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HTML化した人:Kastanie
「ハッ……」
1 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/03/25(火) 00:22:19.52 ID:BHnFo92v0
目が覚めると頬に激痛が走った。
いてぇ…。

なんだ? 身動きがとれない。

俺は縛られているようだ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395674539
2 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/03/25(火) 00:23:49.14 ID:BHnFo92v0
暗い……
霞む目を凝らして周りを見る。
殺風景な部屋に湿っぽい空気が漂い、目の前に女性が座っている。
いや、彼女も椅子に縛られて俯いている。
ここからでは生きてるようには見えない。
彼女はピクリとも動かない。

自分の体を見ると、彼女と同じように縛られていた。

なんで俺こんなことになってんだ?
ここどこだよ?
えっと、会社の帰り…駅から歩いていて、そのあと
…思い出せない
3 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/03/25(火) 00:26:02.45 ID:BHnFo92v0
視界がはっきりしてきて、意識が戻ってくると体のあちこちが痛い。

「おい…」
目の前の女性に声をかけた。唇が切れているのか再び激痛が走った。いてぇ
彼女は椅子に縛られたままうなだれていて動かない。
ガチャっと後ろで扉が開く音がすると
外の光と共に、人が入ってくる気配がした。

「気がついたか…」
後ろで男の声がした。
この男は俺たちを助けにきたわけではない。
それは感じた。

「俺が何を聞きたいかわかるよな?」
わかんない。
全然わからない。
恐怖のせいか声がでない。

男は目の前に立つと、覗き込むように俺に問いかける。
「鍵は何処にある?」
4 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/03/25(火) 00:34:33.61 ID:a+6Onp880
「し、しらない…」やっと声が出た「助けて…」
言い終わる前に額に激痛が走った。
男は突然俺を殴った。

「おめーが知らねえ訳ねぇだろ」
再び激痛。もう何処を殴られてるかもわからない。

「たすけて……本当に知らない」

「はは、さすがはサカザキだな。死んでも言わないってか」

サカザキ?
誰のことだよ? 意味がわからない!

「お前が言わなきゃこの女に聞くだけだ、早く言っちまえよ」
男は殴り続けた。
痛みと恐怖の中で、俺は自分のことを考えていた。

俺は田中一郎。27歳。
普通のサラリーマンだ。
サカザキなんて知らない。聞いたこともない。
人から殴られたことなんて今まで一度もない。
今日普通に会社で仕事をし、帰りの途中までしか記憶がない。
男は“鍵”は何処にある? と言っている。
鍵って何の鍵だ?
5 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]:2014/03/25(火) 00:36:26.59 ID:/FJHxFXH0
気づくと男はいなくなってた。
また気を失ってたようだ。
周りを見ると、さっきから状況は変わってない。薄暗い部屋で、前に縛られた女性が座っている。
逃げなきゃ。

それしか助かる道はない。
さっきボコボコに殴られてたせいか、後ろ手に縛られたロープが少しだけ緩んでいる。体を揺らしてロープをずらす。
頑張れば手が抜けるかも。

くっ。
はやく!
あいつが戻って来る前に。

「んっ」
目の前で縛られた女性が声をあげた。
意識が戻ったようだ。

「だ、大丈夫ですか?」
俺は声をかけると、彼女は顔を上げる。
彼女は30歳くらいだろうか?整った顔立ちだか赤く腫れている。殴られたのだろう。
彼女はキョロキョロと周りを見渡して
「ここは?」
6 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/03/25(火) 00:38:48.53 ID:C2j3DBm80

「わからない」

とりあえずここから逃げないと!
考えるのはここを出てからでいい。
もうちょっとで手が抜ける…
はやくはやく!

「あなたは…サカザキ」
前の女性は真っ直ぐ俺を見ていった。

だれだよ? しらねーよ。
俺はそのサカザキに勘違いされてんのか。
「俺は…」
サカザキじゃない!っと言おうとしたら、あの男が戻ってきた。

「お、二人とも気がついたか」

「…」
また殴られるのか? いやだ。いやだ。
もう少しで手のロープがほどけそうなのに。

「よし第二ラウンドだ。鍵はどこだ?」

「ちょ、ちょっと待ってください! 僕はサカザキじゃない。本当に何も知らない!」

「しらばっくれんじゃねーよ」
そう言うと男は懐から拳銃を出した。
銃口を俺の額に当てる。

「ほ、ほんとうなんだ…俺は田中一郎」

「ははは、お前面白いな。もっとマシな偽名にしろよ。余裕かましやがって…[ピーーー]ぞ」
7 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]:2014/03/25(火) 00:40:46.48 ID:C2j3DBm80
そうだよ。俺こいつの顔見ちゃってるし、知らないなら用済みだ。
こいつはサカザキに用がある。だから勘違いされている俺は今殺されていない。

「じゃあこっちを殺すぞ、こいつお前の女だろ」
男は銃口を女性に向けた。
「いやぁ! た助けて」
女性は恐怖に声をあげる。

「待ってくれ…その人のことも知らないんだ」

「サカザキって野郎は冷酷無比と聞いたが、自分の女すら切り捨てるのか? 10秒以内に答えろ。言わないなら女は殺す」

嘘だろ….
言いたくても俺は知らない

「10…」
8 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]:2014/03/25(火) 00:42:27.80 ID:C2j3DBm80
ど、どうすれば

「9」

「本当に知らないんだ!! 答えようがない!」

「8」

「いやぁぁあ」
女性は首をふって逃げようとするが、男は髪を掴んで頭に銃口を押し付ける。

「7」

手のロープがあとちょっとで解ける。はやくはやく!

「6」

「たのむ! まってくれ! 話し合おう」

「5」

解けた! 男には気づかれていない。これで手は動かせる。でも体は縛られたまま簡単には動けない。

「4」

「いやぁぁぁ」

「3」

どうする?彼女が殺される。

「2」

やるしかない。
「わかった、言うよ! だからやめてくれ」

「そうか……」男は銃口を俺の方へ向けると「どこだ?」
9 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]:2014/03/25(火) 00:44:01.41 ID:C2j3DBm80

「鍵は俺の靴の中だ」
もちろんハッタリだ。男は俺に近づく。

男が靴に調べる為しゃがもうとした瞬間、俺は拳を固め思いっきり男の顔を殴った。
目を狙って打った俺の拳は、ぐしゃりと何かが潰れる感触があった。

「ああああああぁぁあっ!!!!!」
男は目を押さえ絶叫した。やった。
俺は急いで体のロープを外す。

逃げなきゃ!
男はうずくまって、のたうち回る。

俺は女性のロープを外す。
「まさか助かるなんて……」
そう言った女性は案外冷静に見えた。

「逃げよう!」
俺と女性は無事脱出した。
10 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]:2014/03/25(火) 01:14:34.54 ID:0mlgFGq20
監禁場所から離れて、暗がりの路地に身を潜める。
「もう大丈夫そうだね。追ってくる人もいない…警察に」
俺は腰が抜けたかのように、その場に座り込んだ。
「本当に貴方に助けられるなんてね」

「え?」

「覚えていないの?奴らに捕まった時のこと」
え?
街灯に照らされた彼女を見て記憶が戻る。
そうだ。会社帰り歩いてたら、彼女が走ってきて…

「助けてください!」
ってしがみ付いてきたんだ。そしてすぐ後に奴らが来て殴られて連れ去られた。

「君は奴らが何者か知っていたのか?」

「当たり前じゃない、だって私が



サカザキだから」
11 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]:2014/03/25(火) 01:15:53.07 ID:0mlgFGq20
俺はこいつのせいでこんな目にあったのか。

「どうにも逃げ切れないと思ってね。たまたま通りかかった貴方に、サカザキになってもらったのよ。奴らサカザキは男だと思ってたみたいだから」
女性は後ろにまとめた髪を下ろす。中から何かを出した。

鍵……?

「ふざけんなよ、俺まったく無関係じゃねぇか! 一緒に警察に来てもらうぞ」

「私はもう助からないと思っていたわ、感謝している。これは奴らの隠し金庫の鍵」
彼女は拳銃を俺に向ける。
あれはあの男の……いつの間に。

「でも貴方は用済み」
サカザキは引き金を引いた。


END
12 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]:2014/03/25(火) 05:08:24.68 ID:ILOu9T5F0
13 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]:2014/03/25(火) 07:50:03.87 ID:M1ebde++0
おつ



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