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勇者「僕は、この世界を救えるか」
1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/20(日) 03:29:41.12 ID:GqAt17wDO
王様「それでは勇者たちよ、頼んだぞ」
勇者たち「……」ザワザワ
王様「もはやこの世界の運命は、全てお主たちの剣にかかっていると言っても過言ではない」
勇者たち「……」ザワザワ
王様「先日、遥か北の国が魔王軍の攻撃により滅んだと聞く」
王様「我が国が魔王軍による最初の攻撃目標から外されたのはまさに僥倖」
王様「我々が無事で居られる今日この日は、我が王国が諸君ら勇者を世に輩出させんがため」
王様「精霊王の導きにて齎されたものだろうとワシは思っておる」
ユウシャ(けったいな精霊だ……)
王様「とにかく、だ。お主等は何としてでも魔王を倒すのじゃ!いいか!」
勇者たち「……」ザワザワ
大臣「えー、それでは勇者諸君。魔王討伐の旅立ちに際して、君たちには王室より――」
大臣「少ないながらも軍資金、及び支給品を配給しようと思う。 全員、こちらへ」
勇者たち「……!」ザワザワ
ユウシャ(なんだこれは……)
王様「さあ勇者たちよ、その箱の中身を持ってさっさと旅立つがよい!」
「ウソだろ……」ザワザワ
「……マジかよ」ザワザワ
ユウシャ(宝箱の中身は……ひのきのぼうと10Gか。なんという事だ……)
大臣「ちなみに、君たち勇者に拒否権はありません。もちろん、逃走も許されません」
大臣「今まで、散々勇者の特権を利用してきたのですからな。今こそ勇者として働いてもらわなければ」
ユウシャ(勇者の特権……勇者は、他者の家に無断で侵入し、ツボを割ったりタンスを調べても罪に問われないというもの)
ユウシャ(でも、住民たちは警戒してカギをかけるし、タンスやツボにも、まず貴重品は入れない)
勇者A「も、もし逃げ出す奴がいたら……?」
大臣「その時は、我が国が誇る最強の宮廷魔術師団が、君たちを追うことになるでしょうな」
大臣「そうなれば、カミナリいっぱつで黒コゲになるのがオチ」
◆サラッと おそろしいことをいう だいじんだ
大臣「まあ、馬鹿な事は考えない事です」
勇者A「そ、そんな……」
勇者B「勇者は終身雇用制が適応される代償として、職安での転職も出来ないし」
勇者B「死にたくなければ魔王軍と戦うしかないって事か……クソッ」
ユウシャ(なんて事だ……思いつきで勇者になったものの、さっそく思わぬトラブルに巻き込まれた)
王様「ゆっくりお喋りがしたければ、あの世に行ってからしろ! とにかくいけ、勇者たちよ!」
王様「この場でもたもたしているものから、順番にたたき切るぞ!」
◆なんと おうさまは いきなりひょうへんした!
ユウシャ(ひええええ……)イソイソ
◆ユウシャは ひのきのぼうを てにいれた!
◆ユウシャは 10ゴールドを てにいれた!
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1337452180
(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/20(日) 03:32:39.19 ID:GqAt17wDO
チャポン
ユウシャ「はあ……」ポイッ
チャポン
ユウシャ「これからどうしよう……やっぱり、戦いに行かないとダメなのかな」
ユウシャ「他の勇者たちは、酒場で仲間を登録して出て行ってしまったな……」
◆ユウシャは ふあんになった
ユウシャ「……今頃、国の外でレベル上げでもしてるのかな?」
ユウシャ「だったら、俺も戦って――」
ユウシャ「いや、やっぱり魔物と戦うなんて無茶だよ」
◆そのとき ユウシャは ふとおもいだした
大臣『まあ、カミナリいっぱつで黒コゲになるのがオチ』
◆ユウシャは さむけを おぼえた!
ユウシャ「ダメだ……黒こげにもなりたくない」
ユウシャ「とにかく仲間を揃えて旅立たないと……」
◆ユウシャは さっきから まちのヒトたちのしせんが イタかった
* * *
店主「おや、君も仲間をお探しかい?なんだか大変な事になったねえ」
◆てんしゅは ヒトが よさそうだ
ユウシャ「はい。なんでも、旅立たないと処刑されちゃうみたいで……」
店主「処刑!そりゃまた。それで、他の勇者たちも慌ててたわけか」
店主「勇者も生き辛い世の中になったもんだな」
ユウシャ「ええ、本当に。それで、あの、仲間の登録をしたいのですが」
店主「ああ、その事か。……いや〜、残念だったね」
ユウシャ「えっ?」
店主「ウチに登録してる冒険者は、さっき別の勇者が連れて行った遊び人で最後だよ」
◆さっきので さいごだ
◆すなわち なかまはいない ということ
ユウシャ「そんな、ウソでしょう……?」
店主「本当だよ」
ユウシャ「ギャグじゃなくて……?」
店主「本当だよ」
ユウシャ「……そんな、何とかなりま――」
店主「本当だよ」
◆てんしゅは こころをとざした!
◆ユウシャは チラリと てんしゅをみた
店主「いや、おれは行けないよ。なに考えてるの」
ユウシャ「すみません……」
店主「まあ、なんだ。この辺りなら魔物も弱いし、十分にレベルを上げれば隣国まで行けるさ」
◆ユウシャは てんしゅをみた
店主「いや、だから俺は戦わないって」
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/20(日) 03:35:30.79 ID:GqAt17wDO
◆レッサーデーモンが あらわれた!
ユウシャ「ひええ、街を出たらいきなり強敵だ!」
◆あのてんしゅ けっこう イイカゲンなことをいう
ユウシャ「逃げないと……逃げないと一撃でやられる!」
◆レッサーデーモンは ほくそえんだ
◆ユウシャは にげだした!
◆しかし まわりこまれてしまった!
ユウシャ「ま、回り込むなよ!誰か……誰か!助けて!」
◆ユウシャは なかまをよんだ!
◆しかし だれもあらわれない
ユウシャ「うう……俺はこんな所で死んでしまうのか……!」チャキッ
◆ユウシャは けんをかまえた
◆レッサーデーモンの こうげき!
ユウシャ「うぐっ……!そんな……」
◆ユウシャに 34のダメージ!
◆ユウシャは しんでしまった
* * *
ユウシャ(なんてあっけない……)
???「目覚めなさい。勇者よ」
ユウシャ(やっぱり、勇者になんてなるんじゃなかった)
???「目覚めなさい。勇者よ」
???「目覚めなさい。勇者よ」
ユウシャ(なにが勇者だ。なにが、浮き沈みのない安定した職業だ)
???「ちょっと、いい加減に起きてよ」
ユウシャ(街を出て西に4歩で、もう死んでしまう事になるなんて……あんまりだ)
◆ユウシャは とつぜん ほほをひっぱたかれた!
◆ユウシャに 2のダメージ!
ユウシャ「……あれ?」
???「全く、何回同じセリフを言わせるのよ」
???「せっかくRPGっぽく起こそうと思ったのに」
◆いきなり わけのわからないことをいう おんなが あらわれた
ユウシャ「あ、あなたは……?」
???「わたし?わたしは――」
ユウシャ「って、あれ? ここはさっきの草原……俺、死んだハズじゃ……」
◆ユウシャは ヒトのはなしを きかなかった!
???「ちょっと、なによそれ!今わたしが自己紹介するトコロでしょ!」
ユウシャ「あ、あ、すみません」
???「……じゃあ、気を取り直して。 わたしは運命の女神」
ユウシャ「運命の女神……?」
◆ユウシャは おんなを しんぱいした
女神「なにその心配そうな顔は」
ユウシャ「ああ、いえ……」
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/20(日) 03:36:48.08 ID:GqAt17wDO
女神「?? まあいいわ。それより、早く有り金を出してちょうだい」
ユウシャ「えっ」
女神「やーねぇ。えっ、じゃないわよ」
ユウシャ「いや、言ってる意味がよくわからなくて……」
ユウシャ「なぜ僕があなたにお金を……?」
女神「そんなの決まってるでしょ。アナタを生き返らせたのはダレだと思ってるの?」
ユウシャ「えっ。生き返らせた?僕を?」
女神「そうよ。運命の女神のチカラで、こう、モヤモヤっとね」
◆そのセツメイに ユウシャはモヤモヤした
ユウシャ(しかし、身体の傷はキレイさっぱり無くなっている)
ユウシャ(確かにあの時、俺は致命傷を受けて……)
女神「傷が深かったから、回復にひどく魔翌力を消費したわ」
ユウシャ「じゃ、じゃあやっぱり、僕はあの時に……」
女神「そう、死んでたわね。もうヒドい有り様だったんだから。クビなんか取れかかってて」
◆こうはんは よくきこえなかった
ユウシャ「そうだったんですか……」
ユウシャ「あの、助かりました」
ユウシャ「そういう事でしたら、コレ、少ないですが」
◆ユウシャは 12ゴールドを さしだした
◆めがみは ギョッとした!
女神「ちょっと、そのギャグは笑えないわよ」
ユウシャ「えっ」
女神「いや、12ゴールドてー」
ユウシャ「あ、ああ。すみません、これだけしか無くって……」
女神「な、なんですってええぇぇ!?」
ユウシャ「うわっ!」
女神「アナタ、勇者のくせにそれっぽっちの路銀で旅に出たの!?」
ユウシャ「え?そ、それは、ええっと――」
◆ユウシャは しろでの できごとをセツメイした
ユウシャ「そういうわけで、お金はこれだけしか……」
女神「……」
ユウシャ「すみません……なんだか、ただ働きみたいな事をさせちゃって……」
女神「はあ、城を出たばかりで不用心でマヌケな勇者を生き返らせて」
女神「その恩義につけこんで身支度金をせしめようという作戦が……」
ユウシャ「えっ、いまなんて?」
◆ユウシャは ビックリしてききかえした!
女神「え?あ、ううん。何でもないのよ、ウフフ」
女神「それよりも、どうするべきかしら……」
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/20(日) 03:38:29.98 ID:GqAt17wDO
◆めがみは かんがえた
女神「あっ、そうだわ!」
ユウシャ「えっ?」
女神「アナタ、勇者よね?名前は?」
ユウシャ「ええと、勇者をやってるユウシャです」
女神「ユウシャね……うんうん。よし、こうしましょう!」
ユウシャ「な、なんですか?」
女神「アナタは仮にも勇者なのよね」
ユウシャ「は、はあ。一応は」
女神「勇者は世界各地を救いながら旅をするものよ」
ユウシャ「ええ。職業説明会の時に、そう聞かされました」
女神「各地の国や村を救えば、みんなは泣いて感謝するはず」
ユウシャ「そうなんですか?」
女神「そうなれば、勇者に各地のキーアイテムやら財宝、更には伝説の武器がこぞって献上されるのよ」
ユウシャ「おお」
女神「わたしがそれを貰う」
◆めがみが ふおんなことを いいだした
ユウシャ「も、貰うって……いったいどうやって?」
女神「やだ、なに言ってるの? モチロン、アナタが世界を救って回るのよ!」
ユウシャ「えええ」
女神「アナタは世界を救う。世界は勇者にカンシャして、金品を献上する。そして勇者はわたしにお金を払う」
女神「どう?」
◆ムチャクチャなことをいう
ユウシャ「どう、と言われても……」
女神「もう、煮え切らないわね。それで本当にわたしにカンシャしてるの?」
ユウシャ「それは……してます」
女神「だったら、その分の代金は支払うべきよ!」
女神「そうね……やすく見積もって、1,000,000G……ってところかしら」
◆めがみは とってつけた!
ユウシャ「そんな!無茶です!」
ユウシャ「それに、さっきの僕のやられざまを見たんでしょう?」
ユウシャ「僕が世界を救うなんて、そんな無謀な旅、出来ませんよ!」
女神「あら、そう」
ユウシャ「え?」
◆めがみは めにみえて ザンネンそうだ
女神「なら、仕方ないわね……。こうなれば、アナタが殺された瞬間まで時間を戻すわ」
ユウシャ「え?え?」
女神「だって、やっぱり魔翌力は惜しいもの。時間を戻すくらいなら容易いし」
ユウシャ「って事は、僕は……?」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/20(日) 03:43:32.50 ID:GqAt17wDO
女神「ザンネンだけど……」ハァ
◆めがみは よこに くびをふった
ユウシャ(死んだまま、という事になるのか! ひええ、冗談じゃない!)
女神「それじゃあね、ユウシャさん」
ユウシャ「ま、待って!待ってください!」
女神「え?なにか最後に言い残す事でも?」
ユウシャ「いえ、違うんです!」
ユウシャ「あの、僕……」
◆ユウシャは めがみを まっすぐみつめた!
ユウシャ「やります!やらせて下さい!」
ユウシャ「女神さまのタメに、世界、救います!」
女神「うーん、ちょっと違うわ。目的は、金目の物を集めるタメよ」
◆とうとう めがみのくちから かねめ という ことばがでた!
ユウシャ「集めます!金目のもの!集めますんで!」
◆ユウシャは おどろいているバアイではなかった
◆ユウシャは しにたくなかった
◆ユウシャは めがみの えげつないおどしにくっした
女神「あら、そう。なら決まりね、ウフフ」
◆めがみは しめしめ といったようすだ
ユウシャ「ホッ……」
女神「それじゃあ、まずは街に戻るわよ」
ユウシャ「えっ、旅に出るんじゃ……?」
女神「それだと、さっきみたいにスグにやられちゃうでしょ」
女神「そうなると、わたしだって困るわ」
女神「なんたって、アナタは世界に必要とされる勇者様なんだから☆」
◆そのユウシャを おどしたのはだれか
◆ユウシャは そんなことばを グッとのみこんだ
ユウシャ「あの、それで街に戻って何を……?」
女神「まずは、仲間を集めるの」
ユウシャ「あ、それなら、酒場には登録冒険者がもう居ないので無理ですよ」
女神「フフン、そこでわたしの出番ってワケ」
ユウシャ「え?」
女神「わたしも、仮にも運命の女神。そのチカラを侮るなかれ、ってね」
女神「まあ、ついてくればわかるわ」
ユウシャ「は、はあ」
◆ユウシャは めがみに つきしたがった
女神「さて、街に着いたし、ここらでいっちょやりますか」
ユウシャ「え?」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/20(日) 03:44:10.94 ID:GqAt17wDO
女神「えいえーいっ☆」
◆めがみは なんのセツメイもなしに いきなりさけんだ
◆けしきが ゆがむ
ユウシャ「うわっ……クッ、なんだこれ……」
女神「時間を戻したのよ、ウフフ」
ユウシャ「時間を……戻した?」
女神「そう。わたしとアナタ以外の時間。この街ごと時間を巻き戻したワケ」
ユウシャ「……!」
女神「ああ、アナタなら大丈夫。わたしが局所場指定した場所以外しか、時間は戻らないから」
女神「アナタが死体に戻る事はないのよ。どう?スゴいでしょ?」
ユウシャ「……」
女神「さて、さっそく酒場に行って、仲間を募集しましょ!」
女神「早くしないと、また誰もいなくなっちゃうわ」
*ユウシャは 女神に引っ張られるようにして 酒場を訪れると
*時間は本当に巻き戻っており
*そこで暇そうにしていた 遊び人を仲間に加えた
*こうしてユウシャは 再び旅立つ事となった
*ユウシャは 局所場指定が出来るなら 始めから自分の魔翌力だけを戻せばいいのに とか
*本来 遊び人を仲間にするはずだった勇者が気の毒だ とか
*そんな事を思ったが それはやはりグッと飲み込んだ
*現在の状況
*前門の魔王 後門のこわい王様
*そして横には がめつい女神
*出来た借金は1,000,000G
*正直 首が回る気がしない
*果たして ユウシャの そして世界の運命はいかに
◆つづく
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/20(日) 03:52:00.37 ID:GqAt17wDO
魔翌翌翌力になってますが、正しくは魔翌力です
シツレイしました
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/20(日) 03:52:27.00 ID:GqAt17wDO
なんだコリャ
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2012/05/20(日) 05:55:13.12 ID:Hn2uxDiAO
時間を戻せるならカジn…
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/05/20(日) 06:50:41.27 ID:3e8eD8axo
がんばって30秒でクリアしてくれ
メール欄にsaga入れると大丈夫よ
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
[saga]:2012/05/20(日) 09:04:38.67 ID:PPLlrtYI0
>>11
がめつい女神様と聞くとやっぱり勇者30が思い浮かぶよなw
それにしても、勇者が超ブラックな仕事だってわかってるなら、生きてる以上ずっとそれに縛られるわけだから大人しく死んでおけば良かったのにね。まぁ、一度死んで生き返ったらもう一度死にたいとは思えないか。
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/07/20(金) 14:45:24.11 ID:Vxx0o5//o
まだー?
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