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あなた達に殺し合いをしてもらいます
1 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/15(木) 22:18:15.45 ID:ftA0NmYXo
投下は不規則でゆっくりだけど許してね

気分を害する人がいたらスッと閉じてくれたら助かります

質問、誤字脱字があれば言ってくれると助かります

あんまり文章力ないけど頑張りますお(w・ω・w)
2 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage saga]:2011/12/15(木) 22:18:46.77 ID:ftA0NmYXo
「あなた達に殺し合いをしてもらいます」

そんなアナウンスが小さな部屋に響き渡り、そのアナウンスを待っていたかの様に皆が伏せていた顔をあげた

「この度は『デストロイアル』に参加いただき誠にありがとうございます」

「……俺たちを密室に閉じ込めてどういうつもりだ?」

最初に沈黙から口を開いたのは逞しい体つきをした大柄の男だった

その男は首から十字架のネックレスをぶら下げ、サングラスを胸ポケットに差し込んでいる

「閉じ込めるだなんて言い掛かりはやめてください。あなた達は自分の意思でここにいる。違いますか?」

アナウンスからの声を聴いた先程の男は「ケッ」っと不満そうに言って口を噤んだ

「……今回の『デストロイアル』のルールは至って簡単です。これから皆様には次の部屋に入って一週間過ごしてもらいます。それだけです。」

「それではデストロイアルにならないじゃないか」

次に口を開いたのは、知的なメガネが特徴の男だった

「……そうですね、ただ過ごしてもらうだけでは意味がありません。ルーの無いカレーにはルーを、刺激のない生活には刺激を与えましょう」

「今回のデストロイアルでは人を一人いなくなれば全員に1000万円を配給します。皆様に行ってもらう部屋には、皆様の鍵無し個室人数分と鍵付き武器部屋と大広間で構成されています」

「さぁ、今回は何人が死ぬでしょうねぇ」

そう言い終わると同時に奥にある扉が重低音を鳴らしながらゆっくりと開いた

「……さぁ、進んでください。ゲームスタートです」
3 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/15(木) 22:19:15.85 ID:ftA0NmYXo
扉を進むと、20m四方の大きな大広間があり、その突き当たりには武器部屋と書かれた紙が貼ってある扉があった

右と左に4つずつ個室があった

俺は右の一番奥の部屋だ

取り合えず各自各々の個室へと向かい荷物を置きに行った

すると間もなく全体に集合アナウンスがかかり全員が大広間に集まった

「……お集まりいただけたようですね。では詳細説明に移らせてもらいます」

その後、アナウンスが10分ほど今の状況について説明したが簡単にまとめるとこんな感じだ

・配球金は毎秒500円ずつ増えていき、一週間ごには全員が3億240万円を配球される

・誰かが死んだ場合、全員に2000万円と殺された人の現時点での配球金が残りの人達に配給される

・参加者は男性6人、女性2人の合計8人

・殺しにルールは無く、どんな手を使っても刑罰は無い

・一週間の間ここから出る事はできない

・リタイアした者には10億の借金を負わせる

「それでは皆様、一週間後までさようなら」

アナウンスが終わると皆、個室へと帰って行った

仕方が無いので俺も個室へと帰った
4 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/15(木) 22:58:55.20 ID:FQoAWsLDO
インシテミル思い出した
5 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/15(木) 23:30:26.22 ID:mchFye+lo
インシテミルのアレンジか。
8人はオリキャラ? 版権キャラ?
6 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/15(木) 23:46:36.04 ID:0GcFLVpIO
インシテミルってなんだお?

ライアーゲームを参考にしているお

完全オリジナルだお
7 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/15(木) 23:57:22.80 ID:0GcFLVpIO
>>3
>・誰かが死んだ場合、全員に2000万円と殺された人の現時点での配球金が残りの人達に配給される

2000万円ではなく、1000万円だお

訂正だお(w・ω・w)
8 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/15(木) 23:58:48.73 ID:e8cQXiA0o
似たような感じで一週間部屋ですごすだけで金が手にはいるみたいなやつ
くわしくはググってくれればいいけど

まあ楽しみに待ってる
9 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 00:07:50.53 ID:bn63jw2IO
個室を戻って数分後、ドアをノックされた

早速誰かが俺を殺しに来たのか?

そんな事を考え身構えてたが、扉から入って来たのは若い女性だった

長く綺麗な黒髪に数秒見とれる

「す、すいません。自分の部屋に居たら不安なんで来てしまいました!」

黒髪の女性が深々とこちらに頭を下げた

「……いえ、大丈夫ですよ」

見たところ武器らしき物は持ってないから危険性は低いだろう

それに女性を不安にさせるのは性に合わない

「よかったです……あ、私はこの部屋の隣の部屋の者です」

そう言ってぺこりとお辞儀をした

「……敵ではない。そう思っていいんですね?」

危険性は低いが殺害する動機はあるし、武器も簡易に手に入るのだ

言葉は信憑性は薄いが、それでもないよりはマシだ

「もちろんです」

黒髪の女性はニコリと笑い軽く頷いた

恐らく8人の中で一番安全なのはこの人だろう
10 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 00:21:05.70 ID:bn63jw2IO
「突然ですけど、このゲームについて何か知ってますか?」

本当に突然だな

それを聞きにここに来たのか

「父親の借金に悩まされていたら借金取りにスグに金を稼ぐ方法があると聞かされ、ついて来たら何時の間にか眠っていて起きたらあの密室でした」

「……ってことは何も知らないんですね?」

「残念ながら」

本当に一瞬の出来事であった

状況も事態も把握できないまま、ゲームだけが段々と進められて行く

逃げ出したい気持ちもあるが、逃げ出したところで借金が増えるだけだ

「……私も詐欺にあって借金をしているところに良い話があるっていうので、ついて来たらここにいました」

だろうな

恐らく8人全員がそうだ

だから誰も文句を言わずに過ごす

自分の負を無くす為に

「このまま全員が3億を手に入れたらいいんですけどね」

そんな事はありえないよな

自分の命が狙われてるかもしれないんだ

冷静になれなくて当然だ

「怖いのは殺し合い……ですね」

もし殺し合いなんかが起こったら、殺し合いの続発がおきるだろうな

できれば殺し合いが起きないように温暖に事を進めたいものだ
11 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 00:35:49.25 ID:bn63jw2IO
「やっぱり皆と一度話し合いをしなくてはいけないな」

そうでもしなければ誰かが武器部屋に入ってしまう

それだけは避けなくては

12 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/16(金) 06:32:45.18 ID:cP4zSrJX0
C
13 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/16(金) 07:56:09.09 ID:2Upxtuu90
1は寝たか…
14 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 09:44:58.55 ID:bn63jw2IO
はっ!
寝落ちしてたお(´・ω・`)
今から書くお(w・ω・w)
15 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/16(金) 10:03:15.88 ID:cP4zSrJX0
睡眠は必要ですからwwwwww
16 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 10:19:50.90 ID:bn63jw2IO
最初に右の二番目の部屋に訪ねた

出て来たのは最初に喋った体格の大きい男性だった

最初は疑われ警戒されていたが、俺の考えている事とゲームの最善の終わり方を説明すると、柔らかい笑顔で迎えてくれた

「俺もその事については疑問に思っていたところだ。なんせゲームの司会者は少なくても3億を払わなければいけないんだからな。なにか裏があるに違いない」

そう言って唸り込んだ男だったが、数分後には「ま、お互い頑張って生き残ろうや」と言って背中をポンと叩いた

「……はい、気をつけて」

俺も他に用事があるわけではないので次の部屋へと向かった
17 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 10:29:31.91 ID:bn63jw2IO
次は右の一番目の部屋だ

扉にノックをしようと手を伸ばすと、向こう側から扉が開き痩せ細った男が出てきた

目の下には隈さえ出来ている

「……なにか用ですか?」

恐らく足音が近づいて来るのに気づいて調べに来たのだろう

賢明な判断だ

「このゲームについて相談したい事がありまして」

男は不満そうな顔をして扉を閉めた

「……僕はこの部屋から出ません。何もしないです。だから何もしないでください」

……これも一種の答えか

それ以上、この人に近づいても同じ態度をとられると判断した俺は次の部屋へと向かった
18 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 10:56:20.25 ID:bn63jw2IO
次の部屋は左側の一番奥……つまり俺の向かいの部屋だ

扉にノックをしてみる反応がない

……既に殺されたのか?

少しだけ手が震える

「……すいません、返事をくれませんか?」

応答は


……
…………
……………………ない

扉を恐る恐る開く

中には横になっている男性がいた

メガネをかけた知的な男性だった

胸に手を当ててみると心臓が鳴っているのがわかった

「……なんだ、寝ているだけか」

ホッと安堵の吐息を吐いて部屋を去ろうとする

「……君は、何をしにきた?」

しかし呼び声に足を止め振り返った

「いえ、このゲームについて相談しようと思いましてね」

「……成る程、君は賢明な様だ」

そう言うと男な体を起こし、俺と向き合った

「君も今のうちに寝ておいた方がいいよ。人が狂い始める前にね」

「……はい、ご心配ありがとうございます」

「で、このゲームについてだっけ?僕はこのゲームは賭け事なんだと思う」

「賭け事……ですか」

「あぁ、どこかの金持ちが集まり、生き残る人数を推測して金を賭ける……そうでもしなければ大金の配球金が用意できないはずだ」

確かに億単位で金が動くには沢山の金が必要だ

ならばスポンサーみたいな人がいてもおかしくはない

「君はどう思っている?」
19 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 11:02:45.64 ID:bn63jw2IO
「……正直よくわかっていません。でも、このゲームは生き残らないと意味がない。殺し合っては相手の思う壷です」

「……そうだね、確かにそれでは相手の思う壷だ。でもこのゲームをぶっ潰すのには殺し合いが必要だと君は気付いたかい?」

そう言って男はニヤリと笑った

「……どういうことですか?」

「気付いていないのか。まぁ無理はない。君は賢明のようだから教えてあげよう。このゲームの最善の終わり方と、ゲームのぶっ潰し方を、ね」
20 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/16(金) 14:03:48.77 ID:ffBzuX3w0
面白くなりそうだな

リタイアについてよくわからんが仕様か?
21 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 15:16:47.16 ID:bn63jw2IO
>>20
その内わかるお
22 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/16(金) 15:23:08.26 ID:oWrt4e+uo
>>21
その不思議な名前は仕様ですか?
23 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 15:55:13.29 ID:bn63jw2IO
>>22
VIPでつけてるコテなんで気にしないで
24 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 16:04:06.79 ID:bn63jw2IO
「僕たちが何もアクシデントを起こさずに一週間が経過したと考えよう。するとゲーム司会者が払う金額は3億240万×8の約25億だ」

そうだ、それが一番ゲームに損傷がでる

「しかし、これでは司会者が儲かるだけだ。スポンサーは恐らく殺し合いを待ち望んでいる。つまり、殺し合いをするのが前提で賭け事をする」

メガネをクイッと上げて薄っすらと笑った

「ならば司会者が一番損する方法はなんだ?簡単な話だ。スポンサーを賭けで儲けさせて、尚且つ俺たちが金を司会者からむしり取ればいい」

「その方法は一つだけ。ゲーム終了1秒前に誰かが全員を殺せばいい。そうすれば3億240万×8+2000万×7の約26億が誰か一人が獲得し、尚且つスポンサーが司会者から金をむしり取れる」

なんだか頭が疲れる話だ

メガネの男は満足げに笑い、また横になった

「……まぁ、君が思うように行動すればいいさ。僕は寝るよ」
25 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 16:27:35.58 ID:bn63jw2IO
そう言ってスグに男は眠りについた

俺も別に用事があるわけではないので、部屋を後にした


次の部屋は左の三番目の部屋だ

ノックをすると「ヒィッ⁉」っという声が扉の向こうから聞こえた

恐らく殺しに来たのだと勘違いしているのだろう

「……このゲームについて相談をしに来ました」

「こ、殺しに来たんじゃないんすか?」

震えた声が聞こえる

やはり勘違いされたようだ

「殺さないですよ。じゃあ扉越しでもいいんで話してくれますか?」

「ハ、ハイ、ソレナラ」

小さな声が聞こえたのを確認して俺は話を続けた

「このゲームについて何か知ってますか?」

「いや、拙者は借金取りについて来たらここにいつのまにかいて……ハイ」

やはり全員が借金取りに連れてこられてるのか

ということは、俺たちは金で雇われたトランプみたいなもんか

「……では、このゲームについてどう思いますか?」

「ソッスネ、このまま何もなければいいかな……」

……やはり殆どの人はそうなのか。例外はメガネの人だけ

「……ありがとうございます、それじゃあ頑張ってください」

「は、ハイ、アリシャス」
26 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 16:43:10.53 ID:bn63jw2IO
残りの二人には会話を拒否された

左の二番目の部屋からは野太い声で「……帰ってくれ」とだけいわれ、その後は何も喋らなかった

左の一番目の部屋からは「すいません、ちょっと気分が優れないんでまたの機会にしてください」という女性の声が聞こえた

さて、まず現状をまとめてみよう

・ゲームの参加者は借金取りに金儲けの話をされ、ついて来たら何時の間にかここにいた

・皆、お金が必要なので参加する意思はある

・このゲームは金持ちのスポンサーがいて、それで司会者は金儲けをしている

・このゲームをぶっ潰すには殺し合いが必要不可欠

三つ目に関しては不確かな情報だが、それ以外にゲームの意味がないので今はそうだと仮定しておく
27 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 19:09:14.10 ID:bn63jw2IO
つまり、このゲーム自体を潰す事を望まなければ事は殺し合いをしなければいいだけだ

なんだ、簡単じゃないか

……いや、この雰囲気に耐えれず狂い出す奴は必ず出る筈だ

その前になんとかしなければ……

しかし、今のところ得策があるわけでもない

……メガネの男が言った通りに寝ておくか

おれは束の間の休息を取る事にした
28 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 19:39:53.42 ID:bn63jw2IO
眠りから目が覚めると目の前に黒髪の女性がいた

「……こんにちは」

まだボンヤリする頭を起き上がらせ一礼

「こんにちは」

黒髪の女性はニコリと笑った

「……なにか用ですか?」

寝込みを襲われてないから殺気はないんだろうが……

かといって油断は禁物だ

「私、見つけたんです」

そう言って黒髪の女性は自慢気に笑った

「誰もが死なない方法を!」
29 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 20:21:21.27 ID:bn63jw2IO
「誰も死なない方法?」

そんなものが存在するのか?存在していいのか?これはデストロイヤルなんだぞ?

「はい!誰かが武器室に入って閉鍵をするんです!」

「……その方法は俺も考えました」

武器室にしかない鍵にはなにか意図がある筈……そう思ったのだが

「閉鍵した人が武器を持って出てくる事もある。それに武器が無くても寝込みを襲えば簡単に人は死ぬ」

この方法には欠陥がありすぎる

更に言えば、武器室にいる限り食料などの配給がストップするのは確実だろう

「そ、そこまでは考えてませんでした……」

顔を俯かせ、明らかに凹む

まぁ考えるのは決して悪い事ではない

どうやってこの残酷なゲームを潰すか……

やはりメガネの男のいう通りなのだろうか?


「う、うわぁぁぁぁぁあああ!!や、やめてけれえぇ!!」

「⁉誰の声ですか⁉」

いきなりの声に黒髪の女性が身を竦めた

「この声は……たしか、痩せ細った人の声だ!」

全員の声を聞いておいてよかった!

あの声は右の一番目の人の声だ!

俺は自分の部屋を後にして、右の一番目の部屋へと走っていった
30 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 20:46:47.31 ID:bn63jw2IO
閉まっている扉を思いっきり開けると、すぐ前に赤く染まった痩せ細った死体があった

「……遅かったか」

「……どうしたんだ?」

俺に遅れてメガネの男が駆け寄って来る

「こ、これは……」

メガネの男も状況を理解し、口を噤んだ

恐らく誰かに殺されたのだろう

痩せ細った男の横にはショットガンの用な拳銃が置いてあった

「……どうかしたのか?」

次に来たのは体格の大きな男だ

体格の大きな男はなにも言わずにその場でゴクリと唾を飲んだ

『緊急アナウンスです、皆さん、死体には決して触れないでください。その部屋から即座に出てください』

女性のアナウンスが部屋に響いた

そして俺たち三人は足早にその部屋から出て行った
31 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 21:03:31.96 ID:bn63jw2IO
その後、スーツの男が何人か入って来て痩せ細った男の部屋で何かゴソゴソし始めた

「……人殺しがとうとう起ったか」

体格の大きな男が呟いた

そうだ、きっかけは出来てしまった。後は人が狂うだけだ

俺たち三人以外は恐怖により部屋に籠もった

「……さて、話を聞こうか?」

メガネの男が俺に言ってくる

「……俺が向かった頃には死んでました」

「それ以外に情報は?」

「ありません」
32 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 21:45:07.86 ID:bn63jw2IO
「……なるほどな」

そう言ってメガネの男は不気味に笑った

何かわかったのか?にしては偉く早いな

「……痩せ細った男は死んではいない」
33 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/16(金) 21:45:55.91 ID:bn63jw2IO
今日はこのくらいにしておくお
34 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/16(金) 23:16:16.19 ID:AUFsMrSE0
〜〜お っていう語尾は仕様ですか? 
ちょっとうっとしいです
35 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/17(土) 08:06:55.97 ID:KIsiCK+k0
ここから面白さが加速していきそうですね
期待!
36 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/19(月) 16:04:27.89 ID:yQUfcXfCo
「……どういう事だ?奴は死んでないなど何故わかるんだ?」

体格の大きな男が首を傾げる

そりゃそうだ。死体と拳銃が発見されているんだ、死んでない方が可笑しい

「僕達が駆けつけた時に、犯人の痕跡が全くないなんておかしくないか?」

「痕跡なら拳銃があったじゃないか」

「犯人がワザワザ拳銃を残すと思のか?」

「そりゃ、部屋を調べられて見つかったら困るからじゃないのか?」

「……では、銃声が聞こえなかった所はどうだ?」

そういえば銃声は鳴らなかった

いや、しかし拳銃で殴り殺したら……

しかし死体の傷跡は殴り殺したようなものではなかった

「つまり、だ。奴は標的を自分に来ないようにする為に死んだフリをした。こんなところだろう」

そう言ってメガネの男はニヤリと不気味に笑った

確かに筋は通っている……しかし、死んでいない保証などはない

「……今から君たちに協力してもらいたい事がある」

メガネの男は小さな声でそう言ったのだった
37 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/19(月) 16:14:16.39 ID:yQUfcXfCo
内容は至って簡単であった

自分のいまの配給金額を確かめる

それだけだ

しかし 問題なのは調べ方だ

黒服の奴らに聞いてもいいが、それだと確かな情報かわからない

そこで、誰か一人をリタイアさせる

そうすれば恐らく司会者から報告があるだろう

その時に現在の配給金額を聞く

これがメガネの男が提案した案だった

確かにこれなら正確な金額がわかるだろうし、一人が安全になる

しかし、リタイアした人間は10億の借金が課せられるのだ

ここで、誰か一人を説得してリタイアしてもらい、借金は俺たち三人の配給金で返済しよう

これが作戦だ
38 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/19(月) 16:31:58.11 ID:yQUfcXfCo
この作戦を皆に提案してみたところ、左の三番目の男が協力してくれた

決行するのは今から二時間後だ

それまでは暇なので安全面を考慮し、全員が俺の部屋にくる事になった

これならまずは何も起こらないだろう


それから三十分後

まだやせ細った男の部屋から物音がなっている

恐らく後数時間は作業をするだろう

「……そういえばなんであなたは、そこまで痩せ細った男の生死に執着するんですか?」

俺は気になっていた事をそのまま口にだした

別に生きてようが、死んでようが俺達に関係ないんじゃないのか?

「……そうだな、言っておかなければいけないな。俺はこのゲームに参加するのは二度目だ」

「……つまり、前回のデストロイヤルで生き残ったんですか?」

不思議と意外性はなかった。豊富な知識は前回のデストロイヤルからだと思うと納得できる

「あぁ、前回は部屋ではなく、無人島だったがな」

そう言ってクスリと笑う

「その時、やせ細った男が参加していたんだ」

その言葉により部屋の全員の耳がメガネの男に寄せられる

「あいつは初日でリタイアした。あの時はリタイアしたら50億の借金だった」

「俺はなんとか生き延びたが……獲得した金を全額、女に騙し取られてな……借金返済できずに一年が経ち、またこのゲームに参加した」

「しかし、奴が何故ここにいるのかが理解できない。50億もの借金があり、前回はリタイアしたというのに何故また参加したのか……そこにこのゲームの秘密があるんだと俺は思う」

「だから俺は奴を徹底的に調べる」

いい終わると、メガネの男は満足気に笑った
39 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/20(火) 15:55:22.67 ID:UBf0uoAIO
そして決行の時が来た

「す、スマセン…俺、リタイア、します」

約束通り、男が手を挙げてリタイアすると言う

「……おやおや、それでは借金が増えるだけですよ?」

すると大広間から静かなアナウンスが流れた

「は、はい、大丈夫っす、借金は返します」

「……そうですか、それではあなたはリタイアしました。全員の配給金が1000万と500×210の105000円プラスされます」

「……リタイアした者は、黒服と一緒に地下から出てください。あと、このゲームの事は呉々も隠密に」

「……待て、司会者。俺達の現在の配給金額はいくらだ?」

司会者の声が止まぬうちにメガネの男がおおきな声で尋ねる

「現在の配給金額は1000万円と500×210×2の1021万円です」

「……痩せ細った奴の金額はどうなる?」

「……はて、彼は死んでませんよ?」

メガネの男の予想は的中だった

痩せ細った男は死んでいない

「……そうか、わかった」

メガネの男は考え込むようにして、うーんと唸った

「……やつは、何者なんだ?」
40 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/20(火) 16:18:40.69 ID:UBf0uoAIO
その後、皆が殺し合いをしないように続けて俺の部屋に全員が集まった

痩せ細った男の部屋には何故か入れず、まだ黒服が調べ物をしているようだった

「……このまま行ったとしても、一年後に再び被害者がでる。なんとかしてこのゲームをやめさせないと……」

メガネの男はあれからずっと考え事をしているようだった

難しい計算をずっと唱え続けている

それ以外の人達は沈黙を続けている

「……ダメだ、ゲームをぶっ潰すにはリタイアしてはダメなんだ……誰かが殺し合いをしないと……」

「……ん?あっ、そうか!わかったぞ!」

「……なにがですか?」

「このゲームのぶっ潰す方法だよ!」

「さっきリタイアした時に、俺達は1000万と奴の配給金をもらった……ならば、ゲームが終わる一瞬前に6人がリタイアすればいい!そうすれば……!」

メガネの男が床に計算式を書き始める

「1人がリタイアすれば6億1480万……次に12億3960万……24億8920万……49億8840万……99億8680万……199億8360万!全員の借金を返済しても釣りがくるぞ!しかも、司会者は痩せ細った男にも200億を払わなくてはならない!つまり司会者は俺達に350億払う事になる!」

そう言って息を荒立てた

確かに凄い金額だ

「……どうだ?皆協力してくれるか?」

「……殺し合いをしなくていいならなんでもいいさ」

左の一番目の部屋の男がそう言うと、皆も頷いた

「……じゃあ、最後までリタイアしない奴を決めておこう。裏切らない奴がいいな」

そう言うとメガネの男は俺を見た

「……私は、この人がいいです」

黒髪の女がそう言って俺を見た

「……俺もこいつだな」

体格の大きな男も俺を見る

「……ま、僕も君に賭けるよ」

メガネの男も俺を見る

「……だれでもいいです」

「……だな」

残りの二人は興味なさ気に何処かへ行ってしまった

「……じゃあ、任せたよ?」

そう言ってメガネの男は俺の背中を軽く叩いた
41 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/20(火) 18:55:11.58 ID:UBf0uoAIO
それからは平和だった

皆、世間話や趣味の話をしたりして友達のような関係だった

……そして、デストロイヤル最終日

皆、今までと変わらずに他愛ない会話をしている

痩せ細った男の部屋は最後まで空く事はなかった

……まぁ、三食ベッド付きの6日間、苦痛ではなかった

あとは皆がリタイアすれば全てが終わる……

デストロイヤル終了まで後一時間

「……じゃあ、私、リタイアしてきますね……出たところで待ってますからね」

黒髪の女が小さく呟いて手を挙げる

「司会者さん、私リタイアします」

「……わかりました、では皆様には3億2261万円が配給されます」

「……じゃあ、俺もリタイアだ」

体格の大きな男が手を挙げる

「……皆様に6億5522万円がはいk」

「……わたしもリタイアします」

「……わたくしもリタイアだ」

続けて二人がリタイアした

「……皆様に26億5088万円が配給されます」

メガネの男と俺を残して皆が黒服について行き部屋から出て行った

「……残すは俺達だけ、か」

メガネの男が小さく呟く

「そうですね、これで全てが終わる」

「そうだ、このゲームがぶっ潰れる……さて、俺もリタイアするかな」

そう言ってメガネの男がゆっくりと立ち上がる

「……司会者、俺もリタイアだ」

「……皆様に53億1176万円が配給されます」

「……じゃあな」

黒服について行き、残るは俺1人だけになる

「……特に何もなかったけど、ここでのくらしも結構楽しかったな」

いつもは借金に追われ続けられたからな

働きもせずに3食なんて、結構贅沢だよな
42 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/20(火) 19:08:25.54 ID:UBf0uoAIO
静かな部屋に時計の音だけが鳴り続ける

後数分でこのゲームは終わる

獲得金額はみんなの借金を返済しても、
まだ釣りがくる

へへっ……楽しみだ

「……じゃあな、たのしかt」

バァァァァンッ!

楽しかったぜ。そう言っている途中で何かが破裂するような音が響き、自分の体が前に倒れこむ

……あれ?

体全身が燃えるように熱くなり、息苦しくなる

「な…に……g」

喋ろうとするが、上手く話す事ができない

「……命中しましたか」

後方から聞き覚えのある声が聞こえてくる

この声は……痩せ細った男……

「いやー、まさかこんな形でゲームを潰そうとするなんて予想外でしたよー」

痩せ細った男はケラケラと笑いながら、そう言った

「……なぜ、だ……なぜ……[ピーーー]?」

「私が司会者だからです。このままじゃ儲からないんで、手っ取り早く君を殺しました。こうすれば誰にも金を渡さずに、君たちから10億ずつむしり取れますからね」

「……俺は、死ぬのか?」

嫌だ

死ぬなんて嫌だ

家には妹がいる

俺の帰りを待っている

俺が死んだらデストロイヤルに参加した人達の借金はどうなる?

「死にたく……ないよぉ……」

「……残念、死んでください」

もう一度、大きな銃声が部屋中に響き渡った

おわり
43 :夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo[sage]:2011/12/20(火) 19:09:10.83 ID:UBf0uoAIO
最後がネタ切れで足早になってすいません

html出してきますね
44 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/21(水) 07:38:34.93 ID:9WBQyjK2o
こんなんなのにSS指南スレを立てるなんてすげー!



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