♯shintath<><>2012/06/02(土) 00:43:12.59 ID:+zT36nY/0<>オンラインゲーム『マビノギ』の世界を舞台に男が八面六臂する物語をまったり書いていこう
と思います。

まったりという言葉に偽り無く、更新ペースは苺まろの新刊が出るペースより遅いこと請け合
いです。

設定はマビノギ準拠ですが、要所要所でご都合主義に解釈しております。

ではそういうことで。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1338565392(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
<>男がマビノギの世界で活躍するようです ♯shintath<><>2012/06/02(土) 00:44:57.88 ID:+zT36nY/0<>
事の発端はティルコネイルから5分の田舎、グラス村である。

――グラス村、ある日の朝

父「男よ、お前は旅立て。お前はもう十分に強い」

男「旅とかwwwwwwwwww嫌だwwwwwwべんべんwwwwwwwwwwww」

父「お前はこの村を出てギルドを作れ。そして世界を知るんだ」

男「ギwwwwwwルwwwwwwwwドwwwwwwwwwwww無理だからwwwwwwwwそもそも戦闘とかやったこと無い

  っていうwwwwwwwwww」

父「行け。とりあえずここを出ろ。そして仲間を5人集め、ギルドを作らねばならん」

男「だからwwwwwwww嫌だとwwwwww」

ボグッ 父は男を殴り倒した。

父「行け」

男「…………ちょっ……ヤバスギワロエネェ」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 00:46:25.96 ID:+zT36nY/0<> Oh,酉ちゃんと付けられてないっスわー。
出鼻挫かれましたがめげずに頑張ります…………。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 00:47:27.93 ID:+zT36nY/0<> 父「男、これを持って行け」

男「え?」

父は色褪せたボロボロの弓を男に手渡した。

父「いずれ役に立つだろう」

男「まじかよ……まじで旅立つのかよ……」

父「男、お前なら出来る。俺の息子だからな。妹のことは任せたぞ」

男「は、はい? え、あ、ええ!?」

父はそう言い残すと、空高くに女神の羽を放り投げた。青く眩い光が父を包み込む。

男「何処行くつもりだよ!? おい!!」

光が治まると、もうそこに父の姿は無かった。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 00:49:12.39 ID:+zT36nY/0<> ――グラス村、男の家

男「やべえwwwwwwww親父消えたwwwwwwwwwwwwやべえwwwwwwやべえ…………」

妹「兄さん、どうしたんですか?」

男「おおwwwwwwww妹wwwwwwやべえっすわwwwwwwww親父消えたんすわwwwwwwwwwwww」

妹「ああ、旅行に行くと言っていましたよ?」

男「旅行wwwwwwwwwwwwっうぇwwwwwwwwwwwwwwwwロベルトカルロスwwwwwwwwww」

妹「ど、どうしました?」

男「妹、よく聞いて欲しい」

妹「はっ? は、はい……///」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 00:51:44.00 ID:+zT36nY/0<> 男「俺たちはこれから、この村を出てギルドを結成しなければならない。ギルドだ。わかるかい?」

妹「な……この村を出る、って…………! し、しかも、ギルドを作るって……どういうことですか!?」

男「親父はそう言い残して、女神の羽を使って姿を消した。
つまり、親父はもう俺たちを養うつもりは無いのだろう。
そうなると、俺たちは俺たちで稼いで暮らさなければならない」

妹「そんな……お父さんが…………」

男「正直、俺が出来ることと言ったら、生活スキル全般くらいなものだ。
戦闘は全くと言って良い程できない。金稼ぎのノウハウやギルド結成の方法すら知らない。
不安な事だらけで、できれば旅立ちたくないよ……」

妹「…………」

男「でもね、妹。どーせ2人で暮らしていけるように稼がなきゃいけないんだったら、折角だしギルド作って冒険したくね?」

妹「……まったく、無茶苦茶ですね、兄さん。唯、私も、この村を出るのは嫌ですけど……でも、でも、兄さんと一緒なら、私は……」

男「……よし、いい子だ。仕度をして来なさい」

妹「…………はい、兄さん」

ここから長い長い冒険が始まる。

男「(やべえwwwwww俺かっけえwwwwwwwwでもwwww勢いで言ったけどもwwwwwwwwwwwwまじでどうしようwwwwww)」

長い長い冒険が始まる……。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 00:52:38.75 ID:+zT36nY/0<> ――グラス村

男「じゃあちょっと旅立ちますんでwwwwwwwwwwww」

村人A「オウフwwwwww男殿wwwwwwwwいってらwwwwwwwwwwwwwwww」

村人B「妹タソも行っちゃうのかよwwwwwwww寂しいでござるwwwwwwwwwwwwww」

妹「ええ、私も寂しくなりますが、いつかまた必ずこの村に帰ってきます」

村人C「ちょwwwwマジ天使なんだがwwwwwwwwwwww」

村人D「フォカヌポウwwwwww男君も元気でwwwwwwwwwwコポォ」

男「一同wwwwwwww敬礼wwwwwwwwwwww」

村人たち「wwwwwwwwwwww」ビシィッ

男「wwwwwwwwwwwwwwっうぇwwwwww」

村人E「たかしwwwwwwwwww何処行くんだいwwwwwwww」

男「ババアwwwwwwwwボーケン行くから金よこせやwwwwwwwwwwww」

村人E「ごめんねwwwwごめんねwwwwwwカーチャンこれだけしかなくてwwwwwwwwww」

男「そういう心にくるのやめろwwwwwwwwwwwwwwwwww」

村人F「早く行けよwwwwwwwwwwww」

男「では、旅立ちます」

妹「お世話になりました」

村人たち「wwwwwwwwwwww」ノシ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 00:53:45.32 ID:+zT36nY/0<> 妹「兄さん、旅立ったはいいですが……これからどうしましょうか」

男「2人でギルドって作れるの?wwwwww教えてエロい人wwwwwwwwww」

妹「私はエロい人ではないですが、ギルドは5人から作れますよ」

男「まじっすかwwwwwwじゃあwwwwwwww仲間集めようずwwwwwwwwww」

男「はい。で、でも私は兄さんと、ふ、2人っきりでも……///」

男「ちょwwwwwwwwwwww俺の妹がこんなに可愛いわけがあるっていうwwwwwwwwww」

男「もう、兄さんったら/// 褒めても何もでませんよ?」

男「愛液がでるじゃん」キリッ

男「」バシーン

妹「いい加減にしなさい!」

男「ゴメーヌwwwwww」

妹「まったくもうっ…………///」

なんやかんやの後、2人の方針は一先ずティルコネイルへと行く事に固まったようであった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 00:57:25.98 ID:+zT36nY/0<> 一先ず今夜はここ迄です。
自分ssが初めてなものでして、改行等々改善していくのでご指摘宜しくお願い致します。
また、どなたかエロい人が居られましたら酉の付け方を教えろ下さい。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/06/02(土) 01:29:56.39 ID:W0vyMEvf0<> 今のマビノギのシステムだと、生活スキルが極まってたらそれだけで生活できちゃうんじゃね……?

あと、生活スキル全般できると分かってて弓渡したんだとしたら、親父考えてるな。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:10:32.27 ID:+zT36nY/0<> >>10
レス有難う御座います!
無課金状態で露店が開けない的な風に解釈……できませんかwwwwとりあえずこいつらの世界では厳しいのです!

いやあ、レスを頂くって、良いものですね!
マビノギSSなんて需要無いですから、レス1つも頂けずに終了するんじゃないかと懸念してたんですが……。
これでモチベーションを上げて、頑張って書いていこう! と、思いました!

それでは再開します。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:12:02.39 ID:+zT36nY/0<> ――ティルコネイルの外れ、アルビダンジョン


?「はっ!たああっ!」

らふティオズアーマーを着た剣士は、両手剣を振り回して赤クモたちを薙ぎ倒す。

?「ふぅ……さて、いよいよお出ましか……」

ダンジョンの奥の暗闇から現れたのは、その剣士の身の丈の倍ほどもある巨大なクモだった。

?「……ゆくぞッ!」

剣士は両手剣を構えて勢い良く走り出した。

?「はぁッ!!」

巨大クモへと両手剣を深く突き刺し、それを捻り上げ強烈な一撃を放つ。スマッシュというその技は、剣士の得意技であり必殺技でもあった。
剣技の中で最も瞬発力があるスマッシュを1発でも当てる事ができれば、勝負は決まりだと、剣士はそう思っていた。

?「よし! これで……また、一歩…………なに!?」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:12:51.43 ID:+zT36nY/0<> 巨大クモがダウンし勝利を確信した剣士だが、それは大きな間違いだった。
巨大クモはその大きな体躯を揺らし、素早く起き上がる。完全に油断していた剣士は巨大クモの一撃を避けられない。

?「ぐうううっ!」

巨大クモの前足が剣士の体を薙いだ。剣士は5メートル程の距離を吹っ飛び、石の地面に体を打ちつける。

?「か……はっ……ッ!!」

激痛に悶える剣士。しかし、巨大クモの追撃がすぐそこまで迫っている。

?「(こんなところで死ぬわけには……! 母さんに会うまで、死ぬわけにはいかない……ッ!)」

巨大クモは前足を大きく持ち上げ、剣士へと、振り下ろした……。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:14:36.98 ID:+zT36nY/0<> ――ティルコネイル北側、グラス村から通じる道


男「ティルコ着いたったwwwwwwwwテラハヤスwwwwwwwwww」

妹「冒険だと言うのに、こんな近場だとあまり実感湧きませんね……」

男「ティルコネイルで一泊!wwwwwwww」

妹「サイコロ振って旅するなんて嫌ですよ、私は」

男「それもまた一興wwwwwwwwwwww」

妹「兄さん! 嫌ですからね!」

男「オウフwwwwwwww ……オ、オウフ?」

妹「はい? ……なっ、あ、あれはっ!?」

男と妹の視線の先には、ボロボロになったらふティオズアーマーの剣士が倒れていた。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:16:09.82 ID:+zT36nY/0<> ?「ぐっ……はぁ、はぁ……ぐぅうっ!」

妹「そ、そんな……女さんじゃないですか! ひ、酷い怪我です! 早く手当てを!」

女「ぐああっ!」

男「あまり触るな、恐らく何処かの骨が折れている。ヒーラーのディリスさんを呼んで来い」

妹「は、はいっ! 直に呼んできます!」

女「うぐ……ッ!」

男「ちょっと我慢しろよ」

女「ーーッッッ!」

男はカバンから素早く包帯とPSPを取り出し、傷の止血をする。

男「……良し。PSP応急治療は親父に随分教わったからな。持っててよかった、PSP」

男は遠くに妹とディリスが走って来る様子を見遣ると、ふっと溜息をついた。

男「これからこういう機会が多くなってゆくのだろうか…………」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:17:49.71 ID:+zT36nY/0<> ――ティルコネイル北、ヒーラーディリスの家


ディリス「本当に危ないところだったわ。骨折と打撲と大量出血と……模範のような大怪我ね」

女「…………」

ディリス「ポーションを飲んだからもう大丈夫だけど、無茶しちゃだめよ」

女「有難う御座いました……」

ディリス「ん、今度はちゃんとポーション買ってからダンジョンに行きなさい」

女「はい…………」

女はとぼとぼと歩いてヒーラーの家を出る。

妹「あ、出てきましたよ」

男「うはwwwwww女ちゃんwwwwwwwwおひさwwwwwwwwwwww」

女「なっ……!」

妹「お久しぶりです、女さん」

女「……男に妹、久しぶりだな。そうか、助けてくれたのは2人だったのか。全くもって面目無い……有難う」

男「まあwwwwwwwwそれはwwwwww置いといてwwwwwwwwwwww」

妹「そうです。助けるのは当然です。それはいいんです。それより、一つ相談事が……」

女「な、なんだ?改まって……」

男・妹「「今晩泊めてくだしあ!」」

女「…………は、はあ?」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:20:01.73 ID:+zT36nY/0<> ――ティルコネイル、女の家


女父「いやあ、男君! 妹ちゃんも、大きくなったねえ!」

男「いやwwwwww自分wwwwwwまだまだっスからwwwwwwww」

妹「小学校の頃はお世話になりました」

女父「ま、何はともあれ上がりなさい。いくらでも泊まって行ってくれて構わないよ」

男「あざっすwwwwwwwwww」

妹「有難う御座います」

女父は2人にそう言うと、女を見詰めた。

女父「……女」

女「はい……」

女父「またダンジョンに行ったそうだな」

女「…………はい」

女父「何度言わせるんだ……! ダンジョンには行くなと、剣は握るなと!」

女「でも、私は……!」

女父「黙れ! とにかくお前に剣士は向いてない! もう二度とそんなことは考えるな!」

女「…………くっ!」バッ

女父「女! 待ちなさい!」

女は唇を噛み締めて、玄関を飛び出した。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:20:57.59 ID:+zT36nY/0<> 男「うはwwwwww修羅場キタコレwwwwwwwwww」

男「」バチーン

妹「……」

男「ごめんなさい」

妹「追いかけましょう」

女父「その必要は無いよ」

妹「あっ! す、すいません。で、でも……」

女父「いいんだ。あいつは意地になってるだけだ。ほっときゃ帰ってくる」

妹「そんな……」

男「ですよねーwwwwwwwwまwwwwお父さんwwwwww一杯やりましょうかwwwwwwwwwwww」

妹「に、兄さん!?」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:22:18.75 ID:+zT36nY/0<> 女父「そうだな、もう男君もお酒が飲める年か! 光陰矢の如しだなあ」

男「ほんじゃwwwwww妹wwwwwwww何かおツマミでも作って来てwwwwwwwwwwwwwwwwっうぇwwww」

妹「(!)わ、わかりましたっ……!」

女父「ああ、悪いね、妹ちゃん。台所はそこの右だから」

妹「は、はいっ」

妹「(兄さん、私に行けと言うことですね?まったく、兄さんったら……)」

妹は、台所の戸口から外へとこっそり抜け出したのだった。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:23:45.07 ID:+zT36nY/0<> ――ティルコネイル、溜池のほとり


女「はぁ…………」

女は悩んでいた。

女「(父さんの言うことはわかる。全部私のためを思って言ってくれてる。でも、私は、私は母さんに会いたい!
しかし、父さんにこれ以上心配をかけるのも……)」

妹「い、いましたっ! よかったです」

女「……ん、妹か。さっきは悪かったな」

妹「いえ、女さん。さあ、暗くなるのでもう戻りましょう?」

女「ははっ、私は駄目だな。色んな人に心配かけてばかりで。目標にはまだ全然近づいてないと言うのに」

妹「……目標、ですか」

女「ああ、目標だ」

妹「……お聞かせ頂けますか?」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:24:48.49 ID:+zT36nY/0<> 女「…………そうだな、男にも話したことだ」

妹「に、兄さんに……」

女「うむ。これは男と私が打ち解ける切欠になったことにも関わるのだが」

女はぽつりぽつりと語りだした。

女「小学生の頃だな。私と男は同じ教室でな。あれは授業参観の日だった。
みんなの母親が参観に来る中、私と男の母親だけ、来なかったんだ。
それもそうだ。私も男も母親がいなかったからな。父親は仕事だし……寂しかったよ」

妹「そう、ですね……寂しいです」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:26:23.66 ID:+zT36nY/0<> 女「ああ。でもな、その日の帰りに、男が唐突に私に話しかけてきたんだ。
お前母ちゃんいないのかよワロス、ってな。私は思わず言ったよ。お前もだろ!って」

妹「ふふっ、兄さんらしいです」

女「男のやつは昔からそういうところで気が回るからな。その後は参観日だろうと何だろうと、寂しい思いをせずに済んだよ。
良い意味でも悪い意味でも、な」

妹「ええ。兄さんは少々空気が読めないですからね……。しかし、それが目標と?」

女「うむ。私は……母さんに会いたいんだ」

妹「会いたい…………」

女「実はな、私の母親は生きている」

妹「そ、そうだったのですか!?」

女「母親は昔、一流のギルドの騎士として活躍していたらしい。私は母親に会うために修行をしているんだ。
いつか強くなって旅をして……そして、母さんを探し出して、会いたい。会って、話がしたい。これが私の目標だ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:27:37.70 ID:+zT36nY/0<> 妹「旅…………」

女「まあ、まだまだ一人旅をするには実力不足なのだがな、ははっ」

妹「…………女さん!」

女「ど、どうした?」

妹「とりあえず、家に戻りましょう。そしたら、そこで……兄さんと私から大事なお話があります」

女「お、おう…………」


一方その頃。

男「おツマミの遅さに流石の俺も苦笑。ま、別にいいんだが(ピュア」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/02(土) 10:33:12.19 ID:+zT36nY/0<> 今朝はここ迄です。
ここから先は書き溜めが無いので、まったり更新となる予定です。
みなさんのレス、お待ちしております。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)<>sage<>2012/06/02(土) 10:52:54.09 ID:TtlLU0YU0<> おつんぽ
妹さん連れて白ハーブ抜く旅に出たい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/03(日) 21:06:25.24 ID:VRusSnep0<> >>25
レス有難う御座います!
妹ちゃんはベースハーブしか抜けないのでどうぞ男さんをお連れ下さい。
男さんならゴールドハーブ2000本地獄までもを経験しているので有用です。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/03(日) 21:07:17.50 ID:VRusSnep0<> それでは本日の分を始めます。



――ティルコネイル、女の家


男「wwwwwwwwwwww」

妹「…………」

女「…………」

女父「…………」

男「妹wwwwwwwwおツマミは?wwwwwwwwww」

妹「えっ」

男「えっ」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/03(日) 21:12:01.69 ID:VRusSnep0<> 女父「…………女」

女「…………」

女父「諦めはついたか」

女「…………」

女父「お前は母さんみたいになる必要はない。ここでのんびりと暮らせばいいじゃないか」

女「…………」

女父「とにかく、もう剣はやめろ。その剣も鎧もお父さんが預からせてもらう」

女「そ、それは……っ」

妹「っ! ちょっと宜しいでしょうかっ!」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/03(日) 21:13:19.54 ID:VRusSnep0<> 女父「……どうしたんだい」

妹「…………女さん。兄さんと私は今、旅をしています」

女・女父「「――っ!!!」」

妹「目的は、ギルドの結成です。詳しい事は私もよく分かりませんが、それでも、私たちは、ギルドを作るために旅をしなければならない状況にあります」

女父「そ、そんな、父の奴はどうしたんだ!」

男「夜逃げwwwwwwwwっていうかwwwwww朝逃げwwwwwwwwwwwwパネェwwwwwwww」

女父「なんということだ……」

女「で、では、今は2人旅なのか!?」

妹「はい。ですが、まだ旅の初日にティルコネイルへ立ち寄ったばかりです。この先何が起こるかは……わかりません」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/03(日) 21:14:22.56 ID:VRusSnep0<> 女父「な……ならんッ! ならんぞ! 君たち二人を旅に出すなんて! 危険すぎる!!」

妹「しかし、これはもう兄さんと私で決めたことです。諦めるつもりはありません」

女父「無茶だ! よく考えてみなさい! ティルコネイルから一歩足を踏み出せば、凶暴なモンスターがうじゃうじゃいるんだぞ! やめておけ!」

男「お父さんwwwwwwwwさっきからwwwwww必死すぎwwwwwwwwwwwwワロタwwwwwwwwww」

女父「なっ、何を言っとるんだ! 私は君たちの為を思って……!」

男「それwwwwwwww御為倒しだからwwwwwwwwwwww」

女父「なんだと!」

男「実を言うとwwwwww女ちゃんが付いて行くんじゃないかってwwwwww心配wwwwwwwwwwww」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/03(日) 21:15:46.50 ID:VRusSnep0<> 女父「そ、な……それがどうした! 親として、当たり前だろう!」

男「出ましたーwwwwwwww親としてwwwwwwwwwwwwっうぇwwww」

女父「何が可笑しい!」

男「俺が親ならwwwwwwやっぱり娘が心配wwwwwwwwだけどもwwwwだっけっどwwwwwwwwwwwwっうぇwwwwwwww自由にさせてやりたいっつーかwwwwwwwwww母親に合わせてやりてえwwwwww」

女父「……だ、黙れ! 駄目なもんは駄目だ!」

男「最早wwwwwwww駄々っ子wwwwwwwwwwでもwwwwwwまあwwww気持ちはわかるわwwwwwwwwwwしかしですなあwwwwwwww自分の子供にちゃんと本音で向き合ってないっていうwwwwwwwwwwwwwwそれは流石に駄目だろwwwwwwwwwwwwっうぇwwwwwwwwはい論破wwwwww」

女「…………」

女父「き、君に親の気持ちは分からんのだ!」 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/03(日) 21:17:10.07 ID:VRusSnep0<> 男「まあまあwwwwwwでwwwwwwまとめるとwwwwwwwwお父さんは女ちゃんを旅に出すのが心配で堪らなくてwwwwww
且つ自分が独りになるのが寂しいとwwwwwwwwwwそんでwwww女ちゃんはお母さんに会いたくて旅に出たいとwwwwww」

女「…………うむ。私は旅に出て、母さんに会いたい。この意志は絶対に変わらない」

女父「女ッ!」

男「まあまあまあwwwwwwでだwwwwwwww女ちゃんが旅に出るのはもう決定事項なわけwwwwww
だったらwwwwwwwwwwお父さん的にはwwwwwwww少しでも心配減らしたくねwwwwww」

女父「決定事項とは何だ! 私は許した覚えは無いぞ!!」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/03(日) 21:18:28.64 ID:VRusSnep0<> 男「でさあwwwwwwww賭けしようずwwwwwwwwwwww」

女父「この期に及んで何かと思えば……賭けだと! 馬鹿にするな!」

男「……明日、ティルコネイル東側の外れのキアダンジョンに俺・妹・女ちゃんの3人で行きます。
そこのボス”ゴーレム”を倒せれば、賭けは俺たちの勝ちです。
女ちゃんを俺たちのパーティに加え、ギルドを作る旅に出させて頂きます。
そして、もし、倒せなかった場合。女ちゃんには……諦めてもらいます」

女・女父・妹「「「――ッ!!!」」」 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/03(日) 21:19:57.80 ID:VRusSnep0<> 女「むっ、無理だ! そんなの、勝てっこない!! 私は巨大クモにさえ勝てなかったんだぞ!? ゴーレムは巨大クモの何倍も強い化け物だ!!」

妹「そうですよ、兄さん! 兄さんも私もまったく戦闘できないじゃないですか!」

男「いいから」

女「そ、そんな無茶な……!」

妹「に、兄さん…………?」

男「……いいですよね、お父さん?」

女父「…………いいだろう。それで女が諦めるなら、この賭けに乗ってやろうじゃないか」

男「…………有難う御座います」

そうして、女の旅を賭けた、キアダンジョンの攻略が始まることとなった……。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/03(日) 21:28:00.94 ID:VRusSnep0<> 今夜はここ迄です。
酉をつけてみました。
また失敗したら恥ずかしいのでテストスレでテストしてみたのですが、テストスレを間違ってageてしまって結局恥ずかしかったです。
テストスレの皆さん、申し訳ないです。

それではまた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/06/03(日) 23:34:50.39 ID:4NDcnjH60<> 生活スキル極まってるとか、本当は戦闘もめちゃくちゃ強いだろ……

とりあえず、>>1が何処鯖の人か気になった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/06/03(日) 23:45:04.56 ID:0nOco3PYo<> 乙
剣は初心者にはイバラの道
おとなしくハンマー使っとけってこった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/06/04(月) 07:47:19.91 ID:/rmUyAtlo<> OβからC2きて引退した俺支援 <> ◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 00:53:42.96 ID://J8LaP30<> みなさんレス有難う御座います!!

>>36
自分鳥穴っス!累積1000ちょっとの人間でまったりやっております。

>>37
初心者のうちに両手剣がカッコイイからって手を出すと、修理費で痛い目見ますよね。良い思い出です……。

>>38
なんとめずらしい!灰色オオカミPT時代の方ですね!支援有難う御座います!頑張ります!


それでは今夜分の投下を始めます! <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 00:54:41.62 ID://J8LaP30<> ――ティルコネイル、女の家・寝室

女「男! どうしてくれるんだ! ゴーレムに勝てなければ諦めるだなんて、もう結果は見えているじゃないか!」

男「あわてないwwwwwwwwあわてないwwwwwwww一休みwwwwwwww一休m」バチーン

妹「兄さんっ!」

男「マイシスターwwwwwwそんな頻繁に叩いたらお兄ちゃんのint減っちゃうwwwwwwwwww」

妹「減るものがありません! そんなことより、何か策があるのですか? でないと本当に女さんが諦めることになってしまいますよ!」

女「そ、そうだ……それどころか、私たち全員、ゴーレムの餌食に…………」

妹「っ…………」 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 00:55:49.68 ID://J8LaP30<> 男「女ちゃんwwwwwwゴブリンは倒せる?wwwwwwww」

女「あ、ああ。ゴブリンなら問題なく倒せるが……それがどうした」

男「うっはwwwwwwだったらwwwwwwww勝ち確wwwwwwww楽勝wwwwwwっうぇwwww」

女「……?」

妹「に、兄さん? どういうことですか?」

男「道中でwwwwww手こずらなけりゃwwwwwwwwもう買ったも同然ってこったwwww」

女「お前は何を言ってるんだ。例えボスの部屋まで辿り着けたとしても、ゴーレムに勝てるわけが無い」

男「勝てちゃうんだなあこれがwwwwwwwwwwww」 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 00:57:31.28 ID://J8LaP30<> 女「男……お前とは長い付き合いだ。幼い頃からよく一緒に遊んだ幼馴染だ。親友だ。信頼している。
だが、こればっかりは信じられない。私が見ている限り、お前は戦闘のせの字も知らないヒョロ夫じゃないか」

男「ヒョロ夫wwwwwwwwひでえwwwwww」

女「……そうだ、お前はいつもそうだ。私の知らないところで私の分からないことばかりを考えていてっ!
でも、それは…………っ、もういいっ」

女は下唇をぎゅっと噛むと、自分の部屋へと戻って行った。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 00:59:48.19 ID://J8LaP30<> 妹「……一体何を考えているんです?」

男「ひwwwwwwみwwwwwwつwwwwwwww」

妹「…………ふう、まあいいです。私は何処までも兄さんに付いて行きます。それだけですからっ」

妹はそう言うと、紅潮した顔を隠す様に深々と布団を被った。

妹「おやすみなさいっ!」

男「はいはいwwwwおやすみwwwwww」


そして、夜が明ける……。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 01:00:34.02 ID://J8LaP30<> ――ティルコネイル東側の外れ、キアダンジョン入口


男「じゃあwwwwww行って来ますねwwwwwwwwお父さんwwwwww」

妹「…………」

女「」ガクガクブルブル

女父「約束は約束だからな。…………それでは、ディリスさん。よろしくね」

ディリス「はあ、まったく。しょうがないですね」

女父「ディリスさんをコミッショナーとしてお呼びした。君たちが無理をしないように、だ。
もし、無理をしている様だったら、即刻ダンジョンを出てもらうからな」

男「ぱいぱいっwwwwwwwwwwwwうぇwwww」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 01:01:11.47 ID://J8LaP30<> ディリス「じゃあ、行きましょうか」

妹「…………」

女「」ガクガクブルブル

ディリス「……だ、大丈夫なの?」

男「まあwwwwwwなんとかナルるートくんwwwwwwwwww」

ディリス「頼むからね……とばっちりなんて嫌よ、私は……」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 01:02:04.14 ID://J8LaP30<> ――キアダンジョン内部


男「さてwwwwwwそれじゃあ作戦について説明すっからwwwwwwww」

妹「わ、私は戦闘なんて出来ませんからね、兄さん?」

女「わ、私もだ……」

男「この味はッ!……嘘をついてる味だぜ……女ちゃん」

ディリス「どうしてそうすぐにバレる嘘をつくかなあ。あ、ボケか」

女「ど、どうせ私をゴーレムに特攻させるつもりだろう!? 嫌だ! 死にたくない! 自分死にたくないっス!!」

男「ねーywwwwwwあるあrwwwwwwねーよwwwwwwww」

ディリス「なんかもう女ちゃんキャラ変わっちゃってるじゃない。あ、ボケか」 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 01:03:31.34 ID://J8LaP30<> 妹「なっ! ではゴーレムと戦うのは兄さん一人ということですか!?」

男「まwwwwwwあwwwwwwwwねwwwwwwww」

女「そ、そうなのか…………え!?」

妹「……何か策があるのですね?」

男「だからwwwwww秘密だとwwwwwwwwww」

女「…………策……って……もし……ゴーレム…………勝………………」ブツブツ

ディリス「…………ボケ、か?」

男「…………」

妹「…………」

女「!!!」ティーン

女「男っ! 私は何をすればいいんだ!? この勝負、行けるぞおっ!」

ディリス「わかった、お前、アホだろ」 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 01:04:26.41 ID://J8LaP30<> ――キアダンジョン、一層目


男「じゃあwwwwww女ちゃんは湧いてるゴブリン共の掃除をよろしくねwwwwww」

女「わかった! 男、ゴーレムは任せたからな! ゴーレムは任せたからな!!」

ディリス「2回言ったわ」

妹「兄さん、私は何をすれば良いでしょう」

男「俺とwwwwww妹はwwwwwwwwゴブリンアーチャーの股間に蹴りを入れる作業wwwwwwww」

妹「うっ……わ、わかりました」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 01:06:02.70 ID://J8LaP30<> 女「はああッ! せいッ!!」

女は早速うろうろしていたゴブリンに斬りかかる。
大きな両手剣の一振りは軟なゴブリンにはひとたまりも無く、1分と経たずに5匹のゴブリンを葬った。

女「よし! 男! ゴーレムは任せたからなあああ!」

ディリス「どんだけ嫌なのよゴーレム」

妹「はっ!」

ポキュッという音を鳴らし、ゴブリンアーチャーは前のめりに崩れ去った。

男「こういうwwwwww人型はwwwwww弱点あるからwwwwwwぬるいわwwwwwwww」

ポキュッ ポキュッ と、ゴブリンアーチャーたちも難なく片付く。

ディリス「ふぅん、これは……ゴーレムまでは問題ないかしらね」


そうして、3人と1人の奇妙なパーティは、キアダンジョンの奥深くへと進んでいった……。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/05(火) 01:14:51.41 ID://J8LaP30<> お憑かれ様です、今夜はここ迄。
やっとプロローグの終盤、といった感じです。
依然書き溜めが無いので、更新ペース遅め&クオリティ低めでお送りしております。
どちらも両立して底上げしたいところです!

ではっ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/06/05(火) 01:21:31.73 ID:1kflZ8nuo<> 乙
女ちゃんは両手剣でゴブリンに対処できるのに
巨大グモに勝てないってどういうことなの

もしやまさかのカウンター未習得なのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/06/05(火) 17:42:54.71 ID:/YFv0hsO0<> 低ランクのカウンターだとクモの速さに若干間に合わなかったはず。
あと、巨大クモでかすぎてターゲット判定がヤバい。よくわからん。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 00:52:52.47 ID:Yp8sRbbo0<> やあやあ皆さん、お久しぶりです!

>>51
どうも倒しきれないと対処にてんやわんやするみたいです。

>>52
巨大クモの当たり判定は彼らにとっては諸刃の剣ですよね。
ミルが凄い距離から当たります……。


それでは再開致します! <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 00:53:51.93 ID:Yp8sRbbo0<> ――キアダンジョン、三層目

男「作戦会議します」

妹・女「「!?」」

ディリス「草が無い……だと……」

男「ここからポイズンゴブリンっていう紫色の気持ち悪いのが出てくるから。注意ね、女ちゃん」

女「何故だ? 私なら難なく戦えるぞ」

男「あいつらは人道を知らんとんでもないくそったれ野郎ばかりだ。2対1が当たり前だと思っていやがる」

女「ふん、2対1だろうと変わらないな。私の剣の前ではただの紫キャベツに過ぎない」

妹「で、では私はどうすれば良いのでしょうか?」

男「やることは変わらないよ」

男「但し、なるべく早くだ。具体的に言うと、ポイズンゴブリンアーチャーが女ちゃんへと攻撃する前に……ヤル」

妹「女さんの為とはいえ、急所を蹴るのはもう嫌ですよ……」

男「お兄ちゃんだって嫌だよ! わがまま言うんじゃありません!」

妹「はあ……仕方が無いですね。早くほかの攻撃手段を学びたいですよ…………」

男「まあ、後で魔法学校のラサさんの所にでも行って魔法を教わったらどうだ? 昔に魔法やりたいって言ってただろ」

妹「そうですね。いや、そうですよ! 魔法、良いですね…………ふふふ……」

妹は何か閃いた様子であった。

男「さ、それじゃ締まって行こう」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 00:54:37.76 ID:Yp8sRbbo0<> 女「はッ!」

女はポイズンゴブリンたちへと斬りかかる。

一匹、また一匹と倒れていくが、ここで先程とは様子が変わってきた。

女「くっ……なんだ? 捌きが忙しい……っ!」

ゴブリンとは違って同時に襲い掛かってくるポイズンゴブリンは、色々な工夫をしてくる頭の良さがある。
女の考えは甘かった。

女「ふんっ! だが、これならば、まだいける!」

苦戦を強いられてはいるものの、上手い立ち回りでポイズンゴブリンたちを倒していく女。

ディリス「(なるほどね……女ちゃん、良い動きをするわね。でも、もし一通りの攻撃で倒しきれないとすると……)」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 00:55:19.30 ID:Yp8sRbbo0<> 女「せやっ! ……な、くそっ! ぐうっ!!?」

女はついにポイズンゴブリンの一撃を食らってしまった。
すぐにもう一度攻撃をしようとする。ポイズンゴブリンに、女はなす術が無い。

女「(ま、まずい……!?)」

妹「てやあっ!」

ポイズンゴブリン「」コキーン

間一髪で妹がポイズンゴブリンの急所を蹴り上げ、女は難を逃れた

女「……す、すまない。危ないところだった」

妹「ええ、こちらもなるべく早く倒して行きます。頑張ってくださいっ」

…………かのように思えた。
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 00:56:27.12 ID:Yp8sRbbo0<> 女「うむ。ありがt――――ッッ!!!」

女は声にならない声をあげて崩れ落ちる。
背後に潜んでいたポイズンゴブリンアーチャーが女の背中を射抜いたのだ。
ポイズンゴブリンアーチャーは次の攻撃のため既に照準を絞っている。

男「な……くそっ! 間に合わない! ディリスさん!」

ディリス「はいはいっ」

妹「…………っ」

男はディリスへと女の回復を頼んだ。

それは、”賭け”の負けを認める行為だった。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 00:58:08.06 ID:Yp8sRbbo0<> 女「まだだあああッ!」

男・妹・ディリス「「「!!??」」」

女は体勢を崩しながらも素早く起き上がった。

そして、なんと、両手剣を、その手から、離した。

妹「な、何をやって……!?」

男「…………!?」

ディリス「……これは、驚いたわ」

女は背中へと手を回すと、その左手に小さな小さな円形の防具を取り付ける。

女「間に合えッッ!」

次の瞬間、女は重心を低く持ちその場に砂塵を巻き上げる程の凄まじい勢いで
ポイズンゴブリンアーチャーへと向かって地面を蹴ると、
まるでミサイルのように一直線に加速し、一瞬にして標的へと強烈な体当たりを食らわせた。

女「よしッ!!」

よろけるポイズンゴブリンアーチャーへ女は追撃する。
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 01:00:15.13 ID:Yp8sRbbo0<> 女「はああッ!」

女の容赦ない斬撃にポイズンゴブリンアーチャーはひとたまりも無かった。

妹「やりました……!」

男「こ、この技は……!」

男・ディリス「「【突進】!」」

女は苦笑しながら答える。

女「……ああ、昔に母さんに教わったことがあるんだ。最後の切り札だったんだがな」

男「親父には戦闘スキルの高等テクニックと教わったが……まさか女ちゃんが使えるなんて」

妹「凄いです……それに、その盾。かなり高価なものに見えますが……」

女「これは、母さんがくれたバックラーだよ。私の…………お守りだ」

男「本当に、本気で、強くなりたいんだな」

女「死ぬほど練習したよ」

妹「お母さんに、会うため……ですか」

女「うむ…………さ、今回は油断したが、次はない。とっとと進むぞ」

ディリス「(独学でここまで鋭い【突進】ができるなんて…………)」

ディリス「(もしかして、女ちゃんは、ダイヤの原石なの……かも?)」


一行のキアダンジョン攻略は、ついに終わりを迎えようとしていた……。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 01:01:09.24 ID:Yp8sRbbo0<> ――キアダンジョン三層目、ボスの部屋前

女「…………男。本当に任せて良いんだな」

男「ま、女ちゃんは旅に出た後のことでも考えてなよ」

女「その自信はいったい何処から来るんだ……」

妹「女さん。もう諦めて兄さんを信じるしかないと思いますよ……」

女「そうだが……私はただ男が心配なんだ」

男「女。一つだけ言いたい」

女「な、なんだ?」

男「俺……この戦いが終わったら、故郷でお花屋さんを開くのが夢なんだ」

妹・女「「オイィィイイィィィイイィ!!!」」

妹「どうしてわざわざ死亡フラグを立てるんですかぁ!」

女「心配かけたいのかお前は!? わざとか!? わざとやってんのか!?」

男「HAHAHA! スティーブ、そんなわけないだろう? なぁに、すぐ戻るぜっ」

妹・女「「だからあああああああ!!!」」

妹「陽気な黒人は真っ先に死にますよ!! あと誰ですかスティーブって!」

女「私か!? 私がスティーブか!?」

男「ちなみに俺はボブだ」

妹「聞いてません!」

女「聞いてないぞ!」

ディリス「早く行けよお前ら……」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 01:01:53.98 ID:Yp8sRbbo0<> ――キアダンジョン、ボスの部屋


男は勢い良くボスの部屋の扉を開け放つ。

そこは広い大部屋になっており、まるでコロシアムの様であった。

グオオオオオオン!!

雄叫びをビリビリと響かせ、ゴーレムはその場から湧き出るように姿を現した。

女「き、来たぞ……!」

妹「こっ、こんなに…………大きいのです、か」

ゴーレムは全長10メートルもあろうかという巨体で、
全身を構成している巨大な石を擦って唸らせる。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 01:02:45.42 ID:Yp8sRbbo0<> そして、ゴーレムは高々と掲げたその手を地面へと振り下ろした。

ズゴオオオオオオオオン!

男「うおおっ」

女「なにぃっ!?」

妹「きゃっ!」

ディリス「げっ!」

その場に地震を起こして攻撃する【ストンプ】というその技を
まともに食らった4人は、見事に全員転んでしまった。

男「駄目だ、余裕がない! すぐにケリをつけるぞ!」

男「女ちゃん! どうにか足止めを頼む!」

女「あ!? なっ! 話が違うじゃないかあああ!!」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 01:03:41.47 ID:Yp8sRbbo0<> すると、男はおもむろに妹のカバンを肩に担いだ。

妹「にっ、兄さん? 何を」

男「妹、これは女ちゃんの為でもあるんだ。だから……」

妹「だから……?」

男「怒らないでねえええ!」

妹「なっ、ちょっ! ええええ!?」

男は妹のカバンを漁りつつゴーレムから距離を取った。

ゴーレムはまたしても腕をグルグルと回し出す。

男「【ストンプ】だ! 離れろッ!」

女「くううっ!」

妹「はいっ!」

ズゴオオオオオオオオン!

二度目のストンプは全員十分な距離があったため食らうことは無かった。

ディリスは一人隅に寄って様子を見ている。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 01:05:23.00 ID:Yp8sRbbo0<> グオオオオオオン!!

ゴーレムはグラグラと揺れながら男の方へと向かって行く。

男「くそっ! 間に合わないのかよ!?」

男が妹のカバンから”何か”を取り出す前にゴーレムの一撃が一発でも入れば、
このパーティは一巻の終わりと言っても過言ではない。

それが分かっていたからこそ、女は決断に至った。

女「うあああああ!!!」

妹「女さんっ!」

男「…………っ!」

女の【突進】がゴーレムへと突き刺さる。

ゴーレムはそれを受けると、ほんの一瞬だけ怯んだ。

女はその隙を逃さない。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 01:06:05.00 ID:Yp8sRbbo0<> 凄まじいスピードで両手剣へと持ち替えると、渾身の【スマッシュ】を繰り出した。

女「私は! 私はッ! 母さんに会うんだッ!!」

女「ゴーレムにっ! 負けてなんていられないッ!!!」

両手剣を捻り上げて衝撃波を放つ。

ゴーレムは吹っ飛んで崩れ落ちるが、大したダメージを与えられていなかった。

女「あ、諦めてなるものか……! 諦めるもんかああああああ!!」

妹「無茶です!! 女さんっ!!」

ディリス「っ!」

女「はあああッ!!」

女は力の限りゴーレムへと斬りかかった。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 01:07:25.12 ID:Yp8sRbbo0<> ガイィィン!

金属と石がぶつかり合って、鈍い音が鳴る。

ディリス「い、いけないっ!! 【ディフェンス】だわ!」

女「……ッ…………え」

ゴーレムは女の一撃を物ともせずに、巨大な石の腕を振り上げ攻撃のモーションをとった。

妹「女さん!!!」

男「そぉい!!」

ゴーレムが女へと腕を振り下ろす直前、男はゴーレムへと黄金色に輝く何かを投げつけた。

それはゴーレムに当たると更に輝きを増して、大爆発を起こした。

女「うううっ……!?」

妹「な、なっ!?」

ディリス「…………ッ!!」


砂煙が静まると、そこにいた筈のゴーレムは跡形も無く消え去っていた。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 01:27:39.05 ID:Yp8sRbbo0<> 本日は以上です!

変更点があるので箇条書きします。
・スキル名をすみつきカッコ【】で括りました
・男の草をあんまり生やさなくしました
・地の文を増やしました

ではまた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/06/16(土) 14:41:28.83 ID:iSXRwgqeo<> 続きに期待 <> ◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 21:59:25.07 ID:Yp8sRbbo0<> >>68
ありがとうございます!


今日もきりきりとストック投下して行きます。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:01:05.83 ID:Yp8sRbbo0<> 女「!!?」

妹「??」

ディリス「な、どうして……」

男はニッと不適に笑ってディリスに言う。

男「ディリスさん、これで賭けは勝ちですね?」

ディリス「…………え、ええ。あなた達の勝ちだわ。でも」

ディリス「一つだけ教えて。どうしてあなたがこの技を使えるの」

男「ああ、これですか。親父に教わりましたよ」

ディリス「それにしたって……! これだけの威力は並大抵じゃ出せないわ!」

男「え、普段より投げる量を増やしてみただけですよ? か、かなりですが……」

ディリス「なんっ……!?」

ディリス「(ぶっつけ本番ってこと!? あ、有り得ないわ……)」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:02:27.66 ID:Yp8sRbbo0<> 女「ちょ、ちょっと! 私にも説明してくれないだろうか」

妹「そうです。私には、兄さんが一発でゴーレムを倒したように見えたのですが……」

男「あ、アアー!? ジーマー!? チョー偶然じゃーん!?」

ディリス「あれは【ゴールドストライク】よ」

妹・女「「【ゴールドストライク】??」」

ディリス「お金をエネルギーに還元して攻撃する超特殊技術、ってところね」

男「………………」

女「……??…………???」

妹「?…………!!!」

妹「にっ、兄さん!! ま、まさかっ!!?」 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:03:13.41 ID:Yp8sRbbo0<> 男「ごめんなさいいいい!!」

妹「もしかして、ぜ、全部投げたんですか……!?」

男「」テヘペロ

妹「どうするんですかああああああ!!!」

男「申し訳ありませんんん!!」

妹「誤って済む問題ですか! 全財産ですよ!? この先どうするんですか!?」

男「ひいいいいい!」

女「ど、どうしたんだ?」

妹「兄さんのおかげで一文無しです!」

妹「この先まともに冒険できるか怪しいです! 死活問題です!!」 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:04:19.28 ID:Yp8sRbbo0<> ディリス「ぜ、全財産って、いくら投げたのよ?」

男「ざっと10万程ぉ…………」

女・ディリス「「10万んん!!??」」

女「そっ、そんな大金……男……お前…………」

妹「まったく、兄さんには毎度毎度呆れます…………」

ディリス「(10万ゴールドもダメージに還元できたというの!?)」

ディリス「(しかも予行練習無しなんて……そんな話聞いたことも無いわよ!?)」

ディリス「(やはりというべきか、男君は、天才なのかもしれないわ……)」 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:04:53.55 ID:Yp8sRbbo0<> 男「ま、まあこれで女ちゃんも加わることだし、稼げばいいよ! なっ?」

妹「ええ、仕方がありません」

妹「が、一言相談があっても良かったんじゃないでしょうか?」

男「だってお前怒るでしょ!?」

妹「どちらにせよ怒ります!」

男「やっぱり詰んでた!」

女「その…………ちょっといいか?」

妹「あっ、別に女さんを攻めているわけではありませんよ!?」

男「そうそう、俺が勝手にやったことだからね」

女「ああ、いや、それもあるんだが……そうでなくてな…………」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:05:59.94 ID:Yp8sRbbo0<> 暫しの沈黙の後、女は深々と頭を下げた。

女「ありがとうっ!!!」

女「二人のおかげで! 私は母さんを探すことが出来る! 本当に、ありがとう!!」

男「…………ふっ」

妹「…………ふふっ」

妹「……女さん。女さんがそうやって一生懸命だからです」

妹「そうでなければ、きっと兄さんはこんな無茶苦茶な賭けはしませんでしたよ」

男「べっ、別に俺は女ちゃんの為にやったわけじゃないんだからね!」

男「たまたまギルドメンバーに良いと思ったから仕方なくっ」

妹「…………」

男「う゛……ま、まあ、これで終わりじゃない、と言っておこう」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:06:46.78 ID:Yp8sRbbo0<> 男「女ちゃんはこれから、俺達のギルドの前衛として活躍してもらうからね」

男「お母さんを探すのはギルド活動をしながらになるけれど、それでもいいかい?」

女「うむ! それだけで私にとっては十分すぎる機会だ!」

女「そして……私は、もっともっと強くなって、きっと男の役に立ってみせる!」

女「男…………お前には昔から世話になってばかりだった」

女「でも、男。今度は、私が……」

男「ほほうwwwwwwそれでそれで?wwwwwwww」

ディリス「台無しかおい」

妹「あ、戻りましたね……」

女「まったく…………///」 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:07:43.29 ID:Yp8sRbbo0<> ――ティルコネイル、女の家の前


女父「」

男「チョリーッスwwwwwwじゃあそういうことでwwwwww」

妹「お世話になりました」

女父「」

ディリス「こればっかりは仕方ないわね……」

女「…………父さん」

女父「………………女。お前も母さんと同じように、旅立ってしまうのか」

女「……いや。私は、母さんとは一つだけ違う」

女父「…………」

女「私は、帰ってくる。母さんを連れて」

女父「……イリア大陸へ向かう船に乗る母さんを見たと、行商人に聞いたことがある」

女「イリア大陸……」

女父「これを持って行け」

女父はグラディウスを女に手渡した。

女「と、父さんっ! これは!?」

女父「餞別だ」

女父「必ず…………必ず母さんに会って、帰って来い」

女「………………はい!!」
<>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:12:18.47 ID:Yp8sRbbo0<> 男「お世話になりまんたwwwwww」

女父「女を宜しく頼む」

妹「はいっ。お父さんもお元気で!」

男「はいオッケーwwwwってことで打ち上g」バチーン

妹「空気を読みましょう」

男「はい」

妹「それと、打ち上げするお金がありませんよね?」

男「はい」

妹「誰のせいですか?」

男「私がやりました」

女「ほら、ごちゃごちゃ言ってないで行くぞっ!」


そうして、男・妹・女の3人パーティは、ギルド設立へと向けて旅立つ。
長い長い冒険が、いよいよ、始まる……。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:15:17.04 ID:Yp8sRbbo0<> 女父「些か不安だ……」

ディリス「…………まあ、戦闘に関しては安心だと思うわ」

ディリス「ペッカワンダラーズ<地獄を彷徨う者ども>の新世代を築くポテンシャルを秘めている」

女父「……その名を口にするな」

ディリス「ま、少なくとも男君は確実ね。流石サラブレッドだわ」

女父「父の野郎……何を企んでいるんだ…………」



☆プロローグ 終了 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:21:35.54 ID:Yp8sRbbo0<> いやあ、これでプロローグがやっと終了となります!
自分で書いててちょっとアッサリしすぎかなと思ったりするんですが、
あまりだらだら書くのもそれはそれで悪い気がしてですね……。
その辺の事でレス頂けると今後に繋げて行けて有り難いです。
あと単純に嬉しいです。
好きな食べ物の話でも何でも良いので書き込んで下さい。

それでは、また。 <>
◆lXySJn7SIU<><>2012/06/16(土) 22:25:01.03 ID:Yp8sRbbo0<> ひとつ訂正です。

>>71 還元× → 変換○

申し訳ないっス。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/06/16(土) 22:47:54.53 ID:wGEgIBQE0<> 案の定、男は天才商人だったでござる(スキル的な意味で) <>