VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<><>2012/05/19(土) 02:43:28.21 ID:Lexll2oUo<>故郷の村 勇者宅

戦士「おーい。遊びにきたぜー」

勇者「……」

戦士「なんだよ、いるじゃねえか。返事くらいしろよな」

勇者「……」

戦士「……どうした?」

勇者「最近、思うことがあるんです」

戦士「なんだよ?」

勇者「魔王はいなくなった。でも、世界は本当に平和になったのかと」

戦士「平和だろ。見てみろよ。子どもは無邪気に遊んでるし、白い鳩だっていっぱい飛んでるじゃねーか」

勇者「それはここが辺境だからではないでしょうか?」

戦士「各国も戦争をするどころか、恒久的な和平も結んで連合国を築いたぐらいだぜ?争う兆しすら見えねえ」

勇者「本当にそれが平和といえるのですか?」

戦士「……お前、ただ退屈だから旅に出たくなっただけだろ?」

勇者「違う!!僕は純粋に世界が本当に平和になったのかみてみたいのですよ!!ホントに!!」

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<>勇者「魔王がいなくなって本当に世界は平和になったのか確かめないと」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 02:49:41.39 ID:Lexll2oUo<> 戦士「まぁ、いいや。とりあえず飯にしよう。持ってきたから」

勇者「いつもありがとうございます」

戦士「魔王を倒してからもう1年か……」

勇者「……」モグモグ

戦士「でも、お前の言うとおりかもな」

勇者「え?」

戦士「魔物の活動も沈静化して、国同士の交流も盛んになった」

戦士「もしかしたら、見えないところでいざこざが起きていたりするのかもな」

勇者「はい」

戦士「……」

勇者「はぁ……心配だ。僕が命がけで守ったこの世界が、また混沌の渦に巻き込まれていやしないかと」

戦士「報奨金もたっぷりあるし、やることといえ故郷の自警ぐらいだもんな」

勇者「そうですね」

戦士「暇だよなぁ」

勇者「ええ、本当に……いやいや!!暇なのはいいことですよ!!何を言っているのですか!!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 02:56:19.86 ID:Lexll2oUo<> 戦士「そりゃそうだけどよ。なんというかこう……充実感はねえよな」

勇者「平和が一番です」

戦士「旅をしているときはそりゃもう……辛かった」

勇者「ええ。常に死と隣り合わせでしたから」

戦士「そうそう……。だから、現在の状況は……生ぬるくて仕方ないな」

勇者「そうですね……。って、それがいいんじゃないですか!!」

戦士「お前も俺も戦うことだけを考えて人生の半分を生きてきたわけだし、そう簡単にこういう生活には馴染めないって」

勇者「それは……そうですけど……」

戦士「……いくか?」

勇者「え?」

戦士「世界が本当に平和になったのか、確認する旅に」

勇者「同行してくれるのですか?!」

戦士「俺を誰だと思ってんだよ。この大斧で魔王と戦った男だぜ?俺が隣にいなくちゃ締まらないだろうが」

勇者「……ありがとうございます」

戦士「そうと決まったら早速準備してくるわ。出発は二日後の朝にしようぜ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:00:42.20 ID:Lexll2oUo<> 勇者「僕も準備します!!」

戦士「おし」

勇者「また旅ができる……こんなに嬉しいことはない……」

戦士「……お前、相当溜まってたんだな」

勇者「正直な話、自警といってもこんな村を攻めてくる賊なんていないですし」

戦士「昔ならそれなりに困窮していたから、盗賊紛いのやつらが来る可能性はあったけどな」

勇者「今はもう……平和になってしまいましたか―――いいえ。すごくいいことじゃないですか!!!」

戦士「そりゃそうだ」

勇者「では、二日後の朝に」

戦士「了解。また、よろしく頼むぜ」

勇者「はい」

勇者(よし……早速、支度をしないと)

勇者「……」ゴソゴソ

勇者(着替えと……武器と……)

勇者(武器っているのか……?) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:04:56.68 ID:Lexll2oUo<> 村 広場

「わーい!!」

「まてまてー!!」

勇者「……」

勇者(平和だ……)

店主「よう、坊主。どうした?こんな昼間に」

勇者「どうも」

店主「勝ち取った平和をかみ締めていたのか?」

勇者「まぁ……そんなところです」

店主「だよなぁ。お前が命をはってくれたおかげで、こうして俺たちは何の心配をすることもなく過ごせる」

店主「いや、本当に感謝してもし足りないなぁ」

勇者「……あの」

店主「どうした?」

勇者「また、旅に出ようと思いまして、薬草など旅に必要なものを買いに来たのですけど」

店主「え……?旅に出る?なんで?」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:10:12.65 ID:Lexll2oUo<> 勇者「あれから一年が過ぎました。世界がどれだけ平和になったのか見聞してみようかと」

店主「そうなのか……。いや、確かにそれはいいことだな」

勇者「え?」

店主「最近、城下町のほうで黒い噂が流れているの知らないか?」

勇者「黒い噂?」

店主「ああ。なんでも魔王の残党がいるとか」

勇者「そんなバカな!!」ニヤニヤ

店主「なんで顔が綻んでるんだ?」

勇者「む……気のせいです」キリッ

店主「まぁ、残党だから城の兵士でも十分間に合うはずなんだけど、今回ばかりはちょっと事情が違うみたいだ」

勇者「ほう?」

店主「城下町に行ったやつの話だと、もう戦争でもするんじゃないかってぐらい物々しい雰囲気らしい」

勇者「……そうですか」ニヤニヤ

店主「……なんか嬉しそうだな」

勇者「ご冗談を。とても不安です」キリッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:16:58.37 ID:Lexll2oUo<> 店主「もしかしたら魔王の残党じゃなくて……」

勇者「魔王が復活……。あるいは新たな魔王が誕生した」

店主「あくまでも一般市民の妄想だけどな」

勇者「分かりました。その事実確認は早急に調べたほうがほうがいいでしょうね」

店主「まぁ、もし逼迫している状況ならお前にだって声が掛かるはずだし、そう気にすることでもないかとは思ってるけどな」

勇者「王もまだ確証を得ていないだけかもしれません」

店主「考えすぎならいいんだけどな」

勇者「これは急いだほうがいいですね。すいませんが薬草を10……いえ、20個lください」

店主「あいよ。坊主には出血大サービス、半額で提供してやるよ」

勇者「そんな……。言ったはずです、特別扱いはしないでほしいと」

店主「気持ちだよ。受け取ってくれ」

勇者「ですが」

店主「俺にはこんな形でしか支援できないんだからさせてくれよ」

勇者「……わかりました。では、ありがたく頂きます」

店主「こちらこそ、ありがとよ。世界のこと頼むぜ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<><>2012/05/19(土) 03:20:03.06 ID:1fw3AFwKo<> 勇者と戦士の二人旅?あのさぁ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:20:10.04 ID:Lexll2oUo<> 戦士宅

戦士「なに?明日!?」

勇者「はい。魔王の残党が……それも大規模な戦争になる可能性があると聞いたので」

戦士「あわよくば参加しようってか」

勇者「そんなつもりは一切ないですけど、僕の力が必要な事態になることも考えられますから」

戦士「……仕方ないな。じゃあ、急ピッチで準備する」

勇者「はい。お願いします」

戦士「それより、挨拶は済ませたのか?」

勇者「これからです」

戦士「そっか」

勇者「では、明日の朝に」

戦士「了解だ」

勇者「……」

勇者「さてと……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:24:42.78 ID:Lexll2oUo<> 教会

僧侶「……」

勇者「こんにちは」

僧侶「……勇者様?」

勇者「ああ、僕から行きますから」

僧侶「もう慣れたので教会内なら自由に歩けるんですよ?」

勇者「そうですか」

僧侶「勇者様……」ギュッ

勇者「明日、旅立つことにしました」

僧侶「どちらへ?」

勇者「気になる噂を耳にしたので」

僧侶「そうですか」

勇者「驚かないのですね」

僧侶「勇者様のことだから、いつかこんな日が来ると思っていました」

勇者「そう……やっぱり、貴女は全てお見通しですか」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:30:52.11 ID:Lexll2oUo<> 僧侶「盲目になってもう季節が一周しましたから、見えないものが見えてくるようになったのです」

勇者「旅をしているときも鋭かったのに……尚更、鋭敏になられては怖いですね……」

僧侶「ふふ……。特に嘘を見破るのは簡単になってしまいましたね」

勇者「本当ですか?」

僧侶「相手の声を聞くだけで真偽が判断できます」

勇者「じゃあ、実験しましょうか」

僧侶「はい。いいですよ」

勇者「……昨日の夜、僕はパンを食べた」

僧侶「んー……本当です」

勇者「違います。実は何も食べてませんでした」

僧侶「それは嘘ですね。だって、昨日は神父様が勇者様の家にパンを届けたはずですから」

勇者「ただの推理になってますよ」

僧侶「でも、嘘を見破りました。実験は成功ですね」

勇者「確かに……」

僧侶「ふふ……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:34:44.56 ID:Lexll2oUo<> 勇者「では、そろそろ帰ります」

僧侶「あの……」

勇者「はい?」

僧侶「すぐに帰ってきてくれますよね?」

勇者「勿論ですよ」

僧侶「……待ってますから」

勇者「はい」

僧侶「行ってらっしゃいませ……」

勇者「行ってきます」

勇者「……」スタスタ

神父「勇者様」

勇者「神父様……。こんにちは」

神父「旅立つとのことですが」

勇者「ええ。世界を見てきます」

神父「そうですか……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:40:48.36 ID:Lexll2oUo<> 勇者「彼女のことをお願いします」

神父「何を今更。あの子はもう私の娘みたいなものですから」

勇者「ありがとうございます」

神父「しかし……力及ばず……申し訳ありません」

勇者「やめてください。彼女の目は僕が―――」

神父「勇者様……やはり、まだ……」

勇者「ああ、いえ。失言でしたね」

神父「いいえ」

勇者「この世界が本当に平和になったのか……僕は確かめたいのです」

神父「彼女のために?」

勇者「純粋な好奇心ですよ」

神父「……そうですか。では、勇者様の旅路に幸多からんことを」

勇者「それでは……」

神父「お気をつけて」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:45:50.71 ID:Lexll2oUo<> 翌日 広場

戦士「うっし。行くか!!」

勇者「はいっ」

戦士「まず目指すのは城下町だったな」

勇者「ええ。そこで魔王の残党の情報を集めましょう」

戦士「でも、残党なんてこの一年で殆ど駆逐されたって聞いたけどな」

勇者「僕もそう聞いていました」

戦士「もし勢力が増しているなら事だけどよ」

勇者「本当にそうなっていたら……大変ですよね……」ニヤニヤ

戦士「顔がにやけてるぞ」

勇者「はい?なんのことですか?」キリッ

戦士「まあいい……。いくぞ」

勇者「はいっっ!!!」

戦士「……やっぱり戦いたいのか?」

勇者「何をバカな。この剣を抜かないに越した事はありません」キリッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:51:06.76 ID:Lexll2oUo<> 街道

行商人「―――では、これで」

戦士「サンキュー」

勇者「街道に行商人がいるんですね」

戦士「今はもう珍しくないぜ?お前は引き篭もってたから知らなかったんだろうけど」

勇者「魔物が大人しくなったからですか?」

戦士「だろうな。ちょっと前まで訓練された兵士と一緒じゃなきゃ別の街へはそうそう通えなかったからな」

勇者「平和なのですね……」

戦士「そういうこったな」

勇者「……」

戦士「どうした?」

勇者「いえ。一年前まではこの辺りにも普通に魔物が闊歩していたなと……」

戦士「つまらねえと?」

勇者「平和っていいですね……ホントに……」シュン

戦士「顔が沈んでるように見せるのは気のせいか」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 03:56:04.24 ID:Lexll2oUo<> 城下町

勇者「呆気なく到着しましたね」

戦士「魔物と戦わなくていいからな」

勇者「旅立ったときはまる1日かけてここにたどり着いたというのに……しかも、満身創痍だったのに……」

戦士「もういいだろ。ほら、情報を集めないと」

勇者「そうですね。とりあえず……。―――すいません」

兵士「はい?―――って、勇者殿!?こ、これはお久しぶりです!!!」

勇者「どうも」

兵士「今日はどういったご用件で?」

勇者「あの……実は……噂を聞きまして」

兵士「噂?」

勇者「魔王の残党がいるとか……」

兵士「は?いえ。この辺りにいた魔物は魔王が消え去ってから落ち着きはらっていますし、残党がいるなんて話も聞いたことが」

勇者「えぇ!?そんなバカな!!!」

戦士「おい」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 04:00:43.05 ID:Lexll2oUo<> 城内 謁見の間

兵士「王!!」

王「どうした、騒がしいぞ」

兵士「勇者殿がお見えになりました!!」

王「なんだと!!!早くお通ししろ!!!」

兵士「はっ!!!」

勇者「―――ご無沙汰しています」

戦士「ちわーっす」

王「これはこれは。二人そろって……今日はどうした?」

勇者「実は気になる噂を耳にしたので」

王「噂とな?」

勇者「なんでも……魔王の残党がいるとか」

王「いないが?」

勇者「いるって!!!」

王「いや、おらんよ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 04:06:06.63 ID:Lexll2oUo<> 勇者「なんてことだ……」

戦士「でも、うちの村の奴が物々しい雰囲気だったとか言ってたぜ?」

王「それはあれだろうな。行軍演習をみたのだろう」

戦士「ああ。なるほど」

勇者「どうしてそんな紛らわしいことをするのですか!!!」

王「なんでといわれてもなぁ」

戦士「噂の正体なんてそんなもんだな」

勇者「くそぅ……」

王「それだけか?」

戦士「ああ。旅の途中で気になったから立ち寄っただけだ」

王「旅?」

戦士「魔王討伐から一年が過ぎたから、各地がどんな状況なのか見てみたいって勇者様がいうんだ」

王「それはすばらしいな!!何か力になれることがあればいつでも言ってくれ」

勇者「では、何か情報はないですか?誰かが困っているとか、誰かが悪者に襲われているとか」

王「そういう物騒な話はここ数ヶ月耳にすらせんからなぁ……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岐阜県)<>sage<>2012/05/19(土) 11:42:16.60 ID:K9ujkcsZo<> wktk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/19(土) 13:42:01.65 ID:Kb9OtopDO<> 良さげなSS発見♪ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/19(土) 15:04:18.19 ID:d6fV92+DO<> 続きはよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<><>2012/05/19(土) 18:06:11.23 ID:Lexll2oUo<> 勇者「ふざけn」

戦士「こら」

王「どうした?荒ぶっているな」

戦士「病気なんです。平和すぎて」

王「は?」

勇者「本当にないのですね?」

王「ああ、少なくとも一年ではそういった話は一切聞かなかったな」

勇者「分かりました」

戦士「ありがとう、また来るよ」

王「うむ、いつでもきてくれ」

勇者「……」

戦士「……納得できないって顔だな」

勇者「とりあえず酒場に行って情報を集めましょうか」

戦士「なんの情報だよ」

勇者「決まっているではありませんか。平和を脅かす存在についてですよ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 18:10:47.66 ID:Lexll2oUo<> 酒場

マスター「いらっしゃいま―――って、勇者様!?」

勇者「しっ。あまり注目されたくないので」

マスター「いやいや。あなた、どれだけ有名人だと思っているのですか」

戦士「ま、騒がないようにしてくれるだけでいいから」

マスター「分かりました……」

勇者「ところで、最近、なにか恐ろしい話とか聞きませんでしたか?」

マスター「え?」

勇者「例えば人を殺しまくる殺人鬼がいるとか」

マスター「知りませんね」

勇者「嘘です」

マスター「そんなこといわれても……」

戦士「魔王が倒れてから平和そのものか?」

マスター「それはもう。勇者様たちのおかげですよ」

勇者「なんだってぇ?!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 18:16:35.85 ID:Lexll2oUo<> マスター「ひっ」

戦士「どうどう」

勇者「がるる」

マスター「あ、あの……どうしたのですか?」

戦士「気にするな」

マスター「はぁ」

勇者「……失礼しました。少し取り乱したようです」

マスター「とはいえ、本当に聞くのは他愛もない喧嘩やケチな窃盗ぐらいなもんですよ」

戦士「そうか」

マスター「以前のように仕事にありつけなくて盗賊に転向せざるを得ない人なんていませんからね」

戦士「ああ。今は仕事がありすぎてどこも人手が足りないと聞いている」

マスター「嬉しい悲鳴というやつですね」

勇者「窃盗ってどんな?」

マスター「万引きとかスリとかですよ。ああいうのは癖になってるみたいで平和とか関係なく起こるものなのですよ」

戦士「確かに。それは魔王が支配してようが鳩が飛ぼうがやる奴はやるか」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 18:21:22.33 ID:Lexll2oUo<> 城下町 宿屋

勇者「結局、ダメでしたね。どこもかしこも平和平和って……」

戦士「いいことじゃないか」

勇者「そうですね……平和……サイコー……」

戦士「元気出せよ。いいことなんだから」

勇者「はぁ……」

戦士「……」

勇者「明日はどこに向かいましょうか?」

戦士「そうだな……」

勇者「そういえば西のほうに森がありましたよね」

戦士「エルフの里か」

勇者「行ってみましょう。何か困ったことが起きているかもしれませんし」

戦士「あのな……」

勇者「では、おやすみなさい」

戦士「おやすみ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 18:26:39.40 ID:Lexll2oUo<> 広場

勇者「では、そろそろ出発しましょうか。かなり距離はありますし」

戦士「まぁ、エルフの里に一泊にはなるしな」

勇者「暗くなる前に―――」

子ども「うえぇぇん」

「やーい!やーい!!」

子ども「やめて……かえしてよぉ……」

「ほーら、取り返せたら返してやるよー」

子ども「うぇぇん……」

戦士「……」

勇者「事件っ!!」

戦士「待て待て。ガキのことに首を突っ込んでどうするよ」

勇者「しかし……!!」

戦士「ああいうのも平和になっても起こることだよな」

勇者「……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 18:30:16.34 ID:Lexll2oUo<> 「じゃあなー」

「バイバーイ!!」

子ども「うわぁぁん……」

勇者「何を盗られたのですか?」

子ども「え……?あ、勇者様……?」

勇者「まずは涙を拭いて」

子ども「う、うん……」ゴシゴシ

戦士「悪ガキって顔してたなぁ」

子ども「あの……勇者様!」

勇者「はい」

子ども「あれ、取り返して!!」

勇者「え?」

子ども「あれ、ぼくの大切なものなの!!お母さんからもらった大事なものなの!!」

勇者「そうですか……」

子ども「お願い!!勇者様!!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 18:36:07.49 ID:Lexll2oUo<> 勇者「でも、この世界はもう平和になりましたから」

子ども「え?」

勇者「盗られたものもそのうち返してもらえると思いますよ?」

子ども「無理だよ!!あいつら、とっても意地悪だもん!!」

戦士「……」

勇者「平和ですね」

子ども「勇者様!!お願い!!」

勇者「数ヶ月前までは僕に誰かが助けを乞うときは、いつも凶悪な魔物を討伐してほしいとか殺人鬼を討ってほしいなどだった」

子ども「勇者様……?」

勇者「それが今では、いじめっ子から守ってくださいという」

戦士「おい」

勇者「いいでしょう。僕が取り戻します」

子ども「ホントに?!わーい!!」

戦士「俺も行こうか?」

勇者「まさか。僕一人で十分ですよ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 18:39:25.07 ID:Lexll2oUo<> 「これどうする?」

「売ってお金にする?」

勇者「君たち」

「うわ!?」

「勇者様だ!!すっげー!!」

勇者「それを返してもらえますか?」

「え?これはオレたちのものですから」

「返すっていわれてもなぁ?」

「うん」

勇者「そうですか……」

「それだけ?」

勇者「……では、致し方ありませんね」スタスタ

「な、なんだよぉ?」

勇者「ちょっと路地裏まで来てください」グイッ

「な―――」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 18:42:10.99 ID:Lexll2oUo<> 広場

子ども「あ」

勇者「取り戻してきましたよ」

子ども「わーい!!やったー!!」

戦士「……」

勇者「それでは」

子ども「勇者様!!ありがとう!!」

勇者「それにもう君に対してはイジメを行うこともないと思います。叱っておきましたから」

子ども「すごーい!!」

戦士「お前……」

勇者「それでは」

子ども「うん!!」

戦士「なぁ……」

勇者「人助けっていいですね」

戦士「……そうだな」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/19(土) 18:45:37.04 ID:Lexll2oUo<> 街道

戦士「どうやって取り返したんだ?」

勇者「僕は力による解決しかしりませんからね」

戦士「お前……」

勇者「誰かが困っているときはいつも魔物による圧力があった。恐怖による躾」

勇者「それを解決させるには魔物を討つしかない。そうでしょう?」

戦士「そうだな」

勇者「では、行きましょうか」

戦士「この道をひたすら進むしかないんだよな」

勇者「いい天気ですねー」

戦士「平和だねー」

勇者「全くです」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/19(土) 19:10:19.45 ID:C/72WwGeo<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/19(土) 20:32:58.58 ID:iZGPlr6Q0<> Wのアリーナ姫とかもこうなっていそうだよなwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/20(日) 02:09:13.80 ID:03muIDFso<> エルフの里

勇者「はぁ……やっぱり結構歩きましたね」

戦士「そうだな」

エルフ「あ、勇者様!!」

勇者「お久しぶりです。長老は?」

エルフ「こちらです!!」

「勇者様だー!!」

「きゃー!!」

勇者「どうもどうも」

戦士「ここも平和だな」

エルフ「勇者様のおかげです」

勇者「人身売買はまだ横行していたりしますか?」

エルフ「そんなこと!!勇者様のご活躍であの組織も全て壊滅しましたし、王様もよくしてくれています」

勇者「ちっ……」

戦士「おい」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/05/20(日) 02:19:31.85 ID:03muIDFso<> 長老の家

長老「勇者殿……ご無沙汰しております」

勇者「お久しぶりです」

戦士「じーさんも元気そうだな」

長老「勇者殿に里の危機を救っていただいたのです。この平和をかみ締めるため、すぐには[ピーーー]ません」

戦士「そうか」

勇者「……」

長老「……申し訳ない。今のは失言でした」

勇者「え?」

長老「あれから1年。勇者殿の活躍は全ての民に知れ渡り、その功績を称えている」

長老「しかし……殆どの者は勇者殿がその身で世界平和の代償を背負ったことは知りません」

戦士「やめろ。同情なんてしてほしくて世界のために戦ったわけじゃない」

長老「ですが……魔王との戦いで貴方たちは掛け買いの無い人を……」

勇者「当然です。僕たちは遠足をしたわけじゃない。戦争をしたのですから。無傷で済むなんて思っていませんでした」

長老「そうですか……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/05/20(日) 03:08:45.78 ID:sus1YsdYo<> saga をメール欄に入れると死ねとかうてるよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/21(月) 18:41:14.93 ID:f4h3Ve0DO<> 賢者の石は登場しそうですか <>