忍法帖れべらーげめんどくさいでやんす<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:26:06.94 ID:ct474AEio<>ほむら『おとぎ話を聴いてもらえますか?』
マミ『なに?暁美さん。』
ほむら『笑わないで聴いてくれるって、約束してもらえますか?』
マミ『もちろんよ。』
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1339676766(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
<>ほむら「おとぎ話を聴いてもらえますか?」
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:26:34.77 ID:ct474AEio<> 三週間ほど前から、暁美さんは夜毎テレパシーで話しかけてくるようになった。
お互いベッドに寝そべりながら、眠れない時間を埋め合う。
最初は「こんなときばかり当てにしてしまってごめんなさい」とか、
「わたしは巴さんを、寂しさを埋めるのに利用しています」とか、
申し訳なさそうにしていたけれど、今ではごく自然に会話が進む。
一人で寂しいのは貴方だけじゃない。わたしだって。
いえ、これからはわたしの方がずっと……。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:27:00.38 ID:ct474AEio<> ほむら『この宇宙が生まれるずっと前、この宇宙に良く似た宇宙に、
この地球に良く似た地球があって、わたしたちに良く似た魔法少女たちがいました。』
マミ『……うん。』
ほむら『魔法少女たちは、魔獣ではなく、魔女という化け物と戦っていました。
魔法少女たちの戦いは今よりもずっと危険でした。
魔女は魔獣より種類が多くて、狡猾で、強力で。
……何より、絶望に呑み込まれた魔法少女は、魔女になってしまうからです。』
マミ『……っ!!』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:27:32.08 ID:ct474AEio<> ほむら『自分がいずれ魔女になるということを知った魔法少女たちは、
より早く絶望して、自分も魔女になって行きました。
その時は大丈夫でも、いずれ魔女になってしまうという焦りが、
彼女たちを追い詰めます。』
マミ『……続けて?』
ほむら『……ある時、一人の少女がきゅうべぇに契約を願い出ました。
自分に優しくしてくれた友達を、死なせないために。
奇跡が起こって、時間が巻き戻ります。
少女は、友達との出会いをやり直すことができたのでした。』
マミ『……うん……。』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:27:59.06 ID:ct474AEio<> ほむら『でも結局、その友達は死んでしまいます。
少女は魔法を使ってもう一度やり直しました。
けれども今度は友達は魔女になってしまいます。
少女はさらにもう一度やり直します。
でもやっぱり友達は魔女になります。
やり直してもやり直しても、友達は魔女になってしまいます。
それどころか、友達の大切な人も、魔女になったり死んだりしてしまうのです。』
マミ『……。』
ほむら『少女は何度も何度もやり直しました。』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:28:26.94 ID:ct474AEio<> ほむら『もう何度繰り返したのかもわからなくなってしまいました。
それでも、諦めたら自分が魔女になるだけ。
だから少女は何度も何度も繰り返しやり直しました。』
マミ『うん。』
ほむら『諦めかけていた、最後の一回で、奇跡が起こりました。
友達は魔法少女になる代わりに、きゅうべぇにこう願いました。
“全ての魔女を、生まれる前に消し去りたい。この手で。”』
マミ『……それって、』
ほむら『……。』
マミ『いえ、ごめんなさい、続けて?』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:29:03.86 ID:ct474AEio<> ほむら『その壮大な願いは、叶いました。
実はその友達には、少女が時間を巻き戻すたび、わたしの分の因果が積もっていたのです。
やり直したと思っていた悲しみや別れは、やり直しても嘘にはならなかったのです。
同時に、やり直し続けてきた長い時間も、無駄にはなりませんでした。』
マミ『……(「わたしの分の」、因果……)。』
ほむら『友達は時間も空間も超えて、世界中から魔女を消してしまいました。
自分自身の魔女さえも。』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:29:56.67 ID:ct474AEio<> ほむら『宇宙の歴史は書き換えられて、新しい宇宙が始まりました。
新しい宇宙の新しい地球には、新しい魔法少女とそして、魔獣が居たのでした。
でもその地球には、その友達はいません。』
マミ『……。』
ほむら『新しい世界で、少女は時々友達の事を思い出します。
そして、また奇跡が起こって、出会える日を信じているのでした。』
マミ『……。』
ほむら『おしまい。』
マミ『……うん。』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:30:22.73 ID:ct474AEio<> ほむら『わたし、やっぱり話をするの下手みたいです。』
マミ『そんなことないわ。とても興味深かった。』
ほむら『きゅうべぇには呆れられちゃいましたけど。』
マミ『わたしは信じる。』
ほむら『え?』
マミ『貴方の話。わたしは信じる。』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:30:56.61 ID:ct474AEio<> ほむら『巴さん……。』
マミ『あなたが嘘を吐くような人じゃないって、わたし知ってるもの。
……それに、作り話が下手だってことも。』
ほむら『どういう意味ですか?!』
マミ『だって、おとぎ話にしろ本当の話にしろ、
宇宙が生まれる前の事なんて普通思いつきもしないもの。』
ほむら『……。』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:31:28.57 ID:ct474AEio<> マミ『暁美さんは、「わたしが信じてくれる」って、わたしを信じてくれたから、
こんな無茶な話をしたんでしょう?』
ほむら『……。』
マミ『わたしは信じる。』
ほむら『……ありがとうございます。』
マミ『さ、明日も学校でしょう?
そろそろ寝なくちゃ。』
ほむら『巴さん、わたし、』
マミ『わかってる。
だからこそ、寝不足じゃかっこ付かないわ?』
ほむら『はい……。おやすみなさい。巴さん』
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:32:02.39 ID:ct474AEio<> ――――
マミ「あなた、それ……!!」
三週間前に見せてもらった暁美さんのソウルジェムは、
もう取り返しがつかない位に濁りきっていた。
マミ「待って、わたしのブラックボックスを……」
ほむら「いいんです。
……もうこうなったら、間に合わない。」
マミ「そんなこと……!」
ほむら「それに、やっとまどかに会えるって思えば、少し嬉しい気もしますし。」
マミ「そんなこと言わないでよ!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:32:28.89 ID:ct474AEio<> マミ「美樹さんが逝ってしまって、佐倉さんも見滝原を去って……
あなたまで逝ってしまったら、わたしまた一人に、
一人ぼっちになっちゃう……。」
ほむら「……ごめんなさい。」
マミ「……グス……。」
ほむら「本当に、ごめんなさい。」
マミ「……。」
マミ「うん!……わかってた。わかってたことよ。」ニコ
ほむら「巴さん……。」
ほむら「……迷惑ついでに、最後に一つ、お願いしても良いですか?」
―――― <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:33:07.83 ID:ct474AEio<> ほむら「巴さん。」
マミ「ええ、行くわよ。」
その日の魔獣退治は、ひときわ派手だった。
暁美さんが空を飛びながら矢を放ち、わたしが地上からありったけの火砲を炸裂させる。
ほむら「喰らいなさい!」
マミ「ティロ・フィナーレ!」
初めて見た時は純白だったはずの暁美さんの翼が、今は夜空のように黒い。
わたしはそれを掻き消すように、否定するように。
宵闇をありったけの火花で照らした。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:33:38.50 ID:ct474AEio<> でも、やはり来るべき時は来てしまった。
マミ「暁美さん!!」
力無く倒れる彼女の下に駆け寄る。
暁美さんのソウルジェムはもう、手の施しようがないほどに真っ黒になっていた。
マミ「しっかり、しっかりして!」
わたしがブラックボックスを差し出す手を、暁美さんが制した。
代わりに、赤いリボンを取り出してわたしの手に握らせる。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:34:04.42 ID:ct474AEio<> ほむら「巴、さん。」
マミ「喋っちゃダメ!」
ほむら「これ……まどかから預かった、もう一つのリボンです。
受け取ってもらえますか?
……あの子が、この世界を見守っている証を、
残して、おきたい……。」
マミ「暁美、さん……!」
ほむら「う、ううぅ!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:34:30.89 ID:ct474AEio<> ソウルジェムに濁りが満ちると、暁美さんが苦しみ出した。
けれどそれも束の間。
どこからか矢のように優しい光が降りてきて、暁美さんの前に止まった。
暁美さんのソウルジェムから濁りが煙のように吹き出て、光の中に吸い込まれていく。
ほむら「まどか……。」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:34:57.31 ID:ct474AEio<> 暁美さんが、笑った。目線の先を追うと、その光の中には、一人の魔法少女が居る。
マミ「鹿目さん……?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:35:26.29 ID:ct474AEio<> 思わず口を突いて出た言葉に、わたし自身が驚く。
光の中の魔法少女は、わたしに困ったような笑顔を向けた。
そうして、彼女は暁美さんの手をとると、暁美さんと一緒に夜空の中へ消えて行った。
わたしの手には、赤いリボンだけが残されていた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:35:54.95 ID:ct474AEio<> 家に帰ったわたしは、一晩泣き尽した。
起き上がる気にもなれなくて、久しぶりに学校をサボってしまった。
疲れ果てて泣き果てると、幾分心に余裕が出てきた。
昨日の事を思い出す。
暁美さんは、円環の理に導かれて行ってしまった。
晩節を彩るように盛大に魔法を使い、最後は笑って逝った。
光る少女の手をとって。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:36:24.11 ID:ct474AEio<> マミ「鹿目さん……。」
あの時思わず出た言葉を、もう一度唇に載せる。
鹿目……。
暁美さんの言っていた『友達』だ。きっと、「鹿目まどか」。
逢った記憶が無い。
話した記憶も無い。
顔も声も、全く覚えていない。
それなのに、どこかで見た気がしてならない。
いつか名前を呼んだ気がしてならない。
面影はあるのに、思い出が見当たらない。
あの子は、何なのだろう?
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:36:54.49 ID:ct474AEio<> 日が沈んでからようやっと気持ちも落ち着いたので、わたしは家を出た。
暁美さんから頼まれていた『お願い』を果たしに。
マミ「お邪魔します。」
合い鍵でドアを開け、その家に入る。
暁美さんの家。頼まれていた『お願い』は、後始末。
近々『行方不明になる』から、片づけておいてほしい、と。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:37:20.52 ID:ct474AEio<> マミ「とか言って、ほとんど自分で片付けちゃってるじゃない。」
冷蔵庫や棚の中にも腐るような物は残っていなかった。
衣服もきちんと畳んであって、ベッドメイクまでしてある。
何時死んでもいいように自分で準備していたんじゃないの。
欲しい物があればどうぞ持って行って下さい、と言われていたけれど、
やっぱりそれは追い剥ぎみたいで嫌だ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:38:24.84 ID:ct474AEio<> 暁美さんのキッチン。暁美さんのバスルーム。
暁美さんの勉強部屋。暁美さんのパソコン。
全部丁寧に掃除がしてある。
マミ「これは……。」
だからこそ目に付いた。机の上に無造作に置かれた、一冊のノート。
マミ「……。」
マミ「暁美さん、ごめんなさい!」
心の中で謝りながら、開いて見る。
するとそこには、わたし宛の文(ふみ)が書かれていた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:38:51.56 ID:ct474AEio<> ―――巴さん。貴方に押し付けるような事をして、
本当に悪いと思っています。
お詫びに、わたしが戦ってきた記録を渡します。
机の中のノートは全部、わたしがあのおとぎ話の中で学んだ体験や使った技を書いたメモです。
わたしは元々戦闘向きではない魔法少女でした。
そんなわたしがどうやって戦ってきたかを、覚えている限り書き残しました。
魔力の節約に少しは役立ってくれると思います。
こんなことで罪滅ぼしになるとは思いませんが、どうか役立ててください。
暁美ほむら
マミ「……本当に勝手なんだから。」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:39:20.38 ID:ct474AEio<> マミ「……本当に勝手なんだから。」
それから、わたしは暁美さんの家から持ち帰ったノートを貪るように読んだ。
爆弾の作り方、近くに居を構える暴力団事務所の住所、
在日米軍の警備の薄い時間と場所。
魔女に有効な銃火器と効きにくい銃火器。
魔法の盾に(わたしは見たことが無いけれど、当時彼女の固有の武器は盾だったらしい)
収納できる物の大きさと量の上限。
魔獣と魔女の違い、傾向と対策。
前の宇宙でわたしを殺した魔女の事。美樹さんが化けた魔女の事。
佐倉さんの最期の事。ワルプルギスの夜の事。
……鹿目まどかの事。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:39:47.97 ID:ct474AEio<> ―――
ピンポーン。
知久「はーい。」
マミ「すみません。わたし、巴マミと言います。」
兎に角、確かめなければいけない気がした。
マミ「鹿目さん、ですよね。」
知久「そうだけど、君は?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:40:28.88 ID:ct474AEio<> 恐らく鹿目さんのお父様であろうこの方に対して、しどろもどろしていたのだけは覚えている。
マミ「まどかさん、いらっしゃいますか?」
知久「まどか……?いや、うちにはまどかという子はいないけど。」
マミ「そうですか。」
実は事前に調べている。暁美さんとクラスメイトだったはずの彼女が、
同じクラスどころかこの見滝原にいないことも確認済みだ。
でも、この目で確認しないではいられなかった。
マミ「リボンを、お返ししたかったのですけど。」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:41:19.46 ID:ct474AEio<> 知久「んん?」
お父様が、ぐっと身を乗り出してリボンを見つめた。
知久「そう言えば、前にもそんなリボンをした子と逢った気がするよ。」
マミ「え?」
知久「その子も確か、まどかって子の話をしてた。ママと、いや、あー……妻と。
話をしてたよ。」
マミ「そう、なんですか。」
タツヤ「まろか!!」
マミ「!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:41:46.83 ID:ct474AEio<> 知久「こらタツヤ、中に入ってなさい。」
タツヤ「まろか、こんにちわ!」
マミ「はい、こんにちわ♪」
知久「ほらほら、今お姉さんとお話してるから、戻りなさい。」
タツヤ「あい!」
マミ「……まどか……。」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:42:35.12 ID:ct474AEio<> ――
知久「悪いね、力になれなくて。」
マミ「いえ。こちらこそ突然押し掛けて済みませんでした。」
知久「うん、じゃあ気をつけて。」
背を向けて、駆けだすように鹿目さんの家を後にした。
確信した。鹿目まどか。
彼女は確かに、存在した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:43:14.91 ID:ct474AEio<> けれどそれから、目新しい足跡は見つけられなかった。
わたしは高校を卒業すると、東京に出た。
見滝原ではもう何人か魔法少女が生まれていたし、
彼女らとブラックボックスの取り合いをするのは気が引けたから。
東京での暮らしには不安が沢山あったけれど、
魔獣も狩り切れないぐらい湧いたし、
人口が多いからこそ、「早い者勝ち」のルールは厳格に守られていた。
そして、友人はいないが、仲間はいる。
それだけでもわたしの心は救われた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:43:48.06 ID:ct474AEio<> きゅうべぇ「今の君を魔法少女と呼ぶのは適当ではないかもしれないね。」
マミ「黙りなさい。」
わたしは今年、30歳になった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:44:15.88 ID:ct474AEio<> 生き汚くなったな、と思う。
歳を経るにつれて、ソウルジェムの輝きが弱弱しくなった。
ソウルジェムの輝きが薄れるのに合わせて、より効率的に、魔力を使わず魔獣を倒す術を身につけた。
魂の輝きは自分が背負った因果と相関するらしい。
きゅうべぇ曰く因果とは、その人間が将来世界に与えうる情報量の変動幅の事だそうだ。
社会や世界の仕組みを変える素質が強いほど、「因果がある」とされ、
その可能性の変動率が固定されてしまうと、「因果がない」ものと扱うらしい。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:44:42.74 ID:ct474AEio<> 幼な過ぎると世界に影響を与える力そのものが小さいけれど、
歳を取り過ぎると世界に影響を与える可能性の変動幅が小さくなってしまう。
世界に影響を与える個人の資質と、世界に影響を与える可能性の変動幅が最大になる時。
それが、「魔法少女の年代」なのだそうだ。
とっくに少女と呼べる時を過ぎてもわたしが生きていられるのは、
魔法少女になる時に「生きたい」と願ったからなのかもしれない。
奇跡は叶った。わたしは生きている。あの子たちが去った後の世界を。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:45:10.00 ID:ct474AEio<> きゅうべぇ「そのリボン、随分と丈夫だね。」
マミ「ええ。」
わたしの左手には、あの時暁美さんからもらったリボンが巻いてある。
魔獣との戦いで左腕を負傷してしまったとき、悪いと思いながらも、
咄嗟に手元にあったリボンに魔力をかけて止血した。
だがすぐに魔獣からの追撃を受けてしまい、反撃の為になけなしの魔力を絞り出した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:46:00.67 ID:ct474AEio<> 左腕に結んだリボンを変形させ、銃を形作る。
残りの魔力は心許ないが、逃げられるような状況でもない。
絞りこんで、撃つ。
そのイメージが、思った以上にしっくりきた。
細くうねるリボンの魔弾が、魔獣の頭を貫く。
未だ衰えぬ弾丸の先を捻り、二体目の魔獣の背を穿つ。更に曲げて、三体目。
瞬く間に、わたしは魔獣を数珠つなぎに撃ち抜いて窮地を脱出していた。
それ以来、左手の赤いリボンはわたしの必須装備になっている。
一つの魔法で複数の敵を倒せ、とは暁美さんの本にあったセオリーの一つだ。
砲の数で勝負するのも魔力が衰えていたわたしには辛くなってきていたし、
こう言うのも魔弾使いらしくて、悪くない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:46:26.61 ID:ct474AEio<> 後輩には「はぁとの魔法少女」だの「リボン蛇」だの、あんまり望ましくない異名が付けられてしまったけれど。
きゅうべぇ「瘴気だよ、マミ。」
マミ「ええ。」
出撃。
……わたしが生きるために。
そして、死ぬために。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:46:52.71 ID:ct474AEio<> マミ「間一髪ってところね。」
「あ、あなたは……?」
マミ「覚えなくていいわ。いいえ、忘れてちょうだい。」
――――ずっと考えていた。正義のヒーローは。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:47:21.33 ID:ct474AEio<> マミ「ティロ!」
「うわっ!」
マミ「じっとしていて!」
――――誰よりも強くて、誰かを守る。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:48:30.32 ID:ct474AEio<> 「お姉さん……。」
マミ「嬉しいわね、お姉さんか。お姉さん……♪
わたしもまだまだいけるみたいよ?」
――――けれど、強い者は恐れられる。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:48:58.21 ID:ct474AEio<> 「わたしも、お姉さんみたいになれるかな?」
マミ「ダメよ?こんなこと、全然立派じゃない。」
「うわぁ!」
マミ「レガーレ!」
ギュギュギュ!
ギエエエエェェェ……
マミ「全く、ゆっくりお話もさせてくれないんだから。」
――――誰かを守れば、その分危険に晒される。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:49:54.27 ID:ct474AEio<> マミ「離れちゃダメよ?」
「う、うん。」
マミ「お前たちもおとなしくしてなさい!レガーレ・ヴァスタアリア!!」
――――わたしたちは、長くは生きられない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:50:20.27 ID:ct474AEio<> マミ「わたしが撃ったら、あの扉に向かって真っすぐ走りなさい。
絶対に振り向かないで。」
「う、うん!」
マミ「いくわよぉ……!!
ティロ……セルペンテ!」
――――人からも魔獣からも疎まれる、忌子だから。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:50:46.33 ID:ct474AEio<> マミ「はぁ……折角カッコいいとこ見せて逃げてもらったのに、まだ残っていたの?
いいわ、今のわたしは、星だって吹っ飛ばせそうよ♪」
――――それでも、正義のヒーローでいられるなら。誰かの希望になれるなら。
鹿目まどかさん、貴方のリボン、円環の向こうからも見えるかしら。
マミ「ルーシェ・ステッラーレ……、」
あの子にたちに届くように。銀河の彼方まで星のように輝け。特大の!
マミ「ティロ……フィナーレ!!!」
――――わたし、一人ぼっちじゃないもの。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:51:14.73 ID:ct474AEio<>
―Don't forget.
always,somewhere,someone is fighting for you.
As long as you remember her,
you are not alone.
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:51:40.31 ID:ct474AEio<> ―
――
――――
まどか「マミさん。
今まで、本当にお疲れさまでした。」
マミ「あなたにはとても及ばないけどね。
それじゃあ、預かっていた物を返さないとね」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/14(木) 21:52:08.07 ID:ct474AEio<> きゅっ。
マミ「うふふ。やっぱりこれは、あなたが一番似合うわ。」
まどか「ありがとうございます、マミさん♪」
マミ「じゃあ。」
まどか「ええ。」
マミ「ただいま♪」
「「「「おかえり!」」」」
おわり <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/14(木) 21:53:26.61 ID:6Y4Q1jGDO<> 乙!!
( ;∀;)イイハナシダナー <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2012/06/14(木) 22:01:27.16 ID:JpEStz6Jo<> 乙!
マミさんが最後まで残るってパターンは珍しいな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2012/06/14(木) 22:02:03.26 ID:9D2rk2Kgo<> 乙だ
とても良かった <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/06/14(木) 22:23:00.71 ID:k0PaLWr70<> 乙!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/06/15(金) 00:56:20.09 ID:0vIr0SrW0<> 短いけどすごくよかった
乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/15(金) 01:48:05.83 ID:JrFwozdFo<> 100までは面倒見れるとおもったら50も行かないとは思いませなんだ。むぐむぐ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/15(金) 10:12:34.81 ID:tS+98QyDO<> すごく良かった。乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/15(金) 19:13:34.36 ID:cAhcYuADO<> おつ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sagesaga<>2012/06/16(土) 00:52:27.05 ID:dsP3zleOo<> 次を思いついたらもっとコブラを前に押し出していきます。 <>
1<>sagesaga<>2012/06/26(火) 23:27:32.35 ID:IF6vG8rMo<> 気が載ってるうちに書いた方がいいな。
即興でーす。
ほむら「暁(アカツキ)電光戦記!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/26(火) 23:28:40.90 ID:IF6vG8rMo<> ほむら「(パチッ!)」
ほむら「変身!」
ほむら「四次元盾オープン!」ガシャコ
ほむら「……。」
ほむら「あった……。六〇式電光被服!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/26(火) 23:33:41.75 ID:IF6vG8rMo<> 陸自の資料室でこれの記録を見かけた時は半信半疑だったけれど……。
何とか手に入れることができた。
入手に時間を取られワルプルギスの夜に間に合わなかったけれど。持ちこすことはできた。
今までの闘いで、ワルプルギスの夜に近代兵器がほとんど通じないのは明らか。
わかっていても、わたしにはそれしかないから、認める訳には行かなかった。
けれど今は違う。
自分の力で。魔力で。立ち向かうことができる。
……。
<>
1<>sagesaga<>2012/06/26(火) 23:39:05.55 ID:IF6vG8rMo<> ――助けて!
――助けて!まどか!
まどか「え…?え?」
タッタッタッ……
まどか「ほむらちゃん……?」
ほむら「そいつから離れて」バチバチバチッ
まどか「だ、だって、この子、怪我してる、」
ほむら「あなたには関係ない。」
ブシュシュシュシューーーー!!!!
さやか「まどかぁ!こっち!」
まどか「さやかちゃん!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/26(火) 23:41:08.54 ID:IF6vG8rMo<> タッタッタッタッ
さやか「……あれ?非常口は?どこよここ?」
まどか「変だよ、ここ。どんどん道が変わっていく……。」
さやか「冗談だよね?私、悪い夢でも見てるんだよね?ねえ、まどか!」
マドマドサヤサヤ
ガウーーーン!!!
まどさや「!!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/26(火) 23:44:50.73 ID:IF6vG8rMo<> マミ「エイメン。」
まみさや「」
マミ「危なかったわね。でももう大丈夫。」
さやか「あ、あなたは?」
マミ「そうそう、自己紹介しないとね♪でも、その前に。」
マミ「ちょっと一仕事、片付けちゃっていいかしら」
マミ「今のうちにお祈りなさい……。」
ガガガガウーン!!
マミ「貴方の神は見放したようね。」ジャキーン
さやか「」
まどか「かっこいい……。」
さやか「えっ」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/26(火) 23:49:12.71 ID:IF6vG8rMo<> マミ「……魔女は逃げたわ。今回はあなたに譲ってあげる」
スッ
ほむら「わたしが用があるのは……。」
マミ「飲み込みが悪いのね?見逃してあげるって言ってるの。」
マミ「……今はまだ、ね。」
ほむら「!!……」スッ
まどか「ほむらちゃん……?」
<>
1<>sagesaga<>2012/06/26(火) 23:52:13.44 ID:IF6vG8rMo<> マミ宅
マミ「独り暮らしだから遠慮しないで。ろくにおもてなしの準備もないんだけど。」
まどか「マミさん。すっごく美味しいです。」
さやか「んー、めちゃうまっすよ!」
マミ「あなたたちにとっても他人事じゃないものね。ある程度の説明は必要かと思って。」
さやか「んぐ。そうそう!昨日のアレ、何だったんです?」
マミ「ランバス流銃術よ。」
さやか「」
マミ「ランバス流銃術よ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/26(火) 23:55:34.16 ID:IF6vG8rMo<> マミ「……もう一回言った方がいい?」
さやか「いや、お腹いっぱいです。」
マミ「でこれがソウルジェム。」
まどか「わぁ、綺麗。」
マミ「魔力の源であり、魔法少女であることの証でもあるの。」
QB「僕は、君たちの願いごとをなんでもひとつ叶えてあげる」
QB「なんだってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」
さやか「うわぁ…金銀財宝とか、不老不死とか、満漢全席とか?」
まどか「いや、最後のはちょっと」
<>
まちがえた<>sagesaga<>2012/06/26(火) 23:56:59.84 ID:IF6vG8rMo<> マミ「……もう一回言った方がいい?」
さやか「いや、お腹いっぱいです。」
マミ「でこれがソウルジェム。」
まどか「わぁ、綺麗。」
マミ「魔力の源であり、魔法少女であることの証でもあるの。」
QB「僕は、君たちの願いごとをなんでもひとつ叶えてあげる」
QB「なんだってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」
さやか「うわぁ……。金銀財宝とか、不老不死とか、満漢全席(FULL COURSE!)とか?」
まどか「いや、最後のはちょっと。」
マミ「身動きが取れなくなりそうね。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:01:25.40 ID:j8ehVdZLo<> マミ「勿論リスクはあるわ。」
マミ「魔法少女は、魔女と戦うことを運命づけられる。」
まどか「魔女?」
さやか「魔法少女とは違うのん?」
QB「魔法少女が希望を振りまくなら、魔女は絶望をまき散らす。」
マミ「魔女の呪いは、形の無い悪意となって人間を内側から蝕んでいくの。」
QB「その魔女を斃すのが、魔法少女の使命ってわけさ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:04:30.88 ID:j8ehVdZLo<> マミ「そこで提案なんだけど、しばらくわたしの魔女退治に付き合ってみない?」
まどか「え?」
さやか「えっ!?」
マミ「魔女との戦いがどういうものか、その目で確かめてみればいいわ。」
マミ「その上で、残りの人生を賭けるに値する程の願いがあるかどうか。考えて見てちょうだい。」
さやか「クーガーさん……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:08:34.86 ID:j8ehVdZLo<> ドロドロドロドロドロ!!
マミ「見て。あれが魔女よ」
さやか「う……グロい。」
まどか「あんなのと……戦うんですか?」
マミ「大丈夫。負けるもんですか。下がってて?」
--
マミ「貴方にメソッドを教えてあげる。」
マミ「ティロ・フィナーレ!!」
ガウウーーーーーーン!!
マミ「時間の無駄ね。」ジャキーン
まどか「かーっくいー!」
さやか「」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:13:29.73 ID:j8ehVdZLo<> マミ「さて、魔女を斃すとこのグリーフシードを落とします。」
マミ「これを濁ったソウルジェムに当てると……?」
さやか「凄い!みるみる汚れが落ちる!」
マミ「消耗したわたしの魔力も元通り。
まだあと一度くらいは使えるはず。あなたにあげるわ。
暁美ほむらさん。」
ほむら「……」スッ
さやか「あいつスッと出てくる以外やることないんか。」
ほむら「わたしの戦場はここじゃない。貴方の獲物は貴方だけの物にすればいい。」
マミ「そう。
……まあ、釣り合うとも思っていないわ。」
ほむら「何のことかしら?」
マミ「さあね?」
???「……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:28:37.24 ID:j8ehVdZLo<> ―――
まどか「あれ?上条君、会えなかったの?」
さやか「今日は都合悪いみたいでさ。わざわざ来てやったのに、失礼しちゃうわよね」
まどか「ん?」
まどか「あそこ…何か…」
QB「グリーフシードだ!孵化しかかってる!」
まどか「嘘…何でこんなところに」
さやか「まどか、先行ってマミさんを呼んで来て。あたしはこいつを見張ってる。」
―――
マミ「無茶し過ぎよ。でも今回に限っては冴えた手だったわ。」
まどか「あっ。」
ほむら「今回の獲物は私が狩る。貴女達は手を引いて。」バチバチバチ
マミ「そうもいかないわ。美樹さんとQBを迎えに行かないと。」
ほむら「その二人の安全は保証するわ。」
マミ「信用すると思って?」シュルシュル
ほむら「なっ、こんなことやってる場合じゃ!」
ほむら「(電光機関のスイッチに、手が届かない!
巴マミ、間違いなく、「これ」を知っている!!)」
マミ「行きましょう、鹿目さん。」
ほむら「待ちなさっ……!あなたは一体!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:32:10.93 ID:j8ehVdZLo<> マミ「お仕置きが必要ね!ティロ・フィナーレ!!」
ガウーーン!
さやか「やったぁ!」
シャルロッテ「(にゅるるるるる!!)」
まどか「え?」
マミ「え……。」
ガブ、ブ、ブチッ!
――――
???「……貴様か。」
ほむら「……貴方は!!」
???「だが、お前よりも魔女が先だ。」ツカツカツカ……
ほむら「待って、何故あなたがここに……!」シュルルル
ほむら「……解けた……。巴マミ……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:34:14.17 ID:j8ehVdZLo<> さやか「あああっ!」
まどか「あ、ああっ!」
???「てぇっ!!」
ドカカッ!!
シャルロッテ「!!??」
???「間に合わなかったか……。」
さやか「……誰?」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:38:21.93 ID:j8ehVdZLo<> ほむら「……。」スッ
まどか「ほむら、ちゃん……。」
???「話は後だ。」
ほむら「わかってる。」
???「対空防禦!」
ほむら「電光機関、解放!!」
ドコォオオオオ!!! <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:40:44.54 ID:j8ehVdZLo<> ???「存外、硬いな。」
マミ「まだ終わりじゃないわ。」
ほむら「!?」
さやか「マミさん!」
マミ「我らの罪を許したまえ……悔い改めよ!ティロ・フィナーレ!!」
ドドドドドゥ!!
さやか「倒した……?」
まどか「よかったあ、マミさん、死んじゃったかと思ったよぉ……。」
<>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:46:58.23 ID:j8ehVdZLo<> ほむら「説明を求めるわ。巴マミ。……試製一號アカツキ。」
アカツキ「俺の任務は電光機関の破棄だ。貴様の手にある電光機関を破壊しに来た。」
ほむら「何十年も前の話だわ。」
アカツキ「ならばその何十年の間、俺は冬眠制御装置に眠らされていたのだ。
電光機関の唸りを聴きつけ、ここ見滝原に馳せ参じた。
暁美ほむら。悪いことは言わない。その電光機関をこちらに明け渡せ。」
<>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:49:27.20 ID:j8ehVdZLo<> ほむら「断る。これはわたしに必要なものよ。」
QB「電光機関だって?まさか実在したとは。」
さやか「知っているのかQB。」
QB「電光機関……それは、」
マミ「生体のエネルギー源たるアデノシン三リン酸を電力に変える装置のことよ。」
まどか「マミ……さん?」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:53:16.46 ID:j8ehVdZLo<> ほむら「やっぱり知っていたのね。」
マミ「オリギナールと六〇式が同時に現れるなんて、僥倖だわ。」
アカツキ「貴様、何奴だ。」
マミ「わたしは何者でもない。ただの魔法少女よ。」
ほむら「本当に?」
マミ「クスクス……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 00:54:29.95 ID:j8ehVdZLo<> ほむら「で、アカツキ、どうするの?わたしから電光機関を奪う?
それともあの得体のしれない黄色と戦う?」
アカツキ「……転進する。」シュバッ
さやか「……消えちゃった。」
マミ「(パンパン)さ、今日はもう遅い。帰った方がいいわ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 01:03:16.27 ID:j8ehVdZLo<> QB「君が電光機関に詳しいなんて、初めて知ったよ、マミ。」
マミ「あら、『巴マミは』電光機関なんて知らないわ?」
QB「どういう意味だい?君は……。」
――――
さやか「びっくりしたぁ、マミさんまさか生きてたなんて。」
まどか「うん……。がぶっ!って、かじられた、のに……。」
さやか「何事もないように頭が生えててさ。でも、血はべったりついてて。」
まどか「やめてよ!」
QB「……はぁ、君たちの気持ちは分かった。残念だけど、僕だって無理強いはできない。
お別れだね。僕はまた、僕との契約を必要としてる子を探しに行かないと」
まどか「ごめんね、QB。」
さやか「さすがに、あれを見た後だとね……。」
QB「こっちこそ、巻き込んで済まなかった。」
QB「短い間だったけど、ありがとう。一緒にいて楽しかったよ、まどか」
まどか「……ごめんね。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 01:07:46.41 ID:j8ehVdZLo<> 恭介「さやかは、僕を苛めてるのかい?」
さやか「え?」
恭介「何で今でもまだ、僕に音楽なんか聴かせるんだ。嫌がらせのつもりなのか?」
さやか「だって恭介、音楽好きだから……。」
恭介「もう聴きたくなんかないんだよ!」
恭介「自分で弾けもしない曲、ただ聴いてるだけなんて!」
ガシャアアアア!!
さやか「大丈夫だよ。きっと何とかなるよ。諦めなければきっと、いつか……。」
恭介「諦めろって言われたのさ。もう演奏は諦めろってさ。先生から直々に言われたよ。
今の医学じゃ無理だって」
ほむら「……。」
アカツキ「行かんのか?」
ほむら「行って何ができるの。」
アカツキ「ならば何故お前はこんなところで立ち聞きしている。」
ほむら「……確認しているだけよ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 01:37:22.09 ID:j8ehVdZLo<> 恭介「僕の手はもう二度と動かない。奇跡か、魔法でもない限り治らない……!」
さやか「あるよ。」
恭介「え……?」
さやか「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
――――
ほむら「(スタスタスタ……)」
アカツキ「行かんのか。」
ほむら「こうなった以上、さやかが魔法少女になるのは避けられない。」
アカツキ「契約してほしくは無いように聞こえるが。」
ほむら「取り分が減るのは困るもの。」
アカツキ「嘘だな。」
ほむら「そうかもね。」スタスタスタスタ……
アカツキ「……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 01:43:13.60 ID:j8ehVdZLo<> ――――
まどか「あ!仁美ちゃん……?」
仁美「(フラフラ〜)あら、鹿目さん、御機嫌よう」
まどか「ど、どうしちゃったの?ねえ、どこ行こうとしてたの?」
仁美「ここよりもずっと、ずっと良い場所、ですわ♪ああ、そうだ。鹿目さんもぜひご一緒に♪」
―――
ホワホワ
詢子「いいか?まどか」
詢子「この手の物には、扱いを間違えるととんでもないことになる物もある」
詢子「あたしら家族全員あの世行きだ。絶対に間違えんなよ?」
ホワホワ
まどか「サイトオオオオオオそいつをよこせえええええ!!!」ポーイ
仁美「」
工場長「」
その他みなさん「」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 01:47:14.50 ID:j8ehVdZLo<> 仁美「邪魔をしてはいけませ」
アカツキ「チェストォー!!」
ドカアアアア!!
まどか「おじさん!?」
さやか「やっほー。」
まどか「えっ……さやかちゃん!?」
さやか「話は後。ここはあたしたちにまぁっかせて♪」
―――
さやか「これで……トドメだぁ!!」
オオーーーーン…… <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 01:51:13.06 ID:j8ehVdZLo<> まどか「さやかちゃん……どうして。」
さやか「んー、まあ何、心境の変化って言うのかな?」
まどか「おじさんは、」
アカツキ「俺は、付き添いだ。」
さやか「そーそー!
あたしが契約するときに『後悔しないか(低い声)』って何度も訊いて来てさー。」
アカツキ「戦いだけに費やす人生など、虚しい。
ましてや年端の行かぬ女子(おなご)がそのような決意をするなど。」
さやか「だーからそれは言いっこなしって言ったじゃんかー!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 01:53:00.05 ID:j8ehVdZLo<> アカツキ「とまれ、一命を賭した願いを無碍に否定する訳にもいかぬ。
かと言って、他人事と見逃すには俺は関わりすぎた。」
さやか「だから、付き添いだってさー。」
まどか「そう、なんですか。」
さやか「あ、ちょっと引いてる。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 01:54:22.98 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「マミの奴がくたばったって聞いたからさぁ、わざわざ出向いてやったっていうのに。」
杏子「何なのよっ!?ちょっと話が違うんじゃない?」
QB「悪いけど、この土地にはもう新しい魔法少女がいるんだ。ついさっき契約したばかりだけどね」
杏子「何ソレ?超ムカつく」
杏子「でもさあ、こんな絶好の縄張り、みすみすルーキーのヒヨッ子にくれてやるってのも癪だよねぇ?」
QB「どうするつもりだい?杏子」
杏子「決まってんじゃん。要するに、ぶっ潰しちゃえばいいんでしょう?
……その子。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 01:58:50.08 ID:j8ehVdZLo<> さやか「恭介、ちょっと外の空気吸いに行こう?」
上条「屋上なんかに何の用?」
さやか「いいからいいから♪」
上条「あっ…みんな」
――
杏子「ふぅん…。あれがこの街の新しい魔法少女ねぇ……・」
QB「本当に彼女と事を構える気かい?」
杏子「だってチョロそうじゃん。瞬殺っしょ、あんな奴。それとも何?文句あるっての?アンタ?」
QB「すべて君の思い通りに行くとは限らないよ。」
アカツキ「その通りだ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 02:02:16.52 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「な……!あんた何者だ!」
アカツキ「帝国陸軍技師官アカツキ。」
QB「驚いたね。誰にも見つからない場所から覗いていたつもりだったのに。」
アカツキ「貴殿の出現場所には、一定の電磁波の乱れがあることがわかっている。」
ほむら「そしてわたしは暁美ほむら」ニュッ
杏子「うわぁ!!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 02:05:41.72 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「て、てめえか、見滝原に現れたイレギュラーな魔法少女ってのは。」
ほむら「そうよ、佐倉杏子。」
杏子「……は、あたしも有名になったもんだな。」
ほむら「あなたと敵対するつもりはない。」
杏子「へぇ?」
ほむら「この町に、ワルプルギスの夜が来る。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 02:08:31.13 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「なんでわかる。」
ほむら「統計よ。」
アカツキ「暁美軍曹は時間遡航能力によってこの一カ月を何度も繰り返している。情報は確かだ。」
ほむら「何で言っちゃうの!?」
アカツキ「隠蔽することに益の無い情報と判断したからだ。」
杏子「……あ、暁美お姉さん。」
ほむら「そういう気づかい要らない。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 02:11:47.40 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「精神年齢的には何歳ですか。」
ほむら「敬語やめて。頼むから敬語はやめて。」
アカツキ「何度も繰り返している、ということは裏返せば、それほどこの一ヶ月は看過しづらいということだ。」
ほむら「せめてわたしの口から言わせてほしいのだけど……。
……はぁ。
では結論から言うわ。
ワルプルギスの夜は、この辺り一帯の軍事設備を総動員しても勝てない相手。」
杏子「!?」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 02:17:47.29 ID:j8ehVdZLo<> ほむら「試したの。」
杏子「どうやって!?」
ほむら「(アカツキが)言ったでしょう?わたしはワルプルギスの夜と何度も対戦している。」
ほむら「その結果、いわゆる近代兵器は著しくダメージ効率が悪いのよ。」
杏子「だからあたしの力が必要だって?」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 02:22:53.84 ID:j8ehVdZLo<> ほむら「見滝原だけで済む相手ではない。風見野も、奴の影響を受けてしまう。」
杏子「ま、それはそうだろ。
あんたが助力を求めるのも合点がいく話だ。
だが、まだ魔法少女がいるだろ?見滝原には。」
ほむら「……。」
杏子「そうだよなあ、ルーキーじゃ心許ないよなあ!?」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 02:35:36.85 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「ワルプルギスの夜は自分一人では倒せない。
かと言って見滝原にはルーキーしかいない。
それはわかるよ。でもさ?
あたしにルーキーのお守りをさせるつもりかい?」
ほむら「巴マミがいるわ。」
杏子「マミがお守りかあたしがお守りか……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 02:39:37.17 ID:j8ehVdZLo<> ほむら「お守りをやれだなんて言ってない。
戦力が欲しいだけ。」
杏子「……嘘じゃあないみたいだな。
……わかったよ。ワルプルギスの夜にはあたしも興味があった。
ワルプルギスの夜をぶっ潰した後のグリーフシードを全部くれるってんなら、
載ってやる。」
ほむら「ありがとう。(グリーフシードを投げて寄こす)
杏子「(パシッ)へっ♪」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 02:40:10.70 ID:j8ehVdZLo<> とりあえず今日はここまでです。眠い。 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 22:00:12.18 ID:j8ehVdZLo<> 続き。 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 22:02:54.94 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「商談成立♪っと。じゃあ、あたしはこれで。」スタスタスタ……
ほむら「……。」
アカツキ「こちらは何とかなりそうだな。」
ほむら「ええ。杏子とさやかが衝突した時は、正直もうダメかと思ったけど。」
杏子「お守りはやらないって言ったぞー!」
ほむら「あら聞こえてたの?」
杏子「……思い出したくもねえ……。」
――――
―――
―― <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 22:19:54.94 ID:j8ehVdZLo<> 数日前。
――
杏子「ちょっとちょっと。何やってんのさ?ありゃ魔女じゃなくて使い魔だよ。
グリーフシード持ってるわけないじゃん?」
さやか「だってあれほっといたら誰かが殺されるのよ?」
杏子「だからさぁ、4〜5人ばかり食って魔女になるまで待てっての。
そうすりゃちゃんとグリーフシードも孕むんだからさ?
卵産む前の鶏シメてどうすんのさ。」
さやか「魔女に襲われる人を、見殺しにするって言うの?」
杏子「食物連鎖って知ってる?弱い人間を魔女が食う。その魔女をあたしたち魔法少女が食う。
それが当たり前のルールってもんでしょ?」
さやか「……あんた……!」
杏子「まさか、人助けのためとか正義の為とか、そんなことのために契約したわけじゃないよね?」
さやか「……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 22:24:42.60 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「図星?甘い甘い甘過ぎる……アンタ糖尿に気をつけな?
勘弁してよ、遊び半分で首突っ込まれるとホントムカつくんだわ。
やっぱりここでぶっ潰す。」
さやか「あんたみたいなやつのせいで、マミさんは……!」
杏子「運が悪かった、そう思いな!」
さやか「寄らば……シュナイデン!!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 22:34:29.52 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「踊れ踊れぇ!」
さやか「効かぬ!」
まどか「突如現れた赤髪の魔法少女はさやかと激突した!
虚空より槍を生み出した赤髪の魔法少女に向かい、さやかはサーベルを抜いた!
数合打ち合うも決定打無し。なれどたたらを踏むさやかに対し、
赤髪の女は随分と余裕があるようだった。
ぶつかり合う切っ先と切っ先!
魔力が弾けて輝く!
突如赤髪が槍を大きく振った!
槍は多節棍の如くばらばらとなり、鞭のようにしなる!
さやかは対応できず、そのまま壁に叩きつけられてしまった!」
さやか「……解説、サンキュ。」
杏子「タフだねえ?全治3ヶ月ってぐらいにはかましてやったはずなんだけど?」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 22:44:01.53 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「スマートに行きたかったが……いっちょ殺りますか!」
さやか「お主を生かしておく訳にはいかぬ。」
まどか「再び得物を振りあう赤と青の獣!
赤髪は鍛え上げた技で翻弄するが、さやかは持ち前の癒しの力で何度も力押しを試みる!
魔法少女同士で戦うなんておかしいよ!
お願い、QB。やめさせて!」
QB「魔法少女同士の闘いに割り込むには、同じ魔法少女じゃなきゃだめだ。」
QB「でも君にはその資格がある。」
まどか「わたしが、契約すれば。」
ほむら「それには及ばないわ。」
杏子「なっ!?」
<>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 22:55:34.30 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「あたしは今、イレギュラー魔法少女の力をほんのちょっぴりだが体験した……。
い……いや……体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……。
あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
『あたしは青い奴を突きさしたと思ったらいつのまにか通り過ぎていた』
な……何を言ってるのかわからねーと思うが、
あたしも何をされたのかわからなかった……頭がどうにかなりそうだった……。
催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。」
アカツキ「何をしている、美樹さやか。」
さやか「そこどいておじさん!そいつ殺せない!」
杏子「何なんだアンタ!」
ほむら「私は冷静な人の味方で、無駄な争いをする馬鹿の敵。貴女はどっちなの?佐倉杏子。」
杏子「何故あたしの名前を……。
ちっ、手札が見えないとあっちゃね。今日のところは降りさせてもらうよ。」 ダダダダ
さやか「待て!」
アカツキ「止まれ馬鹿者!」グッ
さやか「離して、おじさん!」
アカツキ「追ってあの子を斃すのか。お前が人殺しになってどうするというのだ。」
さやか「く、うぅ……。」
まどか「ほむらちゃん、助けて、くれたの?」
ほむら「関わり合いになるなと何度も忠告したはず。どこまで貴方は愚かなの。
まどか「ほむらちゃん……どうして。」
ほむら「愚か者が相手なら、私は手段を選ばない。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 23:04:20.30 ID:j8ehVdZLo<> ――――
杏子「けっ!けったくそわりい!」
杏子「……まあ、手を出すなとは、言われてないよな。」
――
杏子「よう。」
さやか「お前は!」
杏子「知ってるよ。この家の坊やなんだろ?アンタがQBと契約した理由って。」
杏子「たった一度の奇跡のチャンスを、くだらねぇ事に使いつぶしやがって、
魔法ってのは徹頭徹尾自分だけのためにつかうものなんだよ。
巴マミはそんなことも教えてくれなかったかい?」
さやか「……黙れよ。」
杏子「腕も足も潰しちまえばいいんだよ、あんたの魔法の力でさ?
アンタ無しでは何もできない体にしてやるんだ。
そうすれば坊やはアンタのもの。身も心もずうっとね。」
さやか「許さない……お前だけは絶対に許さない!」
杏子「(ニィ)場所、変えよっか。ここじゃ人目につく。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 23:11:18.63 ID:j8ehVdZLo<>
杏子「ここなら遠慮はいらないよね。派手に行こうか。」
まどか「待ってよ、こんなのおかしいよ!」
さやか「まどかには関係ない!」
杏子「ウザい奴にはウザい仲間がいるもんだねぇ。」
ほむら「(スッ)じゃあ、貴方の仲間はどうなのかしら。」
杏子「あっ!」
アカツキ「お前が人殺しになってどうすると、俺は言ったはずだがな。」
さやか「おじさん……!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 23:16:48.04 ID:j8ehVdZLo<> 杏子「何でこう、行く先々に……!」
ほむら「統計よ。」
さやか「おじさん、どいて!」
アカツキ「ならん。」
杏子「どうすんだよ、あっちはやる気だぜ?」
ほむら「なら、私が相手をする。手出ししないで。」
杏子「ハッ、じゃあコイツを食い終わるまで待ってやる。」
ほむら「充分よ。どいて、アカツキ。」
さやか「舐めるんじゃないわよ!」
まどか「(ダッ)さやかちゃん!ごめん!」
まどか「南無三!」ポーイ
青玉「(トラックの荷台にポスン)」
さやか「」カクン バタリ <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 23:20:50.64 ID:j8ehVdZLo<> ほむら「なっ!」バシュ
杏子「消えた!?」
QB「今のはマズかったよ、まどか。よりにもよって、友達を放り投げるなんて。」
まどか「え、何、何なの?」
杏子「(抱きッ)どういうことだおい……こいつ死んでるじゃねえか!」
まどか「えっ!」
QB「君たち魔法少女が身体をコントロールできるのは、せいぜい100m圏内が限度だからね。」
まどか「何言ってるのよQB!助けてよ、さやかちゃんを死なせないで!!」
QB「はあ……だからそっちはさやかじゃなくて、ただの抜け殻なんだって。」
まどか「え?」
QB「さやかはさっき、君が投げて捨てちゃったじゃないか。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 23:23:54.11 ID:j8ehVdZLo<> QB「魔法少女との契約を取り結ぶ、僕の役目はね。君たちの魂を抜き取って、ソウルジェムに変える事なのさ。」
杏子「ふざけんじゃねぇ!!それじゃアタシたち、ゾンビにされたようなもんじゃないか!!」
QB「むしろ便利だろう?心臓が破れても、ありったけの血を抜かれても、その身体は魔力で修理すれば、すぐまた動くようになる。」
QB「ソウルジェムさえ砕かれない限り、君たちは無敵だよ。」
ほむら「(バシュ)美樹さやか。」ギュ
さやか「(パチリ)……?
何……?何なの?」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 23:29:39.56 ID:j8ehVdZLo<> 帰り道
アカツキ「QBから、魔法少女の肉体と魂について聴いた。」
ほむら「でしょうね。」
アカツキ「並の人間に電光機関が扱えるはずが無いと疑問に思っていたが、合点がいった。」
ほむら「ええ、並ではないし、人間でもないの。」
アカツキ「肉体の消耗を、魔力に寄る回復で補っている訳だな。なるほど、まるで魔法だ。」
ほむら「……それであなた、いつまで見滝原にいるの?
アカツキ「貴様の持つ電光機関を破壊するまでだ。」
ほむら「なら今すぐやればいい。何故そうしないの?」
アカツキ「……さてな。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/27(水) 23:30:41.09 ID:j8ehVdZLo<> ……原作に乗せて書くのって楽かと思ってましたが、「適度に脱線させる」って相当キツいですねぇ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/28(木) 10:08:41.21 ID:zlm1cSbDO<> 続きが楽しみだなぁ。乙! <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 22:23:51.48 ID:LUY2u8fMo<> パッチ。
>>100
杏子「商談成立♪っと。じゃあ、あたしはこれで。」スタスタスタ……
ほむら「……。」
アカツキ「こちらは何とかなりそうだな。」
ほむら「ええ。あとはさやかのケアを。」
杏子「お守りはやらないって言ったぞー!」
ほむら「あら聞こえてたの?」
杏子「……けっ。いくぞQB。」
QB「またね、暁美ほむら。」
――――
―――
―― <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 22:24:19.71 ID:LUY2u8fMo<> パッチ2
>>101
数日後
――
杏子「ちょっとちょっと。何やってんのさ?ありゃ魔女じゃなくて使い魔だよ。
グリーフシード持ってるわけないじゃん?」
さやか「だってあれほっといたら誰かが殺されるのよ?」
杏子「だからさぁ、4〜5人ばかり食って魔女になるまで待てっての。
そうすりゃちゃんとグリーフシードも孕むんだからさ?
卵産む前の鶏シメてどうすんのさ。」
さやか「魔女に襲われる人を、見殺しにするって言うの?」
杏子「食物連鎖って知ってる?弱い人間を魔女が食う。その魔女をあたしたち魔法少女が食う。
それが当たり前のルールってもんでしょ?」
さやか「……あんた……!」
杏子「まさか、人助けのためとか正義の為とか、そんなことのために契約したわけじゃないよね?」
さやか「……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 22:30:41.04 ID:LUY2u8fMo<> >>113
やっぱりレスポンスがあると元気が出るね!ありがとう!(アイドル声)
まどか「待ってよ、ほむらちゃん!」
ほむら「……アカツキ。美樹さやかをお願い。」
アカツキ「……承知した。」スタスタスタスタ……
まどか「……ほむらちゃんは、知ってたの?
契約すると魂を抜かれて、抜け殻になっちゃうって、知ってたの?
どうして教えてくれなかったの!?」
ほむら「前もって話しても、信じてくれた人は今まで一人もいなかったわ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 22:38:59.57 ID:LUY2u8fMo<> まどか「QBはどうしてこんな酷いことをするの?」
ほむら「あいつは酷いとさえ思っていない。
何を言っても、奇跡の正当な対価だと言い張るだけよ。」
まどか「全然釣り合ってないよ。あんな体にされちゃうなんて。さやかちゃんはただ、好きな人の怪我を治したかっただけなのに!」
ほむら「奇跡であることには違いはないわ。
上条恭介の手は、本来なら二度と楽器を握ることはなかった。」
まどか「もう、さやかちゃんは元には戻れないの?」
ほむら「美樹さやかの事は諦めて。」
まどか「……ほむらちゃん……どうしていつも、冷たいの?」
ほむら「そうね。きっと……もう人間じゃないから、かもね。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 22:49:20.88 ID:LUY2u8fMo<> ―――
――
さやか「何で教えてくれなかったのよ!」
QB「訊かれなかったからさ?知らなくても特に問題はないからね。
そもそも君たち人間は、魂の存在なんて最初から自覚できてないんだろう?
それなのに肉体のダメージが蓄積すると、精神まで消滅してしまう。
だから、僕は君たちの魂を実体化し、手に取ってきちんと守れる形にしてあげてるんだ。」
さやか「大きなお世話よ!そんな余計なこと!」
QB「君は戦いと言うものを甘く見過ぎだよ。例えば、お腹に槍が刺さった場合、痛覚がどれほどの刺激を受けるかと言うとね?」ポス
青玉「(ギュイーン)」
さやか「(ドタッ)あ、あ、ぐっ!……うああ……!」
QB「只の一発でも、動けやしないだろう?
肉体と意識が直結していないからこそ、強すぎる苦痛をセーブできるし、
ダメージに囚われず魔力だけで肉体を再生することもできる。
慣れてくれば、完全に痛みを遮断することもできるよ。」
さやか「……何で、わたしたちをこんな目に?」
QB「君には叶えたい望みがあったんだろう?戦いの運命を受け入れてまで。」
<>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 22:52:04.49 ID:LUY2u8fMo<> ピンポーン
QB「きゅっぷい。誰か来たみたいだよ。」
さやか「……帰って。出て行って!」
QB「人間の感情と言うのはわからないね。この話をすると決まって同じ反応をする。
わけがわからないよ。」ソソクサ
ピンポーン
さやか「う、うぅ……。」
ピンポーン
さやか「……。」
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
さやか「……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 22:54:00.63 ID:LUY2u8fMo<> ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
さやか「うるさい、静かにして。一人にさせてよ。」
ドンドンドン!
さやか「うるさい、うるさいうるさい!」
ドンドンドン!
『美樹さやか!開けろ!!』
さやか「……ああ、もうっ!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 22:56:56.33 ID:LUY2u8fMo<> ガチャ
さやか「……何しにきたの。おじさん。」
アカツキ「話がある。」
さやか「帰って。」
アカツキ「失礼する。(ドカドカ)」
さやか「ちょ、ちょっとぉ!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 22:58:48.42 ID:LUY2u8fMo<> さやかの部屋
さやか「ありえないよ。こんな夜中に人の家に押し込んできて、女の子の部屋に上がるなんて。」
アカツキ「すまん。」
さやか「はいお茶。これ飲んだら出てって。」
アカツキ「……。」
さやか「わたしを慰めにでも来たの。」
アカツキ「そうだ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 23:25:38.58 ID:LUY2u8fMo<> さやか「ふざけないで!あんたに何がわかるの!!」
アカツキ「お前の事などわからん。
だが、お前のような奴がどうなるのかは、良く知っている。」
さやか「……何なのよ。あんた何なのよ!」
アカツキ「帝国陸軍技士官、アカツキ。」
さやか「ふざけないでって言ってるでしょう!」
アカツキ「ふざけてなどいない。
……最も、冗談のような人間であることは、自覚している。」
さやか「……転校生と、どういう関係なの。」
アカツキ「あいつが持っている電光機関を破壊することが、俺の任務だ。前にも話した通り。」
さやか「電光機関って何?」
アカツキ「生体の持つエネルギーを強制的に電力に変える兵器。
電撃を発し、鉄を溶かし、電波に干渉してジャミングを行う。
ほとんどの場合は、命と引き換えに。」
さやか「それを、転校生が持ってるの?」
アカツキ「人の命を使い捨てることが前提の兵器など、存在してはならん。必ず破壊しなければならない。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 23:30:06.62 ID:LUY2u8fMo<> さやか「おじさんもその……。」
アカツキ「装備している。
俺は体質のおかげで常人よりは長く持つが、通常は消耗に耐えられず、数年も待たず死亡する。
暁美ほむらは、その消耗を魔力で補っているのだそうだ。」
さやか「そっか……。ゾンビだもんね。人間じゃないんだもんね。
ソウルジェムさえあれば、怪我も疲れもへっちゃらだもんね。
ね、わたしにも貸して、電光機関!」
アカツキ「ふざけるな。」
さやか「ふざけてないよ!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 23:38:09.78 ID:LUY2u8fMo<> さやか「だってわたし、もう死んでるんだよ?
わたしの魂はこの石っころで!この体は只の抜け殻!
人間じゃないんだよわたし!
魔女を斃す以外、何もできること無いんだよ!?」
アカツキ「お前は巴マミを哀れに思うのか。」
さやか「あっ……!」
アカツキ「……この茶はお前が飲め。
今のお前に必要なのは、覚悟ではなく休息だ。」
さやか「……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 23:53:07.24 ID:LUY2u8fMo<> ―――
さやか「おじさんはさ、電光機関の実験体にされて、悲しくなかった?」
アカツキ「国の為を想えば何も感じぬ……と言えば嘘になる。
だが、悲しむ余裕のある戦況ではなかった。
同僚も近しい者も死んでいく中、覚悟を決めるのはそう難しくは無かった。」
さやか「そういうもんなの?」
アカツキ「あの時誓った覚悟は嘘ではないし、決して嘘にはしない。
だが、余裕が無いからこその逃げであったことも否定しない。
……若い女子供に同じ道を歩んでほしくは、無いのだ。」
さやか「ふーん。」
アカツキ「昔話は好かん。それより、少しは落ち着いたようだな。」
さやか「うん。おかげさまで。でもちょっと目が冴えちゃった。
散歩でもするかな。」
アカツキ「付き合おう。」
さやか「あはー、真夜中のデート?ダメだよわたしには恭介と言う者があるんだから!」
アカツキ「あるのか?」
さやか「……あるよ!……多分。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/28(木) 23:57:18.67 ID:LUY2u8fMo<> 野外
―――
杏子「よう。げ、おっさんも一緒かよ。」
さやか「あんた……。」
杏子「ちょいと面貸しなよ。話がある。」
<>
1<>sagesaga<>2012/06/29(金) 00:07:58.29 ID:lirHHBbjo<> 教会跡
―――
さやか「アカツキさんは扉の前に待たせた。」
杏子「そうかい。」
さやか「で?」
杏子「ここは、アタシの親父の教会だった。
優しい人でね。新しい時代を救うには、新しい信仰が必要だって、それが親父の言い分だった。
教義に無い事まで説教するようになって、信者の足はぱったり途絶えた。
本部からも破門されて、アタシたちは一家揃って、食う物にも事欠く有様だった。
親父は間違ってなんか無かったのに。」
さやか「……。」
杏子「だからさ、QBに頼んだんだよ。皆が親父の話を真面目に聴いてくれますようにって。」
アカツキ「……。」
杏子「次の日から教会は大賑わいでさ。誰も彼も親父の話を真剣に聴いてくれる。
一方でアタシは夜な夜な魔女を斃しに出てさ。アタシと親父で、世の中を裏と表から救うんだって。
……でもある日、親父にバレちまった。
皆が親父の話を聴くのは、信仰の為じゃない。魔法で集まって来ただけだって。
親父はブチ切れて、そんで、壊れちまった。
酒びたりになって、訳のわからないことを喚くようになって、しまいにはあたしを残して無理心中。
その時心に誓ったんだよ。もう二度と他人のために魔法を使ったりしない、この力は、全て自分のためだけに使い切るって。」
さやか「何でそんな話をわたしに?」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/29(金) 00:18:52.55 ID:lirHHBbjo<> 杏子「アンタもアタシと同じ間違いから始まった。
これ以上後悔するような生き方を続けるべきじゃない。」
さやか「……あんたの事、色々誤解してたよ。そのことは謝る。ごめん。
でもわたしは、人の為に祈った事を後悔してない。その気持ちを嘘にしない為に、後悔だけはしないって決めたの。
これからも。」
杏子「……何であんた……。」
さやか「わたしはわたしのやり方で戦い続けるよ。
それがあんたの邪魔になるなら、前みたいに殺しに来ればいい。
私は負けないし、もう恨んだりもしないよ。
行こう、アカツキさん。」
アカツキ「……邪魔をした。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/29(金) 00:23:57.38 ID:lirHHBbjo<> アカツキ「あの言葉は本心か?」
さやか「えー、何の事?」
アカツキ「まるで死にに行く兵士のような顔をしていた。」
さやか「あっはっはー!もう体は死んでるようなもんだけどねー。」
アカツキ「……。」
さやか「心配いらないよ、アカツキさん。
わたしはもう、大丈夫だから。」
アカツキ「……そうか。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/29(金) 00:24:45.49 ID:lirHHBbjo<> 今日はここまで。
Wikiおっかけながら書いてますが、つくづく本編はムダな台詞がないなあと実感してる。 <>
1<>sagesaga<>2012/06/29(金) 01:25:34.32 ID:lirHHBbjo<> もちっとだけ。
ホームラン軒
ほむら「お帰りなさい、アカツキ。」
アカツキ「寝ていなかったのか。」
ほむら「美樹さやかはどうだった?」
アカツキ「余り力にはなれなかった。あの分では、早晩力尽きてしまう。」
ほむら「貴方の責任ではない。気に病むことは無いわ。」
アカツキ「美樹さやかに魔法少女になって欲しく無かった理由はこれか。」
ほむら「わたしは、あの子が自分で自分を追い詰めるのを何度も見て来た。
魔法少女になってしまったら、もう美樹さやかの自滅を回避できない。」
アカツキ「戦闘では俺がフォローする。あの子は死なせん。」
ほむら「そういう問題じゃないのよ。」
アカツキ「……美樹さやかは、自決でもするのか?」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/29(金) 01:26:07.56 ID:lirHHBbjo<> ほむら「外れ。答え合わせをしましょうか。
魔力を使いきってソウルジェムの輝きを完全に失った魔法少女は、
魔女になるの。」
アカツキ「何だと!?」
ほむら「QBはこのことを常に伏せているけど、墓場まで持って行く秘密にする気はないみたい。
大方、今までの経験で『どちらかと言えば黙っていた方が有利』ぐらいに認識しているのでしょう。」
アカツキ「……魔女を斃すという使命の真実は、用済みになった魔法少女の始末という訳か!」
ほむら「残念ながら半分は外れ。
あいつの真の目的は、魔女が生み出すグリーフシードの回収。
つまり、あいつは『魔女を斃す』ために魔法少女を創っているのではなくて、
『魔女にする』ために魔法少女を増やしているの。」
アカツキ「バカな!それではまるで魔法少女は奴の家畜ではないか!」
ほむら「事実そうなのよ。わたしたち魔法少女は、『美味しい絶望になるために』、
奇跡を餌に太らされた家畜。」
アカツキ「呪いそのものだ……!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/29(金) 01:26:33.34 ID:lirHHBbjo<> ほむら「おまけに、ソウルジェムは魔力の消費だけじゃなく、心の澱みに呼応して濁る。
このことを打ち明けたせいで心が一気に澱んで魔女になった、なんて笑えない話もある。
だから、魔法少女仲間にこのことは言えない。」
アカツキ「……貴様は平気なのか。」
ほむら「絶望に呑まれるほどではなかったわ。
冷たいゾンビだからかもしれないわね。」
アカツキ「……。」
ほむら「さあ、答え合わせは終わり。傾向と対策の時間よ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/29(金) 01:27:29.01 ID:lirHHBbjo<> と言ったところで今日は本当におしまいです!
ほむらとアカツキは書いてて楽しいなあ!
本編すすまないなあ!おやすみプンプン! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/29(金) 14:54:16.62 ID:rvIpZ3hm0<> 乙! <>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 02:09:29.98 ID:IV1mkx/Uo<> ――――
―――
――
ほむら「わたしが今考えているワルプルギスの夜対策は、こんな感じ。」
アカツキ「おおよそ大隊規模の戦力と見るが……これを一人で扱うつもりだったのか?」
ほむら「慣れたものよ。
奴がいつどこに現れるかはもう体が覚えてる。
後は計算通りに撃ちこむだけ。」
アカツキ「……。」
ほむら「ええ、『それでも勝てなかったの』。
正直に言えば、電光機関があるから今度こそ勝てる、なんて思ってはいない。
電光機関は、わたしが縋った藁の一本に過ぎない。」
アカツキ「それでも君は行くというのか。」
ほむら「君、ね……。貴様と呼ばれるよりは、気分はいいわ。
アカツキさん。手伝ってもらえたら、とてもうれしい。」
アカツキ「アカツキで良い。それから。」
ほむら「?」
アカツキ「巴マミには、気をつけろ。」
<>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 02:14:57.50 ID:IV1mkx/Uo<> ――――
―――
――
仁美「私、明日の放課後に上条君に告白します。」
仁美 「丸一日だけお待ちしますわ。さやかさんは後悔なさらないよう決めてください。
上条君に気持ちを伝えるべきかどうか。」
さやか「あたしは……。」
アカツキ「人の恋路を邪魔する奴は……。」
ほむら「馬になら何度だって蹴られてあげるわ、まどかを救うためなら。」
アカツキ「しかしこのような、盗み聞きをするなど、」
ほむら「あの子を絶望させない他の方法があるなら、対案を出して。」
アカツキ「……上条恭介とくっつけるのか?美樹さやかを。」
ほむら「それはベストではないでしょうね。」
<>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 02:22:09.12 ID:IV1mkx/Uo<> ほむら「告白してもしなくても、受け入れられても振られても、
自分が人間では無くなったという感覚があの子を追い詰める。
あの子に今必要なのは、幸福ではなく安心なの。
だからあの日は年長の貴方に行かせたのだけど……。」
アカツキ「悪かったな。」
ほむら「ある程度は打ち解けたのでしょう?それなら十分よ。
気持ちを緩めてもいい場所に、誰かがなってやればいい。」
アカツキ「君がやれ。君は友達だったのだろう?」
ほむら「今は違う。」
アカツキ「君にも安心は必要だ。」
ほむら「お心遣い傷みいるけど、生憎、そんな暇はわたしにはない。」
アカツキ「……。」ザッ
ほむら「ちょっと!」
<>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 02:26:32.30 ID:IV1mkx/Uo<> さやか「なっ!あ、アカツキさん!見てたの?」
アカツキ「見ていた。」
さやか「は、はっずかしいよねー!仁美ったら勘違いしててさー!!
わたしが恭介のこと好きだなんて、あたしと恭介はただの腐れ縁だって言うのに、」
アカツキ「お前には恭介と言う者があるんじゃなかったのか?」
さやか「あ?あははー!あれ?
あれはその場の冗談だってー!あたしが本気で恭介の事好きな訳、」
アカツキ「(ギュッ)」
さやか「ちょ……おじさん!?手、手ぇ握ってますけど?」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 02:36:43.37 ID:IV1mkx/Uo<> アカツキ「逃げるな。
後悔しないと決めたのだろう。」
さやか「あたしは逃げてなんか、」
アカツキ「追いつめられると、人は存外簡単に覚悟を決めてしまう。
だが、覚悟は悲観では無く楽観だ。
『自分がいなくなればそれで済む』『自分が命を捨てれば何かが起こる』
ありもしない何かに期待するそれは、紛れもなく根拠無き楽観だ。」
さやか「……あたしにどうしろって言うの。」
アカツキ「逃げずに、悩め。
そして、辛いときは遠慮なく友を頼れ。
罵詈雑言を浴びせたり、胸を借りて泣き喚いたりすれば良い。
あてもなく当たり散らしたければ俺や暁美ほむらを頼れ。」
さやか「何で転校生が?」
ほむら(何故わたしが!?) <>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 02:38:55.12 ID:IV1mkx/Uo<> アカツキ「俺は上部だけが取り柄だし、暁美ほむらも存外お前の事を心配している。」
さやか「何で、転校生が……。」
アカツキ「暁美ほむらは、この一ヶ月間を何度も繰り返し」
カチッ
カチッ
さやか「あれ……?アカツキさん?アカツキさん!?
……消えちゃった。」
<>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 02:46:42.38 ID:IV1mkx/Uo<> ――
ほむら「何故わたしのことを明かそうとしたの。」
アカツキ「隠蔽する必要が見受けられない。
君こそ、友である美樹さやかの力に何故なろうとしなかった。」
ほむら「わたしと美樹さやかは友達ではないわ。」
アカツキ「魔女になってしまうのが面倒なだけら、ソウルジェムを砕けばよかったのだ。
お前の魔法ならばチャンスは何度でもあったはずだぞ。
お前は、鹿目まどかのソウルジェムさえ砕いたことがあるのだ。躊躇うことなどないはずだが。」
ジャキ
ほむら「まどかと美樹さやかを一緒にしないで。」
アカツキ「……お前も美樹さやかと同じ目をしている。死にに行く兵の目を。」
ほむら「……わたしは死なないわ。まどかを救うために。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 03:22:22.56 ID:IV1mkx/Uo<> ――――
―――
――
さやか「(スタスタ……)」
さやか「まどか……。」
まどか「ついていっても、いいかな?」
――
さやか「てぇやあああ!」
杏子「……。」
ほむら「黙って見てるだけなんて、意外だわ。」
杏子「今日のアイツは使い魔じゃなくて魔女と戦ってる。
ちゃんとグリーフシードも落とすだろ。無駄な狩りじゃないよ。」
さやか「ぬうっ!!」
杏子「……チッ、あのバカ、手こずりやがって!」
まどか「さやかちゃんっ」
杏子「見てらんねぇっつうの。いいからもうすっこんでなよ。手本を見せてやるからさ。」
さやか「邪魔しないで。 一人でやれるわ。」
杏子「なっ!?」
さやか「斬る!斬る!斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る!!!」
さやか「あはははははは!ホントだ!その気になれば痛みなんて!完全に消しちゃえる、」
「レガーレ・ヴァスタアリア!」
<>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 03:39:47.91 ID:IV1mkx/Uo<> シュルシュルシュルシュルシュル!!!
さやか「うあっ!?なぁっ!」
杏子「マミ!」
マミ「佐倉さんのことばじゃないけど、今の貴方は見ていられないわ、美樹さん。」
さやか「マミさん、邪魔しないでください!こいつはあたしが!!」
マミ「神は自らに属する者を知り給う。ダンサデルマジックブレッド!」
ガガガガガガガガガガガガガガウーン!
杏子「ちっ、やっぱり腕は衰えていねえな!」
ほむら「(伸ばす間も与えず、魔女の枝葉を残らず打ち砕いてしまった。
早くて強くて精密。やはり巴マミは、格が一つ違う。)」
マミ「滅ぼしてあげる!ティロ・フィナーレ!」
ガウーーーーン!!
――
杏子「はぁーあ、美味しいとこ持って行きやがって。」
マミ「久しぶりね、佐倉さん。」
さやか「どうして……?どうして邪魔したんですか!」
マミ「後輩を見殺しにはできないもの。」
さやか「あいつはわたし一人でやれた!やっと魔法少女の仕組みが分かって、
ちゃんと戦えるようになったのに!」
バチン!
マミ「……鹿目さんが泣いているわ。」
さやか「!(バッ)」
まどか「……(グスッ)」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 03:46:57.05 ID:IV1mkx/Uo<> さやか「まどか……・。」
マミ「あなたの言う魔法少女は、お友達を悲しませるような存在だったの?」
さやか「それは……。」
マミ「(ギュッ)」
さやか「あっ……。」
マミ「全部一人で背負うこと、無いのよ?あなたには、こんなところまで付いてきて、泣いてくれる友達がいるじゃない。」
さやか「……でも、でもあたしはダメなんです。
あたし、好きな人がいて。友達がその子に告白するって。
わたし、その子を一度魔女から助けたのに、それを聴いた時、
「助けなければよかった」って思っちゃった……!」
マミ「そう……(なでなで)。」
さやか「正義の味方になりたかったのに……。
恭介の手なんか治さなければよかったって思っちゃった……!
魔法少女になったこと、後悔したく無いのに……!!」
マミ「……後悔すればいいじゃない。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 03:52:42.58 ID:IV1mkx/Uo<> マミ「後悔したっていいじゃない。
苦しんで、悔やんで。最初の気持ちはそれから取り戻せばいい。
さやか「わたし、わたし、後悔しても、いいんですか。
恭介の腕を治さなければよかったって。
仁美があの時死んじゃえばよかったって。
そう思ってもいいんですか!」
マミ「大丈夫よ。貴方の祈りは嘘なんかじゃない。なかったことになんかならないわ。
言いたければ言えばいい。
貴方の腕を治したのはわたしなんだって。
貴方のこと死んでしまえばいいと思ったって。
そんなに悩むくらい大切で大好きな人たちなら、貴方の正直な気持ち、きっと許してくれるわ。」
さやか「う、うううぅ……!」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 03:58:57.23 ID:IV1mkx/Uo<> さやか「ありがとう……マミさん……!」
マミ「佐倉さん。悪いけど、このグリーフシードもらうわね。」
杏子「構わねえよ。アタシは手を出してないし、それはお前とさやかのもんだ。」
マミ「ありがとう。
さ、美樹さん。ソウルジェムを出して。」
――
ほむら「巴マミを生かしたことが、ここで効いてくるとはね。」
アカツキ「不服か?」
ほむら「いいえ。ありがたいくらいよ。これで美樹さやかはもうしばらく持つ。」
アカツキ「……。」
ほむら「何?」
アカツキ「いや、君の眼は、変わらぬままだと思ってな。」
ほむら「そう。」 <>
1<>sagesaga<>2012/06/30(土) 03:59:25.38 ID:IV1mkx/Uo<> と言ったところで今日は終わり。
おやすみなさい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/02(月) 00:13:02.34 ID:7dfF2EMbo<> アカツキって案外知られてないよね <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 22:10:49.59 ID:dbrWDksso<> >>150
俺が言うことでもないけど、アーケードで並んじゃうと他に比べて華が無さ過ぎるんだよね……。
俺もアノニム・ガードの黒パンツが無かったらやってなかったもの。
というわけで続き。 <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 22:15:09.51 ID:dbrWDksso<> 翌日
恭介「話って何?志筑さん。」
仁美「ええ、その前に……。」
恭介「ん?」
仁美「昨日は、さやかさんとお話はされましたか?」
恭介「さやかと?
いや、特に何も聞いてないけど?」
仁美「そうでしたか……。
では、聴いて下さいまし。
わたくし、」
「あいや、ヴァルテン!」
恭介「……さやか?」
仁美「さやかさん?」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 22:23:21.70 ID:dbrWDksso<> さやか「はぁー、はぁー。間に合ったー……。
仁美「何ですの?今頃……。」
さやか「何だはこっちの台詞だよー!
何が『あなたには私の先を越す権利があるべきです』だ!
水臭い事言うんじゃないの、親友でしょう!?」
仁美「さやかさん……。」
さやか「あ、でもその前に、あたし、仁美に謝らなきゃいけないことがあるんだ。」
仁美「……?」
恭介「何?……何の話?」
<>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 22:28:26.85 ID:dbrWDksso<> さやか「何日か前さぁ、仁美、夢遊病?か何かで夜中うろうろしてたじゃん。」
仁美「何故そのことを!?」
さやか「その場にいたんだよあたし。覚えてないだろうけどさ。
集団自殺寸前だったところを、何とか。」
仁美「助けていただいたの、ですの?」
さやか「そうなんだよ。そうなんだけどね……。
ごめんなさい!」
仁美「!?顔を上げてくださいまし!
何がごめんなさいですの?!」
さやか「あたし、あたしさあ……。
仁美から今日その……言うって聞いた時……。
……仁美の事、助けなきゃいいって思っちゃった。」
仁美「えっ!?」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 22:43:24.74 ID:dbrWDksso<> さやか「最低だよね……。
こんなこと考えるのダメだって、いけないってわかってるのに。
仁美は友達で、大事で、大好きなのに。
死んじゃえばいいって。思った。
だから……ごめんなさい。」
仁美「さやかさん……。」
さやか「……それだけだから。
じゃね。」
仁美「(ハッシ)待ってくださいまし。」
さやか「え……何?」
仁美「(バチーーーーン!!!)」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 22:51:22.61 ID:dbrWDksso<> さやか「……痛ったぁ!!」
恭介「!?」
仁美「……ふぅ……。
これでわたくしの気持ちは済みましたわ。
で、何も言わずに行く気ですの?」
さやか「いや、あたしは……。」
仁美「わたくしのことを死んじゃえばいいと思ったことについては、
今のでもうきっちり清算致しました。
本当の気持ちに向き合わないつもりなら、今度こそ許しませんわ。」
さやか「仁美……。」
仁美「上条君。わたくし、」
さやか「あっ、ちょっと待って!恭介、あたしも!」
仁美「上条君の事を、お慕い申し上げておりました。」
さやか「恭介の事、ずっと好きだった!」
恭介「そう、なんだ……。」
仁美「どっちになさいますの?」
さやか「ちょっと仁美!そんな急かさなくても!」
恭介「弱っちゃうな、急なんだもの。
僕は……。」
さやか「(きゃあああ、恥ずかしい逃げ出したい逃げ出したい恥ずかしい!)」
仁美「(上条君……。)」
恭介「僕が好きなのは―――――」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 22:56:12.82 ID:dbrWDksso<> ほむホーム
ほむら「それはおめでとう、それではワルプルギスの夜対策会議を始めます。」
さやか「ちょっと!」
ほむら「あら違った?じゃあ、残念でした美樹さやか。
……それではワルプルギスの夜対策会議を、」
さやか「何でそんな冷たいの転校生!!」
まどか「ほむらちゃん、今のはちょっと酷いよぉ。」
さやか「おおーぅ、わかってくれるのはまどかだけだよぉ(グリグリ)。」
まどか「くすぐったいよさやかちゃん。
で、上条君は何て?」
さやか「……返事は、少しだけ待ってほしいって。」
まどか「あらら。」
ほむら「ではワルプルギスの夜対策会議を始めます。」
さやか「だから何でそんなに冷たいの!?」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 23:00:51.00 ID:dbrWDksso<> 杏子「うっせぇなあ。やることやったんだから、ジタバタしたってしょうがねえだろ?
何なら今からでも、坊やの手足もぎに行くかい?」
さやか「またあんたはそういうことを!」
杏子「冗談だよ。ま、振られたらあたしのところに来なよ、懺悔ぐらいは聴いてやるぜ?」
さやか「縁起でもないことゆーなー!」
ほむら「やる気がないなら帰ってもらえるかしら。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 23:11:50.96 ID:dbrWDksso<> ほむら「(地図にチェスのクイーンの駒を置く)
ワルプルギスの夜の出現地点は、この辺り。」
マミ「どうしてわかるの?」
ほむら「……。」
アカツキ「(ほむらと視線を交わす)……。」
杏子「いいじゃん言っちゃえば。あたしはもう知ってるんだし。」
さやか「何?どういうこと?」
ほむら「……はぁ。
わたしの魔法の本当の力は、『転校してからワルプルギスの夜までの一ヶ月をやり直すこと』。」
まどか「やり直すって、え、ええ?」
ほむら「言葉通りの意味よ。
わたしがQBに願ったのは、あいつに台無しにされた一ヶ月をやり直すこと。
おかげでわたしは、記憶を残したまま転校した日に戻る事ができる。
時間を止める魔法はその副産物みたいなものよ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 23:14:13.57 ID:dbrWDksso<> 杏子「何度も戦ってるんだとよ、ワルプルギスの夜と。」
ほむら「そういうこと。分かってもらえた?」
さやか「何度もって……。
それじゃあ……転校生は、もしかして一度も。」
ほむら「ええ、勝てていない。」
まどか「そんな……。」
ほむら「だから皆の協力と、作戦が必要なの。
……話を続けていい?」
さやか「(……ゴクリ)」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 23:22:24.01 ID:dbrWDksso<> ほむら「(クイーンの駒を中心に、地図に丸を描く)
これがワルプルギスの夜の射程範囲よ。」
杏子「……冗談だろ?」
マミ「流石、結界に隠れる必要のない魔女というだけあるわね。」
ほむら「奴の一番厄介なところはそれよ。
上空に浮いたまま、広い範囲を攻撃してくる。
生半可な防御じゃ、近づく前に殺されるわ。」
さやか「上空に浮いてるって……どうすんのよ。」
ほむら「引きずり下ろすのはわたしがやるから、それは心配しなくていい。
貴方達には、役目に徹して欲しい。」
マミ「役目って?」
<>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 23:27:00.23 ID:dbrWDksso<> ほむら「まずアカツキ。
あなたにはわたしと一緒に、落ちたワルプルギスの夜を地上で叩いてもらう。」
アカツキ「承知した。」
ほむら「杏子も。」
杏子「ああ。」
ほむら「さやかは、この辺りから剣を投げ続けて欲しい。」
さやか「え、近づいてバシバシ斬るんじゃないの?」
ほむら「マミは、さやかの後ろに立ってあいつの攻撃を撃ち落とすのに専念して。」
マミ「構わないけど……わたしは攻撃しなくていいの?」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 23:38:16.21 ID:dbrWDksso<> ほむら「奴の手数に対応できるのは巴マミ、貴方だけ。
さやかでは対応しきれないから。」
さやか「……もしかして、あたしが足引っ張ってますか?」
ほむら「そんなことはないわ。
貴方がいなければ、マミには攻撃と防御の両方をお願いしなければいけなかった。」
さやか「ん〜でもなぁ。」
ほむら「剣で攻撃しながら治癒の魔術が使える貴方は、本来前衛型なのだけど。
今回ばかりは相性が悪すぎる。
あいつとの戦いは長期戦になるから、治癒と攻撃を両方やっていたら魔力が持たないわ。」
さやか「うーーん。」
マミ「史上最強の魔女と撃ち合い勝負、か。腕が鳴るわ♪
攻撃はお願いね、美樹さん。」
さやか「……マミ先輩にまでそう言われちゃあ仕方ないですねぇ。
さやかちゃん、張り切って行っちゃいますよ!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/02(月) 23:46:14.74 ID:dbrWDksso<> まどか「あ、あの、わたしは……?」
ほむら「あなたにできることは無いわ。安全な場所に避難していて。」
まどか「そっか……そうだよね。」
さやか「……あんたさあ、もうちょっと言い方無いわけ?」
ほむら「事実を言っただけよ。
そもそもここにまどかを呼んだ覚えはないのだけど。」
さやか「まどかが『何かできることがあるかも』って言うから呼んだんじゃんかよ。
それをあんたは、」
まどか「もういいよさやかちゃん!
わたしは大丈夫だから!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/03(火) 00:22:40.44 ID:mITKv6iao<> ほむら「本来なら、貴方も巻き込みたくは無かったのよ、美樹さやか。」
さやか「ほえ?」
ほむら「わたしが、クラスメイトが死ぬ様を何度見て来たと思っているの。」
さやか「……。」
ほむら「あなたたちが死ぬところをわたしが見たがってるとでも思った?」
さやか「わかったわかったよ悪かった。
あたしたちを心配してくれてるんだよね。うん。」
ほむら「そう思うなら、ソウルジェムの濁りには気を付けることね。
それが黒く染まり切った時、わたしたちは人間としての死を迎える。」
さやか「……(ブルッ)」
ほむら「逃げてくれてもいいのよ?
寧ろそれが一番安全で確実。」
さやか「そんなことするわけないじゃん!
あたしだって、クラスメイトの死ぬところなんて見たくないもん!」
ほむら「……そう。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/03(火) 00:23:10.53 ID:mITKv6iao<> と言ったところで今日はお開き。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/07/03(火) 00:39:24.36 ID:MO1jTxT7o<> 乙ほむ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/03(火) 10:02:25.83 ID:yoHhZVtDO<> クライマックス……だなっ! <>
1<>sagesaga<>2012/07/03(火) 23:25:21.81 ID:mITKv6iao<> ほむら「杏子やマミにも言っておくけど、ソウルジェムの扱いには気を付けて。
ワルプルギスの夜との戦闘中でも、穢れが満ちそうになったら必ず逃げて。
お願いよ。」
杏子「あんたあたしを舐めてんのか?
だいたいそんな及び腰で何とかなる相手じゃねえだろうよ。」
マミ「そうよ?心配なのはわかるけど、負けることばかり考えていては勝てないわ。」
ほむら「……奴と戦いながら、死んだ魔法少女の始末はできない。
それだけよ。」
さやか「んっとに、言い方が可愛くないなあ。」
ほむら「さ、話は終わり。質問は?」
「……。」
ほむら「それじゃあ、解散。」
さやか「よっしゃあ!頑張っちゃいますよー!」
まどか「じゃ、じゃあ、ほむらちゃん。……また、学校でね。」
マミ「じゃ、佐倉さんは今日はわたしの家に泊まる?」
杏子「え?いいの?へへ、じゃあお邪魔しちゃおうかな。」
ほむら「あ、巴マミはちょっと残って。話がある。」
マミ「え?
ん、わかったわ。じゃ、佐倉さん、これ、部屋のカギだから、先に帰ってて。
場所はわかるわね?」
杏子「ああ。じゃ、お先ー。」
ガチャ
バタン。 <>
1<>sagesaga<>2012/07/03(火) 23:28:56.29 ID:mITKv6iao<> マミ「……それで、話って?」
ほむら「あなた、魔法少女のことをどこまで知っているの?」
マミ「質問の意味がわからないわ。」
ほむら「ソウルジェムの穢れの話をしても、あなたは全く動揺しなかった。
わたしが知る限り、今の巴マミはソウルジェムの秘密を知らないはず。」
マミ「そんなことを言われてもね。」
ほむら「前に魔女に首を噛みちぎられた時、あなたは復活した。
ソウルジェムが本体だと知らなければできない芸当よ。
いや、貴方のソウルジェムは髪飾りだから、知っていてもできるはずがない。
どうやったの?」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/03(火) 23:31:10.67 ID:mITKv6iao<> マミ「簡単よ。
ソウルジェムを指輪にしただけ。」
ほむら「……貴方なら、穢れが溜まったソウルジェムがどうなるかも知っていそうね?」
マミ「さあ、どうかしら?」
ほむら「……。」
マミ「質問って、それだけ?」
ほむら「……アカツキは?」
アカツキ「銃の扱いは、誰に習った。」
マミ「ふむ♪隠してもしょうがないか……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/03(火) 23:37:46.14 ID:mITKv6iao<> マミ「武装異端審問官、アノニム・メレル・ランバス。
それがわたしの本当の名前。」
ほむら「武装異端審問官!?」
アカツキ「嘘だな。神聖クラブの異端審問官に、『本当の名前』などない。
大体、アノニム・メレル・ランバスは俺が斃した。
お前は俺の知るアノニムではない。」
マミ「だから言ったでしょう?『わたしは何者でもない(I'm anonym)』と。」
ほむら「驚いたわ。まさか巴マミにそんな裏があったなんて。」
マミ「だから、わたしは巴マミではないのよ。」
ほむら「……。貴方も電光機関が目当てなの?」
マミ「違うわ。わたしの目的は別。これは行きがかり上って奴よ。」
ほむら「そう……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/03(火) 23:41:49.26 ID:mITKv6iao<> ほむら「……まあいいわ。当日はお願いね。」
マミ「ええ。」
ほむら「もしも裏切ったら、絶対に許さない。」
マミ「わたしにそんな余裕があったら、
今まで貴方は時間を繰り返すような真似はしていない。そうでしょう?」
ほむら「……。」
マミ「ごめんなさいね。貴方の見て来たわたしが、力不足で。」
ほむら「当日、上手くやってくれればそれでいい。
グリーフシードは切らさないでおいて。」
マミ「佐倉さんと美樹さんの分も確保しておくわ。」
ほむら「助かる。」
マミ「じゃ、またね、暁美さん♪」
ガチャ
バタン <>
1<>sagesaga<>2012/07/03(火) 23:45:22.77 ID:mITKv6iao<> ほむら「……確かに、気を付けた方がよさそうね。
巴マミは底が知れない。」
アカツキ「……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/03(火) 23:48:26.96 ID:mITKv6iao<> とある日。
――――
―――
――
ゴゴゴゴゴゴゴ……
研究員「雷雲がとんでもない勢いで分裂と回転を起こしています!
明らかにスーパーセルの前兆です……直ちに避難指示の発令を!!」
広報車「『本日午前7時、突発的異常気象に伴い避難指示が発令されました。
付近にお住いの皆さんは、速やかに最寄りの避難場所への移動をお願いします。
こちらは見滝原市役所広報車です……』」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 00:05:26.17 ID:2Vd/3h1yo<> 避難所
タツヤ「今日はお泊り〜?キャンプなの〜?」
知久「ああ、そうだよ。今日はみんなで一緒にキャンプだぁ〜!」
タツヤ「やったぁ、キャンプ〜!」
詢子「どうしたまどか?」
まどか「ん……ちょっとトイレ。」
―――
マミ「暁美さんの言ったとおりに現れそうね。」
さやか「うはー、ソウルジェムがすっごい輝き方してる。」
杏子「さて、鬼が出るか蛇が出るか。いっちょやってみますか。」
ほむら「……来る。」
(5)
(4)
(3)
(2)
(1)
<>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 00:08:01.26 ID:2Vd/3h1yo<> 杏子「!……でけぇな、おい!」
ほむら「みんな、配置に!」
マミ「ええ、行くわよ美樹さん!」
さやか「はい!」
アカツキ「暁美曹長、先に行っているぞ。」
杏子「ヘマ打つんじゃねえぞ!」
カチッ
ほむら「……誰が曹長よ。」
ガシャガシャガシャガシャガシャガシャ
ほむら「今度こそ……」
ほむら「決着をつけてやる!!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 00:19:13.20 ID:2Vd/3h1yo<> ドシュッドシュッドシュッドシュッドシュッドシュッドシュッドシュッ
バヒュバヒュバヒュバヒュバヒューーーーーーーーーーン
カチッ
ドッガガガガガガガガガガ!!!!
杏子「うおっ!」
マミ「何て数の火砲……。
それにあれは、タンクローリー!?」
ブオオオオオオオン……ズカッ!ゴワアアアアアア……
さやか「そこまでやるかよ転校生!?
うわ、河の中から何か出てきた!」
ドドドドドドッ!!! ヒュウウウウウウウ…… ズカアアアアア!!!!!
杏子「ミサイルだとぉ!くっそ、耳が潰れそうだ!」
さやか「もうあいつ一人でいいんじゃないかな。」
マミ「そうもいかないみたいよ。ほら。」
杏子「まるで傷が無い……!」
<>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 00:28:56.70 ID:2Vd/3h1yo<> アカツキ「だが、作戦通りの地点に落ちた。」
マミ「ええ。美樹さん、お願い。」
さやか「あんなアクション映画見た後だと流石に弱気になっちゃいますけど……。」
ズラララララ!!
さやか「ま、やれるだけやってみますか!」
マミ「ええ。」
ズラララララ!!
マミ「防御は任せて!」
杏子「よーーし、」
ギュララララララ
杏子「出し惜しみなし、お前のグリーフシード、貰ってやるよ!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 00:33:24.82 ID:2Vd/3h1yo<> 杏子「ドォリャアアアアアア!!!」
ズガガガガガガガ!!!
さやか「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃあーーー!」ポイポイポイポイポイポイポイ
さやか「おりゃっ! っとっとっと、うわ、来たっ!」
ガウーーン!!
グシャッ!
さやか「マミさん!」
マミ「言ったでしょ、防御は任せてって。
さ、あいつのことは気にしないで、どんどんやっちゃいなさい!」
さやか「はい!」
ほむら「遅れたわ。」
アカツキ「問題ない。合わせろ。」
ほむら・アカツキ「電光機関・解放!!!」
ほむら「ごめん、遅れたわ。」
アカツキ「合わせろ。」
ほむら <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 00:34:00.91 ID:2Vd/3h1yo<> パッチ
>>180
杏子「どぉりゃああああ!!!」
ズガガガガガガガ!!!
さやか「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃあーーー!」ポイポイポイポイポイポイポイ
さやか「おりゃっ! っとっとっと、うわ、来たっ!」
ガウーーン!!
グシャッ!
さやか「マミさん!」
マミ「言ったでしょ、防御は任せてって。
さ、あいつのことは気にしないで、どんどんやっちゃいなさい!」
さやか「はい!」
ほむら「遅れたわ。」
アカツキ「問題ない。合わせろ。」
ほむら・アカツキ「電光機関・解放!!!」
<>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 00:41:50.29 ID:2Vd/3h1yo<> ほむら「(くっ!電撃に魔力を纏わせるのは失敗した。
電光機関もまた、魔力によらない只の兵器に過ぎないのね。でも。)」
ほむら「見切れるか!」ヒュバッ
ほむら「これでよい……。」
ドカアアアン!!
ほむら「(魔力の消費を考えずに、電光迷彩と電光地雷だけで使い魔に対処できる。それに)」
せいやっ!」
ガガン!!
ほむら「(直接攻撃は、徹る!)」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 00:45:27.03 ID:2Vd/3h1yo<> 「ほう、やるな魔法少女。」
ほむら「……!?」
「我が六〇式をそこまで使いこなす者がいるとはな。」
ほむら「貴方は……!」
ワルプルギス「アハハハハハハハハ……」ドヒュヒュヒュヒュ
ほむら「くっ!?」
アカツキ「……何をしに来た。
……ムラクモ零號……!!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 00:46:00.91 ID:2Vd/3h1yo<> 今日は寝ます。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/04(水) 00:55:06.05 ID:23ZwT4NDO<> 激しく乙!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/07/04(水) 22:26:47.42 ID:wY9ACidg0<> お伽噺で終わったと思ってたら別の話が続いていたとは
アーケードの格ゲーなのか <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 22:55:17.14 ID:2Vd/3h1yo<> ムラクモ「久しいな、試製一號。
数十年ぶりだが、変わりないようで何よりだ。」
アカツキ「複製體プラントは、チベットと南極だけではなかったか!」
ムラクモ「当然だ。
お前がわたしの最初の肉体を斃した時には、既にゲゼルシャフトは世界全土に拠点を置いていた。
所詮お前一人では、どうにもならぬことなのだよ。」
アカツキ「……憂きことの尚この上に積もれかし。」(シュバッ)
<>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:00:54.90 ID:2Vd/3h1yo<> ムラクモ「そう逸るな、今はお前と敵対するつもりはない。
俺の目的はお前と同じ。」
アカツキ「何?!」
ムラクモ「(スラリ)その魔法少女の……
電光機関を破壊することだ!」ダカダカダカダカタッ!
ほむら「!」
ガウーン!
シュルシュルシュルシュル
ムラクモ「くっ、何だこのリボンは!?」
マミ「暁美さん達の邪魔はさせないわ。
おとなしくしていてちょうだい?」
ガウーンガウーン!
シュルシュルシュルシュル! <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:04:44.77 ID:2Vd/3h1yo<> ムラクモ「いいだろう。お前から先に、」バチバチバチ……ブチッブチッブチッ!
ムラクモ「華と散れぃ!」ダカダカダカダカ!
アカツキ「待て、ムラクモ!」
使い魔「アハハハハハ、アハハハハハ」
アカツキ「邪魔をするな!」対空防禦!
マミ「アカツキさん!こっちは何とかするわ!ワルプルギスの夜への攻撃を続けて!」
ガウーンガウーン!!
<>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:13:03.28 ID:2Vd/3h1yo<> ムラクモ「何だそれは?」スッスッ
ムラクモ「そんなもので、俺をどのように何とかするというのだ!」ダカダカダカダカ
ガッキーン!
ムラクモ「やるな、小娘。」
マミ「美樹さん!」
アカツキ「美樹さやか!」
さやか「なんなのよあんた!
突然出てきて、あたしたちの邪魔して!」
ムラクモ「フッフッフッフ、よもやこの場で、剣を交えた戦いができるとはな。」
さやか「何が可笑しいの!」
ムラクモ「可笑しくて堪らんわ。
結末の見えた戦いに無謀にも挑む若き少女達……。
まるで絵空事よ。」
さやか「笑うな!
皆、見滝原を守ろうって、
大事な友達を、家族を守ろうって、命がけで戦ってるのに……!
それを笑うなぁっ!!」
ガキッ
キィン
<>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:15:39.70 ID:2Vd/3h1yo<> ズバッ
さやか「くっ!?」
マミ「美樹さん!」ジャキッ
使い魔「アハハ アハハハハハハ」
マミ「くっ、近づけない……!」ガウンガウーン!!
アカツキ「美樹さやか!」ダダッ
ワルプルギス「アハハハハハハハハハハ……」バシュバシュバシュバシュ
アカツキ「くそ、邪魔をするな、邪魔をっ!」
<>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:20:20.06 ID:2Vd/3h1yo<> ほむら「(あそこに落ちているのは、さやかのサーベル……。)」チャキ
ほむら「ハァッ!」
ズバッ!
ほむら「(やはり、魔法で出来た武器ならば、攻撃が通る。)
アカツキ!手を貸して!」
アカツキ「何を言う!今はムラクモを止めねば!」
ほむら「逆よ。ワルプルギスの夜の注意は、今、巴マミの射撃に向いている。
やるなら、今しかない!」チャキッ
アカツキ「しかし!」
ほむら「あの攻撃の中に突っ込んだってハチの巣にされるだけよ。
どちらにしろ、こいつを黙らせないと!」
アカツキ「……了解した!」
ほむら「杏子を呼んでくる。」
カチッ <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:37:21.52 ID:2Vd/3h1yo<> ガシッ
杏子「うおっ!?何だよ!」
ほむら「手を貸して。」
杏子「そうか、あたしもお前の世界に入門したって訳か。」
ほむら「こっちよ。」
カチッ
杏子「よっ!」
アカツキ「佐倉杏子。」
杏子「なあ、今さやかと戦ってるあのおっさんは何なんだ?
魔法少女とタイマンできるなんてフツーじゃねえぞ。」
ほむら「質問は後にして。
今こいつは巴マミと、さやかの方に意識が向いている。
攻撃を一点に集中させて、こいつの首をへし折る。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:42:38.02 ID:2Vd/3h1yo<> 杏子「そっか、オーケー。早く片付けて、さやかを助けに行かないとね!」
ほむら「(ガチッ 『最終特別攻撃、準備ヨロシ!』)」
アカツキ「(ガシャッ 『最終特別攻撃、準備ヨロシ!』)」
杏子「『運が惡かった』そう思いな!」
ほむら「電光機関解放!」
アカツキ「電光機関、解放!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:45:23.56 ID:2Vd/3h1yo<> 真紅の結界が展開され、多節槍は龍の如く伸び上がる。
杏子「これが、あたしの世界だ!」
槍の先端に立つ杏子。手にはもう一本の槍。
その切っ先をワルプルギスの夜に向けると、
龍槍は赤い息吹を吐き出した! <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:48:54.29 ID:2Vd/3h1yo<> 拳を腰だめにして飛び出したアカツキは、
ワルプルギスの夜の首に、目にもとまらぬ連撃を打ちこむ。
紫電を纏った突きと蹴りが、ワルプルギスの夜の機械仕掛けの首に命中し、火花を散らす。
アカツキ「歯を食い縛れぃ!」
全身に纏っていた電光を拳に集中させ、砲撃の如く放った! <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:51:22.88 ID:2Vd/3h1yo<> 電光被服の能力を全開にし、肉体の稼働速度を限界にまで高める。
飛びあがりながら、手にしたサーベルを力の限り、振る、振る、振る。
そして。
ほむら「さらばだ!」
全体重をかけ、突き下ろした! <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:53:58.70 ID:2Vd/3h1yo<> ――
杏子「……硬ってええええ!こいつまだ生きてんのか!?」
ほむら「でも、動きは止まった。効いてるわ。」
アカツキ「俺は美樹さやかのカバーに行く!」
ほむら「……!?
待って、ダメ!!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:56:05.32 ID:2Vd/3h1yo<> ムラクモ「おっ?!
……これでよい。」ダカダカ
さやか「待て、逃げるな!」
マミ「美樹さん、逃げて!」
さやか「えっ?」
見上げた頭上には、折れたビルが迫っていた。 <>
1<>sagesaga<>2012/07/04(水) 23:59:28.19 ID:2Vd/3h1yo<> ドシュウウウ シュルシュルシュル
マミ「そのリボンに掴まって!」
さやか「うわわわ!(ハッシ!)」
ムラクモ「……(パチン)。」
ズガァン!
さやか「ガハッ……!」
ほむら「……電光地雷!?」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/05(木) 00:01:34.48 ID:gC+KvHlDo<> 杏子「さやかぁーーーー!!」ダダッ!
ほむら「ムリよ間に合わない!」
杏子「うるせぇっ!届け、届けぇ!」ダダダダダ
杏子「さやかっ!(ガシッ)
くそっ、結界を……!」
グシャアア…… <>
1<>sagesaga<>2012/07/05(木) 00:11:50.82 ID:gC+KvHlDo<> マミ「そ、んな……美樹さん……?」
ほむら「さやか……杏子……。」
アカツキ「ムラクモ……!」ザッ
ムラクモ「間に合わなかったようだな。アカツキ。
お前は、いつも間に合わない。
俺と初めて対峙した時も、既に手遅れだった。」
アカツキ「その脆弱な複製體では、俺には勝てん。」
ムラクモ「かもしれぬな。
だが、貴様にもまた勝利は無い。」
ズバッ!
ムラクモ「っぐあああっ!?」
<>
1<>sagesaga<>2012/07/05(木) 00:16:07.35 ID:gC+KvHlDo<> アカツキ「美樹さやか!?」
ザンッ!
ドスッ!
ムラクモ「ぐぅ!?貴様ぁ……!」
ムラクモを背後から斬りつけたのは、美樹さやかであった。
全身を血で濡らし、ビルディングの瓦礫から赤い跡を引いてムラクモの背後に立っていた。
斬り上げ、斬り降ろし、ムラクモの胴にサーベルを突きたてる。
ムラクモ「何故だ、何故動ける!?」
さやか「……。」ミチッ ギチッ ブチブチッ
さやかは応えない。
無言のまま、柄に力を込め、突き立てたサーベルを持ちあげる。
ムラクモ「ぐああああ!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/05(木) 00:19:33.47 ID:gC+KvHlDo<> ムラクモ「くっ、くくっ……!これで……」バチバチバチ
ムラクモ「どうだぁっ!」ドカァン!
さやか「……。」
ムラクモの手がさやか腕をつかみ、電撃を流し込む。
焼き殺さんばかりの熱と電光に、しかし、さやかは微塵も揺るがない。」
ムラクモ「何故だ、何故……。」ブチブチブチッ
さやか「わが身……。」ググググ……
さやか「既に、アイゼン(鉄)ッ!」ズバァッ!
ムラクモ「かはぁ……。」
ドサッ <>
1<>sagesaga<>2012/07/05(木) 00:50:42.02 ID:gC+KvHlDo<> マミ「美樹さんっ!」タタッ!
アカツキ「大丈夫か!」ダダッ!
さやか「……わたしは、大丈夫。
杏子が守ってくれたから。」
マミ「そう……そう。
じゃあ、早く佐倉さんを、あそこから出してあげないと、」
さやか「(首を振って、握った手を差し出す。)」
アカツキ「それは……。」
マミ「佐倉さんの髪飾り……。そんな、嘘よ!」
さやか「ねえ、どうして杏子は死んじゃったの?
わたしなんか助けなくてよかったのに。
わたしなら、潰されたって平気なのに。
わたしも役に立てるって思ったのに、どうして?
仁美を、恭介を、まどかを、みんなみんな助けたかったのに、
どうして、友達よりずっと強い、魔法少女一人助けられないの……?」
マミ「落ち着いて、美樹さん。
グリーフシードよ。早く穢れを払わないと。」
さやか「やっと、友達になれたのに……。
!……ぐっ!?
うああああ!!!」
マミ「美樹さん?どうしたの!?しっかりして!」
アカツキ「美樹さやか!意識をしっかり持て!」
ほむら「……ダメ!
マミ、アカツキ!
さやかから離れて!!!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/05(木) 00:56:48.82 ID:gC+KvHlDo<> ――――
―――
――
キュゥべえ「その目で見届けてあげるといい。
ワルプルギスを前にして、暁美ほむらがどこまでやれるか。」
まどか「どうしてほむらちゃんは、そうまでして戦うの?」
キュゥべえ「彼女がまだ、希望を求めているからさ。
いざとなれば、この時間軸もまた無為にして、ほむらは戦い続けるだろう。
何度でも性懲りもなく、この無意味な連鎖を繰り返すんだろうね。」
最早今の彼女にとって、立ち止まることと、諦めることは同義だ。
何もかもが無駄だったと、
決してまどかの運命を変えられないと確信したその瞬間に、
暁美ほむらは絶望に負けて、グリーフシードへと変わるだろう。」
過去の全ての魔法少女たちと同じだよ。
まどか、君だって一緒に見ただろう?」
まどか「うぅ……。
……でも、でも。
でも!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/05(木) 00:57:27.07 ID:gC+KvHlDo<> と言ったところで寝ます。おやすマミ。 <>
1<>sagesaga<>2012/07/05(木) 01:02:41.29 ID:gC+KvHlDo<> 書いてみてわかったこと。
さやかは便利。 <>
1<>sagesaga<>2012/07/05(木) 01:09:28.97 ID:gC+KvHlDo<> あと、わが身既にアイゼンは初出がエヌアイン完全世界なので完全に失敗した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/05(木) 18:10:46.04 ID:gs1mPY+DO<> ここで魔女化くるか……。 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 01:26:49.78 ID:kwVpdb5Po<> オオオオオアアアアアアアア……
ほむら「ソウルジェムの穢れに気をつけろと、あれほど忠告したのに……。」
ほむら「(ほんの一瞬で、また一人にさせられてしまった。)」
ほむら「(マミとアカツキは、さやかの魔女の結界の中でまだ生きているかもしれないけど、
もう戦力としては数えられない。)」
ほむら「(初めてじゃないけど、やっぱり嫌なものだわ。
希望を打ち砕かれるのは。)」
ほむら「(それが嫌だから、「一人で倒す」と決めていたのに。
希望を抱くことこそが間違いだと、学んでいたはずなのに。)」
ほむら「……あなたは、やっぱり史上最強の魔女だわ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 01:29:58.28 ID:kwVpdb5Po<> ほむら「(さやかのサーベルと、電光機関はまだ使える。
グリーフシードもまだ残っている。
もう時間を止めることはできないけれど、
その分の魔力を体力に注ぎこめると思えば。)」
ほむら「さやか、少しだけ待っていて。後で必ず……
殺してあげる。」
ダッ! <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 01:33:04.39 ID:kwVpdb5Po<> ――
まどか「何、何なのこれ?」
QB「ほら、やっぱり勝てなかった。」
まどか「あれは、魔女の結界?」
QB「誰かはわからないけど、魔女になってしまったみたいだね。」
まどか「そんな……!」
QB「驚くには値しないよ。
ワルプルギスの夜と戦って、全員無事でいられる訳がないだろう?」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 01:36:35.50 ID:kwVpdb5Po<> QB「寧ろ、彼女を相手に今までよく戦ったというべきだ。」
まどか「何で?何でこんな……。」
QB「君にとっては不本意な結果みたいだね、まどか。
けど、君の素質ならこの結末を変えられる。」
まどか「……本当に?」
QB「勿論さ。
君には、この戦い自体を無かったことにできるくらい、
膨大な因果が絡まっている。
その因果を使えば、何もかも思いのままさ。」
まどか「わたし……。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 01:47:06.35 ID:kwVpdb5Po<> ほむら「万物の理は闘争に有り……。」ズバァッ!
ワルプルギス「アハハハハハ……アハハハハハハハ……」ドシュウウウウウ
ほむら「くぅっ!?」
ほむら「(時間も止められず、マミの援護も無しじゃ、こいつの攻撃を捌ききれない!)」
ほむら「(ダメ、あきらめちゃ。
わたしが絶望に呑まれてどうするの。
杏子はさやかを守ったじゃない。
さやかは杏子の仇を討ったじゃない。
大事な物と引き換えに命を捨てる覚悟なんか……)
わたしはとっくに出来ているわ!玉と碎けよぉ!!」バリバリバリバリ! <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 01:53:13.08 ID:kwVpdb5Po<> ――
まどか「!
ほむらちゃんが!まだ戦ってる!」
QB「驚嘆に値するよ。
魔力を攻撃手段に使えなかった彼女が、最後まで残っているなんて。
流石は電光機関、と言うべきかな。」
――
ほむら「ぐううっ!?」ドサッ
ほむら「まだまだぁ!」
――
QB「でもそれも、彼女の苦痛を長引かせるだけだ。」
まどか「ほむらちゃん!」
QB「魔法少女で無い君には、どうすることもできないよ。」
まどか「っ……!!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:06:13.08 ID:kwVpdb5Po<> まどか「ほむらちゃん……。」
まどか「ごめんね…………。」
まどか「わたし、魔法少女になる。」
QB「君なら、どんな途方もない望みだろうと、叶えられるだろう。
――さあ、鹿目まどか。その魂を代価にして、君は何を願う?」
まどか「わたしの願いは……」
「待っていたぞ、この時を!」
まどか「うぅ!?何これ……!!」
QB「君は……!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:12:40.76 ID:kwVpdb5Po<> ワルプルギス「アハハハハハハハ…… アハハハハハハハ……。」
ほむら「……!
これ以上先に進まれたら、避難所を襲われる。
どうにかしてここで食い止めないと……!」ガクンッ
ほむら「もう、もうなの!?
ソウルジェムがこんなに黒く……。」
ワルプルギス「アハハハハハハハ…… アハハハハハハハ」ドシュドシュドシュ
ほむら「きゃあああっ!」ドサッ
ほむら「(体が動かない……!
もう、体力に回せる魔力さえ残っていない……。
どうして?……どうしてなの?
何度やっても、あいつに勝てない。
わたしのやってきたことは、結局……。)」
「全てを灰にせよ!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:15:50.44 ID:kwVpdb5Po<> ほむら「!!」
突如ワルプルギスの夜の下方に魔法陣が出現し、業炎が盛った。
炎はワルプルギスの夜を焼き包み、見る見る内に喰らいつくしていく。
「すばらしいなこの体は!
生まれてこの方、これほどまでの力の充実を感じたのは初めてだ!」
ほむら「まどか……まどかなの!?」
振り向いた先には、凶悪な笑みを浮かべたまどか。
その後ろに、マミとアカツキが倒れていた。 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:20:23.42 ID:kwVpdb5Po<> 「礼を言うぞ暁美ほむら。貴様の滑稽な悲劇が、
この娘の決意を固めてくれた。」
ほむら「まどか?
あなたは一体……!」
「種明かしをして進ぜよう。
わたしは巴マミの肉体に宿り、機を待っていたのだ。
史上稀にみる素質を持った少女が、その因果を熟させる瞬間をな!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:23:25.36 ID:kwVpdb5Po<> 「武装異端審問官の肉体に宿っていたこともあるし、
戯れに審問官のまねごとをするのも、存外楽しかった。
……我はミュカレ。
死を超越した、完全者が一人。」
アカツキ「なってしまったか……。
『魔女』に……!」
ほむら「……!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:29:27.69 ID:kwVpdb5Po<> ――――
―――
――
「……貴様か。」
ほむら「……貴方は!!」
「だが、お前よりも魔女が先だ。」ツカツカツカ……
――
―――
――――
ほむら「あの時の『魔女』というのは、こいつのことだったの!?」
ミュカレ「貴様には敬意を払い、
我がプネウマ計画の先駆けとして、ヴァルハラへ送ってやろう。
恐れることはない……貴様の魂を救ってやろうというのだ。
出でよ魔剣ダインスレイブ!」
ミュカレの手に、長い絵と銃剣を宿した突撃銃が召喚される。
ミュカレ「悪しき肉体よ滅びよ!
シュテルンブレッヒャー!」
ガシッ!
ミュカレ「何っ!?」
ドシュウウウウウウウウ……! <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:41:09.76 ID:kwVpdb5Po<> ほむら「……アカツキ!」
完全者「往生際が悪いぞ、アカツキッ!」
バッ!
ザザッ!
アカツキ「我は雷神!絶対不敗なり!」
完全者「世迷言を言うでない。
貴様如き実験体と、時間稼ぎにしか使えぬ複製體と。
この完全者の前でどれほどの違いがある!
いまやこのわたしは、貴様らの電光機関に頼らずとも、
単独でプネウマ計画を完遂せしめる力を持っているのだ。」
アカツキ「貴様がどれほどの力を持っていようと、それは俺が使命から逃げる理由にはならん!」
<>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:46:14.44 ID:kwVpdb5Po<> 完全者「どこまでも愚かな。」
アカツキ「わが身は死して護国の鬼と成りぬ。
行くぞ、魔女よ!
チェェストォー!」
完全者「護よ!(ガッ)
エクスプロジオ!」
ドガアン!
アカツキ「ぐおっ!?」
完全者「豚めが死んだぞ。
シュテルン……」
ほむら「ダメッ!」ダダッ
ガ チ ン
完全者「ブレッヒャー!!」
ズゴオオオオオオオ…… <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:48:50.38 ID:kwVpdb5Po<> 病院
ほむら「(パチッ)はっ!」
ほむら「(バッ)
(キョロキョロ)」
アカツキ「遅いぞ、暁美准陸尉。」
ほむら「階級上げてんじゃないわよ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:51:42.51 ID:kwVpdb5Po<> アカツキ「貴公の時間遡航に巻き込まれたようだ。」
ほむら「悪いとは思っているわ。
でも、ああするしかなかった。」
アカツキ「感謝する。」
ほむら「……これからどうするの?」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:55:59.98 ID:kwVpdb5Po<> アカツキ「差し当たって、ゲゼルシャフトの残党共の動きを見る。
お前が電光被服を手に入れたことはすぐに知られる。俺が感知したようにな。」
ほむら「そう……。ムラクモやミュカレとの戦いは、避けられないのね。」
アカツキ「だが、俺と君ならその先手を打てる。
未来を見ているからな。」
ほむら「未来が見えていても、先手が打てるとは限らないし、
先手が打てたからと言って、勝てるとも限らない。」
アカツキ「含蓄のある言葉だ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:56:48.78 ID:kwVpdb5Po<> ほむら「でも、『相手がどれほどの力を持っていようと、
それは使命から逃げる理由にはならない』。」
アカツキ「……。」
ほむら「貴方が思い出させてくれたことよ。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 02:58:45.77 ID:kwVpdb5Po<> ガチャ
まどか「ほむらちゃん。体の具合はどう?」
ほむら「……!
まどか……!?どうして……。どうしてわたしの名前を?」
まどか「どうしてって?
決まっておろう。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 03:04:19.28 ID:kwVpdb5Po<> ほむら「!」
アカツキ「ミュカレ!」
ミュカレ「こんな素晴らしい素体を簡単に手放せるわけがなかろう。
時間の遡航など、この『史上最悪の魔女』の力を以ってすればたやすい。」
ほむら「貴方は!!」
ミュカレ「とは言え、我もまだこの体が馴染んでおらん。
貴様ら如きに遅れは取らんが、余興だ。
魔女たちの祝祭(ワルプルギスの夜)にて待つ。
それまでに、芸を磨いて、我を楽しませろ。」
ミュカレ「ではな。」
バタン <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 03:19:14.22 ID:kwVpdb5Po<> ほむら「……アカツキ。
まどかの体からアイツを追い出すことは可能なの?」
アカツキ「傷めつければ、奴は肉体に宿っていられなくなる。
アノニム・メレル・ランバスも、一度は奴に取りつかれたが、
宮廷護衛兵の手に寄って奴の呪縛から逃れた。」
ほむら「そう。案外単純なのね。」
アカツキ「とは言え、今の奴の力は未知数だ。
随分と鹿目まどかの肉体が気に入っているようだし、同じように事が運ぶとは限らん。」
ほむら「構わない。
こんなに早く攻略法がわかっただけでも、ワルプルギスの夜より随分マシよ。」
ほむら「(あなたを救う。それが私の最初の気持ち。)」
ほむら「(今となっては……たった一つだけ最後に残った、道標。)」
ほむら「(あなたを、最悪の魔女になんて、させない!)」
ミキサヤカ完全世界に続く…… <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 03:19:43.67 ID:kwVpdb5Po<> 終わり終わりーーー! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/06(金) 08:08:53.46 ID:Mp4OgSbPo<> 乙だけど!
続くんだよな・・・? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2012/07/06(金) 14:59:23.81 ID:xATM2Bolo<> えっ?
終わりなの? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/06(金) 15:15:27.64 ID:3WzIZRyDO<> まどっち……なんてこったい。 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 22:53:33.09 ID:rOk8aS+Ao<> 見てくださった方がた、ありがとうございました。
ちょっと畳めなくなってしまったのでとりあえずこれで終わりとさせてくださいませ。
いい加減ほったらかしにしてるよそのスレにも手を入れたくて。
というわけでほむらくもでした。 <>
1<>sagesaga<>2012/07/06(金) 22:57:15.70 ID:rOk8aS+Ao<> 考えているうちに、ミキサヤカ完全世界どころか、
こりゃ電光大戦になるなと。
もしも万が一続きをやるとしたら別のスレ立てます。はい。
お付き合いいただき本当にありがとうございました。雑談等、好きに使ってください。
僕も覗いてます。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/07(土) 17:00:10.06 ID:TkIuofXDO<> オリジナル魔法少女を次レスで魔女化させる
スレで、どっちか作られたりしました? <>
1<>sagesaga<>2012/07/07(土) 18:22:07.45 ID:cUeK/6bHo<> >>238
いいえ。
パロディ物に関わったのはこのスレが初めてです。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/08(日) 00:04:33.00 ID:rTbK3QU/o<> じゃあ私は大人しく続きをまってるね(チラッ <>
1<>sagesaga<>2012/07/08(日) 03:07:45.06 ID:z0wOAcVDo<> >>240
(そそくさ) <>
1<>sagesaga<>2012/07/08(日) 22:43:54.18 ID:z0wOAcVDo<> しかし、乙と言ってもらえるのは嬉しいことですね。
手ごたえがあるとやりがいが湧いてきます。
そりゃSS書きたがる人も沢山いるよな。
さやか「ミキサヤカ完全世界 電光大戦!!」はぼやぼやと考えてはいるのですが、
やっぱりまだ何かをお約束できるレベルではないので、まあ無い物と考えてください。
暇つぶしに3スレほど続いてる拙作をご紹介します。
現スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305360320/
エヌアイン、女キャラ皆太ももおっぱいだからパンモロ目的でやるといいよ。
http://subtlestyle.net/en-1/index.html <>
1<>sagesaga<>2012/07/10(火) 00:39:21.51 ID:YhqI+xfGo<> マミさんをエヌアインガチ勢にしたいから見滝原に一番近いエヌアイン基盤のあるゲーセンを探している。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/10(火) 20:51:16.71 ID:+SX+FDAPo<> とりあえず現行のスレを見て待ってろ糞どもが!ですねわかります <>
1<>sagesaga<>2012/07/14(土) 01:37:02.43 ID:AcJw6U6no<> >>243
sterben!!!! <>
1<>sagesaga<>2012/07/14(土) 01:37:29.29 ID:AcJw6U6no<> >>244だった <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/14(土) 01:41:12.11 ID:uojxslD1o<> なにそれかわいい <>
1<>sagesaga<>2012/07/14(土) 22:04:38.84 ID:AcJw6U6no<> ほむら「……。」
さやか「うそ!ガイスト防がれた!(カチカチ)
でもまだ端に追い詰めたまま……
げっ!」
マミ「あ、足払いが……。」
まどか「刺さりましたね。」
ほむら「終わりよ。」
さやか「ちょ、な、な。」
マミ「アウゲ、アウゲで差してあーーーーギャラル射程圏内。」
まどか「決まりましたね。」
さやか「やめて、ぎゃあああーーーーー!!!」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/14(土) 22:07:16.04 ID:AcJw6U6no<> さやか「まさかアドラーで戦車に負けるなんて……。」
ほむら「アドラー戦は吐くほど積んだわ。
苦し紛れのガイストなんてモニタ見ないでも捌ける。」
さやか「何故そうまでして戦車を使うの……。」
ほむら「全一鼎に勝つため。」
まどか「(スッ)」
きゅぅべぇ「お?行くかい鼎まどか。」 <>
1<>sagesaga<>2012/07/14(土) 22:09:29.86 ID:AcJw6U6no<> ……。 <>
1<>sagesaga<>2012/07/14(土) 22:11:01.02 ID:AcJw6U6no<> 知る人で、これ以上ない仕上がりの電光戦車使いを知っているので、
その感動を描いてみたかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/15(日) 08:01:35.51 ID:Y/o2puRDO<> そうなのか。乙! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/15(日) 12:57:04.28 ID:mzqzs8v6o<> もっと書いても良いぞ! <>
1<>sagesaga<>2012/07/17(火) 23:23:33.72 ID:Q4+u3bNxo<> だが断る!
俺は出来ない約束はしない主義だ!html送りにする!!
また会おう。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/18(水) 00:05:13.12 ID:BBWww7Pjo<> 泣いた
だが現スレを見ながら見守っているぞ
乙! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/18(水) 00:06:03.87 ID:BBWww7Pjo<> なんか頭痛が痛いかんじになってもた <>