VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/02/26(日) 11:59:33.65 ID:ogjrGgygo<>昨日vipで建てて書いてみたんだけど
予想以上に長くなって文章も滅茶苦茶だったし途中で力尽きたからここでやり直します
ちなみにオリジナル作者じゃない
時系列は一番最初の話の数週間後パラレルみたいな?
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1330225173(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
<>詠矢「無能力者にも希望はあるって……俺が証明してやるよ」
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/02/26(日) 12:04:24.81 ID:ogjrGgygo<> 詠矢空希は、クラスメイトや後輩達と学園生活に励む一介の高校生だ。
詠矢「……ん? 」
スキルアウト1「よう嬢ちゃん。こんな所で一人でお散歩かい? 」
佐天「……っ! 」
スキルアウト2「なあ、俺たちと遊ばねえか? 」
詠矢空希は、どこにでもいる高校生だ。そんな一般人の目の前で少女が不良に絡まれていたとして、彼にできる事は限られている。
詠矢「………」
スキルアウト3「なあ、一緒に来いよ。楽しい事しようぜ? 」
そう、彼のとれる行動は一つしか無い。
詠矢「おいおい、その辺にしとけよ」
詠矢空希は、どこにでもいる高校生だ。
彼の住む能力者の街「学園都市」は、こういうお人好しで溢れている。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/02/26(日) 12:06:12.43 ID:ogjrGgygo<> スキルアウト1「ああ? なんだてめぇ? 」
スキルアウト2「舐めてんのかオイ」
突然現れた詠矢に、スキルアウト達が食って掛かる。
それもそのはず。詠矢の容姿(第一ボタンまで閉めた学生服にメガネただしイケメン)からして、ケンカが得意とは思えない。
詠矢自身もそれは自覚しているようだ。
詠矢「舐めてんのかって、それはこっちのセリフだよ……」
スキルアウト3「あ? 」
詠矢「お前達だって知ってるだろ? 学園都市の人間の実力は、見た目だけじゃ判断できないって事くらいさ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:07:55.45 ID:ogjrGgygo<> スキルアウト1「ふーん。能力者か……」
スキルアウトと呼ばれる、学園都市の不良達は大抵が無能力者で、能力に対してコンプレックスを抱えている場合が多い。
詠矢の能力自体は大したものではない(と詠矢本人は思っている)が、それを利用して、スキルアウトを脅す事くらいはできる。
少々卑怯かもしれないが、仕方のない事だ。
しかし、スキルアウトの反応は予想とは違った。
スキルアウト1「困るよなぁ。スキルアウトが全員無能力者だけだと思って貰っちゃ」
そういいながらスキルアウトは右手を前に出す。
次の瞬間。
バチッという音と共にスキルアウトの手から電撃が放たれた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:08:19.33 ID:DVOtto6ho<> >詠矢の容姿(第一ボタンまで閉めた学生服にメガネただしイケメン)からして
応援してる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:08:55.10 ID:ogjrGgygo<> 詠矢「っ!! 」
突然の出来事に詠矢は反応する事もできなかった。が、電撃は命中する事無く詠矢の頭上を通り過ぎる。
スキルアウト1「チッ。まだ上手くコントロールできてねえな……」
スキルアウトは舌打ちする。
スキルアウト1「まぁ、何発も撃てば当たるもんなぁ? 」
詠矢「待てよ」
さらに電撃を放とうとしたスキルアウトを詠矢が止める。
詠矢「お前のその能力……レベル2の電撃使いで間違いないか? 」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:10:28.23 ID:ogjrGgygo<> スキルアウト1「ああ? 」
威力だけなら間違いなくレベル3に相当するが、どうやらコントロールが上手くいってないらしい。
詠矢はそこから相手のレベルを判断したのだ。
スキルアウト1「チッ……だからなんだってんだよ? 自分の方がレベルが高いって自慢でもすんのかぁ? 」
詠矢「認めたな……それなら話が早い」
スキルアウト2「さっきから何言ってんだてめぇ! 」
詠矢「まあそう焦るなって」
詠矢「電撃使いなら一々論証する必要もねえな……! 」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:12:26.30 ID:ogjrGgygo<> スキルアウト1「舐めてんのかぁ!? 」
スキルアウトはもう一度電撃を放とうとした。しかし、
詠矢「何度撃っても当たらねえよ」
スキルアウト1「なに!? 」
詠矢「俺はお前より遥かに強い電撃使いを知ってる。 それに、まあなんというか……そいつを打ち負かした? 事もある。
その経験から言わせてもらうとだな……」
かつて高位の電撃能力者に勝利した事はあるものの、それをイマイチ実感できていない詠矢。
しかし、あまり気にしていても意味がない。
詠矢は少し偉そうにしてみた。
スキルアウト1「うるせえ! 能力のレベルなんか関係ねぇよ! 」
詠矢「超能力者(LEVEL 5)でもか? 」
スキルアウト1「なに!? 」
佐天「え……? 」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:13:41.45 ID:ogjrGgygo<> スキルアウトだけでなく、絡まれていた少女も反応したのが少し気にかかったが、今はそれどころではない。
詠矢「学園都市第三位の能力者にして最強の電撃使い、御坂美琴。俺はあいつの能力を論証し、彼女の能力を否定した」
詠矢「別にお前にも同じことを言ってやってもいいが……少なくとも、お前が俺に勝てないってのは確かだ」
スキルアウト1「ぐっ……」
スキルアウト3「おい、こいつなんかやべえよ……」
スキルアウト2「やめとけって……」
スキルアウト1「く、くそ! 覚えてろよ! 」
そう言って3人は逃げ出そうとしたのだが。
突然、3人の前に一人の少女が「出現」した。
白井「ジャッジメントですの! 」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:14:28.70 ID:ogjrGgygo<> 空間移動の能力者でにして風紀委員(ジャッジメント)の白井黒子。
詠矢があらかじめ呼んでおいたのだ。
スキルアウト1「なんだおま……おぶぁっ!? 」
スキルアウト2「あぐあっ! 」
スキルアウト3「そげぶぇっ! 」
突如現れた彼女にスキルアウト達はあっけなく捕まった。
スキルアウト1「だから能力者は嫌いなんだよ!
能力のレベルばっかりで、努力しても努力しても報われない俺たちの気持ちがわかるkぐはぇぁっ! 」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:15:31.24 ID:ogjrGgygo<> 佐天「白井さん! 」
黒子「佐天さん! あなたでしたの!? 」
数分後、一通りボコり終わり、スキルアウト達を連行した後に戻って来た白井に、先程絡まれていた少女が声をかける。
そういえば、この少女は御坂美琴の話が出たときも反応していた。仲が良いのだろうか?
黒子「お体は大丈夫ですの? 」
佐天「ええ、大丈夫です。助けてくれてありがとうございます! それと……」
少女は詠矢の方を向いた。
佐天「本当にありがとうございました!! 」
深々と頭を下げる少女。
詠矢「おいおい……そんな気にしなくていいって。ええと……」
黒子「佐天涙子さん。私やお姉様、初春の親友ですの」
白井が紹介してくれた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:17:05.87 ID:ogjrGgygo<> 詠矢「へぇ、御坂サンや初春サンの…。おれは詠矢…詠矢空希(ヨメヤ ソラキ)ってもんだ。よろしくなー佐天サン」
佐天「こちらこそ……それより、詠矢さんと白井さんはどういう関係なんですか? 」
黒子「まぁ、その……腐れ縁ですの」
若干返答に困る白井。さすがに、戦闘たあげく遥か上空に吹き飛ばしましたとは言い辛いのだろう。
黒子「そ、そうですわ! お二人にも詳しくお話を聞かないと……」
白井が話題を変える。
それから数時間、詠矢と佐天は白井にみっちり事情聴取を受けた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:18:34.34 ID:ogjrGgygo<> 長い事情聴取も終わり、完全下校時刻も近いので二人は寮へ帰る事になった。
佐天の方は白井が送っていこうとしたのだが、
詠矢「いや、俺が送っていくからいいよ(キリッ」
とバッチリ決めた詠矢が送っていく事になった。
そして帰り道。
佐天「そういえば、詠矢さんの能力って何なんですか?
御坂さんを倒したとか言ってましたけど……」
詠矢「ああ、いや別にそれ程すごくもない、地味な能力だよ。御坂サンもまあ戦ったって言うほどでもないしな……」
死っねえええええぇぇ!! と叫びながら超電磁砲をぶち込まれた気もするが、詠矢はあまり気にしていない。
佐天「充分すごいですって。私なんか無能力者ですから……」
詠矢「え? 俺も一応無能力者だけど……」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:20:13.64 ID:ogjrGgygo<> 佐天「えええええぇぇっ!? 」
予想外の返答に佐天は驚く。
佐天(いや待ってあの御坂さん相手に素手で挑んだのこの人? 私なんか初めて御坂さんに合った時に車ぶっ飛ばしたの見てこの人は絶対起こらせないようにしようって心に誓ったくらいなのにていうかなんでよどうして勝てたのこわいこのひとこw 詠矢「まあ、理屈っぽいのもあって能力はあるっちゃあるんだけどな」
佐天「ですよねー」
安心感と残念な気持ちが入り乱れ、複雑な表情になる佐天。
しかし、詠矢はそれに気付く事無く話を続けた。
詠矢「俺の能力、絶対反論(マジレス)って言ってさ……」
佐天「なんですかその名前」
詠矢「気に入ってるんだよ……ツッコむなよぅ……」
またもや自分のネーミングセンスを傷つけられ、詠矢は少し傷ついた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:21:47.45 ID:ogjrGgygo<> 佐天「それで、どんな能力なんですか? 」
詠矢「ええっと……まぁ、簡単に言えば能力者の能力に矛盾を見つけて、それを相手に伝える事によって相手の能力を使えなくするって感じかな?。 例えば御坂サンの得意技は超電磁砲(レールガン)だろ? 超電磁砲ってのは電気伝導体の二本のレールの間にこれまた伝道物質を配置し、回路を形成して荷電することよってローレンツ力を発生させて……」
佐天「ああいいですいいです。そういう話してもあたしついていけないんで! 」
電気伝導体という単語で既に脱落していた佐天は詠矢の説明を遮る。
詠矢「そうか? それならいいけど……まぁ、俺は彼女の超電磁砲に問題点を見つけて、それを伝える事で使えなくしたんだ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:24:04.08 ID:ogjrGgygo<> 佐天「超電磁砲をって……じゃあ今御坂さんコイン飛ばせないんですか? 」
詠矢「いや、一時的なモノだから今は使えると思うけど……まぁ、能力の持続時間とかはレベルの問題なのかもしれないけどなー。
それで、さっきの奴も御坂サンの話し出して追い払おうとしたって訳だ。
理屈で説明するのとは違うかもしれないが、能力の応用って感じ。上手くいったしな」
佐天「へぇ……どうりで簡単に逃げようとした訳ですね」
詠矢「そうだな……お、佐天サンの寮ってあそこか?
佐天「あ、はいそうです」
二人は寮の前まで歩いた。
佐天「わざわざ送ってもらっちゃって……何から何まで、ありがとうございました! 」 ペコリ
詠矢「いや、いいっていいって。気にすんなよ」
手をヒラヒラ振る詠矢。
佐天「それじゃあ、さよなら」
詠矢「ああ、またなー」
こうしてその日二人は別れた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:24:55.15 ID:ogjrGgygo<> 数時間後。
佐天は、自分の部屋のベッドに寝転がり、携帯でお気に入りの都市伝説サイトを見ていた。
佐天「はぁ……詠矢さん、か」
佐天「無能力者って聞いたときはもしかして……って期待しちゃったけど、やっぱ変わった能力だからってだけだろうな……」
彼女が開いているのは、数日前に投稿され、その直後数分で消された都市伝説。
本当に一瞬で消えたのが不審に思え、以来ずっと彼女の悩みのタネになった話だった。
佐天「やっぱり……無能力者ってレベルはもう上がんないのかな……」
その都市伝説のタイトルは、『素養格付(パラメータリスト)』。
能力者のレベルの限界値を判定する事ができる1つのウェブサイトの話だった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:27:39.20 ID:ogjrGgygo<> 最初は、全く信じていなかった。
サイトに貼付けられたURLを開くと、「素養格付」とタイトルが書いてあり、その下に文字を入力するスペースがあるだけのサイトが現れたのだ。
さすがに佐天もこんなものに騙される気はなかった。
試しに、御坂美琴と入れてみると、
「超能力者(LEVEL 5)」
と表示された。しかし、美琴は学園都市で1、2を争う有名人で、元々超能力者だ。
これくらいは出てもおかしくないので、佐天は他の名前も入れてみた。
初春はLEVEL 3。
白井はLEVEL 4。
一通り試してみた後、佐天は自分の名前を入力した。
「佐天涙子
LEVEL 0」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:33:16.19 ID:ogjrGgygo<> しばらくその結果画面を眺め、佐天は一度深呼吸をすると……
そのサイトを履歴ごと消した。
サイトはその後すぐに削除され、もう一度行こうとしても見つける事はできなかった。
信憑性は低いし、信用するつもりは無い。
自分はこんな「噂」に負けずに頑張れる。
そう思ってはいるのだが、結局ここ最近ずっとこのサイトの話が頭から離れなかった。
佐天「あんなふざけたサイトに悩むなんて、あたしってほんとバカ。御坂さんに怒られちゃうぞー」
力なく笑う佐天の表情に、いつものような明るさは無かった。
一方その頃。
詠矢空希も、ある悩みを抱えていた。
??????「とーま! もう私はこんなひもじい食生活耐えられないんだよ! 謝罪とお肉を要求するんだよ! 」
?????「そんなこと言われたって仕方ないだろ! こっちだって必死なんだよ! ちょっとはお前も食料の入手がどれだけ大変か学ぶべk
「黙らないとそのウニ頭を噛み[ピーーー]かも! 」ごめんなさいそれだけは勘弁しt……ぎゃああああああああああああああ! 」
二つとなりの部屋に住むクラスメイトがうるさい。
しかも、なぜか女の子の声がする。
詠矢「何やってんだよ上条……」
最近越して来た詠矢には、クラスメイトの上条当麻がどういう事情でこうなっているのか全く理解できなかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:34:22.69 ID:ogjrGgygo<> 次の日。
いつものように学校で授業を受け、帰宅している途中のこと。
詠矢「上条はまた特売か……あいつの節約術は真似しようとしても絶対に真似できないよな……」
普段仲のいい友人も用事があるので一緒には帰れない。
詠矢は一人で寮への帰り道を歩いていた。
すると、
佐天「あ、詠矢さん! 」
詠矢「お、また会ったな佐天サン」
佐天が歩いて来たのを見つけた。
佐天「昨日は本当にありがとうございました! 」
詠矢「いいっていいって。それより、今暇か? 」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:37:21.63 ID:ogjrGgygo<> 佐天「へ? 暇ですけど……」
詠矢「よし、じゃあちょっと食べにいくか。奢るよ! 」
佐天「そ、そんな悪いですよ」
詠矢「気にすんなって」
無能力者とはいえ、学園都市の生徒達は普通に奢れる程度にはお金持ちなのである。
佐天「じ、じゃあお言葉に甘えて……」
少し悩んだが、佐天は詠矢に付いていくことにした。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:39:47.93 ID:ogjrGgygo<> 二人は、第7学区の路地裏にやって来た。
詠矢「あそこの店のかけそばが美味いんだよ」
佐天「へ、へぇ、そうですか……(ファミレスとか行くのかと思ってたら何ココ……」
佐天は若干引いていた。
なんといっても路地裏。昨日スキルアウトに絡まれた身としては不安で仕方ない。
こういう所に平然と連れて来るあたり、詠矢は以外と無神経なのかもしれない。
しかし、二人は店に入ることはできなかった。
???「何度言ったら分かるんだ浜面ぁああああああ! 私はシャケ弁以外食わねえんだよおおおおおおお!!!! 」
????「わかった! わかったからとりあえずここ出てからにしよう! な!? 」
???「うっせぇ! 」 ドゴォ
鈍い音と共に店の入口から金髪の男がぶっ飛んできたのだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:40:52.31 ID:jaoZCGVqo<> めありー <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:42:10.06 ID:ogjrGgygo<> 詠矢「あちゃー……」
隣を見ると、佐天ドン引きである。
???「ふんっ! 」
吹き飛ばされた男を睨みつけながら店から出て来たもう一人はそのまま踵を返しどこかへ行ってしまった。
詠矢はまず、出て来たのが意外と美人な女性であることに驚いた。
次に、飛んで来た金髪に目をやる。
????「いってて……」
ヨロヨロと立ち上がる男を今すぐ助けにいくべきなのだが、佐天もいるので少し迷う。そう思いながら横を向くと、
詠矢「アレ? 」
隣にいたはずの佐天がいない。
佐天「あの……大丈夫ですか……? 」
佐天は、詠矢よりも早く行動していたのだ。
詠矢(以外と強いんだなあの子…) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:44:34.45 ID:ogjrGgygo<> とりあえず詠矢も佐天と一緒に金髪を助け起こしてあげた。
話を聞くと、この男――浜面仕上というらしい――はさっき出て来た女性の偏った食生活を心配し、
とりあえず別のものを食べさせようとしてぶっ飛ばされたらしい。
詠矢「恩を仇で返すってのはまさにこのことだな……」
浜面「まぁ……あいつには逆らえないんだよな。普通に強いし、超能力者(レベル5)だし」
佐天「ええ!? あの人が!? 」
佐天は驚いた。
彼女にとって、超能力者と聞いて真っ先に思いつくのが御坂美琴だ。
美琴と同じレベルの実力を秘めているさっきの女性(20代くらい? )。
確かに、無能力者らしい浜面に対抗できるとは思えなかった。
浜面「まあ、確かにかなり怖いけど、本当に悪い奴ではないんだよ」
佐天「仲いいんですか? 」
浜面「まあまあな。上下関係はあるけど……」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:45:56.43 ID:ogjrGgygo<> 詠矢「上下関係ねぇ……」
ちなみに、3人は店に入って仲良くかけそばを食べている。
詠矢は「自分が払うから」と言って浜面がさっきの女性のために頼んだ分を頂いた。
詠矢「超能力者の力ってそんなすごいのか? 」
佐天「え? 詠矢さんって御坂さんと戦ったんじゃないんですか? 」
浜面「御坂って……御坂美琴か? 」
その話に、浜面も食いつく。
佐天「知ってるんですか? 」
浜面「まぁな……さっき俺が言った超能力者、麦野って言うんだけど、そいつがよく話してたんだよ」
詠矢「なんて? 」
浜面「『次会ったらぶち[ピーーー]』って……」
詠矢「oh……」
佐天「何があったんだろう……」
かつて起こった超能力者同士の死闘を、彼らは知らない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:49:44.12 ID:ogjrGgygo<> 浜面「そ、それよりその御坂美琴と戦ったってどういうことだ? 」
浜面は無理矢理話を戻した。
詠矢「ああ、俺の能力、絶対反論(マ ジ レ ス)っていうんだけどさ」
詠矢は自分の能力を説明する。
詠矢「それで、御坂サン電撃使いじゃん? でもごく近い距離なら、空気中でも放電現象が起こる場合は有るけど、離れていたらそれは……
佐天「いちいち説明しなくて大丈夫なんで」
詠矢「そうか……残念だ。まあようするに御坂サンの能力を俺の能力でダメにしたんだよ」
浜面「へぇ……よく分かんないけどすげえな」
詠矢「でも、能力を止めちゃったから御坂サンのは中途半端な電撃しか見てないんだよな。本当にどれくらいすごいのかはまだ把握できてなくてさ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:51:27.52 ID:ogjrGgygo<> 佐天・浜面「どれ位って……」
二人は顔を見合わせる。
佐天「平然と車吹っ飛ばしてました」
浜面「水蒸気爆発で10メートル吹っ飛ばされたことあるな」
詠矢「ちょっと御坂サンに土下座してくる」ガタッ
詠矢は今更ながら超能力者と戦闘したことに対して恐怖を感じた。
佐天「そ、そんな焦らなくたって、御坂さんは詠矢さんのことやっつけたりしませんよ」
詠矢「恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い」
浜面「落ち着け! 」
詠矢「冗談だよ」
詠矢のネタのセンスは、浜面や佐天には通じなかったようだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:54:07.90 ID:ogjrGgygo<> 詠矢「まあ、それはおいておいて……二人も能力開発頑張ってレベル上げればいいんじゃないか? 」
その一言に、佐天と浜面の顔が同時に強張った。
浜面「レベル上げって言ってもなぁ……」
佐天「RPGみたいに簡単じゃないんですよ……」
詠矢「でも頑張ればレベル上がるんだろ? 」
詠矢の無神経な一言に、二人の表情がさらに固まる。
佐天「えっと……」
詠矢「ん? 」
佐天「あ、いえ……ちょっと小耳に挟んだ程度の話なんですけど……」
佐天は、都市伝説サイトで見た素養格付について説明した。
その話を聞いている浜面。実は素養格付について知っている。
彼の顔は、引きつった笑顔を浮かべたまま、完全に固まっていた。
そう、モアイ像のように。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:55:16.53 ID:ogjrGgygo<> 詠矢「ふーん。素養格付ねぇ……どうした浜面」
さすがに詠矢も笑顔のモアイ像と化した浜面には気付いた。
浜面「せんのかーぜーにー」
詠矢「大丈夫かおい」
今の浜面は君が代が流れても立ち上がらないだろう。詠矢は何となくそう思った。
一方、佐天はそんな浜面を見て
佐天「この話ショックだったのかな……悪いことしちゃったかな……」
浜面のことを心配し始めた。
詠矢「まぁ、たかが都市伝説だし、気にすることは無いって」
浜面「そーだよ! 気にすんなよ! 素養格付とか?だから絶対気にすんなよ! 」
詠矢「一体どうした不起立のモアイ像」
崩壊した浜面に、さすがの詠矢も心配になってきた。
一体何があったのだろう? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:56:57.88 ID:ogjrGgygo<> 浜面「にしても不公平だよなぁ。俺たちはずっと無能力者なのに超能力者は最初っから超能力者っていうのはさ……」
急に復活した浜面が言う。
佐天「まあ、そういうもんですよね……あたし達は、地道に頑張るしか無いんじゃないですか? 」
詠矢「………」
佐天「詠矢さん? 」
詠矢「あ、ああ、そうだな……」
取り繕ったように言う詠矢に、佐天は不思議そうな顔をする。
詠矢「ふぅ……みんな食い終わってるし今日はもうお開きにするか」
三人で店を出る。
詠矢「完全下校時刻も近いし、佐天サン、送ってこうか? 」
佐天「もう大丈夫ですよー。あたしの寮結構近いですし」
詠矢「そっか……浜面は? 送ってくか?」
浜面「」
浜面は妙にプライドを傷付けられた気がした。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 12:58:28.26 ID:ogjrGgygo<> そんなこんなで別れた3人。
寮に帰りながら、詠矢は考えていた。
詠矢(個人差があるとはいえ……能力の差ってどうしてここまで広がるんだろう)
詠矢(何かあるんじゃないか……それにあの素養格付けってのも気になる)
詠矢(なんにせよ、ノーヒントじゃ難しいよな……)
個々の能力は自分の知識で何とかなるかもしれない。
しかし、能力そのものについて考えたことはあまり無い。というより、情報が少なすぎて分からなかったのだ。
歩きながら、詠矢は浜面が言った一言を思い出す。
『にしても不公平だよなぁ。俺たちはずっと無能力者なのに超能力者は最初っから超能力者っていうのはさ……』
詠矢もこれには同意していた。
力の差。こういったものを見せつけるのは権力側の人間とばかり思っていたが、学園都市に来てその考えが変わった。
潜在能力の差は、無意識に現れてしまう。特に、学園都市のような極端な場所では、よりその差は広まるのだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 13:01:13.62 ID:ogjrGgygo<> 仮に素養格付が本物だとしたら、学園都市での成績はほぼ才能だけで決まってしまうことになる。
正直、納得がいかない。
なんとかして、佐天や浜面のような無能力者達に希望を与えたい。
具体的な対抗策は浮かばないが、詠矢は純粋にそう思った。
詠矢(理屈さえ分かってしまえば俺の能力で何とかなるかもしれない。
しかし、その理屈が全く理解できてないしなー…)
学園都市は能力開発の情報をいっさい公表しない。
そのため、学生達も自分が何をされているのか理解していないのだ。
そう言った情報を簡単に引き出すのは難しい。
詠矢「難しいなぁ……」
寮に着き、溜め息と共にそう呟く詠矢は、突然声をかけられた。
??????「ねえそこのあなた。とうまがどこにいるかしらないかな? 」
詠矢「えっと……どちら様? 」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/02/26(日) 13:03:28.05 ID:ogjrGgygo<> インデックス「私の名前は、インデックスって言うんだよ」
詠矢「インデックス……禁書目録か? 」
話しかけて来た少女のシスターのような身なりから、詠矢は適当に推測した。
一方、一発で名前を当てられたインデックスはとても驚いている。
インデックス「どうしてわかったのかな!? とうまなんかインデックスって聞いて『目次か? 』とか聞いて来たのに! 」
詠矢「ハハッ、あいつらしいな」
詠矢は笑う。確かに、インデックスと聞いて真っ先に禁書目録が出てくるような人は少ないだろう。
インデックス「それで、あなたのお名前は? 」
詠矢「おれは詠矢…詠矢空希(ヨメヤ ソラキ)ってもんだよろしくなー」
詠矢も、いつも通りに自己紹介した。
この出会いが、能力開発の最大のヒントになるなんて、その時の詠矢は夢にも思っていなかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/02/26(日) 13:04:37.99 ID:ogjrGgygo<> 若干いじりつつvipの方の再放送終了。
続きはのんびりやります <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/02/26(日) 13:10:08.25 ID:LbbtbTyko<> 楽しみだぜ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/02/26(日) 13:26:50.53 ID:ly5vkWCjo<> 詠矢空希ってもう完全にVIPのssに登場させるオリジナルキャラクターの立ち位置になってるよね
そのうち関係ないssの一般人Aがどっせい!上段正拳!とかいったりしそう <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/02/26(日) 17:05:25.94 ID:eiRi5LgIO<> つまらねー。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2012/02/26(日) 17:21:59.98 ID:R/KF2LiD0<> いいね <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/02/26(日) 19:02:06.88 ID:HMfj/8Fl0<> 詠矢さんマジVIP公認オリキャラ
面白かった、乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/02/27(月) 00:18:40.89 ID:9IegC/nSO<> もはや詠矢はみんなの物だな
SS速報だけでも5つあるし <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2012/02/28(火) 13:21:40.86 ID:T37FPhGJo<> 詠矢スレ見るだけでテンション上がる
本当の詠矢作者さん、これだけ人気なんだから一期の続きお願いします!!!!!!
ラストでSS速報に来るって言ってたので見ている事を信じて <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/02/28(火) 13:31:23.79 ID:pshFwgNe0<> 詠矢ってイケメンなの?想像と違うんだが <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2012/02/28(火) 18:39:47.96 ID:0myzE4KF0<> >>43
http://i.imgur.com/Gv4rF.jpg <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/02/28(火) 18:51:07.96 ID:rp5LpMyIO<> 詠矢ってアマタツゥーの後ろでピースしてた男じゃなかったっけ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/03/13(火) 00:15:05.25 ID:0UK7MC8Ro<> やばいのんびりしすぎた
再会します <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:15:51.35 ID:0UK7MC8Ro<> インデックス「それで、そらきはとうまのこと見なかったかな? いつもならもう帰って来てる頃なんだけど…… 」
詠矢「いや、見てないな」
インデックス「危ないことしてないかな……? 」
詠矢「まぁそう焦るなって。すぐ戻ってくるさ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:16:23.87 ID:0UK7MC8Ro<> インデックス「うん、でも……」
インデックスは悲しげな表情を浮かべる。
その表情に詠矢はただならぬものを感じ取った。
もしかしたら、上条が何か危険な状況に置かれていて、インデックスはそれを心配してるのかもしれない。
もしかしたら……上条は……。
詠矢(ははっ……まさかな)
そこまで考えて、詠矢は考えるのをやめた。アホらしい。帰りが遅いくらいでいちいちそんなことが起きる訳が無い。
しかし。
インデックス「………」
インデックスは先程からずっと黙っている。
もしかしたら、本当に”何か”あるのだろうか?
そう思うと、聞かずにはいられなかった。
詠矢「もしかして、上条となんかあったのか? 」
インデックス「ううん、そうじゃなくって……」
インデックス「お腹が……すいたんだよ……」
詠矢「」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:17:08.39 ID:0UK7MC8Ro<> 詠矢「それだけかよ……」
インデックス「それだけってどういうことかな!? 」
詠矢「いや……なんかもっとこう……事件に巻き込まれたとかそう言う感じのを期待してたんですよ俺は」
インデックス「そういうのも無い訳じゃないけど、基本とうまはちゃんと帰ってくるから心配ないんだよ! 」
詠矢「素晴らしい信頼関係だな……」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:18:00.53 ID:0UK7MC8Ro<> インデックス「そろそろ限界なんだよ……」
お腹からグゥ〜とかわいい音を立てるインデックス。それを見た詠矢は溜め息をつくと、
詠矢「仕方ないな。家で食ってくか? まー大したものは作れないけどな」
インデックス「ほんと!? 」
急にキラキラし始めたインデックスに微笑みかけ、詠矢は彼女を自分の言えに連れ込んだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:18:59.64 ID:0UK7MC8Ro<> ―――――
―――
あの時、彼女を誘ってしまった事を。
今となっては後悔しかしていない。
インデックス「ごちそうさまなんだよ」
詠矢「」
詠矢の冷蔵庫の中身は「溶けた」のだ。彼女の胃袋の中で。
詠矢「いや待ておかしい」
インデックス「ゲプ……どうしたのかな? 」
詠矢「お前数日間断食でもしてたのか? 」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:20:35.18 ID:0UK7MC8Ro<> インデックス「そんなことはしてないよ?
ああでも言われてみれば最後に食べたのはおやつのポテトチップス二袋以来だから結構食べてないかも」
詠矢「なんか重労働でもしてたのか? 」
インデックス「今日はというかいつも何も無いから家でゴロゴロしてたんだよ」
詠矢「……いつもこれくらい食べるのか」
インデックス「当然なんだよ! 」
胸を張るインデックス。
それを聞いた詠矢は考察を始める。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:21:41.35 ID:0UK7MC8Ro<> 詠矢「……やはりおかしいな。生活する上でエネルギーを他の人より使わない上間食も欠かさないのにインデックスサンの食欲は異常、その上見た目も肥満という訳ではなく健康そのものだ……こんな事普通あり得ない。何か、何かがあるはずだ……心当たりはないか? 」
インデックス「………」
、、、、、、、、、、
インデックス「そういう事いわれると食欲が無くなっちゃうんだよ……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:22:11.26 ID:0UK7MC8Ro<> この時、この場に上条がいれば彼は驚いただろう。
インデックスの食欲が無くなる事は「絶対にありえない」。
彼女の「ごちそうさま」というのはある程度満足したという合図であって、食欲が消えた訳ではない、いうなれば腹八分目というやつだ。
彼女のこの発言を聞けば親バカな上条はインデックスを病院に連れて行ってしまうかもしれない。
そう。
インデックスの食欲には「何かがあり」、詠矢の能力はそれを無意識に論証していたのだ。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:22:55.44 ID:0UK7MC8Ro<> インデックス「そんなことよりそろそろとうまが心配になってきたんだよ」
詠矢「そうだな……」
時計を見るともう九時を回っている。高校生ともなれば帰りが遅い事もあるのかもしれないが……。
インデックス「………」
詠矢は彼女の心配そうな目を見る。そして、確信した。
詠矢「あのお人好しが、女の子をこんなに待たせる訳ないよな」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:24:28.32 ID:0UK7MC8Ro<> 上条と知り合ってまだそれほど経ってないが、それでも彼が良い奴だという事は理解している。インデックスを待たせるなんて――
インデックス「そうでもないよ」
詠矢「えっ」
インデックス「とうまが遅くに帰ってくることなんてよくある事だよ?
ほしゅーとかなんとか言ってるけど見るからに傷だらけだったりする時もあるし。
この前なんかまたボロボロで帰ってきたから心配してあげたら見た事無いハンカチ取り出して……」
詠矢の認識は甘かった。
クラスメイトの上条は本当にいい奴だ。
その性格が裏目に出てしまうほどに。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:25:22.61 ID:0UK7MC8Ro<> 詠矢「と、とりあえず電話でもしてみるか! 」
インデックスの雰囲気が険悪になってきたたため、詠矢はとりあえず話題を逸らす事にした。
詠矢「確か上条の電話番号登録してたはず……あったあった」
携帯で上条の番号を選択し、電話をかける。
しばらくして、ガチャッという音と共に電話が繋がった。
上条『よ、詠矢か? 』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:25:51.86 ID:0UK7MC8Ro<> 詠矢「あー上条さん。お前の部屋のシスターさんが家に居るんだけど……」
上条『インデックスが!? もしかして何か食べさせたりとか……』
詠矢「……冷蔵庫の中身が蒸発した」
上条『悪い! 本当に申し訳ない! でもありがとう! いや今寮のすぐ近くに居るんだけどさ……』
???「なぁにしてるのよぉ〜と〜ま〜」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:26:46.97 ID:0UK7MC8Ro<> 詠矢「……今なんか女の子の声が聞こえた(あれ、この声どこかで……)」
インデックス「!」
違和感を感じる詠矢と、詠矢の電話を横でを聞き警戒するインデックス。
そして、次の上条の言葉に二人は度肝を抜かれた。
上条『ちょ、御坂やめろって! どうしちゃったんだよおい……』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:27:48.27 ID:0UK7MC8Ro<> 詠矢「え、御坂サン!? 」
インデックス「ガタッ」
上条『いやなんかコイツの様子がおかしかったから話しかけたらこんな事に……』
インデックス「行こうそらき! とうまの所に行くんだよ! 」ガシッ
詠矢「おいちょっとインデックスサンっ……上条! お前今どこに居るんだ! 」
上条『だから寮の前だよ! 出てきたら分かrうわなにするやm』ガチャッ
最後まで聞く事無く電話は切れた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:28:37.74 ID:0UK7MC8Ro<> インデックス「早く!早く行こうそらき! 」
詠矢「いや戸締まりはしっかりしないと……」
インデックス「そんなのどうでもいいんだよ! 私達の部屋も鍵開けっぱなしだもん! 」
詠矢「それはそれでまずいんじゃ……」
詠矢はインデックスに引きずられるように寮を出て――。
美琴「えへへー、とうまぁ」
上条「あの、いい加減離してくれませんか……あ、詠矢! インデックス! 助けて! 」
詠矢「誰だアイツ……見ない顔だな……」
インデックス「帰ろっか」
上条「待って! 待ってよ! 」
詠矢達は、予想以上の光景を受け入れる事ができなかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/03/13(火) 00:30:27.99 ID:0UK7MC8Ro<> ここまでー
オリジナルスレのメインキャラだし御坂サンの登場には力入れようと思ってたらこんなになってしまった……
本筋とはほとんど関係ないよ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/03/13(火) 00:41:08.03 ID:0UK7MC8Ro<> ごめんなさい
「うち」を全部変換して「家」にしちゃってるのですごく詠み辛いと思います <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/03/13(火) 01:44:06.69 ID:8HGHlaEpo<> いちおつ
面白い。次も待ってる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2012/03/14(水) 00:58:15.19 ID:7iCTTNGd0<> 乙です <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/03/15(木) 00:29:58.20 ID:2SQv6uBUo<> ―――――――
詠矢「……それで、あれだけベタベタしてて上条サンには心当たりが無いと」
上条「ああ……今日見かけたときからおかしいと思って話しかけたらこうなった」
美琴「」トローン
詠矢「御本人には聞いたのか? 」
上条「いや、なんかよく分かんない答えが返ってきてな……」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/03/15(木) 00:30:27.90 ID:2SQv6uBUo<> インデックス「短髪! 何があったのか知らないけどとうまから離れて! 」
詠矢「まぁ落ち着けって。それより御坂サン、何があった? 」
美琴「とうまの質問じゃなきゃ答えない! 」
ギリリリリィッ!!! というおぞましい音がインデックスの口元から響いた。
上条「え、えっと、何があったんだ御坂……? 」
美琴「えっとねぇ〜、黒子宛にパソコン部品がとどいたぁ〜」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/03/15(木) 00:31:35.13 ID:2SQv6uBUo<> 詠矢「パソコン部品? なんだそりゃ」
上条「さぁ……俺にもさっぱり」
美琴「それでねぇ〜街歩いてたらなんか女に人にぶつかってぇ〜」
―――――
―――
ドンッ
?????『あ、ごめんなさい! 』
美琴『』トローン
?????『え、落ちてる!? お、お姉さん大丈夫ですか! 』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/03/15(木) 00:32:10.67 ID:2SQv6uBUo<> 美琴『お姉さんって何よぉ……あんたの方が私より大きいじゃない色々ぉ〜」
?????『こう見えてもわっちは12ですっ! それより、本当に大丈夫ですか! 』
美琴『うっさいわねぇ……私はアンタなんかに興味は無いのぉ〜。あっち行ってよぉ〜』
?????『(あれ? 能力が効いてない? )すいませんでしたぁーっ! これあげるんで許して下さいぃーッ! 」
美琴『頭下げるとか、唐翌揚げ? いらないわよそんなのぉ〜』
?????『じゃ、じゃあどうすれば! どうすれば君は許してくれるんですかってあ、待って! 』
?????『千鳥足で大丈夫かな……つーか、あれわっちの能力じゃないっしょ……』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/03/15(木) 00:32:38.91 ID:2SQv6uBUo<> ―――
―――――
美琴「なんて事があってぇ〜」
上条「ふーん。って、詠矢どうした? 顔色悪いぞ? 」
詠矢「い、いやぁなんでも……」
口ではそう言うものの、詠矢はとても複雑だった。
彼には、美琴がぶつかった相手に心当たりがあるのだ。
詠矢(真里菜か? 御坂サンの話的に。あいつも学園都市に呼ばれてたのか? だが、真里菜なら――) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/03/15(木) 00:33:06.87 ID:2SQv6uBUo<> 詠矢「御坂サン、その……御坂サンのぶつかった相手は五体満足だったか? 」
美琴「そんなの当たり前でしょぉ? 」
詠矢「そう……だよな」
美琴の返答に、詠矢は暗い表情を浮かべる。それを見た上条は何か口を開こうとした。
しかし上条が、詠矢に言及する事はできなかった。
今まさに、テレポートした白井黒子が上条の顔を蹴り潰す直前だったからだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/03/15(木) 00:33:34.78 ID:2SQv6uBUo<> ギャアアアアアア!! という上条の悲鳴が炸裂した。
すでに白井は次の行動に移っている。
上条の近くに居た美琴は状況を理解できずにいる。白井の後ろに居た詠矢の思考はバラバラに粉砕した。
白井はそのどちらも気にしていない。
上条を睨みつける目はグラグラと揺らぎ、それでもターゲットを正確に捉える。
「類ゥゥゥイ人エェェェェェェン!! 」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/03/15(木) 00:35:03.94 ID:2SQv6uBUo<> ごめんなさい
かなり短いですけど織田さんが魅力的すぎて勢いでやってしまったんです。
とりあえずこの人の件はこれから考えます。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/03/16(金) 16:06:32.82 ID:JwIGGYX70<> 面白かった
すらすら読めたわ、乙 <>