VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<><>2012/03/30(金) 15:07:15.21 ID:HUlO7YLg0<>地の文ありです

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<>京子「幼馴染だから」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<><>2012/03/30(金) 15:10:06.77 ID:HUlO7YLg0<> 幼馴染という、微妙すぎる関係――

小学校の頃、泣いてばっかりの私に声をかけてくれた日。
あの時から始まった「幼馴染」という関係。ずっと変わらずに今もなお続いている。

ずっと「幼馴染」であり続けると思っていた。
高校生、大学生になっても、おばさん、おばあちゃんになっても。
私がふざけて、結衣がツッコミを入れて。
鬱陶しそうな素振りを見せながら結局は私のわがままを聞いてくれて……



そんな毎日は「幼馴染」の枠に嵌っていることが前提なのかもしれない。


ずっと不変で揺るがないものだと思っていたこの関係。
自ら変えてしまいたいと思う自分がいる。
「変えたい」と言うより「超えたい」だろうか。





「幼馴染」から「恋人」へ――




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(岡山県)<><>2012/03/30(金) 15:11:53.65 ID:HUlO7YLg0<> 結衣のことはずっと昔から好きだった。

でも、それは友達として。
いつの間にか,その「好き」が一人の女の子としての「好き」になっていた。


このことに気づかなければよかったのに――
 

時々そんな事を思う。
「幼馴染」という関係では無くなってしまうことが怖い。
何よりも私たちは女同士、恋人になるなんて許されない。

私が思いを伝えたところで、結衣はどう思うのだろうか。
気持ち悪がったり、軽蔑したりするかもしれない。そうなるのは絶対に嫌だ。

 

だから私は「幼馴染」にしがみついて、今まで築いてきたものを守るんだ――



  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<><>2012/03/30(金) 15:14:17.31 ID:HUlO7YLg0<> 茜色に染まった公園。
小さい子供たちがサッカーをしているのを遠目で見やりながら、ふうっと息をついた。

6時間目を終え、更にその後の特別講座を終えて、家への帰り道。
結衣が話があるからと言って、結衣に連れられて、いつもの通学路から少し外れたこの公園に来たのだった。



「で、話って何なのさ?」

結衣は俯いてただ地面を見ているだけだったので私はわざと明るい調子で訊いた。
しばらくの沈黙の後、結衣が口を開いた。

「……京子」

「ん?」

「……実は私、七森高校には行かない、いや、行けないんだ。」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<><>2012/03/30(金) 15:15:30.64 ID:HUlO7YLg0<> 結衣は視線を下に向けたまま、呟くように言った。
七森高校は私と結衣の第一志望校。
一緒に頑張って同じ高校へ、という約束だった。

「…………えっ?」

間の抜けた、精根の無い声が私の口から漏れた。
結衣の言葉が信じられなかった。

私の隣に結衣がいて、呆れながらも笑ってくれたり、守ってくれたり――
それが当たり前で、心地よくて、大好きで。
だからこそ、結衣がいない毎日なんて絶対嫌だ。

「……どうして」

ようやく搾り出すことが出来た、消えそうな声。
私ってこんなに弱弱しい声してたかな、と自分でも疑いたくなるような声だった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<><>2012/03/30(金) 15:19:04.97 ID:HUlO7YLg0<> 「……父さんが県外に転勤するから、それに付いていかなきゃいけないんだ。今は実家から割と近いけど、引っ越したら遠くなるから、一人暮らしはさせてやれないって」

「県外…………」

県外に行くって事は、卒業したら会えなくなるのかもしれない。
私の幼馴染で、初恋の人。
会えなくなること自体も、この気持ちに決着を付けないまま終わるのも嫌だ。

「どうして…………一緒に七森合格しようって、約束したじゃんか!」

「……ごめん」

「謝らないでよっ!行っちゃ…………やだよ」

言葉が消えるように弱弱しくなると共に、温かいものが私の頬を伝った。

「京子、泣くなって」

ふんわりと結衣は私を包み込んだ。
結衣の温かさも今は辛いだけだった。

辛いのに、苦しいのに、結衣をギュッとせずにはいられなかった。
結衣の胸に顔を埋めて、私はずっと泣いていた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<><>2012/03/30(金) 15:21:02.33 ID:HUlO7YLg0<> 「……京子?落ち着いた?」

私が泣き止んだ頃には、既に日はとっぷりと暮れていた。

「うん。なんか、泣きつかれたかな?ごめんね、制服グチャグチャになっちゃったよね」

結衣の胸元を見ると、制服は皺くちゃになって、私の涙の後がついていた。

「ううん、大丈夫」

結衣はにっこり笑って、そっと髪を撫でた。

「結衣?」

「ん?」

「空、見てみて。月が綺麗だよ」

澄んだ高い空に、幾多もの星が輝いていて、南の空に上弦の月が白銀に光っていた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<><>2012/03/30(金) 15:22:53.78 ID:HUlO7YLg0<> 「ぷっ……何だよ、調子取り戻してきたみたいだな」

くすくすと結衣が笑う。私は結衣の言っている意味が分からなかった。

「どういうこと?」

「え?」

「え?」

結衣はキョトンとした顔で私の顔を見つめた。
何か変なこと言ったんだろうか、私。

「いや、だから『月が綺麗』っていつもの冗談が始まったのかと」

「え?」

「夏目漱石はI love youを『月が綺麗ですね』って訳したっていうし、そういう意味で使ってるかなって」

結衣は空を見上げ、ポリポリと頬を掻いた。

「バッ馬鹿っ!?そんな訳ないじゃんっ」

「そう?」

「そうだよっ!!」

顔に熱が昇ってくる。
なんとなく言った言葉だったけど、実はむちゃくちゃ恥ずかしい事を言ってたなんて。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<><>2012/03/30(金) 15:24:03.23 ID:HUlO7YLg0<> 「……そっか」

結衣はふうっと息を吐くとクスリと笑った。

「ねぇ結衣?」

「何?」

「私たち、また会えるかな?卒業しても」

「何言ってんだ。当たり前だろ?」

結衣は即答してくれた。その一言が少し、私を安心させた。

「うん、また会おうね、結衣」

私はおそるおそる結衣の手に自分の手を伸ばして、結衣の手に重ねた。

「勿論。……なんか、お別れの日の会話みたいだなコレ。」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<><>2012/03/30(金) 15:25:20.58 ID:HUlO7YLg0<>
結衣は私の手に指を絡めてくれた。
結衣のぬくもりが指先から伝わり、全身を包み込む。心臓がバクバクとうるさかった。


繫がれた手も、また会えるのも、「幼馴染」だからかもしれない。
そう考えると、やっぱりこの思いは封印しなきゃならないのかもしれない。



だけど、今くらいは、甘えても良いよね……?



私は結衣の肩に頭をそっと傾けて、手をキュっと強く握り締めた。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<><>2012/03/30(金) 15:33:37.88 ID:HUlO7YLg0<> 短いですが、ひとまずこれで終わりです。

ちなあかの地の文ありのssの書き手さんに憧れて、私も地の文ありで書いてみました。
処女作でしたが、執筆していて地の文ありのssを書くことの難しさを痛感しました。

地の文が大半で、会話が少なすぎで淡々としていて申し訳ないです。
まだまだ、ちなあかの書き手さんには到底及びませんが、いつかは追いつけるように修行したいと思います。

個人的にここで終わらせてもいい気もしますが、続きも頑張ろうかな……と思ったりして、今現在執筆中です。
もし、これの続きが完成したら、投下しようと思います。

駄文失礼しました <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/03/30(金) 21:48:24.99 ID:jhcT/wBTo<> 短い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/03/30(金) 22:47:47.02 ID:oYunFo1bo<> 乙
遅筆なところは真似するなよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(群馬県)<>sage<>2012/03/31(土) 20:59:29.92 ID:SQRIv8rjo<> 乙!
続き待ってるよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)<>sage<>2012/04/05(木) 12:48:30.02 ID:feRfAZxGo<> 幼馴染よりも女どうゲフンゲフン
超乙
ちなあかの遅筆まで移らないように <>