プロローグ<>saga <>2013/02/02(土) 12:30:31.80 ID:K1P689vW0<>

　―――人間がポケモンを使役する時代はもう終わっていた。

「赤コーナー、レッド選手ーーーーー！！」

　悲鳴に近い叫び声が場内に溢れた。

（……なきごえよりテンション下がるな…）

　毎回、この入場パフォーマンスだけは逃げ出してしまいたい衝動にかられる。僕のポケモンがフラッシュを覚えていれば―――なんて本当は望んでもいない考えで思考を満たす。
　
「そして同時入場します…ペルシアン選手ーーーー！！」

　先ほどよりも大きな歓声が響き渡る。……自分のポケモンに負けるのは少し悔しい。

「……いや、違うな」

　もうこの世界に“ポケモントレーナー”なんて存在しない。いるのは対等な“ただのトレーナー”。

　この世界にポケモンを見下ろす存在なんていないのだ。

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<>レッド「ポケモンのプロになった・・・」　序プロローグ<>saga <>2013/02/02(土) 13:01:00.73 ID:K1P689vW0<> 「何をごちゃごちゃと言ってるにゃ？」

　金色の毛並みをサラサラと流しながら、隣のペルシアンは小声で尋ねてきた。

「………口調、戻ってるぞ」

　ペルシアンは僕の指摘を無視してリング上へと駆け上がった。

　うぉおおおおおお！　と、三度歓声が上がる。

「見てください！　この美しさ、なめらかさ、そして気高き立ち振る舞い！　まさに！　至高のポケモンです！！」

　司会のマイクに気をよくしたのか、ペルシアンは美しい音を奏でた。こんなに心に響くほえるはどのポケモンにも使えないだろうな。

「続きまして、青コーナー、ベテラン選手ーーーーー！！」

　また歓声が上がった。観客の喉はガーディのそれより強いらしい。

　僕たちが歩んだ花道とは逆側から、筋骨隆々のおっさんが現れた。おっさんの筋肉は歩くたびに躍動し、一部のファンを魅了している。

「そして同時入場します……カイリキー選手ぅううううう！！」

「「　　　　　　　！！！」」　

　　　　　　　音とは認識できないような重低音が鳩尾を殴った。どうやら一部の“熱狂的”なファンの喉が捨て身タックルを繰り出したようだ。

「………」

　ペルシアンはうんざりした顔で相手を見ていた。会場の中で僕しか気づかないような変化だったけど。

「ふふんっ、お前がレッドか。プロ一年目にして上位ランカーを倒したって聞いたが……大したことなさそうだな」

　ベテランは上半身裸で胸筋を上下に動かしながら、煽ってきた。……苦手だなぁ。
<> プロローグ<>saga <>2013/02/02(土) 13:25:31.98 ID:K1P689vW0<>
　ペルシアン、カイリキーの身体に規定違反の装備がついていないか審判が念入りにチェックを行う。

　去年ベロリンガの舌に鉄板が仕込まれていたことが発覚して以来、取り締まりが厳しくなったそうだ。

「それでは、お互いルールに則って正々堂々戦い抜いてください」

　確認を終え、審判が一歩下がる。

「カイリキー、お前の実力をルーキーに思い知らせてやれ」

　ベテランの言葉にカイリキーは四本の腕で答えた。

「………」

　にゃーにかける言葉はないのか。ペルシアンの目は冷たく語っていた。

「…………“信じてるぞ”」

　僕は一言だけつぶやいた。

「“　　　　”」

　ペルシアンは妖艶な笑みを浮かべると、身体を低く構えて臨戦態勢へと入った。

　―――うそつき。

　ペルシアンは確かにそう言った。

　僕はポケモンバトルという大きなうねりの中で、ポツンと取り残されていた。
<> 第一話　出会い<>saga sage<>2013/02/02(土) 20:11:33.82 ID:K1P689vW0<>

第一話　出会い

　
　試合展開は上々……いや、完璧だった。

「いけっ！　そこだっ！　いけっ！」

　僕の指示は観客の声にかき消され、ペルシアンまで届かない。が、彼は戦い方を知っている。カント―のポケモンを全て捕まえ、チャンピオンリーグを駆け抜けた僕よりも。

「な、なんなんだよこいつ…」

　ベテランから狼狽した声が漏れた。カイリキーとペルシアンでは相性で言えば格闘タイプのカイリキーが圧倒的に有利だからだ。

　しかし、ペルシアンには相性など無意味だ。攻撃など“当たらなければ”どうということもない。カイリキーの息がどんどん上がっていく。

「とどめにゃ…」

　ペルシアンは舌なめずりをして相手を見据えた。おそらくフェニッシュまでの流れを決めたのだろう。

　ポケモンプロリーグは相手を戦闘不能へ追いやれば勝ちだ。そらをとぶが使える高さ、あなをほるが使える地面、こうそくいどうで壁に激突しないくらいの広さで闘う。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/03(日) 00:33:37.59 ID:9SsQJMFZo<> ちょw神スレの予感！？w
スレ主は天才か？w
８８８８８８８８w <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/03(日) 00:55:53.44 ID:v6WL3MbKo<> うぉーるぶりんがースレに似た匂いを感じる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/03(日) 15:51:32.88 ID:Qel8aMuKo<> http://i.imgur.com/zPrzwHX.jpg
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