◆lxd9gSfG6A<><>2014/07/21(月) 01:21:01.50 ID:bsgQHsOC0<>・アイマスSS
・はるちは
・初投稿ですのでお手柔らかに

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405873251
<>千早「プラネタリウム」
◆lxd9gSfG6A<><>2014/07/21(月) 01:22:18.54 ID:bsgQHsOC0<> 事務所

ガチャ

P「ただいま戻りました…っと!?」

千早「あ、プロデューサー。おかえりなさい」

P「ち、千早…どうしたんだその格好は」

千早「え? あぁ、これですか…似合いますか?この浴衣」フリフリ

P「あ、あぁ…よく似合ってるぞ。でも、どうして浴衣なんか…」

千早「春香に夏祭りに行こうって誘われて…わざわざ持ってきてくれたんです。着付けまで教えてくれて…春香はまだ着替えてますけど」

P「夏祭り…そういえば神社でやっていたな。かなり賑わっていたぞ。というか、アイドルのお前らが行くと大騒ぎになるんじゃないか?」

千早「変装はしていきますけど…髪型を変えるだけじゃだめですか?」

P「そうだな…ちょっと待ってくれ。えーと、確かここに…」ガチャガチャ

P「あった。これを掛けていけ」

千早「眼鏡…ですか?」

P「伊達眼鏡だから掛けても大丈夫だ。それならバレないと思うぞ」

千早「ありがとうございます」スチャ

<ワタシモメガネホシイデース

P「春香は…リボンを外していけば大丈夫だと思うぞ」

<ヒドイ!ムコセイダッテイイタインデスカ!

ワハハ…
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:23:29.85 ID:bsgQHsOC0<>
神社への道

ガヤガヤ ワイワイ…ドォーン ピーヒャラピーヒャラ

春香「もう聞こえる…本当に盛り上がってるんだね!」

春香「千早ちゃん、祭りですよ!祭り!」

千早「えぇ、本当ね」

キャッキャッ…ママーモウチョットダケー ダメヨモウカエラナイト

千早「子供たちはもう帰る時間なのね」

春香「そうだね、もう暗くなりかけてるからね、ちかたないね」

千早「それは亜美のマネかしら?それとも真美?あまり似てないわよ」

春香「のワの」


_夕月夜顔だす 消えてく子供の声
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:24:33.67 ID:bsgQHsOC0<>
キャッキャッ…オネーチャンソレチョーダイ ダメ、アゲナイヨ

千早「…!」

春香「どうしたの?千早ちゃん」

千早「…いえ、なんでもないわ。いきましょ、春香」


千早(……優)

千早(あなたも、この夏祭りを見ているのかしら)



_遠く遠く この空のどこかに
_君はいるんだろう
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:25:56.70 ID:bsgQHsOC0<>
……………………

優『着いたよ、お姉ちゃん』

千早『ハアッ…ハアッ…どうしたのよ、急に公園まで引っ張ってきて…お母さん心配してるよ』


_夏の終わりに2人で抜け出した


優『上、見てごらん』


_この公園で見つけた


千早『…星が、こんなに』

優『すごいでしょ?ほら、あれが夏の大三角形だよ』

……………………


_あの星座 なんだか覚えてる?


千早(デネブ、ベガ、アルタイル…だったかしら)
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:26:51.02 ID:bsgQHsOC0<>
_会えなくても記憶をたどって
_同じ幸せを見たいんだ



千早(懐かしいわね…あの頃はただ歌が好きで。優がいて。お母さんとお父さんがいて)

千早(もう…どのくらい前のことかしら)



_あの香りとともに花火が
_ぱっと開く
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:28:15.28 ID:bsgQHsOC0<>
_行きたいよ 君のところへ


千早(…優に会いたい)

千早(もう一度、優に会いたい)


_今すぐかけだして行きたいよ

_真っ暗で何も 見えない


千早(どうすれば会えるのかしら…)

春香「…千早ちゃん?千早ちゃん!」

千早「!…えぇ、ごめんなさい。それで?」

春香「なに言ってるの?ほら、空が…」

千早「空?……!」
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:29:14.91 ID:bsgQHsOC0<> 千早(きれい…東京でこんなに星が見えるなんて)


_怖くても大丈夫 数えきれない星空が
_今もずっと ここにあるんだよ


千早(この星空を辿って行けば、もしかしたら…)

千早(…いや、だめよ)

千早(優は…もういないのだから)

千早(もう…いないのよ)


_泣かないよ 昔 君と見た
_きれいな空だったから

<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:31:07.57 ID:bsgQHsOC0<>
ガヤガヤワイワイ…コツ…コツ…ガヤガヤワイワイ

春香「ここを登れば到着だよ」

千早「えぇ…祭り、盛り上がっているわね」


_あの道まで響く 靴の音が耳に残る


千早「…春香、少しいいかしら」

春香「いいけど…どうしたの?」

千早「いえ…後ろが」

春香「後ろ?…わあっ、きれいな街明かり!すごいね千早ちゃん!」


『すごいね、お姉ちゃん!』


千早「っ!…えぇ、本当ね」


_大きな 自分の影を
_見つめて 想うのでしょう
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:32:25.38 ID:bsgQHsOC0<>
千早(優を否定したいわけじゃない)

千早(遠ざけたいわけでもない)


_ちっとも 変わらないはずなのに
_せつない気持ちふくらんでく


_どんなに想ったって君は


千早(優は私にとって大切な存在。それは変わらない)


_もういない
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:33:18.19 ID:bsgQHsOC0<>
千早(…それでも、会いたい)


_行きたいよ 君のそばに
_小さくても 小さくても


千早(無理だとは分かっている。それでも、できるなら…)

千早(優は、私の歌の源だから。すべてだから)


_1番に君が好きだよ 強くいられる
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:34:25.42 ID:bsgQHsOC0<>
春香「あっ!千早ちゃん、あれ!」

千早「!…えっ?」

キラッ

春香「ほら、流れ星だよ!」

キラッ

千早「…!」

千早(…もう一度優に会わせてください。できるならば」


_願いを流れ星に
_そっと 唱えてみたけれど
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:36:00.21 ID:bsgQHsOC0<>
春香「千早ちゃん、お願い事はした?叶うかなぁ…私の願い…」

千早「お願い事…」

もう一度優に会わせてください

千早(っ…!だめじゃない)

千早(そんなこと…叶うわけないのに)

千早(だって、優は…)


『あっ、お姉ちゃん、流れ星だよ!』


春香「…ゃん、千早ちゃん!!」

千早「!! ごめんなさい春香、私また…」

春香「もう…叶うといいね、お願い事」


_泣かないよ 届くだろう きれいな空に
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:37:22.32 ID:bsgQHsOC0<>
神社

ワイワイガヤガヤ ピーヒャラピーヒャラ ワイワイガヤガヤ

タコヤキチョウダイ アイヨーマイドアリ ゴヒャクエンダヨ

春香「千早ちゃん、祭りですよ!祭り!」

千早「さっきも聞いたわよそれ」

春香「さ、楽しもうよ!」



春香「カステラ焼きください!」
アイヨーヨンヒャクエンダ アリガトウ

『お姉ちゃん、カステラ焼き買って!』

千早「っ!」


春香「千早ちゃん、チョコバナナ食べる?」ソッチノジョウチャンモイルカイ?

『お姉ちゃん、口にチョコついてるよ』

千早「っ!!」


春香「射的ですよ!射的!」
ウワーハルカサンニンギョウヲトラレターウマイネー

『ほら、僕こんなに取れたよ!』

千早「〜〜〜っ!!」
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:38:54.98 ID:bsgQHsOC0<> ………
……

_会えなくても記憶をたどって
_同じ幸せを見たいんだ

春香「…千早ちゃん?」

千早「何かしら、春香」

春香「どうしたの…千早ちゃん、全然楽しそうじゃないよ」

千早「そんなこt」

春香「今日の千早ちゃんおかしいよ…ボーッとしてるし、なんか辛そうだし」

千早「…」

春香「お腹でも痛いの?今日はもう帰る?」
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:40:20.17 ID:bsgQHsOC0<>
……………………

ズルッ バタン!

優『…っ!』

千早『優!大丈夫?』

優『痛い…痛いよ、お姉ちゃん』グス

千早『優…じゃあ、お姉ちゃんが…』

……………………



千早「…ごめんなさい春香。」

春香「千早ちゃん…?」

千早「少し…ひとりにさせて」クルッ

春香「千早ちゃん!?」

タッタッタッタ…

春香「千早ちゃん!…千早ちゃん」
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:42:07.47 ID:bsgQHsOC0<>
小さな公園

タッタッタッタッ…

千早「はぁ…はぁ…」

千早(…ごめんなさい、春香)

千早(…どうして、こう思ってしまうのだろう)

千早(あの時…声が出なくなって、みんなのおかげで、取り戻すことができて)

千早(やっと…優と向き合えたはずなのに)

千早(どうして…会いたいなんて、考えてしまうの?)

千早(もう、そんな幻想に逃げる必要も、泣く必要もないのに)


_あの香りとともに花火が
_ぱっと開く

ヒュ〜〜〜〜 ドォォォォン…

千早「!」
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:43:06.94 ID:bsgQHsOC0<>
千早(それでも…会いたい)

千早(ごめんなさい優…私は、あなたに、もう一度会いたいの)


_行きたいよ 君のところへ
_小さな手をにぎりしめて


千早(叶うはずもない願いを…私はまた願ってしまったの)

千早(まだ…私はあなたの死と、完全に向き合うことはできない)


_泣きたいよ それはそれは
_きれいな空だった
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:44:45.55 ID:bsgQHsOC0<>
もう一度優に会わせてください。


_願いを流れ星に
_そっと 唱えてみたけれど


千早(ごめんなさい…こんな願いをする私を)


_泣きたいよ 届かない想いを
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:45:32.02 ID:bsgQHsOC0<>








千早(許して、ちょうだい)










_この空に…。
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:47:02.08 ID:bsgQHsOC0<> タッタッタッタッ…

春香「千早ちゃん!!」

千早「!…春香、どうして」

春香「…捜したよ…やっと見つけた…急に…どうしたの…それに…」ゼェ…ゼェ…



春香「そんな…悲しそうな目をして…」

千早「!」




春香「教えたくないなら…それでいいよ…でも…その悲しそうな目を…やめて…」



千早「…ごめんなさい、急にいなくなったりして」
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:47:58.22 ID:bsgQHsOC0<>
千早「ちょっと…優のことを思い出してしまったの」

千早「あの時…もう逃げないって決めたのに。」

千早「みんなが助けてくれたのに…私はまだ、優の死を受け入れていないのよ」ポロ…

千早「もう…優はいないのにね。情けないわよね…」ポロ…ポロ…










ギュッ
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:49:28.36 ID:bsgQHsOC0<>
千早「…春香?」

春香「…千早ちゃんは、ちゃんと優君の死と、向き合っているよ」

春香「あの時千早ちゃんは家に閉じこもっちゃったけど…私、いや私たちのところに帰ってきてくれた」

春香「そして、声を取り戻した。それは、優君と向き合うことができたからだよ」

春香「立派だよ…大切な人の死を受け入れて、今も歌っているんだから…」

千早「だったら…!」

<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:50:45.14 ID:bsgQHsOC0<>


春香「でもね」




春香「優君は、千早ちゃんにとってかけがえのない人でしょ?そんな人の死を、全部一気に受け入れるなんて、」

春香「誰にもできないよ…私だってできっこない」

春香「だから、そんなに深く悩まないでいいと思うよ。」

春香「すぐじゃなくていい…ゆっくり、ゆっくりでいいから。向き合っていけばいいと思うよ」



春香「あはは…私が言っても、説得味がn」ギュッ
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:51:47.09 ID:bsgQHsOC0<> 春香「…千早ちゃん?」




千早「…今すぐじゃなくても、いいのね?」


春香「うん」




千早「ゆっくりで、いいのね?」ポタ…






春香「…うん!」
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:52:37.37 ID:bsgQHsOC0<>


千早「じゃあ…今は、泣いていいのね?」ポタ…ポタ…







春香「千早ちゃん…うん。」









春香「泣きたい時は、思いきり泣いていいよ」
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:54:08.53 ID:bsgQHsOC0<>






千早「ありがとう…」ポタポタ…
















千早「うわぁぁぁぁん…」ボロボロ

春香「よしよし…辛かったね…」ポタ…ポタ…


ドォォォォン…ドォォォォン…
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:55:23.09 ID:bsgQHsOC0<>

結局、夏祭りはまったく楽しめずに終わってしまいました。

更に浴衣だけじゃなく、カステラ焼きまで涙で台無しにしてしまって…春香は笑って許してくれましたが。

その代わり、今度は別の夏祭りに行って、今度こそ楽しむことを約束しました。



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◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:56:45.58 ID:bsgQHsOC0<>












優。
私の一番大切な人へ。
あなたの死を受け入れるのは、まだまだ先になってしまいそうです。
でも、大丈夫。
今度は、絶対に逃げないと決めたから。
ゆっくり、受け入れていこうと思います。
次の墓参りには、何かお祭りのお土産を持っていくから、
楽しみにしててね。
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◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 01:58:14.62 ID:bsgQHsOC0<>







最後に。
私を、これからも天国から見守ってください。
そして、聴いてください。
あなたへ、いや、













みんなへ届ける私の歌声を。


〜おしまい〜
<>
◆lxd9gSfG6A<>saga<>2014/07/21(月) 02:02:30.30 ID:bsgQHsOC0<>
ありがとうございました。
お気づきの方もいると思いますが、
大塚愛さんの「プラネタリウム」が題材となっております。もう10年近くも前の曲なのですね…

最初に書いてなくてすいませんでしたが、物語はアニマス25話のしばらく後となっております。

HTML申請についてはお昼くらいにやろうかと思います。

本当にありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/21(月) 02:16:51.64 ID:oQ/NW6K/o<> 乙
良かったよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage <>2014/07/21(月) 02:36:52.32 ID:zKBulbX8O<> 良かったよ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/21(月) 03:02:39.80 ID:ZsdCT2yDO<> 優「気持ち悪い…こんな姉さんじゃない!ただのクズ!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/21(月) 11:06:54.17 ID:4BjAMyjv0<> >>34
消えろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/21(月) 18:48:04.96 ID:TRVllGxAO<> >>34
闇に抱かれて眠れ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/25(金) 15:43:48.91 ID:fA9Llb7fO<> >>34
毎回微妙に吹くわ <>