◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:04:45.59 ID:C939xNel0<>inさやかの夢

オクタヴィア「GRYYYYYYY!!!」

さやか「く……なんなのよアンタ!追ってこないでよ!」ハアハア

オクタヴィア「KRYYYYYYY!!!」ブンブン

さやか「きゃああぁぁぁ!」ドサ

………さ…………ちゃん
<>さやか「運は残しまくってあるからね。使いまくってくるよ!じゃあね、親友!」
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:05:29.69 ID:C939xNel0<> 午後二時、女子寮

まどか「起きて!さやかちゃん!」

さやか「ま、ま、まどか?どうしたの?」ガバ

まどか「寝てたら隣の部屋からさやかちゃんの苦しむ声が聞こえたから……また、悪い夢?」

さやか「……うん……」

まどか「大丈夫なの?さやかちゃん」

さやか「全然、正直寝るのが怖い……」

まどか「じゃあ私が隣で寝てあげよっか?そうすればさやかちゃんも怖くないでしょ?」ゴソゴソ <>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:06:01.37 ID:C939xNel0<> さやか「え……分かった」ゴソゴソ

まどか「………」

さやか「………」

ギュ

さやか「!どうしたのまどか?いきなり手を握ったりしたりして?」

まどか「………だって、こうした方がさやかちゃんも安心するかなって」

さやか「ありがとう、まどか。アンタ優しい子なんだね……」

まどか「そんなことないよ、優しいのはさやかちゃんの……」ガク

さやか「はは、寝ちゃったか」

さやか「でもいつもありがとうね、まどか」

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:06:53.14 ID:C939xNel0<> 七時間後

さやか「ふぅあ――、あよく寝た」

まどか「あはよう、さやかちゃん」

さやか「おはよう、まどか」

まどか「夢……どうだった?」

さやか「うーんと、特に何も見なかったなあ、まどかのおかげだね!」

まどか「ウェヒヒっ!」 <>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:07:38.51 ID:C939xNel0<> さやか「今日は何する?」

まどか「ねえ、さやかちゃん………良かったら私と一緒にウェヒヒしない?」

さやか「何よ……ウェヒヒって……」

まどか「だからウェヒヒだよ」

さやか「ごめん、遠慮しときます」

まどか(ちっ)
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:08:09.04 ID:C939xNel0<> さやか「時刻は午前九時か―」

まどか「この時間ならちょうどマミさんが釣りをしているはずだね」

さやか「全く、マミさんときたらここに来てからずっと規則的に行動して。時計代わりに使える程だよ」

まどか「どうする、行ってみる?」

さやか「うーん、ここにいても特にやることないし、行ってみようか……」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:09:04.25 ID:C939xNel0<>








EPISODE.1 死後の世界でDeparture









<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:09:58.64 ID:C939xNel0<> 第二連絡橋

マミ「……………」

マミ「……………」

マミ「………!きたか!」バシャバシャ

マミ「お……今日はスズキね」

さやか「おーい、マミさーん」

マミ「あら美樹さん、それに鹿目さんも」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:10:47.04 ID:C939xNel0<> まどか「どうですか?今日は?」

マミ「そうね、ぼちぼちね」

さやか「マミさんってよく飽きないですね。私なんて釣りなんか十秒で飽きましたよ」

マミ「私も半分飽き始めてきたけどこれ以外にやることも無いのよね」

さやか「でもだからって、毎日同じタイミングで釣りに出かけることもないじゃないですか」

マミ「ふふ、人間は時計から解放されると逆に規則正しい生活を送るものなのよ」 <>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:11:23.91 ID:C939xNel0<> 杏子「おーい、マミ―。調子はどうだー?」

まどか「あ、杏子ちゃんだ」

マミ「あら、佐倉さん」

マミ「見ての通り、今日の朝ごはんが作れるだけの食材は確保したわ」

杏子「ちぇ、たったそれだけかよ………」

マミ「贅沢言わないの、それよりも佐倉さん。魚を焼きたいから調理器具を持ってきてくれるかしら?」

杏子「はぁ?なんでアタシだけそんな下働きみたいなこと……」

マミ「」つ肉うどんの食券

杏子「!」

杏子「任せな!三分で往復してきてやるぜ!」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:12:02.37 ID:C939xNel0<> マミ「それにしてもこの釣竿は丈夫ね。五ヶ月間使い続けても全く折れる気配が無いわ」

まどか「これも土から作ったのかな?」

さやか「さあ?これを作った人達はもういなかったんだし確かめようがないよ」

三分経過

杏子「待たせたな!ほらよ、調理器具だ」ガチャ

マミ「ありがとう佐倉さん。早速調理開始といきましょうか」

まどか「れっつくっきんぐ!」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:12:33.34 ID:C939xNel0<> 調理終了

杏子「あつあつ……おう、やっぱここの魚はうめぇ」ムシャムシャ

さやか「杏子……アンタそれ塩かけ過ぎじゃない?」

杏子「なんで?味は濃い方がいいじゃん」

さやか「そういうもんか………」

まどか「この魚とっても美味しいですね、マミさん」モグモグ

マミ「ありがとう鹿目さん、釣ったかいがあったわ」

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:13:16.54 ID:C939xNel0<> まどか達が死んで半年が過ぎた

一番最初にさやかが魔女化して死亡

そして狂気は連鎖し発狂したマミによって杏子が殺害される

そのマミもまどかによってやむをえず殺された

最後に、ワルプルギスの夜と戦い魔力を使い果たしたまどかは、
ほむらに未来を託すとともに自らのソウルジェムを破壊するようほむらに懇願した



そうやって彼女達四人はここにたどり着いた


<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:13:56.47 ID:C939xNel0<> 校長室

杏子「あー食った食った」

さやか「ふむふむ、成るほど。徳川家康は天ぷらにあたって死亡したと……」ブツブツ

まどか「ねえさやかちゃん、何読んでるの?」

さやか「これ?全国クイズ大会の予想問題集」

まどか「え―、そんなものどこにあったの?」

さやか「図書館に決まってるじゃん」

さやか「いや―、私最近クイズにはまっちゃってさ―。生まれ変わったらクイズ王になろうかな、なんて」

まどか(ええ……なにそれ……)


<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:14:37.43 ID:C939xNel0<> 杏子「へっ、さやかはバカだからな。どうせ生まれ変わってもクイズ王なんか慣れやしね―よ」

さやか「なに―、私は本気だからな!」

杏子「じゃあアタシはさやかが生まれ変わってもバカに$111賭けるぜ」

さやか「じゃあ私は、私が生まれ変わったら天才に2000ぺリカ賭ける!」

まどか「さやかちゃん、2000ぺリカってたったの200円だよ……」

さやか「くっ……」

杏子「へっ」ドヤア <>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:15:11.91 ID:C939xNel0<> 杏子「そんなことよりも暇だ!マミ、将棋やろうぜ!」

マミ「また……?昨日もしたでしょう?」

マミ「それに私佐倉さんと将棋やるのいやよ。だって佐倉さん負ける度にハルバードを振り回すんですもの」

杏子「な、しかたねぇじゃねぇか悔しいんだから」

杏子「ほら、マミが六枚落ちでいいからやろうぜ!」パチン

マミ「」

マミ「…………」パチン <>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:15:41.18 ID:C939xNel0<> まどか「じゃあさやかちゃん、私達はオセロでもしてよっか……」

さやか「犠牲者の意味の『victim』の『vic』は、勝者の『victor』から来ていると……え?オセロ?ああうんいいよ」

まどさや「最初はグ―、その次パ―、グチョパはなしよ、じゃんけんポン」

まどか「私が先手だね、はい」カチャ

さやか「ほい」カチャカチャ

まどか「そい」カチャカチャカチャ

さやか「………世界で初めてテレビに映った文字は『イ』………」

まどか「………」

さやか「………宝くじの正式名称は『当選金附証票』………」

まどか「………」

まどか「………さやかちゃんの番だよ!」

さやか「ええ!?ああ、ごめんごめん」カチャカチャカチャカチャ

まどか「もう!真面目にやってよ!」プンプン

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:16:17.88 ID:C939xNel0<> 杏子「ああ――!歩兵に飛車取られた――!」

マミ「佐倉さん……あなた弱すぎよ……」

杏子「ええい、これどうだ!」パチン

マミ「……………」パチン

杏子「ああ?!今度は王将に竜馬が取られただと!?」

マミ(佐倉さん……将棋は王将を取るゲームだと知らないのかしら……)

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:16:58.84 ID:C939xNel0<> 杏子(まずい………このままだとアタシの1074連敗が1075連敗に………)

杏子(!)ピーン

杏子「ああもうおもしんねぇ!喰らえ!将棋版返し!」バラバラガッシャーン

マミ「………一ついいかしら、佐倉さん」

杏子「何?」

マミ「あなたに将棋のようなゲ―ムは向いてないと思うわ」

マミ「もっと頭を使わないゲ―ム……そうね、人生ゲ―ムみたいなのが向いているんじゃないかしら?」

杏子「確かに、言われてみればそうだよな」

さやか(アホだ……遠まわしに馬鹿にされていることに気づいていない……)

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:17:45.74 ID:C939xNel0<> ドン

杏子「つ―わけで持って来たぜ、人生ゲ―ム」

さやか(はやっ)

杏子「まどか、さやか、お前達も一緒にやろうぜ」

さやか「うん、いいよ」

まどか(ああ!さやかちゃんずるいよ!いくら自分が負けそうだからって途中で別のゲームに乗り換えるなんて……)
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:18:27.38 ID:C939xNel0<> 半年前、ここ天上学園は荒れ果てていた

バズーカや機関銃の弾が飛び交い、ハルバードや長ドスの刃が人肉を引き裂いていた

最悪の人生の最果ては最悪の人格の形成

魔女化して死亡したさやか、発狂したマミ、マミに殺された杏子、
この三人がお互いを憎しみ合い、天上学園は一面火の海となった

しかしこの世界において戦いが全く無意味であることを知ると三人の戦意は尽き、
そして悠久なる時の流れが彼女達の落ち着きを取り戻した

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:19:23.55 ID:C939xNel0<> マミ「みんな、$3000持った?」

まどさや杏「は―い」

まどか(結局乗り換えちゃった……)

マミ「銀行係は私がするわね」

さやか「いいですよ」

マミ「じゃあ私から…………8ね、堅実にサラリ―マンコ―スに行こうかしら」

まどか「次は私ですね………5っ!タレントだ!」

さやか「こいつ……かなりいい職業に就きやがった」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:20:21.59 ID:C939xNel0<> さやか「私の番……7、プログラマ―……まあまあかな」

杏子「アタシか………7、あれ?さやかと同じマスに止まったぞ?こういうときはどうするんだ?」

さやか「次の番を待つしかないよ、あ、ちなみに職業に就けなかったらフリーターだからね」

杏子「へ?ふり―た―?」

さやか「ちょうどアンタみたいな人のことだよ」

数十分後

一位、まどか………総資産  $2535000
         職業   売れっ子アイドル

二位、マミ…………総資産  $795000
         職業   エリートサラリ―マン

三位、さやか………総資産  $546000
         職業   政治家







四位、杏子…………総資産  −$756000
         職業   フリ―タ―





杏子「ふざけてんのか!!」

まどか「ええ!?ふざけてなんかないよう………」

さやか「いや―それにしてもまどかは凄く運が強いね―」

マミ「そうね、恐るべき子だわ」

まどか「も、もう!さやかちゃんにマミさんまで!当たるものは仕方ないじゃないですか!」

杏子「頼むよ神様、最悪な人生だったんだ。人生ゲームでくらい良い思いさせてくれよ……」

さやか「気を落とさないでよ、杏子」

さやか「それにこういうゲームは勝つことが目的じゃなくて過程を楽しむのが目的だしさ」

杏子「さやかぁ………」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:21:04.20 ID:C939xNel0<> まどか「そういえばお腹が空いてきたね」

マミ「そうね、それではお昼ご飯を食べに行きましょう」

杏子「やった―!飯だ―!」

さやか「今日の弁当係は誰だったっけ?」

まどか「私だよ、さやかちゃん」

さやか「おお!私の嫁の弁当はどんな味がするのかな?」

まどか「ウェヒヒ、腕によりをかけたからね、楽しみにしててね」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:21:33.93 ID:C939xNel0<> マミ「みんな―、弁当は持った―?」

まどか「は―い」

マミ「水筒は持った―?」

さやか「は―い」

マミ「ブル―シ―トは持った―?」

杏子「は―い」

マミ「それでは行きましょう」

杏子「飯!飯!」 <>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:22:55.32 ID:C939xNel0<> 校長室にあるパソコンのデータ等を参考にすればここの生活に適応するのはさほど難しくはなかった

朝は適当な時間に起きて、マミが釣った魚を焼いて食べる

そして校長室で遊んだら、日替わりで誰かが作る弁当を持って小高い丘に登る

そしてまた遊んだら今度は食堂でちょっとだけ贅沢な夕食を食べる

後は寮に戻りお風呂に入ってすることも無いので早めの就寝

それが彼女達が、自分達の運命の終了と引き換えに手に入れた生活

勝利に犠牲は付きものだが、平穏な生活に犠牲は要らなかった

To Be Continued <>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/26(月) 15:23:36.74 ID:C939xNel0<> 次回予告


あ、あ〜〜ん

へえ、キュゥべえもこの世界に来れるんだ?

さかちゃん何あれ?

………どうしたの?

!?ぐっっ!!!な、なにすんだてめぇ!

くっ……残ったのはアタシとマミだけか……



              くそ……さやかぁ――!!




EPISODE.2 それは私のFavorite Flavor





<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   sage<>2011/12/26(月) 15:24:32.01 ID:C939xNel0<> ・ほむらに見捨てられた時間軸で、死んだまどか達がABの世界で悲しみを癒していくSSです

・そのためほむらの出番は全くありません、ごめんなさい

・AB側の人物は出ませんが、彼らが残していった物をいろいろと出そうと思います

<> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/26(月) 16:34:12.60 ID:8NIPstx5o<> 続き期待してる <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage saga<>2011/12/26(月) 18:37:32.73 ID:eTnMRBVs0<> マミさんが釣りしていると桜色の乳首で俺が釣れる妄想をしてしまったごめんなさいフォーマットされてきます <>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:52:35.86 ID:bZO/3RTS0<> 芝生に覆われた丘

杏子「せ―のっ、それっ!」バサア

杏子「よし、ブル―シ―トを広げたぜ」

まどか「じゃあ早速配るね、これがマミさんの」

マミ「まあ………長ネギの肉巻フライに人参の肉巻き、ありがとう鹿目さん。大事に頂くわ」

まどか「えへへ、どういたしまして。これがさやかちゃんのね」

さやか「わあ!焼肉を挟んだサンドイッチとオムライスだ!」

さやか「流石私の嫁だね!」

杏子「なあまどか、アタシのは?」

まどか「心配しなくてもちゃんとあるよ、はい」

杏子「すっ凄え!カツ丼だ」

さやか「あはは、杏子らしいね」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:53:07.12 ID:bZO/3RTS0<> まどか「さ、さやかちゃん」

さやか「何?まどか?」

まどか「あ、あ〜〜ん」

さやか「ええ!?私達女の子だよ!?」

まどか「だ、駄目かな?」

さやか(こういうのってレズっていうらしいけど………別にあ〜〜んぐらいなら………)

ぱくっ

まどか「えへへ、ありがとうね、さやかちゃん」

さやか「ひいいよ、ひいいよ、べすに(いいよ、いいよ、別に)」モグモグ

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:53:35.24 ID:bZO/3RTS0<> 杏子「……………」ガツガツ

マミ「佐倉さん………あんまり早く食べると喉に詰まるわよ?」

マミ「ほら、紅茶飲みなさい」グイ

杏子「!?ぐっっ!!!な、なにすんだてめぇ!」ゲボゲボ

マミ「あら、佐倉さんが喉に詰まらせそうで心配だから口に紅茶を突っ込んだだけよ」

杏子「この………じゃあこっちは飯を突っ込んでやる」グイ

マミ「ふがっ…………やったわね、卵焼きを食らいなさい」グイ

杏子「ふごっ………今度は………


まどか「さかちゃん何あれ?」

さやか「見ると後悔する光景」

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:54:11.59 ID:bZO/3RTS0<>
まどさや杏マミ「ごちそうさまでした―――」

マミ「はい、じゃあ荷物片付けて、撤収するわよ」

まどか「お昼からは何する?」

さやか「そうだね―、この時間ならNPCさん達が昼休みで外に遊びに来るだろうから、混ぜて貰うってのは?」

杏子「いいねそれ、アタシ、サッカ―の続きがしたい」

マミ「それじゃあお昼からはサッカ―で決まりね」


<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:54:39.42 ID:bZO/3RTS0<> さやか「楽しみだな――」

マミ「今度はどっちのチ―ムが勝つかしら?」

杏子「またアタシのロングシュ―トでばんばん点を稼いでやるぜ」

まどか(………ん………あれは……?)

まどか「ごめんさやかちゃん、先に行ってて。直ぐに追いかけるから」

さやか「分かった待ってるよ」

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:55:13.81 ID:bZO/3RTS0<> ポツ―ン

キュゥべえ「………………」トボトボ

ポツ―ン

キュゥべえ「………………」トボトボ

まどか「へえ、キュゥべえもこの世界に来れるんだ?」

キュゥべえ「…………!」ビク

まどか「………どうしたの?」

キュゥべえ「………」ダッ

まどか「あ!どこ行くの?」


<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:55:40.65 ID:bZO/3RTS0<> 植物園

まどか「はあはあ………確かこの辺に行ったはず……」

まどか(あれ……まさか?)

キュゥべえ「…………」セッセッセ

まどか(キュゥべえがヒマワリの世話をしている!)

まどか「どうして……そんなことしてるの?」

キュゥべえ「………綺麗なヒマワリだね、誰が植えたんだろう?」

まどか「………キュゥべえ?」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:56:19.39 ID:bZO/3RTS0<> キュゥべえ「こんなに絶望の無い綺麗な世界があるなんて知らなかった」

キュゥべえ「ここには憎しみも無ければ呪いも無い、あるのは永遠に続く進歩しない日常風景だけだ」

まどか「………何が言いたいの?」

キュゥべえ「僕はこの世界にいるのに相応しくない、だけど僕は今ここにいる」

キュゥべえ「きっとこれが僕が受けるべき罰なんだろうね」

まどか「私、あなたが言っていること全然理解できない……」

キュゥべえ「君は……僕の姿が見えるのかい?」

まどか「」

まどか(まずはそこからなんだ………)
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:56:48.03 ID:bZO/3RTS0<> まどか(えーと、おほん)

まどか「うん、見えるよ。だって私、鹿目まどかは生きてたときは魔法少女だったから……」

まどか「キュゥべえも……死んでこの世界に来たんだよね?」

キュゥべえ「………うん……」

まどか「……何があったの?」

キュゥべえ「凄く単純なことだよ、ある少女と契約したらその子の願いが、お前に償いの機会を、だったんだ」

まどか「つまりこの世界にキュゥべえがいることが……キュゥべえにとっての罰なの?」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:57:24.96 ID:bZO/3RTS0<> ュゥべえ「『この世界にあってはならないものは何か?』」

まどか「何それ?」

キュゥべえ「NPC達に昔からずっと伝わる問題だよ」

キュゥべえ「きっとこの問いの答は、インキュベ―タ―、なんだろうね」

キュゥべえ「だから僕はこの世界に送り込まれた。この世界で契約したとしても、その人間は何故か消えてしまう」

キュゥべえ「しかもこんな姿だから授業に出ることもできない」

まどか「……………」

キュゥべえ「僕はやることも無いこの世界に永遠に閉じ込められてしまったんだ」



<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:57:50.13 ID:bZO/3RTS0<> まどか「………じゃあキュゥべえは……いつも何してたの?」

キュゥべえ「やることも無いからね。母星との連絡はつかないし、ここでこうやって植物のデータ収集さ」

キュゥべえ「殺すかい?僕を?ここでの殺害行為は何の意味も無いけど、君達人間にとっては気晴らしにはなるかもしれないね」

まどか「別に殺したりしないよ……もうキュゥべえは誰かと契約したりしないの?」

キュゥべえ「勿論、ここで契約したとしても僕の損になるだけだから」

まどか「じゃあ、もう、大丈夫」ギュウ

キュゥべえ「………!?」

タッタッタッタ………………
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:58:19.61 ID:bZO/3RTS0<> グラウンド前

さやか「………あちゃ―」

杏子「………おい…」

マミ「…………………鹿目さん、あなたの胸に抱いてるそれは一体何のつもりかしら?」

まどか「ま、マミさん杏子ちゃん、それにさやかちゃんもそんなこと言わないでよお!」

さやか「なに言ってんのよまどか!そいつがやったことを忘れたの!」

杏子「敵だー!アタシ達人類の敵だー!」

キュゥべえ「鹿目まどか、君は恐ろしい子だね。僕を殺さないと言いつつ、僕に敵意まる出しの人間の前に僕を連れてくるなんて」

まどか「そんなつもりじゃないよ!聞いてみんな、この世界でキュゥべえは契約しないんだって」

まどか「だから仲良くしてもいいんだよ!」

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:58:48.65 ID:bZO/3RTS0<> さやか「そうは言ってもね、ソイツには前科があるし」

杏子「そんな奴とっとと焼却炉に捨ててこいよ、まどか」

まどか「そんな……どうしても駄目なの?」

マミ「鹿目さん、本当にキュゥべえはもう契約したりしないのかしら?」

まどか「も、勿論そうですよ!」

マミ「………分かったわ。少しの間だけキュゥべえと一緒に生活してみましょう」

マミ「正し、少しでも変な真似をしたら直に捨ててくること。それでいいわね、鹿目さん」

まどか「………はい………」

杏子「え――、正気かよ……マミ……」

さやか「まあ確かに何もしなければ可愛い奴だけどさ………」

まどか「あはは、やっぱり難しいね……」

まどか「でも……ちょっとずつ仲良くなっていこうね………」

キュゥべえ「…………うん…………」


<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:59:22.30 ID:bZO/3RTS0<> グラウンド

杏子「よ、久しぶりだな」

NPC1「こちらこそ久しぶりだね」

NPC2「前回は負けたからね、今回は私達も特訓して来たんだ」

マミ「まあ、それは楽しみね」

NPC3「ルールはこの前と同じで前後半十分ずつ、四対四でいいよね?」

さやか「うん、いいよ!」

NPC4「それじゃあ早速始めよう、ボールはそっちからでいいよ」

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 15:59:48.37 ID:bZO/3RTS0<> さやか「マミさ―ん、キ―パ―は任せましたよ」

マミ「任せなさい!」

杏子「それじゃあいくぜ……キックオフだ!」ポーン

さやか「よーし、みんなあがれー!」

NPC1「くるぞ……なんとしても止めるんだ!」

NPC234「おう!」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 16:00:19.13 ID:bZO/3RTS0<> 杏子「さやか!」ポーン

さやか「まどか!」ポーン

NPC2「させるか―!」ズシャア

まどか「きゃっ!……うう、取られちゃった……」

杏子「くそ……さやかぁ――!!」

さやか「うおおおおお!!!!!嫁のフォロ―は任せろ――!!!」ズシャア

NPC2「あれよっと」ポポポーン

NPC3「ナイス」キャッチ

さやか「みんな……ごめん……抜かれちゃった……」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 16:00:53.08 ID:bZO/3RTS0<> 杏子「くっ……残ったのはアタシとマミだけか……」

マミ「佐倉さん!明日肉うどんを奢ってあげるから絶対に止めるのよ!」

杏子「おう!止める……止めてみせる!」

杏子「右か左か………右だぁ―!」ズシャア

NPC3「取られはしない!左へパスだ!」ポーン

NPC4「よし!残りはキ―パ―だけだ!」

杏子「…………」

マミ「肉うどんはお預けね」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 16:01:21.80 ID:bZO/3RTS0<> さやか「はあはあ……駄目だ…走っても追いつけない」

まどか「はあはあ……私もだよ…さやかちゃん……」

さやか「マミさーん!ゴールは任せましたよ!」

NPC4「シュ―トォ!」ポーン

マミ「第七次元執行機関開放虚数方陣展k………」スカ

杏子「カッコつけてねぇで取れよ!」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 16:01:51.78 ID:bZO/3RTS0<> 数分後、ハーフタイム

杏子「はあはあ………今何対何だ?」

まどか「ひいひい……5対0で完全に私達の負けだよ……」

さやか「ふうふう………どうして?前に戦ったときはあんなに強くなかったのに……」

マミ「へえへえ………どうやら特訓してきたというのは本当だったようね」

さやか「どうしよう……このままじゃ負けちゃうよ……」

まどか「そうだっ!私に提案があるんだ!」

マミ「……提案?」 <>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 16:02:22.19 ID:bZO/3RTS0<> キュゥべえ「………………」

キュゥべえ「鹿目まどか、君は僕にサッカ―に勝つために協力しろと言っているのかい?」

まどか「うん」

杏子「うん、じゃね―よ!こんな奴がサッカ―ができるわけね―だろ!」

マミ「いえ………キュゥべえならやれるかもしれないわ……」

杏子「はぁ?さっきから正気か……マミ?」

マミ「よく聞きなさい、キュゥべえって私達にしか見えないわよね」

さやか「!なるほど!つまりキュゥべえにこっそり、私達のシュ―トやパスの軌道を変えてもらおうというわけですね!」

マミ「その通りよ、美樹さん」

杏子「せけえ………でもそれなら勝てるかもしれないな……」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 16:02:55.35 ID:bZO/3RTS0<> キュゥべえ「ちょっと待ってよ、僕は君達に協力するなんて一言も言ってないよ」

杏子「そんなけちな事言うなよ」

キュゥべえ「だって僕が得られる利益が何も無いじゃないか」

まどか「そんなぁ………お願いだから協力してよ……」

キュゥべえ「そもそも君達の勝とう、という思考が僕には理解できないよ。勝って何になるんだい?」

マミ「そうね………勝ったら……勝ったらやっぱり嬉しいじゃない」

キュゥべえ「嬉しかったらどうなるんだい?」

さやか「嬉しかったら……幸せになるよ、きっと」

キュゥべえ「幸せになる、幸せになってどうするんだい?」

全員「…………」

まどか「ここから出れるかもしれないよ」

キュゥべえ「……………!?」

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 16:03:31.97 ID:bZO/3RTS0<> キュゥべえ「それは……本当なのかい?鹿目まどか?」

まどか「この世界で幸せを感じた者は成仏して消える。そうなんですよね?マミさん」

マミ「そうね、かつてこの世界いた人々はここをそのようにとらえていたわ」

キュゥべえ(そうだったのか………だからこの世界で僕と契約した人間は願いを叶え幸せを感じて消えていった……)

まどか「キュゥべえはこの世界に閉じ込められたんだよね、だったらここから出たいとは思わないの?」

キュゥべえ「そりゃ勿論出たいよ」

キュゥべえ(僕には使命がある)

杏子「そうか、じゃあお前にとっての幸せって何だ?」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 16:04:00.26 ID:bZO/3RTS0<> キュゥべえ「僕の………幸せ?」

まどか「そう、キュゥべえの幸せだよ。ここを出たかったらそれが必要だよ」

キュゥべえ「分からない………今まで他人の望みを聞いてきただけだから」

さやか「じゃあいろいろ試してみよう!そのうち見つかるかもしれないよ!」

キュゥべえ「…………分かったよ」

杏子「決まりだな、じゃあ早速一緒にサッカ―やろうぜ」

キュゥべえ(…………そう言うと思った)

To Be Continued <>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 16:04:51.57 ID:bZO/3RTS0<>
次回予告


後半戦だあ―――!

ここは任せて先に行ってね

麻婆豆腐……だと?

ピンポーン

そうね、私達は不運ね

まどか、背中洗おうか?



          そう、契約ではなく約束



EPISODE.3 本当のMemoryと向き合えますか?
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga<>2011/12/27(火) 16:05:18.11 ID:bZO/3RTS0<> ・投下終了です。果たしてキュゥべえは成仏するのでしょうか?
それはそれで問題な気がしますが………

・NPC1234の性別については何も言いません
男でも女でも、好きなほうをお選びください(あまり重要では無いので)

・>>29
おや、よく見るとあなたのIDにNIPが………

・>>30
音無「お前……消えるのか?」

・次回の投下は年明けになります
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   sage<>2011/12/27(火) 16:07:51.16 ID:bZO/3RTS0<>
・重大な?ミスです
>>35と>>36の間に





EPISODE.2 それは私のFavorite Flavor




を入れるのを忘れていました


<> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/27(火) 16:34:19.92 ID:K+3gk4oA0<> 乙
まさかQBが来るとは…
そしたらあと何匹来るんだ? <>
◆xNlkRKVW1I<>saga   sage<>2012/01/08(日) 17:33:19.33 ID:KeDADbii0<> 後半開始

NPC1「後半戦だあ―――!」ポーン

キュゥべえ(みんなの意識をテレパシ―で繋いでっと………)

キュゥべえ『みんな、聞こえるかい?』

マミ『こちらマミ、感度良好』

杏子『ああ、ばっちりだぜ』

まどか『こっちもOKだよ!』

さやか『これだけで凄いチ―トじゃん』

マミ『いい?作戦はキュゥべえがいろいろと妨害してくれるからガンガン攻めるだけよ』

さやか『は―い』

まどか『それ作戦っていうのかな………』
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:37:39.15 ID:KeDADbii0<> NPC1「ふがっ………」ボト

NPC2「おい!なにやってんだ!」

NPC1「分かんねえ………なんか股間にモフモフしたものが………」

キュゥべえ『ここは任せて先にいってね』

さやか「キュゥべえナイス!」 <>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:38:20.54 ID:KeDADbii0<> 杏子「ほらよ」ポーン

キュゥべえ「イタッ」ズガ

NPC4「馬鹿な……46度カーブした………」アゼン

キュゥべえ『いくら点を取るためとはいえ僕の体のことも考えてよ』

杏子『すまんすまん』 <>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:38:56.95 ID:KeDADbii0<> 試合終了

NPC1「負けた……」

NPC2「5対6でサヨナラ負け……」

NPC3「君達って本当に強いんだね」

さやか「いやいやNPCさん達も強かったよ、どんな特訓をしてたの?」

NPC4「特訓の方法かい?竹箒を指先の一点で支え続けてたんだ」

さやか「」

まどか「聞かなかったほうが良かったね、さやかちゃん」

NPC4「まあ普通に筋トレもしてたんだけど」

マミ「そっちを先に言いなさいよ」

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:39:22.30 ID:KeDADbii0<> キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン

NPC1「おや、昼休みが終わったようだね。ではご縁があればまた今度」スタスタ

さやか「バイバ―イ」

まどか「またしようね」


杏子「あ―あ、時間が余っちまったな」

さやか「ああ――!」

杏子「どうした?さやか」

さやか「忘れてた、大事な事。そろそろ地下で水耕栽培してる株が収穫の時期じゃん!」

マミ「それは非常事態ね」

まどか「大変!腐る前に収穫しないと!」

杏子「そうだ、食べ物を粗末にすると罰が当たっちまう」


<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:39:48.57 ID:KeDADbii0<>






EPISODE.3 本当のMemoryと向き合えますか?








<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:40:20.24 ID:KeDADbii0<> 医局地下

まどか「せーの、それっ」スポン

さやか「うおおおりゃあああ!!」スポン

杏子「いいぞ、さやか、まどか。このまま全部収穫しちまおうぜ」スポン

キュゥべえ「全く君達人間はいつもそうだね、先のことを全く考えていない」

キュゥべえ「こんなに収穫しても結局食べきれずに腐ってしまう」

キュゥべえ「土の中で腐るのと土の外で腐る、これだけの違いにどうしてそんなにこだわるんだい?」

マミ「キュゥべえには分からないかもしれないけどこれって意外と楽しいものなのよ。はいこれ」

キュゥべえ「これは………スコップ?」

マミ「その手じゃ掘れないでしょ?」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:40:55.99 ID:KeDADbii0<> 杏子「まだまだぁ!」スポン

マミ「私も負けないわよ!」スポン

まどか「えいっ!えいっ!えいっ!」スポン

さやか「もっともっとぉ!」スポン

キュゥべえ「……………」チマチマチマ <>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:41:21.78 ID:KeDADbii0<> ズシ

さやか「あれ………何この株…抜けない……」

さやか「ごめん杏子手伝って」

杏子「なんだよだらしね―な」

さや杏「んん―しょ、よいしょ―」

それでも株は抜けません

杏子「なんだと……」

さやか「まどかっ!」

まどか「任せて!さやかちゃん」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:41:51.37 ID:KeDADbii0<> さや杏まど「せ―の、よいしょ、せいよ、よっこらしょ」

それでも株は抜けません

杏子「くそ……マミィィィ――――!!!」

マミ「最後に呼ばれた………まあいいわ、手伝ってあげる」

さや杏まどマミ「よっこらせぇぇぇぇぇ!!」

それでも株は(ry

さやか「くっ………後もうちょっと……後もうちょっとなんだけどなあ………」

まどか「こうなったら最後の手段だね」

マミ「カモン!キュゥべえ!」 <>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:42:24.34 ID:KeDADbii0<> ュゥべえ「今日は最悪の日だね、体が汚れるばっかりだよ」

マミ「いいからやるわよ!せ―の」

さや杏まどマミキュゥ「うんしょ、抜けろおお!!」

やっと株は抜けました


マミ「でかい…………」

杏子「なあ……これあったら暫く釣りしなくてもいいんじゃね?」

さやか「いや毎日の食事が株ってのもどうかと思うよ?」

マミ「それ以前にどうやって保存するのよ」

キュゥべえ「僕は一番最初に言ったはずだよね。結局腐らせてしまうだけだと」

まどか「……………」

まどか「そうだ!これ全部お汁にしてNPCさん達に食べさせてあげようよ!」

さやか「そうだね……腐らせるのも株に失礼だしそうしよっか」

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:42:51.48 ID:KeDADbii0<> グラウンド

わいわいがやがや

杏子「よ―し、みんなの分はあるから安心して一列に並んでくれ――」

マミ「はい、どうぞ」

NPC5「わあ!美味しそう!おりがとうございます!」

マミ「どういたしまして」

まどか「さやかちゃん!汁椀が足りないよ!」パッパッ

さやか「待って!すぐに用意するから!」パッパッ

さやか「ほら、アンタも手伝いなさい」

キュゥべえ「この体で調理を手伝えだなんて……」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:43:38.78 ID:KeDADbii0<> マミ「佐倉さん………それ包丁の持ち方違うわよ」

杏子「え……違うのか?どうりで切りにくいと思ったぜ」

マミ「貸しなさい、私が手本を見してあげるから」

マミ「こうやって手を添えてね………」

杏子「おお!成る程な!マミって案外料理とか詳しかったんだ」

マミ「そうね……私は一人暮らしで自分のは自分で作らなきゃならなかったから……」

杏子「悪りぃ、気不味いこと聞いちまったな」

マミ「いいのよ、でも佐倉さんも一人暮らしだったんでしょう?なのに佐倉さんときたら………」

杏子「う、うるせえよ!!………どうせアタシは家事も覚えられないし、悪さばっかで親父の言葉に反することばっかしてた」

杏子「なあ……マミ……ここならアタシ親父達に会えると思うか?」

マミ「佐倉さん………」

杏子「ふ、会えるわけねぇよな。あんなにたくさんの人達を傷つけたんだ、神様から罰を受けて当然……だから……」グス

マミ「泣かないで、佐倉さん。大丈夫、いつかきっと会えるはずだから………それまで頑張って」

杏子「う………マミぃ……」ボロボロ

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:44:05.13 ID:KeDADbii0<> キュゥべえ「…………こんなところかい?」

まどか「んん―――っ!凄く美味しいよ、キュゥべえは味付けの天才だね」

さやか「なんだかんだいってキュゥべえものりのりじゃん」

キュゥべえ「僕はそんなつもりはないんだけどな」

まどか「でも私にはここのキュゥべえがとても楽しそうに見えるな………」

キュゥべえ「……………」

まどか「……ねえキュゥべえ、私と約束しない?」

キュゥべえ「約束?」

まどか「そう、契約ではなく約束。契約ってどちらかが破棄したくても強制的に続いたりするでしょ?」

まどか「でも約束は違うの。約束なんてものはその気になれば簡単に反故にできる」

まどか「だからこそお互いに信頼し合った人どうしじゃないと成立しないんだ」


<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:44:34.96 ID:KeDADbii0<> キュゥべえ「それで……約束の内容は?」

まどか「キュゥべえ……これからもみんなと一緒にいてくれる?」

キュゥべえ「どうしてだい?」

まどか「もうキュゥべえに誰とも対立して欲しくない、みんなと楽しく過ごして欲しいから」

キュゥべえ「分かった……僕が損する要因は無いみたいだね」


キュゥべえ「君と約束しよう、鹿目まどか」

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:45:01.31 ID:KeDADbii0<> 一時間後

杏子「終わったぁ―――!」

さやか「凄い!あんなに大きかった株がどこかに消えてしまったよ!」

キュゥべえ「僕の予想を上回るなんて……」

マミ「さて、最後に私達が頂ましょう」

杏子「うめ――。やっぱり働いた後の飯は最高だぜ」

さやか「杏子の言うとおり………あれ?なんか変な味がする」

杏子「ああ、さやかのお汁に学食の麻婆豆腐入れといたから」

さやか「麻婆豆腐……だと?」

さやか「……………うああああああああああああああああ!!!!」

マミ「鹿目さん!」

まどか「はい、水ですね!」ガタ

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:45:32.22 ID:KeDADbii0<> まどか「さやかちゃん大丈夫?」

さやか「ひい、ひちゃいひゅちがひちゃい。ひょうきょのはは(ひい、痛い口が痛い杏子のバカ)」

マミ「佐倉さんにはおしおきね」ペチペチペチ

杏子「あばばばば」


食事終了

全員「ごちそうさまでした――」

さやか「よ―し、この後はお風呂だ―」

マミ「来た!私の一日の最大の楽しみ!」

杏子「おばさんかよ!」

まどか「こら、マミさんに失礼だよ、杏子ちゃん」

さやか「よ―し、行こう!」

まどか「ほらキュゥべえも、体が泥だらけだよ?」

キュゥべえ(誰のせいだと思って………)

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:46:07.41 ID:KeDADbii0<> 女子寮内大浴場

カポ―ン

杏子「はあ―いいお湯だ―」

マミ「一日の疲れが吹き飛んでいく至福の時間ね」

キュゥべえ「僕は疲れは感じないけどね」

さやか「まどか、背中洗おうか?」

まどか「う、うん、私の背中はさやかちゃんに預けるよ」

さやか「よ―し、まどかの背中はさやかちゃんがゴシゴシ磨きあげちゃいますからね―!」ゴシゴシ
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:46:40.54 ID:KeDADbii0<> マミの部屋

マミ「は―いいお湯だったわね」

杏子「マミ―入るぞ?」ガチャ

マミ「さ、佐倉さん!?入って来るときはノックぐらいしなさいよ!」アタフタ

杏子「ん?パソコンなんか弄って何してんのか?」

マミ「なんでもないわ。それより何の用?」シャットダウン

杏子「あれからいろいろ考えたんだ。貧乏な奴はひもじい生活を送るしかない。家族がいなければ孤独に生きるしかない」

マミ「佐倉さん………。そうね、私達は不運ね。誰かが幸せになったらその分誰かが不幸になってしまうもの」

杏子「でも私……見つけたんだ。そんな世界でも幸せになる方法」

マミ「………佐倉さん………」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:47:12.85 ID:KeDADbii0<> さやかの部屋

さやか「はあ―いいお湯だった―」

さやか「ん?私のベッドに隠れているのはだぁれだ―?」バサ

まどか「ひっ!見つかっちゃった―」

まどか(せっかくさやかちゃんの懐に潜りこんでウェヒヒしようと思ってたのに!)

さやか「まどか―、アンタまた何か企んでなかった?」

まどか「な、なんでもないよ!それよりいいもの見つけたんだ!」

さやか「………何これ?犬のぬいぐるみ?こんなのどこで見つけたの?」

まどか「体育倉庫だよ」

さやか(ええ……なんでそんな所にあったんだろう……)

まどか「見ててねさやかちゃん、背中にあるネジを回すと……」カチカチ

キュキュキュキュキュ

さやか「凄い!動いた!」

まどか「元手芸部として私もいつかこんなの作れたらいいなぁ………」

<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:47:42.79 ID:KeDADbii0<> さやか「実は私も見せたい物があるんだ」

まどか「何?」

さやか「じゃ―ん!クイズ番組とかに出てくるクイズボタン!」

まどか「え―、何に使うの?」

ピンポ―ン

まどか「はい、さやかちゃん」

さやか「こうやって喋るときに使います」

まどか「別にそれ使わなくてもいいよね?」

ピンポ―ン

まどか「はい、さやかちゃん」

さやか「でも将来のクイズ王を目指す私としては、こうやって雰囲気だけでも……」

キュゥべえ「これから君はいちいち喋る度にそれを使うつもりなのかい?」

ピンポ―ン

キュゥべえ「はい、美樹さやか」

さやか「勿論そのつもりだよ」 <>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:48:09.93 ID:KeDADbii0<> キュゥべえ「言ったね。じゃあ君は喋るときはずっとそのままだからね」

さやか「も、も、もちろん………」

まどか「あ、ほら早速できてないよ」

ピンポ―ン

まどか「はい、さやかちゃん」

さやか「疲れちゃった、今日はもう寝よう?」

まどか「ねえ、さやかちゃん」

さやか「何?まどか」

まどか「今日も私……さやかちゃんと一緒に寝ていいかな?」

さやか「別にいいけど……」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:48:44.16 ID:KeDADbii0<> まどか「ねえさやかちゃん……」

さやか「どうしたの?」

まどか「私達……これからもずっと一緒だよね……」

さやか「ん――、まあ消えるつもりもないしそうでしょ」

まどか「うん!明日もいっぱい遊ぼうね!」

さやか「うん!」

まどか「お休み」

さやか「お休みなさい」

キュゥべえ「ノンレム睡眠に入る」
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:49:11.40 ID:KeDADbii0<> 月明かりが子供達の頬を優しく撫でる

雲は波紋状に広がり地平線の彼方へと消えていく

外灯が一つずつ消えていきそこに住む人々を睡魔が夢の国へと連れ去っていく

天上学園が静まりかえる前に誰かが呟いた


今日も一日楽しかったね、と


To Be Continued
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:49:47.69 ID:KeDADbii0<> 次回予告


お願い………もう止めて!!

ごめん、もっと遊びたかったよね

飲むかい?

ちょっと話があるの

あんな人生でよかったの?



             僕には理解不可能だ、わけが分からない


EPISODE.4  My Songも怖くない
<>
◆xNlkRKVW1I<>saga   <>2012/01/08(日) 17:50:19.43 ID:KeDADbii0<> ・投下終了です

・>>57
ここにキュゥべえが来たのは『キュゥべえに償いの機会を』という名無しの少女による願いの解釈がこの世界への送還となったためです
普通のキュゥべえは感情が無いので理不尽を感じないため、死んでもここに来ることはありません

・次回の投下はできれば一月以内に
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)<>sage<>2012/01/08(日) 20:09:39.28 ID:mCr5Hvx5o<> 乙
こんなキュゥべえもいいな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<><>2012/01/27(金) 02:38:00.07 ID:dwZTxaHs0<> マミ「今日も紅茶が美味しいわ」668からの分岐改変が起きない平行世界
もし改変が起きない平行世界のマミがシャルロッテに死ななかったら OR マミ死亡後にまどかがマミ、QBの蘇生願いを願ったら
魔法少女全員生存ワルプルギス撃破
誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
<>