びたいんですよね……年頃の女の子なんだもん」
盗賊「……境遇は似ているな、私達と」
魔道士「ええ。私達は自由の身を選びましたけど、上様はそうもいかないですもんね……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:07:10.54 ID:KwPg8L5Ho<> 盗賊「……上様に兄弟はおらぬ。ましてや親族も」
魔道士「……っ」
盗賊「今の立場を捨てたくとも、そうはいかぬのだよな……」
魔道士「……うん」
盗賊「さ、戻ろう魔道士。皆は心配しておるだろうし」
魔道士「はい」
テクテクテクテク
魔道士「召喚士さん、大丈夫ですかね……?」
盗賊「心配は無用だろう。あいつは1人でも強いよ」
魔道士「ええ、まぁ……そうですけど」
盗賊「きっとまた強くなって帰ってくるさ。だから私達も、頑張らねばな」
魔道士「……そうですね。召喚士さんだけに任せてはおけないですもんね」
盗賊「情報収集、鍛錬、買い出し。出来る事は沢山ある」
魔道士「明日から早速、私達も何か頑張りましょうっ!」
盗賊「ああ、そうしよう」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:07:41.24 ID:KwPg8L5Ho<> 〜旅籠〜
魔道士「えーっ!? 召喚士さんだけじゃなく戦士さんもですか?」
青年兵「ええ、そうなんですよ」
盗賊「全く、困ったものだな」
魔道士「大丈夫ですかね?」
盗賊「まぁ2人共、大丈夫だとは思うけれど」
魔道士「うーん……。仕方ない、私達だけでやりましょっか」
盗賊「そうだな」
青年兵「何かなさるんですか?」
魔道士「ずっと遊んでるわけにはいきませんからっ! 戦いに向けての下準備です」
青年兵「おぉ……」
男隊員「だ、そうですよ。どこぞの隊長さん?」
隊長「うるせーな」
青年兵「おっと。上様は城に戻られたんですよね? それじゃ僕もそろそろ行ってきます」
魔道士「あ、はいっ! お気を付けて!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:08:12.57 ID:KwPg8L5Ho<> 〜不死の山〜
ビュオオォォォォ!!
召喚士「――っ」
槍侶「大丈夫ですかぁ!?」
召喚士「えっ!? なにっー!?」
槍侶「大丈夫ですかああぁぁ!!」
召喚士「大丈夫ーっ!!」
ザッザッザッ
召喚士(しかしこの吹雪は強烈だな……。鉱山北の山より激しいかも……)
槍侶「召喚士さん!! こっちに!!」クイクイッ
召喚士「了解ーっ!!」
ザッザッザッ…ザザッ
槍侶「……ふーっ」バサバサッ
召喚士「よ……っと。はぁ、凄い吹雪だね」
槍侶「ええ。ここまで悪天候なのは久し振りですね」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:08:38.44 ID:KwPg8L5Ho<> 召喚士「ここは、洞窟?」
槍侶「空洞を利用して設営した、簡易的な休憩所とでも言いましょうか」
カチカチカチッ…シュボッ
槍侶「ここで一旦、暖を取りつつ、一休み致しましょう」
召喚士「うん」
槍侶「雪崩などに備えて、内部は木造りですので、暖かいでしょう?」
召喚士「そうだね。火をおこすだけで洞窟内がかなり暖かくなったよ!」
槍侶「茶を沸かしますので、しばしお待ちを」コポコポコポッ
召喚士「ありがとうございます」
槍侶「召喚士様が目的とされる場所まではあとどの程度で?」
召喚士「実は下山の際に偶然遭遇したもので、頂上からでないと分からないんだよね……」
槍侶「そうでしたか。ならば一先ずは、総本山までご一緒に」
召喚士「すみません……」
槍侶「いえいえ。なんなら吹雪が止むまで総本山にて休まれるのが宜しいかと」
召喚士「い、いえっ! そこまでは……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:09:09.86 ID:KwPg8L5Ho<> 槍侶「私が預かった大切な客人です。なにかあっては私の面目が立ちませぬ」コポコポ
召喚士「……」
槍侶「さ、まずは茶でも飲んで、身体を温めて下さいませ」
召喚士「……助かります」ゴクッゴクッ
槍侶「風が弱まるのを見て、再び総本山を目指しましょう」
召喚士「ええ、そうしましょうか」カサッ
槍侶「……?」
召喚士「チョコレートです。甘くて美味しいですよ」
槍侶「い、いただきます」パクッ
召喚士「疲れた時には糖分がいいって言いますから」
槍侶「もぐもぐ……こ、これはっ!?」
召喚士「お口に合いませんでしたか!?」
槍侶「な、何と言う美味……っ! この世のものとは思えぬ美味さ……!!」
召喚士「……もっと……食べます?」
槍侶「宜しいのですか!? ぜ、是非っ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:09:38.22 ID:KwPg8L5Ho<> 〜帝の城〜
帝「よく来てくれたな。どうか楽に」
青年兵「恐れ入ります」
帝「早速ではあるが、戦についての意見を聞かせて貰いたいのじゃ」
青年兵「はい。まずは明日にでも、軍船を全て東へ移そうかと思います」
家老「ほう、先に軍船を?」
青年兵「はい。先に入港させ、いつでも発てる手筈を整えておけば、時間のロスは防げます」
名代「確かにその通りですな」
帝「ふむ。では早速、そう致そうか」
青年兵「もし先に回せる兵が居れば、一緒に乗せていくのも宜しいかと」
帝「訓練……と言うか、慣れにもなるか」
名代「本国の船と東方の船では、技術的な違いもありますからね」
青年兵「差し支えなければ、本国の兵も明日には東へ向かおうかと思います」
帝「本国が向かうと言うのに、我らが遅れるなど恥だぞ」
名代「左様ですね。では、こちらの兵も世話になると致しましょう」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:10:09.37 ID:KwPg8L5Ho<> 青年兵「それから、北への行軍ですが……」
名代「昨晩のお話通り、藤蔵を主体にこちらは出るつもりです」
青年兵「こちらは召喚士さん達と特殊襲撃隊に参加して頂くつもりです」
家老「召喚士……藤蔵の姫君も一緒か。それは丁度良いやもしれんな」
名代「有難う御座います」
青年兵「本人達も望んでいる事ですから」
帝「名代、総本山の連中には、直に東へ向かうよう伝えてくれ」
名代「畏まりました」
家老「それで、行軍は何時から開始と致すのじゃ?」
青年兵「そうですね、個人的な意見としては……3、4日以内には」
帝「以前にも伝えたように、此方の手筈は既に出来ておる。何時でも良いぞ」
青年兵「了解致しました」
名代「今は最小限の動きに留め、両国の絆を固くしつつ、刻を待つと致しましょう」
帝「そうだな。予め互いが意思疎通出来ておれば、今後の戦も楽になろう」
青年兵「ええ、私もその通りだと思います」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:11:03.91 ID:KwPg8L5Ho<> 〜不死の山、総本山〜
ビュオオォォォォ!!
槍侶「見えてきましたーっ! 総本山です!」
召喚士「おぉ……っ!」
ザッザッザッザッザッ…
僧兵長「……? 槍侶、か!?」
槍侶「ただいま戻りました。しかし、凄い吹雪ですね」
僧兵長「ああ。まるで不死の山が怒りを露にしているかの如く……おや?」
召喚士「はぁ、と……到着」
槍侶「以前、総本山へ異国の方が訪れた事、覚えていらっしゃいますか?」
僧兵長「……ああ、一年近く前になろうか。そのような事があったな」
槍侶「その際、お越し頂いた一人の、召喚士様です」
召喚士「こ、こんばんは。ご無沙汰しております」
僧兵長「これはこれは。このような時にわざわざお越し頂き」
槍侶「一先ず中へ入らせて頂きます」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:11:30.85 ID:KwPg8L5Ho<> 僧兵長「今、道を作っておる。もう少し待ってくれ」
召喚士「何をしてらっしゃるんです?」
槍侶「雪掻き、つまりは雪を除けて、道の確保や建物の倒壊を防ぐのですよ」
召喚士「なるほど」
槍侶「しかし掻いても掻いてもこの吹雪では、あまり意味もないかもしれませんね」
僧侶「そうなのだ。吹雪が激しく、雪掻きも捗らぬ」
召喚士「風が止めば、多少は変わりますか?」
僧兵長「それは勿論。一気に進められますからな」
召喚士「……なるほど」ザッザッザ
槍侶「召喚士様?」
召喚士「お礼、とまではいきませんが、この程度の事はさせて下さい」
僧兵長「な、何事……っ?」
召喚士「行けっ、クジャタ!!」
シュイイィィィィン
クジャタ「…………」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:11:58.69 ID:KwPg8L5Ho<> 僧侶「お、おぉ……っ!?」
僧兵長「これはっ、式神というやつか……っ」
召喚士「そんなところです」
槍侶「しかし何故っ、今それを……」
召喚士「まぁ、見てて下さい!」バッ
クジャタ「……オオォォ」
ゴアアァァッ!!
僧侶「な、何ぃーっ!?」
僧兵長「風が……止んだ!? いやっ、一部分のみが無風に……」
召喚士「召喚獣クジャタの能力です。この召喚獣は、気候を部分的に操る事が出来るんです」
槍侶「な、何とそのような事が……。凄いものですな、召喚獣とやらは」
僧兵長「お、おぉ……っ。何と言う事かっ、まさに御加護とでも言うべきものよっ!」
召喚士「い、いや……そんな大層なものでは……」
僧兵長「皆の者、見よっ! これぞまさに天よりの助けではないか!」
召喚士「あ、あのぉ……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:12:28.54 ID:KwPg8L5Ho<> ザワザワザワ
僧侶「いやはや、お陰様で雪掻きも目処がつきましたぞっ!」
召喚士「そ、それは良かったです……っ」
僧兵長「しかし素晴らしいお力。召喚士様は天よりの使いであられるのですな!」
召喚士「で、ですから……」
槍侶「先輩方、召喚士様がお困りではありませんか」
僧兵長「むっ、これは失礼致しました」
槍侶「さ、こちらへ」
召喚士「すみません……」
テクテクテク
槍侶「悪く思わないで下さいませ。皆、信仰深いが故の事ですので」
召喚士「ええ、分かってます。でも、本当に特別な力とはではないですから」
槍侶「我らにとっては、神格的な力ですよ。私も驚きました」
召喚士「でも、召喚士にとって召喚術は当たり前ですし、陰陽道だって……」
――「今でこそ当たり前やもしれぬが、かつてはそれを天の力と読んだのかもしれぬなぁ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:12:59.24 ID:KwPg8L5Ho<> 槍侶「大僧正様」
大僧正「陰陽師は限られた一族の者のみが使役出来ると言うが、まさに神通力よな」
召喚士「大僧正様、ご無沙汰しております」
大僧正「よくぞおいでなすった。何か、ご助力頂いたそうじゃな」
召喚士「そんなつもりでは……。当たり前の事をしただけですよ」
大僧正「ふむ。そう思える事こそお主の持つ仁徳じゃ。皆も見習うが良い」
召喚士「……っ」
槍侶「召喚士様は式神……えぇと、召喚術の件にて総本山を訪れたのです」
大僧正「ほう、不死の山に何かあると?」
召喚士「はい。あくまで推測ですけれど」
大僧正「古来より神仏が集うと謳われ続けてきたこの山であれば、確かに何かあるのやもな」
槍侶「やはり大僧正様もそうお考えで?」
大僧正「何より山がざわついておる。この猛吹雪もその影響じゃて」
召喚士「山が……?」
大僧正「お主を待っておるのであろう。それは吉兆か、はたまた凶兆か……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:13:30.26 ID:KwPg8L5Ho<> 〜西の森〜
ホーッ…ホーッ
戦士「何だか薄気味悪いなぁ」
鬼丸「なぁ、地図の道はこっちで会ってんだろうな?」
戦士「んー多分な」テクテク
鬼丸「それならいいけどな」
ピクッ
戦士「……!?」
鬼丸「この気配、妖怪の類だな」
戦士「結構……多くねぇか?」
鬼丸「多いな」
戦士「……どうする?」
鬼丸「どうしたい?」
戦士「そりゃ、面倒は避けたいぜ」
鬼丸「じゃあ逃げるに限るわな。グハハッ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:14:04.81 ID:KwPg8L5Ho<> 戦士「そんじゃ……」
鬼丸「せーの……」
ダダッ!!
鬼丸「待てっ! 伏せろ!」
戦士「!?」
ガサッ!!…ズザァ
戦士「……な、何だよ急に」ヒソヒソ
鬼丸「黙ってろ。あれ見えるか?」
戦士「……?」
オオォォォォ…
戦士「――っ!?」
鬼丸「妖怪の行列だ。ありゃあ……百鬼夜行だな」
戦士「ヒャッキ…ヤ?」
鬼丸「妖怪が大軍で移動すんだよ。規模はマチマチだがぁ、百から千までとにかく多いぜ」
戦士「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:14:30.46 ID:KwPg8L5Ho<> 〜不死の山、総本山〜
槍侶「一向に弱まる気配を見せませんね」
召喚士「ええ……」
槍侶「やはり今日は総本山にて一夜を過ごされては?」
召喚士「でも、大僧正様のお話を聞く限りでは、変わりそうもありませんから」
大僧正「山の怒り。即ち、不死の山に住まう妖の仕業であるならば、な」
召喚士「俺、行きます」
槍侶「!?」
召喚士「やっぱり天候が回復するとは思えないし、俺がいてはずっとこのままですよ、きっと」
槍侶「召喚士様……っ」
大僧正「うーむ。行くも留まるも困難なる道か……」
召喚士「大丈夫ですよ。俺にはクジャタがありますから」
槍侶「お供、致しましょうか?」
召喚士「いえいえご心配なく。それに、たぶん1人で行った方がいいと思うんです」
大僧正「うぅむ、十分にお気を付けなされよ? 危うい時は直ぐにでも此処へ戻ってくると良い」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:15:00.98 ID:KwPg8L5Ho<> 召喚士「はい。ありがとうございます」
テクテクテク…
召喚士「それじゃ行ってきます。お世話になりました」
槍侶「御武運をお祈り申し上げます」
召喚士「はい。また、会いましょう!」
槍侶「次は下界、戦の時に……ですね」
大僧正「どうか召喚士殿に、天の祝福を」
僧兵長「総本山一同、貴殿の無事を祈りましょうぞ」
ザッ…テクテクテク
僧侶「開門っ!!」
ゴゴンッ…ギギイイィィィィ
召喚士「うっ!」
ビュオオォォォォ!!
召喚士「この程度で、負けてられるか……っ!!」
槍侶「どうかっ、ご無事で!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:15:42.04 ID:KwPg8L5Ho<> 〜西の森〜
戦士「……なっげぇ」
鬼丸「もうじき通り過ぎるって」
戦士「うーん……」
ガサッ
――「……ふむ、百鬼夜行じゃのぉ」
戦士「…………」
いつの間にか居たその老人は、戦士と鬼丸が振り向く前に言葉を続けた。
老人「ひょひょひょっ。お主等、こーんな所で何をしとるんじゃ?」
戦士「て――」
ザッ
鬼丸「待ちな。おいジジイ、てめぇ……」
老人「……人間と妖が一緒に居ると思うたら、そういう事かいな」
戦士「――っ!?」
鬼丸「戦士、このジジイは人間じゃねぇ。妖だっ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:16:06.65 ID:KwPg8L5Ho<> 戦士「ちぃっ!」ガバッ!!
起き上がりざまに雷切を居合いにて抜刀する戦士。しかし老人は軽やかにそれをかわす。
老人「ひょひょひょっ、怖い怖い。これだから人間は野蛮で嫌じゃ嫌じゃ」
戦士「こ……んのっ」
鬼丸「ジジイ、俺達ゃ忙しいんだよ。さっさとどきな!」
老人「儂の事も知らんくせに、よう歯向かうわい」
戦士「鬼丸っ! 一旦離れて応戦すんぞ!」
鬼丸「構わねぇよ。このままブチのめしてやんぜ」
戦士「だがよ……っ」
鬼丸「どうせ大した妖でもなさそうだ。グハハッ!」
老人「お主こそ鬼丸、と言ったか? 聞かぬ名前じゃ」
鬼丸「だろうな。俺は生まれ変わったんだ。鬼丸なんだよ」
老人「何を言っているかさっぱり分からんわい。どれ、仕方ない……」
戦士「来るぞっ!」
老人「おぉーい、助けてくれーい!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:17:00.93 ID:KwPg8L5Ho<> 戦士「…………は?」
老人「こっちじゃこっちじゃ、人間がおるぞー」
戦士「……ナメてんのかてめぇ!」チャキッ
鬼丸「待て! 面倒な事をしてくれるぜ……ったく」
戦士「ど、どういう……」
オオォォォォ
戦士「!?」
鬼丸「せっかく通り過ぎてくれそうだったモンをよぉ……」
老人「百鬼夜行と戦うか? どう足掻いても勝ち目はぁないぞ?」
鬼丸「てめぇの一声で妖どもが従うたぁ、ジジイ……何モンだ!!」
老人「儂か? 儂はなぁ、妖の長よ」
戦士「長!?」
老人「そうじゃ。妖で一番偉い……ぬらりひょんと申す」
戦士「――っ!?」
鬼丸「ぬらりひょん……? グハハッ、知らねーなぁ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:17:35.74 ID:KwPg8L5Ho<> 〜不死の山、山中〜
ビュオオオオォォォォ!!
召喚士「だ、駄目だぁ! 何にも見えない……っ!」
ビュオオオオォォォォ!!
召喚士「し、仕方ない……っ! 行けっ、クジャタ! サラマンダー!」
シュイイィィィィン
サラマンダー「なんやねんっ!?」
クジャタ「……」
召喚士「クジャタ、またお願いっ!」
ズバァッ!!…ゴオオオオォォォォ!!
サラマンダー「おぉーっ。吹雪が止んだで!」
召喚士「確かこっちだ。サラマンダー、一緒に来てくれっ!」
サラマンダー「へいへい。明かり代わりっちゅう事やな?」
召喚士「うんっ!」
サラマンダー「うんっ、じゃねぇ!! このダァホッ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:18:04.29 ID:KwPg8L5Ho<> ジュッ!!
召喚士「あっちぃ〜!!」
サラマンダー「ほな、さっさと行くで!」
召喚士「……ちょっと待ってよ!」
ザッザッザッ
サラマンダー「すんすん。何か臭うなぁ」
召喚士「やっぽり!? 魔物の気配……?」
サラマンダー「いんや、焦げクサーイ臭いや」
召喚士「……それ、さっき燃えた俺の髪の毛だよ……多分」
サラマンダー「冗談や。魔物とも何とも言えぬ臭いや。ただ、人外なんは間違いないわ」
召喚士「……道は……分かる?」
サラマンダー「このまま真っ直ぐや。ちゅうか、お出迎えが来とるわ」
召喚士「!?」
ヒュウウゥゥゥゥ
夫人「……うふふふっ。わらわに会いに来たかの……人間よ」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/14(水) 18:21:43.60 ID:KwPg8L5Ho<> ここまでとさせて頂き、失礼致しまする!
ご支援ありがとうです!そいではっ!ノシ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 18:23:47.73 ID:27FCw/Q5o<> いちおつ
向こうのスレで召喚士と夫人の初夜ですよね <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 18:34:48.87 ID:841P8jFDO<> >>1乙!
相変わらず続きが気になる所で切るなwwww <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 18:58:41.84 ID:48xLs6JDO<> この>>1寸止めスキル上げてきおったわ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 19:53:23.73 ID:Rn7UuTYAO<> 召喚士のモテ期くるー? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 20:38:30.87 ID:MVL7bMKAO<> >>1乙
召還士はナニを期待して一人で向かったんだろうな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 20:40:19.06 ID:+77c5xZAO<> ひょんの助「そうじゃ。妖で一番偉い……ぬらりひょんの助と申す」
>>1乙 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 20:51:19.31 ID:nX61UaVLo<> ぬらりひょんktkr
乙! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 21:40:08.20 ID:CJiPBuBH0<> 夫人んんんんん
主よ、ここは一つ夫人をメインヒロインに据えるってのはどうでげすかねぇ…? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 22:17:59.68 ID:Nn/AREvm0<> 夫人きたああああああああああああああああああああああああああああ! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 22:38:36.52 ID:ncFEPyLyo<> 槍侶は召喚士よりも年下なのか <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/14(水) 23:52:33.11 ID:ELQZwb40o<> たしかに狐系ってあやかしの中でも割と人間よりだよね。
稲荷神社とか管狐とか。管狐なんてもろ式神っぽいし
それで影富士に夫人おいといたとかまじで1はすげぇな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/15(木) 01:25:01.86 ID:xZbWDdUp0<> いちおつ
妖の長…ぬらりひょん軍団長クラスか…
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage <>2011/12/15(木) 08:09:14.89 ID:0U+G/GZno<> 1乙、今後の展開が楽しみです <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 08:17:55.99 ID:r4KBjdL90<> べつに雑談に文句言う気はないけど…
正直、最近>>778、>>781みたいなのとか痛いから書き込まないでほしいと思うの。
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 08:29:06.58 ID:DrszVQLe0<> >>784
ごめんなさい…、好きなキャラが出て興奮してました… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 11:11:57.92 ID:rWfBy0xro<> それで痛いってどんだけビンカンなんだよ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 12:10:56.07 ID:dLaMG3Hzo<> いや>>778みたいなのは完全に痛いだろ… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 12:36:02.48 ID:YitMR9tDO<> まぁまぁ、そうツンケンするない。
雰囲気が悪くなるだけだべや。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/15(木) 12:53:19.69 ID:dLaMG3Hzo<> ツンケンするない
雰囲気が悪くなるだけだべや
江戸っ子なのかちばらぎなのかはっきりしろよしね
とか言ってたらまた自治厨と信者が発狂するからやっぱコテ意外NGにするわじゃあな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 13:38:58.41 ID:ovGeejBDO<> なんか雰囲気悪いね…誰が困るって>>1が一番困るんだからもうやめようぜ
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 13:47:44.06 ID:md/zw7zAo<> 馴れ合い総屑 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 15:31:47.73 ID:f6g9nJMDO<> >>1乙
雑談はどうでもいいけどあっちでやれば文句言うやつもいないのにとは思う
結局>>1が良いと言ったところで雑談こっちですんなとスルーできずに毎回荒れるわけだし、
雑談するやつがあっちでやれば文句言うやつもいないだろうに
こういうのでレスのびてるの勘弁してほしい <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 15:54:30.01 ID:TPZLTguqo<> >>1乙
毎度毎度寸止めされて我慢が上手になりそうですう
んで、皆の気持ちはわかるがもうちょっとオブラートに包んでも言いたい事は伝わるんでないかね?
公共の場は気持ちよく使おうぜ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:43:13.40 ID:zBtG4LWuo<> ズザッ
サラマンダー「出たでぇ! やったれ朱雀ぅ!」
召喚士「……いや」
ザッザッザッ
サラマンダー「お、おいっ!?」
召喚士「そうさ。俺はあなたに会いに来たんだ」
夫人「ほぉ、それはそれは嬉しい限りじゃのう」
召喚士「……」
夫人「ほれどうした? 付いて参れ」
ザッザッザッ…
夫人「のう、お主……名は何と申したかの?」
召喚士「……召喚士です」
夫人「召喚士か。召喚士……ふむ、覚えたぞ。うふふっ」
召喚士「……?」
夫人「さ、こっちじゃこっちじゃ。早う来い」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:43:59.05 ID:zBtG4LWuo<> ほんの少し先も分からぬような猛吹雪。その真っ白な視界は、
クジャタの力により若干、開けたものの、周囲は相変わらず閉ざされていた。
だが閉ざされていたはずの景色が急に変わり、白い景色のキャンパスに色が染まる。
召喚士「――っ!?」
サラマンダー「おいっ、ちょっと待――」バシュッ!!
召喚士「サラマンダー?」
夫人「着いたぞ。召喚士も一度、来た事があったかの」
召喚士「……ここ、やっぱり似ている」
一面に彩られる花々。青空の中、穏やかに流れる雲と風。囀る小鳥。
召喚士「召喚界にそっくりだ。でも何で……っ、満月でもなければここは地上……」
夫人「それで、今日は何用なのじゃ?」
召喚士「やっぱりこの山自体に不思議な力があるのか? それとも……」
夫人「もしや、わらわの美貌に惹かれ、床を共にしとうなったかの?」ススッ…スリスリ
召喚士「わああぁぁぁぁ!!」
夫人「何じゃ、召喚士はまだ初物かえ? どうやら女子に慣れておらぬ様じゃ……うふっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:44:35.79 ID:zBtG4LWuo<> 召喚士「そうじゃなくって!! 夫人さんにお伺いしたい事がありますっ!!」
夫人「良かろう良かろう。召喚士の態度次第では答えてやらぬ事もないぞ?」
召喚士「あ、あの……」
夫人「良し良し。さ、ならば早速……わらわの部屋まで行こうぞ」
召喚士「えっ?」
夫人「つべこべ言わず来るのじゃ!」シュルシュルッ
召喚士「!?」ギュウウゥゥッ
夫人「暴れても無駄無駄。わらわの尾は九つもある。抜け出す事など出来ぬ」スタスタスタ
召喚士「むぐーっ!!」
夫人「久々の男じゃっ、久々の人間じゃっ♪」スタスタスタ
召喚士(な、何なんだくそぉ……っ! いきなり捕まってこんな目に……)
夫人「着いたぞ、ほれ……大人しくするが良い」ポイッ
召喚士「くっ」ボフッ
夫人「……んふふふーっ。召喚士、わらわの瞳をじーっと見つめるが良い」ジーッ
召喚士「!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:45:06.39 ID:zBtG4LWuo<> 夫人「そうじゃ。ふふっ、そのうちお前は……わらわの虜となるのじゃ……んふっ」
召喚士「……あ……っ」フラフラッ
夫人「さぁ、布団の上へゆっくり寝るが良い」
召喚士「あ……ぁ……」ファサッ
夫人「ふふっ、愛い奴よ召喚士。どれ……味見させて貰おうかのぅ」パサッ
スタスタスタ
夫人「よい……っしょ」ノソッ
召喚士「あ……あっ」
夫人「召喚士、ああこのまま一気に……喰ろうてやろうかの」
召喚士「あ……ぐくっ!!」パチッ
夫人「……?」
召喚士「あ、ぶなかった……。催眠魔法か……っ」
夫人「ほぉ、わらわの幻惑を耐えたか。見かけによらず図太いの」
召喚士「そっちに主導権は……わ、渡さない!」
夫人「……うふっ、たまにはそれも……良いかもしれんな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:45:44.93 ID:zBtG4LWuo<> ゾクッ!!…ゴゴゴゴゴゴ
召喚士「――――っ!?」
夫人「……良いところで、くそっ」
――「なーにをしとるか女狐。あまり人間をいじめるでないぞ?」
スタスタスタ
召喚士(な、何だこの威圧……いやっ、そんなものじゃない! 存在そのものが……)
――「おやおや? お主、前にも一度……感じた事があるのぉ」
召喚士(そ、そうだっ、これだ。あの時感じた夫人以外の……もう1つの気配……っ)
目の前に現れた小柄な老人。姿はまるで人間と違わぬものである。
夫人「……もうっ、食事の邪魔しないでよ」
召喚士「あ、あの……この方は? 魔物……ですか?」
夫人「……ああ、この方はね、山本五郎左衛門さん」
山本五郎左衛門「ひょひょひょっ、宜しくのぉ」
召喚士「さ、さんもと……さん?」
夫人「……そ、山本五郎左衛門さん。ちなみに妖の長。一番偉い妖じゃ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:47:13.99 ID:zBtG4LWuo<> 〜西の森〜
ぬらりひょん「儂を知らんだとぉ?」
鬼丸「知らん」
ぬらりひょん「馬鹿めがっ、妖の長に楯突いた事……後悔するが良いわっ」ヒョイッ
戦士「てめぇっ、偉そうなこと言って逃げんのかよ!」
鬼丸「ほっとけ! それより来んぞっ!」
ズザザザザザ…ドドドドオオォォ
鬼丸「百鬼夜行がなぁ!!」
一つ目小僧「ひゃーははは! 人間だ人間だぁ!」
油すまし「喰っちゃお喰っちゃお」
戦士「ちっ、やるしかねぇのか……」
鬼丸「どいてな。ここは鬼丸様一人で十分よ!」チャキッ
戦士「鬼丸……」
鬼丸が持つ、通常の刀よりも刀身部分が大きく反り上がったその得物は、
かつての主が手にした名に己の名を加え、今はこう呼んでいた。鬼丸国綱と。 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:48:05.89 ID:zBtG4LWuo<> 鬼丸「色んな得物を手にしてきたが、何故か不思議とコイツがしっくりくるんだよなぁ」
戦士「お前……っ」
鬼丸「さーて、近寄る奴ぁ……容赦なく叩っ斬るぜぇ」
一つ目小僧「妖のくせにっ、人間の味方する気かよぉ――」
ザシュウウゥゥゥゥ
一つ目小僧「あ……がっ」
鬼丸「言った筈だぜ、近寄ったら斬るってなぁ」
油すまし「こ、ここ……このぉ!!」
戦士「一斉に来たぞっ!」
鬼丸「雑魚の分際で……調子に乗んじゃねぇ!!」
ブオンッ…ズッシャアアァァァァ!!
戦士「お、おぉ……っ」
鬼丸「だから言ったろ? 俺一人で十分……」
戦士「……どした?」
鬼丸「いや、俺一人じゃねぇや。この刀には、アイツの思いが篭ってっからなぁ。グハハッ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:48:51.38 ID:zBtG4LWuo<> 〜不死の山、影富士〜
召喚士「妖の……長……?」
夫人「そうじゃ。こう見えても、偉い人なの」
召喚士「えっと……山本……五……郎左衛……門さん」
山本「山本で良いよ。お前さん、人間にしちゃあなかなかお強いんだってねぇ?」
召喚士「い、いや……っ」
山本「何でもこの女狐を一度、退治したそうじゃあないかい」
夫人「あれは多勢に無勢じゃ。召喚士に負けたわけではないわっ」
山本「だがお前さん、魔力枯渇して幼女にされておったではないか。ひょひょひょっ」
夫人「うるっさいわねぇ! わらわとて好きで縮んだわけではないっ」
山本「その召喚士とやらが此処へ来た理由は何かな?」ザッ
召喚士「……!?」
山本「もしや、我らの首を取りに来たとでも申すのかな?」
ゴゴゴゴゴゴ
召喚士「……っ!!」ザザッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:49:28.75 ID:zBtG4LWuo<> 山本「やられる前に……やるとしようか」コキコキッ
召喚士「ち、違……っ」
山本「さーて、いちに〜の〜」
召喚士「……くっ」バッ
夫人「や、やめぬか……っ!」
召喚士「行けっ、コカトリス!!」
シーン
召喚士「えっ!?」
山本「ひょっひょひょひょ! 冗談じゃよ。だが、それなりの覚悟で来ておるようだのぉ」
召喚士「……な、何で……っ」
山本「ん? どうかしたか?」
召喚士「コカトリスが……出ない!?」
山本「……」
召喚士「やっぱりここは召喚界と同じなんだ! だから、召喚術が使えない……っ」
山本「お前……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:49:58.82 ID:zBtG4LWuo<> 召喚士「あの……山本さん、単刀直入に言います」
山本「……何だ」
召喚士「ここはあなた達……えぇと、妖が住む世界ですよね?」
山本「ああ、そうだ」
召喚士「人間の世界とは別の、特殊な世界」
山本「……」
召喚士「どういう理屈で行き来出来るかは分かりませんが、とにかく別の世界なんですよね?」
山本「だとしたら?」
召喚士「そしてあなた達、妖と……式神は同一のものである。そうですよね?」
山本「……」
夫人「んふっ、んふふふ……っ! ふふふふっ!」
召喚士「本国で言う召喚獣と魔物であるように、式神と妖は表裏のものなんですよね?」
夫人「召喚士、お前は本当……面白い人間じゃのぅ」
山本「何が言いたいんだ? 小童」
召喚士「……俺に、力をっ! 力を貸して貰いたいんです!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:51:01.90 ID:zBtG4LWuo<> 〜西の森〜
鬼丸「でっりゃああぁぁ!!}
戦士「おっらああぁぁ!!」
ザッシュウウゥゥゥゥ…スタッ
戦士「何が任せておけだっ! 囲まれてんじゃねぇか!」
鬼丸「グハハッ! すまんすまん、思ったより数が多すぎた!」
火車「ヒヒヒヒヒーッ!!」
戦士「後ろっ!!」ザシュウッ!!
鬼丸「すまねぇ!」
戦士「相棒だからな、お前の背後は任せておけ!」ザッ
鬼丸「おうよっ。頼むぜ相棒!」ジャリッ
ぬらりひょん「うーむ……これは困った困った。まさかここまでやりおるとはのぉ」
戦士「あっ! いやがったぞ!」
鬼丸「何っ!? どこだ……あの木陰かっ!!」
ぬらりひょん「おお怖い怖い。逃げるが勝ちよ……ひょひょひょ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:52:28.46 ID:zBtG4LWuo<> 〜不死の山、影富士〜
夫人「力を貸せ……?」
召喚士「もちろんタダでとは言いません。式神と同じように……」
夫人「あーっはっはっは! 召喚士は面白いと言うより馬鹿じゃなっ」
召喚士「……」
夫人「山本五郎左衛門さん、力を貸してあげたら?」
山本「阿呆。儂が力を貸せば、妖全員が力を貸す事と同意じゃぞ?」
夫人「あら、それもそうじゃの」
召喚士「あの、何故お2人は式神ではないんですか?」
夫人「は?」
召喚士「式神と妖……違いは何なんですか!?」
夫人「……悪党かどうかじゃない?」
召喚士「悪党……」
山本「儂らはなぁ、悪事を働くから妖なのよ。それ以上でも以下でもない。そういう事じゃ」
召喚士「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:53:10.80 ID:zBtG4LWuo<> 山本「良い奴は良い世界に住み、悪い奴は悪い世界に住む。それだけの事よ」
召喚士「でも、俺にはあなた達が悪い人には見えない……」
山本「ひょひょひょっ、そいつは嬉しいのぉ。ま、世辞を言うたところで手は貸さんがの」
召喚士「大切な仲間に、かつて召喚獣から魔物になった方がいました」
山本「……ほぉ」
召喚士「俺の父や神官さんは、人から召喚獣になった」
夫人「だから、わらわ達も使役出来ると言うのかえ?」
召喚士「……原理は同じはずです。でも、この場所だけ説明がつかない……っ」
山本「普通ならば辿り着けぬはずだがのぉ。お前さん、ようも辿り着いてくれたもんじゃわ」
召喚士「ここは別世界なんですか? それとも、俺らの住む地上と同じ世界なんですか?」
山本「そうでもあり、そうでもない。これでは答えになっておらんかのぉ」
召喚士「召喚界でありながら……地上でもある……?」
夫人「此処はねぇ、山本五郎左衛門さんが無理矢理――」
山本「良い良い。儂が説明してやるわい。その前に場所を変えようぞ。付いて来るが良い」
召喚士「……はい」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:53:39.93 ID:zBtG4LWuo<> 〜西の森〜
ザザッ…タッタッタッタッ
戦士「キリがねぇぞ!」
鬼丸「あのジジイ、すばしっこいなおい」
ぬらりひょん「ひょひょひょ。追いつけるもんなら追いついてみぃ」
鬼丸「ナメやがってジジイ!!」ダッ!!
ぬらりひょん「しかし言うだけあって、二匹とも強いではないか」
鬼丸「待ああぁぁてやああぁぁ!!」ダダッ!!
ぬらりひょん「ひょひょひょ。止む無し、妖では止められぬか……」
戦士「鬼丸っ、深追いは危険だぞ!」
鬼丸「アイツを潰せば百鬼夜行も止まるはずだ!」
戦士「……ちっ、仕方ねぇ」
ぬらりひょん「やれやれ。このまま引き込むとしようかの」
鬼丸「くぉらあぁ! 待て待て待てぇーい!」
戦士「……だいぶ森の奥に来ちまったが……大丈夫だろうな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:54:19.74 ID:zBtG4LWuo<> 〜不死の山、影富士〜
テクテクテクテク
召喚士「あの、ここは……?」
夫人「山本五郎左衛門さんの棲む所じゃ」
召喚士「あ、あれ? 山本さんは……?」
山本「ここだ、近こう寄れ」
召喚士「……籠?」
突如として置かれている駕籠の中より、山本五郎左衛門の声が聞こえる。
呼びつけるその声に応じ、召喚士はゆっくりと籠に近づいた。
召喚士「あの……」
ズウウウウゥゥゥゥン!!
召喚士「うわああぁぁーっ!!」
駕籠から突然、巨大で毛むくじゃらの右足が飛び出す。
夫人「あはははっ、さしもの召喚士も驚いておるのぅ」
召喚士「そ、そりゃあ驚きますよっ! い、一体……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:55:19.02 ID:zBtG4LWuo<> 夫人「あの中に居るのが、山本五郎左衛門さんの真の姿じゃ」
召喚士「――っ!?」
山本「わっはははは! 驚かせたか、済まぬ済まぬ!」
召喚士「あ、あの……これは……」
山本「儂は巨体ゆえ、普段は翁の格好や武士の格好をしとるんじゃ」
召喚士「そ、そうだったんですか……っ」
山本「格好に理由はないぞ。強いて言うなら好みかな、うわははははっ!!」
召喚士「……は、はぁ」
山本「召喚士、お前は単身で此処へ来たその勇気に免じて話を聞いてやる。話せ」
召喚士「……あ、あのっ」
山本「……ん?」
召喚士「山本さん……妖の長と、言ってましたが……な、何者なんです?」
山本「此処に来て素性はもう良いだろう?」
夫人「山本五郎左衛門さんはね、魔王なのよん」
召喚士「…………はい?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:57:06.14 ID:zBtG4LWuo<> 〜西の森〜
ぬらりひょん「本当にしつこい奴等よ、全く……」
ヒョイヒョイッ…スタッ
鬼丸「おいっ、何か見えるぞ!」
戦士「建物だな……」
ザザザッ…
戦士「城、にしちゃあ小さいな。でかい家か?」
鬼丸「武家屋敷ってやつだな。それなりの身分を持った奴らが住んでたんだろ」
戦士「なるほど。ダイミョウってやつか?」
鬼丸「その下だ。大名の家来だったりした連中だろ」
戦士「しかし、随分と廃れてるな。今は空き家か?」
鬼丸「みてぇだな。お陰で妖の棲み処……ってか」
戦士「さっきのジジイ、あの屋敷ん中に入っていったな」
鬼丸「相棒、お前はどうみる?」
戦士「……ま、罠だろうな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 17:58:50.81 ID:zBtG4LWuo<> 鬼丸「だよな」
戦士「んで、どうする?」スタスタスタ
鬼丸「罠じゃあ危ないだろ」スタスタスタ
戦士「じゃあ止まれよ!」スタスタスタ
鬼丸「お前こそ止まれよ」スタスタスタ
スタスタスタスタ…タタタタッ
戦士「一気に突入すんぞ!」
鬼丸「おうっ、男なら正面突破だ!」
ダダッ…バゴオオォォン
戦士「お前なぁ、何も扉ブチ破る事はねぇだろ」
鬼丸「別にいいだろ、空き家なんだからよぉ」
戦士「……そりゃそうだけどよ」
鬼丸「それよりも、すっげぇプンプン臭いやがるぜ……!」
戦士「さっきのジジイか?」
鬼丸「……いーや、もっと強烈な悪臭だ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 18:42:28.76 ID:zBtG4LWuo<> 〜不死の山、影富士〜
召喚士「ま、魔王……っ!?」
山本「違う違う。遠ーい昔の話だ」
召喚士「えっ!? 昔……魔王だったって事ですか!?」
夫人「そうよん。驚いたかの?」
召喚士「え、えっと……」
山本「今はただの妖。魔王なんて何の関係もないわい」
召喚士「つ、つまり……以前は魔王だったけど、今はもう違う……?」
山本「だからそう言うとるだろう。取って喰ったりせんから安心せい」
召喚士「な、何故……魔王でなくなったんですか?」
山本「別に理由はないよ。魔王が面倒になっただけじゃわ」
召喚士「……っ?」
山本「人とてそうじゃろ。王も居れば王じゃない者も居るし、王が嫌になる者も居る」
召喚士「じゃあ、山本さんは舞おうが嫌になったと?」
山本「うーん……なんて言うのかのぉ、他の連中が嫌になった……って事かのぉ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 18:43:02.48 ID:zBtG4LWuo<> 召喚士「他の連中?」
山本「居るじゃろ。他の魔王が」
召喚士「あ、あぁ……っ」
山本「特にサタンを担ぎ上げ取るベルゼバブやらアンラ・マンユみたいな連中じゃい」
召喚士「!?」
山本「自分達の私利私欲で別の世界にまで手ぇ出しよって。本当に節操のない連中よの」
夫人「だから山本五郎左衛門さんは、魔王を辞めたのじゃ」
召喚士「そ、そんな簡単にいくものなんですか?」
山本「いくわけないじゃろ。そりゃあ揉めに揉めた。大戦の有様だよ」
召喚士「……っ」
山本「でもなぁ、それでも慕ってくれる連中が居るからな、戦わんわけにはいかんのよ」
召喚士「そ、そうか……っ。それで……妖と魔物には、差が出たわけか……」
山本「んでな、不思議とそんな事をしとると、妖でもなくなってきたわけよ」
召喚士「!?」
山本「魔族も元と召喚獣は同一。お主はそう言っとったわな?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 18:43:31.06 ID:zBtG4LWuo<> 召喚士「え、ええ……」
山本「妖と式神も同じじゃ。地上で悪事を働き続ける者も居れば……」
夫人「人助けみたいな事をして、妖じゃなくなった者も居るのじゃ」
召喚士「……っ!」
山本「その一部が何らか、人間に手を貸しとるようじゃわな」
召喚士「そ、それが……式神……!?」
山本「どうして人間に手を貸しとるのかは知らんが、何かあるんだろうなぁ」
召喚士「山本さんや夫人は……違うんですか?」
山本「他の連中とは別の道を歩んでおるが、人に手を貸す道理はないからのぉ」
夫人「そうそう。わらわは好きな事をして好きなように生きていたいのじゃ♪」
召喚士「……っ」
山本「召喚士、お主はどうして、儂らの力を欲すのかえ?」
召喚士「……魔王を、討つ為です」
山本「ほぉ、魔王をなぁ」
召喚士「既にパズズ、アンラ・マンユ、ラーヴァナ、イブリースは倒しました」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 18:44:07.85 ID:zBtG4LWuo<> 山本「何とっ、それは驚きじゃのぉ!」
夫人「へぇ、人もやるのぅ。まさか魔王を倒すとはのぅ」
山本「魔王は消滅したのか?」
召喚士「はい。残る魔王もそのつもりで、戦っています」
山本「成程じゃわ。それで東に来た理由ってのが見えてきたわ」
召喚士「魔王……マーラを討つ為です」
夫人「あらっ、マーラを?」
召喚士「はい」
山本「……ふむ」
召喚士「俺は……召喚術を通じて、4つの属性を召喚出来るんです」
夫人「……へっ? そうなの?」
召喚士「はい。でも召喚術は……いや、魔法は元来、五行から成るものです」
山本「……」
召喚士「五行目の召喚術。それが式神であり、東方の陰陽道だと踏んでいます」
夫人「ふぅん、そういう事」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/15(木) 18:44:37.27 ID:zBtG4LWuo<> 山本「だったら、直接その陰陽道を会得すれば良かろう」
召喚士「それが出来ないからこそ、お願いしているんです……」
山本「わーっはっはっは! それもそうか」
召喚士「とにかく、まずはその通り道さえ作る事が出来れば、会得は出来るはずなんです」
夫人「通り道って……何の事じゃの?」
召喚士「召喚術は通常、基本精霊と呼ばれる召喚獣を会得して、その道が拓かれます」
山本「何だかややこしいのぉ」
召喚士「だからっ、まずはその基本精霊となるべき者を会得したいんです」
夫人「それでわらわを訪ねたわけか」
召喚士「はい。何か知っているかもと思いまして」
夫人「残念だけど、知らんのぅ」
召喚士「……そうですか」
山本「なぁ夫人よ、お前さん……力を貸してやってはどうじゃ?」
夫人「はぁ? わらわがどうして……」
山本「おや、儂への恩を忘れたか? わーっはっはっは!」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/15(木) 18:45:44.41 ID:zBtG4LWuo<> すっごい中途半端になっちゃいましたがここまでにて…!
多数のご支援ありがとうございました!それではまた!ノシ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 18:48:27.04 ID:F9nwEi2Zo<> 山本さんとかぬらりひょんとかジャパニーズっぽくなってきな!
>>1乙! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 18:49:18.03 ID:HNU8cK1IO<> 乙 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 18:55:45.08 ID:+Ur1HsuAO<> ふぅ…薄い本期待 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 19:03:59.39 ID:Qy2Al7mVo<> 山本さんとかぬらりひょんとかジャニーズっぽくなってきな!
>>1乙! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 19:08:03.28 ID:mkQBEZxMo<> ぬらりひょんの孫だろjk <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 19:19:36.21 ID:Ti5CZp/DO<> まさか山本五十六さんが出てくるとはな… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 20:13:56.02 ID:OSwme3CAO<> >>1乙
まぁいろんな意見を持ってる奴らが居ますが気にせず連載頑張ってください <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/15(木) 21:01:20.94 ID:6eGc4Obz0<> これはいろいろ気になるな
いちおつ
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 21:13:11.64 ID:Kv6sIPi6o<> 召喚士「行けっ!夫人!!」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 21:35:32.70 ID:DrszVQLe0<> >>826
コカトリス「………ペニス」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 21:47:13.82 ID:k01XVpbIO<> 夫人は狐で尻尾が九つ…
こいつぁ強力だぜ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/15(木) 22:10:30.33 ID:tyk9A9zLo<> 召喚士「行けっ!プッシ…!?」
夫人「今からわらわはお主をペニスと呼ぶ事にするかの」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 00:43:59.81 ID:tV8gvXik0<> >>1乙
>>829
デジャヴ? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 01:23:05.90 ID:xicZHQ8AO<> >>1おつ
式神と妖怪を同じものとたとえるのは面白いな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 10:55:08.02 ID:wkkhBFA+0<> 1乙
山本さんとかでるとは詳しいな
神野とか出てきたら渋すぎる <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 12:27:23.68 ID:Q9BRiSXAO<> とらか <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 15:53:24.52 ID:v+t3krXWo<> 夫人「恩って……それとこれとは話が別じゃ」
山本「そうか。そんなら天狐の元に帰るが良い」
夫人「嫌じゃ嫌じゃっ!」
山本「だいたいお前もこの召喚士は気に入っておるんだろ? ならば良いではないか」
召喚士「……っ」
夫人「それとこれとは話が別じゃ。何故わらわが人の僕にならねばならんのじゃ!」
山本「理由は召喚士が語ったじゃろ」
夫人「何よ」
山本「魔王を倒してくれるそうだからな。手を貸して損はないじゃろ」
夫人「だったら、山本五郎左衛門さんが自分でやれば良いのじゃ!」
山本「だから、儂が手を貸したら、他の者に示しガつかないと言っただろうに」
夫人「だからって押し付けるなっ!」ギャーギャー
山本「何ぃ?! 恩を仇で返しおってからに!」ギャーギャー
夫人「しつこい爺ぃじゃっ、やるか!?」
山本「おーおー。勝てると思うてかぁ?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 15:53:56.78 ID:v+t3krXWo<> 召喚士「ち、ちょっと……っ」
夫人「覚悟致せっ!」ギュオッ
ゴゴゴゴゴゴ…ドンッ!!
夫人「――っ!?」
召喚士「ま、またさっきの……足だ……っ」
山本「本気でこの俺とやろうってのか? 狐如きが図に乗るんじゃあねぇぞ」
夫人「……っ」ズザッ
ヒョコッ
山本「ほれ、分かったらお前が力を貸してやれ。ひょひょひょっ」
夫人「ああもうっ! この爺ぃ、頭に来るのじゃ!」
山本「まぁそうかっかするな。魔王が去ねば儂らも安心じゃろが」
夫人「知らないわよっ、わらわは自由気ままに国を築いて、酒池肉林の生活を送りたいのじゃ!」
山本「だーからって、人間に迷惑かけるでないわ」
夫人「……むぅー」
山本「さて召喚士、夫人もどうやら力を貸してくれるようじゃ。これで良いか?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 15:54:33.38 ID:v+t3krXWo<> 夫人「ちょっと! まだ貸すって言って……」
召喚士「夫人、ありがとう」
夫人「!?」
召喚士「これで五行召喚への道が開けそうだ」
夫人「……そ、そう?」モジモジ
山本「他の式神に見当はついとるんか?」
召喚士「それは大丈夫です。だからこそ、道さえ出来れば可能なはずなんです」
山本「お前の術ってのは不思議なもんじゃなぁ」
召喚士「……?」
山本「お前は世界と世界を繋ぐ、橋渡し役のようじゃな。ひょひょっ」
召喚士「……橋渡し」
山本「しかも複数の世界を行き来出来るんじゃろ? 不可思議な存在じゃのぉ」
召喚士「そ、そんな事はないと思いますけど……」
山本「ひょひょひょっ。面白い奴じゃ。して夫人よ、どうするんじゃ?」
夫人「手を貸す代わりに条件を設けようかの。そうでなくば、割りに会わぬ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 15:55:14.47 ID:v+t3krXWo<> 召喚士「条件……ですか?」
夫人「そうじゃ。ただで手を貸すなど馬鹿じゃからの。見返りを貰わねばのぅ」
召喚士「ど、どうすればいいんですか?」
夫人「そうじゃのぅ……そうだ、わらわと三日三晩、肌を重ねるのじゃ!」
召喚士「――!?」
夫人「そうすれば、わらわらの精気も養われる。損はなしじゃ!」
山本「阿呆っ。お前と三日も床を共にしたら、召喚士が死んでしまうわい」
夫人「えー」
山本「私利私欲ではなく、もっと他者の事も考えんかい」
夫人「そんな事、わらわの知った事ではない」プンッ
召喚士「あ、あの……」
山本「そうじゃな、まずは儂らが自由に動けるよう、手助けして貰うとするかのぉ」
夫人「ちょっとっ! 勝手に決めないでよっ!」
召喚士「つ、つまり……どうすればいいんですか?」
山本「魔羅とその一味を倒してきておくれ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 15:55:54.31 ID:v+t3krXWo<> 〜西の武家屋敷〜
鬼丸「…………」チャキッ
戦士「……どこだ、どこから来る」ジリジリッ
ピクッ
戦士「後ろかっ!?」
コウモリ「……」バサササッ
戦士「ちっ」
ぬらりひょん「まぁまぁ、そう警戒するでない。ひょっひょっひょ」テクテクテク
戦士「出やがったな。何が目的だ!?」
ぬらりひょん「此方の台詞よ。妖と人間が手ぇなんぞ組みおって」
鬼丸「ジジイ、てめーぇなんぞに用はねぇ。もっと大物が居るはずだ」
ぬらりひょん「さっきから貴様は儂を小馬鹿にしおって……」
鬼丸「実際、知らねーんだからしょうがねーだろ。グハハッ!」
ぬらりひょん「えぇい、もう許さん! 先生、お願いします!」
戦士「……?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 15:56:45.53 ID:v+t3krXWo<> ゴゴゴゴゴゴ…
戦士「――っ!!」
ぬらりひょん「どうじゃどうじゃこの力っ! 貴様ら、もう謝っても許されんぞぉ!」
戦士「鬼丸っ!!」
鬼丸「分かってらぁ。とんでもねぇ威圧だな……っ」
ズズズッ…ズシャアアァァ
鬼丸「……な、何だコイツ……っ」
戦士「……鬼丸」
鬼丸「あん?」
戦士「こいつは、東方のモンじゃねぇ! 魔物だ!」
鬼丸「魔物? まぁ人間みてぇな姿だが、気配は妖……じゃねぇな。妖に近いが別モンだ」
ザッザッザッ…ザッ
アスタロス「…………」
戦士「てめぇ、何もんだ」
アスタロス「……我が名はアスタロス」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 15:57:22.57 ID:v+t3krXWo<> 〜不死の山、影富士〜
召喚士「つ、つまり……魔王マーラを倒してこい……と?」
山本「ま、そういう事になるかのぉ」
召喚士「し、しかしっ! 出来ればその前に会得しておきたいのですが……っ」
山本「そうしてやりたいんだがなぁ、そうもいかんのよ」
召喚士「……?」
夫人「わらわが召喚士と契るには、満月の夜でなくばいかぬからの」
召喚士「あっ、そ……そうか!!」
山本「次の満月までまだ、半月以上ある。何とかなるじゃろ」
召喚士「……っ」
山本「魔羅も強いが、他の妖にも気ぃ付けぇよ」
召喚士「ええ。分かっております」
山本「側近の夜行なんぞ、相当に厄介な相手じゃぞ」
夫人「あと、何だったかの。西の妖で強いのが……ぬらりひょんだったかのぅ」
山本「ぬらりひょん? あんな者は偉そうにしているだけの小者よ。それよりも恐ろしいのは……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 15:58:05.08 ID:v+t3krXWo<> 〜西の武家屋敷〜
ぬらりひょん「やっちゃって下さい、先生――」
バスッ…ゴロゴロゴロッ
ぬらりひょん「へっ――」
グシャアアァァ!!
戦士「!?」
鬼丸「仲間とも思ってねぇみてーだな。あっさり殺しやがった」
アスタロス「我が主、ベルゼブブ様の命により……」
ザッザッザッ
アスタロス「……邪魔者は殺す」
戦士「ベルゼブブだとぉ!?」
鬼丸「何モンだ?
戦士「北方の魔王だよ。何でベルゼブブの配下が東方に……っ」
アスタロス「……」
鬼丸「とにかく、やるしかねぇみてーだな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 15:58:33.96 ID:v+t3krXWo<> 戦士「ちっ、まさか東方に来てまで、北の魔物と戦う事になるとはなぁ」
鬼丸「相棒よぉ、ハナっから全力でいくぞ」
戦士「当たり前だ! でなきゃ……勝てる相手じゃねぇ!」
ダンッ!!…ビュオッ!!
戦士「っりゃああぁぁ!!」
鬼丸「うおらああぁぁぁぁ!!」
ヒュンッ!!……スタッ
戦士「ちぃっ、早いな……っ!」
鬼丸「ま、逃げ足は上等みてぇだな。グハハッ」
アスタロス「……」
ゴゴゴゴゴゴ
戦士「ヤバそうな雰囲気満載だな……っ」
鬼丸「いーや、アイツどうも……こっちじゃ勝手が違うみてーだ。うまく力を出せてねぇ」
戦士「何!?」
鬼丸「こりゃあ幸運かもなっ。慣れる前にブチ殺しちまおうぜ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 15:59:12.78 ID:v+t3krXWo<> アスタロス「……排除」
戦士「いくぞっ!」
鬼丸「おう!!」タンッ!!
アスタロス「……」
ガキイイィィィィン…ガキイィンッ!!
鬼丸「!?」
戦士「前後からの同時攻撃を……防いだだとぉ!?」
アスタロス「死ね」
バギャッ!!
戦士「鬼丸っ!!」
ズシャアアァァァァ…ザザッ
鬼丸「……大丈夫だ。やっぱりうまく力を発揮出来てねぇみたいだな」
アスタロス「……」
鬼丸「さぁて、相棒! この隙に――」ピクッ
戦士「……どうした?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 15:59:58.13 ID:v+t3krXWo<> ゴゴゴゴゴゴ
鬼丸「こ、これだ……っ」
戦士「……!?」
鬼丸「最初に屋敷へ入った時に感じた気配だ……っ」
戦士「お、おいおい……っ!? こいつ以外にもう1匹いるってのかよ!?」
鬼丸「違うな。コイツが割り込んできたんだ。本命はずっと見てやがったんだ……っ」
ズゴゴゴゴゴゴ…
――「いやぁ、北のお客人。此処はウチらの東方でっせぇ」
ザッザッザッザッザッ
アスタロス「……」
――「ちょいと部外者は黙ってて貰いましょか」
アスタロス「……我が主、ベルゼブブ様の――」
――「命令かどうか分からへんけどなぁ、好き勝手するようなら……殺すぞ?」
戦士「に、人間……!?」
鬼丸「……いや、人の皮を被ったバケモン……間違いなく妖だ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 16:00:40.23 ID:v+t3krXWo<> 〜富士の山、影富士〜
山本「最も恐ろしい相手はなぁ、神野悪五郎って奴よ」
召喚士「……シンノ……アクゴロウ?」
山本「そうそう。こいつがまたとんでもなく悪い奴でなぁ」
夫人「ああ、思い出した。神野悪五郎さんも魔王だったわよねぇ?」
召喚士「えぇっ!?」
山本「何をぬかすかっ! あんな奴、魔王でも何でもないわい!」
召喚士「え、えっと……」
夫人「山本五郎左衛門さんと神野悪五郎さんはね、昔からとっても仲が悪いのじゃ」
召喚士「……っ」
夫人「だから山本五郎左衛門さんは神野悪五郎さんを倒して欲しいのじゃろ?」
山本「まぁ否定はせんが、あやつが居るから妖が悪事を働く。あやつが消えれば妖も……」
召喚士「自然と……消える?」
山本「そう。本来あるべき姿に、そしてあるべき世界に戻るじゃろうて。ひょひょひょっ」
召喚士「……なるほど」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 16:01:26.13 ID:v+t3krXWo<> 〜西の武家屋敷〜
鬼丸「おいてめぇ、何モンだ? ただの妖じゃあねーのは分かってんぜ」
――「ほお、あんさん……わいの力量に気付くとは、いい眼しとるわぁ」
鬼丸「うるせぇ。ま、この鬼丸様のが百倍強いがな! グハハッ!」
――「粋の良いだけじゃあ、長くは生きられへんで」
戦士「……っ」
――「北の眷属はん、もうええやろ? ここはウチの庭や。わいに任しとき」
アスタロス「……」
――「あんさんはさっさと、魔羅でも助けてやったらええねん」
アスタロス「……御意」フッ
戦士「き、消え――」
――「さぁ、続きはわいが相手したる。かかってきぃな」
戦士「ちぃ……っ」
鬼丸「何モンだって聞いてんだよ!」ドガァ!!
――「なんや短気な奴やなぁ。ま、ええやろ……わいの名は神野悪五郎や。覚えとき」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 18:02:43.72 ID:v+t3krXWo<> 〜不死の山、影富士〜
召喚士「じゃあ、そのシンノという妖を倒せばいいんですね?」
山本「魔羅を倒しても神野が健在ならば、結局は同じ事じゃわ」
召喚士「……っ」
山本「別に手ぇ組んでるわけじゃないがのぉ。どっちが残っても厄介じゃ」
召喚士「……?」
山本「どちらかが滅びれば、その一方が吸収しようと手招いておる」
召喚士「そ、そうか……っ。今は互いがうまく牽制しあう形に……」
山本「そう思うとるかは知らん。お互い、興味なさそうだしのぉ」
召喚士「仲間、ではないんですね?」
山本「人間からしたら害なす妖である事には違いないがの」
召喚士「……どこに居るんです? その……神野という妖は」
山本「儂は知らん。あいつ、大っ嫌いじゃからのぉ」
夫人「確か西に居るはずじゃ。わらわも会った事はないがの」
召喚士「西……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 18:03:12.91 ID:v+t3krXWo<> 〜西の武家屋敷〜
戦士「く……っ」ズザッ
鬼丸「……神野……?」
神野「どうした? 続き、せぇへんのか?」
戦士「鬼丸っ! 間合いを取れっ、狙われるぞ!」
鬼丸「神野……悪五郎……?」
神野「何や、ぼーっとして。hな、こっちから行こか?」
戦士「ちいっ!!」
鬼丸「相棒おおおおぉぉぉぉ!!」
戦士「!?」
神野「な、何や……?」
ガシッ
鬼丸「逃げんぞっ!!」
戦士「お、おいっ!?」
鬼丸「いいから来い!! 早くしろ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 18:03:40.13 ID:v+t3krXWo<> ダダッ…タッタッタッタッタ
神野「……」ピキッ
タタタタッ…ダンッ!!
戦士「お、おいっ! 何だってんだよ……!?」
鬼丸「逃げるって言ってんだよ!」タッタッタ
戦士「はぁ!?」タッタッタ
鬼丸「二人じゃ勝てねぇ。仕切り直しだ!」
戦士「……っ!」
鬼丸「さっき居た奴のがよっぽどマシだぜクソ……ッ」
戦士「お前、今の奴……知ってんのか?」
タッタッタッ…ピタッ
戦士「……鬼丸?」
鬼丸「ありゃ、とんでもねぇ妖だよ」
戦士「……?」
鬼丸「魔羅にも引けを取らねぇ……バケモンだ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 18:04:09.20 ID:v+t3krXWo<> 〜不死の山、影富士〜
山本「さーて、だいたい事情は分かって貰えたかのぉ?」
召喚士「……あの、山本さん」
山本「何じゃ?」
召喚士「山本さんや夫人は、マーラや神野とは……違うんですよね?」
夫人「わらわをあんな野蛮で下品な妖と同格にするなっ!」
山本「儂らはそうじゃのぉ、言ってみりゃあ中立みたいなものかのぉ」
召喚士「……そうですか」
山本「元は一つであった妖が、いい奴等、悪い奴等に分かれて、そこから更に分裂した」
召喚士「それが、今の姿……」
山本「その中でも異端児が儂らみたいな半端者よ」
夫人「わらわは特別な存在じゃからの。半端などではないわ」
召喚士「神野とは戦わないんですか……?」
山本「儂は戦いたくとも動けんのじゃ。此処があるからのぉ」
召喚士「……?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 18:04:41.04 ID:v+t3krXWo<> 夫人「此処はね、山本五郎左衛門さんが無理矢理こじ開けた穴なの」
召喚士「――っ!?」
夫人「召喚士が言ってた、召喚界ってやつかしら?」
山本「普通、人間なんぞ来られる所でもなければ、仮に踏み込んだとしても死んじまうがのぉ」
召喚士「そういう……事かっ」
山本「塞げば地上へ残った連中も帰れなくなるし、かと言って儂が動けば穴は塞がっちまう」
夫人「しかもこの山の頂上に、人間が変な建物建てたお陰で、結界が張られてるのじゃ」
召喚士「結界……? あっ、総本山の事か!!」
山本「あのクソ坊主、忌々しい奴じゃわ」
夫人「何千年恨んでるのよ……」
山本「そういう事情でな、神野を八つ裂きにしてやりたいところだが、出来んわけよ」
召喚士「なるほど……」
山本「それで丁度、こういう機会が訪れたまでじゃ。信じて貰えたか?」
召喚士「……分かりました。信じます、山本さんや夫人の事」
夫人「召喚士……っ」キューン
山本「ひょひょひょっ、儂らと理解するなんざぁ、やっぱり変な奴じゃのお前は」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 18:05:11.97 ID:v+t3krXWo<> 召喚士「それじゃ、今日はこれで失礼します。まだまだ色々と聞きたいところですけれど……」
山本「おうおう。満月の夜に待っとるぞ」
夫人「その時は召喚士、た〜っぷり楽しもうぞなっ♪」
召喚士「……っ。で、では失礼します!」
ササッ…タッタッタッタッタ
夫人「……うぶで面白い奴じゃ。くふふっ、良い玩具が出来たのぅ」
山本「これこれ。あまり人間をからかうと、痛い目に合わされるぞ?」
夫人「わらわが? ふふっ、馬鹿馬鹿しい。それより、よく手を貸す気になったの?」
山本「あやつ、此処へ単身で乗り込んで来おった」
夫人「そういえばそうね」
山本「お前や儂への配慮じゃろ。まぁ思うていても、そう簡単に出来るものではないがのぉ」
夫人「勇気を認めたって事かしら?」
山本「じゃな。それに召喚士ならば、世界を元の形に戻す事が出来るやもしれん」
夫人「……」
山本「そんな期待を込めての事じゃ。ま、出来ねばまた何百、何千年と待つさ。ひょひょひょっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 18:06:16.82 ID:v+t3krXWo<> 〜西の武家屋敷、門外〜
戦士「バ、バケモンて……」
鬼丸「!? ちっ、追ってくんのかよ!!」バッ!!
ダァンッ!!…ズザザザアァ
神野「わいを無視して逃亡たぁ、いい度胸やないかいっ!」
戦士「うっせぇ!!」ビュオッ!!
鬼丸「やめとけバカ!!」
神野「なんや、殺る気あるんやないか。ほないくでぇー」
戦士の居合いが恐るべき速さで神野悪五郎へ向け、放たれた。
が、鬼丸が声を発した頃には既に、戦士は武家屋敷から遠ざかっていた。
ドザァッ!!…ゴロゴロゴロ…
鬼丸「バカ! だから言っただろうがっ!」ダッ
戦士「い……っつぅ」ポタポタポタッ
鬼丸「立てるか!?」グイッ
戦士「ああ、ちょいと……口ん中が切れただけだっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 18:06:53.54 ID:v+t3krXWo<> ザッザッザッ
神野「そっちの妖、鬼丸とか言うたか? あんさんもかかって来ぃや」
戦士「なめんじゃねぇ!!」
鬼丸「相棒!!」ハッ
ここにきてようやく鬼丸は気が付いた。勇猛果敢な戦士とは言え、ここまで愚かではない。
鬼丸の助言を聞き、逃走手段を考えているのではないか、と。
戦士「さぁて、今度のはかわせるかなぁ?」
鬼丸「……相棒!!」
戦士「しつっけぇな! 逃げるんならさっさと――」
鬼丸「俺も手伝うぜ」ザッ
戦士「!?」
神野「ほぉ、やーっと殺る気にんってくれはったかぁ」
鬼丸「相棒っ、全力……でいくぞ!!」
戦士「おうっ。全力、だな!」
神野「やってみぃ。ズタズタにして百鬼夜行の餌にしたるわ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 18:07:24.07 ID:v+t3krXWo<> ダンッ!!…タッタッタッタッタ
神野「…………」ピキキッ
鬼丸「振り返るなよぉ!! 全力で逃げろおおぉぉ!!」タッタッタ
戦士「分かってるっつーの! さっきよりは距離も離れただろ!?」タッタッタ
鬼丸「お前、その為にわざとぶん殴られたってのかよ!?」タッタッタ
戦士「それもあるし、単純に力量を計ったってのもある」タッタッタ
鬼丸「んで、どうだった?」タッタッタ
戦士「ありゃ物理攻撃で何とかなる相手じゃねぇ。召喚士や魔道士の協力がいる!」
鬼丸「さっすが! それでこそ相棒だ……グハハッ!!」
ピクッ
戦士「しつっけーなぁ!!」
鬼丸「振り向くなって!!」
ダァンッ!!
神野「ナメくさりやがって……このダボがぁ!!」グワッ
戦士「うお……ぉ!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/16(金) 18:08:54.40 ID:v+t3krXWo<> バッゴオオオオォォォォン!!
鬼丸「当たってたまるかバカ!!」
戦士「確かにこいつは魔王級だな……っ」
神野「じゃかあしぃ!! 死ねや!!」
バゴオオォォォォ!!
戦士「鬼丸っ、二手に別れんぞ!」
鬼丸「おうよ!」
シュバッ…ザザザザッ
神野「………………」
ビキビキビキィ
神野「鬼の分際で鬼ごっこたぁ……冗談にもならへんでぇー」
ギュバッ…ザンッ!!
鬼丸「コッチ来やがったかぁ!!」
神野「まずは鬼退治や!!」
鬼丸「鬼以外の何に見えるんだよバーカ! グハハハッ!」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/16(金) 18:10:20.24 ID:v+t3krXWo<> ひとまずここまで!ご支援ありがとうございました!
今週末もちょっとノンビリかもですが、一応更新予定です!
それではまた!失礼致しますです!ノシ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 18:26:19.28 ID:MbsNrRAKo<> >>1乙
婦人かわいいな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 18:39:36.16 ID:qN1DjpKDO<> ここまでツンデレだとわな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 18:44:43.87 ID:bstvB8RAO<> 夫人の印象が変わったww
可愛い… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 19:44:15.22 ID:YuOiI2pbo<> 鬼丸どうなっちゃうの・・・ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 20:06:17.98 ID:XvdriQTxo<> 東方は実質魔王×2倒さないといけないってことか・・・
厳しい戦いになるな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 20:12:56.97 ID:OPlNZ2WJ0<> コカさん、出番ないですね…w
夫人可愛いな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 20:23:43.44 ID:9n9f1APoo<> 召喚士「イけっ!夫人!!」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 22:16:29.61 ID:92C05YOn0<> 夫人カワユス
あ、>>1乙 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 22:22:37.32 ID:wWEzVrsbo<> 天才と魔法関係の魔導師と
召喚関係の召喚士が主で
あとは要所でサブキャラが光ってるけど
戦士と盗賊がいいとこ全然ないな
活躍を期待する
五行でないと倒せないってのが前衛組が活きないとこだね <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/16(金) 22:38:31.74 ID:e4Q0kzOIO<> 満月の夜に契る…
…ふぅ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/17(土) 01:26:04.22 ID:wvoC4FMc0<> いちおつ
魔王二体に夜行・ヤタガラス・アスタロス……
戦えるのか…?
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/17(土) 01:32:39.50 ID:DVgkQnyAO<> >>1おつ
最終局面なのに東方以外に妖が出る出番ないから大量に出てきてるな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/17(土) 06:44:08.26 ID:K/l9x7YDO<> 三本出たから神野も出るだろうなーと思ったらやっぱり出たwwwwww <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/17(土) 10:30:11.77 ID:w9ZKyM4No<> おつおつ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/17(土) 21:51:05.85 ID:GZQIK/qM0<> かぎまとめ、7×と追ってきてようやく追いついた
1さんガンバレ
キャラ増え過ぎはわかるけど、あんまり新キャラ殺さないであげて <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/17(土) 22:20:46.32 ID:JsrHu+Je0<> とりあえずさげろよ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/17(土) 22:41:08.99 ID:ZyOPxqhlo<> 盗賊は死ぬべき <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:28:06.28 ID:D6gxNuxUo<> 神野「ナメくさりやがって、このアホンダラァ!!」
鬼丸「グハハッ! 丸腰で何が出来――」
ズズッ…
鬼丸「――ッ!?」
神野「丸腰だぁ? 言うてくれるやないか」
鬼丸「持ってたのかよ……ッ」
神野「この体の体内に眠る記憶から、引き摺りだしたんや」
鬼丸「便利なモンだな……グハハッ」
神野「ほぉ、こりゃなかなかの代物やないかい」
ズズゥ…チャキッ
神野「賊に襲われ、占拠された村を正した。しかもたった一人でかぁ」
鬼丸「……」
神野「この体の記憶や。ま、結局は自身も賊と同じ末路を辿ったっちゅーわけやな」
鬼丸「なーにを一人でぶつくさと……」
神野「村正……ええやん、村正! 命名したるわ。この刀は、たった今から村正や」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:28:33.27 ID:D6gxNuxUo<> ズズズズッ
鬼丸「んっ?」
神野「刀身が黒に染まっとるやろ? ワイの獲物になった証拠や!」
鬼丸「チッ!!」
神野「妖刀村正の誕生や! ワハハハハッ!」
鬼丸「こっちゃあ鬼丸国綱様だッ!!」
神野「逃げるんやなかったんか? ようやっと、戦う気ぃなったかい!」
鬼丸「獲物持たれちゃ振り切れねぇ! 一発、寝てて貰うぜぇ!」
神野「阿呆ッ! お前如きが勝てるわけないやろがァーッ!」ブアッ!!
鬼丸「――――ッ!?」バキィッ!!
クルクルクルッ……ザスッ
神野「んで、その何とか様があっさりと吹き飛ばされたわけやけど……次はないんか?」
鬼丸「……こ……んの!」
神野「ないみたいやな。ほな、黙って死んどきぃ!」ブンッ!!
鬼丸「……ッ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:29:03.51 ID:D6gxNuxUo<> …
ガササッ
戦士「……追ってこねぇ。て事は、鬼丸の方に行きやがったか」
クルッ…スタスタスタ
戦士「……鬼丸の奴、うまく逃げられんだろうな。……ま、大丈夫か」
スタスタスタ…ピタッ
戦士「やっぱ、そうもいかねぇよなぁ」ポリポリ
引き返そうとする戦士の背後から、かすかな人の声が聞こえた。
戦士「……人間!?」
振り向き様、戦士はその声が聞こえる所めがけ走り出していた。
戦士(まさか人が? 巻き添えはまずいっ、どこかへ逃がさねぇと!)
タッタッタッタッタ…
老人「……う、うぅ……っ」
女侍「……っ」
老人「あ……妖……がっ、屋敷……にぃ……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:29:34.07 ID:D6gxNuxUo<> 女侍「……喋るな。はらわたも腕も……目もやられている」」
老人「……い……様」
女侍「……」
老人「剣聖……様ぁ……っ」
女侍「…………」
老人「ど、どうか……屋敷を……」
女侍「喋るなと言っている!」
老人「……そ、その声……ま……さか」
女侍「……爺、安らかに眠れ」
老人「……ひ……め様ぁ」
女侍「父の傍を片時も離れずに居てくれた事、心から礼を言うぞ」
老人「……――」
女侍「……っ」
生前より剣聖の家に仕え、世話人を立派に務め上げた老人。そして、
剣聖の墓をずっと守り続けた彼は、安らかに眠りへとついた。女侍の腕の中で。 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:30:02.90 ID:D6gxNuxUo<> ガサッ…ザザザッ
戦士「……!?」
女侍「……おやぁ、あんたか。ここまで追ってきたのかい?」
戦士「こ、こんな所で何してんだよ!?」
女侍「別に、流浪の途中さね。それよりこれは何の騒ぎだい?」
戦士「今すぐここを離れろ! とんでもねぇ魔物がいるっ!」
女侍「魔物? へぇ、どこにいるんだい……そいつ」
戦士「この先にあった屋敷から出て、今はあっちの森で……」
ザッザッザッ
戦士「お、おいっ! まさか戦うつもりじゃあ……」
女侍「厄介じゃあないか。そんな魔物、のさばらせておいたらさ」
戦士「無理だ。勝てっこね――」
ガシッ!!
戦士「……っ」
女侍「あんた、あたいをナメてんのかい? そういう問題じゃあないんだよっ!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:30:33.34 ID:D6gxNuxUo<> …
ガッシュウウウウゥゥゥゥ
神野「…………」
鬼丸「……ぐ……くぬっ!」パリッ
グググッ
神野「素手で、剣を止めたやとぉ……?」
鬼丸「真剣……白刃取り……なんてな。グハハッ!」
神野「出来るわけがない! なんやコイツ……!」
鬼丸「あんま……ナメんじゃねぇぞ!」
神野「……ああ、鬼やもんなぁ。鬼の籠手ってのがあったわなぁ」
鬼丸「籠手の力だけじゃねぇっつの」バチバチッ
神野「あん?」
鬼丸「俺が背負った力はなぁ、武士の魂だけじゃねぇんだよ!」
神野「な、何やねんっ、この力は……!」
鬼丸「俺の手にはなぁ、雷忍から託された……魂があんだよぉ!」バチチッ!! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:31:17.69 ID:D6gxNuxUo<> 神野「ぬぅ……っ!?」
ガッカアアァァァァ!!…ズドドオオォォォォン!!
神野「ちっ!」ズザザッ
鬼丸「どうでぇ、ざまーみろ!」ザッ
神野「逃がさへんでぇ!」
鬼丸「うっせぇ!」
ゴロゴロッ…パシッ!!
神野「しまっ、刀を!?」
鬼丸「でりゃああぁぁ!!」
ズガシュウウゥゥゥゥ!!
神野「……っ!?」
鬼丸「なーんてな。あばよっ、またそのうち相手してやんぜ……グハハッ!」タッタッタッ
神野「……ナメ腐りやがってこの……ダボがぁ!!」
鬼丸「誰が待つかっての! グハハハハッ!」
神野「ぶっ殺す!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:31:55.00 ID:D6gxNuxUo<> ドウンッ!!
神野「待てやこらぁ!!」
鬼丸「鬼相手に鬼ごっこたぁ、なかなか滑稽じゃねぇか!」
神野「――っ」ダンッ!!
ザザザザッ…ガサッ!!
戦士「!?」
鬼丸「うぉっと!! 相棒――」
女侍「……!?」
鬼丸「……と、イイ女!」
戦士「鬼丸っ、無事だったか!」
鬼丸「後ろから来てんぞ! このまま東に逃げろ!」
戦士「おうっ、行くぜ!」
女侍「……っ」
戦士「何ボサっとしてんだよっ! 行くぞ!」
バシュウウゥゥ…ズダッ!! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:32:48.54 ID:D6gxNuxUo<> 神野「逃がすかおんどりゃああぁぁ!!」
戦士「来やがったぁ!!」
鬼丸「おい女っ! 早く……」
女侍「……父……上っ?」
鬼丸「……?」
戦士「いいから来いっ! 早く!」グイッ
女侍「っ!!」
ザザザザザザッ
神野「三匹に増えたかい。まとめて始末したるわああぁぁ!!」
女侍「離せっ!」
戦士「言ってる場合か!」
鬼丸「早くしろぉ! 追いつかれんぞ!」
神野「死んどけや、コラァ!!」
バッギャアアァァ!!
神野「―−ッ!!」ズダァン!! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:33:27.96 ID:D6gxNuxUo<> 戦士「!?」
ザッ
イヌ「大丈夫ね!?」
キジ「お頭っ、勝手に何やってるさー!」
女侍「お前……ら!」
神野「……まだ居たんか、ゴミ共ォ!!」
戦士「不死身かてめぇはっ!!」
神野「カアアァァァァ!!」ビュオッ!!
サル「させね〜っての!」
神野「!?」
サル「俺の必殺技、食らっときなっ!」
ボフウウゥゥゥゥン!!
神野「くっ! なんや煙幕かい、こんな子供騙し……」
シュウウゥゥゥゥ
神野「…………」ビキビキッ…ブチンッ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:34:11.00 ID:D6gxNuxUo<> …
タッタッタッタッタ
戦士「助かったぜ!」
サル「ん〜ふふふふっ! あの煙幕にゃ匂いもついてる。そう簡単にゃ居場所も読めねぇぜ」
イヌ「流石、姑息なサルね」
サル「褒めてねぇだろテメー!」
女侍「……」
キジ「お頭? どうしたさ?」
鬼丸「とにかく、このまま都まで戻るが吉だぜ」
戦士「だな。一旦、建て直して……他の連中にも報告だ」
鬼丸「分かってんな?」
女侍「……ああ、分かったよ」
キジ「しかしさっきの、何だったさー?」
サル「姿は人間みてーだったけど、魔物なんだよな……?」
戦士「ああ。ありゃ軍団長クラスかヘタすっと……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/17(土) 23:34:59.03 ID:D6gxNuxUo<> …
ザッザッザ…スタッ
神野「……」
スタスタ…パリッ
神野「……これや」
森を抜けた先の何もない空間。神野悪五郎がそこへ手を伸ばすと、
白い光が火花を散らし、その行く手を阻んでいた。
神野「この結界や。これのせいでワイはこの先、進めんのや」
誰かに言い聞かせるように呟く神野悪五郎。
神野「あのクソ陰陽師め。ほんまナメた真似しくさって……ッ」
ザッ
神野「まぁええ。龍脈っちゅーモンが消えてから、結界の力も衰えとる」
クルッ…スタスタサタ
神野「ま、近いうち見とけや。地獄見せたるわ」
人の姿を借りた妖怪、神野悪五郎は、再び闇の中へと帰って行った。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/17(土) 23:52:43.47 ID:H1f38adAO<> >>1乙〜!!
休日に来てるとテンション上がる! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/18(日) 01:18:32.72 ID:r4KVFpTAO<> >>1おつ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/18(日) 01:25:06.85 ID:Em++S9wU0<> いちおつ
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/18(日) 09:07:08.74 ID:mx4BKPZ80<> >>1乙! <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/18(日) 23:51:35.49 ID:B3a79+yzo<> …
鬼丸「どうやら、追ってはこねぇみてーだな」
戦士「ああ。諦めてくれたとしたら、ありがてぇこった」
キジ「でも、本当にこのまま、都へ戻るさー?」
戦士「そっか。あんたらお尋ねモんだから、本国の連中と鉢合わせはマズイんだよな?」
サル「まぁいざとなりゃあ変装でもすっけど、わざわざ会いに行くってのも気ぃ引けるわ」
イヌ「お頭、さっきから様子が変だけど、どっか怪我したね?」
女侍「……はん。そんなヤワに見えるかい?」
鬼丸「おめぇさんよ、さっきの妖……知ってんのか?」
女侍「……いーや、知らないねぇ」
戦士「確かに少し、様子がおかしかったよな。事情があんなら話してくれよ」
女侍「別に事情なんてものはないさ。ただ、あの屋敷は昔、剣聖ってのが住んでたんだよ」
戦士「剣聖……?」
女侍「そ、剣聖。東方一の剣豪として名高かった奴さ」
戦士「!?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/18(日) 23:52:37.85 ID:B3a79+yzo<> イヌ「お頭とその剣聖って奴は、何かあったね?」
女侍「何もないよ。盗みに入って顔知ってる程度のモンさ」
戦士「やっぱ、強かったのか?」
女侍「……ああ、強かったねぇ。あたいなんぞ足元にも及ばないくらいねぇ」
キジ「……ふぅん」
鬼丸「そんなに強かったのに、死んじまったんか?」
女侍「強けりゃ長生きするってわけでもないさね」
戦士「そりゃまぁ、そうだわな」
女侍「不器用な奴ほど、早死にするもんさ」
サル「……」
イヌ「あ、分かったね。お頭、剣聖の屋敷でお宝盗もうと企んでたね!」
女侍「ふふっ、まぁそんなとこだね。でもま、魔物が棲み付いてるんじゃ仕方ないねぇ」
サル「本当にそれだけなのかい?」
女侍「しつこい奴だねぇ。そうだって言ってんだろ! それよりもあんた、稽古するんだろ?」
戦士「あっ、そうそう! こんな時に頼むのもあれだけどよ……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/18(日) 23:53:15.42 ID:B3a79+yzo<> 女侍「構やしないよ。……その方が気も晴れるってもんさ」ボソッ
戦士「えっ?」
女侍「何でもないよ。まぁとにかく、今日はゆっくり休もうじゃないか」
鬼丸「んだな。都に行けねぇんじゃ、どっか寝泊りくらい出来そうなとこ探すか」
女侍「この先に寺がある。そこに行きゃ寝泊りくらいさせてくれるよ」
戦士「詳しいな」
女侍「一応、生まれ育った場所だからねぇ」
戦士「……そっか」
女侍「そんじゃ行くよ。お前達、周囲の警戒、怠るんじゃないよっ」
キジ「アイアイサー」
鬼丸「おめぇは帰らなくて平気なのか?」
戦士「1人でおめおめ帰れっかよ。とりあえず今日は一緒に付いてくよ」
鬼丸「そうか! そんじゃそうしようぜ!」
戦士「おうっ。そんじゃその寺ってとこまで急ごうぜ!」
女侍「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/18(日) 23:55:29.95 ID:B3a79+yzo<> 〜不死の山、山中〜
ビュウウゥゥゥゥ
召喚士「……吹雪が弱まってる」
ザッザッザッ
召喚士「これなら、いけるかも」
ザッ
召喚士「……行けっ、クジャタ! コカトリス!」
シュイイィィィィン
クジャタ「……」
コカトリス「とんだ悪天候だな。どこなのだここは」
召喚士「東方の山中だよ。クジャタ、まずはこの吹雪を抑えてくれ」
コカトリス「何をするつもりだ?」
召喚士「吹雪もさっきよりひどくはないし、クジャタの力で更に弱まれば……道も出来る」
コカトリス「まさか……」
召喚士「うん。一気に飛んで、下山しよう」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/18(日) 23:56:21.18 ID:B3a79+yzo<> コカトリス「お前はまた、無茶を言うものだな」
召喚士「そうかなぁ。いけると思うけど」
コカトリス「どうなってもしらんぞ?」
召喚士「大丈夫。コカトリスを信じてるよ」
コカトリス「ふっ。おだてて力が発揮されるものか」
召喚士「ははっ。そんなつもりじゃないって」
コカトリス「まぁいいさ、従うしかあるまいし、好きにしろ」
召喚士「じゃあクジャタ、お願い」
クジャタ「……」
ゴオオォォォォ…シュウウゥゥゥゥ
召喚士「……よし、風の通り道が出来た」
コカトリス「方角は一点しかないぞ? 大丈夫なのだな?」
召喚士「この山さえ抜けてしまえば、後は何とかなる!」
コカトリス「お前は本当に、慎重なのか豪胆なのか分からぬな」
召喚士「さぁ、行こう……コカトリス!」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/19(月) 00:03:11.36 ID:ooVo/BALo<> 年賀状作り終わったー!お陰で更新はちょびでしたけど
今日からまた頑張ります!ほんとすいません!
ご支援ありがとでした!おやすみなさい!ノシ
>>872
いらっしゃいませー!ありがとうございます! <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 00:09:58.32 ID:2D8g/T5xo<> >>1おつ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 00:10:36.02 ID:2D8g/T5xo<> >>1おつ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 00:21:38.05 ID:U93VK+vlo<> 年賀状うp <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 00:22:06.88 ID:U93VK+vlo<> 年賀状うp <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/19(月) 00:47:32.37 ID:8KQuT96s0<> いちおつ
剣聖の屋敷だったのか…
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 01:37:11.16 ID:EVQVJvxAO<> >>1おつ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 06:43:55.69 ID:c9FS7BZK0<> >>1おつんつん <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 08:19:06.56 ID:xJrNh04AO<> >>1乙
いよいよクリスマスがくるな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 13:33:38.16 ID:KJExgfmho<> 年賀状うp <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 16:56:54.00 ID:TGCQmLnVo<> 〜西の寺〜
イヌ「おっ、建物が見えるね」
戦士「あれが寺か」
ザッザッザ
戦士「……どした?」
鬼丸「どうも寺社の類は苦手でな。ここで待ってるわ」
戦士「あん? そうなのか?」
鬼丸「気にすんな。行ってきな」
戦士「……お、おう」
ザッザッザ…ジャリッ
サル「おーい、誰かいるかー?」
キジ「勝手に入るさ」
戦士「おいおい、さすがにそれはまずいだろ」
ガラッ
坊主「……何を騒いでおる?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 16:57:47.61 ID:TGCQmLnVo<> …
坊主「大した物もないが、まぁ食え」
キジ「これ何さー?」
坊主「大根と芋を煮たものに、ヒエを少々混ぜた物じゃ」
サル「……まっず」
イヌ「贅沢言わないね。食えるだけマシね」
サル「じゃあおめぇはマズくねーのかよ」
イヌ「クソマズイね」
坊主「それで、こんな夜中にどうなすったと言うんじゃ?」
戦士「ああ。西で魔物に遭遇してな。命からがら逃げてきたって事よ」
坊主「魔物?」
戦士「あ、えーと……妖。あやかしだ」
坊主「ま、それは災難じゃったな。よく無事でおったよ」
サル「まーな。俺達こう見えても、けっこー強いのよこれ。んーふふふふ!」
戦士「自分で言うなよ……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 16:59:14.23 ID:TGCQmLnVo<> …
坊主「西の屋敷?」
サル「そうそうっ。そーこでこれまた、とんでもねぇバケモンに会っちまったってわけよ」
坊主「……妖は一匹じゃったのか?」
イヌ「そうね」
戦士「いや違う。仲間かどうかは知らんが、他にもいた」
サル「そうなのか?」
戦士「ああ。えっと、なんつったっけな。長とかぬかしてた奴……」
女侍「……」
戦士「あ、そうそう! ぬらりひょんとかいう奴が最初、現れて……」
坊主「ぬらりひょん?」
戦士ああ。んで、そいつが率いる妖がわんさか攻撃してきやがったんだ」
坊主「ほう。それはおそらく百鬼夜行やもしれんな」
戦士「そうそうっ。そんな事、言ってたわ。そんで……鬼丸と2人でぬらりひょんを追ったんだ」
サル「おいおい、自分から釣られて死地に突っ込んだのかよ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:00:04.48 ID:TGCQmLnVo<> 戦士「ぬらりひょんと倒せば収まるって、あいつが言ってたんだよ!」
イヌ「それであの屋敷に行ったね?」
戦士「ああ。でもそこには別の魔物がいて。魔王ベルゼブブの配下だって言ってたな」
坊主「魔王? 何じゃそいつは……っ」
戦士「ああ。東方じゃなくて本国の魔王さ。北にいて、大軍を率いてるらしい」
キジ「ああ。北でもよく耳にしたさー」
坊主「何故、異国の魔王がこの地に……?」
戦士「こっちが聞きてぇよ。そんで、ぬらりひょんとそいつが襲ってきた」
女侍「……倒したのか?」
戦士「……いや。途中であのバケモンが横槍入れてきたんだよ」
サル「それがあの追っかけてきた魔物ってぇ事かい」
戦士「そういう事」
坊主「先程から申しておる西の屋敷と言うのは、まさか……」
女侍「……剣聖家の屋敷さ」
坊主「……や、やはりそうか……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:01:54.33 ID:TGCQmLnVo<> 戦士「知ってんのか?」
坊主「東方に知らぬ者の方が少ないであろう。それ程の剛の者であったわ」
女侍「……」
坊主「儂も剣聖様が生前には、何度も世話になったわい」
戦士「そうだったのか……」
坊主「しかしもう10年近く前になるかのう。都で賊紛いの行為をし、処刑されたそうじゃ」
キジ「そんな強い人なのに、強盗したさー?」
イヌ「屋敷も金持ちっぽかったね。没落したね?」
坊主「理由は闇の中じゃよ。じゃが、忍び込んだ屋敷は庄屋と言う者の屋敷でなぁ」
女侍「……」
坊主「剣聖様と庄屋はかねてより懇意にしており、庄屋が顔を見たと言うのじゃ」
戦士「……なんかキナ臭せぇ話だな」
坊主「当然、助命や懇願の声も出たが、時の老中による一言で、切腹と相成った」
戦士「……老中? まさか……あいつか?」
女侍「知ってるのかい?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:02:52.02 ID:TGCQmLnVo<> 戦士「……ああ。前に東方で戦いがあった時に、魔物と結託してた悪党だよ」
女侍「何……?」
戦士「上様の傍にいながら、魔物と手を組んで……悪事を働いてたんだ」
女侍「……っ」
坊主「お主の話、真であらば……剣聖様は謀られたのやもしれんな」
戦士「なぁ、そういやあんた……顔見知りだったのか?」
女侍「……?」
戦士「いや、剣聖って人の事、詳しそうだったからよ」
女侍「……私……はっ、剣聖……の」
戦士「……」
女侍「……アタイは、剣聖の屋敷に忍び込んだって、さっきも言っただろ?」
戦士「……ああ、そう言ってたっけな」
女侍「そん時にたまたま、剣聖って奴の顔を見ただけさ」
キジ「お頭って意外と、若い頃から盗みやってたさー?」
女侍「まぁね。孤児だったからねぇ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:03:52.34 ID:TGCQmLnVo<> 坊主「誇示だから盗みを働いても良い、と言う道理はない。盗みはいかん」
女侍「五月蝿いねクソ坊主。アタイらはね、こうして生きてきたんだよ」
坊主「本当にそうか?」
女侍「……何が言いたいのさ」
坊主「お主の目、何か無理をしておるようにも見えるぞ?」
女侍「――っ」
坊主「もっと別の生きる道が、あったのではないか……?」
ドスッ
女侍「……偉そうに説法すんじゃないよっ! このハゲ!」
坊主「刀を仕舞え。此処は寺の本堂じゃぞ?」
女侍「……ちっ」グイッ
坊主「しかし、とうとう剣聖様の屋敷まで妖の巣と化してしもうたか」
戦士「前は違ったのか?」
坊主「うむ。ここ最近になって、妖が都へ都へと近づいておる」
戦士「都の東とは正反対だな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:04:46.37 ID:TGCQmLnVo<> 坊主「だからやもしれん。西の妖は首領を失ってから、追いやられてきたからのう」
戦士「首領?」
坊主「神野悪五郎という妖じゃ。実体はなく、死人の思念体を媒介にすると聞く」
サル「そいつを失ってから西の魔物どもは勢力を失ったって事みてぇだな」
戦士「シンノ……? 待てオッサン! 今……なんつった!?」
坊主「神野悪五郎」
戦士「……そ、そいつだ!」
イヌ「……?」
戦士「確かに名乗ってた……っ、シンノアクゴローって言ってた!」
サル「おいおいっ、んじゃ……あのバケモンが首領だってぇのかよ!?」
戦士「間違いねぇ。鬼丸にも聞けば分かるはずだっ」
キジ「でも、シンノアクゴローは死んだんじゃないのさ?」
坊主「いや、死んだわけではない。奴は不死身、倒す術がないのじゃ」
戦士「……っ」
坊主「しかし、もう数百年も前の話になるが、一人の陰陽師が結界を張ったんじゃ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:05:52.50 ID:TGCQmLnVo<> 戦士「結界……?」
坊主「ここより西に森の出口があり、そこに川がなかったか?」
戦士「……あった。確かあった!」
坊主「かつて都で名を馳せた陰陽師がおってな、その者が結界を張ったのじゃ」
女侍「……」
坊主「それは全ての妖を封じるものではなく、神野悪五郎のみを封じる為のものじゃ」
戦士「なんでそんな回りくどい事をしたんだ?」
坊主「さぁな。事情でもあったんじゃないか? だが、神野さえ封じる事が出来れば……」
イヌ「他の魔物も大人しくなるね」
坊主「そういう事じゃ。それで息を吹き返した人間は、更に西へ西へと妖を追いやったわけじゃ」
女侍「それで、剣聖みたいな強い連中が領土を与えられる代わりに、西への盾をされたのさ」
坊主「……詳しいのう」
女侍「東方の出さ。その程度は知ってて当然だろ」
坊主「……とにかく、その妖が神野悪五郎であれば、此処までは追ってこれぬよ」
サル「そうか。ここは結界より内側なわけだもんな。あーんしんしたぜぇ、んふふふふっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:06:21.23 ID:TGCQmLnVo<> 戦士「それで途中から追ってこなくなったってわけか」
坊主「西にさえ行かねば、神野悪五郎を相手にする事もないわい」
戦士「それを聞いて安心した。だが、西に人は住んでるのか?」
坊主「小さな村が幾つかあるのと、あとは罪人や落ち武者が逃げ延び、定住しておると聞く」
イヌ「どういう事ね?」
キジ「無法地帯って事さ」
坊主「正直な。上様もどうにかしたいようではあるが、手の付けようがない」
戦士「……神野か」
坊主「神野もそうじゃが、妖の類に罪人、賊徒、外道の集まりじゃ」
戦士「大丈夫だよ」
坊主「……?」
戦士「今は都も変わった。東も変わった。そして、北も変わる」
坊主「……」
戦士「西が変わるのはもう、時間の問題だ。安心してくれ」
坊主「ふっ。それならば良いがな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:07:17.93 ID:TGCQmLnVo<> …
坊主「さて、本堂は自由に使うが良い。布団も何もないがな」
サル「マジかよ!? うひぃ〜こーりゃ寒いなんてモンじゃねぇぞ」
坊主「ところで神野悪五郎、人の姿をしておったか?」
戦士「あ、ああ。なんつーか刀持ったジーサンみてぇな……」
女侍「剣聖」
戦士「……?」
女侍「剣聖の姿さ。あれは、な」
戦士「!?」
坊主「何と……っ、よりにもよって剣聖様の姿とは」
戦士「姿形で何かあんのか?」
坊主「思念体を媒介とする為にな、その思念を有りのまま具現化出来るようじゃ」
戦士「つまり……」
坊主「剣聖様の思念なれば、剣の腕は桁違いじゃろうな。得物も含めて」
戦士「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:08:09.34 ID:TGCQmLnVo<> 坊主「ぞれじゃ儂はあちらの離れにおる。何かあれば言うが良い」
スッ…テクテクテク
キジ「厄介な話、聞いちまったさー」
イヌ「気にする事ないね。西に行かなければいいだけね」
サル「だな。こりゃーとっとと東方もオサラバして……南東国にでも逃げるかぁ〜」
イヌ「それいいね。華国なら案内するねっ!」
戦士「薄情な奴らだなおい」
サル「別に俺らがどうこうする話でもねーだろ。なぁ、お頭?」
女侍「……まぁな」スクッ
キジ「どこか行くさ?」
女侍「野暮な事聞くんじゃないよ。小便さ」
戦士「俺も鬼丸んとこ行ってくるわ」
イヌ「それじゃ俺は先に寝るね」
サル「気ぃ〜付けろよ。魔物が居ないとも限らねぇかんな」
戦士「分かってるよ」スタスタスタ <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:09:50.53 ID:TGCQmLnVo<> 〜不死の山、ふもと〜
召喚士「わああああぁぁぁぁーっ!!」
ガサガサガサッ…ドシャア
召喚士「……っつー!!」
コカトリス「生きているな」バサッ
召喚士「……急に風向きが変わるんだもん。参っちゃうよね」
コカトリス「だから申したはずだ。どうなっても知らんと」
召喚士「……とりあえず……引っ張ってもらえる?」
コカトリス「下が森で命拾いしたな」
グイッ…ザスッ
召喚士「ふーっ。ありがと、でも何とか……下山できたね」
コカトリス「下山と言うならば、まぁそれで文句はないがな」
召喚士「と、とにかく戻ろう。うん、戻りましょう」
コカトリス「それで、ここは一体どこなのだ?」
召喚士「……えぇと、不死の山の……樹海?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:10:44.20 ID:TGCQmLnVo<> 〜西の寺〜
戦士「おう。酒でも飲むか?」
鬼丸「グハハッ。いいねぇ。おっ、アンタも来たのかい」
女侍「アタイはすぐ戻るよ。便所さ便所」
スタスタスタ
鬼丸「気ぃ遣わなくてもいいぜ? 中でゆっくり寝とけ」
戦士「別にそんなんじゃねぇって。なぁ鬼丸、お前……あのシンノって奴、知ってんのか?」
鬼丸「まぁな。妖の中じゃあ上位、力は魔王にも匹敵するかもしれんぜ」
戦士「何!?」
鬼丸「まぁ随分と前から姿を見た奴がいなくてな。てっきり死んだのかと思ってたぜ」
戦士「ああ、何だか結界が張られて、それで東にゃ来れないらしいぜ」
鬼丸「グハハッ! そいつはいい気味だ!」
戦士「でもよ、ほんとにあいつを放っておいていいのかねぇ」グビッ
鬼丸「結界があんだろ? じゃあいいじゃねぇか」
戦士「でもよ、西にも人は住んでるわけだし……どんな奴だろうと、命は命だ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:17:28.95 ID:TGCQmLnVo<> 鬼丸「まぁな。魔羅とも仲悪そうだし、手ぇ貸すとは思えねぇが、万が一もあるしな」
戦士「とは言っても、優先度はマーラが先だ。まずはマーラを討つ」
鬼丸「それがいい。魔羅が死ねば神野の周りは雑魚ばっかだ」
戦士「要はシンノを倒せば、西の連中は大人しくなるって事だよな?」
鬼丸「ま、そうだな」
戦士「マーラを倒して、シンノも倒せば、東方は平和になるってわけだ」
鬼丸「……うーん」
戦士「どうした?」
鬼丸「魔羅と神野悪五郎と、もう一匹居たんだよな確か……」
戦士「何ぃ!?」
鬼丸「なーんつったっけなぁ……思い出せねぇ」
戦士「ま、マジかよ……っ」
鬼丸「でもそいつ、魔羅と神野が争ってた時に、神野を半殺しにしてたから悪い奴じゃねぇかもな」
戦士「――っ!?」
鬼丸「なんだっけかなぁ。山田一郎とかそんなんだった気がすんなぁ……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:18:01.71 ID:TGCQmLnVo<> 〜樹海〜
召喚士「……」
コカトリス「おい、先程と同じ道ではないか」
召喚士「……おかしいな」
コカトリス「貴様、さては道に迷ったのでは……」
召喚士「違うんだって。この樹海、磁場が強くてどうもおかしいんだ」
コカトリス「確かにそれはあるな。先程より飛ぼうと思っても、うまく飛べぬ」
召喚士「でしょ!」
コカトリス「何を嬉々としている。お前のせいではないか」
召喚士「……仕方ない」
ザッ
召喚士「行けっ、ノーム!」
シュイイィィィィン
ノーム「おやおや、こいつは久し振りじゃのぉ」
召喚士「ノーム。この磁場を軽減してくれないか?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:21:25.70 ID:TGCQmLnVo<> ノーム「どれ、やるだけやってみよう」
シュウウゥゥゥゥ
コカトリス「そんなものがあるならば、どうしてさっさとやらぬか」
召喚士「いや、自力で脱出出来るかなーって」
コカトリス「嘘だな。今きっと思い出したのであろう?」
召喚士「違います」
コカトリス「図星のようだな。全く、頭が良いんだか悪いんだか」
召喚士「…………」
ノーム「ほれ、磁場を軽減したぞ。早く行かぬと効果が薄れる」
召喚士「よし、行こう」
コカトリス「これで抜けられるのか?」
召喚士「抜けられますっ!」
コカトリス「……」
召喚士「……な、何? その石化してしまいそうな冷たい目線……っ」
コカトリス「ふん」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:23:41.97 ID:TGCQmLnVo<> 〜次の日、西の寺〜
戦士「……んんー」パチッ
女侍「……おはよ」
戦士「何してんの? 人の上で……」
女侍「んふっ、朝一ですっきりさせてやろうかと思ってねぇ」
戦士「すっきり? それより……」ガシッ
女侍「おや、意外とダイタンなんだねぇ」
戦士「んな事ぁいいから、その手にしてる雷切……返して貰おうか」
女侍「盗みやしないよ。ちょっと拝見させて貰っただけさ」スッ
戦士「ふん」パチッ…ジーッ
女侍「すり替えてもいないよ。安心しなっ」
戦士「……」
女侍「それよりも、アタイといい事するんだろぉ〜?」
戦士「はぁ!?」
女侍「したくないのかいっ? 修行」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:24:30.17 ID:TGCQmLnVo<> …
女侍「ここいらでいいだろ」ザッザッ
戦士「ああ」
女侍「居合いだっけか? そんじゃまずは見せてご覧よ」
戦士「ん、ああ」
テクテクテク…ジャリッ
戦士「……ふーっ」
女侍「……」
戦士「……はあぁっ!!」
ビュオッ…ンンンン
戦士「……どうかな?」カシャッ
女侍「悪くないねぇ」
戦士「本当――」
女侍「でも、居合いとしちゃあ……全く話にならないねぇ」
戦士「……っ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:24:55.59 ID:TGCQmLnVo<> 女侍「まずあんたはね、居合いってもんを全く理解しちゃいないんだよ」
戦士「……」
女侍「ただ抜刀してカウンターを決めるってのと、居合いじゃあ大違い」
戦士「そ、そうなのか……」
女侍「あんたが今まで行ってきたのは前者。後者は全くの別モンさ」
戦士「そ、それを知りたいんだ」
女侍「まず、居合いの居ってのは座する、座るっって意味さね」ザッ
戦士「座る……」
女侍「何も本当に座る必要はないよ。立っていても重心を限界まで落として」
ググッ…チャキッ
女侍「相手を引き込むのさ」
戦士「……なるほど」
女侍「それにね、居合いってのは、抜かずして勝つって言葉がある」
戦士「抜かずして……?」
女侍「そうさ。刀を抜かずとも、相手に勝つって事さね」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:25:30.11 ID:TGCQmLnVo<> ゴゴゴゴゴゴ…
戦士「……っ」
女侍「分かるかい? アタイの威圧。これから抜刀するよって威圧がさ」
戦士「く……っ」ズザッ
女侍「これで相手を圧倒する。そうすりゃ刀を抜かずして勝ったも同然て事さ」スッ
戦士「な、なるほどな……っ」
女侍「そんじゃ次。居合いは何で座ってるか分かるかい?」
戦士「い、いやっ」
女侍「居合いは元来、自分より短い得物を持った相手への防御技なのさ」
戦士「……ほぉ」
女侍「例えばあんたがほら、この枝持ちなっ」ポイッ
戦士「……んで?」
女侍「そこに座りな」
戦士「……スッ」
女侍「例えば会談の場だとしよう。間合いは極端に近い挙句、あんたは短刀だ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:28:53.28 ID:TGCQmLnVo<> 戦士「これなら俺のが断然有利だわな」
女侍「だろ? そこで居合いさね」
戦士「……?」
女侍「んじゃその枝を、アタイめがけてガンガン突くなりしてみな」
戦士「……お、おう」
女侍「……」
戦士「……しっ」ビュオッ
フオンッ…ンンンン
戦士「…………」カランッ…カラカラッ
女侍「分かったかい? 居合いの真髄」カシャッ
戦士「う……そだろ……っ」
女侍「間合いで劣っていても、それを覆すのが居合いさね」
戦士「すげぇ……っ」
女侍「つまり、結論は見えてきたかい?」
戦士「……ああ。お陰さんで見えてきたぜ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:29:39.26 ID:TGCQmLnVo<> 女侍「ふふっ、それじゃあ早速……やってご覧よ」
戦士「……ああ」ザッ
女侍「……」
戦士(間合いが不利、イコール……相手は至近距離にいるわけだ)
ジリジリジリッ
戦士「(それを意識して……相手を限界まで引き込む)
ゴゴゴゴゴゴ
女侍「……ほおぉ」
戦士「……はぁっ!」
フオンッ…ンンンン
女侍「……っ」
戦士「どう、だ?」
女侍「……まぁまぁだね。飲み込みが早いじゃないかい」
戦士「本当かっ!? よーし……これなら雷切の威力も増しそうだ!」
女侍「……ふふっ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:30:39.75 ID:TGCQmLnVo<> 戦士「サンキュー! とりあえずはこの形を身体に叩き込んでくる!」
女侍「あー待ちな」
戦士「……?」
女侍「抜刀の時だけどね、鞘をもっと水平にするといいよ」
戦士「……おうっ、ありがとよ!」タッタッタッ
女侍「……いやぁ、まさかこれ程とはね」
パリッ…バチバチバチッ
女侍「あの一振りで、アタイの背後の木まで……」
ドッドオオォォォォン!!…ドシャアアァァ
女侍「ほんと、末恐ろしいじゃないかい。ふふっ」
サル「おーい、ボチボチ出発しね〜かぁ?」
女侍「ああそうだね。身を隠せる場所……探しに行こうかい」
キジ「それと食糧の確保もさー」
イヌ「そうね。それに布団も欲しいね」
女侍「そうさねぇ。まだ東方を離れるわけにゃ……いかないからねぇ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:31:20.13 ID:TGCQmLnVo<> …
戦士「……あれ? 他の連中は?」
鬼丸「今しがた出てったぞ。入れ違いじゃねぇか?」
戦士「マジかよ」
坊主「もう経つのか?」
戦士「おう、世話になりました」
鬼丸「……」
坊主「んっ、その袈裟を着た男……」
鬼丸「……何だよ」
坊主「もしや……」
戦士「ああ、こいつは鬼丸っつってな。俺の相棒なんだ」
坊主「鬼丸……」
戦士「都の大橋でな、妖を通すまいと毎晩毎晩、見張りを務めてるんだぜ! 凄いだろ!」
坊主「ほぉ、そうであったか。それは大した……人間じゃわい」
鬼丸「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:32:07.44 ID:TGCQmLnVo<> …
戦士「んじゃ、また機会があったら」
坊主「うむ。気を付けてな」
テクテクテクテク…
坊主「賊に妖に人間、か。何とも不思議な連中だわい」
テクテクテクテク…
鬼丸「修行ってのはもう終わったのか?」
戦士「ああ、さっき習ってきた。しかし一言も言わずに去るとはなぁ」
鬼丸「お前に迷惑かけまいと、去ってったんじゃねぇのか?」
戦士「そんな連中かよ。きっとこのまま東方を去るつもりなんだろうな」
鬼丸「どうだかなぁ」
戦士「あん?」
鬼丸「あの女、何か剣聖ってのに思い入れでもあんじゃねぇかと思ってな」
戦士「そうかぁ?」
鬼丸「鬼の勘は鋭いんだぜ? グハハハハハッ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:32:46.25 ID:TGCQmLnVo<> 〜都〜
バシュウウゥゥゥゥ
召喚士「あったぁ!!」
コカトリス「全く、まんまと迷いおって」
召喚士「だって、東方なんて数えるほどしか来てないし、ましてや上空からなんて……」
コカトリス「だからもっと計画的にだな……」
召喚士「まぁまぁ、こうして無事、着いたわけだし!」
コカトリス「……全く」
バシュウウゥゥゥゥ…スタッ
召喚士「あーっ、疲れた」
コカトリス「存分に疲れを癒しておけよ。また魔王と一戦、交えるのであろう?」
召喚士「……うん、ありがとう」
コカトリス「それと、行動する時はもっと計画的にだな――」
シュイイィィィィン
召喚士「よし、旅籠に戻ろう!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:33:37.41 ID:TGCQmLnVo<> 〜旅籠〜
召喚士「ただいまー」カラカラッ
タッタッタッタッタ
魔道士「召喚士さーんっ! お帰りなさい〜っ!」
召喚士「た、ただいま」
魔道士「どうでしたっ!?」
召喚士「いや、色々とありまして……みんないます?」
魔道士「戦士がまた帰ってこないんですよ……」
召喚士「戦士が?」
テクテクテク
盗賊「召喚士、戻ったか」
召喚士「盗賊さん。どこか行ってたんですか?」
盗賊「いや、実は……戦士が帰ってこなくてな……っ」
召喚士「今、効きました。一体どこへ……」
盗賊「鬼丸と出て行ったようなのだが、今……見てきたが、鬼丸もまだ戻っていないようだ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:34:31.04 ID:TGCQmLnVo<> …
南方参謀「大丈夫よ。戦士くんがやられるようなタマに見える?」
西方参謀「それにその、鬼丸ってのが一緒なんだろ? じゃあ問題ねぇよ……ヒック」
東方参謀「知っておるのか?」
西方参謀「いんや。昨日初めて見たが、ありゃ相当なバケモンだぜ。ガハハっ」
青年兵「と、とにかく今日は都で待ちましょう」
召喚士「そうだね。夜までに戻らないようなら、捜索に向かった方がいいかもしれない」
盗賊「……っ」
魔道士「心配ないですって。盗賊さんっ!」
盗賊「うん」
召喚士「それで、魔王討伐の方はどう?」
青年兵「ええ。本国の軍船と兵、そして東方の兵をこれから東へ向かわせます」
召喚士「なるほど……」
青年兵「召喚士さん達は当初の予定通り、別働隊で宜しいですか?」
召喚士「実はその事なんだけど、戦士が戻ったら話したい事があるんだ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:35:08.04 ID:TGCQmLnVo<> 〜北の関所〜
旗本「これより先、山脈伝いに進むと、北の城が御座いまする」
隊長「なるほどな」
女隊員「ここまでの道のりはバッチリッスね」
男隊員「どうする? いっそ、その北の城ってとこまで行ってみっか?」
隊長「いや、今日は十分だろう。俺も最北までの道は経験済みだ」
格闘家「でも、1回ですよね?」
隊長「1回でも行きゃ、道くらい覚えるだろ」
男隊員「……」
隊長「北の城ってのは確か、城主さんてのがいたよな?」
旗本「ご存知ですか!? ええ、北の城を守っておられる主で御座いますよ」
隊長「前の戦いじゃ世話になったからな。今回も世話になりそうだ」
旗本「それでは、都へ戻られますかな?」
隊長「ああ、そうしよう。案内ありがとさん」
旗本「いえいえ。それでは帰路は、少し馬を飛ばすと致しましょう」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:36:46.27 ID:TGCQmLnVo<> 〜夕方、名代の屋敷〜
名代「鬼丸……ですか?」
召喚士「ええ。戦士と出て行ったそうなんですが、何か聞いてないかな、と思いまして」
名代「いえ、特には何も……」
召喚士「そうですか……」
名代「まぁ、戦士殿もお強いですし、鬼丸が付いて居れば心配は無用かと」
召喚士「そうなんですけど……やっぱり待つしかないみたいですね」
名代「ところで召喚士殿は、何か得るものがありましたか?」
召喚士「あ、ええ。後ほど上様も交えてお話したいのですが……」
名代「……ふむ、重要事項のようですね。承知仕った、城にて手筈を整えておきましょう」
召喚士「助かります。戦士が戻り次第ですけど……」
名代「此方は何時でも構いませんよ。上様も私も、今は都から動けませんからね」
召喚士「分かりました。それでは戦士が戻り次第、連絡します」
名代「はい。私も城にて待つと致します。それでは」
召喚士「どうも、お邪魔しました」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:39:04.22 ID:TGCQmLnVo<> カラッ…スタスタスタ
召喚士「はぁ、手掛かりなしか。全く……どこ行っちゃったんだろ」
ギャーギャー
召喚士「まぁ俺も人の事……言えないけどさ」
ギャーギャーギャー!!
召喚士「……ん?」
戦士「お前が地図なくすからだろ!!」
鬼丸「仕方ねーだろ!! あんな状況で落としても文句言えるか!?」
戦士「なくすなよって散々、言っただろ!!」
鬼丸「何ィ!? 頭来たっ! おめぇとは相棒解消だ!」
召喚士「戦士っ!!」
戦士「……あん? おぉ、召喚士」
召喚士「おぉ、じゃないよっ!!」
鬼丸「……何だぁ?」
戦士「……さぁ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:47:11.52 ID:TGCQmLnVo<> 〜旅籠〜
召喚士「ただいま戻りました」
戦士「ただいまー」
盗賊「!?」
ズダダダッ…ザザッ
戦士「げ、元気だな……」
盗賊「……っ」
魔道士「ちょっと戦士さんっ! どれだけ心配したと思ってるんですかっ!」
戦士「えっ? あ、あぁ……すまん。色々とあって……」
盗賊「……」
戦士「……色々と……とにかく、説明すっから」
召喚士「戦士も何かあったの?」
戦士「も、って事はお前もか?」
召喚士「うん。それじゃあみんなで城に向かおう。上様と名代さんも待っているから」
戦士「そうすっか。ひとまず風呂にだけ入らせてくれ。汗臭くてかなわん」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 17:59:23.07 ID:TGCQmLnVo<> …
女将「あら、お出かけですの?」
南方参謀ええ。ちょっとお城まで」
女将「じゃあ夕飯は不要かしら?」
西方参謀「もし作って頂けるんなら、俺が全部食いますよ」
女将「は、はぁ」
魔道士「それじゃい行ってきまーす!」
女将「気ぃ付けてなぁ」
ゾロゾロゾロ
鬼丸「そんじゃ俺は橋に帰らせて貰うぜ」
戦士「城には行かねーのか?」
鬼丸「寺と一緒でよ、城もあんまり好きな感じじゃねぇんだわ。グハハッ」
召喚士「鬼丸さん、それじゃまた……」
鬼丸「おう。またなっ!」
戦士「ゆっくり休めよー」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 18:00:37.79 ID:TGCQmLnVo<> 〜帝の城〜
名代「お待ちしておりましたよ」
帝「てっきり明日になるかと思っていたがな」
召喚士「す、すみません」
帝「いやいや良いのだ。私も暇を持て余しておってな」
家老「これ上様。そのような言い草は……」
帝「冗談だ。それで、話があると伺っているが?」
召喚士「はい。えっと、それじゃあまずは俺から報告させて頂きます」
東方司令「……」
召喚士「昨日より槍侶さんの案内で、不死の山へと行って参りました」
帝「そのようだな。何か収穫はあったのか?」
召喚士「……十分すぎる収穫でした」
名代「もしや……五行目がついに!?」
召喚士「いえ、それは……近いものは得ましたがまだ。それよりも重大な事が1つ……」
帝「構わぬ。申してみよ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 18:03:12.37 ID:TGCQmLnVo<> …
魔道士「……っ」
東方参謀「魔王マーラ以外の……敵だと!?」
召喚士「はい。その妖を倒――」
戦士「今、なんつった……?」
召喚士「へっ?」
戦士「……何て……言ったんだ」
召喚士「えっと、シンノアクゴロウ……」
戦士「おいおい……冗談だろ……っ?」
盗賊「どうかしたのか?」
戦士「シンノアクゴローを……倒すだ?」
青年兵「戦士さん、何かあったのですか?」
戦士「昨日、俺と鬼丸が遭遇した魔物がよぉ……言ったんだ」
召喚士「……まさか」
戦士「シンノアクゴローだってよぉ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 18:06:19.79 ID:TGCQmLnVo<> …
青年兵「では、戦士さんがその屋敷で戦った相手が、シンノアクゴロウだったと?」
戦士「ああ、間違いねぇ。鬼丸も知ってるし、西の坊主の話でもそうだった」
召喚士「……っ」
戦士「ハッキリ言う。軍団長クラスの妖だ。相当の戦力が必要になるぜ」
西方参謀「厄介な話になっちまったなおい……ヒック」
東方司令「でも別に、舞おうを倒してから始末すればいいんだろ?」
召喚士「ええ。但し時間は限られていますが」
魔道士「……?」
召喚士「マーラを倒した後、シンノアクゴロウが魔王の座を狙うと山本さんは言ってました」
東方参謀「そのサンモトとか言う魔物は、信用出来るのか?」
召喚士「はい。山本さんは悪い妖ではないです。断言出来ます」
帝「……ふーむ。出来るだけ期間は空けぬ方が良いようだな」
名代「しかし上様も周知の通り、西は治安も悪く、手の施しようがありませぬぞ?」
帝「しかし、この事態ではそうも申して要られぬ事じゃ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 18:15:03.65 ID:TGCQmLnVo<> 南方参謀「でもそうなると、戦力を分ける事になりますわよ?」
名代「青年兵殿、それは可能なのですか?」
青年兵「……もちろんですが、不可能ではありませんよ」
東方参謀「だが当然、厚みはなくなる。各々の負担が増える事は明確よ」
青年兵「ええ。敵の戦力によりますが、更なる苦戦を強いる事にも……」
名代「如何なさいます?」
帝「召喚士よ、お主も急ぐのであるよな?」
召喚士「満月の事ですか? それなら別に気にしなくても……」
帝「どうせ倒さねばならぬ相手。ならば二手に分かれて討とうではないか」
青年兵「上様がそのお覚悟ならば、本国は従うまでです」
戦士「ちょいと待ってくれ。確か、シンノの野郎は都まで来れないはずだ!」
名代「……どういう事です?」
戦士「何でも、古くにシンノだけが通れない結界が張られたらしくて」
魔道士「結界ですか?」
南方参謀「シンノアクゴロウだけ? どうして……?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/19(月) 18:20:09.79 ID:TGCQmLnVo<> 戦士「いや、理由は分からんが、とにかくシンノだけが通れないらしい」
召喚士「……それって、陰陽師か何かの人?」
戦士「ああ、陰陽師とか言ってたかもしれん」
召喚士「……なるほど……っ。だとしたらその人、凄いかも」
魔道士「へっ?」
召喚士「式神と妖は同一。だったら全てを滅する必要はないんだ」
名代「まさか、野の妖達も式神とする為に!?」
召喚士「魔王クラスであるシンノが従うとは思えないし……」
東方参謀「最も厄介な首領を制し、他の妖を得ようとしていたのか……?」
青年兵「もしそうなら……確かに凄い人ですね……っ」
召喚士「うん。俺らがここまで行き着く前に、式神と妖の存在に勘付いていたんだ」
西方参謀「もしくは、お前さんみたいに、妖と接触したか……ヒック」
召喚士「名代さん。同じ陰陽師として、何か手掛かりはありませんか!?」
名代「城内の書物を漁ってみましょう。龍脈の事も残されていたくらいです」
家老「もしかしたら何かしらあるやもしれぬな。よし、早速探させよ!」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/19(月) 18:21:34.99 ID:TGCQmLnVo<> 今日はここまでにて失礼致します!
ご支援感謝です!それでは失礼致します!ノシ
年賀状はまたここ用の作って落書きでもうpります… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 18:47:20.68 ID:dc5NM2KDO<> おつんぽアクゴロー <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/19(月) 20:08:53.05 ID:4SComHm70<> 女将「気ぃ付けてなぁ」
? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 20:36:17.72 ID:LhR/s4PSO<> おつおつ!
>>947京都弁で美人声なら違和感はない <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 22:42:26.14 ID:c9FS7BZK0<> >>1おつんつんつん <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/19(月) 23:16:08.63 ID:dqLLXyGp0<> >>1 大量更新乙
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 02:05:11.74 ID:UU1O/VLso<> ジョっ
山田一郎おおおおおお <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 10:50:05.46 ID:8i26YX7K0<> ペニスてめー調子に乗りすぎだw
コカトリスとの掛け合いで思わずにやけちゃったじゃないかww <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:42:05.72 ID:KvR7+fNFo<> 〜旅籠〜
女隊員「ただいまーッス!」ガラッ
男隊員「あん? 誰もいねーのか?」
パタパタパタ…
女将「お帰りなさい〜。ごめんねぇ、お待たせして」
隊長「いえいえいいんです。私は待つのが好きでして。いつまでだって待――」グイッ
男隊員「ところで他の連中は?」
女将「お城行きはる言うから、皆さんもてっきりそうなのかと思うたわぁ」
格闘家「城? 作戦会議か何かですかね?」
隊長「聞いてねぇぞそんなん」
男隊員「ま、いいさ。待つべ待つべ……ヒャハハ!」
女隊員「そうッスね。お腹空いたし、汗流したいッスよ」
女将「あらぁ、それじゃあ夕飯の支度するから、先にお風呂入って下さいなっ」
女隊員「そうさせて貰うッス!」
隊長「俺らもひとまず休憩すっか。流石に疲れたろ」
格闘家「ええ。慣れぬ土地ですからね」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:42:31.92 ID:KvR7+fNFo<> 〜帝の城〜
青年兵「……これが限界ですかね」
名代「そのようですね。これ以上の人員は割けないと思います」
召喚士「戦士の話を聞く限りでは、直接攻撃よりは魔法や召喚術が効果的みたいだし」
戦士「おいおい、だからって何で俺が北なんだよ!」
召喚士「……盗賊さんを、守るんでしょ?」
戦士「……っ」
盗賊「悪いが、私は北へ行く。東方でぐらい、藤蔵と共にありたいものだ」
戦士「……分かったよ」
ドタドタドタッ
家老「名代っ! あったそうじゃぞ!」
名代「まことですか!?」
バサッ…バララララッ
南方参謀「これは?」
東方参謀「巻物、というやつだな。かなり古いように見える」
家老「詳しいな。その通りじゃ。かなり古くから残るものじゃな」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:42:59.19 ID:KvR7+fNFo<> 名代「確かにこの花押、我が一族のもののようですが、初めて拝見致しますね」
家老「当然じゃ。これは歴史書ではない。国土地理を記したものなのじゃ」
召喚士「……?」
家老「時の帝へ陰陽師が献上した、東方の地図と、名所が描かれたものじゃよ」
東方司令「ふぅん。地図みたいなものか?」
名代「……見る限り、どちらかと言うと旅の日記のようなものですね」
西方参謀「それなら重要書類とは言い難いし、本棚に眠っていてもおかしくはないか……ヒック」
戦士「よく見つけてきたな……」
家老「餅は餅屋。書庫を担っておる者ならば、大体の書物把握しておるものよ」
青年兵「陰陽師というキーワードがあれば、関連書物を見つけ出せるわけですね」
帝「それで、何と書かれておるのじゃ?」
名代「西の旅について記された項目では、このように書かれております」
召喚士「……」
名代「――妖、西の御大将は邪に満ちており、此れを都へ招くは、愚の骨頂」
パラパラッ
名代「都の御大将、東の御大将などと結託する事、恐れ多き事也」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:43:27.72 ID:KvR7+fNFo<> 魔道士「ど、どういう意味ですか?」
家老「西の妖が東や都の妖と結託されると、非常に厄介です、という事じゃよ」
名代「さすれば西の御大将を封じ、都の御大将を討つが上策也――」
帝「その西の御大将とやらが、神野悪五郎であるという事か」
名代「……どういう事だ?」
盗賊「……?」
名代「都の御大将? 東の御大将……?」
青年兵「言われてみればそうですね。シンノアクゴロウ以外にもいるという事ですか?」
召喚士「……おそらく、東の御大将は、山本さんの事だと思いますよ」
名代「成程。確かにそう捉える事が出来ますね」
戦士「都ってここだよな? ここにも……そんな強い妖がいるってのか?」
家老「そんな話は聞いた事がないぞ?」
名代「……有り得ない。そんな気配は一切ないですし……」
帝「既に討たれたのではないか?」
名代「気になりますね。一応、それも調べておきましょうか」
家老「そうじゃな。そう致すとしよう」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:44:00.22 ID:KvR7+fNFo<> 帝「それで、他に手掛かりはないのか?」
名代「……龍脈についての記載もありますね」
召喚士「!?」
盗賊「まさか、そんな古くから存在が……?」
名代「私がヤマタノオロチを知ったのも、おとぎ話のような文献の中でしたからね」
東方参謀「ほう」
名代「まぁ、今となっては終わった事ですからね……えっ?」パラッ
召喚士「ど、どうしました?」
名代「――然るに、法力の流れが途絶えるならば、結界もまた途絶えるべし」
家老「何が然るになのだ?」
名代「ですので、龍脈の力が弱まれば、結界の力も弱まるという意味でしょう」
戦士「はぁ!? んな事言ったって、龍脈はもう……」
西方参謀「ああ。ヤマタノオロチを倒して、封じちまったわけだよな……ヒック」
帝「やはり、後回しにしておくわけにはならなくなってきたようだな」
名代「何という事か……っ」
召喚士「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:44:32.64 ID:KvR7+fNFo<> …
青年兵「では先ほど、念の為に考えておいた編制を、改めて確認したいと思います」
東方参謀「まさか、本当に使う羽目にあうとは思わなんだがなぁ」
召喚士「ええ……」
青年兵「ではまず、シンノアクゴウロウ……西へ向かう面子ですが……」
帝「……」
青年兵「私の独断ですが、総大将は召喚士さんにお願いしたいと思います」
召喚士「……えっ!?」
青年兵「召喚士さんを筆頭に、名代様、魔道士さん、そして東方司令」
東方司令「ボクもか?」
青年兵「以上のメンバーです」
南方司令「やっぱり無茶よ! 幾らなんでも少なすぎるわっ」
西方参謀「でもなぁ、どう考えてもこれ以上は割けねぇんだよなぁ……ヒック」
帝「仮に加えるならば、私か」
青年兵「上様にはあまり動いて頂きたくはないものですが……」
帝「構わぬ。この状況下で静観していろなどと申す方が腹立たしいものじゃ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:45:01.17 ID:KvR7+fNFo<> 青年兵「分かりました。では、お願いしたいと思います」
東方司令「護衛はボクがいます。安心して下さい」
帝「大丈夫……と言いたいところだが、頼りにしておるぞ」
東方司令「……は、はいっ」
青年兵「そして、残るメンバーが魔王マーラへとあたります」
戦士「俺、盗賊、鬼丸、青年兵、参謀ズ。あとは……藤蔵の連中と総本山」
青年兵「それに東方の兵と本国の兵、そして特遊ですね」
西方参謀「これで勝てなきゃ、もうどうしようもねーわな……ヒック」
青年兵「以上で宜しいでしょうか?」
名代「やるしか……ありませんな」
帝「ああ。現状で、最善の策だ。これ以上はない」
青年兵「では出兵日を決めましょう。同時に動いた方が、都合が良いでしょうからね」
帝「だな。其方は如何程かかる?」
青年兵「……3日あれば」
帝「良し。ならば出兵は三日後じゃ。各々、心してかかれっ」
一同「おぉーっ!!」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:45:31.15 ID:KvR7+fNFo<> …
家老「いやはや、面倒な事になったのう」
名代「……っ」
家老「気持ちは分かる、名代……」
名代「いえ。先祖の書に気付けなかった己が悔しいのです」
家老「……」
名代「もっと早くこの事に気付いておれば、こんな事には……」
家老「まだ終わってもいなければ始まったわけでもない。これからではないか」
名代「……それに青年兵殿、なかなかの策士よ」
家老「んっ?」
名代「東方司令殿や私を西へ回せば、上様も必然的に西へ参加すると言うに決まってますからね」
家老「……足りぬ戦力を引っ張り出したのか……っ」
名代「……まぁ、都に居たところで安全な確証はありませぬが」
家老「若いのに大した切れ者よ」
名代「もう後戻りは出来ませぬ。あとは……やるしかありません」
家老「そうじゃな……。全ては、東方の為じゃ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:46:02.05 ID:KvR7+fNFo<> …
西方参謀「おめぇよ、なかなかやるじゃねぇか……ヒック」
青年兵「何がですか?」
西方参謀「すっとぼけやがって。まぁいいや、んで……勝算は?」
召喚士「分かりません。対峙したわけでもないですからね」
戦士「やたら陽気な奴だ。ペース惑わされんようにすりゃ、何とか押さえ込める」
盗賊「思念体と申していたな?」
戦士「ああ。ようはアンデッドみてーなもんじゃねーかな」
召喚士「とにかくあと3日。出来る限りの情報を集めよう」
戦士「だったら鬼丸にも聞いてみるといい。少しは知ってるみてーだし」
召喚士「うん、そうするよ」
魔道士「いよいよ……ですね」
盗賊「ああ。東方の平和の為に……いや、この世界の平和の為に」
戦士「負けるわけにはいかねぇ。何としてもな」
青年兵「負けませんよ。僕達は……何度も死地を乗り越えてきましたから」
召喚士「……うん」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:46:40.99 ID:KvR7+fNFo<> 〜旅籠〜
魔道士「ただいま戻りましたーっ」カラッ
女隊員「おぉっ、お帰りさないッス!」
西方参謀「あぁーっ! てめぇ……っ」
隊長「んだよ……もぐもぐ」
西方参謀「まさかそれっ、女将の……」
隊長「お前らは城で美味いモンでも食ってきたんだろ? だったら――」
西方参謀「よこせこらっ! 食わせろ!」
隊長「ふざけんなっ! 死ね!」
女将「あらまぁ、賑やかです事」
格闘家「申し訳ありません」
青年兵「出兵が決まりました。3日後です」
男隊員「おーう。ま、いつでもいいぜこっちはよ……ヒャハハ」
東方参謀「我らは明朝より、東へ向かうとする」
青年兵「特遊はどうしますか?」
隊長「俺らは一旦、北の城に入ってから合流する」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:47:15.59 ID:KvR7+fNFo<> 青年兵「分かりました」
南方参謀「こっちがもし、早く片付いたら、すぐ西に駆けつけるからねっ」
男隊員「あん? 西ってなんだ? 別行動なのか?」
青年兵「詳細は後ほどご説明しますが、西にも魔物がいるんです」
召喚士「魔王と同時に倒さないと厄介なんですよ」
女隊員「うへぇ、面倒ッスなぁ」
盗賊「……すまんな」
魔道士「えっ?」
盗賊「本来ならば、召喚士と魔道士の力になりたいところなのだが……」
召喚士「気にしないで下さい。盗賊さんは藤蔵の人なんですから」
魔道士「そうですよっ。お互い、絶対に無事……再会しましょう!」
盗賊「……ああ」
戦士「せめてアイツらがまだ居ればなぁ」
召喚士「あいつら……?」
戦士「女侍達だよ。まだ東方に居るとは思うんだが……って、やば……っ」
青年兵「女侍?」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:47:46.40 ID:KvR7+fNFo<> …
東方参謀「東方司令部に入った賊ではないか!」
南方参謀「そんな連中がいたのっ!?」
戦士「い、いやぁ……東方司令部にちょっかい出してるとは知らず……すまん!」
西方参謀「まぁ本部からも捕まえろと命令が出てるわけじゃねーからなぁ……ヒック」
青年兵「なるほど。戦力にはなるんですよね?」
魔道士「女侍さん達は強いですよ!」
青年兵「……西方参謀さん、上様に連等kうして、都の港に警備網を張りましょう」
西方参謀「……お前、本当に策士になったもんだよなぁ……ヒック」
魔道士「ど、どういう事ですか?」
男隊員「そいつら国外逃亡させずに。東方に留めておこうってんだろ?」
隊長「それで協力させる気か。従うとは思えないがなぁ」
青年兵「僕らが言っても無理でしょうね。でも、召喚士さんや戦士さんならば……」
戦士「なるほどな。うまく会えりゃいいけどよ」
盗賊「西に居たのであろう? ならば、チャンスはあるはず」
召喚士「……」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:48:20.54 ID:KvR7+fNFo<> 〜西の小さな村〜
サル「……何で東方から脱出しねーんだよ?」
女侍「行きたきゃ勝手に行きな」
キジ「まだ何か、やる事あるさー?」
女侍「あの屋敷にはね、お宝が残されてるのさ」
イヌ「それっ、本当ね!?」
サル「本当にお宝なんだろうな……?」
女侍「アタイにとっちゃあ……お宝だよ」
〜西の浜辺〜
くの一「……」
ザッザッザッ
女剣士「魚獲ってきたぞ。焼いて食おう」
くの一「うん……」
女剣士「妖の気配が薄れたな。何か動きがあったのかもしれんな」
くの一「……どこに……行くの?」
女剣士「もうじき着くさ。それまでは何も聞かず、付いてきてくれ」 <>
◆1otsuV0WFc<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:49:29.59 ID:KvR7+fNFo<> それぞれの思いが交差する中、東方での魔王討伐戦がいよいよ始まろうとしている。
槍侶「魔王……か」
魔王マーラと神野悪五郎の同時撃破。そして山本五郎左衛門との誓い。
鬼丸「…………」
導き出す予言とその行く末。彼らに待ち受ける真実と宿命。
御館様「いよいよ、か」
それは後の世まで語り継がれる壮絶な物語を生み出す事となる。
影忍「…………」
そしてついに、決戦の時……。
…
アスタロス「……」
マーラ「ベルゼブブの援軍? ハッ、笑わせるんじゃあないよっ」
夜行「……ヒヒッ」
マーラ「このあたしを誰だと思っているんだい? 魔王……マーラ様だよっ!」
〜第五十五部、完〜 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/20(火) 16:56:05.80 ID:KvR7+fNFo<> 五十六部は次スレからにしましょうかね…
オマケどうしよう。全然考えてなかった…やっぱクリスマス?
たぶんまたあとで来ます。最悪、スレだけでも立てに!ノシ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/20(火) 16:57:54.57 ID:QQOv+MTo0<> >>1乙おつ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 17:06:28.88 ID:FfArhVFDO<> もっと!もっとくれ!
乙 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 17:18:47.79 ID:HEE1DFNvo<> 乙
おまけはクリトリスでいいよ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 17:51:06.83 ID:uAHSCrrDO<> >>1乙
マーラって女だったのか <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 18:30:21.63 ID:8RFN6bM7o<> 一乙
名前からしててっきり男だと <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 18:33:49.97 ID:c+28SMUBo<> 乙
マーラ様は西方参報のお仲間さんじゃないの? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 19:40:22.79 ID:PrjIYmfAO<> >>1乙
そろそろ師匠の全盛期をみたい気がしなくもない
本編に組み込む予定があるならスルーでお願いしますすみませんでした <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 20:10:28.52 ID:BzomF3FIO<> ゲーテの時に召喚士の予言の欠片に師匠居たし、まだなにかしらあるんじゃない? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/20(火) 20:32:01.32 ID:8waN4zdZ0<> いちおつ
女剣士も西に来てたのか…そろったな
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 21:08:33.49 ID:QPcqZO7u0<> 1おつ
部下からは魔翌羅様だけど一人称はマーラなんだな
まさかその辺も伏線!? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 21:22:29.79 ID:u5FbVRpMo<> 東方と本国の言語の差じゃねえの <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 22:11:25.34 ID:KoSUuk8Uo<> >>1乙
マーラにはカーマっていう愛を象徴する側面もあるんだよな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 22:53:45.67 ID:FfArhVFDO<> それホームセンター <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 23:15:39.83 ID:+Hd4C9B/0<> 今回の戦いは魔法使い少ないから西も北も五行キツイな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/20(火) 23:18:43.44 ID:Rsbww4XP0<> >>1おつんつん
マーラって女なんすかねぇ? <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/20(火) 23:50:18.36 ID:P+a7l/T/o<> すんません。遅くなりました!
35スレ目です。35とか…あほすぎる…
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324391535/
とりあえず残りあんまないので、オマケはクリスマス用と
また次スレで合間に挟んでいきまする!
それではおやすみなさい!ノシ
〜オマケ〜
師匠「ほほーう。俺の全盛期が見たいとな!」
マジシャン「別にいいよ」
師匠「うるせー腐れ酔っ払い。どいてろ!」ドカッ
マジシャン「てめぇもだろ!」ゲシゲシッ
〜全盛期の師匠伝説〜
・3詠唱5召喚は当たり前、3詠唱8召喚も
・師匠にとってのコカトリスは朱雀の出しそこない
・9人対100万匹、チームメイト是認負傷の状況から1人で逆転
・一回の召喚でコカトリスが三匹に見える
・シルフで魔物討伐が特技
・戦場に立つだけで魔物が泣いて誤った、心臓発作を起こす魔物も
・完全討伐でも納得いかなければ功績報酬を貰わないで帰ってきた
・魔物を一睨みしただけで魔物が真っ二つに飛んでいく
・戦闘のない日でも2討伐
召喚獣を使わずに素手で討伐したことも
・グッとガッツポーズしただけで5匹くらい魔物が死んだ
マジシャン「……ふーん」
師匠「何だよ。文句あんのかよ」
マジシャン「ふーん」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 00:40:25.09 ID:q38oWKClo<> >・師匠にとってのコカトリスは朱雀の出しそこない
逆のほうが良かったな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 00:46:41.48 ID:ycirRm5wo<> >>1乙!
師匠ローさんは
10年連続200魔王討伐を惜しくも逃したのになぜか清々しい顔をしていたりするんだろうか <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 00:58:49.70 ID:b4Aksdw/0<> ってか…マジシャン親子とか最近見ないなw
すごい登場人物多いよな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 01:59:07.72 ID:vBR+g8xAO<> >>1おつ
マーラで検索したらチンコの化物が出てきたぞ… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/21(水) 04:43:37.11 ID:UmWDnYJDO<> >>987
それはご立派様、メガテンシリーズお馴染みのマーラ様だろうな。
マーラつったら、ブッダが菩提樹の下だかで瞑想してたら「そんなことはいいからSEXだ!」つって誘惑してきた悪魔だろ。
確か美女……だったかどうかは記憶が曖昧だが、とりあえず女の姿で描写されていたはず。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/21(水) 07:33:05.97 ID:qitTLypl0<> 聖お兄さんのマーラはかわいいよ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 07:50:36.09 ID:b4Aksdw/0<> >>989
一人でwiiしてるけどな
そして奴もちょっと中性的だな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 08:19:41.29 ID:Rgf9YWgAO<> >>987>>1乙ありがとう
電車内でニヤケたわww <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 08:20:42.08 ID:Rgf9YWgAO<> >>983だったわww
>>987ってチンコ…………… <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 08:27:48.82 ID:s+8zxWFAO<> 緑色のちんこが来るよ〜
>>1乙んつん <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 09:21:58.01 ID:cTTYutpIO<> ご立派でいらっしゃるマーラ様 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage <>2011/12/21(水) 12:24:26.95 ID:VgPSAygLo<> 埋めるぜ!
そして1乙 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/21(水) 15:25:12.65 ID:vQseKlLe0<> 1000なら主人公は朱雀娘
<>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/21(水) 16:54:58.46 ID:K+T0bBDl0<> 1000なら朱雀嬢ちゃんは俺の嫁 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 17:36:38.97 ID:L1W/mr8DO<> >>1000なら会社クビ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 17:49:29.89 ID:tWXxEcP8o<> >>1000なら住所晒す <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 17:53:14.65 ID:5GtheQcDO<> 1000なら盗賊は死なない <>
1001<><>Over 1000 Thread<> / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| アパム!アパム!次スレ建てて来い!アパーーム!
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/ ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|( ” つつ[三≡_[----─゚  ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|
/ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| ⌒\⌒\ || / ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
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http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324443308/
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将棋ぽいの作りたい @ 2011/12/21(水) 10:41:58.51 ID:bxSJ7WQAO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1324431718/
暇アド @ 2011/12/21(水) 09:43:44.18 ID:ytAJ/qL/P
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低身長の女の子と仲良くなる1000の方法 @ 2011/12/21(水) 04:09:48.89 ID:MOoNvLMHo
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今年留年した。しかし先週学校を退学なった @ 2011/12/21(水) 03:45:22.23 ID:64RSVrh+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1324406722/
とある原石のオニギリ @ 2011/12/21(水) 02:35:48.02 ID:YsueAs6q0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324402547/
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<>