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HTML化した人:lain.
弟「生きるって何?」
1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 11:31:03.94 ID:QUKp0JVY0
(……………)


姉「弟、出てきなさいよ」

弟「いやだ」

姉「なんでよ」

弟「嫌だから」

姉「ご飯はどうすんのよ」

弟「そこに置いといて欲しい」

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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 11:32:41.38 ID:QUKp0JVY0
姉「はぁ…。ここ最近ラップの消費が早いんだけど」

弟「知らない」

姉「知りなさい」

弟「知ってどうするの?」

姉「知って考えて自分で動くの」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 11:35:20.59 ID:QUKp0JVY0
弟「動いてるもん」

姉「どこがよ。あんた部屋から全然出てこないじゃない。超絶運動不足よ」

弟「……」

姉「それとも?部屋の中で腹筋でもしてるってわけ?」

弟「…心臓が動いてるよ」

姉「もう、屁理屈言ってないでさっさと出てきなさいっ!」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 11:38:11.32 ID:QUKp0JVY0
弟「だから嫌だってさっきから言ってるだろ!」

姉「だからどーしてイヤなのよって聞いてるの!」

弟「嫌だから」

姉「嫌ってあんたまだ…」

姉「……」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 11:38:43.14 ID:QUKp0JVY0
姉「はぁぁ…」

弟「…」

姉「もういい。あたしはあんたの事良くわからない。だからいい。もう戻る」

弟「そんな事言って、後でまたやってきて出てこいって言うじゃないか」

弟「それで嫌だって言うとまたなんでって聞く」

弟「いつもその繰り返しだ。毎回毎回。だからもうかかわらなくていいんだよ姉ちゃんは」

姉「………」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 12:26:20.55 ID:QUKp0JVY0
姉「じゃあいいわ。毎度のように繰り返すってんなら繰り返さないようにするだけよ」

弟「は?」

姉「いい?いちいち返事しなくていいから黙って聞きなさい」

弟「…」

姉「あたしはあんたにどうしてでてこないのかっていつも聞くわね」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:00:52.24 ID:QUKp0JVY0
姉「で。あんたは思ってることをそのまま口に出す」

弟「…」

姉「『嫌』。これがあんたの思っていることそのままの言葉よね?」

弟「…そうだ」

姉「うんうん。いいわよ」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:01:55.05 ID:QUKp0JVY0
姉「反対に。あんたはあたしの言う『出てこい』『知れ』という言葉に疑問を抱く」

弟「…」

姉「それであんたはあたしに聞く。『それをしてどうするの?』ってね」

弟「…そうだよ」

姉「それにあたしはその後に何々をしろっていつも言うわ」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:03:10.48 ID:QUKp0JVY0
姉「でも弟は『嫌』だから当然屁理屈なり何なりでそれを拒否するわね」

弟「……うん」

姉「で、あたしは呆れて戻ると。以下弟の言った通りに毎日同じことの繰り返し」

姉「これではこの先何の進展もなく、ずっと同じね」

弟「…そうだよ。やっとわかった?」

姉「うん。分かった」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:06:00.36 ID:QUKp0JVY0
弟「じゃあ、姉ちゃんは分かった所で何をするの?」

姉「うん?」

弟「進まないって分かったからもう止める?それともまだまだって思って諦めずに続ける?」

姉「そうねぇ。どうしようかしらね」

弟「どっちにしても同じだよ」

弟「やめたらその場で止まってお終い」

弟「諦めずに続けても進展がないのだから止まってるのと一緒」

弟「どちらを選択しても進まない結果でお終い」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:07:43.93 ID:QUKp0JVY0
姉「そうね。結局のところどうやったって全くおんなじね」

姉「じゃあそれに対して別のことをしてみたらどうなると思う?」

弟「は?別のことってなんだよ」

姉「そうねぇ。例えばお互い質問ぶつけ合うんじゃなくて、片方が問うて片方が答える。とか」

弟「…なんだよ。それ」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:12:07.20 ID:QUKp0JVY0
姉「新しい何かよ」

弟「何かってなんだよ」

姉「それはまだわからないわよ。なんせ新しい何かなんだからね」

弟「…意味が分からない」

姉「意味が分からないんならまずは何かに何かをやってみましょうよ」

姉「義務とか、やらなくちゃならないとかそういうんじゃなくて」

姉「ただなんとなーく何だろうなって思ったから手に持って見て探る感覚でね」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:15:07.11 ID:QUKp0JVY0
姉「それじゃあ、さっそくやってみようか」

姉「あんたが質問役。あたしが返事役よ」

弟「ふん、嫌だね。なんで俺がそんな事しなくちゃいけないんだ」

姉「しなくちゃいけないんじゃないの。ただなんとなくやるだけでいいの」

姉「飽きたらすぐやめてやるーみたいに、めちゃくちゃ適当な感覚でいいのよ」

弟「………」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:18:23.85 ID:QUKp0JVY0
弟「…分かった。やる」

姉「うんうん。それでよしそれでよし」

弟「……俺は疑問に思ったことを姉ちゃんに聞いてみればいいんだよな?」

姉「そうよ」

弟「例えばどんな?」

姉「何でも。本当に何でも。ただ頭に浮かんだことを口にしてみればいいの」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:25:03.22 ID:QUKp0JVY0
弟(頭に思い浮かんだもの…?)

弟(ただなんとなーく、頭に思い浮かんだもの)

弟(……………)

弟(生きる…)

弟(生きる?)

弟「『生きる』ってのは、何なんだろ…)
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:27:13.53 ID:QUKp0JVY0
姉「おとうとーなんか思いついたー?」

弟「あっ…ああ。うん…」

姉「そうかそうか。なんならおねえちゃんにどーんと聞いちゃいなさいっ!」

弟「うん…。あの…姉ちゃん?」

姉「んー?」

弟「あ、あのさ。生きるって、どういうことなの?」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:50:02.07 ID:QUKp0JVY0
姉「ふーむ。『生きる』ねぇ……」

弟「……」

姉「弟はどうして生きるってことに疑問を持ったの?」

弟「…わかんない。ただなんとなく思っただけ」

姉「そっかそっか」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:53:38.54 ID:QUKp0JVY0
弟「でさ、姉ちゃんはこれについてどう思うの?」

姉「弟はいまどう思ってる?」

弟「えっ?お、おれ?」

姉「そう。あんた。弟という人物」

弟「お…俺は……」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 18:56:39.05 ID:QUKp0JVY0
弟「生きる………それが分かれば苦労しないと思う。かも」

姉「ほー」

弟「分かればちょっとは気が楽になるかもしれないんだ」

弟「それに、今の状況が把握できるかもしれない」

姉「…」


弟「……生きるってなんだろう」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 19:00:32.75 ID:QUKp0JVY0
弟「勉強することかな…」

弟「それとも証…?」

弟(…………)

弟「なあ姉ちゃん」

姉「なぁに?」

弟「生きるって何?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 19:03:13.41 ID:QUKp0JVY0
姉「いまのままの弟なら、どうなっていくと思う?」

弟「……」

弟「答えを見出せないまま死んでいく…かな」

姉「…そうね。そうかも知れないわね」

姉「でもさ弟。その『思う』の中にまたわからないことがない?」

弟「……」

弟(答え…)

弟「…答えって、何だ?」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 19:06:36.45 ID:QUKp0JVY0
姉「答え。それは生きていく理由よ」

弟「りゆう?」

姉「そう。理由」

弟「…それって必要なの?」

姉「あったほうがいいでしょうね。やっぱり」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 19:10:01.99 ID:QUKp0JVY0
弟「あったほうがいいって、決まっているの?」

姉「……」

姉「弟」

弟「…」

姉「生き物はね、生まれた時から行き着く場所は決まっているのよ」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 19:13:41.20 ID:QUKp0JVY0



                 死



     
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 19:16:37.59 ID:QUKp0JVY0
弟「死…?」

姉「そう。死」

弟「それって?」

姉「死ぬってこと」

姉「消えるってこと」

姉「誰からも必要とされなくなるってこと」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 19:27:05.81 ID:QUKp0JVY0
弟「誰からも必要とされなくなるって…それはないだろ」

姉「どうして?」

弟「だって、その人の身の回りの人は帰ってきてって思うはずだもん」

姉「そうね」

弟「それはつまり、必要とされてるってことじゃないか」

弟「それに…その人の何かが残るはずだよ」

姉「それでも、そのひとの物は残らないわ」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 19:42:39.83 ID:QUKp0JVY0
姉「形あるものは皆いずれ消えるの」

姉「それは物に限らず人間の記憶にも同じことが言えるわ」

弟「なんでだよ」

姉「だって、記憶は薄れていくものだからよ。物と同じで記憶も徐々に消えていくの」

弟「でもさ、強く印象に残っている記憶なら…」

姉「それもその記憶を持っている人が死んだら消えたと同義よ」

姉「だって消えるんですもの」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 19:48:17.04 ID:QUKp0JVY0
弟「じゃああれかよ…今どんなに頑張っても結局は死ぬってことかよ」

姉「……」

弟「そんなの意味ないじゃん」

姉「……」

弟「今どんなに頑張っても、考えても、最終的には死ぬ」

弟「ここで乗り越えても最後は死ぬってことじゃんか」

姉「そうよ」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 19:55:11.62 ID:QUKp0JVY0
姉「それで人々は死に対して口々にこう言うの」

姉「死は残酷。って」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 19:59:24.63 ID:QUKp0JVY0
姉「でも、実際その通りなのよ」

弟「…」

姉「どんなに必死になって、頑張って生きて、生きて生きて生き抜いても」

姉「最後は必ず死ぬの」

姉「その中にはほとんど報われないまま死んでいく人だっているわ」

姉「裕福だとか貧乏だとか、老いてようが若かろうが、男だろうが女だろうが」

姉「報われる報われないは全く関係ないの」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:02:13.43 ID:QUKp0JVY0
弟「……」

弟「そっちのほうがよっぽど残酷じゃんか」

姉「…」

弟「それってさ、自分が必死になって築き上げてきたものとかがさ」

弟「結局最後には壊される。忘れられる。なんにも無くなるってことだろ?」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:09:15.67 ID:QUKp0JVY0
弟「しかも自分は最終的に『そうなる』ことはわかってるんだぞ?」

姉「ええ」

弟「でも、わかってたって自分では、自分でなくともどうしようもできないんだ」

弟「それなのに毎日必死になってるんだぞ。生きたい生きたいって思ってるんだ」

弟「めちゃくちゃ皮肉じゃん。そっちの方がよっぽど残酷じゃん」

姉「そうね」


姉「でもね、それが『生きる』ってことなのよ」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:11:31.79 ID:QUKp0JVY0
姉「ねえ弟。積み木ってあるでしょ?」

弟「…うん」

姉「それは子供が初めて築きあげるものだって、知ってた?」

弟「…」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:13:56.00 ID:QUKp0JVY0
--------

幼弟「ねぇ見ておねえちゃん!」

幼姉「ん、なぁに?」

幼弟「あのね、これ、おうちなんだ」

幼弟「これにね、ぼくとおねえちゃんがニッコリとしながらいっしょにすんでるんだよ!」

幼姉「へぇぇ、すっごくおおきなおうちなのね」

幼弟「うんっ!そうだよ」


幼弟「ぼく、とっても頑張ったんだ!」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:16:28.46 ID:QUKp0JVY0



                  死


36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:17:03.72 ID:QUKp0JVY0
--------
幼姉「あれー?おとうとくんがつくったおうち、こわれちゃったの?」

幼弟「……うん」

幼姉「せっかくのおおきなおうちだったのに、あっというまにこわれちゃったね…」

幼弟「……」

幼弟「…はじめからわかってたんだ」

幼弟「こんなにおおきくてたかいおうちはこわれちゃうって」

幼弟「はじめから…わかってたんだ。ぜったいに…こわれちゃうって…」ぽろぽろ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:17:47.73 ID:QUKp0JVY0



                それが生きるって事



38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:24:19.29 ID:QUKp0JVY0
--------

弟「…初めから分かっていた」

弟「だけど作りたかったんだ。姉ちゃんを喜ばせたくて」

姉「…」

弟「でも、分からなかったんだ」

弟「どうすれば姉ちゃんが喜んでくれるか」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:27:30.36 ID:QUKp0JVY0
弟「それで思いついた。積み木のこと」

弟「俺にはあれぐらいしか出来ないけど、頑張ったんだ」

弟「……」




弟(わかっているけど、わからない)
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:29:49.75 ID:QUKp0JVY0
弟(初めから判っていたんだ)

弟(いつかは死ぬって)

弟(初めからとっくに判っていたんだ…。絶対に死ぬって)


弟(でも判らなかった)

弟(どうすれば大切な人と一緒にいられるか)
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:38:39.17 ID:QUKp0JVY0
弟(それで思いついた。生きるってことを)

弟(俺にはそれくらいしか出来ないから……)


    判っているけど、判らない

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:42:46.17 ID:QUKp0JVY0
姉「それが死よ」

弟「え…?」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:43:18.17 ID:QUKp0JVY0
姉「死っていうのはね、わかっていてわからないものなの」

姉「ふと気づくと自分の身の回りには死がいっぱいよ」

姉「でも、生きている人間にとって死なんてわからないものよ」


姉「死とは、身近に感じられて、遠くに感じるものなのよ」



弟「……」

弟「じゃあ『生』って?」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:43:53.78 ID:QUKp0JVY0
弟「俺はここに生きてる」

姉「ええ。たしかにここにいるわ」

弟「でもさ、生きた心地がしないんだ」

姉「どうして?」

弟「…わからないから」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:46:26.45 ID:QUKp0JVY0
弟「俺はここに生きてる。けどよく分からないんだ」

弟「なんでだか知らないけど生きてるって心地がしない。実感がわかない」

姉「弟は、生きてるってことは分かっているのね?」

弟「うん…」


弟「だけど…分からないんだ」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:49:17.86 ID:QUKp0JVY0
姉「それが『生』よ」

弟「え…」

姉「生とは、分かっていて分からないもの」

姉「身近に感じられて、遠くに感じるもの」

姉「知人。友達。家族」

姉「身近に感じる。でもどんなにそれらが近くても結局は他人でわからずじまい」

弟「…もうわけわかんないよ、姉ちゃん」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:50:10.02 ID:QUKp0JVY0
姉「いい?弟。よく聞いて」

姉「死とは残酷よ。生きていた者の築き上げたものをすべて壊すから」

弟「…」

姉「生も残酷。どんなに築き上げても最後には壊れる」

姉「それを知っているにもかかわらず必死になって築き上げ続けているからね」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:52:41.49 ID:QUKp0JVY0
姉「死とは、分かっていて分からないもの」


姉「生とは、分かっていて分からないもの」


姉「生きるってことは死ぬことで」


姉「死ぬってことは生きることそのものなのよ」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:55:06.10 ID:QUKp0JVY0
姉「弟、これがどういう意味だかわかる?」

弟「……」

弟「生きることは、死ぬこと…」

弟「死ぬことは…生きること……?」

姉「そう、そうよ。人間は生きるから死ぬの」

姉「そして死ぬからこそ今を一所懸命に、そして精一杯に生きるの」




弟「生と死…2つは同じ?」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:58:14.36 ID:QUKp0JVY0
姉「そう、そうよ…!良い感じよ弟…!」

弟「ぁ………あ……」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:59:10.81 ID:QUKp0JVY0
     「生きるとは何か」


       それは死


  「では死ぬとはどういうことか」


     それは、生きること
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 20:59:36.64 ID:QUKp0JVY0
弟「……そうか!」

弟「生と死、ふたつは同じだから…」

弟「だから、生も死も残酷で」

弟「身近に感じられて、遠くに感じるものなんだ」


弟「ふたつは一緒だから…!」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 21:00:39.64 ID:QUKp0JVY0
姉「そう、そうよ弟」

姉「この世界に生を授かったから。生が生まれたから死を授かったの」

姉「同時に。死を授かったから生もこの世に授かったの」


姉「一方が存在しない限りは、生も死も存在しないの」



姉「だから、生と死は等価値なのよ?」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 21:01:23.11 ID:QUKp0JVY0
弟「ね、姉ちゃん。俺さ…!」

姉「弟。それから先は言わなくてもいいよ」

弟「え…?」

姉「でも、その代わりにあたしの質問に答えてね」

弟「まかせて…!」

姉「ふふっ、じゃあ聞くわよー?」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/10(火) 21:02:02.23 ID:QUKp0JVY0
姉「弟。生きるって何?」



弟「それはね…!」ガチャ









             お終い
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)2012/01/10(火) 23:32:11.73 ID:C9BTXA7AO

57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)[sage]:2012/01/10(火) 23:39:20.50 ID:4xOphcLfo



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