VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 12:51:21.52 ID:A+SE7um0o<>けいおんのその後、書きます。

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<>けいおん、after story VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 13:05:19.09 ID:A+SE7um0o<> 「おつかれさまー」
「あ、はい、おつかれさまです!」
「今日は調子良かったねー」
「はい、おかげさまで」
明日か・・・
やっとここまでこれたんだもんね
こんなところで、つまずいてる私じゃないんだから。
お辞儀をする。お辞儀を返される。ムスタングを担ぎ、少し早足でその建物を去る。
ビルは立ち並び、平日午後12時半、OLさんが二、三人、私をちら見しては違和感を顔に浮かべる。
こんなラフな格好に、ギター担いでんじゃ、少しめだつかなぁ、車が欲しいと思う。だけど、免許を取るのが面倒で。
歩きながら、それでも気になる会社勤めの話し声をシャットアウトする意味でも、イヤホンを耳におしこんで、「プレイリスト1」をランダム再生する。
ギターソロから入る。この人には、敵わない。なんてこと、言ってちゃいけないんだろうけど。
駅が見える。suicaをポケットから懸命に取り出して、改札を通る。曲に意識をむけたまま、テンポ良く階段を昇る。すこしして来た電車に乗る。最寄駅に着く。マンションに急ぐ。
自分の家はやっぱり落ち着くなあ、と、ギターと鞄をソファーの上に降ろし、それでもイヤホンをはずさないまま、手を洗いうがいをする。
いつだって、あの人はあこがれの的だった。
いまだって。
ボーカルは優しく響く。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 13:19:27.44 ID:A+SE7um0o<> 「プレイリスト1」がいつの間にか鳴り止んでいたのに気づき、イヤホンをはずしてソファーにほうりなげる。鞄に入る。
空いた耳をもてあますので、テレビをつける。たいした番組、やってないけど。一人暮らしになってからは寂しさからか、ついついテレビをつけてしまっている。
1時、主婦向けだとおもう、ニュース番組をやっている。あまり好きじゃない。ニュースはいつだって人の暗さを曝け出す。報道されてる人の?いや、報道している人の。
唯先輩だって、あることないこと言われてきた。だけども、いつも明るく笑っている。可愛い。賢い。
私になきつくこともせず、憂が心配していたけど、きちんと自分を知っている。強い。自分を信じている人は、強いんだって知った。
そして、だからこそ、優しくて、賢くて、強いからこそ、私を誘ったりはしなかった。ムギ先輩はさそわれたらしいけど、海外にいった。”ビジネス”らしい。良くは知らない。
ソファーに自分も投げ出す。テレビが鳴っている。ギターケースに腕をすべりこませ、腕枕しているような形で、天井を見上げる。おつかれ、むったん。
律先輩と澪先輩は、アマチュアバンドやっている。毎日食べていくだけのお金はあるよ、と笑っていた。
私は何だろ、楽しんでるかなあ一度きりの人生。不安。少し憂鬱。リモコンに手を伸ばし、テレビを切る。止む。
あーあ、そんなこと言ってたってはじまんないよね。一応音楽で食べていけてることに、まずは感謝しないといけないよね。
感謝
感謝
感謝
感謝。
そして明日。いよいよ。怖い。
唯先輩は何も送ってこない。当たり前、普段から、普通のメールしかしない。
賢いから。強いから。わかってくれてる。私を。
怖い。
本当に、やれるのかなあ。







<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 13:28:01.86 ID:A+SE7um0o<> 起き上がる。テレビをつける。すぐ消す。ギターを取り出す。机の上のピックケースから一葉のピックを手に取って、六弦に当て、一弦まで一気に下ろす。響く。
チューニングが少し狂ってるかなあ、まあいいか。うーん、なかなか心のもやが消えてくれないや。
「むったん、どうしよ」
答えてくれない。もう一度ならす。Cを押さえる。Gを押さえる。Fを押さえて、鳴らす。
ボーカルをくちずさみながら、伴奏を弾く。
懐かしいなあ、ふわふわ時間。それから、ええと、私の恋はホッチキス・・・ふでペンボールペンとかあったなあ
大昔な気がする。でも、良く考えたらまだ7年か。唯先輩が駆け上った階段を想う。
律先輩と、澪先輩のあのバンドは、いずれデビューできるんだろうか。あのバンドに入るのも、悪くは無かったと思う。
澪先輩、歌うまいし、律先輩は、うん。
左手を握り締め、開けて、確かめる。いけるよね?
ためしにソロの部分を弾いてみる。うん。最近、調子良い。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)<>sage<>2012/06/12(火) 13:35:24.67 ID:rsHoAfaAO<> 完結まで頑張るんだ
しえん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 13:36:01.40 ID:A+SE7um0o<> もう寝ようかなと思う。まだ早いかな・・・。心臓が鳴る。やりきれなくなる。
ええと・・・・誰かにメールしようと思う。
誰にしようかなあ・・・
アドレス帳を開いて、やっぱり憂なら、大丈夫かなあ。
木曜日。今日は暇だっていってたような気がするなあ。
携帯を開く。メールに気づく。新着メール一件?
操作する。メールが開き、
「憂だ。」
時間をみると、丁度電車に乗ってるとき来ていたらしい。
「今日、お茶でもしない?」
「いいね!」
すぐ返信をする。今日は午後から暇だって、言ってあったか。
以心伝心。だからこそ、あっさりな返信。
ええと・・・とりあえず、鞄の中を一度全部出し、必要なものをチェックする。
選り分けているうちに携帯が鳴る。操作する。
「二時でいいかな?」
「うん」
昼ご飯まだ食べてなかったっけ、そういえば。
ケーキで今日はお腹を満たすことになってしまったようだ。
財布を開き、残金を確認する。まだ結構ある。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 13:39:42.41 ID:A+SE7um0o<> 今日は初日なので一旦ここまでにしときます。
切れ切れで、癖の強い文章だと自分でも思っていますが、めげずに、がんばって完結しようと思うのでよろしくお願いします! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/06/12(火) 13:42:01.43 ID:0mgXA1TB0<> 鬱とか死ねたは勘弁して欲しいな。
序盤を見る限りそれは無さそうだけど。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山口県)<>sage<>2012/06/12(火) 15:50:17.82 ID:cl4viNnjo<> 支援
改行しようぜ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 15:57:16.69 ID:A+SE7um0o<> カフェまで歩いて10分くらい。時計をみる。丁度1時10分。
まだ余裕があるけど、どうしようかなあ。
とりあえずバッグをのぞく。携帯をみる。ううん、コンビ二で立ち読みでもしようかな。
ん、と伸びをして鞄を肩にかける。また少し中をのぞく。忘れ物はないかな?大丈夫だよね。
ドアノブに手をかけて、息をふぅっと深く吐き、ドアをあける。もちろん明るい。
太陽の眩しいのをみると、なんだか自分の影の部分が濃くなった気がする。
気づいて、バックからMP3プレイヤーを取り出し、音の鳴る耳栓をつめる。
唯先輩の曲はこんなにも明るいのに、圧迫感は感じない。後ろめたさも、感じさせない。
きっと唯先輩自身が、自分の影をそれでいて隠さないからだと思う。
なんとなくエレベーターを避けて、階段でマンションを下る。ギターがないと、だいぶん楽だ。
コンビニは歩いてすぐ着いた。雑誌のコーナーに向かう。
ええと、音楽雑誌・・・唯先輩、また乗ってるよ。
ぺらぺらめくりながら、目ざとく発見しては心の中でその記事を音読する。
来週、新しいシングルが出るのはもちろん知っている。
もちろん買う。CDデッキはあの日から、発売日を逃すことなく順調に埋まり続けている。
HTTのことは、世間には軽音楽部として知られている。唯先輩はそのことについて語ることをしない。
私たちも良く理解して、その態度を肯定している。
もう汚されない思い出。それは郷愁とは違って、決して足をひっぱらない。私たちは重大に扱う。
記事を読み終えて、息をつく。時間はあるし、ほかのページにも目を通す。
なんだかんだ、私が生まれる前と今を比べても、音楽界が変わったとは思えない。
それなりに人気のあるバンドがいて、アイドル歌手がいて、ややアングラなバンドもこっそりと活動をして。
浮かんでは沈んでくことを理解した上で、ヒットチャートに一列で並ぶ。
私なんかは、そこに名前を刻むことさえしていないから、誰も馬鹿にすることはできない。
生まれては消えて、そういうもんでしょ。しゃぼん玉は儚くて美しい。
雑誌に意識を戻す。名前の知らないわずかなバンドに目をつけて、唯先輩のCDを買うついでに、一応聞いておこうかなあと思う。
雑誌を置く。時間はまだ少しある。ガムを買って、コンビニを出る。空を見上げて、雲の無いのを確認する。
ゆっくりゆっくり、確かめるように足を出し、地面をみる。最近は沈むことも多いけど、生きるってそういうことなのかなあ、って思う。
憂と会いたい。いつも会ってるけど。親友ってこういうことなんだ、って教えてくれたのは憂。
いろんな人から、いろんなものをもらって、私になってるんだなあ、って改めて思うと、感謝も、幸せも、きちんと分かる。
あと5分。そこの角。もう憂はいるかな?って、途端に足がはやる。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 16:20:20.24 ID:A+SE7um0o<> いた!憂だ。まだ何も頼んでいない。
テーブルにすわり、文庫本を読んでいる。あの文庫本は何か、なんてことに気をとられつつも、声をかける
「ごめん、待たせちゃった?」
ううん、といって憂は笑う。かわいい。抱きしめたい。ってなんだそりゃ。
読みかけに閉じられた文庫本の著者の名前を私は知らず、最近若い女の人の間で人気があるんだよ、と説明してくれる。
本を読まない私は、そうなんだ、とうなずき、機会があったら読んでみようかななどと軽いことを言う。
憂は、えへへ、それならあの人の小説は面白いよ、と教えてもくれたから、一応名前だけ覚えておく。
小説家なんて夏目漱石くらいしかしらないのだけれど。
とりあえず唯先輩の話をして、憂はやっぱり、お姉ちゃんが好きなんだなあと、確信に確信を重ねる。
お姉ちゃんは実はしっかりものだから、なんて自分にごまかすように言う。
やっぱり、いろいろ大変なんだろうな、有名っていうものは。
憂の話も聞く。憂も、一応順調に進んでいるというが、
「どこの大学にいってらったんですか?なんてこと、聞かれてたまに困っちゃうんだ」
なんて笑いながら話す。
「大学で人を判断する人って、以外と多いよね」
「あれ、梓ちゃんも言われたりするの?」
「いや、私はそんなに聞かれないけどね」
「実力の世界って感じだね」
「いやいや、フリーのデザイナーに言われても・・・」
「そんなたいしたことないよ」
「でも、名前で仕事もらえるってすごいよ!」
「感謝しないとね」
憂はいつでも、どことなく悲しそうにみえる。
私たちは、どことなく似てるなあって、憂には失礼かもしれないけど、こっそり思っている。
こうやって憂と話していると、落ち着く。
そろそろ三時のおやつかな、と私がティラミスを頼むと、憂はショートケーキを頼んだ。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 16:30:20.90 ID:A+SE7um0o<> 紅茶を飲みながら、話はとまらない。
「デザイナーって、大変じゃない?」
「うまくいったな、って思うとすっごくうれしいよ」
憂はいつも、質問の「本質」を大事に話す。
どんな愚問に対しても、人によっては答えになってないんじゃないか、と思うように、本質を捉えた話し方をするから、
きっとアインシュタインやゲーテ相手にも、私のような凡人を相手にしても、同じように、いろんな話ができるんだろうと思う。
憂も、天才的だ。唯先輩が太陽なら、憂は月なのだ。
唯先輩はきちんと朝に輝き、夜は憂に任せ、
憂はきちんと夜をこなし、朝は唯先輩に委ねている。
さらに言うならば、太陽は欠けないことで責任を果たし、月は欠けることで責任を果たしている、
そんな気がする。二人には太陽と月が、やっぱり一番しっくりくる。
そうなると私は何だろう。
いや、私は私だな。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 16:31:44.34 ID:A+SE7um0o<> 修正

紅茶を飲みながら、話はとまらない。
「デザイナーって、大変じゃない?」
「うまくいったな、って思うとすっごくうれしいよ」
憂はいつも、質問の「本質」を大事に話す。
どんな愚問に対しても、人によっては答えになってないんじゃないか、と思われるかもしれないような、本質を捉えた話し方をするから、
きっとアインシュタインやゲーテ相手にも、私のような凡人を相手にしても、同じように、いろんな話ができるだろうと思う。
憂も、やはり天才的なんだ。唯先輩が太陽なら、憂は月なのだ。
唯先輩はきちんと朝に輝き、夜は憂に任せ、
憂はきちんと夜をこなし、朝は唯先輩に委ねている。
さらに言うならば、太陽は欠けないことで責任を果たし、月は欠けることで責任を果たしている、
そんな気がする。二人には太陽と月が、やっぱり一番しっくりくる。
そうなると私は何だろう。
いや、私は私だな。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 16:42:55.64 ID:A+SE7um0o<> 話はいつの間に、明日の話に移っている。
「ついにお姉ちゃんと梓ちゃんが共演かぁ、どきどきするね!」
「いやいや、共演っていう立場じゃないよ、私はレコーディング専門の、それもサポートメンバーなんだし」
「でもお姉ちゃん、すごく喜んでたよ、あずにゃんと一緒にやれるんだって。」
「うん。私ももちろんうれしいよ。」
「梓ちゃんが自分で私に追いついてくれたー、って本当に喜んでたんだから!」
うん。それは私だってすごくうれしい。
「あずにゃんはギターあんなにうまいのに、なんでみんな分かってくれないんだろう、ってお姉ちゃんずっと言ってたんだから」
「え、そうなんだ」
あれ、まだだめだって思ってたわけじゃないんだ。
唯先輩は、決して私を推薦したりはしなかった。
それは、バンドの総意で私を選んで欲しい、身内とかなんだかは関係なく、という
唯先輩と私の共通の想いがあったから。
結局、ベースの人が私の名前を出してくれたらしい。
その人のことは知らないけれど、すごく嬉しかった。
数多くの中、私を指名してくれたんだから。
「梓ちゃんは日本で一番ギターがうまいって、お姉ちゃん自慢してたよ、外では言わないけどね」
日本で一番は唯先輩だ。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/12(火) 16:44:46.30 ID:4yMQzP3Ao<> 見難い… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 16:52:48.78 ID:A+SE7um0o<> 唯先輩には絶対に敵わない。それは分かっている。分かっているから怖い。
あのバンドだって、唯先輩なしには、あれだけにはなれなかった。
もちろん、食いついているだけですごいんだけど。
放課後ティータイムでデビューしてたらどうなってたんだろう、
正直、そんなことを、たまに、いつも、思ってしまったりする。
でも私たちには無理だったんだよ。
いまさら何をいっても始まらない。
この考え終わり。
「でもやっぱり緊張するなあ」
「大丈夫、梓ちゃんならできるよ!」
根拠がどこにあるのかは不明だけれど、なんだかんだで励まされている自分に気づく。
紅茶を飲む。少し冷めている。ケーキが来る。紅茶を寄せて、二人、ケーキを食べはじめる。
「そういえば、純ちゃん福岡に行くんだって」
ケーキを食べる。
紅茶を飲む。
なんだっけ、純が福岡
「え!?」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/12(火) 16:52:50.09 ID:4yMQzP3Ao<> 本と違って行間が詰まりすぎて読みにくいから1行開けようよ
それと読む時って1レス毎に読むから1レスに詰め込みすぎると疲れる

1行の文字数も減らした方がいいと思うけど
見る環境に依存するからどれくらいかは人それぞれだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 16:54:02.37 ID:A+SE7um0o<> >>15
改行がまばらでした・・すみません。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 16:54:58.54 ID:A+SE7um0o<> >>17
そうします。ありがとうございます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/06/12(火) 17:00:32.54 ID:4yMQzP3Ao<> >>19
ここの板にあるSSを適当に見てみれば
どんな風が見やすいかなんとなく分かると思う

まあ携帯とスマホとPCじゃ見え方違うし
PCでもノートとデスクトップじゃまた違うから参考程度だけどさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 17:04:00.80 ID:A+SE7um0o<> 「ほら、純ちゃん結婚したでしょ?」

うん。

六月だから二つの意味でジューン・ブライドでしょ?

とかつまらないこと言ってた。

「その結婚相手のええと、真治さん?が転勤することになったんだって」

「随分唐突だね」

「会社に勤めるのも、大変だよね」

「うん。」

私は、縛られるのが怖かった。

もちろんギターが好きだったから、

この世界に入ったのだけれど、

会社に入ったら人生がそれで終わったようなもんだな、

と、そんな気持ちで避けていたことも・・・事実だ。

「そっかあ、福岡かあ・・」

「だからね、お別れ会みたいなことしない?」

「お別れ会?」

「三人で。」

「三人か。」

「他に誰か呼ぶ?」

「それでいいや」

憂は、やっぱり、と笑う。

まあ結局、私たちは三人なのだ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 17:12:54.21 ID:A+SE7um0o<> 「純が引越しかあ」

「さびしくなっちゃうね」

「うん」

「あれ?梓ちゃんのことだから、そんなことないもん!って言うと思ってた」

「そんなことないもん!」

いつの間にか、憂はケーキを食べ終わっている。

急ぐ必要はないのだが、私も食べ進める。

「だからね、来週あたり、暇な日教えてもらえると嬉しいんだけど」

「ほんとに唐突だね」

「ごめんね」

いや、憂が悪いんじゃなくて・・・転勤が・・・いや、仕方ないけどね。誰も悪くない。

「再来週にはもう福岡に言っちゃうって言ってたから」

本当に唐突だ。福岡、どうしても、少し遠い。

「まあ、飛行機なら二時間でつくでしょ」

つよがる。

「うん。まあ・・」

時間じゃなく距離が問題なのだ。憂はあえて言わない。

900kmを、人間の心は超えて行けない。

たとえどれだけその時間が縮まっても。






<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 17:21:33.54 ID:A+SE7um0o<> 私は来週のスケジュールをぼんやりと頭に浮かべる。

「金曜日だけかな。一日暇なのは。」

「あ、私も金曜日で大丈夫。」

憂は微笑む。じゃあ私も。

「純はどうせ暇だからね、金曜日で大丈夫でしょ」

「聞いておくね」

憂が微笑む。私も微笑む。

「過去も未来も存在せず、あるのは現在と言う瞬間だけだ」

「え?」

「トルストイって人がね、そう言ったの。」

「うん。」

私はカフェにかかった木製の時計の秒針をみつめる。

時間は大胆に捨てられてゆく。

「でもね、こんな言葉もあるんだよ」

「過去のことは過去のことだといって片付けてしまえば、 それによって、我々は未来をも放棄してしまうことになる。」

「・・・・うん。」

うん。私は少し黙り、言葉の意味をよく考える。

憂がわざわざ、"今"言った理由も含めて。

憂は黙ってる私をみつめ、微笑んで、何も問わない。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/06/12(火) 17:26:45.18 ID:A+SE7um0o<>
「そろそろ行こうか」

五時。

憂といると、時間は早く進む。

「梓ちゃんといると、時間が早く進んじゃうよ」

「こちらこそ」

私は、憂と別れたくないな、と思う。

「じゃあ行こうか」

私はつよがる。

「うん。」

憂は微笑む。

「じゃあ次会うのは、来週の金曜日だね」

「そうだね、明日はお姉ちゃんによろしくね。」

「うん。」

レジでお金を払う。店を出る。手を振る。憂は向こう、私はこちら。

歩く。振り返る。歩く。

やや足取りは重いが、それでも、やっぱり憂と話せてよかった。

家に着く。私はすぐ眠りこけてしまった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<><>2012/06/12(火) 17:28:44.11 ID:A+SE7um0o<> 明日につづきます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/06/12(火) 17:47:10.47 ID:4yMQzP3Ao<> お疲れさま
期待してる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/14(木) 12:27:22.39 ID:5XoSBxMco<> スレタイにキャラの名前が無いから
キャラ名で検索かける人はこのSSに気が付いて無さそう
まあ俺も今気が付いたんだけどね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)<>sage<>2012/06/14(木) 22:17:13.62 ID:tdA/IBU9o<> 日に一回新着スレにけいおん!SSがないか調べる俺に隙はない <> :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/15(金) 01:42:59.16 ID:N54d4/bQo<> あーかいたまぁー
あーおいたまぁー
すーべてぇーがぁーなぁーがれなぁーがぁーれぇーゆーきますぅー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/16(土) 18:07:20.59 ID:9pMcdB4so<> 美しい世界に
嫌われるとしても
それでいいよ君に
出会えてよかった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/06/17(日) 16:54:20.43 ID:H4XJ+twDO<> 結構面白いあげ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/18(月) 18:39:12.52 ID:QeDqgGpU0<> あずにゃんデザイナーなのか? それとも憂がか?
面白そうなんで期待。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/18(月) 20:20:09.10 ID:c8+3rcfr0<> >>32
どう考えても憂がデザイナーで、梓は唯を追いかけてプロのミュージシャンになろうとしているでしょ。
序盤の読み難さが災いしているのかもしれないけど、>>1は一応再開する際には状況の整理を行っておいた方がいいと思います。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/06/18(月) 21:03:07.79 ID:Dsr6JFuwo<> どっから梓がデザイナーって出て来たww
確かに読み辛くて疲れたけどな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/18(月) 23:57:35.98 ID:8i64Su2SO<> アフターものも前からいくつかあるが、これも見たことあるパターンだ <>