VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/21(月) 19:01:39.33 ID:8Z5rK20Q0<> <お山の麓> 

少女「ああ今日も、また面倒な山菜採りだわ」

少女「本当はサボりたいけれど、それはあの厳しいババッ……様が許さないの」

少女「ああ…! あたしは居候の身だから、しかたないと割りきって、せっせせっせと山菜採り……」

少女「……ちょっと独り言が過ぎたかしら」


少女「さあさあ、お仕事っと!」

少女「……」セッセッ

少女「……あれ、何か臭いが」クンクン

少女「? ……獣臭い!」

少女「こっちかしら、と」トテトテ

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<>少女「あたしは可憐で不幸な乙女」 魔獣「……ガルル」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/21(月) 19:07:51.53 ID:8Z5rK20Q0<> ヒュオオオ…!

少女「……これは、洞穴ね」

少女「臭いがするのはこの奥のようだけど」

少女「どれどれー……」ソーッ


魔獣「……?」クルッ

少女「あら、真っ黒いのはあなたの背中だったのね」

魔獣「…!」サッ

少女「ああ、身構えなくとも、大丈夫……あたしは、ほら!」クルン

魔獣「?」

少女「猟銃なんて、持ってない」

少女「だからこっちへ、おいでなさい!」テマネキ

魔獣「……」ジーッ


少女「強情ねあなた……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/21(月) 19:16:29.64 ID:8Z5rK20Q0<> 少女「いや、臆病ねっ!」

魔獣「…っ」ピクッ

少女「勇ましい前肢、構える尻尾、待ち受ける牙……それらはみんな、弱虫についているのね」

魔獣「ぐ……ぐる」

少女「かわいそう、いや、可愛そう?」

魔獣「ぐおっ…!」


魔獣「グルルゥー!!」ガーッ

少女「うわっ、割りと大きい声なのね」

少女「あなたにもプライドはあるのかしら」

魔獣「……」コクッ

少女「ふーん……というか、あなた」

少女「人語を解するの?」

魔獣「!!」シマッタ


少女「ふふっ、面白い!」

少女「じゃあ、あなたは今日から、あたしの話し相手ね!」

魔獣「ガッ……ガオーン!!」ブルブル <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/21(月) 19:25:26.78 ID:8Z5rK20Q0<> 少女「それじゃあ、さっそく」

魔獣「……」

少女「あなた名前は?」

魔獣「…!」ブンブン

少女「一体、いつからここに?」

魔獣「…!」ブンブン

少女「年齢は?」

魔獣「……」ブン

少女「……性別は?」

魔獣「! ……ガウッ!!」コクコク

少女「……」


少女「もうっ! 会話にならないじゃない!」

少女「あたしは一体誰に話し掛けてるのか、分からないわ!」

魔獣「クゥーン」

少女「……まあ、そろそろ時間だし帰るわ」

魔獣「!」

少女「また明日ね、『よわけ』」

魔獣「……?」

少女「ああ、これは名前よ。弱い獣で、『よわけ』」

魔獣「ガッ!!」

少女「ふふっ」クスクス


少女「また!」フリフリ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/21(月) 19:41:53.75 ID:8Z5rK20Q0<>  <藍色の屋敷> 

少女「戻りました」

夫人「……あら、貴女はぁ?」

少女「……えっ」

夫人「こんな小汚ない娘、見に覚えがァ……」

少女「……」

夫人「あっ、思い出しましたわ! あなたは嵐の日、うちの主人に倒れてるところを救われてやってきた、居候さんですねえ!?」

少女「……はい」

夫人「うふっ、ご苦労様……あとはいいから、お風呂にでも入りなさい? 獣臭いですよ…!」

少女「あ、ありがとございます」


少女 (ムカつくわ! この年増貧乳低血圧!!)

少女 (あたしにさえ劣る胸の分際で…! 挑発を…!)プルプル

少女「……」ウーン


少女「まあ、汚いのは事実ね。シャワーでも浴びようかな」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/29(火) 07:31:20.39 ID:zI8YD3Wzo<> あれ? <>