VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:12:16.67 ID:YKQDnkfjo<>幼馴染「…え?」

間の抜けた声を上げる幼馴染。
その顔は何を言っているのか分からないと言った顔だった。
だが次第にそれは認めたくないという表情に変わっていく。

幼馴染「え?許嫁?ど、どういう事!?」

男「いや、俺にもよく分からないんだ…昨日いきなり父さんに言われて…」

男が言うには、昨夜両親に神妙な面持ちで「話がある」と部屋に呼び出されたらしい。
そしてそこで許嫁がいると言う事を聞かされた。
他にも、相手方の両親はもちろん、娘も了承しているという事、許嫁と言うのは飽くまでも形だけの呼び方で強制ではない事等も聞かされた。

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<>男「何か俺には許嫁がいるらしい」 幼馴染「」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:12:32.50 ID:YKQDnkfjo<> 幼馴染「そっか…それで、受けるの?」

男「とりあえずはね」

幼馴染「でも強制じゃないんでしょ?」

「強制ではない」、その言葉に縋りつくように聞いた。

男「そうだけど、父さんや母さんの面子もあるからね。会うだけ会って見ようと思う。」

幼馴染「…ふーん」

納得が行かないと言った顔だが、幼馴染はそれ以上聞こうとはしなかった。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:14:25.51 ID:YKQDnkfjo<> 書くの忘れてたけど
これ、ntrあるけど俺はntrが嫌い
だからntrスキーは回れ右オナシャス

─とある料亭にて─

男「こんにちは」

許嫁「…こんにちは」

短い挨拶を終えると今度は親同士が長い挨拶を交わしていた。
その挨拶が終わると早々と二人の両親は部屋を出ていった。
しばらくの間無言が続いたが、どちらからともなくぽつりぽつりと会話が生まれた。
内容は他愛も無いものであった。
どこに住んでいるのか、趣味は何か、普段どういう事をしているのか、学校はどこなのか等である。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:15:16.18 ID:YKQDnkfjo<> 初めはぎこちない会話だったが、次第に互いに笑顔が見えてきた。

「失礼、そろそろ時間が…」

両親が部屋へ戻って来るなり、そう告げた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:15:44.94 ID:YKQDnkfjo<> ─自宅にて─

父「で、どうだった?」

男の父が問いかける。

男「どうもこうも…優しそうだし良い人だとは思うけどまだ何とも言えないよ」

父「はっきりしないやつだな」

男の父は笑いながら言った。

母「別に無理にってわけじゃないから、嫌なら嫌で、それでもいいのよ?」

男の母は父とは逆に、男を心配した口調だった。

男「嫌いって事は無いよ、ただ、本当に分からないだけ。それに仮に俺が好きになっても向こうがどう思ったかは別だしね。」

父「それもそうだな、まぁ嫌いじゃ無いと言ってたって事は向こうに伝えておくよ。」

男「分かった。学校が同じらしいからその内会えるだろうし、そこで好きか嫌いかもハッキリしてくるだろうしね」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:16:12.91 ID:YKQDnkfjo<> ─学校にて─

幼馴染「で、どうだったの?」

男の父と同じ質問に男は苦笑いを浮かべた。
ただ一つ違うのは、幼馴染の顔が少し真剣さを感じさせるものだった事だ。

男「どうもこうも…優しそうだし良い人だとは思うけどまだ何とも言えないよ」

男も昨日父に言った言葉をそのまま幼馴染に返した。

幼馴染「そっかぁ、そうだよね、うん」

さっきの真剣さはふっと消え、ほっと安心したような顔になった。
その後は何時も通り授業を受け、友達と過ごし、部室へ向かうはずだった。
許嫁の事はすっかりと頭から消えていた。

男「ん?」

許嫁「…あっ」

部室へ向かおうと教室を出ると、許嫁と会った。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:16:40.68 ID:YKQDnkfjo<> 許嫁「こ、こんにちは」

男「あ、こんちは…」

学校という事もあってつい挨拶が雑になってしまった。

男「そう言えば学校同じなんでしたね」

許嫁「そうですね、学年が違うから会えませんでしたけど」

男「俺のクラス、覚えてたんですね」

そう言うと許嫁は少し俯き「…はい」と答えた。

許嫁「これから部活動ですか?」

男「はい」

許嫁「ラグビー部でしたよね?頑張ってくださいね」

許嫁はそう言うと足早にその場を後にした。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:17:11.02 ID:YKQDnkfjo<> ─自宅にて─

父「学校で会えたのか?」

男「うん、部活行こうとしたら丁度教室の外でね」

母「へぇー」

男の母は目を爛々と輝かせて入ってきた。

母「それで?どんな話をしたの?」

男「特に何も。挨拶だけだよ。部活行く途中だったんだから。」

母「なんだつまらない」

本気でつまらなさそうな顔で母はまたキッチンへ戻って行った。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:17:39.74 ID:YKQDnkfjo<> 父「ああそうそう、今日向こうの方からの連絡で、どうやら向こうはお前の事を憎からず思っているみたいだぞ」

男「そ、そう…なんだ…」

好意を向けられていると聞いて、つい唇がほころんでしまう。
それを父は見て、ニヤニヤと笑っている。
男はそれに気づき恥ずかしくなり部屋へと戻った。
男は、部活動の時、グラウンドから少し離れた所で許嫁が見ていた事を両親には伝えなかった。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:18:08.35 ID:YKQDnkfjo<> ─学校にて─
昼休みになり、男は友達と昼食を食べようと机を寄せている時であった。

許嫁「すいません…」

遠慮がちに許嫁が教室の扉を開けた。
扉の近くに居た生徒に話しかけると、その生徒は男の名を呼び、許嫁が男に用があるという事を大声で伝えた。
許嫁は顔を赤くし、男は友達に冷やかされ、釣られて赤くなってしまった。
その姿を幼馴染が悲しそうな顔で見つめていた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:19:17.79 ID:YKQDnkfjo<> ─学校の庭のベンチにて─
ここに来てから10分以上経ったが、二人はお互いに一言も喋らなかった。
喋ろうと相手を見るが、そこで止まってしまいまた俯く。これを何度も繰り返していた。
それもそのはずである。
許嫁は自分が男をどう思っているのか伝わっている事を知っている。
男は許嫁が自分をどう思っているのか伝えられて知っている。
そのため二人ともどう切り出すかを悩んでいる。

男「その…さ…」

男がとうとう口火を切った。
許嫁はビクンと身体を跳ねさせ男の方を向いた

男「あなたが…俺の事をどう思っているのかは…聞きました」

言葉の途中から許嫁はまた顔を赤くしていた。

男「でも俺はまだあなたの事をどう思っているのかは…ハッキリとは答えられません」

許嫁の表情が暗くなる。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:19:44.97 ID:YKQDnkfjo<> 男「だから、俺はあなたの事をもっと知りたい…今言えるのはこれだけです…」

言い終えると男は顔を真赤にしてそっぽを向いた。
しばらく呆けていた許嫁だが、男の言葉の意味を徐々に理解し始めた。

許嫁「…………!」

男はまだそっぽを向いたままだった。

許嫁「あの…その…」

男は振り向かない。

許嫁「…これから、よろしくお願い、します…」

男が振り向いた。

男「…はい、こちらこそ…よろしくお願いします」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:20:10.97 ID:YKQDnkfjo<> ─教室にて─
その頃、幼馴染は後悔していた。
今まで男に自分の気持ちを伝えなかった事を。
いや、伝えていたとしてもその結果が幼馴染が後悔しないものでは無いとは言えない。
しかしそれでも、幼馴染は後悔していた。
もし伝えていれば、こうならなかったのでは無いか、と。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:20:37.38 ID:YKQDnkfjo<> ─自宅にて─

男「付き合う事になったから」

そう両親に言うと

父「おお、ってことは好きになったと言うことか」

男「いや、そういう訳じゃないけど…とも言えないか…」

男は何だかんだ言いつつ許嫁に惹かれていた事を今更に自覚する。

母「なら日記書いてみれば?将来それを二人で見て、というのも良い物よ」

男の母はチラリと父を見ると、父は大袈裟な咳払いをした。

男「(日記…か…うん、いいかも)」

男は机から使っていない赤いノートを取り出した。
その日から男は、毎日ではないが寝る前に日記を書くようになった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:23:43.57 ID:YKQDnkfjo<> 〜○月△日〜
今日から母さんの言葉で日記を書く事にする。
母さんの言っていたように、将来これを見て笑える日が来るだろうか。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:24:19.75 ID:YKQDnkfjo<> 〜○月□日〜
今朝、学校へ行こうとすると何と許嫁さんが家まで迎えに来てくれていた。
まだ気恥ずかしくてあまり喋ることが出来ず、無言状態が多かったけど
不思議と嫌な気持ちはしなかった。
それと、明日から許嫁さんが弁当を作ってくれると言ってくれた。
弁当まで作ってくれるなんて、人が良すぎるなと思ったけど、素直に嬉しかったので断らなかった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:24:53.08 ID:YKQDnkfjo<> 〜○月▼日〜
 今日も許嫁さんが迎えに来てくれた。そこで弁当を受け取り学校へ向かった。
昨日よりかは話が多く、何時もよりも学校へ行くまでの道程が短く感じた。
学年が違うし帰りは部活があるから一緒に帰れないので少し残念だった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:25:27.29 ID:YKQDnkfjo<> △月■日
 俺が学校を卒業したらすぐに結婚する事になる。
両親に改めてそう言われた。
そしてそのためにバイトをした方が良いとも。
それもそうだな…学校生活とバイトを両立させるのは辛いが
これも将来のためと思い始める事にした。
もちろん学校には内緒だ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:25:54.55 ID:YKQDnkfjo<> 〜×月○日〜
 今日は許嫁と買い物に出かけた。
女はどうして買い物がこう長いのか何時も不思議でならない。
ただ、どれを買うか悩んでいる姿がとても可愛いので気にしない事にした。
許嫁と付き合う事になってから最近は垢抜けた感じがする、と友達に言われた。
それも当然だ、許嫁に少しでも好きになってもらうために学校や部活、バイトの合間にその辺の気を使うようになったのだから。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:26:41.37 ID:YKQDnkfjo<> 〜×月□日〜
 先週買い物に出かけたばかりなのに今日もまた買い物に出かけた。
先週の買い物で見栄を張ったせいで財布がピンチなのでノリ気じゃ無かったけど、通帳にはバイトで貯めたお金がいくらかあるので行く事にした。
ショッピングセンターで服を漁っていると同じクラスの人と出会った。
そいつは両親が離婚し、今は母子家庭の貧乏な家の生まれだが、それをおくびにも出さ無いので嫌いじゃ無いけど
不良寄りの人間なのであまり深い付き合いでは無かった。
そいつに一緒に回ろうと言われ、断る理由も無いので一緒にぶらつく事になった。
途中で急用が入ったため、俺は途中で別れた。
許嫁はそのまま買い物を続けると言い、あいつも居たのでまぁ何かトラブルに巻き込まれる事は無いだろうと思いそのまま別れた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:27:07.24 ID:YKQDnkfjo<> 〜×月▼日〜
 今日、許嫁が迎えに来なかった。今までもたまにあった事なので気にしなかったのだが、
学校に着き、昼休みになり許嫁に会いに行くと、許嫁は俺の顔を見るなり逃げ出すようにもう一つのドアから出て行った。
これはおかしいと思い追いかけようとしたが、昼休みなので廊下に人が多く、しかもここは上の学年の廊下なので走って追いかけるのは躊躇われた。
そうしている内に許嫁を見失ってしまったので、授業が始まるまで許嫁のクラスの前で許嫁が戻ってくるのを待っていた。
しかし結局許嫁はチャイムが鳴っても戻ってこないのでしょうがないので教室に帰った。
放課後は部活に行く前に許嫁の教室に立ち寄ったが既に帰ったみたいだった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:27:42.05 ID:YKQDnkfjo<> 〜×月■日〜
 今朝は許嫁が迎えに来てくれた。でも酷く落ち込んだ様子だった。
どうしたのと聞いても何も答えてくれない。
昨日俺から逃げたのと関係があるのかと聞くと一瞬身体をこわばらせた。
もしかして…と思い、一昨日俺が帰った後に何かあったのかと聞いた。
そうすると許嫁はゴメンとだけ言い走って行ってしまった。
追いかけようかと思ったが、信号に引っかかってしまい車の通りも激しかったため追いかけられなかった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:28:14.40 ID:YKQDnkfjo<> 教室に着くとまず俺はあいつを…一昨日のあの時、ショッピングセンターで出会ったあいつをぶん殴った。
教室中が騒ぎになり激昂している俺も、殴られてブチギレたあいつも他の奴らに押さえつけられた。
そうこうしている内に担任の先生が駆けつけて来て、生徒たちが事情を説明し俺は職員室に呼ばれた。
事情を説明すると先生はそんな事で…と呆れ顔になった。きっとよくある痴話喧嘩みたいなものだと思ったのだろう。
その態度にいらっと来て先生を殴ろうとしてしまいそうになったが、流石にそこまでは出来なかった。
大人しく教室に帰るとあいつが俺に文句を言ってきた俺も口で相手をようとしたが、許嫁の事もあり、すぐに手が出てしまった。
今度ばかりは一発だけで済まなかった。
教室はまた騒がしくなり、先生に俺はひとまず職員室に行くように言われて、外に出された。
その後職員達が集まって緊急会議が開かれ、一週間の自宅謹慎するように言われた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:29:09.92 ID:YKQDnkfjo<> 〜×月●日〜
 自宅謹慎を食らって3日が経った。自宅謹慎初日は両親は酷く怒り事情を話しても聞く耳持たずと言った感じだったが
3日もすると気持ちも落ち着いてきたようで話を聞くようになってくれた。が、反応は先生と同じだった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:30:02.17 ID:YKQDnkfjo<> 〜×月◎日〜
 自宅謹慎4日目。ふと、許嫁の事が気になった。自宅謹慎を食らってから一度も来てくれていないので、心配になったのだ。
学校にいる間に電話をするのは申し訳ないので放課後の時間帯になってから電話を掛けた。
しかし一向に出る気配がない。
その時インターホンが鳴った。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:30:27.90 ID:YKQDnkfjo<> もしかして、と淡い希望を抱いてドアを開けるとそこには幼馴染が居た。
結構ガッカリしたが、それでも謹慎中の俺に会いに来てくれたというのは誰であれ嬉しかった。
その後は学校で俺が今どういう扱いになってるのかを聞いた。
やはり、俺が一方的に悪者となっているらしい。それもそうか。
今になって思えば俺も頭に血が登りすぎていたと思う。
まだハッキリとあいつが悪いと決まったわけでも無いのだ。
しかしそうすると許嫁のあの態度は何だったのか。
それを確認するために明日、自宅謹慎を破って外に出よう。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:30:57.24 ID:YKQDnkfjo<> 〜△月○日〜
 流石に学校には行けないので許嫁の帰り道で許嫁が通るのを待っていた。
しばらくコンビニで時間をつぶしながら待っていると前を許嫁が前を通った。
そして信じられない光景を目の当たりにした。
許嫁があいつと歩いていた。
俺はこっそりと後を着けた。
そして許嫁の家の近くで二人はわかれた。
すぐさま俺は許嫁に走り寄った。
許嫁は驚いた顔をし、すぐにそれは焦りの顔へと変わっていった。
そして、もう言い逃れは出来ないと悟ったのか、許嫁は俺を家へと上げた。
そこで俺は洗いざらい許嫁から聞いた。
その内容は───── <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:31:30.13 ID:YKQDnkfjo<> 〜△月☆日〜
 何だか全てがどうでも良くなってきた。
どこからおかしくなったのか。それはハッキリしている。
でももうそれもどうでも良い。
とにかくもうどこにも居たくない。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:32:01.22 ID:YKQDnkfjo<>
─???─
男が目を覚ました。
するとその場に居た人達、男の父も、男の母も、幼馴染も、今は数人しか来ていない部活仲間も
皆がワッと声を上げた。
男「……ここは?何で、みんな…」
男は意識が朦朧としたまま聞くと
男の父が答えた。
父「…お前は自殺しようとしてたんだよ」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:34:30.60 ID:YKQDnkfjo<> 『自殺』
その言葉で男は一気に覚醒して飛び起きた。
その時視界の端に、テーブルの上に置かれた赤いノートが見えた。
男がドキリとしてそのノートを見ると、それは正しく男の日記帳であった。

父「悪いが、勝手に見させてもらったよ。この場にいる全員が見た。すまなかった。」

男の父の「すまなかった」という言葉には、「勝手に見てしまってすまなかった」という意味だけではなかった。
それ以外の意味も含まれていた。
そしてそれは、この場の全員が感じていたものだった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:34:56.15 ID:YKQDnkfjo<> =数時間後=
病室には代わる代わる人が入って来た。
それは親戚であったり、先生やクラスの皆であったり、部活動の仲間達であったり
そして許嫁であったり。
許嫁は最後に病室に入ってきた。
男の両親と幼馴染は許嫁を睨むように、部活動の仲間達は許嫁の顔を知っている者は同様に睨み、知らない者は雰囲気でその女性が何者なのかを理解した。

幼馴染「何をしに来たんですか…?」

驚くほど冷たい声で幼馴染は聞いた。
男の父は爆発寸前と言ったところで、男の母が割り込んできた。
その手に破かれた一枚の紙を持って。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:35:24.45 ID:YKQDnkfjo<> 母「許嫁さん、これを見てください」

許嫁はそれを受け取り、読んでいく内に見る見る青ざめていった。
その破れた紙にはこう書いてあった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:36:00.96 ID:YKQDnkfjo<> 〜△月○日〜
────もう言い逃れは出来ないと悟ったのか、許嫁は俺を家へと上げた。
そこで俺は洗いざらい許嫁から聞いた。
その内容は、まずあのショッピングセンターで買い物をした日から始まった。
あの後俺と分かれた後二人は夕方頃まで居たという。
そして家が近くだからとあいつが許嫁を自分の家へ誘った。
許嫁はそれを断らず家へ上がると人気が無い事に気付いた。それについて聞くと
母親は今仕事で夜にならないと帰ってこないらしい。
そしてしばらくあいつの部屋で談笑していると、いきなりあいつに襲われたようだ。
次の日から、俺を避けたり質問責めすると逃げたのは他人に身体を許した罪悪感かららしい。
これで俺を避けたり逃げたりしていたのも合点が行った。
ならばさっき、その襲ってきたあいつと一緒に仲良く帰宅していたのは何故なのか聞いた。
どうやらそこからの進展は俺が自宅謹慎を受けてから始まったようだ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:36:28.70 ID:YKQDnkfjo<> 俺が自宅謹慎を受けたその日、あいつは放課後、許嫁に会いに行った。
そしてそこで精一杯の謝罪をした。
許嫁はその謝罪で全てを無かったことにしようと言った。
するとあいつは、そういうわけにはいかないと無理矢理許嫁をその場に引き止めた。
そうしてあいつは自分が母子家庭である事、誰かと遊ぶ暇も無い程バイトを入れている事
時には学校を休んでバイトをしなければならない時もある事
とにかくあいつは自分の生まれの不幸を巧みに織り交ぜて許嫁を説得したらしい。
許嫁はそれを真に受け、自分を襲ったあいつを哀れんだ。
あいつはそれを見逃さず、許嫁のその心すら利用した。
言いくるめられた許嫁はそれからあいつの家へ行き、働いている母親の代わりにご飯を作ったり洗濯をしたりしてあげていた。
そして、それだけで終わるはずがなかった。
俺があいつのせいで自宅謹慎を受けている間、二人は堂々と恋人同然の暮らしをしていたのだ。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:36:42.86 ID:NWJsrwWP0<> (,,゚Д゚) ガンガレ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:37:01.55 ID:YKQDnkfjo<> ─病室─
読み終わった許嫁は、ただ目を伏せるだけだった。

母「それに書かれている事は、事実なんですね?」

許嫁「…はい」

今にも消え入りそうな声で許嫁はつぶやいた。
しかしその言葉を聞き逃した者は誰もいなかった。
そしてそれを聞いた瞬間、男の父が我慢していた口を開いた。

父「本当…なのか」

最初は弱々しく

父「以前から好き合っていた男ではなく」

徐々に強く

父「自分を無理矢理襲った奴を!」

徐々に激しく

父「たかが不幸だっただけの奴の言葉に乗せられて男を殺そうとしたのかっっ!?」

許嫁を非難した。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:37:31.54 ID:YKQDnkfjo<> 許嫁「っ!たかが不幸って、あなたはあの人の何が分かるんですか!?」

『たかが不幸』という言葉に、許嫁が反応する。
しかし男の父は引かなかった。

父「知るか!不幸を言い訳にする奴の気持ちなんて知るかっ!不幸だからと女性を襲う奴の気持ちなんて知りたくも無いっ!」

許嫁「っ…!だ、大体私は男を殺そうと何て───」

父「殺そうとしたじゃないか!くだらない男のくだらない戯言に乗っかって───」

二人の言い争いは騒ぎを聞きつけて駆けつけてきたナース達によって止められた。
許嫁は涙をこぼしながら走り去っていった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:37:59.06 ID:YKQDnkfjo<> ─自宅─
男の両親は許嫁の両親を呼び、全てを説明し
この話を破棄する事を告げた。
許嫁の両親はその説明には半信半疑で
「娘に事実確認をするので」と問題を先延ばしにしようとしたが、
男の母が

母「私共の息子が破棄したいと願っているのです。」

とキッパリと言い放ち、最早どうにもならないと悟った許嫁の両親は大人しく引き下がった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:38:26.70 ID:YKQDnkfjo<> ─病室─

幼馴染「男…」

幼馴染が男の名を呼ぶ。
しかし男は答えない。
男が寝ているわけではない。ただ、答えないだけだった。

幼馴染「男…あのね、たしずっと後悔してたの。言いたい事を、ずっと言えなかったせいで…自分が傷つくのが怖かったから」

幼馴染が語りかける。

幼馴染「でも今は違う…自分が傷つくとかじゃない…もし言っていたら、男がこんな事にならなかったんじゃないか、って…自惚れだって分かってる…それでも、後悔…してる、の…」

幼馴染は泣き出した。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:38:38.75 ID:NWJsrwWP0<> 許嫁√か、「あいつ」√か。それが問題だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:39:21.44 ID:YKQDnkfjo<> 男「…幼馴染」

男が口を開いた。しかしそれでも幼馴染は泣き続けた。

男「ごめん…今まで気づけなくて…」

男が謝罪すると幼馴染は首を大きく横に振りながら
「あなたは悪く無い」と嗚咽混じりで答えた。

男「…でも、ごめん…今の俺は、幼馴染の好意も言葉も、信用出来ないんだ」

その言葉を皮切りに男もとうとう泣きだした。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:40:13.71 ID:YKQDnkfjo<> 〜某月某日〜
 明日はついに初出社の日だ。
思えばこれまで長かった。
退院したと思ったらすぐにまた受験勉強の日々が始まった。
当時騒ぎを起こした俺をおちょくる奴もいたが幼馴染のお陰で引きこもりにならずにすんだ。
また、入院生活で遅れた分を教えてくれたのも幼馴染だ。
大学に入ってからも、幼馴染が居てくれたから赤点を取らずにすんだと言う講義は数知れない。
本当に幼馴染には頭が上がらない気持ちだ。
それに、学校生活や勉強面だけでなく、精神面でも幼馴染の存在が大きかった。
あの時、俺は相当面倒な性格になっていただろうに、幼馴染は俺の親と同じくらい
もしかしたらそれ以上に俺に構ってくれた。
それがあったからこそ、俺はこうして退院出来たし、普通に他人と接する事も出来るようになった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:40:41.03 ID:YKQDnkfjo<> 余談だが、あのあとあいつは部活仲間達が色々とやったらしく、学校を自主退学したらしい。何をしたんだラグビー部…
そして許嫁もそれを追うようにいなくなったと言う。許嫁は両親にも何も告げずに突然と消えたらしい。
数年前のある朝、ニュースを付けたまま着替えているとテレビからあいつと許嫁の名前が聞こえた。
驚いてテレビを見ると、どうやらあいつが浮気をして、それが許嫁にバレてあいつが許嫁に刺されてそれを追うように許嫁も…と言った内容だった。
その時ちょうど幼馴染が朝ご飯を持ってきた。
幼馴染は一瞬固まり、大丈夫と聞いてきたので、俺は大丈夫、と答えた。
これは本心からそう思えた。俺って薄情かなと自嘲したのを覚えている。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:41:06.74 ID:YKQDnkfjo<> 幼馴染「また日記書いてるの?」

男「うん、もう習慣みたいなものだからね」

軽く男は答える。

幼馴染「そんな事言って、毎日書いてるわけでもないくせにぃ」

意地悪な笑みで男を見つめる幼馴染
そんな幼馴染を苦笑いして受け流しながら男は青いノートを閉じた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 03:43:04.83 ID:YKQDnkfjo<> はい終了
ntrとかマジファックだね
寝取る奴も寝取られる女もセクロスしか頭に無いとか言葉通りの意味でてめえら人間じゃねえ
そんなに気持ちよくなりたかったら薬打ってぱしへろんだす^p^してろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 04:05:28.63 ID:YKQDnkfjo<> >>40
分岐点と構想浮かんだからどっちか片方今日中に書く <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<><>2012/06/11(月) 06:00:51.57 ID:QMTIkjYe0<> 今日気まぐれ此処にきて良かった
素直にそう面たぜ乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)<>sage<>2012/06/11(月) 07:18:23.66 ID:84t3bW4F0<> 何だかんだ言ってしっかり読んでる>>45さんかっこいいっす
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/06/11(月) 07:24:25.02 ID:uNLJiEBHo<> 許嫁ルートとかいらんし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(秋田県)<>sage<>2012/06/11(月) 07:32:39.33 ID:ddgQjJ4co<> NTR嫌い回れ右って書いといてくれよ
最悪の気分で途中で読むのやめたわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/11(月) 09:14:30.57 ID:IcC1llfDO<> 許嫁な話が短かったのが良かったよ、長いとショック大きいし
おつかれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/06/11(月) 09:24:39.97 ID:cs7e9SbM0<> 許嫁が夢見る馬鹿すぎるな
ここで騙されなくてもいずれホストかどっかのチャラオに騙されてもてあそばれるだけだろ
でもこの馬鹿さ加減はリアルかもしれん

あえて許嫁を擁護するなら
女性はレイプした相手を好きだと思い込んで心の自己防衛を図るというケースもあるらしいので
メンタルがそんなに強そうでない許嫁がああなるのはまあ仕方ないのか?と(それでも許される事ではないけど

個人的には男の両親と許嫁の両親の関係が知りたい
男の家は結構裕福な家庭なのかね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/11(月) 11:17:26.11 ID:/xDo8bTIO<> 乙
本当どうでもいいけど男の部活って何?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/11(月) 11:49:59.67 ID:VL3lWJ9DO<> ラグビー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/11(月) 11:51:49.55 ID:u3LlZkhDO<> >>1よく分かってるな…NTRスキー奴は屑じゃな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/06/11(月) 12:01:24.34 ID:cs7e9SbM0<> 何か足りないと思ったら許嫁側の心理描写なんだよな
男や幼馴染みの心理描写はちゃんと書かれてるから尚更

だから許嫁側の日記もみたいな
「あいつ」に襲われてからだんだん人生が狂っていって
だんだん「あいつ」への気持ちが冷めていって
最後に浮気した「あいつ」を殺した時「なんでこんな奴と…」とか「あの時ああしてれば…」「男さん…」とか
後悔しながら自殺って感じにすれば良い感じに救いようがなくて気分が沈むね

許嫁の両親もまあ可哀想だよな
碌でなしに娘がレイプされて娘が碌でなしを追っかけて家出して
挙句の果てに娘が殺人犯して自殺って <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/11(月) 13:30:46.50 ID:VL3lWJ9DO<> 許婚の心理描写とか細かくやるのは
ntr嫌いだって言ってるんだからやらないだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)<>sage<>2012/06/11(月) 14:41:28.13 ID:wC2BLh2AO<> それより両方寝取られて男自殺ルートはよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/11(月) 15:26:25.54 ID:UMUokevDO<> >>48
読んでる……?

書いてるじゃなくて? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 15:54:51.52 ID:YKQDnkfjo<> >>56
そのへん細かく書いちゃうと許嫁への同情が大きくなっちゃうから
男どん底から幼馴染とハッピーエンド許嫁は絶頂から自業自得の転落人生って感じにしたかったので書かなかった。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/11(月) 16:20:43.95 ID:eOLBQ1EIO<> もうちょっと許嫁フルボッコにしてくれてもよかったな。
しかし>>1はよくわかってる。ntrとか[ピーーー]ばいい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/06/11(月) 17:32:43.77 ID:cs7e9SbM0<> >>60
うーんだったら許嫁がレイプされるってのはいらないってか違う方が良くなかった?
一応この許嫁も可哀想っちゃ可哀想だから
世間知らずで優しすぎたっぽいからカスに付け込まれたとも見れるし
そういえばNTR方?がライブアライブのアリシアとダブるな

だったら本性は(最初は隠すとして)DQNイケメン好きなどうしようもない糞ビッチにしたほうが
後味もすっきりすると思うんだけど
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/11(月) 17:46:49.64 ID:4vVx8UaHo<> なんかよんでてLIVEALIVEの中世編思い出した <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2012/06/11(月) 18:10:23.38 ID:84t3bW4F0<> >>59
うわっ、本当だ。ID見てなかったわ。ただの神奈川繋がりだと思ってたわ
すいません寝起きで書き込むもんじゃなかったです <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:44:41.28 ID:YKQDnkfjo<> >>62
許嫁にも同情の余地があるのはわかってたけど
そこまでするとntr臭が強すぎて書く気が無くなるww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:45:22.48 ID:YKQDnkfjo<> はい許嫁√投下

〜×月■日〜
 今朝は許嫁が迎えに来てくれた。でも酷く落ち込んだ様子だった。
どうしたのと聞いても何も答えてくれない。
昨日俺から逃げたのと関係があるのかと聞くと一瞬身体をこわばらせた。
もしかして…と思い、一昨日俺が帰った後に何かあったのかと聞いた。
そうすると許嫁はゴメンとだけ言い走って行ってしまった。
もし許嫁をこのまま行かせたら取り返しの付かない事になる、そう思った瞬間鞄を放り出して身体が動いていた。
途中で何度か車に轢かれそうになったが、それでも追い続けた。
許嫁を捕まえると逃げ切れないと分かったのかその場にへたり込んで人目も憚らず大声で泣いていた。
しばらくして、落ち着いた許嫁が俺の家へ行きたいと言うので学校をサボった。
そこで何があったのかを聞いた。
明日、あいつをどうしてやろうか。それを考えると全く眠れなかった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:45:48.80 ID:YKQDnkfjo<> ─自宅にて─

男「はい」

男は濡らしてレンジで温めたタオルを許嫁に渡した。
許嫁は何も言わずにそれを受け取った。

男「何があったか、教えてもらえる…?」

コクリ、と許嫁が頷く。
時折混ざる小さな嗚咽と共に許嫁はあの日、何が起こったのかを男に説明した。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:46:14.22 ID:YKQDnkfjo<> それを聞き終えた男は目が眩み今にも倒れてしまいそうな衝撃を受けていた。
どうしてこうなったのか、何がいけなかったのか、何故こんな事が自分達に振りかかるのか
考える事が多すぎて、男は最早自分が何を考えているのかもわからなくなって来た時

許嫁「ごめん…だからもうアナタとは…」

その言葉によって男は一気に目が覚めた。
「違う」「なんで許嫁が謝るのか」「今自分がどうすべきか」を考えた。
気がつけば、男は許嫁を強く抱きしめていた。

許嫁「く、苦しいよ…」

その言葉で男は我に返り、抱きしめたままふっと力を抜いた。

許嫁「男はいいの…?私────」

許嫁の言葉を遮るように男が叫んだ。

男「良いも悪いもあるか!そんなの関係無い!だから、だからっ!」

男は大声で、叫ぶように泣き始めた。
それを追うように許嫁も小さく、強く泣いた。
そのまま二人はしばらく、抱きあうようにしながら泣きじゃくった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:47:07.47 ID:YKQDnkfjo<> 〜×月剴〜
教室のドアを開けるとあいつは既に来ていた。
そこからしばらくの記憶がハッキリとしないが、職員室で先生に言われた事で自分が何をしたのか大体察しが付いた。
まず、俺は教室に入った瞬間あいつをぶん殴り倒れた所を馬乗りになってボコボコにしたらしい。
そしてその時、俺は許嫁の事を叫んでいたようだ。それを聞いた時俺は後悔した。
これじゃああいつが許嫁にナニかされたのをクラス中に教えてしまったようなものだ。
だが言ってしまったものはしょうがないので吹っ切って先生には、昨日許嫁から説明された事を全て伝えた。
先生はそれを聞き終えると「分かった」と言い俺を職員室の外で待機するよう言われた。
外には同じクラスの部活仲間や友達が何人か来ていた。色々とここでも質問責めされたので、
先生に伝えたのと同じように伝えた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:47:35.04 ID:YKQDnkfjo<> みんなそれを聞くと泣いてくれた奴や怒ってくれた奴、唐突な話に事情を上手く飲み込めてない奴と様々だった。
そこで先生が職員室から出てきた。
ひとまず俺は今日のところは帰るようにとの事、そして明日、許嫁を学校へ連れてきて欲しいとの事を言われた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:48:02.66 ID:YKQDnkfjo<> ─自宅にて─

許嫁「学校に…」

男「ごめん、キツイなら無理して来なくても…」

許嫁「ううん、大丈夫。クラスが違うから遅れて行けば、会うことは無いだろうし…」

男の心配とは裏腹に、許嫁は明日、学校へ行く事を了承した。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:48:34.73 ID:YKQDnkfjo<> 〜×月※日〜
学校へ遅れて行き、職員室の前まで行くと、先生ではなく警察と許嫁の両親が居た。
あいつもこの辺りにいるのか不安だったが、先生があいつは別の所にいると教えてくれた。
その後、許嫁とその両親が警察と一緒に職員会議室へ入っていった。俺はとりあえず教室に行くように言われたのでそれに従った。
教室に入ると一瞬ざわめいたがすぐに、気まずそうな空気になって静かになった。
休み時間になるとまた質問責めにされるのかと思ったが、皆気を使ってくれているのかそういう事は無かった。
ただ、部活仲間があることを教えてくれた。
どうやら昨日、職員室前で事情を聞いた部活仲間が他の仲間達にも伝えて、その日の放課後、全員が部活をサボってあいつの後を付いて行き
人気がなくなった所で一斉に襲いかかって裏路地に連れ込んだらしい。
「なんで許嫁の事を言い触らすんだ」という怒りよりも、「よくやってくれた!」という気持ちの方が強かった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:49:00.89 ID:YKQDnkfjo<> それから少し後、職員室にまた呼ばれると許嫁と一緒に今日ももう帰って良いと告げられた。
鞄を取ってこようと許嫁を職員室の前で待ってもらって、教室に戻ると丁度あいつも教室に戻ってきてる所だった。
あいつは顔が酷く腫れ上がった状態で歩き方もぎこちなかった。その姿を尻目に俺は教室に入りすぐに鞄を持って出て行った。
その直後にあいつも教室に入ったようだったが、その瞬間ドッと俺の教室が騒がしくなったが俺は急いで職員室前へ向かった。
そこで許嫁と合流し、許嫁の両親の車で家まで送ってもらい、そこで許嫁と分かれた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:53:07.08 ID:YKQDnkfjo<> 〜某月某日〜
 明日はとうとう許嫁との式だ。
思えば俺と許嫁が出会ってから2年程しか経っていないのにとても長く感じた。
あの事件からしばらくの間は裁判やら何やらでお互い勉強など出来る状態じゃなかった。
特に許嫁は当事者という事もあり、俺以上に大変だった。
そのお陰で許嫁は留年、俺も何とかぎりぎりで進学出来たという状態だった。
留年した許嫁は俺と同じクラスになった。俺の学校は2,3年はクラス変更が無く、2年の時のクラスが3年でもそのままという形なので
事情を知っている人達ばかりなので冷やかされたり、おちょくられたり、という事は無かったのは幸いだった。ただ別の意味でならたくさんあったが…
ともあれ許嫁と同じクラスになったのはとても嬉しかった。思うにこれは偶然じゃなくて先生が色々とやってくれたのだろう。
先生にも、クラスの奴らにも、部活仲間達にも、頭が上がらない思いだ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:53:42.01 ID:YKQDnkfjo<> 余談だが、あの後あいつは強制退学になりバイト先も全て解雇され、今は刑務所へ入っている。
裁判で判決が下されたその日、俺と許嫁はあの時のように抱き合って泣いた。ただし今度は悲しくてじゃなく、嬉しくて泣いた。
あいつの母親には申し訳ないが、正直ざまあみろと思ったのを覚えている。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:54:29.03 ID:YKQDnkfjo<> 許嫁「…ん、眩し…何してるの?」

許嫁が机のライトで起きた。

男「ん?ああ、日記を書いてるんだよ」

許嫁「そう…でももう遅いし、明日は早いんだからもう寝ましょう…?」

幼馴染は寝ぼけ眼をこすりながらベッドをぽんぽんと叩いた。

男「うん、そうだね」

許嫁のその仕草に軽く笑いながら男は「2」と書かれた赤いノートを閉じた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/11(月) 19:55:27.96 ID:YKQDnkfjo<> ハイ終了
あいつ√はやっぱあいつはクズのままじゃないとと思ってやめる
やっぱ何だかんだでハッピーエンドが一番 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/06/11(月) 20:01:48.05 ID:cs7e9SbM0<> >>77


「あいつ」の母親はクズ?
それとも息子だけクズ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(高知県)<>sage<>2012/06/11(月) 20:10:46.67 ID:3Oc8ZF2Ko<> 正直レイプ、NTRされた女には魅力が無いからとことん堕ちた方が気持ちいい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/11(月) 20:43:04.83 ID:lxaW3+GIO<> ん?貫通された時点で許嫁共々しっかり潰しておかないと、それがhappyENDだろ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2012/06/11(月) 20:50:00.36 ID:vTAAdtZno<> 幼馴染をいなかった事にしてはいけない(戒め) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/12(火) 01:30:21.05 ID:QVZgjmzFo<> >>76の幼馴染ってのは許嫁の間違いか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/12(火) 09:28:36.01 ID:uiw1g+NIO<> 許嫁救済は必要ないわな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/06/12(火) 09:39:59.78 ID:A6iyNE/qo<> お前ら処女厨すぎワロスwww
たまにはレイプされた奴に救いあってもいいじゃん? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)<>sage<>2012/06/12(火) 10:10:05.67 ID:7KapHN5Go<> 幼馴染ルートでのビッチっぷりを見てるからしゃーない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/06/12(火) 13:11:17.98 ID:fNaUuC4E0<> ビッチではなくね?
世間知らずではあったけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)<>sage<>2012/06/12(火) 17:36:40.61 ID:7KapHN5Go<> 許嫁がいんのにレイパーと同棲とかビッチ以外の何物でも無い
レイパーに惚れたなら男君を振ってから同棲とかしろや <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/06/12(火) 18:00:29.75 ID:fNaUuC4E0<> 惚れたってよりストックホルム症候群に近い物だと思うけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(高知県)<>sage<>2012/06/12(火) 18:23:47.93 ID:D2zjhpnVo<> 大人しく許嫁と幼馴染とイチャイチャしとけばよかったのに・・・NTRが嫌いならなんでNTRを書いたんだよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/06/12(火) 18:40:43.15 ID:tUaLU1vio<> >>89
NTR物の女の身勝手さと男のウジウジさと
仮にその女と別れても「これで良かったんだろうか…」とかネガティブなのが嫌いだから
やったんだよ言わせんな恥ずかしい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/12(火) 20:55:22.49 ID:E4vlIt0Uo<> >>90

良くやった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします <><>2012/06/22(金) 04:51:21.18 ID:1pHGLEgWo<> >>90
もう二度と書かなくていいよ^^
次からはトリップつけてくれNGにぶち込んどくわ

寝取られ見て不愉快になる人間が居ることくらいは想像しようね
文章が特別うまいわけでもないし、才能ないよお前 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/22(金) 05:50:22.03 ID:gWrFfqfDO<> まぁ、NTRは屑じゃな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)<>sage<>2012/06/22(金) 18:34:09.41 ID:HEA3GgzYo<> 寝取られ見て不愉快って最初の方で「ntrだ」って書いてあるだろ
>>1に才能が無いんじゃなくてお前が文盲なんじゃねーかよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/06/28(木) 02:32:34.20 ID:/HiUHWFso<> 説明も読めない処女厨どもが勝手に発狂してるってだけだから気にすんな
こんなのでいちいち落ち込むなんてメンタル弱すぎなんじゃないすか^^
外出ろよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/07/27(金) 04:22:40.04 ID:zF3lJNG8o<> NTRどうこうよりも物語として足りない情報とか描写が多すぎる

「許嫁」なんて特殊な関係に対して男があまりに受け入れるのが早すぎるし、許嫁の情報も少ない

お互いの家柄とか許嫁が男に好意を持ったのは顔合わせの時なのかそれとも以前からだったのかとか


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