◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 00:34:04.80 ID:cG88bZ7Ho<>1 http://logsoku.com/thread/hayabusa.2ch.net/news4vip/1342248575/
2 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1342342345/

連続で安価取るのはナシ
他の作品ネタは>>1が分かるものは取り入れるよ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1346081644
<>小鷹「安価で友達作る」 3 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 00:40:15.75 ID:3gYImxnpo<> >>1乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 00:41:31.43 ID:KE+ajqOIO<> 乙肉 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2012/08/28(火) 00:56:52.86 ID:lCRjk1Rmo<> 新スレΣ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 01:00:40.60 ID:WNfzLqvIO<> 乙
登場人物の好感度表みたいなのほしいな <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 01:25:26.66 ID:cG88bZ7Ho<>
理科部メンバー表


             小鷹への好感度   小鷹からの好感度
志熊理科(部長)  ★★★★★☆☆   ★★★★☆☆☆

三日月夜空     ★★★★★★★   ★★★★☆☆☆

楠幸村         ★★★★☆☆☆   ★★★★☆☆☆

柏崎星奈       ★★★☆☆☆☆   ★★☆☆☆☆☆

高山マリア       ★★☆☆☆☆☆   ★★☆☆☆☆☆

羽瀬川小鳩     ★★★★☆☆☆   ★★★☆☆☆☆




発明品リスト(道具レベルが高くなるほど簡単に使えない)



              道具レベル            備考
超強力媚薬     ★★★★★☆☆           危険

嘘発見器       ★☆☆☆☆☆☆          効果薄

全自動握手機    ★☆☆☆☆☆☆          修理必要

筋肉養成ギプス   ★☆☆☆☆☆☆       ムキムキになれるかも

猫型ロボット     ★☆☆☆☆☆☆           愛玩用

嘘発見器(改)    ★★★☆☆☆☆           拷問用

友達作りゲーム   ★☆☆☆☆☆☆           クソゲー

強力冷えピタ    ★★☆☆☆☆☆          超冷たい

記憶抹消装置    ★★★★★☆☆           危険

電話レンジ      ★★★★★★★          封印指定

さとりヘルメット   ★★★★☆☆☆      人間関係悪化の危険性 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 01:37:21.74 ID:oqsFxxcT0<> 理科、夜空、幸村の膠着状態か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/08/28(火) 01:42:02.12 ID:WrmaMj89o<> 1乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 01:56:31.74 ID:4opvK+/M0<> さすが幸村だ。したたか <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 02:00:03.65 ID:cG88bZ7Ho<>
よ、よし、こういう時はちょっと冗談でも言って場を和ますべきだよな!
俺はちょっと躊躇うが、思い切って言ってみる。


「夜空は俺の嫁だ!」


そんな俺の魂心の冗談に、周りは…………。


うおおおおおおおおおおおおおお!! と歓声が上がった。
周りからは「いいぞいいぞー!」なんて言葉も聞こえてきて、みんな楽しそうにしている。
やっぱりこのくらいの学生にとっては、こういう恋愛関係の話は大好物なのだろう。
ヒューヒューという茶化すような口笛も聞こえるが、まぁここまで盛り上がってくれたのならいい。

俺は「どうだ、俺だってたまには場を盛り上げるような事言えるんだぞ」と得意げにステージの上の夜空を見る。
そして、口をあんぐりと開けてしまった。

夜空の目に涙が浮かんでいる。
それに気付いたのか、周りの人達がざわざとし始めた。

『よ、夜空?』

『……あ、あぁ……すまない。その、嬉しくて……私…………』

……なるほど、嬉し泣きか。
それなら別に問題ない……わけがない。
俺のさっきの言葉はただ周りを盛り上げようとしただけのものだ。
しかしこんな反応をされたら、後から冗談だったんなんて言えるはずがない。

事情を察したギャラリーたちは再び盛り上がり始める。
端から見ればさぞかしバカップルのように映ってるんだろうな……なんて事も思う。

すると、ふと服を摘まれる感覚がする。

「あにきは……夜空のあねごとけっこんなさっていたのですか?」

「あ、いや、今のは本気じゃなくて……」

とは言っても、夜空はあのマジ反応だ。
彼女が戻ってきたらどうしようか……と考えるが中々思いつかない。

俺がそうして頭を悩ませている内に、最後の夜空の番が終わったということで投票時間に入っていた。
といっても、俺は別に悩む必要もなくすぐに夜空に票を入れる。
負けたら何でも一つ言うことを聞くというのが待っているのだが、それでも夜空以外に入れるなんて考えられなかった。

それから少しして、投票の結果が出た。
勝負の行方は――――。


**************************************


ミスコンの結果が>>10の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/28(火) 00:00:00.(00)←ここ

00〜29→2位
30〜99→1位 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 02:00:44.17 ID:oqsFxxcT0<> s <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 02:01:29.41 ID:cG88bZ7Ho<> ミスった>>13 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 02:02:19.21 ID:oqsFxxcT0<> d <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 02:03:48.63 ID:cG88bZ7Ho<> 今日はここまで
ホントは>>1000に何か安価入れようとしてたんだけど忘れてたわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 02:04:59.88 ID:oqsFxxcT0<> 夜空が負けたということは…
これが運命石の選択か… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 02:18:39.90 ID:kBBETxw90<> この低確率で負けるとはな、>>1乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)<>sage<>2012/08/28(火) 02:23:50.99 ID:u2322OOmo<> まだまだ先は分からないってばよ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/08/28(火) 02:25:00.56 ID:lCRjk1Rmo<> 朝からの更新乙でした <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 13:58:08.74 ID:cG88bZ7Ho<>
体育館に大歓声が響き渡る。
一位は夜空……ではなく、この学校のミスコン少女だった。
夜空は惜しくも二位。それも数票差の僅差だった。

「おー、今年はマジで観客の中からミスコン出るところだったな」

「運営側で投票装置を渡す相手を選んでるってウワサもあるしな。三日月さんも頑張ったよ」

俺は周りから聞こえたそんな声に少し納得する。
確かに、企画的にはこの学校のミスコンを上げる必要があるだろう。

それにもっと考えれば、彼氏持ちだと思われたのはあまり良くなかったのかもしれない。
ちょっと周りを見るだけでも、夜空が彼氏持ちだと聞いて明らかに残念がっている人も結構いたし。
アイドルグループなんかもそういう恋愛スキャンダルってのは凄く叩かれるというのも聞いたことある。

夜空は負けたにも関わらず、そこまで落ち込んではいない様子だった。
というより、やっと終わってくれたという安堵の方が大きいのかもしれない。

夜空はステージ上で軽く挨拶をすると、すぐに俺達のところまで戻ってきた。
そして肩をすくめて、

「やはり私では優勝は無理だったようだ」

「そんな事はないのだ! アイツらきっとイカサマしたのだ! ワタシが全員地獄に落としてやる!!」

「わたくしも不正があったとにらんでおります」

「俺もなんか怪しい感じがするんだよな……でもマリア、一応シスターなんだから地獄に落とすとか言うのはやめとこうな?」

「むぅ……はぁ」

俺がマリアの頭を撫でると、不機嫌そうな表情が気持ちよさ気なものに変わる。
子供のこういう所は素直に可愛いと思う。
……いや、決してロリコンというわけではないけども。

夜空は少し苦笑して、

「憶測で物事を語るのはやめとけ。まぁ何にせよそこそこ盛り上がっていたようだし、企画的には成功なんだろう」

「夜空は二位でもそこまで気にしてないようだな?」

「むしろ私にしては上出来すぎる順位だろう。まぁ小鷹に言うこと聞いてもらうという約束がなくなってしまったのは残念だが……」

ここで夜空は言葉を切って、俺をじっと見る。
その顔は赤く染まっており、夜空らしからぬ本当に嬉しそうな微笑みが浮かんでいた。

「……私は、小鷹のあの言葉だけで十分満足だ」

夜空の言葉に、俺の顔が引きつるのが分かる。
おそらく彼女が言っているのは「俺の嫁」発言のことだろう。
この様子だと完全にあれを冗談だとは思っていないらしく、もしかしたら夜空の方は既に俺達は恋人同士であるみたいな感覚なのかもしれない。

俺はチラリと幸村とマリアの方を向く。
幸村は口を尖らせてちょっと不機嫌そうな表情をしていて、マリアはキョトンとしている。
だめだ、この二人に頼るわけにはいかない。もともと、俺のせいなんだ。

夜空は両手に視線を落として、もじもじと手を動かしながら、

「そ、その……私もちゃんと返事をしなければいけないんだろうな…………」

「よ、夜空!」

「え……?」

俺が慌てて夜空の言葉を遮ると、彼女はちょっと顔を上げて上目遣いで俺を見る。
その様子はとてつもなく可愛く、俺自身も顔に熱がこもるのを感じる。
この角度といい表情といい、もしかして計算しているんじゃないかとも思うが夜空はそんな事ができる人間ではない。

と、とにかく。
夜空がこれ以上何かを言う前に、俺から話さなければいけない。

**************************************

小鷹の言葉が>>20-22の中から、>>22の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/28(火) 00:00:00.(00)←ここ

00〜39→>>20
40〜69→>>21
70〜99→>>22 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/08/28(火) 14:05:21.84 ID:os38eqk4o<> 俺がさっき言った台詞リア充っぽかったろ?
一度言ってみたかったんだよね〜 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 14:05:27.93 ID:oqsFxxcT0<> いや、その…
あれは会場を盛り上げるためのもので…
で、でもさ、お前を可愛いと思ってるのは事実で… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/28(火) 14:08:48.39 ID:BohXfjDq0<> 結婚してくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 14:10:42.19 ID:x9ylzZDJ0<> オワタ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<>sage<>2012/08/28(火) 14:20:37.11 ID:glG9PsPlo<> うわぁ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<>sage<>2012/08/28(火) 14:23:40.13 ID:AR79k51lo<> 照れ隠し!照れ隠し! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 14:32:59.99 ID:u2322OOmo<> 一度言ってみたかったんだよね〜とか言っちゃう男の人って…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/28(火) 14:37:18.54 ID:35M7QZoco<> >>22があと0.01秒遅ければ…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/28(火) 14:40:34.36 ID:jZQDIPMa0<> すまんかったぁぁぁぉ!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/08/28(火) 14:42:59.44 ID:os38eqk4o<> お、俺が悪いってのか…?俺は…俺は悪くねえぞ、だって>>22が言ったんだ…そうだ、>>22がやれって!
こんなことになるなんて知らなかった!誰も教えてくんなかっただろっ!俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇっ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/28(火) 14:45:42.69 ID:LyhgpFsyo<> >>29
親善大使サマ乙 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 14:55:50.25 ID:do1/JmPr0<> こんなのあんまりや… <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 15:43:26.87 ID:cG88bZ7Ho<>
よし、ここは軽い流れで言ってしまうのがいいだろう。

「俺がさっき言った台詞リア充っぽかったろ? 一度言ってみたかったんだよな……なんて」

「…………」

空気が凍った。
体育館の中は今だに熱気に包まれているにもかかわらず、ここ一帯だけが酷く冷えきったように思える。
まるで俺達がいるこの空間だけ切り取られて、周りから浮いているような、そんな感覚だ。

夜空は目を見開いて俺を見て、それから俯いてしまった。
しばらくそのままで何も話さず、俺もどうすればいいのかわからない。
深く俯いてしまっているので、その表情を読むこともできない。
幸村はいつもの無表情でただ成り行きを見守っており、マリアは相変わらずキョトンとしている。

夜空が、ぽつりぽつりと話し始めた。

「……私は言ったはずだぞ」

「え……?」


「私は小鷹が好きだと言ったのに!!!!! なんで……なんでお前は……っ!!!!!」


夜空が大声を出して顔を上げた。
俺は彼女の顔を見て、息を飲む。

瞳からは大粒の涙が溢れ頬を伝い、それを拭おうともしない。
目を真っ赤にして、真っ直ぐ俺を睨む夜空に、指一本動かせなくなる。
こんな夜空の表情は今まで見たことがない。
俺はその表情を見て、胸にナイフを突き立てられたような、鋭い痛みを感じる。
彼女をこんな風にしてしまったのは自分なのに、俺は何も言うことができない。

夜空は俺の胸元を両手で掴んだ。

「お前は私の心を弄んでそんなに楽しいのか!? 一瞬だけ喜ばせて、その後落胆させて面白がっているのか!?」

「ち、違う!! 夜空、俺は……」

「もしかして私の告白も冗談だとか思っているのかお前は!? それとも本気だと分かっていてその上でからかっているのか!?
 お前は……お前はそんな事する奴じゃないと思っていたのに!!!」

「冗談だなんて思ってない! それにからかってるわけでも……!」

「もういい!!!」

ドンッと夜空が俺を突き飛ばした。
そして、俺がよろけた瞬間、背中を向けて走りだして行ってしまった。
俺は、ただその後ろ姿を見ていることしかできない。

追いかけて、引き止めて、今の俺が何を言えばいいんだ。
何も浮かんでこない。むしろ、さらに傷つけてしまうのではないかとさえ思う。

周りがざわざわとこちらを見ているのを感じる。
あれだけ大声を出していれば、それも当然なのだろう。
夜空は周りに人がいるのも気にせずに、幸村やマリアも聞いているのを分かった上で話していた。

ふいにボカッと、右腕に軽い衝撃が走る。
幸村が、叩いてきた。

「……あにき、ばか」

幸村はただ悲しそうにそう言うと、夜空と同じように背を向けて歩いて行ってしまった。
その声は大きくもなかったし、とても短いものだったが、俺の胸に大きな痛みを落とす。

ただマリアだけが何が起きているのか分からずに俺を見上げて、

「二人ともどうしたのだ?」

俺は何も答えることができなかった。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 15:46:04.70 ID:cG88bZ7Ho<>


************************


【好感度変動】

                  小鷹への好感度
三日月夜空     ★★★★★★★→★★★★★☆☆

楠幸村         ★★★★☆☆☆→★★★☆☆☆☆


************************




俺はベッドの上で大の字になって天井を見上げていた。
あのあと、どうやって家まで帰ったのかはあまり良く覚えていない。
とにかくマリアを聖クロニカのケイトの元へ帰し、そっから真っ直ぐバスに乗った……と思う。

あんまりぼーっとしているから夕食も焦がしまくってしまい、小鳩に本気で心配される始末だ。

「……はぁ」

俺はもう何度目か分からないくらいに、ケータイを開いてアドレス帳のカーソルを夜空に合わせる。
何か言わなければいけないという事は分かっている。
しかし、何を言えばいいのか全く分からない。そしてまた彼女を傷つけてしまいそうで怖い。


**************************************


小鷹の行動が>>34-35の中から、>>35の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/28(火) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→>>34
奇数→>>35 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟県)<>sage<>2012/08/28(火) 15:49:10.67 ID:oM6khTJ3o<> ほい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 15:49:18.32 ID:y/npCT/p0<> メールで夜空に「すまなかった。もっと真剣にお前のこと考える。今日のお詫びに休みに二人で遊びに行こうという。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/28(火) 15:51:32.18 ID:isuVJXWYo<> ほいってなんだよw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県)<>sage<>2012/08/28(火) 15:52:44.31 ID:oM6khTJ3o<> あ、間違えた
夜空に謝るで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 16:08:21.03 ID:u2322OOmo<> 後出しは感心せんなぁ <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 16:09:33.20 ID:cG88bZ7Ho<>
「ほい」

俺はケータイを投げ捨てた。
ダメだ、ろくに考えもまとまらない内に連絡しても仕方がない。

電気を消してゴロンと横になった。
今日は色々なことがあって体も疲れているはずなのだが、一向に睡魔がやってくる気配がない。
目を閉じると、あの夜空の顔が瞼の裏に現れ、胸をえぐる。

うとうととまどろみ始めた頃には空は白み始めていた。



***



次の日、俺はいつも通り理科室へと向かう。
その足取りは重く、今日ほど部活へ行くのが憂鬱に思ったことはない。
これから夜空と顔を合わせて、俺はどうすればいいんだろうか。

そんな不安を抱えながら、俺はゆっくりと理科室のドアを開く。


**************************************



理科部の出席状況が>>40-45の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/28(火) 00:00:00.(00)←ここ

理科>>40
00〜69→出席
70〜99→欠席

夜空>>41
00〜29→出席
30〜99→欠席

幸村>>42
偶数→欠席
奇数→出席

星奈>>43
00〜69→出席
70〜99→欠席

小鳩>>44
00〜29→欠席
30〜99→出席

マリア>>45
00〜69→出席
70〜99→欠席 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 16:10:20.53 ID:FR1b1VaSO<> ほいwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 16:10:30.20 ID:3gYImxnpo<> でろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 16:10:57.65 ID:3gYImxnpo<> これはひどい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟県)<>sage<>2012/08/28(火) 16:11:30.90 ID:oM6khTJ3o<> 正直すまんかった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)<>sage<>2012/08/28(火) 16:12:13.05 ID:yEPB4neGo<> 小鳩 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 16:16:14.61 ID:natp8nwSO<> こい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 16:16:52.30 ID:WNfzLqvIO<> ときメモみたいやな
そのうち夜空に爆弾つきそうだ'w <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)<>sage<>2012/08/28(火) 16:19:23.07 ID:yEPB4neGo<> 小鳩と肉以外出席とか <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 17:16:56.74 ID:cG88bZ7Ho<>
理科室には星奈と小鳩の二人以外は来ていた。
あの二人はまだ心の傷が癒えないのだろうか。まさかそこまでショックだったとは。

そして夜空はいつも通り本を読んでいた。
俺は思わず立ち止まって夜空をじっと見てしまう。
もしかしたら来ていないのではないかとも思っていたので、何と声をかければいいのか分からない。

すると理科がドアの開く音にこちらを見て、

「あ、こんにちは小鷹先輩…………ってそんな所に突っ立ってどうしたんですか?」

「あ、いや……」

「分かるぞ小鷹。お前も『おっ、今日も肉がいない! ラッキー!』と思ったのだろう?」

なんと夜空はニヤニヤとした笑みを浮かべながら普通にそんな事を言ってきた。

俺は目を見開いて驚く。
いろいろなパターンは想像していたが、まさかこんな反応が待っているとは思わなかった。

「ん、どうした? あぁ、もしかして昨日のことか?
 あれはすまなかったな。私も色々あって心に余裕がなかったんだ。だからお前の気持ちを察することもできなかった」

「え……いや、あれはどう考えても俺が悪かったから…………」

「ふむ。それなら、ここはお互い悪かった、で収めることにしよう。なんだかリア充っぽい仲直りの仕方だし」

許してもらえるのなら、俺にとっては良い事だろう。
しかし、今の夜空はどこかおかしい気がする。
表面的には確かにいつもと変わらない。だが、もっと別のところで何かが違う気がする。
それでも、それが何かと具体的に言うことはできない。

理科は首を傾げて、

「先輩達何かあったんですか?」

「おぉ、昨日は夜空も幸村もおかしかったんだぞ! なんかなー……」

「マリア、ポテチをやろう」

「やった――!!」

「……? まぁ済んだ事なら別にいいのですけど……」

「夜空のあねご」

ふいに幸村の静かな声が部屋に響く。
いつもと同じ無表情で、声も感情の乗っていない無機質なものなので本当に何を考えているのか見当もつかない。

「どうした幸村?」

「……あねごはそれでよろしいのですか?」

「さっきも言っただろう。あれは私も悪かったのだ」

「……あねごがそう仰るのであれば」

幸村は大人しく引き下がった。
しかし、正面から向き合う二人の間では何か言葉以上のやりとりがあったような感覚がする。

理科はちょっと興味ありげに幸村を見ていたが、すぐに立ち上がってホワイトボードの前へと歩いて行く。

「それでは今日も活動を始めましょう。夏休みももうすぐ終わるんで、ここらで私達のためになる実用的なものを作ることが出来ればいいのですが」


**************************************


今回の活動で作る発明品が>>49-51の中から、>>51の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/28(火) 00:00:00.(00)←ここ

00〜39→>>49
40〜69→>>50
70〜99→>>51 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 17:23:50.80 ID:u2322OOmo<> ヴォイドゲノム <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/28(火) 17:25:13.10 ID:B7vlhOa5o<> 麻雀卓 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/28(火) 17:25:34.41 ID:zcITOHXl0<> タイムリープマシン(某Dメール可) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/08/28(火) 17:27:46.40 ID:TkDYSpjGo<> 49ワロタwwwwwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/08/28(火) 18:47:10.89 ID:z1CtllnV0<> 原作っぽい展開でいいね
実際小鷹は、ああ返しそうな気がするし>>1乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/08/28(火) 19:02:24.30 ID:E3wBiBUZo<> >>49
何かと思ったらギルクラかよwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 19:23:16.54 ID:ApERvaeio<> もしやったら、どんなヴォイドになるんだろう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(滋賀県)<>sage saga<>2012/08/28(火) 20:18:04.84 ID:i7CBzLGC0<> とりあえずバイドじゃなくて良かった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 21:28:34.06 ID:EX7G93AIO<> キガ ツク トワ タシ ハバ イド ニナ ツテ イタ ソレ デモ ワタ シワ チキ ユウ ニカ エリ タカ ツタ ダケ ドチ キウ ノヒ トビ トハ コチ ラニ ジユ ヲム ケル

<>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 22:07:20.07 ID:cG88bZ7Ho<>
「……麻雀卓はどうでしょう」

「「麻雀??」」

幸村の言葉に俺達が同時に聞き返す。
まさか幸村の口からそんな言葉が出てくるとは思わなかった。

「はい……以前わたくしのクラスのものたちがなかよく麻雀をしてあそんでおりました」

「あー、確かに高校生くらいから興味持ちだしますよね、そういう大人っぽい遊び」

「なんかその言い方だとオッサンぽいぞ」

「なっ……華の女子高生に何言ってくれんですか先輩!!」

「しかし、そういうギャンブルは学校でやっていいのか?」

「そのものたちは金銭をかけていたらしくていがくになりました」

「ダメじゃん!!」

思わず突っ込む俺。
やっぱりギャンブルはまだ高校生には早いのではないか。

「まぁでも、遊びでやる分にはいいかもしれませんね。麻雀を通じて他の人達と仲良くなっていくようなアニメもありますし」

「そ、そうなのか?」

「そんなわけないだろう。麻雀なんていうのはどいつもこいつも血眼になって他人を落とすことしか考えないものだ」

「だからそんなマジにやんなきゃいいじゃないですか……。理科は一度やってみたかったですよ。ほら、麻雀って人数集まらないとできませんし」

「んー、それもそうだな……もし他に友達ができた時やるかもしんねえし、練習してもいいんじゃねえか?」

「ふん……まぁお前達がそう言うならいいが……」

「なーなー!」

話が決まりかけた時、マリアが口を挟んだ。
幼女シスターは首を傾げ、

「まーじゃんってなんなのだ?」

そんなわけで、理科は準備室へ入って麻雀卓の開発。
俺達でマリアに麻雀を教えることにした。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 22:09:17.10 ID:cG88bZ7Ho<>


***



次の日、理科室のど真ん中に全自動麻雀卓が置かれていた。
机なんかは全てわきに寄せられており、これでは理科部というより麻雀部みたいだ。

今日も星奈と小鳩は来ておらず、昨日のメンバーだ。

「……自動卓って相当値の張るもんじゃなかったっけ?」

「ふふふ……理科にかかればこんなものすぐ用意できるんですよ」

「さすが、たまにお前は天才っぽいな」

「た、たまにって……」

「理科どのはただのへんたいではなく、へんたいてんさいしょうじょでありましたか」

「おぉ、すごいな理科は!! 変態で天才なのか!!!」

「…………わーい、理科キャラめちゃくちゃ立ってるー」

ものすごい棒読みで喜ぶ理科。目は死んでる。
俺はとりあえず話を変えたほうがいいと思い、

「よ、よし、じゃあさっそくやってみっか! マリア、ルールはもう大丈夫か?」

「当たり前なのだ!! ワタシは天才なのだぞ!!」

「マリアどのの飲み込みのはやさはすばらしいものがあります」

「まぁ生意気な事にな。とはいっても、麻雀は四人でやるものだ、一人余ることになるな」

「悪いなのび太、このゲーム三人用なんだ。ってやつですね」

「嫌な言い方するなよ……」

というわけで、一人は観戦ということになる。


**************************************


観戦役が>>60の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/28(火) 00:00:00.(00)←ここ

00〜19→小鷹
20〜39→理科
40〜59→夜空
60〜79→幸村
80〜99→マリア <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 22:12:04.47 ID:u2322OOmo<> 小鷹こいっ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 22:12:57.95 ID:u2322OOmo<> スマヌ……orz <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮城県)<>sage<>2012/08/28(火) 22:15:07.98 ID:AR79k51lo<> 5半荘以上やれば順々に抜け番になるから心配ない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 22:38:19.90 ID:WNfzLqvIO<> 実際賭けなし麻雀ほどつまらないものはないよな
というわけで脱衣麻雀希望 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 22:55:46.59 ID:cG88bZ7Ho<>
「それなら私は見ているだけでいい。もともとお前達のほうがやりたがっていたのだしな」

「いいのか?」

「あぁ、見ているだけでも楽しめそうだ」

夜空は微笑みを向ける。
昨日はその笑顔に少し違和感を覚えたはずだったが、今ではそんな事もない。
完全にいつも通りの夜空だった。

俺達はそれぞれ席につき、夜空は近くに机を引きずって来てその上に座る。
親決めなどを済ませると、俺が最初の親になった。
席順は俺→理科→幸村→マリアだ。

すると黙って見ていた夜空が、

「なぁ、普通にやるのもつまらないし、せっかくだから何かを賭けたらどうだ?」

「賭ける? お金ですか?」

「そんな事をしたら幸村のクラスのバカと同じ末路をたどるだろうが」

夜空が呆れて言う。
俺なんかは停学は既に一度受けているわけで、もう一回なんていうのは勘弁してほしい。

「じゃあこうしよう。半荘やって、ビリはトップの言うことを何でも一つ聞くことにする」

「……お前そういうの好きだよな」

「う、うるさいな」

「まぁでも面白そうですね。みなさんはどうです?」

「わたくしはあにきのご命令であればいつでも聞くしょぞんですが……」

「い、いや幸村、俺はお前に命令なんてしないって……」

「さようですか……それではわたくしはもうあにきにとって不要なそんざい…………」

「だああああ、そうじゃないって!! 必要!! メッチャ必要!!」

「ワタシはもちろんいいぞー、負けるわけないしな! ワタシが一位になってお前達にはうんこ食わせてやるのだ!!」

なんかマリアがとんでもないことを言っているが、とにかくそういう事で話が決まった。
こうなってくると、やはり怖いのは理科とマリアだ。
マリアは純粋無垢な子供の心で凶悪なお願いを容赦なくぶつけてくるだろうし、理科にいたっては言うまでもない。

とにかく、ビリだけは避けなくてはいけない。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 22:58:36.36 ID:cG88bZ7Ho<>


東一局

小鷹(親) 25000
理科    25000
幸村    25000
マリア    25000



勝敗が>>66-69の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/28(火) 00:00:00.(00)←ここ

小鷹>>66
理科>>67
幸村>>68
マリア>>69 (名前補正“高山”:コンマ以下の数値+10)  

コンマ以下の数値が最も高い人が和了
最高値の人の数値が偶数ならツモ上がり、奇数なら最低値の人が放銃


最高値と最低値の差で点数が変化
90以上→役満
80〜89→三倍満
70〜79→倍満
60〜69→跳満
50〜59→満貫
40〜49→3900
30〜39→2000
1〜29→1000
  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)<>sage<>2012/08/28(火) 22:59:19.07 ID:0YwrfNLAO<> あ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/28(火) 23:00:24.30 ID:6wh7MVd4o<> 咲スレみたいになったwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 23:02:13.54 ID:oX/rJGo2o<> ほう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 23:05:01.43 ID:3gYImxnpo<> せ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 23:06:08.18 ID:3gYImxnpo<> 幸村か、順当だな <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 23:33:30.53 ID:cG88bZ7Ho<>
「おおお!! また同じやつ三つ揃ったげあはははは!!」

「マリア、お前は何を大暴露してるんだ」

「……はっ!!! ち、違うぞ!!! 今のはウソだからな!!!」

「もう夜空先輩、せっかくのカモが……」

「カモって……お前麻雀やってる趣旨忘れてるだろ……」

俺達はそんな事をだべりながら、ゲームを進める。
マリアは凄く分かりやすく、いい牌を引くと必ず表情に出る。
逆に分からないのは幸村だ。素でここまでポーカーフェイスな人間も珍しいだろう。

そして。

「リーチです」

幸村が点棒を場に出す。
場に緊張感が広がる。

「げげっ、幸村やるなー!! ワタシはもう全力で下りるぞ!!」

「マリア、そういう事も口に出すな」

「むぅ……やっぱり一発は怖いですね」

理科は溜息をつくと現物牌から処理する。
マリアもそれに続く。

俺は悩む。
今ツモった牌で俺もテンパイだ。
親なので、ここは攻めたいところである。

「……どうだ!」

危険牌を切った。
幸村はそれをジーっと見る。
冷や汗が頬を伝うのを感じる……。

結局、幸村は何事もなく新たに山から牌を取る。
ダメだ……幸村が相手だと心臓に悪い。

「ツモです」

「って結局和了んのかよ!!」

思わず全力で突っ込む俺。

「立直・一発・ツモ……1000-2000です」

「な、3900点じゃないのか!? それだと4000点じゃないか!!」

「それだと上手く割れませんからね……こういうものなんですよ」

そんなわけで、最初に和了ったのは幸村だった。
まぁ、俺としては幸村が一位でも一向に構わない。
とにかく、理科とマリアを一位にさせなければいい。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/28(火) 23:39:41.62 ID:cG88bZ7Ho<>

東二局


小鷹    23000
理科(親) 24000
幸村    29000
マリア    24000



勝敗が>>73-76の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/28(火) 00:00:00.(00)←ここ

小鷹>>73
理科>>74
幸村>>75
マリア>>76 (名前補正“高山”:コンマ以下の数値+10)  

コンマ以下の数値が最も高い人が和了
最高値の人の数値が偶数ならツモ上がり、奇数なら最低値の人が放銃


最高値と最低値の差で点数が変化
95〜99→ダブル役満
90〜94→役満
80〜89→三倍満
70〜79→倍満
60〜69→跳満
50〜59→満貫
40〜49→3900
30〜39→2000
1〜29→1000 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 23:40:02.23 ID:oqsFxxcT0<> ほい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 23:40:23.89 ID:x9ylzZDJ0<> g
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)<>sage<>2012/08/28(火) 23:40:32.53 ID:OM5hOEXAO<> さっさと飛ばしちまえ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/28(火) 23:40:38.33 ID:n+D1qObs0<> ksk <> 2<>a<>2012/08/28(火) 23:40:41.49 ID:sFV/Ipsd0<> はい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)<>sage<>2012/08/28(火) 23:40:49.54 ID:0YwrfNLAO<> お <> 2<>a<>2012/08/28(火) 23:40:51.86 ID:sFV/Ipsd0<> はい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2012/08/28(火) 23:40:56.89 ID:7mwGjXudo<> きたぜ、ぬるりと <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/28(火) 23:41:28.40 ID:oqsFxxcT0<> 小鷹やっちまったな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/28(火) 23:43:25.46 ID:S7hr2DQTo<> 小鷹やばいぞw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/28(火) 23:50:29.79 ID:x9ylzZDJ0<> 親ッパネ振り込むとか…
<>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 00:07:59.66 ID:62oTKlYuo<>
「先輩先輩、もし理科が一位になって先輩がビリだったらどんなお願いすると思います?」

「考えたくもねえよ……」

もうこの時点からハァハァしているのを見る限り、絶対ろくな事ではない。
マリアなんかは純粋に麻雀を楽しんでいるようだが、正直俺は心臓バックバクだった。
点差は小さいとはいえ、なんだかんだ今は俺がビリなわけだし……。

「もう先輩のいけずぅ。幸村くんは先輩にどんな事してほしいとかってあるんですか?」

「そのような恐れ多きこと、わたくしにはかんがえられません」

「あ、それならもし幸村くんがトップになったら理科がお願いを考えてあげますよ!!」

「それはダメだからな」

「ワタシはなワタシはな、小鷹にはうんこ食ってもらうぞ!!」

「おいマリア冗談だよな!?」

「あれ、先輩はスカトロ好きではないんですね」

「当たり前だろ!!!!!」

俺は大声で反論する。
誤解がないように言っておくが、俺はあくまでノーマルだ。

夜空は溜息をついて、

「言っておくが、いくらお願いといっても犯罪はナシだぞ」

「分かってますって、ギリギリのところにしますから!」

「ギリギリもやめろよ!!」

「えー、それじゃつまらないじゃないですかぁ…………あ、先輩それロンです」

「はぁ!?」

あまりに唐突に言われてビクッと肩を震わせる俺。
こいつダマってやがった……。

俺が口をパクパクさせていると、理科がニヤァ……と恐ろしく黒い笑みを浮かべる。

「タンピン・三色・ドラ1・赤1。親ッパネ18000です」

「なっ……!!!!!」

愕然とする。
悪魔だ。こいつは紛れもなく悪魔だ。

「あにき……」

「あははは、小鷹このままだと飛んじゃうぞ!!」

「理科……恐るべしだな」

他の三人はそんな事を言っているが、俺にはどこか凄く遠くに聞こえていた。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 00:14:05.30 ID:62oTKlYuo<>

東二局(一本場)


小鷹     5000
理科(親) 42000
幸村    29000
マリア    24000



勝敗が>>86-89の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

小鷹>>86
理科>>87
幸村>>88
マリア>>89 (名前補正“高山”:コンマ以下の数値+10)  

コンマ以下の数値が最も高い人が和了
最高値の人の数値が偶数ならツモ上がり、奇数なら最低値の人が放銃


最高値と最低値の差で点数が変化
95〜99→ダブル役満
90〜94→役満
80〜89→三倍満
70〜79→倍満
60〜69→跳満
50〜59→満貫
40〜49→3900
30〜39→2000
1〜29→1000 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 00:15:59.10 ID:7gtFPifB0<> ほい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/29(水) 00:16:20.40 ID:6NuWxdmwo<> ほい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 00:16:25.32 ID:QJST9n/40<> j <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2012/08/29(水) 00:16:54.13 ID:kf16LDkfo<> ざわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<>sage<>2012/08/29(水) 00:18:50.45 ID:ulKHOqtH0<> ギリ残ったか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 00:22:28.70 ID:XHgzR0kHo<> 理科つええええ <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 00:36:38.29 ID:62oTKlYuo<>
「…………」

「せんぱーい、どうしたんですか無言で」

「…………」

「こ、小鷹が怖いのだ……」

「さすがあにき、すべてのものを震え上がらせるがんこうです」

「小鷹……お前さっきここで麻雀をやっている趣旨がどうのこうのとかって言ってなかったか?」

「まぁ気持ちは分かりますよ……あ、それポンです」

何を言われても気にしない。
このままだと理科→俺という最悪すぎる罰ゲームが決定してしまうのだ。
俺は最大限に集中して挑む。

しかし…………。

「ツモです」

「いっ!?」

理科の声に戦慄する。
まさか……終わってしまったのか…………?

「白・ドラ1。1100オールです」

「の、残ったか……」

俺は大きく息を吐く。
一瞬、花畑が見えた気がした。

「ふっふっふ、次で仕留めますよ先輩」

「く、くそ……」

「えー、ワタシはまだ和了ってないんだからまだ飛ばないでほしいぞ小鷹」

「俺だって好きでこうなってるわけじゃねえよ!」 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 00:39:26.66 ID:62oTKlYuo<>

東二局(二本場)


小鷹     3900
理科(親) 45500
幸村    27900
マリア    22900



勝敗が>>94-97の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

小鷹>>94
理科>>95
幸村>>96
マリア>>97 (名前補正“高山”:コンマ以下の数値+10)  

コンマ以下の数値が最も高い人が和了
最高値の人の数値が偶数ならツモ上がり、奇数なら最低値の人が放銃


最高値と最低値の差で点数が変化
95〜99→ダブル役満
90〜94→役満
80〜89→三倍満
70〜79→倍満
60〜69→跳満
50〜59→満貫
40〜49→3900
30〜39→2000
1〜29→1000 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 00:39:41.90 ID:7gtFPifB0<> おら <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 00:40:11.36 ID:QJST9n/40<> k
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)<>sage<>2012/08/29(水) 00:40:19.40 ID:ulKHOqtH0<> 1 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 00:42:16.10 ID:8IcieSHy0<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 00:42:31.74 ID:LPWl24LWo<> そおい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 00:43:45.07 ID:7gtFPifB0<> 小鷹勝負強いなwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 00:45:42.98 ID:vGGwAeWSO<> ここでくるか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<>sage<>2012/08/29(水) 00:50:57.22 ID:ulKHOqtH0<> 小鷹の顔が濃くなるな・・・ <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 00:58:04.79 ID:62oTKlYuo<>
「リーチだ!!!!!」

俺はバシッと点棒を出した。

「先輩、大丈夫ですか? 今の先輩には1000点棒も大切でしょう?」

「人生には攻めなきゃいけない時もあるんだよ!!」

「そんな大袈裟な……」

夜空が呆れた目で見てくるが、こっちは必死だ。
そもそも、夜空の提案した罰ゲームが原因なのに、本人がこうも余裕だと何となくやりきれない気持ちになる。

「さすがはあにき。人生つねにとっこうとはやんきーの鑑です」

「だからヤンキーじゃねえからな俺……」

「むぅぅぅ、ワタシも早く和了りたいのだ!!」

みんな一発を恐れて現物を捨てていく。
そして俺の番。
ドクンドクンという心臓の鼓動を感じながら、微かに震える手で山へと手を伸ばす。

「きたあああああああ!! ツモだ!!!!!」

俺はおそらくここ数年で一番の声をあげて、牌を卓に叩きつける。

「立直・一発・ツモ・三暗刻・ドラ3!!! 4200-8200だ!!!!!」

「なん……だと……」

理科の顔が驚愕に歪む。
おそらく、ほぼ完全に勝利を確信していたのだろう。

だが、俺もそんなに甘くない。
今まで逆境なんていうのはいくらでも味わってきた。
この髪のせいで不良にはよく絡まれたし。

「ほう、しぶといな小鷹」

「さすがはあにきです」

「うわー!! これでワタシだけ和了ってないじゃないか!!!!!」

もう今は周りの声なんて聞こえない。
ここまで本気でガッツポーズをしたことはないかもしれない。
そもそも、今までの人生でガッツポーズをするような事はほとんどなかったし。

……自分で思って悲しくなってきたが、とにかく危機は脱出できたのでこれでいい。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2012/08/29(水) 00:58:20.40 ID:mBsTQa/S0<> これが主人公補正って奴か… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/29(水) 00:59:09.38 ID:euT1u+nbo<> さすが主人公補正
<>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 01:04:25.54 ID:62oTKlYuo<>

東三局


小鷹    20500
理科    37300
幸村(親) 23700
マリア   18700



勝敗が>>106-109の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

小鷹>>106
理科>>107
幸村>>108
マリア>>109 (名前補正“高山”:コンマ以下の数値+10)  

コンマ以下の数値が最も高い人が和了
最高値の人の数値が偶数ならツモ上がり、奇数なら最低値の人が放銃


最高値と最低値の差で点数が変化
95〜99→ダブル役満
90〜94→役満
80〜89→三倍満
70〜79→倍満
60〜69→跳満
50〜59→満貫
40〜49→3900
30〜39→2000
1〜29→1000 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 01:04:51.72 ID:7gtFPifB0<> おら <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 01:05:15.29 ID:QJST9n/40<> s
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 01:05:42.94 ID:eCq9BwyIO<> ほい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 01:06:07.87 ID:CTU/IWA+o<> てい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 01:06:19.78 ID:8IcieSHy0<> 小鷹に死を <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 01:07:02.03 ID:7gtFPifB0<> マリアが跳ねたか… <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 01:24:16.48 ID:62oTKlYuo<>
「カンなのだ!!」

「なんかマリア、カン多くないか?」

「ふふ、まだまだですねマリアさん。むやみにカンしていると大変な事になりますよ。
 通しやすい牌も分かりやすくなりますし」

「バカだなー。ドラが増えれば最強なのだ!!」

「一つ言っておくがなマリア。ドラが増えて得するのはお前だけじゃない」

夜空は溜息をつきながら言う。
確かにドラが増えれば弱い手もいきなり強い手になったりするが、それは全員に言える。
しかもマリア以外はみんな門前状態なので、リーチをかければ裏が乗る可能性も上がる。

だが、マリアがドラをめくった瞬間……。

「「えっ!?」」

今カンしたばかりの牌がドラになった。
そして――――。

「おっ、理科その白ロンだ!!」

「げっ……」

理科が放銃した。
白は既に一枚出ていたので、大丈夫だと思ったのだろう。

「白・対々和・ドラ4!! 12000なのだ!!」

「……これで再びあにきがびりに…………」

「あっ、マジだ!!!」

幸村のボソッとした指摘に俺は焦り始める。
しかしまぁ、全体的に差は縮んできているのでまだまだ分からないはずだ。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 01:27:14.02 ID:62oTKlYuo<>

東四局


小鷹    20500
理科    25300
幸村    23700
マリア(親) 30700



勝敗が>>114-117の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

小鷹>>114
理科>>115
幸村>>116
マリア>>117 (名前補正“高山”:コンマ以下の数値+10)  


コンマ以下の数値が最も高い人が和了
最高値の人の数値が偶数ならツモ上がり、奇数なら最低値の人が放銃


最高値と最低値の差で点数が変化
95〜99→ダブル役満
90〜94→役満
80〜89→三倍満
70〜79→倍満
60〜69→跳満
50〜59→満貫
40〜49→3900
30〜39→2000
1〜29→1000 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 01:27:28.50 ID:7gtFPifB0<> ほれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 01:27:49.06 ID:QJST9n/40<> y <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)<>sage<>2012/08/29(水) 01:28:22.60 ID:pK1aLHiAO<> おう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2012/08/29(水) 01:29:25.42 ID:ogv7Ya83o<> よ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2012/08/29(水) 01:34:59.01 ID:mBsTQa/S0<> この幸村はたぶん潜在意識下で小鷹が嫌いwwwwww <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 01:48:55.44 ID:62oTKlYuo<>
「ふははははは、ワタシが親だ!! 跪けオマエら!!」

「言っておくがマリア、親っていうのは子がツモった時に多く払うんだぞ?」

「あ、そうだった!! 親なんてうんこだな!!!」

夜空とマリアがそんな事を話しているのを聞きながら、俺はじっくり考えながら牌を捨てていく。
もう親ッパネ直撃なんていう事にはなりたくない。

そして理科もマリアを警戒しているらしく、

「まったくカンした牌全部ドラとかどうなってんですか……」

「理科どの、すぎたことを悔いているのはよくありません」

「分かってますけどー……」

理科は理科でトップをマリアに奪われたのが悔しいらしく、まだぼやいている。
俺としては理科が一位というのは勘弁してほしいが、だからといってマリアがいいというわけではないのでどっちにしろダメだ。
できれば俺が一位になって穏便に済ませたいところだが、それにはもう少し点が欲しい。

すると幸村が、

「リーチです」

「またリーチですか幸村くん。ダマテンはしないんですね」

「かくれて敵をむかえうつなどもののふとしてあるまじきこと」

「そうだぞ理科、お前も見習え」

「いえ別に理科はもののふになりたいわけではないので……インドア派ですし」

「まぁリーチすれば点数上がるからな! ワタシもリーチできるならするぞ!!」

「そうかそうか……間違っても理科のようになっちゃだめだぞ?」

「先輩、まだあの親ッパネの事根に持ってますよね……」

理科はジト目でそんな事を言っている。
当たり前だ、あのせいで俺は一度生死の境目を彷徨った。

そうやって俺があの時の恐怖を思い出していると、

「ツモです。メンタンピン・ツモ・赤1。2000-4000」

「おぉ、綺麗な形だな」

「ありがとうございます、あにき」

嬉しそうに微笑む幸村に、思わずドキッとする。
このままいくと幸村が俺にお願いをすることになるが、それなら全然いい。
できることならこのまま幸村が勝ってほしいところだ。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 01:51:51.98 ID:62oTKlYuo<>

南一局


小鷹(親) 18500
理科    23300
幸村    31700
マリア    26700



勝敗が>>121-124の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

小鷹>>121
理科>>122
幸村>>123
マリア>>124 (名前補正“高山”:コンマ以下の数値+10)  


コンマ以下の数値が最も高い人が和了
最高値の人の数値が偶数ならツモ上がり、奇数なら最低値の人が放銃


最高値と最低値の差で点数が変化
95〜99→ダブル役満
90〜94→役満
80〜89→三倍満
70〜79→倍満
60〜69→跳満
50〜59→満貫
40〜49→3900
30〜39→2000
1〜29→1000 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/08/29(水) 01:52:44.82 ID:HD5PymBno<> 半荘結構長いな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)<>sage<>2012/08/29(水) 01:53:44.56 ID:pK1aLHiAO<> どうや <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 01:54:01.18 ID:eCq9BwyIO<> あ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 01:54:03.57 ID:7gtFPifB0<> d <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 01:54:18.26 ID:QJST9n/40<> f
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 01:54:24.45 ID:8IcieSHy0<> 小鷹をビリにしたらあかん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 01:55:07.12 ID:RWZo3q56o<> 理科がれんちゃんしてたからな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 01:55:33.51 ID:7gtFPifB0<> 小鷹の親ッパネか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 01:57:28.13 ID:RWZo3q56o<> やはり主人公か…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/08/29(水) 02:00:51.11 ID:HD5PymBno<> 絶対勝つんだ
理科が <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 02:21:42.92 ID:62oTKlYuo<>
東場が終わり南場に変わる。
一時期は俺が飛ぶ寸前になったが、とりあえずここまでこれた。

「あと一周かー! 幸村が一位だけど、ワタシもすぐに追いつけるぞ!」

「すみません……あにきよりも上にいるなどしゃてい失格です…………」

「いやいやいや、別にいいから」

「というか小鷹先輩はビリですし」

「うっせえな、これから逆転するんだよ!」

「明日から本気だす!! みたいな感じですか?」

「ちげえ!!」

俺は理科の失礼な言葉に反論しつつ、手を進める。
……これ結構大きい手じゃね?

「…………」

「先輩、大きい手で待ってますね?」

「うぐっ……な、何でだよ!?」

「表情がオレオレ詐欺でお年寄りを騙した後の犯人に似ています」

「そんな顔をしてたの俺!? つかそもそも何でそんな顔知ってんだお前は!!」

やはり理科は油断ならない。
科学者というのは他人に興味ないという勝手な偏見を持っていたが、それは捨てたほうが良さそうだ。
理科の場合、下手な心理学者よりもよっぽど鋭い感じがする。

俺は一枚ひいて、

「リーチ!」

「ツモ切りリーチですか。理科に言われてバレたので開き直ってリーチかけましたね」

「う、うるせえな!!」

「むぅ、小鷹は親なので振り込んだら大変なのだ!」

「わたくしはあにきになら喜んでふりこみます」

「おい待て幸村、それでは麻雀にならないだろう」

夜空の言葉に、幸村は複雑な表情を浮かべる。
俺はそんな幸村に笑いかけ、

「こういう時は舎弟とかはなしだ。な?」

「……分かりましたあにき」

幸村はそう言うと現物を切った。
それから何巡か回って……。

「よし、ツモ!! 立直・ツモ・純チャン・三色。親ッパネ6000オールだ!!」

「うぐ……やりますね先輩……。まぁ、先輩にお願いされるなら理科も本望です!!」

「それはわたくしもどういいたします」

「えええ、オマエ達変わってるなー。ワタシは誰かの言うこと聞くなんて嫌だぞ!! ババアにもアレしろコレしろいつもうるさく言われてるしな!!」

幸村はともかく、理科は不純な動機にしか聞こえない。
勝っても負けても喜べるなんてかなり得な性格だ。全く羨ましくはないが。

とはいえ結局はマリアのような反応が一番一般的なんだろう。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 02:24:38.04 ID:62oTKlYuo<>

南一局(一本場)


小鷹(親) 36500
理科    17300
幸村    25700
マリア    20700



勝敗が>>133-136の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

小鷹>>133
理科>>134
幸村>>135
マリア>>136 (名前補正“高山”:コンマ以下の数値+10)  


コンマ以下の数値が最も高い人が和了
最高値の人の数値が偶数ならツモ上がり、奇数なら最低値の人が放銃


最高値と最低値の差で点数が変化
95〜99→ダブル役満
90〜94→役満
80〜89→三倍満
70〜79→倍満
60〜69→跳満
50〜59→満貫
40〜49→3900
30〜39→2000
1〜29→1000 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)<>sage<>2012/08/29(水) 02:25:32.56 ID:pK1aLHiAO<> ほ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 02:25:34.66 ID:7gtFPifB0<> おら <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 02:26:29.86 ID:bWXKAazwo<> そおい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 02:26:55.68 ID:QJST9n/40<> j
<>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 02:37:57.58 ID:62oTKlYuo<>
「まったく、結局先輩が一位ですか。一時は飛ぶ寸前までいってたのに」

「ほら、一度死にかけるとパワーアップするとか聞くじゃねえか」

「どこのサイヤ人ですか」

とりあえず、ここで連荘して稼いでおきたいところだ。
今は一位とはいえ、またいつ落ちるか分かったものではない。
現に、独走かと思われた理科が今ではビリなんだ。

……ていうか、このままいくと俺が理科に何かお願いしなくちゃいけないのか。
それはそれで嫌だなぁ……。

「先輩、今なんか酷いこと思いませんでした?」

「お前ひょっとしてエスパーとか使える?」

「いえ使えませんけど、今のセリフで認めましたよね?」

理科がジト目で見てくるがスルー。
あまりペースに乗せられるとまたダマでやられるかもしれない。

俺達がそんな駆け引きをしていると、

「リーチです」

三度目の幸村のリーチ。
やはりダマで待つという事は考えていないらしい。

そして。

「ツモです。立直・一発。500-1000」

「ほっ……」

ツモという言葉を聞いた瞬間ドキッとしたが、弱い手だったので安心する。
連荘できないのは残念だが、こうして早く流してくれるのもいいだろう。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 02:45:27.80 ID:62oTKlYuo<>
「あれ、そういえば一本場だから600-1100じゃね?」

「あっ……はい、あにき。ありがとうございます忘れていました」

幸村は深々と頭を下げた。
そんな300点で大袈裟な……。



***



南二局


小鷹    35400
理科(親) 16700
幸村    28000
マリア    20100



勝敗が>>139-142の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

小鷹>>139
理科>>140
幸村>>141
マリア>>142 (名前補正“高山”:コンマ以下の数値+10)  


コンマ以下の数値が最も高い人が和了
最高値の人の数値が偶数ならツモ上がり、奇数なら最低値の人が放銃


最高値と最低値の差で点数が変化
95〜99→ダブル役満
90〜94→役満
80〜89→三倍満
70〜79→倍満
60〜69→跳満
50〜59→満貫
40〜49→3900
30〜39→2000
1〜29→1000 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)<>sage<>2012/08/29(水) 02:46:01.88 ID:pK1aLHiAO<> てい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 02:47:27.94 ID:mgIXXh8Io<> うりゃ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 02:47:34.85 ID:eCq9BwyIO<> 縺励g <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/08/29(水) 02:47:58.91 ID:4+ycU0Ih0<> 1000、2000なんだよ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 02:50:40.45 ID:QJST9n/40<> 軒並み高ぇ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 02:50:56.71 ID:mgIXXh8Io<> 全体的に高いな <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 02:53:08.03 ID:62oTKlYuo<> さすがに眠いからここまでー
ここら辺は咲スレを参考にしてたり <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/08/29(水) 02:55:39.36 ID:HD5PymBno<> おつ
理科の勝利を祈ってます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 03:07:06.00 ID:zIVfK+G5o<> おつ

もしかしてマリアの名前補正って「高山」で嶺上開花が出やすいってことか?
それで言うと夜空は海底撈月だな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 03:39:39.33 ID:7+jVYsdgo<> 普通に手が高いだけだろ
<>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 10:22:26.39 ID:62oTKlYuo<>
「えっと、一つずつ一つずつ……っと」

「理科……何やってんだ?」

「まだまだ初心者なので。こうやって見やすいように並べないと分からなくなっちゃうんですよ。てへっ☆」

「あのな、そんなことしてたら色々とバレる……え!?」

待て待て待て。
今理科は牌を一つずつ別々にしている。
こんな形でできる役といったら…………。

いやいやいやいや!!
役満が簡単に出るはずがない。
これはおそらく俺を動揺させる理科の作戦だ。

「そ、そんな事したって俺は何とも思わないぜ……」

「ふふふ、それならそれでいいですよ」

「くっ……」

ハッタリだ。ハッタリに決まってる。
しかし理科の河を見てみると、確かに真ん中あたりの牌がいくつも捨てられている。
普通の手ではない。

「……うぅぅうぅ!!」

「悩んでいますね先輩?」

「ちょ、ちょっと黙ってろ!」

俺は良く考える。
もう理科にでかいのを振り込むなんてまっぴらごめんだ。
しかしヤオ九牌をためると俺は和了れなくなるし、他の人に放銃してしまう危険もある。

俺達がそうやって頭を抱えていると、

「おっ、幸村ロンなのだ!!」

「さようですか……」

「えっ!!」

「ほっ……」

理科の顔が引きつる。
その様子だと結構いい手を待っていたらしく、俺は安堵の溜息をついた。

「喰いタンで1000点なのだ!」

「ぐぅぅおおぉぉお…………そんな手で理科の純チャン三色一盃口が…………!!」

「やっぱ国士じゃねえじゃねえか!!!!!」

ダメだ。
やっぱり理科は油断ならない。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 10:25:44.51 ID:62oTKlYuo<>

***



南三局


小鷹    35400
理科    16700
幸村(親) 27000
マリア    21100



勝敗が>>151-154の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

小鷹>>151
理科>>152
幸村>>153
マリア>>154 (名前補正“高山”:コンマ以下の数値+10)  


コンマ以下の数値が最も高い人が和了
最高値の人の数値が偶数ならツモ上がり、奇数なら最低値の人が放銃


最高値と最低値の差で点数が変化
95〜99→ダブル役満
90〜94→役満
80〜89→三倍満
70〜79→倍満
60〜69→跳満
50〜59→満貫
40〜49→3900
30〜39→2000
1〜29→1000 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 10:27:15.24 ID:T0iFOX2P0<> 48 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2012/08/29(水) 10:27:34.98 ID:Kpd1EJpIo<> そりゃ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 10:28:30.14 ID:eCq9BwyIO<> ちょ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2012/08/29(水) 10:32:03.18 ID:yhxJCxjAO<> 高山ぁ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 10:34:58.11 ID:8IcieSHy0<> ダブル役満!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 10:51:57.96 ID:9D0bk7cIO<> 理科の時代キター <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 11:07:48.58 ID:zIVfK+G5o<> 最高値と最低値の差だから三倍満だろ?
どっちにしろこれで一位はほぼ理科だけどw <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 11:37:31.06 ID:62oTKlYuo<>
「まったく、理科はホント理科だよな」

「なんかすっごく酷いこと言われてる気がします」

「でもこのままだと小鷹が理科にお願いだな!」

「あにきにめいれいされる……理科どのがうらやましい限りです」

「先輩……理科はどんなお願いでも受け入れますよ!! 一生先輩の肉奴隷になることでも構いません!!」

「貴様の頭の中はそれしかないのか変態め……」

「肉奴隷ってなんだ?」

「マリアはまだ知らなくていい……ていうか一生知らなくていい……」

負けているにも関わらずなぜかハイテンションの理科に、こっちはトップなのに疲労が溜まっていく。
もう南三局。そろそろ終わりが見えているので例の罰ゲームの話も多くなってくる。
俺は何だかんだトップなので、焦ったりせずに普通に打てている。
これがビリとかだったらおそらく俺は口も聞けなくなっていた気がする。

「まぁでも、理科もこのまま負ける気はありませんよ。逆転手は持っています!」

「そうですか」

「あ、信用してませんね先輩?」

「当たり前だ。さっきも国士とかって騙しやがって……」

「あれ、理科はそんな事一言も言っていませんよー?」

「ぐっ……」

理科がニヤニヤとする。
俺が勝手に予想したというのは確かなので、何も言うことができない。

「でも理科はリーチかけないからな! 和了ってもうんこみたいな手なのだ!」

「さっき白のみで理科の親ッパネ潰しておいてよく言いますね…………と言ってる間にツモです」

「またダマテンしてたのかよ……」

「てへっ☆」

可愛い子がするテヘペロは許せると聞くが、理科に限っては例外に当たるらしい。
理科は自分の牌を片手で端から一つずつタタタタタ…………となめらかに倒していく。蛍返しというやつだ。
無駄に上手くて正直ちょっとカッコイイが、雀荘ではマナー違反らしい。

本当に逆転手なのか? と見てみると――――。

「メンチン・ツモ・三暗刻・ドラ2。6000-12000です」

「うっそぉ!!?」

次でオーラス。
ここにきて、一番最悪な人物がトップに踊り出た。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 11:41:11.32 ID:62oTKlYuo<>

南四局


小鷹    29400
理科    40700
幸村    15000
マリア(親) 15100



勝敗が>>160-163の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

小鷹>>160
理科>>161
幸村>>162
マリア>>163 (名前補正“高山”:コンマ以下の数値+10)  


コンマ以下の数値が最も高い人が和了
最高値の人の数値が偶数ならツモ上がり、奇数なら最低値の人が放銃


最高値と最低値の差で点数が変化
95〜99→ダブル役満
90〜94→役満
80〜89→三倍満
70〜79→倍満
60〜69→跳満
50〜59→満貫
40〜49→3900
30〜39→2000
1〜29→1000 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 11:43:11.95 ID:kFU58Ze20<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)<>sage<>2012/08/29(水) 11:44:24.78 ID:+yvX4+rc0<> すまない、君には犠牲になってもらう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県)<>sage<>2012/08/29(水) 11:48:54.04 ID:I2LsF90Co<> よし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2012/08/29(水) 11:49:04.51 ID:ZvxpXfoq0<> ほもぉ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 11:55:43.39 ID:NnWkT1QBo<> 主人公補正最強すぎる…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 12:11:22.46 ID:vMWCHtT20<> これが主人公力か・・・
最新刊で覚醒しただけはある <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/08/29(水) 12:35:10.88 ID:HD5PymBno<> 役満…だと…
最後は理科がやられてほしかった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(滋賀県)<>sage saga<>2012/08/29(水) 12:40:53.45 ID:+yvX4+rc0<> 理科がやられてほしかった!?(意味深) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<>sage<>2012/08/29(水) 12:46:47.73 ID:XlaMkMP8o<> さすが主人公ですねぇ <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 14:15:15.55 ID:62oTKlYuo<>
「先輩、最後の最後に変わった手で待ってそうですね」

「……まぁこの河見ればそう思うよな」

「あー、赤牌2枚も切っとるげ、もったいね――!!」

「あにきは赤牌などといったささいなものにしゅうちゃくなさらないのです」

「い、いや、そういうわけじゃねえけどな……」

「ほう、見せてみろ」

すると夜空が後ろから俺の手牌を覗きこむ。
まさか暴露するつもりじゃないだろうな、と冷や汗をかく。

しかし、夜空は無表情で、

「ふん」

「……え、それだけですか?」

「それだけとは?」

「もっと何かリアクションしてくださいよ。『ほう、中で待っているのか』とか!」

「んな事言ったら俺泣くぞ!!」

「さすがに私でもそこまではしない」

夜空は溜息をつくと先程まで座っていた机と戻る。
理科はじーっと俺を見て、

「ふむ……ここで先輩に振り込んでお願いしてもらうのも悪くありませんが……」

「なんだよそれ……」

「まぁせっかくトップですし、ここは大人しくしておきましょうか」

理科はそう言って現物を切る。
すかさず、

「カン!!」

理科の牌でマリアがカンした。
ドラが一枚増えたが、さすがにまたカンした牌が全部ドラになるなんて事はなかった。
それでもマリアは満足そうだ。

「よし、これで一発逆転を狙うぞ!!」

「でも暗槓ならともかく明槓じゃリーチもかけられないじゃないですか」

「そんなの関係ないのだ! カンしまくってればその内ドラ乗るし、上手くいけば四槓子だ!!」

正直俺としてはドラが増えても意味が無い。そういう手牌だからだ。
そしてどうやら理科はおりてるみたいだし、危険なのは……。

「…………」

「あれ、どうしました幸村くん?」

「いえ、少し……」

珍しく幸村の手が止まった。
こんな事はほとんどなく、ただ淡々と切っているばかりだっただけに良く目立つ。

幸村は困ったような表情をして悩んでいたが、意を決した様子で、

「おとこには、しょうぶにいかなければいけないときもあります……リーチです」

タン、と。
一索を捨てた。

そして、その牌は――――。
  <> 点数のミス見っけたからちょっと修正 
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 14:19:35.29 ID:62oTKlYuo<>

「幸村、ロンだ」


俺が心の底から待っていた当たり牌だった。
しかも、俺の手牌は……。


「国士無双。32000」


俺が牌をひらくと、一瞬部屋が静まり返った。
そして一気に波が押し寄せてくるかのように、理科とマリアがあんぐりと口を開けて騒ぎ始めた。
さすがに十三面待ちなんてものではなかったが、役満は役満だ。

「ぶはっ……最後に役満!? 先輩、こういう所で運使い果たすと人生ろくな事ありませんよ!!」

「うるせー、すでにろくな事ねえよ!!」

「すげえええええ、役満すげ――――っ!!!」

さすがに役満というだけあって、周りのテンションも凄い。
そんな中、幸村はじーっと自分の捨てた一索を見て、

「……はっ、まさかあにきを捨ててしまうとは……いっしょうのふかく…………」

「え、俺って…………いやいやいや、この鳥は孔雀だからな? 鷹じゃねえって」

初め幸村が何を言っているのか分からなかったが、一索の絵を見て納得する。
確かに鳥だし、古い牌なんかには鳳凰が描かれているというのも聞いたことあるが、鷹は聞いたことない。

すると理科がニヤリと笑って、

「小鷹先輩、ここで理科の豆知識を披露しましょう。
 一索が鳥の絵である理由には、索一本だけの絵だとおちんちんを連想させるといって避けたという話があるんですよ」

「じゃあ32000だから、幸村は飛びか」

「はい、もののふとして潔くちることは本望であります」

「ナチュラルにスルーされた!! 70へぇ〜くらいはいけそうなトリビアだったのに!!」

「なーなー、おちんちんって何なのだ?」

「マリア、黙れ」

そんなこんなで、理科部での麻雀は終わった。
まさか俺が一位になれるとは思わなかったが、たまには上手いように進むこともあるものだ。


*************

小鷹    61400
理科    40500
マリア    15100
幸村    -17000

*************
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 14:22:33.21 ID:62oTKlYuo<>

「それでは罰ゲームの時間だ!」

夜空はやたら楽しそうにそう宣言する。
自分はただ見ていただけなのに、ここまで楽しそうにされると何か敗北感を覚える。

幸村は深々と俺に頭を下げて、

「なんなりとお申し付けください、あにき」

「あ、あぁ……」

「あれ、なんかこれいつも通りじゃないですか?」

そんなもっともな理科の言葉に、理科部全員が同じ事を思っていたらしく、みんな何とも微妙な表情をする。
まぁ、とにかく罰ゲームは罰ゲームだ。
俺は別に幸村に無理に何かをやらせたいというわけでもないが、とりあえずお願いを一つ言っておいたほうがいいだろう。


**************************************


幸村へのお願いが>>172-174の中から、>>174の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

00〜39→>>172
40〜69→>>173
70〜99→>>174 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/08/29(水) 14:25:37.39 ID:QlehliNoo<> 今日一日、「あにき」じゃなくて「小鷹」って呼び捨てで呼んでもらうことにするか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 14:26:25.13 ID:nl3LC0Ke0<> 結婚と子作りと出産を前提に付き合って下さい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 14:33:42.47 ID:gtFk6iMWo<> 一日性格反転 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 14:34:48.81 ID:gtFk6iMWo<> それはねーわ…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>saga<>2012/08/29(水) 14:36:13.75 ID:ZvxpXfoq0<> 今日一日お前が“兄貴”な <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/08/29(水) 14:48:34.61 ID:QlehliNoo<> うへぇ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 14:58:57.25 ID:2g28Pc9Jo<> [ピーーー]
死んで償え <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 15:15:34.99 ID:bWXKAazwo<> ここの小鷹は結婚願望強いな <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 16:24:43.10 ID:62oTKlYuo<>
「んー、どうすっかな……」

幸村の視線を受けながら、俺は頭をひねる。
こういうのは中々思い浮かばないものだ。

すると、それを見ていた理科が、

「ふふふ先輩、そんな悩んでいるふりして、本当は『結婚と子作りと出産を前提に付き合って下さい』とかって考えてるんじゃないですかー?」

「おう……」

「えっ!?」

突然周りがざわざわっとなった。
俺はそれに顔を上げて首を傾げる。

「ど、どうした?」

「え、いや、今先輩、幸村くんに結婚しようって……」

「は!?」

しまった、集中しすぎてて何か変なことを口走ってしまったのかもしれない。
俺は弁解のために、慌てて幸村の方を向くが、

「……あにき、ふつつかものですがよろしくおねがいいたします」

幸村はほんのりと頬を染めて、頭を下げた。
いやいやいや、何本気にしてんだこいつも!?

「おぉ、小鷹と幸村は結婚するのか!? 大人だなー!!」

「ほう、小鷹にしては思い切ったな。いいんじゃないか?」

夜空とマリアまで悪ノリしてきた。いや、マリアは純粋に言っているのだと思うけど。

しかし、ここで何か違和感を覚える。
具体的には夜空の言葉に。ただからかってきているだけで、そこまでおかしな事は言っていないはずなのだが……。

すると、理科が驚いたように、

「よ、夜空先輩? 理科が原因なのでこう言うのはなんですが、そこは『破廉恥だ!!』とかって言って怒る場面では……?」

「ん、そうか? 私は割と本気でありだと思っているぞ。小鷹と幸村はお似合いだしな」

理科の言葉で違和感に気づいた。
夜空は以前までこういった話題が出ると顔を赤くして怒っていたはずだ。
しかし、今はこれだけの余裕がある。夜空は、ニヤリと悪そうな笑みを浮べている。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 16:25:25.25 ID:62oTKlYuo<>
「小鷹先輩、やっぱり夜空先輩がおかしいですよ。何があったんですか?」

「それは……」

「んー? でもワタシも小鷹と幸村はお似合いだと思うぞ? どこかおかしいのか?」

「いえ、小鷹先輩と幸村くんがお似合いとかそういう話ではなくてですね……」

「それより幸村、お前は小鷹と結婚したいとは思っていないのか?」

「……夜空のあねご」

幸村が静かな声を出す。
それは決して大きなものではなかったが、ハッキリと理科室全体に響く。

幸村は真っ直ぐな瞳で夜空を見つめ、

「わたくしは、例えしんのおとこから遠ざかる事になったとしても、あにきと一緒に居たいです。
 もしあにきがわたくしと結婚してくださるのであれば、それはわたくしにとってこの上ない幸せです」

「ふふ、そうか」

幸村にしては珍しく、どこか挑戦的な色を見せて夜空に言う。
しかし、夜空の方は心から祝福するかのように、目をつむって小さく微笑む。
その様子はまるで子供の成長を喜ぶ親のようだ。

決して心配するような表情ではないのかもしれない。
だが良く分からないが、その表情を見ていると、その裏に何かが隠れているようにも思える。
とにかく、手放しで本気で俺達を応援している、とは思えなかった。

夜空はなおも満足気に口を開く。

「それならいいじゃないか、両想いなんだしな。まったく、この部活からまさかカップルができるとは……このリア充どもめ」

「ま、待てよ夜空!」


**************************************


次の展開が>>182の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

00〜04→小鷹が幸村と結婚前提に付き合う
05〜79→無難なお願いにする
80〜99→夏休みの間だけ小鷹と幸村が付き合う
  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮城県)<>sage<>2012/08/29(水) 16:27:22.25 ID:XlaMkMP8o<> うおおおおおおおおおおお <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/08/29(水) 16:29:48.23 ID:eFK6R86Do<> (^q^) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 16:37:39.51 ID:ijHFKUHAo<> 夜空フラグ折れてきたなww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 16:48:35.96 ID:c77ViKr/0<> なんかこのままいくと泥沼になりそうだ…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/08/29(水) 16:57:00.89 ID:HD5PymBno<> おい、俺はハーレムを目指してたはずなんだが
早く軌道修正しないと <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 17:03:15.28 ID:gtFk6iMWo<> この世界線はもうだめだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 17:15:17.50 ID:l849R0e2o<> ついに電話レンジを使う時がきたか…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 17:16:32.83 ID:2g28Pc9Jo<> 電話レンジを使うぞ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 17:19:14.42 ID:ijHFKUHAo<> 電話レンジは使わないって小鷹いってるじゃん
>>1が電話レンジ関係の安価やるならいいけど強引にもっていっちゃだめ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 17:20:30.86 ID:W0MWml4p0<> 文は、文化祭に行くな、でいいな?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 17:21:35.89 ID:W0MWml4p0<> >>190
んなもん安価次第だろ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 17:27:06.90 ID:ItMKqapOo<> >>6読む限り、道具レベルが最高値の電話レンジは、使うにしても厳しいコンマ判定がきそうだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 17:30:22.27 ID:ijHFKUHAo<> コンマ00をとれ!みたいな感じになりそう

コンマとる
誰に送るか安価
送る時間を安価できめる
メール内容安価


すごい混沌とした安価になりそうだなwwwwww
<>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 17:32:25.34 ID:62oTKlYuo<>
「幸村、悪い。俺、何お願いしようかって考えてて、変なこと言っちまったかもしんねえ。
 その、だから結婚しようとかとは思ってないからさ……」

「わかっております、あにき」

幸村の穏やかな笑顔に俺はほっとして、

「えーと、じゃあジュースでも買ってきてくれるか? 喉乾いちまった」

「はい、喜んで」

幸村は本当に嬉しそうに出て行こうとする。
しかし、その途中でふと立ち止まって俺の方を見る。

「あにき」

「ん、どうした?」

「先程のあにきのことばが本気のものではなくても、わたくしの言葉にはなにひとつ偽りはありません」

「え……」

幸村はそう言って微笑むと、今度こそ部屋を出て行った。
あの表情とあの言葉に、胸の少し上あたりがむず痒くなった。

夜空はそんな俺の様子を見てニヤリと笑い、

「まったく、付き合ってしまえばいいだろう。じれったい」

「……夜空、お前どうしたんだ?」

俺は真っ直ぐ夜空を見る。
たぶん、今の俺の目付きはかなり酷いものになっているのだろう。
小鳩にもたまにこういう真剣な目付きをすると本気で怖がられたりする。

しかし、今はそんな事を言ってる余裕はない。
ふざけているばかりではなく、時には真面目な話もしなくてはいけない。

マリアでさえこの空気に何かを感じたのか、ただ黙っている。
そして理科も、驚くほど静かに何も口を挟まずにただこちらを見ている。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 17:37:37.97 ID:62oTKlYuo<>
「私がどこかおかしいか? 別にいつも通りだと思うが」

「いや……なんか無理にでも俺と幸村を恋人同士にしようとしてんじゃねえか……。それのどこがいつも通りなんだよ」

「あぁ、その事か。ふふ、いや私も少しは友達のために一肌脱いでやろうと思ってな。
 まぁ恋のキューピッドなんていうのは私のキャラではないというのはよく分かっているが、お前達の様子を見ているとこれは私が後押ししてやらないと――――」

「夜空、俺の目を見ろよ!」

夜空が思ってもないことを言っている事はすぐに分かった。
頑なに俺と目を合わせようともせず、どう考えてもおかしい無理をした笑顔を浮かべていたら、さすがに俺でも気付くことくらいできる。

俺は思わず夜空の肩を掴んで無理矢理にでもこちらを見させようとした。

「ッ!? 離せ!!!」

かなりの強い力で振り払われてしまった。
俺はその予想以上の力に目を見開いて目の前の彼女を見ることしかできない。
後ろではマリアが息を飲むのが聞こえた気がする。

すると、夜空はハッとして、

「あ……わ、悪い。……はは、どうやらお前の言う通り私は少しいつもの調子ではないようだ」

「夜空、お前いったい――」

「あー、ここにきて夏の暑さにやられたかな。……それじゃあ、すまないが私はもう帰って休むことにするよ」

「あ、おい夜空!」

夜空はそう言うと、足早に部屋から出ていってしまった。
理科もマリアもそれを止めることはせず、理科はどこか物憂げな表情で、マリアはキョトンとしてその後ろ姿を見送る。

部屋には俺と理科とマリアの三人だけが残された。

「よ、夜空はどうしちゃったのだ? 夏風邪か? まったく、そうめんばっか食べてたんだな!」

「あはは、それならいいんですけどね…………で、先輩?」

理科はジト目でこちらを見る。
まぁ、そうくるとは予想していたが、いざ目を向けられると思わず半歩後ずさってしまう。

「夜空先輩と何かあったんですよね? お し え て も ら え ま す よ ね ?」

俺は理科の気迫に押されながらも頭を回転させる。
何かあったと言われると、あの文化祭のミスコンの時の事しかないだろう。
しかし、それを正直に言ってしまっていいのか。

あの時、夜空だけではなく幸村まで俺に冷たい目を向けて帰ってしまった。
俺はもうこれ以上友達が離れていくのが怖くて仕方がない。
ここまで友達みんなで楽しく居られる空間は、俺にとって奇跡のようなものだった。
それをこれ以上壊したくない。

どうする…………。


**************************************


小鷹の次の行動が>>197-200の中から、>>200の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>197
25〜49→>>198
50〜74→>>199
75〜99→>>200 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 17:38:51.60 ID:2g28Pc9Jo<> 正直に話して相談する <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/08/29(水) 17:39:59.91 ID:HD5PymBno<> 夜空と本当の意味で仲直りをする手伝いをしてほしいと理科に言い
やっちゃったことを話す <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 17:41:13.41 ID:ijHFKUHAo<> みんなに相談する <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 17:41:20.80 ID:gtFk6iMWo<> 助けて理科えも〜ん! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 17:43:30.59 ID:2g28Pc9Jo<> うわぁ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 17:48:04.49 ID:A43fWpg7o<> 安価そのまんまのノリはやめろよ!? 絶対やめろよ!? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/08/29(水) 17:49:32.21 ID:aHNs5y4Xo<> 小鷹デッドエンドが見えてきたwwwwwwwwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 17:50:24.68 ID:ijHFKUHAo<> 理科部がバラバラになって逆に生徒会フラグたちそう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/08/29(水) 17:50:48.95 ID:aHNs5y4Xo<> 小鷹デッドエンドが見えてきたwwwwwwwwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 18:21:10.97 ID:eWlhlrh5o<> 飛べよおおおおおおおお <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/08/29(水) 18:43:19.70 ID:yqhpSTGCo<> フラグ折られ過ぎて、夜空の性格が原作ばりに捻れたんじゃないかと心配したわwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)<>sage<>2012/08/29(水) 18:43:33.03 ID:uhIvEJcAO<> ただ理科に頼るってだけならともかく、>>200そのままのノリで言ったとしたらいよいよ小鳩ルートしかないな
生徒会ルートでもいいけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 18:59:20.06 ID:gtFk6iMWo<> たえろ

 orz <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 21:32:38.11 ID:wjcvsFr5o<>
……ダメだ、やっぱり怖い。
真正直にあのことを話して、それでこれ以上理科部の関係をギスギスさせてはいけない。

俺は意を決して口を開く。

「助けて理科えも〜ん!」

………………
…………
……

部屋に痛々しい沈黙が広がる。
理科は無表情で、ただじっとこちらを見ている。
俺は、その瞳から目をそらすことができない。

直後、ドカッ!! と後頭部に鈍い衝撃が走った。

「ぐぁ…………っ!!!」

俺は前によろけて後ろを見る。
そこにはどこかで見たピンポン玉くらいの球体が浮かんでいた。

俺はこれを知っている。
以前はよく理科が俺に使っていたが、最近ではあまり見ない道具だ。
名前は確か、ナインライブス・ブレイカー。

俺は理科の方をバッと振り返る。

「すみません先輩、先に謝っておきます。これ使うの久しぶりなんで力加減とかできそうにないです」

「り、理科……?」

理科が俯いて何かをブツブツと言う。
その瞬間、部屋のいたるところから先程と同じ球体が飛び出し、容赦なく俺の体へと襲いかかった。

顔、腹、腕、足……と体中に球体がめり込む。
ベキィィ!! と、骨が嫌な音を上げる。

「がっ……ぁ……………!!」

「先輩、理科がちょっとマジギレしてるってのは分かりますか?」

「り……か……! ごはっ!!!」

必死に言葉を紡ごうとするが、その顎へと球体がぶつかる。
口の中が切れたらしく、血の味が広がる。

すると、マリアが大慌てで、

「な、何してるのだ!! ケンカはよくないぞ!!」

「マリアさん、お願いですから下がっていてもらえますか?」

「ひっ……!」

理科のあまりにも鋭い眼光にマリアの動きが止まる。
それを見て、俺はビキビキときしむ体を無理やり動かして、口を開く。

「やめろ理科!! お前がキレてるのは俺だろ!? マリアは関係ねえだろうが!!」

「よく分かってんじゃないですか!!」

「ごはっ……!! ぐぅふ……!!!」

「先輩らしいですね!! そうやって自分一人で抱え込んで『俺かっけー!』ですか!? 反吐が出るんですよ!!!」

ドガガガガガガ!!と、さらにナインライブスブレイカーが俺の全身に叩き込まれる。
あまりの衝撃に、俺はよろけて後ろへ倒れこんでしまう。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 21:37:06.44 ID:wjcvsFr5o<>
「自分で何でも解決できると思ってんですか!? 頼れよ!! 泣きつけよ!! あなたは漫画やライトノベルの主人公のつもりですか!?」

「が……はっ……!! んなこと……思ってるわけねえよ!! こんな奴が主人公の漫画やライトノベルなんて売れるはずがねえだろ!!
 これを言ったらお前にも軽蔑されるかもしれない。俺は友達が離れていくのが怖くて怖くて仕方ないただの臆病者なんだよ!!」

「なんですかそれ……ッ!!」

さらに数発、球体が体にめり込んだ。
そのうち一つが鳩尾にはいり、一瞬呼吸困難にもおちいる。
クラクラと揺れる視界の中、理科の怒りの表情だけがハッキリとこの目に映っている。

「ぎ……ぅぐ…………!!」

「あなたはそんなくだらない事考えてたんですか!? どこまでバカなんですか!!」

「ぐ……くだらないってなんだよ!! 俺にとってそれだけ友達は大切なんだ!! 何に代えても守りたいんだ!! それのどこがおかしいんだよ!?」

「……あなたは友達をなんだと思ってんですか」

さらに一撃、こめかみに入る。
脳が揺さぶられ、フラリと全身の力が抜けかける。
しかし、俺は全力で足を踏ん張り、確かに床を踏みしめる。

膝がガクガクと笑う。
それでも、倒れるわけにはいかない。
俺は体中の力を振り絞り、声を張り上げる。

「俺が友達を知ってるわけないだろ!! お前だって友達少ねえくせに、知ったような口で上から目線で語ってんじゃねえ!!!」

「…………上から目線で語りますよ。確かに理科だって今まで友達なんて居なかったですけど、それでもこれくらいは知ってます」

「あ……? ごほっ……」


「友達がそんな簡単に離れていくわけがないだろ!!!」


理科の怒声に、一瞬呆然とする。
その隙に球体に右頬を打たれ、俺はパンチをくらったかのようによろける。

「先輩にとって友達ってそんな軽いものなんですか!? そんな思いで理科達の事を友達だって言ったんですか!?」

「……それは…………!!」

「あぁ、確かに僕は友達が少ない……だからこそなんだよ!!」

理科が俺に近づき、胸元を両手で掴む。
俺は、理科の本当の姿を今ここで初めて見た気がする。
今までずっと見えてこなかったものが、目の前にある。

理科は、そのままこちらに顔を近づけ、


「その数少ない友達を放っておけるわけがないだろ!!!!!」


理科の言葉に、俺はただ目を見開く事しかできない。
何も、言い返せない。言い返せるわけがない。
それどころか……涙さえ浮かんでくるかとも思えた。


俺はこんな状況であるにも関わらず、理科のその言葉がどうしようもなく嬉しかったんだ。


直後、これまでで最大の威力のナインライブスブレイカーが全身を打った。
強烈な痛みが稲妻のように走り、容赦なく意識をむしりとっていく。

バタン!! と地面にうつ伏せに倒れるのを感じる。
理科が、何かを言っている気がするが、その声は耳に入っても脳で処理されない。
意識が、暗転していく。
 
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 21:43:08.57 ID:wjcvsFr5o<>


***



目を開けると、そこには暗くなった理科室の天井が映っていた。
この暗さから、時刻は午後7時くらいだろうか。
部屋の中にはもう誰も居ないらしく、ただただ沈黙がこの場を支配している。

まるであの理科とのケンカは夢だったのではないか、そうとさえ思えてきた。
しかし、今だにかすかに残る口の中の血の味が、あれは現実だと突きつけてくる。

俺は何となくやる気が起きず、そのまま少し天井を見ていたが、ブブブブブ!! というケータイのバイブ音に起き上がる。

「……小鳩、か」

考えてみればもう夕飯時。
家では腹をすかせた妹が待っているはずだ。

俺はゆっくりと立ち上がると、体をひねる。
硬い床で寝ていたせいで、全身に鈍い痛みを感じる。
まぁこの痛みはナインライブスブレイカーのせいというのも大きいのだろうが。

ふと、テーブルの上に書き置きらしき紙が置かれているのを見つける。


『戸締りよろしくおねがいしますね(^^)/』


俺は思わずクスリと笑ってしまう。
起こせよ、まったく…………。

俺は紙を手にとって、天井付近についている窓から見える夜空を見上げる。
いつまでも中途半端にしているわけにはいかない。
これからどうするか、しっかりと決める必要がある。

全てから逃げて現状を維持するだけでは、結局はいずれ何一つ守れずに壊れてしまうんだ。


**************************************


これからの小鷹の行動が>>213-216の中から、>>216の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>213
25〜49→>>214
50〜74→>>215
75〜99→>>216 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 21:44:55.37 ID:7gtFPifB0<> 夜空に会って、ちゃんと謝る
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 21:45:07.05 ID:CTU/IWA+o<> さとりヘルメットで夜空の気持ちを探る <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2012/08/29(水) 21:45:15.41 ID:ZvxpXfoq0<> 買い物して帰る <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 21:46:03.28 ID:O482urLI0<> 三日月夜空に全力で三日月夜空に対する愛の告白をする <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 21:46:08.19 ID:W0MWml4p0<> 夜空に謝罪
これからちゃんと夜空の気持ちに向き合うと言う

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 21:47:43.43 ID:W0MWml4p0<> …なんでどいつもこいつもこうズレてるんだろ?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 21:54:10.42 ID:7gtFPifB0<> 無理矢理ルートを外すそうとする奴、無理矢理ルートにもっていこうとする奴
ひでぇもんだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)<>sage<>2012/08/29(水) 21:54:21.09 ID:YqF6ZiZAO<> >>214
逆だろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 22:00:41.97 ID:ijHFKUHAo<> 面白いからルートとかどうでもいいや <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 22:06:49.01 ID:vGGwAeWSO<> ないわー… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 22:08:27.55 ID:Z0AABlzt0<> >>219 しかもそうやつら程スナイプ率が高い。いくら1がランダム性上げてくれてもこれじゃあな。
変な安価採るヤツらにはバッドエンドになる可能性を考えられないんだろ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage <>2012/08/29(水) 22:11:41.63 ID:zIVfK+G5o<> 落ち着け、中にはうっかりやっちゃった人もいるかもしんないし。
それにはがないのヒロインは個性が極端すぎるから信者アンチが対立するのは仕方ないだろ。

今の流れの中でも星奈狙いの人とかいそうだし。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 22:14:43.67 ID:ijHFKUHAo<> それでも1ならうまくやってくれると信じてる
そもそもルートがー雰囲気がーとかいいだしたら序盤から仲を深めていった理科の扱いはどうなるのか
セクハラもされまくってたし!!!!!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage <>2012/08/29(水) 22:17:54.13 ID:NuWbP/3vo<> 私は生徒会ルートは出ないものかと思っている。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/29(水) 22:21:09.19 ID:euT1u+nbo<> 夜空ルートはもうだめなのか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 22:27:05.83 ID:/shD/buSO<> ゆきむらは? <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 22:28:17.85 ID:wjcvsFr5o<>
夜空の様子がおかしい理由。
その原因はやはりあの文化祭の時だろう。
俺は夜空に告白までされたにも関わらず、軽々しい事を言って彼女を傷つけてしまった。

そこまでは分かっていた。
俺はどんな事をしてでも、決して許してもらえなくても、とにかくきちんと謝りたいと思っていた。

分からないのはその次だ。

次の日、夜空はいつもと変わらない様子で俺に接してきた。
それも、あの日のことは自分も悪かったなどと言ってきたんだ。
そしてお互い悪かった、なんて言って仲直り。

今考えてみれば、あのやりとりはまるで作られた劇であるかのようだった。

そして今日。
夜空は俺と幸村がお似合いだと言って付き合わせようとした。
本人も言っていたが、恋のキューピッドなんていうのは絶対に夜空のキャラではない。

そもそも、夜空は俺のことを好きと言ってくれた。
それなのに、なんで他の女の子とくっつけるような真似をするのだろうか。
……いや、あれだけの事をしたんだ、もう愛想をつかされた可能性だって高い。
しかし、それはそれでそんな最低な俺を幸村とくっつけようとするだろうか?

ダメだ、ある程度整理して考えても良く分からない。
人の心というのは複雑なものだという事は何となく分かっていたが、今まで人との関わりが少なかったためにこうして身を持って知ることはなかった。
やはり、ここは理科に聞くのがいいかもしれない。
困ったら友達を頼る、そんな当たり前のことが今まで俺にはできなかったんだ。

……そこで、ケータイに伸びた腕が止まる。

「……待てよ」

理科の顔を思い浮かべて、同時に他のものも浮かんできた。
それはここの理科部メンバーの顔、そして今までの活動の数々…………。
そしてその活動の中で作り出されてきた発明品の中に。

人の心を読む、そんなものがなかったか?


**************************************


道具使用判定:さとりヘルメット(★★★★★☆☆)

>>230の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→使う
奇数→使えない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 22:28:44.57 ID:7gtFPifB0<> f <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 22:28:50.70 ID:O482urLI0<> さぁどうなる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 22:32:01.99 ID:W0MWml4p0<> まぁそんなもの使ったらもっと軽蔑されそうだからこれで良し <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 22:33:23.60 ID:wjcvsFr5o<>
さとりヘルメットのレベル間違った。★4つだね


道具使用判定は

★1つが80%で、そこから1つ上がるたびに10%落ちる感じ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 22:37:02.07 ID:MaVo/7Pxo<> 確かさとりヘルメットってジャイアンがつけて大変なことになったよなw <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 23:10:00.60 ID:wjcvsFr5o<>
いや、ダメだ。
あれはリスクが高い。下手したら今以上に悪い方向に転ぶかもしれない。
俺はブンブンと頭を振ると、やはり理科に連絡することにした。

コール音は数回で繋がった。

『はいはい、愛しの理科ですよー』

「理科、助けてくれ」

『え、なんだって?』

「うぐ……何かそれって改めて聞かされるとムカツクな……」

『あはは、そうでしょう。……ま、先輩のためならば理科も一肌も二肌も脱いだ挙句にまっぱになってもいいですよ』

「……ありがとう」

俺は素直に、心の底から感謝する。
すると、理科は明らかに動揺した声で、

『おうふ……ちょ、そういうマジ感謝はやめてくださいよ。こっちまで恥ずかしくなります。友達なんですから当たり前じゃないですか』

「それもそうか……でも、たまにはいいだろ?」

『本当にたま――にですよ? それで、ちょっと提案なんですけど、その話は明日の部活の時にしません?』

「部活で?」

『えぇ、やはり理科一人ではなく、何人かで考えた方がいい考えも浮かぶと思うんですよ。三人寄れば文殊の知恵、なんて言葉もありますし』

「……それもそうだな。分かった、じゃあ明日頼むよ」

『はい……まったく、この部は問題児ばかりで部長の理科も困ったものです』

「お前も含めてな」

『な、理科は全然まともですよ! そりゃ、たまに下ネタは言うかもしれませんけど……』

「はいはい、じゃあな」

『あ、ちょ、先輩!?』

プツッ、と電話を切った。
いつも通りだ。
俺達は友達で、明日はちょっと相談に乗ってもらう。

ただ、それだけ。
普通の高校生たちが当たり前にやっているような、ほんの些細なことなんだ。
 

************************

【好感度変動】  >>6→>>33→>>235(いまここ)

                  小鷹への好感度
楠幸村         ★★★☆☆☆☆→★★★★☆☆☆


                  小鷹からの好感度
志熊理科       ★★★★☆☆☆→★★★★★☆☆

楠幸村        ★★★★☆☆☆→★★★★★☆☆

************************
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/29(水) 23:15:01.45 ID:wjcvsFr5o<>

次の日、外は薄暗く予報によると雨が降るらしい。
太陽は出ていないのだが、湿度が高くジメジメとした日本らしい不快な蒸し暑さを感じる。

俺はいつも通り理科室の前までやってきた。
緊張はしている。だが、逃げ出すなんて選択肢はない。
俺はみんなに助けられなければ生きていけないちっぽけな人間なんだ。

俺は一度深呼吸をすると、ドアに手をかけて一気に開けた。



**************************************



理科部の出席状況が>>237-242の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

理科>>237
00〜79→出席
80〜99→欠席

夜空>>238
00〜98→欠席
99→出席

幸村>>239
00〜79→出席
80〜99→欠席

星奈>>240
00〜29→欠席
30〜99→出席

小鳩>>241
00〜69→出席
70〜99→欠席

マリア>>242
00〜29→欠席
30〜99→出席 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 23:15:33.50 ID:O482urLI0<> orz <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/29(水) 23:15:49.30 ID:7gtFPifB0<> f <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)<>sage<>2012/08/29(水) 23:16:31.08 ID:pK1aLHiAO<> あい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 23:16:44.75 ID:ijHFKUHAo<> そろそろ空気脱出 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<>sage<>2012/08/29(水) 23:17:37.32 ID:ulKHOqtH0<> 1 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)<>sage<>2012/08/29(水) 23:17:40.71 ID:XlaMkMP8o<> はい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)<>sage<>2012/08/29(水) 23:18:52.78 ID:pK1aLHiAO<> 肉が完全に幽霊部員と化してる件 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/29(水) 23:18:58.45 ID:vMWCHtT20<> あんちゃん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2012/08/29(水) 23:26:00.47 ID:YqF6ZiZAO<> 夜空以外揃ったか <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 01:22:31.27 ID:xXpCYBBdo<>
理科部には夜空以外全員が集まっていた。
俺は全てを話した。
夜空とは幼馴染である事から、告白、そして文化祭の事も。

途中で星奈やマリアが何度も騒いだが、その都度理科や幸村が止めた。
告白の件では小鳩が明らかにムスッとした表情にもなったが、やめるわけにはいかなかった。

そして、数分で全てを話し終えた。
あれだけの事だが、こうして話してみると割とすぐ終わるものだ。

「あんた最低ね、死ねばいいのに」

最後まで聞いた星奈の言葉は実にシンプルだった。
理科はまぁまぁと星奈をなだめながら、

「大方同意ですが、今はそれを言っても仕方ないでしょう。とにかく、これからどうするか考えなければ」

「ど、同意……いや、まぁそうだろうけどさ…………」

「はいはい、ワタシに良い考えがあるぞ! 小鷹が夜空に好きだって言えばいいのだ!」

「それはダメです、確実に同情とかだと思われます。本当に好きならどうにかなるかもしれませんが、あいにく先輩はそういう気はないみたいですし」

「なによ小鷹、あんた夜空のこと好きじゃないの?」

「……友達としては好きだ。けど、女の子としてとかって言われると……分かんねえ。俺、そういうの感じたことねえし……」

「くくく、我とは前世から結ばれていたからな。他の女にうつつを抜かすなど笑止千万」

「うはぁぁぁあああああぁぁぁぁぁ!! ブラコンな小鳩ちゅわんマジ天使!!!」

「ぶ、ブラコンちゃうもん!!」

そんな感じに早くも脱線し始める。
それでも、俺は一人よりもずっと良いと思えた。
あれだけ悩んでいたことが、こうしてみんなで考えることですごく軽く感じる。

すると幸村が手を挙げる。

「やはり夜空のあねごのお気持ちをしることからはじめるべきかと」

「んー、確かにそれが妥当ですけど、ぶっちゃけよく分かんないですからねぇ。
 好きな男と他の女をくっつけようとするなんて……夜空先輩がNTRの気があるならともかく」

「ねとられってなんだ?」

「えーと……まぁあとで姉ちゃんにでも教えてもらえよ」

俺は純粋なマリアから目を逸らしながらそんな適当な事を言う。
さすがに十歳児に寝取られがどんなものなのか教える事はできない。

「はいはいはい、あたしに天才的な考えがあるわ!!」

「はいなんですか?」

「な、なによその気のない表情と返事!! 全然期待してないでしょ!?」

「いえいえ、そんな事ないですよ。で、なんですか?」

「うぐぐ……まぁいいわ、聞いて驚くがいいわ! ほら、ここの発明品に記憶抹消装置ってのがあったでしょ!? それで」

「小鷹先輩、夜空先輩とは連絡取れましたか?」

「あぁ、取れたは取れたんだけど、ただ体調悪いから休む……ってだけだな」

「ちょ、ちょっと無視しないでよ!!」
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 01:24:34.98 ID:xXpCYBBdo<>
星奈の言葉に、理科は明らかに面倒くさそうな表情で振り向く。

「星奈先輩……いくらなんでも記憶を消すっていうのは乱暴すぎませんか?」

「え……ま、まぁそうだけど……でも他に方法がないなら仕方ないじゃない!
 世の中には忘れたほうが良い事だってあると思うし。それに記憶抹消がダメならほら、電話レンジとかもあるじゃない!」

「確かに方法としては考えられるかもしれませんが、それは最終手段です。ていうか電話レンジは星奈先輩が使ってみたいだけでしょう?」

「うっ……」

「ワタシも使ってみたいぞ!!」

「あ、あのな……今の趣旨は夜空のことでだな……」

さすがに記憶抹消やら過去改変というのは最後の手段にしたいところだ。
とくに電話レンジなんかはこの世界全てに関わってくることなので、そんな安易に使ってはいけない。

星奈は面倒くさそうに溜息をついて、

「ああもう、じゃあ小鷹謝りなさいよ! 土下座でも何でもしてさ!!」

「……たぶん夜空先輩、次小鷹先輩と会うときも前と同じ態度をとるでしょうね」

「同じ態度?」

「『この前は悪かった、私がどうかしてた。ここは友達らしく仲直りをしよう』ってやつです」

「おぉ、それで一件落着じゃないか!! よかったなー!!」

「なによ、このあたしがわざわざ考えるまでもないじゃない!!」

「いやいや、それじゃダメなんですよ。前と変わらないじゃないですか。どう考えても無理してるんですよ夜空先輩」

「くくく、まったく、人間は面倒くさい生き物だな……」

「お前はもっと面倒くさいけどな……」

「むぅ……!!」

俺の言葉に頬を膨らませる小鳩。
その様子に後ろで悶え始めていた星奈を取り押さえていた幸村が口を開く。

「夜空のあねごの根本の部分にあるおなやみをかいけつするひつようがあります」

「……となると、夜空先輩の気持ちを知らなければいけないって感じにループするんですよね。
 とりあえずNTR趣味があるんじゃないかという希望的観測ですが…………」

「ないわね。あいつ普通に嫉妬とかしてたし」

「ですよねー」

「嫉妬? 夜空が?」

「死ねばいいのに」

まるで虫を見るかのように俺を見る星奈。
俺が悪かったから、頼むからその目はやめてほしい。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 01:26:54.06 ID:xXpCYBBdo<>
「……我が眷属の事を忘れたいのではないか?」

「え……?」

「人間の色恋沙汰などには興味ないが、そうやって他の女と好きな男をくっつけて無理矢理に諦めをつかせる、という話を聞いたことがある」

「小鷹先輩を好きな自分を忘れるため……ふむ、それだけ小鷹先輩の文化祭での行動に幻滅したというわけですか」

「……まぁ当たり前だよな」

「…………これは男のカンですが」

幸村がそう切り出す。
ここは男じゃなくて女のカンだと思ったが、誰もその事には突っ込まない。

「夜空のあねごを見る限り、まだあにきのことはすきなように思えます」

「じゃあなんで忘れたいなんて思うのよ?」

「それは…………」

「分かった、あんまり沢山の事覚えてると頭パンクしちゃうからだ!!」

「くくく、貴様ではないのだぞ愚かな神の手先よ」

「な、なんだと!? ワタシは天才なのだぞ!!」

「むぅ……なんだか情報が足りない感じがしますね。小鷹先輩、夜空先輩に電話かけて何か聞き出してくださいよ。
 …………って小鷹先輩じゃ期待できませんね。そんな会話スキルなんて持ってなさそうですし」

「わ、悪かったな!」

「ですが困りましたね。これでは道具を使うことも考慮する必要があるかも知れません」


**************************************


これからの理科部の行動が>>249-252の中から、>>252の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/30(木) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>249
25〜49→>>250
50〜74→>>251
75〜99→>>252 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 01:29:15.96 ID:uWFvh7B6o<> 媚薬を使って仲直り <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2012/08/30(木) 01:32:02.87 ID:i3wgtY01o<> 仲直りの喧嘩(拳で) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 01:32:29.67 ID:YJRvxouyo<> いやここはさとりヘルメットだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2012/08/30(木) 01:43:22.56 ID:C6f5NigW0<> 潔くすべてなかったことにしようと思いこむ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 01:47:50.84 ID:VgMh3aDro<> sine <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 01:55:27.80 ID:xXpCYBBdo<> 眠いからここまでー
ここの板にももっとはがないスレ増えればいいなー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2012/08/30(木) 02:13:21.55 ID:i3wgtY01o<> 連日乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 07:11:50.99 ID:Z33AI50SO<> まださとりヘルメット推すやつは何がしたいのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/08/30(木) 07:24:47.79 ID:w2ix/i5Uo<> ここまで来ると書いてる方は物語が激動で楽しいんじゃないのかw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)<>sage<>2012/08/30(木) 08:21:47.50 ID:VS5j/fUAO<> >>256
確かにあんまりこだわるのもどうかとは思うが、もっと酷い安価だってあるんだしまだ良い方 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 09:32:18.57 ID:uWFvh7B6o<> 夜空に使ってもらえばさとりヘルメットも有用に <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 09:50:02.25 ID:xXpCYBBdo<>
「さとりヘルメット……は俺も考えたんだ」

「あ、いいじゃないそれ。手っ取り早く夜空の気持ち知れるし」

「お前、あれですげえショック受けたの忘れたのか?」

「うぐ…………人のトラウマ掘り返さないでよ……」

星奈はものすごく苦々し気な表情になる。
そしてそれは小鳩も同じで、明らかに嫌そうな表情で星奈を見る。

「まぁ確かに人の心を読むっていうのは色々とリスクもありますよね。
 それに、確実に目的の内容について読むためには会話でその事を頭に浮かばせる必要もあります」

「夜空のあねごがあのようなものを被ったあいてとまともに話してくれるかというしんぱいもあります」

「姿を見られないように工夫すれば何とか……いけますかね?」

「目をつむってもらえばいいのだ!」

「夜空は大人しく目をつむっているようなやつじゃないな。十中八九途中で開ける」

「くくく、姿の一つも隠せぬとは人間とは難儀なものだな」

やはり道具を使うにしても色々と問題はある。
しかしどんな道具も使い方次第、というのはあるかもしれない。


**************************************


道具使用判定:さとりヘルメット(★★★★☆☆☆)

>>261の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/29(水) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→使えない
奇数→使う <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)<>sage<>2012/08/30(木) 09:55:43.51 ID:8tBCgP82o<> ほい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/08/30(木) 10:09:11.85 ID:P+iPu8vXo<> これが吉と出るか凶と出るか <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 16:11:39.30 ID:xXpCYBBdo<>
「……理科に一つ作戦があります」

「ん、なんだ?」

「ドア越しに話すってのはどうですか?」

「へ??」

理科の言葉に俺は首を傾げる。

「えっとですね、まず小鷹先輩が夜空先輩のお家まで行きます。そこの玄関のドア越しに話すんですよ!」

「……それメチャクチャ怪しまれるんじゃないか?」

「そこは持って行き方ですよ。たぶん夜空先輩は今先輩と顔を合わせたくはないはずです。そこを利用すれば何とかなりますよ」

「でもドア越しに話すなんてなんか変だなー。人と話すときは目を見て話せってババアが言ってたぞ?」

「まぁ、場合によっちゃそういうのもアリだと思うわよあたしも。ゲームでもたまにそういうシーンあるし」

「くくく、我と話す人間はこのオーラに押されて目を見て話せなくなるのも仕方のない話なのだがな」

「目を見て話せないのはお前の方だろ小鳩。…………けど、とりあえず一度それでやってみっか」

少し不安は残るが、ここでいつまでも考えているよりかは行動したほうがいいだろう。
俺達はさとりヘルメットを使って夜空の本音を探ることにした。



***



ザァーと、雨が降りだしてきていた。
俺はビニール傘をたたみながら、とあるアパートへ足を踏み入れる。
ここが夜空の住んでいる場所だ。

首元には、以前夜空がマリアに初めて話しかけた時につけていたカメラがついていて、理科室には俺が見ているのと同じ映像が映し出されている。
電話の向こうからは理科の声が聞こえる。

『それでは先輩、手はず通りにお願いします』

「了解」

俺は理科との通話を切ると、、次は夜空へと電話をかける。
何回かコール音が響く。
正直ここで出てもらえないとどうしようもないので、緊張しながら待つ。

すると。

『もしもし、どうした小鷹?』
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 16:13:29.36 ID:xXpCYBBdo<>
何とか繋がってくれた。
その声は普段よりも弱いように思えたが、紛れもなく三日月夜空のものだった。

「夜空、急に悪い。あのさ、今ちょっとお前んちの前まで来てんだ」

『ッ!! な、なにしに来たんだ!?』

「決まってんだろ、お見舞いだよ。体調は大丈夫か?」

『え、あ、あぁ……もう大分良くなった。だが……』

「あー、外に出てきたくないならそのままでいい。俺もここで話してるから。今日、ご両親は?」

『いない……夕方まで帰ってこないはずだ』

「そっか」

俺は三日月というネームプレートがある部屋の扉に背中を預ける。
そして、手に持った袋からさとりヘルメットを取り出すと頭に被る。


《まったく、小鷹のやつ。いきなり何を考えているんだ……》


……聞こえる。
30メートルの効果範囲があれば、外にいても中の人の思考は読めるようだ。

これで、後は夜空の様子がおかしい原因を上手く探り出すだけだ。
なぜ、幸村と俺をあんなにくっつけようとしたのか。どうすればいつもの夜空に戻ってくれるのか。
俺は考えてきた言葉を口にする。


「>>265」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 16:15:53.07 ID:2x3W3gZDO<> 謝りにきた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 16:22:47.35 ID:uWFvh7B6o<> いい展開 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 16:33:28.25 ID:xXpCYBBdo<>
「謝りに来た」

『……ふふ、どうしたんだ急に。むしろ謝らなくてはいけないのは私の方だろう。昨日は悪かったな』

「いや、とにかくお前を不快にさせちまったようだし、謝らなくちゃいけないと思ったんだ」

『……お前らしいな』


《本当に小鷹らしい…………。小鷹はこうして友達として接してくれているのに、私は…………》


俺はその夜空の心の声に疑問を抱く。
俺が感じた限りでは、夜空もちゃんと俺のことを友達として接してくれていたはずだ。
しかし、この言い方ではまるで夜空は俺のことを友達だと思っていないという風に受け取れてしまう。

俺は空を覆うどんよりとした雲を見上げる。
雨は収まることを知らず、この世界を洗い流すかのように降り続ける。
この頭の中はここまで騒がしく様々なことを考えているのに、外はまるで時間が止まったかのように静かだ。

ケータイから再び夜空の声が聞こえる。

『じゃあ、今回もお互い悪かったという事で仲直りしよう』

「……あぁ、そうだな」

その声は昨日と同じだ。
ここで仲直りして一件落着、とはいかない。
これはおそらく夜空の本当の心からの声ではないんだ。


《これでいいんだよな…………友達とはこういうものなんだから…………》


心の声まで無理しているような色が滲んでいる。
いや、むしろこれは表面に出てこない言葉だからこそ、その色がより濃く感じられるのだろう。

もう少し、踏み込んで行く必要があるかもしれない。


「>>268」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 16:35:18.37 ID:AlIKhuDSO<> ああ、じゃあな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 16:37:58.28 ID:BDJnIJeWo<> おい





おい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 16:38:17.64 ID:uWFvh7B6o<> 友達確定 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 16:44:59.89 ID:AlIKhuDSO<> わりぃが俺は夜空とは親友でいたいんだよ幸村派なんだよどーせ無理ぽいし諦めてるがな! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 16:48:52.76 ID:/uFvGAmU0<> いや、親友でいたいんなら夜空に無理させるようなこの状況を解決しろよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 16:52:55.48 ID:uWFvh7B6o<> 小鷹にその気がないのに付き合うってのも酷だしな
ルート狙うなら小鷹からの好感度あげないとだめなんじゃない?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 17:16:59.90 ID:VYnnrsclo<> もういいや
じゃあ俺は電話レンジでカオス展開を狙うぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/08/30(木) 17:23:58.68 ID:TafDUCxjo<> あと一歩が足りんぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 17:29:18.67 ID:GifRTp7+o<> ここは理科さんにまた蹴りを(ry <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/08/30(木) 17:38:45.87 ID:UHsSr6vKo<> もう電子レンジ使おうぜ、幸村がマジ男化とかリア充夜空とか極悪生徒会とか楽しもうぜヒーハー!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2012/08/30(木) 17:58:46.70 ID:nlVpnaKAO<> ひらめいた!
あえて肉と付き合う振りして夜空の嫉妬心煽ればいいんでね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 18:15:09.52 ID:T93NvADIO<> もう夜空は後回しでいいよとりあえず部活にはこれそうなんだし
とりあえず高山姉妹にお兄ちゃんと早く言わせたい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<><>2012/08/30(木) 18:20:56.07 ID:FGHTqECK0<> 駄目だこいつら、早く何とかしてもどうにもならない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2012/08/30(木) 19:00:34.25 ID:54Jwqbhso<> 安価ふざけてるの多すぎ <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 19:23:18.69 ID:xXpCYBBdo<>
…………いや、もう答えは出ているんじゃないか。
夜空は友達で居たがっている。これは心の声を聞けば分かる。
それならそれで、いいんじゃないか。

たぶん夜空はもう俺の事を恋愛対象としては見ていない。
それでも、例え恋人同士でなくても友達で居たいと思っていてくれているんだ。
俺と幸村をくっつけようとしていたのも、友達としては普通の事だ。
恋人ができるきっかけが友達からの後押しとか言うのはよく聞く話だし、友達がそうやって応援するのは別におかしい事じゃない。

それに、俺が誰かと付き合えば、自然と夜空の告白に関する事も薄れていくかもしれない。
それはきっと、元の友達としているためには良い事なんだろう。

辛そうな表情も俺の勘違いかもしれない。
それか、俺に告白した事自体が今の夜空にとっては忘れたいもので、それを思い出してしまうのかもしれない。

夜空がこうして頑張って友達になってくれようとしているのに、それを邪魔するような事はしてはいけない。


『……小鷹?』

「あぁ、悪い。じゃあ、俺もうそろそろ帰るよ。お大事にな」

『あ、あぁ……今日はわざわざありがとう』

「気にすんなって。だって俺達は――――」

俺はさとりヘルメットを外す。
これはもう、必要のないものだ。


「友達、だろ?」


雨はまだまだ降り続ける。
人の心の中にも雨が降って、忘れたいことを簡単に洗い流せればどれだけ楽だろうか。
雨降って地固まるという言葉があるが、世の中にはそのまま流してしまったほうがいい事もある。

俺はビニール傘を開きながら、そんな事を思った。
 
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 19:25:40.77 ID:xXpCYBBdo<>


***



「恋人ではなく、友達になりたがってる?」

「あぁ、心まで読んだんだ、間違いない」

場所は戻って理科室。
俺が帰ってくると、理科を始めとした理科部メンバーが凄まじい程に食って掛かってきた。
まぁ、カメラ越しに見ていただけで、夜空の心の声は聞こえていなかったので仕方ないだろう。

理科は怪訝な顔をして首を傾げる。

「そんなことは……ないと思うんですけど…………」

「いや、本当なんだって」

「あにきがそう仰るのであればじじつでしょうが……」

幸村も言葉とは裏腹に納得いかない様子だ。
そしてそれは彼女たちだけではなく、星奈と小鳩も同じような表情をしている。
マリアだけが現状に上手くついていくことができずにキョトンとしていた。

「とにかく、アイツは俺と元の友達の関係に戻ろうと頑張ってんだ。だから、俺達もできるだけいつも通りにしていようぜ」

俺の言葉に、理科部メンバーは腑に落ちない表情で頷いた。
完全には納得しきれないようだが、それでも心を読んだ張本人の俺が言っているのだから、と考えているようだ。

理科は小さく溜息をつくと、いつもの様にホワイトボードの前へやってくる。

「それでは小鷹先輩の言う通り、いつも通りに活動を始めますか。新しい道具を作るでも、既に作った道具で何かをするでも何でもいいですよ」


**************************************


今日の活動が>>284-287の中から、>>287の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/30(木) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>284
25〜49→>>285
50〜74→>>286
75〜99→>>287 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 19:27:56.61 ID:T93NvADIO<> 夏休みももう終わりそうだし夏の思い出に合宿とか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 19:28:03.28 ID:uWFvh7B6o<> 精神入れ替え装置 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 19:28:26.88 ID:fW9KGh9mo<> 電話レンジで過去改変 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 19:30:10.79 ID:7+/N8GqQ0<> タイムリープマシンでやり直し <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<><>2012/08/30(木) 19:33:01.77 ID:FGHTqECK0<> どこかで修復する必要があるな
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 19:40:12.93 ID:uWFvh7B6o<> 誰をタイムリープさせるか、いつさせるかによって大きくかわりそう
まー電話レンジ以上の難易度だろうから10%とかだろうけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 20:06:33.22 ID:rQcY2VEh0<> 夜空放置したら他の部員にも溝というかバラバラになりそうだからな
タイムリープに賭けるしかない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 20:08:59.45 ID:T93NvADIO<> 飛ぶにしても限界で一日前までとかにしてほしいなあ
これで小鷹転校初日とか夏休み前とかに飛ばれても今までの安価無駄になるわけだし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 20:19:16.26 ID:uWFvh7B6o<> 小鷹が戻ってもどうせ何もかわらんだろうし他キャラが戻ったりするのも面白そう
でもま、しょっちゅうリープされても萎えるから過去改変のチャンスはこれが最後にして欲しいな
<>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 22:23:43.95 ID:xXpCYBBdo<>
「……そうだ、いい方法がありますよ先輩」

「いい方法? 何の話だ?」

今日の活動について考えていたはずなのだが、理科がふとそんな事を言う。

「夜空先輩のことについてですよ」

「……だから言ったろ? あいつは」

「いやそういう事ではなくてですね。まず文化祭での先輩の行動。それが一番の問題ですよね?」

「え……あぁ、まぁ確かにそこから始まったけど…………」

「じゃあ、そのことをなかった事にしてしまえばいいんですよ」

理科の言葉に俺はわけが分からなくて首を傾げる。
すると、後ろから星奈が勢い良く立ち上がった。

「そっか、電話レンジね!!」

「あ……い、いやでもそれはヤバイだろ!」

「くくく、怖気づいたか我が眷属よ。未知なるものへの挑戦、素晴らしい響きではないか」

「そうだぞ小鷹! ワタシも電話レンジ使ってみたいのだ!!」

「お前達はただ楽しそうだからってだけだろ……」

俺は頭を押さえて溜息をつく。
小鳩やマリアはともかく、星奈まで目をキラキラさせているのはどうなんだ。
一応高校生だろこいつは……。

幸村だけは感心した様子で、

「さすがあにき、過去をふりかえらないとはしんのおとことしてふさわしい振る舞いであります」

「いや別にそんな大層な事じゃないけどな……」

「先輩先輩、理科が言ってるのは電話レンジの事ではありませんよ? いや、まぁほとんどそうなんですけど、厳密に言うと違います」

「え?」

「理科が提案しているのはタイムリープマシンのことです」


「「タイムリープ??」」
 
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 22:27:32.71 ID:xXpCYBBdo<>
星奈と小鳩とマリアは目を輝かせて一気に食いつく。
俺は驚きに目を見開いて、

「タイムリープって……よく本とか漫画で見るあれか?」

「はい。電話レンジが作れるのならばタイムリープマシンも作れるかもしれないって密かに考えていたんです」

「お、お前……一応電話レンジは封印するって事にしたろ……」

「すみません、これも科学者の性で」

理科はテヘペロと謝る。
すると星奈がずいっと俺の前に出て理科に話しかける。

「それでそれで!? 具体的にはどんな感じなのよ!?」

「えーと、簡単に言えば意識だけを過去に飛ばすんですよ」

「意識だけを?」

「はい。まず電話レンジと同じ要領で、過去の自分に電話をかけます。そしてその電話を取ると、ケータイを通じて今の意識が過去の自分の中に上書きされるんですよ。
 詳しく言えば今の先輩の脳をデータ化して過去の自分にぶち込むってことなんですけど」

「……ってことは、目が覚めたら過去にいるみたいな感じか。ていうか脳をデータ化って大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよ、要は記憶のコピペですから。もしタイムリープが成功しても失敗しても、先輩の意識はきちんとここにあります」

「ん? でもそれだと、ここに居る小鷹と過去に意識を飛ばした小鷹で二人に分裂することにならないか? まるでスライムみたいだなーあはははは」

「くくく、我が眷属にかかれば分裂ごとき容易いものだ」

「さすがはあにきです」

「いやいやいや、お前ら俺を何だと思ってんだよ……」

俺のことで好き放題言われているので、さすがにスルーできずに突っ込む。
理科はちょっと悩ましげな表情で、

「そこら辺はたぶん世界線の問題とかになってくると思いますけど……まぁいいじゃないですか!」

「かるっ!!」

「とにかく、過去に戻って夜空先輩への行動を変える。そうすれば夜空先輩が無理して頑張る必要もなくなるんですよ。
 先輩だってまずいことをしたとは思っているのでしょう?」

「……あぁ」

俺の脳裏に、あの文化祭での夜空の泣き顔が浮かび、胸がズキンと痛む。
あんな表情をさせておいて、あとは自分で頑張れよなんていうのはあまりにも無責任すぎるんじゃないか。
俺のせいで夜空を今みたいな状態にさせてしまったのであれば、それはやっぱり俺自身で何とかしないといけないのではないか。

俺は周りの理科部員達を見る。
理科は真っ直ぐこちらを見つめ返し、幸村も同じく澄んだ目で見てくる。
星奈、小鳩、マリアは明らかにワクワクとした様子でこちらを期待して見てくる。

俺は立場的には一部員に過ぎないのだが、これではまるで全ての決定権を持つ部長みたいだ。

「……分かった、タイムリープマシンであの文化祭の日をやり直す」

理科室に、星奈達のはしゃぐ声が響く。
俺は拳をギュッと握り、決意を新たにした。

次は、あんな風に夜空を泣かせてはいけない。
 
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 22:30:37.32 ID:xXpCYBBdo<>


***



理科のタイムリープマシンが完成したのは夏休み最終日の8月31日だった。
夜空はあれからいつも通りに部活には参加していたが、やはりまだ無理をしているような感じは変わらない。
今日は夜空だけには部活は休みだという連絡をして、それ以外のメンバーで理科室に集まっていた。

「なんか仲間外れみたいで夜空が可哀想なのだ」

「仕方ないでしょ、夜空のためなんだし」

「くくく、それよりもノスタルジアドライブはどこだ? 我に見せてみよ」

「なんだそれ?」

「タイムリープマシンのことだ。ちなみに『時を超えた郷愁への旅路』と書いて『ノスタルジアドライブ』と読ませるのだ」

「へぇ……そう。続きは幸村にでも聞かせてやってくれ」

「むっ……」

「妹君、あにきはこれから重大ないくさがありますので、おはなしであればわたくしがお聞きいたしましょう」

小鳩の話に付き合うと長いので、とりあえず小鳩の相手は幸村に任せることにした。
俺はテーブルの上に置いてある電話レンジをいじっている理科に近付く。

「どうだ、いけそうか?」

「ふっふっふ、理科を誰だと思っているんですか? あの天才変態少女ですよ!!」

「いやそれ胸張って言うことじゃねえからな」

「理科的にはチャーミングポイントなんですけどねぇ……あ、先輩、このヘッドホンつけてみてください」

そうやって理科が渡してきたヘッドホンを装着してみる。
緩くもなくキツくもなく、ちょうどいい感じだ。

普通のヘッドホンとは違いアンテナのようなものもついていて、洗脳装置のような印象も受ける。

「ん、ピッタリだぞ」

「ふふふ、やはり理科の先輩情報は正確みたいですね……」

「おい、なんか今不穏なセリフが聞こえたんだが……」

「いえいえ、気にしないでください……ぐへへ」

その笑い声を聞いて気にするなというのも強引な話だ。
しかし、今はそこまで深く聞かないでおく。状況が状況だし。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 22:34:02.36 ID:xXpCYBBdo<>
すると理科は少し真面目な表情になって口を開く。

「先輩はそれをつけて座っているだけでいいです。操作は全てこちらでやりますので」

「わ、分かった」

「ふふ、そこまで緊張しなくていいですよ。理科を信じてください」

「…………」

「な、何ですかその胡散臭そうな目は!」

「はは、冗談だよ。信用してる」

俺が理科に笑いかけると、なぜか彼女はビクンと肩を震わせた。

「ッ!! せ、先輩はたまに不意打ちぶつけてきますね……」

「え?」

「何でもありませんよ、まったくまるでラノベの主人公みたいです……」

なぜか頬を赤らめてブツブツという理科。
俺はそれを首を傾げて、見るしかない。

理科は一度自分の両頬を叩いて気を取り直し、

「みなさーん、そろそろタイムリープ始めますよー」

「なんか軽いなぁ……」

俺は思わず力が抜けかけるが、理科の言葉に星奈達がこちらに来る。
みんな興味津々といった様子で、幸村でさえ少し気になっているようだ。

「小鷹、次はあたしが使うんだからね!」

「いや、俺に言われてもな……これから過去に飛ぶんだし」

「でもここに居るあんたにも意識は残ってるんでしょ?」

「……確かにそうだな。なんか不思議な感覚だ」

「くくく……数日前の我にもよろしくな」

「お、おう……」

「あ、なんかその言い方ちょっとカッコいいのだ!! 数日前のワタシにもよろしくな小鷹!!」

「真似すんなあほ―っ!!」

「わたくしは過去でも現在でも未来でも、かわらずにあにきにおつかえする所存であります」

そんな事を言いながら別れっぽいのを済ませる。
一応これからかなり凄いことをやろうとしているはずなのだが、こんなにも軽い感じだとお遊びなんじゃないかとも思えてくる。

理科は先程から誰かに電話していたようだが、話は終わったらしくケータイを折りたたんで、

「準備も整いましたね。それではそろそろいきますか」

「どこに電話してたんだ?」

「CERNです。まぁ、とある研究機関ってやつです」

「ふーん、お前ってやっぱそういうコネあるんだな」

「天才ですから」

某バスケ漫画の主人公のようにフッと笑って言う理科。
たとえ本当に天才だとしても、それを自分で言った瞬間に胡散臭くなるのだから言葉とは凄いものだ。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 22:38:54.42 ID:xXpCYBBdo<>
それから、理科は慣れた手つきでカタカタとキーボードを操作する。
パソコンの画面には良く分からない文字や記号がいくつも並んでいる。

「あ、先輩。理科が合図したら『飛べよおおおおおおおおおおお!!』って叫んでください。それがコマンドになってますから」

「え、な、なんでそんな事……」

「そっちの方が面白そうじゃないですか!」

理科はそう言って、エンターキーをッターン! と勢い良く叩く。
直後、電話レンジが起動した。

以前と同じく、ガタガタガタガタ!!! と凄まじい振動が理科室全体に広がる。
あまりの振動に、ガチャン!! と何かが落ちる音も聞こえた。
天井付近に付いている窓ガラスなんかもガタガタガタガタ!! と割れるんじゃないかと思うくらいに音をあげる。

そしてバチバチィィ!! と青白い稲妻が走るころには、マリアの楽しげな笑い声や小鳩の悲鳴なんかも聞こえてきた。
電話レンジの一番近くにいる俺は、眩しさに目を細める。

しばらくはそうやってレンジの動きを見ていたが、俺はもうギュッと目をつむってしまう事にした。
理科は信用している。しかし、不安なものは不安なんだ。
心臓がドクンドクンと高まるのを感じる。耳元でもドクドクと血液が音を立てる。

振動も、稲妻も、さらに激しさを増す。
そんな中、大声が響いた。

「先輩、今です!!」

俺はその理科の言葉を聞いた瞬間、大きく口を開く。
普段は大声を出すなんて事はしないし、そういうのは苦手だ。
しかし、この状況ではそんな事も言ってられない。

目をつむった真っ暗な世界には、夜空の顔が浮かんでいた。
俺が傷つけてしまった、大切な友達だ。

俺は青白く発光する部屋の中、大きく息を吸い込んで、



「飛べよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」



**************************************


どこまでタイムリープするか、>>298の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/30(木) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→前スレ>>993
奇数→>>19 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 22:39:22.77 ID:YmkC6PyI0<> とべよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 22:42:27.17 ID:/uFvGAmU0<> というか理科、CERNにコネあんのか…

そのうちラウンダーとか来そうだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)<>sage<>2012/08/30(木) 22:43:32.70 ID:g9JZRjQTo<> 好感度変動はなかった事になるのか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 22:49:37.38 ID:rQcY2VEh0<> 次の安価、鬼畜スナイパーきたら終わるよな…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 22:55:47.56 ID:uWFvh7B6o<> 19じゃなくて263から戻った方がどうなるにしてもスッキリした気もする <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 23:04:19.05 ID:/dWCl4eIO<> 今こそ前スレ>>845〜848のような連携を見せるとき <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)<>sage<>2012/08/30(木) 23:08:47.43 ID:g9JZRjQTo<> ここは夜空と付き合わせるのが良ルート? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 23:10:08.49 ID:/uFvGAmU0<> >>304
小鷹の気持ちがそれほどじゃないからそれは危険じゃね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 23:15:00.34 ID:2Pk+88cIO<> 無難にへたれればいいと思ふ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 23:21:48.42 ID:/dWCl4eIO<> それじゃ前と一緒やん
変にごまかすよりかは本当のこと正直言ったほうがまだマシと思ふ <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 23:23:42.53 ID:xXpCYBBdo<>
ズキンズキン……!! と、頭に鈍い痛みが走っている。
何も見えない。何も聞こえない。
上下左右の感覚もない。自分が立っているのかどうかさえ分からない。もしかしたら床に倒れ込んでいるのかもしれない。

なぜこんな状態になっているのか。
なんのために、どんな成り行きでここに居るのか。
全て考えられず、ただただグルグルと思考は空回りする。

……しかし、それは急にきた。
次第に霧が晴れていくかのように、感覚が戻ってくる。
暑い。先程まで居た冷房の効いた理科室とは違う。人の熱気というのを感じる。
周りが……騒がしい。みんな興奮しているのが声でわかる。

視界が徐々に開けていく。
それでも、暗い。元々ここの照明自体がほとんど点いていないようだ。

「……にき。…………あにき」

聞き覚えのある声と共に体を揺さぶられる。
顔を上げてみると、そこに居たのは幸村だった。

そして、この場所全体の光景も見えてくる。
間違いない、あの文化祭の日に来た体育館だ。
舞台では夜空が軽い挨拶をしているところだった。

……これは過去だ。
この頭痛が、これは夢なんかではないという事を教えてくれる。
理科のタイムリープマシンは、本物だった。

「あにき、大丈夫ですか?」

「ゆ、幸村……俺はどうしてた?」

俺の疑問に答えたのはマリアだった。
この時はずっと俺が彼女を抱きかかえていたはずだが、今では自分で立って俺を心配そうに見上げている。

「なんかな、小鷹に電話がかかってきて、それに出たら『ぐぅぅぅぅ』ってうめき始めたんだぞ! 大丈夫か?」

「……あぁ、悪い、大丈夫だ。ちょっと頭痛がしただけだから」

「ほんとうに大丈夫でしょうか? いちおうほけんしつへむかったほうが……」

「大丈夫、大丈夫。男ってのはそんなヤワなもんじゃねえって」

「……はっ、失礼いたしましたあにき。そうですね、あにきのように屈強なものがこれしきのことで保健室などにいってはその名に傷がついてしまいます」

「ははは……」

予想通りの反応をしてくれて、思わず苦笑してしまう。

するとその直後、夜空が俺達のところへと戻ってきた。
その表情は気疲れしているのが分かるが、それでもほっとしている方が大きいらしく穏やかなものだ。
俺は思わずドキッとして、ゴクリと喉を鳴らす。

今度は、絶対に夜空を泣かせるわけにはいかない。

夜空達は、前にした会話をそのまんま同じ内容で繰り返す。
まるで一度観た映画を観ているかのような、そんな錯覚さえ抱く。

そして、ついにその時がきた。
夜空は視線を落として、両手をもじもじとし始める。
その顔は暗い中でも分かるくらい真っ赤に染まっている。

  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/30(木) 23:24:51.77 ID:xXpCYBBdo<>

「そ、その……私もちゃんと返事をしなければいけないんだろうな…………」


ここで夜空が言っている返事というのは、この文化祭で俺が軽い気持ちで「俺の嫁だ」などと言ってしまった事に対するものだ。
悪ふざけだったと言った時の夜空のあの表情は今でもハッキリと頭に焼き付いている。

もう、あんな事になってはいけない。
俺は血液が止まって白くなる程拳を握りしめ、意を決して口を開いた。


**************************************


小鷹の言葉が>>310-313の中から、>>313の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/30(木) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>310
25〜49→>>311
50〜74→>>312
75〜99→>>313 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 23:24:58.15 ID:YmkC6PyI0<> ごめん、さっきのは冗談だったんだ
夜空の気持ちに答えるのにはまだ時間がかかるから、もう少し待ってほしい
夜空の気持ちを弄ぶようなことをして、ホント悪かった…
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 23:24:59.53 ID:/uFvGAmU0<> 夜空、ごめん…
さっきのは会場を盛り上げるためにあえて言った言葉だったんだ…
ホントに、すまなかった…

…でも、俺は夜空の気持ち、しっかり受け止めてるから
まだ答えは出せないけど、いつか必ず返事をする
だから、それまでもう少し待ってくれ―――ソラ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/08/30(木) 23:25:18.90 ID:9gHln5kSO<> すまない、ついはずみで言ってしまった。今は誰とも付き合うつもりは無いんだ。理科部の空気を壊したくない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 23:25:29.92 ID:AlIKhuDSO<> 幸村好きや <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)<>sage<>2012/08/30(木) 23:25:53.37 ID:g9JZRjQTo<> おい



おい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 23:26:46.51 ID:tGUE/jEao<> クソワロタwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 23:27:01.77 ID:uWFvh7B6o<> さすが安価スレwwwwwwwwwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 23:28:39.19 ID:/uFvGAmU0<> \(^o^)/ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/08/30(木) 23:30:16.04 ID:YmkC6PyI0<> >>313
死ね、氏ねじゃなくて死ね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/08/30(木) 23:30:33.73 ID:phXUqac4o<> 幸村への告白何回目だよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2012/08/30(木) 23:30:57.42 ID:9WdSIkb5o<> クッソワロタwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2012/08/30(木) 23:31:43.83 ID:nlVpnaKAO<> >>313
こいつ以外ならまだ大丈夫だったのに <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/08/30(木) 23:31:45.47 ID:Ug3sDBxwo<> これはひどいwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<><>2012/08/30(木) 23:32:29.99 ID:FGHTqECK0<> ふざけ安価おおすぎwwwwww
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 23:32:52.43 ID:/dWCl4eIO<> このスレ鬼畜安価のコンマ強すぎだろww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/08/30(木) 23:32:57.27 ID:9gHln5kSO<> だが待って欲しい
幸村「好きや」の可能性もあるのではないだろうか?
つまりここから始る三角関係が <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 23:33:51.65 ID:BjfNLmmQ0<> wwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 23:34:08.64 ID:/uFvGAmU0<> まぁ、ホントは笑い事じゃないだけどな

しゃーない、もう夜空さんはいなかったことにするか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 23:34:33.63 ID:nlPhF8V+o<> sine

sine

sine
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)<>sage<>2012/08/30(木) 23:38:00.14 ID:g9JZRjQTo<> とゆうか>>313はどんだけ幸村ルート期待してんだよwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/30(木) 23:38:21.78 ID:VkG1Qfa2o<> これがアトラクタフィールドの収束……ッ!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/08/30(木) 23:41:46.46 ID:9gHln5kSO<> 夜空と結ばれないのは原作でも同じだからな
やはり収束か・・・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/30(木) 23:51:53.42 ID:lHhgN8LIO<> この世界線でも…駄目なのか…!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 00:31:50.53 ID:qBudq1Lr0<> >>313
こいつは本気でこのタイミングの告白で幸村の好感度が上がると思っているのか……逆に凄いな。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 00:35:20.13 ID:kKB1+WRLo<> 好きな奴に言われたらどんなタイミングでも嬉しいんじゃね
男の道をはずれても傍にいたいんだし <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 00:43:27.10 ID:STGr3SgWo<>
とにかく、ここは話題を逸らす。

あの言葉は俺の本当の気持ちだといえば、全ては上手くいくかもしれない。
ただ、それは結果的に夜空を騙していることになる。
例え夜空を喜ばせることができても、それが偽りでは結局彼女に対して最大の裏切りになってしまう。

俺はただそれだけを考えて、口を開いた。
俺の気持ちは偽らず、ただ話題を変えて乗り切る!


「幸村好きや」


……なんか関西弁みたいになってしまった。焦りすぎだ俺。確かに大阪に住んでた時もあったけど。
というよりも、話題を逸らすにしても他にも色々とやり方があったのではないか。
いきなり何言ってんだ、俺。これからどうしろっていうんだ。
ここにきて、このコミュ障が大きな枷となった。

夜空も幸村もマリアもキョトンとして俺を見ている。
当然だ。何の前触れもなく、俺は幸村に告白したんだ。

「あ、い、いや……その、今のは…………」

「…………」

夜空が俯く。
この光景は、見たことがある。

ドクン……ドクン……!! と心臓が早まる。
怖い……怖い……!!!

ダメだ……このままじゃダメだ!!

「夜空!! 俺は」

「……はは、それはなんだ? 先程の私への言葉も今みたいな冗談だと言いたいのか?
 それとも、あれで私をぬか喜びさせておいて、こうして本命に告白して叩き落すつもりだったのか……?」

「ち、違う!! 俺は……」

「……私は言ったはずだぞ」

「え……?」


「私は小鷹が好きだと言ったのに!!!!! なんで……なんでお前は……っ!!!!!」



それから、俺の感覚はどこかへ飛んでいってしまったかのようで。
夜空の泣き顔も、怒鳴り声も、間違いなく俺に向けられているのに。
俺は、それをどこか他人事のように離れて聞いているような状態だった。

以前と同じ言葉に。
以前と同じ夜空の泣き顔。

タイムリープをしても変わらなかった。
何も変わらなかった。
反省して、こうして時を超えて戻ってきたというのに。

俺はまた、夜空を泣かせた。

夜空も、幸村も、俺の前から居なくなってしまった。
去り際の言葉も、足取りも。そして幸村が俺を叩いた感触も。
何一つ、変わらずに。



************************

【好感度変動】   >>6→>>33→>>235→>>336(いまここ)

                  小鷹への好感度
楠幸村         ★★★★☆☆☆→★★★☆☆☆☆


************************

  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(滋賀県)<>sage saga<>2012/08/31(金) 00:43:39.51 ID:Xo3nENhP0<> とりあえず言える事は一つ


飛べよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 00:45:29.49 ID:x2HNrq+30<> はい終了ー

もうどうでもいいですね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 00:46:18.76 ID:9+FdqyeUo<> ねね、そんなことして楽しい?
お前本当に幸村好きなの?
ちゃんとした行動し照れば相応のときに支援はするけど、これじゃ逆効果だよ? <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 00:48:10.16 ID:STGr3SgWo<>


次の日の朝。
俺はベッドの上で天井を眺めていた。
昨日帰ってからずっとこの状態だ。
風呂も入らず飯も食わず、眠りもしないで、ずっとこうしていた。

カーテンの隙間からわずかに太陽の光が入り込んでいる。
それが、いつも以上に眩しく、俺は目を閉じる。

その時、バタンという音が聞こえた。
ドアを開ける音だろうというのは分かるが、それに対して何かのリアクションを取る気力がわかない。
目も、開かない。

「あ、あんちゃん? うち、冷凍食品温めて……その、あんちゃんの分も作ったから食べよ?」

「……悪い、食欲ないんだ」

「調子悪いと……? ほんなら病院行ったほうがよかとよ……?」

「大丈夫だから。頼む、少し一人にさせてくれ」

「…………うん」

バタン、と再びドアの音が聞こえた。部屋から出ていったのだろう。

小鳩は凄く良い子だ。
あんな子が、俺みたいな奴を相手にする必要はない。
そもそも、こんな俺が近くに居ると小鳩にまで悪影響を与えてしまうかもしれない。
夜空と同じように、小鳩も同じように泣かせてしまうかもしれない。

ケータイが鳴った。
たぶん今日の部活についてのメールだろう。俺のケータイが鳴るとしたらそれくらいしかない。
それでも、ケータイを取って確認したりすることはない。

理科部のあの空間は、部員全員にとって大切なものであるはずだ。
そこに俺みたいな人間が入ったらどうなる。確実にバラバラになってしまう。
今までが信じられないほど運が良かったんだ。そしてこれからずっと運が良いとは限らない。

学校ではみんなに恐怖を与え、そんな俺に近づいてくれた人さえも傷つけてしまう。
そんな俺に居場所なんてあるのか。

このまま消えてしまうことができれば、どんなに幸せなんだろうか。


**************************************


これからの展開が>>340-343の中から、>>343の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/30(木) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>340
25〜49→>>341
50〜74→>>342
75〜99→>>343 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 00:48:37.77 ID:Q6OwmmpE0<> 自殺
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/08/31(金) 00:49:05.07 ID:lbfK0ZX3o<> 自害 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 00:49:06.64 ID:9+FdqyeUo<> 飛べよおおおおおおおおおお!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 00:49:07.02 ID:x2HNrq+30<> 理科を罵倒しまくった後、退部 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 00:49:07.38 ID:qBudq1Lr0<> いや、その前のタイミングで夜空に告白してるみたいな状況だし……説明するのがめんどい。
今までのスレ見てて、俺はこのタイミングじゃ下がると思った。上がったら俺の国語力がダメなんだろう。てかまずは夜空との関係修復しないと隣人部の空気悪いままなのがなあ……キャラ贔屓すんのはいいけど、せっかく友達になれた理科部の絆も大事にしたい。安価取れない俺も悪いんだが。

長文スマソ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 00:49:10.27 ID:kKB1+WRLo<> 生徒会にいく <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 00:49:37.10 ID:4O5g27XSo<> 理科が殴り込み <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 00:49:49.82 ID:9+FdqyeUo<> >>344

どちら様に向けて? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2012/08/31(金) 00:50:14.39 ID:9wuhDT7W0<> あれだ、もう幸村√だけはないわww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2012/08/31(金) 00:50:22.80 ID:lbfK0ZX3o<> 鷹は飛ぶんじゃ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 00:51:56.40 ID:qBudq1Lr0<> ……危ねえ。変な安価採るとこだった。すまん。
ていうか、ここで終わりか……。二周目があればいいんだが。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 00:52:10.73 ID:4O5g27XSo<> 鬱展開すぎる…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 00:53:15.54 ID:qBudq1Lr0<> >>347
>>334に向けてのつもりだった。スマン。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/08/31(金) 00:55:02.22 ID:vuOpiMMv0<> 安価スレなんだから欝展開も糞展開も楽しめよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2012/08/31(金) 00:55:25.97 ID:DpFofjLSo<> もういいよ
何で空気読めないのかな、あのアホは <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 00:58:28.99 ID:L5Sz8Mve0<> 全部空気読めとは言わん、空気読まないレスも安価スレの醍醐味だからな
だがやり直しまでしたところぐらい流石に空気読め <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 00:59:13.30 ID:skWWTNfzo<> いや、結構嫌いじゃないぜこういう展開 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 01:09:36.57 ID:kKB1+WRLo<> むしろやり直しはしないべきだと思う <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<><>2012/08/31(金) 01:16:42.20 ID:pdiQ+Fm80<> むしろやり直しをやり直すべきだと思う <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 01:20:38.65 ID:eqxhy6eIO<> あげんな

まあ安価通り小鷹死んだとしても理科がタイムリープして助けてくれるよきっと! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 01:23:26.46 ID:9+FdqyeUo<> シュタインズゲートを目指して迷走してるときのオカリンみたいに何度も何度もやり直したい <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 01:38:05.35 ID:STGr3SgWo<>

……いや消える方法ならいくらでもあるじゃないか。


魔法みたいに忽然と姿を消すことはできなくても。
この意識……この命が消えれば、それは俺という存在が消えた事に等しいはずだ。

簡単な事だったんだ。
何でもっと早く気付かなかったんだ。

もしもっと前に気付ければ、誰かを傷つけることなんてなかった。
俺だって……こんな……思いをしなくて済んだのに。

「はは、ははははは…………」

乾いた笑いが口から漏れ出る。
俺でもまだ笑えたのかと思うと、さらにまた笑える。

心は不思議と落ち着いていた。



***



夜になった。
風は心地よく吹き、夏の夜の蒸し暑さを冷やしてくれる。
くすんだ金髪が風になびいて頬に当たり、そのうち何本かが口の中に入るが、それも気にしない。

俺は学校の屋上に居た。
夜になってから来たのではない、昼間に来てそれからずっとここに居るのだ。
ここから、飛び降りるために。

昼間はまだ生徒が沢山校庭で部活をしていたので、やるわけにはいかなかった。
こんな人間一人死んでもどうとも思わないだろうし、むしろヤンキーが居なくなって喜ばれることだろう。
それでも、人が死ぬ瞬間というのはやはり見てて気持ちのいいものではないと思ったのだ。
死ぬ時くらい、誰かに迷惑をかけたりはしたくない。

俺は屋上の端を囲っている柵に寄りかかって空を見上げる。
星がいくつもきらめく綺麗な夜空が、そこには広がっていた。
こんなにも近く感じるのに、実際はとても遠い。


飛べない鷹は、夜空に届かず地に落ちることになる。


俺は体の向きを変えて、柵に両手をかけた。


**************************************


>>362の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/31(金) 00:00:00.(00)←ここ

00〜19→誰も来ない
20〜49→理科が来る
50〜69→幸村が来る
70〜84→小鳩が来る
85〜94→星奈が来る
95〜99→マリアが来る <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 01:38:32.78 ID:x2HNrq+30<> f <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 01:39:05.55 ID:eqxhy6eIO<> 誰もこない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 01:39:44.65 ID:6jZNLY3c0<> どうだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2012/08/31(金) 01:40:21.24 ID:HIx4rotZo<> 小鳩キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 01:40:22.95 ID:Q6OwmmpE0<> …チッ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 01:43:19.56 ID:i8VCgvTbo<> なんという超展開……
安価スレの宿命とはいえ作者には頭の下がる思いです <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 01:49:00.50 ID:9+FdqyeUo<> 夜空は着てくれないんか

まあ当然だが
あんな言動したら名… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 01:56:59.92 ID:eqxhy6eIO<> 飛べない鷹は、夜空に届かず地に落ちることになる。


ここの言い回しマジ神がかってると思った
こんな糞安価ばっかでよくここまでできた物語に昇華できるよなあ
本当にこの>>1には感心するわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/08/31(金) 02:16:45.31 ID:Z3jIKjKqo<> 俺より酷い展開だなおい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 02:19:14.05 ID:qBudq1Lr0<> >>370 お前の人生酷過ぎるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 02:20:41.16 ID:x2HNrq+30<> >>371
そいつが言ってんのはたぶん>>20のことだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 03:52:05.57 ID:i8VCgvTbo<> なぜそんなことが判るのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)<>sage<>2012/08/31(金) 07:22:55.97 ID:1AZTNvAAO<> 小鳩なら一緒に心中してくれるね
やったね、あんちゃん! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 12:24:34.32 ID:Fp0JRIOTo<> まさかの小鳩ルートか、嫌いじゃないぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/08/31(金) 12:28:59.90 ID:NfKwpAb7o<> こ れ は 盛 り 上 が っ て き ま し た ! <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 14:33:13.74 ID:STGr3SgWo<>
その時、ガタン!! と大きな音がして学校から屋上へ出るドアが開かれた。
まさかこんな時間に誰か来るとは思わず、俺がビクッとしてそちらを見ると、

「あんちゃん!!!」

「……小鳩?」

暗い闇の中でも明るく輝く綺麗な金色の髪。
天然の金髪というのは、時に息を飲むほどに美しく見えることがある。

妹の、羽瀬川小鳩が息を切らせて真っ直ぐこちらへ走ってきた。

小鳩は俺の胸に飛び込んできた。
サラサラとした髪がなびいて、俺の視界を覆う。
暖かい、確かな体温を感じる。

「なんで、ここに……?」

「あんちゃんの様子がおかしいから、ずっとついてきてたんじゃ……お昼から……」

「なっ……」

そんな事は思ってもみなかった。
俺を見ている人間なんていうのは、誰一人居ないと思っていた。

小鳩は今にも泣きそうな顔で、

「あんちゃん、今何しようとしてたと?」

「それは……」

「うちはあんちゃんが何に悩んでいるかも分からん。あんちゃんの力にはなれんかもしれん……」


「でも、あんちゃんが居なくなるなんて絶対に嫌じゃ!!!」


目に大粒の涙を浮かべて、小鳩は真っ直ぐ俺のことを見上げてくる。
俺は、その瞳を受け止めることができずに目を逸らす。

「……俺はお前が思ってるような兄貴じゃねえんだよ」

「あんちゃん……?」

「俺は……こんな俺に近づいてきて仲良くしてくれた友達を傷つけるようなやつなんだ。
 それに一度じゃなく何度も…………ッ!!!」

拳を握りしめ、歯を食いしばる。
脳裏には夜空のあの泣き顔が浮かぶ。
大切な友達に何度もあんな顔をさせてしまう俺なんか、存在自体が害なんだ。

「だから!! お前も俺のことなんかほっとけよ!! 俺はお前まで傷つけたくないんだ!!」

「……あんちゃんは誰も傷つきたくないから死のうとしたと…………?」

「そうだよ!! それがみんなにとっても一番いいんだよ!!」

「そんな事なかっ!!!!!」

小鳩はキッとして俺を見上げた。
今まで何年も一緒に居たが、こんな表情は一度も見たことがない。

小鳩は俺の服をギュッと両手で握り締める。
強く、強く、決して離さないように。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 14:41:24.15 ID:STGr3SgWo<>
「なんであんちゃんはそうやって自分で全部抱え込むんじゃ……あんちゃんが死ぬのが一番いいなんて本気で思っとんの……?」

「おかしいかよ…………俺なんて居ないほうがいいじゃねえか…………。そうすれば誰も傷つかずに済むんだ!!」

「そんなわけあるかっ!!!」

どこにこんな力があるのか。
小鳩は俺の服を握ったまま強く押して、俺を柵へ叩きつけた。
ガァン!! と、夏の夜空に甲高い金属音が鳴り響く。

小鳩は涙をポロポロこぼしながら、それでも俺からは目をそらさずに口を開く。

「あんちゃんが居なくなれば誰も傷つかんなんて……そんなわけないやろっ!!」

「何言って……」


「――――うちが傷つくんじゃ!!!」


小鳩の言葉が、耳から脳に叩きつけられた。

少し強めの風が吹く。
小鳩の長い金髪がなびいて彼女の頬に張り付くが、気にする素振りも見せない。

俺は、ただ小鳩を見つめることしかできない。
泣き顔で、それでも目には強い光を宿して真っ直ぐ俺を見つめる彼女から、目を逸らすことができない。
何か言わなければいけない。
だが、まるで言語というものを忘れてしまったかのように、俺は何一つ言葉を発することができない。

小鳩は俺の胸に顔を埋める。

「うちにとっては、世界でたった一人だけのあんちゃんなんじゃ……!! 居なくなったら嫌じゃ……!!」

「…………」

「それとも、うちが傷つくのはしょうがないって思っとるん……? 他の大勢を傷つけないためなら、うち一人が傷つくのは構わんってことなん……?」

「そんなこと……」

「分かっとる、こんなん卑怯な言い方じゃけん……。でもうちはあんちゃんの妹じゃ。ワガママくらい、聞いといてよ……」

「…………」


俺は、何も見えていなかった。
この世界に、俺なんか必要ないと、本気で思っていた。

でも、それは違かったんだ。
俺は最低な奴だ。関わってくれる人を深く傷つけてしまう、どうしようもない奴だ。

そんな俺でも、確かに必要としてくれる人は居た。
ずっとすぐ近くに居たのに。ずっと、誰よりも俺のことを見ていてくれていたはずなのに。
今更、気付いた。


言葉はいらなかった。


俺は、小鳩をしっかりと抱きしめる。
俺とこの世界を繋ぎ止めてくれる、小さくて華奢なその体を。
大切に、もう二度と離さないように。


************************

【好感度変動】   >>6→>>33→>>235→>>335→>>378

                  小鷹からの好感度
羽瀬川小鳩      ★★★☆☆☆☆→★★★★★☆☆


【道具関連情報】
                道具レベル          備考
タイムリープマシン   ★★★★★★★   世界線変動によって消失

麻雀卓           ★★☆☆☆☆☆   世界線変動によって消失

************************  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 14:43:05.92 ID:STGr3SgWo<>



それから俺は何日も家で小鳩と一緒に過ごした。
毎日の食事は手抜きは一切せずに、小鳩が好きなものを作った。
ゲームを一緒にやったり、鉄(くろがね)のネクロマンサーを一緒に観たり。

そうやっている内に、次第にケータイが鳴る回数も多くなってきていた気もする。
だが俺は出る気にもなれず、電源を切ってしまった。そのままもう何日もつけていない。

俺はこうしてここで小鳩と一緒に居るだけで満足なんだ。



**************************************


これからの展開が>>380-383の中から、>>383の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/31(金) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>380
25〜49→>>381
50〜74→>>382
75〜99→>>383 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 14:43:31.86 ID:x2HNrq+30<> 小鳩と無理心中 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 14:44:12.70 ID:Q6OwmmpE0<> 小鳩殺して自分も死のう
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 14:46:21.57 ID:2nPZ23KJo<> 理科が殴り込み <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/08/31(金) 14:47:47.93 ID:G8/knc4g0<> もう一度理科部のみんなに相談しよう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 14:53:20.03 ID:7TdacP9z0<> <俺はこうしてここで小鳩と一緒
に居るだけで満足なんだ

これに明らかに矛盾した行動ですな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)<>sage<>2012/08/31(金) 14:54:01.58 ID:3OOpQuxjo<> >>383
よくやった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 14:54:49.96 ID:x2HNrq+30<> 矛盾行動過ぎワロス <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 15:15:40.43 ID:hRVXIFSqo<> 矛盾とか安価スレで何言ってんだか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2012/08/31(金) 15:20:47.60 ID:HIx4rotZo<> 安価物騒なのばっかでワロタ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/08/31(金) 16:51:27.29 ID:Z3jIKjKqo<> これで羽瀬川小鷹 大勝利!希望の未来へレディ・ゴーッ!!できるといいな <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 17:06:16.16 ID:STGr3SgWo<>
「ねぇ、あんちゃん……」

「ん、どうした?」

夕食中、小鳩が真剣な様子で話しかけてきたので、俺も真面目に受け答える。
いつものレイシスの口調でないところを見ても、何か重要な話なんじゃないかとも思う。

「理科部には……行かんつもりなん?」

「……それは」

「あの人達もあんちゃんの事を大切に思っとるはずじゃけん……寂しがってると思うと」

「…………」

理科部の事は、最近意図的に考えないことにしていた。
俺にとってあそこは大切な場所だ。それは少しも変わっていない。
しかし、あいつらも小鳩と同じように俺を本当に必要としてくれているのだろうか?

たぶん、俺が居なくても理科部はいつも通りに活動を続けているはずだ。
理科がへんてこな発明品を作って、それでみんなで楽しくバカやっているはずだ。

タイムリープする前。
俺と理科はケンカして、彼女は友達を放っておけるわけないと言ってくれた。
俺はそれが本当に嬉しくて……だからこそ、いつかその絆を壊してしまうかもしれないという事が、どうしようもなく怖かった。

「俺は……怖いんだ。あいつらを傷つけちまうのが…………」

「もう傷ついてるかもしれんとよ」

「え?」

「うちじゃったら……あんちゃんと会えないだけで傷つく……。たぶん、理科部の人達も同じだと思う」

「……それは…………分からないだろ…………」

こんな俺でも居ないと寂しがってくれるかもしれない。
しかし、それはあの夜空の泣き顔よりも重いのだろうか。
また他の誰かが俺のせいであんな顔をしてしまうくらいなら、まだこうして離れていたほうがいいんじゃないか。

すると、小鳩が突然ガタッと立ち上がった。

「あんちゃんだって寂しいくせに!! みんなと会いたがってるくせに!!」

「なっ、俺は……!!」

「あんちゃんは逃げてるだけじゃ! みんなのためって言っとるけど、本当はただ自分が傷つくのが嫌なだけなんじゃ!!」

「…………食器、食べ終わったら水につけとけよ」

「あんちゃん!!」
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 17:07:54.04 ID:STGr3SgWo<>

俺は小鳩から逃げて、自分の部屋に引きこもった。
何一つ言い返せなかった。言い返せるわけがなかった。

本当は、自分でも気付いていた。
小鳩から言われるまでもなく、ずっと分かってたんだ。
屋上で飛び降りようと考えていた時も、心のどこかで誰かに止めてほしいと思ってたんだ。

理科部に戻りたい。
そんなのは当たり前だ。
俺にとって初めての、心から落ち着ける奇跡みたいな場所なんだ。

でも、怖い。
このままでは本当に大切なものも壊れてしまう、それは分かってる。
それでも、あの夜空の泣き顔が、ただただ怖い。

俺は、やっぱりどうしようもない臆病者だ。
こうしてケータイを手にとって電源を入れるのも、誰かに助けてほしいという、まるで子供のような理由からだ。


電源を付けた瞬間、いきなり電話がかかってきた。



**************************************


電話の相手が>>392の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/31(金) 00:00:00.(00)←ここ

00〜29→理科
30〜59→夜空
60〜79→幸村
80〜94→星奈
95〜99→マリア <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 17:08:19.92 ID:x2HNrq+30<> s <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 17:12:45.90 ID:PZNlGp9Xo<> ここにきて肉か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2012/08/31(金) 17:17:25.14 ID:6Ai9N376o<> マリアァ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 17:19:41.75 ID:L5Sz8Mve0<> 肉かよ・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 17:20:39.40 ID:kKB1+WRLo<> このタイミングの肉はありだとおもいます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/08/31(金) 18:06:17.12 ID:Z3jIKjKqo<> 落ち込んでるとこを優しくされて肉に靡くか <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 22:31:59.59 ID:STGr3SgWo<>
『あ、もしもし!! あ、あのわたくし柏崎星奈ですけど!! 小鷹くんいますか!?』

「……落ち着け、星奈。これは俺のケータイだ」

『……あれ、小鷹? なによ驚かせないでよね』

「驚いたのはこっちだっての」

いきなりの大声に、俺はケータイを耳から少し離して呆れながら言う。

一方で、こんなにもいつも通りな星奈に少し安心しているところもあった。
こうして話していると、今までと何も変わっていないように思える。

『あ、それより小鷹! あんたねぇ……』

「お、おう…………」

やっぱり電話をしてきた理由は、俺がここ最近部活に出ていない事についてだろうか。
あまり気の進まない話ではあるが、それでも逃げるわけにはいかない。
こうしてわざわざ電話をしてくれたんだ。ちゃんと話し合うくらいはしないといけない。

……しかし。


『小鳩ちゃんが最近全然部活に来ないじゃない!!』


星奈の言葉が耳から入って脳で処理されるまで少しかかった。


「……え?」

『だから! あたしの妹で天使の小鳩ちゃんが全然部活に来てないけどどうなってんのよって言ってんの!!』

「いやお前の妹ではないからな。一応言っておくけど」

俺は星奈の言葉にガクッと拍子抜けしてしまう。

しかし、同時に笑いが腹の底からこみ上げてきた。
星奈はどんな時でも星奈だ。
このブレなさは、眩しくさえ思える。

「……ぶっ、くくく…………っ!!」

『ちょっと、何笑ってんのよ! あたし的には大問題なんだけど!?』

「悪い悪い。で、小鳩が部活に来てほしいって話だろ? 分かった、俺から言っておくよ」

『えぇ、任せたわよ! あぁ、そうだ。ついでだしあんたも来なさいよ』

「ついで……ってなぁ…………」

『ほら、あんたが居れば小鳩ちゃんも来やすいだろうし。それに…………』

ここで星奈が言いにくそうに言葉を切る。
だが、沈黙は長くは続かず、

『あんたでも、居ないと居ないでちょっとつまんないなって思うしさ』

「……星奈?」

『この際だから言っとくけど、特に夜空とかあからさまに寂しそうよ? あんたそういう所鈍いから分かってないんでしょうけど』

「え……夜空が…………?」

『うん。ていうかあんた夜空となんかあったでしょ? 何となく、いつもと様子が違うのよねあいつも』

「いや、一度言ったろ? 俺が……」

そこまで言って俺は口を止める。
俺が理科部に夜空のことを相談したのは、タイムリープする前の話だ。
つまり、今の星奈はそこら辺の事情は全く知らない。俺と夜空が幼馴染であることも、俺が夜空に告白されたことも。

他にもみんなで麻雀をやったことや、さとりヘルメットで夜空の気持ちを探ろうとした事も、この世界線ではなかったことになっている。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 22:35:04.66 ID:STGr3SgWo<>
『……なによ?』

「あ、いや、何でもない」

『……? まぁ言いたくないならいいけどさ。とにかく、明日は部活来なさいよ。もちろん小鳩ちゃん連れてね!!』

「なぁ、星奈」

俺は覚悟を決めて切り出す。
ここで、どうしても聞いておかないといけないと思った。

『なによ急に真面目な声出して?』

「もし俺が……お前を本気で泣かせるほど傷つけたらどうする?」

『当然ぶち殺すわよ』

「……そ、そうだよな…………。俺はさ、そういう事するかもしんねえ奴なんだ。だから、俺は部活に行かないほうがいいと思ってんだ」

『……は?』

俺は早まる鼓動を押さえつけながら、今思っている事を正直に話す。
これを言って、そして拒否されて終わり。そう覚悟して。

しかし、それを聞いた星奈の言葉は何とも気の抜ける様なものだった。
俺が何を言っているのか本気で分からない、そんな感じの。

『えっと、つまり……あんたは誰かを傷つけちゃうかもしれないから部活に行かないって言ってんの?』

「あぁ……」


『あんたバッカじゃないの?』


俺が真剣に……それこそ、そのまんまの意味で死ぬほど悩んでいた事を一言で切り捨てる星奈。
巨大な鉄球が呆気無く全てを吹き飛ばしてしまう、そんなイメージが脳裏に浮かんだ。

「は、はぁ!? お、お前、バカって…………」

『だって誰かを傷つけちゃうかもしれないとか、そんなのみんなそうでしょ。あたしは何度夜空に本気でブチ切れたか分かんないわよ』

「……そ、それでよく一緒に居られるな」

『んー、だって人間って基本的に衝突し合うもんでしょ。高貴なあたしはいちいち気にしてないわよ。
 ていうかさ、あんたはその、理科部全員友達だって思ってるわけでしょ?』

「あぁ」

恥ずかしそうに聞いてくる星奈に、俺はすぐに返す。
俺にとっては、今でも理科部のみんなは大切な友達だ。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 22:44:14.07 ID:STGr3SgWo<>
『それじゃあ、なおさらクヨクヨ考えてんじゃないわよ。何度衝突しても、必ず最後には仲直りできる。それが友達なんじゃないの?』

「じゃあ俺が何度もお前を傷つけても仲直りしてくれんのか……?」

『し、してやるわよ。あたしだってその、あんたの事友達だって思ってあげてるわけだし、いつまでもギスギスしてるのも嫌だし……。
 …………って何恥ずい事言わせてんのよバカ!!!』

「星奈……」

星奈の言葉が心に染み渡るように広がる。
まさか、星奈がここまで言ってくれるとは思わなかった。
そして俺にとってそれは救いの光のようで、眩しくて暖かい。

どんなに暗い空でも明るく輝く星のように、暗闇に居る俺を照らしてくれる。
俺はまるで神に懺悔するかのように、うなだれる。


しかし。


『それにほら、ゲームでも多少好感度下がってもその後いくらでも挽回できるし!
 むしろ、一度好感度を下げないとフラグが立たないって子さえいるのよ!!』


完全な沈黙が流れる。


「…………」

『あ、あれ? 小鷹?』

「はぁぁぁぁぁ…………」

『な、なによその深い溜息は!?』

「いや、お前はどんなに良い事言ってもやっぱり残念だなぁ……ってさ」

『ちょ、あんたあたしのあかり達との思い出をバカにする気!? それなら容赦しないわよ!!』

「…………くくっ、ははははは!!」

『何笑ってんのよおお!!』

やっぱり、星奈はいつでも真っ直ぐ自分を突き通している。
それはきっと凄く難しいことで、大人になるにつれてできなくなっていくものなんだろう。
俺は素直に星奈のそういう所が羨ましい。
体ばかり大きくなって、心は子供の頃よりも弱くなってしまった。俺は最近そう思う。

俺はひとしきり笑うと、

「ありがとう……本当に、ありがとな…………」

『……大笑いしたと思ったらいきなり感謝してくるし…………まぁ、このあたしがわざわざあんな事言ってやってんだから感謝するのは当然ね!』

「あぁ、本当にすげえやつだよ、お前」

『な、なにマジになってんのよ気持ち悪い!! あー、もう!! と、とにかく明日は小鳩ちゃん連れて部活に来ること!! いいわね!?』

「分かった。必ず行く」

そうやって、俺と星奈の通話は終わった。
電話の前と後では、まるで目に映る世界が変わったかのようだ。
心も信じられないほど軽い。むしろ今まで鉛でも詰めていたのかと思うくらいだ。

俺は立ち上がって部屋を出ていく。
明日は部活に行くぞと、小鳩に言わなければ。



************************

【好感度変動】   >>6→>>33→>>235→>>335→>>378→>>400

                  小鷹からの好感度
柏崎星奈       ★★☆☆☆☆☆→★★★★☆☆☆

************************ 
 
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 22:46:13.21 ID:STGr3SgWo<>


次の日、俺と小鳩は理科室まで来ていた。
久々に来ると何か妙な緊張感を覚える。不登校の生徒が勇気を出して教室に入ろうとしているようなものか。
しかし、ここで逃げるわけにはいかない。
小鳩も俺の上着の裾を掴んで、真剣な目でこちらを見上げている。

俺は一度深呼吸をすると、意を決してドアを一気に開けた。


**************************************


理科部の出席状況が>>402-406の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/31(金) 00:00:00.(00)←ここ

理科>>402
00〜69→出席
70〜99→欠席

夜空>>403
00〜29→欠席
30〜99→出席

幸村>>404
00〜39→欠席
40〜99→出席

星奈>>405
00〜79→出席
80〜99→欠席

マリア>>406
00〜59→出席
60〜99→欠席 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 22:46:29.98 ID:x2HNrq+30<> d <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/08/31(金) 22:46:40.69 ID:7TdacP9z0<> j
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/08/31(金) 22:48:16.80 ID:Z3jIKjKqo<> どうやったら小鷹先輩を攻略できるんでしょうか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 22:49:53.49 ID:x2HNrq+30<> f <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 22:50:29.65 ID:x2HNrq+30<> g <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 22:50:41.60 ID:6h7dAYlbo<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 23:19:58.26 ID:i8VCgvTbo<> 理科はラウンダーに拉致られました。 <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/08/31(金) 23:26:53.35 ID:STGr3SgWo<>

「小鳩ちゅわんきたあああああああああああああ!!!!! 可愛すぎるマジ天使ペロペロさせてペロペロ!!!」


部屋に入った俺がまず聞いたのは、若干狂気じみた勢いの星奈の声だった。
当然ながら、小鳩はすぐに俺の背後に隠れる。

部屋を眺めてみると、何も変わっていない。まぁ数日の間にそこまで大規模な模様替えをすることもないだろうが。
今日部活に来ていたのは幸村に星奈、そして夜空だった。
幸村は相変わらずぼーっと突っ立っており、夜空もただ無表情に本を読んでいた。

だが二人とも、俺が部屋に入ってきたのに気付くとそれぞれ反応を示してくれた。

「お久しぶりです、あにき。全国制覇のたびはいかかでしたか? わたくしもお供できなくてざんねんです」

「んなもんしてねえよ!」

「あー、その、小鷹」

俺が幸村に突っ込んだ時、夜空が気まずそうに話しかけてきた。
ドクンドクン……と心臓の鼓動が早まるのを感じる。

「この前は、悪かったな。私がどうかしていた、あの時は色々と心に余裕がなくてな……。お前の気持ちも察するべきだった」

また、以前見た無理をした表情だ。
俺はその表情を見て、胸を圧迫される感覚を覚える。
それでも、怯んではいけない。逃げてはいけない。

文化祭を境に、夜空は俺とは恋人ではなく友達でいることを望んでいる。
これは前の世界線でさとりヘルメットを使って掴んだ情報だ。
今の俺には、前の世界線での積み重ねがある。

たとえ何度も失敗しても、俺達は必ず元の関係に戻ることができる。
それは、星奈が教えてくれたことだ。
俺が星奈をチラリと見ると、彼女は小さく笑ってこっちを見返す。

俺は、夜空に向かって口を開く。


**************************************


小鷹の言葉が>>410-413の中から、>>413の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/31(金) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>410
25〜49→>>411
50〜74→>>412
75〜99→>>413 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 23:28:19.13 ID:x2HNrq+30<> 夜空、学園祭で言った事は嘘だ
俺は幸村のことなんか好きじゃない
早く死んで欲しいとさえ思っているからな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 23:28:23.21 ID:KQ0cMWlSO<> いや、俺が悪かった……本当に、ごめりんこ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 23:29:39.25 ID:7TdacP9z0<> >>410
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 23:29:56.27 ID:A5nf7Yyo0<> この間は動揺してごめんな。まだだれを好きとかはわからないんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/08/31(金) 23:32:22.65 ID:pJqCBZDao<> なにも反省してねえwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2012/08/31(金) 23:32:49.62 ID:P5THl8iAO<> 友達ってさ…言いたい事が言えるって事だろ…? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/08/31(金) 23:37:13.68 ID:Z3jIKjKqo<> どうすれば夜空とのフラグを折らずに理科を攻略できるのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2012/08/31(金) 23:38:51.28 ID:1AZTNvAAO<> 安価が糞すぎて笑えてきた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 23:57:04.43 ID:kKB1+WRLo<> ベストな安価だな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)<>sage<>2012/09/01(土) 00:07:10.74 ID:ckBlSqoAO<> >>416
無難にやってれば誰の好感度も下がることはないだろうし、その内全体的に上がってくるだろう

それより問題は糞安価を阻止出来るかだな <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/01(土) 00:07:14.75 ID:zOfPkNy1o<>
夜空の表情は堅い。
こういう時、友達ならどうするんだろうか。
そう考えて、俺は……。


「いや、俺が悪かった……本当に、ごめりんこ」


まるで部屋が氷河期になったかのようだった。
夜空も星奈も、明らかにドン引きという表情で、小鳩まで気の毒そうに俺を見ている。
唯一幸村だけが普段通りのままだったが、ただただ無表情でこちらを見ているだけというのもそれなりにキツイ。

そんな何とも居たたまれない空気に、俺はただ固まるしかない。

すると星奈が顔を引きつらせて、

「小鷹……本気で寒いんだけど…………」

「なっ……そこまで!? 俺的には結構ウケると思ってたんだけど…………」

「……ぷっ」

「あ、今夜空笑ったよな!?」

「あぁ、小鷹のあまりの残念さに思わず笑ってしまったぞ」

「そこかよ!!」

どうやら俺が考えた笑いのネタは不発だったようだ。
これでは言ってる途中で笑い出さないように必死に我慢していた俺がとてつもなく間抜けだ。

……まぁそれでも、結果的にこうして夜空が笑ってくれてよかった。
まだその笑顔にはどこかぎこちなさが残るが、きっとこれから沢山笑っていければほぐれてきてくれるはずだ。

星奈もそれをどこか満足気な表情で見て、

「よし、じゃあそろそろ今日の活動を始めるわよ!!」

「何で貴様が仕切るんだ肉」

「あっれぇ、なんか急に元気になったじゃない夜空。最近誰かさんが来ないからやけに落ち込んでたのにねぇ?」

「肉ぅぅ……!!!」

「待て待て、ケンカすんなって」

「ククク、人間とはすぐ頭に血が上るものだな」

「心は熱く、頭は冷静に。それがもののふとしてもっともよき心構えであります」

「別にもののふじゃねえけどな俺達……」

そんなこんなで、結局いつも通りな理科部。
やっぱり、この場所は居心地がいい。
俺はこうしてこの場所に居られることが、すごく幸せに思えた。


**************************************


理科部の活動が>>420-423の中から、>>423の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/01(土) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>420
25〜49→>>421
50〜74→>>422
75〜99→>>423 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 00:07:33.15 ID:QJqBd5aIO<> まるで成長していない… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/01(土) 00:08:50.40 ID:13hPisXN0<> 解散 <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/01(土) 00:09:38.85 ID:zOfPkNy1o<> 再安価すっか。ちょっと書き込まないでてね <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/01(土) 00:11:22.55 ID:zOfPkNy1o<>

理科部の活動が>>425-428の中から、>>428の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/01(土) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>425
25〜49→>>426
50〜74→>>427
75〜99→>>428 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/01(土) 00:11:46.64 ID:l11xMtU40<> タイムリープマシンを作る <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/01(土) 00:11:50.85 ID:13hPisXN0<> 今日はもう帰る <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/01(土) 00:12:05.46 ID:DQ3oon7oo<> お祭りに行こう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 00:12:20.84 ID:QJqBd5aIO<> アニメ鑑賞会 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 00:30:50.73 ID:4iKdP+Qro<> 原作っぽい展開 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 00:34:09.70 ID:+5HzlI9Xo<> ホモゲー部ですねわかります <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/01(土) 01:52:51.68 ID:zOfPkNy1o<> 「……けど活動つっても、理科がいないんだから発明品は作れないからな」

「じゃあもう作った道具で何かするって事でいいじゃない! 例えば電話レンジとか!!」

「貴様が使いたいだけだろうそれは」

「つーかダメに決まってんだろ。そんなもん例え使うにしても理科が居ないと危なすぎる」

「むぅ、つまんないわね……」

今この場で、実は俺はタイムリープしてきたとか言ったらどうなるんだろう、とふと考える。
……いや、たぶん信用してくれないだろうな。とても残念そうに俺を見る夜空と星奈の顔が想像できる。
まぁそれならそれでいい。俺自身、あまりその事は言いたくはない。

俺がそんな事を考えていると、他の部員達はなぜか部屋中をガサゴソと漁っていた。

「……何してんだ?」

「ん、何よ聞いてなかったわけ? 暇だからみんなで面白そうなもの探すのよ」

「面白いものって……」

「ククク、見ろ我が眷属よ。我は既に一つ財宝を見つけたぞ。何だこれは?」

小鳩が得意げに何かを見せてきたので、俺もとりあえず目を向けてみる。
それは香水瓶のような容器で……確か…………。

「……おい夜空。これって…………」

「理科の奴め……まだ処分していなかったのか」

見間違うはずがない。
それは俺を人生初の停学にまで追い込んだ、理科部最初の発明、超強力媚薬だった。
俺も夜空も、あの惨状を思い出して苦々しげな表情になる。

すると星奈が俺達の前に出て、

「小鳩ちゅわーん、何見つけたのー?」

「ん!!」

小鳩は半ば押し付けるように星奈に香水瓶を渡すと、俺の後ろに隠れてしまった。
星奈は「小鳩ちゅわん……」と泣きそうになっていたが、渡された容器を見ると、

「……あれ、これって香水? 理科も女の子らしいもの持ってんのねー。ちょっと使ってみようかしら」

「「ちょっと待てえええええ!!」」

即座に俺と夜空で奪った。
こんなものはもう二度と使わせてはいけない。

「あ、ちょっと何すんのよ!」

「この痴女が!! これは媚薬だ!!!」

「え、びや…………えええっ!?」

真っ赤になりながら夜空が放った言葉に、星奈と小鳩も顔を赤くする。
幸村だけは表情を変えずに首を傾げ、

「ですが、なぜあにきと夜空のあねごがその事をごぞんじなのですか?」

「……そ、それは」

「え、ちょっと、あんた達まさかそれ使って変な事したんじゃ……」

「違う、あれは事故だ!! というか理科がバカなだけだったんだ!!」

夜空が真っ赤になって弁解しているが、小鳩がジト目で、

「……あんちゃんと夜空がこれ使って……もしかして、その…………アレをしたと?」

「え……アレって…………こ、小鳩!? ち、違うぞ、お前なんか勘違いしてるって!!」

「うへへへへ、小鳩ちゅわーん、アレって何かなー? ちょっと言ってみてー?」

「死ね変態が!!!」

手をワキワキさせてハァハァと小鳩に近付く星奈を、夜空がハエ叩きで迎撃した。
ていうか、何でいきなり夜空とその……そういう事を疑われてんだ!? <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/01(土) 01:57:19.34 ID:zOfPkNy1o<>
幸村はそんな俺達をじーっと見て、

「つまりびやくで感情の高まったあにきと夜空のあねごはいきおいで性交渉……せっくすしたわけですね」

「「違う!!!!!」」

俺と夜空の声がハモった。
そして夜空は真っ赤な顔のまま、前髪をいじりながら、

「だからその、確かにこの道具のせいで大変なことになったのは事実だが、私と小鷹がえっと……いかがわしい事をしたとか、決してそんな事ではない!
 本当は何があったのかというのは思い出したくもないので言わないが、とにかくそういう事だ!! それに…………」

一気にまくし立てる夜空はチラリと俺を見る。
そして、どこか悲しそうな表情をすると、

「そういう事を言われると……小鷹が迷惑だろう…………」

「え……?」

「な、何でもない!! とにかく私達はそういう事はしていない!!そしてこの媚薬も処分する!! いいな!?」

そんな感じに無理矢理話を終わらせてしまう夜空。小鳩なんかはまだ疑わしげなジト目を向けていたが。
それにしても、さっき一瞬見せた悲しそうな顔が気になる。
後で聞いてみようかとも思うが、たぶんはぐらかされる気もする。

その後も俺達は理科室の整理をしながら、宝探しのようなものをしていたが、

「あにき、これは何でしょう?」

「ん? あー、これはブルーレイだ。理科のやつ、何でこんなに……」

幸村が整理していた棚には、アニメのブルーレイディスクが大量に保管されていた。
これだけ集めるのにどれだけの費用がかかったのか、やはり理科は趣味にはとことんお金をつぎ込むタイプなんだろう。

俺がそうやって呆れ半分、感心半分で棚を眺めていると、横から星奈が顔を出してきた。

「あ、これAirのアニメ!? あたしゲームはやったけどアニメは観たことないのよねー!」

「ゲームが原作なのか?」

「えぇ、大人向け美少女ゲームよ!」

「エロゲーかよ……」

「何よその目!! 言っとくけどね、Airは別にそういうシーンがメインじゃなくてすっごく感動する……」

「黙れビッチ。貴様の言葉で部屋が汚染される」

「なんですってえええええ!!」

「ククク、我はこっちの方が興味があるぞ」

いつの間にか近くまで来ていた小鳩が(それでも星奈からは可能な限り離れて)、棚からアニメを一つ取る。
そこにはキリッとした目付きの女騎士と、男子高校生が表紙に書かれていた。

すると夜空といつものケンカをしていた星奈が目を輝かせてこちらを見て、

「あ、Fateね!? それもあたし、ゲームならやったわよ!!」

「……なぁ、そのゲームって」

「大人向け美少女ゲームよ!!」

その星奈の言葉を聞いた瞬間、小鳩が無言で手に持っていたアニメを棚に戻した。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/01(土) 02:01:16.39 ID:zOfPkNy1o<>
「ちょ、ちょちょちょっと待ってよ!! 違うの!! だからFateも別にエロがメインってわけじゃなくて、純粋に文学として楽しむべきものなのよ!!!」

「見苦しいぞ肉!! このリアルダッチワイフが!!」

「ゲームやっただけで何でそこまで言われなくちゃいけないのよ!!!」

「……たしかにわたくしも、そういった場面があるだけでさべつするのはよろしくないかと思います」

「ゆ、幸村!! あんた分かってるわね!!」

「戦国時代のゆうめいな武将のはなしでも、そういったばめんがでてきますので……」

「……あぁ、そう」

一瞬目を輝かせて幸村を見た星奈だったが、その言葉を聞いてガクッと一気に冷めたようになった。
まぁ、これは幸村らしいし、星奈の考えているようなものとはだいぶ違う。

しかし星奈はバッと顔を上げると、

「……よし、じゃあ今日はここにあるアニメを観るわよ!!」

「却下だ。いかがわしいものは一人で勝手に観ていろ」

「原作は大人向けでも、ここにあるアニメは全部全年齢向けよ!!
 それにほら、こういうのを観て人間関係について学ぶっていうのもこの部の趣旨に合ってるんじゃない?」

「んー、確かに言われてみればな」

「こ、小鷹!? お、お前もその、そういうものが観たいのか!?」

「そういうものって…………いやいやいや、そういうわけじゃねえよ!! つかアニメは全年齢向けだって星奈も言ってんじゃねえか!!」

夜空だけではなく小鳩までジト目を向けてきたので、俺は慌てて弁解する。
一方で幸村は静かな声で、アニメの一つを手にとって、

「……この織田信奈の野望というもの」

「あ、幸村ってやっぱそういう歴史ものが好き? この前理科に言われてちょっと観てみたんだけど、結構面白かったわよ。
 なんかこの信奈って子の声がどことなくあたしに似ててさー」

「このような小娘が信長公のまねごとなど……恥知らずもいいところ…………!!」

「え、ちょ、何で怒ってんのよ!!」

幸村がプルプルと震えてそのままディスクを割る勢いだったので、俺が取り上げて元の棚に戻す。
俺はとりあえずこの場を収めようと口を開く。

「えっと、まぁでもいいんじゃねえか。たまにはみんなでアニメ観るのもさ」

「むぅ……まぁ確かにこれからの人間関係について参考になるものもあるかもしれないが…………」

「ククク、我もその戯れに興じてやっても良いぞ」

「あの信奈というものいがいであれば、わたくしもかまいません」

「よ、よし、決まりね!! それじゃあ……」

「言っとくが、いかがわしいシーンがあるものは却下だぞ肉」

「だからそんなのはないって言ってんじゃない!!」

そんな感じで、今日の活動はみんなでアニメ鑑賞という事になった。


**************************************


みんなで観るアニメが>>434-437の中から、>>437の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/01(土) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>434
25〜49→>>435
50〜74→>>436
75〜99→>>437 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/01(土) 02:02:11.81 ID:13hPisXN0<> エルフェンリート <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 02:02:35.04 ID:Zf8ZvFsY0<> レイシス <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)<>sage<>2012/09/01(土) 02:03:55.05 ID:9zuHglsAO<> チャージマン研! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 02:04:22.14 ID:QJqBd5aIO<> ギアス <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 02:04:23.99 ID:nOvsvLtp0<> lain <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2012/09/01(土) 02:07:07.03 ID:xrNd7syAO<> エルフェンリート見てちんちんおっき <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/01(土) 02:08:11.30 ID:zOfPkNy1o<> 今日はここまでー
もう9月だし、この回終わったら新学期でいいや <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2012/09/01(土) 02:13:27.27 ID:TQlRzi3S0<> またずいぶんヘビーなものをww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/09/01(土) 02:27:14.79 ID:cKQbfh3Zo<> 幸村の織田信奈評はさもありなんでワロタwww
今日も乙乙 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/01(土) 21:10:25.12 ID:zOfPkNy1o<>
「で、観るアニメだが……」

「はいはい、あたしに決めさせてよ!! 最高のチョイスをしてあげるわ!!」

「まず肉に選ばせるのは論外として、お前達は具体的に何を観たいとかはあるか?」

「ちょっと何よそれ!!」

「わたくしはあの信長公のまがいものでなければなんでも構いません」

「ククク、我もとくにこれといった要望はない。どのような駄作でも、付き合ってやろう」

「んー、そんじゃ俺が適当に取ってみるから、それ観てみようぜ」

そう言って俺は棚から目を逸らせて無造作に一本取った。
その表紙を見てみると、

「な…………!!」

裸の上からワイシャツを羽織っただけの女の子が描かれていた。
頭には角……のようなものが生えているが…………。
ちなみにこれはブルーレイではなくDVDだ。

タイトルは「エルフェンリート」。

俺がビックリして見ていると、

「この変態!!!」

ハエ叩きが顔面にぶち当たった。
夜空は真っ赤な顔をしているが、おそらく俺も今叩かれている所が赤くなっていることだろう。
俺はヒリヒリする鼻を押さえながら、

「べ、別に選んだ訳じゃねえって!! 適当に取ったものがたまたまこういうので……!!」

「さすがあにきです。つまり本能のおもむくままにとった結果ということですね」

「そうかもしれないけど、その言い方は色々と誤解を生むから止めてくれ!」

「ていうかこれくらいでそこまでムキにならなくてもいいじゃない。18禁マークもないし。あんまり気にしすぎてると逆にムッツリに思われるわよ?」

「ぐぅ……!!!」

「……ま、まぁ我もこのくらい大したことないと思うぞ」

「こ、小鳩ちゅわん可愛すぎるううううぅぅぅぅぅうううぅぅぅううう!!!!!」

星奈の言葉を聞いて、小鳩は無理をして平静を装っている。
顔も真っ赤でプルプルと震えているので端から見ればエロい絵に動揺しまくっているのがバレバレだが。

夜空は、小鳩のその様子に暴走し始めた星奈をハエ叩きで沈めながら、渋々といった様子で口を開く。

「……仕方ない。確かに表紙だけで判断するというのもあれだしな…………」

「そ、そうだぞ夜空!! 大切なのは中身だ!!」

「小鷹必死すぎ。ちょっと引くわよ」

なんと星奈に引かれた。
いや、俺はただ外見だけで色々と決め付けるのは良くないと思っただけだ。
俺自身、それですごく苦労してきたわけだし。

決してエロいものを必死に擁護しているわけではない。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/01(土) 21:13:13.72 ID:zOfPkNy1o<>
そんなこんなで、とりあえずエルフェンリートというアニメを観てみることにした理科部員達。
テレビのある準備室の方にみんなで集まり、DVDをデッキにセットする。
星奈が再生ボタンを押すと、すぐにOPが始まった。

変わった曲だった。
ゆっくりした曲調の、どこか悲しい場面での挿入歌としても使えそうなものだ。
歌詞は全部外国語だが英語ではなく…………ラテン語?
とにかく、神々しい、という表現が相応しい、思わず圧倒されるものだった。

一方で映像は、その…………。
女の子の裸だらけだった。

「 な ん だ こ れ は ! !」

夜空が顔を真っ赤にして立ち上がる。

確かにOPに出てくる女の子はみんな裸で、その、乳首も見えている。
しかし、決して星奈がいつもやっているエロゲーみたいな、いかがわしい感じではなかった。
芸術的、そういう感じがした。

「な、なによ夜空? あんたって美術展とかで裸の絵とかあったら大騒ぎするわけ?」

「……な……ぁぅ……こ、これはそういうものだと言いたいのか貴様は!!」

「そ、その通りよ! そうやって過剰反応するほうが恥ずかしいのよバーカ!!」

「ぐぅ……っ!!!」

こめかみをビキビキとさせながら座る夜空。
星奈の方も少し頬を染めているようだが、何かムキになって目を離さないで見ている。

ちなみに小鳩は完全に俯いてしまっている。
小鳩が好きなくろねくの変身シーンも女の子がほぼ全裸になったりはするが、こういうのとは完全に雰囲気が違う。

そして幸村はというと、ただただ無表情でガン見していた。
たぶんこれが一番大人な反応なのだろうが、女子高生的にはどうなのだろうか?

そんな色々と凄いOPが終わると、いよいよ本編が始まる。
OPがかなり変わったものだったので、余計にどんなアニメなのかという期待が高まる。
……いや、別にそういうエロいのを期待してるわけじゃない……わけではないが。


開始一コマ目。そこに映っていたのは千切れた人の腕だった。
 
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/01(土) 21:19:13.04 ID:zOfPkNy1o<>

「「ひっ!!」」


星奈と小鳩が同時に短く悲鳴をあげる。
俺もいきなりの事に息を飲む。隣の夜空でさえ顔をしかめている。
そんな中、やはり幸村は微動だにしておらず、もう凄いというより少し怖い。

場面はどこかの研究所かなんかだろうか。
いかにも危険です、といった感じに人間らしきものが拘束されており、その周りに警備員が集まっている。
どうやら研究所で隔離されていた危険な存在が脱走しようとしているらしく、まぁ割とよくあるシーンなのではないか。

とはいえ、まさかいきなりこんなグロい絵が出てくるなんて思わなかった。
これ以上酷くなるなら小鳩には観せないほうがいいんじゃ…………などと思っていると。


今度は人の首が吹っ飛んだ。


「いやああああああああああああああああああ!!!!!」

「びえええええええええええええええええええん!!!!!」

星奈と小鳩が逃げ出した。

無理もない。
派手に血をまき散らして首が吹っ飛ぶ様は、俺が観てても正直キツイ。
ていうか幸村、頼むから眉一つ動かさないのはやめてくれ。


そのまま場面は進んでいく。
研究所に拘束されていたのは女の子のようで、全裸で徘徊していく。フルフェイスのヘルメットのような物を被っていて顔は見えない。
本来ならここで夜空が全裸で乳首も丸出しの少女に対して「破廉恥だ!!」などと言うところかもしれない。
だがその全裸の少女が次々と警備員をバラバラにしていくので、もうなんかエロいとかそういう問題じゃなくなっていて、夜空も何も言わない。

BGMには、OPに使われている曲が男声バージョンで流れている。
神々しい曲だとは思うのだが、人が次々と千切れていく血の海の中で流されると不気味すぎる。

それに切断面なども無駄に描き込まれており、骨なんかも普通に見えてる。
こういうのってアニメでは影でぼかしたりするものじゃないのか。

そんなグロすぎる展開が続くこのアニメだが、一応癒し的なキャラも出てきた。
避難警報が発令されている研究所内で、事態を理解できていないで廊下でずっこけているドジっ子キャラだ。
とても可愛らしい子で、いわゆる萌えキャラというものなのではないか。そこら辺に詳しい星奈は出ていってしまっているが。

そんなドジっ子が転んで、今度はなんと脱走中の殺戮全裸少女の前に出てきてしまった。
いや、でも大丈夫なはずだ。こういうドジっ子キャラは、大ピンチに陥ると信じられないほどの幸運を発揮して助かるものだ。


その1秒後、ブチュリという音をたててドジっ子の頭がちぎり取られた。


「おい」


ここで夜空が停止ボタンを押す。
可愛い女の子の生首が宙に浮いているという何とも言えないシーンで映像が止まった。

さすがの夜空も顔をしかめて、心底気分の悪い顔をしている。
俺はあまりにもドジっ子が呆気無く死んだので、たぶん間抜けな顔をしていることだろう。
そして、幸村だけは相変わらず無表情で、何で止めたのか分からずに首を傾げている。

夜空はまるで頭痛に悩んでいるかのように、片手で頭を押さえて、


「これ以上観るか……? 正直私もそろそろキツイんだが……」


**************************************


>>446の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/01(土) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→もうやめる
奇数→最後まで観る

  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/01(土) 21:19:54.52 ID:3W/F6nBc0<> 加速 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)<>sage saga<>2012/09/01(土) 21:24:01.67 ID:38hh+8RI0<> それにしてもブレンパワードOPならば夜空はどの様なリアクションを取るのか
アニメとOPの歌詞込みで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage <>2012/09/01(土) 21:29:19.84 ID:pEg/VY69o<> エルフェンリートは昔友達に薦められて見ようとしたけど、OPで嫌な予感がしてやめてたわw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 21:33:38.64 ID:11iqy5/IO<> このアニメってこんなにグロいのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/01(土) 21:58:44.97 ID:cSWpOIq4o<> 主人公の目の前で妹が真っ二つにされて父親も首チョンパされるからな
小鷹が見たら軽くトラウマになるかもしれない

最後まで観れば神アニメなんだけどなぁ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/09/01(土) 22:14:35.66 ID:NIJe6dpQo<> ああ、次は なるたるだな <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/01(土) 22:53:47.26 ID:zOfPkNy1o<>
「……もうやめとくか」

俺は溜息をついてそう言う。

ちょっと観ただけですぐ止めてしまうのは良くないのかもしれない。
もしかしたらこの後に感動的な展開が待っているという可能性もある。

だが、正直ギブアップだ。
別にグロが苦手だというわけではないのだが、これはダメだ。
ただグロいだけでなく、心を折ってくるような感じがキツイ。

幸村は残念そうな表情をしていたが、アニメ鑑賞はここで打ち切ることにした。
ただのアニメ鑑賞がこんなにも残念なことになる辺り、いかにも理科部らしい。

幸村が全く動じていないのは、血なまぐさい戦国時代が舞台の物語とかを観ているからかもしれない。
そんな事をぼんやりと考えながら、俺はエルフェンリートのDVDをデッキから取り出して元の棚へとしまった。



***



理科部はその後すぐ解散になった。
元々部長の理科も居ないし、星奈と小鳩がどっか行ってしまったりとグダグダになってしまったからだ。

時刻は午後二時すぎ。
これからどうすっかなーなんて廊下を歩いていると、とあるものが目に入ってきた


何を見つけた? >>453 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 22:54:44.17 ID:mTfhlgRSO<> ワイン <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 00:21:13.32 ID:LhP3XAl4o<>
とある教室の前のロッカーの上に無造作に置かれたもの。
それは、結構な年代物だと思われるワインだった。

家の中の木製の棚なんかに飾ればそれなりに見栄えがよさそうだが、学校という場所にあると違和感が凄まじい。

「……なんでこんなもんがここにあるんだ?」

とりあえず職員室にでも行って知らせるか……と思うが少し考える。
俺はこの髪と目付きと学校での行いのせいで、完全に不良という扱いで見られている。
そんな生徒が学校でワインを見つけたと言ったらどう思われるだろうか。

……ほぼ確実に誤解されてろくな事にならない気がする。

今は夏休み中であり、もしかしたら部活で酒を飲んでいたのではないかと疑われる可能性だってあるかもしれない。
もしそうなったら、理科部にも迷惑をかけてしまうことになる。

そもそも、何でこんなものがこんな所にあるのだろうか。
学校に来ている者と言えば、部活をやっている生徒や顧問だけだろう。
何かの大会後の打ち上げ用、という事も考えられるが、わざわざ酒持って学校で打ち上げというのはリスクが高すぎる。


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ワインの持ち主が>>455の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/02(日) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→柏崎天馬
奇数→高山ケイト <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 00:21:40.23 ID:HNBGa3Qu0<> g <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 01:13:10.70 ID:LhP3XAl4o<>
俺がそうやってワインの前で悩んでいると、とある人物が走ってきた。
銀髪でシスター服の少女だ。

「あったあった! ここに置き忘れてたかー」

「あれ、ケイト……先生?」

「おぉ、君は羽瀬川小鷹くんじゃないか。あと先生ってのはいいよん、タメ語で呼び捨てにしてよ。
 一応わたしのほうが年下なんだしさ」

「えっと……分かった。それで、何でワインがこんなとこに?」

「ちょいとお祈り関係で使うんさ。ほら、ワインはキリストの血って言うっしょ?」

「あぁ……」

その言葉を聞くと、理事長の酔っ払った姿が頭に浮かんできて思わずげっそりする。
面倒くさかったな……理事長…………。

「ん、どうしたん、いきなり悩ましげな顔してさ」

「いや、何でもない。そんじゃ、お祈り頑張ってなー」

「ちょい待った待った」

俺は立ち去ろうとしたが、ケイトに後ろから首根っこを掴まれた

「な、なんだよ?」

「君も付き合いなさい」

「……は?」

ワインを軽く振ってニヤニヤ笑うその姿は、完全にオヤジ臭い。
年頃の女の子的にはかなりヤバイと思うが、本人は全く気にしていないようだ。

「だーかーらー、君もお祈り付き合いなさいって! どうせ暇なんでしょ?」

「まぁ暇だけど……」

「ほら、マリアの事とか聞きたいことも色々あるしさ。酒の席くらい経験しとかないと将来キツイよー?」

「それ完全に教師のセリフじゃないよな。ていうかお祈りに使ったワイン飲んじまってもいいのか?」

「うん。だって勿体無いじゃん」

「さいですか……」

至極もっともな返答に俺は溜息をつく。
だがまぁ、妹の普段の様子が気になるというのはよく分かる。
それにマリアは普通の幼女ではなく、飛び級して先生もやっている天才だ。
普通の人とは違う人生を歩んでいるだけに、それだけ気にかかるのだろう。

それを言ったらケイトも俺より年下で先生をやっているのだから、変わっているのだろうが。

「分かった、付き合うよ」

「よっしゃー、それじゃついてきてよ!」

というわけで、ひょんな事から俺もシスターのお祈りに参加することになった。
 
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 01:15:27.32 ID:LhP3XAl4o<>


***



一時間後。
礼拝堂のホールでシスター達と一緒にお祈りを済ませた俺は、そこのすぐ近くにある談話室4という所に来ていた。
木製の棚やテーブル、そしてソファーなんかもあって、落ち着ける空間が広がっている。
どうやらマリアはここの部屋の管理を任されているらしい。

部屋にいるのは俺とケイトとマリアの三人。
シスターは他にも沢山居たのだが、みんなそれぞれどこかへ行ってしまった。

俺達はテーブルに座ってワインを飲み交わしている。さすがにマリアはぶどうジュースだが。
ケイトはもうすっかり出来上がっていて、頬を赤く染めて上機嫌になっていた。

「やばい小鷹が分身してる!! ロックすぎんだろあははははははは!!!」

「おいケイト、大丈夫かよ」

「ババアの頭がいつも以上にうんこなのだ」

マリアにまで引かれてる様は何とも痛々しい。
それでもケイトは気にする素振りも見せずに、

「んでんで? わたしの可愛いマリアは部活ではどんな感じなんかね???」

「こ、小鷹……クソババアが気色悪いのだ…………」

「ま、まぁそう言うなよマリア」

俺はマリアをなだめながら、ケイトの質問に対して答えるべく口を開く。


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小鷹の言葉が>>458-459の中から、>>459の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/02(日) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→>>458
奇数→>>459 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 01:16:40.53 ID:HNBGa3Qu0<> うんこうんこウザイうんこ野郎だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 01:17:23.25 ID:N9C6y7/IO<> 変態DA! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 01:18:08.60 ID:QwzbZJgIO<> ほい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage <>2012/09/02(日) 01:31:34.42 ID:UzHBANe8o<> ひどいwwwwwwwwwwwwwwwww <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 01:31:41.12 ID:LhP3XAl4o<> 眠いからここまで。エルフェンリートは面白いよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/09/02(日) 03:41:17.70 ID:LDSGhmfso<> おっつー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 07:55:15.42 ID:vKEYK6Gf0<> まあ小鷹が麻雀で負けたらうんこ食わそうとしたり変態と言えなくもない <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 13:39:31.29 ID:LhP3XAl4o<>
「変態だな」

俺が腕を組んでそう言うと、マリアがガタッと立ち上がった。

「なっ……何を言うのだ!! ワタシは変態などではないぞ!!」

「マリア、変態っていうのは下品な事を言ったりやったりする奴だよな?」

「た、確かにそうだ……」

「じゃあマリアがよく言ってる『うんこ』って言葉はどうだ? 下品じゃないか?」

「……下品です」

「つまりそれを連呼してるマリアは変態ってことになるな?」

「…………あはは…………そっかー、ワタシは変態だったのかー。理科や星奈と同類かー。
 生まれてきてごめんなさい…………」

「ちょ、ちょっと待てマリア! 別にそこまで言ってないって!」

少しからかったつもりなのだが、本気で落ち込むマリアに慌てる俺。
というか、マリアの言い方だと理科や星奈もダメージがデカそうな気がする。

するとケイトが笑いながら、

「おいおいチミィ、うちの妹をあんまりいじめなさんな」

「悪い悪い、冗談のつもりだったんだけどな」

「んー、しっかしマリアはちょいと素直すぎるってのがあるんだよね。
 人を疑わないっていうのは高尚な事のように聞こえるけど、それは相手を知ろうとしていないとも言えるんだよね」

「でも、人を疑えって言うのはちょっと違うんじゃないか?」

「そうなんだよね。だから、何でもかんでも信じすぎるな、としか言えないんだよね」

まるで子供の事について話し合っている両親のようだ、とふと思うが口には出さない。
一方でマリア本人はまだショックから立ち直れないようで、子供らしくない生気のない顔で俯いている。

俺はそんなマリアの頭をなでる。

「そんなに落ち込むなって。これから直していけばいいだろ?」

「……これから『うんこ』って言わなければワタシは変態でなくなるのか?」

「あぁ、もちろん」

「そ、そっか!! 分かったのだ!! これからはもう『うんこ』って言わない!!」

「今言ったけどね」

「あ!! い、今のはノーカンだクソババアめ!!!」

「マリア、クソっていうのはつまり『うんこ』って事なんじゃないか?」

「そ、そうだった!! それなら…………このリアルダッチワイフめ!!!」

「……ねぇねぇ小鷹クン。何でうちの妹がこんな言葉知ってんのかな?」

「…………」

ジト目をこちらに向けてくるケイトから目を逸らす。
マリアがこういう言葉を覚えたのは、十中八九夜空のせいだ。
後で一応注意しておくことにしよう。

まぁマリア本人は意味も分かっていないようだが。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 13:41:43.87 ID:LhP3XAl4o<>
その後、マリアには『リアルダッチワイフ』も『歩く公衆便所』も『ビッチ』も下品な言葉だという事を説明して、使うのをやめさせた。
どう下品なのか説明するのは俺には不可能だったが、とにかく下品だという事で押し切った。

ケイトはそれで満足そうにうんうんと頷くと、

「やっぱり性教育っていうのはお父さんの役目だよねぇ」

「いやいや、マリアは女の子なんだからお前の役目だろ。ていうか俺はお父さんじゃねえ」

「うわー、人生初の失恋だ。泣くぞー? 泣いちゃうぞわたしー?」

「お前面倒くせえ……」

「あっはっは、そう言うなって。この年で酒に強い女の子っていうのも嫌だろう?
 それよりさー、小鷹クンには悩みとかはないのかい?」

「悩み? そりゃないこともないけど……」

「ふっふっふ、このわたしに話してみんさい! このシスターさんが悩める子羊の話を聞いてあげよう!!」

「えー」

なぜか上機嫌にそう言うケイト。
これは俺が何か言うまでしつこく引き下がってきそうだ。


**************************************


小鷹の悩みが>>467-468の中から、>>468の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/02(日) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→>>467
奇数→>>468 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 13:42:35.60 ID:MXngB49SO<> インポなんだ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 13:48:17.37 ID:F2WOLS90o<> 夜空のこと <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)<>sage<>2012/09/02(日) 13:51:29.96 ID:MYpS4Vy4o<> >>467
あぶねぇ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(四国)<>sage<>2012/09/02(日) 14:12:51.85 ID:swNpnBfAO<> >>469
いや酔ったケイトが相手だからある意味ではチャンスだったかも知れん
まあ普通に>>468でいいけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 15:49:10.46 ID:3N8tWF4IO<> インポだったら病院行けとしか言えないなww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 17:10:01.80 ID:cqyOeQVIO<> ここってエロ安価もありなの? <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 17:19:16.69 ID:LhP3XAl4o<>
俺は、夜空のことを相談することにした。
実は幼馴染であることや、告白されたこと、そして文化祭の事も全て話した。
いくら相談に乗ってくれると言ってくれたとはいえ、こうして次々と言葉が出たのは酒の影響もあるのかもしれない。

ケイトはちびちびとワインを飲みながら、黙って聞いていた。
そして俺が全部話し終わると、真っ直ぐ俺を見つめて口を開く。
その目はアルコールでトロンとしてはいるが、穏やかで包まれるような暖かい印象を受ける。

「ふむふむ、つまり三日月さんは君と元の友達の関係になろうと頑張っている。
 だから自分も何かできることはないか、って事だね。いやー、青春してるねー」

「俺より年下が何言ってんだよ……」

「お、そうだった。わたしの青春もこれからさね。
 ……んでさ、一つ聞きたいんだけど、君はなんで三日月さんが友達の関係に戻りたがってるって思ったんだい?」

「それはさとりヘルメットで……」

ここで俺は言葉を止める。
さとりヘルメットを使って夜空の心の中を探ったのは前の世界線での話だ。
この世界線ではそんな事はなく、あの事はなかった事になっている。

俺はそういうタイムトラベル関係の知識は少ないので、こういう事は話していいのかどうか分からない。
もしかしたらタイムパラドックスというやつが起こって、大変な事になってしまう可能性だってあるんじゃないか。

ケイトは首を傾げて、

「さとりヘルメット?」

「あ、いや、何でもない。詳しくは言えないけど、それは確かなんだ」

「……ふーん」

ケイトはもう一口ワインを飲んで、じーっとこちらを見る。
すると、今度は先程からキョトンと成り行きを眺めていたマリアが口を開いた。

「何をそんなに悩んでいるのだ? それなら小鷹が夜空に『友達になってくれ!』って言えばいいじゃないか」

「それくらい簡単な問題なら楽なんだけどねぇ。まぁまだマリアには早いか」

「む?」

「それじゃあ小鷹くん、ここらでわたしの考えを言っとこうか」

「あぁ」

俺が頷くと、ケイトは片目をつむって人差し指で俺の事を差す。


「三日月さんはまだ君の事が好きだと見た」


ケイトの言葉に俺は呆然とする。
今まで言ってきた言葉が届いていなかったのか、と思う。

「いやだから、アイツが友達に戻りたがってるってのは確かで……」

「でもそれは君がそう思ってるだけでしょ?」

「……違う。道具を使ったんだ」

「道具?」

もうさとりヘルメットの事を言ってしまうことにした。
それを言わないと説得力がでないのだから仕方ない。

確かに今の状態は、ただ俺が決めつけているだけにすぎない。
  <> エロ安価も構わないよ 
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 17:26:15.47 ID:LhP3XAl4o<>
「さとりヘルメット。理科部の発明品の一つだ。相手の心を読む」

「ほう、なんだか凄いもの作ってるんだねぇ」

「理科が居るからな。とにかく、それを使って夜空の心を読んだんだから、間違いないんだよ」

「……それってさ、心の奥底まで読めるものなのかな?」

「あぁ、そうだって聞いた」

俺の言葉を聞いて、ケイトは困ったように頭を押さえた。

「あちゃー、それじゃわたしの勘違いなんかねー。仮にも教師なのに恥かしいよ」

「ていうか、ケイトは何で夜空がまだ俺の事が好きだなんて思ったんだ?」

「三日月さんのイメージ的に、一度好きになったらそう簡単にその気持ちは変わらない、と思ったんだよ。
 それに君、周りに女の子多いっしょ? 妹くんとマリアは除外するにしても、三日月さん以外に志熊理科さん、柏崎星奈さん、楠幸村さん……」

「あいつらは同じ部活の友達ってだけで……」

「でも三日月さんはそう思わないかもしれない。
 それこそ自分に興味が無いような態度をとられたら、もしかして他に好きな子が居るんじゃないかって思うかもしれない」

「…………」

「でもそのさとりヘルメットってやつで確かめたんならそんな事もなさそうだねー。…………って、あれ、小鷹くん?」

俺はケイトの言葉を聞いて少し考え込む。
ありえなくもない、そう思ってしまった。

あの文化祭の日、夜空の表情は簡単には忘れられないほど悲しみに満ちていた。
あれ程の表情をして、後日すぐに「これからは友達でいよう」なんて前向きに考えられるのか?
三日月夜空は、そんな性格だったか?

先程の理科部での会話が頭に蘇ってくる。
理科の媚薬が発見されて、俺と夜空がそれを使っていかがわしい事をしたんじゃないかと疑われた時、夜空は何と言った?


『そういう事を言われると……小鷹が迷惑だろう…………』


このセリフは……まさにケイトが今言った事が当てはまるのではないか。
夜空は、自分のことは俺にとって全くの対象外なんだと決め込んで……。
そんな俺に気を使って、自ら身を引いた……?


いや、待て。そんな事はありえない。
俺はさとりヘルメットを使ったんだ。それでハッキリと夜空の心の声は聞いている。


《本当に小鷹らしい…………。小鷹はこうして友達として接してくれているのに、私は…………》

《これでいいんだよな…………友達とはこういうものなんだから…………》


これを聞けば、夜空が俺と元の友達に戻りたがっているのが分かる。
そしてこれが夜空の心の底からの声なんだ。
夜空がまだ俺のことを想ってくれているなんていうのは、都合のいい俺の妄想に過ぎない。
さとりヘルメットが全てだ。曖昧な推論などこれの前では意味がない。あの天才の理科の発明なんだから…………。

そこまで考えて、ふと一つの疑問が頭に浮かんだ。


……理科の発明品は絶対だったか?


俺の思考が停止しかける。
いや……さすがにそれは…………ないはずだ。
確かに握手の練習機なんかは、暴走して危うく夜空の手を握りつぶす所だった。
それでも、そんな例は珍しい方で、機能だけは全部上手く言っている事が圧倒的に多い。

「ちょっと悪い、電話かける」

「へ?」
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 17:33:05.87 ID:LhP3XAl4o<>
俺はケータイを取り出すと、理科へ電話をかける。
今日は企業の手伝いがあるという話は聞いていたが、それでも今すぐに確認したかった。
少しでも早く、このもやもやを晴らしたかった。

数コールで理科が出た。

『もしもし、どうしました先輩?』

「悪いな理科。今って大丈夫か……?」

『先輩からのお電話なら年中無休でウェルカムですよ!! まぁ、それに今はこちらも大したことしてないんで、大丈夫ですよ』

「サンキュ。あのさ理科、さとりヘルメットの事なんだけど、あれって人の深層心理まで読み取るんだよな?」

『えぇ、そうですよ。なんたって理科の発明ですからね!』

「そ、そっか! そうだよな!!」

『え、えぇ……どうしました先輩、テンション高いですけど』

「あ、いや、何でもない」

俺のテンションが上ったのは酒のせいというわけではない。
こうして理科の口からハッキリと確証が取れて、やっとスッキリしたからだ。
それはまるで曇り空が吹き飛んで青空が広がったかのように、清々しいものだった。
俺は小さく溜息をついて、理科に礼を言って通話を切ろうとする。


――しかし。


『あ、そうだ。でも距離が離れると心の底までは読めなくなったりしますね。忘れてましたよ』


危うくケータイを落とすところだった。


俺は目を見開く、ただ呆然とするしかない。
電話の向こうで理科が何かを言っているのがぼんやりと聞こえるが、それに答える余裕が無い。

待て……ちょっと待て。

あの日、俺はどんな状況で夜空の心を読んでいた?
夜空の目の前であのヘルメットを被っているわけにはいかない。
だから、俺は、夜空の家のドアのすぐ前から彼女に電話をかけて心を読んだ。

理科部でみんなで試した時とは違う。
俺と夜空の間には、物理的な確かな距離があった。


俺は震える指で通話を切った。
マリアがキョトンとこちらを見ている。
ケイトが、相変わらずトロンとした目で、口元には笑みを浮かべてこちらを見ている。

「何か思い違いがあったようだね」

「……ケイト…………」

「さぁ、これでカードは揃った。もう君は何も知らない哀れな子羊ではない。
 わたしの教えとそこに確かに存在している事実を得て、君は決断する立場にあるんだ」

ケイトは手に持っていたワインの瓶を、ゴン!! とテーブルに乱暴に置く。
そして、口元の笑みをさらに広げ白い歯を見せて、


「――君は、これからどうするんだい?」


**************************************


小鷹の行動が>>476-479の中から、>>479の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/02(日) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>476
25〜49→>>477
50〜74→>>478
75〜99→>>479
  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 17:34:03.61 ID:3z9Qsw+W0<> 理科部とは縁を切る
金輪際関わらない
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 17:34:07.45 ID:vKEYK6Gf0<> 夜空のところへ行く <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 17:34:43.60 ID:HNBGa3Qu0<> ケイトに顔面パンチ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)<>sage<>2012/09/02(日) 17:34:49.87 ID:swNpnBfAO<> 夜空に電話 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)<>sage<>2012/09/02(日) 17:34:53.46 ID:MYpS4Vy4o<> 夜空の所へ行き謝る <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 17:36:23.71 ID:uYB2G6MXo<> よくやってくれた四国 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)<>sage<>2012/09/02(日) 17:37:24.47 ID:swNpnBfAO<> 窓開いてるのに危うく叫ぶところだったわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2012/09/02(日) 17:41:14.24 ID:msB2+9Dvo<> >>478
お前はナニがしたいんだよww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 17:44:00.34 ID:3N8tWF4IO<> 飛べよおおおおおおおおおおお、って? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 17:45:10.56 ID:sXKKvSSqo<> あの「幸村好きや」っていう安価でヤケクソになってムチャクチャな安価連発してる長屋がいると思われ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)<>sage<>2012/09/02(日) 17:51:39.08 ID:swNpnBfAO<> >>484
いや歓喜の雄叫び的なやつ <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 18:17:18.24 ID:LhP3XAl4o<>
俺は、すぐにケータイを開いた。
アドレス帳を呼び出し、カーソルを動かす。
夜空に、電話をかけた。

数コールで繋がる。

『もしもし、どうした小鷹?』

「夜空……お前俺のこと好きか?」

『ぶっ!!!』

電話の向こうで夜空が吹き出した。
無理もない、俺がいきなりこんな事を言うなんてらしくないというのは分かってる。
それでも、回りくどい言い方ではなく、ただ真っ直ぐ聞きたかった。

『な、ななななな何を言っているんだお前は!!』

「頼む夜空、教えてくれ」

『ッ!! わ、私は…………!!』

「あの文化祭の事で、俺とはもう付き合いたくないって思ったのか? でも、俺とは友達の関係でいてくれる、そういう事か?」

『違う!!!』

夜空の悲痛な声が聞こえた。
しかしすぐに夜空は、はっと息を飲んで、

『……あ…………いや、その…………』

「違うっていうのは……もう友達では居られないって事か?」

『そ、そういう事ではない………………ああもう!!!!!』

夜空が焦れったく思ったのか大声をあげた。
耳がキーンとなるが、俺はケータイを動かさない。

『私と付き合いたくないって思っているのは小鷹の方だろう!!!』

「俺……?」

『あぁ!! お前の事だ、直接言って私を傷つけないように、それとなく私に伝えていたのだろう? 文化祭の時もそうだ。
 ……ふふ、悪かったな、すぐに気づいてやれず。それで私が勝手に怒ったり泣いたりしたから、お前も大変だっただろう』

「夜空、俺は……」

『だが、小鷹が付き合いたくないなら、直接言ってほしかったよ。私はそこまで弱い人間ではない。例えフラれても、すぐに……』

「夜空!!!」

俺は声を張り上げる。
こんな事を彼女に言わせるために電話したわけではない。


**************************************


小鷹の言葉が>>488-491の中から、>>491の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/02(日) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>488
25〜49→>>489
50〜74→>>490
75〜99→>>491 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 18:18:29.53 ID:S39mMYJ00<> 俺と結婚を前提にお付き合いしてください! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)<>sage<>2012/09/02(日) 18:19:01.15 ID:MYpS4Vy4o<> 俺はまだ、結論を出せないだけなんだ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 18:19:21.12 ID:vKEYK6Gf0<> 夜空のことは大切な存在と思っているが恋人として好きなのかは分からない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 18:19:47.10 ID:Mf2KQ2oSO<> 今どこだ?今から行くから待ってろ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/09/02(日) 18:19:56.97 ID:LDSGhmfso<> 愛してる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<><>2012/09/02(日) 18:22:12.13 ID:+6RYU8Cs0<> 珍しくまともだな、どうしたんだ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 18:23:59.75 ID:HCdqi4+ro<> えんだああああああああああ……とはならないだろうな
小鷹からの好感度高くないし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(四国)<>sage<>2012/09/02(日) 18:24:46.78 ID:swNpnBfAO<> 結婚派は急ぎ過ぎだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 18:25:03.12 ID:HNBGa3Qu0<> 好感度不足だろ <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 18:32:00.64 ID:LhP3XAl4o<>
【告白判定】


>>498の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/02(日) 00:00:00.(00)←ここ

ゾロ目、または下一桁が0→成功
それ以外→失敗


失敗の場合は安価下で>>489を実行 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 18:32:40.39 ID:MXngB49SO<> どれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)<>sage<>2012/09/02(日) 18:32:50.57 ID:z2EAqM4Ao<> ヌッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 18:34:08.90 ID:vKEYK6Gf0<> 自分にとってどれだけ夜空が大事か語る <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 18:34:15.36 ID:rl6JLA/0o<> >>498
お前……どうしてあと0.01秒待てなかった…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 18:39:58.12 ID:MXngB49SO<> ゴメンネ(ゝω・)テヘペロ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 19:31:15.68 ID:OkXoSY4r0<> ちくしょおおおおおおおおおおお <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2012/09/02(日) 19:56:02.55 ID:9bEC5EES0<> …まあ、これは成功せんやろしゃーない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 20:33:47.19 ID:7+J1khQIO<> もう少しで理科は電話レンジ(仮)を使うとこでした <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 22:09:00.61 ID:LhP3XAl4o<>
『な、なんだ……?』

「俺はお前と付き合いたくないなんて思ってない! ただ……結論が出せないだけなんだ……」

『……だから小鷹、そういう気遣いは必要ないと』

「本当なんだ!!! 俺が文化祭で夜空の酷いこと言っちまったのは、俺がバカだっただけなんだ!! 遠回しに夜空を拒否したとか、そういう事じゃねえんだ!!」

『…………』

「頼む、信じてくれ夜空……!!」

俺は必死に声を張り上げる。
信じてもらえる証拠はない。ただこうして言葉をぶつける事しかできない。

夜空は長い間沈黙していた。
本当に物音一つたてないので、だんだんと心配にもなってくる。
だが、俺は辛抱強く待つことにした。

すると、

『…………ふふ、私もどうかしているな』

「え?」

『お前の今のセリフも、私を気遣ったものなのかもしれない。それでも私は、お前がまだ私の事を考えてくれている事に嬉しがっているのだからな』

「夜空……」

微かに震える声で話す夜空に、俺はそうやって名前を呼ぶことしかできない。
ケータイとは便利なものだし、こうやって離れていても話せるのは素晴らしいことだと思う。

しかし、こうやって離れながらに話しているからこそ、直接会いたいと思ってしまう。
その目を、その表情を見て話したい。そう思ってしまう。

『……分かった、お前の言葉を信じるよ小鷹。私は、まだお前の事を想っていてもいいんだな?』

「あぁ、もちろんだ」

『……ふふ、しかしお前、自分が何を言っているのか分かっているのか?』

「へ?」

『「俺はお前が対象外だと思っているわけじゃない。かといって好きかどうかは分からない」、と言っているんだぞ?
 どれだけ優柔不断なんだ。普通だったらとりあえずキープしているのかと思われるぞ?』

「うぐ…………その、本当にごめん…………」

『いい、気にするな。小鷹はそういう奴だし、そんなお前を好きになったのは私だ。惚れたほうが負け、という事だな』

苦笑する夜空に、ものすごく申し訳なくなる俺。
しかし、だからといって安易に告白を受けるなんていう事をしてはいけない。
彼女の真っ直ぐな気持ちには、俺もしっかりとした気持ちで受け止めなければいけない。
中途半端な気持ちで何か答えるのは、今以上に彼女に失礼だと思う。

だが、これだけは言っておかなければならない。

「夜空。俺、絶対答えを出すから。その時はすぐにお前に直接伝えるから。だから、待っててくれ」

『……あぁ、分かった。いつまでも待つよ。
 まったく、ここまで待ってくれる女なんて珍しいと思うぞ? それだけ私はお前にゾッコン、という事らしい』

「本当にありがとう……。俺にはもったいねえよお前は……」

『だから言っているだろう。お前だからこそ、私はこういう女になれるんだ』

夜空の声はとても良く澄んでいて、心地良いそよ風のように俺の心を撫でる。
この声をずっと聞いていたい、そう思ってしまうほどだった。

  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 22:12:46.22 ID:LhP3XAl4o<>


***



そのまま夜空と少し話した俺は、電話を切って元の席に座る。
向かいではニヤニヤとケイトが笑いながらこちらを見ている。

「その顔、上手くいったようだねぇ」

「あぁ、本当にありがとうなケイト」

「なに、気になさんな。これでも教師なんだ、生徒を導くのは当たり前のことだよ。
 でもでも、大変なのはこれからだよん。付き合ってからは、互いの悪いところがよく見えてくるし……」

「おぉ、つまり小鷹と夜空は恋人というやつになったんだな!! すげー、大人だなー!!」

そんなマリアとケイトの反応に、俺は首を傾げる。

「え、いや、俺は別に夜空と付き合ったわけじゃないぞ」

「はい?」

俺の言葉に、高山姉妹が首を傾げてキョトンとする。
本気でどういうことか分かっていないようだ。


そして俺が説明すると、


「あははははは、これがハーレム野郎というやつなんだな!」

「あぁ、その通りだマリア。間違ってもこういうのに引っかかるんじゃないよー?」

「ちょ、ちょっと待て!!」

「なんだい、ハーレム野郎」

「いやその言い方はやめろって! ただ俺は……」

「ここでルート確定しちゃうと他の子にちょっかい出せなくなるからとりあえずキープしたんだ!! ……って感じかい?」

「違う!!! だから俺は本当にそういう気持ちがまだ分かんなくて、確かに夜空には本当に悪いと思ってるけど、本当にハーレムとかそういうんじゃ……」

「あはは、分かってる分かってる。ちょっとからかっただけだよ」

「え、じゃあ小鷹はハーレム野郎じゃないのか?」

「いや、ハーレム野郎っていうのは間違いないよ」

「おい!」

ケイトは俺の反応にひとしきり笑うと、上機嫌に口を開く。
椅子の上に足を上げて、空のワイン瓶でこちらを指すその姿はシスターとしてはありえない事になっていた。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 22:15:59.35 ID:LhP3XAl4o<>
「にしても、今時珍しいね君。三日月さんほど可愛い子なら、普通の男だったら自分の気持ちとか関係なしにとりあえず付き合っちゃうと思うんだけど」

「……それじゃあ夜空に悪いだろ。幼馴染なんだからなおさらだ」

「あっはっは、クソ真面目ヤンキーだ!!」

「お前ひっでえな!?」

「いやいや、褒めてんのさ。最近ではギャップ萌えっていう言葉が流行ってるみたいだよん?」

「別に俺はヤンキーじゃねえ……」

「まぁそれはともかく、君のような考えは全然アリだと思うよ。むしろ良いと思う。そんな君を、三日月さんは好きになったんだろうしね」

「…………」

「あはは、小鷹が赤くなっているのだ!!」

「ま、マリア、違うぞ。これは……」

「わお、赤面ヤンキーというレアなものが見られちまったよ。写メ撮らせて写メ」

「だから俺はヤンキーじゃねえ!!!」

ケータイのカメラをこちらに向けるケイトを押さえる俺。

このシスターは言動も行動もメチャクチャなものばかりだ。
それでも、彼女には決して敵わない。そう思えた。
ケイトは常に俺の一歩前を進んでいて、どれだけ走っても追いつくことはないのだろう。


俺はその後も、高山姉妹と騒いだ。
酒のせいで途中でケイトが暴走したりと大変な事も起きた。

俺は、ここ数日で一番心の底から笑えている。
心が晴れた状態でこうして騒ぐのは、本当に楽しかった。


  <> ここら辺でシステムをちゃんと決めてみた 
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 22:21:12.39 ID:LhP3XAl4o<>

************************

【好感度変動】

                   小鷹への好感度
三日月夜空       ★★★★★☆☆→★★★★★★☆

                   小鷹からの好感度
三日月夜空       ★★★★☆☆☆→★★★★★☆☆



【中間結果】

             小鷹への好感度   小鷹からの好感度
志熊理科(部長)  ★★★★★☆☆   ★★★★★☆☆

三日月夜空     ★★★★★★☆   ★★★★★☆☆

楠幸村         ★★★☆☆☆☆   ★★★★★☆☆

柏崎星奈       ★★★☆☆☆☆   ★★★★☆☆☆

高山マリア       ★★☆☆☆☆☆   ★★☆☆☆☆☆

羽瀬川小鳩     ★★★★☆☆☆   ★★★★★☆☆


************************ 


【理科部の出欠判定について】

特定のイベント以外は、理科部の出欠状況はコンマによって決まる。
出席の確率は、小鷹への好感度に影響される。

★7つで100%出席。★が1つ減るごとに10%ずつ下がる。

前日にイベントがあったキャラは確率上昇することもある。


【告白判定について】

小鷹が告白をする、受けた時に発生。
本当に小鷹が告白をするか、告白を受け入れるかがコンマで判定される。
確率は「小鷹からの好感度」に影響される。

★なし→0%
★1つ→1%
★2つ→5%
★3つ→10%
★4つ→20%
★5つ→30%
★6つ→40%
★7つ→50%

「小鷹への好感度」が★5つに満たない子については、告白関係は発生しない。


【道具使用判定について】

理科部で発明した道具を使う時に発生。
「道具レベル」が高いほど使える可能性が下がる。
最初の一回に関しては無条件で使える。

★7つで20%。★が1つ減るごとに10%ずつ上がる。

※世界線の移動で道具が消失した場合で、再び作る場合にも判定が発生する。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/02(日) 22:22:42.94 ID:LhP3XAl4o<>


次の日の昼、俺はいつも通り理科室へと足を運ぶ。
足取りは軽い。部活へ行くのがここまで純粋に楽しみなのは久しぶりだ。

昨日はかなり飲んだはずだが、二日酔いとかそういうのはない。
まだ若いし次の日まで残らないというのもあるが、俺が元々酒に強いという事もある。
それでも、匂いまでは消せなく、昨日帰ったら小鳩に酒臭い酒臭いと嫌がられた。
だから、今日はその酒の匂いが残っていないか十分に確認してから来た。

俺は理科室の扉を勢い良く開く。


**************************************


理科部の出席状況が>>511-516の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/02(日) 00:00:00.(00)←ここ

理科>>511
00〜79→出席
80〜99→欠席

夜空>>512
ゾロ目→欠席
それ以外→出席

幸村>>513
00〜59→出席
60〜99→欠席

星奈>>514
00〜39→欠席
40〜99→出席

小鳩>>515
00〜69→出席
70〜99→欠席

マリア>>516
偶数→欠席
奇数→出席 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 22:23:00.22 ID:HNBGa3Qu0<> d <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 22:23:22.79 ID:9e8TjNdR0<> にゃーん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 22:23:34.06 ID:vKEYK6Gf0<> ダルァ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 22:23:55.75 ID:3z9Qsw+W0<> ほい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 22:25:03.31 ID:MXngB49SO<> ハッハー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 22:26:09.57 ID:0v2ANhQVo<> え <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 22:29:03.48 ID:3z9Qsw+W0<> 機関部に行ってみる
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 22:31:54.81 ID:3z9Qsw+W0<> 誤爆
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/02(日) 22:36:26.12 ID:1bvdn7Nlo<> 小鷹からの好感度マックスでも告白成功確率は五割か。きっついな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 22:44:15.57 ID:MXngB49SO<> 小鷹からと向こうからの好感度がマックスならどーなるのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 22:48:38.63 ID:J9FnEKYIO<> 心中? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 23:50:49.01 ID:7+J1khQIO<> 理科を応援してたけど、何だか夜空が凄く可愛い気がしてきた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 23:59:16.19 ID:8LIJXdH0o<> 好感度MAXのまま放置すると次第に病んできます。 <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/03(月) 10:57:39.20 ID:WouuglLao<>
部員は全員集まっていた。
夜空はいつも通り本を読んでおり、理科は鏡に向かって髪をいじっている。
星奈はPSPに夢中になっていて、幸村はぼーっと突っ立っているだけ、マリアはポテチをバリバリ食べながら理科の発明品をいじっている。

そして、俺の後ろからは小鳩がひょこひょことついてきていた。

「おっす」

「おつとめごくろうさまです、あにき」

「あ、先輩!」

俺が挨拶すると、幸村は深々と頭を下げ、理科は何かを期待してこちらへ歩いてくる。
星奈もPSPから目を離さずに「んー」と気のない声で答えていた。

「おぉ理科。今日はメガネ無しでツインテールにしてんだな。あ、マリア、お前またポテチばっか食って…………」

「ちょっと待ってくださいよ!!!」

急に理科が大声をあげた。
俺はビックリして目を丸くして理科を見る。

「ど、どうしたんだよ急に?」

「いやいやいやいや、それだけ!? 女の子がこんなにもイメチェンしたのに反応それだけですか!?」

「……あー、似合ってる似合ってる」

「かるっ!! しかも面倒くさそうなのを隠そうともしない!!」

頬を膨らませている理科を置いて、俺は夜空の方に歩いて行く。
夜空はいつも通り真剣に本を読んでいて、特に変わったところもない。

「……よ、よう、夜空」

「あぁ」

俺は緊張して話しかけたが、夜空はちょっと本から顔を上げただけだった。
昨日はお互い凄く恥ずかしいことを言っていた気がするが、どうやら夜空はもう考えないことにしているようだ。
まぁ部活中にそういう雰囲気になるのも気まずいので、俺も特にその辺りには話をふらずに、夜空の隣の椅子に腰掛ける。

すると、急にマリアが、

「あー、ダメだぞ夜空。小鷹のことが好きならそういう素っ気ない態度は良くないのだ」

「「ぶっ!!!」」

俺と夜空が同時に吹き出した。
夜空は一気に顔が真っ赤になっているし、俺もなんか顔が熱いのでおそらく同じような感じになっているんだろう。

理科、幸村、小鳩の視線がこちらに集中する。
理科は明らかに疑わしげな目で、幸村はいつもの無表情の中にどこか不機嫌さを出して、小鳩はあからさまに不機嫌さ全開だ。

そして、それにはさすがに星奈も視線をPSPの画面からこちらへ移し、爆笑し始めた。

「ぶはははははははははははは!!! あんた十歳児に注意されてやんの!!!」

「だ、黙れ肉!!! というかマリア!! 貴様も急に何を言い出すんだ!!!」

「え、だって夜空は小鷹の事が好きなのだろ? それならもっと仲良くするのだ!!」

「……ぁぅ…………な、何を証拠に言ってるんだ!!」

「昨日小鷹が教えてくれたのだ! 昨日も小鷹と電話してたよなー?」

「小鷹、ちょっと来い!!!」

夜空はマリアの言葉を聞くと、すぐに俺の手を掴んで部屋の外へ出る。
理科部メンバーはみなキョトンとしていたが、そんなのはお構いなしだ。
夜空はそのままグイグイと俺を引っ張っていき、人気のない教室まで移動した。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/03(月) 10:59:49.83 ID:WouuglLao<>
そして、顔を真っ赤にして口を開く。

「き、昨日マリアも近くに居たのか!?」

「えっと……悪い。実は昨日はケイトに相談したんだ。ほら、マリアの姉のさ」

「……むぅ」

「ダメ……だったか?」

「……別にダメというわけではない。しかし、その、言う前に私に一言聞いてほしい」

「あー、分かった。悪かったな」

「それと、えっと、理科部には極力言わないでほしい。絶対からかわれるし……恥ずかしいし…………」

「お、おう、了解」

顔を真っ赤にして、目を泳がせながら前髪をいじる夜空は正直かなり可愛い。
だがそんな事を言えば夜空はさらに凄い事になりそうだったので、言わないでおくことにしておく。


それから俺達は理科室へ戻った。
理科達には怪しげな目を向けられたが、そこは何とかごまかしてやりすごした。
マリアにもあまり大っぴらに言わないようにと念を押しておく。
俺と夜空のことに関しては小鳩も知っているのだが、たぶんこっちはそんなに簡単に言いそうにもないので大丈夫だろう。

理科はまだ腑に落ちない表情をしながらも、ホワイトボードの前まで歩いて行く。

「それでは、今日の活動を始めましょうか。新しい道具の発明でも、既に開発した道具を使って何かをするでも、何でもいいですよ。もちろんエロい事でも」

最後は無視するのが懸命だろう。


**************************************


理科部の活動が>>526-529の中から、>>529の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/03(月) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>526
25〜49→>>527
50〜74→>>528
75〜99→>>529 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/03(月) 11:01:23.16 ID:+9Da5IuJo<> 様々なジャンルの漫画を読もう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/09/03(月) 11:04:05.02 ID:HXhskrd4o<> 小鷹の家でバーベキューしてリア充ごっこ(ハーレムの練習) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/03(月) 11:07:31.18 ID:YOXMdUZIO<> AV鑑賞会 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2012/09/03(月) 11:12:04.33 ID:UifwVVHx0<> カラオーケストラ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2012/09/03(月) 11:12:16.67 ID:QHXpfJXAO<> 小鷹イメチェン <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2012/09/03(月) 11:31:34.42 ID:jqyBiTvH0<> 久しぶりにきたらすごいカオスに……
まあそれでもフラグ折らずに理科√いきたいなぁ <> 俺も今日は友達とBBQするから3時くらいで居なくなるわ。リア充じゃないけど 
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/03(月) 12:52:54.61 ID:WouuglLao<>

「はいはいはい!! バーベキューやるわよ!!!」

唐突に星奈が手を上げてそんな事を言ってきた。
提案ではなく確定した事のように言うあたり星奈らしい。

「……共食いか」

「違うわよ!!! ほら、ゲームでもバーベキューイベントが結構あるのよ。やっぱりリア充になるためには経験しとかないといけないと思うのよね」

「ふむ、バーベキューですか。理科も経験ないんで少し興味あります」

「ククク、我も久々に獣の肉を食してみるか……」

「バーベキュー!? はいはい、ワタシもお肉たくさん食べたいですっ!!!」

「肉はちからの源……しんのおとこへと近付くためにはひつようなものかもしれませぬ…………」

他のメンバーも結構ノリ気だ。
俺も特に反対する理由もないが、気になることがあったので口を開く。

「バーベキューするにしても、場所はどうすんだ?」

「小鷹んちでいいんじゃない?」

「俺んち!? いや、星奈の家の方が圧倒的に広いだろ!!」

「分かってないわねぇ」

星奈はやれやれといった様子で、掌を空へ向けて肩の辺りまで上げる。

「いい? こういうバーベキューっていうのは、うちみたいな豪邸でやってもダメなの。
 あんたの家みたいな庶民的な小さな庭で仲間内でワイワイやるのがいいのよ」

「…………」

星奈の言葉を聞いてとてつもなく家に迎えたくなくなる俺。
しかしまぁ、他のメンバーもやりたがっているわけなので、ここは空気を読んでおくことにする。

「分かったよ……けど食材はみんなで買いに行くぞ」



***



そんなわけで、地元のスーパーに来た。
真昼間という事もあり、主婦などの姿は少なく店も混んでいない。
俺は普段から特売戦争に身を投げ出しているので、ここの真の恐ろしさは良く分かっている。

さて、せっかく七人も居るんだし、まとまっているよりは手分けして食材を集めたほうがいいだろう。
二人、二人、三人のグループに分けられそうだ。



誰と一緒になる? >>533 <>
◆WNrWKtkPz.<>saga<>2012/09/03(月) 12:54:14.25 ID:riGSMqjv0<> 夜空 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/03(月) 12:54:24.45 ID:YOXMdUZIO<> マリア <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/03(月) 13:34:48.07 ID:WouuglLao<>
「それじゃあ幸村、小鳩とマリアと一緒に木炭とかそこら辺買ってきてくれ。理科と星奈は野菜を頼む」

「えー、小鷹が肉買うの? あんた安っぽいもんばっか買うんじゃないわよ?」

「分かった分かった」

「心配しなくとも、貴様のような悪質な肉は買わないから安心しろ」

「何よそれ!!!」

そうやってギャーギャー騒ぎながらも、とりあえずは大人しくそれぞれ分かれる。
その際に理科、幸村、小鳩がちょっと不満そうな目で俺を見ていたが、何でだろうか。

まぁそこまで深く考えないことにして、俺は夜空の方を向く。

「よし、そんじゃ俺達も買いに行くか」

「あ、あぁ」

夜空は顔を赤くしながらも、嬉しそうにそう答えた。


***


俺と夜空は並んで買い物を進めていく。
肉は値段の他に消費期限や色の具合などもよく見て選ぶ。
いつもは豚肉ばかりしか買わないが、今日くらいは牛でもいいだろう。

夜空はそんな俺をぼーっと見て、

「小鷹は慣れているな」

「あぁ、家では小鳩と二人暮らしだからな。いつもこのスーパーには買い物に来てる。
 考えてみればスーパーのポイントカードなんか持ってる男子高校生ってのも珍しいかもしんねえな」

「そうか、将来は立派な主夫になれそうだな」

「今から主夫目指すってのもなんかな……。まぁ最近ではそういうのも結構あるってのは知ってるけどさ」

「そうだぞ、小鷹。男が働いて女が家事と決まっていたのは昔のことだ。男は働く上に家事もやる必要がある」

「そりゃなんか違う。……そういや、夜空は料理できねえんだっけか」

「あぁ! 私がそんな事するわけがないだろう!」

「胸張るところじゃねえからなそこ」

俺は溜息をついて肉を一つ取って眺めながら、


「けど、料理できる女の子ってやっぱ男にとっては憧れると思うけどな」


「なにっ!?」

バッと夜空が勢い良くこちらを見た。
急にどうしたのかと俺はビックリする。しかし、すぐに気付いた。

夜空は俺のことを好いてくれている。
そんな相手がいきなりこんな事を言えば、ここまで大きく反応するのも当然なのではないか。

そういう事を考えると、再び顔が熱くなってきた。

「……あ、いや、まぁ一般的には……って事だから、当然そうじゃない奴だって…………」

「こ、小鷹はどうなのだ? やっぱり、料理ができる女の子の方がいいか……?」

両手をもじもじとさせて上目遣いでこちらを見てくる夜空はとてつもなく可愛い。
だが、ここはスーパーだ。
時間帯のお陰で人は少ないが、それでも居ないわけではない。

周りの人が何か暖かい目をこちらに向けている気がする。
夜空は気付いていないようだ。

俺は居心地の悪さを覚えながら、視線を彷徨わせて口を開く

「>>536」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/03(月) 13:36:05.18 ID:gwzn1MpD0<> バルス <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/09/03(月) 13:46:27.93 ID:HXhskrd4o<> 賛成派と反対派が入り乱れすぎだろ
とりあえず夜空をキープしつつ他の子の好感度を上げないと <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/03(月) 14:07:37.72 ID:WouuglLao<>
「バルス」

「は、はぁ!?」

俺はとりあえず滅びの呪文を口にした。
なんか正直に答えるのが恥ずかしかったからだ。

「お、この肉いいな。あとウインナーとかも買ってくか?」

「おい待て小鷹! ちゃんと答えろ!」

「あ、そうだ、焼肉のタレも買っておかないとな。あぶねーあぶねー」

そうやって俺は強引にやり過ごした。
夜空は頬を膨らませてこちらを睨んでいたが、目付きが凄まじく可愛いというより普通に怖かった。



***



食材を買った俺達は、羽瀬川家に来ていた。
時刻は午後三時ほどで、まだまだお腹が空くような時間帯ではない。
俺は買ってきた食材を全て冷蔵庫に入れると、リビングへと戻る。

そこでは理科と小鳩がゲームで対戦しており、星奈は小鳩の近くで興奮気味にガン見。
マリアもその近くにいて、どうやら負けたほうがどんどん交代して行っているらしい。
幸村はなぜか部室と同じようにぼーっと突っ立っており、夜空もソファーの上で本を読んでいる。

さて、俺は夕方までどうしてようかな。


>>539 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/03(月) 14:17:42.79 ID:imndQu4T0<> 夜空と話す <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/03(月) 17:38:37.35 ID:ZKvKs924o<> こういう場面で料理人が真っ先に動かなくてどうする <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2012/09/03(月) 19:07:13.81 ID:YB/zNCTZ0<> 夕方まで <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/03(月) 21:04:23.23 ID:WouuglLao<>
俺はとりあえず夜空の隣に座ることにする。

「その本面白いか?」

「面白い。というか、前にも同じような事聞かなかったか?」

「あれ、そうだっけ? いや、夜空っていつも真剣に本読んでるなってさ」

「やる事がこれくらいしかないからな。小鷹もライトノベルなんかは読んだりするんだろう?」

「あぁ、図書館でたまに読んでたりするぞ。ただ視線が痛くてな……」

「それはヤンキーが図書室なんかに居れば目立つだろう。例えるならそうだな、巨人のユニホームを着た奴がサッカーの日本代表を応援しているようなものだ」

「そこまで浮いてんの俺!?」

夜空の容赦無い言葉に凹む俺。
彼女はそんな俺を見て小さく笑うと、

「そういえば、小鷹はどのような本を読んでいるのだ?」

「俺が読んでる本?」

「あぁ。学園生活物、というのはないだろう? 現実とのギャップに死にたくなるだろうしな」

「あのな、俺はそういうのはあくまでフィクションだって割り切れるっつの」

「……一応ハーフなのにみんなから怖がられて友達がいないっていうのも、なかなかフィクションっぽいと思うが」

「う、うるせえよ! お前なんかフィクションの友達が居るじゃねえか!」

「と、トモちゃんをバカにするな!」

夜空はムキになって、こっちに顔を寄せる。
思わずドキッとした俺は仰け反って距離をとってしまう。
夜空の方はトモちゃんをバカにされた事に対する怒りのほうが大きいらしく、そういう事には気付いていない。

そして、俺は次第になんともしょうもない事で言い合っている事に気付いて溜息をつく。

「……で、俺が読んでる本だっけ? 今はそうだな…………」


小鷹が今ハマっている本は? >>543 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/03(月) 21:06:49.77 ID:RurOu32do<> UN-GO 因果論 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/03(月) 21:21:08.27 ID:RurOu32do<> わからないなら安価下にしてくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage <>2012/09/03(月) 21:23:40.70 ID:LrL42hu1o<> はがない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/03(月) 21:24:13.83 ID:RzK4v1CSO<> じゃあ安価↓のために

魔王(伊坂孝太郎著)と書いておこう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/03(月) 21:53:24.56 ID:8I4Asi+IO<> じゃあ俺も安価↓のために

バジリスク〜甲賀忍法帖〜(せがわまさき著)と書いておこう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/03(月) 22:55:11.70 ID:g7XODxtqo<> じゃあわからない時用に
彼女がフラグをおられたら 大丈夫、この臨海学校は安全だから、絶対敵に見つかったりしないよ <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 00:27:42.67 ID:KWWw9CIPo<>
「UN-GO 因果論っていうラノベかな。元はアニメの劇場版なんだけどな。探偵物だよ」

「ほう。確かに何か事件が起きれば小鷹のような人相の男は真っ先に疑われるからな。そういう時のためか」

「んなわけねえ!! つかそんなリアルな理由でラノベ読んだりしねえ!! それに、探偵物といってもオカルト的な要素もあるからな」

「オカルトなんてものが入ってきたら何でもアリになってしまうではないか。推理もクソもない」

「いや、そうでもねえって……。あ、そうだ」

俺はとある事を思いついて夜空を見る。
ちょっと聞いてみたいことができた。

夜空はぽかんとして、

「どうした?」

「いやそのラノベにさ、『御霊』ってのが出てくるんだよ」

「御霊?」

「人の心の底に眠る真実、叫び、みたいなものだ。お前だったらどんなのが眠ってるのかなって」

「…………」

「……夜空?」

なぜか夜空は頬を染めて俺を睨んでいる。
俺は何がそんなに気に食わなかったのか分からなく、ただおどおどするしかない。

すると夜空は小さな声で、

「……お前のことが大好きだ、と言えば満足か?」

「ぶっ!!!」

予想の遥か上を行く変化球に俺は思わず盛大に吹き出してしまった。
理科達が不思議そうにこちらを見たので、慌ててごまかす。

ビックリした。
まさかいきなりこんな事を言ってくるとは思わなかったので、不意打ちのせいもあってか顔が熱を帯びていく。

そして顔を赤くしてこちらを睨んでいる夜空の方へと視線を戻して、

「よ、夜空、いきなり何を……」

「お前が言わせたんだろう……男というのはそんなに女に対して好意を口に出してほしいものなのか……?」

「あ、いや、そういうわけじゃねえって! えっと、ほ、他には何かないのか?」

「小鷹、それは隠している秘密を全部暴露しろという事だろう。何が楽しくてそんな事をしなくてはいけない」

「……確かにそうだな」

俺は妙に納得する。
確かに罰ゲームでもない限りこんな事は望んで言う事でもない。

あのラノベではそれを言わないように、自ら命を断った者まで居た。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 00:30:24.33 ID:KWWw9CIPo<>
「そういや友達が欲しい、とかはないのか?」

「どうだかな。正直私は今のこの現状ですでに満足してしまっているのかもしれない」

「……あぁ、それは分かる」

俺にとっても、この理科部の存在だけで十分すぎる程のものであり、これ以上を望むという気持ちはないと言ってもいい。
まだまだコミュ力など問題はあるが、それもこの理科部のみんなとなら頑張っていけると、そう思える。

夜空は、そんな事を考えている俺を小さく微笑みながら見据えて、

「……まぁ、他ならない小鷹からの質問だ。秘密の一つくらいは暴露してもいいか」

「え、いや、無理して言わなくてもいいぞ? 俺はただちょっと気になっただけっていうか……」

「……あー、その、私としても小鷹には私のことを知ってほしい、という気持ちもあるからな。
 それで、あの、少しでも私のことを考えてくれたら……とな」

「…………お、おう」

顔を赤くしてもじもじしながらそんな事を言ってくる夜空に、俺は内心相当動揺していた。
今だにこんなに可愛い子が俺の事を好いてくれているなんていう事が信じられない。
もしかして自分の都合の良い夢なのではないかとさえ思えてくる。

夜空は前髪をいじりながら、ちょっと上を向いて何かを考えながら、

「確か、私の心の底に眠る叫び、だったか。ふむ…………」


**************************************


夜空の答えが>>551-554の中から、>>554の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/04(火) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>551
25〜49→>>552
50〜74→>>553
75〜99→>>554 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 00:32:01.08 ID:n1ePhDzO0<> ずっと皆と一緒にいたい!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 00:32:19.06 ID:zUVX4XsIO<> 小鷹とセックスしたい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 00:32:47.46 ID:CpVJBwuPo<> お前の事を愛してもいるが同時に同じくらい憎んでもいる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/04(火) 00:36:04.62 ID:P8f2uqAJ0<> お前のことが大好きなんだ <>
◆0WipXNi8qk<>saga sage<>2012/09/04(火) 00:39:14.75 ID:KWWw9CIPo<> てか御霊じゃなくて御魂だわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2012/09/04(火) 00:56:41.10 ID:l/2NRJAAO<> もう爆発して下さい <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 02:08:34.95 ID:KWWw9CIPo<>
夜空はピタリと動きを止めた。
そしてそのまま、しばらくピクリとも動かずにただひたすら何かを考えているようだ。
その表情は読めない。それでも、深く深く考え込んでいるのは伝わってくる。
おそらく夜空の中では相当重要な事なんだろう。

少しすると、夜空が俺の方を向いた。
その表情は真剣そのものだったが、どこかすがるような脆さも垣間見える。
夜空は短く息を吐くと、目に悲しい色を宿してこう言った。

「……私はお前を愛しているが、それと同じくらい憎んでもいる」

「え……?」

俺は夜空の言葉に目を見開いた。
心の中に絶望感がモヤモヤと広がる。

人に憎まれるという事は、誰もが通る道だと言えどもそう簡単に受け入れられる事ではない。
しかも相手が幼馴染の友達といえばなおさらだ。

しかし、今までの行動を考えていれば当然だと言える。
あの文化祭での出来事を始め、俺は夜空に憎まれてもおかしくないことを沢山してきた。
よく考えれば、今更驚くような事ではないのかもしれない。

だが、例えそうだとしても。
それを仕方のない事だ、と俺は割り切ることができなかった。
隠そうとしても、心の動揺が口から言葉に乗って行ってしまう。

「そ、そっか……その、俺……」

「あぁ、勘違いするな。これはただ単に私の問題なんだ」

「夜空の、問題?」

「そうだ。私はな、例えば理科がお前と楽しく話しているとこう思ってしまう。
 『私の告白の答えを保留にしておいて、何を楽しそうに他の女と話している』、とな」

「違う、夜空。俺はそうやってお前を傷つけるつもりはないんだ!」

「分かってる。これはただの私の嫉妬だ。
 可愛さ余って憎さ百倍、というのと近いのかもしれない。お前に限って、憎しみを向けてしまう回数が多い気がする」

「…………」

「ただ少し、私にとって悲しい態度をとられると、私は必要以上にお前を憎んでしまう。もはや病んでる、といった方がいいのかもしれない」

夜空が疲れたように笑う。
たぶん、彼女はずっとこの事に悩んで、自分自身で嫌になっていたんだと思う。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 02:10:08.06 ID:KWWw9CIPo<>
夜空は微笑みを浮かべてこちらを見る。
それは自分を嘲るような、そんな悲しい表情だった。

「分かったか、小鷹。私は結局こんな女なんだ」

「夜空……」

「近頃思うんだ。こんな私がお前に相応しいのか、とな。
 もちろん直そうとは思っているんだ。だけど、どうしても、ダメなんだ」

「けど、俺だって悪いだろ……そもそも夜空が傷つくような事をしなければ済む話じゃねえか」

「……他の女と話しているだけで憎むんだぞ私は」

「…………」

「受け入れてくれ、とは言わない。これは直さないといけない事だ。だが、現時点でやっぱり私はそういった状態なんだ。だから……」

夜空はここで一呼吸置いて、


「もし今の話を聞いて私を見限ったのならば、遠慮しないで拒否してくれていい。私は、小鷹の重荷にだけはなりたくないからな……」


夜空の弱々しい微笑みは、触れたら今にも壊れそうだった。
俺は、彼女にこんな顔をしてほしくない。
今すぐに夜空を心から笑わせることができるなら、俺は何だってする。

これは本当に彼女を思ってのことではないのかもしれない。
ただ俺が辛そうな夜空の顔を見たくないから、そんな自分勝手な理由なのかもしれない。
それでも、どちらにせよ。
夜空には笑っていてほしい、そう思っているのは確かなんだ。

俺は夜空を見つめて、口を開く。
俺の拙い言葉なんかでは夜空には何も響かないかもしれない。
でも、だからといって、こんな夜空を前にして何も言わないでいるなんてできるはずがない。


「>>559」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 02:11:00.71 ID:zUVX4XsIO<> 俺やっぱり夜空のこと好きかも <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 02:12:24.04 ID:CpVJBwuPo<> 成功率30%か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 02:13:14.30 ID:7BxOAHRg0<> 馬鹿、誰が見限るかよ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/09/04(火) 02:14:43.35 ID:kio8kGlUo<> まだあわてる時間じゃない
好きかもだ <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 02:15:10.22 ID:KWWw9CIPo<> 眠いからここまで
これは告白安価にするか微妙だな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/09/04(火) 02:20:23.99 ID:kio8kGlUo<> おつ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<>sage<>2012/09/04(火) 02:26:35.70 ID:v0yQYOXA0<> おちゅ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/09/04(火) 05:25:42.74 ID:FoPGT4gdo<> おっちゅ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/09/04(火) 07:41:30.54 ID:fItjSfNwo<> 夜空ルートになるかもな
でもなったら理科派がフラグへし折る糞みたいな内容の安価とりそうで不安だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(四国)<>sage<>2012/09/04(火) 08:00:51.33 ID:b6KpzGsAO<> >>567
そういうこと考えると告白成就=ルート確定させるより、全キャラ満遍なく星の数を維持増加させた方が無難ではあるんだよな…
足の引っ張り合いにでもなったらそれこそ誰も得しない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 11:20:31.24 ID:CpVJBwuPo<> 安価とれないやつが悪い <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 13:35:50.04 ID:KWWw9CIPo<>
「俺、やっぱり夜空のこと好きかも」

「……かもって、おい。というか、先程の私の話を聞いていたのか?
 私はほんの些細なことでお前を憎んでしまう女なんだぞ? そんな奴だと知ってその反応はありえないだろう」

「いや、そんな事もないと思う」

俺は夜空の目を真っ直ぐ見る。

「確かに憎まれてるって言われた時は凹んだ。けどさ、それを正直に言う夜空が凄いとも思ったんだ」

「すごい……?」

「普通好きな相手には自分の嫌な所は隠すもんだろ? でも夜空は違った。
 そういう所も全部俺に知ってもらおうとして、その上でちゃんと考えてほしいって言ってきた。俺は凄いと思う」

「……そんな大層な事ではないだろう」

「大層な事だよ。少なくとも俺にとってはな。
 ほら、俺ってこの外見でみんなに怖がられてるだろ? だからこそかもしれないけど、自分の嫌な所を自分から言うなんて事は俺じゃとてもできない」

「…………」

「それに、別にその憎んでいるって事だって、よく考えればそこまで大したことじゃないと思うんだ」

「え……?」

俺の言葉に、夜空は驚いてこちらを凝視する。
俺はそんな夜空の表情をじっと見据えて口を開く。

「俺だって、誰かに見た目だけで避けられたりすると、その人のことを憎んだりする事もある。まぁ、ちょっとだけな。
 やっぱ人ってどうしてもそういう所はあるもんだと思うぞ。家族や、親友との間にもな」

「……だ、だが、お前が他の女と話しているだけで憎むというのは行き過ぎだろう…………」

「えっと、それは俺のことを、その、好きでいてくれているからだろ? それなら俺も、そこまで悪い気はしないっていうか……」

「ほ、本当か……?」

「あぁ」

夜空が目を見開いて尋ねてきたので、俺はしっかりと頷く。

夜空は小さく震えながら、しばらく俺の事をじっと見ていた。
その目は、まるで迷子の子が父親を見つけたようで、心の底から安心して潤んでいるようだ。
すると夜空はその涙を見られたくないのか、少し俯いて、

「良かった……」

「ん?」

「これで小鷹に嫌われたらどうしようかと…………」

「……俺がそのくらいでお前を嫌うわけないだろ?」

「小鷹……」

潤んだ瞳のままで、夜空は顔を上げて俺を真っ直ぐ見る。
彼女は俺の幼馴染の友達で、大切な存在だ。
お互い不満なんかはこれからも沢山出てくるだろうが、嫌いになるなんていうことは決してありえない。

それにしても、こういった表情をする夜空は、何かの小動物的な可愛さがある。
普段の様子から、こんな彼女は凄く珍しいのではないか。
いつもとのギャップも相まって、俺の動悸が早まる。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 13:37:47.59 ID:KWWw9CIPo<>

「なーにイチャイチャしてんですかー?」


突然そんな不機嫌な声が背後から聞こえてきた。

二人とも驚いてバッと振り返ると、そこには理科がムスッとした表情でこちらを見ていた。
そういえば、ここは別に二人きりというわけではなく、みんな居るリビングだった。

俺は慌てて口を開く。

「り、理科? お前もしかして聞いてたのか……?」

「何を話してるかまでは聞き取れませんでしたけど、何か良い雰囲気だっていうのはよく分かります」

「ち、違うぞ!? 私と小鷹はただ、その……」

「はいはい、言い訳はいいですから。それじゃ、先輩達もこっち来て一緒にゲームしましょうよ。イチャイチャ防止のためにも」

「い、イチャイチャなんてしていない!!」

そんなわけで、俺と夜空も理科達と一緒にゲームをやる事になった。
夜空はこういうゲームとかは苦手な印象があったが、意外にも巧みな戦術で理科達と互角の勝負を繰り広げた。
そして途中では星奈とリアルファイトにも発展しかねないほどに、どんな手段を使ってでもブチのめすといった凄まじい表情で勝負したりもしていた。

時間はあっという間に過ぎて、気付けば日も傾いていた。



***



辺りが夕日に染まり始めたので、俺達は庭に出てバーベキューの準備を始めることにした。
もう夏の終わりということもあって、この時間になっても暑いという事はない。
むしろ心地よい風が吹いているので、とても快適な状態だ。
心配するのは蚊に刺されないようにするくらいだが、そこはちゃんとスプレーを用意してあるので万全だ。

俺はとりあえず必要なものを庭に出して、理科部の面々を眺める。
まだ夕食の時間としては少し早いが、これから準備があるのでもう動いた方がいい。
とりあえず薪になるものを探してくる係、機材を組み立てて火をおこす係、野菜を切って食べやすい大きさにする係に分けよう。


誰とどの係になる? >>572 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage <>2012/09/04(火) 13:43:24.48 ID:OjjAvg0Ao<> 夜空と野菜を切る! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/04(火) 13:47:44.18 ID:tE/0m9Rjo<> おいおいおい、このままだと夜空ルート確定じゃねえかそんな事させねーぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)<>sage<>2012/09/04(火) 14:10:11.30 ID:jOWm2C5Po<> 長屋の派閥分布図はどうなってんだw
俺も長屋の時はあるがw <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 15:54:30.72 ID:KWWw9CIPo<>
「それじゃあ、幸村は小鳩とマリアと一緒に近くの林まで薪になりそうなものを取ってきてくれ。
 それで理科と星奈は機材の準備と火を起こすのを頼む。夜空は俺と一緒に野菜を切ってくれ」

「はい先輩、異議あり! です」

即座に理科がビシッと俺の方を指差す。
これはゲームかなんかの真似なのかもしれないが、俺はそこまでゲームをやるというわけではないのでネタが分からない。

「どうした理科?」

「さっきと同じ組み合わせじゃないですか!」

「えっと、ダメか? 小鳩とマリアはよく騒ぐから外に行ってもらって、幸村は面倒見がいいと思うし……。
 それに星奈は重要な仕事の方がやる気出すだろうし、理科も機材とかの扱いは慣れてるだろ? それで、料理ができない夜空はこの際にちょっとは覚えるのがいいと思って……」

「違いますよそういう意味ではありません。私は純粋に組み合わせ自体に不満があります!」

「組み合わせって……そんなに星奈と一緒が嫌なのか?」

「ふん、まぁ肉と一緒が嫌だというのは良く分かるぞ」

「え、ちょ、そうなの!? あ、あたしと一緒なのが嫌なの!?」

「あ、いやそういうわけではなくてですね……」

割と本気で涙目になっている星奈を、理科が慌ててなだめる。
そしてすぐに俺の方を見て、

「理科は先輩と同じ組を所望します!!」

「俺と? まぁいいけどさ……じゃあ夜空は火を起こす方に」

「待て小鷹。私が肉と一緒に作業なんてできると思うのか」

「そうよ小鷹、誰が夜空なんかと!!」

「……はぁ、じゃあ夜空は幸村と交代で薪集めの方に行ってくれ。それで、幸村が火起こしの方に」

「了解いたしました、あにき」

「こ、小鷹……その」

「……えーと、またなんかダメか夜空?」

若干面倒くさくなりながら、俺は夜空を見る。

夜空はもじもじと顔を赤くしながら、俺の近くにやって来る。
そして、聞こえるかどうか微妙な程小さな声で、

「……私は小鷹と一緒がいい」

「ッ!!」

上目遣い気味にそんな事を言ってきたので、心臓が一気に跳ね上がった。
ドクンドクンと鼓動が早なり、それだけ動揺しているのが分かる。顔も熱い。
理科なんかは堂々と同じセリフを言ったはずなのだが、この差は何なんだろうか。

どうやら今の夜空の言葉は周りには聞こえていないようで、俺の反応を見てみんな首を傾げている。
俺は引きつった笑みを浮かべて何とかごまかそうとしながら、これからどうするか考える。
夜空のワガママも聞いてやりたいのは山々なのだが、それで他の者の意見を無視するというのは良くない気がする。


**************************************


>>576の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/04(火) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→このままいく
奇数→考え直す <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)<>sage<>2012/09/04(火) 15:56:52.39 ID:HzaPEdlAO<> いついくの今でしょ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/09/04(火) 16:07:26.50 ID:ahd8uMtVo<> さっき夜空と組ませる選択をしたけど小鷹が小鳩に野菜の切り方を教える展開でも良かったかなって思った。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/04(火) 16:11:44.82 ID:HEJs8InTo<> 連続で同じキャラだけ選んでると、他の好感度高いキャラから妨害が入るのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 16:14:09.30 ID:QjcksfGIO<> 理科と夜空との反応の差でなんか勝負はもう決してる気がしてきた <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 16:22:30.48 ID:KWWw9CIPo<>
「……悪い夜空、今は我慢してくれ。ほら、スーパーでは一緒だったんだからさ」

「むぅ…………分かった」

渋々ながらも頷く夜空は、小さな子供のような可愛さがある。
だが間違ってもそんな子供と同じような感覚で、ここで抱きしめるなんてことはしてはいけない。

「そんじゃ、ここは平等にくじで決めるか」

「望むところです!! 今日は星座占い三位だったんで、誰も理科の強運には勝てませんよ!!」

「お前科学者のくせに占いなんて信じてんのかよ……」

「乙女はそういうものなんです!」

「あにきのしゃていとして居るには、時には運も必要なのですね……」

「ククク、我と眷属は前世から繋がっておる。その固い絆は何人たりにも壊すことは敵わない」

「ワタシだって神の力でこんなうんこ吸血鬼からは離れてやるのだ!! …………あ、今のうんこはなしだ!! ワタシ変態じゃないからな!!!」

「まぁあたしは夜空と一緒じゃなければ何でもいいわ。誰が来てもこのあたしがフォローしてあげるわよ」

どうやらそれぞれ何かしらの不満はあったようで、実際に言わないだけだったようだ。
俺はこれからはもっとみんなに希望とか聞くようにしよう、と考えてくじを作る。
まぁくじといっても、簡単なアミダだが。


**************************************


小鷹のペアと係が>>581-582の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/04(火) 00:00:00.(00)←ここ


ペア>>581
00〜19→理科
20〜39→夜空
40〜54→幸村
55〜69→星奈
70〜84→小鳩
85〜99→マリア

係>>582
00〜29→薪集め
30〜59→火起こし
60〜99→野菜切り <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 16:23:37.89 ID:QjcksfGIO<> ほい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)<>sage<>2012/09/04(火) 16:24:52.25 ID:BoDf+GDt0<> はい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2012/09/04(火) 16:26:33.91 ID:Dbv8bsjAO<> ん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/04(火) 16:43:19.03 ID:l8z2KBKxo<> ksk <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 16:46:47.25 ID:KWWw9CIPo<>
「おぉ、小鷹となのだ!!」

「ぐぬぬ……神の手先の分際で……!!!」

「小鳩ちゃんきたああああああ!!! って何であんたも居んのよ夜空!!」

「それはこっちのセリフだ肉」

「うぐ……あんな占いもう誰が信じますか…………」

「あにき……わたくしはしゃていしっかくです…………」

ペアは俺とマリア、理科と幸村、夜空と星奈と小鳩に決まった。
とてつもなく嫌な予感がするのはなぜだろう。とくに夜空達の組。

そしてその後役割もくじで決めると、薪集めが俺達、火起こしが夜空達、野菜切りが理科達になった。

「ねぇ、薪集めが一番人数いると思うんだけど」

「俺も決めてから思った……。まぁでも、火起こしが一番大変だし人数多くてもいいんじゃないか」

「そうだな、すぐに一人は焼かれることになるしな」

「誰のこと言ってんのよ!!」

「真っ先に突っかかってくるとは、やはり自覚はあるんだな肉」

「うぐ……!!」

やっぱり、この組は不安しかないがとにかくここは任せるしかないだろう。
何とか小鳩が仲裁してくれれば良いと、夜空達の中で最年少の妹に託すことにした。



***



俺とマリアは二人で近くの林に入って細い枝を中心に集めていく。
あまり大きな物や太いものは、うちの機材には入りきらないのだ。

マリアは楽しそうに走り回っている。

「おぉ、ここにもでっけーのあったぞ!!」

「だからでっけーのはダメだっての。つかあんまり走ると転ぶぞー」

「おぉ、分かった! 転ぶと痛いからな!! …………ん、なんだこれ??」

「どうしたー?」

「……す、すげー!!! 小鷹、なんか枝が勝手に動いてるげあははははは!!!」

「枝が動いてる?」

俺は足元に向けていた顔を上げると、首を傾げてマリアの方へ歩いて行く。
マリアはしゃがんで何かをツンツンとつついている。

「……あぁ、そりゃナナフシだよ。虫だ」

「虫!? 枝なのに虫なのか!? よく燃えるのか?」

「燃やさねえよ」

マリアは興味津々にナナフシを手に乗せて遊んでいる。
時折天才幼女らしい頭の良さは見せるものの、元は十歳の子供だ。
やはり子供はこうやって思い切り遊ばせるのが一番だと思う。
まぁ、いろいろな事情や考え方があるんだし、マリアの親やケイトがダメだと言うつもりはないが。

俺はそんな楽しそうなマリアを微笑ましく眺めて、

「なー、マリア」

「んー?」


「>>586」
  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 16:47:51.85 ID:cPA5dyhn0<> 俺のこと兄貴だと思っていいんだぜ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/09/04(火) 16:51:22.25 ID:l8z2KBKxo<> >>586
お前 イケメンですね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 16:56:43.56 ID:cPA5dyhn0<> 本編的にこうかな〜と
本当は毎日弁当フラグ立てたかった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/09/04(火) 17:02:56.84 ID:l8z2KBKxo<> >>588
ロリry なんでもない… <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 23:05:54.52 ID:KWWw9CIPo<>
「俺のこと兄貴だと思っていいんだぜ?」

「え、お兄ちゃん……?」

「あぁ。俺にとってマリアは妹みたいな感じだからな。
 遊びたい時はいつでも一緒に遊んでやるし、困ったときはいつでも聞いてやる」

「ほ、本当かっ!?」

「本当だ。けどその代わり、俺の言うこともちょっとは聞いてくれよ? 例えばポテチ食べ過ぎないとかさ」

「むぅ……でもシスターに出される飯はポテトサラダばかりでおいしくないのだ……」

「……そうなのか」

確かにシスターがそんなに豪勢な物をガツガツ食べているイメージはない。
やはり節制を重んじているのだろうか。
それは立派なことなのかもしれないが、子供には辛いのかもしれない。

俺は少し考えて、

「分かった、じゃあ新学期が始まったら俺が毎日弁当作ってきてやる」

「……え!? い、いいのか!?」

「あぁ。だからマリアもいい子にしてるんだぞ? あと一応ケイトには内緒な?」

「分かったのだ!!! 小鷹はワタシのためにそんな事をしてくれるなんて神か!?」

「んな大袈裟な。だから兄貴だと思っていいって言ったろ?」

「そうかっ!! ありがとうお兄ちゃん!!!」

「お、お兄ちゃん?」

そんなわけで、マリアが俺の事をお兄ちゃんと呼ぶようになった。
最初は戸惑ったが、嬉しそうにそう呼んでくるマリアは本当の妹のように可愛かった。

それからしばらく、俺とマリアは楽しく薪集めを進めていった。


***


俺とマリアが庭まで戻ってくると、そこは惨状だった。
バーベキュー用のコンロは無残に倒れており、炭なども散乱している。
そしていがみ合う二人。それを見るだけで大体の事情は分かった。

俺達を見つけた小鳩がこちらへ走ってくる。

「あ、あんちゃん!」

「あー、分かった分かった。おい何してんだよ二人とも」

「「こいつが悪い!!」」

同時にお互いを指差す二人。子供かお前ら。
俺は溜息をつくと、

「あのなぁ……せっかく俺とマリアが枝集めてきたんだからせめてまともに準備くらいしててくれよ……」

「そうなのだ!! ていうか夜空、そんなんだとお兄ちゃんに嫌わてしまうぞ!!」

「お兄ちゃん……?」

「小鷹はお兄ちゃんだからお兄ちゃんって呼ぶのだ! お兄ちゃんは優しいけど、あんまり迷惑かけると嫌われてしまうぞ」

「ッ!!」

マリアの言葉に、本気ですがるような目を向けてくる夜空。
俺は慌てて、

「い、いやいや、これくらいで嫌いになるって事はないって。とりあえずこれからでもちゃんとやってくれればいいって」

「わ、分かった!」

夜空はそう言うと、すぐにコンロを立てなおして、大急ぎで準備を始める。
そして星奈の方も、これでは自分だけ怠けているように見えるとも思ったのか、対抗して同じように作業を始めた。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 23:12:19.66 ID:KWWw9CIPo<>
とりあえずこれでこっちは大丈夫かな、と俺はここを離れてキッチンの方へと向かおうとする、が。

「あんちゃん……」

「小鳩……? どうした、お前も夜空達と一緒に……」

「いいのよ小鷹!! 小鳩ちゃんは休んでて?」

「おいおい、あんまり小鳩を甘やかすなっての。こいつすぐ調子のるし……」

「そうだぞ吸血鬼! オマエも一応お兄ちゃんの妹なのだから、ちゃんとお兄ちゃんの言うことは聞くのだ!」


「なんであんだがあんちゃんの事『お兄ちゃん』だなんて呼ぶんじゃばかたれ!!!!!」


小鳩が大声を出した。
そしてその声に、夜空と星奈も疑わしげな目で俺の方を向いて、

「そういえば小鷹……その事については私も深く聞いていなかったが……どういう事だ?」

「あんたまさか……ロリコンなわけ?」

「ち、違う!! これはただ……」

「お兄ちゃんが妹になっていいって言ってくれただけなのだ」

「あんちゃん!!! なんでうちがおるのに妹増やすと!?」

「いや、マリアにはただ俺を兄貴のように見てくれていいって言っただけで……」

「うううぅぅぅぅぅぅううううう!!!」

歯を剥きだして犬のように唸る小鳩。
それから俺が懸命に説得して何とか落ち着かせることはできたが、やはり納得いっていない様子だった。
これは、これからも色々と大変そうだ……と思った。



***



キッチンでは理科と幸村が大人しく野菜を切っていた。
まぁ先程の組と比べたらこっちはずっとマシか、と俺は安心して何も言わずに去ろうとする。

しかし。

「理科どの。あにきはヘタを取るなら先端だけでいいと……」

「ダメですよ幸村くん! 男の『先っぽだけ!!』っていうのは絶対信じてはいけません!!」

「何を言ってんだお前は!!!!!」

俺は即座に回れ右して、理科に詰め寄った。

「あ、小鷹先輩! 実は幸村くんが先っぽだけなんて甘いことを言っていて……」

「いいんだよ先っぽだけで!」

「理科は騙されませんよ先輩。先っぽだけといいつつ、結局は全部入れちゃうのは分かりきっています!」

「あぁ……俺もお前の変人っぷりは分かりきってるはずなのに、何でこんなに毎回頭が痛くなるんだかな…………」

「あにき、わたくしはあにきの『先っぽだけ』という言葉をしんじます」

「ありがとう幸村。でもその言い方は凄まじく誤解を生みそうだからやめてくれ」

確かに理科達の方は夜空達の方と比べればまだマシだった。
野菜も結構普通に切れている。理科とか料理をやりそうもなかったので、少し不安な部分もあったのだがこれなら十分な出来だ。

……それでも、やっぱり理科は理科だった。

  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 23:17:59.35 ID:KWWw9CIPo<>


***



その後、何とかバーベキューの準備を終えて、俺達はいよいよ肉にありついていた。
もう日が落ちて暗くなっていたが、コンロに近くではライトを点けているので肉の焼き加減が見えないということはない。
まぁしかし、当然のことながら、みんなでワイワイ仲良く食べているという状態ではない。

バーベキューは食べ盛りの学生にとっては戦場だ。

「ククク、やはり肉は牛に限る。最も良いのは魔竜の肉だがな……」

「それならこれはワタシがもらうぞ」

「あああああああ!!! 何うちの肉取ってんじゃばかたれ!!!!!」

「オマエは魔竜の肉のほうがいいんだろう? それならこの牛肉はいらないじゃないか!!」

「そんなわけあるかあほ――っ!! 牛肉もいるんじゃ!!」

「あ――!!! 吸血鬼、ワタシの肉を取るな!!!」

「あんだが先に取ったんじゃ!!」

「一度取ったらワタシのものだ!! 自分のものなら名前を書くのだ!!」

そんな感じでギャーギャー肉の取り合いをしている小鳩とマリア。
これがどちらも小学生とかだったらまだマシなのかもしれないが、残念なことに俺の妹は中学二年生だ。
これでは体だけではなく心の方も小学生で止まっているのではないかと少し心配になってくる。

そうやって俺が頭を抱えていると、

「あにき、どうぞ」

幸村が皿に取り分けた肉を差し出してきた。
こんな空間だからこそ、こういった幸村のような存在は心の癒しになる。

「サンキュ、幸村。けどお前もちゃんと食えよ?」

「まずはあにきの食事がゆうせんです」

「幸村、俺の舎弟なら沢山肉を食って強くならなければダメだぞ」

「ッ!! す、すみませんあにき! わたくしすぐに行ってまいります!!」

幸村はそう言うと、ダッシュで肉を取りに行った。
なんか、これでは星奈以上に扱いやすい感じがする。
良いように動かしているようで少し申し訳ない気持ちも出てくるが、これも幸村のためだ。

俺が幸村の後ろ姿を目で追っていると、今度は視界に夜空と星奈が入り込んだ。
いつもケンカばかりしている割には、こうして近くにいる事が多いのは気のせいだろうか。
星奈は焼きたての牛肉を口へ運びながら、

「へぇ……あたしんちのお肉には遠く及ばないけど、悪くないじゃない」

「……共食いの分際でよく言うな」

「だから共食いって何なのよ!!」

「あ、すまない。こんなのと共食いと言われたら牛のほうが迷惑だったか」

「あんたねぇぇ………………あ」

怒りにプルプルと震えていた星奈だったが、何か閃いたようで動きを止める。
何を思いついたのかは知らないが、嫌な予感しかしない。

すると星奈は思いっきりバカにした表情で辺りをキョロキョロ見渡し、

「あっれええええ? そういえばあの目付きの悪いバカ女はどこ行っちゃったのかしらぁぁ?」

「……あ? なるほど、あまりに退化しすぎてこの暗闇では目もろくに働かないか」

「あ、そっかああ! あの真っ黒な髪に陰湿な性格だから、暗いと同化しちゃうんだ――っ!!」

バチン!!!
星奈の顔面にお決まりのハエ叩きがブチ当たった。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 23:27:52.57 ID:KWWw9CIPo<>
「いったあああああ!!! ちょ、何すんのよ!!!!! ていうかこんな所にまでハエ叩きなんか持ってきてんじゃないわよ!!」

「何を言っている、外で食べるからこそハエ叩きは大事だろう。夏も終わりとはいえ、虫はまだ元気だしな。ほら、ここにもまだでかいハエが」

「いたっ!! ちょ、誰がハエよ!!!」

「まったく、こんな所に腐った肉を置いておけばハエがたかるのは当然だろう」

「ぐっ……この……!! あ、小鷹ちょっと聞いてよ!! 夜空がいじめるんだけど!!」

再び涙目になっていた星奈は、俺が見ているのに気付くとなぜかこっちに話を振ってきた。
途端に、夜空が動揺し始める。

「なっ……違うぞ小鷹!! これは全てこの肉が悪い!!」

「この口の悪さは小鷹的にどうなのよ!?」

「え、あー、まぁ確かにちょっとアレだけどさ……」

俺はいきなり話を振られて戸惑いながらも、とりあえずそう言っておく。
すると、夜空は目を見開いてすがりつくように、

「……わ、分かった小鷹! 直す!! 直すから!!」

「ぶはははははは!!! あんた必死ね!!! ほんと小鷹にだけは……いたあああ!!
 ちょっと小鷹!! 夜空がぶったんだけど!!!」

まるで子供が親に言いつけるかのようだ。
俺は頭を押さえて溜息をつくと、とりあえずここから離れる事にした。



***



俺は遠目からぼーっと理科部の面々を眺めながら、みんなが全く取ろうとしない野菜を食べている。
野菜は野菜で結構美味いんだけどなー、なんて思っていると、

「先輩」

今度は理科が俺の近くまで来た。
そして俺はその姿を見て、少し怯む。

この暗さのせいか、それともツインテールといういつもと違う髪型のせいか、メガネをかけていないせいかは分からないが。
理科はどことなくいつもの雰囲気と違うような気がした。

彼女は好き放題に騒いでいる理科部メンバーを眺めて小さく微笑む。

「理科はバーベキューというものを初めてやりましたが、良いものですね。
 効率的な事を考えれば、普通にフライパンとかで焼いたほうが早いというのは分かるんですけど……なんか良いです」

「……そうだな。肉も心なしか美味く感じるだろ?」

「はい。これ程食事を楽しめたのは生まれて初めてかもしれません」

「お、大袈裟だな……」

「いえ、割と本気ですよ。自慢じゃないですが今まで結構寂しい人生送って来ましたからね。
 ……それで、最近よく思うんです。こんな時間がずっと、永遠に続けばいいのに……って」

「理科……」

理科は少し遠い目をしている。
月の明かりに照らされたその表情は、俺より年下の少女のものとは思えないほど大人びていて……綺麗だと思った。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/04(火) 23:34:59.28 ID:KWWw9CIPo<>
「非科学的な事を言っているのは分かってますよ。でも、なぜか想像できないんですよね。
 理科達はいずれ高校を卒業して、社会に出て、大人になっていくのに…………いえ、ただ単に理科が想像したくないだけなのでしょうね」

俺はどこか悲しげにそう言う理科をじっと見つめて口を開く。
こんな時何て言葉をかけるのが正解かだなんて分かるはずない。
それでも自分の言葉で、自分の考えを話すのが大切だと、俺はそう思う。

「……確かに今は楽しい。ちょっとありえないくらいに楽しいと思う。でもさ、それはこれからにも言えることなんじゃないか?」

「小鷹先輩?」

「一年前、理科はこんなに楽しい高校生活が待ってるとかって思えたか?」

「それは……」

「結局は高校生とか大人とか関係ないんだよ。その時になってみないと楽しいかどうかなんて分からないし、楽しくできるかどうかも分からない。
 でもさ、ここでこうやってみんなと楽しく騒いだ思い出はきっと俺達の中にいつまでも残って、これからも楽しくしていけるんだと思う」

「…………」

理科は少し驚いたように俺を見つめる。
そして、

「……ふふ、なんか小鷹先輩、リア充みたいな事言いますね」

「あくまで想像だから何の確証もないけどな」

「いえ、割とその通りだと思いますよ。理科も、何となくそう思います」

「科学者は何となくとか曖昧な言葉を嫌う印象があったけどな」

「科学者としてではありません。一人の女子高校生として、ですよ」

理科が俺のことを見て微笑む。
その可憐な笑顔につられるように、俺の口元も緩む。
いつも俺の笑顔は怖いとか散々言われてきたが、今くらいはきっとマシな顔で笑えている気がする。

こうやって同じ部活でみんなと騒ぐ時間はいつまでも続かない。
高校を卒業すれば、それぞれ別の道を歩んで行く。

それでも、きっと。
俺達はずっと繋がっていて、社会に出て年をとってもこうしてまた集まって騒ぐことができる。
俺は、それぞれ騒いでいる理科部のみんなを眺めながら、そう思った。

隣から、理科の声が聞こえる。

「先輩」

「ん、どうした?」

「このウインナーの食べ方エロくないですか?」

「知らねえよ!!!!!」

あまりにも唐突な残念発言に、いつもはスルーするのに思い切り反応してしまった。
すると理科はそれはそれは嬉しそうに、

「ああん!! やっぱり反応してもらえるって最高です!! 理科、久しぶりの快感にびしょびしょです!!!」

「…………」

先程の理科は幻想だったのだろうか。
今俺の目の前に居る理科は、いつも通りの変態だった。
あのどこか儚げで、深みのある微笑みを浮かべた美少女はもうどこにも居ない。

そこに居るのはただの理科だ。
あぁ、何で理科は理科なんだろうか。

「そ、その目もいいです!! 先輩、もっと!!!」

俺はそうやって喘いでいる理科を放置して、そっと距離をとった。



誰に話しかける? >>595 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 23:35:29.20 ID:bWa1L4aIO<> せな <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 00:37:43.30 ID:eAheVhWHo<>
俺がもっと野菜を焼こうと、コンロへ向かう途中。
視界の端に、星奈が慌てて家の敷地の外、道路の方へ走っていくのが見えた。

俺は首を傾げて、その後を追ってみる事にする。


「……うん、うん。ホントにゴメンって!」


星奈は家から出てすぐの所で誰かと電話で話していた。
その表情はかなり焦っているようで、それは声にも表れている。
星奈はそれから少しの間ずっと同じ様子で電話を続けた後、溜息をつきながら通話を切った。

俺はそれを見計らって声をかける。

「どうしたんだ?」

「わっ、ビックリした!!! ちょっと、おどかさないでよ……」

「いや別におどかしたつもりはねえんだけど……」

「暗闇に人相悪いヤンキーが立ってたら誰でも驚くでしょ」

「あのな……」

俺は何か反論しようかとも思ったが、やめておく事にした。
確かに日中から怖い怖い言われているのだから、暗闇ともなるともっと怖いのだろう。

俺は小さく溜息をつくと、

「そんで、何だったんだ今の電話? なんか焦ってるみたいだったけどさ」

「あぁ、パパよパパ。今日小鷹の家でバーベキューするって言ってなかったの」

「おい……そりゃ娘がこんな時間まで連絡よこさなかったら心配するだろ……」

「わ、悪かったとは思ってるわよ……だって、誰かと遊んで帰るの遅くなるなんて、全然言ったこともなかったし……」

「……なるほどな」

それは俺も同じで、今までは大体学校が終わるとすぐ家に帰るというのが多かった。
夏休みのような長期休暇はほとんどが家の中だ。

「ていうか、あんたもいいわけ?」

「なにが?」

「こうやってあたしと二人で居ると、夜空が不機嫌になるんじゃないの?」

「……別に友達と話すくらいいいだろ」

「あれ、あんた夜空から告白とかされた? もしかしてもう付き合ってるんじゃ……」

「な、なんでそうなるんだよ!」

俺は内心ギクッとなりながらも、何とか平静を装う努力をしつつ尋ねる。
夜空からは、からかわれるから他の部員には言わないでほしいと言われているので、何とかごまかさなければならない。

星奈はさも当然の事のように口を開く。

「だって、前までのあんたなら『何で夜空が不機嫌になるんだ?』とかって鈍感爆発なセリフを言うはずじゃない。
 さっきの返し方だと、夜空が自分のことを好きだって分かってるように聞こえたわよ。
 だけど小鷹は自分で気付けないくらいの鈍感なはずだし、つまり夜空が告白したんじゃないかって事よ」

星奈の言葉に、思わずなるほど、と感心してしまう俺。
しかし、そんな場合ではない。これでバレたら完全に俺のせいだ。
何か、何かを言わないと…………。


**************************************


小鷹の言葉が>>597-600の中から、>>600の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>597
25〜49→>>598
50〜74→>>599
75〜99→>>600 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 00:40:44.70 ID:UnE1OUKN0<> お前は何を言ってるんだ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 00:40:48.48 ID:zy9jjPCSO<> まぁ、なんだ、星奈のおっぱい揉ませろよモミモミ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 00:41:28.66 ID:qEVk7S2n0<> ああ、俺は夜空の想いを受け取ったよ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/09/05(水) 00:44:01.80 ID:9ClJ4VA6o<> 奇麗な夜空だなぁ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage <>2012/09/05(水) 01:16:47.32 ID:hF6fo0gJo<> 苦しすぎる話の逸らし方wwwwwwwwwwwwwwwww <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 01:52:25.43 ID:eAheVhWHo<>
「綺麗な夜空だなぁ」

「あんたそれもしかして話逸らそうとしてるわけ?」

「うぐ……」

「……はぁ、別に言いたくないならいいわよ。しかもちょっとノロケ入ってるし」

「惚気……? あ、いや、夜空ってそういう事じゃなくて、普通の夜空だっての!!」

「分かってるわよ、必死すぎ」

星奈は軽く笑うと、空を見上げた。
頭上にはいつもの満天の星空が広がっている。

「まぁあたしも嫌いじゃないわよ、この空。星もよく見えるし」

「ここは空気が澄んでるからな。都会とか行くとあまり見えなくなるんだよな」

「それ暗に都会暮らしをしたことあるって自慢してない?」

「別にそういうつもりはねえって。ただ、他の街と比べてもここの星空は綺麗だって事だよ」

「ふーん、そうなんだ……」

それから、少し沈黙が流れて俺も星奈も無言で星空を眺める。
辺りにはただ虫の鳴く音だけが広がる。
その沈黙は決して辛いものではなく、むしろ落ち着いた居心地のいいものだった。

すると星奈が、

「ねぇ、小鷹。夏の大三角ってどれか分かる?」

「ん、分かるけど……星奈も小学生の時に授業で習ったりしなかったのか?」

「天体観測の授業はあったんだけど、それグループ学習だったのよ…………で、あたしだけ仲間外れにされて怒って帰った」

「あー」

幼い星奈が泣きながら走ってどっかへ行く様がリアルに想像できる。
今でも夜空にはいつも泣かされてるしな。

「それで、どれよその大三角っていうのは? そろそろ夏も終わりだし、見られなくなっちゃうんじゃないの?」

「いや、むしろ9月の方が大三角が天頂に来て綺麗に見えたりするんだぞ。えっと……あれだな」

「どれよ?」

「ほら、あの良く光ってるやつ」

「んー?」

星奈が触れ合うくらい近くまで来て、頑張って俺の指差す先を見ようとする。
流石にここまで接近されると俺もちょっと落ち着かないのだが、本人が全く気にしていない様子なので、俺も気にしない事にする。

「あ、分かったアレね!」

「あぁ、あれがデネブ。こっちのがアルタイル。そんで、ベガ。これで夏の大三角だ」

俺が次々と指差していくと、星奈の顔もそれに合わせて動く。
それが妙に面白く、気付けば口元に笑みが浮かんでいた。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 01:58:12.83 ID:eAheVhWHo<>
星奈は子供のように無邪気に、

「あ、ホントだ! へぇ〜、確かに三角形になってるわね」

「だろ? あの三つは特に明るいから分かりやすいしな。ちなみにベガとアルタイルが織姫と彦星だ」

「え、そうなんだ。ふーん……こうして見ると結構近く見えるけどねー」

「実際は遠いってもんじゃないんだよな」

「近くに居るように見えて、実は凄く遠い…………か」

星奈が少し切なげな表情で織姫と彦星を見上げる。
僅かな風に、その純正の綺麗な金髪が穏やかになびく。
夜空の星々も相まって、その姿はどこかの映画のワンシーンのように画になるものがあった。

俺は黙って星奈の言葉を待つ。
彼女は何を思い、考えているのか。


「あたしも、ときメモやってるから分かるわ。こんなにも近いのに決して届かない、って――――」


……なぜだろうか。
理科といい、星奈といい。
なぜこんなにも唐突に残念な面が表に出てきてしまうのだろうか。
もしかして心の中に、残念さを出さなければいけないという抑えきれない衝動でもあるのだろうか。

俺は深く深く、溜息をつく。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」

「な、なによ?」

「いや……何でもない。それでこそ星奈だ」

「なんかバカにされた気しかしないんだけど」

「そんな事ないって……うん、まぁそういうのも星奈っぽいよな」

「やっぱバカにしてるでしょ!?」

もう星奈の言葉に対する返答もいい加減になってきた。
というか、もう疲れた。
理科の時も思ったが、ああいうシリアスな雰囲気で急にガクッと落ちると妙に疲れてしまう。

星奈はそんな俺のことを面白くなさそうに見て、

「ふ、ふん! でも夏の大三角の星って明るく光ってあたしみたいね!」

「そういえばお前の名前にも星っていう文字が入ってるもんな」

「えぇ、たぶんこの星々みたいに凡人どもを見下せるように、ってパパがつけてくれたのよ!」

「それはない。絶対ない」

「なんでよ!!」

それはたぶん理事長までそういう星奈みたいな感性の人間だったら、とっくに柏崎家は潰れているはずだからだ。
まぁ、これをそのまま言えばまた面倒くさそうな事になりそうなので、心に留めておくが。

星奈は不満そうに、

「じゃああんたは、パパがあたしの名前に星っていう文字を入れた理由が分かるわけ?」

「んーなんでかねー」

「ちょっと、真面目に考えなさいよ!」

「考えてる考えてる」

星奈はしつこく食い下がってくる。
これは、とりあえず何か言わないとダメみたいだ。


「>>604」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 01:59:34.42 ID:9tkv1fRIO<> 星みたいに綺麗になってほしいってことじゃないか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 02:00:21.19 ID:SeJVDSPs0<> ほしのあき好きだったから <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(四国)<>sage<>2012/09/05(水) 02:01:18.34 ID:AxY2QDmAO<> かがやけるひのために <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 02:02:13.19 ID:zy9jjPCSO<> 文字どおりキラキラネームにしたかったんじゃないかな <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 02:04:55.79 ID:eAheVhWHo<> 眠いからここまでー
高校の遠足のバーベキューで、中々火がつかなくて燃やすものが無くなって遠足のしおり燃やしたのはいい思い出 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮城県)<>sage<>2012/09/05(水) 02:13:11.43 ID:oMFKqCi7o<> しおり燃やしちゃいかんでしょwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/09/05(水) 02:36:53.69 ID:9ClJ4VA6o<> おっつー
君の知らない物語が聞きたくなった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 09:01:06.65 ID:KQX8nRJL0<> あのくそったれの安価連続から考えるとまともな展開になってきたわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<><>2012/09/05(水) 11:14:53.52 ID:avvxIUcW0<> 安価がまともすぎ。反動が怖い。 <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 11:48:50.34 ID:eAheVhWHo<>
「星みたいに綺麗になってほしいってことじゃないか?」

「それならもう既に完璧じゃない! あたしはあの大三角の星みたいに周りと比べても光り輝いてるわ!」

「……あー、そうですね」

「何よその棒読み!!」

確かに星奈は、間違いなく美少女という分類に分けられるはずだ。
だがそれを本人が自分で言うと、一気にガッカリ感が出てきてしまう。
日本人は謙虚すぎると言われることもあるようだが、それだけにこういった星奈の態度は周りからは疎まれる原因になりやすいだろう。

でも、俺はその事について何も言わない。
こうやっていつだって自信満々なのが星奈なんだと思うし、特に悪いことだとも思わないからだ。

すると、星奈はこちらをじーっと見て、

「……ねぇ、小鷹。もしかしてあんた的にはあたしはそこまで可愛くないとか……?」

「はい?」

「だってその態度、余裕持ちすぎでしょ。クラスの奴隷とか、こんなあたしと二人きりなんて状況になったら泣いて喜ぶわよ」

「別に友達とこうやって二人で話すくらい変なことじゃないだろ」

「……それもそっか。友達同士で気を使うなんておかしいもんね」

「友達同士でも気を使わなすぎるのはどうかと思うけどな」

「な、何よその目……? もしかしていつもいつもヤンキーって言われるの気にしてるわけ?」

「分かってんならやめろよ!?」

「はいはい分かりましたー」

星奈は口元に笑みを浮かべながら、そんな気のない返事を返す。
そして、俺の事をニヤニヤと見つめて、

「でさ、やっぱりあんた的には夜空がストライクなわけ?」

「な、何言ってんだよ急に……」

「いいじゃない、答えてよ。ぶっちゃけ、容姿だけだと理科部で誰が一番可愛いと思うのよ?」

「……んー」

俺はちょっと考えて、


「>>614」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 11:49:27.05 ID:lqEf4aABo<> マリア <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2012/09/05(水) 11:59:40.96 ID:OoBTCKLMo<> アウトだよー! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/09/05(水) 12:06:17.82 ID:9pCSSuHeo<> おまりわさん、この人です。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)<>sage saga<>2012/09/05(水) 12:15:13.99 ID:7Ol3PTvw0<> ケイトさん、こっちです。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 12:17:33.10 ID:9tkv1fRIO<> マリアルート入ったか…! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 12:23:45.59 ID:dYDv1m1IO<> ロリコンだああああああ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)<>sage<>2012/09/05(水) 12:41:42.45 ID:AxY2QDmAO<> 「美人」や「綺麗」じゃなく「可愛い」なんだから一番最年少のマリアでおかしくはない

と思いたい <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 13:49:59.47 ID:eAheVhWHo<>
「マリアかな」

「……うわ」

星奈が靴の底のガムを見るような目で俺を見てくる。
俺は慌てて、

「ち、違う、そういう意味じゃねえって! ただ子供らしくて一番可愛いって事で……」

「その言い方も十分ヤバイわよ。あーあ、ついに理科部から逮捕者か……」

「何もしねえよ!! つかお前だって小鳩にべったりじゃねえか!!」

「小鳩ちゃんは天使だから当然じゃない!!」

星奈がムキになって意味不明な事を言ってくる。
小鳩本人が言うには天使じゃなくて吸血鬼だけどな。

星奈はジト目を向けて、

「ていうか、あんたは夜空よりマリアの方が好みなんだ」

「いやだからそういう意味じゃねえって…………なぁ、星奈」

「なによ」

「お前って夜空とケンカばかりしてる割に、意外とアイツのこと考えてるよな?」

「なっ!!」

星奈の顔が暗闇の中でも分かる程に真っ赤に染まる。
話をそらすために言ってみたのだが、これは大成功のようだ。

星奈は大慌てで、

「バカ、そんなわけないでしょ!!」

「でも実際そうじゃねえか。やっぱケンカするほど仲がいいってのは合ってるのかもな」

星奈は俺の言葉に、少しの間何も言い返せずにただこちらを悔しそうに見ていた。
しかし、ふと諦めたように小さく溜息をつくと、

「……今まであんなに真正面からぶつかってくる奴なんて居なかった」

「そうなのか?」

「えぇ。大体があたしの権力にビビってろくに関わってもこない。それで陰口だけグチグチグチグチ言ってきてさ」

「…………」

「だから、ああいう奴がちょっと新鮮っていうのは認めるわよ。間違ってもあんな奴の事を気にかけてるなんて事はないけどね!!」

そんな苦しいことを言いながら、星奈はビシッとこちらを指差す。
まぁ、本人がこう言っているなら、これ以上つついたりすることもないかと、この辺にしておくことにする。

それよりも、俺にとって気になる事ができた。

「陰口って……大丈夫か?」

「べっつに。愚民どもが隠れてコソコソ言ってるのを一々気にしてたらキリがないわよ」

「……確かにそうだけどさ」

陰口を気にしていても仕方ないというのは俺もよく分かる。
俺も初めの内は周りからコソコソ言われるのが不安で仕方なかったが、気にしないようにしたら随分楽になった。
だが、自分ではない他の誰かが同じような事をされていると心配してしまう。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 13:54:13.10 ID:eAheVhWHo<>
だが、星奈はそんな弱い人間ではないようだ
彼女は俺の方をニヤリと笑って、

「なによ? そうやって陰口叩いてる連中を懲らしめて、あたしの好感度上げようって算段なわけ?
 まったく、夜空だけじゃなくてマリア、それにあたしもって見境なさすぎでしょ」

「お前は現実までエロゲーに侵食されてきてるよな……」

「失礼ね、そこら辺はちゃんと区別つけてるわよ!! あかりちゃんはゲーム、小鳩ちゃんは現実!!」

「おいその言い方はとてつもなく不安になるから止めろよ」

「というわけで、あたしは小鳩ちゃんの攻略は諦めないからよろしく! あ、でもあんたはあたしの攻略は諦めたほうがいいわよ。難易度高すぎるから」

「何がどういうわけなのか分かんねえよ! お前こそ小鳩の攻略は諦めろ!
 ていうか俺は今まで一度もお前を攻略しようとしたことなんてねえよ!!」

「むっ、なんかそう言われるとムカツクわね。ロリコンのくせに。あ、そうか、ロリコンだからこそ同世代には興味ないわけ?」

「ちげえよ!!」

結局俺達は、理科と夜空が探しに来るまでそうやってギャーギャーとどうでもいい事を言い合っていた。
内容はくだらないもので、単なる時間の無駄とも言えるかもしれない。
だが、俺にとってはこういったどうでもいい会話も、前までは中々できなかったものだ。

理科部に入って三ヶ月。
こうして期間にすると短く思えてしまうが、実際は今までの人生の中でも密度の濃い時間だったと思う。
みんなと色々な発明品を使ってバカやっていただけなのに、そんな時間は俺にとってかけがえのない大切なものになっている。
そしてそんな時間はこれからも、続いていく。

夏は本当に色々あった。
楽しいことだけではない。繋がりを得たからこそ生まれる悩みもたくさん抱えた。
今ではそれらも思い出の一つとして、心の中にしまっておく事ができる。

人生で最も充実したといえる夏休みは、もう終わる。



************************

【好感度変動】     >>509→>>622(いまここ)


                   小鷹への好感度
柏崎星奈        ★★★☆☆☆☆→★★★★☆☆☆

高山マリア        ★★☆☆☆☆☆→★★★☆☆☆☆


                   小鷹からの好感度
三日月夜空       ★★★★★☆☆→★★★★★★☆

高山マリア        ★★☆☆☆☆☆→★★★☆☆☆☆


************************ 
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 13:56:20.11 ID:eAheVhWHo<>


9月1日。
聖クロニカ学園は二学期制なので、新学期というわけではないのだがとにかく夏休みは終わり、今日から学校が始まる。

今日は半日授業だが、昼からは部活があるので家から弁当を作ってきた。
普段はあまり作ったりしないのだが、マリアとの約束があるのでこれからは毎日作る予定だ。
小鳩は弁当に喜んでいたようだったが、事情を話すとなぜか不機嫌そうに頬をふくらませていた。

友達同士で楽しそうに話していたり、日焼けなんかをしている学生達に紛れて俺は昇降口から校内へと入った。
どうやら周りは夏休みの事を色々楽しそうに話しているようだが、残念ながら俺にはそんな相手が居ない。
そもそも、夏休みの思い出というのも全部部活の連中が絡みなので、本格的に話す相手が居ないわけだ。

まだまだリア充への道は遠いなと溜息をつく俺。
その時、とあるものが目に入ってきた。


**************************************


小鷹が見たものが>>623-626の中から、>>626の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>623
25〜49→>>624
50〜74→>>625
75〜99→>>626 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/09/05(水) 13:56:27.46 ID:y7Gk92Nfo<> そろそろ夜空以外の好感度も上げないとな <> ミスった  ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 13:57:57.11 ID:eAheVhWHo<>


小鷹が見たものが>>626-629の中から、>>626の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>626
25〜49→>>627
50〜74→>>628
75〜99→>>629 <> またミスった 
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 14:02:00.53 ID:eAheVhWHo<>
小鷹が見たものが>>627-630の中から、>>630の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>627
25〜49→>>628
50〜74→>>639
75〜99→>>630 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/09/05(水) 14:03:42.41 ID:y7Gk92Nfo<> 理科が弁当のような物を持って待ち伏せしていた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 14:04:31.79 ID:nLNa5csPo<> またまたミスってるぞww

星奈の陰口を言ってる連中 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 14:04:41.98 ID:9tkv1fRIO<> 荷物をもって今にも転びそうになっている遊佐 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 14:12:21.11 ID:lqEf4aABo<> 歩いてるマリア <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 15:20:23.71 ID:eAheVhWHo<>
「あっ、先輩!」

理科が昇降口近くで待ち構えていた。
こうして多くの学生達の中に理科がいるというのは少し違和感のようなものがある。

その手には何かの包みがある。

「おぉ、どうした理科? ついにお前も普通に学校生活を送る気になったのか」

「いえいえ違いますよ。理科はこれからいつも通り理科室登校です」

「なんだよ……で、俺に何か用なのか?」

「ふっふっふ……よくぞ聞いてくれました先輩!」

理科はなぜか得意気にそう宣言する。
そして、手に持った包みをバッと突き出してきた。

「お弁当です、先輩!」

「……俺に?」

「はい!!」

俺は驚いて理科を見る。
普段のイメージからして、理科がこうしてお弁当を作るというのは意外と言うしかない。

俺は注意深くお弁当を受け取ると、

「……何か入ってんじゃねえだろうな」

「もちろん入ってますよ、先輩への愛情が!!」

「ばっ、そういう事大声で言うなって! ここは部室じゃねえんだぞ……」

俺がそう言うがもう手遅れで、周りの人間がヒソヒソと何かを言っているのが分かる。
内容まではよく聞こえないが、むしろ聞かないほうが俺のためにもいい気がする。

「けど、何で急に?」

「ほら、この前バーベキューで野菜を切ったじゃないですか。あれを機会に理科ももうちょっと女の子らしい事でもしてみようかなーって。
 ようするに単なる気まぐれ的なものが強いです。明日からはやらないかもしれません」

「あー、理科らしいな」

「時に先輩、やっぱり先輩的には女の子は料理ができたほうがいいんですかね?」

「それ夜空にも聞かれたな……別に俺は気にしねえよ。今時女の子は料理できなきゃいけないなんてのは古いと思うしな」

「えぇー、そうなんですか? それじゃ理科の苦労は……」

「いやでもできるならプラスだとは思うぞ」

俺がそう言うと、理科は顔を明るくさせてずいっと顔を近づける。

「それならもしもこのお弁当が美味しかったら結婚していただけると!?」

「誰もそんな事言ってねえ…………あ、そうだ理科」

俺はとある事を思い出して、鞄の中をゴソゴソと漁る。
そして首を傾げてその様子を見ていた理科にあるものを差し出した。

「ほら、俺の弁当。さすがに二つは食えねえから、こっちはお前が食ってくれ」

「……!! せ、先輩の愛妻弁当……!!!」

「それは日本語として正しいのか……? つーか、元々俺のために作ったやつだから愛情も何もこもってねえ」

俺は冷静に突っ込むが、理科は聞いていないようでただ目を輝かせて弁当を見ている。
別に大して豪華なものでもないが、ここまで嬉しそうにされると嫌な気はしない。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 15:23:19.51 ID:eAheVhWHo<>
「先輩、これ家宝にしていいですか?」

「腐るだろうが。ちゃんと今日の昼食え。お前いつもあんまり食べてなさそうだしな」

「女の子はあまり好き放題食べられないんですよ。プロポーション的な問題で」

「別にそこは大丈夫だろ。それより食わないで背が伸びないほうがまずいと思うけどな」

「え……せ、先輩はロリコンだったんじゃ…………」

「ちっげえよ!!! つかそういう事をこんな所で言うな!!」

理科の言葉に、周りの人間が再びヒソヒソし始める。
その目は明らかに危ない人を見るものであり、とてつもなく居心地が悪い。

耐え切れなくなった俺は逃げるように、

「じゃあ、俺はもう行く。弁当箱は部活の時でいいか?」

「はい、分かりました!!」

そうやって理科と分かれると、俺は早足で教室へと向かう。
願わくば今の騒動が教室の中にまで届いていないでくれたら、と考えながら。



***



今日は夏休み明けなわけだが、この学校は二学期制という事もあって通常通りの授業があった。
急に学校モードに頭を切り替えるというのも中々難しく、授業にはあまり集中しきれなかったが、それは周りも一緒みたいだった。
先生の方もそこら辺は分かっているのか、そこまで厳しく注意せずにやわらかく「これから戻していきましょう」と言うだけだった。

そうやって気付けばお昼となり、生徒達はそれぞれ下校、または部活動のためにそれぞれ部室へと向かう。
そして俺も昼食をとるために理科室へと歩いて行く。夜空は何か用事でもあるのか、気付けば教室に居なかった。
考えてみれば、結局こうして理科室でみんなと一緒に食べることになるのだから、わざわざ朝に昇降口で弁当を渡さなくても良かったんじゃないかとも思う。
しかしまぁ、そこら辺は雰囲気とかそういうところの問題なのだろう。
確かにラノベでもたまに、朝、後輩がお弁当を持って待っているというシチュエーションもあった気がする。

俺はそんな事をぼんやりと考えながら、理科室の扉を開けた。


**************************************


理科部の出席状況が>>633-638の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:00:00.(00)←ここ

理科>>633
00〜79→出席
80〜99→欠席

夜空>>634
ゾロ目→欠席
それ以外→出席

幸村>>635
00〜59→出席
60〜99→欠席

星奈>>636
00〜29→欠席
30〜99→出席

小鳩>>637
00〜69→出席
70〜99→欠席

マリア>>638
00〜59→欠席
60〜99→出席 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 15:24:04.55 ID:/Y6HVl200<> f <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 15:24:14.75 ID:dYDv1m1IO<> ヌッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 15:30:10.78 ID:UbLoizPc0<> hoi <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2012/09/05(水) 15:30:16.08 ID:wEYGCpM1o<> はい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2012/09/05(水) 15:39:01.97 ID:LM/iwl9do<> てい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 15:41:54.33 ID:UbLoizPc0<> g <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 16:13:35.56 ID:9tkv1fRIO<> 初日からサボるやつ多すぎだろww <> マリアの出欠逆やん……ミス多いな今日  ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 16:20:21.78 ID:eAheVhWHo<>
部室には理科と夜空しか居なかった。
俺はキョロキョロと部屋を見渡して、

「あれ、これだけか? マリアと小鳩は知ってるけど……」

マリアはシスター関連の仕事で休み、小鳩は何か良く分からないが急に休むと言ってきた。
とりあえず弁当は礼拝堂の方へ行ってマリアに渡してきたので問題はないが。

「星奈先輩は理事長のお手伝いでお休み、幸村くんはお家の事情でお休みです」

「ふーん……ここまで人数揃わないってのも珍しいな」

「まぁ肉が居ないのは静かでいいだろう」

夜空は本から顔を上げずにそんな事を言う。
相変わらずだなぁと思いながら、俺は鞄から理科の弁当を取り出す。

すると理科は気味の悪い笑みを浮かべて、

「ふっふっふ、ここまで食事が楽しみなのは初めてです」

「お前この前のバーベキューの時も同じようなこと言ってなかったか?」

「そうでしたっけ?」

「結構てきとーに話してんだなお前……」

俺はこれ以上突っ込むのも面倒くさくなったので、大人しく食事にとりかかることにする。
夜空の方も本を閉じて、自分の鞄からコンビニのビニール袋を取り出した。
中は焼きそばパンを始めとした惣菜パンだ。

そして夜空は理科の持っている弁当を見て意外そうな顔をする。

「何だ理科、お前料理なんかするのか?」

「いえ、これは小鷹先輩の手作りお弁当です」

「なにっ!?」

ガタッと夜空が立ち上がった。
……なんか面倒な事になってきた気がする。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 16:21:43.35 ID:eAheVhWHo<>
夜空はすぐにバッとこちらを向き、

「ど、どういう事だ小鷹!? なぜ理科の弁当を作っている!?」

「あー、いや、別に初めから理科のために作ったわけじゃなくてだな……」

俺はとりあえず一から説明することにする。
正直面倒だったが、ただはぐらかしているとこれ以上に面倒な事になると思ったからだ。
夜空はただ黙って俺の話を聞いていたが、やはりどこか不満そうだ。

「……ふん、私だって本気を出せば料理くらい…………」

「夜空?」

「何でもない」

明らかにムスッとしてそんな事を言う夜空。
俺は首を傾げるが、まぁ本人がこう言っているんだしこれ以上は追求しなくてもいいかと、視線を理科の弁当へと移す。

理科は俺に期待の眼差しを向けて、

「理科の自信作ですよ!!」

「お、おう……」

俺は若干の不安を覚えながら、包みを開いて中の弁当箱の蓋を開けた。
その中に待っていたものは……。


**************************************


理科の料理の出来が>>642の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:00:00.(00)←ここ


00〜19→ポイズンクッキング
20〜49→まずい
50〜79→うまい
80〜99→プロ並み <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 16:22:33.36 ID:lqEf4aABo<> ん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 16:58:40.78 ID:dYDv1m1IO<> 妥当か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/09/05(水) 17:20:50.37 ID:y7Gk92Nfo<> せめて普通っていう評価も入れてあげてよ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 17:28:50.27 ID:/Wd15tM5o<> 料理に普通って評価あるか?
<>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 17:48:06.71 ID:eAheVhWHo<>
結論を言うと、理科の弁当はまずかった。
ご飯は固いし、卵焼きはしょっぱすぎるし、里芋はぐじょぐじょだし、タコさんウインナーは火が通りきっていない。
おまけにサラダにかかっていたお手製だと思われるドレッシングはただ酢の味しかしない。

正直完食するのもキツイ出来なのだが、残すというのはできない。
さすがに毒とかそういうギャグの領域まで達していたらどうかと思ったが、こういうリアルな失敗の仕方では邪険に扱うことなんてできない。
いくら理科でも、俺のために作ってくれたものなので、これは人としてちゃんと食べてやるべきだと思った。

俺はとにかくダメだと思った所を一つ一つ丁寧に理科に伝える。
そして個体から液体へと変異し始めている里芋を口に運びながら、言葉をしめる。

「…………以上だ」

「こ、ここまでフルボッコにされるとは……」

自信作というのは本心だったらしく、ここまでのカウンターをくらって理科はさすがにこたえているようだ。
しかし、これは仕方ないことだ。いずれ誰かが言わなければいけないことであり、理科のためにもなる。

夜空はなぜか少し安心した様子で、

「……は、はは。まぁ理科には向いていないんだ料理なんてな」

「そんな事分かりませんよ! 誰だって最初は失敗するものです!」

「確かにな。こうやって料理をしようと思っているだけでも、一歩進んでると思うぞ」

「ですよね!!」

「むぅ……こ、小鷹!!」

夜空が急に切羽詰まった様子で口を開いた。
嫌な予感がする。

「私も明日から弁当を作る!! お前が食べてくれ!!」

「お前も……?」

「あぁ、理科だけというのは不公平だろう」

「ダメですよ夜空先輩、これは早い者勝ちです。小鷹先輩にはこれからも理科のお弁当を食べてもらいますよ」

「お前これからも作るかは分かんねえとかって言ってなかったか?」

「気が変わりました。ここまで先輩にアドバイスを頂いたのですから、ここでやめるのは失礼です!」

「くっ、卑怯だぞ理科!」

「ふふふ、勝負とは非常なものですよ夜空先輩」

「お前らなぁ……」

俺は呆れながらそうやって言い争っている二人を眺める。
確かに食べ盛りの男子高校生ではあるが、さすがに昼に弁当二つも食べられるほど運動をしているわけではない。
二人の弁当を食べるのは無理ということで、何か落とし所をつけなければいけないだろう。



どうする? >>647 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 17:48:58.53 ID:ikMNmh5s0<> みんなで分け合えばいいんじゃないか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 18:01:48.20 ID:/Wd15tM5o<> 稀にみるベストな安価 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 18:11:54.77 ID:ikMNmh5s0<> 昨日、兄弟安価を出した私に隙はなかった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 18:14:27.79 ID:8aPSGLRYo<> このロリコンwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 21:29:41.28 ID:oe2BPL4IO<> よしよし
このままハーレム野郎として頑張るんだ <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 22:14:40.96 ID:eAheVhWHo<>
「よし、じゃあこうしよう。これから昼食は理科室で取ることにする。
 そんで、各自作ってきた弁当を分け合う。こうすれば俺も二人の弁当を食べることができる」

「……まぁいいでしょう。本当は全部食べてほしいところですけど」

「そうだな……そこが妥当なところか」

二人とも渋々ながらも了承してくれた。
まぁ俺としても、みんなでご飯を食べるのは楽しそうでいいと思う。
願わくば二人の料理の腕がもっと上がって、俺のものよりも美味しいお弁当を食べたいものだ。

理科は俺の弁当を口に運びながら顔を驚愕の色に染める。

「……先輩、どんな非科学的な手段を使ったんですか」

「使ってねえよ。普通に作っただけだ」

「ちょ、ちょっと私にもくれ」

夜空が理科から箸を受け取って卵焼きを一つ頬張る。
これは小鳩とマリアに合わせてかなり甘めの味付けをしているので、ひょっとしたら夜空には合わないかと思ったが、

「……うまい」

「でしょう!? しかし、先輩の評価はこれが基準になってるんですか……厳しそうですね……」

「あぁ、そうだな……」

「んな大袈裟な」

二人して苦しげに顔をしかめているので、俺は呆れてそんな事を言う。
別に俺は特別料理が上手いわけでもなく、ただ慣れているだけだ。
こういうのは普段からやってれば自然と身についていくものだ。まぁこれは勉強とか他のことにも言えることだろうが。

それから少しして、全員が昼食を食べ終わった。

「ではご飯も食べ終わりましたし、そろそろ今日の活動を始めましょうか!」

「つっても三人しかいねえぞ? まぁ前に俺と夜空と星奈の三人で活動したこともあったけどさ」

「あの時とは違って、今日は理科も居る。できないことはないだろう」

「そうですよ! この部の核は理科ですからね!」

「……確かにその通りなんだけどな」

理科部の発明品は全て理科が作ったもので、俺達ではあくまで高校生の工作レベルのものしか作れない。
何だかんだこの部活は、部長である志熊理科を中心に動いている。“理科”部だしな。

理科はいつもの通り、ホワイトボードの前まで歩いて行く。
もうこの動作もすっかりお馴染みになり、これが活動の合図だと認識されている。


「それでは、何か新しい道具の開発、または既に作った道具で何かしてみましょうか。別に道具に関係なくてもいいですが……とにかくコミュ力上昇のために!」


**************************************


理科部の活動が>>653-656の中から、>>656の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>653
25〜49→>>654
50〜74→>>655
75〜99→>>656 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 22:16:55.30 ID:ikMNmh5s0<> 3人でツイスターゲームでもやってみるか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<><>2012/09/05(水) 22:18:12.61 ID:WPTF6j6X0<> 王様ゲーム(理科室内で出来る範囲で) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2012/09/05(水) 22:18:23.27 ID:yWXiTyVno<> 調理器具を作ろう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 22:18:47.78 ID:SKWhHaHZ0<> PS3でP4U大会 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 22:18:47.86 ID:UbLoizPc0<> 学校に残ってる人に話しかける <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 22:18:57.70 ID:C4KGXj3+o<> SAO <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 22:19:31.50 ID:9tkv1fRIO<> 人格が入れ替わる道具 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2012/09/05(水) 22:19:53.30 ID:yWXiTyVno<> サトナカアリーナか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 22:26:28.16 ID:dZ/FMNelo<> ザベスと千枝ちゃんの強さは以上 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 22:34:07.45 ID:9tkv1fRIO<> この三人でテレビゲームしてもなあ
せめて肉か小鳩いたらよかったんだが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)<>sage<>2012/09/05(水) 22:35:42.61 ID:yWXiTyVno<> 理科の発明とかを絡めれば <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 22:38:47.00 ID:dZ/FMNelo<> 格ゲーに発明入れるなんて無粋 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/09/05(水) 22:39:13.95 ID:Lv/3Tloso<> あれかナーブギア被って仮想世界でペルソナァッ!的な。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2012/09/05(水) 23:10:47.35 ID:cho93eCf0<> なんだただの里中無双か <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 23:12:13.66 ID:eAheVhWHo<>
「そうだ、P4Uやってみません?」

「なんだそれ?」

「格ゲーです」

「ゲームかよ……」

「何を言っているんですか小鷹先輩! 熱い殴り合いの中から友情を育むとは良く言うじゃないですか!」

「それはリアルファイトだ」

俺は呆れながら言う。
理科がゲーム好きというのは知っているが、これは本当にコミュ力上昇に繋がるのか疑問だ。

そして俺は夜空からも何か言ってくれとそちらを見ると、

「……まぁいいんじゃないか」

「えっ、い、意外とノリ気だな夜空……」

「その、ほら、格ゲーは小鳩ともやる機会があるからな……」

そう言って顔を俯けて前髪をいじる夜空を見て、なるほど、と納得する。
夜空は何とか小鳩との距離を縮めようとしており、それにはゲームがいい方法だと考えているらしい。
念のため言っておくが、夜空が小鳩と仲良くしたい理由は星奈のようにぶっ飛んだものではない。

三人中二人がやりたいと言っているなら、俺がいつまでも文句を言っているわけにはいかない。

「分かった。俺もやるよそのゲーム」

「ふっふっふ、ではどうせですし、罰ゲームも決めときましょうよ」

「よし、それならビリは一位の言うことを何でも一つ聞くでいいだろう」

「お前本当にそれ好きだな……」

こいつは独裁者でも目指しているのではないかとも思う。
誰かに言うことを聞かせるというのは確かに良い気もするかもしれないが、俺はちょっと申し訳ない気持ちも出てきてしまうので微妙な感じだ。

理科はメガネをクイッと上げてニヤリと笑う。心なしか、その目がキラリと光った気もする。

「いいでしょう……。それでは三人しかいませんし、総当たり方式でいいですかね」

「待て理科、今回のゲームはお前のだろう? ハンデなどが無ければ不公平だろう」

「安心してください。このゲーム、家庭用は割と最近発売されていて、理科も積んであったので一度もやったことがありません。
 アーケードの方も触れたことさえありません。元々外出しませんし」

「開発に関わった……とかはないよな?」

「さすがにそこまで姑息な真似はしませんって」

そんなわけで、今日は部室でゲームをやることになった。
ただ遊んでいるだけだと言われれば何も反論できない。

だがまぁ、たまにはいいんじゃないか。
……たまにという所が少し引っかかる気がするが考えないことにしよう。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 23:14:43.73 ID:eAheVhWHo<>


***



俺達はモニターのある準備室の方へと移っていた。
理科がPS3を準備している間、俺と夜空で説明書を読んで操作方法などを学んでいく。

俺はふと理科を見て、

「そういう据え置きのゲームって、いちいち片付けないでそのまんまっていう人も多いんじゃないか?」

「確かにそうなんですけど、理科の場合ゲームだけではなくて他にも色々とモニターは使いますからね。
 ちゃんと片付けないとコードとかがグッチャグチャに絡まってそれはそれは恐ろしい事に……」

「やったことあるんだな……」

理科のげっそりとした顔を見て大体理解する。
そうやっている間に準備は終わったらしく、大型モニターにゲームのタイトル画面が表示される。

ペルソナというのは心の仮面のようなもので、自分の心の一部とかそういう話らしい。姿は人や獣など様々だ。
そして学生達がそのペルソナを使って戦う、そんな感じだ。
元はゲームだがアニメ化もされており、知名度は結構ある方らしい。俺や夜空は知らなかったが。

そして画面はキャラクター選択画面へと移る。


小鷹の選択キャラ>>669
理科の選択キャラ>>670
夜空の選択キャラ>>671 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 23:15:23.04 ID:zy9jjPCSO<> ランダムで適当に <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 23:15:25.85 ID:SKWhHaHZ0<> 里中 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 23:15:43.42 ID:oe2BPL4IO<> 番長 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2012/09/05(水) 23:16:05.65 ID:yWXiTyVno<> 番町 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 23:16:46.88 ID:sdmAtKJIO<> 万長 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 23:25:54.64 ID:8aPSGLRYo<> 理科ガチやな <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 23:29:07.63 ID:eAheVhWHo<>

小鷹の選択キャラが>>676の投稿時間のコンマ以下の下一桁の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:00:00.0(0)←ここ


1→花村陽介
2→天城雪子
3→巽完二
4→白鐘直斗
5→クマ
6→真田明彦
7→桐条美鶴
8→アイギス
9→ラビリス
0→エリザベス <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 23:29:39.23 ID:UbLoizPc0<> s <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 23:29:40.33 ID:SKWhHaHZ0<> 完二 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2012/09/05(水) 23:37:06.14 ID:OoBTCKLMo<> やはりホモなのか… <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 23:49:36.80 ID:eAheVhWHo<>
「ふん、ここはやはり主人公を選んでおくべきだろう」

「分かってませんね夜空先輩、ここは無難に強キャラを選ぶところですよ」

「なっ、お前やっぱりやった事あるのだろう!」

「いえ、ネットの評判で見ただけですって。それに、初心者をいたぶるなんていう趣味はありませんし」

「むぅ……それならいいが……。ほら小鷹も早く決めろ」

「んー、じゃあ俺はランダムでいっか」

俺がランダムボタンを押すと、何やらいかつい男に止まった。
なかなか強そうだ。

「……まるで小鷹みたいなヤンキー顔だな」

「ヤンキーはヤンキー同士引かれ合うのですね……」

「ま、待て待て待て!! こいつに比べたら俺のほうがまだ全然マシだろ!?」

「いやそうでもありませんって。ほら、こうやってオールバックにすれば……」

「あ、おい!!」

「……確かに小鷹もいい勝負だな」

「ひでぇ……」

俺は、画面に映るどう見ても不良にしか見えない巽完二というキャラをじっと見る。
見た目の凶悪さは本気でこいつといい勝負なのか俺…………。なんかマジで凹んできた。

すると理科はふと何かを思い出したように、

「そういえばこの人ホモ疑惑とかかかってましたけど、結局ボーイッシュな子が好きみたいでしたね。結構似てる所もあるじゃないですか小鷹先輩」

「ボーイッシュって…………は!?」

「なっ……!!」

理科の言葉に俺は激しく動揺し、声が上ずる。
そして夜空は顔を真っ赤にして何かを言おうと口をパクパクさせているが、言葉が出てこないようだ。

理科はハッとして、

「しまった、何理科は夜空先輩をアシストしてんですか……」

「お、お前がいきなり変なことを言っただけだろう!!」

「はいはい、ラブコメやってないでそろそろ始めますよ」

「「誰のせいだ誰の!!!」」

もしかしたら今のは対戦前の精神的な揺さぶりなのかもしれない。
そう考えたらつくづく理科は恐ろしいと思う。

そんなこんなでいよいよ対戦が始まる。
最初は俺と理科。次に理科と夜空。最後に俺と夜空だ。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/05(水) 23:57:01.42 ID:eAheVhWHo<>

勝負の行方が>>681-682の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:00:00.(00)←ここ


小鷹(巽完二)   HP100      >>681
理科(里中千枝)  HP100      >>682 ※ゲーマー補正でコンマ以下に+20


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動(理科の場合は補正前) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 23:57:17.83 ID:UbLoizPc0<> s <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 23:57:42.14 ID:iLKix3RT0<> g
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/05(水) 23:59:16.30 ID:9pCSSuHeo<> 相変わらずの主人公補正や…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 00:15:37.98 ID:jkppuCLuo<> ホモは一撃がおもいからな・・・・ <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 00:27:12.22 ID:ckjcihEbo<>
使ってみて分かったが、この巽完二というキャラは足が遅い。
そしてその分体力とパワーがあるというタイプのキャラのようだ。

それならば、細かいコンボなどはあまり狙わずに確実に一撃一撃を当てるのがいいはずだ。

「……先輩、なかなかやりますね。正直理科ビックリです」

「格ゲーは家で小鳩とよくやってるからな」

理科のキャラは素手で戦う格闘タイプのようで、近距離タイプのようだ。
もう既に接近されてしまっているので、俺は何とか攻撃をガードしつつ反撃のタイミングを伺う。

その時、一瞬の隙が生じた。
俺はすかさずコントローラーをカチャカチャと素早く操作し、コンボを畳み込む。
人相の悪い不良が女の子をパイプ椅子で殴り飛ばし、それを鉄巨人みたいなペルソナに追撃させ、倒れた所を殴りつける。
画的には中々ヤバイ感じだがこれはゲームだ。

夜空が少し引いたような目で俺を見てる。
しかし何度も言うが、これはゲームだ。だからそんな目でこっち見るな。

「くっ……」

「どうだ理科、俺だって負けねえぞ」

「……いやでも先輩からのお願いを聞くのもぶっちゃけ理科的にはアリですね…………」

「そういう勝ちたくなくなるような事言うな」

気付けば理科のキャラの体力はもう半分近く減っていた。
このまま力押しで何とかいければいいが。


**************************************


勝負の行方が>>686-687の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


小鷹(巽完二)   HP100      >>686
理科(里中千枝)  HP51       >>687 ※ゲーマー補正でコンマ以下に+20


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動(理科の場合は補正前) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 00:27:51.21 ID:jrCOHBSIO<> ほち <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 00:28:26.52 ID:kO7hA3/ao<> Ted <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 00:49:13.17 ID:ckjcihEbo<>
「よし、このまま――っ!!」

俺がさらに一歩踏み込んで一気に勝負を決めようとしたその瞬間。
理科がまるでリアルでペルソナを召喚しようとしているかのように、カッと覚醒した感じの表情になる。

ヤバイ、と思った時には手遅れだった。

蹴りの連撃が始まる。
もうなんか意味が分からない。
とにかく理科の操作している女の子は空中で何連撃も蹴りを叩き込んだりとありえない動きをしている。
途中でペルソナらしきものを挟んで間を繋いでいるが、その大半がとても人間業とは思えないアクロバティックな蹴りだ。

ドカバキボカッ!! と俺の操作する巽完二はなすすべなくフルボッコにされている。
こういうヤンキーが女の子にボコボコにされているという画は何とも情けない。

ヒット数を見て俺は愕然とする。
20後半……しかもこちらの体力は一気に半分も持ってかれた。

「なっ、おい、アリかよこんなの!!!」

「ふふふ、今まで理科はコンボの繋ぎ方を色々試していたんですよ。本番はこれからですよ」

「くっ……」

一つのコンボでここまで削られるのはマジで洒落にならない。
というか、初めてやったゲームでここまでできる方が異常なのではないか。

俺は相手が理科だという事をよく考えて、もっと慎重に攻めることにした。


**************************************


勝負の行方が>>689-690の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


小鷹(巽完二)   HP49      >>689
理科(里中千枝)  HP51      >>690 ※ゲーマー補正でコンマ以下に+20


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動(理科の場合は補正前) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/06(木) 00:49:29.10 ID:9eKk9IHh0<> d <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/06(木) 00:49:47.82 ID:1AziP0+m0<> k <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 01:17:44.99 ID:ckjcihEbo<>
俺はスタイルを最初に戻して、とにかく一撃を確実に当てるように打っていく。
しかし、それが中々当たらない。
理科は全てを確実にガードし、なおかつカウンターでゴリゴリとこちらの体力を削っていく。

「く、くそ……!!」

「ふふ、無駄ですよ小鷹先輩。もう先輩のくせは掴めました」

「まだ分かんねえっての!」

「分かりますよ。はい、ドラゴンキック」

俺はとりあえず跳んで距離を取ろうとしたのだが、それを追撃するかのように容赦無い蹴りが飛んでくる。
それは為す術もなく直撃し、さらに体力が削られる。
まるでこちらの動きを先読みしているかのようだ。

俺は完二を操ってパイプ椅子を振り回すが、それが相手に当たることはない。
もう完全に遊ばれていた。

「それでは、もういいですかね」

理科がそう呟いた直後、再び超絶コンボが始まった。
相変わらずの何をしているのかも分からない程の連撃。
そして今度はその最後に上から隕石が降ってきて、容赦なく完二を襲う。

体力は一気に削られ、空っぽになった。
画面にKOの文字がでっかく出る。

俺はコントローラーを放り投げ、大の字に倒れた。

「あー、負けた!!」

「先輩もまぁまぁでしたよ」

「おい理科……お前本当にこのゲームやったことないんだな?」

「えぇ。まぁ他の格ゲーは結構やりこんだりしてたので、その応用で何とか」

「くっ……」

どうやら元々勝ち目が薄いと思ったらしい夜空は憎々しげに顔をしかめる
しかしもう罰ゲームの事は決めてしまったので手遅れだ。

そんなわけで、次は理科と夜空の対決だ。

「小鷹と同じようにいくと思ったら大間違いだぞ……」

「それは楽しみですね」

理科はニヤリと笑ってはいるが、夜空は真剣な目で睨みつけている。
麻雀の時もそうだったが、やはり罰ゲームとかつけると遊びも遊びじゃなくなるんじゃないかと今更ながら思えてきた。


**************************************


勝負の行方が>>692-693の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


夜空(鳴上悠)   HP100      >>692
理科(里中千枝)  HP100      >>693 ※ゲーマー補正でコンマ以下に+20


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動(理科の場合は補正前) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟県)<>sage<>2012/09/06(木) 01:18:05.89 ID:xY8Ocj80o<> ほい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 01:18:35.71 ID:VzhXK47SO<> フォーク <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 01:24:04.68 ID:ckjcihEbo<> 眠いからここまでー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/09/06(木) 01:30:25.87 ID:ATRmZKqro<> 乙ぅ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/09/06(木) 01:36:34.20 ID:5eT7KYvco<> おつだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 01:41:17.56 ID:jrCOHBSIO<> 乙
夜空が最下位になったら色んな水着を着せてやりたい <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 15:17:00.52 ID:ckjcihEbo<>
理科と夜空の対戦が始まった。
夜空の使っている鳴上悠というキャラは刀を使うらしい。ペルソナはイザナギ。

理科が優勢と思われたが、お互い一歩も引かない。
夜空は意外なほど操作が上手く、案外ゲームの才能というやつがあるのかもしれない。
まぁ本人はそこまでゲーム好きというわけでもないだろうが。

里中千枝と鳴上悠の攻防が続く。
理科は先程の俺とやった時と同じように、一度に半分近く削るようなコンボを狙っているようだが、夜空はなかなかそれを許さない。
的確に千枝が繰り出す蹴りをガードしつつ、刀を使ったアクションで反撃している。

「夜空先輩もなかなかやるじゃないですか」

「ふん、こんなものは説明書を読むだけで大方理解できる」

「そんな甘いものじゃないんですが……ねっ!!」

言葉の端を強くし、理科が急に変わったコンボを繰り出す。
さすがの夜空もそれを全てガードできず、何発かくらって体力が削られる。

「この……!!」

「ふふ、そう簡単に初心者が勝てるほど格ゲーはぬるくないですよ!」

「いいだろう……それならそれで、私のやり方で勝つだけだ」

不敵に笑う両者。
今更だが完全に遊びなんかではなく、ガチの戦いそのものである。

……ふと思ったが、夜空に刀っていうのも結構似合ってるかもしれないな。


**************************************


勝負の行方が>>699-700の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


夜空(鳴上悠)   HP98       >>699
理科(里中千枝)  HP100      >>700 ※ゲーマー補正でコンマ以下に+20 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/06(木) 15:19:05.26 ID:rqWKGVLp0<> あ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2012/09/06(木) 15:21:07.31 ID:HP0OaSw2o<> ドヤ顔の夜空が見たい! <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 15:37:04.28 ID:ckjcihEbo<>
次第に地力の差が出てきた。
夜空は何とか理科の攻撃をガードしてコンボこそ繋がせないではいるが、次第に防戦一方になっていく。
鳴上悠の体力がガリガリと確実に減っていく。

「こ、の……!!」

「どうしました夜空先輩? 全然攻撃して来ませんけど」

「ッ!!」

理科の言葉に、夜空がガチャガチャ!! と素早くコントローラーを操作して強力な技を繰り出した。
SPを消費する大技、十文字斬りというものだ。
稲妻をまとった刀を振り抜き、文字通り十字に攻撃が広がる。

だが、理科は余裕の表情でそれを難なくかわす。

「そんなもの当たりませんよ。ちゃんとコンボに組み込まないと」

「ぐぅぅ……!!」

「格ゲーっていうのはどこまで冷静でいられるかが大事ですよ。ヤケになったら負けです」

理科は得意げにそう語ると、さらに一撃二撃ダメージを入れる。
夜空は顔をしかめてガチャガチャと対応しているが、そのガードの隙間を縫うように理科が的確な攻撃を放つ。


**************************************


勝負の行方が>>702-703の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


夜空(鳴上悠)   HP73       >>702
理科(里中千枝)  HP100      >>703 ※ゲーマー補正でコンマ以下に+20


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動(理科の場合は補正前) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/06(木) 15:38:57.03 ID:rqWKGVLp0<> あ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/09/06(木) 15:40:36.27 ID:5eT7KYvco<> マハジオダイン <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 16:03:47.85 ID:ckjcihEbo<>
こちらの攻撃は届かないのに、向こうの攻撃は確実に入る。
それは夜空にとってとてつもなく面白くないことだろうし、彼女だからこそ余計に気に入らないのだろう。
その証拠に夜空の顔は今や酷いしかめっ面の状態で固定されていた。

「おのれおのれおのれおのれおのれ」

「どこの英雄王ですか。呪詛みたいでちょっと怖いんで止めてくださいよ」

理科は若干引き気味になりつつも、攻撃の手は休めない。
さらに里中千枝のペルソナの一撃が入り、鳴上悠の体力が削られる。

「別に夜空先輩はそこまで下手じゃありませんって。小鷹先輩だったらもう終わってますよ」

「う、うっせえな……」

「その上から目線も気に入らない……」

「まぁ実際格ゲーの腕なら理科のほうが上ですしね。
 でも夜空先輩だったらこの部活で小鳩さんの次くらいに上手いんじゃないですかね。あ、星奈先輩も結構やりそうですが」

「私が肉ごときに負けると……?」

夜空の手に力がこもり、コントローラーからメキッと嫌な音が鳴る。

「くれぐれも壊さないでくださいね……。確か星奈先輩は小鳩さんに構ってほしくて、くろねくの格ゲーとか買って練習してるみたいですし」

「あいつそんな事までしてんのかよ……」

「…………」

「夜空?」

夜空が若干俯いて居心地の悪そうな表情をしている。
……そうか、こうやって夜空が格ゲーをやっているのも確か小鳩と遊ぶためだったな。

そこら辺の事情を知らない理科は首を傾げて、

「夜空先輩? なんかガードが甘くなってますけど、もう諦めました?」

「そ、そんな事はない!!」

慌てて操作に集中する夜空。
何発か軽いコンボが決まっており、気付けば体力も危ういラインにまで達していた。


**************************************


勝負の行方が>>705-706の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


夜空(鳴上悠)   HP29       >>705
理科(里中千枝)  HP100      >>706 ※ゲーマー補正でコンマ以下に+20


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動(理科の場合は補正前) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 16:04:22.51 ID:jrCOHBSIO<> とどめ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)<>sage<>2012/09/06(木) 16:06:41.58 ID:9yYYyP7AO<> あ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/09/06(木) 16:24:01.38 ID:5eT7KYvco<> 粘るな〜 <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 17:11:13.30 ID:ckjcihEbo<>
「それでは、そろそろ決めますか」

「くっ!!」

理科がそう呟いた瞬間、怒涛の連続攻撃が繰り出される。
夜空は必死にそれらをガードしつつ刀で反撃するが、その度にカウンターでダメージを受ける。
まるで毒でも受けているかのように、ジワリと体力が減っていく。

「へぇ、まだ耐えますか!」

「当たり前だ……これで終わると思うなよ…………!!」

「あぁん……夜空先輩のそういう顔を見ていると、理科、何かに目覚めてしまいそうです!!」

「黙れ変態!」

理科は頬を染めて体をくねらせる。
それに対し、夜空は心の底から不快感をあらわにして反撃を試みる。

しかし、本人がこうして集中していないにも関わらず、夜空の攻撃はことごとくかわされたりガードされてしまう。
理科はニヤリと笑って、

「もうダメですよ夜空先輩。先輩のパターンは読めました。後は理科が追い詰めるだけです」

「この……っ!!」

「スキありです」

夜空の操る鳴上悠がさらに無理して攻めこんだ瞬間、里中千枝の足技のコンボが炸裂する。
一発二発三発…………まともに食らった鳴上悠はなすすべなく吹っ飛ばされる。

夜空の顔に焦りが広がる。
体力ゲージが、もう数ドットしか残っていない。


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勝負の行方が>>709-710の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


夜空(鳴上悠)   HP002      >>709
理科(里中千枝)  HP100      >>710 ※ゲーマー補正でコンマ以下に+20


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動(理科の場合は補正前) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)<>sage<>2012/09/06(木) 17:12:22.17 ID:X7WfSOnAO<> ほ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2012/09/06(木) 17:12:41.81 ID:9yYYyP7AO<> し <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)<>sage saga<>2012/09/06(木) 17:20:56.40 ID:CkzYVG970<> 最後まで……一方的だったね…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/09/06(木) 17:24:15.85 ID:5eT7KYvco<> さて、小鷹に負けてもらわないとな <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 17:37:56.07 ID:ckjcihEbo<>
追い詰められた夜空は何かを決心した表情になる。

これまで以上にモニターに集中し、カチャカチャとコントローラーを操作する。
俺でも分かる。夜空は何かを狙っている。
夜空の操る鳴上悠は明らかに先程までの動きとは違う。

それでも、理科は変わらずに連続攻撃を仕掛け体力を削り取っていく。
その時――――。

「ここだ!!!」

画面が暗転した。
一発逆転の希望、一撃必殺技だ!

鳴上悠が刀を地面に突き立てると、電撃が辺りに広がっていく。
これがヒットすれば、体力を全て奪うことができる。
まともに戦えばここからこの絶望的な差をどうにかするのは難しいかもしれないが、これならば逆転の可能性がある。

これにはさすがの理科も焦る……かと思いきや。


「いやいや、当たりませんって」


理科は何でもないように、簡単にガードしてしまった。

直後、千枝の蹴りが直撃して数ドットの体力が完全に消え去った。
画面に大きくKOの文字が出る。
何ともあっけない幕引きだった。

夜空は俯いて悔しそうに、

「くそ……っ!!」

「お前どんだけ落ち込んでるんだよ……」

まさか夜空がゲームにここまで熱中するとは思わなかったので少し意外に思う。
しかし、夜空は俺の言葉を聞くやいなや、バッとこちらを向いて、

「これで理科が一位確定だ!! 罰ゲームを忘れたのか!!!」

「…………あ」

そうだ、そうだった。
これで理科は2勝。トップが決まった。
そして次の俺と夜空の負けたほうが…………理科のお願いを何でも一つ聞かなければならない。

背筋がゾクッとする。

「うふ、うふふふふふふ…………さぁて、罰ゲームは何をやってもらいましょうかね……。
 安心してください、小鷹先輩の時と夜空先輩の時、どっちもちゃんと考えておきますから!!」

頬を染めた恍惚の表情で悶えている理科。

……嫌だ。絶対に嫌だ。
理科の罰ゲームなんて考えたくない。どうせ考えた所で、その更に上をいく鬼畜なものが待っている気がする。

俺と夜空の目が合う。
周りの空気が凍り付く。音が一切聞こえない。
十年前、夜空とケンカした時以上の緊張がお互いの間に広がる。

これは、人生をかけた勝負だ。
俺と夜空はコントローラーをしっかりと握りしめ……対戦が始まった。


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勝負の行方が>>714-715の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


夜空(鳴上悠)   HP100      >>714
小鷹(巽完二)   HP100      >>715 ※ゲーマー補正でコンマ以下に+20


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 17:39:24.45 ID:mMDEIwYuo<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 17:40:12.46 ID:kKj3h6f20<> ksk <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 17:42:38.30 ID:ckjcihEbo<> コピペミスった
小鷹にゲーマー補正ないやん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 17:47:57.62 ID:y42m9L0IO<> 接戦だな <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 17:51:48.79 ID:ckjcihEbo<>
カチカチカチカチ……と。
ただボタンを押す音だけが部屋に響き渡る。
まばたきも一切しない。わずかな隙も見せてはいけない。

画面の中では二人のキャラがまさに一進一退の攻防を繰り広げていた。
どちらも相手の攻撃を堅実にガードし、体力が一向に減らない。

すると理科が恐る恐るといった感じで口を開く。

「あ、あのー? もうちょっとリラックスしてやりません?」

「黙れ理科」

夜空が無機質な声でただそう返す。
怒鳴ったりするよりも余程恐ろしさがにじみ出ている感じだ。
おそらく顔なんかも子供が見たら一発で泣き出すような凄まじいものになっているのだろう。

……いや、それは俺も同じだ。
自分が今どんな顔をしているのかは分からないが、決して楽しくゲームをやっているような顔ではないだろう。
たぶんここまで誰かと真剣に勝負したことは初めてであり、表情も今までで最悪なものになっている可能性が高い。

しかし、そんなものは本当に些細なことだ。
この世のどんなことでも、理科の罰ゲームの前では霞んでしまう。


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勝負の行方が>>719-720の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


夜空(鳴上悠)   HP099      >>719
小鷹(巽完二)   HP100      >>720


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 17:52:37.13 ID:y42m9L0IO<> 0099 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/06(木) 17:53:43.63 ID:HQ+RTXDP0<> た <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage <>2012/09/06(木) 18:26:27.75 ID:NdF9JswMo<> どうでもいいようなよくないかんじだけど>>1はかなりのヤり手 <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 19:22:35.85 ID:ckjcihEbo<>
緊迫した雰囲気が続き、お互いダメージを与えられずに時間だけがすぎる。

こうして対戦して分かったが、やっぱり夜空は上手い。
操作自体はそこまででもなく、たまにコマンドを入れ間違えたりもしているのだが、戦術的な所が凄い。
的確な読みなんかは、結構やりこんでいる経験者のようにも思える。
この読みというのが格ゲーではかなり重要な要素の一つであり、大体が経験で補うものであるのだが夜空は特殊な例だ。

俺はコントローラーを操作しながら考え込む。
パイプ椅子を振るが、難なくガードされる。やはり、まともにやっては読まれてしまう。

俺は夜空と違って経験がある。
このゲーム自体は初めてやったが、家ではよく小鳩に付き合わされてくろねくの格ゲーをやっている。
小鳩とはそこそこいい勝負をする時もあるので、下手ではないと思う。

確か、小鳩とやっている時も中々攻撃が当たらないという事がよくある。
そういう時はどうしていたか。

「……そうか」

俺は小さくつぶやくと、素早くコントローラーを操作する。
攻撃する隙がないなら作ればいいだけのことだ。

攻撃パターンを少し変えてみる。
夜空は少し戸惑ったようだが、それでも上手く対処していく。
そこで、一瞬俺が操作する巽完二に隙が生まれる。

夜空の操作する鳴上悠は、すかさずその隙を突こうと踏み込んできた。


ドガッと、パイプ椅子が鳴上悠に命中した。


「ッ!!」


夜空は喉から小さく悲鳴のようなものをあげる。
それでも、俺は躊躇しない。即座にコンボを叩きこみ、体力を削り取る。
巽完二のペルソナであるタケミカヅチが鳴上悠を掴み、電撃を浴びせながら地面に叩きつける。
そこですかさずマウントポジションをとり、連続で殴りつけた。

鳴上悠の……夜空の体力ゲージは半分ほどまで削られた。

「へぇ、やるじゃないですか小鷹先輩。上手く誘いましたね」

理科が感心した声を出す。

先程夜空に対して見せた隙は、わざとだ。
そうやって油断させておいて、そこに飛び込んできた相手を迎撃する。
なかなか隙を見せない相手でも、案外相手の隙を見つけた時こそ無防備になるものだ。

「うぅ……まだだ…………!!!」

夜空の悲痛な声が聞こえる。
それもそうだろう。今の俺達にとっては、ゲームの中のHPはそのまま俺達の社会的な意味でのHPと同じだ。
あれがゼロになった瞬間、現実世界でも俺達は社会的な意味で死亡する可能性が高い。


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勝負の行方が>>723-724の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


夜空(鳴上悠)   HP049      >>723
小鷹(巽完二)   HP100      >>724


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2012/09/06(木) 19:23:17.69 ID:vfgAboYs0<> a <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/06(木) 19:24:06.91 ID:A6OGg/7M0<> na <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 19:27:42.61 ID:eciok2hIO<> このままだと番長が負けてまう
頑張れ夜空 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 19:39:43.11 ID:y42m9L0IO<> 小鷹が負けたら罰ゲームによっては理科への好感度下がる可能性ありそう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 19:44:37.92 ID:1HxLae0Wo<> 千が死に万が生まれる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 20:04:33.93 ID:yFHgznxIO<> ジオダイン‼ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 20:13:46.52 ID:eciok2hIO<> >>726
ここで一発、理科との仲を深める安価を出す準備はできている <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)<>sage<>2012/09/06(木) 20:19:58.34 ID:ggqsVZDC0<> 罰ゲームは無難にガラス越しのキスだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 20:25:52.98 ID:VzhXK47SO<> ダイレクトだとどうなるか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 20:31:21.80 ID:yFHgznxIO<> 罰ゲームなら脳天に自分で銃押し付ければいいんじゃない? <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 22:12:56.84 ID:ckjcihEbo<>
夜空は先程の大ダメージに動揺しているのか、急に操作が鈍くなった。
俺はその隙を見逃さず、確実に攻撃を入れる。

タケミカヅチの右フックが命中した辺りで夜空が苦々しげに、

「くっ……おいお前のペルソナデカすぎだろう!! 卑怯だぞ!!」

「んな事言われたって……その分動きとかも遅いじゃねえか」

そんな事を言い合っている間に、再びタケミカヅチの感電攻撃が命中した。
このキャラは一撃一撃がかなり重いので、単発ずつでも確実に体力を削り取れる。

俺は少し余裕が出てきてチラリと横目で夜空を見てみる。
彼女は目を見開いて、すごく切羽詰まった様子で必死にコントローラーを操作している。
ここまで追い詰められている夜空は初めて見たかもしれない。

人間、動揺すると当然ミスも増えてくる。
夜空もまたコマンド入力ミスが多くなってきており、近くに居るのに遠距離系の技を繰り出したりしている。

「夜空先輩、もうちょっと落ち着いたほうがいいですよ」

「分かっている……!!」

口ではそう言っているが、どうしても焦りは拭えないようだ。
こんな状態の相手を攻めるのは少し気が引けるが、勝負は勝負なので手は抜かない。
それに何より、負けたら理科の罰ゲームという死が待っているからなおさらだ。


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勝負の行方が>>734-735の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


夜空(鳴上悠)   HP027      >>734
小鷹(巽完二)   HP100      >>735


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 22:13:36.69 ID:kKj3h6f20<> いけー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/06(木) 22:19:20.19 ID:XPLXKMlU0<> あ <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 22:45:34.96 ID:ckjcihEbo<>
その時、鳴上悠の刀がまともに直撃した。

少し余裕を持ちすぎた。
夜空と俺の体力差はかなりあって、このまま押しきれると思っていた。
真剣勝負ではその油断命取りとなる事が多い。

コンボが繋がる。
鳴上悠が持つ刀だけではなく、ペルソナのイザナギの刀も次々と命中していく。

「くそ……!」

俺はとりあえず距離を取ろうと、完二を後ろへ跳ばせる。
しかしそれを読んでいたのか、すぐに追撃が飛んできた。
稲妻を真っ直ぐ前方へ飛ばす技『ジオダイン』だ。

突然のことにガードする暇もなくまともに直撃する。
夜空は本気で嬉しいのか力強い口調で、

「よしっ!!」

「おぉ、今のでかなり削れましたね。これは小鷹先輩かなと思いましたけど、これで分からなくなりました」

「やっべ……」

気付けばかなりあった体力差も縮まってきている。
お互いデカイ一撃を食らえば決まってしまう状態まできているので、ここからはより慎重になる必要がありそうだ。


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勝負の行方が>>737-738の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ


夜空(鳴上悠)   HP027      >>737
小鷹(巽完二)   HP050      >>738


コンマ以下の数字が小さい方が、その差だけダメージ
00または99で一撃必殺発動 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/06(木) 22:46:44.32 ID:9eKk9IHh0<> b <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 22:48:00.62 ID:y42m9L0IO<> ほ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 22:48:01.02 ID:kKj3h6f20<> 颯爽登場
銀河美少年 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 22:54:03.59 ID:pGotdiFlo<> 頑張れ番長マジ頑張れ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 22:56:08.08 ID:UhnYX3QIO<> 夜空が罰ゲームで決定か

どんな恥ずかしい罰ゲームにしてあげましょうかねええええ→超ゲス顔 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/06(木) 22:57:48.45 ID:1HxLae0Wo<> まだ終わりじゃない・・・
十文字裏当てコンで一気にもっていける可能性がわんちゃん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/06(木) 23:19:37.24 ID:LMRAwDLdo<> さてはお前ら次の罰ゲーム安価に備えてスタンバってるな? <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/06(木) 23:53:56.92 ID:ckjcihEbo<>
それからしばらくお互い拮抗した戦いが続いた。
パイプ椅子と刀が何回も交錯し、少しずつダメージを与えていく。

カチャカチャと、コントローラーを操作する音だけが部屋に響く。

「……なんか色んな意味ですごい対戦になってますね」

理科がぼそりとそんな事を言うが、気にしている余裕はない。
もう夜空は俺が隙を見せても無用心に飛び込んでくることもなくなっている。
これは正面から削っていくしかなさそうだ。

お互いの体力が徐々に減っていく。
もう一回のコンボで決着をつけられるくらいにまでなっていた。
しかし、焦ってはいけない。
スタンスは変えずに、確実に体力を削っていく。それが一番いいんだ。

「…………」

「…………」

「…………」

「……ッ!!」

先に耐え切れなくなったのは夜空だった。
一気に勝負を決めようと、ここで連続攻撃を仕掛けてきた。

俺は内心バクバクだ。
なにせこれが決まったら確実に負けてしまう。
だが、俺はただじっと画面に集中して隙を探す。
自慢じゃないが、この髪のせいでリアルでケンカを売られたことはいくらでもある。
その時で学んだが、こうい時は焦ったら負けなんだ。相手が何をしてこようと、冷静に見極めて対処する、それが大事だ。

そして、読みきった。
夜空が、次に何をしてくるのか。
空中から斜め下へと急降下攻撃――。

「なっ……!」

ビンゴだった。
それに対し、パイプ椅子を振り上げて迎撃すると、素早くコマンドを入力してコンボを繋げていく。
パイプ椅子で殴打、ペルソナで感電……そして最後は前蹴りに加えて相手を地面へ殴り倒す拳が入った。

その一撃で鳴上悠の体力ゲージは空となり、画面にはKOの文字が浮かぶ。
俺の、勝ちだ。


「よっしゃああああああああああああああ!!!!!」
 
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/07(金) 00:00:08.42 ID:E/wSNGxto<>

俺は気付けば立ち上がってガッツポーズしていた。
ここまで大喜びしたのは麻雀以来か。あの時も最後は勝ったが一時かなりヤバイ事になったよなぁ……。

夜空の方はというと、放心状態でただ口をポカンと開けて画面を見つめていた。
しかし、いつまでもそうやって現実逃避できるほど世の中甘くない。


「ふっふっふ……それでは…………罰ゲームの時間ですね?」


理科は本当に嬉しそうでにんまりと恐ろしい笑顔を見せる。
それに対して、夜空は理科のその声にガタガタと震えながら首をギギギ……と動かして彼女の方を見た。
そして切羽詰まった表情で口を開く。

「ず、ずるいぞ理科!! お前は普段から格ゲーはかなりやっているだろう!!」

「でも、このゲームは初めてですよ。あと最初にこの罰ゲームを考えたのは夜空先輩じゃないですか」

「そ、それは!!」

「それに結局そういう条件でいいってみんな了承したじゃないですか。あの時点で契約成立ですよ」

「……ぅぅ………ぁ…………」

「ぐひひ……先輩方が理科に対してお手上げ侍なのが悪いんですよ。大丈夫……痛くしませんから…………」

「な、何を……何をやらせる気だ貴様ァァ!!!」

もはや女の子として終わってる笑い声を漏らしながら迫る理科に対し、夜空の恐怖に満ちた声が部屋に響く。
他人事でもこんなに恐ろしいのに、いざ自分だったらと考えると心の底からゾッとする。


**************************************


理科の夜空へのお願いが>>746-749の中から、>>749の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>746
25〜49→>>747
50〜74→>>748
75〜99→>>749 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 00:00:37.75 ID:s7mWbEXIO<> 様々なきわどい水着を着てもらって写真撮影会(もちろん小鷹も立会いのもと) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 00:01:17.42 ID:m2J7YvH90<> 夜空が水着でダンスを披露する <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 00:01:30.21 ID:M61ic+/SO<> 全力でマイケルのスリラーを踊れ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 00:01:54.29 ID:zPUWl4A40<> 恋人ごっこ当然小鷹とファミレスかなんかで一緒に同じグラスのジュースを飲む <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 00:02:02.91 ID:i3CdIbyIO<> 官能小説音読 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 00:04:54.60 ID:m2J7YvH90<> よっしゃああああああああああああああああああ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 00:06:45.94 ID:zPUWl4A40<> なんか自分のだけ罰ゲームでなくご褒美書いた気がしないでもない
安価じゃないけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 00:08:23.65 ID:i3CdIbyIO<> >>751おめw
もちろん上と下が分かれてるやつだよな? <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/07(金) 01:03:48.55 ID:E/wSNGxto<>
「じゃあ夜空先輩、これから水着で踊ってください」

「…………は?」

「ですから、水着で踊ってください。あ、でも安心してください。場所は、ここ理科準備室でいいですから」

「え……いや、冗談だよな……?」

「大マジです」

夜空が冷や汗を流しながら尋ねるが、理科は毅然とした態度だ。
本気で夜空を水着で踊らせようとしている。

夜空はプルプルと小さく震えながら、涙目でこちらに視線を移した。
その表情は普段と違って物凄く保護欲を抱くようなものではあったが、罰ゲームなのでどうしようもない。
俺はただ気まずく思いながら目を逸らすしかない。

まぁ、その、これは夜空には悪いかもしれないが。
正直、夜空の水着姿というのにもちょっと興味があったりする。

一方で夜空は切羽詰まった様子で理科に向かって口を開く。

「く、9月だぞ!? なんでこんな時期に水着姿に……風邪を引いたらどうするんだ!!」

「9月といっても初日じゃないですか。風邪引くような涼しさでもありませんし。
 あ、夜空先輩が水着姿になったら冷房は切るんで、この部屋の温度は心配しなくてもいいですよ」

「あ、いや……そ、それではお前達が暑くて大変だろう!!」

「夜空先輩のレアな姿を見るためならいくらでも我慢できますよ!!」

「ぐぅ…………あ!!!」

絶望に満ちた表情で唸っていた夜空だったが、何かを閃いたのか急に希望を見つけた表情に変わった。
そして意外なことに、その表情は理科ではなく俺の方に向けられた。
いや、そんな顔で見られても、俺からはもうどうしようもないんだが……。

すると夜空はすがりつくように口を開く。

「小鷹は暑いのなんて嫌だよな!?」

「え……?」

「夜空先輩?」

俺と理科が首を傾げる。
夜空が何を狙っているのかが良く分からない。

しかし、本人はかなり得意そうな表情でこちらを見ている。
後ろの複数のモニターも相まって、夜空も研究者か何かのようにも見えてくる。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/07(金) 01:05:48.71 ID:E/wSNGxto<>
「理科、お前のお願いとやらは確かに私には強制力はある。だが、小鷹にはないだろう?」

「そうですけど……」

「それなら、この部屋を暑くする事に対して、小鷹は自由に文句を言えるというわけだ。
 つまり私が嫌と言えなくても、小鷹は嫌だといえるという事だ!!」

「ッ!! そ、それじゃあこの部屋の冷房を切るっていう話はなしです!!」

「いいのか理科……? こんなキンキンに冷やした部屋で水着になったらさすがに風邪を引く。
 そして部員にそんなパワハラを働く部長なんていうのが理事長にバレたら…………」

「じゃ、じゃあ小鷹先輩は一旦ここから出てもらって……」

「いくら部長でも活動中にそうやって部員を追い出していいとでも思っているのか。小鷹には当然抗議する権利がある。
 それと、部屋を変えるというのもダメだぞ。貴様はハッキリと最初にお願いの一部としてこの場所を指定していた」

「ぐっ……ぅぅぅうう…………!!!」

夜空が相当悪そうに理科を見下ろし、ニヤリと笑う。
理科はただ悔しそうに歯噛みするしかない。

それにしても、普段から学校の勉強ができるということは知っていたが、こういう頭の回転も早いというのは素直に感心する。
これがもっと使う場面がマシならばもっとみんなから人気とかもでると思うのだが。

「さぁ小鷹、答えろ。やはり暑いのは嫌だよな?」

「小鷹先輩!! 先輩は夜空先輩の水着姿を見たくないんですか!?」

そうやって詰め寄ってくる二人。
なんか、面倒な事になった。

夜空が心の底から水着になるのを嫌がっているのは顔を見れば分かる。
しかし、まぁ理科もせっかく一位になったのに罰ゲームが無効なんていうのは可哀想な気もする。

俺は少し考えて、口を開く。


「>>756」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/07(金) 01:06:30.66 ID:BIxoztjh0<> その、見てみたい
可愛いだろうし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 01:06:43.02 ID:M61ic+/SO<> じゃあ俺もやるわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2012/09/07(金) 01:08:33.01 ID:7yZ39s9P0<> 夜空なのであの露出少ないへんてこ水着?

……絵面的には面白そうだしいいかww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 01:10:41.30 ID:i3CdIbyIO<> >>756
ナイス <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 01:25:08.10 ID:i3CdIbyIO<> あんなものは邪推
ビキニ一択 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 01:26:06.12 ID:zEiJd5OB0<> 相変わらず夜空クズいな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 01:27:16.28 ID:m2J7YvH90<> 水着は <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 01:28:26.65 ID:m2J7YvH90<> 競泳水着がベスト <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2012/09/07(金) 01:29:47.43 ID:puqOtwc+o<> 場所が学校だからなぁー、普通にスク水か
理科なら旧スク持ってるはず <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/09/07(金) 01:38:36.29 ID:205jG5Oro<> 白スクを濡らしてから着せる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 01:42:41.10 ID:i3CdIbyIO<> お前らよく考えろよ
紐だったら踊ってるときにポロリがあるかもしれないんだぞ? <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/07(金) 01:45:48.10 ID:E/wSNGxto<> ダメだもう眠いわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/07(金) 01:46:31.22 ID:BIxoztjh0<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/09/07(金) 01:50:39.79 ID:puqOtwc+o<> 乙

>>766
ジャジャ丸がピッコロするんですね?わかります
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)<>sage<>2012/09/07(金) 01:53:15.17 ID:fassNvOAO<> 乙

夜空と星奈、理科は剛毛やな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/09/07(金) 01:53:18.76 ID:205jG5Oro<> おつ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 01:55:48.19 ID:i3CdIbyIO<> 乙 <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/07(金) 20:11:34.78 ID:E/wSNGxto<>

「その、見てみたい。可愛いだろうし」

「ッ!!」

俺は頭を掻きながら、とりあえず正直に言ってみた。
言う前にも少し考えたが、やはりこれはかなり恥ずかしいかもしれない。顔が熱くなるのが分かる。

そして夜空の方も顔を真っ赤にしている。
おろおろと視線を漂わせるその姿は素直に可愛いと思うが、それを言えばさらに大変なことになりそうなのでやめておく。

理科は理科で複雑そうな表情だ。

「……むぅ。この流れならば夜空先輩のレアな姿が拝めそうですが……何か釈然としません」

「どうしたんだ理科?」

「べっつにー」

なぜか理科はぷいっとそっぽを向く。
何か怒らせてしまったようだが、心当たりが全く無いので俺は首を傾げるしかない。

すると夜空は顔を赤くしたまま、両手を組んでもじもじとさせてチラチラと俺を見ながら、

「こ、小鷹がどうしても見たいというなら、私もそこまで強く拒否するつもりは……ない。けど、その、私にも心の準備というのが……」

「夜空先輩、急にノリ気になりましたね」

「そんな事はない! これはあくまで罰ゲームで仕方なく……」

理科がジト目でそんな事を言うが、夜空はすぐに否定する。
というか、これは理科が考えた罰ゲームなのに、なんで理科のほうが不機嫌になっているのだろう。

理科は少し諦めたように首を振って、

「まぁ、これで問題は無さそうですね。それでは早速水着に着替えてもらいますか」

「そういえば、水着なんて都合良くあるのか?」

「えぇ、大丈夫ですよ。ここにビキニアーマーがあります」

そう言って理科が準備室にあった段ボール箱から取り出したものは、ファンタジーもののコスプレだった。
女戦士が着るような、ハイレグ水着風の装備。ドラクエとかで似たようなものを見た気がする。
なんでこんなものを持っているのか突っ込みたいところだが、おそらくろくな答えが返ってこないはずなのでやめておく。

案の定、夜空はそれを見て元々赤かった顔をさらに真っ赤にする。

「ば、バカか!? こんなもの着られるわけがないだろう!!」

「え、でもサイズ的には結構ピッタリかと……」

「そういう問題ではない!! そうだ理科、貴様は水着に関しては特に指定していなかったよな!?」

「……そうかもしれませんけど」

「それなら、水着は私が決める! これでいいだろう!!」

「むぅ……まぁ水着ならいいですよ」

理科は渋々ながらも承諾する。
しかし夜空のやつ、よくこうも抜け道的なものを見つけることができるものだ。ほとんど屁理屈に近いが。
もしかして校則とかも頭に入っており、その抜け道も知っているのではないかとも思う。
それは理科部的には頼もしいが、個人としては絶対に敵に回したくないものだ。


**************************************


夜空の水着が>>774の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→http://vip.jpn.org/uploader/source/up5523.jpg
奇数→http://vip.jpn.org/uploader/source/up5524.jpg <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/09/07(金) 20:13:04.02 ID:A8Wl/pwd0<> あ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2012/09/07(金) 20:17:45.36 ID:eZ0eboGDo<> >>774
よぉ〜し、よしよしよし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮城県)<>saga<>2012/09/07(金) 20:17:53.27 ID:fKZlueCeo<> よしよし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)<>sage saga<>2012/09/07(金) 20:19:23.38 ID:z3xWwYRy0<> よぉ〜しよしよしよしよしよし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/07(金) 20:28:52.26 ID:cfg/YxEEo<> ククク、アシュタロスを退けたか…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 21:25:58.74 ID:ZYJekxOIO<> よお〜しよしよしよしよしよし
ちなみに全体像はこんな感じね

http://i.imgur.com/JUQzd.jpg
http://i.imgur.com/ibeUE.jpg
http://i.imgur.com/HR7p0.jpg

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 23:16:26.79 ID:l14xmDsSO<> これはポロリを期待せざるを得ないな <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/07(金) 23:34:25.19 ID:E/wSNGxto<>

夜空は一旦家に戻って水着を取りに行った。
俺はP4Uをやっている理科を後ろからぼんやりと眺め、

「夜空の水着……か」

「先輩、なに鼻の下伸ばしてんですか」

「の、伸ばしてねえよ! ていうかお前こっち見てないだろ!」

「その声だけで先輩のだらしない顔はよーく想像できます。まったく、やっぱり先輩の本命は夜空先輩なんですか」

「ちがっ……ただ俺は夜空って学校の水着以外持ってんのかなって思っただけだっての!」

俺は慌ててそう言う。
すると理科は目は画面に向けたままで「うーん」と唸って、

「まぁ普通に考えたらスク水でしょう。この学校はプールがないですし、中学時代のものとか」

「……さすがに中学時代の水着は着れないんじゃないか?」

俺と夜空は高二なので、中学といえばもう二年前という事になる。
そりゃ男と比べれば成長の度合いは小さいのかもしれないが、それでも成長期であることに変わりはない。
まぁウチの妹は小学生の時から体型が変わっていないように見えるが。

「でも先輩、夜空先輩が自分の水着とか持ってると思いますか? ていうか、休みの日にプールとか行くと思いますか?」

「それはないな」

「ですよね。だから理科は、夜空先輩はきっと無理矢理にでも中学時代のスク水で来ると見ましたね」

俺はぼんやりと夜空のスク水姿を想像する。
…………これはこれでアリかもしれない。


そんな事を考えた時、理科準備室のドアが開いた。


「き、着てきたぞ……水着」

「待ってました!」

理科はすぐにゲームの電源を落とすと、夜空の元へ向かう。
夜空はいつもの制服姿で、おそらくその下に水着を着てきているのだろう。
たぶん上が透けるのを気にしてか、サマーセーターも着ている。

「ちょうど今、夜空先輩がどんな水着を着て来るのか小鷹先輩と話していたところなんですよ」

「……そこまで面白いものではないぞ」

「分かってますって。安心してください、スク水も一定の支持は得られていますよ」

「む、いや、スク水ではないが……」

「「えっ!?」」

夜空の言葉に俺と理科が目を見開いて驚く。
本人はというと、そわそわと前髪をいじりながら、

「な、なんだ、私が水着を持っていてはおかしいのか?」

「いやおかしいっていうわけじゃねえけど……夜空ってプールとか行ったりするのか?」

「……夏休みに入る前、私がその、クラスの女子にプールに行こうと誘われたのは知っているな?」

「そういやそんな事あったな。……あ、そっか、じゃあその時に」

「あぁ。その時は水着がないから断ったのだが、一応……と思って買っておいたんだ」

「リア充の匂いがプンプンしますね」

「いや、そんな事はないだろう! 結局行かなかったし!」

理科のジト目に、夜空は慌てて反論する。
俺としては別にそこまで否定することでもないと思う。リア充は悪ではないし。

……そういえば、クラスでは夜空も結構話しかけられるようになってんだよなぁ。
相変わらずな俺と違って、ちゃんと理科部に入って人付き合いがマシになっている辺りさすがエースだ。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/07(金) 23:34:59.61 ID:E/wSNGxto<>
「それじゃあ夜空先輩、早速その水着を見せてくださいよ!」

「あ、あぁ……小鷹、ちょっと後ろ向いていろ」

「へ……? いやでも、もう下に着てるんだろ?」

「それでもだ! 気分的に恥ずかしいだろう……」

「……わ、分かった」

俺はそう言うと、くるりと後ろを向く。
シュルシュル……という衣擦れの音が生々しく耳に入ってくる。
別に常に見られても大丈夫な状態であるとはいえ、なぜかこちらまで緊張してくる。

「も、もういいぞ」

夜空のその声に振り向く。
視界に入ってきたのは水着姿の夜空……ではなく、ブラウス一枚の夜空だった。
前のボタンはもう全て開けてはいるのだが、それを手で抑えて隠している。

なんかこれだと下に何も着ていないように見えて妙にエロい。

「よ、夜空?」

「……小鷹一つ約束しろ。絶対に笑わないと」

「分かった、絶対に笑わない」

「絶対だぞ? 絶対笑うなよ?」

「夜空先輩、それはフリですか?」

「フリじゃない!! あぁ、もういい、ほら!!!」

夜空はそう言うと、一気にブラウスを脱いだ。

一言で言えば意外だった。
夜空のことだし、たぶんワンピース型の派手過ぎない水着だと思っていた。

だが、実際は赤の……ビキニタイプだった。
それも上の部分は、背中に回す紐の他に首にかける紐で固定するようになっている。

当然のことだが、ここまで肌を露出させた夜空は今まで見たことがない。
あまり外に出ないためかその肌は白い。だが病的な感じは受けず、ただ素直に綺麗だと思った。
俺は何も言えずにぼーっと見ていることしかできない。

すると理科が心躍らせた表情で、

「よく似合っていますよ先輩!」

「そ、そうか……ちょっと露出が多い気もしたのだが、今時のリア充どもはワンピースはあまり着ないとか書いてあったのでな……」

「…………」

「小鷹……その…………何か感想とかないのか……?」

夜空は頬を染めてもじもじとしながらこちらを伺っている。
そうだ、いつまでも呆けている場合ではない。何か言わないと。


「>>783」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>saga<>2012/09/07(金) 23:35:40.32 ID:9i5JCvuu0<> エロス!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/07(金) 23:35:44.67 ID:Xdu4Uz5vo<> >>779
やっぱこうして見ると、スタイルは星奈の勝ちだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)<>sage<>2012/09/07(金) 23:36:03.49 ID:MY5VV/JAO<> 綺麗だ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 23:38:35.36 ID:RIvdd8jIO<> おいw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/07(金) 23:38:40.01 ID:Xdu4Uz5vo<> あっぶねえ、リロードしてなかった…… <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 00:07:18.79 ID:xYC7e4XIo<>

「エロス!!!」


気付けばそんな言葉が俺の口から飛び出していた。

シーンとなった。
夜空も理科も、まだ俺の言った言葉が脳にまで到達していないらしくフリーズしている。

実際の所、俺も自分が言ったことの意味がよく分かっていない。
俺が今一度その意味を考えていると、夜空がぽつりぽつりと、

「は……は…………」

「は?」

夜空は俯いてプルプルとしている。
笑いを堪えているのだろうか。そんなに今の俺の言葉は面白いものだったのか?
いつもは小鳩なんかに笑い話をしようとしても呆れられる事が多いのだが、そんな俺でもあの夜空を笑わせる事ができる言葉を言えたのか。

夜空が顔を上げた。
その顔はたぶん、今まで見た中でも一番真っ赤だと思った。
告白の時でさえ、ここまでではなかった気がする。

そして夜空は若干涙目になりながら、


「破廉恥だ!!!!!!」


俺は、外に追い出された。



***



バタンと、後手で理科室のドアを閉める。
理科室の奥にある準備室では、今頃夜空が水着で踊っているのだろう。

俺は溜息をつく。
あの夜空に向かっていきなりエロいなんて言うのはさすがにまずかった。
まぁ実際エロいとは思っていたのだが、それを口に出すかどうかは別の問題だ。

時刻は午後三時くらいか。
どうせもう準備室には入れないだろうし、今日はもう帰ってもいいかもしれない。


**************************************


小鷹の行動が>>789-792の中から、>>792の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>789
25〜49→>>790
50〜74→>>791
75〜99→>>792 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 00:08:21.54 ID:hLVvLn6P0<> 久しぶりに生徒会に行くか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 00:08:39.33 ID:1XrQoI390<> さっきの事を謝り夜空と一緒に帰る <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 00:09:08.89 ID:hafcgdkx0<> 小鳩に一人をかまってやるのも少なかったし豚骨ラーメン用に食材を買いに行くか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 00:09:13.04 ID:33FHb7nT0<> 無理にでも理科室に戻る
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)<>sage<>2012/09/08(土) 00:09:16.38 ID:JDn3JqHAO<> 瞑想 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 00:09:36.52 ID:e46Ohn+IO<> マリアに会っていくか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/09/08(土) 00:09:43.19 ID:MtVPgmqAo<> 自分も水着を買いに行く <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 01:04:51.87 ID:xYC7e4XIo<>

「……そういえば最近生徒会はどうなってんのかな」


確か以前に庶務が空席だから入ってほしいなどと誘われたことがあったが、あれからちゃんと誰か入ったのだろうか。
生徒会という名前の響きはいいかもしれないが、結局仕事は学園内の雑用的なものが多い。
そんなものに自分から立候補する者というのは珍しいと思うし、自分の通信簿に生徒会という文字を書きたいだけという人も多いはずだ。

そして、あの会長はそういった者は決して認めないはずだ。
というか、生徒会メンバー自体あの人の独断と偏見で選んでいるような気もする。
まぁ決して悪い人ではなく、こう言っては上から目線で失礼かもしれないが、むしろ俺としてはかなり気に入っている人だ。

夏が過ぎれば、学校行事の目玉とも言える文化祭と体育祭が待っている。
生徒会としても忙しい時期だと思うし、人手が足りなくて大変なのではないかとも思う。

俺はちょっと様子でも見てみるか、と生徒会室の方へ行く事にした。



***



生徒会室へ向かう途中、グラグラと危なっかしく大きな段ボール箱を運ぶ女の子に出会った。
赤みがかった茶髪のウルフカットの少女で、体格は小鳩並みに小さい。生徒会の遊佐葵だ。

「大丈夫か、遊佐」

「へ……あ、羽瀬川君! お久しぶりですね!」

「あぁ、夏休みがあったしな。ほら、これは俺が持つよ」

「え、そんな悪いですよ」

「大丈夫だって。そこまでフラフラだと見てるだけで危なっかしいし」

俺はそう言うと、遊佐から段ボール箱を受け取る。
それは想像していたよりも重く、少し驚く。

「結構重いじゃねえか。よくこんなの持ってたな」

「あ、あはは……正直ちょっとキツかったです……」

「なぁ、その分じゃ庶務はまだ……」

「はい……決まってないです…………」

俺は溜息をつく。
いくら何でもこんな時期まで決まっていないのはまずいんじゃないか。
これからは雑用も増えるだろうし、仕事量的に無理も生じてくる可能性も出てくる。

もちろん、会長の能力が申し分ないことは分かっている。
しかしこういった力仕事は、女の子だけの生徒会には少し厳しいだろう。

すると遊佐が慌てた様子で、

「あ、でもずっと庶務が空席だったわけじゃないんですよ。羽瀬川君に断られてからは、二人の方が庶務についていた時がありました」

「どっちも辞めちゃったのか?」

「はい……一人は活動に不真面目で日向さんが辞めさせてしまって、もう一人は入った後に『思っていたのと違った』と自分から辞めてしまいました……」

「なるほど」

たぶん不真面目な方は生徒会という肩書きや会長や遊佐といった美少女目当て。
そしてもう一人はマンガやアニメなんかで憧れて入ったはいいが、現実を見て夢から覚めたとかそういう感じじゃないか。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 01:10:39.13 ID:xYC7e4XIo<>
「けどこれから文化祭とか体育祭で忙しいだろ? さすがに庶務が居ないのはまずいんじゃないか?」

「そうなんですけど、日向さんも今までの庶務の人達を見てきて、また不真面目な人が入ってくるんじゃないかと疑い始めているんです」

「……まぁ仕方ないな。でもぶっちゃけ、学校には遊佐達みたいな奴の方が少ないと思うぞ?」

「はい……それは薄々気付いていました。ですが日向さんは妥協をする気はないらしく、やはり今まで通り生徒会には責任感のある人を望んでいるようです」

「間違ってはないんだけどなそれ」

「問題はそんな人がなかなか見つからないことですね」

遊佐が小さく溜息をつく。
そして俺の方を見て小さく微笑むと、

「最近では日向さん、羽瀬川君を縛って無理矢理連れてくるとか言い始めてまして」

「 お い 」

「あはは、冗談…………だと思いますけど」

遊佐は笑いながらも、不安そうに最後の言葉を付け加える。
あの会長のことだ、どんなムチャクチャな事でも「くはは!」とか笑って済ませてしまいそうで怖い。

そうやって話している内に、俺達は生徒会室の前まで来ていた。
ここで俺は少し考える。

確かに始めは生徒会が心配になって様子を見るつもりだったのだが、会長の様子を聞いて少し不安になってきた。
このまま遊佐と一緒に生徒会室に入ったらそのまま出てこれないんじゃないか。
もう生徒会室は目の前だし、ここからは遊佐に任せて俺は帰っても大丈夫だとは思うが…………。


どうする? >>798 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 01:11:06.81 ID:hLVvLn6P0<> 一緒に行く <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 01:11:23.52 ID:y2kWTsHq0<> 真摯に生徒会に協力する <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 02:20:37.56 ID:UtZBLfbk0<> 好感度変動があるのは理科部メンバーだけなんだろうか <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 02:57:01.28 ID:xYC7e4XIo<>
「……まぁここまで来たしな」

「どうしました?」

「いや、何でもない。これは生徒会室の中に運べばいいんだろ?」

「はい! ありがとうございます、本当に助かりました」

「いいって。どうせ暇だったし」

「あれ、そういえば理科部は今日はお休みなんですか?」

「いや、そういうわけじゃないんだけど……まぁ色々とな」

正確に言えば追い出されたのだが、あれを細かく説明する気にはなれない。
俺は首を傾げる遊佐に曖昧な笑みを向けてごまかすと、早足で生徒会室の前まで行く。
遊佐が扉を開けてくれたので、俺は彼女に続いて部屋の中に入る。

部屋の中には長机が三つ、コの字に並べられており、両脇にはそれぞれ女の子が一人ずつ座っていた。
一人はボーイッシュ系の女の子で、もう一人は純和風系の女の子。どっちも凄く可愛い。

そして上座の席、ホワイトボードの前に座っている人こそが生徒会長の日高日向。
長い黒髪を三つ編みにして後ろでまとめていて、スラっとした手足、吸い込まれるような黒真珠を思わせる瞳。
当たり前のことだが、以前会った時と少しも変わっていない。

会長は俺の姿を見るなり目を輝かせて立ち上がり、

「おぉ、羽瀬川!! やっと生徒会に入ってくれる気になったか!!」

「いや、なんか遊佐が危なっかしかったから手伝ってあげただけですよ」

「つまり生徒会に入るというわけだな!」

「違いますよ!!」

大体見当はついていたが、やはりこの人は相変わらずのようだ。

ちなみに会長と遊佐以外の生徒会の二人はどこか警戒した目で俺を見ている。
まぁ俺の評判は良く分かっているので、これも仕方ないだろう。

会長はそんな二人に対して、

「あぁそうか、朱音と火輪は羽瀬川の事をよく知らないのだったな。こいつは面白いし良い奴だぞ!」

「面白いって……」

「放送室で熱唱して学校中に歌声を披露する奴が面白くないわけないだろう」

「ちょ、それはもういいじゃないですか!!」

俺の中ではあれは黒歴史に認定されているので、笑顔で掘り返さないでほしいものだ。
会長はそんな俺の言葉を笑って受け流し、

「羽瀬川の方にも紹介しておこう。こっちは私と小学校の時からの腐れ縁で副会長の大友朱音。
 こっちは二年生で書記の神宮司火輪。熱心なクリスチャンだから、そっちの方面で知りたいことがあったら聞くといい」

俺は会長の紹介を聞いて、二人に向かってペコリと頭を下げる。
どうやらボーイッシュ系の方が三年生の大友朱音さんで、純和風系の方が二年生の神宮司火輪らしい。

二人も同様に軽く頭を下げるが、やはりどこか心配そうな表情で俺を見ている。
まぁ遊佐や会長が変わっているだけで、この反応が普通なのだろう。
学校で評判の不良に対してフレンドリーになれるかといえば、誰だってそれは難しいはずだ。

俺はそんなことを考えながら、ふと遊佐の方を見て、

「あれ、会長に副会長に書記……それに庶務が空席ってことは、じゃあ遊佐が会計って事か?」

「はい、そうですよ! …………えっと、なんでそんなに意外そうなんですか?」

「くはは、気持ちは分かるぞ羽瀬川。こいつは一見アホの子キャラだからな」

「な、し、失礼な! なんですかアホの子って!」

遊佐が憤慨して頬を膨らませる。
本人としては怒っているようだが、どう見ても微笑ましいとしか思えない。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 03:02:07.51 ID:xYC7e4XIo<>
実際のところ、会長の言った通り俺は驚いていた。
遊佐は俺をちょいワル系だと思ってカッコいいとか言ったりと、どこか抜けていると認識していたからだ。
そんな遊佐に会計……というのはどうにも不安になる。

会長はなおも笑いながら俺を見て、

「しかし人も見かけによらないものでな。葵は去年学年二位の成績なんだぞ」

「えっ!?」

「羽瀬川くんも驚き過ぎじゃないですか……? まぁでも、私としてはいくら二位でも柏崎星奈に勝てないのが悔しいのですが……」

学年二位で星奈に勝てない。
という事はつまり…………。

「あいつが学年トップなのか……」

「あれ、どうしました羽瀬川くん。何かどよーんとしていますけど」

「いや……何でもない……」

星奈は何ていうか、勉強以外の所では根本的に何か抜けているところがありすぎる。
いつも夜空に言い負かされるし、マリア並みに騙されるし……。
そんな星奈にこの学校の人間が誰も勝てないのか、と考えると何とも虚しい感じがする。

すると会長が何か思い出したように、

「あぁ、柏崎星奈か。あいつのお陰で去年の体育祭は楽しかったな!」

「体育祭?」

「えぇ、去年の体育祭は柏崎星奈と会長でポイントを稼ぎまくっていまして。それは凄い激闘でしたよ」

「あー、そういやあいつ運動神経も抜群なんだよな…………ってあれ、会長も運動できるんですか?」

「もちろんだ。本来私は体を動かす方が好きだし得意だからな」

そうだ、思い出した。
確か夜空は柏崎星奈と日高日向をリア充の双璧だと言っていた。
あの完璧な星奈と並べるくらいなのだから、会長もそれだけ凄まじい能力を持っていることになる。
まぁ後に星奈の方はリア充でも何でもなく、ただ残念だというのが判明したが。

俺は会長をインドア派だと勝手に思っていたのだが、これは考えなおしたほうが良さそうだ。
あの星奈と熱戦を繰り広げるあたり、どう考えても運動でも学校でトップクラスだ。

「しかしあの時は、柏崎星奈が急にテンション下がってやる気を失っていたな。途中まで素晴らしかったのに」

「あー、えっと、なんかあの人だけ凄く盛り上がってて周りがあまりついて行けてなくて……それに気付いたのか急に冷めちゃったみたいで……」

凄く想像できる。
周りの空気などはガン無視でとにかく目立ちまくって騒ぎまくる星奈。
いつしかそれは一人で暴走しているだけの状態になってしまって、気付いた時にはもう手遅れというわけだ。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 03:06:57.67 ID:xYC7e4XIo<>
あまりにも星奈らしい惨状に俺は小さく溜息をついて、

「そういえば、その体育祭とか文化祭とかは大丈夫なんですか? それだけの行事はやっぱり庶務も揃えないと……」

「それなら問題はない。今ここで決まったからな」

「だから俺は入りませんって!」

「むぅ…………しかしなかなか適任が現れないんだ。話は大体葵から聞いたのだろう?」

「はい、まぁ……」

「同じ生徒会で仕事をする相手だ、少し厳しい目で見てしまっているのは自覚している。
 しかし、この仕事は地味なものから目立つものまで、やはりそのくらい重要なものであると思うし、しっかりとした責任感を持って望んでほしいのだ」

真剣な目でそう言う会長を俺はじっと見る。

「そういう人は少ないと思います。でも、居ないことはないと思うんです」

「あぁ、私もそう思う」

「そういう人材を、どうやってここまで引っ張ってくるか、だと思います。
 一度引き受ければ最後までやり抜くという責任感の強い人でも、やはり最初は躊躇すると思うんです。生徒会というのは少し敷居が高い感じもしますし」

「どうやって一歩踏み込ませるか、というわけか」

「はい」

俺は会長を真っ直ぐ見据えて答える。
学校行事のためにいつも頑張ってくれている生徒会だ。
庶務が見つからないこの状況をどうするか考えるくらいは俺も協力したい。


**************************************


小鷹の案が>>804-807の中から、>>807の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>804
25〜49→>>805
50〜74→>>806
75〜99→>>807 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 03:11:03.04 ID:hafcgdkx0<> ゲーム感覚でその月に一番貢献した人は学食の食券プレゼント
この形で庶務を流動的にして最終的に定着した人でいいんじゃないですか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 03:13:48.39 ID:33FHb7nT0<> 理科部の面々の許可を得て、かつ期間限定なら俺が庶務をやってもいいですよ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 03:18:28.68 ID:e46Ohn+IO<> 学園祭もしくは新しい庶務の人間が見つかるまでは手伝う
人材についてはペガサスさんに相談 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 03:19:04.59 ID:kQUMbwhYo<> 理科部の手伝う <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 03:30:38.73 ID:xYC7e4XIo<> 目がショボショボしてきたからここまで
生徒会組の好感度は小鷹が入ったら加えるつもり

てか朱音ちゃんと火輪ちゃんは絵もセリフもないからキャラがまったく掴めないっていう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 03:43:10.82 ID:6swEU+FG0<> 体験入会を募る <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 04:19:26.09 ID:yE+I8/o5o<> いい安価だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 06:02:58.37 ID:7dxXRYEIO<> ケイトステラ天馬の好感度もそのうちほしいね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage <>2012/09/08(土) 08:30:57.79 ID:vS0W2DBso<> 天馬さんの好感度とかアッー!!しか想像できない。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 10:38:09.31 ID:/pFUyXtHo<> 星奈攻略にはペガサスさんの好感度も必要とか <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 13:48:31.04 ID:xYC7e4XIo<>
「理事長に相談するっていうのはどうですか?」

「理事長に?」

「はい。生徒会は学校にとっても大切なものですし、理事長もいろいろと考えてくれると思います。今度俺が話してみます」

「そうか……ありがとう、助かる」

「それで学園祭が終わるか庶務の人が見つかるまでは、えっと、俺も手伝うんで……」

「本当か!?」

ガタッと会長が立ち上がった。
ここまで大きなリアクションをされるとは思わなかったので、ビクッとしてしまう。

「は、はい。理科部の合間を縫って……って感じになりますけど、それで良かったら」

「あぁ、もちろん構わない! そうかそうか、貴様が手伝ってくれるのであれば安心だ!」

「ありがとうございます羽瀬川くん!」

会長だけではなく、遊佐もニッコリと笑いかける。
俺は慌てて、

「言っときますけど、庶務の人が見つかるまでですよ!?」

「ん、なんだよく聞こえないな」

「うおい!!」

「くはは、冗談だ。よろしく頼むよ小鷹」

「え、はい……ってなんで急に呼び捨て?」

「臨時とは言え、今日から貴様も生徒会の一員だ。そういう区切りの意味でな」

「『はせがわ』だと一文字多いですしね! よろしくお願いします、小鷹くん! 私達の事も名前で呼んでください!」

「えっと……分かった。葵に、日向、さん」

急に呼び方を変えるというのはどこか気恥ずかしさを感じる。
だがまぁ、こういうのも慣れだと思うのでそこまで気にしない事にする。
理科部のメンバーもみんな名前で呼んでるわけだし。

そんなわけで、俺は臨時で生徒会のお手伝いをするという事になった。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 13:51:56.56 ID:xYC7e4XIo<>


***



その夜。
俺は家で早速理事長に電話をかける。
生徒会のことについて相談するためだ。

俺が緊張しながらコール音を聞いているとまずはステラさんが出て、その後理事長に繋いでくれた。

『やぁ小鷹くん、久しぶりだな。どうしたのかな?』

「はい、お世話になっています。あの、実は理事長に相談があって……」

『相談? なにかね』

「生徒会のことなんですけど……」

俺はそのまま今の状況をかいつまんで説明した。
理事長は少し考え込むように黙った後、

『……なるほどな。分かった、私からも生徒達に呼びかけることにしよう』

「あ、ありがとうございます!」

『しかしまだ君達にもできることはあると思うぞ? 例えば日高くんが直接出向いて勧誘するというのもありだとは思う』

「日向さんが?」

『あぁ。人間、自主的に協力してくれるように求められるよりも、やはり直接頼まれたほうが傾くものだ』

「……そうですね」

確かに日向さんには人を惹きつけるものがある。
あの人に直接頼まれれば、迷っていた人も踏ん切りをつけてくれるかもしれない。
問題は、あの人が勧誘したいと思える人が見つかるかどうかだが。

『ところで小鷹くん。話は変わるのだが……』

「はい、どうしました?」

理事長にしては珍しく、どこか言いにくそうにしている。
俺は首を傾げて次の言葉を待つ。

すると、


『君はその、星奈の婚約の話は知っているかね?』


……え、婚約?
俺はその言葉の意味を理解するまで少しかかった。
婚約っていうのは……つまり結婚の約束だ。
あいつが……?

だが、ここで思い出す。
星奈は理事長の娘、つまりお嬢様だ。
たぶんそれくらいの家なら婚約者が居たりするのも何もおかしくはないのだろう。
俺みたいな庶民にはあまり馴染みのない話ではあるが。

「は、初めて知りました……あの星奈が婚約ですか……」

『はは、何を他人事のように。君が相手なのに』


「 え ! ? 」

  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 13:55:16.92 ID:xYC7e4XIo<>
思わず受話器を取り落としそうになった。
電話の向こうの理事長が指す“君”というのはどう考えても俺のことだ。

おいおいおい。
突然同じ部活の女の子が婚約者だと判明するなんて、今時ラノベでもなかなかない。

『昔、まだ君達がここに居た頃は家族ぐるみで交流があってな。
 星奈と君も幼い頃に一緒に遊んでいた時もある。写真も残っているぞ』

「そ、そうなんですか……」

考えてみれば、親同士で仲がいいのならそこで会っていたという事は何もおかしくない。
しかし急に言われるとなんだか不思議な感じがする。
それにクロニカで再会した時は星奈とは色々と険悪だったし……。

「で、でも、婚約っていうのは……?」

『あぁ、その頃に私と隼人で取り決めてな。実は誓約書も存在するのだ。君達の拇印も押されている』

「……な………ぁ…………」

俺は口をパクパクとさせることしかできない。
何だこれは。
理科部のみんなには何て言えばいいんだ。特に夜空。

それに星奈本人が絶対に納得するはずがない。

「あ、えっと、理事長! お、俺……」

『分かっている。急にこんな事を言われても困るだろう。それに婚約というのも君達が物心つくまえに私と隼人で勝手に決めただけだ』

「そ、そうですよね! はは……」

『しかしな小鷹くん。星奈との婚約の件、少し真剣に考えてもらえないだろうか?
 私はどこの馬の骨とも分からない男に大切な娘を預けることなんてできない。だが相手が君ならば私も安心なんだ』

「いっ……!」

『それに星奈はほら、勉強はできるのだがどこか抜けている事がある。やはりしっかりとした者がついてもらわないと、この柏崎家というものも危ういのだ……』

理事長の真剣な声に、俺は目を白黒させて呆然と聞くことしかできない。
星奈との婚約を真剣に考える?

いやいやいやいや、無理だ無理だ。
まだ高校生の俺にそんな事は全く考えることはできない。
それに何より、星奈自身が猛烈に嫌がる。

そんな俺を置き去りにして、理事長はなおも話し続ける。

『親バカかもしれないが、星奈は容姿も優れている方だろう? それに少し口の悪いところはあるが、芯は通った子だ。だから小鷹くん……』

「ちょ、ちょっと、ま、待ってください!!」

俺は慌てて理事長の言葉を遮る。
このままだとまずい。とにかく何か言わないといけない。


「>>817」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)<>sage<>2012/09/08(土) 13:56:33.22 ID:zsO+Sprxo<> 時間をください <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/09/08(土) 13:56:54.45 ID:MtVPgmqAo<> まだあまりセナのことしらないですし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 14:19:06.93 ID:yE6IzTw4o<> 星奈のルート強制変更能力か……!! <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 14:36:35.58 ID:xYC7e4XIo<>
「じ、時間をください。その、急なことなんでまだ混乱してて……」

『あぁ、もちろんだ。じっくり考えてくれ。一つ知っていてもらいたいのは、私は大歓迎という事だけだ』

「は、はぁ……ありがとうございます…………?」

問題は確実に星奈本人のほうだろうが、俺はとりあえずそう言っておくことにした。

それからしばらく理事長からは星奈のいいところを聞かされ、俺はただずっと相槌を打つばかりだった。
こうして話を聞くだけでは、星奈も理事長の前では残念っぷりをそこまで見せていないようだ。
たぶん普段の部活での星奈を見たら言葉を失うんじゃないかとも思う。

そんなこんなで、理事長の長電話から解放されたのはそれから30分も経った後だった。
今日の出来事としては俺の生徒会臨時加入というのが一番ビックなものだったはずだ。
しかしここにきて、それを一発で塗り替える事が起きた。

同じ部活のお嬢様が突然婚約者になった。
まるでラノベのタイトルみたいだが、何一つ間違っていない事が凄まじい。



************************

【好感度変動】     >>509→>>622→>>820


                   小鷹への好感度
志熊理科        ★★★★★☆☆→★★★★★★☆


【生徒会追加】


            小鷹への好感度   小鷹からの好感度
日高日向      ★★★☆☆☆☆   ★★★★☆☆☆

遊佐葵        ★★★☆☆☆☆   ★★★☆☆☆☆

大友朱音      ☆☆☆☆☆☆☆   ★☆☆☆☆☆☆

神宮司火輪     ☆☆☆☆☆☆☆   ★☆☆☆☆☆☆

************************  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 14:40:37.09 ID:xYC7e4XIo<>

次の日の昼休み。
俺が理科室で理科と夜空の弁当を食べていると、突然臨時放送が流れた。

『突然申し訳ない。少しこの場を借りて、理事長の柏崎から学生諸君に聞いてもらいたいことがある』

俺は理事長のその声に、頭を上げてスピーカーを眺める。
理科は不思議そうに、

「理事長が直々にお話なんて珍しいですね」

「ふん、どうせ娘の残念っぷりを弁解するとかそんな感じだろう」

「いくら何でもそれはねえだろ……」

そんな事を話していると、再び理事長の声が学校中に響く。

『実は生徒会の庶務が見つからなく困っている。
 これからは学園祭もあり、生徒会の仕事も増えてくる。自分こそはという者が居れば生徒会室まで来てほしい』

その後も理事長から生徒会の重要さの話などがあって、放送は終了した。
今の放送を聞いてどれだけの人が来てくれるのか。それはまだ分からないが、きっと来てくれる人はいるはずだ。

「ふーん、生徒会も大変なんですねぇ。学園物のアニメとかだとやたら権力を持っていたりしますけど」

「はっ、いい気味だ」

「おい夜空、そんな言い方ないだろ」

「……小鷹?」

夜空の言葉についムッとなって言い返してしまった。
俺は慌てて取り繕い、夜空はまだ何か疑わしげな目を向けていたが、何とかごまかしきることはできた。
別に生徒会の手伝いをする事くらい隠しておくことでもないだろうが、夜空は日向さんを敵視しているので面倒なことになると思ったのだ。


**************************************


放課後の活動場所が>>822の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→理科部
奇数→生徒会
  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 14:41:16.42 ID:y2kWTsHq0<> d <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 14:48:52.02 ID:xYC7e4XIo<>

理科部の出席状況が>>824-829の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 00:00:00.(00)←ここ

理科>>824
ゾロ目→欠席
それ以外→出席

夜空>>825
ゾロ目→欠席
それ以外→出席

幸村>>826
00〜59→出席
60〜99→欠席

星奈>>827
00〜29→欠席
30〜99→出席

小鳩>>828
00〜69→出席
70〜99→欠席

マリア>>829
00〜39→欠席
40〜99→出席 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)<>sage<>2012/09/08(土) 14:49:42.29 ID:zsO+Sprxo<> 肉 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/09/08(土) 14:54:23.81 ID:MtVPgmqAo<> おう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 15:03:24.90 ID:QP3CaUD0o<> うお <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 15:11:39.37 ID:GL5DN+AIO<> ほい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2012/09/08(土) 15:13:00.57 ID:HMkkFCwAO<> あ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<>sage<>2012/09/08(土) 15:16:19.76 ID:3wtiz4w80<> うんこ <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 18:27:29.86 ID:xYC7e4XIo<>
放課後。
今日は特に生徒会から連絡も来なかったので、俺は真っ直ぐ理科室へと向かう。
ケータイには新たに日向さんと葵のアドレスが追加されている。
転向前はまさか生徒会長と連絡を取り合う仲になるとは夢にも思わなかっただろう。

俺はそんなことを考えながらケータイを閉じる。
まだまだ残暑は厳しく、窓の外では運動部が汗を流しているのを見て、頑張ってるなーなんてぼんやりと思う。

理科室の扉を開けると、そこには幸村以外全員が揃っていた。
幸村に関しても既に連絡は貰っている。
一応部長は理科だし、わざわざ俺に知らせることもないのだが。

「あっ、こ、小鷹!! あんたちょっと来なさい!!!」

部屋に入るやいなや、俺は星奈に腕を掴まれてどこかへ引きずられていく。
背後から夜空の驚く声が聞こえた気がしたが、そんなものには全く耳を傾けずにずんずんと歩いて行く。

そして人気のない教室までやってくると、俺の方をバッと振り向く。
二人きりで放課後の教室というのは青春っぽい感じもするが、相手は星奈だ。

「あ、あああんた、パパから変なこと聞かなかった!?」

「変なこと…………あ」

思い出した。
このタイミングで星奈がこうして焦るようなこと。
それは十中八九昨日の婚約うんぬんだろう。

「……おう、昨日理事長から聞いた。その、婚約がどうのこうのって」

「ちょ、そんなハッキリ言わないでよ!!」

「他に言いようがねえだろ……。えっと、まぁなんだ、俺らが知らない所で決められたことだし、そこまで気にしなくていいだろ」

「それはそうだけど…………この事は誰にも言うんじゃないわよ。特に夜空」

「分かってる」

俺だってこれ以上面倒な事にはしたくないので、星奈に言われるまでもなくこの事は黙っているつもりだ。
なんか黙っているとバレた時に余計にまずい事になりそうだとも思うが、それはそれだ。要はバレなきゃいい。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 18:32:10.34 ID:xYC7e4XIo<>
すると星奈は少し余裕が出てきたのかニヤリと笑って、

「でもあんた、もしかしてちょっと惜しいなとか思ってんじゃない?」

「はい?」

「だってあたしは容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群なんていう完璧超人よ? 婚約ってのもまんざらでもないんじゃない?」

「……お前のことをよく知らなかったらそうだったかもな」

「な、何よそれ!!」

俺がそう言うと星奈が頬を膨らませる。
こうやって知り合って、確かに高嶺の花というような感覚は完全に消え失せた。
むしろ俺よりも残念じゃないかとも思える始末だ。

けど、これで良かったと思う。
ただイメージだけで凄いやつだと思っているより、たとえ残念でもこうやって本人の真実を知っていくほうがずっと大切だと思う。
残念な部分も含めて、それがイメージという空想のものではない柏崎星奈の本当の姿なのだから。

「つーか、お前は思ったよりキレてないんだな」

「え?」

「俺と婚約なんて聞いたら、お前の事だしてっきりブチギレて手が付けられなくなるかもって思ってた」

「なによそれ、あたしってそんな凶暴に見えるわけ?」

「凶暴っていうか子供っていうか…………あ、そっか、高貴なお前はそんな些細なこと気にしないんだっけか?」

「へぇ、よく覚えてるじゃない。褒めてあげるわ」

星奈は満足そうに頷く。
その後、いたずらっぽく笑みを浮かべて口を開く。

「まぁ残念だったわね! ここであたしのフラグが立ってれば『あんたと婚約っていうのも……そこまで悪くないし……』っていうデレが見れたかもしれないし!」

「そーだな」

「くっ……その心の底からどうでも良さそうな声がムカツク……。あんたはちょっと残念だって思ってるくせに……!!」

「いつ俺がそんな事言ったんだよ……」

「じゃあ言ってみなさいよ! あんた、あたしとの婚約の話聞いた時、どう思った!?」

「んー、そうだな……」

俺は少し考えた後口を開く。


**************************************


小鷹の返事が>>832-835の中から、>>835の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>832
25〜49→>>833
50〜74→>>834
75〜99→>>835 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/08(土) 18:33:23.20 ID:Ad5iID2O0<> 別になんとも <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)<>sage<>2012/09/08(土) 18:36:05.29 ID:7Ge1CRhAO<> びっくりはしたけど、あまり気にする事は無い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 18:36:34.67 ID:iAj7O20Bo<> 嬉しい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 18:38:28.06 ID:GSUPI7Iq0<> 俺はまだ夜空のこともあるしわかんね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 18:39:22.34 ID:xMM7Dynyo<> オヤジ達の行動に軽く引いた
何も分からん子供に誓約書の拇印押させるとか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/08(土) 18:40:06.56 ID:vpth0PFIO<> 親父…
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 19:03:51.48 ID:aaN5kPUIO<> 原作だと肉がメインヒロインに昇格したイベントなんだけどな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 19:15:27.80 ID:yE+I8/o5o<> つまらん安価だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage <>2012/09/08(土) 19:33:02.47 ID:PbtOcTLIo<> 個人的には原作で派手に暴れていない生徒会がどう食い込んでくるか気になるなー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 20:30:08.38 ID:GRetUOjCo<> >>836
原作通りなんだなこれが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 20:40:54.25 ID:y2kWTsHq0<> 原作通りなのか……原作の小鷹の本命は一体誰なんだ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 21:18:29.31 ID:K/gG3lLIO<> 小鷹が星奈を攻略するじゃなくて、星奈が小鷹を攻略するフラグが立ったか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 21:29:56.83 ID:Gc4XDZEjo<> >>842
遊佐に隣人部の誰かと付き合ってるのかって聞かれて「あいつらはそういうのじゃない」って言ってたよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 21:34:36.76 ID:y2kWTsHq0<> >>844
マジか。贅沢しすぎだろ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 21:46:31.31 ID:ULjclTF0o<> てか原作知らないとケイトとか遊佐とか会長とか分からないだろw <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 22:22:28.61 ID:xYC7e4XIo<>
「別になんとも」

「……なんかそこまで無反応っていうのもムカツク。やっぱ本命は夜空なわけ?」

「なっ、そういうわけじゃねえよ!」

「まぁいいわ。とにかくこの事は黙っておく。これでいいわね?」

「あぁ、もちろん」

そんな事を話して、俺達は理科室へと戻っていった。

少し安心した。
昨日理事長と話した時は、これからは今までの関係では居られないのではないかと少し心配したが、実際話してみれば何も変わっていなかった。
俺達はこれからも同じ部活の仲間、そして友達としていれるという事が素直に嬉しかった。



***



「で、いったい何だったのだ?」

部屋に戻ってきた俺達にまず夜空が尋ねてくる。
半目で明らかに不機嫌そうなオーラをまき散らしている。

星奈はなんでもなさそうに、

「別に。ちょっと話しただけよ」

「あの様子は相当焦っていたようだが?」

「な、なによ……そんなに小鷹が他の女と二人きりっていうのが嫌なの? あんまり束縛キツイ女は嫌われるわよ」

「なっ……ちがっ……!!」

星奈の言葉に夜空は顔を真っ赤に染める。
最近、星奈は夜空とやりあう時はこのネタが一番効果的だと学習したらしい。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 22:28:25.68 ID:xYC7e4XIo<>
すると今度はその様子を眺めていた理科が口を開いた。
その視線の先には俺や星奈……ではなく、小鳩が居た。

「小鳩さんは気になりますよね?」

「……うん」

「えっ、こ、小鳩ちゃん……? あの、違うのよ、これはね……!!」

小鳩のジト目を受けて動揺しまくる星奈。
星奈も星奈で弱点が分かりやすい。
しかしさすが理科というべきか、こうしてすぐに対抗策を出してくる。

このままではマズイ気もするので、今度は俺が口を開く。

「別に大したことじゃねえよ。昨日メールで小鳩が星奈の事嫌ってるって言ったら、星奈が焦りまくったってだけだ」

「あはははは、吸血鬼が星奈の事嫌ってるなんて誰でも知っているのだ!」

「う、うっさいわねマリア! そんな事ないわよね小鳩ちゃん……?」

「…………」

「む、無言!? 小鳩ちゃん!?」

演技ではなく、ガチで涙目になる星奈。
とてつもなく残念な光景だが、ごまかす分にはリアリティがあっていい。

とりあえずこれで何とかごまかせたようで、理科も夜空もまだどこか腑に落ちないような表情をしているが、これ以上追求するつもりはないようだ。
すると理科は気を取り直すように一度小さく息を吐くと、立ち上がってホワイトボードの前まで歩いて行く。

いよいよ理科部活動開始だ。


「それでは今日も活動を始めましょう。新しい発明、既存の道具を何かに使う……まぁ何でもいいので案をどうぞ」


**************************************


理科部の活動が>>849-852の中から、>>852の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>849
25〜49→>>850
50〜74→>>851
75〜99→>>852 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 22:29:18.78 ID:c50fliBjo<> ヴォイドゲノム <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 22:29:24.07 ID:aaN5kPUIO<> アニメ鑑賞会part2 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 22:30:03.89 ID:hLVvLn6P0<> マッサージ機造り <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 22:30:34.31 ID:GSUPI7Iq0<> 文化祭に向けて理科部が作ってきた発明品を並べる棚を作ろう
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 22:41:22.79 ID:hbnurJJ0o<> ボイドゲノムはダメだろ <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 23:15:52.83 ID:xYC7e4XIo<>
「あ、そういえば、理科が居ない時にアニメ鑑賞会なんて面白そうな事やってたみたいですね!」

「やったけど……でもかなり悲惨な事になったぞ」

あの時のことを思い出して、星奈と小鳩が嫌な顔をする。
小鳩なんかはあの日の夜一人で寝られなくて俺のベッドに入ってきたしなぁ……。

夜空も顔をしかめて、

「貴様はただの変態だとは思っていたが、あんなグロいものにも興味があったのだな……」

「観たアニメはエルフェンリートでしたっけ? もう、もったいないですね。あれは確かにグロいですけど神アニメですのに。
 まぁでも友達作りとかコミュ力上昇に役立つかと言われれば…………ちょっとアレですね。ヒロインとか極度のコミュ障ですし」

「むっ、ずるいのだみんな! ワタシもアニメ観たい!!」

「ククク、それならば一人で暗い部屋であのエルフェンリートとやらを観るがいい……」

「分かったのだ!! 理科、そのエルフェンリートっていうのを貸してください!!」

「はい、いいですよ」

「やめろっての」

平然と差し出そうとする理科を即座に静止させる。
あんなものを観せたとなれば、後でケイトに何を言われるか分かったものではない。

すると理科は気を取り直して、

「というわけで、今度は理科がアニメをチョイスしてもう一度鑑賞会をやりましょう!!」

「何が『というわけ』なのか全く分からないのだが……」

「まぁ……理科がやりたいんならいいんじゃねえか。
 それに前回は俺達がてきとーに選んでああなっちまったし、今回は理科がちゃんと選んでくれればそこまで酷い事にはならないと思うし」

「そうね……。理科、あんたちゃんとまともなもの選びなさいよ。友達の作り方とか色々勉強になるやつ」

「もちろんです!」

「ククク、いいだろう。あのエルフェンリートとやらよりマシなものならばいくらでも観てやる」

「ワタシもアニメ観たいのだ!! 幼女ですので!!」

そういうわけで、第二回アニメ鑑賞会の開催が決定した。
まぁ今回は理科がアニメを選ぶみたいだし、そこまで酷いことには……ならないよな?
なんか理科だけに少し不安なところも残るが、とりあえず任せてみようか。


**************************************


観るアニメが>>855-858の中から、>>858の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>855
25〜49→>>856
50〜74→>>857
75〜99→>>858 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 23:16:51.58 ID:tfEGEDcSO<> 新世紀エヴァンゲリオン <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 23:17:08.10 ID:8zmsMgvvo<> とらドラ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/08(土) 23:17:25.78 ID:RbbeF8U30<> 家庭教師のお姉さん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 23:17:43.05 ID:GSUPI7Iq0<> もしどら <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 23:17:47.63 ID:gEUGuQD9o<> 第08MS小隊 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 23:24:07.11 ID:aaN5kPUIO<> 後半鬱アニメか <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/08(土) 23:25:39.04 ID:xYC7e4XIo<> 明日朝からバイトだからここまで
エヴァとかもうほとんど覚えてねーwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 23:31:21.78 ID:y2kWTsHq0<> 乙。バイト頑張ってくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 23:42:45.49 ID:tfEGEDcSO<> 乙。ちゃんと見直してくれよー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/08(土) 23:50:14.51 ID:aaN5kPUIO<> 乙
そういや理科はガンダム×エヴァの同人誌持ってたっけかw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 00:20:52.38 ID:0viCcy+M0<> 星奈がアスカに近いかな? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)<>sage<>2012/09/09(日) 01:03:52.84 ID:T1aYm1Kio<> おつ
第弐拾伍話と最終話だけ見れば一応リア充への道のりが描かれてるな
それより小鷹と理科部の女子でユニゾンのため共同生活をだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2012/09/09(日) 02:56:50.10 ID:VERxABjZ0<> 857になったらどうする気だったんだwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 04:18:42.76 ID:aG68OA1IO<> そりゃあ理科がしっかりと手取り足取り腰取り教えてあげますよ <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/10(月) 23:37:23.05 ID:M84WAXMro<>

「理科の選んだアニメはこれです!」


そう言って理科は自信満々でDVDボックスを机の上に叩きつけた。
こんな乱暴な置き方して大丈夫なのかと心配になるが、とりあえずそのタイトルを見てみる。

「『新世紀エヴァンゲリオン』……おー、名前だけなら俺も知ってる」

「いわゆる名作というやつだろう。理科がこういったものを出してくるとは意外だな」

「もちろん他にもオススメしたいものは沢山ありますよ。でもやっぱり最初はこういったお約束のものからと思いまして」

そう言いながら理科はDVDデッキを操作する。
程なくして画面が切り替わり、OPが始まった。

「ククク、この曲は我も知っているぞ」

「あぁ、つーかこれは知らない人のほうが少ないだろ。一番有名なアニソンじゃねえか?」

「そうですね。パンピーとカラオケ行っても許されるアニソンらしいです」

「え、何よ、カラオケに許される曲と許されない曲があるわけ?」

「星奈先輩、誰かとカラオケに行ったことがありますか?」

「な、ないけど……」

「理科も行ったことはないんですけど、何でもカラオケは空気が読めないと死ぬらしいです」

「えっ!?」

「何を言ってるんだお前らは……」

何だか意味不明なことを話し始めた二人に、俺は溜息をつく。
他の学校に居た時にカラオケには何度か行ったことはあるが、そんな恐ろしいものではない。
まぁ、確かに周りの空気というものはかなり気を使うが。

そんな事を話している内にOPが終わっていよいよ本編が始まる。
舞台は2015年。

「3年後だな」

「時の流れというのも早いものですねぇ」

「お前はオッサンか」

場面は次々と移っていく。
使徒とか呼ばれている何かでかい怪物みたいなのが街を襲っていて、それを止める為にエヴァというものを使うという話になる。
そしてそのパイロットとして主人公が選ばれる、そんな展開になった。
ネルフとかいう凄い組織の偉い人っぽいのが主人公の父親らしく、顔色一つ変えずに実の息子に化物と戦えと言っている。
しまいには近くに居る面倒見の良さそうなお姉さん……ミサトさんとかいう人まで乗れと無茶な事を言ってきている。

「……なぁ、この主人公って何歳なんだ?」

「14歳、中2ですね」

「中学生にこんな大人がよってたかって今から命がけで化物と戦えって酷くねえか?」

「まぁ、人類の危機ですし仕方ないでしょう」

「そういうもんなのかなぁ……」

「まぁヘタレな小鷹じゃ乗れないかもしれないわね」

「なっ、お、俺は乗るぞ! たぶん」

口ではそう言ったが、正直それはかなり怪しい。
たとえ全人類のためとはいえ、いきなり命がけで戦えと言われて素直に頷くことができるのはフィクションの中の存在くらいだと思う。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/10(月) 23:44:01.79 ID:M84WAXMro<>
「まぁ肉の場合は調子乗って引き受けるかもしれないが、一撃でやられるだろうな」

「な、何ですって!? あんたなんて性悪すぎてシンクロ自体できないわよ!!」

「ふん、何をバカなことを。私はトモちゃんとのシンクロ率は100%をゆうに超えている」

「トモちゃんってエヴァだったのかよ……」

「はっ、何がトモちゃんよ。私だってあかりとのシンクロ率は200%超えてるし!!」

「二次元の存在とシンクロしてどうするつもりだ」

「エア友達出してきてる奴に言われたくないわよ!!」

「なーなー、夜空も星奈もうるさいのだ。テレビの音が聞こえないぞ」

マリアのその声に、二人はハッとして周りを見る。
いつの間にか理科の手によってアニメの方は一時停止され、みんなが二人をジト目で見ている。
それにはさすがの二人も気まずそうに黙るしかなかった。



***



それから俺達はとりあえず12話まで観た。
外はすっかり暗くなっており、時計を見ればなんと午後10時を超えている。
そういえば何も食べずにいたので、一気に空腹感が襲ってくる。

つまりは、それくらい夢中になる程面白かった。
理科は満足そうに息をついて、

「やはり何度観てもいいものですね……みなさんはどうでした?」

「あぁ……すっげえ面白いなこれ…………」

俺は素直にそう口にする。
すると隣に居た小鳩も満足そうな表情で、

「ククク、何を隠そう我こそが第十三使徒……レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌だ」

「な、なんだとこの使徒め!!! ワタシの聖なる力でぶっ殺してやる!!!」

「無駄だ、我のこのATフィールドの前では全てが無力…………いったぁ!!! な、なに十字架で殴ってんじゃばかたれ!!!」

「あれ、普通に効いたぞ。効かないんじゃなかったのか?」

「くっ……少しは効くときもある…………」

結構てきとーだなATフィールド。
だがこうして小鳩が自分の設定に組み込むというのは相当気に入った証拠だ。

そして夜空と星奈の方も見てみると、

「……ふん、さすが名作と言われるだけあるな」

「ヤバイ、レイもアスカも可愛すぎる!!! ねぇ、これからも二人は大活躍なんでしょうね!?」

「……え、えっと…………はい、まぁ」

星奈のキラキラした目に対して、理科はなぜか視線を彷徨わせて答えにくそうにしている。
……何か嫌な予感がするが、あまり聞かないようにしておこう。

理科は星奈から逃げるように俺の方を向いた。

「そ、そうだ小鷹先輩! 先輩的にはどういった場面が印象に残りました?」

「え、なんか国語の授業みたいな聞き方だな……」

「いえいえ、ただ単に純粋に気になっているんですよ。それに、他のアニメを勧めるのに参考になりそうですし」

「んー、そうだな」

俺は少し考える。
良いシーンというのはいくつもあったが、その中でも特に印象に残ったと言われれば…………。

「>>871かな」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/10(月) 23:44:36.84 ID:CzoeLmWIO<> アスカとのキスシーン <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/10(月) 23:44:50.01 ID:wRKssPGt0<> マグマダイバーでシンジがアスカ助けるところ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/10(月) 23:48:10.30 ID:CzoeLmWIO<> あ、ごめんこれって12話以降だっけ?もしそうなら再安価か安価下にしてくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/10(月) 23:49:04.34 ID:auHpMySHo<> キスシーンは12話以降じゃなかったか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/11(火) 00:47:05.23 ID:z21GLDkbo<> 妥当なところだと「笑えばいいと思うよ」あたりが有力かな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/09/11(火) 01:02:37.15 ID:y7OJVHt2o<> ユニゾンのとこのキスしそうになったシーンの可能性が <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/11(火) 01:27:27.38 ID:d2mT+r/ko<> 最安価だろこりゃ <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/11(火) 19:09:36.65 ID:1mhFWuFXo<>

「やっぱユニゾンの辺りかな。ほら、シンジとアスカがキスしそうになったりしてさ」


「つまり先輩も理科とキスがしたいというわけですね!?」

「違う違う」

「そういえばあんた、あたしにも一回キスしたわよね。ほんとはキス魔なんじゃないの」

「だからちげえって!! つーかあれは事故だろ!!」

「事故でも一回は一回よ!! あたしの大切なファーストキス奪って……今度やったらパパに言うからね!!」

「頼むからそれはやめてくれ……」

ただでさえ理事長とは星奈との婚約を考えてくれないかと言われているのだ。
もしキスしたなんて耳に入ったらと考えるだけで恐ろしい。

その時、ひやりとした視線を感じる。

「……ふん」

「よ、夜空?」

「なんだ。私は別にお前が誰とキスしようと気にしないぞ」

「…………」

明らかにむっとした表情に、俺は気まずくなるしかない。
よく見てみれば、小鳩も同じように俺のことをジト目で見てきている。

「あー、えっと、つまり別にキスがどうこうじゃなくて、ああやって二人で協力して何かを成し遂げるっていいなって思ったんだよ」

「なるほど。確かにシンジもアスカも練習して息ぴったりになってましたね」

「あたしはちょっと無理ね。小鷹とあたしじゃ能力差がありすぎて絶対合わないだろうし」

「うぐ……確かにそうかもしれないけどよ…………」

「あ、でも今のセリフ、アスカみたいでしたよ星奈先輩。案外あの二人みたいに一緒に住んだりしたら息ぴったりになるんじゃないですか?」

「なっ……なんであたしがそんな事しなくちゃいけないのよ! あたしは小鷹より小鳩ちゃんと息ぴったりになりたいわ! ね、小鳩ちゃん?」

「や!!」

即座に拒否る小鳩。
これだけ毎回遠ざけられているのに、それでも小鳩と仲良くしようとする星奈はたくましい。

すると今度は夜空がチラチラと俺を見て、

「わ、私と小鷹ならそこそこいけるんじゃないか?」

「あー、まぁ幼馴染だしな」


「「えっ!?」」


俺の言葉に理科部全員が同時に驚いた。
空気が固まってしまったような、そんな感覚がした。

俺はそんなみんなの反応に戸惑う。
俺と夜空が幼馴染だということは既にみんなに言って……。

そこまで考えて気付いた。
俺が理科部のみんなに夜空と幼馴染であることや告白の事について話したのは前の世界線の話だ。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/11(火) 19:12:28.08 ID:1mhFWuFXo<>
「……小鷹」

夜空がジト目でこちらを見てくる。
俺はそんな彼女に対して冷や汗をかきながら苦笑いを浮かべるしかない。

するとすかさず理科が、

「先輩、どういう事ですか!? 初耳なんですけど!!」

「えっと……それは…………」

「……はぁ、もういい小鷹。別にそこまでして隠しておくことでもないしな」

夜空はどこか諦めたように溜息をつくと、

「小鷹の言う通り、私達は幼馴染だ。十年前にこの街で遊んでいた事がある」

「……ていうか、それ隠している方が余計怪しい感じするわよ。何か後ろめたい事でもあるんじゃないかってさ」

「そんなものはない。ただ……別にわざわざ話すことでもないと思っていただけだ」

「むぅ、幼馴染ですか……これは理科的にはキツイ属性ですね……」

「属性?」

理科は顔をしかめて唸っている。

俺は彼女の口から出てきた単語の意味が分からず、首を傾げる。
理科は俺に人差し指を向けて、

「幼馴染!! その属性だけで既にフラグが立っているという強力なものです!!」

「いや意味わからん……」

「要するに、ゲームとかだと幼馴染ってだけで最終的にくっつく可能性が高いって事よ」

「……うぇっ!?」

「なっ!!!」

星奈の言葉に俺は思わず変な声を出してしまい、夜空は顔を真っ赤に染める。
現に夜空には一度告白されているわけで、それだけに最終的にくっつくという言葉が現実味を帯びてくる。
それからは俺も夜空もみんなから逃げるようにさっさと帰ろうと提案した。
さすがにこうしてみんなこういう事を言われるのは恥ずかしくて居心地が悪かった。



***



次の日。
理科部全員は昨日と同じく部室でエヴァの残りを全て観た。
時刻は午後11時を過ぎている。

俺達は全員呆然としていた。
素晴らしいものを観た後の余韻に浸っている、とは少し違う。

「……わけがわからないよ、って顔してますねみなさん」

理科がそんな事を言っているので、俺達はただ無言で頷く。

良いアニメだったとは思う。
だが途中から……最後の二話辺りから完全に意味不明だった。
かなり抽象的で哲学的……というような感じだ。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/11(火) 19:15:25.87 ID:1mhFWuFXo<>
星奈は明らかに不満そうな表情で、

「ちょ、ちょっと何よこれ! ていうかアスカはどうなったのよ!?」

「……何となく、全て主人公の心の中だという事は分かるが」

夜空も顎に手を当てて考え込んでいる。
彼女が分からないのなら俺が分かるはずがない。

そして小鳩も引きつった表情をして、

「く、ククク……なるほどな……。なかなか我の興味を引くではないか…………」

うん、絶対分かってない。
だが、ここでマリアがキョトンとした顔で口を開く。

「最後は人類補完計画の途中なんだと思うぞ。みんなが一つになろうとしてたけど、シンジがそれを望まなかったのだ」

「え……そうなのか?」

「えぇ、まぁそんな感じですよ」

なんと、10歳児に解説されてしまった。
いや、考えてみればマリアは天才幼女だ。これも別におかしな事ではない。
決して俺達の理解力が足りなすぎるという事ではない……はずだ。

マリアは不満気な表情で続ける。

「それにしても、原罪からの解放とかムチャクチャな事を言ってたな! こんなの神様に怒られてしまうぞ」

「そ、そうなのか……」

たまにはシスターらしい事を言うマリア。
一応は俺達もミッションスクールに通う学生ではあるのだが、本当のクリスチャンなんていうのは少ない。
夜空なんか家から近いとかいう理由で選んだみたいだし。

俺は少し考えて、

「……でも、人類を一つにするなんてそんな事…………」

「究極的平和を追求していくとそういう結論に辿り着くと思うぞ。
 ワタシ達人間はこうやって大勢で暮らしている中で、どうしても互いに傷つけあったりしてしまうのだ」

「……………」

マリアの言葉に俺は何も言えなくなる。
誰かを傷つけてしまう。それはとても恐ろしいものだ。
つい最近も、そのことで本気で悩んだ。
それをしてしまうくらいなら、自分が傷ついたほうが何倍もマシだとも思う。

理科は、そんな俺を優しい微笑みを浮かべて見つめ、

「小鷹先輩は、どう思いますか? 争いがない世界、それは確かに素晴らしいことです」

「……俺は」

絶対的平和という奇跡のような世界。
それを手に入れるための鍵がこの手にあったのなら。

俺は、どうするのだろうか。


「>>881」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/11(火) 19:16:44.60 ID:UKZ3fQ4b0<> でも争わないことには何事も手に入れられない
大学も友達も恋人も <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/11(火) 19:35:04.36 ID:ekfbPz9I0<> 少しシリアスな空気になってきたな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/11(火) 19:56:10.00 ID:Z34Og/cSO<> そのうちエヴァの世界体験マシーンでもつくってくんねーかな…各キャラがエヴァキャラと入れ替わって話を進める感じで。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/11(火) 20:24:40.65 ID:HQLMaEsZ0<> >>883
ナーヴギアを作ってソフトにSAOじゃなくてエヴァを使ったり? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/11(火) 21:24:23.52 ID:pgW9ntyIO<> ロマ佐賀のゲーム機を使ったエヴァ2でええやん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/11(火) 21:37:27.23 ID:Z34Og/cSO<> エヴァ2は…な… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/11(火) 21:44:01.93 ID:tCij7KlIO<> 理科がリツコだとしたらエヴァの股間に武装とか取り付けそうww <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/12(水) 00:10:00.33 ID:KWJIPSLgo<>
「でもさ、やっぱりそういう争いがあって得られるものも沢山あると思うんだ」

「たとえば?」

「友達とか恋人とかだって、そうやって時には争ったり傷つけあったりしてお互いを知っていくだろ?
 それに、受験だってそうだ。競争があるからこそ、切磋琢磨して上を目指すことができる」

「……ふむ、先輩にしてはなかなか良い事言いますね」

「失礼だなお前!?」

理科は一応は感心している様子だが、それでも心外なセリフを吐いてくる。
夜空も、小鳩も、マリアも口を少し開けて「おぉー」みたいな感じでこちらを見ている。

しかし。

「ていうかさ」

ここで星奈が口を挟む。
何やら半目で不満そうだ。

「それ、あたしがあんたに言ったことのパクリじゃない? ほら、電話でさ」

「…………おう」

さすがに本人にはごまかせそうにもないので潔く白状する。
あぁ、そうだ。これは星奈からの受け売りだ。
ふと、一時期部活に来ていなかった時に星奈から言われたことが頭に浮かんできたのだ。

すると理科が何か安心したように溜息をつき、

「まぁ、ヘタレな先輩がそんな良い事言えるわけがないですよね」

「お前の中で俺の評価はどうなってんの!?」

「しかし、小鷹もそうだが肉がそういう事を言うのは意外だな」

「な、何よ、あたしはいつだってまともな事しか言わないわよ!!」

「それはウソなのだ。星奈の口から出てくる言葉は99%が意味不明だぞ」

「な、何ですって!?」

「ククク、神の使いに同調するのは癪だが、こればかりは我も同意見だな」

「うぅ、小鳩ちゅわん……?」

一応は褒められる事なはずなのに、なぜか結局涙目になってしまう星奈。
夜空はそんな星奈を呆れたように眺めていたが、ふと何かに気付いたのか険しい顔になる。

「……おい待て。肉、貴様さっき電話でとか何とか言っていたな?」

「そうだけど?」

「小鷹とはよく電話するのか……?」

「はぁ? いや別に…………あー、分かった分かった。また嫉妬ね」

「ぐっ……し、嫉妬などではない!!!」

「じゃあなんであたしと小鷹が電話するのにそこまで気にしてんのよ?」

「そ、それは……」

星奈がニヤリと笑うと、夜空はただ口ごもって俯くことしかできない。
このやりとりも、もう何度も見た気がする。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/12(水) 00:11:54.54 ID:KWJIPSLgo<>
そして今度は小鳩がジト目で口を開く。

「……我からも一つ言っておこう。眷属にあまりちょっかいを出すな下賎な人間め」

「じゃ、じゃあ小鷹にはもう電話しないから、小鳩ちゃんの電話番号教えて!!」

「や!!」

ここぞとばかりに目を輝かせる星奈だが、案の定一言で玉砕される。
理科は成り行きを眺めていたが、一段落したと見るや、

「先輩、それでは理科の毎朝のモーニングコールはいかかですか!?」

「いや、別に俺は朝弱くねえし……」

「それでは寝る前に理科の喘ぎ声など……」

「俺に悪夢を見せる気か!!」

「ひ、ひどっ!!! ちょ、さすがにそれは理科も傷つくんですけど!!」

「お兄ちゃんにはワタシがモーニングコールしてあげるのだ!! お祈りの日は5時に起きるんだぞ!!」

「勘弁してくれ……」

そんな感じに、気付けばいつの間にかエヴァの話からモーニングコールの話になっていた。
どっから話が逸れたのかはよく分からないが、まぁ本当に理科部らしい。

だがエヴァは最後が難しかったとはいえ、みんな楽しめたようだ。
それに、友達作りにおいても大切なことも描かれていたと思う。
また機会があれば、今度も理科に選んでもらってこうやってみんなでアニメを観るのも悪くないなと思った。

すっかり暗くなった校舎で騒いでいたせいで、警備の人が怒りに来たのはそれから少ししてからだった。



***



家に帰って風呂に入ったらもう日付が変わっていた。
小鳩なんかはかなり危なっかしい足取りで自分の部屋へ入っていった。
あの様子だとベッドに行く前に力尽きているのではないかと心配にもなる。

俺はベッドの上に横になってラノベを読んでいた。
小鳩と違って、俺は風呂に入った直後は目が覚めてなかなか寝付けないのだ。

そうやって時計の針の音だけを聞きながら、黙々とページをめくる。
その時、突然ケータイがブーブーと振動し始めた。
振動の長さ的に、メールではなく電話だ。こんな時間に珍しい。


誰から? >>890
  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 00:12:19.68 ID:pjc9/Jp/0<> 日高日向生徒会長 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 00:12:31.45 ID:CQP/txISO<> 肉 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/12(水) 01:07:16.31 ID:KWJIPSLgo<>
ケータイを開くと、そこには日高日向という名前が表示されていた。
俺は少し驚いて通話ボタンを押す。

「もしもし、日向さん?」

『おぉ、悪いな小鷹。こんな時間に』

「いや、別にいいんですけど……どうしたんですか?」

『……お前の声が聞きたくなったから……では理由にならないか?』

「えっ!?」

『くはは、冗談だ!』

「な、なんだ……」

思わずドキッとした俺は溜息をつく。
それだけ先程の日向さんの声の調子がそれっぽかった。
この人、演技の才能もかなりあるのではないか。

すると日向さんは嬉しそうに、

『悪い悪い、こんな時間に男に電話をかけるなど初めてだったからな! 少し悪ふざけをしたくなった』

「え、そうなんですか? 日向さんなら彼氏とかもすぐできそうですけど」

『いやそれが生まれてこのかた、そういった恋愛沙汰は皆無でな。正直このまま生き遅れていくのではないかと危機感さえ覚えている』

「女子高生が何言ってるんですか……」

日向さんにそういう話がないというのは意外だったが、よく考えればそうかもしれない。
高嶺の花とはよく言うが、日向さんの場合はエベレストのてっぺんに咲く花のようだ。
並大抵の男が半端な気持ちで挑んでいいレベルではない。

日向さんは少し気を取り直して、

『おっと、すまないな。愚痴みたいになってしまった』

「あ、いえ、構いませんよ」

『おぉ、それならこれから一時間ほど聞いてくれるか!』

「……それは勘弁して下さい」

『くはは、分かった分かった。それでは本題だ』

俺は意識を耳に集中する。
こんな時間にわざわざ電話してきたのだ。たぶん重要な事なのだろう。


**************************************


日向の要件が>>893-894の中から、>>894の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/12(水) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→>>893
奇数→>>894 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 01:08:18.42 ID:CQP/txISO<> 私のモノになれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 01:09:08.00 ID:pjc9/Jp/0<> 明日、文化祭の準備があるから来てくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 01:17:19.07 ID:+UGamznc0<> どっちだ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/12(水) 01:21:20.23 ID:n5m2LWAPo<> 00だから偶数だろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 01:21:30.10 ID:tlxU8kBIO<> 日向さんが告白するならこんなセリフなんだろうなとは思うがこれはどうなんだ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 01:25:03.78 ID:+UGamznc0<> 偶数か
本当に小鷹はモテるな……
その理由を誰か教えてくれよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/12(水) 01:35:00.80 ID:7YwMK+WJ0<> 私のモノになれ!
そして生徒会で牛馬の如く働くのだ!

的な? <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/12(水) 01:44:22.54 ID:KWJIPSLgo<>
『小鷹、私のモノになれ』

「……つまり手伝ってほしい事があると?」

『なんだ、つまらんな。もっと動揺すると思っていたのだが』

「やっぱりそういう風に聞こえるように言ってたんですか……」

俺は溜息をつく。
さすがに短時間に連続で同じような事をやられれば俺でも分かる。

『まぁいい。ちょっと生徒会で仕事があってな。明日は大丈夫か?』

「はい、理科部には一言言っておくんで大丈夫ですよ」

『そうか、助かる。悪かったな、できるだけ早くに連絡しておこうと思っていたのだが、他にも色々とやることがあってこんな時間になってしまった』

「いえ、気にしなくていいですって。それより、日向さんも体には気をつけてくださいよ?」

『くはは、私の心配は無用だ。多少のことで体調を崩すほど弱くはない』

「それでもですよ。いくら日向さんでもキツイものはキツイでしょう。ちょっとは俺にもカッコつけさせてくださいよ」

『…………』

「……日向さん?」

『…………あぁ、そうだな。ありがとう小鷹』

日向さんは少し落ち着いたようにそう言う。

確かに日向さんは何でもできる完璧な人だ。
それでも、だからといって全てを押し付けてしまうなんて事はしてはいけない。
頼り切りじゃダメだ。日向さんばかりに負担をかけてはダメだ。

能力的には遠く及ばなくても、少しでもこの人の助けになれればいい。
俺はそう思った。



************************

【好感度変動】     >>509→>>622→>>820→>>900


                    小鷹への好感度
日高日向        ★★★☆☆☆☆→★★★★☆☆☆

************************
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/12(水) 01:47:18.23 ID:KWJIPSLgo<>



次の日の放課後。
俺は仕事を手伝うために、生徒会室まで来ていた。
部屋には生徒会メンバーの四人が全員集まっている。

俺が部屋に入ると、日向さんが嬉しそうに立ち上がる。

「待っていたぞ、小鷹庶務!」

「臨時、ですけどね」

「くはは、そうだっけか。まぁそんな些細なことはどうでもいい!」

「さ、些細って……」

「まぁまぁ、日向さんはいつもこんな感じですから諦めてください小鷹くん」

葵はもう日向さんのこんな様子には慣れているのか、苦笑いを浮かべてそんな事を言ってくる。
まぁ、俺もこの人にはあまり突っ込んではいけない気づき始めているので、ある程度はスルーすることにした。

「それで、仕事って何なんですか?」

「あぁ、それは火輪から聞いてくれ!」

そうやっていきなり話を振られた純和風系美少女はビクッと肩を震わせる。
それからおどおどとした様子で、

「え、えっと……分かりました。今日の仕事は――――」


**************************************


生徒会の仕事が>>902-904の中から、>>904の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/12(水) 00:00:00.(00)←ここ

00〜39→>>902
40〜69→>>903
70〜99→>>904 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/12(水) 01:47:49.14 ID:7YwMK+WJ0<> 文化祭のステージ設定 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 01:48:34.18 ID:EFhlrVTL0<> 文化祭で使う小道具の運搬
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 01:49:55.20 ID:+UGamznc0<> 特になし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 01:49:58.81 ID:5BsjMBLB0<> 私のMONOになれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 01:50:07.42 ID:pjc9/Jp/0<> 生徒会で行うロミオの劇の主役 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 01:51:01.67 ID:5BsjMBLB0<> あぶね、リロードしてなかった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/12(水) 01:51:11.33 ID:a8+zKnw+0<> 葵と備品の買い出し

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/12(水) 01:51:50.89 ID:jC1ZkfQ9o<> >>905
消しゴムかよwwww <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/12(水) 03:22:48.15 ID:KWJIPSLgo<>
「文化祭のステージ設定です」

「文化祭? あれ、でもそれって11月じゃなかったか?」

「これから期末試験やら試験休みを挟むからな。このくらいの時期から少しずつでも進めておかないと後で死を見るぞ」

「……マジすか」

日向さんの言葉に、顔を引きつらせる俺。
前の学校の文化祭では、最低限クラスの出し物にだけ協力するというスタンスだったのでこういった実行側の大変さが良く分からない。
そして良く分からないからこそ、未知のものに対する恐怖というものを感じる。

「というわけで、小鷹はこれから私とパネルの搬入を手伝ってもらいたい」

「パネル?」

「どの学校も、文化祭の開会式は体育館で行われる事が多いはずだ。その時ステージの上に『○○高校文化祭』というパネルがぶら下がっている事が多いだろう?」

「……まさか、ああいうのを運ぶって言うんですか?」

「その通りだ。さすがにあれは私一人では無理だからな」

日向さんは何でもないように言っているが、かなり大変なことだと思う。
あれだけの巨大なものだ。二人がかりでもキツイものがあるだろう。

それでも日向さんはちょっと図書室から本を借りてくるのと同じようなノリで言うので、何かおかしな感覚になってしまう。
まぁしかし、こうして俺を頼ってくれているんだ。それには応えたい。



***



俺と日向さんは倉庫から巨大なパネルを二人で運んでいく。
あまりに大きいので、廊下を曲がるのも一苦労だ。

そして、当然ながらこれは周りから凄く目立っていた。
元々こんなでかいものを運んでいるだけでも十分目立つというのに、運んでいる者が悪名高いヤンキーに生徒会長だ。
ふと耳に入ってきた言葉の中には、日向さんが俺をねじ伏せたというようなものまで聞こえた。

「なぁ小鷹」

ふとそんな日向さんの声が後ろから聞こえてきた。
今の俺の状態は後ろ手でパネルを持っているので、反対側を持っている日向さんの事は首を動かさないとよく見えない。
ただその声にはどこか心配そうな色が乗っているのが分かる。

「どうかしました?」

「……あまり周りの言葉は気にしなくていいぞ。彼らは事情がよく分かっていないんだ。なんなら私が今から説明を――」

「あぁ、大丈夫ですって。慣れてますし」

日向さんが言っているのは、先程からヒソヒソと聞こえる周りの声についてらしい。
みんな「あんな不良を従える日向さんすげー!」などと言って賞賛しているのだが、俺のことを思ってこんな事を言ってくれているのだ。
こうして心配してくれるのは素直に嬉しい。
だが、これから道行く学生にいちいち説明していくのもキリがないし、何よりその説明でさらなる誤解を生む可能性だってある。
例えば、俺がこうして自主的に生徒会に協力しているのは、何か恐ろしい裏があるんじゃないか、といった感じだ。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/12(水) 03:25:03.02 ID:KWJIPSLgo<>
俺は小さく苦笑して言葉を続ける。

「それに、俺は日向さんが分かってくれていればそれでいいです。こうして俺が手伝うのは何かを企んでいるからとかじゃないって」

「何をバカな。そんな事思うわけないだろう」

「ありがとうございます」

「……感謝、か」

日向さんはポツリと呟くと、黙りこんでしまった。
俺は気になって、首を後ろに向けてその姿を確認する。

日向さんは俯いて、悲しそうな目をしていた。

「日向……さん?」

「なぁ、小鷹。私はお前がこうして手伝ってくれて心の底から嬉しいと思っている。
 だから、私から感謝することはあっても、小鷹が感謝する事なんて何もないんじゃないか……?」

日向さんの言葉に、俺は再び前を向く。
そして、ハッキリと言う。

「こうして、日向さんがちゃんと俺のことを分かってくれているって事が俺にとっては凄くありがたいんです」

「…………」

日向さんのように、俺のことを真っ直ぐ見てくれる人は少ない。
そんな人に感謝していないわけがない。
こうして少しでもこの人の役に立つのは、俺にとって嬉しかった。

その時、日向さんの足がピタリと止まった。
それに伴って、自然と俺も立ち止まらざるをえなくなる。

俺は再び首を動かして後ろを向く。

「……どうしました?」

「小鷹」

日向さんは真っ直ぐ俺の目を見つめる。
その全てを吸い込む綺麗な黒真珠のような瞳から、俺は目を離す事ができない。

日向さんは、静かに口を開く。


「>>912」

  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 03:41:54.59 ID:5wHBb5vs0<> 小鷹が皆に誤解されたままなのは悔しい
文化祭が終わっても一緒に生徒会で活動して欲しい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 04:38:01.42 ID:8vFz/zFdo<> ナイッスー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 07:02:48.65 ID:tlxU8kBIO<> これは夜空との修羅場あるでー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 07:47:05.53 ID:TOn4G++IO<> だが断る
俺には帰りを待ってる大切な人達がいるんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 10:41:28.99 ID:btVaaunJo<> >>1あんたスゲェわ
原作ですら語られていない登場人物の心情をほぼ違和感なく書いてしまう
そこにシビれるアコガレル! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 18:00:27.70 ID:5wHBb5vs0<> 理科部優先でいいからって入れんの忘れたわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 18:08:23.76 ID:CQP/txISO<> 生徒会に馴染み、理科部と疎遠になっていく小鷹…それを引き止めようとするメンバー…しかし生徒会も離したくないゆえに引き止めようと画策。

ドラマが産まれる予感がするんだぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 18:09:33.47 ID:mmCbfKVNo<> 最近同じような安価の繰り返しだからそろそろ新展開が欲しいところ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(四国)<>sage<>2012/09/12(水) 18:10:36.72 ID:0jLA0wYAO<> 逆に考えるんだ
理科部メンバーも生徒会を手伝えばいいやって考えるんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 18:17:21.05 ID:CQP/txISO<> そしたらいつの間にか生徒会の雑用扱いになってるんじゃね?

理科部の活動もあんまりできなくなりそう。生徒会の仕事マジパないし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/12(水) 19:01:23.65 ID:Vq97ZxkIO<> これが俗にいうNTRというやつですね! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/12(水) 21:59:59.61 ID:YBULgaKko<> 原作8巻


小鷹「俺は日向さんの外見に惑わされてなんかない」

理科「そ、そうなんですか?」

小鷹「ああ……見た目なんかじゃなくて、日向さんの内面にガチで惚れてる」

理科「もっと悪いわああ────っ!!」 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/13(木) 02:07:58.29 ID:LLo/0mxeo<>
「小鷹が皆に誤解されたままなのは悔しい。
 文化祭が終わっても一緒に生徒会で活動して欲しい」

「…………」

「きっと皆も生徒会で頑張るお前の姿を見れば分かってくれる。そう信じている。だから……どうだ?」

日向さんの目を真っ直ぐ受け止める。
生徒会で……この人の下で働くのは悪くない。むしろ嬉しい。
この申し出は俺にとっても凄く良いものなんだろうし、みんなからの印象だって変えられるかもしれない。

……だけど、俺には理科部がある。
たとえ全校生徒からの評判を上げられるかもしれなくても、俺はあの場所を手放すことなんてできない。

「すみません、日向さん。俺には大切な居場所……理科部があるんです」

「……そうか」

日向さんの表情が曇る。
せっかくこの人が俺の事を思って提案してくれたのに、俺は受け入れることができない。
俺はその表情に対して顔を背けたくなるが、それはダメだと堪える。
真っ直ぐ日向さんの目を見て、ちゃんと自分の言葉で説明しなければいけない。

「俺は卑怯者です。日向さん達が大変そうだから生徒会を手伝おうと思った。
 でも一番大切なのは理科部なんです。だから、あくまで一時的という逃げ道を作った」

「そんな事はない。たとえ一時的でもこうして手伝ってくれている事自体私はとても嬉しい。
 私の方こそすまなかったな。お前の気持ちも考えずに話してしまった」

「いえ、俺も嬉しかったです。ああやって俺の事を思ってくれて」

俺達はお互いに笑顔だった。

だけど、ちゃんと分かっていた。
日向さんの笑顔がどこか寂しそうなものだという事くらい、良く分かっていたんだ。

俺はそれに対して何も言えないし、言わない。
俺だって日向さんの下から離れるのは寂しい。
それでも、何よりも大切なもののために、俺は選ぶしかないんだ。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/13(木) 02:10:30.89 ID:LLo/0mxeo<>


***



体育館までパネルを運んだ俺達は廊下を歩いて生徒会室へ向かう。
帰りも行きほどではないが、それなりに注目されているのが分かる。
まぁ例え目立つものを持っていなくても、ヤンキーと生徒会長が並んで歩いていたら自然と目には止まる。
どこかの学園モノの漫画とかでありそうな光景だ。

日向さんは口元に小さく微笑みを浮かべて、

「まったく、別に私達を見ていてもそこまで面白くはないだろうに」

「面白いっていうかただ物珍しいって感じなんじゃないですかね」

「凸凹カップルみたいな感じか?」

「飼い主と犬みたいな感じじゃないですかね……」

俺は溜息をつく。
周りの人の表情はどこか希望を持ったようなものになっており、これは生徒会長が直々にヤンキーの管理をしてくれているという事からくるのだろう。
犬は犬でも、俺は躾の悪い凶暴な大型犬のような扱いだ。

「犬とは失礼だな。小鷹は臨時とはいえ立派な生徒会の仲間なのに」

「たぶんそこは大した問題じゃないんですよ。
 こうして日向さんが俺から目を離していないっていうのを確認出来るだけでも、周りの人は随分と安心できるんじゃないですかね」

「……評判とは恐ろしいものだな。事実など簡単に捻じ曲げられてしまう」

「ま、まぁ俺も実際に結構やらかしてますし……」

「よし、決めた」

「はい?」

日向さんは何かを決意したらしく、凛とした表情でじっと前を見据える。

「次の全校集会の時に、私からお前の事を説明しよう。生徒会の忙しい時期に仕事を手伝ってくれている素晴らしい奴だとな」

「ぜ、全校集会でですか?」

「あぁ。言っておくが止めても無駄だぞ。この状況は私自身が我慢出来ないのだ」

日向さんはニヤリとこちらを見る。
その表情を見て、やっぱりこの人には勝てそうにもないなと思う。
ただ真っ直ぐな意志で自分の道を歩む。それは星奈にもどこか似ているようにも思える。
しかも日向さんの場合は、それにみんながついてくるというカリスマ的なものまで併せ持っている。

と、その時。
俺と日向さんはほぼ同時にとあるものを見つけて足を止める。


「ん、あれは――――」


何を見つけた? >>926 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/13(木) 02:11:21.36 ID:HvJQp6v90<> いちゃいちゃしてる一般生徒のカップル <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 02:23:39.94 ID:rauxna/10<> 気まずくするつもりか

だが生徒会長には効かんだろうな
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 02:27:12.74 ID:6jP3ELoIO<> 夜空だったら効果テキメンだったけどなw <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/13(木) 03:07:02.27 ID:LLo/0mxeo<>
ふと目に入った教室の中。
そこでは二人の男女がかなり密着した状態で、嬉しそうに何かを話していた。
いわゆるカップルというやつだろう。
夕日に染まる教室に二人きりというかなりいい雰囲気で、放っておけばキスなんかおっ始めそうだ。

俺は少し落ち着かなくなり、

「え、えっと、行きましょうか」

「あぁ……まったく青春しているな羨ましい。私はこうしてヤンキーと巨大パネルを運んできた帰りだというのに」

「ひ、ひどっ!!!」

「くはは、冗談だ冗談。あ、いや、羨ましいというのは本当かな」

「へぇ……」

「ん、どうした?」

「いえ、日向さんもそういう事に興味あるんだなって」

「なんだ、私だって華の女子高生なんだぞ。恋愛事に興味があってもおかしくはないだろう?」

日向さんはニヤリと笑ってこちらを見る。
どこまで本気なのか分かりづらいが、たぶん全く思ってもない事を言っているわけではないだろう。

そういえば昨日の電話でも生まれてこの方恋愛沙汰とは縁がなかったとか言っていた気がする。
これは一応真面目に話に乗った方がいいのだろうか。

「ぶっちゃけ、男から見たら日向さんは高嶺の花で手を出しづらいっていうのがあると思いますよ」

「むぅ……別に私はそこまでできた人間でもないのだがな…………」

「自分ではそう思っていても、周りは違うってことですよ。
 男としてはちょっと情けないかもしれませんけど、日向さんから攻める方が効果的かもですね」

「といっても、目ぼしい男が……あ、目の前に居た」

「いやいやいや、日向さんならもっと良い人狙えますって」

俺は慌ててそう言う。
もしこんな事を誰かに聞かれれば、また変な噂を流されかねない。
それに、俺と日向さんなんて釣り合わないにも程があるだろう。

日向さんはうーんと唸って、

「良い人……と言われてもなぁ。あ、そうだ小鷹。お前は誰かそういう相手は居ないのか?」

「え……!」

「ほら、私だけこういう事言うのは恥ずかしいだろう。小鷹も何か話せ」

「微塵も恥ずかしさなんか見られないんですけど。それに何かって言われても…………」

「お前の恋愛経験を聞かせてくれという事だ。私よりはそういう経験もあるだろう?」

「そんな事は……」

そこまで言って言葉に詰まる。
今まで日向さんの言うような恋愛沙汰は皆無だった。そもそも友達すら居なかったし。
だから、前までの俺だったら「俺も恋愛事なんかとは無縁ですって!」と笑い飛ばせたかもしれない。

しかし、今は頭の中にとある女の子の頭がよぎる。
生まれて初めて俺のことを好きだと告白してくれた子。
俺の幼馴染で色々残念な所は多いが、大切な友達の一人。

俺は少し考えて口を開く。


「>>930」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 03:08:54.66 ID:sKtRFNz80<> おれは数人の人から好意を寄せられています
でもそれに返答もできない臆病ものなんです
げんめつするでしょう? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/13(木) 03:13:39.34 ID:HvJQp6v90<> 数人の人から好意を寄せられてるって、それ原作の話であってこのスレではちょっと違うくないか…?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 03:16:12.97 ID:rauxna/10<> はっきりと好意を伝えられたのは夜空だけだが…
自意識過剰な小鷹とはこれ如何に
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 03:16:59.81 ID:sKtRFNz80<> いや少なくとも理科のあれは冗談で受け取れる範囲にないと思う <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/13(木) 03:19:51.58 ID:3js3UMVX0<> 理科と幸村合わせればギリ数人だな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/13(木) 03:20:13.40 ID:HvJQp6v90<> まぁ理科はそうかもしれんな
でも、小鷹の脳裏に浮かんだのは夜空だけなわけで…

まぁ安価スレだしどうとでもなるけどな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 03:23:30.37 ID:rauxna/10<> いや文脈的にちょっと違和感を感じてな
夜空を思い描いて言ったセリフが『数人の人から好意を(ry』ってのに引っ掛かっただけだから、まぁあんま気にせんといて
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 03:28:06.17 ID:YHPGiOmIO<> まあ許嫁もいるからあながち間違いでもない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 06:38:26.04 ID:QXweP098o<> 違和感を感じたとしても安価を取れない奴が全部悪い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 09:13:15.90 ID:bzshefF+0<> 出ました思考放棄の極論蟲
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 10:32:23.82 ID:B1yAzqqro<> 安価スレはそういうものだろ
安価先で微妙な事書かれるのが嫌なら普通のSSを読むべき
ってかあの流れで違和感の無い安価なんてやろうとしたら内容なんて8割決まってんじゃん
まともな安価なんだからアンチでなかった事に安堵しとけよ

こうぐちぐち言われたら安価とった奴の気分も悪くなるだろ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 11:38:18.69 ID:YgiqaCfSO<> 他はどうだか知らんけどこのスレはこういう流れなんだよ
だから〉〉1だって夜空の事だしてるだろ
それが嫌ならそっちこそ他スレ見れば?

そもそもアンチが必死こいて安価ずらすからここまで迷走してるわけで・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/13(木) 11:46:06.32 ID:vaPd4RvYo<> やだやだ僕の思う通りの安価じゃなきゃヤダ────っ!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 15:55:38.93 ID:rONGCCsj0<> すいません
確かに文脈に沿ってないですもんね
安価変えて幼馴染の女の子に気になってる人がいて好意の告白されています
でも俺自身今は返事を保留しています <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 15:56:54.15 ID:xwizpbxSO<> それはそれでどうなのよってなるんですけどもね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 16:02:48.96 ID:rONGCCsj0<> すいません確かに文脈に沿ってないですよね
安価変えて
幼馴染に好意を告白されましたが返事は保留していますに
変えていいですか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 16:03:32.10 ID:B1yAzqqro<> これはいい成りすまし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 16:09:31.39 ID:rONGCCsj0<> いや自分で合ってるよ
小鷹の兄弟安価と弁当分け合いとったの自分だし
ただ二つ書いたのは連投したのでなくこっちに書いたやつが出てこなかったから
ちょっといらいらして二回書いてしまいましたすいません <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 17:16:30.84 ID:RLllTK140<> 後から安価変えていいかとかふざけんのも大概にしろよアホ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2012/09/13(木) 17:50:13.51 ID:m6vSZhFNo<> もまいらおちつけ
ここ安価スレ、OK? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 17:54:20.51 ID:YgiqaCfSO<> 安価とった奴が言ってんだからいいだろうが
安価とった奴が絶対なんでしょ?wwwwwwwwwwww

ふざけてんのはてめえだろうが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 17:59:08.49 ID:B1yAzqqro<> なんというか安価スレなれてない奴はアフィブロで見たほうがいいよ、わりとマジで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/09/13(木) 18:23:58.19 ID:/UikefnIO<> >>950
安価取った奴が絶対なんじゃなくてその安価自体が絶対ですから

厨房はお帰り^^
夏休みはもう終わってるよ^^ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(四国)<>sage<>2012/09/13(木) 19:31:59.30 ID:bnTOyATAO<> 糞安価ならともかくこのくらいで荒れるってどういうことよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/09/13(木) 21:48:41.87 ID:9LoCcNvAO<> 鬼畜安価マダー? <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/13(木) 22:02:27.08 ID:LLo/0mxeo<>
「……俺は数人に、その、好意みたいなものを寄せられてるみたいなんです」

「なんだ、モテモテじゃないか」

「でも、俺は返事をしていません。いや、できないんです」

「……なぜだ?」

「俺自身の気持ちが分からないからです。
 こんな俺のことを好きだと思っていてくれる人が居るのに、俺はそんな事も分からないんです。幻滅するでしょう?」

「…………」

「それでも、俺は中途半端な気持ちで答えたくない。だから、結局何も答えられないんです。
 いつか必ず答えは出すっていう、問題を先送りにしているだけの言葉を吐いて」

俺は気付けば日向さんに愚痴っていた。
それだけ俺にとってこの人は心を落ち着かせられる存在なのだろうか。
頼りすぎていると言ったほうがいいかもしれない。

考えてみれば、夜空だけではなく理科もそういった好意らしきものが見え隠れしているのは分かる。
今まではどこまで本気なのか分からないので、スルーしていた。
でも夜空に告白されてから、心のどこかで理科の事も考え始めていた。

日向さんは、穏やかに微笑んでいた。

「そんなに悩むことはないと、私は思うぞ」

「そう、ですか……?」

「あぁ。これはあくまで私の予想だが、その子達はそういう面も含めてお前の事が好きなんだと思う。
 少なくとも私は、軽い気持ちで受け入れるよりかははるかに良いと思うぞ」

「……はは、そう言ってもらえると助かります」

「それにしても、小鷹がそこまでモテるとは……何か置いていかれた気分だぞ私は」

「いやモテるとかじゃないですって。日向さんこそ、ちょっとアプローチすればどんな男でも落ちると思いますよ」

「小鷹は全然落ちないじゃないか」

「え、いや、そんな事したことないですよね?」

「『お前が欲しい』とまで言ったじゃないか!」

「無自覚じゃなかったんですかそれ!! タチ悪っ!!」

ダメだ、気付けばこの人のペースに乗せられてしまう。
だがまぁ、嫌だとは思わないが。

俺は小さく溜息をついて、

「じゃあ、何か好きな男のタイプとかないんですか? 男なんてこの学校に沢山居ますし、理想の人っていうのも居るかもしれません」

「ふむ、タイプか……」



日向の好きなタイプは? >>956 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 22:04:25.79 ID:1sHDRXg30<> お前のようにしっかり役割を果たしてくれる男性かな? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)<>sage<>2012/09/13(木) 22:24:39.65 ID:oZ2hQXKoo<> タイプとは少し違うかもしれないか、私はお前のことを結構気に入っているぞ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 23:58:18.95 ID:Tq4iBrdp0<> 安価後から変えられるならみんな「あ」とかしか書き込まないでしょ
そんな争奪戦見たくないわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 01:07:48.04 ID:C0IPQ6jIO<> 会長めっちゃ攻めるな <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/14(金) 01:46:18.54 ID:zSW76R5do<>
日向さんはしばらく黙っていた。
俺は、そんなに深く考え込まなくてもと言おうとするが、その前に日向さんの方が口を開いた。

「……役割をしっかり果たしてくれる男だな。ちょうどお前のように」

「責任感の強い人ですか……あ、それなら生徒会の庶務にもいいですし、一石二鳥ですね」

「……おい、後半の私の言葉は無視か? さすがに少し傷付くんだが」

「またからかっているだけでしょう?」

「いや、そうでもない」

日向さんの言葉に、俺は思わず立ち止まってしまう。
まさか……という考えが頭に浮かぶ。
いや、さすがにそれはありえない。相手は完璧超人な生徒会長だ。

日向さんは真剣な表情で何かを考え込んでいる。

「……真面目な話、私が誰かと恋人になると考えると真っ先にお前の顔が浮かんでくるんだ」

「そ、それはたぶん最近一番話す機会があるからとかじゃ……」

「それにな、小鷹。実はお前が生徒会に来てくれるまで、私は本当に不安だったんだ。
 庶務不在の状況で学園祭を乗り越えられるのか。次の庶務はきちんと仕事を全うしてくれるのか。
 しかし、他のみんなには私がそんな弱気になっている姿を見せるわけにはいかない。だから、ただ自分の中に溜め込むしかなかった」

「…………」

「小鷹が生徒会室に来てくれた時、私は本当に救われた気持ちになったんだ。まるで真っ暗な世界に一筋の光が差し込んできたように、お前が眩しかった」

俺は今までそんな事を言われたことがなかった。
こんな風に、誰かにとっての光になれた時なんてなかったはずだ。
いつでも救ってもらう側で、決して救う側には居れなかったはずだ。

だが、今こうして目の前の人は俺に感謝している。
しかも誰もが一目置く生徒会長がだ。

何かの間違いだろうと思う。
これは夢なんじゃないかとも思う。
しかしこの確かに聞こえる早まる心臓の鼓動は、現実のものだと俺に言い聞かせる。

日向さんは俺の目を真っ直ぐ見据えたまま、

「思い返してみれば、私はあの時からずっと小鷹の事ばかり考えていた気がする。
 次はどの仕事を手伝ってもらおうか、どんな事を話し合おうか……とかな」

「ま、まぁ仕事も多くて大変な時期ですからね」

「あぁ、私が考えていたのは仕事についてだ。しかしな、今まで私はそんな風に楽しく次の仕事について考える事などできなかった。
 じゃあ前とは何が変わった? それは決まっている、小鷹が生徒会に来てくれた」

「それは……」

「私はたぶん小鷹と一緒に居るだけで嬉しかったんだ。それは、つまり…………」

俺はゴクリと喉を鳴らす。
この人は何を言うつもりなんだ。

夕日の差し込む放課後の廊下。
生徒はもうみんな帰宅したり部活動に取り組んだりで、人の気配はない。元々ここは人通りの少ないところなのだが。


日向さんは口を開いて何かを言おうとして…………途中で止めた。


「……いや、結論を出すのは早急か。すまない小鷹、今の話は忘れてくれ」

「え、あ……はい。分かりました」

日向さんが何を言おうとしたかは分からない。
俺がどれだけ予想しても、それはあくまで予想で本当かどうかなんか分かりっこない。

ただ、一つ言えることは。
心のどこかで安心している俺はどこまでも卑怯で臆病者なのだろう。
窓から見える夕焼け空を見上げて、俺はそんな事を思った。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/14(金) 01:50:53.77 ID:zSW76R5do<>

************************

【好感度変動】     >>509→>>622→>>820→>>900→>>961


                    小鷹への好感度
日高日向        ★★★★☆☆☆→★★★★★☆☆

                    小鷹からの好感度
日高日向        ★★★★☆☆☆→★★★★★☆☆

************************



次の日。
俺はいつも通り余裕を持って登校する。
ただでさえこんな見た目なので、遅刻が多いなんてことになればさらに印象が悪くなるからだ。
まぁそんなものは関係なしに、俺のイメージは既に手遅れなくらいに落ちまくっているのだが。

俺は教室に入ると真っ直ぐ自分の席につき、一限目の授業で使う教科書やノートを出す。
その時。

「小鷹、ちょっといいか」

「ん?」

夜空が俺の席まで来て話しかけてきた。
教室ではあまりそういう事もないので、何か新鮮な感じがする。
周りのクラスメイト達も意外そうにこちらを見ている。

俺はどうしたのかと首を傾げながら、夜空について教室を出ていく。
夜空はどんどん先へ歩いて行き、人気のない階段の踊場まで来て止まった。

「夜空? どうしたんだよ?」

「……生徒会の仕事を手伝っているそうだな、小鷹」

「あー、そっか、結構噂になってるのか」

俺はそう言って頭をかく。
夜空は日向さんの事をあまり良く思っていないのは知っていたので、できれば言いたくなかったのだがここは白状するしかないだろう。
なにも悪いことをしているわけではないのだ。

「ほら、生徒会の庶務がまだ決まってないのは知ってるだろ? だから新しい人が決まるまで、俺が手伝ってるんだ。
 あぁでも、ちょっと理科部に顔を出せない日もあるかもしれないけど、手伝いは最長でも学園祭までって事になってるから……」

「いくら期間限定とはいえ……小鷹は理科部よりも生徒会のほうが大切なのか?」

「そういうわけじゃねえって。でも本当に今は大変そうで放っておけないんだよ。
 それに理科部にだって毎日行けなくなるって事じゃない。夜空だってたまに本の新刊を読むからって休む時あるじゃねえか」

「そ、それは……!」

夜空は痛い所を突かれたのか、口ごもってしまう。
理科部は出欠がしっかりしているわけではなく、星奈もゲームをやるからと来ない時もある。
それならば、まだ生徒会の手伝いというまっとうな理由があるのだからそこまで責められるような事ではないはずだ。

やがて夜空は上目遣い気味にこちらを見て、

「こ、小鷹はその……日高日向を助けたいのか……?」

「日向さんだけじゃない、葵も他のみんなもな。生徒会だって俺達の為に頑張ってくれてるんだ」

「……いつの間にか名前呼び捨てにしてるし」

「あー、えっと、じゃあこの辺でいいか? 俺もできるだけ理科部には顔を出すからさ」

「ま、待て小鷹!」

話を切り上げようとする俺を、夜空は慌てて遮る。
そして少しの間、彼女は自分を落ち着けるように深呼吸をして、


「えっと……その、私の告白の返事は……まだ出ないのか?」


真っ赤な顔でとんでもない事を聞いてきた。 <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/14(金) 01:53:25.09 ID:zSW76R5do<>


小鷹の返事が>>963-966の中から、>>966の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/14(金) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>963
25〜49→>>964
50〜74→>>965
75〜99→>>966 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/14(金) 01:53:52.44 ID:zAiy8o2c0<> …夜空のことは、間違いなく好きだよ
でも、それが恋愛なのか、友情なのかまだちゃんと判断できないんだ
だから、もう少し、時間がほしい… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 01:54:38.87 ID:9uDNA/8P0<> まだ、結論を出せないんだ。それに他にもかんがえなきゃいけないことがある
それを夜空には話しておく <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 01:55:01.35 ID:tZNM5kOfo<> 曖昧なまま返事をしてもいいのか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 01:55:05.86 ID:XIEGKovD0<> もう少し待ってくれ
返事は必ずするから
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 01:55:09.34 ID:ZYTLpQ820<> (今からちょっと生徒会作業があるから)無理 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/14(金) 02:00:03.51 ID:XtA3bYXoo<> 夜空焦ってるな

つか小鷹はいつまで返事先延ばしにする気だよw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/14(金) 02:04:47.39 ID:zAiy8o2c0<> ここに来て日向の猛攻が凄まじいな…
他の部員とすでにほぼならんでる

でもまだ夜空が頭一つ飛び出てるな <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/14(金) 02:13:11.29 ID:zSW76R5do<>

「悪い、もう少し待ってくれ。返事は必ずするから」


夜空は俺のその言葉を、真っ直ぐ目を見て聞いていた。
それから少し顔を俯けて、

「…………分かった。こっちこそ悪かったな、急かすようなことを言って」

夜空はそう言って笑う。
俺はその表情を見て息を飲んだ。

心を刃物で切り裂かれたようにキリキリと痛む。
夜空のその表情は、明らかに無理をしているものだった。
夏休みの、あの他校の文化祭の後の出来事がフラッシュバックのように頭によぎる。

再びズキンと胸が痛む。
もう、夜空にこんな表情をさせてはいけないと心に決めていたはずなのに。
俺は、また……夜空にこんな顔をさせてしまった。

「夜空! 俺……っ!!」

「いいんだ小鷹。私もお前にはじっくり考えてほしいと思っている。ほら、そろそろホームルームが始まるぞ」

夜空はそう言って階段を上っていく。
俺はそんな彼女の後ろ姿を、情けない表情で見ていることしかできなかった。


**************************************


放課後の活動場所が>>971の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/14(金) 00:00:00.(00)←ここ

偶数→生徒会
奇数→理科部 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/14(金) 02:13:28.05 ID:zAiy8o2c0<> s <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/14(金) 02:17:09.44 ID:zSW76R5do<>

理科部の出席状況が>>973-978の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/14(金) 00:00:00.(00)←ここ

理科>>973
ゾロ目→欠席
それ以外→出席

夜空>>974
ゾロ目→欠席
それ以外→出席

幸村>>975
00〜59→出席
60〜99→欠席

星奈>>976
00〜29→欠席
30〜99→出席

小鳩>>977
00〜69→出席
70〜99→欠席

マリア>>978
00〜39→欠席
40〜99→出席 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 02:18:13.88 ID:9uDNA/8P0<> いけー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/14(金) 02:18:51.30 ID:zAiy8o2c0<> h <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 02:19:01.45 ID:XIEGKovD0<> ふぉい
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 02:19:41.55 ID:C0IPQ6jIO<> お <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/14(金) 02:19:59.92 ID:n6YQk6Soo<> >>973
ゾロ目ワロス <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/14(金) 02:20:54.06 ID:zAiy8o2c0<> d <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)<>sage<>2012/09/14(金) 02:37:04.74 ID:X2o11nx7o<> 全員出席がなさすぎだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 02:46:10.33 ID:P8fuTJuSO<> まぁコンマですし <> ◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/14(金) 03:16:32.31 ID:zSW76R5do<>
放課後。
今日は生徒会の仕事もないようなので、理科室へと向かう。
ドアを開けると、そこには夜空、幸村、星奈が居た。

夜空は読書、星奈は携帯ゲーム、幸村はただ立っているだけとみんないつも通りだ。
俺は鞄を机の上に置いて、

「なんだ、今日は三人も休みなのか?」

「……小鷹だって昨日休んだだろう」

「ま、まだ不機嫌なのかよ……」

「そりゃ、愛しの小鷹に会えなきゃ機嫌も悪くなるでしょ」

「なっ……肉ぅぅ……!!!」

「わたくしはあにきのお帰りを信じてまっていました」

俺は今朝のこともあって夜空の様子が気になったが、意外といつも通りだった。
夜空には何かを言わなければいけないとは思っている。
しかし、それは理科部の活動が終わってからでいいだろう。
こうして見る限り夜空は特に変わった様子もなく、むしろこの場で掘り返すのはためらわれた。

そして、幸村はまるで俺がどこかの戦場にでも行っていたような目を向けてくる。
幸村と会うのは随分と久しぶりな気がする。

「そういえば、幸村って家の事情とかって言って2日くらい休んでたよな? 昨日は来てたみたいだけど、もう大丈夫なのか?」

「はい……ご心配をおかけしてもうしわけありません」

幸村はそう言うと、深々とお辞儀をする。
俺としてはその家の事情というやつが気になったが、そういう事をあまりズカズカと聞くことでもないと思ったのでやめておく。
すると今度は星奈がゲームから顔を上げて俺の方を見る。

「ていうか小鷹って生徒会の仕事手伝ってるんだって? 何かマズイことやらかしたんなら、あたしの権力で何とかしてやるわよ?」

「何もしてねえよ。ただ大変そうだったから手伝ってるだけだっての」

「へぇ、相変わらずのお人好しっぷりね。そういえばあんたって前から生徒会と仲良くしてたっけ。ほら、あのゆ……ゆなんとかって奴と」

「あー、“遊佐”だろ。お前同じクラスなのにまだ名前覚えてないのかよ……」

まったく、こいつは俺や夜空の名前はすぐに覚えたのに、まだクラスメイトの名前も覚えていないようだ。
なんかもう、エネルギーを使う所を色々と間違っている気がする。
元が優秀なだけに、さらに残念な感じだ。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/14(金) 03:17:58.47 ID:zSW76R5do<>
夜空もまたそんな星奈を心の底から見下したような目で見ながら立ち上がる。

「よし、それじゃあ今日の活動を始めようか」

「活動って言っても理科が居ないからろくなことできねえけどな」

「そんな事ないわよ。一応理科の道具は全部ここに揃ってるし、それ以外でも色々とやれることはあるはずよ。友達作りのために」

「珍しくまともな事を言ったな、肉のくせに。明日は雪が降るな」

「褒めるならまともに褒めなさいよ!!」

「雪……ですか。それではわたくし、あにきの履物をふところにいれて暖めたいと思います」

「いやそんな豊臣秀吉みたいな事しなくていいから……」

「ていうか幸村まで雪降るの確定みたいに言わないでくれる……? 地味に傷つくから……」

星奈はガクッと肩を落としてそう言う。
幸村の言葉の一撃は誰よりも強力だというのは、最近俺も分かってきた。
 
幸村は星奈の言葉にニッコリと笑い、


「冗談です、星奈のあねご」


……思わずドキッとしてしまった。
幸村はこうして冗談なんかも言うようになっており、初めて会った時と比べると感情表現がわずかだが豊かになっている気がする。

その時、何か刺すような視線を感じてそちらを向く。
何となく予想はしていたが、案の定夜空からのものだった。

「……ふん」

「よ、夜空? どうした?」

「何でもない。よし、それなら今日の活動を決めるぞ!」

夜空はそうやって俺の言葉は一言で処理すると、号令をかけた。


**************************************


理科部の活動内容が>>983-986の中から、>>986の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/14(金) 00:00:00.(00)←ここ

00〜24→>>983
25〜49→>>984
50〜74→>>985
75〜99→>>986 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 03:19:09.52 ID:P8fuTJuSO<> エヴァ世界体験マッスィーンの作成とプルゥエイ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 03:19:20.93 ID:tZNM5kOfo<> 理科部の評判UPのため生徒会を手伝う


小鷹だけじゃなくて他の面子とのからみもみたい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 03:19:50.16 ID:QB5OC8vSO<> あえて部活動でなくそろそろ自分の愛の決断をする
このレスのコンマが24以下なら夜空に告白
25〜49で理科に
50〜74で日向に
75〜98で肉

ぞろ目でたらペガサスさんへの愛を叫ぶ


成功率は好感度でよろ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/14(金) 03:19:50.43 ID:zAiy8o2c0<> 学校にいるリア充の観察 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 03:21:20.14 ID:P8fuTJuSO<> いい感じになったな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/14(金) 03:23:23.24 ID:zAiy8o2c0<> 日向に夜空や星奈をぶつけるのか…
どんな化学反応が起こるのだろうか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 03:25:49.85 ID:XIEGKovD0<> >>985
おいおい、そういう決断をそんな風にやろうとすんなよ
せめて誰かに定めて安価取ろうとしろよな
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 03:30:41.68 ID:QB5OC8vSO<> 告白の成功を見たかった
日向さんが好きだけど指定しちゃうと面白みが無いからランダムに
まあ安価とれなかったんですけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 03:32:11.09 ID:P8fuTJuSO<> 試みは面白いと思うけどねぇ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 03:54:25.68 ID:tZNM5kOfo<> 次スレの予感 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 04:10:23.38 ID:C0IPQ6jIO<> 生徒会の手伝いだけど、幸村は別として星奈と夜空は性格的に無理なような気がしてならない
星奈は完全に自分至上主義だし夜空は(多分)この世で一番嫌いな人間の手伝いはしたくないって思うだろうし
まあ日向は二人のこと気に入るかもだけど <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/14(金) 14:08:28.04 ID:zSW76R5do<>
「私の意見としては、生徒会を手伝うのが良いと思う」

「「は!?」」

声がハモった。俺と星奈だ。

「なんだ?」

「い、いやいやいや、どうしたんだよ急に! つーか夜空って日向さんの事嫌いなんじゃ……」

「あぁ大嫌いだ。私は憎しみを込めてあの女はリア王と呼んでいる」

「リア王? それって確かシェイクスピアの話にあったような……」

「あぁ。リア充の王、そしてシェイクスピアの話のように凄惨な最期を迎えろという意味も入っている。我ながら良くできていると思う」

「…………」

星奈の肉というあだ名も酷いが、こっちはさらに酷い。
ていうか、どんだけリア充嫌いなんだこいつは……。

そんな様子を見ていた星奈は我慢出来ない様に口を挟む。

「じゃあなんでそんな嫌いな相手の手伝いなんかしようって言い出すのよ。あたしもすっごく面倒なんだけど」

「理科部の名を上げるためには中々効果的だ。あの女の近くに居れば人を掌握する術も学べるかもしれん」

「掌握ってお前な……」

「ふーん……まぁ確かに理屈は通ってるけど…………」

「なるほど、てきにしおを送るのですね。上杉謙信のように」

「それはちょっと違う」

俺は幸村に突っ込みをいれつつ、疑問に思うところがあったので首を傾げる。
確かに夜空の言っていることは理屈は通っている。
しかし、いくら理科部の名前を上げるためとはいえ、あの夜空がわざわざ自分が大嫌いな人に関わろうとするだろうか?

「なぁ夜空、本当に理由はそれだけか? 他に何か企んでるんじゃ……」

「…………そ、そんな事はない」

「おい」

明らかに目を逸らしてそわそわとする夜空。
これはどう見ても何かある。

すると星奈は何か気付いたのか、ジト目で夜空を見て、

「あんたまさか……ただ自分の見てない所で小鷹が生徒会の子達と居るのが嫌ってだけなんじゃ…………」

「ぶっ!!! な、なななな何をいきなり訳の分からないことを言ってる肉!!!」

「……分かりやす」

「その目はやめろ!!!」

星奈の言葉に顔を真っ赤にする夜空。
本来夜空はポーカーフェイスは上手いほうだとは思うのだが、こういう場面はダメらしい。

俺は少し気恥ずかしさを感じながら口を開く。

「えっと……でも今日は特に生徒会の仕事はないみたいだぞ」

「それなら仕事の連絡が来たらでいい。その時に理科部で手伝うことにしよう」

そんな事を話し合って、とりあえず今日の活動は終わりという事になった。
まぁこれは生徒会的にもかなり助かるだろうし、中々いい案だとは思う。

問題は人間関係的な面だ。
夜空と日向さんはもちろんだが、星奈と葵もどこかギクシャクしている印象を受ける。

まぁこれを機に、どちらも少しでも仲良くなれればいいなぁ……と、俺は叶いそうもない願いを抱いた。
  <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/14(金) 14:12:24.23 ID:zSW76R5do<>


***



「夜空」

理科部のみんなは既に解散しており、部屋には俺と夜空しか居ない。
外はもう日が落ちかけており、少しすれば真っ暗になるだろう。
9月も中旬になって、日が短くなってきているのを感じる。

俺は夜空に何かを言わなければいけない。
今朝、俺はまた告白の返事を先送りにして、夜空に悲しい表情をさせてしまった。
それを放っておくことなんてできない。俺はそんな顔が見たくなかったからタイムリープまでしたんだ。

夜空は少し動揺した様子で、

「ど、どうした小鷹? やけに真面目な顔をして……」

「今朝の事で、話があるんだ」

「……は、はは。いや、気にしなくていいぞ。私はいつまでも待っているから」

そんな表情を見て、誰がはいそうですかと頷けるだろうか。
以前までは、夜空もこんな不安そうな顔はしていなかったはずだ。
だが、実際にこうして何度も返事を先延ばしにして、彼女の中に不安が芽生えた。

俺は、いつまでも夜空の優しさに頼っていてはいけないのではないか。


「夜空、よく聞いてくれ。俺は――――」


**************************************


小鷹のセリフが>>996-998の中から、>>998の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/14(金) 00:00:00.(00)←ここ

00〜39→>>996
40〜69→>>997
70〜99→>>998 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/14(金) 14:16:45.99 ID:wfIfP0Smo<> 日向さんが好きなんだ!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 14:18:43.87 ID:C0IPQ6jIO<> 俺はお前のことが好きだよ。友達としても、人間としても、…異性としても <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 14:31:00.79 ID:3renSpEIO<> 日向さんに気になる奴はいるのかって聞かれて真っ先にお前の…ソラの顔が浮かんだんだ
これってやっぱりそういうことなんだと思う <>
◆0WipXNi8qk<>saga<>2012/09/14(金) 15:17:59.92 ID:zSW76R5do<> 次スレ→http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347602792/

>>1000でやってほしい展開とか受け付けるよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/14(金) 15:20:50.07 ID:P8fuTJuSO<> 小鷹のハジケ <> 1001<><>Over 1000 Thread<> ☆.。 .:* ゜☆.  。.:*::::::::::::::::゜☆.。. :*☆:::::::::::::::::: 。.:*゜☆.。.:*
:::::::::::::=:。.: *  ・゜☆  =:☆.。 .:*・゜☆.  。
:::::::::::::::::::::::::.:*゜☆  =:. :*・゜☆.::::::::::::☆
。.: *・゜☆.。. :* ☆.。:::::::::::::::.:*゜☆  :。.:・゜☆.。
::::::::::::::::: *=@☆.。::::::::::::::::::::::::::::::.:*・゜☆    =磨K☆.。
:::::::::::::::::::.:*・゜☆  :. :*・゜☆.::::::::::::::::::::::::::゜☆.
:  =: :   *  ゜☆.。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
☆.。 .:* ゜☆.  。.:*::::::::::::::::゜☆.。. :*☆:::::::::::::::::: 。.:*゜☆.。.:*
:::::::::::::=:。.: *  ・゜☆  =:☆.。 .:*・゜☆.  。
:::::::::::::::::::::::::.:*゜☆  =:. :*・゜☆.::::::::::::☆
。.: *・゜☆.。. :* ☆.。:::::::::::::::.:*゜☆  :。.:・゜☆.。
::::::::::::::::: *=@☆.。::::::::::::::::::::::::::::::.:*・゜☆    
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小鷹「安価で友達作る」 4 @ 2012/09/14(金) 15:06:32.52 ID:zSW76R5do
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小学生のあるある @ 2012/09/14(金) 14:46:27.09 ID:BuhSliYx0
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低身長の女の子ちょっと来い Part.39 @ 2012/09/14(金) 13:50:46.81 ID:SkPPcvqAo
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カフェ外の仁義なき論争 @ 2012/09/14(金) 13:11:39.53 ID:WtSRaV/c0
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お前らもこたんさんについて何か知らないの? @ 2012/09/14(金) 11:31:13.61 ID:rA3aQ0Nho
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自称プロデューサーの北斗徳浩に要注意 @ 2012/09/14(金) 11:15:12.06 ID:PWWWtcSY0
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【キャラなりきり】一緒にPBWゲームやらない?【絵師歓迎】 @ 2012/09/14(金) 11:13:29.28 ID:Coc65MOeo
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