VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<><>2012/06/29(金) 19:51:32.49 ID:t7yok7jK0<>「なんだよ。知らないのか?」
律っちゃんは惚け顔の私を見てこういった。
「女子の間では有名な話だよね」
「確か女の子しか知らないんじゃなかったか?」
むぎちゃんに澪ちゃんが答える。そんなに有名な話なの?初めて知ったよ。
「暗殺者?殺人鬼?殺し屋?よくわかんないけどさ。なんでも、その人が一番美しい時に、醜くなる前に殺しちゃうんだって」
「えーー!!なにそれっ!こわ〜い」
私はつい嬌声を上げてしまった。こ、[ピーーー]だなんて・・・。なんでそんな物騒な話するのかな。
「え、こわいか?私はむしろ、かっこいいと思うんだけどな」
澪ちゃんは不思議そうに答えた。ど、どうかしてるよ!
「そうよね。どうせなら私も美しいまま死にたいもの」
む、むぎちゃんまで・・・
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1340967092(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
<>唯「ブギーポップ?」
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/29(金) 20:03:53.14 ID:WUdn6zOOo<> 暗殺者殺人鬼殺し屋と聞くと殺し名が出てきた <>
saga<><>2012/06/29(金) 20:15:43.32 ID:t7yok7jK0<> 遅筆ですいません・・・できれば生暖かく見守ってください。
「先輩達っ!ティータイムにする話じゃありません!」
よかった。あずにゃんは良識あるみたいだ。助かった〜。
「おいおい梓。お前もさっきは興味津々で聞いてたじゃないか」
「だ、だって。女の子知らないって言うから、もっとメルヘンチックな話だと思って・・・・・・」
律ちゃんにあずにゃんがぼそぼそと返事を返した。
「なんだ?アイドルかなんかだと思ったのか?」
律っちゃんの問いに困り顔のあずにゃん。かくいう私もその手の類だと思ったよ・・・・・・
澪ちゃんの咳払いで場は仕切り直しとなった。
「で、なんでその話になったの?」
「ああ、そうそう。なんでもそのブギーポップっでさ、この高校の生徒らしいぜ?」
「「「「ええっ!」」」」
三者三様の返答だ。私のは純粋に怖さからくるものだけど、むぎちゃんと澪ちゃんのそれは幾分か期待と歓喜の成分が入ってると思う。あずにゃんのも私と同じかな?そう信じたいよ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<><>2012/06/29(金) 20:18:24.76 ID:t7yok7jK0<> ✖「だ、だって。女の子知らないって言うから、もっとメルヘンチックな話だと思って・・・・・・」
↓
○「だ、だって。女の子しか知らないって言うから
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<><>2012/06/29(金) 20:32:43.52 ID:t7yok7jK0<> 「おいおい、そんな食いつくなって。あくまでも噂だよ。う・わ・さ!」
どおどおとでも言うように律っちゃんは両手で皆を制した。
「だ、だれなんだよ律!!」
澪ちゃんがテーブルから身を乗り出す。やっぱり澪ちゃんが一番気になるんだね・・・
「落ち着けって澪。残念だけどな。私は知らないんだ。ただこの学校の生徒ってことはわかってるんだ。目撃者がいるんだってさ。うちの高校の制服をマントの中に来ていたらしい」
へぇ。そうなんだ。・・・ってちょっと待って!それって誰かを殺しちゃってる場面をってこと!?っていうかマントって、どんな格好してるのその人っ。
「なんだよ・・・期待して損したよ」
澪ちゃんはがっかりした顔で椅子に座りなおした。
「あら、サインでも貰うつもり?」
くすくすと笑いながらむぎちゃんは言った。
「ば、っばっか!そ、そりゃ欲しいけどさ・・・」
「欲しいんじゃないですか」
「い、いいじゃないかっ梓っ。だって、あのブギーポップだぞ!」
「おやおや。男が苦手な澪にしちゃ珍しいこというねぇ」
「あれ?律っちゃん。そのなんとかポップって男の人なの?」
ふと思ったことを私は咄嗟に疑問にしてみた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<><>2012/06/29(金) 21:09:50.20 ID:t7yok7jK0<> 「いや、性別ははっきりしてないんだ。男口調であるのは確からしいんだけど」
「へぇ、そうなんだ」
「美少年なのか、中性的な女の子なのか、どっちかしらね〜」
むぎちゃん・・・どうしてそんなに楽しそうなの?
「ああっ!ブギーポップ様!!私を美しいままで殺してください!もしくはサインください!!」
「こらっ!」
「いてっ!」
両手を組んで乙女っぽく腕を左右に降る律っちゃんを澪ちゃんが拳骨する。痛そうだね律っちゃん。
「まったく。ほら練習再開するぞ」
「ううぇー。もうちょっとブレイクしようぜー澪ー」
「なにいってるんですか律先輩!もう十分休みましたよ」
「梓ー、お前もかー!」
三人のやりとりを見てくすくす笑いながら、むぎちゃんは席を立ってティーカップを片付け始めた。練習再開というところかな。私も正直もうちょっとだけ駄弁っていたかったけれど。
「ねえ律っちゃん」
「なんだ?」
机に突っ伏しながら律っちゃんは目だけをこっちに向けた。彼女に私はまだ心に燻ってる疑問をぶつけてみた
「ブギーポップってさ・・・・・・」
「うん?」
「もしかして悪い子を見つけて殺しちゃうの?」
「なまはげかっ!」
あいてっ。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/29(金) 21:14:57.35 ID:1laGHflDO<> ずっと前に深夜の方で見たスレタイだな。今度は完結目指して頑張ってくれ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/29(金) 21:24:41.06 ID:ug8PgClSO<> けいおんSSのなんでもあり感は異常 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<><>2012/06/29(金) 21:34:53.82 ID:t7yok7jK0<> 本日の部活が終了して、皆と玄関に向かうと、途中で見知った後ろ姿が見えた
「あ、うーいー!」
「あ、おねーちゃーん!!」
手を振りながらパタパタと駆け寄ってくる。可愛いやつめ!
「あれ?こちらの人は?」
ふと後ろにいた澪ちゃんが憂に尋ねた。確かにあまり見たことのない人だ。憂の新しい友達かな?
「あ、ごめんなさい。紹介しておいたほうがいいですよね。こちらは」
「宮下籐花です。初めましてっ」
ぺこっ、と彼女は頭を下げた。なんだか快活そうな人だ。憂の友達にしては珍しいタイプなんじゃないかな。いずれにせよ姉として挨拶しておかないと。
「どーもー!憂がお世話になってるよー!」
「い、いえ、お世話してもらってるのはこっちのほうなので」
「そんなことないよ、籐花ちゃん。私もいろいろお話きいてもらってるし」
へえ、この二人って結構仲が良かったんだね。こんな友達がいたなんて気づかなかったな。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<><>2012/06/29(金) 21:36:54.30 ID:t7yok7jK0<> >>7 前にあったんですか・・・確かにありそうだなとは思いましたが・・・
不定期更新と遅筆なんで長引きそうですが頑張ります <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<><>2012/06/29(金) 21:47:08.03 ID:t7yok7jK0<> >>5 西尾はブギーポップに影響をうけたとかなんとか・・・
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<><>2012/06/29(金) 21:51:14.17 ID:t7yok7jK0<> 「あれ、そんなに大きなバッグ持ってるけど、部活か何かやってるのか?」
律ちゃんが尋ねる。たしかにおっきいバッグもってるねー。運動部?
「あ、いえっ!べつに部活とかやってるわけじゃないんですけど」
なぜか困り顔で籐花ちゃんは言った。
「まあいいじゃないですか!それより憂の姉の唯さんですよね!憂からお話きいてますよ!いいお姉ちゃんだそうで」
「えへー!そうかなー」
なんだ憂よ!照れるではないか。
「・・・・・・絶対憂のお姉ちゃん贔屓だろそれ」
「同感です」
うぇー。澪ちゃんにあずにゃん。そりゃないよ。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/29(金) 21:54:38.71 ID:ug8PgClSO<> けいおんってそもそも何をする作品だっけ?
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<><>2012/06/29(金) 22:08:18.72 ID:t7yok7jK0<> 「ところで籐花ちゃん、帰り道どっち?」
「えーとあっち方面です」
籐花ちゃんは振り向いた方向に指を指し示して言った。
「ふふ〜、じゃあ一緒に帰らない?」
「え、いいのお姉ちゃん?」
「もちろんだよ。憂の友達じゃん!」
ふふ。籐花ちゃんには憂から私についてどんなことを聞いてるか聞かせてもらわないとねー。ぐへへ。
「そうか。じゃあ気をつけて帰れよお前らー」
「唯。宮下さんを困らせないようにな」
「唯先輩。またあした」
「じゃあねー。唯ちゃーん」
解散の運びとなり、皆それぞれの帰路につく。もう日も暮れそうだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<><>2012/06/29(金) 22:36:18.87 ID:t7yok7jK0<> 「・・・」
「どうしたの?籐花ちゃん」
見ると何か思案顔で籐花ちゃんは一点をみつめていた。
「ん?いやなんでもないさ」
「そう。ならいいけど」
「・・・」
あれ、なんか籐花ちゃん・・・顔つきが変わった、かな。なんだろう。
後ろを振り返る。夕日で、橙色に染まった軽音部四人の制服が遠くから見えた。
あれ・・・・・・?そういえば・・・
髪が風で煽られて視界をさえぎる。慌ててスカートが風に遊ばれるの抑えた私は、一瞬彼女達四人から視界を離してしまった。もう一度目を上げたとき、かすかに感じた違和感はいつの間にか胸の内から消えていた。
「どうしたの?お姉ちゃん?もう行くよ」
「あ、ごめんごめん」
慌ててずれたギターケースを背負い直し、家のある方向へと私は歩きだした。
目の前には籐花ちゃんと憂の楽しそうにしゃペっている姿。
もう一度私は後ろを振り返る。今しがた別れた軽音部の皆を遠くから見据えた。
「ああ、そっか」
そうだったんだ。私はさっき感じた違和感を思い出した。簡単なことだ。
「あずにゃんって、憂と同じクラスだよね。どうして」
そう口にしたとき、あずにゃんが急にこちらを振り向いた。
その目は微かに鋭く、わずかに憎しみが感じられた。不覚にも私は、そんなあずにゃんに既視感を覚えた。
私と目が合うと、ばつが悪そうに目をそらす。
「ああ、あのあずにゃんの目は」
部室に湧いたゴキブリを見る目とおんなじだ。と、私はそのとき思ったのだった。 <>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/06/29(金) 22:41:00.95 ID:t7yok7jK0<> 今日はここまでです。
遅筆すぎて泣きたいです・・・。
まだ導入なのでレスしづらいと思いますが、今後共よろしくです <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/29(金) 23:57:23.50 ID:cyRcBKq3P<> さて、世界の敵は誰だろう <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/30(土) 00:21:28.99 ID:Y3522feTo<> やっぱ1作目ベースかな?
何かフラグが立ったキャラもいるな。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<>sage<>2012/06/30(土) 09:57:59.01 ID:mIqieFGAO<> ブギーポップスレが二つもあるとか何が起こってるんだ? <>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/07/01(日) 22:40:11.75 ID:fP8GJGNs0<> お姉ちゃんと藤花ちゃんと一緒に帰った日の翌日。
私は澪先輩と歩いていた。
「全く、律の奴、どこほっつき歩いているんだか」
「まあまあ。そのうち見つかりますよ」
二人で律先輩を探して歩いているのには理由があった。もうすぐ文化祭の時期であることが関係している。
「なあ憂、やっぱり私が代理で書くのはだめなのか?」
「すいません、規則なんですよ。はは」
「しかたがないな、やっぱり律を引っ張り出さないといけないな」
つまりこういうことだった。
軽音楽部は毎年文化祭ライブを講堂を借りて行っているのだが、それには生徒会に事前に使用許可の申請書を提出する必要がある。私は今年から生徒会に入っているため、軽音楽部の部員である、澪先輩に申請書の提出を打診しに行ったのだ。しかし、部長の直筆で書く必要があるから、こうして二人で律先輩を探しているというわけだ。
まあ、文化祭までまだ結構時間はあるから、今すぐにでも申請しなくてもいいのだけれど、それを言ったら澪先輩に
「いや、そういやって引き伸ばしにしていたら、またあいつは出す事を忘れると思うんだ。去年はあいつが軽音の創部届けを出していなかったおかけで、危うく大変なことになるところだったからな」
はは、そんな過去があったんですね。 <>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/07/01(日) 22:55:50.94 ID:fP8GJGNs0<> 「とりあえず、食堂あたりにいってみませんか?」
「それもそうだな、昼休みだし、いるかもしれない。あたってみようか」
桜高校の食堂はつい最近改装工事を行ったので、外観は一新した。そのため、改装前と打って変わって利用する生徒が急増したという噂だ。実際は薄汚れた壁のペンキを上塗りしただけのようだが、そんなことで集客率が上がるのだから、案外外観というのはお客さんにとっては重要なのだろう。最も、私は毎日お姉ちゃんの分と私の分の弁当を作っているから、あまり食堂を利用しないのだけれど。
食堂に続く廊下を渡っていると、見知った人が見えた。多分、あれは梓ちゃんだろう。
「梓か?」
澪先輩が声をかけると、振り向いた顔は確かに梓ちゃんだった。
「あ、澪先輩と憂じゃないですか、二人も食堂?」
「ま、まあ、うん・・・・・・」
「私たちは律先輩を探しているんだよ」
私がそう言うと、澪先輩は少しバツが悪そうな顔をした。なぜだろう。
「あ、そうなんだ。なんでさがしているの?」
私たちは事情を説明すると、梓ちゃんは納得顔でこう言った。
「確かに、律先輩のことですから、早めに出させたほうがいいですね。さすが澪先輩です。」
律先輩・・・。あなたの扱われ方って・・・・・・。
<>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/07/02(月) 20:40:28.53 ID:Z35G9WRG0<> 食堂の中に入ると、人の多さに当てられそうになった。
「うう・・・」
澪先輩が呻いている。先輩って人混み苦手そうだとは思っていたけれど。
「律先輩は、っと」
梓ちゃんに倣って私も食堂内を見回す。紺色の制服ばかり。こんなに一箇所に人が集まると、嫌でも在校生の多さを認識させられる。これでも一部なのだから、やはり学校というのはそれなりに人口は多いのところなんだと再認した。
「あ、あれじゃないか?」
澪先輩の頼りなさげな声が聞こえた。先輩の指した方向を頼りに視線を巡らせると、そこには確かに律先輩がいた。先輩は誰かと話をしているようだけれど。
「・・・」
梓ちゃんが黙りこくる。ふと、胸にざらついた感触がした。 <>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/07/02(月) 20:52:00.18 ID:Z35G9WRG0<> 「あれは宮下さんだっけ?もう律のやつ、あの子と仲良くなったのか」
律先輩と話していたのは藤花ちゃんだった。あっちゃー。まずいな、と私は思った。
「おーい、律ー!」
澪先輩は大きく声をあげた。しかし喧騒のせいか、声は届いていないようだ。
「おい、律ってばっ」
「え」
反応したのは藤花ちゃんが先だった。それにつられて律先輩もこちらに気づく。
「おう、澪じゃんか。それに後輩諸君。お前らも水曜の日替わり定食狙いか?」
「なんだそれ?って違うわっ」
「お?知らないとは言わせねえっ。毎週水曜日はご存知、照り焼き定食ごはんおかわり自由の日!」
ぶいっ!と律先輩は右手を掲げる。へぇ。照り焼きかぁ。今日の夕飯にスーパーで買っていこうかな。
「かくいう私もそれ狙いです!」
ぶいっ。藤花ちゃん、律先輩とキャラがかぶってない? <>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/07/02(月) 21:04:36.52 ID:Z35G9WRG0<> 「って憂と、梓じゃん。二人が食堂て珍しくない?いつもお弁当でしょ?」
「・・・まあ、ちょっとね」
「実は律先輩を探しに来たんだ」
律先輩がそれに満面の笑みで反応した。
「なんだっ!この私になにかようかな?さては、私にモテるオンナノコの秘訣を聴きに来たのかいっ?いくらでもおしえて・・・あだっ!」
「お前がもてているなんて聞いたことないわっ!」
さすがの突っ込みです、澪先輩。
「律先輩、文化祭の講堂の利用申請書をだしてもらおうと思いまして」
「ん?もうそんな時期か。でも文化祭まだ日にち結構あったような」
「去年みたいなことにならないようにだな。早めにだしてもうことにしたんだ」
そう言われて、律先輩はなにか思いだしたようにしおれる。
「あ、ああ。去年は本当にその。すまんかった」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/03(火) 16:59:05.17 ID:1rpYoj85P<> 世界の敵がそのままあずにゃんなのかミスリードなのか… <>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/07/04(水) 21:02:02.51 ID:08gvYLum0<> 「・・・・・・次から気をつければいいだけだ」
澪先輩は肩の力を抜いてこう言った。
「それじゃあ書こうか。申請書は・・・」
「持ってきています。あ、でもシャープペンシルがないや」
「うん?私も持ってないな。仕方がない。飯の前にパパッと終わらせるか。教室行ってくるよ」
「じゃあ私も行きます。書類を生徒会に出さないといけませんしね」
律先輩に着いていこうとすると、梓ちゃんが「あ・・・・・・」と細い声で呟くのが聞こえた。ごめんね梓ちゃん。今は聞こえないふりをするよ。
「憂、しっかり出させろよ」
澪先輩の念押しを最後に私たちは食堂を後にした。 <>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/07/04(水) 21:04:36.33 ID:08gvYLum0<> 「それじゃあ梓、宮下さん、私たちはご飯にするか。せっかく食堂に来たんだし」
私は先輩として後輩二人に声をかけた。
「いいですねえ。お近付きになるいいチャンスです!」
宮下さんは明るくこう言った。本当にこの子は元気な子だな。律の奴といい勝負だ。
「・・・・・・」
「どうした梓?もしかしてもう食べたのか?」
「いやそういうわけではないんですが」
梓は言いにくそうに言った。
「・・・・・・あ、あの、用事を思い出しまたので、今日は失礼しますっ」
「え、ちょ、っちょっと!」
梓は私の呼びかけに目もくれずに行ってしまった。
「あちゃー。やっぱりか」
「何なんだ一体」
「いやあ、実は私、彼女に嫌われてるというか避けられてるというか」
はは。と宮下さんは力なく笑った。その顔の裏にある思いを、たしかに私は感じ取った。
「そうなのか。梓の奴、こんないい子の事を避けるなんて、なにかあったのか?」
「いやあ、思い当たる節はないんですけどねえ。まま、並びましょう」
と、宮下さんが私を急かした。彼女に押されるがままに、立ち並ぶ行列の最後尾に並ぶ。―――途端。
・・・
ぞくっ、
・
という「音」が聞こえた。冷たい金属の棒が背中をなでる感触がする。いやらしい耳鳴りが私の神経を逆撫でする。私は急いで、後ろを振り返った。
食堂の入口で、立ち去ったはずの梓が、こちらを凝視していた。 <>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/07/04(水) 21:07:48.88 ID:08gvYLum0<> 基本的に
・地の文と会話文を二行or一行で、等間隔に空ける。
・地の文と会話文の間は二行。会話文と会話文、地の文と地の文はそれぞれ一行ずつあける。
どちらが見やすいですか?参考までに <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/07/05(木) 11:54:48.00 ID:0n8xtqjj0<> 個人的には前者1行かな
間隔がバラけると疲れる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/05(木) 23:36:59.92 ID:dJgh7bbSO<> ここにあるSSを参考にしてみては? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/07(土) 15:48:40.78 ID:HoF3weaIO<> おぉ、もう一個ブギーポップスレがあるとは知らんかったぜ <>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/07/13(金) 20:42:13.52 ID:ehOta/N30<> 私、中野梓が宮下藤花に敵意を抱くようになった理由は二つある。
一、宮下藤花が平沢憂と仲がよくなったこと。
二、私が平沢憂が好きであること。
特に後者に関しては友達のそれではなく、愛を注ぐ対象としてすきなのだと、異性にむけるそれであると、今でははっきり自覚している。
入学当初に私に初めて声を掛けてくれたのは憂だった。
「おはよう。今日もいい天気だね」
無邪気な笑顔と、髪を後ろに留めたために、露になったうなじが印象的な女の子だった
初対面にも関わらず、あたかも以前からの友人であるかのように接してきた時は少々面食らったけれど、人見知りな私にはいいきっかけの挨拶だった。それから急速に仲良くなった。
姉が軽音楽部だと知って、興味を抱いた私を入部へと後押ししたのも憂だった。彼女に連れられて軽音楽部の新歓ライブにも行った。入部するか迷う私に
「私も楽器できたら入りたかったなあ」
と笑顔で、何の邪気もなく言った。
「お姉ちゃんをよろしくね」
少しさびしそうに彼女は言った。 <>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/07/13(金) 20:43:32.43 ID:ehOta/N30<> 自分より他人を優先してしまう彼女に好意を抱くのはそう時間はかからなかった。不思議だ。高校入学前は、いつか男の人と普通に恋愛をして、普通に結婚して、普通に家庭を築くんだと思っていた。だけど、彼女と出会ってからは、私の隣は彼女以外思い浮かべられない。
姉贔屓なきらいがあったけれど、彼女のお人好しな一面なのだろうと思う。
その憂の姉の唯先輩は、妹と違って、怠惰で、面倒くさがりで、ちょっとだけ抜けてるところがあったけれど、憂と同じで、底抜けに人がよかった。この姉妹はきっと根本的なところで同じなのだろうと私は思う。
自然、入部後の私は唯先輩の方とすごす事が多くなったけれど、クラスでの私の立ち位置は今でも憂の大切な友達だった。まあ友達と思ってるのは憂だけで、私のそれはとうに友達の段階を超えているのだけれど。
そんなある日、憂に近づいた奴がいた。
宮下藤花という名前の女だ。
最初から気に食わなかった <>
◆Yyg8p6BpG6<><>2012/07/13(金) 20:44:14.12 ID:ehOta/N30<> クラスが変わり、憂と私が同じクラスになったのはよかった。しかし、思いがけないイレギュラーだいた。それが宮下藤花だ。
憂と仲良くなり始めの頃は大して気にしてはいなかった。しかし今となって目に余る。宮下藤花は休日に憂の家に遊びに行ったり、一緒に二人で出かけるようになっていたらしい。許せない。憂の隣にいていいのはわたしだけだ。お前みたいなカマトト女じゃない。
なんでも、付き合ってる男の相談事に乗ったことがきっかけらしいが、そんなもの、あいつが憂に近づくための手段に決まっている。
昨日なんて、あいつは唯先輩にも近付いた。いつのまにか律先輩とも仲良くなっている。澪先輩にも愛想をふりまいているようだ。私の領域にたやすくあいつは踏み入ってくるのが、ますます許せなかった。
憂は私のものだ。軽音楽部は私の居場所だ。
絶対にわたしたりなんかしない。
「そうだ」
いいことを思いついた。
ちょっと宮下藤花に悪戯してやろう。
最悪、学校に来れなくなくなっても構いやしない。
悪いのはあいつだ。私じゃない。
勝手に人のものを盗ろうとする奴には、いい制裁だ。
「ふふふ」
自然と顔がにやける。もはや、善悪の観念など、今の私には存在していなかった。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage <>2012/07/25(水) 14:09:19.80 ID:wXsnEbbW0<> 応援してますよ〜。
頑張ってくださいね!! <>