VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/20(木) 22:55:13.15 ID:B3C4N0yw0<> /:.:.:.:.:.:.:. : : : : : : :.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : \
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<>FATE/feat.久宇舞弥
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/20(木) 23:00:04.78 ID:B3C4N0yw0<>
切嗣「・・・」チャキッ
魔術師「・・・何が目的だ」
魔術師「傭兵まで全員殺すなんて頭イカれ―――・・・」
・・・・・――――バァン!!!!
切嗣「・・・・・・・」
切嗣「・・・・・・・」
切嗣「・・・・・・・」
衛宮切嗣は、先ほど殺した魔術師から訊き出した部屋の前に立った。
ドアを銃で破壊し、扉を蹴り壊す。 部屋の中は結構広く・・・異臭に塗れていた。
三十数名程の少年兵が、寝ぼけ眼でこちらに視線を向ける。
切嗣「お前達は自由だ」
現地の言葉でそう伝えたつもりだが、皆動こうとしない。
こんな反応が当然なのだと切嗣は解り切っていた。
仕方なく、先ほど殺した魔術師の首を投げ捨てる。
少年少女は「本当に自由になれた」と、理解し部屋から飛び出して行った。
切嗣「・・・・・・・・」
切嗣「・・・?・・・・」
切嗣「お前は出ないのか?」
広い部屋に、一人だけ女の子が立ち尽くしている―――目に生気が宿っていない少女だった。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/20(木) 23:08:38.41 ID:B3C4N0yw0<>
女の子「・・・何をすればいいのですか?」
切嗣「自由だ、と言ったはずだが・・・?」
女の子「つまり・・・やることはもう無い。ということでしょうか?」
切嗣「好きにしろと言ったんだ」
女の子「・・・・」スタスタ
女の子「銃を貸してください」
切嗣「もうお前を縛る奴らはいない。全員殺した」
女の子「いえ、死のうと思って」
切嗣「!!!?」
女の子「やることが無いなら、生きている意味はありません」
切嗣「何を言ってる・・・?」
女の子「貸すのが嫌でしたら引き金を引いて頂きたいのですが・・・」
切嗣「・・・・・はっ」
切嗣「はははっ」
今助けたはずの子供は手遅れだった。
人としての感情が壊れ切っており、助ける意味すら無かった。
哀れみを通り越して、憫笑が零れる。
女の子「・・・・・銃を貸してくれませんか」パシッ
切嗣「ッ!!―――触るな!!!」ドガッ!!!
銃を掴まれたと同時、歳の離れた少女を思わず殴ってしまった。
救いようが無さ過ぎて―――立ち篭った苛立ちをぶつけてしまった。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/20(木) 23:16:40.02 ID:B3C4N0yw0<>
女の子「・・・・・・・・」フラッ…
その少女は、殴られたにも関わらず反撃の意思を見せようとはしなかった。
痛みは感じてるはずなのに、全てがどうでも良さそうな目をしている・・・・・。
切嗣「やることが無いなら・・・・!」
切嗣「僕に・・・従いてこい・・・」
女の子「・・・・はい・・・・」
やってしまった―――勢いに身を任せて兵隊を拾うなど、通常の自分では考えられない行いだ。
アジトへ戻るには国境を幾つか越える必要がある。 切嗣は一人で飛行機に乗るつもりだった。
しかし、今し方拾った子供はパスポートどころか籍すら無い。 そんな子供を空港に入れるなど自殺行為なのは明白。
しかし今更投げ出す気にもなれず煙草を吸いながら冷静に考えると、戦力として役立つのではないかと思えてきた。
将来を見込み、不法入国の乗船料は奢ってやるかと考えることにする。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/20(木) 23:19:44.60 ID:B3C4N0yw0<> 溜めTEL分はまだあるけど、ちょっと煙草買いに出かけますm(_ _)m <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/20(木) 23:21:58.61 ID:gbxI9BFSO<> もう仕入れレベルで煙草買ったほうがいいんじゃないかな… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/20(木) 23:22:20.56 ID:BcO/Jpt9o<> それが>>1の、最期の言葉でした <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/20(木) 23:46:39.61 ID:B3C4N0yw0<>
切嗣「ほら」ポイッ
女の子「服・・・ですか」
非合法な船――――毎日出航しているわけがない。
仕方なく今日は港町の安ホテルに止まることにしたのだが、薄いボロ布一枚の幼女を連れ込むのは視線が怖い。
安い子供服(古着のようだが)が近くに売ってあったのでそれを買い与えた。
女の子「服はこのままでも構いません」
切嗣「今すぐ着ろ。命令だ」
女の子「はい・・・」
部屋を取ってまず最初にシャワーを浴びるよう伝える。 酷く臭かったから。
ホテルの店主が僕らをまじまじと見てきたから殺してやろうかと思った・・・
しかし、よくよく考えれば仕方ない組み合わせなので金を握らせることにする。
切嗣「ほら・・・飲め」スッ
女の子「ありがとうございます」
女の子「・・・・・・」グビグビ
女の子「・・・・・・」グビグビグビ
切嗣「・・・・・ご飯食べてないのか?」
女の子「いえ、毎日一食食べてるので平気です」
切嗣「何か買って来る・・・」
女の子「動くに支障が無い程度の食事はしてるので別に・・・」
切嗣「わかったからもうここで待機してろ」ガチャッ パタン
女の子「・・・・・はい」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/20(木) 23:54:52.64 ID:B3C4N0yw0<>
女の子「・・・・・」ガツガツ
女の子「・・・・・」モッチャモチャ
女の子「・・・・・」グビグビ モグモグモグ
切嗣「・・・食べながらでいいから答えろ」
切嗣「名前は?」
女の子「んぐっ・・・ありません」
切嗣「捨てられる前に名前があったろ」
女の子「記憶があまり無く・・・覚えていません」
切嗣「・・・すまなかった」
女の子「いえ別に」
切嗣「・・・お前は何年傭兵をやってる?何が出来る?」
女の子「1年経ったあたりから、月日を数えるのを止めたので年数はわかりません」
切嗣「・・・」
女の子「出来ることは・・・殺しに関わることなら多分なんでも出来ます」
女の子「ハンドガン・ライフル・スナイプ・爆破の関連作業は一通りこなせるつもりです」
切嗣「十分だ」
女の子「それと・・・・」
女の子「先日までは慰み者としても使われていました」
女の子「お望みならそのような用途も―――」
切嗣「・・・!・・・」ヒュッ!!
女の子「んッ!」ドガッ!!!
切嗣「後者に関しての発言は二度とするんじゃない・・・」
切嗣「戦力としてだけ在れ・・・いいな?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/20(木) 23:58:14.31 ID:B3C4N0yw0<>
女の子「戦力としてだけですね・・・命令ならば従います」
切嗣「・・・・・」
切嗣「その、『命令なら』ってのは何だ?自我は無いのか?」
切嗣「何故・・・自分を大切にしない・・・・・・」
切嗣「やりたくないなら、別の生き方を望むなら、それでもいい・・・」
女の子「何をすればいいのですか?」
切嗣「・・・はっ?」
女の子「少し噛み合ってないようなので言わせて頂きますが・・・」
女の子「拳銃が『自由にしろ』と言われても何も出来ないと思います」
女の子「何かの意思が働かない限りは、動きようがありません」
壊れていることは解っていたつもりだったが、ここまで末期だとは思っていなかった。
辛うじて『人間』としての体裁を保っている機械に等しい。
何故ここまで壊れたのか――――それだけ凄惨な日々を過ごしたということが、安易に想像出来た。
人間として在るより、機械になってしまったほうが楽だったのだろう。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/20(木) 23:59:14.59 ID:gbxI9BFSO<> 命令なら、と聞くと綾波を思い出す俺はきっとオッサン <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/21(金) 00:04:20.67 ID:kTq0ESWm0<>
切嗣「・・・・・君を理解出来たよ」
切嗣「今後は、僕の手足として尽くせ・・・」
何故この娘と話していると苛立つのか、やっと理解出来た。
この娘の在り方は―――僕自身が望んでいる姿であり、ナタリアが言っていた『機械』
ナタリアを殺した時に心に決めたはずだったのに、その在り方を未だに躊躇っているのだと気づかされた。
情けない自分と、こんな本心に、無性に腹が立つ。
切嗣「・・・食べ終わったら睡眠を取ってくれ・・・」
切嗣「以上だ・・・」
女の子「わかりました」
さっき知り合ったばかりの少年兵を同じ部屋で寝かせるなどと、僕の性格上有り得ないことなのだろう。
だが『命令にだけ従う』ということが、発する言葉と虚無な眼から感じ取れた。
同じ部屋で誰かと過ごすのはナタリア以来だ・・・ナタリアと一緒に居た時は、何かが温かった。
でも、今は一人で寝たほうがよっぽど快適だと思う。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/21(金) 00:05:59.56 ID:kTq0ESWm0<> >>11
虚淵曰く、舞弥=「綾波だった」らしいですよ。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/21(金) 00:08:15.13 ID:H3c8/ZMSO<> マジか…通りで。情報サンクス <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/21(金) 00:13:51.27 ID:kTq0ESWm0<>
女の子「それでは寝ます」ゴロン
切嗣「・・・・・おい」
女の子「?」
切嗣「ベッドが空いてるだろう。床で寝るな」
女の子「すみません・・・癖で」モゾモゾ
切嗣「謝らなくていい」
女の子「・・・・・」
女の子「何故貴方はベッドで寝ないのですか?」
女の子「寄り掛かった状態では寝にくいと思いますが・・・」
切嗣「気にするな・・・・寝ろ」
女の子「はい・・・」
幾ら感情が希薄な女の子とはいえ、切嗣の就寝方法は奇怪に見えた。
ソファではなくカウチに座り半目の状態で寝ようとしている男なんて十分奇妙だろう。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/21(金) 00:20:56.81 ID:kTq0ESWm0<>
切嗣「・・・―――・・・―・・・――・・・・・」スー…スー……
女の子「・・・・・―――・・・・――・・・・・・」スピー…スピー……
切嗣「――・・・・・―・・・・!!!・・・・・」スッ
切嗣「おい・・・起きろ」
女の子「・・・敵襲ですか」ムクッ
切嗣「・・・!・・・・・・勘がいいじゃないか」
切嗣「弾は込めてある。使ったことはあるか?」スッ
女の子「AUGですか・・・問題ありません」ジャキッ…
マフィアA「必ず殺せ!いいな!!?」
マフィアB〜J「イエッサー !」
切嗣(取りこぼしがあったか・・・・・全員殺したつもりだったんだがな・・・)
切嗣(見てくれとしては傭兵じゃなさそうだ。元締めのマフィアといったところだろう)
切嗣(このホテルも息が掛かっていたとは)
女の子「・・・命令を」
切嗣「敵勢はサブマシンガンを所持したマフィアが10人ほど。まだ屋内には入ってない」
切嗣「作戦を伝えるからしっかり聞いておけ」
女の子「何故人数や装備まで解るのですか?」
切嗣「僕も勘が良くてね・・・・・ここは一先ず信じろ」
女の子「了解しました」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/21(金) 00:30:16.86 ID:kTq0ESWm0<>
マフィアA「・・・・・・ドアを開けろ。そっとだ」
マフィアB(了解です・・・)ソーッ…
・・・・ククッ・・・・・・ピンッ!
マフィアA「!?・・まずっ―――・・・」
・・・―――――ズドゥン!!!! バパパン!!パパン!パパパン!!
寝込みを襲ったにも関わらず、回転式のドアノブに手榴弾が設置されていた。
予想外にも程がありピンの抜ける音を察知した瞬間に爆発。ドア付近の二人が吹き飛ぶ。
立て続けに、部屋の中と背後から銃声が飛び交う――――!
切嗣「――――」パパパン!!パン!パパン!!
マフィアJ「がぁっ!!?」バスッ!
マフィアG〜I「ッ!!!?」ババスバスッ!!
女の子(挟み撃ちとは・・・・この状況なら適切な判断ですね・・・)パパン!パパパパ!!!
女の子(尤も、敵勢と位置を把握してないと出来ないはずですが・・・一体どうやって)パパン!!
マフィアC〜F「ぎあッ!!!?」バスバスバスッ!!!
切嗣「―――!!」チャキッ!!
女の子「―――!!」ジャキッ!!
敵を挟む形で殲滅し終えた二人が、互いに銃を突き付け合流した。
切嗣「・・・銃を降ろせ」
女の子「申し訳ありません」スッ
切嗣「まぁ・・・・・よくやった」スッ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/21(金) 00:33:53.23 ID:kTq0ESWm0<> とりあえず今日はこんなもんで。
今後は1日3レス分くらい投下する感じでいきますー。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/21(金) 00:34:08.58 ID:H3c8/ZMSO<> おちゅ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/21(金) 02:44:25.10 ID:ffBNjPAn0<> いいニトロだ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/21(金) 03:26:46.03 ID:mLKWu5iLo<> 乙 なんとなくだがファントムを思い出した 他意は無い <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/21(金) 08:20:46.91 ID:BOTeCHMN0<> 乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/21(金) 09:35:20.46 ID:rn0kZYXJ0<> ho <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/21(金) 19:08:34.39 ID:DmE1BsIX0<> 乙
ふざけたやつしか作ってなかった人が
ガチなのを作ってるってなんか新鮮 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/21(金) 22:07:40.14 ID:9Dd45HGh0<>
切嗣「・・・運転は出来るか?」スタスタ
女の子「勿論です」
切嗣「それなら頼む」
女の子「この車で宜しいですか?」
切嗣「マフィアの車か・・・丁度いい」
女の子「・・・」ガチャッ…ガチャガチャ
女の子「・・・・・・・・・・」
切嗣「何をしてる?」
女の子「鍵が空いてなかったので・・・」
切嗣「それならこうするんだ」ガシャン!!! ガチャッ
女の子「なるほど」
女の子「・・・・・・」
女の子「鍵が付いてないのでエンジンが・・・」
切嗣「解り切ったことだろう・・・最近の傭兵は直結も知らないのか」
切嗣「ここを壊してだな」バコッ!
女の子「ふむふむ」
切嗣「配線を※※※※※※するんだ」キュル ボルルル…!
女の子「覚えました」
切嗣「よし」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/21(金) 22:38:17.73 ID:9Dd45HGh0<>
切嗣「荷物を積んだら出発しよう」
女の子「ええ、了か―――・・・」
女の子「―――!!!」ドッ!!
切嗣「!!?何を―――・・・」ドサッ!!
―――――パァン!!!
女の子「ぁ゛・・・っ!!」バスッ!!
切嗣「―――・・・・!!!」
切嗣がマフィアの動向を察知していたのは、使い魔をホテルの外に配置していたから
椅子で寝たのも感覚共有を極力怠らないため
しかし・・・予想外 残党が別の車内から発砲する
背後からの射撃にも関わらず女の子は切嗣よりもいち早く察知し、身代わりとなった
マフィア「死――――!!?」パン!パパン!!
切嗣(Time alter――triple accel )ゴゥッ!!!
固有時制御を発動―――即座に横へ回避する
切嗣「―――!!」パパン!!
マフィア「ぎぃ゛っ!!?・・・・・・・ぁ゛・・・」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/21(金) 23:25:26.60 ID:9Dd45HGh0<>
女の子(いま・・の・・・・動き・・は・・・・?)
切嗣「・・・・・」ピピンッ!
切嗣「・・・・・」ヒュッ
・・・・―――――ズドゥォン!!!!!
残党の確認作業を省くため、そこいらにある車に手榴弾を撒いた
明らかに関係の無い建物や車も巻き込んでいたが、切嗣はどうでも良さそうな表情である
切嗣「・・・・・・」スタスタ
女の子「っ・・く・・・・・ぐぅっ!!?」
切嗣「動くな・・・出血が酷い」
切嗣「・・・何故、僕を庇った?」
女の子「『尽くせ』と・・・の・・・命令だっ・た・・ので」
切嗣「愚かだな・・・・・」スッ
切嗣「もう喋るな」シュゥウウ…!
女の子「!!?・・・・・・これ・・は・・・?」
切嗣の掌は、彼女の腹部に触れると―――淡く光りを放った
切嗣(銃弾は右腹部を貫通・・・・・・結腸は破損。賢臓は大丈夫)
切嗣(・・・体細胞を修復・・・・・位置を戻し・・・結合・・・!)シュゥウゥゥ…!!
強烈な痛みが、少しずつ・・・・少しずつ和らいでいく
切嗣「喋るなと言った・・・・・この手の魔術は得意じゃない・・・」
切嗣「体の変化が出ると治療しにくいんだ」
女の子(魔術・・・・・?)
切嗣「・・・・・・・」シュゥウウ…
女の子(掌が・・・温かい・・・) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/21(金) 23:30:49.68 ID:H3c8/ZMSO<> 切嗣といると、ポカポカする <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/21(金) 23:45:43.61 ID:9Dd45HGh0<> 一つだけ伝えておきますが、原作の設定を崩さないように描きます。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/21(金) 23:47:13.42 ID:H3c8/ZMSO<> つまりまいやちんデレないと? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/21(金) 23:48:11.22 ID:9Dd45HGh0<> はい。デレも甘い展開も一切ありません。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/21(金) 23:49:21.42 ID:H3c8/ZMSO<> まぁ、それはそれでなかなか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/22(土) 00:32:25.92 ID:HccJsAmW0<>
女の子「・・・・・・」ブロロロロ……
切嗣「・・・・・・」
女の子「・・・このまま真っ直ぐ進むのですか?」
切嗣「マリウポリまで向かってくれ。地図もある」スッ
女の子「どうも・・・」
女の子「・・・・・・」
切嗣「・・・さっきの治療のことか?」
女の子「・・・・・はい」
女の子「それに、私が被弾した直後の動きなど―――」
切嗣「必要だと感じたら何でも聞いてくれ。今後も一緒に動くんだ」
女の子「それでは教えて欲しいのですが―――・・・・・」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
女の子「・・・・・・――――理解出来ました」
切嗣「素直に受け入れるんだな・・・・・君ならそんな気はしたが」
女の子「しかしそのような力があるなら、貴方の目的達成は容易なのではありませんか?」
切嗣「・・・魔術はそんな大それたものじゃない」
切嗣「成す為には、魔法という域に到達する必要がある」
切嗣「それが聖杯さ・・・まだ模索中だけどね」
女の子「その聖杯が存在し得るのであれば、目的を完遂出来る可能性は高いですね」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/22(土) 00:36:56.32 ID:HccJsAmW0<>
切嗣「・・・・・・」
切嗣「もし、君が・・・・」
女の子「?」
アリマゴ島の夜・・・シャーレイと会話した時とは、雰囲気も、求めるものも違うが―――
切嗣「君が、魔術を手にしたなら・・・・・目的は出来るのか?」
―――シャーレイよりも、少し幼い少女に、問いかけた
女の子「きっと」
切嗣「・・・・・・・」
女の子「何も変わりません」
切嗣「・・・はっ」
切嗣「即答か」
女の子「ですが」
女の子「貴方の為に使うでしょう」
女の子「それ以外に、私の目的はありませんから」
切嗣「・・・そうか」
女の子「ええ」
切嗣「・・・・・・名前を考えておいてくれ」
女の子「私のですか?」
切嗣「君じゃなければ誰だ?」
女の子「貴方です。名を教えてもらえないから、てっきり名無しかと」
切嗣「切嗣・・・・・衛宮切嗣」
女の子「エミヤ・キリツグ・・・・・ですね」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/22(土) 00:51:16.00 ID:HccJsAmW0<>
切嗣「命名は早いうちに頼む。呼び名が無いのは困る」
女の子「決まりました」
切嗣「早いな。何て名だ?」
女の子「『A(エー)』。アルファベットで一番最初のAです」
切嗣「呼び名が有ればいいというわけじゃない・・・パスポートを作る必要だってある」
切嗣「少しは捻ってくれ」
女の子「それでは・・・・・・・・・・・」
女の子「・・・・・・・『MIYA(ミヤ)』」
切嗣「・・・語呂が悪いな・・・何故そうなった?」
女の子「貴方の名前、エミヤ(EMIYA)のアルファベットからそのまま四字を用いました」
女の子「『手足として尽くせ』・・・という点から構想したのですが」
切嗣「捻って考えただけマシだが、もう少し呼び名らしいほうがいい」
女の子「・・・・・・・・・」
女の子「・・・決まりました」
切嗣「・・・」
女の子「先程の『MIYA』に、最初に考えた『A』を足して・・・」
女の子「『MIYAA(ミヤァァ)』」
切嗣「馬鹿かお前?語呂を考えろといったはずだ・・・国籍が違うから仕方ないかもしれないが」
切嗣「『A』を『MIYA』に足すなら【MAIYA(マイヤ)】でいいじゃないか」
切嗣「漢字にしてもおかしくないし・・・・悪くないと思う」
舞弥「ではソレにします」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/22(土) 00:53:17.08 ID:HccJsAmW0<> とりあえず今日はこんなもんで。
また明日〜 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/22(土) 00:58:39.87 ID:4T1jRVOSO<> 乙。あの候補じゃしょーがないが結局ケリィが決めちったかwwwwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/22(土) 01:04:46.39 ID:b4vXLUt+0<> 衛宮→EMIYA→A宮→A+MIYA→MAIYA か
何かそれっぽい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/22(土) 01:09:13.60 ID:FPL4MPixo<> 乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/22(土) 01:17:02.51 ID:lH8UptNCo<> 乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/22(土) 22:41:19.79 ID:9VD3QuM+0<>
舞弥を拾ってから3ヶ月が経った。
魔術に関しては最近教え始めたのだが、魔術的素養は低いと思える。
しかし、使い魔や簡易的な魔術なら見込みがあった。
仕事場にも連れ出しているのだが、銃器の扱いや動きは申し分なく、教えることが少なくて助かる。
魔術以外に教えていることと言えば、刃物を主体とした訓練や接近戦闘くらいだろうか。
しかし・・・・・根本的な部分が危気なのは些か疲れて仕方がない。
舞弥「ぐ・・・・・ッ゛!!」
切嗣(今日は重度の火傷か・・・)
切嗣「・・・・舞弥」
舞弥「は・・い・・・」
切嗣「さっきの炎撃程度なら僕は躱せた」
舞弥「結果的に・・・足でまといでしたか」
切嗣「・・・・そうは言わない」
切嗣「しかし、庇う度に重傷負うなんて・・・・・僕の身にもなってくれ」
舞弥「?・・・治すのが・・・面倒ということでしょうか?」
切嗣「・・・もういい。脱がすぞ」
舞弥「はい・・・お願いします」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/22(土) 23:37:38.52 ID:4T1jRVOSO<> あれ…寝落ち…? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/22(土) 23:40:51.03 ID:9VD3QuM+0<>
切嗣(かなり酷い・・・・焦げた衣服が爛れた皮膚とくっ付いてるな)
切嗣「衣服を剥がすが・・・・我慢してくれ」
舞弥「ええ・・・我慢します」
切嗣「・・・!・・・」グッ
舞弥「ぎぃっ!!?・・・・・ぁ゛!・ぁあ゛っ゛・・・!」
切嗣「!・・・・・・やっぱりモルヒネを飲んでおけ」
舞弥「い・・え゛・・・・・私の・・・失態・・ですから・・・!」
切嗣「・・・・・わかった・・・・」
切嗣「一気に剥がす・・・!」ググッ!!ビリリ!!!
舞弥「いっ゛ぎっ!!!ぎがぁ・アあ゙あ゙あァァぁ゛!!!?」
舞弥「ぁっ・・・は!・・・・・・・・かっ!・・・・・・ッ・・・ふっ・・・・!」
耐えきった―――常人なら失神しかねないような地獄の痛みを
その痛みのあまり、浮かべた涙が頬を伝う・・・・・・地獄から開放され・・・息を整える・・・
切嗣「よく我慢した・・・・あとは治すだけだ」シュゥゥウゥウ…
舞弥「は・・・・ぃ・・・・・・・」
切嗣「痛みは引いてるか?」
舞弥「・・少しずつ・・・心地良くなってきました・・・」
切嗣「・・・・・」シュゥウウ…
切嗣「痛いのは・・・辛いだろ・・・?」
舞弥「・・・・そうですね」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/22(土) 23:41:54.77 ID:9VD3QuM+0<> 飯食ってました。もうちょい描きます。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/22(土) 23:43:20.33 ID:4T1jRVOSO<> 舞ってる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/23(日) 00:16:33.84 ID:PCzva1lY0<>
舞弥「昔は、痛くてもそれが・・・当たり前だと思っていました」
切嗣「だから・・・・・道具で在るほうが、楽だったんだろう」
舞弥「少し、私は変わったのかもしれませんね」
切嗣「・・・・・」
舞弥「今、痛いのは嫌ですが・・・・・どうでもいい」
切嗣「・・・理解し難いな」
舞弥「理解する必要はないでしょう・・・・」
舞弥「私は、切嗣の道具ですから」
切嗣「・・・そうだな」
切嗣「ただ、次から安易に僕を庇うのは止めろ」
切嗣「僕の実力を把握し、最善の動きをすることが・・・・今後の課題だ」
舞弥「了解です。切嗣」
切嗣「もう火傷は治っただろ?僕の服を着ておけ」スッ
舞弥「このくらいの寒さはどうということもありません」
切嗣「・・・少しは僕の意図を汲んでくれないか?」
舞弥「はい・・・」
この娘が幸せになってくれたらいいなと思った。
今は僕の道具として・・・最善を尽くしてくれることが幸いだ。
でもいつか、全てが終わったら、人として生きて欲しいと思う。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/23(日) 00:20:59.78 ID:PCzva1lY0<> 煙草買いに行ってきます <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/23(日) 01:03:18.66 ID:PCzva1lY0<>
―アジト―
舞弥「・・・・・」シューッ フキフキ コトッ
舞弥「・・・・・」チャキッ カシャッ
舞弥(・・・よし)パチッ
切嗣「ただいま」ガチャッ
舞弥「おかえりなさい切嗣。早かったですね」
切嗣「メンテは捗ってるみたいだね」
舞弥「いえ、あと三丁残ってます」
切嗣「それだけやってくれたら十分だ。残りは僕がやるよ」
切嗣「休憩がてらに・・・コレを食べてくれ」スッ
舞弥「これは・・・?」
切嗣「ケーキさ。町で買って来たんだ」
舞弥「ケーキ?」
切嗣「知らなくても無理は無いか。甘いモノだよ」
舞弥「甘いモノ・・・・・・いい匂いがします」スンスン
切嗣「珈琲を煎れてくるよ。僕も食べてみたいからね」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/23(日) 01:12:44.54 ID:PCzva1lY0<>
舞弥「・・・・・」パクッ
切嗣「・・・・・」パクッ
舞弥「・・・!・・・・!!」モグモグ
舞弥「美味しい・・・」
舞弥「驚きました・・・こんなに美味しいものが・・・」パクッ
切嗣「うん・・・!・・・これは美味いな」
切嗣「確かに高かったが、それだけの価値があるじゃないか」モグモグ
舞弥「・・・・・」
舞弥「・・・珍しいですね。切嗣が食事にお金を使うなんて」
切嗣「ん・・・たまにはね」
切嗣「ケーキは気に入ったかい?」
舞弥「・・・・・」
舞弥「そうですね・・・こういった糖類は悪くありません」
切嗣「そうか・・・」
切嗣「それならいいんだ」
舞弥「・・・・・」モグモグ
こうした普遍的な幸せを知れば、少しずつ舞弥は変わっていくのだろうと思った。
しかし―――この考え自体が間違いだったことを・・・・・・・僕は、のちに知る。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/23(日) 01:13:22.06 ID:PCzva1lY0<> とりま今日はここまでです。
また明日〜。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/23(日) 01:14:02.24 ID:eFTRmwySO<> 乙なの <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/23(日) 01:16:27.99 ID:7EzHMcMTo<> 乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)<>sage<>2012/09/23(日) 03:17:46.49 ID:1eb0Iosjo<> 乙
>>26を読んでて思ったんだが切嗣はアヴァロンなしでも3倍速使えるのかな?
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/23(日) 03:42:51.81 ID:6skWOR5W0<> 今調べてみたら2倍くらいが現実的って書いてあった。
3倍は1秒ほど使ったイメージで描いてたんだけど、骨とか筋肉とか軋みまくって翌日は筋肉痛だろうな・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 01:19:01.94 ID:KAM3evZC0<>
切嗣「・・・・・・」
切嗣「・・・・・・」スパー…
舞弥「切嗣、まだ寝ないのですか?」スッ
切嗣「ん・・・・ちょっとね」
切嗣「聖杯の情報が新たに入ったから作戦を練っていたんだ」
舞弥「聞かせてもらえますか?」
切嗣「明日話そうと思っていたが・・・今でもいいか」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
舞弥「その三家が冬木での戦争を主催すると・・・・・」
切嗣「複数の教会従事者から集めた情報だ。間違いないと見ていいだろう」
舞弥「サーヴァントに関する情報は?」
切嗣「不確かな情報が多くてね。集めつつ思慮する必要があるな」
舞弥「・・・現状の情報ではどのように?」
切嗣「僕らに令呪が現れる可能性は低いだろう」
切嗣「現実的に考えれば・・・・・・大詰めとなる局面で令呪を奪う。これが鉄板だろうね」
舞弥「なるほど」
切嗣「舞弥はどう見る?」
舞弥「戦争に教会の監視があることを思慮すれば・・・初期からの参戦が望ましいとは思います」
舞弥「ただ、『現実的ではない』ので・・・あくまで希望です」
切嗣「それに関しては同感だ」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/24(月) 01:20:14.00 ID:E7GQCgsSO<> 舞弥「>>1、まだ寝ないのですか?」スッ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 01:50:29.69 ID:KAM3evZC0<> さっき営業の電話掛かってきたから目が覚めちゃったんだよ。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/24(月) 01:54:58.48 ID:E7GQCgsSO<> 乙かれーっす仕事大変だな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 01:57:44.82 ID:KAM3evZC0<>
舞弥「・・・・・」
舞弥「・・・訊きたいことがあります」
切嗣「なんだい?」
舞弥「切嗣の理想は、争いを根絶させることですよね」
切嗣「・・・ああ」
舞弥「何よりも優先して理想を遂げる・・・・・被害が出ようとも」
切嗣「そうだ」
舞弥「それでは何故・・・」
舞弥「貴方は、私に優しくするのですか?」
切嗣「・・・・・」
切嗣「すまない・・・何か、気に障るようなことをしたかな?」
舞弥「いえ、不思議に思っただけです」
舞弥「いつか私を見殺しにすべき局面も出るでしょう」
舞弥「それなのに、優しく接する切嗣が理解出来ない」
切嗣「舞弥がいつだったか言ったな・・・」
切嗣「・・・理解する必要は無い、と」
舞弥「切嗣が私を理解する必要はないでしょう。私は命令に従うだけの道具です」
舞弥「しかし・・・理想に近づく命令をしつつも、その本人は弊害となるを行動を見せる」
舞弥「貴方がそのようでは、私はどう動くべきなのか判断が付きません」
切嗣「・・・・・心配し過ぎだ。舞弥」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 01:59:20.22 ID:KAM3evZC0<> いや、自営業だから楽だよ。
客からの電話が深夜帯もあるってだけ。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/24(月) 02:00:55.27 ID:E7GQCgsSO<> 自営業なんや…そら余計に大変だわしかも深夜ありとか…電話番とか代わりがおればいいのになぁ… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 02:06:15.52 ID:KAM3evZC0<> 前にも言った気がするけど、相談業務もあるからさ。
応対は自分でやらなきゃなんだよ。会社まだ小さいし。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/24(月) 02:07:51.15 ID:E7GQCgsSO<> いつかきっと大企業…最低中小企業ぐらいには大きくなって楽できるよ… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 02:27:01.46 ID:KAM3evZC0<>
切嗣「君は深く訊かなかったが・・・ナタリアという名を覚えているかい?」
舞弥「切嗣の師匠ですね」
切嗣「ああ・・・・・・師匠でもあり・・・家族だった」
舞弥「家族『だった』・・・とは・・・?」
切嗣「ナタリアは、僕を家族と言ってくれた」
切嗣「僕も、ナタリアを本当の家族のように思っていた」
舞弥「・・・優しい人だったのですね」
切嗣「いつも手厳しかったけど・・・・・優しかったな」
舞弥「・・・・・」
切嗣「・・・・・」
切嗣「二人でいつも仕事をこなしていたんだが・・・イレギュラーが起きた・・・」
切嗣「大勢を殺して、ナタリアを生かすか・・・」
切嗣「ナタリアを殺して、大勢を生かすか・・・」
舞弥「・・・・・」
切嗣「僕は・・・・・!」
切嗣「ナタリアを・・・・・・・・殺した・・・・・」
切嗣の面持ちは、悲痛に溢れていました。
抑え込んでいるのだろうとは解りますが、殺した時の痛みが、滲み出ていた。
舞弥「今でさえそんな表情をするなんて・・・」
舞弥「大勢を選んだ時は、もっと辛かったでしょう・・・」
切嗣「・・・辛いさ・・・」
切嗣「でも、解ってくれるかい・・・?」
切嗣「・・・君に心配されるほど、不抜けてはいない」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 02:47:11.33 ID:KAM3evZC0<>
舞弥「しかし・・・切嗣は辛そうです」
切嗣「・・・・・」
切嗣「正直に言えば・・・初めて舞弥と出会った時は驚いた」
切嗣「僕の望む在り方が、君そのものだったから」
舞弥「・・・・・」
切嗣「“何をしたいか”を考えずに“何をすべきか”だけで動く」
切嗣「それを更に越えた“機械”が舞弥だった」
舞弥「揺れることも、壊れることも無いから・・・そのほうが楽だと」
切嗣「ああ・・・」
切嗣「舞弥を見て苛立ちを覚えたよ・・・・・僕はまだ、躊躇しているんだってね」
切嗣「そして・・・機械である舞弥が、そうしてしまった原因の世界が憎くて仕方ない」
切嗣「なんで・・・僕じゃなくて」
切嗣「僕以外の誰かなんだと・・・」
舞弥「・・・・・」
舞弥「切嗣が理想を優先するだろうことは理解出来ました」
舞弥「間違っても私を助けたりしないだろうと」
切嗣「ああ・・・僕は、この世界を変える」
切嗣「どんな犠牲が出ようともだ・・・」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 03:08:34.10 ID:KAM3evZC0<>
舞弥「切嗣の信念を、私は信じます」
舞弥「『犠牲』を厭わないということ・・・」
切嗣「ああ、今後も頼むよ・・・舞弥」
舞弥「ええ、勿論です」
舞弥「早速ですが・・・」
切嗣「ん?」
舞弥「切嗣は優しくて・・・弱い・・・」
舞弥「また、『犠牲』などと思うのでしょう」
切嗣「何を・・・・・・言いたい?」
少し――――動悸が激しくなった。
舞弥「貴方は揺れるし壊れやすい・・・・・誰よりも、優しいから・・・」
切嗣「もう寝よう・・・明日は早い」
また一段と動悸が激しくなったのが解る――――嫌な予感がした。
舞弥「“予行演習”をしましょう」
何を言い出すのか――――恐ろしくて堪らない。
舞弥「私を・・・犯してください」
舞弥「切嗣」
最悪だった・・・・・・僕の選択と、甘さが、また犠牲を生む。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 03:09:17.36 ID:KAM3evZC0<> 今日はこんなもんで <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/24(月) 03:22:23.80 ID:X3NOLYW70<> ナタリアは犠牲になったのだ…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/24(月) 17:35:38.44 ID:E7GQCgsSO<> 乙ー <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 21:57:00.60 ID:VMBrPTW/0<>
切嗣「何を・・・・・言ってるんだ・・・?」
舞弥「“犯す”という行為がどのようなものか、解らないわけではないでしょう・・・?」
舞弥「切嗣が尤も嫌う行為、己の性処理を、無理矢理―――・・・」
切嗣「もう・・・喋るな・・・」
舞弥「・・・・・」
舞弥「そのようなことはしたくないと?」
切嗣「当たり前だ!!!予行演習なんて何のつもり―――・・・」
舞弥「いえ、十分な予行です」
舞弥「私は切嗣と出会って、少し変わりました」
舞弥「切嗣の気持ちが理解出来るようになった」
切嗣「・・・・・」
舞弥「貴方は今、卑下する人種達と同じことをしたくない・・・と思っている」
舞弥「そして、私を蔑むような真似をしたくないと考えている・・・・違いますか?」
切嗣「・・・・・それは・・・」
舞弥「いつか私を見殺しにする時よりも、まだ楽でしょう?」
舞弥「道具と割り切って感情を抱かないようになれば・・・・揺れることも無い」
舞弥「貴方を目的遂行の為に完全に近い状態へ機能させること。それが私の在り方」
切嗣「・・・・・!!・・・」
舞弥「この程度も出来ないようなら・・・命令の変更を・・・」
僕だって、舞弥の感情を少しくらい理解出来るようになっていた。
起伏は殆ど無いものの、顔色や声の質で、その時の変化が垣間見える。
そして今・・・舞弥の視線、声、放つ雰囲気―――――憂いや情などといったものを、微塵の欠片すら感じさせない。
予行演習に“情や優しさ”は厳禁。 “道具として嬲れ”と語りかけてくる。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 22:41:33.80 ID:VMBrPTW/0<>
切嗣「・・・!・・・・・っ」
舞弥「命令を・・・・変更するのですか・・・?」
舞弥の声色は変わらない―――きっと、命令を変えても責めるつもりなど毛頭にないのだろう。
切嗣「僕は・・・・・!」
切嗣「命令を・・・変えない・・・」
切嗣「変えるわけがない・・・」
舞弥「了解しました」
舞弥「・・・ベッドが宜しいでしょうか?」
切嗣「・・・ああ・・・そうしてくれ」
切嗣「・・・・・」
舞弥「・・・・・」
切嗣「・・・・・」
舞弥「何故・・・脱がないのですか?」
切嗣「・・・・・・・・・」
舞弥「・・・私から脱ぎましょう」パサッ…
切嗣「・・・・・」
全部を脱ぎ去った舞弥が、僕の視線に入る。
古い銃痕や傷跡が目立つが、満たない体ながらに美しかった。
この娘に今から行うこと―――嬲り屈辱を与えると考える・・・・・酷く吐き気が催した・・・
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/24(月) 23:21:54.63 ID:VMBrPTW/0<>
舞弥「・・・・・」
舞弥「されないのですか?」
冷ややかな目だった。全てがどうでも良さそうな・・・自身を道具と割り切っている目だ。
切嗣「・・・・・!」
―――思わず目を背けてしまう。
舞弥「・・・貴方に殺されたナタリアは・・・浮かばれませんね」
切嗣「―――ッ!!」ガッ!!
舞弥「ぐっ!」ドサッ!
切嗣が私を犯そうが嬲ろうが、昔ほど嫌なことではない。
この人は優しいから・・・道具を道具と割り切るのが難しいのだろう。
心無い言葉で駆り立て、切嗣が機能出来るならそれでいい。
切嗣「・・・ふぅッ!・・・っ・・く!」
舞弥「最低なことではありません・・・・」
舞弥「貴方の理想に近づくためでしょう」
切嗣「・・・・っ」
舞弥「私は・・・こんな行為は嫌ですが」
心無い言葉が無いと、切嗣は甘えを出すのが目に見えている。
切嗣「ぁ・・・」
舞弥「道具の意思など気にしているのですか?」
切嗣「いや・・・」
舞弥「押し倒したのだから決心が付いたと思いましたが・・・そうでは無いのですね」サワッ
切嗣「!!」
舞弥「まだ勃起すらしてないなんて。男性は女性が相手なら誰でも良いというわけじゃない・・・と」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/24(月) 23:28:17.28 ID:E7GQCgsSO<> そら勃起せんやろまいやちん… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/24(月) 23:29:31.28 ID:LOx2V1iLo<> これは切嗣の方が嬲られてますねぇ… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/25(火) 00:03:15.91 ID:NiuCUaao0<>
舞弥「勃たせろとの命令があれば、性処理の道具として尽くしましょう」カチャカチャ
切嗣「舞弥!!!僕は・・・!!」
舞弥「なんですか?」
情けなくて仕方がない。
道具としてここまでする舞弥に比べ、僕は何なのだろうと。
切嗣「・・・僕の」
舞弥「・・・・・」
切嗣「道具としてだけ・・・在ってくれ・・・」
舞弥「ええ」
―――――犯した。 こんな事をされたくないと言う、舞弥を犯した。
行為中、舞弥は無表情で僕を見る。 僕も、舞弥を道具としてだけ見つめた。
道具は僕のためにだけに在る。感情なんて関係無い。
そう思えば、割り切れば、僕も機械になれば楽だと思ったから。
でも・・・・・・辛いだけで、無慈悲に取り繕うことしか出来なかった。
切嗣「・・・はぁっ・・・・あ・・」
舞弥「・・・・っ!・・・ぅ・・・」
舞弥「・・・それで・・・いい」
舞弥「人を、人として見ないで・・・切嗣」
切嗣「―――ッ!」
切嗣の頬を伝った涙が・・・私の口に零れた。
舞弥「もっと・・・無慈悲に・・・」
涙など枯れてしまえば、切嗣が望む姿になれるのではないか。
私を使い尽くして構わない――――私を道具としてだけ見て・・・切嗣。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/25(火) 00:10:01.29 ID:NiuCUaao0<> 今日はこんなもんで。
切嗣って常常受身な印象があるから、舞弥との時代もこんな感じだったのかなぁーって思って描いてみました。
ナタリア「坊やはさぁ・・・」
アイリ「やっぱり私達が居ないと・・・」
舞弥「・・・ダメですね」
みたいな。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/25(火) 00:12:22.39 ID:QIOGJzcDo<> 乙
どう見ても犯されてるのはケリィの方です <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/25(火) 00:14:10.22 ID:NiuCUaao0<> 俺も描いててそんな気がした(笑)不思議だねw <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/25(火) 00:21:27.70 ID:fAiTkx2SO<> おつ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/25(火) 23:07:59.62 ID:sq9liAo80<> まだ仕事中なんで1時間語くらいに投下します。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2012/09/26(水) 05:53:40.80 ID:5/g8A45Ao<> 寝たか… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/09/26(水) 12:31:35.66 ID:/2+fJp940<> よく見ろ、1時間「語」だ
1時間語とは何なのだろう…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/26(水) 17:18:39.68 ID:+Ov6cUr10<> すまん。寝てた・・・
1週間後くらいに北海道行くことになったからそれまでにこのスレ頑張ります。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/27(木) 00:21:14.78 ID:gE/GxZ1SO<> まだなのかな… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/27(木) 01:46:22.32 ID:Uw/itQp70<> 今から描く! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/27(木) 06:00:00.42 ID:ee5ursBP0<>
ナタリア「坊・・や・・・・・」
ナタリア「坊や」
切嗣「・・・・・ナタ・・リ・・・・ア・・・」
ナタリア「なんか辛いことでもあったのかい?」
切嗣「辛い・・・のかな・・・」
ナタリア「膝枕してあげよっか?ん?」
切嗣「ははっ・・・僕はもう子供じゃないんだよ。ナタリア」
ナタリア「いーからさっさと横になりな」グッ
切嗣「・・・うん」スッ
ナタリア「・・・―――・・・・―・・・」
切嗣「・・・・――・・――――」
ナタリア「少しは楽になったかい?」
切嗣「ああ・・・心地良いよ」
ナタリア「そうだろうねぇ・・・」
ナタリア「さっきまで」
ナタリア「アタシを・・・・」
ナタリア「―――殺した時みたいな表情してたんだからさ―――」
切嗣「・・・・・」
切嗣「・・・夢じゃ・・・ないのか・・・」
ナタリア「・・・・・・さてね」
切嗣「夢なら・・・・・ナタリアは、何も言わずにずっと傍に居てくれるだろう?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/27(木) 06:04:39.28 ID:ee5ursBP0<>
ナタリア「それがアンタの願望なら・・・そうなったのかもしれないな」
切嗣「・・・」
ナタリア「・・・・」
ナタリア「・・・・」
切嗣「何で・・・何も言わないんだ?」
ナタリア「あの時のことを・・・責めてほしいのかい?」
切嗣「・・・ああ」
ナタリア「坊やこそ・・・アタシに詫びる言葉があっても良さそうなもんだが?」
切嗣「詫びる言葉は無いし、詫びるつもりも無いよ・・・」
ナタリア「・・・・だろうね」
ナタリア「坊やがそのつもりなら、責めてほしいなんてお門違いさ」
切嗣「・・・そうだな」
ナタリア「アタシの・・・最後の言葉を聞いた上での道だろう」
ナタリア「坊やの在り方は、決まってるんじゃないのかい?」
切嗣「言われるまでも無いはずなんだが・・・」
切嗣「・・・全く以ってその通りだ」
ナタリア「メンドクサイねぇ・・・坊やは」
切嗣「ありがとう、ナタリア・・・」
ナタリア「アタシが育てて、アタシが惚れた男なんだ」
ナタリア「揺れてもいい・・・・・だけど」
ナタリア「選んだ道から外れるような、情けないことはするんじゃないよ」
切嗣「ああ、わかった」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/27(木) 06:09:12.31 ID:ee5ursBP0<>
ナタリア「・・・ま、アタシは気長に待とうかねぇ」
ナタリア「坊やがコッチに来た時は、一発ぶん殴るから覚悟しときな」
切嗣「痛いんだろうな・・・きっと」
ナタリア「当たり前だろーがボケッ」
ナタリア「アタシゃ殺されたってのに、殴らなきゃやってられるかってんだよ」
切嗣「覚悟しておくよ・・・」
切嗣「ナタリアの拳に耐えられるように、強くなるから」
ナタリア「せいぜいイイ男になっとくれ・・・楽しみにしておくからさ」
切嗣「・・・それじゃあ・・・僕は行くよ」
ナタリア「ああ、アタシも行かなくちゃね」スッ
切嗣「・・・・・長い道だな」
ナタリア「振り向くんじゃないよ、坊や―――・・・・・―・・・」
切嗣「勿論さ――・・・・―・・」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/27(木) 22:12:36.03 ID:gE/GxZ1SO<> そして安定のナタリアねーさん登場wwwwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/28(金) 00:59:56.01 ID:iGw6VD450<> 当然よ。
ナタリア(故)が登場しないわけがないだろ? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/28(金) 01:04:57.99 ID:WrZyj5vSO<> まー話的にもいい感じだからむしろでなきゃいけねーしな…
あれ、>>1のスレでナタリアねーさん(生死問わず)が登場しない事なんてあったっけ…? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/28(金) 23:33:44.41 ID:g053sOzr0<>
切嗣「―――――――・・・ぅ・・・」ムクッ
切嗣「・・・・ナタ・・リア・・・」
切嗣「夢・・・?」
切嗣「・・・・・・」
切嗣「夢じゃないと・・・・ナタリアに会えるわけなんてないか」
切嗣「僕が殺したんだからな・・・・」
切嗣「・・・・・」
切嗣「ナタリアの言う通りか・・・僕の在り方なんて―――」
舞弥「独り言が多いですね。切嗣」
切嗣「!!?」ビクッ
舞弥「何を驚いているのですか?」
忘れていた。
事後、舞弥もそのまま同じベッドで寝たのだったと・・・・
切嗣「・・・・」
切嗣「どこから聞いていた?」
舞弥「『ぅ・・・ナタリア・・・・夢・・?』辺りから聞いていました」
切嗣「・・・・」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/29(土) 00:10:40.65 ID:E1UcqBfSO<> (最初からかよ…) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2012/09/30(日) 09:48:11.82 ID:DWJJBbDio<> 思ったんだけどさ、切嗣って『全て遠き理想郷』なかったらdouble accelまでが限界なんじゃなかったっけ? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県)<><>2012/09/30(日) 22:29:32.06 ID:/q+FhmR00<>
切嗣「・・・・」
舞弥「・・・気にしてなどいませんよ」
切嗣「先にシャワー浴びてもいいかい?」
舞弥「ええ、どうぞ」
切嗣「ん・・・すまないね」スッ スタスタ
舞弥「・・・・・・・・・・」
切嗣(舞弥はああ言ってるが感情が無いというわけではない)
切嗣(本人は無自覚なのだろうが、顔にこそ出さないものの雰囲気に出ている)
切嗣(恐らくこれは腹を立ててる雰囲気だ)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
舞弥「・・・・・ふぅ・・・」ガチャッ
切嗣「舞弥、飲むかい?」
舞弥「はい、頂きます」
切嗣(こんな時は気を使い珈琲でも煎れてあげれば少しは機嫌がマシになる)
切嗣(舞弥を道具として扱うのは心に決めたことだが、手入れが必るのはいつも通りだろう・・・)
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県)<><>2012/09/30(日) 22:30:30.96 ID:/q+FhmR00<> >>94
限界ではないみたいだよ。
運用するにあたり2倍が「現実的」らしいけど。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2012/09/30(日) 22:43:38.69 ID:DWJJBbDio<> >>96
ふむ、なるほ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/30(日) 22:55:02.90 ID:/q+FhmR00<>
切嗣「今後の作戦について話があるんだが、飲みながら聞いてくれ」
舞弥「何かしらの進展が?」グビッ
切嗣「アインツベルンからの手紙が届いてね」
切嗣「僕を指名で雇いたいとのことだ」
舞弥「大きな進展となりそうですね」
切嗣「アインツベルンに対する返答の期限はまだ先だからまぁ問題無いんだが・・・」
切嗣「結果的に手を組むことになったとして、今後舞弥は単独で動くことが増えるだろう」
舞弥「それが切嗣の意向なら遂行します」
切嗣「とりあえずは、今のうちから単独の経験を積んだほうがいいと思う」
切嗣「4日後にやる仕事があったんだがコレを任せたい」
切嗣「小規模な魔術組織が相手になる・・・・詳細はこの書類に」スッ
舞弥「ええ」
切嗣「舞弥・・・この組織を壊滅させてこい」
舞弥「承知しました」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/30(日) 22:57:56.00 ID:/q+FhmR00<>
切嗣「まぁ、詳細で解らない点があったら訊いてくれ」
舞弥(さて・・・どの程度の規模でしょうか・・・・)ペラッ
舞弥「!!?」
切嗣「・・・・」
舞弥「組織名は間違い無い情報ですよね・・・?」
切嗣「ああ、情報は確かだ」
舞弥「・・・・」
舞弥「『アヘ顔ダブルピース団』・・・ですか」
切嗣「・・・そうだ」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/30(日) 22:58:35.29 ID:aVQRl1Iho<> なん…だと…? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/30(日) 22:59:51.00 ID:fwFprpuSO<> つまり、あの伝説のまいやちんあへがおだぶるぴーすがまた見られるということなのか?!ガタッ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/30(日) 23:29:34.15 ID:/q+FhmR00<>
切嗣「低価格で手に入る一般薬剤の性質を変化させ・・・・麻薬を作る組織」
舞弥「市場よりも低価格で捌いているせいで、戦場でも流行っているわけですか」ペラッ
切嗣「この間の戦場でトチ狂ったように乱射してきた子供がいただろう?」
舞弥「あの子らも被害者と・・・・」
切嗣「・・・・護衛こそ多いものの、薬物を精製している魔術師は少数だ」
切嗣「やることは解るな?」
舞弥「ええ、勿論」
切嗣「護衛連中を回避出来るよう潜入する方向で情報を得た・・・一番最後から2枚目の書類を見てくれ」
舞弥「・・・・・」ペラッ
舞弥「新規のメンバーとして潜入ですか・・・」
切嗣「潜入自体は容易だが、一応僕も後方にサポートとして付くよ」
切嗣「情報は100%じゃないからね」
舞弥「助かります」
切嗣「入団する際に組織の合図というか決まり事があるんだが・・・それが少し難点かもしれない」
切嗣「一番最後の書類を見てくれ。合図について詳しく書いてある」
舞弥「・・・・!?」ペラッ
舞弥「別に・・・難点というわけでは・・・」
切嗣「舞弥は表情が疎いからな・・・練習しておくべきだ」
舞弥「承知・・・しました・・・」
切嗣(この目で訴える感じ・・・・・嫌がってるな)
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/09/30(日) 23:58:13.19 ID:/q+FhmR00<>
切嗣「僕が指示を出すから、とりあえずやってみてくれ」
舞弥「・・・はい」
切嗣「まず、肩幅くらいに足を開いて立つ」
舞弥「こんな感じですね」スッ
切嗣「次に、ジャンケンのチョキを両手で作る。ピースサインみたいなものだな」
切嗣「そして、その両手を頬の横あたりに持ってくる」
舞弥「このくらいの位置でしょうか」ピース
切嗣「えー・・・次に表情なんだが・・・」
切嗣「目を見開き、眼球を上に限界まで向かせる」
舞弥「こう・・・?」ググッ
切嗣「そのまま口角を上げニッコリしながら舌を突き出す」
舞弥「ひょっ・・・ひょんなひゃんじでひゅか・・・・?」れろっ
切嗣「その表情とピースサインの位置を維持しつつ、立ったまま腰を落として股を開く」
舞弥「あ、あい」ぐぃーっ
切嗣「そのキツイ体勢と表情を維持したまま・・・『いぃっひゃうのぉぉっ!』」
切嗣「と、言え」
舞弥「いっひゃうー」アヘガオダブルピース
切嗣「・・・・」
舞弥「い、いっひゃうのーっ」アヘガオダブルピース
切嗣「そのスタイルと言葉が『アヘ顔ダブルピース団』の発祥らしい・・・まぁそれはいいんだが・・」
切嗣「表情はともかく、発音がまだまだな気がする」
切嗣「元組織のメンバーから合言葉を録音した音声がある。それを参考に練習するように」
舞弥「・・・・わかりました」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/30(日) 23:59:35.86 ID:aVQRl1Iho<> シュールな光景だなww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/30(日) 23:59:47.23 ID:fwFprpuSO<> wwwwwwwwwwwwwwww!!!!アヒャヒャひょっwwwwwwwwwwwwwwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2012/10/01(月) 01:53:21.42 ID:sncPtEtEo<> まさかギャグパートがあるとは・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/10/01(月) 21:59:47.87 ID:oga4/pMd0<>
―出撃当日―
切嗣「僕は予定通り、入団までの後方支援に回る」
切嗣「その後は付近で待機しておくよ」
舞弥「助かります」
切嗣「・・・・・」
切嗣「僕らの目的は聖杯だ・・・命を優先しつつ遂行しろ」
切嗣「いいな?」
舞弥「了解です。切嗣」
切嗣「・・・ところで、合図のほうは大丈夫かい?」
舞弥「恐らくは大丈夫かと・・・」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/10/01(月) 22:03:45.57 ID:oga4/pMd0<>
―AWPG(アヘ顔ダブルピース団)アジト―
舞弥(建物図面は確認してましたが・・・小さな建物ですね)
舞弥「・・・・・・」ピンポーン
切嗣(狙撃の準備は万全)カチャッ
切嗣(さて、舞弥は上手くやれるものか・・・御手並み拝見といこう)
団員「はーい」ガチャッ
舞弥「スタンスフィールドさんの紹介を受けた、久宇と申します」
団員「ああ聞いてるよ。ボディチェックさせてもらうが構わないか?」
舞弥「ええ、構いませんよ」
団員「・・・・・」スッ
団員「おかしなモノは・・・持ってないな・・・」サワサワ
舞弥「・・・ええ、勿論」
団員「うん。大丈夫だろ・・・合言葉を聞かせてもらえるか?」
舞弥「・・・・・・」ググッ…れろっ
舞弥「いっひゃうーっ!」アヘガオダブルピース
団員「・・・・・」
舞弥「・・・・・」
切嗣(・・・・・)
団員「いぃィぃっよぉおお゙よお゙ぉおォおん!!」
舞弥「え?」
団員「合格です!」
舞弥「あ、そうですか」
切嗣(あれでいいのか・・・・基準がわからん) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2012/10/01(月) 22:06:36.31 ID:CaLd8TKyo<> これを真面目にやってるのか… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/01(月) 22:17:59.00 ID:9xkOR91SO<> ※皆さん大真面目です <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/01(月) 23:17:16.03 ID:/llAKrKyo<> これ演技力が足りなかったら不合格になったりするんだろうか? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/10/02(火) 00:21:39.18 ID:11bhGvdV0<>
団員「ボス。連れてきました」ガチャッ
舞弥「初めまして」
みさくら「私はここを仕切ってるミサクラよ。宜しくね」
舞弥「宜しくお願いします」ペコッ
舞弥(女性・・・ボス・・・みさくら・・・・・・間違いなく対象の魔術師ですね)
みさくら「しかし若いわね・・・・というか何歳なの?」
舞弥「15歳になります」
みさくら「そう」
みさくら「スタンスフィールドの紹介ってことなんだけど、彼から魔術を習ったんですって?」
舞弥「はい。初めは何が何だかといった感じでしたが・・・・今では初歩程度の魔術が行使出来るようになりました」
みさくら「ふふっ、私が彼に魔術を教えた時も同じことを言ってたわ」
みさくら「ところで、貴女は元少年兵って訊いてるんだけど?」
舞弥「ええ・・・・北アジアで近年まで兵隊をやっていましたが、いい加減に自由が欲しくて逃げてきました」
舞弥「その逃げた先でスタンスフィールドさんと出会ったんです」
みさくら「そうだったの・・・大変ね」
みさくら「彼はここで精製に努めてたのだけど、被験役もかっていたのよ」
みさくら「その所為もあってか負担が掛かりすぎて休み気味なの・・・・」
舞弥「彼は『ベートーヴェンが視える・・・!』とか最近じゃ言ってましたね」
みさくら「もう少し休業させてあげようかしら・・・・」
みさくら「あっ、貴女は被験役なんてしなくていいのよ」
舞弥「そうですか?お役に立てればなんでも構いませんが」
みさくら「魔術を使える者が減るのは痛手だったから、貴女が来てくれたら助かるわ」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/10/02(火) 00:37:23.36 ID:11bhGvdV0<>
団員「一応・・・・軽く面接をしておいたほうが良いのでは?」
みさくら「それもそうかしら」
舞弥「・・・・・」
みさくら「とりあえず、そこに掛けてもらえる?」
舞弥「わかりました」スッ
みさくら「マルキー、珈琲煎れてきて頂戴」
団員「・・・・・了解です。ボス」スタスタ
マルキー「舞弥ちゃんは珈琲に何か入れるかい?」
舞弥「そうですね・・・」
みさくら(面接はもう・・・・・始まっているわよ)
舞弥「こくまろミルクたっぽしお願いします」
舞弥「あと、せ〇ずり汁を先走り程度で」
マルキー「しゅごっしゅごっw」ガチャッ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 00:43:49.78 ID:/FlI+G0SO<> さすがまいやちゃん…!ゴクリ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/10/02(火) 01:05:45.77 ID:11bhGvdV0<>
みさくら「ところで舞弥ちゃん、志望動機を教えてもらえないかしら?」
舞弥「・・・私は表情が疎いとよく言われますが、アヘ顔にそんなものは関係無い」
舞弥「アヘ顔なら私でも幸せになれる・・・・これがAWPGに興味を持った理由です」
みさくら「なるほど」
舞弥「薬物を大量にバラ撒き、誰もがアヘ顔ダブルピースを当たり前のように交わす世の中を作る」
舞弥「これが私の『全て遠き理想郷(ユメ)』なんです」
みさくら「ケニーもねー・・・・でも良い答えね」
舞弥(良いんですか、今ので)
みさくら「最後にもう一つ訊いておこうかしら」
舞弥(ここまでは事前情報を参考に回答しましたが・・・ここから先はアドリブも必要でしょうか・・・)
みさくら「貴女の好きな作品ってなに?」
舞弥「!!?」
舞弥「・・・・・」
みさくら「・・・・・」
舞弥「『おジャ魔女ど〇みのふたなりセックス〜朝からもっとおちんぽみるく〜』は最高です」
みさくら「ピーリカピリララきもちいすぎてバンザイしちゃうぅっ!」
みさくら「バンザイっ!ポポリナペーペルトばんじゃいっばんじゃい゛っ! ぱゃんに゛ゃんじゃんじゃいィぃっ!!」
舞弥(・・・はい?)
みさくら「今日から貴女もアヘ顔ダブルピース団の一員よ。おめでとう」ガシッ!
舞弥「あ、どうも」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 01:06:31.69 ID:9ryAchcno<> これは酷い…これは酷いww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/02(火) 01:07:32.19 ID:/FlI+G0SO<> 台詞のひとつひとつに何故か絶大な説得力を感じる…! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/10/02(火) 01:26:32.35 ID:11bhGvdV0<>
マルキー「珈琲をお持ちしました」ガチャッ
みさくら「マルキー!この娘はとっても有望よ!」
マルキー「ええ、珈琲を煎れながら話を聞いていましたが・・・」カチャッ
マルキー「僕はファブリーズしても全然ダメなくらいきもぢい゛ー汁が早漏れです!」
みさくら「朝起きたらメッチャ犯されてた気分だわ・・・!!」
舞弥(意味がわからない)グビッ
マルキー「珈琲は口に合うかい?舞弥ちゃん」
舞弥「ええ、とても美味しいです」
舞弥(普通の砂糖とミルクで良かった・・・)グビ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2012/10/02(火) 18:07:25.12 ID:eDWq/vOAO<> 舞弥ちゃん無表情で内心戸惑っているんだろうな
可愛いな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/10/03(水) 00:25:16.89 ID:R45mLObv0<> 今日は書くのやめときますm(_ _)m
明日描く <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/10/23(火) 22:02:55.74 ID:NkAQKV9m0<> あまりに久々過ぎるけど一旦保守。
書きダメしてから一気に投下します <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/23(火) 22:05:05.20 ID:dgnxuGWSO<> おひさ。待つ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/10/23(火) 22:37:21.51 ID:NkAQKV9m0<> ニセコイ安価をものすごくやりたくなっちゃったんだよね。デスモードで。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/24(水) 03:11:28.84 ID:Ar4yYWfSO<> もし立てたらスレタイよろ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/10/25(木) 17:16:14.28 ID:6eMoVCc20<> だいぶ進んじゃったけどコレ↓
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1350994322/l50
いい感じにデスモード具合発揮してますぜ!
まだ安価はするから参加してね! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/10/25(木) 17:17:04.82 ID:6eMoVCc20<> http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350997926/l50
ごめん、こっちだったわ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/27(土) 11:08:25.57 ID:MV2N7nTSO<> ひょっとして、クソハッピーを隔離病棟から出したのって>>1? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>sage<>2012/10/27(土) 12:31:30.93 ID:lIzs7id30<> ごめんww俺ですww
本スレに「参加してね!」って呼び掛けたら糞コテハッピーが召喚されたんだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/27(土) 13:41:17.80 ID:MV2N7nTSO<> あー…やっぱなー…知ってるかもだが自治スレでも言われてたぜ…
気を付けてけれー。あのクソコテ自分のTwitterもどきのスレまで建てていきやがった上に削除依頼出さずに消えやがったからね
依頼スレに削除依頼誰かが出してくれたからいいものの…
俺は>>1のSS好きだからあーいうのはマジ腹立つ。こっちも応援してます <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/27(土) 15:32:20.15 ID:lIzs7id30<> 自治スレ?それは見てないけどSSVIPのスレなのかな?
ツイッターもどきは見た。
てか言い訳がましく立て逃げはダメだよねぇ。
応援さんきゅーです! <>
ハッピーDEATH☆ ◆BSAxzTP1SQ<>saga<>2012/11/01(木) 19:54:31.59 ID:lB4CUTd50<> おお!ハッピーの名がここまで知れ渡っているとは! <>
ハッピーDEATH☆ ◆BSAxzTP1SQ<>saga<>2012/11/01(木) 20:08:04.93 ID:lB4CUTd50<> 続きまだかな? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/01(木) 21:29:06.80 ID:rgZoHmM40<>
ミサクラ「さてと、それじゃあ精製所に案内しましょうかね」
舞弥「ええ、お願いします」
ミサクラは小さな部屋の端、それも不自然な位置に設置させてたドアの取っ手を回す。
そこには、地下へと続く階段があった。
部下のマルキーと[らめぇぇっ!]にはさまれるよう、階段を降りていく。
舞弥「こんなところに施設があるなんて驚きです」
ミサクラ「まぁそうでしょうね。物件が小さいから地下に作るしかなかったのよ」
素っ気ないデスクの上で薬物の精製を行なっている魔術師が3人いた。
こちらを見てペコッとお辞儀をされたので、それに応答してみる。
ミサクラ「今は魔術師が3人しかいないから本当に助かるわ。それじゃあ精製の過程を教えるわね」
マルキー「自分は持ち場に戻りますんで」
ミサクラ「ええ、宜しく頼むわ」
『今は魔術師が3人しかいないから『――――・・・・要するに、この場にいる全員を殺して任務は完了である。
舞弥は再度確認した・・・ボスである[らめぇぇっ!]は丸腰。護衛のマルキーは腰にハンドガンを差している。
着衣しているラフなシャツのうえからでも角張った銃が顔を覗かせていたのだ。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/11/01(木) 21:30:00.57 ID:rgZoHmM40<> しくった!!
saga入れるの忘れてたww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/01(木) 21:33:51.53 ID:rgZoHmM40<>
ミサクラ「さてと、それじゃあ精製所に案内しましょうかね」
舞弥「ええ、お願いします」
ミサクラは小さな部屋の端、それも不自然な位置に設置させてたドアの取っ手を回す。
そこには、地下へと続く階段があった。
部下のマルキーとミサクラに挟まれるよう、階段を降りていく。
舞弥「こんなところに施設があるなんて驚きです」
ミサクラ「まぁそうでしょうね。物件が小さいから地下に作るしかなかったのよ」
素っ気ないデスクの上で薬物の精製を行なっている魔術師が3人いた。
こちらを見てペコッとお辞儀をされたので、それに応答してみる。
ミサクラ「今は魔術師が3人しかいないから本当に助かるわ。それじゃあ精製の過程を教えるわね」
マルキー「自分は持ち場に戻りますんで」
ミサクラ「ええ、宜しく頼むわ」
『今は魔術師が3人しかいないから『――――・・・・要するに、この場にいる全員を殺して任務は完了である。
舞弥は再度確認した・・・ボスであるミサクラは丸腰。護衛のマルキーは腰にハンドガンを差している。
着衣しているラフなシャツのうえからでも、角張った銃が顔を覗かせていたのだ。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/01(木) 21:48:57.61 ID:rgZoHmM40<>
舞弥「・・・マルキーさん。トイレはどちらにあるのですか?」
マルキー「んっ?トイレは1階に戻らないと――――・・・」
舞弥はごく自然にマルキーへと近づく。潜入時に怪しまれないよう武器は一切携帯していなかった。
だが、舞弥の中指の爪だけは少し特殊に加工されている。研磨されペーパーカッターくらいの切れ味を誇る爪。
そこに、切嗣より教わった数少ない魔術の一つ、『強化』を加えると・・・鋼鉄並みの強度を誇る剃刀の出来上がりだ。
舞弥「―――――ふッ!」ヒュンッ!!
マルキー「ッあ゛!?」パシュゥッ!!!
ミサクラ「!!?」
両手の爪を使い、風切音が聴こえる程の速さでマルキーの服とジーンズを真四角に切り裂いた――――!
衣類だけを斬るつもりなど毛頭になく、皮膚まで切り裂き血が飛び散る。
はらり、と衣類が崩れると共にマルキーに痛みが襲う。だが痛みに勘づいた時、既に銃は舞弥の掌に収まっていた。
・・・・・・――――――パァンッ!!!!
マルキー「っがァあ!!?ぁ゛あぁあ゛あ゛あ!!!!」
舞弥「・・・・・」ドンッ!!ドン!ドン!!
魔術師A「ばっ!!?」バスッ!
魔術師B「がァ!!!!」バスッ!
魔術師C「ぅぼっ!!!?」ボチュッ!!
ミサクラ「・・・ッ!!!」
舞弥「後は貴女を殺れば・・・・完遂です」チャキッ…
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/02(金) 00:53:53.98 ID:nfDoIwVr0<>
ミサクラ「一体、誰の差し金で―――・・・・」
舞弥「お喋りしてる暇はないので死んでください」
・・・・・・・――――パァンッ!!!
ミサクラ「ごッ!!?」
銃弾は脳天に直撃――――確実に仕留めた。
舞弥「護衛連中を相手にするのも面倒ですから。さっさと退避・・・・・・ッ!!??」
ミサクラ「痛っいわねぇ・・・・糞餓鬼ッ!!!」フラッ…!
舞弥(・・・何故!?)
確実に脳天を直撃したはずだったが、赤黒いアザが出来た程度に留まっていた。
ミサクラ「ったく・・・アタシは錬金術に通じた魔術師なんだからぁ、性質変化で肉体硬化くらいはお手のものってね」
ミサクラ「その銃を捨てれば痛い目には――――・・・・ぎゃっ!!?」ドゴッ!
舞弥「これは予想外ですね」ドンッ!ドンッ!!
ミサクラ「ッ!!ぐ!!」ドッ!ゴスッ!
舞弥「いくら皮膚や骨を硬化させても、脳の揺れや臓器のダメージには直結するのでしょう?」
舞弥(臓器の硬化は死を招くだけですからね・・・・骨と皮膚を硬化させるのが限度のはず)
舞弥(それに硬化中は動けないのだろうし、まずは退くべきですか)タタタタ・・・
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/11/02(金) 01:34:45.51 ID:1bKur/xSO<> みさくらスゲェww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/02(金) 02:23:03.96 ID:nfDoIwVr0<>
舞弥(急がないと外の護衛が駆けつける・・・・!)タタタタ・・・
団員達「何があった!!?」ガチャッ!
舞弥「!?」
少し時間を喰い過ぎた。
階段を登りきったところで、玄関から入ってきた護衛連中と出会してしまう。
舞弥「くっ!!」ドンッ!ドンドン!!
団員「がぁっ!!?」バスッ!!
子供と思ったのか、応対が甘かった団員を速攻で射殺する。後ろにいた団員達が玄関口でつかえて入れないように。
奪った拳銃はCz75、何度か使ったことがある。全弾装填されていても16発、それ以下だとすれば残弾は残り少ない。
考えを張り巡らせながらも予備計画に描いていた作戦を実行。トイレに駆け込む。
舞弥(切羽詰ってきましたね・・・)ガチャッ!バタン!…カチッ
舞弥(図面だと確か・・・・・・あった!)
事前に確認しておいた建物の情報にて、トイレに換気扇があることを把握していた。
身軽な体を活かし跳躍しながら換気扇を破壊。そのまま片手で己の体を引き上げ這いずり込む。
舞弥(ここなら大丈夫・・・・!)
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/02(金) 02:48:30.16 ID:nfDoIwVr0<>
団員達「オラァ!!出てこい!!!」ガンガンガン!!!
団員達「蹴り破ったほうが早いだろ!!」
団員「オーケー!!」ドカッ!!
舞弥「・・・・・・」キィイイン!!
舞弥(突入しなさい)
舞弥があらかじめ外に待機させていた複数の鼠・・・・それも、背にテルミット爆弾を背負わせた鼠。
玄関から5匹ほどが侵入するも、今の騒動で団員達は気づいていない。
団員達「よっしゃ!空いたぞ!!!」ドガァッ!!
鼠達は尻尾を雷管であるピンに巻きつける―――――そして、尻尾に力を加え・・・・・・・・・ピンッ!
舞弥「 BANG 」
・・・・・・――――――ズドォオオン!!!!!!!
団員達『ぼッ!!!?』
舞弥「っ・・・!」
強烈な爆風がビリビリと、建物越しに舞弥へと振動を伝えた。
あたりが静かになったのでトイレに降り立つと、破壊され尽くした壁や床、そして血の海が目の前に広がっている。
舞弥「よし・・・・第二隊、行きなさい」
ネズミ達「チューチュー」スタタタ…
外で待機させていた第二の鼠爆弾を地下の精製所に向かわせる・・・・これで、任務は完了だ。
・・・・・・・・・・――――――ズドォオオン!!!!!!!
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/02(金) 17:20:01.64 ID:1bKur/xSO<> 鼠さん………( ;∀;) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/02(金) 17:37:30.15 ID:nfDoIwVr0<>
舞弥「・・・・・」コツ…コツ…
第二波の爆弾を作動させた後、舞弥は階段を降りていく。
今回の獲物は封印指定ではない。死体を持って帰る必要こそなかったが、死亡確認のために煙たい地下へと向かう。
ミサクラ「・・・・・・・・・・」
舞弥「・・・・・」
横たわっていた獲物はグチャグチャに四肢が破壊されていた。
足は吹き飛び、頭部からは血が流れ、腕もズタズタで胴体からは内蔵らしきモノがはみ出ている。
それでも念の為にと頭部へ銃口を向けようとした――――――・・・・・その時!!
舞弥「っ!!?」ズボッ
ガクン、と片脚が地面へと落ちた。
視線を下へ向けると、コンクリート製の床が泥沼のように変化している・・・・視認したと同時、床が急激に固まった!
ミサクラ「ぉ・・・惜しかったわねェ!!」キィィイイン…
舞弥(まだ生きてる!?)チャキッ!
舞弥「・・・・―――ごッ!がぁ!!!?」ガガッ!ドゴッ!!!
ミサクラは手を床に触れさせることにより魔術を発動・・・床を軟体化、再度硬質させ舞弥を足止め。
銃を向けようとする舞弥だったが・・・・遅い!
魔術を天井に影響させ、宙からコンクリートの雨を降らせる――――!!
その衝撃で銃を手放してしまった・・・・。
ミサクラ「ぐ!・・・・『性質変化』を・・・舐めんじゃねェぞッ!糞餓鬼ィイ゛イ!!!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/02(金) 18:09:53.25 ID:nfDoIwVr0<>
ミサクラ「アンタは!!道連れよ・・・!」
ミサクラが再度魔術を発動させようとしたその時・・・・・地下室に一匹のインコが舞い込んだ。
ミサクラ「・・・・鳥?」
インコ『マイヤ、苦戦シテイルヨウダナ』
舞弥(切嗣!!?・・・・感覚共有で見ているのですか)
ミサクラ「くっ!アンタ一人じゃない・・・・か」
インコ『イッテオクガナ、助ケル気はナイカラナ』
インコ『ソノ程度モ仕留メラレナイ道具ニ育テタ覚エナインダ』
舞弥「・・・・言ってくれますね」
インコ『マァ、頑張ッテクレ』
ミサクラ「は・・ははっ!見捨てられちゃったわね!!」
舞弥「最初からサポートを受ける気なんてありませんよ」
舞弥「傍観してなさい、切嗣」
インコ『おk』
ミサクラ「そんじゃアンタは泥人形になりっ――――・・・・・痛ッ!」
使い魔の鼠軍団が3匹ほど地下室に侵入していた。
一斉にミサクラの顔や手足の肉を噛み千切ろうとかぶりつく。
ミサクラ「イタっ!!ちょ、やめっ!!」ガジッ!ブチッ!
ミサクラ(狭い室内だから爆弾が使えないのか?・・・・・鼠共を叩き潰せば!コイツは殺れる!!)
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/02(金) 18:32:51.88 ID:nfDoIwVr0<>
舞弥(感覚共有・・・・・・・・・あった!・・・・そう・・・・噛み千切って繋ぐ・・・)キィィィ…
舞弥(よし、掛かった・・・・来なさい・・・焦らず回しなさい・・・)
パパァーン!パァーーンパン!パン!!
けたたましいエンジン音が、この建物に侵入する。
みさくら「死ねッ!!糞ネズミが――――・・・・・・・え・・っ!!?」バチン!ベシッ!
みさくらは、階段をオフロードバイクが駆け下りてきたことに気付く。
しかし・・・・そのバイクには誰も乗車していない。
勝手に動いているのだから目を疑った・・・・・・・・が、凝視すると・・・
みさくら「はぁっ!?ネズミが運転してる!!?」
それはさぞ驚いたことだろう。
使い魔のネズミがわんさか乗車しており、2匹がシフトペダルを、1匹がクラッチを、1匹がアクセルを回している。
そして20匹ほどのネズミがシートに噛み付き、加重移動をしているではないか――――!
一気にアクセルを捻り加速!!ミサクラに向かって華麗なダイナミック停車をかましてくれた。
みさくら「ごふッ!!・・・・・いや!!有り得ねーぞ!!?」
舞弥「たかが使い魔と思わないことですね・・・・・調教した、私のペット達を」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/02(金) 18:56:58.46 ID:nfDoIwVr0<>
舞弥「ふゥーーーーーーッ・・・・・」
舞弥は、全神経を集中させた。
コンクリートに埋もれた右足以外を身体強化―――――――そして・・・・
舞弥「・・・・――――はァ゛ッ!!!!!」ゴシュッ!!!
ミサクラ「・・・・・え?」
舞弥「ぁ・・・あ゛・・・・がぁッ!!ぎぃいいい゛い゛いィ゛!!!!!」ブシュゥウウ!!
敵であるミサクラでさえ驚いた。コンクリートに埋まった脚を無理矢理引き抜いたのだから。
クリアランスゼロ状態から脚を引き抜いた結果、当然の如く外面の皮膚は剥がれ、踝が削れた。
夥しい血が溢れ、己の大怪我を忘れそうになるくらい痛々しい光景だった・・・・。
舞弥「ッぐ!!・・・ぅ!」ズル…ズル…
舞弥「さて・・・・仕事を終わらせ・・・ましょう・・・!!!」ジャキッ…!
一度は手から離れた拳銃を再度拾った。
痛々しく、血を流しながら、再び獲物に近づく・・・・・。
ミサクラ「くっ・・・来るな!!!来るんじゃねェえええ゛え゛え!!!!」
舞弥よりも重傷であるミサクラは、その場から動くことは出来なかった。
ズル・・・・ズル・・・・と這いよってくる恐怖に、思わず取り乱す。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<>sage<>2012/11/02(金) 19:23:01.84 ID:t9VsrOuPo<> 鼠すげぇwwwwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/02(金) 19:24:16.47 ID:nfDoIwVr0<>
舞弥「・・・・・皮膚ぐらいは突き破れますかね?」チャキッ…
ミサクラ「や・・・やめっ!!」
舞弥「試してみましょう」ドンッ!!ドンドン!!ドンッ!!
ミサクラ「きッ!?ご!!んゥ゛!!ごバっ!!!!!?」
舞弥は銃口を喉元にあて、撃ち込んだ・・・・弾が空になるまで打ち込む――――!
やはり強力な魔術の使い手だったのか、喉を貫いたのは最後の3発だけである・・・・・しかし、それで充分。
ミサクラ「・・・ごぼっ!!?・・・ッが・・・ァ!!!」ボタボタ・・・
舞弥「侵入しなさい」
ミサクラ「!!!?」
『侵入しなさい』・・・その一言で、今から何が行われるのか・・・・容易に想像がついてしまった。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/02(金) 19:39:46.55 ID:nfDoIwVr0<>
舞弥「外殻がいくら堅かろうと・・・・内からの爆発ならどうでしょうか?」
ネズミ達「チューチュー」グチュ!グチュチュ!!!
ミサクラ「やッ゛!!?おべェッ・・・!!あががががっがっがががが!!!!!」ドチュ!グチュ!!グチュ!!
爆弾を背負ったネズミ達が、撃ち破った喉元から体内に侵入していく・・・・1匹、2匹、3匹、4匹。
10匹ちょっとが入った段階で喉元に詰まり傷口からネズミの尻尾がピョロピョロと動いているのが見えた。
体内に生きた鼠が侵入するなど、痛み依然の問題である。もはや気が狂う寸前である・・・・。
ミサクラ「・・・・っべ・・・・・許・ひ・・・・・て・・・・・ェ・・・・!」ビクッ・・・ビクッ・・・
舞弥「許すも何も、仕事ですから」
舞弥「まぁ・・・私も失血が酷いのでそろそろ帰ります」キュルル・・・パパァ―ン!パンパ――ン!
バイクに跨るものの、ズタズタの右脚を使わないよう1速全開で階段を駆け上る。
喉元で詰まった鼠は未だに尻尾をピョロピョロとさせていた。
入りきれなかったネズミたちは、意味深に息絶え絶えの獲物を見つめる。
舞弥「さて、仕上げと行きましょう」パァ―ン!
階段を登り終え、破壊された玄関口に向かってアクセルを更に開ける。
舞弥「 BANG 」
・・・ピンッ・・・・・・・・・・――――ズドァオオン!!!!!!!!
ミサクラ「あぼェ゛ッ゛!!!!!」ボチュッ!!!!
舞弥「任務完了」ダンッ!! パ゚ァ――ン!!パンパァ――ン!!
爆発によって炎を上げながら吹き飛ぶ建物をシルエットに、舞弥は加速を助長させ飛び出した――――――!
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/02(金) 20:06:05.63 ID:1bKur/xSO<> ハードボイルドォォオ!!!!!まいやちんハードボイルドォォオ!!!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/03(土) 16:41:32.30 ID:jOKMy44f0<>
切嗣「無茶をするのは相変わらずだな・・・・」シュゥウウウ…
舞弥「ッ痛!・・・・・・・切嗣も、人のことは言えないのでは?」
舞弥は車(左ハンドル車)の運転に集中する。
切嗣は助手席に座り、舞弥の右脚に治癒魔術を掛けていた。
切嗣「そうかな・・・・?」
切嗣「しかしまぁ派手にやったじゃないか」
舞弥「切嗣も時々派手にやるでしょう・・・・・・・因みに、点数としては如何程で?」
切嗣「60点かな。僕自身も100点を取ったことはないんだが」
舞弥「・・・・理由を教えてください」
切嗣「今回の件で身に沁みただろうが、イレギュラーは付きものだ」
切嗣「その後の算段を数パターン考えておくことが定石なわけだが、ここは一先ず置いておこう」
切嗣「潜入開始から銃を奪って撃つまでは完璧だった」
舞弥「最初から監視していたのですか・・・・」
切嗣「・・・・で、計画段階で僕は『薬剤の性質を変化させる魔術師』と伝えた」
切嗣「この時点で対象の魔術傾向はある程度絞り込める」
切嗣「にも関わらず、相手の特性を予測していなかったように思えた・・・・違うかい?」
舞弥「・・・・その通りです」
切嗣「魔術の系統について全てを教え込んだわけじゃなかったからな。それは仕方ないと思う」
切嗣「だが作戦段階で系統が解らなかったのなら、僕に聞いておけばよかっただけのハナシだ」
舞弥「はい・・・気をつけます」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/03(土) 16:43:31.06 ID:jOKMy44f0<>
切嗣「それで続きだが、初撃で仕留められなかった状況から退避までの方法は問題ない」
切嗣「防御されたにも関わらず撃ち込んだのは、相手の特性が理解出来たからだろう?」
舞弥「はい。脳や臓器までは硬化出来ないと判断しました」
切嗣「その後の護衛連中と出会しての対処もまずまず」
切嗣「連中を吹き飛ばし、先じて地下に爆破を仕掛けたのも良し」
切嗣「しかし、問題はその後だ・・・・・・地下に降りて対象を視認したな?」
舞弥「ええ」
切嗣「原型を留めてるにも関わらず、なぜ即座に頭を撃たなかった?」
切嗣「あの爆破で原型を留めているのは異常だと判断すべきじゃないか?」
舞弥「!!」
舞弥「考えがそこまで至っていませんでした・・・・」
切嗣「それならいい。二の轍を踏まないようにな」
舞弥「はい」
切嗣「その後の戦闘については・・・・・よくやった」
舞弥「・・・!・・・・・・・ありがとうございます」
切嗣「あそこまで使い魔を使役出来るとは、僕も予想外だったよ」
切嗣「使い方もトリッキーで目を見張るものがあったな」
切嗣「まぁ・・・・以上を踏まえたうえで、算段を複数描いて望むように」
舞弥「はい、頑張ります」ブロロロロ・・・
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/03(土) 18:16:23.10 ID:jOKMy44f0<>
切嗣「だいぶ治ってきたようだな。脚を戻しても構わないよ」
舞弥「ええ、助かりました」
切嗣「・・・・もう一つだけ覚えておいてほしいことがある」
舞弥「なんでしょう?」
切嗣「僕がアインツベルンと契約した後は、度々戻れるとも限らないわけだ」
切嗣「今後、舞弥がソロで動き大怪我をした場合・・・・治癒は己で掛けるしかないな?」
舞弥「そうなりますね・・・・」
切嗣「今回の場合に照らし合わせると、現場からの離脱が確実に遅れる」
切嗣「且つ取りこぼしがあった場合は出血量も増え後手後手に。致死に至る可能性も高くなる」
舞弥「・・・・それは解っているつもりです。今後のミスも減らします」
舞弥「ですが、切嗣・・・・・・私は道具であると―――・・・」
切嗣「そこだ」
舞弥「・・・・というと?」
切嗣「さっき話した反省を活かせば、舞弥は仕事でのミスを減らせることくらい解ってるさ」
舞弥「?」
切嗣「銃やナイフは替えが効く」
切嗣「だが・・・・舞弥は替えが訊かない」
舞弥「・・・・そうですね」
切嗣「そこを意識してほしいというだけだよ」
舞弥「ええ・・・・了解です」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/03(土) 18:49:57.42 ID:jOKMy44f0<>
切嗣「運転を交替しようか?」
舞弥「いえ、あと20km程ですし・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
もうそろそろ市街地を抜け、未舗装道路に差し掛かろうとした時。
舞弥が珍しく、遠ざかる街中にあるだろう何かを目で追っていた。
切嗣「・・・・何を見てるんだい?」
舞弥「いえ、特に何も」
切嗣「何もってことは無いだろう。舞弥が目で追うなんて戦闘か警戒時くらいのものじゃないか」
舞弥「大したモノじゃありませんから、お気にならず」
切嗣「・・・・そうか。『モノ』を見てたのか。尚更気になるな」
舞弥「!!・・・・・・バイク屋があったので、そこを何となく見ていただけです」
切嗣「意外だな・・・・さっき使ったからかい?」
舞弥「はい」
切嗣「欲しいなら言ってくれたらいいだろう?お金はそれなりにあるんだ」
舞弥「・・・・別に、そういったワケではありません」
舞弥「仕事で使うことがあるので、少し気になっただけですから」
切嗣「・・・・・・」
切嗣「機動力は高いからね。乗りこなせて損は無いだろうさ・・・・練習用に買おう」
舞弥「ですが、私に経費を裂く必要は―――・・・・」
切嗣「ああわかったよ。僕は練習がしたかったんだ」
切嗣「ついでに舞弥のも買うから一緒に練習してくれ」
舞弥「了解です。切嗣」
切嗣(面倒臭い性格だな・・・・)
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/04(日) 00:22:23.19 ID:cN63p3k50<>
―バイク屋―
切嗣「ふーん・・・・中古屋だったのか」
切嗣「仕事に使うから中古で問題はないな」
舞弥「切嗣は何を買うのですか?」
切嗣「僕はコッチを離れることになるだろうから安いオフにするつもりだよ」
舞弥「それでしたら私もオフロード車から選びましょう。未舗装地での練習が多いでしょうから」
切嗣「いや、そうとは限らないな」
舞弥「?」
切嗣「聖杯戦争がどんなに早く勃発しても、今(1978年)から数年は先だろう」
切嗣「開催地の日本はめざましく発展している国だ。市街地は殆どが舗装地になっているだろうね」
切嗣「そういったわけでオンでもオフでも好きに選べばいいさ」
舞弥「好きな・・・・もの」
切嗣「デザインなり重量なりで決めるといい。性能に関しては僕がそれなりの知識を持っているから助言出来る」
舞弥「そうですね・・・・」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/04(日) 00:55:09.20 ID:cN63p3k50<>
舞弥「・・・・・・」ウロウロ
舞弥「・・・・・・」
舞弥「・・・!!」ピクッ
切嗣「ん?ソレが気に入ったのかい?」
舞弥が珍しく、本当に珍しく、そこにあった機械美を眺めていた。
光沢が無いシルバーのフレーム、マフラー・タンク・サイドカバーはメッキで塗装されており、綺麗な銀が光っている。
オブションだと思われるカフェレーサー風のフルカウルを装着しており、そのエンドからはエンジンが見え隠れしていた。
空冷パラレルツイン736cc、ロイヤルエンフィールド社製・Interceptor(インターセプター)である。
http://www.flickr.com/photos/motosanglaises/4019037619/in/faves-michel_67/
舞弥「・・・・ええ、気に入りました」
切嗣「・・・・ははっ」
舞弥「何がおかしいのですか?」
切嗣「すまない・・・・・・うん。悪くない選択じゃないか」
切嗣「二気筒のインターセプターか。180くらいは普通に出せるしその辺の車よりかはよっぽどマシな加速をする」
切嗣「オイル管理が少々面倒だが、それさえ怠らなければいきなり壊れることもない」
切嗣「まぁ・・・仕事の道具だから壊しても構わないんだが」
舞弥「道具として使いつつ大事にします」
切嗣「それなら買おう」
切嗣「ついでだからカウルを防弾加工しておこう。タイヤ周りもやっておくべきか?」
舞弥「有難う御座います・・・・切嗣」ペコッ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/04(日) 01:18:22.97 ID:Pgh1vjzSO<> 相変わらず>>1はバイク好きだなww
そしてまた何かスゴい?デザインのバイクを… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/04(日) 02:32:07.83 ID:cN63p3k50<> こんな感じのバイクは日本車でもあるよ。カウルは社外が殆どだけど。
今回はストーリー上の問題でバイクを登場させました。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/04(日) 04:27:43.10 ID:cN63p3k50<>
切嗣「・・・・・」ジョキジョキ
舞弥「・・・・・」プシュー・・・シュー・・・
切嗣「・・・・・」ペタペタ パチッ パチッ
舞弥「切嗣、乾燥する前にクリアを吹き付けてもいいのですか?」
切嗣「10分くらい放置して生乾きの上から吹くのが望ましいね」
舞弥「了解しました」
今日は先日納車されたインターセプターを改造している。
切嗣は、クロスワイヤーとFRP(ガラスマット・樹脂・硬化剤)を使ってカウル全体の防弾加工を行う。
クロスワイヤーを数枚重ね強靭な防弾力を持たせた上ににFRPで硬化させる予定だ。
これが終わったら、タイヤの全面まで包み込むようにフロントフェンダーの改良&防弾加工を成すつもりである。
その一方で舞弥は、車体を分解して塗装を行なっていた。
切嗣曰く『エンジンを分解しない限りは壊れないから思いっきりバラせ』とのことで、フレームを取り出すとこまでバラしてみる。
尚、カウルの防弾加工を行うからには再度塗装が必要になるので『いっそ全体を好きな色に塗装してみればいいんじゃないか?』という切嗣の発言が発端。
そんなわけでタンクやサイドカバー以外の塗装部を、エナメル塗料でダークグリーンに塗装している最中だった。
グリーンの吹付は終わったので、クリアを吹くまでの乾燥を待つ。
舞弥「切嗣。クリアまで手が空いてるので昼食を作りますが希望はありますか?」
切嗣「そうだな・・・・手が塞がってるし、簡易的なモノでいいんだが」
舞弥「ベーコンが余ってたので、パンにレタスと挟んでサンドウィッチにしましょうか?」
切嗣「そうしてもらえると有難いね。任せた」
舞弥「それでは作ってきます」スタスタ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/04(日) 18:13:42.81 ID:cN63p3k50<>
舞弥「・・・・・」ジュー・・・ジュー・・・
舞弥「・・・・・」サクッサクッサクッ
舞弥「・・・・・」ヌリヌリ
油を少量入れたフライパンでベーコンをカリカリになるまで炒める。
ミミを切り落とした食パンにトマトソースを塗り込み、千切ったレタスと共に挟む。
見た目の素っ気なさに不安を抱いたのか、念の為にと試食することにした。
舞弥「・・・・・」モグモグ
舞弥(美味しい・・・・)
舞弥「切嗣。出来ましたよ」
切嗣「有難う。それじゃあ頂くよ」
舞弥「はいどうぞ」スッ
切嗣「・・・・・」モグモグ
切嗣「んむっ・・・・美味いな」
樹脂で手がベタベタになっていたので、舞弥が切嗣の口までサンドウィッチを運んであげた。
あらかじめ食べやすいサイズに切っておいて正解だったようである。
切嗣「牛乳も貰っていいかい?」
舞弥「はい」スッ
切嗣「・・・・・」グビグビ
切嗣「ぷはっ・・・・ありがとう」
舞弥「いえどうも」モグモグ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/04(日) 19:58:08.04 ID:cN63p3k50<>
―3日後―
切嗣「よし・・・・」カチャカチャ
切嗣「これで・・・・完成だ・・・」
舞弥「これが・・・・」
舞弥「インターセプター・・・!」
タンク・サイドカバーのメッキの輝きは従来のままに、フーレムは艶無しのダークグリーン。
カウルやフェンダー等もダークグリーンだが、こちらはエナメルの艷により大人しくも存在感を主張していた。
足回りやエンジンを防護するカウルやフェンダーより重鎮な雰囲気を醸し出し、その風貌は「迎撃機(インターセプター)」と呼ぶに相応しい。
舞弥がカウルに刻印したイタリックバスカヴィルフォントの『 Royal Enfild Interceptor 』の名が、愛車であることを証明する。
舞弥「エンジンを掛けてみてもいいですか?」
切嗣「舞弥のバイクなんだ。僕に訊く必要はないだろう?」
舞弥「ええ・・・それじゃあ・・・・」ソワソワ
手動式オイルポンプをシュコシュコと送った後、センタースタンドを下ろして慣れないそぶりで跨る。
左方のスタンドに左足を、キックペダルに右脚を乗せ、バランスを取った。
思いっきり加重を右足に乗せ――――キックを踏み込む。
ググッ・・・・・・ガコンッ!
ボボボッ!―――――上手く入った。
瞬時にアクセルを捻る。回転が跳ね上がり連続した爆発音が重く響きわたる。
―――――ボルルルルゥゥウウ゛ウ゛ンッ゛!!!
アクセル戻しアイドリングが安定・・・ドドッ・ドッドドッ・ドドッ・・・重い低音がバイクを通じて体に染み渡っていく。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/04(日) 20:54:52.58 ID:cN63p3k50<>
先日、舞弥はカウルに文字入れをしていた時、既に口元が緩んでいた。
しかし、今はその比ではない。
レスポンスを確かめるよう小刻みにアクセルを捻っては戻し、1速に入れクラッチを切り動力を確認している。
口元こそ緩んでいないものの、その目と心は高揚感に満ち溢れているようだ。
きっと、本人はその自覚なんて無いのだろうが。
舞弥「切嗣・・・・片付けを終えたら・・・・」
切嗣「あぁそうだな。練習にでも行こうか」
舞弥「でしたら早く片付けましょう」ガチャガチャ
片付けを終えた僕達は、都市開発が中断された広い更地に向かう。
僕も先日の中古屋でCB72を買ったので、気分転換には丁度良い。
正直、舞弥がバイクを大切にし過ぎて練習にならないかと思ったがそんなことはなかった。
グリップの限界まで確かめようとして何度もコケる。
タイヤの消耗やエンジンへのダメージなどお構いなしスライドターンをガンガン決めていた。
80km程の速度から身を投げ出し、一瞬の身体強化でダメージ軽減などの荒業をやってのける。
練習でカウルが傷付くのは嫌なのか、流石に外して練習していたが。
それでも満足そうな面持ち(無表情だが)だったので、買って正解だったなとつくづく思う。
皮肉なことに、道具を道具として扱うことは舞弥に分があるのかもしれない。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/04(日) 22:57:03.68 ID:cN63p3k50<>
切嗣「・・・・―――そろそろ日も暮れるだろうし、今日は帰ろうか」
舞弥「そうですね。いい練習が出来ました」
切嗣「僕は弾を買ってから戻るよ。舞弥は先に戻っておいてくれ」
舞弥「ええ、了解です」
舞弥(少し遠回りですが、海岸線を通りましょうか・・・・)ブロロロロ
舞弥「・・・・よし」カコン
舞弥はバイクをガレージに入れ、本宅に向かう。
この後、切嗣がすぐに戻るだろうからガレージは開けておくことにする。
舞弥(さて、晩ご飯は何を作りましょう)ガチャッ
本宅の玄関を開け、中に入る・・・・・・が、いつもと何かが違った。
舞弥「・・・・・?」
舞弥「ッ!!!?」シュパッ!!!
頬が切れた――――――それに気付くコンマ数秒前、反射的に体を仰け反らせる。凄まじい早さで。
部屋に違和感、一瞬の殺気、同時に反射的な回避、そのまま前方に駆け出し背後を確認する・・・・・が、遅い。
背後を確認した時、目の前まで大柄な男が迫っていた。
腰のホルダーに収めているナイフとハンドガンに手を伸ばしつつ、真横に回避しようとするも、屈強な力で首を押さえられる。
眼前、目に刃物の切先を突きつけられていた―――――!
殺し屋「猫並みの直感だな・・・お嬢ちゃん」ググッ・・・
舞弥「ッ!!!」
間違い無い・・・・殺し屋だ。それも相当な経験を積んだ者であると、先程のやり取りから感じられた。
並みの敵であったなら完全に回避出来たはずの一閃、それを繰り出すまで押さえ込んでいた殺気。それらが物語っている。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/04(日) 23:27:41.69 ID:cN63p3k50<>
身長は切嗣とさほど変わらないくらいだろうか。しかし筋肉質なせいかガタイが良く見える。
パッ見た感じでは30代半ば程の男であったが、場馴れしたその目のせいで老けて見えるのかもしれない。
殺し屋「ま、殺せなくて正解っちゃ正解なのかな・・・」
殺し屋「衛宮切嗣はどこだい?」
舞弥「・・・!・・・」
目的こそ検討はついていたが、やはり切嗣を狙った殺し屋だった。
殺し屋「喋ってくれないと、一生暗闇の生活になっちまうんだが・・・・どうする?」
網膜まで1mmというところまで切先を近づけてきた。
吐かなければ拷問を受ける、殺される・・・・・・・だが、そこは大した問題ではない。
吐いたところで殺されるのだろうし、そもそも吐く気など毛頭に無い。道具が吐くなどおかしな話である。
それよりも問題なのは・・・・・外からバイクのエンジン音が近づいてきたこと。
殺し屋「なんだ。ちゃんと帰ってくるんじゃねぇの」
舞弥(不味い・・・・!!)
殺し屋「このまま人質に取らせてもらうからよ・・・・死にたくなけりゃ静かにな」
そう言いながら男はナイフの位置を目から首筋に変更し、舞弥を弾良けのように自身の前に置いた。
不味い・・・かなり不味い。本宅の外でドンパチやってるなら誰でも状況に気付くだろう。
しかしここは屋内。切嗣に状況が伝わるとは考えにくい。
外の物音を聴く限り、切嗣はガレージにバイクを収納し終えた。
ジャリッ・・・ジャリッ・・・・と足音が近づく。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/04(日) 23:50:13.47 ID:cN63p3k50<>
足音が段々と近づいてくる・・・・・・・・・・・・ジャリッ・・・・ジャリッ・・・
人質に取られ足枷となった私が何をすべきか、冷静に考えればそんなことは一瞬で判断がついた。
舞弥「切嗣!!!逃げてッ!!!!」
殺し屋「!!?」
首筋に当てられたナイフに力がこもる――――――と同時、玄関横の窓からナニカが落ちていくように見えた。
切嗣の足音も消えていた。
丸くて暗い色の物体・・・・・・・・そう、手榴弾である。
―――――――――ズドォンッ!!!!!!!!
舞弥「がッ―――!!!」ビシッ!バスッ!
殺し屋「ッ!!!?」ドスッ!ビシュッ!!
窓付近で爆発したことにより硝子やコンクリートの破片が、舞弥と殺し屋に飛散する。
その破片諸々の殆どは舞弥に、殺し屋の腕や頭にも直撃した――――!!
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/04(日) 23:51:14.19 ID:Pgh1vjzSO<> 流石である <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/04(日) 23:52:18.37 ID:hxQd4maBo<> 外道のお手本の様な迷い無き殺意。素晴らしいな。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/05(月) 00:45:28.34 ID:M7icogQW0<>
切嗣はアジトに戻ってきた時、違和感を感じた。
ガレージが開いたままなのは舞弥が気遣ってのことなのだろう。しかし本宅のドアが開きっ放しというのは流石におかしく思えた。
舞弥は普段なら必ずドアを閉めるはず。物音も聴こえない。
屋内にいるかもしれない刺客を想定し、普段通りにガレージへバイクを入れる。
ただし、それと並行してガレージに置いてる使い魔を使役。遠くの草むらから屋内の様子を覗かせた。
結果、舞弥が手篭にされていることが判ったため、ガレージに置いてたスタングレネードと手榴弾のピンを引き抜く。
そして再び普段通りに玄関付近まで向かった。
ここからが戦闘開始―――――爆破を窓付近に狙いつつ手榴弾を投郭。
それと同時、爆破に巻き込まれないよう屋根へと飛び移る。
更に爆破後、玄関の頭上より屋内へスタングレネードを投げ込んだ―――――!
舞弥「ぐっ・・・・・・・!」
殺し屋「痛ッ・・・・クソが・・・」
殺し屋(イカレてんのか!野郎・・・!!)
舞弥(今の内に・・・・!)ダッ
殺し屋「っ・・・待てコラ!!!」
手榴弾本体の破片は飛散していなかったため、二人は重傷とまではいかない。
先ほどの爆破で首からナイフが離れ、腕が緩んでいた。
舞弥はそれを見逃さず距離を取ろうとしたが――――――・・・・・・・・・・カンッ!・・カラン・・・
殺し屋「逃がさ―――――・・・・・・・・あ゛っ!!?」
舞屋(ッ!!?・・・・スタン!!!)
・・・・・・・・―――――バァンッ!!!!!!
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/05(月) 01:15:34.67 ID:M7icogQW0<>
この形状・・・・・・・スタングレネード。
生まれてこのかた戦場を歩き続けた舞弥は、スタンと気付いた瞬間に目と耳を塞いだ。
殺し屋を長年続けているこの男も、経験の長さに救われ対処に間に合った。
炸裂・・・・激しい光りと破裂音――――――対処してもその衝撃は体に伝わる。
殺し屋はチカチカする目を開こうとした・・・・・次の瞬間、右方に気配を感じる!!
反射的にナイフを振り抜くも、鉄と打ち合う音で静止した。
切嗣「ッ!!!」ガキンッ!!
殺し屋「!!?」ギンッ!!
スタンが炸裂した直後、背後の窓から切嗣は侵入していた。殺し屋は着地点のすぐ傍。
迷わず銃口を向けた次の瞬間――――――――ナイフによる一閃がトリガーガードに激突!!
銃口は殺し屋の頭より少し上を向き、ナイフの柄と渾身の力で責めぎ合う。
殺し屋「お前が・・・・衛宮か!!!」ギギギ・・・!
切嗣「どこの差し金か答えろ・・・・!」ギリ・・・ギギ・・・!
舞弥「動くな・・・・!」チャキッ!!
殺し屋「・・・・ッ」
頭や腕から血を流しながら、己のハンドガンを刺客に向ける――――――殺し合いは決した。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/05(月) 21:49:23.48 ID:M7icogQW0<>
切嗣「ナイフを降ろせ」
殺し屋「・・・・・・」
切嗣「舞弥、撃ち殺せるよう構えておけ。治癒しながらでいい」
舞弥「了解です」チャキッ
殺し屋「わかった。下げるからよ・・・・」スッ
切嗣「で・・・・どこの差し金か答える気はあるか?」
切嗣としては、まだコイツを[ピーーー]気は無かった。
何故このアジトが割れたのか・・・・・そこが問題である。
情報の伝達はFAXか別口に置いてる使い魔経由であるため、割れることはまず有り得ない。
殺し屋「それよりまぁ・・・・俺の名はフリッツってんだが」
切嗣「!!・・・・・聞いたことはある」
舞弥「切嗣、この男は何者ですか?」
切嗣「同業・・・・それなりに有名なヤツだ」
舞弥「どうりで・・・・」
フリッツ「そう・・・・・お前さん達と同じ魔術師殺しさ」
切嗣「同業というだけで狙われるのは驚きだ」
フリッツ「いや、個人的な興味もあったが依頼を受けたから殺しにきたわけだが」
切嗣「その依頼先を答えてもらおうか」
フリッツ「それより先に答えてくれるか?」
切嗣「質問を質問で返すとは・・・・」チャキッ・・・
フリッツ「ナタリアは今どこにいる?」
切嗣「!?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>sage<>2012/11/05(月) 21:54:44.76 ID:M7icogQW0<>
舞弥「・・・・・・」
フリッツ「教会経由で色々調べたが、衛宮家の魔術刻印を持ってきたのはナタリアだったと聞いた」
フリッツ「恐らくだが・・・・お前は弟子だろう?」
切嗣「・・・・・・」
切嗣「ナタリアとどういった間柄なのか、先に答えてもらえるかい?」
フリッツ「質問を質問で返すのはお前さんも同じか・・・・まぁいいが」
フリッツ「もう10数年前にはなるが、俺はラスで殺し屋をやってた」
フリッツ「魔術とは関わりの無い普通の殺し屋集団さ」
フリッツ「そんで・・・・派遣先で大掛かりな仕事があったんだが、その時にナタリアと組んだ」
切嗣「・・・・・」
フリッツ「仕事終わりに色々話し込んで、少し気に入られたところもあったのかもな」
フリッツ「一ヶ月足らずだが、あの人が俺に魔術を教えてくれた・・・・この場所で」
フリッツ「格好良い人だった・・・・・・結局疎遠になったが」
切嗣「それでこの場所が割れてたわけか」
フリッツ「そーいうこった。お前を恨んでる連中は山ほどいる」
フリッツ「だが所在地を知ってるのが俺だけだったということだ」
切嗣「・・・・・依頼先は?」
フリッツ「おい、次はお前が答える番だぜ」
フリッツ「ナタリアはどこだ?何故ここに居ない?」
切嗣「・・・・・・」
フリッツ「・・・・・」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>sage<>2012/11/05(月) 22:06:27.36 ID:M7icogQW0<> オリジナルキャラとか無理なんでニトロから引っ張ってきた。
因みにこの人↓
http://livedoor.blogimg.jp/el250a3-1111/imgs/0/4/04a13eb5.jpg <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/05(月) 22:07:52.63 ID:M7icogQW0<>
フリッツ「お前の名が魔術の世界に広まった時・・・・・オッド・ボルザークを飛行機毎爆破した件」
フリッツ「あの時ぐらいからだな。ナタリア・カミンスキーの名を訊かなくなったのは」
フリッツ「事故死か?何があった?」
フリッツ「どうせ俺を殺すんなら教えてくれ・・・・」
切嗣「・・・・・・・」
切嗣「ナタリアは・・・・・」
フリッツ「・・・・・・」
切嗣「・・・・僕が殺した」
フリッツ「・・・・・あ?」
切嗣「僕がナタリアを殺したんだ。あの飛行機ごと爆破して殺した」
フリッツ「・・・・・・」
切嗣「今度はこっちが質問する番だな・・・・・依頼先は?」
フリッツ「オーケィオーケィ・・・・・・答えてやるからよ・・・・」
フリッツ「・・・・サシで殺し合おうか」チャッ・・・ヒュヒュッ!
舞弥「切嗣。殺害の許可を」ジャキッ
切嗣「・・・・・・待て」
切嗣「フリッツだったな。お前、死んだら質問に答えられないだろう?」
フリッツ「随分な自信だなぁ・・・・・ええ?」
舞弥「切嗣・・・・・許可を早く・・・!」
舞弥は危惧していた。
先ほど見た技量に加え、魔術も使える。
フリッツは高い確率で切嗣の固有時制御を知っているが、こちらはフリッツの手の内が解らないでいる。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/05(月) 22:48:45.67 ID:OM7LL/XSO<> 何気に無駄に渋くかっこよかっただと……!
そして安定のナタリアさんである <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/11/05(月) 23:09:12.21 ID:M7icogQW0<>
ギンッ!! カッ!ギキンッ! ジャッ!ギッ・・・・ギギッ・・・・!!
薄暗くなり始めた屋内に、火花が散る。
フリッツ「なんだ!?そんなもんか!!?」ギッ・・・ヒュッ!
切嗣「ッ!!?」バッ!!
変則的な軌道・・・・・・・この一言に尽きる。
大柄な体格からは想像もつかない技術だった。
しかし、その変則な刃を寸でのところで躱す切嗣も相当なものである。
フリッツ(今のを躱すか!!)
切嗣「―――ふッ!!!」ヒュィンッ!!!
切嗣はナタリアに教わった基本通り、順手でグリップを握っていた。
体全体を使い、慣性を合せて振り抜く速度を増す。
それに伴い交戦点が狭まること、体全体を狙われやすいというデメリットも発生する。
一方、フリッツは完全に独自の戦法を取っていた。
グリップを順手で握ることもあれば、躱された軌道の最終地点で逆手に持ち替えるなど、トリッキーさが窺える。
また、体の側面を相手の正面に位置させ正中位を隠す。その体位は被弾が減るというメリット付きだ。
結果として腕で振り抜く速度だけになってしまうのだが、それでも体全体を使った切嗣の速度と同等かそれ以上と思える。
フリッツ「ぎっ!!?」ズパッ!!
切嗣(殺れる―――・・・・・・!)
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/05(月) 23:15:11.89 ID:M7icogQW0<>
フリッツ「だからどうしたァ!!?」ヒュッ!!
切嗣「!!?」シュパッ!
かなり不味い・・・・・・切嗣が押され気味だ。
互いの刃は細かい刃零れを起こし、血と油でぎとぎとになっている。もう何発斬り込んだかなど、互いに覚えていないだろう。
受けたのも浴びせたのも浅い一閃でしかないが、切嗣の出血量は徐々に増す。
そして、フリッツの治癒魔術が厄介であった。
超速再生というほどではないが、浅い傷なら3秒程で完治。それなりに抉れても10秒で再生していた。
それを見越して致命的な軌道で無い限りは突っ込んでくるから恐ろしい。
銃を使わない理由が解った。この男は、銃器に頼るよりも刃物を使った接近戦が優位に戦えるからだ。
だが・・・・・本当にマズイと判断したなら、この男は私が殺ればいい。
フリッツ「確かにナタリア譲りだ!!その動きッ!!!」ギッ・・・!
フリッツ「手合わせしてもらった時を・・・・昨日のように感じるぜぇ・・・!」
切嗣「ぐっ・・・・!」ギギ・・・ギ・・・!
フリッツ「だが軽い、遅い・・・・・及んでねぇぞッ!!!」
切嗣「黙れ!!!」ドガッ!!
フリッツ「チッ!!」バッ!
鍔競り合っていた最中、切嗣の蹴りがフリッツを押し飛ばす―――――!
二人はそのまま距離を保つ。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/05(月) 23:36:42.62 ID:M7icogQW0<>
切嗣「それがお前の魔術か・・・!」
フリッツ「ああ、ナタリアから教わった魔術だ」
フリッツ「魔術全般に通じるような素養は無かったんでね・・・・これを鍛え続けろと言われたもんさ」
切嗣「その域まで来ると便利なものだな」
フリッツ「・・・・そうでもない」
切嗣「・・・・?」
フリッツ「何故殺した?」
舞弥「・・・・切嗣。殺害の許可を」ジャキッ
切嗣「待て・・・・吐かせてから殺すべきだ」
舞弥「切嗣ッ!!貴方の考えなど――――・・・・・!」
切嗣「殺した理由についてだが」
フリッツ「・・・・・」
切嗣「・・・・もう手遅れだった」
フリッツ「機内で・・・・ドジ踏んだってことか?」
切嗣「ああ、だから対象ごと殺った」
フリッツ「・・・・・」
<>
ハッピーDEATH☆ ◆BSAxzTP1SQ<>saga<>2012/11/05(月) 23:41:33.55 ID:NV9FDwwB0<> >>1
あんたはハッピーの師匠だ・・・だがしかし今はハッピーの「ライバル」!
ちんたら書いてるとハッピーに人気持ってかれちゃいますよ〜(小鳥っぽく) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/05(月) 23:58:35.99 ID:M7icogQW0<>
フリッツ「・・・・・」
フリッツ「俺が、ナタリアと疎遠になった理由なんだがな・・・・」
切嗣「・・・・・」
舞弥「・・・・・」
フリッツはナタリアを慕っていた。
豪気で、クールで、格好よくて・・・・馬鹿みたいに飲み歩いてたナタリアを慕っていた。
ナタリアと知り合う前までは殺し専門の組織に属していたが、好き好んでやっていたワケじゃない。
歳の離れた妹がいた。
もともとスラムの生まれで親父は最低の屑野郎だったことを覚えている。母親はどこかの娼婦と聞く。
そんな糞みたいな環境から逃げ出した先で、手を差し伸べてくれたのが、ラスベガスのマフィアである。
衣食住をくれてやる代わりに仕事をしろというのだが、それでも妹を安心させることが出来るならそれで良かった。
マフィアがバックについているなら、大概の連中共に脅かされることはないから。
その後、期間限定という名目でマフィアの了承も降り、ナタリアの下で学ぶことになる。
だが・・・・相手が悪かった。
フリッツは前科があり、それが原因で敵対した魔術師連中からいとも簡単にヤサを探り当てられる。
勿論、割れたヤサはナタリアのアジトではない。
妹と暮らしてたアパートだった。
マフィア如きに怯えることは無い魔術集団。
二日後には妹が惨殺されていた・・・・・辱しめまで受けて殺されていたことが、マフィア達から連絡が届く。
当然、その魔術師連中は皆殺しにした。
だが・・・・もう、ナタリアと一緒に居る気にはなれなかった。
原因があるとすれば、その糞共と己のせいである。
ナタリアは、自分の管理が甘かったせいだとも言った。
誰が悪いわけでもない。そんなことは解っている。だけどもう無理だった。誰とも居る気にはなれない。
その後、ナタリアと連絡さえ取ることなく、己一人で魔術師殺しの道を歩み始める・・・・。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/06(火) 00:15:46.34 ID:Ihlc3dRj0<>
フリッツ「で、数年前からナタリアの名を訊かなくなったが・・・・それでも探し宛てる気も無かった」
切嗣「・・・・・」
舞弥「・・・・・」
フリッツ「ただ、先日この件が耳に入ってな・・・・動くべきだと思った」
フリッツ「依頼した連中だが、オッド・ボルザークが属してた組織があるだろう?」
切嗣「ニューヨークの組織か?アレは僕が皆殺しにしたはずだが」
フリッツ「いやそうじゃねぇよ。確かにその組織はもう壊滅しているさ」
フリッツ「だが、魔術師の組織同士に横繋がりがあってもおかしくはないよな?」
切嗣「!!・・・・・・なるほど・・・」
フリッツ「連中も俺が事務所に伺った時にゃカチ込みと勘違いしてたぜ」
切嗣「このアジトのことは喋ったのか?」
フリッツ「まさか。喋ってりゃ今頃わんさか魔術師が押しかけてるだろうよ」
フリッツ「つーか喋ったら喋ったで俺を無事に帰す気なんて無いだろうからな。金が受け取れねぇ」
フリッツ「アイツらはこの仕事が終わったら壊滅させるつもりだったさ」
切嗣「もう一つだけ聞いておきたいんだが、教会が僕の情報を出したのか?」
フリッツ「ああ、奴らもアジトまでは把握してなかったが魔術刻印については教えてくれたぜ。金握らせたからな」
切嗣「そうか・・・・」
切嗣「わかった」
そう短く言い放った切嗣は、いつもより一段と目から光りが消えていた・・・・・。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/06(火) 20:39:11.24 ID:Ihlc3dRj0<>
切嗣「それじゃあ続きといこうか」ヒュヒュンッ!
フリッツ「まだやる気とは驚きだな」
フリッツ「ま・・・・殺しに来んだ。殺さず帰るつもりも無かったが」ヒュッ!
舞弥「切嗣、もう殺りますよ」
舞弥「これ以上、近接で相手をするのは意味がない」チャキッ・・・
切嗣「待て。依頼した組織のヤサを吐かせてからにしろ」
切嗣「拷問したところでこの手のヤツは吐かないだろうからな・・・」
フリッツ「俺に勝てたら教えてやるさ。勝てたらな」
舞弥「っ!!」
まるで切嗣らしくない。リスクを犯してヤサを吐かせる理由など無かった。
フリッツがこのアジトの所在地を伝えていない可能性は高いが、100%とは言い切れない。
それを考慮して新アジトの確保から移動までは時間がかかる。
確かにその間は危険は付き纏うが、荷運びは私に任せ切嗣は新居に避難していれば済むことだ。
切嗣がやろうとしていることは、きっと――――――・・・・
切嗣「心配するな、舞弥」
切嗣「コイツの手の内が解った以上、僕もチンタラやるつもりはない」
フリッツ「手の内が解ってるのは俺も同じだぜ・・・・衛宮」
切嗣「手の内が解っていようと・・・・・止めようがなければ同じだ・・・」
<>
ハッピーDEATH☆ ◆BSAxzTP1SQ<>saga<>2012/11/06(火) 20:46:30.47 ID:vBT83SoH0<> 師匠も参加してください!今回はちゃんと完結するんで
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352073154/l50 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/06(火) 21:28:38.82 ID:Ihlc3dRj0<>
切嗣「喋ることさえキツくなるんでな。一応教えといてやる」
フリッツ「・・・・・」
切嗣「ナタリアが、残してくれたものだ・・・・!」ダンッ!!
互いの距離は4m程―――――握っていた切先を下に向け、一歩踏み込む。
フリッツは相手に対し正中を隠す構えを。右手に握ったナイフは順手に。
一歩目で距離が狭まり、切嗣が二歩目を踏み込む動作に入る――――ナイフを振り抜く『溜め』は整った。
それを見越したかのように、フリッツの目に力が篭った――――一閃に合わせて体の力を崩し、躱した瞬間に斬り裂く!!
フリッツ(殺れる―――――捉えた!!!)グッ!
『 固有時間制御三倍速 ―タイムアルター・トリプルアクセル― 』
切嗣「疾ィ゛ッ!!!」
・・・――――――――パ!シュ・・・ゥ・・・
フリッツ「―――!!?―――」
事態に気付いた時、衛宮の姿は残像となっていた。
その直後、ナイフを握っていたはずの感覚が一切感じられない――――否、二の腕から先の感覚が消えている。
消えた感覚が戻るも、取り戻せたのは痛覚のみ・・・・右腕が斬り落とされていた――――!
フリッツ「ッ゛う!!・・・・・あ゛!!?」ブシュゥッ!!!
単純に三倍の速度。それは人間の眼で追うことは不可能である・・・・・化け物でもない限り。
客観的に見た舞弥ですら刃の軌道が見えていない。気づけば腕が飛んでいたことだけが現実だった。
正面から見たフリッツに至っては、痛覚が襲い掛かってきてようやく事態に気付く―――――!
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/06(火) 22:02:47.43 ID:Ihlc3dRj0<>
フリッツ「こっ・・・・の゛・・・・・!」
フリッツ「!!!?」ガクン!
背後に居るだろう衛宮を捉えようと振り向く仕草を始めた時・・・・・左脚から力が抜ける。
今度は何が起きたのか直ぐ様理解出来た・・・・・・右脚が消えたのだ。
フリッツ「っ・・・・ぎィ゛っ!??がぁああぁ゛あ゛あぁ゛あ゛!!!!」ブシュゥゥウウウウ!!!!
斬り飛ばされた左脚と右腕の断面から、夥しい量の血が吹き出す。
切嗣「・・・かッ・・・は・・・!・・・・ぁ・・・・!」
舞弥「・・・・!・・・」
切嗣は固有時制御を使う前、出血と激しい動きによる疲労を重ねていた。
万全の状態で使うならまだしも、鼓動が高まっている状態で使うそれは生半可な負担ではない。
息を切らし、膝をついている・・・・・こうなることなど目に見えていただろうに。
切嗣「おま・・え・・・・・の負けだ・・・」
切嗣「吐いて・・・もらおう・・か・・・・!」
フリッツ「っ・・・・!・・・・・」
フリッツ「・・・負け・・・だ・・な・・・・」
フリッツは目に見えて顔が青ざめていく。これだけ出血が激しければ当然だろう。
フリッツ「499 Amphitheatre Parkway・・・・・ Mountain View・・・・・・CA 91023・・・・・」
フリッツ「ちくしょう・・・・」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/06(火) 23:32:10.98 ID:VQ6icRHSO<> つまり、なんて言ったんだってばよ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/07(水) 00:13:03.88 ID:v+x2NYSf0<>
切嗣「カリフォルニアか」
フリッツ「・・は・・ぁ・・・・・・・・」
フリッツ「死ぬ・・・の゛・か・・・・・俺・・・・」ボタボタ・・・
切嗣「言い忘れてたんだが・・・最後だし聞いておけ」
フリッツ「あ゛・・?」
切嗣「ナタリアは手遅れと言ったが・・・・」
切嗣「・・・・あれは嘘だ」
フリッツ「・・・・は?」
切嗣「お前が吐きそうになかったんでな、適当に言っただけだ」
フリッツ「お・・い・・・・・・どうい゛った・・ことだ・・・!?」
切嗣「ナタリアはグール化したわけでもない。健全なままコックピットにたどり着いて運転してたよ」
フリッツ「じゃ・あ・・・・なん・・で!!」
切嗣「僕の目的の弊害となった・・・・だから殺した・・・」
切嗣「恨んでいるか?」
フリッツ「殺・・す゛・・・・!!!」ズル・・・ズル・・・
切嗣「それは叶わない相談だな。お前はもう死ぬ」チャキッ
更に一段と、切嗣の目から光りが落ちた・・・・・・・。
フリッツ「ナタリアを!!・・・・よく・・も゛・・・・あんな・・いい人をッ゛!!!」ボタボタ・・・
切嗣「小言はまた今度にしてくれ」
・・・・・――――――パァンッ!!!!
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/07(水) 00:36:29.05 ID:v+x2NYSf0<>
顔を怒りに歪ませたまま、フリッツは逝った―――――。
何故、切嗣がこのような真似をしたのか、いとも簡単に理解出来てしまう。
切嗣「・・・・・・・・」
舞弥「・・・・準備をしてきます」スッ
切嗣「やることは解ってるのか?」
舞弥「速攻で皆殺し・・・・・・でしょう?」
切嗣「・・・・不満げだな」
舞弥「ええ、不満です」
切嗣「・・・・・・」
舞弥「ですが、今だけはその気持ちを無碍にしないでおきましょう」ガチャッ・・・パタン
切嗣「・・・・・」
切嗣「面倒なのは・・・・・・僕か・・・・」カチッ・・・スパー・・・
船の手配と戦闘準備を整え、僕たちはカリフォルニアに向かった・・・・・・・・。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/07(水) 01:07:45.14 ID:pdaL6j8SO<> ケリィ…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/07(水) 01:17:49.08 ID:v+x2NYSf0<>
マウンテンビューアンフィシアターパークウェイの三等地に建てられた1階建ての物件。
表向きは宗教団体ということで魔術研究を進めている組織だった。
ウィリー「Hey,悪いが買出しに行ってもらえるか?トント」
トント「okay,車借りますね」
ウィリー「ほらよ」チャリッ
トント「センキュー,Boss」パシッ
舞弥「・・・・・・・」
舞弥「・・・!・・・」
舞弥『切嗣、一人が車に乗り込みました』
舞弥『青のビートルです』
切嗣『わかった。予定通りに頼む』
500m程離れた草原というよりも木々の中から、舞弥はスコープ越しに建物の様子を伺っていた。
切嗣に状況を伝えたのち、監視を続行する。
トント「結構買うもん多いな・・・・」ブロロロ・・・
切嗣「・・・・・・」ブロロロロ・・・
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/07(水) 01:47:22.44 ID:v+x2NYSf0<>
・・・・・・・―――――――――ピンポーン
ウィリー「ん・・・・誰だ?」
ウィリー「マローノ、見てきてくれ」
マローノ「はい」スタスタ
マローノ「・・・・・」
トント「俺・です」
マローノ「・・・・トントの奴ですね。買出しから戻ってきたようで」
ウィリー「それなら開けてやってくれ」
マローノ「了解です」カチッ・・・ガチャ
内鍵の施錠が解除され、トントが屋内に入った。
マローノは直ぐ様、仲間の異変に気付いた。腹部から血が出ており洋服に滲んでいる・・・・。
マローノ「!!?・・・おまっ、それ血じゃ・・・!」
トント「・・・・・・」ググッ・・・
ウィリー「おい!!?」
ピンッ・・・・・・・・・・・――――――――――ズドォオ゛オン゛ッ!!!!!
トントは買い物を終えた後、切嗣に拉致された。
・・・・と言っても、拉致されて死ぬまでの時間はおよそ20秒だったで拉致と言えるのだろうか。
殺された後、腹部をカッ捌かれ内蔵を除去・・・・・内蔵の代わりにC4爆薬を10kgも詰め込まれた。
その後、トントの死骸は切嗣によって傀儡のように使役された。さながら歩くゾンビ。
声帯まで弄って『俺・です』と言わせた切嗣の技量も相当なものである。
その結果、魔術師のアジトである建物が、中に居た魔術師全員が、木っ端微塵に吹き飛んだ――――――!
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/07(水) 01:48:11.02 ID:pdaL6j8SO<> エグいww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/07(水) 02:32:22.63 ID:v+x2NYSf0<>
舞弥「けほっ・・・・」
切嗣「原型を留めてるヤツが欲しかったんだが・・・・・まぁいいや」
吹き飛ばし終えた煙たい屋内に立ち入る。
切嗣は少し反省した。C4を10kgは幾ら何でも詰め込み過ぎたと。
舞弥「小さな肉片や臓器も持ち帰りますか?」
切嗣「時間が無いから細かいものは放っておこう」
舞弥「了解です」ゴソゴソ
二人はそのへんに散らばっている魔術師だったモノをゴミ袋に詰め込む作業に没頭した。
舞弥「ん・・・・・頭が残ってました」ガシッ
切嗣「この際手足でも構わない。どんどん集めろ」ポイッポイッ
―翌日早朝・魔術協会カリフォルニア支部―
従事者「ふぅっ・・・・寒くなってきたな」
従事者「・・・ッ!!!?」
協会の目の前に大量の鴉が群がっていた。それも、教会の敷地内ほぼ全てに群がり何かを啄んでいる。
――――肉片だった。人間の手、脚、頭・・・・死骸、死骸、死骸、夥しい数の死骸を喰い散らしていた。
この従事者は吐き気に催されながらも、協会の玄関に赤い文字が書きなぐられていることに気付く。
If you do not want to die Do not hostile ( 死にたくなければ敵対するな )
従事者「ぉっ・・・ぼ!・・・・・うげぇえ゛っ!!!!」ゲボッ・・・ビチャ・・・
従事者「誰が・・・・・・・こんなこと・・を・・・・」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/07(水) 19:35:59.99 ID:v+x2NYSf0<>
数日後、潰れかけの不動産屋にチップを握らせ、新たなアジトを早急に用意した(具体的には公文書偽造を行わせた)
ナタリアと暮らし始めた時から昨日まで使っていたアジトに火を放つ・・・・。
ガソリンを撒き散らし、業火に包まれたアジトは、何の痕跡も残すことなく燃えていく。
バチ・・・バチッ・・・・と熱風を吹きながら崩れ行く様を、僕達は少しだけ眺めた。
業火に照らされ、顔が少し火照る・・・・・だが、あまり気にならなかった。
切嗣「・・・・・・」
舞弥「行きましょう、人が集まる前に」
切嗣「・・・・ああ」
人気の無い土地に、近年建てられた石造りの物件。倉庫も付いており何かと前のアジトより快適と言えるだろう。
舞弥「少し・・・・広いですね」
切嗣「うん、そうだな・・・・」ゴクッ
舞弥が珈琲を淹れてくれることは珍しくも無いが、今日のは少し甘めな気がする。
舞弥「落ち着きましたか?」
切嗣「・・・・すまないね、気を遣わせてしまった」
切嗣「もう大丈夫だよ」
舞弥「そうですか・・・・」クピッ
近日中にアインツベルンとの会談が控えている。それが終わったら紛争地に向かう予定だってある。
明日からは、いつもの僕に戻ろう。舞弥に心配されるようではだめだ。
今日はもう、眠ってしまいたい・・・・・・。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/07(水) 19:42:22.52 ID:v+x2NYSf0<>
舞弥「では・・・・少しお話しをしましょう」
切嗣「・・・・ん?」
舞弥「切嗣は何がしたいのですか?」
切嗣「・・・・・・・」
眠気が少し薄れた。
舞弥は今、先日と同じく、表情に不満と怪訝の色が浮かんでいる。
こんな時くらい流してくれてもいいじゃないかと、思わずにはいられなかった。
切嗣「僕は・・・・・」
舞弥「フリッツ・ハールマンとわざわざ対峙したのは、ナタリアを殺した負い目があったから」
舞弥「死に際に恨まれるようなことを吐いたのは、自責の念があるから」
舞弥「全てが終わったら、呪い続けてほしいと願ったから・・・・」
舞弥「・・・・違いますか?」
切嗣「・・・・その通りだよ」
舞弥「固有時制御無しで勝てないと解っていながらあんな無茶を・・・・吐血してまで」
舞弥「開戦から手榴弾を屋内に投げ込んでいれば、それで終わったことでしょうに」
切嗣「すまない」
舞弥「そもそもヤサを吐かせる理由など無かっはず」
舞弥「協会と魔術師へ脅威・警告と思わせたいのなら・・・・」
舞弥「魔術師殺しとして有名なフリッツの死体を引き裂き、エッフェル塔にでもブラ下げておくだけ済むハナシでしょう」
舞弥「結果、偽りが無駄な疲労へと繋がった・・・・・悪循環ですね」
切嗣「・・・・・」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/07(水) 19:45:38.13 ID:v+x2NYSf0<>
舞弥「それに・・・・アジトを転々とするにしても切嗣一人だけのリスクは少なかったはず」
舞弥「私を使えば転居は簡単だったのですから」
切嗣「・・・・今日はよく喋るじゃないか。舞弥」
つい、反抗した言動を吐いてしまう。それは、舞弥の言葉とは違う感情を含んで。
舞弥「貴方がやりたかったこと、それは・・・・」
舞弥「私を守ろうとした」
舞弥「今後、一人になるかもしれない私に襲いかかる危険を見越して・・・・」
切嗣「・・・!・・・・」
舞弥「・・・・違いますか?」
口を閉じた舞弥は、ジッと僕の目を見据えたまま、問いを投げ続ける・・・・・・。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/07(水) 19:56:31.39 ID:v+x2NYSf0<>
切嗣「・・・・・・だから・・・・」
切嗣「それが何だって言うんだ・・・・!」
切嗣「そんなに死にたいのか!?道具として扱われたいのか!!?」
舞弥「・・・・・・」
切嗣は、堰を切らしたよう感情を表に出し、言葉投げつけた・・・・・。
切嗣「舞弥は代えが効かない道具だから大事だとも思ってる!!」
切嗣「でも、正直に言えば・・・・危険を減らしてやりたいと思った!!」
切嗣「大事にしたいと思った!!!」
切嗣「それが間違いなのか!!?」
舞弥「間違い・・・・なのか、どうかは、私にも解りません」
舞弥「ただ、目的と行動が破綻している・・・・・それが問題なのです」
切嗣「・・・!・・・」
舞弥「切嗣は悲しみを捨てきれていない、非常になりきれない」
舞弥「だからこうなる」
切嗣「・・・・ああ、そうさ。僕は弱い・・・・」
切嗣「昔から変わらず、弱いままなんだ・・・・!」
舞弥「・・・・それなら、命令を変更してもいいのではありませんか?」
切嗣「出来ない!!!」
切嗣「出来るわけが、ないんだ・・・・!」
舞弥「・・・・わかりました」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/07(水) 20:04:41.79 ID:v+x2NYSf0<>
切嗣「逆に何故・・・・舞弥がそう、道具で有り続けられるのか」
切嗣「・・・・僕には、理解出来ない」
切嗣「君だって、この一年程で色んなことを思ったはずだ・・・・」
切嗣「心が踊ったり、何かを美味しいと思ったり、少しだけの至福を感じて・・・・くれただろう・・・・?」
舞弥「・・・・・」
舞弥「その時々で感じたことはあります」
舞弥「ですが、その瞬間に感じただけであって、未来が見えないのです」
切嗣「・・・・?」
舞弥「変わったこともあります。切嗣の気持ちが解るようになった」
舞弥「だけれども、私自身の在り方については何も変わることがない・・・・」
舞弥「生まれた時から道具として生き続けてきた私には・・・・それ以外に何も見えない」
舞弥「きっと、私自身の『人間』という部分は、元々壊れています」
舞弥が言う『生まれた時』とは、兵隊として、道具として、慰み者として扱われ続け、記憶を失った時のことなのだ・・・・。
切嗣「だからと言って・・・・」
舞弥「切嗣が、私に与えようとした優しさは理解しています」
舞弥「だけど無理なんです」
舞弥「『壊れたもの』なら治すことは出来るかもしれない」
舞弥「けれど、元から『壊れていたもの』は・・・・修復のしようがないのだから・・・・」
舞弥の目はあの時と同じだった。
初めて出会った時、死ぬから銃を化してくれと言い放ったあの時と、同じままだった。
自分という存在など諦めている者の目が、無機質に語っている・・・・。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/07(水) 23:54:55.37 ID:v+x2NYSf0<>
舞弥「私は、壊れたまま生まれ落ちた」
舞弥「切嗣は人として生まれ、徐々に壊れることを望んでいる」
切嗣「・・・・」
舞弥「そうなりたいと願う理由だって理解出来ます・・・・けれど、それは間違っている」スッ
切嗣「・・・・?」
舞弥は立ち上がり、ソファーに掛けている僕の方へと歩み寄ってきた。
舞弥「壊れてしまった人間が、争いを根絶させることは出来ません」
舞弥「私だから、そう言えます」
切嗣「・・・・そうなのかな」
舞弥「だから貴方は、壊れる寸前まで、己を殺すしかないのでしょう」
舞弥「悲しみは捨て去らなくてもいい・・・・・・・でも、非情で在ってください・・・・」
舞弥「これが、貴方から命令を受けた道具の意見です」
切嗣「・・・・」
舞弥「今一度・・・・命令を」
切嗣「・・・・」
切嗣「・・・・僕は聖杯を獲る。そして世界を変える」
切嗣「相手が誰であろうと、今回のような真似はしないと誓う」
舞弥「・・・・」
切嗣「・・・・だから舞弥、僕を支え続けてくれ」
切嗣「僕を、非情なまま動かせるよう・・・・・・補助を頼む・・・・」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/08(木) 00:00:40.73 ID:kA8pPwkQ0<>
舞弥「了解です。切嗣」
そう言いながら、舞弥は僕の隣に座る。
舞弥「切嗣」ギュッ・・・
切嗣「・・・・!?」
切嗣「えっと・・・・・何を・・・?」
舞弥は僕の肩を優しく掴み、己の膝に寝かせるよう引っ張った。
舞弥「いわゆる、膝まくらですね」
切嗣「・・・・何故だい?」
舞弥「補助しているだけです」
舞弥「切嗣の傷心が、少しでも安らげばと・・・・」
切嗣「・・・・・・・」
舞弥「必要ありませんでしたか?」
久しく、本当に久しく・・・・・・落ち着いた。
人を殺した時の虚無も、積念も、心にある蟠りが、今だけは忘れていいような気さえした。
切嗣「どうやら・・・・必要みたいだ・・・・・」ギュッ
舞弥「そうですか・・・・」
十代半ばの舞弥が、とても母性的に感じる。
そんなことを思っている自分は客観的に情けないのだろうと思った。
でも今だけは、そんな自分すら忘れることが出来た。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/08(木) 01:59:38.87 ID:fGFTn+dSO<> 不器用や…グス <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/08(木) 02:04:57.08 ID:0Z9Vaddyo<> ケリィ…この自罰的行為が性癖じゃない事を祈ろう <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/08(木) 19:37:33.77 ID:kA8pPwkQ0<>
舞弥「前に、私が・・・・」
切嗣「・・・・ん?」
舞弥「『犯しなさい』、『ナタリアは浮かばれない』と言ったこと・・・・覚えてますよね?」
切嗣「・・・・ああ、覚えているよ」
舞弥「その時に私は、『こんな行為は嫌だ』と言いました」
切嗣「・・・・・」
舞弥「気づいてくれているかもしれませんが、あれは嘘です」
舞弥「ナタリアの件を貶したことも、切嗣の甘えを消そうと思ってのことでした」
舞弥「・・・・申し訳ありません」
切嗣「なんとなく・・・・そうなんじゃないかって、一緒に時間を過ごしながら、気づいていた」
切嗣「気にしなくていい。それよりも今は」
切嗣「もう暫く、こうしていたい・・・・」ギュッ
舞弥「・・・・一晩中こうしていましょう」
嬉しかった。 少しでも心を開いてくれたことが。
舞弥の匂いや体温が伝わる。それがとても心地良いと思えた。
舞弥「・・・・・ただ・・・・」ナデ
切嗣「ん?」
このまま幸せな時間だけを得ていたいと思う気持ちは――――――
舞弥「“予習”を終えてから」
―――――――間違いだった。
<>
ハッピーDEATH☆ ◆BSAxzTP1SQ<>saga<>2012/11/08(木) 22:08:25.22 ID:vgALm0op0<> 師匠!応援してます! <>
ハッピーDEATH☆ ◆BSAxzTP1SQ<>saga<>2012/11/09(金) 00:24:40.10 ID:l05VHa9p0<> 師匠!
面白いSSを書くコツとはズバリなんですか? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/09(金) 01:05:46.61 ID:wjDoEhYV0<> 面白いかどうかは人が判断することだから、とにかく描きたいモン描けばいいと思う。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/09(金) 01:38:17.58 ID:wjDoEhYV0<>
切嗣「・・・・・・・」
舞弥「少し、失礼しますね」スッ
そう言い残し、舞弥は席を立って戸棚をゴソゴソと漁り始めた。
・・・・・とんでもなく嫌な予感がする。
舞弥「切嗣、これを」ゴトッ
切嗣「・・・・なんだい?」
舞弥「見ての通り、拳銃と弾ですね」
切嗣「そんなことは見ればわかる」
切嗣「何をするつもりなのか、と、訊いているんだ」
舞弥がテーブルに置いたソレは・・・・回転式拳銃コルトSAA、通称:ピースメーカー
使用するだろう45ロング・コルト弾まで用意していた。
舞弥「・・・・・・」チャキッ・・・チャキッ・・・チャキッ
切嗣(・・・・まさか)
弾倉を外し弾を3発装填し終え、弾倉を軽やかに回す。
金属と金属の擦れ合う音が軽やかに聴こえる。
舞弥「・・・・・・」シャー・・・・・・バチン!
切嗣「一応訊くが・・・・それで・・・」
舞弥「察しの通りロシアンルーレット。ただし確率は二分の一ですが」
舞弥「・・・・これで、私を撃ってください」スッ
切嗣「ッ・・・・!!」
ピースメーカーの構造上、弾倉に嵌め込まれた銃弾は、使用者から見えない造りとなっている。
弾倉の中身が見えるのは、撃たれる側のみ。だからこそこの拳銃を選んだのか・・・・。
舞弥は・・・・本気で僕を試そうとしていた。 <>
ハッピーDEATH☆ ◆BSAxzTP1SQ<>saga<>2012/11/09(金) 01:38:20.83 ID:l05VHa9p0<> なるほど、やっぱり師匠には敵いませんな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/09(金) 18:39:48.72 ID:wjDoEhYV0<>
舞弥「やる理由は、解りますね?」
切嗣「・・・・勿論だ」
舞弥はバレルを握り、グリップを僕へ差し出した。
切嗣「だが、支障が出ないよう腿を狙っ――――・・・・」
舞弥「見殺しにする局面は次の任務かもしれないし、戦争に突入してからかもしれない」
舞弥「いつ殺しても同じことです」
切嗣「・・・・・・」
舞弥「思い出して、切嗣」
舞弥「今まで引いた、引き金の数を」
切嗣「・・・・ああ、目に浮かぶよ」
舞弥「そう、それでいい・・・・」
いつでも引き金は軽かった。
重いと感じるのは、いつでも引いた後だ。
舞弥「私を殺した後のこと、考えてみてください」
切嗣「・・・・・・」
舞弥「どうですか?」
切嗣「殺る前に、考えることじゃないな・・・・引き金が重くなる」
舞弥「そう・・・・それなら、もっとイメージして」
舞弥「引き金が幾ら重くなったとしても、心と指先を切り離す」
舞弥「そういった予習なのですから」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/09(金) 18:42:00.16 ID:wjDoEhYV0<>
切嗣「確率は、二分の一か・・・・」
切嗣「・・・・無いとは思うが、思い残したことは?」
切嗣の目はトーンを落とし、光りが抜けていく。
舞弥「・・・・・・」
舞弥「前に切嗣が買ってくれたケーキを・・・・もう一度食べたかった」
切嗣「・・・・そうか」
舞弥「切嗣」ギュッ
不意に、舞弥は唇を重ねていた。
切嗣「・・・・・・・っ・・・」
舞弥「ん・・・・っ・・ぁ・・・・」チュッ・・・クチュ・・・
切嗣「なんの、つもりで・・・・」
舞弥「理由くらい、解りませんか?」スッ
切嗣「・・・・・」
舞弥「殺ってください」
切嗣「・・・・・」ガチッ
撃鉄を起こす、そのアクションさえ軽く感じた。
舞弥と目を合わせたまま、抱き合ったまま、心臓に銃口を当てる。
先ほどまで感じられた温もりや匂いが、今はもう一切感じられない。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/09(金) 18:45:18.91 ID:wjDoEhYV0<>
舞弥「そう、その目・・・・それでいい」
切嗣「さよなら、かも・・・・しれないな」
舞弥「ええ」
切嗣「・・・・ありがとう・・・・」
チッ、と、指を掛けた引き金がノッチ音を鳴らす。
軽い引き金を一気に引いた、撃鉄が戻る、シリンダーに突き刺さる。
・・・・・・・―――――バァンンッ!!!!!
舞弥「ッ゛ !!?・・・・ぉ゛!!げぼッ!!!」ゴホッ!ビチャッ!!
切嗣「・・・・?」
二分の一の確率・・・・・・・・・弾は入っていた。
本当に心臓を貫いてしまった。
舞弥の口元から吐血が溢れ、僕の顔にまで血が散布する。
目に血が入ったのだろうか。床に崩れさる舞弥の姿が、景色が赤く染まって見えた。
切嗣「・・・・舞弥?」
舞弥「かっ・・は・・・・・・・ぁ・・・――――・・・・・―――・・・・・」ドサッ・・・
切嗣「・・・・・・」
切嗣「・・・・・・・・え・・?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/09(金) 20:27:47.62 ID:wjDoEhYV0<>
切嗣「・・・ぁ」
切嗣「う゛・・・・・・ぁ・・・ぁあッ゛!!!」
いきなり夢から醒めたような感覚が襲う。
グリップから指が離れない、手が震える、否・・・・全身が震えていた。
胸元と口から流れる血が、床に広がっていく。
殺した・・・・舞弥を、殺してしまった・・・・・。
切嗣「ま・・・舞・弥!・・・・・・・ぼっ・・・僕は――――」
―――――――パチンッ!
舞弥「よく出来ました。切嗣」
切嗣「!!??」
先ほどまで赤かった視界が、急に明るんだ――――一体、何が・・・・・
切嗣「舞弥・・・・なのか・・・・・・?」
舞弥「酷い顔をしてますね・・・・・」
舞弥「先ほどの景色は、幻覚ですよ」
切嗣「・・・・・・・・えっ?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/09(金) 20:31:13.58 ID:qnEcsgxSO<> えっ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/09(金) 20:31:57.43 ID:wjDoEhYV0<>
舞弥「貴方に教わった魔術です」
切嗣「・・・・・・・」
舞弥「先ほど切嗣が撃った私の体は・・・・温もりや匂いがありましたか?」
切嗣「え?・・・・・・・ぁ・・・!」
そうだった。
先ほど撃った舞弥の体は・・・・温もりも何も無かった。言葉を発していただけだ。
舞弥「ほら、切嗣」スッ
舞弥「今の私はどうですか?」
混乱した僕を諭すように、舞弥は腕を僕の首に回してそう言った。
切嗣「・・・舞弥・・・本物の・・・・・・・・本当の、舞弥だ」
舞弥「ええ、悪夢は終わりです」
悪趣味なんてレベルじゃない。
舞弥の幻術は、最初から己を撃つ映像を見せるためのモノだったのだろう。
引き金を引くのは僕の意思次第だったのだろうが、弾倉に銃弾は6発入っていたのだ。
舞弥「じゃあ片付けしてきます」スタスタ
淡々と言いながら、部屋の四方に仕掛けていた幻術用の呪符をテキパキと剥がす。
先ほどまで、この娘の膝で安らいでいた自分が信じられない・・・・・。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/10(土) 14:24:10.04 ID:YgBNmcse0<> ちょっと描きたいもん思い浮かんだから暫くの間こっちはぼちぼちやります <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/10(土) 15:36:23.77 ID:Q/FdBj/SO<> 期待させていただく! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/10(土) 17:44:10.73 ID:YgBNmcse0<> ちなみにコレです。
木山春生「あの子達を救う為なら・・・・・私は、何だってする!!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352525227/ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/22(木) 19:55:14.16 ID:S7wvzdtv0<> また描きたいものが出てきたので一旦保守 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆wPpbvtoDhE<>saga<>2012/11/22(木) 20:38:33.17 ID:S7wvzdtv0<> 新しいスレ立てました。
【木山春生-the professional-】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353582736/l50
このスレ放置しっぱなでゴメンなさい・・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/24(土) 16:00:51.93 ID:POX6IUGpo<> この舞弥さん素敵過ぎるなww <>
◆wPpbvtoDhE<>sage<>2012/12/22(土) 14:13:34.52 ID:Q/8g3rpC0<> hoshu <>
◆wPpbvtoDhE<>sage<>2013/01/05(土) 11:10:00.98 ID:/e2yGHnm0<> ほしゅ <>
◆wPpbvtoDhE<>saga<>2013/01/22(火) 00:29:12.88 ID:G7APzgzq0<>
新スレ立てました。オリジナルです。
【SERIAL CHAINS 「あやめのうた」】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358774780/l50
舞弥スレ・・・・放置しっぱなでごめんなさい。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/01/24(木) 00:39:21.03 ID:I0llMsgO0<> まってる <>
◆wPpbvtoDhE<><>2013/02/07(木) 21:36:05.18 ID:q0vfgxP40<> 嬉しさのあまりに書き込みます。
俺の会社名がワイドショーで出たぁぁああ!!!
キタ!!俺の時代キタ!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/07(木) 21:42:46.73 ID:6bQd/3KSO<> kwsk <>
◆wPpbvtoDhE<>sage<>2013/02/07(木) 23:21:57.47 ID:9TRywoHx0<> あまり詳しくは言えないけど、ここ数日電話の鳴りが多いと思ったら、一人のお客さんが…
「コチラの電話番号はテレビで紹介されてて知ったんですよ。ワイドショーでやってました」
とのこと。
どうも優良企業みたいな感じでお勧めされてたらしい。
確かに、テレビ沙汰になるようことをやった記憶はあるのよね。
しかし、テレビ局。
放映するなら事前にうちの許諾得てからやれよと…
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/07(木) 23:45:26.07 ID:6bQd/3KSO<> よかったな
売り上げ増えるといいね <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/08(金) 14:22:48.80 ID:QodN4Orm0<> え、もしかして>>1って社長さん?
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2013/02/08(金) 20:16:48.83 ID:CKCQ9Uge0<> そうだよ。
前に、木山先生かニセコイスレで言ったような気もする。
つっても社員2人の零細ですけどね。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/10(日) 15:05:41.87 ID:FdmGGXS3o<> 一瞬、荒らしかと思ってトリップでこのスレ検索しちゃったじゃないかww
数レスでもいいんで続きはまだですかね……。 <>
◆wPpbvtoDhE<><>2013/02/10(日) 16:37:15.34 ID:ZEbEuq/T0<> 舞弥(やることが、減りましたね)
切嗣がアインツベルンに入って最初のころは、部屋が広く感じたものだった。
しかし数年が経過した今となっては、自身の身体的成長や暮らしが定着したこともあり、さほど空間に違和感を覚えることはない。
舞弥「ん」
舞弥(手紙・・・切嗣からですか)
使い魔である烏が窓枠より羽音を立て邸宅へ戻る。その足に括りつけられていた手紙に手を延ばす。
一人では小言をつぶやく機会すら失われているため、この手紙のやりとり(頻繁ではない)が待ち遠しいか・・・・・といえば、そんなことはなかった。
舞弥「・・・・・」
縦長に折られた手紙をわしゃわしゃと開く。
任務か下準備の命と思っていたのだが、その内容の趣は少しばかり違っていた。
舞弥「アインツベルンへの招待状、と」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/10(日) 20:32:20.09 ID:/Qn23/VSO<> 久々の更新きたーと思ったら1レスだけでした
いや仕事中なだけかもしれませんけど。更新されるだけありがたいですけど <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2013/02/10(日) 20:38:11.30 ID:nmI+Fc2C0<> ごめんなさい。
今書き溜めしてるあやめが楽し過ぎて舞弥が中々手につかない。
というか、自宅の回線工事が遅れまくりでスマホからしか投下できない…。
でも明日はこっちを投下します。
アイリと舞弥さん、一波乱くるよ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/10(日) 21:33:20.07 ID:yq6Rufwlo<> 久々に来たら来てた <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2013/02/11(月) 20:38:31.32 ID:d60tBomL0<>
事前に寒冷地であるということは知らされていたため、それなりの装備をしたつもりだった。
にも関わらず凄まじく寒い。
吹雪く雪はマフラーを白に染めあげるほど。
敷地内への結界を前に、手早く作業を進めることにした。
舞弥(照明弾を2発、でしたね)
パシュッ!!パシュゥン!!!
舞弥(寒い…)
早く結界を解除してほしいものだと考えていた矢先、閉ざされていた視界が次第に歪みを見せた。
舞弥(これがアインツベルン城)
舞弥(御三家の一角、といったところでしょうか)
建築物が有する土地の広大さもそうだが、城が魅せる幽玄な佇まいも然り。
れっきとした魔術の系譜を感じた。
吹雪く雪もその一色なのだろうと、感慨よりも分析が先に走る。
舞弥(切嗣なら、無駄な造りと一蹴ですね)
実際は魔術の研究なり何なりが行われているのだろうが、棟の多さは無駄に尽きると舞弥は思う。
魔術師の威厳だのも含まれた歴史物であることは明白だが、その感情は全くをもって理解出来ない。
舞弥「失礼します」
玄関で待ち構えていた使用人に声をかける。
舞弥「衛宮切嗣の助手、久宇舞弥です」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2013/02/11(月) 20:58:06.66 ID:3Uqv30dZ0<>
切嗣「久しぶりだな…舞弥」
舞弥「えぇ」
巨大な扉が開いた先の屋内は、きらびやかとも取れる広いエントランス。
そこにぽつりと立ち、切嗣は待っていた。
切嗣「数年で、変わるものだね」
伸びた背丈だけではなく、一人で全てをこなしてきた者の顔つきが、憂いよりも痛感に打ちのめす。
舞弥「切嗣も…変わりましたね」
一目で解った。
否、あまりの変貌ぶりに少し目を疑ったが。
舞弥「昔の、貴方と」
切嗣「痛み入るよ。本当に」
大人びただけでは済まされない優しさが、目の奥より垣間見える。
切嗣「大事な話は…後だ」
切嗣「建前を済ませておくとしよう」
舞弥「はい。後程ゆっくりと」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/11(月) 21:23:39.95 ID:9Na4ByxSO<> >切嗣「久しぶりだな…舞弥」
舞弥「えぇ」
えぇ、本当に <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2013/02/11(月) 21:30:23.10 ID:XzEBvMQI0<> ですよねー(笑) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2013/02/11(月) 22:24:00.37 ID:Arupjr2F0<>
舞弥「大それた人物…といった、印象でもありませんね」
切嗣「所詮は魔術師だ。そんなものだろう」
アハト翁への挨拶を済ませ終え、別館に続く回廊を渡る最中。
これでまた一つの関門をクリアしたことに息をつく。
切嗣「次は、アイリと顔を会わせてもらう」
舞弥「マダム、でしたか」
手紙のやり取りで表向きの婚姻を交わすことは聞かされていた。
所詮は表向きなのだから、切嗣に何の影響は無い……と、思って放置した結果がこれだった。
間違いなく、アイリスフィールとの関係によって牙を失ったのだろう。
切嗣「アイリ」
軽く、コンコンとノックを二回鳴らした。
切嗣「失礼するよ」
舞弥「失礼します…」
舞弥「…?」
つられて入った部屋は、寝室のような場所。
広々とした寝具に、腰掛けている女性。さらりとした長髪が印象的である。
その腕の中には………赤ん坊が、いた。
切嗣「紹介するよ、僕の助手―――」
アイリ「やだっ!!聞きたくないわ!!」
アイリ「切嗣の浮気者っ!!」
眠りかけている赤ん坊を余所に、軽めにヒステリックな声を鳴らす。
切嗣「ちょっと、アイリ…」
切嗣「違う…違う。彼女はそんな関係じゃ」
アイリ「もーやだ切嗣ったら、冗談に決まってるじゃない!」
表情を一転させてケラケラと笑う彼女。何が面白いのだろうか。
切嗣は切嗣で少しばかり焦っていると見える。作戦内での弊害を危惧するとは違う様子で。
切嗣「冗談が過ぎるよ、アイリ。特にイリヤの前でなんて」
アイリ「久方ぶりの対面だからはしゃぎ過ぎちゃって………舞弥さん、だったかしら?」
舞弥「えぇ、久宇舞弥と申します」
アイリ「ごめんなさいね。貴女のことは切嗣から」
舞弥「謝られることはありませんよ、マダム」
少しばかり申しわけなさそうにする彼女の、言葉を遮る。
舞弥「第一、浮気者かどうかで言えば」
切嗣「…舞弥?」
ちょっと待て……話しの流れが、予想と異なっているぞ。
舞弥「体の関係的には、間違っておりませんので」
アイリ「えっ?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2013/02/11(月) 22:46:49.80 ID:x6y5HV6Y0<> 短いですが、このへんで。
また明日も投下します。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/11(月) 22:47:10.70 ID:9Na4ByxSO<> 乙 <>
◆wPpbvtoDhE<><>2013/02/15(金) 21:13:19.03 ID:T96iynGt0<>
アイリ「・・・切嗣」
切嗣「おい、舞弥」
舞弥「・・・・・」
アイリ「切嗣、ちょっと話しを聞きたいのだけれど」
切嗣は相当焦っているように思える。
昔の切嗣なら、冷製に対処しているだろうに。
切嗣「舞弥、頼むから何か」
アイリ「切嗣!私が話してるでしょう!?」
切嗣「待って、待ってくれアイリ」
舞弥「・・・・・」
どうあしらうか傍観するのも悪くないが、本当に亀裂が入るのは宜しくないだろう。
舞弥「冗談ですよ。マダム」
アイリ「・・・・・」
舞弥「マダムは冗談がお好きなようでしたので」
切嗣「冗談にも程が過ぎるぞ。舞弥」
舞弥「すみません、切嗣」
アイリ「少し信じちゃったわ。切嗣の焦り具合が特に」
切嗣「っ・・・!!」
アイリ「でも、これでおあいこね。舞弥さん」
舞弥「ええ」
アイリスフィールは微笑んでいるが、目が笑っていない。
まぁ、この件は切嗣に任せよう。当事者なのだから。
<>
◆wPpbvtoDhE<>saga<>2013/02/15(金) 22:26:08.96 ID:HvKDWqz50<>
舞弥「一見に等しい私を宿泊させるなどと、よく許可が下りたものですね」
切嗣「アイリが君に目を付けた証拠だ」
切嗣「寝室の隣だぞ。普通に考えれば解るだろう」
仕事話と称して(間違ってはいないが)切嗣と私は一室に籠っているが、アイリスフィールは今も耳を立てているのかもしれない状況らしい。
舞弥「・・・随分、日和ったものですね」
切嗣「なに?」
タンッ!!
切嗣「っ!!?」
重心を見抜いたうえで、舞弥は切嗣の足を鋭く払った。
あらぬ体勢から押し倒され、そのままベッドに仰向けとなる。
舞弥「日和った証拠でしょう。私如きにこのザマでは」
切嗣「・・・確かに、鈍ったな」
舞弥「訓練が必要かと」
切嗣「ああ、頼む」
覆い被さるような体勢から、舞弥は僕を見下す。
その目は、明らかに挑発を含んでいた。
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◆wPpbvtoDhE<>saga<>2013/02/15(金) 22:36:03.45 ID:JG0uRb1M0<>
切嗣「そこを退いてくれ」
舞弥「嫌だ。と、言ったらどうしますか?」
切嗣「・・・・・」
舞弥「・・・・・」
数百分の一秒にも及ばない沈黙が、開戦のアイズとなった。
切嗣「舐め過ぎだ。舞弥」
ドッ!!! バキッ!!!
舞弥「ッぐ!!?」
切嗣「がッ!!?」
仰向け状態からの不意を突く膝蹴り。
それは巴投げにも似た要領で舞弥のみぞおちに突き刺さる。
一方の舞弥。
蹴りが放たれると同時、怒気を感じ取った瞬間に渾身の拳を、切嗣の鼻っ面に叩き込んでいた。
舞弥「かっ・・・は!」
勢い付いた蹴りでこそなかったが、鳩尾を正確に捉えられたことにより、痛みを伴い呼吸が乱れる。
切嗣「っ??!!」
背にしていたものが柔らかいベッドだったお陰で致命的なダメージにこそ至っていないが、ボタボタと鼻血が床にこぼれていた。
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◆wPpbvtoDhE<><>2013/02/15(金) 22:43:05.82 ID:qWbA6s1m0<> とりあえずこの辺で。
あやめに戻ります。
舞弥は明日も投下しますのでm(__)m <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/16(土) 03:41:39.12 ID:zCbJIGUSO<> 乙乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/22(金) 22:02:22.28 ID:iZf18gDUo<> あえて言おう…明日ってなんだっけ? <>
◆wPpbvtoDhE<>saga<>2013/02/22(金) 23:32:35.84 ID:pIBPozZ70<> 明日って今日だよ! <>
◆wPpbvtoDhE<>saga<>2013/02/23(土) 00:05:34.99 ID:pXcBvh2r0<>
切嗣「ぐ・・・!!」
床へ落とされた視点を垂直へ戻そうとするも、打撃によって脳が揺さぶられ視界が多少危うい。
それでも尚、蹴り飛ばした舞弥を捉えようとした・・・・・その時。
舞弥「――――疾ィッ!!!」
ガッ!!!
切嗣「っご!!?」
舞弥「・・・ふぅ」
腹部へのダメージなどお構いなしに舞弥は蹴りを放っていた。切嗣の頭部をサッカーボールのように見立てた渾身の一撃。
その威力のあまり、切嗣は数メートル離れたデスクの裏まで吹き飛ばされた。
舞弥「さっさと出てきなさい、切嗣」
舞弥「この程度で終わる人ではなかったはず・・・昔の、貴方なら」
切嗣「・・・どう、かな」
ドゴンッ!!
舞弥(ちぃ・・・ッ!!)
デスクが切嗣によって蹴り飛ばされ、舞弥の肩程の高さまで飛来。一瞬ではあるが視界が狭まった。
ヒュッ!!ガガガッ!!!
舞弥「ッう!!?」
あわやというところでボールペン数本が舞弥の目の傍を掠めた。切嗣が投げ放ったそれは空を斬り直線上の壁に突き刺さる。
咄嗟に回避していなければ、確実に失明に至っていただろう。
切嗣(――――捉えた!!)
蹴り飛ばしたデスクによる視界封鎖、続く致命傷を狙ったボールペンの投擲。だがそれら全てを躱すだろうと予測。
躱す際に生まれでる死角をも予測して切嗣は舞弥の懐まで迫っていた。
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/23(土) 00:17:54.05 ID:3kyEbzuSO<> やっと明日(きょう)がきたのか <>
◆wPpbvtoDhE<>saga<>2013/02/23(土) 00:20:06.79 ID:pXcBvh2r0<>
切嗣「あア゛ッ!!」
狙うは心臓への打撃。幾ら体を鍛えようともこの点に置いては確実にダメージが通る。
渾身の一撃ならば絶対に仕留め斬れる!
パシンッ!
切嗣「なっ!??」
舞弥の視線がコチラに向かうよりも疾く掌打を放っていたはず。
にも関わらず・・・・・己の拳は、払い落とされた。
舞弥「・・・衰えましたね」
落ち着き払った素振りから、切嗣の顔面へ向け、拳を振り上げる。
切嗣「待っ――――」
ドゴンッ!!
切嗣「ぅ゛!!!?」
脳が二度揺れた。
一度目は舞弥のパンチによる衝撃。二度目はその勢いで床に叩きつけられた衝撃。
舞弥「・・・・・」
腕を引き、もう一度繰り出す。
ドゴッ!!!
切嗣「ぐ!!!」
舞弥「・・・・・」
もう一度引き、また拳を繰り出す。
更にまた戻し、顔面を打ち付ける。もう一度。もう一度。もう一度。
ガッ!!ガッ!!ガッ!!ガスッ!!ドゴッ!!!
切嗣「う゛ッ!!?ぐ!!がっ!!あ゛!!!!」
最初の一撃で勝敗は決していた。
にも関わらず、切嗣の顔面を執拗に殴り上げる。
舞弥「そろそろ止めておきましょうか」
切嗣「ぅ゛・・・!」
いつの間にかマウント状態になっていた。
切嗣の顔は痣だらけになっており鼻からは血が出ている。というか少し骨が歪んでいる。
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◆wPpbvtoDhE<>saga<>2013/02/23(土) 00:48:24.82 ID:pXcBvh2r0<>
アイリ「ちょっと!!切嗣!!?」
ドンドンドン!!!
アイリ「さっきから何やってるの!!?」
隣の部屋から騒々しい音が鳴り響くとあっては、流石に駆けつけざるを得なかった。
戦闘が行われているだろうと容易に想像がつきドアを叩き鳴らすアイリ。
切嗣「 ドアから離れろ!!アイリ!!! 」
アイリ「えっ?」
部屋からこちらを気遣う切嗣の声がした・・・・・一応は従うべきだろうか?
バガァンッ!!!
舞弥「がはっ!!!」
アイリ「きゃぁあっ!!?」
声に従った直後、ドアが吹き飛んだ。
ドアを木っ端微塵にしたのは久宇舞弥の体であった。
切嗣「腑ッ!!!」
あれだけの顔面パンチを叩き込まれても諦める切嗣ではない。
猫のように立ち上がる舞弥を目掛け飛び蹴りを繰り出す!!
ガシッ!!!
舞弥「ぐっ!!」
切嗣「!!??」
繰り出された切嗣の脚を両腕で搦め取り、そのまま振り回す。
舞弥「らァ゛ッ!!!!」
宙を一周させて勢いついた切嗣の体を、再び部屋の中目掛け放り投げる。
切嗣「っ〜〜!!?」
ドガシャアンッ!!!
切嗣「ッぎ・・・ぁ゛・・・!!」
家具を散乱させて突き当たりの壁へ激突する。これは相当に堪えたのか、表情を苦痛に歪めていた。
アイリ「なっ・・・な、何やってるんですか!!?」
舞弥「戦闘訓練中です。退避していてくださいマダム」
そう言い残し、壊れたドアを無理矢理引き戻して閉じた。
アイリ(・・・せめて外でやってよ)
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◆wPpbvtoDhE<>saga<>2013/02/23(土) 00:51:45.94 ID:pXcBvh2r0<> ね・る。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/23(土) 14:53:39.08 ID:2aNYZumNo<> アイリ正論過ぎワロタww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/04/14(日) 03:19:25.79 ID:UyX3KkMSO<> あと9日程で落ちちゃう <>