VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/09(日) 22:12:31.40 ID:YJ7xbjjyo<>8月15日 その日のボクはちょっと違う決心をし てるつもりだった いつもならもっと寝ているはずだけど 今日は違う 「今日こそは…きっと…」 そう思いながらベッドから飛び起きた
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1347196351
<>カゲロウデイズ
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:14:15.35 ID:YJ7xbjjyo<> 眠い目をこすりながら手元のタッチパネル式の携帯電話を見る
大丈夫だ、まだまだ時間はある ゆったりと朝食を終え、着替えを済ませる
お気に入りの服をタンスから引き出す
着替えが終わったら携帯電話を眺めながらタイミングを伺う <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:15:30.57 ID:YJ7xbjjyo<> …なぜキミを連れ出すときにこんなにも心臓の鼓動が速くなるのだろうか…
そんなことを考えてたのももう何年か前だろう
「…昔は…躊躇なんてしなかったのになぁ…」
携帯電話を持つ手が震える
やっぱりやめておこうかそんな気になる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:16:58.87 ID:YJ7xbjjyo<> キミは一昨日旅行から帰ってきた
その足でボクの家のインターホンを
押し帰ってきたことを聞きおみやげを渡してもらった
おみやげはキミの好きそうなイルカの可愛らしいキーホルダー
ケータイにつけてみたはいいもののなんだかボクには似合わないようなそんな気がした <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:18:29.33 ID:YJ7xbjjyo<> 震える手でキミの名前をアドレス帳の中から探し出す
あった
キミのアドレスの詳細画面
通話ボタンを前にすこしの空白
言うことを頭の中で復唱して
いざ… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:23:18.37 ID:YJ7xbjjyo<> コール音が鳴る
とても長く感じる
心臓の鼓動がとてもはやい
「…もしもし」
20秒ほどでキミが電話に出た 眠たそうな声だ
「…なにかあったの…?」
どうやら寝起きらしい
「いやっ…そのさ…今日……遊べないか なって…」
声が震えないように慎重に言った
「…ちょっと待ってて」
すこしの空白
この間もボクの心臓はフル稼働だ 視界のすみに映っているキーホルダーがゆっくりと回転している
「平気だよ。で、どこで待ち合わ せ?」
「えっと……公園で…どう?」
あらかじめ考えていた場所だ
「公園?いいね!最近行ってないから ね」
「じゃあ…そういうことで…」
「うん!すぐに行くよ!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:24:44.04 ID:YJ7xbjjyo<> 電話を切り、深く長い溜息をつく
身の回りを整頓し持っていくものを確認
机の上にやり残した宿題がある
まだ結構な量が残っている
帰ってきてからやればいいか…
そんなことを考えながら部屋のドアを開けた <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:25:41.29 ID:YJ7xbjjyo<> これからのことに胸を踊らせながら…
----------------------------------------------- <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:27:51.04 ID:YJ7xbjjyo<> 「…ハァ」
ドアを開けると夏の熱気に押しつぶされそうになる
今日はとても天気がいい
「こんなの…ずっと外にいたら病気にでもなるんじゃないか…?」
ボソッと一人でつぶやく
公園に連れ出すのは失敗だったかもしれない
立っているだけで額に汗が滲んでくる
暑さで進みたくない足を無理やり動かす
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:29:49.32 ID:YJ7xbjjyo<> 公園について辺りを軽く見回す
キミの姿は見当たらない
どうやらキミよりも先に公園についたらしい
よかった
呼んだ本人が遅れたのでは話にならない
ふと地面の向こうでカゲロウが揺らめいているのに気づいた
とても暑い…
とにかくベンチに座ることにした 周りにはブランコがある
風は吹いていないが揺れているということは誰かが乗っていたんだろう
空を見上げるといかにも夏というような気持ちのいい空だった <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:33:54.84 ID:YJ7xbjjyo<> 10分ほど待っただろうか
キミが小走りでやってきた
入口付近でキョロキョロと周りを見る
数秒後こちらに気がついてまた小走り
「ごめんね。待った…かな?」
「いや…そんなことないよ」
「よかったー…あんまり人を待たせるもんじゃないからねぇ…ん?」
ボクの横の席を見る
「ん?」
そこにはクロネコが静かに寝そべっていた
「わー!かわいい!最初からいた の?」
そういうとキミはクロネコを抱きかかえた
「え…いや…いつからいたんだろ…」
「この子逃げようとしないね。ほーれほれほれ」
クロネコにたかいたかいをするキミの姿はとても滑稽で可愛らしく見えた
「やっぱりさ!猫もブランコ乗ったり すると楽しいかな!?」
「いや…そんなことはないんじゃ…」
「よーし!猫ちゃんブランコに載せて あげるね!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:35:49.88 ID:YJ7xbjjyo<> …聞いてないか…
キミはクロネコを抱きかかえたままブランコを漕ぎ始めた
クロネコは膝の上でじっとしているが 辛くはないのだろうか
そんなことを考えてる間もキミのこぐブランコゆっくりと前後運動を繰り返す
「でもまぁ…夏はキライかな…」
キミはふてぶてしくつぶやいた
「…え?どうして?」
「…いや…なんでもないよ!うん!」
「そう…?それならいいけど…」
なにかひっかかる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:38:25.69 ID:YJ7xbjjyo<> そのとき
急にクロネコがキミの膝から飛び降り公園の入り口まで走っていく
「あ!まってよー!」
キミも遅れて追いかけていく
走りたくはないのでボクもまた歩いてキミを追いかける
公園の前は大きな交差点がある
今の歩行者信号は青
クロネコは律儀にも横断歩道を渡っていく
キミはその後を追う
青信号が点滅しだした
キミは止まらずにかけていく
大丈夫だろう渡り切るまでは青のはずだ
クロネコは渡りきった先でこちらを向いて座っている
なにか嫌な予感がする
キミが歩道の途中まで行った時点滅していた信号は赤に変わった <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:42:08.44 ID:YJ7xbjjyo<> トラックが近づいてきている
このままでは危ない
何とか止めなければ…
…でもどうやって?
バッと通ったトラックがキミを引き摺って泣き叫ぶ
凄まじい音がする
いままでにないほどのスピードで交差点まで走る
キミの体はありえない方向に軋んでいる
夏の透き通るような青空の中に美しい赤が足されていく
ブレーキは間に合わなかったらしい
タイヤからは煙が上がっている <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 22:44:16.61 ID:YJ7xbjjyo<> キミはもうキミではない"なにか"に変わっていた
鉄の匂いに混じって仄かにキミの香りがする
朝食べたものがこみ上げてくる
咄嗟に両手で抑えたが指と指の間から胃液が零れ落ちる
「…そん…な……嘘だ…」
蚊の鳴くような声でつぶやいた
横断歩道の先にいたクロネコはもういない
周りで揺らめくカゲロウが嘘じゃないぞと嗤っている
水色の空を煩い蝉の声が掻き回している
また吐気
意識がだんだんと遠ざかっていく <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/11(火) 18:50:32.11 ID:ooHneEZdo<> ベットから飛び起きた
時計の針の音がとても大きく感じる
「夢…?」
寝間着は汗でグショグショに濡れている
時計を見る
8月14日午前12時過ぎ
「夢で…よかった…」
ほっとしたと同時にまた眠気が襲う
ウトウトとしながらまた横たわる セミの声がやけに五月蝿い <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/21(金) 20:25:43.26 ID:PHnkj7Iuo<> 8月15日
キミを公園に呼び出す
なにか嫌な夢を見ていた気がするが内 容が思い出せない
なんとない既視感がずっとつきまとっている
服を着るときもご飯を食べるときもキミを呼び出す時も
玄関を開けて道路に出る
「今日も暑い…」
動かしたくない足を無理やり動かす
まただ
また何処かで見た気がする
だがそんな考えもキミに会えるということを考えるとすぐに消えてしまった
「今日こそは…きっと…」
そう呟いて押しボタン式信号のボタンを押す <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/01(月) 19:05:58.83 ID:8jYmqMhOo<> 「わぁ!猫ちゃんだ!」
横を見るといつからいたのかわからな いクロネコが寝そべっている
「わー!かわいい!最初からいた の?」
「えっ?」
その時だった
昨日見た嫌な夢を思い出した
今朝から感じていたデジャヴはこれだったのか
何となく気味が悪い
「どうしたの?」
キミが顔を近づけ聞いてきた
驚いて少し声を上げた
「そんなに驚くことないじゃん」
キミが小憎らしく、でもとても可愛く笑う <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/01(月) 19:07:55.36 ID:8jYmqMhOo<> 「ちょっと…考え事をしててね」
咄嗟に口から出た言葉はそれだった
「なに考えてたの?…
わかった!もしかして…エッチなことでしょ?」
「そっ!そんなんじゃないよ!」
慌てて否定する
「ふーん…そうなんだー?」
逆効果だったらしい
またキミが笑う
「ワタシ達くらいの年齢の男の子ってそういうことばっか考えてるんでしょ?」
全国の男子に対する偏見である <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/01(月) 19:09:39.11 ID:8jYmqMhOo<> 「顔真っ赤だね。まぁいいや」
キミは静かに寝そべっていたクロネコを抱き上げブランコの方に歩いていく
顔が真っ赤なのかどうかを確認したいがそうもいかない
背中が冷や汗で濡れている
ボクもブランコの方に歩いていく
喉が乾いているがまぁいい
ともかく昨日見たあの夢が気になる
嫌な予感しかしない
どうにかしてこの公園からでたい
この場所に長居するのはマズイ気がする <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/01(月) 19:12:25.31 ID:8jYmqMhOo<> 「でもまぁ…夏はキライかな…」
キミがふてぶてしくつぶやいた
まずい
なんとかしなければ…
「もう…今日は帰ろうか」
「えっ?」
昨日とは違う結果にしたい
夢が正夢になるとは考えたくないが万が一というのがある
「こんなに暑いんじゃ熱中症にでもなっちゃうよ。どこか別の涼しい場所に行こう」
「うーん…そうだね」
クロネコがキミの膝の上から飛び降りてかけていく
キミはクロネコに手を振りながらブランコから立ち上がった
「行こうか」
キミの手を取り公園を出る
なにかいつもと違う
交差点にさしかかったときその違和感は更に強くなっていった
周りの人が上を見上げて口を開けていた <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/10/02(火) 18:47:59.73 ID:kGKWDQN4o<> 「っ!?」
急にキミに突き飛ばされる
瞬間何かが落ちてくる音がする
ぶつかってしまったら助からない音だ
キミに手を伸ばそうとする
届かない
落下してきた鉄柱がキミを貫いて突き刺さる
衝撃を背中で受け止めようとしながらその光景が目に焼き付いた
劈くような悲鳴と民家の軒先にかけてある風鈴の音が木々の隙間で空回り
キミの背中には太い鉄柱が突き刺さっている <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 18:49:53.78 ID:kGKWDQN4o<> 口から赤い液体が零れ落ちる
アスファルトが赤で満たされていく
周りの人の群れからなにか聴こえる
はっきりとは聴き取れない
「…ハハ…夢だ…これは夢なんだ…昨日見た夢と…同じ…」
強がって笑ってみせようとしても体が強張って身動き一つとれない
アスファルトの熱で体が熱い
キミはとても苦しそうに体全体を震わせている
時折むせ返って血を吐き出す
わざとらしく揺れるカゲロウが夢じゃないぞと嗤っている
また意識がだんだんと遠ざかる
眩んだ視界のなかのキミは笑っているようなそんな気がした <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 18:51:14.38 ID:kGKWDQN4o<> ーーーーーーーーーーーー
「はやく!」
歩道橋をキミの手をとりながら駆け足で上がる
もう嫌なんだ
キミが苦しむのは…消えていなくなるのは…
急にキミの手がするりと抜ける
嫌だ
やめてくれ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 18:52:32.57 ID:kGKWDQN4o<> そんな微かな願いもカゲロウが嗤って奪い去る
キミの手を掴もうと身を乗り出す
指の先が触れ合う
キミの体は落ちていく
階段を転がり落ちアスファルトの上へ
赤い水たまりが広がっていく
またダメだった
膝をつき天を仰ぐ
綺麗な青空だ
また視界が暗くなる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 18:54:01.39 ID:kGKWDQN4o<> 8月15日午後1時頃、千葉県柏市内にて対向車を避けようとしたトラックが歩道に乗り上げ、現場に居合わせた11歳の少女が車輪に巻き込まれ意識不明の重体。頭部の著しい損傷により、 その後搬送先の病院で死亡が確認された。警察の取り調べによるとトラックを運転していた都内在住の××容疑者は酷く混乱しており、現在回復を待っての事情聴取を予定している。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 18:56:10.68 ID:kGKWDQN4o<> 8月15日午後1時頃、千葉県柏市内にて走走行中のトラックが飛び出した猫と横転。現場に居合わせた11歳の少女が荷台の下敷きになる事故が発生した。??は15分後には救出されたも… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 18:56:51.24 ID:kGKWDQN4o<> 8月15日午後1時頃、千葉県柏市内の歩道橋にて通行中の少女が転落し意識不明の重体。通報を受けた救急隊により直後に病院に搬送されるも8月1 7日の午前5時に死亡が確認された。 警察の調べによ… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 18:59:08.37 ID:kGKWDQN4o<> 8月15日午後1時頃、千葉県柏市内 一般歩道にてマンションの工事現場より横断歩道通行中の11歳の少女に資材の一部が落下。意識不明の重体。その後搬送先の病院で死亡が確認された。警察の調べによる と工事を行っていた××××建設は以 前から現場の管理体制に厳重注意を受けており、今回の事故に際し現場監督の×××の管理に対し… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 19:00:08.77 ID:kGKWDQN4o<> 8月15日午後1時頃、千葉県柏市内の歩道橋にて通行中の少女が転落し意識不明の重体。通報を受けた救急隊により直後に病院に搬送されるも8月17日の午前5時に死亡が確認された。警察の調べによると友人と遊んでいた際に階段を駆け上がり、足を滑らせ落下したものと見られる。居合わせた友人の少年は事故後より精神状態が著しく不安定になっており、警察は… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 19:00:47.17 ID:kGKWDQN4o<> …は15分後に救出されたものの搬送先の病院で死亡。警察の取り調べによるとトラックを運転していた都内在住 ××容疑者は、現在取り調べが出来る状態でないということから、… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<>sage<>2012/10/02(火) 19:47:18.61 ID:Cp7OUBKL0<> >>14
トラックの泣き叫ぶは「泣く」じゃなくて「鳴く」だったはず。
個人的にここ重要だから知らせます。
期待してます。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/03(水) 17:17:10.18 ID:U3bDXlvHo<> >>32
すいません…申し訳ないです… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 20:46:18.57 ID:9j5WIa3jo<> 今日もまたキミを電話で呼び出す
できるだけ心配をかけないよう元気な声を出したつもりだ
玄関に行き靴を見つめる
この光景をもう何度見たことだろうか
靴を履き外に出る
鋭い日差しが突き刺さる
カゲロウがあちらこちらで嗤っている
嫌になる
キミとの約束を破るわけにはいかない
重い足を引きずり公園へたどり着く <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/10/04(木) 21:49:19.26 ID:9j5WIa3jo<> ベンチに座って待っているとキミがキョロキョロしながら公園の入り口に現れた
こちらを見つけ走ってくる
…なんでボクはキミが好きなんだっけ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 21:51:14.40 ID:9j5WIa3jo<> 「ごめんね。待った?」
「いや…今来たところだよ」
「よかったー。人を待たせるのは嫌だからね」
えへへとキミが笑う
綺麗な笑顔だ
何度この笑顔に助けられたことだろう
…キミを好きな理由を思い出した
ずっと一緒にいたからというのもあるだろう
でも一番の理由は
キミの笑顔が好きなんだ
キミを守るためなら…ボクは… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 21:54:20.06 ID:9j5WIa3jo<> 「どうかした?顔に何かついてる?」
「!…いや、なんでもない…よ」
なんでこんな単純なことに気が付かなかったんだろう
…いや、気づいてはいたんだ
ただこれを本当に実行するのが怖いだけだ
もういいんだ
キミのいない世界に未練なんてない
キミのいない世界で生きていても苦しいだけ
このまま悔いがあるとしたらキミと会うことなんてできないことだ
…そんなことも一瞬で消えてなくなるのだろうか
幽霊にはなりたくないな… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 21:58:51.64 ID:9j5WIa3jo<> 「ねぇ?ホントに大丈夫?どこか体調が悪いんじゃない?こんなに暑いし…」
キミはいつもとても優しい
つい甘えたくなってしまうが堪える
「え?ああ…別にそんなことはない よ…おっクロネコだ」
いつものクロネコがベンチに寝転がっている
「えっ?わぁ!かわいい!ネコちゃんおいで!」
いつものようにキミが抱きかかえていく
遅れて後を追う <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 22:01:14.99 ID:9j5WIa3jo<> ネコを抱いたままブランコに乗っているキミに話しかける
「長い休みってのはいいね。…宿題が多いのが負担だけど」
「ふふふ。キミらしいね」
「ん?宿題やってんの?」
「え?ああ、うん…やってるよ。え え、もちろんですとも!ただ…旅行 言ってたから…ね…」
焦ってるのはとても微笑ましい
「ボクたちらしいっちゃ…ボクたちらしいね」
「そう…だね!」
「今年も…たくさん思い出ができるといいね」
「うん…でもまぁ…夏はキライか な…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 22:02:48.09 ID:9j5WIa3jo<> まただ…
クロネコは君の腕の中から飛び出し公園の外に走っていく
キミがあとを追いかける
早く追いかけなくては
体が重い
恐怖というのもあるのかもしれない
キミはもう交差点の近くにいる
少し遅れてボク
これだけ離れているともう突き飛ばすしかないかもしれない
信号が点滅を始める <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 22:05:21.58 ID:9j5WIa3jo<> なぜだろう息が苦しい
もう少しで手が届く
ギリギリで肩に手をかけそのまま少し後ろに引く
「えっ?」
キミがよろける
転ばせてしまっただろうか
だがそんなことを気にしている場合ではない
その横を通り抜けて横断歩道へ
信号が赤に変わる
トラックがすごいスピードで走ってくる
もうこれで終わりか
衝撃に備えるがそんなものは意味がないだろう
鉄の塊と体がぶつかる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 22:07:16.00 ID:9j5WIa3jo<> 骨の軋むような感じがする
体中をものすごい圧迫感が襲う
いくら吸っても肺から空気が出ていく
口の中は液体が大量にこみ上げてきている
胸骨が圧迫され嫌な音をたてて折れていく
頭の中がグラグラと揺れる
赤い液体が周りを飛んでいる
思っていたほどの痛みは感じない
でもとても助かりそうにはない
息が苦しい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 22:08:08.62 ID:9j5WIa3jo<> 吹き飛びながらもなぜかキミの顔が見えた
キミはとても驚いているような悲しそうなそんな顔をしていた
キミの瞳の中のボクはどんなひどい格好をしているのだろうか
だんだんと意識が遠ざかっていく <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 22:09:29.49 ID:9j5WIa3jo<> カゲロウは文句有りげに揺らめく
「ざまぁみろよ」
いままで散々笑ってくれた仕返しだ
思い切り笑い返してやった
実によくある夏の日の話はこれで終わりだ
こんな世界もういらないんだ
キミがキミらしくいてくれれば
ボクは…
さよなら <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 22:11:44.06 ID:9j5WIa3jo<> -----------------------------------------------
「…」
まただ…
またあの夢
嫌になって涙が零れ落ちる
「どうして…?」
近くまで来ていたネコを抱きかかえる
「また…ダメだったよ…」
ネコが頬を舐める
だんだんと意識が遠ざかっていく
----------------------------------------------- <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/04(木) 22:20:37.27 ID:9j5WIa3jo<> 一応終了です
ありがとうございました
書いてる途中は結構長く書いてたつもりだったんですが実際自分で読んでみると何だこりゃって短さっすね
原作も小説でてますがどうやらカゲロウデイズ単体というわけではないという自分の理想としたものとは違ったので書かせていただきました
校正なんかも殆どしてないんで誤字とか直し間違いとか結構あって本当に申し訳ないです
もっと細かくグロテスクに書きたかったんですが私の稚拙な文章では無理でしたすいません
女の子視点でも書こうとしてるんですがなかなか進んでません…
よろしければもう少しお付き合いいただければ嬉しく思います <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/28(日) 09:09:08.16 ID:bStvaSs9o<> キミからの電話で目が覚める
いまいち回らない頭ではあるが用件はなんとか聞き取れた
どうやら遊びの誘いのようだ
喜んで承諾する
キミと一緒にいる時間が何よりも楽しい
服を着替える
どんな服で行こう?
やはり可愛らしくしたほうがいいのだろうか
結局引っ張り出したのはいつもの服
朝食を適当に切り上げ外に出る <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/12/23(日) 02:52:31.50 ID:u4MA2cb60<> もうすぐ2カ月 <>